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  1. 埼玉県議会 2019-09-01
    10月01日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 1年  9月 定例会九月定例会  第十二日(十月一日)令和元年十月一日(火曜日)第十二日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問     二十番  宮崎吾一議員     十八番  江原久美子議員     十三番  白根大輔議員 三 次会日程報告    十月二日(水) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    九十二名         一番  金野桃子議員         二番  岡村ゆり子議員         三番  平松大佑議員         四番  柿沼貴志議員         五番  高橋稔裕議員         六番  逢澤圭一郎議員         七番  山口京子議員         八番  千葉達也議員         九番  渡辺 大議員         十番  松井 弘議員        十一番  高木功介議員        十二番  深谷顕史議員        十三番  白根大輔議員        十四番  町田皇介議員        十五番  秋山もえ議員        十六番  八子朋弘議員        十七番  杉田茂実議員        十八番  江原久美子議員        十九番  中川 浩議員        二十番  宮崎吾一議員       二十一番  関根信明議員       二十二番  木下博信議員       二十三番  藤井健志議員       二十四番  美田宗亮議員       二十五番  吉良英敏議員       二十六番  松澤 正議員       二十七番  橋詰昌児議員       二十八番  辻 浩司議員       二十九番  東間亜由子議員        三十番  守屋裕子議員       三十一番  松坂喜浩議員       三十二番  並木正年議員       三十三番  石川忠義議員       三十四番  宇田川幸夫議員       三十五番  浅井 明議員       三十六番  飯塚俊彦議員       三十七番  横川雅也議員       三十八番  内沼博史議員       三十九番  岡田静佳議員        四十番  細田善則議員       四十一番  永瀬秀樹議員       四十二番  安藤友貴議員       四十三番  山根史子議員       四十四番  井上将勝議員       四十五番  前原かづえ議員       四十六番  秋山文和議員       四十七番  井上 航議員       四十八番  岡 重夫議員       四十九番  醍醐 清議員        五十番  日下部伸三議員       五十一番  小久保憲一議員       五十二番  立石泰広議員       五十三番  新井 豪議員       五十四番  荒木裕介議員       五十五番  岡地 優議員       五十六番  白土幸仁議員       五十七番  小川真一郎議員       五十八番  権守幸男議員       五十九番  萩原一寿議員        六十番  水村篤弘議員       六十一番  高木真理議員       六十二番  村岡正嗣議員       六十三番  鈴木正人議員       六十五番  中野英幸議員       六十六番  須賀敬史議員       六十七番  新井一徳議員       六十八番  梅澤佳一議員       六十九番  中屋敷慎一議員        七十番  木下高志議員       七十一番  諸井真英議員       七十二番  杉島理一郎議員       七十三番  齊藤邦明議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  山本正乃議員       七十七番  木村勇夫議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  神尾高善議員        八十番  岩崎 宏議員       八十一番  高橋政雄議員       八十二番  田村琢実議員       八十三番  小林哲也議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  浅野目義英議員       九十三番  田並尚明議員 欠席議員    一名       六十四番  武内政文議員地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   奥野 立  副知事   飯島 寛  副知事   石川英寛  企画財政部長   北島通次  総務部長   矢嶋行雄  県民生活部長   森尾博之  危機管理防災部長   小池要子  環境部長   知久清志  福祉部長   関本建二  保健医療部長   加藤和男  産業労働部長   牧 千瑞  農林部長   中村一之  県土整備部長   和栗 肇  都市整備部長   上木雄二  会計管理者   立川吉朗  公営企業管理者   岩中 督  病院事業管理者   砂川裕紀  下水道事業管理者   小松弥生  教育長   高木紳一郎 警察本部長             発言(質問)通告書  十月一日(火)議席番号 氏名      要旨 答弁者 二十番 宮崎吾一議員  1 自動運転技術の開発支援について 産業労働部長             2 犯罪に強い埼玉県づくりについて 県民生活部長              (1) 防犯カメラについて              (2) 特殊詐欺対策について             3 東京二〇二〇オリンピックパラリンピックについて              (1) レガシーについて 県民生活部長              (2) さいたまスーパーアリーナの利活用について都市整備部長              (3) 警備について 警察本部長             4 狂犬病対策について 保健医療部長             5 県営住宅における単身高齢者への対応について 都市整備部長             6 不妊治療について 保健医療部長             7 民生委員の成り手不足について 福祉部長             8 災害に強い埼玉県づくりについて              (1) 災害情報発信について 危機管理防災部長              (2) 県民の災害情報受信について 〃              (3) 一級河川鴻沼川与野中央公園南側の調節池の整備について 県土整備部長             9 彩の国さいたま芸術劇場を軸とした芸術文化の振興について 県民生活部長              (1) 芸術文化に触れる機会の創出について              (2) 彩の国さいたま芸術劇場のにぎわいの創出について 十八番 江原久美子議員 1 大野新知事の県政運営について 知事              (1) 知事公約について              (2) 県民目線の県政運営について             2 渋沢栄一をブームで終わらせないについて 知事 産業労働部長             3 ICT戦略の推進について 企画財政部長             4 台風十五号とこれまでの災害の教訓について 危機管理防災部長             5 森林経営管理制度の取組について 農林部長             6 介護人材の確保について 福祉部長             7 地元問題について 県土整備部長              (1) 県道赤浜小川線バイパス整備について              (2) 県道赤浜小川線の歩道整備について 十三番 白根大輔議員  1 交通政策・諸問題について              (1) 交通局の設置を 知事              (2) 埼玉高速鉄道へシフトする料金体系と延伸について 企画財政部長             2 都市型災害や想定外の大災害への備えについて 危機管理防災部長              (1) 水害ハザードマップを反映した地区防災計画の策定支援について              (2) 県における災害用の備蓄品の貸出について              (3) 帰宅困難者の受入施設の確保について             3 人材に投資する埼玉県に 教育長              (1) 特別支援学級に対して専門性のある教員配置を              (2) ICT教育の拡充について             4 医師定着対策と隣接県との連携について 保健医療部長             5 川口市内公立中学校で起きたいじめ問題について 教育長             6 川口市北東部への早期の警察署の新設について 警察本部長             7 国道一二二号の渋滞解消について 県土整備部長          ----------------午前十時三分開議 出席議員    九十二名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十五番   十六番    十七番   十八番   十九番   二十番   二十一番  二十二番  二十三番  二十四番   二十五番  二十六番  二十七番  二十八番   二十九番   三十番  三十一番  三十二番   三十三番  三十四番  三十五番  三十六番   三十七番  三十八番  三十九番   四十番   四十一番  四十二番  四十三番  四十四番   四十五番  四十六番  四十七番  四十八番   四十九番   五十番  五十一番  五十二番   五十三番  五十四番  五十五番  五十六番   五十七番  五十八番  五十九番   六十番   六十一番  六十二番  六十三番  六十五番   六十六番  六十七番  六十八番  六十九番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十六番  七十七番   七十八番  七十九番   八十番  八十一番   八十二番  八十三番  八十四番  八十五番   八十六番  八十七番  八十八番  八十九番    九十番  九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    一名   六十四番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △開議の宣告 ○神尾高善議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○神尾高善議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 二十番 宮崎吾一議員       〔二十番 宮崎吾一議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十番(宮崎吾一議員) おはようございます。さいたま市中央区選出の自由民主党、宮崎吾一です。 本日は、質問の機会を与えていただきましたことを御礼申し上げます。そして、地元からも愛ある応援に駆け付けていただきましたこと、感謝申し上げます。 それでは、議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。 一、自動運転技術の開発支援について。 近年、全国的に高齢ドライバーの交通事故が相次いでおります。高齢ドライバーの事故の原因の多くは、ブレーキとアクセルの踏み間違いとの報道もございます。警察庁によると、後期高齢者である七十五歳以上の運転者は七十五歳未満の運転者と比較して、免許人口十万人当たりの死亡事故件数が二・四倍と、死亡事故を起こしやすい傾向があるとのことです。いわゆる団塊の世代が後期高齢者に達する二〇二五年に向け、今後も高齢の運転者の増加が見込まれる中、事故防止技術の発展を促すことは喫緊の課題です。 現在において、高齢のドライバーの交通事故を減らすには、昨日の石渡議員御指摘のとおり、免許の返納が大変効果的であると考えております。ただし、高齢者が免許を返納すると、途端に交通弱者になられる方も少なくありません。返納後に生活が不便にならないような支援を考えていかなければなりません。「返納をすれば、お医者さんや買物に行くことが困難になる」「移動に費用がかかるため気軽に出かけられなくなる」などの心配の声をよく耳にしております。そして、「移動の支援が不足している、どうにかしてください」との切実な声をたくさん頂戴しております。 六十五歳以上の人口が二六・四パーセントを超え、超高齢化社会真っただ中の埼玉県において、交通弱者の課題は、県南地域を含めた高齢者の抱える全県的な課題になっております。その解決策の一つとして、私は、高齢者の移動手段の確保や高齢運転者の負担軽減、事故防止に重要な役割を果たす次世代自動車の開発や自動運転技術の実現が必要と考えます。 自動車産業は、ハイブリッド車や電気自動車などの次世代自動車への転換期にあります。次世代自動車自動運転技術はここ数年で、研究者ではない私たちにとっても身近なものとなってまいりました。昨年に引き続き、埼玉県では先月も公道における自動運転実証実験が実施されたところです。そこで、自動運転技術の開発支援について、県としてどのように取組を進めていくか、産業労働部長にお伺いします。 二、犯罪に強い埼玉県づくりについて。 埼玉県の治安情勢を見ますと、過去最悪であった平成十六年の刑法犯認知件数は十八万一千三百五十件に対し、平成三十年度は六万一件と、六六・九パーセント減少しております。このように数字だけ見ますと、確かに治安は回復しております。しかしながら、さいたま市で発生した児童殺害事件をはじめ、他県でも凶悪な事件が発生しております。また、高齢者をターゲットにした特殊詐欺被害の増加傾向に歯止めがかかっておりません。平成三十年の特殊詐欺被害は一千四百二十四件、被害総額は二十五億六千三百九十五万円にも上っております。本年の七月末の最新状況を見ましても、前年比五十件増の七百七十件、被害総額は前年同期比四千五百九十三万円増加の十二億四千二百四十三万円となり、被害件数及び被害総額双方とも極めて高止まりしている状況です。 そこで、本県の安全・安心を更に高めるために、防犯カメラの設置及び特殊詐欺への取組について質問いたします。 (一)防犯カメラについて。 防犯カメラの設置に関して、その重要性は皆様御存じのとおりでございます。犯罪の抑止はもちろん、警察官の負担を軽減し、検挙率を向上させ、そして何より、泣き寝入り事案を発生させないためにも防犯カメラは必需品です。各市町村でも、通学路をはじめとして防犯カメラの設置が急がれております。地域の状況を熟知した市町村が中心となって犯罪行為が行われる死角を作らせないため、きめ細やかに防犯カメラを設置していく必要があります。しかし、まだまだ設置数が足りないとの声も多く、さらに財政規模が小さい市町村では独自財源による設置事業が困難とも伺っております。 県民への安心・安全の提供は、地域格差を生じさせてはなりません。防犯のまちづくりの推進のため、県は市町村の防犯カメラ設置事業を強力に支援するべきと考えますが、県としてどのように考えているのでしょうか。県民生活部長に伺います。 また、撮影対象のプライバシー保護やデータ管理に関しては、県としてどのように市町村に対応しているのか、併せて伺います。 (二)特殊詐欺対策について。 特殊詐欺に対する対策については、我が党の関根議員、公明党の萩原議員と、六月定例会においても質問がありました。特殊詐欺、特に電話を使った詐欺については、電話をとらないことが最も重要な対策であると考えており、犯人からの電話をシャットアウトする自動警告付き通話録音装置は有効と認識しております。留守番電話を使って予防する啓もう活動も行われておりますが、なかなかうまくいっていないのではないかと私は考えております。また、確認のため、電話をかけてしまうおそれすらあり、犯罪者との接触を絶つという点では、留守番電話の予防を超えた更なる対策が必要ではないかと考えております。 県では、犯人からの電話をシャットアウトする自動警告付き通話録音装置を普及させるための啓発事業や市町村が行う機器の貸与事業を支援していると聞いています。全ての県民に対策機器を配ることは難しいため、重要性を啓発し、自ら購入することの動機付けを行う活動が必要です。 私の周辺にも、徐々にその対策機器の付いた電話の購入・設置がされてきております。実際に取り付けた電話を見せていただいたこともございます。しかしながら、機器の普及は十分ではなく、県の啓発の出前講座を受講して購入しましたという声も聞いておりません。啓発にしても、支援にしても、まだまだ県民には届いていないのではないでしょうか。是非とも組織的に犯罪行為を行っている特殊詐欺の犯罪集団に対抗するためにも、特殊詐欺対策機器普及のための啓発活動や市町村支援の拡充を強力に推進していただきたいと考えますが、県としてはどのように考えているのか、県民生活部長にお考えをお伺いします。 三、東京二〇二〇オリンピックパラリンピックについて。 (一)レガシーについて。 一九六四年の東京オリンピックパラリンピックでは、首都高速の開通や新幹線をはじめとしたインフラの整備が行われ、その後の県民生活が大変便利になりました。今回の東京オリンピックパラリンピックにおきましても、様々な分野でソフト、ハードの両面にわたり、大会後の埼玉県にとって価値あるものを残していく重要性に議論の余地はありません。 知事は、公約集で「レガシーを生かした地域づくり、おもてなしの埼玉」を掲げています。埼玉県推進基本計画では、レガシーを残すために五つの取組を掲げております。一つ目が「スポーツの多様な可能性の実現」、二つ目が「世界に誇れるおもてなし」、三つ目が「先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化」、四つ目が「文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解」、五つ目が「ビジョンである『SAITAMA PRIDE』と組織委員会との連携」です。