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令和4年6月定例会(第2日) 本文
令和4年6月定例会(第2日) 名簿

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  1. 佐賀県議会 2022-06-02
    令和4年6月定例会(第2日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     ○ 開     議 ◎議長(藤木卓一郎君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。     ○ 報     告 2 ◎議長(藤木卓一郎君) まず、諸般の報告を行います。  上程中の議案のうち、乙第三十三号議案につきまして、地方公務員法第五条第二項の規定に基づいて、人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配付いたしておりますとおりの回答がありました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 人委第二九一号 令和四年六月十四日  佐賀県議会議長  藤 木 卓一郎 様                佐賀県人事委員会委員長 伊藤 正    地方公務員法第五条第二項の規定に基づく意見について  令和四年六月九日付け佐議第四四六号で意見を求められた左記議案については、異議ありません。         記 乙第三十三号議案 佐賀県職員特殊勤務手当支給条例の一部を改正する          条例(案)      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3 ◎議長(藤木卓一郎君) 以上、御報告いたします。  日程によりまして、一般質問を開始いたします。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 4 ◎石倉秀郷君(拍手)登壇=おはようございます。自由民主党の石倉でございます。
     質問の前に、コロナ関係で病院に入院をされておる方、また自宅療養をされておる方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、早期回復を御祈念させていただきたいというふうに思います。  さらには、病院関係の皆様方、県関係の職員の皆さん方には毎日大変御苦労をおかけしておりますが、今後とも八十万県民のために引き続き御支援、御協力を賜りますことをお願い申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。  今回、県政を振り返ってみますと、山口知事におかれましては、平成二十七年一月十七日着任早々、有田で発生しました鳥インフルエンザ、二十九年二月四日には、我がふるさと江北町で発生しました鳥インフルエンザ、前途多難な県政ではないかなと私も大変危惧をしたことを今走馬灯のごとく脳裏に思っておるところでございます。さらには、国政課題、新型コロナウイルス感染症対策や災害対策など、多くの課題に二期七年六カ月近く取り組んでこられております。  私としては、これまでの知事の対応については、通信簿一、二、三、四、五でいえば、三・五から四・五、平均をすれば四を超えるんじゃないかというふうに思っております。点数でいえば八十点。  今回は六月定例会一番初めの登壇となりましたが、関係者の皆さん方に厚く御礼を申し上げます。  県政の重要課題について六項目、そして多くの県民が関心を持っておられる知事の三期目への出馬について一項目、計七項目を質問させていただきたいと思っております。山口知事の明快で県民に分かりやすい御答弁を期待させていただきます。  まず問一は、佐賀空港の自衛隊使用要請への対応についてお尋ねいたします。  佐賀空港の自衛隊使用要請については、これまで紆余曲折ありましたが、昨年の十二月十四日に有明海漁協の西久保組合長が知事を訪問され、計画予定の排水対策、計画予定地の土地の価格の目安、計画予定地西側の土地取得の考え方といった三項目の事項に対して防衛省の考えが示されることを条件に、覚書付属資料の見直し手続を行うとの回答文書が提出をされました。この回答文書を受け、十二月二十二日には、知事が岸防衛大臣を訪問し、これまでの経過を含め、有明海漁協の思いを伝え、真摯に対応していただくよう要請をされたと承知しております。  本年一月からは、有明海漁協から示された三条件の解決に向け、有明海漁協、防衛省、県の三者による協議会が開催され、防衛省の検討状況の確認等が行われ、今月六日に開催された三者協議において、三条件に関する防衛省の考えがおおむね確認されたと聞いております。  今回の防衛省の要請は、我が国の国防のためということのみならず、大規模災害、救急が発生した際に迅速な人命救助が図れるという側面を持ち合わせ、佐賀県の将来的な発展や有明海再生を思えば、確実に進める必要があると私は考えております。  今後、有明海漁協の検討委員会に対し防衛省の考えが示され、漁協に理解をいただく重要な局面を迎えると認識をしております。そして、漁協の理解が得られれば、覚書付属資料の変更という一段進んだ次のステージに進むことになるのではないかと思います。ここは県としても、知事としてもしっかり取り組む必要があるというふうに思っております。  知事は、スケジュール感を含め、どのように考えておられるのかお伺いをいたします。  二項目め、有明海の再生についてお尋ねをいたします。  諫早湾干拓事業の開門問題については、令和三年四月二十八日に福岡高裁が「和解協議に関する考え方」を示し、協議を求めたが、国がこれに応じず、本年三月二十五日、判決が言い渡されました。その内容は、平成二十二年の確定判決に基づく開門の強制執行は権利濫用で許されないというもので、開門を求めておられる方々は判決を不服として四月八日に最高裁に上告されました。私としては、今後、最高裁が上告をどのように取り扱うのか注目をしておるところであります。  一方で、漁業者にとって水産資源の回復は待ったなしであります。有明海は、頻発する赤潮や夏場の貧酸素水塊などの環境変化により、二枚貝については、ウミタケは十六年連続、再生のシンボルでもあるタイラギは十年連続休漁と厳しい状況が続いております。  また、基幹漁業であるノリの養殖は、漁業者をはじめとする関係者の皆様の努力により、令和三年度漁期で十九年連続日本一の生産枚数、生産金額は達成されたところであります。しかし、西南部地区と呼ばれる白石町から鹿島市、太良町の沿岸のノリ漁場では毎年のように色落ちが発生し、非常に厳しい状況が続いております。特に令和三年度の西南部地区の生産状況は、漁期を通して断続的に発生した赤潮による色落ち被害のため、生産金額が西部地区は例年の五割に、南部地区は一割に満たない深刻な結果となっております。  漁業者の皆さんは心も体も疲弊し切っており、若い漁業者の中には、このままでは廃業も考えなくてはいけないという声すら聞こえます。知事自身もこれまで様々な機会に漁業者の切実な声を聞かれたと思います。  開門問題をめぐる裁判では、開門を認めない判断が続き、開門調査の実現は厳しくなっていると思いますが、県はどのように対応していくのか、今の有明海の現状をどのように捉え、いまだ道半ばである有明海の再生にどのように取り組んでいくのか、知事の思いを聞かせていただきたいと思います。  三項目め、玄海原子力発電所についてお伺いをいたします。  玄海原子力発電所では、山口知事が就任した平成二十七年一月以降、設備の故障、工事現場での火災や作業員の負傷など、複数のトラブルが発生しております。特に令和に入ってからは九件も発生をし、このようなトラブルが繰り返されることは県民に大きな不安を与えることにつながり、大変憂慮しております。  県は、これらのトラブルについて、昨年十一月に九州電力に、原因を根本から幅広く検証し、対策を講じることを要請し、これに対して九州電力からは、今年の二月に検証結果等の報告があったと聞いておりますが、報告があって終わりとするのではなく、九州電力に引き続きしっかりと安全対策を徹底していただくようお願いしていただきたいというふうに思います。  現在、玄海原子力発電所では、三号機と四号機が定期検査中でありますが、定期検査に係る様々な作業と並行して特定重大事故等対処施設や緊急時対策棟などの設置工事も進めておられると聞いております。県民の安全・安心のためには、発電所構内の全ての作業において安全に万全を期すよう、県はなお一層、九州電力に求める必要があると考えております。  知事は、玄海原子力発電所について、今後どのような姿勢で対処されるのかお伺いをいたします。  四項目め、九州新幹線西九州ルートについてお尋ねをいたします。  国土交通省との「幅広い協議」が始まって二年が経過をいたしました。この協議は、赤羽前国土交通大臣からの呼びかけで始まり、これまでに六回の協議が行われております。  山口知事は、この新幹線問題に関して、この状況を招いたのは国の責任であり、佐賀県から打開する立場にはないと県議会で幾度となく答弁をされております。私もフリーゲージトレインの開発を一方的に断念して現在の状況を招いたのは国の責任だと思っております。  佐賀県からこの問題を打開する立場にはないということも十分理解できますが、新鳥栖-武雄温泉間の在り方については、フル規格での整備を望む意見やフリーゲージトレインの可能性を追求する意見、また、今の対面乗りかえのままでよいとする意見など、県民の中にも様々な意見がありますが、佐賀県や佐賀県民の将来にとって一番いい選択ができるよう、しっかりと議論をしていただきたいと思います。  九月二十三日には武雄温泉-長崎間が開業いたします。開業によってこの地域が注目されるとともに、新鳥栖-武雄温泉間は現在の形のままなのか、あるいは何らかの新しい形になるのかなど、県民の皆様の関心も高まっていくと考えております。今後の議論についても注目されるものと思っております。  ついては、この議論についてどういう姿勢で取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。  五項目め、県内の在来線鉄道についてお尋ねをいたします。  県内の在来線鉄道は、長崎本線をはじめ、唐津線、筑肥線、佐世保線、松浦鉄道など、県内各地で多くの生活の足、通勤通学の足として利用されております。在来線は、一言で言えば県民の暮らしを支える基盤であり、あらゆる活動にとって不可欠なインフラです。  報道によると、今年四月にはJR西日本が、輸送密度が二千人未満の線区の収支を公表し、このような線区では鉄道の優位性を発揮できないとして、ほかの交通機関への転換などを含めた議論を求める考えを示しておられます。JR九州でも、今年三月から駅体制が大幅に見直され、県内でも新たに六駅、西唐津、東唐津、鍋島、牛津、相知、多良が無人駅になるなど、在来線の維持について早急に議論すべきと考えております。  私たちは、在来線の維持については、県内市町及び各種団体も巻き込み、地域住民の意見にも耳を傾けながら、財源を確保することを含め、議論を行っていくべきだと考えております。我が自民党会派においても、今年三月に「佐賀県在来線鉄道の将来を考える会」を設立したところであります。  県としても、県民の足である在来線が抱える様々な課題に対してしっかりと取り組んでいくべきだと思いますが、在来線に対する知事の考えについてお伺いをいたします。  六項目め、「SAGA2024」についてお尋ねをいたします。  「SAGA2024」国スポ・全障スポについては、当初二〇二三年の開催だったところ、新型コロナ感染症の影響により一年延期になり、その準備にも少なからず影響があったのではないかと考えております。  このような状況においても、既に大会会期が正式に決定し、各競技会の会場となる施設の整備も進むなど、開催に向けた準備が日々着々と進んでいると感じております。同時に、いよいよ開催まで二年余りとなりました。佐賀の地で開催される初めての国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会を成功させるためには、八十万県民総参加で取り組んでいく必要があると感じております。  そこで、今後ますます準備が本格化する中、佐賀でしかでけん大会の実現に向けた知事の思いについてお伺いをいたします。  七項目め、三期目の出馬についてお尋ねをいたします。  既に一部の新聞などにおいて報じられておりますが、自民党会派を代表して質問をいたします。  山口知事は、平成二十七年一月に就任後、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念とされ、「現場」「ミッション」「プロセス」をキーワードに掲げ、県政を前に進めるために政治家山口祥義として取り組んでこられたと思います。また、知事の二期目、三年半を振り返ると、令和元年と令和三年に発生した豪雨災害からの復旧復興や「プロジェクトIF」などの防災対策、新型コロナウイルス感染症対策など危機管理に取り組んでこられました。  昨年十一月に佐賀新聞が実施した県民世論調査では、約八割の県民が山口県政を評価しているという結果が出ております。私も知事のリーダーシップや県民に寄り添った県政運営を高く評価しているところであります。特にコロナ対策については、目配り、気配り、心配りを大切にしながら、チーム佐賀、オール佐賀で取り組んでこられたところであります。引き続き、医療関係者などとしっかりと連携して対応に当たっていただきたいと思います。  二期目の任期は僅かとなりましたが、知事にはこれまでのように一つ一つ丁寧に取り組む姿勢で課題解決に当たってほしいと考えております。佐賀空港の自衛隊使用要請九州新幹線西九州ルートの整備など残された国政課題についても、今後、知事がどのように判断していくのか注目をしております。  自民党県議団の中には、国策を含め、知事の県政運営については厳しい評価があるものの、二期目全体ではバランスの取れた山口県政ではないかと評価をする人も多く感じられます。  残り半年、議会での議論は県民の意思であることを旨とし、二元代表制を堅持しつつ、改めてチーム佐賀、オール佐賀で県政運営に取り組むべきだと思います。  六月八日には県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、県看護協会でつくる県四師会の代表の皆様や、また、六月十日には県市長会及び県町村会の会長の方々が知事に三期目の出馬を要請されたと聞いております。四月には、十二月十八日に知事選の投開票が行われることが決定されております。知事選まであと半年余りとなった今、三期目の出馬について多くの県民が注目しております。  平成三十年六月定例県議会において、二期目の出馬に向かって木原議員が質問された際にも紹介されましたが、佐賀藩第十代藩主鍋島直正公は、自ら質素を旨とし、「先憂後楽」を座右の銘とされた。これは常に先立って国のことを憂い、民が楽しんだ後に自分が楽しむという意味であります。議長室にも掲げてあり、知事には今までもですけれども、今後もぜひこの言葉を胸に刻み、県政運営に取り組んでもらいたいと強く思っております。  そこで、知事は二期目の県政運営をどのように総括し、そして、三期目への出馬についてどのように考えておられるのかお伺いをいたします。  以上、山口県政二期目の総仕上げの時期に三期目の出馬意欲を含め、七項目についてお尋ねをいたしました。  私は、「千慮一失」という言葉を常に心に留めております。これは絶対に失敗しないと思われた賢明な人でも失敗をすることがある、または十分に考えて準備をしていても思わぬ手抜かりがあるという意味であります。  これは山口知事も御存じだと思いますが、渡邉読売新聞社社主が一リーグ制を導入しようとしたときに、セ・パの選手会長が古田さんだったと思いますが、この方々に対して「たかが選手」と言ったことが、前と後ろは切られても、この一言によって一リーグ制がなくなったというふうに私は聞いております。  これは冒頭述べたとおり、私の中での知事の通信簿は三・五から四・五、平均すれば四を超えると思いますが、知事の残りの任期、通信簿をさらに高める評価がなされるよう、千慮一失を思いつつ県政運営に取り組んでいただくことを願いながら、平成二十六年十二月十二日、佐賀の乱の前前々夜のことを思い出し、私はよくぞ県政運営を前に進め今日を迎えることができたなと思いつつ私の質問を終わります。(拍手) 5 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。石倉秀郷議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港の自衛隊使用要請の対応についてお答え申し上げます。  防衛省からの要請について、有明海漁協では昨年十二月、計画予定地の排水対策など三つの事項に対して防衛省の考えが示されることを条件に、県と交わしている公害防止協定覚書付属資料の変更について応じるとの重い判断をいただきました。大変感謝をいたしております。  西久保組合長から回答文書を頂いた一週間後に、岸防衛大臣を訪問し、これまでの経緯も含め、漁協の皆さんの思いを伝えるとともに、真摯に対応いただくよう要請いたしました。岸大臣からは、漁協の皆様の声をよく聞きながらしっかり対応したい旨の話がございました。  有明海漁協から防衛省に対して示された三条件の解決に向けましては、漁協、防衛省及び県の実務者で構成する三者協議会を本年一月からスタートさせまして、これまでに四回開催し、三条件に関する防衛省の検討状況について協議がなされました。  協議を進めるに当たりましては、県から防衛省に対して、有明海漁協の思いをしっかりと伝えるとともに、協議の中で防衛省から示された検討内容に対し、さらなる検討、修正を促すなど、県としての役割を果たしてまいりました。  そして、今月六日の三者協議会において、防衛省の考えについておおむね三者で確認できたところでありまして、今後、七月をめどに有明海漁協の検討委員会に報告、説明ができるように調整を進めております。  防衛省からの要請以来、様々な議論を重ね、着実に取組を進めてまいりましたが、今が非常に大切な時期だと認識しています。丁寧に行わなければなりません。漁協検討委員会において、事業主体である防衛省には漁協の皆さんの思いに寄り添って説明を尽くしていただきたいと思います。県といたしましても、漁協の皆様の御了解が得られるように、さらに調整を行ってまいります。  次に、有明海の再生についてお答えします。  有明海は宝の海と呼ばれ、豊かな恵みを与えてきました。有明海は佐賀県の財産であり、誇りであります。そして、漁業者の皆さんは、代々その有明海を守りながら漁業をなりわいとされてきました。  有明海では、平成九年の諫早湾潮受け堤防締切り後から、海の状況、海況が変化し、二枚貝などの漁獲量は年々減少しております。漁業者の皆さんは、先が見通せない状況に不安を抱きながら漁業を続けられています。  開門を命じた平成二十二年の確定判決は、漁業者にとっては有明海の環境変化の原因が究明され、宝の海・有明海の再生につながるのではないかと一筋の光明であったと思います。しかしながら、いまだ開門は実現しておりません。  令和四年三月二十五日、福岡高裁請求異議訴訟差戻し審において、平成二十二年の確定判決に基づく開門を許さない旨の判決が言い渡されました。開門を求める漁業者側は判決を不服として、四月八日に上告しております。今後、裁判の動向を注視していきたいと思います。  有明海の再生のためには、開門調査を含む有明海の環境変化の原因究明が必要という思いはいささかも変わりありません。本年六月七日に行った国への政策提案においても、農林水産省の中村副大臣に対して、水産資源の回復に向けた取組の拡充強化とともに、開門調査を含む有明海の環境変化の原因究明を求めました。今後も、有明海の再生に向け、国に対してはその必要性をしっかりと訴え続けていきたいと思います。  有明海における漁業の状況は非常に厳しく、再生は急務です。私も地元漁業者から様々な場で有明海の厳しい現状をお聞きしてまいりました。特に最近では五月二十三日に西南部地区のノリの不作対策に関する要望を受けた際に、有明海漁協組合長とともに来られた西南部地区の青年部の皆さんから切実な声をお聞きしました。五人の子供がいるが、今回の大不作について子供たちにまで心配をかけているのが情けなく悔しい。このままでは将来子供たちにノリを継がせられないなどなど、西南部地区の苦しい状況がひしひしと伝わってまいりました。  こうした厳しい現状を聞くたびに、何とか漁業者の皆さんが実感できるような水産資源の回復を図りたいと強く思っておりまして、私からは、できることを全力で行っていくとお答えしたところです。  県では、これまでもタイラギ、アゲマキなど二枚貝の増殖や赤潮対策によるノリ養殖の安定生産など、再生に向け、様々な取組を実施してまいりました。これからも実施してまいります。特に令和三年度の西南部地区のノリ不作を受け、早急な対策として、赤潮の原因であるプランクトンを捕食する二枚貝サルボウの稚貝の放流、海底の泥を掘削する作澪など潮流改善に向けた取組を効果的に実施するための塩田川河口の潮流シミュレーション、こうしたものに係る予算を今議会に提案させていただいております。  宝の海・有明海の再生は、国、県、市町、漁業者など、有明海に関係する者皆で取り組む課題です。今後とも関係する皆で力を合わせ、有明海の再生に向けしっかり取り組んでいきたいと思います。  続きまして、玄海原子力発電所についてお答えします。  玄海原子力発電所では、令和元年から二年にかけて五件のトラブルが発生いたしました。県からの求めによって九州電力は総点検を実施しております。その後、一年もたたないうちにさらに四件のトラブルが発生したために、昨年十一月に県から九州電力に対して原因を根本から幅広く検証するように強く求めました。  九州電力からは、今年二月に、トラブルが続く背景や要因、再発防止策について報告がありました。この報告を受けて、南里副知事を玄海原子力発電所に派遣して、再発防止の取組を現場で確認するとともに、九州電力に対して改めて原子力発電は何よりも安全が最優先であって、さらなる安全対策に不断に取り組むことなどを強く求めたわけであります。  今後とも、九州電力の取組を注視し、九州電力に対しては、常に緊張感を持ち、何よりも安全を最優先に慎重の上にも慎重に取り組むことを強く求めてまいります。  私はこれまで、原発立地県の知事として県民の安全を何よりも大切に、玄海原子力発電所と真摯に向き合ってまいりました。この姿勢はいささかも変わりません。玄海原子力発電所とは、これからも長い年月にわたり関わり続けなければなりません。今後とも、県も含め全ての関係者の中に気の緩みが生じることがないように万全を期していきたいと考えています。  続きまして、九州新幹線西九州ルートについてのお尋ねがございました。  西九州ルートは、これまで新鳥栖-武雄温泉間は在来線を利用することを前提に関係者間で合意を重ねながら進められてまいりました。そうした中でフル規格については合意しているものは何もなく、簡単な話ではありません。在来線の利便性低下、多額の建設費負担、ルートはどうなるのか、そしてどういう影響、メリット、デメリットがあるのかなど様々な論点があり、しっかり議論する必要があると考えています。  国土交通省は、佐賀駅を通るアセスルートでのフル規格に固執されているように思います。議論がなかなか進展しない状況です。現在、改めて三つのルートについて、佐賀県はもとより、九州の将来展望にどのようにつながっていくのかなど、国土交通省としての考えを求めているところです。幅広く議論しましょう。  佐賀県に鉄道が敷かれて百三十二年、ほぼ当時のルートのまま鉄道が存続しており、それに基づくまちづくりが行われております。仮に新たに整備することになれば、また鉄道の歴史と同じように、将来を見据えて財政負担のことはもとより、そのメリット、まちづくりへの影響など、長期的、幅広い視点で考える必要があると思います。将来の佐賀県のために納得できる形があるのかどうかということを見極めながら判断しなければならないと私は考えます。  西九州ルートの問題は、県民生活や佐賀県の将来に大きく影響するものです。ひたすら佐賀県と佐賀県民の今と将来を考え、何が望ましい姿なのか、大きな視点を持って幅広く骨太に議論させていただきます。  続きまして、在来線鉄道についての考えを申し上げます。  石倉議員からお話ありましたように、在来線は通勤通学など多くの県民の日常生活を支える足でありまして、非常に大切なものです。  しかしながら、人口減少やマイカー利用が前提の生活習慣などによって、一部の路線では利用者数が年々減少しています。さらに、近年はコロナの影響で利用者数の減少に拍車がかかっている状況もございます。  そうした状況にあって、鉄道事業者の経営合理化が進み、列車の運行本数が削減され、また駅体制も見直され、県内では約七割の駅が無人駅となっている状況です。  鉄道事業者に対して様々な要望をしているわけですけれども、ただ、そうした在来線の維持や利便性の確保を要望するだけでは問題の解決にはならないことを我々も認識すべきではないかと私は考えます。  まずは利用すること。子供たちも含め、マイカーに過度に依存し過ぎて、鉄道やバスなどの公共交通機関を使ったことがない人もいる中で在来線が不便になっているという声を聞きますが、みんなが使うことに思いをはせることも大切なことです。  県では、県内を走る唐津線、筑肥線の全車両に人気ゲームソフトのラッピングを施したロマ佐賀列車をこの十月から運行させます。観光列車の誘致も行います。また、「HAMA BAR」のオープンなども行いました。県外からの誘客と、そして地元利用の促進に市町などと一緒になって取り組んでいきたいと思います。  議会の御理解も得て、無人駅対策事業費補助事業も構築させていただきました。五月二十七日に開催したGM21においても、各市町の首長に対し、公共交通機関を我々自身が活用していく必要があることも呼びかけさせていただきました。  このような状況の中で、この三月、県議会議員の皆さんが「佐賀県在来線鉄道の将来を考える会」を設立されたことは大変すばらしいことだと思います。在来線の利用促進も含めて、将来の在り方についてしっかり議論いただけるとありがたく思います。  県民の皆様にも、まず自分たちが利用してみるという意識を持っていただけるように、鉄道をはじめ公共交通機関を、乗って支えるための取組を進めていきたいと思います。  続きまして、「SAGA2024」に向けた私の思いについてお答えさせていただきます。  私は、最初の知事選に出馬するちょうど四カ月前、二〇一四年八月にシドニーへ出張に行きました。これは二〇一九年のラグビーワールドカップの準備に向けたスタジアムやスポーツ施設の調査のためだったんですが、このとき現地スタッフの一人からとても大切な話を聞きました。それは、一つだけ後悔していることがある。それは自分たちがオリンピックスタジアムを、オリンピックを成功させるために造ってしまったので、今思えば仮設でよかったものが幾つもある。その先を考えてスタジアムを造ればよかったなという後悔という話でした。そのスタジアムはシドニー郊外にあるわけですけれども、その当時の状況と対照的に、町なかに老若男女が日常的に集い、スポーツなどを楽しんでいる複合施設、ムーア・パークというのがあるんですけれども、こちらのほうはまた違った状況で、ふだんから州民に親しまれている状況でございます。  この話は、知事になる直前のとても印象深い原体験として残っておりまして、やはり施設、ハードというのはついつい大きなイベントというものを視点に入れてしまうわけですけれども、むしろその先の将来の利活用のほうから導いてイベントを考えていくという手法のほうが大切なのではないかという重要な教訓となったわけであります。  だからこそ、「SAGA2024」を契機として進めておりますアリーナをはじめとするSAGAサンライズパーク、そして県内の各施設の整備は、将来にわたって本県の発展に結びつけることが何より大事との強い思いで推進しています。  今回の整備は、佐賀県にとって昭和五十一年若楠国体以来となる大きな投資であります。各施設とも将来へ向けてしっかり考えていくように、各市町とも話をしております。とりわけメイン会場となりますサンライズパーク、SAGAアリーナについては、大会終了後もスポーツだけではなく、コンサート、エンタメ、そしてこれまで佐賀では実現できなかった大規模な会議や展示会などのMICEの拠点として様々な価値を生み出すようにつくり出されております。  もう一点は、ソフトの取組として、新しいスポーツ文化やスポーツの力で地域振興を行うSSP構想をハード整備と相まって推進していることです。先催県のように、その大会だけ選手が輝くということでは私はいけないと思います。  SSP構想は、アスリートの人生にコミットする構想です。アスリートだけでなく、誰もが「する」、「観る」、「支える」、「育てる」という自分のスタイルでスポーツに関わり、新しい文化を創って、それがアスリートの人生にも貢献するという新しい仕掛けです。スポーツ界全体を持続可能性があるように盛り上げていく。世界のどこにもない、佐賀だからこそできる唯一無二の取組でございます。  SSP構想というソフトと「SAGA2024」をきっかけに行うハードの整備が一体となってストック効果を生み出し、佐賀県の将来に向けて意義のある投資としたいと考えています。  さらに、佐賀は国体が国スポに生まれ変わる始まりの地となります。実は四月に遠藤利明元オリパラ大臣と日本スポーツ政策推進機構の河野一郎さんから私のほうに連絡がありました。「SAGA2024」から、国と佐賀県が一緒になってスポーツホスピタリティーに取り組み、新たなスポーツビジネスを創出しようじゃないかというお声がけでした。先般、六月七日に閣議決定された、いわゆる骨太の方針にもこのスポーツホスピタリティーが盛り込まれております。将来を見据えてスポーツに取り組む佐賀県でありたいと、改めて骨太の方針を見ながらその思いを強くしたところでございます。  今こそオール佐賀で知恵と力を結集し、SSP構想を推進する佐賀だからこそできるスポーツ文化の新時代をつくり出したいと思います。
