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1988-03-03 昭和63年第1回定例会(第3日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 1988-03-03
    1988-03-03 昭和63年第1回定例会(第3日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(原田健二郎君)ただいまから、本日の会議を開きます。       ─────────────    △ 総括質問(代表) 2 ◯議長(原田健二郎君)本日の日程は、県政一般に対する代表質問であります。  浜田みのる君に発言を許可いたします。    〔浜田みのる君登壇〕(拍手) 3 ◯浜田みのる君 新しい年一九八八年、早くもきょうは桃の節句のひな祭りの日であります。いよいよ春らしい陽気につれまして、雨水もぬるみ草木も発芽をし始め、あさっての啓蟄を前にして天地万物、清新の気が満ちあふれようとしている時を迎えております。  ところで、新たに出発をいたしました昭和六十三年は、六十年度ごとにめぐってまいります戊辰の年であり、政治、経済など日本を取り巻く情勢は、行き先多くの難関を予想されるところであります。日本経済は昨年の株価の大暴落、ドルの急落、アメリカの双子の赤字などにより、行き先不透明感が強まっているにもかかわりませず、今のところ総合的には生産は増勢を強め、景気は順調に推移をしておるといわれておりますが、しかし業種ごと、地域ごとにばらつきがあり、特に我が鹿児島県におきましては、地域経済景気の足取りは、大勢として次第に鈍り、相変わらず停滞下降が続いております。  先月二十三日、でん粉、牛肉、オレンジ、米輸入自由化反対、日本の食糧と国土を守る鹿児島大会が開かれましたが、アメリカによりますところのジャパンバッシング、これは多面にわたっておりまして、貿易摩擦は一層厳しく甘えが許されない事態を示しております。さまざまな側面から県民生活の影響は、今後一段と加速をされる兆しを示しております。中小企業がほとんどの本県では、企業の立ち往生や倒産、失業者の増大などなど、産業経済が地盤沈下を生じ、貧乏県としての思い傾向が一層強まるのではないかと心配をされるのであります。  鎌田知事施政方針演説を聞き、我が党は県民の実生活とは結びつきにくい浮いたものになりはしないかという危惧を感じてなりません。現在の我が国は、見せかけの繁栄とは裏腹に、不公平やひずみが社会を覆い尽くし、持てる者と持たざる者との格差が拡大をされております。いま第百十二回通常国会が開かれておりますが、不公平税制の是正と所得税減税、住民税の大幅な減税こそが最優先さるべき課題でありながら、竹下内閣は国民の総反撃によって、断念をしたはずの新型間接税の再導入の策動を続けております。  こうした情勢のもと、新しい年の鹿児島県政の確かな第一歩を踏み出す第一回定例県議会に当たりまして、私はゆとりのある暮らし、公正な社会を目指し、そのためには生活と政治を変えようというスローガンをメーンに据えまして、日本社会党を代表して質問を行うものであります。  そこで、私はまず鎌田知事の三期十二年、任期を一年残すこの年だけに、鎌田県政を振り返っての質問から始めなければなりません。知事は県政執行の最高の責任者として、自画自賛でなくて、県民の側から見た審判にみずからを照らしてみることが必要であります。ぬくもりと活力に満ちた偉大な鹿児島の創造という深遠なる理想を掲げた鹿児島丸は、確かな針路に順風満帆の足取りをたどっていることであるかと問いますと、答えは総じて否定的であります。それはなぜか、その流れをくみて源を知るときに、誤りない県政の針路もまた開けると思うのでありますが、知事の所見を伺いたいと存じます。  次に、この県議会の最大の任務である予算について、竹下内閣が初めて編成した政府予算案と、鎌田県政三期を締めくくる県の予算とを関連させて質問をいたします。  まず、今国会に提案をされている政府予算案は、経済見通し名目成長率と同じく、前年度当初予算比で四・八%伸びており、六年ぶりの積極予算といわれております。昭和六十五年、特例公債依存からの脱却という財政再建目標の達成と、内需拡大の両立を強調しておりますが、一方では地方に対する補助金カットや歳出の繰り延べ措置を行って、地方負担を増大をさせ、地方交付税措置というからくりで地方を押さえ込み、財政を複雑怪奇なものにしております。社会保障、教育など国民生活関連の予算を切り詰め、特に国保制度の改悪を強行しようとしているところに、国民無視の政府の姿勢が如実にあらわれていると言わなければなりません。  また内需拡大の柱に立てた公共事業につきましても、NTT株の売却利益に任せており、その内容、事業配分等にも問題があります。さらに、民活による大型プロジェクトの推進についても、大企業の利益誘導最優先の態度を強める一方で、大都市圏の地価高騰で窮地に立たされている国民の生活救済のための土地住宅政策は極めて不十分であると言わざるを得ません。しかも、米ソ核軍縮合意に象徴されますように、軍縮平和の機運の高揚に敵対するかのように、二年連続の防衛費のGNP比一%枠の大幅突破の軍拡予算を計上、予算成立後には大衆増税をねらった大型間接税導入の法案を提出するなどという、こそくな手法は断じて認めるわけにはまいりません。このように政府の予算案は増税、各種不均衡、不公平助長国民生活抑圧、軍拡型の予算と言わざるを得ないのであります。  では、政府と同じ基調に立つ本県の予算案は、果たして何型予算でありましょうか。いかなる時代認識のもとに編成をされ、どのような将来要望が開かれるのか、お尋ねをしたいと存じます。
     我が県の予算が独自のものとして存在をしているのではなく、逆に国、政府とのかかわりが拡大している傾向の中で、鎌田知事としての裁量も大きく制約をされておりまして、地方自治の形骸化が進むときに、本県予算の編成も並み大抵ではなかろうと思いますが、しかし本県の産業、経済、県民生活に対しまして、予算は重要な位地を占めるだけに、積極的な財政運営を図らなければなりません。確かに本県の六十三年度当初予算案は、一般会計で六千百七十七億一千五百万円、前年度当初予算との対比では六・五%ふえまして、財政規模といたしましては、国の一般会計の伸び率四・八%に比べまして、かなりの伸びとなっております。七年ぶりの積極財政と見るのでありますけれども、本県の場合、税収の伸びが悪く地域経済、社会の活性化、内需拡大ふるさと創生に何らかの有効な施策を講ずるための十分な資金が投じられているかというと疑問であります。 また、 県債の六十三年度末残高の見込み額は四千六百五十八億五千百五十一万七千円に上っておりまして、借金に描かれた予算となっております。国庫補助負担率のカットは、六十三年度まで続く上、国保制度の改悪によるところの本県への影響が十億七千万円にも及び、財政措置が図られるといたしましても、地方財政を苦しめております。今回の国民健康保険制度に対する地方負担増の強化は、まさに国保制度の根幹的な変質であり、国と地方の財政関係への基本にかかわる改悪の実施であります。たとえ地方交付税総額に特例加算するといたしましても、これでは交付税のたこ足的構造を深めるとともに、単年度ごとに協議が必要になり、各自治体は中・長期的に安定した見通しを立てることができません。我が党はこうした医療保険制度に対する国の責任を一層あいまいにし、いたずらに県や市町村に財政負担を転嫁し、地域医療の充実を妨げることには反対するものでありますが、これに対する知事の見解を求めます。  また、竹下内閣は赤字公債の発行を抑制し、六十五年度財政再建目標は達成可能と豪語しておりますが、その裏付けは地方への財政転嫁であるようであります。国庫補助金のカットは六十三年度をもって終わるとされておりますが、その後の原状回復の約束が守られる見通しについて、お尋ねをしておきたいと存じます。  次に、限られた財源をどう配分するかの問題であります。具体的な問題はそれぞれ委員会で指摘をするといたしまして、総体的に申し上げますと、一般会計六千百七十七億一千五百万円をもじって、我が党のごろ合わせ氏は、ムイッナヨサンヲナイゴッナと称しております。ムイッナヨサンヲナイゴッナと。おわかりでしょうか。公共事業につきましては、前年度当初対比一〇・六%の伸びを示し、県単公共事業につきましても前年度当初比三四・六%で計上されておりますが、問題は高齢化、長寿化が進むなか、福祉社会の建設に向け、老人でも障害者でも、だれでもひとしく安心して生活を送れるようにするための生活基盤整備、居住環境の計画的整備などが緊急に求められていることに、どのように対処された予算となっているかであります。また中小企業費や農業費につきましては、貿易摩擦、円高高進、農産物の自由化がいや応なしに行われつつあるなか、その対策費として自立的発展を促進するための有効な施策が、どのように具体化されているかであります。県民生活にかかわりの深い予算について見ますと、社会保障関係生活保護費等が、経費節減の絶好の的になっておりまして、教育費は県立大学の入学金、授業料の引き上げが行われているのも問題であります。  最後に、地方税改革の課題についてお答えいただきたいと思います。地方税は住民サービスを願う自治体の財源として検討すべきでありますが、その改革のあり方と地方交付税制度の拡充について、知事の見解をお伺いをいたします。  次に、情報公開条例についてお尋ねをいたします。  開かれた公正な県政を推進する上で、県民の知る権利を制度的に保障をし、県民の県政への積極的な参加と、信頼関係を深めることを目的とするこの条例は、我が党が早くから制度化を主張してきたものであります。条例化に当たりましては、問題を十分に明らかにし、公開のための条例が逆に非公開条例となって、県民の知る権利を制限することがないようにしなければなりません。以下、基本的な問題について質問をいたします。  第一は、制度の意義と目的についてであります。今回の条例は、県民の知る権利を保障する観点に立っているかということであります。本来、県民の側には行政の持つ情報を知る権利があり、県の側には県民に知らせる義務があるのでありまして、それを制度化したものが情報公開条例だと思うのでありますが、条例案では県民の公文書等の開示を求める権利を明らかにする、との表現となっておりまして、先進県が知る権利の保障、または知る権利の確立としている点からいたしますというと、いまひとつあいまいであります。そこでこの条例の基本は、知る権利を保障するものであると解していいのかどうか、明確にしていただきたいと存じます。  第二点は、実施機関についてでありますが、条例案では議会と公安委員会が入っておりません。議会はみずからの判断によって当然に入るべきでありますけれども、また公安委員会は最初から除外するのでなくて、実施機関にまず入った上で、例えば交通、防犯など公開することによって県民の理解と協力を得ることが必要なものもあり、捜査上支障のある情報については、これを適用除外とすることを明示すれば十分であると思いますが、見解を求めます。  第三点は、公開の対象についてであります。これは文書、図書、写真及びマイクロフィルムで決裁、供覧の終了したものに限定しておりますけれども、最近増加をしておりますところの磁気テープ録音テープ、ビデオテープ、フロッピーディスクなど、県が作製、取得したすべての情報を対象とすべきでありますけれども、昨日の自民党の代表質問に答えまして、非開示情報を除外をして公開することが困難で、同時にデータ保護や出力の保護に特別の管理が必要で、公開が困難であるということでありましたけれども、技術的な問題であればさらに検討の余地があると考えるのでありますけれども、これに対する見解を求めます。  第四点は、請求権者が県内の個人、法人、団体等に限定されておるのでありますけれども、やはり知る権利保障の立場から、他県でも例えば何びともとありますように、本県の場合でもこの点の改善を図るべきと思いますが、これに対する見解を求めます。  第五点は、県が開示請求を拒否した場合の救済機能である公文書等開示審議会が、県の決定を覆して公開すべきであると答申したときには、これを尊重する旨を条文に明記する必要があると思いますが、これについてもお答えをいただきたいと存じます。    〔知事鎌田要人君登壇〕 4 ◯知事(鎌田要人君)県政回顧でございますが、いつも申し上げておることでございますけれども、十一年前の三月に知事に就任をいたしまして、この十一年間、率直に申しまして鹿児島県をいかにして、一日も早く過疎後進の状態から脱却をさせて、明るい活力に満ちた県にしていくかということで、それこそ不眠不休で頑張ってきたつもりでおります。やはりこれは、前途に常に希望を持って、私がいつも申します、きょうはきのうよりも、あしたはきょうよりもということで頑張っていくことが、これは基本でありまして、まず知事自身が、もう鹿児島はやっせんと、こういう気持ちになれば、これはばったいいかんわけでありまして、そういう意味で常に、ある意味におきましては必要以上に虚勢を張らなければならん。そうでなければですね、県が県民全体もこれは燃え上がらない、そういう意味でのかなりですね、ちんこびっでありますが無理をして走っておるところもあるということを御理解をいただきたいのであります。  そういうなかでですね、これはこの十年間に人口も十万人ふえておる、県民所得もですねトータルとしましてはやはり倍近くふえてきておると。何よりも私が知事になったときの昭和五十二年の七月の補正予算ではですね、当時の県の一般会計規模三千五百億ぐらいだったと思います、これが当初で六千百億ですね。そういうことで県税収入も四百五十億足らずのものが、一千億を超すということでですね、十年たちゃあやっぱりすべてのものが前へ進んでいくという面もあります。しかし決してこの十年間というのは、平たんな道でなかったことは、これはもうお互いに十分に理解しておるとおりでありまして、過疎の波というものは、これは依然としてとどまっておらない。いま東京一極集中、あるいは農産物の自由化といったようなお話が出ましたが、これも提案理由で申し上げ、あるいはまたきのうも自民党の代表質問にも申し上げたことでありますが、そういう波の荒いなかでやはり鹿児島丸はですね、しっかりと目標を見据えて、やはり荒波をかいくぐって進んでいかなければならんわけでありまして、私も三期目のあと一年、残された最大の課題であります新幹線の問題でありますとか、あるいは自由化のもとでの農林漁業、中小企業の発展、さらにはテクノポリスバイオポリス、あるいはアトムポリス、離島奄美の振興、リゾート、まあたくさん課題があります。これにそれぞれ目鼻をつけてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でありますので、問題によりまして立場を異にするところもありますが、大局はこれは県民の福祉、県勢の発展ということは、これはもう党派を超えて一致してできる課題でございますので、この上とも絶大なる御支援とお力添えのほどをお願い申し上げます。  次は、六十三年度の県予算は何型かということでありますが、私をして言わしむれば総合福祉積極型と、こういうふうに御理解をいただいていいと思います。これは国、県を取り巻く環境は高齢化の進展、特に鹿児島の場合には我が国で三番目の高齢者県と、こういうことでもございますし、あるいはまた国際化が進んでまいる、流通革新こういった時代、あるいは高度情報化と、こういった経済社会情勢が大きく変動をし、変化をしておるなかでございますし、そういうなかで多極分散型の国土形成ということが言われながら、なかなかこれが現実のものにならない。この多極分散型の国土形成の基礎条件でありますところの新幹線初め高速道路網、あるいは情報通信ネットワーク、こういったものの整備でもですね、そろばんに乗らんところはやらん、こういうことでございますので、どうしても一極集中が依然として進む。そういうなかで、これはまた各県においても県都といいますかね、一極集中ということが、いわばこの地方版という形でも進んでおる。そういうなかで、やはり国に対して多極分散型の国土形成ということを求めると同時に、われわれ自身もやはり県土の中での多極分散型と申しますか、均衡のとれた県土の形成ということを考えてまいらなければならない。そういう意味でのテクノポリスでありバイオポリスであり、あるいはアトムポリスであり、あるいはリゾートであり、離島奄美開発であるわけでありまして、そういった面での地域の振興開発、バランスのとれた県土の形成ということに、我々自身もまた汗を流して頑張っていかなければならないと思うわけでございます。  六十三年度の県の当初予算の編成につきましては、このような前提に立ちまして、新総合計画に盛り込まれました諸事業の積極的な推進、特にまだ整備が立ち遅れておりますところの社会資本の整備、あるいは県政をめぐる新たな行政需要への適切な対応、例えばでん粉問題に対応して、カンショ対策をどうするかと、こういったようなことに見られますような、新たな行政需要への対応と、こういったこと等にも十分配慮をしながら、積極的な予算の編成に努めたところでございます。  次に、国保制度の問題でありますが、これにつきましては御案内のとおり、国民健康保険これは高齢者や低所得者を多く抱えるという、この国民健康保険自身の構造的な要因を抱えておるわけでありまして、勢い低所得者に対しまして保険税、保険料をまけるということになりますというと、かつそれが年々減免対象がふえてまいりますというと、出ていく方の医療費の負担はふえていくわけでありますから、こちらの方もそれに比例してふえないと、低所得層の方がそれだけ減免が多くなっていくと、勢い残った人たちの負担が重くなると、こういう宿命にあるわけでございます。これにつきまして、私ども基本的には医療保険制度、共済あり、あるいは社会保険あり、そういうものをひっくるめまして、医療保険制度というものの、いわば統一的な運用ということが基本だと思いますが、それに至るまでの間に国民健康保険制度というものを、どう制度的に安定を図っていくかということについては、これはやはり全国民的な課題であると思うわけであります。  ただ昨年、厚生省が大蔵省と組んで出してまいりました案というのは、これは全く国の負担を減らして、その分を府県に持てと、こういう単なる負担転換、こういうことでございましたから、これは絶対に我々としては容認できないということで、これはつぶしたわけであります。ことしいろいろ御論議が行われまして、その過程におきまして対象を限定して、低所得者の負担を軽減をする分について、それについていまの既存の、既存のといいますか、残りの被保険者の負担をふやさないために、この低所得者の六割、四割減免対象分について、国と市町村と、それに県と、県もちょっぴり持ってくれと、こういうことで国が半分、県と市町村の一般会計で残りの半分ずつと、こういうことが一つ出てまいりました。  それからもう一つは、例の高額医療につきまして、これのいわば著しく高い分について、これもやはり国と県と市町村とで持つと、あるいは高額医療の共同事業について、県も一肌、いま国保連合会がやっておりますが、それに対して助成をすると、こういうことを二年間の限時措置ということでございましたので、これはいま申しました社会保険診療の一元運用、あるいは国民健康保険の経営安定ということを抜本的に考えられる、全国民的な合意が得られる、それまでの間の二年間の限時措置として県もつき合うと。ただしそれについては全額国で財源手当てをするということを条件にして、私ども知事会としてものんだ次第でございますので、この点につきましては御理解をいただきたいと考えておる次第でございます。  次に、国庫補助負担率の引き下げの問題でありますが、これは御案内のとおり、国の補助金等の臨時特例等に関する法律というので、これにつきましては昭和六十一年度から六十三年度までの各年度における適用については、かぎ何々を何々にすると、こういうまさに限時措置でございます。私どもといたしましては、この期限がまいりますれば当然もとに戻ると。これはこの法律がそのまま期限が切れればですね、自動的に本来の補助率に戻るわけでありますから、それを基本と考えておる次第でございます。もちろんすんなりと、国庫当局がそれに乗るかどうか、これは我々のこれからのまた努力次第ということでございますが、私どもといたしましては当然六十三年度が終わればもとに返ると、こういう前提で全地方自治体、統一したこの認識のもとに頑張ってまいりたいと考えておる次第でございます。  