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  1. 鹿児島県議会 2017-12-12
    2017-12-12 平成29年産業経済委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        …………………………         午前十時一分開会        ………………………… ◯瀬戸口委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから産業経済委員会を開会いたします。  この際、御報告いたします。  傍聴について、ただいま五名の方から申し出があり、これを許可いたしました。  本日は、農政部関係の審査を行います。  まず、議案第七六号平成二十九年度鹿児島県一般会計補正予算(第三号)など農政部関係の議案二件を一括議題といたします。  初めに、農政部長の総括説明を求めます。 2 ◯川野農政部長 おはようございます。  総括説明に入ります前に、十二月一日付で人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。  濱弓場農地調整監でございます。 3 ◯濱弓場農地調整監 濱弓場です。よろしくお願いいたします。 4 ◯川野農政部長 それでは、お手元に配付してあります平成二十九年第四回県議会定例会産業経済委員会資料、下のほうに農政部とあります資料に基づきまして御説明を申し上げます。  一ページをお開きください。  初めに、I 平成二十九年度十二月補正予算(案)についてでございます。  平成二十九年度の補正額の欄にありますように、農林水産業費と災害復旧費を合わせて、七千三百万円余りの増額補正をお願いすることとしております。  この補正額を含めた本年度の十二月現計予算額は、補正後(A)欄の一番下になりますが、五百十四億一千八百万円余りとなり、前年度対比七六・二%となっております。  次に、一、予算議案の内容について御説明申し上げます。
     (一)災害復旧対策の農業開発総合センター災害復旧事業及び農業大学校災害復旧事業につきましては、八月十五日の落雷等により被害を受けた各施設の復旧を行うものです。  (二)その他の事業の職員給与関係費につきましては、県人事委員会の勧告等を受け、給料及び期末・勤勉手当など職員の給与改定に要する経費を計上しております。  「和牛日本一に輝く鹿児島黒牛」PR・販売促進事業につきましては、第十一回全国和牛能力共進会宮城大会において、本県から出品した鹿児島黒牛が和牛日本一を獲得したことから、鹿児島黒牛のブランド確立と、さらなる販路拡大を図るためのPRを行うものです。  二ページをお開きください。  II その他議案について御説明申し上げます。  鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきましては、権限移譲プログラムに基づき、知事の権限に属する事務のうち、農地法に基づく農地転用の許可等に関する事務や、下の欄になりますが、農業協同組合法に基づく農事組合法人の設立、定款変更等の届け出の受理等に関する事務を、新たに協議が調った市町村が処理することとするため、それぞれ所要の改正を行おうとするものです。  三ページをごらんください。  III 主要施策の進捗状況等の主なものについて御説明申し上げます。  一、担い手確保・育成に関する施策の企業等農業参入塾の開催につきましては、農業参入に関心のある企業等を対象に、基礎的な技術の習得や農業経営計画の作成等を学べる企業等農業参入塾を開催しているところです。  四ページをお開きください。  国家戦略特区の提案につきましては、本県の基幹産業である農林水産業において、外国人材を活用し、労働力の安定確保や海外における販路拡大等による成長産業化を促進するため、去る十一月二十七日に、国に対し、国家戦略特区の提案を行ったところです。  二、農地利用、基盤整備等に関する施策の農地中間管理事業の推進につきましては、農地中間管理機構や市町村等と連携しながら、農地中間管理事業を活用し、担い手への農地集積を図っており、本年度は、表にありますとおり、十二月一日現在で九百十六ヘクタールの貸借面積となっているところです。  五ページをごらんください。  鹿児島県畑かん営農推進大会の開催につきましては、大規模畑地かんがい事業実施地区における「畑かん営農ビジョン」の実現に向けた取組を推進するため、十一月八日から九日にかけまして、大崎町などにおいて、畑かん営農推進大会を開催したところです。  三、生産振興、販売・流通等に関する施策の桜島小みかんの地理的表示(GI)の登録につきましては、地理的表示法に基づき、県産農産物としては初めて、「桜島小みかん」が登録されたところです。  そのほか、現在、鹿児島黒牛と辺塚だいだいについて、登録へ向けた手続が進められております。  六ページをお開きください。  平成二十九年産さとうきびの生産見込みにつきましては、十一月一日現在の調査によると、七月の干ばつや八月以降の台風等の影響を受けたことなどから、前年比八三・六%、平年比一〇三・二%の五十三万二千トンの生産量が見込まれているところです。  七ページをごらんください。  鹿児島県茶業振興大会の開催につきましては、県内の茶生産者、関係者等が参加し、県茶品評会等褒賞の授与や百円茶屋などの消費拡大イベントなどを行う県茶業振興大会を、十月二十九日に鹿屋市で開催したところです。  第十一回全国和牛能力共進会に係る意見交換会の開催につきましては、五年後の平成三十四年に本県で開催される第十二回全国和牛能力共進会での連覇に向けて、第十一回大会での出品対策等を検証するための意見交換会を十一月二十日に開催したところです。  八ページをお開きください。  「和牛日本一」の獲得に係る知事表彰式の開催につきましては、第十一回全国和牛能力共進会において、和牛日本一を獲得した功績をたたえるとともに、県職員の一層の志気向上を図るため、昨日、全共県推進協議会及び県庁チームを知事表彰したところです。  第三回「農林水産物輸出促進ビジョン(仮称)」策定検討委員会の開催につきましては、県産農林水産物の輸出拡大の指針となる農林水産物輸出促進ビジョンの策定に向け、第三回検討委員会を開催し、ビジョンの素案について議論したところです。  後ほど担当課長から、別に配付してございます資料に基づきまして、素案の内容等について御説明させていただきます。  九ページをごらんください。  鹿児島県“東京オリンピック・パラリンピック”食材供給促進協議会の設立につきましては、平成三十二年に開催される東京オリンピック・パラリンピックへの県産食材の供給や販路拡大に向け、オール鹿児島で取り組むための協議会を、去る十月二十六日に設立したところです。  和牛日本一獲得記念「元気もりもり!畜産フェア」の開催につきましては、和牛日本一に輝いた鹿児島黒牛をPRするとともに、消費者の畜産に対する理解を深め、県産畜産物の消費拡大を図るため、十一月二十五日から二十六日にかけまして、畜産フェアを開催したところです。  台湾向け牛肉輸出の再開につきましては、台湾への日本産牛肉の輸出が十六年ぶりに再開され、県内の四つの牛肉輸出認定施設の事業者が、九月二十八日から順次、台湾向けの牛肉輸出を開始したところです。  なお、十月五日に株式会社ナンチクで行われた出発式には知事が出席したところです。  十ページをお開きください。  在イタリア日本大使館における「鹿児島和牛」のPRにつきましては、本県からの「和牛日本一」のPRを受けて、十一月二十三日に、在イタリア日本大使館天皇誕生日祝賀レセプションで、「鹿児島和牛」肉の振る舞いやPRが行われたところです。  資料にはございませんが、十二月六日には、在ドイツ日本大使館でも同様の振る舞い・PRが行われております。  さらに、本日、お昼前の予定となっておりますが、知事やJA県経済連会長等地元選出国会議員と首相官邸を訪問し、安倍内閣総理大臣に、鹿児島黒牛が和牛日本一になったことを報告するとともに、最優秀枝肉賞を受賞した鹿児島黒牛の牛肉を贈呈させていただくこととしております。  十一ページをごらんください。  六次産業化地区別個別相談会の開催につきましては、六次産業化の取組を推進するため、農業者等を対象に、専門家による六次産業化の実現に向けたプランニングシートの作成支援や、経営状況に応じた助言等を行う個別相談会を開催したところです。  十二ページをお開きください。  四、生産性向上に関する施策のミカンコミバエへの対応につきましては、沖永良部島と徳之島における、国の対応マニュアルに基づく初動対応については、誘殺確認日から三世代相当期間、新たな誘殺等がなかったことから、それぞれ十月五日と六日に終了し、通常の侵入警戒体制に移行したところです。  なお、屋久島については、八月二十八日の誘殺確認から三世代相当期間が経過する来年五月中旬までの初動対応を継続することとしております。  十三ページをごらんください。  家畜防疫対策につきましては、渡り鳥が飛来する時期を迎え、島根県では、十一月九日に、今シーズン初めてとなる野鳥の高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたところです。  県では、十月からを飼養衛生管理基準遵守強化期間と定め、防疫対策の徹底を図っており、十月六日に、関係団体等を集めた防疫対策会議を開催したところです。  五、農業災害防止等に関する施策のうち、十四ページをおめくりいただきたいと思いますが、台風第二十二号による農業災害の状況につきましては、十月二十八日から二十九日にかけて襲来した台風第二十二号により、大島地域を中心に農業災害が発生したところであり、その被害額は、農作物等、農業施設、耕地関係を合わせまして約八億七千万円余りとなったところです。  県としましては、被災農家のための営農・資金相談窓口を各地域振興局・支庁等に設置するとともに、農作物等の被害については、事後対策等の技術指導を行ったところです。  また、耕地関係被害については、国の災害復旧事業を活用し、迅速な復旧に取り組んでいるところです。  なお、資料にはございませんが、去る十月十一日に霧島山の新燃岳が噴火したことに伴いまして、霧島市の一部地域で用水路に灰が堆積していることから、現在、県単事業を活用した灰の除去について協議を進めているところです。また、農作物への被害については、露地野菜で灰の混入が一件報告されております。  県としては、引き続き、新燃岳の活動の状況を注視し、適切に対応をしてまいります。  十五ページをごらんください。  「ジビエ料理を味わう会」の開催につきましては、来年一月に本県で開催される第四回日本ジビエサミットに向けた機運醸成を図るため、県内産シカ肉を使用した「ジビエ料理を味わう会」を、昨日、県庁食堂で開催したところです。  六、農村振興に関する施策の平成二十九年度(第五十六回)農林水産祭「むらづくり部門」における天皇杯の受賞につきましては、宇検村の阿室校区活性化対策委員会が、本県で七地区目となる天皇杯を受賞したところです。  十六ページをお開きください。  七、国際的な経済連携協定のTPPにつきましては、十一月十一日にベトナムで行われた閣僚会議において、米国を除く十一カ国によるTPP協定が大筋合意したところです。  今般の大筋合意では、協定の新たな名称を「包括的及び先進的なTPP協定(CPTTP)」とし、著作権の保護期間など二十項目の凍結や、協定の見直しに関する条項の設定などがなされたところです。  日EU・EPAにつきましては、十二月八日の日EU首脳電話会談において、日EU・EPA交渉の妥結が確認されたところです。  妥結に先立ちまして、十月三十日には、鹿児島市において、国が主催する県内生産者等を対象にした七月六日の大枠合意に関する説明会が開催されたところです。  また、十一月二日には、農林水産省が、日EU・EPAにおける農林水産物への影響を公表したところです。豚肉等については、当面の輸入の急増は見込みにくいが、長期的に国内産の価格下落が懸念されるとしております。  国においては、日EU・EPAの大枠合意等を踏まえ、平成二十七年十一月に策定したTPP関連政策大綱を、十一月二十四日に改訂するとともに、各協定の早期署名・発効に向けて交渉を継続しているところです。  十七ページになりますが、県としましては、去る十一月八日に、国に対し、県開発促進協議会による要請活動を行い、国内対策に必要な予算を確保することなど四項目について要請したところです。  今後とも、農業者が安心して経営を継続できるよう、国際的な経済連携協定の動向を十分注視しながら、農業関係諸団体の意見などを踏まえ、国に対し、必要な働きかけを行ってまいります。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。    [委員長退席・副委員長委員長席に着席] 5 ◯宝来副委員長 部長の総括説明に対する質疑については、県政一般の一般調査でお願いいたします。  続いて、議案についての関係課長の説明を求めます。  まず、農政課長に説明を求めます。 6 ◯菊地農政課長 農政部関係の補正予算案及び予算外議案につきまして、各課とも、議案等説明書により御説明を申し上げます。  それでは、農政課関係の補正予算案を御説明申し上げます。  七ページをお開きください。  第一目農業総務費の職員給与関係費につきましては、農業総務費に職員給与を計上している農政課、農村振興課、農業経済課、食の安全推進課、経営技術課、農産園芸課の職員給与関係費の増額補正でございますが、給与条例等の改正に伴うものでございます。  なお、八ページから後の各課の職員給与関係費につきましても、同様の補正理由でございますので、各課の説明は省略させていただきます。  以上で、農政課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 7 ◯宝来副委員長 次に、農村振興課長に説明を求めます。 8 ◯引地農村振興課長 農村振興課関係につきまして御説明申し上げます。  九ページをお開きください。  予算外議案の議案第八二号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件でございます。  農地法に係る権限移譲についてでございますが、これは、平成十七年七月に策定いたしました権限移譲プログラムに基づきまして、農地法に規定する農地等の転用の許可など十二事務を、平成三十年四月一日付で徳之島町に移譲しようとするものでございます。  以上で、農村振興課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 9 ◯宝来副委員長 次に、農業経済課長に説明を求めます。 10 ◯中野農業経済課長 農業経済課関係について御説明申し上げます。  十ページをお開きください。  農村振興課と同じ議案第八二号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件についてでございます。  農業経済課の関係は、農業協同組合法に規定します農事組合法人に係る十六事務を、平成三十年四月一日付で、新たに徳之島町、天城町及び与論町に移譲しようとするものでございます。  以上で、農業経済課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 11 ◯宝来副委員長 次に、経営技術課長に説明を求めます。 12 ◯鳥取部経営技術課長 経営技術課関係について御説明申し上げます。  十一ページをお開きください。  災害復旧費の第六目農林水産施設災害復旧費の四百六十万七千円の増額補正でございますが、八月十五日の落雷により被害を受けた農業開発総合センター本場及び農業大学校、並びに台風第五号により被害を受けた農業開発総合センター大島支場の施設の復旧に要する経費でございます。  以上で、経営技術課関係の説明を終わります。よろしくお願いします。 13 ◯宝来副委員長 次に、畜産課長に説明を求めます。 14 ◯佐々木畜産課長 畜産課関係につきまして御説明申し上げます。  資料は十二ページでございます。  第二目畜産振興費の肉用牛対策費の「和牛日本一に輝く鹿児島黒牛」PR・販売促進事業につきましては、九月に宮城県で開催されました第十一回全国和牛能力共進会におきまして、鹿児島黒牛が和牛日本一を獲得しましたことから、鹿児島黒牛のブランド確立と、さらなる販路拡大を図るためのPRの実施に要する経費の補正でございます。  その他、職員給与関係費を含めまして、総額で一千五百四十一万円の増額補正をお願いしております。  以上で、畜産課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。    [委員長席から副委員長退席・委員長着席] 15 ◯瀬戸口委員長 説明が終わりましたので、議案に関する質疑等がありましたらお願いいたします。 16 ◯成尾委員 移譲の特例の条例の一部の改正の中身をもう少し具体的に教えていただけないかと思いますが、農村振興課と農業経済課の二つがありますけど、わかりやすく説明をしてもらえませんか。 17 ◯濱弓場農地調整監 十二の事務を移譲することにしておりますけれども、農地を転用する場合の許可ですとか、あと農地を貸し付けたり、所有権を移転したりというものについての事務を市町村に移譲するということでございます。 18 ◯成尾委員 農事組合法人に係る事務はどうですか。 19 ◯野下農協指導監 この農事組合という制度ですけど、昭和三十七年に設けられた制度で、農畜産物の生産を、農民の方、三人以上の方が寄り添ってつくろうという制度でございます。農業を行うためのトラクターをつかったりとか施設とかを共同で建てたり、農作業を共同でやろうというものです。制度がつくられたときの検討としましては、比較的少人数で作業というか、団体をつくることが前提でございましたので、非常に簡易な手続で設立できるものになっております。  実際に組合を設立するときには、設立の届け出、あと農協法に基づく定款の変更とかあった場合には、また行政庁に届け出をしたり、また解散するときも届け出を行ったりというものがメーンになっております。そのような届け出事務の十六事務、ほかにもありますが、そのような事務を市町村に移譲しようとするものでございます。
