• "聴覚障害"(/)
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  1. 埼玉県議会 2022-12-01
    12月12日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 4年 12月 定例会十二月定例会  第十一日(十二月十二日)令和四年十二月十二日(月曜日)第十一日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    二十二番  松井 弘議員    二十四番  橋詰昌児議員    五十九番  山根史子議員 三 次会日程報告    十二月十三日(火) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    八十二名         四番  柿沼貴志議員         六番  石川誠司議員         七番  小川直志議員         八番  杉田茂実議員         九番  深谷顕史議員        十二番  秋山もえ議員        十三番  金野桃子議員        十四番  岡村ゆり子議員        十五番  平松大佑議員        十六番  中川 浩議員        十七番  阿左美健司議員        十八番  高橋稔裕議員        十九番  逢澤圭一郎議員        二十番  千葉達也議員       二十一番  渡辺 大議員       二十二番  松井 弘議員       二十三番  高木功介議員       二十四番  橋詰昌児議員       二十六番  白根大輔議員       二十七番  守屋裕子議員       二十八番  八子朋弘議員       二十九番  江原久美子議員        三十番  松坂喜浩議員       三十一番  宮崎吾一議員       三十二番  関根信明議員       三十三番  木下博信議員       三十四番  藤井健志議員       三十五番  美田宗亮議員       三十六番  吉良英敏議員       三十七番  松澤 正議員       三十九番  浅井 明議員       四十一番  町田皇介議員       四十二番  辻 浩司議員       四十三番  前原かづえ議員       四十四番  浅野目義英議員       四十五番  石川忠義議員       四十六番  井上 航議員       四十八番  飯塚俊彦議員       四十九番  内沼博史議員        五十番  岡田静佳議員       五十一番  細田善則議員       五十二番  永瀬秀樹議員       五十三番  日下部伸三議員       五十四番  小久保憲一議員       五十五番  立石泰広議員       五十六番  新井 豪議員       五十七番  権守幸男議員       五十八番  萩原一寿議員       五十九番  山根史子議員        六十番  秋山文和議員       六十一番  村岡正嗣議員       六十二番  醍醐 清議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  荒木裕介議員       六十五番  岡地 優議員       六十六番  小川真一郎議員       六十七番  齊藤邦明議員       六十八番  武内政文議員       六十九番  須賀敬史議員        七十番  新井一徳議員       七十二番  横川雅也議員       七十三番  白土幸仁議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  水村篤弘議員       七十七番  山本正乃議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  中屋敷慎一議員        八十番  諸井真英議員       八十一番  神尾高善議員       八十二番  高橋政雄議員       八十三番  田村琢実議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  木村勇夫議員       九十三番  田並尚明議員   欠席議員    四名       三十八番  宇田川幸夫議員        四十番  安藤友貴議員       四十七番  岡 重夫議員       七十一番  梅澤佳一議員地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   砂川裕紀  副知事   高柳三郎  副知事   山本悟司  副知事   堀光敦史  企画財政部長   小野寺 亘 総務部長   真砂和敏  県民生活部長   三須康男  危機管理防災部長   目良 聡  環境部長   金子直史  福祉部長   山崎達也  保健医療部長   板東博之  産業労働部長   小畑 幹  農林部長   北田健夫  県土整備部長   村田暁俊  都市整備部長   宍戸佳子  会計管理者   北島通次  公営企業管理者   今成貞昭  下水道事業管理者   高田直芳  教育長   鈴木基之  警察本部長             発言(質問)通告書  十二月十二日(月)議席番号 氏名      要旨 答弁者二十二番 松井 弘議員  1 世界のSAITAMAプロジェクトについて 知事 教育長             2 和文化イベントの開催方法の工夫について 県民生活部長             3 部活動の地域移行に向けた課題への取組について 教育長              (1) 地域において、実施主体となりうる団体等の確保について              (2) 指導者の確保について              (3) 地域移行後の活動に参加するための費用負担について              (4) 埼玉県部活動地域移行推進委員会について             4 建築物等の解体等工事時における石綿(アスベスト)の事前調査について              (1) 事前調査の必要性について周知徹底を 環境部長              (2) 調査・除去費用の補助について 都市整備部長             5 空き家対策について 都市整備部長              (1) 空き家コーディネーター事業について              (2) 空き家対策の市町村への支援について             6 中小企業の障害者雇用について 産業労働部長              (1) 埼玉県障害者雇用総合サポートセンターの中小企業への支援について              (2) 事業協同組合等算定特例制度について             7 地元問題について 県土整備部長              (1) 朝霞調節池・朝霞水門周辺の河川整備について              (2) 国道二五四号和光富士見バイパスの整備について               ア 第二期整備区間の進捗と今後の見通しについて               イ JR武蔵野線と交差する付近の雨水対策について二十四番 橋詰昌児議員  1 虐待ゼロをめざして              (1) 各関係機関との連携強化の取組について 知事              (2) 埼玉県虐待通報ダイヤル「#七一七一」について 福祉部長             2 子育て支援について              (1) 孤育て化(孤立した状態の育児)防止対策について 知事 保健医療部長              (2) 産後パパ育休(男性育児休業)の取得促進について 産業労働部長             3 児童・生徒への自殺予防の取組について 教育長              (1) 精神不調アセスメントツールの導入について              (2) トイレットペーパーに相談ダイヤルを印字する取組について             4 手話通訳者の育成と処遇改善について 福祉部長             5 グリーンボンドなどESG債の発行拡充について 企画財政部長             6 県営公園等県有施設へのドッグランの整備拡大について 都市整備部長 保健医療部長             7 DX推進のカギを握るリスキリングの適用について 産業労働部長             8 ケアリーバー(施設・里親などを巣立つ子ども)支援の拡充について 福祉部長             9 地元問題について 県土整備部長              (1) 越谷レイクタウンの魅力ある水辺空間の創出について              (2) 新方川の治水対策について五十九番 山根史子議員  1 人工妊娠中絶に関する精神的・身体的な支援について 知事             2 眼病の早期発見を目的としたヘルスケアについて 保健医療部長             3 介護離職の防止について 福祉部長             4 暴力団離脱者等の社会復帰支援について 警察本部長             5 二十歳未満の飲酒防止に向けた取組について 保健医療部長 県民生活部長             6 現役世代のがん患者に対する支援について 保健医療部長             7 JR川越線荒川橋りょうの複線化について 企画財政部長             8 県立高校の再編整備について 教育長             9 不登校特例校に関する支援について 教育長             10 地元問題 県土整備部長              (1) 県道川越新座線の歩道整備について              (2) 県道川越越生線の整備について          ----------------午前十時一分開議 出席議員    八十二名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十九番  四十一番   四十二番  四十三番  四十四番  四十五番   四十六番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十六番  八十七番   八十八番  八十九番   九十番  九十一番   九十二番  九十三番 欠席議員    四名   三十八番   四十番  四十七番  七十一番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △開議の宣告 ○中屋敷慎一議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○中屋敷慎一議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 二十二番 松井弘議員       〔二十二番 松井弘議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十二番(松井弘議員) 皆さん、おはようございます。南第二十一区、朝霞市選出の松井弘です。 議長のお許しを頂きましたので、質問をさせていただきます。 一、世界のSAITAMAプロジェクトについて伺います。 知事は、令和元年の就任時に、子供や若者の国際交流支援や外国人との共生社会の実現を掲げ、知事公約五大プロジェクトの一つに世界のSAITAMAプロジェクトを打ち出しました。就任から三年を迎え、今年八月の知事定例記者会見で知事は公約の達成状況を聞かれ、世界のSAITAMAプロジェクトについて、国際交流事業など相手があることなどは残念ながら実現には制約があったと答えています。 私ももちろん、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が海外との往来を困難にし、国際交流機会が著しく減少したことは承知しています。しかし、埼玉の未来を担う子供や若者が、国際交流の経験を通じて異なる文化や習慣、価値観を理解し、グローバル社会を生き抜く力を身に付けることの重要性は一層高まっています。新型コロナウイルス感染症の影響がある中でも、国際交流を停滞させず子供や若者に交流の機会を提供することは、県の重要な責務の一つと考えます。 また、県内の状況を見ると、県内在住外国人は令和四年六月時点で二十万人を超えています。今後、地域で更に増えるであろう外国人住民と県民がお互いに理解を深め、地域社会の担い手として日本人も外国人も活躍できる共生社会づくりは進んでいるのでしょうか。 超少子高齢化が進む埼玉県では、あらゆる手立てを講じて県の活性化を図ることが必要であると思います。知事公約五大プロジェクトの一つである世界のSAITAMAプロジェクトは、子供や若者の国際交流支援及び外国人との共生社会の実現が大きな柱でありますが、県の取組と今後の展開について知事のお考えを伺います。 また、私は、高校生の留学等の海外経験は、語学経験を積むだけでなく、自国を知ることと他国を知ることの両面を経験することで多様な価値観を身に付けるとともに、将来の進路選択の幅を広げるなど、大変大きな教育的効果があると考えます。 令和四年七月に文部科学省が示した「高等教育を軸としたグローバル政策方向性~コロナ禍で激減した学生交流の回復に向けて~」では、「グローバル化が進む中で、日本人学生も世界に飛び出し、多様な文化や価値観に触れ、世界中の人々や国内の多様な文化的・言語的背景をもつ人々と協働できる力、広い視野で自ら課題に挑戦する力を身に付けた真のグローバル人材として育成していくことが不可欠」であると課題を示しており、その中の取組の一つとして、より若い時期の海外経験を将来の留学につなげるため、大学生に加え高校生の段階から留学の機運醸成、支援を強化するとしています。 現在、高校生も海外渡航がなかなかできない中、国内でできる国際交流などを実施しているようですが、真のグローバル人材の育成を図るためには、海外での実体験も必要であると考えます。 そこで、現在の取組を踏まえ、今後どのように進めていくのか、教育長に伺います。 次に、二、和文化イベントの開催方法の工夫について伺います。 県内には多くの和文化が存在します。代々受け継がれてきた郷土芸能や茶道、生け花、また、新たに生まれ県内様々な地域に定着してきていて、愛されるようになった鳴子踊りもあります。 和文化は心の豊かさを育むと同時に、人と人のつながりを生み、地域の結び付きを深める役割も果たしてきました。私自身、長年にわたり地元朝霞市の彩夏祭での鳴子踊りを通じて地域の振興に携わり、改めて和文化が地域のきずなを深める様子を目の当たりにしてきました。 その和文化がコロナ禍において発表の機会がなくなり、活動の縮小や休止を迫られるなど、苦境に立たされています。私は、人と人をつなぎ、地域を守るためにも、和文化のともしびを消さないように取り組んでいくことは大変重要だと考えます。それがまちづくりの一つと感じているからです。 県は、こうした和文化を支援するため、昨年度まで大宮公園において埼玉WABISABI大祭典を開催してきました。また、今年度はイオンレイクタウンmoriにおいて埼玉県和文化フェスタ二〇二二を開催しています。いずれのイベントにおいても、和文化団体に発表の場を提供するとともに、その魅力を発信することができたものと感じていますが、しかし、地域を巻き込んでの事業となっているのか疑問です。 このようにイベントを継続していくのであれば、人と人をつなぐ、そして、地域の結び付きもできるような工夫が必要かと考えます。和文化団体の支援を一層推進していただきたいと思いますが、開催に当たっては、これまで和文化に余り関心のなかった方々にも関心を持ってもらえるように、広く発信することが重要と考えます。和文化の魅力を発信するために、和文化イベントの開催方法を工夫することが重要と感じています。 県民生活部長の見解を伺います。 次に、三、部活動の地域移行に向けた課題への取組について伺います。 少子化といった時代の流れに加え、子供を取り巻く環境変化に伴い、部活動を支えるこれまでの仕組みが成り立たなくなっている状況にある中、スポーツ庁及び文化庁の有識者による検討会議から、休日の部活動から段階的に地域移行していくことを内容とする提言が国に示されました。提言では、二〇二三年度から二〇二五年度までの三年間を改革集中期間と位置付け、地域スポーツ、文化、芸術環境を整備するための取組を重点的に行い、可能な限り早期の移行を目指すとしており、地域移行に伴う様々な課題を取り上げ、それらに求められる対応策が列挙されております。 また、十一月にはスポーツ庁、文化庁より「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン(案)」が示され、学校部活動の適正な運営や効率的、効果的な活動の在り方とともに、新たな地域クラブ活動を整備するために必要な対応について、国の考え方の案が示されています。 しかし、教育活動の一環として長く中学校教育に根付いてきた部活動を移行した場合の今後の中学校教育の在るべき姿や、部活動の将来的な位置付けが明確になっていないため、市町村教育委員会においては具体的にどのように取り組むべきか、困惑している状況です。 また、保護者の方々の話を聞きますと、中学校の部活動は異なる学生の生徒と行うことで上下関係の学びもでき、教員を身近に感じていたという親御さんもいました。今後、どのようになってしまうのか、なかなか子供たちにも話ができず、不安だらけであるという声が多く聞かれます。 九月定例会でも、我が党の杉田議員、そして岡地議員も、地域移行に向けた様々な課題について質問を行っておりますが、もう少し具体的にお聞きします。 地域移行に向けた課題は、提言にも示されているとおり、実施主体の整備や指導者の確保、保護者負担、保険の在り方など多岐にわたっており、果たして改革集中期間内に休日の部活動が地域移行できるのか危惧するところであります。 この改革の目的の一つに、学校の働き方改革の推進があることは理解しています。