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2 △ 議案第六八号上程
◯副議長(鶴田志郎君)まず、議案第六八号平成二十八年度鹿児島県
一般会計補正予算第一号が提出されておりますので、これを議題といたします。
朗読を省略いたします。
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議案第六八号 平成二十八年度鹿児島県
一般会計補正
予算第一号
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3 △ 知事の
提案理由説明
◯副議長(鶴田志郎君)知事に提案理由の説明を求めます。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
4 ◯知事(
伊藤祐一郎君)本日提案いたしました議案につきまして御説明申し上げます。
今回の補正予算は、先般発生した平成二十八年熊本地震により影響を受けた旅行需要を早期に回復するために、九州各県等と連携した
観光プロモーション及び
割引旅行商品の造成支援に要する経費の追加計上を行うものであります。
一般会計補正予算の総額は、十七億五千万円となり、この結果、補正後の一般会計の予算額は、八千二百四十二億七百万円となります。
この財源につきましては、
国庫支出金をもって充てることといたしております。
何とぞよろしく御審議の上、議決していただきますようお願い申し上げます。
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5 △
一般質問
◯副議長(鶴田志郎君)次に、
一般質問であります。
通告に従って、順次発言を許可いたします。
いわしげ仁子君に発言を許可いたします。
[
いわしげ仁子君登壇](拍手)
6
◯いわしげ仁子君 皆様、おはようございます。
鹿児島市・鹿児島郡区選出の無所属の
いわしげ仁子でございます。
まずは、四月十四日から発生いたしました熊本と大分における大地震によりまして、被災された皆様方が一日も早い日常を取り戻すことをお祈りするとともに、犠牲になられた皆様方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
それでは、今回の
一般質問は、この鹿児島県がただいま、二十年後には三十六万人も人口が減ってしまうという人口減少の問題を抱えているということ、また、先日は報道でもありました、一人当たりの県民所得が四十五位になってしまったということ、そして、子供の貧困率もワースト三位になってしまったということで、この鹿児島県が崖っぷちに立たされているという中で、危機感を持って県政に取り組んでいかなければならないのではないかということでお話させていただきます。
まずは、
伊藤知事は、もう今まで皆様方がおっしゃっていたように、就任以来、四百五十一億円という財源不足を解消され、このことはいろんな方からお話を伺いますと、やはりストイックな
伊藤知事にしかできなかったことであるとよく言われます。まさしくそうなんじゃないかと思います。そしてまた
伊藤知事におかれましては、コンスタントに話題を提供いただきましてメディアをにぎわせて、鹿児島県の名前をとどろかせていただいております。そんな中で今回も、さすが
伊藤知事、外さないですねという記事が出ました。
皆様のお手元にお配りしております五月十二日の産経新聞の記事ですけれども、この産経新聞の記事で、
舛添東京都知事の件に関しまして、
全国知事緊急アンケートというものが出されました。そしてその記事の中で、「
海外出張費、
舛添都知事が突出、唯一、一泊十万円の上限超え、
ファーストクラス利用は五人」という記事で、その中で、就任以来の
海外出張の回数が最も多かったのは
鹿児島県知事、三期で三十四回、最も少なかったのは
島根県知事、三期の二回だったという記事が載っておりました。
さすが
伊藤知事、ここでも名前を出されるんですねと思ったんですが、この表にありますとおり、全ての県ですね、熊本県と大分県はやはり地震があったということでお答えはいただけなかったということですけれども、岩手県と鹿児島県だけが、出張回数と航空機の座席以外のところが空白となっております。やっぱり税金を使った出張費に関しては明らかにする必要があるのではないかと思っております。
そういった中で、
アンケートの空欄のところ、就任以降の一回の
海外出張費の最高額、出張先、日数、随行人数、そしてホテル代の規定超えがあったかどうか、そしてもし規定超えがあった場合には、ホテル代は一泊幾らだったのかをお示しください。
以上で、一回目の質問とさせていただきます。
7
◯知事公室長(武盛武士君)知事の
海外出張についてお尋ねがございました。
先般の産経新聞による知事の
海外出張についての
全国緊急アンケートは、その
タイトルどおり、極めて短い日数で回答を求めるものでありました。対象期間は、知事就任以降の全期間という前提でありましたことから、最も経費が高額であった出張に係る問いにつきましては、「担当課や機関が多岐にわたるため、個別の内容を短期間で把握することは困難」と回答したところです。
記事におきましては、
海外出張の回数が最も多かったのは
鹿児島県知事、三期で三十四回とされていますが、他の知事につきましては、過去三年とか五年という異なる期間での回答も含まれておりまして、単純に比較できるものではございません。記事でわかる範囲で年平均にしてみますと、本県知事は約三回、全国平均も約三回というのが実情です。九州各県の知事の中ではむしろ少ないほうであります。
お尋ねの点につきまして、今回改めて県の保存文書で確認しましたところ、知事の出張経費で最も高額であったのは、平成二十四年八月の
アルゼンチン県人会創立百周年記念式典への出席等に係る出張で、八泊九日の日程に要した百三十九万四千円でありました。なお、知事の随行員は
知事秘書監の一人です。
海外での宿泊につきましては、知事及び副知事の給与等に関する条例で、国の指定職の職務にある者の旅費に相当する額と定められておりまして、その上限額は二万五千七百円となっています。
また、知事にも適用されます県職員等の旅費に関する条例では、条例の規定による旅費により旅行することが、当該旅行における特別の事情により又は当該旅行の性質上困難である場合には、旅費を調整して支給することができることになっています。
知事の出張に係る宿泊料の最高額は、世界で最もホテル代が高い都市の一つと言われる香港で、平成二十四年十月に開催されました
香港交流会議に出席した際の七万七千三百十四円でございました。
[
いわしげ仁子君登壇]
8
◯いわしげ仁子君 御答弁いただきましてありがとうございます。
緊急アンケートということで期間が短かったということですけれども、岩手県と鹿児島県、そして地震に見舞われた熊本と大分以外のところは答えていらっしゃったということで、これを見た読者の方々は、何で鹿児島県は答えないんだろうと思われております。実際私のところにもいろんなお電話もいただきましたので、こういったときには、ある程度わかる範囲内で、今お答えいただいたような範囲内でお伝えいただければよかったのではないかと思います。
私は別に三十四回、多いことが問題ではなく、この三十四回出張に行かれた費用対効果があればいいと思っております。しかしながら、いろんな指標があるとは思うんですけれども、観光の面での指標を一つお出しいたします。
皆様のお手元にお配りしております二番目のグラフですけれども、これだけで、
伊藤知事の出張が費用対効果があったかどうかということは語れるものではありませんが、参考までに、九州各県の外国人の
延べ宿泊者数をこちらに出してみました。福岡県が突出しているのはもちろんですけれども、鹿児島県は毎回、九州七県の中で五位のところをいっておりますので、こちらに関していえば、三十四回という出張が費用対効果があったかどうかというのはちょっと言うことは難しいと思っております。
ちなみに、
外国人宿泊者数に関しまして参考までに数字をお伝えいたしますと、鹿児島県、約百六十四万人の人口がいる中で、平成二十六年の
外国人延べ宿泊者数は二十六・六万人となっております。しかしながら、岐阜県の高山市というところ、人口約九万人のところですが、そちらの平成二十六年の
外国人延べ宿泊者数は四十七・六万人と、鹿児島県の約倍ぐらいになっております。
それはなぜかというと、高山市を含めて、外国人の誘致にすごく取り組んでいらっしゃるからということがあるんですけれども、出張に行かれるのであれば、それなりの費用対効果を生む必要があるのではないかということで、今回この問題を取り上げさせていただきました。といいますのも、民間では、やはり出張回数や経費については費用対効果をはかって適切かどうかを判断したりしますので、県庁におきましても、費用対効果を考えた出張を組むべきではないかと思いました。
また、知事に限りませんが、議員など公職につく者を含む全ての公務員は、出張の際には
ビジネスクラスではなくて
エコノミークラスを使うべきで、
ビジネスクラスか
ファーストクラスを使いたければ自腹でするというほうがいいのではないかと、かねがね思っております。