次に、高齢化社会対策の問題でありますが、これは高齢化社会、鹿児島県はいつも申し上げておりますように、我が国で三番目の高齢化の到来の進んだ県ということでございますが、この高齢化社会というのは単に高齢者に対する福祉の充実、もちろんこれも大事である、基本でありますが、それだけではなくて社会全体がやはり活性化を維持するということが基本でございまして、そのためには何と申しましてもやはり地域の開発、企業の誘致でありますとか、あるいはいま県で進めておりますいろいろな産業の振興策を講じて、何よりも若い人たちが県内にとどまってくれなければ困るわけでありまして、そのための就業機会の創出、若者の定着化ということを図りますと同時に、高齢者の方々もできるだけ元気で長生きをしていただいて、生きがいを持ってその長年にわたる経験、知識というものを社会に生かしていただく、これが望ましい姿でございまして、そういう意味におきましては、県の行政施策のすべてが高齢化社会の対策であると、こういうふうに言っても言い過ぎではないところでございます。  そういったなかで、新年度の高齢者のための直接的な施策といたしまして、例えば農村高齢者能力活用推進事業、あるいは家畜導入事業資金供給事業漁村高齢者生きがいづくり促進事業、こういったこと等を考えておるわけでございますし、あるいは住環境の面におきましても、サンビレッジの建設を進める、さらには全国健康福祉祭にも参加をしていただくと、こういった一連の施策を織り込んでおる次第でございます。  次に、地方税の改革についてでございますが、これにつきましては何と申しましても、地方税は地方財政の根幹をなすわけでございまして、やはり普遍的にある税源、あるいは経済的に伸長する税金、あるいはまた年度によって変動がない安定した税源、こういうものが必要でございまして、こういうものを組み立てながら、特に税負担の公平という面から、各種の特別措置等の整備も含めました税制改正、地方税制の確立ということを、ひとつ国に対して要望をしてまいりたい。また私もその一員でありますところの政府税調の場でも、これを主張いたしまして実現を図ってまいりたい。と同時に、御案内のとおり地方税には大変な偏在がございます。そういう意味でこれを補完するものとして、交付税もこれはまたきわめて大事な制度でございますので、交付税の傾斜配分とこういった面につきましても、さらに努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。  次に、情報公開制度に関連をいたしまして、県民の知る権利ということが言われております。この知る権利といいますのは、これはもう御案内のとおり、実定法上こういった知る権利と、所有権とか借地権といったような形での知る権利というものがあるわけではない。あるいはまた、そういうものが判例の面で確立されたわけでもないわけでありまして、知る権利というのはそういう意味におきましては、いわゆる法律的な概念ではないわけでありまして、厳密に言えばいわゆる県民が公文書等の公開を求める権利といいますか、開示請求権といいますか、そういうものをこの条例によって初めて創設をして、これを権利として認めてまいる、こういうことでございますので、この公文書の開示請求権というものが、この条例によって明らかにされ、対応することになったと、こういうふうに御理解をいただきたいのであります。 5 ◯警察本部長(山崎 毅君)情報公開制度の意義とか理念とかいうものにつきましては、私どももよく理解をして真剣に検討してまいりましたが、警察業務の特殊性などから、慎重に検討しなければならない問題がございます。したがって実施機関に入ることは見合わせたものでございます。  ただいま御指摘の防犯、交通などの業務、一般に行政警察といわれる業務につきましても、こうした部門が独立して機能をしているわけではなくて、他の捜査部門また行政警察部門でも司法機能を持っておりまして、こうしたものが有機的に連動することによって、その責務が十分に果たされるという事情がございます。したがって警察活動を進めるに当たって、あるいは県民の御協力をいただくという面についての影響なりにつきましては、御指摘のような防犯あるいは交通部門におきましても、他の部門と同じような問題があるわけでありまして、防犯、交通に関する情報だから一概に公開が可能だというものではございませんで、各場合ごとに十分な検討が必要であろうかというぐあいに考えております。  ただ、また御指摘もありましたけれども、従来から交通事故の情報であるとか、あるいは防犯の関連情報などについて、公開可能なものについては情報提供という形で、積極的に県民の皆様方に提供をさしていただいておるところでありまして、今後ともそうした活動というものを一層充実さして、県民の皆様の理解と御協力を得ていきたいというぐあいに考えておるところでございます。 6 ◯総務部長(澤井安勇君)磁気テープ等につきましては、開示できない情報を除外して公開することが困難であることなどの技術上、管理上の問題点がございまして、そのような理由から対象情報とはいたしておりませんが、この点につきましては各県の状況なども踏まえまして、今後さらに研究してまいりたいと存じます。  次に、請求権者の考え方ですが、情報公開制度の目的が県民の公文書等の開示を求める権利を明らかにするものであること、またこの制度の運用が県民の負担によりまして維持されるものであることなどの理由から、県内に住所または事務所等を有することを要件といたしたものでございます。  最後に、不服申し立てがあった場合に審査会に諮問することとした趣旨でございますが、不服申し立てに対する決定に当たり公正な判断を確保するためでございまして、このような趣旨で設置される審査会の答申を最大限尊重することは、条例に明示するまでもなく当然のことと考えております。    〔浜田みのる君登壇〕 7 ◯浜田みのる君 それぞれ答弁をいただいたところでございますが、二、三、特に感じていましたことを触れておきたいと思います。  これはなるほど知事の施政方針演説の中にも、二十一世紀への基盤固めが進みまして、県勢が浮揚発展の軌道に乗りつつあると、こういう表明をされておるわけでありまして、私もそうあってほしいと思うわけであります。しかしながら、幾つかのなかなか厳しい側面というのが、厳然としてあることを私どもは強調しておかなくちゃならんというのが、私の質問の趣旨でございます。  国土庁が先般、産業基盤やあるいは上下水道など生活基盤を計数化したものを発表いたしまして、特に鹿児島、佐賀など十八県が、社会資本が全国の水準を下回っている県として、これを発表しております。これは今後、いろんな地域振興を図る上で、きわめて大きなネックになる部分でありますんで、これは何としても鹿児島県が貧乏県からの脱却のために克服しなくちゃならん、きわめて重要な問題であろうと、こう思うものであります。  なお、知事は人口の面についてお触れになりましたけれども、これは転入転出の社会増といいますか、この社会増というものを比較してみますというと、近年減少傾向に向いております。なお出生、死亡の自然増もですね、これは非常に幅が縮まっておるという傾向がありますので、人口もなるはど五十五年国調から六十年国調につきましては三万七千ほどの増加をみておりますけれども、これは傾向としては決して楽観できる状況ではないと、こういうふうに思うのであります。  なお、県民所得についてでありますけども、これは県の統計調査課が発表した資料によりますと、県下の三十人以上の常用雇用しておる事業所を調査したものによりますというと、これは私ちょっと間違いじやないかというふうに最初思ったんですけれども、何回見直してもこれは間違いでない。この事業所の雇用者の賃金がですね、全国水準に比べまして月平均七万九千円下回っている。これは私は年間の数字じゃないかと思いましたが、月に七万九千円下回っていると、こういう統計が出ておりますね。なおこれは全国との格差は九州で一番大きいということが指摘をされておるのでありまして、鹿児島県の賃金労働者の実態というものを見る思いがするわけでありますけれども、大体県民総生産というのがですね、知事も御承知のとおりに、賃金の六五%が県民総生産の柱になっていると、こういうことからしますというと、何としても地元の雇用労働者の賃金を引き上げるという施策を重点に考えなくちゃならんと、こういうことを思う次第であります。  国民健康保険につきましてはですね、また稿を改めまして質問をいたしますが、今度のこの制度改革というのはですね、私どもは地方転嫁の布石であるというふうに見ておるわけであります。これは六十三、六十四年度の暫定措置ということになっておりますけれども、これは必ずや地方転嫁の布石になるだろうということを、大変心配をいたしておるわけであります。  なお、この情報公開条例についてでありますが、実定法上の権利でないことは、これは当然なことです。でありますだけに、この情報公開条例というものを設定をしようとしているわけでありますから、これは開かれた県政という観点からはですね、何としても間口を広げるというのが基本でしょうし、そしてまた間口を広げてもなお請求にこたえられない部分につきましてはですね、公文書等の開示審査会の機能強化をして、そして公開条例の救済の道を確保していくというのが、基本的な姿勢として私は必要ではないかと、こういうことを申し上げておきたいのであります。  大変時間を経過をしておりますので、次の質問に移らせていただきます。  次に、政治的にも新しい局面に差しかかっている九州新幹線鹿児島ルートの問題について質問をいたします。  この問題につきましては、昨日自民党県議団の代表質問でも取り上げられたところでもありますし、我が党といたしましては賛成とか反対ということを言う前に、別の次元として基本的に物差しを忘れずに筋の通った議論によって適切な判断ができるよう手綱を引き締めて猪突猛進によって県民に大きな代償を払わせることのないように心配する側面から明らかにしておきたいと存じます。  その第一は、国鉄の経営を破綻をさせた責任と長期債務の後始末の問題であります。中曽根さんが総理大臣をやめる最後の記者会見で、在任中一番うれしかったのは何だったかという質問に対しまして、彼は国鉄改革だと答えております。国鉄百十四年の歴史が閉じられ、地域を結んでいた多くのローカル線が廃止をされる。かつて日本列島の動脈を支えていた多くの国鉄労働者が無念の思いで職場を奪われ、ある者は非業な死を遂げ、今もって清算事業団では働き盛りの労働者が悶々とした日々を送らされております。高度経済成長がもたらした人口の偏在の末路は、日本列島の動脈としての国鉄を、ついに今日の姿にしたのであります。そして国鉄改革が一番うれしかったと、喜んだ一国の総理大臣によってあいまいにして残されているのが、国鉄時代の長期債務の後始未であります。これまでの試算では、債務の合計三十七兆五千億円、その処理方法は新幹線保有機構八兆五千億、東日本、東海、西日本JRの三社で六兆円負担をし、残りの二十三兆円を国鉄清算事業団が国鉄保有地の売却で処理をし、処理し切れなかった分十四兆六千億円につきましては何らかの形で国民に負担をさせようというものであります。こうした債務を抜きにして新幹線はありません。特に国民一人当たり十二万円、夫婦と子供二人の標準家庭では四十八万円もの借金になる処理についての国民の合意があり得ようはずはありません。整備新幹線の問題の前提条件として、政府は旧国鉄の債務処理、特に県民負担分につきまして、これをどうするのかを、まず明確にすべきであります。  第二点として、全国新幹線鉄道整備法十三条は、地方公共団体は建設のため必要な資金について財政上の措置を講ずることができるとしておりますが、地元負担は一体どうなるのか。仮に建設費を全額公費負担にするといたしましても、整備法根拠に県や市や町に対しまして、建設費の一部負担や固定資産税の免税などを強要する事態が予測されるのでありますが、これについての所見を伺います。  第三に、新幹線の経営の見通しについてであります。博多-西鹿児島間の産業立地、人口密度等から新規の旅客増を見込むことは困難ではないのかということであります。このルートは東京・大阪等の大都市からの移動の時間、旅客が新幹線か航空機かを選択する分岐点と言われる三時間を超え、航空機から新幹線への旅客の移動を見込むことが一体できるのかどうかということであります。  第四に、新幹線と並行する在来線鹿児島本線の経営は極度に悪化することが大きく懸念をされる点であります。六十四年度の並行在来線の営業係数を見てみますと、東京・新大阪が百二十八、これは百円の利益を上げるために百二十八円の経費がかかるという数字であります。上野-盛岡間の百五十、大宮-新潟間が百五十四、これに対しまして新大阪-博多間は百九十六になっております。博多-西鹿児島間の受ける打撃はこれらの比ではないと思うのであります。在来線の鹿児島本線の優等列車は全面的に廃止になるとともに相当の列車本数が減らされ、やがては地方交通線と同様第二の国鉄として廃止になることが心配をされるのでありますが、これに対する所見を伺います。  第五点として、政府は四全総で約一万四千キロの高速道路並びに六十三年度を初年度とする第十次道路整備五ヵ年計画を策定をいたしました。全国的に一般道路、高速道路の整備を進め、一方では枕崎などのコミューター航空、あるいはモノレールなどの新交通システムの拡充充実を図るとしておりますが、その上、さらに新幹線を建設するというのでは、まさに交通政策がばらばらと言わざるを得ません。特に高速道路公団は財政の全国プール制によりまして、財政が逼迫をしており、これもまた第二の国鉄と言われております。このように無為無策が強行されれば、JRを含めました鉄道は大幅に撤去される危険にさらされるでありましよう、国民の生活の足が奪われ交通労働者には熾烈な競争によって過酷な合理化が強制されて労働条件の切り下げ首切りが行われ、輸送の安全も完全に犠牲にさらされることになります。  最後に、仕切り直しの新幹線問題は、来年度予算の夏のシーリングの時期に八月に向けて優先順位や財源問題に結論を出すため、政府与党の検討委員会で新たな取り組みが図られております。本県県議団といたしましても、早起本格着工促進連盟の結成をいたしましたが、今後の対応のあり方についてお答えをいただきたいと存じます。  次に、地域振興に関しまして質問をいたします。  陸の大動脈である高速自動車道建設についてであります。国の道路建設予算が大幅に伸びているなかで、九州縦貫自動車道は依然として全線開通にはほど遠い状態におかれております。国の第十次五ヵ年計画では六十三年度から初めて高規格道路予算が十兆三千億円確保されておりますが、この時期こそ本県の高速自動車道路の建設促進や建設期間短縮の絶好のチャンスであると思います。この観点に立ちまして、以下具体的に質問いたします。  まず、九州縦貫自動車道のえびの-人吉間の建設の現況と今後の見通しについてお答えをいただきたいと存じます。  次に、国道三号バイパス南九州西回り自動車道は、鹿児島市から八代まで百四十キロメートル、そのうち鹿児島県分は九十五キロメートルの計画となっておるようでありますが、この建設のためには本県分九十五キロメートルの全ルート調査を急ぐ必要があると思いますが、その見通しについてお尋ねをいたします。  また、鹿児島市からの起点となる国道三号バイパス鹿児島-東市来間二十キロメートルのルートにつきましては、六十三年度の早い時期に確定をしなければならないと思いますが、確実に六十三年度前半に確定できるかどうか、お答えをいただきたいと存じます。  さらに既存の道路やインターチェンジなどは具体的に検討されているものでしようか。また、お聞きするところによりますというと高規格道路建設について、国は都市計画決定、用地買収の済んだところから先に着工する考えだと言われておりますが、もしそうだとすれば地元の努力次第で完成時期が早まることにもなると思うのでありますけれども、西回り自動車道についての関係市町村及び国、県の連携はどのようになっているのかお尋ねをいたします。  さらに西回り自動車道路の建設費はキロ当たり三十億円と聞いておりますが、そういたしますというと、県内分だけでも約三千億円にもかかることになりますが、これら経費のうち県の負担は、一体どの程度になると想定されているのか、お答えをいただきたいと存じます。  また、建設に当たりまして、部分的には道路公団による有料道路方式も導入されることになっておるようでありますが、県内分の計画は、その区分は一体どういうふうになっているのか、お聞かせを願いたいと存じます。  今、私が述べましたような観点で東九州自動車道につきましても、その現況や見通しについて御説明を願いたいと存じます。  次に、十号北バイパスの二車線の完成の見通しについてお尋ねをいたします。  指宿有料道路三期と九州縦貫自動車道路が接続をし、いよいよこの 三月二十九日に供用の運びとなりましたが、鹿児島市内の交通渋滞の解消や交通の円滑な流れを図るためには、このことだけでは決して十分ではありません。都市交通に環状機能を持たせ、車の流れを中心部から都市周辺部に誘導するためには、玉取迫・鹿児島港線の早期完成が待たれるのでありますが、その完成が二、三年おくれるやに伺っております。玉取迫・鹿児島港線の建設の現況と完成の見通しについてお答えをいただきたいと存じます。  次に、薩摩半島西南部地域に県が計画をしているサンリゾートについてお尋ねをいたします。  昨年北海道のリゾート開発の視察を行った企画建設委員会の報告によりますと、北海道の占冠村で行われているトマム計画のスケールは、実に壮大な規模のものだそうでありまして、投資総額三千億円という金額もさることながら、私どもが大いに参考にしなければならない点は、行政の対応の仕方であります。北海道のトマム計画におきましては、民活の役割、行政の役割がそれぞれはっきり自覚をされ、きちんと分担されている点であります。もっとはっきり申し上げますならば、民間の開発主体が、その資金と計画を十分に発揮できるように、行政の側が進んでお手伝をする方式になっていることであります。今県は南薩リゾート計画に当たりまして、口を開けば民活民活といっておりますが、現在行っている行政は、むしろお役所仕事の域を出ず、余りにもお上意識が強く口出しをして、民間活力の手かせ足かせになっているのが現状ではないかと思われてなりません。北海道のトマム計画方式に大いに学び南薩リゾート計画におきましても、県の先導的な役割や計画が期待をされているところでありますが、どのようにお考えかお尋ねをいたします。  次に、国分・隼人テクノポリス建設もいよいよ上ノ原テクノパークの一部分譲が、この三月から開始される運びとなりました。企業誘致を取り巻く情勢は厳しく、その成否に大きな懸念を禁じ得ないのでありますけれども、国、県の支援施策のあり方を含めまして、現況について伺います。  次に、湾奥下水道事業につきましては、昨日自民党の代表質問に対しまして、一部事務組合方式で整備をする方向で計画策定、事業実施及び財源対策など関係団体と協議を進める旨答弁がありましたので、今後その進展に合わせまして、取り組みをただしていくことにいたしておきたいと存じます。  次に、農政について質問をいたします。  農政の今日的課題は、農産物十二品目をガット違反とする裁定を、日本政府が受諾をし、このうちでん粉、粉乳、練乳については輸入制限数量の撤廃はしないとしたことによる日本農業への決定的な波紋であります。ただ本県の基幹的作物であるカンショを原料とするでん粉は、とりあえず窮地を脱した形とはなりましたが、引き続いて牛肉、オレンジの輸入枠拡大自由化が迫まられる形勢にあり、鹿児島県農政にとりまして先行不安は募るばかりであります。こうした状況の中で本県農業はどう対応すればよいのか、これからの県政の最重要課題と言えましょう。しかし大企業の工業製品の輸出貿易優先の政府政策の中では、こうした事態に追い込まれることは、早くから予想をされたことであり、その意味では人間の生存にとって最も大事な食料問題をなおざりにし、輸入に頼ればよいとした政策を取り続けてきた政府の責任は重要であります。良質で安全な農畜産物を安定的に安く国民に供給する立場で、国の農業政策を抜本的に改善することが基本と言えましよう。あわせて、こうした情勢を踏まえて本県農政が、今日までどのように対応してきたかも問われるところであります。