     将来にわたって佐賀に競技力が根づくような戦い方で天皇杯を獲得し、「SAGA2024」を契機に、新しい大会、佐賀でしかでけん大会、こうしたものにふさわしい様々な仕掛けを佐賀から生み出し、将来に向けて世の中のスポーツシーンを変えていきたいと思います。  最後に、三期目の出馬に対する思いについて、まず二期目の総括について申し上げます。  私は知事就任以来、人を基軸に考えることで佐賀を輝かせていきたいという思いを込めて、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念に県政を推進してきました。  一期目では、多くの現場を訪ね、県民の皆さんとお会いし、暮らしの中から生まれる様々な声をお聞きしながら、「肥前さが幕末維新博」を開催したほか、「子育てし大県”さが”」、SSP構想、自発の地域づくり、「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」など、世界の趨勢の中で佐賀の未来を見据えて、佐賀の価値が開花するようにいろんな種をまいてまいりました。  また、お尋ねの二期目においては、こうした構想を具体化するため、ハード事業も織り交ぜながら県政を前に進め、これまでの取組は芽を出し、着実に育っていると私は考えています。  そして、この二期目の三年半は、議員からもお話しいただいたように、何よりもこの新型コロナウイルス感染症と毎年発生する豪雨災害の対応に日々全力で取り組ませていただいたところです。人の命を守ることを最大のミッションに、県民の皆様や市町、関係機関とともに、「プロジェクトM」ですとか、「プロジェクトIF」ですとか、先手先手で佐賀らしいやり方で取組を進めてまいりました。  さらに、佐賀の将来にとって大切なこと、必要なことについては果敢に決断、挑戦し、実行に移してまいりました。幾つか例を挙げますと、SSP構想と相まったSAGAサンライズパークの整備については申し上げましたが、そのほか、県議会、それから現場の声を直接聞いて、医療的ケア児ですとか多胎児家庭の支援、「さがすたいる」とか、いろんな皆さん方に寄り添った施策を速やかに展開させていただきましたし、災害発生時の初動に大きな力をもたらす消防防災ヘリコプターを導入しました。離島の皆さん方にも大変喜んでいただきました。  さらに、社会資本整備では有明海沿岸道路、佐賀唐津道路、Tゾーン、伊万里港の整備など、インフラの整備が着実に進んでおりますし、企業誘致のほうも就任以来は百七十七件、約五千七百人ということ、さらに本県ならではのCSO誘致ということで、それは今となっては佐賀県のお家芸となっております。  さらに、全国初の産業DX推進ハブ、産業スマート化センターの支援による業務変革に成功する企業がたくさん出てまいりました。  さらに、農林水産業も環境が大きく変わっています。食料自給率、カロリーベースで佐賀県は非常に大きな我々の強みとなっておりますけれども、さらに稼げる農業ということで園芸農業などに力を入れるように「さが園芸888運動」を展開しております。  ウッドショックも、これはむしろチャンスと捉えて、「さがの林業再生プロジェクト」、さらに新品種の「いちごさん」、「にじゅうまる」、「サガンスギ」ということで、試験場との連携もさらに進んでおります。  そのほか、九州佐賀国際空港における新規路線の誘致、空港施設の機能強化、「SAGATOCO」を導入して歩くライフスタイルを仕掛けていったりと、それぞれ各分野において戦略的な構想の下でハード整備も着実に前に進めている状況というふうに考えております。  石倉議員からもお話があった国政課題への対応についてです。  いわゆる国政課題というものは、佐賀県の将来に大きく影響するものです。関係する方々の思いを受け止め、丁寧にプロセスを踏んで進めてまいりました。  原発については、何よりも安全を第一にということでございます。三、四号機はいろんな検証をして再稼働に、一、二号機は廃炉ということになりました。日々常に緊張感を持って取り組んでおります。  城原川ダムにつきましては、これは長年つらい思いをした水没予定地の皆様方の気持ちに寄り添うことが第一ということで、こちらのほうも着実に推進させていただいております。  新幹線の問題については、先ほど申し上げましたけれども、将来を見据えて大きな視点を持って幅広く、骨太に議論させていただきたいと思います。  佐賀空港の自衛隊使用要請については、漁業者の皆様の思いをしっかり受け止め、丁寧に進めております。  このように一日一日を全力で刻み、様々な課題に真摯に愚直に真っすぐに取り組むことで県政を前に進めてまいりました。そして、我々の佐賀県職員、関係するメンバーも山口県政の考え方というものが、真っすぐに情報公開しながらやっていくというこの姿に、非常にみんなの気持ちが一つになってきたという思いをこの七年半の中で実感しているわけでございます。  今、世界は激動の中にいます。コロナに加えて、ウクライナ情勢が大きな影を落とし、そうした中で世界の流通が混乱し、日本でも燃油、原材料費の高騰など、先行きが見通せない状況です。また、世界の気候変動により、大きな災禍が各地で発生しています。環境面に配慮した新たな取組や新たなライフスタイルの確立が急務です。こうした世界の情勢を鳥瞰的に見て、これからも変革のときに役割を果たしてきた誇りある佐賀県という視点でこれを捉えなければいけないと私は思います。  佐賀県という可能性にあふれる土壌で、これまでの取組が芽を出し、着実に育っております。  私は知事に就任して以来、県民の命を守るというミッションと絶えず向き合い、全身全霊を注いでまいりました。そして、コロナ、豪雨災害から県民の命を守るため、チーム佐賀、オール佐賀でエールを送り合いながら、強い思いで全力で取り組んでいます。  さらに、来るべき国スポ・全障スポに向けましては、「すべての人に、スポーツのチカラを。」を届ける大会の実現に向け、準備を進めております。  今回、共にコロナと戦い続けております県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、県看護協会の四師会のメンバー、そして災害対応を含めてGM21でも共に戦っております市長会と町村会の仲間から三選の出馬要請をいただきました。私は大変感激いたしましたし、重く受け止めさせていただきました。  こうしたことから、私は県民の皆様とともに、世界に誇れる佐賀県を実現するために年末の佐賀県知事選挙に再び挑戦する決意をさせていただきました。  人はそれぞれ思いや痛みを持って生きています。「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」、大好きな佐賀県民とともに、コロナの先にやがて来る新しい社会において、新たな価値を生み出し続ける佐賀県をつくっていきたいと思います。  今ある課題にしっかり取り組みながら、時代の流れを見定め、広い視野で未来を思い描きながらチャレンジを続け、お一人お一人が躍動する佐賀の未来を切り開いていきたいと考えております。  以上でございます。 6 ◎江口善紀君(拍手)登壇=おはようございます。県民ネットワークの江口善紀でございます。  今回は三つの項目について一般質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず一項目めは、内水対策について質問いたします。  佐賀県では、この四年連続で大雨特別警報が発表されております。大雨のたびに線状降水帯などという言葉が聞かれ、局地的な大雨による被害や内水氾濫による浸水被害が県内各地で頻発いたしております。二度にわたる浸水被害を受けた武雄市、そして佐賀市内でも中心部を含め冠水被害は甚大でした。  思い返しますと、私も高校時代に大雨で冠水した佐賀市内を自転車で通学した記憶があります。ペダルを踏み下ろすたびに靴がジャブジャブと水面につかりながら、佐賀大学周辺や佐賀市内を通って高校まで通学した覚えがあります。  近年、私たちは、水害時に想定外とか何十年ぶり、何年ぶりに、何年に一回の大雨とかいう言葉をよく聞きますが、果たしてどういう状況なのか調べてみました。  一九四五年、戦後、昭和二十年から二〇二一年までの七十七年間の佐賀県の年間降水量について調べてみました。昭和二十年から十年ごとに七十七年間を八つの時期に区切って比較してみますと、昭和二十年からの十年間を百としますと、昭和三十年代が九十三、次の十年間が八十一、そしてその後の十年間が八十五、次が九十四、次が九十、そして九十五で推移し、直近は七年間であるにもかかわらず、何と百六と極端に増えています。  この七十七年間のうち、最大の降水量は二〇二〇年の二千八百七十六ミリが最高でした。最少は一九九四年の千十三ミリ、佐賀商業が甲子園で優勝した年であります。その差は実に二・八倍の差があります。  さらに、七十七年間のうちで年間最大雨量の上位を見てみますと、二〇二〇年の第一位をはじめ、二〇一六年が四位、二〇二一年が七位と、何とこの七年中三年も十位以内に入っている、そういうふうな降水量の状況です。  佐賀県内にはこういった降水量などの観測点が九カ所ございまして、一時間降水量五十ミリ以上という大雨を観測する回数が一地点当たり年間発生回数が一九八〇年代は〇・三回でしたが、二〇一〇年には〇・五九回とほぼ倍増しています。それだけ短時間での集中豪雨の回数が明らかに増加しているという状況であります。  七十七年間の平均年間降水量は千九百四十ミリなのに対し、直近七年間は二千二百三十ミリと、実に一一五%と、最近は確実に降水量が増えています。  また、雨の降り方の傾向を見ますと、最近、春や秋が短くなったような感じを受けますが、夏日や真夏日が増え、そして一年三百六十五日のうち雨が降らない日、降雨のない日が増え、雨の降る日数が減少しています。つまり、降るときは大雨や短時間集中豪雨の回数が増えているというふうに雨の降り方が変わっているということが分かります。  このように気象の変化を感じる中、近年、内水氾濫による浸水被害が県内各地で頻発したことを受け、県では内水対策プロジェクト「プロジェクトIF」を立ち上げ、人命等を守る、内水をためる、内水を流すを三つの柱として、多岐にわたる対策について国や市町と連携しながら取り組まれているというふうに受け止めています。  浸水被害に遭われた地域の住民の方々は、ダムの事前放流、ため池やクリークからの事前排水、田んぼダムといった内水をためる対策や排水機場の新設、耐水化等の機能向上といった内水を流す対策等、「プロジェクトIF」で取り組まれる対策に非常に期待されているものと感じています。  こうした取組は、既存施設を有効に活用されていると思いますが、施設の機能がしっかりと維持されていなければ、その効果は十分に発揮できないと考えます。また、排水機場や水門等の大規模な施設については、計画に基づき必要な更新や補修が行われていると思います。その一方で、樋門等の小規模な施設については、老朽化を心配する声をよく耳にしており、実際に佐賀市内の河川に設置された樋門などを見て回りましたが、老朽化対策を急ぐ必要があると感じました。  この排水に関しまして、排水事業に従事される方というのは、潮汐、いわゆる潮の満ち引きで動かれる部分がありますので、曜日や時間に関係なく作業をされることがあります。大雨時には雨がっぱを着て、ガードレールをまたいで、またぐ先はのり面で傾斜が滑りやすく、大変苦労されて樋門にたどり着いたり、あるいは樋門の巻上機が上部にあるため、はしごで昇降するものの、細くて直立に近いはしごも現場では見られます。そういった悪条件の中で、安全対策上、できれば二人で作業に当たれればいいのですが、雨の中で一人で作業せざるを得ない場合も少なくありません。実際、大雨で真っ暗な中、一人で硬いひもを操作して、細いはしごを降りる際に滑り落ち、けがをされたという市町の職員の方の話も耳にしました。小さなけがや事故は既に発生しており、大きな事故にならないかと危惧をいたしております。樋門の操作など、作業員の安全管理は大切ですし、しっかりと確保せねばならないというふうに感じております。  また、施設に関しまして、県が管理する排水機場の多くは県から市町、市町から地元自治会や個人に操作委託されているというふうに聞いておりますが、状況によっては長時間に及ぶ対応や危険な状況下での操作に対する安全性の確保、あるいは操作員の高齢化や担い手不足といった課題を抱えているとも聞いております。内水対策を着実に進めていくためにも、このような種々の課題の解決を図っていくことは重要であると考えております。  そこで、幾つか質問のほうに入らせていただきたいと思いますが、まず一点目、老朽化した河川管理施設の補修についてであります。  現在、「プロジェクトIF」として最新機器の導入や、相当額の予算を確保して様々な取組がなされております。こういう取組は大切だと思います。予算をかけて、既存の排水機場の水門等の大規模な施設の更新や補修に取り組んでいただいていますが、それだけでなく、河川管理施設のうち、樋門等の小規模な施設についてもしっかり補修等を行っていく必要があると考えますが、県はどのように取り組んでいくのか御答弁を求めます。  二点目、排水機場の操作員の安全確保及び人材確保についてであります。  最近、報道機関が県内の排水機場の操作員に対してアンケートを募り、現場の声を集める取組を行われております。アンケートの調査結果では、操作員が感じる業務上の課題として、長時間の拘束による疲労、防じん機に関する作業の危険性、人手不足などを指摘する声があったと聞いております。  排水機場の操作員の安全確保及び人材確保、とても大切なことだと思います。県はどのように取り組んでいくのか御答弁を求めます。  次に二点目、歯科口腔保健の充実による健康増進について質問させていただきます。  県では、平成二十二年に「佐賀県笑顔とお口の健康づくり推進条例」を議員提案条例として制定し、条例に基づく第二次歯科保健計画に沿って、歯科口腔保健の取組を推進されていると承知しております。  この条例は、歯と口腔の健康づくりが県民の健康の保持増進及び食育の推進に果たす役割の重要性に鑑み、佐賀県における歯と口腔の健康づくりに関して基本理念を定め、県民の生涯にわたる歯と口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ効果的に推進することで、県民の健康の増進に寄与することを目的としております。  口腔の健康は、生涯にわたって自らの歯で食べる楽しみを持ち、健康で質の高い生活を送る上で重要であります。県では、令和元年度から「さが健康維新県民運動」と題した健康づくりの県民運動に取り組まれており、昨年度は歯と口の健康をメインテーマに取り組まれているというふうに伺っております。  歯と口の健康は全身の健康や幸福感にもつながるという観点から、かかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科健診に行くことを啓発していくことが必要と考えております。  この歯科口腔保健の充実による健康増進についてということで、口腔ケアという言葉がありますけれども、少し調べてみたんですけれども、歯科診療に係る費用の総額は全医療費の中でどれぐらいの額を占めるのか、これをちょっと調べてみましたら、佐賀市の国民健康保険を調べてみますと、国民健康保険医療費約百七十億円に占める歯科診療費は約十三億円となり約八%でございます。ちなみに佐賀市の後期高齢者医療費は約三百十億円、そのうち歯科診療費は約十億円で約四%に当たります。  現在は新型コロナ禍におきまして、マスクを着用している機会が増えているので、口腔内、口の中の環境について少なからず影響、変化が起きているというふうに報道のルポですとか、あるいは知り合いの歯科医の方、歯医者さんにお話を伺いました。  マスクをしていると、マスクをしている中で無意識のうちに口が開いてしまい、口呼吸が増え、唾液が減少し、口の中が渇きやすくなる。気づかないうちに歯周病が悪化したり、口臭が増している。少なからず口腔ケア上、いやもう口の中の環境によっては悪いと昨日歯医者さんに言われました。  佐賀県では、私も子供の頃から虫歯が多い、虫歯が多いというふうによく言われていましたので、約十年ほど前からフッ化物洗口というふうな取組をされております。このフッ化物洗口を佐賀県で導入する際に大変議論が起こりました。  フッ化物洗口、それが子供の健康に悪影響を与えるのではないか、あるいは教育現場では、先生たちがその業務にどのように当たるのか、あるいはそのフッ化物を調合するために薬剤師の方の協力が必要、そういった様々な議論が起こった中で、平成二十一年、佐賀県の三歳児の虫歯の有病者数は全国四十四位、いわゆるワースト四位であったものの、その九年後、十二歳に成長した児童の有病者率は全国十七位と大変に好転し、その成果というのが認められたというふうに伺っております。県内の歯科医院や、あるいは学校関係者、フッ化物の調合を行う薬剤師の方、行政関係者の努力の連携というふうに思います。  また、8020運動が展開をされ、佐賀県の資料によりますと、八十歳で自分の歯二十歯を有する方の割合は、平成二十三年は約四〇%でした。それが五年後の平成二十八年は四九%に増加したと。何と五年間でおよそ一〇%も増加したということであります。毎年約二%の方々が8020の達成をしていると、増えているということでありまして、平成二十八年の調査以来、五年後、昨年は新型コロナ禍によって調査ができなかったということでありますが、その後、多少伸び率が鈍ったとしても五〇%を超え、佐賀県民の八十歳以上の方で二十歯を保持している方が増加傾向にあるのではと期待をいたしておるところであります。  歯と口の健康は全身の健康や幸福感につながるということで、これからも佐賀県民の健康増進のためにはしっかりと注視をし、また、取り組んでいく必要があると思いますので、今回、改めて取り上げさせていただきましたが、そのきっかけとなったことの一つに、かかりつけ歯科医という言葉を聞きました。  これは全国歯科医師会が一万人の全国調査を行った中で、六七%の方がかかりつけの歯科医があるというふうな回答をされていますが、この一年間に歯科医に通った人の割合は四九%ということで、二人に一人の方しか歯科医に通院していないということであります。つまり、歯が痛くなったり、あるいは具合が悪くて治療として歯医者に行かれた方、あるいは歯の定期健診などで実際に歯医者に行かれた方は四九%であります。かかりつけ歯科医として、何かあったときに行く歯医者は決めているけれども、何もなくても行く人はそれほど多くないという意味であります。なので、歯医者さんに行くのは歯が痛くなったとき、ぐらついたとき、そういったときだけでなく、年に二回、三回、歯の状況が悪くない、大丈夫だということを確認するためにも日頃から歯のメンテナンスのために歯科に通院する、そういう意味でのかかりつけ歯科医をぜひ持つように、そして、ぜひ年に二回ぐらいは歯石の除去や歯のメンテのほうに行くことを歯医者さんが推奨しておられる、そういった意味でかかりつけ歯科医ということの啓発が求められているというふうに伺っております。  健康増進に対して、山口知事におかれましては、知事就任後、「知事が妊婦に。」とか、あるいは「子育てし大県」、多胎児支援、中学生のピロリ菌の検査、あるいは新型コロナ対策、ワクチン接種の推進など、また、歩くことを通した佐賀県民の健康増進など各種これまで県民の健康増進、命の大切さに取り組んでこられました。もう一歩、健康寿命を延ばすために、この「さが健康維新県民運動」の柱の一つに歯と口の健康を位置づけ、県民全体の運動となるよう取り組まれておりますが、この健康寿命を延ばす決め手となるためにも、私はこのかかりつけ歯科医の啓発、また、歯と口の健康が体全体の健康と、ひいては医療費の削減に続くと、そういう思いでぜひ今後とも取り組んでいただきたいと思っておりますが、改めて知事の思いを伺います。  二点目、これまでと今後の取組についてであります。  特に、乳幼児期から高齢期までのそれぞれのステージに見合った取組が大変重要だと感じております。歯科口腔保健の充実による健康増進について、佐賀県ではどのような取組を行われてきたのか。また、今後どのように取り組んでいくのか質問をいたします。  三項目めの質問に入ります。  佐賀空港の自衛隊使用要請について質問いたします。  公害防止協定は、佐賀県と有明海漁協との間で平成二年に結ばれた協定であり、佐賀空港が漁業に悪影響を及ぼさないようにし、将来ともに組合員が漁業で生計が立つよう、最低限守るように定めた協定であります。漁協の目的でもある「組合員の経済的社会的地位を高める」(定款第一条目的)を保証するための協定とも言えます。  六月六日に開催された三者協議会で、海水と混合して排水することや、予定地西側の土地を教育訓練に活用することなどが防衛省から提案されたことを受け、三者協議会は終了することとされ、七月に支所代表者の検討委員会に移行する方針というふうに伺っております。今後、防衛省がこの三項目に対してどのような報告をするのか。また、その報告に対して漁協側がどういう対応を取るのかに関心が寄せられます。  一方で、現役の組合員の中には、組合から現状の報告や説明がないことへの不満の声が上がっております。当事者である漁協組合員が蚊帳の外に置かれてしまっているという指摘すらあります。一方、組合の支所役員の方からは、防衛省から受けた説明は同じことの繰り返しであり、質問しても具体性を欠き、今の段階で組合員に説明することは不可能だという声も聞こえます。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  一点目、三者協議会の協議についてであります。  漁業者は、ノリ養殖に影響を与える可能性のある排水対策について最も懸念をされておりますが、これまでの三者協議会ではどのような協議が行われたのでしょうか。また、漁協が示した三条件に関し、現在、防衛省はどのような考えを示しているのか質問いたします。  二点目、地権者等への説明の在り方についてであります。  昨年、防衛省がアンケートを実施した際に、地権者の個人情報が、本人には何の説明も了承もなく防衛省へ提供された。また現在、防衛省は、測量に続きボーリング調査を行っているが、地権者に対して一切の説明もなく事業を実施している。さらに、漁協には地権者でない組合員も相当おられ、地権者でないがために組合側からの状況の説明も行われず、不満を持っている方もおられると聞いております。  これらの地権者等に何の説明もなく、事業が進められること、また、地権者でない組合員に説明がないことについて、県はどのように考えているのでしょうか。  三点目、まちづくりへの影響の懸念、及び住民への説明についてであります。  佐賀空港の敷地の隣に約七百人規模の駐屯地ができるということは、家族まで含めると、約千人を超える人口が川副町周辺で増えることになります。隊員や家族の住居、子供の保育、通学、交通対策、医療・福祉インフラ整備やまちづくりなど、確認すべき課題は山積しているにもかかわらず、これらの観点は全く現状議論されておらず、何も示されていません。  駐屯地受入れ可否の前に、地元の町にどのような変化が起きるのか、地元住民は知りたくても知る機会を得られておりません。漁協や地権者のみ先行して地元が後回しになっている、あるいは軽視されているというふうに感じておられる人が少なくありません。そういう地元民の方の感じておられる現状について県はどのように受け止め、どのように考えているのか伺います。  四点目、オスプレイの安全性に対する県の認識についてであります。  オスプレイについては以前から頻繁に墜落事故等が起きております。沖縄での部品落下事故や、今年三月にノルウェーでの乗組員四名が死亡した墜落事故に加え、先日、六月八日(現地時間)においても米カリフォルニア州南部の砂漠で、残念ながら米海兵隊のオスプレイが墜落し、五人の隊員が亡くなるという事故が起きてしまいました。  このように相次ぐ事故を受けて、オスプレイの安全性についてどのように認識しているのか改めて質問をいたします。  以上、県民の健康、また、まちづくり、県民の生活に関わることが山積している中で、執行部の誠意ある答弁を求めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) 7 ◎山口知事 登壇=江口善紀議員の御質問にお答えいたします。  歯科口腔保健の充実による健康増進に対する私の思いについて答弁申し上げます。  かかりつけ歯科医の話など、江口議員と同感です。私の願いは、県民に健康に年を重ね、健康長寿を果たしていただきたいと思っています。しかしながら、佐賀県の現状を申し上げますと、糖尿病及び予備群の割合は全国ワースト二位、メタボ予備群の割合は全国ワースト十一位、がん死亡率全国ワースト十位ということで、健康課題が多いことが分かります。  この背景には、佐賀県は都市部よりも平均歩数が少ないこと、運動習慣がある人が少ないこと、実は野菜摂取量が十分でないことなど、様々な生活習慣に起因することが分かります。  誰しも健康によいと分かってはいるんですけれども、生活習慣を変えるというのはなかなか容易でないと思います。ここを個人の努力に頼るばかりではなくて、社会全体で取り組めば、ふだん健康に無関心な方でも関心を持ってもらえるんではないかということで、議員から御紹介もありました「さが健康維新県民運動」として取り組むことといたしました。  この県民運動は四つの柱でできておりまして、一つは歩くという身体活動です。二つ目は食と栄養、三つ目が歯と口の健康、そして、四つ目がたばこ対策ということでありまして、医師会、歯科医師会、企業、大学等の関係者と連携して展開をしております。これがお一人お一人の行動につながればいいなという仕掛けづくりに取り組んでおります。こうした中で「SAGATOCO」も生まれたわけでありまして、この四本柱に向かってしっかりやっていきたいと思うわけですが、江口議員からお話にありました歯の話です。特に口の病気であります歯周病について、気づかないうちにこれは進行するということで、県内でも三十代から六十代、まさに働き盛りの世代の約半数が歯周病にかかっているようであります。歯周病、大体症状としては歯茎から血とか膿が出てくるといったことだとか、腫れたりとか、歯がぐらついたりということでありますので、ぜひ歯科を受診していただきたいなと思っています。  そして、近年、歯と口の健康が、実は全身の健康につながるということが明らかになってまいりました。例えば、歯周病の治療によって糖尿病が改善されるとか、高齢者が口腔ケアをすることによって実は誤嚥性の肺炎が予防されたり、口腔ケアをすることによって入院患者の入院期間が削減されていたりという極めて興味深いデータが出てきております。  私自身も知事に就任してから何が変わったかなという変化の一つには、歯をよく磨くようになったことと歯科健診の回数が増えました。こうしたことが、もしかするとほとんど風邪を引かなくなったこととか、そういったことに影響しているんではないかということで実感させていただいております。  また、歯周病は定期的な歯科健診を受ければ防ぐことができ、また、かかってしまっても重症化を防いだり、治療回数を少なくすることができます。  そのため、「さが健康維新県民運動」において、令和三年度は歯と口の健康に重点的に取り組みまして、十一月の一カ月間は県内三百十六の歯科医院で歯周病等の健診、いわゆる「くちパト」、口の中のパトロールを実施しました。県歯科医師会の協力で無料で実施されまして、期間中に多くの皆さんに健診を受けていただきました。さらに多くの方に定期的に歯科健診を受けてもらえるように、引き続きかかりつけ歯科医の普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。  改めまして、県民の健康づくりは幸せづくりでもあります。県民の皆さんが生涯にわたって本県で健康的に暮らしていけるように、官民一体となって今後とも取り組んでいきたいと考えています。 8 ◎進政策部長 登壇=私からは、佐賀空港の自衛隊使用要請についての御質問にお答えをいたします。  まず、三者協議会の協議についてでございます。  漁協、防衛省及び県の実務者で構成する三者協議会につきましては、本年一月より四回にわたって開催し、有明海漁協から示された排水対策等の三条件に関する防衛省の検討状況について協議をしてまいりました。  具体的には、排水対策については、県から空港建設時などの排水対策や水質調査について説明をし、防衛省の検討している対策について協議を行うとともに、西側の土地取得の考え方、土地価格の目安については防衛省から考え方が示され、意見交換を実施してまいりました。  特に排水対策については、漁協の検討委員会からもしっかり協議してほしいという御意見をいただいておりまして、駐屯地からどのように排水するのか、また、大雨時の排水対策としてどの程度の規模の貯留槽などが必要となるのか、また、ノリ漁期中の工事の在り方といった協議を行ってまいりました。
     今月六日の三者協議会において、防衛省の考えについておおむね三者で確認できたところであり、今後、七月をめどに漁協検討委員会に報告、説明ができるよう、さらに調整を進めていくこととしております。  防衛省の現時点での考え方につきましては、漁協検討委員会への説明に向けてさらに調整を進めている段階でありまして、現時点で県から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。  続きまして、地権者等への説明の在り方についてでございます。  防衛省が実施しました測量調査及びボーリング調査につきましては、防衛省から、計画予定地の面積や境界などを把握するための調査であると、昨年十二月に漁協から防衛省に対して示されました三つの条件、そのうちの二つになりますが、計画予定地の土地価格の目安、及び排水対策の具体的な考え方を示すために必要な調査となるという説明を受けております。  測量調査に当たりましては、防衛省において、事前に有明海漁協本所、関係支所に対し、測量の範囲をはじめ、予定している業務の内容を説明し、それに伴う現地への立入り等について了解を得て実施されたものと承知しております。  なお、ボーリング調査につきましては全て県有地で実施されております。  地権者の合意形成等につきましては漁協内部の事柄でありますけれども、事業主体である防衛省にあっては引き続き真摯に説明を尽くしてほしいと思っております。  また、現在、公害防止協定覚書付属資料の見直しについて漁協と協議を行っておりますが、その際に漁協内においてどのように意思形成を図るかは漁協において検討されることとなるというふうに考えております。  続きまして、まちづくりへの影響の懸念及び住民への説明についてお答えいたします。  佐賀空港を自衛隊が使用することとなった場合には、議員御指摘のとおり、住居や道路等のインフラ整備などまちづくりに関する議論も必要になってくると考えております。ただし、佐賀空港の自衛隊使用につきましては、漁協と交わしております公害防止協定覚書付属資料が変更されるということが大前提となってまいります。現在は公害防止協定覚書付属資料の見直しについて漁協と協議を行っているところであり、今後、覚書付属資料が見直された場合には、防衛省とも連携し、市民の皆様、佐賀市、農協等に対し、説明を行いながら議論を進めたいというふうに考えております。  防衛省においても、自衛隊の官舎の具体的な場所は未定としております。今後、佐賀空港の自衛隊使用が可能となり、自衛隊の官舎の場所の検討が行われる段階となれば、事業主体である防衛省から地域住民等への説明を行うとともに、地元自治体や関係機関ともしっかり連携を行うよう、防衛省へ働きかけていきたいと考えております。  続きまして、オスプレイの安全性に対する県の認識についてでございます。  事故が発生した場合に大事なことは、事故の原因やその対策を確認することだと考えております。今回のアメリカカリフォルニアの事故に関しましては、六月九日に九州防衛局から我々政策部に対しまして連絡があり、県からは徹底した原因究明と情報開示を行うことを即日口頭で申し入れたところでございます。  オスプレイの安全性に関する疑問点や不明な点が生じましたら、その都度、防衛省に確認していくとともに、安全対策の徹底を申し入れてまいります。  以上でございます。 9 ◎久保山健康福祉部長 登壇=私からは、歯科口腔保健の充実による健康増進のうち、これまでの取組と今後の取組についてお答えさせていただきます。  まず、これまでの取組でございますけれども、県では第二次佐賀県歯科保健計画、いわゆる「ヘルシースマイル佐賀21」でございますけれども、これにおきまして「県民一人ひとりが、住み慣れた地域において、健康な笑顔とお口で長寿を享受できること」を目標に、関係機関・団体などと連携しながら、予防を中心とした啓発を進めているところでございます。  中でも、かかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科健診などを受ける県民が増えるよう、かかりつけ歯科医の啓発に取り組んでおります。このほか、高齢者施設における定期歯科健診や口腔ケアの推進、受診・通院することが難しい障害者を受診につなげるよう、「笑顔とお口の健康づくり手帳」の配布、また離島での巡回歯科診療の体制整備などきめ細かい取組を行っているところでございます。  また、生涯にわたり健康な歯と口腔を実現するため、ライフステージごとの特性を踏まえた対策も実施しているところでございます。  まず、幼児期におきましては、フッ化物入り歯磨き粉やフッ化物塗布の積極的な利用の啓発、また学齢期におきましては、小中学校におけるフッ化物洗口の実施、そういったことを行っております。また、成人期、高齢期におきましては、定期歯科健診、セルフケアの普及啓発、それと先ほど知事からもお話があったように、歯科と糖尿病、誤嚥性肺炎、全身疾患との関係、そういったものについての知識の啓発、そういったものを行っているところでございます。  このような取組によりまして、令和二年の十二歳児の一人の平均虫歯本数は〇・五本で、全国三位となるといった効果も現れているところでございます。  平成元年度からは、「さが健康維新県民運動」を開始いたしまして、柱の一つといたしまして、歯と口の健康を位置づけて、官民一体での取組を開始しております。  先ほど知事からも話がありましたように、昨年度は歯と口の健康を重点項目として取り組みまして、十一月には歯科医師会の協力によりまして、無料歯科健診を実施したところでありまして、八百六十五人の受診がありました。  なお、平成二十八年県民健康栄養調査では、佐賀県の歯科健診受診率は四八・七%で、目標の七〇%にはまだ届かないという状況になっております。  今後の取組でございますけれども、歯と口腔の健康は全身の健康につながり、生活の質を大きく上げるものということを県民に知っていただきまして、「さが健康維新県民運動」などの取組を通じまして、関係機関、官民一体となってかかりつけ歯科医を持ち、定期的に歯科健診を受診することの大切さをさらに啓発し、歯と口の健康から健康長寿の佐賀県を目指してまいります。  私からは以上でございます。 10 ◎大呑県土整備部長 登壇=私からは、内水対策について二点お答えいたします。  まず、一点目の老朽化した河川管理施設の補修についてでございます。  県が管理しております河川管理施設のうち、排水機場や水門等の大規模な施設につきましては、今ある施設を長く利用し、本来の機能が発揮できるように毎年点検を実施するとともに、長寿命化計画を策定し、修繕や更新を計画的に行うことでコストの縮減、予算の平準化に努めております。  一方、河川管理施設のうち、議員御指摘の樋門等の小規模な施設につきましても、年に一回点検を実施しております。点検の結果、樋門等のゲート本体や水密ゴムなどの劣化状況に応じまして、補修の緊急度を評価しております。早急な対策が必要なものにつきましては、その都度、補修を行っているところでございます。  樋門等の小規模な施設を含めまして、老朽化した河川管理施設につきましては、引き続き毎年の点検結果を踏まえ、必要な対策を行い、適切な維持管理に努めてまいります。  続きまして、二点目の排水機場の操作員の安全確保及び人材確保についてでございます。  排水機場の操作員の安全確保につきましては、取り組むべき重要事項であると考えております。令和三年八月豪雨の経験を生かすため、県、市町の職員や操作員がそれぞれに抱える課題等について県として調査を行いました。その結果、夜間作業が暗くて危険だったとか、水位確認のため川まで直接見に行く必要があったといった声や、議員御指摘のとおり、除じん機に巻き込まれそうになった、長雨となり長時間の拘束となった、こういった課題が挙げられております。  そこで、安全に操作するため、遵守すべき事項や注意すべき事項を反映いたしました「排水機場操作員安全管理マニュアル」を本年四月に作成いたしました。県、市町の職員や操作員を対象といたしまして、四月中旬から随時説明会を開始し、周知を図っているところでございます。  また、操作員が安全に操作できるよう、排水機場の環境整備にも努めております。具体的には、夜間作業を安全に行えるよう投光器の新設、水位を安全に確認できるよう量水標の改修、除じん機周辺に柵の設置などを行い、操作員の安全確保に努めております。  また、操作員の方々には、厳しい環境の中、昼夜を問わず長時間にわたり任務に当たっていただいているところでございます。少しでも疲労が蓄積しないよう、仮眠や疲労回復のためのソファベッドの設置でありますとか、老朽化したエアコンの交換、こういったことを行いまして、環境整備を行っているところでございます。  続きまして、排水機場の操作員の人材確保でございます。  排水機場の操作員は、気象や水位の状況を見ながら操作を行う必要があり、一定の知識や経験を要するとともに、先ほど申し上げましたように、昼夜を問わず対応する必要もございます。このため、条件を満たす人材の確保が厳しく、現状として操作員の高齢化も進んでいるところでございます。  このことから、個人ではなく、地元自治会に協力いただき、自治会内でローテーションを組むなど、様々な工夫をしながら人材確保に努めているところでございます。  地域の安全・安心の確保に御尽力いただいている排水機場の操作員のさらなる安全確保、人材確保に引き続き努めてまいります。  私からは以上でございます。 11 ◎江口善紀君 登壇=時間も迫っておりますが、幾つか再質問させていただきたいと思います。  内水対策につきまして、丁寧な答弁ありがとうございました。  おととしでしたか、私、地域交流・県土整備常任委員会のときに、当時、大呑副部長とお話しさせていただいて、例のダムの事前排水ということが政府の音頭取りで実現したときに、ダムにもいろんな種類があり、水利やいろんな省庁の縦割りがある中で、何でそういうことができなかったのか、私もずっと前から、事前に大雨の前に、今、天気予報が非常に進んで発達しているから、そういったものがやっとできてよかったというふうなお話を大呑部長としたことがありまして、そのときに確かにそれを言われると、本当にそのとおりですというか、非常にその話で率直な意見交換をしたことを今でも覚えております。  内水対策、水害に関しては、県民から見れば、水はどの水も高いところから低いところに流れるし、それが農業関係であったり、あるいは河川、どの所管の設備がどういうふうに機能しているかというのはなかなか分かりづらいものである中で、この河川管理施設について老朽化対策や、あるいは人材確保、安全対策について御答弁をいただきました。  本当に県内様々な排水施設や水の管理の施設がある中で、県土整備の所管であったり、農水の所管だったり、いろいろ所管があると思いますが、一般の人は、それは見て分かりませんが、ぜひそういうふうな分野を超えた対応、連携がとても大切だと思います。といいますのも、こういった今回、佐賀県内水対策プロジェクトということで、大きなプロジェクトを組まれて、いろんなセンサーの設置ですとかカメラの設置、そういった新しい試みも、あるいは田んぼダムのことも非常に目を引きますが、その一方で、従前から排水対策、樋門の管理などに取り組まれている名もなき操作員の方々、現場の方々に非常に負っている部分があると思いますので、先ほど御答弁にもありましたような排水機場のエアコンですとか、細かいゴムのパッキンですとか、あるいはちょっとした照明とか、もうちょっとこうなれば現場の方々がより安全に作業ができるんだけど、そういった細かい部分にもぜひ目を配っていただいて、こういった対策と、そして従前の施策の両方をバランスよく連携をすることによって、内水対策により効果を発揮していただきたいと思いますが、そういった連携をぜひお願いしたいということで、今うなずいていただいていますので、そのうなずきをもって答弁と受け止めさせていただきますので、農水のほうとも、今後、細かい連携もよろしくお願いしたいと思います。