実際には、学校の働き方改革は不可欠だとは思いますが、本来の目的は子供たちに継続してスポーツや文化、芸術に親しむことができる機会を確保することのはずです。また、今月の報道で、中体連の大会などにクラブの参加も認めるような話も聞きました。学校対抗ではなく、クラブ対抗になってしまうのか、寂しさも感じました。地域移行に向けた検討の中で、なぜか子供たちが置き去りになって議論されているように感じてなりません。 そこで、教育長に伺います。 まず、(一)地域において、実施主体となりうる団体等の確保についてです。 部活動の地域移行を円滑に進めるためには、部活動の実施主体となりうる多様な団体等を確保していく必要があります。しかし、現実的にはあらゆる部活動をカバーできるような団体の数や受入体制が十分ではなく、さらに、地域差もあると考えられます。私の地元でもスポーツ系の団体はよく聞きますが、文化系の団体は余り聞いたことがありません。 そのような状況の中で、今後、実施主体となる団体を確保するためには、難題が数多くあるように感じています。市町村任せにするのではなく、県としても市町村を支援していく必要があると思います。 そこで、県としてどのように市町村を支援していくのか、教育長に伺います。 次に、(二)指導者の確保についてです。 生徒が地域において多様な活動を行う機会を確保するためには、各地域において専門性や資質、能力を有する経験豊富な指導者が指導に当たるべきと思います。県として今後、各実施主体における指導者の確保に向けてどのように支援していくのか伺います。 また、今まで指導してきた熱心な教員も実際数多くいると思っています。教員が希望する場合には、引き続き部活動を指導できるような処遇環境も併せて整備すべきと考えますが、教育長に伺います。 次に、(三)地域移行後の活動に参加するための費用負担についてです。 地域移行後、外部指導者の謝金など新たに発生する費用の負担はどのようになるのでしょうか。保護者が指導者に対する謝金をはじめ、安全保険に加入するための保険料等の会費を負担することになるかと思います。保護者の負担が増えることで、子供が部活動をやりたいと思っても家庭の事情で部活動ができないというケースも出てくるのではないでしょうか。 保護者の負担軽減に向けて、県としてどのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。 最後に、(四)埼玉県部活動地域移行推進委員会についてです。 埼玉県部活動地域移行推進委員会が令和四年七月に設置されました。また、地域移行に向けて令和三年度から白岡市、令和四年度からは白岡市に加え戸田市も、実践研究に取り組んでいると聞いています。それぞれ様々な課題があると思いますが、令和五年度から段階的に地域移行する予定であり、余り時間がないと感じています。 埼玉県部活動地域移行推進委員会の取組がどの程度進んでいるのか、教育長に伺います。 次に、四、建築物等の解体等工事時における石綿(アスベスト)の事前調査について伺います。 建築物等の解体、改修工事を行う際には大気汚染防止法石綿障害予防規則に基づき、元請業者、又は自ら施工する自主施工者は、その規模の大小を問わず、工事前に全ての材料について、石綿を含む建材の有無を確認する事前調査が必要です。この事前調査は、設計図書などの書面による調査と現地での目視による調査を行う必要があり、両調査で石綿の有無が不明の場合は分析などを行う必要があります。 また、令和四年四月一日から、その結果を県や労働基準監督署へ報告することが義務化されました。その報告対象となる工事には、規模要件などもあり複雑です。 さらに、令和五年十月からは、建築物の解体に係る事前調査は一部を除き、登録講習機関の講習を受けた建築物石綿含有建材調査者が行う必要があります。私自身も業界に携わる者として、七月にこの資格を取得したところであります。早めに取得しなければ駆け込みの受講者が増え、スムーズに資格が取得できない可能性があるのではないかと考えたためであります。 これらの制度改正は、予期せぬアスベストの飛散を防止し、周辺環境や作業従事者の安全確保をするために重要なことだと考えますが、施主や請負業者にとっては手続や費用面で新たな負担となっています。このような状況を踏まえ、質問いたします。 まず、(一)事前調査の必要性について周知徹底をです。 今回の制度改正について、まだまだ広報などが行き渡っていないと思います。施主や請負業者に対して、今回の制度改正の周知が不十分であることで、どの工事に対して事前調査をする必要があるのか、その費用は誰が負担するのかなど、混乱を招く可能性があります。また、予期せぬアスベストの飛散を防止し、周辺環境や作業従事者の安全を確保するために重要な事前調査が適正に行われないのではないかとも危惧しています。事業者は調査資格者の確保など準備に十分な時間が必要なのではないでしょうか。 これらの課題を解決するためには、事業者団体との連携が大変重要と感じます。県として施主や請負業者に対して、どのように広報、周知を行っていくのか、環境部長に伺います。 次に、(二)調査・除去費用の補助についてです。 制度改正により資格者による事前調査や報告が義務化され、施主や請負業者に新たな負担が生じています。調査費も小規模な工事であれば少額で済むかもしれませんが、大規模な工事であれば、それなりに金額も高くなると感じています。 現在、県のアスベスト除去等に対する補助制度は、吹き付けアスベストなどの含有調査や一定規模以上の除去工事を対象としており、戸建てや小規模ビルなどの除去工事では使えません。制度改正により一部の工事を除き解体、改修が資格者による事前調査の対象となったことから、戸建てや小規模ビルなどについても補助を行うべきと考えますが、都市整備部長の御所見を伺います。 次に、五、空き家対策について伺います。 県内の空き家状況は、平成三十年の住宅土地統計調査によると、住宅総数三百三十八万四千七百戸、空き家数は全国八位の三十四万六千二百戸、また、そのうち賃貸、売却などの利用目的のない空き家数は十二万四千百戸と聞きます。五年ごとの調査でありますが、利用目的のない空き家は平成二十五年から五年間で率では〇・三ポイント、戸数では一万二千戸の増加であります。 空き家が増えてくると、周辺環境にいろいろと悪影響が生じるのも事実です。植栽が伸び、通行の邪魔になる。また、空き家と分かると通行しながらごみなども捨てる。一度ごみが捨てられてしまうと、ますますごみが増えていく。そんな状況が続くことで、周辺環境は悪化の一途をたどる悪循環に陥ります。 所有者も、ただ空き家にしているだけではないと思います。例えば、子供たちは独立していて、親御さんが施設に入るなど住まなくなった。だけど、建物は置いておかなければならない。そんな状況で建物を解体するには費用が掛かる。また、建物を解体すれば固定資産税が上がる。処分したいが、どうすればいいのか、いろいろと悩んでいる方がいるのも事実です。 そのような状況が気になったため、令和三年度の決算特別委員会において、空き家対策は重要な課題であるため、市町村任せではなく具体的にまちづくりの専門家などと連携し、相談窓口設置などができるよう、県として一歩踏み込んで、市町村と一緒に空き家活用事業を実施することと指摘しました。県が今年度から始めた空き家コーディネーター事業は、正に県自ら空き家相談の窓口を設置し、所有者や活用希望者からの相談を受けられる体制を整備したとのことだと思います。 そこで、都市整備部長に伺います。 まず、(一)空き家コーディネーター事業についてです。 空き家相談の窓口を開設してから、これまでの実績はどうなのか。県として、今後の展開はどのように考えているのか。また、どのように活用していくのかを伺います。 次に、(二)空き家対策の市町村への支援についてです。 空き家等対策の推進に関する特別措置法において、空き家対策の主体は市町村であり、県は市町村を支援する立場となっています。実際に各市町村においても空き家条例を制定し、それぞれ独自の対策をしており、深谷市などでは空き家除却跡地については固定資産税の減免をしているなど、先進的な事例もあると聞いています。このような先進的な事例については、県でその効果を分析し、各市町村に対し情報提供することで、横展開することができるのではないでしょうか。 県として、今後どのように市町村を支援していくのか、都市整備部長に伺います。 次に、六、中小企業の障害者雇用について伺います。 まず、(一)埼玉県障害者雇用総合サポートセンターの中小企業への支援についてです。 5か年計画における指標の中で、令和三年の埼玉県の民間企業の障害者雇用率は二・三二パーセントと、目標法定雇用率の二・三パーセントを上回り、過去最高を記録しました。一方、法定雇用率を達成した企業は、四七・八パーセントと半分にも届いていません。 多くの企業では、障害者に適した業種ではないから、障害者との接し方が分からない、障害者にどのような仕事ができるか分からないなど、障害者雇用のノウハウがない状況です。特に、危険を伴う作業がある業種では、障害者雇用に不安を感じ、雇用を断念している企業が多いと聞きます。 埼玉県障害者雇用総合サポートセンターは三つの機能、雇用開拓、企業支援、職場定着支援を基に、障害者雇用に不慣れな中小企業を支援するために設置されていると理解していますが、法定雇用率の達成が難しい企業に対して、業種や事業内容に応じたきめ細かい支援ができているのでしょうか。また、県独自の支援として職場定着支援ではジョブコーチの派遣をしているようですが、どの程度成果が出ているのでしょうか。それぞれ行っているにしても、もっと積極的にPRをして障害者雇用総合サポートセンターの活用を促していくべきと考えますが、産業労働部長の御所見を伺います。 次に、(二)事業協同組合等算定特例制度について伺います。 障害者雇用促進法により特別子会社制度は、事業主が障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たす場合は特例として親会社に雇用されているものとして実雇用率に算定できる制度です。一般的に大企業がこの制度を利用していることが多く、グループ企業全体から清掃や社内メール便などの業務を集めて、障害者の雇用を確保しています。中小企業では、一社で障害者一人を雇用するほど多くの仕事を確保することが難しくても、複数の企業で同種の業務を集めれば一人分の仕事量になると聞きます。 複数の中小企業が組合を設立し、障害者を雇用することができる事業協同組合等算定特例制度が平成二十一年に始まりましたが、十三年が経過しているにもかかわらず、全国で僅か七例しかないと聞きました。県内では実例はあるのでしょうか。制度としてはすばらしいと思いますが、どのような理由で普及が進まないと考えているのか、産業労働部長に伺います。 次に、七、地元問題について伺います。 まず、(一)朝霞調節池・朝霞水門周辺の河川整備についてです。 朝霞市内の下内間木地区内は、荒川や新河岸川、越戸川に囲まれ、水はけの悪い地形であります。一九八二年の洪水では甚大な被害が出ています。 朝霞調節池整備事業は二〇〇八年に施設が完成し、供用を開始しました。調節池で洪水をためたり、調節池下流の朝霞水門で洪水を逃がしたりしています。 現在は、国が整備した朝霞調節池があり、治水効果を発揮しているところではありますが、豪雨のたびに道路冠水がまだ発生しています。新河岸川については、県でも朝霞水門から都境までの下流区間の改修を進め、下流に洪水が流れやすくしているとも聞きます。しかし、越戸川については、国道二五四号バイパスから新河岸川との合流点までの最下流の堤防等がまだ未整備であることも、浸水の原因ではないかと考えます。 新河岸川下流区間の現在の事業進捗状況と越戸川最下流の堤防未整備区間の整備の見込みについて、県土整備部長に伺います。 一方で、これらの河川は、朝霞市の都市計画マスタープランにおいても水と緑の軸に位置付けられており、自然的要素とふれあえる空間づくりを進めることが求められています。新河岸川の整備が完了すれば、治水の安全が確保される計画であります。私としては、朝霞水門の周辺は希少植物も生存していることもあり、治水と親水を兼ねた水辺の空間、例えば、親水公園のようなものがあってもいいと考えています。 先ほどの越戸川最下流の堤防整備に当たっても、憩いの場所となる親水公園のように整備することで動線がつながり、水と緑の軸を生かした広域的な交流の空間として活用できると考えます。是非、実現できればと思いますが、県土整備部長の見解を伺います。 (二)国道二五四号和光富士見バイパスの整備についてです。 まず、ア、第二期整備区間の進捗と今後の見通しについて伺います。 国道二五四号は、関越道と並行して県内を南北に縦貫する地域の人や物の移動を支える大動脈であり、また、災害時において広域的な緊急輸送路としても重要な役割を担う道路と聞きます。現在、和光富士見バイパスの整備が進められておりますが、そのうち第一期整備区間である外環和光インターから朝霞市内の一部までの区間は既に供用開始されており、第二期整備区間である国道四六三号から朝霞市内までの区間が整備中です。 整備は着実に進んでいるのですが、周辺の道路は依然として混雑が頻繁に起きています。渋滞の解消だけでなく、防災機能の向上や沿道開発による地域の活性化のためにも、第二期整備区間全線の早期完成を地元は強く望んでいます。現在は県道さいたま東村山線から国道四六三号までの区間整備が進められており、令和五年の春には先行して供用される見込みと聞いております。 そこで、第二期整備区間の進捗と今後の見通しについて、県土整備部長に伺います。 次に、イ、JR武蔵野線と交差する付近の雨水対策について伺います。 朝霞地域内における第二期整備区間の南側区間には、JR武蔵野線とバイパスが交差する箇所があります。当初、鉄道と道路の交差方法が鉄道の上を通す方式と聞いていましたが、今回、交差方法が鉄道の下を通す方式に変更されると聞きました。コスト削減が図られ、効果的かと思います。 しかし、一方で不安なことが頭をよぎりました。この国道二五四号が通過する朝霞地域は、ほとんどの部分において新河岸川沿いを並行しています。この場所は地盤的にも低い場所であり、大雨が降ると昔からよく水が漬かるところです。 また、新河岸川の水位より低くなると自分は感じているのですが、この国道二五四号は災害時の広域的な緊急輸送路になると聞いています。「大雨により水没になりました」では何も機能しないと思いますが、この場所における雨水対策について、県土整備部長に伺います。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○中屋敷慎一議長 二十二番 松井弘議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 松井弘議員の御質問にお答え申し上げます。 世界のSAITAMAプロジェクトについてのお尋ねのうち、世界のSAITAMAプロジェクトの県の取組と今後の展開についてでございます。 世界のSAITAMAプロジェクトは、世界で活躍する人材の育成や、本県で生活する外国人住民が活躍できる環境整備を進め、埼玉県を誰もが暮らしやすく、活力にあふれた地域にすることを目指すものであります。 私は、かねてより子供や若者の国際交流機会の充実や外国人との共生社会の重要性を訴えてまいりました。議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響による渡航制限等のために若者が留学を断念したことや、姉妹州省への訪問が実現できなかったことは、私としても大変残念に感じています。 他方で、このような制約の中でも、決して国際交流を絶やすことはいけないと考えています。従来とは異なる視点で、県民に新たな交流の場を提供させていただきました。例えば、県民向けに姉妹州の大学とのオンラインプログラムを開設したほか、ライブ中継により現地のまちを紹介するツアーを実施するなど、工夫をしてまいりました。 また、外国人との共生社会の実現に向けましては、外国人の日本語学習支援を実践する日本語教室の設立や運営上の課題解決の支援に取り組んでおります。本年九月には、これまで日本語教室がなかった伊奈町と寄居町に、県の支援を受けて初の日本語教室が設立されるなどの成果が上がっています。 私といたしましては、コロナ禍で得た気付きを糧に、新たな国際交流や外国人支援に尽力するとともに、海外との往来が正常化に向かう中で、従来から行ってきた留学支援や首長外交にも全力で取り組み、世界のSAITAMAプロジェクトをしっかりと推進してまいりたいと考えています。これまでの逆風が追い風に変わる時機を逃すことなく、ウィズコロナ、ポストコロナにおける取組に一層の磨きを掛け、世界のSAITAMAプロジェクトを推進いたします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 松井弘議員の御質問一、世界のSAITAMAプロジェクトについてのうち、真のグローバル人材の育成を図るため、現在の取組を踏まえ、今後どのように進めていくのかについてお答え申し上げます。 県では、高校生を海外へ派遣する取組を推進し、グローバル社会で必要な豊かな国際感覚を身に付けた人材の育成に努めております。 グローバルリーダー育成プロジェクト事業では、全県立高校を対象に募集して選考した三十名を海外へ派遣する研修を行っています。令和三年度は海外への渡航ができませんでしたが、メキシコ州の高校生とのオンライン交流や県立高校出身の元国連職員からグローバルリーダーの必須スキルについて講演をいただくなど、国際感覚を磨くための国内研修を八日間実施いたしました。参加生徒からは、「失敗を恐れず挑戦することがとても大切だと感じた」「将来、グローバルリーダーとして活躍して、ここで得たことを社会に還元していきたい」等の感想がありました。 令和四年度は、生徒が各国の大使役となって世界の諸問題を議論する模擬国連などの研修を実施するとともに、在日シンガポール大使への表敬訪問や、実際にシンガポールに渡航してシンガポール国立大学生とのディスカッションなども計画しています。