持冨八郎君に発言を許可いたします。
[持冨八郎君登壇](拍手)
3 ◯持冨八郎君 平成二十九年第二回定例会に当たり、公明党県議団として一般質問を行います。
梅雨に入り、各地で警報や注意報が出ております。災害が多い時期でありますので、住民への的確な情報伝達や災害対応、迅速な復旧など、県民の命と生活を守るために万全の備えを要請して、通告に従い、質問を行います。
初めに、知事の政治姿勢について、自公政権で実施されている経済政策について伺います。
総務省が発表した労働力調査によると、二〇一六年度平均の完全失業率は、前年度比〇・三ポイント低下の三・〇%と、七年連続で改善しております。また、厚生労働省が発表した二〇一六年度平均の
有効求人倍率は、〇・一六ポイント上昇の一・三九倍となり、二十六年ぶりの高水準であります。雇用情勢の改善を追い風に賃上げも続いております。
経団連が四月二十五日に発表した、大手企業の本年度春闘の妥結状況では、定期昇給を含む月例賃金の引き上げ額は組合平均で七千百五十五円であり、上昇率は二・一八%で、四年連続で二%を上回っております。中小企業も、金属労協の発表によると、三月末時点の集計で、経営側から得た
ベースアップ回答額の平均において、初めて大手を上回りました。
既に企業業績は過去最高水準に達しております。この好調な業績を賃上げにつなげ、個人消費を喚起する経済の好循環を加速させることができれば、正念場を迎えたデフレ脱却への大きな追い風になると考えます。
そこで、自公政権で実施されている経済政策について、知事の率直な見解を求めます。
次に、知事の
マニフェストについて伺います。
知事は昨年七月、「チェンジ」という言葉と六分野四十数項目の
マニフェストの実現を訴え、当選されました。「
子供医療費助成制度は、窓口での一時払いを完全ゼロにします」、「保育士や介護職員の確保のために、県独自で処遇改善と人材育成に取り組んで参ります」、「公立・私立にかかわらず、高校授業料の助成を行い、教育費の負担軽減を図ります」、「子供たちに大きく育ってもらうために、
生活貧困家庭に対し、小中学校の給食無料化を実施します」、「
指宿スカイラインの無料化を実現します」など、県民生活に直結した関心の高い項目も多く、県民はその実現に大きな期待を寄せております。
一方で、「空港周辺にアウトレットモールやテーマパークを誘致します」、「国際観光船が停泊できる
ウォーターフロントの整備をします」等の項目や、無料化、完全ゼロ、県独自の処遇改善、負担軽減など、期待しながらも、県民には県財政への負担を懸念する声もあります。
知事就任から間もなく一年になりますが、
マニフェストは、在職中四年間の取り組みについて県民への約束であります。
マニフェストには、短期に実現できるもの、比較的時間を要する中長期的な項目があると考えますが、進捗状況を県民に知らせることが重要と考えます。
そこで第一点、知事は、
マニフェスト実現への取り組みの現状をどのように認識しているのか。
また、候補者のときにはわからなかった財政状況や行政の継続性等もあると考えます。知事就任以来の状況の変化を考慮し、
マニフェストの変更も含めてリセットすべきだと考えますが、見解を伺います。
第二点、
マニフェストの各項目について、進捗状況、今後の取り組みについて県民に公表する責任があると考えますが、県の
ホームページ等で公開する考えはないか、見解を伺います。
次に、総務行政について、初めに、
かごしま子ども・
若者総合相談センターに関連して伺います。
内閣
府の昨年の調査によると、十五歳から三十九歳のひきこもりの人は、全国で推計五十四万一千人の高水準であります。ひきこもりの人とその家族を支え、社会復帰を後押しする取り組みが求められています。この調査で、ひきこもりの長期化、高年齢化が顕著になりました。
ひきこもりは、長期化するほど解決が難しくなるとされています。本人がひきこもり生活に慣れてしまうからであります。また、ひきこもりの子供が高年齢化するに従って親も高齢になり、子供と向き合う気力・体力がどうしても衰えてしまうからです。また、親が亡くなった後の子供の生活維持も大きな課題であります。
こうした中で期待したいのが、
アウトリーチ─訪問支援─を行うひきこもりサポーターであります。ひきこもりへの支援は時間と労力がかかるとされる中、同サポーターは、継続的に訪問して本人と家族を支えていきます。ひきこもり本人との距離感を尊重して、手紙を使って効果を上げた事例もあります。厚生労働省は、同
サポーター派遣事業を進めており、実施自治体もふえております。
平成二十五年度に本会議で追跡調査について要請し、追跡調査も始められました。
そこで第一点、平成二十二年の同
センター開設から現在までの相談件数の推移、相談内容の傾向について伺います。
第二点、相談体制と研修の状況及び、ひきこもりサポーターの取り組みについて伺います。
第三点、相談者に対する追跡調査、
アウトリーチについて、課題と今後の取り組みについて伺います。
次に、
かごしま出会いサポートセンターに関連して伺います。
国立社会保障・
人口問題研究所が十八歳から三十四歳の未婚者を対象に行った調査によりますと、いずれ結婚しようと考えている人の割合は男女とも九割前後で、二十年間ほぼ変わっていないにもかかわらず、交際相手では、男性で約七割、女性で約六割が「いない」と回答、五年前の前回調査から一割上昇し、過去最高を記録しました。つまり、結婚願望はあるが、相手がいない、これが今の一般的若者像であります。
愛媛県では、以前から運用している会員制のお
見合いシステムに蓄積された三百万件のビッグデータを分析。一人一人に合う可能性のある異性を見つけ出し、お見合いを進めています。その結果、お見合いに至るケースが一六%上昇、結婚までたどり着くカップルも従来より約三十組ふえ、平成二十七年度は百組を超え、過去最高になっております。
本県では、これまで、結婚支援として世話やき
キューピッド事業を実施しており、加えて本年度から新たに、
会員管理登録システムを利用したマッチングや
婚活イベントの情報発信を行い、結婚を希望する方の出会いの
きっかけづくりをサポートする、
かごしま出会いサポートセンターが五月二十日、鹿児島市内に開設されました。
そこで第一点、世話やき
キューピッド事業の成果と今後の課題について伺います。
第二点、
かごしま出会いサポートセンターの狙い、目標についてお示しください。
次に、
企画建設行政について、初めに、大
規模スポーツ施設について伺います。
大
規模スポーツ施設については、昨年の九月議会、十二月議会、本年の三月議会と、本会議、委員会等で活発に議論してまいりました。
本年度は、総合体育館の整備やドーム球場の実現可能性などの検討を行うために、有識者等による検討委員会を設置することになっており、先日メンバーが発表され、第一回の会合が開催されたところであります。
そこで第一点、メンバーの選考基準と今後の
検討スケジュールについて伺います。
知事は三月議会で、「新たな総合体育館については、その必要性を強く認識しており、具体的に検討を進めてまいりたい」、「総合体育館はつくりたい」と意欲を述べられました。必要性の認識は共有できていると考えますが、第二回の検討委員会の協議事項は、施設の必要性についてとなっております。
そこで第二点、新たな総合体育館については、整備するという前提で具体的に検討するという理解でいいのか、伺います。
第三点、「提言には、設置場所や完成時期は含まない」と報道されています。設置場所、
完成スケジュールについて誰がいつ決めるのか、伺います。
次に、本港区
エリアまちづくりについて伺います。
ドルフィンポート敷地や北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアについては、見せるまちづくり、来て感動するまちづくりという基本的な考えのもと、どこに何をつくるのか、どのような手法で、
スケジュールで進めるか等、同エリアの
グランドデザインを描く調査・研究をするために、当初予算に一千六十六万円余りが計上されております。
県政上の政策判断を伴う大きなプロジェクトであり、
コンサルタント会社の選定が重要であります。
そこで第一点、
委託業務発注において
コンサルタント会社はどのように選定するのか、具体的な選定基準について伺います。
第二点、鹿児島市長からは「
ドルフィンポート敷地にサッカー場を」という発言がありました。
室内競技団体等からは、同地に県の総合体育館を整備してほしいという声もあります。市内にまとまった広い土地がない中で、
ドルフィンポート敷地に
スポーツ施設を整備するのも一つの考え方であると思いますが、知事の見解を伺います。
次に、
住宅セーフティーネットについて伺います。
本年四月、
住宅セーフティネット法が改正されました。増加傾向にある民間の空き家・空き室を活用して、一定の基準を満たした住宅を都道府県等に登録し、高齢者、障害者、子育て世帯、低額所得者などの住宅確保要配慮者に対して、登録された住宅へ円滑な入居を支援する仕組みであります。
同法の改正により、高齢者等の入居を拒まない空き家・空き室等を都道府県等に登録する制度が、本年秋から施行されます。また、法改正に合わせて、空き家の改修費用や家賃を家主に補助する支援制度が創設される予定であります。
そこで第一点、二〇〇七年に成立した
住宅セーフティネット法に、高齢者等の
民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に関する協議を行う
居住支援協議会を設置することが盛り込まれましたが、全国的に見ると、市町村の設置が進んでいません。本県における同協議会の設置状況と、県として、市町村の同
協議会設置促進に向けた取り組みについて伺います。
第二点、
県居住支援協議会のこれまでの取り組みと今後の取り組みについて伺い、一回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
4 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。
国の経済政策についてのお尋ねがありました。
我が国経済は緩やかな回復基調が続いております。また、先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種施策の効果もありまして、緩やかに回復していくことが期待されておりますけれども、海外経済の不確実性や金融・資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
国がアベノミクスに取り組むこの四年半で名目GDPは過去最高の水準に達し、全ての都道府県で
有効求人倍率が一倍を超えるなど、一定の成果を上げていると受けとめているところであります。一方で、潜在成長力の伸び悩み、将来不安からの消費の伸び悩み、中間層の活力低下といった課題も見られるところであります。
国におきましては、今月九日に閣議決定された骨太方針二〇一七や未来投資戦略二〇一七等に基づく
経済財政運営を進め、引き続き、好調な企業収益を投資の増加や賃上げ、雇用環境のさらなる改善等につなげまして、地域や中小・
小規模事業者も含めた経済の好循環のさらなる拡大を実現することとしております。
県といたしましても、こうした取り組みによりまして、地域経済も含めた経済の好循環の実現に努めていただきたいと考えております。
マニフェストについてのお尋ねがありました。
知事就任後、
マニフェストの実現に向けて、県内各地での知事と語ろう車座対話の開催、国内外での
トップセールスの実施、原子力安全・
避難計画等防災専門委員会の設置・開催など、できるものからさまざまな分野で取り組んでおります。
今年度は特に、子育て支援、高齢者の
生きがいづくり、健康づくりに力を入れていくこととしております。知事就任後、初めて編成いたしました平成二十九年度当初予算におきまして、関連事業を重点施策として位置づけ、実施しているところであります。
また、知事と語ろう車座対話における県民の声を受けまして、部活動の大会に参加する離島の中・高校生の経費負担を軽減するための助成制度を新たに創設したほか、明治維新百五十周年を契機として、地域社会をリードする人材を育成するための
かごしま青年塾を設置・開講するなどとしております。
このほかにも、七十歳以上の高齢者を対象といたしました県有の
常設展示施設の入館・入園料の無料化、がんの正しい理解を促進するために県内の高等学校等の一年生を対象としたピロリ菌検査の実施、庁内職員による鹿児島の
活性化委員会の設置などもさまざまな分野で実現したところでもあります。
一方、中長期的な視点で取り組まなければならない施策もありますことから、財政状況を勘案しつつ引き続き具体化を検討し、その実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、県議会や県民の皆様方の御理解、御協力もいただきながら、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島を目指しまして、
マニフェストの実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
ただいま御紹介いたしましたものも含めて、
マニフェストの進捗状況等につきましては、就任一年を目途に取りまとめを行い、県の
ホームページ等で公開したいと考えております。
5
◯県民生活局長(中山清美君)
かごしま子ども・
若者総合相談センターの相談件数と内容についてでございます。
センターの相談件数は、七月に開設した平成二十二年度が四百六十七件で、その後、毎年おおむね六百件から八百件前後で推移し、平成二十八年度は七百八十四件となっております。相談内容は、不登校とひきこもりの相談が開設当初からほぼ半数を占めており、平成二十八年度はひきこもりが二百五十九件、不登校が二百三件と、相談全体の約六割を占めております。
次に、センターの相談体制とひきこもりサポーターの取り組みについてでございます。
センターの相談体制は、現在、社会福祉士、
精神保健福祉士、元教職員など専門的な知識や経験等を有する四名の相談員を配置し、相談に応じております。また、相談内容によって、関係機関の紹介や必要な情報の提供などを行っております。
相談員の研修は、外部の専門家によるアドバイスを受ける
スーパービジョンを年六回実施するとともに、国主催の事例検討会への参加や、個別事案に対する支援方針について
関係機関連絡会議を開催するなど、その資質の一層の向上に努めております。
ひきこもりサポーターは、その養成はしておりませんが、地域に潜在するひきこもり者を早期に適切な支援機関につなぎ、自立を促進するために、保健所の保健師や
家庭相談員等による訪問支援を行っております。
相談者への追跡調査と
アウトリーチの取り組み等についてでございます。
相談者に対する追跡調査は、平成二十五年度から年二回実施しており、平成二十八年度は五十五人を対象に実施した結果、二十七人から回答があり、うち十七人が状況の改善が見られております。
また、当センターの
アウトリーチ事業は、オープン当初からNPOへの委託により実施し、不登校やひきこもりの方々への訪問支援や
居場所づくりなどに積極的に取り組んでおります。
これらの取り組みは、相談者やその家族との信頼関係が大変重要でありますことから、個人情報の厳守とともに、各人の状況に合わせて、慎重に時間をかけながら丁寧な支援を行う必要があると考えており、今後とも、NPOのそれぞれの活動と連携を図りながら、相談者一人一人に寄り添った支援に努めてまいります。
次に、世話やき
キューピッド事業の成果等についてでございます。
世話やき
キューピッド事業は、
県地域女性団体連絡協議会に推薦された方々を世話やき
キューピッドに委嘱して、結婚の相談や
出会いイベントの開催などをボランティアで行っていただいております。四月末現在、二十三市町村で百九十一人を委嘱しており、これまで、
出会いイベントは百十回開催され、延べ約五千二百人が参加し、三百八十一組のカップルが成立しております。
今後の課題は、世話やき
キューピッドがいない市町村での支援や、高齢等による
キューピッドの減少に伴う
出会いイベントの縮小、個人の事情から婚活に踏み出せない独身男女への機会の提供などが必要であると考えております。
かごしま出会いサポートセンターの狙い等についてでございます。
同センターは、結婚を希望する県内外の二十歳以上の独身の方に会員登録していただき、出会いの場の提供や
婚活イベントの情報発信を行うものであります。狙いとして、センターでは、一対一のマッチングを行うことにより、個々のプロフィールから、より条件に合った相手を探すことができるなど、個々の状況に応じた出会いの機会の創出が期待できるものと考えております。また、県内のあらゆる地域の方にも気軽に利用していただけると考えております。当面、本年度の会員登録数を男女合わせて三百五十人を目標に取り組んでおり、今後、八月中旬ごろにはマッチングを開始し、結婚を希望する方の出会いの場づくりを進めてまいりたいと考えております。
6 ◯企画部長(東條広光君)大
規模スポーツ施設についてであります。
大
規模スポーツ施設の
在り方検討委員会は、さまざまな方々の御意見をいただくため、学識経験者、スポーツ、教育、経済、観光、金融など県内外の各界における有識者を委員に委嘱したところであります。
今後の
