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2016-06-09 平成28年第2回定例会(第5日目) 本文
2016-06-09 平成28年第2回定例会(第5日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2016-06-09
    2016-06-09 平成28年第2回定例会(第5日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯副議長(鶴田志郎君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、議案第六八号の上程  一、同右議案の提案理由説明  一、一般質問    いわしげ仁 子 君    き 久 伸一郎 君    上 山 貞 茂 君    松 里 保 廣 君  一、意見書案の上程、提案理由説明、質疑、討論、表    決  一、議員派遣の件  一、散  会
          ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 議案第六八号上程 ◯副議長(鶴田志郎君)まず、議案第六八号平成二十八年度鹿児島県一般会計補正予算第一号が提出されておりますので、これを議題といたします。  朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━  議案第六八号 平成二十八年度鹿児島県一般会計補正         予算第一号       ━━━━━━━━━━━━━ 3    △ 知事の提案理由説明 ◯副議長(鶴田志郎君)知事に提案理由の説明を求めます。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)本日提案いたしました議案につきまして御説明申し上げます。  今回の補正予算は、先般発生した平成二十八年熊本地震により影響を受けた旅行需要を早期に回復するために、九州各県等と連携した観光プロモーション及び割引旅行商品の造成支援に要する経費の追加計上を行うものであります。  一般会計補正予算の総額は、十七億五千万円となり、この結果、補正後の一般会計の予算額は、八千二百四十二億七百万円となります。  この財源につきましては、国庫支出金をもって充てることといたしております。  何とぞよろしく御審議の上、議決していただきますようお願い申し上げます。       ───────────── 5    △ 一般質問 ◯副議長(鶴田志郎君)次に、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  いわしげ仁子君に発言を許可いたします。    [いわしげ仁子君登壇](拍手) 6 ◯いわしげ仁子君 皆様、おはようございます。  鹿児島市・鹿児島郡区選出の無所属のいわしげ仁子でございます。  まずは、四月十四日から発生いたしました熊本と大分における大地震によりまして、被災された皆様方が一日も早い日常を取り戻すことをお祈りするとともに、犠牲になられた皆様方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。  それでは、今回の一般質問は、この鹿児島県がただいま、二十年後には三十六万人も人口が減ってしまうという人口減少の問題を抱えているということ、また、先日は報道でもありました、一人当たりの県民所得が四十五位になってしまったということ、そして、子供の貧困率もワースト三位になってしまったということで、この鹿児島県が崖っぷちに立たされているという中で、危機感を持って県政に取り組んでいかなければならないのではないかということでお話させていただきます。  まずは、伊藤知事は、もう今まで皆様方がおっしゃっていたように、就任以来、四百五十一億円という財源不足を解消され、このことはいろんな方からお話を伺いますと、やはりストイックな伊藤知事にしかできなかったことであるとよく言われます。まさしくそうなんじゃないかと思います。そしてまた伊藤知事におかれましては、コンスタントに話題を提供いただきましてメディアをにぎわせて、鹿児島県の名前をとどろかせていただいております。そんな中で今回も、さすが伊藤知事、外さないですねという記事が出ました。  皆様のお手元にお配りしております五月十二日の産経新聞の記事ですけれども、この産経新聞の記事で、舛添東京都知事の件に関しまして、全国知事緊急アンケートというものが出されました。そしてその記事の中で、「海外出張費舛添都知事が突出、唯一、一泊十万円の上限超え、ファーストクラス利用は五人」という記事で、その中で、就任以来の海外出張の回数が最も多かったのは鹿児島県知事、三期で三十四回、最も少なかったのは島根県知事、三期の二回だったという記事が載っておりました。  さすが伊藤知事、ここでも名前を出されるんですねと思ったんですが、この表にありますとおり、全ての県ですね、熊本県と大分県はやはり地震があったということでお答えはいただけなかったということですけれども、岩手県と鹿児島県だけが、出張回数と航空機の座席以外のところが空白となっております。やっぱり税金を使った出張費に関しては明らかにする必要があるのではないかと思っております。  そういった中で、アンケートの空欄のところ、就任以降の一回の海外出張費の最高額、出張先、日数、随行人数、そしてホテル代の規定超えがあったかどうか、そしてもし規定超えがあった場合には、ホテル代は一泊幾らだったのかをお示しください。  以上で、一回目の質問とさせていただきます。 7 ◯知事公室長(武盛武士君)知事の海外出張についてお尋ねがございました。  先般の産経新聞による知事の海外出張についての全国緊急アンケートは、そのタイトルどおり、極めて短い日数で回答を求めるものでありました。対象期間は、知事就任以降の全期間という前提でありましたことから、最も経費が高額であった出張に係る問いにつきましては、「担当課や機関が多岐にわたるため、個別の内容を短期間で把握することは困難」と回答したところです。  記事におきましては、海外出張の回数が最も多かったのは鹿児島県知事、三期で三十四回とされていますが、他の知事につきましては、過去三年とか五年という異なる期間での回答も含まれておりまして、単純に比較できるものではございません。記事でわかる範囲で年平均にしてみますと、本県知事は約三回、全国平均も約三回というのが実情です。九州各県の知事の中ではむしろ少ないほうであります。  お尋ねの点につきまして、今回改めて県の保存文書で確認しましたところ、知事の出張経費で最も高額であったのは、平成二十四年八月のアルゼンチン県人会創立百周年記念式典への出席等に係る出張で、八泊九日の日程に要した百三十九万四千円でありました。なお、知事の随行員は知事秘書監の一人です。  海外での宿泊につきましては、知事及び副知事の給与等に関する条例で、国の指定職の職務にある者の旅費に相当する額と定められておりまして、その上限額は二万五千七百円となっています。  また、知事にも適用されます県職員等の旅費に関する条例では、条例の規定による旅費により旅行することが、当該旅行における特別の事情により又は当該旅行の性質上困難である場合には、旅費を調整して支給することができることになっています。  知事の出張に係る宿泊料の最高額は、世界で最もホテル代が高い都市の一つと言われる香港で、平成二十四年十月に開催されました香港交流会議に出席した際の七万七千三百十四円でございました。    [いわしげ仁子君登壇] 8 ◯いわしげ仁子君 御答弁いただきましてありがとうございます。  緊急アンケートということで期間が短かったということですけれども、岩手県と鹿児島県、そして地震に見舞われた熊本と大分以外のところは答えていらっしゃったということで、これを見た読者の方々は、何で鹿児島県は答えないんだろうと思われております。実際私のところにもいろんなお電話もいただきましたので、こういったときには、ある程度わかる範囲内で、今お答えいただいたような範囲内でお伝えいただければよかったのではないかと思います。  私は別に三十四回、多いことが問題ではなく、この三十四回出張に行かれた費用対効果があればいいと思っております。しかしながら、いろんな指標があるとは思うんですけれども、観光の面での指標を一つお出しいたします。  皆様のお手元にお配りしております二番目のグラフですけれども、これだけで、伊藤知事の出張が費用対効果があったかどうかということは語れるものではありませんが、参考までに、九州各県の外国人の延べ宿泊者数をこちらに出してみました。福岡県が突出しているのはもちろんですけれども、鹿児島県は毎回、九州七県の中で五位のところをいっておりますので、こちらに関していえば、三十四回という出張が費用対効果があったかどうかというのはちょっと言うことは難しいと思っております。  ちなみに、外国人宿泊者数に関しまして参考までに数字をお伝えいたしますと、鹿児島県、約百六十四万人の人口がいる中で、平成二十六年の外国人延べ宿泊者数は二十六・六万人となっております。しかしながら、岐阜県の高山市というところ、人口約九万人のところですが、そちらの平成二十六年の外国人延べ宿泊者数は四十七・六万人と、鹿児島県の約倍ぐらいになっております。  それはなぜかというと、高山市を含めて、外国人の誘致にすごく取り組んでいらっしゃるからということがあるんですけれども、出張に行かれるのであれば、それなりの費用対効果を生む必要があるのではないかということで、今回この問題を取り上げさせていただきました。といいますのも、民間では、やはり出張回数や経費については費用対効果をはかって適切かどうかを判断したりしますので、県庁におきましても、費用対効果を考えた出張を組むべきではないかと思いました。  また、知事に限りませんが、議員など公職につく者を含む全ての公務員は、出張の際にはビジネスクラスではなくてエコノミークラスを使うべきで、ビジネスクラスファーストクラスを使いたければ自腹でするというほうがいいのではないかと、かねがね思っております。  といいますのも、私がこの議員活動をさせていただくことになったきっかけが、私が青年海外協力隊に行ったときに、当時、二〇〇三年で、往復モロッコまで七万円という格安航空チケットが買える御時世に、片道四十万円の正規料金で行っておりました。その理由はなぜかといいますと、何かあったときにかえがきくからということで四十万円の正規料金が払われていたんですが、モロッコに行った私の同期が六人おりましたので、六人で二百四十万円ということになっておりました。  また加えて、その後、JICAのボランティア調整員としてモルディブに派遣されたときにも、赴任と帰任は何とビジネスクラスとなっておりまして、税金を納めるのはとっても大変なのに、その税金がこんなふうに使われているんだということがショックで、こういった活動をさせていただくことになりました。やはり出張に関しては費用対効果を考えて、また、公務員の出張に関してはエコノミークラスを活用して、そして、ビジネスクラスファーストクラスを使いたければ自腹で行ったらどうでしょうかと思いまして、今回この質問をさせていただきました。  続きまして、がらっと話は変わりまして、防災体制にいかせていただきます。  先日、熊本で大きな地震がありまして、とても大変だった状況でありました。その中で、一番大変だったのではないかと思われる点が、罹災証明書が発行されなくて、被災された方々が義援金をいただけなかったということがありました。その罹災証明書というのは、被災住民であったこと、また住居が存在したこと、この住居が被災したことを確認しなければならないということで発行されるもので、仮設住宅や支援金の配分、税の減免措置などの判断基準となる重要な書類でございます。  独立行政法人防災科学技術研究所によりますと、阪神・淡路大震災の際には、膨大な家屋被害の調査量となりまして、神戸市では約四十万棟を調査することになったということです。建築の専門家不足によって一般職員が調査を実施し、調査者間の評価基準や視点の違いが判定結果にばらつきをもたらして、被災者に大きな不満が発生したということがあったそうです。  そして、四月二十五日と二十七日に、被災者台帳システムといいまして、罹災証明書を効果的に発行するシステムを取り入れようということで熊本県が説明会を行い、四月三十日に益城町で、このシステムをもとにした家屋調査が始まったということでしたが、それまでの間、被災者の方々は、その証明書がないがために支援金もいただけない、みなし仮設住宅にも入れない、そしてそれを対応しなければならない役所の方々も同じ被災者ということで、双方が疲弊しているという状況でございました。  そこでお尋ねいたします。  本県の各市町村の罹災証明書発行システムの導入状況についてお示しください。  続きまして、避難所の運営講座の件についてお尋ねいたします。  先日、熊本市議の緒方夕佳さんにお会いすることがありました。彼女のお話によりますと、学校の校舎・体育館が避難所になっていて、教師の方々が支援物資の仕分けですとか、または高齢者の方のお世話までする。高齢者の方々で寝たきりの方々の二時間ごとに体の位置を変えることまで、学校の先生方がなさっていたということで、とても疲弊されていたというお話を伺いました。その際に、やはり避難所の運営講座というもので、避難所に避難しなければならなくなったときにどうやって避難所を運営していくかというのを、避難訓練と同じように実施していく必要があるのではないかという話になりました。  その現場では、障害を持った方々が支援物資を十分に受け取れないという事例も見られ、また、ペットを飼っていらっしゃる方々も、ほかの方々に遠慮されて避難難民となられるケースもあったということでした。  また、各避難所においては、その避難所に避難することになるであろう住民を対象として、避難所運営講座を設けて、鹿児島県においても、桜島を抱えておりますし、またほかの火山も抱えております。いろんな避難をしなければならない事態になる可能性がなきにしもあらずでございます。そういった中ですので、この鹿児島県においても、やはりそれぞれの避難所において、できればそこの避難所を活用される方々が避難所運営講座を受けられて、支援物資担当は誰がどうするのか、水担当は誰がどうするのか、連絡担当は誰がどうするのか、避難所の区割りをどうするのか、また高齢者の担当は誰がするのかということなどをシミュレーションの中でしたり、また、それを決めてそれぞれが、避難しなければならなくなった状況においては、しっかりとそれを把握して活動するということが必要なのではないかと思っております。  そこでお尋ねいたします。  避難所運営講座に関する県の考え方と取り組みについてお示しください。  続きまして、今回、熊本の地震の際に、鹿児島県の不動産業者ボランティアの要請がありました。そのボランティアはどういうことかといいますと、被災された方々のみなし仮設住宅に入る際の電話の受け付けや、また、みなし仮設住宅への紹介などのために、鹿児島県の不動産業者の方々が応援に行かれたということだったんですけれども、その際に鹿児島県の不動産会社の方々が気づかれた点というのが、鹿児島県においては、宅建協会と鹿児島県は、何か災害があったときに住宅を提供するという協定を結んではいらっしゃるようです。全国の都道府県で三十五都道府県が協定を結んでいる公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会というところがあります。そことの災害時における民間賃貸住宅の提供に関する協定を、平成二十八年三月十日現在、三十五の都道府県が締結されているんですけれども、九州においては、鹿児島県と佐賀県と福岡県が未締結ということになっております。  この賃貸業界におきましてはいろんな団体があって、その中で、全国賃貸住宅経営者協会連合会というところは、全国賃貸管理ビジネス協会日本賃貸住宅管理協会などとの結びつきも強く、また、宅建協会というところは、賃貸業だけに特化しているものではなくて売買とかもされているので、やはり賃貸に関する知識が深いのは全国賃貸住宅経営者協会連合会、通称ちんたい協会というようですが、そちらのほうが賃貸業界についての知見を持っているということでした。  宮城県においては、宅建協会全日本不動産協会、そして、ちんたい協会の三者が連名で協定を結んでいるということでした。  局所的な災害が起こったときに必要なのは、まず着るもの、衣食の衣と食べ物、食ですね、少したってからは住宅が大きな問題となりまして、仮設住宅をつくるにも時間がかかるということになっております。そのときに存在する賃貸住宅を有効的に活用していくべきではないかと考えます。  そこでお尋ねいたします。  公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会との、災害時における民間賃貸住宅の提供に関する協定締結に関する県の見解についてお示しください。  続きまして、私がいつも質問の中に盛り込ませていただいております鹿児島と日本の未来を担う人材の育成についてお尋ねいたします。  この鹿児島県では、明治維新の際にいろんな先輩方を輩出しまして、薩摩スチューデントは記念館までできまして、すごく顕彰されております。明治維新の際には、海外を見てこられた先輩方が、海外と当時の日本の差を見せつけられて、変わらなければと動いたものだと思っております。  そして私も議員になってから、視察先であるシンガポールやマレーシアや上海、そしてドバイにもこの間行かせていただきましたが、これまで行ってきたほかの国々から、日本そして鹿児島を見ると、物理的な発展だけでなくて社会制度においても、一九七〇年代で日本は、そして鹿児島はとまってしまっているのではないかと感じることがあります。  そこで、やはり海外で学ぶ若者の存在というのは、これからの鹿児島と日本の未来にとってとても必要なのではないかと考えております。  そして先般、鹿児島県においては、大学の奨学金などが創設されるなど、若者の大学、高い教育を受けることに関する機会を与えるというとてもありがたい制度をつくっていただいたんですけれども、これを、海外の大学へも若者を留学させるという基金の留学奨学金創設に関する県の見解についてお示しください。  以上で、二回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 9 ◯知事(伊藤祐一郎君)海外の大学等に対する留学の奨学金の創設に関するお尋ねであります。  海外の大学等への留学に対する都道府県による奨学金の制度につきましては、その金額等はばらばらでありますが、全国の八府県で、一定金額の奨学金を給付する、あるいは貸与する制度がございます。  鹿児島県におきましては、平成二十六年度から、県内の大学生を中国清華大学へ五カ月間語学留学させる事業を実施しており、これまで、十三人に対しまして、一人当たり三十万円を奨学金として給付しているところであります。また、県内では、協定校などへの留学期間中の学費の減免や留学のための支援金の給付などを行っている大学などもあります。  さらに、国におきましては、従来の海外留学支援制度に加えまして、新たな取り組みとして平成二十六年度から、トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムという官民協働型奨学金給付事業に取り組んでおり、この制度を活用して、これまで本県の大学生二十人が海外留学しているところであります。  鹿児島県といたしましては、県内の大学等と連携しながら、清華大学留学のための奨学金制度の活用を図りますとともに、国などの各種奨学金制度の利用促進にも努めるなど、鹿児島の未来を担うグローバル人材の育成に努めてまいりたいと考えております。 10 ◯危機管理局長(永野 司君)防災体制につきまして、県内の市町村の罹災証明発行システム導入状況等についてでございます。  罹災証明書につきましては、災害により被災した住宅の被害の程度を市町村が証明するもので、被災者生活再建支援金の支給や住宅の応急修理など、さまざまな被災者支援策を受ける際に必要となるものであります。  罹災証明書の発行等に係るシステムにつきましては、県内では現在、四市が導入しております。  今回の熊本地震におきましては、熊本県が中心となり、被災三十三市町村のうち十五市町村におきまして、平成十六年の新潟県中越地震を契機として新潟大学等が構築したシステムを導入したところであり、経費につきましては、今年度は無償で、来年度は有償と聞いております。  県といたしましては、これらの情報について市町村に周知してまいりたいと考えております。 11 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)避難所運営講座に関する県の考え方と取り組みについてであります。  避難所の運営につきましては、国が定めました避難所における良好な生活環境の確保に向けた取り組み指針や、県が定めました避難所管理運営マニュアル策定のためのガイドラインにおきまして、市町村は、避難所運営の手引きを作成し、これに基づき関係機関の理解を得て、平時から、避難所の運営責任予定者を対象とした研修や地域住民も参加する訓練を実施することとされておりまして、一部の市町村におきましては、御質問にありました避難所運営講座のような研修も実施しております。  