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  1. 佐賀県議会 2021-12-09
    令和3年地域交流・県土整備常任委員会 本文 開催日:2021年12月09日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三分 開議 ◯向門委員長=ただいまから地域交流・県土整備常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。  通告に従い順次発言を許可します。 2 ◯井上委員=皆さん、おはようございます。日本共産党の井上祐輔です。本日、四項目について質問をさせていただきます。  まず、県道星賀港線の災害への対応について伺いたいと思います。  今回の十一月議会の補正予算では、今年八月の県内各地での豪雨災害に対する復旧の予算が計上され、審議をされているところです。  今年八月の豪雨は、県内各地に被害をもたらし、私の実家のある唐津市肥前町においても、この豪雨によって斜面の崩壊や家屋の裏山のがけ崩れなどの被害が発生しています。  県道星賀港線においても、この大雨によって被害を受け、一時は全面通行止めにより、長い距離の迂回路の利用を余儀なくされ、不便を強いられました。これは現場の写真になりますけれど、(写真を示す)私がここを訪れたのは八月十六日でした。八月十四日に崩れたということで、この状況で、この道路は、長崎県松浦市の鷹島にも通じる道路で、肥前町星賀の方以外にも、そういった鷹島の島の方たちも利用される道路になっています。  現在、仮設の道路が設置されておりまして、こういった状況は改善をされているものの、県道星賀港線は、大変多くの方が生活道路として利用されていることから、できるだけ早く復旧をしてほしい、こういった声も地域の方々から伺っています。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  まず、被害の状況についてです。  この県道星賀港線の被害は、どういった状況だったのかお伺いをいたします。 3 ◯片渕道路課長県道星賀港線の被害の状況についてお答えいたします。  県道星賀港線につきましては、今年八月十一日からの豪雨によりまして、八月十四日の夕方、唐津市肥前支所前交差点から鷹島のほうに一キロメートルほど行った箇所におきまして、路面に長さ約四十メートル、幅五センチのひび割れを確認したところでございます。  路面のひび割れ以外にも異常がないかということで周囲を確認しましたところ、道路下のブロック積み擁壁や、この擁壁に隣接いたします通路におきましても、亀裂や段差を確認したところでございます。  このようなことから、道路利用者の安全確保のため、八月十五日の深夜一時三十分頃に全面通行止めとしたところでございます。  以上でございます。 4 ◯井上委員=こういった被害が発生して発見され、すぐに対応していただいたということであります。  この応急的な対応についてですが、具体的にどういった対応がされたのかをお伺いします。
    5 ◯片渕道路課長=応急的な対応についてお答えいたします。  被害覚知後、ひび割れ箇所への雨水の侵入を防止するためにブルーシートによります養生を行いました。被害が拡大しないような対応を講じたところでございます。  現場では、路面のひび割れやブロック積み擁壁の変状を確認しておりまして、被災原因といたしまして、地すべりに起因する可能性がありましたことから、亀裂の変状を観測するための機器でございます伸縮計を十五日夕方までに設置したところでございます。  また、全面通行止めとしましたことから、地元の唐津市などと協議を行いまして、県道の納所入野線や市道星賀・納所線など、現場の北側を迂回しますルートを確保しまして、唐津市役所など地元の関係者、また、この路線がバス路線でもあったということから、バス会社への周知を行ったところでございます。  さらに、先ほど委員からもお話がございましたとおり、鷹島の方々が利用される道路であるということもございましたことから、長崎県の田平土木事務所松浦市役所にも情報提供をしたところでございます。  設定した迂回路等でございますが、委員からもお話がございましたとおり、現状より約四キロほど長く迂回することになりましたことや、また、一部の区間におきましては、幅員も狭く、大型車の離合に支障があったところでございます。  こうしたことから、被災箇所に隣接いたします民地をお借りいたしまして、仮設の迂回路を設置し、九月二十四日に、先ほど、委員から写真を示されましたが、片側での交互通行としたところでございます。  片側交互通行後も被災現場の変状につきましては、二十四時間観測を行っておりまして、変状が確認された場合には担当者に通報がありまして、通行止めなどの措置を行うこととしているところでございます。  以上でございます。 6 ◯井上委員=応急的にすぐに対応していただいて、迂回路等も設置をされました。そういった中で鷹島の方々は、この星賀港線を真っすぐ通ると唐津市まで行くことができますので、なかなか迂回路の狭い道とか、山の中の道路というのを通ったことがないということで、大変迷われる方もあったんじゃないかというふうにも思います。  先ほど、伸縮計を設置して地面の動きを観測しているというお話がありましたけれども、八月十四日、約四カ月経過していますけれども、この観測をする中で地面が動いたとか、危険な状況になったということは、この間、観測をされたのか、この点について確認をしておきたいと思います。 7 ◯片渕道路課長=観測しております変状についてということでお答えさせていただきます。  伸縮計を設置いたしました八月十五日から現場で観測を行っているところです。八月下旬から九月上旬にかけましては数ミリ程度の変状はあっておりますが、九月中旬以降は一ミリ以下の変状という状態でございまして、今のところ、大きな変状はあっていないというふうに考えております。  ただ、雨の状況といたしまして、九月中旬に一度、百五十ミリ程度の雨が降っているようでございますが、それほど大きな雨を何度も経験しておりませんので、引き続き、観測、監視をしていかなければいけないというふうに考えております。  以上でございます。 8 ◯井上委員=本当に危険な状況になる前に、そういった観測をしていただきながら、危険な状況になった場合は、それに応じた対応をしっかりお願いしたいと思います。  本復旧に向けた今後の取組について伺いたいと思いますが、先ほど話があったように、地面が多少動いている状況もあるということから、いつになったらこの復旧ができるのかというふうなところもなかなか答えられないということも以前伺っております。できるだけ早く復旧をしてほしいというふうに思いますけれども、今後、本格的な復旧に向けてどういった取組をされるのかお伺いをいたします。 9 ◯片渕道路課長=本復旧に向けた今後の取組についてお答えいたします。  地すべりに起因いたします災害復旧につきましては、まず、被災原因とあわせまして、被災範囲の確認のために地形測量、地質調査ボーリング、変状の観測などが必要となります。  星賀港線の被災箇所につきましては、地形測量と地質調査ボーリングが十一月下旬までに完了いたしておりまして、現在はボーリング孔を用いました変状の観測を継続して実施しているところでございます。  被災原因と被災範囲の特定には、まとまった雨があった際に地盤がどのように動くのかということを確認する必要がございまして、こうしたデータが得られるまでは継続した観測が必要というふうに考えているところでございます。  これらの調査結果を踏まえまして、復旧工法の検討を行うこととなりますが、検討に当たりましては、大学教授などの専門家からの意見を伺いながら進めることとなります。その後、国土交通省との事前協議を行いまして、災害査定を経て、復旧工事の実施となります。  道路利用者の安全を最優先に、確実な対策を講じる必要があると考えておりまして、まずは調査や検討に万全を期していく所存でございます。  県道星賀港線は、地域の方々の生活道路として多くの方が利用されていること、また、先ほど委員からもお話がございました鷹島等を結ぶ観光道路としての役割も担っている重要な道路であるというふうに認識しております。さらに、現状でも片側交互通行ということで御不便をおかけしていることも承知しておりますので、早期の復旧に向け、努めていく所存でございます。  以上でございます。 10 ◯井上委員=調査をされて、しっかり検討する必要があるということなんですけれども、まとまった雨が降ってどういう状況になるのかということも先ほど答弁があったんですけも、なかなか冬場にまとまった雨というのは降らないんじゃないかなというふうに思うんですけれど、この点については、どんなふうに考えればいいんですかね。五月、六月、出水期になると、まとまった雨が降るのかもしれませんけれども、いつぐらいまで待てばいいのかというところも、やはり地域の方からすれば大変気にされているところもあるというふうにも思うんですけれど、そのあたりはどういう状況でしょうか。 11 ◯片渕道路課長=復旧の見通しということになろうかと思います。お答えさせていただきます。  先ほど、委員からもございましたとおり、まとまった雨が降った際でのデータを確認する必要があると考えておりまして、冬場はそういったデータを得るというのは、なかなか厳しいかなというふうに考えております。他の箇所の事例でも、どうしても梅雨と申しますか、出水期を経て、そこら辺のデータを踏まえて検討していくといった事例が多うございますので、今回の箇所におきましても、来年の梅雨あたりに大きな雨が降った際にどういうふうに動くのかということを確認する必要はあろうかなと考えているところでございます。  以上でございます。 12 ◯井上委員=そういった状況ということは、来年の出水期までは、今の片側交互通行の状況が続いていくという認識でいいですかね。  本当にこういった災害を繰り返さないような対応が求められているというふうに思いますし、しっかりした対応を取っていかなければならないということは、私も理解をしているつもりです。  最初に被害の状況についてお話があったんですが、この道路が本線で、すぐ横に側道があって、この下にはソーラーパネルがあったり、地域の方々が田んぼを作られています。この災害が起きた日は八月十四日でちょうどお盆の時期だったんですけれど、稲刈り前ということで、稲を刈る際にも隣の側道もひび割れしてものすごい段差があるような状況でした。ここにもブルーシートがかけられているんですけれど、そういったブルーシートをはぐっては通り、またかぶせてというふうな状況で、今年は稲刈りが何とかできたというふうなお話を伺いました。  地域の方は、次年度の作付にも影響するんじゃないかというふうな心配、危惧もしておられます。  そういったところについて、今、本線では片側交互通行で通れるんですが、下に行く農道といいますか、そういったところでもぜひ迂回路を造ってもらえないかというふうな要望が出されているというふうにお聞きしました。このことについては、県のほうにそういった要望は届いているのか、どうですか。 13 ◯片渕道路課長=迂回路に関しての要望についてでございます。  申し訳ございません。私のところには、まだ届いてないという状況でございます。土木事務所のほうに届いているかも分かりませんけども、すみません、そこは今、確認できてない状況でございます。 14 ◯井上委員=今日の朝、電話でも確認をしたんですが、そういった地域の方の声があるということで要望も出していますというふうなお話だったので、もしかしたら土木事務所のほうに届いているのかもしれません。  本線だけではなくて、周りの状況についても対応できる部分は、しっかりと対応していただきたいと思っておりますし、そういった状況についても、地域の住民の方たちにしっかり情報提供していただきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。  二番目の国道二〇二号唐津大橋の四車線化について伺いたいと思います。  国道二〇二号唐津バイパスは、福岡方面から唐津市街地を通る重要な幹線道路となっています。このバイパスができたことで福岡方面とのアクセス性が向上し、平日や休日を問わず、物流、観光をはじめとした人の流れが絶えず発生しています。  今、唐津市内では、福岡方面に近い、交通の利便性がいい、そういった点からも、浜玉地域であったり、鏡地域に子育て世帯や多くの住宅が増加をしているという状況です。このバイパスについては、そういった方々の生活道路といった側面もあるために、唐津市街へ通勤通学など多くの自動車も通っているところです。  そうした中で、松浦川に架かる唐津大橋については、橋の前後は四車線化されているものの、橋の部分だけが二車線になっているために、その先の大土井交差点も含めて慢性的な交通渋滞が発生しています。浜玉、鏡方面から唐津市内方面に行くには、このバイパスを通るか、唐津城下の東唐津を通って唐津市内に行くか、こういったルートしかありません。そういった中で、この国道二〇二号唐津大橋の四車線化の重要性というのは、ますます高まっているのではないかというふうにも思っているところです。  そこでまず、国道二〇二号唐津バイパスの整備状況についてどのようになっているのかをお伺いいたします。 15 ◯片渕道路課長=国道二〇二号唐津バイパス整備状況についてお答えいたします。  国道二〇二号の唐津バイパスは、唐津市浜玉町から唐津市養母田までの約十一キロメートルの区間につきまして、四車線のバイパス事業としまして、国において、昭和四十四年度に事業に着手されたものでございます。  昭和五十年より整備が進んだ区間ごとに順次供用が開始されておりまして、唐津大橋につきましても、河川内の下部工、橋梁の下の部分になりますけれども四車線分、桁などの上部工につきましては二車線分の工事が進められておりまして、昭和五十一年に暫定的に二車線で供用されたところでございます。  その後もバイパス事業が進められてきまして、唐津大橋の前後約一キロメートルを除きます約十キロの区間につきまして、昭和六十二年度に四車線での供用が開始されまして現在の状況となっているところでございます。  以上でございます。 16 ◯井上委員=次に、国道二〇二号唐津バイパス交通状況について伺います。  先ほど話があったように、唐津大橋のみが今二車線というふうな状態で、渋滞の原因にもなっているんじゃないかというふうにも思います。今、西九州自動車道ができて物流としての通過交通の転換が図られているというふうに思いますけれども、観光や生活道路としての役割もあり、今でも多くの交通量があるのが現状です。  この唐津バイパス交通状況についてどういうふうになっているのかお伺いします。 17 ◯片渕道路課長唐津バイパスの交通の状況についてお答えいたします。  唐津バイパスの交通量でございますが、西九州自動車道浜玉インターから唐津インター間の開通前の時点におきまして、一日当たり約二万五千台でございました。その後、平成十七年十二月に浜玉インターから唐津インターまでが開通しております。これによりまして一日約二万一千台と減少しておりまして、福岡方面伊万里方面への通過交通が一定程度転換されたものと考えております。  その後も、西九州自動車道が順次延伸されてきまして、平成三十年三月に伊万里東府招インターまで開通し、西九州自動車道の交通量は増加しているところでございますが、唐津バイパスの交通量につきましては、一日当たり約二万一千台と横ばいというふうになっているところでございます。  渋滞の状況についても申し上げますと、唐津大橋西側の大土井交差点主要渋滞箇所となっておりまして、令和二年度の調査では、朝の通勤・通学時間帯におきまして、福岡方面から唐津市街地へ向かう渋滞が最大約一キロ発生しているという結果となっているところでございます。  以上でございます。 18 ◯井上委員=最大一キロの渋滞が発生しているというお話でしたが、朝の通勤時間帯などは東唐津の道路も同じような状況が見られます。  そういった中で、大土井交差点については、右に曲がると唐津文化体育館がありますし、右折レーンが最近延長されています。いろいろな渋滞対策について取組をされていると思いますが、こういった交通渋滞へのこれまでの取組はどういった取組をされたのかお伺いをします。 19 ◯片渕道路課長交通渋滞のこれまでの取組についてお答えいたします。  唐津バイパスにつきましては、唐津大橋の西側、先ほど申し上げました大土井交差点を含めまして交通渋滞の課題があることは、道路を管理されております国においても認識されておりまして、県や市、警察、佐賀県トラック協会などの関係団体で構成いたします佐賀県交通渋滞対策協議会の中でも共有されているところでございます。  こうしたことから、平成三十年度には、国、県、市におきまして、唐津バイパスから西九州自動車道へと交通量の転換を促すために案内標識、看板などの見直しを行ったところでございます。  また、大土井交差点におきましては、唐津市街方面へ向かう右折車両の列が直進車線まで滞留しているという状況がございましたことから、こういった状況を緩和するために、先ほど委員が言われましたとおり、今年九月に国におきまして、右折車線の延伸、従前三十五メートルだった右折車線を八十メートルに延長されたところでございます。  以上でございます。 20 ◯井上委員=こういった渋滞の対策についても、様々取り組んでいただいているという状況です。