それで、答弁と受け止めさせていただきます。  そして、二点目の歯科口腔保健の充実については、知事の御答弁、非常に心強く受け止めさせていただきました。糖尿病の割合が佐賀県は非常に高いということでございましたが、昨日、私も歯医者さんに行ってきまして、一年四カ月ぶりでしたけど、一年四カ月ぶりにしてはよくできていると。半年に一回は来るように言われているんですけれども。  それで言われたのが、こういうことは昔から分かっていることだと、しかし、なかなか進まないと。高齢者が肺炎になって入院したらどれだけつらいか、また、医療費のことにしてもどれだけかかるか。あと糖尿病と、二言目には糖尿病と言われました。ある程度気にかけている方はちゃんと適切に、口の中の虫歯も歯周病も適度に軽微なうちに対処ができるんだけれども、自分は歯が悪いと、健診を受けたら何か言われるのが分かっているという人にいかに行っていただくかという、そこのもう一押しが大切だと。  先ほど平成二十八年に歯科の受診率が四八・七%で、目標の七〇%に届いていないということは、つまり、今できている方も、私みたいに一年以上間が空いている人はぜひ年に一回、あるいは二回、二、三年行っていない人も久しぶりに、そして健診も、悪いと言われるのが分かっている方だからこそ、より軽度なうちに歯周病の治療に行っていただくように、少しずつその程度に合わせて、健康な方、中ぐらいの方、そして少し悪い方、それぞれの程度に合わせて、ぜひもう一押し、歯科健診を受ける、あるいは治療に取り組むという試みが必要ではないかと。  なので、先ほどおっしゃったような糖尿病とか、いろんな各種の疾患が佐賀県は結構悪い部分があるけど、歯医者さんから言わせれば全て口の健康が直結しているし、それは全ての医療費の件に関わることだと。  なので、昨年そういった歯科医師会の協力を得て、一年間の取組をされていらっしゃいますが、「SAGATOCO」よりは、まだ歯科の健診のキャンペーンというか、それがまだ響いてこないような肌感覚であります。昨年一年間取組があられたということですが、健康寿命、そして、幸せな人生のためには、最後に基本となるのは歯の健康ということで、これは昨年の取組も大切ですけれども、これから「SAGATOCO」と同じくらいか、さらなるキャンペーンを何かしら考えていただけないかというふうに思うんですけれども、その点について一言御答弁をいただけないでしょうか。  三点目、佐賀空港の自衛隊使用要請についてであります。  三者協議会の協議の内容については、なかなか今、この場で答えることは控えさせていただきたいということでありますが、やはり報道にあるように、漏れ伝わるように、二・五万トン以上の貯水槽とか、そういったものが報道されておりますけれども、舗装された三十三ヘクタールに百ミリの降水量があったら、それは三・三万トンになるわけです。その二・五万トン以上という数字が報道の中で漏れ伝わってきて、それは漁協の支所の役員さん、あるいは関係者の方からも、そういった資料とかを見せていただくわけでありますけれども、その二・五万トン以上というのはどういった根拠なんだろうというのは、一般の県民の方でも、あるいは漁業者の方でも、誰もがそれで本当に間に合うのか、間に合わないのかというような疑問を持つわけですね。  それと、排水の水質に関しても、基準値以内というのはよく行政の方が言われますけれども、基準値というのは、ある意味で高い数値と低い数値を一定期間で平準化した平均値であります。基準値よりも少ないppmの排水であるときもあれば、基準値よりも高い排水の日もあるわけです。  例えば、東与賀町に今ある大型のショッピングセンターが建設をされたときに、コンクリートのアルカリ成分を含む排水が誤って八田江川に排水をされたときは、八田江川流域のノリの漁場は真っ白になり、影響があったというのは、今、漁業者の方に言えば誰もが御存じなわけで、我々が、要するに漁業者の立場から、我々が心配しているのは、基準値以内であれば排水をされても安全だ、影響がないと言われても、それは行政の言い分であって、我々はノリの養殖に影響があるかないかを一番心配しているんだと。基準値の中かどうかは、そんなのある意味関係ないんだと。だから、その不安を払拭できるような合理的な説明ができるのか、あるいは防衛省がおっしゃるその説明が信用されるのかどうかということでもあります。  聞くところによりますと、この春の人事異動か何かで、九州防衛局では伊藤局長以外、担当者の方、課長が全員異動で替わってしまい、知っている顔が全然いなくなったというふうにも聞いております。  とある漁協の支所の役員さんからは、また挨拶に来られて、全員替わられたけど、結局誰の言葉を信用していいのか分からないと。またこの人たちに一から話ばせんばとやろうかと、そういった佐賀弁が通じているかどうか、そこからまず現状としてあるみたいなんですけれども。  なので、三者協議の内容について、今の段階ではお答えできないということで、そのことは受け止めますが、そういうふうな防衛省の回答に対して、佐賀県としては防衛省の報告をそれで受け止めるという形なのか、あるいはその持つ意味が基準値以内かどうかという観点で確認をするのか、あるいはノリの養殖に影響があるのかないのか、そこに気を配るのか、どの次元なのかという点について、一点お尋ねをしたいと思います。  二点目の地権者等への説明の在り方につきましては、個人情報の取扱いについては、漁協内のガバナンスのことというふうな御答弁だったというふうに受け止めましたが、防衛省にも真摯に対応してほしいというふうな御答弁がありましたけれども、個人情報一つ取っても、防衛省は漁協のほうに依頼して受け取ったと。アンケートのことは、漁協は防衛省がすることだと。県も漁協も防衛省も、何かそれぞれのときに相手のやっていることで自分に関係ないような、そんな雰囲気がどうしても見てとれるんですね。測量をやりますよというのを、組合員あるいは地権者に案内したかしていないかとか、そういったことも漁協内のガバナンスのことというふうなことで片づけていいのかどうか。  県は漁協に寄り添うというふうにずっとおっしゃっていますが、先ほど申し上げたように、漁協の中には地権者でない組合員が相当数おられます。相当数おられるというか、とある役員さんに、「地権者でない組合員さんも少しおんさっですよね」と言うと、「いんにゃ、いんにゃ、大抵おる」と言われました。地権者でない組合員の方がどれぐらいいらっしゃるかどうか、私は数は確認しておりませんけれども、県のほうでこれを確認されているかどうかというのは、恐らく通告はしておりませんでしたので、昨日の調整の段階では御存じなかったというふうに伺っておりますので、地権者でない組合員の方というのは把握はされていらっしゃるのかどうか。されていなければされていないで結構ですので、現状について教えてください。  また、組合に寄り添うのか、組合員に寄り添うのか、漁業者の中には、その辺について、かなり県に対してもいろんな思いを持っておられますが、私は一人一人のそういう組合員にも寄り添う、それが本当じゃないかと思うんですけれども、県は漁協に寄り添うのか、組合員に寄り添うのか、その一点についてもう少しかみ砕いた御答弁をいただけないでしょうか、お願いします。  三点目、まちづくりへの影響の懸念及び住民への説明会については、公害防止協定の整理が進まない限りは云々というふうな御答弁をいただきましたが、町民の方の中には、あるいは漁業者、組合員の方においても、なぜこれだけ時間がかかっているのか、何が懸案なのか、何が課題なのか、防衛省には防衛省の言い分があり、県には県の言い分があり、漁協には漁協の言い分がありますけれども、そういう今の状況だけでも、今こういう状況ですという状況説明ですら何でできないんだろうかというわけです。  つまり、今、防衛省はこういう事情があります、漁協にはこういう事情があります、県はこういうスタンスですと。いついつ県知事がこういうふうな判断をしましたとか、その経緯に関してはこうですというふうに、県議会には、議会ごとに報告がペーパーでもありますけれども、要は新聞や報道などでしか、あるいは関心があれば県のホームページや議事録まで御覧になる方もいらっしゃるかもしれませんが、世間一般では何でこれだけ時間がかかっているのか、あるいは何が懸案なのか、課題なのか、状況の説明だけでもいいから、そういう説明会ですら何でできないんだろうかという声があるわけです。その点について答弁をお願いしたいと思います。  四点目のオスプレイの安全性等につきましては、防衛省からのまた追加の説明等々を受けたいと思いますけれども、木更津市のホームページを見ますと、いろんな基地関係のこともかなりつぶさに載っておりまして、期間限定ということでオスプレイの暫定配備を受け入れるに当たって、令和元年六月十五日から八月三日までの間に基地周辺地区、市内六漁業協同組合、木更津市全域を対象とした説明会が十五回にわたって開かれており、それぞれの質疑応答など全て議事録が公開されているんですね。  その中には、過去に空中給油のときに墜落した状況ですとか、オーストラリアの着艦時の墜落の状況とか、新たな資料とか、そういったものまで詳しく木更津市のホームページには載っております。こういった住民説明会の質疑応答も全部載っております。  こういったものを見ると、やはり漁協の一部の役員さんは三者協議などに参加されておられますが、それ以外の方々はなかなか情報が思うように取れず、また、不安や、あるいは断片的な情報で困惑することも多い。そういった状況がある中で、先ほどのまちづくり、説明会のことについての再質問に対する御答弁、あるいはオスプレイの安全性に対しては、また改めて防衛省からの説明を待ちたいと思いますので、以上、佐賀空港自衛隊使用要請に関しては、その三点についての改めての御答弁をお願いして、再質問とさせていただきたいと思います。 12 ◎進政策部長 登壇=私からは、佐賀空港の自衛隊使用要請について三点再質問をいただきましたので、順次お答えをいたします。  まず初めに、数値ですね、大雨の想定している量、貯留槽等の規模と、数値は出ているけれども、その根拠でありますとか、基準値というものが何に基づいているのかといった部分についての御懸念を御質問いただきましたけれども、数値は確かに今、議員がおっしゃる部分、マスコミ報道されているという部分は私も承知しております。  当然、この協議の中では、例えば、防衛省から数値が出てきたから、ああ、はいはいというわけではなくて、これは何の数値だと、何に基づいて、どういう積算でこの数値になっているんだというところは当然確認をしておりまして、協議会はもちろん三者ですから、県と防衛省だけではなく、そこに漁協の方もいらっしゃいます。こういうことなんだなと。数字を詰めることは、どちらかというと県のほうが得意でありますので、そこは詰めて、こういうことだけど、そういうことでいいんだろうかというのをまた漁協に確認しながらという形で協議を進めておりますので、最終的なこういう規模のものをしますとかというところが少し報道で出ているのかもしれませんけれども、その裏では確認をしながら行っているというところでございます。  また、基準値というところも、基準値というのは一般的に言えば関係法令や県条例などになってくるというふうに思いますけれども、今回で言えば公害防止協定の基準値というものも当然ございます。公害防止協定は、まさにノリ漁をされている有明海漁協の皆さんと結んだ協定でございまして、そこで定められている基準値というものもしっかり見ながら防衛省とは協議しているところでございます。  県としても、安心がちゃんと確保できるように、当然政策部が協議には出ていますけれども、それが本当に大丈夫なのかというところは専門の農林水産部の職員であるとか、もしくは空港課の職員であるとかに順次確認しながら協議を進めているところでございます。  また次に、寄り添うと言っているけれども、漁業者の方々にもしっかりと考えながら、漁業者のことも考えながら協議を進めていくべきじゃないかというところを御質問いただきました。  当然我々は、漁協と公害防止協定を結んで、それについて漁協と協議を行っているところでございます。我々も漁協というものの後ろには漁業者の皆さんがいらっしゃるというのは当然考えながらといいますか、しっかりと思いながら協議をしているところでございまして、いろいろ話をする中では、漁業者の皆さんはいろんな御意見があるというふうに思います。実際、漁協の方と話しながらでも、一漁業者として我々のところにお話に来る方もいらっしゃいます。当然そうした様々なところで聞くお話でありますとか、また議員からこういう場だけではなくて、様々な場面で議員を通じてお伺いするお話もございます。そうしたところを全て勘案しながら、頭に置きながら協議というものはしていきますし、当然漁協という組織だけではなくて、漁業者の方に寄り添っていくということは大切だというふうに思っております。  ただ、協議ということにつきましては、やはり漁業者を代表して漁協というものがございますので、漁協の皆さんでいろいろ話し合っている中を県から混乱させるようなことはなかなかしにくいというところがございますので、そこはその時々に応じてどのように話をしていくか、検討していくかというのは考えながら進めていきたいというふうに考えております。  また、県民の皆様への説明の機会について御質問をいただきました。  県民の皆様にこうした大きな課題につきまして御説明をしていくということは大切だというふうに思っております。ですから、現在、漁協と協議しておりますけれども、覚書付属資料が見直された後には、防衛省とも連携して皆様に説明する機会もつくっていくことが必要ではないかというふうに考えております。  ただ、議員が想定されているのがどの程度のスパンか分かりませんけれども、常にということは、またタイミング、タイミングで適切な時期にやっていくというのは大事ですけれども、それ以外の機会におきましては、こうした県議会、県議会は県民の代表の皆様に対して随時、これは議員からも御指摘いただいたように、毎議会、佐賀空港の自衛隊使用要請については説明をさせていただいておりますけれども、またこうした質問をいただく中で詳しい説明もさせていただいております。こうしたことは非常に大切だというふうに思っておりますので、この県議会という場でしっかりと説明して、なるべく県民の皆さんに分かるように説明を果たしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 13 ◎久保山健康福祉部長 登壇=再質問にお答えいたします。  歯科健診受診率向上のさらなるキャンペーン、PRということだったかと思いますけれども、歯周病は糖尿病や動脈硬化、心臓病など、そういったいろんな病気と関係があるというデータが出てきておりまして、そういったことを県民の皆様方に理解していただき、歯科健診受診率を上げていきたいというのは我々も同じ思いでございます。PR、キャンペーンについても考えていきたい、今後検討していきたいというふうに思っております。  以上でございます。 14 ◎江口善紀君 登壇=手短に再々質問させていただきます。  歯科健診の啓発、七〇%に向けてぜひよろしくお願いしたいと思います。  三項目めの佐賀空港の自衛隊使用要請について、地権者ではない組合員について、これは相当数おられるというふうに伺っておりますが、その件について把握されているのかどうかぐらいは、私、先ほどの再質問で言ったつもりだったんですけれども、その点についてのみ確認というか、再々質問をさせていただきたいと思います。  まだまだ課題はいろいろありますけれども、再々質問として、地権者ではない組合員について把握をされているかどうかについてのみ再々質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 15 ◎進政策部長 登壇=佐賀空港の自衛隊使用要請について再々質問をいただきましたので御答弁申し上げます。  大変申し訳ございませんでした。先ほど再質問のときにいただいていたんですが、私が答弁し損ねておりました。  組合員の中で地権者の方がどれぐらいいるかということですけれども、もともと普通に協議している段階といいますか、地権者アンケートをする段階におきまして、当然地権者の方が何人いらっしゃるのかということは話として把握しておりました。もともと当然組合員数の数というものは承知しておりますので、議員がおっしゃるように、何割だとかを常に意識しているということではございませんが、組合員数の数、それから地権者の数ということは承知しております。そこは承知しております。  以上です。(「地権者の数は確認していないということですね」と江口善紀君呼ぶ)すみません、ちょっと今、手元には資料がございませんので、何人ということは今申し上げられませんが、そうしたことは議論の過程で、何人いる、何人いるということは議論の過程でやり取りをしておりました。今は資料がありません。  以上でございます。 16 ◎議長(藤木卓一郎君) 暫時休憩します。     午後零時二十分 休憩 令和四年六月十五日(水) 午後一時二十分 開議  出席議員    三十六名     一番  下 田   寛     一五番  池 田 正 恭     二九番  稲 富 正 敏     二番  桃 崎 祐 介     一六番  古 賀 陽 三     三〇番  徳 光 清 孝     三番  田 中 秀 和     一七番  川 崎 常 博     三一番  中 倉 政 義     四番  古 川 裕 紀     一八番  定 松 一 生     三二番  石 井 秀 夫     五番  一ノ瀬 裕 子     一九番  江 口 善 紀     三三番  留 守 茂 幸
        六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  木 原 奉 文     七番  古 賀 和 浩     二一番  八 谷 克 幸     三七番  石 倉 秀 郷     八番  井 上 祐 輔     二二番  向 門 慶 人     三八番  土 井 敏 行     九番  木 村 雄 一     二三番  坂 口 祐 樹    一〇番  中 本 正 一     二四番  宮 原 真 一    一一番  野 田 勝 人     二五番  原 田 寿 雄    一二番  冨 田 幸 樹     二六番  岡 口 重 文    一三番  弘 川 貴 紀     二七番  大 場 芳 博    一四番  西久保 弘 克     二八番  武 藤 明 美 欠席議員    一名    三六番  藤 木 卓一郎 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    南  里     隆          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   甲  斐  直  美          地域交流部長       山  下  宗  人          県民環境部長       古  賀  英  敏          健康福祉部長       久保山   善  生          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       山  田  雄  一          県土整備部長       大  呑  智  正          危機管理・報道局長    野  田  嘉代子          文化・観光局長      實  松  尊  徳          SAGA2024・          SSP推進局長      宮  原  耕  司          男女参画・こども局長   種  村  昌  也          会 計 管 理 者    元  村  直  実          警 察 本 部 長    松  下     徹          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    古  賀  千加子 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          政務調査課長事務取扱   吉  田     泰          総  務  課  長   碇     一  浩          議  事  課  長   篠  田  博  幸          総務課副課長       田  中  信  二          議事課副課長       原     康  祐          政務調査課副課長     西  田  里  美          議事課議事担当係長    椎  葉  奈  美          同 議事担当主任主査   池  田  陽  介     ○ 開     議 17 ◎副議長(宮原真一君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 18 ◎武藤明美君(拍手)登壇=皆様こんにちは。日本共産党の武藤明美でございます。私は通告しております順序に従って一般質問を行います。  まず、佐賀空港へのオスプレイ等の配備の問題についてです。  二〇一四年七月、防衛省による佐賀空港へのオスプレイ等配備要請から間もなく八年になります。山口知事はその半年後に知事に就任し、初めは白紙だと述べ、県民はその言葉を歓迎していました。先頃もカリフォルニアで墜落し、死亡事故も起きた危険なオスプレイ、知事は様々な経緯があったとはいえ、二〇一八年八月に防衛省からの提案を受け、オスプレイ受入れを表明しました。今ではその推進のために防衛省と協力をする立場になっておられます。大変残念です。  佐賀県は、空港建設当時、漁協や当時の川副町などとも話し合い、公害防止協定覚書付属資料では自衛隊とは共用しないという約束をしています。なぜそういう約束になったのか。それは、漁業者や住民は有明海漁業を守るためであり、きな臭い状況の日本や佐賀にさせてはならないと、安心して暮らしも漁業も成り立ってほしいという思いからでした。その約束がなければ、今の佐賀空港を建設できてはいませんでした。それなのに約束を破ってオスプレイ等の基地を造ることは許せません。  さて、体制が変わった今の漁協は、公害防止協定の見直しについて三つの条件を出しました。排水対策をどうするのか、土地価格の目安を示すことや駐屯地候補地以外の土地取得についての考え、この三つです。そのため県は、二月議会以降、担当者を入れて、漁協、防衛局、県の三者で協議をしてきました。実務者における三者協議で県はどんな役割を担っているのでしょうか。この協議会はこれまで何回開かれ、どんな話合いがされてきたのか御答弁ください。  防衛省は先頃、六月六日でしたか、漁協の三つの条件の検討状況について示しましたが、この中の一つに土地価格の目安について不動産鑑定を経て目安を提示するように準備ができたとあります。これについて地元の人たち、特に土地の権利者は納得していないんです。土地価格の目安を出すためだったのかどうか、それは分かりませんが、四月下旬に該当する土地に測量する人たちが入ってきてボーリング調査等があったとのことです。地権者の人たちはそういう調査についてもあらかじめ相談があったわけでもなく、説明も受けていなかったとのことです。つまり、承知していないのに、勝手に立ち入られ測量が行われていたというのです。この測量については、県はあらかじめ知らされていたのでしょうか。地権者の了解も得られずにこういうことが行われていたことについて、当事者の人たちが怒りと不快感を持っています。当然のことだと思います。  測量に来ていた人に聞くと、防衛局から頼まれたという返事だったそうですが、これでは不信感が広がるばかりではありませんか。こういうやり方については関係を損なうばかりだと防衛省に伝えるべきではないでしょうか。  また、地権者の人たちは、調査に来た業者がサンプルだと取り出して持ち出すことについて漁協の了承を得ていると言ったことについて、自分たちは組合からの説明も受けていないと言っておられます。五月上旬に漁協に説明を求めて申入れをしたけれども、何の回答も得ていないということです。  次に、環境影響評価についてです。  防衛省が今求めようとしている土地は三十三ヘクタール、ほかに保安用地として二ヘクタールとしています。三十三ヘクタールだったときには、ぎりぎり環境アセスメントにかからないというふうになっていましたが、後から出てきた保安用地とする二ヘクタールについては何も造らないということでアセスの対象にはならないとして、合計三十五ヘクタールであるにもかかわらず、環境アセスはしないと言い張っています。  私は、この問題が起きたときから、少しずつ土地を広げて環境アセス逃れをするだろうと見ていて、指摘もしてきたのですが、今、防衛省が取っている態度を見て、これから先もこんな卑怯なやり方をしていくのだろうかと許せない思いでいっぱいです。改めて、防衛省、防衛局に合計三十五ヘクタールとして環境アセスを実施するよう県は求めるべきです。いかがでしょうか。  予定地以外の土地を取得する考え方については、昨年三月の特別委員会で、この私の質問に対して国は答弁をしました。それから一年以上たって、国は漁協にその考えを示したわけですが、これまで県はどういう見解を持ってこられたのでしょうか、明らかにしてください。  防衛省のこのやり方、そして、その真意を確認していただいたのかどうなのか。また、今後の佐賀空港の発展、国際空港としての役割を果たしていくのに大きな障壁を持つのではないかとも心配をしています。どのように考えておられるでしょうか。  次に、原発行政についてです。  昨年三月十一日には県内の脱原発の団体、ネットワークと山口知事が面談をしました。知事はその際、時々皆さんの話を直接聞くことは大事ですと発言されました。脱原発団体の皆さんは一年後の今年も年に一回くらいは面談はあっていいだろうと、二月十四日、日程調整を含め面談を希望されましたが、その後、文書回答のみで面談はしないとのことでした。なので、五月に再度面談を要望されました。日程調整が手間取っているのかと思っておりましたが、つい先日、今回は会わないとの回答があったようです。あまりにもひどいんじゃないでしょうか。知事が昨年述べられた言葉は偽りだったのか、また、その場しのぎだったのか、本当に不可解です。なぜ会わないという結論になったのか御答弁ください。  次に、玄海原発で進められている使用済み核燃料のための乾式貯蔵施設計画についてです。  今年三月二十四日に、知事はこの計画に事前了解をされました。これにより、佐賀県には使用済み核燃料がたまり続けることになります。私たち日本共産党県議団はこれまでも核燃料サイクルの破綻を指摘し、青森県六ケ所の再処理施設は完成のめどが立たないのではないかと言ってまいりました。二〇二二年、今年の完工については二十六回目の先送りがされるんではと報道され、更田原子力規制委員長も九月までに完工は困難だという認識だと報道もありました。  九州電力は五月の唐津市議会で、六ケ所村の再処理工場に搬出できないと考えた場合でもリラッキングと乾式貯蔵施設で約十七年分の容量があると述べたと言われておりますが、つまり、搬出できない場合があると考えているわけです。搬出できない場合とは玄海原発が少なくとも十七年間、もっと言えば、半永久的な保管場所にされてしまうということなのですが、その認識について知事はお示しください。  県民は、佐賀県が核のごみ捨て場にされるのは困ります。そうならないためにも、乾式貯蔵施設の設置に対する事前了解を撤回していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  ロシアによるウクライナ攻撃によって、私たち日本人はプーチン大統領の核攻撃も辞さないという発言や、ウクライナにある原発への攻撃の可能性発言に憤りを持った人も多かったと思います。長崎生まれの私にとっても身内に被爆者もおり、核の被害はあってはならないという思いを持っています。被爆の実相を知らない人たちにとっては、核のボタンを押すことの想像力の貧困があるでしょうが、福島も経験した私たち日本国民から見れば、大惨事が目に見えています。それを契機に原発を抱える県民として不安な思いも抱いております。  山口壯原子力防災担当大臣は三月十一日、国内の原発がミサイルなどの武力攻撃を受けた場合の想定として、チョルノービリのときよりももっとすさまじい、町が消えていくような話だとの見方を示し、五月十三日には原発の武力攻撃に対する防衛について、ミサイルが飛んできて、それを防げる原発は世界に一基もないと述べています。ミサイルからの防衛が今後もできないのであれば、県民の安全を守るためには危険な原発は止めるしかありません。  全国知事会は三月、ミサイル攻撃に対し、自衛隊による迎撃態勢に万全を期すよう要請されたそうですが、迎撃ミサイルの配置は逆に攻撃ミサイルにもなるために、相手方は標的にしやすいというふうに思い、ますます原発は危険になってしまいます。知事は、山口大臣の認識を全国知事会の動きなども含めどのように受け止めておられるのでしょうか。  原子力発電所の重要な施設である変圧器、これを主に納入している三菱電機では、発熱温度が規定より高いのに虚偽の数値を記入したり、規格を満たさない不正を四十年間も続けていたと、四月二十二日に朝日新聞が報じています。  また、日本製鋼所は五月九日に原発に使用されているタービン関連の製品に不正があったと発表しました。顧客の求める基準を満たしていないのに、虚偽の検査データで約二十四年間にわたって出荷したとのことです。とんでもないことです。  九州電力もこういった会社から納入していたと考えられますが、精度や基準を満たしていないものが使用されていたなら、安全が確保されなければならない原子力発電所としては不適切だと思います。県は九州電力からちゃんと聞き取りをしていただきたいと思います。使用されていたのであれば、どう対応していくのか、きちんと説明を受け、今後の方向も求めていくべきですが、いかがでしょうか。  次に、物価高騰対策についてです。  コロナ危機による景気の低迷などで国民生活の貧困が長期に及んでいます。それに加えて、ガソリン、食料品、電気料金をはじめ、物価の高騰によって暮らしと営業は深刻な打撃を受けています。この国民生活の困難は、コロナからの経済回復に伴う世界的な需要増による国際価格の高騰、また、ロシアのウクライナ攻撃と経済制裁によるエネルギーや小麦価格の上昇、さらには、日銀の異次元の金融緩和政策による円安誘導と輸入価格の上昇、そういった複合的な要因によるものです。  岸田首相は新しい資本主義と言いますが、アベノミクスの焼き直しにすぎません。弱肉強食、格差拡大の新自由主義、アベノミクスによる日本経済の弱点を根本から立て直す抜本的な改革が必要です。  消費税五%への緊急減税や賃金引き上げ、年金、生活保護の底上げなど暮らし応援が求められています。地方においては直面している県民生活、暮らしと営業を守るための緊急対策も必要です。  佐賀県は、今議会に補正予算として幾つかの対策が提案されています。専決処分でもひとり親家庭への直接支援がされていること、これは本当に一定の評価ができると思っています。今議会の対策もよい提案がされています。なお一層の県の取組をお願いしたいと考えています。  専決処分が行われたひとり親家庭への支援以外にも、ほかの生活困窮者の支援も必要だと思いますが、いかがでしょうか。県は生活困窮者を支援するNPO等の団体や相談員の増員には予算を提案しておられますが、直接的な支援についてはどうお考えなんでしょうか。  また、今回の提案の中で、特別支援学校、県立の定時制高校、保育施設や幼稚園、私立学校、学生寮などに給食等の材料費を支援し、保護者負担の軽減を図るということで給食費に対しての提案がなされています。大いに歓迎しています。この実施期間は今年度というふうになっておりますけれども、物価高がそう簡単に収まるとは思えません。子育て世代応援のために来年度以降も必要ではないかというふうに思います。自治体では、保護者負担の軽減のために学校給食の無償化をやっている、踏み出したといったところも県内にはあります。市町とも協力し合って、今後、給食費の保護者負担をなくす取組を進めていただきたいのですが、いかがでしょうか。  ここにパネルを持ってきております。(パネルを示す)上の写真は保育所の給食です。下の写真は義務制の学校の給食です。今、この煮物にウズラの卵が四つ入っているんですけれども、給食費が高くなったりすると、それを我慢して、ウズラの卵が二個になるかもしれない、あるいはここに置いてあるお野菜等の塩もみ、お野菜の材料が少なくなるかもしれない。ここにおみそ汁とおかずがあって、バナナがある。保育園ですけれども、もうバナナはつけられないかもしれないと、そういう心配もお持ちなんです。  また、これはある保育園のおやつなんです。給食費の中にもちろんおやつ費もあるんですけれども、工夫して子供たちの食育も考えて、頑張っておられます。  これは豆類、煮豆ですね。おにぎりといりこ、いりこはかむ力を強め、そしてカルシウムも摂取できるということで、本当に子供たちが味を、しっかりと味覚を高めていくためにも、このいりこを食べるということはとてもいいことなんです。  こちらは、また別の日のおやつで、おにぎりといりこ、フルーツというふうにされているんですけど、もういりこが使えなくなるかもしれないと。  本当に子供たちの栄養や食育、食のバランスなど考えて、頑張っておられる中で、この制度、いい提案をされていますので、物価高騰ということもありながら、子育て世代への応援という位置づけもちゃんと加味していただいて、一億六千万円の今回の提案ではありますけれども、来年度も市町とも話合いながら、ぜひこの学校給食の支援をお願いしたいというふうに思っています。  また、三番目に、県民生活の苦しさに寄り添い、国に対して年金改悪の阻止、また後期高齢者医療費の窓口負担増の中止、そして生活保護の基準の引下げ中止、こういった切実な声を国に求めていただきたいと思っております。特に最近は年金の通知が来て、その通知が引下げということで、皆さんの怒りが沸き起こっております。ぜひ国に対して物価高騰対策としても、こういう生活できる、生活の基準を下げないようにしてほしいということを言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、医療費助成についてです。  子供医療費やひとり親家庭、重度障害者の医療費助成制度の改善については、これまでも質問を重ねてきました。子供医療費の対象年齢引上げは、今年一月から佐賀市でも中学卒業までとなり、現物給付になりました。県内の議会でも、県が対象年齢を引下げ、市町を支援してほしいという声が出ています。現在、市町の議会からは意見書等も上がっていると思います。どのくらいの議会が意見書を県に出し、また市町ではどのような意向になっているのか、これについてもお示しいただきたいと思います。  また、ひとり親家庭の医療費については、今、償還払いで、現物給付方式にするには、国保ペナルティーが増えること、医療費が増えることなどを心配していることが改善できない理由にされています。国保ペナルティーについては、子供医療費の場合、県は二分の一を負担されました。ひとり親家庭の利便性を高めるという考えにしっかり立って手続改善のために力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  また、重度心身障害者の医療費についても、現物給付方式が利用者の利便性とともに、手続の簡素化にもつながると認識が前回示されていました。今の償還払いの手続に困難を抱えている障害者の方たちが多いことは県当局も分かっておられると思いますが、市町との話合いをもっと積極的に進めていただきたいと思います。県民の困難を軽減していただくよう求めて、答弁をお願いいたします。  次に、教育行政です。  まず、そのうちの一つに、包括的性教育についてお尋ねします。  かつて佐賀県は十代の人工妊娠中絶率が全国一位であったという事態を踏まえ、今は性教育の大事さについて、男女参画・こども局や教育委員会の保健体育課において取組が進められています。  私は昨年、生理用品のトイレへの配置に取り組む中で、人権問題としても包括的性教育の推進が必要だと感じてまいりました。包括的性教育とは耳慣れないかもしれませんけれども、国際的には一九九〇年代から使われています。性のことを性交、妊娠、出産のことに限定せずに、他者との関わりなど、人間の心理的、社会的、文化的な面も含め、人権に関わる問題として捉えていく、生命の安全教育、そういう観点からだと思います。  性の多様化の下でお互いを大事にすること。人権を守り、互いの尊厳を守ることが一番大事で基本に据えるべきだと思います。性感染症問題、正しい性情報、望まない妊娠、妊娠・出産の仕組み、デートDVやDV問題など、様々な角度から包括的性教育が必要です。特に性暴力や性被害から子供たちを守りたいと願っています。子供たちには科学や人権に基づく性教育が必要だと思うのです。教育委員会や県当局は現在どのような観点で性教育に取り組んでおられるのかお示しください。  次に、小・中・高校生などの若年層の性の問題や性被害の相談についてです。  県は、そういう相談を受ける体制が整っておられるでしょうか。あるとすれば、この数年、どのぐらいの相談が寄せられ、どんな内容だったのかお示しください。