また、県防災研修センターにおきましては、地域防災アドバイザー自主防災組織や町内会、学校等に派遣する出前講座、地域で防災活動の中心的役割を担う地域防災リーダーの養成講座、防災意識や知識の向上を図る防災教室等を実施しているところであります。  県といたしましては、市町村において避難所の適切な運営がなされるよう、今後、必要な助言や情報提供を行ってまいります。 12 ◯土木監(山重秀行君)災害時における民間賃貸住宅の提供に関する協定についてでございます。  県におきましては、災害により住宅を失った被災者に対しまして、迅速に民間賃貸住宅の情報提供ができるよう、鹿児島県宅地建物取引業協会や全日本不動産協会鹿児島県本部と、災害時における民間賃貸住宅の媒介に関する協定を締結しております。  御指摘の全国賃貸住宅経営者協会連合会は、災害時の賃貸住宅の空き室情報の提供、賃貸住宅に関する無料相談等を実施している公益社団法人で、今回の熊本地震におきましても、熊本県との協定に基づき、被災者支援の活動を積極的に行っております。  同連合会は、大規模災害時における全国規模の組織力を生かした迅速な対応が期待できることなどから、現在、県では、協定締結に向けた調整を行っているところでございます。    [いわしげ仁子君登壇] 13 ◯いわしげ仁子君 御答弁いただきましてありがとうございます。  罹災証明発行システムにつきましては、鹿児島県内では四市が導入されているということで、新潟県の新潟大学が開発されたシステムについては、今年度まで無償ということでした。その無償であるうちに各市町村のほうに導入していただくよう働きかけのほどをよろしくお願いいたします。これがあるとないとでは、役所の方々も被災されるということでとても重要になってくると思っております。  西日本新聞によりますと、この罹災証明発行システムには種類がいろいろあるんですけれども、その中の一つの被災者台帳システムというものが、熊本県の呼びかけで熊本市や益城町が九州初、導入されたということです。二〇〇四年の新潟県中越地震のときに、市町村ごとに家屋の被害の認定方法がばらばらで混乱したということを反省して、京都大や新潟大などの研究グループが開発されたもので、屋根や壁の崩れ方などを点数化して、合計点で全半壊や一部損壊かを判定できるようにしたというものです。また、調査票がマークシート形式となっておりますので、他県からの応援職員も使いやすいものになっているということです。  この被災者台帳システムは、東日本大震災後に岩手県も導入されまして、「なぜ岩手県が主体となって導入したんですか」ということに対して、岩手県では、本来、被災者台帳は、各市町村が主体的に作成して、各市町村の被災者の救済のために役立てるべきものでありますが、市町村によって行政機能のダメージに差がある中で、被災者台帳の質に差が出て、支援金の申請漏れなどによる生活再建支援の質と量に格差が生じることは県が防がなければならないということで、このシステムを導入されたということです。  また、もう一つ、被災者支援システムというものもありまして、こちらは、前もって住民基本台帳と家屋台帳を統合しておいて、災害時に被災情報を入力するものとなっておりまして、こちらは、平成七年一月十七日の阪神・淡路大震災で被災した西宮市が、被災者支援システムを構築されたということです。この被災者支援システムは、全国サポートセンターが無償で提供しておりまして、東日本大震災で被災した自治体が導入して、罹災証明書の発行と義援金の支給を同時可能にされたということでした。  災害においては、先ほどから申しておりますが、被災地の役場の職員の方々も被災者となります。役場の職員の方々がすぐさま罹災証明書を発行できる環境を整えておかなければならないと思います。罹災証明書がなければ、何事においても復興に向けて一歩を踏み出すことができなくなります。また、災害はいつどこで発生するかもわかりません。常日ごろからこういったシステムを導入し、準備をして、避難訓練と同じように、罹災証明書発行システムの訓練も必要ということですので、各市町村への早急な導入をお願い申し上げます。  そして、避難所運営講座につきましては、内閣府が愛知県、三重県、静岡県のモデル地区で、実際の避難所と地域住民と避難所運営訓練を平成二十五年の二月から三月に実施されて、各地域で自主的に避難所運営訓練を行う参考として、ヒント集もつくっていらっしゃいます。  そしてまた、静岡県でも、HUGという避難所運営ゲームというものを開発されておりまして、こちらを活用して地域住民の方々に、避難所運営とはどういうものかを疑似体験していただけるゲームとなっているようでございます。
     それを活用した避難所運営講座を開設した神奈川県の平塚市では、「避難所運営訓練─HUG─を体験してどうだったか」ということに対する参加者の答えは、「ペットや病気の人、障害のある人への対応の難しさが改めて認識できた」、「想定外のケースが連続し、または同時に起こり、実際の避難所運営に近い経験ができた」、「ゲーム感覚で取り組みやすく、シミュレーションだが、実際に懸念される運営側のパニックが体験できてよかった」、「避難の難しさを痛感した」、「実際に災害時に運営委員の確保が不安と感じた」ということがありました。  先ほどから申しておりますが、避難訓練と同じで、避難所運営講座における避難所シミュレーションで、実際に避難所で生活する際にどう運営していくべきなのかということを、対象者の方々が認識する必要があると考えておりますので、速やかに各市町村の方々とも御協議いただきまして、いざというときに備えて、避難所運営講座を最終的には全ての避難所で実施できることを目指していただきますようお願い申し上げます。  そして、全国賃貸住宅経営者協会連合会との災害時における民間賃貸住宅の提供に関する協定締結についてですが、こちらは、県が今、協議中ということでありがたいことだと思います。  鹿児島県の不動産業者で熊本に支援に行かれた方々に伺いますと、やはり通称ちんたい協会、こちらが全国組織だということで支援がとても早かったということでした。地震発生の翌日からは応急仮設住宅として利用可能な民間賃貸住宅を確保されたり、受け付けの体制を整えられたり、とても早く支援されていたということでしたので、ぜひともこちらとの協定の早期締結をお考えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  また、海外の大学への留学奨学金の創設についてですが、鹿児島県におきましては、中国の清華大学に学生を送っていらっしゃるということでした。これもありがたいことだと思います。  埼玉県におきましては、民間からの寄附金によって海外留学向け給付型奨学金を創設されて、毎年約八千五百万円で約三百人を海外に派遣されているということです。また、福岡県では、県内の篤志家からの寄附をもとに、福岡県アンビシャス外国留学奨学金を創設されて、年間上限二百万円を最長四年間、若干名に毎年交付されているということです。明治の時代には外国留学の先陣を切った鹿児島県ですので、ぜひとも海外大学へ若者が行けるチャンスを留学奨学金という形で考えていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、次の質問に移ります。  本物の観光立県に向けた取り組みについてお伺いいたします。  私は、三月議会終了直後に、無所属の下鶴議員と長崎県の無所属の議員お二方と福岡の無所属の議員お一方と一緒に、ドバイに視察に行ってまいりました。二泊三日という強行スケジュールではございましたが、その中で、観光行政、警察行政、入管行政、教育行政、ホテルビジネス、そして、鹿児島の農水産物でドバイでの流通の可能性というものを探ってまいりました。  そこで、すごく驚かされたのが、皆様のお手元に配らせていただいております資料の三ですけれども、ドバイはこちら、一番上の写真が一九九〇年で、二番目が二〇〇三年、三番目が二〇一三年となっているんですが、一九九〇年代、砂漠の中で、これはトヨタのビルですけれども、それがあるだけで本当に何もないという状況のところが、今、二〇一六年、本当に宇宙都市のようになっておりまして大変驚きました。  なぜそんなことが可能だったかといいますと、ドバイはオイルがあるから金持ちなんでしょうと思われがちですが、実はオイルが出ているのは隣のアブダビで、ドバイでは全ての収入の四%ぐらいしかオイルが出ておりませんので、アラブ首長国連邦全てで見ると、一・五%しかオイルが出ていないということでした。  そんな中で、ただいま現在のアラブ首長国連邦の副大統領兼首相でもあり、ドバイ首長国の首長、王様でありますムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームさんが、砂漠の国で国民を食べさせていかなければならない、どうすればいいんだという中で、シンガポールに行かれて、シンガポールも何の資源もないのにこれだけ観光で発展している。ということは自分のところもできるんじゃないかということで取り組まれて、その砂漠の国の中にまずは一九九九年に、皆様よく御存じの、こちらのお手元の資料の四番目の写真、ブルジュ・アル・アラブという五つ星ホテルですが、ランキング的には七つ星ホテルとも言える世界最高級のホテルをつくられて、これだけしかない中で世界中からお金持ちの方が来られるということになりました。  私たち視察に行った五人はありがたいことに、この建物、実はこの橋の根元のほうからは宿泊客しか敷地内に入れないんですけれども、日本大使館にお願いいたしまして「ぜひとも視察したいんだ」と言いましたら、この中に入れていただき、中を見てまいりました。また、一泊二百十万円というスイートルームも見せていただきまして、二階建てになっているんですけれども、どうやってこのホテルを使うんだというような豪華さでございました。私的には百人ぐらい入れるんじゃないかというスイートルームだったんですが、「何人入れるんですか」とお尋ねしましたら、大人四人、子供五人までの九人だとおっしゃっておりました。九人でこの広いスペースをどうやって使うんだと思ったんですけれども、そういった高級ホテルを呼んできたということで、外国人の旅行者がだんだんふえ、二〇一五年には一千四百二十六万人の旅行者が、鹿児島県の面積の四五%しかないドバイに来ているということで、また、ドバイは、二〇二〇年にドバイエキスポを考えていらっしゃって、それまでに二千万人、この日本が二〇二〇年に二千万人の外国人旅行客を呼んでくると言っていて、今、それが四千万人になっておりますが、それを鹿児島県より小さいところがやっているということでした。  また、驚きましたのが、ドバイはそういった外国人を呼ぶためにどうしたかというと、マーク・ベネットさんという方を、二〇一四年から観光アドバイザーとしてイギリス人を雇っていらっしゃいまして、この方は十八年間観光行政にかかわってきて、トーマス・クックという、ロンリープラネットという「地球の歩き方」の外国語版があるんですが、そういったところやディズニーで働いてこられた方です。その方を観光局の副局長として迎えられて、二〇二〇年のエキスポまでに外国人旅行者二千万人を目指すとして頑張っていらっしゃいます。その中で、六つのテーマパーク、アメリカの有名なテーマパークなどを呼んでこられるなど、いかに幅広い年齢層に、いかに長く滞在してお金を落としてもらうかということを考えていらっしゃいます。  そのマーク・ベネットさんとお話しさせていただく中で、「何で日本人は、外国人の観光客を誘致しないといけないという中で、日本人同士だけで議論しているんだ」ということをおっしゃいました。また、マークさんは、「自分が観光業でトップのアドバイザーだとは思わない。観光業界ではアドバイザーとなり得る人たちがたくさんいる。紹介してほしければ観光業のスペシャリストを紹介できますよ」ともおっしゃっておりました。  そこでお尋ねいたします。  鹿児島県が本物の観光立県として他県よりも突出するために、外国人観光アドバイザーの設置に関する県の考え方についてお示しください。  次に、民間も含めた全ての看板やメニューの多言語化についてお尋ねいたします。  外国の観光立国と呼ばれているところでは、外国人が来るのが当たり前ということが前提になっておりますので、いろんな全てのサインがお店に至るまで多言語化されております。そういった中で、やはり外国の観光地に行きますと、レストランに入ってもメニューは全て現地語と必ず英語は入っていて、また、それに付随してほかの言語も書いてあるという形になっておりますので、私たち日本人が行っていても、これがチキンなのかビーフなのか羊なのかとか、そういったことがわかるようになっております。しかしながら、日本では、どこのレストランに行っても多言語で表記しているメニューを持っていらっしゃるところはほとんどありません。  そういった中で、東京都や藤沢市や長崎市では、当該地域に登録されている飲食店が無料で活用できる多言語メニュー作成支援ウェブサイトというものを立ち上げていらっしゃいます。東京都においては十二カ国語に対応しておりまして、英語・韓国語・北京語・広東語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語・アラビア語に対応しておりまして、登録されているレストランの方が、そこのサイトから自分のところのメニューを多言語化できるようになっております。  そこでお尋ねいたします。  民間も含めた全ての看板やメニューの多言語化について、県の見解と取り組みについてお示しください。  続きまして、先日の代表質問でも、鹿児島中央駅西口地区の活用に関する質問が出ましたけれども、その際に御答弁の中で、JR九州が自社用地を有効活用した開発を推進するということで、県としては、県の土地の売却も含めて検討中であるとおっしゃいました。  鹿児島中央駅西口地区の活用に関しては、鹿児島が本物の観光立県となるに当たって本当に重要なところではないかと思っておりますので、今現在存在する四者連絡会、鹿児島県、鹿児島市、JR九州、そして日本郵政との四者連絡会の今後の予定と県の見解についてお示しください。  以上で、三回目の質問といたします。 14 ◯観光交流局長(本 重人君)本物の観光立県に向けた取り組みについてお尋ねがございました。  まず、外国人観光アドバイザーの設置についてでございます。  海外からの誘客促進に当たりましては、まずは現地における本県の認知度向上及び外国人観光客のニーズを的確に踏まえる必要があり、そのためには、日本人のみならず、外国人あるいは現地に精通した人材の活用も重要であると認識しております。  海外直行便を有する四つの市場のうち、県の海外事務所を置いていない台湾につきましては、平成二十四年度から、現地事情に精通したビジネスパートナーを配置しており、さらに今年度からは、韓国及びASEANにも同様に配置することとしております。  県としましては、海外のビジネスパートナーを活用して、今後とも、的確に現地のニーズを把握するとともに、現地における効果的な観光プロモーションを通じて、本県の認知度向上や誘客促進を図ってまいります。  次は、民間も含めた全ての看板やメニュー表の多言語化についてのお尋ねでございます。  県における観光案内板の多言語化につきましては、これまで、道路や観光地等における外国語表記の観光案内板を千九百基ほど設置し、今年度、さらに二十基を整備する予定であります。  一方、民間の宿泊施設や飲食店などの看板やメニュー表の多言語化につきましては、年々増加する外国人に対応するため、一部の施設や店舗におきましては既に取り組みがなされている事例も見られます。また、鹿児島市におきましては、メニュー表の多言語化等に対する助成を行っているところです。  県としましては、これまでも、観光関係者を対象とした各種講習会などを開催して、外国人観光客の受け入れ体制の充実を図っているところでありますが、今後とも、既存事業はもとより、こうした取り組みを通じまして、多言語化についても促進してまいりたいと考えております。 15 ◯知事公室長(武盛武士君)鹿児島中央駅西口地区の活用等についてです。  JR九州、県など関係土地所有者から成る連絡会は、平成十八年度から毎年度開催しております。本年度も例年どおり開催する予定です。  連絡会におきましては、鹿児島の陸の玄関口にふさわしい都市機能の充実・向上といった観点から、土地利活用の検討を行ってきました。その後、中央駅周辺や天文館地区において、類似の機能を持つ施設の開発・検討が進んでおりますことから、これらの開発状況等も踏まえつつ、各土地所有者において個別開発も含め、幅広に検討することとしたところです。  そのような中、JR九州は、中央駅西口の自社用地を活用した開発の推進を盛り込んだ新たな中期経営計画を本年五月に策定しました。県としましては、これらの状況も見きわめながら、売却も含め、幅広に検討を進めてまいりたいと考えております。    [いわしげ仁子君登壇] 16 ◯いわしげ仁子君 御答弁いただきましてありがとうございます。  外国人観光アドバイザーの件につきましては、台湾や韓国やASEANのほうに、ビジネスパートナーの方を設置していらっしゃるということでしたけれども、この鹿児島県において、鹿児島に住んでいらっしゃる外国人の方で、観光のアドバイザーになり得る方が必要なのではないかと思っております。  それにつきましては、やっぱり財源というものが必要になるのではないかと考えておりまして、もし観光アドバイザーの方を入れることによって、鹿児島の観光がほかの県よりも突出するのであれば、例えば、県議の私たち一人一人から一万円を募るとか、または県庁の方々は五千人ぐらいいらっしゃいますが、皆さんから五百円ずつ取るとか、いろんなやり方はあると思うんです。そういったいろんなやり方を考えながら、専任の外国人の観光アドバイザーを設置するということの投資の見返りはすごく大きいものだと考えておりますので、今後、ぜひ外国人の観光アドバイザーの方を設置いただくようにお願い申し上げます。  そして、民間も含めた看板やメニューの多言語化についてですけれども、こちらは、県から民間にいろいろと御指導いただくことは難しいのかもしれませんが、鹿児島県におきましては、本当に基本的に日本人しか存在しないような看板・メニュー表示となっております。例えば鹿児島市の西郷隆盛銅像の横のまち歩きステーションとか、観光客の方が御利用されるんですけれども、全て日本語表記となっておりまして、日本人の旅行者にもわかりにくいものとなっておりまして、また、入りにくい雰囲気でもあったりします。外国語表記がないために、外国人の方は観光案内所ということにも気づかれないということもあります。  また、ドバイのときに言われたことが、ドイツの地方の山で大挙してサウジアラビア人が来ているところがあり、サウジアラビアの方々もお金を持っていらっしゃるので、その方々が来られるところがある。そこはなぜかというと、ハラールもないのにサウジアラビア人がそんなドイツの片田舎に来るというのは、町のあらゆる表示がアラビア語で表示されているから来やすいんだということでありました。なので、表示さえすれば外国人が来やすいところになるんだというアドバイスもいただきました。  そこで、皆様のお手元にお配りさせていただいております、これはいいなと思った事例ですけれども、五番目の写真ですが、こちらは宮崎県串間市、志布志ですね、私的には志布志と思っている、イルカランドがあるんですけれども、そこのトイレの中に張ってあるものですが、こういった、油津港の振興協会が多言語で使い方を絵つきで示されておりまして、これは外国人の方にはありがたいのではないかと思います。  また、続きまして、六、七、八、九、十というのは、先日屋久島に行ったときの写真ですが、六番目の屋久島環境と文化のむら案内というこの屋久島の案内は、英語で示されてはいるのですが、七番目、八番目、九番目という写真は、千尋の滝のところにあるお土産屋さん、そしてその付近にある看板の写真を撮ってきたんですけれども、やはり外国人の方々は誰も来られないんじゃないかということを前提にされたような、げじべえという何か精霊みたいなのがいるんですが、それの説明板ですとか、屋久島岳参りの説明板ですとか、こういったものも外国人の方にはお伝えしなくてもいいかのように日本語でしか表記されていないので、こういったものを多言語化、せめて英語では表記したほうがいいのではないかと思っております。  また、十番目の看板ですが、これは屋久島のトッピー乗り場に設置してあった看板です。縄文杉とか千尋の滝とかそういった名称は、英語と中国語と韓国語でたしか示されていたと思うんですけれども、「あの感動を再び…またのお越しを!」というところが日本語でしかなくて、外国人の方には全く伝わらないということになっておりますので、せめてここも英語なり何なりで表記していただければ、もっと外国人の方も、ああ、また来ようと思っていただけるのではないかと思っております。  平成二十六年三月に観光庁が出した観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドラインによりますと、訪日外国人旅行者が迷うことなく目的地にたどり着くためには、地域における多言語表記の統一性・連続性の確保が必要であることから、各地域において共通で使用する固有名詞の対訳語一覧を作成し、関係者間で表記を統一することが必要である。