    20 ◯成尾委員 ということは、農事組合法人に係る事務の移譲は、こちらの徳之島町など三町で、もうほとんどの市町村で終わったということですか。 21 ◯野下農協指導監 現在、四十三市町村ございますが、平成二十九年現在で十五市町村、そして来年四月から、ここに書いております三市町村が加わるという状況でございます。 22 ◯成尾委員 わかりました。  お話を聞く感じでは非常によくなるでしょうけど、要するに、半分以上はもうないわけですね。いわゆる四十三市町村のうちの半分しかこういう移譲を望んでいないということですか。それはなぜそうなのかという理由も、もしわかれば教えてもらえませんか。 23 ◯野下農協指導監 現在、農事組合法人、届け出があって把握している団体が百九十九ほどございます。そのうちの十五市町村に百四団体ほどございまして、農事組合法人があるところのほとんどが手を挙げていただいている状況です。  あと残り九十団体ほどございますが、そのうちの四十二団体は、地区が二市町村以上にわたっておりまして、県が所管するところでございます。結局、残り五十三団体ぐらいございます。残りの二十八市町ですが、そのうち十二市町村、これはもう農事組合法人がないような市町村でございます。結果、十六市町村の五十三団体で、非常に農事組合法人が少ないという状況がございまして、余りメリットを感じてないということだと思います。  ただ、農事組合法人のこの事務を移譲した市町村からは、設立のときから団体と接することができて、その後、地方公共団体の農業振興とかで非常にスムーズに事務が進められたというメリットも聞いてございますので、引き続き、農事組合法人の事務、市町村に移譲できるように、市町村課さんと連携しながら進めていきたいと考えております。 24 ◯成尾委員 わかりました。  もう一つは、十二ページの畜産ですが、五百三十万円余り。このPRの実施に要する経費は具体的にはどんなことをされるんですか。 25 ◯佐々木畜産課長 今回、和牛日本一を獲得したことをまず県内、国内外の皆さんに知っていただく、アピールするための例えばパネル、それから懸垂幕、チラシ、ポスターなどのPR資材の作成。あと、県外・国外の方が鹿児島に来られて、鹿児島黒牛が日本一であることをPRするための資材、また、こういう資材等を使いまして、首都圏におけるPRキャンペーンの実施などに要する経費を計上しているものでございます。 26 ◯成尾委員 今、国内外という話でしたが、例えば、ポスターやパネルとかは具体的に、設置場所はどのように考えていらっしゃいますか。 27 ◯佐々木畜産課長 九月に日本一をとりましたので、少しでも早くと思いまして、まずは鹿児島空港の国内線の到着カウンターのところ、手荷物を受け取るところの天井から横断幕を掲げております。それから国際線は、空港におきまして、海外の方が到着されたときにまず目に入るところに、それぞれ直行便のある国の言葉で日本一の看板を設置しております。また、中央駅の新幹線の通路のところに、天井からと、壁面に和牛日本一がわかる資材を設置しております。  県内向けにつきましては、山形屋さんの懸垂幕、それからアミュプラザの懸垂幕、あとは県の出先でありますと、地域振興局、それからJA、そういうところに、今、車で走っていらっしゃる方にも目立つように懸垂幕等を設置し始めているところでございます。 28 ◯成尾委員 今おっしゃったように、もう実際に掲示してあるのもあるし、非常にいいことですけど、モノレールで浜松町に行くとき、途中にビルの上に「宮崎牛」と書いているのがあって、すごく目立っていますが、何かそういうのも考えられるのかどうか教えてください。 29 ◯佐々木畜産課長 このPR対策につきましては、県の予算五百万円余りでお願いしておりますが、これと、全国和牛能力共進会の取組は、県経済連、それから和牛登録協会鹿児島県支部と連携をしておりまして、それぞれ負担金を出しましてやることにしておりまして、そういうような中で、浜松町のJRの駅からモノレールの乗りかえのところのエスカレーターがございますが、県経済連のほうで、その壁面に「和牛日本一」の看板の設置を既に終えておりまして、そういうものをまず手始めにやっております。  また今後、経済連等と連携しまして、鹿児島向けの羽田空港の待合ロビーのところに、テレビと連動した、文字が出るフューチャービジョンというのがありますが、和牛日本一バージョンのものを、今、計画しているところです。いろいろあらゆる手段を使ってPRをさせていただければと思っております。 30 ◯成尾委員 ぜひ効果のある、皆さんが、なるほど鹿児島が日本一になったのだということがわかるような露出をお願いしたいと思います。以上です。 31 ◯中村委員 済みません、関連で。  地元で生産農家さんと少し意見交換会をしたときに、県内でのPRをとにかくやってほしいということをおっしゃった方がおられました。どうしても宮崎県のほうがPRが先行したところがあって、鹿児島県の農家がしっかりがんばってないようだということで、非常に残念な思いをしていますということでしたので、県外もそうですけれども、とにかく県内の方に広く認知してもらうような、巻き返しを図ってPRしてくださいということを言づかってきましたので、今、この場で申し上げたいと思います。 32 ◯佐々木畜産課長 ありがとうございます。今回、計上させていただいております予算を活用して、考えられるいろいろなことは全てPRをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 33 ◯中村委員 五百万円ということで予算も限られていると思いますけれども、地元では、ぜひテレビを使ってほしいということを言われましたが、テレビのコマーシャル等される予定はないのでしょうか。 34 ◯佐々木畜産課長 これまで、テレビ、それからインターネットとか、フェイスブック等々、経済連と連携をしまして、今回、チャンピオンをとりました鹿屋市のチャンピオン牛の牛肉のプレゼントキャンペーンでございますとか、日本国内全てのマスメディアに呼びかけて露出をして、たしか十一月末までが申し込みの締め切りでしたが、相当数のアクセスがあったと聞いているところでございます。  それからテレビにつきましても、こちらからお願いするパターンと、あとは当然予算はかけていないわけですが、具体的にテレビの番組を言っていいのかわかりませんが、鹿屋の薬師さんのチャンピオン牛を使った調理を競う番組や,有名芸能人が出られるグルメ番組も幾つか、日本一をとったものですから、向こうから申し出があって、それに我々が協力する形でもPRをさせていただいているところでございます。 35 ◯中村委員 いろいろと本当にあの手この手を尽くしていただいているのがよくわかります。これからも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。以上です。 36 ◯永田委員 私も、先ほどの成尾委員の質問に関連してのことですが、私の場合は農地転用についてお聞きしたいと思います。  先ほどの農地転用の権限移譲ができているのが、四十三市町村中十五市町村、現在。そして来年、プラス三市町村になるとお聞きしたわけですが、間違いないか、まず確認をさせてください。 37 ◯引地農村振興課長 農地転用の権限移譲につきましては、来年の四月の徳之島町で二十三市町村になります。四十三市町村のうちの二十三市町村です。 38 ◯永田委員 二十三市町村になるということですか。 39 ◯引地農村振興課長 はい、そうです。 40 ◯永田委員 そうすると、あと二十市町村がまだ権限移譲されていないことになりますね。この権限移譲についてのシステムですけど、これは市町村からの要望ですか。それとも県のほうで何か指導している部分がありますか。 41 ◯濱弓場農地調整監 権限移譲に関しましては、まだ移譲を受けていない市町村に説明をいたしまして、移譲を希望する市町村と協議を行いまして、協議が調ったところに移譲していくシステムでやっております。 42 ◯永田委員 農地転用については、私たちもいろいろ住民の方々から御要望をいただく分野ですので非常に関心がありますが、農地転用というこういったことこそ地元、いわゆる地方自治体ですね、一番住民に近い自治体で担うべきものではないかと思いますが、これがまだ半分しかいっていないということはどういう背景がありますか。 43 ◯濱弓場農地調整監 まだ受けていない市町村からの話では、余りにも現場に近い市町村の農業委員会は、少し距離のある県のほうで引き続いてやっていただきたいということ、事務処理体制がマンパワー的なものも含めてなかなかまだ少々整っていないということや、あとよく言われるのが、今のところ、市町村の農業委員会で一回審査をして県に進達して、県でもまた審査をするという二重チェックのような形をとっておりますが、そこが市町村の一回きりで終わってしまうので、その二重チェックがなくなるところの不安視的なところで、今のままで、移譲は見送りたいという話を聞いているところでございます。 44 ◯永田委員 お聞きした理由について、砕いて言えば、事務が非常にいろいろな要素が入ってきますので、各自治体で追いついていないと、いわゆる事務職員が足りていないということが一つ、それからあと一つは、これは非常に難しい問題ですので、住民と余りにも自治体が近過ぎて、いろいろな無理な状況の中で断りづらいと、だから県にお任せしているといったふうにお聞きしましたけど、そういうことで受けとめてよろしいですか。 45 ◯濱弓場農地調整監 一応今のところ、いろいろ聞いている中ではそういうことかと思っております。 46 ◯永田委員 これは、地方自治体、いわゆる末端自治体でそういう理由を言うこと自体、非常におかしい。さらに、そういう理由を県が聞く必要はないと私は思っています。困っているのは自治体ではないんです、住民です。様々な要素があって農地転用が進まない、そういう事情がいろいろなところで見られます。そういう甘えた考え方で、発想で権限移譲を受けないということはおかしい。ここはもう厳しく指導していただかないといけない場面ではないかと思いますが、農政部長、どうですか。 47 ◯川野農政部長 今、御指摘をいただきましたけれども、農地転用に関する事務、まさしく御指摘ございましたように、住民に身近な事務と考えております。そういうことで、地域の実情に一番知悉した市町村ないし農業委員会が、地元の状況を十分調査した上で、この転用の事務についても携わっていただくことが、私どもとしても望ましいことだと考えております。権限移譲に伴いまして標準的な事務処理期間も短縮できますので、そういった意味でも、住民の方へのメリットというものは大きいものだと思っているところでございます。  そういった考え方で毎年度、まだ移譲を受けておられない市町村等に対しましては、積極的に取り組んでいただけないかというお願いをこれまでもしてきておりますし、引き続きそういった取組を進めてまいりたいと考えております。 48 ◯永田委員 ぜひそういうふうに進めていただきたいとお願いします。農業委員会の制度も変わりましたので、今までの農業委員会とまた性質も変わりますので、これはもう進めやすい土壌はあるのではないかと思います。そこのところも踏まえて、ぜひ県のほうで末端自治体に対する指導をやっていただきたいとお願い申し上げておきます。以上です。 49 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。 50 ◯前野委員 今のことに関連をしてですが、自己農地という言葉は、余り聞きなれないのですが、自己農地とは一般の農地という考えでいいですか。九ページの農村振興課、自己農地という概念です。一般の農地とどう違うのか教えてください。 51 ◯濱弓場農地調整監 要するに、自分で所有している農地で、自分の畑なり田んぼなりを農地以外の目的に転用する許可になるかと思います。 52 ◯前野委員 いや、だから、一般の農地と自己農地という概念はどうですか。自己農地とは、一般の農地という理解でいいのかを、余り使われない自己農地という言葉が出てきたものですからお尋ねしました。その下の(二)でいうと、国・都道府県が行う自己農地の転用の協議、これは、国もしくは県が道路とかいろいろな用地に、農地以外の用地に転用をする際に、用地買収をして、その後、農地を宅地等々に転用していくわけですが、このあたりの自己農地という概念を教えてください。(「済みません、ちょっと休憩をお願いします」という者あり) 53 ◯瀬戸口委員長 暫時休憩します。         午前十時四十二分休憩      ────────────────         午前十時四十三分再開 54 ◯瀬戸口委員長 再開します。 55 ◯濱弓場農地調整監 自己農地という表現ですけれども、農地法の四条と五条で区別をしております。あくまでも四条は、自分の所有している田畑をほかの目的に転用するときの表現として自己農地としておりまして、五条は、人のものを要は買ったりとか貸したりとかという形で農地をほかの目的に転用するときに一般の農地として区別しております。法律の四条と五条で区別しておりまして、四条で、あくまでも自分の土地を転用するということで自己農地という表現をしてあるということでございます。 56 ◯前野委員 そのあたりをやはり説明をしてほしいと思ったところでした。  それでは農村振興課は終わりますが、経営技術課にお伺いします。災害復旧ですけれども、農業開発総合センターと農業大学校、これは今回、十二月補正で予算化をしますが、学校あるいは総合センターという性格上、急ぐ必要があると思いますが、これは予備費か何かを使って既にやっているのか、あるいは予算成立後にやるのか、そのあたりを教えてください。 57 ◯鳥取部経営技術課長 災害の発生があったときの今の復旧状況がどうか、予算との関係はどうかということだと思いますが、台風五号で八月四日から六日に災害のありました農業開発総合センターの大島支場でございますが、これは内容的には、果樹のガラスハウスのガラス等が割れた災害でございます。それに対する復旧の予算でございます。もう寒くなって補修しないといけないということで、財政当局と調整しながら、一部発注を今、行っているところでございます。  もう一つは落雷の関係でございますが、農業開発総合センターの本場の管理棟の照明の制御のシステムでございます。ここは今、手動でつけたり消したりしながら対応しております。ここは、今回の予算を認めていただけた後に発注することにしております。  それから農業大学校、もう一つ落雷の被害がございまして、これは研修館とか管理棟、消防施設、自動火災の報知設備が傷んでおりまして、ここにつきましては、人命・財産の安全確保に必要不可欠だということで、財政当局と協議を行いながら、既に復旧をしております。以上です。 58 ◯前野委員 ありがとうございました。  教育施設ということもあって、なるべく早く復旧するべきだという考えでお聞きしました。  それから十二ページです。畜産課にお聞きします。先ほど説明がありましたが、この五百三十六万五千円というのは、先ほど課長から説明がありました協議会への負担金になるのかをまず教えてください。 59 ◯佐々木畜産課長 県と県経済連、それから和牛登録協会鹿児島県支部とそれぞれ同額程度を持ち寄って事業をさせていただくということでございます。 60 ◯前野委員 つまり、協議会への負担金という理解でいいですね。 61 ◯佐々木畜産課長 はい、負担金の扱いでよろしいです。 62 ◯前野委員 ありがとうございました。  この協議会の事業の内容は、先ほど課長から説明がありました。専らPRの資機材といいますか、施設といったようなものが主だということでした。  今度、十二月で五百数十万円のPR経費が計上されるという話があって、せんだって県政調査会があった際にもお聞きしましたが、和牛日本一、あるいは和牛も含めて豚肉も鶏肉についてもそうですけれども、鹿児島県として、もちろんJAとかいろいろな団体と共催でやるPR戦略というのもあると思いますが、要は、お聞きしたいのはPRのあり方です。直接和牛あるいは豚肉あるいは鶏肉等々について、実際に、飼養農家の指導とか関連団体との協議とかあるいは施策の実現とかいったことは、専門部署でされるのが普通だと思います。県にはPR課あたりもあるわけですが、この前、そういったところで鹿児島県産品の全体の、外国も国内も含めた売り込みあるいはPR戦略といったものを、専門部署のすみ分けはどのようにされるのだろうかお聞きしました。  そのときに明確にわからなかったのが、和牛は日本一になりましたから、当然農政部が何らかの形でPRをしていくということはこれはよくわかります。よくわかりますが、今後です、今後、そういったPRの戦略のあり方については、どのような県庁内の横断的な協議がされているかについて、まず教えてください。 63 ◯川野農政部長 今、前野委員からございましたけれども、今回の全共日本一を受けまして、私ども農政部としては、この全共日本一の成果をこれからの鹿児島黒牛のブランド力の向上あるいは輸出の振興につなげまして、農家所得の向上につなげていくということが私ども農政部の大命題だと考えております。  一方、御指摘ございました、トータルとしての鹿児島のPRへ向けてという御質問だと思いますが、PR・観光戦略部では、PR・観光の一つの大きなツールといいますか、今、県政ビジョンの中でも鹿児島のポテンシャルということで議論が進められておりますけれども、食というものは非常に大きな鹿児島のポテンシャルであり、その中でも、今回の鹿児島黒牛の日本一というのは非常に大きなイベント力であるということで、PR・観光戦略部ではそれを前面に出してさまざまな場面で、これもやはり国内外での鹿児島の売り込み、そして観光客の誘致、そういった観点で取り組んでいかれると承知しております。  いずれにいたしましても、両部がお互いに連携を図りまして、私どもは最終的には農家の所得向上、農業の振興という観点で進めてまいりますし、PR・観光戦略部としましては、鹿児島を国内外にPRする一つの大きな素材としての食、それから鹿児島黒牛ということでうまく活用していくということですので、そこは十分に連携を図ってまいりたいと考えております。 64 ◯前野委員 わかりました。  これは肉類に限らず農産物も含めてそうですが、鹿児島のPRをするところとしては、鹿児島県にはPR・観光戦略部、かごしまPR課があるわけで、そこらはPRのプロといえばプロだと思いますから、うまく横断的に連携をとってPRをしていただきたいと思っているところです。  それから、先ほども中村委員からもありましたが、宮崎は宣伝上手だという話をよくちまたで聞きます。全共では肉質を比較する肉牛の部、これは宮崎が首席をとったわけですが、既に「和牛肉日本一」というフレーズを出しています。「和牛肉日本一」とかいうフレーズを出していると、どうも消費者からすると、鹿児島県も日本一というけれども、宮崎県も日本一で、どっちが当たり前なのかとなってしまいがちです。肉牛の部では宮崎県が日本一、首席をとったわけですから、それをどうこう言うわけではありませんが、宮崎県が非常に宣伝上手ということもあるみたいで、ちまたでも、私どももそういう感じを受けているわけですが、これを機に、申し上げましたようなPRについても、農政部、そしてPR・観光戦略部とも連携をとって、ぜひPRに努めていただきたいと思っているところです。  きのうの知事表彰についても、県内のほとんどのテレビ局が取り上げて放映をしていました。それらも含めて、県民の皆さん方には、鹿児島の黒牛日本一だということは十分理解していただいていると思いますが、結構、宮崎にステーキを食べに行く人が多くて、一般にと言うと表現は適切でないかもしれませんが、宮崎でステーキが食べられるという話もあって、鹿児島も負けられないという思いがしてお聞きしたところでした。とりあえず以上でした。 65 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。 66 ◯園田委員 それでは、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。  今、前野委員からもお話がありましたけれども、関連してお伺いしたいと思いますが、今回、和牛日本一ということでありますけれども、実は、先般十月に、宮崎で観光の会議がありまして、きょうも何名か一緒に行った委員もおりますけれども、その中で宮崎県知事が御挨拶なさったときの言葉が、「本日は鹿児島の県議会議員の方々もいらっしゃいますけれども、私どもの宮崎県も日本一ということで」というお話で、何か奥歯に物の挟まったような物の言い方をされまして、気を使っていらっしゃるのかなとも思いましたけれども、そこでお伺いいたします。  今回、こうやってPRをされますが、和牛日本一の定義とは何ですか。九部門あって、全部とればほかが言えないものか、それとも、各部門部門で日本一が一つあったら、これも日本一になるのか、県としての認識をまずそこから教えていただけませんか。 67 ◯佐々木畜産課長 全国和牛能力共進会につきましては、全部で九つの区に分かれておりまして、それぞれの区で順位がついてまいります。そういう意味では、それぞれの区で一等賞をとると、その区で日本一を言っておられる県もおられると。また、姿形で審査をする種牛の区、あと枝肉の肉質等で審査をする肉牛の区、それぞれでまた内閣総理大臣賞をとられると、それでまた日本一という話を言われる県もある。それと加えて、九部門全ての区で点数をつけまして、総合順位を競い、総合団体優勝という区がございまして、それぞれの県が言われていることは間違ってはいないということです。定義というものはないわけですが、我々畜産の人間としましては、総合力で、団体優勝というものが畜産の世界では日本一と考えているところでございます。  うちの県では、それに加えまして、第九区の肉牛の部門で、特にバイヤーの方々が、プロの方々が評価される最優秀枝肉賞を九区でとっておりまして、最高値をつけていただいたこともありまして、それぞれこの三つを合わせわざで、総合力という意味で日本一というPRをしているところでございます。 68 ◯園田委員 今回、十月の宮崎県知事さんのお話、何か言った者勝ちみたいな感じを受けて、日本一、各部門で、いえば個人総合でオリンピックで金メダルをとったようなもので、団体ではこうやって鹿児島県がとったということですけれども、今言われた優等賞一席を受賞した枝肉が、たしか二千何百万円だったですかでせりで売られた。ただ、前回も私は申し上げたと思いますが、大間のマグロが一匹一億何千万円とか五千万円とかよくテレビに出ますけれども、後のことになりますが、なぜそのときにそうやってテレビ放映されるようなPRをしなかったのかと思います。