しかし、この唐津大橋が二車線ということで、先ほど紹介いただきましたが、大土井交差点から右折レーンが三十五メートルから八十メートルに延伸されたというお話もありましたけれど、やはり右に曲がる車がかなり多くて、先ほどお話があったように、右に曲がる車が詰まってしまって真っすぐ行く車も、唐津大橋が二車線になっているために、その先に通れないと、そういった状況が続いています。やはり抜本的な対策として早期に唐津大橋を四車線化していくことが望まれていると思います。  次の唐津大橋の四車線化に向けた課題は、どういったことが課題となっているのかをお伺いします。 21 ◯片渕道路課長唐津大橋の四車線化に向けた課題についてお答えいたします。  唐津大橋の四車線化に当たりましては、拡幅が必要となります二車線分の下部工は、既にできているわけでございますが、この下部工につきましては、昭和五十一年に竣工しておりまして、竣工後約四十五年が経過しているところでございます。そのため、現在の構造基準に合致しない箇所の把握でございますとか、耐震性、経年劣化の状況など、多くの技術的照査が必要となり、その結果を踏まえた対策も必要になろうかと考えております。  また、河川の中での工事となりますことから、工事の施工方法や施工時期などにつきましても、河川の管理者等の関係者との協議も必要になろうかというふうに考えております。  さらには、三百メートルを超える大きな橋でございますことから、四車線化の工事ということになりますと、非常に大きな規模の工事になろうかと考えておりまして、予算の確保も必要になってくるというふうに考えております。  このように、四車線化の実現には様々な課題が考えられるというふうに思っているところでございます。  以上でございます。 22 ◯井上委員=いろいろな大きい課題があるというふうに思いますけれども、周辺の交通状況を改善していくためには、東唐津は、なかなか住宅も密集していて、実際、道路を拡幅するということが難しいというのが現状だと思います。  そういった中で、一方の唐津大橋の四車線化について、もともと準備というか、下部工はあるものの、経年劣化をしているというお話もありました。そういった課題もありますけれども、県として、今後、この唐津大橋の四車線化についてどういった取組をされていこうと考えてあるのかお伺いしたいと思います。 23 ◯片渕道路課長=今後の取組についてお答えいたします。  国道二〇二号の整備によりまして、交通渋滞の緩和や安全性の向上など、地域の方々の暮らしや経済活動に大きな効果が期待されるものというふうに考えております。  県といたしましては、唐津大橋の四車線化につきましても必要というふうに認識しておりまして、これまでも国への政策提案におきまして、国道二〇二号の整備について提案してきたところでございます。  本年十一月十八日の政策提案の際には、現地の状況など資料を示しながら、唐津大橋の四車線化につきまして、知事が財務副大臣や国土交通副大臣などに提案してきたところでございます。  今後も、唐津大橋の四車線化が図られますよう、地元の声も聞きながら、唐津市とも一体となって引き続き国へ働きかけていく所存でございます。  以上でございます。 24 ◯井上委員=ぜひ早期にこの四車線化を実現していただけるように県としても推進をしていただきたいと思います。  問三の移住促進について伺いたいと思います。  佐賀県では、平成二十七年度から移住相談のワンストップ窓口となる「さが移住サポートデスク」を設置し、都市部での移住相談会、フェア等の実施や情報発信など、積極的に移住促進の取組をされています。  コロナ禍において、人口密集地である大都市圏の若者の、地方への関心が高まっているという状況もあると思います。そういった中、今後、地方への人の流れの増加が期待をされ、地方移住にとって追い風が吹いているのではないかというふうにも思っています。  しかし、こういった移住促進の取組については、全国いろいろな自治体が実施をしておられますし、移住に関する自治体間の競争、これも激しくなっているのではないかと思っています。  こうした中で、本県への移住者を増やしていくためには、コロナ禍で普及が進んだリモートワーク等に着目をした取組、また、佐賀県の魅力や暮らしのよさなど、これまで以上に積極的にPRをしながら、佐賀県ならではの取組を理解していただく、そういったことで移住に対するハードルを下げていくことも必要ではないかというふうに考えています。  まず、移住者の動向について伺いたいと思います。  これまで本県への移住者数について、どういう状況になっているのかお伺いします。 25 ◯副島移住支援室長=井上委員の御質問にお答えさせていただきます。  まずは、移住者数の動向についてお答えいたします。  若い世代の都市部への流出や出生率低下などによる人口減少社会を迎える中、本県への新しい人の流れをつくり、地域に新しい活力を生み出すため、平成二十七年七月から移住促進に取り組んでおります。  これまで県や県内市町の移住支援を受けて移住された移住者数の推移につきましては、平成二十七年度が二百五十三人、平成二十八年度が三百六十七人、平成二十九年度が六百三十六人、平成三十年度が五百七十四人、令和元年度が六百九十一人、令和二年度が六百四十七人となっております。 26 ◯井上委員=それでは、移住者は、どういった地域から佐賀県に移住をされたのかお伺いします。 27 ◯副島移住支援室長=移住者の移住元についてお答えいたします。  直近の令和二年度に移住された方の移住前の居住地は、多い順に、福岡県が三百十人、これは全体の四七・九%となります。次に長崎県が百二十六人で一九・五%、その次が東京圏、この東京圏といいますのは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を指しております。この東京圏が八十九人で一三・八%となっておりまして、この三地域で全体の約八割を占めている状況でございます。  以上です。 28 ◯井上委員=お隣の福岡からが一番多くて、意外に東京圏、意外と言っていいのか分かりませんけれども、東京圏のほうからもかなり多くの方々が移住をされているということでした。  それでは、この移住者の年代についてはどういった状況かお伺いします。 29 ◯副島移住支援室長=移住者の年代についてお答えいたします。  同じく令和二年度の移住者数を世帯主、二百六十七名ですが、この世帯主の年代別で見ますと、多い順から三十歳代が百二十二人で四五・七%、二十歳代が六十八人で二五・五%、四十歳代が四十一人で一五・四%となっており、二十歳代と三十歳代の合計で七〇%以上となっている状況です。  以上です。
    30 ◯井上委員=この若い世代のときに移住を考える、また、それを実行に移すというふうな方が多いという状況です。  県は、平成二十七年度から、そういったいろいろな取組をされて、実際に数字にも成果が現れているというふうにも思いますが、これまでの取組はどういった取組をされてきたのかお伺いします。 31 ◯副島移住支援室長=これまでの県の取組についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、県では、平成二十七年七月から移住促進に取り組んでいるところでございます。  移住促進の取組を進めるに当たりまして、福岡都市部などの子育て世代のメインターゲットとしまして、佐賀県の魅力を知ってもらうための情報発信、佐賀、福岡、東京に設置しております移住相談の窓口である「さが移住サポートデスク」でのきめ細やかな相談対応、県内での生活を具体的にイメージしてもらうための、市町と連携した移住相談会や、佐賀の暮らしを見てもらう移住体験ツアーなどを進めてきたところでございます。  昨年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、相談会や佐賀の魅力を伝えるセミナーにつきましては、リアルでの開催が難しくなってきましたことから、相談者が自宅にいながら相談したり、セミナーが視聴できるよう、オンラインを活用した取組も行っているところでございます。  以上でございます。 32 ◯井上委員=移住についてですが、関心がある方々もたくさんおられる中で、今、コロナ禍という状況で社会の状況も変化をしています。  そういった中で、県として移住についての全国調査を行われています。こういった方々の調査をされた背景について、まず伺いたいと思います。 33 ◯副島移住支援室長=調査を行った背景についてお答えいたします。  コロナ禍をきっかけに、テレワークの推進や働き方、暮らし方の多様化が進んだことで、移住しやすい社会環境になったと言われております。  こうした中、過去三年以内に移住に興味、関心を持ったことがある全国の二十歳から四十四歳までの方、これが本県がターゲットとしている世代でございますが、こういった世代の方々を対象に、移住に対する実情はどうなのかを把握するため、本年八月にインターネットを通して調査を実施しました。  以上でございます。 34 ◯井上委員=その調査結果について伺います。 35 ◯副島移住支援室長=調査結果についてお答えいたします。  この調査では、「新型コロナウイルスの流行以降の働き方や生活の変化により、あなたご自身の移住への興味・関心や検討状況にどのような変化があったか」という質問をしたところです。  調査結果につきましては、十月二十二日に公表しておりますが、コロナ禍をきっかけに移住に興味を持ったり検討するようになった層は、約三〇%でありました。一方、「コロナ禍以前から変わらず移住を検討している」、「コロナ禍以前から移住に興味・関心はあるが具体的な検討には至っていない」といった層が約六五%と大半を占めておりました。  つまり、移住関心層全体としては、コロナ禍をきっかけに移住に興味を持った層より、それ以前から移住へ興味・関心を持っていた層の方が二倍以上だったという結果を得たところです。  以上でございます。 36 ◯井上委員=コロナ禍という中で社会の状況は変化していますけれども、やはり移住について関心がもともとあったという方が六五%、コロナをきっかけにこういった移住に関心を持つようになったという方が三割というふうなお話でした。  こういった調査をされた中で、全体としてどういった評価をされているのかをお伺いします。 37 ◯副島移住支援室長=調査結果の評価についてお答えいたします。  調査結果から得られた評価として、コロナ禍をきっかけに移住に関心を持った約三〇%の層については、テレワーク等の働き方の変容や感染リスクなどの社会変化が、移住ニーズの高まりに直接的に影響していることが明らかになりました。  一方で、コロナ禍以前から移住に興味・関心を持っていた約六五%の層につきましては、移住後の仕事や収入面などでの不安があり、なかなか移住への一歩を踏み出せていないということが明らかになりました。  以上でございます。 38 ◯井上委員=移住をするということは、そこの地域に移り住むだけではなくて、やはり生活をするために、二十代、三十代の現役の方々であれば仕事もしっかりとやりながら生活もしなければいけないということで、そういった部分もハードルになっているということです。そういった調査結果を踏まえながら、そのハードルをどのように引き下げていくのかということでは、今後の取組が非常に重要ではないかというふうに思います。  そういった全国の調査結果といったものも踏まえながら、今後、移住促進についてどのように取組をされるのかお伺いします。 39 ◯副島移住支援室長=今後の取組についてお答えいたします。  調査結果により、移住後の仕事や収入面での不安があることで、なかなか移住への一歩を踏み出せていないということが分かりました。  このような不安を払拭し、移住後も本県で安心して暮らせるように仕事や暮らしの情報をしっかり届けることが肝要であると考えています。  今回の調査結果を踏まえた情報発信として、佐賀で暮らす先輩移住者が佐賀暮らしを始めたきっかけや働き方について紹介するサイト「佐賀暮らスイッチ」を十一月に新しく開設し、ターゲットエリアである福岡市の地下鉄等の交通広告などでも佐賀暮らしの魅力発信を行っております。  サイトでは、サガン鳥栖を地元のチームとして応援するため、「さが移住サポートデスク」の相談窓口を通じて唐津市に移住し、唐津市内で働きながらサガン鳥栖の応援を楽しむ移住者の姿や、基山町に移住し、テレワークと通勤で移住後も不安なく快適な生活を送る夫婦の姿、伸び伸びと子育てをする家族の暮らしぶりをなどを動画やインタビュー記事などで紹介しています。  こうした情報発信と併せて、移住に対する仕事や収入面での不安といった心理的ハードルを下げ、佐賀での暮らしを選びたくなるような移住体験ツアーや移住セミナーなどを企画し、取り組んでまいりたいと考えております。  今後も、こうした取組を市町とともにしっかり進めていくことで、本県への新しい人の流れをつくるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 40 ◯井上委員=県もいろいろな取組をしていただいて、実際に移住者の方々も増えてきているというふうにも思います。  県内では、こういった移住について取組をされるNPO法人が、唐津では「唐津Switch」、そして、有田町にも「灯す屋」というNPO法人があるというふうにも伺っています。  こういった方々ともしっかり連携をしていくということが大事だというふうにも思うんですが、その点ではどういうふうに連携されているのか、これを少し伺いたいと思います。 41 ◯副島移住支援室長=県内市町にありますNPO法人との連携につきましてお答えさせていただきたいと思います。  こうしたNPO法人で働いていらっしゃる方のほとんどが、やはり移住者の方でございます。こうした移住者の方々の声もセミナーや相談会などで反映させていくことで、移住相談者の不安を払拭することになるかと思っておりますので、市町と連携して実施しております相談会やセミナーに、こうしたNPO法人の皆様方にも参加していただき、移住者としての立場を話していただくことで移住相談者の不安払拭につなげているところでございます。  以上です。 42 ◯井上委員=いろいろな連携の仕方というものもあると思いますが、実際、このNPO法人の方々にも、今困っていることはどういったことがありますかということで少しお話を伺いました。その中で、情報発信をどういうふうにしていけばいいのかというところで大変苦労しているというふうなお話がありました。県では、「サガプライズ!」であったり、広報広聴課が頑張っていろいろな取組をされていると思います。  そういった情報発信の考え方ですね、どういう考え方で取組をすればいいのか。ただやみくもに今やっているような状況があって、その発信をしたことによって本当にターゲットに届いているのかどうか、SNSといったものもいろいろ活用するけれども、本当に効果につながっているのか、そういった悩みがあるというお話を伺いました。  ぜひ、広報広聴課さんとか、ほかの部署とも連携をしながら、そういった情報発信のやり方、基礎的な考え方とか、継続をしてやっていくにはどうしたらいいのか、そういった部分についてもNPO法人の方々とお話をしながら取組をしていただきたいというふうにも思いますが、これについてはいかがお考えでしょうか。 43 ◯副島移住支援室長=移住支援室としましては、現在、主に「サガスマイル」というホームページを作りまして、こちらのほうで移住支援に関する情報ですとか、市町の移住支援に関する情報を発信しているところでございます。また、東京にありますふるさと回帰支援センターのほうに東京デスクを設置しておりまして、こちらのほうに移住相談などで登録をされている会員の方向けに情報発信をしているところです。  委員がおっしゃるとおり、ターゲットとしております子育て世代などにどうやって情報発信をしていけばいいのかというところは、実は、移住支援室としても課題と考えております。委員おっしゃったように、現在、ほかの部署でも情報を発信されておりますので、こういった他の部署とも連携しながら、ターゲット層にどのように伝えていったらいいのかを検討し、適切な情報発信に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 44 ◯井上委員=県の情報発信ももちろん重要だと思うんですが、NPO法人の方々自身も、いろいろな情報発信、ホームページ等を作られて発信をしたりとか、そういった取組をされている中で、自分たち自身の発信の方法であったりとか考え方についても学んで、これから一歩先に行くためには、そういった広報が大変重要になるというふうに認識をしておられるんですね。  そういった中で、県の発信ももちろん大事なんですが、そういったNPO法人の方々への支援、援助、そういったところでぜひ連携をしていただいて、そういった援助もしていただきたいなというふうに考えているところです。そこについてもう一度お願いします。 45 ◯副島移住支援室長=NPO法人のほうでもホームページ等を作成しておりまして、こういった作成されているURLをできるだけ県のほうからも発信できるように、県のホームページやふるさと回帰支援センターのホームページなどにもURLを貼り付けるなどして、NPO法人の活動などについて情報発信もしているところです。  今回、全国調査をしましたメディアが「TURNS」といいまして、移住に関わる若者がよく見るメディアを活用しております。こうしたメディアなども活用しながら、NPO法人、県と連携しながら、適切な移住ニーズに応えていけるように情報発信をしていきたいと考えております。 