といいますのも、私がこの議員活動をさせていただくことになったきっかけが、私が
青年海外協力隊に行ったときに、当時、二〇〇三年で、
往復モロッコまで七万円という
格安航空チケットが買える御時世に、片道四十万円の正規料金で行っておりました。その理由はなぜかといいますと、何かあったときにかえがきくからということで四十万円の正規料金が払われていたんですが、モロッコに行った私の同期が六人おりましたので、六人で二百四十万円ということになっておりました。
また加えて、その後、JICAの
ボランティア調整員としてモルディブに派遣されたときにも、赴任と帰任は何と
ビジネスクラスとなっておりまして、税金を納めるのはとっても大変なのに、その税金がこんなふうに使われているんだということがショックで、こういった活動をさせていただくことになりました。やはり出張に関しては費用対効果を考えて、また、公務員の出張に関しては
エコノミークラスを活用して、そして、
ビジネスクラス、
ファーストクラスを使いたければ自腹で行ったらどうでしょうかと思いまして、今回この質問をさせていただきました。
続きまして、がらっと話は変わりまして、防災体制にいかせていただきます。
先日、熊本で大きな地震がありまして、とても大変だった状況でありました。その中で、一番大変だったのではないかと思われる点が、
罹災証明書が発行されなくて、被災された方々が義援金をいただけなかったということがありました。その
罹災証明書というのは、被災住民であったこと、また住居が存在したこと、この住居が被災したことを確認しなければならないということで発行されるもので、
仮設住宅や支援金の配分、税の減免措置などの判断基準となる重要な書類でございます。
独立行政法人防災科学技術研究所によりますと、阪神・
淡路大震災の際には、膨大な家屋被害の調査量となりまして、神戸市では約四十万棟を調査することになったということです。建築の
専門家不足によって一般職員が調査を実施し、調査者間の評価基準や視点の違いが判定結果にばらつきをもたらして、被災者に大きな不満が発生したということがあったそうです。
そして、四月二十五日と二十七日に、
被災者台帳システムといいまして、
罹災証明書を効果的に発行するシステムを取り入れようということで熊本県が説明会を行い、四月三十日に益城町で、このシステムをもとにした家屋調査が始まったということでしたが、それまでの間、被災者の方々は、その証明書がないがために支援金もいただけない、みなし
仮設住宅にも入れない、そしてそれを対応しなければならない役所の方々も同じ被災者ということで、双方が疲弊しているという状況でございました。
そこでお尋ねいたします。
本県の各市町村の
罹災証明書発行システムの導入状況についてお示しください。
続きまして、避難所の運営講座の件についてお尋ねいたします。
先日、熊本市議の緒方夕佳さんにお会いすることがありました。彼女のお話によりますと、学校の校舎・体育館が避難所になっていて、教師の方々が支援物資の仕分けですとか、または高齢者の方のお世話までする。高齢者の方々で寝たきりの方々の二時間ごとに体の位置を変えることまで、学校の先生方がなさっていたということで、とても疲弊されていたというお話を伺いました。その際に、やはり避難所の運営講座というもので、避難所に避難しなければならなくなったときにどうやって避難所を運営していくかというのを、避難訓練と同じように実施していく必要があるのではないかという話になりました。
その現場では、障害を持った方々が支援物資を十分に受け取れないという事例も見られ、また、ペットを飼っていらっしゃる方々も、ほかの方々に遠慮されて避難難民となられるケースもあったということでした。
また、各避難所においては、その避難所に避難することになるであろう住民を対象として、
避難所運営講座を設けて、鹿児島県においても、桜島を抱えておりますし、またほかの火山も抱えております。いろんな避難をしなければならない事態になる可能性がなきにしもあらずでございます。そういった中ですので、この鹿児島県においても、やはりそれぞれの避難所において、できればそこの避難所を活用される方々が
避難所運営講座を受けられて、
支援物資担当は誰がどうするのか、水担当は誰がどうするのか、連絡担当は誰がどうするのか、避難所の区割りをどうするのか、また高齢者の担当は誰がするのかということなどをシミュレーションの中でしたり、また、それを決めてそれぞれが、避難しなければならなくなった状況においては、しっかりとそれを把握して活動するということが必要なのではないかと思っております。
そこでお尋ねいたします。
避難所運営講座に関する県の考え方と取り組みについてお示しください。
続きまして、今回、熊本の地震の際に、鹿児島県の
不動産業者に
ボランティアの要請がありました。その
ボランティアはどういうことかといいますと、被災された方々のみなし
仮設住宅に入る際の電話の受け付けや、また、みなし
仮設住宅への紹介などのために、鹿児島県の
不動産業者の方々が応援に行かれたということだったんですけれども、その際に鹿児島県の
不動産会社の方々が気づかれた点というのが、鹿児島県においては、
宅建協会と鹿児島県は、何か災害があったときに住宅を提供するという協定を結んではいらっしゃるようです。全国の都道府県で三十五都道府県が協定を結んでいる
公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会というところがあります。そことの災害時における
民間賃貸住宅の提供に関する協定を、平成二十八年三月十日現在、三十五の都道府県が締結されているんですけれども、九州においては、鹿児島県と佐賀県と福岡県が未締結ということになっております。
この賃貸業界におきましてはいろんな団体があって、その中で、
全国賃貸住宅経営者協会連合会というところは、
全国賃貸管理ビジネス協会や
日本賃貸住宅管理協会などとの結びつきも強く、また、
宅建協会というところは、賃貸業だけに特化しているものではなくて売買とかもされているので、やはり賃貸に関する知識が深いのは
全国賃貸住宅経営者協会連合会、通称ちんたい協会というようですが、そちらのほうが賃貸業界についての知見を持っているということでした。
宮城県においては、
宅建協会、
全日本不動産協会、そして、ちんたい協会の三者が連名で協定を結んでいるということでした。
局所的な災害が起こったときに必要なのは、まず着るもの、衣食の衣と食べ物、食ですね、少したってからは住宅が大きな問題となりまして、
仮設住宅をつくるにも時間がかかるということになっております。そのときに存在する賃貸住宅を有効的に活用していくべきではないかと考えます。
そこでお尋ねいたします。
公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会との、災害時における
民間賃貸住宅の提供に関する協定締結に関する県の見解についてお示しください。
続きまして、私がいつも質問の中に盛り込ませていただいております鹿児島と日本の未来を担う人材の育成についてお尋ねいたします。
この鹿児島県では、明治維新の際にいろんな先輩方を輩出しまして、
薩摩スチューデントは記念館までできまして、すごく顕彰されております。明治維新の際には、海外を見てこられた先輩方が、海外と当時の日本の差を見せつけられて、変わらなければと動いたものだと思っております。
そして私も議員になってから、視察先であるシンガポールやマレーシアや上海、そしてドバイにもこの間行かせていただきましたが、これまで行ってきたほかの国々から、日本そして鹿児島を見ると、物理的な発展だけでなくて社会制度においても、一九七〇年代で日本は、そして鹿児島はとまってしまっているのではないかと感じることがあります。
そこで、やはり海外で学ぶ若者の存在というのは、これからの鹿児島と日本の未来にとってとても必要なのではないかと考えております。
そして先般、鹿児島県においては、大学の奨学金などが創設されるなど、若者の大学、高い教育を受けることに関する機会を与えるというとてもありがたい制度をつくっていただいたんですけれども、これを、海外の大学へも若者を留学させるという基金の
留学奨学金創設に関する県の見解についてお示しください。
以上で、二回目の質問といたします。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
9 ◯知事(
伊藤祐一郎君)海外の大学等に対する留学の奨学金の創設に関するお尋ねであります。
海外の大学等への留学に対する都道府県による奨学金の制度につきましては、その金額等はばらばらでありますが、全国の八府県で、一定金額の奨学金を給付する、あるいは貸与する制度がございます。
鹿児島県におきましては、平成二十六年度から、県内の大学生を
中国清華大学へ五カ月間語学留学させる事業を実施しており、これまで、十三人に対しまして、一人当たり三十万円を奨学金として給付しているところであります。また、県内では、協定校などへの留学期間中の学費の減免や留学のための支援金の給付などを行っている大学などもあります。
さらに、国におきましては、従来の
海外留学支援制度に加えまして、新たな取り組みとして平成二十六年度から、トビタテ!