検討スケジュール等につきましては、第一回の委員会におきまして、総合体育館について優先的に検討していくこと、次回以降、総合体育館の必要性、機能について協議を行い、来年二月ごろまでに提言を取りまとめることが確認されたところであります。
新たな総合体育館につきましては、県民の理解を得る必要があると考えておりますことから、まずは検討委員会において、総合体育館の必要性、機能について議論を深めていただくものであります。
総合体育館の整備の具体は、検討委員会の提言後、県において決めていくこととしております。
7 ◯土木部長(渡邊 茂君)鹿児島港本港区
エリアまちづくり検討事業における
コンサルタントの選定についてです。
今年度行う調査・検討業務については、まちづくりに関する高度な知識や技術力が必要なことから、
プロポーザル方式で委託業者を選定することとしています。
委託業者の選定においては、高い技術力を有し、まちづくりに関する多くの業務実績を有する複数の
コンサルタントを先月指名し、調査・検討手法等を示した企画提案書の提出を要請したところです。今後は、関係部局で構成する
業者選定委員会において、企画提案の的確性、実現性、独創性、技術者の資格や同種・類似業務の実績、実施手順など評価基準に基づき評価・審査を行った上で、最も総合的にすぐれた
コンサルタントを選定したいと考えています。
続きまして、
ドルフィンポート敷地への
スポーツ施設の整備についてです。
ドルフィンポート敷地については、桜島の景観を見る場所としては一番よいところであり、同敷地を中心に鹿児島港本港区エリアを魅力的な港、感動を与えられるような観光地にしたいと考えています。このため、
ドルフィンポート敷地については、
サッカースタジアムなどの
スポーツ施設ではなく、来て見て感動するまちづくりの観光の目玉スポットの拠点となるよう活用方策等を検討してまいります。
最後に、
住宅セーフティーネットについてです。
県では、高齢者や子育て世帯など住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居が図られるよう、平成二十四年に
不動産関係団体などで構成する鹿児島
県居住支援協議会を設置しています。現在、市町村の協議会は設置されていませんが、県協議会に鹿児島市など四市が参画しております。
県といたしましては、地域の事情に応じまして、住宅の確保や円滑な入居を促進するためには市町村の役割が重要と考えており、今後とも、市町村に県協議会への参画を働きかけていきます。
県協議会では、これまで、居住支援の課題等についての意見交換会や先進的な取り組みに関する研修会の実施等に取り組んでおり、今年度からは、居住に関する支援を行っているNPOの参画により、
居住支援活動を充実するための体制を整えたところです。
今後とも、法改正の趣旨を踏まえながら、高齢者や子育て世帯など住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居が図られるよう、協議会の活動の充実に努めます。
8 ◯持冨八郎君 自席から三点ほど質問させていただきます。
三施設合同の大
規模スポーツ施設の検討委員会のメンバーについてでありますけれども、先ほど、県内外の有識者ということでありましたけれども、一つ気になるのは、三施設合同でありながら、球団関係者だけが入っているということであります。本来であれば、三施設入れるか、三施設とも利害関係のある人は入れないというのが普通ではないかなと思いますが、そのことについて一点。
それから、さっきの三点目の答弁が漏れているんじゃないかと思いますが、「提言には、設置場所、完成時期は含まない」と報道にありましたけれども、この設置場所については結局、いつ、誰が決めるんでしょうか、このことにお答えいただきたい。
それから三点目は、
公募型プロポーザル方式については、プロジェクトの設計をどのような条件を備えた者に依頼したいかを公表し、そして決めるということになっていると思いますけれども、どういうところに公表し、そして今、何社ぐらいが応募してきているのかということを教えてください。
9 ◯企画部長(東條広光君)まず、委員の選定についてでございますが、さまざまな方々の御意見をいただくということで、今回委嘱した方々をお願いしたということでございます。
それと、体育館の整備についての具体のお話でございますが、先ほど御答弁申しましたように、整備の具体につきましては、検討委員会の提言後、県において決めていきたいと考えているところでございます。したがいまして、検討委員会におきましては、必要性、機能について御議論いただくということでございます。
10 ◯土木部長(渡邊 茂君)お答えいたします。
プロポーザルの参加資格等の中で、基本要件といたしまして、原則として、都市計画など本業務と同種又は類似の地方公共団体等による委託事業の実績がある業者とするとなっておりまして、基本的にはこの線に沿って指名の相手を決めております。
今のところの状況ですけれども、十社程度指名するということになっておりますので、そちらに向けて提案の指名を行いまして、その中で五社、今、手が挙がっているところであります。以上です。
11 ◯持冨八郎君 今、企画部長から答弁がありましたけれども、まず、三施設のメンバーを同時に入れるかあるいは外すかというのが公平ではないかということの答弁がありません。
それからもう一点は、これを整備するに当たっては、施設場所あるいは規模あるいは予算、そういったものは県として先に提示しなければ、どんどんどんどんこういう機能が欲しいというのが広がっていけば、それを検討するといっても、どこまでやればいいのかというのがわからないのではないかと思います。先に県として、そこをある程度の方向性を出す必要があるんじゃないかと思いますが、そのことについて教えていただきたいと思います。
12 ◯企画部長(東條広光君)まず、一点目の委員の選定につきましては、おっしゃるようなことも検討したわけでございますが、結果として、今回お願いした方々を委嘱したということでございます。
検討委員会にまず県の考え方を示すべきではないかということでございますけれども、まずは本県における総合体育館の必要性、機能ということを有識者の方々から御意見賜りたいという趣旨でお願いしているところでございます。
[持冨八郎君登壇]
13 ◯持冨八郎君 それぞれ答弁いただきましたが、コメントは後にして、質問を続けます。
次に、産業経済行政について、初めに、農業政策について伺います。
今国会において農業改革八法が成立いたしました。八法の中核は農業競争力強化支援法です。政府においては、地方の基幹産業である農業に関しては、中山間地域などの条件不利地域を手厚く支援するために、新たに中山間地農業ルネッサンス事業として四百億円の優先予算枠を設け、農地や農業施設の整備を初め、集落営農組織の法人化や高単価作物の生産・販売、六次産業化などへの取り組みを促すことになっております。
さらに、農作物の価格下落などで農家の収入が減少する事態に備える収入保険の創設を盛り込んだ、農業災害補償法改正案が今国会で成立しました。
収入保険は、公明党が農業経営安定対策として提案してきた制度で、昨年十一月策定の農業競争力強化プログラムの中で農業改革の柱の一つに位置づけられました。今国会で改正案が成立したので、二〇一九年産の農産物から実施されます。
収入保険は、自然災害による収量減少や豊作に伴う農作物の価格下落などが原因で農家の収入が減少した際、国と農家が拠出する保険料と積立金から一定額を補填する仕組みであります。全ての農産物を対象品目とし、既存のセーフティーネットがない野菜や果樹などもカバーします。加入できるのは、青色申告を行い、経営管理を適切に実施する農業者であります。
収入保険の財源は、保険方式と積立方式を併用し、保険料の五〇%と積立金の七五%は国庫補助で賄います。また、同じく国費が使われている現行の農業共済や収入減少影響緩和対策など類似制度との重複を避ける観点から、選択加入となっております。
補償内容に関しては、過去五年間の平均収入を基準収入として、その八割台を確保できる仕組みを設計し、補償限度額と支払い率は、農業者が加入時に複数の選択肢から選ぶことができるようになっています。
そこで第一点、本県における中山間地農業ルネッサンス事業の取り組み状況と期待される効果について伺います。
第二点、農業競争力プログラムの一環として収入保険の創設について、本県の認識と期待する効果について伺います。
次に、農業大学校の専門職大学・短大化について伺います。
既存の大学や短大とは別に、ITなど成長分野で即戦力の人材育成を目指す新しい高等教育機関、専門職大学、専門職短大の創設を盛り込んだ改正学校教育法が、五月二十四日に可決・成立いたしました。
専門職大学・短大は、ITや農業、観光などの分野で新たなサービスを生み出し、牽引役を担える人材を育てることを目的に掲げており、既存の大学や専門学校からの移行を想定しています。
そこで、本県における基幹産業である農業分野において、現在、農業大学校が吹上にありますが、この機会に専門職大学・短大に移行し、学位を与えることにより、学生のモチベーションアップになるのではないかと提案いたしますが、見解を伺います。
次の、知事のイクボス宣言については、時間の関係で要望にかえます。
五月十九日、知事は、本年の重要施策である子育て支援を進めるとして、イクボス宣言されました。知事がイクボス宣言することによって、県庁内のワーク・ライフ・バランスの意識向上につながることを期待いたします。
ただ、実態が改善しなければ、号令だけになってしまいます。県職員の長時間労働や有給休暇取得等の推進に、目標を設定して積極的に取り組まれるよう要請いたします。
次に、テレワークについて伺います。
先日、日本テレワーク協会を視察してまいりました。
二〇一六年安倍政権のもとで閣議決定された一億総活躍社会に向けた取り組みが進んでおります。テレワークは、ITを活用して場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、自宅で仕事をする在宅勤務、サテライトオフィスでの勤務、タブレット端末等を利用したモバイルワークがあります。出勤時間の削減になるとともに、介護や出産・育児との両立や、障害者等にとっては、仕事の場所や時間が柔軟に選択できることで働きやすくなることが考えられます。
テレワークについて、私は平成二十七年第一回定例会で質問いたしましたが、「国や他県の状況等を把握しつつ、効果や課題等について研究してまいりたい」との答弁でありました。本会議で紹介した佐賀県のほか、徳島県、豊島区など自治体での導入が進んでおります。
国は、平成二十九年五月に閣議決定された世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画では、「テレワークは、働き方改革を推進するに当たっての強力なツールの一つであり、より具体的かつ効果的な形で普及が進むようにすることが課題。また、テレワークの普及に当たっては関係府省庁が連携し、ガイドラインや表彰等の普及啓発の推進、サテライトオフィスの整備等を通じて、平成三十二年におけるKPIの目標値達成を図る」、「働き方改革の一助となり、労働者、事業者、その顧客の三方にとって効果的な結果が得られ、ワークライフバランス、生産性、満足度等の向上を実現」とされています。
重要業績評価指標─KPI─として、一つ、平成三十二年には、テレワーク導入企業を平成二十四年度比で三倍にする。二つ、テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を平成二十八年度比で倍増する。三つ、働く者にとって効果的なテレワークを推進するという項目を掲げています。総務省、厚生労働省、国土交通省、文部科学省など、国としても推進に力を入れているところであります。
そこで第一点、民間企業のテレワーク導入の現状とテレワーク導入促進に向けた取り組みについて伺います。
第二点、他の自治体でもテレワーク導入が進んでおりますが、本県も、ワーク・ライフ・バランスを進める意味でも、できるところから導入すべきだと考えますが、見解を伺います。
次に、文教警察行政について伺います。
初めに、特別支援教育について、特別支援教育の現状と鹿児島市南部地区の特別支援学校への高等部設置について伺います。
鹿児島市内の特別支援学校については、適正規模化について、これまでも議会で幾度となく質疑が交わされてきました。
鹿児島市内の特別支援学校は、平成二十五年から、知的障害と肢体不自由を対象とした知肢併置校として再編されました。県教委の方針は、一部の特別支援学校の過大規模化、過密化の課題解決のためには、学校規模の適正化を図りつつ、児童生徒がより身近な特別支援学校への通学が可能となるよう、鹿児島市内の地域バランスを考慮して配置することが望ましいとなっております。
武岡台養護学校の過密化解消が課題となる一方、鹿児島市南部においては高等部がなく、現在の桜丘養護学校の施設では対応困難と考えます。
鹿児島市南部の高校生は、スクールバスを利用して武岡台養護学校へは六十五分から八十分、鹿児島養護学校へは五十九分かけて通学しており、生徒の安全確保や負担軽減の観点からも、南部地区への高等部新設が喫緊の課題であります。
また、本年二月には、鹿児島県議会政策立案推進検討委員会において政策提言がなされております。
鹿児島市の南部地区では人口が増加していますので、特別支援を必要とする児童生徒も増加傾向にあります。
そこで第一点、鹿児島市内の特別支援学校三校の児童生徒の現状と南部地区の現状に対する県の考えを伺います。
次に、農業試験場跡地では、ある病院の建設等で協議中でありましたが、今般、建設を希望される病院が別の民有地を購入し、移転されると仄聞しております。
そこで第二点、桜丘養護学校に高等部を創設する観点から、盲学校や開陽高校に隣接する谷山の農業試験場跡地に建設すべきと考えますが、県の考えを伺います。
次に、警察犬の育成・確保については要望にかえます。
人間の四千倍から六千倍の嗅覚を持つ警察犬は、犯人の追跡や証拠品の収集、行方不明者の捜索などにおいて貴重な存在であります。
警察犬が減少傾向にある中で、急増する出動要請に対応できるのか懸念が広がっています。
特に、他県に先行して高齢化が進み、離島も含め、南北六百キロメートルの広大な県土を持つ本県においては、各地域に適正に配備されることが重要であります。
本県における警察犬の確保、育成、配備について、積極的に取り組んでいただきますよう要望しておきます。
次に、保健福祉行政について、初めに、障害者支援について伺います。
会派で東京都庁を訪問し、ヘルプマークとヘルプカードについて取り組みを聞き、意見交換いたしました。
ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害の方や難病の方、妊娠初期の方など援助や配慮を必要としている方が、周囲の方々に配慮を必要としていることを知らせるマークであり、東京都では平成二十四年から取り組み、交通機関から始め、自治体、民間企業等へ普及を図り、平成二十九年三月末で十六万五千個の配布をしているとのことでありました。
平成二十九年三月末現在で、京都府、和歌山県、徳島県、青森県、奈良県、神奈川県で導入しており、広がっているとのことでありました。
ヘルプカードについては、障害者が、災害時等に自己の障害に対する理解や必要な支援を周囲に求めることができるよう、緊急連絡先や必要な支援内容等を記載してあり、普及啓発に取り組むことで、障害の有無にかかわらず支え合いながら、地域の中でともに生活することを目指すものであります。
平成二十九年三月末時点で、福岡県、愛媛県、岡山県等で導入されているとのことであります。
政府としても、ヘルプカードについたヘルプマークをことし七月から国内規格─JIS─に追加する方針であり、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて普及拡大を図ろうとしております。
そこで、障害者等要配慮者に対する理解を深め、支え合いながら地域の中でともに生活する社会を構築するために、本県においても導入を図るべきと提案いたしますが、見解を伺います。
次に、認知症対策について伺います。
二〇一五年一月の厚生労働省の発表によりますと、日本の認知症患者数は、二〇一二年時点で約四百六十二万人であり、六十五歳以上の高齢者の約七人に一人と推計されています。また、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には、認知症患者数は約七百万人に達し、六十五歳以上の高齢者の約五人に一人を占める見込みとなります。
認知症への対応、周囲の理解、家族への支援など、県政上の喫緊の課題であります。
そこで第一点、認知症サポーターの養成、認知症疾患医療センターの整備、認知症初期集中支援チームの設置、認知症地域支援員の設置、認知症の人の介護家族等への支援、若年性認知症対策など、新オレンジプランに基づいた認知症施策の現状と今後の取り組みについて伺います。
第二点、認知症等の意思能力に継続的な衰えがある場合に、衰えを補い支援する制度として成年後見制度があります。国は本年三月、成年後見制度利用促進基本計画を閣議決定し、去る六月二十二日、市町村に取り組みについての説明会を開催したと聞いております。
同基本計画に示された県の役割及び市町村支援について、県の認識と対応について伺い、二回目の質問といたします。