また、県立高校十七校が学校単位で海外の姉妹校等と交流する事業を実施しているところです。 県といたしましては、引き続き、こうした事業を通して地球規模の視野で物事を考え、世界の人々と協働できる力を身に付けたグローバル人材の育成に努めてまいります。 次に、御質問三、部活動の地域移行に向けた課題への取組についてお答え申し上げます。 まず、(一)地域において、実施主体となりうる団体等の確保についてでございます。 県が令和四年十一月に市町村に対して実施した運動部活動の地域移行に関するアンケート調査では、一部の運動部活動においても、指導を依頼できるスポーツ団体等が想定できないとする市町村が全体の二割程度あるとの結果でした。また、吹奏楽部等の文化部の実施主体につきましても、運動部同様、十分な受入体制とは言えないとする市町村からの声も伺っております。こうした状況を踏まえ、県といたしましても庁内関係課と連携し、全県的なスポーツ・文化芸術団体への協力を要請するなど、市町村が実施主体となる団体等を確保できるよう支援してまいります。 また、国が公表した部活動の地域移行等に関する実践研究事例集には、民間企業、行政機関、PTAや保護者会等、様々な受入団体が実施主体となった事例も紹介されておりますので、こうした事例なども参考に市町村があらゆる実施主体を想定しながら検討が進むよう、積極的な情報提供に努めてまいります。 次に、(二)指導者の確保についてでございます。 議員御指摘のとおり、地域において生徒の多様な活動機会を確保するためには、経験豊富な指導者が望ましいと考えます。休日の地域クラブ活動の指導者としては、地域のスポーツ・文化芸術団体や民間クラブの指導者、大学生等が想定されており、全国の実践研究でも様々な事例がございます。県といたしましても、他県の状況や先行事例などを参考にしながら、各種関係団体等と連携し、指導者を登録していただく仕組み等について研究するなど、市町村における指導者の確保が円滑に進むよう支援してまいります。 また、教員が地域クラブ活動の指導を希望する場合には、市町村教育委員会から兼職兼業の許可を得ることで他の地域クラブの指導者と同様の処遇の下、指導に当たることが想定されています。県といたしましては、こうした取扱いについて、市町村教育委員会が教員の働き方改革にも配慮しながら適切に対応できるよう支援してまいります。 次に、(三)地域移行後の活動に参加するための費用負担についてでございます。 生徒が休日の地域クラブ活動に参加する場合、そのクラブ等に対して保護者が指導者の謝金、施設使用料や用具費及び保険料などを負担することとなります。こうした費用が保護者にとって大きな負担となりますと、地域クラブ活動への生徒の参加に影響を及ぼすおそれもあります。 子供たちの多様な活動機会を確保するためには、保護者の費用負担が過度にならないことも重要と考えます。県といたしましては、市町村に対して、公共施設の優先利用や低額での利用を認めるよう働き掛けるとともに、国に対して経済的に困窮する家庭に対する補助等の財政的支援を要望してまいります。 次に、(四)埼玉県部活動地域移行推進委員会についてでございます。 県では、令和四年七月に関係部局からなる埼玉県部活動地域移行推進委員会を設置し、地域の実情に適した移行を行うための様々な方策を検討の上、部活動の地域移行に関する指針や手引きの作成に取り組んでいます。 これまで、委員会では市町村の実情や取組状況等を把握するためのアンケートを実施するとともに、地域移行の基本的な方向性や課題解決に向けた対応等を検討してまいりました。また、指針の作成に向け作業部会を五回にわたり実施し、実践研究を行っている白岡市、戸田市の取組を共有するとともに、実施主体及び指導者の確保などの課題や改革集中期間における地域移行を行うためのスケジュール等を整備しているところです。 今後、市町村教育委員会などの意見も伺いながら、年度内を目途に県としての指針を策定し、市町村に対し丁寧に説明を行うなど、円滑な地域移行を支援してまいります。       〔真砂和敏県民生活部長登壇〕 ◎真砂和敏県民生活部長 松井弘議員の御質問二、和文化イベントの開催方法の工夫についてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、イベントを継続し、和文化団体の支援を一層推進するためには、これまで和文化に興味のなかった方に、いかにその魅力を知ってもらうかということが重要でございます。 そのため、今年度はイオンレイクタウンmoriで埼玉県和文化フェスタを開催いたしました。週末の買物客でにぎわう中、これまで和文化との接点がなかった方々に郷土芸能や生け花、茶道などの魅力を大いに発信することができました。出演した団体からは、「発表の機会が得られ、今後の活動の意欲が増した」という声が、また、来場者からは「和文化に興味を持ち、自分もやってみたいと思った」などの声が寄せられました。 和文化フェスタの開催に当たりましては、今後も無関心層にその魅力をアピールできるよう、商業施設など人が多く集まる場所で開催してまいります。また、御来場いただいた方と団体が交流できるような演目や体験コーナーを設けるなど、地域の結び付きが生まれるきっかけになるような工夫を行ってまいります。さらに、様々な団体に御出演いただき、県全域での盛り上げを図るため、開催地を変えるなど出演団体や来場者が特定の地域に偏ることのないよう配慮してまいります。 今後とも、こうした取組を通じまして、より多くの方に和文化の魅力を発信してまいります。       〔目良聡環境部長登壇〕 ◎目良聡環境部長 松井弘議員の御質問四、建築物等の解体等工事時における石綿(アスベスト)の事前調査についての(一)事前調査の必要性について周知徹底をについてお答え申し上げます。 解体工事などによる石綿の飛散から県民の健康を守るためには、工事請負業者が石綿の危険性及び大気汚染防止法など制度の内容を十分に理解する必要があり、県では毎年度、事業者を対象とした法令説明会を開催してまいりました。特に、令和四年四月の報告制度の開始に併せて、説明会の対象にリフォーム業者を加え、回数も年四回に増やして開催するとともに、産業廃棄物処理業などの関係団体の業界誌に法改正内容を掲載して周知を行いました。 さらに、より多くの方に御参加いただけるよう、ユーチューブで法令解説の動画を公開しているところでございます。 このように、まずは報告義務を負う請負業者への周知に注力しておりましたが、議員御指摘のとおり、事前調査制度を円滑に進めるためには、発注者の理解も重要です。現在、県では、発注者向けの啓発用チラシを作成しているところであり、今後、建築安全センターなどの関係部局や市町村並びに商工会・商工会議所、解体業協会などの関係団体を通じまして幅広く周知を行うとともに、請負業者の方の施主に向けた説明に活用していただきたいと考えております。 今後も、請負業者及び発注者双方に対しまして、工夫を凝らしながら、一層の周知に努めてまいります。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 松井弘議員の御質問四、建築物等の解体等工事時における石綿(アスベスト)の事前調査についての(二)調査・除去費用の補助についてお答え申し上げます。 県では、民間建築物のアスベスト含有調査及び除去等の工事に対して補助を行っています。含有調査は、アスベスト含有のおそれがある吹付け材について、建築物の用途や規模にかかわらず補助対象としています。工事については、延べ面積一千平方メートル以上の建築物は、用途や規模にかかわらず補助対象としています。また、延べ面積一千平方メートル未満の建築物についても、一定規模以上の集会場や物販店舗など、建築基準法に基づき定期的な報告を求めている建築物を補助対象としています。これは、社会的リスクの大きい不特定多数の者が利用する建築物について、優先的に対応する必要があるという国の審議会における提言を受けて定めているものです。 吹付けアスベストは、耐火性能や遮音性能を確保するため、規模の大きい鉄骨造建築物の柱やはりのほか、天井や壁に吹き付けられており、経年劣化や損傷などによって飛散し、健康被害につながるおそれがあります。補助対象拡大の御提案につきましては、現在、補助対象としている優先度の高い建築物のアスベスト対策を、令和七年度まで期限が延長された国の補助を活用し、着実に進めたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、御質問五、空き家対策についてお答え申し上げます。 まず、(一)空き家コーディネーター事業についてのうち、空き家相談の窓口を開設してから、これまでの実績についてでございます。 県では、専門的な知識や経験を持つ空き家コーディネーターによる空き家相談の総合窓口を令和四年七月二十五日に開設し、十一月三十日時点の実績として、所有者や活用希望者からの相談が百八十四件ありました。特に、相続や高齢者施設への入居をきっかけとしたケースが多く、管理をどうしたらいいのか、売却したら幾らになるのか、解体業者を紹介してほしいなど、内容は様々です。 相談内容に応じて、これまで四十六名の建築や不動産の専門家を現地に派遣し、詳細に調査した上で解決に向けた助言や提案を実施しています。複数の相談者からは「相談先がなく困っていたのに、現地を確認してもらい、先に進むことができた」とのお声を県に直接頂くなど、この事業の効果を感じているところでございます。 次に、今後の展開をどのように考えているのか、また、どのように活用していくのかについてでございます。 まずは、相談窓口を知っていただくよう、市町村や各種イベントでのチラシの配布などを通じて周知をするとともに、各地域に空き家コーディネーターが出張し、個別相談会を実施することで、更に実績を増やしたいと考えております。 また、空き家コーディネーターが携わった事例をまとめ、市町村に情報発信することで、空き家対策の道しるべとして活用いただけるものと期待いたします。 さらに、移住促進など他の施策とも連携することで、相乗効果が生まれる事業でもございます。企画財政部をはじめ関係する部局とも情報交換をしながら、空き家コーディネーターを積極的に活用してまいります。 次に、(二)空き家対策の市町村への支援についてでございます。 県では、空き家対策の主体となる市町村を県と関係団体とが一体となって支援するため、平成二十六年十二月に埼玉県空き家対策連絡会議を設置しております。空き家対策連絡会議では、これまで各種マニュアルの作成、新たな制度や先進事例の紹介、意見交換などを行っており、市町村の空き家対策が円滑に進むよう、互いに知恵を出し合い、つながりをつくる場として活動してきたところです。 議員お話しの空き家除却跡地における固定資産税の減免についても、令和三年一月に実施した空き家対策連絡会議において深谷市の取組を紹介し、その後、久喜市及び富士見市が同様の取組を実施しています。また、遠方に住んでいる空き家の所有者へのアプローチの方法として、固定資産税の納税通知を活用している「ちちぶ空き家バンク」の取組を紹介し、県内で同様の取組が広がったという事例もございます。 今後は、埼玉版スーパー・シティプロジェクトによる各市町村の空き家対策や移住促進の取組についても、各プロジェクトの進捗に応じて空き家対策連絡会議で紹介していきたいと考えております。引き続き、空き家対策連絡会議を活用し、様々な先進事例の効果を分析して情報共有することで、市町村を支援してまいります。       〔板東博之産業労働部長登壇〕 ◎板東博之産業労働部長 松井弘議員の御質問六、中小企業の障害者雇用についての(一)埼玉県障害者雇用総合サポートセンターの中小企業への支援についてお答え申し上げます。 初めに、法定雇用率の達成が難しい企業に対して、業種や事業内容に応じてきめ細かい支援ができているのかについてでございます。 議員お話しのとおり、障害者雇用率未達成の企業の多くは、ノウハウがなく、また、障害者を雇うことに不安を感じております。そこで、サポートセンターでは障害者雇用の義務があり、法定雇用率をまだ達成していない企業を個別に訪問し、職場や業務を把握した上で、障害者の特性に合った仕事の切り出しや職場環境への配慮を提案することで、企業が安心して雇用できるよう支援を行っております。 次に、職場定着支援でどの程度成果が出ているかでございます。 障害者の職場定着には、働きたい障害者やその御家族、そして、雇用する企業がお互いの状況をよく理解しておくことが大切です。 サポートセンターでは、障害者の就労支援機関と協力し、採用前に職場実習を行うなど、相互理解を深める取組を行っております。さらに、採用後においても職場になじめないなど問題が生じた場合には、職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣して企業、障害者双方から状況を聞き取り、企業へは職場環境や業務の見直し、障害者へは人間関係の構築などについて助言をしております。その結果、サポートセンターが令和二年度に支援した企業の一年後の障害者の定着率は八割を超えております。 次に、もっと積極的にサポートセンターの活用を促していくべきについてでございます。 サポートセンターでは、企業からの相談を待つのではなく、障害者の雇用義務のある県内企業約三千六百社のうち、未達成企業約一千九百社全てにこちらからアプローチをしております。また、障害者雇用を啓発する障害者ワークフェアや企業・支援機関向けセミナーを開催し、障害者雇用への理解と併せてサポートセンターの周知を行っております。 今後も、引き続き雇用率未達成の企業に対し、粘り強くサポートセンターの活用を促し、障害者雇用の推進に努めてまいります。 次に、(二)事業協同組合等算定特例制度についてでございます。 この制度は、四社以上の中小企業で構成される事業協同組合等の組合員が障害者雇用のための共同事業を行う場合、一つの企業とみなして障害者雇用率を算定できるものです。 まず、埼玉県の実績ですが、所管している埼玉労働局に確認したところ、現在まで認定された例はございません。 次に、普及が進まない理由です。この制度を利用する中小企業は、障害者の方の労働環境を整えるために既存事業を切り分けたり、新しい事業を創出するなどして、共同事業を実施しなければなりません。このような事務手続に参加する全ての中小企業の合意を得るためには相当な時間と労力がかかり、普及が進んでいない原因となっております。 先日の臨時国会において、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部が改正されました。この改正は、特例制度の利用を促進するため、二社から設立が可能で手続が簡便な有限責任事業組合も対象に加えるもので、令和五年四月から施行されます。 県といたしましても、未達成企業の障害者雇用を進めるための選択肢の一つとして、事業協同組合等算定特例制度の周知に埼玉労働局と協力して取り組んでまいります。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 松井弘議員の御質問七、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)朝霞調節池・朝霞水門周辺の河川整備についてです。 新河岸川下流区間の事業進捗でございますが、現在、都県境から朝霞水門付近までの約二・六キロメートルが事業区間となっております。このうち都県境から約一・五キロメートルを重点的に整備しており、これまでに九百三十メートルが完成し、現在、芝宮橋上流の七十メートルの護岸工事を実施しております。残る未整備区間についても用地取得に努めるとともに、順次工事を実施してまいります。 次に、越戸川の整備見込みでございますが、新河岸川の合流点から赤池橋までの九百メートル区間が未整備となっております。この区間の整備に当たっては、最下流部に位置する新河岸川水循環センターの用地取得が必要となることから、現在、事業着手に向けて施設管理者と協議を進めているところです。 次に、越戸川を親水公園のように整備することについてです。 越戸川の上流区間は、遊歩道や水辺に近づきやすい護岸など親水空間を整備したことにより、地域の方々による定期的なイベントが開催されるなど、にぎわいの場となっております。今後、最下流区間の整備に当たっては、地元市等からの意向を確認しながら、水に親しめる良好な河川空間の創出ができるよう努めてまいります。 次に、(二)国道二五四号和光富士見バイパスの整備についてのア、第二期整備区間の進捗と今後の見通しについてです。 国道二五四号和光富士見バイパスは、和光市内の東京外かく環状道路から富士見市内の国道四六三号までを結ぶ延長約六・九キロメートルの県内道路網の骨格を形成する幹線道路です。 これまでに、第一期整備区間である東京外かく環状道路から県道朝霞蕨線までの約二・六キロメートル区間が開通しており、現在は第二期整備区間である県道朝霞蕨線から国道四六三号までの約四・三キロメートルが事業中です。第二期整備区間のうち、県道さいたま東村山線から国道四六三号までの約一・四キロメートル区間について、令和五年春の開通を目指し工事を進めています。 県道朝霞蕨線から県道さいたま東村山線までの約二・九キロメートル区間については、用地買収率が九四パーセントとなっています。引き続き、残る用地の取得に努めるとともに、工事に向けて関係機関との協議や軟弱地盤に対する検討を行うなど、事業を推進してまいります。 次に、イ、JR武蔵野線と交差する付近の雨水対策についてです。 JR武蔵野線との交差方法については、高架橋となっている鉄道の下を道路が通る構造とすることで鉄道管理者との協議が令和四年六月に調いました。 議員御指摘のとおり、JR武蔵野線と和光富士見バイパスが交差する箇所は、新河岸川の旧河川敷であり、周辺の地盤に比べて低くなっています。そのため、大雨時にも交通の支障にならないよう、JR武蔵野線との交差構造の設計において、道路の雨水対策についても検討してまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○中屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。午前十一時二分休憩          ----------------午後一時再開 出席議員    八十一名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十九番  四十一番   四十二番  四十三番  四十四番  四十五番   四十六番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番   八十番   八十一番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    五名   三十八番   四十番  四十七番  七十一番   七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。 二十四番 橋詰昌児議員       〔二十四番 橋詰昌児議員登壇〕(拍手起こる)