先送りになったでん粉について申し上げますならば、隣の県の宮崎県ではカンショの栽培面積が昭和三十八年には三万一千ヘクタールありました。そのうちでん粉用が六〇%あったものが、昭和六十二年度では栽培面積がわずかに四千三百ヘクタール、うちでん粉用は三〇%と大きく変化をしております。また、カンショ生産第二位の茨城県は、本県の六十二万トンの生産量の三分の一の二十万トンでもあるにかかわらず、その販売額は同じ二百五十億円となっております。本県の農政の視点が問われるところではないでしようか。日本の食料の自給率は年々低下をし、昭和三十五年に八二%あった穀物自給率は二十七年後の今日、わずかに三二%まで落ち込んでおります。世界の中でも自給率の低下を招いている国はアンゴラ、ポルトガル、レバノンと日本の四カ国だけとなっております。先進国では日本だけではありません。自給率の低下と並行して農産物の輸入の圧力が強まってきているのです。この窮状をどう打開するのか、食料基地鹿児島県の知事として政府に求める構えを本県農政のこれまでの反省を踏まえまして展望を伺いたいのであります。  第二点は、今回甘しょ対策本部を設けて具体的施策を検討する方針は多とするところでありますが、カンショ生産の七六%をでん粉用としている現況からして、用途の開発の利用の拡大、または作付転換は極めて困難と予想されます。でん粉にかわるほどの大量の消費用途開発の展望と作付転換の方向についてお尋ねをいたします。  第三点として、農業所得は米の減反や農産物の価格引き下げによって、二年連続減少しております。全国の農業総生産額は十一兆四千六百七十五億円、対前年比でマイナス一・四%、生産農業所得は四兆二千百七十二億円で、前年比マイナス三・七%であります。農業後継者問題が常に重要課題として、また農家への嫁問題は一層深刻になっておりますけれども、その根本は農業の展望であり、農家所得の向上がかぎとなっていると思います。本県農政部は中核農家一万七千三百四十二戸に昭和六十五年度までに後継者をつくる方針を持っておるようでありますが、これを実現するためには、毎年四百六十人の新規就農者が必要という計算になります。実態は五十九年で三百六名、六十一年が二百二十三名、六十二年が二百名と年々落ち込んでいるのであります。この対策をどのように考えられているのかお伺いをいたします。  第四点として、牛乳、オレンジの輸入協定切れに伴いまして、自由化が強引に進められることは必至であります。その結果は日本一の畜産県を誇る本県農業に重大な影響を与えることが、十分予測されますが、対応についての見解をお示しください。  次に、農協問題についてお伺いいたします。  旧鹿児島市農協の不正乱脈融資に伴う県の助成問題を契機にくすぶっていた農協の民主化、体質改善を求める声が高まっております。端的に言って農協は本来の姿に返れということであります。信用事業優先ではなく農家の営農活動強化をし、経営安定を図る目的に沿ってもっと徹してほしいという声だろうと思います。そこで次の点についてお伺いいたします。  第一点は、今全国的に農協合併が促進されつつあります。本県も国の方針に基づきまして、これを一層進めようとしております。農協合併の必要性の要綱を見てみますというと、大きく三つの柱からなっておるようであります。時間の関係でここでは深く触れることはできませんが、それは規模拡大の重要性、今一つは小規模農協の限界ということが主要な柱になっております。これは農業の振興発展ではなくて衰退を見込んでいるという点であり、信用事業中心であり営利目的が優先しているという問題であります。農協は農民のための生活安定を抜きに存在いたしません。金融は銀行があります。合併が促進されることは、結果として農民との接点が遠ざかり、きめ細かな営農指導が疎遠になることではないでしようか。農家経営の発展という視点に立つときに農協合併には大いに疑問を持つものでありますが、見解をお聞かせください。  第二点は、旧鹿児島市農協の負債整理のため引き続いて五十五億円の単年度貸付を行うとの提案が、この予算に出されております、そして今後とも関係団体と連携を取りながら指導の徹底を期したいと、知事の決意も述べられております。そこで、これに関連して数点お伺いいたします。  第一点は、不良特別貸付債権五百六十六億円と未収利息四十三億八千万円、合計六百九億八千万円のうち回収が可能なものとして示されました二百四十四億円の回収状況をお示しを願いたいと存じます。  あわせて進捗状況と見通しについてお伺いをいたします。  第二は、旧市農協職員の再就職問題についてであります。八名が未就職者と聞いておりますが、実態は解雇者二人を含めますと十名と思いますがどうでありましようか。また、今後の就職のめどと対応についてお聞かせください。  第三は、新生田上農協で八億五百十五万円の横領不良貸付事件が発生をいたしましたが、検査指導体制と県の責任についてお伺いをいたします。  第四に、田上農協の貸付金は六十二年十一月期で二百九十二億数千万円で、その未収利息は十五億六千万円から七千万円と聞いております。旧鹿児島市農協は貸付金九百二十二億円に対しまして未収利息が四十三億円であったことを考えますというと、未収利息の比率は旧市農協以上の悪い状態であります。このことは合併前から、こうしたこげつきがあったということを示しており、連合審査会での回答では、田上農協にはそのような状況はないという答えでありましたけれども、県はこうした状況を把握しておったのかどうか、合併前の検査状況をあわせましてお答えください。  第五に、こうした状況から見て、田上農協の倒産も十分予想されるような気がするのでありますが、その心配はないかどうか、可能性についてお答えを願いたいと存じます。    〔知事鎌田要人君登壇〕 8 ◯知事(鎌田要人君)国鉄清算事業団に残されました二十五兆五千億円の長期債務の処理についてでありますが、これにつきましては、日本国有鉄道清算事業団法、それから六十一年一月の国鉄長期債務等の処理方策等についてという閣議決定におきまして、清算事業団が持っております用地を売っ払っても、なお足りないものについては、これが大体十四兆二千億円見込まれているようでございますが、これにつきましては、国において最終的な処理がなされることになっております。ただ、この問題と新幹線の問題は、これは別個に切り難してもらわないと、これがあるから新幹線の建設は無理よと言われると、これはどうにもならないわけでありまして、それはそれ、これはこれと別の次元の問題として我々は取り組んでいただかなければならないと考えておる次第であります。  次に、この地方負担を含む建設費の負担等財源の問題につきましては、ちょうどあしたが第一回と言われておるようでございますが、例の国の整備新幹線建設促進検討委員会の中の財源問題等専門検討委員会で、これを積極的に詰めて八月の優先順位決定の時点までに詰めるということになっておるわけでございまして、これに対して私どもといたしましても、適切に対応していかなければならない、この地方負担の問題につきましては、この壇上からも、あるいはまた各党の連絡の席で、あれは私の二度目の選挙の直前だったと思いますが、各党集まりいただいてきんちゃく切りみたいなところがあって、地方負担をやらんということになると、妙な動きがあるので、どうしてもこれは踏み切らざるを得ないということまで踏み込んでお話を申し上げたことを記憶をいたしておりますが、そういうこと等も含めて地方側の意思統一をやはり図っていかなければならない、これも大事な課題だと思います。  それから次に、このせっかく新幹線をつくっても、大都市からのお客さんは博多から南には来ないんじゃないか。したがって、このお客さんも乗らない赤字になるのではないかと、まさに大蔵省やこれに慎重な方々の御意見と同じ御意見でございます。これは私どもは東京と鹿児島とを頭において新幹線を言っておるわけではないわけでありまして、先般も何かある新聞で、したり顔で、新幹線ができても、鹿児島の知事や鹿児島の商工会議所会頭は新幹線には乗らないだろうなんてきいたふうなことを言っておりましたが、これはとんでもない話でありまして、我々は何も東京と鹿児島とを結ぶための新幹線ということじゃなくて、第一義的には、それももちろんありますが、何よりも大事なことは九州の一体的な発展ということが、九州の域内循環をどう図ってゆくか、鹿児島と博多の間が今四時間四十分も特急でかかるような、そういうことがいいのかどうかと、そこの問題でありまして、とにかく鹿児島と、ここがもちろん大事なことはあたり前、鹿児島の知事でありますから鹿児島以外のことを、それはさきに考えるはずはない、でありますが、そういう中でいかに、とにかく鹿児島を含む九州の活性化を図ってゆくか、そういうことで言っておるわけであります。  それから、新幹線があり高速道路があり、コミューターがあり、あるいは何があるということで、これがまたいわゆる総合交通体系と言われることでありますが、これなんかも百も承知で、そういうことも十分織り込んで、我々は議論をしておるわけです。東京から例えば博多まで新幹線があります。この東京から博多までの間で高速道路とそれから飛行機と新幹線がどういう機能分担をしておるかという実証的な調査もあるわけであります。これで見ますというと、大体東京出て、東京から二百キロくらいの所まで、大体場所で申し上げますと、静岡、浜松、この辺ぐらいまでなら高速自動車道で車で行く人が多いわけです。  それから、だんだん新幹線が特性を発揮して二百キロから九百キロぐらいまでの所は、もう圧倒的に新幹線、大体九百キロといいますと広島までですね、広島あたりからだんだん西になりますと、飛行機がだんだんふえてくる。でありますから、それは確かに東京から鹿児島まで新幹線ができて、大体私どもは八時間で来ると思っておりますが、しかし中には私どもの仲間にも、やはりじだを走った方が気持ちがええと、空飛ぶのはいやだというのは必ずいるんです。だからそれはまた天気が悪ければ飛行機があるといっても、飛行機は飛ばんのですから、新幹線は走るんですから、だから新幹線乗る人もいるんです。そういう自分のさかしらな独断で、こういうものがあるからもう新幹線は要らんと、こういうことを言うとっちゃ、これはだめなんです、と思うんです。これは、ちょっと私は憤りも込めて言っておりますが、そういう意味で飛行機は九百キロから先、二百キロから九百キロは新幹線、二百キロまでは高速道路と、それぞれこの交通機関の特性に応じた特性というものが発揮できる分野があるということを申し上げたいのであります。  それから、在来線の問題がありました。在来線につきましても、JR九州の最終意見の中に在来線につきましては、新幹線と一体となって収益も七十五年には八十億という試算の結果も出ておりますが、在来線の維持活用ということについても、これは述べられておるところでございますし、いずれにいたしましても、この新幹線、県議会におきましても、これが建設促進に向けて協議会もつくっていただきまして、百万の味方を得たような気持ちでございまして、さらに元気を出して八月にはどうしても鹿児島新幹線がトッブ入賞をいたしますように、ひとつ頑張ってまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、このリゾート開発の民活の関係でありますが、南薩リゾートの開発につきまして、現在県、地元市町連携を密にしながら開発基本構想づくりを急いでおるところでありまして、その中で民活をひとつ取り込むための工夫、知恵を出してまいりたい。今お話がございましたように、行政と民活との機能分担、これを図ってまいることは当然のことでありまして、今この南薩リゾートの言わばインフラ面といたしまして、現に南薩横断道路あるいは吹上浜海浜公園、あるいは自転車道、これから南薩地区少年自然の家、こういったもの等をつくってまいりますが、そういうものと民間のホテル、リゾート施設あるいはスポーツレクリエーション施設と、こういったもの等をうまくかみ合わせて、ひとつ理想的なリゾートをつくってまいりたいと考えておる次第でございまして、民間活力につきまして、行政がそれこそつべこべ余り干渉がましいことじゃなくて、共存共栄でひとついってまいるという御指摘は、私ども十分受けとめてまいりたいと考えている次第でございます。  次に、国分、隼人テクノポリスの推進の問題でありますが、これまで税制、金融面での優遇制度というものが図られてきておるわけでありますし、また箱物といたしましては、県の工業技術センター、ファインセラミック製品開発研究所、あるいは人材育成センターあるいは国分上ノ原テクノパークの建設、県産業技術振興協会の事業の展開、こういったこと等もございますし、これからさらに隼人ガーデンシティーやテクノポリスセンター等の建設を進めまして、テクノポリスの建設の美を取りつけたいと思っておる次第であります。  次は、ガット裁定についての私の所見は昨日も申し上げ、また提案理由でも申し上げたところでございますが、当面自由化の保留をいたしております。でん粉につきまして、これを阻止をしていただく、同時にまた牛肉調製品等につきましても国境の調整措置、あるいは国内対策などの適切な措置を講じまして、関係農家、関連企業等の安定した経営が図られるように、さらに国に強力なお願いを続けてまいりたいと思いますし、そういう中で、やはり長期的にはこんなにたたかれてばかりじゃなくて、日本の農業も外国に輸出ができるように輸出をすることができるようなところまで足腰を強くしていくということを考えていったらどうだと、こういうことを考えておるわけでございまして、そのための基盤整備でございますとか、あるいは水利用の問題でございますとか、あるいは後継者育成の問題でありますとか、南北六百キロの本県の特性を生かした生産流通対策でありますとか、バイオテクノロジー等いろいろの多方面な対策を講じてまいりたいと。  次に、後継者対策の問題でございますが、これにつきましても農業大学校の教育内容の充実強化、あるいは農業高校で生物工学科等つくるということで魅力のある学科の新設によって後継者をひきつけてまいる、あるいは小中学校のころから農業の体験学習をさせると、こういったこと等での後継者の育成確保に努めますとともに青年農業士の育成、海外研修の実施、無利子の農業後継者育成資金の貸し付けなど積極的に取り組んでおるところでございまして、何よりもやはり後継者を得るためには農業の前途に明るい希望が持てる勇気と自信を持って取り組み知恵を出せば働いた者が流した汗が報われると、これをやはり身をもって実証することが基本というふうに考える次第でございます。  次に、牛肉、オレンジの自由化への対策の問題でございますが、これにつきましても基本的には国内の不足分を輸入をするという基本的な立場で国も関係国と話し合うこととしておるところでございますので、このような基本線に立ちまして、国際競争力のある農業、農家を育成するために、先ほど申しました各般の施策を県としても、積極的に講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございますし、栽培経営農家におかれましても、コスト軽減のために、さらに主体的な努力をしていただくということをお願い申し上げたいのであります。 9 ◯土木部長(興 信雄君)九州縦貫道のえびの-人吉間についての現況と今後の見通しでございますが、この区間につきましては、現在地元との設計協議のための準備作業中でございまして、今後は地元との設計協議、用地買取、それから着工ということになります。現地は地形的に難工事が予想されるために相当の工期を要しまして、その完成につきましては七十年代前半になると聞いております。県としては、各団体を通じまして国の関係機関に強く要請してきたところでありますが、今後とも引き続きその早期完成が図られるよう要請してまいりたいと思っております。  それから、南九州西回り自動車道でございますが、まず県内ルートの調査の実施につきましては、国が策定しております五ヵ年計画、この方針によりますと、県内の全線にわたり所要の調査が順次行われるというふうに考えております。  それから、そのうちの鹿児島-東市来間のルートでございますが、これにつきましては建設省は六十三年度前半お尋ねのとおりでございますが、六十三年度前半には決定したいと聞いています。県としましても、これに必要となりますアクセス道路の整備計画調査に、六十三年度から着手する予定でございます。  それから、関係市町及び国との連携でございますが、今後とも十分に連携を図りながら円滑な事業の推進に努力してまいります。  それから、建設費にかかる県負担及び有料道路方式導入についてのお尋ねでございますが、建設省としましては、本路線の整備手法として一般道路事業と、それと道路公団または道路公社、これらによる有料道路事業でごさいますが、合併施行による有料道路を原則とするとしておりますので、今後は採算性の検討、そのほか所要の調査を経て決定されると聞いております。一般道路事業でやる場合には、従来の事業と同じように直轄負担金と同程度の負担を要するものと考えております。  それから、東九州自動車道についてでございますが、これは昨年の九月に国土開発幹線自動車道建設法に基づく予定路線ということで新たに追加されたわけでございますが、今後はその法律に基づきまして基本計画、それから整備計画と所要の手続が進められることになったわけでございます。そういうことでございますので、県としましては、今後は国による調査の促進、それから基本計画の策定が早急になされるよう要望してゆく必要があります。また、現在大隅縦貫道として事業中の国分・隼人及び隼人・加治木道路につきましては着実に整備が進展してゆくものと考えております。県としては本路線の早期実現を図るために引き続き関係団体と一体となりまして努力を重ねてまいりたいと思っております。  それから、国道十号の鹿児島北バイパスのお尋ねがありましたが、これにつきましては、現在、祇園之洲内の用地買取を進めておりまして、今後は建設省としましては、営林署等の用地の調査を進め、六十三年度より用地買収に入りたいと、そういう計画を聞いております。県としましても、祇園之洲以南の暫定供用といいますか、それが図られるよう国に要請してまいりたいと考えております。  それから、玉取迫・鹿児島港線についてでございますが、これは道路改良事業で一つ、それから鹿児島市が行っております土地区画整理事業で一つ、それからもう一つは街路事業で、この三つの事業でやっておりますが、昭和六十五年度の完成を目標に努力を図っておりますけれども、一部用地取得で地元との調整が課題となっておるところがございますが、今後とも事業促進に努力してまいりたいと思っています。 10 ◯農政部長(日高一夫君)カンショの用途開発と作付転換についてでございますが、カンショを今後安定的に生産を図っていきますためには、やはりでん粉依存型から他の用途開発、こういったことについて力を入れていかなければならないわけでございますが、御案内のように去る二月十五日にでん粉対策本部を設置しまして、それぞれその下に四つの部会を発足さしたところでございます。今後におきましては、青果用のカンショ、それから加工面、そしてさらに飼料、肥料化こういった面で何とか大量消費消化ができるような手法を編み出していきたいということで今後この対策本部で、その方策を策定してゆくことにいたしておるわけでございます。  他作物への転換の問題につきましても、甘しょ対策本部におきまして効果的な転換策につきまして検討を行うこととしておりまして、地域の農業生産条件や需要動向並びに収益性等総合的な判断のもとに地域に適応した作物を選定し推進をしていかなければならないというふうに考えておる次第でございまして、もう既に一部の地域等では、この転換も進みつつございますが、作物といたしましては、メロン、豆類等の施設野菜、露地野菜のほか落葉果樹等が挙げられるところでございますので、技術指導あるいはその施設整備、こういった面を十分に図りまして、産地間競争に強い産地を形成してまいりたいと考えております。  次に、農業合併に関連しまして、特に営農の指導の問題についてお触れになったわけでございますが、営農指導につきましては、今日産地規模の拡大による広域的な農業振輿のため個別農協の枠を越えた広域的対応が必要でございます。農協合併は金融自由化等に対応して経営基盤の強化を図りますほか、地域農業振興の方向に即応した農協の事業体制の整備を図るということを目的といたしまして合併が行われておるところでございます。合併によりまして営農指導員の数がふえてまいります。そういった営農指導員が各担当部門ごとに農家に密着をいたしまして、質の高い専門的な指導ができる体制ということも考えられるわけでございまして、地域農業振興にこの面で大きく資することができるのではなかろうかというふうに思います。