14 ◯農政部長(川野敏彦君)中山間地農業ルネッサンス事業の取り組み状況等についてでございます。
この事業は、人口減少や高齢化など厳しい状況に置かれている中山間地域の振興を図る上で重要な事業と考えております。これまで、国の指針に基づき、ほぼ全ての市町村が将来ビジョンを、全地域振興局・支庁が地域別農業振興計画を策定しております。
同事業の国の予算枠は四百億円ですが、これまで本県分として、ハード事業は農業農村整備関係事業で約十四億円、強い農業づくり交付金で約四億円など、全体で約十九億円の配分がありました。また、ソフト事業は約九百万円で、地域における課題解決に向けたリーダー育成などに取り組むこととしております。
この事業を活用することによって、地域の特色を生かした中山間地の振興につながるものと期待しております。
次に、収入保険制度の創設に対する認識等についてでございます。
収入保険制度は、現行の農業共済制度の課題等を踏まえまして、対象作物を限定せず、価格低下を含めた農業経営全体の収入減少を補填する仕組みとなっております。
同制度は、本県の主要作物である茶や露地野菜など、従来の農業共済制度では対象とされていなかった作物のセーフティーネットとなるものであり、本県農業者の経営安定に資するものと考えております。また、収益性の高い新規作物の生産や新たな販路開拓といった農業経営者の積極的なチャレンジを後押しする効果もあるものと期待しております。
県としては、関係団体とも連携しながら、引き続き制度の周知に努めてまいります。
次に、農業大学校の専門職大学・短期大学化についてでございます。
農業大学校は、技術と理論の総合的な実践教育に取り組んでおり、学校教育法に基づく専修学校に位置づけられております。今回、学校教育法の一部改正により設けられる専門職大学・短期大学では、高度な実践力と創造力を兼ね備えた人材養成の強化が図られるものと考えております。
農業大学校が専門職大学・短期大学に移行するためには、文部科学省が定める設置基準を満たす必要がありますことから、県としては、今後示されます教員の配置基準や資格など具体的な内容等について、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
15 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)民間企業のテレワーク導入の現状と、テレワーク導入促進に向けた県の取り組みについてでございます。
テレワークは、情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを指し、子育て、介護と仕事の両立や、多様な人材の能力発揮に資するものとされております。現在、厚生労働省では、相談窓口を設け、企業等からの相談に対応しているほか、中小企業が行うテレワーク用通信機器の導入、運用等への補助を行っております。
民間企業へのテレワークの導入状況につきましては、総務省の調査によれば、全国で回答のあった企業の一三・三%が、九州・沖縄地方では九・七%の企業が導入しているところでございます。
本県におきましても、一部企業ではテレワークが導入されており、県といたしましては、今後、国等と連携しながら、テレワークの導入事例やその際の支援措置等に関する情報提供等に努めてまいりたいと考えております。
16 ◯総務部長(寺田雅一君)本県におけるテレワークの導入についてでございます。
テレワークにつきましては、御指摘のとおり幾つかの形態がございますが、このうちモバイルワークにつきましては、平成二十八年四月に、庁外からモバイル端末を使用して安全に庁内システムを利用するための環境を整備したところでございます。これまで、熊本地震における派遣職員の業務報告や、食品衛生管理業務等における出張先からの業務システム利用など、平成二十八年度に延べ三百六人、平成二十九年度は五月末時点で延べ八十人が利用しております。
また、在宅勤務等につきましては、先行して実施している他県においては、在宅等での勤務に適した業務の抽出や資料のデータ化を進める必要があること、また、職員間の円滑なコミュニケーション、勤務時間や服務の管理及び情報セキュリティーのあり方等について課題があると聞いております。これらの課題や効果等も含めまして、引き続き研究してまいりたいと考えております。
17 ◯教育長(古川仲二君)鹿児島市内特別支援学校三校の現状と南部地区への特別支援学校整備についてであります。
本年度の鹿児島市内の特別支援学校三校の在籍者数は、鹿児島養護学校が二百七十人、武岡台養護学校が二百九十七人、桜丘養護学校が八十八人であり、近年増加傾向にありますことから、今後の推移によっては、各学校の受け入れ可能人数を超えることも想定しているところでございます。
また、桜丘養護学校におきましては、児童生徒数の増加のため、理科室や自立活動室、視聴覚室など一部の特別教室を普通教室として活用している現状があり、狭隘化が顕在化しつつあります。
鹿児島市南部地区の特別支援学校のあり方につきましては、先般、全県下の障害のある幼児や特別支援学級に在籍する児童生徒の保護者を対象として実施いたしました就学意向調査の結果を詳細に分析いたしているところであり、その結果に基づく将来的な特別支援学校対象者数の推移や、それに伴う桜丘養護学校における学習環境の状況変化等を踏まえつつ、今後検討することとしているところであります。
なお、このようなことから、整備予定地につきましては現時点では具体的に申し上げられる段階にはないものと考えております。
18 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)ヘルプマーク、ヘルプカードについてであります。
ヘルプマークは、八都府県で普及の取り組みが進められており、ヘルプカードは、六都県で配布されております。
ヘルプマークやヘルプカードは、障害のある方などが援助を受けやすくなるとともに、より有効な支援につながることが期待されるものであり、まずは県民の方への普及と理解を進めることが必要と考えており、県では、ホームページにおいて、ヘルプマークの意味や配慮事項等を紹介するなど周知に努めているところでございます。
次に、認知症施策の現状と今後の取り組みについてであります。
本県におきましては、国の新オレンジプランの方向性を踏まえ、認知症予防の推進、早期診断・早期対応の推進、認知症の人と家族への支援の充実を重点事項に掲げ、市町村との連携のもと認知症施策を推進しております。
県は、市町村への技術的支援や情報提供、認知症疾患医療センターの設置、認知症サポート医やかかりつけ医に対する研修の実施、認知症に関する相談窓口の開設等に努めているところであります。また、市町村においては、認知症ケアパスの普及や認知症初期段階における集中的支援の取り組みなど、認知症の人や家族への具体的な支援に努めているところであります。
今後とも、市町村等との連携を図りながら、認知症施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
成年後見制度利用促進基本計画に示されました県の役割についてであります。
国が策定いたしました成年後見制度利用促進基本計画では、県の役割として、市町村と連携した後見人となる担い手の確保、市町村職員を含めた関係者の資質向上の取り組み、市町村と家庭裁判所や弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等との連携の推進等、広域的な見地から必要な支援を行っていくことが期待されているところであります。
現在、国において、県や市町村を対象とした説明会が開催されているところであり、県といたしましては、市町村や関係機関の取り組み状況の把握に努めますとともに、市町村に対し、広域的な見地から、後見人等となる人材の育成、必要な助言その他の支援を行うよう努めてまいりたいと考えております。
19 ◯持冨八郎君 自席から一点だけ、テレワークについて伺います。
先ほど、全国的には一三・三%、九州・沖縄は九・七%ということでありましたが、本県は何%なんでしょうか、その調査はされているんでしょうか。
20 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)お答え申し上げます。
本県におきましてのデータといたしまして、パーセンテージでの把握はまだいたしておりません。ただ、本年度、本県におけるテレワークの状況につきまして、本年度の県内企業への働き方改革に関する取り組み状況等について、アンケート調査を実施する予定でございますので、その中で、ただいま御質問のあった項目等につきましても検討させていただきたいと考えております。
[持冨八郎君登壇]
21 ◯持冨八郎君 それぞれ答弁いただきました。
大型
スポーツ施設については、知事は、予算特別委員会の中で、「政治は決断だ」と言われました。設置場所とかあるいは規模とか予算とかというのは、これは委員のメンバーでは決められない話でありますので、どうか知事のほうでリーダーシップをとっていただいて、また連携をとっていただいて、賢明な推進をお願いしたいと思います。
ドルフィンポート敷地について、
コンサルタント会社の選定に当たっては、公平性を堅持して、選定理由の説明責任をしっかりと果たしていくように要請しておきたいと思います。
また、農業大学校の専門職大学・短大化につきましては、これからの検討だと思いますけれども、前向きにしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
それからテレワークにつきましては、本県の顧問に就任された増田寛也氏も、「親の介護や育児と仕事をどう両立させるか悩んでいる人がふえている。テレワークで時間や場所を柔軟に選択できるようになれば、悩みはかなり軽減する。ワーク・ライフ・バランスの確立の有力な方策である」と述べておられます。
課題もあるとは思いますが、先ほど、調査もするということでありましたので、前向きに取り組んでいただきますように要望しておきます。
特別支援教育については、もう皆さん、この現状はよくわかっておられると思いますので、早期に実現できますように特段の配慮をお願いしたいと思います。
ヘルプマーク、ヘルプカードについては、全国的に広がることに意味があります。東京から転居してこられた方が、鹿児島にはないのですかと驚いておられました。導入を前向きに検討していただきますようによろしくお願いしておきます。
最後に一言。昨年の九月議会から四つの議会を通して、知事は
マニフェスト等について思いを語ってこられましたが、県財政の厳しさや行政の継続性の上から、指宿のスカイラインの無料化や乳幼児医療費の完全ゼロ、ドーム球場、原発の問題などなど、現実的なかじ取りになってきたのではないかなと感じております。
知事は、「チェンジ」を訴えられて誕生されました。その意味では、一番チェンジしたのは三反園知事だと思います。予算特別委員会でも申し上げましたが、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」。これは、ダーウィンの言葉だと言われております。ダーウィンは、変化しなさいと教訓的に言ったのではなく、自然の摂理を説いたものだと理解しておりますが、示唆に富んでいると思います。
知事が理想や思いを語られるのは、県民に希望を与える意味で大事なことであります。一方で、現実を踏まえてチェンジすることも悪いことではありません。
先ほど、
マニフェストの進捗状況を公表するということでございましたので、一歩、二歩前進だと思いますが、知事にだまされたとか、失望したとか言われないように、重要なことは、なぜチェンジしたのかという県民への説明責任を丁寧に果たしていくことだと思います。県の新たなビジョンも作成するということですから、
マニフェストも現実に即して見直すところは見直し、県民に新たなビジョンを示していただきたい。
公明党県議団は、是々非々の立場で建設的に、提案的に県政に向き合っていくことを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
22 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、長田康秀君に発言を許可いたします。
[長田康秀君登壇](拍手)
23 ◯長田康秀君 早速質問に入ります。
初めに、知事の政治姿勢についてであります。
一点目は、国体・全国障害者スポーツ大会についてでありますが、知事は、今年度から、平成三十二年に開催予定であります国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会に向けまして、本格化されます開催準備業務を着実に推進するために、国体・全国障害者スポーツ大会局を設置されたわけであります。
そこでお尋ねいたします。
組織を改組された中でも、一年目が一番大変で、また大切であると考えますが、国体・全国障害者スポーツ大会をどのような大会にされたいのか、まずお答えください。
また、実行委員会の設立、県、それぞれの市町村の会場の施設整備、さらに、審判員などの競技役員、ボランティアスタッフ、それぞれの
スケジュール及び内容について、そしてまた、競技力の向上のための選手の育成と強化の内容について、それぞれお答えください。
二点目は、ドラマプロモーション班についてでありますが、今年度から大河ドラマ「西郷どん」の放送効果を生かしまして誘客促進を図るため、観光課内にドラマプロモーション班を設置されているわけでありますが、そもそもどのような役割を担うのか。また、これまで本県で撮影されましたドラマと映画のスポットを全て整理されて、観光地にしていくことを提案いたしますが、お答えください。
三点目は、今、持冨議員からもお話がございましたが、鹿児島市南部地区への特別支援学校の整備についてでありますが、人口減少が進む中で、鹿児島市の南部地区は人口的には横ばい、微増でございます。その中でも、中山小学校を初め、清和小、谷山小、西谷山小、福平小と、児童数が増加しているわけです。同時に、特別支援教育を必要とされる子供たちも増加傾向にある状況下の中で、今すぐにでも整備していただきたいと考えるわけですが、その問題に対しまして知事の御見解をお伺いいたします。
また、教育長にお尋ねいたしますが、今も答弁されましたが、今後の県内全体の特別支援教育のあり方に対してどのような取り組みをされるのか、それぞれお答えください。
四点目は、農業試験場の跡地についてでありますが、これも今、少し話で触れましたけれども、さきの三月議会の我が会派の代表質問で、私自身がこの跡地について、売却時期についてただしました。「具体的に見通すことが困難な状況に変化はないために、具体的な取り組み方針を示すことは困難であり、これまでの経緯を踏まえて十分検討する」との答弁がなされたところであります。
このような状況の中、医療法人徳洲会病院が鹿児島市南栄五丁目のイオン鹿児島谷山店跡地を病院移転候補地として四月に取得されたとの報道があり、これが移転されるとなれば大きな変化があるわけです。
そこでお尋ねいたしますが、今後の具体的な取り組み方針について、まずお答えください。
また、活用方策が決定するまでの間は暫定的に、高齢者の方々のグラウンドゴルフ場であったり、あるいは子供たちが使用できるグラウンドであったり、また、地域の方々のイベントやフリーマーケット等に使えるような、暫定的な跡地の活用方策について提案いたしますが、お答えください。
五点目は、
指宿スカイラインについてですけれども、この問題も、本会議場で私も何度も取り上げてまいりました。そういう中で端的にお尋ねいたします。
いよいよ山田料金所のETC設置工事が始まりまして、地元住民から喜びと期待の声が私自身にも聞こえてまいります。
そこでお尋ねいたしますが、山田料金所のETC設置工事について、現在の進捗状況と今後の
スケジュールについてお答えください。
あわせまして、ETC搭載車への料金設定について具体的にお答えください。
次の質問です。
新産業戦略の展開についてですが、一点目は、新かごしま「“食”と“職”」の魅力向上・加速化プロジェクトとしまして、今年度は一億九千万円ほどの新規予算を重点的に組んでいるわけです。基本的な認識でありますが、その狙いについて、まずお答えください。
次に、食品関連産業就職支援事業についてですが、食品関連産業への就職を促進するため、就職支援コーディネーターを設置され、食品関連産業の魅力や求人情報を効果的に提供するとともに、セミナーや企業説明会を開催されるとのことであります。
そこでお尋ねいたしますが、どのような方が就職コーディネーターをされるのか、そして、どのような役割を担い、どのようなセミナーや企業説明会を誰に対して開催されるのか。さらに、最近の食品生産関連の職業の
有効求人倍率はどのような状況であるのか、それぞれお答えください。
次に、企業誘致についてであります。
一点目は、知事は、企業誘致について
トップセールスされるとのことでありますが、どのような活動をされているのか、まずお答えください。
また、企業誘致に当たりましては、どのような企業を重点的に絞り込んで誘致されるのか。さらに、地域を絞り込んで誘致するべきであると考えますが、お答えください。
加えまして、誘致する中で、本県は他県と比較しますと地理的にも大変不利な状況でありますが、誘致するに当たりまして、本県のすばらしい環境を積極的にPRするべきであると考えますが、どのような取り組みをされているのか、お答えください。