埼玉県のオリンピックパラリンピックに要する予算に見合うのかという視点を踏まえて、この五つの取組を経ることで得られる将来にわたって残せる財産、価値あるレガシーとは何か、県民生活部長に見えているものを具体的にお答えください。 (二)さいたまスーパーアリーナの利活用について。 さいたまスーパーアリーナは、二〇〇一年、二〇〇六年にバスケットボール世界選手権の会場になるなど、多くの実績が評価され、今回のオリンピックバスケットボール会場となりました。さいたまスーパーアリーナは、ほかのビッグイベントにも用いられておりまして、国内の認知度は有数のものと考えられます。今年度もさいたまスーパーアリーナ及びけやきひろばのバリューアップが進められており、オリンピックパラリンピックを契機とした地域活性化のために、様々な可能性を持つ施設です。 しかしながら、オリンピックバスケットボール会場として使われたことだけでは、バスケットボールの聖地としてのイメージは残せないのではないかと心配しております。私はその原因として、八〇パーセント以上の稼働率を誇り、ほかのビッグイベントも引き受けているスーパーアリーナ特有の事情があるからではないかと考えております。スーパーアリーナは、プロバスケットボールのホームグラウンドにしたくても、その稼働率からホームスタジアムとしての機能を持たせることが困難なのです。 さて、県は、オリンピックを契機としたさいたまスーパーアリーナの利活用としてどのようなものを考えているのでしょうか。特にバスケットボールの聖地として、今後のにぎわいづくりに利用していく考えはあるのでしょうか。例えば、けやきひろばや、そのほかの空きスペースにおいて、スリー・オン・スリーのようなバスケットボール関連の会場として用いる場合には、使用料を大幅割引することや、海外有名選手の名前を付けるネーミングライツを今回のオリンピックを契機に販売することなど、バスケットボールを活用していくお考えはございますでしょうか、都市整備部長にお伺いいたします。 (三)警備について。 このオリンピックパラリンピックを通してお越しになったお客様に埼玉県がまず提供すべきは、安全・安心です。そこで、警備について質問いたします。 埼玉県の会場警備は、官民一体となって取り組むことになっております。官の取組としては、埼玉県警だけで今回の四会場を全て警備することになっております。一方、パートナーとなる民の取組、警備会社に関しては、慢性的な人手不足に加え、東京の会場に人が引っ張られることが予想されます。その中で、日常業務に加えて、オリンピックパラリンピックの警備に官民双方が対応しなければなりません。埼玉県各地の夏の大型イベントに関して、オリンピックパラリンピックの時期を外して開催できないか打診されているとお聞きしております。オリンピックパラリンピックに求められるテロ対策及び警備対策は、かなり細やかな準備と人手が必要なレベルの高いものであると考えられます。 そこで、警察本部長にお伺いします。現状の警備会社の人手不足を受けて、県警本部としてどのように準備をされていますか。既に夏の大型イベントに関して、実施期間をずらしてもらう要望を出していますが、その進捗状況についてお答えください。 また、オリンピックパラリンピックまであと一年を切りました。二〇二〇年度の警察庁の概算要求も、東京オリンピックパラリンピックの警備関連費用が二百十三億円増額の約三百億円規模との報道もございました。組織委員会と連携して準備をしなければならない時期が来ていると考えます。東京オリンピックパラリンピックにおいて、安心に開催をするため、県警において警備会社の人手不足などの事態が起こり、組織委員会の計画どおりに人が集まらない最悪の場合も想定したこれからの準備をどのように進めていくか、お伺いいたします。 四、狂犬病対策について。 まず、感染症を取り上げるに当たり、今回の豚コレラの被害に遭われた養豚農場の方には心よりお見舞いを申し上げます。また、封じ込めのため、日夜不休の作業を行う関係各位の御努力に敬意を表します。 そして、改めて、豚コレラは人に感染せず、感染した肉は市場に流通することはない、そして市場に流通している肉については、安心しておいしくいただけることを述べさせていただき、質問に入らせていただきます。 豚コレラは、昨年、約二十六年ぶりに岐阜県で発生しました。感染は他県へと拡大し、九月十三日、国内四十一例目の豚コレラが埼玉県で発生してしまいました。現在、全庁を挙げて拡大防止に取り組んでいただいておりますが、まずは感染症に感染させないための常日頃からの準備が重要です。長期間発生していない感染症への対策はしっかりと図られているのでしょうか。国内で長期間発生していない感染症として、狂犬病について伺います。 狂犬病は、ウイルスを原因とする感染症で、犬だけではなく、全ての哺乳類に感染します。発症すれば、ほぼ一〇〇パーセント死亡します。かつて国内で猛威を振るい、県内でも多くの発生がありました。狂犬病予防法の下、昭和三十一年を最後に六十年以上、狂犬病の国内感染は発生しておりません。一方、海外では狂犬病が常態化しており、年間で五万人以上、十分に一人が死亡しています。幸い日本では、先人の努力により現在はその脅威にさらされておりません。そのことが狂犬病を遠い過去の病気、あるいは海外の病気と認識させてはいないでしょうか。 近年、人も動物も国境を越えて移動しております。現在開催されているラグビーワールドカップ、そして来年開催予定の東京オリンピックパラリンピックにより、この動きは更に加速します。海外から人と動物の共通感染症が持ち込まれることも懸念されています。世界各地で発生している狂犬病の防疫対策として、海外から持ち込まれる動物の水際対策はどのように講じられていますか。保健医療部長に伺います。 また、日本では、犬の所有者は年一回の狂犬病予防接種が義務付けられています。WHOによると、国内に狂犬病ウイルスが入ったとしても、国内の犬のワクチン接種率を七〇パーセント以上にすれば、犬及び人へのまん延を防止できるとしております。 一方で、昨今のペットブームの中、飼育される犬も小型化しており、室内で人と犬が家族の一員としてともに生活することが一般化しております。野犬の数も減り、狂犬病に対する危機感も薄れつつある中で、狂犬病予防接種の接種率低下が懸念されます。県内の予防接種率は七一パーセント前後で減少傾向にありますが、接種率の向上にどのように取り組むのか、保健医療部長に伺います。 五、県営住宅における単身高齢者への対応について伺います。 本年四月に公表された「日本の世帯数の将来推計」によると、本県の単身高齢者は令和二年に三十三万八千人から令和二十二年には四十八万一千人になると推計されており、単身高齢者が二十年間で十四万三千人も増加することが見込まれています。このことから、県営住宅においても今後、単身高齢者が増えることに伴い発生する課題に対応していく必要があります。 今年の夏も暑さが厳しく、単身の高齢者が部屋の中で熱中症により死亡する事故の報道が数多くありました。特に高齢の方は暑さを感じにくく、熱中症になったことに気付かない、気付いたときには重症化してしまいます。六月定例会での浅井議員の質問に対して、県営住宅では七十歳以上の希望者に対して、定期的に電話連絡を行う安否確認制度を導入しているとの答弁がありました。高齢者の中には、電話連絡を心待ちにしている方もいらっしゃるとのことで、大変いい制度だと思います。 しかし、今後、単身高齢者が増加傾向にあることなどを考慮すると、更なる対応が必要であると考えます。例えば、大阪府では民間企業と連携して、IoTを利用した高齢者見守りサービスの実証実験を行っているとのことです。冷蔵庫のドアなどにセンサーを付け、長時間使用がないなどの異変を確認できる仕組みです。 そこで提案ですが、本県の県営住宅においても、単身高齢者の状況を毎日把握すべく、IoTを活用して見守りサービスの展開をすべきと考えますが、いかがでしょうか。都市整備部長の見解を伺います。 次に、六、不妊治療について伺います。 知事は、公約の中で「不妊治療助成の拡大を検討します」と掲げていらっしゃいます。例えば、東京都では、年収制限の緩和が行われました。対象夫婦の合計所得要件が七百三十万円から九百五万円未満へと引き上げられ、より多くの夫婦が助成金を受けられるようになりました。助成を受けられないことで治療をためらうことが減ったのではないかと考えます。埼玉県でも所得制限の要件緩和や対象治療の助成額の積増し、回数の制限緩和など、様々な拡大が図れると思いますが、どのような検討をしていくのか、保健医療部長に伺います。 また、不妊治療によりお子さんを望む御家庭にとって、その誕生が不妊治療の一つの節目であります。しかしながら、治療を経てもお子さんを持てない御家庭もあります。県の不妊に関する相談窓口の実績は、平成三十年度、保健所が一千五百四十四件、専門医による相談センターが五十九件、助産師による相談が百九十一件、合計で一千七百九十四件と聞いております。県の少子化対策のための政策として、平成三十年度の夫婦の不妊検査の助成件数は二千四百二十二件となっています。助成金の申請数から見て、保健所が実質的な相談窓口となっていると思われます。大変な治療を受けております。 さらに、妊娠しても出産できなかった方々の不安やストレスを軽減するメンタル面でのフォローについて、行えることはないのでしょうか。特に治療を受けても出産に至らなかったときの気持ちのフォローについて、治療を継続するのか、子を持たない選択肢を選ぶのか、養子縁組を検討するのか、これからの自分の家族の在り方について真剣に考える、そのタイミングにおいて、県として寄り添うフォローについてどのように考えていらっしゃいますか。保健医療部長にお伺いします。 七、民生委員の成り手不足について。 民生委員の成り手不足が地域の自治会長さんの中で課題として上がってきております。地域福祉のつなぎ役として、地域の訪問や相談支援だけではなく、地域福祉活動、自治会のお手伝い、各種会議・会合への参加など、非常に多忙で負担感が増してきてしまっております。また、活動に必要な経費は支給されますが、上限があり、熱心に活動していただける方ほど手弁当になりかねません。このような状況から、民生委員になることに尻込みしている人もいらっしゃいます。是非とも民生委員として活動したい方を増やし、無理なく続けられる仕組みを作ってください。仕事のやりがいを誇りに、地道に活動をされている民生委員さんに寄り添っていただきたいと思います。 ほぼ無給に近い状況から活動経費を上げる、負担感が増えている業務に関しては見直しを図るなど、成り手が減っている現状をどうにかできないでしょうか。どのようにお考えか、福祉部長の御見解をお伺いします。 八、災害に強い埼玉県づくりについて。 (一)災害情報発信について。 今年も台風十五号に九州地方の大雨など、災害が頻発しております。知事は公約で、「情報伝達のためSNSやアプリの積極活用します」と掲げておりますが、SNSもアプリも、情報を得るためには県民が能動的にアクションを起こさなければなりません。どのようにそれらを活用され、全県民に発信するお考えですか。例えば、携帯電話会社と協議し、携帯電話購入時にアプリを最初から搭載してもらうなどの試みはできないでしょうか。危機管理防災部長にお伺いします。 (二)県民の災害情報受信について。 次に、発信した災害情報を県民がきちんと受け取っているか考えていらっしゃいますでしょうか。県民の避難について、取るべき行動を明確にした警戒レベルの運用が全国的に始まりました。災害情報の内容を県民がしっかりと把握し、自身の避難行動に直接結び付けられるかが重要です。子供や高齢者を含めた全ての県民の皆様に対して、日々新しくなる情報をいかに分かりやすく周知していますか。危機管理防災部長にお伺いします。 (三)一級河川鴻沼川与野中央公園南側の調節池の整備について。 私の地元、中央区には鴻沼川が流れております。水害が多発する川でした。当時の吉田弘県議をはじめ県議会、県の熱心な働き掛けで一級河川に指定され、改修事業を進めていただいております。 現在、県は治水対策の一環として、与野中央公園の南部に調節池を整備する事業に着手すると聞いております。そこで、災害・防犯に強い安心・安全の埼玉を目指す知事の下、この調節池の整備に関する市との調整状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いします。 九、彩の国さいたま芸術劇場を軸とした芸術文化の振興について。 次に、彩の国さいたま芸術劇場を軸とした芸術文化の振興について伺います。 まず、芸術文化に触れる機会の創出についてです。 私は、先日、埼玉県芸術文化振興財団のつくった「めにみえない みみにしたい」というタイトルの演劇作品を見てまいりました。この作品は、四歳の小さなお子様から大人までが十分楽しめるように、小道具や映像などを活用し、いろいろな工夫が散りばめられたすばらしい作品でした。桟敷席のお子さんの楽しそうな様子が大変印象に残っております。このように、私は、芸術作品を大仰に「芸術」として捉えるのではなく、あくまで日常の一環として簡単に触れられる芸術文化の環境づくりが大事ではないかと考えております。 知事は、御自身の政策集の中で、「県民が芸術・文化に触れる機会を創出し、参加する機会をつくります」と述べておられます。また、六月議会で山口議員が「芸術劇場で創作した演劇作品を県内市町村のホールで上演できないか」と質問し、県民生活部長から前向きな御答弁をいただいております。これらを踏まえ、子供を含めた様々な世代の方に対し、芸術文化に触れる機会の創出を具体的にどのように進めていくのか、県民生活部長に伺います。 (二)彩の国さいたま芸術劇場のにぎわいの創出について。 最後に、彩の国さいたま芸術劇場のにぎわいの創出について伺います。 先般、文化庁が移転してくる京都府庁の文化行政について視察しました。京都の神社仏閣という大変恵まれた地域資源を活用し、民間企業ともタイアップして、若手の芸術家の作品を集めたオークションを開催し、参加者が購入して応援するという取組の説明を受けました。 本県には、彩の国さいたま芸術劇場という世界に誇れる地域資源がございます。故蜷川幸雄芸術監督の下、始まった彩の国シェイクスピア・シリーズや世界的名声を持ったダンスカンパニーの公演など、様々な催しが行われており、公演が行われる日には多くの方々が劇場に集っております。 この地域資源を活用して、劇場に芸術鑑賞に訪れる方々だけではなく、公演のないふだんの日でも気軽に地域の方々が集まり、にぎわいを創出できるような取組をしていただきたいと思いますが、県民生活部長に御所見を伺います。 以上で一般質問を終わらせていただきます。人生初めての一般質問でございますので、是非ともすばらしい答弁を期待しまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手起こる) ○神尾高善議長 二十番 宮崎吾一議員の質問に対する答弁を求めます。       〔加藤和男産業労働部長登壇〕 ◎加藤和男産業労働部長 御質問一、自動運転技術の開発支援についてお答え申し上げます。 次世代自動車自動運転技術は、国の成長戦略として急速に研究開発が進められており、議員お話しのとおり、移動手段の確保や高齢者運転の負担軽減など様々な課題を解決できる可能性があります。 県では、今年度から先端産業創造プロジェクトの中で、自動運転走行を可能とする車両やシステムの開発、事業化に向けた実証実験等の支援を行っております。まず、車両やシステムの開発支援ですが、さいたま市の浦和美園で実施した自動運転バスの試験走行においては、信号機と車両との連携技術などの研究開発支援を行いました。また、自動清掃ロボットを開発した県内企業とベンチャー企業が共同で行っている自動運転バスの開発では、今後高齢化が進むニュータウンから最寄り駅までの運行が可能となるよう開発の支援を行っております。 一方で、こうした新技術を搭載した次世代自動車への転換期をビジネスチャンスとして捉え、県内中小企業の技術開発力を高めていくことも必要です。そのため、総合相談窓口として、次世代自動車支援センター埼玉を産業振興公社に設置し、民間企業出身のコーディネーターが技術的な相談に対応しています。さらにセンターでは、自動運転技術などについて、セミナーや企業間交流会の開催等を行い、中小企業の技術開発を促進しています。 また、自動運転技術の実現には、利用する県民の理解が進むことが重要です。そこで、現在開催中のラグビーワールドカップ二〇一九熊谷会場では、自動運転技術に対する理解を深めていただけるよう、会場内で自動運転バスを運行しております。九月六日の壮行試合及び九月二十四日、二十九日のワールドカップ本大会では、それぞれ百名、百二十四名、百三十九名の方が乗車し、九割を超える方から「思ったより安心」などの肯定的な感想をいただいております。 今後も引き続き、自動運転技術の開発支援とともに、社会実装につながる実証実験の支援に力点を置いて、高齢者の移動手段などの課題解決につながる自動運転技術の実現に取り組んでまいります。       〔矢嶋行雄県民生活部長登壇〕 ◎矢嶋行雄県民生活部長 御質問二、犯罪に強い埼玉県づくりについてお答え申し上げます。 まず、(一)防犯カメラについてでございます。 防犯カメラは、犯罪を抑止するために最も効果のある対策の一つでございます。また、不幸にして犯罪が発生した場合にも、後の捜査に大変有効なものであります。こうしたことから、県では、地域の事情を熟知している市町村による防犯カメラの設置を促進するため、事業費の一部を平成十六年度から補助してまいりました。その結果、平成三十年度までに市町村により設置された防犯カメラは県内に四千九十三基に上ります。その設置効果もあり、刑法犯認知件数は着実に減少しております。 近年、全国で道路や公園などの公共の場所で重大事件が発生している中、市町村からの防犯カメラの設置要望は高まっております。実際、平成三十年度に九市からありました補助申請は、令和元年度には約二倍となる十七市町に増加をしております。犯罪被害を一層減少させるため、より広い地域に防犯カメラの設置が進むよう、制度の見直しを含め幅広く検討し、市町村の取組を更に支援してまいります。 一方、防犯カメラにつきましては、不特定多数の人を撮影することから、プライバシー保護や画像データの管理に特段の配慮が必要となります。防犯カメラを設置する市町村に対して、これまでも画像データの漏えい防止や目的外利用の禁止などを周知してまいりました。今後も市町村を対象に行う補助事業の説明会や研修会などあらゆる機会を利用し、周知徹底してまいります。 次に、(二)特殊詐欺対策についてでございます。 