留学JAPAN日本代表プログラムという
官民協働型の
奨学金給付事業に取り組んでおり、この制度を活用して、これまで本県の大学生二十人が海外留学しているところであります。
鹿児島県といたしましては、県内の大学等と連携しながら、
清華大学留学のための
奨学金制度の活用を図りますとともに、国などの
各種奨学金制度の利用促進にも努めるなど、鹿児島の未来を担う
グローバル人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
10
◯危機管理局長(永野 司君)防災体制につきまして、県内の市町村の
罹災証明発行システムの
導入状況等についてでございます。
罹災証明書につきましては、災害により被災した住宅の被害の程度を市町村が証明するもので、
被災者生活再建支援金の支給や住宅の応急修理など、さまざまな
被災者支援策を受ける際に必要となるものであります。
罹災証明書の発行等に係るシステムにつきましては、県内では現在、四市が導入しております。
今回の熊本地震におきましては、熊本県が中心となり、被災三十三市町村のうち十五市町村におきまして、平成十六年の新潟県中越地震を契機として
新潟大学等が構築したシステムを導入したところであり、経費につきましては、今年度は無償で、来年度は有償と聞いております。
県といたしましては、これらの情報について市町村に周知してまいりたいと考えております。
11
◯保健福祉部長(古薗宏明君)
避難所運営講座に関する県の考え方と取り組みについてであります。
避難所の運営につきましては、国が定めました避難所における良好な生活環境の確保に向けた
取り組み指針や、県が定めました
避難所管理運営マニュアル策定のためのガイドラインにおきまして、市町村は、
避難所運営の手引きを作成し、これに基づき関係機関の理解を得て、平時から、避難所の
運営責任予定者を対象とした研修や地域住民も参加する訓練を実施することとされておりまして、一部の市町村におきましては、御質問にありました
避難所運営講座のような研修も実施しております。
また、
県防災研修センターにおきましては、
地域防災アドバイザーを
自主防災組織や町内会、学校等に派遣する出前講座、地域で防災活動の
中心的役割を担う
地域防災リーダーの養成講座、防災意識や知識の向上を図る
防災教室等を実施しているところであります。
県といたしましては、市町村において避難所の適切な運営がなされるよう、今後、必要な助言や情報提供を行ってまいります。
12 ◯土木監(山重秀行君)災害時における
民間賃貸住宅の提供に関する協定についてでございます。
県におきましては、災害により住宅を失った被災者に対しまして、迅速に
民間賃貸住宅の情報提供ができるよう、鹿児島県宅地建物取引業協会や
全日本不動産協会鹿児島県本部と、災害時における
民間賃貸住宅の媒介に関する協定を締結しております。
御指摘の
全国賃貸住宅経営者協会連合会は、災害時の賃貸住宅の空き室情報の提供、賃貸住宅に関する無料相談等を実施している公益社団法人で、今回の熊本地震におきましても、熊本県との協定に基づき、被災者支援の活動を積極的に行っております。
同連合会は、大規模災害時における全国規模の組織力を生かした迅速な対応が期待できることなどから、現在、県では、協定締結に向けた調整を行っているところでございます。
[
いわしげ仁子君登壇]
13
◯いわしげ仁子君 御答弁いただきましてありがとうございます。
罹災証明発行システムにつきましては、鹿児島県内では四市が導入されているということで、新潟県の新潟大学が開発されたシステムについては、今年度まで無償ということでした。その無償であるうちに各市町村のほうに導入していただくよう働きかけのほどをよろしくお願いいたします。これがあるとないとでは、役所の方々も被災されるということでとても重要になってくると思っております。
西日本新聞によりますと、この
罹災証明発行システムには種類がいろいろあるんですけれども、その中の一つの
被災者台帳システムというものが、熊本県の呼びかけで熊本市や益城町が九州初、導入されたということです。二〇〇四年の新潟県中越地震のときに、市町村ごとに家屋の被害の認定方法がばらばらで混乱したということを反省して、京都大や新潟大などの研究グループが開発されたもので、屋根や壁の崩れ方などを点数化して、合計点で全半壊や一部損壊かを判定できるようにしたというものです。また、調査票がマークシート形式となっておりますので、他県からの応援職員も使いやすいものになっているということです。
この
被災者台帳システムは、東日本大震災後に岩手県も導入されまして、「なぜ岩手県が主体となって導入したんですか」ということに対して、岩手県では、本来、被災者台帳は、各市町村が主体的に作成して、各市町村の被災者の救済のために役立てるべきものでありますが、市町村によって行政機能のダメージに差がある中で、被災者台帳の質に差が出て、支援金の申請漏れなどによる生活再建支援の質と量に格差が生じることは県が防がなければならないということで、このシステムを導入されたということです。
また、もう一つ、被災者支援システムというものもありまして、こちらは、前もって住民基本台帳と家屋台帳を統合しておいて、災害時に被災情報を入力するものとなっておりまして、こちらは、平成七年一月十七日の阪神・
淡路大震災で被災した西宮市が、被災者支援システムを構築されたということです。この被災者支援システムは、全国サポートセンターが無償で提供しておりまして、東日本大震災で被災した自治体が導入して、
罹災証明書の発行と義援金の支給を同時可能にされたということでした。
災害においては、先ほどから申しておりますが、被災地の役場の職員の方々も被災者となります。役場の職員の方々がすぐさま
罹災証明書を発行できる環境を整えておかなければならないと思います。
罹災証明書がなければ、何事においても復興に向けて一歩を踏み出すことができなくなります。また、災害はいつどこで発生するかもわかりません。常日ごろからこういったシステムを導入し、準備をして、避難訓練と同じように、
罹災証明書発行システムの訓練も必要ということですので、各市町村への早急な導入をお願い申し上げます。
そして、
避難所運営講座につきましては、内閣府が愛知県、三重県、静岡県のモデル地区で、実際の避難所と地域住民と
避難所運営訓練を平成二十五年の二月から三月に実施されて、各地域で自主的に
避難所運営訓練を行う参考として、ヒント集もつくっていらっしゃいます。
そしてまた、静岡県でも、HUGという
避難所運営ゲームというものを開発されておりまして、こちらを活用して地域住民の方々に、
避難所運営とはどういうものかを疑似体験していただけるゲームとなっているようでございます。
それを活用した
避難所運営講座を開設した神奈川県の平塚市では、「
避難所運営訓練─HUG─を体験してどうだったか」ということに対する参加者の答えは、「ペットや病気の人、障害のある人への対応の難しさが改めて認識できた」、「想定外のケースが連続し、または同時に起こり、実際の
避難所運営に近い経験ができた」、「ゲーム感覚で取り組みやすく、シミュレーションだが、実際に懸念される運営側のパニックが体験できてよかった」、「避難の難しさを痛感した」、「実際に災害時に運営委員の確保が不安と感じた」ということがありました。
先ほどから申しておりますが、避難訓練と同じで、
避難所運営講座における避難所シミュレーションで、実際に避難所で生活する際にどう運営していくべきなのかということを、対象者の方々が認識する必要があると考えておりますので、速やかに各市町村の方々とも御協議いただきまして、いざというときに備えて、
避難所運営講座を最終的には全ての避難所で実施できることを目指していただきますようお願い申し上げます。
そして、
全国賃貸住宅経営者協会連合会との災害時における
民間賃貸住宅の提供に関する協定締結についてですが、こちらは、県が今、協議中ということでありがたいことだと思います。
鹿児島県の
不動産業者で熊本に支援に行かれた方々に伺いますと、やはり通称ちんたい協会、こちらが全国組織だということで支援がとても早かったということでした。地震発生の翌日からは応急
仮設住宅として利用可能な
民間賃貸住宅を確保されたり、受け付けの体制を整えられたり、とても早く支援されていたということでしたので、ぜひともこちらとの協定の早期締結をお考えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、海外の大学への留学奨学金の創設についてですが、鹿児島県におきましては、中国の清華大学に学生を送っていらっしゃるということでした。これもありがたいことだと思います。
埼玉県におきましては、民間からの寄附金によって海外留学向け給付型奨学金を創設されて、毎年約八千五百万円で約三百人を海外に派遣されているということです。また、福岡県では、県内の篤志家からの寄附をもとに、福岡県アンビシャス外国留学奨学金を創設されて、年間上限二百万円を最長四年間、若干名に毎年交付されているということです。明治の時代には外国留学の先陣を切った鹿児島県ですので、ぜひとも海外大学へ若者が行けるチャンスを留学奨学金という形で考えていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、次の質問に移ります。
本物の観光立県に向けた取り組みについてお伺いいたします。
私は、三月議会終了直後に、無所属の下鶴議員と長崎県の無所属の議員お二方と福岡の無所属の議員お一方と一緒に、ドバイに視察に行ってまいりました。二泊三日という強行スケジュールではございましたが、その中で、観光行政、警察行政、入管行政、教育行政、ホテルビジネス、そして、鹿児島の農水産物でドバイでの流通の可能性というものを探ってまいりました。
そこで、すごく驚かされたのが、皆様のお手元に配らせていただいております資料の三ですけれども、ドバイはこちら、一番上の写真が一九九〇年で、二番目が二〇〇三年、三番目が二〇一三年となっているんですが、一九九〇年代、砂漠の中で、これはトヨタのビルですけれども、それがあるだけで本当に何もないという状況のところが、今、二〇一六年、本当に宇宙都市のようになっておりまして大変驚きました。
なぜそんなことが可能だったかといいますと、ドバイはオイルがあるから金持ちなんでしょうと思われがちですが、実はオイルが出ているのは隣のアブダビで、ドバイでは全ての収入の四%ぐらいしかオイルが出ておりませんので、アラブ首長国連邦全てで見ると、一・五%しかオイルが出ていないということでした。
