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平成30年佐賀空港・新幹線問題等特別委員会 本文 開催日:2018年03月16日
平成30年佐賀空港・新幹線問題等特別委員会 名簿 開催日:2018年03月16日

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  1. 佐賀県議会 2018-03-16
    平成30年佐賀空港・新幹線問題等特別委員会 本文 開催日:2018年03月16日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時一分 開会 ◯竹内委員長=ただいまから佐賀空港・新幹線問題等特別委員会を開催いたします。     ○ 議 席 指 定 2 ◯竹内委員長=本日の委員会の参考人招致の際の議席は、会議規則第四条第一項の規定を準用し、委員長において指定いたします。  議席は、ただいま御着席の議席を指定いたします。     ○ 会議録署名者指名 3 ◯竹内委員長会議録署名者として、石井秀夫委員留守茂幸委員江口善紀委員武藤明美委員、以上の四人を指名いたします。  自衛隊等による佐賀空港使用に関する諸問題の調査に関する件を議題といたします。  本日の委員会は、別紙日程のとおり、防衛省関係者参考人招致を行います。     ○ 参考人の出席について 4 ◯竹内委員長=最初に、参考人の出席についてお諮りいたします。  自衛隊等による佐賀空港使用に関する諸問題の調査に関する件について、防衛省、小波功氏、同石川武氏、同宮原賢治氏、同日向弘基氏、同安居院公仁氏、同中尾国保氏、同村上賢治氏、九州防衛局、三貝哲氏、同岩田和昭氏、以上九名の方々を参考人として、防衛省、平尾和久氏、同岡田一将氏、同堀江雅司氏、同松川雄一氏、同出崎修身氏、同山田雅彦氏、同小丸隆宏氏、同前渕啓介氏、九州防衛局、原田道明氏、以上九名の方を補助者として本委員会に出席を求め、別紙日程のとおり、お手元に配付しています事項について意見を聞きたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 5 ◯竹内委員長=御異議ないものと認めます。よって、このように決定し、その旨、議長に申し出ることにいたします。  暫時休憩いたします。準備が整い次第、委員会を再開しますので、そのまましばらくお待ちください。     午前十時三分 休憩     午前十時五分 開議 6 ◯竹内委員長=委員会を再開します。  それでは、お手元の日程に従いまして参考人から意見を聞くことにいたします。
     参考人として防衛省小波功氏外八名の方、及び補助者として九名の方が入室いたします。     〔参考人入場〕 7 ◯竹内委員長=それでは、出席の参考人の方々を御紹介いたします。  防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官、小波功氏です。 8 ◯小波防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官=よろしくお願いします。 9 ◯竹内委員長防衛省防衛装備庁プロジェクト管理部長、石川武氏です。 10 ◯石川防衛省防衛装備庁プロジェクト管理部長=よろしくお願いします。 11 ◯竹内委員長防衛省大臣官房訟務管理官、宮原賢治氏です。 12 ◯宮原防衛省大臣官房訟務管理官=よろしくお願いいたします。 13 ◯竹内委員長防衛省防衛政策局訓練課長日向弘基氏です。 14 ◯日向防衛省防衛政策局訓練課長=よろしくお願いいたします。 15 ◯竹内委員長防衛省整備計画局防衛計画課防衛力整備計画官安居院公仁氏です。 16 ◯安居院防衛省整備計画局防衛計画課防衛力整備計画官=安居院でございます。よろしくお願いします。 17 ◯竹内委員長防衛省陸上幕僚監部航空機課長、中尾国保氏です。 18 ◯中尾防衛省陸上幕僚監部航空機課長=よろしくお願いします。 19 ◯竹内委員長防衛省陸上幕僚監部防衛課防衛調整官、村上賢治氏です。 20 ◯村上防衛省陸上幕僚監部防衛課防衛調整官=よろしくお願いします。 21 ◯竹内委員長九州防衛局局長、三貝哲氏です。 22 ◯三貝九州防衛局局長=よろしくお願いいたします。 23 ◯竹内委員長=同九州防衛局企画部長、岩田和昭氏です。 24 ◯岩田九州防衛局企画部長=よろしくお願いします。 25 ◯竹内委員長=外補助者の方々です。  小波参考人外の参考人、補助者の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は御多忙中にもかかわらず、本委員会のために御出席いただき、まことにありがとうございます。  本日、参考人の方々には、陸上自衛隊目達原駐屯地所属第三対戦車ヘリコプター隊AH64D墜落事故等について説明をお願いし、その後、委員からの質疑にお答えいただきますようお願いいたします。  なお、参考人は、意見を述べられる際は着席のままで結構です。  それでは、よろしくお願いいたします。 26 ◯石川参考人=おはようございます。防衛省防衛装備庁プロジェクト管理部長の石川でございます。  まず、私から二月五日に発生いたしました目達原駐屯地に所在する第三対戦車ヘリコプター隊AH64Dの墜落事故の概要につきまして、御説明をさせていただきます。  冒頭一言申し上げさせていただきます。  今回の事故は、国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたものであり、極めて遺憾であります。防衛省を代表して改めて心よりお詫び申し上げるとともに、この一カ月余り不安と不自由を余儀なくされている被害者の皆様にお見舞いを申し上げます。  私どもも昨日、墜落現場の付近を見させていただきましたが、あのような住宅地への墜落事故は、一歩間違えばさらなる大惨事となりかねなかったことを改めて痛感したところでございます。  このようなことを二度と繰り返さないよう、防衛省におきましては現在陸上自衛隊に設置している航空事故調査委員会において、民間の有識者にも御参加をいただいて、事故原因等の調査分析を行っているところでございます。地域の方々からの信頼を回復するためにも安全の確保が最優先の課題であり、あらゆる知見を活用して徹底した原因究明に全力を挙げてまいります。  それでは、恐縮でございますが座らせていただきまして、今回の事故について御説明をさせていただきます。  