その際、自治体が主体となって、地域のボランティアや在日外国人、観光関係者、訪日外国人旅行者など多様な主体を巻き込みながら、これらの取り組みを推進することが期待されるとなっておりますので、本物の観光立県を目指すのであれば、攻めの姿勢で多言語化に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。  そして、鹿児島中央駅西口地区の活用に関してですけれども、先日の御答弁と同じく、JR九州が自社用地を有効活用した開発を推進されるということでしたので、県の土地を売却も含めて考えられるということでしたが、JR九州としては、地域のにぎわいを創出したいと考えていらっしゃって、まだ、マンションを建てますとはおっしゃってないと思います、プレスリリースを見る限り。  ですので、その場所に、先日新聞にも載っておりましたが、鹿児島ユナイテッドFCが、六月末までにJ2ライセンスの申請を目指していらっしゃるということが載っておりました。この鹿児島ユナイテッドFC、すごく頑張っていらっしゃるということで、もう本当に、施設さえあればJ2に上がれるんじゃないかというところまで来られているということですが、やはり施設がないということで、J2の基準をクリアできないんではないかと言われております。  同じような状況であったJ2リーグのギラヴァンツ北九州というところがありますが、そこのホームスタジアムが、北九州スタジアムとして二〇一七年の三月にオープンいたします。ここは小倉駅から徒歩七分であるということで、「駐車場はありません。公共交通機関で御来場ください」とうたっています。ギラヴァンツ北九州は今、J2なので、J1要件となる一万五千人収容できるスタジアムが必要だということだったんですが、北九州スタジアムは一万五千三百席あるということで、面積は二万三千平米となっております。鹿児島中央駅西口地区は、四者の土地を全部合わせると二万五千平米ですので、そこにスタジアムは入るんです。北九州スタジアムは、設計・建設費が約九十九億円となっております。  鹿児島中央駅西口地区は、スタジアムをつくるのに十分な広さがありますので、Jリーグの方々も、活動方針の一つとして、世界に誇れる安全で快適なスタジアム環境の確立を掲げて、各クラブや自治体と協力しながら、魅力あるスタジアムづくりを進めていらっしゃるんですけれども、鹿児島中央駅西口地区であれば、駅徒歩三十秒の駅直結型のスタジアムをつくることも可能だと考えます。ですので、Jリーグのスタジアムというのは、地域愛を育んで、地域力の向上を図れる施設だと言われております。  鹿児島市は、県へ、鴨池野球場や陸上競技場などの運動施設用地として十九万二千八百五十二平米を、昭和四十年代から無償貸し付けしているんです。でしたら、鹿児島市へ県の土地、鹿児島中央駅西口にある県の土地は一万平米ですけれども、この一万平米の土地を鹿児島市に無償で貸し付けて、スタジアムは、鹿児島市とJR九州と日本郵政で協議してつくってもらうという手もあるのではないかと考えております。  ユナイテッドFCも頑張っておりますので、鹿児島の子供たちに本物のサッカーに触れる環境も与えられ、また、にぎわいもつくれますし、また、最近のスタジアムというのは、三百六十五日人を呼べるようないろんな施設が入った、例えば結婚式場ですとか高級ホテルですとか、また高級レストランとかそういったものを含めるような、三百六十五日人に来ていただけるような施設がつくれるということですので、ぜひとも四者連絡会で、サッカースタジアムとしての案を御検討いただきますよう強くお願い申し上げます。  私、県議となりまして一年がたちましたが、県議となってこの一年間思っていたことを、あと残りの時間でお話しさせていただければと思います。  いろいろ県の方々は本当に毎日、日々お忙しい中で、一般質問を私たちがすると御答弁いただくわけですが、そういった中でよく聞かれるのが、国の動向を注視して検討するとか、実施主体は各市町村なのでということを言われるのですが、それを聞くたびに私は、じゃ県、要らなくないですかと思うわけです。なので、佐賀県の元武雄市長であった樋渡啓祐さんのセミナーに行きましたら、「行政の検討しますは、やりませんという意味ですよ」とおっしゃっていたんですが、鹿児島県はそうではないということを願いたいところです。  そして、この鹿児島県、人口減少も抱えて、県民所得も四十五位、貧困もワースト三位ということで崖っぷちに立っているという今、知事を初めとする県庁の職員の皆様、そして私たち県議を含む全ての県民が、鹿児島県は田舎であると思い込んでいることを捨てて、鹿児島県にはシンガポールよりもドバイよりも可能性があるんだと考えを改めて、危機感を持って、十年後、二十年後、五十年後の鹿児島県のためにどうするかを真剣に考えて、考えたことをスピード感を持って実行していかなければならないと考えております。  私がいつも勉強させていただいております団体では、人間不可能なことはないということで、できない理由を言わない、打つ手は無限、「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」ということがありますので、不可能ではないので、全て攻めの姿勢でいろんなことを推し進めていただければと思います。  そして、危機感とスピード感を持って、崖っぷちの鹿児島県の人口減少、貧困などを解消するために、国内外から鹿児島へお金の流入が見込める雇用をつくることを考えて、経営者マインドを持って、従来の使い切りの税金の使い方ではなくて、限られた財源の中から次の財源や雇用を生み出す使い方を常に考えていただくように、伊藤知事でも、次に新たに知事になられるかもしれないどなたでも、鹿児島県のために強くお願い申し上げまして、私の一般質問を終了いたします。  ありがとうございました。(拍手) 17 ◯副議長(鶴田志郎君)次は、き久伸一郎君に発言を許可いたします。    [き久伸一郎君登壇](拍手) 18 ◯き久伸一郎君 通告によりまして、質問に入らせていただきます。  まず、消費税一〇%増税延期及び増税に伴う離島地域住民負担軽減についてであります。  消費税一〇%増税に関しましては、御承知のように、安倍首相は、二〇一九年十月まで約二年六カ月延期することといたしました。それにより、二〇一七年四月の一〇%増税は延期となります。そこで、税収五兆円規模で実施予定の社会保障費関連、低所得者支援、子育て支援等の円滑な財源の確保が懸念されるところであります。  一方で、政党間では、社会保障制度の維持や財政健全化のための増税概念との整合性に対して疑問を呈しております。その経過としまして、二〇一二年の八月に、民主党政権下、自民・公明・民主の三党合意による社会保障と税の一体改革により、五%から八%、そして八%から一〇%への増税方針が決まったところであります。ただ、八%への増税後、景気の低迷が想定以上であったことから、安倍政権では、二〇一四年十一月増税を二〇一七年の四月に延期することとして、今回で二回目の先延ばしとなりました。  国・県の将来にわたる厳しい財政状況からして、今後、社会保障費の財源確保の課題等が懸念されます。社会保障関連事業、いわゆる医療・介護・年金は、国・県の根幹をなす重要な必然的政策であります。したがって、安定的な財源確保の一環として、消費税一〇%増税は、課題はあるものの了と考えなければなりません。  過去、二〇一四年に消費税が五%から八%へと増税されました。その後、景気・消費需要の落ち込みが予想以上に大きく、長く続いたとされ、また、都市部と地方の税収にも格差があったとのことであります。  この増税期間での県内における消費需要や施策推進にどのような影響があったのか。  また、消費税増税一〇%が二〇一九年十月まで延期となりますと、県内における医療・介護・年金、低所得者支援、子育て支援への影響はどうであるのか。  さらに、消費税が一〇%に上がった場合、県内での税収及び経済的影響はどのように想定されるのか、お示しください。  このたび、政府の経済財政諮問会議では、将来へのシミュレーションとして、消費税一〇%増税による消費の落ち込みを喚起するため、高所得者と低所得者との差の格差、逆進性を解消する軽減税率や定率軽減を含めた可処分所得の増加策が議論されております。  私たち離島においては、二〇一九年十月に一〇%増税したとして、また、軽減税率や定率軽減が導入されたとしても、本土から離島間への輸送コストは加算されることになり、離島住民の負担感はさらに増幅することとなります。  県としては、従来の離島と本土との住民生活必需品等の物価指標について、時系列及び地域間で比較した状況と負担軽減に対しての考え方をお示しください。  このたび、県議会離島振興議連の発議によりまして、離島地域における消費税増税に係る島民生活負担軽減措置を求める意見申入書を、全国離島振興関連六団体に提出したところであります。その趣旨は、消費税の再引き上げが及ぼす影響の大きさを鑑みて、全国離島関係団体が連携して、国へ強く要望していただきたいとの申入書であります。  県として過去、県開促協や知事会においても同様の意見を申請されておりました。県として、これまでの取り組み状況と今後の対応についてお示しください。  次に、地方創生関連の若い世代の子育て支援等についてお伺いいたします。  私たちの日常の政治活動においてよく耳にする重要課題等の中に、若い世代の子育て支援等に関連する課題があります。急速な人口減少により、将来の国・県の持続性が危惧される中、遅きに失した感も否めませんが、国においては、地方創生や一億総活躍社会の政策を提言されるとともに、県内各自治体においては、地方版総合戦略を三月までに策定・提出されたところであります。  人口減少問題を克服するためには、東京や大都市への一極集中を是正するとともに、若い世代の子育て支援等が重要な施策の一つであります。国の平成二十七年度補正予算及び二十八年度当初予算における若い世代の希望をかなえるための政策は、地域少子化対策、地域女性活躍、待機児童解消、そして保育士資格の取得支援、さらには、ひとり親家庭の学習支援等多岐にわたっております。  そこでお伺いいたしますが、地方創生関連施策のうち、若い世代の子育て支援等に関する、まず県の基本的な考えをお聞かせください。  それと、国の平成二十七年度補正予算と二十八年度当初予算に対応した県の若い世代の子育て支援等に関する取り組みについてお示しください。  また、平成二十八年度の国の地方創生推進交付金について、制度の概要、県と市町村の負担割合の考え方についてもお示しください。  先般の第一回定例会、三月十六日に地方創生総合戦略等特別委員会が行われました。一年間にわたる論議の経過、そして策定内容等についての総括説明がありました。委員からは、県・市町村版地方創生総合戦略の理念、事業内容等については、将来を見据えた理にかなった策定内容であるとの認識であったと思えました。ただ、地方創生総合戦略の実効性、実現力、成果達成についてのチェック機能の考え方についても多くの意見が出されたところであります。  そこで、県としては、国が示しているKPI─主な重要業績評価指標─やPDCAサイクルを活用した効果検証を行うとしております。  県として、地方創生総合戦略の進捗、管理、点検をどの課で対応されるのか。  また、専門的課を設けて、市町村の総合戦略とあわせて年に数回、進捗、管理、点検を行うべきと考えます。それにより、翌年度への取り組みに生かすことができると考えますが、県のお考えをお示しください。  県の地方創生関連施策として、若い世代の希望をかなえる地域少子化対策強化事業、約六千六百万円が盛り込まれております。少子化問題に対応し、地域で子育てを温かい思いで育み、その機運を醸成していく趣旨であります。  御承知のように、奄美群島の伊仙町は合計特殊出生率が二・八一人です。これは日本一です。また、ベストテンの中に徳之島三町が入っております。  伊仙町の子育てへの取り組みは、まず、第一子五万円、第二子十万円、第三子十五万円、その他にも多くの支援を行っておりますが、何よりも、地域で子育てをしていこうという機運の醸成が図られております。  昨年の三月七日、石破茂地方創生担当大臣が主催するシンポジウムにおいて、パネリストとして出席した大久保明伊仙町長は、伊仙町での子育て支援に対する取り組みを説明しておりました。そのほかにも、離島版CCRCや企業誘致等にも積極的に取り組んでおります。  そこでお伺いいたしますが、県においては、奄美地域における合計特殊出生率の高さをどのように認識されているのか。このたびの地方創生総合戦略の策定において、若い世代の子育て等への支援について、伊仙町など離島での取り組みを活用、参考にされたのか。  また、徳之島三町を若い世代の子育て支援等への支援重点地区として位置づけることはできないのか、県のお考えをお聞かせください。  これにて一回目の質問といたします。 19 ◯商工労働水産部長(西 啓一郎君)平成二十六年四月の消費税引き上げ時の県内消費需要と一〇%に増税した場合の県内経済への影響についてでございます。  平成二十六年の消費税率引き上げ前後の経済指標を見ますと、個人消費は、駆け込み需要が見られ、四月以降はその反動減の影響が続いた後、台風などの影響が見られたものの、次第にその影響も和らぐなど、総じて見れば底がたい動きが続いたところであります。  また、鹿児島市の二人以上世帯の消費支出は、四月から十二月の累計が前年比マイナス六・三%となりましたが、物価上昇を考慮した実質賃金は、同期間の累計が前年を上回ったところであります。  このほか、観光面が高水準で推移したことなどから、本県経済は、消費税率引き上げ後も、全体としては景気は緩やかに回復を続けていたものと考えております。  一方で、県内中小企業につきましては、中小企業景況調査を見ると、人口減少等による需要の縮小に加え、消費税率引き上げの影響や原材料価格の上昇などにより、厳しい状況が続いていたところであります。  今後、消費税率が引き上げられた場合、消費に与える主な影響としては、物価の上昇を見越して消費税率引き上げの前に消費を前倒しする駆け込み需要と実質所得の低下により消費水準を低下させる効果があるとされております。  消費税率の引き上げが実際に地域経済に及ぼす影響につきましては、一般的に、消費税率の引き上げ時の個人消費の動向、生産活動などの経済状況によって左右されるものと考えております。
    20 ◯総務部長(寺田雅一君)消費税に関する御質問のうち、二年前の税率引き上げによる影響についてでございます。  平成二十六年度に消費税率が五%から八%へ引き上げられた際に、その内数として、地方消費税率が一%から一・七%に引き上げられ、平成二十八年度当初予算ベースで本県は百二十八億円程度の増収となっているところでございます。  地方消費税率の引き上げによる増収分につきましては、地方税法の規定により社会保障関係費に充てることとされており、本県においても、子ども・子育て支援や後期高齢者医療対策事業、介護保険負担事業などの社会保障関係費に充当しているところでございます。  続きまして、消費税率が一〇%に引き上げられた場合の増収見込みについてでございます。  消費税率が平成三十一年十月に引き上げられた場合、その内数としての地方消費税率も一・七%から二・二%に引き上げられることとなりますが、税率変更の影響が税収にあらわれるまでには一定の期間を要しますことから、税収が平年度化するのは平成三十三年度となります。  税収は、景気の動向などさまざまな要素の影響を受けるものではございますが、平成二十八年度当初予算をベースに試算いたしますと、平成三十三年度における本県の増収額は、七十七億円程度と見込まれるところでございます。 21 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)増税延期による社会保障への影響についてであります。  今回の増税延期が社会保障に与える影響につきましては、国は、社会保障については、一〇%に引き上げた場合と同じことを全て行うことはできないとしておりますことから、増収分を活用して来年度から実施予定の子ども・子育て支援の充実や医療・介護の充実、年金制度の改善などへの影響が考えられます。  一方で、国は、社会保障の充実に向けまして、優先順位をつけながら、今後の予算編成の中で最大限努力していくこととしており、県といたしましては、国の予算編成の動向を注視してまいります。 22 ◯企画部長(岩切剛志君)物価指標の状況及び負担軽減の考え方、消費税負担軽減に係る取り組みについてであります。  県では、生活関連物資十八品目について価格調査を行っており、昨年度の地域差指数で比較いたしますと、鹿児島を一〇〇とした場合、離島は、全体で前年度から二ポイント減少し、一一五となっております。そのうち、熊毛は前年度から四ポイント減少し、一一三、大島は三ポイント減少し、一一八となっており、いずれも前年度から減少したものの、依然として、本土と離島において物価格差が存在しております。  県では、これまでも、本土に比べ総じて物価が高い離島における消費税負担の軽減の検討、物資の流通費用の低廉化に係る施策の実施などを国に要望してきたところでありまして、離島ガソリン流通コスト支援事業など、一定の成果を上げているものもございます。  物価格差の是正は全国の離島に共通する課題でもあり、今後とも、離島住民の負担の軽減が図られるよう取り組んでまいります。  地方創生推進交付金についてであります。  国は、今年度、地方創生推進交付金を創設し、当初予算において一千億円を計上しており、補助率は二分の一以内となっております。県や市町村の負担分に対しては地方財政措置を講ずることとされており、具体的には、ソフト事業については、おおむね五割程度は標準的な経費として普通交付税により、残りは事業費に応じて特別交付税により措置される予定とされ、ハード事業については、地方債の対象となり、充当率は九〇%、交付税措置率は三〇%を予定されているところであります。  KPI、PDCAサイクルを活用した効果検証と専門的課の設置についてのお尋ねであります。  国が示した効果検証の方法では、PDCAサイクルを導入し、基本目標に係る数値目標や具体的な施策に係る重要業績評価指標─KPI─の達成度により検証することが重要であり、さらに、外部有識者を含む検証機関を設置することが示されております。  本県においては、国が示した方法を踏まえ、各事業課が作成した事業実績等を企画課で取りまとめ、外部有識者の意見も聞きながら効果検証を行うこととしております。また、各市町村の総合戦略については、それぞれの市町村において、外部有識者の意見も聞きながら効果検証が行われることになると考えております。  このようなことから、県、市町村の総合戦略をあわせて検証などを行う専門的課の設置については考えてはいないところではありますが、県全体の地方創生の実現に向けては、市町村と緊密な連携を図りながら、総合戦略に基づく施策を推進してまいりたいと考えております。 23 ◯県民生活局長(田崎寛二君)地方創生関連の若い世代の子育て支援等についての御質問のうち、国の補正予算と当初予算に対応した子育て支援等についてであります。  県のまち・ひと・しごと創生総合戦略では、しごとをつくる、ひとをつくる、まちをつくるの基本目標に沿って、地方創生に向けた取り組みを推進することとしております。その中で、若い世代の子育て等への支援については、かごしま子ども未来プラン二〇一五等に基づき、結婚から妊娠・出産、子育てまでを切れ目なく支援するほか、男女の固定的な家事・育児の役割分担意識の解消など、若い世代の希望を実現するための環境整備に取り組むこととしています。  今年度の県の地方創生関連施策のうち、若い世代の子育て支援等につきましては、新たに、病児保育のための施設整備に助成する病児保育等体制整備促進事業や認定こども園の整備、保育教諭確保のための資格取得等を支援する子ども・子育て支援総合対策事業を実施するほか、結婚支援を行う地域少子化対策強化事業などに取り組んでいます。  県の合計特殊出生率の認識と子育て支援重点地区についてであります。  奄美地域は、合計特殊出生率が高く、県のあまみ長寿・子宝調査におきまして、子宝に恵まれている要因として、周囲から育児支援を受けている人の割合が多いことなどが挙げられています。  少子化対策を進める上では、奄美の地域に見られるような、子育てを地域全体で応援する機運が醸成されることが重要であると考えておりまして、県のまち・ひと・しごと創生総合戦略にも、機運醸成に向けた取り組みの促進について盛り込んだところです。  また、徳之島三町を若い世代の子育て等への支援重点地区として位置づけできないかとの御提案につきましては、かごしま子ども未来プラン二〇一五の中で、奄美地域の子育て支援の取り組みを県内全域に普及する取り組みとして位置づけておりまして、特に、合計特殊出生率の高い徳之島の子育て世帯を地域全体で応援する取り組みについて、今後とも機会を捉えて紹介してまいります。    [き久伸一郎君登壇] 24 ◯き久伸一郎君 それぞれ御答弁いただきましたが、コメントに関しましては後ほどいたしたいと思います。  次に、奄美群島の課題等についてお伺いいたします。  平成二十八年度の奄振事業において、新たに奄美・沖縄連携交流促進事業が実施されることとなり、奄美─沖縄、与論─沖縄間の航空・航路運賃が軽減されることとなりました。七月より航空運賃特便割引で二五%、先得割引Aで四〇%、航路に関しましては、普通運賃より千四百円から二千円の割引となります。  住民の長年の悲願が通じ、奄美群島と沖縄、そして鹿児島との経済的・文化的・人的交流の拡充がさらに期待されると考えます。