     また、今日、兼業化、高齢化、婦女子化など多様化しておる農家へのきめ細かい指導も求められているところでございますので、県といたしましては、今後県中央会と連携を密にしまして、農協において個々の農家に応じた営農に関する相談機能充実が図られるように強く指導してまいりたいと考えております。  それから、旧市農協の問題に関連しまして特別貸付債権の回収状況でございますが、昨日も自民党の御質問に答えましたとおり、コープファイナンスにおきまして鋭意回収が行われておるところでございますが、六十三年一月、本年一月末現在の時点での回収状況でございますけれども二十五億二千万円という金額について回収が図られているところでございます。今後ともこの回収につきましては最善の努力を払うように指導してまいりたいと考えております。  それから、旧市農協職員の雇用状況でございますが、現在までの就職決定状況でございますけれども、就職あっせんを希望する職員数三百三十九名ほどおったわけでございますが、これのうち三百三十二名、九八%ほどが決定を見ております。十数名まだいるんじゃないかというお話でございますが、この就職あっせんを希望したい方々が十四名ほどおられますので、あるいはそういった方々も含めてのことではないかと思います。現在までにまだ就職が決定しておらない方が七名ほどおられますが、これらの方々につきましても鋭意就職あっせんをしていただいておりますけれども、その紹介された先が希望条件に合わないというようなことでもちまして、就職が決っておらないというふうに伺っているところでございます。今後も雇用促進対策本部というのが継続して設置されることになっておりますので、この本部を中心に雇用先の開拓が進められるというふうに伺っているところでございます。  それから、田上農協不祥事件の県の指導体制と責任関係についてお尋ねでございますが、今回不当処理が行われたその時期は六十一年五月から六十二年八月までの間でございまして、県として二年に一回実施いたします常例検査、これは六十年八月に実施をいたしたところでございます。この不当処理が行われた期間の検査は常例検査の時期に当たってなかったということでございます。かねてから内部管理体制の確立等につきましては、検査、指導、通知等を通じまして指導してきているところでございまして、今回のこのような不祥事件の発生は、まことに遺憾に思っております。今回の事件の報告を受けました後、直ちに二度とこのような不祥事件が発生することのないよう内部牽制組織や人事管理の適正化、あるいは職員のモラルの向上等組織体制の見直し、整備強化を強く指導をいたしたところでございます。  次に、田上農協のこの貸付金の未収利息でございますが、六十一年決算時の未収利息といたしましては、私ども八億円というふうに把握をいたしておるところでございます。今後とも未収利息の回収には最大の努力を払うように指導してまいりたいと存じております。  また、合併後の経営環境も厳しい状況にございますことから今後役職員一体となった、さらに一層の努力が必要だというふうに思っております。  県といたしましても、県農協中央会等関係団体と連携を密にしながら健全な経営が図られるように強く指導してまいりたいと考えております。    〔浜田みのる君登壇〕 11 ◯浜田みのる君 それぞれ御回答をいただいたところでございますが、リゾート開発につきましては、お隣の宮崎県あたりが大変民間主導で、およそ三千億円程度の当初予算を見込んでの開発が、かなり積極的に進められているのに比べまして、鹿児島県のリゾート構想というのには、民間がどうも振りつかないという感じがしております。これは一体どこに原因があるのか、条件が熟していない地形的な問題があるのか、あるいは県の行政の旗の振り方が悪いのか、何か問題があるように感じられます。今後こうした地域開発のためにも、この原因についてはつぶさに検討してみる必要があるような気がしてならないところであります。  なお、テクノポリスについてでありますけれども、知事はいろいろな施策を並べ立てておいでのようでありますけれども、国土庁がこういう言い方をしておりますね。技術要素の集積度の低い県が、こういう先端技術産業の誘致を図る場合に一番大事な問題は基盤づくりだと、そういう意味では全国を百とした場合に、一体鹿児島県の技術集積の要素というのは、どの程度あるのかというのを発表しておりますが、これによりますと全国平均を百とした場合に福岡が六十四と、熊本が二十四、鹿児島は何と三・六だと、こういう数字を見ましたときに、これはテクノポリスも容易じゃないぞということを私どもは非常に心配をするわけですね。  そういった意味では、ひとつせっかく三月から一部分譲が始まるわけでありますから、何としてもたがを締めてですね。せっかくのテクノポリスを積極的に推進をしていかなくちゃならんと、こういうことを強く感ずる次第であります。  なお、この農業問題につきましては、足腰の強い農業というのはわかるんですけれども、これは農家の自立自興には限界がありますよ。若者のいない農村の姿を見れば、そのことがはっきりとしております。これをどうするかというのが大きな問題であるわけでありまして、言葉ではなかなか農業の再建は難しいということを申し上げておきたいと思います。  いろいろ通告をしたのがあるわけでございますが、時間の都合上、大幅に割愛をさせていただきますが、牧ノ原学園問題について質問を展開してまいります。七名の県の職員が入所児童を死亡させた事件は、県民に大きな衝撃を与えました。十三歳のとうとい生命を奪った職員の責任は、当然に問われなければなりません。二度とこのような事件を発生させてはならないためにも、その原因の解明と学園本来の使命が達成されるための十分な対策が講じられなければなりません。  そこでお尋ねをいたします。遺族に対する補償について、県は誠心誠意努力をするという旨の答弁をされておったのでありますが、遺族との間で補償交渉がどの程度進歩しているのか、またこの保証は国家賠償法に基づいて県が損害賠償の責任を持つことになると理解をいたしますが、そのような観点で補償交渉がなされているかどうか、お答えください。  二月十九日に牧ノ原学園対策委員会は、学園改善のための検討結果を報告いたしました。それによりますと、今回の事件の背景として、現状は生活、学科指導にゆとりがなく、学園生活に興味を持たせる工夫に欠け、児童の家族や出身校等との連携、組織的な対応に欠けていたと指摘をし、改善策として社会施設見学、パソコン教室、畜産試験場での体験学習など、弾力的なカリキュラムやビデオ、ワープロ等教材の充実、グラウンド、体育館の整備、職員の国立養成所への研修、心理教育の専門職、保健婦の配置、夜勤の週二回への減などが示されております。予算措置もされているところであります。  しかし、これらの改善策を見るときに、そのほとんどはこの十年来学園長や職員団体が要求を続けてきたものであります。なぜもっと早く措置をしなかったのか、これが実現していたら今回の事件は防ぎ得たのではないかと思うと、残念でなりません。これにこたえてこなかった県当局の責任は極めて重大と言わなければなりません。今日まで劣悪な施設内容を放置してきた県当局の責任を問うものでありますが、御見解を賜りたいと存じます。  最後に、ここで親権者または親権を代行する者に認められているところの懲戒権の根拠と内容であります。懲戒と体罰の違いについて、県当局の認識をここに示しておいていただきたいと存じます。  次に、教育問題についてお尋ねをいたします。まず初任者研修制度についてでございます。昨年一年間に学校嫌い等を理由とする登校拒否は、小学校で四千四百二名、中学校では二万九千六百九十四名、自殺は小学校で十四名、中学校で百十名となっており、いずれも過去最も多い記録となっております。高校中退者は十一万にも上っており、子供を取り巻く状況は一層深刻化しております。競争と管理に覆われた学校では、子供たちは学ぶ喜び、生きる喜び、友と出会う喜びを見出せず、不安と孤独感にさいなまれ、こうした子供たちが登校拒否などの形で学校に、社会に抗議をしていることを、今私たちは真摯に大人の貴任として受けとめなければなりません。  しかしながら昨年八月、その任を終えた臨時教育審議会は、こうした教育荒廃の現状を克服するどころか、本来教育に相入れない競争原理を学校教育にさらに持ち込み、教育審議会答申に見られるように、何より国家を優先させる国家主義を前面に打ち出すなど、父母、国民の教育に託す願いを踏みにじったものと言わざるを得ません。しかも、膨大な臨時教育審議会の答申は教職員への管理統制の施策のみを、いち早く具体化しようとしております。  去る一月二十五日、再開された第百十二回通常国会に政府文部省は、初任者研修制度導入のための教育公務員特例法の改悪、教員をさらに差別、選別、分断するところの教育職免許法などの一部改悪など臨時教育審議会答申具体化のための六法案を提案をし、これらの強行成立を図ることによって戦後民主教育の総決算を企図しております。このことは、子供たちの憂うべき今日の状況を一刻も早く克服してほしいと願う父兄は、国民の願いとは全くかけ離れ、教職員の管理統制のみを推し進めるだけで、我が党は深い憤りと子供たちの未来に限りない不安を覚えざるを得ないのであります。特に教員の資質向上を挙げ、昨年から試行が始まった初任者研修制度は、我が党がこれまで一貫して述べてきましたように、新任教員を学びの対象である子供、青年や同僚からマンツーマン長期研修によって遠ざけ、上からの命令によってのみ従順に従う鋳型にはめられた教師づくり、教員の資質向上どころか教育荒廃をますます深刻化させるだけのものであります。多くの試行対象教員がほとんど無意味なレポート作成に追われ、帰るのをいつも夜遅くなると、その多忙の実態を語り、校外研修のため学校行事に参加できず、生徒総会にもまだ一回も参加していない、一日遠足の日に急遽研修が入ることなどもあってつらい思いをしたことなどもあると、などとその弊害を訴えております。  さらに、教育長が本会議でこれまで答弁されてきた学校全体としての共同的な指導体制とは、全く逆で学校においてはその研修内容など他の教職員には知らされず、秘密裏にやらされているのが実態であります。  教師の力量は、何より日々の子供たちとの触れ合いの中から、同僚との実践の交流の中から培われるものであります。初任者研修制度は多くの父母、国民、現場教職員の強い反対の声を無視して八十八年度全国的に再試行、本県も六千八百七十八万二千円の予算を計上するなど、八十九年度本格実施に向けて具体化されようとしておりますが、我が党は再度この制度の導入に強い反対の意思を表明するものであります。教育長の見解をお伺いいたします。  教育問題の最後になりますが、奄美の児童生徒が飲用しているLL牛乳について、お伺いいたします。  去る二月の二十三日開かれました名瀬市議会の文教厚生委員会は、学校給食からLL牛乳を追放し、奄美の子供たちに本土並みの牛乳が飲めるよう求める請願を一部字句修正の上、全会一致で採択をいたしました。  採択の後、学校給食用牛乳の供給改善に関する意見書も全会一致で可決、関係機関に送付されております。意見書の内容は、奄美の学校給食でも本土と同じ牛乳を採用し、県下同一価格で給食できるよう求めているのであります。  県当局、県教育委員会は、奄美市議会の意見書を踏まえたこれまでの検討結果とLL牛乳が本土並みの牛乳に切りかえる具体的なめどについて、お伺いいたします。  新聞報道によりますというと、LL牛乳から本土並みの牛乳に切りかえる際の負担を父母負担とする意向を行政は示唆しているようですが、奄美の人々にとりましては、とても容認できるものではありません。学校給食として実施するからには、そこに地域による格差があってはなりません。行政の責任として奄美の子供たちに本土並みの牛乳を与えることは、当然のことであります。このことにつきましても、あわせて御回答をお願いいたします。    〔知事鎌田要人君登壇〕 12 ◯知事(鎌田要人君)牧ノ原学園の遺族との補償交渉の問題でございますが、これにつきましては一日も早く解決ができますよう、ただいま誠心誠意交渉を続けさしていただいておるところであります。  また補償の考え方でありますが、これにつきましては、国家賠償法の考え方に立って協議を進めさせていただいておるということでございます。 13 ◯県民福祉部長(松林康文君)同じく牧ノ原学園問題につきまして、今日まで劣悪な施設を放置してきた責任があるのではないかという御指摘でございますけれども、私どもといたしましては施設につきましても、それから人手につきましても、それなりに順次改善を図ってきたところでございます。  詳しい内容につきましては、時間がございませんので言及いたしませんけれども、少なくとも人手等につきましては、最も中心となる教護関係の人員は九州で沖縄に次いで二位の充足をみているところでございます。  また施設整備につきましても、各寮の改善に続きまして体育館の新設、あるいは特別教室の増室、近年におきましては、児童室の冷暖房、厨房、浴室等の整備等順次改善を重ねてきているところでございます。こういった人員とかあるいは施設の整備は、もとより大変大事なことでございますけれども、福祉の仕事は職員の仕事に取り組む姿勢が何よりも大事だと考えております。  今回、対策委の報告に基づきまして処置しようといたします改善の方策は、極めて遺憾な事件が発生したことの事実を厳粛に受けとめまして、より充実した教護院づくりを目指しまして、あらゆる角度から調査検討の上、取りまとめたものでございます。  今後、この改善策に沿いまして、学園本来の使命が十分達成できますよう懸命に努力をしていくことが、私どもに課せられた責任であると考えている次第でございます。  次に、懲戒と体罰の関係についてのお尋ねでございましたが、御承知のように親権者は民法第八百二十二条の規定によりまして、必要な範囲内でみずからその子を懲戒することが認められております。この懲戒は親権者が子の監護教育上、子の非行、過誤すなわち過ちを矯正、善導するために加える制裁でございます。  民法に言う、いわゆる必要な範囲内とはその目的を達成するにつきまして、必要かつ相当な範囲を超えてはならず、親権の代行者でありますところの児童福祉施設の長が親権を行うに当たりまして、児童の非行、過ちの矯正のため、必要かつ相当な懲戒を行う場合でありましても、その方法、程度は健全な社会常識による制約を逸脱することがあってはならないものと心得ているところでございます。  したがいまして、適切な懲戒の領域を超える体罰というようなものはあってはならないことは、当然のことだと考えているところでございます。 14 ◯教育長(濱里忠宣君)初任者研修の必要性など基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、教師の仕事は一人一人の子供たちのかけがえのない命や魂と深くかかわっている仕事でございますので、特に高度な専門性や豊かな人間性が求められておりますことは申し上げるまでもないことでございます。  したがいまして、新任の先生方が一日も早く専門職としての力量を身につけ、父母の期待にこたえられるよう初任者の計画的な研修を通じて、その指導力や使命感を培うことは極めて重要なことであると考えます。  昭和六十二年度の試行におきましては、新任の先生方は主体的かつ積極的に研修に取り組み、専門職としての力量を着実に身につけつつありまして、試行は当初の計画どおり成果をおさめつつあると考えております。  それからLL牛乳についてのお尋ねでございますが、大島地区の学校給食用のLL牛乳を本土と同じ牛乳に切りかえることにつきましては、本土から年間を通じて毎日安全かつ確実に供給できるか。また輸送回数の増加や冷蔵のための施設の整備に伴います価格上昇分をどうするか、そういったことなどの難しい課題がございます。これらの課題につきまして、現在関係市町村、教育委員会を初め、関係機関や団体と研究を続けているところでございます。  学校給食用牛乳の価格は、県や牛乳関係団体等で構成する協議会におきます協議や意見調整を経て決められることになっておりまして、供給価格の決定に当たりましては給食費は受益者が負担するという原則があり、本土の保護者への波及や厳しい財政事情など極めて難しい問題がございますので、協議会において慎重に検討されるべき問題であると考えております。    〔浜田みのる君登壇〕 15 ◯浜田みのる君 牧ノ原学園問題でありますが、これは事件が起こる直前にも、現場からもろもろの要求が出されているのですね。ですから、私はだからと言って十三歳の子供を死にいたらしめた罪を免れようとは思いませんよ。しかし、今部長がおっしやるように、所要の改善をしてきたという強がりは、これは許されない。  今度ですね、二月二十九日に副知事を委員長とする牧ノ原学園特別委員会が発表した中に、指導体制の強化あるいは心理や教育の専門職員を配置をする、あるいは保健婦を配置をするというこの職員配置の方向が明らかにされましたが、このことは今まで十年間にわたりまして、このことの要求が訴え続けられてきたのですよ。これは、現場の人たちがもうおれたちの手では教護には限界があると、何かその専門職を配置してほしいということが、この要求書を私は持っておりますけどね、この中にうたってありますよ。養護職員の学科指導を速やかに外して、あわせて教員を配置するなどしてほしいと、こういうことがうたわれております。中には、まさにイロハのイであるというような話のアンペアの容量不足による電源切れが激しいので、これを解消してくれとか、あるいはアイロン、洗濯機等の電気製品の耐用年数を経過したものが使われている、これは速やかに更新してくれと、あるいはランチ食器をランチジャーにかえてほしいと、こういう細々とした基本的な要求が訴え続けられてきたことを、私はどうしても強調しておかざるを得ないと思います。これは決して起こるべからず状況の中で起こったなどとはこれは言わしめないと、こういうふうに私は強く申し上げておきたいと思います。  時間が参りました。  私は、六十三年度県政の運営を左右するところの当初予算の審議に当たりまして、主要な項目に絞りまして質問を展開してまいりましたが、続く個人質問並びに委員会審議の中でこれら不明の点を解明をし、なお幾つか通告をして積み残しました分につきましては、同僚議員の個人質問にこれを移すことを申し上げまして、私の代表質問を終わります。(拍手) 16 ◯議長(原田健二郎君)ここで体憩いたします。  再開は、おおむね午後一時十分からといたします。         午前零時二分休憩       ─────────────         午後一時十分開議 17 ◯議長(原田健二郎君)再開いたします。  河野喬次君に発言を許可いたします。    〔河野喬次君登壇〕(拍手) 18 ◯河野喬次君 昭和六十三年第一回県議会定例会に際し公明党県議団を代表して質問をいたします。  できるだけ答弁は簡潔に、明快にお願いをいたします。  まず、昭和六十二年度一般会計補正予算案及びこれに関連してお尋ねします。  第一点として、六十二年度一般会計補正予算案によると、今回百十一億四百万円を追加し、累計で六千六百十億六千万円を計上しているのでありますが、歳入を見ると県税、地方交付税、繰越金、分担金、負担金などが追加補正される中で、国庫支出金については十二億三千八百万円の減額となっており、その理由は生活保護費の減にあるとされているようであります。ところでこのような生活保護世帯の減少傾向が県民一人一人の所得向上によるのであれば結構なことでありますが、最近の県民一人当たりの所得格差の拡大傾向、全国所得順位の再転落などから考えるとき、国の財政再建福祉切り捨てによる適用対象が厳しく圧縮されているのではないかと思うのでありますが、適正に行われているのかどうかお尋ねいたします。  第二点として、県税の滞納整理状況についてお尋ねいたします。五十七年度以降過去五ヵ年間の各年度末滞納累計額を見ると、六十年度末までは二億円、五億円、七億円と毎年増加の傾向にあったものが、六十一年度末には前年対比で約四千万円の微増ということで、一応歯どめがかかり、特に問題のあった自動車税の滞納が大幅に減ったことは、関係当局の皆さんの努力のたまものと敬意を表するところであります。