平成25年 第3回定例会(9月)平成二十五年九月十日(火曜日
) ------------------------------- 議事日程第二号 平成二十五年九月十日 午前十時開議第一 一般質問及び
質疑 ------------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び
質疑 ------------------------------- 出席議員 四十二名 議長 近藤和義 副議長 田中利明 阿部英仁 志村 学 古手川正治 後藤政義 土居昌弘 嶋 幸一 毛利正徳 油布勝秀 衛藤明和 濱田 洋 三浦 公 末宗秀雄 御手洗吉生 桜木 博 麻生栄作 三浦正臣 守永信幸 藤田正道 原田孝司 小嶋秀行 馬場 林 尾島保彦 玉田輝義 深津栄一 酒井喜親 首藤隆憲 吉冨幸吉 平岩純子 江藤清志 久原和弘 小野弘利 元吉俊博 井上伸史 荒金信生 佐々木敏夫 戸高賢史 吉岡美智子 河野成司 堤 栄三 竹内小代美 欠席議員 一名 渕 健児 欠員 一名
------------------------------- 出席した県側関係者 知事 広瀬勝貞 副知事 二日市具正 副知事 小風 茂 教育委員長 岩崎哲朗
代表監査委員 米浜光郎 総務部長 島田勝則 企業局長 坂本美智雄 病院局長 坂田久信 教育長 野中信孝 警察本部長 大沢裕之
企画振興部長 塩川也寸志
福祉保健部長 平原健史
生活環境部長 冨高松雄
商工労働部長 西山英将
農林水産部長 工藤利明
土木建築部長 畔津義彦
会計管理者兼 小野嘉久
会計管理局長 人事委員会 城 尚登 事務局長
労働委員会 安東忠彦 事務局長 財政課長 長谷尾雅通 知事室長
岡本天津男 ------------------------------- 午前十時三分
○
近藤和義議長 開議に先立ち、先般新たに公安委員に就任されました石田敦子君からごあいさつがあります。石田敦子君。
石田公安委員 九月八日付をもちまして公安委員に任命されました石田敦子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(
拍手) ------------------------------- 午前十時四分 開議
○
近藤和義議長 これより本日の会議を開きます。
-------------------------------
△諸般の報告
○
近藤和義議長 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 監査委員から、
地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により八月の
例月出納検査について結果に関する報告がありました。 なお、調書は朗読を省略いたします。 以上、報告を終わります。
-------------------------------
○
近藤和義議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第二号により行います。
-------------------------------
△日程第一 一般質問及び質疑
○
近藤和義議長 日程第一、第九〇号議案から第一一二号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。小嶋秀行君。 〔
小嶋議員登壇〕(拍手)
◆
小嶋秀行議員 おはようございます。県民クラブの小嶋秀行です。 時間が限られておりますので、早速、お手元の質問通告に基づき、分割方式にて質問を行います。広瀬知事初め、執行部各位には、どうぞよろしくお願い申し上げます。 初めに、
地方分権改革についてです。 この課題につきましては、これまでの質問機会に、その都度お聞きしてまいりました。これまで、二〇〇〇年四月の
地方分権一括法施行後、二〇一〇年六月には、当時の
民主党政権において
地域主権戦略大綱が閣議決定され、かつ、十二月には、出先機関の原則廃止に向け、
アクションプランが政府から発せられるなど一連の動きがありました。また、とりわけ
九州地方知事会では、国の行政改革の側面を持ちつつ進められました
広域行政機構設置の論議が、法案提出はできませんでしたが、最終段階に至っております。 私といたしましては、今後さらに
分権改革論議に積極的な立場から参画すべきであると考えておりますし、この間、約三年数カ月間の論議をさらに発展すべく、改めて積極的な立場から今後も論議を深めなければならないと考えております。 昨年暮れの政権再交代後、現政権における
地方分権改革の動きについて見てみますと、この秋の臨時国会には道州制に関する
基本法案提出の動きもあると聞きますことから、今後、道州制へのアプローチが一気に本格化する気配を強く感じております。 そこでお伺いいたしますが、実質、一九九三年からスタートした約二十年間におけるこれまでの
分権改革論議の中で、当初から大きな課題としてとらえてきました中央集権から地方分権へという方向性とその改革論議、そして、それに基づく課題の整理が広瀬知事はどの程度進展したとお考えでしょうか。この二十年を一つの節目として、現状に対する受けとめ方をお聞かせいただきたいと思います。 また、二〇〇〇年に施行された一括法は、その趣旨を「国と地方の関係を上下・主従関係ではなく対等な関係とする」とし、
機関委任事務を廃止するなどしてきましたが、その関係性の変化についてはいかがでしょうか。そうした実感は私には全くありませんし、さきの
地方交付税の一方的な削減実例などから考えるならば、実質的に上下関係、主従関係は今なお色濃く残されていると見ますし、逆に先祖返りの感さえするのですが、知事はどう受けとめておいででしょうか。率直なご見解をお聞かせいただきたいと思います。 これ以降は対面席から質問させていただきます。 〔小嶋議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○
近藤和義議長 ただいまの小嶋秀行君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 小嶋秀行議員には、
地方分権改革につきまして息長く取り組んでいただいております。今回もその観点から、ご見識を交えながらご質問を賜ったところであります。 平成五年六月でございましたけれども、衆参両院におきまして「
地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立する」との決議が全会一致でなされました。現在に至る
地方分権改革がスタートしたときだというふうに考えてもいいと思います。 平成十一年に成立いたしました
地方分権一括法では、
機関委任事務が廃止されまして、地方自治体が国と対等、協力の関係にあることが明示されたところであります。これは、我が国の地方制度の沿革から見て画期的なことだったというふうに考えます。 その後も、国の義務づけ・枠づけの見直しや条例制定権の拡大、基礎自治体への権限移譲が行われているところであります。大分県でも、災害対策などを取り入れた
児童福祉施設の運営基準の設定など、大分県の実情や県民ニーズに合わせた独自の条例制定や基準設定を行っているところであります。 加えて、国と地方の協議の場が法制化されるなど、国政に対する地方の発言力は着実に大きくなっているというふうに感じております。 こうした流れの中で
九州地方知事会では、
民主党政権での国出先機関の原則廃止の方針に呼応いたしまして
九州広域行政機構の構想を提案し、九州の主張を多く取り入れた法案が閣議決定に至りました。地方が主体的に制度設計に参画し、国との協議を重ねるというプロセスを経たこの法案の策定経過は、今後の国と地方のあり方を考える上で有意義な取り組みであったというふうに思います。 このように分権改革は着実に前進し、一定の成果を上げているものと認識しております。しかしながら、その成果を県民の皆さんに十分に実感していただくというまでには至っていないともまた感じているところであります。 分権改革が進んでよかったと実感していただくためには、まず、分権改革の担い手である都道府県や市町村が住民のために制度をつくり、担っていくという覚悟が必要であります。地方みずからが、住民の声をしっかりと受けとめて、移譲された権限も活用し、
住民サービスの維持向上に努める必要があります。そのためには、効率的な行財政運営や職員の人材育成にも取り組まなければならないと思います。 他方、国に対しましては、地方が自主、自立性を十分に発揮できるように、特に税財源の充実強化を引き続き強く求めていく必要があると考えています。 今後とも、地域のことは地域の意思と責任で決定し実行できるように分権改革に取り組んで、国民、あるいは住民が豊かさを実感できるような社会の実現を目指していきたいというふうに考えております。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 少し前に戻ることになるかもしれませんが、昨年、同じような質問させていただいた折、九州市長会の道州制への移行をベースとした分権改革に関する方向性と
九州地方知事会での協議が、同様な地方団体として、いささか趣を異にしているようだとの意見を述べさせていただきましたが、今日では一気に道州制実現を目標にした論議を行うための法律案が上程されるということですから、そんなことを言っておれる場合ではなくなったと認識をいたしておりますが、これまでの論議や議論が置いてけぼりにされないようにしていかなければならないと思いますし、仮に道州制に向けた論議が早々に行われるとするならば、それは永田町や霞が関だけの論議に終始させてはならないと強い問題意識を持っております。この点、基本的な立場からいかにお考えか、お聞かせをいただきたい。 それから、その意味では、本年七月に
全国知事会が、前述の法案提出を前に、政府に見解をただすべく提案、要望を提出しておられますが、それに沿った議論は
全国知事会のみならず他の地方六団体としても、積極的に、しかも時間をかけて論議を展開しなければならないと私は考えております。 冒頭申し上げたとおり、分権改革に関する論議が始まって二十年たちますが、今後、五年、十年先を見据えた
地方分権改革論議、
先ほどお答えもいただきましたが、税源移譲を含む財源論などどのように進展させていく必要があるとお考えでしょうか、改めてご見解を伺わせていただきたいと思います。
○
近藤和義議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 最近の道州制の議論の進みぐあいについて、今、小嶋議員から、懸念される点が数点指摘されたところでございますけれども、私どもも同じような気持ちでございます。 道州制は、国と地方のあり方を大きく変える、まさに国民全体にかかわる問題であります。しかしながら、現在、国で行われている議論では、道州制の具体的な姿が明らかにされておらず、導入した場合の効果や影響の検証も十分になされておりません。今後、道州制導入を本格的に議論するということであれば、そのことは大事だと思いますけれども、そういうことであれば、まずは、国が統治機構のあり方について具体的な理念や将来像を示した上で、なぜ道州制なのか、どのような道州制にするのか幅広く国民的な議論を行って、国民の共通認識を形成していくということが大変大事だというふうに思います。 従来から申し上げておりますとおり、地方としては、道州制議論の活性化を、中央集権を打破して地方分権を推進する好機というふうにとらえて、その当事者として積極的に参画し、議論を深めていくべきだというふうに考えております。 さきの
九州広域行政機構の議論における
九州地方知事会の思いもそういうところにあったわけでございますけれども、この議論を深めていくということについては、去る七月の
全国知事会でも申し上げて、意見書にも反映されているものというふうに思います。 先ほども申し上げましたけれども、もとより
地方分権改革は国民が豊かさを実感できる社会の実現が目的であります。 県といたしましては、地方、地域の活性化と住民福祉の向上を第一に考えまして、道州制の議論にかかわらず、国の出先機関の移管だとか、あるいは義務づけ・枠づけのさらなる見直しや
地方税財源の充実強化など改革を着実に進めていきたいというふうに考えております。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 ありがとうございました。 今回、法案が提出をされるということが明らかにされているわけでありますが、先ほど申し上げた七月の知事会の協議の中で、今後の議論の進め方として、知事会としての問題意識が明らかにされたということは、これからの論議にとっては非常に有効だと私も感じておりますので、今後、地方分権、とりわけ道州制を絡めてしっかりと論議をさせていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 それでは、次の、地域の公共交通の確保についてお伺いをいたします。 昭和四十年代の最盛期には、毎年、全国で延べ百億人が
地方路線バスを利用していましたが、自家用車に依存した生活が社会に深く浸透したことなどを主たる要因に、今日では最盛期の四割まで利用が落ち込んでいると言われております。 ちなみに、
乗り合いバスの最盛期のころ、昭和四十年代初頭では国民十八人に一台の
自家用車保有率であったものが、平成二十一年度では国民二・二人に一台まで増加しているとも言われておりますから、公共交通の
維持そのものが難しいことは明らかであります。 こうした影響に加え、二〇〇七年あたりから
人口減少傾向が顕著となり、さきに発表されました数字では、本年三月末現在の人口が前年対比二十六万六千人減少しているとのことですから、その分、
公共交通利用者の絶対数が少なくなり始めており、都市部と周辺地域での公共交通の利用状況に大きな格差が生じることとなっております。 そのような中、国会では、既に二〇〇二年、二〇〇七年の二度にわたり
交通基本法案が
議員提出議案として上程され、二〇〇九年まで継続審議されましたが、ついぞ成立されず、直近では、内閣が提案したものの、二〇一二年に衆議院が解散となったため、三度目の廃案となりました。 述べるまでもありませんが、
交通基本法は、国民の日々の暮らしにおいて移動は欠かせないものであり、安全で安心な交通手段が必要不可欠であるとの認識に基づくとともに、交通に関する課題は国民が一丸となって
経済社会システムを変革する形で対応することが必要だという認識から、これまで国及び交通事業者任せであった地域交通の権限を地方自治体に移し、財源の確保とともに新しい枠組みをつくることが必要であること、その意味では、
公共交通政策における地方分権を図ることに主眼が置かれております。 また、いま一つは、さきに述べましたように、自家用車に依存した生活が社会に深く浸透してきた結果、
国土交通省関係資料によりますと、全国の就業者数の四割が通勤に自家用車を使っており、
マイカー通勤からの
CO2排出量は年間三千万トンに達すると推計されていますので、低
炭素社会実現を促進する観点からも不可欠なものであるとの立場に立脚しています。 さらに、少子化、高齢化が同時に進行している今日の社会では、県庁所在市のみならず、地方都市の活性化、まちづくりにおいても、
地域公共交通の持続的発展、継続は不可欠であるとの観点もあります。 そこで、申し上げた主に三点の視点から、今後、国における
交通基本法の早期制定及びこれに伴う国、県、市町村の役割分担を踏まえた県の基本条例、
市町村交通計画の策定が急務と考えますが、国は、来年度の予算編成に当たり、地方都市のバスや鉄道などの
公共交通網の再編を後押しするため、関連法の改正案を提出する方針だと報道もされております。こうした動きとも関連し、大分県としてどのような現状認識及び問題意識をお持ちでしょうか、見解をお伺いいたします。 また、関連する一つの事案として、現在、大分市において中心市街地の開発が進んでおりますが、平成二十七年の大分駅ビルの完成、そして
都市計画道路庄ノ原佐野線の大分川への架橋により一たん収束することとなります。 JR駅を中心とした町並み形成は
JR九州管内においては大変大きな関心が寄せられているらしいのですが、それはさておき、県民、市民からは、大分市西部地域から、庄ノ原佐野線を経由し、大分駅南口、上野の森口へ至る公共交通の運行に大きな期待と関心があるとの声を大変多く聞きます。 そこで、大分市西部地域から新たにバスの
運行ルートを設定する場合には、関係省庁や県は事務手続上どのように関与し、さらに、その実施に向けてはどのような課題がありますか、お伺いをいたします。
○
近藤和義議長 塩川企画振興部長。
◎
塩川也寸志企画振興部長 初めに、公共交通についてのご質問にお答えいたします。 現状といたしまして、公共交通を取り巻く環境は、自家用車の普及等により利用者の減少が進み、路線廃止、あるいは減便等を余儀なくされておりまして、特に自家用車の利用がままならぬ高齢者など交通弱者にとっては大変厳しい状況にあると認識しております。 いわゆる交通弱者が買い物や通院など地域で安心して生活できる環境を整備するためには、バスなどの公共交通の確保が大変重要であると考えております。このため、県としては、今後も引き続き対策を講じていく必要があると認識しております。 県としての施策ですけれども、運賃収入だけでは維持困難なバスの運行費について補助するだけではなく、今年度から
小型ワゴン車の導入など公共交通の利用拡大を図るための支援も開始したところです。 さらに、市町村ごとに地域の実情に即した取り組みを促進するため、県が市町村職員を対象とした研修や市町村別の意見交換会を開催し、ノウハウの提供などさまざまなサポートを実施しております。 県といたしましては、今後、地域の公共交通の確保、維持に向けた関連法の整備など国の動向を注視するとともに、さまざまな機会をとらえて国の支援策の充実を要望していきたいと考えております。 次に、大分市西部の公共交通についてでございます。 バス路線の新設には、
道路運送法に基づき事業計画の変更認可や運賃の上限認可を得ることが必要であることから、まず、
乗り合いバス事業者が需要予測などを行い、採算を考慮して運行の可否を判断し、
大分運輸支局に路線新設を申請することとなります。 県や市は、当該申請の中で県道などに
バス停留所が設置される場合に、
道路管理者として
大分運輸支局から意見を求められるという立場にございます。 議員ご指摘の
運行ルートの新設に向けてでございますけれども、まずは、
乗り合いバス事業者に
運行ルートの必要性を理解してもらうことが重要であると考えております。 以上でございます。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 国は、
地域公共交通活性化再生法の改正案を出すとのことでした。この法律は自治体主導で公共交通の計画づくりを進めるものではありますが、今回の法改正によって、改めて国の関与を強くすることになるとも解されておりまして、基本的に地方分権の流れに逆行する動きともとられかねません。 そのことはさておきまして、繰り返しになりますが、冒頭述べました
交通基本法は、地域のことは地域で決められる
仕組みづくりを行うことに趣があるわけですから、ぜひとも、今申し上げた再生法を巻き取る形で、国民の移動権をどのように保障するかとの観点で取り組まなければならない、このように考えておりますが、今後、関連する動きに沿いつつ、
公共交通政策の検討、協議については、国内各地で
さまざま成功例もあるようですので、さらに論議を深めてまいりたい、このように考えておりますことをお伝えし、二点目の新たな
バスルートについて再質問をいたします。 大分市西部地域からバスの
運行ルートを新設する場合の、手続上、必要な観点についてお答えをいただきましたが、バス会社の営業範囲の問題もあるのではないか、このような問題意識も持っておりますが、手続的には事業者の意思が大きいところがあるということでありますので、単刀直入なお聞かせといいますか、お聞きで恐縮ですが、平成二十七年度までの新設については、可能性はいかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○
近藤和義議長 塩川企画振興部長。
◎
塩川也寸志企画振興部長 現在、大分駅に乗り入れております大分バスと大分交通の二社に対しましては、大分駅北口の
バス乗り場に関する協議を行っておりまして、その際に、南口への乗り入れについても検討をお願いしております。 ただ、やはり、あくまで決定する、あるいは着手するというのは先方の意思にかかる部分ということになるのですけれども、現在、例えば、県立美術館と市立美術館、それから
芸術文化短期大学、駅南ですけれども、そこを結ぶルートですとか、そういうところについては、例えば、市役所等からも具体的な要望が上がっているところでもありますので、西の台、椎迫の方まで延びる議論はともかくとしましても、必要な部分についての議論については業者としっかりやっていきたいとは考えております。 ただ、二十七年度までにどうかということについては、ちょっとお答えいたしかねるということでご了解いただきたいと思います。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 ありがとうございました。 大分市に伺いますと、都市計画の部門で同様の議論が行われている、今答弁にもありましたが、ようですので、大分市に対しても働きかけをさせていただきたいと思いますが、今回の大分市議会の一般質問でも同様の意見が出たというふうにも伺っておりますので、ぜひ共同歩調をとりながら努力させていただきたいと考えております。 大分バスと大分交通、事業者名を言うて申しわけないんですが、二つの会社のちょうど真ん中を二一〇号線のバイパスが、営業エリアの境になっておりますから、こういった問題もあると問題意識は持っておりますので、業者との連携については、ぜひ県としても強めていただきたいことを要望しておきたいと思います。 それでは、時間がありませんので、次に参りたいと思います。 三点目に、
地球温暖化がもたらす諸問題についてお尋ねをいたします。 最も暑い時期をほぼ終えて開催されるこの時期の
県議会定例会でなければ実感を持って論議できる機会がありませんので、昨年に引き続いて、関連する対策などをお伺いしたいと思います。
総務省消防庁の発表によりますと、ことし五月二十七日から九月一日現在の熱中症患者は、昨年同期の一・三五倍の五万六千百七十二人であったそうです。また、大分県内では七百四十六名であったことが報告をされております。 かなりの早さで