特殊詐欺被害防止は、犯人からの電話をとらない対策が最も有効であることから、県では、市町村が行う住民への機器の普及事業に対して、費用の一部を補助しております。事業が小規模である場合は補助の対象外になるなどの理由から、市町村で十分に活用していただいていないのが現状でございます。市町村からの御意見や御提案などをお聴きしながら、より活用しやすい補助制度となりますよう見直しを行ってまいります。 一方、対策機器普及のための啓発活動につきましては、令和元年度から高齢者御本人やその家族などに実際に機器に触れていただき、機器の有効性や必要性を実感していただくワークショップを新たに開始いたしました。今年八月末までに二十三回実施し、一千二百人を超える方々に御参加いただいております。さらに、このワークショップの参加者が、今度は自分が講師となり、地元の自治会や老人会などで講習会を開催するよう促すことで、一人でも多くの県民の方々に機器の有効性などを知ってもらうよう取り組んでおります。県といたしましては、より一層機器を普及させ、特殊詐欺被害の防止を強力に推進してまいります。 次に、御質問三、東京二〇二〇オリンピックパラリンピックについての(一)レガシーについてお答え申し上げます。 県では、次の三つの大きな柱の下、価値あるレガシーをしっかり将来につないでいくための取組を進めております。一つ目は、「スポーツで支える県民の健康づくり」でございます。大会を機に、子供から高齢者まで高まっているスポーツへの関心を日頃の健康づくりにつなげられますよう、スポーツを実施するための環境整備を進めてまいります。東京二〇二〇大会では、県民のスポーツによる健康づくりをレガシーとして残し、人生百年時代を支えてまいります。 二つ目は、「おもてなしの心」でございます。県内では既に五千四百人の都市ボランティアと六百七十軒のホストファミリーが大会本番に向けまして実践型の研修や宿泊体験などを行っております。また、お客様をきれいな街でお迎えするため、大会に合わせて会場の最寄り駅を花で飾るほか、スポーツ観戦のときにごみ拾いを行うクリーンタイムや住民による清掃活動の輪も広がりつつあります。さらに、県内で十二カ国が予定しておりますトレーニング合宿では、海外チームの選手と地元住民や子供たちとの交流が盛んに行われております。こうした体験は、県民の皆さんの記憶にレガシーとして深く刻まれます。県としては、県民参加によるおもてなしを積極的に推進してまいります。 三つ目は、「埼玉文化の誇り」でございます。本県には、国際的な言葉にもなっております盆栽やユネスコ無形文化遺産の細川紙、祭りやひな人形など世界に誇れる和の文化が息づいております。東京二〇二〇大会は、こうした埼玉の文化を世界に発信する絶好のステージとなります。また同時に、私たち自身が郷土の文化の価値を再認識し、その誇りを確かなものとする貴重な機会ともなります。 県では、大会を見据え、埼玉の「和」の文化を一堂に集め、その魅力を伝える「埼玉 WABI SABI大祭典」を実施しております。大会期間中には、大宮のソニックシティを拠点として、本県の魅力を世界に発信する一大ステージを展開いたします。東京二〇二〇大会が県民の皆さんお一人お一人に価値あるレガシーを残せるよう、しっかり取り組んでまいります。 最後に、御質問九、彩の国さいたま芸術劇場を軸とした芸術文化の振興についてお答え申し上げます。 まず、(一)芸術文化に触れる機会の創出についてでございます。 彩の国さいたま芸術劇場では、質の高い舞台芸術を県民の皆様に提供するとともに、幅広い世代が芸術に触れる機会を作り、県民の芸術文化への理解を深めております。議員お話しの児童演劇「めにみえない みみにしたい」は、子供も大人も楽しめる作品として、平成三十年度に芸術劇場で制作、初上演をいたしました。その後、芸術劇場のほか、県内では吉川市と東松山市で、さらには北海道から沖縄まで全国十二会場で上演し、大変好評でございました。また、来年二月には、平成三十年度に芸術劇場が制作いたしました家族で楽しめる公演「日本昔ばなしのダンス」を秩父市で開催する予定でございます。 一方で、次世代を担う子供たちにとりましては、優れた芸術文化を体験することも大変重要です。このため、プロの音楽家やダンサーを平成三十年度までに延べ百二十校の小中学校に派遣し、二万二千人余りの子供たちが参加するなど、本物の芸術を体験する機会を提供いたしております。 今後とも、舞台芸術の提供など多彩な事業を通して、子供を含めたあらゆる県民の皆様が芸術文化に触れる機会を創出してまいります。 次に、(二)彩の国さいたま芸術劇場のにぎわいの創出についてでございます。 彩の国さいたま芸術劇場には、誰でも立ち入れるオープンスペースとして「情報プラザ」や、長さ百メートルにわたる通路「ガレリア」がございます。どちらの施設も展示スペースとしての機能を備えており、ここを活用して芸術劇場の事業の紹介や舞台芸術への関心が高まる企画展などを行うなど、公演のない日でもにぎわいを創出できるよう努めております。 この施設につきましては、地元の美術家協会から「絵画や写真などを展示できないか」との御提案をいただいておりますので、指定管理者であります芸術文化振興財団と実現に向けまして具体的な検討を進めております。 また、芸術文化振興財団と地元のさいたま市中央区が連携し、今月十二日に開催する催しでは、芸術劇場で地元の小学生のコンサートやこだわりの料理が楽しめますマルシェなどを行うこととしております。 今後とも地域の皆様と連携し、こうした取組を積極的に進め、芸術劇場の一層のにぎわいを創出してまいります。       〔和栗肇都市整備部長登壇〕 ◎和栗肇都市整備部長 御質問三、東京二〇二〇オリンピックパラリンピックについての(二)さいたまスーパーアリーナの利活用についてお答え申し上げます。 来年の東京二〇二〇オリンピックでは、さいたまスーパーアリーナバスケットボールの全五十二試合が開催され、国内外から多くの来場者が見込まれております。このため、県では、外国の方々を含めた来場者へのおもてなし向上のため、施設のバリューアップを進めているところでございます。 例えば、多言語で施設案内ができるよう、令和元年度中にスーパーアリーナの南面にデジタル案内看板を設置いたします。また、スーパーアリーナの大屋根をライトアップする屋外照明について、オリンピックや各種イベントのシンボルカラーにも対応できるようカラーLEDに更新してまいります。 オリンピック後もこれらの施設を有効活用し、指定管理者とも連携して、スポーツや音楽などの世界的イベントを積極的に誘致することで、地域のにぎわいづくりに貢献してまいります。特にバスケットボールにつきましては、世界でも競技人口の多いスポーツの一つと言われており、今後も成長が大いに見込まれるポテンシャルの高いスポーツでございます。議員お話しのように、バスケットボールを今後のにぎわいづくりに利用していくことは非常に有効なことであると考えております。 現在、けやきひろばでは芝生広場の床面を改修しており、イベント時には三人制バスケットボールなどの利用も可能となります。一方、スーパーアリーナでは、今年八月に八村塁選手も出場した日本代表の国際試合が開催されました。史上最多となる一万八千人を超える来場者でにぎわいました。来週には世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAの試合も二日間開催されることになっており、多くのファンが心待ちにしております。今後もバスケットボールに触れられる機会を幅広く提供し、バスケットボールをスポーツイベントの一つの柱として活用してまいります。 次に、御質問五、県営住宅における単身高齢者への対応についてお答え申し上げます。 県営住宅に入居している六十五歳以上の単身高齢者は五千二百六十七世帯で、全入居世帯に対する割合は二二・四パーセントとなっており、県平均の一〇・二パーセントと比べ、高い状況でございます。そこで、県営住宅では、単身高齢者が安心して暮らせるよう、住宅を管理している住宅供給公社の職員が七十歳以上の単身高齢者のうち、希望する方に対して定期的に電話による安否確認を行っております。入居者からは、人と話すことで安心を感じられると好評を得ておりますが、マンパワーに頼っているため、単身高齢者が増加した場合、適切に対応できるか不安な面もございます。IoTを活用した見守りサービスを県営住宅に導入することは、入居者の異変を自動的に通報できることもあり、入居者の更なる安心の確保と管理している公社職員の人的負担を軽減するものと考えております。 そこで、県営住宅において、例えば冷蔵庫のドアが一定の時間、開け閉めされない場合は、離れて暮らす親族などへ通報する見守りサービスをモデル的に行うように具体的な検討を始めております。今後、実施する団地の選定や希望する単身高齢者の募集を進め、早期にIoTによる見守りサービスを試行してまいります。この試行結果を踏まえ、単身高齢者の方が安心して暮らせる県営住宅となるよう、効果的な見守りサービスに取り組んでまいります。       〔高木紳一郎警察本部長登壇〕 ◎高木紳一郎警察本部長 御質問三、東京二〇二〇オリンピックパラリンピックについての(三)警備についてお答え申し上げます。 東京オリンピックパラリンピックは、世界各地で車両突入や爆弾を使用したテロ事件、さらには大規模なサイバー攻撃やドローンによる攻撃が発生するなど厳しいテロ情勢下で開催されます。本県会場の安全対策を担当する警察としても、テロ対策は非常に重要であると考えており、現在、交通対策と併せ、必要な措置をとるための総合的な警備計画を策定中であります。同時に、主催者側の自主警備計画がより効果的なものとなるよう、組織委員会に対し、警備員の配置箇所、方法等について指導、助言を行うなど調整を進めております。 次に、夏の大型イベントに係る主催者への申入れについてですが、オリンピック開催期間中に祭礼を含むイベントが例年どおり開催されると、一日で最大一千人近くの警察官を動員することになります。他方、東京オリンピックパラリンピックでは、複数の民間警備会社から構成される「東京二〇二〇オリンピックパラリンピック競技大会警備共同事業体」が設立され、本県を含む一都三県の民間警備員を運用する方針が示されております。 したがいまして、祭礼を含むイベントが大会期間中に例年と同一の日程で開催される場合は、警備員の確保が困難になること、多くの警察官を大会警備に動員することから警備の両立が困難になることが予想されるため、主催者の方々に日程変更や規模の縮小について申入れをしているところでございます。現時点、朝霞市民まつり「彩夏祭」と「熊谷花火大会」が日程変更を決定していただいていると承知しております。 今後も、オリンピックパラリンピックと祭礼を含むイベントの双方が安全に開催されるよう、県民の皆様の御理解、御協力を得ながら推進してまいります。 最後の御質問については、警備員の必要数の確保は、主催者である組織委員会が対応すべきものと認識しておりますところ、先ほども申し上げましたとおり、組織委員会とは自主警備計画がより効果的なものとなるよう、警備員の配置箇所、方法等について指導、助言を行うなど連携を図っております。現時点、組織委員会による自主警備計画は人員を含め、検討中であることから、今後も組織委員会と連携し、大会期間中の安全対策に万全を期してまいります。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 御質問四、狂犬病対策についてのお尋ねのうち、海外から持ち込まれる動物の水際対策はどのように講じられているのかについてお答え申し上げます。 我が国では、国内に持ち込まれる動物の水際対策として、狂犬病予防法に基づく輸入検疫が実施されております。輸入検疫に関する事務は農林水産省の所管とされ、その実務は空港などに配置される動物検疫所で行っております。 検疫所では、輸出国で発行された狂犬病予防注射証明書及びマイクロチップによる個体識別データに基づき、持ち込まれる犬の予防接種実施状況を確認します。さらに、最長で百八十日に及ぶ健康状態の観察を行うなど、厳しい検査に合格しなければ国内に持ち込めないことになっております。 次に、狂犬病予防注射接種率の向上にどのように取り組むかについてでございます。 狂犬病予防注射に関する事務は市町村が行っており、議員御指摘のとおり、県内の接種率は過去五年平均で七一パーセントとなっております。市町村では、毎年四月から五月に公園や公民館などで臨時の注射場を設けて狂犬病予防注射を行う、いわゆる集合注射を実施しております。県は、集合注射に協力するため、獣医師会と共同で広報用ポスターを作成し、市町村や動物病院へ配布するとともに、県広報紙やFMラジオ放送などを通じて広く飼い主への周知を行っております。 また、狂犬病予防を推進するため、県、市町村、開業獣医師の三者で狂犬病予防協会を組織しており、啓発リーフレットを作成して動物病院や保健所、市役所などで配布し、飼い主に注射の実施を呼び掛けております。さらに県では、犬に関する苦情が保健所に寄せられた際には、その犬の狂犬病予防注射の実施状況を市町村へ照会し、未実施の場合は確実に実施するよう飼い主に指導しております。引き続き市町村や獣医師会との連携を密にするとともに、新たにペットショップ等に対して、顧客への注射実施の呼び掛けに協力を求めるなど、あらゆる機会を捉えて飼い主への啓発を行い、接種率の向上に努めてまいります。 次に、御質問六、不妊治療についてのお尋ねのうち、不妊治療助成の拡大について、どのような検討をしていくのかについてお答え申し上げます。 国の制度では、夫婦の合計所得七百三十万円未満の方を対象として、初回は三十万円、二回目から六回目までは十五万円を上限とした助成を行っています。加えて県では、早期治療の促進と治療を受ける方の経済的負担の軽減を図るため、平成二十九年度から独自に三十五歳未満の夫婦を対象に、初回十万円の上乗せ助成を行っております。また、これと併せて、第二子以降を望む方を対象にした助成回数の拡大と不妊検査の助成も始めました。さらに、昨年度からは不育症検査費用も補助メニューに加えたところです。 不妊治療費の助成状況を見ると、特に若い世代において、初回に比べ、二回目以降の申請件数が大きく減少しております。これは治療が成功したということもありますが、経済的な理由から治療継続を諦めている方が多いとの調査結果もございます。こうした状況を踏まえ、今後、若い世代が治療を諦めずに継続できるような助成の在り方を検討してまいります。 次に、妊娠しても出産できなかった方へのフォローについてでございます。 議員御指摘のとおり、妊娠しても出産できなかった方へのメンタル面でのフォローは大変重要です。県ではこうした方を支援するため、相談窓口を設置しております。保健所では、母子保健が専門の保健師が幅広く相談を受け、埼玉県不妊専門相談センターでは、専門医による治療の開始・継続について相談などに対応しています。電話相談では、不育症や不妊治療の悩みなどに経験豊富な助産師が対応しています。 こうした相談では、これまで治療を頑張ってきた経過をねぎらいつつ、御本人のつらさや悩みを受け止めた上で、治療の継続や休止など具体的な選択肢を示し、判断できるよう支援しております。治療を継続するかどうかの最終的な判断は相談者御自身や家族で決めることになりますが、人生における大変重大な決断になります。相談に当たっては、気持ちに寄り添った丁寧な対応を行うよう努めてまいります。       〔知久清志福祉部長登壇〕 ◎知久清志福祉部長 御質問七、民生委員の成り手不足についてお答え申し上げます。 本年九月一日現在の政令市、中核市を除く民生委員は、定数七千九百六十七人に対し、二百十三人の欠員が生じており、成り手不足が課題となっています。 民生委員の職務は、高齢者の見守りや子供の養育相談、生活困窮者の生活相談など多岐にわたっています。近年、少子高齢化や核家族化の進展により地域のつながりが希薄となる中、単身高齢者やひとり親世帯など、民生委員の相談支援を必要とする方が増えています。また、老老介護や育児と介護を同時に行うダブルケアなど住民の抱える課題が複雑化、多様化し、民生委員に寄せられる相談内容も困難度が高くなっております。 民生委員の負担を軽減するには、自治会や地域の福祉活動を行っているボランティアとの役割分担や連携が効果的です。また、困難なケースを民生委員が一人で抱え込まないよう、市町村や専門機関が適切に助言を行ったり、休日・夜間の連絡体制を作ることも必要です。こうした取組により、地域における民生委員の支援体制を強化するよう引き続き市町村に働き掛けてまいります。 民生委員の活動費については、一人当たり年間五万九千円を市町村に助成しています。交通費や文房具代、連絡通信費など実際にかかる経費と比較すると、必ずしも十分な水準ではないと考えております。活動費の助成額は国が基準を示していますので、その増額を引き続き国に要望してまいります。さらには、県のホームページなどを活用して民生委員の重要性を発信するとともに、県職員などの退職者に民生委員就任をPRするリーフレットを配付し、候補者の発掘にも努めております。 今後とも市町村や関係団体と連携し、民生委員が活動しやすい環境づくりを進め、民生委員の一層の確保を図ってまいります。       〔森尾博之危機管理防災部長登壇〕 ◎森尾博之危機管理防災部長 御質問八、災害に強い埼玉県づくりについての(一)災害情報発信についてお答え申し上げます。 災害時、県民の皆様に自らの命を守る行動をとっていただくためには、防災に関する情報を広くタイムリーに発信する必要がございます。そこで、県では、ツイッターやフェイスブックを活用して情報発信するとともに、今年度は関係部局と連携し、身近な避難場所やハザードマップも確認できる災害専用アプリの開発を進めているところでございます。 SNSやアプリは、県民がどこにいてもスピーディーに情報を届けることができる有効な発信手段でございます。できる限り多くの方々に活用していただけるよう取り組んでまいります。また、議員お話しの携帯電話購入時にアプリを最初から搭載してもらう試みにつきましては、携帯電話会社との情報交換の場などを活用しまして、提案してみたいと考えております。 今後とも、SNSやアプリ、メールやテレビのデータ放送など様々な手段を活用し、防災情報が県民の皆様に行き届くよう取り組んでまいります。 次に、(二)県民の災害情報受信についてでございます。 台風や大雨の際に災害発生の危険性を直感的に理解できるよう、警戒レベルを用いて避難を呼び掛ける取組が今年度から新たに始まりました。そこで、県では、警戒レベルに応じて取るべき行動について、イラストを用いてホームページやSNSで分かりやすく広報するように努めております。