しかしながら六十二年十二月末の滞納整理状況を見てみますと、個人県民税の料理飲食税については依然増加の傾向にあります。特に個人県民税については、その滞納額の大部分を占める鹿児島市との協力体制の確立を強く要望したことがありますが,その後どのようになっているのかお尋ねをいたします。  第三点として、財政力の柔軟性を示す経常収支比率についてでありますが、六十年度決算では八五・三%と、全国平均の八〇・五%を上回り、六十一年度も八九%と財政硬直化現象が急速に進行しております。六十二年度の経常収支比率の見通しはどのような状態なのか。さらに悪化するのかどうか、その傾向性を明らかにしていただきたいのであります。  次に、昭和六十三年度一般会計当初予算案についてお尋ねをいたします。六十三年度一般会計当初予算案の総額は六千百七十七億一千五百万円で、前年度当初予算案に比べ六・五%伸ばす積極型で、国の四・八%及び地方財政計画に示された伸び率六・三%を上回り、五十八年度以来五年連続一%から三%の伸びという、超緊縮予算からやっと抜け出すことができた形となっています。このことは一つは六十三年度が鎌田県政三期目の締めくくりの年度であることや、新総合計画に基づく前期実施計画の四年目に当たり、同実施計画具体化の詰めの段階にあったこと、そしてこれがための財源措置として、内需拡大による県税収入の伸びがあったことや、NTT株売却利益の配分など財政面で一部好条件が恵まれたことによると思うのであります。しかしながら一面では本年も昨年に引き続き前年度を上回る百億円の基金の取り崩しなどがあり、県債残高も六十二年度四千二百七十七億円、六十三年度には四千六百五十九億円と増高の一途をたどり、財政硬直化の傾向は依然として続いているところであります。このような厳しい財政運営の中で地域活性化のため、また厳しい世界経済情勢の中で生き残るため県独自の創意と工夫による事業が散見されることは、一応の評価をするものでありますが、反面過去において華やかな脚光を浴びて途上した事業種目がいつの間にか色があせ、鎮静化してしまったものもかなりあり、今後の財政見通しとともに、その運用に当たっては十分な配慮が要求されると思うのであります。  そこでお尋ねしますが、まず第一点として、六十三年度においては当初予算歳入の県債の一部に、国が全額措置しかつ無利子のNTT株の売却益百五十九億円が見込まれれていますが、これは六十三年度限りのものなのかどうかお尋ねをいたします。  第二点として、地方交付税についてでありますが、政府は去る二月十二日の閣議で地方交付税の改正案を決定し、本国会に提出しようとしています。その内容は地方交付税の九四%を占める普通交付税の新たな配分対象に、財政窮乏自治体が格差是正のため行う地域産業の育成や地域経済の活性化のための振興事業などを加え、交付税の傾斜配分を行うというもので、このことは我が党が従来県の当初予算編成に対する申し入れの中で、長年提唱し続けてきたことであり、知事を初め関係当局の努力のたまものと敬意を表するものであります。ところが六十三年度当初予算案には既にこの措置は織り込み済みなのかどうか、またその配分基準額などはどうなるのかお尋ねをいたします。  あわせて六十三年度普通地方交付税の留保額は幾らになっているのかお尋ねをいたします。  第三点として、自治省は去る二月九日県から申請されていた核燃料の課税延長に同意したことから、六十三年度当初予算にも既に織り込まれているようでありますが、向こう五ヵ年間の一号機、二号機別の核燃料税の収入見込み額を明らかにしていただきたいのであります。  第四点として、国の財政再建に伴う国庫負担率の引き下げによる、本県予算に及ぼす影響は経常経費で約十一億円、投資的経費で百四十九億円、計二百六十億円といわれていますが、これが財源対策はどのようになっているのか、またこの国庫負担率の引き下げは六十三年度までの暫定措置となっていたと思うのでありますが、国の動向とこれに対処する知事の見解をお尋ねいたします。  次に、六十三年度一般会計当初予算案に関連して、公共事業及び県単公共事業についてお尋ねをいたします。  知事は先ほども申し上げたとおり、三期目の総仕上げとして社会資本の整備と県内景気浮揚対策として、公共事業については前年対比一〇・六%増の千五百八十七億三千九百万円、県単公共事業で三四・六%増の二百四億二千五百万円を見込んでいるのでありますが、大蔵省はこのほど六十三年度公共事業の発注については三年ぶりに前倒しを行わず、通常ペースで行う方針を決めたのであります。  そこでお尋ねをいたしますが、このように通常ぺースの発注が行われた場合、本県上半期の発注率はどの程度が見込まれるのか。このことにより景気停滞等の影響はないのか。また、県単公共事業については、公共事業と同じ発注方法によるのかお尋ねをいたします。  あわせて六十二年度公共事業の消化率はどのようになっているのかお尋ねいたします。  次に、使用料手数料の改定についてお尋ねをいたします。県は六十三年度当初予算の編成に当たり、授業料など十六件の改定を行い、二億三千七百八十六万一千円の増収を見込んでおり、その中で値上げされる主なものを見てみると、県立短大の一部授業料の一八・八%アップに続き、県立高校授業料、県立高校体育館、県立高校グランド夜間照明料、保健所等の血液型検査料、離島巡回診療手数料等々であります。従来から使用料手数料の値上げについての当局説明によれば、一つには諸物価の値上がりによる適正化、二つには受益者負担の原則に基づく公正化、三つは国の指導による、以上の三つがその主な理由であったのでありますが、御承知のとおり物価は安定的推移をたどっており、受益者負担の原則によると思われるママさんバレーや、地域親善ソフトボール大会等に使用される県立高校の体育館、グラウンドの夜間照明施設使用料等の新設は、ママさんバレーやソフトボール等の地域住民の健康づくりやコミュニケーションの場づくりとなり、このことがよりよき地域社会の形成に大いに資するものであるということを忘れ、ただ単に一グループの趣味、クラブ活動的存在としてしかとらえられていないところから発しているものであり、我が党としては安易に使用料を徴収すべきではないと思うのであります。また県立短大や県立高校の授業料の値上げや、離島巡回診療手数料の新設のごとく、国の行政指導等による分については、もし従わない場合国の報復的財政措置が行われ、本県財政運営の上から支障を来す恐れがあるというのであれば、各県の県民所得、特に離島の県民所得の現況を十分に勘案し、全国一律の値上げや、今回の離島巡回診療手数料の徴収など行わないよう国に強く要請すべきであると思うのでありますが、ただいま申し上げました県立高校体育館、グラウンドの夜間照明使用料、離島巡回の診療手数料の新設、県立短大、県立高校授業料の値上げに対する知事の見解をお尋ねいたします。  次に、鹿児島国際火山会議についてお尋ねします。御案内のとおり本県は世界有数の火山国である。日本の中でも桜島、霧島、硫黄島など七つの活火山を有する名だたる火山地帯であり、周辺地域住民は今日に至るまで長い間火山とともに暮らし、火山とともに生き続けてきたという歴史的風土を有しています。このような鹿児島の地において、本年七月火山と人との存在を全体テーマに、鹿児島国際火山会議が催されることになっていることは、まことに意義深いことであり、我が党も心からその成功を祈ってやまないところであります。ところで関係当局においては、今日まで開催のための諸準備を整えられ、そろそろ最終的段階にあると思うのでありますが、以下開催に係る諸問題点について質問をいたします。  第一点として、同火山会議の開催に当たって参加登録や発表論文を募集するため、第二回目の案内書を昨年八月国内国外の学者などの研究者、関係機関あてに発送されていますが、各国別参加希望者及び論文の各分科会別の提出数と提出関係国は何ヵ国になっているのか、またその主なる国はどこであるのか、お尋ねをいたします。  第二点として、同火山会議は国際的視野に立っての会議であり、六十一年八月三ッ林科学技術庁長官が来鹿の際、同会議に対する支援と指導を知事が要望されたとき、同長官は火山会議はよい発想である。協力でき得るものについてはそのようにしたいとの旨の意思表示があったのでありますが、今日まで国として何らかの特別な支援措置や協力指導等はあったのかどうか。特に今日の円高傾向は国外参加者の負担増となり、大きな阻害要因となっていると思うのであります。例えば参加のための旅費、宿泊料等に何らかの国の措置が望まれるところでありますが、どのようになっているのかお尋ねをいたします。  第三点として、今回の火山会議の実りある成果を期することは当然でありますが、同時に国内国外を問わず参加者の皆さんに鹿児島の人情、風俗、景観等をアピールする絶好の機会であり、鹿児島のすばらしさを満喫していただくための受け入れ態勢にも、万全を期すべきだと思うのでありますが、具体的にどのような対策を講じられているのかお尋ねをいたします。  第四点として、同火山会議は今回だけという一過性のものなのか、また今会議で集約され、あるいは継続扱いになったものの措置はどうなるのかお尋ねをいたします。  第五点として、同火山会議が継続的に鹿児島で開催されるためにも、国際火山研究所等の施設設置が必要と思うのですが、できれば今回の同火山会議の名において設置方を国に要望するなどのことは考えられないものか、お尋ねをいたします。  次は、今回県が制定しようとしている情報公開制度についてお尋ねをいたします。昨日から種々論議されたところでありますが、きわめて重要な制度でありますので、我が党は要点のみを絞ってお尋ねをしてみたいと思います。この制度は一つに県民の知る権利の上に立った公文書の原則公開、二つに個人のプライバシーの保護、三つに皆が利用しやすいシステムの三点を基本として制定されるものでなければなりません。しかし要綱を含めて既に全国の半数の都道府県が制定しており、本県の条例は二十数番目の追随型条例、あるいは非公開条例になるのではないかとの危惧の念を禁じ得ません。  まず第一にお尋ねしたいことは、根幹ともいうべき条例の目的を明らかにする第一条の公文書等の開示を求める権利という表現を、知る権利と改める考えはないのかどうか、ないとすれば既に国民の基本的人権の一つとして認められている権利であるはずなのになぜ明文化しないのか、はっきりと答えていただきたいと思います。  第二に、情報公開の本来の趣旨からしても、実施期間には議会も含めてすべての機関を対象とすべきであると考えます。したがって関係委員会で慎重審議の上対処されるよう要望しておきます。  第三に、公開、非公開条例になるのではないかとの懸念をされる九項目の適用除外事項について伺いますが、第八条の七の合議制機関等と九の非公開、非開示情報の具体例をそれぞれ明らかにしていただきたいのであります。さらに開かれた県政への大きなネックになる可能性が強いとして、先行条例制定県でも半分以上が採用していないのに、なぜ本県はこの二つの適用除外事項を規定するのかについてもお答えをいただきたい。  第四に、開示か非開示かの判断はだれが決めるのか、その決定に庁外の第三者を加える考えはないのかどうか、お尋ねをいたします。  第五に、行政不服審査法に基づく不服申し立てについて、県公文書等開示審査会のメンバー選定についての考え方、この審査会には法的拘束力があるのかどうか、さらに審査会の答申には県は一〇〇%従うのかどうかについても明らかにしてもらいたい。  第六に、この審査会のみならず制度の運用状況等の全体を監視、指導する機関の設置が必要であると思うのでありますが、どうなのか、お聞かせいただきたいのであります。  第七に、とかく隠したがるといわれてきた職員の情報公開制度への意識変革をどうするのか、今後の対応について明らかにしていただきたいのであります。  次に、交通体系の整備についてお尋ねしますが、本県の交通体系の基幹をなすものは、鹿児島国際空港を中核とする航空輪送体系及び鹿児島港を中心とする海上輸送体系、並びに九州縦貫自動車道、九州新幹線鹿児島ルートの建設を骨格とする陸上輸送体系であることは申すまでもないことであります。そこでまず鹿児島空港の国際路線問題についてでありますが、日本航空は同社の完全民営化を機に合理化を図り、鹿児島発着の同路線を再編し、香港路線を週三便、シンガポール線を一便としてバンコク線は廃止することにしたのであります。鹿児島空港の国際線についてはナウル航空が過去に三回の全面運休があり、六十二年七月からやっと月二便の運航が再開されたところであり、常にこのように同空港の国際線が衰退の傾向にあるのは、とりもなおさず観光客の減少等による乗降客の減にあることは言うまでもありません。県当局はこのような事態の発生の都度、利用の促進、需要の換起を図りたいと釈明しているのでありますが、実効が上がっているとは思われません。同空港の国際路線の維持拡大に対しどのような方策を講じ、また講じられようとしているのかお尋ねをいたします。  次に、海上輸送体系についてでありますが、現在その中核となる鹿児島本港整備事業が着々と進められています。ところで六十三年度当初予算の中に鹿児島港ポートルネッサンス21計画調査事業費として五百万円を計上、国、県、鹿児島市の共同により鹿児島本港地区整備の基本方針、土地利用計画、施設計画等について検討しようとしていますが、同調査は鹿児島市の鹿児島本港背後地区総合整備構想とのかかわりもあり、これらとの調整を図る上からも国、県、鹿児島市からなる総合的調整機関を設置し、調査検討すべきであると思うのでありますが、どのようにお考えか、あるとするならばその構成メンバー等の概要を明らかにしていただきたいのであります。  次に、陸上輸送体系の骨格となる九州新幹線鹿児島ルートと九州縦貫自動車道についてでありますが、九州新幹線鹿児島ルートについては、六十一年七月の衆参同時選挙の際の自民党公約や、六十二年度政府当初予算編成時における政府との合意にもかかわらず、六十三年度政府予算の編成に当たり、さらに先送りし、今年八月までに着工順位、優先順位と財政問題を検討するということにしているのであります。なかんずく渡辺自民党政調会長や石原運輪大臣の慎重論、また去る二月二十五日の経済労働界学識経験者をもって構成する社会経済国民会議の整備新幹線に関する緊急提言等は、整備新幹線の建設をなし崩しに葬り去ろうとする動きに手を貸すものであり、永年にわたり血のにじむような努力を繰り返してきた本県にとっては、断じて認めるわけにはいかないのであります。また九州縦貫自動車道にしても人吉-えびの間十七・六キロメートルの建設についても、あと十数年もかかるということでありますが、本四架橋三つのルートの同時建設総工費三兆三千六百億円からみると、新幹線鹿児島ルートの建設予定費八千六百八十億円、九州縦貫道人吉-えびの間の工事費五百八十億円は合わせてもその三分の一以下であり、まさに鹿児島、宮崎の南九州地域は日本の盲腸的存在としての取り扱いしか受けていないといっても過言ではないと思うのであります。知事はこのような政府並びに自民党の方針をどうお考えなのか、国民の政治的信頼を裏切るものとお考えにならないのか、お尋ねをいたします。  あわせて九州新幹線鹿児島ルートの建設は、竹下総理のふるさと創生論からみても、また四全総の地方分散論からみても、国家事業として実施すべき性格のものと思うのでありますが、どのようにお考えかお尋ねをいたします。また県民の総力を結集しこれが実現を期すため、経済界その他各界各層の関係機関と緊密な連絡のもと、百万人署名運動を展開するお考えはないのか、お尋ねをいたします。    〔知事鎌田要人君登壇〕 19 ◯知事(鎌田要人君)地方交付税の傾斜配分の問題でありますが、これにつきましては私ども関係の財政力の弱い団体ともども、傾斜配分についての年来の要望、特には関係県でつくられております財政窮乏団体の議会の連合会でありますが、こういったところの非常な強い要請に基づきまして、六十二年度の地方交付税におきましても財政力の弱い団体に対する傾斜配分が行われたところでございますが、引き続きまして六十三年度の地方交付税の配分についても傾斜配分のさらに強化と、一方でまた法人事業税、法人税割等の分割基準、これの見直しも一方で作業が進められておるところでございますが、そのようないわゆる財源調整機能をさらに強めてまいるということについて、引き続きこれが実現を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。  なお、六十三年度の地方交付税につきましては、百二十六億ほど年度内の途中の追加財政需要に充てるために留保いたしております。  次に、国庫補助負担率引き下げに伴う本県への影響額、昭和六十三年度で約二百六十億円でございますが、これにつきましては再三申し上げておりますように、地方たばこ消費税の引き上げ措置を継続すると、地方交付税の特例増額をもって充てる、それと建設地方債を増発をいたしまして、その元利償還について交付税でみると、こういった措置で完全に穴埋めをするということになっておる次第でございます。  なお、この国庫補助負担率の引き下げは、御指摘のとおり、この単なる地方への負担転嫁であり、六十三年度までの限時臨時措置ということでございますので、六十四年度以降はこれが本来の率に復元するように、私ども関係地方自治体一丸となって頑張ってこれが実現を図ってまいりたいと、再三お答えを申し上げておるとおりでございます。  次は、使用料、手数料の問題でございますが、これにつきましては、御案内のとおり県のサービス、特定のサービスによって利益を受ける方に対しまして、その実費の範囲内で使用料、手数料という形で受益者負担を求める、これは当然のことであると思うわけでありまして、そういった観点からこの県立学校のグラウンド等の夜間照明設備使用料につきまして、利用者に電気代相当を負担していただく、これにつきましてはくどいようでございますが、例えば一般の道路とか消防とか、あるいは警察とか、こういったいわゆる税金で賄うもの、それとやはりこういった使用料、手数料という形で受益者負担で賄うものと、これはやはり当然分けて考えなければならないわけでありまして、この分までもやはり税金でみろというのはちょっとこれは妥当でないのではないだろうかと、ただそういう中におきまして、私ども例えば県立短大の授業料、これは御案内のとおり国立短大に比べまして一年おくれの改定、また夜間部は国立の半分と、こういったことで配慮をいたしておるわけでございますし、県立高校の授業料につきましても、県の方では交付税で初年度から交付税の中にそれだけの歳入があるものとして見込んで鹿児島県の交付税を決める、したがって損をしておるわけです。でありますけれども、これも皆様方の切なるお気持ちも勘案をさせていただきまして、三年間に分けて取ると、こういう配慮をしておるわけでございますので、この点につきましては御理解を賜りたい。  また、県立病院等が行う巡回診療の徴収につきましても、各種保険等を適用した後の自己負担分について徴収をするということで、これは全国的に統一の取り扱いということで、厚生省あるいは会計検査院の指導によるものでございます。  次に、国際火山会議開催に当たりましては、自治、国土、文部、郵政、建設、こういったところを初め国の二十二の機関の後援をいただいておるところでありまして、それぞれから貴重な情報、資料の提供をいただいておるところであります。  また関連イベントとして開催する活火山特別展につきましては、国土庁、文部省等から資料提供してもらう、砂防関係につきましては、建設省におきまして直接展示物そのものの企画製作をしていただく、郵政省におきましては、再三申し上げておりますように、このような会議としては初めてのことでございますが、記念切手の発行というものを正式に決定をしていただいておる次第であります。