地球温暖化が進んでおる影響から、異常な気象現象が発生し、関係機関の熱心な予防対策の呼びかけにもかかわらず、熱中症に関しては、年々その犠牲者の数は増すばかりですが、中でも高齢者が多く犠牲になられており、七百四十六人のうち、約半数の四九・〇六%に当たる三百六十六人が高齢者でした。そのうち、死亡者は四名です。
地球温暖化そのものは地球的規模で進展していますから、この進行を妨げるための対策も大事ですが、その影響による犠牲を少なくするための対策についても多角的に検討しなければなりません。 この時期、既に猛暑のピークは過ぎていますが、今後に向けて、市町村とタイアップした熱中症対策が必要だと思います。まず、この点についてご見解をお聞かせください。 一方、
地球温暖化の第一の影響とも言える異常現象による集中豪雨で被災する地域がふえています。その被害は、本年も東北地方や中国、四国地方など広範囲にわたり、予想だにしない被害が多発をいたしております。 思い出したくもありませんが、昨年、県西北部が被災した際も、予想をはるかに上回る、これまでに経験したことのないような大雨が、実に、一時期に二回も襲来し、ダブルで甚大な被害をもたらしましたし、平成二十三年の台風十二号でも、紀伊半島を中心に甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。 こうしたこれまでの被害状況を踏まえ、気象庁は、現在の警報の表現を見直し、新たに特別警報を発することを決め、先月の三十日から運用が開始されました。この基準は数十年に一度の降雨量だそうですが、これが発せられる場合は、既に被害が多発しているという状況も考えられるそうです。県民の命や財産を守ることも大分県の大きな役割でありますから、県としても、今後に向け、一つ一つの対策を平常時から積み上げておかなければなりません。 そこで、この百年間の大分県周辺の気温の上昇について計測したデータがあるならば、念のためにお示しを願いたいと思います。 また、近年の異常気象による集中豪雨被害を受けた場合における災害対応は当然のこととして、減災という視点から前もってとらねばならない対策も幾つかあると思いますが、検討している項目などがあればお聞かせいただきたいと思います。
○
近藤和義議長 平原
福祉保健部長。
◎平原健史
福祉保健部長 私からは、まず、熱中症対策についてお答えをいたします。 ことしの夏は記録的な猛暑となり、熱中症疑いの救急搬送者が相次ぎました。 熱中症は、暑さ対策や小まめな水分補給等の正しい知識と適切な対処で予防可能であります。このための啓発と注意喚起が重要でございます。 そこで、県では、熱中症の症状を周知するとともに、応急処置やその予防方法について、ホームページへの掲載やリーフレットの配布等を実施し、市町村に対しても同様の取り組みを促してまいりました。 こうした中、議員ご指摘のとおり、暑さやのどの渇きに鈍くなる高齢者の被害が多くなっております。こうしたことから、県では、これまで以上に市町村と連携をいたしまして、高齢者を中心に、ボランティアやヘルパーさんらによる見守り訪問を行う中で、冷房器具の使用など熱中症の予防について適切な情報提供を進めていきたいと考えております。 以上でございます。
○
近藤和義議長 冨高
生活環境部長。
◎冨高松雄
生活環境部長 集中豪雨への対応についてお答えします。 気温の上昇についてですが、気象台によれば、本県の年平均気温は、ここ百年ほどで一・八三度上昇しており、特に近年の上昇割合は高くなっております。 次に、事前の防災減災対策についてですが、近年増加する豪雨災害に対しては、地域防災計画に掲げる災害応急対策はもちろんのこと、事前の備えとして災害予防対策を着実に講じる必要があります。 ハード対策としては、ダムや河川改修等の治水対策や、砂防や治山等の土砂災害対策、道路のり面の崩壊対策等を計画的、総合的に推進し、災害に強い県土づくりを進めてまいります。 また、ソフト対策として、防災士をかなめに自主防災組織等を育成強化し、防災訓練や防災教育を通じて県民の防災意識を高め、自主的な避難行動を促すなど災害に強い人づくりを進めてまいります。 九州北部豪雨を踏まえた対応としまして、避難勧告等をサイレンにより確実に周知するとともに、迅速なメールの発信による伝達にも取り組むほか、大分地方気象台と協定を締結して、市町村に詳細な気象情報を提供し、避難勧告等の迅速な対応につなげてまいります。今後とも事前の防災減災対策をしっかりと進めてまいります。 以上でございます。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 この百年間に一・八三度、平均気温が上昇しているということがどういうことか、改めて述べるまでもありませんが、これが及ぼす影響が、昨今の竜巻であったりだとか、集中豪雨が何度も襲来するということがあるのだろうと思います。 それで、危機管理の体制として、大分県独自ということが言えると思うんですが、それぞれの振興局に危機管理監を配置されている。これ、次長クラスなのか、局長クラスなのかは、ちょっと私は詳細を存じ上げませんが、振興局で危機管理監というのが配置されていることは承知をいたしております。 そこで、私、熱中症対策については、言われたように、対策をしっかりとっていただく以外にないと思いますし、市町村との連携というのも非常に重要だというふうに思っておりますし、情報提供が欠かせないと思いますが、話は変わって、いざ、災害、大雨が降るだとか、異常気象に対する対応については、私は、危機管理監とあわせまして、各振興局に数名の、いわゆる気象予報士の配置というものを今後検討なさる必要があるのではないかと思っております。 この気象予報士、申し上げるまでもありませんが、国家資格を有して、ライセンスとして、非常に難しいライセンスであるということは聞いておりますが、しかし、現地にいて、現地の雲を見ながら、現地の雨の降り方を見ながら、それで、これは竜巻が起こるだとか、あるいは、雨の降り方が、これ百ミリに達するんではないかということは、その気象予報士そのものが判断をするといいますか、予想できるということ、そうなりますと、現地で見ておりますから、気象観測所とも連携をとりながら、関係部門とも連携をとって、早目に、一歩でも二歩でも、あるいは一分でも二分でも早目に避難の情報を発出することができる、その礎になるのが気象予報士の役割だろうというふうに思っておりますので、ここで、ソフト的な対策になろうかと思います。ハード的な対策は、部長がお答えになっていただいたようにさまざまあろうかと思いますが、ソフト的な対策として、私は、この機会に、長期、十年ぐらいの期間を一定のスパンとして気象予報士の配置をご検討なさったらいかがかということを改めて提案させていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○
近藤和義議長 冨高
生活環境部長。
◎冨高松雄
生活環境部長 お答えします。 最近の異常な気象に迅速に対応していくためには、防災担当者が気象に関する一定の知識を持つことは必要であると思います。そのため、今年度も引き続き県職員の防災士を養成し、気象を初めとした防災に関する知識をさらに深め、これを業務に反映させることとしております。 また、先ほど申し上げましたが、本年四月には大分地方気象台との間で協定を締結し、台風の接近や急激な気象の変化が見込まれる場合などに、気象等に関する防災情報の解説、助言をしていただくために職員に来ていただいております。そして、気象台との間で情報の共有化を図っております。 先般の台風十五号が接近した折にも、気象情報の解説、助言をしていただき、この情報を振興局や庁内関係部局及び市町村にも伝達したところでございます。 気象台とは、そうした連携に加え、気象に関する研修会などへの協力をいただき、防災関係職員の気象に関する知識のスキルアップを現在図っているところでございます。 議員ご提案の気象予報士の資格取得についてですが、大変難関な資格と聞いております。現在、気象台から情報の解説、助言をいただいているところでありますが、この気象予報士がそういった中でどのような役割を果たしていけるか研究してまいりたいと思います。 以上でございます。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 ぜひ研究をしていただきたいと思いますが、現地に気象予報に関して極めて詳しい人間がいるといないのとでは、全然、私は対応が違うと思います。 当然、気象庁とか測候所だとか、あるいは気象台なんかとの連携は、これまでもとってこられたと思っておりますが、一分でも二分でも早い予報、あるいは警報の出し方というものが今問われていると私は思っていますので、今後、職員の中から気象予報士を受験する方もいらっしゃっていいと思います。新たに気象予報士を採用されることも方法だと思いますが、そこは、これから十年ぐらいの一つスパンにご検討なさっていく必要があるんじゃないだろうか。 それだけに私は、今の気象の異常さというものに危機感をもっともっと持つべきではないかというふうに思っておりますので、気象予報士だけが対策ではありませんが、ぜひ気象予報士の配置というものを、今後、極めて大きな課題として検討いただきたい、このように考えておるところです。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、次に、県立図書館の運営に関する基本的な考え方についてお尋ねをいたします。 先日、ある新聞の日曜版をごらんになった方も多かろうと思いますが、「図書館へ行こう」という主見出しで、日本国内のみならず、外国の図書館との比較を含め、関心を引く有益な紙面がありました。 強い関心を引いたのが、主な国の人口十万人当たりの公共図書館数でした。日本の公立図書館の数は、この二十年間で千二百三館ふえたものの、二〇一二年現在で三千二百十四館であり、一番多いフィンランドとの比較では約九分の一、また、フランスの約半分でしかなく、ここまで日本の図書館数が少ないのかと驚くほどでございました。 また、昨今、日本国内でも電子書籍の普及が、また、EUでは、ユーロピアーナという、図書館、博物館、文書館が所蔵する欧州の知を統合する巨大なデジタル図書館の構築が進んでいるとも記されておりましたことから、これを一つの参考に、本県において、今後の公立図書館の基本的役割など幾つかの点についてお伺いいたしたいと思います。 そこでまず、冒頭申し上げました点、主要先進国との比較で日本国内の図書館数が極めて少ない傾向にあることについてご感想をお聞かせいただきたいと思います。 次に、県内の公立図書館の代表格として大分県立図書館が果たす役割について、基本的な観点からお伺いいたします。 さらに、県立図書館において、何年か前に電子書籍化に関するシンポジウムを開いておられましたが、その後の取り組みの進捗状況とあわせて、ネット上での貸し出しを可能にするシステムの構築について、現状はいかがでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○
近藤和義議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 図書館について、二点お答えをいたします。 まず、国内の図書館の現状についてでございます。 人口十万人当たりの図書館の数については、議員ご指摘のとおり、フィンランドやフランスが我が国を上回っています。 他方、公立図書館の役割である住民が求める資料や情報の提供を的確に行う上では、図書館数のみならず、住民ニーズに沿った蔵書の充実、専門職員による質の高いレファレンスサービスなどが求められるところです。これらを含めた公立図書館のサービスを向上していくことが重要と考えます。 次に、県立図書館についてお答えをします。 県立図書館は、読書、学習、情報の拠点として、広く県民に多様で広範囲の情報を提供し、生涯にわたる学習要求にこたえています。 また、広域的かつ専門的な立場から、市町村図書館や学校図書館に対し、蔵書の提供、調査相談、関係職員の資質向上など、総合的に支援することも重要な役割です。 電子書籍の導入やネット上の貸し出しシステムについては、利用できる端末やデータ形式などが統一されておらず、また、著作権上の制約により貸し出しできる書籍が限られる等の課題もあることから導入には至っていませんが、昨年六月から新聞の紙面をデータベース化するなど、可能なところから取り組んでいます。 以上です。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 一点目の諸外国との関係でありますが、当然、文化が違いますから画一的な答弁を求めたわけではございません。しかし、私なりに考えてみますと、OECD加盟各国との比較で、フィンランドは児童生徒の学力は極めて高い傾向にあります。 また、私は、今回の質問に備えて、秋田県立図書館にお邪魔して、副館長を中心に二時間、二十年間の読書活動推進の取り組みを充実させてきたお話を伺いました。この秋田県も、日本国内では、さきに発表された学力考査の結果では、各科目とも連続して一位を占めていることがわかっています。児童生徒の学力が単に図書館によるのみで向上するとは考えていませんが、日本全国、図書館の数は国際的に少ないことが判明しているわけですから、相対的学力との因果関係が国際的にも全くないとも言えないと思うわけです。この点についてはどのようにお考えなのか。私の考え過ぎなのかどうかも含めて、お聞かせいただきたいと思います。 それから、二点目の、図書館の本来の基本的な役割についてでありますが、県立図書館の役割は、単に来館者数や貸し出しの図書数の多さの比較が本来の目的ではない、大変申しわけない言い方ではありますが、もちろんそれも必要ないとは申し上げませんが、ただ、レファレンスの必要、充実は、図書館であれば当然のことだと思います。 ちなみに、例を出して恐縮ですが、かつて大分市の図書館は、随分前のことですが、このレファレンスを軽視してきた経過があるそうです。その結果、蔵書数の中で副本が多数あることが指摘をされております。 また、それ以外に、他の公立図書館の支援をどのように充実するかが大きな役割だと思いますが、確かに県立図書館には支援課がありますから、この支援課が県内各市町村の図書館に頻繁に出かけて支援したり、公立、私立の学校を問わず教育現場の図書館の充実策を支援したりする、また、ビジネス支援も重要だと考えております。そうした役割をどの程度果たされているか、見解をお聞かせいただきたいと思います。 それから、三点目の電子書籍化については、これからの課題として重要だと考えておりますが、この点、今、書店でブームになっているものをあえて、書店でブームになっているといいますか、書店で売れ筋の本をあえて電子書籍化する必要は全くありません。著作権などが問題になることは明らかです。しかし、著作権が期限を超えているもので有用な書籍や文庫はたくさんありますから、これらについて検討していくことは時代のニーズと申せましょう。 今後、タブレット端末がますます発展しますので、このニーズはますます高まることは明白です。余り準備がないように受けとめましたが、いかがでしょうか。 また、申すまでもないかもしれませんが、デジタル絵本などとして電子書籍化することは、岡山県立図書館では既に充実した取り組みが行われております。こうした運営方針はどの程度持たれていますでしょうか、再度お聞かせをいただきたいと思います。
○
近藤和義議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 四点ほどあったと思いますけれども、まず一点、図書館の数と学力との関係ということではないと私は思います。 図書館の数が十万人当たり多い少ないというのは、やはり地形的な状況もあるかなというふうに思います。 十万人当たりの図書館の数というふうになれば、各地域ごとの交通状況、地理的な状況によって、小さな単位でたくさんつくらざるを得ないところと、人口密度の多いところであれば、一館当たり二十万人、三十万人の方が利用できるというふうになると思います。要は、図書館を活用して実際の読書活動ができるかということだと思います。 ご指摘の秋田県における調査、お話ございました。秋田県、学力調査においてトップクラスを走っております。また、その他の調査においても、読書と、それから学力の関係の相関関係というのは明らかになっております。 私どもも、今年度、学校図書館において専門の司書を配置するような事業に取り組んでおります。子供たちに読書をより進めて、学力の向上にも結びつけたいというふうに思っております。 それから、二点目、県立図書館の役割です。 県立図書館は、一番大きな役割は市町村の支援でございます。ですから、市町村が蔵書数に限界があるところを、団体貸し付け等も行っております。また、住民から相談を受けて、こういう資料が欲しい、これはどうしたらいいかということについて、県立図書館だからこそ、蓄積のある専門的な知識でもって助言等も行っております。 また、先導的な役割を果たすことも必要でございます。この点では、ビジネス支援ということで、起業家、起業したいという方々のために、図書館独自ではありませんけれども、産業界とタイアップして、起業家のための教室を開くというような場を提供するようなこともやっております。 それから、三点目が、ちょっと電子書籍化の話があったと思います。 電子書籍化については、先ほど答弁いたしましたけれども、まだまだコンテンツが十分でないというのが一番のネックだというふうに思っております。 国レベルの国会図書館におきましても、先ごろ著作権法が改正をされまして、絶版になっている書籍とか、あるいは他ではもう見られないものについて、電子化をして公共図書館に提供するというふうなことをしております。私の方でも、原本が傷んでいて県民がなかなか見れないという古い年代の新聞をデジタル化して見やすいような取り組みを始めているところでございます。 電子書籍化というのが今後大いに進んでいくだろう、そのことによって、より多くの人が簡単に、どこでも書籍に触れる機会が多くなるというふうに理解をしております。そういう意味で、国の動き等を研究しながら、適宜適切に対処していきたいというふうに思っております。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 ありがとうございました。 単なる比較ということで申し上げるのは大変失礼かと思いますが、先ほど例に出しました秋田県立図書館は、言い方としてですが、打って出る司書ということで、県内のそれぞれの市町村の図書館に、年間二百から三百回、ずうっと訪ねていって、問題点がないかということ、読書推進活動に問題点がないかとか、あるいは、小学校、中学校にも出ていって、本の並べ方がどうだということまできちっとチェックをして、そこは指導という立場じゃなくて支援をしながら、子供たちが図書館に通いやすい、行きやすい環境をつくっていくということもリーダーシップをとっているということでありますので、私が申し上げたいのは、図書館の皆さん方の、やる気があるとは思いますが、さらにまた一歩進んで、能動的に図書館を活性化し、また、図書館が果たす役割というものを定着させていくということが必要ではないかというふうに思っております。 もう一点、デジタル図書については、特に幼児向けの本については、私はもう早目に、こういったものは取り組んでいけるのではないかというふうに思いますので、ぜひ手がけていただきたいと思います。 少し時間が短くなりましたので、以上で図書館に関する質問については終わらせていただいて、最後になりましたが、今回定例会に上程された補正予算のうち、県立病院の大規模改修についてお伺いいたします。 大規模改修の計画そのものについては、通常の診療に極力影響がないよう実施することは当然のことですし、全工程を含めて無事故で進めていただきたいと思います。 今回の補正は、平成二十六年度分を含む実施設計に係る費用に関する債務負担行為が審議対象でありますが、今回の改修にあわせ、がん医療の充実、外来機能の効率的、効果的な患者サービス改善などに取り組まれるという説明でありました。 一方、平成二十七年度以降に予想される工事費の調達については、現時点では起債をしないとの考え方のようですが、これは事前に一番有利な方法について十分検討する余地があるのではないかと考えます。 今回は、新築移転から二十年以上経過したため、設備全般を改修するということですが、建物の耐用年数が四十年から五十年ということであればなおのこと、今後二十年程度経過すると再び同じような状況が想定されるわけです。 平成二十七年度から開始する改修工事を短期の計画とするならば、これから二十年以降到来するであろう病院本体の老朽化等に備えた中長期の設備計画、改築計画もこの機会に検討しておく必要があると思います。 また、医療にかかわる状況や環境の変化、いわゆるiPS細胞を用いた再生医療などの医療技術の進歩なども考え合わせるならば、そう遠くないうちに改めて大規模な改修という事態が起こることも想定すべきではないかと思います。 その意味から、今回は設備全般についての改修とされていますが、今回の改修にあわせ、がん医療の充実、外来機能の効率的、効果的な患者サービス改善などに取り組むということであれば、資金調達のあり方を含めた長期の計画をお示しいただく必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○
近藤和義議長 坂田病院局長。
◎坂田久信病院局長 県立病院の改修についてお答えいたします。 今回の改修は、病院の中期事業計画に基づき、給排水設備等の改修に加えまして、医療機能の充実や患者サービスの向上等に資する環境整備に対処するものであります。 工事費につきましては、効率的な病院運営に努めておりまして、今後も良好な経営状況を維持していくことで必要な財源を捻出できるものと見込んでおります。 しかし、国の医療制度の動向や診療報酬の改定等を注視し、病院経営への影響を見きわめながら、平成二十七年度工事発注に向けて検討していくつもりでございます。 病院の将来的な医療機能のあり方につきましては、医療技術の進歩や患者ニーズの多様化、医療政策との整合性など医療環境の変化に適切に対応していくことが大切でありまして、今回の改修以降に必要に応じて検討していきたいと考えております。
○
近藤和義議長 小嶋秀行君。
◆
小嶋秀行議員 ちょっと最後のところは聞きづらかったんですが、いずれにしましても、例えは違いますが、今回実施がされております美術館の問題についても、私から見ますと、少し計画的な、長期の計画を示しての実施ということが私は望ましかったのではないかということとあわせて、病院も、これから二十年先、三十年先にどう変化していくか、本論で述べましたが、不明確なところはもちろんあるとは存じつつ、しかし、これからのお金の調達が一番重要になってくるわけでありますので、ここは、広く県民にも安心を提供するという観点から、今後の病院、県立病院のあり方も含めて長期計画、改修計画を含めて長期計画をお出しいただくことをぜひ強く要望しておきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○