     また、県の性教育の在り方についてです。  学習指導要領には「妊娠の経過は取り扱わないものとする。」という、いわゆる歯止め規定があり、学校教育の中では性交と避妊については教えないとなっています。例えば、小学校五年生では人の受精に至る過程は取り扱わない。中学校一年生では妊娠の経過は取り扱わないとなっています。言わば足かせになっているんです。性交を知らない子供が性暴力を受けるようになったとき、それを回避する、そういうすべを知らずに、適切な対応ができずに予期せぬ妊娠をしたということにならないようにしていかなければなりません。  学習指導要領というのはあくまで最低基準であり、この歯止め規定の内容について、必要性があると判断すれば指導することはできるとも言われています。この必要性を認め、県としての性教育についての工夫、努力も求めたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、教職員不足の解消について質問いたします。  教育委員会は、かねてから教職員の人たちにとって時間的にも経済的にも負担となっていた免許証更新制度を見直すことにされました。それについてはほっとしたという声も寄せられています。子供たちと向き合う時間をつくるためにも、健康問題を考えるためにも、教職員不足の解消は今後も取り組まなければなりません。  文科省が昨年度初めて実施した教員不足の全国調査でも、学校現場での教員不足が明らかになりました。本県でも同じような状況があると思います。これまでも定数内臨時的任用教員を減らして正規職員を増やすべきだと提起もし、臨採の処遇を改善すべきとも求めてきました。それでもなかなか教職員不足が解消しません。正規の教員の補充としている臨採の教職員にも欠員があるという実態です。代替教員にも欠員が出ると、学校内では級外の先生のやりくりや副校長などが授業をつなぐこともあります。その先生に別の校務が入ると子供たちは自習になり、自習が多いクラスも出てきます。学ぶ機会は平等であるべきです。高等学校でも実習助手や調理員が欠員になると、ほかの職員にしわ寄せが出てきます。  そこで、県内の学校における欠員状況がどうなっているのかお示しください。  県によっては、教員が産休や育休を取得しやすいように、出産予定の教員のために一学期冒頭から代替教員を配置して、一緒に仕事しながら引継ぎ体制を整うようにしたり、二学期に休む予定の職員がいる場合にも、その代替を早めに配置するなど、ぎりぎりに人を探さなくてもいいように、余裕を持った配置をしているともお聞きします。  別の県では、育休の人が復帰するときも、さらに三カ月先まで代替を配置し、子供が急に発熱し、また休まなければならないといった場合を見込んでの、いわゆる先読み加配というふうにしておられます。こういった余裕を持った代替教員の先読み加配などを取り入れる努力が必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  また、佐賀県では教員採用の年齢制限を改善されましたが、さらにお願いしたいのは、他県と比べて賃金が低いという点です。処遇改善により他県に教職員が流出しないようにすることや、県内での臨採の経験があれば、福岡のように採用試験のときには一次試験を免除することなど、講師不足の解消にもつながると考えますが、そういった努力、工夫が必要ではないかと思います。いかがでしょうか。  以上、御答弁をお願いいたします。(拍手) 19 ◎山口知事 登壇=武藤明美議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港への自衛隊使用要請についてお尋ねがございました。  昨年十二月に有明海漁協から、県と交わしている公害防止協定覚書付属資料の変更についての回答文書を頂いた後、本年一月から有明海漁協、防衛省、県の実務者で構成する三者協議会をスタートさせました。  この間、有明海漁協から示された排水対策などの三条件に関する防衛省の検討状況について、月一回程度のペースで四回にわたって協議が行われました。そして、今月六日の三者協議会において、漁協から示された三条件に関する防衛省の考えについて、おおむね確認ができました。今後、七月をめどに、有明海漁協の検討委員会に報告、説明できるように調整を進めております。  今後とも、防衛省に対しては丁寧な対応を行っていくように働きかけてまいりたいと思います。  三者協議会での県の役割や協議状況、計画予定地の地権者との関係、環境影響評価について、計画予定地以外の土地取得などにつきましては関係部長からお答えさせていただきます。  続きまして、玄海原子力発電所の関係で、まず市民団体との面会についてお尋ねがございました。  原子力発電に関しましては、これまでも形式にとらわれず、広く門戸を開いて、県民や市民団体の皆さんから意見を聞いて、全ての質問に回答させていただいております。  私自身も団体の方々とは節目節目で機会を捉えて直接お会いし、御意見を伺ってきておりまして、昨年は福島第一原子力発電所の事故から十年目の節目の日ということもあって、市民団体の方々と直接お会いさせていただいて、様々な御意見を伺ったところです。  また、私だけではなくて、副知事ですとか、担当課長ですとか、それぞれ県民や市民団体の方々から直接御意見をお聞きする時間を設けて、対応、面会させていただいております。  県民からいただいた御意見はしっかりと受け止めて、これからも様々な意見が出しやすい環境を維持していきたいと思います。  続きまして、使用済み燃料の長期保管への懸念についてお答えします。  原子力発電所で発生する使用済み燃料については、これを再処理し、回収されるプルトニウムなどを有効利用することが国の基本的方針となっています。九州電力は、この方針に従って使用済み燃料を一定期間冷却した後に再処理工場へ搬出する方針であって、これは原子力規制委員会も審査の中で確認をしています。  この核燃料サイクルについては、国と事業者が責任を持って進め、それぞれがきっちりと責任を果たすべきと考えています。せんだって、六月七日に行いました国への政策提案においても、改めて資源エネルギー庁の保坂長官に対しまして、核燃料サイクルについては国が責任を持って進めていくよう強く申入れさせていただきました。  九州電力から事前了解願があっていた乾式貯蔵施設の設置につきましては、三月二十四日に事前了解を行っております。詳細は担当部長から答弁させます。  原子力発電所に対する武力攻撃についてお答えします。  まず、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、国際社会の中でこのような武力攻撃はあってはならないものだということを申し上げておきたいと思います。そして、当然、原子力発電所に対する武力攻撃は決して許されるものではありません。さらに、原子力発電所に対する武力攻撃については、武力紛争の犠牲者の保護に関する条約、いわゆるジュネーブ条約によっても禁止されております。  仮に日本において武力攻撃が発生、またはそれが予測される事態に該当すれば、国は原子力発電所の運転停止を事業者に命じることとなっています。また、原子力発電所が攻撃を受けた場合で急を要する場合は、事業者は発令を待たずに原子力発電所の運転を停止するとしています。  県としては、原子力発電の安全について常日頃から注視しておりますけれども、当然この武力攻撃に関しても国際情勢を常に意識しながら、何らかの兆候があった場合には関係機関と連携して対応に当たることとしています。国は、そもそも武力攻撃のような事態に陥ることがないよう、外交などあらゆる取組を通じて武力攻撃の抑止に努めていただきたいと考えています。  次に、原発関連の部品製造会社で発覚した不正への対応についてお答えします。  製品の情報が今回のようにもたらされた場合には、九州電力に対して玄海原子力発電所で使用されていないのかを確認し、仮に使用されていれば、玄海原子力発電所の安全性への影響について速やかに確認することとしています。  今回については、玄海原子力発電所で使用中の設備において、これまでのところ該当する製品は確認されていないとの報告を受けております。この詳細については、担当部長から答弁させます。  続きまして、物価高騰対策について、まず支援金の給付についてお答えします。  最近の原油高騰等の影響に伴いまして、本県においてもガソリンや重油等の燃料関係の価格が上昇して、県民生活や経済活動に多大な影響を及ぼしております。議員からは、生活にお困りの低所得者への支援金の給付をというお話もございましたけれども、県としては、そういったこともしっかり踏まえながら、現場の声、状況を踏まえて、総合的に考えて対策を行いたいと思っています。  この六月議会においては、長引くコロナ禍に重ねて原油価格、そして、物価の高騰の影響を受けたところが各業界ごと、そして、県民生活の状況といった意味で多く見受けられたので、この生活を支えていこうということで──武藤議員からも訴えがあった給食の問題もしかりです。──様々な予算をお願いしております。まだこれは進行中でありますので、取りあえず現時点で、六月議会で対応策について提案させていただきましたけれども、この先まだ分かりませんので、なお今後の情勢を踏まえて、官民両方の力を合わせて的確に対応できるように、県民の生活課題に丁寧に向き合い、意見を聞きながら、現場をつぶさに見ながら、「人の想いに寄り添う県政」を進めていきたいと思います。  様々な課題がありますけれども、生活にお困りの方への支援など詳しいことについては健康福祉部長から答弁させます。  最後に、様々な給付について、引下げを行わないように国へ要望してほしいというお尋ねがございました。  例えば、生活保護だとか、後期高齢者の医療や年金制度と様々ありますけれども、国民の安全・安心な暮らしを支えていくための重要なシステムだと認識しています。これは負担と給付のバランスを取っていくことが大切だと思います。すなわち、こうした制度は、制度そのものが持続可能でなければいけないと思います。実際に真にそれを必要とされている方に的確に行き届けるためにも、一律に引下げよということばかりではなくて、むしろ担う力の方もおられるのであれば、そちらの方から負担をいただくというような形で、制度として持続していくことが何よりも大切だと私は思っています。こうした観点から国も議論されているのではないかと承知しています。  県といたしましては、今後も現場で起きていること、そして、制度としてはどうあるべきなのかということを常に意識しながら考えていきたいと思います。 20 ◎進政策部長 登壇=私からは、佐賀空港への自衛隊使用要請についてお答えをいたします。  まず、三者協議会につきまして、県の役割、それから協議の内容について御質問をいただきました。  昨年十二月十四日に有明海漁協の西久保組合長から、計画予定地の排水対策など三つの事項に対して防衛省の考えが示されることを条件に、県と交わしている公害防止協定覚書付属資料の見直し手続を行うとの回答文書を頂きました。  この回答文書の中で、防衛省の検討状況を確認するため、県や防衛省と意見交換を行う協議の場の設置を求めるという申入れがございました。このことから、有明海漁協、防衛省、県の実務者による三者協議会を設けたところでございます。  これまで県は、この協議会を運営するとともに、有明海漁協の思いをしっかり防衛省に伝え、さらなる検討、修正を促すなどの役割を担ってまいりました。  三者協議会におきましては、排水対策について、県から空港建設時の排水対策等について説明し、漁協の懸念点も踏まえた検討を促すとともに、西側の土地取得の考え方、土地価格の目安について、防衛省の検討状況の確認や意見交換を行ってきたところでございます。  続きまして、計画予定地の地権者の不信感につきまして御質問をいただきました。  防衛省が実施した測量調査につきまして、防衛省からは計画予定地の面積や境界などを把握するための調査であり、昨年十二月に漁協から防衛省に対して示された三つの条件の一つであります、計画予定地の土地価格の目安を示すために必要な調査との説明を受けております。  測量調査に当たりましては、防衛省において、事前に有明海漁協本所、関係支所に対して測量の範囲をはじめ、予定している業務の内容を説明し、それに伴う現地への立入り等について、了解を得て実施されたものと県としても承知しております。  地権者の合意形成につきましては、漁協の内部の事柄ではありますが、事業主体である防衛省にあっては、真摯に説明、それから対応を尽くしていくよう促してまいります。  また、計画予定地以外の土地取得に関する御質問をいただきました。  計画予定地西側の土地取得の考え方につきましては、有明海漁協から防衛省に対して示された三条件の中の一つとなっております。このため、三者協議会において、この計画予定地以外の土地取得に関する考え方につきまして、防衛省に対して検討状況の確認、それから意見交換を行ってまいりました。  最後に、佐賀空港の発展への影響についてでございます。  九州佐賀国際空港につきましては、地域発展の重要なエンジンであり、空港の発展を通じて人や物の交流をさらに広げ、九州におけるゲートウエー空港として発展させていきたいというふうに考えております。  このため県としては、佐賀空港の自衛隊使用要請について、将来にわたり民間空港としての使用、発展に支障があってはならないと考えており、このことについては、平成三十年八月二十四日に当時の小野寺防衛大臣と山口知事が最終確認をした合意文書の中で、「佐賀空港の自衛隊使用要請について、佐賀空港の民間空港としての使用・発展に影響を及ぼさないとの従来の確認を前提として」と記載をし、改めて確認を行っております。仮に防衛省が計画予定地西側の土地を全部取得したとしても、佐賀空港の民間空港としての使用、発展について障害になるとは考えておりません。  以上でございます。 21 ◎古賀県民環境部長 登壇=私からは三点お答えしたいと思います。  まず、佐賀空港の自衛隊使用要請の関係で、環境影響評価についてお答えいたします。  佐賀県環境影響評価条例では、防衛省が計画しております施設整備事業につきましては、宅地その他の用地の造成事業に該当しまして、造成面積が三十五ヘクタール以上の場合は環境影響評価の対象となります。  現時点で防衛省が示しております造成面積は、保安用地を除いた約三十三ヘクタールでありますので、条例上は環境影響評価の対象となりません。ただし、防衛省は詳細な配置計画や規模等について、基本検討や実施設計を踏まえた上で決定するとされておりまして、その結果、造成面積が三十五ヘクタール以上となった場合には防衛省により環境影響評価が実施されることになります。  次に、玄海原子力発電所の乾式貯蔵施設の事前了解についてお答えをいたします。  乾式貯蔵施設につきましては、使用済み燃料の貯蔵・冷却に電源や水を必要とせず、プールでの保管に比べ、安全性が高いとされておりまして、原子力規制委員会の更田委員長も、プールでのしかるべき冷却が終わった使用済み燃料は、乾式の設備を設けて、そこへ移行すべきであるというふうに一貫して発言をされております。  その上で、玄海原子力発電所の乾式貯蔵施設につきましては、原子力規制委員会によります厳格な審査により、法令上の要求事項に適合していることが確認をされていること、また、昨年七月に開催しました佐賀県原子力安全専門部会における意見等も踏まえまして、原子力規制委員会や九州電力に対して詳細な確認を行った結果、九州電力の計画及び原子力規制委員会の審査内容に不合理な点はなかったことから、去る三月二十四日に事前了解を行いました。  事前了解に当たった際に、県から九州電力に対しまして三つのことを求めました。具体的には、工事の実施に当たっては安全を最優先に行うこと、そして、使用済み燃料の早期搬出に向けた取組に万全を期すこと、そして、今後とも玄海原子力発電所のさらなる安全対策に不断に取り組むこと、以上のことを求めたところです。  次に、原子力行政関係で、部品製造会社で発覚した不正への対応についてお答えいたします。  本年四月と五月に原子力発電所でも使用しております三菱電機株式会社と日本製鋼所M&E株式会社の一部の製品において、製造時の検査の未実施や、検査データの改ざんなどがあったことが明らかになっておりますが、九州電力からは、玄海原子力発電所で使用中の設備において、これまでのところ不適切な行為が行われた製品は確認されていないという報告を受けております。  県としましては、九州電力に対しまして、仮に不適切行為があった製品の使用が確認された場合には、適切に対応するとともに、県民に不安を与えることのないよう、積極的に説明責任を果たすよう求めているところでございます。  私からは以上でございます。 22 ◎久保山健康福祉部長 登壇=私からは、二点お答えさせていただきます。  まずは、物価高騰対策のうちお困りの方への支援についてでございます。  コロナ禍では、就労や収入が安定しない世帯で特に影響が出ており、物価高騰により困難が増すことを懸念しているところでございます。  こうした世帯に対する経済的支援につきましては、これまでも生活資金の貸付けや自立支援に向けた給付、あるいは非課税世帯への臨時給付金の支給など、国、県、市町が一体となって取り組んできたところでございます。  コロナ禍の物価高騰の今、生活困窮者の支援を行っている社会福祉協議会や自立支援センターからは、今後は家計の改善や就労への支援について、丁寧に寄り添いながら自立に向けた支援を行うことが根本的な解決策であり、より重要になってくると聞いているところでございます。  こうしたことから今議会に、自立支援センターが、支援を必要とする方一人一人の状況に応じてプランを作成し、家計の改善や就労の支援を行う取組を強化する予算をお願いしているところでございます。  また、佐賀県には、志の高いCSOの方が多数いらっしゃいます。そういった方たちが支援を必要とする方たちを支えていただいているところでございます。そうしたCSOの方の活動を支援する予算もお願いしているところでございます。  今後とも、困難を抱える方の声に耳を傾け、佐賀県らしい取組を進めてまいります。  次に、重度心身障害者医療費助成についてでございます。  重度心身障害者医療費助成における現物給付方式では、受給者は医療機関の窓口で一定額支払うだけでよく、後日、市町への助成金申請手続も不要となり、また、市町にとっても事務の簡素化につながるなど、メリットはあります。ただ、その一方で、国保ペナルティーによる多額の財政負担が市町に新たに発生するなどの課題もございます。  給付方式の見直しを行うに当たりましては、事業の実施主体である市町が主体的に検討すべきものと考えておりますが、昨年八月に実施した市町アンケート結果や、今年の一月から二月にかけて実施いたしました圏域ごとの意見交換会での議論の内容からも、その見直しについて市町において十分なコンセンサスが得られていない状況でございます。  県といたしましては、今後も継続して市町における議論が深まるよう、主体的に関わっていくこととしておりますけれども、必ずしも全市町統一の給付方式にこだわるものではなく、独自に給付方式の見直しを進めたいという市町があれば、そういう議論もしていただきたいと考えております。  なお、県では、現物給付化の実現に向けて、最大の課題である国保ペナルティーの廃止や、医療費助成に係る全国一律の制度創設について、先日も政策提案で国に要望してきたところでありまして、今後とも機会があるごとに国に対して要望していきたいと考えております。  以上でございます。 23 ◎種村男女参画・こども局長 登壇=私からは、医療費助成制度の御質問のうち、子供の医療費助成について及びひとり親家庭等医療費助成についての二点、それから、教育行政についての御質問のうち、佐賀県における性教育の取組状況について、及び性や性被害で困られた方の相談についての二点、計四点お答えいたします。  まず、子供の医療費助成についてでございます。各市町の議会から意見書がどれくらい出てきているのかということと、自治体の意向はどうかという御質問だったかと思います。  県による子供の医療費助成の対象年齢を中学校卒業まで拡大するようにしていただきたいという旨の意見書ですが、昨年度、二つの市と八つの町の議会から提出をされております。  このほかに、市長会からは同様の要望が毎年出されておりますし、また、先月、町村議会議長会からも同様の趣旨の要望書が出されております。  このようなことから、市町が県の助成対象範囲を拡大していただきたいということを言われているというふうに認識をしてございます。  それから、続きまして、ひとり親家庭等医療費助成についてでございます。  ひとり親家庭等医療費助成につきましては、今、医療機関の窓口で一旦、自己負担分全額をお支払いしてもらっていますけれども、現物給付方式に移行した場合にはその必要がなくなりますし、また、申請手続も不要になりますので、経済的に厳しい、あるいは多忙なひとり親家庭にとっては利便性が高まるものというふうに認識をしております。  一方、現物給付方式へ移行した場合には、審査支払機関への事務手数料が発生しますとか、御指摘の国保ペナルティー、これは国民健康保険国庫負担金が減額をされるということですけれども、これが新たに発生するということ、また、受診回数が増えることが想定されまして、医療費の増につながるなど、財政負担の増加というものが課題となってございます。  県といたしましては、給付方式の見直しの議論に当たりましては、これは実施主体である市町の意向が重要であると考えておりまして、これまでも市町と意見交換を行ってきたところでございます。  市町のほうからは、現物給付方式への移行に関しまして、ひとり親家庭にとっての利便性が向上するとか、あと、役所側も事務負担が軽減になるとか、そういった前向きな意見があります一方で、医療費増や国保ペナルティーなどによる財政負担を懸念するといった、移行に関して慎重な意見も出されております。  県といたしましては、今後とも市町の議論が深まるよう、関わっていきたいと考えてございます。  また、現物給付方式への移行の課題となっている国保ペナルティーに関しましては、その廃止を今月も政策提案で国のほうに要望をしてきたところでございます。今後とも、機会があるごとに国に対して要望を続けてまいります。  次に、教育行政に関しまして、佐賀県における性教育に係る取組状況についてお答えいたします。  県では、県内の若年層の方を対象に、健康支援と、それからDV等の予防対策という観点から、性教育に取り組んでおります。  生涯を通じた男女の健康支援ということで、望まない妊娠を防ぐためにということで、性に関する知識を記載した啓発冊子を作成し、これを県内の全ての高校に配布をしております。なお、希望するところがあれば、中学校とか特別支援学校、大学へも配布をしております。  それから、各保健福祉事務所におきまして、学校で性教育を担当する養護教諭ですとか、市町で性の相談窓口を担当する職員を対象に、性に関する研修会を開催したり、保健師が学校に出向いて、主に高校一年生を対象にして、エイズ予防講習会を開催するなど、こういったことに取り組んでございます。  それから、男女間のあらゆる暴力の根絶という観点からは、子供たちを被害者にも加害者にも傍観者にもしないということで、若年層に向けた性教育を含めた暴力予防教育も行っているところでございます。  具体的に申し上げますと、県内の小・中・高校、大学等に佐賀県DV総合対策センターの職員を講師として派遣をし、年代に応じた将来の性被害等を未然に防止するための講話、それとか相談先を記載したリーフレットの配布などを行っているところでございます。
     それから、最後になります。性や性被害で困られた方の相談窓口支援体制ということでお答えをいたします。  県では、性や性被害で困られた方向けに、相談内容に応じた窓口を設置しております。  具体的に申し上げます。思いがけない妊娠や出産への不安などについての相談に関しまして、これは国立病院機構佐賀病院のところに「妊娠SOSさが」というものを設置いたしまして、ここで助産師や医療ソーシャルワーカー等の専門スタッフが対応をしております。妊娠や避妊に関することとか、不妊に関することの相談があってございます。件数といたしましては、令和元年、令和二年、令和三年の過去三年分を把握しておりますけれども、それぞれ三十三件、四十四件、五十一件となっております。  それから、もしも性被害に遭ってしまった場合の相談ということで、「性暴力救援センター・さが」、愛称「さがmirai」と申しますけれども、これを設置しております。アバンセと、それから佐賀県医療センター好生館にございます。相談内容が、医療的支援が必要な場合には、これは好生館のほうで医療ソーシャルワーカーが対応して、これを医師による治療等につなげております。これは相談件数が令和元年、二年、三年、それぞれ三十一件、五十二件、六十九件となっております。  また、「さがmirai」で受け付けた相談のうち、精神的な支援が必要な場合は、これはアバンセにおいて、臨床心理士等が心理カウンセリングを行うなどの支援を行っております。件数といたしましては、令和元年、二年、三年、それぞれ二十件、十件、三十二件となっております。  相談内容といたしましては、性的被害に関することとか、性感染症の御心配、妊娠の御心配、そういった相談内容になってございます。  このほかにも、各保健所におきまして、性感染症、エイズ、体の悩みなどの相談を保健師が相談に乗っております。  また、ジェンダー平等の観点から、DV総合対策センターにLGBTsに関する相談窓口を設置しておりまして、臨床心理士等が多様な性に関する悩みなどの相談に応じております。これも件数を申し上げます。令和元年、二年、三年、それぞれ七件、二十九件、三十二件となっております。いずれも相談件数は増加傾向にあるというふうに認識をしております。  性に関することや性被害に関しましては、相談をためらう方も多く、問題が潜在化しやすいのではないかと認識をしております。県のホームページへの掲載をはじめ、広報用のカードやシール等を県内の商業施設ですとか、図書館などの公共施設、それから、各学校に配布するなどして、若い方への周知に努めております。  今後も、必要な方に必要な情報が届くように取り組むとともに、相談にしっかりと対応してまいります。  私からは以上でございます。 24 ◎落合教育長 登壇=私からは、大きく三点お答えをいたします。  まず、学校給食無償化の推進についてお答えいたします。  今議会に、県立学校における給食費の物価高騰による上昇分について支援をする補正予算を提案させていただきました。  議員のほうからは、今年度だけの支援ではなくて、経常的な給食費に対する支援、できれば無償化をするべきではないかという御質問だったかと思います。  学校給食における食材料費につきましては、学校給食法第十一条において、保護者の負担とされておりまして、法に基づいて保護者負担が基本となっております。  まず、県立学校におきましては、特別支援学校において保護者の経済的負担能力により必要な経費を支援する特別支援教育就学奨励費がありまして、令和三年度では児童生徒の約九割がそれぞれの保護者の収入などにより、学校給食費の全額または半額の支援を受けています。それ以外の県立学校でも経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者に対しては補助が行われておりまして、学校給食費についても支援の対象となっております。  次に、市町につきましては、市町立小中学校の特別支援学級に通う児童生徒についても、先ほどの特別支援学校と同様に、特別支援教育就学奨励費の対象となります。また、それ以外の就学困難と認められる児童生徒についても同様に補助の対象となっております。  議員のほうから、困窮世帯だけではなくて、児童生徒全体の給食費に対する支援の御提案だったかと思いますけども、児童生徒全体を対象とした、いわゆる給食無償化を実施されているのは現在六つの町、一部の学年、あるいは給食費の一部を減免されているのは五市町となっております。市町立学校の児童生徒に対する給食無償化を行うかどうかにつきましては、それぞれの市町において判断されるものと考えております。  次に、包括的性教育について二点お答えします。  まず、学校における性教育の取組状況についてお答えをいたします。  学校における性に関する指導は、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動を取れるようにすることを目的に実施しております。  保健体育科や家庭科、道徳などの教科のほか、特別活動などを含めて、学校教育全体を通じて指導を行っております。  指導に当たっては、発達の段階を踏まえることや、事前に、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の状況などに応じて個別に指導する内容を区別するなど、計画性を持って実施することが大切だと考えております。  佐賀県では、通常の指導に加えて、全ての県立学校及び市町立中学校、希望する小学校を対象に、学校医や産婦人科医、助産師などの専門家を講師として招聘して、性に関する講演会を実施しています。  また、教職員を対象に、性に関する指導に造詣の深い講師を招聘し、児童生徒の発達段階に応じた指導の充実や、校内体制の整備などを目指した「性の健康教育指導者研修会」を開催しております。  次に、性教育に関する今後の取組についてお答えをいたします。  包括的性教育に関しましては、ユネスコが中心となって作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では、性に関する知識やスキルを学ぶだけではなく、ジェンダー平等や性の多様性、性暴力の未然防止を含む人権尊重などを基盤とした性教育であるとされておりまして、県教育委員会としても同様に認識をいたしております。  県教育委員会では、発達段階や個に応じた指導の充実を図るため、令和四年三月に教員用の個別指導用参考資料として、教科書に記載されている内容以外にも包括的な内容を記載した「性に関するQ&Aハンドブック」を改定し、各学校に周知をいたしました。  今後も、包括的性教育の推進につきましては、教育委員会だけではなく、知事部局ともしっかり連携して、児童生徒や保護者の理解を深めるため、さらなる充実を図ってまいります。  次に、教職員不足の解消についてお答えをいたします。  まず、現在の教員不足の現状についてお答えをします。  令和四年五月一日現在で公立の小学校十六人、中学校二十二人、高等学校六人、特別支援学校五人の合計四十九人の講師が配置できていない、いわゆる欠員の状況にあります。  講師が配置できていない学校では、学級担任をしていない教員などで担当を替わったり、時間割や教える時期を変更したりしながら、授業や他の教育活動の実施に支障がないようにしております。  県教育委員会では、講師を確保していくためにホームページでの講師登録の受付、退職教員への呼びかけなどに加えて、新たに民間の就職サイトへ講師採用情報の掲載を行うなど、できる限りの対応を行っているところであります。  今後も、県教育委員会と市町教育委員会が連携協力して教員の欠員状況の改善に努めてまいります。  次に、教員の職場環境の整備について、特に産前休暇代替を早期に配置することの御意見がございました。  県教育委員会では、教員が一月以上に及ぶ病気休暇や産前産後休暇などを取得する際には、その代替として講師を配置しております。  小学校においては、新学年の立ち上げ時期である五月三十一日までに産前及び産後の休暇に入る予定の学級担任である教員に対しましては、産前休暇補助として年度始めの四月一日から常勤講師の配置を行っております。  また、小学校に勤務する女性教員や市町立中学校の保健体育担当の女性教員が妊娠された場合に、当該女性教員を補助して体育実技を行う非常勤講師を配置して女性教員の母体保護を図っているところであります。  今後も、教員が安心して出産、育児ができる職場環境づくりへと取組を進めてまいります。  最後に、臨時的任用職員の確保についてお答えをいたします。  教員採用選考試験につきましては、優秀な人材を確保するため、これまで様々な工夫を行ってまいりました。受験年齢制限の撤廃、本年度から始めた小学校教諭の秋選考の新設、小学校受験者において現職教員、前年度第一次試験合格者などの第一次試験の免除など、様々な取組を行っております。  講師経験者につきましては、本県の学校で通算二十四月以上の勤務経験がある人に対しましては、一般・教職教養試験を免除しております。  また、臨時的任用職員の処遇については、任用期間の延長や給与面の処遇改善にも順次取り組んでいるところであります。  今後とも、教員採用選考試験の受験要件の改善や、臨時的任用職員の処遇改善を行うなど、臨時的任用職員の確保に努めてまいります。  私からは以上です。 25 ◎武藤明美君 登壇=それぞれ御答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。  