46 ◯井上委員=しっかりとした連携をしながら、さらなる移住促進にぜひ努めていただきたいと思います。  最後のコロナ禍及びコロナ後の観光について伺いたいと思います。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は、様々な分野に及んでいますが、その中でも観光の分野、これは人が動くことで成り立っている産業であるために、緊急事態宣言などにより、人の動きが停滞したこと、そういったことで深刻な影響を受けていると思います。  コロナ禍以前、県や各市町では、地域と一体となって観光振興に力を入れてこられたと思います。その結果、インバウンドを含めて観光客が佐賀県内でも増加をしてきました。私が住む唐津市でも、「観光唐津」をキャッチフレーズに、美しい風景などの地域資源を観光に生かしたり、体験型のアクティビティ、また、クルーズ船の誘致なども取組をしてこられました。しかし、コロナ禍となってこういった状況が一変してしまいました。  こうした状況を受けて、県としても観光業への支援に取り組まれていると思います。また、観光の在り方、また旅行する方々の意識、こういったものも変化をしてきているのではないかと思います。そういった変化に対しても、しっかりと対応していくことが必要だと思います。  今後に向けて、コロナ禍においての観光がどうあるべきなのか、さらに、コロナ後を見据えてどういうふうなことに取り組むべきか、そういったことが大事であると思います。  まず、コロナ前の観光の状況について伺いたいと思います。  コロナ前の観光の状況は、県内はどういうふうな状況だったのかをお伺いしたいと思います。 47 ◯金子観光課長=コロナ前の観光状況についてお答えします。  県では、これまでインバウンドを伸ばすことで国内からの観光客も増やしていくという考えの下、積極的にインバウンドの誘致を進め、県内での外国人宿泊者数の増加に着実に結果を出してまいりました。  外国人の延べ宿泊者数は、ちょうど七年前の二〇一四年は、約九万一千人であったのに対し、二〇一七年には約三十八万五千人と四倍以上に増加しております。全国一位の伸び率となっており、また、全国的にも注目を浴びておりました。  しかし、二〇一九年からの日韓関係の悪化、豪雨災害の影響などにより、特に外国人の宿泊者数が減少に転じたことから、県では、機会を捉え宿泊割引キャンペーンを実施したり、特定の国や地域に依存しないマルチインバウンド対策などを進めるなどして、切れ目ない取組を行ってまいりました。  そのような状況下で今回のコロナ禍となり、人が往来することで成り立っている観光業は、甚大な影響を受けている状況でございます。  以上でございます。 48 ◯井上委員=では、コロナ禍によって本県の観光はどういった影響を受けたのかお伺いします。 49 ◯金子観光課長=コロナ禍の影響についてお答えします。  国の宿泊旅行統計調査によりますと、本県では、全国を対象に緊急事態宣言が出された昨年四月から五月にかけての宿泊者数が最も落ち込みが激しく、最も厳しくございました五月は、対前年同月比で約一四・三%まで落ち込んでおります。その後、人の往来が徐々に再開し、国のGoToトラベル事業の後押しなどもあり、昨年は一時的に県内観光業も活気を取り戻しつつございましたが、新型コロナウイルスの再度の感染拡大を受け、年末にはGoToトラベル事業が全国で一時停止となり、旅館やホテルではキャンセルが相次ぎました。その結果、今年一月から二月にかけては、県内観光業では再び厳しい状況となっております。  宿泊旅行統計調査の確定値では、本県の延べ宿泊者数は、二〇一九年は約二百八十万人泊でございましたが、二〇二〇年は約百八十二万人泊となっており、対前年比で約六五%となっております。  今年度に入って、本県においても、感染状況を見極めながら県民の県内旅行を支援する佐賀支え愛宿泊キャンペーンを展開するなどとしており、感染が落ち着いてきた十月以降は観光需要も回復傾向にございます。  しかしながら、今年の全体としてですが、宿泊旅行統計調査の速報値で、本県の今年一月から九月までの延べ宿泊者数は、コロナ禍以前の二〇一九年に比べまして約四七・七%と半分にも満たない状況となっております。特に、福岡とか東京などの都市部は、さらに落ち込みが激しくなっているんですが、年間を通してみると、佐賀も依然として厳しい状況にあると認識しております。  以上でございます。 50 ◯井上委員=本当に観光というのは、人の動きによって成り立っているということで、コロナ禍というものがものすごい影響を与えているんだというふうに思います。  そういった中で、県では、こういった観光業への支援を様々取り組んでいただいていると思いますが、どういった考え方で観光業への支援をされてきたのか。また、具体的にどういった支援が行われたのかをお伺いします。 51 ◯金子観光課長=観光業の支援についてお答えします。  コロナ禍の影響を受けている県内の観光業に対して、県では、可能な限り事業者の皆様の声に耳を傾けながら、それぞれのフェーズに応じて必要な支援を速やかに実施するという考え方で取り組んでまいっております。  支援に関して時系列に申しますと、昨年度、人の動きが止まり、甚大な影響を受けた県内観光事業者に対し、まずは緊急的な対応として、当面の備えとなるよう支援金を給付しております。  次に、感染拡大防止対策を行いながら、徐々に人を動かし、観光需要の回復を図るため、県内・九州域内を対象に、昨年七月から県独自の誘客キャンペーンを展開しております。  さらに、影響が長引き、ウイズコロナの状態がしばらく続くことも想定し、例えば、感染状況が悪化し、一時的に旅館とかを閉めなければならないという状況も想定しまして、事業を継続できるようチャレンジするために、自宅にいながら、例えば佐賀の観光を楽しめるような食べ物とか物産とかの魅力を詰め込んだ宅配ボックスの開発などの支援を進めてまいりました。  今年度も感染防止対策と需要喚起の両輪で取り組んでおり、宿泊施設における感染防止対策や、例えばワーケーションなどへの対応など、新たな旅のスタイルに対応するための前向きな取組を支援すると同時に、比較的感染状況の落ち着いている県内においては、先ほどの県民を対象に県内旅行を支援する佐賀支え愛宿泊キャンペーンを展開しております。  なお、現在実施しております佐賀支え愛宿泊キャンペーンは、国の要綱に基づき、県民の県内旅行に限定して支援を行っております。しかし、コロナ以前では、もともと本県の宿泊客は、八割以上を福岡とか長崎とか県外の方で受入れを行っておりました。今後は、隣県や九州域内に割引対象を広げることを、割引の期間延長と併せて検討しているところでございます。  以上でございます。 52 ◯井上委員=こういったコロナという状況を受けて、観光の在り方、また、旅行する方々の意識も変化していく中で、いろいろな感染防止の対策や誘客の対策、また、ウイズコロナの取組という形でいろいろな支援をされてきています。佐賀支え愛宿泊キャンペーンについても、旅行というと、自分たちが住んでいる地域ではない、ふだん行かない場所に行かれるというのが通常の考え方ではないかなというふうにも思います。  私自身も、旅行というと県外に行くというのが今までは当たり前だったんですけれども、やはりこのコロナ禍の中で佐賀支え愛という取組をしていただいて、私自身もこれを活用して嬉野温泉に宿泊をしたりとか、佐賀の古湯温泉に宿泊をすることもありました。これは結婚記念で行きました。  そういった、ふだんは身近なところは観光をしたりとか、旅館に泊まるということもないとは思うんですけれども、こういった新たな状況の中で、自分たちが住んでいる地域を見つめ直す、そういったことも大変重要なことではないかなというふうにも思います。  こういったコロナ禍の中で、今後、コロナがいつまで続くのか、そういったこともまだまだ見通せない、そういった状況ではありますけれども、今後の取組について県としてどのような取組を考えてあるのかお伺いしたいと思います。 53 ◯金子観光課長=今後の取組についてお答えします。  委員御指摘のとおり、今回のコロナ禍を契機に観光の在り方とか旅行者の意識とか、かなり大きく変わっていくと考えております。  旅行の形態は、かつての皆様が集まって団体で旅行するという形態から、今は「じゃらん」とか楽天とかのようなサイトから入るような個人旅行への流れが大変加速していたり、また、これまでのようにいわゆる有名な観光地を巡るような物見遊山な観光ではなくて、例えば、地域に根差した伝統とか文化、歴史、人々の思いに共感する旅であったり、また、都市部から自然豊かな地方への旅へ変化してまいっております。  そのような中、澄み渡る空の下、ゆっくりと歴史や文化、自然を満喫できる佐賀の観光は、むしろチャンスと考えております。アフターコロナの需要回復局面に遅れることのないよう準備を進めてまいりたいと考えております。  例えば、佐賀には、広い空の下、感染リスクの少ない観光スタイルとして、森林の中のアウトドアパークや、果物狩りを楽しめる観光農園などもあります。また県では、現在、サイクルツーリズムを推進したり、唐津のほうではSUPなどのアウトドアアクティビティの創出を行っております。  これらの多彩な自然体験を満喫できる「OPEN-AIR佐賀」を新たな観光の強みの一つと捉え、力を入れて取り組んでいるところでございます。  さらに、行く行くは海外からの誘客再開も見据えながら、観光客を受け入れられるようになった際には、本県の観光需要回復につなげることができるよう、地域の魅力づくりに取り組んでまいりたいと思っております。  来年度は、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」が開催されます。まさに多くの観光客を県内全域に呼び込む絶好のチャンスと考えております。デスティネーションキャンペーンを成功させ、次への飛躍のステップとなるよう、観光素材の磨き上げや着地型旅行商品の造成、おもてなしの充実など、県内市町や各地域と連携し、しっかりと取り組み、持続的な観光誘客につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 54 ◯井上委員=ありがとうございました。コロナ禍、またコロナ後ということで、観光の在り方も変化をしていくと思います。先ほどお話があったように、人が集まる場所、また、有名な場所から地方のほうに旅行する方々の移動が変化してきたりとか、今、修学旅行生なんかも唐津の海でシュノーケリングを体験するというふうなことも増えているというお話も伺いました。  目に見える観光だけではなくて、佐賀県はいろいろな本物の資源を持っているというふうに思います。昔は、佐賀は何もなかというふうなことがよく聞かれていましたけれども、本当に佐賀県民自身が佐賀県はこんなにすばらしいものがたくさんあるんだということをしっかりと認識をしていくと同時に、外に発信をしていくということも大事だと思います。  佐賀の玄関口である九州佐賀国際空港であったり駅、いろいろなところで情報発信をされているというふうに思うんですが、そういったところでもシュノーケリングというのは海の中を見るということで、ふだん、陸上で生活をしている中で海の中を見ることはなかなかないと思います。唐津では立神岩とか七ツ釜とか、シュノーケリングをされるスポットが佐賀県にはあるんですけれど、そういった海の中の映像を持たれている方々もおられますので、なかなか気づけない観光資源なんかについても、いろいろな情報を集めていただきながら、県民自身にもしっかりと発信していく、そういったことにも今後努力をしていただければなというふうに思います。  以上、質問を終わります。 55 ◯八谷委員=おはようございます。自由民主党の八谷克幸でございます。
     今日は、四項目について質問をさせていただきます。  まず一項目めは、城原川ダム事業についてお尋ねをいたします。  城原川ダム事業につきましては、昭和四十六年の予備調査から五十年という非常に長い年月が経過をしておりまして、水没予定地域におきましては、人口減少と住民の方々の高齢化が非常に進んでおります。一日も早いダムの完成が望まれているところでございます。  平成三十年度から、いよいよ建設段階に入りました。現在、水没予定地域におきましては、用地調査が進められ、先月行われました国から地元への説明会では、付け替え道路の詳細なルートが示されたりなど、事業進捗が地元の方にとって実感できるような状況になってきたということで、地元では、今後のさらなる事業進捗への期待が膨らむと同時に、生活再建への機運が高まっているところでございます。  こうした動きに合わせまして、私は、今年の二月議会で知事に水没予定地域をぜひ再訪していただきたいということを申し上げておりました。前回、六年前に知事が当選されてすぐの頃に、一回、訪問されたわけでございまして、そのときにはまだダムの方針が決まっていない中で、改めて地域を回られて、知事は住民の方々の意に沿った形で事業を進めたいという発言もそこでなされたわけで、それがこの事業進捗につながっているわけでございます。その申し上げました地元再訪につきまして、この十月に実現いたしました。水没予定地域の住民の皆様方のダム事業に係ります様々な思いを知事は聞いていただいたということでございます。  ダム事業のために土地や建物を提供いただきます水没予定地域の住民の皆様の生活再建を実現するためには、様々な機会を捉えて国への提案、要望活動を行うなど、一日も早いダムの完成を目指した事業の推進と必要な予算の確保にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。  また、水没予定地域におきましては、各家庭に伝わる刺身ごんにゃくを復活させる取組が行われるなど、ダムで沈むふるさとの伝統までなくしたくないとか、地域の伝統や営みを守り伝えていきたいという思いを持たれていると聞き及んでおります。  こういった水没予定地域の住民の皆様の思いに寄り添い、地域活力の維持発展のために地域振興を図っていくことも非常に大切であろうと思います。  今、地元におきましては、第二、第四の土曜日に無農薬の特産物の販売等をしながら、住民の方々の結束と同時に地元の盛り上がりを見せておられるところでございまして、そういったところにもまたダムの事業の中で意をくんでいただき、振興を図っていただきたいと思います。  まず、知事の水没予定地域の訪問についてお伺いいたします。  前回、知事は岩屋地区を回られました。今回、十月十一日の当日は、私は議会用務で参加できませんでした。そういう中で城原川ダム対策室長は、前回のときには室長ではなかったわけですけれども、今回は政所地区ということで同行をした中で、室長としては、前回最初に知事が訪問されたときと今回のときと、どういった感想、イメージを持たれたのかお伺いいたします。 56 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=前回の知事訪問のときの印象についてお答えいたします。  委員、先ほど御紹介いただきましたように、前回訪問時に私自身は城原川ダムの直接の担当ではございませんでしたけれども、河川砂防課に在籍しておった関係で、知事の地元訪問に同行しておりました。そのときの印象、記憶も含めての回答になろうかと思いますが、前回訪問時の平成二十七年三月は、城原川ダムがダム検証中でございまして、まだ事業継続が決まっていない状況の中での訪問でございました。  当時の住民の皆さんは、先行きが全く見えない、今後どうなっていくのか分からないという閉塞感といいますか、息詰まり感の中で、四十年以上、ダム事業に翻弄されてきた苦労話ですとか苦悩、そういったものが切々と語られたと記憶しております。  具体的には、早くダム事業の継続を決めてほしい、事業を前に進めてほしい、地域は既にダム受入れを決めてまとまっているのでダム建設の方針を固めてほしいというような厳しい意見が出たことを記憶しております。  対しまして今回は、平成三十年にダム建設が建設段階に移行しまして四年目となりますが、委員御紹介があったように、水没地域でも用地調査が始まるなど、事業進捗が感じられる中での訪問となりました。  そういった中で住民の皆さんからは、生活再建に向けた期待ですとか、一方、それに対する不安、それと、事業は進んでいるけれども、高齢化して時間がない、さらに急いでほしいというような、そういった声がありました。今回は、ダム建設に地域として前向きに取り組んでいる声が聞かれたかなという印象でございます。  以上でございます。 57 ◯八谷委員=十月十一日は、着工から四年目に入った中での知事の訪問ということでございました。そのときに政所地区を歩かれ、そして、地元の公民館に立ち寄り、最後は地域の集会所の「せせらぎ館」に行かれて意見交換もされたわけでございます。  その当日、住民の皆さんから、どのような意見や要望が出されたのか。そして、それに対して知事はどのように答えられたのか教えていただきたいと思います。 58 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=知事の水没予定地訪問における住民からの意見や要望について、それと、それに対する知事の答えについてお答えいたします。  知事の水没予定地訪問につきましては、十月十一日に実施いたしました。委員もおっしゃられたように、当日は、水没予定の岩屋・政所地区のうち、政所集落を視察した後に、地区の公民館であります「せせらぎ館」で住民の皆様と膝を突き合わせ、意見交換が行われました。  