近藤和義議長 以上で小嶋秀行君の質問及び答弁は終わりました。三浦公君。 〔三浦(公)議員登壇〕(拍手)
◆三浦公議員 議席番号十一番、自由民主党・無所属の会の三浦です。 時間の関係上、かなりはしょって質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 まず、大分空港についてです。 本年六月、
民主党政権時代からの懸案であった民活空港運営法が成立し、空港施設の運営を民間に委託できることとなりました。 また、法律では、滑走路の管理といった航空系事業とターミナルや駐車場の運営といった非航空系事業の経営を一体的に民営化することを条件に、着陸料の引き下げを認めるとしています。これは、収益性の高い非航空系事業との一体的経営によって相乗効果を発揮し、空港の活性化を図ろうとするものです。これによって、例えば、非航空系事業の収益で着陸料を引き下げて航空便誘致につなげたり、あるいは、ターミナルの魅力を高めて集客を図って、搭乗者の増加につなげるといった取り組みが期待されます。 さて、その空港の一体的民営化に際しては、公共施設等運営権制度、いわゆるコンセッションの導入が推進されようとしています。コンセッションとは、公共施設の所有権を公共が維持したまま運営権を売却し、その活用をゆだねるというものです。これは、アベノミクス第三の矢である成長戦略の目玉としても位置づけられています。運営権の購入者が、みずからの裁量のもと、施設をフルに活用して利益の最大化に向けた経営努力を重ねる、その過程の中で施設の活性化が図られるといった、まさに公共施設の運営に民間の活力を取り入れるための手法です。 当然、施設経営が赤字であれば、その運営権の売却は見込めません。空港の滑走路といった大きな赤字が見込まれるものであればなおさらです。こうした場合、赤字要因となる経費については国負担のまま運営権を売却することになります。また、今回の空港の運営権売却に際しては、減価償却費や固定資産税見合いの金額を国が負担することなども検討されているようです。 これらを踏まえて、先日の大分空港利用促進期成会の総会における空港の民営化に関する県当局の説明について一言申し上げたい。 私も当期成会に籍をいただいていますが、所用によって出席できなかったため、後日、ご説明をいただいたところです。それによりますと、「大分空港の一体的民営化に係る収支は、航空系事業の赤字を非航空系事業の黒字で補てんしても年間四億円以上の赤字となる。これでは、着陸料の引き下げといったメリットある取り組みは見込めず、デメリットの方が大きい。よって、現状では、大分空港の一体的民営化については検討の余地なし」とされています。しかしながら、先述のとおり、コンセッションの趣旨や国の動向を見れば、この説明は現状と大きな乖離があります。 ちなみに、実際の大分空港の一体的経営に係る収支は、二億円以上の黒字も可能と思われます。ぜひ機会を見つけて期成会メンバーに、改めて県当局としてご説明をいただきたいと思います。 さて、法案成立を受け、既に宮城県では、仙台空港と周辺施設の一体的民営化に突き進んでいます。その運営権に、三菱商事や三井不動産といったそうそうたる企業が関心を示しているということです。また、広島県や熊本、香川、愛媛、あるいは北海道などが同様に民営化を検討しているとの情報もあり、さらには、先日、福岡県知事が、福岡空港の民営化に関する検討会を立ち上げると表明しています。 ちなみに、赤字だらけの空港の中でも、とりわけ大赤字の福岡空港については、年間八十億以上もの地代を国が負担した上で運営権を売却することが検討されているようです。 さらに言えば、国交省は、来年度予算の概算要求に、仙台空港や広島空港などの民営化に関する事業費五億円を盛り込んでいます。 このような状況を見渡せば、大分空港の民営化については、検討の余地がないどころか、十分にその検討の余地があるものと思われます。 ご承知のとおり、大分空港の運営は、決して順調とは言えません。直近三年間の利用者数はいずれも百五十万人に届かず、ピーク時の二百万人に遠く及ばない状況です。 近隣の空港の動向も気になります。福岡空港では滑走路の増設が予定され、また、東九州自動車道などが開通すれば近隣空港との競合は一段と増すものと予想されます。 このような状況を見れば、今後の大分空港の維持発展のためには、より一層の取り組みが必要です。民営化による空港活性化も十分に検討の余地があるものと思われます。 そこで、大分空港の活性化に向けた今後の県の取り組みと民活空港運営法を受けた空港運営のあり方について知事のご見解を伺います。よろしくお願いします。 〔三浦(公)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○
近藤和義議長 ただいまの三浦公君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 三浦公議員から大分空港の民営化等の問題についてご質問を賜りました。 大分空港は、本県の空の玄関口として、経済活性化や、あるいは観光振興などに大きな役割を果たしてまいりました。 平成二十四年度の空港利用者数は、六年ぶりに増加に転じまして、百四十八万八千人まで回復しまして、さらにことし三月末のLCCジェットスター・ジャパンの成田線新規就航等により、その後も対前年同月比で毎月一〇%を超える増加が見られております。 県では、これまで以上に県民の利用促進を図るため、チラシ配布等を行うとともに、県外利用者の増加に向けて、航空各社、就航先地域と連携し、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」をキーワードに、さまざまな誘客対策を講じております。あわせて、航空各社に対しましては機材の大型化や新規路線開設の働きかけなどを通じまして、利用者の利便性向上を図って、近隣空港に対する競争力を引き続き高めてまいりたいと思います。 議員ご指摘の大分空港の経営のあり方につきましては、当初、国において、可能な限り多くの空港を民間委託するという方針で民活空港運営法案が提出されたことを受けまして、県では、国の動きにいち早く対応して、民間委託の可能性調査を行ったところであります。 その後、法案が見直されまして、民間委託につきましては、多様な空港管理形態の一つの選択肢とするという方針に転換されました。その中でも滑走路等の大規模修繕を受託者が実施するのかどうかなど、個別空港ごとの事業の範囲が必ずしも明確ではなくて、さらに、各空港の運営権の対価に関する算出方法も明らかでないことから、直ちに民間委託による空港経営の一体化に取り組むにはリスクが大きいというふうに判断したところであります。 国では、現在も事業スキームの検討を継続しておりますけれども、県といたしましては、これまでの調査検討で問題点等もいろいろ把握をしておりますので、そこを頭に入れながら、引き続き国や他空港の動向を注視していきたいというふうに考えているところでございます。 また、運営が委託される場合の受け皿につきましては、ジェットスター・ジャパンの誘致を初め、これまで県と連携して大分空港の利用促進策に取り組んでまいりました大分航空ターミナル株式会社が中心的な役割を担える体制となることが望ましいと考えているところであります。そのためには、同社が新たなノウハウを蓄積して財務基盤等を強化することが不可欠であると認識しているところであります。 大分空港の経営のあり方につきましては、本県の経済発展や観光振興を図る観点から大変重要な課題と認識しておりまして、今後も国を初めさまざまな動きを注視しながら検討していきたいというふうに考えております。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございました。 民営化する場合にも航空ターミナルを中心としたことを考えられるというようなことですけれども、それについても前向きに、決して後ろ向きに考えないで、ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。ちょっとご見解を伺いたいと思いますが、どうでしょうか。
○
近藤和義議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 すべて前向きに考えているつもりでございますが、一つは、民間委託につきましては、今のところ、リスクが非常に大きいんだけれども、もっと姿、形がわかってきますと、大分県は既にいろんな施設の民営化、民間委託等によりまして大きな効果を上げているわけでございますから、そういうことにつきまして、民営化、民間委託のメリットは十分に心得ているつもりでございますから、これからも引き続き前向きに検討していきたい、こう思っています。 それから、相手先については、いろいろ考えられると思いますけれども、航空ターミナルのこれまでの実績からして、一つの候補として考えられるんじゃないか。ここがやれば、大分県の地域のことをよくわかった上でいろいろ空港利用促進をやってくれるんじゃないかということで、そこのところも一つの候補として考えるということでございます。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございました。 県が行った調査は、ちょっと後ろ向きな印象を持ったもので、ぜひ前向きにお願いしたいと思います。 次は、企業局の県政貢献について伺います。 昨年第一回定例会において私は、企業局の内部留保に着目し、県政へのさらなる貢献を求めたところです。 直近の決算における企業局の内部資金は、企業債などの負債を差し引いても、実に百三十億円、これは企業局の年間売り上げの約三倍に相当します。また、企業局の今後の経営見通しも、総括原価方式や責任水量制のもと、引き続き良好に推移するものと見込まれます。このようなことから、今後の施設更新費用といった資金需要を平成二十一年に策定した
長期施設整備基本方針に基づき算定した上で、余剰分については県への繰り出しをお願いしたところです。 残念ながら答弁は前向きなものではありませんでしたが、今後の資金需要を検討した上で繰り出しについては判断したいとの回答をいただいたところでもあります。 さて、その後もさまざまな場で企業局とのやりとりを行ってきましたが、はっきり申し上げて、先述の
長期施設整備基本方針、いかにいいかげんなものかと驚かされました。 基本方針では、今後約五十年を見通した施設の更新費用などを四百八十億円と試算しています。それを土台に議論を始めようとしたところ、思いもかけず、その金額がふえました。直近の試算では、その額が実に六百六十億円になるということです。およそ百八十億円の増加で、年間四億円、もちろん半世紀先までの試算ですので、ある程度の誤差は想定していましたが、電気事業における今後十年間の増加分だけでも五十億円、年間で言えば約五億円です。電気事業の年間売り上げは約二十億ですので、その誤差がいかに大きいかがわかります。 あくまで試算は試算ですが、やりとりの中で簡単に数字を変える、特に議会に言われたら数字を変えるというのでは、その資料に信頼性は全くありません。この基本方針は、一千万円以上の費用をかけて作成されたものです。企業局には、唐突な数値訂正を厳に慎んでいただき、これは優しい言い方です、今回提出された試算を基本方針にしっかりと反映していただくよう求めておきます。 特に、改めての試算では、大野川発電所の更新を、従来の基本方針より十年以上も早めて平成三十二年に、また、費用も、従来の十四億円から二十五億円に増額して行うということです。鋭意、そのご準備を進めていただきたいと思います。 さて、今回の質問に当たり、もろもろ検討しましたが、企業局の経営の堅実さには改めて感心したところです。 電気事業に若干の不安要素はあるものの、今後も企業局は、決して赤字を出すことなく、当分の間、四から五億円程度の年間利益を確保できる見込みです。また、従来の整備方針に比べ、改良費が百八十億円も増加したにもかかわらず、今後五十年間における施設の更新も、ほぼ借り入れをすることなく行える見通しとなっています。 企業局は、事業開始以来、三百五十億円もの借り入れを行ってきましたが、先ほど申し上げたとおり、現在は実質無借金、百三十億のお金もあります。企業局と同じく総括原価方式のもとで営業を行う九州電力でさえ、震災前にあっても巨額の借り入れによって経営されています。いかに企業局の収益性が高いかがよくわかります。 今後見込まれる施設の更新費用が思いもかけず百八十億円ふえましたので、前回のように巨額の剰余金の繰り出しを求めることはいたしません。しかしながら、このような状況を勘案すれば、私はやはり、企業局には、さらなる県政貢献、具体的に言えば、現在、工水事業会計から年一億円を県に繰り出していただいていますが、その大幅な増額を行っていただける余地があるものと思っております。 特に、本年七月からは松岡太陽光発電所も稼働しています。発電所の利益は年間二千数百万円、企業局には一段の余力ができたものと思われます。内部に資金をとどめていても、決して、前回言いましたが、県民福祉の向上にはつながりません。今後のさらなる県政貢献を求めて、改めて企業局長にご見解を伺いたいと思います。お願いします。
○
近藤和義議長 坂本企業局長。
◎坂本美智雄企業局長 企業局の県政貢献についてお答えいたします。 企業局では、費用の平準化を図りながら、五十年先にも施設が健全に運営できるよう、平成二十一年度に、必要な点検整備手法や概算費用を算出した
長期施設整備基本方針を作成いたしました。 その後、東日本大震災を教訓とした耐震化の推進など、施設整備のあり方が大きく変化したため、費用の見直しを行ったところであります。 なお、来年度から四年間を期間とする第三期中期経営計画からは、長期の整備費用等を見込んだ経営見通しを織り込むこととしております。 県政貢献につきましては、これまでも、平成十九年度から毎年繰り出している一億円を初め、さまざまな形でできる限り行ってきたところであります。 今後、施設の老朽化対策や耐震化の推進に多額の費用が見込まれる一方、収入面では電力システム改革による影響が見通しにくいなど不透明な要因はありますが、経営に支障のない範囲で、来年度からの次期中期経営計画期間中においては、さらなる県政貢献に向けて、一般会計への繰り出しをふやす方向で検討しております。 以上でございます。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございました。前向きなご答弁いただきました。 今後の取り組みを、具体的には、その金額を注視したいと思いますので、よろしくお願いします。 次は、大分県総合雇用推進協会についてです。 当協会は、県内の雇用促進などに努め、県民福祉の向上に資することを目的に設立された公益法人です。その基本財産は実に十二億円以上で、その七五%以上を県が出資している、いわゆる県の外郭団体です。 協会は、基本財産の運用益や賛助会員からの会費収入、あるいは国からの委託料を財源に、若年者や高齢者、そして障害者への雇用支援を行っています。 昭和五十五年に設立されて以来、さまざまなお取り組みをされているとは思いますが、協会の存在意義は近年どんどん薄れているようです。それは、事業費の推移を見ればはっきりわかります。直近五年間の事業費で言えば、二十年度は二億四千万円ほどだったものが、二十四年度にはその半分にも満たない九千四百万円に低下、本年度はさらに減少して六千四百万円ほどです。わずか数年で、実に四分の一程度に減少しています。 言うまでもなく、このような急激な事業規模の縮小が経営の悪化を招くのは道理です。本年度の事業計画を見ますと、協会の存在意義を見出すのに必要な事業しか計上されていないにもかかわらず六百万円ほどの赤字です。このままでは、数年後には、協会の運転資金は底をつくものと思われます。 さて、この事業費激減の要因ですが、最も大きいのは国の委託事業の減少です。もともと当協会は、国からの委託で高齢者や障害者の雇用推進やそれに関連する各種給付金の窓口業務を主に取り扱ってきました。実は、同様の機関がほぼすべての都道府県にあって、同様の業務を国から受託していたところでもあります。つまり、いわば国の下請機関といったところが本協会の実態です。そのような中、その下請機関に国の退職者が大量に天下りしていたことや、その職員が経費の不正流用を重ねていたことが発覚、大きな批判を浴びた結果、事業仕分けによって国の委託が二十三年に廃止、当協会の事業費も大幅に減少するという経緯をたどります。 ちなみに、廃止された委託事業は、現在、国の独法が引き継いでいます。その独法の出先機関は、当協会の真横に、本当、同じビルの真横の部屋です、真横に位置し、高齢者、障害者雇用に係る各種事業を行っています。そして、その業務は当協会が行うものとかなり重複しています。 さて、先述のとおり、このままであれば、今後数年で協会の運転資金は底をつきます。また、協会は、基本財産の一部を仕組債で運用しています。そのため、為替の動向次第で、協会の重要な収入源である基本財産運用益は大幅に減るおそれもあります。実際に、ここ数年間は当該債券の運用益はゼロでした。 さらに言えば、協会のもう一つの収益の柱である賛助会員からの会費も、会員の減少が続き、今後も減少が見込まれます。実際に、二十年には千五百を超えていた会員が、二十四年には千二百に減少しています。趣旨に賛同する会員の減少ぐあいを見れば、協会に対する県民の評価がうかがい知れるというものです。 ところで、現在、当協会が実施する二つの主な事業を紹介したいと思います。 一つは、ジョブカフェで実施される若年者向け就職支援事業です。これは、国からの事業委託で、公募によって協会が受託したものです。他県では民間が行っている事例が多々ある中で、民間を押しのけてでも協会が行う理由がいま一つわかりません。 そして、もう一つの主な事業はSORINシステムです。これはちょっと名前変わってますが、このまま言います。 これは、県内企業の求人と若年者やU、Iターン希望者との就職のマッチングを行うため、ネット上に設けられた情報システムです。年間約七百万円の費用を注ぐ当協会誇るシステムではありますが、昨年度、マッチングできた件数は、わずか百四十件です。U、Iターン希望者の就職実績に至っては十八件しかありません。一件当たりの就職にかかった費用は実に五万円、本年度はさらに件数が少なく、このまま推移すれば、一件当たり十二万円以上のコストとなります。加えて、その利用者数も、ハローワークが行うインターネットサービスの足元にも及ばないというのが実態です。このような業務内容を見ても、当協会の存在意義は疑わざるを得ない。 全国的に見ても、国の事業委託廃止を受け、ほぼ全都道府県にあった同様の機関は多くが廃止されています。県当局は、公社等外郭団体の見直し方針の中で当協会の存続を決めています。ですが、このような状況を勘案すれば、私は、その廃止こそが妥当と考えます。 当協会の職員は現在十一人、そのうち正規職員はわずか二名で、いずれも、まさに国からの天下りです。県民福祉の向上のため日夜ご努力されていると思いますが、昨年度における十二億円もの基本財産の運用益は、その人件費に相当します。ゆえに、当協会は、国の天下り機関としての意義はあったとしても、県民福祉の向上に資するものとは私には到底思えません。 以上のような財政状況、業務内容、そしてスタッフ構成を勘案し、私は、当協会については廃止を検討すべきと考えます。また、およそ十億円もの県の出資金については、返還を求め、真に県民福祉の向上につながる事業に活用すべきとも考えます。以上についての県の見解を伺います。 なおまた、協会は、今後の事業継続のため、基本財産の取り崩しを行いたい旨の意向を示しています。私は、当協会の業務内容を踏まえれば、決して県民の理解が得られないと考えます。あわせて見解を伺います。 また、協会におられる二名の正規職員、いわゆる天下りの方々には退職金が支給されることとなっています。本県の方針では、県の退職者が外郭団体に再就職した場合、退職金は支給しないことになっていますが、その整合性をどのようにお考えか。天下り批判によって事業費が大幅に削減された経緯を踏まえれば、これも県民の理解が得られないものと私は思いますが、見解を伺いたい。 また、先述のように、SORINシステムについては全く実績が上がっていません。その実効性は大変乏しいものと思われますが、当システムに対する評価についても、あわせて伺いたいと思います。
○
近藤和義議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 大分県総合雇用推進協会について幾つかご質問がございました。お答え申し上げます。 当協会はこれまで、若年者の雇用対策として、人材定住基金を活用し、ジョブカフェでの就業相談やU、Iターン県外相談会を実施してまいりました。また、高齢者対策としては、企業への継続雇用制度導入相談、障害者対策では、雇用機会の拡大を図る就職面接会等を実施し、県内の雇用対策に寄与してまいりました。 お尋ねの法人の廃止や基本財産である基金の取り扱いについては、もとより法人の判断にゆだねざるを得ませんが、県が出資する法人として引き続きしっかりと指導、監督していく責任があると考えております。 こうした立場から協会をめぐる状況を見ると、まず、基金の運用益は利率の低下により大幅に減少し、自主事業が十分に行えないという状況にございます。 一方、県では、今年度から、おおいた産業人財センターにおいて、県内企業の人材確保定着支援やU、J、Iターン求職者を対象とした無料職業紹介事業を開始いたしました。 また、ハローワークについては、