佐賀空港へのオスプレイ等配備の問題ですけれども、これまで三者協議をしてこられましたが、県の役割ですね、私、これでは終わりではないんじゃないかなと思うんです。必要に応じて防衛省や漁協に対してアドバイスをまた続けていただかなければならない場面が出てくるんではないかというふうにも思っています。  例えば、測量のために作業員の人たちが土地に入ったという問題についても、漁協内部のことだというようなこともおっしゃったんですけれども、私は、そういう状態だったらやっぱり不信感が募るばかりではないかなというふうに思うんですね。県は、ちゃんとその旨を漁業者の人たちにも伝えるように防衛省には言うとはおっしゃったんですけれども、今、残念ながら、漁協の本所のほうと、それから、地権者や漁民の方たちの間で考えておられること、思いがなかなか一致していないという場面も出てきています。そういう中ではやはり県の適切なアドバイスなども必要なんではないかというふうに思っています。関係を一方的に悪くしてしまうということは決してあってはならないというふうにも思っています。  それから、古賀部長のほうは、環境アセスについて条例上は問題ないというふうなこと、防衛省が最終的には三十五ヘクタール以上についてはまた考えていくだろうというようなこともおっしゃったんですけど、やはり一般県民、そして、漁業者の方たちは、三十三プラス二、三十五ヘクタールになっているということは、幾ら保安の用地だから関係ないと思われていたとしても、やはりそこで三十五ヘクタールになっていることは環境アセスを誠意を持ってやっていくべきなんじゃないかというふうにも感じている人たちがたくさんいるので、その辺りは県がやはり防衛省にもちゃんと物を言っていくという場面が出てくるんではないかというふうに思っていますので、その二点どうなのかということをお聞きしたいと思っています。  そして、最初にも言ったように、防衛省は少しずつ土地を広げていこうという考えを持っているんではないかと、また三十五ヘクタール以下ずつを取得していってアセス逃れをするというふうにもなりかねないので、その辺りは県のきちんとした毅然とした立場が求められるんではないかというふうにも思います。  原発の問題では市民団体との面談についてですが、昨年は節目だから会ったんだというふうなことをおっしゃいますけれども、皆さん方と時々こうやって意見を交換するのは本当にいいことだというふうに知事はおっしゃったのに、その一年後はもう自分たちは会わないと、副知事や担当課長と会えばいいんだみたいな、そういうことでは原発の問題をいろいろ抱えている県の責任者なのかなと思わざるを得ません。  なぜなら、今後乾式貯蔵施設の建設などもずっと進んでくるわけですし、先ほども指摘した部品の製造について、これまでのところ該当するのはないということかもしれないけれども、知事は九電に対してはうそをつかないでいてほしいということもかつておっしゃったわけですし、こういったことが仮にもし発覚した場合には適切な対応を取るように、県民に明らかに説明をしてもらうように言うべきだと思うし、そういう点から言えば、心配している市民団体の人たちと誠意を持って会うということも大事なんではないかと思うんです。  先ほど知事は、三期目の出馬表明をされたときに何ておっしゃったかというと、いろいろのお気持ちを述べられたんですけれども、その中で県議会の皆さんの声や現場の声を聞いて寄り添っていきたいというふうにも述べておられるわけですから、脱原発の団体の皆さんの声もちゃんと聞いていただきたいと思っております。  先ほどのオスプレイにちょっと戻りますけれども、今まで何があっているのか、なかなか漁協と県と防衛局の一部でだけの話合いで、水面下でしかされていない。そういう中で、県民はもちろん、漁業者、地権者の方たちも心配の気持ちで、地元住民の人たちもそういう思いを持っておりますので、まだ話合いがまとまっていないからということではなくて、今何があっているのか、どういう状況にあるのかということをしっかり知らせる場、説明の場を設けてほしいというふうにも思うんです。それが先ほど知事がおっしゃった現場の声も聞くという機会にもなると思いますので、その辺りをどうなのか、いろんな声をちゃんと聞くという位置づけで県民説明会を開いていただきたいというふうに思いますけれども、それはどうでしょうか。  それから、物価高騰に関連して、給食の問題だとか、今回、知事が提案されているいろんな問題、本当に歓迎して受け止めてはいるんですけれども、今、進行中なので、現時点での対応がこうだけれども、今後の状況を踏まえてまた考えていくこともあるというふうに先ほどの答弁ではお聞きしました。  先ほど私、保育園や学校の給食、もしくはおやつの写真もお見せしたんですけれども、やっぱり給食というのは子供たちの食育、そしてバランスの取れた子供の体をつくっていくためにも必要なものですし、これがどんどん少なくされて、経済的な事情によって質が悪くなってしまうということではいけないと思いますので、先ほど教育長のほうからは、今、六自治体が給食無償化をやっていると。それは市町がやっていくことだというふうなこともおっしゃったんですけれども、やっぱり県立学校のことも含めて考えていただきたいし、知事には保育所とか幼稚園だとか、いろんな学生寮とかも含めて、本当に県教委ともしっかり話し合いながら、状況を見ながら市町の声を聞いて、実際に父母の大変さも知っていただきたいし、子供の貧困というテーマがある中での一環だとも思いますので、その辺りは今後さらに可能性をちゃんと広げて考えていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。  医療費助成のことです。  子供医療費については、本当に今、対象年齢を引き上げるという機運が高まっていると思うんです。市長会だとか町長会とかもそういう意向を持っておられて、県にお願いもしておられるし、二市八町の議会から意見書も上がってきているということなので、この辺りを本当に真剣に受け止めていただけたらというふうに思いますが、いかがでしょうか。  ひとり親家庭と重度心身障害者ですけど、どちらもやっぱり利便性を高めていかなくちゃいけないし、ひとり親さんの場合は何度も手続に時間を取るというのが大変だということもありますし、重度心身障害者の方も本当に体が悪い中で何回も手続に通うということがどれだけ困難かということを、私も一度御一緒させていただいたこともあるので、体験しております。本当に皆さんにそのことをちゃんと理解していただきたいというふうに思っています。  ひとり親家庭のことで言えば、意見交換で市町の意向がどうだったのかということで、最近の現物給付に対する市町の意見は足並みがそろったんではないかというふうにも聞いているんですけど、どうなんでしょうか。  また、国保ペナルティーについては、試算してみて、どれぐらいになるのかもお示しいただきたいと思います。  それから、重度心身障害者の場合は、市町と十分なコンセンサスが得られていないということなんですけれども、独自にいろいろ進められるところがあってもいいというふうなこともおっしゃいましたけれども、県としては、やっぱり一斉にやっていくことを諦めないで、ちゃんと合意を図っていただきたいというふうにもお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。  また、ペナルティーの試算はどれぐらいになるのかもお示しいただけたらと思います。  包括的性教育の問題で言えば、先ほどお聞きして、本当に性の問題や性被害の問題で相談件数がこの三年間を見ても多くなっているということが示されまして、本当に包括的な性教育をやっていく必要性があるなということを痛感しました。  県としては、今、一生懸命取り組んでいただいているんですけれども、これについて本当によその県のことで考えてみますと、神奈川県では、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの権利の重要性の観点から、発達段階に応じた指導をするため、学校での指導に生かしていきたいという、そういう立場に立っておられるようですし、秋田県では、佐賀と同じようにかつて人工中絶が多かったとのことで、産婦人科医、助産師など、専門的知見を持った人たちを交えた研究会を立ち上げて、関係する人たちに性教育講座や指導者研修などを行った取組を進めることによって、今、人工中絶率も大きく減っているというふうなこともお聞きしております。  佐賀県も、いろんな形でいろんな方たちの協力も受けながら、今、一生懸命取り組んでいただいているのは、この前、学校教育課長さんからの話を聞く機会もあったので、頑張っていらっしゃるということを聞いて、応援したいというふうにも思っていますけれども、ぜひそういう他県のいい取組をどんどん取り入れていただけたらというふうにも思いますが、それについてはいかがでしょうか。  教職員不足については、実際に今、四十九人の欠員があるということを教育長さん答えていただきました。私が頂いた資料では五十二人の欠員があるというふうになってはいるんですけれども、これは、実際にこれだけ子供たちも困っている状況に置かれているわけですから、どう解決するのか、どう解消するのか。当面、教育長が言うところの四十九人なら四十九人の解消にどう動くのか、それをお示しいただきたいと思います。  また、賃金のことも言いましたけれども、賃金のことについては本当に佐賀県は低いほうだと思うんですね。ですから、これをやっぱり上げていくというふうにしないと、教職員不足の解消にはつながらないんではないかというふうにも思いますので、その辺りもどのように考えておられるのかをお示しいただきたいと思います。  以上です。 26 ◎山口知事 登壇=武藤議員の再質問にお答えします。  私には、原発行政に関して、市民団体の皆さんとの面会について改めてお尋ねがございました。  私は、市民団体の皆様方から様々な機会で御意見をいただいております。本当に多くのチェックポイントから様々な御懸念をいただいております。全てについて回答すべく、我々の中でも議論をさせていただいているわけですけれども、原発が安全にしっかりと運転されていく上で、こうやって様々なチェックポイントを示していただいているというのはありがたいなというふうに思っています。  今度お会いするかどうかなんですが、今まで団体の皆さん方とお会いしたのは、私が知事に就任したとき、そして、三号機、四号機を再稼働する前に、このときは二回お会いさせていただいたと記憶しております。そして、昨年の福島の三・一一から十年後ということで、改めてということだったというふうに思います。  今、私も様々な皆さん方の、現場の声を聞きたいと思うし、現場にも行っておりますが、多くの皆さん方から面会したいという、本当はうれしい限りなんですけれども、そういう話もございまして、一年、三百六十五日しかないものですから、そこをどのように調整しようかというところが、ある部分うれしい悲鳴ではあるわけなんです。ですので、これからも市民団体の皆さん方とお会いすることはあろうかと思います。これにはやはり様々なタイミングがありますし、お互いの都合ということもありますので、私はそういう気持ちでいるということで、またお会いして意見交換することがあると思います。よろしくお願いいたします。  もう一点の支援金関係です。  この六月議会でも、武藤議員から先ほど給食の話もしていただきました。全く同じ気持ちだと思います。たしか二年前にもコロナ対策で給食に「佐賀牛」を出したりしたことが、この予算をお願いしたこともあったと思います。このときは生産者の支援をするというときに、であれば、やはり給食というのはとても大事なので、そこをマッチングして、子供たちにも喜んでもらうことが生産者の支援にもなればと、そういう事業だったと思いますけれども、給食はとても大事なことで、そのときの体験というのが、大人になって佐賀というものをどう考えるかとかいうことに大きく影響するので、こういったことは大事にしていきたいなというふうに思いますし、今回、「こども宅食」、子供の居場所、それから新しくできた冷蔵庫、あれについても早速支援をすることにいたしました。こういったことも、現場で頑張っている皆さん方に対する支援も併せて、できるだけ多くの子供たちに何とか手を差し伸べたいという大きな気持ちであります。  さらに、今回、CSOの皆さん方に、生活困窮者の家計改善を支援するということで団体に五十万円ずつという事業と、それから就労継続支援所、いわゆる障害者を就労支援しているところに対しても一律の支援をすることにしています。これも本当はきめ細かく、現場を全て見ながらいろんな施策を組めればいいんでしょうけれども、そういう検討も庁内でやっていったわけですけれども、ある部分、できる限り届かんかということで、ある程度思い切って全ての団体にということをやらせていただきました。こういういろんな施策に血が巡って、苦しんでいる子供たち、そして、困窮者の皆さん方に届けばいいなという気持ちで事業を行っております。  ただ、そういうふうな議論の中でできた事業ですから、本当に全ての皆さん方にきっちりと的確に届いているかということについては、これは検証が必要です。ですので、先ほど答弁を申し上げたように、県議会の皆さん方も含めてぜひ検証していただいて、六月のこの予算で通じないところというものがあるかもしれない。しかも、これからコロナの行く末もまだ分からないですし、原油高騰だとか物価高というもの、円安の状況も分からない。さらに我々の県からすれば、豪雨災害がどういうふうな形で起きるのか分からないということも含めて、今、財政的な面も含めて総合的にしっかり留保しながら、今後に対して備えているということでありますので、ぜひ分かっていただきたいと思っております。よろしくお願いします。 27 ◎進政策部長 登壇=私からは、佐賀空港の自衛隊使用要請に関しまして二点再質問をいただきました。  まず一点目ですけれども、県の役割について御質問をいただきました。  御質問の中では、これで県の役割が終わってしまうといいますか、引き続きちゃんとやってよということをいただきましたけれども、まず、防衛省の佐賀空港自衛隊使用要請に関しまして、例えば、防衛省に対して県としての意見をしっかり言っていくでありますとか、また、漁協に寄り添いながら、漁協と防衛省との間に入っていってしっかりと伝えていくなどといった県の役割ということは、これは終わることはないというふうに考えてございます。もちろん、これからも行っていくところでございます。  まず、三者協議会につきましても、時々私も、個人的に終わったんだねという言われ方もしますけれども、今はおおむね確認できたので、検討委員会にまず説明、報告しようという段階には至っておりますけれども、この三者協議会も終えたというわけではなくて、現段階でおおむね確認できたので報告しようと言っています。必要があれば、この三者協議会というものをまた開催するということも、必要に応じて考えていかなくてはいけないというふうに考えてございます。  なので、また漁協に対しましても、気づいたことを伝えるなどアドバイスをこれからもしていきたいというふうに考えております。  また、知らせる場について設けてほしいという御質問もいただきました。  現在は、この三者協議会という場で、様々な事実とか現状の確認、それから、懸念事項やアイデアを事務的に確認し、また、意見交換を行っている状況でございます。こうしたことですから、事務的に検討を進めているところでございますが、例えば、漁協検討委員会での議論をいただく際には、終わった後にマスコミの皆さんにどういう議論をしていたのかということを説明する機会を設けております。また、議員から御質問ございましたけれども、少し広く説明会という場、こちらにつきましては、その場面に応じまして、そういう説明会という場も必要だというふうに思ってございます。  今後、大前提である覚書付属資料が見直された後には、事業主体である防衛省とも相談、連携して、市民の皆様への説明の機会を検討していきたいと考えております。  以上でございます。 28 ◎古賀県民環境部長 登壇=私からは、環境影響評価の再質問についてお答えしたいと思います。  まず一点目、造成面積が三十三ヘクタールで、あと保安用地が二ヘクタール、合計三十五ヘクタールなので、環境影響評価をするように県から言うべきじゃないかという御質問だったと思います。  そのことにつきましては、環境影響評価の規模要件につきましては条例で定めておりますので、県としましては、条例に従いまして適切に対応していきたいと考えております。  現在の防衛省の計画では、造成面積は約三十三ヘクタールとなっておりますので、先ほども答弁しましたように、条例上は対象にはなりませんけれども、防衛省は今後の計画等で造成面積が三十五ヘクタール以上になれば、条例に従って適切に進めるというふうに説明をされておりますので、県としましては、今後、防衛省がどのような計画を最終的に決定されるのかということを注視していきたいと考えております。  それともう一点、徐々に拡大していくのではないかという御質問もありました。  このことについては、この計画の話が上がりましたときから、議員の皆様も含めていろいろな県民の皆様からそういう御懸念をいただいておりましたので、防衛省とは過去に五回にわたりまして質問、回答のやり取りをしております。そういったやり取りの中で、防衛省からは、将来的な施設規模の拡大は考えていないというような回答を得ておりますので、県としましては、防衛省はそういう考え方で対応されるものというふうに考えてございます。  私からは以上でございます。 29 ◎久保山健康福祉部長 登壇=再質問にお答えいたします。  重度心身障害者医療費助成の現物給付化についてでございますが、議員からは、県内一斉にスタートするということでの取組ということでございましたけれども、この医療費助成につきましては、実施主体はあくまで市町でございます。県としては、市町での議論、そういったものがしっかり進んでいくように、今後とも主体性を持って取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。  それと、現物給付に伴う国保ペナルティー、そういった増額分の試算はということだったかと思いますけれども、現物給付に伴う財政的負担につきましては、国保ペナルティーや医療費増加分、あるいは事務手数料とか、そういった増額分があります。そういったものを含めまして、大体五億八千万円程度というふうに、あくまで試算でございますけれども、見込んでいるところでございます。  私からは以上でございます。
    30 ◎種村男女参画・こども局長 登壇=私からは、再質問に二点お答えさせていただきます。  まず、子供の医療費に関しての再質問で、市町の機運が高まっているので受け止めていただきたいという御質問であったと思います。  小学校就学後の子供の医療費につきましては、各市町が子育て支援の一環として、対象となる子供の年齢ですとか、保護者の負担額を定めて、財政負担も考慮した上で助成をしているとの認識でございます。  県といたしましては、小学校就学前の助成をしておりますけれども、この時期の疾病が将来にわたって心身の発達に影響を及ぼすこともあることから、疾病の早期発見や早期治療により障害の発生や疾病の重篤化を防ぐということと、それから、受診回数も多い時期でございますので、保護者の経済的負担を軽減するということから県として医療費助成に取り組んでおります。これによりまして、県としましては一定の役割を果たしているというふうに考えておりまして、対象年齢の見直しは考えておりません。  ただ、子育て支援策、様々やっておりますけれども、どういうことをやれば効果的で、すばらしい佐賀らしい子育て支援の取組ができるのか、これは今後とも市町と一緒になって考えてまいりたいと思います。  それから、ひとり親家庭等医療費助成について、市町の足並みがそろっているのではないか、それから、国保ペナルティーの試算がどれくらいかというお尋ねだったかと思います。  市町のほうと意見交換をしておりますけれども、確かに反対する市町はいらっしゃいませんが、先ほども答弁で申し上げましたとおり、慎重な意見を出されているところもございます。やっぱり国保ペナルティーの問題が非常に大きいのかなというふうに思います。  その国保ペナルティーの試算ですけれども、市町全体で計算しまして、およそ四千万円程度になるのではないかというふうな試算を持ってございます。  子供の医療費、それからひとり親家庭等の医療費を含めまして、医療費の助成につきましては、全国一律で行われるべきと考えております。国のほうに対しても、今度の政策提案でも新たな医療費制度、助成制度の創設というものも要望させていただきましたし、それから、国保ペナルティーの廃止についても提案をさせていただいております。引き続き、今後ともあらゆる機会を通じて働きかけをしてまいります。  私からは以上でございます。 31 ◎落合教育長 登壇=私から三点お答えをいたします。  まず学校給食につきまして、まず県立について言いますと、県立で学校給食を提供しているのは、特別支援学校と夜間の定時制高校、それと県立中学校なんですけれども、県立中学校は牛乳給食で、牛乳のみの提供となっておりますので、実質、特別支援学校と定時制ということになります。  先ほども答弁いたしましたように、人数的に多くを占めております特別支援学校ですけれども、そこにおいては九割方の児童生徒がその支援の対象になっているということで、先ほど議員から御指摘があった経済的困窮に対する対応という意味では、おおむね対応できているのではないかなというふうに考えております。  あと市町について、市町の声を聞いてというお話がありました。先ほど六つの町において給食無償化を実現されているとお答えしましたけど、やはり比較的規模の小さい町で実現をされております。規模が大きくなってくると予算の額も相当な額になって、そこは相当な政策的な判断が必要になるんだろうと思いますので、市町に関して言うと、そこでの給食費の取扱いというのは、やはり市町のほうで御判断していただきたいというふうに考えております。  次に、包括的性教育の問題ですけれども、他県の取組も参考にしながらという御指摘をいただきました。我々も様々な工夫をしておりますけれども、他県でいい事例があれば、それはしっかりと参考にさせていただきたいと思います。  最後に、教員不足について、先ほど五十二人、私は先ほど四十九人の欠員と申し上げましたけど、五十二人、私が申し上げた四十九人という数字は講師の不足ということで申し上げましたけど、それ以外に幾つかの職種で欠員があります。事務職員、実習助手、調理員、それぞれ一名ずつ、合計三名の欠員があって、合わせると五十二名ということになります。  この欠員については、学校現場にとっては大きな問題で大変な御負担をかけていると私は思っておりますし、それを早く解消するというのは我々も重大な課題だというふうに思っておりますけれども、なかなか思うに任せていないというのが現状です。  教員の確保については、一つは教職員採用試験においてしっかり確保していくというものと、あと臨時的な任用職員、講師を確保していく、その講師の面において、最近の大量退職に伴い多くの人たちを採用してきたこともあって、県内で講師をしていただく方の人数というのがかなり減っております。そういう中で、教員不足を手当てしていく講師を確保するのは非常に難しくなっているという状況です。  我々としては、特に定年で大量に退職をなさっているわけですので、そういう人たちにぜひ引き続き働いていただくというのが、その人たちの御経験を生かして子供たちの教育に当たっていただく上では一番有効なわけですが、現状、再任用で現場で引き続き立っていただく方は五割を切っております。もっと引き続き頑張っていただけるよう、そこにはしっかりと働きかけをしていきつつ、ほかにもあらゆる手だてを打って確保に努めてまいりたいと思います。  以上です。(「賃金は、賃金」と武藤明美君呼ぶ)  失礼いたしました。講師の賃金につきましては、先ほどの答弁でも申し上げましたように順次改定をしてきておりますし、今後も引き続き処遇改善に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 32 ◎武藤明美君 登壇=時間がありませんので、一点のみ再々質問を行います。  オスプレイに関して県民説明会をと求めたことに対し、先ほど進部長は公害防止協定の見直しが整ってからとおっしゃったんです。県民はそんなことまで待てませんよ。今何があっているのか。県民が公害防止協定について見直してほしいなんて思っている人はそんなにいないと思います。(「おるばい、おるぞ」と呼ぶ者あり)ですから見直しの前に、この時期に県民にちゃんとした説明が必要なんじゃないですか。漁業者の人も、地権者の人も、そして地域住民の方も、そして、県内の多くの県民がとても心配している問題です。公害防止協定が整ってからということではなくて、それより前にしてほしいというのが県民の願いですので、それについて、知事はどのように考えられるのか、県民の声をしっかり聞いていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 33 ◎山口知事 登壇=武藤議員の再々質問にお答えします。  佐賀空港への自衛隊使用要請についてですけれども、この問題の本質的なところというのは、やはり今、国際情勢がこうやって大きく変動している中で、我が国の国防をどう考えるのかということだと思っています。  ですので、この国防にどう向き合っていくのか、さはさりながら、佐賀県は地域に対する影響もあることでありますから、慎重に議論をさせていただいたわけですけれども、その際に、やはり公害防止協定の存在というのは非常に大きくて、そこが改定されない限りは全て前に進まないという状況でありますので、誠意を持ってこの三者協議に今臨んでいるところです。  その間、もし仮にここに配備がなされるのであれば、その後、どうなっていくのかということについては、その後議論されるということになるわけです。ですから、先ほどから答弁しているように、その後、駐屯地がどうなっていくのかとかいうような話というのはまだしていないわけです。  ただ、まずここに配備するという今の我が国の防衛にとって大事なことということについて真摯に向き合いながら、ただ、さはさりながら、その間に議論されていることについてはできるだけ広く公開していこうということで、しっかり報道対応もしておりますし、県議会でも説明をさせていただいているということでございます。よろしくお願いします。 34 ◎副議長(宮原真一君) 暫時休憩します。     午後三時十五分 休憩 令和四年六月十五日(水) 午後三時四十四分 開議  出席議員    三十七名     一番  下 田   寛     一五番  池 田 正 恭     二九番  稲 富 正 敏     二番  桃 崎 祐 介     一六番  古 賀 陽 三     三〇番  徳 光 清 孝     三番  田 中 秀 和     一七番  川 崎 常 博     三一番  中 倉 政 義     四番  古 川 裕 紀     一八番  定 松 一 生     三二番  石 井 秀 夫     五番  一ノ瀬 裕 子     一九番  江 口 善 紀     三三番  留 守 茂 幸     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  木 原 奉 文     七番  古 賀 和 浩     二一番  八 谷 克 幸     三六番  藤 木 卓一郎     八番  井 上 祐 輔     二二番  向 門 慶 人     三七番  石 倉 秀 郷     九番  木 村 雄 一     二三番  坂 口 祐 樹     三八番  土 井 敏 行    一〇番  中 本 正 一     二四番  宮 原 真 一    一一番  野 田 勝 人     二五番  原 田 寿 雄    一二番  冨 田 幸 樹     二六番  岡 口 重 文    一三番  弘 川 貴 紀     二七番  大 場 芳 博    一四番  西久保 弘 克     二八番  武 藤 明 美 欠席議員    なし 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    南  里     隆          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   甲  斐  直  美          地域交流部長       山  下  宗  人          県民環境部長       古  賀  英  敏          健康福祉部長       久保山   善  生          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       山  田  雄  一          県土整備部長       大  呑  智  正          危機管理・報道局長    野  田  嘉代子          文化・観光局長      實  松  尊  徳          SAGA2024・          SSP推進局長      宮  原  耕  司          男女参画・こども局長   種  村  昌  也          会 計 管 理 者    元  村  直  実          警 察 本 部 長    松  下     徹          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    古  賀  千加子 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          政務調査課長事務取扱   吉  田     泰          総  務  課  長   碇     一  浩          議  事  課  長   篠  田  博  幸          総務課副課長       田  中  信  二          議事課副課長       原     康  祐          政務調査課副課長     西  田  里  美          議事課議事担当係長    椎  葉  奈  美          同 議事担当主任主査   池  田  陽  介     ○ 開     議 35 ◎議長(藤木卓一郎君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 36 ◎坂口祐樹君(拍手)登壇=自由民主党の坂口祐樹でございます。今議会は五項目の提案をさせていただきます。  まずは一項目め、長崎本線の上下分離後の利便性確保についてであります。  西九州新幹線が九月二十三日に開業されることになっています。嬉野市民の皆様におかれましては新たに新駅が設置されること、武雄市民の皆様におかれましては新幹線の接続と同時に博多までの特急三十二本が六十六本という倍増、すばらしいことだと思うし、これからのまちづくりに役立ててほしいと願っていますし、このことを共に喜び、共に努力をしていきたいと思います。  同時に、長崎本線の肥前山口から諫早間が上下分離方式に移行することになります。延長六十キロ、佐賀県区間でいうと九駅、長崎県区間でいうと七駅、計十六駅、この駅の周辺にはそれぞれ歴史や文化があって、それぞれ生活があります。その生活を守っていくために、以下の四点についてお伺いをさせていただきます。  まず一点目が、駅体制の見直しについてであります。  これまでの駅の体制でいうと、佐賀県は全五十九駅、その中で無人駅が三十四駅、簡易委託駅が一駅、指定管理の駅が一駅、残りは二十三駅、この二十三駅全てにおいて見直しが行われました。本年の三月から四月にかけてです。無人化が七駅、販売窓口の廃止が四駅、販売窓口の時間短縮が十一駅、そして、簡易委託が一駅、計二十三駅。  恐縮ですけども、私の選挙区で申してみますと、鹿島市と太良町全六駅あります。これまでが無人駅が三駅、簡易委託が一駅、そして、今回の見直しによって無人化が一駅、多良駅、そして、窓口の時間が短縮されたものが肥前鹿島駅ということになりました。  どういう問題が起こっているかということを私たちは確認しなければなりません。一番の大きな問題は、私は定期券の購入だと思っています。子供さんたちが学校に通うために親御さんがその定期を購入しに行かなければならない。太良町で一番有名な、例えば、カニやカキの産地の大浦の竹崎の方がもし、もしというか定期券を購入する場合、これまでどうしていたかというと、多良駅まで行っていました。車で十五分。しかし、去年、多良駅は無人化されましたので、どうしたかというと、肥前鹿島駅まで購入をしに行かなければならない。片道三十五分。そして、鹿島駅の窓口の時間が七時から夜の八時までだったのが七時半から昼の十二時、そして、お昼は窓口は閉めて、再度一時から三時まで、三時以降は窓口は開いていない。働いているお父さん、お母さんはなかなか平日に買うことができない。休日まで待つのか、それとも、約一時間かけて武雄温泉駅まで行くのかという選択を迫られています。こういう状況を放置していていいのか。私たちは相談を受けます。  じゃ、一番いい方法は何だろう。それはIC化です、IC化。佐賀県区間でいうと、佐賀から鳥栖まで、そして、唐津線がIC化されています。都会で使うピッピッですね。僕たちはそれを使うことができない。多くの佐賀県民が使うことができない。佐賀県さん、JRに要望してくださいとずっと言っているけども、佐賀県は、いや国の三分の一の補助があります、佐賀県も三分の一の補助の用意がある、JRの負担三分の一何とかしてください。しかし、JRからは答えが返ってきません。そういう状況下で多くの佐賀県の駅でこのIC化が進まない。  僕はIC化は諦めていないんですね。しかし、どうしてもできないというんであるならば、じゃあ次の方法はスマホ定期です。定期というのはIC化とスマホ定期と紙定期、IC化がなされていない多くのところでは紙の定期ですね。一番の大きな違いは何かというと、再発行です。IC定期とスマホ定期はなくしたときに再発行ができるんですね。しかし、紙の定期は再発行ができない、再購入をしなければならない。私の近所でも、三カ月分買ったのに、子供が早速なくしてきました、どうにかならんかね、警察に届けられていませんかね。残念ながら再購入です。だから、おっちょこちょいの子供を持つ親は一カ月分しか買えない。割引率が低いんですね。一カ月よりも三カ月、三カ月よりも六カ月買ったほうが割引率が大きい。しかし、紙媒体はなくすリスクが常にあるんですね。  IC化を導入されていないのは誰のせいですか、子供たちのせいですか、その親御さんのせいですか。JRのせいじゃないんですか、JRの努力がもうちょっと足りていればできるんじゃないですか。そういう状況の中で私たちは定期に対して不満を持っているんです。佐賀県に対して、今回のこのダイヤの見直し、新幹線の開業に合わせてさらに声を強めていってほしいと思っています。IC化の導入が第一位。優先順位第二位はスマホ定期。これは今、太良高校と多久高校が試験的に導入をしています。これを全県の生徒が使うようにしてほしいということです。そして、第三位は定期券の再発行を認めてほしいということです。定期券なるものは学校に申請をして、きちっと学校の区間と自宅の区間までの証明書を持って初めて購入することができるんですね。ですから、購入履歴というのははっきりしている。ですから、性悪説に立つんではなくて、性善説、落としたら誰かが使うという話ではないんです。人のものを使うはずがないということを考えれば、子供さんが定期を落とした。そんなときには再発行を認めてほしいと願っています。