お手元の「陸上自衛隊目達原駐屯地所属ヘリAH─64Dの墜落事故について」というA4横の資料でございますが、この資料をごらんください。     〔資料を299頁から301頁に掲載〕 27 ◯石川参考人=まず本件は、二月五日十六時四十三分ごろ、陸上自衛隊目達原駐屯地所属戦闘ヘリコプターAH64Dが定期整備後の試験飛行中に目達原駐屯地南西約六キロの地点に墜落したものでございます。目達原駐屯地の管制塔にいた隊員によりますと、事故機は東から西に飛行中、機首から落下したとのことでございます。  なお、目達原駐屯地に所在する主要部隊は、平成二十九年度末時点で第四師団隷下部隊として、第四飛行隊約八十名、西部方面隊隷下部隊として南西方面ヘリコプター隊約百七十名、(286頁で訂正)第三対戦車ヘリコプター隊約二百名、西部方面後方支援隊約二百七十名、陸上自衛隊九州補給処(本処)約四百九十名等であり、駐屯地所在人員は合計約一千二百九十名でございます。  また、目達原駐屯地に所在する航空機は、観測ヘリコプターOH1、OH6D、多用途ヘリコプターUH1J、UH60J、対戦車ヘリコプターAH1S、戦闘ヘリコプターAH64Dの計約五十機であり、事故を起こしたAH64Dは第三対戦車ヘリコプター隊に所属しております。  事故機の墜落により、建物三棟に火災が発生し、お子さま一名が軽傷を負われております。また、墜落地点、近隣の建物八件に被害等を確認しております。事故機の搭乗員、齊藤一佐及び高山曹長はいずれも殉職をしております。  事故後の対応状況ですが、事故後、直ちに小野寺防衛大臣から情報収集を徹底し、状況把握に努めること。被害者の有無を確認し、救助等の対応に全力を挙げることの二点につきまして指示がございました。安倍総理大臣からも早急な被害状況の確認及び迅速な人命救助、救出、周辺住民の安全確保の徹底、国民への迅速な情報提供の三点につきまして指示があったところでございます。  また、小野寺防衛大臣からは、自衛隊が保有する全てのヘリコプターの徹底的な整備点検を確実に実施するよう指示がありました。この点検については既に終了しており、全てのヘリコプターについて異常がないことを確認しております。また、事故を起こしたヘリコプターの同型機、AH64Dでございますけれども、この飛行停止、それから徹底的な原因究明についても小野寺防衛大臣から指示がございました。  さらに、防衛省からは大野防衛大臣政務官が、事故が発生した当日のうちに佐賀県を訪問し、被害に遭われた方へお詫びするとともに、副島副知事を初め、地元自治体等への情報提供や謝罪を行い、また現地における対応の指揮をとったところでございます。  その後の捜査により、フライトデータレコーダー、全てのブレード、これは四点でございます。メインローターヘッドを初め、事故機の大部分の部品は回収しております。放射性物質を用いた部品四点も二月八日までに全て回収しており、回収後、現場の放射線量を測定し、周辺地域の線量と同等で問題がないことを確認しております。  二月十日及び十一日には小野寺防衛大臣が佐賀県を訪問し、被害に遭われた方々や石倉議長、山口知事を初めとする関係者に面会し、謝罪をしております。  飛散した部品については、二月十日から一日約千人体制で飛行経路上の捜索を実施しておりましたが、大部分の部品が回収されたことから、十六日に飛行経路上の捜索を終了したところでございます。  また、二月二十二日には目達原駐屯地において、AH64D以外の機種のヘリコプターについては、飛行を再開しております。  続きまして、事故調査の状況につきまして御説明をさせていただきます。  お手元の「陸上自衛隊目達原駐屯地所属ヘリAH─64Dの墜落事故に係る事故調査への民間有識者の参加について」というA4横の資料でございます。これをごらんください。  本件事故につきましては、陸上自衛隊に設置している航空事故調査委員会におきまして、事故原因の調査、分析が進められているところでございます。  この航空事故調査委員会は、陸上幕僚副長を委員長として、人事、教育、運用、訓練、装備、指揮通信システム、衛生といった陸上自衛隊におけるさまざまな専門的な知見を有する者から構成されております。また、防衛装備長からも航空機に関する専門的な知見を有する技官二名が参加しております。  これらの者に加えまして、今回の事故が住民の方々の安全を脅かし多大な被害を生じさせたことを踏まえ、幅広い観点から事故原因等を検討、分析するため、民間の有識者である後藤昇弘氏、それから板東舜一氏のお二人に航空事故調査委員会特別評価委員として参加していただくこととしております。  後藤氏は、国土交通省運輸安全委員会の委員長として数多くの航空事故調査をリードされてきた方であり、また、板東氏は長年にわたりヘリコプターの研究や設計に携わってこられた我が国屈指の専門家と聞いております。いずれも航空機分野において豊富な経験と知見をお持ちであり、多大な被害を生じさせた今回の事故の原因究明に参加していただくには最適な方々であるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、地域の方々からの信頼を維持するためにも安全の確保は最優先の課題であり、あらゆる知見を活用して徹底した原因究明に全力を挙げていきたいと考えております。  最後に、二月二十三日、石倉県議会議長から小野寺大臣にお渡しいただいた「陸上自衛隊目達原駐屯地所属第三対戦車ヘリコプター隊AH─64D墜落事故に関する意見書」について御説明をさせていただきます。  この意見書には、佐賀県議会からの四つの要望事項が記載されております。これらへの対応の状況等につきまして御説明をさせていただきます。  まず一点目として、「被害者や地域住民等に対する心と体のケアを十分に行うこと」という御要請をいただきました。御要請のとおり、防衛省としても、今回の事故は地元住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたものであり、被害に遭われた方々を含め、近隣住民の方々への心のケアは重要な課題であると認識しております。  これまで佐賀県が神埼市と連携しながら県教育委員会スクールカウンセラーを現場周辺の学校へ派遣し、状況の確認や必要に応じた個別カウンセリングの実施といった取り組みを行うとともに、神埼市においても近隣の住民の方々を対象として保健師の方が個別訪問を行い、具体的な状況を確認するとともに、必要に応じ医療機関を含めた関係機関を紹介する等の取り組みを実施していただいているものと承知しております。  