     また総合研究開発機構におきまして、会議運営費に対する助成をお願いしておったわけでありますが、会議報告書の作成経費等について負担をしていただくことになっております。さらに御指摘のように参加者の負担を軽減するために、これが支援措置といたしまして国際協力事業団──JICAの事業といたしまして、発展途上国からの参加者の一部につきまして渡航費等を負担をしていただく、こういった形での支援、後援をいただくことにしておる次第であります。  次に、この国際火山会議に当たりまして、海外を初めとする参加者を温かく迎え、本県の歴史、風土、人情に触れていただきますことは、これは大変大事なことでありますので、本会議の開催期間中には歓迎パーティ、あるいは納涼船での集い、観光視察等を計画をいたしておるところでございます。また地元鹿児島市においてもふれあいフェステイバルを開催をしていただきまして、このふれあいを深めていただくと、何か海外からの参加者には記念はっぴも配ろうと、こういう計画もあるようでございます。さらにまた広報活動に当たりましては、案内所ポスター、エコーはがき、広告等、テレフォンカード、デパートの買物袋を利用したPR、これは既に出ておるようでございますが、そういったあらゆる機会をとらえて会議開催の雰囲気を盛り上げていただく、あるいはまた外国人向けの観光パンフレットや鹿児島の火山を紹介した記念誌も製作をすることといたしております。  次に、この火山会議、鹿児島県といたしましても県でこのような国際会議、それこそこの大がかりな人の面、あるいは金の面、大変な大がかりなものでございまして、これもある程度鹿児島県の今の分に過ぎておるんじゃないかという気持ちがしないでもないわけでありますけれども、ひとつ清水の舞台から飛びおりるような気持ちでこれを進めておるわけでございますので、これをまた来年も再来年もとこういうわけにはちよっとこれはですねいかん、難しいところでありますが、せっかくこのような会議が持たれるわけでございますので、この会議の趣旨というものを将来にやはり根づくような、あるいは将来にこの会議がつながるようなものにしていきたいと、それが私が今ひそかに考えております。せっかく鹿児島大学に火山学講座ができたと、これがあり、あるいは京都大学の火山研究所もあり、気象台もあり、そういうあるいは県の累積もありと、そういうものでですね、できれば環太平洋火山研究所というようなものがですね、ここにできないもんじゃろうかと、そういうことも一朝一夕にへっと言ってへっとできるわけじゃありませんが、やはりそういう展望を持ってですね、火山研究機構の充実を鹿児島大学、あるいは加茂先生あたりとも相談しながらですね、やはり将来にこれを根づいて火山研究のメッカになるようにしていきたい、この気持ちでひとつ取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。  次に、情報公開の問題に関連しまして知る権利の問題これは午前中も社会党の代表質問にお答えをしたところでございますが、この知る権利というものが実定法上あるわけではございませんし、また判例法上も確立された法律的な概念ということではなくて、いわば一般に言われる観念と、こういうことでございますので、これをやはり条例に知る権利として織り込むということはいかがなものであろうかと、やはり条例で権利としてこの法定をしますものは、やはり県の公文書等についての開示請求権と、こういうものを権利として確立をして対応してまいるということではなかろうかと考えておる次第でございます。  次に、この情報公開制度は本県にとりましても新しい制度でございますし、したがいまして、これが円滑に機能しますように、その運営についていろいろな立場からの助言、指導をいただくことももちろん必要なことでございますので、御指摘のようなことをこの制度創設の御提言をいただきました情報公開懇話会に、そのような役割を担っていただくこととしてはどうかというふうに考えておる次第であります。  次に、バンコク線の問題でありますが、これがいわゆる日本航空の完全民営化に伴う合理化の一環といたしまして、この四月から運休となることは残念でございますが、何せこの線が乗降客が千人そこそこということでありまして、やっばりちょっとこれは背伸びをしているのかなあという感じがそこでするわけでありますが、そのような千人そこそこと言いますと、三百六十五日で計算をしますと三人そこそこということでありますので、まことにこれは断腸の思いでありますが、香港線三便、それからシンガポール線一便ということで再編をされると、香港のまた将来の需要というものも考えながらですね、これの拡充を図っていかなければならないと思いますが、結果的には今でこの三便が一便ふえるという形にはなっておるわけでございます。  なお、この昭和六十二年のチャーター便を含めました国際線の利用客は前年比一七%という近年にない好調な伸びを示しておるところでございまして、県といたしましても国の海外旅行倍増計画とも呼応しながら、空港利用促進協議会でもございますので、こういったところでそれこそやはりこれは民活でありまして、この県が県がといっても県の職員が毎日飛行機に乗るわけにもいきませんし、やはり県民皆んながですねその気持ちで頑張ってもらうと、またこの南九州にですねさらに九州と、広くやはり呼びかけてまいりまして、この利用の促進を図ってまいるということで、せっかくこれも私も知事になって十年かかってですね、主要空港に格上げができたわけでありますので、何とかしてこれを育てていかなければ残念であります。そういう意味でひとつ努力を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。  次に、新幹線の問題につきましては、これも再三申し上げておるとおりでございますが、私どもはやはり国土の均衡ある発展、多極分散型の国土形成ということが国是、国の基本的な政策目標であり、そのために高速交通体系の整備というものが新幹線、あるいは空港、高速自動車道、三位一体そろってやはり進められることが基本と考えておるわけでございまして、特にこのかって日本の資本主義を引っ張ってまいりました鉄鋼、造船、石炭、いずれもこれが左前になっておる九州のこの実態というものをみました場合に、九州の一体的な浮揚発展のためにもこれはどうしても必要と、またそういう意味で国のプロジェクトとして、どうしてもこれにこれを取り上げてもらいたいということでやっておるわけでございますが、いずれにいたしましてもこの八月が正念場でございますので、全力を挙げてひとつ取り組んでまいりたいと、またこの百万人署名の問題につきましても貴重な御提言でございますので、これにつきましてこの八月までの間にどのような形でこの署名をどこが主体となって進めていくか、あるいはこれが鹿児島だけ署名をやることももちろん意義があるわけでありますが、沿線もでき得べくんばやってもらうと、こういったこと等もございますので、その辺も含めましてひとつ検討をさせていただきたいと考えておる次第でございます。 20 ◯県民福祉部長(松林康文君)生活保護費の減額補正についてのお尋ねでございましたが、これの補正は雇用情勢がほぼ安定的に推移いたしてまいりましたことと、一方では年金、医療制度や社会福祉施策の整備によりまして、そちらに肩がわりが進んだことなどが主な要因でございまして、六十二年度当初予算計上時の生活保護世帯数の推計に見込み違いが生じたことによるものでございます。生活保護の運営に当たりましては、真に生活に困窮し保護を必要とする人々に漏れなく適用するよう留意しているところでございまして、保護の適用基準を抑制するようなことはございません。今後とも本制度が社会的、経済的に恵まれない方々の生活の安定のために十分機能するように運営の適切を期してまいりたいと考えております。 21 ◯総務部長(澤井安勇君)県税の滞納整理対策でございますが、御指摘のように個人県民税の滞納整理額は全体の約三割を占めておりまして、大変大きなウエイトを占めております。このうち鹿児島市における滞納が約七割を占めておりまして、個人県民税の滞納整理対策については鹿児島市との協力連携が必要不可欠と考えております。このためこれまでも同市におきます個人県民税の徴収確保に努力してまいったわけでございまして、また市側におきましても特別滞納整理班を組織するなどの努力をしていただいております。この結果ことし六十三年一月の同市の個人県民税の収入歩合は、昨年の一月と比べますと若干ではございますが上回った結果となってございます。  次に、本県の経常収支比率でございますが、御案内のようにこの経常収支比率決算の試表でございますので、六十二年度の数字はまだ出ておりませんが、公債費などの義務的経費の増加に伴いまして、御指摘のようにここ数年わずかずつ上昇してきておりまして、昭和六十一年度では約八九%となっております。この辺の今後の見通しでございますが、公債費などの義務的経費の伸びが最近では鈍化してまいっております。また県税や地方交付税等の一般財源が今後増加してまいりますと、この経常収支比率は次第に低下するのではないかというふうに考えております。  次に、NTTの売却収入の問題でございますが、六十一年度及び六十二年度におのおの百九十五万株ずつ政府が売却いたしておりまして、この収入につきましては国債償還費に充てるほか、昭和六十二年度の補正予算及び本年度、昭和六十三年度の当初予算におきます公共事業費の財源として充当されてきております。六十三年度におきましても売却予定がございますけれども、お尋ねのように六十三年度以降もなお残余がございまして、それについては今後売却されまして国債償還費や公共事業費の財源として使用されると聞いております。  次に、核燃料税につきましては今回の議会で関係条例をお願いしてございますが、昭和六十三年度から昭和六十七年度の五ヵ年間に見込まれます税収は一号機分で約三十億六千四百万円、二号機分で三十二億二千九百方円、合計六十二億九千三百万円が見込まれております。  次に、六十三年度の公共事業等の執行方針についてでございますが、県内景気の動向に十分留意しながら、今後示されるでありましょう国の執行方針なども見きわめまして、適切に対処してまいります。お話にもございましたように、国は昭和五十九年度及び昭和六十年度は自然体の施行でやっております。その場合に本県も七〇%以上の執行をしておりますけれども、御案内のように国の執行方針、今後五月ないし六月に示されることと一般になっておりますので、この辺の状況も十分見ながら対処してまいります。また六十二年度分についての現在の公共事業等の執行でございますが、六十三年一月末の契約率は九一・四%となっております。  次に、情報公開関係でございますが、まず合議制機関情報についてでございますが、これは教育委員会などの行政委員会や知事の附属機関でございます各種審議会の議事録などが、その例となります。これらの機関は一般の行政機関と異なりまして、独立性や公正性の確保が要請されております。そのような理由から会議に係る会議録や審議資料などの取り扱いについては、それぞれの合議制機関の自主的な判断を尊重することといたしたわけでございます。  また非公開条件情報というのは、各種の統計調査などのように公開しないことを条件に得た情報でございますので、この情報については、その意に反しまして開示いたしますと相互の信頼関係を失い、また将来の情報入手等に支障を来すおそれがありますので、これを適用除外といたしておるわけでございます。  なお、適用除外事項として規定していない県も確かにございますけれども、運用上はおおむね適用除外の取り扱いをしているところが多いわけでございまして、本県の取り扱いが特に他県と比較して差異があるというものではないと考えております。  次に、開示、非開示の決定は本来その情報の所有者でございます実施機関が行うべきものと考えております。  したがいまして、この決定に第三者を関与させた例は、現在情報公開制度を導入している県ではございません。また非開示の決定に対する不服申し立てについては、その公正な判断を確保するために中立的な立場にある公文書等開示審査会に諮問をすることといたしております。  次に、公文書等開示審査会のメンバーの選定でございますが、審査の公正性が確保できるように行政機関以外の学識経験者などから選定したいと考えております。また公文書等開示審査会は、知事の諮問機関として設置されるものでございますが、その設置する趣旨から考えまして、その答申を最大限尊重することは当然のことと考えております。  最後に、情報公開制度が目的どおり有効に活用されていくためには、この制度を運用する職員一人一人が制度の目的、内容等を十分理解することが必要であると考えております。このため職員研修の場などあらゆる機会を通じまして、職員の意識啓発に努める一方で、制度運用の手引などを作成し、職員へ十分にその周知を図ってまいる考えでございます。 22 ◯国際火山会議事務局長(元井達郎君)火山会議に対する参加希望者についてのお尋ねでございますが、この国際火山会議に対しましては、世界各国から大きな関心が寄せられておりまして、発表論文はアメリカ合衆国、イタリア、ソビエト連邦、フランス、フィリピン、ニュージーランドなど二十七ヵ国から百七十七件、国内百九十三件の計三百七十件の申し込みがあったところでございます。これを分科会別に見ますと、火山を知る第一分科会が二百十三件、火山と生きるの第二分科会が七十七件、火山を活かすの第三分科会が八十件となっております。  また会議参加登録につきましては、現在受け付けを行っているところであり、既に二百十件の正式登録がなされておりますが、まだ発表論文者も正式の登録をしておりません者もおりますし、会期に近づくにつれましてふえるものと思われますが、私どもとしては、さらに県内外の関係者の参加を働きかけてまいりたいと思っております。 23 ◯土木部長(興 信雄君)鹿児島港ポートルネッサンス21計画調査でございますが、本港地区整備の土地利用計画、施設計画等を内容とする基本計画を策定するものでありまして、 その実施に当たりましては、隣接する鹿児島市の本港背後地区更新基本計画、これ十分調整を取る必要があると考えております。そのため今回の鹿児島港ポートルネッサンス21計画調査につきましては、国、県、市の共同調査としたところでございまして、また委員会を設置し、さらに調整を図ることとしております。  なお、委員会の構成メンバーにつきましては、今後国や市と協議しまして、十分その機能が発揮できるようなものにしてまいりたいと考えております。    〔河野喬次君登壇〕 24 ◯河野喬次君 ただいまそれぞれ御答弁をいただいたのでありますが、本県財政の現状は県税収入の好調なことや地方交付税の増加配分等の好条件に恵まれ、若干明るい見通しはあるものの、国内外の景気動向には、なお不安材料もあり、決して楽観することはできないと思うのであります。したがって、財政の運用に当たっては、慎重な配慮を要望しておきます。  続いて使用料、手数料の新設値上げについては、県民生活と密接な関係を有するものについては、値上げあるいは新設などしないよう撤回方を要望しておきます。  それから情報公開制度については、条例の制定が公務員の守秘義務を盾にした情報の非公開指向から行政自体による意識変革により、県民の県政に対する理解と信頼を深め、県民参加の公正で開かれた県政の推進につながるよう強く要望を申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。  次は、農政問題についてお尋ねいたします。  最大の懸案とされた農産物十二品目問題について、政府は先月のガット理事会で十品目の自由化勧告を受け入れたのであるが、このことは我が国農業の将来に重大な禍根を残したことであり、過大な貿易黒字を生んだ輸出中心主義の経済政策のツケを農業者がこうむったと言わなければなりません。  それにしても米国のウエーバー品目やECの輸入課徴金に代表されるように各国とも輸入制限を行っており、政府も当然各国の理解を求める十分な外交努力をすべきであったと思われるが、これを怠って勧告を安易に受け入れた政府の責任は極めて重大であり、厳しく追求されて当然だと思います。  また、今月未に期限切れとなる日米牛肉・オレンジ協定交渉についても、牛肉・オレンジは我が国の基幹農畜産物であり、自由化のみならず安易な枠の拡大も認めるべきでない。いわゆる我が国農業の根幹の問題だと思います。しかしながら、これに対して佐藤農水相など自由化は困難とは述べながらも、対米交渉に臨む強い決意などがきちっとうかがえないのは、極めて遺憾だと思う次第であります。  今回のガット裁定で、本県の特産であるでん粉の自由化が保留されたことについては、関係者の努力を評価するものでありますが、しかしブドウ糖などの受け入れで実質的には自由化に近い影響を受けるとも言われ、県も対策本部を設置するなど、また新年度のカンショ対策費も昨年の二・五倍もつけるなど、懸命に対応されているようであります。  そこでお尋ねをしますが、カンショに限らずこれからの農業生産で大事なことは、生産コストの低減だと思います。カンショの場合、現在のコストをどの程度まで最終的に落とせるのか、またでん粉依存型と言われるカンショの新たな用途開発の現状とその見通し、なお味のないカンショの開発状況及び用途の見通しについて、お尋ねをいたします。  第二点は、農水省の七十年度を目標とした酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針が、去る一月二十三日に明らかにされたのでありますが、この中で内外の価格差縮小と国民の納得の得られる価格での供給で、生産コストを現状より二、三割引き下げ、消費者価格に連動させるとあり、また今回肉用牛生産ネットワーク事業が新規で出ていますが、確かにこれらをやり切る以外に、今後の畜産は生き残れないと思われるのでありますが、生産ネットワーク事業の内容と三割コスト低減の可能性について、お尋ねをいたします。  また和牛が高いと言われるのは、牛肉価格の約八割を占めるえさと子牛価格にその原因があり、現在の経営状態を改善すれば輸入牛肉にほぼ近い経営も不可能ではないとも言われております。例えば宮城県の後藤牧場では独自の経営方式を取り入れ、百グラム二百七十円という輸入牛並みの価格で販売するという農家経営も既に出ており、行政、団体、農家が三者一体となってやれば、本県などでも決して不可能ではないと思われるのであります。  そこでお尋ねしますが、牛肉価格の八割を占めるといわれるえさ対策及び子牛価格対策や特に粗飼料、濃厚飼料の低減への取り組みについて、また粗飼料多給による低コスト対策等の具体的取り組みについてお尋ねをいたします。  第三点は、米生産のコスト低減対策についてお尋ねしますが、国際化の進展によって聖域と言われてきた米までが自由化要求の荒波にさらされております。どんな産業でもコストダウンのための血のにじむような厳しい企業努力をしており、いわゆる販売競争というか、食うか食われるかの企業間、産業間の競争がありますが、米づくりにはそういうのが見えない、つくりさえすれば国が買い上げてくれる、いわゆる食管法で保護されているのであります。しかし、他の産業と同じにはできないにしても、それなりの努力が必要だとある人が述べているが、全く同感であります。しかしながら、我が党は米の自由化には反対であります。  では、そのためにどうすればよいのかということでありますが、基本的にはコストダウンを図るため農地の集約化により、大規模生産を考える以外にないとも言われているのであります。例えば三へクタール以上の農家の米生産コストは、〇・三へクタール未満農家の半分で済むと言われていますが、そこにもっていくためにどうすればよいのか。請負方式生産に切りかえるなどが言われているが、いずれにしてもこのままでは、今後五年、十年も進められていくことは許されないだろうとも言われております。  昨年から全国各地で、二割コスト低減を目指す生産性向上運動が進められているが、全国稲作経営者会議などでは条件さえ整えば、三割程度のコスト引き下げは十分可能であると述べていますが、本県の米生産コスト低減に対する取り組みの現状について、お尋ねをいたします。  第四点は、田上農協の不祥事件についてお尋ねします。  昨年、市農協を吸収合併したばかりの田上農協で、支店長の権限乱用に事務長も加わり、共謀によって八億円もの損害額が見込まれる不祥事件となったことは、まことに驚きであり、一体農協の幹部はどこまで農家の汗を食い物にしようとしているのか、あきれ返るばかりであります。県内では、一昨年から今年にかけて農協職員の不正問題が相次いで発覚しているが、監督官庁である県の農協に対する監督の責任は一体どこまでなのか、改めて問われなければならない問題だと思います。  昨年は、市農協幹部の背任行為の尻にぐいに貴重な県民の税金が拠出されるなど県の指導監督の失態でありながら、その責任が明確にされていないまま棚上げの状態にあることは、まことに遺憾なことだと思います。  知事は、昨年県の責任を厳しく問われた際、市農協については、県の持つ検査の機能のすべてを上げて取り組んできたので、県の検査に手落ちはなかったと繰り返し述べられておられるが、そうであればなぜ一連のこうした不正が未然に防止できないのか。