     あとは定期を忘れたら、そのときの電車賃は払わなきゃならないんですね。忘れたら幾らか、肥前大浦から佐賀まで千百三十円。一日忘れたら往復で二千二百六十円払わなきゃならない。定期は買っているんですよ。普通だったら、そこに名前と住所を書いて、明日持ってきなさいという話なんですよ、僕たちのときはそうだった。しかし、今はお金を取るんです、徹底的に。名前と住所を書きなさい、連絡先を書きなさい、持ってくるまであなたは許しませんという態度らしいです。うん、JRさん、もう少し寛容な対応を取ってもらえないんだろうかというふうに私は思う。佐賀県がこれからJRと協議をしてほしいと願っています。  二点目、上下分離後のダイヤ案への意見についてであります。  九月二十三日から上下分離が始まってダイヤが大幅に、大幅というか、小幅というか変更されます。JRの努力の影も見られます。運行本数、そして、延長距離を延ばしてくれた。肥前山口から鹿島については六便増、鹿島から浜は二便、浜から多良は一便、多良から大浦は三便増やしてくれた、ありがたい話。  一方で、やっぱりダイヤを変更するということは当然プラスの効果とマイナスの効果があります。恩恵を受ける人がいるならば、不利益を受ける人がいる。  例えば、こういう相談がありました。要はより遠距離、例えば、竹崎から佐賀に通おうと思ったら、やっぱり近隣の人よりも早い時間に出なきゃならないんですね。鹿島の学校に行くんだったら七時台で間に合うんです。しかし、佐賀まで行こうと思ったら早い時間帯、そして、最近は今度高校の学区が、二学区が一学区になるように広域化しています、通学範囲はより広域化している状況にある中で、六時十八分の電車がダイヤの見直しによって六時二分になる、十六分早くなるという相談でした。多良は十五分、飯田、七浦、浜は十四分。じゃ、早く着くのかねという話をしていたら、いやいや、鹿島では二分しか違いません。よく見ると、要は十数分、鹿島で停車するんですよ。私もこの電車に乗ってきました。ほとんどが学生、社会人が数名いらっしゃったんだろうと思います。肥前大浦駅で約十名の学生が乗ってこられて、多良では三十名、飯田では五名、七浦では十名、浜では三十名、そして、鹿島では数え切れませんでした、約百名。そして、浜の手前の人たちで鹿島に降りる生徒が約五名いらっしゃいました。鹿島の高校、朝練とか何かがあるのかなと想像しました。  なぜこういう時間帯になったかというと、特急本数を約五十本を十四本に減らすんですね。要は上り七本しかないんですよ。今まで二十数本あったから、一時間に一本あった。この六時台は二本あった。しかし、七本しかないという状況の中で、多分この六時の電車を特急に間に合わせるために十六分早くしたんだろうと思います。  この電車利用は多くは学生です、この朝の時間帯は学生。そして、この学生は比較的遠距離に通っている。遠距離に通っているということは、より早く出て、より遅く帰ってくるんですね、この生徒さんたちは。そしたら、ある男の子は、もうこれ以上早うなったら、学校に行ききらんばいと言ったそうです。お父さん、お母さんもそうですね。弁当を作って送り届ける。今は自転車で勝手に行ってこいではなくて、結構送り迎えが多いんですね。どちらかが弁当を作って、駅まで送っている。たった十六分と言えますか、僕は言えないと思う。  そして、JR九州は、これもうれしい対応でしたけども、QRコード、今の時刻表があって、新たな時刻表を貼ってくれています。そこの右下にQRコード、要はこのQRコードをスマホで読み取ると、JR九州のホームページに飛んで意見と要望を送信することができます。  早速、あるお母さんが送信をしました。十六分早くなる予定と聞きました。県の端に住む子供たちはただでさえ早朝からの登校を余儀なくされています。それがさらに早くなるのは大変つらいことです。何とか同じぐらいのダイヤにしてもらえませんかと。  そしたら、JR九州から返信が来たそうです。今回のダイヤ案は、佐賀県、長崎県をはじめとした関係者間における過去の合意事項や沿線市町の意見等を踏まえ、普通列車については現行の列車時刻を踏襲して運転し、大幅な時刻変更がないよう計画させていただいております。引き続きお客様から頂戴しました貴重な御意見は参考とさせていただきますと。うん、これはもしかして何となくこういうフォーマットがあってということなのかな。質問にはその人の事情をもっと詳しく書いているんですけども、その事情に接した答えを全く書かれていないんですね、大幅な時間変更がないよう計画させていただいておりますと。  あなたにとっては十六分というのは大したことがないのかもしれませんけども、子供たち、その親御さんにとってみれば、朝の十六分は物すごく貴重だということなんですね。僕に対して、何とかしてくださいという要望をいただきました。  僕は僕なりに何とかします。このことも交通政策課を通じてJRに問合せをしていますけども、まだ答えがありません。ダイヤというのはそれほど複雑なんでしょう。しかし、私は何とかしなければならない。  そして、私がそのお母さんに言ったのは、せっかくQRコードがあるんであるならば、皆さんネットワークがあるでしょうから、できるだけ多くの皆さんたちがこの訴えをしてください。いろいろ考えんでいい。皆さんの都合で送信をしてください、できるだけ多くの方が。我慢する必要ない。政治や行政に伝えればいいのか。そんな簡単な話ではない。皆さん一人一人の声が大事ですよ、人任せでは駄目ですよ。一回決まったら、二、三年は変わりませんよ。この十六分、十五分、十四分がとても大事だということを当事者は分かっている。しかし、何となくぼうっとあの時刻表を見て、ああ、困ったなぐらいの話なんですね。私は何とかしなければならないと思っています。  三点目、上下分離後の鉄道施設についてであります。  例として、多良駅についてお話をさせていただきます。  無人化になりました。当然、駅舎は県の所有物ですので、県は多分太良町に無償で貸す、ないし譲渡するのか分かりませんけども、地元の皆さんたちがいい活用策を考えるということは、僕は有効なことなんだと思います。隣の隣の七浦駅によると、すばらしい活用策ですね。何かを営業しているという話じゃなくて、歴史的なあの駅をすばらしい空間として保たれている。僕も先日行ったら、トイレもきれいに清掃、駅舎の中も学生が待ち時間に勉強しやすいように清掃も行き届いている、花も、高いお花ではなくて、その辺に咲いているお花をきちっと飾られた。ああ、すばらしい空間だなと思いました。当然、多良駅もそういう努力をこれからしていくんであろうというふうに思います。そのことについても所有者である佐賀県も協力してほしいと思う。  そして、あと一点、課題を抱えているのは、太良町というのは基本的には国道が南北に走っています。鉄路も南北に走っています。その東側に宝の海である有明海が広がって、その西側に佐賀県で一番高い山、経ケ岳を含む多良岳山系がそびえているんですね。そして、線路がある。そして、駅は線路の東側、海側にあって、乗降口もそこ。しかし、最近、家は山側に結構建てられてきています。そこから通う生徒さんはやっぱりぐるっと踏切を渡って海側の玄関口に行かなきゃならないので、山側から乗降できるようにしてくださいと多くの皆さんたちが要望をしてきた。そして、太良町はそれに応える形でJR九州に要望したけれども、いやいや、高くつきます、六千万円以上かかります。なぜなら、高架橋を造らなければならないからです。たまにしか電車は通らんけん、そこばあんた、とことこっと歩いていける階段ば造ってくれればいいじゃないですかという話。しかし、そんな簡単な話ではありません。やっぱり鉄路というのは、最も大事なものは安全性ですというお話。  それで、今回、九月二十三日から上下分離方式、特急は一切通りません。そこにレールが三本ありますけれども、特急のレール、三本目は要らないということです、よく分かりませんけど。ですから、この二本を有効活用、最後の山側の一本を廃止にして、ここに乗降口を造ればいいと思う。太良町はそれを望んでいる。JRは、佐賀県は、それに対して応えてほしいと思っているんです。下話はしていますけれども、簡単じゃないですね、意外とお金がかかりますねみたいなお話なので、九月二十三日までに造ってくださいとは言いません。造るという方針ぐらいは示してほしいと思う。  次に四点目、新駅の設置についてお伺いをいたします。  私はこれまで十五年間、新幹線ができる、その後ずっと、この長崎本線を利便性を高くして残すのが我が使命だという思いから、利便性を高くして残すというのは何だろうか。ダイヤを守るということと乗りやすい環境をつくるということ。MRは頑張って、旧国鉄から民間になるときに駅舎を増やしたんですね。長崎本線の駅と駅の平均距離は四キロです。MRは新駅を設置して、それを二キロにした。要は、より乗りやすい環境をつくった。これが利便性を高くする最も象徴たるものだと私は思っています。  ですから、肥前鹿島から肥前大浦まで、途中途中に集落が点在していますので、私はこの六駅を倍増したい。新幹線開業までの十五年間のうちに倍増したい、そういう思いで議論をした。まずは手っ取り早く、誰もが納得できる県立太良高校の前に駅を造ってくださいというお話をずっとしてきました。一駅も造ることができない、何の役にも立っていないということですね。恥ずかしい限りであります。しかし、諦めるわけにはいかない。  多分大きな障害はJRだった。JRは、請願駅であるならば、地元が全額負担しなさいと。駅前の整備はどうするんですか、トイレはありますか、そんな話をする。私たちは、人口が多いわけじゃないから、そんな立派な駅を望んでいるわけじゃない。乗降できて、要はバス停ぐらいの駅ができればいいんじゃないですかという話をする。しかし、安全上、そんなことは許せない。カーブがありますよ、斜めになっていますよ、段差は、いろんなことを要求してくる。なかなかできなかった。そして、十五年があっという間にたってしまった。  私は、ここ三年ぐらいは、JRから佐賀県に移管されるということが分かっていましたので、この議論を控えていました。そして、九月二十三日に、あの鉄路と駅舎、鉄路は佐賀県のものなんですね。運行はJRがするもんですから、JRの協力は当然必須ですけれども、佐賀県の力の入れようによってはこれからできるということなんですね。私は倍増させたい。それが長崎本線沿線の皆さんの声だと思っています。  まずは手始めに太良高校の前に駅を造りたい。これは時間がかかることでございます。そして、これは行政の仕事ではなくて、政治の仕事ですから、知事に対してこの思いに対しての答弁を求めたいと思っています。  次に、二項目めに入ります。  新幹線の開業を武雄市民、嬉野市民と一緒にお祝いをしたい。そのために二本の道路の議論をしなければなりません。一本目は有明海の沿岸道路です。全二点、まずは福富-鹿島間についてであります。  佐賀県は三区間の整備計画を持っています。大川-佐賀、佐賀-福富、福富-鹿島。これもなかなか利害が対立することなので、公の席では言いにくいんですけれども、例えば、大牟田から大川まで整備されて、そして、今、大川から諸富、諸富インターが来年の春までに完成をする、一つのきっかけですね。じゃ、諸富からまた延伸するだろうなと思うんですね。ここは国の直轄ですから、私たちがどうこう言うこともできないのかもしれない。しかし、佐賀県の利益を考えたときに、どっちからがいいんですか。私は嘉瀬南のTゾーンから整備したほうが圧倒的に整備効果が高いと思う。当然、福岡県民は諸富から先を整備したほうがいいですね。そして、佐賀空港を利用してもらいたいと思う人は、多分そっちのほうがいいのかもしれない。しかし、有明海の沿岸道路、有明海沿岸というのは西に広がっていますね。ということを考えれば、この西側の皆さんたちが利用しやすい環境をつくるということが、佐賀県にとっても整備効果が高いと言えるんではないのか。しかし、なかなか言えないから、私が言いたいことは、要は効果を数値化したらいいんじゃないですか。佐賀県民の視点でどの区間を先に整備したほうが効果が高いのかということ、これは質問ではないんですね。大川-佐賀は、僕があまり口出すところではないと思う。本音としてはTゾーンのほうから整備をしてほしいと思います。  私が言いたいのは、福富-鹿島間です。正確には福富から白石町、有明というところまでの区間をこれから整備することになったんですね。当然何となく、何となくですけれども、佐賀から福富を整備しましたので、当然、福富から整備がなされるんであろうと何となく思っていますけれども、果たしてそれでいいんだろうか。今、軟弱地盤対策で時が止まっています。今、佐賀県はTゾーンを優先している。しかし、いずれTゾーンは終わる。その次には当然、福富-鹿島間の整備に入るんですね。  じゃ、今準備をどこでしているかというと、福富からの延長を議論しているんです。軟弱地盤、盛土をしてもなかなか軟弱が収まらない。もしかして高架方法にしなければならないというお話も出ています。せっかくこうやって立ち止まっている時間があるならば、着工優先順位を考え直してみたらいかがですか。明らかに鹿島側からのほうが私は高いと思うんですね。道路は比較的延長したほうが環境的にはいいと思います。乗る人の環境、乗って降りて乗ったりするのは当然面倒くさいんですね。しかし、やっぱり軟弱で時間がかかるというのは事実。  それと、鹿島から着工しなければという大きな理由があるんですね。それは、今の国道四百四十四号線と国道二〇七号線というところに、当然三差路ですから信号機があって、その信号機の五十メートル先に線路があるんです、踏切があるんですね。ですから、私たちはいつもあの踏切で止まって、また信号というと、赤信号で当然一回止まります。しかし、次は青になったからといって、一回で行けないんですね。だって、線路と信号まで五十メートルしかないから、みんなが二秒そこで一時停止をして、行こうと思ったらすぐ信号が赤になって、二回、三回待つのは当たり前ということで、皆さんが小さな小道を抜けくぐりしているんですね。そういう状況があるし、それをまた再度、十年間放置しておくんですか。危険もいっぱい、渋滞もたくさん。先に解決しなければいけないのはどこですか、軟弱地盤ですか。そうじゃないはずです、あそこの有明ですよと私は声を大にして言いたい。誰もが思うはず。あそこを通れば、整備効果が明らかに高いのはこっちでしょうと。なぜこっちを先に設計しない、着工の準備をしない、と私は思う。延長、延長で皆さんがいきたいのならば、それなりの理由を私に示してほしい。その効果をデジタルで数値化してほしいと思う。このことについての見解を求めます。  次に二点目、鹿島-諫早間についてです。  ここもすごく悩ましいですね。人口が少ない割に多分予算がかかるということなんだろうと思います。ミッシングリンクだから、みんなが放置していいとは思っていないはず。しかし、やっぱり国道が沿岸を走っているんですね。その沿岸よりも海側にさらに高規格の道路を造る、幾らかかるんですか。じゃ、山側に造りますか。橋を架けなければならない、幾らかかりますか。そういう状況の中で、なかなか議論が前に進まない。これは私が言っているんではないですね。この有明海の沿岸道路が計画されたのが多分二十数年前、そのときからこの地域の皆さんの希望だったんですね。  国道二〇七号のところに看板があるんですね。七、八メートルぐらいあると思います。二、三年前に鹿島高校の美術部の皆さんたちが描かれたということで、私はいつもいつもこの道路を通るから、この看板を見るたびに何とかせんばいかぬ、地域の皆さんの希望をかなえんといかぬ、努力が足らんということをいつも反省しなければならない。  国交省にもそう、九州整備局にもそう、毎年毎年言っているけれども、なかなか返事が来ない。しかし、私たちは平成十八年、今から十六年前に新幹線に同意をした。そのときに佐賀県は太良町に約束をしたんですね。有明海の沿岸道路の鹿島-諫早間について、その実現に向けて努力しますと書かれています。努力はしていただいていると思うんです。私も一緒に要望活動をしている、だから分かる。しかし、なかなか答えが来ない。多分まだまだ時間がかかるでしょう。これも行政の仕事ではありません、知事の思いを聞かせてください。  次に三項目め、道路の二本目ですね、国道四百九十八号鹿島-武雄間の整備についてであります。  有明海の沿岸道路は、私が死ぬまでにできないと思っている。私は今五十一歳ですが、あと四十九年は生きます。しかし、それでも多分できないでしょう。しかし、それでも私は計画にはのせたい、政治の責任として計画にはのせたい。しかし、この国道四九八号は別です。今すぐ整備をしなければならないということです。私たちは特急の足を失うんですね。武雄まで圧倒的に行かなければならない事情が生まれた。私はずっと十五年間、これも訴えてきました。国道四百九十八号、鹿島との怨念があるのかもしれない。しかし、そんなことは忘れて、新幹線ができるというのは事実ですから、十年ぐらいかかりますよ、着工しなければ間に合いませんよ。しかし、着工できないでいるんですね。今すぐ着工しなければならない、そういう状況にもかかわらず、私たちは着工させることができない。佐賀県は着工すると決めていない。放置できないと思っているんですね。  半年前にこの議論をしました。どういう答弁だったか。三市で今協議をしてもらっています。関係する武雄市、嬉野市、鹿島市、そして、そこに佐賀県が入って、要はこの道路を生かして、あなたたちの地域をどう発展させるつもりですか。当然その三市それぞれ思惑というか、考えが違います。利用形態も違うし、その町の事情も当然違う。  そして、西部地区の皆さんたちはすごく温厚な人が多いというか、いい人が多いというか、あまり強引に物事を進めないというか、ですから、皆さんが牽制し合う、遠慮し合う中でなかなか物事が進まないような気がしています。この半年間で何か議論がなされましたか、何か事が動きましたか、私には残念ながら見えない。ですから、この議論をリードするのは誰ですか。一番欲しい鹿島市ですか、太良町ですか。そうではない、佐賀県なんですよ。佐賀県が責任を持ってリードしなければならない、その責任を今果たしていないからこの質問を繰り返さなければならないんです。調整役として佐賀県は責任を果たす。  今から十六年前に絵姿を示したんですね。鹿島市さん、新幹線に賛成してください。賛成してくれるのであるならば、いつも塩田で渋滞をするあの国道四百九十八号を県が責任持って整備してあげましょう。A3のカラーコピーを私ももらいました。残念ながら、もうなくしましたけど。  あの絵姿は誰が描いたんですか。ある程度の大体の路線で、盛土工法で大体二百六十億円かかりますけれども、佐賀県が責任を持って造りますからと。あの絵姿をもう一度示してほしい。絵姿を見るということは、実現に近づくということです。頭で思い浮かぶ、口に出す、そして、絵姿を見る。ただ耳で聞いたよりも自分の目で見たほうが、ああ、なるほどこういう道路だったんだということで、当然、地域の議論が進むんですよ。ですから、その絵姿を今すぐに示してほしいと思う。  四項目め、有明海の再生についてであります。  全二点、まずは一点目、非開門判決の受け止めと開門調査への知事の思いについてお伺いをしなければなりません。  三月二十五日に福岡高裁から判決が言い渡されました。びっくりしました。判決の要旨なるものを頂きました。理解できませんでした。何と書かれているか。結論として、確定判決に基づく強制執行は、これを許さない。二〇一〇年に、三年以内に五年間の開門調査を実行しなさい。これを実行しなさいと言った御本人、福岡高裁がこれを許さないと言っているんです。当裁判所の判断として、その理由が書かれていました。終結後の事情の変動を踏まえて、改めて決する。終結後の事情の変動、じゃ、変動なるものは、例えば、自然界に関係する裁判というのは常に変動するんですね。今はこうだけれども、来年はそうじゃないかもしれない。じゃ、確定されたものが信用できないということです。変動する──意味が分からない。  漁業に当たっている者の一人当たりの漁獲量は増加傾向にあると書かれています。びっくりしました。水揚げが少ないので、漁に出られない方が圧倒的に増えているのに、一人の例を取って増えているというんですね。二枚貝はとれていますか。閉門して、次の年にとれなくなったあのタイラギはとれていますか。アゲマキは、アサリは、サルボウはとれていますか。今年が特に厳しいんですよ、今年が特に一番厳しい。ノリなんかそうですね。西部地区、南部地区、最悪の状況ですよ。そのさなかの三月二十五日にこういう判決文を出したんですよ。信じられないと僕は思った。  確かに二〇一〇年、農水省は──二〇一〇年に福岡高裁は冷静な判断をしたんだと思う。やっぱり有明海、ここには異変がある。解明しなければならない、開門調査は必要だ。そういう判決を下した。そして、農水省はその判決に従って実行しようとした。対策工事をするための調査に入ろうとしたら、長崎県民側の皆さんたちの大きな抵抗に遭って、対策工事のその調査すらできなかった。だから、農水省はもうできませんと。裁判所が幾ら命令しても、長崎県の抵抗は大きい、私たちは実行に移すことができない。これは農水省側である行政と、福岡高裁側である司法の出来レースじゃないんですか。できないという理由を先に設けて、もう開門しないと、結論ありきとしか言いようがないと私は思う。  このことについて知事はどう思っているんだろうなというふうな思いで質問をさせていただきました。  二点目、水産振興の取組についてであります。  悩ましいですね。ノリが何でこれだけ色落ちをしましたか。赤潮が発生して、その赤潮を食べるサルボウが圧倒的に少ないからです。二枚貝が少ない。サルボウ大作戦もやったけれども、なかなか効果が出せなかった。カキ礁は復活させようとしてまあまあ結果が出ています。しかし、圧倒的にまだまだ足らない状況がある中で、午前中の議論であったように、サルボウ百万個、そして、塩田川の水をより遠くに流すということで、作澪をこれからしていきたい、努力をしていただくということでございました、ありがたい。これまではどちらかというと漁船漁業が苦しんでいましたので、漁船漁業に対してもナルトビエイを駆除します、海底耕うんをします、モガイの殻を散布します。効果が出たときもありました。しかし、残念ながら続かない状況が今ある中で、私は原点回帰が必要なのかなというふうに思いました。今までのものを継続するだけではなくて、これから何をしなければならないか。  私たちはよくお叱りを受けます。調査、調査、有明海特措法に基づいて十八億円の国の予算がついているじゃないか。何に使っているんですか、何をしているんですか。異変を解明するために調査をしています。それは本当かとお叱りを受けます。佐賀県も長崎県も熊本県も福岡県もそう。各大学もそう。国の西海区水産研究所もそう。それぞれが努力をして、この異変を解明するために調査をしていただいている。じゃ、その調査を基に、私たちは対策を打たなければならないはずなんですね。そのことが何となく、漁業者の皆さんと共有できていないのではないか。  その調査の結果については、行政側というのはデータを持っているんです。大学側は持っている。国側は持っている。そのデータをより分かりやすく漁業者に示す。役員の方には示しています。しかし、こんな分厚い冊子をもらっても、なかなか理解することができない。私たちもそうですね。議案書をもらっても、なかなか分かりにくい。だから、ある程度の要約したものをもらうと分かりやすい。  ですから、役員になる人向けの報告書と一般の漁業者に向けての報告書は当然違わないといけない。もっと薄いもの、できれば一枚、二枚のものでなければならない。それを見た漁業者が、じゃ、我が地域にとってはこういう対策を打たなければならないんじゃないかということを共有する。今は共有ができていないと思う。  海がきれいになり過ぎたという意見もあります。  例えば、三十年前はタイラギがとれていました。四十年前はもっととれていました。五十年前の写真を見ると、もう山積みです。じゃ、その殻はどこに捨てていたか。陸上ですか、いや海です。  タイラギというのは高級二枚貝です。むいて殻をそこに捨てるというのか、何というのか、海に戻すというのか、しかし、一回海から揚げたものは、海洋汚染防止法なるものがあって、それはもう廃棄物ですと。一回船に揚げたら、それはもう廃棄物。だから、勝手に捨ててはいけません。三十年前まではみんな捨てていた。取り締まる人もいない。当たり前に捨てていた。しかし、それは今、捨てたら駄目という話になった。十年前に久しぶりにタイラギが立った。いつものようにおじさんがむいて捨てた。保安庁に連行されました。たったそれだけでですか。昔は当たり前にしていたことが。  確かに海洋汚染防止法なるものがあるかもしれません。私はその防止法なるものを改正してほしいと思う。いつか東京に行きましょう、水産庁に。この防止法は多分昭和五十何年に作成されたものだったと記憶していますけれども、それは本当に廃棄物ですか、資源ですよ。海底をきれいにし過ぎた、海底を平らにし過ぎた。ある程度隆起しているものがいいんですよという人も当然いる。そして、こういう貝の殻のところに浮遊幼生がついて、新たな貝が生まれるんですよ。この肉片を食べにアナゴが来るんですよ。タコが来るんですよ。これを全部なくしてしまったんで、アナゴもタコもすむところがないじゃないですかという話。海をきれいにし過ぎるんです。  そして、じゃ、今どうしているかというと、タイラギの殻、今はタイラギがないからサルボウの殻にしても、一回粉砕してまいている。粉砕すると廃棄物じゃないという話なんですね。漁業者の人も、いやいや、粉砕しないほうが効果があるのにと。しかしそれは廃棄物だからという話。それで何となく、試験の結果でも粉砕したほうが効果があるという話を聞きますけれども、私はどうも腑に落ちない。そのままのほうが圧倒的に効果があると。何でわざわざ手間をかけて効果を薄めているんだろうと私は思う。  私の肌感覚、そして、漁業者の皆さんの肌感覚、漁業者も様々です。ですから、一定共有しないと、対策工事を自信を持って打てないんですよ。この調査したものをできるだけ多くの漁業者と共有をする。そして、それぞれの支所ごとに、対策工事を漁業者が主体となって行うということが望まれているんであろう。漁業者、そして、足らないところは市町、県、そして、有明海というのは四県ですから、四県で協力するところもあるでしょう。そして、国。皆さんたちがそれぞれの立場で力を合わせて努力をすると、私は宝の海・有明海は絶対に再生すると信じています。  五項目め、ミカンの振興についてであります。これも厳しい現状があります。  一枚の資料を頂きました。ミカンの栽培面積の推移ですね。昭和四十年代、私がまだ生まれる前、需要がどんどん増加する。日本の果物の象徴はミカンでした。だから、ミカンをどんどん作ってください。食べる人がいるんだもん、欲しいんだもん、食べたい。需要増の中で、私たちの中山間地はどんどん園地開発をされました。ミカンは売れる。みんなが作った。しかし、残念ながら、昭和四十九年、約十年後、ミカンの暴落が始まりました。ミカンを食べなくなった。  一番多いときでは一万四千ヘクタール作られたものが、今現在、二千ヘクタール、ピークの七分の一ということになりました。最近価格は安定していますけれども、しかし、荒廃園は残念ながら増えている状況にあります。  十年間で半減しました。今から十年前は四千ヘクタールあったものが今二千ヘクタール、この資料を見るとなだらかですから、今から十年後、令和十四年は、ミカンの栽培面積は千ヘクタールになっているということが想像できる。そういう状況下で、私たちはただ荒廃園を見ているだけでいいのか、それは許されない。対策を打たなければならない。  一点目、園地の継承についてであります。  七十代、八十代の方が頑張っていらっしゃいます。ミカンというのは基本的に傾斜地です。傾斜地で踏ん張って努力をされている。後継者がいるところはいいですけれども、後継者がいらっしゃらないところは大変ですね。しかし、それでも自分が生きている間は頑張るといって皆さん努力をしていただいている。そして、病気になったときにある日突然やめられる、しようがない。継承できない状況があるというのを、例として私たちは目の当たりにしました。  するならば好条件のところ、不利地はしようがない。面積が減るのは一定はしようがないと思います。しかし、好条件のところを荒廃地にしてはならないと思うんですね。基盤整備が必要ならばきちっと基盤整備をして、改植が必要ならばきちっと改植をして、若い担い手にバトンを渡すということは当然必要、そういう状況の中で、多分農地管理機構、農地バンクなるものができたんだと思いますけれども、なかなか目に見えた効果が発揮されていないように感じています。ですから、そのことについてもやっぱりきちっとバトンを渡すということがとても大事なんだと思います。  一方で、どうしてももう作れない不利地があります。ここはもうなかなか作りにくい。そういうところはやっぱり山に戻すという取組も必要なんだと思います。多分、十数年前にこういう議論はあって、こういう取組を佐賀県はしていたんですよ。広葉樹を植える、針葉樹を植える、いろいろ地形によって山に戻していた経緯があった。しかし、残念ながら今はその話を聞きません。そういうことが実行されていない状況下で荒廃園が増えている。ですから私は、継承するところは継承する、山に戻すところは山に戻すという取組が、今、必要なんだろうと思います。  二点目、果樹経営支援等対策事業についてであります。要は改植事業です。  ミカンは年を取って老木になると、やっぱり量が少なくなります。ですから、定期的なサイクルで改植をしていかなければならない。そういう状況下でミカンを頑張る皆さんにとっての大きな支援策はこの改植事業です。未収益の期間の支援金を含めると一反当たり四十五万円。ありがたい。このことをもって新たな品種に挑戦をする。これからまた三十年間頑張る。  そして佐賀県は、「にじゅうまる」を誕生させました。「にじゅうまる」を作りたいという方がたくさんいらっしゃいます。そういう人は意欲を持っている人です。施設で一定成功を収めた、そして今、露地でモデル園の皆さんたちが努力をして、これから莫大的に増やしていかなければならないという課題を佐賀県も同時に背負っているんです。  多くの皆さんが言われます。私たちは「にじゅうまる」をもっと気軽に食べたい。あんなに高ければなかなか食べることができません。あれは贈答用ですか。東京の皆さんに贈るためのものですか。佐賀県民は食べられないんですかというお話。まだ生産量が追いついていないので、当然高値で推移している。ですから、私たちは佐賀県の責任として、もっと爆発的に苗を植えなければならない。要は、改植をしてもらわなければならない。  そんなときに、この改植事業の予算が不足しているといううわさが立ちました。この予算規模で言うと、夏までにせんと、もう夏以降はこの事業は使われんばいという話でした。当然、私たちも農水省と議論をしました。すると、産地パワーアップ事業がありますから大丈夫ですよというお話でした。ここは予算が潤沢です、これを使えばいい。しかし、片や定額、片や定率二分の一なんですね。どうしても改植事業を使った人は産地パワーアップ事業を使いにくいんですね。定額のものであるならば、自分たちでユンボをリースしてきて、自分たちの労力で一生懸命頑張るんですね。  ですから、何とかこの産地パワーアップではなくて、果樹経営支援等対策事業を活用できるような予算確保をしてくださいということを、私もみかん議連の中でお願いをした。そして、園芸農産課も、今、努力をしている。しかし、まだまだ実現の見通しが立たない状況にある中で、現場の皆さんたちが不安を持っているということです。  予算を確保して、改植をしたいという方がきちっと改植ができる、そういう環境をつくっていただきたいと思います。  佐賀県にはおいしい食べ物があります。海の幸、山の幸、平野の幸もあります。八十一万佐賀県民の皆さんが、その幸を食して日々を豊かに暮らしていただくことを心から御祈念申し上げ、私の質問を終わります。(拍手) 37 ◎山口知事 登壇=坂口祐樹議員の御質問にお答えいたします。  まず、長崎本線の上下分離後の利便性確保についてのうち、新駅の設置について私の考えを答弁します。  今年の九月二十三日から、長崎本線の肥前山口-諫早間は、列車の運行をJR九州が担い、鉄道施設の管理を佐賀、長崎両県が設立した佐賀・長崎鉄道管理センターが担うこととなります。  上下分離後は県の関与も深まりますので、鉄道の利活用や利便性の確保について積極的に関与していき、鹿島・太良地域のさらなる振興に取り組んでまいりたいと考えています。  鹿島・太良地域の未来を光輝かせるために何をどのように行っていくのか、新駅の設置を含め様々な可能性について検討していきたいと考えます。  続きまして、有明海沿岸道路の整備についてお答えいたします。  鹿島・太良地域は、そこに住む人々の息遣いや営みがありまして、それが連なって歴史、町並みをつくってまいりました。これからのツーリズム、そして交流におきましては、真の暮らしの豊かさや人の営みに価値が置かれてくるものと思います。そうした中で、鹿島・太良地域は、これから世界に向けて輝ける地域というふうに私は確信しております。  そして、六月四日には佐賀、福岡、熊本、長崎四県をまたぎ、各地域十一の観光協会が一体となって「環有明海観光連合」というものが設立されて、その設立式典が九州佐賀国際空港で挙行されたばかりです。  佐賀県は、筑後佐賀圏という取組を行っていますが、こういったものに加えて今回、環有明海で観光地が結ばれるに至ったわけです。  こうなったのは、有明海沿岸道路が延伸されて相互交流が深まったことと、九州佐賀国際空港の利用範囲が広くなっているということだろうと私は思っています。まさに鹿島-諫早間を含む有明海沿岸道路がそうした地域や人を一つにつなぐ役割を果たすものであり、鹿島・太良地域のポテンシャルを生かしていくためにも、私は、まずは鹿島までつなげていくことに全力を傾注したいと考えています。  鹿島-諫早間は、今後の状況を見つつ進めていく課題と考えております。  続きまして、有明海の再生についてですが、福岡高裁の判決の受け止めなどについて私の思いを答弁いたします。  今回の裁判の判決は、坂口議員と同様に私も釈然としないわけであります。  特に、国は平成二十二年の福岡高裁判決を自らの判断で受入れ、確定させたにもかかわらず、開門の義務を履行せず、請求異議訴訟において、その後の事情変動を理由に開門の強制執行を権利濫用と主張した点です。これは坂口議員がるる説明いただきました。私も同感です。  さらに、福岡高裁が国の主張を認め、確定判決に基づく強制執行を、事情変動を理由に権利濫用として許さないとした点です。さらに、判決の中で、福岡高裁は和解協議の求めをしたわけです。和解でないと、結局、裁判の繰り返しになるということを分かっていて和解協議を進めて、そこに対して国は全く応じなかったわけですが、そういう姿勢について一切判決で触れていないという点についても釈然としないと感じました。  まさに平成二十二年の確定判決は、開門を求める漁業者の皆さんの心のよりどころでありました。確定判決に基づく強制執行を許さない判決が出て、自らの力ではどうにもできない状況に翻弄される漁業者の皆さんのことを思うと、大変心が痛みます。  開門を求める漁業者側は、四月八日に上告されました。今後の裁判の動向を注視したいと思います。  有明海再生のためには、開門調査を含む有明海の環境変化の原因究明が必要という思いはいささかも変わっていません。今後もあらゆる機会を捉え、国に求めていきます。  さらに、有明海の水産資源の回復は待ったなしの課題です。漁業者の皆さんに水産資源の回復を実感していただけるように、そして、その子供たちの代まで、孫の代までも営みが続いていくように、県もできることは何でもやっていきたいと思います。  宝の海・有明海の再生という本来の目的を見据え、国、関係する県、市町、漁業者など、有明海に関係するもの皆で協力し、強い気持ちで前に進めてまいります。 38 ◎山下地域交流部長 登壇=私からは、長崎本線の上下分離後の利便性確保について三項目お答えをいたします。  初めに、駅体制の見直しによる利便性低下、定期の話がございました。  今年三月のJR九州による駅体制の見直しによって、利用者からは安全面の不安であったり、利便性低下を心配する声がございました。議員御指摘の定期券の購入が不便になったということも、その一つだと認識をしております。  今回の駅体制の見直しでは、無人化にならなかった駅でも切符販売窓口が廃止されたり、営業時間が短縮されたりで、特に高校生の定期券購入が不便になると、そういうことの懸念が言われておりました。  二年前の見直しでも同じような状況がございました。そのとき、JR九州は、関係する高校での出張販売であったり、議員からもありましたように、スマホ定期券を試験的に導入されるなどの対応をされております。  今回も、JR九州に対しては同じような対応を求めておりました。結果を聞きますと、複数の高校で定期券の出張販売を行ったということでございました。ただ、スマホ定期券の導入拡大というのはなかったようです。いろいろ課題や制約はあるようですけれども、このスマホ定期券というのは優れたところもあります。やっぱり紙定期券と異なって再発行ができたりとか、IC定期券のような再発行手数料が必要なかったりとか、これは専用アプリで購入手続しますので、駅に行く必要もなかったりとか、非常に優れたところもありますので、その普及というのは、これからも求めていかなきゃいけないと思っています。  議員からは、ICカードのエリア拡大、そしてスマホ定期の普及などについて、JR九州と協議をしてほしいということでございました。今もJR九州とは協議をしております。どうしたら実現できるのか、一度に全てを実現するというのは難しいかもしれませんけれども、思い切った提案もしながらJR九州と話をしていきたいと思います。