住民の皆様からは、生活再建に対する思いなど様々な声が聞かれました。具体的には、「高齢化が進んでいる、ダムの完成を見ることなく亡くなった人も多い、一日も早いダムの完成をお願いしたい」、「早く安心した生活を送りたい、生活再建への支援をお願いしたい」、「随分事業が進んできた、自分たちも生活再建に向けて一生懸命取り組んでいきたい」などといった発言がございました。また、意見交換の場面では、途絶えかけていた伝統の刺身こんにゃくづくりを皆さんで復活させたことなども話題となりました。  こういった住民の皆様から出された意見や要望に対する知事の回答についてです。  皆様の意見に対し知事は、ダム事業のために大切な土地や建物を提供いただく皆様には感謝の言葉しかないとか、これまでの皆様の不安な思いを将来の希望に変えていくことが行政の役割だと考えているとか、刺身こんにゃくなど地域の伝統があるものはすばらしいとか、県はしっかりと皆様に寄り添って皆様と同じ気持ちになって事業の推進と生活再建の実現に向けて全力で取り組んでいくなどと答えたところでございます。  以上でございます。 59 ◯八谷委員=知事について行かれたということでございます。知事は、地元の方と本当に膝を突き合わせた意見交換をなされたということでございますが、そのときに政所地区内の視察、あるいは城田区内での移動なり、あるいは「せせらぎ館」での意見交換などを聞いて、県としては、そういった水没予定地域の住民の皆様に、今後どのように向き合っていくのかお尋ねをいたします。 60 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=住民の思いに対する県の対応についてお答えいたします。  水没予定地の皆様からお聞きしました一日も早いダムの完成をお願いしたいとか、早く安心した生活を送りたい、生活再建をお願いしたいという声に対しましては、県は、これまでも住民の皆様の思いに寄り添った取組を進めてまいっております。ダム事業の推進につきましては、一日も早いダムの完成を目指しまして、事業の推進と予算の確保を国に対し、今後もしっかりと提案、要望してまいります。  生活再建に係る支援につきましては、ダム事業に対する疑問や生活再建への不安を解消してもらうために、水没予定地域の住民の皆様を対象に、県が主体となりまして勉強会を開催しておりまして、これまで一般的なダム事業のスケジュールや公共事業における用地補償の概要、先例ダムの事例紹介など、今後の生活再建に役立つ情報の提供を行ってきております。  今後も、住民の皆さんのニーズや事業の進捗に併せてこのような取組を継続することで住民の皆様に対するきめ細やかな支援を行っていくこととしております。  以上でございます。 61 ◯八谷委員=知事の演告でありましたように、やっぱり住民の皆様に寄り添ってということでございましたので、しっかりとそういった対応をよろしくお願いしておきます。  それでは、事業進捗の状況についてお尋ねをいたします。  平成三十年度から事業着手、建設予算がつきました。順調と申しますか、ずっと予算の伸びがこれまであったわけでございますが、令和三年度の予算額、そして、国のことですけど、進捗状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 62 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=城原川ダム事業の令和三年度の予算額と事業内容についてお答えいたします。  令和三年度の国の当初予算は十億二千百万円となっておりまして、これは令和二年度の国の当初予算額九億一千七百万円と比較して約一・一倍となっております。  事業内容についてですが、令和三年度では、ダム本体に関する調査設計や、ダム建設に伴い付け替えが必要となる県道三瀬神埼線のルート検討、水没予定地域の用地調査、工事用道路の敷設等が進められております。  具体的な動きとしまして、八月からは家屋調査にも着手されております。また、先ほど委員からも御紹介がありましたように、十一月に開催された国の事業説明会では、水没予定地域に対しまして付替道路の詳細なルートが用地幅を含めて示されたところでございます。  このように、事業は一つ一つ段階を踏みながら着実に進捗しておりまして、住民の皆様にも事業の進捗が実感できる状況になってきていると考えております。  以上でございます。 63 ◯八谷委員=それぞれに付け替え道路の状況の説明であったり、家屋調査が実際に入ったりということで、住民の皆さんにとっては目の前に形が現れてきたということでの期待感があると思います。  それでは、令和四年度の概算要求についてはどのようになっておるのか、予算額、事業内容について説明をお願いします。 64 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=令和四年度の概算要求額、それと事業予定についてお答えいたします。  令和四年度の国の事業費につきましては、国から示された概算要求額では十億五千五百万円となっておりまして、これは令和三年度予算の十億二千百万円から三千四百万円の増というふうになっております。  事業内容につきましては、令和四年度につきましても、今年度と同様にダム本体や付け替え道路の調査設計、用地調査、工事用道路の敷設等が実施される予定と聞いております。引き続き事業進捗が図られると考えております。  以上でございます。 65 ◯八谷委員=平成三十年度からの伸びと来年度の伸びが、概算要求の数字が非常に少ないなと私は感じております。今後、一日も早い事業完成に向けまして事業推進とともに予算確保についてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、県としてどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 66 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=今後の事業推進と予算確保についてお答えいたします。  県では、これまでも国への政策提案など様々な機会を捉えて事業の推進と必要な予算の確保を国に働きかけてきたところでございます。  十一月十八日の政策提案におきましては、知事が財務副大臣、国土交通副大臣、水管理・国土保全局長などと面会いたしまして、城原川ダムに係る提案活動を行ったところでございます。  また、神埼市と佐賀市で組織いたします城原川改修・城原川ダム建設促進期成会の要望活動についても、毎回、県も同行いたしておりまして、去る十一月十九日の要望活動におきましては、財務省の主計局長、国土交通省の事務次官などと面会しまして要望活動を行ったところでございます。  今後も、引き続き、一日も早いダムの完成と水没予定地域の住民の皆様の生活再建の実現のため、事業の推進と必要な予算の確保を国に働きかけてまいります。 67 ◯八谷委員=ぜひ引き続き、必要な予算額の確保については、県としてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  この質問の最後は、地域振興に関する検討状況についてであります。  先ほど申し上げました意見交換会の中でも、地元の刺身こんにゃくの復活だとか、そういう話もできました。水没予定地域の伝統や営みが形として残っていくような地域振興を図っていくことも重要ではないかと考えております。  現在、神埼市が策定を進めておられます地域振興計画の検討状況、あるいは県としてこの地域振興にどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。 68 ◯仁戸田城原川ダム等対策室長=地域振興に関する現在の検討状況及び地域振興に対する今後の県の取組についてお答えいたします。  ダム建設に当たりましては、水没予定地域や周辺地域の生活環境への影響を緩和し、地域の活力につながるような振興策を地元神埼市とともに検討していく必要があると認識しております。  神埼市におきましては、令和元年十一月に城原川ダムに係る水源地域の振興に関する基本構想及び振興計画の策定のため、地域住民や学識経験者等から成ります「神埼市水源地域振興対策検討委員会」が発足し、検討が進められておりますが、この検討委員会の運営には県も参画しているところでございます。  これまで五回の検討委員会が開催されまして、現時点では地域の将来像として、「豊かな自然環境の保全、水資源の活用」など五つの方針が打ち出されているところでございます。  今後は、ダムの進捗も見ながら具体的な取組や取組内容の推進体制について、議論、検討が進められていく予定となっております。  今後の県の取組についてですが、水没予定地域の住民の皆様からは、先ほども話が出ましたような刺身こんにゃくの取組のように、地元の伝統や住民同士のつながりを残していきたい、守っていきたいなど、日頃から様々な思いを聞いております。  県といたしましても、このような住民の方々の思いも酌み取りながら、地域にふさわしい振興計画が策定され、よりよい地域振興が図られるよう、神埼市をはじめ、関係機関とも連携してしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 69 ◯八谷委員=ダム振興と併せて、この地域振興にもしっかりと地元に寄り添った取組をお願いしたいと思います。  最後に、部長に決意のほどをお伺いいたします。  ダム事業は、着工から通常十四年と言われており、私も聞いております。予備調査から五十年という年月がたった城原川ダムの特殊性に鑑みますと、六月、十月に行われております知事の政府予算要望だけでは、やはり地元の切実な願いが届きにくいと思います。やっぱりいろんな場面、あるいはこれまで佐賀県とゆかりのあった人々、そういった方を通じて、この思い、実情をしっかりと届けて、一日も早いダムの完成につなげていただきたいと思いますが、最後に決意をお願いいたします。 70 ◯平尾県土整備部長=城原川ダム事業への私の決意ということでお答えさせていただきます。  今年の八月豪雨におきましても、昨日、視察を行いました六角川流域であったりだとか、城原川が流れます東部地域など、県内各地で内水被害が発生しております。県では、八月豪雨を受けまして「プロジェクトIF」ということで豪雨災害の対策も進めているところでございます。  今議会におきましても、内水監視カメラであったり、水位計の設置、また、河川内のしゅんせつなどの対策に係ります予算措置についてもお願いをしているところでございます。  様々な治水対策を進める中におきまして、やはりダムというものにつきましては、治水対策に対して中核を担う非常に重要な施設であるというふうに認識をしております。八月豪雨におきましても、嘉瀬川ダムなど県内のダムにおきまして、上流部で大量の雨水を貯留し、下流域における洪水の防止、被害軽減に大きな効果を発揮したところでございます。流域住民の安全・安心な暮らしを守り、強靱な県土づくりを進めていく上においても、この城原川ダムの一日も早い完成というものは、しっかりと事業の推進をしていく必要があるというふうに考えております。  それと同時に、委員からもお話があっておりますが、水没予定地域の住民の皆様の御理解、御協力、こういったものを忘れることはないということで、ダム建設により地域の治水対策を進めていくことができることに対しましても、県としても深く感謝をしているような状況でございます。引き続き、住民の皆様の思いにしっかりと寄り添いながら、きめ細やかな支援を行うなど、皆様の不安解消にも努めていかなければならないということで考えております。  県といたしましては、ダム事業に御協力いただきます水没予定地域の住民の皆様の生活再建を実現していくためにも、一日も早いダムの完成を目指した事業の推進、それと必要な予算の確保に向けまして、先ほど室長も答弁しましたが、十一月にも知事は政策提案を行っておりまして、引き続き様々な機会や様々なチャンネル、様々な国とのパイプを活用しながら、期成会とも連携し、また、地域の思いや事業の推進、必要性など、しっかりと国に働きかけるなど、また、神埼市、それとこの事業を進めておられます佐賀河川事務所、こういったところとも密に連絡を取りながら、しっかりと連携しながら、このダム事業の推進にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 71 ◯八谷委員=国、県、市がそれぞれ同じベクトルで、しっかりと同じ方向を向いております。連携をしっかり取りながら強力な要望活動をこれからも行っていただきたいと思います。  それでは続きまして二項目め、先ほど井上委員さんが取り上げられました観光の面でございますが、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」についてお伺いをいたします。  先ほどの課長答弁にもありましたように、来年の十月から十二月までの期間、長崎県とJRと一緒になってデスティネーションキャンペーンを実施するということでございます。これは早くからそういう話があっておりましたが、現在、その成功に向けてプレキャンペーンが行われ、特に先月の十一月九日には二百四十名を超える全国の旅行会社の関係者を佐賀に招いて、全国宣伝販売促進会議を開催したというふうに聞いております。  新型コロナウイルス感染症の拡大で大きな打撃を被っております県内の観光業、ホテル・旅館・飲食業、交通関係などの皆様にとりましても、今回のキャンペーンを契機として全国から多くの観光客に訪れてもらえるよい取組であると思います。ぜひとも県内観光業にとって大きなプラス効果を上げてほしいと思っております。  常々、観光業は裾野の広い産業だと言われております。観光業のみならず、幅広い、大きな効果を県内にもたらしてくれるのではないか、そういう意味での期待も大きいわけでございますが、せっかく来てもらえる旅行者が有名な観光地、祭りを抱える長崎に流されてしまってはという懸念をいたしております。特に、来年秋は、このキャンペーンの時期になると思いますが、西九州新幹線の武雄温泉駅-長崎間の開業時期と重なりまして、N七〇〇系の「かもめ」が走ることになります。長崎への誘引に負けないよう、佐賀の魅力をしっかりと発信することで差別化を図っていただきたいと思います。  私としましては、これまでも常々申しておりましたが、佐賀の魅力を感じられるものの一つとして、自転車の利用が最たるものではないかというふうに考えております。先ほどもありましたように、広大なこの佐賀平野を自転車で、春先の青空の下、咲き誇る菜の花や青々とした麦畑の風景はもとより、初夏の麦秋、秋の稲穂、柿の木などを含む紅葉などを楽しんだり、嬉野、武雄、古湯などの温泉地巡り、また、吉野ヶ里の古代、名護屋城跡の中世、幕末から明治、近代夜明けにかけた佐賀城周辺、さらには、有田・伊万里の焼き物、唐津焼、さらに唐津くんち、こういったものをしっかりと有機的に結ぶことによって、サイクリングのよさをぜひ全国の皆様に味わっていただきたいということを思っております。我が国の歴史の流れを感じられるスポットを巡る体験は、まさに佐賀ならではのすばらしさを肌で感じることができるものと思います。  先ほどは、体験型アクティビティの話もありましたし、もう何年になりますか、観光客、特に中国からの観光客の伸びが一番大きいのは、青森、大分、佐賀で、ベストスリーということでございました。それぞれスキーなり、温泉なり、そして我が佐賀県はシーフェイということで、佐賀は桃源郷という言葉を使っておりまして、中国の方々が見ると、佐賀の風景が桃源郷に見えるということでございます。そういったところで肺をしっかり洗うということで大勢のお客さんが見えられました。そういった提供をしっかり考えてあげれば、長崎との違いと申しますか、そういったところの魅力を発揮できるのではないかというふうに思っております。  県におきましては、サイクリストのためのラックの設置を進めるなど、サイクルツーリズムを推進されております。本県の観光の柱の一つとなるよう、今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。  つきましては、以下のことについてお尋ねをいたします。  まず、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」についてでありますが、今回、長崎、JRとのこのキャンペーンは、具体的にはどのような内容で実施されるのかお伺いをいたします。 72 ◯金子観光課長=「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」の内容についてお答えします。  デスティネーションキャンペーンは、JRグループ六社、地元自治体、観光関係団体が協力して実施する国内最大級の観光キャンペーンでございます。基本的には、春、夏、秋、冬の年四回開催され、来年秋の十月から十二月の三カ月間は、ここ佐賀、長崎において実施されます。  キャンペーンの中では、JRグループの広告媒体を活用して全国で集中的な誘客活動を展開したり、全国の大手旅行会社において、旅行商品の造成、販売強化を図るものとなっております。県においては、キャンペーンに向けて地域の観光素材を磨き上げ、発信することで観光誘客を図ってまいります。  今年度は、来年の本キャンペーンに先立つプレキャンペーンの一環として、佐賀、長崎両県の観光PRを行う、先ほど委員がおっしゃいました全国宣伝販売促進会議を十一月九日に佐賀市内で開催しております。  全国の旅行会社、JR各社、メディアなど約二百四十名を招聘し、佐賀、長崎の観光素材やキャンペーン特別企画などを紹介しております。  また、現地の観光素材を直に視察するというエクスカーションという現地視察を実施しており、全国の旅行会社に対し、本キャンペーンに向けた旅行商品の造成に取り組んだところでございます。  以上でございます。 73 ◯八谷委員=販促会議が開かれた中でのエクスカーションは、今回、どういったコースを提供というか、出されましたか。 74 ◯金子観光課長=全部で佐賀、長崎で八コースつくっております。そのうち佐賀だけのコース、例えば、唐津に行って佐賀市に行くようなコースというのが全部で二コースございます。あとは長崎だけのコースというのもございまして、こちらも二コースございます。残り四コースが佐賀、長崎をまたがるコース、例えば、鹿島に行かれて、そのまま雲仙のほうに回っていただくような、そういったハイブリットのコース、全部で四コースでございます。  エクスカーションに参加される旅行代理店の方は、それぞれのコースを選んでいただいて、販促会議が九日にございましたので、翌日の十日、十一日の一泊二日で回っていただきました。その際は佐賀でお泊まりになったケースもあれば、長崎のほうでお泊まりになったケースもあるという形でございます。  以上でございます。 75 ◯八谷委員=十一月といえば、ちょうど来年の秋の展開時と同じものを今回提供されたということでございます。今回のキャンペーンにおいてのPRでは、先ほど私が申し上げました春先の、本当に佐賀平野の緑、菜の花の黄色、そして青空といったものの提供だとか、年間を通じた佐賀のよさをぜひアピールしていただきたいと思います。  このキャンペーンの予算規模、そして、そこから得られる効果についてお尋ねをいたします。 76 ◯金子観光課長=予算規模及び得られる効果についてお答えします。  最初に、予算規模でございます。
