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2002-06-20 平成14年第2回定例会(第2日目) 名簿
2002-06-20 平成14年第2回定例会(第2日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2002-06-20
    2002-06-20 平成14年第2回定例会(第2日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時二分開議    △ 開  議 ◯議長(溝口宏二君) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、代表質問    宇 田 隆 光 君    内   道 明 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━    △ 代表質問 2 ◯議長(溝口宏二君) 代表質問であります。  宇田隆光君に発言を許可いたします。    [宇田隆光君登壇](拍手) 3 ◯宇田隆光君 平成十四年第二回定例県議会に当たり、自由民主党県議団を代表して質問を申し上げます。  去る五月、中国瀋陽の日本総領事館に駆け込んだ北朝鮮の亡命希望者を、中国の武装警察官が立ち入り、強制的に連行する事件がありました。また、奄美大島沖に沈没している国籍不明の不審船については、ようやく船体の引き揚げが実現される見通しがついたようであります。いずれの事件も、我が国の主権を侵犯し、脅かす重大な問題であります。
     政府におかれては、早急に船体を引き揚げの上、徹底的な調査を行うとともに、総領事館事件については、あいまいな決着を見ることなく、中国に対し、二度とこのようなことが起こらないよう我が国の毅然とした態度を示されること、並びに外務省の危機管理体制の見直しを強く求めるものであります。  さて、小泉内閣が発足して一年が経過し、さまざまな改革が具体化されつつあります。近くには、税制や経済活性策を盛り込む「骨太の方針」が第二段としてまとめられるようであります。小泉総理総裁におかれては、引き続き「改革なくして成長なし」との信念のもと、聖域なき構造改革に全力で取り組まれるとともに、地方や中小企業により厳しいしわ寄せが向けられることのないよう強く望むものであります。  また、武力攻撃事態関連三法案が今国会に提出され、審議が始まっております。自由民主党は、昭和三十年の保守合同以来、一貫して有事法制の必要性を主張してきており、ようやく国会の場で本格的な論議がなされることを歓迎するものであります。日本国憲法のもと国の独立と主権、国民の安全を確保するため必要な体制を整えることは、国の責務であろうと思います。地方自治体の役割の明確化など十分議論を行った上で、生命と財産を守る有事関連三法案が今国会で成立するよう強く望むものであります。  このような中で、本県では、昨年十二月に策定された財政改革プログラムに基づき、今年度から五年間を期間とする財政改革の取り組みが始まりました。特に集中改革期間の初年度に当たる今年度予算の執行に当たっては、全力を挙げて財政改革を進められるよう要請いたします。  また、今年度実施する事業の展開に当たっては、県内景気に配慮されるとともに、上野原縄文の森、県民交流センターなどのオープンに向けての整備、開業を間近に控えた新幹線の利活用による振興策など、「二十一世紀新かごしま総合計画」の第一期実施計画の着実な推進を図るため、効率的・計画的な予算の執行にも努めていただきたいのであります。  それでは、当面する県政の重要課題について質問をいたしてまいります。  まず、須賀知事、去る四月手術、入院され、しばらく公務をこなしながら治療をされておりましたが、このたび体調も完全に回復されたとのこと、まことにうれしく思います。知事の入院は県民の皆さんも大変心配されたと思いますが、もとどおりお元気になり、私どもも安心いたしております。そこで、公務に復帰されての知事の決意についてお伺いいたします。  また、高田前副知事におかれましては、健康上の理由により六月十四日辞職されました。長年にわたり本県の振興・発展と県民生活の向上に御尽力され、多くの功績を残されました。今後は治療に専念され、早く体調が回復されることを祈っております。  ところで、現在副知事は空席であり、県政の停滞を招かないためにも、一刻も早く優秀な人材の選定をお願いするものであります。そこで、副知事選任についての考え方をお示しください。  次に、行財政問題についてお尋ねいたします。  本県の財政環境は一層厳しさを増している中で、「二十一世紀新かごしま総合計画」を第二期実施計画以降も着実に推進するため、将来にわたって弾力的で足腰の強い健全な財政構造を構築していく必要があることから、昨年十二月に財政改革プログラムを策定し、これを基本方針として平成十四年度当初予算を編成されたところであります。  この財政改革プログラムにおいて示されている平成十八年度までの財政収支の見通しは、平成十二年度最終予算をベースとして試算されております。このため、県では、新しい資料により改めて試算することとし、去る一月に閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」において示された経済見通しなどを参考にしながら、平成十三年度最終予算が確定する時点において、この収支見通しに検討を加え、このたび新たな財政収支の見通しを公表されました。  そこで、第一点は、新たな財政収支の見通しの考え方と収支の見込みについてお伺いいたします。  また、今年度の当初予算においては、財政改革プログラムに基づき、投資的経費の見直しと重点化に伴い、公共事業費が約一〇%削減されております。財政改革は、今後、県民の方々や市町村、関係団体の理解と協力をいただきながら取り組んでいかねばならないものであります。一方で、民間シンクタンク調査レポートによると、平成十四年度の公共事業が前年度比一〇%削減された場合、県内生産額が九百九十四億円減少し、六千九百人が失業するとの試算が出ております。これは一つの試算ではありますが、公共事業の削減により、県内建設業者の倒産件数が増加することが懸念されるところであります。公共事業等の執行においても、県内景気の動向に配慮されるとともに、県内建設業者に対し、できる限り配慮した公共工事の発注など何らかの対策を講ずる必要があると思うのであります。  そこで、第二点は、現時点における公共事業等の執行状況と最近の県内建設業者の厳しい経営状況を踏まえ、公共工事の発注等の今後の対応などについてお尋ねいたします。  次に、市町村合併についてお尋ねいたします。  平成十七年三月の市町村合併特例法の期限切れが迫る中で、法定合併協議会の設置から合併までに約二年の期間を要するとされていることから、ことしは合併の推進に向けての大変重要な年であり、合併への動きは活発化してくると思うのであります。このような中で、県では、市町村合併後の市町村の将来像を探るための調査研究事業を昨年度、中薩地域、西薩地域、南隅地域の三地域で実施され、三月にはその調査報告書が出されております。今年度も、南薩地域、肝属地域、沖永良部・与論地域、日置地域、曽於地域において実施されると聞いております。  そこで、第一点は、昨年度実施された調査研究事業の結果報告の中で、合併の効果、懸念される事項及び課題等としてどのようなことが報告されているのかお示しください。  ことしの四月以降、指宿地区、南薩中央地区の二地区において任意合併推進協議会が設置され、県は、その地域を合併重点支援地域として指定しており、合併推進に向け重点的な支援を実施されると思うのであります。  そこで、第二点は、この地域に続く合併重点支援地域の指定について、今後の見通しと県の合併支援プランの策定など、合併重点支援地域等に対する具体的支援策について明らかにしてください。  次に、個人情報保護制度についてお尋ねいたします。  インターネットなど高度情報通信社会の進展に伴い、個人に関する情報の利用が拡大している状況にあって、個人の権利・利益が侵されないよう、今後は個人情報を保護するための十分な対策が必要であると考えます。このような状況の中、現在国会に提出されている国の個人情報保護法案では、地方公共団体の責務として、保有する個人情報の保護に関し必要な措置を講ずることが求められており、県では、昨年六月に個人情報保護懇話会を設置して、鹿児島県における個人情報保護制度のあり方について検討を進め、去る五月三十一日には同懇話会会長から、個人情報保護条例制定に向けての提言がなされたと聞いております。  そこで、個人情報保護懇話会から知事へ対してなされた提言の主な内容と、個人情報保護条例を制定するに当たっての知事の見解についてお聞かせください。  次に、警察行政についてお尋ねいたします。  昨年は、四月に警部補による水道水不正使用の窃盗容疑、七月には巡査長による県不安防止条例違反など七件の不祥事案が発生しており、また本年の二月には沖永良部署の警部補が貸金業違反の疑いで逮捕され、この職員は四月二十二日付で懲戒免職処分となり、五月十三日には有罪判決を受けております。不祥事案はごく一部の職員によるものであり、大多数の職員は県民生活の安全と平穏を守るため日夜勤務に励んでいるのでありますが、不祥事案が一度発生すれば、県民の警察に対する信用は失墜するものではないかと懸念するものであります。  そこで、警察官による不祥事案の再発防止に向け、どのように対応されるのかお伺いいたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 4 ◯知事(須賀龍郎君) 私は、去る六月十一日に退院いたしまして、完全に公務に復帰いたしておりますが、この間、県議会を初め、県民の皆様方に大変御心配をおかけしましたことを申しわけなく思っております。また、今日まで多くの方々から温かい励ましをいただきましたことに対しまして、改めて心から感謝申し上げます。  今後とも、極めて厳しい財政環境のもとではございますが、県議会を初め、国会議員の先生方や多くの方々の御指導、御鞭撻をいただきながら、市町村、関係機関・団体などと一体となりまして、「二十一世紀新かごしま総合計画」を着実に推進し、県民の皆様方が、生涯にわたり安心して、心豊かで活力あふれる生活ができる新しい鹿児島づくりに全力を傾注してまいる決意であります。  また、副知事職の問題でございますが、副知事につきましては、御承知のとおり、庁内各部間の調整を初め、いろいろな対外的な折衝業務や公的行事への参加など、知事の補佐役として、また県政推進に当たっては知事と一体となって取り組むなど、多岐にわたる重要な役割を担っていただいているところであります。現在、副知事職は空席となっておりますが、今議会におきまして、後任の選任議案を追加提案させていただきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  財政改革プログラムにお示ししております平成十八年度までの財政収支の見通しは、平成十二年度最終予算をベースとして、一定の前提条件のもとに数値的な試算を行ったものでございますが、このたび平成十三年度の最終予算の確定に合わせまして、新たな財政収支の見通しを試算したところであります。  今回の試算におきましては、国の「構造改革と経済財政の中期展望」で示されております経済見通しを参考としたことなどから、全般的には財源不足額がやや拡大いたしておりますが、財政改革によります収支改善効果を加味いたしますと、平成十八年度には単年度の財源不足額がほぼ解消いたしますとともに、財政調整に活用可能な基金残高も一定の確保ができる見込みであります。いずれにいたしましても、本県を取り巻く財政環境には極めて厳しいものがございますが、今後とも、毎年度の予算編成等を通じまして、財政改革の着実な推進に努めてまいりたいと考えております。  次は、市町村合併でありますけれども、合併重点支援地域につきましては、合併に向けた検討や取り組みが一定の熟度に達し、任意の合併協議会が設置された地域につきましては、関係市町村長の意見もお聞きした上で地域指定を行っているところであります。現在、任意または法定の合併協議会の設置に向けた積極的な検討が行われている地域もございますが、今後、合併重点支援地域の指定は増加するものと考えております。  なお、合併重点支援地域につきましては、合併協議会の運営経費に対します助成を初め、地域の要請に基づく合併協議会への県職員の派遣など、合併実現に向けたさまざまな支援を行いますとともに、当該地域を所管いたします総務事務所等には「市町村合併地域支援本部」を設置することといたしております。  県の合併支援プランにつきましては、国の合併支援プランに対応する事業などについて、現在、全庁的に検討しているところでございまして、今後、その策定作業を早急に進めてまいりたいと考えております。  次は、個人情報保護制度でございますが、去る五月三十一日に県個人情報保護懇話会から、「県における個人情報保護制度のあり方について」の御提言をいただいたところであります。その主な内容といたしましては、県が保有しております個人情報の適正な取り扱いを確保いたしますために、利用目的の範囲内で取り扱うべきこと、第三者への提供の制限、漏えい等を防止するための安全確保措置などが挙げられております。また、何人も県に対して、自己情報の開示の請求、誤った自己情報の訂正の請求、自己情報の不適正な取り扱いに対する利用禁止の請求ができるようにすべきであるということであります。  県といたしましては、この提言の内容を十分に踏まえまして、早ければ九月県議会に条例案を提案申し上げたいと考えているところであります。 5 ◯総務部長(佐々木敦朗君) 公共事業等の執行につきまして、国においては、本年度の契約目標率は設定しておりませんが、地方公共団体に対しては、各地域の経済の動向に即し、適切に対応されるよう要請がなされているところでございます。県としては、県内経済の動向等にも配慮し、景気の下支え効果が切れ目なくあらわれるよう、公共事業等の適切な執行に努めることとしておりまして、五月末時点の実績は、契約率で三〇・五%、契約額で九百六十五億円となっております。今後とも、公共事業等の計画的な執行に努めてまいりたいと存じます。  県におきましては、昨年度、中薩、西薩、南隅の三地域において、関係市町村と一体となって、「地域の将来像等に関する調査研究事業」を実施したところでございます。これらの報告書におきましては、合併の効果として、国・県の支援策の活用により社会基盤整備の充実が図られる、公共施設の効率的な整備・再配置が可能となる、介護保険制度や国民健康保険制度の財政運営の安定により保健・福祉サービスの充実が図られる、専門的な職員の確保や合理的な職員配置が可能となることなどが示されております。  一方で、合併により懸念される事項及び課題として、公共施設整備の中心部への集中化、地域間による保健・医療・福祉サービスの格差、地域の文化の保存・継承活動の低下などが指摘されておりますが、これらの課題に対しては、例えば市町村建設計画において地域バランスに配慮した公共施設の整備を推進するなど、その対処方策が明らかにされているところでございます。  さらに、報告書では、合併後の将来の都市像やこれを達成するための重点プログラム等も提案をされているところでございまして、これをもとに、地域住民、行政、議会の方々が合併の議論、検討をさらに深めていただきたいと考えております。 6 ◯土木部長(直江延明君) 公共工事の発注に当たりましては、ゼロ国債・ゼロ県債などの債務負担行為の活用や県単独事業の早期箇所指定を行いまして、事業の平準化を図りますとともに、地域の雇用の安定化や地域経済の活性化にも十分配慮いたしまして、県内建設業者の受注機会の確保に努めてきているところでございます。今後とも、共同企業体制度の活用や特殊技術を必要といたします橋梁工事などのうち、県内中小建設業者が施工可能な部分につきましてはさらに分離・分割発注を行うなど、県内建設業者の受注機会の確保を図りますとともに、さらなる公共事業の計画的な執行に努めてまいりたいと考えております。 7 ◯警察本部長(久保潤二君) 県警といたしましては、不祥事案の防止につきましては、当面の最重要課題として取り組んでおります。本年三月、不祥事案防止を検討する職場活性化委員会を各所属に設置しまして、職員の意見の業務への反映あるいは職員の身上の指導など、きめ細かな施策を推進しております。  今後は、さらに各種監察の強化によりまして、不祥事案防止のための取り組みやその浸透状況につきまして検証し、また職員の意識改革を進めるため、規律違反につきましては厳しく処断するという信賞必罰を組織の中で定着してまいります。    [宇田隆光君登壇] 8 ◯宇田隆光君 公共事業の執行に当たっては、県内建設業者の倒産も増加している厳しい県内経済にも配慮して、県内企業への優先的発注、受注機会の拡大など、最大限の努力をされるよう強く要請しておきます。  市町村合併については、できるだけ早い時期に県内すべての市町村で合併協議会が設置され、それぞれの地域で合併が実現されるよう、さらに一歩踏み込んだ県の積極的な取り組みを要請しておきます。  次に、川内原子力発電所についてお尋ねいたします。  川内原子力発電所における環境調査に対する回答を知事が留保してから、一年が経過いたしております。知事が回答を留保されてからこれまでの間、いろいろな動きがありました。九州電力は、昨年八月に、川内原子力発電所における環境調査への理解活動を進める拠点として川内事務所を開設しており、理解活動に努めております。私ども自由民主党におきましても、去る二月川内市において、原子力発電に対する県民の理解と関心を高めるため、およそ千八百名を超える県民の参加を得て、川北薩地域政策懇話会を開催したところであります。  また、知事が留保の理由とされた国の電源立地等初期対策交付金については、平成十四年度政府予算で交付起算時期の柔軟化という形で認められることになりました。  さらに、九州電力はことし三月末に平成十四年度電力供給計画を発表しており、今回発表された九州電力の平成十四年度電力供給計画におきましては、中部・関西各電力会社への電力融通計画は平成十四年度の五十万キロワット、平成十五年度の三十万キロワットで終了することになっており、向こう十年間の電力需要の年平均伸び率については、平成十三年度の一・六%から下方修正されたとはいえ、一・三%の伸びが予想されております。また、去る四月二十三日に九州電力が発表した二〇〇一年度の電力需要概況によりますと、販売電力の伸びは、景気低迷などの影響を受け十五年ぶりの低水準になっているものの、依然として電力需要は伸びております。  このように、電力需要の伸び率は、経済情勢を反映して鈍化の傾向にあるものの、今後とも着実に伸びるものと考えられるとともに、昨年七月に国の総合資源エネルギー調査会が報告した長期エネルギー需給見通しの中でも明記されておりますように、原子力発電所は、電力の安定供給や環境保全にすぐれていることから、引き続き積極的導入が図られるべきであると思うのであります。さらに、新聞報道によりますと、京都議定書の批准を政府が閣議決定しており、CO2排出問題についても今後詰めた議論が活発になることも予想されるのであります。  県議会においては、平成十二年九月の第三回県議会定例会において企画建設委員会で慎重な審議を尽くした結果、本会議において環境調査の促進を求める陳情三十五件を採択し、県議会として環境調査実施の意向を明確にしてから、二年近くが経過しております。知事の環境調査に対する回答には、これまでの新たな動きを踏まえ、総合的に判断される時期が来ているのではないかと思っております。  そこで、川内原子力発電所における環境調査について、知事は今後どのように対応していくおつもりなのかお尋ねいたします。  次に、九州新幹線開業に伴う川内―八代間の並行在来線の第三セクターについてお尋ねいたします。  県並行在来線鉄道対策協議会では、JR九州に対し、沿線市町から要望のあった隈之城や上川内までの相互乗り入れの実現や三セクの経営の安定化を図るための人的・技術的支援、さらには運営面での支援等について要望活動を行ったと聞いております。