防衛省としても、被害者の方々のためのケアチームを駐屯地のもとに設置して支援に全力を挙げるとともに、関係者と緊密に情報共有、連携を行うことで、近隣住民の方々の状況をしっかりと把握し、個々の状況に即した誠心誠意の対応を行ってまいりたいと考えております。  次に、「周辺を含めた家屋・農地等の被害に対する補償を適切に行うこと」との御要請についてでございます。  この御要請につきましては、墜落による火災の被害に遭われた方々に加え、屋根の損傷といった八件の近隣の建物への被害等につきましても速やかに補償をさせていただくよう調整を行っているところであり、引き続き誠心誠意対応してまいります。  次に、「事故原因を徹底的に究明するとともに、安全管理と再発防止策を図ること」との御要請についてでございます。  この御要請につきましては、先ほども御説明させていただきましたが、現在陸上自衛隊に設置している航空事故調査委員会におきまして、事故原因の調査、分析を進めております。  今回の事故は、国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたものでありますが、安全の確保は最優先の課題であり、民間の有識者の方の専門的、技術的な知見も取り入れ、徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げてまいりたいと考えております。  最後に、「自治体や県民等への迅速な情報提供体制の確立と丁寧な説明を実施すること」との御要請についてでございます。  この御要請につきましては、関係自治体に対して平素から適時適切に情報提供を行い、緊密な連携を心がけているところでございますが、一部の自治体の皆様に対して今般の事故の連絡におくれが生じたとの御指摘につきましては、深く反省しているところでございます。  今後も、自衛隊や県民の皆様への迅速的確な情報提供を行えるよう最大限努力してまいります。  防衛省としては、地域の方々からの信頼を取り戻すためにも安全の確保が最優先の課題と考えており、引き続き、あらゆる知見を活用して徹底した原因究明や再発防止に全力を挙げていきたいと考えております。  以上、駆け足になりましたが、陸上自衛隊AH64Dの墜落事故についての説明を終わらせていただきます。 28 ◯竹内委員長=ありがとうございました。以上で石川参考人の意見陳述は終わりました。  次に、ただいまの陳述に対し、質疑を行います。質問のある方は挙手をお願いし、こちらから指名の後、自席から質問してください。  質問内容は、理事会で確認したとおり、陸上自衛隊目達原駐屯地所属第三対戦車ヘリコプター隊AH64D墜落事故等について行っていただき、多くの方が質疑していただけますよう簡潔明瞭にお願いいたします。  参考人におかれましては、発言の際、挙手にて委員長の許可を得て、起立の上お願いいたします。  また、参考人の方は、委員に対し質疑をすることはできないことになっております。  さらに、補助者は参考人からの意見を求められた場合に、参考人に対し助言を行い、委員に対して発言はできませんので御了承ください。  また、質問時間はおおむね午前中をめどといたしますので、よろしくお願いいたします。  それでは、質問のある方は挙手をお願いいたします。 29 ◯八谷委員=おはようございます。私は、墜落事故がありました神埼市及び神埼郡選出の八谷と申します。自民党会派所属でございます。  今回、本当に起こってはならない、あってはならない事故が発生をいたしました。まずは、被災された御家族、そして地域の方々にお見舞いを申し上げますとともに、職に殉ぜられました目達原駐屯地の隊員お二人、そして、その御家族に心からお悔やみを申し上げます。  神埼・吉野ヶ里地区には、陸上自衛隊目達原駐屯地とともに航空自衛隊脊振山分屯基地がございます。それぞれ昼夜分かたず国土防衛に携わっておられることには、まずは感謝を申し上げますが、特に目達原駐屯地につきましては、ヘリの飛来のときにさまざまな騒音の問題なり、あるいは飛行中、着陸角度の低さがあったりとかいった不安をかねがね持っておられました。  そういうときにあってはならない事故が起こったわけでございますけれども、まずは今、「徹底したケアチームにより、誠心誠意対応します」とおっしゃいました地域、被災者への対応のことでございますけれども、現在、跡地は見られたということでございますが、御家族並びに地域の方々は今落ちつかれているのかどうか、それをまずお尋ねいたしたいと思います。 30 ◯石川参考人=被害者や地域住民の方々への心のケアや御支援ということにつきまして、あと落ちつかれているかということにつきましての御質問だというふうにお聞きをいたしました。  防衛省としましては、佐賀県及び神埼市などの地元の協力を得ながら、被害者や地域住民への心のケアや生活再建への支援を実施させていただいているところでございます。  佐賀県におきましては、神埼市と連携しながら、県教育委員会スクールカウンセラーを現場周辺の学校へと派遣し、状況の確認や必要に応じた個別カウンセリングの実施といった取り組みを行っていただいているものと聞いております。  それから、神埼市におきましては、近隣住民の方々を対象として保健師の方が個別訪問を行い、具体的な状況を確認するとともに、必要に応じ、医療機関を含めた関係機関を紹介するなどの取り組みを行っていただいているものと聞いております。  それから、一方、防衛省におきましても、九州補給処ケアチームというものを設置いたしまして、これを中心に専属の対応窓口を設置して対応させていただいているところでございます。  このケアチームを通じて、被害に遭われた方々への賠償業務及び生活の再建支援を実施しておるところでございます。  これらの支援を行っておりまして、現在、私どもが聞いているところでは、被害者の方々、それから、地元の方々も落ちつきを取り戻しておられるというふうに我々としては伺っておるところでございます。 31 ◯八谷委員=被災された御家族は一瞬にして全てをなくされたわけでございますので、一日も早いそういった復興とともに、ちょうどこの時期は農業者にとりましては大麦の手入れの時期でございまして、その時期が、いわゆる調査のために隊員の方が入られて、そういったおくれもございますので、今後もさらに被災者ともども地域の方々へもしっかりとした対応をお願いしたいと思います。  今回の事故で、何回も地元のほうに入りました。そういう中で、役員の方々、学校関係者幼稚園関係者の方々が口々に言われたことは、こういう平穏な農村地帯にいきなりこういう事故があって、たくさんのマスコミの方が見えられた。