二点目は、企業誘致ネットワーク整備事業についてですが、民間企業出身者を産業立地推進員として活用されており、企業誘致の促進を図るとのことでありますが、どのような方々が推進員をされて、その推進員は何名ぐらいいて、どのような活動をされているか、またこれまでの実績について、それぞれお答えください。
加えまして、東京・
大阪事務所に配置されております企業誘致課の職員でありますが、どのような企業を何件ぐらい訪問されていて、また、産業立地推進員とはどのような連携を図られているのか、それぞれお答えください。
三点目は、かごしまの工業団地ツアー事業についてであります。これまで、どのような企業がどれぐらい参加され、誘致につなげることができたのか。また、今年度も事業をされるとのことでありますが、いつごろ、どのような業種をどの程度考えているのか。さらに、しっかりとしたPRを図るためには、今申し上げました産業立地推進員、県外事務所の企業誘致課とも密な連携を図るべきであると考えますが、お答えください。
四点目は、市町村との連携についてですが、現在、県と市町村の工業団地等で企業を誘致できる団地の数がどれぐらいあるのか。また、県と各市町村では誘致についてどのような連携をされているのか、お答えください。
五点目は、企業誘致の実績と数値目標についてですが、直近三年間でありますけれども、平成二十六年と二十七年が企業立地件数四十二件でありまして、平成二十八年が四十件誘致しているわけですね。その中で新規雇用者数は三年間で約二千百名ということで、このことは正直申し上げまして、ある一定の評価はできます。しかし、今後の企業立地の目標件数について改めてお答えいただけませんか。
また、直近二年間の地域別の企業立地件数がどのような状況であるのか。さらに、これまでどのような業種の問い合わせが多くて、そしてそれらに対するフォローアップはどのようにされているのか、それぞれお答えください。
以上で、一回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
24 ◯知事(三反園 訓君)国体・全国障害者スポーツ大会についてであります。
鹿児島国体・全国障害者スポーツ大会は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックと同じ年に開催されることから、大会の成功はもとより、その感動と興奮を引き継ぎ、オリンピック・パラリンピックイヤーにふさわしい大会となるよう取り組んでまいります。
また、全国各地から多くの方々が本県を訪れることから、真心のこもったおもてなしでお迎えし、豊かな自然、歴史・文化、食など、鹿児島の多彩な魅力を全国に発信する大会を目指しております。
さらに、県民総参加のもと、花いっぱい運動や大会運営ボランティア活動などの県民運動を通じて、県民一人一人が積極的に参加することで、県民が夢と希望を持ち、心に残る大会にしたいと考えております。
今後とも、市町村や競技団体などと連携を図りながら、県民の英知と総力を結集し、オール鹿児島で両大会を盛り上げるよう開催準備に万全を期していきたいと考えております。
指宿スカイラインの山田料金所へのETC設置等についてであります。
利便性の向上や渋滞緩和が見込まれ、利用者から要望の強いETCにつきましては、山田料金所において設置することとし、今月一日からETC設置工事に着手しております。ことし十二月には二レーンを暫定供用し、来年三月には上下合わせて四レーンを供用する予定であります。
ETC利用に伴う料金設定につきましては、現在の回数券割引にかえまして、ETC搭載車を対象とした割引制度を創設いたします。割引率は、軽自動車と普通車を一〇%とし、本県の基幹産業である観光や農業を支えるバスやトラックなど大型車につきましては、さらに割引率を拡大し、一八%といたします。具体的には、軽自動車は現行料金二百円を百八十円に、普通車は三百二十円を二百九十円に、大型車一は四百九十円を四百円に、大型車二は千百四十円を九百四十円に割引いたします。
今回のETC割引制度の創設によりまして、地域の活性化や産業・観光振興が一層図られるものと確信しております。
企業誘致の
トップセールスについてであります。
私は、本県への企業誘致に当たりましても、さまざまな機会を捉えて、本県の魅力や立地環境等を積極的にアピールしたいと考えております。そのため、まず、昨年十一月に東京において開催した企業立地懇話会におきましては、関東地区等の製造業等の皆様に対しプレゼンテーションを行い、本県への企業誘致のお願いをしてまいりました。また、関西・名古屋地区におきましても、既に本県へ進出している企業やゆかりのある企業の方々などとの懇談、直接訪問などを通じて、トップの方々に工場の新・増設等を要請したところであります。
今後とも、企業誘致に向けた
トップセールスを積極的に行ってまいりたいと考えております。
25 ◯国体・全国障害者スポーツ大会局長(中薗良郎君)国体・全国障害者スポーツ大会に係る
スケジュールなどについてであります。
初めに、県の実行委員会につきましては、国体と全国障害者スポーツ大会の会期決定後、現在の準備委員会を統合し、八月ごろには設置したいと考えております。また、会場地市町村も実行委員会を設置するとされており、設置に向けて必要な助言などを行うこととしております。
競技会場となる県有施設につきましては、鴨池公園の陸上競技場や庭球場などの改修を進めており、今年度からはライフル射撃場の改修にも取り組むこととしております。また、市町村などの施設につきましては、国の交付金などを活用し、今年度は十六市町村などで二十九施設の改修が進められております。
今後とも、平成三十一年に実施されるリハーサル大会にも支障が生じないよう、計画的に整備を進めることとしております。
審判員などの競技役員につきましては、平成二十五年度から、各競技団体に対し、中央競技団体などが開催する講習会への派遣経費の補助を行っており、今後とも、計画的な養成に取り組むこととしております。
ボランティアにつきましては、大会参加者のおもてなしや障害者の方々への手話などによる情報提供など多くのスタッフが必要になりますことから、広く県民の方々に参加していただけるよう、今年度から、市町村や障害福祉団体、学校などと連携しながら、順次募集や研修を行い、計画的に確保・養成することとしております。
26 ◯教育長(古川仲二君)鹿児島国体に向けた競技力向上のための選手育成・強化についてであります。
競技力向上のための選手育成・強化については、昨年の岩手国体の結果を踏まえて、最重点項目に団体競技の強化を掲げ、また、国体種目のフルエントリーのための選手確保と強化、鹿屋体育大学との連携強化などに取り組んでいるところでございます。
また、新たに、鹿児島国体で活躍が期待できるジュニア選手を対象に、ジュニアアスリート認定証の授与やトップアスリートによる講演会を行うなど、本県代表選手候補としての意識の高揚を図ることにいたしております。
県教委といたしましては、今後とも、県体育協会や各競技団体との連携強化を図りながら、鹿児島国体での天皇杯・皇后杯の獲得に向け、より一層の競技力向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、鹿児島市南部地区への特別支援学校整備についてであります。
鹿児島市南部地区の特別支援学校のあり方につきましては、先般、全県下の障害のある幼児や特別支援学級に在籍する児童生徒の保護者を対象として実施いたしました就学意向調査の結果を詳細に分析いたしているところでございまして、その結果に基づきます将来的な特別支援学校対象者数の推移や、それに伴う桜丘養護学校における学習環境の状況変化等を踏まえつつ、今後検討することにいたしているところでございます。
次に、特別支援教育の今後の取り組み等についてであります。
県教委では、これまで、鹿児島盲学校・聾学校、鹿児島養護学校の新築移転整備、鹿児島高等特別支援学校の開校、中種子養護学校の高等部設置など、順次整備を図ってきたところであります。また、昨年四月に特別支援教育室を設置し、特別支援教育体制の一層の強化を図るとともに、小・中・高等学校等の校内支援体制の充実や研修会の実施による教員の専門性の向上、進学時の適切な引き継ぎの推進、特別支援学校や高等学校における障害のある生徒の就労支援などに取り組んでいるところであります。
特別支援教育の充実については、本年三月の県議会の政策提言におきまして、離島における特別支援教育の充実などについて御提言いただいたところであります。県教委といたしましては、この提言内容も十分踏まえつつ、先般、全県下で実施した特別支援教育に関するニーズ調査や就学意向調査の結果を詳細に分析しながら、障害のある子供一人一人の自立と社会参加に向け、特別支援教育の一層の充実や教育環境の整備等を推進してまいりたいと考えております。
27 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)ドラマプロモーション班についてのお尋ねでございます。
来年の明治維新百五十周年は、鹿児島の自然、食、歴史などを観光素材として売り込むチャンスでございます。このようなタイミングで放送される「西郷どん」の放送効果を最大限に生かした誘客を促進するため、観光課内にドラマプロモーション班を設置し、「西郷どん」をテーマに本県の魅力ある観光素材のPRを行っていくほか、関係市町村や団体と一体となって、大河ドラマを支援するための体制を整えていくことといたしております。
また、県内で撮影されるドラマ・映画につきましては、これまでもNPO法人かごしまフィルムオフィスと連携してロケの支援等を行っており、主要なロケ地をパンフレットにまとめまして、ドラマ・映画をきっかけとした観光客誘致を図っているところでございます。
28 ◯総務部長(寺田雅一君)農業試験場跡地に係る今後の具体的な取り組み方針についてでございます。
農業試験場跡地二十五・二十六・三十二街区につきましては、まとまった一団の土地であり、地域の活性化に寄与する施設等が整備されることが重要であると考えております。今後の対応につきましては、これまでの経緯も踏まえつつ、県民にとってどのような活用方法が最も望ましいかという視点を持って、総合的に検討しているところでございます。
農業試験場跡地の暫定活用についてでございます。
農業試験場跡地の暫定利用につきましては、今後の利活用に支障がない範囲で行う必要があると考えており、これまで、学校行事の際の臨時駐車場や工事現場事務所用地として貸し付けを行ってきているところであり、広く県民の方々が利用できるような形態での暫定利用につきましては、利用者の安全確保や管理運営体制などの課題があるものと考えております。
御提案のありましたグラウンドゴルフ場やイベント会場といった地域住民の方々の利用を前提とする場合には、基本的には、住民に最も身近なサービスを提供する地元市町村において検討されるものと考えており、県といたしましては、この点も踏まえ、今後の利活用に支障のない範囲で対応を考えてまいります。
29 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)新かごしま「“食”と“職”」の魅力向上・加速化プロジェクトの狙いについてでございます。
本県産業振興の重点業種でございます食品関連産業をさらに振興するためには、付加価値額を高める取り組みに加え、商品の企画・開発などの専門的な分野を担う人材の確保・育成を図り、雇用の質を高めることが必要でございます。
このため、今年度からの新たな取り組みといたしまして、処遇や職場環境の改善等に対する経営者の意識を高め、実践につなげていくために、セミナーの開催やアドバイザーの派遣を実施いたしますほか、企業が求職者等に対し、自社のブランドイメージ等を効果的に発信するためのセミナーを開催するなど、正社員雇用や非正規から正社員への転換の促進に取り組むことといたしております。このような取り組みを通しまして、食品関連産業の一層の振興と安定的な雇用の創出を図ることといたしております。
次に、食品関連産業就職支援事業についてでございます。
最近の食品生産関連の職業の
有効求人倍率につきましては、食品生産関連を含む生産工程の職業で、昨年四月が一・三〇倍、本年四月が一・四四倍となっております。
このような中、県では、食品関連産業への就職を支援するため、今年度新たに、まず、食品関連企業の魅力や求人情報等を提供する就職支援コーディネーターを設置することとし、業務を円滑に行える知識・経験を有する方二名を公募により採用したところでございます。また、食品関連産業に興味のある求職者にコーディネーターの収集した情報等を提供する就職希望者支援セミナーを計九回開催する予定でございます。
さらに、UIターン希望者等を対象に、食品関連企業の情報を提供するための合同企業説明会を県内外で計三回開催する予定でございます。
次に、本県における企業誘致の取り組みについてでございます。
本県の企業誘致につきましては、かごしま製造業振興方針に基づき、自動車・電子・食品に加え、環境・新エネルギー産業など、次の世代の基幹産業を担う企業立地の促進に重点的に取り組むことといたしております。さらに、今年度からは新たに、景気動向に左右されにくく長期的に安定した事業活動が見込まれる研究開発施設の誘致について、関東・関西地区を中心に積極的に取り組んでいるところでございます。
また、こういった企業誘致活動を行う際のPRにつきましては、成長著しいアジアに近接するという本県の地理的優位性や、世界に誇れる国内有数の企業の立地、陸海空の交通インフラの充実などに加え、豊かな自然や住みやすい生活環境といった本県の魅力につきましても、県や各市町村が作成したパンフレットなどを活用し、積極的にアピールしているところでございます。
次に、企業誘致ネットワーク整備事業についてでございます。
お尋ねの産業立地推進員につきましては、みずからの人脈等により企業誘致活動を行ってもらうことを目的に、現在、
大阪事務所に二名の方々を配置いたしております。いずれも製造業企業のOBの方々で、経済団体等への出向経験もあるなど、豊富な人脈と幅広い知識を持った方々でございます。なお、産業立地推進員による昨年度の企業訪問件数は、一人当たり百七十件近い実績となっております。
また、東京及び
大阪事務所の職員につきましても、自動車・電子・食品等の製造業を中心に、既に本県に立地している企業のフォローアップや、産業立地推進員が訪問した企業を推進員と一緒に改めて訪問するなど、昨年度は一人当たり百七十件近い企業訪問活動を行っているところでございます。その結果、本県への立地に至った事例や訪問先の県外企業と県内企業との取引が成立する事例など、一定の成果が出ているところでございます。
次に、かごしまの工業団地ツアー事業についてでございます。
工業団地ツアーにつきましては、平成二十七年度からの二年間で食品関連製造業を中心に延べ五十五社、六十一名の参加をいただいたところでございます。その結果、現在、具体的な立地に向け検討を行っている企業がありますほか、ツアー参加企業との間で原材料の農産物の取引等が始まった農業生産法人もあるなど、一定の成果が上がっているものと考えております。そのため、今年度も引き続き、本年十月と来年二月の二回、食品関連製造業を中心にそれぞれ二十名のツアー参加者を募集する予定でございます。
本事業のPRにつきましては、東京及び
大阪事務所の職員や産業立地推進員が企業誘致パンフレット等を活用して積極的にツアーの案内を行っているところであり、引き続き、県外事務所等とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。
次に、市町村との連携についてでございます。
県内における県または市町村管理の工業団地等の数は、現在、県管理が六カ所、市町村管理が二十六カ所の計三十二カ所となっております。各市町村との連携につきましては、日ごろの企業誘致活動のほか、県及び県内三十七市町村から構成される県企業誘致推進協議会による企業立地懇話会の開催などに連携して取り組んでいるところでございます。
企業誘致に当たっては、市町村との連携が不可欠であることから、県といたしましては、引き続き、市町村と一体となった企業誘致活動を展開してまいりたいと考えております。
次に、企業誘致の数値目標及び実績等についてでございます。
企業立地目標件数につきましては、かごしま製造業振興方針におきまして、平成二十八年度からの五カ年で百七十件を目標としているところでございます。なお、過去二年間の地域別の企業立地件数は、鹿児島地域が十四件、南薩地域が十一件、北薩地域が十九件、姶良・伊佐地域が二十一件、大隅地域が十五件、熊毛・奄美地域が二件でございます。
また、企業誘致に当たりましては、製造業を中心にさまざまな業種の企業からの問い合わせをいただいておりまして、こうした問い合わせがあった場合には、可能な限り職員が当該企業を直接訪問し、工業団地の情報や支援措置の内容等について、より丁寧に詳しく説明を行うなど、一件でも多く本県への立地につながるよう努めているところでございます。