ほかの県では何とかの卵とかいろいろなものが、御祝儀相場とか、よくテレビに放映される。知事さんはメディアの世界にいらっしゃった方だから、そういう部門にはたけていらっしゃるかと思っていたのですけれども、なかなか鹿児島県の和牛に限らずですけれども、そういうPRの部分が少し足りないのではないかと思います。今回の予算で五百三十六万五千円組んでありますけれども、無料で放映していただくようなPRも、何かやはりその辺のやり方があるのではないかという思いはしています。  そこでお伺いをいたしますけれども、今回、五百三十六万五千円補正予算を組んでいらっしゃいますが、日本一の効果が、今後価格にどのように反映されてくるという御認識をお持ちであるのかお伺いをしたいと思います。 69 ◯佐々木畜産課長 日本一をとりました効果、今後期待される効果についてですが、まずは、この十一回全共で和牛日本一を獲得した後、県内の子牛競り市場におきましては、新規の購買者が増加をしまして、大変活気のある取引が今、続いているところで、十一月の価格を見ますと、全国平均よりも、価格、それから上昇率とも上回っている状況にございます。  また、牛肉の販売面でありますが、ホテルなどで日本一を記念するイベントを開催したり、また、国外からは台湾それから香港などの輸入事業者から、日本一になった鹿児島黒牛を取り扱いたいという話も来ているところでございます。  さらに、先ほど部長の総括説明でもございましたように、欧州の日本大使館におけるレセプションで鹿児島和牛を実際に利用していただいて、招待者の方々に振る舞われて大変好評を博しておりまして、またその中に参加された欧州のレストランのオーナーから、ぜひ鹿児島の和牛を使いたいという話で、どこに注文すればいいのかという話までいただいたということも、今、聞いているところでございます。  このように、和牛日本一を獲得しましたことで、当然国内外における鹿児島黒牛の知名度が向上しますとともに、子牛の高値取引、それから牛肉の販路拡大などにつながって、農家の生産意欲が向上しましたり、さらには農家の皆さんの所得の増加につながるものと期待をしているところでございます。 70 ◯園田委員 はい、わかりました。  ほかの県が日本一というので、あれっと思って、何かこう腹立たしい、いい気持ちはしなくて、日本一は鹿児島なのにと思うのが、携わった方々とか、やはりこういう議論をする我々にとっては、今後またJAとか各種団体とも連携して、もっとその部分を前面に押し出していただきたいという思いがあったのでお伺いしました。  次に、きょうは農業開発総合センターの所長もお見えでありますけれども、今回、災害で予算を組んで復旧をするということでありますけれども、被災したのは八月十五日ということで、大分日にちがたっておりますが、農業開発総合センター並びに農業大学校の運営に支障はなかったと認識して、今回の予算計上ということでよろしいでしょうか。運営を行っていく中で、いかがですか。 71 ◯谷口農業開発総合センター所長 先ほど経営技術課長より答弁いたしましたように、落雷被害につきましては、農業大学校の施設、これは消防設備、報知器の関係でしたことから、人命・財産の安全確保に早急に対応する必要があるということで、既定予算の中で前倒しをして発注を行い、もう既に復旧しております。特に影響はなかったということでございます。 72 ◯園田委員 はい、了解いたしました。  三点目に、今度は農村振興課にお伺いいたしたいと思います。先ほど来、農地転用にかかわる権限移譲の部分で、現在、今回の徳之島を入れますと二十三市町村ということでありますけれども、よく農振農用地の見直しとか、ここで農地を持っていらっしゃる方と、それを指定した側との転用のあり方ということで、県内各地でいろいろな議論がなされていると思いますけれども、関連してお伺いいたします。現在、農振農用地を指定しながら耕作していない農地がどれぐらいあるものか、まずそこからお伺いしたいと思います。 73 ◯引地農村振興課長 農振農用地区域内の二十八年度で、農地利用が可能な荒廃、ちょっとした作業をやれば回復できるという、それが大体二千四百八十ヘクタールございます。 74 ◯園田委員 利用されていないんですか。 75 ◯引地農村振興課長 そうですね。要するに、今は少々荒れている、あと少しの作業、雑木とか雑草とかを取って耕作できる状態にある農地が、農振農用地区域内に二千四百八十ヘクタールあるということです。 76 ◯園田委員 今、農振農用地を指定しながら、二千四百八十ヘクタールもの土地が利用されていない。この現状に対してどのようなお考えをお持ちですか。 77 ◯引地農村振興課長 県では、とにかく農振農用地区域内のいわゆる耕作放棄地をできるだけ解消しようということで、例えば平成二十四年のころは三千九百六十三ヘクタールありましたが、これをひとつ、目標としては十年の間でできるだけゼロに持っていきたいということで、市町村それから農業委員会の方々と一緒になって、その解消に向けて取り組んでいるところではありますが、先ほどお話ししたように、まだ平成二十八年時点で二千四百八十ヘクタールの耕作放棄地状態のものがあるということでございます。 78 ◯園田委員 そこでお伺いをいたしますが、農振農用地区域、第一種農地の中で、市町村の申請によって、また県もそれを理解して国に申請し、国の助成金を受けて畑かんや基盤整備もして、税金を投入しながら荒廃地になっている面積はどれぐらいありますか。 79 ◯瀬戸口委員長 暫時休憩します。         午前十一時七分休憩      ────────────────         午前十一時八分再開 80 ◯瀬戸口委員長 再開します。
    81 ◯園田委員 こうやって今回、権限移譲をするということですが、農用地の転用は各市町村が、いえば農地を農業委員会等が審査して、それを県にまた意見を求めて、県は法に照らし合わせて、これは農振農用地の用地変更の見直しは厳しいですよという判断をするわけで、県の御意見もあるから、私は今回のこの質問をしているので、御理解をいただきたいと思います。二十三市町村の中で一番、今、問題になっているものの一つが農用地の転用だと思います。農用地指定をしたときに、地主さんというのは閲覧をすること等はあるかもしれませんけれども、本人が知らないうちに農用地の指定を受けているわけです。網がかぶっているわけですよ。網をかぶせた行政が、そうやって今度は税金を投入しても荒廃地になっている農用地がある。ここをどう思っているかを私はお伺いしたんです。そこが問題だと思います。今回、いくら権限移譲をしても、そういう実情に合った、そしてまた利用される方々の思いに合った利用のあり方が、権限移譲の中でも今後問われてくるのではないかという思いでお伺いをいたしました。  そこで、一つだけお伺いしますけれども、この中に、違反転用に対する処分が十二番目に来ておりますけれども、これまで権限移譲をした二十二市町村の中で、こういう事例があるものですか。いかがですか。 82 ◯濱弓場農地調整監 違反処分の件数でございますが、県内でも事例はありますが、一番多いのは、要は農地法の許可が必要だということを知らずに転用してしまっている事例がほとんどでございます。中には、原状回復の勧告等をやっている事例も若干はございますけれども、ほとんどの場合は、許可の申請をすれば認められるようなものがほとんどですので、事後にはなりますけれども、きちんと申請を出してもらいまして、多くのものが後追いの許可という形で処理をさせていただいております。 83 ◯園田委員 そこでお伺いしますが、これまでの権限移譲をした中でのあり方で、二十二市町村の農業委員会が農振農用地の転用を認めたいというか、転用を図っていきたいという中で、県が、いや、これは法に照らしてだめですよといった事例等があるものですか、どうですか。 84 ◯濱弓場農地調整監 権限移譲をしている今現在で二十二の市町村ございますけれども、農地法の権限移譲をした事務につきましては、基本的には市町村で完結する話ですので、御相談等々はあることはありますけれども、県がだめよということはもう言えない状況ですので、そういう事例はございません。 85 ◯園田委員 わかりました。  最後にお伺いしたいと思いますが、農振農用地の見直しは、これは何年に一回ありますか。 86 ◯濱弓場農地調整監 おおむね十年です。 87 ◯園田委員 十年ですね、わかりました。はい、ありがとうございました。 88 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 89 ◯瀬戸口委員長 ほかにないようですので、議案についての質疑を終了いたします。  それでは、議案第七六号及び第八二号について、取り扱い意見をお願いいたします。 90 ◯堀之内委員 議案第七六号につきましては、職員の給与改定などに要する経費が計上されており、商工労働水産部・労働委員会関係及び農政部関係とも適切な補正予算であると認められますので、原案のとおり可決の取り扱いでお願いをいたします。  そして議案第八二号につきましては、商工労働水産部関係及び農政部関係とも適切と認められますので、原案のとおり可決の取り扱いでお願いをいたします。 91 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 92 ◯瀬戸口委員長 ほかにないようでございますので、採決をいたしたいと思います。  ただいま、議案第七六号など議案二件につきましては、原案のとおり可決との御意見がありましたが、原案のとおり可決すべきものに決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 93 ◯瀬戸口委員長 異議なしと認めます。  よって、議案第七六号など議案二件につきましては、原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。  以上で、議案に対する審査を終了いたします。  次に、請願・陳情の審査をお手元の参考資料、請願・陳情文書表により行います。  農政部関係は、新規の陳情三件と継続分の陳情一件でございます。  まず、陳情の取り下げについてお諮りいたします。  継続分の陳情第二〇一七号「鹿児島県有害鳥獣特区」申請と「鳥獣加工処理所設置」申請について(二項)につきましては、関連する新規陳情の提出に当たり、陳情者から取り下げ書が提出されましたので、これを承認したいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 94 ◯瀬戸口委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇一七号は、取り下げを承認すべきものと決定いたしました。  次に、新規の陳情三件について審査を行います。  まず、新規の陳情第二〇一九号について、農村振興課長の説明を求めます。 95 ◯引地農村振興課長 陳情第二〇一九号について御説明申し上げます。  参考資料の請願・陳情文書表一ページをお開きください。  件名は、鳥獣加工処理所設置に関する陳情についてで、提出者は、大隅照葉樹原生林の会代表、角田冨士光氏外一団体でございます。  陳情の趣旨でございますが、捕獲した鳥獣の処理加工場を国の補助で設置し、カゴシマジビエの認知度が高まるよう世界に向けてネットで広報を行うとともに、国の政策である「鳥獣捕獲から加工までのモデル地区」が県内から選定されるよう陳情されているものでございます。  状況説明ですが、二ページをごらんください。  状況について御説明申し上げます。  鳥獣の処理加工施設については、地域協議会やその構成員が事業実施主体となって、国の鳥獣被害防止総合対策交付金で整備できることとなっております。  現在、県内には、交付金等を活用していないものも含め、四カ所の処理加工施設があり、本年度は、天城町において国の補助金を活用して整備しているところでございます。  また、県では、ジビエに対する県民の理解促進と普及を図るため、平成三十年一月に、日本ジビエサミットを開催することとしており、あわせてレストランフェアなどのプレイベントを計画し、県のホームページや生活情報誌等で情報発信に努めているところでございます。  国においては、捕獲から搬送・処理加工がつながったモデル地区を全国で十二地区程度整備することとしており、近く公募が始まることとなっております。  県としては、県内からもモデル地区に応募ができるよう、関係市町村等と協議を進めているところでございます。  以上で説明を終わります。 96 ◯瀬戸口委員長 説明が終わりましたので、質疑がありましたらお願いします。 97 ◯成尾委員 今、状況説明がありましたけれども、具体的に今の段階で言えるのかどうかわかりませんが、関係市町村と協議を進めているとは、どういうところでやっていらっしゃるのか教えていただけませんか。 98 ◯引地農村振興課長 国のモデル地区の考え方ですけれども、大体イノシシ・シカで千頭ぐらいを処理していけば、ある程度ビジネス的になっていくのではないかということで、そういった実績もしくは計画を持っているところをモデル地区として整備していきたいということですが、そういう中で県内では今、北薩に一カ所、それぐらいの、一千頭を実際に超えている施設がございます。今、来年度事業の概算要求で、その中での準備段階なものですから、公募自体はまだですが、そこの市町村であるとか、それから処理加工の運営者等、猟友会の代表の方々、あと国の農政局の方にも入っていただきながら、準備作業を進めている状況です。 99 ◯成尾委員 ぜひそういう意味では、こういう鳥獣被害は多いですので、それを逆手にとってこういう形でやっていくことも大事だと思います。モデル地区となるのが十二地区とありますので、本県がそれに合致するかどうかでしょうけど、しっかり頑張っていただきたいと思います。以上です。 100 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。 101 ◯宝来委員 「カゴシマジビエ」という文言に対して、鹿児島県の「鹿」はシカの「鹿」なので、「鹿児島ジビエ」というのもありかとは思いますが、今、県の考えとして、この文言の例えば使用例とか何かイメージしているものがあるのか教えてください。もしくは、ジビエ、野生鳥獣なので特質はなかなか出にくいと思うので、こういう言葉は使いづらいという何か認識があったり、逆にこういう方法だったら使いやすいのではないかという例があったりしたら教えてください。 102 ◯引地農村振興課長 野生鳥獣につきましては、飼育をして管理をしているわけではないものですから、なかなか捕獲されている鳥獣の年齢であるとか体格というか、状態は非常にばらつきがあります。しかも、それぞれ一定の飼養管理をしているわけではないですので、肉質的なものも一律にはできないというのがありまして、県としては今のところは、鹿児島産のジビエぐらいの表現、もしくは処理加工施設のある市町村のジビエみたいな表現は使うことはございますけど、まだ現在のところ、今までに「鹿児島ジビエ」といった表現は使ったことはございません。 103 ◯宝来委員 今、県庁でシカ肉のメンチカツが出ていますが、「かごしまジビエ」というフレーズがポスターに載っていたのではないかという情報が入っているところですが。 104 ◯引地農村振興課長 ポスターというかパンフレットがありますが、これには、鹿児島は平仮名で「かごしまジビエ」ですね。申しわけございません。ただ、これまで鹿児島の特徴があるという意味での「鹿児島ジビエ」という表現は使ったことはございません。 105 ◯宝来委員 特徴は出ないので、どこの県もその名前をうたえないということかと思いますが、逆に、もう最初にうたってしまったらいいのかなとも思います。本当にジビエを振興するのであれば、逆に名前を冠して、鹿児島県は取り組んでいるというイメージアップにもなるので、ぜひその辺は少しうまく使える方法を考えていただきたいと思います。  きのう食された方に少し感想を聞いてみたいと思います。 106 ◯瀬戸口委員長 暫時休憩します。         午前十一時二十二分休憩      ────────────────         午前十一時二十五分再開 107 ◯瀬戸口委員長 再開します。  ほかに。 108 ◯下鶴委員 このモデル地区に関して二点お伺いします。  一点目は、要件は今後出てくるのでしょうが、今のところどのような条件整備が必要と考えているか、そして二点目は、関係市町村側の現在の意向はどういう状況か、その点を教えてください。 109 ◯引地農村振興課長 モデル地区の要件は、正式なものはまだ概算要求中ですから実際ありませんが、今現在、国のからモデル地区の考え方ということで伺っているのが、ビジネスとして持続できる安全で良質なジビエの安定供給を実現できるところということで、大きく三つ、安心・安全ということ、流通・供給、それから処理加工です。  例えば安心・安全であれば、これは日本ジビエ振興協会が今、試行的に施設の安全性の認証をやろうとしており、実際、施設に一定の案の基準を持って八月末からチェックに入ったようですけど、そういった認証を得ることが確実なことなどです。  それから流通・供給の面では、共通のカットルール、これは日本ジビエ振興協会の流通規格の検討会みたいなのがありまして、そこでの共通のカット方法。あと情報表示のルール、これも同じようなところで検討されておりますが、そういったルールの導入。それと、さらに在庫情報を流通業者等に提供する仕組み。これはモデル地区になった場合の利点ですけれども、要するに、在庫がありますよというのを全国段階のところに情報を入れれば、今度は東京のジビエを扱うお店がそこを見て、では、どこどこのどの肉をくださいといった仕組みが図られること、要するにそういった情報を提供することです。  あと処理加工については、先ほど申し上げましたように、年間処理数がおおむね千頭以上であること、もしくは数年以内におおむね千頭以上となる計画を有するようなことで、それ以外にも少しずつ、ちょっとした注意事項みたいなものはございますが、大きくはその三つの項目。  それから、市町村の団体の意向ですけれども、非常に国も、全国的にも千頭を超えているのは二地区ぐらいと聞いてはおりますが、北薩が、その中の一つということで、ぜひできれば指定をしたいという意向もありまして、まずは私どもで八月に、その市町村の副市長さんのところに、こういった考えがありますがということでお話をさせていただいて、その後、担当同士で十月に打ち合わせをして、さらにその後にまた実際の処理加工施設の運営者とも話をして、これまで十一月までに大体五回ほど打ち合わせをしておりまして、公募について、実際には一月以降、概算ケースになってから公募が始まる見込みですが、その案的な様式で少しずつ埋めたりして、今、作業を進めているところです。 110 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  着々としっかりと準備を進めていただいていることがわかりましたが、関係市町村側も前向きでありますし、また今、要件を伺う限りではしっかりと対応できそうでありますので、このモデル地区への公募が始まったら、速やかな応募と、そしてその先の採択を期待しています。以上です。 111 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 112 ◯瀬戸口委員長 ほかに質疑がないようでありますので、取り扱い意見をお願いいたします。 113 ◯堀之内委員 陳情第二〇一九号につきましては、まず、鳥獣の処理加工施設について、現在、県内に四カ所ある処理施設に加え、今年度、天城町において、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して整備を行っているところでもあり、また、ジビエに対する県民の理解促進と普及については、県は、ホームページ等により情報発信に努めているところであります。  さらに、来年度からの国の施策である、捕獲から搬送・処理加工がつながったモデル地区については公募が近く始まることから、県内からもモデル地区に応募できるよう、関係市町村と協議を進めるなどの取組がなされているところでありますが、今後も引き続き、農作物の持続的な生産のためにも、さまざまな鳥獣被害対策を講じて、さらに被害の防止・軽減に努めていく必要があると考えられますので、採択でお願いをいたします。 