そして、その訪問時間が遅くなったことへのいろんないら立ちもあったようでございますが、その中で一番強烈に言われたのは、ヘリの事故なのに何でヘリを飛ばすんだという電話を再三いただきまして、特に翌日の小学校の通学時間に低空飛行があったというようなことで、いろんな方が憤慨をされておりましたし、自衛隊機もその中にあったのか。  そして、私も八日の日にちょうど現場におりましたけれども、大型ヘリが福岡のほうから南西方向に飛んでいるのを目撃しましたが、ああいう事故のときにやっぱり飛ばなければならなかったのか、その点、どこの所属の部分か何もわかりませんけれども、翌日なりに飛んだ自衛隊のヘリ、そして、八日の日に飛んだヘリが本当に必要だったのかどうか、そこをお尋ねいたします。 32 ◯小波参考人=お答えいたします。  ただいまの委員から御指摘をいただきました二月八日の午前、こちらは私どもが確認いたしましたところ、航空自衛隊春日基地所属のCH47Jが人員の輸送のため、福岡空港と下甑島分屯基地の間を往復飛行したという事実が確認されております。  その際、先般の陸自ヘリAH64D墜落現場から数キロ離れた上空を飛行したものと承知しております。  また、翌日というお話もありましたけれども、幾つかの陸上自衛隊のヘリ等が同じく任務の飛行ということで、目達原駐屯地の周辺の飛行を実施したということが確認されております。  本件につきましては、委員から御指摘いただきましたように、事故現場で多くの被害者の方々がいらっしゃる中で、十分な配慮した飛行をするようにということで、小野寺防衛大臣からも今後このような飛行を行わないようにと指示があったところでございます。  これを受けまして、私どもとしては、今後こういうことのないように、再発防止とともに地元の方々、被害者も含めた皆様方との関係で問題のないような事後処理というか、そういうものをしていく必要があるというふうに反省をしているところでございます。  いずれにしましても、防衛省としては、今回の事故が国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたものとの認識のもと、引き続き住民の方々のお気持ちにも十分配慮して、より一層の安全確保に努めていきたいと考えているところでございます。  まことに申しわけございませんでした。 33 ◯八谷委員=教訓として、ぜひそういったことも意を用いていただきたいと思います。
     大型CH47ですか、あれは数キロと言われましたけど、ちょうど現場から見るとほぼ真上を通っているような感じでした。ただ、高度は非常に高い高度で飛んでおりましたけれども、非常に音に敏感になっているとき、そのヘリの機体を見るということは、なかなか住民の皆さんにとっては威圧を感じたような問題だろうと思います。  それから、教訓としてもう一つ、これは自衛隊の皆さんに言うべきかどうかわかりませんけれども、いわゆる弱者、例えば、目の前が幼稚園でございます。小学校は退校時間が大分済んでおりましたが、幼稚園がちょうどそれから退園時間になるところで、一斉に救急車両、民間の車が全部来たもんだから、退園できないという事態が発生しておりました。  そういうときに、誰かがちょっと一方通行の指示でもしてくれればスムーズに行けたんだけれども、御存じの方もあると思いますが、遠いところにセブンイレブンがあります。あそこに親御さんがとめて、子供さんを迎えに行ったけれども、あの雪のあの寒さの中をやっぱり連れて歩けないというようないろんな問題もあったようでございますので、そういった緊急事態のときの誘導の問題もひとつしっかりと、あってはならない事故ではありますけれども、そういったこともせんといかぬのかなというふうに思っております。  それで、これは事故とは直接関係ありませんけれども、かねがね目達原自衛隊の飛行場と、訓練地がどこの部分かわかりませんけれども、ちょうど事故が起きた上空の飛来があっておりまして、事故が起きなければいいなというような問題もありますが、今度、目達原駐屯地から佐賀空港への五十機の移駐の話があっておりますけど、これは全機移駐されるのか、それとも一部は目達原に残るのかどうか、わかりますでしょうか。 34 ◯小波参考人=まず、今御指摘いただきましたように、自衛隊機の飛行の安全確保は最優先の課題でございまして、防衛省としては、まずは今回のAH64Dの事故について徹底した原因究明、それから、再発防止に全力を挙げる必要があるものと認識しております。  その上で、今御指摘がありました自衛隊の佐賀空港配備に関しましては、現時点では、今回の事故を踏まえた対応を申し上げるような状況にはございません。  その上で、その上で御理解いただきまして申し上げますと、目達原駐屯地に所属する航空機約五十機及び関連する航空部隊は全て佐賀空港に移駐する予定で計画を立てているところでございますが、その具体的なタイミングとかについては現時点では未定でございます。  また、これらの部隊が移駐した場合、隊員も佐賀空港周辺に移駐することになるため、現時点で駐屯地の定員がある程度減少することは予想されておりますけれども、一方、九州補給処など後方支援機能を担う部隊は、引き続き目達原駐屯地に駐屯していくつもりでございます。  その上で、移駐後の目達原駐屯地のあり方や官舎等をどうするかについては、現時点ではまだ確定しておらず、今後の状況等を見据えながら検討していくべき課題だと考えているところでございます。 35 ◯八谷委員=全機、それから施設も含めて移駐ということになりますと、補給処機能が残る。その際に、いわゆる佐賀空港との輸送の飛行というのがあるんでしょうか。 36 ◯小波参考人=申しわけございません。この場合、今の繰り返しになりますけれども、移駐後の目達原駐屯地の飛行場の部分をどのようにしていくのか等々につきまして、まだ現時点で今後検討していく課題だと考えております。  また、今、防衛省全体としても大綱ですとか、中期防ですとか、今後の防衛政策について検討している段階でございますので、その中で検討されていくものだと考えております。 37 ◯八谷委員=それから、ちょっとこの事故そのものとはあれですが、やっぱり地元の問題として、目達原駐屯地から五十機と、それから、五百名の隊員が移駐されるということになりますと、吉野ヶ里町、地元にとって、周辺地域も含めて大きな人口減少というものになりますけれども、今、吉野ヶ里町及び神埼市、上峰町を含めて、周辺市町にお住まいの隊員の方がいらっしゃる。そういった方々が佐賀空港に移駐された場合には、通勤というのは可能なのかどうか、お尋ねをいたします。 