さらに、テレビ埼玉や県内のケーブルテレビ局、FM・NACK5に御協力をいただいて、番組内で取り上げていただいたところでございます。 平成三十年七月豪雨の後に広島県が実施した調査では、地域での呼び掛けが住民の避難行動につながったとされております。今後、自主防災組織のリーダーにも御協力をいただきながら、それぞれの地域できめ細かく災害情報の周知を図っていきたいと考えております。県民の皆様が正しく情報を理解し、災害時の適切な行動に結び付けられるよう引き続き努力をしてまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問八、災害に強い埼玉県づくりについての(三)一級河川鴻沼川与野中央公園南側の調節池の整備についてお答え申し上げます。 鴻沼川は平成九年に一級河川に指定し、通常の河川事業に加え、河川激甚災害対策特別緊急事業や床上浸水対策特別緊急事業により河道、地下河川、桜木調節池の整備を進めてきました。御質問の調節池は、鴻沼川の洪水調節池と与野中央公園の整備に伴う開発調節池の機能を併せ持った容量四万五千立方メートルの一体型調節池です。これまでに公園を管理するさいたま市と平成二十九年九月に基本合意書を取り交わし、平成三十年度に県は調節池の設計に必要な地質調査を実施いたしました。現在は市において公園全体の基本設計と併せて、平常時の調節池の底面利用に関する計画を検討しているところです。 今後、市の検討結果と整合を図りながら調節池の設計を進め、早期に工事に着手できるよう取り組んでまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○神尾高善議長 暫時、休憩いたします。午前十一時八分休憩          ----------------午後一時三分再開 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十五番   十六番    十七番   十八番   十九番   二十番   二十一番  二十二番  二十三番  二十四番   二十五番  二十六番  二十七番  二十八番   二十九番   三十番  三十一番  三十二番   三十三番  三十四番  三十五番  三十六番   三十七番  三十八番  三十九番   四十番   四十一番  四十二番  四十三番  四十四番   四十五番  四十六番  四十七番  四十八番   四十九番   五十番  五十一番  五十二番   五十三番  五十四番  五十五番  五十六番   五十七番  五十八番  五十九番   六十番   六十一番  六十二番  六十三番  六十五番   六十六番  六十七番  六十八番  六十九番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十六番  七十七番   七十八番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    二名   六十四番  七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○新井豪副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き)
    ○新井豪副議長 質疑質問を続行いたします。 十八番 江原久美子議員       〔十八番 江原久美子議員登壇〕(拍手起こる) ◆十八番(江原久美子議員) 北第四区、深谷市、美里町、寄居町より選出をいただいております無所属県民会議の江原久美子です。本日は、地元から多くの皆様に県議会にお越しいただきまして、ありがとうございます。 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。 まず初めに、一、大野新知事の県政運営についての(一)知事公約について質問いたします。 大野知事は、さきの知事選で、日本一暮らしやすい埼玉県の実現と県民の誰一人も取り残すことのない県政を訴え、第六十一代埼玉県知事に御就任されました。政治経験豊富な新知事の手腕に私たちも大いに期待をするところです。 これまで大野知事は、九年間にわたり参議院議員として多数の議員立法に携わり、また、内閣府大臣政務官、防衛省大臣政務官などとして活躍をされ、知事選における政策集では、十二分野にわたり百二十八項目の具体的な政策を発表されました。正に豊富な政治経験と確かな政策実行力をお持ちの方だと思います。ある国会議員は、「知事選に立候補すると聞いたとき、国政の場でその力を失うことを非常に残念に思った」と述べて、大野知事を高く評価しています。 一方で、民間企業の役員として経営感覚を磨かれ、また、ライオンズクラブの歴代最年少ガバナーとしても活躍してこられました。こうした多彩な経験に裏打ちされた広い視野と経営マインドにより、埼玉県をより元気にしていただけるものと確信しています。 公約である「日本一暮らしやすい埼玉を実現する政策集二〇一九」も、そうした政策通である知事の広い見識と県民に寄り添う思いが強く表れているものと評価しています。政策集に掲げる「人生百年プロジェクト」など五大プロジェクトは、これからの埼玉にとって必要な新たなチャレンジであると私は感じました。また、百二十八項目の政策は、健康、結婚・出産・子育て、産業振興、危機管理、行財政改革など、幅広い分野において県政を着実に推進していこうとする堅実な姿勢を感じ取ることができます。 そこで、日本一暮らしやすい埼玉を実現するため、公約にどのように取り組んでいかれるのか、大野知事にお伺いします。 次に、(二)県民目線の県政運営について質問いたします。 選挙戦において、県民を主語にした県民目線の政治を推進することを強く訴え、当選されました。上田県政を経て大野知事に期待する一つとして、より開かれた県政運営の推進が挙げられます。現在は超情報化社会になっており、時代の流れも速く、県民の意識も多種多様になってきています。県民の声を正確に、そしてスピーディーに県政に生かすということは大変重要なことであると考えます。 そこで、県民を主語にした県民目線の政治を推進するため、こうした県民の声をどのように取り入れていくのか、知事の取組を伺います。 ところで、地元の声を聞くと、県南と県北の格差を嘆く声を耳にします。もちろん地元愛にはあふれていますし、県北の魅力はたくさんあります。しかし、県北の人口減少が止まりません。景況感はどうなのか、空き家が増えている、大手企業の撤退、働く場所がない、医師、看護師が不足し、ベッドがあるのに使われない病室、公共交通網の利便性が良くない、採算が合わないバス路線の廃止、県北から県南へ流出する高校生の多さ。もちろん感覚的なことや感じ方に個人差はあると思います。しかし、私たちは日々の生活の中で明らかに南北格差があると感じています。 個別の施策を打っていくことはもちろん大切です。しかし、例えば、県庁舎の中枢部門を県北へ移転するなどといった思い切った策をとらない限り、根本的な格差はなくならないとも思っています。 そこで、伺います。知事は「どの地域も取り残すことのない社会を作る」と知事就任の御挨拶の中で述べられました。こうした県北住民の声に応える知事の南北格差の解消に向けた決意をお聞かせください。 次に、二、渋沢栄一をブームで終わらせないについて質問いたします。 渋沢栄一が沸騰しています。渋沢栄一は、明治から昭和の初めにかけて日本経済の基礎を作った日本の実業家です。また、資本主義の考え方を日本に広めただけでなく、小さな資本を集約し、経済を動かす大きな成長資金になる「銀行」という仕組みを作ったことも大きな功績の一つと言えます。第一国立銀行(現みずほ銀行)や王子製紙(現王子ホールディングス)、東京海上保険(現東京海上日動火災)、帝国ホテルなど多くの企業の設立に関わって、その数は五百以上に上り、「近代資本主義の父」と言われています。関わった事業が多いため、逆に、一言で説明できないことが知名度の低さにつながっているのかもしれません。 しかし、「道徳経済合一説」などはとても有名で、多くの経営者のバイブルとなっています。また、講演録である「論語と算盤」は日本ハムの栗山監督の愛読書であることなどからも、渋沢栄一は現在もなお経済人、文化人、スポーツ選手などの各界の人たちに大きな影響を与えています。 キャッシュレス化が進んでいますが、今回、実に四十年ぶりの新一万円札の肖像に選ばれました。このことからも国家的な評価を得られている証と言えますし、何よりお札として「初めての経済人」として選ばれたことに大きな意味と高い評価がうかがえ、正に国家的英雄だと思います。 また、先月には、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」では、渋沢栄一の生涯が描かれることになり、地元深谷市では、ゴールデンウィークには例年の何倍もの観光客が押し寄せ、うれしい悲鳴を上げていました。深谷市は、栄一ゆかりの団体である東京商工会議所、東京都北区渋沢栄一記念財団、深谷商工会議所、ふかや市商工会の間で包括連携協定を結び、具体的な事業を展開していくこととなっています。また、深谷市独自の事業においても、渋沢栄一翁一色と言ってもいいほどです。 翻って、県内では、その功績の割に理解が進んでいないと感じることがあります。県では、渋沢栄一賞、渋沢栄一ビジネス大賞なども行っていますが、そんな評価でいいのかなと思います。「深谷の渋沢栄一」なのでしょうか。一万円札になる方です。郷土が誇る日本の英雄に対する敬意が足りないのではないかと少し残念に思います。 また、知事は、「紙幣に続き、大河ドラマ六十作品目の節目で栄一翁が大ブレイクし、埼玉の魅力を発信してくれることに期待している」とのコメントを出されていますが、むしろ今こそ県を挙げて、日本を代表する埼玉県の郷土の英雄である渋沢栄一の功績を語り継ぎ、多くの皆さんに理解してもらうことが必要だと思います。 お札や大河ドラマでブームは起こりますが、一時のブームではなく、繰り返しますが、将来にわたり埼玉県の英雄の功績を語り継ぐ責任があると考えています。大河ドラマは二〇二一年です。その前後は大いに盛り上がることは確実です。県の観光振興として、渋沢栄一を軸にロケ地巡りや埼玉県北部の「埼玉県三偉人巡り」周遊観光などはいかがでしょうか。功績やゆかりの地を巡ることにより、より理解が深まると思います。 会派では、栄一がまちづくりに尽力した北海道清水町に伺いました。我々の訪問は新聞記事にもなりましたが、既に栄一翁で大いに盛り上がっていました。お札になるのは二〇二四年の上期ですから、それに合わせて渋沢栄一ゆかりの市町村や関係団体などが大集合し、新一万円札発行記念のビッグイベントを開催するのはいかがでしょうか。 また、日本の渋沢栄一なのですから、日本遺産に登録を考えてはいかがでしょうか。さらには、現在、深谷市にある公民館に併設されている渋沢栄一記念館を、県が新施設としてリニューアルするのはいかがでしょうか。県が誇る偉人であり、その功績を深く理解してもらい、後世に伝えるべき役割が埼玉県にあると思います。 四点の提案をいたしましたが、ブームに乗っていくことはもちろんのこと、埼玉県が渋沢栄一の功績を一過性で終わらせることなく後世に伝えるべき、そして、それは埼玉県の地域経済に貢献すると考えます。 そこで、まず知事に伺います。渋沢栄一翁をどのように評価されますか。また、先ほど幾つかの提案をさせていただきました。それらも含め、県としての観光、経済振興など、今後の取組について産業労働部長に見解を伺います。 次に、三、ICT戦略の推進について質問いたします。 日本のみならず、埼玉県でも人口は減少し、今後、生産年齢人口は大幅に減少する見込みです。しかし、自治体は変わることなく県民の多様なニーズに応えなければなりません。もちろん、国もスマート技術を活用した自治体事務の高度化、効率化を行っています。自治体共有の事務は相当数存在するものの、現在は各自治体がそれぞれ個別にスマート化に取り組んでいるため、非効率な状況が続いているからです。また一方で、ソフトウェア業界にも、いわゆる昭和百年問題やERPのサポート切れなどにより、IT予算が現行ビジネスの維持・運用に平均約八割が配分されているとの報告があり、ソフトウェア業界全体も「二〇二五年の壁」と言われる構造的な問題があります。 埼玉県では、庁内の業務のスマート化について、RPAでは平成三十年度に四課十五業務に導入し、また、音声認識技術を用いた議事録作成支援システムの導入や、総務事務システムにおいてもAI自動応答サービスの導入を行っています。予算的にも前年度十四億円、今年度十五億円が投入されています。 一方、県内の市町村では、埼玉県町村会において、平成二十五年度から基幹系システムの共同化を行っています。しかしながら、AIやRPA等の新技術はもちろん、クラウドの利用などについても検討に至っていない市町村があるというのも実情です。 そこで、企画財政部長に伺います。今年七月に「スマート自治体推進会議」が行われ、県内全ての市町村の担当者が参加したと聞いています。この会議では、県が今後取り組む市町村システムにおける共同クラウド化事業などについての説明があったとのことですが、市町村共同クラウドを導入する目的は何か、また、導入により市町村の業務がどのように効率化するのか伺います。 また、市町村におけるシステムのクラウド化や共同化は、既に取組を開始しているところや検討に着手しているところもありますが、担当者や情報量の不足などにより、なかなか取組が進まない市町村もある、状況も様々であると伺っています。 まずは、タイムスケジュールはもちろんのこと、県は個々の市町村の状況に応じたきめ細やかで速やかな情報提供を行うことが必要と考えますが、見解を伺います。 さらに、システムの共同化・標準化については、国でも検討が進められていると聞いています。総務省が八月に実施した「自治体システム等標準化検討会」では、自治体の情報システムの標準化・共同化について、自治体、事業者及び国が協力して具体的な検討を行うとしています。県の取組が、この国の取組と重複しないのかを伺います。 次に、四、台風十五号とこれまでの災害の教訓について質問いたします。 状況は落ち着いてきてはいるものの、まだまだ大変な思い、状況の中で生活を余儀なくされ、さらに追い打ちをかける台風十七号による被害が出ているようで、心が痛みます。被災された皆様が一日でも早く日常を取り戻せるよう、心よりお祈りを申し上げます。 一方で、今回の予想を超えた災害ではありましたが、結果として行政の後手後手の対応が、マスコミをはじめ既に数多く指摘されています。 大規模災害時には、被災市町村からの支援要請が基本です。もちろん被災状況にもよりますが、今回、小さな自治体ほど市民の対応に追われ、被害状況を把握できなかったり、そもそも通信網が断絶した被害地域からは被害の報告が出せなかったため、県の支援が受けられなかった事案が多数発生しました。そういった手が足りない自治体に対してこそ、県から手を差し伸べるようなプッシュ型の支援は必要だと考えます。 防災基本計画では、県の役割として、被災市町村の体制、資機材のみでは不足すると見込まれる場合に必要な支援を行うことが掲げられています。しかし、今回、病院用に保管していたとの報道もありますが、千葉県保有の備蓄品である非常用の発電機のうち、ほぼ半分にわたる二百五十台は倉庫に眠ったままという事態が発生したように、県が保管していることが市町村に十分認識されていなかったため、結果的に市町村からの要請依頼がないことでこのような事態が発生してしまいました。 そこで、伺います。県の災害対応能力向上の観点からも、市町村が持っている備蓄品と県の備蓄品の把握が必要だと考えます。これは一方ではなく、相互に情報を把握し、共有していなければ意味がないと考えますが、県の現状について、危機管理防災部長に伺います。 これまでも日本全国で起きた災害は教訓にされ、全国各地で様々な対策や改善が図られてきました。阪神・淡路大震災では、倒壊の被害の大きさから耐震化が強化され、東日本大震災では、津波や水の恐ろしさが認識され、堤防や河川対策が行われました。埼玉県では、平成二十五年に発生した竜巻被害を踏まえて、県と県内全市町村共同による独自の人的相互応援制度を創設し、翌平成二十六年の大雪災害を契機に検討を始め、同年十二月には地域防災計画に雪害対策を加え、バージョンアップしていることは高く評価しています。しかし、今までのいわゆる災害の種類によって対策を講じるだけではカバーし切れない被害が散見されるようになりました。 平成二十八年の熊本地震では、被災が長期化することによる、いわゆる関連死が問題となりました。関連死とは、災害に伴う過労や環境悪化などによる病死などで、内科的死因に基づく死と規定されています。熊本地震では、直接死は五十人、災害関連死は二百十五人と、何と全体の死者の八〇パーセントが関連死という驚愕の事実が突き付けられ、近年の台風災害でも関連死が発生しています。災害が長期化することによって引き起こされる関連死の方が圧倒的に多いといった課題が生まれているのです。 そこで、伺います。先ほど説明しました関連死対策こそ、今後の地域防災計画に盛り込むべきと考えますが、危機管理防災部長に見解を伺います。 また、関連死については、市町村の審査会がそれぞれ独自の基準で決定しています。地域の差が出ないよう、県として統一した一定の基準が必要だと考えますが、併せて危機管理防災部長に見解を伺います。 次に、地域防災計画の整合性について伺います。 埼玉県下の市町村は、それぞれ地域防災計画を作成しています。しかし、先ほど来、お伝えしている大規模災害は広域にわたる被害であるとともに、今までは各市町村内で完結している現在の地域防災計画ではカバーできない状況が想定されます。 例えば、埼玉県で想定される洪水被害などで水没することが想定される自治体では、隣接の市に避難しなければならない状況が起こるでしょう。しかし、隣接市に避難する計画をしていても、当該隣接市はその計画自体を知らないので対応ができないといったことがないようにすべきだと思います。 また、地理的に当該市より隣接市に避難をした方が良い場合や、被災している市が被災していない市の避難所を造ることも想定されます。今までは各市町村で対応することが基本でしたが、これからは今述べたような新しい視点も必要だと考えます。そのとき、各自治体が作成した防災計画の内容について整合性を図り、調整をする必要があります。市域をまたいだ避難の可能性があるからこそ、県がその調整役をし、取りまとめるべきと考えますが、危機管理防災部長に見解を伺います。 もちろん、災害そのものやその後の対応について、丁寧できめ細やかな検証は必要です。