30 ◯長田康秀君 自席から二点、知事に再質問させていただきたいと思います。一点目は、特別支援学校の整備についてでありますけれども、先ほど知事は答弁がなかったので申し上げますが、桜丘養護学校、そしてまた武岡台養護学校初め、生徒たちや先生たちは数字上では語れないところがあるんです。そういった部分で、現場に出向いて実態のそういったところを一回感じていただいて、そこをしっかりと現場を見ていただいて政策をしっかり実行していくということが大事だと思っておりますので、鹿児島市内の三校について、ぜひ時間をつくっていただいて視察していただきたいというのが一点。
もう一点は、
指宿スカイラインについてでございますが、ETCの設置について、一日も早い完成を願っておりますし、また、料金設定についてもるる御説明いただきました。細かい数字は申し上げません。ただ一方で、利用者が低迷しております二期区間なんですね、いわゆる頴娃インターから谷山インター間、このことを利用促進策についてどのように知事が考えているのか。この二点をお答えいただけませんか。
31 ◯知事(三反園 訓君)私は、優しく温もりのある社会をつくる必要があると考えております。障害のある子供一人一人を大切にし、特別支援教育の推進は本県にとりましても大変重要であると考えております。車座対話を行ったときにも、多くの方々から御要望を受けております。そして先日は、長田議員、大園議員と一緒に多くの保護者の方々が知事応接室に来ていただきまして、意見交換させていただきました。本当に熱い熱い熱い思いを聞いたところであります。私としては、皆様の切実な熱い思いにつきまして重く受けとめさせていただければと思っております。
なお、桜丘養護学校等の視察については、私としては機会を見て視察を行いたいと考えております。
また、
指宿スカイライン二期区間の利用促進策についてであります。
これにつきましては、私も休日そして平日に二期区間を現実に通ってみましたけれども、ほとんどすれ違う車がいないという現状でもあります。こうした現状を踏まえまして、利用者が低迷している二期区間については、まず、利用しやすい環境を考えて利用拡大を図る必要があると思っております。来年は明治維新百五十周年でありまして、NHKの大河ドラマ「西郷どん」が放送されるなど、多くの観光客に訪れていただきたいと思っております。このチャンスを逃すことなく最大限に生かすためにも、錦江湾に浮かぶ桜島を望み、県内有数の観光地である指宿市や鹿児島市を結ぶ指宿有料道路を観光周遊ルートとしてぜひ多くの方々に利用していただきたいと考えております。
このために、利用者が低迷しております二期区間につきましては、今後の継続的な観光振興につなげるための利用促進策として、料金の引き下げを検討してまいりたいと考えております。具体的な案がまとまり次第、県議会の皆様方にお示ししたいと考えております。
[長田康秀君登壇]
32 ◯長田康秀君 それぞれ御答弁いただきました。
時間の関係がございます。少々早口でございますが、申しわけございません。特別支援学校についてでありますが、意見交換する中で、障害を持っている児童、お母さん方がいつも送っていったりとか本当に大変で、限られた地域で、限られた学校にしか通うことができないわけです。そこに選択肢があるかというと、決して多くの選択肢はございません。同時に、ライフステージ上に、卒業した後に就労をどうするかと、県外への進出、県内の雇用、限られた学校しか、限られた就労しかない中です。私は、この環境をぜひ知事初め教育長に心から心から切にお願い申し上げたいと思います。
また、知事が視察されるということでございますので、そのこともぜひよろしくお願いいたします。
障害者スポーツ大会と国体ですね、このことは三年間の時間軸を考えなきゃならない。三年もある、三年しかないと。しかし、その中でできることは限られている。もちろん施設整備、競技力の向上、そういうことは大事です。ただ、他方におきましてはね、教育長、大事なことは鹿児島県民の国体なんです。つまり、県民と障害をお持ちの方々も含めて、しっかりと子供たちから高齢者まで一緒に盛り上げていただくような、そういう仕掛けづくりを今からやっていただきたいということを要望いたします。
農業試験場跡地についてでありますけれども、正直申し上げまして何度も取り上げています。もちろん難しいハードルというのはわかるんです、部長。すぐに売却できるかというと、今、現状はそうじゃないということも理解しているんです。ですから、何も全ての区画をしてくださいとは言っていません。少しの区画だけでも、子供たちや高齢者の方々にそういった地域開放をしていただきたいということです。さまざまなハードルがあると思いますけれども、このことも強く御要望させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
企業誘致についてですけれども、進出して終わりじゃないんですよね。一番大事なことは実はアフターケアなんですね。つまり、企業をしっかり誘致した中で二次的な効果として、その誘致した企業がまた紹介してくれたりとかそういったことがありますので、アプローチしてそれで終わりじゃなくて、アフターケアをしっかり、進出前のアプローチ以上に取り組んでいただきたいということを御要望いたします。
次の質問であります。
観光振興基本方針についてでありますが、かごしま将来ビジョンを踏まえまして、長期的には十年後を見据えた鹿児島の姿としていまして、推進期間としては、平成二十七年度から三十一年度までのおおむね五年間の取り組むべき施策の方向を掲げております。
そこでお尋ねいたします。
一点目は、観光振興基本方針の評価についてですが、昨年の九月議会の知事の施政方針で六つのキーワードを掲げて、一つ目に観光を掲げたわけでありますが、そもそも本県の観光振興基本方針をどのように評価されているのか。また、新たなビジョンを今年度を目途に策定されるわけでありますが、知事が観光に力を入れたいと常日ごろから申されております。知事自身の観光ビジョンを私は掲げるべきであると提案いたしますが、お答えください。
二点目は、数値目標についてでありますが、全国共通の基準によります観光統計の指標を用いた形で数値目標をあらわしておりまして、平成三十一年の延べ宿泊者数が九百五十万人、外国人延べ宿泊者数四十三万人と掲げており、それに対しましての観光消費額が約三千六百億円であります。しかし、この目標は、大河ドラマ「西郷どん」が決定される前の目標でありますことを考えるならば、私は改めまして数値目標を見直すべきであると提案いたしますが、お答えください。
三点目は、満足度の数値についてですが、観光客に来ていただいて、その観光客の方々が、本県の歴史や文化、食や温泉、また自然のすばらしさなどをいかに満足していただけるか、このことがリピーターにつながるわけですよね。つまり、観光客が観光客を誘致することにつながると考えます。
そこでお尋ねいたしますが、平成二十五年度の満足度の調査で見ますと、満足度は約九割でありまして、今回も九割なんです。この数値九割の根拠についてと、満足度一〇〇%に目標を定めるべきであると考えますが、お答えください。
四点目は、満足度の統計調査でありますが、観光立県かごしま県民条例第十九条に「県は、観光立県の実現に関する施策を効果的に推進するため、統計調査その他の必要な調査及び研究を行うものとする」と定められておりますが、この満足度については、どのような基準で、誰がどのような分野を調査されているのか、お答えください。
また、提案でありますが、よい声を聞くための調査ではなくて、むしろ、県外や国外の方々に客観的な視点から、交通アクセスについて、また案内標識等の整備について、観光案内所あるいは宿泊、飲食、交通などにおけるサービスについて、改善してほしい点、さらにもっと力を入れていただきたい点などの声を積極的に調査するべきであると考えますが、お答えください。
次に、来年から放送予定でありますNHK大河ドラマ「西郷どん」についてであります。
一点目は、知事と教育長にお尋ねいたしますが、「西郷どん」について基本的な認識でありますが、どのようなことを期待されるのか、まずお答えください。
二点目は、ロケ
スケジュール及び協力・支援についてでありますが、夏からいよいよ撮影がクランクインされるわけでありまして、本県の各地で撮影されることは大変喜ばしく、またうれしいことです。ただ一方で、大規模な撮影になりますと、騒音や道路許可などにおける周知など、地域住民へ最大限の配慮をすることも大切ではないかと考えます。
そこでお尋ねいたしますが、現在のロケ
スケジュールについて、どのような状況であり、どのような協力・支援を求められているのか。また、それに対しましてどのような形で対応されていくのか、お答えください。
三点目は、エキストラについてですが、本県の高校生以上で、役者を目指している、また、現在、劇団等で役者をされている方々の起用。さらに、知事を初め県庁職員の方々も、私は必要があればエキストラに協力して、「西郷どん」のPRを図るべきであると提案いたしますが、お答えください。
四点目は、県・市町村・各種団体の連携についてですが、「西郷どん」が撮影される場所や
スケジュールなどについて、県、市町村、観光関係団体等とはできるだけ情報を共有し、一体的な形で受け入れ体制を整えていくべきであると考えますが、現在どのような連携をされているのか、お答えください。
五点目は、ボランティアガイドの育成です。大河ドラマ「篤姫」の放映の際は、地元の指宿市を中心にボランティアガイドの育成を図り、そのボランティアの方々が、観光客が訪問された際に放映前から放映後に切れ目がない取り組みを図り、すばらしいおもてなしをされたわけです。ぜひ今回の「西郷どん」でも、ボランティアガイドの育成を図り、すばらしいおもてなしをすることが極めて大切であると考えますが、お答えください。
六点目です。大河ドラマ「西郷どん」キャンペーン事業についてでありますが、NHKと連携した広報活動について、また、各種メディアを活用したプロモーションについて、どのような形でされるのか具体的にお答えください。
加えて、大河ドラマ館の整備支援についてですが、どの地域で何カ所ぐらいを考えているのか。また、どのようなPRをされるのか、それぞれお答えください。
七点目です。伝統的工芸品のPRについてですが、本県には、もう言うまでもなく、大島紬、川辺仏壇、そして薩摩焼を初めとするすばらしい伝統的工芸品があるわけですが、正直に、伝統的工芸品産業振興議員連盟等で産地組合の方々と意見交換を行いますと、異口同音に、売上高の低下、それと、後継者の育成が進まないという声が強いんです。組合もそれぞれ努力されている、本県も努力されている、それは理解しております。しかし、新しい発想も大切であると考えます。
そこでお尋ねいたしますが、来年の「西郷どん」の放送の中で、ぜひ本県の伝統的工芸品のPRを図る取り組みをするべきであると提案いたしますが、お答えください。
八点目は、「西郷どん」のPR及び機運を高める取り組みについてですが、県内のさまざまな場所へ、また鹿児島市を初め各市町村の玄関口に、大きな看板設置を要請してのPR、さらに、本県の歴史・文化・教育施設でのPR。そして、本県でも既に一万部のパンフレットを作成されておりますが、どのような場所でどのような方々に配布されているのか。加えまして、英語、韓国語、中国語でのPRも図るべきであると考えますが、それぞれお答えください。
最後の質問です。学校教育での「西郷どん」の活用の歴史教育の取り組みについて。
今の子供たちは明治維新のことを、また、西郷隆盛、大久保利通等の薩摩の偉人について、詳しく知らない子供たちもいるのではないかと考えるならば、来年の「西郷どん」放送を教育現場に生かしまして、子供たちの人間力を高めていただきたいと強く思いますが、教育長の明快な、明快な答弁をお願いいたします。
以上で、二回目の質問といたします。
33 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)観光振興基本方針につきまして、二点御質問がございました。
まず、観光振興基本方針の評価と数値目標についてでございます。
鹿児島県観光振興基本方針は、かごしま将来ビジョンにおけるおおむね十年後を見据えた観光かごしまの姿を踏まえながら、観光立県かごしまの実現に向けた施策の方向を示すものでございます。魅力ある癒しの観光地づくり、国内外からの誘客促進、おもてなし先進県鹿児島づくりの三つの基本的方向に基づいて、基本目標でございます、世界を魅了する観光地KAGOSHIMAの形成の実現に向けた各施策を盛り込んでおります。
また、最終年度である平成三十一年に達成すべき数値目標といたしまして、宿泊者数をふやす観点から延べ宿泊者数を、リピーターをふやす観点から体験だよりにおける満足度の割合を、本県観光の価値を高める観点から観光消費額を数値目標として設定しております。外国人延べ宿泊者数が平成二十八年で目標を上回るなど、おおむね順調に推移しておるものと考えております。
なお、現在の観光振興基本方針につきましては、平成三十年度に、平成二十九年度までの施策の実施状況と成果を取りまとめ、検証する予定でありますことから、現在策定を進めている新たな県政ビジョンやPR戦略を踏まえながら、数値目標も含めて見直しを行ってまいりたいと考えております。
次に、満足度の数値と統計調査についてでございます。
県におきましては、宿泊施設、タクシー等に設置しておりますアンケートはがき観光まごころ体験だよりにより、来訪目的や回数、満足度を調査いたしますとともに、鹿児島で触れた温かな体験談や本県の観光に対する要望、苦言などを募集しております。この体験だよりにおける満足度の割合を観光振興基本方針における目標値の指標の一つといたしており、平成二十七年度から、過去の満足度の推移も踏まえ、さらに高みを目指すべく八割から九割に引き上げたところでございます。
ホームページにおきましても意見や提言などを受け付けており、体験だよりとともに、意見に関して、真心のこもったおもてなしについては表彰の対象とし、今後一層の励みにしていただきたいと考えております。一方、苦情等につきましては個別に改善を促しております。
また、タクシー乗務員など観光従事者を対象としたセミナーにおきまして、いただいた意見を紹介するなど活用しており、今後とも、このような取り組みを通じ、おもてなしの向上につなげてまいります。
NHK大河ドラマ「西郷どん」につきまして、幾つか御質問いただきました。
まず、「西郷どん」の基本的な認識についてでございます。
大河ドラマの放送は、県内各地の豊かな自然や良質な食材はもとより、明治維新の礎、近代産業の魁といった歴史・文化遺産など、鹿児島にしかない魅力を全国に発信する絶好のチャンスでありますことから、本県のイメージアップや観光振興の一層の追い風にしてまいりたいと考えております。
なお、調査機関が算出した経済効果は、「翔ぶが如く」のときは百八十三億円、「篤姫」のときは二百六十二億円に上り、本県の経済に好影響をもたらしました。「西郷どん」につきましては、ゆかりの地が離島を含め広く県内各地にあることや、九州新幹線全線開業後初めての本県を舞台とした大河ドラマでありますことから、大きな経済効果につながるよう取り組んでまいります。
次に、ロケ
スケジュール、協力・支援についてでございます。
収録
スケジュールにつきましては、今年夏にクランクイン予定と発表されておりますが、本県での現地ロケに関する情報は現時点では公表されておりません。「篤姫」のときは放送前年の九月下旬から鹿児島ロケが行われ、県では連絡調整等を行ったところでございます。「西郷どん」におきましても、積極的にロケに協力することで本県の露出がふえ、大きなPR効果や経済効果につながるよう、関係市町村やNPO法人かごしまフィルムオフィス等と連携しながら、撮影候補地等の情報提供、撮影に係る許認可の調整などを進めているところでございます。
次に、エキストラについてでございます。
エキストラの出演等につきましては、収録
スケジュールや演出の都合等により、NHKが決定するものでございます。エキストラの手配等につきましては、撮影地となる市町村と連携を図っていくほか、必要に応じて県職員等への呼びかけを行い、出演協力を行っていきたいと考えております。
次に、県・市町村・各種団体の連携についてでございます。
「西郷どん」の放送に向けた機運醸成やロケの受け入れにつきましては、市町村や関係団体等との協力が不可欠であります。昨年十月には市町村担当者との連絡会を開催いたしましたほか、ことし四月には市町村や関係団体等を対象とした広報等の説明会を開催したところであり、今後とも、必要に応じて開催する予定でございます。
また、本県におきましてロケが行われる際は、関係市町村や団体等と可能な限りの情報を共有し、官民一体となって受け入れ体制を整えてまいります。
次に、ボランティアガイドの育成についてでございます。
旅行形態や観光ニーズが変化する中、ボランティアガイドの役割はますます高まってきております。県内のボランティアガイドにつきましては、「篤姫」の放送を契機に育成や組織化の動きが活発化しており、現在では四十を超える団体が鹿児島県観光ボランティアガイド連絡協議会に加盟し、連携を図りながら活動を行っております。また、県では、ボランティアガイドの活用や資質向上を支援するために研修経費の助成や観光アドバイザーの派遣等を行っているところでございます。こうした制度も活用しながら、「西郷どん」放送に向けて各地域における受け入れ体制づくりを支援してまいります。
「西郷どん」キャンペーン事業についてでございます。