また六月七日に開催された協議会においては、経営基本計画の基本的事項について一定の整理がなされたところであります。  ことしの秋の第三セクター会社設立に向けて、残された期間はわずかであります。このような中で先般熊本県において、本県やJR九州、国等と調整中の収支見込みや初期投資額が示されたことから、県内の沿線市町からは第三セクター運営に対する不安や懸念が示されたようであります。今後は、この収支見込みなどはもとより、JR九州等の人的・技術的支援、さらには運営面での支援についても、熊本県やJR九州、国等との協議・調整を精力的に進められ、早急に経営基本計画が示されることを強く望むものであります。  そこで、今回熊本県が示された収支見込みなどはどのような経緯で出されたのか、またその内容はどのようになっているのか、さらには、今後、第三セクター会社設立に向けた準備がどのように進められていくのか明らかにしてください。  次に、離島の振興についてお尋ねいたします。  まず、新離島振興法についてであります。  離島振興法は、昭和二十八年に議員立法として制定されて以来、これまで十年ごとに四回延長されているところでありますが、現行法は平成十四年度末で期限切れを迎えることになります。本土との間にいまだに所得水準を初めとする諸格差が解消されていない状況にあり、今後とも、法に基づく総合的な振興対策が必要不可欠であります。このため、私ども自由民主党におきましても、法の延長に向けて、関係者の意見・要望などをお聞きしながら議論を続けてまいりました。  現在、国会に上程されている新離島振興法案は、私どもが議論し、整理してまいりました法延長の必要性や離島の自立に向けた支援策の必要性などの考え方を軸にしてまとめられたものであり、今後の離島地域の振興と島民の福祉向上に多大な成果を上げるものと期待しているところであります。新離島振興法案では、領域や排他的経済水域等の確保など、離島の有する国家的・国民的役割が明確化され、その役割を果たしていくため、また離島住民の生活を守るために各種の施策が講じられることになっているようであります。  そこで、第一点は、この新離島振興法案のもとでの本県の離島振興をどのように考えているかお示しください。  第二点は、奄美群島振興開発特別措置法についてであります。  奄美群島振興開発特別措置法は、昭和二十九年に議員立法として奄美群島復興特別措置法として制定されて以来、延長を重ね、平成十五年度末で期限切れを迎えると同時に、特別措置法施行後五十年の大きな節目を迎えることになります。奄美群島においては、生活基盤の整備などの面で他地域との諸格差が依然として残されており、今後とも、法に基づく総合的な振興対策が必要でありますので、官民一体となって法延長に向けて最大限の努力をしていかねばなりません。  県においては、ことし四月に副知事を委員長とする「奄美群島振興開発総合調査委員会」が設置され、「奄美群島振興開発総合調査」が進められているところであり、その中で群島在住者を初めとする約五千人を対象にアンケート調査が実施されると聞いております。そこで、今年度実施される「奄美群島振興開発総合調査」及び「奄美群島振興開発意向調査」を進めるに当たっての基本的な考え方についてお聞かせください。  次に、道路の整備等についてお尋ねいたします。  高速交通網の整備については、関係団体が一体となって高速交通網の整備促進に取り組んでまいりました。この結果、県域内における高規格幹線道路の供用率は五〇%となり、整備は着実に進んでいるのであります。しかしながら、全国の平均五七%に比較しますとまだ七ポイントの格差があり、より一層の整備促進を図っていく必要がありますが、最近の道路整備をめぐる状況はますます厳しさを増してきているようであります。  昨年から、「聖域なき構造改革」を掲げる小泉政権のもと見直しが進められてきた日本道路公団など道路四公団につきましては、六月七日に組織形態などを検討する第三者機関の設置法が成立いたしましたので、今後はこの第三者機関等において、新たな組織及びその採算性について調査・審議されることになっております。また、道路特定財源につきましては、平成十四年度政府予算で自動車重量税の一部が一般財源に充てられておりますが、今後は、経済財政諮問会議や政府の税制調査会などで本格的に議論されることになっております。  さらに、今年度末で期限切れを迎える新道路整備五カ年計画後の道路政策を検討するため、国土交通省の社会資本整備審議会に道路分科会が設置され、夏までに中間報告をまとめる予定になっております。このように、今年度は、今後の道路整備のあり方が大きく方向づけられる年度であります。本県の高規格幹線道路などの整備にも大きな影響を与えると思われますので、引き続き整備促進に向け、強力な取り組みをしていかねばならないと考えております。そこで、道路整備をめぐる今後の課題と対応についてお尋ねいたします。  次に、農業の振興についてお尋ねいたします。  第一は、BSE対策についてであります。  このことの本論に入ります前に、どうしても申し上げたいことがあります。それは北海道で発生した四頭目のBSE感染牛の生体検査を担当し、そのことに責任を感じて自殺した女性獣医師のことであります。彼女は本県金峰町の畜産農家の娘さんで、南国生まれの彼女が北の大地に夢をかけ、頑張っていたことを思うと、悲しさを通り越して憤りを感じます。  国は、生体検査のマニュアルを正しく、詳しく現場に伝えていたのか、また、疑わしい牛を発見した場合の検査体制は一人の獣医師でよかったのか、彼女は国の無策が生んだBSEの犠牲になったとしか思えません。ただ一つの救いは、「彼女の仕事は模範的で、BSEの原因究明や迅速な検査方法の開発に寄与するだろう」という、彼女の判断を高く評価する声であります。彼女の冥福を祈りますとともに、国や県のしっかりとした体制づくりを強く望むものであります。  BSEにつきましては、昨年の九月に初めて確認されてから、本年五月に四頭目が感染牛として確認され、BSEの影響による被害は続いており、今後も続くことが予想されます。この原因は、縦割りの弊害によって後手後手に回った農林水産省、厚生労働省の対応のまずさにあることは衆目の一致するところであり、またBSE問題への行政対応を検証した「BSE問題調査検討委員会」の報告でも、肉骨粉の使用禁止を行政指導にとどめていたことを重大な失政と批判しており、適切な対策を講じず今日の事態を招いたことはまさに犯罪的行為と言えるのであります。  このほど、BSE発生時の基本計画の策定や死亡牛の届け出及び検査の義務化などを内容とするBSE対策特別措置法が成立いたしましたが、一連の問題を国は真摯に受けとめ、国の責任で今後の施策に生かすべきと考えます。  BSE関連対策についてでありますが、BSE発生以降、国及び県においては、全頭検査の実施を初めとして、畜産農家等の経営安定対策や廃用牛の輸送等に係る費用の助成、また離島の海上輸送に対しては新たな実費助成措置がなされるなど、各般の対策を順次講じてきたところであります。  しかしながら、その対策もまだ十分なものとは言いがたく、特に肉骨粉対策については、現在、県内の焼却施設やセメント工場での焼却など鋭意取り組まれているところでありますが、従来の在庫に加え、その後の肉骨粉も追加され、平成十四年一月末の県内在庫量約一万七千トンが三月末には約二万二千トンへと増加している状況にあります。焼却場の施設構造や運送等種々の問題があり、思うように焼却が進まないようでありますが、廃棄物処理施設の新設や既存施設を改造するなど、肉骨粉処理を円滑に行うための思い切った施策も必要であります。  特に、死亡牛対策においては、肉骨粉が流通しないため、焼却、化製事業所の引き取り、埋却などの処理を行うことになりますが、いずれも費用がかさむことや、埋却する場所を探すことも困難な状況にあります。現在、国も死亡牛の届け出及び検査に向けた焼却施設などの体制整備を検討しているところでありますが、平成十四年度中の整備は困難で、平成十六年度にずれ込むとの新聞報道であり、早急な対策を強く望むものであります。そのほか牛肉消費対策や融資制度など、さらなる充実強化対策が継続的に推進されることが重要であります。  ついては、これまで感染した四頭の牛は、同じ工場内でつくられた飼料が与えられていたとの新聞報道でありますが、その飼料が本県内に導入された経緯はないのか、また、BSE関連対策の現状と今後の対策をどのように考えておられるか、さらに、県の国に対する働きかけ等についてどのような取り組みがなされるのかあわせてお伺いいたします。  第二は、食品表示についてであります。  BSE問題に伴う雪印食品の牛肉偽装事件を発端に、食品表示のあいまいさが厳しく問われ、食に対する消費者の不信感は深刻であります。ましてや国内でBSE感染牛が見つかって以降、かつて経験したことのない消費の落ち込みに苦しんでいる畜産県鹿児島において、信頼を負託され、安心・安全・高品質を看板にしているはずの県経済農業協同組合連合会の関連会社が、輸入鶏肉を国産と偽るなど偽装問題を起こし、逮捕者が出るまでになりました。消費者の信頼を著しく傷つけ、生産者を裏切った行為はまことに遺憾なことであります。  今回の県経済連などの連合会についての指導監督権は国にあるとお聞きしておりますが、第一点は、県農協連及び県内各総合農協に対し、県はこれまでどのような指導等をなされてきたのか、さらに、国においては、全農と県経済連に対し、農協法に基づく業務改善命令を行っておりますが、県経済連の業務・組織改善等の取り組み状況についてあわせてお聞かせください。  また、先般、JAS法等違反に関する調査委員会の最終報告がなされ、県においても、鹿児島くみあいチキンフーズに対して、JAS法、食品衛生法の違反行為が認められるとして、行政処分命令、改善指示を行い、組織体制改善などに向けた取り組みがなされていると聞いておりますが、第二点は、鹿児島くみあいチキンフーズの業務・組織改善の取り組み状況と今後の対策についてお尋ねいたします。  さらに、今回の多くの偽装事件は、輸入品や他の国産品をまぜ合わせて有名な産地品名だけを表示するという、消費者のブランド志向につけ込んだ手口が目立っており、鹿児島産も悪用されております。そこで、第三点は、食品表示、特に産地表示に対する県の体制と取り組みについて明らかにしてください。  次に、林業及び水産業の振興についてお尋ねいたします。  林業・水産業を取り巻く情勢は、依然として木材価格の低迷、水産資源の減少など厳しい状況にあり、今後の生産力や地域の活力の低下などが懸念されるところであります。  林業においては、木材価格の長期にわたる低迷等により、林業採算性の悪化や林業収入も低下するなど、林業をめぐる情勢は著しく悪化し、林業経営意欲が減退して管理不十分な森林が増加するおそれがあります。昨年十月に国の森林・林業基本計画が作成されたところでありますが、その中で、森林組合等が林業生産の相当部分を担うための林業構造の確立や、木材を低コストで安定的に供給する体制整備の必要があるとされております。  一方、水産業においても、周辺水域における水質資源の低迷や漁業生産の担い手の減少、高齢化の進行、さらには漁村の活力の低下など極めて厳しい状況にあり、このような状況に的確に対処し、水産業の一層の振興と活力ある漁村の形成を図るためには、水産経営基盤を確立し、さらに充実する必要があります。本年三月に国の水産基本計画が作成されたところでありますが、その中で「効率的かつ安定的な漁業経営の育成のために、経営管理の合理化に資する条件整備、漁船そのほかの施設整備促進や事業の共同化の推進等を行い、漁業経営基盤の強化を図る施策を講じていく」とあり、今後、この計画に基づいた施策の実施が期待されるところであります。  林業及び水産業とも本県の重要な産業であり、持続的な発展を図る上でも、早急な経営基盤の強化、支援策が重要であります。ついては、厳しい経営状況にある林業・水産業の振興に対する知事のお考えと、林業・水産業経営基盤の強化対策についてどのように取り組まれているのかお示しください。    [知事須賀龍郎君登壇] 9 ◯知事(須賀龍郎君) まず、川内原子力発電所の環境調査からお答えいたします。  我が国のエネルギー政策におきましては、原子力発電は、安定供給性、二酸化炭素を排出しないという特性から、今後とも、その供給力の増加は重要であり、我が国の基幹電源として位置づけられているところであります。また、今後二〇一〇年度までに原子力発電の電力量を二〇〇〇年度と比較いたしまして約三〇%増加することを目指した、原子力発電所の新増設が必要であるとされております。  本県における原子力発電所の環境調査につきましては、昨年四月に九州電力からの申し入れを留保したところでありますが、留保した内容につきましては、国の対応も含めまして、これまでその推移を見守ってきたところであります。これらのうち、国におきましては、電源立地等初期対策交付金の起算時期の柔軟化が図られることとなったところでありますが、運用面におきまして起算時期をいつからにするかについては、現在、国において引き続き検討中ということであります。  また、九州電力の資料によりますと、御指摘のとおり、九州管内における今後十年間の電力需要の年平均伸び率は、昨年度の一・六%から本年度は一・三%に下方修正されております。ただ、その場合であっても、毎年二十五万キロワットの伸びとなり、予備力を見込んだ需要増は二〇一〇年代半ばごろには四百五十万キロワットから五百万キロワットとなり、今後の電源開発計画三百二十万キロワットを火力等で補ったといたしましても、百三十万キロワットから百八十万キロワットが不足し、それまでには新たな電源開発が必要であるということであります。  また、九州電力におきましては、昨年八月から川内市に事務所を設置いたしまして、関係地域の方々や団体の方々への原子力発電所に対します理解促進に努められているところであります。したがいまして、川内原子力発電所の環境調査につきましては、今後、国や九州電力の対応などにつきまして、その推移も見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。  次は、並行在来線の第三セクターでありますが、並行在来線の第三セクターにつきましては、去る五月三十一日、熊本県の協議会が開催されまして、両県並びに国、JR九州等で調整中の初期投資額や収支見込みなどが示されたところであります。  熊本県の資料によりますと、初期投資額につきましては約七十億円で、また収支見込みにつきましても、線路使用料が、昨年八月に国と本県とが約束したものに比べますと減額されておりますことなどから、償却前の損益の黒字幅が減少する見込みとなっております。  熊本県といたしましては、県と沿線市町の負担割合がまだ決定されていないということなどから、早急に何らかの試算を示す必要があり、数値につきましては、今後変更もあり得るという前提で協議会に示されたものであると伺っております。このような経緯につきましては、去る六月七日に開催いたしました本県の協議会におきましても十分説明は申し上げております。  ことしの秋に第三セクター会社を設立するためには、経営基本計画の策定を急ぐ必要がありますことから、本県の協議会におきまして、第三セクターは非電化、JR貨物は電化で走行すること、また本社を八代市、車両基地を出水駅に置くことなど、経営基本計画の基本的な事項につきましては合意がなされたところであります。今後は、この合意に基づきまして、初期投資額や収支見込みなどを含めました経営基本計画案につきましては、熊本県等と早急に調整を行いまして両県合同の協議会を開催し、この経営基本計画を決定するなど、第三セクターの設立に向けまして所要の準備を着実に進めてまいりたいと考えております。
     次は、離島振興法でありますが、本年度末で期限切れを迎えます離島振興法につきましては、現在、改正法案が国会におきまして審議がなされているところであります。新しい離島振興法案では、我が国の領域や排他的経済水域等の保全など、離島の役割が明確化されておりますとともに、離島振興計画については、地域の創意工夫を生かしつつ離島の自立的発展を促進するために、国が作成する離島振興基本計画に基づき、市町村が計画を作成し、都道府県が計画を定める仕組みに変更されております。また、ソフト事業に対します助成措置を初めとして、医療の確保、農林水産業の振興、地域間交流の促進などにつきましての配慮規定も新たに設けられており、これらによりまして新たな視点に立った離島の振興策が図られるものと考えております。  県といたしましては、今後策定することといたしております新しい離島振興計画に基づきまして、市町村と緊密な連携を図りながら、引き続き、交通、産業、生活環境等の各種基盤の整備を推進いたしますほか、地域の創意工夫を生かした各種のソフト事業についても積極的に取り入れながら、本県離島の一層の振興が図られるように努めてまいりたいと考えております。  次は、奄美群島振興開発特別措置法でありますが、現行のこの特別措置法は平成十五年度末で期限切れとなりますが、前回平成十一年の法延長の際にも、同法の延長につきましては大変厳しい論議がなされた経緯もございます。また、昨今の厳しい社会経済情勢を踏まえますと、この法律の延長につきましては従来にも増して厳しい対応が求められるものと考えております。  そのため、本年度実施いたします「奄美群島振興開発総合調査」におきましては、こうした法延長をめぐる厳しい状況等も踏まえまして、これまでの奄美群島の現状や課題の分析を行いますとともに、「奄美群島振興開発意向調査」やシンポジウムの開催等によりまして、地元の意向や民間有識者の方々の御意見も伺いながら、住民の主体的・自発的な取り組みの促進や人と自然などが調和・連携する共生ネットワークの構築などの視点に立って、奄美群島の地域特性を生かした振興方策を検討することといたしております。  奄美群島振興開発特別措置法は、奄美群島の自立的な振興・発展に極めて重要な役割を果たしてきておりまして、法の延長は県政にとりましても重要な課題の一つであると考えております。したがいまして、今回の総合調査なども踏まえまして、法の延長につきましては、地元の方々を初め、県議会や県選出国会議員、関係の方々と一体となりまして、さらに最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  次は、道路整備であります。  現在、国におきましては、高速道路建設のあり方を調査・審議いたしますための「道路関係四公団民営化推進委員会設置法」が施行されておりますとともに、経済財政諮問会議や政府税制調査会等におきまして、道路特定財源の見直しが論議されているところであります。また、国土交通大臣の諮問機関であります社会資本整備審議会におきましては、今後の道路政策等のあり方が検討されますなど、道路整備をめぐるさまざまな厳しい論議が行われているところであります。  このような中におきまして、本県におきましては、東九州自動車道の末吉財部―国分間に続きまして、南九州西回り自動車道の市来―伊集院間が相次いで開通いたしますなど、整備は着実に進んできておりますものの、その供用率は全国平均に比べて低くなっており、高規格幹線道路から生活関連道路に至るまでの体系的な道路整備はまだまだ不十分であると認識いたしております。  県といたしましては、道路網の整備は、地域の活性化や県民生活の利便性向上を図ります上で極めて重要でありますことから、今後の道路整備のあり方を大きく左右することとなりますこれら論議の中におきまして、本県の道路整備の促進に支障が生じないように、県民の声をアピールすることが重要であると考えております。このため、来月の十三日に、行政と民間が一体となりまして「高規格幹線道路等整備促進総決起大会」を開催いたしますとともに、九州地方知事会や県開発促進協議会などあらゆる機会を通じまして、道路特定財源の安定的な確保や高規格幹線道路の整備促進に向けまして、県議会を初め、関係団体の方々と一体となりまして積極的な取り組みをしてまいりたいと考えております。  次は、BSEの問題であります。  