    ◆二十四番(橋詰昌児議員) こんにちは。二十四番、公明党議員団、橋詰昌児でございます。 議長の許可を頂きましたので、通告に従い、順次一般質問をさせていただきます。 一、虐待ゼロをめざして。 (一)各関係機関との連携強化の取組について。 現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、子供の見守り機会が減少し、児童虐待のリスクが高まっています。実際、虐待相談対応件数は増え続け、子供の命が失われる悲劇も繰り返されています。 全国の児童相談所が二〇二一年度に扱った虐待件数は二十万件を超え、過去最多を更新し、埼玉県でも一万七千六百六件と高止まりの状態が続いています。児童虐待防止対策には、「発生予防・早期発見」「発生時の迅速・的確な対応」「被虐待児童への自立支援」が柱と考えます。 先日、会派として岐阜県こどもサポート総合センターへの視察を行いました。同センターは本年四月、岐阜市子ども・若者総合支援センター「エールぎふ」内に岐阜県、岐阜市、岐阜市教育委員会及び岐阜県警察の四者が同じフロアに顔をそろえ、児童の安全を最優先とした対策が講じられるよう、「児童虐待等の対応に関して必要な協定」締結に基づき設置されました。 既に、岐阜県と県警は二〇一八年以降、認知した全ての虐待事案の情報を共有しているため、開設に伴う命令系統の変更はありませんでしたが、支援がメインとなる岐阜市などの自治体と、介入に踏み切れる県(児童相談所)と県警が同じ建物に入居することで、連携の手続などがスムーズになり、重度事案の見過ごし防止につながっているとのことでした。大変参考になる取組で、見習うべきと感じてまいりました。 そこで、本県として各関係機関との連携強化の取組と児童虐待を起こさせない社会の実現に向けて、知事の御決意を伺います。 また、本県では、先進的な取組として通報を受理後、四十八時間以内に安全確認をする、いわゆる四十八時間ルールを実施されておりますが、現状と成果についてお示しください。 (二)埼玉県虐待通報ダイヤル「#七一七一」、通称ナイナイについて。 本県では、早期に虐待を発見するために児童虐待、高齢者虐待、障害者虐待の通報を二十四時間三百六十五日受け付ける埼玉県虐待通報ダイヤル「#七一七一」を運用されています。「#七一七一」は、虐待ない、絶対ない社会を目指すという意味が込められていると伺っております。 また、児童虐待はもちろんのこと、高齢者や障害者の通報も受け付ける上、通話料も無料となり、非常に有益な取組であると思っております。私の下に「近所のおばあちゃんが虐待を受けているのでは。どこに連絡すれば良いのですか」との御相談があり、すぐにこのダイヤルをお教えしたこともあります。 しかし、通報件数は年間二千七百件程度と伺っており、まだまだ認知されていないと考えます。更なる周知拡大を図るべきと考えますが、福祉部長の見解を伺います。 二、子育て支援について。 (一)孤育て化(孤立した状態の育児)防止対策について。 コロナ禍で少子化が想定を上回るスピードで進み、虐待や不登校、自殺の増加など子供をめぐる課題は深刻化しています。このような中、公明党は子供政策を政治の柱に据えた社会の実現と、少子化・人口減少を克服するための具体策を示した子育て応援トータルプランを発表しました。同プランの意義は、「ライフステージに応じた支援策が整っていく姿を示すことで、安心して子供を産み育てる社会を築きたい」というものです。 同プランを作成した背景として、コロナ禍で少子化、人口減少が一層進み、二〇二一年の出生数が過去最少を記録するなど、想定よりも七年程度早く少子化が進んでいるとの認識から、家事、育児の負担についても依然として女性に偏っている現状があり、これらの課題を克服し、希望すれば誰もが安心して子供を産み育て、十分な教育が受けられる社会づくりを進めるためのものです。少子化、人口減少の克服へ大きく社会構造を改革していくことが必要と考え、今後十年をめどに順次実現させていく予定です。 そこで、同プランで先行実施するのが、妊娠から出産、子育てまでの一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体的に行う事業です。このことは今般、政府の総合経済対策に出産・子育て応援交付金として盛り込まれました。核家族化が進み、地域とのつながりも希薄化する中で、支援が手薄とされる出産前後とゼロ歳から二歳児の子育て世代が孤育て(孤立した状態の育児)に陥るのを防ぐのが狙いで、全自治体で実施を目指すものです。 この出産・子育て応援交付金事業の実施自治体は市町村ですが、県としても積極的にしっかりとしたサポート体制を築き、更なる子育て支援の拡充に取り組むべきと考えますが、知事の考えを伺います。 また、出産・子育て応援交付金事業には、産後ケアの充実も盛り込まれております。特に、産後ドゥーラの育成・拡充の推進が必要と考えますが、県として産後ドゥーラを含む産後事業に取り組む人材の育成を図る研修等を実施すべきと考えますが、保健医療部長の見解を伺います。 (二)産後パパ育休(男性育児休業)の取得促進について。 男性の育児休業取得を促すため、十月から産後パパ育休制度がスタートしました。これは、改正育児・介護休業法の一部施行に伴って創設された制度で、従来の育休制度とは別に、子供の出生後八週間以内に最大四週間の育休が二回まで分けて取得できるものです。勤務先への申請期限についても、従来の育休は原則、休業の一か月前ですが、産後パパ育休は二週間前に短縮され、使いやすくなっています。出産後の八週間は母親の肉体的・精神的な負担が特に重いとされ、父親が仕事を休みやすい制度が創設された意義は大きいと考えます。 新制度の利用者には、国の雇用保険から休業前賃金の六七パーセント相当の給付金が支給されるほか、休業中は社会保険料などが免除されるため、手取りでは休業前の約八割の収入となります。また、以前は子供が一歳になるまで夫婦いずれも原則一回しか取れませんでしたが、十月からは夫婦それぞれ二回まで分けて取れるようになりました。 厚生労働省によると、二〇二一年度の男性の育休取得率は一三・九七パーセントで過去最高となったものの、女性の取得率八五・一パーセントに比べ圧倒的に低い数字で、取得期間も五日未満が約三割を占めています。政府は、二〇二五年までに取得率を三〇パーセントに引き上げる目標を掲げていますが、達成の鍵を握るのは企業の対応と考えます。 先日、ある男性から、職場が育休を取りづらい雰囲気で、育休制度を取得できなかったとの相談を受けました。この点は、今年四月から出産を控えた社員に対して育休の取得意向を確認することが企業に義務付けられておりますが、十分な周知がなされていないと考えております。また、育休の取得促進に取り組む中小企業への奨励金制度があることも、十分な周知がされていますでしょうか。 男性が育休を取りやすい環境づくりを強く推進すべきと考えますが、県として制度の周知についてどのように取り組んでおられるのか、産業労働部長に伺います。 三、児童・生徒への自殺予防の取組について。 (一)精神不調アセスメントツールの導入について。 令和二年、小・中・高生の自殺者数が四百九十九人に上り、統計のある一九八〇年以降で最多となり、子供の自殺が増えているとのショッキングな報道がありました。背景には、新型コロナの感染拡大による影響が考えられます。外出を控えるステイホームや在宅勤務の増加で家庭内の雰囲気が変わり、修学旅行といった行事の中止や部活・放課後の過ごし方など、学校生活も一変しました。こうした環境の変化によって、多くの子供たちが少なからずストレスや息苦しさを感じていると考えます。 何ものにも代え難い大切な命、どこまでも子供たちの気持ちに寄り添うことが必要です。そこで、学校での自殺予防の取組として、精神不調のアセスメントツールについて紹介いたします。これは学校、主に保健室に設置しているタブレット端末に自殺リスクを早急に予測できる自殺リスク判定ソフトを導入・活用し、希死念慮のある児童・生徒を早期に発見できるものです。 本県の教育委員会では、メンタルヘルス研究推進校を指定し、メンタルヘルスリテラシーの向上に取り組んでおられますが、指定校は十三校と一部の児童・生徒に限られています。さきのツールは、タブレット端末があれば全校ですぐに対応可能です。児童・生徒の命を守るため、是非同ツールを導入すべきと考えますが、教育長のお考えをお示しください。 (二)トイレットペーパーに相談ダイヤルを印字する取組について。 山梨県では、若者の自殺防止対策として、相談窓口などを印刷したトイレットペーパー六千ロールを県内全ての大学十二校に配布するユニークな取組を実施されています。トイレットペーパーには相談ダイヤルの番号のほか、「うまく話せなくてもいいから、ほんの少し言葉にしてみませんか」などのメッセージが印刷されているそうです。 山梨県の担当者は、「トイレでは一人になり、つらいことや悩みなどを思い出してしまうこともあるので、相談につながればと思い作成した」と話されています。本県でも、県立高校への設置に取り組んでみる価値はあると思いますが、教育長の考えを伺います。 四、手話通訳者の育成と処遇改善について。 手話通訳者は、聴覚障害者とのコミュニケーションの橋渡しをする重要で尊い役割を担っていただいております。本日も議場での活動に感謝、御礼を申し上げます。 埼玉県では、「手話は言語である」との認識に基づき、聴覚障害者とそうでない人が手話によって心を通わせ、お互いを尊重し、共生できる社会の実現を目指して、平成二十八年に埼玉県手話言語条例が制定されています。そして、手話の普及や手話を使用しやすい環境の整備などに取り組んでいます。 一方で、一般社団法人全国手話通訳問題研究会の二〇二〇年度調査では、手話通訳制度の抜本的改善が必要だとして、非正規雇用の高止まり、高齢化、低い社会的評価などの課題を報告しています。特に、働き方について現状、非正規雇用が大半となっている手話通訳者の労働環境を抜本的に見直し、正規雇用を中心とする仕組みに切り替え、身分保障を確立することが必要と考えます。「せっかく手話通訳士の資格を取得したが、正規雇用の枠が少なく、どうしてもボランティア的な活動になってしまう」とのお声も頂いております。 そこで、県として手話通訳者の雇用形態の現状と、正規雇用への拡大の取組について、福祉部長に伺います。 また、さきの調査では、手話通訳者の高齢化について懸念されております。先日、埼玉県聴覚障害情報センターでお話を伺いました。やはり手話通訳者の高齢化と若手の育成が大きな課題とのことでした。 本県の手話通訳者の平均年齢はどのくらいか、また、若手の育成についてどのように取り組んでおられるのか、福祉部長に伺います。 五、グリーンボンドなどESG債の発行拡充について。 グリーンボンドとは、環境問題の改善に役立つ事業(グリーン事業)に使途を限定し、国や自治体、企業などが発行する債券(ボンド)のことです。太陽光パネルの設置や植林、電気自動車の開発といった事業の資金調達のために発行され、購入した投資家らには一定期間たつと利息とともに払い戻される仕組みです。 温暖化対策に必要な資金を調達する手段として、国際社会では同債券が急速に拡大をしています。二〇一九年九月時点の発行額が全世界で一千七百九億ドル(約十八兆円)に上り、過去五年間で四倍以上という驚くべき増加率です。 投資家にとって魅力が大きいこともグリーンボンドの特徴です。環境対策という息の長い取組に投資することによって、長期的に安定した利益が見込まれるからです。環境対策とビジネスをうまく結び付けた点に、急成長の要因があると思います。 日本では、環境省がグリーンボンドの発行に関するガイドラインを定めた二〇一七年から発行額が増え始めています。例えば、東京都は日本の自治体として初めてグリーンボンドを発行し、東京オリンピック施設の照明のLED化や環境にやさしい都営バスの導入などに充てているそうで、金融機関をはじめ民間企業もグリーンボンドの発行に乗り出しています。 先日、会派で三重県の「みえグリーンボンド」について視察に伺いました。三重県では、グリーンボンドを令和三年度に五十億円発行、今年度は初めて個人投資家向けの販売を実施し、十月二十七日に発行、完売されました。発行額は七十億円で、法人投資家向け六十五億円、個人投資家向け五億円でした。令和三年度の主な実施事業は、信号機のLED化や河川改修などに活用されたそうです。 本県では、都道府県初となるサステナビリティボンド「埼玉県ESG債」を発行していますが、個人投資家へは発行されていません。温暖化対策に貢献したいと考える個人投資家へも発行を拡大すべきと考えますが、企画財政部長の考えを伺います。 六、県営公園等県有施設へのドッグランの整備拡大について伺います。 近年、ペットを飼っている方は大勢いらっしゃいます。少子高齢化社会にあって、ペットは家族の一員として生活に潤いや安らぎを与え、また、アニマルセラピーなどの役割は、今後更に社会的にも重要視されてくると思われます。しかし、屋外の散歩は大抵リードを付けたままで、「たまにはペットを伸び伸びと思い切り走らせたい」との声を多く聞くところであります。 御存じのとおり、ドッグランではペットを思い切り遊ばせることができ、飼い主とペットとのコミュニケーションの場でもあり、ほかのペットとの出会いの場でもあります。また、公園内での放し飼いやノーリード等による犬をめぐるトラブルの減少も期待されます。さらに、ペットの日頃のストレス発散のためにも、設置要望の声を非常に多く頂いております。 現在、県内で運営されているドッグランは五十四か所あり、そのうち県が設置するドッグランは、川越公園と所沢航空記念公園の二か所と伺っております。多くの皆様に利用され、大変に好評であると伺っております。県営公園への更なる設置をすべきと考えますが、都市整備部長の見解を伺います。 また、県民健康福祉村へのドッグランの設置要望も多く頂戴しておりますが、この件については保健医療部長の答弁を求めます。 七、DX推進のカギを握るリスキリングの適用について。 社会や経済のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、担い手となるための能力を身に付ける人材育成「リスキリング」が喫緊の課題と言われています。 言うまでもなく、DXはデジタル技術を用いた単純な省人化や効率化ではなく、「社会の根本的な変化に対して、既成概念の破壊を伴いながら新たな価値を創出するための改革」であり、その影響力は業界全体に及ぶこともあります。実際、アメリカではアマゾンに代表されるインターネット物販サービスの台頭で大手の小売事業者が経営破綻したり、ネットフリックスなどの動画配信サービスの登場でレンタルDVDチェーンが倒産に追い込まれたりしています。タクシー配車サービスや民泊仲介サービスなど、デジタル技術を使って既存の業界に破壊的な打撃を与える新たなビジネスも出現しています。 それでも、総務省が二〇二一年に実施した調査によると、日本では約六割の企業がDXを「実施していない、今後も予定なし」と回答しています。取組が進まない理由として、同調査で企業の五三・一パーセントがDX推進の課題に挙げた「デジタル人材の不足」が大きいと指摘されています。 DXを企業に定着させるには、一部のデジタル人材だけでなく、複数部門の社員がデジタル技術を習得する必要がありますが、あるコンサルティング会社が二〇二一年に世界二十か国を対象に実施した調査では、日本で「職場に導入される新しいテクノロジーに順応できる自信がある」と答えた人は四二パーセントで、世界平均の八〇パーセントを大きく下回っています。さらに、日本で「絶えず新しいスキルを学んでいる」と回答した人は四〇パーセント、「雇用主から職務外でデジタルスキルを学べる機会が与えられている」と答えたのは五四パーセントで、いずれも二十か国中、最低だったそうです。 さらに、リスキリングには従業員の雇用を守る役割もあると言われています。DXの導入に伴い、不要となった業務に携わっていた人たちがデジタルに関する知識や技術を習得しなければ、大量の失業者が発生するおそれがあるためです。 他国に比べてリスキリングの取組が遅れていた日本でも、政府のデジタル田園都市国家構想で二〇二六年度までにデジタル人材を二百三十万人育成する方針を掲げました。デジタル分野の公共職業訓練の充実や企業のデジタル人材開発に対する助成金を増やすことなどが検討されています。さらに、国の総合経済対策に個人へ五年間で一兆円の投資など、リスキリング支援が盛り込まれました。 そこで、このリスキリングについて、本県の現状と今後の取組について、産業労働部長に伺います。 八、ケアリーバー(施設・里親などを巣立つ子ども)支援の拡充について。 ケアリーバーとは、児童養護施設や里親など社会的養護の下で育ち、保護(ケア)から離れた子どものことです。通常、高校卒業などを機に社会へ巣立っていきますが、自立は容易ではありません。 そこで、本年成立した改正児童福祉法では、ケアリーバーへの支援が拡充されました。虐待や貧困などを理由に親元を離れ、児童養護施設などで暮らす子どもは、従来、制度上では原則十八歳で施設や里親を離れなければなりません。しかし、十八歳での自立は極めてハードルが高く、最初は孤立して生活苦に陥るケースなどが相次いでいると報告されています。 