NHKと連携した広報活動につきましては、NHKとの相互協力のもと、ポスターの活用やパネル展等の開催、県内でのパブリックビューイングの開催などについて検討を進めております。また、雑誌やインターネット等を活用して、西郷どんゆかりの地のほか、本県の自然、食、歴史などの観光資源の情報発信に取り組んでいくことといたしております。
大河ドラマ館の設置につきましては、いずれも平成三十年一月から、鹿児島市の鹿児島市立病院跡地と指宿市の時遊館COCCOはしむれの二カ所に設置することが予定されております。
伝統的工芸品のPRについてでございます。
NHK大河ドラマで薩摩焼や大島紬などが取り上げられることは、本県伝統的工芸品を広くPRできる絶好の機会と考えております。「西郷どん」の本編はもとより、引き続いて放送される関連地域等の紹介コーナーや番組情報誌などにおいて伝統的工芸品を取り扱ってもらえるよう、NHKを初め、関係団体などとも緊密に連携し、積極的な取材協力、適時的確な情報提供などに努めてまいります。
機運を高める取り組みについてでございます。
県内の機運を高める取り組みの一つとして、ポスターやキャラクターパネルを作成し、観光施設や市町村等へ配布することといたしております。また、ことし一月に発行したパンフレットは、旅行会社の担当者や県外イベントの来場者に配布いたしましたほか、県内の観光案内所や道の駅等に設置いたしました。今後、西郷どんゆかりの史跡や歴史情報などを掲載した総合ガイドブックや、特典つきフリーマガジン等の発行を計画しているところでございます。
また、外国語でのPRにつきましては、公式ウェブサイトにおきまして、英語、韓国語、中国語で、西郷どんゆかりの地の解説などを掲載することといたしております。
34 ◯教育長(古川仲二君)NHK大河ドラマ「西郷どん」の基本的な認識についてであります。
西郷隆盛の教えについては、人として生きていく上で多くの示唆に富むものと考えておりまして、NHK大河ドラマ「西郷どん」が放送されますことは、児童生徒への歴史教育等の観点からも大変意義深いものがあると考えております。
県教委におきましては、道徳の副読本郷土の先人の活用を進めるとともに、明治維新百五十周年を契機として本県で作成した冊子「明治維新と郷土の人々」の活用や、鹿児島の歴史を学ぶことのできる施設の見学なども促していきたいと考えております。また、今年度から新たに、小学生から大学生までを対象に、西郷隆盛の足跡に学び、異年齢による体験活動等を行うことにいたしているところでございます。これらによりまして郷土教育の充実に努め、郷土鹿児島に誇りを持ち、未来を担う児童生徒を育ててまいりたいと考えております。
次に、学校での「西郷どん」の活用と歴史教育の取り組みについてであります。
各学校においては、社会科で明治維新について学ぶ際に、西郷隆盛や大久保利通などが、その時代の課題を解決し、人々の願いを実現するためにさまざまな知恵を出し合いながら、国家、社会の発展に大きな働きをしてきたことを児童生徒に理解させるように取り組んでいるところであります。また、道徳の時間などにおいて、郷土の先人の生き方に学ぶ活動を取り入れているところです。
県教委といたしましては、明治維新百五十周年やNHK大河ドラマ「西郷どん」の放映を契機に、強い使命感と決意、不屈の行動力等をもって幾多の困難に立ち向かった郷土の先人の業績や生き方を学ぶ教育活動を一層促してまいりたいと考えております。
[長田康秀君登壇]
35 ◯長田康秀君 それぞれ御答弁いただきました。
今年度の観光関係の予算が前年度と比べますと約六億二千三百万円増加しているわけですね。新しい力強い鹿児島の船出として、一番目に観光を知事は掲げていました。その中で、観光交流局がPR・観光戦略部と改組されて、「本物。鹿児島県」のキャッチフレーズも変えるとのことでありまして、観光に関しまして意気込みを感じますし、ですから、私は、先ほど答弁いただかなかったですけど、知事に、みずからの
トップセールスを展開されて観光振興をする中で、将来的にはビジョンも立ち上げていただきたい。
それと、知事、一言で観光と申し上げましても、歴史、文化、そしてスポーツの観光、教育、グルメ、さらに温泉、また体験型観光、メニューが広いわけです。これは国を初め、全ての県、市町村では観光におけるPRはもう積極的にやっていると。したがいまして、何が言いたいかというと、国外から、県外から選んで来ていただいて、鹿児島に来ていただくということは本当にありがたいことなんです。
これは私なりの分析でありますけれども、高齢者の方々と若い方々でいうと、若い方々は海外志向が強いと、高齢者の方々は安全で安心でゆっくりと過ごせる観光地を求めていると思います。また、働いている若い世代より、定年退職されている方々あるいは高齢者の方々が時間的にも余裕があるわけでありまして、人口推計でも、大体六十五歳から八十歳ぐらいの方々が多いわけですね。
つまり何が言いたいかというと、今後、本県がしていかなきゃならないのは、他県が取り組んでいない付加価値がある観光なんです。例えばシルバー観光、グラウンドゴルフ観光とか、そういうことをツアーを組むぐらいの、違う高齢者向けのバージョンとか障害を持った方々のバージョンというのをつくっていかなければならない。ただ来てください、それでは私はなかなか難しいと思います。
そして、質問いたしましたように、統計だけではなくて、今後の観光誘致というのは、調査と分析を定期的に行うと、その中で世代別と男女別でそれぞれが何を求めているか把握する。本県の観光資源を生かしつつ、新たなメニューをつくっていくことが非常に大切である中で、そういう積み重ねをすることが、観光客が観光客を誘致して、そしてリピーターにつながって、何度も来ていただいて、それが移住になるかもしれない、定住してくれるかもしれない。ですから、付加価値がある観光振興を部長、お願いしたいと思います。
そして、その観光客の追い風がNHK大河ドラマ「西郷どん」です。ただ、西郷どんという言葉についてでありますけれども、鹿児島県民の方々は、西郷どんイコール西郷隆盛ということはよくわかっているんですが、県外の方々は「なぜ西郷さんは西郷どんなんですか」と、素朴な疑問なんですね。ですから、正直、西郷どんイコール西郷さんという認識がまだ相当、浅いとは言いませんけど、まだ高まっていないのではないか。つまり、西郷どんイコール西郷さんの認識を持っていただくことが、西郷どんの知名度の向上につながると、それが来年の放送につながっていき、その放送効果によって人々によい印象を与えると。観光客が増加すれば、御案内のとおり単純な話で、宿泊・飲食・物産購入、そういった地域消費拡大が見込まれますよね。したがいまして、県を中心に市町村としっかり連携を図って、あと民間の力をぜひ最大限に活用して、しっかりとした受け入れ体制を要望したいと思います。
また、「西郷どん」の放送を通じまして、子供たちへの歴史教育につなげて人間形成を図ると同時に、大島紬と薩摩焼と川辺仏壇の伝統的工芸品のPRをしていただきますこともお願いします。
最後になりますけれども、知事は西郷隆盛先生を尊敬されているということでありまして、私もそうであります。ただ、私が最も尊敬させていただいている歴史上の人物は吉田松陰先生です。松下村塾の出身で明治維新の立役者の一人であります木戸孝允と、西郷隆盛を初め大久保利通、薩長同盟が結ばれて、その後、明治時代になり、来年がいよいよ百五十周年であります。
この百五十周年の節目に本県のイベント、記念事業を展開されて、そのことは私は大切であると考えますが、最も大切なことは、この先人たちがつくり上げてきた日本あるいはふるさとに敬意を表するとともに、明治維新百五十年の意味について深く考えることも大切であると思います。そして、たとえ道が険しくて困難な道であったとしても、今の時代を生きる、あるいは生きなければならない。ふるさとに対しての誇りだけは持ち続けて、私たち一人一人が前を向いて進んでいかなければならないと思います。
東京からふるさとのために帰ってこられて知事になられた三反園知事、この明治維新百五十周年の節目に知事になられたことがどのような意味であるかということを深く考えていただきつつ、山積みであります県政の課題、問題について信念を持って取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、私の全ての一般質問を終わらせていただきたいと思います。
御清聴のほどありがとうございました。(拍手)
36 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
正 午 休憩
─────────────
午後 一時 十五分再開
37 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。
いわしげ仁子君に発言を許可いたします。
[いわしげ仁子君登壇](拍手)
38 ◯いわしげ仁子君 皆さん、こんにちは。鹿児島市・鹿児島郡区選出の無所属、いわしげ仁子でございます。
48 ◯いわしげ仁子君 何点か自席から質問させていただきます。
まず、嘉徳川の工事によって砂が砂浜のほうに流れなくなっていることが、砂浜を薄くしているのではないかということで、地元の方がおっしゃるには、四十年ぐらい前は、川自体が真っすぐになりそうだったら、それをわざわざ曲げて砂浜を厚くしていた。また、川が集落に沿ってあることによって、大きな波が来たときに河川で一回波が和らげられるということで、わざわざ川を曲げることを四十年ぐらい前はされていたということで、今現在、川を真っすぐにするということは平成二十四年からしか行われていないんですが、それがあったから砂浜が薄くなって、平成二十六年の台風のときに耐え切れずに侵食が行われてしまったという御意見があるんですけれども、そういったことを河川の専門家の方、また海洋工学の方々に見ていただいたことはありますか。
49 ◯土木部長(渡邊 茂君)議員御指摘の点ですね、川を真っすぐにすることによって、海に砂が流れ出てしまうということだと思いますけれども、海岸の砂というのは、川から出てくるもの、また海に漂っているもの、これは漂砂と言いますけれども、そちらのほうがまた波で打ち寄せられて、今回の一度侵食したものが戻るというような現象が起こります。ですので、川から、そしてまた海も含めて、いろいろな要素が組み合わさってなっていると考えます。
それらにつきましても、また地元の方の御意見等を聞きながら、参考にして今後の方向性に生かしていきたいと考えております。
50 ◯いわしげ仁子君 一点、知事にお尋ねいたします。
知事は、奄美の自然を活用して、今後、鹿児島県の振興を考えていらっしゃると思うんですけれども、それを視野に入れて、奄美群島国立公園の範囲にも近く、また世界自然遺産のバッファーゾーンにもなっている嘉徳海岸において、五億三千万円もかけて十五世帯二十二人がお住まいの嘉徳海岸を守る必要性があるかどうかというところをどうお考えか、お聞かせください。
51 ◯土木部長(渡邊 茂君)議員が今、御質問でおっしゃったような内容につきましても当然踏まえて、今後、県として検討してまいりたいと思います。
[いわしげ仁子君登壇]
52 ◯いわしげ仁子君 それぞれ御答弁いただきましてありがとうございます。
この嘉徳海岸なんですけれども、本当に今現在の奄美において、人工物がない浜というのがここしかないということで、また、十四番目にあるのが護岸完成予想図なんですが、護岸が完成されてしまうとこういったコンクリートの塊になってしまうということで、現在、嘉徳海岸の工事を中止して希有な嘉徳海岸の自然を守ることで、観光需要を生み出すことができ、また、集落内の空き家を活用して民泊などの宿泊施設ができると、嘉徳集落の経済活性化にもなり、子供が戻ってくることも考えられます。
先ほど土木部長の御答弁にもありましたが、地元の方々は現在は二十二名となっていらっしゃるんですが、署名いただいた二十七名の方々、実は結局、狭いコミュニティーですのでサインせざるを得なかった方々が、お話を聞く限りは八割はそういった方々だと、二割の方だけが護岸推進派だったというようなお話も伺っております。
ですので、土木部長がおっしゃいますように、地元の方々も含めて、また専門家の方々も含めてじっくりと御検討いただきまして、どういった方向性が鹿児島県の未来にとっていいのかということをお考えいただけますようお願いいたします。
嘉徳海岸に護岸を設置してしまうと、嘉徳海岸の観光資産としての価値は全くなくなってしまい、これから二十年後などに嘉徳集落に誰も住まわれないようになってしまったら、そこには五億三千万円のコンクリートの護岸が残るだけとなってしまいます。
同じ奄美大島の龍郷町の手広海岸では、平成二十五年に護岸工事計画が出されましたが、住民の方々が、過去に同じような護岸工事が行われた場所でどのような問題が起きたのか、生態系への影響は大丈夫なのか、三十年たって護岸工事は適切だったかを、護岸を設置した地域の方々に聞き込みを行い、その後、何度も行政と話し合って、未来の子供たちに何を残すべきなのかを議論した結果、手広海岸の護岸工事を中止されました。
自然は一度壊すと、人間の手でもとどおりにすることは到底不可能です。ぜひとも、奇跡の海岸とも呼ばれ、奄美の中でも手つかずの自然がそのまま残っている唯一の海岸であるとも言われる嘉徳海岸の自然を、次の世代の子供たちにそのままの姿で引き継いでいただきまして、その自然を活用した観光需要を生み出して、地域経済の活性化につながるようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、次の質問に移ってまいります。
フラワーパークかごしまにゴールデンウイーク初日の四月二十九日に行ったところ、フラワーパークという名のとおり、花がたくさん咲き誇っているのかなと思っておりました。確かに屋内庭園にはアジサイが咲き誇っておりました。しかしながら、時期の問題もあるかと思いますが、お花が咲き誇っているというような感動を受けた場所がなかったことが残念でした。
そこでお尋ねいたします。
フラワーパークかごしま内の花の増植から展示までの流れについてお示しください。
次に、フラワーパークかごしま内のレストランは、平成二十七年十月十日から休業状態となっているため、ゴールデンウイーク初日に訪れた多くの観光客の皆様方は、イベント広場前に設置された三軒の屋台で食べ物を買うか、もしくは自宅などの園外から食べ物を持参するしかありませんでした。
フラワーパークかごしまのような観光施設には、せめて軽食でもとれるような喫茶店、もしくは、フラワーパークかごしまの自然に囲まれたすばらしい環境の中で食事がとれるレストランが必要だと考えます。
そこでお尋ねいたします。
フラワーパークかごしま内のレストランの公募状況と今後の予定についてお示しください。
また、フラワーパークかごしまに行った際に残念だったことは、ショクダイオオコンニャクを初めとする珍しい植物がたくさんあるのですが、外国語で表記されているのはラテン語で書かれた植物の学術名だけで、英語表記もなく、植物の説明の外国語表記もありませんでした。
これからの鹿児島県の観光施設は全て、外国人観光客の方々にも十分に楽しんでいただける施設を前提に整備していかなければならないと考えております。
そこでお尋ねいたします。
フラワーパークかごしま内の植物の説明板の今後の外国語表記への対応について、県の見解をお示しください。
続きまして、真の観光立県に向けた取り組みについて質問させていただきます。
ちょうど一年前の六月議会でも同じ質問をさせていただいたのですが、知事もかわられまして、また、PR・観光戦略部ができるなど組織も変わりましたので、改めて同じ質問をさせていただきます。
私と下鶴議員は、昨年の三月にドバイの観光行政を視察してまいりました。鹿児島県の面積の四五%しかないドバイは、昨年には千四百九十万人の外国人宿泊者数があり、ドバイエキスポが開催される二〇二〇年には二千万人の外国人宿泊者数を目標としております。
そのドバイで観光行政について説明してくださったのが、マーク・ベネットさんというイギリス人のドバイ観光局副局長でした。ベネット氏は、世界各国でディズニーランドを仕掛け、また、「ロンリープラネット」という「地球の歩き方」の外国語版みたいな本の発行をするトーマス・クックで活躍された観光業界のプロです。
そのベネット氏に言われたのが、「観光業界の人間でよく話題になるのが、日本は、外国人を呼び込まなければならない観光分野において、全く外国人を交えずに日本人だけで議論しているから不思議だ」ということでした。
国も二〇二〇年には外国人旅行者数を四千万人にふやすという目標を立てた中で、他の都道府県も世界各国からのインバウンド旅行者を狙っていく中で、外国人観光アドバイザーの設置は、真の観光立県を目指す本県にとっても必要不可欠のものであると考えます。
そこでお尋ねいたします。
外国人観光アドバイザーの設置に関する県の考え方についてお示しください。
次に、鹿児島県内には、ALTの外国人教師を含め、平成二十八年六月末時点で七千三百九十四人もの外国人の方がお住まいです。鹿児島市内には二千二百六十四人の外国人の方が居住されており、アメリカ人だけでも鹿児島市内には百二十五人の方が住んでいらっしゃいます。
鹿児島県内にお住まいの外国人の方々は、鹿児島が大好きで住んでいらっしゃる方も多く、鹿児島県を観光でどのように盛り上げればよいかを外国人の視点から考えていらっしゃいます。
そこでお尋ねいたします。
鹿児島県を真の観光立県とするためにも、鹿児島県在住の外国人の方々との意見交換会等を設置するべきだと考えますが、県の考えをお示しください。