114 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 115 ◯瀬戸口委員長 ほかに御意見はありませんので、採決をいたします。  ただいま、陳情第二〇一九号については、採択との御意見がありましたが、採択すべきものとすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 116 ◯瀬戸口委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇一九号は、採択すべきものと決定をいたしました。  次に、新規の陳情第二〇二〇号について、農村振興課長の説明を求めます。 117 ◯引地農村振興課長 陳情第二〇二〇号について御説明申し上げます。  参考資料の請願・陳情文書表六ページをお開きください。  件名は、首都圏地震切迫が予測できるのでそのための準備をすることを求める陳情(一項)で、提出者は、武田信弘氏でございます。  陳情の趣旨でございますが、二〇一一年三月の東北地方太平洋沖地震と同じ地震活動の経過をたどるとすると、あと数カ月で海溝型の大地震が関東地方で発生し、それ以降、関東から中国地方まで地震が頻発することになり、地震被害が甚大なものになるので、その対策として、耕作放棄地の詳細を把握し、なるべく早い時期にいつでも耕作可能な状態に保つことを陳情されているものでございます。  八ページをごらんください。  状況について御説明申し上げます。  農業生産の基盤である農地は、食料の安定供給の確保とともに、国土保全、水源涵養などの多面的機能を有しており、優良農地の確保やその有効活用は極めて重要であると考えております。  耕作放棄地の状況については、農業委員会と市町村が連携して、毎年度、農地の利用状況を調査し把握しているところです。  県といたしましては、農業委員会による耕作放棄地の改善指導等を促進するとともに、市町村等と連携し、耕作放棄地の雑草・雑木の除去などによる再生利用や、多面的機能支払交付金などを活用した耕作放棄地の発生防止に取り組んでいるところでございます。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 118 ◯瀬戸口委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いします。  ありませんか。    [「なし」という者あり] 119 ◯瀬戸口委員長 質疑がございませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 120 ◯堀之内委員 陳情第二〇二〇号については、農業生産の基盤である農地は、食料の安定供給の確保とともに国土保全などの多面的機能を有しており、農地の確保と有効活用は重要であると考えますが、耕作放棄地の状況については、毎年度農業委員会と市町村が連携して、調査の上把握されているところであって、また、県としては、多面的機能支払交付金などを活用した耕作放棄地の発生防止に取り組むなどをしております。今後も継続した取組が必要でありますが、既に陳情者の願意に沿った取組がなされており、新たな対策を講じる必要性は低いと考えますので、不採択でお願いをいたします。 121 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。 122 ◯前野委員 耕作放棄地については、先ほどの議案等審議でも出ました。農振農用地だけでも二千四百八十ヘクタールの利用されない農地がある。加えて、中間管理機構等々の取組もあるわけですけれども、マンパワーの不足等々があって、中山間地域ではいまだにといいますか、耕作放棄地が年々年々ふえていく実態にあるわけです。  そうした中で、この一項については、いつでもという部分はありますけれども、県の取組あるいは市町村の取組など、さまざまな取組をしておりますが、いまだに耕作放棄地が年々ふえていく実態にありますから、推移を見守るという意味でも、継続の取り扱いでお願いしたいと思います。 123 ◯下鶴委員 本陳情におきまして、耕作放棄地の詳細把握並びに耕作可能な状態に保つことは重要であるかと考えますが、一方で、本陳情の前提といたしまして、関東地方で大規模地震が起こりましたら国・地方の財政が非常に傷み、その対策としては、本県として自主財源を開拓する必要がありますとありますが、恐らくは、国の予算がそちらに振り向けられて、地方交付税等の本県の配分額が少なくなるといったことを前提としているかと思いますが、なかなかそういう状況が起こるかどうかは別の観点からの精査が必要でありますので、本陳情は不採択でお願いをいたします。
    124 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 125 ◯瀬戸口委員長 ほかに御意見がないようでございますので、採決をいたします。  陳情第二〇二〇号については、継続審査と不採択を求める御意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。  陳情第二〇二〇号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手]    [委員長退席・副委員長委員長席に着席] 126 ◯宝来副委員長 挙手少数でありましたので、よって、陳情第二〇二〇号については、継続審査すべきものとすることは否決されました。  それでは、陳情第二〇二〇号を採択すべきものとすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者なし] 127 ◯宝来副委員長 挙手がありませんので、陳情第二〇二〇号については、不採択とすべきものと決定いたしました。  次に、新規の陳情第二〇二一号について、経営技術課長の説明を求めます。 128 ◯鳥取部経営技術課長 陳情第二〇二一号について御説明申し上げます。  請願・陳情文書表の三十五ページをお開きください。  件名は、気候寒冷化に向けて、耐寒性のある農作物の普及と地熱利用の促進を求める陳情でございます。  提出者は、武田信弘氏でございます。  陳情の趣旨でございますが、イタリアや中米、そしてインドネシアなど世界中で火山噴火が相次ぐ中、火山噴火によって、微小なちりが大気中に何年も滞留するようになると、日射が遮られて寒冷化が起こりつつあることは自明であり、今後、世界的な食糧不足や化石燃料の価格高騰が確実であることから、耐寒性のある農作物の品種確保と普及を行うことや、地熱利用の促進を図り、化石燃料に頼らない温室農業の普及に努力することを求めるものでございます。  次に、状況の説明でございます。  三十六ページでございますが、地球の気候変動については、世界百九十五カ国が参加している気候変動に関する政府間パネル、IPCCと略しますが、の報告書において、気候システムの温暖化については疑う余地がないとされているところであります。  農業分野においては、これまで、温暖化の影響を軽減するため、高温耐性を備えた水稲の品種育成などの研究に取り組んでおり、引き続き、研究開発や普及を進めていくこととしております。  また、地熱を利用した施設園芸については、指宿市の観葉植物や果樹などで導入されていますが、これは、地域資源の有効活用やコスト低減を図ることを目的としたものであると承知しているところでございます。  以上で説明を終わります。よろしくお願いします。    [委員長席から副委員長退席・委員長着席] 129 ◯瀬戸口委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いします。 130 ◯成尾委員 少々お聞きしますが、陳情者の方が、主要農作物種子法の廃止が来年予定されているため、今後、地域独自の品種の作出などが困難になるとありますが、これはそういう動きはあるんですか。 131 ◯鳥取部経営技術課長 主要作物の種子法に関してでございますが、この種子法につきましては、稲とか麦とか大豆の優良な種子を生産・普及を図る必要があることから、昭和二十七年に制定されました。  ただ、近年の中では、多様なニーズもあり、民間ノウハウも活用して品種開発を強力に進める必要があるということで、本法律については廃止されましたが、国の意見の中でも、やはり品種というのは大事で、引き続き、継続して支援を行いますという形で申されておりますので、安定して今後とも供給できるものと考えております。 132 ◯成尾委員 ということは、陳情者が言っていらっしゃるように、来年廃止予定だったけれど、今後もまだ引き続きされるということで、これ自体は来年廃止予定はないと見ていいですか。 133 ◯寺園農産園芸課長 先ほど経営技術課長が申しましたように、種子法につきましては、麦・大豆・稲の優良な種子について定めた法律でございます。この法律自体はもうなくなるわけでございますけれども、この法律に基づいて、それぞれの都道府県が取り組んできた内容等につきましては、そのまましっかりやっていくと考えているところでございます。  特に財源的な問題はございますけれども、農林水産省は、廃止後も交付税措置等の中でそれらを見ていくと財務省とも話をしているということでございますので、それらにつきましては、きちっとやっていくと考えているところでございます。 134 ◯成尾委員 わかりました。  そうすると、取組としては今のままで、地域が今後大変だと、困難になるという話ではないということで了解してよろしいですね。 135 ◯寺園農産園芸課長 ここの部分につきましては、品種をつくっているという話でございます。試験研究機関の中で、水稲といいますか、その品種につきましても、本県の特性に合った品種は引き続き、品種の開発等々について、取り組んでいくところでございます。 136 ◯成尾委員 あと、耐寒性のあるということで、農作物とか品種の確保で、農業分野においては、高温耐性を備えた水稲とありますが、これ以外にもまだ何かありますか。いわゆる農作物の品種確保で、耐寒性があるということで米は書いてありますけど、それ以外のものはありますか。 137 ◯谷口農業開発総合センター所長 農業開発総合センターにおきましては、基本、現場ニーズに対応した試験研究に取り組んでいるところでございます。  このため、農家の方々を初め、市町村、農協など関係機関・団体から意見や要望を聴取した上で、翌年度以降の研究課題を設定する流れになっておりますが、こういう中で、現在は、やはり温暖化に対応した研究に対するニーズが多い状況ではございます。  ただし、本県においては、東北系統の品種を親として交配して、早期水稲の品種を中心に耐冷性の強い品種、障害不稔に強い品種の育成に努めております。  また、冷夏では、いもち病の多発が懸念されるわけですけど、いもち病に強い品種育成につきましても、抵抗性の遺伝子をDNAマーカーの手法を用いまして効率的に品種育成に導入しているものが、耐寒性と申しますか、冷害対策というような技術で一部取り組んでいる状況でございます。  ほかの作物については特段そういう動きはございません。以上です。 138 ◯成尾委員 わかりました。 139 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 140 ◯瀬戸口委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 141 ◯堀之内委員 陳情第二〇二一号につきましては、地球の気候変動については、国連環境計画と世界気象機関により設置された気候変動に関する政府間パネルの報告書について、気候システムの温暖化は疑う余地がないとされており、農業分野においては、温暖化の影響を低減するために高温耐性を備えた水稲の品種育成などの研究に取り組んでいるところであり、引き続き、研究開発や普及を進めていくとしており、対策は取られていることから、不採択でお願いをいたします。 142 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。 143 ◯前野委員 一項については、同じく不採択で取り扱いをしてもらいたいと思っているところです。  ただ、地熱利用です。これは、状況説明のところに、有効活用とかあるいは地域資源の活用といったようなものがあるわけですが、化石燃料はこれは有限なわけですから、化石燃料といったものに頼らない温室農業といったようなものは、これはやはり普及をしていくべきで、推移を見たいので、継続でお願いをしたいと思います。 144 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 145 ◯瀬戸口委員長 それでは、採決いたしたいと思います。  陳情第二〇二一号につきましては、一項と二項で異なる取り扱い意見がありましたので、それぞれ採決いたしたいと思います。  まず、陳情第二〇二一号一項については、不採択との御意見がありましたが、不採択とすべきものとすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 146 ◯瀬戸口委員長 御異議ありませんので、不採択とすべきものと決定をいたしました。  次に、陳情第二〇二一号二項については、継続審査と不採択を求める御意見がありますので、挙手による採決を行いたいと思います。  陳情二〇二一号二項を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 147 ◯瀬戸口委員長 挙手少数であります。  よって、陳情第二〇二一号二項については、継続審査すべきものとすることは否決されました。  それでは、陳情第二〇二一号二項を採択すべきものとすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者なし] 148 ◯瀬戸口委員長 挙手がありませんので、陳情第二〇二一号二項については、不採択とすべきものと決定をいたしました。  以上で、陳情の審査を終わります。  ここで、昼食等のため暫時休憩いたします。  再開は、おおむね午後一時十五分といたしたいと思います。         午前十一時五十一分休憩      ────────────────         午後 一時 十五分再開 149 ◯瀬戸口委員長 再開いたします。  次は、県政一般の特定調査であります。  まず、特定調査事項の新たな県政ビジョン(素案)農政部関係について、農政課長に説明をお願いいたします。 150 ◯菊地農政課長 それでは、新たな県政ビジョンについて御説明をいたします。  昨日、商工労働水産部から、新たな県政ビジョンの素案について御説明があったと思いますので、第一章から第四章及び第六章の説明は省略させていただき、ここでは、第五章、施策展開の基本方向の農政部関係について御説明させていただきます。  説明は、中項目の分類に沿って、その主な記載ぶりについて行いたいと思います。  それでは、資料四、新たな県政ビジョン(素案)の三十八ページをお開きください。  IV 健康で長生きできる社会の実現と良質な医療の確保でございます。  ここに記載している中項目のうち、一番目の心豊かに生涯を送れる健康長寿県の創造についてでございます。  三十九ページをごらんください。  中項目一、心豊かに生涯を送れる健康長寿県の創造でございますが、次の四十ページの小項目7)「鹿児島のウェルネス」を活用した健康長寿社会づくりにおいて、二番目のポツになりますが、「本県の安心・安全でおいしい食材を生かした食育や地産地消の取組を推進するとともに、産業界と連携した食環境の整備を図ります」などと記載しております。  次に、四十四ページをお開きください。  V 豊かな自然との共生と地球環境の保全でございます。  ここに記載している中項目のうち、一番目の、自然と共生する地域社会づくりについてでございます。  四十五ページをごらんください。  中項目一、自然と共生する地域社会づくりでございますが、次の四十六ページ、小項目2)自然に学び、自然とふれあい、自然を生かす取組の推進において、三番目のポツになりますが、「豊かな自然環境を生かしたエコ・ツーリズムやグリーン・ツーリズム、ブルー・ツーリズムなどを促進します」などと記載しております。  次に、五十一ページをお開きください。  VI 安心・安全な県民生活の実現でございます。  ここに記載してある中項目一、強靱な県土づくりと危機管理体制の強化、二、どこよりも安全で安心して暮らせる地域社会づくりが、ともに農政部関係でございます。  五十二ページをお開きください。  中項目一、強靱な県土づくりと危機管理体制の強化でございますが、次の五十三ページ、小項目2)防災・減災対策の推進において、一番目のポツとなりますが、「河川の寄洲除去や治山施設の整備など、河川災害、山地災害、土砂災害、高潮・侵食被害、農地・農業集落等における災害の未然防止対策を推進します。また、甚大な被害が発生した川内川や新川などにおいて、総合的な治水対策を進めます」と記載しております。  次に、五十六ページをお開きください。  中項目二、どこよりも安全で安心して暮らせる地域社会づくりでございますが、五十九ページの小項目6)食品等の安心・安全の確保において、一番目のポツになりますが、「食品の製造・加工、流通・販売段階における監視指導の充実等を図り、食品表示の適正化やHACCPによる衛生管理の導入を促進します。また、農林水産物については、生産者のGAP取得等を促進します」と記載しております。  次に、六十ページをお開きください。  VII 暮らしが潤い世界につながる県土の創造でございます。  ここに記載してあります中項目一、情報通信技術の活用等による利便性の高い社会の実現が農政部関係でございます。  六十一ページをごらんください。  中項目一、情報通信技術の活用等による利便性の高い社会の実現の小項目2)ICT利活用の推進において、次の六十二ページ、二番目のポツになりますが、「センサー、ビッグデータ等を活用したスマート農業・林業・漁業の普及による生産性の向上に向けた取組を推進します」と記載しております。  次に、六十七ページをお開きください。  VIII 個性を生かした地域づくりと奄美・離島の魅力の発揮・振興でございます。  ここに記載しております中項目一、個性を生かした地域づくり、二、島々の魅力を生かした奄美・離島の振興が農政部関係でございます。  六十八ページをごらんください。