その一方で、鹿児島から奄美群島への、それも島外者への航空・航路運賃軽減についても要望があることをつけ添えておきたいと思います。  根拠として、奄美群島民は五四%割引で鹿児島や本土他地域に行きます。そして宿泊し、食事をし、帰りにはお土産まで買って帰る。極端な言い方でありますが、奄美群島のお金を本土に落としているということになります。経済の循環性、スパイラル需要という視点から考えますと、奄美群島にも外貨収入をさらにふやしていかなければなりません。そのためには鹿児島からの運賃を軽減すれば、航空・航路の利用率アップ、そして外貨収入、経済の活性化にもつながると考えます。  現在、交流需要喚起対策特別事業によりまして奄美群島の交流人口も増加傾向にあります。まず、この事業における効果と今後の課題等についてお示しください。  それと、奄美群島と鹿児島・福岡・関西・関東間の期間限定割引、それも、奄美群島出身者の方たちがお盆、正月、冠婚葬祭、親の介護などの帰省のときの航空運賃軽減、この制度設計に向けての検討はできないのか、お示しいただきたいと思います。  次に、喜界高校に特別支援学校高等部の訪問教育室及び特別支援学級の設置についてであります。  今回の定例会においても請願が出されておりますが、さきの代表質問、そしてこの間の林議員、そして私で三人目の質問でありまして、この事案の重要性を執行部としましては勘案しつつ、御答弁を教育長にお願いいたしたいと思います。  現在、与論、沖永良部、徳之島高校に大島養護学校高等部の訪問教育室が設置され、特別支援教育が実施されております。また、国においては、平成二十八年四月より障害者差別解消法を施行されております。特別支援教育の環境整備充実を願うのは、屋久島、喜界においても同様であります。  特別支援教育の充実に向け、訪問教育室を開設する際の手続と他県、長崎、沖縄はどのような状況なのか。  今年四月に施行されました障害者差別解消法の認識、訪問教育室の開設に向けた考え方についてお示しください。  伝統的工芸品産業の振興に関しては、御承知のように、本県の風土の中、歴史の衆生で育まれ、住民の生活そのものとして地域に根づいた産業でありました。しかしながら、近年の多様化する社会情勢、経済状況、そして生活様式の変化、また輸入製品の増加、さらには後継者不足等、非常に厳しい状況が続いております。  県議会伝統工芸品産業振興議連においても昨年、伝統的工芸品産業の振興に関する申し入れを行ったところであります。その申し入れの内容でありますが、まず、鹿児島伝統工芸館の創設、県無形文化財指定、工芸品の開発、さらには販路拡大、後継者育成への助成等支援策、それとJR鹿児島中央駅構内に伝統工芸PR看板の設置、これらの申し入れを行ったところであります。  県として、その後、これらの取り組みはどのようになっているのか、お示しいただきたい。  徳之島の闘牛は、牛なくさみといって牛を家族同様に扱いながら育成する生活の中で発生したとされ、古くは江戸時代の記録にも記載されている文化的・伝統的な行事であると言われております。  また、近年では、徳之島と沖縄、愛媛県、島根県、新潟県、岩手県、さらには韓国、闘牛文化を軸とする人的交流も図られるなど、地域の活性化に大きな影響を与えております。それに加えて、一旦、島を離れて都会で就職した若者が、闘牛が要因となってUターンする事例も少なくありません。国内外からの観光客へのPRなど多くの課題をしっかり共有し、闘牛文化を将来に継承していかなければなりません。今や、地域振興の大きな柱の一つにもなっております。  このような闘牛文化を取り巻く現状を踏まえて、文化財の指定について質問いたします。  現在、鹿児島の特色ある文化財として指定されている国・県指定文化財が何件あるのか。  これらの指定文化財を活用することによって、地域振興への影響及び効果を与えるようになったものがあると思うが、その事例についてお示しください。  さらに、徳之島の闘牛文化を初め、地域の伝統文化が県指定となるためには、どのような基準及び手続があるのか、お示しください。  沖永良部島の現在整備を推進されております地下ダムでありますが、沖永良部島の和泊町と知名町は、歴史的にも奄美群島の農業振興を牽引してきた実績があります。平成二十五年度の農業産出額、和泊町五十二億円、知名町三十三億円であります。  農業振興については重要事項がありますが、まず、水の確保、農地整備、地力向上、品種改良、そして販路開拓、この五項目が農業振興の要諦であると認識いたします。沖永良部島は平坦な隆起サンゴで形成されており、常に水確保が重要な課題であります。  ここでお尋ねいたしますが、沖永良部地下ダム建設のコンセプト、総事業費、受益面積、国・県の事業進捗状況、今後想定される課題、また、それに対する対応についてもお示しください。  喜界町においては、現在、喜界町の地下ダムが活用され、その成果が評価されております。また、現在の地下ダムだけでは水確保が十分でないということで、新規の水確保策が要望されているところであります。  そこで伺いますが、まず、現地下ダムの運用における成果はどうであるのか。  また、残された課題として、さらなる水確保が必要との要望がありますが、これにどのように取り組んでいかれるのか、お示しください。  これにて二回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 25 ◯知事(伊藤祐一郎君)奄美群島の航空・航路運賃軽減事業についてのお尋ねであります。  この事業は、奄美群島住民の航空・航路運賃の割引を通年で実施し、航空路・航路における旅客数は、いずれも前年に比べ増加しているところであります。  交流需要喚起対策特別事業は、閑散期における需要喚起のため、東京、大阪等の都市圏や鹿児島と奄美群島を結ぶ区間につきまして、住民以外の利用者も含めて運賃軽減を図り、特に、奄美─東京間を初めとして交流人口の増大に寄与していると考えております。  また、今年度は、御指摘もございましたが、奄美─沖縄間の航空・航路運賃の軽減を通年で実施することといたしておりまして、歴史的・文化的につながりの深い沖縄との交流人口の一層の拡大が期待できると考えております。  奄美群島出身者を対象といたしました期間限定の航空運賃軽減制度につきましては、対象となります群島出身者の範囲をどうするかということや、財源確保の課題があると考えており、県としては、当面は、先ほど述べました二つの事業でありますが、両事業の趣旨を生かしながら、引き続き、群島住民の移動コストの負担軽減と交流人口の拡大の双方に、まず取り組んでまいりたいと考えております。 26 ◯教育長(古川仲二君)離島における訪問教育開設の手続と他県の状況についてでございます。  本県では、平成二十二年度から、高校の校舎を活用した特別支援学校高等部訪問教育を実施しており、その開設に当たりましては、複数名の対象生徒の入学希望があること、地元自治体において特別支援教育支援員の配置の協力が得られること、就労訓練の場が確保されること、高校生との交流が図られることなどを総合的に勘案した上で、実施の可能性についての具体的検討を行ったところでございます。  他県の離島では、現在、長崎県で、県本土にある特別支援学校二校の高等部分教室が離島の高等学校内に設置されており、計十八名の生徒が在籍いたしております。また、沖縄県では、軽度の知的障害のある生徒のみを対象といたしまして、沖縄本島にある特別支援学校一校の高等部分教室が離島の高等学校内に設置されておりますが、本年度は在籍者がなく、現在、閉級している状況にございます。  次に、障害者差別解消法の認識と訪問教育の開設についてでございます。  いわゆる障害者差別解消法については、今後、各市町村教委や県立学校にその内容等を十分に周知しながら、法の趣旨を踏まえた対応に努めてまいりたいと考えております。特に、各学校における合理的配慮につきましては、一人一人の障害の状況や教育的ニーズ等をもとに、設置者、学校及び本人や保護者が実施可能な配慮の内容について十分に話し合い、合意形成を図った上で提供することが基本になるものと考えております。  県教委では、高校の校舎を活用した特別支援学校高等部の訪問教育の実施の可能性を検討する前提といたしまして、昨年度、屋久島において、本県の離島における特別支援教育の現状と課題を説明し、あわせて進路希望意向調査を実施したところでございまして、喜界島につきましても、同様の対応を行う方向で検討してまいりたいと考えております。  次に、伝統的工芸品の県文化財指定に向けた取り組みについてでございます。  県の文化財指定は、国の基準に準じており、技術・技法の伝承や技法の芸術性、地域の特色などの価値を県文化財保護審議会が調査し、その答申を得た上で、県教育委員会が指定いたしております。  県文化財保護審議会においては、薩摩焼の出土品、大島紬の製作道具及び川辺仏壇の初期の製品等について調査を実施し、その歴史や技術・技法等の研究を行っているところでございます。  今後とも、三伝統的工芸品に係る技術保持者や技術・技法等について、県文化財保護審議会の委員と引き続き十分な意見交換を行ってまいりたいと考えております。  次に、県内の国・県指定文化財の数と活用についてでございます。  本県における国指定文化財は、平成二十八年五月一日現在で有形文化財三十七件、記念物八十件など、合計で百二十八件でございます。また、県指定文化財は、有形文化財百四件、記念物九十二件など、合計二百九十件でございます。  指定文化財の活用による地域振興につきましては、平成二十七年度の事例といたしまして、上野原縄文の森では、修学旅行を初めとする団体利用など年間約十二万人の県内外からの来園者があり、また、南種子町の広田遺跡ミュージアムは、観光ツアーにも組み込まれるなど年間一万一千人の来館者がございます。いずれの事例におきましても、児童生徒や高齢者がボランティアガイドに取り組むなど、郷土の文化財に対する意識が高まりますとともに、郷土の魅力の情報発信により観光客が増加するなど、地域の活性化に寄与しているものと考えております。  今後とも、市町村教育委員会に対して、国庫補助制度の活用や観光部局とも連携した取り組みなどが積極的に行われるよう、助言してまいります。  次に、県の文化財指定基準及び手続についてでございます。  県の文化財指定は、国の基準に準じており、国の無形民俗文化財指定基準では、風俗慣習のうち、由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示し、典型的なものに該当し、特に重要なものなどとされております。  国指定の新潟県の牛の角突きの習俗は、伝統的な神事と位置づけられ、角突きにまつわる一連の行事が継承されており、こうした伝統的風習等が一体となって指定されているところでございます。  県指定の手続は、県文化財保護審議会において調査し、県教育委員会が指定しておりますことから、国の指定基準や、ただいま申し上げました新潟県等の事例等も踏まえながら、今後、同審議会の委員とも意見交換をしてまいりたいと考えております。 27 ◯観光交流局長(本 重人君)議会伝統工芸議連の申し入れ事項への取り組み状況についてでございます。  本県の伝統的工芸品は、県特産品協会などさまざまな運営主体が設置する施設で展示・販売されているところでありまして、新たな伝統工芸館の設置につきましては、費用対効果や既存施設との兼ね合いなど、検討すべき課題も多いと考えております。  また、販路拡大につきましては、新商品開発や海外進出の可能性調査を行っておりますほか、昨年度は、国の地方創生交付金を活用した販売促進やPRにも取り組み、販売会などでは目標額を上回る売り上げがあったところでございます。  しかしながら、後継者不足を初め、産地を取り巻く環境は厳しい状況が続いておりますことから、引き続き、関係団体とも連携して、新商品開発等の取り組みを進めてまいりたいと考えております。  なお、JR鹿児島中央駅構内における伝統的工芸品のPRにつきましては、今年度中のショーケース設置に向けて、産地組合や関係者との協議を進めているところでございます。 28 ◯農政部長(川野敏彦君)沖永良部島の地下ダムについてでございます。  沖永良部島は、水源が乏しく、農作物に必要な水は降雨等に依存しており不安定なことから、農業用水を確保し、農業生産の安定と向上を図るため、平成十九年度から国営事業で地下ダム建設工事を実施しているところです。  この事業は、総事業費が三百五十億円、受益面積が千四百九十七ヘクタールで、平成二十七年度末における進捗率は五六・一%となっております。また、末端配管整備などの負担軽減事業の進捗率は、六三・九%となっております。  今後の課題と対応についてですが、国営事業の完了は平成三十三年度と見込まれており、完了後は土地改良区に電力料金負担が生じてきますことから、電力会社に対し、農業用の新たな料金種別の創設を要望していたところですが、本年四月に認められたところです。  さらに、ダム等の基幹水利施設の維持管理に係る費用の一部を助成する国の補助事業の導入について、今後、地元町と一体となって要望してまいりたいと考えております。  喜界島の地下ダムについてでございます。  喜界島における地下ダムを水源とする畑地かんがい事業は、国営が平成十五年度に、附帯県営が平成二十四年度に完了したところです。  かんがい施設の活用により、トマトやカボチャなどの野菜の作付面積が拡大しているほか、新規作物としてトウガラシやブロッコリーなどの導入が進みつつあります。また、干ばつ被害の大きかった平成二十五年産のサトウキビでは、十アール当たりの収量が未整備地域に比べ約二割上回るなど、散水による効果が着実にあらわれているものと考えております。  地下ダムからの通水が及んでいない地域については、地元からの要望を踏まえ、国が今年度から新たに調査に着手し、三年間かけて地質調査や用水計画調査などを行うこととなったところであり、県としても、引き続き地元町と連携を図りながら、調査に協力してまいります。    [き久伸一郎君登壇] 29 ◯き久伸一郎君 それぞれ御答弁いただきました。  離島地域における消費税の件でありますが、生活必需品への付加、産業振興という視点から建設・建築資材、また農業という視点から肥料・飼料、その他にも、エネルギー関係、輸送コストプラス消費税アップということになります。格差の逆進性、また島民の負担というのは、現時点では解消される見通しは遠いのかなというのが実感であります。  消費税は、離島地域に住む全ての方に影響する事案でありまして、日常の生活負担軽減は、少子化対策、またUIターンの推進、人口減少の歯どめにもなると思います。税率軽減への租税特別措置法を変えろとか、また、基本的に消費税に反対するものではありません。島民の負担軽減措置、軽減措置に関して検討・対応はできないのかということで、国とも協議の場をしっかり設けていただければと思います。  そして、地方創生に関連する若い世代の子育てでありますが、持続的な財源、制度の維持、そして実効性、実現力、成果達成、これは重要であると考えます。  それと、都会に住んでいる奄美群島の出身者の方たちへの期間限定割引でありますが、知事からも御紹介がありましたように、制度設計とか交付金の拡充、大変ハードルが高いということは認識の上であります。現在行われている交付金制度の効果検証などもしっかり踏まえていく中で、時間をかけながらも、国との協議の場をしっかり設けていただきますようお願いいたします。  そして、喜界高校への訪問教育室、そして特別支援学級でありますが、今回、障害者差別解消法ができました。執行部におかれましては、法律の有益性、この点をしっかりまた研究され、課題解決に向け、一日も早い訪問教育室並びに特別支援学級の設置に向けて努力していただきますようお願いいたしまして、一般質問を終わります。(拍手)
    30 ◯副議長(鶴田志郎君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 二分休憩       ───────────        午後一時十五分再開 31 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  上山貞茂君に発言を許可いたします。    [上山貞茂君登壇](拍手) 32 ◯上山貞茂君 こんにちは、県民連合の上山貞茂です。県議になり二回目の質問となります。よろしくお願いします。  まず初めに、熊本県を中心に発生いたしました熊本地震により亡くなられた方々、御家族の方々、被災された皆様方に心からお見舞い申し上げます。  私も五月二十五日に、県議・市議合わせて五人で熊本に参りました。益城町及び西原村を中心に現場を見てまいりました。熊本県災害対策本部の資料によりますと、五月二十二日現在で、死者・関連死含め六十九人、行方不明・重軽傷者合わせて千六百十九人、全半壊数二万五千二百六十八棟、避難者数最大十八万三千八百八十二人─本震後四月十七日九時現在─でした。避難所数も八百五十五カ所を数える数字に上っていました。  四月十四日二十一時二十六分、深さ十一キロメートル、マグニチュード六・五、最大震度七の地震が発生し、その後も、二十二時七分に震度六弱、翌日十五日零時三分震度六強、十六日一時二十五分震度七、本震が起こりました。一時四十五分震度六弱、三時三分には震度五強、三時五十五分には震度六強と立て続けに地震が発生し、震度一以上の地震回数は、六月八日現在で千六百八十九回を記録しています。まさに未曾有の大地震と言えます。天地がひっくり返る恐ろしさだったに違いありません。  隣県鹿児島としても、復旧・復興に最大限の支援に力を挙げるとともに、今回の地震を対岸の火事とせず、活断層の地震の想定外の恐ろしさを検証し、被害を最小限に抑える対策をしっかりととれるように、日ごろから減災・防災に取り組んでいくべきであると述べさせていただき、私の一般質問に入らせていただきます。  まず、知事の政治姿勢についてでございます。  一点目は、知事の憲法観です。  五月三十一日に地元紙が実施した憲法アンケートによりますと、伊藤知事は、憲法改正については「どちらかといえば必要ない」、九条改正については「どちらかといえば反対」、安全保障関連法及び緊急事態条項については「選択せず」という結果が掲載されました。憲法の立憲主義の尊重という姿勢については評価いたします。  現政権が目指す憲法改正は九条であり、二十五条の生存権など多岐にわたっていますが、憲法改正の方向性は、国民主権、立憲主義からも逸脱するものであると考えます。多くの憲法学者が憲法違反と指摘している集団的自衛権を前提とした安全保障については、国が判断するものと、げたを預けるわけにはいきません。なぜなら、国の政策は自治体行政に大きな影響を与えるものだからでございます。緊急事態条項に至っては、国家に平常時とは異なる権力行使を行う権限を与えるもので、ドイツのワイマール憲法の失敗を鑑みても、制定してはならないものだと考えます。  知事の日本国憲法に対する見解を求めたいと思います。  二点目は、川内原発の再稼働の問題でございます。  七月十日は、参議院選挙と同日に県知事選挙の投票も実施されます。知事は、四選を目指すと立候補を表明し、今回の知事選に当たり、川内原発問題について、選挙戦の争点にはならないと公言されています。川内原発が再稼働して初めての県知事選挙です。当然ながら、原発再稼働は争点になるべき課題だと考えます。  五月四日の地元紙世論調査によりますと、川内原発再稼働して「よくなかった」「どちらかといえばよくなかった」と否定的な回答をした人が五二・三%、「よかった」「どちらかといえばよかった」の四一・三%を上回っていることが明らかになりました。一方、再稼働してよかったと答えた人も、「再生可能エネルギー移行までの当面の稼働」とする人が三七・八%を示し、「今後も原発を活用すべき」の一二・八%を大きく上回っています。これらのアンケートから、県民は必ずしも原発再稼働という既成事実を容認しておらず、原発再稼働の避難体制、地震対策など安全性に疑問を抱いていることも明らかになっております。また、再生可能エネルギーへの移行など、新たな時代を望んでいることもわかります。  そこで、七月の知事選で川内原発再稼働を争点としない理由についてお答えください。また、このアンケート結果に関して、知事の見解を求めたいと思います。  三点目は、伊勢志摩サミットの評価でございます。  今定例会に当たり伊藤知事は、伊勢志摩サミットに関して、世界経済について、「下方リスクが高まってきている」とした上で、「新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行う」とした首脳宣言をわざわざ取り上げています。しかし、経済評論家や新聞各社の論調は、安倍首相が発した世界経済のリスクに各国首脳は共有していないと報じ、国内の政治的難局を打開するために伊勢志摩サミットを利用したものだと分析しています。メルケル首相に至っては、世界はある程度安定した成長状態にあるとの認識も示しています。  知事にお伺いします。  サミット首脳宣言における世界経済の合意について、知事の見解をお示しください。  また、安倍首相は、核なき世界を声高に叫ぶオバマアメリカ大統領の広島訪問、さらに、サミットでは、核兵器のない世界に向けた環境を醸成するコミットメントを再確認し、広島宣言を支持する合意を得、成果を強調しています。  