そんな中で、ただいま現在のアラブ首長国連邦の副大統領兼首相でもあり、ドバイ首長国の首長、王様でありますムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームさんが、砂漠の国で国民を食べさせていかなければならない、どうすればいいんだという中で、シンガポールに行かれて、シンガポールも何の資源もないのにこれだけ観光で発展している。ということは自分のところもできるんじゃないかということで取り組まれて、その砂漠の国の中にまずは一九九九年に、皆様よく御存じの、こちらのお手元の資料の四番目の写真、ブルジュ・アル・アラブという五つ星ホテルですが、ランキング的には七つ星ホテルとも言える世界最高級のホテルをつくられて、これだけしかない中で世界中からお金持ちの方が来られるということになりました。
私たち視察に行った五人はありがたいことに、この建物、実はこの橋の根元のほうからは宿泊客しか敷地内に入れないんですけれども、日本大使館にお願いいたしまして「ぜひとも視察したいんだ」と言いましたら、この中に入れていただき、中を見てまいりました。また、一泊二百十万円というスイートルームも見せていただきまして、二階建てになっているんですけれども、どうやってこのホテルを使うんだというような豪華さでございました。私的には百人ぐらい入れるんじゃないかというスイートルームだったんですが、「何人入れるんですか」とお尋ねしましたら、大人四人、子供五人までの九人だとおっしゃっておりました。九人でこの広いスペースをどうやって使うんだと思ったんですけれども、そういった高級ホテルを呼んできたということで、外国人の旅行者がだんだんふえ、二〇一五年には一千四百二十六万人の旅行者が、鹿児島県の面積の四五%しかないドバイに来ているということで、また、ドバイは、二〇二〇年にドバイエキスポを考えていらっしゃって、それまでに二千万人、この日本が二〇二〇年に二千万人の外国人旅行客を呼んでくると言っていて、今、それが四千万人になっておりますが、それを鹿児島県より小さいところがやっているということでした。
また、驚きましたのが、ドバイはそういった外国人を呼ぶためにどうしたかというと、マーク・ベネットさんという方を、二〇一四年から観光アドバイザーとしてイギリス人を雇っていらっしゃいまして、この方は十八年間観光行政にかかわってきて、トーマス・クックという、ロンリープラネットという「地球の歩き方」の外国語版があるんですが、そういったところやディズニーで働いてこられた方です。その方を観光局の副局長として迎えられて、二〇二〇年のエキスポまでに外国人旅行者二千万人を目指すとして頑張っていらっしゃいます。その中で、六つのテーマパーク、アメリカの有名なテーマパークなどを呼んでこられるなど、いかに幅広い年齢層に、いかに長く滞在してお金を落としてもらうかということを考えていらっしゃいます。
そのマーク・ベネットさんとお話しさせていただく中で、「何で日本人は、外国人の観光客を誘致しないといけないという中で、日本人同士だけで議論しているんだ」ということをおっしゃいました。また、マークさんは、「自分が観光業でトップのアドバイザーだとは思わない。観光業界ではアドバイザーとなり得る人たちがたくさんいる。紹介してほしければ観光業のスペシャリストを紹介できますよ」ともおっしゃっておりました。
そこでお尋ねいたします。
鹿児島県が本物の観光立県として他県よりも突出するために、外国人観光アドバイザーの設置に関する県の考え方についてお示しください。
次に、民間も含めた全ての看板やメニューの多言語化についてお尋ねいたします。
外国の観光立国と呼ばれているところでは、外国人が来るのが当たり前ということが前提になっておりますので、いろんな全てのサインがお店に至るまで多言語化されております。そういった中で、やはり外国の観光地に行きますと、レストランに入ってもメニューは全て現地語と必ず英語は入っていて、また、それに付随してほかの言語も書いてあるという形になっておりますので、私たち日本人が行っていても、これがチキンなのかビーフなのか羊なのかとか、そういったことがわかるようになっております。しかしながら、日本では、どこのレストランに行っても多言語で表記しているメニューを持っていらっしゃるところはほとんどありません。
そういった中で、東京都や藤沢市や長崎市では、当該地域に登録されている飲食店が無料で活用できる多言語メニュー作成支援ウェブサイトというものを立ち上げていらっしゃいます。東京都においては十二カ国語に対応しておりまして、英語・韓国語・北京語・広東語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語・アラビア語に対応しておりまして、登録されているレストランの方が、そこのサイトから自分のところのメニューを多言語化できるようになっております。
そこでお尋ねいたします。
民間も含めた全ての看板やメニューの多言語化について、県の見解と取り組みについてお示しください。
続きまして、先日の代表質問でも、鹿児島中央駅西口地区の活用に関する質問が出ましたけれども、その際に御答弁の中で、JR九州が自社用地を有効活用した開発を推進するということで、県としては、県の土地の売却も含めて検討中であるとおっしゃいました。
鹿児島中央駅西口地区の活用に関しては、鹿児島が本物の観光立県となるに当たって本当に重要なところではないかと思っておりますので、今現在存在する四者連絡会、鹿児島県、鹿児島市、JR九州、そして日本郵政との四者連絡会の今後の予定と県の見解についてお示しください。
以上で、三回目の質問といたします。
14 ◯観光交流局長(本 重人君)本物の観光立県に向けた取り組みについてお尋ねがございました。
まず、外国人観光アドバイザーの設置についてでございます。
海外からの誘客促進に当たりましては、まずは現地における本県の認知度向上及び外国人観光客のニーズを的確に踏まえる必要があり、そのためには、日本人のみならず、外国人あるいは現地に精通した人材の活用も重要であると認識しております。
海外直行便を有する四つの市場のうち、県の海外事務所を置いていない台湾につきましては、平成二十四年度から、現地事情に精通したビジネスパートナーを配置しており、さらに今年度からは、韓国及びASEANにも同様に配置することとしております。
県としましては、海外のビジネスパートナーを活用して、今後とも、的確に現地のニーズを把握するとともに、現地における効果的な
観光プロモーションを通じて、本県の認知度向上や誘客促進を図ってまいります。
次は、民間も含めた全ての看板やメニュー表の多言語化についてのお尋ねでございます。
県における観光案内板の多言語化につきましては、これまで、道路や観光地等における外国語表記の観光案内板を千九百基ほど設置し、今年度、さらに二十基を整備する予定であります。
一方、民間の宿泊施設や飲食店などの看板やメニュー表の多言語化につきましては、年々増加する外国人に対応するため、一部の施設や店舗におきましては既に取り組みがなされている事例も見られます。また、鹿児島市におきましては、メニュー表の多言語化等に対する助成を行っているところです。
県としましては、これまでも、観光関係者を対象とした各種講習会などを開催して、外国人観光客の受け入れ体制の充実を図っているところでありますが、今後とも、既存事業はもとより、こうした取り組みを通じまして、多言語化についても促進してまいりたいと考えております。
15
◯知事公室長(武盛武士君)鹿児島中央駅西口地区の活用等についてです。
JR九州、県など関係土地所有者から成る連絡会は、平成十八年度から毎年度開催しております。本年度も例年どおり開催する予定です。
連絡会におきましては、鹿児島の陸の玄関口にふさわしい都市機能の充実・向上といった観点から、土地利活用の検討を行ってきました。その後、中央駅周辺や天文館地区において、類似の機能を持つ施設の開発・検討が進んでおりますことから、これらの開発状況等も踏まえつつ、各土地所有者において個別開発も含め、幅広に検討することとしたところです。
そのような中、JR九州は、中央駅西口の自社用地を活用した開発の推進を盛り込んだ新たな中期経営計画を本年五月に策定しました。県としましては、これらの状況も見きわめながら、売却も含め、幅広に検討を進めてまいりたいと考えております。
[
いわしげ仁子君登壇]
16
◯いわしげ仁子君 御答弁いただきましてありがとうございます。
外国人観光アドバイザーの件につきましては、台湾や韓国やASEANのほうに、ビジネスパートナーの方を設置していらっしゃるということでしたけれども、この鹿児島県において、鹿児島に住んでいらっしゃる外国人の方で、観光のアドバイザーになり得る方が必要なのではないかと思っております。
それにつきましては、やっぱり財源というものが必要になるのではないかと考えておりまして、もし観光アドバイザーの方を入れることによって、鹿児島の観光がほかの県よりも突出するのであれば、例えば、県議の私たち一人一人から一万円を募るとか、または県庁の方々は五千人ぐらいいらっしゃいますが、皆さんから五百円ずつ取るとか、いろんなやり方はあると思うんです。そういったいろんなやり方を考えながら、専任の外国人の観光アドバイザーを設置するということの投資の見返りはすごく大きいものだと考えておりますので、今後、ぜひ外国人の観光アドバイザーの方を設置いただくようにお願い申し上げます。
そして、民間も含めた看板やメニューの多言語化についてですけれども、こちらは、県から民間にいろいろと御指導いただくことは難しいのかもしれませんが、鹿児島県におきましては、本当に基本的に日本人しか存在しないような看板・メニュー表示となっております。例えば鹿児島市の西郷隆盛銅像の横のまち歩きステーションとか、観光客の方が御利用されるんですけれども、全て日本語表記となっておりまして、日本人の旅行者にもわかりにくいものとなっておりまして、また、入りにくい雰囲気でもあったりします。外国語表記がないために、外国人の方は観光案内所ということにも気づかれないということもあります。
また、ドバイのときに言われたことが、ドイツの地方の山で大挙してサウジアラビア人が来ているところがあり、サウジアラビアの方々もお金を持っていらっしゃるので、その方々が来られるところがある。そこはなぜかというと、ハラールもないのにサウジアラビア人がそんなドイツの片田舎に来るというのは、町のあらゆる表示がアラビア語で表示されているから来やすいんだということでありました。なので、表示さえすれば外国人が来やすいところになるんだというアドバイスもいただきました。