     今年度、佐賀、長崎両県で実施した全国宣伝販売促進会議など、誘客宣伝の費用として、佐賀、長崎両県それぞれで三千百四十万円を負担することとしております。  また、佐賀県単独で行う観光素材の磨き上げやおもてなし強化といった受入環境整備費用四千二百六十二万円と合わせ、本県の今年度当初予算では七千四百二万円を計上しております。  さらに、JRグループのほうでも、両県の事業とは別に、佐賀、長崎エリアへの誘客、周遊促進として、今年度には西九州フリー切符などを商品造成し、プレキャンペーンをただいま実施しております。  また、来年度は、全国のJR主要駅や車両内へのポスター連貼掲出や、テレビコマーシャル、テレビ番組、例えばJRの駅とかに売ってある時刻表などの媒体を活用してプロモーションを展開し、JR独自のキャンペーンを実施する予定となっております。  次に、得られる効果でございます。  キャンペーンを実施する来年秋頃には、新型コロナウイルス感染症の影響がある程度落ち着きを見せていることも考えられ、そうなれば西九州新幹線開業と同じタイミングになることもあわせて、佐賀県内の観光客や宿泊客の増加が見込まれ、これに伴って飲食や土産物などの購入など、地元の産業に新たな需要が生まれると考えております。  一方で、それらの経済的な効果以外にも、県全域において観光素材の磨き上げ、新たな旅行商品の造成、魅力発信の強化などが図られることにより、それらのスキルやノウハウなども各地域に蓄積されるものと考えております。  いずれにせよ、県としては、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」を一過性のキャンペーンで終わらせることなく、多様な旅行ニーズに対応する持続可能なまちづくりの促進につなげたいと考えております。引き続き、各地域と連携しまして、地域素材の磨き上げや、そうした魅力の発信に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 77 ◯八谷委員=来年度は特にしっかりとJRの実際のPRが出てくるということで、本当に露出が大きく大きく出てくると思います。先ほどの課長の答弁のように、経済的な効果だけでなく、県内全体の磨き上げ、先ほど移住支援室長の答弁がありましたが、佐賀の魅力といったものをあらゆる場面でPRをしていくことが佐賀の活力につながるということでございます。  それでは、佐賀ならではの魅力を生かした誘客についてお尋ねいたします。  より多くの方々に佐賀を旅先として選んでもらうためには、佐賀ならでは、長崎県に負けない、負けないと言ってはあまりいけませんけれども、やはり長崎に誘引されないような佐賀ならではの魅力を生かして、観光客をどのように誘致していくのかお尋ねをいたします。 78 ◯金子観光課長=佐賀ならではの魅力を生かした誘客についてお答えします。  委員おっしゃるように、長崎県は全国的にも観光地として有名どころでございます。ただ、佐賀には日常に根差した歴史、文化、伝統がございまして、これらこそ、佐賀ならではの魅力であると考えております。佐賀の日常にあるこれらの地域資源を新たな視点で取り上げることが地域の魅力発信につながると考えており、今回のキャンペーンでは、こうした佐賀にしかない魅力を伝えることで観光客の誘客につなげてまいりたい。また、コロナ禍を契機に、人ごみなど密を避けるサイクリングなどの自然アクティビティのニーズはさらに高まっているものと認識しております。  本県では、大きく広がる空の下や、広大な芝生でのアウトドアや歴史体験を楽しめる吉野ヶ里歴史公園や、自然豊かな森の中で様々なアトラクションが楽しめるフォレストアドベンチャーなど、広く澄み渡る青空の下、楽しめるオープンエアのアクティビティもお勧めしております。「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」においても、アフターコロナを見据え、そういったコンテンツを積極的に発信してまいりたいと考えております。  県としては、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」は、全国から多くの観光客を県内全域に呼び込む絶好のチャンスと捉えております。これらの機会を最大限活用し、地域の機運醸成を図り、佐賀ならではの魅力を発信することで県内全域への持続的な観光誘客につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 79 ◯八谷委員=ぜひとも、しっかりと観光誘客に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、先ほど申し上げましたサイクルツーリズムの推進についてお伺いをいたします。  平成二十八年十二月に衆参両院で全会一致によります自転車活用推進法が成立いたしました。これを受けて県におきましても自転車活用推進計画が策定され、自転車施策の転換期となったところでございます。キャンペーンで訪れる観光客にとって、安価で健康志向のサイクルツーリズムは、佐賀の魅力を感じられる手法の一つだと考えます。  先ほど申しました古代の吉野ヶ里、中世の名護屋城、近代夜明けの佐賀城、そういったそれぞれの時代の日本を先導したことの中に佐賀があるわけで、先ほど課長の答弁にあったように、やはり歴史と伝統といったことがしっかり根づいていて、それは全国規模に誇っていいものでありますので、そういった地域をしっかりと有機的に結んだサイクルツーリズムは、大きく売り込むことのできる一つだと思います。  サイクルラックの設置を含めて、県ではサイクルツーリズムの推進のためにどのような取組を現在まで行ってきたのかお伺いをいたします。 80 ◯金子観光課長=サイクルツーリズムのこれまでの県の取組についてお答えします。  委員からも先ほどお話がございましたように、本県では、国の自転車活用推進法に基づき、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進するため、令和二年十二月に佐賀県自転車活用推進計画を策定いたしました。  本県では、より多くの人々が自転車に乗り、自転車を楽しむための戦略として、「交流」、「暮らし」、「インフラ」の三つの軸を設定しております。  その中でも、「交流」を軸とした取組としては、サイクルツーリズムの推進により新たな観光資源の発掘を行うことで、佐賀県における自転車コンテンツを磨き上げ、県内外から自転車に乗りたい人が集まり、地域が活性化することを目指しております。  具体的な取組の一つとして、令和二年度からサイクリストの受入れ環境整備を目的としてスポーツバイクを駐輪するためのサイクルラックを設置しております。サイクルラックは、令和二年度に六十カ所、今年度は二十七カ所を設置する予定となっており、来年度までに百五十カ所の設置を目指しております。  なお、サイクリストからは、サイクルラックがあるだけで自分たちサイクリストが迎え入れられているように感じるというようなうれしいコメントも意見として聞いております。  そのほか、関係市町やサイクリング協会の方々と意見交換を行いながら、佐賀の魅力ある自然や歴史、文化などが楽しめるモデルルートも設定しております。  佐賀県自転車活用推進計画では、令和四年度までにモデルルートを県内に五ルート以上設定することを目標としております。令和二年度に四ルートを設定しており、現在、五ルート目を検討しているところでございます。  このようにサイクルラックなどの受入れ環境整備や、佐賀の魅力を感じることができるモデルルートの設定など、サイクリストの誘客促進や地域のサイクルツーリズムへのさらなる機運醸成に取り組んでまいります。  以上でございます。 81 ◯八谷委員=坂の多い長崎と違って平地の佐賀の魅力だと思いますので、ぜひ推進に取り組んでいただきたいと思います。  今後、サイクルツーリズムについて、私は前回サイクルトレインの話もいたしました。これは私鉄を中心に全国で展開されておりまして、JRにおいても展開されているところがあります。時間、日にち、非常に限定的なものがありますけれども、そういったものがあると、もっと広域的に、有効に、安価で、いわゆるサイクルツーリズムができるんじゃないかというふうに思いますので、今後、サイクルツーリズム推進に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。 82 ◯金子観光課長=今後の取組についてお答えします。  サイクルツーリズムは、二つの海、広い平野、そして山といった佐賀ならではの魅力的な自然や日常を感じることができるウイズコロナ時代の魅力的なツールの一つと考えております。  「OPEN-AIR佐賀」を発信していく重要な観光コンテンツの一つとして関係部局とも連携を図って、文化観光や、先ほど委員がおっしゃられた歴史ツーリズムなど、また、スポーツ観光に、いろんなところで活用できるものと考えております。  サイクルラック設置やモデルルート設定など、受入れ環境整備を行うと同時に、動画や写真、記事などで佐賀ならではの自転車の楽しみ方についても、県内外のサイクリストへ情報発信を行い、誘客促進につなげてまいります。  加えて、サイクルツーリズムは、県域を越えた広い範囲の観光を可能にすることから、九州地域戦略会議においても、山口県や沖縄県を含めた九州各県で連携したモデルルートやサイクルレースの国際大会の開催など、サイクルツーリズムの推進に取り組むこととしております。  特に、この取組の中で、昨年度、モデルルートを掲載したサイクルマップを作成しており、今年度はサイクルツーリズムが盛んな台湾をターゲットにして、繁体字版のサイクルマップを作成しております。さらに、台湾最大の旅行博である「台北国際旅行博二〇二一」においても既に情報発信を行っており、九州全体でサイクリストの受入れ環境を整備し、誘客につなげてまいりたいと考えております。  このような取組を通じ、地域にサイクルツーリズムを浸透させていくことで、受入れ環境の一層の充実及びサイクリストのさらなる誘客促進を目指していきたいと考えております。  以上でございます。 83 ◯八谷委員=しっかりとサイクルツーリズムに取り組んでいただきたいと思います。  さらに、今回取り上げませんでしたが、私が観光関係の講演を聞きましたときに、私が佐賀からだということを聞かれて、今、時間とお金がある方は定年退職した方だと。そういった方々にあるのはバイクと一眼レフカメラだということでございました。ぜひ有明海の景色だとか、そういったところを自転車で回って写真のコンテストをやったらどうかと。その表彰式を佐賀で行って、孫を連れて来させるんだと、そういった話もありまして、いろいろ広がるんだなということがありました。  佐賀ならではのこのキャンペーンにぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 84 ◯向門委員長=暫時休憩します。十三時ちょうどをめどに委員会を再開します。     午前十一時五十分 休憩     午後一時一分 開議 85 ◯向門委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 86 ◯八谷委員=それでは、三項目めの佐賀県地域公共交通計画(素案)についてお伺いをいたします。  コロナ禍でまた一層、人口減が進むと言われております。そしてまた、高齢化も進展しますけれども、そういった中で公共交通が担う役割は大きいし、その運行については非常に大きい課題がございます。  平成二十六年の「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の改正に基づきまして、県及び二十市町によります佐賀県地域公共交通網形成計画が平成二十九年度から今年度までの五カ年計画として策定をされております。昨年十一月に同法が一部改正されまして、この網形成計画は、地域公共交通計画と計画名が変更されました。網形成計画の後継となります佐賀県地域公共交通計画については、今年度中に策定し、来年四月から同計画に基づきます取組がスタートするということが説明されたところであります。  通勤通学はもとより、運転免許を返納した高齢者、あるいは車を運転しない県民などの移動手段として、公共交通はなくてはならないものであります。  県では、複数の市町にまたがる路線バスを運行する事業者への支援なり、あるいは県内の各市町におきましては、コミュニティーバスやデマンド交通、タクシーの利用といった地域に応じた移動手段の確保に取り組まれております。  一昨日ですか、基山町が来年一月からスマートモビリティの実証実験に入るということが報道されております。民間事業者と連携してオンデマンド交通、けやき通りシャトル、通勤通学シャトルといった目的、それから利用者に沿った形での取組がなされるということでございます。  また、県では、「歩こう。佐賀県。」などによります公共交通の利用促進事業に取り組んでいますけれども、自家用車の保有台数が九州一多く、ドア・ツー・ドアに慣れております本県の県民にとりましては、マイカーでの移動を前提とした生活スタイルが主であり、歩く生活の普及には時間がかかるものと思います。  まず、この法律の一部改正の目的と主な改正点についてお伺いをいたします。  地域公共交通の状況が以前から変わってきていることから、この「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が昨年十一月に一部改正をされております。その目的は何なのか。そして、その改正の主なポイントはどういうものかお尋ねをいたします。 87 ◯古沢交通政策課長=「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の昨年の一部改正の目的及び改正点についてお答えいたします。  まず、法律の制定、改正経緯を申し上げます。  「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」は、市町村が主体となり、幅広い関係者の参加による協議会を設置し、地域公共交通の維持確保、利便性向上の取組を促進する制度を整備することなどを目的としまして、平成十九年に制定されました。  委員からもお話がございましたが、平成二十六年の一部改正におきまして、まちづくりとの連携を図り、面的な公共交通ネットワークを再構築し、持続可能なものとするための地域公共交通網形成計画が法定計画と位置づけられますとともに、計画策定の主体に都道府県が追加されたところでございます。  現在も全国的な地域公共交通を取り巻く状況につきましては、移動に制約がある高齢者の増加、全国の一般路線バス事業者の約七割が経営赤字であること、運転手の高齢化などによる地域公共交通の担い手の不足といった厳しい状況でございます。  このような背景を踏まえまして、昨年、令和二年十一月の一部改正におきまして、現行の地域公共交通網形成計画が地域公共交通計画に名称変更されますとともに、地域の状況に応じた取組をより積極的に推進することを目的とした改正がなされたところでございます。  次に、改正の主なポイントにつきましてお答えいたします。  大きく二つございます。一つは、計画の作成が任意であったものが努力義務とされたこと。二つ目は、地方バス路線の運行経費に対する国庫補助金の交付に当たっては、地域公共交通計画の策定が要件とされたことでございます。  