私も、唯一の戦争被爆国である日本と、原爆を投下した当事国である米国の両首脳が、被爆地広島の地を踏んだ今回の訪問を前向きに評価する一人でありますが、一方で、オバマ大統領は、核弾頭削減数では前ブッシュ大統領に比べ少なく、今後三十年で一兆ドルを投じて新型核弾頭の実験を行うことも報じられています。  日本も、核兵器を保有する国をふやさない核兵器不拡散条約は批准しているものの、核兵器の製造、保有、使用等を全面的に禁止する条約には賛同していません。他の国から、米国の核の傘下に守られているとみなされるゆえんでありますが、平成十六年に県議会で決議いたしました、無差別大量破壊兵器廃絶・世界の恒久平和を希求する鹿児島県宣言に鑑み、核兵器廃絶に向けた知事の見解をお示しください。  四点目は、県民に寄り添う姿勢でございます。  県民との信頼関係を保つために不可欠なのが知事の情報発信です。とりわけ記者会見は、施策をアピールしたり、説明責任を果たすための重要な場となります。しかし、昨年度の九州七県の知事会見の状況を調べてみますと、伊藤知事は会見回数は八回で、佐賀、長崎の十五回を大きく下回っています。最多の大分県は二十八回ですので、月二、三回と、月一回以下の差になっています。  この数字について、知事の見解を求めます。  首長の多選について、知事は、「当選回数そのものには特に問題はない」と述べ、「期数だけを捉えた批判は当たらない」と答弁されています。確かに、当選回数のみを問題視し、多選を否定するつもりはありません。しかし、日本の地方公共団体では首長の権能が極めて強く、行政の人事権や予算等の提案・決定権、土地利用の許認可権等を一手に握り、多選を繰り返すことにより、首長の専制化・独裁化、行政組織の硬直化、職員の士気の低下を招くという弊害が指摘されています。  知事の三期十二年間における特徴的に挙げられる問題は、女性蔑視と捉えられたサイン・コサイン問題、上海路線維持のための県職員派遣研修問題、ドルフィンポート契約前移転による違約金と鹿児島市との協議不足を露呈したスーパーアリーナ問題などではないでしょうか。県民からは、押しつけ行政、上から目線と批判が相次ぎ、リコール運動にまで発展いたしました。公立のラサールとやゆされた楠隼高校は教職員からも疑義が出るなど、民主的な決定のプロセスの欠如を感じました。  財政難を理由とした県職員の人員・賃金削減のプロセスについても、各部・各職場、現場の意見を酌み取る気風を排除し、言っても聞いてもらえないという諦め感、後輩がなかなかできない中で職員の士気の低下を招いています。それでも、ミカンコミバエ根絶に向けて農家のために必死になって作業に当たった農政普及員のように、現場では、地域のため、鹿児島県のために頑張っている姿に感激を覚えるものです。  TPPも、農政問題ではなく農村問題として現場を見てほしい、補助金行政では後継者は生まれないという農家の方々の意見もよく聞かれます。「鹿児島県民所得一人当たり二百三十九万九千円、四十五位」、「子どもの貧困率二一・三%、五人に一人」の地方紙の見出しに衝撃が走るとともに、政治のありようを考えさせられます。  四期目を目指す知事として、知事のリーダー論をどのように考え、また、「日本一のくらし先進県」、「力みなぎる・かごしま」に向けた決意をお示しください。  次に、県行政改革の影響と課題として質問いたします。  人事院は、二〇一五年度の年次報告書、いわゆる公務員白書を国会と内閣に提出しました。その第一編第二部を見ますと、国家公務員の在職状況について、四十歳代と五十歳代職員の割合が、二十歳代と三十歳代の職員の割合を相当に上回るという大きな山と谷を持つ構成になっている。このままの姿で二十年後を想定すると、公務で経験を積んだ管理職員やベテラン技術者が極めて少なくなると警鐘を鳴らしています。二十から三十歳代の職員の割合が少ないことにより生じる問題点として、技能・経験の継承が困難になる、組織能率が低下する、部下を持つ経験が遅くなることでリーダーとしての能力が養いにくくなると考えている職員が多くいることも指摘しています。  鹿児島県においても、県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づく行政改革により、地域振興局への組織再編、庶務業務の集約化、業務の民間委託などで千三百人程度の人員削減と職員給の見直しが現在進行形で行われています。人員不足の業務に対しては、嘱託職員や非常勤職員の活用などで対応を図っており、このままの姿で二十年後を想定すると、公務で経験を積んだ管理職員やベテラン技術者が極めて少なくなるという人事院の指摘は、鹿児島県にも当てはまるものと考えます。  そこで、職種ごとの年齢層別人員構成の割合について、県政刷新大綱策定前と昨年度を比較し、その変化をお示しください。その現状を踏まえて、技能・経験の継承、職員のモチベーション向上への対応について、県の見解をお示しください。  さらに、働き方の改革と勤務環境の整備に関する課題では、育児責任を担う職員が、育児休業等の仕事と家庭の両立支援制度を利用しやすい職場の環境づくりを進めることはもとより、今後は、男女を問わず育児のみでなく介護を担う職員が増加すると想定され、公務の職場全体が、時間や場所に制約があっても引け目を感じることなく勤務を継続できる環境を整備することが重要となると指摘しています。  そこで、知事部局、教育部局内職員の育児休業取得者数及びその割合、介護休暇制度の現状及び取得者数についてお示しください。  また、育児休業からの職場復帰を円滑にするため、事業所内保育所の設置も効果的であると考えますが、知事部局においては、職場復帰支援についてどのように取り組んでいくのか、お示しください。  組織活力の維持に関する課題では、従来常勤職員が担っていた業務を非常勤職員が代替して恒常的になっているような実態があれば、そのような業務には常勤職員を任用することが適当である。公務の現場でその役割を果たしている非常勤職員についても、常勤職員と同様に高い意欲を持って勤務することができるよう適切な勤務環境を確保することが重要となるとしています。  一方、政府は、正規・非正規にかかわらず同じ職務の労働者に同じ賃金を支払う、同一労働同一賃金を法制化する方針を打ち出しています。パート労働法や労働者派遣法の改定にとどまるか、新法制定かは流動的ですが、同じ職務なら同じ処遇を受ける均等待遇が、同一労働同一賃金の考え方です。  県においても、県消費生活センターなど、非常勤職員の数が常勤職員の数よりも多い職場があります。  そこで、知事部局及び教育委員会における非常勤職員の数についてお示しください。  また、本来常勤職員が担うべき業務を代替して恒常的に担っている実態があるのかどうか、あれば今後の対応について、知事部局及び教育委員会それぞれの均等待遇の観点から、県の見解を求めます。  一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 33 ◯知事(伊藤祐一郎君)憲法観についてのお尋ねがございました。  日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重及び平和主義を基本理念とする国家の最高法規であり、これまで広く国民にも浸透しており、我が国が自由で民主的な国家として発展する上で極めて大きな役割を果たしてきたものと考えております。その上で、我が国が目指す平和国家などを前提として、世の中の変化を踏まえつつ、国会を初め、国民の間で幅広い議論が行われることは重要なことであると考えております。  核兵器廃絶への見解についてのお尋ねであります。  我が国は、世界で唯一の被爆国であり、核兵器による惨禍が再び繰り返されることがないよう、世界の平和の構築のための不断の外交努力を続けていくことが極めて重要であると考えております。  四期目に向けた知事の決意等についてであります。  私は、時代の大きな変革期を迎え、これからの時代の課題であります、少子化対策を伴う人口減少への対応、持続可能な国・地方を通ずる財政制度や社会保障制度の構築など、我が国の従来の制度が大きく変容する中で、将来の県民の幸せにつながる改革に断固たる決意を持って取り組むとともに、全ての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるような「力みなぎる・かごしま」づくりに果敢に挑戦してまいりたいと考えております。  さらに、県政に課せられた最大の課題である、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の実現を目指し、今後とも、県民本意の県政実現に私自身が先頭に立って全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。 34 ◯危機管理局長(永野 司君)川内原発再稼働についてでございます。  川内原子力発電所の再稼働につきましては、新規制基準に基づく原子力規制委員会による原子炉設置変更許可後、住民説明会の開催や国のエネルギー政策の確認を行い、薩摩川内市議会、薩摩川内市長及び県議会の御判断など一連の民主的な手続を経て、県としては平成二十六年十一月に、やむを得ないと判断したところであり、川内原発一号機につきましては昨年八月に、二号機につきましては十月に起動し、現在、安全に運転がなされております。  県におきましては、県開発促進協議会等を通じて、エネルギー政策における原子力発電の位置づけ等に関して、国が主体となって丁寧に説明を行うなど、国民の理解を得るよう要請しますとともに、九州電力に対しては、安全確保を最優先に、慎重かつ丁寧に万全の注意を持って発電所の運転に当たるよう要請しております。 35 ◯企画部長(岩切剛志君)伊勢志摩サミットにおける世界経済の合意についてであります。  先日開催された伊勢志摩サミットにおいて、各国首脳は、世界経済について、中国など新興国経済に陰りが見え、世界的な需要の低迷によって成長の減速が懸念されており、今後の見通しに対する下方リスクが高まってきているという認識を共有したところであります。その上で、新たな危機に陥ることを回避するため、経済政策の強化や金融・財政政策と構造政策を総動員することの重要性に合意したところであると認識しております。 36 ◯知事公室長(武盛武士君)記者会見についてお尋ねがありました。  定例の知事記者会見は、県議会定例会がある月を除いて原則毎月行っています。臨時の記者会見や知事インタビュー等にも知事が適宜対応しております。このほかにも知事は、県内各地に出向き県民と直接対話したり、テレビ番組などにおいて、県政運営の基本的な考え方や主要施策等についてわかりやすく説明しているところです。また、県職員も、県政の課題や県の重点的な施策等について、記者発表や県民に直接説明を行う県政出前セミナーなどにも取り組んでおります。  今後とも、こうした取り組みを初め、県政かわら版等の広報紙や県政広報テレビ・ラジオ番組、ホームページ、フェイスブックなどさまざまな媒体、あらゆる機会を活用して県政の広報や情報発信に努めてまいります。 37 ◯総務部長(寺田雅一君)県の行政改革の影響等に関する御質問のうち、職種ごとの年齢層別人員構成の変化とその対応についてでございます。  平成十六年四月と平成二十七年四月における知事部局の職員の年齢構成を比較いたしますと、事務職は、二十九歳以下の割合が一一%でほぼ変わらず、三十歳から四十九歳は五八%が四七%に、五十歳以上は三〇%が四二%になっております。技術職では、二十九歳以下は一二%が七%、三十歳から四十九歳は六二%が五四%、五十歳以上は二六%が三九%になっており、事務職、技術職のいずれも、四十九歳以下の割合が低下する一方で、五十歳以上の割合が上昇しているところでございます。  県におきましては、職場における日常業務を通じた研修や、各部局における職務の特性に応じた研修によりまして、職員の専門性の向上に努めますとともに、職員に応じた階層別の研修や、職員みずからの選択により職務能力の開発に取り組むチャレンジ研修、人事異動における特定の業務に係る庁内公募、国や他県等への若手職員の派遣などにより、職員の意欲や自主性の向上を図っているところでございます。  今後とも、これらの取り組みを通じまして、職員の意欲や資質の一層の向上が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  育児休業、介護休暇の取得状況等及び育児休業からの職場復帰の支援についてでございます。  知事部局において新規に育児休業を取得した職員数は、平成二十五年度が女性三十三名、男性二名、二十六年度が女性二十九名、男性四名、二十七年度が女性二十六名、男性二名となっており、女性の取得割合は一〇〇%、男性は平成二十五年度一・九%、二十六年度四・一%、二十七年度二・三%となっております。また、父母等の介護のため六月を上限に取得できる介護休暇を新規に取得した職員数は、平成二十五年度及び二十六年度が各二名、二十七年度がゼロ名となっております。  育児休業からの職場復帰につきましては、休業期間中も業務に関する情報を提供するとともに、復帰に際しては、業務分担の見直しを行っているところでございます。また、復帰後においては、本人の希望に基づき、勤務時間の短縮や出退勤時間帯の変更等を行うことにより多様な働き方を選択できるようにするなど、環境の整備に努めているところでございます。  なお、庁舎内における保育所の設置につきましては、設置場所の確保、整備や運営に要する費用負担、管理運営方法などさまざまな課題があるものと考えております。  いずれにいたしましても、引き続き、職員の仕事と子育てや介護が両立しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、非常勤職員の人数及び業務についてでございます。  知事部局における非常勤職員数は、平成二十七年四月時点で約九百五十人となっています。非常勤職員は、土地の登記に係る職員の補助的な業務や、法律顧問等高度な学識経験を要するものなど、多岐にわたる業務を対象といたしまして、一年以内の期間を定めて任用しており、正規職員とは任用の根拠や勤務時間、業務内容等が異なるものでございます。  なお、非常勤職員の勤務状況につきましては、一般職員の給与改定率をもとにした報酬の改定や、通勤費用相当額の費用弁償の支給などを行ってきているところでございます。 38 ◯教育長(古川仲二君)教育委員会において、新規に育児休業を取得した職員数は、平成二十五年度が女性二百三十八名、男性八名、二十六年度が女性二百三十九名、男性九名、二十七年度が女性二百四名、男性十一名となっており、女性の取得割合は一〇〇%、男性は二十五年度一・九%、二十六年度二・三%、二十七年度三・〇%となっております。  また、父母等の介護のため六月を上限に取得できる介護休暇を新規に取得した職員数は、平成二十五年度が十四名、二十六年度が七名、二十七年度が九名となっております。  次に、教育委員会における非常勤職員数は、平成二十七年五月時点で約一千四百八十人となっております。非常勤職員は、学校の環境整備等の補助的な業務や、学校医等高度な専門性を要するものなど、多岐にわたる業務を対象として、一年以内の期間を定めて任用しており、正規職員とは任用根拠や勤務時間、業務内容等が異なるものであります。  なお、非常勤職員の勤務状況につきましては、知事部局と同じ取り扱いとなっております。 39 ◯上山貞茂君 自席から何点か質問させてください。  知事の記者会見ですが、今の話を聞くと、毎月行っている、それと臨時的にも行っているとなると、この回数というのは実際上、何回行ったのかちょっと教えてください。私の調べたところでいくと八回という数字が出ていますので、合っているかどうかも確認させてください。  それと、非常勤なんですけれども、相談員というのは非常勤でということが現状ですけれども、ただ、一年更新で結果的に常勤の形になっている。非常勤というのは期間が限定されますから、その業務はいずれなくなると思うんですけれども、なくならない業務なんです。その辺の観点、要するに非常勤職員でいいという判断というところの根拠について示してください。二点です。 40 ◯知事公室長(武盛武士君)記者会見についてのお尋ねがございました。  定例の記者会見等ということであれば御指摘の回数かと思いますが、それ以外にも適宜対応いたしておりますとお答えしたところでございます。 41 ◯総務部長(寺田雅一君)非常勤職員の取り扱いについてでございますけれども、先ほどお答えを申し上げましたとおり、非常勤職員の勤務の内容につきましては、土地の登記に係るもの、あるいは法律顧問等高度な学識経験を要するものなど、さまざま事情が違うところでございます。そういった業務の特性に応じまして、業務の内容や業務に伴う責任の程度などを踏まえて、判断しているところでございます。    [上山貞茂君登壇] 42 ◯上山貞茂君 ただいま答弁をいただいたわけですけれども、非常勤職員については、やはり正規職員と非常勤職員の賃金差が非常に高いというところで、人事院も問題視しているという認識を持っていますので、その業務のあり方を含め、今後も議論していきたいと思っております。  次にいきます。  川内原発における安全対策の課題についてでございますが、一連の熊本地震を受け、伊藤知事は定例記者会見において、「川内原発周辺では今回のような地震は起きない。少なくとも文献上ないので少々安心。緊急性は感じなくていい」と述べ、避難計画などを見直す必要はないとの見解を示しました。その背景には、川内原発の揺れは最大八・六ガルと、原発が自動停止する設定値百六十ガルを大幅に下回っていたことから、原子力規制委員会の田中委員長が、安全上の問題は起きないと結論づけたことがあるように感じます。  しかし、四月二十九日の地元紙によりますと、揺れの大きさよりも想定外に備え停止を求める声が、九州電力に十五日からの一週間で電話で五百四十件、メールで約四千二百件も県内外から寄せられています。震度七が約二十八時間の間隔で連続するという専門家の想定を超える地震だったことからも、不安が増大したものと思われます。  川内原発は現在、一、二号機が稼働中で、それぞれ百五十七体の燃料集合体を装荷中です。このほかに、使用済み燃料が一号機では千百二十八体、二号機では八百十八体、それぞれの使用済み燃料プール中に保管されています。原発は、運転をとめてしまえば直ちに安全だというものではありません。しかし、運転停止後一日たてば運転時の発熱量の〇・五%程度にまで下がることで、運転中よりははるかに危険性が下がります。  原発の事故は、直接原発が破壊されることによってのみ起こるものではありません。原発近くの変電施設や送電施設が地震によって破壊され、送電ができなくなり、結果、原子炉は緊急停止するよりほかなく、同時に外部電源の喪失状態に陥ることになります。非常用ディーゼル発電機が起動に失敗すれば直ちに危機的状態に陥りますし、起動しても、燃料の補給手段がなくなれば原発事故は免れないのです。  川内原発の再稼働差し止め福岡高裁宮崎支部の判決でも、基準地震動の策定や耐震安全性について合理性を有するとしながらも、規制委員会の予測を超える事態が起きるリスクがあると認めています。東日本大震災直後、中部電力の浜岡原発─静岡県─の停止など、事故を恐れて停止した例もあります。リスクが懸念される事態を察知し、県の最高責任者として県民の命を守る防災・減災の視点で判断することこそ、知事の決断だと考えます。  川内原発事故は、県内のみならず日本全体に影響を及ぼすのは必至です。県民そして国民の不安を解消するためにも、川内原発を一旦停止し、川内原発周辺の活断層の再調査、安全確認後の再稼働を行うべきだと考えます。それが原発立地県としての責任だと考えますが、知事の見解をお示しください。  熊本地震では、一カ月たった現在でも、建物が倒壊するおそれがあるとの理由から、自宅から避難し、屋外テントや駐車場にとめた自動車の中で生活することを選ばなければならない人たちが大勢います。屋内退避を基本としている今の原子力防災の考え方は、大きな地震と原発事故が重なって起きたときには全く相入れないものであることが今回、実証されました。さらに、道路の寸断、鉄道線路や橋の崩壊など、放射能を避けようとしても避難することもままならない事態が起きてしまいます。  熊本地震の現実を踏まえた上で、原発の屋内退避を前提としている今の原子力防災の考え方について、知事の見解をお示しください。  また、複合災害時における住民避難計画の検証に着手するべきだと考えますが、知事の見解を求めます。