全国知事会を通じて、ハローワーク特区の効果等を検証し、地方移管を進めるように求めているところであります。 こうした状況を踏まえれば、県全体の雇用対策として最大限の効果を上げるため、今後、協会の基金を原資とした事業と県の事業について、財源を含め、総合的に検討する必要があると考えております。 次に、人材定住情報システムについては、昨年度、八万件を超えるアクセスがあり、求職者四百四十三名、求人企業百七十五社が新規登録を行うなど、需要は多いと考えております。 他方、現在、国では、職業紹介を行う行政機関や民間事業者において、ハローワーク求人情報を活用したマッチングが行えるよう検討が進められているところであります。 こうしたことも念頭に、マッチング機能を有する本システムについては、その必要性も含め、有効活用について検討してまいりたいと考えております。 最後に、退職金の扱いでございます。 県では、公社等外郭団体に対し、再就職した県退職者に退職金を支給しないよう要請しております。しかし、それ以外の協会の正規職員の退職金については、協会が判断することになるというふうに考えております。 以上です。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございました。 当協会については、財源を含め、総合的に検討していただく。 それで、SORINについては、評価はちょっと認識違いましたけれども、その必要性についても検討いただける。 退職金については、当然ながら、当協会の判断によるけれども、当然ながらほかとの整合性を勘案して、しっかり考えてねというような話です。 財源を含め、総合的に検討。中でちょっと気になったのが、要するに、基金の使い道です。これはあくまで当協会にゆだねられているというような話ですけれども、私さっき申し上げたとおり、当協会については、本当に存在意義、どんどん薄れていると思います。県も大変、財政厳しい中なんで、この基金については、もちろん検討次第ですけれども、検討いかんによっては、やっぱり協会に、県の出資分、十億円ですか、その返還も求めていくべきだと思いますが、ちょっと見解を伺いたいと思います。
○
近藤和義議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 先ほど申し上げたとおり、県が出資する法人として、引き続き我々は、指導、監督していく責任が、まずあると考えております。 そして、この事業と財源について総合的に検討した結果、基金を返還していただき、それを原資として県が雇用対策の充実を図ったりすることが、県全体の雇用対策の効果を最大化するとなるかどうか、この判断が大きなかぎだというふうに考えております。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 しっかりご検討いただきたいと思います。 特に、エニシエの中のジョブカフェの運営をこっちの協会やってますけれども、その横では、エニシエを実際やっているのはマンパワーですか、これは民間なんですけれども、こっちもそのジョブカフェの運営を他県ではやっている事例あります。もう一体的にやった方がいいと思いますので、それはもちろん国の考えもあるでしょうけれども、そういったところの指導、県の指導下ですから、しっかり指導していただきたいと思います。 それと、基金については、しっかりご検討いただきたいと思います。 次は、県有施設の貸し付けについてです。 県庁舎本館一階の売店スペースについて、若干の問題提起も含めて、質問させていただきます。 現在、国、地方ともに厳しい財政状況の中、多くの自治体が財産の利活用によって歳入確保を図っています。本県においても、遊休地の売却や空きスペースの貸し付け、あるいは、議会からの提案もあり、自動販売機設置者の公募にも取り組まれていますが、先ほど申し上げた売店スペースについては一層の利活用の余地があるものと私は考えています。 ご承知のとおり、この売店は、大分県職員生協によって運営されています。広さ三百平米以上の庁舎部分に係る使用料は年間約百十九万円、現在、職員の福利厚生に資するとして免除されています。職員の福利厚生を決して否定するわけではありませんが、財政厳しい中、やはり優先順位が違います。 自動販売機の公募による年間収入でも約七千万円です。この売店スペースも公募すれば、一層の歳入確保につながるものと思われます。 既に佐賀県や宮城県などでは、庁舎内の売店設置者を公募し、その多くに民間のコンビニが入っているようです。民間から見ても、数千人が勤務する庁舎が魅力的なのは間違いありません。 ちなみに、知人のコンビニ経営者の話では、これ省きますが、年間の賃料は五百万円程度が期待されるということです。 また、現在の売店を私も時々利用しますが、決して魅力的とは私には思えません。民間に任せた方が職員の福利厚生や来庁者の利便性も高まるものと思われます。 ところで、この一階スペースには、旅行会社や薬局、あるいは時計店といった職員生協の直営ではないような店舗もございます。これらの店舗を調べたところ、なぜか、庁舎の所有者である県ではなく、職員生協に販売手数料を支払っています。実は、職員生協が使用を許可されている約三百平米の半分近くがテナントに使用されていることが県職員生協のホームページなどを見るとわかります。そのテナント料は、昨年で約三百五十万円、これは生協が免除されている庁舎使用料の約三倍です。 県は、生協に庁舎の使用を許可するに当たり、他者への又貸しを禁じています。にもかかわらず、このような状況、絶対におかしいです。 県民財産である庁舎を無償で使用し、しかもそれを他に使用させて利益を得ている現状、大変厳しい財政状況の中、そこまでして職員の福利厚生をしなければならないのか、私には大いに疑問です。 ところで、民法では、賃貸した物件を又貸しするには所有者の承諾が必要となっています。また、承諾なく又貸しした場合には、当該契約を解約できるともしています。そして、それによって不当に得た利益は、その返還を請求できるとしており、その請求権の時効は十年です。 テナントが生協に支払った手数料は、昨年の実績から類推すると、十年分で約三千五百万円。可能であれば生協からその返還を求めるなど、強くその責任を追及したいところです。 以上、るる述べましたが、現在、職員生協に無償で貸し付けている売店スペースについては一段の利活用の余地があります。今後、他県に倣い、売店設置者については公募を行い、一層の歳入確保を図るべきと考えますが、県の見解を伺いたいと思います。 また、本館一階の売店スペースの貸し付け、絶対におかしいです。早急に改善を要すると考えますが、あわせて見解を伺いたいと思います。
○
近藤和義議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 お答えいたします。 現在、職員の福利厚生のために売店事業を実施することを目的として、大分県職員消費生活協同組合に対して庁舎の使用を許可しているところであります。 県職員生協は、職員の出資により設立された非営利法人でありまして、職員の約九割が加入しております。昭和四十八年の設立以来、地方機関を含めて九カ所で庁舎内の売店を運営しておりまして、これまで使用許可の目的を十分に果たしてきたと考えております。しかしながら、ご指摘のあった現状については、県有財産の有効利用による歳入の確保という観点からは改善の余地があるというふうに考えております。 今後の対応ですけれども、全国的な状況を見ますと、都道府県における庁舎内の売店事業の運営につきましては、約八割、三十七団体が本県と同様に生協、互助会または地共済を運営主体としております。他方、民間事業者を直接運営主体としている例は七例でございます。 今後、他県の事例も参考にしながら、職員の福利厚生の確保と歳入の確保、この二つを両立できるような改善策を検討いたしまして、取り組んでまいりたいと考えております。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございます。 私、ちょっと、これについては、いろいろ異議ありますが、今後の取り組みを注視して、議会側から提案させていただきたいと思います。 ちょっと、一点だけ確認させてください。 先ほど、県内の庁舎九カ所に生協の売店が入っていると。この、例えば、出先機関の売店、生協の支店の電話番号とその地域の県職員労働組合の支部の電話番号、一緒なんです。なぜですか、教えてください。
○
近藤和義議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 ご指摘の点につきましては、ちょっとどういった経緯でそうなっているのか承知しておりませんが、その点も含めまして、改善策を検討するに当たって、考えてまいりたいと思います。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 もう、これ以上言いません。もろもろ、これ、問題ありますので、しっかり議会サイドからも、公募についても、歳入確保を一万円でも二万円でも図れるように提言申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。部長、よろしくお願いします。 では、もう一点、これ、県有施設の貸し付けについて関連質問させていただきます。 実は、似たような構図が県立病院にもあります。それは、病室に置かれた床頭台です。床頭台とは、病院のベッドの横にある有料のテレビや同じく有料の冷蔵庫などが一つになった家具です。病室をイメージしていただければわかると思いますが、その床頭台を、なぜか県職員生協が設置しています。そして、その設置スペースに係る年間約二百六十六万円の使用料は、患者の福利厚生施設の用に供する、つまり、患者のサービス向上に資するものとして免除されています。 ところで、生協は、その家具を持っていません。そこで床頭台を業者からレンタルしていますが、そのレンタル料はなぜか無料です。その上、なぜか生協は、その業者から年四百万円もの手数料を逆にもらっています。実は、このようなケースは病院ではよくあるようです。ただし、それは、病院と業者間での直接の取引としてであります。業者が床頭台を置くスペースを病院から借りて、有料のテレビや冷蔵庫を患者に使ってもらって利益を上げる、そのかわりに業者は利益の一部を病院にキックバックする、納付金という名前みたいですけれども、というものです。県立病院では、その間になぜか職員生協が入り、その利益をピンはねしています。つまり、いわば患者の福利厚生のため無償で借り受けたスペースを業者に又貸しし、そこに床頭台を設置させて、キックバックを受け取って職員の福利厚生に使っているということです。もちろん、又貸しは禁止されているにもかかわらずです。使用料の免除理由を勘案すれば、先ほどの売店の又貸しより、こちらの方が悪質です。このような実態、決して県民の理解、もちろん患者の理解も得られません。 また、このキックバックについて職員生協にただしたところ、一度は受け取っていないと言っていたにもかかわらず、他の病院などでの事例を踏まえて改めてただしたところ、ようやく認めていただいたという経緯もあります。本当のことを聞き出すために時間がかかったため、質問通告までに間に合わなかったわけですが、職員生協にはそのようなことを厳に慎んでいただきたいと願う次第です。これも優しい言い方です。 残念ながら、関連質問ですので長々とは言いませんが、床頭台の手数料については、本来あるべき姿、つまり、県立病院のものとして、それを患者へのサービス向上にご活用いただきたいと思います。早急な改善を求めて、見解を伺いたいと思います。
○
近藤和義議長 坂田病院局長。
◎坂田久信病院局長 関連質問につきましてお答えいたします。 床頭台の運用につきましては、これまで県立病院の直営ではなく、県職員生協に使用許可してきた理由は、売店とあわせて運用することによりまして、時間外の対応や現金の取り扱いなど管理運営面を考慮したためであります。 使用許可の相手方である県職員生協と業者の契約については、患者サービスという病院運営に大きなかかわりがある部分でございますので、適正に運営されなければならないと考えております。 今後の対応につきましては、県職員生協に対する使用許可のあり方を初めまして、適正な管理方法につきまして検討してまいりたいと考えております。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 適正にご検討いただきたいと思いますが、今ちょっと自民党・無所属の会の方から、いつまでに検討していただけるのかというようなお話がございました。 戻って大変恐縮ですけれども、その検討の期限、おしりを、大変申しわけありません、局長、それと部長、お知らせいただきたいと思います。
○
近藤和義議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 本庁舎の売店の許可期限が今年度末までとなっておりますので、今年度中に改善の方向性をお示ししたいと考えております。
○
近藤和義議長 坂田病院局長。
◎坂田久信病院局長 県立病院においても同様でございますので、本年度末までに検討させていただきたいと考えております。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございました。 では、議会サイドにも適宜、情報提供、それと意見交換、しっかりお願いします。 次は、互助会の残余財産についてです。 互助会は、県当局にかわって職員の福利厚生を行っています。そのため、当局は一定の公費を負担していました。しかしながら、全国的に過剰な福利厚生の実態が批判される中、公費負担は全都道府県で廃止されています。本県においても、阿部英仁会長率いる我が自由民主党・無所属の会からの強い求めもあり、一昨年、遅まきながら廃止されたところです。 さて、私も互助会については、これまで若干質問してきました。また、その繰越金についても、二十二年第三回定例会で質問したところです。 既に公費負担が大きく削減されていたにもかかわらず、互助会は、レクリエーション事業や結婚祝い金事業といったものを依然として実施していました。そこで、その財源を調べたところ、内部の繰越金を充当していたことがわかりました。合理的に考えれば、その原資の半分以上は公費です。そこで、充当の停止と繰越金の県への返還を求めたところです。その際、知事からは、繰越金については、近々行う公益法人改革にあわせて、適切に対応したいとの力強い答弁をいただきました。 さて、公益法人改革の期限が迫る中、互助会は既に一般財団法人に移行しています。それに際して、今後、その繰越金についても返還される見通しとも伺っています。これは、かつてであれば考えられない対応です。 互助会問題の発端となる大阪でのヤミ退職金が発覚したのは平成十三年ですが、その折、本県互助会は、事業廃止を見越して、半分以上は公費である繰越金を清算金と称して職員に還付しています。それと比べれば、適切に対応していただいたと心から感謝と敬意を申し上げる次第です。 この経緯やそこに至る互助会の志を踏まえ、ぜひ県当局におかれましては、この返還金を県民福祉の向上に資するよう最大限ご活用いただきたいと思います。例えば、元気創出基金への積み立てといった形で使途を明確にした上で、職員の方々の知恵を生かした事業の財源としてご活用いただければとも思います。 そこで、今後見込まれる互助会からの返還金の活用についてお考えを伺います。 また、平成十三年などに清算金として職員に還付された金額は約三十四億円です。今回の返還額もそれくらいであってほしいと願うわけですが、見込まれる返還額についても、あわせてお知らせいただきたいと思います。
○
近藤和義議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 互助会の残余財産についてお答え申し上げます。 まず、互助会への公費負担ですけれども、県職員互助会、それから教職員互助会に対するものは平成二十二年度限りで、警察職員互助会に対するものは平成十八年度限りで廃止したところであります。 また、平成二十五年四月一日からの一般財団法人への移行に際しまして、各互助会で法人の体制や事業のあり方等の検討がなされた結果、いずれの互助会においても一般財団法人への移行時点での残余財産を県に寄附することが決定されたところであります。寄附の総額は、三つの互助会合計いたしまして十六億七千八百二十六万六千円、約十六億八千万でございます。 この互助会の残余財産ですけれども、職員の掛金と公費負担とが合わさって形成されたものであります。寄附金の使い方、使途につきましては、このような互助会の残余財産の性質を踏まえまして、総合的に判断すべきものと考えておりまして、今後、幅広く検討してまいります。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 三十四億円には届かなかったですけれども、約十六億八千万円ということですので、しっかりご活用いただきたいと思います。 それと、ちょっと気になったんですが、もちろん職員の皆さんの掛金と公費負担によって造成されたものですけれども、先ほど申し上げましたけれども、平成十三年、あと平成十七年に、もう清算金として、それもひっくるめて全部返しているわけです。それ考えりゃ、半分が職員の掛金だと言うのは、私はちょっとおかしいと思いますけれども、まあ、それはいいです。今後、しっかりご活用いただきたいと思います。 〔「いつまでに」と呼ぶ者あり〕
◆三浦公議員 「いつまで」というような話が出ましたので、済みません、いつまでに。お願いします。
○
近藤和義議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 三互助会からの寄附ですが、先ほど申し上げた額を、必ずしも今、現金で持っているわけではありませんので、今後、分割して支払われることになります。 ただ、大部分は今年度中に互助会からの寄附が行われますので、県としてこれをどう取り扱うか、必要に応じて議会にもお示ししたい、今年度中に考えております。
◎
広瀬勝貞知事 ことしじゅうだろう。
◎島田勝則総務部長 ことしじゅうであります。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 知事からも力強いご答弁をいただきまして、ありがとうございます。 では、次に参ります。 次は、市町村の行革について、かなりはしょって伺いたいと思います。 これ、関連資料を二枚配付していますので、ごらんいただきたいと思います。 給与の適正化といった行革に努める本県に比べ、いまだ県内の市や町では踏み込みが十分とは言えません。 先日、国から交付された地域の元気づくり推進費の配分額を見て、私自身、改めて思い知らされました。この推進費の配分は、人口を基本とした基礎額に、ラスパイレス指数と職員の削減率を加味して決定されます。つまり、各自治体の行革努力、とりわけ人件費削減努力に応じて配分される仕組みとなっています。 さて、その推進費の県内市町村への配分は、けさの新聞にも出ておりましたが、総額で約八億円です。 配付資料一をごらんいただきたいと思います。一番上です。 これは、人口一人当たりで見れば、全四十七都道府県中四十番目という大変低い額です。県内自治体の行革努力が十分ではないことが反映された結果と言えます。 ちなみに、県内自治体を下回るのは、もう時間あるので言います、静岡、福岡、愛知、埼玉、千葉、東京、神奈川です。いずれも都市部で、財源に余裕があり、行革の必要性が少ない地域が続きます。それを勘案すれば、本県の市や町は、全国一、人件費削減努力が少ないと言っても過言ではありません。 ちなみに、これ、左側が都道府県です。これ、二十六番ですので、それぞれご見解をお待ちと思います。 さて、その状況を見渡すと、何といっても、給与水準が圧倒的に高い。これ、資料二をご参照いただきたいと思います。 県内市町村を類似する自治体のグループの中に置いてみますと、実に十の市や町がラスパイレス指数の高い方から十番以内です。九重町が一位、国東市が二位、三位の杵築市といったぐあいに、姫島村を除き、軒並み高いのが見てとれます。 さて、職員の削減状況についても、あわせて調べてみましたが、こちらは決して低くない。ですが、人口当たりの職員数で言えば、まだまだ多い。これも資料二です。同じくその状況を見ると、竹田市の一位、佐伯市の九位、九重町、国東市の十一位と続きます。そして、順位が中間より下、つまり、職員数が少ないと言える自治体は五つしかありません。 以上が本県の市や町の行革努力の実態です。今後、交付税の合併算定がえが縮小される中で一層の行革努力が求められますが、その余地は間違いなくあります。県当局におかれましては、その取り組みを促すべく、一層のご努力をいただきたい。 もちろん、これまでも情報公開などによって促してきたのは承知しますが、このような状況を見れば、例えば市町村への補助金には、今回の推進費の配分額の手法に倣って、行革努力を反映させた補助率を用いるなど、厳しい取り組みを検討すべきとも思われます。 職員の人件費が高いのは、その分、
住民サービスのための財源が削られているということです。現状をどのようにお考えか、その認識を伺うとともに、市町村のさらなる行革努力、とりわけ人件費の適正化に向けた県当局の今後の取り組みを伺います。 また、本県では、必ずわたりが横行していますので、本年度におけるその是正の見通しについても、あわせてお知らせいただきたいと思います。お願いします。
○
近藤和義議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 市町村の行財政改革、特に人件費についてのご質問をいただきました。 もとより、限られた財源の中で
住民サービスを維持向上させるには不断の行財政改革の推進が不可欠でありますが、特に本県の市や町では給与水準の高どまりという課題があると認識しております。 資料でお示しいただいたとおり、これまでの行革努力を反映した地域の元気づくり推進費については、全都道府県中四十番目であります。それより低いのは、都市部の比較的財政が豊かな地域という状況であります。また、類似団体との比較で見ても、多くの市や町のラスパイレス指数が高く、また、人口当たりの職員数も多くなっておりまして、合理化の余地があると考えております。 とりわけ、人件費の高どまりの大きな要因であるわたりの問題ですが、職務、職責に応じて給与を決定すべきという職務給の原則からも問題がありまして、その是正は喫緊の課題と考えております。 また、けさの新聞報道にもありましたが、今回の国の要請に基づく給与減額措置につきましては、十月一日までに県内すべての市町村で実施される見通しとなりましたけれども、実施内容が交付税の影響額に見合っていない状況が見受けられます。これらについても、各団体で住民に対する説明責任をしっかり果たしていただきたいというふうに考えております。 わたり是正についての取り組みでありますが、昨年度中に三団体が是正に取り組みました。しかし、依然として、別府市、日田市、佐伯市、竹田市、杵築市、宇佐市及び由布市の七市で是正がされていない状況であります。 県としては、わたりの状況等につきまして県民にわかりやすく公表するとともに、残る七市において早急に是正されるように粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。
○
近藤和義議長 三浦公君。