厚生労働省が昨年四月に公表した初のケアリーバー全国実態調査では、その窮状が浮き彫りになりました。五人に一人が収入より支出が多い赤字生活であることが明らかになり、経済的な理由で進学を断念したり中退したりするケースも多いとされています。 さらに、同調査によると、過半数が民間賃貸住宅などに一人で暮らしており、家族など頼れる大人が周囲にいないことが多く、孤立しやすい状態にあります。児童養護施設の関係者によると、出身施設の職員などが相談相手になる場合もありますが、施設に遠慮をして連絡できない子や自ら接触を拒絶する子もいるそうです。 こうした実態を踏まえ成立した改正児童福祉法は、二〇二四年四月に施行される予定で、ケアリーバーの自立支援を行う児童自立生活援助事業について、最長でも二十二歳までとする年齢制限や教育機関への在籍といった援助の要件が緩和され、都道府県が必要と判断する時点まで支援を継続できるようになります。 そこで、今回の法改正を受け、本県としてどのように取り組んでいかれるのか、福祉部長に伺います。 加えて、退所後のサポート強化のため、相談や交流ができる拠点を整備する事業も、都道府県が行わなければいけない業務として盛り込まれました。本県では、二〇一九年七月に居場所事業としてクローバーハウスを運営しておりますが、更なる拡充について福祉部長の見解を伺います。 さらに、繰り返しになりますが、ケアリーバーを取り巻く環境は非常に厳しく、晴れて社会に出た後、数年で失職し、行方不明になる事例もあり、国の調査では施設や里親が所在を把握できていないケアリーバーが約七割に上るという事実が発覚しました。このことに対し、本県での実態と対応について、福祉部長に伺います。 また、ケアリーバーに対する更なる社会的認知度の向上が必要と考えます。越谷のある保険会社の所長は、社会的養護のことをもっと知ってもらいたいとの思いで活動されている中、先月、基金寄附型自動販売機の設置を希望し、実現させました。 具体的には、県の児童養護施設退所者等アフターケア事業を受託運営している一般社団法人コンパスナビと飲料メーカーの共同事業で、自販機の売上げの一部を基金としてケアリーバーの就労や自立支援活動費に充てられるものです。自動販売機には、コンパスナビのイメージキャラクターの「なびっと」とともに、「児童養護施設等を巣立った若者たちを応援します」といったテーマがラッピングされております。 このような取組などを積極的に紹介するなど、更なる社会的認知度の向上について、福祉部長の見解を伺います。 最後に、九、地元問題について。 (一)越谷レイクタウンの魅力ある水辺空間の創出について、県土整備部長に伺います。 本年九月、民間企業が発表した街の幸福度ランキング二〇二二で、越谷レイクタウンがV2を達成したとの記事がありました。越谷レイクタウンは、巨大ショッピングセンター「イオンレイクタウン」と大相模調節池の水辺空間が融合し、人口増加が続く地域であることが評価されたようです。 この大相模調節池は、独立行政法人都市再生機構が施行した土地区画整理事業の一環として整備され、北側を流れる一級河川元荒川の洪水調節機能も担っています。大相模調節池の水辺では、住民、事業者、団体等が交流し、さらに、市外からの観光客も訪れることで、地域経済の活性化を期待する声は高まっています。 一方で、私のところには、その水が臭い、ユスリカが発生し、蚊柱になっているとの苦情も寄せられています。私は、大相模調節池の水質管理に対し、住民の皆様が安心できる仕組みとして、例えば、BOD表示板のようなものを現地に設置するのもよいと考えます。 さて、越谷市は、民間事業者と連携して良好な水辺環境を創造する県の「水辺deベンチャーチャレンジ」に大相模調節池を申請し、候補箇所に登録されたと聞いております。私は、大相模調節池の「水辺deベンチャーチャレンジ」については、地域経済や環境に配慮した視点を持って進めることが大切だと思います。 そこで、越谷レイクタウンの魅力ある水辺空間の創出について、どのように進めていくのか、県土整備部長に伺います。 (二)新方川の治水対策について。 令和元年九月定例会の一般質問において、新方川流域にお住まいの多くの住民の皆様からの声をお聞きし、新方川の治水対策として大吉第二調節池の必要性も含めた総合的な治水対策について伺いました。その際は、答弁では新たな調節池を整備しなくても、既に完成した大吉調節池や現在進めている河道整備を実施していくことで、河川整備計画で想定する洪水を安全に流下させることができるとの答弁がありました。新方川では築堤や河道掘削等を実施してきており、治水安全度も向上していることは存じております。 一方で、近年の気候変動による水害の激甚化、頻発化を懸念される住民の皆様からは、新方川の治水対策に根強い要望があります。この気候変動に対応するため、流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で取り組む流域治水への転換を進めることが求められています。流域治水への転換を推進していくためにも、私自身、まず、これまで以上に河川整備を推進していくべきとの考えから、改めて新方川の治水対策について質問をいたします。 実際に私の地元越谷でも、越谷観測所において観測史上最大となる四十八時間三百一ミリメートルを記録した平成二十七年九月の関東・東北豪雨などにより、新方川流域において甚大な被害が発生しました。令和元年東日本台風においても、総雨量で県内平均三百五十五ミリメートルを記録し、市内でも浸水被害が発生しております。 そこで、流域治水への転換が求められている中で、浸水被害の軽減に向け、新方川の河川改修と中川との合流点整備についてどのように進めていくのか、県土整備部長に伺います。 以上で一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手起こる) ○武内政文副議長 二十四番 橋詰昌児議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 橋詰昌児議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、虐待ゼロをめざしてのお尋ねのうち、各関係機関との連携強化の取組についての各関係機関の連携強化の取組と、児童虐待を起こさせない社会の実現に向けた決意についてでございます。 本県における児童虐待相談対応件数は年々増加しており、令和三年度には一万七千六百六件と過去最高になっています。こうした中、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応を行うためには、児童相談所と市町村、警察、教育委員会などの関係機関が連携して取り組むことが不可欠と考えております。 本県では、市町村との連携といたしまして、市町村の要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協に児童相談所職員が参加し助言を行うことで、児童虐待への適切な対応を支援しております。また、希望する市町村に児童相談所OBを派遣し、助言、援助を行うことにより、市町村の相談や援助の技術向上を図っております。 警察との連携といたしましては、平成三十年度から虐待情報の全県共有を開始した後、令和二年一月からは新たなシステムを導入し、児童相談所と警察がより詳細な情報をリアルタイムで情報共有をしております。これにより、住民などからの通報に基づき警察が調査する際、過去の虐待履歴などを確認することができ、児童相談所による迅速かつ適切な一時保護につながっております。 教育委員会との連携といたしましては、市町村の要対協を通じて学校や教育委員会と情報共有を図り、児童虐待の早期発見、早期対応に取り組んでいます。また、福祉部と教育委員会が共同し、教職員を対象とした児童虐待防止研修を実施するほか、各児童相談所において小・中学校の教員を受け入れ、児童相談所の業務の見学や担当者との協議を行う実務研修を通じ、業務内容の理解を促し、対応力の向上を図っております。 こうした取組に加え、令和元年度からは県医師会、埼玉弁護士会など県内において児童を取り巻く様々な分野の団体の代表をメンバーとした、埼玉県児童虐待防止対策協議会を設置しております。この協議会では、関係団体の代表などが一堂に会し、児童虐待防止に関わる情報の共有や、施策への意見交換などを行っています。 私は、児童虐待を起こさせない社会の実現に向け、関係機関と連携を強化し、子供を虐待から守るという強い決意の下、しっかりと取り組んでまいります。 次に、四十八時間ルールの現状と成果についてであります。 本県では全国に先駆け、平成十一年より、四十八時間以内に児童の安全確認を行う四十八時間ルールを開始いたしました。現状として、全ての通告について四十八時間以内の安全確認を徹底しております。これにより、保護者が子供を他の人に会わせようとしない、子供の反応が不自然などのリスクが高い事例を直ちに把握することができ、その後の迅速な対応やちゅうちょない一時保護につながっております。 子供は社会の宝であります。悲惨な児童虐待事件によって尊い子供の命が失われることがないよう、児童虐待防止に全力で取り組んでまいります。 次に、子育て支援についてのお尋ねのうち、孤育て化防止対策の出産・子育て応援交付金事業のサポート体制構築による更なる子育て支援の拡充についてであります。 本県は、核家族世帯が五八・六パーセントと全国でも第三位の高さになっているため、子育て中の夫婦は親からの援助を受けにくく、孤立感や不安感を抱く妊婦や子育て家庭が少なくないことがうかがえます。そのため、全ての妊婦、子育て家庭が安心して出産、子育てができる環境整備が重要です。 今回、国で創設された出産・子育て応援交付金は、妊娠期から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援の拡充や、出産育児関連用品の購入費等への経済的支援を一体的に行うものであります。本事業は、令和四年度に出産された方から対象となるため、県では市町村が子育て支援交付金事業を速やかに実施できるよう、今議会で関係予算を追加提案させていただく予定でございます。 今後は、市町村が円滑に事業を開始できるよう、早急に市町村に対し説明会や相談に携わる職員のスキルアップのための研修を行うなど、市町村のニーズをくみ取りつつ、しっかりと丁寧なサポートを行ってまいります。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 橋詰昌児議員の御質問一、虐待ゼロをめざしての(二)埼玉県虐待通報ダイヤル「#七一七一」についてお答え申し上げます。 県では、虐待のない社会を目指して、平成三十年十月から県民からの通報を二十四時間三百六十五日いつでも受け付ける「#七一七一」を運用しています。令和三年十月からは、通話料を無料化するなど、より通報しやすい仕組みに改善したところです。ダイヤルの周知につきましては、日頃からの広報に加え、毎年七月を虐待ゼロ推進月間として集中的な広報を行っています。 主な取組といたしましては、県内主要駅や金融機関、スーパーなどへのポスター掲示のほか、県や市町村の広報紙やラジオ、SNSなど様々なメディアを活用して情報を発信しています。また、七月十二日には大野知事をはじめ、県議会議員の皆様にも御協力を頂き、浦和駅や南越谷駅、熊谷駅の駅頭で啓発活動を実施し、県民の皆様に「#七一七一」のPRと虐待の防止を直接呼び掛けました。さらに、今年度からは包括連携協定を締結している携帯電話事業者に御協力を頂き、啓発用ティッシュの配布など店舗での周知を行っております。 多くの県民に「#七一七一」を知っていただくためには、行政による周知に加え、こうした民間企業との連携を図ることが重要と考えます。今後は、包括連携協定を締結している企業などに対し、更に協力を呼び掛けるなど周知拡大に取り組んでまいります。 次に、御質問四、手話通訳者の育成と処遇改善についてのうち、手話通訳者の雇用形態の現状と正規雇用への拡大の取組についてお答え申し上げます。 県が手話通訳者の派遣や養成を委託している埼玉聴覚障害者情報センターでは、手話通訳者を八人配置しており、いずれも正規職員で非正規職員はおりません。この職員のほか、登録手話通訳者として百三人が登録されており、県内各地から聴覚障害者が集まる広域的なイベントでの通訳や、自前で手話通訳者を派遣できない市町村のバックアップなどを行っていただいております。また、市町村や市町村社会福祉協議会では、正規雇用三十八人、非正規雇用三十一人が配置されており、このほか、登録手話通訳者として三百八十六人が登録されております。 聴覚障害者の日常生活を安定的にサポートするためには、各市町村において手話通訳者の正規雇用を進めることも一つの方策と考えます。今後は、安定的な手話通訳者の確保のため、市町村の会議の場などを通じて各市町村に対し正規雇用化を働き掛け、聴覚障害者が地域で安心して暮らせるよう取り組んでまいります。 次に、手話通訳者の平均年齢についてでございます。 埼玉聴覚障害者情報センターで活動する手話通訳者の平均年齢は、令和二年四月現在で約五十歳となっております。 次に、若手の育成についてどのように取り組んでいるのかについてでございます。 若い手話通訳者を増やしていくためには、より多くの方に手話に対する普及啓発を行い、裾野を広げていくことが重要と考えております。 そこで、県では、県内の小学校や公民館などで手話普及リレーキャンペーンを実施し、小学生や地域住民に手話の普及啓発を図る取組を行ってまいりました。また、手話通訳者は高度な技能が要求されることから、経験の浅い若い方を支援するため、本格的な養成講座の受講前にスモールステップで基本技能が習得できる講座を実施しております。さらに、登録試験の最終合格に至らない方を准通訳者として活動していただく制度も導入しております。 今後は、県内の大学手話サークルなどと連携して手話への理解を深めるイベントを開催するなど、多くの若者が手話に興味を持ち、手話通訳者を目指していただけるよう取り組んでまいります。 次に、御質問八、ケアリーバー支援の拡充についてのうち、児童自立生活援助事業について、法改正を受けどのように取り組んでいくのかについてお答え申し上げます。 児童自立生活援助事業は、児童の自立支援を図るため、自立援助ホームで共同生活を送りながら相談や日常生活の援助、生活指導及び就業の支援を行う事業です。令和四年六月十五日に公布された改正児童福祉法では、最長二十二歳とする年齢要件が弾力化され、都道府県が必要と判断する時点までこの事業を活用して、同じ施設や里親の元で自立支援を受けることを可能にするなど、要件が緩和されました。 国では、都道府県が必要と判断する時点について、令和六年四月一日の法施行までに一定の考えを示すとしています。県といたしましては、国の考え方を参考にして、施設等の関係者とこの事業の運用について協議しながら、児童の自立支援の充実に取り組んでまいります。 次に、クローバーハウスの更なる拡充についてでございます。 クローバーハウスは県が設置し、一般社団法人コンパスナビに運営を委託して、相談対応や交流機会の提供などを通じて施設退所者などのアフターケアを行っております。改正児童福祉法によって、施設退所者等に対する自立支援の提供体制の強化が図られ、新たに生活支援、自立に関する相談等を提供する社会的養護自立支援拠点事業が創設されました。県としては、こうした事業を活用して、今後このクローバーハウスの拠点としての機能を拡充していきたいと考えております。 次に、所在が把握できていないケアリーバーの本県の実態と対応についてでございます。 本県では、令和元年度から各児童養護施設に依頼し、施設退所後、少なくとも三年間は継続して退所者の就労や就学状況を確認する取組を行っております。また、児童が施設を退所する際には、生活や就業に関する相談先や支援内容をまとめた冊子を渡しています。令和四年度に実施した県の調査では、議員お話しの全国調査とは異なり、調査の対象が高校を卒業した施設の退所者にはなりますが、全く連絡が取れない退所者は約一割となっております。 今後も、クローバーハウスを通じ、出身の施設以外においても生活支援や就労など様々な相談ができる機会を提供し、退所者が孤立しないよう取り組んでまいります。 次に、社会的認知度の向上についてでございます。 議員お話しの取組は、ケアリーバーの支援につながる意義のある活動であり、社会的認知度を高めることにつながると考えます。ケアリーバーを社会全体で支えることは、誰一人取り残さない「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に寄与するものでございます。 このため、まずはコンパスナビや児童養護施設等からケアリーバーに対する支援事例などを広く収集してまいります。こうした事例を子供の未来を応援する企業や団体、個人で構成する「こども応援ネットワーク埼玉」、こうした団体を通じてSNSで発信するなど情報発信に工夫を加え、ケアリーバーの社会的認知の向上に取り組んでまいります。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 橋詰昌児議員の御質問二、子育て支援についての(一)孤育て化(孤立した状態の育児)防止対策についてのうち、産後事業に取り組む人材の育成を図る研修の実施についてお答え申し上げます。 産後に寄り添った支援を行うことは、産婦の身体的な回復や心理的安定、育児技術向上にもつながり、非常に重要であると認識しております。 産後の支援を行う事業には、助産師等の専門職が中心となり実施する産後ケア事業のほか、地域のNPO法人や子育て経験者等による訪問支援を行う産前・産後サポート事業、家事・育児等に不安を抱えた家庭への支援を行う子育て世帯訪問支援臨時特例事業などがございます。事業の実施に当たっては、実施主体である市町村がそれぞれの地域の実情に応じて、産後ドゥーラをはじめとする様々な民間団体を活用し、事業を展開しているところです。 県では、市町村を支援する立場から、県内のどこにお住まいでも充実した産後の支援が受けられるよう、産後の支援に携わるスタッフの研修について市町村とともに検討してまいります。 