BSEにつきましては、牛肉の消費減退など依然として畜産農家や流通関係業界等に深刻な影響を与えております。また、国は、十四年度予算といたしまして、総額二千六十七億円のBSE関連対策予算を措置いたしております。  県におきましても、肥育牛価格安定対策事業いわゆるマル緊の拡充に伴います生産者への支援対策や消費者への安全性PRなど、総額十九億二千九百万円のBSE関連予算を措置したところであります。さらに、緊急を要します大家畜経営農家等への運転資金融通に係る債務負担と、志布志・知覧・鹿屋の三食肉処理場における焼却施設や枝肉等を分別保管する冷蔵施設の整備などにつきまして、去る五月二十七日に総額一億六千六百万円の専決処分を行ったところであります。  なお、肉骨粉につきましては、焼却すべき量が一日当たり八十トン生じておりますが、このうち七十四トンの焼却枠を確保しておりますが、不足分につきましては、現在、県外での処理につきまして協議を進めますとともに、国に対しましても、セメント工場における焼却枠の追加拡大を要請しているところであります。  また、廃用牛の処理につきましては、三月末からの屠畜再開によりまして、乳用牛・肉用牛ともに滞留が解消されていくものと考えております。  さらに、トレーサビリティーシステムいわゆる生産履歴につきましては、すべての牛の耳標装置が五月末までに完了しておりますが、屠畜場までの移動歴が把握できるシステムにつきまして、現在はその構築を行っているところであります。  県は、これまで機会あるごとに、国等への肉骨粉や死亡牛等のBSE関連対策の充実強化につきまして要請してきたところでありますが、今後とも、県開発促進協議会を初め、県議会、団体等と一体となりまして、国の責任において的確に対応されるよう強く要請してまいる考えであります。  次は、チキンフーズの問題であります。  県では、鹿児島くみあいチキンフーズに対しまして、去る三月二十七日に、JAS法に基づく指示及び食品衛生法に基づく営業の一部禁止の命令を行ったところであります。これに対しまして、同社から五月二十七日に、新たに選任の社長・常務の設置と生産者二名の取締役選任によります管理体制の強化、役員直轄の法令遵守担当部署の新設、専門家や消費者代表等で構成いたします「商品管理運営委員会」の設置によります外部チェック体制の強化等を内容とする報告書並びに食品衛生法にかかわる改善計画書が提出されたところであります。  これを受けまして、本社並びに五工場で確認調査を行いました結果、適切な再発防止策が講じられていると判断いたしまして、六月七日に、JAS法に基づきます指導文書を交付いたしますとともに、食品衛生法に基づきます処分の解除を行ったところであります。  県といたしましては、今後とも、適正な表示に関する監視・指導体制の充実・強化を図り、生産者や消費者の信頼を一日も早く回復するために、関係機関・団体と一体となりまして、安心・安全な農畜産物の供給に努めてまいる考えであります。  最後に、林業並びに水産業の振興についてでありますが、林業は、県土の保全や水源の涵養、林産物の供給を通じまして、また水産業におきましては、水産物の安定的供給などによりまして、国民生活に大きな役割を果たしているものと考えております。  しかし、近年、林業におきましては、木材需要の減少や木材価格の長期にわたる低迷、林業従事者の減少・高齢化など、また水産業におきましては、漁獲の減少やブリ・カンパチなどを初めといたします魚価の低迷、漁業就業者の減少・高齢化など、林業・水産業を取り巻く状況はいずれも大変厳しいものがあると認識いたしております。こうした中におきまして、昨年六月に制定されました「森林・林業基本法」や水産基本法の理念に基づきまして、新たな施策推進の指針となります基本計画が策定され、今後の林業・水産業の振興・発展に一層の弾みがつくものと期待しているところであります。  県といたしましては、このような国の動向を踏まえまして、「二十一世紀新かごしま総合計画」に掲げております、「活力ある林業経営の体制づくり」や「かごしま材の供給体制づくり」、また水産業におきましては、「恵み豊かな海づくり」や「漁村社会をリードする組織と人づくり」など、それぞれ五つの基本方向に沿った各般の施策を積極的に進めまして、活力と魅力に満ちた林業・水産業の振興を図ってまいりたいと考えております。 10 ◯農政部長(富岡忠勝君) 国は、BSEの発生源を特定するため、発生農家における給与飼料等について調査を実施しておりますが、これまで、四頭の感染牛すべてに同一の飼料工場で製造された飼料が給与されていたことが確認されております。  なお、この飼料の本県での流通状況について、県内飼料取り扱い全十社を調査したところ、これまで取り扱い実績はありませんでした。  今回のくみあいチキンフーズの原産地偽装問題は、法に違反するばかりでなく、消費者の信頼を大きく損なうとともに、本県の畜産業に極めて大きな打撃を与えるものでありますことから、農協中央会並びに経済連の会長に対して、原因の究明と責任の所在を明確にすること等により再発防止対策を講じ、失墜した消費者や生産者の信頼回復に全力で取り組むよう強く要請したところであります。  なお、県内各総合農協に対して、県は、条例検査において、法令等遵守の体制や規程の整備等について検証し、指導を行ってきておりますが、今回も県農協中央会に対し、関係法令を遵守するよう県内各総合農協への周知徹底を要請したところであります。  県経済連におきましては、国の業務改善命令を受けて、会長及び常務等体制の一新、コンプライアンスいわゆる法令遵守推進室の設置、農協連・外部団体等で構成する鹿児島県系統経済事業審議会(仮称)の設置等を内容とする回答を農林水産大臣に対して行ったとの報告を受けております。  県におきましては、原産地偽装等の再発を防止いたしますため、本庁及び県内十二の地区に「食品表示に関する連絡会議」を設置いたしますとともに、JAS法に基づく立入検査員を増員し、百三十二名とするなど、監視体制の強化を図っております。また、関係業者等を対象とする説明会等で周知を図りますとともに、店舗等の実態調査において、新たに原産地の表示根拠調査を行うこととしております。このほか、「食品表示一一〇番」を設置し、寄せられた情報の事実確認や指導等を実施しております。今後とも、法に基づいた適切な表示が行われ、消費者に正確な情報が提供できますよう努めてまいりたいと考えております。 11 ◯林務水産部長(徳重勝治君) 林業・水産業につきましては、お話のように大変厳しい状況にありますが、まず林業の経営基盤強化策につきましては、林業施策の最重点課題であります間伐の計画的な推進に努めますとともに、今年度から新たにスタートいたしました森林整備地域活動支援交付金制度を有効に活用して、林業生産活動の活性化を図ることといたしております。  また、林道等生産基盤の計画的な整備を進めますとともに、かごしま材の販路の拡大を図るため、これまで約一千二百棟の契約実績を上げております産直住宅や木造公営住宅の建設促進、さらには公共施設の木造化・木質化、また公共土木工事の資材としての利用促進など、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、水産業につきましては、魚礁や養殖場、漁港等の生産基盤と共同利用施設の計画的・一体的な整備、マダイ、ヒラメ等の栽培漁業の推進、さらには「かごしま旬のさかな」を初めとする県産魚の消費拡大キャンペーンの推進や、ブリ・カンパチの計画的な生産とブランド化の促進などに鋭意取り組んでいるところでございます。  また、林業、水産業ともに、今年度から新たに「鹿児島きこり塾」「ザ・漁師塾」を開講するなど、新規就業者の確保を図るほか、無利子融資や利子補給など金融面での支援や組合の合併促進など、市町村や県信連、県漁連等関係団体とも十分連携を図りながら、林業・水産業の経営基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。    [宇田隆光君登壇] 12 ◯宇田隆光君 川内原子力発電所における環境調査についてでありますが、ただいまの知事の答弁をお聞きしますと、知事が留保の理由とされてきた事項にかなりの熟度が増してきていると私どもは受けとめました。  知事、川内原子力発電所における環境調査の実施について、議会の意向を重く受けとめていただき、ぜひ一日も早く適切な判断が示されるよう強く要請しておきます。  整備がおくれている東西幹線道路など高速道路については、今後とも、計画どおり着実に整備が推進されるよう国へ強く要望されるとともに、道路特定財源については、制度の維持拡充を図るため県民の機運を盛り上げるための取り組みをお願いいたしておきます。  BSE問題については、大きな課題となっている肉骨粉の処理や死亡牛の処理など難しい問題が残っており、これらの対策を国へ引き続き強く要望されるとともに、このたび国に新たに設置される食品安全委員会には、食の信頼回復に向け全力を挙げられるよう期待しております。  次に、観光の振興についてお尋ねいたします。  平成十二年の本県宿泊観光客数は約九百六十万人で、平成十一年と比較して約二・五%減となり、四年連続で前年を下回る結果となっております。その中で、昨年は鹿児島を舞台とした映画「ホタル」が制作・上映され、全国で約二百十万人の観客を集め、話題となりました。また、奄美群島全体の観光拠点となる「奄美パーク」も開園し、「上野原縄文の森」もこの秋オープンの予定など、本県の観光も順調な滑り出しであります。こうした中で、県はことし三月に、二十一世紀初頭の本県観光振興の指針となる「かごしま新観光戦略21」を策定しました。  このような情勢に追い風のように、羽田―鹿児島間に「スカイマークエアラインズ」がことし四月から就航し、大手航空三社に加え、一日往復十六便体制となり、運賃についても値下げがなされるなど、観光かごしまにとって大きな障壁が取り除かれつつあります。加えて、中国東方航空による鹿児島・上海線就航についても、早ければこの夏に実現されるとの知事の見通しが示されております。また、この秋には、屋久島など県内を舞台としたNHK朝の連続テレビ小説「まんてん」の放映が決定し、五月には鹿児島ロケが行われたところであります。  観光振興は、県外に対しての情報発信はもとより、百八十万県民みずからが県内の観光地をよく知り、かつ誇りに思い、県民がこぞって観光の宣伝を行うことも非常に大切なことであります。そこで、本県観光の現状と「かごしま新観光戦略21」策定後の本県観光をどのように推進されようとしているのか、また、「観光まごころ県民運動」は観光関係者だけでなく県民を挙げて取り組むことが重要と考えますが、今後どのように推進されようとしているのかお聞かせください。  次に、安定した雇用の確保についてお尋ねいたします。  総務省が発表したことし四月の全国の完全失業率は五・二%となっており、完全失業者数も三百七十五万人と高水準で推移しており、また四月の県内有効求人倍率は〇・四二倍となっており、昨年七月に〇・五〇倍を割り込んで以来、非常に厳しい状況が続いております。こうした背景には、建設業を初めとする県内企業の厳しい経営環境があると思われ、雇用情勢の厳しさは当分続くと考えられます。  そこで、第一点は、今後、県の雇用対策をどのように図っていくおつもりかお示しください。  また、文部科学省は去る五月、ことし三月末における新規学卒者の就職決定状況を発表しました。これによりますと、就職を希望しながら就職に至らなかった者は、全国、県内ともに過去最高になっております。文部科学省はことし二月、厳しい就職内定率を受けて就職支援方策を打ち出したところであります。完全失業率が過去最悪を記録するなど、雇用環境の悪化が背景にあるとはいえ、少子・高齢化が進み、生産年齢人口にかかる負担が増加する中で、働き盛りの若年層の就職状況が改善されないことはまことに憂慮される事態であります。  そこで、第二点は、平成十四年三月高等学校卒業者の就職状況と平成十五年三月卒業予定者に対する支援策についてお答えください。  次に、学校教育の充実についてお尋ねいたします。  第一は、完全学校週五日制と新学習指導要領の実施についてであります。  ことし四月から、小・中学校に対する新学習指導要領に基づいた学習内容三割減のいわゆる「ゆとり教育」が本格実施され、公立の小・中・高校における完全学校週五日制が導入されました。文部科学省は、新学習指導要領の基本的なねらいとして、「完全学校週五日制のもと各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し、子供たちに学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせることはもとより、みずから学び、みずから考える力などの生きる力をはぐくむ」としております。  さて、明治五年に学制が発布されて百三十年目のことし、教育制度の大改革とも言える制度がスタートした現在も、賛成、反対、懸念あるいは不安といったさまざまな考えが、地域や教育現場に生じていることは否めません。文部科学省は、「教える内容を精選し、それによって授業時間数を減じ、その結果創出されるゆとりの中で創造力や生きる力をはぐくむ」という理念を掲げているのでありますが、分数ができない大学生、小数ができない大学生の出現など現場での警告があるように、学力低下に対する全国民的不安が強く叫ばれております。  こうした不安は、私立学校における週五日制の完全実施が進んでおらず、公立学校との学力格差が広がるのではという危機感が根底にあることも否定できません。このような中で、経済的に余裕のある家庭は子供を私立の学校へ進学させ、あるいは学習塾へ通わせるなど、親の経済力によってますます児童・生徒間に格差を生じることが懸念されるとともに、子供には逆に学校外での負担を増すこととなり、本来の「ゆとり教育」理念とは乖離していくと思うのであります。  また、県内の一部の公立高校では、完全学校週五日制の導入に伴い、新たな試みとして二学期制や四十五分授業を導入するほか、土曜補習の実施や一日の時間割の増などを検討していると聞いております。このことは、学力低下に対する危機感のあらわれと言わざるを得ず、単に高校だけの問題ではなく、小・中学校においても同様であり、児童・生徒の基礎学力の習得にしっかりと取り組むことが必要不可欠であります。  また、子供たちが土曜・日曜を有効に過ごすための地域や家庭と連携した取り組みも重要でありますが、この環境づくりは現在のところ必ずしも万全とは言いがたく、今後とも、より充実した積極的な取り組みが求められております。  一方で、先生方も、完全学校週五日制の実施により、長期休業中にまとめて休んでいたいわゆるまとめ取り方式がなくなったことを踏まえ、特に夏休みや冬休みなどを活用して生徒指導や教科指導などの教員個々の研修や教材研究を充実するとともに、地域の行事等に積極的に参加することも求められております。  現在、県内各地で地域や保護者との触れ合いの様子が新聞等で報道されておりますが、このような取り組みを一過性のものとせず、また単なる体験に終わらせず、子供たちが自主的に異年齢集団と学校外での時間を持ちながら、その体験の中でみずから生きる力をはぐくむには、行政、学校現場、地域、保護者が一体となった息の長い努力が必要であると思うのであります。  そこで、第一点は、新学習指導要領が本格実施され、完全学校週五日制が導入された中、県民に対する新しい制度のねらいと内容の周知は万全と考えておられるのか、さらには、今後どのように周知に努めるお考えか、第二点は、小・中学校の基礎学力の向上対策と子供が土曜・日曜を有効に過ごすための地域や家庭と連携した取り組みについて、第三点は、高等学校における二学期制や四十五分授業のメリットと導入の現状並びに今後の見通しについて、第四点は、土曜補習の導入状況と今後の見通しについて、第五点は、長期休業等を利用した教員の研修等をどのように充実させていくおつもりかお尋ねいたします。  第二は、高等学校教科書の採択手続についてであります。  平成十五年度より使用される高等学校の全教科の教科書の採択が、昨年の小・中学校同様、ことし八月十五日までに決定されるとのことであります。しかしながら、その採択手続において、昨年小・中学校用教科書採択手続で設置された「鹿児島県教科用図書選定審議会」が設置されたなどの情報には今日まで接しておらず、高等学校教科書採択手続に県教委がどのように取り組むのかわからないのが実情であります。鹿児島らしい特色のある高等教育を進めるためには、どの教科書を使用するかは極めて重要な教育課題であると考えております。ついては、これらの取り組みについて明らかにしていただきたいと思います。  そこで、第一点は、来春の高等学校教科書の採択手続はどのように行われるのか、第二点は、採択用教科書についての展示はどうなっているのか、第三点は、採択決定後の結果の公開はどうなさるおつもりか、第四点は、教科書採択の最終決定権はだれが持つのか、第五点は、義務教育課程の小・中学校の教科書採択事務との違いについても明らかにしてください。  次に、環境行政についてお尋ねいたします。  第一は、奄美群島自然共生プランの策定についてであります。  奄美にはマングローブ原生林やサンゴ礁の海などすぐれた自然や、アマミノクロウサギ、ルリカケス、オオトラツグミなどの貴重な野生生物が数多く生息しております。このような中、去る五月笠利町の奄美パークにおいて「全国野鳥保護のつどい」が開催され、出席された関係者があいさつの中で、「このような貴重な自然は世代を超えて残していかねばならない」など、学術的にも価値が高い奄美の自然の保護の必要性を強調されたのであります。このようなことからも、今後、私たちは奄美における貴重な生物を保護し、ともに生きていくという認識を深めながら、豊かな自然環境を維持していかねばならないと思うのであります。  本県においては、本年度から、奄美における豊かな自然との共生を目指した地域づくりの指針となる奄美群島自然共生プランを策定することになっております。そこで、このプランの理念とその策定内容及びその具体的活用方法並びに策定のスケジュールについてお伺いいたします。  第二は、希少野生生物の調査についてであります。  現在、環境省版のレッドリストに掲載されている希少野生生物いわゆる絶滅の危機に瀕している野生生物について、約二千七百種ほどあると言われておりますが、これらのものについては、現在、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」「鳥獣保護及び狩猟に関する法律」等の法令・規則等により各種の保護対策が講じられております。  特に本県は、地理的な特性と豊かな自然環境を背景として多種多様な野生生物が分布する生物多様性の高い地域とされており、「鹿児島県ウミガメ保護条例」によりウミガメが保護されるなど、本県独自の保護対策も種々講じられているところであります。私たちは、与えられたこれらの貴重な自然を後世代に引き継いでいくためにも、希少野生生物の調査事業を積極的に推進し、その調査結果に基づき、希少な野生生物の保護対策を早急に講じていく必要があると思うのであります。  この調査に関しましては、平成十一年度から検討委員会を設置し、現地調査を実施するなど既に調査事業に着手され、今年度にはその報告書ができ上がる予定と聞いております。そこで、調査の進捗状況と調査対象種並びに報告書の内容と作成スケジュールについてお尋ねいたします。  最後に、保健福祉行政についてお尋ねいたします。  第一は、福祉のまちづくり推進についてであります。  高齢化の急速な進展に伴い、高齢者や障害者の方々が住みなれた地域社会の中で安心して暮らしていけるまちづくりは急がねばなりません。このようなことから、本県では平成十一年三月に「鹿児島県福祉のまちづくり条例」を制定し、県、市町村、各事業者それぞれが役割を分担して、思いやりの心の醸成などソフト面のバリアフリー化と、建物や道路等の公共的施設等を高齢者・障害者が安全かつ快適に利用できるようハード面のバリアフリー化を推進することとしており、各種の事業が展開されております。また、今後においても、高齢者や障害者の方々が安心して社会参加できるまちづくりを進めるため、より一層福祉のまちづくりを推進していく必要があると思うのであります。  