今後検証結果も出てくるでしょう。菅原経済産業大臣が今回の停電を受けて、電柱の強度を見直すとの報道もあり、電力設備が大きく取り上げられていますが、電線の地中化を含めた電力設備だけでなく、次に質問する森林管理や街の看板類など、ほかの設備の強度も見直さなければ、効果が限定的になると思います。 最後に、検証結果を更に埼玉の地域防災計画に反映・改善していただくことについて、危機管理防災部長に見解を伺います。 次に、五、森林経営管理制度の取組について質問いたします。 本年四月より施行された森林経営管理法。その趣旨は、「林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るためには、市町村を介して林業経営意欲の低い小規模零細な森林所有者の経営を意欲と能力のある林業経営者につなぐことで林業経営の集積・集約化を図るとともに、経済的に成り立たない森林については、市町村が自ら経営管理を行う仕組みを構築する必要がある」というものです。そのために新たな仕組みが講じられることになります。 一つは、森林所有者に適切な経営管理を促すため、経営管理の責務を明確化するとともに、森林所有者自らが経営管理を実行できない場合に、市町村が経営管理の委託を受け、意欲と能力のある森林経営者に再委託をする。そして再委託できない森林及び再委託に至るまでの間、森林は市町村が経営管理を行うことになります。つまり、この森林管理制度の下では、所有者が管理できない森林について管理する権利を市町村に設定し、市町村は採算ベースに乗りそうな森林は「意欲と能力のある林業経営者」に管理を委託し、採算ベースに乗らない森林は市町村自らが管理するということです。 この新制度については、問題点が様々議論されているところですが、現実的には既に施行されているため、市町村は対応を始めているところだと聞いています。今後、実際に林業に適した森林がどれくらい出てくるのか、また、条件に照らして林業経営に適さない森林がどれだけあるのかは不確定ではありますが、仮に再委託できない、いわゆる不採算森林を市町村が継続的に経営管理を行うことは、森林環境譲与税の一部を充当できるとはいえ、大変な状況や財政負担を生み出すことになると思います。 そこで、森林経営管理制度の運用に当たり、埼玉県として人材不足の実施主体である市町村をどのようにバックアップしていくのか、特に市町村が経営管理することになった場合、どのような支援を行うのか、農林部長に伺います。また、市町村職員の林業関係実務は様々あると思いますが、実施研修を含む技術の習得などの機会はどうなっているのか、農林部長に伺います。 次に、六、介護人材の確保について質問します。 人材不足はあらゆる業界において課題となっています。特に本県は日本一急速に高齢化が進む県であり、もちろん健康長寿埼玉プロジェクトや働くシニア応援プロジェクトなどにより大きな成果を上げていることは評価しておりますが、それでもなお、県民一人一人が必要な介護サービスを受けられるよう、介護人材を確保することは喫緊の、そして将来的な課題でもあると思います。 介護人材確保では、離職対策も大変大切な取組の一つですが、様々な角度から人材を発掘・定着させていかないと、今後ますます人材不足が懸念されます。 介護労働安定センターが毎年行っている介護労働実態調査でも、実に六割を超える介護事業者が従業員の不足感を感じているという結果も出ています。また、介護職は産業全体と比べて離職率が高いことも課題です。埼玉県の産業全体の離職率が一〇・九パーセントである一方で、介護職の離職率は一六・八パーセントであり、こうした状況も人手不足を助長しています。 私も介護事業所の関係者の方から人手不足というお話を伺うことがあり、介護サービスを安定的に提供するためには、介護サービスの担い手である介護人材の確保は待ったなしの状況であると考えています。 六月定例会において、「確保」「定着」「介護のイメージアップ」という三つの視点で介護人材の確保に取り組んでいるとの答弁がありました。また、平成二十五年二月から「介護職員しっかり応援プロジェクト」を関係団体の方々の協力の下に立ち上げ、介護人材確保・定着推進協議会などを設置し、運営していることも承知しています。 そこでまず、現在の介護人材確保について、県はどのような取組を行ってきたのか、福祉部長に伺います。 次に、介護人材確保を考える上で、外国人介護人材の受入れが注目され、国としての取組も始まっているところです。国は、外国人介護人材を確保するため、平成二十年からは経済連携協定、いわゆるEPA、在留資格「介護」、技能実習生制度などで取り組み、本年四月からは在留資格「特定技能一号」の制度を新設したところです。今後の介護ニーズの爆発的な増加の見通しと介護人材確保の厳しい現状を考えると、外国人介護人材の活用も有効な手段の一つになると思います。 そこで、将来的には介護業界に多くの外国人が日本に入ってくると考えますが、県として今後どのように外国人介護人材の受入れの支援を行っていくのか、福祉部長に伺います。 次に、七、地元問題についての(一)県道赤浜小川線バイパス整備について質問いたします。 寄居町には本田技研工業株式会社の埼玉製作所寄居完成車工場が立地しており、ホンダはこの工場を「次世代グローバル・マザー工場」と位置付け、海外の自動車生産拠点に向け、競争力のある量産技術の発信を目指していると聞いています。また、狭山工場の機能を寄居に集約するとの報道もなされています。 現在、寄居工場の主要なアクセス道路となっている国道二五四号バイパスは、朝夕の通勤・通学時間帯を中心に交通混雑が発生しています。国道二五四号に集中する交通量の分散化のため、県、寄居町及び小川町で連携し、寄居町富田と小川町下横田をつなぐ新たな道路の整備を進めていただいておりますが、いまだ開通しておりません。今後、狭山工場に勤務されていた従業員の方々が寄居工場へ転勤となると、国道二五四号バイパスの混雑が更に厳しくなることが想定されます。 そこで、県が新たな道路として整備を進めている県道赤浜小川線バイパスの進捗状況と今後の見通しについて県土整備部長に伺います。 最後に、(二)県道赤浜小川線の歩道整備について質問いたします。 この県道は、国道二五四号にアクセスする県道としての役割を果たす一方で、地域の生活道路として地元の皆様の安心で安全な役割を担っていく大切な道路です。現在、寄居町道五六七号線から寄居カントリークラブ入り口までの区間は、歩道が一部あるものの、歩道がない区間も多く存在し、地元から早期整備を望む声が私の下にも届いています。 そこで、県道赤浜小川線の歩道整備の進捗状況と今後の見通しについて県土整備部長に伺います。 以上で私の一般質問を終わりにします。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○新井豪副議長 十八番 江原久美子議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 江原久美子議員の御質問に順次お答え申し上げます。 まず、大野新知事の県政運営についてのお尋ねのうち、知事公約についてでございます。 本県は、これまで経済、人口ともに右肩上がりで推移してまいりましたが、間もなく人口減少に転じます。 私は、超少子高齢社会への対応を速やかに行わないと手遅れになりかねないとの強い危機感から知事選挙に出馬したところです。その際、日本一暮らしやすい埼玉を実現していくため、百二十八項目の公約をお示しさせていただきました。 私は、知事就任直後に公約実現に向けた検討を指示し、副知事、部局長などと議論を重ねて、県行政としての取組の方向性を取りまとめ、公表いたしました。その中では、五大プロジェクト、医師確保や病児保育への対応、起業家支援や農林業振興、危機管理や行財政改革などの十六の重点施策をはじめ、公約の各項目にどのような方向で取り組むのかを明らかにさせていただきました。今後は、この方向性に基づき、公約実現に向けて工程を整理することにより、すぐに取り組むもの、来年度予算を議決いただいた上で取り組むものなどに仕分けをし、具体的な取組を進めてまいります。 公約の中には、本県が今後どういう方向にかじを切っていくのかを明らかにするために、中長期的なビジョンとして示した施策もあります。こうした中長期的な施策についても、四年間で実現までの道筋をしっかりつけたいと考えております。 また、私は、公約を実現していく上で二つの大事な理念があると考えております。一つは、持続可能な社会を実現するための目標であるSDGsです。「誰一人取り残さない」というSDGsの基本理念に基づき、全ての施策を推進してまいります。 もう一つは、県民が主語の県政運営です。県民の皆さんの声をしっかりと聴き、施策にフィードバックさせることにより、県民本位、県民が主役の県政を推進してまいります。 さらに、施策を着実に進め、公約を実現していくためには、県の総力を挙げて推進していく必要があります。そのためには、まずは県庁の組織の力を最大限に発揮させていくことが重要であります。組織のトップである私自らが職員にビジョンを語り、目標をしっかりと共有することで組織の力を高めてまいります。 一方で、県庁のみで実現できることはおのずと限界があります。市町村や民間企業など県内の様々な団体のお力をお借りすることにより、本県のポテンシャルが最大限発揮できるよう取り組んでまいります。 今、本県は人口減少、超少子高齢社会の進行など時代の転換点にあり、課題は山積しています。私は、これらの課題を克服するため、埼玉県のリーダーとしてしっかりとかじを切り、日本一暮らしやすい埼玉を実現してまいります。 次に、県民目線の県政運営についてのお尋ねのうち、県民の声をどのように取り入れていくかについてでございます。 本県では、高齢者世帯や単身世帯の孤立、若年層の格差の拡大、地域によっては空き家や商店街のシャッター通り化など様々な課題が山積しています。私は、選挙期間中、こうした課題を背景とした、漠然とした不安の声や将来への懸念の声を数多くお伺いし、県民の声を真摯に受け止め、待ったなしの課題に早急に取り組む必要があると強く実感をいたしました。 本県では、これまでも県民の生活意識などを把握する県政世論調査や県民から県政に関する提案を知事に直接いただく制度を設け、県民の皆様の声を県政に生かす取組を行ってまいりました。私は、こうした取組に加え、自ら現場に出向き、県民の多様な意見を直接お伺いする「どこでも知事室」を新たに実施しようと考えております。 どこでも知事室は、県政全般や各地域に関わる課題などのほか、重点的に取り組むとした公約につきましても率直な意見交換を行い、課題解決のための処方箋としてまいります。また、県民目線の県政を実効性あるものとするためには、知事と職員とが同一の目的とビジョンを共有し、県庁組織が一丸となっていくことが不可欠です。そのためにも、県民の声を的確に県政に生かすという私の考えを職員一人一人に徹底させることが必要だと考えております。 私の思いは、県政運営に当たり多くの県民の利益が最大になることを全ての判断基準として常に意識していくことにあります。早速、今月には、子供の居場所づくりなどに精力的に取り組まれている皆様と直接お話をさせていただき、県政に生かせるものはスピード感を持って生かしていきたいと考えています。 このような現場主義を貫き、県民目線の県政運営にしっかりと取り組んでまいります。 次に、南北格差の解消に向けた決意についてでございます。 議員御指摘の人口減少や医師、看護師の不足など、北部地域を取り巻く環境が厳しいことは、知事就任以降も改めて深く認識をいたしております。 このように、江原議員が取り組まれてこられた課題をはじめとする多くの問題は、南部地域などに比べ、北部地域の方がより早く顕在化し、急激に深刻化しています。 このような状況を踏まえ、私は「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を県政運営に積極的に取り入れることを公約として掲げ、どの地域も取り残すことのない社会を目指して政策を進めてまいります。 先日公表した知事公約に係る取組の方向性でも、北部地域の基幹産業である農林業の振興や商店街の支援などの項目を重点施策と位置付けました。加えて、北部地域で懸念されている深刻な医師不足への対応も重点施策に掲げました。これらの施策にしっかりと取り組んでまいります。 また、私は、北部地域は南部地域などにはない様々な魅力や特性があり、大きく発展する高いポテンシャルを有していると考えております。例えば、農業分野においては、熊谷市や深谷市を中心とする北部地域は全国有数の大産地であり、本県が全国トップクラスの産出額を誇るネギ、ブロッコリー、ホウレンソウなどの多くを生産しています。北部地域の農業産出額は約七百五億円に上り、県内の十圏域の中で第一位となっています。また、輸送用機械や化学工業などを中心に製造業も盛んです。製造品出荷額は約二兆四千億円に上り、こちらも十圏域の中で第一位であります。 今、北部地域は国内外から高い注目を集めています。熊谷市ではラグビーワールドカップ二〇一九が開催されており、世界中から多くの人が訪れています。また、新一万円札の新たな顔に決まった深谷市出身の偉人、渋沢栄一翁の大河ドラマが再来年スタートいたします。 このように、北部地域をはじめ各地域はそれぞれ特性や魅力を持っており、地域を活性化していくためには、こうした特性や魅力を更に高めていくことが重要だと思います。私は、北部地域の皆様の声にもしっかりと耳を傾け、北部地域の課題解決に積極的に取り組むとともに、それぞれの地域の良いところを更に伸ばし、バランスのとれた魅力ある地域づくり、埼玉県づくりに全力で取り組んでまいります。 次に、渋沢栄一をブームで終わらせないについてのお尋ねでございます。 郷土の偉人である渋沢栄一翁が新一万円札の顔になることが発表されたことに続き、NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公に決定したことは、県としても二重の喜びであり、大変うれしく思っております。 御存じのとおり、渋沢翁は武蔵国血洗島村、現在の深谷市の農家にお生まれになりました。自らも「血洗島の農夫」とおっしゃっておられたように、藩閥出身ではないにもかかわらず、明治の元勲にも肩を並べる大きな功績を残され、評価を受けておられます。 渋沢翁は著書「論語と算盤」の中で、「真の富とは道徳に基づくものでなければ決して永くは続かない」と述べておられ、生涯で五百を超える企業の設立や運営に関わりました。関係された多くの企業が現在でもなお日本経済を牽引していることは、皆様御存じのとおりであります。同時に、企業の目的は利潤の追求にあるとしても、その利益を社会に還元することを訴え、福祉、教育など約六百もの公益事業に尽力するなど、企業のあるべき姿を求め続けました。晩年はアメリカの青い目の人形と日本の市松人形の交換などを通じ、民間外交にも力を注がれるなど、世界平和にも貢献し、ノーベル平和賞の候補にも二度選ばれておられます。 経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、その著書「マネジメント」において、「渋沢栄一は世界の誰よりも早く、経営の本質は責任にほかならないということを見抜いていた」と述べておられます。こうしたことから、渋沢翁は近代日本の礎を築いた最大の指導者、実践者であると同時に、優れた思想家の一人であると考えています。 渋沢翁が唱えた「論語と算盤」の精神は、経済成長と環境や社会との調和を図るSDGsの精神そのものであると同時に、コンプライアンスを含む社会における企業の役割を体現していると考えています。企業倫理が問われる今日、渋沢翁が改めて評価されているのは、時代が渋沢翁の精神を求めているからであり、国内はもとより国際的にも評価されるべき偉人であると私は考えております。       〔加藤和男産業労働部長登壇〕 ◎加藤和男産業労働部長 御質問二、渋沢栄一をブームで終わらせないについてのうち、県としての観光、経済振興などの今後の取組についてお答え申し上げます。 一人の人物が大河ドラマの主人公となり、かつ紙幣の「顔」になることは、過去に例のない大変大きな出来事です。このビッグチャンスを観光振興や経済振興に生かすことは大変重要なことだと考えております。 まず、議員御提案の「ロケ地巡り」や「埼玉県の三偉人巡り」についてでございます。 ロケ地巡りは、作品の登場人物になった気分を味わうことができ、作品に対する理解を深めることができることから、大変人気のある観光メニューです。印象的なシーンの撮影が地元で行われ、全国に向けて放映されれば、より注目度が高まり、放映後にロケ地や渋沢栄一翁ゆかりのスポットに全国から多くの方の来訪が期待できます。これにより観光消費額の増加や地元並びに埼玉県のイメージの向上にもつながります。まずは、より多くの撮影が県内で行われますよう、NHKに対し、早い段階から強く働き掛けてまいりますとともに、制作担当者とのきめ細やかな対応にも努めてまいります。 また、議員お話しのとおり、渋沢栄一翁を含めた埼玉県の三偉人は全て県北出身であり、ゆかりのスポットを巡る周遊観光を促進することは、県北地域の広い範囲の観光振興に大きく寄与するものと考えます。地域の食や酒を楽しむ提案を効果的に組み合わせ、地域経済の活性化に貢献するものにしてまいります。 まずは、昨年、旅行業の免許を取得した埼玉県物産観光協会が主体となり、魅力的な三偉人巡りの企画・提案に取り組んでまいります。併せて、旅行商品の商談を行うトラベルマートなどを通じて、一般の旅行業者に働き掛け、都内などから多くの来訪者の参加が可能となる三偉人関連の旅行商品の開発につなげてまいります。 新一万円札発行記念のイベントを開催することについても御提案をいただきました。大河ドラマの放映や新一万円札の発行の機会を捉えたイベントの開催は、多くの方の参加が見込まれ、効果が高いと考えます。観光振興の観点から、近隣市町村への波及効果も考慮しながら、まずは地元深谷市とどのような取組ができるか検討してまいります。 これ以外にも、日本遺産への登録や渋沢栄一記念館のリニューアルの御提案をいただきました。地元での議論や取組などを踏まえ、県関係部局と課題の整理を行ってまいります。 また、渋沢栄一翁は日本を代表する経済人であることから、本県以外の自治体にも関わりがあります。近隣自治体とも連携をし、渋沢栄一翁にスポットを当てた、より広域的な観光振興にも取り組んでまいります。 この好機をしっかりと捉え、一過性のブームとせず、県北地域はもとより、県全体の観光振興や経済振興につなげられるよう、深谷市をはじめ関係自治体とも一体となって積極的に取り組んでまいります。       