そこで、皆様のお手元にお配りさせていただいております、これはいいなと思った事例ですけれども、五番目の写真ですが、こちらは宮崎県串間市、志布志ですね、私的には志布志と思っている、イルカランドがあるんですけれども、そこのトイレの中に張ってあるものですが、こういった、油津港の振興協会が多言語で使い方を絵つきで示されておりまして、これは外国人の方にはありがたいのではないかと思います。
また、続きまして、六、七、八、九、十というのは、先日屋久島に行ったときの写真ですが、六番目の屋久島環境と文化のむら案内というこの屋久島の案内は、英語で示されてはいるのですが、七番目、八番目、九番目という写真は、千尋の滝のところにあるお土産屋さん、そしてその付近にある看板の写真を撮ってきたんですけれども、やはり外国人の方々は誰も来られないんじゃないかということを前提にされたような、げじべえという何か精霊みたいなのがいるんですが、それの説明板ですとか、屋久島岳参りの説明板ですとか、こういったものも外国人の方にはお伝えしなくてもいいかのように日本語でしか表記されていないので、こういったものを多言語化、せめて英語では表記したほうがいいのではないかと思っております。
また、十番目の看板ですが、これは屋久島のトッピー乗り場に設置してあった看板です。縄文杉とか千尋の滝とかそういった名称は、英語と中国語と韓国語でたしか示されていたと思うんですけれども、「あの感動を再び…またのお越しを!」というところが日本語でしかなくて、外国人の方には全く伝わらないということになっておりますので、せめてここも英語なり何なりで表記していただければ、もっと外国人の方も、ああ、また来ようと思っていただけるのではないかと思っております。
平成二十六年三月に観光庁が出した観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドラインによりますと、訪日外国人旅行者が迷うことなく目的地にたどり着くためには、地域における多言語表記の統一性・連続性の確保が必要であることから、各地域において共通で使用する固有名詞の対訳語一覧を作成し、関係者間で表記を統一することが必要である。その際、自治体が主体となって、地域の
ボランティアや在日外国人、観光関係者、訪日外国人旅行者など多様な主体を巻き込みながら、これらの取り組みを推進することが期待されるとなっておりますので、本物の観光立県を目指すのであれば、攻めの姿勢で多言語化に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
そして、鹿児島中央駅西口地区の活用に関してですけれども、先日の御答弁と同じく、JR九州が自社用地を有効活用した開発を推進されるということでしたので、県の土地を売却も含めて考えられるということでしたが、JR九州としては、地域のにぎわいを創出したいと考えていらっしゃって、まだ、マンションを建てますとはおっしゃってないと思います、プレスリリースを見る限り。
ですので、その場所に、先日新聞にも載っておりましたが、鹿児島ユナイテッドFCが、六月末までにJ2ライセンスの申請を目指していらっしゃるということが載っておりました。この鹿児島ユナイテッドFC、すごく頑張っていらっしゃるということで、もう本当に、施設さえあればJ2に上がれるんじゃないかというところまで来られているということですが、やはり施設がないということで、J2の基準をクリアできないんではないかと言われております。
同じような状況であったJ2リーグのギラヴァンツ北九州というところがありますが、そこのホームスタジアムが、北九州スタジアムとして二〇一七年の三月にオープンいたします。ここは小倉駅から徒歩七分であるということで、「駐車場はありません。公共交通機関で御来場ください」とうたっています。ギラヴァンツ北九州は今、J2なので、J1要件となる一万五千人収容できるスタジアムが必要だということだったんですが、北九州スタジアムは一万五千三百席あるということで、面積は二万三千平米となっております。鹿児島中央駅西口地区は、四者の土地を全部合わせると二万五千平米ですので、そこにスタジアムは入るんです。北九州スタジアムは、設計・建設費が約九十九億円となっております。
鹿児島中央駅西口地区は、スタジアムをつくるのに十分な広さがありますので、Jリーグの方々も、活動方針の一つとして、世界に誇れる安全で快適なスタジアム環境の確立を掲げて、各クラブや自治体と協力しながら、魅力あるスタジアムづくりを進めていらっしゃるんですけれども、鹿児島中央駅西口地区であれば、駅徒歩三十秒の駅直結型のスタジアムをつくることも可能だと考えます。ですので、Jリーグのスタジアムというのは、地域愛を育んで、地域力の向上を図れる施設だと言われております。
鹿児島市は、県へ、鴨池野球場や陸上競技場などの運動施設用地として十九万二千八百五十二平米を、昭和四十年代から無償貸し付けしているんです。でしたら、鹿児島市へ県の土地、鹿児島中央駅西口にある県の土地は一万平米ですけれども、この一万平米の土地を鹿児島市に無償で貸し付けて、スタジアムは、鹿児島市とJR九州と日本郵政で協議してつくってもらうという手もあるのではないかと考えております。
ユナイテッドFCも頑張っておりますので、鹿児島の子供たちに本物のサッカーに触れる環境も与えられ、また、にぎわいもつくれますし、また、最近のスタジアムというのは、三百六十五日人を呼べるようないろんな施設が入った、例えば結婚式場ですとか高級ホテルですとか、また高級レストランとかそういったものを含めるような、三百六十五日人に来ていただけるような施設がつくれるということですので、ぜひとも四者連絡会で、サッカースタジアムとしての案を御検討いただきますよう強くお願い申し上げます。
私、県議となりまして一年がたちましたが、県議となってこの一年間思っていたことを、あと残りの時間でお話しさせていただければと思います。
いろいろ県の方々は本当に毎日、日々お忙しい中で、
一般質問を私たちがすると御答弁いただくわけですが、そういった中でよく聞かれるのが、国の動向を注視して検討するとか、実施主体は各市町村なのでということを言われるのですが、それを聞くたびに私は、じゃ県、要らなくないですかと思うわけです。なので、佐賀県の元武雄市長であった樋渡啓祐さんのセミナーに行きましたら、「行政の検討しますは、やりませんという意味ですよ」とおっしゃっていたんですが、鹿児島県はそうではないということを願いたいところです。
そして、この鹿児島県、人口減少も抱えて、県民所得も四十五位、貧困もワースト三位ということで崖っぷちに立っているという今、知事を初めとする県庁の職員の皆様、そして私たち県議を含む全ての県民が、鹿児島県は田舎であると思い込んでいることを捨てて、鹿児島県にはシンガポールよりもドバイよりも可能性があるんだと考えを改めて、危機感を持って、十年後、二十年後、五十年後の鹿児島県のためにどうするかを真剣に考えて、考えたことをスピード感を持って実行していかなければならないと考えております。
私がいつも勉強させていただいております団体では、人間不可能なことはないということで、できない理由を言わない、打つ手は無限、「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」ということがありますので、不可能ではないので、全て攻めの姿勢でいろんなことを推し進めていただければと思います。
そして、危機感とスピード感を持って、崖っぷちの鹿児島県の人口減少、貧困などを解消するために、国内外から鹿児島へお金の流入が見込める雇用をつくることを考えて、経営者マインドを持って、従来の使い切りの税金の使い方ではなくて、限られた財源の中から次の財源や雇用を生み出す使い方を常に考えていただくように、
伊藤知事でも、次に新たに知事になられるかもしれないどなたでも、鹿児島県のために強くお願い申し上げまして、私の
一般質問を終了いたします。
ありがとうございました。(拍手)
17 ◯副議長(鶴田志郎君)次は、き久伸一郎君に発言を許可いたします。
[き久伸一郎君登壇](拍手)
18 ◯き久伸一郎君 通告によりまして、質問に入らせていただきます。
まず、消費税一〇%増税延期及び増税に伴う離島地域住民負担軽減についてであります。
消費税一〇%増税に関しましては、御承知のように、安倍首相は、二〇一九年十月まで約二年六カ月延期することといたしました。それにより、二〇一七年四月の一〇%増税は延期となります。そこで、税収五兆円規模で実施予定の社会保障費関連、低所得者支援、子育て支援等の円滑な財源の確保が懸念されるところであります。
一方で、政党間では、社会保障制度の維持や財政健全化のための増税概念との整合性に対して疑問を呈しております。その経過としまして、二〇一二年の八月に、民主党政権下、自民・公明・民主の三党合意による社会保障と税の一体改革により、五%から八%、そして八%から一〇%への増税方針が決まったところであります。ただ、八%への増税後、景気の低迷が想定以上であったことから、安倍政権では、二〇一四年十一月増税を二〇一七年の四月に延期することとして、今回で二回目の先延ばしとなりました。
国・県の将来にわたる厳しい財政状況からして、今後、社会保障費の財源確保の課題等が懸念されます。社会保障関連事業、いわゆる医療・介護・年金は、国・県の根幹をなす重要な必然的政策であります。したがって、安定的な財源確保の一環として、消費税一〇%増税は、課題はあるものの了と考えなければなりません。
過去、二〇一四年に消費税が五%から八%へと増税されました。その後、景気・消費需要の落ち込みが予想以上に大きく、長く続いたとされ、また、都市部と地方の税収にも格差があったとのことであります。
この増税期間での県内における消費需要や施策推進にどのような影響があったのか。
また、消費税増税一〇%が二〇一九年十月まで延期となりますと、県内における医療・介護・年金、低所得者支援、子育て支援への影響はどうであるのか。
さらに、消費税が一〇%に上がった場合、県内での税収及び経済的影響はどのように想定されるのか、お示しください。
このたび、政府の経済財政諮問会議では、将来へのシミュレーションとして、消費税一〇%増税による消費の落ち込みを喚起するため、高所得者と低所得者との差の格差、逆進性を解消する軽減税率や定率軽減を含めた可処分所得の増加策が議論されております。
私たち離島においては、二〇一九年十月に一〇%増税したとして、また、軽減税率や定率軽減が導入されたとしても、本土から離島間への輸送コストは加算されることになり、離島住民の負担感はさらに増幅することとなります。