そこで、同条例が制定されて三年を経過しましたが、本県における福祉のまちづくり推進関連事業の実績と今後の取り組みに対する基本的な考え方についてお伺いいたします。  第二は、児童の健全育成の推進についてであります。  本県における児童虐待問題については、児童総合相談センターの機能強化を図りながら、その防止対策等を講じてきているとお聞きしております。児童虐待に関しましては全国的にも増加の傾向にあり、その対応が迫られているところであります。このような中、千葉市などでは児童虐待防止マニュアルを作成し、福岡市においては、虐待防止の業務に対する情熱ある人材を発掘するため役所内で児童相談所職員の公募を行うなど、各自治体も種々の対策を講じているところであります。  本県においても、相談件数はますます増加の傾向にあり、これまでの取り組みに加え、より身近な市町村における取り組みの強化など、児童虐待防止対策の一層の充実が必要と思われます。そこで、今後どのような取り組みをしていかれるかお伺いいたします。  第三は、高齢者の保健福祉の増進についてであります。  我が国は、現在、人生八十年の長寿の時代が到来し、世界でも例を見ない速さで人口の高齢化が進んでおり、将来には国民の三人に一人が六十五歳以上という、他に例を見ない超高齢社会を迎えようとしております。このような高齢化社会に対応するため、平成十二年四月の介護保険法の施行に合わせ、本県でも、高齢者の保健・医療・福祉に係る各種施策を総合的かつ計画的に推進するための「県介護保険事業支援計画」を含む「県高齢者保健福祉計画」を平成十二年三月に策定し、この計画に基づきさまざまな施策の推進が図られているところであります。この計画は、介護保険法に基づき三年ごとに見直しを行うこととなっており、本年度中に見直しを行う予定であると聞いております。  さて、今回の見直しに当たって、介護保険を運営する市町村等において介護保険料の大幅な見直しを行うのではないかと言われており、国においては、介護サービスの報酬単価の設定、施設入所の基準などの見直しを検討していると聞いております。  そこで、第一点は、今後、県では市町村が作成する高齢者保健福祉計画について広域的見地の調整等を行いながら、「県高齢者保健福祉計画」を作成していくことになりますが、この計画見直しに係る現在の取り組み状況と今後の主なスケジュールについてお尋ねいたします。  第二点は、介護サービスの利用状況についてであります。  介護保険法に基づく介護サービスについては、在宅介護が基本となっております。ところが、全国的に介護老人福祉施設等における施設介護サービスへの志向が高まっていると言われております。介護を要する高齢者にとっては、住みなれた家庭において介護を受けることが最も理想的な老後の暮らし方であると思われます。今後においては、介護保険の理念に基づき、在宅介護を積極的に推進していくべきであると思うのであります。そこで、本県における在宅・施設介護サービスの利用状況と在宅介護の推進に向けたこれまでの取り組み状況についてお聞かせください。  また、在宅介護を推進するに当たっては、サービスを提供する事業者のあり方も重要だと思われます。先般、県内の居宅介護サービス事業者が事業所を突然閉鎖し、利用者に混乱が生じたという報道がありましたが、この事業所の突然の閉鎖の理由と県の対応について明らかにしてください。    [知事須賀龍郎君登壇] 13 ◯知事(須賀龍郎君) 本県観光を取り巻く環境は、長引く景気の低迷などの影響によりまして厳しい状況が続いておりましたが、御指摘のとおり、「奄美パーク」のオープンや映画「ホタル」の全国上映などもございまして、昨年秋ごろから明るい兆しも見えているところであります。  本年も「スカイマークエアラインズ」の就航を初め、鹿児島・上海線の就航や「上野原縄文の森」のオープン、NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」の放映など予定されておりますほか、平成十六年の早い時期には九州新幹線西鹿児島―新八代間の開業が予定されておりますなど、県といたしましては、このような観光への追い風を最大限に生かしながら、「かごしま新観光戦略21」に位置づけました魅力的な観光イメージの発信や県民みずからが旅人となる県内観光の推進、アジアを中心といたします海外各地からの誘客促進など、各般の施策・事業の推進に県民総ぐるみで取り組むこととしておりまして、魅力ある新たな観光かごしまづくりをさらに目指してまいりたいと考えております。  奄美群島は、アマミノクロウサギやルリカケス、オオトラツグミなどの貴重な野生生物の生息する森林や美しいサンゴ礁に囲まれた海岸地域など、特徴ある多様な自然を持っておりまして、このような自然を保全し、人と自然との共生を基本とした新たな視点での地域づくりの指針として、奄美群島自然共生プランを策定することといたしております。  プラン策定に当たりましては、地元市町村と「奄美群島自然共生プラン策定推進会議」を設置いたしますとともに、奄美群島内外の有識者の方々で構成いたします「奄美群島自然共生プラン研究委員会」も設置いたしまして、専門的なお立場からの幅広い御論議をいただき、来年度の早い時期にはこの計画を策定してまいりたいと考えております。今後、多くの方々の御意見をお聞きしながら、具体的な自然環境保全対策や多様な自然、歴史、文化などの地域資源を活用した地域活性化のための方策などを盛り込んでいきたいと考えております。  計画策定後は、県、地元市町村、関係機関及び住民の方々と一体となりまして、希少野生生物の保護対策やオニヒトデ駆除、赤土等流出防止対策などの自然保護、環境保全対策にさらに取り組みを行いながら、世界自然遺産への登録を目指してまいりたいと考えております。 14 ◯商工観光労働部長(岡積常治君) 「観光まごころ県民運動」の推進に当たりましては、県民を初め、観光事業者や関係団体・業界、市町村と一体となりまして、推進体制づくりを進めますとともに、ホテル・旅館の従業員の方々などを対象とした研修会やシンポジウムの開催、「まごころワッペン運動」の展開、全県下での美化運動の実施など、観光客を温かく親切に迎える運動を県民総ぐるみで展開し、観光客が「再び訪れたい」と思うような観光かごしまづくりを進めてまいりたいと考えております。  本県の厳しい雇用情勢を踏まえ、県といたしましては、「かごしま農業チャレンジ支援事業」など、農・林・水産業や企業分野における新規就業の促進、雇用環境の一層の改善を図るための新たな施策を実施しているところであります。また、総額五十七億円の緊急地域雇用創出特別基金の活用により、平成十四年度には十七億五千万円の事業を実施することによって、県・市町村合わせて約千二百人の新規雇用を見込むなど、雇用・就業機会の創出に努めております。  さらに、離職者などの早期再就職を図るための職業訓練を実施するほか、来春の新規学卒者の就職を促進するため、「経済団体などに対する採用枠の拡大要請」や「就職面接会」の開催など、各種事業を積極的に展開しております。今後とも、国や関係機関と連携を図りながら、雇用対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 15 ◯教育長(脇田 稔君) 文部科学省が発表しました本年三月末の本県公立高等学校卒業者の就職決定状況は、全体で八一・五%で、特に県内の決定率は七六・二%となるなど、いずれも過去最低の結果となっております。この要因としては、県外の求人数は前年に比べてやや増加いたしましたものの、県内求人数は前年に比べて約一千件減少し、求人倍率が〇・九一と初めて一倍を割ったことや、求職者のうち約六割が県内を希望し、生徒や保護者の県内志向がますます強まっていることが挙げられます。  県教委では、本年度新たに県立高校に企業の管理職経験者など二十七人を「就職支援員」として配置し、新規の県内求人開拓や生徒の就職相談など、各学校の就職活動の支援を積極的に行いますとともに、県内の三高校に就職支援教員を配置し、就職指導の充実を図っております。  また、これまで一人一社しか応募できなかった就職慣行を、ことしの十月一日からは一人二社までは応募ができるよう「高等学校就職問題検討会議」で見直しを決定し、生徒の受験機会の拡大を図ることとしております。  さらに、各学校では、進路指導講話やインターンシップの一層の充実を図り、勤労観や職業観を育成するとともに、保護者にも参加を呼びかけ、早い段階から学校と生徒と保護者が話し合って進路を決めるような取り組みを一層充実させることといたしております。  学校週五日制や新学習指導要領の内容について、県教委としましては、各市町村教委や各学校に対し、関係者への周知を指導しますとともに、国の作成したパンフレットを保護者に配布したり、県教委の広報紙やホームページにそのねらいや留意事項を掲載するなどして周知に努めてまいりました。  市町村教委におきましても、学校週五日制や学習指導要領に関するQアンドAや、その趣旨を生かした事例を紹介したリーフレットを配布したり、各校区ごとに多くの関係者が参加した会合や教育懇談会を開催するなどして、より具体的な周知に努めております。  さらに、子ども会やPTAなど関係団体等におきましても、五日制を主体的に受けとめ、どのように取り組むかなど積極的な話し合いが行われていると考えております。今後、引き続き周知広報と土日の過ごし方の実態把握に努めてまいります。  県教委では、平成十一年度から基礎学力の定着に向けた取り組みを指導してきておりまして、県内の小・中学校では小テストやドリル等を利用したいわゆる「読み・書き・算」などの繰り返し指導の徹底、ティームティーチングや少人数あるいは習熟度別の授業など、個に応じたきめ細かな指導などに取り組んでおります。また、小学校高学年で教科担任制を導入したり、標準学力検査等を実施・分析し、個人カルテを作成したり、家庭学習の充実のための手引を配布し、宅習を促すなど、学校独自にさまざまな工夫を凝らした取り組みを行っております。  これに加えまして、県教委では三十校を基礎学力定着研究校として、十八校を学力向上フロンティアスクールとして指定し、習熟度別授業・学習など個に応じた指導方法の工夫改善などについて研究を深め、その成果を県下に普及させるとともに、来年度には児童生徒の学力や意識についての調査を実施し、本県の実情に即した学習指導の充実・改善に役立ててまいりたいと考えております。
     学校週五日制が始まって二カ月余り経過いたしましたが、子供を家庭と地域に帰し、ふえる時間を主体的に使い、自然体験や社会体験などを通して「生きる力」をはぐくもうという趣旨が理解され、親子の触れ合いや子供たちのさまざまな体験活動が県下で取り組まれていると考えております。  これらの取り組みは、市町村教委が実施する自然体験塾やボランティア活動などのほか、子ども会、PTA、公民館等による自然観察会、郷土料理づくり教室など多彩なものになっております。特に公民館が子ども会と連携して行う、田植えから稲刈り、もちつきまでの一連の農業体験や、学校を拠点として校区の有志が子ども会、PTA等と連携して年間を通じて体験活動を行う「土曜クラブ」の設立など、学校週五日制を契機として、地域の団体等が連携して取り組む例が多く見られるようになっておりまして、こうした動きが子供を地域ぐるみで育てる新たな動きとなっていくことを期待いたしております。  学校週五日制の実施に向けまして、県教委としましては、各高校が自主的に特色ある教育課程の編成ができるよう必要な条件整備を進めてきた結果、今年度から二学期制を二校で、四十五分七限授業を五校で実施いたしております。二学期制のメリットとしましては、教育課程の編成がしやすくなり、学期ごとの単位認定が可能になること、あるいは学校行事の見直しにより授業や部活動の充実が図られることなどが挙げられます。また、四十五分七限授業のメリットとしましては、より多くの科目の履修が可能になることや、放課後の時間に余裕ができて部活動等の時間が確保できることなどが挙げられます。来年度の教育課程については、現在、各高校で検討しているところでありますが、それぞれ十数校が導入を検討している状況にございます。  公立高校の生徒や保護者が進学や就職などの進路の実現や資格取得のために学習機会を確保してほしいと願うのはあり得ることでございまして、PTAや同窓会から学校に対して、土曜日の活用を求める声が寄せられているところもございます。これを受けまして、土曜日に、希望する生徒に対して補充指導や資格取得のための学習支援、学校図書館の開放、講演会などを実施または計画している学校が相当数ございます。このうち土曜補習につきましては、二十数校が実施または計画している状況にございます。  県教委では、本年度から総合教育センターにおきまして、夏休み期間中の研修講座をふやしたり、研修室を個人や研究団体に開放するとともに、県内の大学等が実施する研修講座をホームページ等で情報提供し、積極的な参加を促すこととしております。また、市町村教委や学校が学期中に実施している研修をできる限り夏休みに移すなど、年間を通した研修計画の見直しも指導をしております。さらに、学校を離れて研修を行うことが教員には認められておりますが、その成果が指導法の改善や校務運営に生かされる教材研究や各種研修会への参加など、保護者や地域住民への説明責任を十分果たせる研修になるように指導いたしますとともに、地域行事等への積極的参加など、教職員としての自覚も促しているところでございます。  来年度の県立高校の教科書採択は、文部科学省が作成した教科書目録の中から、それぞれの学校が学科の特性や教育課程、生徒や学校の実態などを踏まえ、校内の各教科部会や運営委員会等で教科書の調査研究を十分に行い、その学校に最も適切と考えられる教科書を一科目につき二または三種類、校長の責任において選定し、理由を付して県教委に報告することになっております。  県教委におきましては、各学校から提出された報告書の内容を詳細に検討した上で、各学校ごとに、使用することが適当と認めた教科書を決定し、その採択結果を各学校に通知することとしております。  教科書見本本につきましては、県教委におきまして、県内十一カ所の教科書センターで展示することとし、六月二十一日から十四日間と定められている法定期間を前倒しして、既に展示を開始しております。また、展示につきましては、県教委の広報紙やホームページで広報するとともに、各学校に対しましても保護者に周知するよう指導をいたしております。さらに、採択事務終了後は、各学校での採択教科書一覧と各学校から提出された採択希望教科書報告書について情報公開したいと考えております。  公立小・中学校の教科書採択につきましては、「義務教育小学校の教科用図書の無償措置に関する法律」等により、国によりすべての教科書が無償とされ、より公正な採択を進めるために、県教委に教科用図書選定審議会を設置することや、採択権者は市町村教委でありますものの、幾つかの市町村で採択地区を設定し、共同して種目ごとに同一の教科書を採択するなど、採択の手続が法令上厳格に定められております。  一方、公立高校の教科書採択につきましては、所管の教育委員会の権限とされておりますので、県立高校につきましては県教委が採択を行っておりますが、無償供与される小・中学校の教科書と異なり、採択方法について法令上具体的な定めがないなど、採択の手続が小・中学校と大きく異なっております。 16 ◯環境生活部長(牛之濱道久君) 希少野生生物調査事業は、環境省のレッドリストに掲載されております県内生息の約八百六十種に、動植物の専門家で構成します「希少野生生物調査検討委員会」で追加されました約八百種を加え、合計約千六百六十種を対象に平成十一年度から今年度までの四カ年計画で実施しております。  調査報告書「県版レッドデータブック」は、動物編と植物編に分けて、生息地域、生息数、絶滅の危険度等を内容として今年度末に発行する予定でございます。県としましては、この調査結果を踏まえ、自然保護思想のなお一層の普及啓発に努めてまいりたいと存じます。 17 ◯保健福祉部長(中村健二君) 福祉のまちづくり条例制定以来、「人にやさしい道づくり事業」により歩道の段差解消など二百二十カ所の整備を、「シルバーハウジング・プロジェクト」により県下八団地で住宅の手すりの設置などの整備を、また県立鴨池陸上競技場のエレベーター、桜島フェリーターミナル歩道橋のエスカレーター設置、合同庁舎などの自動ドア化、市町村施設などの身体障害者用トイレなどの整備の促進に努めました。さらに、福祉のまちづくりに対する意識の高揚に向け、広報紙の作成・配布や講演会の開催、ボランティアの養成を行いました。今後とも、心豊かで住みよい福祉のまちづくりをより一層推進してまいります。  児童虐待防止につきましては、身近な市町村において関係機関が連携をとり、迅速に対応することが重要であります。このため、平成十一年度から福祉事務所単位に設置した「子どもSOS地域連絡会議」などにより積極的に取り組んでおります。さらに、平成十四年度からはより身近な市町村において、福祉や母子保健の担当者、児童委員などから構成される「市町村児童虐待防止協議会」を設置し、モデル事業を実施します。また、虐待発生要因の一つである育児不安解消のため、幼児健診に心理相談員などを配置し、育児相談・指導などを行う市町村に助成する制度も新たに設けます。今後とも、市町村を初め、関係機関などとの連携強化に努め、児童虐待の早期発見及び迅速かつ適切な対応に努めてまいります。  「県高齢者保健福祉計画」は、介護保険法などにより三年ごとに見直すことになっており、現在、介護・福祉施設や在宅福祉サービス提供基盤の整備状況などの評価・分析を行っております。今後、高齢者の現状や必要な介護サービス量等、市町村が実施した調査結果を集計・分析し、新たな計画の方向性の検討や高齢者保健福祉圏域ごとの介護サービス量などの見込み値の取りまとめを行い、平成十五年三月までに策定いたします。なお、見直しに当たりましては、多くの県民の方々の意見が生かされるように努めてまいります。  本県における介護サービス利用者数は、平成十四年一月現在で約五万五千人であり、うち在宅サービス利用者が約四万人、施設サービス利用者が約一万五千人となっています。在宅サービスを利用する割合は七二・七%で、全国平均の七〇・七%より高くなっております。今後とも、在宅介護の推進を図るため、事業者に対する指導や介護支援専門員の研修など、在宅サービスの質の向上に努めてまいります。  また、先般、利用者数の見込み違いによる不採算を理由に突然サービスをやめた事業者がありました。県といたしましては、直ちに当該事業者を指導し、利用者全員の新たな受け入れ先が決まるまで事業を継続させるとともに、県内の全事業所に対し、事業の廃止等に当たっては、利用者が引き続きサービスを受けられるよう必要な措置を速やかに講じることなどを指導したところでございます。    [宇田隆光君登壇] 18 ◯宇田隆光君 観光の振興については、新幹線の開業など本県にチャンスが到来しております。誘客促進をなし得る成否は、今後の「観光まごころ県民運動」の徹底にあると考えます。好機を逃すことのないよう、魅力ある新たな観光かごしまづくりに向けてさらに努力されることを要請いたしておきます。  完全学校週五日制のもとでの新学習指導要領の本格実施に伴い、県民の中では学力の低下を心配する声が多く聞かれるのであります。また、児童・生徒に真に社会性、規範意識、ボランティア精神を身につけさせることも大変重要なことであります。子供たちの学ぶ意欲が低下することのないよう、学校、家庭、地域社会の連携を強化されるとともに、教職員の資質向上にも努められるなど、新しい時代を開く鹿児島の子供を育てていただくよう強くお願いをしておきます。  介護保険制度がスタートして三年目に入り、国では来年四月からの制度見直しに向け、検討を進められているようであります。見直しに当たっては、市町村の意見も集約されて、より利用しやすく、公平で効率的な社会的支援システムとして充実したものになるよう、国へ強く働きかけることを要請しておきます。  以上、当面する県政の重要課題について質問いたしてまいりました。