次に、御質問六、県営公園等県有施設へのドッグランの整備拡大についてのうち、県民健康福祉村へのドッグランの設置についてお答え申し上げます。 県民健康福祉村は、県民の健康の保持及び増進を図るために各種運動施設等を整備し、運動や休養の場、健康づくりについての学習の機会を提供するという趣旨で造られたものです。施設内は、西側は野鳥も訪れる修景池、東側は小さな子供たちが集う冒険広場、中央には各種運動施設や憩いの場である大芝生広場等がバランスよく配置され、県民に快適に御利用いただいております。 ドッグランを整備するには、その機能を十分に果たすための一定の広さが必要になりますが、こうしたバランスを維持しながらドッグランを設置するだけの広さを確保することは、困難な状況と考えます。 今後も、県民の健康づくりの拠点としての機能を果たせるような施設運営を行ってまいります。       〔板東博之産業労働部長登壇〕 ◎板東博之産業労働部長 橋詰昌児議員の御質問二、子育て支援についての(二)産後パパ育休(男性育児休業)の取得促進についてお答え申し上げます。 男性の育児休業取得の推進は、従業員のワーク・ライフ・バランスを向上させるだけではなく、働きやすい職場環境の整備につながります。 議員お話しのとおり、今年の十月から出生時育児休業、いわゆる産後パパ育休が施行されました。国では、男性育休の取得が進むよう助成金制度を設けるほか、相談窓口として育児休業・産後パパ育休特別相談窓口を設置しました。 県でも、企業や働く方に情報が行き渡るよう、埼玉版働き方改革ポータルサイトで人事担当者向けのマニュアルや男性育休取得のポイントをまとめた動画を紹介していますが、議員御指摘のとおり、必ずしも十分に企業に周知されているとは言えません。そのため、今後、国と県が連携して、それぞれの取組を相互に発信するなど、一層の制度の周知に取り組んでまいります。 また、育児休業の取得が進むためには、まずは経営者が育児休業取得に前向きであるというメッセージを自ら発信することが必要です。そこで、経営者への働き掛けとして、来年二月にセミナーを開催し、企業のイメージアップや業務の効率化など、育休取得推進が経営にもたらす効果などについて紹介する予定です。 今後も、育児休業が取得しやすい職場環境づくりが進むよう、制度の周知徹底を図り、きめ細やかな支援をしてまいります。 次に、御質問七、DX推進のカギを握るリスキリングの適用についてお答え申し上げます。 人口減少社会の到来や原材料価格の高騰など経営環境が大きく変化する中で、企業がその変化に適切に対応していくためには、DXを進め、生産性や競争力を高めることが重要です。経営者はDXの重要性を理解し、推進しなければなりませんし、また、働く方もDXに適用するためのスキルアップを図らなければなりません。 しかし、現状は、県内中小企業への四半期経営動向調査において、DXの課題として「何をどう進めていいか分からない」と回答した企業が三五・一パーセント、「DXを担う人材がいない」が三四・三パーセントでありました。 このため、県では、DX推進支援ネットワークを立ち上げ、経営層に対し、デジタル人材の育成など経営課題の解決に向けたDXの活用を働き掛けるとともに、働く方に対してはDX推進講座を用意し、リスキリングを支援しております。この講座は、働く方のレベルに合わせ、デジタル技術を無理なく体系的に習得できるよう、基礎と応用をパッケージ化しつつ、企業ニーズを踏まえた「受発注・在庫管理の電子化」など、四十八の講座をオンライン形式で開講しております。また、県の高等技術専門校では、AI、IoTなどデジタル分野を中心に在職者向け訓練を実施するほか、企業の要望に応じたオーダーメード型訓練により、企業の現場におけるリスキリングを支援しております。 今後、更に社会情勢の変化やデジタル技術の進展に伴い、企業で必要とされるDXの内容やスキルも変わっていくことが想定されます。常にその動向を見極めながら、企業のDXを促進し、職業訓練におけるデジタル分野の比率を高めつつ、働く方のリスキリングを支援してまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 橋詰昌児議員の御質問三、児童・生徒への自殺予防の取組についてお答え申し上げます。 まず、(一)精神不調アセスメントツールの導入についてでございます。 児童・生徒の自殺を予防するためには、子供たちの心の不調を早期に発見することが重要であり、精神不調アセスメントツールはその効果的なツールの一つであると捉えております。 議員お話しの自殺リスク判定ソフトは有料であるため、県ではこのソフトを開発した東京大学大学院教授の協力を得て、同様の効果が期待できる新たなアセスメントツールを開発し、県で指定した推進校において研究を進めております。このツールは、一部の児童・生徒だけでなく全ての児童・生徒を対象に、タブレット端末等を活用して一次スクリーニングを無料で実施することが可能です。 一方で、自殺のリスク等を把握した場合には、学校が関係機関と連携して適切に支援することも同時に必要となることから、実施前に校内の体制を十分に構築しておくことが重要です。そのため、まずは県で指定した推進校において効果を十分に検証した上で支援体制を整え、県内の学校にこうした取組を広く周知し、ツールの活用を促進していくことを目指しております。 引き続き、かけがえのない子供たちの命を守るための取組を積極的に推進してまいります。 次に、(二)トイレットペーパーに相談ダイヤルを印字する取組についてでてございます。 議員お話しのとおり、生徒が日常的に利用し、一人だけになる個室トイレ内で相談窓口を案内することは周知方法の一つと考えます。山梨県の取組は今年度限りの取組であり、配布も県内の大学十二校に限るものと伺っております。 約百四十校ある県立高校において、トイレットペーパーに相談窓口を印字する取組を継続的に実施するためには、多額の予算が必要となるため、まずは、トイレ個室内の壁面や昇降口など生徒の目に留まる位置に相談窓口の案内を掲示するといった取組を進めていきたいと考えております。 引き続き、悩みや不安を気軽に相談できる環境を整えながら、生徒が安心して過ごすことのできる学校づくりに取り組んでまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 橋詰昌児議員の御質問五、グリーンボンドなどESG債の発行拡充についてお答え申し上げます。 本県は、今年九月に都道府県で初めてとなるサステナビリティボンド「埼玉県ESG債」を発行しました。発行額百五十億円に対し、約四倍もの購入意向があったことに加え、埼玉版SDGsを全県的に推進してきたこともあり、十四のSDGsパートナー企業にも御購入いただきました。 また、県に対してESG投資の更なる拡大を求める県民の声も増えてきていることから、温暖化対策などSDGsに関心の高い個人投資家からも一定のニーズがあるものと思われます。個人投資家向けの債券につきましては、本県では県政への参画意識を高める観点などから、県民に身近な道路づくり等を対象に、平成二十七年度まで年間約二百億円規模で発行してまいりました。しかし、近年の低金利による投資意欲の低下などから、売れ残りのリスクが顕在化し、平成二十八年度から発行を中止しています。 今年に入り、国内の債券金利は上昇傾向にあり、個人の投資環境は整いつつありますが、従来の規模感で個人投資家のみから資金を調達することは難しいと考えております。そのため、まずは埼玉県ESG債の発行額の一部を個人向けに設定し、埼玉版SDGsの理念の浸透や資金調達先の多様化を図る観点から、埼玉県ESG債の個人投資家向けの発行について検討してまいります。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 橋詰昌児議員の御質問六、県営公園等県有施設へのドッグランの整備拡大についてお答え申し上げます。 ペットと暮らす方の増加に伴い、ペットを自由にかつ安全に遊ばせることができるドッグランへの期待が高まっています。 議員お話しの二つの県営公園については、公園の利用状況や周辺環境など一定の条件が整ったため、ドッグランを設置しました。公園内での放し飼いなど、犬をめぐる事故やトラブルが減少し、一定の効果が出ています。 一方で、スタッフが不在の場合、排せつ物の放置や大型犬エリアに小型犬を入れてしまうなど、利用者のマナー違反が発生する問題も起きています。現在は、指定管理者が利用者に呼び掛けを行うほか、ボランティアによる清掃などの工夫で対応していますが、解決には至っていません。 新たな公共の空間を整備した際は、利用者がお互いに安心かつ快適に御利用いただく環境となるまで改善していく必要がございます。このため、現時点では設置済みの公園の課題に対処することが先決であると考えております。その上で、利用上のルールやスタッフの確保など、運営に必要な基本的な考え方を整理し、新たなドッグランの設置の可能性について検討してまいります。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 橋詰昌児議員の御質問九、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)越谷レイクタウンの魅力ある水辺空間の創出についてです。 越谷レイクタウンにある大相模調節池は、年間五千万人が訪れる大型ショッピングモールに隣接し、県内でも利活用のポテンシャルが最も高い水辺空間の一つです。水辺deベンチャーチャレンジは、県、地元市、地域住民、民間事業者等が連携し、環境、社会、経済の三側面で地域のにぎわいづくりに取り組むこととしています。 大相模調節池については、令和三年十二月に越谷市が申請し、令和四年一月に県が事業候補地に登録しました。これを受けて、越谷市は地域と連携して、水辺空間を活用したい民間事業者を公募し、令和四年六月に共に進めるパートナーとしてイオンモール株式会社を決定しました。事業者からは、水辺に張り出すデッキと一体の商業施設整備や、環境への意識を高めるイベント開催などの御提案を頂いております。 今後は、県、越谷市、地域住民等による協議会において、民間事業者の提案に加え、水質など環境への視点も含めた地域の声を反映し、利活用計画を策定します。その後、利活用計画に基づき、県は河川管理施設、民間事業者は商業施設の設計や工事を進めます。 引き続き、地元越谷市、地域住民、民間事業者等と連携して、越谷レイクタウンの魅力ある水辺空間の創出に努めてまいります。 次に、(二)新方川の治水対策についてです。 現在、新方川では国道四号の戸井橋から上流約二・八キロメートル区間の河川改修を進めています。東武鉄道の橋りょう架換えと関連する護岸工事については、今年九月に完成しました。今後は、令和四年度中に鉄道橋下流の大枝人道橋と上流の市道橋の架換えに着手するとともに、引き続き、河道の拡幅や護岸整備などを進めてまいります。 また、中川との合流点整備についてですが、国では中川・綾瀬川河川整備計画の策定に向け、合流点の処理方法も含め検討を進めているところです。県としては、県管理河川への影響を見極めるとともに、合流点処理対策の早期着手を要望してまいります。 これに加えて、議員御指摘のとおり、近年の頻発化、激甚化する水災害を受け、あらゆる関係者が協働し、治水対策を進める流域治水への転換が全国的に始まったところです。これを受け、令和二年度には国、流域自治体、企業等で構成される流域治水協議会において、中川・綾瀬川流域治水プロジェクトが策定され、流域全体が一丸となって流域治水を推進していくことになりました。 今後は、河川改修に加え、流域治水の観点を踏まえながら、新方川流域における浸水被害軽減に努めてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。午後二時四分休憩          ----------------午後三時再開 出席議員    八十二名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十九番  四十一番   四十二番  四十三番  四十四番  四十五番   四十六番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十六番  八十七番   八十八番  八十九番   九十番  九十一番   九十二番  九十三番 欠席議員    四名   三十八番   四十番  四十七番  七十一番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○中屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○中屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 五十九番 山根史子議員       〔五十九番 山根史子議員登壇〕(拍手起こる) ◆五十九番(山根史子議員) 五十九番、埼玉民主フォーラムの山根史子です。 議長のお許しを頂きましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず初めに、人工妊娠中絶に関する精神的・身体的な支援についてお伺いさせていただきます。 私は、これまでの一般質問の中で妊娠に関する項目を数多く取り上げてきたと思います。特に、性教育の重要性を訴えてまいりました。それは、予期せぬ妊娠による悲しい結果を目の当たりにしてきたからです。 妊娠をすれば、女性の体は大きく変化します。お腹に自分がいないと育たない、いとおしい生命力を感じます。それが母性というものなのかと、私自身も我が子を身籠もったときに感じました。 しかしながら、妊娠しても病気や経済的事情、様々な理由によって産むという選択がかなわず、中絶を選択される方はいます。その悲しみは計り知れません。若くして中絶を経験し、何十年たっても後悔と罪悪感を背負って生きていらっしゃる方がいます。 予期せぬ妊娠を防ぐためにも、性教育は重要です。避妊や性病などについて、生理が始まる年頃より前から男女共に学ぶべきだと思っています。 埼玉県では、学校における産婦人科医や助産師等の外部講師を招いた出前授業、ホームページによる周知や思いがけない妊娠に関する相談窓口「にんしんSOS埼玉」などの相談窓口を設けています。では、中絶を考えている方、中絶を経験され精神的に苦しみをお持ちの方が相談できるところはどこなのか。現在のところ、にんしんSOS埼玉、埼玉県不妊症・不育症等ピアサポートセンター「ふわり」の中で相談ができるようです。 しかし、埼玉県不妊症・不育症等ピアサポートセンター「ふわり」は、その名称からも不妊症や不育症のように妊娠を願っている方のための相談窓口をうたっています。そこに中絶に関する相談を行うのは、中絶をし罪悪感を抱えている方にとっては、とてもハードルが高いように思います。 令和三年度子ども・子育て支援推進調査研究事業の「子供を亡くした家族へのグリーフケアに関する調査研究」によると、「人工妊娠中絶により子供を亡くした女性及び家族の悲嘆は深く、その影響は長期にわたることが改めて確認された」とあります。また、多くの人が支援を必要としておりますが、その一方で、支援を求める人たちに必ずしも必要な支援が届いておりません。さらに、支援体制においても地域差があることも分かりました。 中絶を経験された多くの方は、その後、赤ちゃんにまつわる全てを、見るのも、耳にするのも、何て自分は最低な人間なんだと、そのたびに思い知らされるようで、とてもつらいと聞きます。悲しみの失意を経験し、それでも未来を歩む生きる力を取り戻すためには、精神的ケアが必要だと思います。 また、人工妊娠中絶後、通院の意欲が失せる方もいます。身体的ケアを放置すれば、将来的に影響を及ぼすこともあります。 さらに、人工妊娠中絶を考えている方、経験された方の中には、周囲にほとんど知らせず、誰にも相談できずにいる方が多くいます。そのため、人工妊娠中絶について得たい情報を御自身で収集されます。それが正しい情報なのかどうか、不安を抱えたまま、そのときを迎える方もいます。 そこで、知事に三点質問させていただきます。 一点目、人工妊娠中絶を考えている方、経験された方の身体的ケアや罪悪感等への精神的なケアについて、埼玉県の支援状況をお伺いいたします。 二点目、相談窓口の設置については、人工妊娠中絶を考えている方、経験された方にも配慮したものにしていただきたいと思います。御見解をお伺いいたします。 三点目、埼玉県として人工妊娠中絶に関する正しい情報を必要な方へ提供していただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。 次に、眼病の早期発見を目的としたヘルスケアについてお伺いいたします。 人間の情報の約八〇パーセントは視覚から入ると言われております。人生百年時代を迎え、人生の後半も豊かに過ごすためには、自分の目を大切にし、高齢になっても視力を保つことが重要です。 しかし、情報社会の進展とともに、目に対するストレスも激化の一途をたどっています。自宅でも、職場でも、情報端末機器に囲まれ、移動中にはスマートフォンをずっと見続ける光景は、既に日常のものとなりました。 また、平均寿命の延伸により、加齢に伴う疾患も多くなっています。しかし、眼病への社会的関心は、特に、現役世代ではいまだに低い状況にあります。私の三十代の友人は、網膜はく離と診断され、失明の可能性があるものだと説明を受けたそうです。友人は、まさかこんなに若くして失明の危機が訪れるなんて想像していなかったと、検診を怠っていたことに後悔をしていました。 厚生労働省などが平成二十七年度に実施した視覚障害の実態調査結果によれば、視覚障害の原因疾患は第一位が緑内障で二八・六パーセント、第二位が網膜色素変性で一四パーセント、第三位が糖尿病網膜症で一二・八パーセントとのことです。 特に、緑内障が占める割合は、平成十九年度に実施した前回調査結果に比べて七・六パーセントも増え、男女共に原因疾患の第一位となっております。緑内障は、一度進行してしまうと治療をしても視力を回復することが難しい疾患です。