     原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分地の選定をめぐり、経済産業省は五月十六日、自治体向け説明会を鹿児島市で開きました。資源エネルギー庁は、二〇一六年中に適性値が高い有望地の提示を目指すとの方針を説明しているようです。  そこで、自治体向け説明会の内容、有望地選定の考え方についてお示しください。  知事はこの間、鹿児島の農業・観光振興の観点から、一貫して受け入れ反対の立場を鮮明にしています。しかし、「川内原発周辺では今回のような地震は起きない」等の発言を聞いていますと、川内原発周辺が候補地に選定された場合、拒否できるのか不安に感じざるを得ません。  今回の熊本地震は、布田川活断層と日奈久活断層の地盤が水平方向にずれる、横ずれ断層型と言われていますが、地震学者、火山学者では、中央構造線が何らかの形で誘発されているのではないかという意見もあります。南海トラフ地震も今後三十年以内に六〇から七〇%の確率で起こるとされており、予断は許されません。  そこで、鹿児島に高レベル放射性廃棄物最終処分場を受け入れる考えは絶対にないと言えるのかどうか、知事に改めて質問いたします。  二回目の質問です。 43 ◯危機管理局長(永野 司君)熊本地震を踏まえた川内原発の一旦停止についてでございます。  川内原子力発電所につきましては、新規制基準に基づき、周辺の活断層や原子炉直下の岩盤などの地域特性を踏まえ、想定される最大の揺れに余裕を持たせた地震動として六百二十ガルが設定され、これに耐えられる構造になっていることや敷地内に活断層がないことが、原子力規制委員会により確認されております。  また、今回の熊本地震の震源とされます布田川断層帯と日奈久断層帯につきましては、連動して一度に動いた場合でも川内原発への影響は百ガル程度とされております。  熊本地震による川内原発への影響につきましては、一連の地震による揺れが最大でも八・六ガルであり、原子炉を自動停止させる設定値の百六十ガルより小さく、原子力規制委員会は、科学的・技術的見地から川内原発を停止する必要はないとしております。  複合災害時の原子力防災の考え方についてでございます。  原子力災害対策指針では、原発事故の際、PAZにつきましては放射性物質の放出前に避難し、UPZにつきましては、毎時二十マイクロシーベルトを超える場合に一週間程度をかけて避難することとなっており、十分な時間的余裕を持って避難することとなります。  また、自然災害と原発事故の複合災害が発生した場合、地震や津波など自然災害への対応を優先し、避難は、事態の進展に合わせて、安全な場所を求めて移動することが基本となります。  現在の避難計画では、避難経路につきましては、複数の経路をあらかじめ設定し、避難先につきましては避難施設等調整システムで調整することとしており、今回の熊本地震のように道路が寸断されて使用できない場合等には、自衛隊など実動組織により住民の搬送等を行うこととしております。 44 ◯企画部長(岩切剛志君)高レベル放射性廃棄物の最終処分についてであります。  先般開催された説明会において、高レベル放射性廃棄物最終処分場の科学的有望地については、安全性の確保を第一に、火山や活断層の近傍などを回避した地下環境の安定性、火砕流の影響等を回避した処分施設の安全性などの観点から、全国を、適性の低い地域、適性のある地域、より適性の高い地域の三つの地域に分類し、面的な広がりを持った形で示す見込みであるなどの説明がありました。  また、この科学的有望地は、平成二十八年中の提示を目指すとしておりますが、科学的有望地の提示と自治体への調査受け入れのお願いは全く別の話であることなどの考えも示されたところです。  最終処分場について、本県においては、安心・安全な食の供給基地を形成するとともに、観光の振興による地域の発展を目指しているところであり、これまでも繰り返し申し上げているとおり、鹿児島県において最終処分場を立地する意思がないことは、現在も変わらないところであります。 45 ◯上山貞茂君 自席から再度確認いたします。  知事が記者会見で述べています、川内原発周辺では今回のような地震は起きない。これは安全宣言ととられかねないんですが、知事の本意としては、こういった安全宣言ではないと考えていいのかどうか、その辺の確認をさせてください。  それと、放射性廃棄物の最終処分場ですが、こういった形で川内原発周辺は安全だと言えば言うほど、廃棄物の選定地に候補として挙がるようなおそれがあると感じるんですが、それとこれとは別だというそういった根拠を少し示していただければと思います。 46 ◯危機管理局長(永野 司君)川内原発周辺の地震動というのはどういう形で設定されているかと申しますと、市来断層帯とか甑断層帯、そこら辺につきまして新規制基準のほうできちっと審査がされているということでございます。一番近い市来断層帯の市来区間が原発から十二キロのところにございますが、最大のマグニチュードで七・二、そのときの原発での揺れ四百六十ガルと評価がされております。そのほか甑断層帯、これが距離が二十六キロのところにございますが、マグニチュード七・五で四百二十ガルと、こういったのを踏まえまして、先ほど説明いたしましたとおり、川内原発の基準地震動は六百二十ガルと、余裕を持って六百二十ガルと設定されておりまして、十分、熊本地震のような地震には耐えられるということを申しているところでございます。 47 ◯企画部長(岩切剛志君)科学的有望地の選定に向けての考え方、国の状況は先ほど答弁したとおりでございます。  最終処分場については、先ほども申し上げましたが、本県に立地する意思はないところでありまして、原発が立地するという理由だけで、川内周辺を候補地とするのは妥当ではないと考えております。国が原子力政策を総合的に推進するかなめとして、長期的な視点に立って、しかるべき対策を責任を持ってとっていただきたいと考えているところでございます。    [上山貞茂君登壇] 48 ◯上山貞茂君 県民の方々が非常に危惧しているのが川内原発でございます。地震のたびに問い合わせが殺到すると聞いていますし、地震がない、あるいは安全だと言えば言うほど不信感が増大するという悪循環に陥っているような気がいたします。しっかりと情報発信、そして現状確認を今後もしていただきながら、住民の方々の声に耳を傾けていってほしいと思います。  次にまいります。  エコパークかごしまの運営状況です。薩摩川内市川永野町に建設した公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場エコパークかごしまについてですが、これについては、県内唯一の産業廃棄物最終処分場として九十六億円もの巨費を投じて建設され、昨年一月に稼働が始まりました。搬入量は、当初の目標である年間四万トンの受け入れに対し、ことし二月末現在で一万二百三十一トンの搬入にとどまっていることが明らかになっています。  一方、第一回定例会で、廃棄物搬入の現状と課題の議論もされないまま、県は、薩摩川内市からの一般廃棄物搬入の要請を受け入れる旨の報告が出されたところです。稼働して一年の段階で一般廃棄物受け入れ容認方針に驚きを隠せません。環境林務部長の答弁にあるとおり、本来、一般廃棄物─家庭ごみ─は、廃棄物処理法に基づき、市町村がみずから又は委託して処分しなければなりません。その後、新たに喜界町の一般廃棄物も受け入れる考えが地元紙に掲載されました。  そこで、薩摩川内市及び喜界町の一般廃棄物の最終処分場として、エコパークかごしまに搬入することになった経緯についての説明を求めます。  エコパークかごしまは、十五年間かけて毎年四万トン、合計六十万トンの産業廃棄物を受け入れる施設としてスタートいたしました。しかし、第一回定例会では、事業主体である公益財団法人鹿児島県環境整備公社で、平成二十七年度の搬入量は一万一千トンの目標としている旨の報告がありました。公社は、当初の目標を変更したわけですが、四万トンに対し一万一千トンでは余りにも差が大き過ぎます。県は、処理料金について、平均単価をトン当たり一万九千円とし、埋め立て期間十五年間で六十万トンの受け入れにより、約百十四億円の収入を見込む。支出は、公社の運営費や施設の維持管理約五十四億円、建設費の借入金返済約五十九億円、合計約百十三億円見込んでおり、一億円の黒字となる収支を示していました。年間一万一千トンでは、十五年間六十万トンの達成は見込めないのは歴然です。民間企業だったら、採算が合わず経営できない危機的状況と言えます。  そこで、公社の毎年の受け入れ量について具体的な数字が示されているのか、伺います。また、二〇一五年度において、エコパークかごしまへの県費持ち出しはあったのか、あったとすれば幾らなのか明らかにしていただきたい。  県議会で説明し、了承を受けた搬入目標がいつの間にか変更になっているのは、稼働してみて現実的な数字をはじき出した結果と考えられます。すなわち、非現実的な数字を県議会に示し、計画を推し進めたと捉えられても仕方がありません。地元紙の記事で、「採算ラインを割り続けるようでは是非が問われかねない。薩摩川内市の申し出は渡りに船だったと言える」という記事が掲載されましたが、よもやそうではないとは信じたいのですが、県の見解を求めます。  さらに、今後の採算性の問題、受け入れ基準等、県民の合意を得るための手続について、県議会での徹底した情報開示と議論を求めますが、県としての見解を求めます。  続きまして、桜島・錦江湾及び霧島ジオパークの世界認定に向けてでございます。  五月二十二日、日本ジオパーク委員会は、桜島・錦江湾と霧島の両ジオパークについて、世界ジオパークへの国内推薦を見送りました。見送る理由として、隣接する火山を同一テーマとするジオパークが並列して申請しても世界認定を得られる可能性は低い、途上国への支援など世界レベルでの貢献ができるほど成熟していないとしています。  ジオパークのジオは地球を意味し、パークは公園を意味します。すなわちジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地形や地質を備えた自然公園のことです。法律に基づいて指定されるものではなく、日本ジオパークの場合は日本ジオパーク委員会、世界ジオパークは世界ジオパークネットワークが認定するものです。  昨年十一月十七日に開催された第三十八回ユネスコ総会において、これまでユネスコの支援事業として行われてきた世界ジオパークネットワークの活動が、ユネスコの正式事業に決定されました。世界ジオ推薦見送りの背景には、自然景観や貴重な地形・地質の保全活動、科学・防災教育、地域振興に加え、世界レベルでの研修会や国際貢献など、選考基準が高くなったことがあると言われています。  これまで、桜島・錦江湾ジオパークは、桜島を中心に周辺の鹿児島海域、鹿児島市街地の中北部から成る自然公園─寺山公園─を範囲とし、認定ジオガイドの養成、ジオ講座の開催も二十一回を数えています。霧島市は、鹿児島・宮崎両県の関係自治体五市二町が県境を越えて連携し、講演会やフォーラムの開催、ジオガイドの養成、ジオサイトの紹介を掲載した地図の作成、火山や地質の開設を含む説明板の設置など、ジオツーリズムの場として利用できる環境整備に取り組んでいます。  世界ジオパークネットワークのギー・マルティーニ事務局長は、「両ジオパークが統合することで、今のポテンシャルをもっと生かした地域をつくることができると思う」との認識を示しています。  そこで、県として、世界ジオパーク推薦見送りの経緯と背景、さらに、認定に向けた県としての役割について、見解をお示しください。  三回目の質問です。 49 ◯環境林務部長(東條広光君)エコパークかごしまの運営状況について、幾つかお尋ねいただきました。  初めに、薩摩川内市及び喜界町の一般廃棄物受け入れの経緯についてであります。  市町村の一般廃棄物につきましては、廃棄物処理法上、市町村の統括的な責任のもと、市町村みずから又は委託等により処理することとされているところであり、市町村からのエコパークかごしまへの受け入れ要請につきましては、法の趣旨を踏まえながら、それぞれの地域における個別の事情やエコパークかごしまの埋め立て容量などを総合的に勘案の上、対応してきたところであります。  薩摩川内市におきましては、市が設置する川内クリーンセンターにおきまして、焼却や埋め立て等の処分を行っているところでありますが、同センター内の最終処分場の埋め立て残量がわずかとなったことから、同市では、当該最終処分場を再生利用することとし、昨年度から再生事業に着手しており、昨年十一月に県に対して、再生事業に伴う埋設物やその間に発生する燃え殻等の受け入れ要請を行ったものであります。  県といたしましては、エコパークかごしまの立地を受け入れていただいた薩摩川内市からの要請でもあり、また、地元四自治会が受け入れに同意していること、エコパークかごしまの埋め立て容量上、受け入れは可能と考えられること、県外処分場までの長距離輸送に伴う環境負荷の低減などにも資することなどを総合的に勘案の上、要請を受け入れることとしたものであります。  また、喜界町につきましては、現在、島内に最終処分場がなく、平成三十二年度を目途に新たな処分場を稼働させる計画でありますが、施設が完成するまでの間は燃え殻等を県外の処分場に搬出せざるを得ず、これに伴う遠距離輸送による環境負荷や外海離島ならではの輸送コストの負担があること、また、受け入れ見込み量も限定的でありますことから、要請を受け入れることとしたところでございます。  次は、県環境整備公社の受け入れ量の設定等についてであります。  エコパークかごしまにおきましては、埋め立て期間を十五年間とし、その間に六十万トンの廃棄物を受け入れることとしておりますが、搬入量が安定するまでには、他県の処分場の実績等から見ましても、開業後おおむね三年程度の期間を要するものと考えられますことから、公社におきましては、実質的な運営初年度である平成二十七年度は、年度当初の想定として一万一千トン、今年度は、一般廃棄物を含めて二万五千トン程度の受け入れを想定しているところであります。  公社は、平成二十九年度以降の年度ごとの具体的な受け入れ量は設定しておりませんが、廃棄物処理計画における産業廃棄物の将来推計量や、薩摩川内市からの一般廃棄物の受け入れ見込み量から試算しますと、十五年間で六十万トンの計画に変わりはないとしております。  また、平成二十七年度は、県は公社に対しまして、管理型処分場の普及啓発活動の推進に係る補助金としまして約二百五十万円を支出しているところであります。  次は、エコパークかごしまの受け入れ量等に関する報道に対する見解についてでございます。  薩摩川内市からの受け入れ要請の経緯につきましては、冒頭答弁いたしたとおりでございます。また、エコパークかごしまの搬入量につきましては、埋め立て期間の十五年間で六十万トンの廃棄物を受け入れる計画としているところでありますが、これにつきましては、従前から、搬入量が安定するまでには、他県の処分場の実績等から見ましても、開業後おおむね三年程度の期間を要するものと見込んでいたところであります。  県環境整備公社におきましては、搬入量の確保に向け精力的に営業活動を行っており、現在、搬入量は着実に増加してきております。県としましては、公社に対して、安定した運営がなされるよう引き続き必要な助言を行ってまいりたいと考えております。  次は、エコパークかごしまに係る県議会への情報開示等についてでございます。  エコパークかごしまに関しましては、候補地選定の段階から現在に至るまで、県議会において御議論いただきながら、整備、稼働を進めてきているところであります。  今回の薩摩川内市からの燃え殻等の受け入れ要請につきましても、要請の内容や関係自治会の同意、廃棄物処理計画における産業廃棄物の最終処分量の将来推計、エコパークかごしまの埋め立て容量などから、県が受け入れる方向とした経緯等について県議会にお示ししてきたところであります。  県としましては、今後とも、県議会への情報提供に努めますとともに、県議会の御意見も伺いながら、エコパークかごしまの安定的な運営を図ってまいりたいと考えております。 50 ◯企画部長(岩切剛志君)世界ジオパーク推薦見送りの経緯等についてであります。  桜島・錦江湾ジオパークと霧島ジオパークについては、本年四月に、世界ジオパーク認定に必要な国内推薦の申請を日本ジオパーク委員会に提出したものの、五月には同委員会の委員長より、本年度の国内推薦は見送るとの方針が示されたところであります。  その際、隣接する同様の火山のジオパークが個々に認定されることは考えられないこと、双方とも、世界への貢献や国際的な活動が不十分であることなどが指摘されたと聞いておりますが、その詳細については、後日送付される審査報告書において明らかにされることとなっております。  両ジオパークの関係自治体においては、この報告書の内容を踏まえて、今後の取り組み方針等を関係団体と協議することとしており、県としては、その検討結果をお聞きした上で今後の対応を検討することとしております。 51 ◯上山貞茂君 受け入れる喜界町の容量、それと、料金については一般も産業も同じ値段なんでしょうか、そこを確認したい。 52 ◯環境林務部長(東條広光君)喜界町からの受け入れ量についてでございますが、当面予定しておりますのは年間三百五十トンほど、これを五年間受け入れるという形で報告を受けております。  料金については、料金体系表に基づいて個別に協議がなされると伺っております。以上でございます。    [上山貞茂君登壇] 53 ◯上山貞茂君 御答弁いただきました。  議論をお互いに今後もしていかなければならないと思っております。特に、エコパークの運営に関しては、県議会としての責任があると認識しておりますので、私としても注視していきたいと思っております。  終わりにですが、保育園落ちたというブログが社会的関心を巻き起こしました。国政を動かし、東京都杉並区は、公園などの区有地を保育所に転用する緊急対策を発表いたしましたけれども、近隣住民からは疑問や反発の声が相次ぎました。区民の合意を得るプロセスが不十分だったと思われます。  今回、多選の問題点も指摘いたしました。県政を推し進めていくとき、県民の方々との合意形成に向けたプロセスは非常に重要です。もちろん、それを実行に移す行政職員の方々との意思疎通にも努めていってもらいたいと切に願うものです。  川内原発も、住民避難計画について、今回の熊本地震の検証を行うべきと主張いたしました。核のごみ問題は、解決できない大きな矛盾を内包しています。県として、政策転換も含めた決断を求めていきたいと思っております。  経済規模で世界第三位と言われる中、日本は所得格差が拡大しています。それは貧困化の数字にあらわれています。経済協力開発機構─OECD─の統計で、二〇〇〇年代半ばから、加盟三十カ国中、ワースト四に日本が入っています。子供の貧困は親世代に起因します。二千万人を超える非正規労働者の平均年収は百六十九万円、年収二百万円以下がワーキングプアと言われる中、四〇%の労働者が生活困窮に陥っています。  県政の課題は非常に多岐にわたっていますけれども、県民の生活安定のためには、県民の声に耳を傾ける姿勢が第一です。私も現場主義を貫いていく決意を申し上げて、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) 54 ◯議長(池畑憲一君)次は、松里保廣君に発言を許可いたします。    [松里保廣君登壇](拍手) 55 ◯松里保廣君 平成二十八年第二回県議会定例会に当たり、本日最後の質問をさせていただきます。  質問に先立ち、去る四月十四日未明に発生した熊本地震により、多くのとうとい人命が失われ、また、被害総額二・四兆円から四・六兆円という甚大な被害が発生したところでありますが、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、心から哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。  また、屋久島町口永良部島の新岳が昨年五月二十九日に爆発的噴火をし、全住民が島外に避難されましたが、昨年十二月二十五日、火山活動の低下に伴い、一部の集落を除き全島避難の解除を行い、これまでに六十六世帯百八人の島民が帰島され、一年が経過したところであります。  県におかれましては、この一年間、口永良部島の噴火災害対策について、屋久島町や関係機関等と連携しながら積極的な取り組みを進めていただきましたことに、心から感謝申し上げます。  そしてまた、引き続き、ヘリポートの新設などの防災インフラ整備等の推進を積極的に行っていただきますようお願いいたします。  それでは、通告に従いまして四問を質問いたします。  初めに、地方財政と本県の財政の課題と対応についてお伺いいたします。  国においては、希望出生率一・八や介護離職者ゼロに直結する緊急対策等及びアベノミクスの果実の均てんによる消費喚起・安心の社会保障、いわゆる年金生活者等支援臨時福祉給付金などの実施、さらに、地方創生加速化交付金などによる地方創生の本格展開等により、超少子高齢化という国の構造的な問題に真正面から取り組み、国民が将来への安心・安全を確保し、誰もが生きがいを持って充実した生活を送ることができる、一億総活躍社会の実現に向けた対策等及び攻めの農林水産業への転換などのTPP関連政策大綱実現に向けた施策等を内容などとする、総額三兆三千二百十三億円の平成二十七年度一般会計補正予算が一月二十日に成立しました。  また、国におかれては、総額九十六兆七千二百十八億円と過去最高となる規模で編成された、平成二十八年度一般会計当初予算が三月二十九日に成立されました。  平成二十八年度の国の一般会計当初予算については、経済再生と財政健全化の両立する予算と位置づけられ、一億総活躍社会の実現に向けて、希望出生率一・八や介護離職者ゼロに直結する子育て支援や介護サービス等の充実や、教育費の負担軽減等、さらに地方創生の本格的な展開を図ることとなっております。  また、社会保障関係費については、三十一兆九千七百三十八億円と過去最大を更新したことから、社会保障関係費の伸びを四千四百十二億円の増加に抑制し、持続可能な社会保障制度の確立に向けた予算とされたところであります。  さらに、歳入のうち税収については、リーマンショック後に全体の三割程度に落ち込みました。その後、アベノミクスによる大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢や、消費税の引き上げなどにより、税収は五十兆円台に回復し、平成二十八年度の見込みは五十七兆六千億であります。  地方財政においても、この間さまざまな対策が実施されてきておりますが、リーマンショック後の緊急対策として、地方交付税を増額する別枠加算が設けられたり、歳出特別枠が拡充されたりしました。その後、国税の回復同様、地方税と地方譲与税を合わせた額は、平成二十八年度の地方財政計画において四十一兆一千億円と、リーマンショック以前の水準にまで回復しております。  しかし、国・地方の債務残高については、平成二十八年度末には一千六十二兆円となる見込みであり、国内総生産の二倍を超え、先進国で最悪の財政状態であります。  一方、本県においては、伊藤祐一郎知事が就任された平成十六年度に四百五十一億円あった財源不足は、県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づき、これまで歳入・歳出両面にわたる行財政改革に懸命に取り組むことにより解消され、今年度も財源不足のない予算編成を六年連続で実現されました。  しかし、本県においては、県税など自主財源が歳入全体に占める比率が三割程度であり、全国平均が五割程度であるのに対して、依然として低い水準であり、地方交付税や国庫支出金等の依存財源に頼らざるを得ない歳入構造となっております。  また、地方財政についても、国の経済・財政再生計画における三年間の集中改革期間の初年度に当たり、リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切りかえを進めていくとされている、歳出特別枠や地方交付税を含む一般財源総額などの確保について、今後、厳しい調整が行われることが予想されるところであります。  そのような中、伊藤祐一郎知事におかれては、平成二十八年度一般会計当初予算総額八千二百二十四億五千七百万円を確保し、「新たな未来への挑戦『安心・活力・改革』」の予算として編成され、平成二十八年度がスタートしたところであります。  伊藤祐一郎知事は、二月十二日、予算編成を終えて議会に予算を上程する前の記者会見において、「弾力的な財政運営を行うには、一般財源ベースで同じ財政規模の団体と比べると公債費が二百億円程度多く、残高をさらに二千億円程度圧縮する必要がある」との見方を示されました。  そこでお尋ねしますが、第一点は、県債残高の圧縮に向けてどのように取り組んでいくのか、お示しください。  また、扶助費に関して、知事に就任された平成十六年度の一・七倍の八百九億円に膨らんだことについて、「扶助費の伸びは避けられないという状況であり、今後とも予断を許さない財政運営が続く」との見方を示されました。  そこで第二点は、扶助費の今後の伸びについてどのように予測されているのか、また、安定的な財政運営のために、扶助費の増加に対してどのような対策を行っていくのか、明らかにしてください。  そして、最近の株安・円高の状況を踏まえ、「日本の産業基盤が揺らぎつつあり、歳入面が変動する懸念がある。波乱含みだ」と述べておられます。