38 ◯小波参考人=まず最初に、委員から御指摘いただきましたように、今回、結果的には事故を起こしましたけれども、目達原駐屯地自体の各部隊がそれぞれ地元と密着をして、まさに生活の場として機能しているということについて、地元からも多大な御支援をいただいていることに対して、まずお礼を申し上げたいと思います。  その上で、今、るる御指摘がありました点ですね。  まず、通勤等については、基本的には通勤可能な、もちろん職種の方々、それぞれ任務等にもよりますので、いわゆる緊急参集要員的な者として周辺近傍に義務づけられる者もおりますけれども、それ以外の者につきましては、通勤というのは概念的にはあり得ると思います。  ただ、いずれにいたしましても、現時点での今後の自衛隊の佐賀空港の利用と、それから、目達原駐屯地の残された部分のあり方については今後検討していく課題だと考えておりますが、今回のように陸上自衛隊を初め、各自衛隊で地元と今まで密着した形で生活の場として機能していたこと、それぞれの地域住民としてのあり方等も含めまして、今後ともしっかりと地元の方々とも調整をしながら、そういうことについて検討していくということは、目達原駐屯地に限らず、今後も陸上自衛隊を初め、陸海空それぞれ部隊改編等を行ってまいることは当然ございますけれども、その際にも、きちんとした地元との関係を重視しながら検討していくことでございます。  よろしくお願いいたします。 39 ◯八谷委員=まだなかなか決まっていない部分というのはあると思いますけれども、地元にとりましては決まってからでは遅いわけでありまして、こういった懸念、特に人口減少がいわゆるまちづくりに大きな大きな影響を与えますこの吉野ヶ里町にとりましては大変な問題でございますので、そういったことについてもそういう問題がたくさんあるということをお含み置きいただきたいと思います。  当初に申し上げました、地域の方、被災者含めまして、本当にショックを受けておられます。一日も早いケアをしていただいて平常に戻られることをお祈りをいたしますとともに、やはり今の事故原因の徹底した調査と言われました。本当に徹底した調査を行っていただいて、絶対に二度とこういう事故がないような取り組みをしっかりとお願いをして、私の質問を終わります。 40 ◯武藤委員=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。  まず初めに、今回の事故でお亡くなりになった自衛隊員の二名の方たち、心から御冥福をお祈りしたいと思います。同時に、被害に遭われた御家族の皆さんや周辺地元住民の方たちにお見舞いを申し上げたいと思っております。  今回の事故は、皆さんもおっしゃったように、あってはならない事故です。それが周辺があのように住宅が密集している中で制御不能になって落ちたんだろうというふうに思われますけれども、一歩間違えば、本当に大惨事になったということで、絶対にこんなことはあってはならないし、皆さん方も深く反省していただきたいということも改めて最初に申し上げておきたいと思っております。  二月五日が事故でしたけれども、翌日、私、二月六日とまた二月九日に現地を訪れました。そして、地域の方たちからもお話も伺いながら、まだ散乱している部品その他をこの目で見たところでございます。  先ほどの八谷委員もおっしゃったように、二月八日に福岡県の春日市の航空自衛隊のヘリが事故現場周辺を飛んだということで、周辺住民の人たちを初めとする神埼市民の多くの方たちがヘリの音にとても敏感になっている、子供さんたちも脅えているという中で、何で自衛隊のヘリがまた現場近くに飛ばなきゃいけないんだと、もう地域でグラウンドゴルフをされている方たちとかも、ああいう事故を起こしたのに、無神経なという思いで感じられたということを私の耳にも入ってまいりました。  改めてそれについて、皆さんたち、福岡のその航空自衛隊のほうにも厳しく対応していただいたのかどうなのか、そのこともまずお聞きしたいと思っております。 41 ◯小波参考人=まず、今、委員から御指摘いただきました二月八日午前に、航空自衛隊春日基地所属のCH47Jが人員の輸送のため、福岡空港と、あのとき、これは離島でございますので、ヘリ輸送にある程度依存せざるを得ないところはあるんですけれども、下甑島分屯基地との間を往復飛行いたしました。その際、先般のその陸上自衛隊AH64D墜落現場から約数キロ離れた上空を飛行したものと承知しております。  ただ、今、御指摘がございましたように、数キロ離れた上ではあったんですけれども、まさに爆音でありましたりとか、その姿等が住民の方々から御確認をされ、累次の御指摘をいただいたところでございます。  本件につきましては、事故現場で多くの被害者の方々がいらっしゃる中で十分配慮した飛行をするようにと、小野寺防衛大臣のほうからもこのような飛行を行わないように直接指示があったところでございます。当然、この指示は私どもがそれぞれの全国の、ここはもちろん当該部隊、まさに航空自衛隊春日基地だけではなくて、全国の部隊に対して指示を徹底させたところでございます。  いずれにいたしましても、防衛省としては今回の事故は国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が、結果として住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたものであるとの認識のもと、住民の方々のお気持ちにも十分配慮し、より一層安全確保に努めていくつもりでございます。  また、この中でも特に地域住民の方々の側から見て問題ある行動かどうかという視点から、今後自衛隊の行動を考えていく必要があるということを改めて認識し、徹底させたところでございます。 42 ◯武藤委員=一部の住民の方からの声ですけれども、わざわざその近くを飛ばなきゃならない必然性があったのか、物見遊山に飛んだんではないかというような憶測も出かねません。そのことは十分肝に銘じていただきたいというふうに思っております。  それから、次に進みますが、先ほどの御説明の中に目達原には約五十機の自衛隊機が配備されているということでした。その内訳についてお示しいただきたいと思います。機数もですね。お願いいたします。 43 ◯小波参考人=それでは、御説明申し上げます。  まず、皆様方の、今、お手元に三枚組の資料の真ん中の紙をごらんいただければと存じます。現在、目達原駐屯地におきましては、このうちの左側のところに航空機書かせていただいているんですけれども、今、約五十機と申し上げました。