答弁にもありましたように、さまざまな課題がありますが、その中で何よりも必要なことは、県の財政改革を進めることであります。県がこのほど改めて試算した財政収支見通しによりましても、財政状況はさらに悪化する見通しとなっております。知事が県庁の全職員に求めた財政改革のための意識改革に向けたメッセージなどを踏まえ、県職員一人一人が今まで以上に行政コストに対する意識を深め、徹底した経費節減に心がけていただきたいと思います。  また、予算の執行に当たりましては、最小の経費で最大の効果を上げるよう努めることはもちろんでありますが、県内の経済や雇用環境等にも配慮され、可能な限り県内業者への発注が進むよう重ねてお願いしておきます。  さて、災害は忘れたころにやってくると言われております。これからの梅雨そして台風期にかけての災害の未然防止に、市町村とも十分連携の上、万全を期していただくよう強くお願いいたします。  現在、アジアで初めての日本と韓国二カ国の共同開催となるサッカーワールドカップが開催され、迫力ある熱戦が繰り広げられております。世界じゅうの人々が世界最高水準のプレーを堪能し、感動されています。日本代表チームは悲願の決勝トーナメントに進出したものの、ベスト十六で敗れてしまいましたが、彼らの活躍に心から拍手を送りたいと思っております。また、韓国チームが勝ち残っております。さらなる活躍をアジアの同胞として祈っております。この大会が成功のうちに終わることを祈るものであります。  ところで、鹿児島市在住で百十四歳の本郷かまとさんがギネスブックで長寿世界一と認定されました。この記録は県民に明るい希望と活力を与え、鹿児島県の名を高めるものであることから、県では去る四月、県民栄誉表彰を授与されました。まことにおめでたい限りであります。本郷さんにはいつまでも健康であり続けることを願うものであります。  現在、我が国や本県にはさまざまな課題が山積しておりますが、国民、県民に明るい未来への展望を指し示すため、私どもはワールドカップで見られる果敢なプレーや本郷さんの長寿パワーに負けないようさらに努力していくことを申し上げ、自由民主党県議団を代表しての質問を終わります。(拍手) 19 ◯議長(溝口宏二君) ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十八分休憩       ─────────────        午後 一時 十六分再開 20 ◯議長(溝口宏二君) 再開いたします。  内道明君に発言を許可いたします。    [内 道明君登壇](拍手) 21 ◯内 道明君 ワールドカップは世界の注目を集め、日韓の両会場で開催中であります。日本代表の活躍によって国民の気持ちもいやが上にも高まり、各地で話題を呼んでいることは、まことに喜ばしい限りであります。  わけても、中津江村とカメルーン選手団との素朴で温かい交流は日本国民を感動させました。村長以下村民に至るまで、選手一人一人を住民が懸命にもてなそうとするその姿は古きよき日本の原型をほうふつとさせ、まさに涙が出る思いでありました。  日本のサッカーは、決勝トーナメントに進出をしました。まことに新しい歴史の一ページを刻んでくれました。惜しくも決勝トーナメントにおけるトルコとの戦いでは一対ゼロで接戦の末に残念ながら惜敗し、悲願のベストエイトに残ることはできませんでした。しかしながら同じホスト国であります韓国は、イタリアとの延長戦の接戦の末に八強に進んでおります。心から声援を送りたいと思います。日本も二〇〇〇年の欧州選手権で八強に進出したイタリアを相手に一歩も引かぬ試合を展開し、私どもに感動を与えてくれましたことを心から祝福をしたいと思っております。  国内を見ますと、日本経済はデフレ進行で経済は停滞し、また一方、国会は鈴木宗男衆議院議員のあっせん収賄罪容疑で逮捕、許諾請求が可決され、昨日、鈴木衆議院議員が逮捕されました。政治もスキャンダルに揺れ、国民の閉塞感は一層強まってきております。日本サッカーの健闘は、このような国民の閉塞感を破る大きな快挙であったと思っております。  鹿児島でもフランス代表団を迎えましたが、中津江村のようにはいかなかったことを少しばかり残念に思っております。  小泉内閣が発足して一年二カ月がたちました。「自民党をぶっつぶす」と豪語し、解散をちらつかせながらの政権運営に、政権発足当時こそ大きな期待を寄せていた国民も一向に進まない改革を前にして、次第に「オオカミ中年」を見るような疑わしげな目つきになりつつあります。何よりも失われた十年と言われるこの長期不況を克服する有効な手だてを打たないことに対する国民の不満が高じつつあります。  確かに景気は底を打ったと言われます。しかし、それもアメリカの景気がふらつき出した今日では力強い回復基調に乗るとはとても思えません。それどころか、金融機関が政府に迫られて不良債権を償却しては見たものの、償却した以上に不良債権が後に控えていたという、笑うに笑えない事態となっております。  デフレ時代に緊縮財政をとることの愚かさを我が会派は小泉内閣の発足当時からたびたび指摘してきましたが、不幸にもそのことが的中しつつあります。名宰相はあらわれないかと天を仰ぐ思いであります。  瀋陽市の日本領事館への駆け込み事件は、日本政府の外交姿勢がグローバル化の時代に対応していないことを改めて浮き彫りにいたしました。助けを求めて飛び込んできた人を救うという人道主義が日本外交に一本貫かれていなかったことをまことに遺憾に思います。戦前にリトアニア総領事としてユダヤ人にビザを発給いたしました杉原千畝氏の教訓が何一つ生かされていないことは、深刻に反省しなければならないと思います。外交には人道主義と、それとともに筋が一本通っていなければならないこと、日本の外交にそれが不足していることを露呈した事件でありました。  私どもは国内外にあらわれているこれらの現象は、日本の政治構造が現実に対応しきれていないことを示していると受けとめております。小泉総理は「小泉内閣の後に自民党内閣なし」と言われましたが、まさに自民党内閣の終えんをもたらすことが何よりも構造改革であることを申し上げて、社民・県民会議を代表して質問を行います。  まず、副知事二人体制についてお伺いいたします。  まずは須賀知事、退院本当におめでとうございます。知事は平成十一年の末にも胃の一部を切除する手術を受け、わずか二週間ほどで退院、平成十二年第一回定例会に臨まれ、周囲も驚くほどの回復ぶり、失礼ながら後期高齢者とは思えない強靱さを見せつけました。  今回、四月中旬からの入院、手術はさすがに周囲も心配いたしました。このような元気な姿で議会で相対することができますことを、まずは喜びたいと思います。知事には人工島の行く末をしっかりと見届けてもらい、川内原発第三号機増設につきましても、きっぱりと「ノー」と言ってもらわなければなりませんので、一層自重自愛をいただき頑張っていただくよう、期待しております。  そこで、お尋ねいたします。  病院とは無縁とも思えるほど元気な知事が一昨年、ことしと入院、手術をされたわけですが、一人の患者になってどんなことを感じられましたか。今日の医療に対する見方を含めて、率直な感想をお聞かせください。  高田前副知事も脳梗塞で倒れ、職務に復帰はされましたが、体調思わしくなく、十四日に辞職されました。長い間職員として、また出納長、そして副知事として県勢発展のために御尽力いただきましたことに敬意を表し、後はゆっくりと養生されるようお願いいたします。本当に御苦労さまでございました。  土屋前知事、須賀知事、そして高田前副知事までもが病に倒れ、長期療養を余儀なくされる事態が続いている状況から、私たちが感じるのは、知事や副知事の重責が一人の人間で受けとめるには限界に達しているのではないかということであります。もちろん、このような職が激務であることは昔から変わりはありませんけれども、行政に対する需要は高まるばかりで複雑化、多様化してきており、その重圧は昔より増大していることは事実であります。それでも知事や副知事は雨にも負けず、そして風にも負けずといった感じで病気にならず、一人で職務を遂行するとなれば、スーパーマンみたいな人でなければ勤まらないことになるのではないでしょうか。  そこでこの際、副知事二人制を導入し、負担や重責を分散し、さらに任務も分野ごとに分担し合うことによって効率的な県政運営もできると思います。これこそが組織としての対応であって、そういう体制を整備することが大切かと思います。そのあたりをどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  次に、有事関連法に関連してお尋ねいたします。  戦力の保持と国の交戦権を否定した日本国憲法のもとで、有事関連法案が審議されております。この法案を読めば読むほど、また国会審議を聞けば聞くほど、わからなくなるというのが率直な私の印象であります。また、有事の定義、周辺事態法との関連性など、肝心なことを政府は明確にすることを避けている感じで、あいまいもことしております。結局のところ、米国の世界戦略に協力するのがこの法律の本音らしいということは、だんだんわかってきたような気がいたします。  一方、テロ対策特別措置法で活動の場を与えられました海上自衛隊のはしゃぎぶりが目に余ります。イージス艦とP3Cの派遣を在日米海軍司令部に要請した裏工作事件、防衛庁リスト事件、そして今回の米海軍指揮下容認事件であります。いずれも職務を忘れた思い上がった行為であります。シビリアンコントロール法を逸脱するこれらの行為は、断固として厳しく処分されるべきであります。  元防衛大学校の校長の猪木正道先生は「軍国日本の興亡」という本の中で、かつて帝国陸軍が統帥権の独立の名のもとに、いかに独断専行を行い、侵略を拡大し、アジアと世界から孤立し、日本を破局に追い込んでいったかを克明に述べられ、警鐘を鳴らしておられます。また、それら軍部の独断専行に対し、時の内閣や政党や、そして世論がいかに甘かったかも指摘されております。  世のことわざに「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は茶番劇として」というのがあります。しかし、いかに二度目の茶番劇であろうとも今回の海上自衛隊の事件は見逃すわけにはいかないと思うのであります。  また、全国知事会そして九州地方知事会は、有事関連法案における知事の役割が不明確なこと、原発施設集中地域への国の対処の方針が見えないとの理由で、政府に説明を求めております。  共同通信の調査によりますと、有事法制反対の知事は二、保留が三十四、賛成が八となっております。我が県の須賀知事は、賛成となっているようであります。  六月十一日「南日本新聞」の県民アンケート結果によりますと、有事関連法案を詳しく知っていると答えた人は三・三%であります。このような中で、須賀知事が東京の石原知事と共にいち早く賛成の意向を示されたことは、いかにも拙速ではないかという感じがいたします。この法案に対する世論の最大の公約数は賛否の立場を越えて、「とにかく議論を尽くすべきである」ということに集約されると思いますが、知事のこれらの法案に対する所感をお伺いいたします。  私どもは将来に備える有事法制よりももっと差し迫った問題、国の根幹を確実に掘り崩している問題を強く指摘せざるを得ません。それは少子化であります。少子化問題こそ、経済、年金、国土保全など国力の根幹を掘り崩す現在かつ緊急の課題であると思います。この少子化問題の克服を国の戦略的課題と位置づけて長期的に取り組むべきであるにもかかわらず、今回児童扶養手当削減を政府が打ち出していることはまことに遺憾であります。  知事はこれらの少子化問題にどのように対応しようとしておられるのか、お聞かせください。  次は、早まる地球温暖化にどう対応するかであります。  六月に入って毎日暑い日が続いております。日本ではこの百年で気温が一度上昇し、これは今後ますます加速すると言われております。いわゆる地球温暖化ですが、地球温暖化が進むと、海面上昇や標高の低い島や砂浜の消滅はもちろん農作物への影響、マラリアなど熱帯地域の病気の増加などが懸念され、人類共通の課題としてこれを食いとめなければなりません。  政府は衆参両院の承認を受けて、六月四日に京都議定書の批准を正式に決定いたしました。条約発効にまだロシアの批准が待たれたり、離脱したアメリカを復帰させる努力も欠かせないなど課題は残るものの、地球を守るための第一歩がスタートしたことは、よしとしなければなりません。  京都議定書は、日本に二〇〇八年から二〇一二年にかけて温室効果ガスを一九九〇年比で六%削減することを義務づけていますが、九〇年以降の排出増加分を含めると、実質一三%の削減が必要と言われております。温室効果ガスの排出がふえているのは、運輸部門二三%に次いで家庭、事務所、店舗などの民生部門一七%でありますが、よほどの取り組みをしない限り目標達成は絶望的ではないでしょうか。  そこで、本県は九九年三月に「鹿児島県地球環境保全行動計画」を策定いたしました。今計画に沿った行動が実践されているのかどうか、また京都議定書批准という新たな事態を踏まえて温暖化防止という点に関して数値目標を盛り込んだ計画の見直しは必要ないかお伺いいたします。  具体的な取り組みについてはノーネクタイ、ノージャケットなどエコスタイルの実践、公用車の低排気量、低公害型の車両への切りかえなど、まず本県だけで取り組みができるのも幾つかあると思います。エコスタイルについては、知事は昨年の第二回の定例会で「職員の自主性にゆだねる方がよい」旨の答弁をされております。しかし、トップが多少のリードをしないと進まないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  また自動車の増加、特に消費税が導入されてから排気量の大きい3ナンバーの自動車の税負担が低くなり、台数も増加し、結果として一台当たりの平均燃費は悪化しているとも言われますが、公共交通機関の利用を促す取り組み、例えばパーク・アンド・ライドなどを推進していくべきであると思いますが、本県の状況はどのようになっておりますでしょうか。  いかに温暖化防止のためとはいえ、私たちの生活スタイルを何十年も前に戻すわけにはまいりません。そこで、核廃棄物もCO2も出さないクリーンなエネルギーとなると、今一番有力なのは水素と酸素を化合させて電気を発生させ、水蒸気のみを排出する燃料電池だと思いますが、その水素を世界自然遺産の島屋久島で豊富な水を電気分解してつくり出し、まずは島内の燃料に、行く行くは海外にも輸出しようとする構想が屋久島電工の手により進められていることを御存じでしょうか。  「新エネルギープラン21」にも燃料電池の導入促進は盛り込まれていますので、民間のこのような取り組みに積極的に支援をし、むしろ県も一体となって取り組み、環境の島屋久島から環境立県を発信してはどうでしょうか、お伺いいたします。  次に、財政収支の見通しと財政改革プログラムについてお尋ねいたします。  県は、去る五月十六日に平成十四年度から平成十八年度までの五年間の財政収支見通しを発表いたしました。この試算は、「国の構造改革と経済財政の中期展望」で示された経済成長率と県の平成十三年度最終補正後の一般会計予算を基礎として昨年度試算時の伸び率を変更して、県税、地方交付税、県債等を合計した歳入総額と義務的経費、投資的経費、その他の経費等を合計した歳出総額が示されています。  それによりますと、平成十四年度から平成十八年度までの財源不足額は千二百六十一億円となっております。この財源不足額を解消するための財政改革による収支改善が歳入確保額として五年間で八十七億円、歳出削減額は五年間で六百七十億円となりますが、なお、再建期間中五百五十億円の財源不足が生じます。この財源不足を補てんするために基金から取り崩しにより、単年度予算そのものの確保は可能となっております。  しかし、平成十三年度末の基金残高五百七十二億円が財政改革期間中毎年取り崩された結果、平成十八年度末には四十七億円となり、昨年九月の試算額百二十六億円よりも大幅に減少し、とても再建を達成したとは言えない状況になります。このままでは平成十八年度財政改革終了以降の本県財政状況は極めて厳しく、続財政改革が必要な状況にならないのだろうかと心配をいたしております。  また今回示された収支見通しによれば、昨年策定した財政改革プログラムが財政改革期間中に十分耐えられるのかどうかお伺いいたします。  本県の財政改革のポイントは一九九〇年代に急激に膨張した公共事業を見直し抑制することにあり、いかに県財政の構造を転換するかが求められているのではないでしょうか、御所見を伺います。  財政改革の目的が「二十一世紀新かごしま総合計画」の着実な推進であるとすれば、その内容は従来どおりの公共事業でなく、人工島建設を含めて大型プロジェクトを大胆に見直し、財政にゆとりを見出すべきであると思います。そのために、「二十一世紀新かごしま総合計画」は公共事業の見直しを中心に再検討されるべきだと考えますが、見解をお伺いします。  次に、市町村合併についてお尋ねいたします。  総務省は、四月一日現在で市町村合併の取り組みの状況を去る五月九日に発表いたしました。それによりますと、全国三千二百十八市町村で約七割の二千二百二十六市町村が合併に関する検討組織を設置しており、その内容は、法定合併協議会の設置が六十五地域二百四十九市町村、任意協議会の設置が百二地域四百十九市町村、合併を視野に入れた研究会が三百五十地域千五百五十八市町村となっており、昨年よりも動きは加速しております。  本県の実態について県市町村合併推進室によりますと、指宿地区一市四町が四月二日、南薩中央地区一市四町が四月十九日、任意協議会を発足、五月二十一日に奄美大島と喜界島の八市町村による大島地区合併研究会が発足したことにより、現在では広域的な取り組みは十五地域で延べ七十八市町村に達し、昨年の状況とは大きくさま変わりしております。これは、平成十七年三月末で失効いたします合併特例法に乗りおくれては優遇措置が受けられないので、今後早い時期に法定合併協議会の設置を行うことを視野に入れての動きだと思われます。  新しい自治体の誕生、すなわち合併までの手続は法定合併協議会設置の事前協議または住民発議を含めると二十二カ月ぐらいの期間を要することから、法定合併協議会設置のタイムリミットを二〇〇三年五月末としながらも、手続の過程等を考慮して本年十二月議会に設置案の上程が望ましいとして、県が示したパターンで合併調査研究会等で、この八月までには方向性を出さなければというのが焦り出した市町村の実態であるようです。  こうした動きの中で、地域住民は、合併に関するメリット・デメリットを含めて情報の提供は十分でない、意見をどう反映させてよいのやらわからないとの現状であると伺っております。  市町村合併は、首長や議会だけで強制的に決めるわけにはまいりません。住民の意思が最大限尊重されるべきでありますが、御所見を伺います。また、合併の道筋として主権者たる住民の賛否を問うための住民投票に付すべきだと思いますが、見解を伺います。  また、離島の合併についてどのように進めようとされておるのか、海を隔てて合併を強行されるのかお伺いします。県は指宿地区と南薩中央地区を合併重点支援地域に指定し、合併実現までのさまざまな支援を積極的に行おうとしておりますが、支援の内容について伺います。  最後に、特例法に基づく知事の勧告権の行使についてどのように考えているのかお伺いいたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 22 ◯知事(須賀龍郎君) 私の入院に際しましては皆様方に大変御心配をいただき、まことに申しわけなく存じております。おかげをもちまして去る十一日に退院することができまして、現在は公務に全面復帰をいたしております。  入院をいたしてみますと、日ごろ余り感じることのない健康のありがたさということを改めて考えるよい機会でございました。医学の進歩によりましてさまざまな高度な医療が施されている現在でございますけれども、日ごろから健康管理や健康診断、定期検査によります病気の早期発見、早期治療は極めて大事なことであり、今回もそれが役立ったものと考えております。