     中項目一、個性を生かした地域づくりでございますが、小項目1)地域特性を生かした活力の創出において、三番目のポツでございますが、「農村集落とNPOなど地域外の多様な主体が協働で取り組む『共生・協働の農村づくり』を推進し、農地や農業用施設の保全などの取り組みを促進します」などと記載しております。  次に、七十ページをお開きください。  中項目二、島々の魅力を生かした奄美・離島の振興でございますが、次の七十一ページにあります小項目3)島々の特性を生かした産業の振興において、下から二番目のポツにありますが、「さとうきびや園芸作物、肉用牛を組み合わせた複合経営を中心とした島ごとに特徴ある農業を推進するとともに、畑地かんがい施設等の農業生産基盤、農畜産物の生産・流通体制などの整備を推進します」などと記載しております。  次に、七十四ページをお開きください。  IX 人・モノ・情報が盛んに行き交う「KAGOSHIMA」の実現でございます。  ここに記載してあります中項目一、国内外における戦略的なPRの展開、二、観光維新 鹿児島の創造、三、かごしまの「食」などの国内外マーケットへの戦略的な展開、五、「鹿児島のウェルネス」のブランド化と交流の促進が農政部関係でございます。  七十五ページをごらんください。  中項目一、国内外における戦略的なPRの展開でございますが、小項目1)多彩な魅力を活用したPRの展開において、「本県固有の食、自然、環境等多彩な魅力の掘り起こし、磨き上げを行うとともに、さまざまな切り口(黒の食材、「鹿児島のウェルネス」)で国内外に情報発信することで鹿児島県のイメージアップにつなげます」と記載しております。  次に、七十六ページをお開きください。  中項目二、観光維新 鹿児島の創造でございますが、小項目1)魅力ある癒やしの観光地の形成において、四番目のポツにありますが、「地域の観光資源の発掘に努め、自然や環境、ウェルネスをテーマとするツーリズムや農山漁村の生活体験を行うグリーン・ツーリズム、ブルー・ツーリズムを促進します」と記載しております。  次に、七十八ページをお開きください。  三、かごしまの「食」などの国内外マーケットへの戦略的な展開でございますが、次の七十九ページにあります小項目4)「攻めの農林水産業」の実現に向けた輸出拡大において、一番目のポツにありますが、海外におけるマーケティング活動の展開や情報収集等を通じて、輸出先として期待される国・地域を明確にしながら、新規市場の開拓等を推進します」と記載しております。  また、四番目のポツにありますが、「農林漁業関係者が一体となり、多くの外国人に県産農林水産物の魅力を伝えるプロモーション活動を展開するなど、海外における県産農林水産物のブランド確立と需要拡大を図ります」などと記載しています。  また、次の八十ページにあります小項目5)国内市場のニーズに対応したきめ細やかな農林水産物の販売対策の促進において、二番目のポツでございますが、「『かごしまブランド』、『かごしまのさかな』、『かごしま材』産品を初めとする県産農林水産物について、流通、消費環境の変化に的確に対応しながら、産地の生産体制の強化を通じた生産性の向上により、販売量増大を図るとともに、品目特性に応じて、ブランド力や付加価値を高める販売対策を講じます」などと記載しています。  次に、八十二ページをお開きください。  中項目五、「鹿児島のウェルネス」のブランド化と交流の促進でございますが、小項目2)安心・安全な「鹿児島のウェルネス」“食”の販路拡大において、一番目のポツにありますが、「消費者の安心・安全や健康への意識が高まる中、大消費地におけるマーケット情報の収集・分析、マーケットのニーズに応えられる競争力のある農林水産物の産地の育成、強化を図ります」などと記載しています。  次に、八十三ページをごらんください。  X 革新的技術の導入と競争力のある産業の創出・振興でございます。  ここに記載してあります中項目二、「攻めの農林水産業」に向けた戦略的な取組の展開が農政部関係でございます。  八十七ページをお開きください。  中項目二、「攻めの農林水産業」に向けた戦略的な取り組みの展開でございますが、次の八十八ページにあります小項目1)IoT、AIなどを活用したスマート農業への挑戦において、一番目のポツにありますが、「大学や民間企業等とも連携し、IoT、AIなどを活用した超省力・高品質生産を実現する次世代農業技術等の研究・開発を推進します」などと記載しています。  次に、小項目2)ブランド力向上や六次産業化を通じた付加価値の向上において、一番目のポツにありますが、「大消費地等におけるマーケットのニーズに的確に応えられる競争力のある産地の育成・強化、GAP(農業生産工程管理)の取組や認証取得の拡大、地理的表示保護制度(GI)の活用を促進し、県産農林水産物のさらなるブランド力向上を図ります」などと記載しています。  次に、小項目3)本県の特性を生かした農畜産業の生産体制づくりにおいては、一番目のポツに、「鹿児島黒牛、かごしま黒豚、かごしま地鶏など本県畜産物の一層のブランド化を図るとともに、規模拡大などによる生産基盤の強化により、『畜産王国かごしま』のさらなる発展を図ります」と記載しています。  また、二番目のポツに、「『日本一』の茶産地づくりに向け、『かごしま茶』のさらなるブランド確立を図るとともに、有機栽培茶や有機抹茶の生産を推進します」などと記載しております。  次に、八十九ページをごらんください。  上から二番目のポツに、「大規模畑地かんがいによる農業基盤の整備や土地改良施設の長寿命化を推進するとともに、畑かん営農ビジョンに基づき、生産性や収益力の高い農業の実現を推進します」などと記載しています。  次に、小項目4)中山間地農業の振興において、一番目のポツにありますが、「中山間地域の特性を生かし、収益性の高い農産物の生産・販売や六次産業化、観光等と連携した都市農村交流などを推進します」などと記載しています。  次に、九十一ページをお開きください。  XI ライフスタイルをデザインできる働き方の創出でございます。  ここに記載してあります中項目三、地域産業の振興を支える人材の確保・育成が農政部関係でございます。  九十六ページをお開きください。  中項目三、地域産業の振興を支える人材の確保・育成でございますが、小項目3)農林水産業を支える人材の確保・育成において、一番目のポツにありますが、「認定農業者や集落営農など本県の農業を支える担い手の確保・育成を推進します」と記載しています。  また、次の九十七ページ、上から三ポツ目にありますが、「農業労働力の不足に対応するため、地域における労働力に関する情報を一元的に集約・提供できる仕組みづくりを進めます」などと記載しています。  以上で、農政部関係の説明を終わります。長くなりましたが、よろしくお願いいたします。 151 ◯瀬戸口委員長 ありがとうございました。  ただいまから質疑に入りたいと思います。  質疑はございませんか。 152 ◯宝来委員 農業の分野で、IoTの活用やAIの活用と言われており、今、人工衛星がすごく飛んで、テレビ等では作物の糖度の分布なども可視化できるような感じで出ていたりもしますが、実際、今の科学力で、鹿児島の農場で何か人工衛星を用いた分析とか、技術的にどの辺までが可能になっているのか教えてください。たしかお茶の生育度とか米の生育度ははかれて、カメラでの分析でされているのではと思ったりするところですけど、実際、糖度とか具体的な品質まで何か評価できる状況にあるのかどうか、まず教えてください。 153 ◯谷口農業開発総合センター所長 ただいまの宝来委員からの御質問は、GPSを活用した将来の農業技術開発についての御質問だと思いますけど、現在、GPSを活用した技術になりますと、本県農業開発総合センターでは、国の公募試験の中で、トラクターの直進性を維持する技術に取り組んでいるところでございます。  なお、今、お茶の自動走行機の話が出ましたけど、あの技術はGPSは活用しておりません。基本的にはタッチセンサーですけど、それを活用しながら、お茶の断面に触れながら直進性を維持する基本的なシステムになっております。  将来的には、今、委員お話がありましたように、例えばドローンにGPSが搭載されているわけでございますけど、そのドローンの機能を使って、航空写真というか上空からの写真を撮影し、そしてその撮影の結果、植物の色などを判断して生育状況を予測していくというような技術に今、国でも取り組んでいると聞いております。 154 ◯宝来委員 糖度が低いところにはこういう肥料を多めに入れたほうがいいとか品質的なものは、現段階では、地球規模というか衛星レベルの話になるので、そういう大きな範囲で何か解析できるような状態ではない、品質の管理まではまだ、衛星を使った品質管理は行われてないと認識してよろしいでしょうか。知っている範囲で教えてください。 155 ◯寺園農産園芸課長 糖度の話、それから米の生育度の話、衛星を使って高いところから見て、その生育状況はどうか、糖度はどうか分析するという御質問であろうかと思いますけれども、現在、具体的に県内におきまして、そういう技術を使って、肥料が足りないとか、ここは糖度が上がっているという形での活用はされてないのが実情です。技術的に可能かどうかというところについては、もう少し他県の状況、それから全国、世界の状況を見なければわからないですけれども、県内におきましては、そういうのを活用して糖度の状況等を把握できる状況にはないということでございます。 156 ◯宝来委員 質問は変わりますが、鹿児島のウェルネスに、食が占める割合が大きいと思いますが、このテーマに沿って何か健康志向、長寿のためになるような、そういう品種改良という枠組みでの施策は含まれていくのかどうか、教えていただきたいと思います。 157 ◯谷口農業開発総合センター所長 今の御質問の趣旨は、機能性に重点を置いた品種、育種ということでございますか。(「はい、そういうことです」という者あり)  それにつきましては、特に今の現状の中では、機能性をアップするための育種という面では取り組んでいないのではないかと考えております。 158 ◯宝来委員 では、イメージとしては、ウェルネスに関しては、今ある品種のものをもっと研ぎ澄まして活用していく考えで、品種改良までは前提にないという認識でよろしいでしょうか。 159 ◯谷口農業開発総合センター所長 現在の育種のポイントと申しますか、収量、これは生産性でございますけど、それと品質、病害虫抵抗性、そういうものに視点を置いて現在、試験研究をやっているところでございます。 160 ◯瀬戸口委員長 ほかにないですか。 161 ◯前野委員 ビジョンですから、十年間の方向性を示すという意味でいうと、こういう書き方しかないのかとも思いますが、今やっておられる農政の中身と余り変わらないわけですよね。例えば、この後説明がある輸出促進ビジョンとかいったようなものでは、中身が割と具体的に出てくるわけです。  きのうも商工のところでお話をしましたけれども、県政ビジョンがあって、その次に例えば個別の実施計画みたいなものが策定をされるのかについては、企画部長の本会議での説明では、検討していきますといったことを言われたと思います。こういう輸出促進ビジョンのような個別計画みたいなものができ上がってきますと、農政のビジョンもよくイメージできると思いますが、県政ビジョンの段階では、AIとかITとかIoTとかいったものは、少し目新しいといえば目新しいですけれども、余りかわりばえがしないというイメージがどうしてもつきまとうわけです。  その個別計画等々についての考え方は、まだ明確に決まってはいないでしょうけれども、農政問題において、この十年間のビジョンを上位計画とすれば、実行計画といったものについての考え方についてお聞かせください。 162 ◯菊地農政課長 農政につきましてになりますけれども、もう県議会でも御議論いただき、御議決いただいております、かごしま食と農の県民条例に基づく基本方針というのがございます。ビジョンとどっちが上位、下位という議論はあろうかと思いますが、両者とも、しっかりとそれに基づいて農政を推進していく基本的な方向性になろうかと思っております。  例えば、それぞれの中項目の内容について個別の計画をつくっていくかどうかは、それぞれの立場で御判断されてやっていく話かと思いますので、今後、検討されるという企画部の答弁のとおりかと思いますけれども、少なくとも輸出ビジョンにつきましては、後ほど御議論していただくわけでございますけれども、当然、この県政ビジョン、全体のビジョンとも整合性もしっかり図りながら、その策定に向けて取り組んでいくと、またしっかりと実施をしていくということかとは思っております。以上です。 163 ◯前野委員 そういうことしかできないのだろうと思っているところです。  例えば、今、一生懸命、大隅でいうと中部畑かん、あるいは離島の地下ダムを初めとするものも含めてそうですが、水を使う、水がなかったところに水を引く対策をしていらっしゃる。水がないと農業はできませんから、鹿児島県では一生懸命畑かん営農を推進をしておられます。先ほども少し陳情のところで出ましたが、水を使って新たな作物、新たな品種といった研究とかはあるのでしょうか。水を使うことで、従来の作物生産高は一割、二割ぐらいアップしたとかいう話はよく聞きますが、膨大な費用をかける割に、例えば耕種農業でありますと、収量がゴボウは一二〇%になったとか、里芋は一二〇%、一三〇%上がり出したとかいう話にとどまっていて、私は、水を引く以上、何か新たな品種、その地に合った、その土地に合った品種改良みたいなものが、換金率の高いものに生まれ変わる研究が進んでいっていいと思いますが、そういう取組というのはどうでしょうか。ここ十年間の農業のやり方というのも非常に変わってきているということ、これはよくわかりますが、それに付随する形での水を使った新たな品種の研究とか、そういったものの考え方はビジョンのどういうところに入ってくるのかを少し聞かせてください。 164 ◯鳥取部経営技術課長 畑かん営農で、例えば水を使ってどういう品種を今後進めていくのかという御質問だと思いますけれども、今、委員からありましたように、県下で四地区、曽於と肝属中部、それから沖永良部、徳之島で、畑かんの整備が進んでおります。そういった中で、どのように営農を進めていくのかになりますと、各地域に営農推進本部というのがございまして、その中でそれぞれの畑かん営農ビジョンをつくっておりまして、その中に、当面こういうところを進めていこうという推進品目を決めて取り組んでおります。  例えば、肝属の中部ですと大根とかゴボウであるなど、この辺は販売戦略上、非常に市場からのニーズも高い品目を、あるいは新しい品目等も入れながらやっていくわけでございますが、まずそういうビジョンにある品目を、今ありました増収計画とかを見ながら進めております。それで、水を使っていく農業に変わっていくという理解を得ながらやっているところでございます。  また、今、委員からありました、新しい品種だとか品目というところの取組でございますが、また、一番大事なのは、それは誰が買ってくれて、どういう流通をして、どうその面積が必要でというようなところもございますので、そういう品種・品目を踏まえながら、市場性も見ながら、またビジョンの中で取り上げながらやっていくのかなと考えているところでございます。 165 ◯前野委員 一つの例を出してお尋ねしました。  離島を含めて南北六百キロという、気候風土も変わる、その地域ごとに生産する作物も変わるといった状況があって、本土は、大隅、薩摩、北薩、南薩あるわけですが、今、農業開発総合センターあるいは農業大学校は金峰、吹上にあるわけですけれども、そこで今申し上げましたような作物の研究とかさまざまされておりますが、金峰町でさまざまな研究をされていることが、北薩、離島とかあるいは大隅とかいったようなところで農業を営んでおられる方々のニーズに対して、果たして応えられるのだろうかという気もします。  農業大学校あるいは農業開発総合センターというものがあそこに集約をされていって、結果として、従来あちこちに散らばっていた県の試験研究機関が集約をされることによって、昔から試験研究所、試験研究機関があったところの農家の方々の心配というか、あるいは身近になくなったという不安などもやはり少し影響してくるような気がします。金峰町に集約をされていくのは大きな県の方針ですから、これはもう仕方がないといえば仕方がないわけですけれども、そういった、申し上げましたような、従来研究機関あるいは試験場等があったところに立地をしたということは、そこの農業に、果樹であるとか花卉であるとかあるいは施設であるとかあるいは耕種であるとか、さまざまなやはり影響力を持って、そしてそこで農業が盛んになっていった歴史的なものもあると思います。そのあたりのフォローというか、そのあたりをどのように今後十年間位置づけをしていかれるのか、基本的な考え方を教えてください。 166 ◯鳥取部経営技術課長 農業開発総合センターの集約に伴う、その集約した地域への配慮という意味での御質問だと思います。  今、委員からもありましたように、農業開発総合センターの集約につきましては、メリットとしては、やはり一カ所に研究員がいて、それぞれの能力を蓄積しながら総合力を発揮するという視点、それから研究の成果では、農業開発総合センターに普及情報課がありまして、昔の専門技術員を置きながら、地域での普及員とうまく研究の連携をとっていただくようなワンストップサービス等も行いながら、集約を進めていく形で進めているところでございますが、今ありましたようにやはり、どう進めるかは、例えば農政の研究員と、それから地域の普及員が今後、議論する中で、やはりそれぞれがうまく連携しながらやっていくことが大事かと思っています。  特に、今後はやはり農家と一緒に、あるいは今、法人がふえていますので、法人のニーズ等もうまく酌みながら、そして研究課題としながらできた成果はやはり地域の普及事業の中で普及しながらやっていくという、今の機能を十分発揮していければと思っています。  また、離島につきましては、熊毛・大島・徳之島支場がございます。それぞれの地域の特徴に応じて引き続きやっていきたいと考えております。 167 ◯前野委員 少し大きい課題をお聞きしたところでしたけれども、一カ所に集約をすることも大きなメリットがあるかもしれませんが、例えば垂水の果樹試験場とかいったところは、かつては、あそこに果樹試験場があることでミカンの生産も広がっていった経緯がありましたが、今、果樹試験場がもうなくなって、ミカン農家もどんどんどんどん減っていくということです。後でまた肉用牛改良研究所の話もしたいと思っていますが、御案内のように肉用牛改良研究所は旧大隅町にあるわけです。今はまだそういう計画はないですけれども、この肉用牛改良研究所まで金峰に行ってしまうのではないかという気もして、そういうことになってしまうと、有数の畜産地域、また農家の方々のモチベーションも下がってしまうのではないかという危惧もあってお聞きしたところでした。  いずれにしても、農業の関係では、先ほども出ましたけれども、GPSを使って、広大な畑の座標値を入力して、燃料を入れてスイッチさえ入れれば、夜のうちに耕うんが終わっているという時代ももうそこに来ているわけです。というのは、農水省に陳情に行ったときに農水省の庭に、GPSを受信して、そしてオール自動化で畑を耕うんするというトラクターが展示してありました。  そこを少しのぞいてみましたけれども、もうこういう時代かと思いましたし、ドローンで薬剤を散布する、あるいは写真を撮る、あるいは水田では除草作業をリモコンの船が後ろにチェーンみたいのを引いて、まだ草が小さいうちに除草作業をやるなど、さっきのAIとかIoTとかいったものにそういうものが含まれてくると思いますが、そういった農業のやり方で今の若者に農業に興味を持ってもらうことも、やはり後継者を何としてもつくっていくという意味でいうと必要で、技術的な推移と、またそれに対応する取組といったものも必要な気がしています。農業を魅力があるものしないといかんということは、もうこれは誰しも認めるわけですけれども、このビジョンを策定される十年の間に、農業のあり方も相当さま変わりをしていくと思います。技術的なものというのはもう日進月歩で、そういったものについても、やはり農業開発総合センターが県内の農業の技術的な最高の水準の場所、教育機関だと思いますが、そこらあたりでの教育のあり方といったものも変わってきそうな気がしますが、農業に対する新技術といったものの取組について、少しお聞かせください。 168 ◯鳥取部経営技術課長 委員おっしゃったように、労働力も減ってきて、農家も減ってきている中で、いかに生産を維持していくのかとなると、やはりスマート農業を含め、今ありましたような技術を加速度的に取り組む必要があると考えております。  そのためにはやはり、まず、研究の中でもそれぞれの部門の中で携わっていらっしゃる方々がおりますので、いろいろな取組がある中で研究に携わっている方の皆さんが横のつながりをもつこと、それから今度は現場の普及事業の中では、例えば生産法人の方々がさまざまなメーカーとの組み合わせで取組等もされておりので、一元的に情報を集約しながら、そして農家とともにスマート農業の取組や情報を共有しながら、そしてそれを実践している皆さんの事例等を加速させていくことが必要であると思います。  今後十年、本当に人が減っていく中で、そういうスマート農業を含めた、IoT等を活用した取組は非常に必要になると思いますので、横の連携を十分とりながら、そして周りを巻き込みながら取り組んでいきたいと思っております。 169 ◯前野委員 ありがとうございます。  十年の間に、今、課長もおっしゃいましたが、大きく変わっていく、技術的にも変わっていくと思っているところです。そこに来て企業が参入をしてきた、企業は金を持っていますからすぐやれるわけです。太陽光がなくても軟弱野菜はできるという技術で、しかも一枚の畑ではなくて、室内を使って階段状で、幾重にも軟弱野菜ができる、量産ができる、毎日収獲ができるという時代に入ってきているわけで、従来の畑で真っ黒に汚れてやる農業もありますけれども、農業のあり方、あるいは農業を目指そうという人たちで、そういった施設の中でLEDを使ったりして、ほとんど汚れない農業のあり方というものに従事をしたい人たちもいると思います。  ですから、そういうものの研究というか、一般質問、代表質問でも出しましたけれども、農業高校での、そういった教育機関における最新の農業のやり方をやはり追求をしていく必要があるのではないかということでお聞きしました。  