〔石川英寛企画財政部長登壇〕 ◎石川英寛企画財政部長 御質問三、ICT戦略の推進についてお答え申し上げます。 まず、市町村共同クラウドを導入する目的は何か。また、導入により市町村の業務がどのように効率化するのかについてでございます。 市町村共同クラウドは、県内市町村の情報システムを集約するための専用の基盤であり、ICT費用の削減と業務の効率化、セキュリティ水準の向上を目的としています。具体的には、ネットワークの構築やサーバ機器の調達など、これまで市町村ごとに行っていたものを県が一括して行うことにより経費を削減します。また、クラウドのサーバ等を県が一括して管理するため、市町村職員の負担を大幅に軽減でき、システム管理業務を効率化することができます。さらに、市町村単独では高額で導入が困難な優れたセキュリティ機器も整備する予定であり、セキュリティ水準が向上します。 次に、県が個々の市町村の状況に応じたきめ細やかで速やかな情報提供を行うことについてでございます。 県では、本年八月、各市町村がどの情報システムについて共同化の意向があるのか、全市町村に対し調査を行ったところです。この意向調査により、市町村によって共同化の意向のある情報システムの種類、規模や共同化に移行する時期などが様々に異なることが分かりました。こうした市町村ごとの状況を踏まえ、必要な情報を速やかに提供した上で、実現すべきシステムの能力や共同化のスケジュール等について、県と全市町村からなるスマート自治体推進会議等において丁寧に検討してまいります。 また、取組や検討が進んでいない市町村に対しては、ほかの市町村の取組状況等を情報提供し、個別の相談を行うなど、きめ細かく支援してまいります。 次に、国の自治体情報システムの標準化・共同化の取組と重複しないのかについてでございます。 国では、住民の生活に密接に関わり、全国一律に事務処理を行うシステムを優先して、共同化や手続の標準化に取り組むと聞いております。県では、全国一律ではなく、県内の複数市町村で事務処理を行うものを共同化の対象としていきたいと考えております。例えば、AIを活用して住民からの問合せに自動応答するシステムなどを当面の検討対象と考えております。 県としては、国の検討状況を注視した上で、重複することのないよう取組を進めてまいります。       〔森尾博之危機管理防災部長登壇〕 ◎森尾博之危機管理防災部長 御質問四、台風十五号とこれまでの災害の教訓についてお答え申し上げます。 まず、県及び市町村の備蓄品の情報共有についてでございます。 県では、毎年市町村に対して備蓄物資の調査を行い、その品目と数量を把握するようにしております。一方、県が備蓄する食料や生活必需品、発電機などの主な防災用資機材について、地域防災計画の資料編の中で公表はしておりますが、十分に市町村と共有されているとは言い難い状況にございます。県と市町村を結ぶ災害オペレーション支援システムに県の備蓄品の情報を表示し、しっかりと共有できるようにしてまいります。 次に、関連死対策を今後の地域防災計画に盛り込むことについてでございます。 大規模災害は、発災後、長期間にわたって生活基盤が麻痺することが予想されます。議員御指摘のように、発災時には助かった命が、避難に伴う身体的・精神的疲労や生活環境の悪化により関連死という形で失われてしまうおそれがございます。 現在、地域防災計画では、避難者の心のケアを含めた健康管理やプライバシーの確保といった生活環境への配慮などを定めております。今後、例えばエコノミークラス症候群を予防する弾性ストッキングや段ボールベッドの活用など、関連死を防ぐ具体的な対策についても計画に盛り込んでまいります。 次に、関連死認定の県としての統一基準についてでございます。 関連死の認定につきましては、全国の自治体で共通する問題でもございますので、国において一定の基準を示すことが望ましいものと考えております。 今後、国では、東日本大震災や熊本地震などの過去の災害関連死の認定例や判例等を収集、分析し、整理した上で公表する予定と聞いております。こうした国の動きも踏まえながら、市町村と意見を交換してまいります。 次に、各自治体の防災計画を県が調整することについてでございます。 平成三十年七月豪雨では、倉敷市真備町の被害が甚大だったことから、隣接する総社市は市内の避難所に真備町の被災者を数多く受け入れたという事例がございました。 大規模災害に備え、市町村の区域を超えた対応も想定しておく必要がございます。例えば県内では、川島町は上尾市、桶川市、北本市の三市と災害時に避難所などを相互に利用する協定を締結し、地域防災計画に反映させております。広域避難など市町村間での調整を必要とする場合、県としても積極的に関わり、それぞれの計画の整合が図られるようにしてまいります。 次に、台風十五号に関する災害とその対応の検証結果を県の地域防災計画に反映、改善することについてでございます。 台風十五号による記録的な暴風は、大規模停電や広範囲にわたる住家被害をはじめ、生活全般に深刻な影響をもたらしました。今回の災害を通じて多くの学ぶべき教訓があると考えております。今後、国や千葉県による検証結果を本県の地域防災計画に反映させ、災害対応力の強化につなげてまいります。       〔牧千瑞農林部長登壇〕 ◎牧千瑞農林部長 御質問五、森林経営管理制度の取組についてお答え申し上げます。 まず、人材不足の市町村をどうバックアップしていくのか、特に市町村が経営管理することになった場合、どのような支援を行うのかについてでございます。 森林経営管理法の施行に伴い、森林所有者への適切な森林管理の働き掛けや森林所有者自らが森林管理ができない場合の経営管理など、市町村の果たす役割が多くなりました。同時に、県は市町村に対し、経営管理に関し必要な助言、指導、情報の提供などを行うよう努めることとなっています。 議員お話しのとおり、県内の市町村には林業の技術系職員が少ないという実態があります。そこで、県では、まずはこの新しい森林経営管理制度をしっかりと理解していただくために、市町村職員を対象にした研修会を昨年度から今年度にかけ五回開催しました。さらに森林経営に関する森林所有者の意向調査の実施状況など、個々の市町村の取組状況を定期的に把握した上で、必要な指導、助言を随時行っております。 また、今年度から県に交付される森林環境譲与税を活用して、森林管理業務を円滑に進めるために、間伐などの作業履歴を取りまとめ、森林位置情報とリンクさせ、その図面などを市町村へ提供することとしました。このような取組を通じ、森林の経営管理における市町村への支援に努めてまいります。 次に、市町村職員への林業関係実務の習得機会についてでございます。 今後、森林経営管理制度を円滑に進めるに当たって、植林や間伐など森林管理についての知識が不可欠です。そのため、県では市町村職員に対し、林業関係の実務を様々なレベルや分野に応じて習得できる機会を設けています。平成二十九年度からは森林・林業の基本的な知識を身に付けてもらうための初任者研修を実施しています。また、少人数でも正確に木の高さや太さを調査できるレーザー測量の操作研修を導入するなどして、経験の浅い市町村職員でも森林調査が行えるよう取り組んでいます。さらに、植林・間伐など森林整備に役立ててもらうため、林野庁が主催する林業技術の実務研修の受講について、市町村に働き掛けています。 県といたしましては、こうした取組を通じ、市町村職員の技術の習得と技術力向上に向け、しっかりと支援をしてまいります。       〔知久清志福祉部長登壇〕 ◎知久清志福祉部長 御質問六、介護人材の確保についてのお尋ねのうち、介護人材確保について、県はどのような取組を行ってきたのかについてお答え申し上げます。 これまで県では、介護人材の「確保」「定着」「介護のイメージアップ」という三つの視点で事業に取り組んできました。介護人材の確保では、介護未経験者の方などに初心者研修を受講していただき、就労体験を経た上で介護事業所とのマッチングを行っており、平成三十年度は二百九十一人の方が介護事業所に就職しました。また、高齢者を対象に介護助手として働いていただく事業にも取り組んでおり、平成三十年度は百四十八人の方が就労に結び付いております。 介護人材の定着では、職員の負担軽減のため、介護事業所における介護ロボットの購入の補助を行うなど、積極的な導入を働き掛けています。また、介護福祉士の資格取得に係る補助を行い、平成三十年度は二百二十四人の支援をするなど、キャリアアップ支援に取り組んでいます。 介護のイメージアップでは、職員のやりがいを高める取組や介護の仕事の魅力を伝える取組を進めてきました。特に介護の魅力PR隊は、介護現場の一線で活躍する職員が中学校や高校で出張介護授業を行い、生徒からは福祉の仕事に興味を持ったなどの声をいただいております。 今後も効果的な施策を検討、実施することで、介護人材の確保に全力で取り組んでまいります。 次に、今後どのように外国人介護人材の受入支援を行っていくのかについてでございます。 介護労働安定センターの介護労働実態調査では、県内の介護事業所の約一七パーセントが外国人介護人材を活用する予定があるとしています。県としては、外国人介護人材の受入れを希望している介護事業所に対し、受入れが円滑に進むよう支援を行う必要があると考えています。 介護事業所では、言葉の違いなどから利用者との意思疎通や介護記録の作成への懸念があるため、日本語の支援を行う必要があり、大きな負担となっております。そこで、今年度から技能実習生などを受け入れる介護事業所に対し、日本語教育などにかかる経費の一部を補助する制度を創設したところです。 県としては、埼玉県老人福祉施設協議会、埼玉県介護老人保健施設協会などの関係団体で構成する介護人材確保対策検討委員会などを通じて、現場の声を丁寧に聞きながら、引き続き検討してまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問七、地元問題についてお答え申し上げます。 まず(一)県道赤浜小川線バイパス整備についてでございます。 現在、国道二五四号バイパスの混雑緩和のため、寄居町富田と小川町下横田を結ぶ延長約六・三キロメートルの新たな道路を県と寄居町、小川町がそれぞれ区間を分担して整備を進めております。この新たな道路のうち、寄居町富田から牟礼までの約一・四キロメートル区間を県道赤浜小川線のバイパスとして、また、小川町高谷から下横田までの約一・九キロメートル区間を県道本田小川線のバイパスとして県が整備を進めております。 御質問の県道赤浜小川線バイパスにつきましては、用地買収率が現在四七パーセントとなっており、令和元年度は一部区間の工事も実施しております。今後も地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、残る用地取得や工事を進め、早期に開通できるよう努めてまいります。 次に、(二)県道赤浜小川線の歩道整備についてでございます。 県道赤浜小川線の町道五六七号線から寄居カントリークラブ入り口までの歩道整備については、三百九十メートルの区間のうち、町道五六七号から二百二十メートル区間は東側に歩道が整備されております。残る区間については、平成三十年度に路線測量と詳細設計を行い、令和元年度は地元説明会を開催し、用地測量を行ってまいります。 今後は、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら用地取得を進め、事業の推進に取り組んでまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○新井豪副議長 暫時、休憩いたします。午後二時九分休憩          ----------------午後三時二分再開 出席議員    九十二名     一番    二番    三番    四番     五番    六番    七番    八番     九番    十番   十一番   十二番    十三番   十四番   十五番   十六番    十七番   十八番   十九番   二十番   二十一番  二十二番  二十三番  二十四番   二十五番  二十六番  二十七番  二十八番   二十九番   三十番  三十一番  三十二番   三十三番  三十四番  三十五番  三十六番   三十七番  三十八番  三十九番   四十番   四十一番  四十二番  四十三番  四十四番   四十五番  四十六番  四十七番  四十八番   四十九番   五十番  五十一番  五十二番   五十三番  五十四番  五十五番  五十六番   五十七番  五十八番  五十九番   六十番   六十一番  六十二番  六十三番  六十五番   六十六番  六十七番  六十八番  六十九番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十六番  七十七番   七十八番  七十九番   八十番  八十一番   八十二番  八十三番  八十四番  八十五番   八十六番  八十七番  八十八番  八十九番    九十番  九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    一名   六十四番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○神尾高善議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○神尾高善議長 質疑質問を続行いたします。 十三番 白根大輔議員       〔十三番 白根大輔議員登壇〕(拍手起こる) ◆十三番(白根大輔議員) 議席番号十三番、南第二区、川口市選出、民主フォーラム白根大輔でございます。 本定例会におきまして、県議会初めての一般質問をさせていただく機会をお与えいただきました皆様方に深く感謝を申し上げます。また、本日は日頃より御支援をいただいております地元の皆様に傍聴にお越しいただきましたこと、感謝申し上げます。 それでは、議長からお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。 一、交通政策・諸問題について、(一)交通局の設置を。 知事は今回、政策課題として、日暮里・舎人ライナー延伸や地下鉄七号線(埼玉高速鉄道線)の延伸等を挙げられています。いずれも一筋縄ではいかない問題ばかりです。 日暮里・舎人ライナーの終着駅である見沼親水公園駅を見ますと、川口市、草加市まで目と鼻の先で、延伸を待ち遠しく感じております。これらの問題には県をまたぐような事業や様々な外部要因との関係、現在の鉄道やバスなどの包括的な交通体系などへ取組は必要で、交通政策を所管している交通政策課だけで限界があるのではないかと感じるところであります。 そこで、知事にお尋ねいたします。 現在の交通政策課を交通局に格上げし、総合的な取組をしてはいかがでしょうか。また、知事が公約でうたわれている「あと数マイルプロジェクト」のうち、鉄道の延伸についての御所見をお聞かせください。 (二)埼玉高速鉄道へシフトする料金体系と延伸について。 JR川口駅のプラットホームは、平日の朝では通勤・通学者で日々混雑して危険な状態が続いています。本年六月にJR川口駅と西川口駅の各駅にホームドアが設置され、通勤・通学ラッシュ時のプラットホームでの転落事故が防止されましたが、朝の混雑状況は一向に解消されておりません。 川口市が交通に関する将来あるべき姿をまとめた「川口市交通体系将来構想」の中では、現状の課題として、JR川口駅へのバスなどの移動手段が一極集中している点を挙げています。また、SR川口元郷駅への連結が少ないがために、本来、近い川口元郷駅を利用したいけれども、川口駅に行かざるを得ないなどの問題も指摘をされております。通勤者の約七割が川口市内から都内に移動していますが、その多くがJRを利用しているというデータもあり、朝の通勤地獄からの解消には、JRからSRへの分散化輸送も必要と考えております。 SRの利用率が低いのは、高い運賃体系も影響していると考えます。昨年四月に、SRでは通学定期を最大二二パーセント値下げしました。沿線開発による利用者の増加もあると思いますが、利用者が前年度比約三十万人増加いたしました。通勤定期についても値下げしていただくことを引き続き要望させていただきたいと思いますが、今回は一時利用者の増加について取り上げさせていただきます。 SRの定期利用者については、駅周辺の沿線開発も進み、新住民が居住するなどの効果により増加の幅が比較的大きく推移しています。それに対し、一時利用者については、その推移の伸びは鈍化しているようにも感じます。 本年六月には、経営基盤の強化策として、沿線特性を活用した農産物の生産や販売、宿泊需要に対応するためのホテル事業等をSRでもできるように定款変更がされました。しかし、鉄道の利用者が増えなければ、外堀を埋めても十分な効果が出ません。現在、SRでは一時利用者の増加の取組として、東京都内へ行くことのできるお得な企画切符「SR東京メトロパス」を販売しています。もちろん大変便利で、利用者としては経済的にはありがたいですが、わざわざ都内に県民の消費活動を促進することが良いのか、いささか疑問を感じます。 一方、現在、県内を含めたSR沿線の「SR一日乗車券」を土日と年末年始等で販売していますが、来年の東京二〇二〇オリンピックパラリンピックに備え、また、県内の消費活動の活性化やインバウンドを促進するためにも、平日の一日利用切符を期間限定ではなく、恒久的に販売してはいかがでしょうか。企画財政部長の御所見をお伺いいたします。 続いて、埼玉高速鉄道線の延伸の考え方についてもお伺いいたします。 大野知事も埼玉高速鉄道の延伸ということを述べておりますが、軌道交通の在り方として、地下鉄での延伸では建設コストがかさんでしまうなど大きな課題もあります。また、今後の人口減少を考えると、地下鉄ありきでは現実的ではないようにも感じられます。交通輸送技術も目まぐるしく変化することから、柔軟な軌道交通体系を踏まえて、延伸について検討を進めていくことが望ましいと考えます。併せて企画財政部長の御所見をお伺いいたします。 二、都市型災害や想定外の大災害への備えについて、(一)水害ハザードマップを反映した地区防災計画の策定支援について。 先日の台風十五号では、多数の被害が発生しました。まずは一刻も早い復旧を願うばかりです。幸いにも県内では大きな被害はありませんでしたが、千葉県では電気の完全復旧まで時間を要して、半月以上もの間、ライフラインのダウンにより通信障害が発生しました。その間、自治体から住民への情報発信の手立てが限られていたようです。