これまで県議会を初め県民の皆様方から賜りました温かい励ましや病院関係者の皆様方のおかげをもちまして、以前と同じように元気になれましたことを心から感謝申し上げております。  副知事の問題につきましては、知事の補佐役といたしまして対外的な折衝業務あるいは庁内各部間の調整等を行い、また出納長は会計事務をつかさどるほか、本県では出納長も県政運営のいろいろな場面におきまして知事の補佐役として役割を担っていただいているところであります。これまで副知事の複数制につきましてはいろいろと御意見もいただいてきておりますが、本県におきましては一人制のもとで業務の執行体制が定着してきております。また行政改革を積極的に推進していることもございまして、しばらくは現行の体制を続けてまいりたいと考えております。  次は有事法制でありますが、私は独立国家として我が国が国民の生命と財産を守るという観点から、有事法制の整備は極めて大事なことであると考えております。ただ現在国会に提案されております法案では、地方公共団体の具体的な責務や役割分担並びに総理大臣の指示や代執行などがどのような時期にどのような手続で行われるか、そのほかいろいろまだ不明確な点もございます。今後十分な論議を深めていく必要があると考えております。  このようなことから、国に対しましては、国と地方公共団体の具体的な責務や役割分担をできる限り早期に明確にすること、また地方公共団体の意見を聴取する場を設けるとともに、その意見を十分尊重すること、住民の不安を払拭し国民的な合意が得られるよう国会での論議を十分尽くすことなどを内容とします要請を九州地方知事会並びに全国知事会を通じて行ったところでございまして、今後とも国会における審議の状況というものを注意深く見守ってまいりたいと考えております。  次は少子化の問題でありますが、少子化の進行は大きな時代潮流の一つでありまして、高齢化の進行と相まって、労働力供給の減少、労働生産性の伸び悩み等によりまして、社会経済や地域社会の活力の低下をもたらすことが懸念されておりますことから、国にとりましてもこのことは大きな問題であり、また県にとりましても県政の重要な課題の一つであると認識いたしております。  このため県の新総合計画におきましても、「子育て支援ルネッサンス」を創造プログラムの一つとして位置づけまして、地域の人材や身近な施設等を活用した子育て支援システムの整備に取り組みますとともに、「鹿児島のびのび子どもプラン」に基づきまして、仕事と子育ての両立のための支援策の充実、性別による固定的な役割分担意識の解消、特別保育サービスの充実など、子供を産みたい人が安心して生み育てることのできる社会づくりに努めているところであります。今後とも家庭、地域、行政等の連携によりまして、各般にわたります少子化対策を積極的に進めてまいりたいと考えております。  次は省エネルギーの問題でありますが、県における省エネルギーにつきましては、平成十年十二月策定いたしました「県庁環境保全率先実行計画」に基づきまして、県みずからが率先して取り組むことといたしております。この中におきまして、冷房時は摂氏二十八度、暖房時は摂氏十七度となるような冷暖房温度の適正化、電気自動車・ハイブリッド車等の導入、アイドリングストップの推進、両面コピーの徹底、公共建築物への太陽光発電装置の設置などに取り組んでいるところであります。  エコスタイルにつきましては、昨年も御指摘のとおり、その推進につきまして御意見をいただきました。そういう中で、「県民運動を進める中で論議をしていきたいと申し上げておりましたが、地球にやさしい県民運動の幹事会での協議の中におきましてこのことも取り上げられましたものの、「服装につきましてはいろいろな考え方もあり、一律に定めるのはいかがなものか」などという御意見もあったところであります。今後、内議員の言われますこのエコスタイル等につきましても御意見等も踏まえながら、さらに論議を深めてまいりたいと考えております。  次は、財政問題であります。  今回見直しをいたしました財政収支見通しの試算におきましては、「国の構造改革と経済財政の中期展望」で示されております経済見通しを参考としたことなどから、前回の試算よりも全般的には財源不足額はやや拡大しておりますが、財政改革によります収支改善効果を加味いたしますと、財政改革計画期間の最終年度であります平成十八年度には単年度の財源不足額はほぼ解消するとともに、財政調整に活用可能な基金残高も一定額が確保できる見込みであります。いずれにいたしましても本県を取り巻く財政環境は極めて厳しいものがございますが、今後とも財政改革プログラムに基づきまして、毎年度の予算編成等を通じまして財政改革の着実な推進を図ってまいる考えであります。  次は、「二十一世紀新かごしま総合計画」に盛り込まれております大規模プロジェクトにつきましては、財政改革プログラムに基づきまして限られた財源の効率的な活用の観点から、優先度によります峻別と重点化を図りながら推進することといたしております。このうち公共事業につきましては、「マリンポートかごしま」など県勢発展へ向けた戦略的事業や災害に強い県土づくりの推進のための事業等へのより一層の重点化を図ることとしております。
     また公共事業以外の大規模施設等の整備につきましても、その規模や手法につきまして検証いたしますとともに、計画期間の延長等によります平準化を図りますなど、その時々の社会経済情勢に対応しながら、毎年度の予算編成を通じまして弾力的に対応しているところであります。したがいまして、現在の総合計画自体を見直す考えは持っていないところであります。この点につきましては、御理解をいただきたいと存じます。  今後とも総合計画につきましては、厳しい財政環境の中ではございますけれども、効果的かつ効率的な考え方のもとに着実な推進に全力で取り組んでまいる決意であります。  次は、市町村合併であります。  市町村合併は市町村のあり方にかかわる重要な問題でありまして、具体的な取り組みにつきましては、それぞれの地域の実情に応じて住民の意向を十分踏まえながら、市町村の自主性・主体的な判断により行われるべきものであると考えております。市町村におきましては、広報紙やリーフレット等によります情報の提供や住民説明会の開催などによりまして住民の理解を深めますとともに、合併に関する住民意向調査も実施するなど、市町村合併に関しまして住民意向を十分に反映させるための取り組みが展開されているところであります。  県といたしましては、このような取り組みを通じまして住民の意向を踏まえながら、市町村合併に向けた地域の自主的・主体的な取り組みが進展することを期待しているところであります。  また都道府県知事によります合併協議会の設置勧告につきましては、国によりますと、勧告を行うことが想定されるケースといたしましては、関係市町村で合併に向けた取り組みがなされており、関係市町村から都道府県に対し要請がなされた場合、あるいは地域住民の間で機運が盛り上がっているにもかかわらず関係市町村が行動を起こさない場合、また合併重点支援地域の指定後一年以内に合併協議会が設置されない場合などとされております。また、都道府県知事は勧告しようとするときは、あらかじめ当該市町村長の意見を聞かなければならないこととなっております。  いずれにいたしましても市町村合併は市町村のあり方にかかわる重要な問題でありまして、ただいま申し上げましたとおり、具体的な取り組みにつきましては、それぞれの地域の実情に応じて住民の意向を踏まえた市町村の自主的・主体的な判断により行われるべきものと考えております。今後とも地域における自主的な取り組みに対しまして、県といたしましても積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。 23 ◯環境生活部長(牛之濱道久君) 「県地球環境保全行動計画」は、県民、事業者、行政が一体となって地球環境保全に努めようとするもので、それぞれが地域や家庭で取り組むべきための具体的な行動メニューを示しておりまして、この計画期間は平成十一年度からの十カ年としております。この計画の推進に当たりましては、これまで「地球環境を大切にする運動」として進めてまいりましたが、さらに全県的な展開を促進するため昨年十一月に「地球にやさしい県民運動」として再スタートし、その積極的な推進を図っております。  この県民運動は、事業者団体、民間団体、行政など約二百二十団体で構成する「県地球にやさしい県民運動推進会議」を推進母体に、運動の推進役となる県民運動推進員を設置するなどして展開しておりまして、日常生活や事業活動の中で身近にできる具体的な実践活動を行うこととしております。  「県地球環境保全行動計画」は、京都議定書の目標とする温室効果ガスの六%削減を目指して推進することとしておりまして、具体的には家庭や事業所などにおける電気、水道、燃料の使用料の一〇%削減などを目標としておりますが、当面は実施状況を点検し、また県内の温室効果ガス排出量調査を実施するなどしながら、県民運動の一層の推進を図ってまいりたいと存じます。 24 ◯企画部長(迫田 昌君) バス、電車など公共交通機関の利用促進につきましては、これまで共通乗車券の導入や共同バス停の設置が進められるとともに、逐次運行ダイヤの改善が図られており、本年四月からは新たにバス定期券所持者の同伴家族を対象にいたしまして休日の運賃割引制度が設けられるなどの取り組みが進められております。  特に鹿児島市内におきましては交通の円滑化を図りますため、国、県、市及び民間バス事業者等から構成される鹿児島都市圏交通円滑化総合対策部会におきまして「交通円滑化総合計画」の策定作業が進められており、この中でパーク・アンド・ライドにつきましても、今後検討がなされることとなっております。今後とも関係機関・団体と連携し、公共交通機関の利用促進が図られますよう努めてまいりたいと存じます。  燃料電池などの新エネルギーの導入につきましては、地球環境問題などへの対応という面からも重要なことであると考えており、県といたしましても、本年三月に策定いたしました「新エネルギー導入ビジョン」におきまして、本県の地域特性を生かした新エネルギーの導入を促進することといたしております。  屋久島の水力を活用いたしました燃料電池の構想につきましては、屋久島電工にその内容を伺いましたところ、まだ構想段階のものであり、長期的な事業化プランとしてその可能性等について調査をしていきたいとのことでございました。  燃料電池につきましては、コストの低減や電池の耐久性等の技術的な面など解決すべき課題があると聞いておりまして、県といたしましては、国や企業等における今後の研究開発の動向等を見守ってまいりたいと存じます。 25 ◯総務部長(佐々木敦朗君) 財政改革プログラムにおいては、単年度の財源不足を生じない財政構造を構築することを目標に、歳出削減や歳入確保の方策についてあらゆる角度から聖域を設けず、徹底した見直しを行うこととしたところでございます。このうち公共事業については、平成十四年度は国の概算要求の状況を踏まえ一〇%の削減、平成十五年度・十六年度は極力抑制を図るとともに、県単公共事業については集中改革期間において毎年度一〇%削減をすることとするなど、限られた財源の効率的な活用の観点から、優先度による峻別と重点化を一層進めることとしております。今後とも弾力的で足腰の強い健全な財政構造の構築に向けて、財政改革の着実な推進を図ってまいりたいと存じます。  合併重点支援地域につきましては、合併に向けた検討や取り組みが一定の熟度に達し、任意の合併協議会が設置された地域について関係市町村長の意見も聞いた上で地域指定を行っているところでございます。合併重点支援地域に対しては合併協議会の運営経費に対する助成を初め地域の要請に基づく合併協議会への県職員の派遣など合併実現に向けたさまざまな支援を行うとともに、当該地域を所管する総務事務所等には「市町村合併地域支援本部」を設置することとしております。  また、合併重点支援地域については県独自の合併支援プランも策定することとしており、国の合併支援プランに対応する事業などについて現在全庁的に検討しているところであり、今後策定作業を早急に進めてまいりたいと存じます。  市町村合併について住民意向を反映するための制度としては、平成十二年十月に第二十六次地方制度調査会から「市町村合併は、地方公共団体の存立そのものにかかわる重要な課題であることや地域に限定された課題であることから、その地域に住む住民自身の意思を問う住民投票制度の導入を図ることが適当である」との答申がなされたところでございまして、この答申を受けまして本年三月に改正された合併特例法において、住民発議による法定合併協議会設置議案が議会で否決された場合に、有権者の直接請求により法定合併協議会の設置について住民投票を行うことができる制度が導入されたところでございます。この制度の活用につきましては、それぞれの地域の住民の判断にゆだねられるものと考えております。  本県の離島地域の合併については、その地理的条件や交通アクセスの条件、歴史的背景等から、住民の一体感・連帯意識の育成の面や行政サービスの維持向上、行政の効率化の推進という面で難しい要素もあると考えております。しかしながら、一方でこのような離島の市町村は、人口の減少や高齢化の進行、脆弱な財政基盤など、将来にわたって良質な行政サービスを安定的に供給し続けるために解決すべき大きな課題を抱えておりまして、離島地域においても、合併を含めて地域の将来のあり方を真剣に議論・検討していく必要があるものと考えております。  現在離島地域においても、すべて合併に関する広域的な研究会が設置されておりまして、地域の自主的・主体的な判断のもとに合併が検討されていくものと考えております。    [内 道明君登壇] 26 ◯内 道明君 それぞれ御答弁をいただきました。  ひとつ、この合併問題でございますが、今まで合併をした市町村における合併の弊害というのは出ていないのかという問いで言われておりますのは、問題は人口やインフラが一部の地域に集中して周辺部と振興格差が生じたり、住民同士の融和の問題で悩んだりといった問題を多くの自治体が抱えているというのも言われております。  また合併で住民サービスが低下する心配について、総務省は「合併による住民サービス低下については、インターネットで各種の申請や届け出ができるようになるし、郵便局でも住民票を交付することができるので十分に対応ができる」、このように言っております。しかしながら、住民がインターネットを使ったり、またはその郵便局まで行ける足とか、そういうものがなければ十分にカバーできないということも言われております。  また、今回のいろいろな調査の中で合併は不要であるという人たちも多いようでございますが、それは地域の声が反映されない、そしてまた周辺部が取り残されていく、そして行政サービスが低下するという、こういうことが反対の理由のようであります。これらの声に対して、これからどういうふうにこたえていくのかというのも、これから合併協議会を含めての大きな課題であろうと思っております。  先ほども知事が述べられましたように、住民の意向、そしてまたその自治体の自主的な主体的な判断によって合併は進むべきものでありますから、当然こういう不要論の人たちについても十分なるやっぱり説得ができる体制をつくっていかなければいけないのじゃないかというふうにも考えております。  続きまして、第三セクターの進捗状況と収支の見通しについてお伺いいたします。  新幹線開通に伴う並行在来線第三セクターは、鹿児島・熊本両県でこの秋に設立することが、本年二月に合意されたばかりであります。この秋といっても残された期間は半年もありません。設立に向けた今後のスケジュール、現在の進捗状況について説明をいただきたいと思います。  この二県合同での第三セクター設立ということ自体が初めてのことでありますから、それも両県がそれぞれ作業を独自に進めて、最終的にすり合わせて一つのものに仕上げるというわけですから、多少のすれ違いがあるのは予期いたしておりました。しかしながら、熊本県が五月三十日に発表した収支見込みには驚かされました。  鹿児島県は「開業後十年は何とか黒字を維持する」という収支見込みを昨年発表いたしましたが、熊本県は「最悪三年目からは赤字、長くても六年目からは赤字」との内容であります。両県で余りにも開きがあり過ぎるのではないでしょうか、そのように感じております。  熊本県の潮谷知事は「シビアに試算した結果」と言っておられますが、鹿児島県は「甘く楽観的」な試算だったのでしょうか。そもそも昨年出した本県の試算結果を御存じではなかったのならやむを得ませんが、それも十分承知の上で、例えばJR貨物から線路使用料を本県試算よりも三千万円も低く見積もったり、初期投資が鹿児島県試算六十二億円余りが熊本県試算七十億円になるなど、全体として収入は少なく支出は多くと試算されているようであります。確かにシビアな試算でありますが、この大きな開きについて、知事はどのように思っておられるのかお聞きいたします。  本来このような試算は別々に出すのではなく、最初から共同作業で進めるべきであったと思いますし、お互いに意思疎通がうまくいっていないような気がいたします。いまさら言っても仕方のないことですから、両県統一の収支見込みについては、いつごろ出されるのか予定をお示しください。  次に、本県沿線五市町は昨年出されました本県の試算を前提に第三セクターへの参加を決めておられるはずで、この前提が大きく変わると議論が振り出しに戻るというおそれはないのか、沿線市町村の理解はどうなっているのか、お伺いいたします。  次に、在来線対策協議会では、JRに対しまして上川内へJR乗り入れを要望しておられますが、利用者の立場を考えるとよく理解できる要望だと思いますが、この要素は昨年の本県試算には入っていないわけですから、このことが収支にどういった影響を与えるのかお示しください。  新幹線開業に伴う並行在来線第三セクターでは、先輩格の長野県・しなの鉄道が十三年度決算見込みで債務超過に陥り、開業五年目で赤字経営になると報じられております。熊本、鹿児島よりもはるかに条件のよい地域を走るしなの鉄道にしてもこのような状態ですから、我が方の前途はより険しいと覚悟しなければなりません。  そこで再度、住民の足を守る、厳しいけれども大切な事業に向けた知事の決意のほどを再度お聞かせいただきたいと思っております。  奄美振興法の今後についてお尋ねいたします。  奄美群島振興開発特別措置法が二〇〇三年度末で期限切れとなり、県は法延長に向けて全力を傾注する姿勢を示しております。今年度からアンケートなどの総合調査を実施し、来春には報告書を作成、延長を確実なものとするために理論武装がなされようとしております。  この奄振法は施行から五十年を迎えようとしており、投入された事業費総額は二〇〇〇年度末で一兆六千百五十二億円、国費ベースで一兆三百十二億円ですが、この間、奄振法が奄美に果たしてきた成果や役割を明らかにしてください。またどういった点がまだ至らない部分なのか、あるいは法の運用を含めて反省すべき点はあるのか。一言では難しいでしょうが、奄振法をどのように評価しておられるのかお聞かせください。  次に、法延長に向けた取り組みスケジュールについても説明をください。  奄振法とよく比較されますのが沖縄振興特別措置法で、こちらは本年四月一日から改正施行されたとのことです。この中では「開発」とか「沖縄の復帰に伴い」などの文言が削られ、「自立的発展」が加えられたと聞いております。この沖振法改正の流れは奄振法の行方にどのような影響を与えると思われますか、お聞かせください。  法の延長に向けた基本的な姿勢として「奄美群島の自立的発展の達成」という言葉があるようですが、このことをもう少し詳しく説明してください。確かにそのとおりなのですが、国や県が手を引くときの逃げ口上に使われては困るんです。環境整備も整わないうちから、「あとは手放し、ひとり歩きしなさい」ではいけないと思うわけであります。  奄美群島は、これを形成する一つ一つの島が独自の自然・文化といったものを持っております。これらを生かし伸ばす振興策が必要と思いますが、どのような工夫をされるおつもりか、お聞かせください。  