◆三浦公議員 ありがとうございます。 最後は、歯と口腔の健康づくりです。 歯と口腔の健康は、健康寿命の延伸を目指す本県にとって大変重要な課題の一つです。ですが、現在、本県の幼児、児童の虫歯保有状況は、依然として高い。そのため、本県議会では、学校現場でのフッ化物洗口といった、科学的根拠に基づく虫歯予防を推進するための条例案を検討しているところです。 そこで、本県としては、当条例案の必要性をどのようにお考えか、また、フッ化物洗口を含めた施策を今後どのように推進していくのか、伺いたいと思います。
○
近藤和義議長 平原
福祉保健部長。
◎平原健史
福祉保健部長 歯と口腔の健康づくりについてお答えをいたします。 本県の幼児、児童の一人平均虫歯本数は、直近のデータによりますと、三歳児で全国ワースト五位、十二歳児で全国ワースト二位と大変悪い状況にあります。 こうしたことから、県では、ことし三月に改定しました大分県歯科口腔保健計画「新・歯ッスル大分八〇二〇」の中で、フッ化物洗口を実施する保育所等の増加や三歳児及び十二歳児の虫歯を減少させることなどを目標に各種施策に取り組むこととしております。 現在、フッ化物の有効性が科学的に認められておりますことから、県では、保育所等を対象としたフッ化物洗口事業を実施しているところです。 今後、学齢期の児童生徒を対象として事業を拡大するなど、虫歯予防対策を強化していくこととしております。 なお、条例の制定につきましては、現在、議会の中でご議論されているところであり、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。 以上でございます。
○
近藤和義議長 以上で三浦公君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。 午前十一時五十一分 休憩
------------------------------- 午後一時二分 再開
○田中利明副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。馬場林君。 〔馬場議員登壇〕(拍手)
◆馬場林議員 こんにちは。二十四番、県民クラブの馬場林でございます。よろしくお願いいたします。 今期の定例会で質問の機会をいただきましたことに、先輩、同僚議員の皆さんに深く感謝いたします。そして、中津より傍聴に駆けつけていただいた皆さんにも心から感謝いたします。 さて、あしたは東日本大震災が起きてからちょうど二年半になります。多くの方が自分のふるさとを離れて生活をしています。東北の復旧、復興を急がねばというふうに思います。そして、昨年の七月には、大分県内も豪雨災害に遭いました。豪雨災害から一年二カ月経過しましたが、その復旧、復興についての質問から始めていきたいというふうに思います。 まず、県内に大規模な洪水や土砂崩れ等による甚大な被害をもたらした昨年七月の九州北部豪雨災害から一年二カ月が経過をしました。行方不明の方は、現在も発見されていません。一日も早く家族のもとに帰ってきてほしいと願っています。 家屋等の被災に見舞われた方々の生活は、被災前の状態に戻りつつあると思います。また、道路、河川、農地、漁港などもかなり復旧が進んでいます。このことは、大分県水害対策会議において復旧・復興推進計画を策定し、関係部署が連携するとともに、国や被災市町と協力して迅速な復旧、復興に努めてきた結果だと思います。 私は、豪雨災害の復旧、復興について、昨年十二月の第四回定例県議会において、被災された方々の声をもとに、復旧、復興の状況、中小企業、商店、旅館等への支援、山国川の改修計画などを質問し、「農地農業用施設については、来年の作付にできる限り間に合うように復旧工事を急ぐ必要があると考えている」との答弁をいただきました。 私も期待をしていましたが、中津市の被災した地域を回ってみると、現在でも被災した直後と変わらず、米もつくれず、転作もできていない農地がまだあります。このような状態のままでは、来年の作付がとても心配になります。 そこで、被災した地域で、ことし作付ができなかった農地はどのくらいあり、復旧できなかった原因は何なのか。また、来年には作付ができるようになるのか、今後の見通しを知事にお尋ねいたします。 以下については質問席でさせていただきます。 〔馬場議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○田中利明副議長 ただいまの馬場林君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 馬場林議員には、昨年被災いたしましたお地元のことも念頭に置きながら、まず、被災農地の復旧についてご質問を賜りました。 昨年の梅雨前線豪雨によりまして被害に遭われた皆様には、改めてお見舞いを申し上げる次第であります。 県といたしましても、農地被害の迅速な復旧に向けまして、この年初には、被災面積の約八割でことしの作付ができるとの見通し、あるいは目標を立てまして、全力で取り組んできたところであります。その結果、市町との連携のもと、目標を達成し、さらに八月下旬の農業共済の加入面積では、各市町とも前年並みの水稲作付面積が確認されたところであります。 これからは、仮畦畔等によって応急対応していたものを本格復旧したり、あるいは甚大な被害を受けた河川沿いの農地など大がかりに復旧しなければならないところがありますけれども、これも河川復旧とも連携しながら早急に復旧を進めてまいりたいと思います。 特に、河川の復旧工事が複数年にわたるものもありますけれども、その場合でも、これに隣接する農地につきましては、来年の作付までにはほぼ工事が完了する予定であります。また、そういうつもりで進めていきたいというふうに思っております。 ちなみに、直近の工事発注の状況を見ますと、一部にまだ低いところもありますけれども、県全体の平均は約八九%、最も被害が大きかった竹田市で約九五%まで進捗しておりまして、九月末までにはおおむね発注が終わる見込みであります。 県といたしましても、引き続き適切な進捗管理を行い、来年の作付に間に合うように、一日も早い復旧を目指して全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 ありがとうございました。 来年の作付はほぼできるというような状況になっているというふうにお伺いしました。 心配になったのは、河川の復旧と絡んだ農地がどうなるのかという、ずっと私も足を運んでみると、今までも同じような状況だったので、来年はぜひ復旧、作付ができるような形で。で、お年寄りにお会いしたときに、田植えができずに困っている、年寄りは一年分の米を買うのも大変だというようなお話を伺ったり、それから、集落で、もう水路の復旧をしたとかいうようなところも伺いましたので、ぜひ来年に向けて、作付ができるような取り組みをお願いしたいというふうに思います。 それで、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。 二つ目の質問は、観光振興についてというところでお願いをしたいと思います。 民間調査会社の調査結果によると、県内のレジャー、宿泊施設の景況感は改善傾向が続いているとの報道がありましたが、ことし上半期の県内宿泊者数は、昨年と比べて六万八千人の増、率にして三・四%の増加となっています。 また、格安航空が運航する大分-成田線も徐々に定着し、大分空港利用者も昨年同期と比較して増加するなど、県内観光にとって明るい兆しが見えてきました。 先日の新聞によると、「おんせん県おおいた」のロゴやキャッチフレーズの使用申請が約半年で百件を突破したと報道されていました。「おんせん県おおいた」が今後も全国に浸透していけば、さらにすばらしい大分の情報発信につながる取り組みと思います。 さらに、県内では、国東半島宇佐地域が世界農業遺産に認定され、豊後大野市と姫島村がジオパーク認定を申請しています。 そして、いよいよ大河ドラマ「軍師官兵衛」も来年一月から放送が始まります。大分県内の官兵衛ゆかりの地には、たくさんの方々が来られることが予想されます。 十月上旬には、大阪府内で観光と食のプロモーションを開く予定と伺っています。 そこで、「日本一のおんせん県おおいた」をどのようにPRし、今年度下期の誘客と大分のブランド力向上につなげていくのか、知事の考えをお聞かせください。 そして、次に「軍師官兵衛」の大河ドラマ化への対応についてお尋ねいたします。 「軍師官兵衛」については、吉冨議員、毛利議員からも議会で質問されましたが、引き続き、もう一度質問したいというふうに思います。 昨年の十一月十九日に「大河ドラマ「軍師官兵衛」推進協議会」が設立され、パンフレットの作成、福岡市西鉄ソラリアでの官兵衛PR、福岡からのバスツアー誘客等に取り組んでいます。 また、中津市は、独自にポスター、グッズ等の作成や各種イベントでPRに取り組んでいます。 他の市においても、本日の新聞でも国東の方でいろんな取り組みが行われているという報道もございましたが、取り組まれているというふうに思います。 ちょうどポスターを持ってまいりましたが、これが推進協議会がつくった「中津で天下の夢を見た」という軍師官兵衛のポスターでございます。こういうポスターをつくって情報の発信をしております。ただ、具体的な取り組みをしていくときに、一つの市ではなかなかできにくいこともあります。 四月に、福島県庁と会津若松市へ、県民クラブで、観光振興について調査に行きました。県や市や関係団体が協力してさまざまな取り組みをされていましたが、郡山から会津若松までの電車や福島県内のバスには、大河ドラマ「八重の桜」のステッカーが張られ、訪れる人の関心を高めていました。 そこで質問です。 ソニックや高速バス、船、空港などの交通機関にステッカー等を張ってアピールしてもらうなど、県として関係機関と連携して総力を挙げた取り組みができないか、お尋ねいたします。
○田中利明副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 まず私の方から観光振興につきましてお答えを申し上げます。 この秋、「おんせん県おおいた」を福岡や関西圏域で売り出そうということで、「おんせん県」のCMを集中的に放映するメディアウイークを実施しているところであります。 「おんせん県」のCMをテレビコマーシャルで流したり、あるいはインターネット上で公開しておりますけれども、タレントなし、歌なし、CGなしで、出演者全員が普通の県民という素朴な味わいが、今、大変注目されているところであります。 既に全国のテレビや新聞で多数取り上げられたほか、ユーチューブの再生回数は二十九万回を超えまして、ヤフートップページにも掲載されるなど全国的な話題となっております。県外の旅行会社等からも、旅行商品を造成、販売する際にイメージしやすくなったと評判は上々であります。 出演された八十一名の県民、立派なタレントでありますが、このタレントの皆さんに、心から敬意を表し、また、感謝を申し上げる次第であります。 やはり、メディアやインターネットの力は大きくて、今後の観光PRにおいてもしっかりとこれらを活用していきたいというふうに考えます。 また、温泉をイメージするおけと手ぬぐいに、湯気で「OITA」の文字が入った「おんせん県」のロゴマークも、かわいらしく親しみやすいと大変好評であります。ありがたいことに民間の皆さんからも使用希望が多く、土産物を初め、包装紙、ユニホーム、ラッピングバス、清酒など百件を超える申請が寄せられております。民間事業者の情報発信力を活用した取り組みも進めていきたいというふうに思っております。 こうした広報活動とあわせまして、キャンペーンやイベントを実施することも大事だと思っています。福岡では「大分うまいものフェア」等の観光物産展を開催いたしまして、また、大阪では「おんせん県おおいた大阪キャンペーン」を行うなど、官民一体となったイベントを展開していくこととしております。 さらには、県外から多くの集客を見込めるMICE誘致も積極的に進めていく必要があります。先般、補正予算を認めていただいた補助金も活用しながらコンベンションや大規模イベントなどの誘致を進めておりまして、新たにコンピューター関連の全国研修会や人気グループのコンサートの大分開催が決定するなど着実に成果を上げているところであります。 こうした取り組みを、メディアやウェブなどあらゆる媒体を活用して、イベント等とも連動させた効果的な情報発信を行うことによりまして、「おんせん県おおいた」のブランド力をさらに向上させ、観光誘客につなげていきたいというふうに考えております。 これからの観光イベントにおきましては、もちろん大河ドラマ「軍師官兵衛」のPRも忘れないようにしようというふうに思っておりますけれども、ご質問がありました「軍師官兵衛」への対応につきましては、担当の部が大変張り切っておりますので、担当部長から答弁をさせていただきます。
○田中利明副議長
塩川企画振興部長。
◎
塩川也寸志企画振興部長 それでは、大河ドラマ「軍師官兵衛」への対応についてお答えいたします。 来年一月から放映される「軍師官兵衛」は、本県の魅力を全国にPRする絶好の機会であり、既に中津城、福沢諭吉旧居・記念館では観光客が増加するなどの効果があらわれております。 県としては、「大河ドラマ「軍師官兵衛」推進協議会」の一員として、福岡市でのPRやバスツアーを造成したほか、今月末からは、中津、大分空港を結ぶ県北快速リムジンバス「ノースライナー」をラッピングバスで運行することとしております。 このほかにも、杵築城や別府市石垣原古戦場跡など官兵衛ゆかりの地を紹介する広域的なパンフレットを作成するとともに、来月三日からの「JR大阪駅おんせん県おおいたキャンペーン」において、官兵衛コーナーを設け、中津市のゆるキャラ「くろかんくん」によるPRを行う予定です。 こうした取り組みに加えまして、東京や広島等での観光商談会における積極的な情報提供により旅行会社の商品造成の意欲も高まっており、引き続き、協議会等関係機関と連携し、ステッカーなどさまざまな手法を駆使して機運の醸成を図るとともに、誘客の促進に努めてまいりたいと考えております。 今、「八重の桜」をごらんになっておられる方はわかると思うんですけれども、恐らく地域をPRする最大のポイントは、ドラマが終わってからの数分の地元紹介、現在の地元を紹介するコーナーであります。ですから、あそこに何本取り上げてもらえるかというのがやはり一つの大きなポイントだと思っておりますので、その点、最大限の努力をしたいというふうに考えております。 以上です。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 CMを見させていただきまして、とてもすばらしいCMというふうに思いました。出演されている方はもちろん、大分のすばらしさが本当に表現ができているなというふうに思いました。 一つだけ再質問させていただきますが、ちょうど新幹線が全線開通をして、そして、時間的な距離が関西圏から随分と短くなって、そして、そこから今度は、道路を通じて横軸に大分に誘客をするという戦略が述べられておりますが、来年度は東九州自動車道がある程度完成をしてきます。そうすると、北九州空港からずっとこちらの方に誘客をすることもできますし、山口県、広島県、福岡県からずうっと、今度は縦軸に誘客が可能になってくるんではないかというふうに思います。官兵衛も、一つその契機になってくるような気もいたします。そうすると、この東九州自動車道をにらんで、縦軸の観光戦略というか、そこを利用した誘客というのをどのようにお考えなのかというところを一つ再質問させていただきます。
○田中利明副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 おかげさまで、東九州自動車道、大部分が平成二十六年度中の供用開始ということを目指して、今、取り組みが進められているわけであります。私どもにとりましては、待ちに待った絶好の機会ということでございます。 それぞれの都市におきまして、これを機会に、その地域の売り込みをしっかりやっていこうということで対応していただいているわけでございますけれども、中津、宇佐、それから国東半島に至るところ、それから別府、もちろんいろいろ対応していただいております。それから、大分市の方は、駅ビルができたり、あるいはまた県立美術館ができたりというようなことで、ここもまた、さまがわりがしてくるだろう。佐伯の方でございますけれども、これはもう、そもそもすばらしい天然自然を持っているわけでございますから、それを中心に、いろいろ掘り出しをしていくということが大事だということで、全体として「おんせん県おおいた」ということで、この東九州自動車道の開通を念頭に置きながら大分全体を売り込むようにしておりますけれども、加えて、今申し上げましたような、各市の、各地域の取り組みということが大事ではないかというふうに思っております。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 ありがとうございました。 ちょうど、「うどん県」を香川県が掲げて、かなり全国的に発信をしていったと思うんですけれども、大分県は「おんせん県」ということで、官兵衛と絡めて全国放送されて、一過性にならないためにも、やはりソフト面では、おもてなしというか、そういうところも大切なんだというふうに思います。それは、香川県でもそのことが一つ課題ではないかという報道もされておりましたので、ぜひ官兵衛の方も、一過性にならずに、そこを利用した形での誘客といいますか、そういうところも大変重要かというふうに思います。 ちなみに、十二月の七、八日に黒田サミットということで、黒田に関係する姫路、長浜、瀬戸内、福岡、中津ということで黒田サミットが中津市で開催されて、そこにはキャストの方も来るそうで、ぜひ知事も馬に乗って、毛利議員が質問しましたけれども、そういう機会があればというふうに思いますが、ぜひ黒田サミットについても支援をお願いできたらというふうに思っております。 ちょっと質問項目が多いので、次に進ませていただきます。 福祉保健行政について。 児童相談所についてお尋ねをいたします。 児童相談所は、児童福祉法に基づき、子供の権利と福祉を保護することを目的として都道府県に設置が義務づけられている行政機関であり、県内には中央児童相談所と中津児童相談所の二カ所が設置をされています。 両相談所の事業概要によると、次のような実態となっております。 中央児童相談所の管轄地域は大分市、別府市など十市四町で、十八歳未満の児童数は十四万九千四百五十六人、県全体の児童数の七九・八%を占めています。二十四年度の相談対応件数は四千九百九十九件となっています。 また、中津児童相談所の管轄地域は中津市、日田市など四市で、管内の十八歳未満の児童数は三万七千八百三十九人で、県全体の児童数の二〇・二%を占めています。平成二十四年度の相談件数は九百六十二件となっています。 両相談所での平成二十四年度の相談件数の合計は五千九百六十一件となりますが、内容を見ても、複雑化、困難化、深刻化したケースが増加しています。また、児童相談所による相談対応だけでなく、市町村、学校、警察などの機関との連携も必要になっています。 このように相談量が多く、相談内容も複雑多様化する中、本県では二カ所の児童相談所で対応しているわけですが、大分県とほぼ同じ人口の宮崎県では三カ所、大分県より人口の少ない鳥取県では三カ所、島根県に至っては四カ所に児童相談所を設置しています。 児童相談所の設置については歴史的な経緯や地域の特性もあるだろうと考えますが、県として児童相談所をふやしていく考えはないか、お尋ねいたします。 次に、子宮頸がん予防ワクチンの接種についてお尋ねいたします。 平成二十二年度の国の交付金により予防接種促進基金が都道府県に設置されて以降、主に中学校一年生女子を中心とした子宮頸がん予防ワクチンの接種が開始されました。ことし四月から定期接種となりましたが、その後二カ月足らずで、「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会は、慢性的な疼痛が生じるといった三十八症例について、従来にない重い副反応であり、ワクチンとの因果関係が否定できない等として、積極的奨励は一時控えるとの意見をまとめた」とする報道がテレビや新聞でも大きく取り上げられました。私もテレビに映し出された被害者の子供さんの様子を見て、大変衝撃を受けたところです。 この子宮頸がん予防ワクチンの接種について、県として、この間、どのような対応をしてきたのか、副反応の実態など調査をしていれば、その結果についてお尋ねいたします。 また、国は、「今回の措置は、より安全な接種体制のためであり、定期接種の中止ではない」としているようですが、希望者は今後も接種を続けるのでしょうか。もし続けるとしたら、接種者に対して有効性と副反応等のリスクについて十分な説明や情報提供をする必要があると思いますが、どのような対応を考えているのか、お尋ねいたします。
○田中利明副議長 平原
福祉保健部長。
◎平原健史
福祉保健部長 二点お答えいたします。 まず、児童相談所についてです。 本県では、年々増加傾向にある児童虐待などのさまざまな相談に対応するため、児童相談所に児童福祉司や児童心理司といった専門的スタッフを逐次増員しているほか、二十四時間、三百六十五日対応のいつでも子育てほっとラインを開設するなど機能強化に取り組んでいます。 さらに、市町村職員への研修の実施や要保護児童対策地域協議会への児童相談所職員の派遣など、市町村における相談機能の強化と連携を図っているところです。 児童相談所の増設につきましては、利便性の向上という面も一面ございますが、一方で、職員の専門性を高めるためには、一定程度、集約が必要という考え方もあり、現時点で直ちに児童相談所を増設することは考えていません。 今後とも、職員の専門性を高めるなど児童相談所の機能強化を図るとともに、市町村や警察などの関係機関とも連携し、児童相談支援体制の充実に努めてまいります。 次に、子宮頸がん予防ワクチンの接種についてお答えをいたします。 一般的に予防接種ワクチンについては、疾病予防の効果がある反面、副反応もございます。 子宮頸がん予防ワクチンについては、平成二十二年度の接種開始時では、全身の痛みなどの重篤な症状とワクチンとの因果関係がつかみ切れていませんでした。 こうした中、国の検討部会においてワクチンとの因果関係が否定できないとの見解が示され、本年六月に積極的勧奨は控えるようにとの通知が発出されたところです。これを受け、県としては、市町村、県医師会あてに、積極的勧奨の中止等について要請をいたしました。 また、副反応の実態につきましては、本年四月の定期接種化後に国から情報提供が始まり、八月までに県内で五件報告されています。 国は、接種希望者に対してワクチン接種の有効性及び安全性等について十分に説明した上で接種を継続するものの、積極的勧奨は控えるという方針を示しており、県においても接種希望者に十分な情報提供をするよう、引き続き市町村や医療機関に要請してまいります。 以上でございます。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 児童相談所については、考えがないというお考えですが、一時保護所が大分だけということもありますし、子供たちの緊急性等もありますので、ぜひご検討いただきたいというふうに思っております。職員の方の研修についても、十分できるような予算的な措置も必要ではないかというふうに思います。要望としてお願いをしたいというふうに思います。 子宮頸がんについては、先日の報道で、百七十一人の子供たちが、三十日以上欠席した生徒が五十一名、体育の授業や部活を三十日以上休む生徒が二十一名、いろんな症状を訴える子供が九十九名、その百七十一名の中で今も改善が見られない生徒も六十九名ということになっておりますので、この厚生労働省が六月版として示したパンフレットを見ると、受けたらいいのか受けない方がいいのかという判断が、保護者の方も随分迷われるんじゃないかというふうに思いますので、きちっとそういういろんな情報を提供しながら、丁寧に情報提供していただかないといけないんではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○田中利明副議長 平原