ぜひ、今おっしゃいましたように、団体とかあるいは認定農業者、専門の方々とかあるいは県とか研究機関とか含めて連携をとって、農業県鹿児島にふさわしい農政を進めていただきますようにお願いを申し上げて、終わりたいと思います。 170 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。  園田委員。質問はなるべく完結に。 171 ◯園田委員 はい、それでは質問させていただきます。  今回、県政ビジョンを着実に推進していくということで、十年後のあるべき姿を目指していらっしゃいますが、御認識と申しますか、十年後の農家戸数、それに全国第三位の農業生産額はどういうふうに推移していくと基本に考えながら、今回の農政部のビジョン策定には当たっていらっしゃるものかお伺いします。 172 ◯菊地農政課長 八十七ページに書いてございますとおり、県政ビジョンの推進に当たって、特に農政につきましては、やはり攻めの農林水産業を実現するということが非常に重要かと思っております。十年後の将来像に記載してありますとおり、先ほどウェルネスということも説明をさせていただきましたけれども、鹿児島には、鹿児島黒牛、かごしま黒豚、かごしま茶など豊富な県産農畜産物がございます。こちらについて、その品質やブランド力の向上や六次産業化の取組などで付加価値を向上させて、高く評価されるということで、農林漁業者の所得を確保し、後継者の確保につながることを我々としては目指しているところでございます。 173 ◯園田委員 わかったようなわからないようなご説明ですけど、済みませんが、そこで、少々お伺いをしたいと思います。ビジョン、計画を策定するに当たって、今後は、数値目標であり、そしてまた十年後のあるべき姿、五年後のあるべき姿を、農政の今後の現状を踏まえた中でそれぞれに整合性を持たせながら、また、結果を求めていろいろな実施計画があると思っております。そこで、このビジョンの実現のために、いただいた資料一の中で、県民との対話を通じた意向の把握とありますけれども、これまで携わってきていらっしゃる農政の中で現状・課題をここに書いてあると思いますけれども、今後もいろいろな流通などの実施計画もあると思いますけれども、意向把握というのはどういうような捉え方で、今、このビジョンの策定に当たっていらっしゃるものかについてお伺いします。 174 ◯菊地農政課長 ビジョンの策定の経過における県民への情報収集の部分については、当然、企画部で、さまざまな有識者の意見聴取であったり、県民から意見を求めたりしており、またこの後、パブリックコメントをさせていただいて、その中で県民の皆様から広く御意見をいただくものと思っておりますけれども、私ども農政を推進するに当たっても、農家の皆様方、農業者、農林漁業者であったり消費者の皆様からさまざまなお声をいただきながら、施策を推進させていただいております。  先ほど普及の話もございましたけど、そういった普及の皆様の活動の中において、それこそ法人の方であったり、農業団体であったりそういったところからまたいろいろな話を聞きながら、必要な農業政策の検討を進めさせていただいているところでございます。  お答えになったかどうかはわかりませんが、以上です。 175 ◯園田委員 よく計画を立てるときに、現場の声ということを十分把握しながら計画を推進してまいりますと言われますが、特に農政とか所得に直結するようなところでは、後からそうではなかったのだけど、こうだったのだけどということがあるようではいけませんから、現場の声というのも大事ではないかと思います。今回、いただいた資料の中で、そういう部分がどういう形で出ているのかは、農政に限らず関心を持って見ていたのですけど、今後、具体化していく中でそういう部分も出てくるかとは思います。  それともう一つ、各市町村、第六章のビジョンの実現に向けて、これが一番大事な部分の一つでもあると思いますけれども、農政の部分は、実際やるのは県内四十三の各市町村が、県と連携を図りながら、また国の事業等も踏まえながらやるべき部分が多くあると思いますけれども、市町村との連携の中で、先般の一般質問でも申し上げましたが、本県におきましては、四十三市町村のうち四十一が過疎地であり、過疎地域自立促進計画ですか、実施計画を五年間で立てているわけですけれども、各市町村が十年間の計画を定めた総合振興計画と県政ビジョンとの整合性と申しますか、一致した考えを持ちながら農政を進めていかなければならない部分があると思いますけれども、その辺について御見解をお伺いいたします。 176 ◯菊地農政課長 当然、各市町村がさまざまな計画等を策定しながら、農政等を推進されていると思っております。まさに現在こういった素案を示させていただきまして、パブリックコメント等で諮らせていただいております。三月議会では、平成三十年度の県の予算とかもお示しをさせていただいて、お諮りすることとなると思いますが、各市町村等はこれを見ながら、どういった各市町村の農政のあり方が望ましいのかを検討されていくものと承知しております。 177 ◯園田委員 最後にお伺いいたします。  第一章の中でも、ビジョン策定の趣旨が書かれて、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎え、地域間競争も激化すると。農政に対してもそうであろうと思います。その中で、策定するに当たり、農業者戸数はふえるのか減るのか、農業者の総生産額は今、全国第三位ですけど、どうなっていくのか、これをどうしたらいいのだろうかという部分が先ほど少々聞き取りにくかったのですけれども、十年後、どういう農業が生き残っていくのだという思いの中で、今回のビジョン策定をしていらっしゃるものか、特定の部分を述べるということは難しいですけど、大綱と申しますか基本的な考え方はどうですか。いかがですかね、お考えがあったら教えてください。 178 ◯川野農政部長 将来の本県農業の展望についてというお尋ねでございますけれども、先ほど来ございますように、日本の人口あるいは本県の人口がこれから減少していく中で、まず、私どもとしては、農業の担い手をいかに確保していくかは一つの大きなテーマでございます。一つの答えといたしましては、認定農業者あるいは農業法人、あるいは集落営農、個人を含めまして、将来的には本県農業を支える担い手を一万経営体維持するというのが、一つ大きな考え方としてあるところでございます。  そういった中で、今、本県の農業法人は、九州ではトップで、全国でも二位ぐらいと承知しておりますけれども、こういった農業法人を中心に、先ほど来ございます、例えば畑かんの水等を活用した大規模な畑作営農、そういったものも当然、これからもますます発展していくのだろうと思っております。そういった中においては当然、スマート農業云々ということも導入しながら、一つの大きな方向として目指していくのはもちろんございます。  一方で、やはり本県は、耕地面積の半分ぐらいを中山間地が占めておりますので、そういう中山間地を中心とする家族経営的な農業をどうするかということは、地域政策としても非常に重要な課題でございますので、今ございます施策でいいますと、日本型の直接払い制度ですとかをうまく活用しながら、何とか中山間は中山間での収益性をどうやって高めていくか、効率性をどうやって高めていくかを引き続き模索していかなければいけないと考えております。  いずれにいたしましても、こういった大規模化のような動き、産業政策とそういう中山間対策、そういったものを両方を見ながら進めていかなければいけないと考えております。 179 ◯園田委員 了解しました。終わります。 180 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 181 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんので、この件につきましては終了いたします。  ここで、暫時休憩いたします。         午後二時六分休憩
         ────────────────         午後二時七分再開 182 ◯瀬戸口委員長 再開いたします。  それでは、委員会の中で出された質疑の経過を踏まえ、報告については当席に御一任いただきたいと存じます。  特定調査につきましては、これで終了いたします。  次は、県政一般の一般調査であります。  まず、執行部からの説明が一件あります。  鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン(仮称)案について、農政課長に説明をお願いいたします。 183 ◯菊地農政課長 それでは、今年度中に策定・公表することとしております、鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョンにつきまして、本日は、これまで開催いたしました策定検討委員会の議論等を経て、取りまとめました案につきまして御説明を申し上げたいと思います。  お手元に、A3判横一枚の「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」案の概要についてと、A4判の鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン(案)の本冊を配付しております。  説明は、A3判横一枚紙の「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」案の概要についてと上のほうに書いてあります資料に基づきまして行わせていただきます。  まず、ビジョンの趣旨といたしましては、資料上に示してございますとおり、国内の食市場等が減少していく中で、本県の基幹産業である農林水産業の維持・発展に向けて、さらなる輸出拡大を図るための指針として策定するものでございます。  鹿児島の強みを生かした戦略的取組を展開していくために、後ほど説明いたします、輸出重点品目、輸出重点国・地域を明確にした上で輸出目標額を設定したものとなっていることが大きな特徴でございます。  本ビジョンの構成につきましては、県内農林水産業、県産農産物の輸出の現状・課題を分析した上で、取り組み方向を整理し、目指すべき姿を示すこととしているところでございます。  まず、現状・課題につきましては、左側にございますとおり、県産農林水産物の輸出額が、平成二十八年度に過去最高の約百五十五億円となったところでございます。特に、農産物については牛肉が、水産物については養殖ブリがその九割を占めているところでございます。  さらなる輸出拡大に向けては、輸出相手国・地域の動植物検疫や認証基準への対応、海外のニーズに対応した商品づくりへの継続的な取組などが必要となってくるところでございます。  このような課題を踏まえまして、ビジョン実現に向けた戦略的取組を定めています。  具体的には、真ん中に示してございますとおり、輸出サプライチェーンを、「かう」側の視点を入れ、「つくる」、「あつめる・はこぶ」、「うる」の三つに柱立てをして取り組みを進めることとしているところでございます。  以下でその要点を御説明申し上げます。  「つくる」では、輸出に取り組む農林漁業者を確保・育成し、その裾野を広げるとともに、AIやIoTなどを活用し、生産コストを引き下げながら、産地づくりや産品づくりを推進することなどとしているところでございます。  「あつめる・はこぶ」では、混載等によって一定量のロットを確保し、輸送コストの低減を図るとともに、鹿児島の地理的優位性等を生かせる船便を活用する取組を促進するなどとしています。  最後の「うる」につきましては、海外での商談会やフェア等に積極的に参加するとともに、バイヤーや現地消費者に県産品の魅力をPRできる人材の育成に努めながら、輸出用の統一ロゴの作成などによって、鹿児島のブランドイメージの統一を図り、県産農林水産物の認知度の向上を図るなどとしています。  それぞれ詳細につきましては、本冊の二十五ページから二十七ページに示してございますので、ごらんいただければと思います。  本ビジョンにつきましては、来年度以降、策定しましたら執行段階に入るところでございます。品目ごとの横連携を図るために、司令塔となる組織と品目部会から成る推進体制を整備し、取組を進めたいと考えているところでございます。  また、先ほど戦略的取組として示しました取組につきましては、ロードマップに基づいて推進してまいります。  具体的には、「つくる」、「あつめる・はこぶ」、「うる」の段階とそれぞれの取組ごとにロードマップを、本冊四十九ページから五十ページまでにかけて示しているところでございます。  また、重点品目といたしましては、本県の強みを生かせる、牛肉、豚肉、お茶、丸太、養殖ブリ・カンパチなどを、重点国・地域といたしましては、輸出実績がある香港、シンガポールなどのアジア諸国等に加え、国際的経済連携協定の進展等を見据えて、EUなどを選定しているところでございます。  このような戦略的取組を展開することにより、本県としては、平成三十七年度、二〇二五年には、農林水産物の輸出拡大による、稼げる「攻め」の農林水産業の実現と県産農林水産物輸出額約三百億円の実現を目指します。  本ビジョンにつきましては、本日、農政部・商工労働水産部関係を産業経済委員会、環境林務部関係を環境厚生委員会にお諮りし、県議会の御意見を賜ることとしているところでございます。  その御意見も踏まえながら、今後、パブリックコメント等の所要の手続を行います。  その後、来年二月に開催予定の第四回検討委員会を開き、今年度中に策定・公表させていただきたいと思っております。  以上で、甚だ簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 184 ◯瀬戸口委員長 説明が終わりましたので、質問がありましたらお願いいたしたいと思います。  なお、水産振興課の水産流通対策監も出席されておりますので、当課所管分も含めて質問をされて結構でございます。  よろしくお願いします。 185 ◯下鶴委員 当ビジョンの策定は非常によいことだと思っておりまして、県政ビジョンの中にも、プロダクトアウトではなくマーケットインの発想であったり、また、輸出先として期待される国・地域を明確にということで、国ごとのターゲットを定めてこうやってつくっていただいたのは非常にいいことだと思っています。  ターゲットを設定する上で、やはり求められるのは、まずは人口がいる市場であるということ、あとは近いということ、そのあたりがターゲットを絞る上で重要なのかなと思っています。  そこで、案の本体二十八ページの、国別に輸出規制も含めて整理していただいた資料、これも非常にいい資料だと思っておりますが、これをベースに幾つかお伺いをしたいと思っております。  まず一点目として、やはり人口が多くて近くにあるという点では、やはり中国、韓国、ここは大きな市場ですが、ここに書いてありますとおり、残念ながら現在、牛、豚、鶏、全部規制をかけている状況であります。  とはいいながら、やはり特に中国などは人口もたくさんいて、そして近いということもありますから、今まで何度か質問もさせていただいていますけれども、輸出規制の撤廃に向けた国への働きかけについて、ぜひビジョン案でも何か位置づけられないかと思っておりますが、そこのところの考えをお聞かせください。 186 ◯菊地農政課長 海外に輸出するに当たっては、検疫条件をまず締結することが非常に重要になっているところでございます。そちらにつきましては、本冊の四十七ページでございます。割愛させていただいて大変恐縮でございますが、言うまでもないことでございますけれども、国への要請ということで、二国間協議による輸出環境の整備と輸出相手国等の基準に適合した生産体制の確立などに対する支援をあらゆる機会を通じて要請していくことにさせていただいておりまして、当然、毎度県議会でも御意見いただいております、県開発促進協議会等の要請機会とか、またあらゆる機会を通じて、輸出促進につきましては当然、申し入れをさせていただいているところでございます。 187 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  十年後の目標を立てるに当たっては、今、輸出できないことから、前提とした計画はつくれないわけですけれども、今、位置づけでいただいたように、ぜひとも、隣にある有望市場なので、そこの取組も強力に進めていただきたいと思っています。  続けて、二十九ページ以下で、各品目であったり、またその次に、各国の十年後の目標を設定しているわけですけれども、その中で、十年後、今の約百五十億円を三百億円まで持っていく、百五十億円の増分という中で、大半は、香港も五十億円伸ばしたり、アメリカも五十億円伸ばしたところで設定していただいています。  一方で、近くて、なおかつ今でも牛肉、豚肉両方輸出が可能な台湾に関して、少々控え目な目標かと感じるところもあるものですから、台湾に関して、牛が解禁されたわけですが、なかなか大幅増を見込めない事情ですとか、課題があったら教えていただきたいと思います。  というのが、四十一ページの資料を見ますと、今の各品目合わせて三億七千万円のところを、五億円から六・六億円という目標でありまして、率でいうと倍増近くなっているわけですが、額でいうと小さいものですから、そこをもっと売れればと思いますが、障害になっているもの、もしくは検討すべき課題等々、把握しているところがあったら教えてください。 188 ◯菊地農政課長 各国に対してそれぞれどのように取り組んでいくかは非常に重要なことかと思っております。それぞれしっかりと取組を進めていくことが大切かと思いますけれども、倍増という目標を設定するとはいえ、三百億円という目標の内数ですけれども、やはり多少現実的な目標を設定をしていかなくてはいけないということで少々控え目にはなりますが、目標の数値を設定しております。牛肉もまた最近、解禁されたばかりでございますので、こちらをしっかりと定着させていくとかが非常に重要かと思っております。  済みません、議会中で大変恐縮だったのですけど、実は私、先週木曜日から実は台湾へ行っておりまして、台湾自体はかなり駐在員とかも多くて、市場としては、かなりもう日本産農産物とか入っておりまして、日本産品というもの自体がかなり飽和状態にはございます。こういった中で、先ほど委員からもありましたけれども、逆に鹿児島の優位性、いわば他県よりすぐれている、鹿児島の牛肉が日本一であるとかいったものをしっかりPRしていくことは重要でございますので、他県との比較においてそういったものをしっかりとPRすることで、シェアをしっかり確保していくことが重要かと思っております。以上です。 189 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  四十一ページには、豚に関して、日本食レストランをターゲットに販売を推進とありますが、台湾では結構日本のものに対する憧れがあって、行くと日式、日本式のものがたくさん並んでいますので、ぜひ、現実的な目標数値もあろうかと思いますが、ぜひ台湾市場も、近くて親日で、なおかつ日本のものに対する憧れも持っているというところで捉えていただければと思います。  あと続いて、ターゲットの国の設定の上で、やはり人口がいるというのは大きなファクターだと思っておりますが、その中で、人口一億に迫るベトナムであったり、もしくはハラールにしなければいけないという制約はありますけれども、マレーシア、インドネシア合わせて二億超いる、このあたりのターゲットとしての捉え方は、これをつくるに当たってどういう捉え方になったのですか。 190 ◯菊地農政課長 重点国・地域の選定ということの趣旨かと思いますけれども、これまでの輸出実績等を踏まえて、鹿児島の強みを生かせる国・地域を設定したものでございまして、当然これらから、例えばさらにマレーシアとか、それとかベトナムですとか、そういったところも当然考えられるところだと思いますが、厳しいというのも既に委員御案内かと思いますけれども、ベトナムについては、特に青果物につきまして、検疫条件がかなり厳しいところでございます。こちらについてはそれこそ、先ほどの御議論ではないですけど、国に対する働きかけ等を通じてしっかり取り組んでいくことが重要かと思っております。  重点国・地域を定めるというのはなかなか難しゅうございまして、全部を定めてしまうと、今度は対象がぼやけてしまいます。また逆に絞り過ぎてもなかなか難しいということで、そういった趣旨で今回一応定めさせていただいております。  