     二つ目、上下分離後のダイヤ案への意見についてということで、運行ダイヤにつきましては、やはり利用状況を踏まえていただくことが重要だろうと思っています。県でも、JR九州に対して上下分離区間の運行について要望を行っておりますけれども、要望に当たりましては、独自に長崎本線の利用状況調査を行いまして、その結果を踏まえ、実際の利用状況に応じたダイヤとなるようJR九州に要望しているところでございます。  今回発表された上下分離運行区間のダイヤ案につきましては、JR九州は利用者からの意見を届けられるようにというふうにされています。利用者の声を聞くというのは大事なことだと思っていますし、非常にいい対応をされているというふうに思っています。意見のある利用者はぜひJR九州にその声を届けていただきたいと思います。変わらないかもしれませんけれども、声を出さないと変わることはございません。ぜひ意見のある方は意見を届けていただきたいと思います。  そして、県におきましても、議員からの意見も含め、しっかりJR九州に伝えていきたいと思います。  三点目、上下分離後の鉄道施設につきましては、駅舎の活用と多良駅への山側からのアプローチについてお尋ねがございました。  駅は、単に列車の乗り降りをするところということではなくて、やはり市町のまちづくりにとって非常に重要な場所だというふうに思っています。県内では、無人駅でありましても、市町や地域の住民が創意工夫し、駅業務も請け負いながら、駅舎をNPO法人の活動拠点にするなど、まちづくりの拠点として、あるいは地域住民の交流の場として活用いただいている例もございます。  上下分離後、駅舎の管理は一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターが行うことになります。駅舎の活用を希望される方には柔軟に対応するよう、管理センターには求めておりますし、県としても、その利活用の取組についてはしっかり後押しをしていきたいと思っております。  そして、多良駅への山側からのアプローチについてでございます。  このアプローチ改良につきましては、今年二月のGM21の場で太良町長からも話がございました。翌日には太良町長のところを訪ねまして、町としての意向や現地確認なども行ったところでございます。  今はそういった太良町の意見も踏まえながら、九州運輸局のほうへ安全対策上の課題などについて確認を行うとともに、アプローチの方法などについて検討を行っているところでございます。  安全対策ですので、そこをおろそかにすることはできません。その求められる安全対策をやった上で、議員から六千万円の費用という話もありましたけれども、どのようにその事業費を抑えるかなど、検討すべきところはございますけれども、実現できるように関係者と話をしていきたいと思います。  私からは以上でございます。 39 ◎山田農林水産部長 登壇=私からは、大きく二点お答えいたします。  まず、有明海再生に向けた水産振興の取組についてでございます。  有明海では、タイラギやアゲマキ、サルボウなど、二枚貝をはじめとした水産資源の減少によりまして、漁船漁業の経営は厳しい状況にございます。ノリにつきましても、西南部地区では頻発する色落ち被害によりまして厳しい生産状況が続いております。  このような状況にあることから、県では、二枚貝の水産資源の回復やノリの安定生産に向けた取組を漁業関係者の御協力を得ながら続けているところでございます。  具体的には、タイラギにつきましては、親となる母貝団地を造成するための海底への稚貝の移植ですとか、海底の環境を改善するためのモガイ殻の散布、アゲマキにつきましても、母貝団地を造成するため稚貝を放流しております。  サルボウにつきましては、稚貝を付着させる採苗器、これはササでございますけれども、これを設置するなど、これまで様々な取組を実施したところでありまして、現在も実施中でございます。  また、ノリの生産を安定させるため、県有明水産振興センターと有明海漁協が緊密に連携しまして、病気や色落ちの発生状況やその対策につきまして、きめ細かな養殖指導を行っているところでございます。  さらに、令和三年度漁期は西南部地区に深刻な色落ち被害が発生いたしました。有明海漁協からのノリの不作対策に関する要望を踏まえまして、新たな二つの取組を行うために必要な予算を今議会にお願いしております。  一つ目の取組は、近年の豪雨などの影響により激減いたしましたサルボウの稚貝を西南部地域に放流し、ノリの色落ち被害の原因となるプランクトンを捕食させることによりまして、即効性を持った色落ち被害を軽減させる取組。二つ目につきましては、西南部地区でノリ漁場に必要な栄養分を供給する役割を持つ塩田川におきまして、泥の堆積などにより潮の流れが悪くなっておりますことから、その流れの改善に向けた効果的な手法を検証するためのシミュレーションを実施することとしております。  これらの事業の実施に当たりましては、有明海漁協と十分協議しながら進めていきたいと思っております。  先日、六月三日でございますけれども、私も有明海漁協の西南部地区の代表者が集まる会合に参加し、漁業者の皆様の意見を伺ってまいりました。そこでは、坂口議員も参加をいただいておりましたけれども、二枚貝資源の回復について活発な意見が交わされたところでございます。水産資源の回復やノリ養殖の安定生産に向けた取組をより効果的に実施していくためには、漁業者の皆様との意思疎通をより深めていくことが重要と改めて感じたところでございます。  先ほど坂口議員からもありましたけれども、調査結果を分かりやすく提示して、それに基づいて議論するですとか、カキ殻の散布につきましても、そのままのほうがいいのか、また、粉砕したほうがいいのかという議論もございます。いろんな意見を出し合いながら、同じ方向を向いて進んでいくよう、今後とも、漁業者、漁協、関係機関の連携をさらに強め、有明海の水産資源の回復に向けた取組を引き続き粘り強く実施してまいりたいと考えております。  続きまして、ミカンの振興についてお答えをいたします。  まず、ミカン園地の継承に向けた取組でございます。  生産者の高齢化、後継者不足によりまして、ミカンの栽培面積が年々減少している中、産地を持続的に発展させていくため重要なことといたしましては、優良園地を担い手に集積させ、規模拡大による稼げる果樹経営を実現していくこと。また、経営を中止する農家などから、新たな果樹生産者に園地を継承させるシステムを構築していくことなどでございます。  まず、担い手に園地を集積させる取組といたしましては、地域におきまして園地の現状をまず把握し、将来のあるべき姿を共有することが必要であります。このため、地域農業振興センターが地域に入りまして、将来の姿を描いた園地マップの作成ですとか、園地集積のための基盤整備等に関する話合いを推進しているところでございます。  こうした結果、例えば、鹿島の音成・嘉瀬浦地区でございますけども、日当たりが悪く、狭い園地を中心に耕作放棄地が増加しつつあったことから、若手農家を中心に話合いが行われまして、大規模な区画整理に取り組むこととされたところであります。  整備後につきましては、これまで三十一名の生産者が所有した園地が、意欲ある若い担い手の十三名に集約される予定となっております。こうした事例を県内に増やしていくよう努めていきたいと考えております。  次に、新たな果樹生産者に園地を継承していく取組について申し上げます。  果樹は、定植してから収穫できるようになるまで、四年程度の未収益期間が発生しますことから、なかなか新規就農に結びついていないというのが現状でございます。  このため、園地の継承を円滑に進めていくためには、就農する前の段階で園地を改植し、育成、管理しておく必要があります。県では、経営を中止する農家の園地などを活用して、第三者、例えば、JAや生産部会などが新規就農者のための入植地を事前に整備する場合、その経費を助成する事業を今年度から新たに実施することとしております。  一方で、急傾斜や日当たりが悪いなど、ミカン栽培の継続が困難と判断されるような園地につきましては、国の事業等を活用し、伐採や植林などを支援することで林地に戻すような取組につきましても、今後とも、働きかけていきたいと思っております。  「さが園芸888運動」の中でも、ミカンにつきましては大きなウエートを占めております。担い手に優良園地を積極的に集積し、規模拡大により稼げる農業者を育成し、その姿を次の世代の人に見せることで、新規就農者の確保につながるといった好循環をつくっていくことが重要でございます。  今後とも、市町やJAなど、関係機関・団体と連携しながら、ミカンの振興にしっかり取り組んでまいります。  最後に、果樹経営支援等対策事業の予算の確保につきましてお答えいたします。  果樹の改植や未収益期間の園地管理に対して支援します国の果樹経営支援等対策事業でございますが、今年度の予算につきましては、支援内容が拡充されたことから、全国から要望が増加したことによりまして不足しているというふうに聞いております。  この事業につきましては、ミカンの場合でございますが、改植が三月から四月にかけて行われまして、事業の完了が次年度にまたがることも多いことから、制度上、年度内に完了しなかった分は次年度予算から支払うことができるというふうになっております。これまでの県内の生産者の要望につきましては、これまでは全て採択をされてきたところでございます。  今後とも、県内の果樹生産者からの要望について全て採択されるようにするためには、来年度以降の事業の予算が十分に確保される必要がございます。このため、今月七日に本事業の十分な予算の確保につきまして国に政策提案を行ったところでございます。また八月には、全国みかん生産府県知事会から国に対しましても、本事業の来年度予算の確保を重点項目として要望する予定としております。  ミカン生産者の所得向上を図っていくためには、「にじゅうまる」などの優良品種への改植が不可欠であります。今後とも、県内の生産者が計画的に本事業に取り組むことができるよう、あらゆる機会を通じまして国に要望してまいりたいと考えております。  以上、お答えいたします。 40 ◎大呑県土整備部長 登壇=私からは、大きく二項目についてお答えします。  まず一項目め、有明海沿岸道路の整備のうち、福富鹿島道路についてでございます。  福富鹿島道路は、鹿島・太良地域のポテンシャルを生かしていくためにも重要な道路でございます。これまで福富鹿島道路については道路計画の策定に向け、地質調査や地形測量などを実施してきました。これまでの地質調査の結果、軟弱粘土層が最大約二十三メートルと深くなっている地点も判明しております。  有明海沿岸道路の整備を進めていく上で軟弱地盤対策は最大の課題ではありますが、これまでも専門家の意見を聞きながら工法を変えるなど様々な知見を積み重ね整備を進めてきたところでございます。福富鹿島道路につきましても軟弱地盤対策にしっかりと取り組んでまいります。  議員から整備による効果が高いと考えられる区間から工事に着手すべきとのお話がございました。  福富鹿島道路の事業の展開を決めるに当たりましては、整備効果でありますとか、地域の地元の合意形成の状況、接続道路の状況、こういったことを総合的に検討していくこととなります。  整備効果という点につきましては、議員御指摘の鹿島側の朝夕の渋滞の状況、これも留意すべきことの一つというふうに考えております。  県といたしましては、できるだけ早く道路計画を示せるよう、これまでの調査結果を基に全力で関係機関との協議を続けてまいります。  鹿島・太良地域は豊かな自然に恵まれ、観光資源も豊富なすばらしい地域でございます。県としては、鹿島・太良地域の発展にもつながるよう、事業化に向けしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、二項目めの国道四百九十八号鹿島-武雄間の整備についてでございます。  国道四百九十八号は、広域幹線道路の一つとして位置づけており、鹿島と武雄の間を走行性の高い道路とすることは県としても必要であると考えております。  広域幹線道路が整備されることによりまして、時間短縮効果だけでなく、様々なストック効果が得られます。産業や観光の振興、交通渋滞の緩和、交通事故の減少、災害時の避難や緊急物資の輸送など、様々な効果も期待されております。  広域幹線道路の整備を考えるに当たりましては、地元の市がこの道路を生かしたまちづくり構想や、産業、観光の振興など、どのような将来像を描くかが大変重要となってまいります。このため、沿線三市で連携した議論が進むよう、令和四年一月の期成会勉強会において、県から各市に対してルートの検討材料を提示した上で、それぞれの市において防災や観光、産業などの観点から、ルートに関する議論をしていただいたところでございます。  現在、県におきまして、各市で議論いただきました内容を確認しつつ、意見の取りまとめを進めているところでございます。  今後、取りまとめ結果を沿線三市に提示し、一定の幅、一キロ程度の幅を想定しておりますが、一定の幅を持ったルート帯に絞り込んでいく議論を進めていくこととしております。  このルート帯に絞り込んでいくに当たりましては、沿線三市それぞれの思いや地域の課題があるほか、技術的な視点も必要となってまいります。このため、先ほど議員のほうから県が絵姿を示してという話もありましたが、議論のきっかけとして、このルート帯の案を県から提示するなど、県がしっかりとまとめ役となって議論を促進させ、沿線三市の合意を図っていきたいと考えております。  地元の思いや課題にしっかりと対応しながら、引き続き沿線三市と一体となって整備に向け取り組んでまいります。  私からは以上でございます。     ○ 時 間 延 長 41 ◎議長(藤木卓一郎君) 時間を延長します。 42 ◎西久保弘克君(拍手)登壇=自由民主党の西久保弘克でございます。初日の最終、もう五時になりましたので、しっかりと時間も考えながらですけども、せっかくの登壇の機会でございます。五項目、これは相手が国であります、JRでありますというような質問ではありません。県でしっかりと対応できるような内容になっておりますので、ぜひしっかりした対応で回答いただきたいと思いますので、よろしくお願いして質問に入らせていただきます。  それではまず最初に、高齢運転者対策についてであります。  現在の県内における公共交通機関網を考えると、車を日常生活の足として使わざるを得ない環境であり、最寄りのバス停でも歩いて数十分、本数も一日に数本といった地域も多く、車なしでは生活に支障を及ぼす高齢者がいることも事実であります。  本年五月十三日に施行された改正道路交通法では、七十五歳以上で一定の違反歴がある運転者に対する運転技能検査の導入、及び申請によるサポートカー限定免許の導入などを内容とする高齢運転者対策推進に関する規程が整備されたところであります。  今回の改正については、運転に不安を感じる方に対して運転免許の自主返納だけでなく、より安全なサポートカーに限って運転を継続するという選択肢を新たに設けたサポートカー限定免許制度など、高齢運転者を支援する取組もなされており、安全に運転を継続して運転寿命を延伸させる支援もなされていると感じております。  ただ、新聞記事によれば、運転技能検査で不合格者は運転免許証の更新ができない。高齢化が進む佐賀県内で地域のお年寄りからは、生活に車は欠かせないのに、運転技能検査で不合格になったら、もう免許を取り上げられるとよね、そういった不安の声も聞かれたとの報道もなされております。  警察では運転免許課内にシルバードライバーズサポート室が設置されており、高齢運転者の支援に取り組んでいることは理解しておりますが、県内の交通事情を踏まえれば、高齢運転者に運転免許の自主返納を勧めるだけではなく、高齢運転者が安全に運転を継続していくための取組も必要ではないかと考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一問目、道路交通法改正の趣旨についてお伺いします。  本年五月十三日に施行された高齢運転者対策の趣旨はどのようなものか、松下県警本部長にお伺いします。あくまでもこの運転技能検査は佐賀県内で行われるものであります。それを踏まえて御回答をお願いいたします。  二番目、高齢運転者の運転免許更新制度についてお伺いいたします。  運転技能検査の導入により、高齢運転者が運転免許を更新する際に新たな負担が生じるのではないかと危惧されますが、高齢運転者の運転免許更新制度はどのようになっているのか、また、佐賀県としてどのようにしていくのかお尋ねをいたします。  三番目、シルバードライバーズサポート室の取組についてであります。  シルバードライバーズサポート室では高齢運転者対策としてどのような取組を行っているのか。また、運転寿命の延伸に向けて、今後、どのように取組をされていくのかお尋ねをいたします。  二番目の質問に入ります。  佐賀北警察署の職場環境についてお尋ねをいたします。  佐賀北警察署については、二〇二四年に開催される国民スポーツ大会(国スポ)・全国障害者スポーツ大会のメイン会場であるSAGAサンライズパークを管轄し、大会式典や各種競技が円滑に行われるための交通安全対策や警護・警備対策を実施する重要な拠点の警察署であります。県民の安全・安心を守る警察署として、昼夜を問わず、事件、事故に対して迅速に対応できるよう、二十四時間の勤務体制で運用しておられます。  こうした勤務体制の中、佐賀北警察署の建物については昭和五十年に建築され、既に築後四十七年を経過していることから、各種設備等の老朽化が目立っております。トイレなどの一部改修はされておりますが、空調設備は一部の部屋を除き全館空調設備であることから、猛暑の夏場にあっては、時間や場所、また、気象条件に応じた効率的な冷暖房運転ができず、冬場にあっては、ボイラーの老朽化により、約八年前に暖房運転を廃止したということであります。  冷房運転に関しては平成八年にチラーを入れ替えてやられています。しかし、一括空調方式でありますから、八時半から五時二十分までしか運転していませんよと。  ボイラー機器があったんですけども、八年前に地下タンクの問題があって廃止しています。私は、暖房は止まっているのにどういうふうにするんですかと、そこをずっと見せていただいたときに、四人の警察官の方がおられました。多分私は、いや、冬は着たらよかとですよ、洋服着ればよかとですよというような回答が返ってくるのかなと安易に考えたんですけども、そうではなくて、返答は、十八台のファンヒーターを使っています。三台のだるまストーブを使っていますというような、数台のだるまストーブを使って、こういった対応をやっておりますということでありました。ファンヒーターとだるまストーブの灯油は八年前から比べるとかなり上がっているんじゃないですかという話もしましたけど、二倍ぐらいになっていますけど、灯油を給油したりするのもすごく大変だという話も聞いています。こういった中で一生懸命働いている警察署員にとって、職場環境はよいとは私は言えないと感じております。  今後、国スポ・全障スポの開催を控える中、二十四時間の勤務体制である警察署員の職場環境改善対策として、特に早朝や夜間に勤務している箇所への個別空調設備の導入を検討していただきたいと考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  職場環境改善対策としての個別空調設備の導入についてお尋ねいたします。  佐賀北警察署の空調設備は、仮眠室など一部個室については個別空調設備が導入されておりますが、まだまだ少ないと感じております。今後、職場環境の改善として個別空調設備の導入はどのように考えているのか。また、検討しているのであれば、導入時期はどのように考えているのか、松下県警本部長にお伺いします。  二番目、佐賀北警察署の改修工事計画の状況についてであります。  空調設備以外にも給排水設備等の老朽化が目立つ佐賀北警察署にあっては、施設の有効活用を図るための改修計画があると承知しております。  そこで、改修工事計画の進捗状況と今後の計画予定についてどのようになっているのか、この二点をお伺いいたします。  これは八年前に同じようなことがありました。いや、空調は壊れていますけども、もう改修するんですよと、建て替え、全面改修するような予定があるので、もったいないのでやらないんですと、八年前にそういう話を実はいただきまして、ああ、そうですかと。  その後、いろんな話をしていたときに、個別空調を入れても、あと、たくさんの警察署や派出所があるわけですから、古いところにそれを持っていって付け替えればいいじゃないですかと、そういう発想をしてもらえないかということで、今回、担当課の方ともいろんな話をさせていただいて、この質問になっております。  佐賀県政は、知事が人を大切に、これが第一のキャッチフレーズであります。八年前、松下本部長が来られる前の本部長さんたちが三人か四人替わられましたけれども、皆さんこれは置いていかれていますので、ぜひ松下本部長のところで一つの区切りをつけていただきたいと思って質問させてもらっていますので、回答のほうをよろしくお願いいたします。  問三に移ります。就労継続支援事業所の施設外就労の推進と受注支援についてであります。  就労継続支援事業所で働く障害のある方が地域で自立した生活を送るためには、工賃水準を引き上げることが重要であり、佐賀県における令和二年度の就労継続支援B型事業所の工賃は平均で一万九千三百二十七円でありました。これは全国で五位というトップクラスの数字であり、全国平均の一万五千七百七十六円と比較して三千円以上も高くなっております。  私はその理由として、佐賀県には農作業や除草作業などの施設外就労の仕事が他県より多いことが挙げられるのではないかと考えております。  これについては、就労継続支援事業所の工賃、すごい貧富の差があると、貧富の差と言ったらいけないですが、作業の差がありまして、多いところは一人四万円ぐらい取っていらっしゃる。少ないところは一万円満たないんですね。その中で、後で言いますけれども、多くは外に出て、除草作業とか農作業に出られている方はやっぱり高いんですね。そういったところで、私は多いんではないかというふうな考えをしております。  改めて申し上げますが、施設外就労とは、障害がある方の就労能力や工賃等の向上、及び一般就労への移行を目指して、就労継続支援事業所の利用者と職員がユニットを組み、企業などから請け負った作業をその企業内、つまり福祉施設外で行う活動を指しております。この施設外就労での活動がきっかけで、将来その企業に就職する可能性もあり、大変重要な活動であると考えております。  しかしながら、令和三年四月に行われた障害福祉サービス等報酬改定において、それまでついていた施設外就労に対する加算百単位、一単位が十円加算になりますから一千円分がなくなり、さらに、加算がつかなくなったにもかかわらず、それまでの慣習は残り、施設外就労した場合は市町に報告する必要があるなど事務は煩雑であり、このままでは事業所は施設外就労をしなくなっていくのではないかと危惧しております。  施設の方から言わせると、施設外就労の加算があったときにはまだよかったんですけれども、二十人規模の施設の場合は、大体七・五対一、やっぱりスタッフが一人おったら七・五人見れるんですね。でも、施設外に行ったら、二人か三人しか見れないんですよ。そうなるんであれば、こういう言い方は悪いですけれども、施設内におっていただいて、そこにおってもらって、二人で十五人見たほうがやっぱり楽なんですよね、すごく楽です。しかも、うちみたいな農園に来たときには、その報告書を全部市町に出さなければいかん。その市町も、利用者の住んでいらっしゃる市町にそれぞれ出さないといけないんですよね。三人が、例えば、神埼市と佐賀市と多久市だったら、三カ所全部別々に出さなければいかん。こういった煩雑であるんだけども、でも、やはり施設外就労することによって賃金を一円でも上げたいという施設からすれば、こういうことをやっていかないといけないということです。  県は、緑豊かな広大な大地など、佐賀県の特性を生かして農福連携を推奨しているのであれば、施設外就労をより一層強力に推進すべきであると考えております。私は、県単事業で施設外就労、もう十ポイントでいいと思います。一日に百円でいいと思います。それを与えることによって、これがすごく進むんではないかなと思っております。  農福連携を進めております佐賀市の一般質問の中でも、農福連携について質問がありました。その答えは、やはりいろんな形で進めていきましょう、コーディネーターを入れて進めていきましょうという答えでした。しかし、現実に福祉施設からすれば、車で送り迎えをするリスクもある。ガソリン代もかかり、車を用意しなければいけない。しかも、書類もたくさん作らなければならない。こういった状況の中で、農福連携をできるわけないでしょうという話が今多々聞かれております。
     ここでもう一つあるのは、市町との連携がうまくいっていない部分もあるというのを聞いております。これは七十歳を超えてしまうと、六十五歳以上が介護保険法と障害者自立支援法と二つあるんですけれども、介護保険法が優先するんですね。そうすると、何が起きるかといったら、七十歳を超えたら介護保険のほうに行ってくれないですかというふうな指導をする市町があるんですね。そうなってくると、要支援一、二だったら、まだ引き続きB型作業所の利用をできるんですけど、要介護一になったら行けないんですね、利用できないんです。うちに来られている方は今七十歳で、今度七十一歳になります。その方にもある市町から、介護保険のほうに移ってくれないだろうかと。その方は、いや、私は耳がちょっと不自由なだけで、そんなことはないですよと言うけど、ある市町からは行ってくれないですかと。いや、違うと、私は農作業をしているから元気だと。うちの近所の方は、ほとんど八十歳以上の方が農作業をやられています。だから、年齢でそういう押しつけのようなことを、介護保険を先に取れ、そういった指導を今市町がしているということも県のほうにはこの場で言わせていただいて、連携をもっと取っていただけないかということをお伝えしておきます。  そこで、二問の質問をいたします。  一問目、施設外就労加算に代わる仕組みについてお尋ねをいたします。  農福連携を推進する佐賀県において、全国に先駆けて県独自で施設外就労加算に代わる新たな仕組みを導入すべきと考えるが、県のお考えを伺いたい。久保山健康福祉部長にお伺いします。  じゃ、施設外就労でどういう作業をしているのかというと、うちの例を一つ説明します。これはタマネギの箱です。(実物を示す)これはうち専用でつくっていますけれども、タマネギの箱を後ろをこういうふうに組むんですね。組んで、ガムテープを貼っていただく作業、これは私たちがやればすごく大変な仕事です。しかも、上と横に大きさを書かなければいけないですね。2L、L、M、S。上が2Lだったら、ここも当然2Lなんですね。これまで書いてもらう作業を今お願いしている。それと、B型作業所さんには、あと、タマネギの上下を切る作業をしていただいていますけど、うちの隣に重度障害者の方がたくさんいらっしゃるところは、仕事をもらえませんかという話でしたので、今この組む作業をお願いしております。  ちょっとうれしかったのは、最初は月水金しかできる人が来ないので、月水金いいですかと。ガムテープとマジックはうちがやるんですけれども、マジックまではまだそこはいけていないんですけれども、ガムテープを貼る作業なんですけれども、すごくうれしいことがあったのが、最初は二十箱いいですかということで二十箱お渡ししたら、やっぱり一週間ぐらいかかりました。この頃は四十箱取りに来て、一日で終わるようになってきました。現場を見に行きましたら、重度の方ですから、不自由な方々が三名で一緒に組んで、一日かけて二十箱、最初は七箱ぐらいしかつくっていなかったです。でも、それが二十箱やって、今四十箱できる。単価は幾らなんですかとよく聞かれるんですけど、実はうちは一つ三円です。ですから、二十箱つくって六十円です。高いか安いかは皆さん考えてください。ただ、これが今の現状です。私たちもこのぐらいの金額しか払えません。  私は正直五円でもいいですよという思いがあったんですけど、ある施設の方と話をしていたら、五円だったらあなたのところは続かんよと。やっぱりお互いが利益がないといかんからと。今三円ですけれども、先月が締めたら百二十箱つくってくれていました。三百六十円の請求でした。すぐお支払いしました。やっぱりうれしかったですね。今までゼロだったものが三百六十円。相手の方からもすごく喜ばれまして、うちもタマネギを食べてくださいと配ったりもするので、三百六十円だけで済んでいない分もあるかもしれませんけれども、食べてもらうような感じで今連携をしております。  こういったことがあるので、就労外でいろんな楽しいことがあるので、できれば県単独でつけていただければなと、本当はこれは知事に聞きたかったんですけど、久保山部長がしっかり答えるということでしたので、久保山部長にお尋ねします。  次にもう一点、共同受注支援窓口を利用した支援の強化についてです。  これは、佐賀県は平成二十一年に共同受注支援窓口を設けております。これは北高の東側、天祐のほうにあります。これは、仕事を受けて、それを作業所の方々に振り分けるというところです。障害福祉施設と官公庁や企業などの受発注の仲介をしておられます。令和三年度は、民間事業所で延べ三百七十六件、官公庁で延べ九十四件から仕事を受けております。これは三百七十六件なんですけど、実は二十八事業所なんですね。二十八のところが何回か同じような仕事を出している。  そして、官公庁で言うと、実は市町は一件もなくて、県と国でした。県はハローワークで三回来ていました。国がハローワークで一件来ていました。あとは、佐賀県から来ていました。九十四件なんですけれども、三十三課から来ていました。ちょっと佐賀県の本課の数を数えました。本課が七十四、現地機関が七十一、合わせて百四十五の課があるんですけど、今、三十三課。もう窓口ができて十二年から十三年ほどになるんですけれども、今のところ、まだ定着をしていないのかなと。一番多いのは、土木事務所などの出先の草取り作業、花植え、こういうのをやられております。  この支援窓口は利用者の方の工賃を上げるため、また、県内企業の労働力不足を補うためにも大変大きな手助けとなっていることから、県は共同受注支援窓口による支援をもっと強化すべきと考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのか、久保山健康福祉部長にお伺いをいたします。  四番目の質問に入ります。  有機物を活用した農業の推進についてであります。  現在販売されている肥料価格は、種類によっては昨年同時期から約二倍に高騰し、供給量も十分に確保できていないものもあると聞いている。  これは私の実体験でございます。昨年の九月に麦用の肥料を取引先から購入しました。そのときは、二十キロ一袋、安いんですけど千四百八十円でした。その後、昨年の十一月頃、来年から肥料が上がるかもしれないから取っとかんですかということで、金額は幾らという話をしたら、千八百九十円ですと。うわ、高くなっているねと思いながらも六百袋取っておりました。  今回、また電話がありました。肥料がもうなくなるけんが、買うとかんばいかんですよと。幾らですか、千九百八十円。しかも、お宅は毎年千袋近く取ってくれるけど、二百袋しか枠がないですと。じゃ、七月から幾らになるんですか。二千九百八十円、倍です。二千九百八十円で、しかも、納入の見込みはないという話です。この状況では、農業を継続することは難しく、営農を断念される農家が増えることが危惧されております。  また、水稲農家では肥料をあまり必要としない大豆に転換を考えているという農家の声もあり、その結果、水稲の作付面積が減少し、水害の防災に有効な田んぼダムが減少することも心配しているところであります。  化学肥料の代わりとして堆肥の利用が考えられますが、私は過去に未熟な堆肥を使ってみたことがあり、十分に熟していなかったため、外来の雑草が多く発生し、大変苦労しました。しかし、そのときの農作物はカボチャでしたけれども、農作物は品質のいいものが取れ、堆肥の有効性と完熟堆肥の必要性を実感しております。  本県は畜産が盛んであり、地域資源である家畜等の排泄物の利用の余地は十分にあると考えております。しかしながら、一部の堆肥センターでは、出来上がった堆肥が時期によっては利用されないことから、堆肥は堆肥舎に滞留し、畜産農家からの新たな受入れをやめる事例もあると聞いております。  