県としては、従来の離島と本土との住民生活必需品等の物価指標について、時系列及び地域間で比較した状況と負担軽減に対しての考え方をお示しください。
このたび、県議会離島振興議連の発議によりまして、離島地域における消費税増税に係る島民生活負担軽減措置を求める意見申入書を、全国離島振興関連六団体に提出したところであります。その趣旨は、消費税の再引き上げが及ぼす影響の大きさを鑑みて、全国離島関係団体が連携して、国へ強く要望していただきたいとの申入書であります。
県として過去、県開促協や知事会においても同様の意見を申請されておりました。県として、これまでの取り組み状況と今後の対応についてお示しください。
次に、地方創生関連の若い世代の子育て支援等についてお伺いいたします。
私たちの日常の政治活動においてよく耳にする重要課題等の中に、若い世代の子育て支援等に関連する課題があります。急速な人口減少により、将来の国・県の持続性が危惧される中、遅きに失した感も否めませんが、国においては、地方創生や一億総活躍社会の政策を提言されるとともに、県内各自治体においては、地方版総合戦略を三月までに策定・提出されたところであります。
人口減少問題を克服するためには、東京や大都市への一極集中を是正するとともに、若い世代の子育て支援等が重要な施策の一つであります。国の平成二十七年度補正予算及び二十八年度当初予算における若い世代の希望をかなえるための政策は、地域少子化対策、地域女性活躍、待機児童解消、そして保育士資格の取得支援、さらには、ひとり親家庭の学習支援等多岐にわたっております。
そこでお伺いいたしますが、地方創生関連施策のうち、若い世代の子育て支援等に関する、まず県の基本的な考えをお聞かせください。
それと、国の平成二十七年度補正予算と二十八年度当初予算に対応した県の若い世代の子育て支援等に関する取り組みについてお示しください。
また、平成二十八年度の国の地方創生推進交付金について、制度の概要、県と市町村の負担割合の考え方についてもお示しください。
先般の第一回定例会、三月十六日に地方創生総合戦略等特別委員会が行われました。一年間にわたる論議の経過、そして策定内容等についての総括説明がありました。委員からは、県・市町村版地方創生総合戦略の理念、事業内容等については、将来を見据えた理にかなった策定内容であるとの認識であったと思えました。ただ、地方創生総合戦略の実効性、実現力、成果達成についてのチェック機能の考え方についても多くの意見が出されたところであります。
そこで、県としては、国が示しているKPI─主な重要業績評価指標─やPDCAサイクルを活用した効果検証を行うとしております。
県として、地方創生総合戦略の進捗、管理、点検をどの課で対応されるのか。
また、専門的課を設けて、市町村の総合戦略とあわせて年に数回、進捗、管理、点検を行うべきと考えます。それにより、翌年度への取り組みに生かすことができると考えますが、県のお考えをお示しください。
県の地方創生関連施策として、若い世代の希望をかなえる地域少子化対策強化事業、約六千六百万円が盛り込まれております。少子化問題に対応し、地域で子育てを温かい思いで育み、その機運を醸成していく趣旨であります。
御承知のように、奄美群島の伊仙町は合計特殊出生率が二・八一人です。これは日本一です。また、ベストテンの中に徳之島三町が入っております。
伊仙町の子育てへの取り組みは、まず、第一子五万円、第二子十万円、第三子十五万円、その他にも多くの支援を行っておりますが、何よりも、地域で子育てをしていこうという機運の醸成が図られております。
昨年の三月七日、石破茂地方創生担当大臣が主催するシンポジウムにおいて、パネリストとして出席した大久保明伊仙町長は、伊仙町での子育て支援に対する取り組みを説明しておりました。そのほかにも、離島版CCRCや企業誘致等にも積極的に取り組んでおります。
そこでお伺いいたしますが、県においては、奄美地域における合計特殊出生率の高さをどのように認識されているのか。このたびの地方創生総合戦略の策定において、若い世代の子育て等への支援について、伊仙町など離島での取り組みを活用、参考にされたのか。
また、徳之島三町を若い世代の子育て支援等への支援重点地区として位置づけることはできないのか、県のお考えをお聞かせください。
これにて一回目の質問といたします。
19 ◯商工労働水産部長(西 啓一郎君)平成二十六年四月の消費税引き上げ時の県内消費需要と一〇%に増税した場合の県内経済への影響についてでございます。
平成二十六年の消費税率引き上げ前後の経済指標を見ますと、個人消費は、駆け込み需要が見られ、四月以降はその反動減の影響が続いた後、台風などの影響が見られたものの、次第にその影響も和らぐなど、総じて見れば底がたい動きが続いたところであります。
また、鹿児島市の二人以上世帯の消費支出は、四月から十二月の累計が前年比マイナス六・三%となりましたが、物価上昇を考慮した実質賃金は、同期間の累計が前年を上回ったところであります。
このほか、観光面が高水準で推移したことなどから、本県経済は、消費税率引き上げ後も、全体としては景気は緩やかに回復を続けていたものと考えております。
一方で、県内中小企業につきましては、中小企業景況調査を見ると、人口減少等による需要の縮小に加え、消費税率引き上げの影響や原材料価格の上昇などにより、厳しい状況が続いていたところであります。
今後、消費税率が引き上げられた場合、消費に与える主な影響としては、物価の上昇を見越して消費税率引き上げの前に消費を前倒しする駆け込み需要と実質所得の低下により消費水準を低下させる効果があるとされております。
消費税率の引き上げが実際に地域経済に及ぼす影響につきましては、一般的に、消費税率の引き上げ時の個人消費の動向、生産活動などの経済状況によって左右されるものと考えております。
30 ◯副議長(鶴田志郎君)ここで、休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
午後零時 二分休憩
───────────
午後一時十五分再開
31 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。
上山貞茂君に発言を許可いたします。
[上山貞茂君登壇](拍手)
32 ◯上山貞茂君 こんにちは、県民連合の上山貞茂です。県議になり二回目の質問となります。よろしくお願いします。
まず初めに、熊本県を中心に発生いたしました熊本地震により亡くなられた方々、御家族の方々、被災された皆様方に心からお見舞い申し上げます。
私も五月二十五日に、県議・市議合わせて五人で熊本に参りました。益城町及び西原村を中心に現場を見てまいりました。熊本県災害対策本部の資料によりますと、五月二十二日現在で、死者・関連死含め六十九人、行方不明・重軽傷者合わせて千六百十九人、全半壊数二万五千二百六十八棟、避難者数最大十八万三千八百八十二人─本震後四月十七日九時現在─でした。避難所数も八百五十五カ所を数える数字に上っていました。
四月十四日二十一時二十六分、深さ十一キロメートル、マグニチュード六・五、最大震度七の地震が発生し、その後も、二十二時七分に震度六弱、翌日十五日零時三分震度六強、十六日一時二十五分震度七、本震が起こりました。一時四十五分震度六弱、三時三分には震度五強、三時五十五分には震度六強と立て続けに地震が発生し、震度一以上の地震回数は、六月八日現在で千六百八十九回を記録しています。まさに未曾有の大地震と言えます。天地がひっくり返る恐ろしさだったに違いありません。
隣県鹿児島としても、復旧・復興に最大限の支援に力を挙げるとともに、今回の地震を対岸の火事とせず、活断層の地震の想定外の恐ろしさを検証し、被害を最小限に抑える対策をしっかりととれるように、日ごろから減災・防災に取り組んでいくべきであると述べさせていただき、私の
一般質問に入らせていただきます。
まず、知事の政治姿勢についてでございます。
一点目は、知事の憲法観です。
五月三十一日に地元紙が実施した憲法
アンケートによりますと、
伊藤知事は、憲法改正については「どちらかといえば必要ない」、九条改正については「どちらかといえば反対」、安全保障関連法及び緊急事態条項については「選択せず」という結果が掲載されました。憲法の立憲主義の尊重という姿勢については評価いたします。
現政権が目指す憲法改正は九条であり、二十五条の生存権など多岐にわたっていますが、憲法改正の方向性は、国民主権、立憲主義からも逸脱するものであると考えます。多くの憲法学者が憲法違反と指摘している集団的自衛権を前提とした安全保障については、国が判断するものと、げたを預けるわけにはいきません。なぜなら、国の政策は自治体行政に大きな影響を与えるものだからでございます。緊急事態条項に至っては、国家に平常時とは異なる権力行使を行う権限を与えるもので、ドイツのワイマール憲法の失敗を鑑みても、制定してはならないものだと考えます。
知事の日本国憲法に対する見解を求めたいと思います。
二点目は、川内原発の再稼働の問題でございます。
七月十日は、参議院選挙と同日に県知事選挙の投票も実施されます。知事は、四選を目指すと立候補を表明し、今回の知事選に当たり、川内原発問題について、選挙戦の争点にはならないと公言されています。川内原発が再稼働して初めての県知事選挙です。当然ながら、原発再稼働は争点になるべき課題だと考えます。
五月四日の地元紙世論調査によりますと、川内原発再稼働して「よくなかった」「どちらかといえばよくなかった」と否定的な回答をした人が五二・三%、「よかった」「どちらかといえばよかった」の四一・三%を上回っていることが明らかになりました。一方、再稼働してよかったと答えた人も、「再生可能エネルギー移行までの当面の稼働」とする人が三七・八%を示し、「今後も原発を活用すべき」の一二・八%を大きく上回っています。これらの
アンケートから、県民は必ずしも原発再稼働という既成事実を容認しておらず、原発再稼働の避難体制、地震対策など安全性に疑問を抱いていることも明らかになっております。また、再生可能エネルギーへの移行など、新たな時代を望んでいることもわかります。
そこで、七月の知事選で川内原発再稼働を争点としない理由についてお答えください。また、この
アンケート結果に関して、知事の見解を求めたいと思います。
三点目は、伊勢志摩サミットの評価でございます。
今定例会に当たり