最後に、これは離島全般に言えることですが、どんなきれいごとを並べても航空運賃やガソリンなどの離島物価というものが離島の人たちの生活を圧迫している。これは自然的・地理的ハンディで、みずから解決しようのない問題であります。決して本土並に所得を上げよという要求ではないわけですから、これに対しては国も県も支援を惜しんではならないと思いますが、考えをお聞かせください。  次に、東西幹線道路の整備についてお尋ねいたします。  私は自宅のある伊集院町から鹿児島市内に来るときには主に南九州西回り自動車道から武岡トンネルを通ってまいりますが、鹿児島インターから武岡トンネルまでの渋滞はひどいもので、全く時間の予測も立てられないほどのものであることは、私ならずとも皆さんも経験されたと思います。この渋滞は、西回り自動車道が全線完成すれば、さらに重症化することは明らかであります。  そこで、渋滞解消策としての東西幹線道路が一昨年に都市計画決定され、昨年、ようやく事業着手となり、大いに期待を持ったものでありますが、その後、本格的着工は一向に見えないようであります。仄聞するところによりますと、地盤が軟弱で工法の検討に時間を要しているとのことです。現時点での事業の進捗状況はどのようになっているのかお示しください。  都市計画決定がされ建築制限がかかり、土地を売って移転しようにも売れない、さりとて事業の先行きははっきり見えてこない。こんな状況で予定地内の住民には何の見通しも示さない行政に対して不満がくすぶっているとも言われますが、県はこういった状況にどのように対応されようとしているのか説明を求めます。  また計画そのものの見直しを求めている地域などもあって、安全性、財源、コスト、住民理解、いずれの面からも越えるべきハードルはかなり多いようですが、かなりの決意で臨まなければ到底実現しないものと思いますが、県としての事業遂行に向けた決意のほどを伺います。  次に、新規就農者確保及びブランドの指定についてお尋ねいたします。  本県の農業の構造は、ここ数年新規就農者は増加傾向で推移しつつありますが、農家戸数の推移は平成二年度十二万九千四百十五戸、平成十三年度には九万八千二百十一戸となり、十年間で三万一千二百四戸も減少しております。また、就農者も六十五歳以上が平成二年で三一%でしたが、平成十二年には五二・七%と高齢化が進んでおります。新規就農者は平成二年度から増加傾向にあり、十三年度は三百三人が就農しております。せっかく就農されても離農される方もあると聞いておりますが、どの程度の人が離農し、そして理由は何だったのかお知らせください。  意欲のある新規就農者の確保育成を図るために新規就農支援センターをスタートさせ、各種就農支援策を行うとしておりますが、どのような具体的支援策を推進しようとしているのかお答えください。  次に、ブランドの確立についてお尋ねいたします。  県内の農産物を全国市場で売り出すかごしまブランドは、農産物のイメージアップと販路拡大のために、八九年度から県が生産者や関係団体とともにブランドの確立運動を始めて、九一年五月に第一号として「加世田のかぼちゃ」を指定し、順次品目、産地を追加して現在では十一品目十六産地になっています。しかし、一方では「加世田のかぼちゃ」は、平成三年の指定時には生産農家も四百五十戸、栽培面積も百三十ヘクタールだったのが、今では三百七十戸、七十ヘクタールに減少しております。同じく「曽於のメロン」も平成四年指定時には三百七十戸、百三十ヘクタールで栽培されていましたが、今では二百二十戸、八十ヘクタールに減少しております。そのために県においては指定の解除を含めて見直しをするとの報道もありましたが、どの程度の見直しを考えているのかお答えください。もし指定解除されるとすれば、残されたブランド品目への影響やイメージダウンになるのではと心配いたしますが、いかがですか、知事の見解を求めます。  また少子・高齢化は農村ほど進行は早まっていくのですから、産地の維持発展を図る上からも、ブランド指定については農業就業人口や担い手の年齢構成なども十分考慮しながら広域的見地から推進すべきであると思いますが、いかがですか、お答えください。  次に、BSE対策強化についてお尋ねいたします。  昨年の九月にBSE感染牛が発見されてから、ことしの五月十一日に国内四例目のBSE感染牛が発見されました。十一月以来五カ月ぶりの発見で、消費者の買い控えによる消費の落ち込みが心配されましたが、大きな影響はありませんでした。BSEの感染から九カ月が経過し、農業や関連業界への経済的影響は四千四百億円を超す被害に達したと言われております。BSEによる食肉消費の落ち込みは生産者や関係者ばかりでなく、九州地域の経済に与えた影響は非常に大きなものがあったと思います。  そこでお尋ねいたしますが、BSEの関連対策事業についても積極的な取り組みがなされているものの、発生原因や経路の早期解明と農家支援対策はまだ十分とは言えないと思いますが、国への働きかけを含めて知事の所見を伺います。  また四例目が発見されましてから、今後も同じ飼料を食べた牛がどれぐらいいるかわかりません。今後の検査によっては、まだ発見されることはあり得ると思います。しかし、新たにBSEに罹患する牛はないだろうと言われております。それは肉骨粉の使用を禁止しているからであります。今一番の課題は、過去において同じ肉骨粉を食べたと思われる老廃牛を一斉に処分し、検査を急ぐことであります。処分を引き延ばし、一頭出た、また一頭出た、これではいつまでたっても県民は安心できません。老廃牛を一斉に処分して検査し、その結果を国民に明らかにすることが急務であると思いますが、見解をお聞かせください。  BSE対策で、本年度から肥育中に死亡いたしました二歳以上のすべての牛を来年度から検査する案を国は示しておりますが、BSEの発見率は食肉処理に回される牛の十倍から二十倍以上とされ、新しいBSE対策の目玉とも言われております。全国で対象頭数は七万六千頭、本県においても二歳以上の死亡牛は十三年度実績で二千八百頭にも及んでおります。全頭検査を始めるには、保冷庫や焼却場の処理能力、検査担当獣医師等の人的体制などを含めて対応できておるのか、また事業推進の取り組みの現状についてもお答えください。  BSE対策特別措置法は、「地理的条件等で困難な場合は、来春からの事業を実施しなくてもよい」と言っておりますが、どのような場所を指しているのかお答えください。  二〇〇〇年の口蹄疫、そして二〇〇一年のBSEと、立て続けに海外から極めて悪性の伝染病が我が国に持ち込まれてきました。我が国発生の経過からいたしますと、共通点は輸入飼料が原因であることです。平成十一年度の飼料について見ますと、自給率はわずか約二〇%ですが、今後、配合飼料、粗飼料を含めて飼料の安全確保の対策及び自給率の向上、検査体制の充実にどのように対応されようとしているのかお聞かせください。    [知事須賀龍郎君登壇] 27 ◯知事(須賀龍郎君) 並行在来線の第三セクターにつきましては、去る六月七日に開催いたしました本県の協議会におきまして、第三セクターは非電化、JR貨物は電化で走行すること、本社を八代市、車両基地を出水駅に置くことなど、経営基本計画の基本的な事項につきましては本県として合意がなされたところであります。  熊本県におきましては、去る五月三十一日協議会が開催されまして、両県並びに国・JR九州等で調整中の初期投資額や収支見込みなどが示されたところであります。この熊本県が示されました初期投資額につきましては約七十億円であり、また収支見込みにつきましては線路使用料、これは昨年八月、本県と国が約束をいたしました二億六千五百万円が二億三千五百万円として提示されております。この減額された理由等につきましては明らかではございませんが、現在熊本県とも協議を行っているところであります。  また熊本県におきましては、県と沿線市町の負担割合がまだ決定されていないということなどから早急に何らかの試算を示す必要があり、数値につきましては今後変更もあり得るという前提で、熊本県の協議会に示されたものであると伺っております。このような経緯につきましては、先般の本県の協議会におきましても十分説明を申し上げたところであります。  今後は、初期投資額や収支見込みなどにつきまして熊本県等と早急に調整を行いました上で、熊本・鹿児島両県合同の協議会を開催いたしまして経営基本計画を決定いたしますなど、ことしの秋の第三セクターの設立に向けまして所要の準備を着実に進めてまいりたいと考えております。  次は、並行在来線の第三セクターの運営につきましては、将来の児童・生徒の減少やバスとの競合問題など課題も多く、決して平坦な道のりではなく、県と関係市町が一体となって第三セクターを運営していくという強い心構えを持って取り組んでいくことが極めて重要であるということは、私もこれまで当議会等におきましても再三申し上げてきたところであります。  こうしたことから第三セクターを運営するに当たりましては、マイレール運動の取り組みや駅を中心としたまちづくり、沿線における広域的な観光振興などを通じまして利用促進策を講じていく必要があると考えております。またこれらにつきましては、今後熊本県側ともあるいは地元市町とも十分な連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。  次は奄振法でありますが、奄美群島においてはこれまで国の特別措置法に基づきます各種の施策が講じられ、交通基盤の整備や産業の振興、生活環境の改善など、さまざまな面におきまして相応の成果を挙げてきているところであります。しかしながら、若年層の流出等によります著しい高齢化や過疎化の進行、大島紬など基幹産業の不振といった課題も抱えていると考えております。  現行の奄振法は平成十五年度末で期限切れとなりますが、前回の法延長の際の非常に厳しい論議、昨今の社会経済情勢等を考えますと、この法律の延長につきましては、従来にも増して大変厳しい対応が求められるものと考えております。  こうした法延長をめぐります難しい状況等も踏まえまして、本年度実施いたします「奄美群島振興開発総合調査」におきましては、これまでの奄美群島の現状や課題の分析等を行いますとともに、地元の意向や民間有識者の御意見等も伺いながら、奄美群島の地域特性を生かした振興策につきまして検討してまいりたいと考えております。  今後、奄美群島の自立的な発展、振興を図り、豊かな住民生活を実現するためには、特別措置法は極めて重要な課題でございまして、県議会や県選出国会議員、関係の方々と一体となりまして、法延長に向けまして全力で取り組みますとともに、今後とも各島の特性や発展可能性を生かした諸施策を進めまして、個性豊かな島づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。  次は、かごしまブランド産地の指定の問題でありますが、かごしまブランド確立運動では品質のよいものを量をまとめて安定的に出荷できる市場対応力のある産地づくりを進めておりまして、今回新たに指定いたしました「出水の実えんどう」を含めまして、現在は十一品目十六産地をブランド産地として指定いたしております。  私も毎年東京・名古屋・大阪など市場を視察させていただいておりますが、これらの産地の農畜産物につきましては、市場関係者などから極めて高い評価をいただいているところであります。しかしながら、生産者の高齢化や価格の低迷などから、栽培面積などが指定当時よりは減少している産地も見受けられるところであります。  このため県におきましては、今年度県園芸振興協議会を中心といたしまして、「加世田のかぼちゃ」及び「曽於のメロン」につきまして、産地の生産状況や課題を把握・分析し、これら産地の維持発展を図ることとしておりまして、御指摘のような「加世田のかぼちゃ」や「曽於のメロン」につきまして、ブランド産地指定の解除を含めた見直しを行うということなどは全く考えていないところであります。  今後とも新たなブランド産地の育成や既存産地の広域化を進めまして、本県の特色を生かした多種多様な「かごしまブランド産地」の育成に向けまして、さらに一層努力をしてまいりたいと考えております。  次は、BSE関連対策であります。  牛肉の安全性に対します消費者の不安を解消し、牛肉の消費回復を図りますためには、何よりもBSEの感染源や感染経路の解明が重要であると考えております。また本県は我が国有数の畜産県でもありまして、地域の重要な産業であります畜産の維持・発展を図りますためには、畜産農家や関連事業者に対します支援対策が適切に講じられる必要があると考えております。  県といたしましては、BSE関連対策は国の責任におきまして的確に対応されるべきものと認識しておりまして、機会あるごとに国に対しましては対策の充実・強化を要請してきているところであります。  これまで畜産農家への低利融資、肥育牛の価格補てん、牛肉の消費回復対策などが措置されてきているところであります。今後とも県開発促進協議会を初め県議会・関係団体など一体となりまして、対策のさらなる充実強化などにつきまして、国に対し強く要請をしてまいりたいと考えております。 28 ◯企画部長(迫田 昌君) JR九州による上川内駅への乗り入れにつきましては、去る六月四日に本県協議会といたしましてJR九州に対し要望を行ったところ、JR九州からは線路使用料の減額や車両使用料、人件費の負担などもあることから、三セクの経営は厳しくなるのではないかとの意見があったところでございます。こうした陳情の結果も踏まえまして、六月七日の本県協議会におきましては、「上川内駅への乗り入れにつきましては、営業係数なども勘案しながら将来の課題とする」ということで整理がなされているところでございます。  離島における交通手段の維持確保や航空運賃の低減化、物価の安定を図っていくことは、離島の方々が安心して生きがいを持って生活するためにも極めて重要なことであると考えております。このため県といたしましては、これまで国と一体となりまして離島航空路線につきましては運航費補助を初め機体購入費補助や着陸料の軽減措置など、できる限りの支援策を講じますとともに、航空会社に対しましては運賃の低減化等を強く要請してきているところでございます。  また離島物価につきましては、その流通形態や価格形成の実態調査などを実施し、関係業界に対しまして価格差縮小に向けての協力要請を行ってきているところでございます。今後とも県といたしましては、これらの支援策を積極的に推進いたしますとともに、関係機関・団体と一体となりまして、離島航空路線の安定的な運航の確保や運賃の低減化、離島物価の安定が図られますよう、国や事業者に対し強く要請してまいりたいと存じます。 29 ◯土木部長(直江延明君) 鹿児島東西幹線道路につきましては、都市計画決定をされました区間のうち鹿児島インターチェンジから高麗本通線付近までの約三キロメートル区間につきまして、国において昨年度から事業に着手し、測量や地質調査などの現地調査が実施されますとともに、専門家等からなります「鹿児島東西道路施工技術検討委員会」において道路構造等の検討が進められているところでございます。本年度は同委員会で検討されました最適な道路構造と施工方法に基づきまして、道路の詳細設計と一部用地買収に着手すると聞いておるところでございます。  鹿児島東西幹線道路は平成十二年十一月に都市計画決定を行ったところでございますが、これによりまして同計画区域内においては将来の円滑な事業の実施を図りますため、建築物の建築につきまして一定の制限が課せられることになっているところでございます。  昨今の道路整備を取り巻く環境には大変厳しいものがございますが、本道路につきましては、武岡トンネルはもとより市街地部の渋滞解消に大きな効果をもたらすとともに、鹿児島市域の広域幹線道路ネットワークの形成を図ります上で極めて重要な道路でありますことから、今後とも引き続き国、鹿児島市と一体となり、住民の方々の御理解をいただきながら、一日も早く本格的な工事着手が図られるよう努めてまいりたいと考えております。 30 ◯農政部長(富岡忠勝君) 本県における新規就農者は、平成二年度の百七名を底に平成十三年度には三百三名となり、近年増加傾向にございます。平成十三年六月時点で、農業改良普及センターが平成九年度から十一年度までの三カ年間に新規就農した七百七名について追跡調査しました結果、離農した農家は約四%の三十名となっております。離農した主な理由は、他産業からの就農者においては農業の厳しさや農村社会に対する認識が甘かったこと、農家の子弟につきましては家族間の意見の食い違いや理解不足などとなっております。  また新規就農支援センターにつきましては、平成十五年春に開校する農業大学校に設置して、就農希望者等に対し、農業理解促進のための取り組みや就農相談活動から就農前研修等を実施し、意欲ある新規就農者の確保育成に努めてまいりたいと考えております。  滞留している廃用牛の処理につきましては、三月二十五日から県内七処理場で平成十五年一月までに計画的に処理することとしております。  なお、平成八年生まれの牛の一斉検査につきましては、現在搾乳中の牛もいることや農家の理解と協力が必要でありますことなどから、県といたしましては現在の処理計画で実施してまいりたいと考えております。  BSE対策特別措置法で定める死亡牛の「検査月例」や「地理的条件」等につきましては今後省令で定めることとなっておりまして、現段階では明らかになっておりません。県としましては、死亡牛処理ラインの整備、検査結果が出るまでの保管庫の設置、死亡牛処理経費等に関する農家負担などの課題を解決いたしますため、省令で定める検査対象月例や検査の適用除外等の規定につきましては地域の実情を十分踏まえたものとすること、また死亡牛のBSE検査に係る検査体制や施設整備等の経費につきましては、全額国が負担することなどを国に対し強く要請してまいりたいと考えております。  県では酪農・肉用牛経営における飼料増産を進めるため、平成十三年二月に具体的な生産努力目標数値・推進方策を定めました「県飼料増産推進計画」に基づき、転作田及び水田裏作等の積極的な活用による飼料作物の作付面積の拡大を図り、平成十三年度の大家畜の飼料自給率三六・五%を平成二十二年度には四六・二%までに拡大することとしております。今後とも飼料生産基盤の拡充、飼料生産受託組織の育成、焼酎かす等未利用資源や国産稲わらの利用促進等により、飼料自給率の向上に努めてまいりたいと考えております。  なお、穀物や稲わら等の輸入飼料につきましては、国において検疫が適切に実施され、安全性が確保されるよう、県開発促進協議会等を通じ引き続き要請してまいりたいと考えております。    [内 道明君登壇] 31 ◯内 道明君 第三セクターにつきまして回答をいただきました。  六月七日に開かれました鹿児島県並行在来線鉄道協議会の総会で、熊本県側から出ました赤字試算の算出が鹿児島県側と大きく違うという試算で発表されまして、非常に大きなショックを受けたというふうにも聞いております。  これらを考えますと、早い時期に精査していただきまして、そして的確に立ち上げをしてほしいと思っておるわけであります。逆にJRからは多くの人たちを要請するわけでございますから、今JRの職員の方々が心配しておりますのは、立ち上げがおくれてしまうと乗務員の選定や訓練、そういうものに非常におくれが生じてくる。それで、JRの皆さん方が非常に不満と心配をいたしております。そういう立場で、ぜひとも計画どおりに着実に進めてほしいということをお願いしておきたいと思っております。  それから、新規就農者につきましては年々増加する傾向にございますが、最近の新規就農者の傾向・動向を調査したものがあります。それによりますと、新規学卒者の就農につきましては、親の手伝いに終始して自立心が育ちにくい。二つ目にUターン者、これは地域で仲間づくりが非常に困難である、栽培や経営技術が未熟であるということ。三つ目には新規参入者の問題であります。農地の取得、資金の確保は非常に厳しい。地域に対して融和意識が薄い。独自の経営手法に傾倒しがちである。農業経営の相場感が欠如しているというのがあります。四つ目の法人就農者でございますが、これは経営主の単なる雇用人に終始しがちである。何年たっても地域の一員としての自覚が持ちにくい、そして経営技術が身につきにくい、このような傾向・動向にあります。このような問題を的確にこれから対応するために、就農したい人が確実に就農できるようにしていく手だてをすることが重要であると考えます。