福祉保健部長。
◎平原健史
福祉保健部長 子宮頸がんワクチンの接種につきましては、その対象者の方と医師との間で十分に丁寧な説明が行われ、ご本人たちが納得の上、ワクチンを接種していくということが大変大事だろうと思います。そういう意味で、有用性、安全性について丁寧に説明し、一方で積極的勧奨は中止するという方針について、今後とも、市町村と一緒になって、その方針を伝えてまいりたいというふうに思います。 以上でございます。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 ぜひよろしくお願いをいたします。 体調が悪いときに多分接種した子供たちもいるかもわかりませんが、ぜひその辺は丁寧に、かなり個別な対応が必要になるというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、雇用労働行政についてお尋ねをいたします。 総務省が七月十二日に発表した就業構造基本調査によりますと、役員を除く雇用者のうち、非正規である職員、従業員は全体で二千四十三万人となり、比率も全体の三八・二%と過去最大を更新しました。 二十年前の調査に比べると、非正規の比率は一六・五ポイント上昇し、男女ともに過去最大の比率となり、中でも女性の非正規の比率が五七・五%と半数を大きく上回っております。 正規だった人が転職のときに非正規になる流れも強まって、過去五年間に転職した人を見ると、転職前に正規だった人の四〇・三%が非正規になっています。 また、非正規の割合が高い若年層は、男女とも雇用が不安定なことが結婚、出産をためらう一因との指摘も多くあります。 このように雇用が不安定で経済的な自立も困難なことが多い非正規雇用の増加は、社会全体の活力が損なわれることにもつながりかねません。 人口減少社会が進展する中で持続的な経済成長や社会保障制度を維持するためには、安定した雇用の下支えが不可欠です。 そこで、本県の非正規雇用の実態と非正規雇用から正規雇用への移行を図るための支援の取り組みについてお尋ねいたします。 次に、企業の労働関係法違反への対応についてということで、新聞によりますと、ブラック企業対策として厚生労働省は、九月を集中月間として、約四千事業所に立入調査すると八月八日に発表しました。違法な残業や賃金不払いなどが疑われるケースに加え、離職率が極端に高い企業も初めて対象にし、調査するとも報道されたところです。 若者の就職難を背景に、長時間労働や過剰なノルマなど法律を度外視した働き方を強いる企業が社会問題化していることから、対策を強めるとのことです。現在は、大卒で就職後三年経過した者の三割がやめていますが、この数字を目安に離職率が高い企業を調べ、また、過労死などの労災請求があった企業も継続指導するそうです。法律違反が見つかり、指導に応じない場合は、ハローワークでの職業紹介を受け付けず、重大、悪質な違反が確認されれば送検し、社名も公表することにしています。田村厚生労働大臣は、八月の閣議後の会見で、「若者が使い捨てにされる問題がそのままでは日本の将来はない。ブラック企業と言われるところをなくしていく」と述べています。 そのような中、働く人のメンタル面の病気の増加やいわゆる追い出し部屋なども社会問題化してきており、もっと働く人を守るためのルールを広く周知する必要があると思います。 そこで伺います。 県として、このような現状をどのように認識し、対策を講じてきたのか、さらに今後どのような取り組みを考えているのか、お尋ねいたします。
○田中利明副議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 二点お尋ねをいただきました。 まず、非正規雇用についてお答えいたします。 就業構造基本調査によれば、本県の非正規労働者は三五・六%、十六万四千六百人、うち派遣社員は一・六%で七千二百人であります。全国平均よりは低い値となっております。 県独自の労働福祉等実態調査では、昨年六月現在、派遣が〇・六%、パートが一・〇%それぞれ前年より増加したため、非正規全体では、前年に比べて一・三%増加しております。 多様な働き方が求められている中、正規雇用を含めた雇用の受け皿をふやし、また、意欲ある労働者の技術、技能の向上を図ることが重要であると考えております。このため、機械・電気や医療事務・介護などの技能を求職者が習得できるよう、高等技術専門校や民間委託での職業訓練を実施しております。 また、非正規雇用相談専用ホットラインを開設し、職場でのトラブル、悩み事などの相談を受け付けております。 若者に対しましては、ジョブカフェにおいて、若年労働者の早期離職防止やフリーター等不安定就労者の正社員移行支援など、安定雇用に結びつける取り組みを行っているところであります。 次に、企業の労働関係法令違反への対応についてお答え申し上げます。 まず、現状認識と対策でございますけれども、地域において企業が継続的に発展するためには、健全な労使関係と良好な労働環境が確保されることが大切だと考えており、とりわけ次代を担う若者については、働きがいのある人間らしい仕事の実現が求められております。 厚生労働省は、現在、いわゆる若者の使い捨てが疑われる企業等に対して、集中的に監督指導、電話相談、パワーハラスメントの予防啓発の取り組みを行っており、九月一日の全国無料電話相談では千四十二件の相談が寄せられたところであります。 県は、使用者向けリーフレット、ホームページ等によりワークルールの啓発に努めるとともに、労使を対象とした労働講座や、高校、専門学校、大学等へ働きかけて出前講座を実施しております。 特に、若者に対しましては、出前講座において、労働者としての権利を学ぶ機会を提供するとともに、すべての高校生に対して労働関係法令に関する啓発資料を配布しているところです。 今後、県への個別労働相談の事案で労働関係法令に違反する疑いのあるケースについては、大分労働局と連携して対応していきたいと考えております。 以上です。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 一つだけ伺いたいというふうに思います。 非正規から正規へという取り組みの中で、新規雇用の人件費を県が全額負担するという制度がございました。これは、一年間、人件費を県が、また、その同額までの必要経費を支払うという。この雇用は、非正規なのか、それとも正規なのか。この雇用形態。どういう形で新規雇用をした企業に賃金を一年間支払うのか。その辺の状況を、ご説明をお願いします。
○田中利明副議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 企業支援型雇用創造事業についてのお尋ねだと賜りました。 一年間、人件費を全額負担するということになっておりまして、これについて、正規、非正規についてどうだったかというのは、ちょっと今、手元にございません。答えられなくて、申しわけございません。 この制度によって新たに雇われた方が、県としての補助は一年ということでありますけれども、その創業、新しい事業をやることによって引き続き雇われていく、新規の雇用につながっていくということを我々は期待しております。 詳細についてはまた、ご連絡させていただきたいと思います。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 ぜひ、非正規で非常に若者が、結婚とか、そういうものがなかなかできにくいという状況ありますので、非正規をなくしていくという取り組みと、それから、非正規の方自体が、非常に労働条件が正規の方との差があるということ、これは県の中でもかなり、臨時の方とか採用されていると思うんですが、その差をやっぱりなくしていくということも同時にやっていく必要があるんではないかというふうに思いますので、ぜひ検討いただければというふうに思います。 新規雇用の人件費、県がというのは、緊急雇用でやられるんであれば臨時的な任用かなというふうに私は思ったんですけれども、また資料をいただければありがたいです。 それから次に、五番目に、教育行政についてお尋ねをいたします。 特別支援学校の給食についてお尋ねをいたします。 県内には、盲学校、別府支援学校、宇佐支援学校など十六の特別支援学校が設置されています。これら十六校の給食施設については、自校式が九校、市町村給食センターからの調理配送が五校、病院や療育施設からの提供が二校となっています。 特別支援学校にはさまざまなハンディのある子供たちが通っており、配送された給食を再調理しなければ食べることができない子供たちがいるなど、一人一人の子供に合った給食にする必要のある特別支援学校もあります。 そこで、市町村給食センターが調理配送している五校について、子供たちに合った給食にするために自校方式へ変える考えはないか、お尋ねいたします。 二つ目に、児童養護施設から通学する子供への対応についてお尋ねいたします。 県内の児童養護施設からは、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校、高校に、現在二百九十名の子供たちが通っています。 子供たちは、さまざまな事情で児童養護施設に入所し、児童指導員や心理司の方などの深いかかわりで自立への歩みを強めていますが、入所前に虐待を受けていたため、心のケアが必要な子供もいます。 学校において子供たちに深くかかわるためには、クラス担任や学年の先生方だけでなく、もっと人が必要だと思います。人と人との深いかかわりの中で子供たちは自立していくのではないかと考えています。 そこで、児童施設から通学する子供たちの支援のため、県としてどのようなことができるのか、お尋ねいたします。 次に、食物アレルギー児への対応についてお尋ねいたします。 「ちょっとちがう わたしはみんなとちょっとちがう ちょっとしっぽがみじかいし ちょっとひげがながい でもママが「それでいいのよ」っていってたの」 この詩は、東京都調布市の小学校でチヂミを食べて亡くなられた子供が小学校四年のときに書いた詩ということで報道されました。 母親は、アレルギーを自覚していた娘がなぜチヂミをおかわりしたのか、初めはわからず、苦しんでいたそうですが、その後、娘が「クラスで給食を残さない完食記録を目指していたので、クラスに貢献したかった」と親友に話していたということを聞き、「クラスのために頑張ろうと無理してこんなことになり、残念。でも、そうだったのかと納得した」と母親は涙ぐんで話をされたとのことです。また、亡くなられたその子は、「アレルギーの子を助ける研究をしたい」と将来の夢も語っていたそうです。 そこでお尋ねします。 現在、大分県内の小中学校には食物アレルギーのある児童生徒はどれくらいいるのか、また、学校内でアナフィラキシーショックを起こした事例はどれくらいあり、エピペン等の薬剤を処方されている児童生徒はどれくらいいるのか、さらに、学校がそれを預かる形で保管しているような事例がどれくらいあるのかをお聞かせください。 また、今後、学校での食物アレルギーのある子供たちへの対応についてどのようにされるのか、お尋ねをいたします。 次に、フッ化物洗口、塗布についてお尋ねいたします。 本年三月に文部科学省が公表した学校保健統計調査によると、子供たちの虫歯の平均は、昭和五十年代半ばをピークに減少傾向にあるとされています。年々少しずつでも減少してきたのは、歯科医の先生方の検診やご指導はもちろんのこと、乳幼児期からの健康指導や栄養指導を行ってきた厚生行政の不断の取り組み並びに学校での指導が十分されてきた結果であると、関係機関へ改めて敬意を表したいと思います。 さて、虫歯は減少傾向にあるものの、大分県は平成二十四年度の十二歳児の一人平均虫歯本数が二・〇本、全国平均が一・〇八であるとのことから、学校での集団フッ化物洗口を実施しようとされているのではないかと思います。 そこで、一九七五年以降の子供たちの虫歯の全国平均の推移と県内の推移をお尋ねします。 また、日本弁護士連合会が平成二十三年一月に「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」を各関係機関へ送付したとのことですが、その意見書についてはどのように扱われたのか、さらに主婦連合会からは「日本弁護士連合会の意見書に基づき、集団フッ素洗口、塗布等の中止を求める」という趣旨の文書が送付されていると思いますが、その扱いについてもお尋ねいたします。 子供の虫歯については、全く虫歯のない子供と多くの虫歯を保有している子供に二極化していると言われていますが、それであればなおさらのこと、ない子もある子も一律に、それもさまざまな意見が出されている集団フッ化物洗口をするのではなく、虫歯を多く保有している子供への丁寧な指導や治療のための経済的支援を考えていくべきであると思いますが、その点についてどうお考えか、お尋ねいたします。
○田中利明副議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 教育行政について四点お答えをします。 まず、特別支援学校の給食についてです。 学校給食については、児童生徒の健康の保持増進や食事を通して生涯にわたる食習慣の形成と望ましい人間関係の形成を図るなど、その重要性を認識しています。 ご指摘の五校の学校給食を自校方式に切りかえることは、現有施設でのスペースの問題等もあり、困難でありますが、平成十七年度から、障害のある児童生徒の実態に応じた給食が提供できるよう、調理員を各学校に配置するなど、可能な限りの対応をとっているところです。 今後とも、一人一人の子供に合った給食が提供できるよう工夫していきたいと考えております。 次に、児童養護施設から通学する子供への対応についてです。 県教育委員会としては、ご指摘のあった子供たちも含め、心のケアが必要な児童生徒に対し、きめ細やかな指導が必要と考えています。このため、スクールカウンセラー七十一名を県内の小、中、高校に配置し、子供の悩みを聞いたり、アドバイスをする等の適切な支援に努めています。また、教員に対しては、子供心理の理解やカウンセリング技法等についての研修を実施し、指導力の向上を図っています。さらに、それぞれの学校や子供の実情を踏まえ、必要な教員の加配も行っているところです。 次に、三点目、食物アレルギー児への対応についてお答えをします。 現在、大分県内の小中学校には、食物アレルギーのある児童生徒が二千四十七名います。 学校でのアナフィラキシーショックの事例は、平成二十四年度に六件、平成二十五年度に一件起きています。 エピペン等の薬剤を処方されている児童生徒は、小学校で二十一名、中学校で五名、計二十六名で、そのうち十名については学校がエピペン等の保管をしています。 学校での対応としては、まずは食物アレルギーを持つ個々の児童生徒の症状等を正しく把握した上で、それぞれの実態に応じて原因食品の除去など学校給食での配慮を行います。 県教育委員会としては、アナフィラキシーショックが起きた場合に教職員が適切な緊急処置を行えるよう、市町村教育委員会を通じて指導してまいります。 最後に、フッ化物洗口、塗布についてお答えをします。 把握が可能な平成二年以降の十二歳児の一人当たりの虫歯本数の推移についてですが、平成二年は、全国平均四・三本、大分県は五・〇五本です。その後、両者とも徐々に減少し、平成二十四年は、全国平均一・〇八本に対し、大分県二・〇本となっていますが、この間、大分県の虫歯本数は常に全国平均を上回っています。 日本弁護士連合会や主婦連合会等から集団フッ素洗口、塗布の中止を求める文書が出されており、さまざまな意見の一つとして認識をしています。 虫歯を多く保有している子供へは、虫歯の実態に応じて、部位に応じた歯磨きの仕方や間食のとり方の指導など、きめ細やかな対応をしてまいります。 虫歯のない子供は、将来的にも虫歯がないとは限りません。 虫歯は、治療より予防が大事であると考えており、虫歯の有無にかかわらず、歯磨き指導、食に関する指導、フッ化物の活用の三本柱で虫歯予防対策を進めていきたいと考えております。 以上です。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 食物アレルギーの子供さんについての部分ですが、私も中津市民病院の先生から研修を一緒に受けたんですけれども、一番難しいのは、そういうショックがあったときに、だれがどういう判断で打つかというところが、とても判断に迷うところだと思います。そういう意味では、研修というか、そういう研修をやっぱり積んどかないと、打つのは簡単ですけれども、どういう症状のときにやるかというところがとても判断に苦しむと思うんです。そういう研修は、される予定はありますか。
○田中利明副議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 お答えをします。 アレルギー児についての、いわゆるアナフィラキシーショック児への対応についてでございますけれども、文科省監修のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインという中で、かなり細かにその症状が起きたところも記載されております。 そして、現在のところ、先ほど私答弁でお答えをしましたけれども、アレルギー児において、エピペン等の薬剤を処方されている人数というのは限られています。学校で保管しているのが十件、児童生徒でも二十六名ということでございます。これは、保護者の方からいたしますと、日常的に相談をしているお医者さんと保護者、子供、そして学校とがよく連絡を取り合って、食事のときの対応を決めていく、そういうことがとても大事だというふうに考えています。 私の方としては、食事の一般的な対応、そして、そのときの学校の体制づくりということを教育委員会を通じて指導していきたい、そして、食事の対応については、現場での先生、保護者、子供、そういうところの連携をよくして決めていく、これが大事だというふうに思っております。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 ぜひお願いをしたいと思います。 もう一つのフッ化物洗口のところですが、一九七五年以降、かなり減ってきたというお話がありましたが、四・三から一・〇、五・〇五から二・〇というふうに減ってきているんですが、その原因はどういうふうにとらえられているのか、お尋ねをいたします。
○田中利明副議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 虫歯を減らす取り組みの中で、一つはやっぱり歯磨き指導等があります。そして、もう一つは食の指導です。これは、家庭もあると思いますけれども、長年にわたり学校において、保健指導の中で、歯磨き、そして間食をしない、規則正しい食生活をする等の食の指導、この二つが効果があったのかなというふうに思っております。
○田中利明副議長 馬場林君。
◆馬場林議員 時間が限られていますので、二千四十七名の子供たちが食物アレルギーを持っております。予防接種についても、個別対応がかなりされてきております。食物アレルギーも、ある程度、個別対応というのがかなり必要な子供たちが出てきているわけですが、以前の、集団でいろんなことをやっていたことから、小児科については、子供たちによっては個別対応が、かなりの対応が求められるんではないかというふうに思っておりますので、虫歯をなくすということには異議を唱えることは全くありませんけれども、フッ化物洗口を集団でやるというところがかなり、弁護士連合会の指摘もありますが、その辺も十分慎重に検討していただきたいというふうに思います。 そういう要望をいたしまして、最後の質問に移りたいというふうに思っております。 豊前海漁業の振興についてです。 豊前海は、日本三大干潟の一つと言われ、広大な干潟にはカブトガニやアオギスなど希少動物が生息しています。かつては、アサリ、クルマエビ、ガザミ、カレイ類といった魚介類の宝庫で、底びき網などの漁業が発達し、港は活気にあふれていました。特に貝類は資源が豊富で、昭和六十年にはアサリの生産量が日本一になったこともあります。また、キヌガイも多くとれ、その干物は姫貝として豊前海の名産物となっておりました。ただ、今は、昭和六十年をピークに減少傾向に入っております。その原因として、漁業者からは、台風による海の攪拌がなく、干潟を含む豊前海の海底地盤がかたくなっているのではないかという声を聞いたり、昨年七月の九州北部豪雨の例のように、流木や土砂が河川などから流入し、漁場の生産力に悪影響を与えたり、流木や海底に突き刺さった木などで被害が出ていることも聞きました。 そういう豊前海における漁業の復活を図るため、県として今後どのような取り組みを行うのか、お聞かせください。