     また、安倍晋三首相は、六月一日に、平成二十九年四月に予定していた消費税率の八%から一〇%への引き上げ時期について、平成三十一年十月へと二年半再延期する方針を記者会見で表明されました。  第三点として、伊藤祐一郎知事は、消費税増税再延期についての見解も含めた、今後の日本経済に対してどのような展望を持っておられるのか、お聞かせください。  また、あわせて、地方財政についての将来の見通しと本県の対応についてお答えください。  次は、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法、いわゆる有人国境離島法についてお伺いいたします。  本県の外海離島地域、いわゆる国境離島は、広大な太平洋や東シナ海に面しており、我が国の領海及び排他的経済水域等の保全や海洋資源の確保などを図る上で、大変重要な役割を担っています。また、豊かな自然等の特性などを通じて、国民生活の充実などに多大な貢献をしております。  しかしながら、国境離島は、厳しい自然条件のもと、人口減少や少子高齢化の進行等による地域社会の活力の大幅な低下及び産業経済の衰退や医療・福祉・介護・教育などの生活環境、さらに社会資本整備など本土との格差の諸問題に加えて、人の往来や生活に必要な物資などの輸送に要する費用が他の地域に比べてかさむなど、経済的・社会的観点からも不利な状況にあります。  また、近年において、我が国の領海及び排他的経済水域での外国船による違法操業等が相次ぐなど、有人国境離島地域におけるさまざまな課題が発生してきております。  このような中、議員提案されておりました有人国境離島法案が、四月二十日に参議院本会議において賛成多数で可決・成立いたしました。  同法案は、国境離島が有する領海・排他的経済水域保全等の活動拠点機能維持を目的とする十年間の時限立法で、領海基線を有し日本国民が居住する離島及びそれらの離島と自然的、経済的、社会的観点から一体をなすと認められる二つ以上の離島を有人国境離島地域とし、さらに、その中で、本土からの航路距離や人口減少率も勘案し、地域社会維持の上で居住環境整備が特に必要と認められるものを特定有人国境離島地域と定めています。  有人国境離島地域については、国による行政機関の設置や土地の買い取りなどの努力義務等の保全施策を行い、また、特定有人国境離島地域においては、保全に加えて、航路・航空路運賃の低廉化などの特別配慮などを講ずる内容となっております。  この特定有人国境離島地域として、全国で八都道県七十一島が指定されており、本県では、種子島、屋久島など計十七島が対象となっております。  そこでお尋ねします。  有人国境離島法については、平成二十九年四月一日施行が予定されており、国においても、基本方針を同日、策定予定であると聞いております。  県としては、この夏の概算要求が、本県の特定有人国境離島地域にとっての勝負どころであり、早急に県計画の策定に向けた準備を進めるべきだと思いますが、どのように考えているのか、お示しください。  また、県計画の策定に当たっては、特定有人国境離島地域を有する市町村との意見交換等が必須と思いますが、具体的な日程を考えているのか。その上で、県は、具体的にどのような計画を策定しようとしているのか、特に、本県の特定有人国境離島地域における課題をどのように認識しており、県計画にはどのようなところを重点的に盛り込もうと考えているのか、あわせてお答えください。  次は、鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進についてであります。  現在、我が国は、少子化等による著しい人口減少や、急速な高齢化の振興に伴う社会保障関係費の増大等による財政面への影響及び若年層等の流入による東京圏への一極集中、さらに、消費の回復が大都市圏に比べておくれ、有効求人倍率や一人当たりの賃金などの大都市圏経済と地方経済との格差など、さまざまなことが懸念され、このまま推移すれば、多くの地方が衰退・消滅しかねない大変深刻な状況にあります。  このような中、我が国が直面する人口減少克服・地方創生に向けて、各地域がそれぞれの特色を生かした自律的で持続可能な社会を創生しようとする、地方創生という政策が国により大きく打ち出され、全国一律でなく、地方がみずから考え責任を持って地域経済の再生に取り組むことが、今まさに求められているのであります。  このような状況において、国は、地方公共団体に対して、遅くとも平成二十七年度中には地方人口ビジョンや地方版総合戦略を策定するよう要請し、また、地方創生に向けた政策を積極的に推進するとともに、地方公共団体に対して、新型交付金等により多様な支援を行うこととしております。  一方、本県では、県議会地方創生総合戦略等特別委員会での審議意見及び鹿児島県地方創生有識者懇話会の意見や県民の皆様の意見などを踏まえ、本年三月二十三日に鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定いたしました。  本県の平成二十七年度三月補正予算と平成二十八年度当初予算においては、地方創生関連事業として二百九十八億五千四百万円を計上しており、主な事業として、観光かごしま創生事業五億円、大学在学時奨学金返還支援基金事業二億円などを実施していく予定となっております。  そこでお尋ねします。  第一点は、鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略における基本目標、ひとをつくるという中での主な施策である、本県離島の持つ恵まれた自然や個性的な文化等を生かした島内外との交流・連携を促進し、交流人口の拡大を通じて離島の活性化を図ることなどが盛り込まれていますが、今後の離島地域に対する具体的な取り組みについてお示しください。  第二点は、熊毛地域の一市三町における地方創生総合戦略の取り組みと、それを踏まえた熊毛地域一市三町に対する県の支援策について明らかにしてください。  これで、第一回目の質問を終わります。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 56 ◯知事(伊藤祐一郎君)県債残高の圧縮に向けた取り組みについてのお尋ねであります。  臨時財政対策債等を除きます本県が独自に発行する県債の残高は、これまでの行財政改革の努力の結果、平成二十八年度末におきましては、平成十六年度末に比べまして三千七百億円程度の減となります、一兆一千三百十八億円となる見込みであります。  一方で、本県の公債費及び県債残高につきましては、財政規模が類似している他の団体に比べまして、依然として多額に上っている状況にあります。将来的な公債費負担の軽減を図りますため、引き続き、行財政運営戦略に基づき、めり張りをつけた社会資本の整備を行うことなどにより、県が独自に発行する県債の新規発行額の抑制基調を維持することによりまして、継続的な県債残高の減少に努めてまいりたいと考えております。 57 ◯総務部長(寺田雅一君)地方財政と本県財政の課題と対応についての御質問のうち、扶助費の今後の伸びについてでございます。  扶助費につきましては、一層の高齢化の進行による高齢者医療制度や介護保険制度の対象者の増加等に伴い、今後ともその給付費の増嵩が見込まれるところでございます。  これらの社会保障関係経費の増に対しましては、国において確実に財源措置がなされることが必要であると考えており、国庫負担金の確保を図るとともに、必要な歳出を適切に地方財政計画へ反映させることを通じて、地方交付税等が確実に措置されるよう、今後とも、県開発促進協議会等を通じて、国に要請してまいりたいと考えております。  あわせて、県といたしましては、引き続き、疾病予防や介護予防対策などに取り組むことにより、医療や介護分野の適正な制度運営に努めていく必要があるものと考えております。  地方財政についての将来の見通しと本県の対応についてでございます。  去る六月三日に閣議決定されました骨太の方針においては、平成三十二年度の基礎的財政収支黒字化という財政健全化目標を堅持することが明記され、経済・財政再生計画に掲げる歳出改革等を着実に実行することとされたところでございます。今後、地方交付税におけるトップランナー方式の着実な実施や国庫支出金のパフォーマンス指標の設定など、歳出改革の取り組みが引き続き推進されることから、本県財政に厳しい影響を及ぼすことが懸念されるところでございます。  さらに、本県においては、扶助費が増加傾向にあることや公債費が高水準で推進することが見込まれることから、今後とも厳しい財政状況が続くものと考えております。  このため、県といたしましては、国の制度改革にも的確に対応し、持続可能な行財政構造を構築するため、引き続き、行財政運営戦略に基づき、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、熊毛地域一市三町の地方創生総合戦略の取り組みと県の支援策についてでございます。  熊毛地域の一市三町の総合戦略には、種子島宇宙センターや世界自然遺産、豊富な農林水産物などの地域資源を生かした施策が掲げられており、それぞれの市町では既に、国の地方創生交付金も活用しながら、観光振興や農林水産物の販路開拓・拡大を図る事業などを進めているところであります。  県といたしましては、平成二十八年度に創設された地方創生推進交付金等も活用して、各市町の総合戦略に基づく施策が円滑に進むよう、必要な情報提供や助言などの支援を行いますとともに、国に対しては、引き続き、地方創生推進交付金の規模の拡充等を要望してまいりたいと考えております。 58 ◯企画部長(岩切剛志君)消費税率引き上げ再延期についての見解と今後の日本経済の展望についてであります。  直近の月例経済報告などによりますと、我が国経済は、雇用・所得環境は改善しているものの、個人消費や設備投資などに力強さを欠いた状況となっており、先行きについては、中国を初めとする新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがあるとされているところでございます。  こうした状況のもと、安倍総理は、伊勢志摩サミットにおいて、新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行うことで各国首脳と合意したことを受け、今後、あらゆる政策を総動員していく上で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきであると判断されたものと認識しております。  国においては、今後、好調な企業収益を投資の増加や賃上げ、雇用環境のさらなる改善等につなげ、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環のさらなる拡大を実現することとしており、今般、安倍総理から、この秋に総合的かつ大胆な経済対策を講じる考えが表明されているところであります。  県としては、こうした取り組みにより、地域経済も含めた経済の好循環の実現に努めていただきたいと考えております。  有人国境離島法に基づく県計画の策定についてであります。  有人国境離島法は、来年四月に施行予定であり、法施行後に、国の基本方針やこれに基づく県計画を決定することとされております。  国においては、基本方針に盛り込むべき施策の検討を前倒しして進めたいとしており、これを受けて県においても、県計画に盛り込むべき内容の検討に着手したところであり、去る五月二十七日には関係市町村への説明会を開催したところであります。  離島地域においては、航路・航空路運賃や本土に比べて総じて高い物価が課題となっておりますことから、県計画は、これらの課題を踏まえた内容としたいと考えております。  なお、これとあわせ、国の概算要求に際しても、本県離島の実情を踏まえた予算となるよう、国のヒアリング等において、離島地域の課題や要望等をしっかり説明してまいりたいと考えております。  地方創生に関連しまして、離島地域における今後の具体的な取り組みについてであります。  鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略の離島地域における平成二十八年度の具体的な取り組みについて幾つか申し上げますと、基本目標しごとをつくるにおいて、離島の地域おこし団体の販路開拓などの事業化の取り組みを支援する離島地域おこし団体事業化推進事業や、離島の漁業再生を図るための離島漁業再生支援事業などの取り組みを、また、ひとをつくるについては、大学等が行う離島地域との交流活動等の取り組みを支援する、ふれあいアイランドの形成推進事業や、常駐の産科医がいない離島地域の妊婦等に対する出産・通院等に要する費用を助成する離島地域出産支援事業の取り組みを、まちをつくるについては、地域振興推進事業を活用した種子島におけるロケット打ち上げ見学場の整備や、屋久島における二酸化炭素の発生が抑制された先進的な地域づくりを促進する、かごしま低炭素社会モデル創造事業などの取り組みをそれぞれ進めているところであります。 59 ◯松里保廣君 有人国境離島法の県計画について、再質問いたします。  特定有人国境離島地域においては、急激な人口減少が大きな課題となっており、これ以上の人口減少を食いとめるために、産業振興も大変重要であります。  特に、基幹産業である農林水産業の振興を図る必要があり、そのためにも、農林水産物を島外に出荷する際の海上輸送費の支援が欠かせないと思いますが、今回策定する県計画に、農林水産物の海上輸送費の支援を盛り込むお考えはないのか、お尋ねいたします。 60 ◯企画部長(岩切剛志君)農林水産物等の移出について、県計画に盛り込めないかというお尋ねでございました。  有人国境離島法の規定を読み込んでみますと、農林水産物の移出に係る海上輸送費の支援について読み込める規定は、現在のところございません。ただ、御指摘のとおり、地域において重要なテーマであるということは理解できますので、このような御意見があることはまた国にもお伝えして、今後、どのような対応が可能か協議してまいりたいと考えております。    [松里保廣君登壇] 61 ◯松里保廣君 それぞれ御答弁いただきました。  安倍晋三首相が六月一日に正式表明された、消費増税二年半の再延期により、年間約五・四兆円の税収減につながり、一億総活躍社会の実現等の重要課題への取り組みや経済・財政再生計画での国と地方の基礎的財政収支を黒字にする目標などが、一段と厳しい状況になると予想され、今後、国・地方ともにさらに厳しい財政運営になると思われます。  県におかれては、国の状況も見守りながら、持続可能な行財政構造を構築するため、さらに行財政改革に取り組むことを要望しておきます。  有人国境離島法に関しては、平成二十九年度への当初予算編成に向けて、この夏の概算要求が勝負どころになると思います。  県におかれては、特定有人国境離島地域の住民の生活向上等へつながる高速船等の航路・航空路運賃の低廉化や、農林水産物の海上輸送費の支援などを県計画に盛り込み、国に対して、その実現を強く要請していただきますようお願いいたします。  鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進についてでありますが、離島を取り巻く環境は、超少子高齢化や大幅な人口減少など大変厳しい状況でありますので、県におかれては、地方創生関連事業を拡大していただきますよう強く要望いたします。  最後に、熊毛地域を初めとする本県の社会資本整備の促進についてお伺いいたします。  本県の社会資本整備については、平成十九年二月に策定し、平成二十六年二月に一部改定されている、今後の社会基盤整備のあり方において、県土をつなぐ陸海空の交通ネットワークの構築、かごしまが全国に誇る農林水産業のさらなる振興、魅力ある観光かごしまづくり及び県民の生活と暮らしを守る安全な郷土づくりを重点事業と位置づけ、戦略的かつ集中的な整備に努めているところであります。  しかしながら、本県の公共事業費等を含めた普通建設事業費については、平成二十七年度において一千三百五十三億百万円であり、平成十六年度の二千三百五十五億五千八百万円と比較すると約四三%の減少であり、特に、熊毛地域の土木部の公共事業費は、平成二十七年度で約二十九億円と、近年大幅に減少している状況であります。  また、県内の建設業従業者数においても、平成二十六年度は、平成十六年度から約一万三千人減少の五万二千人と、約二割減少している状況であります。  このような状況において、本県は、過疎地域や離島が多く、また、道路、港湾、空港、農業基盤整備などの社会資本整備が全国に比べて今なお立ちおくれている状況の中で、今後、本県の産業・経済の振興に寄与する事業や、自然災害等から県民の安心・安全な生活を確保する事業及び社会資本の長寿命化対策を推進する事業などを積極的に進めていくことが、喫緊の最重要課題であります。  そこでお尋ねします。  第一点は、国において、秋に大型の補正予算を編成し景気対策を講ずるとの報道があります。本県のおくれている社会資本整備の現状の解決のために補正予算を確保すべきと考えますが、県の見解をお聞かせください。  第二点は、長寿命化計画についてお伺いいたします。  平成二十六年度策定の今後の社会基盤整備のあり方における長寿命化の考え方については、県民の生活と暮らしを守る安全な郷土づくりにおいて、社会資本の老朽化に対する計画的な長寿命化対策を推進されているところであります。  一方、平成二十七年九月十八日閣議決定された、国の社会資本整備重点計画においては、加速するインフラ老朽化に関連し、社会資本の戦略的な維持管理や更新を行うこととし、メンテナンスサイクルの構築による安全・安心の確保と、トータルコストの縮減・平準化の両立を図るため、個別施設ごとの長寿命化計画の策定率及び維持管理・更新等に係るコストについて、目標年度を定めているところであります。  そこでお尋ねしますが、特に、公共土木施設における個別施設ごとの長寿命化計画策定状況及び維持管理・更新等に係るコストの算定状況はどうなっているのか、明らかにしてください。  第三点は、防災対策についてでありますが、本県における防災に対する基本的な考え方は、台風や集中豪雨などの災害から県民の暮らしを守る安全な郷土づくりを推進することとし、具体的には、災害の発生防止に資する施設の整備及び円滑な避難救援体制に資する施設やソフト整備の二本立てとなっております。  