     次に、高校生の雇用対策とインターンシップについてお尋ねいたします。  今春の高卒就職希望者のうち三月までに就職が決まったのは八六・三%で、調査開始以来最悪なことが文部科学省の調査で明らかにされております。鹿児島県内の高卒就職者も八二%で、過去最悪であります。二〇〇一年度平均の完全失業率は五・二%となり、過去最悪な状態となっております。ことしに入って改善してはいますものの、高卒者の就職率が最悪になったのは、こうした雇用環境の悪化が背景にあるのは間違いないことであります。高校の進路指導教師からは「就職をあきらめて進学する生徒が多く、実態はもっと悪い」という声が聞こえてきます。卒業時に三万五千人もが就職先も決まらないまま社会に送り出される状態は異常と言わなければなりません。  日本経済は底入れの兆しを見せており、政府は五月の月例経済報告で三カ月連続して景気判断を上方修正いたしました。しかし、景気底入れに安心して適切な対応を怠れば景気は再び失速し、厳しい雇用環境に戻らないとも限りません。総合した対策を打って一刻も早く雇用環境を安定させて、就職したくてもできない高校卒業者の苦境を救済する責務があります。  文部科学省の調査では大学卒の就職率は九二・一%で、前年同期よりも〇・一%改善しており、企業の大卒シフトの傾向がうかがえます。高卒就職者では、男子八九・一%、女子八三・一%で、女子の苦戦が目立っております。鹿児島県は県外希望者の就職率が九〇・七%だったのに対し県内希望者は七七%で、県内就職の厳しさが目立っています。大卒シフトが進む背景には、高卒者の離職率が高く、企業が二の足を踏む状況が挙げられています。  厚生労働省の調査では一昨年一年間で離職した高卒就職者は二六・二%で、四人に一人がやめる計算になっています。このような状況の中にあって、高校生が一定期間、産業現場等で就業体験を通して実際の産業界の知識や技術に触れ、学校における学習と職業の関係について理解を深め学習意欲を深めるとともに、自己の職業適正や将来の設計について考える機会とし、職業観や勤労観を身につけることを目的としたインターンシップを少々の課題は残しながらも重要視する向きもありますが、鹿児島県の現状と課題はどうなっているのでしょうか。また新規高卒者就職者支援員を配置し、就職状況の改善を図る努力がなされておりますが、取り組みの状況、そしてまた高卒者の総合的な就職対策をお示しください。  次に、義務教育費国庫負担制度の堅持についてお尋ねいたします。  政府は来年度予算編成では一般会計、一般歳出ともに二〇〇二年度の水準以下に実質的に絞り込み、地方行政改革では地方交付税の大幅縮小、補助金の削減・財源移譲を打ち出しております。その中で、具体案といたしまして義務教育費国庫負担の見直しなどが挙げられております。  義務教育費国庫負担につきましては国の厳しい財政状況を背景に、これまで旅費、教材費、恩給費、追加費用等が適用除外となり、一般財源化されております。さらに十年以来、学校事務職員、学校栄養職員の給与を対象外にしようとする動きもありましたが、教育関係団体、県議会、県開発促進協議会や地方議会等からの働きかけで制度が堅持をされております。しかし、国の財政は極めて厳しい状況下で、二〇〇三年度の予算編成期を迎え、制度見直しを執拗に迫ってくるものと予想されます。  公立小学校の教職員の給与の二分の一負担を制度化している義務教育費国庫負担制度がその負担の割合、適用対象等制度のあり方の根本から見直しされると、地方財政を圧迫されるだけでなく、教育水準を著しく低下させるおそれがあります。特に本県では平成十八年度まで財政改革プログラム推進中であり、本県財政はますます厳しく財政改革プログラムにも支障を来すことは必至であります。  二〇〇三年度予算編成期に入り、これまでどおり義務教育費国庫負担制度の堅持によって自治体の財政状況で教育活動が左右されることなく、教職員の確保により義務教育の目的が達成されなければなりませんが、この制度にかかわる現状認識と制度堅持について、知事の見解を伺います。  次は、産業廃棄物処分場建設への取り組みについてお尋ねいたします。  本県は、平成十一年三月に策定いたしました産業廃棄物処理計画に基づいて、廃棄物の排出の抑制、減量化、リサイクル推進などの対策を行ってきました。しかしながら、その中で最も重要な最終処分場の建設はいまだに日の目を見ず、県内に管理型最終処分場が一カ所もない状態が何年も続いております。幸いにいたしまして、九州各県、なかんずく宮崎県の好意によりまして受け入れてもらっておりますが、そろそろこれも限界でありましょう。  九州で平成十四年六月現在で三十四カ所ある管理型処分場がなぜ本県には一カ所もないのか。同じような構造の一般廃棄物を処理する処分場が県内に二十三カ所ある中で、なぜ産業廃棄物の管理型処分場ができないのか。その原因は何だと考えておられるのか、お答えください。  去る一月二十五日に県が財団法人鹿児島県環境整備公社とともに開催いたしました産業廃棄物セミナーで、肥後環境整備課長は産業廃棄物最終処分場の必要性を力説し、また公的関与であることの安全性を訴えられております。また平成十三年度は市町村職員及び議員研修会、先進地視察、県政広報テレビ番組によるPR、セミナー、新聞や「県政かわら版」による広報など、実に多彩な取り組みもしておられます。しかし、最終処分場の建設が一歩具体的に前に進んだという話は聞きません。いろいろ県はやっているようでございますが、前に進まないことに私たちはいら立ちを感じます。  さきに述べました産業廃棄物セミナーでも出席者の一人が「地方議会から遠路はるばる四回も参加しておりますが、一つもこのセミナーは進展しないんですよ。ですから、その辺のところを県がこうやるんだと、そういうことはこうするんだと明確に言ってほしい」という趣旨の発言をしておりました。いろいろやっておりますが、前に進まない。一体どこに取り組みの不足があるのか、私どもも自問自答する昨今でございます。やはり県が「こうするんですよ」という姿勢を明確にし、率直に現地に足を運んで話し込む姿勢が必要ではないでしょうか。  また私どもは喜入の失敗の事例を今でもよく覚えておりますが、喜入の失敗は取り組み前段の秘密主義が最後まで尾を引いたのであります。何事も隠し立てず、情報公開でオープンにして事を進める必要があると思います。  県の産業廃棄物最終処分場の取り組みの現状と決意を再度お聞きしたいと思います。  次に、ダイオキシン対策についてお尋ねいたします。  平成十一年三月に鹿児島県ごみ処理広域化計画を策定して三年、いよいよ今年十二月には政府が定めましたダイオキシンの新しい基準によるごみ焼却が行われます。最も新しい基準値自体、焼却施設の規模によっては一ナノグラムが十ナノグラムと、国際的に見ても甘い数値になっていると言われております。しかし、それでもこれまでの数値と比較いたしますと大変厳しい内容になっておりますし、ぜひ全市町村がクリアしてほしいものと願っております。  県はこれまでごみ処理広域化計画に基づいて、新設する焼却施設の一日百トン以上の処理能力の確保とブロック化、焼却灰の溶融固化施設の設置と溶融スラブの資源化、離島地域の最新技術による小規模焼却施設の整備等を進めてきましたが、十二月一日の新基準値による焼却を前にいたしまして、その整備状況と今後の見通しはどうなっているのか。また、広域計画の実施に当たって課題は何なのか明らかにしてください。  また、廃棄された市町村の焼却施設の解体がダイオキシンの飛散防止対策の義務づけにより費用が高騰し進んでいないとの話を聞きますが、本県の解体は順調に行われているのですか、お伺いいたします。  次に、過日の新聞では、「税金で運営される家庭ゴミの焼却施設は更新が進んだが、民間の事業者が運営する産廃焼却施設では特に中小企業者が資力がないことから、九七年に全国で約五千あった施設は約三割減った。全国産業廃棄物連合会によりますと、十二月以降は廃業する業者がさらに出そうだとのこと」と報じられております。  産廃業者の廃業は大問題だと思いますが、県内の状況はどうなっているんでしょうか。また、政府の助成や低利融資はないのかお聞かせください。  最後に、ダイオキシンはベトナムのドクちゃんの姿を見るまでもなく、人類に大きな影響を及ぼす物質であります。それだけに私どもは政府の示した新しい基準値に満足することなく、その根絶を目指して努力すべきではないかと思います。ダイオキシンは、塩素系の物質を焼却する過程でできると言われております。ダイオキシン対策に限って言えば焼却をやめること、これが究極のダイオキシン対策だと思います。  福岡県リサイクル総合センターの花嶋センター長は、「大きな国の中で廃棄物をこれだけ焼却している国は日本だけだ。しかも、焼却率は七八%と上がってきている。これは、決していい話ではない」と言っておられます。鹿児島県は、全国に食糧を供給する農業県であります。安全な食糧を供給する義務があること、そしてまた地球温暖化、ダイオキシンということを考慮した場合に、将来的には焼却によるごみ処理の方法を考え直すべきだと思いますが、知事の見解をお聞きいたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 32 ◯知事(須賀龍郎君) 義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等と、その水準の維持向上を図ることを目的としておりまして、義務教育の円滑な推進に重要な役割を果たしてきているものと認識いたしております。このため、これまで県といたしましては、国の予算編成に際しまして、事務職員や学校栄養職員をこの制度の対象から除外しようとする動きに対しましては、県の開発促進協議会等を通じまして現行制度の堅持を国に強く要望してきたところであり、現在もその制度は維持されているところであります。  ただその一方で、現在国の経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議では、地方への税財源の移譲や地方分権のあり方等が検討されております中で、義務教育費国庫負担制度そのものを全般的に見直すべきではないかという議論がなされているところであります。このことは将来における日本の教育制度のあり方をどうするのか、また地方分権や地方への税財源の移譲をどうするのかなど極めて重要な問題点を含んでおりますので、さまざまな観点に立って慎重に検討されることが必要であると考えております。少なくとも教育水準の低下や不均衡をもたらさないこと、地方の財政負担につながらないことを前提に十分論議されることが必要であり、今後ともその論議の過程を大きな関心を持って見守ってまいりたいと考えております。 33 ◯教育長(脇田 稔君) 本県の公立高校におけるインターンシップは年々増加しておりまして、全体で三分の二の高校が実施し、特に専門高校におきましては九割を超える学校が実施するなど、全国平均を大きく上回っております。  具体的には、地元の商店や事業所、福祉施設等の協力を得て、平均五日間程度、販売や製造、介護等に生徒たちが従事しており、中でも地元の農家に一週間程度泊まり込んで生きた農業を体験させるなど、内容の充実を図っている学校もございます。一方で、昨今の厳しい経済状況を反映して、実施期間を延長したり、受け入れ先を確保することが難しくなるなどの課題も指摘をされております。  県教委としましては、今後とも商工会議所等の関係団体や事業所等の協力を得て受け入れ先の確保を図るとともに、生徒の安全対策等に配慮しながら高校生のインターンシップの充実に努めてまいりたいと考えております。  県教委では今年度新たに県立高校に二十七人の「就職支援員」を配置し、五十二校の就職活動を支援するとともに、県内の三高校に「就職支援教員」を配置し、就職指導の充実を図っております。「就職支援員」は年齢が四十歳代から六十歳代で、主として民間企業の管理職経験者などであり、既に六月から各学校の進路指導担当者と役割分担をして、卒業生の就職した企業を回って働く様子を聞いたり、採用に当たっての企業側の要望を聞いたりするなど、具体的な活動を開始しております。  さらに、これまで一人一社しか応募できなかった就職慣行を、ことしの十月一日からは一人二社までは応募ができるように、「高等学校就職問題検討会議」で見直しを決定し、生徒の受験機会の拡大を図ることといたしました。  さらに、従来取り組んできました「経済団体等に対する採用枠の拡大要請」や「職場見学会」、「就職面接会」の開催など、就職対策の一層の充実に向け、学校や関係機関等と連携を図りながら最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 34 ◯環境生活部長(牛之濱道久君) 管理型処分場の整備を進めるためには施設の必要性や安全性についての県民の理解と認識が欠かせないものでございますが、全国的に一部の心ない者による不適正な処分が見られることから、県民の中には産業廃棄物の処理に対して不安感を持っておられたり、「必要性はわかるが自分のところは困る」といった、いわゆる総論賛成・各論反対の意識があることなどが原因ではなかろうかと思っております。  公共関与による管理型最終処分場につきましては、まずは県内に一カ所、最新の技術で安全性の高いモデルとなるようなものをできるだけ早く整備しなければならないものと考えておりまして、施設の必要性・安全性につきまして県民の理解や認識を深めていただくため、先進地視察などの普及啓発活動に積極的に取り組んでいるところでございます。今後とも、関係市町村と十分連携を図りながら一日も早い整備に向けて努力してまいりたいと存じます。  県ごみ処理広域化計画では、平成十一年度から二十年度までの十年間に十二の広域的な焼却施設が整備されることとなっておりまして、このうちダイオキシン類の厳しい規制が始まります本年十二月一日までに整備しなければならないものが九施設となっております。この九施設のうち既に整備を終えたものが三施設、現在整備中が四施設で、このうちことしの十二月一日までに完成予定が二施設となっております。十二月一日までに完成しない整備中の二施設と未着手の二施設につきましては、当面既存施設の改造や近隣施設への処理委託などにより対応することとしております。  なお、広域化計画の推進に当たりまして、建設予定地の一部住民の方々の反対運動により施設の整備が円滑に進められていない地域などが見られます。このようなことから、施設の必要性や安全性等について住民の方々への普及啓発により一層努めてまいる必要があると考えております。  既存施設に対するダイオキシン類の規制が始まりました平成十年十二月一日以降、廃止となった市町村等の焼却炉は本県では七つございますが、このうち四つの焼却炉は既に解体が終了し、三つについては現在検討中でございます。また、ことし十一月末までに焼却を停止する予定の焼却施設もありますことから、県としましては、今後とも焼却炉の解体に当たりましては適正に処理されるよう、市町村等に対し必要な助言を行ってまいりたいと存じます。  現在県内で稼働中の産業廃棄物の焼却施設は、知事許可分と鹿児島市長許可分を合わせまして三十五施設ありますが、そのうち改造や更新などにより平成十四年十二月一日から適用される規制を達成できる見込みの施設は三十一施設でありまして、四施設は廃止される予定でございます。焼却施設は少なくなりますが、本年五月三十日から建設リサイクル法が全面施行されるなど、リサイクルが今後さらに進展すると予想されますことから、処理体制への大きな影響は余りないのではないかと考えております。  民間の産業廃棄物の焼却施設に対する国の補助制度はございませんが、日本政策投資銀行、国民生活金融公庫、県の中小企業振興資金など、低利の制度融資が準備されておるところでございます。  ダイオキシン類から生活環境や人の健康を守るために焼却に関しましては厳しい排出基準が設けられておりまして、県といたしましては基準に適合するよう、これまで焼却施設の設置者に対して焼却管理の適正化、施設の改善などについて指導、助言を行ってきております。今後は地球温暖化防止の観点からも焼却する量をできるだけ少なくしていく必要があると考えておりまして、リサイクルの推進など循環型社会の形成に向けてさらに取り組んでまいりたいと存じます。    [内 道明君登壇] 35 ◯内 道明君 義務教育費国庫負担制度の件につきましてでございますが、去る六月十七日に開催されました開促協の「政府等の予算編成等に関する重点要望事項」にも挙げていただいております。義務教育費国庫負担制度の要望は、県民の切実な願いであります。しかし、最近の動きを見ますと、政府は新たな経済財政運営の基本方針であります骨太の方針第二弾を今月末までに取りまとめるよう、内閣総理大臣の指示が出ております。その中で義務教育費国庫負担制度を含む国庫補助、負担金の縮減・廃止に向けた抜本的検討が強く打ち出されております。  これらを踏まえて、政府の地方分権改革推進会議は去る十七日に中間報告を小泉首相に提出しております。それによりますと、公共事業を効率化するため原則として国の補助事業を廃止し、国の直轄事業と地方単独事業だけとするほか、小・中学校教職員の給与の半額を国が補助する義務教育費国庫負担制度については最終的に一般財源化、そして自治体の裁量を拡大することなどと提言いたしております。  現在教職員給与の半額、年約三兆円を国が負担している現行制度については見直しを提言。当面は、生徒数など客観的指標に基づく交付金制度に移行し、将来的には一般財源化へと検討が始まったようであります。地方分権推進委員会の中間報告を見る限り、今後義務教育費国庫負担制度の見直しは、学校事務職員と学校栄養職員だけではなく教員すべてを対象として大きな焦点になることは必至であります。  本県財政がますます厳しい苦境に立たされていく中で、税源移譲がなされるとしても大きな負担となることは明らかであります。したがって、今後とも関係機関挙げて義務教育費国庫負担制度の堅持を強く政府に求めるように再度要請をいたしたいと思います。  平成十三年度の新規高校卒業者就職決定数八七・一%で、ここ数年非常に厳しい状況が続いております。県教育委員会は、先ほども答弁いただきましたように、今年度から二十七校に就職支援員を配置して対策を強化することといたしております。  近年学校から職業への移行は、従来は就職ととらえてきましたが、正社員に就職できないまま卒業する若者が増加いたしております。日本の若者たちの学校から職業への移行はかなり危うさをはらんでいると言われております。二十五歳から三十五歳の非正社員の比率は最近上昇傾向にあります。今若者を一人前の職業人に育てていく社会の仕組みを見直して、新たな仕組みづくりに着手する必要があるという研究者もおられます。そのために、教育界と産業界が連携して育成に当たるシステムが必要であると思います。  これまで知事の政治姿勢、そして総務行政、企画建設行政、農林行政、文教行政、環境生活行政と質問をいたしてまいりました。当面する重要な課題として質問いたしましたが、議論が深まっていかなかった部分につきましては、一般質問や、そしてまた委員会等でそれぞれ議論を深めてまいりたいと思います。  これをもちまして、社民・県民会議を代表する質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 36 ◯議長(溝口宏二君) これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 37 ◯議長(溝口宏二君) 明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び請願・陳情の委員会付託であります。       ─────────────    △ 散  会 38 ◯議長(溝口宏二君) 本日は、これで散会いたします。         午後三時十五分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...