当然、ハラール圏というのも一つ、大きなチャレンジする市場としては考えていかなければならないところだと思っておりまして、この辺はしっかり研究を進めて対応していくことが重要かと思っているところでございます。以上です。 191 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  おっしゃるとおり、ターゲットをやはり絞らないと散漫化してしまうというところもありますけれども、ターゲットの市場を考えるときに、やはり商圏の人口を見据えて取組を進めていただきたいと思います。  最後に一点ですけれども、欧米に特に畜産物を輸出しようとしたとき、一部の消費者の方からは、アニマルウェルフェアを重視する層もいるやに聞いています。つまり、飼っているとき、もしくはと畜するときに、ちゃんと動物の健康もしくは精神に配慮した形でやるという話があるやに聞いていますけれども、そのあたりの認識は特に欧米市場において、どのようになっていますか。 192 ◯菊地農政課長 EUにおける輸出の条件として、アニマルウェルフェアというものが畜産物に必要であるというのは、委員おっしゃるとおりでございます。当然そういったものに対応できるように、まずはそれこそさまざまな生産体制の、例えばと畜場において、最後、水を飲ませられるようにするとかいったことがいろいろあると思います。そういったものの体制整備というのもあわせて当然しっかり行っていかなければならないということですが、県内で、きちんとそういった体制ができているということで、畜産物、牛肉を、EUに出せるのはなかなかありませんで、実は全国でもほとんどないわけですけれども、本県ではEU対応の食肉処理施設が整備されているということもある意味で先駆的に、また、民間企業の方々と連携して取り組んできた成果ではないかと思っております。以上です。 193 ◯下鶴委員 以上です。わかりました。 194 ◯瀬戸口委員長 ほかにございませんか。 195 ◯園田委員 短めにいきます。この前、海外経済交流促進等特別委員会でシンガポール・タイに行きましたが、今、この現状・課題を見ていますと、行ったときにいつも香港、シンガポール、ああいうところで大きなデパートに行って、地下の食品売り場とか見ますが、そこでよく今、目にするのが果物です。これは特別な例だろうと思いますけど、この前、シャインマスカットの一キロ入りがシンガポールで、日本円で一万七、八千円で売っていました。儒教の教えで、中華圏の中では人に物を贈るのがやはりあるようでありまして、高い果物を鮮度よく差し上げる習わしがあります。資料の内訳に書いてあるのは、牛肉、丸太、養殖ブリとありますが、野菜というか青果の現状はどうですか。 196 ◯寺園農産園芸課長 野菜、いわゆるレタスとかキャベツとか、ああいう何というか日持ちのしないものにつきましては、本県から直接輸出する取組はほとんどございません。今ありますのは、例えばサツマイモとかカボチャとかの輸出の実績がありまして、それらにつきましては、鮮度保持という技術が余り要らないところです。  ただし、今後は、かんきつ類も含めまして、果物や青果全体で、そういうのを生鮮の状態を保ったままで、しっかりコストも考えた上で海外の消費地に届けられるというようなところがあれば、そういうのも取り組んでいく必要があろうかと思いますけど、現在、それらのものを大きな形でこの輸出ビジョンの中には含んでいないところでございます。 197 ◯園田委員 先日テレビを見ていますと、中国の方だったですか、今、日本の柿を食べるといって、柿のもぎ取り園かどこかに大挙押し寄せているという話等も聞いて、やはり果物に対する取組というのも必要ではないかとは思います。以前から、野菜は値段、肉は品質、魚は鮮度と、商いの中では、つくる人、売る人、買う人、この三つが栄えることが一番、循環型の売る中ではいいという話もよくいろいろな講演などでも聞きますが、そこでお伺いしますけれども、先ほどの農政ビジョンではないですけど、農業をする方々の流通に対する意識が非常に、もっとあったらいいのにと思うときがたまにというか、多々あります。  だから、鹿児島県に限らず、農業をされていらっしゃる方は、つくるのにもう精いっぱいで、言葉が適切ではないかもしれませんが、売るときになれば十把一からげで売る方もいらっしゃいます。もう精いっぱい汗水流してつくって、晩も寝ないでもつくったような気持ちで箱詰めしながら、売るときと流通に関してはすごく疎い生産者の部分というのがなきにしもあらずではないかと思います。  農業大学校とかそういうところでもですが、この辺の、農業者に対する流通のあり方を学ぶような、今後のあるべき姿は、何か今回の計画の中では考えていらっしゃらないものなのかどうなのかについてお伺いしたいと思います。 198 ◯菊地農政課長 船便であったり飛行機便であったりして諸外国に現物が届いて、流通して、輸出先国の消費者の手元に届くわけでございますが、農家は生産してそれを出荷したら終わりというわけではなくて、当然、手元に届くまでがまさに商品として重要なわけでございます。  餅は餅屋という部分もございますので、やはり流通をつかさどる方がしっかりと流通に対応していただくことも重要かと思いますが、そういった意味では、農産物という話とは少し離れるかもしれませんけれども、いわゆる売るという部分で、現地消費者にしっかり県産品の魅力をPRできる人材をしっかりつくるといったところで、消費者までちゃんとリーチをするということもしっかり対応していくことが重要かと思っているところでございます。以上です。 199 ◯園田委員 それと、最後にお伺いしたいと思いますけれども、私どもも疎いのですけれども、採算のとれる価格というか割合の考え方は、どうですか。これはなかなか捉えられない部分もあるのかもしれませんけれども、販売品目と申しますか品物、それと販売先、輸出する先の国によって、輸送コストというか販売コストは違ってくるだろうと思います。鮮魚であり木材であってもそうですけど、肉であっても、仮に輸出先で千円の品物を売るときに、最低三百円までにコストを抑えないと利益が出ないとか、コストというのはどれぐらいまで販売コストであり、それから輸送コストであるのか、割合的に販売価格のどのくらいまでコストをかけられるのかお尋ねします。鹿児島県の農業の所得向上につながらないといけないという部分もあるだろうし、また水産業の利益につながらないといけないと思いますが、コストに対する意識を計画にどう反映させていくのかお尋ねします。 200 ◯菊地農政課長 輸出するに際しては、輸出先国で販売するわけですけれども、輸出先国の価格があって、そこから輸送のコストとかが引かれて、最後に農家の所得になるということだと思いますが、当然、農家の所得が低減するようであれば本末転倒になるかとは思っています。  具体的に、それぞれ木材だったら幾らとか、肉だったら幾らというのが今、手元にあるわけではございませんけれども、それこそ御指摘あったとおり、まさにその間の、「あつめる・はこぶ」という部分の流通コストを下げるために、本冊二十六ページにございますが、「あつめる・はこぶ」の部分につきまして、さまざまなコスト削減に向けた取組を進めていきたいと思っております。  特に、飛行機の便で飛ばすものがやはりどうしてもコストがかかる部分がございますので、取組三でございますけれども、これも昨年度、海外経済特委でもかなり多く言われていたことではございますが、鹿児島は、南というか西に開けた土地でございますので、その地理的優位性を生かして船便等を使えるように、ぜひその取組を進めていきたいと考えているところでございます。そういった形で輸送コストを下げることで、農家の所得向上に向けて取組を進めていきたいと思っております。 201 ◯園田委員 はい、いいです。 202 ◯宝来委員 先ほどの下鶴委員のところとも少し重複しますが、重点品目と重点国について、先ほど御説明がありまして、両方とも「等」がついておりましたが、結局、戦略的取組をする上で、「等」があったときはやはりぼやけてしまうのではないかと思います。なので、その辺のもう一回、考え方を教えてください。やはり品目は絞らないとこういう戦略は組めないと思いますが、「等」を残して、後で追加するものや国があるというのは分かりますけど、であれば、それは準重点項目とかしておかないと、では、最初から、全てに対して戦略を練るのかという話になったときに、すごく組織的にもやりづらいのではないかと思いますが、その辺の考えをもう一回教えてもらっていいですか。重点品目と重点国が、重点でありながら、「等」という言葉でぼやかされているというところに関して教えてください。 203 ◯菊地農政課長 本冊二十四ページでございます。こちらに重点品目については記載しております。  青果物につきまして、基本的に畜産物についてはこうやってクリアに書かせていただいているところでございますけれども、青果物につきましては、サツマイモ、キンカンといったものを今、輸出させていただいていて、現在、輸出されている農産物等、青果物等もございますので、ここの部分のことを、「等」と示させていただいてございます。  また、水産物も同様です。ブリ・カンパチが有名でございますが、その他にも輸出させていただいているものがございますので、現在のものを伸ばすといった意味で示しております。さすがに現在輸出されているものを、伸ばさないということにはならないかと思いますので、その意味で、「等」で記載したと御理解いただければと思います。 204 ◯宝来委員 そうなったときに、結局はこのビジョン的には、戦略的に取り組むというのは、もうひっくるめて取り組むのか、品目ごとで取り組む意思があるのかだけ教えていただければと思います。 205 ◯菊地農政課長 済みません、重点国・地域のところを御答弁申し上げませんでしたが、EU等のところについては、イギリスが今後どうなるか少々わからないので、イギリスの可能性の部分のことを記載しているつもりでございます。  済みません、それと、今、少々聞き漏らしましたので、質問をもう一回お願いできますか。 206 ◯宝来委員 もう一度質問します。  このビジョン的に、戦略的に取り組むというのは、ここに記載されている商品群全てに対しての取組なのか、一つ一つの商品に対しての取組の積み重ねなのかという、その辺の考えを教えてください。 207 ◯菊地農政課長 当然、品目特性がございますので、それぞれでなじむもの、なじまないものがあると思っております。先ほど申し上げましたけど、例えば船便等を推進するということ、これは流通コストの削減のために推進するということを申し上げさせていただきましたけれども、全てのものが船便にできるわけではございませんので、その辺については、二十九ページ以降に、それぞれの品目ごとでそれぞれの取組、まさに品目別の取組方針を記載させていただいているところでございますけれども、重点品目別戦略に基づいてそれぞれ取組を進めていく、概括的に戦略的取組ということで、こういった方向性で進めていくことを記載させていただいているところでございます。 208 ◯宝来委員 生産者の立場になると重点品目かどうかで、「等」があれば、例えばここに載っていないキンカンとかで、生産者はキンカンはサツマイモ等の「等」に含まれているんだという意識で取り組んでいて、いやいやいや、これは重点には実は入っていないよというようなことがあってはならない。そして、あくまでも重点と言われるのは、ここの重点項目に載っていれば政策的な予算等もつくのではないかと、我々としても、多分生産者の方もやはり考えてしまいます。なので、その辺はめり張りをつけたほうが結局、最終的に県のためになるのではないかと思ってお聞きしたところでした。その点はもう理解しました。  もう一点だけ、売るほうの統一ロゴというところで、目指す姿で、かごしまブランドの確立というものが平成三十七年度にあります。統一ロゴは、要するに農畜産物、水産物まで含めたものの統一ロゴという考え方なのか、どういうブランドイメージを考えて、今、行っているPR戦略のところとどうかみ合わさってくるのかわかれば教えてください。 209 ◯菊地農政課長 昨年度の海外経済交流促進等特別委員会でもございましたし、また、検討委員会などでもあった議論でございますけれども、そもそもこのビジョンをつくるのに当たって問題意識とされたものが、今、農畜産物についてはさまざまな目標等をクリアして、ブリとか肉とかそれぞれの品目について頑張っているけれども、やはり横断的な横串を刺すような取組が足りないのではないかと御提言いただいたところでございます。  これを受けるような形で、やはり横断的な、それぞれめいめいにやるのではなくてイメージの統一を図っていくということが重要だということで、統一ロゴということで書かせていただいております。おっしゃるとおり、牛肉だけとかサツマイモだけというわけではなくて、鹿児島の輸出産品について、統一的にブランドイメージをつけていこうということを考えているところでございます。  具体的にどういうロゴになるかというのは、これから作業を進めていくものでございますので、現時点ではなかなか予断を持って申し上げることはできませんが統一ロゴについてはそのように考えているところです。 210 ◯宝来委員 ビジョンとして、これが農畜産物、水産物まで含め、統一ロゴというところで載ってしまうと、もうそのロゴをつくらないといけないという位置づけになってくると思います。私はそれであってほしいとは思いますが、実際その辺の調整というのがなかなかかなり骨が折れるのではないかなと予想されますけど、その辺についてはどのように考えていますか。 211 ◯菊地農政課長 四十八ページでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、今回、こういった議論でビジョンの素案をつくらせていただきまして、その後、さらなる検討を進めて、パブコメ等を経まして策定させていただいた暁には、来年度以降、実際執行していくということになろうかと思っております。  その中で、推進主体というところの企画戦略会議で、それこそ品目横断的な部局等、それこそ各団体等、また水産団体等を巻き込みながら、恐らく検討を進めていく形になるのではないかと思っております。  予算につきましては、まだ三月議会で御議論いただく話なので、今の段階で予算が云々という話ではないですけれども、こういった横串をしっかりとれる組織で、関係者がしっかり集まって議論をすることで、それはおっしゃるとおり骨の折れる作業であるとは思いますが、骨の折れる作業をしなければいけないのではないかとも思うところでございます。以上です。 212 ◯宝来委員 最後に一点だけ、今の段階で統一ロゴの作成というのは、この部会、五つありますが、この部会長なり部会に少し、こんな取組でいきたいという話をされた実績がありますか。 213 ◯菊地農政課長 検討委員会の構成委員は、実は経済連であったり漁連であったりとかですので、そういった議論が進んでいること自体は、県内のいわゆる生産者団体等は把握しているところでございます。  また、品目部会というところを見ていただきますと、事務局は全て県庁になってございまして、この会議、検討委員会は水産振興課であったり、かごしま材振興課であったり、かごしまPR課であったり、さまざまなメンバーを構成員にさせていただいてやらせていただいておりますので、その辺の認識のすり合わせというのはなされているものと承知しております。 214 ◯宝来委員 はい、以上です。 215 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 216 ◯瀬戸口委員長 ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。  水産流通対策監はこれで退席されても結構です。大変御苦労さまでした。ありがとうございました。
     次に、十月に実施いたしました宮崎県・大隅地区の行政視察につきまして質問をお願いいたします。  十月二十五、二十六日、太陽ファーム、南日本酪農協同組合、水産は宮崎県試験場ですね。そして六次産業のジェイエイフーズみやざき、それからマトヤ技研は商工関係でしたが、ありませんか。    [「なし」という者あり] 217 ◯瀬戸口委員長 質問がございませんので、この件につきましては終了いたします。  それでは、そのほかの県政一般について、質問がありましたらお願いいたします。  ありませんか。 218 ◯宝来委員 今のにも絡むというわけではありませんが、GI登録の件で、今、壺造り黒酢が一つ登録されていて、鹿児島黒牛、辺塚だいだいが、公示が終了し、審査中というところで非常に期待をしておりますが、畜産課に確認したいのですけど、結局、鹿児島和牛と鹿児島黒牛の使い分けを一体どこまでどう考えているのか教えてください。世界的には、GI表示になってから一気に黒牛というので打って出るのか、少しその辺の考えがもしあれば教えてください。結局、我々のレベルでも、黒牛なのか和牛なのかですごく戸惑ってしまうんです。まずは何か県庁内のルールがあるとか、業界内のこういうルールがあるというのがあれば教えてください。 219 ◯佐々木畜産課長 国にGIの申請をしております団体は、鹿児島県肉用牛振興協議会という組織で申請をしております。この組織は、農協系、消費者系問わず全ての団体の入っている組織でございまして、その部門で流通販売部会という専門部会を持っておりまして、そういう中で議論をしながら申請をしているところで、今、申します中で、国内の名前は「鹿児島黒牛」という名前でやっておりますが、先ほど輸出ビジョンの中にもございましたが、海外向けは既に鹿児島県の畜産物の輸出促進協議会がありまして、これで平成二十三年に海外向けは全て「KAGOSHIMA WAGYU」ということで統一ができております。そういう中で、国内向けを黒牛、海外向けは鹿児島和牛ということですみ分けをしているところで、そういうのも含めて、今のところ、GIを審査する部門からは特に指摘はいただいていないところでございまして、実はホームページにも今、公表されていますが、きょうは専門家の委員会の協議の場が持たれておりまして、どういうまた宿題といいますか課題が与えられるかですが、そういうものを受けて、また今後、うちの肉用牛振興協議会で対応していくことになろうかと思っております。 220 ◯宝来委員 海外では神戸ビーフなり米沢牛なり、やはりブランドの名前ででていますが、鹿児島が選んだのは「KAGOSHIMA WAGYU」というブランドの名前と認識してよろしいですか。 221 ◯佐々木畜産課長 ブランド名は「KAGOSHIMA WAGYU」ですが、売り方のお話としては、今までも輸出促進協議会で商談会、展示会等に出る場合は「JAPANESE BEEF WAGYU」、日本の和牛であるという統一ロゴシールがございます。そういうものをトップネームにつけて、その下に「KAGOSHIMA WAGYU」、鹿児島産の和牛でありますよということで売ってきておりますので、そういう中で、GIマークとしては、ほかの県も独自の県の名前をつけたりしておりますので、そういう中のセカンドネーム的な売り方をしていくイメージでおります。 222 ◯宝来委員 海外に行ったとき、黒豚というのがほかの外国でも使われているという、逆に、黒豚という名前に価値を見出して、ほかの国もまねしたぐらいのブランドと考えると、本当にぜひ国外でも黒牛と、鹿児島黒牛という形でいったほうが、結局オーストラリアビーフも和牛として売っている実績がある中では、いち早く切りかえることがやはり鹿児島のブランドをつくるために大事ではないかと思ったので、聞いたところでした。以上です。 223 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。 224 ◯前野委員 少しお聞きしたいと思っています。  まず、第十一回の全国和牛能力共進会、全共で鹿児島黒牛が、団体で総合一位ということについてはいろいろなところで言われて、非常に喜ばしいことだと思っているところです。  そうした中で、鹿児島県の肉用牛改良研究所というところが、種牛の部の第一区ですけれども、ここで名実ともにトップになったわけです。種牛でいうと、それこそ右に出るものはいないと思うわけですけれども、改めて、肉改研のこの十五年間あるいは十年間という取組は、これはもう並々ならぬものがあったと思いますが、第十一回全共で果たした成果というか、あるいは肉改研が果たしてきた責任といったようなものについて、改めて委員会の場でお聞きしたいと思っているところです。 