近年、雨の降り方は、局地化・集中化・激甚化する傾向にあり、また、少子高齢化が進展する現状にあっては、災害時における要配慮者が増大する傾向にあります。どこに住んでも安心・安全な地域づくりを進めるためには、防災対策として河川や砂防、急傾斜の整備を推進する必要があると考えますが、その取り組みについてお示しください。  第四点は、熊毛地域の道路整備の促進についてお伺いいたします。  種子島の国道五十八号の整備状況や、主要地方道西之表南種子線の幅員狭小で未改良区間となっている中種子町増田郡原から中種子町野間大平までの区間や、大塩屋地区を初め、豪雨のたびに道路交通に支障を来している南種子町浜田地区、高齢者や児童など交通弱者のための交通安全対策が必要な中種子町熊野地区及び同種の整備が必要な一般県道伊関国上西之表港線の国上地区等の県の取り組みはどのような状況にあるのか、お答えください。  また、世界自然遺産屋久島における観光・地域づくりを支援する白谷雲水峡宮之浦線や屋久島公園安房線は、早期に整備すべき路線であると思いますが、事業計画についてはどのようになっているのか、お尋ねいたします。  次に、種子島を横断する道路についてもお伺いします。  種子島は、南北に細長い地形を呈し、東海岸に主要地方道西之表南種子線、西海岸に国道五十八号の一部及び一般県道野間島間港線が南北にあり、種子島の中央部の一部を主要地方道野間十三番西之表線が走っています。これらを東西に結ぶ横断道路については、種子島北部に位置する主要地方道西之表南種子線の一部、種子島南部の国道五十八号の一部及び一般県道茎永上中線のみであり、この間の横断道路はないにひとしい状況にあります。  なお、唯一、この間の横断道路の一部を形成している一般県道新種子島空港線浜津脇─十六番にあっては、空港と種子島の東海岸を走る主要地方道西之表南種子線とはアクセスされておらず、望ましい県道網のネットワークを形成しているとは言いがたい状況にあります。  空港と種子島の西海岸部を走る国道五十八号を結ぶ当該路線は、平成九年四月一日に県道認定され、整備されました。一方で、空港と東海岸の主要地方道西之表南種子線とを結ぶ路線として位置づけられていた市道の区間は、県道認定されず現在に至っていると聞いています。  しかしながら、空港と東海岸を結ぶ横断道路は、種子島の道路ネットワークを考える上で重要だと思いますが、県の見解をお示しください。  第五点は、熊毛地域の港湾・漁港の整備についてでありますが、宇宙に一番近い島である種子島の西之表港や島間港及び世界自然遺産屋久島の宮之浦港、安房港におけるクルーズ船対応を含めた今後の整備について明らかにしてください。  次に、熊野漁港においては、港口に防波堤が整備されておりますが、利用者より、航路が狭く、台風等の異常時はもとより、平常時における安全航行に支障があるとの声を聞いておりますが、県としてはどのように考えておられるのか、お答えください。  また、火山爆発により口永良部島から全島避難された方々が、噴火警戒レベル五の緩和措置により帰島され、生活再建の拠点となっている口永良部漁港の施設整備についてはどのように考えておられるのか、あわせてお聞かせください。  第六点は、屋久島空港のジェット化に伴う滑走路の延伸についてお伺いいたします。  世界自然遺産屋久島における屋久島空港の役割は、宮之浦港、安房港とともに、観光業等の産業振興を図るために極めて重要な空港であり、社会基盤であります。  県におかれては、平成二十七年度、七百万円の予算で、海域の埋め立てが生じないよう地形的な可能性調査を実施し、平成二十八年度、七百六十万の予算で、技術的な検討をさらに進めるとともに需要予測調査に着手するとのことであります。  そこでお尋ねしますが、屋久島空港のジェット化に伴う滑走路の延伸については、現時点で県当局はどのような取り組みをされているのか、お伺いいたします。  以上で、第二回目の質問を終わります。 62 ◯土木部長(久保田 一君)まず、国の補正予算における公共事業予算の確保についてです。  本県の社会資本整備を着実に推進するため、これまでも、県開発促進協議会などあらゆる機会を捉え、国に対し、公共事業予算の確保を強く要請してきたところであります。  国は、近年、公共事業の補正予算を編成しており、平成二十七年度においては、県の公共事業の最終予算約九百四十四億円のうち、国の補正分が約百九億円となっております。  国においては、この秋に向けて、総合的かつ大胆な経済対策を取りまとめるとされており、県としましては、国の動きを注視しつつ、今後、想定される補正予算において、公共事業の予算確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、公共土木施設に係る長寿命化計画等の策定状況についてです。  平成二十七年九月に閣議決定された国の社会資本整備重点計画において、平成三十二年度までに公共土木施設ごとに長寿命化計画を策定するとともに、維持管理・更新等に係るコストの算定を推進することとされました。  県においては、これまでに、橋梁、トンネル等の長寿命化計画の策定を終え、港湾施設は本年度、河川・砂防施設等は平成三十年度までに順次策定することとしております。
     また、維持管理・更新に係るコストについては、新技術等による費用の低減や長寿命化の効果等において不確定な要素が多く、今後、国において算定方法等の検討が行われますことから、県としましては、その検討を踏まえてコストの算定に取り組んでまいりたいと考えております。  河川・砂防等の整備推進についてです。  本県は、台風常襲地帯に位置し、梅雨期に降雨が集中するなど厳しい気象条件に加え、県土の大半がシラス等の特殊土壌に覆われているため、災害が起こりやすい自然条件となっております。近年では、平成十八年の県北部豪雨や平成二十二年の奄美豪雨、平成二十七年の梅雨前線豪雨などによる河川の氾濫や土砂災害等の被害が発生しております。  このようなことから、安心・安全な県土づくりを県政の重要な課題として、近年著しい住宅浸水被害が発生した河川や、要配慮者利用施設を保全する土砂災害防止施設などについて重点的に防災対策を進めており、現在、西之表市の甲女川など四十二河川で川幅の拡幅や護岸などの整備、屋久島町の西之川など百七十七カ所で砂防堰堤などの整備を行っております。  今後とも、災害から県民の生命・財産を守るため、河川・砂防等の施設整備を着実に進めてまいりたいと考えております。  種子島の道路整備についてです。  種子島の県管理道路のうち、国道五十八号については、これまで深川各区や中種子道路などの整備を終え、改良済みとなっております。  県道につきまして、現在、西之表南種子線の石堂工区、安城工区及び大塩屋工区、野間島間港線の阿高磯工区、伊関国上西之表港線の国上工区において整備を進めており、本年度から西之表南種子線の熊野工区の整備手法を検討することとしております。  西之表南種子線の増田郡原から野間大平間のうち、線形の悪い増田小学校付近の約八百メートル区間について、今後、事業化に向けた検討を進めることとしております。  なお、同路線の浜田地区の冠水対策につきましては、道路だけでなく周辺の畑地も冠水することから、町や地元関係者と検討を進めているところであります。  次に、県道白谷雲水峡宮之浦線及び屋久島公園安房線の整備についてです。  県道白谷雲水峡宮之浦線につきましては、宮之浦市街地から白谷雲水峡に至る延長約十キロメートルのうち、宮之浦市街地側の約八キロメートルの整備を終え、残る区間の整備を進めているところであります。  県道屋久島公園安房線につきましては、安房市街地からヤクスギランドに至る延長約十五キロメートルのうち、安房市街地側の約十キロメートルの整備を終え、現在、荒川中工区約一・七キロメートルの整備を進めております。  両路線は、世界自然遺産である屋久島の観光道路として重要な役割を果たすことから、今後とも、自然環境に配慮しながら、着実な整備に努めてまいりたいと考えております。  種子島を横断する道路網の整備についてです。  種子島を横断する道路につきましては、種子島空港と西海岸の国道五十八号を結ぶ県道新種子島空港線が整備されておりますものの、空港と東海岸の県道西之表南種子線を結ぶ県道としましては、野間十三番西之表線を経由するルートで迂回している状況であります。  種子島空港と東海岸を結ぶ道路構想につきましては、地元市や町の意向を踏まえながら、本道路の必要性や整備効果などについて、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。  熊毛地域の港湾におけるクルーズ船対応を含めた整備についてです。  西之表港におきましては、平成二十五年度までに水深九メートルの岸壁の整備を終え、これまでに五万トン級の飛鳥IIなどが寄港しております。  宮之浦港におきましては、平成十七年度までに水深七・五メートルの岸壁の整備を終え、外国船を含む三万トン級のクルーズ船など、毎年二十隻程度が寄港しております。また、クルーズ船の大型化について、国や屋久島町とハード・ソフト両面から幅広く課題抽出や対応方策の協議を行っているところであります。  現在、西之表港、島間港、宮之浦港、安房港の全てにおいて、定期船や貨物船等の安全な利用を図るため防波堤工事を進めているところであり、県としましては、今後とも、これらの着実な整備に努めますとともに、クルーズ船への対応につきましては、観光ニーズや船社の意向など、クルーズ船を取り巻く動向を注視してまいりたいと考えております。  屋久島空港のジェット化についてです。  世界自然遺産の島・屋久島は、世界に誇れるかけがえのない財産であり、奄美群島の世界自然遺産登録が実現すれば、その相乗効果により、国内はもとより海外からも直接観光客が訪れることが期待され、屋久島空港のジェット化は大きな可能性があると考えております。  昨年度実施した調査の結果、延伸部の形状など、今後さらに国と協議する必要はありますものの、海域の埋め立てを行うことなく、ジェット機就航に必要とされる滑走路延伸の可能性はあるものと考えております。今年度は、この調査結果を踏まえ、さらに技術的な検討を進めており、あわせて、大都市圏における屋久島への旅行意向調査なども実施しているところであります。  今後とも、国及び屋久島町と連携を図りながら、着実に事業化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 63 ◯商工労働水産部長(西 啓一郎君)漁港に関する御質問のうち、まず、熊野漁港の入出港時の安全航行についてでございます。  熊野漁港は、沿岸漁業の拠点港として、また台風時等の避難港として、地元漁船はもとより島内外の漁船が利用しております。本漁港につきましては、平成十四年度までに、物揚げ場等の係留施設や港内静穏度を確保するための防波堤等の整備を行ったところでございます。  近年、漁船の大型化や陸揚げ量の増加など、利用状況の変化が見られ、入港や出港に当たって港口が狭隘であるなどの意見もあることから、漁港利用者との意見交換を行い、安全確保のあり方等について協議してまいります。  次に、口永良部島漁港の施設整備についてでございます。  口永良部島漁港は、台風時等の漁船の避難港として、また、定期船の寄港地として重要な役割を果たしております。本漁港につきましては、定期船の安全な接岸や漁船が安心して避難できるための防波堤の整備、及び地元漁船が使用する物揚げ場等の整備を進めてきたところでありますが、昨年五月の噴火により、漁港全域への立ち入りが禁止されたことに伴い、工事の中断を余儀なくされたところであります。  本村地区におきましては昨年十二月に立入禁止の措置が解除され、工事を再開したところでありますが、向江浜地区におきましては立入禁止の措置が継続されており、現在、現地での工事には着手できない状況であります。今後、立入禁止の措置が解除された場合、工事を再開したいと考えております。    [松里保廣君登壇] 64 ◯松里保廣君 御答弁いただきました。  特に、熊毛地域の社会資本整備については、当局が、先ほど御答弁された内容の取り組みや新たな計画等を積極的に推進していかれるよう強く要望いたします。  また、本県の経済や雇用の回復等を達成するためにも社会資本整備を行う必要がありますので、県におかれては、積極的な予算の確保を国に対して強く要請されることをお願いいたします。  さて、安倍晋三首相は、アベノミクス新三本の矢の一つである、夢をつむぐ子育て支援を掲げられ、すべての女性が輝く社会の実現を政府の最重要政策の一つとして位置づけ、昨年の通常国会において、女性活躍推進法が十年間の時限立法で可決・成立しました。  この法律は、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図ることを目的とし、国は基本方針を策定、都道府県は推進計画を策定するよう努めることとされ、本県では、特定事業主行動計画をことし三月末に策定し、また、女性活躍推進計画を今年度中に策定すると聞いております。  ところで、世界経済フォーラムが行った平成二十五年の男女平等指数調査において、日本は、百三十六カ国中百五位という非常に衝撃的な結果でありました。  一方、米国のゴールドマン・サックスが、日本の女性労働力の活用について日本経済に及ぼす影響を試算したところによりますと、女性の就業率約六八%が男性並みの約八〇%になった場合、国内総生産は約一五%上昇するという結果が出ております。  国は、平成三十二年までに女性の就業率を現在の六八%から七三%に引き上げ、女性と男性の賃金格差をなくすことを目指し、育児休暇の延長、保育施設の充実や企業に対する女性役員登用の奨励などの政策を打ち出しておりますが、安倍晋三政権の新三本の矢の一つである、希望を生み出す強い経済の実現に向けて、国内総生産六百兆円の目標を達成するためには、今こそ女性の力を活用し、日本の経済成長の最大の障害の一つである性差別をなくすことに本気で取り組むことが重要であります。  また、伊藤祐一郎知事におかれては、四期再選により、特に女性活躍推進計画等の着実な取り組みを進めることで、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会が実現することを期待するものであります。  私は、日本社会における女性労働力の活用は、少子化問題対策等の解決にもなり、ひいては、現在、日本が直面している諸問題の解決策にもつながると思います。  最後に、米国の二十二歳のベアテ・シロタ・ゴードンという女性は、マッカーサー元帥のチームの一員として日本国憲法の草案づくりに加わり、日本国憲法第十四条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という最終案が採用されるよう特に力を尽くしました。当時の日本人にとっては革命的な文言であったわけでありますが、この事実は余り知られていないようです。  ベアテ・シロタ・ゴードン氏を思うときに、才能豊かな日本人女性たちにその才能を発揮するチャンスを与えることこそ、今まさに必要であります。  ベアテ・シロタ・ゴードン氏の功績をたたえるとともに、県勢の発展と県民生活の安定を御祈念申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)       ───────────── 65    △ 意見書案一件上程 ◯議長(池畑憲一君)次に、指定生乳生産者団体制度の存続と機能強化を求める意見書案が提出されておりますので、これを議題といたします。  案文は配付いたしておりますので、朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━    意 見 書 (案)   指定生乳生産者団体制度の存続と機能強化を求める   意見書  指定生乳生産者団体(以下、「指定団体」)制度は、地域で生産された生乳の一元集荷や複数の乳業者に対する多元販売により生産者の価格交渉力を高め、集送乳の合理化、適正な価格形成や需給調整を行うことを通じて、酪農経営の安定や国内生乳生産の確保及び牛乳乳製品の安定供給を支えている。  このような中、政府の規制改革会議は、去る五月十九日に、今年秋までに「指定団体制度の是非や現行の補給金の交付対象の在り方を含めた抜本的改革について検討し、結論を得る。」とした。  生乳は腐敗しやすく、日々・季節毎に供給・需要ともに変動する等の特性があり、今後とも、指定団体の果たしている重要な役割である1)乳業メーカーとの交渉、2)条件不利地域を含む集乳の引き受けや集送乳の効率化、3)価格の高い飲用乳と低い加工原料乳の調整などの機能を引き続き堅持することが必要である。  現行の指定団体制度を廃止することは、本県など、消費地から遠い離島や中山間地域等の条件不利地域で経営を行っている酪農家にとって、生乳の輸送コストの増大や再生産のための適正な取引価格の形成が困難になるなど、大きな影響が危惧される。  よって、国におかれては、指定生乳生産者団体制度に関して、生乳生産基盤の強化や収益力の向上によって、持続可能な酪農経営が実現されるよう、左記のとおり強く要望する。             記  酪農家が安心して経営を継続し、安全・安心な牛乳・乳製品の安定供給に繋げるために、現行の指定生乳生産者団体制度の存続と更なる機能強化を図ること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成二十八年六月九日         鹿児島県議会議長  池 畑 憲 一 衆議院議長  殿 参議院議長  殿 内閣総理大臣 殿 農林水産大臣 殿 内閣官房長官 殿 内閣特命担当大臣(規制改革)殿  右記のとおり発議する。   平成二十八年六月九日         鹿児島県議会議員  向 井 俊 夫                   長 田 康 秀                   ふくし山ノブスケ                   園 田   豊                   柳   誠 子                   寺 田 洋 一                   小園 しげよし                   吉 留 厚 宏                   まつざき 真琴                   永 井 章 義                   堀之内 芳 平                   大 園 清 信                   鶴 田 志 郎                   日 高   滋                   田之上 耕 三       ━━━━━━━━━━━━━ 66 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  この意見書案は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、提案理由説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 67 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  直ちに審議に入ります。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 68 ◯議長(池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 69    △ 意見書案一件可決 ◯議長(池畑憲一君)討論の通告はありませんので、これより、意見書案を採決いたします。
     お諮りいたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 70 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。  お諮りいたします。  ただいま可決されました意見書の字句の修正、提出手続などにつきましては、当席に一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 71 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。       ───────────── 72    △ 議員派遣の件一件上程 ◯議長(池畑憲一君)次に、議員派遣の件を議題といたします。       ───────────── 73    △ 議員派遣の件一件可決 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  会議規則第百二十六条第一項の規定によって、配付いたしておりますとおり、議員を派遣いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 74 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 75    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び議案の委員会付託などであります。       ───────────── 76    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...