そのため、できるだけ早期に発見し、治療を開始することが重要ですが、進行するまでの自覚症状が出にくいため、緑内障にり患している方の約九〇パーセントは未治療だと言われています。 また、糖尿病網膜症も糖尿病になり何年もたってから発症します。網膜症の初期には自覚症状がほとんどありません。 そのため、これらの眼病をできるだけ早期に発見し、早期に治療を開始することが重要です。そこで、眼病予防の重要性を啓発することにより、症状を自覚していなくても目の検診を定期的に受けるよう促していく必要があると考えますが、保健医療部長の御見解をお伺いいたします。 次に、介護離職の防止についてお伺いいたします。 働きながら介護を担う方について、介護の負担を軽減する支援策の拡充ができないかという観点からお伺いいたします。 日常的な介護には、専門的な部分について介護保険制度に基づくサービスを活用できます。しかし、この日常的な介護の中には、サービスを利用するための事務手続や病院への送迎、入所でない限り自宅での世話などが含まれます。 私自身もシングルマザーとして、働きながら実の両親の介護を行う立場です。これまで会派の皆様、県議会の皆様から本当に温かい御理解を頂き、おかげさまで一昨日、父を自宅で看取ることができました。心から感謝申し上げます。 さて、自宅での介護を経験する中で、入退院の対応はもちろん、介護認定の手続の説明などのために、その場に行く時間を確保することが、まず困難というのが実感です。訪問介護を依頼するに当たり、介護保険の給付として支援が受けられる内容かどうかを判断する際にも、一人では大いに悩みます。働きながら、これをいつまで続けられるかと不安になる気持ちは、痛いほど分かります。 また、埼玉県男女共同参画基本計画では、家庭生活での役割分担のうち、介護について主として男性が行っている場合が一・九パーセント、主として女性が行っている割合が二三・六パーセントと示されています。介護サービスを利用する部分を除くと、女性の負担は依然として大きい状況です。家事や子育てと同様、家庭内のことは女性にという意識が根強く残る分野と言えます。 この計画においても、女性の就業率を二〇二六年に向けて引き上げていくことを目標としています。しかし、団塊の世代が全員後期高齢者となり、以後、要介護の割合が急激に上がる二〇二五年よりも前から、女性を中心に介護離職が一層大きな問題になるのは疑いのないことだと思います。 介護保険制度は、基本的に保険者である市町村によって担われますが、県にはこれをバックアップする立場から、そして、社会のDX化を推進する観点からも、積極的な役割を期待します。例えば、認定手続のオンライン化、ケアマネジャー等による相談体制の多様化・オンライン化など、利用者や家族の負担を軽減し、介護離職の防止にも役立つ取組を進めるよう市町村を支援することはできないでしょうか。福祉部長にお伺いいたします。 次に、暴力団離脱者等の社会復帰支援についてお伺いいたします。 いかなる事情があっても、犯罪行為は許されるものではありません。しかしながら、青少年の暴力団等の反社会的勢力への加入の背景には、家庭、学校、地域のそれぞれが抱えている問題が複雑に絡み合っているとされています。 一旦、暴力団等の反社会的勢力に加入した場合でも、更生し、一生懸命働こうという気持ちがあるなら、受け入れる側も手を差し伸べる必要があると思います。暴力団等の構成員数は、平成十六年末の八万七千人をピークに、令和三年には二万四千百人まで減少しています。しかし、判断力に乏しい青少年のうちに反社会的勢力に引き入れられた場合、一度は離脱した後も、就労ができないなどの理由から地域社会に溶け込めず、居場所を求めて再び暴力団等に加入してしまうケースが少なからずあるのではないでしょうか。 特に、それまで社会経験がなかった若者は、自分自身を新しい生活、環境に定着させていくまでに一定の期間と精神的なよりどころを必要とすると考えます。せっかく更生を目指している者でも、うまく新しい環境になじめなかった場合、結局、犯罪行為に再び手を染めてしまうことになりかねず、それは本人にとっても、家族や友人、地域にとっても不幸なサイクルとなります。 さて、埼玉県では、警察本部による暴力団排除の取組として、公益財団法人埼玉県暴力追放・薬物乱用防止センターと連携して社会復帰対策を行っていると伺っています。暴力追放センターでは、暴力団から離脱しようとする人や、離脱して社会復帰を目指す人に対する就労を中心とした支援活動を行っています。この取組が社会的な更生を目指す方々の言わば駆け込み寺として一層有効に機能してほしいという思いから、警察本部長に二点お伺いいたします。 一点目、暴力団等の反社会的勢力から離脱しようとする者にとって、県警本部や暴力追放センターに赴くことは、いささかプレッシャーを感じるのではないでしょうか。また、警察署では敷居が高く、行きづらいのではないかと考えます。本制度の更なる周知と相談者がアクセスしやすい環境づくりが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。 二点目、暴力団離脱者等のうち、特に、社会経験の少ない若者に対しては、就労により生活基盤を安定させることに加え、暴力団等に逆戻りさせないためのスムーズな社会復帰に向けた総合的な支援が有効ではないかと考えます。具体的には、職業訓練へのつなぎ、住居の確保、当座の資金繰り、不当な請求などに対する法律上の整理や各種の行政手続などに関する支援です。検討の可能性も含め、御所見をお伺いいたします。 次に、二十歳未満の飲酒防止に向けた取組についてお伺いいたします。 これから年末年始を迎えるに当たり、家の外での飲酒の機会も増えてくると思われます。コロナ禍で抑制された時期が長かった分、反動で羽目を外してしまう方も多いのではないでしょうか。健康被害が心配されます。 特に、二十歳未満の飲酒については、脳の萎縮や第二次性徴の遅れ、アルコール依存症のリスクの高まりなど、心身の発育への影響が指摘されています。精神的にも未成熟な二十歳未満の飲酒を防ぐには、本人への働き掛けはもちろん、周囲の大人の監視の目を増やし、社会が二十歳未満の飲酒を抑止する仕組みを作っていくことが重要です。 令和五年度に予定されている埼玉県依存症対策推進計画の見直しに当たっては、二十歳未満の飲酒防止に向けた年齢確認の推進を盛り込むとともに、事業主側の意見、要望などを把握し、参考にしながら見直しを図るべきだと考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。 次に、二十歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律には、飲酒した二十歳未満本人に対する罰則はない一方で、お酒を売った店や提供した店には重い罰則があります。これについて事業者の方から切実な御相談を頂くことがあります。 例えば、スーパーマーケットのレジ担当の方から伺う話では、バーベキューをするであろう若者客が団体でお酒などを購入され、その中には二十歳未満と思われる方がいることがあるそうです。しかし、レジに並ぶのは二十歳を過ぎている方なので、形式的には年齢チェックをクリアすることができます。人数に比べてソフトドリンクの数が少ないなど、二十歳未満の方の飲酒が疑われるケースもあります。また、証明書の偽造が意外によくあるそうです。生年月日の記載部分を修正したコピーを提示されることもあり、これを見逃し、何かあったときには店側の責任が問われるのではないだろうかと不安を感じられています。 事業者の方は、ふだんから年齢確認について強く指導を受けていることもあり、しっかり確認しなくてはならないと責任を感じています。その一方で、二十歳未満とはいえ、相手によっては暴力的で年齢確認がしづらい状況もあります。年齢確認をめぐるトラブルが飲食店などにとって大きな負担となっております。 二十歳未満の飲酒を抑止する仕組みの前提として、店頭での年齢確認がトラブルにならないように、年齢確認を受けることは当たり前という環境づくりが必要です。県においても、二十歳未満の飲酒防止のための年齢確認が必須であるという認識が、社会に共有されるような啓発活動を行うべきではないでしょうか。県民生活部長にお伺いいたします。 次に、現役世代のがん患者に対する支援についてお伺いいたします。 先日、私の友人の夫ががんで亡くなられました。その方は経営者であり、金銭的にも余裕があると感じていました。しかし、最期を迎える頃には、友人である妻が医療費や生活費全てを支えることとなり、金銭的にも苦しまれていたように思います。また、仲が良い御夫婦でしたが、がんの終末期になると思うように動かない体にいらいらを募らせ、つい妻に八つ当たりをしてしまう御主人と、疲労困ぱいの中でも逃げるという選択肢もなく、御主人に誠心誠意尽くされている友人の様子に、もどかしさを感じました。 本年三月に国立がん研究センターが実施した調査等によると、がん患者が人生の最期を迎えたい場所として五割以上の方が「自宅」と回答しています。「自宅」と回答した理由には、「住み慣れた場所で最期を迎えたい」「家族などとの時間を多く過ごしたい」などが挙げられています。人生の最期を住み慣れた自宅で家族と共に過ごしたいという切実な思いを是非かなえたいと思いますが、十八歳から三十九歳までの若年がん患者については、小児がん患者の医療助成制度や介護保険サービスが利用できず、ほとんど支援策がない状況です。 そこでお伺いいたします。 県は、若年がん患者の終末期についてどういった課題があると認識しているのでしょうか。また、今後その解決に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか。保健医療部長のお考えをお尋ねします。 次に、JR川越線荒川橋りょうの複線化についてお伺いいたします。 JR川越線荒川橋りょうの複線化については、これまでに会派を超えて、地域をも超えて、県民からの強い要望から、多くの議員がこの課題に取り組んでいます。その大前提には、埼玉県の発展があるからです。 埼玉県では、県主導でJR川越線荒川橋りょうの複線化仕様での架換えに関する協議会が設置され、架換えの仕様について複数案から最も総合評価の高いものを導き、協議会としての方向性が確認されました。この協議会は、あくまでその名称のとおり、荒川橋りょうの複線化に向けてどのような仕様での架換えが良いのかを協議することに特化したものですので、架換えについて一定の方向性が確認されたとすることは理解できなくもありません。 一方で、架換えによる複線化は困難、単線の方が適切という方向性だったため、県民の方の中には気落ちしている声も私の下に届いております。しかしながら、JRの見解では、将来、利用人員が増えたときには複線化の検討の可能性はあるとも示されています。私としては、まだまだ希望はあると思います。 県民の最終目的である複線化のためには、利用人員の増加につながるまちづくりは重要な要素であります。川越市の玄関口である南古谷駅周辺には、幕張メッセ級の広大な敷地を有しております。また、川越駅の先、西川越駅、笠幡駅についても、新たな拠点形成の可能性を持つ魅力的な地域です。 協議会がこれまで蓄積してきた議論等は得難い財産です。それを踏まえて、今後、沿線のまちづくりをはじめ、複線化に向けて利用人員の増加につながる取組を進めていくべきではないかと考えます。企画財政部長の御見解をお伺いいたします。 次に、県立高校の再編整備についてお伺いいたします。 埼玉県教育委員会では現在、県立高校の再編整備に取り組んでおり、令和十一年四月をめどに現在百三十四校ある全日制高校を百二十一校から百二十四校程度にする計画です。少子化により生徒数が減少している現状を踏まえると、県立高校の特色化や活性化を図る再編整備を進める必要性は理解できなくはありません。 その一方で、第二期実施方策の策定に先立ち、本年七月から八月にかけて実施された県民コメントでは、様々な懸念が上がっております。再編整備に伴って統合される高校を進学先として考えている生徒の行き場がなくなり、ほかの高校を選ぶと通学の負担が増えるなど、寄せられた懸念の声からは切実さが伝わってきます。 県民のコメントを見ても分かるとおり、高校の再編整備は生徒のみならず、保護者や地域など様々な方面に大きな影響を与えるものです。再編整備が必要な施策であったとしても、これを進めるに当たっては生徒、保護者、地域、その他関係する方々の理解を得ながら慎重を期するべきであると考えます。 そこで、今後の再編整備についてどのように進めようとしているのか、教育長のお考えをお伺いいたします。 次に、不登校特例校に関する支援についてお伺いいたします。 このコロナ禍で、全国的に不登校児童生徒数が増加傾向にあります。国の調査によると、埼玉県でも公立学校における不登校児童生徒の数は、小学校が三千二百四十四人で前年度から二三・六パーセントの増、中学校が七千九百三十四人で前年度から二五・七パーセントの増となっており、大幅に増加している状況です。 不登校については、小・中学校学習指導要領では、多様な要因・背景により結果として不登校状態になるもので、取り巻く環境によってはどの児童生徒にも起こり得ることであり、その行為を問題行動と判断してはならないとしています。一人一人に寄り添った学びを提供する不登校特例校やフリースクールに通える環境づくりが重要だと考えます。 不登校特例校は、現在全国に二十一校あり、そのうち公立学校は十二校です。しかし、埼玉県内にはありません。 公立の不登校特例校では、令和三年四月に開校した岐阜県岐阜市草潤中学校が、個に合わせた学びを徹底重視するという教育方針で注目されております。同校は、「学校らしくない学校」をコンセプトに、「ありのままの君を受け入れる新たな形」をキャッチフレーズにしています。自分の新たな良さを発見できるように、音楽、美術、技術・家庭を一つにまとめた「セルフデザイン」という教科を新設しました。それは一人一人の興味、関心に合った学習として、JAぎふの人々との野菜づくりや地元洋服店のオーナーによる被服学習の支援など、人や社会とのつながりを体験できる学びの場とのことです。埼玉県にも、このような不登校特例校が必要ではないでしょうか。 本年九月定例会で教育長は、「不登校特例校を含む多様な教育機会の充実に関する研究を行うためのモデル事業として、戸田翔陽高校内に不登校生徒支援教室「いっぽ」を開設した。不登校特例校の設置や全県的な拡充については、まずはこの事業を二年間実施し、その結果を検証した上で検討していく」と答弁されています。 国は、不登校特例校の設置に当たり、開始予定時期の一年以上前からの協議を求めています。県のモデル事業の検証が終わった令和六年度から動き出した場合、協議の準備期間を考えると、特例校の開校は早くても令和八年度以降となるのではないでしょうか。埼玉県で不登校に悩む児童生徒たちは、その間、選択肢のないまま取り残されることとなります。少しでも早く開校されるよう、取組を早めるべきではないでしょうか。 また、十一月十八日の朝日新聞の記事によると、「不登校特例校進まぬ埼玉」の表題の下、本年度の県教育委員会の調査で不登校特例校の設置を検討している市町村はゼロ、四十の自治体で「予算の確保」を主な課題に挙げたとのことです。 一方で、文部科学省では、自治体の不登校特例校の新規設置を後押しするため、ニーズ調査などの経費に関する補助を令和五年度予算の概算要求に計上しております。 そこで、お伺いいたします。県として、市町村が国の予算事業を活用できるよう、不登校特例校のメリットを十分に伝え、開設支援を行っていく必要があると考えますが、教育長の御見解をお伺いいたします。 最後に、地元問題についてお伺いいたします。 (一)県道川越新座線の歩道整備についてお伺いいたします。 この県道のJR川越線南古谷駅の近くでは、朝夕を中心に駅を利用する歩行者や自転車が多く見られます。また、この付近には大型商業施設があり、多くの買物客が利用する道路でもあります。 しかし、JR川越線と交差する踏切及び踏切の前後区間において、大型商業施設の前は広い歩道が整備されていますが、それ以外では歩道が狭い所や全くない所があります。歩行者や自転車が車のそばを通り、危ない光景を目にすることもあります。 駅を利用する方や買物を楽しむ方などがこの道路を安心して通行できる広い歩道の整備が必要と考えますが、県土整備部長の見解をお伺いいたします。 (二)県道川越越生線の整備についてお伺いいたします。 この県道も、東武東上線霞ケ関駅近くでは送り迎えで駅に向かう車などにより、朝夕を中心に大変混んでいます。また、駅や近くの商店街を利用する歩行者や自転車が非常に多くなっています。 しかし、東武東上線と交差する踏切及び踏切前後区間には歩道がなく、駅方面への右折帯もないことから、歩行者や自転車が安心して通行できず、渋滞も発生しています。現在、県では、この道路の歩道整備と右折帯の整備を進めておりますが、地元の皆様は一日も早い完成を望んでおります。 そこで、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 以上、御答弁を求め、私の質問とさせていただきます。(拍手起こる) ○中屋敷慎一議長 五十九番 山根史子議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 山根史子議員の御質問にお答えをする前に、先ほど御質問で触れられました自宅で看取られました御尊父様の御逝去に対し、心から哀悼の誠を捧げたいと思います。 まずは、人工妊娠中絶に関する精神的・身体的な支援についてのお尋ねのうち、本県の支援状況についてであります。 県では、平成三十年に思いがけない妊娠に関する相談窓口である「にんしんSOS埼玉」を開設し、人工妊娠中絶に関する御相談をお受けしています。にんしんSOS埼玉では、保健師や助産師、社会福祉士などの専門相談員が思いがけない妊娠に悩む方の状況を丁寧に受け止めながら、精神的なケアを行っています。また、必要に応じて医療機関や市町村の子育て世代包括支援センターなどと連携を図り、地域において継続したサポートが受けられるよう支援を行っております。 