最後に、ウェブでの多言語による情報発信についても以前から質問させていただいておりますが、改めて質問させていただきます。
先ほど触れさせていただきました、ドバイ観光局副局長のマーク・ベネットさんからいただいたアドバイスの一つは、「日本はなぜ多言語で情報発信しないんだ。情報さえあれば外国人旅行者は来るんだ」ということでした。
鹿児島県のホームページも、鹿児島県観光連盟のホームページも、現在のところ、英語、韓国語、中国語の繁体字・簡体字の四つの言語のみが対応となっております。
平成二十八年に鹿児島県全体の外国人宿泊者数が四十八万八千人となっておりますが、同じ時期、人口八万八千人の岐阜県高山市の同じ年の外国人宿泊者数は四十六万人となっております。
この違いの原因は幾つも考えられますが、大きな原因の一つとしては、八万八千人しかいない高山市のホームページは、百六十四万人強がいる鹿児島県のホームページと同様の四言語はもちろん、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語、タイ語の七カ国語でも情報発信されています。
観光庁によると、個人手配の外国人旅行者が八割を超えるきょうこのごろ、ウェブでの多言語による情報発信は、外国人旅行者を鹿児島県に導くために大変重要であると考えます。
そこでお尋ねいたします。
ウェブでの多言語による鹿児島県の情報発信の進捗状況についてお示しください。
以上で、三回目の質問といたします。
53 ◯農政部長(川野敏彦君)フラワーパークかごしまに関するお尋ねのうち、まず、花の増植から展示までの流れについてでございます。
フラワーパークかごしまは、県民に花と緑に親しむ憩いの場の提供や、花の生産と観光の振興に寄与する施設として設置したもので、敷地面積三十六・五ヘクタールの中に約二千四百種、四十万本の花や樹木の植栽がなされております。
同施設では、その設置目的が十分発揮できるよう、年間を通じた植栽計画を立て、花の植えかえを行うとともに、本県花卉の生産振興に資するような新品種の展示等を行っているところです。季節ごとに多量の苗を要する花壇用のほとんどの苗につきましては、地元の花卉生産農家で構成される山川町花壇苗生産組合に苗生産を委託しますとともに、それ以外の花木等については、市場などを通じて導入・展示しております。
次に、レストランの公募状況等についてでございます。
フラワーパーク内のレストランについては、平成二十七年十月に事業者が撤退して以降、閉鎖されております。県では、事業者の撤退後、地元の商工関係団体等の意見も聞いた上で改めて公募を実施するとともに、関連企業等に対しましては、直接応募の働きかけも行ったところです。しかしながら、現地説明会への参加はあったものの、現状の入場者数では採算が見込めないとされまして、応募までには至らなかったところです。
このような経緯も踏まえ、同施設では、入園者数の確保に向け、ゴールデンウイークのスプリングフェスティバルや年末のクリスマスイルミネーションなど、各種イベントの充実や観光関連団体等と連携した集客促進対策などに取り組んでおります。
レストランの運営等については、今後の入園者の動向等も見きわめながら、引き続き検討してまいります。
次に、園内植物の説明板の外国語表記についてでございます。
フラワーパークかごしまの平成二十八年度の外国人入園者数は、全入園者数の約四%に当たる五千四百人余りで、そのうち八割以上は台湾や香港からの観光客が占めております。これらの国外からの観光客対策として、英語、中国語及び韓国語表記のパンフレットや園内マップを作成し、配布しております。
植物の説明板は、園内約二千四百種類の植物を対象に設置されており、全ての外国語表記を行うことは難しいものの、同施設を管理する県地域振興公社と協議しながら、サクラやシャクナゲなど代表的な植物から順次設置していきたいと考えております。
今後とも、四季を彩る花の植栽や新品種の導入などに努め、外国人観光客も含めた来園者の方々に、年間を通して花と緑を楽しんでもらえるよう取り組んでまいります。
54 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、外国人観光アドバイザーの設置に関する県の考え方についてでございます。
海外からの誘客促進に当たりましては、現地における鹿児島県の認知度向上が重要でございますが、そのためには、外国人観光客のニーズを踏まえることが必要でございまして、日本人のみならず、外国人あるいは現地に精通した人材の視点も重要であると認識しております。
現在、鹿児島との直行便があります四つの国や地域のうち、県の海外事務所を設置していない台湾、韓国につきましては、現地事情に精通した外国人の方を観光ビジネスパートナーとして配置いたしており、さらに、ASEAN地域担当としてシンガポールにも同様に配置してございます。また、現地のメディアや旅行会社の方々の招請にも取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、これらの外国人の方々のアドバイスも活用することにより、今後とも、的確にニーズを把握し、現地における効果的なプロモーションを通じて、鹿児島県の認知度向上や誘客促進を図ってまいります。
次に、鹿児島県在住の外国人の方々との意見交換会等の設置についてでございます。
外国人の視点を海外からの誘客に生かすため、留学生など県内在住の外国人の方々に、砂蒸し温泉や仙巌園などの県内の主な観光資源を視察してもらい、外国人観光客の誘致促進についてのアドバイスをいただいておるところでございます。また、ムスリム観光の取り組みに資することを目的といたしまして、県内在住のムスリムの方々と観光事業者との意見交換会を開催しているところでございます。
さらに、現在、県内在住の外国人等を対象とした、「外国人が伝える日本一鹿児島」をテーマに、鹿児島の食、自然、観光地などを取り上げた動画募集を行っており、外国人の視点を生かした鹿児島の魅力を発信する広報ツールとしても活用することといたしております。
今後とも、県内在住外国人のアドバイス等も活用しながら、認知度向上や誘客促進を図ってまいります。
次に、ウェブでの多言語による鹿児島県の情報発信の進捗状況についてでございます。
海外に向けた鹿児島県の観光情報の発信につきましては、英語、韓国語及び繁体字・簡体字による中国語での外国人向け観光ホームページや、各海外市場の現地の言語によるフェイスブックページの開設、外国人に影響力のあるパワーブロガーの招請などによるPRに努めております。
また、外国人向け観光ホームページにつきましては、コンテンツの拡充やスマートフォン対応へのシステム改修などに取り組んでおり、さらに、鹿児島県のイメージアップのために制作したPR動画におきましては、一部タイ語やフランス語も加えた多言語での情報発信に取り組んでいるところでございます。
引き続き、ホームページの活用、パワーブロガーの招請や動画配信などにより、豊かな自然や歴史、文化など世界に誇れる観光資源を、外国語表記の正確さにも留意しながら、多言語で広く情報発信してまいります。
[いわしげ仁子君登壇]
55 ◯いわしげ仁子君 それぞれ御答弁いただきましてありがとうございます。
フラワーパークかごしまについてなんですけれども、例えばシンガポールの国立蘭園ですとか、またガーデニングの国イギリスの公園というのは、常に常に常にお花がいっぱいの状態にされております。お花がしぼみかけると必ず、すぐに別なお花が咲いているものにかえられるとかそういったことをされていますので、近隣の小学校、中学校、高校の方々も交えて、何かフラワーパークに来てよかったね、また来たいねと言われるような、本当にお花でいっぱいのところにしていただく工夫をちょっと検討していただければ幸いです。
また、園内のレストランについてですが、フラワーパーク内の方だけが入れるのではなくて、マレーシアの動物園とかほかのところにもあるんですが、園内の方も園外の方も利用できるようなレストランというのを設置すれば、またそこですばらしいお食事がいただけたりとかおしゃれな感じになれば、遠くからでも唐船峡に皆さん行かれるように、行かれると思いますので、そちらのほうもぜひ御検討のほどお願いいたします。
フラワーパーク内の外国語表記に関しては、少しずつでもいいので、外国人の方々が楽しく見ていただけるような方法をまた考えていただきますようお願いいたします。
外国人観光アドバイザーと鹿児島県在住の外国人の方々との意見交換会というのがなぜ必要かと申しますと、鹿児島県において外国人の方々が旅行される際にどういったところが困るかということを、鹿児島県在住の方、または観光業に精通した方は御存じですので、そういった御意見をいただくために必要なのではないかと考えております。
実際、鹿児島県在住の外国人の方々のところには、鹿児島県を旅行される方々から、交通手段のことやら宿泊のことなど、いろんなことで質問が行っているんですね。それを鹿児島県在住の外国人の方々が答えられていて、県のほうでこう変えてくれればいいのにというアイデアをたくさん持っていらっしゃいますので、ぜひ意見交換会などを知事も一緒になってしていただければなと思います。
ウェブでの多言語での情報発信は大変重要なものとなっておりますので、少しずつでもいいので、特にフランス語、ドイツ語、スペイン語、ドイツは一番ヨーロッパでも人口が多いので、そちらの言語にも対応できるようなことを考えていただければと思います。
現在の少子高齢化を伴う人口減少の一途をたどる鹿児島県においては、需要はつくり出すものという意識を持って、限られた財源の中からどれだけの需要を生み出せるかという認識のもとに仕組みをつくって、特に若者の雇用を生み、税収を上げることにつなげられるような施策を早急に打ち出していかなければなりません。
鹿児島県は、一人当たりの県民所得も下から三番目、子供の貧困もワースト三位、新しいことに取り組む際には、他の都道府県が手をつけてから、残り三都道府県にならないと動き出さないということではなくて、先手先手でまずはDo、やってみる、合い言葉はDoという姿勢でこれからの観光振興も考えていただきますようお願いいたします。
自然は、一度人間の手で壊してしまったら、人間の手で復元することは不可能ですので、鹿児島県のすばらしい手つかずの自然を活用して、きょうもいらっしゃっています若い方々に引き継いでいけるような方法を、ぜひとも皆さんと考えていただきますようよろしくお願いいたしまして、私の一般質問を終了いたします。
ありがとうございました。(拍手)
56 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、西村協君に発言を許可いたします。
[西村 協君登壇](拍手)
57 ◯西村 協君 皆さん、こんにちは。枕崎市区選出、自由民主党の西村協でございます。
県議会議員となって三年目を迎えておりますが、引き続き、郷土鹿児島の振興・発展のため精いっぱい努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
質問に入ります前に、先日、鹿児島県立鹿児島水産高等学校の実習船である薩摩青雲丸の帰港式がございましたので、そのことについて少し触れたいと存じます。
鹿児島水産高等学校の生徒二十五名が、ハワイ沖での遠洋漁業実習訓練を無事に終えて枕崎港に帰港したことを祝う記念式が、去る六月二十日に開催されました。
その式には三反園知事にも出席していただき、生徒への励ましの言葉をいただいたところであり、実習訓練に参加した生徒はもちろん、全生徒にとっても記憶に残る一日になったことと思います。三反園知事にはこの場をかりて御礼申し上げます。
さて、鹿児島水産高等学校は、海洋科、情報通信科、食品工学科という三つの学科を有し、その卒業生は、本県の取締船制海や調査船おおすみを初め、県内航路に就航するフェリー等の船長や機関士等として活躍するなど、多くの優秀な人材を輩出しております。多種多様な人材育成を図るという観点では非常に特徴のある学校であり、私も以前の本会議で寄宿舎の整備等を質問いたしました。また、先般の代表質問においても施設整備等の質問がありました。
県教委としても、質問の趣旨を御理解いただけたものと感じておりますが、引き続き、さらなる鹿児島水産高等学校の充実・強化をお願い申し上げたいと存じます。
それでは、通告に従って質問してまいります。
まず初めに、消防・防災ヘリコプターの運用状況等についてお尋ねします。
ことし三月、長野県消防防災航空隊の消防防災ヘリコプターアルプスが同県内の山中に墜落し、搭乗していた航空隊員ら九名全員が死亡するというまことに痛ましい事故が発生いたしました。
ヘリはこの日、山岳遭難の救助訓練のため、基地のある松本市の空港を離陸した後、十五分後に交信不能となっており、訓練に入る前、何らかのトラブルが起きたものと見られておりますが、この事故により死亡した消防防災ヘリの搭乗者は、長野県内の市町村や広域消防本部等から派遣された消防隊員のほか、パイロットと整備士であり、また、パイロットは経験豊富で操縦技術の高いベテランだったとのことであります。
一方、本県の県防災航空センターは、枕崎ヘリポートを運航基地とし、防災航空隊としては、各市消防本部等からの派遣による隊員で組織され、また、基地に常駐する操縦士や整備士等については、運航委託により運航体制をしいていると聞いております。
また、消防・防災ヘリの活動内容としては、火山調査等の災害予防対策活動、情報収集訓練や山岳救助訓練等の訓練活動などの通常運航を初め、災害発生時における被害状況等調査や救助活動の実施、物資・人員等の搬送、県ドクターヘリの補完としての救急患者の搬送、さらには山岳遭難事故時の捜索や救助活動などがあり、また、広域航空消防防災の応援活動として、緊急消防援助隊としての活動や他県との相互応援協定による活動も行っていると聞いております。
そこで伺います。
現在の組織体制、隊員の勤務体系及び運航委託に基づく具体的な運航体制等がどのようになっているのか。また、ドクターヘリとの役割分担がどのようになっているのか、お示しください。
また、これまでの災害時における消防・防災ヘリの活動実績についてお示しください。
本県の消防・防災ヘリの安全運航の確保に向けて、現在どのような取り組みを行っているのか、お示しください。
次に、鹿児島県地域防災計画における災害時受援計画についてお尋ねします。
災害対策基本法の第四十条において、「都道府県防災会議は、都道府県地域防災計画を定めるに当たっては、災害が発生した場合において管轄指定地方行政機関等が円滑に他の者の応援を受け、又は他の者を応援することができるよう配慮するものとする」と規定されており、また、国の防災基本計画においても、「地方公共団体及び防災関係機関は、災害の規模や被災地のニーズに応じて円滑に他の地方公共団体及び防災関係機関から応援を受けることができるよう、防災業務計画や地域防災計画等に応援計画や受援計画をそれぞれ位置づけるよう努める」とされております。
このような規定が設けられた背景には、東日本大震災の際に、全国からの人的支援や物的支援などの応援を受け入れるに当たって混乱が生じ、効率的な支援の受け入れが難しかったことがあり、また、昨年の熊本地震の際にも同様の混乱が生じるなど、効率的な応援の受け入れができない状況が見受けられたところであります。
このような中、本県においては、本年三月二十二日の鹿児島県防災会議において、県地域防災計画の中に、鹿児島県災害時受援計画が盛り込まれたところであります。
しかしながら、同計画においては、水や食料など大量の救援物資を集積する物資拠点の候補地として、公設市場や港湾施設などが選定されておりますが、「市場関係者等からは、策定前の説明が不十分であるなどの不安や戸惑いの声が上がっている」と報じられたところであります。
そこで伺います。
県災害時受援計画の概要はどのようになっているのか。また、県の物資拠点候補地選定についての考え方、及び対象施設側との連携を今後どのように図っていくのか、お示しください。
また、県災害時受援計画の実効性をより高めていくため、今後どのように取り組んでいくのかお示しください。
今回策定された県災害時受援計画を市町村へどのように周知していくのか。また、各市町村における受援計画策定に向けた支援についてどのように考えているのか、お示しください。
次に、災害時における医療体制についてお尋ねします。
死者・行方不明者合わせて一万八千人を超える東日本大震災の発生から六年が、また、最大震度七の揺れが二回にわたって襲った熊本地震から一年が経過しました。
東日本大震災においては、地震や津波により医療機関の多くが機能不全に陥り、また、倒壊の危険があるとされた医療機関では入院患者の移動を迫られるなど、混乱をきわめたところであり、国では、東日本大震災において浮き彫りになった課題を踏まえ、平成二十四年三月に、災害時における医療体制の充実強化に関する通知を出し、医療機関に対し、みずから被災することを想定し、主に初動対応を定めた災害対策マニュアルを作成するとともに、中長期的な対応を盛り込んだ業務継続計画、いわゆるBCPの作成に努めるよう指導を行っていると聞いております。
しかしながら、最近の報道機関の調査によりますと、本年一月末現在、全国七百十五の災害拠点病院のうち、業務継続計画を策定しているのは約四五%にとどまり、また、本県において策定されているのは、十四の災害拠点病院のうち一つの病院のみということであります。