伊藤知事は、伊勢志摩サミットに関して、世界経済について、「下方リスクが高まってきている」とした上で、「新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行う」とした首脳宣言をわざわざ取り上げています。しかし、経済評論家や新聞各社の論調は、安倍首相が発した世界経済のリスクに各国首脳は共有していないと報じ、国内の政治的難局を打開するために伊勢志摩サミットを利用したものだと分析しています。メルケル首相に至っては、世界はある程度安定した成長状態にあるとの認識も示しています。
知事にお伺いします。
サミット首脳宣言における世界経済の合意について、知事の見解をお示しください。
また、安倍首相は、核なき世界を声高に叫ぶオバマアメリカ大統領の広島訪問、さらに、サミットでは、核兵器のない世界に向けた環境を醸成するコミットメントを再確認し、広島宣言を支持する合意を得、成果を強調しています。
私も、唯一の戦争被爆国である日本と、原爆を投下した当事国である米国の両首脳が、被爆地広島の地を踏んだ今回の訪問を前向きに評価する一人でありますが、一方で、オバマ大統領は、核弾頭削減数では前ブッシュ大統領に比べ少なく、今後三十年で一兆ドルを投じて新型核弾頭の実験を行うことも報じられています。
日本も、核兵器を保有する国をふやさない核兵器不拡散条約は批准しているものの、核兵器の製造、保有、使用等を全面的に禁止する条約には賛同していません。他の国から、米国の核の傘下に守られているとみなされるゆえんでありますが、平成十六年に県議会で決議いたしました、無差別大量破壊兵器廃絶・世界の恒久平和を希求する鹿児島県宣言に鑑み、核兵器廃絶に向けた知事の見解をお示しください。
四点目は、県民に寄り添う姿勢でございます。
県民との信頼関係を保つために不可欠なのが知事の情報発信です。とりわけ記者会見は、施策をアピールしたり、説明責任を果たすための重要な場となります。しかし、昨年度の九州七県の知事会見の状況を調べてみますと、
伊藤知事は会見回数は八回で、佐賀、長崎の十五回を大きく下回っています。最多の大分県は二十八回ですので、月二、三回と、月一回以下の差になっています。
この数字について、知事の見解を求めます。
首長の多選について、知事は、「当選回数そのものには特に問題はない」と述べ、「期数だけを捉えた批判は当たらない」と答弁されています。確かに、当選回数のみを問題視し、多選を否定するつもりはありません。しかし、日本の地方公共団体では首長の権能が極めて強く、行政の人事権や予算等の提案・決定権、土地利用の許認可権等を一手に握り、多選を繰り返すことにより、首長の専制化・独裁化、行政組織の硬直化、職員の士気の低下を招くという弊害が指摘されています。
知事の三期十二年間における特徴的に挙げられる問題は、女性蔑視と捉えられたサイン・コサイン問題、上海路線維持のための県職員派遣研修問題、ドルフィンポート契約前移転による違約金と鹿児島市との協議不足を露呈したスーパーアリーナ問題などではないでしょうか。県民からは、押しつけ行政、上から目線と批判が相次ぎ、リコール運動にまで発展いたしました。公立のラサールとやゆされた楠隼高校は教職員からも疑義が出るなど、民主的な決定のプロセスの欠如を感じました。
財政難を理由とした県職員の人員・賃金削減のプロセスについても、各部・各職場、現場の意見を酌み取る気風を排除し、言っても聞いてもらえないという諦め感、後輩がなかなかできない中で職員の士気の低下を招いています。それでも、ミカンコミバエ根絶に向けて農家のために必死になって作業に当たった農政普及員のように、現場では、地域のため、鹿児島県のために頑張っている姿に感激を覚えるものです。
TPPも、農政問題ではなく農村問題として現場を見てほしい、補助金行政では後継者は生まれないという農家の方々の意見もよく聞かれます。「鹿児島県民所得一人当たり二百三十九万九千円、四十五位」、「子どもの貧困率二一・三%、五人に一人」の地方紙の見出しに衝撃が走るとともに、政治のありようを考えさせられます。
四期目を目指す知事として、知事のリーダー論をどのように考え、また、「日本一のくらし先進県」、「力みなぎる・かごしま」に向けた決意をお示しください。
次に、県行政改革の影響と課題として質問いたします。
人事院は、二〇一五年度の年次報告書、いわゆる公務員白書を国会と内閣に提出しました。その第一編第二部を見ますと、国家公務員の在職状況について、四十歳代と五十歳代職員の割合が、二十歳代と三十歳代の職員の割合を相当に上回るという大きな山と谷を持つ構成になっている。このままの姿で二十年後を想定すると、公務で経験を積んだ管理職員やベテラン技術者が極めて少なくなると警鐘を鳴らしています。二十から三十歳代の職員の割合が少ないことにより生じる問題点として、技能・経験の継承が困難になる、組織能率が低下する、部下を持つ経験が遅くなることでリーダーとしての能力が養いにくくなると考えている職員が多くいることも指摘しています。
鹿児島県においても、県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づく行政改革により、地域振興局への組織再編、庶務業務の集約化、業務の民間委託などで千三百人程度の人員削減と職員給の見直しが現在進行形で行われています。人員不足の業務に対しては、嘱託職員や非常勤職員の活用などで対応を図っており、このままの姿で二十年後を想定すると、公務で経験を積んだ管理職員やベテラン技術者が極めて少なくなるという人事院の指摘は、鹿児島県にも当てはまるものと考えます。
そこで、職種ごとの年齢層別人員構成の割合について、県政刷新大綱策定前と昨年度を比較し、その変化をお示しください。その現状を踏まえて、技能・経験の継承、職員のモチベーション向上への対応について、県の見解をお示しください。
さらに、働き方の改革と勤務環境の整備に関する課題では、育児責任を担う職員が、育児休業等の仕事と家庭の両立支援制度を利用しやすい職場の環境づくりを進めることはもとより、今後は、男女を問わず育児のみでなく介護を担う職員が増加すると想定され、公務の職場全体が、時間や場所に制約があっても引け目を感じることなく勤務を継続できる環境を整備することが重要となると指摘しています。
そこで、知事部局、教育部局内職員の育児休業取得者数及びその割合、介護休暇制度の現状及び取得者数についてお示しください。
また、育児休業からの職場復帰を円滑にするため、事業所内保育所の設置も効果的であると考えますが、知事部局においては、職場復帰支援についてどのように取り組んでいくのか、お示しください。
組織活力の維持に関する課題では、従来常勤職員が担っていた業務を非常勤職員が代替して恒常的になっているような実態があれば、そのような業務には常勤職員を任用することが適当である。公務の現場でその役割を果たしている非常勤職員についても、常勤職員と同様に高い意欲を持って勤務することができるよう適切な勤務環境を確保することが重要となるとしています。
一方、政府は、正規・非正規にかかわらず同じ職務の労働者に同じ賃金を支払う、同一労働同一賃金を法制化する方針を打ち出しています。パート労働法や労働者派遣法の改定にとどまるか、新法制定かは流動的ですが、同じ職務なら同じ処遇を受ける均等待遇が、同一労働同一賃金の考え方です。
県においても、県消費生活センターなど、非常勤職員の数が常勤職員の数よりも多い職場があります。
そこで、知事部局及び教育委員会における非常勤職員の数についてお示しください。
また、本来常勤職員が担うべき業務を代替して恒常的に担っている実態があるのかどうか、あれば今後の対応について、知事部局及び教育委員会それぞれの均等待遇の観点から、県の見解を求めます。
一回目の質問といたします。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
33 ◯知事(
伊藤祐一郎君)憲法観についてのお尋ねがございました。
日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重及び平和主義を基本理念とする国家の最高法規であり、これまで広く国民にも浸透しており、我が国が自由で民主的な国家として発展する上で極めて大きな役割を果たしてきたものと考えております。その上で、我が国が目指す平和国家などを前提として、世の中の変化を踏まえつつ、国会を初め、国民の間で幅広い議論が行われることは重要なことであると考えております。
核兵器廃絶への見解についてのお尋ねであります。
我が国は、世界で唯一の被爆国であり、核兵器による惨禍が再び繰り返されることがないよう、世界の平和の構築のための不断の外交努力を続けていくことが極めて重要であると考えております。
四期目に向けた知事の決意等についてであります。
私は、時代の大きな変革期を迎え、これからの時代の課題であります、少子化対策を伴う人口減少への対応、持続可能な国・地方を通ずる財政制度や社会保障制度の構築など、我が国の従来の制度が大きく変容する中で、将来の県民の幸せにつながる改革に断固たる決意を持って取り組むとともに、全ての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるような「力みなぎる・かごしま」づくりに果敢に挑戦してまいりたいと考えております。
さらに、県政に課せられた最大の課題である、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の実現を目指し、今後とも、県民本意の県政実現に私自身が先頭に立って全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。
34
◯危機管理局長(永野 司君)川内原発再稼働についてでございます。
川内原子力発電所の再稼働につきましては、新規制基準に基づく原子力規制委員会による原子炉設置変更許可後、住民説明会の開催や国のエネルギー政策の確認を行い、薩摩川内市議会、薩摩川内市長及び県議会の御判断など一連の民主的な手続を経て、県としては平成二十六年十一月に、やむを得ないと判断したところであり、川内原発一号機につきましては昨年八月に、二号機につきましては十月に起動し、現在、安全に運転がなされております。
県におきましては、県開発促進協議会等を通じて、エネルギー政策における原子力発電の位置づけ等に関して、国が主体となって丁寧に説明を行うなど、国民の理解を得るよう要請しますとともに、九州電力に対しては、安全確保を最優先に、慎重かつ丁寧に万全の注意を持って発電所の運転に当たるよう要請しております。
35 ◯企画部長(岩切剛志君)伊勢志摩サミットにおける世界経済の合意についてであります。