本県でも県内自治体で発表された避難所や避難に関する情報をメール配信する県のシステムに不具合が生じ、最大十五時間も情報が発信されていなかったという同様のトラブルが発生しました。同システムに登録されている方は延べ九万人とのことですが、サーバの問題で配信ができなかったということであります。このシステムだけに頼るのは大変リスクが大きいということが分かります。やはり、災害に対しては、一つのツールだけでなく、幾つもの備えが大事であると思います。 ところで、私は先日、警察危機管理防災委員会で、東日本大震災で被災して復旧・復興中の岩手県大槌町役場を視察してまいりました。平野町長自ら、震災時から復旧・復興までの様子などを語っていただきましたが、大槌町の防災は「多重防災」という考え方に基づいて実施されているとのことでした。十四・五メートルの防潮堤を造り、その後ろの土地を危険区域に指定して、それ以外を盛土する。更にそこから避難経路を造るように幾重にも防災対策が施されているそうです。加えて、防災に対する知識、経験を踏まえた防災教育を行っており、ハードとソフトの両面で多重な防災対策が行われています。 河川の面積が日本一で水害の危険性もある埼玉県でも、このような多重な防災の考え方が必要だと思います。都市型災害では、停電などが発生し、スマートフォンなどの電子機器の充電切れでデバイス等が使えない事例も多いことから、紙ベースの活用もできるようにしていくことが必要だと考えます。 一方、水害ハザードマップは、水防法に基づく浸水想定区域を含む市町村は策定しておりますが、住民に十分活用されているのか甚だ疑問です。今回の台風での千葉県の事態を教訓として、スマートフォンなどの電子機器が使えないなど家族と連絡がとれない、家族の避難先もわからないなどといったことがないように、日頃から話し合えるツールとして、水害ハザードマップに避難経路などを記載した防災マップが必要だと考えます。 この防災マップを取り入れた地区防災計画は、地域住民が地域コミュニティの共助力を向上するための重要なツールと考えます。しかし、策定が進んでいないようです。そこで、県として地区防災計画の策定を促すように市町村に積極的に働き掛けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。危機管理防災部長に御答弁をお願いいたします。 (二)県における災害用の備蓄品の貸出について。 台風十五号による停電が続く千葉県では、県が災害用に備蓄している非常用の発電機のうち、半数以上が倉庫などに置かれたまま活用されていないということが報道されていました。信号機や避難所など電気が来ないところが数多くあったにもかかわらず、利用されていなかったということに不安を覚える方も多くいたようです。この対応について、千葉県では、「基本的に市町村の要請がないと非常用発電機の貸出しをしない」との回答をしていたようでありますが、本県でも同じような対応になるのでしょうか。被災した市町村では、要請したくても要請できない状態になるかもしれません。そうした状況も見越した対応が求められるものと考えます。 そこで、お伺いいたします。本県では、発電機をはじめとする非常用の備蓄品の貸出しはどのように運用されているのでしょうか、危機管理防災部長にお伺いいたします。 (三)帰宅困難者の受入施設の確保について。 平日約九十三万人もの都内への通勤者がいる埼玉県では、帰宅困難者対策用の一時滞在施設の確保が必要と考えております。災害時の帰宅困難者の発生による混乱を防止するため、平成二十三年に出された首都圏直下地震の「一斉帰宅抑制の基本方針」の中で、災害時には企業等が一斉帰宅を抑制するという考えが示されているようです。しかし、帰社途中で発生した場合など、会社へ戻れないケースも出てくることが想定されます。 一方、地域における公民館や学校などの施設は、地域住民の避難場所になっていて、私の住む川口のような県南の玄関口では、都心から大量に予想される帰宅困難者の受入れを行政がどのように考えているのか不安に感じています。特に、県南部や県西部など都内に面している市町村での帰宅困難者用の一時滞在施設対策は十分にされているのでしょうか。 地元川口市内では、JR川口駅前に協定を結んでいるのは二か所のみしかないと聞いております。埼玉高速鉄道線の利用者もいることから、二か所だけでは不十分と感じております。今後、SR沿線地区、とりわけ国道一二二号沿いの地域でも帰宅困難者受入施設等が確保できるよう、きちんと整備すべきだと考えます。 一時滞在施設対策は、基本的には基礎的自治体である市町村の業務だとは承知しておりますが、県として必要な指導や助言などの支援も必要と考えますが、いかがでしょうか。危機管理防災部長の御見解をお伺いいたします。 三、人材に投資する埼玉県に、(一)特別支援学級に対して専門性のある教員配置を。 昨年、私の同級生から悲痛な叫びがありました。彼女の発達障害があるお子さんが小学校を卒業し、特別支援学級がある中学校へ通学することになりました。しかし、その学校では専門性がない教員が指導しているようで、発達障害児への適切な対応がなされず、ついには不登校になってしまいました。 ところで、県内で特別支援学級に通われている児童生徒は、平成三十年度では八千六百七十二人おり、この人数は年々増加傾向にあるとのことです。また、制度上、該当校種の教員免許を持っていれば、新任でも特別支援学級の担任になれてしまうようです。本県では、独自の研修で教員の専門的能力の向上を図っていることは承知しておりますが、これらの研修だけで本当に大丈夫でしょうか。 そもそも特別支援学校教諭免許を持っている小中学校特別支援学級等の担当教員は三三・八パーセントと、全国平均をやや上回っているものの、取得率が低いのが現状です。加えて専門性について言えば、経験年数が三年未満の特別支援学級担任に対して、訪問指導、支援をする学校外の専門家は、各教育事務所に東西南北で人口割を考えずに各二人ずつのたった八人しかおりません。 そこで、お伺いいたします。特別支援学校教諭免許という専門性を持った教員を小中学校でも広く配置できるようにするために、大学と連携するなどして特別支援学校教諭免許を積極的に取得できるように考えられないでしょうか。また、学校外の専門家の数を増員するなどして、新任を含め、特別支援学級を担当する教員に対し、より専門的なサポート体制を築くべきだと考えますが、いかがでしょうか。以上、教育長にお伺いいたします。 (二)ICT教育の充実について。 本県では、二〇二〇年から順次実施される新学習指導要領に先駆けて、アクティブ・ラーニングと言われる「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す学びの改革に取り組んでおり、その一つとして、ICTを積極的に活用した教育に取り組んでいると伺っております。 先日、毎年開催されております「学校・教育総合展」に行ってまいりました。そこでは、本県教育委員会の取組がグーグル社のブースで紹介されておりました。県立で唯一の保育科がある鴻巣女子高等学校では、動画を活用して保育の学習が効果的にできたという事例を挙げておりました。 本県では、二〇一八年度から県立学校にクロームブックというタブレット端末を本格的に導入しておりますが、このクロームブックは、管理ライセンスと一体的に導入されることで、全ての端末をクラウド上で一元管理することができるというメリットがあります。また、教師が定期的にデータ更新等の作業をする必要もなく、ICTを活用する授業に集中できることになったと伺っております。また、これを活用している小金井市教育委員会では、トータルコストが約六割も削減できているなど、成功事例が挙がっております。 コスト面だけでなく、例えば学習のつまずきの解析や特別支援教育など生徒一人一人へ目を配らせる学習も可能になるなど、活用幅は無限大です。ただ、このICT教育を推進していく上では、インターネットの環境が必須で、無線LANの整備が重要となります。端末や無線LANの整備は、二〇二〇年度までに県立学校百四十校で導入するとのことで、今年度は三か年計画の二か年目になります。まだICT教育道半ばという段階でありますが、ICT活用による特長的な授業の実践例や効果的な活用事例としてはどのようなものがありますでしょうか、教育長の御答弁をお伺いいたします。 加えて伺います。このクロームブックの端末は一校当たり四十四台を基本に整備しておりますが、同端末は一台当たり約一・五万円から安価で購入できるものであります。約十一万人の全ての県立高校生に無償で配布することは難しいとしても、リース形式など様々な方法により、ある程度学校に用意することはできないでしょうか。また、ICT対応が遅れている市町村への財政的支援や整備計画などへの指導やアドバイスを積極的に行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。以上、併せて教育長にお伺いいたします。 四、医師定着対策と隣接県との連携について。 先日、埼玉新聞で「医師も診療科も偏在」と題した記事で、埼玉県の医師不足の問題が特集されていました。また、先月二十六日、厚生労働省が、診療実績が乏しく再編・統合の議論が必要と判断した四百二十四の公的病院等を公表し、本県でも幾つかの病院が対象とされていました。 本県の医療は課題が多いのが実情です。本県では、医師の確保のため、平成二十五年度に県総合医局機構を創設して医大生らに奨学金を貸与し、医師不足の地域や診療科での本県勤務を促す取組をされています。その結果、平成十六年から平成二十八年の十二年間の増加数は全国第六位の二千五百五十人、また、伸び率では二八・〇パーセントとこちらも全国第四位となっています。そして、二年間の初期研修医数でも増加数、増加率とも全国第一位となるまでになりました。 しかし、その後の後期研修などにおいて、後期研修制度が始まって初めての調査によりますと、医師の残留率が四八・六パーセントと全国第四十六位の低い状態で、他の自治体へいわゆる医師の卵の方々が流出していることが分かりました。つまり、医師が定着していないということであります。理由はやはり都内の有名大学病院で仕事がしたいなど、病院のブランド力で選ぶ医師が多いことからと推察いたします。 医師も人です。理解できないわけではありません。医学生に貸与された奨学金は、六年間で一千四百四十万円です。現行では、貸与された奨学金の返済免除にも条件がありますが、五、六年間の研修期間中であれば、この一千四百四十万円は返済できてしまいますので、あえて本県にとどまろうとは思わないのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。県外へ流出せず、医師が定着できるようにするために、県としてどのような取組をされていくのでしょうか。また、知事の公約にもあるとおり、各種医療の充実に向けては、隣接県との連携・協力をしていくことも重要と考えますが、隣接県との連携等にどのように取り組まれるのでしょうか。以上、保健医療部長にお伺いいたします。 五、川口市内公立中学校で起きたいじめ問題について。 ここ最近、川口市内の公立中学校在籍児のいじめを苦に自殺をしたという大変心苦しい新聞報道がされております。まず、被害に遭われた御家族の方に哀悼の意を述べさせていただきます。 私は先日、地元の川口の奥ノ木市長のところに、「川口市におけるいじめ問題についての要望書」を提出してまいりました。現在、市が提訴されている川口北東部のいじめの件では、元生徒らが市を相手取り損害賠償の請求をしておりますが、先月十八日の口頭弁論で、市はいじめ防止対策推進法についての法的解釈を引用して、「法が欠陥を持つ」と指摘をしておりました。「これはどういう意図で述べたのか見解を示してもらいたい、また、指導課内に行政職員らを配置するなど、川口市教育委員会の組織マネジメントについて抜本的見直しを求める」などの改善要望をお伝えしてきました。川口市長からは、法務担当の職員を配置するなどの対策により素早く対応していきたいと回答があったところであります。 さて、小松教育長は、この市内で起こったいじめ問題について、「川口市の教育委員会が生徒並びに保護者に寄り添えていれば、もう少し違った感じになっていたのではないか」と述べております。その最たる例が、いじめ問題が表面化した際に教育部門のトップが一度も記者会見の場で謝罪をしていないということです。会社でも不祥事があれば、その部門のトップが謝罪するのは当然ではありますが、それもありませんでした。 川口市の教育長は、先日のいじめが原因で死亡した被害者とは別のいじめの件で、「初期段階で組織的で迅速な対応が遅れてしまった」と述べておりますが、いじめ防止対策推進法第三十三条では、文部科学大臣や都道府県の教育委員会は市町村教育委員会に対し、「重大事態への対処に関する市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる」としております。 今回の川口南東部の自殺の件や先日の川口市北東部で起きた件に関しては、文部科学省や県教育委員会から市の教育委員会に対して、異常とも言える数の回数の助言と指導をしたと新聞報道がされておりました。川口市の教育委員会のどの部分について問題があったのか、小松教育長の御見解をお伺いいたします。 また、この法律を見ますと、第三者委員会の報告に対して、最終的に行政の長に報告が必要であり、また、同長は報告の再調査などができる権限が与えられているようであります。 さらに、川口市北東部で起きたいじめの件では、現在裁判中ではありますが、三月十六日付けの産経新聞報道によりますと、市側が提出した書面では、第三者委員会で結論を出した七つの事案全てを否定するなどの理解し難い事象が発生しております。これについては、県教育委員会の定例会見で一般論と前置きした上で、「第三者委員会の報告はきちんと尊重すべきだ」と小松教育長も指摘しているところであります。 川口市教育委員会の対応については、不可解なことばかりのように感じております。この点に関して小松教育長はどのように考えているのか、併せて御見解をお伺いいたします。 六、川口市北東部への早期の警察署の新設について。 二〇一八年の県の刑法犯罪認知件数は約六万件で、前年より五・三パーセントも減り、ピーク時の二〇〇四年の十八万一千三百五十件と比較すると実に六六・九パーセントも減少しております。 翻って川口市を見てみますと、ピーク時の二〇〇一年の一万六千六百五十七件から直近の二〇一八年が五千四百十九件となり、こちらも同様に六七・五パーセントも減少しております。しかし、件数で見ますと、さいたま市に次いで県下ワースト二位です。現在、川口市内の西川口駅西口や前川地区、芝園団地付近では、外国人絡みも含め、数多くの犯罪が増加しております。暴力などの粗暴犯の件数は、二〇一八年が三百八十六件であり、県下における粗暴犯の約一〇パーセントが川口市で発生しております。とりわけ、商業施設などの繁華街付近や外国人多住地区で増加していることも統計から出ております。 また、住宅を対象とした侵入窃盗犯は、西川口地区と戸塚東、戸塚南などがある川口市北東部地区で比較的多く発生しております。この北東部地区は、同じく刑法犯認知件数の多い越谷市とも隣接しております。川口市北東部地域には警察署の新設は喫緊の課題です。 こうしたことからも、さきの六月定例会で萩原一寿議員、永瀬秀樹議員からも警察署新設について御質問がありました。その際、警察本部長から、川口市より警察署用地として情報提供のあった土地があり、現在調査中との答弁がありました。また、今定例会で立石泰広議員からも方針についての質問があったところです。 そこで、警察本部長にお伺いいたします。現在の進捗状況と今後の見込みはいかがでしょうか。平成十七年の二月に開所した大宮東警察署は、用地取得から竣工までおおよそ六年間かかったとのことでありますが、早期完成に向けた意気込みを含めて御答弁ください。 七、国道一二二号の渋滞解消について。 国道一二二号の上り方面は、朝夕の通勤時間となると数珠つなぎの状態になります。とりわけ朝の時間は、川口元郷付近から本町ロータリー、さらに新荒川大橋、東京都赤羽岩淵交差点まで大渋滞です。これまで渋滞解消に向け、あらゆる手段を講じてきたことは、継ぎはぎだらけの道路を見ればよく分かります。日光東京線の拡幅工事も進んでおりますが、渋滞の根本は、交通量が許容量をオーバーしているのではないかと感じ取れるところであります。 さらに、東京の環状八号線、いわゆる環八に出る車が急激に増加したため、新荒川大橋も右折帯をつくりましたが、それでも増加した交通量をさばき切れない状態が続いております。その上、その先の赤羽岩淵交差点でも右折車がたまり、大渋滞となっております。バス事業者からは、「これでは定時性が確保できないため、朝の時間は減便となってしまっており、大変な状況」と悲鳴を上げております。環八へ抜ける車の量が多いために渋滞が起きているという因果関係もあることから、新荒川大橋から環八へ抜ける右折帯の延長又は拡幅工事が必要と考えますが、いかがでしょうか。県土整備部長の御見解をお伺いいたします。 御清聴いただきまして、ありがとうございました。以上をもちまして初めての一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手起こる) ○神尾高善議長 十三番 白根大輔議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、交通政策・諸問題についてのお尋ねのうち、交通局の設置をについてでございます。 交通局を設置している他の自治体の事例を見ますと、新潟県のように空港政策や港湾政策などを含む広範な交通政策を複数の課に分掌させる場合に、その上位に交通政策局を設置している例がございます。また、山梨県のように、交通政策課以外にリニア中央新幹線を推進する課を設けて、その上位にリニア交通局を設置している例がございます。 一方、本県の交通政策課の所掌事務は、総合的な交通体系の整備に関わる企画・調整や、鉄道網、バス網等の整備の促進などとなっており、一課の体制で業務を行っているところでございます。これらの所掌事務を遂行する中で、現在でも庁内関係各課との調整や外部の関係機関との調整を行っているところであり、十分に機能していると認識をいたします。 今後、新たな交通政策に取り組む場合など体制強化が必要となる場合には、組織の肥大化につながらないように留意をしつつ、それにふさわしい組織体制を検討させていただきたいと考えております。 次に、公約でうたわれている「あと数マイルプロジェクト」のうち、鉄道の延伸についてでございます。 