225 ◯佐々木畜産課長 肉用牛改良研究所の使命と申しますと、やはり肉用牛の改良というところに尽きるかと思います。種牛づくりを含めてでございますが。肉用牛の改良というものは、そこ一、二年でできるものではなくて、相当な長期間が必要な研究、飼養管理、いろいろ必要になってまいります。特に今回の全共につきまして、肉用牛の改良につきましては、かごしまブランドの確立を図るために、やはり消費者のニーズを踏まえた肉質の改善とか、また飼養管理技術の向上による生産コストの削減などを目標に試験研究機関として取り組んでいるところでございまして、特に肉用牛改良研究所におきましては、遺伝子解析技術を活用した種雄牛の改良、それから枝肉の評価による優良種雄牛の選抜などを行っているところでございます。  また、畜産関係で申しますと、もう一つ畜産試験場というものがございまして、また一方、畜産試験場におきましては、品質の向上、それからコスト削減のための飼養管理技術の研究成果などをマニュアル化して、農家さんのわかりやすいような資料をつくりまして、農協等と連携して、今回の出品者の方々に普及を図って取り組んできたところでございまして、こういう取組の結果が、先般の十一回の全国和牛能力共進会で、日本一というすばらしい成果につながったのではないかと考えております。 226 ◯前野委員 ありがとうございます。  肉改研が果たした役割というものについては、課長がかいつまんで控え目におっしゃいましたけれども、私は誇りを持ってやっていいと思います。決して表に出ないというか、縁の下の力持ち的なものがあるわけですけれども、こういったところが次の鹿児島大会に向けて、今まで以上のまた努力が必要だと思います。  そういった意味では、今度の向こう五年間に向けて、全共での総合一位、とりわけ種雄牛では一位ということを踏まえた上で、まだ課題があるとすればどういうものが課題となっているのか、そのあたりを簡単でいいですから教えてください。 227 ◯佐々木畜産課長 今回の九月の全共につきましては、今回の資料にも掲載してございますが、先般十一月に出品された生産者、それから指導をさせていただきました我々技術員が集まりまして、十一回全共を総括する意見交換会をさせていただいたところでございます。  その中で大半は、技術員、それから市町村の技術員、それから畜産試験場、肉用牛改良研究所、経済連、登録協会が、みんなでチーム鹿児島一体となって、もう朝夜問わず一生懸命指導した取組がよかったということで評価をいただいたところでございますが、一方、課題として挙げられたところでは、牛を千七百キロ離れた宮城県まで運ぶ対策はうまくいったと考えておりますが、向こうに着いてからの牛舎の状況とか、あとは当然、鹿児島にいる間の牛舎の暑熱対策を今後はもう少しグレードアップしていかないといけないというお話がありまして、暑さ対策が一つ課題であります。  もう一つは、やはり枝肉の肉質の部門でですけど、おいしさの一つの指標となりますオレイン酸というものがありますが、今回もそういうものをグレードアップしておりましたが、さらにオレイン酸等のおいしさ対策を頑張っていくべきではないかという課題も挙げられたところでございまして、十二月の下旬に、今回の九月の共進会で審査員をされた方を京都からお招きをして、我々は技術員みんな集まって、もう一回、審査をされた方からの直接の意見を聞いて、さらに検証を進めて、五年後に向けて頑張っていきたいと思っております。 228 ◯前野委員 見えてきた課題についてもお聞きしました。  今回は遠距離ということもあって、肉改研の出品牛、三十キロ減ったという話も聞いているところですけれども、そういうハンデも乗り越えて第一位になったということだと思っています。  私は少し聞いてみました。鹿児島が総合一位になりましたが、九州では、鹿児島、長崎、大分、宮崎というところが上位に入っているわけです。鹿児島はいわゆる種雄牛というのは五十一頭保有をしている。長崎が三十五頭、大分が二十九頭ということで聞きました。ただ、宮崎は教えてくれませんでした。県の機関といいますか、一般社団法人になっている関係で簡単に教えてくれないというのがあって、どれだけ保有をしているかはつかめなかったのですけれども、種雄牛については鹿児島が、今のこの三県でいうと、五十一頭ということで一番たくさん保有をしているわけです。  肉改研の中には新技術研究室というものがあって、先ほど課長からあったように、遺伝子技術等々もここのセクションで研究をしておられると思いますが、今から先、五年後を見据えると、宮崎も大分もそうですので、研究の競争が非常に激化してくると思います。  そうしている中で、こういった全共等々に出品をすることを考えると、いわゆる情報が漏れてしまうということもあって、皆さん方も同じ県同士ででも情報のやりとりができなくなっていくような気がして、あそこの県はどういう取組をしているという情報が入ってこないと思います。  そのあたりについては、情報の共有というのは私が思うようなことなのか、それとも、いや、そうではないですよ、もう少し開かれていますということなのか、そのあたりはどうでしょう。 229 ◯佐々木畜産課長 大会が終わるまでは、聞かれて一〇〇%全て答えるかといいますと、それはしておりませんでした。今回、九月に全共が終わりまして、鹿児島が総合優勝してからは、今、もう何県でしょうか、数県、鹿児島まで足を運ばれて、どういう取組をしたのかを、県ないし経済連、登録協会、みんな集まって少し意見を聞かせてくれということで対応をさせていただいたところです。そこでは、全てを答えるわけではないですが、なるべく丁寧に対応をさせていただいているところでございます。 230 ◯前野委員 わかりました。非常にデリケートなことなのでお聞きしたところでした。  少し視点を変えますけれども、肉改研が種牛を持っているわけですが、もちろん精液を生産して販売することになるわけですけれども、生産された精液の流通に対するセキュリティー対策、いえば、先ほどオーストラリア和牛という話が出ましたけれども、もとはといえば日本の和牛の種がアメリカに渡って、アメリカからオーストラリアに渡ったという話があるわけですが、鹿児島県が保有をしている、いわゆる種牛の精液の流通に対するセキュリティー、このあたりはどのようになっているのかお聞かせください。 231 ◯佐々木畜産課長 県の肉用牛改良研究所で造成しました種雄牛でとった精液につきましては、当然、県民の財産でございますので、鹿児島県内のみの流通とさせていただいております。一方、民間の種雄牛管理者という方もおられまして、そういう方々はやはり商行為でございますので、県外にも当然、精液を売却されているところでございます。  そういう中で、県の種牛の精液は、各市町村ないしJAがサブセンターというものを各地域に持っておりまして、そこのところに定期的に宅配便といいますか、県職員が同行して配布をさせていただいているところで、精液を使って人工授精をされた場合には、授精証明書というものがありまして、この種は誰々さんにいつつけたというものを県にフィードバックしていただくことになっておりまして、それを全て県の肉用牛改良研究所のシステムに入れてチェックをする体制ができております。  全てのストローにID番号が振ってございますので、識別ができるようになっていたり、ラベルと申しまして、そういう精液の授精報告書で、例えば県外でそれが見つかったとかいう情報が入った場合には、すぐこちらでチェックができる体制にしておりまして、なるべくというか、絶対に県外に県民の財産が持って行かれないように、今、セキュリティー対策をとっているところでございます。 232 ◯前野委員 セキュリティー対策も万全だという話を伺いました。  私どもは委員会で、一回肉改研を見学させてもらったことがあります。そのときはもちろん、口蹄疫の関係もあって消毒をした上で入ったわけですが、物すごい巨体の牛がいて、それを管理をしておられる方々がおられました。技術補佐員という職名でしょうか、この方々は相当経験も積まないといけないだろうし、牛とのコミュニケーションも必要で、どの牛でも扱えるということではなくて、種牛ごとに担当者も決まっているような話もお伺いしましたが、そのあたりの技術員の方々の年齢構成を、少し調べてみますと、三十八歳が一番若いんです。五十歳代が五十八歳、五十六歳、五十五歳とこれが四人、四十歳代が四十六歳、四十四歳、四十四歳と三名、そして三十歳代が一人ということで非常に高年齢化しているような気もするわけですが、経験が物を言うというお話でしたので、そう定期的な異動もできないわけですけれども、このあたりの年齢構成もさることながら、人材の育成をどう考えているのか。五年後をターゲットにするのもそうですけれども、まだその後もあるわけですから、そのあたりについてどのように考えておられるのか教えてください。畜産試験場もあるわけで、畜産試験場と人事交流というのもあると思いますけれども、いわゆる肉改研ではそういう年齢構成になっているようですが、今後どういったような方針を持っておられるのか、そのあたりについて教えてください。 233 ◯佐々木畜産課長 肉用牛改良研究所につきましては、研究員と、今、委員からありました現業職の方々合わせて約三十名ほど勤務をされております。  最初に全共のお話をいただきましたけれども、先ほど少し言い漏らしましたが、肉用牛改良研究所の仕事としましては、農家さんを指導する話が一つと、あとは今回、九部門のうちの第一区は種牛の若い種雄の部門で、出品者、生産者の顔を持っており、全共において第一区若雄区で総合優勝をさせていただいたというのは、当然、研究員を含め、また肉用牛改良研究所に働く全ての方の努力のたまものと大変感謝をしているところでございます。  委員もおっしゃいましたように、大きな体をしております種牛の餌をやったりふんを出したりする管理、それからあとは、精液を採取して凍結保存をして保管する技術員の方もおられます。そういう中では、当然なれが必要です。きょう転勤をしてあしたからできるというものではございませんので、短期間で転勤があるというお話ではありませんが、業務量、それから業務の内容に応じて適材適所と申しますか、そういうような考え方でやる中で、また当然、周りがバックアップをしていく必要があると考えております。先ほど委員から申されましたように、三十八歳の方が一番お若いということもありますので、ベテランの方が、技術の伝承をしっかりさせていただくということで、五年後、ほかの県もいろいろ対策を練ってこようかと思いますので、県職員一丸となって対応をしたいと考えております。 234 ◯瀬戸口委員長 ここで申し上げます。  質問者、答弁者、できましたらそれぞれ簡潔にお願い申し上げます。 235 ◯前野委員 鹿児島の快挙があるから申し上げているんです。決して長引かせようということではありません。  わかりました。ただ、これまでの十五年間あるいは十年間の間、鹿児島県のいわゆる肉改研を中心として、経済連や、携わる方々というのは辛酸をなめてこられたんです。今度の快挙をなるべく長引かせたいという思いはみんな持っておられると思います。そういう思いを継続させるという意味でいうと、やはり私は肉改研が果たす役割というのは大きいと思います。最高の研究機関ですから。だから、これを何とかやはり、鹿児島県の肉改研ここにありということで維持をさせていくためには、人材の育成あるいは人事の交流といったものも大事な気がします。  現業職員の方にお聞きをしましたら、牛がほかの人にはなれずに非常に抵抗をしたり、扱えないという話も聞いたり、あるいはちょっとしたことで、牛の機嫌が悪いと、けられたりとかけがをしたりとかいうものがあるやに聞いているところですので、やはりそこに働く人たちは相当な経験を持っていないと、あるいは知識を持っていないとなかなかできないというのがありますので、ぜひ、人事の充実といった面についても努力をいただきたい。  ちなみに、長崎、大分もそうでしたか、現場で直接牛と接する現業職員、そういう方々を新規採用をするという話もお聞きしました。鹿児島に追いつけ追い越せという意気込みが伝わってきたような気もしたわけですけれども、じっとしておられないという意味では、もう皆さん方、思いを共有しておられると思いますから、現業職員の新規採用という点についてどのように考えておられるか、これはもう部長しか答えられないでしょうけど、どのようにお考えでしょうか。 236 ◯川野農政部長 現業業務につきましては、これまで、平成二十四年に行財政運営戦略というものをつくりまして、人件費の削減を図る観点で職員数の縮減を進めてきております。その中でも特に現業業務の見直しにつきましては、平成二十六年の十月に全庁的に検討いたしまして、社会情勢の変化を踏まえまして、実施する必要がないと判断される業務は廃止する、引き続き実施する必要があると判断される業務については民間委託により対応するとなっております。ただ、民間委託まで時間もかかってまいりますので、それまでの間につきましては、非常勤職員を有効に活用しながらつないでいくというのが現在の考え方でございます。  今回の全共に向けましても、いつも知事も言っておりますけれども、農家の方々はもちろんでございますけれども、JA等の指導員、それから県・市町村の行政機関のチーム鹿児島としての勝利だということで、当然このチーム鹿児島の構成員でございます県庁につきましても、昨日知事から表彰をいただきましたけれども、畜産課、それから肉用牛改良研究所、畜産試験場とそれぞれの役割を果たしているところでございます。  今回の肉用牛改良研究所につきましても、その研究員それから技術補佐員、それから技術補助員という非常勤職員の方もおられますけれども、そういった皆さんの協力でこのようなすばらしい成績が上げられたものと考えているところでございます。これからもこのような協力体制というのが必要不可欠だと考えております。 237 ◯前野委員 基本的な方向はわかります。わかりますが、肉改研の努力でもって、チーム鹿児島で全共日本一をとった、畜産県鹿児島のメンツを果たしたわけです。そういった意味では、チーム鹿児島とおっしゃいますけれども、潜在的にというか、あるいは縁の下の力持ち的なもので肉改研が果たした役割というのは、やはり大きいと私は思います。  ですから、県民の皆さん方の理解という意味でも、ここの研究職の採用あるいは現業職の採用といったものというのは、私は理解が得られると思います。県の現業職を切り捨てるという、民間委託をしていくという方向性とは逆行するようなことですけれども、県民の皆様方には、今回の成果というものを理解をしていただけると私は思います。そういった意味では、やはり現場の声もお聞きいただいて、決して一朝一夕にできるものではないということも念頭に置いて、人材の育成とか、あるいは異動で対応ができなければ新規採用するといったことも、選択肢の重要な部分に位置づけをしていただきたいということがあるわけです。  申し上げましたように、三十八歳という方が一番若いんです。大学を出たり、あるいは研究所を経て来ても二十歳代という方がおってもおかしくないと私は思います。そういった意味では、今度の快挙を継続させるという意味でいうと、何といっても人材ですから、そのことについては申し上げておきたいと思ってもいるところです。これは要望もしておきたいと思っているところですが、ぜひそのことは、私は県民からは理解が得られると思いますから、引き続き努力をいただきますように要望をして、終わりたいと思います。 238 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。 239 ◯中村委員 手短に一点、最後にお伺いしたいと思います。  十一月に、あなたのそばで県議会を北薩地域で行いましたが、その中で地元の方々から出てきた御意見というか御要望に関して、少しお伺いしたいと思います。  県内のイチゴ生産についてですけれども、イチゴ農家さんから出された意見としまして、非常にイチゴの単価が低くて、その上に収量も低いと。ということは、所得も非常に上がらずに離農をする方が多くて生産面積も減っていると。産地としての存続が非常に危ぶまれている状況だということです。収量が上がらないというか、収入が上がらないというところに関して、県ももう少し、技術を持っておられるようであれば支援をしてほしいという御要望でした。特に、収量に関しましては、近年、収量が上がっていないのは鹿児島県だけだという御指摘も少々されたところです。  そこで少しお伺いしたいのですが、需要がふえるクリスマス前に出荷が可能な品種とか、病気に強い品種、そういうものの普及によって所得を上げていけるのではないかと思いますが、その点に関して、現在、県が農家さんに対して行っている支援であるとか指導の現状、それから品種改良の現状等についてお聞かせいただければと思います。 240 ◯谷口農業開発総合センター所長 ただいま委員から、イチゴの技術的な問題について御指摘がございました。確かに、本県のイチゴの単収は、九州平均に比べると約一割ぐらい低いかという状況でございます。こういうような低単収の要因としては、炭疽病という病気がございますけど、イチゴの苗が炭疽病にかかることによって収量が減少していく、あるいは高温による秋の時期の花芽の分化、花芽が出てくるその時期の問題、あるいは三月以降の品質低下など、炭疽病は他県でもございますけど、低単収の本県特有の要因としてあるところでございます。  現在、これまで農業開発総合センターにおきましては炭疽病に対する試験も行いまして、技術的に雨よけの状態で定期的に薬剤散布することで、この炭疽病をかなり低減する技術も開発しているところです。  単収向上の阻害要因となった炭疽病については、技術的な開発は進んでいるところですが、一方、単価の問題でございます。平成十三年に本県が育成しました、さつまおとめという品種がございます。これは実も大型な実で、そして糖度も高いというすぐれた品質は持っていましたが、一番致命的な問題としては、年内出荷ができない。イチゴというのはもう御案内のとおり、一年でクリスマスの前後が一番単価が高い時期であるということで、なかなかその需要にマッチしないところが、単価が一番低いところでございました。  結果として、現在、イチゴの品種では、さがほのかが一番本県における主力の品種ですけど、このさがほのかも冬場の食味低下が課題となってきておりまして、センターとしては、さがほのか並みの早生多収、年内出荷ができて収量が多く、かつ冬場の時期に食味がすぐれる品種の育成に取り組んできたところです。  その結果、今、鹿児島六号という、ようやく期待ができる新しい品種が育成されておりまして、味、味というのは糖度ですけど、収量ともにさがほのかに劣らない、かつ年内出荷が可能であるという品種特性を持った期待のできる品種が最近、育成されたということでございまして、来年からぼちぼち苗の配布ということになっていくわけですが、できるだけ早くこの品種が農家さんのほうに普及できるように努めてまいりたいと思います。 241 ◯中村委員 ありがとうございました。少し安心しました。農家さんたちは多分存続の危機を非常に感じておられるようですので、せっかく開発した技術を広く普及していただいて、農家の所得向上に努めていただきたいと思います。以上です。 242 ◯瀬戸口委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 243 ◯瀬戸口委員長 ほかにないようですので、県政一般を終了いたします。  以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。  委員長報告につきましては、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 244 ◯瀬戸口委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、商工業振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 245 ◯瀬戸口委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。  以上をもちまして、産業経済委員会の日程を全て終了いたしました。  これで、閉会いたします。  大変御苦労さまでした。         午後三時十九分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...