逆に言うと県の検査が十分でないことを露呈したことではなかったでしょうか。  県の検査に二つ言われていることは、一つはなれ合い、一つは検査能力の低さが挙げられており、銀行検査のできるベテランでないと、マンモス農協の検査はできないなどと聞くのでありますが、例えば昨年地元紙にある市農協関係者が県の検査職員に書類の見方を教えたことが何度となくあり、しかも事前に立入検査の通知までしてくれたなど、これでは巧妙な不正、粉飾が見破られるはずがないと指摘されているのでありますが、これが真相のように思えてなりません。  そこでお尋ねしますが、一連の農協不正事件発生の原因に検査のなれ合いと手ぬるさ、能力の低さを指摘し、銀行検査のごとく峻厳さを求める声も出ており、この際旧態依然とした時流にそぐわない農協法の監督、検査にかかわる関係法令を抜本的に改正し、このような不正が発生しないよう国に対し、強く要請すべきだと思うのであります。  また昨年九月議会の我が党の代表質問の答弁で、都市型農協検査のあり方について、国に対し検討方を要請されたということだが、国の対応はまだ示されていないのか。あわせて検査職員の資質の向上をどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。  次は、奄振法延長に関連してお尋ねいたします。  まず隣県沖縄の那覇港に来月から開設が予定されている、我が国初の自由貿易地域の設置等についてでありますが、沖縄県では沖縄振興開発特別措置法に基づく第二次振興開発計画の後期プロジェクトの一つとして、自由貿易地域を設置するため、昨年六月沖縄開発庁長官に対し、用地造成と施設設置の所要資金十八億円の財源について要請した結果、四分の三の十三億五千万円を国庫補助金で、残りを沖縄県が起債で負担することで決定し、昨年十二月開発庁の地域指定が行われ、施設の整備を進めてきており、来月から開設されることになったものであります。自由貿易地域については、おわかりとは思いますが、少し概略を説明してみたいと思います。  自由貿易地域──通称フリーゾーンの設置については、沖縄振興開発特別措置法の中に特例として規定されているもので、沖縄における企業立地を促進するとともに貿易の振興に資するため、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄県開発庁長官が指定する地域のことを指すのでありますが、つまり自由貿易地域の設置規定は沖縄振興開発を推進する手法として、我が国では沖縄振興法にのみ定められた唯一の制度となっております。  ところが、沖縄県はこうした唯一の制度を、昭和四十七年以来最近に至るまで全く活用していなかったのですが、近年我が国が国際国家として諸外国から市場開放及び輸入促進や諸外国への資本技術移転等応分の役割、分担を期待され、特に市場開放輸入促進は対外政策の中でも我が国の通商政策上、第一に解決しなければならない緊要な課題となってきたことから、沖縄県ではまさに時節到来との認識のもと、自由貿易地域の早期実現を目指しサンフランシスコなど先進地視察等も行い、その結果も踏まえて我が国の通商政策との整合性にも配慮しながら、新たな産業振興に結びつく方向で検討した結果、台湾、香港、中国、ASEAN諸国との交流による物流中継加工型の自由貿易地域を設置することを構想、県が事業主体となって立地企業は既に十六の本社本土企業を進出を予定しており、雇用創出二百人、年間売り上げ百五十億円を見込んでいるようであります。自由貿易地域の指定を受けると進出企業に対し税制面で自由貿易地域投資損失準備金、減価償却の特例、地方税の課税減免、特別土地保有税の非課税等の優遇措置があり、企業誘致の促進が図られるというものであります。フリーゾーンは、沖縄県に対する沖縄振興法に規定する特例措置であるにもかかわらず、今や本土の他県でもこの制度の活用こそ企業誘致を推進し、地域経済の活性化を図る格好の手法であるとして、その構想の検討が積極的に進められていることであります。  たとえば北海道では、貿易振興国際化問題研究会が新千歳空港の機能強化とあわせて自由貿易地域の構想を検討、また大分県も大分テクノポリス地域との連携強化のため、大分空港近くの一帯を自由貿易地域とする案をまとめており、岡山県でも本年度完成予定の新岡山空港関連の施設整備計画として強く関心を示しているなど、多くの地域で自由貿易地域構想の検討が積極的に始められているところであります。  以上、隣県沖縄に間もなく開設となる我が国初の自由貿易地域──通称フリーゾーンについて概略を申し上げましたが、奄美群島の自立化促進のため、次期改定奄振事業の目玉として北振法と同じ特別措置法である奄振法に自由貿易地域の指定をぜひ取り入れていただくことをお願いをし、知事の答弁を求める次第であります。  第二点として、沖縄振興法と奄振法の比較と申しますか、以下略して沖振法と言わせてもらいますが、沖振法には沖縄県の道路に係る特例、河川に係る特例、地方債に係る特例、先ほどの自由貿易地域も沖振法の特例の一つでありますが、地方債の特例には地方公共団体が振興開発計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるため起こす地方債については、国は地方公共団体の財政状況が許す限り起債ができるよう特別の配慮をすると規定されていますが、次期奄振法にもこうした特例の規定を検討していただきたいのであります。自主財源が全国平均の三分の一にも及ばない著しく弱い奄美の市町村財政を考えるに、何かの財源対策などがない限り法律は延長されても、逆に市町村が奄振事業についていけなくなるのではないかとの懸念もあるわけであります。  また奄美農業の今日抱える問題の一つに、防風林対策があります。農政部の努力で五十五年度から補助対象とされたが、施設用地が共同減歩であるため、農家の理解が得られないため、事業はほとんど進展せず、県はこれが隘路打開のため、さらに農地費を含めた事業を国に要望してきたが、認められないままであります。  また、昨年制定された総合保養地域整備法に基づくリゾート開発にしても、離島という特殊事情から規模が小さく適用対象外となるのでありますが、このような特殊な事業等については、次期奄振法の中で特例の規定を設けるよう、ぜひ検討していただきたいのであります。  第三点として、奄振総合調査の結果も間もなく出てくると思いますが、次期奄振では特に水産振興に力点を置く必要があるのではないかと思います。全国でも重要な地位にある本県海域、しかもその大半を占める広大な奄美海域から水産試験分場を廃止したこと自体、県の見通しの誤りであったと思われるし、現在では沖縄の協力なしに奄美の水産業は進められない状態にあるなど、全くナンセンスと言わなければなりません。  農産物が軒並み過剰基調を続ける中で、水産物は生産の絶対量が足りない、いわゆる生産が需要に追いつかない状態で、西暦二〇〇〇年には二千万トンの供給不足となることを国連でも発表しており、また先進国で水産物が食用として見直されていることなど、水産物の長期的見通しは明るくなっており、こうした昨今の漁業事情からも次期奄振の中で水産の振興、とりわけ水産試験分場の復活をぜひ検討していただきたくお願いをいたす次第であります。  次は、県のウミガメ保護条例についてお尋ねします。  長年、海ガメ保護に携わってきたたくさんの人々が待ち望んでいた県のウミガメ保護条例、地方自治法に基づく県独自の保護条例は全国でも最初であり、大いに評価できるものであります。さまざまな困難にもめげず、粘り強く保護活動を続けてきた県下各地のボランティアの方々、関係市町村の職員、学術研究の方々の熱意と努力とが結実した見事なる勝利のあかしであります。  本条例は、全県域を対象とし海域に上陸する海ガメの捕獲と産卵した卵の採取を厳しく禁止しており、三段階に分けられた厳しい罰則もあり、極めて前進した条例と言えるが、実際の具体的保護活動等については、今後の施行規則の内容にかかわっております活動の保護を目的としたワシントン条約でも厳しい保護規則の対象になっており、県民共有の財産でもある海ガメ保護の実を上げるために、以下数点にわたってお尋ねをいたします。  まず第一点に、具体的監視活動について県及び市町村のパトロールの予定人数を、それぞれ明らかにしていただきたい。  第二に、保護条例第五条の二及び三の具体的な例を説明してもらいたい。  第三に、開発か保護かの調整をする際に、学識経験者などからなる第三者的諮問機関を設置することが望ましいと思うのであるがどうか。  第四に、今後条例の施行規則を定める際には、学識経験者、ボランティアの代表等構成されている懇話会の意見を引き続き集約する必要があると思うのであるが、どうか。  さらに、施行規則の早期決定が望まれるところでありますが、いつまでに決められるのか、明らかにしていただきたい。  第五に、全国有数の海ガメ上陸産卵県である本県が、学術研究の推進、研究施設の整備に積極的に取り組むべきであると考えるのでありますが、見解をお伺いします。  次は、このたび県民総合保健センターに設置が予定されている待望の腎バンクについてでありますが、現在全国で透析患者が七万人を超え、毎年七千人ずつふえております本県の透析患者は、千三百人もおられます。透析患者は毎週二、三回、一回当たり四、五時間の透析を一生涯続けなければなりません。さらに水分や塩分の摂取制限が課せられるなど、社会生活、日常生活での厳しい制約を受けております。  腎不全の唯一の根治療法は腎臓移植であり、多くの患者が待ち望んでおります。にもかかわらず腎移植は七万人の患者に対して、現在までわずか四千五百例しか行われておらず、しかも善意の死後献腎による死体腎移植が極めて少なく、患者の肉親のやむにやまれぬ情けに依存した生体腎移植が大半を占めておるのが現状です。  本県では、昭和六十年五月鹿児島市立病院での腎臓移植第一例を皮切りに、鹿児島大学附属病院とあわせて八例の腎移植が行われております。そのうち本年一月二十二日、鹿児島市立病院で県内初の死体腎移植が行われ、五十日を経た現在、自力排尿もでき、人工透析も必要ないほどに回復しているという明るいニュースも伝えられております。腎疾患総合対策を確立するため、以下数点にわたってお尋ねします。  腎バンク事業の具体的内容については、昨日明らかになったので割愛をします。  第一に、東京の社団法人腎臓移植普及会に登録してある県内関係者数を明らかにしていただきたい。  第二に、長崎の腎センターへの本県の移植希望者数を明らかにしていただきたい。  第三に、移植希望者が受ける組織適合検査のできる県内の医療機関と検査費用を明らかにしていただきたい。あわせて福岡、長崎、両県の自己負担費用も比軟して、お答えいただきたいのであります。  次は、職員の体罰による許しがたい不祥事件が発生した牧ノ原学園のその後について、お尋ねいたします。  事件の原因や背景などの解明と再発防止のため、副知事を委員長する牧ノ原学園対策委員会を設置し、このたび改善報告が出されたところであります。その中で学園は教護をすることにより、不良性を除去し、児童を更生させることを目的とした人間的信頼関係のきずなを強くしながら、児童の性行を指導、改善するところにあると位置づけております。家族の出身学校等、関係機関との連携や個別指導に当たっての配置の欠如等の反省点を踏まえての種々の改善には、ある程度の評価はできるものの、いまだ不十分な点も散見されますので、幾つかお尋ねをいたします。  まず無断外出への対応についてでありますが、受容的カウンセリングの導入、専門家や責任者の指導のもとでの事情聴取は評価するとしても、児童の人生を考えれば国立教護院等への安易な措置変更は問題があると思うのでありますが、どうか。  次に、懲戒という制裁はいかなるときに行い、いかなることが行われるのか、具体的に説明していただきたい。  第三に、現場の教護は体罰は日常的と発言していますが、体罰の有無をはっきりと言明していただきたい。さらに、今後体罰を厳禁するなら改めてここで体罰禁止を宣言していただきたい。  運営体制についても、副園長制の導入、教育委員会との人事交流、女性職員の登用、教護相談員の設置等の改善が提案され、教護職員の配置についても教護の専門性を重視し、資質、適性、経験等を勘案するとともに、職員の年齢構成、勤務期間についても十分な配慮を行うと述べてありますので、お尋ねをいたします。  まず今後の教護職員の条件、すなわち資格や経験、さらには勤務期間などについても明らかにしていただきたい。  次に、今回の事件を機に専門のベテラン教護の必要性が強く叫ばれました。そこで教護に情熱と使命感を持ち、児童に心の底から愛情を持って接する教護専門職員は、一般の職員とは別に採用していくことも考える必要があると思いますが、お尋ねをいたします。  次に、LL牛乳の問題についてお尋ねいたします。LL牛乳の安全性について、名瀬保健所は厚生省の安全宣言に基づき、LL牛乳は安全で栄養価も問題なく、本土では五十八年ごろで論議を終えた問題であり、常温長期保存、超高温滅菌処理パック消毒の過酸化水素残留など、いずれも他の牛乳と比べ問題となるような変質や危険性はないと、昨年十二月五日の新聞記事で述べており、また発がん性についても、過酸化水素の残留が理論的でないことと他の食品でも過酸化物が存在しており、何ら問題のない量であると説明しているのでありますが、本当にそうであれば結構なことであると思うけれども、例えば岡山大学の中江教授等が昨年十二月十日、南日本酪農主催の講演会で、過酸化水素は不安定な物質であり検出が困難であるので、厚生省のデータ〇・〇一PPm残留については何とも言えないと述べていることは、大変気になるところであります。  しかし、厚生省の安全宣言については、それなりに権威のある宣言だと私どもも理解をしているところでありますが、安全性に疑問符を打たれた以上、疑問を解消する処置を講ずることは当然のことであり、またそれが生徒を預かる者の基本姿勢でなければならないと思います。離島だからとか経費が高くつくという理由だけで、全国の児童生徒が飲んでいないLL牛乳を奄美や一部離島の児童だけが、なぜ飲まなければならないのか。普通牛乳に切りかえるとコスト高となる。しかし地元や保護者が負担するなら切りかえても結構ですよなどと、血も涙も見えない態度などどこにぬくもりがあるのか。人間の健康より金を優先する県行政の対応に疑問を持つものであります。事がここまで進展してくると子を持つ親の気持ちとして、すべての親たちが不安を抱くのは当然だと思います。  例えば名瀬市では、学校給食でLL牛乳を飲まない生徒が二月二十六日現在で市全体で一六%であり、うち金久中学校などは三八・六%と高率なところもあり、飲みたくない教師や児童に押しつけるわけにもいかないでしょう。また学校給食は完全給食を実施しており、飲まないからと言ってその一部を変更するわけにもいきません。既に先月二十四日、名瀬市議会はこの問題について子供の命と健康を守る奄美郡民会議から提出されていたLL牛乳追放の請願を全会一致で採択しておりますので、県としてもいつまでも放っておくわけにいかないと思いますが、知事、関係部長はどのように対応されるのか。午前中もありましたけれども、大事な問題だと思いますので、再度お尋ねをいたします。  あわせて今年一月、瀬戸内町阿木名港で発生したLL牛乳変敗事故の調査結果についても明らかにしていただきたいと思います。    〔知事鎌田要人君登壇〕 25 ◯知事(鎌田要人君)肉用牛生産ネットワーク対策事業の具体的内容でありますが、これは離島や中山間地帯におきまして、本県の場合は三島、十島とこういったところが考えられているわけでありますが、肉用牛の放牧飼養管理施設、衛生害虫駆除施設、ダニ駆除等の施設でありますが、こういったものを整備をして子牛の低コスト生産を推進をすると、その子牛の生産集団とそれから肥育をやっております先進的な地域、経営これとの間でネットワーク協定を締結をいたしまして、低廉かつ安定した子牛生産、低コストの牛肉生産と、これの拡大を図っていこうという新しい試みでございます。この事業の推進によりまして、素牛の安定供給、生産肥育の技術情報の交換等を進めまして、コスト低減に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。  次に、飼料の問題でございますが、大家畜生産におきましては、御指摘のとおり飼料費の占める割合が非常に高いわけでありますので、県としましては質のいい粗飼料の生産拡大に努めているところでありますが、新年度から新しく姶良地域で公社営畜産基地建設事業を実施をいたしまして飼料基盤の整備を進めるとともに、各種事業の推進による粗飼料の生産拡大、栄養バランスのとれた完全給餌飼料、技術、これをコンプリートフィーディングというんだそうでありますが、この技術等の普及によりまして、粗飼料の効率的な利用を推進をしてまいりたい。  また子牛は、御案内のとおり現在需給がアンバランスでございまして価格が大分上がってきておりますが、今後生産拡大等によりまして、適正価格の維持に努めるとともに、保証基準価格も現行の三十万円といたしまして、価格の安定に努めてまいりたい。  また、粗飼料多給によります低コスト対策といたしましては、転作田を含む土地利用の集積、草地の造成整備、放牧の促進など山林原野の有効利用、優良品種の導入による反収の向上などによりまして、生産の振興を図るとともに粗飼料の分析などによる給与方法の改善を促進をいたしまして、経営の安定に努めてまいりたい。特に配合飼料につきましては、現在円高等によりまして、価格がかなり値下げになっておりますが、粗飼料自給率の向上によりまして、肉用牛の繁殖経営にありましては、子牛一頭当たりの給与量の節約を図ってまいる。また肥育経営にありましては、肥育期間の短縮、適切な出荷体重等を指導いたしまして、濃厚飼料の節減に努めてまいりたい。あれこれの施策を総合的に、効果的に活用することによりまして、コストダウンを図ってまいりたいと考えておる次第でございます。  次に、奄振法の延長に関連しましての自由貿易地域の設置の問題でございます。  御指摘のとおり、沖縄県におきまして自由貿易地域が動き出すということでございますが、これにつきましては、御案内のとおり、沖縄の復帰以前に自由貿易地域がもともとあったわけでございまして、復帰に際しまして沖特法で、この自由貿易地域が制度化されたというこういった歴史的な沿革がございます。このフリー・トレードゾーンにつきましては、したがいまして、沖縄以外の地域につきましては、それぞれの地域で保税地域を持ちながら、それにあわせて企業の立地集積を図っていくという観点から、本県を初め各県でそれぞれ検討をしておるわけでありまして、本県の場合におきましても、これは御案内のとおり国際空港がある、あるいは国際港湾があると、こういうところでこれと結びつけてやるものでございますので、本県の場合でございますれば、空港あるいは国際流通港湾との関連で検討をいたしておる次第でございます。  奄美で、この奄振法の延長に際して、この問題を取り込んだらどうだという御提言でございます。今、私ども奄振法の延長ということにつきまして、これにつきましても御案内のとおり臨調以来、こういった期限法については期限を付せられた法律については、期限がきたならば法律を廃止すべきだという動きがあるわけでございまして、奄振法の延長、それ自身をどうそのような中で図っていくかということで、その理論武装と申しますか、ということで総合実態調査をやっておるわけでございまして、その法延長の具体的な中身の検討の一つの項目として、フリー・トレードゾーンの問題も取り上げてまいらなければならないかと思いますが、ただいまるる申しましたような経緯と問題があるということをひとつお含みいただきまして、検討を私どもも進めたいと考えておる次第でございます。  次に、この教護施設の教護職員の問題でございますが、御指摘のとおり、特別の選考任用という方法で職員を採用するということも確かに一つの考え方でございますが、一つは人事のローテーション、今の公務員制度におきましては、戦後の私はこれは公務員制度の一番の問題だと思うんですが、一つところに長くいると月給も上がらなければ、いわゆる昇進もしないと、こういうことがございまして、ある程度ロ-テーションということが不可欠の前提になっておりますので、その辺のところをどう考えるかという問題、あるいはまた人材確保面等でいい人が得られるかどうか、このような特別選考でやっておられる場合に、いい人が来てくれればいいわけでありますが、もしこれが当たり外れがあったならば、これはばったいいかんという面もあるわけでありまして、そういった面の問題もございますので、現在の段階におきましては、私どもが考えておりますことは、やはり人事委員会の行う競争試験、あるいは教育委員会との交流による適材の受け入れと、こういった形で対処しながらこの仕事に情熱を持ち、生きがいを持ち、また専門的な知識、経験を蓄積をしていただくために、国立教護院への派遣等も含めまして研修の充実を図ることによりまして、いい教護員の先生を確保するということに取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。 26 ◯農政部長(日高一夫君)カンショの生産コストダウンについてでございますが、カンショ、特に原料用のカンショにつきましては、機械化等により省力化あるいは栽培技術の改善による反収の増加、こういうことが図られてきておるところでございまして、生産性は漸次向上いたしてきております。今後、農地流動化による経営規模拡大、マルチ栽培や優良品種の導入等、こういうことによる多収技術を確立していくことにしておりまして、これによりまして牛産費は低減していくものと考えております。  私どもの農政部で、収益性標準というのをつくりまして、これによって試算をしてみますと、五ヘクタールの経営規模に規模拡大いたしまして、多収技術が確立されたという条件で試算をいたしますれば、おおむね二割程度はコストダウンが図られるのではなかろうかというふうに考えております。  それから、カンショの用途開発についてでございますが、県の農産物加工研究指導センターにおきまして、従来から試験研究の柱として積極的に取り組んできておるところでございますが、芋かりんとうやチップ、フレンチフライなど一般的な芋加工品の改良や菓子原料、食材としてのゴールドマッシュの開発など、既に普及されているものもございますが、最近におきましてはベニハヤト、山川紫を使ったフレークの開発利用について研究を進めているところでございます。  今後におきましては、加圧式の成形押し出し機を利用いたしまして、新食品の開発を引き続き研究をいたしてまいりますほか、サツマイモの天然色素の抽出技術の開発や伝統的芋製品の製造技術の改良など、多面的な研究を推進をいたしていくこととしております。