この中で内訳といたしましては、こちらで書いておりますような観測ヘリコプターOH1、それから右に参りまして、同じく観測ヘリコプターのOH6D、それから下に参りまして、多用途(輸送等)ヘリコプターUH1J、それから、多用途(輸送等)のヘリコプターであるUH60J、そして、古い型の対戦車ヘリでございますけど、対戦車ヘリコプターAH1S、それから右下に今回事故を起こしました戦闘ヘリコプターのAH64D、これらにおきまして合計五十機という構成で目達原駐屯地のほうで運用させていただいているところでございます。 44 ◯武藤委員=この六機の種類があるのは絵でわかるんですけれども、それぞれ何機ずついるのかお示しいただきたいと思います。 45 ◯小波参考人=それでは、申し上げます。  ただいまの観測ヘリコプターOH1が約十機ございます。それから同じくOH6Dが数機ございます。それから多用途ヘリコプターUH1Jが約十機、それから同じくUH60Jが約十機、それから対戦車ヘリコプターAH1S約十機、戦闘ヘリコプターのAH64Dも約十機ということで、ちょっと四捨五入の関係等ございますけれども、合計五十機というのが現在の目達原駐屯地のヘリの機種でございます。 46 ◯武藤委員=今、お示しになったように、事故を起こしたAH64D、これ約十機というふうなことなんですけど、いわゆるアパッチですよね。これが墜落したわけです。部品交換後のテスト飛行だったというふうにお聞きしております。メインローターという主回転翼が脱落するという極めて重大な事故とお聞きしております。中でも金属板で何層にも重ねたストラパックはAH64Dヘリの高い飛行性能を支える心臓部とも言えるものだということです。それが破断して羽根を構成する一枚一枚の金属板がめくれ上がったという状態になっていたというふうに言われております。  初め、新品だったという部品が後で中古だったということも聞いておりますけれども、どうして新品ではなかったんでしょうか、どうして中古だったんでしょうか。明らかにしていただきたいと思います。 47 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  なぜ中古だったのかということではございますけれども、航空機の整備におきましては、当然、新品を使うのは原則ではございますけれども、中古品につきましても、当然、きちっとオーバーホールに出しまして、ふぐあい箇所がありました場合には、しっかりと整備をして修理をして、それはメーカーで主として行うわけでございますけれども、それが戻ってきた場合には、基本的に新品と同等のものとして保管をしておるところでございます。  今回のメインローターヘッドにつきましても、千七百五十時間で通常交換するものでございまして、事故機に使われていたものにつきましては八百四十五時間で一旦ふぐあいが出まして交換をしましたけれども、しっかりした修理をアメリカのほうで行った上で、それがまた自衛隊のほうの補給処に戻ってきて、きちんと修理された形で保管をされていたということでございます。  それを在庫として保管しておったものでございまして、それが基本的に先入れ先出しという形で整備を行っておりまして、今回の事故機にもともと載っていたものが整備時間が来たので、千七百五十時間が来たので、それを取り外し、じゃ、次に代替品として定期整備の際に何を載せるかということで、その中古品で修理が終わったものが、先入れ先出しの順番として回ってきましたので、それを搭載したものでございます。  こうしたやり方は航空機整備におきましては、民間におきましても同様でございますけども、通常行われておるものと承知しております。 48 ◯武藤委員=今、御説明があったように、別の機体に取りつけられていて、ふぐあいが発生し、そして、八百四十五時間しか飛んでいなかったというふうな、今、説明だったんですけど、製造元のボーイング社に送られて修理されたというふうにお聞きしております。  こういう中心的な部品の破断、これの製造段階で既に問題があったんではないか。通常の千七百五十時間よりもうんと、半分ぐらいしか飛んでいないものを修理して再使用したと、先入れ先出しという言葉おっしゃいましたけど、そういう順番だったかもしれませんけれども、そういうふうな使われ方をしているということから見て、この部品そのものが工作不良や部品の強度等など欠陥があったんではないかなというふうに、素人ですけれども、そう思うわけですね。  それについてどういうふうに感じていらっしゃいますか。 49 ◯石川参考人=今、御指摘のあったような点も含めまして、まさに陸上自衛隊事故調査委員会のほうで、民間の有識者の方も交えまして、しっかりと調査を行い、原因究明と再発防止に今後しっかりと努めていきたいというふうに考えております。 50 ◯武藤委員=このAH64Dの場合、AH1S、いわゆるコブラの後継として導入されたというふうにお聞きしております。六十数機の調達が予定されていたけれども、十三機で中止になっていたということです。つまり、よその基地にはなくて、目達原だけしかないというのがこのアパッチではないかというふうに思うんですけれども、目達原のほかにないのかあるのか、目達原だけにしかもうないのか、そこをまず明らかにしてください。 51 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  アパッチにつきましては、目達原駐屯地以外に二カ所配備してございます。十三機のうち七機が目達原に配備されておったわけですけれども、残りの六機のうち三機が三重県の明野の陸上自衛隊の航空学校に教育用として配備をされております。それから、あと残りの三機は茨城県の霞ヶ浦駐屯地のやはり航空学校の分校でございますけども、そちらのほうに教育用として配備されておるということで、全国に要するに三カ所配備されておるところでございます。 52 ◯武藤委員=目達原以外の二カ所は教育用ということになっております。目達原の七機は大体どれぐらいの頻度で飛んでいるんですか。それとも、七機全ていろいろ飛んでいるのか、それとも、もう数機しか飛んでいないのか、ちょっとそのあたりも明らかにしていただきたいと思うんです。それほどアパッチは余り飛んでいないんではないかというふうに思われますので、そのあたりを明らかにしていただきたいと思います。 