さらに、国では、熊本地震の経験なども踏まえ、被災しても早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の策定を含め、平時からの備えが重要として、本年三月、災害指定病院の指定要件として、業務継続計画の策定や、当該計画に基づき、被災した状況を想定した研修及び訓練を実行することなどが追加されたところであります。
なお、既に指定されている災害拠点病院においては、これらの要件を満たしていない場合であっても、平成三十一年三月までの策定・実施を前提に継続指定が可能とされたと聞いております。
近年は、気候変動により、風水害や土砂災害などが頻発化し、激甚化していると言われており、地震や津波だけでなく、台風や豪雨による風水害なども含め、災害発生時において医療機関がその機能を十分維持できるよう、防災対応能力を向上させ、より効率的かつ機能的な体制を整備していくことが極めて重要であると考えております。
そこで伺います。
まず、災害拠点病院の医療体制の整備についてでありますが、本県の災害拠点病院における業務継続計画の策定状況及び今後の策定予定についてお示しください。
災害発生時において、災害拠点病院の機能を維持するためにどのような取り組みを行おうとしているのか、お示しください。
敷地内にヘリコプターの発着場所のない災害拠点病院の有無、及びそのような病院における災害時の対応はどのようになるのか、お示しください。
広域医療運搬訓練の実施状況と今後の予定についてお示しください。
次に、災害時の医療支援についてでありますが、災害時の医療支援に係る広域連携の状況についてお示しください。
また、災害時に医療等の支援を行うDMAT等の本県における整備状況についてお示しください。
以上で、一回目の質問といたします。
58 ◯危機管理局長(田崎寛二君)消防・防災ヘリコプターの運用状況等についてのお尋ねのうち、まず、運航体制等及びドクターヘリとの役割分担についてであります。
消防・防災ヘリにつきましては、平成十年四月に枕崎ヘリポート内に防災航空センターを設置し、六月から運航を行っております。
運航体制につきましては、所長、南薩地域の消防本部等から派遣されている隊員七名、補助員一名の計九名が交代で常時五名以上で勤務する体制としており、原則八時三十分から十七時十五分までの三百六十五日間、救助や救急搬送等の緊急運航に備えております。また、消防・防災ヘリの操縦や整備につきましては、県内の民間航空会社に委託しており、パイロット一名、整備士二名、運航管理者一名が常時勤務しております。
ドクターヘリとの役割分担につきましては、傷病者の救急搬送は原則としてドクターヘリが優先して対応し、出動要請が重複した場合、及び気象条件やその他の状況によりドクターヘリが対応困難な場合には、消防・防災ヘリを初め、自衛隊や海上保安庁で対応することとしております。
災害時における消防・防災ヘリの活動実績についてであります。
平成十年六月の運航開始以来、県内では台風、豪雨などの自然災害による被害状況調査が三十五件、桜島や口永良部島などの火山活動の状況調査が三十八件、平成十八年北部豪雨災害での孤立者十二名の救助などの救助活動が三件、平成二十七年肝付町で発生した大雨による孤立集落への物資搬送が二件など、合計で八十一件となっております。
また、平成二十三年の東日本大震災や昨年の熊本地震による県外での緊急消防援助隊としての活動十九件と合わせると、百件となっております。
安全運航に向けた取り組みについてであります。
消防・防災ヘリの運航に当たりましては、航空法に基づく耐空検査のほか、製造メーカーの定めたメンテナンスマニュアルに基づきます二十五時間点検や百八十日点検など、平成二十八年度は十六回の点検を実施し、毎日の飛行前や飛行後の日常点検等も通じ、適正な機体の管理に努めるとともに、緊急運航の要請があった場合、天候を確認し、運航が可能かどうかの判断を行い、安全運航に努めております。
また、長野県の事故を受け、防災航空センターでは、各種装置の操作の再確認や救助作業中の機外監視の徹底などに取り組んでいるところであります。
現在、入札公告中の消防・防災ヘリの新機体におきましては、一定の高度を保つオートホバリング機能や、機体の下を全方位で確認できる新たな安全機能を仕様書に盛り込んだところでありまして、今後とも安全運航に万全を期してまいります。
鹿児島県地域防災計画における災害時受援計画についてのお尋ねのうち、まず、計画の概要及び県物資拠点候補地選定についての考え方等についてであります。
県災害時受援計画は、大規模災害発生時に本県が応援を受ける際の要請の手順、応援に使用する活動拠点等をあらかじめ整理し、国や他の自治体等からの応援を迅速かつ効率的に受け入れることを目的として策定したものであります。
その中で、国等から食品などの支援物資を受け入れ、被災地内の避難所等へ配送するための中継拠点として物資拠点を確保することとしており、その候補地として、県地域防災計画に物資の集積拠点として位置づけられている施設を中心に、施設の規模や構造、交通アクセス等を勘案し、十五カ所を選定しております。
県といたしましては、円滑に物資の受け入れや配送を行うことができるよう、対象施設を訪問し、より具体的な対応について協議を進めているところであり、施設の理解を得ながら、今後さらに連携を強化してまいりたいと考えております。
実効性をより高めていくための今後の取り組みについてであります。
県災害時受援計画は、大規模災害発生時を想定して策定したものでありますが、この計画に基づいた対応が迅速に行われるためには、平時からの取り組みが重要であると考えております。このため、定期的に関係機関と協議・調整を行い、緊密な連携体制を構築するとともに、相互に顔の見える関係を築いていくこととしております。
また、図上訓練や職員参集訓練、県総合防災訓練等の各種訓練におきまして、受援計画の要素を取り入れた訓練を実施することなどにより、本計画の実効性をより高めてまいりたいと考えております。
市町村への周知及び市町村計画策定に向けた支援についてであります。
県災害時受援計画につきましては、市町村に対し、三月の計画策定時にその内容を通知するとともに、四月の県政説明会や市町村防災担当課長会議において説明を行うなど、さまざまな機会を通じて周知を図っております。
また、市町村の計画策定を促進するため、国が策定した地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドラインについて情報提供したほか、八月に開催予定の市町村長防災研修会など市町村を対象にした会議等におきまして、受援計画の策定を働きかけ、先行する市町村の事例紹介等の情報提供や個別相談への対応など、積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。
59 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)災害時における医療体制についてお尋ねがございました。
まず、災害拠点病院の医療体制の整備についてであります。
災害拠点病院における業務継続計画については、本年六月一日現在で、県内十四病院のうち二病院が策定しており、他の十二病院についても、平成三十年度末までの策定に向けて準備を進めているところであります。
災害拠点病院においては、機能を維持するための対策として、全病院において必要な建物の耐震化が行われておりますほか、自家発電装置や燃料タンク、受水槽、衛星電話、備蓄品等が備えられております。
また、病院防災マニュアルを整備するとともに、地域の関係機関と連携した大規模災害訓練を実施するなど、災害発生時の即応体制の確保に努めているところであります。
敷地内にヘリコプター離着陸場がない八災害拠点病院につきましては、近隣の離着陸場を利用することになりますが、地元の消防機関と緊密に連携し、円滑な搬送に努めることとしております。
広域医療搬送訓練については、政府主催の訓練が全国各地で毎年度実施されており、本県のDMATも参加しているところであります。加えまして、九州各県持ち回りで毎年度実施しているDMAT実動訓練においても、広域医療搬送訓練を実施しているところであります。
次に、災害時の医療支援についてであります。
災害時の医療支援に係る広域連携については、九州・山口九県や全国都道府県で応援協定を締結し、相互に支援を行うこととしているところであります。
九州・山口の協定に関しましては、さらなる支援の充実を図るため、先月の九州地方知事会において、熊本地震の検証・評価チームによる検証結果報告を踏まえ、医療救護体制の充実・強化などの改善の方向性が示されたところであります。
また、平時から顔の見える関係づくりが重要とされておりますことから、災害医療関係者間の情報共有、連携強化に努めているところであります。
本県におけるDMATは、本年六月一日現在で十五病院に二十八チームを整備しており、災害時に精神的な支援を行うDPATにつきましても、今年度において二チームを整備する予定としております。
県としては、今後とも、関係機関と連携を図りながら、災害時においても県民の方々が必要な医療が受けられるよう、医療提供体制の充実・強化に努めてまいります。
[西村 協君登壇]
60 ◯西村 協君 防災関係でいろいろ御答弁いただきました。
まず、消防・防災ヘリコプターの運用状況等についてですが、消防・防災ヘリの安全運航を確保することは非常に重要なことであります。当局におかれましては、長野県の事例をしっかり検証していただくとともに、消防・防災ヘリの安全運航に万全を期していただくようお願いいたします。
次に、県災害時受援計画についてですが、先ほども申し上げましたとおり、近年は気候変動により災害が激甚化しております。県内において大規模災害が起こった場合に備え、しっかりとした計画が策定されていくよう引き続きの御尽力をお願いいたします。
次に、災害時における医療体制についてですが、災害時において、災害拠点病院の機能が十分に維持されることは不可欠であります。業務継続計画の策定に係る指導を徹底していただきますとともに、災害時における医療支援体制の充実・強化に向けて、各般の取り組みを進めていただくようお願いいたします。
それでは、引き続き、まず、本年三月に策定された鹿児島県女性活躍推進計画についてお尋ねいたします。
我が国においては、出産や育児を理由に離職する女性が多いことや、男性と比べて非正規雇用者の割合が高いという雇用状況に加え、男性を中心とした雇用慣行を背景として、管理的職業従事者において女性の占める割合が低い水準にあることなどから、働く場面において、女性が十分に能力を発揮できているとは言えない状況にあります。
一方、急速な人口減少局面を迎え、将来の労働力不足が懸念されており、また、国民ニーズの多様化やグローバル化に対応するためには、企業等における人材の多様性を確保していくことが求められており、新たな価値創造や適応能力向上の観点から、女性の活躍を推進することが必要となっております。
このような状況を踏まえ、国は平成二十七年八月に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律を制定し、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進することとしたところであり、これを受け、本県では、本年三月に鹿児島県女性活躍推進計画が策定されております。
また、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の第六条では、県と同様、市町村も推進計画を定めるよう努める、いわゆる努力規定が設けられております。
一方、本県の男女共同参画の推進については、平成十三年十二月に鹿児島県男女共同参画推進条例が制定され、同条例に基づき、男女共同参画基本計画が策定されているところであり、現在の第二次鹿児島県男女共同参画基本計画は、平成二十五年度から二十九年度までの計画となっております。
そこで伺います。
鹿児島県女性活躍推進計画の概要はどのようになっているのか、お示しください。
また、これまでの男女共同参画推進の基本計画である第二次鹿児島県男女共同参画基本計画と、今回策定された鹿児島県女性活躍推進計画との関係はどのようになっているのか、お示しください。
鹿児島県女性活躍推進計画に基づき、今後、民間企業や女性に対する啓発など、どのように行っていこうと考えているのか、お示しください。
女性活躍推進計画に係る市町村の現状についてですが、県内市町村における計画の策定状況はどのようになっているのか、また、市町村の計画策定の支援に向けて、県としてはどのように取り組んでいくのか、お示しください。
次に、教職員の綱紀保持についてお尋ねいたします。
平成二十四年当時、重大な不祥事が連続して発生したことを踏まえ、より高い品格と規範の遵守が求められる教職員の不祥事の根絶を目的として、外部有識者から構成される不祥事根絶委員会が設置され、この不祥事根絶委員会では、過去の懲戒処分等についてさまざまな角度から分析を行い、不祥事を根絶するための対策について提言がなされたと聞いております。
また、議会サイドとしても、不祥事根絶に向けて、教育委員会、さらには教育現場における意識改革に取り組むよう強く要請したと聞いており、県教委においても、不祥事根絶委員会の提言を受け、教職員に対する信頼回復に向けたさまざまな取り組みが行われてきたところだと思います。
しかしながら、教職員の飲酒運転や体罰による懲戒処分が相次いだことを受け、昨年五月に不祥事根絶委員会を緊急に開催するなど、不祥事根絶に取り組んできたにもかかわらず、その後も、酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕された事案や、宿泊施設で引率していた生徒に飲酒させるという事案が発生し、さらに、最近では、麻薬特例法違反により小学校教諭が起訴されるという驚くべき事案も発生しております。
このように学校現場で不祥事が続発していることは、これまでの取り組みについて、教育現場における教職員の当事者意識が全く希薄であるのではないかと思わざるを得ないのであります。
教職員は、ふだん児童生徒に規範意識を指導する立場にあり、その一挙手一投足が児童生徒の人間形成に重大な影響を及ぼすことから、教育者には、より高い倫理観と厳しい自律心が求められておりますが、このような不祥事が後を絶たず、本県の学校教育に対する県民の信頼が根底から揺らいでいることは、まことに遺憾であると申し上げざるを得ません。
そこで伺います。
これまで不祥事根絶に係る取り組みをどのように進めてこられたのか。また、教職員の綱紀粛正について、現在どのような課題があると考えているのか、お示しください。
また、今後の不祥事根絶に向けた教育長の強い決意を伺うとともに、今後どのように実効性のある取り組みを進めていくのか、お示しください。
次に、サメ被害対策についてお尋ねいたします。
本県は、薩摩・大隅半島と薩南諸島から成り、南北六百キロメートルにわたる広大な県土を有しています。薩南諸島は、種子島、屋久島を含む大隅諸島、トカラ列島、奄美群島で形成され、島数も六百五島を数える中、本県は日本屈指の水産物の産地となっております。
また、漁船勢力としては、平成二十八年末の漁船九千二百四十隻のうち、五トン未満の漁船が約八五%となっており、小型漁船で漁業をなりわいとする漁業者が大半を占めているのが現状です。
さて、先般の新聞でも取り上げられましたが、本県でもサメの漁業被害が深刻になってきているようでございます。特に、枕崎沿岸、熊毛・奄美周辺、薩摩半島西部海域においては、漁獲物への被害だけでなく漁具などが破壊されるなど、切実な状況となっていると聞いております。
これまでに、国の離島漁業再生支援交付金等を利用し、サメの捕獲に取り組んでいるようでありますが、捕獲効果は一時的なもので、継続的な評価に至っていないと考えています。
また、捕獲したサメを買い上げる漁業集落はあるものの、小型船での捕獲は危険も伴うため、安い買い取り価格では危険を冒してまで捕獲しようとしないのが現状です。
また、サメを捕獲したとしても、しっかりとした有効活用が確立されておらず、そのことも一因となって、積極的なサメの捕獲作業を推進することができない状況にあると考えます。
海洋資源の減少や温暖化による環境の変化によって、水産物の水揚げ数量は年々減少しており、漁業に対する漁民の意欲が低下するとともに、後継者育成にも大きく影響しております。漁業者の所得向上や後継者育成など漁業振興を図るため、これまで以上に、サメ被害の防止策やサメ資源の有効活用が重要課題であると考えます。
そこで伺います。
サメによる漁業被害の現状はどのようになっているのか。また、そのことに対する県の認識をお示しください。
また、現在、サメに対する漁業被害の防止対策としてどのような取り組みがなされているのか。さらに、サメ資源の有効活用策として現在どのような取り組みがなされているのか、お示しください。
以上で、二回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
61 ◯知事(三反園 訓君)県女性活躍推進計画に基づく、民間企業、女性に対する啓発などの取り組みについてであります。
女性が働く場において活躍する上で、性別による固定的役割分担意識や長時間勤務等を前提とした男性中心型の労働慣行など、職場環境や企業風土により、女性が思うように活躍できない背景があります。