以上でございます。 88 ◯八谷委員=今、平成十九年からの変遷ということで、県の関わりと、それから地方バスの補助金の交付を受けるには、こういった計画に基づいてということが分かりました。  現在の地域公共交通網形成計画が平成二十九年度から今年度までの五カ年ということでございますが、この網形成計画では、もともとどのような目標を立てて、そして、それはどのように達成されたのかお伺いをいたします。 89 ◯古沢交通政策課長=現行の網形成計画の目標及びその目標達成状況についてお答えいたします。  最初に目標についてでございます。  現行の網形成計画では、四つの目標を設定しております。まず、地域公共交通の利用者を増やす。次に、地域公共交通の運行効率を高める。さらに、過度な自家用車依存を抑制する。そして、県民の生活の質、クオリティ・オブ・ライフを高めるというものでございます。これら四つの目標を達成するため、二十三項目の取組を官民一体で実施しているところでございます。  これらの目標の具体的な指標としましては、例えば、県内の路線バスやタクシーの年間利用者数の増加、路線バスの路線別の平均乗車密度やタクシーの平均実車率の増加などにつきまして、目標値を定めて取り組んできたところでございます。  次に、目標の達成状況についてでございます。達成状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度以降は達成が難しいものもございますが、影響前の令和元年度におきましては、おおむね達成できていたところでございます。  以上でございます。 90 ◯八谷委員=今、答弁された四つの目標につきまして、利用者増、あるいは運行効率の向上は分かりました。それから、車利用の抑制というのも、公共交通機関を使うということは分かりますが、質を高めるというのは、どういったことが狙いだったんでしょうか。 91 ◯古沢交通政策課長=お尋ねのありました県民の生活の質を高めるということについてお答えいたします。  こちらにつきましては、地域公共交通の利用を促進しまして、人の交流をもって町の活性化といったところで生活の質の向上を図っていくという狙いで考えております。  以上でございます。 92 ◯八谷委員=もともと、まちづくりとの連携が掲げられておりましたので、そういった点を注視されたということですね。  それでは、今の県内の地域公共交通の課題についてお尋ねをいたします。  県内の市町をまたがる公共交通については県が、そして、市町の域内の公共交通については各市町が、それぞれ維持改善に取り組んでいることと思いますが、マイカー保有率が高いこと、あるいは人口減少などを背景に、広域や市町内それぞれ公共交通が抱える課題があると思います。  まず、広域の課題と、それに対する取組についてお尋ねをいたします。 93 ◯古沢交通政策課長=県内の市町をまたがる広域の公共交通の課題と、それに対する取組についてお答えいたします。  まず、課題についてでございます。  佐賀県地域公共交通計画の策定に向け、利用者などへのアンケート調査や各種統計データの分析などを行いまして、課題などを整理しているところでございます。それらによりますと、県内の市町をまたがる広域の公共交通におきましては、まず、鉄道と路線バスが重複している長距離運行区間の現状、次に、ICTやAIなどを活用した効率的な交通サービスの提供、そして公共交通、自転車及び徒歩といった自家用車以外の移動手段を選択することで、生活の質や地域の魅力を向上させる歩くライフスタイルの推進などが課題として挙がっているところでございます。  次に、こうした課題に対する取組についてお答えいたします。  まず、先ほど申し上げました鉄道と路線バスが重複している長距離運行区間の課題につきましては、利用者がどういった交通手段を選択するのか、また、事業者の経営の問題などがありまして難しい面がございます。そこにつきましては調整等をまた図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、ICTなどを活用した効率的な交通サービスの提供につきましては、路線バスや、市町域内のコミュニティーバス、離島航路のオープンデータ化に取り組んでおりまして、交通結節点の円滑な乗り継ぎなどの利便性向上を図っているところでございます。  そして、歩くライフスタイル推進につきましては、特に今年度でございますが、広報媒体を効率的・効果的に活用した情報発信、あと、県のウオーキングアプリ「SAGATOCO」によるスタンプラリー等の実施、また、十月二十三日、二十四日の二日間に行われました「佐賀さいこうフェス」と合わせての路線バス運賃無料デーの実施など、「歩こう。佐賀県。」のさらなる普及啓発に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 94 ◯八谷委員=歩くライフスタイルは、健康、経済、環境といった面でぜひ進めていただきたいと思いますが、やはりマイカー利用の大きな大きなネックがあると思います。  また、県内市町の課題についてお伺いをいたします。  県内市町では、高齢者をはじめ、地域の方々の移動手段としてコミュニティーバスや乗合タクシーなどを運行されております。免許返納後の高齢者や子供などのマイカーを運転しない住民にとりましては、安全・安心な移動手段だと思います。しかしながら、各市町で取組をされておりますが、その取組とは裏腹に利用者が少ないとの印象、またそういう報告もあっております。  こうした県内市町の地域交通の利用者の声や課題についてどう認識しているのかお伺いをいたします。 95 ◯堀岡さが創生推進課長=県内市町の地域交通における利用者の声や課題についてお答えいたします。  県内市町におきましては、住民の方々の買物や、通院、通学など、日常生活における移動を支えるため、コミュニティーバスや予約型の乗合タクシーなどの地域交通が運行されており、今年の四月に大町町でコミュニティーバスの運行がスタートしたことで、現在、県内二十の全ての市町におきまして、コミュニティーバス等の地域交通が運行されているところでございます。  運行に当たりましては、利用者である地域の方々の意見を聞きながら、移動の目的や利用する時間帯など利用者の方々のニーズを踏まえまして、地域交通の運行形態や運行ルート、運行ダイヤ等を検討しながら行っているところでございます。
     しかしながら、実際に運行していく中で、利用者の方々からは、コミュニティーバスの運行便数が少ないため、待ち時間が長い、予約型の乗合タクシーにおきましては、行き先が指定された施設に限定される、事前の予約が煩わしい、利用の仕方が分かりづらいといった声が上がってきているところでございます。こういった声が地域交通を利用するに当たっての課題であると認識しているところでございます。  続きまして、課題に対する取組についてお答えいたします。  地域交通は、創るだけではなく、利用していただかないと存続していかないものでありますことから、その地域に住む多くの方々が利用可能な範囲で地域交通を利用していただき、支え合っていくことが大切であると認識しております。  県としましては、先ほどの課題に対する取組といたしまして、市町がコミュニティーバス等の地域交通を導入する際や、既存の地域交通の見直しを行う際には、市町と一緒に地域に入り、住民との意見交換やアンケート調査、利用者からのヒアリングなどを実施することにより、利用者の方々の実情やニーズの把握に取り組んでいるところでございます。  それらの取組によって把握しました意見等を踏まえまして、市町が主催する地域公共交通会議におきまして、自治会や老人クラブ、PTA等の代表者などの地域の方々や、地元の交通事業者、警察、運輸局等の関係者の方々と、運行形態や運行ルート、運行ダイヤ及びバス停の位置の見直しを検討するなど、利用者の方々のニーズに合った運行内容の改善に取り組んでいるところでございます。  運行内容の改善の取組の一例でございますが、吉野ヶ里町におきましては、利用者の方々の要望を受けまして、令和三年十月から隣接する上峰町の医療機関や商業施設へ乗合タクシーの乗り入れを開始した結果、利便性が向上したことにより利用者の増加につながっているところでございます。  また、基山町におきましては、グランドゴルフの利用者の方々の要望を受けまして、令和三年十月から既存のコミュニティーバスの運行ルートを基山町役場から延ばし、総合公園内にバス停を新設したことで、利用者から、とても便利になったとの声が寄せられているところでございます。  また、利用の仕方が分かりづらいという声に対しましては、有田町や基山町におきまして、高齢者が集まるサロン等へ出向き、利用方法を説明するなどして利用促進にも取り組んでいるところでございます。  県としましては、こうした取組を継続し、これからも地域の方々が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、県や市町、地元の交通事業者等の関係者、そして地域の方々とともに知恵を出し合いながら、様々な工夫をし、それぞれの地域に合った地域交通の実現を図ることで、より多くの方々に利用していただけるよう取り組んでまいりたいと思います。 96 ◯八谷委員=課題への取組について改めて聞こうと思っておりましたが、答えていただきましたので。  市町の公共交通で、やっぱりまたがる分については県ということでしたけれども、今の成功事例のように、大きな商業施設なり、スポーツ施設なり、そういったことを中心にすると、町内だけじゃなくて、やはり隣町との連携といったものが、県ではなく市町同士の話し合いの中でできると、もっと利用が増えるんじゃないかというふうに思います。  それでは、今度の佐賀県地域公共交通計画素案についてお尋ねをいたします。  広域にも、市町にも、それぞれに課題があることが分かりました。それぞれまた取組が必要でございます。しかしながら、公共交通は県民の移動については不可欠でございます。法律の改正目的や地域の状況に応じた維持改善を図るため、実効性のある計画としてもらいたいと思っております。  今回の計画は、現行の網形成計画とどのような違いがあるのかお尋ねをいたします。 97 ◯古沢交通政策課長=現行の網形成計画と策定しようとしております佐賀県地域公共交通計画との相違点についてお答えいたします。  相違点としましては、大きく二つございます。一つは、県全域だけでなく、県内を五つの地域のブロック、中部、東部、唐津、伊万里、杵藤ブロックに区分しまして、各ブロックの施策を整理すること。もう一つは、各市町のまちづくりや観光に関する計画や、県の総合計画との関連性を整理することといったものでございます。  各市町で策定予定であります地域公共交通計画との整合や効率的、効果的な交通サービスの提供などを図るため、地域の特性に応じたブロック単位での取組を視野に入れた事業を展開していくこととしております。  以上でございます。 98 ◯八谷委員=公共交通の利用者は、本当にやっぱり町内だけでなく、県内だけでなく、先ほどから話に出ております観光客にとっても、佐賀の魅力は足の利便性があるというふうなことにも大きくつながるだろうと思います。  この基本方針と目標の方向性はどういったものなのかお尋ねいたします。 99 ◯古沢交通政策課長=佐賀県地域公共交通計画の基本方針及び目標の方向性についてお答えいたします。  まず、基本方針についてでございます。  基本方針としましては、地域公共交通の利便性を高めること、利用者のニーズに応じたサービスに見直すこと、地域公共交通の利用を促進すること、地域公共交通の維持改善を図る体制を強化すること、以上の四つを柱にして取り組むことを予定しております。  次に、目標の方向性についてでございます。  今後、策定予定の計画の目標としましては、地域公共交通の利用者の増加、運行効率の向上、歩くライフスタイルの推進などにつきまして、それぞれ数値目標を設定しまして取り組むことを検討しておりまして、実態に即した実効性のある計画となるよう整理してまいりたいというふうに考えております。  地域公共交通を取り巻く状況は、厳しいものがございますが、「歩こう。佐賀県。」などの取組と連動しつつ、交通事業者や関係団体、国、市町などと連携、調整を図りまして、引き続き、官民一体となって佐賀県の地域公共交通の維持改善に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 100 ◯八谷委員=最後に、部長にお尋ねをいたします。  県民生活におきましては、やはり安全で安心な生活を送るということが最重要課題の一つであります。そして、そのうちの一つに交通安全対策が挙げられると思いますけれども、交通安全施設の整備、交通安全教育、安全な通学路の確保、今の公共交通の確保、児童生徒の通学路の見守り隊など、交通事故対策については、関係各部に全部またがっているわけでありますが、交通事故の件数そのものは減っておりますけれども、全国的には十万人当たりの事故件数は依然として多いところでありますので、交通安全対策そのものの所管は地域交流部ではないかも分かりませんけれども、地域交流部として、そのような連携を含めて今後どのように取り組んでいくのか最後にお尋ねをいたします。 101 ◯山下地域交流部長=交通安全の話でございますが、今、御質問のありました地域公共交通計画の策定は、交通安全対策を趣旨としたものではございませんけれども、山間部などでありますと、やっぱり車がないとなかなか生活できないとして、相当高齢な方でも普通に車の運転をされていると、そこにはちょっと危うさを感じたりすることもあったりします。  公共交通機関が生活を支えるということである程度のところがカバーできれば、高齢者の免許返納も進み、結果として、そういった事故の減少につながる面もあるんじゃないかというふうに思っております。  そういう視点も持ちながら、県民の皆様の暮らしが安全・安心につながるよう、市町と一緒になって地域の実情に応じた計画の策定、そして県庁の中も他部局としっかり連携を図りながら計画の策定を進めていきたいと思っております。  以上でございます。 102 ◯八谷委員=それでは、四項目めの文化財保護法の改正と文化財の保護についてお尋ねをいたします。  文化財が県内にたくさんありますが、かなり古くなったということの話をあちこちで、特に神社関係でそういったことを聞くわけでございます。  文化財そのものは、これまでの長い長い歴史の中で私たちの生活や風土との関わりの中で生み出されて現在まで継承されてきた貴重な財産であります。こうした文化財を確実に後世に継承していくことは、極めて重要なことだと考えております。  ところが、過疎化や少子・高齢化による担い手不足等に加え、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で地域の祭り等の中止、延期が相次いでおりまして、これらの継承のための活動が十分に行われず、文化財の継承にとって危機的な状況にあると言えます。  地域の祭りや伝統文化の舞台であります県内各地域の社寺は、その地域のコミュニティーの中核として、お宮さん、お寺さん、神埼でいけばお櫛田さんとか、仁比山では山王さんとか、非常に親しまれている名前で地域に密着して社会生活の中でも重要な役割を果たしてきたところであります。  しかし、近年は地域コミュニティーの維持存続そのものが難しくなっておりますことから、こうした活動も衰退し、加えて、その舞台となる社寺そのものも腐朽や機能の減退が目立ってきております。  このような中で、文化財保護法が改正され、無形文化財及び無形の民俗文化財の登録制度の新設や、地方公共団体によります文化財の登録制度の創設について定められたと聞いております。これは保護の対象となる文化財の類型を増やし、裾野を広げるものであり、地域に根差した祭りや歴史的な建物の保護につながる法改正ではないかと思っております。  近年の大規模災害の発生に伴い、その復旧復興には住民の協力、思いやりなど、いわゆる地域コミュニティーの重要性が見直されております。地域の生活や風土に根差した文化財を保護することは、とりもなおさず、地域のコミュニティーの維持につながるものと考えておりますが、この文化財保護の取組についてお尋ねをいたします。  まず、今回の文化財保護法の改正の趣旨と背景についてお尋ねをいたします。  今回の文化財保護法改正は、先ほど申しましたように、法の対象となる類型や裾野を広げるものと考えておりますが、改めてその趣旨と背景についてお伺いをいたします。 103 ◯白木原文化財保護室長=文化財保護法の改正の趣旨と背景についてお答え申し上げます。  文化財保護法につきましては、令和三年四月二十三日にその一部が改正されております。それまで国の登録制度の対象は、建造物、美術工芸品などの有形文化財、それから、林業や漁撈などの用具、そういった有形民俗文化財、それから、庭園などの記念物、こういったものに限られておりました。  ところが、この改正をもちまして、芸能や工芸技術などの無形文化財、祭りや風俗習慣などの無形の民俗文化財についても対象となり、拡大されることとなりました。また、委員からも御紹介がありましたように、新たに県や市町村など地方自治体においても登録制度を創設することができるようになりました。  佐賀県の登録制度については、今後の文化財の保護、活用を行っていく上でどのような制度がよいのか、現在、事務局のほうで研究、検討を進めているところであります。  