     一方、民間におきましても、アイスクリームなど加工開発につきまして、意欲的な取り組みが行われてきております。今後、サツマイモの新しい用途開発は、一層進むものと考えております。  この味の少ないサツマイモの開発育成につきましては、既にサツマヒカリというものが奨励品種として選定をされたところでございます。今後もより加工適性のある品種の開発育成に努めていく方針でございます。  なおサツマヒカリを利用したグラニュール技術が確立されたことから、チップ状スナック食品の開発、さらしあん、こういった菓子食材等の原料として広範な用途に利用されていくものと考えております。  それから、米生産のコスト低減対策でございますが、稲作の生産性は、生産基盤の整備、優良品種、高性能機械等の導入により、反収の伸びや労働時間が減少しつつございますが、米の生産費調査によりますと生産費の約六割を農機具費、労働費が占めておりまして、経営規模別の生産費といたしましては、小規模経営ほど高くなってきておるわけでございます。  今日、農機具費の節減や規模拡大、これは非常に重要な課題となっておるわけでございます。このために経営規模に見合った農業機械導入を推進するとか、共同利用組織の育成を図るとか、農業機械銀行の活用を図るとか、さらには中核農家に対しまして、水田の集団的な集積を積極的に推進すると、こういったこと等を進めまして、生産コストの低減を図ってまいりたいと考えております。  それから、農協検査についてお尋ねでございますが、私ども県の農協検査体制といたしましても、持てる力の限りを尽くして当たっておるところでございまして、検査体制にいたしましても、適材適所の方針のもとに知識、経験を積んだ職員を配置いたしますとともに、職員の資質向上を図るための研修につきましても、農林水産省等で実施されます一ヵ月間の専門研修でございますとか、あるいは農協問題総合研究会、こういったことに参加させますとともに、さらに大蔵省が主催する講習会への派遣もいたしておりまして、県独自でまた計画をいたしまして、大蔵省銀行局専門官及び公認会計士等を講師とする実務研修を実施するなどいたしまして、検査職員の資質の向上にも努めておるところでございます。  都市型農協の検査の方法等に関しまして、御提言等を含め御質問があったわけでございますが、都市型農協は、信用事業部門の占める割合が大変大きゅうございますことから、特に貸し付け業務の適正化ということにつきまして、重点的に検査を実施してきておるところでございます。これのより効果的な検査を実施いたしますために、国に対しまして、これまで迂回融資等の確証を得る方法でありますとか、大口集中貸し付けの防止策についてでございますとか、担保評価の妥当性を把握する方法、こういったこと等につきまして、検討方を要請をいたしまして、私どもの県におきましても、国の指導を仰ぎながら研究をいたしておるところでございます。  信用事業に特化した大規模都市型農協の検査につきましては、現行の検査体制で対応していくということには、いろいろ課題もあることでございますので、今後検査のあり方等につきまして、御提言の趣旨も踏まえて、国と話し合いをして進めていきたいというふうに考えておるところでございます。 27 ◯企画部長(笹田昭人君)昭和六十三年度末をもって期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法の延長につきましては、ただいま知事から答弁がありましたようなことで、その実現のためには、従来にも増して国に対し強力な要請活動を行うなどの努力を要する状況にあると考えております。  振興開発事業の補助率や起債充当率につきましては、これまでも特別措置が講じられてきておるところでございますが、今後次期対策について要請してまいります場合にも、市町村の財政事情等を勘案し、補助対象や補助率の取り扱い、起債充当率等の財源対策等について引き続き特別措置が講じられるよう要望してまいりたいと考えます。  リゾート開発などを挙げてのお話でありますが、各種の事業を進めるに当たりましては、外海離島であるなどの奄美の特殊事情を踏まえまして、必要なものについては、取り扱い、運用面等を含めまして、特別な配置が払われますように要望していきたいと考えております。 28 ◯林務水産部長(萩之内照雄君)奄美群島の水産業の振興につきましては、これまで漁場調査や資源調査を行いますとともに、人工魚礁や漁港などの生産基盤の整備に努めてまいりましたほか、漁船の大型化、近代化、漁業近代化施設の整備を進めてきたところでございますが、今後とも大型魚礁や浮き魚礁の計画的な整備を進めるなどいたしまして、漁船漁業の振興を図ってまいります。  また、栽培漁業につきましては、県栽培漁業センターでこれまでウシエビ、ホラガイの種苗生産技術の開発を行っているところでございまして、さらに六十三年度からはシラヒゲウニの種苗生産や試験放流などに取り組むことといたしております。今後とも適用種苗の開発供給を段階的に進めながら、栽培漁業の振興を図りますとともに、温暖な奄美海域特性を生かした養殖業の発展につきましても、さらに努力してまいります。  なお、分場の問題についてでございますが、分場を設置するには、御承知のとおりそれ相応のスタッフや施設の整備が必要となりますことから、現に充実をいたしました研究スタッフと温泉熱利用など施設の整備をされました県の栽培漁業センターで総合的に取り組むことがより効果的であるということで、今後とも同センターの施設と機能を十分活用いたしまして、奄美群島の漁業の振興発展を図っていきたいと、このように考えておるところでございます。 29 ◯保健環境部長(有川 勲君)海ガメの保護関係でございますが、保護パトロールの人員につきましては、主要産卵地の市町村に、県の補助によりまして常時三十数人程度の監視員が置かれるというふうに考えておりますほか、県におきましても、適宜必要に応じまして重点地区のパトロールを実施することにしております。  条例五条の第一項第二号の行為についてでありますけれども、河川、海岸保全、港湾、漁港などの管理施設の新増改築などの工事を考えております。また、同項三号の具体例といたしましては、学術研究、教育教材のための採取、ふ化場への卵の移設などが考えられます。  なお、施行規則は、条例の公布後、施行日までに決定する予定でございます。  開発との調整につきましては、新たな諮問機関の設置は考えておりませんが、自然公園法あるいは県立自然公園条例など、既存の関係法令に基づいて適切に対処してまいりたいと考えております。  海ガメ問題懇話会についてでありますが、これは条例の制定に当たりまして、広く意見を聞くために開催したものでございますけれども、今後は、関係市町村、関係団体などで構成いたします海ガメ保護対策協議会を設置いたします。また実態調査を行うことなど各種の保護対策を行うことにいたしておりますけれども、こういった事業を行います中で、広く県民、各界各層の御意見も伺ってまいりたいと考えております。  学術研究の推進につきましては、当面海ガメの上陸、あるいは産卵の実態調査を専門家に依頼して行うことを考えており、生態研究所というような施設の整備は考えておりません。  次に、腎バンクの関係のおただしでございますが、社団法人腎移植普及会に腎提供登録者数は、現在五百六十二名でございます。また国立長崎中央病院を含みます全国の地方腎移植センターに登録いたしております本県の腎移植希望者数は三十五名となっております。なおこのほか、鹿児島大学医学部や鹿児島市立病院に七十五名の方が腎移植の希望を申し出ておられます。  本県におきましては、鹿児島大学医学部と鹿児島市立病院において組織適合検査を実施しておりますが、その費用は約四万円でございます。これは福岡、長崎も一緒でございますが、長崎におきましては約三万円の助成、福岡では約一万四千円程度の助成がございますので、自己負担はその差になろうかと存じております。  次に、大島郡瀬戸内町の小学校におきますLL牛乳変敗事故の調査の結果についてのおただしでございますが、一月の十六日に大島郡瀬戸内町の阿木名小学校におきまして、給食に配布されました牛乳に酸味、異臭のあるものがございまして、これを飲んだ児童のうち八名が軽い腹痛等を訴えたものでございますけれども、現在調査の最終段階にございますが、これまでのところ変敗いたしました製品は、製造された全製品のうち、この小学校で飲用されたものに限られております。この酸敗は何らかの原因によって生じましたピンホールから細菌が侵入したものによるものと考えておりますが、今後、製造、流通、販売に、それぞれの段階におきます衛生管理にさらに指導の徹底をしてまいりたいと考えております。 30 ◯県民福祉部長(松林康文君)牧ノ原学園の再建に絡みまして、国立の教護院等への安易な措置変更は問題があるのではないかというお尋ねでございます。  牧ノ原学園は、家庭、学校、地域社会で、監護、すなわち監督や保護のできなかった児童を、開放施設の中で県の福祉部門の職員がその児童と起居をともにしまして、人間的信頼関係のきずなを強くしながら、教護という特珠な教育、監督、保護を親にかわって行いまして、児童の性質や行動の改善を図っている施設であることは御承知のとおりでございます。とは言いましても、その根気強い教護にもかかわりませず、性質や行動の改善が図られませんで、しばしば無断外出や重大な規律違反を繰り返す児童につきましては、開放施設内での教護も限界があると考えられる場合がございます。かつまた当該児童にとりましても、これ以上開放施設で教護を続けることは適切でないと判断されるようなケースもあるわけでございます。このような場合は、児童福祉法で強制処置が認められております国立教護院、あるいは司法上の保護処分である少年院への処置がえにつきまして、児童の措置権者である児童相談所長へ申し出ることもやむを得ないということを考えているところでございます。しかしながら、あくまでもそうした措置変更は、子供の立場に立ちまして考えなければならない。仮にも、問題の子供をたらい回しするといったようなことであってはならないわけでございまして、その点慎重に対処してきたところでございますし、今後も仰せのとおり、みだりに処置変更するようなことは避けたいというふうに考えているところでございます。  それから、牧ノ原学園の実態を調査するに当たって、体罰がほかにもあったのではないかといったようなお尋ねがございましたけれども、我々も原因を詳しく究明するために、できる限りの調査はいたしたつもりでございます。その結果、まことに遺憾でございますが、一、二突発的なそういった体罰があったことは否めない事実でございます。しかし、それが恒常化してその中で行われたのではないかという風説が非常に強うございますけれども、私どもが調べました限りではこれはかなり突発的なものであるし、そうしてそれにかかわっている者も実はこの七人の特定の者であるようでございまして、その点、これは、私が断定的に申すわけではありませんけれども、恒常的な中でずるずるとこれが行われたというふうには、私は考えていないところでございます。  それから次に、懲戒の問題につきまして、これをいかなる場合に行うのかという御質問でありまして、これは大変難しい問題でございます。それはケース・バイ・ケースとその状況によるかと思うわけでございますが、子供の心理状態、あるいは健康状態等もかかわりがございますし、懲戒をすることがその子供にとって非常に効果が上がるときと、例えば、粗暴な振る舞い等があったときには、すかさずそのことについて叱るといったようなことを心がけねばならないだろうと思うわけであります。  現場の体験者によりますと、その少年が自分で非常に悪いことをしたなあというときには、自責の念でその教護のところに、「先生、げんこつをください」と言って来るようなケースもあるそうでございまして、そういうような教護の者とそれから児童の者とか、その懲戒によって効果が上がるというようなところを見きわめてやることが肝心ではないかと。また、そういった点につきましては、こういった教護が持っておりますハンドブック、あるいはいろんな研究報告書というようなものがございまして、そういうものに照らしながら実行していくことが肝心ではないかと思う次第でございます。  それから、先ほど来申し上げておりますように、懲戒の限度を超えていると思われるような体罰につきましては、もともと児童福祉施設ではあってはならないものでありまして、牧ノ原学園対策委員会の報告書におきましても、教護上やむを得ず懲戒を行う場合の留意事項を定め、懲戒の方法、程度は健全な社会常識による制約を逸脱することがあってはならないものであると明記しているところでありまして、この考え方を徹底してまいりたいと考えているところでございます。 31 ◯教育長(濱里忠宣君)大島地区における学校給食用の牛乳は、以前は脱脂粉乳が飲用されておりましたが、これにかわるものといたしまして、設置者である市町村がその安全性とか供給価格とか、それから年間を通じた安定的な供給体制等々の点を総合的に判断いたしまして、昭和五十二年からLL牛乳が飲用されてきているものでございます。どのような牛乳を飲用するかということにつきましては、学校を設置する市町村が決めることになっているわけでございますが、午前中もお答え申し上げましたように、安全かつ安定的な供給、価格上昇分の負担等々を含めまして、市町村それぞれ独自の課題を抱えているなど極めて困難な状況にございますので、県教委といたしましては、必要な情報を提供いたしますとともに、関係教育委員会を初め関係機関、団体と鋭意研究を続けているところでございます。    〔河野喬次君登壇〕 32 ◯河野喬次君 知事を初め関係部長から答弁をいただいたんですが、この自由貿易地域につきましては、アメリカでは四百ヵ所以上のフリーゾーンの設置があると聞いておりますけれども、我が国では来月沖縄でスタートする那覇港のフリーゾーンが我が国で初のフリーゾーン設置ということになるようであります。太平洋戦争から引き続いて二十数年間アメリカの占領のもとで苦労してきた沖縄に対する日本政府としての、これは最大のプレゼントであると、こういうふうに聞いておりますが、そのように沖縄振興開発特別措置法の中にだけ規定された唯一の制度ということになっておりますが、先ほども申し上げましたように、近年国内の各地において、北海道の千歳空港の一帯とか、あるいは大分空港の周辺一帯とか、あるいは新岡山空港の周辺一帯にフリーゾーン構想の検討が積極的に進められていると、こういうようなことを聞くわけでありますので、当然、私たち奄美群島も沖縄と同じような特別措置法の施行地域でありますので、次期奄振延長の中で、先ほど知事御答弁になったけれども、やっぱり政府に当たってみなければわからないはずですからして、保岡代議士などもぜひ頑張ってみたいと、こういうふうに言っておりますので、ぜひ次期奄振の目玉としてフリーゾーンの設置を政府に対して働きかけていただくよう要望をしておきます。  それから、水産分場の復活についてでありますけれども、知事は全国に十九の水産分場があるということを御存じだと思うけれども、その中でも沖縄県、福岡県、岩手県、東京都などは二つの分場を持っておるわけです。それから静岡県は三つも分場を持っているわけです。しかも、これら十九の分場は、奄美のような外海じゃないんです。内海の方に十九の分場、しかも県によっては二つ、三つと分場を持っていると。それなのに、どうして本土から五百キロも六百キロも離れた外海の奄美の分場を廃止しなければならないのかと、どう考えてもこれは納得いかないわけです。名瀬市の名瀬漁協の吉野組合長、この方は群島の水産振興協議会の会長も兼任しておりますけれども、奄美にとっては奄美水産を知り尽くした方だと我々は思っておりますが、この方がことしの新春のインタビューに答えて、栽培漁業の振興について質問されたことに対して、答えて、次のようなことを、この吉野さんが言っているわけです。  現在、奄美に適した種苗の開発がなされていないと。いないので、沖縄との連携を強く今訴えているところであると。もし、それができないようであれば、試験研究機関をぜひ設置してもらわなければ、奄美はやっていけないと。このことではっきりするんじゃありませんか。奄群の今後の水産の振興、推進というのは、沖縄を頼る以外にもうないということになってしまったと。なせ鹿児島県が他県の沖縄県の協力を得なければ水産が進めることができないのかと、非常に疑問を持つわけでありまして、これは必ず知事は将来大きな禍根を残すことであると。知事の考え方は、これは間違っているということを、私は指摘をして、ぜひ次期奄振の中で水産分場の設置について検討していただくように御要望をしておきたいと思います。  それから、LL牛乳の問題、海ガメ、腎バンク、牧ノ原学園、農政問題等についても、申し上げなければなりませんが、時間が参っておりますので、農政問題について申し上げるならば、今日、農業の大事なことは、生産性の向上を図るための一層のコスト低減対策を強化することが、当面最も必要なことだと思われます。したがって、規模の拡大や基盤整備はもちろんのこと、先日の衆議院予算委員会でも盛んに論議されていましたけれども、農業の生産費に占める割合が特に高いと言われている農業機械とか、飼料、肥料等の生産資材の低減対策を強力に推進することが当面最も大事なことだと思いますので、県においても積極的にこれらについて取り組んでいただくことを要望しまして、公明党を代表する質問にかえる次第でございます。(拍手) 33 ◯議長(原田健二郎君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 34 ◯議長(原田健二郎君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、県政一般に対する個人質問であります。       ─────────────    △ 散  会 35 ◯議長(原田健二郎君)本日は、これで散会いたします。         午後三時十三分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...