53 ◯石川参考人=アパッチにつきましては、当然、現時点では事故調のほうで原因究明等再発防止がとられるまでは飛行を全面的に停止しておるわけでございますけれども、その事故の前としまして、どのぐらい飛んでいたかという御質問につきましては、これは自衛隊の稼働率にもかかわる話でございますので、ちょっとまことに申しわけございませんけれども、個々の機種につきましての稼働率につきましてお答えすることは、自衛隊の運用能力に直接かかわるような話でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。 54 ◯武藤委員=それでは、このアパッチの問題、もう少し言いますと、アメリカでは既に一九九〇年代には生産を終えているんではないかというふうに言われておりますが、日本が購入したのは二〇〇二年ですよね。製造中止した後に購入しているわけです。ボーイング社からの富士重工のライセンス生産で購入しているというふうに伺っております。この時点で部品が手に入らない状態にあったんではないか。だから、新品が手に入らなくて、中古しか入らなかったんではないかというふうにも思うわけですけれども、その辺はどうなんでしょうか。 55 ◯石川参考人=アパッチにつきましては、日本におきましては平成十四年度から調達をしております。それで、平成十九年にアメリカのほうから日本向けにつきましても生産ラインを閉じたいというお話ありまして、もし、日本が生産を続けるのであれば、日本のためにラインをあけておく必要があるので、少し追加的なコストがかかるというような話がございまして、そのコストをどう扱うかということで三年ほど調達を中断しておりますけれども、その後、調達を再開しまして平成二十五年まで調達を続けたということでございます。  しかしながら、機数につきましては、当初、六十二機計画をしておったわけでございますけれども、これを十三機にとどめたというところでございます。その点につきましては御指摘のとおりでございます。  あと部品が新品が調達できなくなっているのではないかという御指摘につきましては、通常、防衛装備品部品調達の仕方はいろいろございまして、調達が中止になる前にまとめ買いをするというようなこと、将来の事故率、あるいは故障率などを予測して、まとめ買いをするというような手法でやっております。それから、あとこのアパッチ、日本が保有しているものはAH64Dというものでございますけれども、AH64Eという新しいバージョンのものはまだ世界で生産されておりまして、Dの部品の中のかなりの部分はEと共通性のあるものもありまして、その共通性のあるものにつきましては引き続き新品でも調達できるということでございます。  ちょっと焦点になっておりますメインローターヘッドにつきましては、もともと十三機ということで、当時、買い切る時点でさらに予備部品として十点を調達しておりまして、十三機の機体に対して予備品も含め二十三点のメインローターヘッドを保有しておりましたので、部品が枯渇して不十分な整備しか行われていなかったというようなお話ではないものというふうに承知しております。 56 ◯武藤委員=では、部品の供給は既に前もって買っていくと、それを在庫しているということで賄っておられるということなんですね。AH1Sコブラももう既に生産中止の旧式のものですよね。それから、このアパッチですね、これも調達停止となっているわけですけれども、先ほどAH64Eのほうと共通する部分もあるから、それで応用できるものは使っているということでもありましたけれども、共通していない部分がもしふぐあいが出てきたというようなときに、いろんなことが起こるのではないかというふうなことも思っているわけです。  つまり、今私が言いたいのは、目達原にある五十機のうちのコブラもアパッチも旧式になっている、あるいは調達停止となっているいわくつきのものだということです。修理困難な状況にも置かれているのではないかと言わざるを得ません。危険な、いわゆる老朽ヘリだというふうにも思いますけれども、こういったものが佐賀県にあって、五十機あるうちの約二十機だというふうに言われると、県民はとても不安なんですよ。それについて、私、これでは目達原、佐賀県にある基地はというふうに言いかえましょうか、今の状態では本当に皆さんは県民の安全を守るためにとおっしゃりますけれども、そういう役割は余り果たせないのではないかなというふうなことも指摘せざるを得ませんが、それについてはどうでしょう。 57 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  自衛隊が運用、保有しております航空機につきましては、現在、それが生産が継続しているもの、あるいは生産が終了しているものを問わず、しっかりとした形で補用品を確保し、生産が終了しているものであっても、維持、整備につきましては、きちんと責任を持ってその技術を持っているメーカーを選定いたしまして、そういうところできっちりと整備をしております。したがいまして、自衛隊が保有、運用している航空機が不十分な整備のままで飛んでいるといったようなことは全くございません。 58 ◯武藤委員=今、御答弁はきっちりと整備をしているとおっしゃったんですけど、そうなっていなかったから今回のような事故が起きたわけですよね。そこはやっぱり率直に認めるべきですよ。整備されていなかったというか、整備が不十分だった。そこは皆さんたち、本当に今後あってはならないと、再発防止と口ではおっしゃるわけですから、その辺、きちんと整備ができているなんて言い張ることはできないと思うんですよ。皆さんたちもっと、起こった事故に対して謙虚であるべきなんじゃないですか。 59 ◯石川参考人=繰り返しになりますけれども、今回の事故原因については、現在、事故調のほうで原因究明に努めております。したがいまして、今回の事故原因が整備に起因するものなのか、あるいは操縦に起因するものか、あるいはそもそも製造メーカーがもともとつくったときの何か瑕疵なりふぐあいに起因するものかというものは現時点ではわからないわけでございまして、いずれにしましても、事故調のほうでしっかりと原因究明に努めていきたいと考えております。 60 ◯武藤委員=今の御答弁であるなら、さっききっちりと整備をしていると胸張られたことはやっぱり間違いだと思うんです、姿勢としてですね。今、事故調で調べておられるわけですから、そういうふうに国民に、もう少し本当に心配している人たちに対して謙虚であってほしいというふうに指摘したいと思います。  さて、今回の事故で直撃したおうち、火災に遭われたおうちだけでなくて、先ほどもおっしゃったように、八カ所の被害があったという認識ですけれども、果たしてその八カ所だけなんでしょうか。いろいろ皆さん方に聞き取りをすべきなんじゃないかということを私、九州防衛局に申し入れをしております。