肥料価格の高騰や肥料の供給量が懸念される現状から、今後堆肥を使いたい農家が増えることが見込まれますが、堆肥の利用を推進するためには、堆肥が肥料の代替として有益であることのアナウンスや畜産農家と耕種農家とのマッチングなどの取組が必要と考えます。  また、耕種農家サイドにおいては持続的農業を推進する観点からも、化学肥料に替えて堆肥を利用した農業を展開してもらいたいと考えております。  私もタマネギを作っておるんですけど、今年はもう鶏ふん会社と先に契約をしておりまして、五町分鶏ふんを振ってもらうような契約をしております。反当三千円です。安いか高いかは皆さんにお考えいただきたい。  今日は、タマネギの関係で言うと、定松議員がタマネギの先生で、いろんな形のいろんな勉強をさせてもらうんですけれども、今日もちょっと話をしていたところ、私がふと考えたときに、小城から東のほうはほとんど堆肥を使っていないんですよね。しかし、白石から先は、耕蓄連携ができているんですよ。私は、堆肥だけを使った作物を作ったことがないので、定松議員にちょっとお尋ねしたら「稲は反当三百キロ堆肥ば入れるぎ、肥料は要らんとよ」と。「えっ、我々は肥料を六十キロ入れんばですよ」、「うん、だけん三百キロ入れるぎよか」と。「野菜はどがんですか」、「野菜は一トン入れるぎんたね、化成肥料はほとんど要らんよ。四十キロばかり打つぎよか」と。通常、百四十キロ化成肥料を打たなければいけないんですけど堆肥を反当一トン打てば、四十キロでよかばいと。  そして、私は堆肥が東側のどこにあるのかなと考えて、今ある唐津とか白石とか、そういったところはもう取れるところは決まっていますから、私たちはどこに行くぎよかかなと思って、ふと頭を悩ませていましたら、佐賀競馬場、佐賀競馬場には七百頭の馬がいます。これは馬ふんをどうしているのかなと思って、私ちょっと行きまして、そしたら、年間に約四千トンの馬ふんが出ていますよと。その中で、相知のほうに千五百トン持って行っています、肥料にするんですよと。宮崎の日南でも六百トン肥料にするんですよ。宮崎の日南まで持っていくんですね、肥料にするのに。そして、あと残りの八百トンはどがんですかと聞いたら、鳥栖のクリーンセンターで燃やすんですよと、焼却処分。この処分に係る費用が年間四千五百万円。焼却費だけでいけば一千百万円。運賃が三千四百万円。これを毎年使っているんですよという話でした。もったいなかですね。  そして、馬ふんをどうにかできんかなと思って、今、一緒に研究をしようとしているんですけれども、馬ふんは一般廃棄物扱いなんですね。牛ふんとか鶏ふん、豚ぷんは産業廃棄物なんですね。これは不思議だな、何の違いですかと聞くと、馬は育成させるのが目的ではない。走らせるためのものだから一般廃棄物もんねと。なるほど、じゃ、これを使ってどうにかできるんですか。いや、できるですよと、やりようですよ。ただ、私たちは馬を育てることじゃなくて、走らせるためにしかできんから、これに関しては、もう県とかと一緒になって、組合と一緒になってこれをやるようになれば、それは農家の皆さんにお渡しすることはできますよと。渡してくれるんですよという話は、私は先日いただきました。  ですから、これについても、あわせて山田農林水産部長にお尋ねしたいのは、県は有機物を活用した農業を推進していくため、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  それでは、最後の質問であります。持続的な産業の発展についてであります。  知事は、この二期七年半の任期の中で、県政の様々な諸課題に対応されてきました。例えば、就任直後の鳥インフルエンザから始まり、近年であれば新型コロナウイルス感染症や豪雨災害などの危機管理事象への対応、そして、九州新幹線西九州ルートの整備方式や、佐賀空港自衛隊使用要請、原発などの国政課題への対応など、実に多岐にわたっておられます。  また、商工業の分野においては、企業の採用力を強化するなどの取組により、高校生の県内就職率は令和元年から六〇%を超え、令和四年三月末には速報値で六六・六%となるなど、成果が出ております。さらに、中小企業が直面する大きな課題である事業承継についても、年々マッチング件数が増加しているなど、ベースとなる足腰を強化するような施策を推進してこられました。  こうした対応や取組に関しては、県民から評価する声を聞くところであり、私もすばらしいと評価しております。  世界情勢に目を向けると、今年二月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、世界規模で原油や穀物の価格高騰やサプライチェーンにも影響を与え、加えて、円安の影響による物価高となっておりますが、今議会では、そうした影響などを受けた運送業や製造業、宿泊業など、幅広い業種を対象に、緊急措置として燃油の補助や一時金により支援する補正予算等が提案されております。  また、これまでもコロナや災害の影響を受けた中小企業などへの応援金や支援金などの予算措置をされてきました。こうした支援は、現場の声を聞いて事業の企画立案をされているものと思うし、厳しい状況にある事業者に対する応急的な措置としては有効であると考えますが、一方で五年後、十年後を見据えた事業者の取組を支援し、強い佐賀県経済をつくっていかなければならないと考えております。  知事は、持続的な産業の発展のため、どのような思いで取り組んでいくのか、山口知事にお伺いいたします。  以上五問、質問させていただきました。ほとんどが県サイドでやれるような質問でございますので、答弁のほうをよろしくお願いして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) 43 ◎山口知事 登壇=西久保弘克議員の御質問にお答えします。  私には、持続的な産業の発展についてお尋ねがございました。  企業は本来、様々なリスクを想定し、事業の多角化や取引先の分散化、一定の内部留保などの備えをしながら経営し、持続的な発展を図っていくものです。  まさに議員がおっしゃるような強い佐賀県経済をつくることが県の本質的な目的でありますから、時代にマッチングしたような足腰の強い企業があって、付加価値を上げていって、そして、人材のお話がありましたけれども、実践的な人材をつくり上げていって、それがマッチングすることによってお互いが高まっていくと、私はそういう姿を思い描いて仕事に当たっているわけであります。  そうしたさなか、今、新型コロナの世界的な感染拡大、そして、コロナ禍での急激な原油・原材料価格高騰というものが深刻な影響を及ぼしていて、個々の企業の自力救済に委ねるのみではなかなかこの社会が立ち行かない危機だという認識なんだろうと思います。  それは国も同じ認識だと思っています。なぜならば、国も持続化給付金ですとか新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、こうした交付金は極めて異例であります。制度設計よりもまずはスピードということで、特別な対策が実施されたということでありますから、まさにこれは個々の事業者の維持、再建を通じて、危機的な状況に至らないようにするための、議員は応急的とお話がありました。いわば止血剤的な措置を講じてきたものと私は認識しています。  県としても、まず事業者の皆さんが何とか前を向いて事業を継続し、雇用を維持していく力になるようにということ、そして、マクロの視点では、そのことで地域経済を維持安定させていけるようにということで、この国の支援策、財源を活用しながら、その時々の状況に応じて機動的、戦略的に支援策を実施してきたと思っております。  佐賀県らしいやり方で、当初、三年間無利子の制度をつくったり、売上げ減少比率を二〇%まで下げたり、そのときそのときで県議会ともいろいろ議論しながら工夫をしてきたと思っています。  あわせて、こういうコロナ禍、原油・原材料高にあっても、アフターコロナ、そして、カーボンニュートラルを見据えて、チャンスに変えていこうと前向きに捉えていくことも大事だと思っています。ただ安易に止血剤だけを講じるのではなくて、同じように交付金を配るにしても、それがいずれ企業にとって前向きな力になるようにするにはどうすればいいのかというのが県庁の中で予算構成をするときの大きな議論、ウイズコロナ、アフターコロナということを意識しながら考えております。  ですので、新たな分野への進出、業態への転換ですとか、新商品の開発、あるいは燃料転換ですとか、再生可能エネルギーの導入など新しいことにチャレンジする事業者というものが現れ、そうした皆さんに強力に支援したいものだということで、佐賀県の補助金、交付金は構成されています。  そして、そうしている間にも、平成三十年には産業スマート化センターを開設して、商工業だけではなくて、建設業、農林水産業、様々な分野でDXの推進を支援しております。これを個々にまで波及させるように、今年度はさらに新たな手だてを講じるように現在検討しております。  また、ものづくりの分野では、知事就任後にまず十億円規模のものづくり人財創造基金を創造したわけでありますけれども、その後も「ものづくり強靱化プロジェクト」と銘打って、様々な企業のデジタル化、グリーン化、生産性の向上、AIを活用した技の継承などの支援に注力しているわけであります。  今、まさにこういう厳しい状況の中で各都道府県の施策競争が行われておりますけれども、自分のところの現場がどうなっているんだろうか、佐賀県の特徴、そして、将来像というのを見据えながら、国から配分される交付金をいかに効率的に将来を見据えて使っていくのかというところが腕の見せどころだというふうに思っております。  そうした支援を行っていく中で、人口減少やグローバル化、デジタル化などの進展、社会経済情勢が大きく変化する、こういった中で五年後、十年後を見据えて、新たな視点、発想で事業の変革に取り組もうとする事業者を積極的に支援し、我々はそうした環境をつくっていきたいと考えております。 44 ◎久保山健康福祉部長 登壇=私からは二点お答えさせていただきます。  まず、就労継続支援事業所の施設外就労加算に代わる仕組みについてでございます。  県は、障害福祉サービス事業所などで働く障害のある方が、地域で自立した生活を送るためには工賃水準を引き上げることが重要と考えておりまして、佐賀県工賃向上支援計画を策定し、工賃向上に取り組んでおります。  施設外就労につきましても、工賃の向上に大きく寄与することや、一般就労への移行に有効ということから、その取組を推進しており、相手の顔が見えること、感謝されることで、一人でも多くの障害者の方に働く喜びを知っていただきたいと考えているところでございます。  昨年四月に行われました障害福祉サービス等報酬改定においては、施設外就労加算は廃止されましたが、あわせて工賃向上のさらなる促進に向けた基本報酬の上乗せなどの改定も行われたところでございます。  施設外就労加算につきましては、施設外就労という手段のみをもって加算をつけることの是非や不正受給等の課題もあり、国が障害者団体や関係団体など様々な方の声を聞いて廃止されたものでございます。  県といたしましては、まず、改定された仕組みの中で、事業所が積極的に施設外就労ができるよう一緒になって考えているところでございます。  県では、今年四月から施設外就労の推進にもつながる農福連携マッチング支援の取組を始めました。農福連携は、農家の方と顔の見える関係を築くことができ、実際に農家の方からありがとうと感謝の言葉をかけられ、うれしかったとの声もありまして、利用者にとっては本当に働く喜びを感じてもらえる取組そのものでございます。  今後も、農福連携を通じまして、施設外就労に積極的に取り組んでいきます。  このほか県では、障害者就労支援施設等からの優先調達を全庁的に取り組んでおります。この中には、草刈りなど施設外就労の取組も多く含まれているところでございます。先ほど議員からは、まだまださらに進めていく余地があるというようなお話もありましたけれども、この点につきましては、庁内でのさらなる働きかけ、呼びかけ、そういったものにも取り組んでいきたいと思っております。  また、就労継続支援事業所におきましても、今夏の原油高、価格高、そういった高騰によりまして影響を受けておられるということもありまして、そういった事業所の方の負担を軽減するため、事業継続を図り、工賃の維持を図っていただくということもありまして、そういった方々への応援金を交付する予算も今回お願いしているところでございます。  なお、先ほど議員から障害福祉サービスと介護保険サービスのお話があったとおり、障害福祉サービスと介護保険サービスの双方が使えるような場合には、社会保険制度の一般原則として保険適用が優先されることというふうになっております。しかし、一律に介護保険サービスを優先的に利用するというものではなく、申請者の個別の状況に応じまして、申請者が必要としている支援内容、そういったものが介護保険サービスで受けることが可能かどうかにつきましては市町が判断し、市町のほうで適当と認める場合には、介護保険サービスのみによって確保することができないと認められる場合などについては、障害福祉サービスも受けることは可能というふうになっております。議員からお話があった事例につきましては、まだ中身をよく分かっていない部分もありますので、その辺については、これから中身のお話をよく聞いていきたいというふうに考えているところでございます。  次に、共同受注支援窓口を利用した支援の強化についてでございます。  佐賀県の就労継続支援B型事業所の月額平均賃金は年々上昇し、令和二年度は一万九千三百二十七円と全国平均に比べると高い数字になっています。これは議員からも御紹介があったとおりでございます。ただ、目標である二万一千百八十円にはあと一歩達していないという状況でございます。  共同受注支援窓口は、官公庁や企業等と障害者就労施設等との受発注の仲介や販売会などを行い、障害者就労施設などで働く障害者の収入を増やして、地域で自立した生活が営めるよう支援しており、重要な支援機関と考えております。  しかし、共同受注支援窓口での業務については、例えば、企業との価格交渉であったりとか、契約方法の交渉であったりとか、企業への積極的な周知活動、そういったものについて、まだまだ工夫の余地があるということは我々も考えているところでございます。  県といたしましては、共同受注支援窓口と一緒になって、これらのことについて検討を行い、受注、発注を増やしていくよう努めていき、障害のある方々の地域生活を支援してまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 45 ◎山田農林水産部長 登壇=私からは、有機物を活用した農業の推進につきましてお答えをいたします。  肥料価格が高騰している中、有機物である堆肥を化学肥料の代わりとして、また、土づくりの資材として有効に活用していくことは非常に重要だと考えております。  例えば、平成二十八年にタマネギ「べと病」が大発生いたしました。そのときに、堆肥をしっかり投入している圃場につきましては、病気の発生が少なかったという事例もございます。堆肥の有効性が確認されたところでございます。  しかしながら、堆肥の利用を広げていくのは容易ではなく、なかなか進んでいかないというのが現状でございます。  その主な課題を三つほど挙げますと、畜産農家が堆肥を生産しても、供給先の確保に非常に苦慮している状況がございます。また、堆肥が多く生産される畜産産地が県北西部に偏っておりまして、堆肥を散布することができる圃場が多い佐賀平たん地域まで距離が離れていること。また、それぞれの畜産農家や堆肥をつくる時期によりまして、品質にばらつきがあることなどが挙げられます。  このようなことから県では、昨年度にJAなど関係機関が一緒になりまして、堆肥を有効活用するためのプロジェクトを立ち上げたところでございます。  このプロジェクトの内容としましては、作物を生産する耕種農家と畜産農家との堆肥利用のマッチングを支援すること。また、できれば広域流通をしたいんですけれども、そのための検討会を今開催しております。また、耕種農家のニーズに合った良質堆肥を生産するために、堆肥のコンクールみたいなものも開催したいと思っております。さらに、堆肥舎の整備や堆肥散布機の導入に対する支援などにも取り組んでいるところでございます。  また、現在の肥料価格の高騰の状況は当面の間、続く可能性もあることから、輸入原料にできるだけ頼らない施肥体系に転換していくことも必要でございます。  このため、生産現場で堆肥を継続的に利用してもらうために、作物の生産圃場の近くで堆肥ストックヤードを整備推進したり、堆肥を散布する受託組織を育成しなければならないと思っております。さらには、堆肥散布のみでは不足する成分を安価な単一成分肥料で補う低コスト施肥体系の実証、こういうものにも取り組むこととしております。  今回の肥料高騰の中、畜産農家におきましては、耕種農家のニーズに合った良質な堆肥をつくり、そのよさをしっかり伝え、そして、耕種農家が堆肥を積極的に使い続けるような仕組みづくりに力を入れていかなければならないと考えておりまして、堆肥など有機物を活用した農業の推進にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  また、議員からお話のありました佐賀競馬場の馬ふんの有効活用につきましては、馬を管理している調騎会の方々、さらには競馬組合などとも現在情報交換を行っております。廃棄している分も含めて、競馬場内で堆肥化ができないか。また、例えば、アスパラなど地元の耕種農家で活用できないか、そういったものを幅広く検討してまいりたいと思っております。  私からは以上でございます。 46 ◎松下警察本部長 登壇=西久保議員からいただいた大きく二つの御質問にお答えいたします。まず、道路交通法についてであります。  本年五月に改正道路交通法が施行され、高齢運転者対策の充実強化が図られておりますが、これは七十五歳以上の運転者による免許人口当たりの死亡事故件数が、他の年齢層の二倍以上になっているということで、依然として厳しい状況にあることが理由であります。  加えて、平成三十一年に東京都の豊島区で発生した車両の暴走事故をはじめ、近年、高齢運転者による悲惨な交通死亡事故が相次いで発生しており、対策の充実強化に対する社会的要請が高まっているということで、七十五歳以上で一定の違反歴がある方に対する運転技能検査の導入や、申請によるサポートカー限定免許の導入などの規定が整備されたものであります。  運転技能検査については、これまでの対策が主に認知機能の低下という身体的な適性の把握に重点が置かれていたものの、実際の死亡事故の実態を見ますと、認知症のおそれがないと判断された方による事故が多くを占めていることや、ハンドル操作の不適などの運転技能の低下が要因になっているものが相当程度含まれることから、加齢に伴う運転技能の低下に着目した対策を推進するために導入されたものであります。  また、サポートカー限定免許につきましては、身体機能の低下により運転に不安を感じるものの、日常生活のための移動手段として運転が必要な高齢者の方などに対して、衝突被害軽減ブレーキ等の安全運転支援装置を備えた自動車に限って運転を継続するという新たな選択肢として導入されたものでございます。  次に、運転免許更新制度についてであります。  七十五歳以上の運転者の免許更新には、認知機能検査と高齢者講習が義務づけられておりますが、今回の改正によって、新たに過去三年間に信号無視などの一定の違反歴がある運転者の方に運転技能検査が義務づけられたものであります。  この運転技能検査は、運転免許試験に伴う他の技能試験の内容と異なりまして、一時停止や信号通過、交差点の右左折に加え、段差を乗り上げてすぐに停止するなどといった操作を行っていただいて、その結果、加齢に伴う身体機能の低下などによって、安全運転が期待できない方に限って運転免許の更新をしないというものでありまして、また、不合格になった方であっても、一定期間内に繰り返し受検できることになっております。  今回の改正では、運転技能検査の導入のみでなく、既存の運転免許に必要であった認知機能検査の簡素化や高齢者講習の一元化が図られております。  また、改正前は認知機能検査を先に行って、その受検の結果によって再度高齢者講習を受講しなければならなかったところ、改正後は認知機能検査と併せて高齢者講習を受けることが可能となるなど、一定の負担軽減も講じられておるところであります。  県警察としては、運転技能検査を通じて身体機能の低下を自覚していただいて、安全運転を継続していただくことも大切なことであると考えており、検査結果にかかわらず、個々の運転者の方々に応じた安全指導を行ってまいりたいと考えております。  次に、シルバードライバーズサポート室についてです。  これは平成三十一年、県警察本部に設置されましたが、この目的は、高齢化社会を迎えるに当たって横串で高齢運転者に関する免許業務窓口の一本化と新たな安全運転の支援や、返納後の移動手段の確保など利便性を図ることでありまして、当時は九州の他県に先駆けて設置されたものであります。  同室では、警察署から遠隔地の自治体への自主返納窓口の設置や安全運転相談の窓口をお伝えするということをはじめとした各種取組を行っております。  先ほど安全運転寿命の延伸というような御指摘もいただいたと思いますが、高齢運転者が引き続き安心して運転できるよう、運転に不安を覚える方に対して、実際に車を運転してもらって、運転免許試験管がアドバイスを行うというような無料の高齢運転者技能教習であるとか、看護師の資格を有する高齢者交通安全対策アドバイザーによる安全運転相談であるとか、安全運転相談ダイヤルの設置による、電話で相談をいただくということであるとか、安全運転サポート機能を理解してもらうための免許センターにおけるサポート車の展示などを実施しておるところでございます。  また、今年度から考えておるところですが、運転免許センターで実施する認知機能検査については、受検する方の時間的な負担の軽減や感染症リスクの低減を図るため、タブレット端末を導入することを計画しておるところでございます。  今後の取組についても御質問いただいたと思いますので、お答えいたします。  高齢化がさらに進展して、全免許保有者に占める高齢者の方々のさらなる増加が見込まれる中で、安全に運転できるための支援というのは大変重要な対策であると認識しております。例えば、先ほどの技能検査は、高齢運転者全てではなくて、そのうち、その事故を起こすリスクが高いと認められる方が受けるものでありますが、検査を通じて、御自身の技能を自覚していただくということが結果的にドライバーの方々が引き続き安心して運転をいただくことにつながるものと考えております。  シルバードライバーズサポート室を中心に、引き続き自動車教習所などの関係機関・団体と密接に連携しながら、御説明したような各種対策を効果的に推進してまいります。  また、安全運転相談の機会を捉えて、サポートカー限定免許の教示など、御自身の運転技能を認識した上で引き続き安心して運転できるようきめ細かなアドバイスを行って、高齢運転者の方々の事故防止を図りつつ、同時に安全運転支援の充実に努めてまいる所存であります。  次に、職場環境と空調設備についてであります。
     現在、県内の警察署は全部で十警察署あります。佐賀北警察署については、先ほども御指摘がありましたが、昭和五十年三月に建設され、既に四十七年を経過している古い警察署の一つであります。  老朽化している警察施設にあっては、今後の予算面を考慮しまして、各種設備を含む建物の改修時期までの資産の有効活用を行うとともに、これは様々な設備があるんですけれども、応急的な補修を行って、施設としての機能を維持しているところであります。  御質問いただいた冷房や空調設備は、全十警察署中、全館空調設備での冷房運転を行っている警察署は佐賀北警察署のみであります。効率的な冷房運転が、そういう意味ではできていない状況であったということは、そのとおりでございます。このために、その状況を解消するよう、これまで当直時、当直ということで夜間、早朝勤務をする職員がおりますが、その仮眠室など一部の部屋への個別空調設備の整備に取り組んできたところであります。  さらに今年度においては、二十四時間体制で行う当直勤務の待機場所が、これは署の一階にありますが、個別空調設備を冷房運転期間中までに整備し、職員の職場環境の改善を図るとともに、効果的な冷房運転を行って経費の削減に努めることとしております。  また、今後各部屋、それぞれ部屋があるんですけれども、そこで行われる業務の性質に応じ、必要性が高い部屋から順次整備を計画してまいりたいと思っております。  最後に、佐賀北警察署の改修に関してであります。  まず、改修の計画でありますが、現在の状況ですが、同署については、令和二年度に耐震改修工事を完了しておりますが、建物や設備の老朽化が著しいことから改修工事を行って長寿命化を図るとともに、利用される方々が安全で快適に使用できる庁舎としたいということを考えておるところであります。  そのためには、今年度において専門家の方に建物や設備の劣化状況の調査を依頼しまして、改修方法などを取りまとめた基本計画書策定までを業務委託しておるところであります。  その業務委託の具体的な内容としては、劣化状況の調査の後に改修する箇所や改修設備を特定して、費用対効果を考慮して最善の改修方法を検討するというものでございます。  次に、今後の予定でありますが、その業務委託によって策定された計画を基に、令和五年度以降、改修方法に関する整備方針を検討しつつ、関係機関と協議を行って、佐賀北警察署の職場環境改善を含めた施設の改修を進めていきたいと考えております。  その際、御質問いただいた個別の設備については、この改修の結果、不要となるものも当然出てまいります。他の施設において、老朽化したものと交換するなど有効利用してまいりたいと思っております。  いずれにしても、佐賀北警察署は佐賀南警察署とともに佐賀市における警察活動の拠点でありまして、市民、県民の方々が訪れる安全・安心のよりどころとして重要な施設であります。私も赴任してから佐賀北警察署には訪れておりますが、古いと率直に感じるところもありますし、議員や、同様に住民の方々も感じておられるということは承知をしております。  また、職場環境ということでは、ソフト、ハード、これは両面恐らくあるんだと思いますが、署員が管内の安全・安心を守る仕事に集中して注力するために大切であるということを考えております。早期に整備がされますよう改修計画を着実に進めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。 47 ◎西久保弘克君 登壇=再質問をさせていただきたいと思います。  まず、再質問の前に松下本部長、本当にありがとうございました。今日も蒸し暑かったりするので、なるだけ早めに改修計画をお願いしたいと思います。  ここで、農林水産部の山田部長からもお話をいただきましたので、これもちょっと期待しながら、やっぱり見ていかないといけないなと。あとマニュアスプレッダーの問題とか、いろんなことがありますので、これはまたいろんなところでディスカッションをさせていただければと、少しずつ進めていただければと思います。  質問は二点でございます。  就労支援の部分で、先ほど答弁の中に就労継続支援B型の基本方針の見直しがされたですもんねと、廃止されたときに見直しされたですもんねという話がありました。  佐賀県のラインで見ますと、前が五百八十九単位、今が六百十一単位、簡単に言うと三・四%、最低賃金の一年分の更新と同じ金額なんですね。これで一〇〇ポイントの施設外就労が補われているよとは全く私も思っていませんし、久保山部長も思われていないと思うんですよね。ですから、私はこれは当然、最賃と同じ三・四%しか上がっていないのに、これが上がったからいいという判断ではなくて、私は佐賀県独自でやってもらえないかという話をしているわけで、農福連携もあるし、こういった佐賀県独自の問題があるからという話をしているわけで、これがあるからやらないではなくて、お考えを聞くではちょっと弱いんで、検討するなり、今後課題にしていきたいというような話であれば納得できるんですけど、全くそこに触れていないというのは、ちょっと答弁になっているのかなという気がしますので、そこをお願いします。  もう一点は、知事のほうにちょっと。  知事答弁は本当にすごくよかったんですけど、知事は七年半前から「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」というキーワードを使われているんですね。この七年半、私も最初からずっと言いましたけど、鳥インフルからコロナ、いろんな水害問題があって、どちらかというとディフェンスで来られた七年半だったのかなという気が私はしております。その中で、「人を大切に」の部分はしっかり取り組んでおられるというのが分かります。今回の止血剤的なものも、本当に人を大切にとはいいんですけど、その後に続く「世界に誇れる佐賀づくり」の部分は、私はまだ弱いと感じています。だからこそ、持続的な産業の発展についてどういう思いかという思いをお尋ねしたわけで、一つの例を言いますと、百五十年前に鍋島直正公が質素な着物を着ながらも、精煉方に技術集団を集めて、世界を見据えて、日々最新技術の研究を行っていたんですよね。県内の産業が持続的に発展していくためには、県内企業の技術力を高めていくなどの取組が必要と考えております。ですから、こうやれ、ああやれではなくて、知事は世界に誇れる佐賀をどのようにつくっていこうとしているのかというのを、再質問で思いをお尋ねしたいと思います。  以上二問、ひとつよろしくお願いして、再質問を終わりたいと思います。 48 ◎山口知事 登壇=西久保議員の再質問にお答えします。  基本的に意見は一致しているものと思っています。実際、確かにディフェンスに追われることが多かったわけですけれども、その中でもオフェンスが大事です。佐賀はこれまでもなし遂げてきた本当にすばらしい歴史もありますし、そういうものづくりのDNAもあります。  そうした中で、先ほど申し上げたように付加価値の高い企業と実践的人材をつくり上げていきたいというふうに思っておりますし、例えば、技術集団、私がいる中でも「いちごさん」、「にじゅうまる」、「サガンスギ」ということで、「SAGAラボ10+G」、ガバナーと一緒にやるということで、今、技術集団をさんざん盛り上げてやって、成果を出しています。そうした中で、スマート化センターに企業の皆さん方がいっぱい集まってくれて、みんながその技術を、農業も含めてみんなが持っていけば、まさに世界に誇れる佐賀が集団としてできるのではないのかなというふうに思っておりますので、そういったオフェンスをこれからもぜひやらせていただきたいということで、今日、宣言させていただいたところでございます。よろしくお願いします。 49 ◎久保山健康福祉部長 登壇=再質問にお答えさせていただきます。  議員からお話があったように、施設外就労加算が廃止された、そういったことで今の状態でいいと思っているのではない、さらに検討をということだったと思いますけれども、今回の改定につきましては、先ほども申し上げましたように、工賃が上がればさらに基本報酬が評価されるというような仕組みになっております。もちろん、それをもってそこが全部補えるというわけではございませんけれども、ただ、施設外就労加算が廃止された理由の中には、やはり不正受給の問題とか、そういった課題もありながら、なくなっていったというか、廃止されたというような事情もございます。  そういう中で、単純にそういうことから施設外就労加算と同じようなもの、そういったものをつくっていくというのは、なかなか難しい面もあるかとは思っております。ただ、議員と同じように、私どもも障害者の方の工賃を上げていきたいという思いを持っておりますし、そういった方々が生き生きと就労に取り組んでいただければというふうに思っておりますので、今後ともいろんな形で障害者の方が就労に取り組めるように、また、工賃が上がっていくように、その取組についてはずっと検討していきたいというふうに思っております。  私からは以上でございます。 50 ◎西久保弘克君 登壇=一点だけ再々質問をさせていただきます。  今、健康福祉部長のほうから不正受給があったからなくなったという話がありました。私はいろんな事業があったときには、二割が白で、二割が黒で、六割がグレーだということでいろんな問題を見ます。今は一部が黒だったから全部なくしましたよというお話でありました。それによってどれだけの方が苦労していて、特に地域性の話をしました。佐賀という地域性、しかも、昨年から農福連携をやっていこうということで、いろんな市町が今盛り上がっているところであります。そういったことに関してもっと突っ込んで話を、横串を入れてしてもらっているならいいんですけれども、不正受給があったけんが、全部なくなったけんが、うちもしませんもんねと、それはちょっとないだろうと。今の答弁はちょっとないと私は思いますよ。  それと、先ほどあった報酬改定がありましたけど、私、言いましたよね。最低賃金と同じ三・四%ですよ。そういったところも触れられていないですよね。  これは再々質問にしますけれども、本当に一部で不正受給があったから全部なくなったというのが理由で佐賀県もやらないというんであれば、じゃ、佐賀県にどれだけの不正受給があったのか、きっちりした答弁をお願いしたいと思います。 51 ◎久保山健康福祉部長 登壇=再々質問にお答えいたします。  国の見直しの中で、不正受給があったと、そういったことも問題であったということも課題の一つに上がっていたということで、そういったことも踏まえて、国がなくなったからということで、すぐに佐賀県でそういった同じ制度をつくっていくということが必ずしもそんなに簡単な話ではないというふうに申し上げたところで、国の制度改定そのもので、先ほど言いましたように基本報酬が、工賃が上がれば上乗せされるということだけをもって、支援施設にとって問題ないというふうなことを考えているわけではございません。  先ほども言ったように、私どもも工賃ができるだけ上がってもらいたいと思っておりますし、障害者の方が生き生きと働いていただきたいというふうには考えておりますので、そういったことがいろんな形で実現できるように様々な取組を検討していきたいというふうに思っております。  私からは以上でございます。(「答弁漏れ。県内での不正受給は何件あったんですか」と西久保弘克君呼ぶ)不正受給でございますけれども、全国的にも幾つかあっておりまして、佐賀県におきましては、受給があっているということではないですけれども、そういった疑いがあるものを調査とか、そういったものを監査の中で今現在やっている部分というのはございます。(「あったんですか、なかったんですか」と西久保弘克君呼ぶ)まだ調査中のものがございます。(「分かりました」と西久保弘克君呼ぶ)  以上でございます。 52 ◎議長(藤木卓一郎君) それでは、本日の会議はこれで終了いたします。明日十六日は引き続き一般質問を行います。  本日はこれで散会いたします。御苦労さまでございました。     午後六時九分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...