法の改正の趣旨でございますが、登録制度を拡充し、保護の対象となる文化財の類型を増やし──類型というのは、無形民俗文化財だとか、無形文化財だとか、記念物とか、有形文化財といった文化財の種類のことでございます。これら類型を増やし、文化財の裾野を広げることで、多種多様な文化財の保護につなげようとするものであります。  この法改正は、これも委員から御指摘のあったとおりでございますが、過疎化や少子・高齢化による担い手不足に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、特に無形文化財の継承のための活動が十分に行えない、行われないことから、文化財の継承にとって危機的な状況にあることが背景にございます。  以上です。 104 ◯八谷委員=改正の趣旨は、いわゆる裾野を広げるということで、保護の対象が増えるということでは、本当にいいことだとは思いますけれども、その保存・維持するための財源が問題でございます。県内の指定文化財の件数などの中で、神埼地区については資料をいただきました。国指定から国登録、県指定、そして市の指定まで、いろんなものが指定をなされておりまして、今後、そういったものの指定が増加するということは非常に喜ばしいことだと思います。ただ、これらの文化財の保護・保存に対しまして、どういう支援制度になっているのかお尋ねをいたします。  今、吉野ヶ里地区では、歴史ある東妙寺でなされておりますが、古くなったものでは千代田町の高志神社の能舞台なんかは本当に傷んでおります。そういったものの保存・保護には多額の金がかかると思いますけれども、財源制度がないわけで、お寺さんのほうでは檀家さんがあってお金が幾らかあるかと思いますけれども、神社については、そういったものが非常にないということで荒れるばかりと、そういったことが懸念されます。私としては、この文化財保護法の改正によって、財政制度まで本当にされたのであればと思いますけど、その辺はどういうふうになっておりますか。 105 ◯白木原文化財保護室長=まず、文化財保護の補助支援制度についてお答えしたいと思います。  国の指定文化財及び登録文化財については、修理や整備、活用などに対し、国庫補助金を用いた支援制度がございます。これに対しては、併せて県も継ぎ足しで補助を行っております。また、県の指定文化財については、同じく修理や整備、活用などに対し、県の補助金を用いた支援を行っているところであります。  ただいま、委員から御紹介のありました東妙寺の例でいいますと、今年度はお寺が所有する国指定重要文化財の仏像を安置する施設に対して、国及び県から補助を行っております。また、東妙寺には仏像のほかにも由緒正しいいろいろなものがありまして、重要文化財も多数お持ちです。  その中でも「東妙寺並(ならびに)妙法寺境内絵図」を所有しておられまして、これは東妙寺と、その隣にある妙法寺、これは僧寺と尼寺に関係にあるんですけれども、そういった伽藍を描いた絵画で、鎌倉時代末期の作であります。こういったものは当時の律宗寺院の規模を示しながら、僧寺、尼寺が隣り合った伽藍配置を示すなど、仏教史、建築史的な価値が非常に高いということで指定をされております。こういった絵図についても、経年による汚損や劣化が激しかったものですから修理をしたところです。これについても同様に国及び県から補助を行っているところです。  また、今回の法改正について補助制度が組み込まれているかという御質問ですが、今回の法改正で補助制度そのものについての変更はございません。  以上です。 106 ◯八谷委員=補助制度については、何とか制度として欲しかったんですが、それぞれの地域にはまだ光が当たっていない宝があると思いますが、これらの保護についてはどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 107 ◯白木原文化財保護室長=県の文化財保護への取組という観点からお答えしたいと思います。  繰り返しになりますが、今回の法改正は、支援対象の文化財の類型を増やして文化財の保護の裾野を広げるということで、担い手不足や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより危ぶまれる文化財の継承という喫緊の課題について対策を講じるものであります。  県としても、こういった課題については、しっかりと取り組む必要があると認識しておりまして、例えば、佐賀県伝承芸能祭の開催、それから、「さが歳時記まつりびと」の制作・公開、こういったことを通し、こういった課題に対する取組を行っているところでございます。  今回の法改正を踏まえて申し上げますと、例えば、これは社寺というわけではないんですが、例えば、食文化というものに目を向けますと、食文化は伝統文化としての位置づけが今回の法改正で再確認されたような形になっておりまして、こういった食文化について見ると、地域の自然環境、それから歴史を反映した郷土色の風俗習慣、食品加工等の技術、そういったものは民俗文化財、一方、長い歴史の中で調理人などによって継承された芸術性のある技などは無形文化財と捉えられるわけです。  同じ食文化であっても、このように仮に民俗文化財として価値が認められない、価値が少し見出せないなというものでも、視点を変えて見ると優れた無形文化財と捉えられるケースも今後はいろいろ出てくると思います。  これは有形、無形に限らず、社寺が当てはまるかどうか即座にお答えできませんけれども、いろんな類型の文化財でこういった現象は出てくると思います。このように、文化財は多種多様であります。それぞれの地域や歴史の中で育まれた特徴を持っております。  今回の法改正により対象となる文化財の類型が増え、裾野が広がったことから、より多角的な視点で丁寧に調査研究を進めた上で、埋もれている文化財の価値を見出し、県としても文化財の保護、活用に取り組み、どのような支援ができるか考えてまいりたいと考えております。  以上です。 108 ◯八谷委員=脊振町の鳥羽院の中に後鳥羽神社がございます。後鳥羽上皇が隠岐の島に流されたときにこちらにおられたということにちなんで、お墓もあったようでございますけど、盗掘されたということで、残っていないということでありますけれども、地域の方々が何百年とそういったものをお守りし、後鳥羽上皇の実像と言われるようなもの、そういったものを中心にしっかりと地域内のコミュニケーションを取られているわけでございます。そういったことで考えますと、歴史、伝統が持つ重みというのは、今、まちづくりの話がありましたが、地域づくりにとっては、大きな大きなことだと思います。  そういった意味で、最後に局長に文化財が持ちます重要性、今申しましたように、非常に重要だということが分かりますけれども、地域のコミュニティーの崩壊が指摘されている現在では、このコミュニティーの中核を成す寺社の維持保存は大変意義があることだと思います。  今後、我が国の地域社会の存続、発展のためにも、各地の文化財に対する財政支援は大変重要だと思います。先ほど答弁にありましたように、県単独の支援が困難ということであれば、今後、国に対して支援制度の創設についてしっかりと働きかけていくべきと考えますが、最後に局長の見解を尋ねて質問を終わります。 109 ◯田中文化・スポーツ交流局長=今、文化財保護に関する認識、あと、どういう支援が可能なのか、場合によっては国に対して要望することもあるんじゃないかというようなお尋ねがございました。  今言われましたように、文化財保護という観点からすると、今回の文化財保護法の改正で対象が広がって、無形のものも登録できることになりましたけれども、登録したからといって、必ず潤沢な支援制度が裏に控えているということではございません。ただ、今回の法改正の背景というのが、少子・高齢化に伴うものとか、コミュニティーの崩壊とか、場合によってはコロナ禍において伝承芸能とかの練習もなかなかできないような環境の中にあって、危機的状況というのを認識されたというふうに伺っていますので、その認識としては私も同じでございます。  ただ、文化財として指定されたもの、登録されたものだけが文化財かというと、そうではないんじゃないかと私は考えていまして、本当の意味で登録されたもの、指定されたものを守ろうとするならば、先ほど先生が言われたみたいに、光が当たらない文化財的なもの、光が当たらないような大切なもの、将来につなげていかないといけないような大切なものにも光を当てるという取組が多分大事じゃないかと思ってます。  今回、文化財部局のほうで文化財保護法の制度の趣旨とか背景を答えましたが、文化という観点で広く捉えたときには、御存じのように、伝承芸能祭は今年で四回目をやりまして、あと、まつりびとという映像も平成二十五年から七年にわたって取組をやっていまして、まさにそこが趣旨でございます。  私が文化課長のときに、まつりびとを始めたんですけど、光が当たっていない伝承芸能に光を当てて、それを映像として残すだけじゃなくて、それをかっこいい映像として残して、それをテレビで放映して再認識させるという趣旨であの映像を撮り始めました。ありがたいことに、ずっとそれは続いています。ただ、昨年度はコロナ禍の影響で撮影もできなかったということを聞いています。  そういった形できちっとした形で残していくという観点では、やはり地域の人が地域の宝として認識するということが第一で、それをまず認識した上で、それをどういう形で残していくかという次のステージにいかないといけないと考えてまして、まず、そのきっかけを与えるための伝承芸能祭、きっかけを与えるためのまつりびと、今回の、まさに文化財保護法の改正も、ある意味で登録するということによる認識のきっかけになるんじゃないかと考えてまして、そういう大切なものに光を当てまして、それを今後どう残していくか、つないでいくかというのは、やり方はいろいろありましょうから、先ほど言われましたように、支援も含めてどんな形で守っていけるかということの知恵を出していきたいと考えています。場合によっては、先ほど言われましたように、文化財保護法の改正とか支援についても国に対して要望するということもありましょうから、そのあたり、地元のほうともしっかり議論しながら取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 110 ◯下田委員=県民ネットワークの下田寛でございます。  本日は、九州陶磁文化館のリニューアルについてという点で、一問質問をさせていだたきたいと思います。今回の議会で補正予算が上がっていたこともありまして、この際、九州陶磁文化館のリニューアルについてという視点でお尋ねをしていきたいと思います。  さて、この九州陶磁文化館は、昭和五十五年十一月に日本における磁器発祥の地である有田に開館をした、当時では大変画期的と言える国際的な陶磁専門の文化施設であって、肥前の陶磁器をはじめ、九州各地の陶磁器のほか、海を渡りヨーロッパで重用された磁器を集めた蒲原コレクション、有田焼の歴史的な変遷とその価値を伝える柴田夫妻コレクション、炭鉱王として知られた唐津の高取家が収集した高取家コレクションなど、我が国を代表する陶磁器の名品を多く収蔵しております。また、約三万点の所蔵があると聞いてますが、そのうちの九割が寄贈されているというところも特徴ではないかと思います。  また、本施設は、歴史的、美術的に優れた陶磁器や陶磁文化を多くの方々に紹介していて、佐賀県だけではなくて、九州全体の陶磁器専門の施設として、また、陶芸を通じた国際的な文化交流の窓口として佐賀県が誇るべき施設であるというふうに認識をしております。  ただその一方で、施設の来館者数について事前にデータをいただいたんですが、新型コロナウイルス感染症の影響がある前の三年間、平成二十九年から令和元年までを比較してみました。県立博物館、県立美術館、名護屋城博物館、佐賀城本丸歴史館、宇宙科学館、あと吉野ヶ里歴史公園の展示室の入館者数等を比較してみましたが、九州陶磁文化館に関しては、平成二十九年から令和元年まで平均で約四万六千人ということでした。例えば、子供たちに人気がある宇宙科学館に関しては、この三年間の平均が約二十六万九千人ということになってまして、今、御紹介をした施設の中でも、この九州陶磁文化館は来館者数が少ないということで、もちろん、機能や役割に違いがあるので、単純に比較はできないということは理解してます。  私も、今回の質問に当たって改めて九州陶磁文化館に行かせてもらったんですが、この館の持つ魅力を十分に伝えられてないのではないか。また、そのポテンシャルが集客にも生かされてないんじゃないかというような感覚を持っております。理想的には、焼き物に興味がない人も、ぶらっと来場して、よかったよねと思ってもらえるような施設になってもらえればなというふうにも思っております。  九月の常任委員会の際にも紹介をさせていただきましたが、二〇一七年に文化芸術振興基本法が文化芸術基本法に改正されました。文化芸術を行う人々の自主的な活動を基本としながらも、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業まで、文化芸術によって生み出される様々な価値を文化芸術のさらなる継承、発展や創造につなげていこうというようなことが明記されております。恐らくこういったものは、今、八谷先生が言われたような文化財保護法の趣旨等とも通じるものが非常に多くあるのではないかと思っております。  また、この法律は、改正前までは文化芸術を振興するためのものでしたが、文化芸術の本質的な価値はそのままに、変わりゆく社会領域と連携させていきましょうというような文化政策の大きな流れの中で、その動きに合わせた法律の改正となっているというふうにも認識をしています。  また、このような時代の大きな流れも受けて、九州陶磁文化館においても、アフターコロナを見据えて文化観光の視点を持って、このコンテンツの磨き上げを行って、地域に観光客を呼び込む観光拠点としての役割もぜひ果たしてほしいと考えております。  今日もお話のあったデスティネーションキャンペーンの機会、また、長崎にいかに人が流れないように、いかに差別化をするのかということも大事です。これはもう昔の話ですが、かつてこの九州陶磁文化館は教育委員会の所管だったんですけれども、今はもう文化・スポーツ交流局の所管となっていて、かつては陶芸文化や教育に寄与しましょうという目的だったのが、今は観光や文化にも寄与していきましょうということが明確になっております。  県も、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた先の海外からの観光客の来訪を見据えて、海外からの来館者にも有田焼のすばらしさが伝わるように、解説の多言語化や展示のリニューアルに取り組まれていると聞いておりまして、今も改修が進んでいるところであります。このリニューアルをきっかけに、県民が誇れる佐賀の文化を県の内外に発信して多くの方に足を運んでいただけるようになっていただきたいと期待をしているところでもあります。  そこで、質問に入っていきたいと思います。  まず、この九州陶磁文化館の現状の認識についてお尋ねをします。  この九州陶磁文化館に期待されている役割や来場者数などの課題をどのように認識をしているのでしょうか。 111 ◯水町文化課長=九州陶磁文化館の現状の認識についてお答えいたします。  九州陶磁文化館は、有田焼創業三百五十年を迎えた昭和四十一年に、地元有田町を中心に美術館設立の機運が高まったことを受けまして、昭和五十五年十一月に開館いたしました。以来、肥前の陶磁をはじめとして、各地域において独自の伝統を継承、発展させてきました九州の陶磁文化の調査研究や、必要な資料の収集・保存の中心的な役割を担ってまいりました。  陶磁専門の博物館としての信頼や高い評価と相まって、開館当初は八十二点だった収蔵品は、令和二年度末現在では、先ほど御紹介がありましたとおり約三万点に及びまして、多くの陶磁器ファンに楽しんでいただいているところでございます。  一方で、来館者は、他の焼き物専門の博物館施設と同様に、高齢の方や焼き物を好きな方が中心になっています。このため、近年の来館者数は、年間五万人前後と他の県立博物館施設と比べまして少ない状況でございます。このために、若い方をはじめ、新しいファン層の拡大につながることに取り組んでいく必要があると認識しているところでございます。  以上でございます。 112 ◯下田委員=ありがとうございます。昭和五十五年の開館ということで、当時の話は私も伺いましたけれども、当時は、造ってくれよということで寄附金も集まりながら誕生した経緯があるということで、特に有田の方々にとっては、非常な思い入れと、熱の強い施設であるというふうにも認識しているところです。  今、お話がありましたが、来館者を増やしていこうということなんですが、多くの方々に来館いただくために、今後、どのような取組を行っていこうというふうに考えているのかをお尋ねしたいと思います。 113 ◯水町文化課長=九州陶磁文化館の来館者を増やすための取組についてお答えいたします。  九州陶磁文化館は、焼き物専門の博物館施設であることから、どうしても焼き物を並べて見ていただく展示というものが中心になります。このため、来館者の主な層は、先ほど申し上げましたとおり、高齢の方や焼き物好きな方となっています。