私が掲げた公約の中には、すぐに実現できるものと、今から取組を始めても一期四年では完全には実現できないものの、将来に向けて道筋をつけるものがございます。「あと数マイルプロジェクト」は、県内の公共交通網や道路網について一層の利便性向上策の検討を進め、実現に向けて取り組むものでございます。 このうち、鉄道については埼玉高速鉄道線の延伸もあれば、議員お話しの日暮里・舎人ライナーなどもございます。例えば、埼玉高速鉄道線の延伸については、交通政策審議会答申に位置付けられており、まちづくりなどの面的な視点も含めた関係者の間の様々な検討が必要とされています。 私は、知事に就任してすぐ、こうした公約の項目について各部局に検討を指示し、先日、知事公約に係る取組の方向性として公表させていただきました。その中では、このプロジェクトについて、将来の人口や需要、新たな技術の動向等を把握し、これまでの経緯等を踏まえつつ検討を進めていくとしたところでございます。また、限られた予算の中で、県境路線を含めた効果の高い部分について重点的に整備を進めることといたしました。現在、この取組の方向性に基づき、具体的な取組の進め方を工程表として整理をしているところであり、今後、この工程表に従い検討を進めてまいります。       〔石川英寛企画財政部長登壇〕 ◎石川英寛企画財政部長 御質問一、交通政策・諸問題についての(二)埼玉高速鉄道へシフトする料金体系と延伸についてお答え申し上げます。 まず、平日の一日利用切符の恒久的な販売についてでございます。 埼玉高速鉄道では、利便性を高めることで利用者を増やし、運輸収入を確保することで経営を安定化させる取組を進めております。一日乗り放題の乗車券については、これまで、沿線のイベント開催が集中する休日のほか、県民の日や年末年始の期間に販売しております。平日の一日利用切符としては、平成二十九年度から毎年十月十四日の鉄道の日を記念した一日乗車券を販売しております。この乗車券は、有効期間が約半年間で、そのうちの一日に限り埼玉高速鉄道線内の乗り降りが自由となるものです。今年度は昨年度に比べ、発売価格を百円値下げした五百八十円とし、また、販売枚数も昨年度の三倍となる三千枚として販売規模を拡充しました。 埼玉高速鉄道は、経営の自立を目標とした事業再生計画の期間中であり、安定的な経営と黒字の継続が求められております。このため、枚数、期間等によっては、運輸収入に大きな影響を与える平日の一日乗車券の販売は慎重に対応する必要があると考えております。県としては、議員御提案の内容を利用者の増加と安定的な経営の両方の視点を踏まえて検討するよう、会社に伝えてまいります。 次に、埼玉高速鉄道線の延伸の考え方についてでございます。 埼玉高速鉄道線の延伸については、これまで関係自治体や経済団体などとの調整を踏まえ、既存の鉄道の延伸として国に提案を行い、平成二十八年四月の交通政策審議会答申に位置付けられております。平成二十九年度にさいたま市が設置した専門家等による延伸協議会においても、鉄道による延伸を前提とした検討がなされており、建設コストの縮減についても議論されています。 議員御提案のように、鉄道以外の新たな交通手段で延伸をする場合には、ルートの設定や沿線自治体との調整等が必要となります。また、例えばLRTで延伸する場合、乗り換えが生じ、利便性が低下することや、鉄道に比べ速度が遅く、速達性が低下するなどの課題も考えられます。こうした状況を考慮すると、埼玉高速鉄道線の延伸については、これまでの経緯等を踏まえ、交通の利便性が一層向上するよう、さいたま市と連携して検討を進めていきたいと考えております。       〔森尾博之危機管理防災部長登壇〕 ◎森尾博之危機管理防災部長 御質問二、都市型災害や想定外の大災害への備えについてお答え申し上げます。 まず(一)水害ハザードマップを反映した地区防災計画の策定支援についてでございます。 地区防災計画は住民が主体となって取り組むもので、地域の防災力を高める原動力になります。この計画の策定に当たり、ハザードマップと地域の危険箇所や避難経路などを重ね合わせた防災マップを作成することが国のガイドラインの中で示されております。平成三十年七月豪雨の際、防災マップを盛り込んだ地区防災計画を策定していたことで住民の適切な行動につながり、地区の全員が無事に避難できたという事例も報告されているところでございます。 県では、計画の策定が進むよう、埼玉県防災士会の御協力もいただき、市町村の防災担当者や自主防災組織の指導員を対象に研修会を開催しております。この研修会では、防災マップの作成から始まり、訓練や災害時の役割分担など、内容や策定の手順を分かりやすく説明しております。 今後も埼玉県防災士会と連携し、例えば、まち歩きによる防災マップの作成体験など実践的な研修を新たに加えるとともに、市町村を訪問するなどして積極的に働き掛けてまいります。 次に、(二)県における災害用の備蓄品の貸出についてでございます。 地域防災計画では、県は市町村の備蓄を補完する役割を担うこととしておりまして、基本的には市町村からの要請に基づいて対応することになります。 県では、災害オペレーションシステムに物資の要請機能を取り入れて、市町村が効率的に要請できるようにするとともに、県の対応状況を随時、市町村が確認できるようにしております。しかし、議員御指摘のとおり、被災した市町村では、災害対応に従事する職員の不足や、通信の途絶などで要請したくても要請できない状況になることも考えられます。そこで、こうした場合に備え、被災市町村に対してプッシュ型で県の情報連絡員を派遣し、支援ニーズを速やかに把握の上、必要な物資を提供する仕組みを整えております。 なお、災害時にこの仕組みがしっかりと機能するよう、情報連絡員になる職員に対して研修を実施しているところでございます。 次に、(三)帰宅困難者の受入施設の確保についてでございます。 大規模災害発生の直後に徒歩での帰宅が一斉に始まりますと、路上や鉄道駅周辺で大きな混乱が発生いたします。救助・救命活動の妨げになることや、帰宅を始めた方自身も集団転倒や落下物などにより負傷するおそれがございます。このため、国や本県を含む九都県市では、「むやみに移動を開始しない」という基本原則の徹底を強くお願いしているところでございます。 議員御指摘のとおり、出張中に災害が発生し、会社に戻れないなど、様々なケースがございます。基本原則を実効性のあるものとするためには、安心してとどまれる一時滞在施設をできる限り確保していくことが重要でございます。そこで、県では一時滞在施設の運営体制や施設管理者の役割などを示したガイドラインを作成し、市町村が施設を確保する際の参考にしていただいております。また、県の商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体中央会を通じて民間事業者に協力をお願いしております。 市町村の取組の中には、自動車販売店やスポーツクラブ、結婚式場など広く民間施設の協力を得ている例や、暫定的な対応として雨風をしのげる地下通路のような場所を指定している例もございます。このように、様々な工夫をした取組を市町村防災担当課長会議で紹介するなど、今後も継続的に市町村を支援してまいります。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 御質問三、人材に投資する埼玉県にの(一)特別支援学級に対して専門性のある教員配置をについてお答え申し上げます。 まず、大学と連携するなどして特別支援学校教諭免許を積極的に取得できるように考えられないかについてでございます。 近年の特別支援教育のニーズの高まりに対応するため、県としても、特別支援学校教諭免許状の取得者数の増加は重要だと認識しております。免許状取得のための認定講習は、大学などから講師を招へいし、県教育委員会で実施しております。認定講習の講座数は年々増加し、平成二十七年度の八講座から今年度は十四講座となり、受講者枠も一千五百人から二千三百八十人に増やし、取り組んでおります。本年三月に策定した埼玉県特別支援教育環境整備計画においても、特別支援学校教諭免許状の取得促進や研修の充実などに計画的に取り組むこととしております。 今後も、特別支援学級担任などの専門性を求められる教員が免許状を取得できるよう、大学とも連携を図りながら、講習の受講者枠の拡大を進めるとともに、市町村教育委員会に対し受講の促進を働き掛けてまいります。 次に、特別支援学級を担当する教員に対し、より専門的なサポート体制を築くべきについてでございます。 議員御指摘のとおり、担当教員には特別支援教育の経験が三年未満の者も多く、専門的サポート体制の構築は大切であると認識しております。 県では、市町村教育委員会や学校からの要請に基づき、専門的な知識を有する特別支援学校の教員が小中学校などの教員に指導に関する助言、相談などを行っております。また、特別支援教育の経験豊かな退職校長など八名を推進専門員として教育事務所に配置し、児童生徒理解や指導方法などの具体的な指導助言を行っております。昨年度は、特別支援学校の教員が小中学校の相談に四千件以上対応し、また、推進専門員が五百件以上の巡回支援を行いました。こうした取組の結果、担当教員の人材育成や校内の体制整備につながったなどの成果が上がっております。 今後とも、特別支援学校教員の専門的知識の更なる活用を図るとともに、推進専門員の支援回数を増やすなどにより、特別支援学級担任の一層の指導力向上に努めてまいります。 次に、(二)ICT教育の拡充についてお答え申し上げます。 まず、ICT活用による特長的な授業の実践例や効果的な活用事例としてはどのようなものがあるかについてでございます。 埼玉県では、昨年度、県立高校三十五校にタブレット端末等のICT環境を整備し、各学校に対してICTを活用して授業改善が進むよう指導しているところでございます。 活用事例としては、地球温暖化という課題に対し、各生徒が考えた解決策を即座に一覧で表示し、それを踏まえて様々な議論をしたという事例がございます。また、理科の実験では、それぞれのグループの実験結果をグラフで表示し、そこから手順や条件の違いを考察させたという事例がございます。これらのようにICTを活用することで、従来の授業に比べて生徒の主体的で深い学びを効果的に引き出す授業を実施しております。 次に、クロームブックの端末をある程度学校に用意できないのかについてでございます。 本県のクロームブックの整備については、平成三十年度から令和二年度の三年計画で、全ての県立高校と県立中学校に対して一校当たり四十四台の整備を目指しております。国は今後、学習用端末一人一台体制を念頭に学校教育情報化推進計画を策定し、学校のICT環境の充実を目指すとしております。県といたしましても、国の推進計画を踏まえ、学校のICT環境の充実に向けて整備方法などを検討してまいります。 次に、ICT教育を推進していく上で、ICT対応が遅れている市町村への財政的支援や整備計画などへの指導やアドバイスを積極的に行うべきではないかについてでございます。 市町村立学校のICT環境整備については、国からの地方交付税措置を活用して市町村が整備主体として取り組むこととなります。 県では、今年五月には市町村教育委員会のICT環境整備担当の指導主事等を集め、研究協議会を開催し、市町村のICT環境の整備を促しております。具体的には、ICT環境整備を実現した市町村による予算要望プロセスに関する説明や、文部科学省職員や大学教授によるICTの必要性などに関する講演を行い、市町村での環境整備について働き掛けを行いました。 今後とも、市町村のICT環境の整備が計画的に行われるよう整備状況を把握し、しっかりと支援してまいります。 次に、御質問五、川口市内公立中学校で起きたいじめ問題についてお答え申し上げます。 このたび、お亡くなりになられた生徒さんの御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の方々に対して心からお悔やみを申し上げます。 まず、川口市教育委員会のどの部分に問題があったのかについてでございます。 いじめ防止対策推進法第二十八条では、いじめにより生命や心身に重大な被害が生じた疑いがあるなど、重大事態に該当する場合は、速やかに事実関係を明確にするための調査などを行うこととされております。このような重大事態の調査に関しては、国からガイドラインが示されており、いじめの事実関係が確定した段階ではなく、疑いや申立てがあった時点で調査等に当たることとされております。また、被害児童生徒、保護者に対し、調査の時期や期間、方法などについて、実施前の説明、進捗の経過報告などを行うこととなっております。 議員御指摘の事案について、川口市教育委員会や中学校は、生徒などからの訴えに対応はしていたものの、もう少し早い段階で重大事態として捉えられなかったか、また、被害生徒や保護者に対して必要な情報を適切に提供できなかったかというふうに考えております。 次に、川口市北東部で起きたいじめに係る川口市教育委員会の対応についての見解でございます。 一般論で申し上げれば、第三者委員会の報告については尊重して対応するべきだと考えております。改めて川口市教育委員会に確認いたしましたところ、第三者委員会がいじめであったと認定したこと自体を否定するものではないとのことでございます。 県教育委員会といたしましては、引き続き、川口市教育委員会に対して、いじめ防止対策推進法などにのっとり適切に指導助言するとともに、しっかりと支援をしてまいります。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 御質問四、医師定着対策と隣接県との連携についてお答え申し上げます。 県内医師の地域偏在や診療科偏在の解消には、奨学金制度が最も効果のある施策の一つであると考えております。この制度は、貸与期間の一・五倍、九年間、県内の医師不足地域や小児科、産科、救命救急センターでの勤務を義務付けるものです。平成二十二年度から奨学金制度を開始し、六年間の医学教育及び医師国家試験合格を経て、現在三十人が義務年限として県内で勤務しております。今後、奨学金貸与者の卒業が本格化していき、二〇三〇年には四百人規模の医師を確保する予定です。 議員御指摘のように、奨学金返還の問題については、これまでに義務年限を終了した医師を含めて、奨学金を受けて医師となった五十四人のうち、三人の返還事例がありました。その一方で、義務年限の終了後も貸与者の約八割が引き続き県内に定着しております。 県内定着への取組としては、まず、学生時代から定期的に奨学生を招いた交流会や病院見学会を開催し、県の魅力を伝えるとともに、県内医療関係者と交流を深めています。大学においても、地域枠医学生に対しては他の医学生とは異なり、地域医療貢献を主眼に教育が行われています。 奨学金を受けた研修医には、今後、県内で初期及び後期研修を経て専門医を取得するまでのキャリアを積むことができるよう、将来ビジョンを示すことが重要です。そのため、今年度からオーダーメイド型のキャリア形成プログラムを作成し、ベテラン医師であるキャリアコーディネーターが助言、支援を行っております。研修医からは、「埼玉は患者さんが僕ら医師を待ち望んでいるので、医師をするのは最適な場所だと考えている」「埼玉県のおかげで医師になれた」「埼玉県のために頑張りたい」と力強い言葉をもらっています。 今後、奨学金を受けていない一般の医師も含め、後期研修への県内誘導が進むよう県内で医師の希望するキャリアを積むことができる研修環境を整備することで、医師の県内定着を図ってまいります。 次に、医療の充実に向けた隣接県との連携についてです。 本県だけでは対応し切れない部分をカバーするために、隣接県との連携は重要です。例えば、県北地域を中心に年間三千件を超える救急搬送を受け入れていただいている群馬県とは、医療機関への搬送受入情報をリアルタイムで見える化する救急医療情報システムを相互に利用し、救急搬送に活用しています。搬送を担う消防からは、システム連携により搬送先の選定がスムーズになったとの評価を得ており、来年度からは千葉県、茨城県ともシステム連携を開始する予定です。 また、群馬県とはドクターヘリの広域連携により、相互に出動することで速やかな医師による救命医療につなげております。このほか、胎児に先天性疾患などが疑われるハイリスク妊産婦を県内の医療機関が受入れできない場合に、東京都内の医療機関へ円滑に転院調整を行う仕組みを構築しています。 今後はこれらの取組に加え、県域を越えた医療連携について、隣接県と合同で協議する場を設けるなど、更なる協力体制の強化に取り組んでまいります。       〔高木紳一郎警察本部長登壇〕 ◎高木紳一郎警察本部長 御質問六、川口市北東部への早期の警察署の新設についてお答え申し上げます。 川口市はさいたま市に次ぐ人口を有し、都市化の進展や人口の増加、市内の二警察署の業務負担から、第三の警察署新設の必要性は高いものと認識しております。 川口市より警察署用地として情報提供があった土地の調査の進捗状況については、高さ制限の緩和等の条件付きではありますが、位置、広さ、地盤等に関して現時点で問題がないと考えております。今後も引き続き、川口市等と協議を継続してまいりますが、協議全体は前向きに進んでいるものと認識しております。 なお、平成十七年二月に開署した大宮東警察署は、用地取得から竣工までおおむね六年を要しておりますが、可能な限り川口市等との協議を加速させ、諸課題を解決しつつ、警察署新設の条件が整った段階で方針決定ができるよう、関係部局と協議を進めてまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問七、国道一二二号の渋滞解消についてお答え申し上げます。 御質問の新荒川大橋から環状八号線へ抜ける右折帯の改善を行うためには、新荒川大橋上に設けられている右折帯を延長する必要があり、大規模な工事になると想定されます。 この国道一二二号の新荒川大橋交差点は東京都内に位置しており、都県境をまたぐ新荒川大橋は埼玉県内部分も含めて東京都が管理者となっております。このため、新荒川大橋を改良するには、その必要性や重要性について東京都との協議が必要となります。今後は、定期的に開催されている東京都・埼玉県道路橋梁調整会議などの場を活用して協議を行ってまいります。          ---------------- △次会日程報告 ○神尾高善議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○神尾高善議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時三分散会          ----------------...