○田中利明副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 豊前海漁業の振興についてのご質問でございました。 豊前海、大変豊かな海であったわけでございますけれども、最近は、ナルトビエイの食害などによる資源の減少だとか、あるいは、お話がありましたように海底の流木などの堆積に伴う漁場環境の悪化等によりまして、大変漁獲量が減少し、漁業者にとっては厳しい状況が続いているというふうに認識しております。 県の方では、豊かな豊前海を取り戻すために、次の三つに重点を置いて取り組んでまいりたいというふうに考えております。 一つは、資源管理の徹底ということであります。 資源をふやす取り組みといたしまして、これまでクルマエビ、ガザミなどの種苗放流に対しまして支援してまいったわけでございますけれども、資源管理が徹底できていないために、放流効果が十分に発揮できずに、漁獲量の低迷が続いているという状況であります。この悪循環を断つ必要があるということから、今後は、漁業者みずからが資源管理計画を策定して実効ある管理を行うという場合のみ種苗放流に支援していくということにしたいと思います。 また、貝類につきましては、昨年度から実施しております網で覆った保護施設を利用したアサリ増殖の取り組みを継続するとともに、近年、局所的に大量発生しておりますアサリやキヌガイの稚貝を石原漁場に移殖するなど、管理強化による資源の増大を図っていきたいというふうに思っております。 さらに、現在、漁獲が良好なハモでございますけれども、これは今、調査をやっておりますけれども、万一、減少の兆しが見られる場合には、速やかに小型魚の再放流などの取り組みによって資源の維持をしていきたいというふうに思います。 それから、第二は、漁場環境の改善であります。 漁獲をふやすためには、漁場環境の回復も大変重要だと思っております。 沖合では、海底に堆積している流木などを、来年度から三年間、底びき網を使って広範囲に除去する予定であります。これによりまして、操業の支障を解消するとともに、海底が耕されて、エビ、カレイなどの生息環境を改善することができると期待しております。 これが沖合でございますけれども、沿岸域では、稚魚のすみ場となる藻場の造成が有効なことから、議員ご指摘の中津市今津沖に造成された藻場をさらに拡大してまいりたいというふうに思っております。 第三は、付加価値向上の対策であります。 現在、規格外のハモのすり身加工やガザミのブランド化などに取り組んでいるところであります。 特に、ガザミは、関西市場等で高い評価を受けており、さらに関東市場におきましても引き合いのある重要魚種となってきております。このことから、まず、資源管理を徹底し、安定的な生産を維持した上で、首都圏への出荷において、低コスト化と鮮度保持のため、おがくずなどを使った出荷試験を行うほか、ブランドタグなどの販促資材を活用して、一層の販路拡大を図っていきたいというふうに思います。 以上のような三つの取り組みによりまして、豊前海漁業の振興を図っていきたいというふうに思っております。
○田中利明副議長
商工労働部長から答弁の申し出がありましたので、これを許します。西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 先ほど議員から企業支援型地域雇用創造事業の対象となる雇用の要件についてお尋ねがございました。非正規か正規かいずれかということでございますが、いずれでも可ということでございます。以上です。
○田中利明副議長 以上で馬場林君の質問及び答弁は終わりました。濱田洋君。 〔濱田議員登壇〕(拍手)
◆濱田洋議員 議席番号十番、自由民主党・無所属の会、濱田洋でございます。 きょうは、秋さわやかな日でありますけれども、玖珠郡からたくさんの応援、傍聴に来ていただきまして、この席から厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございます。 さて、私も本年七月二十日で古希を迎えました。昔から「古希まれなり」という言葉がございますけれども、まだまだ私は青年の気持ちでこれからも頑張っていこうと、ここで決意を新たにしておるところでありますけれども、実は、この誕生日に、我が郷土、中津のモラロジー道徳科学研究所、いわゆるモラロジーを体系づけた広池千九郎博士、このお孫さんに当たる広池幹堂、現在、モラロジー理事長、そして広池学園の理事長でありますけれども、この広池博士が、昭和十年、古希を迎えた一月一日に「述懐」という詩を書かれております。その色紙を、コピーでありますけれども、いただきました。今、ちゃんと床の間に飾ってありますが、郷土の大先輩、偉人でありますので、その詩をちょっとご紹介させていただきます。 馬齢累積して古稀に達す 盤根錯節なお存すといえども 聖人の伝統今ここに在り 人心を救済して世界を安んぜん まさに裂帛の気合いで世界の人心を助けていく、すばらしい古希の一月一日の言葉であります。この言葉を胸に、私もしっかり頑張ってまいりたいというふうに思っております。 さて、地域の再生についてであります。 人間は、還暦六十歳で再生をする、生まれ変わるというふうに言われますけれども、私もそれから十年、はやたちました。しかし、人間は、生まれ変わるのは、きょうからでもできます。心を立てかえることによって、きょうからでも再生できます。しかし、地域の再生、これは、いろんな数字を見させていただいても、なかなか厳しいんじゃなかろうかというふうに感じるところであります。 例えば、人口一つにしても、もはや六十五歳以上が、国民の一億二千五百万のうちの三千万を超えたというふうに言われております。まさに、県内でも、農業の従事者、個人事業者、そして生産年齢人口、これも減少の一途をたどっております。また、地域の小中学校や高校等も統廃合が進んで、どの地域も非常に厳しい状況が出ております。 そういう状況の中で、やはり日本国の繁栄は、四十七都道府県の活性化ができることが一番であります。また、大分県は、十四市三町一村、この活性化抜きにしてはないわけでありますので、この厳しい情勢の中で広瀬知事は、大分県の各市町村の再生について、どのような手法で、また、どのようなビジョンで、県政のリーダーとして引っ張っていかれるのか、その点をお伺いしたい、そういうふうに思います。 あとは質問席で質問させていただきます。 〔濱田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○田中利明副議長 ただいまの濱田洋君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 濱田洋議員には、めでたく古希を迎えられ、士気いよいよ高く、情熱あふれるご質問をいただきました。私も負けないように一生懸命答えさせていただきたいと思います。 地域の再生についてのご質問でございました。 「安心・活力・発展プラン」では、人口減少社会の到来の中で地域力の強化を重要課題ととらえ、力を入れているところであります。特に、本県全体のバランスある発展のためには、旧町村地域や過疎地域の元気、活力を維持向上させることが重要であります。 これまで、合併後の住民の不安解消に向けて、重点的な周辺部対策を講じ、農林水産業の振興、生活道路や給水施設の整備、新たな雇用創出の取り組みなど元気あふれる地域づくりを支援してまいりました。 また、高齢化率が五〇%以上の集落が増加して全国的に社会問題となる中、大分県はいち早く市町村と連携して小規模集落対策に取り組み、集落応援隊の派遣や里のくらし支援事業などを行ってまいりました。 県内各地域に目を向けると、それぞれの地域資源を生かした新たな取り組みが活発化しております。これからは、六つの振興局エリアごとに、こうした取り組みを深化させていくことが重要であり、各地域の均衡ある発展が県全体の活力の向上につながると考えているところであります。 例えば、本年五月には、国東半島宇佐地域の「クヌギ林とため池がつなぐ農林水産循環」が世界農業遺産に認定されたほか、姫島村及び豊後大野市は日本ジオパークの認定を目指す取り組みを進めております。また、国東地域や竹田地域では、近年、県外から若手の芸術家が移住するとともに、国東半島アートプロジェクトや芸術祭の開催など、現代アートと地域の自然や伝統文化の融合によって地域の魅力を引き出す取り組みも始まっております。県南地域では、東九州自動車道の全線開通に向けての観光振興の取り組み、玖珠地域では、久大本線豊後森駅のリニューアルオープンを機に、近代化産業遺産である豊後森機関庫の活用や商店街との連携で全国からの誘客の計画があります。県北地域では、自動車産業を核とした産業集積による地域の活性化など、地域発の個別の動きが盛んになってきております。 これからの少子・高齢化、人口減少はますます急カーブで進んでいくと見込まれており、本県におきましても、あらゆる地域がその影響を受けるものと厳しく受けとめております。そういう中で、人口減少をできれば食いとめ、少なくとも減少カーブを緩やかにする取り組みを進めるとともに、特徴のある地域づくりを図っていきたいと思います。 特に、各地域の経済の基盤づくりを含めまして、限られた資源の中で、何に特化していくのかなど、地域の特徴を生かした取り組みが大事だと思います。 県といたしましては、こうした取り組みに対して、地域活力づくり総合補助金や地域課題対応枠予算、さらに、おおいた元気創出基金など地域支援のメニューを充実させておりまして、しっかりと支援をしていきたいというふうに考えているところであります。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 大変ありがとうございます。 知事さんにおかれましては、ますます力強く、大分県十四市三町一村、あるいは地域を見詰めて、しっかりとした対応をお願い申し上げたいというふうに思っております。 さて、私は七月二十日の生まれでありますけれども、七月二十日の日本経済新聞「春秋」、これは、日本とアメリカの自治体破綻の記事が出ておりました。ちょうど誕生日に、破綻するこの記事を読んだとき、私は非常に暗い気持ちになったんです。 一つは、北海道の夕張市、まさに破綻をし、もうかなりの年月がたちますけれども、人口も、最盛期の十一万人が、もう一割近く、一万人ちょっとになっておる。もう一点は、先般のアメリカ・デトロイト市、まさに我々、中学生、高校生のころ、地理で、まさに世界の自動車産業、工業のナンバーワンの土地、市として紹介をされておりました。これがやはり時代の対応におくれた、また、いろんな要素もありましょうけれども、最高に多いときから百数十万人、人口が減って、とうとう信じられないような巨額の負債で、今、破綻をしております。 大分県は、このように基本的な産業城下町といいますか、企業城下町といいますか、そういうものは、そういう市や町はほとんどないわけでありますけれども、やはり、こういうことが現実に起こっておる、こういうことを見据えて、やっぱり、しっかりと我々も地域づくりをやっていかにゃいかぬということを、この記事を見て、改めて感じたところであります。 そういう中で、特に、やはり我々には、この人口が減っていく人口制約、それから財政がなかなかどこも厳しい、日本国ももちろんでありますけれども、市町村も厳しい、大分県も厳しい。この二つの大きな課題をどういうふうに克服をしていくか、これは私は大きな課題であろうというふうに思いますけれども、この点について知事さんの見解をお伺いしたいと思います。
○田中利明副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 ただいま、夕張とデトロイトの例をとって話がありましたけれども、我々の暮らしている環境、これは、いろんな意味で産業構造の変化の中で影響を受けるものであります。 夕張は石炭鉱山の閉山による影響、デトロイトは自動車産業の不振ということだと思いますけれども、大分県でも、ご存じのとおり、中津江の鯛生金山の閉山に伴う影響、あるいはまた、佐伯は宇目の木浦鉱山の閉山に伴う影響等々、産業構造の変化、あるいは生活環境の変化に伴う集落構造の変化というのは経験をしているわけで、これはやむを得ないことだという気もいたします。時代の流れの中でそういうことは考えていかなきゃならぬということで、そういう中でこの両町とも乗り切ってきたのは、やはり、住民の皆さんがそういう時代の流れを受けとめて、そして、ほかに新しいやり方を考えながらやってきたということのあらわれだと思います。 我々は、時代の流れをそういうふうにしっかりと受けとめながら、その中で新しい方向を考えていくということが大事なんではないか。人口の減少についても、やはり新しい産業を持ってくるとか、あるいは地元の従来からある農業の振興をさらに図っていくとか、そういうことによって人口減少のカーブをできるだけ緩やかにしていく、そして、その中で財政的にもやれるような体制をつくっていくということが大事だし、そういう時代の流れを見ながら、地元の努力を見ながら、我々も、県としても、しっかりと応援をしていくというようなことでこの厳しい時代を乗り越えていかなきゃならぬのだろうというふうに思っているところでございます。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 ありがとうございます。 ある学者によりますと、日本経済が停滞をしてきた原因というのは、根本は景気ではない、いわゆる人口の波の変化で経済停滞が起こっておるということも言われております。そういう意味では、なかなか人をふやしていくというのは非常に難しい問題でありますけれども、やはり、それぞれの市町村がしっかり活性化をして、そして、いわゆる今までの歩んできたのとは違う、新しい創造をしていく、そこに新たな大分県の伸展があるんじゃなかろうか、発展があるんじゃなかろうか、そういうことを思っております。いろいろな意味でご指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、振興局の役割と取り組みについてお伺いをいたします。 先ほど言いましたように、やはり、地域地域、あるいは十四市三町一村が、今、大分県は六つの振興局が、管轄といいますか、その地域にあるわけでございます。私は、これで七年目でありますけれども、いろんな委員会等で各振興局にお伺いをさせていただいております。その振興局が、どれだけ担当といいますか、管轄の市町村をしっかり、いろんな意味で把握をして、地域リーダーとしての役割を果たしておるか、これが一番、これからの大分県づくりに大切だというふうに思っております。 その見解を、本当にこう具体的にやっていく、例えば、地域にある、市町村はもちろんでありますけれども、商工会議所や商工会、あるいはJA、あるいは森林組合、観光協会、そういうようないろんな団体とどういうような地域の組み合わせをつくっていくか、そういう会合を、あるいは施策交換の場を具体的に県の指導でやられておるんだろうか、そういうことをいつも、地域に行ったときは申し上げておりますけれども、ひとつここでどういうふうに指導しておるのか、お伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○田中利明副議長 島田総務部長。
◎島田勝則総務部長 地域の再生に関連しまして、振興局の役割と取り組みについてご質問をいただきました。 六つの振興局は、それぞれの地域における県政推進の最前線に立って、地域振興や農林水産などの分野において、より広域的、専門的な体制で、その役割を果たすように努めております。 昨年の豪雨災害からの復旧に際しましても、土木事務所とともに被災市町に応援職員を派遣いたしまして、被災地域に貢献できたのではないかというふうに考えているところであります。 ご指摘の地域とのつながりという部分ですが、小規模集落対策のための会議等も開いております。また、それだけではなくて、常々、商工会、自治会、あるいは森林組合、関係団体の方々とじかに接しまして、いろいろな話をする中で課題を把握して、その解決に努めているところであります。 今年度からは、振興局等からの発案によります地域の課題解決に対応する地域課題対応枠というものを新たに予算化したところであります。例えば、西部振興局では、生産者やJA等と振興局が一体となりまして、西日本一のワサビ産地づくりをするんだということを目標に、生産拡大に必要な資材の初期経費等の支援を行っているところであります。こういった予算上の枠も一つのきっかけにして、地域の方々との接点をふやしていただきたいというふうに思っております。 今後とも、現場主義を第一に、地域住民や関係団体等の皆さんとじかに接しながら、市町村とも連携いたしまして、先ほどありました地域の再生に向けた特徴ある地域づくりに向けまして振興局の機能を十分に発揮していきたい、このように考えております。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 ぜひ、地域の活性化には、本当に振興局の役割は大きいわけでありますので、どうか、しりをたたいて、振興局を十分に活動させていただいて、そして、大分県の、いわゆる細胞、十四市三町一村がますます発展をしていくようにご指導をお願いしたいというふうに思います。 では、次に、二番目の中小企業の再生について。 これも再生でありますけれども、先般、本年の三月議会で、我々議員提案として「中小企業の再生・活性化策の充実・強化を求める意見書」を全会一致で採択をし、国の関係官庁にお送りをさせていただきました。 やはり、この中で、いわゆる中小企業経営力強化支援法の中では、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会、公認会計士、税理士、診断士などの認定支援機関としての位置づけと、それから経営支援体制をどう構築していくか、これが大切だということをこの意見書でも申し上げて、いかに中小企業を再生するかということをお願いしておるわけでございますけれども、県として、この意見書についての、中身の考え方、あるいは取り組み、それを教えていただきたいと思います。
○田中利明副議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 お答え申し上げます。 議会がご提出されました意見書の中身、サポート体制の充実、金融のコンサルティング能力の強化、こういったことは非常に重要だと思っております。私どもも、これまで支援体制を拡充してきました。そして、今後は、個別の支援を成果に結びつけていくことが大切だと考えております。 まず、中小企業の再生支援の強化に関して。 中小企業の再生支援体制を拡充するため、県は、信用保証協会や金融機関、そして商工団体等が入った中小企業サポート推進会議を設立し、支援機関の連携強化に努めているところであります。そして、県内百十六の認定支援機関に対して、特に経営改善計画の策定を積極的に支援するように、推進会議主催の説明会や研修会等を通じて働きかけているところであります。また、商工会等の会員向け会議等で、事業再生の相談窓口等を周知しているところでもあります。 次に、金融機関の支援状況でございます。 最近、県内金融機関は、新しい顧客開拓ツールとして、国の補助金等を活用した経営支援に積極的に取り組んでいるところであります。こうしたことから、創業や経営革新等に必要な事業計画の策定から実行までをきめ細かく支援し、その結果、支援を受けた企業の口コミで金融機関への支援申し込みがふえているケースもあると聞いております。 今後も、再生支援や活性化策が県内中小企業に行き渡る環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 今、答弁で、中小企業に行き渡る政策といいますか、その返答がありましたけれども、実は、中小企業の中で八七%は小企業なんです。今、小企業に本当に手が届いてないんじゃないか。ほとんど、小企業は今、廃業、あるいは地域にお店がなくなる、そういう状況が出ております。 そこで、やはり、本当に小規模に手が届く小規模企業基本法、小規模だけを手厚くといいますか、そこに本当に手が届く政策を図る基本法の制定についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○田中利明副議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 お答え申し上げます。 小規模企業は、地域の経済や雇用を支える存在として重要な役割を果たしていると考えております。こうした小規模企業への支援を拡充するため、国で中小企業基本法などの法律を改正する小規模企業活性化法が制定されたことは、非常に意義があることだと県としても考えております。 県においても、小規模企業の重要性にかんがみ、大分県中小企業活性化条例では、基本理念に、特に小規模企業の経営面、資金面に配慮することといった規定を盛り込みました。 今後、活性化法に基づく国の施策を積極的に取り組むとともに、県においても、商工会の対応を初め、金融経営面での支援を強めていきたいと考えております。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 大分県では、本年三月二十九日に中小企業活性化条例を施行していただいて、これは大変、中小企業にとってありがたい条例であります。 この中で、やはり、この条例のあれをいただいておりますけれども、私は特に、「条例のフォローアップなどはどうやっていくの」という意見のあれがありますけれども、これが一番大事なんです。三月から半年過ぎました。具体的にこの条例、例えば、今後も春、秋に県内の五百社を企業訪問して、意見聴取をし、状況を把握していくということがここら辺に書かれておるんです。実際に半年で、では二百五十社、あるいは今後の計画、年間で五百社、達成ができますか。
○田中利明副議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 春、秋それぞれに五百社訪問を、商工労働部の職員、手分けをして回っております。その中で、中小企業の現下におけるいろいろな状況だとか、県の政策に対するご要望を賜り、それを今後の政策に反映していくということにしております。 春も回りましたけれども、また、今後も、同じように五百社回っていくということとしております。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 その中で、回った感想といいますか、実情をちょっと言うてください。
○田中利明副議長 西山
商工労働部長。
◎西山英将