     こういったことから、焼き物を見せる展示だけでなく、有田焼創業四百年事業におきましては、実際に焼き物を手に取ったり触っていただいたりして、焼き物の魅力を体感していただく取組を行いました。また、令和元年には東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムをデザインされました野老(ところ)朝雄氏とのコラボレーションによりますアート性の高い展覧会「有田×野老展」を開催したところでございます。  このような取組を通じまして、従来の焼き物好きな方や九陶ファンの方だけでなく、ファン層の拡大を目指しているところでございます。  また、今後のコロナ収束後のインバウンドの拡大を見据えまして、文化観光の視点から、昨年度から特に有田焼に関心の高い欧米系のファン層をメインターゲットにしました九州陶磁文化館グローバル化推進事業によりまして、展示のリニューアルに取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 114 ◯下田委員=四百年事業は、たしか二〇一六年ぐらいだったと思いますが、アート性の高い展覧会ということで、陶磁器の域を超えたところでいろいろな取組をされていらっしゃるというふうに認識しています。また、インバウンドを見込んだグローバル化推進事業ですね、これは多分当初予算の話になると思うんですけれども、そういったことで進んでいるということでした。  次の質問ですが、グローバル化推進事業に当たって、今、第四展示室が改修されているということですが、今、リニューアルを行っておりますが、このリニューアルの内容についてお尋ねをしていきたいと思います。  まず、このリニューアルの目的について、どのような目的でリニューアルを行うのかをお尋ねしたいと思います。 115 ◯水町文化課長=リニューアルの目的についてお答えいたします。  今回の九州陶磁文化館のリニューアルは、有田焼をはじめとしました本県の豊かな焼き物文化の魅力と価値を国内外へグローバルに発信していく拠点となることを目的としております。  来年十月に始まります「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」や新型コロナウイルス感染症収束後の海外からの来訪拡大を見据えまして、開館以来四十年以上更新していない常設展示を、より魅力あるものにリニューアルいたしまして、本事業が観光客への大きな呼び水となるよう取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 116 ◯下田委員=ありがとうございます。今、四十年以上改修してないというか、変更してないところを今改修に当たっているということで、何の雑誌か忘れましたけど、佐賀県のやつでもあってましたよね、こういった形で改修していきますということが載っていたのを覚えています。  これ本当、ある意味すごいなと思うのが、展示物が開館した四十年前のものが今でも使われているというのが、私も現地で学芸員の方からお話を伺いましたが、要は、四十年前の時点で、有田焼とはこれなんだというようなものが、ほぼほぼ完成されていて手を入れる余地がないと、恐らくそういったことだったんじゃないかというふうに思います。  今回、そういったものにあえて手を入れて、デスティネーションキャンペーンとか海外からのインバウンドの皆さんも含めて変更していこうというふうな形になったと。これはかなり思い切った対策ではないかと思いますが、このリニューアルの内容について、展示内容がどのように変わっていくのかということについてお尋ねをしたいと思います。 117 ◯水町文化課長=今回のリニューアルの内容についてお答えいたします。  リニューアルの内容は、具体的には初めて訪れていただいた方や焼き物に詳しくない方にも、有田焼の魅力ですとか、有田焼の誕生から技術の向上、海を渡ってヨーロッパで愛され、そして、今も、これからも、私たちの生活文化を支えていくという有田焼の歴史を壮大なストーリーとして分かりやすく伝え、体感することができる展示を考えております。  さらに、部屋ごとに雰囲気を変えまして、伝えたいことが伝わるような展示を考えておりまして、御来館いただいた方には満足いただけるものになると考えているところでございます。  さらに、英語解説は単なる日本語の直訳ではなく、外国の方にとって分かりやすい表現とするとともに、館内の案内サインの整備など、外国の方の視点を意識した来館者の利便性の向上も図ることとしております。  以上でございます。 118 ◯下田委員=すみません。これ、いつ頃完成するんでしたっけ、もう一回お願いしていいですか。 119 ◯水町文化課長=リニューアルの完成時期でございますが、現在、改修作業を行っておりまして、来年、令和四年四月にリニューアルオープンを予定したスケジュールでございます。  以上です。 120 ◯下田委員=じゃ、ぜひ来年の四月には、そういったものを楽しみにしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  現在の状況と今後のスケジュールについてお尋ねしたいと思うんですが、現在の進捗状況、そして、今の質問とかぶっちゃうかもしれないですけど、今後のスケジュールについてお尋ねしたいと思います。 121 ◯水町文化課長=リニューアルの現在の状況と今後のスケジュールについてお答えいたします。  令和三年四月に佐賀県立九州陶磁文化館グローバル化推進事業として業務委託を公募いたしました。現在は対象の展示室を閉鎖いたしまして作業を行っているところございます。今年度末には改修作業を完了いたしまして、来年四月にリニューアルオープンを予定しているというスケジュールで準備を現在進めているところでございます。  今回は、建物の構造に大きく手を入れるものではございませんが、一部屋のデザインを一変いたしまして、巡る楽しさと次の展示への高揚感を演出するような仕掛けとなりますよう、現在、東京大学総合研究博物館特任教授であり、展示プロデュースの第一人者であります洪恒夫氏のアドバイスを受けながら進めているところでございます。  以上です。 122 ◯下田委員=ありがとうございます。来年の四月ですね。今までお話をいただいたとおり、デスティネーションキャンペーンやインバウンドも当然視野に入れた中での改修だと思いますので、こちら、ぜひお願いしたいと思っております。  そして、(四)でリニューアルに合わせて開催される企画展の内容についてということで、これが今回の補正に入っている九州陶磁文化館特別企画展等開催費、これ六百五十二万六千円ですけれども、これも当然連動しているものだと思いますが、今、お話をいただいたリニューアルをきっかけに、多くの方々に足を運んでもらうために企画をしているものだというふうに認識しております。  その内容についてお尋ねしたいと思います。 123 ◯水町文化課長=リニューアルに合わせて開催いたします企画展の内容についてお答えいたします。  来年四月の常設展示リニューアルに合わせまして、有田焼の魅力をより効果的に発信し、より多くの方に御来館いただくために、特別企画展「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」を開催したいと考え、本議会に開催予算を御提案しているところでございます。  お願いしている予算といたしましては、今年度に六百五十二万六千円、それから来年度に債務負担行為として一千五百二十二万七千円、合わせまして二千百七十五万三千円の予算をお願いしているところでございます。  本企画展は、オーストリア、ウィーン郊外の古城、ロースドルフ城に伝わります古伊万里を中心とした海外未公開の陶磁器コレクションを紹介するものでございます。  第二次世界大戦の戦禍に巻き込まれて破壊されながらも、今日まで大切に保存され、伝えられてきました陶磁器コレクションの数奇なストーリーと戦争の悲惨さを紹介する内容を予定しております。  単なる有田焼の展示ではない、壊された器というこれまでとは異なった切り口で有田焼を見せることで、初めて九州陶磁文化館に足を運ぶ方にも楽しんでいただき、新しいファン層の拡大につなげ、有田焼をはじめとする本県の焼き物に関心を持っていただくきっかけとしたいと考えているところでございます。  以上です。 124 ◯下田委員=ありがとうございました。私も、改めて九州陶磁文化館で、どんなイベントなんですかということを聞かせてもらって、資料もいろいろ見せてもらいました。まあ、すごいですね。今、ばらばらになった破片を復元する技術が日本にあると。こんな形でぼろぼろの破片が皿になっちゃって、あれを書類で見ただけでびっくりするので、生で見たらどんな感覚なんだろうというのは、すごい楽しみな、わくわくする思いがありました。そういったイベントが佐賀で、九州初ということだったので、かなり注目を集めると思いますので、とても期待をしております。  局長にお話をお伺いしたいんですが、今、課長からお話を伺いました。九州陶磁文化館は様々な活動をやっていくということで、いろんな人に足を運んでいただきたいということもお伺いしました。  一つ、今のお話は、あくまで九州陶磁文化館に限定したお話だったので、そういうお話だったと思うんですが、例えば、宇宙科学館とかであれば、宇宙科学館はもちろん、私も家族で行って楽しいんですが、周辺施設で遊べるという魅力も一つあったりして、地域資源といかに連動しながら遊べるか。吉野ヶ里歴史公園も、展示室はぶらっと入ったりしますけど、やっぱり周りで遊ぶのが楽しかったりして、そういった仕掛けづくりというのも、人が足を運びたくなる一つの要因となるんじゃないかなと考えております。  そういった視点も踏まえて、九州陶磁文化館の現状の課題とか今後の展望、また、デスティネーションキャンペーンで期待される役割とか、もっと言うと、九州陶磁文化館にかける思いといいますか、文化・スポーツ交流局でいうと、今、スポーツをどんどんやってますけど、次は必ず文化が来るんじゃないかなと、文化をやってほしいなという思いが私はありまして、そういった面も含めて局長の御所見をお伺いしたいと思います。 125 ◯田中文化・スポーツ交流局長=九州陶磁文化館の今後の課題に合わせて、文化施設等の役割についてどう思うかというお尋ねだと思います。  九州陶磁文化館は、今日、課長からいろいろ説明いたしましたように、肥前の陶磁器をはじめ、九州の陶磁文化に関しては、世界に誇れる調査研究とか保存の中心的な役割を果たしてきているような、それぐらいのレベルの研究機関であるだろうと考えています。  一昨年、実を言うと、ICCROMといってユネスコの一機関でありますが、文化財の保存、修復のことを担っているような機関がありまして、ずっとローマでICCROMの活動をやっていたんですけど、初めて有田で行われました。そのときに佐賀大学の有田キャンパスと九州陶磁文化館が舞台となって、二週間ぐらい、世界から二十名ぐらいの研究者が来て、焼き物を通じた文化財の保存研究について、いろいろなテーマで議論されたということがありました。  それぐらいにやはり九州陶磁文化館がある意味で認知されているということを、逆に改めて認識したということでございました。中でもうちにおられます、文化財の流れの研究者の大橋特別顧問とか今の鈴田館長さんは、世界に名立たる有田焼の研究者でございますので、そのお二人があそこにいるというのがすごく大事な部分で、彼らがあそこにいて、しかも、九州陶磁文化館という形の研究機関、ある意味で博物館があってというのが、やはり有田の町にとってもすごく大事な機能を果たしているんじゃないかと考えています。  その中で、文化施設でありながら、今後どうもっていくかというときに、先ほど下田委員が言われたみたいに、四百年続いている有田焼の産地として有田の町とどうつながっていくのかということが大事だと思っています。私、一般質問の中でも答えましたように、唐津は一級の観光地だと虹の松原の質問のときにもお答えしましたが、僕の中では、それと同じぐらい、有田というのが、オーストラリア、アメリカ、イギリスという欧米系の人たちにとってはすごく魅力的な観光地であるだろうと思っています。  そういう意味で、インバウンドが再開したら、欧米向けにどう有田の町を磨いて発信できるかというのが課題だと思っています。それに合わせて、今回、デスティネーションキャンペーンでは長崎と佐賀ということですので、焼き物文化というところでもつながっておりますので、どう佐賀の魅力を、先ほどの八谷委員の質問にもつながりますけど、陶芸有田ということで、長崎と違う有田の魅力をどう発信していくかということはすごく大事なことだと思っています。  今回、リニューアルするに当たって、今、課長からいろいろ説明しましたように、今まではやはり資料館として、物を並べる、パネルを展示するということに軸足があった展示を、まさに言われましたように、四十年間変えずに完成した展示をやってたんですけど、今回チャレンジしようと思いまして、維新博の経験を生かして、物を並べるだけじゃなくて、どうすれば本当の有田のすごさを伝えられるかという観点で今回展示の見直しをやっているということで、維新博をある意味でアドバイスしていただいた洪先生の力を借りて、まさに今言ったみたいに、一部屋、一部屋を巡ることによって有田焼のすごさを体感できるような空間を今創ろうとしているところでございまして、ぜひ楽しみにしていただきたいなと思っております。  そういう新しいチャレンジを上手にというか、特に福岡を中心とした都市圏向けに発信することによって、国内はもとより、国内外のお客様たちに、ある意味で行ってみたくなるような館になればいいなと思っております。まさしくそれが今後の佐賀の観光にもつながっていくと考えておりまして、まさに文化観光、スポーツ観光に軸足を置きながらやっていくことが大事かなと思っています。  最後に、スポーツの後は文化じゃないかというありがたいお言葉がありました。今、スポーツ施設を一生懸命やってまして、アリーナも再来年の春にはオープンいたします。スポーツについては、かなりレベルの高いスポーツ施設が佐賀駅の北のほうにできると思います。文化施設も、今後、こういう形で、一つ一つできることから課題解決しながらやっていくことによって、文化観光、文化財観光につなげていけると思っておりまして、着実に計画的に、皆様に御相談しながら、リニューアルも含めて進めていければなと思っていますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。  以上でございます。 126 ◯下田委員=ありがとうございます。すみません。今回は原田議員の地元の有田の話をさせていただいたところなんですけれども、ぜひとも有田を中心に、また新しい魅力を発信していただけることを切に願っております。  また、佐賀県の東部は、やはり文化というと吉野ヶ里歴史公園が中心になっていくのかもしれませんけれども、基山には基肄城、そして、私の地元の鳥栖には勝尾城とか立派なお城があったりもしますので、そっちのほうにも目を向けていただきながら、佐賀県全体で文化が発展できるように、私自身もいろいろ質問させていただきたいと思い、この質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 127 ◯向門委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩します。     午後二時九分 休憩     午後二時十分 開議 128 ◯向門委員長=委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。     ○ 採      決 129 ◯向門委員長=まず、甲第五十七号議案中本委員会関係分、甲第六十号議案、乙第七十九号議案、乙第八十三号議案及び乙第八十四号議案、以上五件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 130 ◯向門委員長=全員起立と認めます。よって、以上五件の議案は原案のとおり可決されました。  次に、乙第八十五号議案を採決いたします。  これは、県有財産の取得の専決処分について議会の承認を認める議案であります。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 131 ◯向門委員長=全員起立と認めます。よって、乙第八十五号議案は承認されました。     ○ 継 続 審 査 132 ◯向門委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の 一、地域交流行政について 一、文化・スポーツ交流行政について 一、県土整備行政について 一、災害対策について  以上四件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 133 ◯向門委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の四件についての継続審査を議長に申し出ることにします。  以上で本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  なお、本日の委員会での質疑応答について、数字または字句の誤り、及び不適切な表現などがありました場合は、適宜、委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願っておきます。  これをもちまして地域交流・県土整備常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後二時十二分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...