先日開催された伊勢志摩サミットにおいて、各国首脳は、世界経済について、中国など新興国経済に陰りが見え、世界的な需要の低迷によって成長の減速が懸念されており、今後の見通しに対する下方リスクが高まってきているという認識を共有したところであります。その上で、新たな危機に陥ることを回避するため、経済政策の強化や金融・財政政策と構造政策を総動員することの重要性に合意したところであると認識しております。
36
◯知事公室長(武盛武士君)記者会見についてお尋ねがありました。
定例の知事記者会見は、県議会定例会がある月を除いて原則毎月行っています。臨時の記者会見や知事インタビュー等にも知事が適宜対応しております。このほかにも知事は、県内各地に出向き県民と直接対話したり、テレビ番組などにおいて、県政運営の基本的な考え方や主要施策等についてわかりやすく説明しているところです。また、県職員も、県政の課題や県の重点的な施策等について、記者発表や県民に直接説明を行う県政出前セミナーなどにも取り組んでおります。
今後とも、こうした取り組みを初め、県政かわら版等の広報紙や県政広報テレビ・ラジオ番組、ホームページ、フェイスブックなどさまざまな媒体、あらゆる機会を活用して県政の広報や情報発信に努めてまいります。
37 ◯総務部長(寺田雅一君)県の行政改革の影響等に関する御質問のうち、職種ごとの年齢層別人員構成の変化とその対応についてでございます。
平成十六年四月と平成二十七年四月における知事部局の職員の年齢構成を比較いたしますと、事務職は、二十九歳以下の割合が一一%でほぼ変わらず、三十歳から四十九歳は五八%が四七%に、五十歳以上は三〇%が四二%になっております。技術職では、二十九歳以下は一二%が七%、三十歳から四十九歳は六二%が五四%、五十歳以上は二六%が三九%になっており、事務職、技術職のいずれも、四十九歳以下の割合が低下する一方で、五十歳以上の割合が上昇しているところでございます。
県におきましては、職場における日常業務を通じた研修や、各部局における職務の特性に応じた研修によりまして、職員の専門性の向上に努めますとともに、職員に応じた階層別の研修や、職員みずからの選択により職務能力の開発に取り組むチャレンジ研修、人事異動における特定の業務に係る庁内公募、国や他県等への若手職員の派遣などにより、職員の意欲や自主性の向上を図っているところでございます。
今後とも、これらの取り組みを通じまして、職員の意欲や資質の一層の向上が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
育児休業、介護休暇の取得状況等及び育児休業からの職場復帰の支援についてでございます。
知事部局において新規に育児休業を取得した職員数は、平成二十五年度が女性三十三名、男性二名、二十六年度が女性二十九名、男性四名、二十七年度が女性二十六名、男性二名となっており、女性の取得割合は一〇〇%、男性は平成二十五年度一・九%、二十六年度四・一%、二十七年度二・三%となっております。また、父母等の介護のため六月を上限に取得できる介護休暇を新規に取得した職員数は、平成二十五年度及び二十六年度が各二名、二十七年度がゼロ名となっております。
育児休業からの職場復帰につきましては、休業期間中も業務に関する情報を提供するとともに、復帰に際しては、業務分担の見直しを行っているところでございます。また、復帰後においては、本人の希望に基づき、勤務時間の短縮や出退勤時間帯の変更等を行うことにより多様な働き方を選択できるようにするなど、環境の整備に努めているところでございます。
なお、庁舎内における保育所の設置につきましては、設置場所の確保、整備や運営に要する費用負担、管理運営方法などさまざまな課題があるものと考えております。
いずれにいたしましても、引き続き、職員の仕事と子育てや介護が両立しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、非常勤職員の人数及び業務についてでございます。
知事部局における非常勤職員数は、平成二十七年四月時点で約九百五十人となっています。非常勤職員は、土地の登記に係る職員の補助的な業務や、法律顧問等高度な学識経験を要するものなど、多岐にわたる業務を対象といたしまして、一年以内の期間を定めて任用しており、正規職員とは任用の根拠や勤務時間、業務内容等が異なるものでございます。
なお、非常勤職員の勤務状況につきましては、一般職員の給与改定率をもとにした報酬の改定や、通勤費用相当額の費用弁償の支給などを行ってきているところでございます。
38 ◯教育長(古川仲二君)教育委員会において、新規に育児休業を取得した職員数は、平成二十五年度が女性二百三十八名、男性八名、二十六年度が女性二百三十九名、男性九名、二十七年度が女性二百四名、男性十一名となっており、女性の取得割合は一〇〇%、男性は二十五年度一・九%、二十六年度二・三%、二十七年度三・〇%となっております。
また、父母等の介護のため六月を上限に取得できる介護休暇を新規に取得した職員数は、平成二十五年度が十四名、二十六年度が七名、二十七年度が九名となっております。
次に、教育委員会における非常勤職員数は、平成二十七年五月時点で約一千四百八十人となっております。非常勤職員は、学校の環境整備等の補助的な業務や、学校医等高度な専門性を要するものなど、多岐にわたる業務を対象として、一年以内の期間を定めて任用しており、正規職員とは任用根拠や勤務時間、業務内容等が異なるものであります。
なお、非常勤職員の勤務状況につきましては、知事部局と同じ取り扱いとなっております。
39 ◯上山貞茂君 自席から何点か質問させてください。
知事の記者会見ですが、今の話を聞くと、毎月行っている、それと臨時的にも行っているとなると、この回数というのは実際上、何回行ったのかちょっと教えてください。私の調べたところでいくと八回という数字が出ていますので、合っているかどうかも確認させてください。
それと、非常勤なんですけれども、相談員というのは非常勤でということが現状ですけれども、ただ、一年更新で結果的に常勤の形になっている。非常勤というのは期間が限定されますから、その業務はいずれなくなると思うんですけれども、なくならない業務なんです。その辺の観点、要するに非常勤職員でいいという判断というところの根拠について示してください。二点です。
40
◯知事公室長(武盛武士君)記者会見についてのお尋ねがございました。
定例の記者会見等ということであれば御指摘の回数かと思いますが、それ以外にも適宜対応いたしておりますとお答えしたところでございます。
41 ◯総務部長(寺田雅一君)非常勤職員の取り扱いについてでございますけれども、先ほどお答えを申し上げましたとおり、非常勤職員の勤務の内容につきましては、土地の登記に係るもの、あるいは法律顧問等高度な学識経験を要するものなど、さまざま事情が違うところでございます。そういった業務の特性に応じまして、業務の内容や業務に伴う責任の程度などを踏まえて、判断しているところでございます。
[上山貞茂君登壇]
42 ◯上山貞茂君 ただいま答弁をいただいたわけですけれども、非常勤職員については、やはり正規職員と非常勤職員の賃金差が非常に高いというところで、人事院も問題視しているという認識を持っていますので、その業務のあり方を含め、今後も議論していきたいと思っております。
次にいきます。
川内原発における安全対策の課題についてでございますが、一連の熊本地震を受け、
伊藤知事は定例記者会見において、「川内原発周辺では今回のような地震は起きない。少なくとも文献上ないので少々安心。緊急性は感じなくていい」と述べ、避難計画などを見直す必要はないとの見解を示しました。その背景には、川内原発の揺れは最大八・六ガルと、原発が自動停止する設定値百六十ガルを大幅に下回っていたことから、原子力規制委員会の田中委員長が、安全上の問題は起きないと結論づけたことがあるように感じます。
しかし、四月二十九日の地元紙によりますと、揺れの大きさよりも想定外に備え停止を求める声が、九州電力に十五日からの一週間で電話で五百四十件、メールで約四千二百件も県内外から寄せられています。震度七が約二十八時間の間隔で連続するという専門家の想定を超える地震だったことからも、不安が増大したものと思われます。
川内原発は現在、一、二号機が稼働中で、それぞれ百五十七体の燃料集合体を装荷中です。このほかに、使用済み燃料が一号機では千百二十八体、二号機では八百十八体、それぞれの使用済み燃料プール中に保管されています。原発は、運転をとめてしまえば直ちに安全だというものではありません。しかし、運転停止後一日たてば運転時の発熱量の〇・五%程度にまで下がることで、運転中よりははるかに危険性が下がります。
原発の事故は、直接原発が破壊されることによってのみ起こるものではありません。原発近くの変電施設や送電施設が地震によって破壊され、送電ができなくなり、結果、原子炉は緊急停止するよりほかなく、同時に外部電源の喪失状態に陥ることになります。非常用ディーゼル発電機が起動に失敗すれば直ちに危機的状態に陥りますし、起動しても、燃料の補給手段がなくなれば原発事故は免れないのです。
川内原発の再稼働差し止め福岡高裁宮崎支部の判決でも、基準地震動の策定や耐震安全性について合理性を有するとしながらも、規制委員会の予測を超える事態が起きるリスクがあると認めています。東日本大震災直後、中部電力の浜岡原発─静岡県─の停止など、事故を恐れて停止した例もあります。リスクが懸念される事態を察知し、県の最高責任者として県民の命を守る防災・減災の視点で判断することこそ、知事の決断だと考えます。
川内原発事故は、県内のみならず日本全体に影響を及ぼすのは必至です。県民そして国民の不安を解消するためにも、川内原発を一旦停止し、川内原発周辺の活断層の再調査、安全確認後の再稼働を行うべきだと考えます。それが原発立地県としての責任だと考えますが、知事の見解をお示しください。
熊本地震では、一カ月たった現在でも、建物が倒壊するおそれがあるとの理由から、自宅から避難し、屋外テントや駐車場にとめた自動車の中で生活することを選ばなければならない人たちが大勢います。屋内退避を基本としている今の原子力防災の考え方は、大きな地震と原発事故が重なって起きたときには全く相入れないものであることが今回、実証されました。さらに、道路の寸断、鉄道線路や橋の崩壊など、放射能を避けようとしても避難することもままならない事態が起きてしまいます。
熊本地震の現実を踏まえた上で、原発の屋内退避を前提としている今の原子力防災の考え方について、知事の見解をお示しください。
また、複合災害時における住民避難計画の検証に着手するべきだと考えますが、知事の見解を求めます。