さらに、本年七月には流産や死産などでお子さんを亡くされた方や御家族への相談支援を目的として、不妊症・不育症等ピアサポートセンター「ふわり」を開設いたしました。 これらの窓口において、人工妊娠中絶を考えておられる方や経験された方の相談支援を行っています。 次に、人工妊娠中絶を考えている方や経験された方に配慮した相談窓口の設置についてであります。 人工妊娠中絶を選択される方の背景には、経済的な問題、健康上の問題、DVや性被害に関連する問題など、様々な問題があることが推測されます。このような問題を抱えた方が、その解決に向けて、それぞれの背景に応じた相談窓口にたどり着きやすくするための配慮が重要であると認識します。 そのため、人工妊娠中絶に特化したホームページを作成し、より分かりやすい広報に取り組みます。その中で、にんしんSOS埼玉において人工妊娠中絶を経験された方に対する相談を受けることができる旨を明記し、周知をしたいと思います。 次に、正しい情報の提供についてです。 現在、県ホームページや広報紙に、相談窓口に関する情報を掲載し、周知に努めております。また、相談支援に携わる医療機関や市町村等の職員を対象として、相談スキルの向上を図ることを目的とした研修会を開催しており、人工妊娠中絶に関する知識や相談窓口の情報についても周知しております。医療機関における広報は、効果的と考えており、更なる措置についても検討してまいります。 今後は、SNSの活用や、先ほどお話をいたしましたホームページの作成等により、支援が必要とされる方に正しい情報が着実に届くよう取り組んでまいります。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 山根史子議員の御質問二、眼病の早期発見を目的としたヘルスケアについてお答え申し上げます。 緑内障、糖尿病網膜症、黄斑変性など視覚障害の主な原因となる眼病は、初期には自覚症状が乏しく、徐々に進行します。診断には眼底検査、眼圧検査等の検査と、眼科専門医の診察が不可欠です。そのため、眼病についての正しい知識と早期発見の重要性を広く啓発することにより、早期の検診や受診につなげていくことが必要です。 特に、失明原因の第一位である緑内障は、四十歳以上の有病割合が五パーセント程度とされ、医療介入によって進行を阻止、又は抑制できる疾患であることから、検診による早期発見が極めて重要です。 これまで、県では埼玉県眼科医会が主催する目の愛護デーの開催に協力するなどして、県民に対して眼病に関する啓発を行ってきております。今後は、包括連携協定を締結する企業との連携などにより、眼病及び検診の重要性についての普及啓発を進めるとともに、県内の市町が独自に緑内障検診を実施している事例を他の市町村に情報提供してまいります。 こうした取組を通じて、県民の皆様が定期的に眼科において検診いただくための環境づくりに努めてまいります。 次に、御質問五、二十歳未満の飲酒防止に向けた取組についてのうち、計画の見直しに当たっては、年齢確認の推進を盛り込むとともに、事業主側の意見等を参考にすべきについてお答え申し上げます。 県では、埼玉県依存症対策推進計画をアルコール健康障害対策基本法に定める県計画に位置付け、同計画に基づき二十歳未満の飲酒防止を進めております。具体的には、二十歳未満の飲酒ゼロを目標に掲げ、青少年課、精神保健福祉センター、教育局保健体育課、県警察少年課及び疾病対策課が行う啓発等を主な取組として総合的に推進しています。 計画の見直しに当たり、議員御指摘の年齢確認の推進を盛り込むかどうかについては、庁内関係課所のほか、埼玉県小売酒販組合連合会にも御参加いただいている埼玉県アルコール健康障害専門会議等で協議してまいります。今年十一月に開催した専門会議では、小売酒販組合連合会から二十歳未満の飲酒禁止の周知のため、「大人はすすめない!私たちは飲まない!」とのイラストとメッセージが入ったポケットティッシュを駅頭や高校で配布しているという御報告を頂き、情報を共有したところです。 こうした二十歳未満の飲酒防止に取り組んでいる酒類販売業者の団体である小売酒販組合連合会の御意見を伺いながら、次期計画の作成を進めてまいります。 次に、御質問六、現役世代のがん患者に対する支援についてお答え申し上げます。 県立がんセンターが自院の患者を調査した結果、四十歳未満の終末期若年がん患者四十人のうち、約半数の方が自宅での療養を希望し、そのうち約六割の方が自宅で最期を迎えることができております。 一方、残りの約四割の方は、症状の急変があったことや、在宅でのとう痛の適切な管理や患者本人とその家族への心理的支援に十分に対応できないという課題があり、希望をかなえることができませんでした。そのため、若年がん患者終末期のとう痛管理や心理的支援に関する研修に関し、対象人数を拡大するなど、より一層の充実を図り、医療現場で在宅医療を担う人材の育成に取り組んでまいります。 また、こうした世代は介護保険と小児慢性特定疾病の医療費助成制度のはざまとなる世代であり、経済的な支援が薄いことも指摘されています。そこで、若年世代のがん患者の療養生活を支援する助成制度の創設を、国に対し強く要望してまいります。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 山根史子議員の御質問三、介護離職の防止についてお答え申し上げます。 認定手続の負担軽減につきましては、現在、厚生労働省が介護ワンストップサービスとして、介護や介護予防に関する手続のオンライン化を推進しております。これは認定手続の一部について、マイナポータルからマイナンバーカードを用いた申請に対応するもので、市町村でシステム改修などが進められており、県内では現在十三市町が導入しています。オンライン化の導入経費の一部については、介護保険事業費補助金の活用が可能であり、こうした情報の更なる周知を図るなど、オンライン化の推進について市町村に働き掛けてまいります。 ケアマネジャーへの相談に係る負担軽減については、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所では来所や訪問によるほか、電話やメール、ウェブ会議システムを活用するなど、利用者や家族の利便性の向上を図っています。 また、利用者や家族の負担を軽減する取組については、市町村において通院などの移動手段や配食、見守りなど、地域の住民やNPO法人など多様な担い手によるサービスも創出されています。県では、市町村においてこうしたサービスが効果的に提供されるよう、専門職等で構成する総合支援チームを派遣し、市町村に対して個別に助言等を行っています。今後は、市町村職員を対象とした研修や会議において好事例を紹介するなど、サービスの拡充を一層促進してまいります。 これらの取組を実施することで、介護保険サービスの利用者やその家族の負担が軽減されるよう、市町村をしっかりと支援してまいります。       〔鈴木基之警察本部長登壇〕 ◎鈴木基之警察本部長 山根史子議員の御質問四、暴力団離脱者等の社会復帰支援について順次お答え申し上げます。 初めに、社会復帰支援制度の周知と相談者がアクセスしやすい環境づくりについてのお尋ねでございます。 相談者がアクセスしやすい環境づくりについてですが、暴力団等からの離脱やトラブルに関する相談は、警察署のほか、警察本部においても直接、又はメールでも受け付けております。 また、埼玉県暴力追放・薬物乱用防止センターでは、社会復帰に関する専用ダイヤルを設け、相談のしやすい環境づくりに努めております。社会復帰支援制度の周知については、暴力追放センターと協力して、行政や企業を対象とした各種講習の機会において説明を行うほか、暴力団組織からの離脱に関する啓発動画の配信等をしております。 引き続き、各種媒体を活用するなど、あらゆる機会を利用した広報啓発活動を実施してまいります。 次に、社会復帰に向けた総合的な支援についてのお尋ねでございます。 県警察では、暴力追放センターや職業安定機関のほか、矯正機関等の関係行政機関、医療関係者、事業者等で構成される埼玉県暴力団離脱者社会復帰対策協議会を通じて、暴力団離脱者等の社会復帰を支援しております。 協議会では、若者に限らず暴力団離脱者等に対して、雇用機会確保事業と職業紹介事業による就労の促進と支援を実施しております。具体的には、職業訓練や就労支援、指の欠損や入れ墨の除去に関する相談の受理、受入事業者に対する雇用給付金の支給のほか、就労後の相談受理等の支援などを行っております。 さらに、県警察において、暴力団組織からの脱退への妨害に対し行政命令を発出し、また、暴力団離脱者やその家族等が危害を加えられるおそれのある場合に保護対策を実施しております。 県警察といたしましては、暴力団組織等からの離脱や社会復帰は、暴力団組織を根絶する上でも重要で意義のあることと捉えております。今後も、暴力団離脱者等や社会復帰しようとする方のニーズに的確に対応しながら、関係機関と連携して総合的な支援を実施してまいります。       〔真砂和敏県民生活部長登壇〕 ◎真砂和敏県民生活部長 山根史子議員の御質問五、二十歳未満の飲酒防止に向けた取組についてのお尋ねのうち、年齢確認が必要であるという認識が社会に共有される啓発活動を行うべきについてでございます。 成長過程にある二十歳未満の飲酒は、本人にとって身体的・精神的に大きなリスクがあるだけではなく、事件や事故に巻き込まれる場合もあり得ます。そのため、二十歳未満の飲酒を防止し、青少年の健全な育成を図ることは、社会全体で取り組んでいく必要があります。 県では、二十歳未満の飲酒防止対策として啓発リーフレットを作成し、県内全ての中学生や高校生に配布するほか、関係機関・団体と連携した非行防止キャンペーンを実施しております。他方、国では、二十歳未満の飲酒防止対策と併せて、小売店等へ二十歳未満と思われる者に対する年齢確認の徹底を要請しており、年齢確認の協力を求める店頭掲示用ポスターの作成・配布など、啓発活動を行っております。 今後、県といたしましては、国と同様に、二十歳未満の飲酒防止の啓発と併せて飲酒防止のための年齢確認の啓発も一緒に行うこととし、関係機関・団体等と一層連携して啓発活動に取り組んでまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 山根史子議員の御質問七、JR川越線荒川橋りょうの複線化についてお答え申し上げます。 JR川越線荒川橋りょうの複線化での架換えに関する協議会では、現在線と別の位置に単線構造で橋りょうを架け換え、複線化時は現在線位置に単線構造の橋りょうを新たに架ける案を最も総合評価の高い案として協議をいたしました。 あわせて、JR東日本から、「将来、利用人員が増えたときには、複線化の検討の可能性はある」という見解を確認したところでございます。そのため、川越線の複線化の実現に向けては、今後は利用人員の増加につながる取組を進めることが必要であり、議員御指摘のとおり、その中でもまちづくりは重要な取組であると考えております。協議会においても、南古谷駅周辺における都市計画道路や駅前広場の整備、西大宮駅周辺における区画整理事業といった、川越市及びさいたま市におけるまちづくりの取組について、関係者間で共有を図ったところです。 県といたしましては、今後も引き続き協議会での議論等を生かしながら、川越市やさいたま市等と連携の上、まちづくりをはじめとする利用人員の増加策を推進し、将来の複線化実現に向けて粘り強く取り組んでまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 山根史子議員の御質問八、県立高校の再編整備についてお答え申し上げます。 県内の中学校卒業者数は今後も減少傾向が続くことが見込まれ、生徒にとってより良い学習環境を確保するためには、県立高校の再編整備は避けて通れないものと認識しております。高校の再編整備に当たっては、社会の変化や地域の特性、企業が求める人材像などを踏まえ、生徒にとって入学したいと思えるような特色ある高校としていくことが重要と考えております。 他方、今回の魅力ある県立高校づくり第二期実施方策の策定に向け実施した県民コメントに寄せられた御意見などから、様々な懸念をお持ちの方がいらっしゃることも承知しております。議員お話しの「生徒の行き場がなくなる」「通学の負担が増える」といったことにつきましては、地域ごとに生徒募集の人数を全体として調整するなど、生徒が進学に当たって不安を抱くことのないよう丁寧に対応してまいります。 今後、生徒や保護者はもとより、新校準備委員会などの場において、地域の関係者などの御理解も頂きながら、生徒一人一人が夢や希望を持ち、生き生きと学校生活が送れるような魅力ある県立高校づくりを進めてまいります。 次に、御質問九、不登校特例校に関する支援についてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、全国の状況と同様に、本県においても小・中学校の不登校児童生徒数が増加傾向にあり、特に、令和三年度は増加の割合が大きくなっております。不登校児童生徒の教育機会の確保のためには、児童生徒個々の状況に応じた様々な選択肢があることが望ましく、不登校特例校もその重要な選択肢の一つと認識しております。 今後、市町村が不登校特例校の設置検討を進めるためには、不登校特例校のメリットを十分に把握した上で施設整備等に係る予算の確保や特別な教育課程の編成など、多くの課題を解決する必要があります。このため、県といたしましても、市町村に対し、不登校特例校のメリット等について丁寧に助言するとともに、課題解決に向けた市町村支援の方策を検討するため、今年度、モデル事業として不登校生徒支援教室「いっぽ」を開設したところです。このモデル事業では、不登校の児童生徒にどのような教育活動が効果的であるかなどの実践研究を進めるとともに、他県の先行事例の情報収集に取り組んでいます。 県といたしましては、このモデル事業を精力的に推進し、得られた研究成果や好事例については随時発信するなど、市町村の取組を支援してまいります。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 山根史子議員の御質問十、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)県道川越新座線の歩道整備についてです。 この県道は、JR川越線と交差する踏切付近に大規模な商業施設や南古谷駅があり、多くの歩行者や自転車が通行している状況です。 この県道の踏切内を含めた前後区間では、西側には十分な幅員ではないものの、歩道が整備されております。一方、東側は、踏切の北側五十メートル区間において、路肩にラバーポールを設置する歩行者の安全対策を行っておりますが、歩道は未整備となっております。 御質問の踏切の前後区間における歩道整備につきましては、川越市内における事業中区間の進捗状況、周辺の交通状況の変化等を踏まえ検討してまいります。 次に、(二)県道川越越生線の整備についてです。 この県道は、東武東上線と交差する踏切付近に飲食店や店舗、霞ケ関駅があり、車両の混雑が発生しており、また、多くの歩行者や自転車が通行している状況です。この踏切周辺については、地元の皆様から御要望を頂き、混雑緩和と歩行者の安全確保を目的に、霞ケ関駅北口交差点から駅南側の交差点までの四百九十五メートル区間で右折帯と歩道の整備に取り組んでおります。 現在の進捗状況ですが、用地買収率は四二パーセント、工事進捗率は四〇パーセントとなっております。また、東武鉄道と進めてきた踏切内の歩道工事についての協議が調い、令和四年十月に工事に関する協定を締結したところでございます。 今後は、東武鉄道が実施する踏切内の歩道の工事に合わせて、踏切前後の工事に着手いたします。引き続き、地元の皆様の御理解と御協力を頂きながら、残る用地取得を進め、用地がまとまった箇所から工事を実施してまいります。       〔五十九番 山根史子議員登壇〕 ◆五十九番(山根史子議員) 一点、再質問をさせていただきたいと思います。 四項目めの暴力団離脱者等の社会復帰支援について再質問をさせていただきます。 御答弁で、就労支援や入れ墨の除去など表に見える課題解決の取組について御答弁いただきまして、大変よく分かりました。引き続き、それは取り組んでいただきたいと思います。 私が申し上げたいのは、表に見える課題解決に併せて、根深いところにある課題解決への取組について伺いたいと思います。 若い頃から、あるいは長年所属していた場合、暴力団の中での生活環境に非常に慣れていて、そこの環境から脱すること、一般社会になじむためには、総合的な支援が必要なのだと考えます。この必要性も含めて検討をしていただきたいと思いますが、警察本部長の御見解をお伺いいたします。 ○中屋敷慎一議長 五十九番 山根史子議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔鈴木基之警察本部長登壇〕 ◎鈴木基之警察本部長 再質問にお答えいたします。 暴力団離脱を考える方々は、なかなか離脱に踏み切れないなど、今おっしゃったような内面の問題もあるケースもあると考えております。 我々警察といたしましても、例えば、事件を起こした場合の取調べなどで、そういった心情のことなどを把握しながら、あるいは先ほど答弁いたしました協議会において、そういった事情があることを把握するなど、あらゆる場面においてそういった暴力団離脱者等の支援を考えている。あるいは支援したいと、けれども、なかなかできないといった方々の情報を入手した場合には、全力でサポート、支援をしてまいりたいと思います。          ---------------- △次会日程報告 ○中屋敷慎一議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明十三日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○中屋敷慎一議長 本日は、これにて散会いたします。午後三時五十九分散会  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