商工労働部長 春、五百社回ったときには、政府の政策、金融面、財政面がどの程度行き渡っているかとか、それぞれの業種ごとの状況、それから電力に対する不安感だとか、円高について、いろいろお尋ねをさせていただきました。 まず、春の時点での状況は、もうその時点では、国においてはかなり、少しずつ明るさが見えるということでありましたけれども、県下の中小企業には、まだ東京での明るさといったものは、こちらでは全く見えていないというような状況でありました。 業種によって偏りはありましたけれども、若干、円安効果があらわれているという企業もあれば、逆に資材の調達コストが上がって厳しくなっているといった企業もさまざまありましたけれども、総じて春の時点では、まだまだ明るい兆しというものが届いてないということでありました。 以上です。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 これを我々はじっくり読ませていただいて、いつもチェックをする気持ちで見させていただいております。 特に、地域の小規模の事業、非常に厳しい状態になっておりますし、先般、日本で二回目のオリンピックが開催されることが決定をしました。第一回目の昭和三十九年は、私は学生で東京におりました。あれから日本は、しっかり、高度成長でずうっと上っていったんです。そして、失われた十五年とか二十年とか言われておりますけれども、停滞期がありました。もう一回、このオリンピックで再生をするか。大都市はようなっても、地方隅々までその波及が行き渡るか、これはこれからの行政や政治にかかっておるというふうに思っておりますので、ぜひともしっかりしたリードをお願い申し上げたいと思います。 では、次に移りたいと思います。 次は、林業政策とシイタケの生産、これは一個ずついきます。 まず、林業の振興について。 大分県は、森林面積で全国で十九位であります。また、これは県全体の七一・五%を占めており、まさに森林の県であります。そして、林業産出額は全国で第五位、杉人工林の蓄積は第四位、杉素材の生産量は第三位、後で言いますシイタケにつきましては、国内生産の四一・五%を占めて、全国トップです。 この林業関係というのは、この数字だけ見れば非常にいい位置にあるんです。だけど、現在、森林は相当荒れておりますし、本当にこれから森林再生、もちろん、CO2の除去はいろんな環境で、あるいは水源保全で森林の役目というのは非常に大きいわけでありますけれども、この対策を県はどのように考え、特に、林業対策の主体であります市町村とか、あるいは、今、県内に十三の森林組合がございます、この十三の森林組合の指導育成、そういうものに対してはどういうふうに取り組みをされておるのか。 特に私は、ちょっと調査をしてみましたら、ドイツに本部がある森林管理協議会、FSC、この認証というのは、木材製品に非常に価値があるそうでございます。そしてこれが、世界七十八カ国で九百十三カ所が認定を受けておる。日本は二十三カ所で、その対象面積は二十八万ヘクタールというふうに言われております。 森林組合で、日本で一号は高知県の梼原町の森林組合なんです。FSCという認定のマークが入っておるこの木材は、通常の二倍以上で取引をされておるということも書いてあります。そういうことについて、例えば、このFSCを、大分県の十三の森林組合、あるいは企業でも認定を受けておるところがあるのかどうか、そういう点もあわせてお伺いをいたします。
○田中利明副議長 工藤
農林水産部長。
◎工藤利明
農林水産部長 林業振興、特にその担い手の状況についてのご質問にお答えをいたします。 まず、県内十三の森林組合及び五十三の民間認定林業事業体は、昨年、県内の素材生産量約九十万立方メートルの約七割を生産し、また、林業就業者の八割を抱えるなど、本県林業の中核的担い手であります。 これらの生産性をさらに高めて、素材生産の低コスト化を図るため、施業の集約化、路網整備、高性能林業機械の導入などを支援しているところであります。 まず、市町村に対しましては、市町村ごとに作成をされました森林整備計画に沿って伐採から再造林に至る森林施業が適切に実施をされるよう、必要な助言、指導を行っているところであります。 また、森林組合に対しましては、小規模な森林所有者を取りまとめて団地を設定するなど、効率的で低コストな施業を支援しているところであります。また、持続的な森林経営が担えるよう、基盤の弱い組合に対しましては、中小企業診断士等を活用した経営改善の指導も行っているところであります。 また、お尋ねの森林認証の件でございますが、県下で国際機関の認証を受けている組合はございません。しかし、日田市森林組合やトライ・ウッドなど、国内認証の同じ制度がございますが、これを取得しており、このような意欲のある優良な事業体の育成を今後さらに進めていきたいと考えております。 以上です。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 林業政策は非常に重要な政策でありますし、例えば、さっきのFSCですか、やはりこれは、基準は、環境保全、それから経済的な継続性、社会的な利益、こういうものが適切に管理されておるか。しかも、五年で切りかえなんです。五年で、もう一回審査し直して、適正かどうかを見きわめる。非常に厳しいんだと思います。ぜひ、こういう国際的な認証を受ける、挑戦をするように働きかけていただきたいというふうに思います。 それから、先ほどもちょっと触れましたけれども、乾シイタケ、これは林産物の中で、まさに大分県が誇れる産物であります。 例えば、全国品評会において、ことしで十五年連続日本一、それから、六十一回の中で四十七回、総合優勝をしておる。毎年、大臣表彰や長官表彰をたくさんいただいております。しかし、これが本当に、消費の拡大等の努力もあわせてされておるのか。「大分県は、つくるのはうまいけれども、売るのは下手じゃ」というようなことも言われております。 今度の議会に補正で、いわゆる種駒の補助等について、またやっていただくように議案が出ております。これは非常にありがたいことなんです。 我々議会も、去る六月の議会で、「乾しいたけ価格下落対策を求める意見書」、これも同じく国の方に提出をしております。 この中で、私はやはり、売る努力、本当に売る努力をどういうふうにやっておるのか、これが大きなテーマじゃないかというふうに思います。そういう点について、売る努力について、あるいは原発の風評被害、これによって随分、販売は減っておるというふうにも聞いております。その対策をどういうふうにやられておるのか、お聞きをしたいと思います。
○田中利明副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 大分県の乾シイタケ、おかげさまで名実ともに日本一だというふうに思いますけれども、販売、消費の環境はなかなか厳しいものがありまして、そこに対していろいろ手を打たしていただいているところであります。 消費拡大のために、市町村や関係団体と一体となって、大都市圏を中心にPR活動を行っております。特にことしから、七月七日が「乾しいたけの日」と定められたことから、「坐来」で乾シイタケ料理をメニュー化したほか、東京や福岡では食の伝道師による料理教室を開催するとともに、大分空港や県内百貨店でも無料配布を行ったところであります。 また、風評被害の防止、こちらの方も、安全、安心に対する消費者の理解が不可欠だということで、かねてから乾シイタケの生産流通履歴を明確にしたトレーサビリティシステムを全国に先駆けて導入しているところでありまして、国もようやくこうしたシステムによって産地の明確化を進めようとしているところであります。大分県発で、国がフォローするというシステムであります。 しかしながら、東日本大震災から二年半経過しても依然として乾シイタケの消費低迷と価格下落には好転の兆しが見られないというのが現状であります。 景気回復の中で消費も全体としては持ち直しをしてきているというところもありますので、この機を逃さずに、「おおいた元気創出基金」や国の事業を活用した新たな対策を進めたいというふうに思っています。 一つは、国内の消費拡大ということであります。 これまで県のマーケターによる販路開拓を行ってまいりましたけれども、さらに県外の学校給食や大消費地の有名料理店ヘデータを示しながら直接売り込むなど、販売促進をきめ細かく強化していこうというふうに思っています。 また、食生活の変化によりまして消費量が減少している家庭や若い世代に向けまして、食品関連会社やコンビニエンスストアと連携して、手軽に食べられる商品の開発に取り組みたいというふうに思います。 二点目は、海外への販路開拓ということであります。 現在、香港やタイへ輸出を行っておりますけれども、特に香港では、プロモーションが功を奏しまして、昨年に比べまして倍以上の販売量が見込まれております。 先般、「坐来」におきまして、有名なフランス人シェフから、レストランの逸品食材になり得るとの高い評価をいただきました。また、ヨーロッパではオーガニック食品に対する意識が高いことから、生産者の有機JASの取得を支援して、ヨーロッパ諸国への輸出に取り組んでまいりたいというふうに思います。 三点目は、生産者の生産意欲の喚起ということであります。 大分乾シイタケのブランド力を不動のものにするためには、質、量ともに安定的な供給体制を整えるということが大事であります。 これまで、散水施設など生産基盤の整備や低利な経営資金の貸し付け等によって支援をしてまいりましたけれども、今回、これに加えまして、消費減、価格低迷に対応する臨時的な措置ではありますけれども、ほだ木の造成経費に助成をいたしまして、生産意欲の減退を防ぎたいというふうに思っておるところであります。 こうした取り組みによりまして、生産者や市町村及び関係団体と一体となって対策を進めまして、この難局を乗り切っていきたいというふうに考えているところであります。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 シイタケは、先ほど何回も言いますように、まさに大分県が誇るブランド品として一番の製品であります。これに生シイ、あるいは菌床シイタケ、今回、菌床シイタケの、いわゆる菌床をつくるのこくずと申しますか、こののこくずを四千百万以上かけて、いわゆるクヌギでそれをつくる工場に、新設をする補助を出すように予算が出ております。 いろんな調査をしますと、菌床、あるいは生シイ自体も、いわゆる消費がそんなに急激に伸んでいない、あるいは、むしろ停滞ぎみだというふうに言われております。そういうものを含めて、やはり、まず生産のもとである菌床をつくる工場をつくるんであれば、いわゆる、現在やっておる業者、あるいは市場調査、そういうものを十分にやられて、この補助金を出すようにしてあるのか。その辺について、いろんな委員会等でちょっと聞きましたけれども、この議場で一つはっきりしたお答えをいただきたいと思います。
○田中利明副議長 工藤
農林水産部長。
◎工藤利明
農林水産部長 生シイタケの、特に生産、それから菌床の状況についてお答えいたします。 生シイタケ、ただいま議員からもお話がありましたように、全国的な生産というものは約七万トン、これが大体、今の状況でございます。大きく伸びておりませんけれども、まずまず、七万トン台で推移をしている。それに対して大分県の生産量は大体千五百トンぐらい、全国の中での比率は二%程度であります。それで推移をしております。むしろ、最近では少し下がりぎみの状況がございます。 ただ、生シイタケ、一時は海外からの輸入もございましたけれども、近年では大きく減少しているという状況でございます。 そういう中で、今の生シイタケの生産に対する、いわゆる菌床の県内への持ち込みの状況でございますけれども、県内での生産はございませんので、シイの、いわゆるチップを県外から移入をしている、県外から持ち込みをしているということであります。一番大きいのが長崎の方から、全体の約六割が今持ってこられております。 そういう状況の中で、県内の、いわゆる、今申し上げましたクヌギの材積量といいますか、これはもちろん日本一でございますし、乾シイタケの生産に適しているのが十五年から二十年産のものでございますけれども、これが二十五年から三十年物、利用されずに大きくなってしまっているものが大変多くなってきている状況でございます。こういうものをうまく活用しようということで今回の事業に至ったわけでございまして、県内のクヌギを、原木シイタケだけではなくて、菌床シイタケにも活用していこうということで進めている事業でございます。 以上です。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 どっちにしても、シイタケは、つくっても、売れなきゃだめなんです。例えば、先ほどから何回も言います、国内生産の四一・五%を占めておる。では、いつの数字も販売シェアが出てないんです。その調査はどうなっておるんですか。販売は、大分県産は何%、日本国内で占めておるのか。その数字は、私は見たことありません。売る方をどれだけ力を入れてやるのか。 特に今、いろんな農産物を売るマーケターを指名して、ちゃんと、いろんな市場を回っておるということは聞いております。それでは、それの、前も一回、この活用といいますか、活動状況をお聞きしたことがあります。しかし、改めてお聞きします。農産物の中で、このシイタケ、生とも含めて、どれだけのマーケターが活動しておるのか、その点を部長にお伺いします。
○田中利明副議長 工藤
農林水産部長。
◎工藤利明
農林水産部長 まず、シイタケの生産そのものと、その販売の状況ということでございますけれども、基本的には、自家消費等を除けば、生産されたものはほとんど市場で売られているということで、生産量イコールほぼ消費量ということになろうかと思います。そういう目で見ますと、大体千五百トン前後が、毎年、乾シイタケとして生産をされ、また、流通に乗っているということであります。 マーケターの活動でございます。 これは、ご案内のとおり、シイタケだけのマーケターということではなくて、農産物のマーケターということで、関西市場、それから福岡市場等に向けて、ほとんど毎週出かけて、いろんな実需者、それから小売り、そういうところにいろんなものの、いわば売り込みをしております。そのときに、シイタケも一緒にセットで出すという形でやっております。野菜をお願いしますというときには、当然、大分県産の乾シイタケもセットでお話をするということでやっております。 また、いろんな商談会、それから、ちょっとしたイベント等があるときには、必ず大分県の顔として、カボスがあるときにはカボス、そして、シイタケはいつも大分県の顔として持っていくという形で売り込みを進めております。 また、先ほど知事からも申し上げましたように、食の伝道師という形で、これは大消費地で料理教室をしている方とか、いろんな活動をしている方を、委嘱をするだけでございますけれども、して、具体的にシイタケの料理をしていただくということで、その料理の仕方等を若い人に伝達をしていただくというようなことで活動もしております。その人が全国で今、九名おりますので、そういう形ですそ野をしっかり広げていくということで流通対策をとっているところでございます。 以上です。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 では、再度、部長にお聞きしますけれども、いわゆる生産は質、量とも日本一、それでは、風評被害対策、あるいは販売対策、これも堂々と日本一だと言えるかどうか、返答をお願いします。
○田中利明副議長 工藤
農林水産部長。
◎工藤利明
農林水産部長 日本一かというお尋ねでございますけれども、この今の状況、厳しい状況をしっかり乗り切るためにどうするのかということだろうと思います。 我々としては、この日本一のシイタケを守る、そして、より発展をさせるという意味で、これまで以上にしっかりと流通対策にも取り組んでいきたいという覚悟でおりますので、どうぞご支援の方もよろしくお願いいたしたいと思います。 以上です。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 それでは、最後の質問に入ります。 最後の質問は、いよいよ後期の高校再編、二十七年度で終了いたします。 きょうは、私も高校再編については、これまで何回も質問をさせていただきました。今度でこの質問は最後にしたいというふうに思うんですが、今、議員の皆さんに、「専門高校・総合学科高校の現状」という紙を差し上げております。これを見ていただくとよくわかると思うんですが、総合的に大分県の、いわゆる高校教育、特に専門高校、産業教育、これが九州各県に比べて非常に手薄になってきておる。 例えば、家庭科は、もう一クラス、農業高校は、玖珠農業高校、そして山香が、段階的に二十七年で、単独ではなくなります。 右下にあります各県の農業高校の数をごらんください。大分県は、あと二年たたずにゼロになります。 その下の工業高校、現在、単独高校は二校であります。ほかの県の状況を、右下にありますから、見てください。 また、右の下の商業高校、これは現在三つというふうになっておりますけれども、現実的には、もう大分商業一校になります。ほかの県の状況は右下にあります。 こういう状況を見たときに、本当に高校再編成、あるいは総合的なこの専門高校の教育のとらえ方、これで十分と言えるのか、将来に禍根は残さないのか、その点を、教育長、お願いします。
○田中利明副議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 高校再編は、年々進む生徒の減少の中で、それぞれの地域で子供たちのニーズに合った、保護者の要望に合った教育をしようということで始めました。その一番の動機といいますか、要素になっていたのは、高校の小規模化でした。子供たちが高校生にふさわしい力をつける上では、やはり一定規模の学級数が要るなというところで適正規模化という形で進みました。それが本県における職業系高校の減少という形になっているというふうに思います。 農業高校がそうでありますように、一つにまとめるということになれば、やはり学べる子供たちの数が限られる。それぞれの地域で農業を学べる子、そういう場を確保しようと。これは、工業高校も商業高校も同じです。各地で進む生徒数の減少の中で、それぞれの地域で工業も商業も学べる、こういう体制をとった結果だというふうに理解をしております。 その中で、本県の職業教育がどういう状況かということでございます。私は、数が減っているからといって、決して見劣りするものではないというふうに思います。 まず、一点、数の点で申し上げても、工業系に関して言えば、工業科の工業高校の数は少ないんですけれども、工業を学ぶ生徒の数でございます、これは、高校生の総定員に占める工業科生徒の定員割合、これは実は一四・九%でございます。そして、これは全国で六番目の高さ。工業高校の数は少ないんですけれども、しっかりと工業高校で学ぶ、その生徒の、その定員は確保しているというふうに思っております。これは、ほかの職業系についても同じでございます。商業科について、全国七・八%に対して本県一〇・一%、農業科も、全国四・〇に対して本県四・八、こういった形でございます。 また、その成果におきましても、工業高校については、二十四年度、二十五年度のものづくりコンテスト九州大会で、七部門中五部門で最優秀賞を獲得しております。また、ことしの八月の若者ものづくり競技大会でも、全国から大学、高専、工業高校二十三チームが参加した中で、メカトロニクス部門ですけれども、鶴崎工業高校が第二位となって、技能五輪全国大会に出場するという成果を上げております。商業科につきましても、それぞれの地域での商品開発、これを地元の商店街、産業界と一緒になって地域貢献をしている。 私は、商業、農業、工業それぞれの分野で、将来のスペシャリスト、そして地域産業を担う人材が育成されているというふうに考えております。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 職業系高校は、もちろん進学の方もこのごろたくさんいらっしゃいます。しかし、一番社会に近い高校なんです。そして、地域に残る人材、あるいは地域で活躍する人材、これを多く、実は専門制高校が今まで輩出をしてきたわけです。それによって地域が成り立っておるんです。これがなくなることによって、私は、地域の損失は非常に大きいというふうに思わざるを得ません。やはりこれは、しっかり専門性を高めて、社会に通用する、実業界に通用する人を送り出す、これがやはり地域からなくなるというのは、私は大分県の大きな損失じゃないかというふうに思っております。 そして、一番何より、私は、七年前、商工
労働委員会でキヤノンの大分の工場に調査に行かせていただきました。そのとき、人事部長に、「大分県の人材等についてはどうですか。十分足りておりますか」、そういう質問をしたら、今でもはっきり印象に残っております。「大分県に人がいません」と言うたんですよ、回答が。これをどう思いますか。 しっかり、やっぱり、例えば、今、どこの高校もインターンシップ制度など活用して、すぐ社会に出ても困らないような制度がたくさんあります。その活用状況等を、もう一回、教育長、お願いします。
○田中利明副議長 野中教育長。
◎野中信孝教育長 職業系高校の卒業生が、地域で求められている人材にならなくてはいけません。 今ご紹介のありました企業の方のお話について、私は初めて聞いたんですけれども、そういった声があるのならば、私、もっとアンテナを高くして把握をしたいというふうに思います。 人材育成についてですけれども、職業系高校では、専門的な知識、技能を身につけて、そして、さらに職業人になっても学び続けて、まさにスペシャリストになっていく、そういう人材が一方で必要だと思います。そしてまた、そうではなくても、地域の産業を支える人材も要るかな。 先ほどの臨海工業地帯の方のお話ですけれども、まさに大分から、そういった先端的な、海外でも活躍する企業を支え、そして、さらに引っ張っていく人材が欲しいなという期待だというふうに思います。 インターンシップ等、地域で活躍する人材もしっかりしながら育てていきたいと思いますけれども、まさにそういった大きな企業、これから日本を引っ張っていく企業の、まさに生産部門でのリーダーを送り出すような、そういったことも、さまざまな、まさにコンテストその他、子供たちが力を伸ばす機会があると思います。そういったところに力を入れながら進めていきたいというふうに思います。
○田中利明副議長 濱田洋君。
◆濱田洋議員 もう三十秒ですから、最後、まとめをしたいと思います。 きょうの、一番最初に地域再生、これは、大分県十四市三町一村がしっかり活性化することが、まず地域再生、これは市町村であります、産業的には、きょう質問をしました中小企業、小企業の活性化、林業の活性化、そして、教育、特に県が持っておる高校教育をどうしていくか、これの組み合わせが地域再生につながるもの、そういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○田中利明副議長 以上で濱田洋君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中利明副議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。
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○田中利明副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。
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○田中利明副議長 本日は、これをもって散会いたします。 午後三時十分 散会...