そのときに対応された方はやはり聞き取りなども含めて、ちゃんと対応しないといけないと思うというふうに御答弁もされましたし、上司にも防衛省にも言っておくというふうにおっしゃったんですけど、九州防衛局の局長もお見えですので、そのあたり住民の方たちにきちっと寄り添いながら、その八カ所だけじゃなくて、ほかにもないのかどうなのか、そういう対応をすべきだと思いますが、どうでしょうか。 61 ◯三貝参考人=御指摘いただきました件につきましては、陸上自衛隊のほうでも戸別訪問もさせていただき、また、電話もさせていただき、御不在の家庭についてはビラも配布もさせていただいて連絡先を明記してやらせていただいておりますので、何か御被害があれば、それは情報が目達原の駐屯地のほうに来るような形でやらせていただいておるところでございます。 62 ◯武藤委員=それでは、対応よろしくお願いしておきます。  それから、放射性物質のことも先ほど説明があったんですけれども、機体があれだけ無残な姿になっていたのですから、放射性物質について県民はみんな心配しているんですね。適正にはかったけれども、周辺と変わらなかったという御答弁でした。ただ、測定は何カ所されたのか、そして、どういう数値であったのかも具体的に明らかにしていただきたいと思います。 63 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  ヘリの部品の一部には放射性物質が微量含まれているということが、これは民間ヘリも含めて一般的でございますけれども、今回の事故機につきましても微量の放射性物質クリプトンとトリウムが使用されております。具体的にはエンジンの点火装置の部品二個にクリプトン、これは民間機も共通でございますけれども、それから、赤外線センサー用部品二個にトリウムが使用されておるところでございます。これらのトータル四個の部品につきましては、最終的に全てを回収いたしまして、現場の放射線量につきましては、当初、それからあと作業中、それから作業後も改めて測定いたしましたけれども、周辺地域と同等、つまり自然界と同等で問題のない数値であるということを確認しております。  それから、個別の線量の測定結果でございますけれども、ちょっと細かいお話になるんですけれども、これは陸幕のほうから既に公表しております。ちょっと具体的に数字を読み上げさせていただきますと、墜落地点におきましては、〇・〇四から〇・〇六マイクロシーベルト毎時、それから、部品がある程度数百メートルにわたって飛散しておりますので、そこも念のため調べたところ、ほぼ同じでございまして、〇・〇四から〇・〇五マイクロシーベルト毎時、それから、周辺地域につきましては〇・〇四マイクロシーベルト毎時ということでございますので、周辺地域とほとんど差のない状況でございます。この測定を行った時期につきましては、今申し上げた数字は二月八日の数字でございます。  以上です。 64 ◯武藤委員=周辺が〇・〇四であるにもかかわらず、落下した地域、部品が落ちていた地域は〇・〇四から〇・〇六マイクロシーベルト、もしくは〇・〇五マイクロシーベルトあったということで若干上がりぎみだなというふうなことを今認識しました。  もう余り時間がないので、最後にしたいと思いますけれども、今、全国各地で自衛隊機の部品が落下したり、そういったいろんな事故が相次いでおります。そういう中で、佐賀空港へのこの目達原の約五十機の移駐だとか、オスプレイの配備だとか、そういうことが今言われていて、でも、周辺住民の方たち、有明海の漁業者の方たち、皆さん反対されていて、絶対に自分たちは土地を売らないというふうにおっしゃっているわけですけれども、この事故があって、皆さんたちますますそういうお気持ちを強くしておられるんです。有明海は日本一のノリの生産地でもありますし、そして、日々、本当に皆さんたちが豊かな有明海に恵まれて暮らしておられること、なりわいを大事にしておられることは本当にこの佐賀の歴史をきちっと支えてこられた、そういう方たちの思いでもあります。  そういうことで、この事故がそういう人たちに物すごくショックを与え、よりオスプレイや自衛隊機の佐賀空港移駐は絶対に許されないという思いになっておられます。その思いについて、皆さんたちは心を寄せられることがおありでしょうか。この事故がどういう影響を及ぼすかということについては考えられたことがおありでしょうか、それをお聞きしたいと思います。 65 ◯小波参考人=ただいま委員から御指摘もございましたように、まず、自衛隊機の飛行の安全確保は、本当に最優先の課題でございまして、現在、防衛省としては、まず今回のAH64Dの事故について、徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げる必要があるものと考えております。  したがいまして、今ちょっと先生も御指摘でございますけれども、いわゆる自衛隊のオスプレイ等の佐賀空港等の配備については、現時点では今回の事故を踏まえた対応を申し上げる状況にはございません。その点まさに今回の事故について重く受けとめた上の小野寺防衛大臣のお考えというふうに理解しております。  ただ、いずれにしましても、防衛省は今、国の防衛のために全国で自衛隊機等の運用をやっておりますので、それについては、繰り返しになりますけれども、自衛隊機の飛行の安全確保を最優先の課題としてしっかりと対応していこうと考えているところでございます。 66 ◯武藤委員=改めて申し上げておきます。  佐賀県民は佐賀空港への基地の移設、これは望んでおりません。そのことを申し上げて私の質問を終わります。 67 ◯江口委員=県民ネットワークの江口善紀と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  二月五日に発生いたしました自衛隊機の墜落事故におきまして、本当に亡くなられた二名の隊員の方々に、本当に深く哀悼の意をささげます。本当に急な機体の異常に対して最後まであらゆる手段を尽くされたんでしょうが、本当に無念な最期を遂げられたと思います。民間に被害を起こさないように最後まで全力で尽くされたというふうに私は信じております。  また、墜落現場の周辺の方々も大変怖い思いをされて、今後の心のケア、また補償等、疎漏のないようにしっかりと防衛省、県、地域全てで協力をして対応せねばならないことだと思います。そういったことを踏まえて、何点か質問させていただきたいと思います。  先日、防衛省の方から、どういった質問の興味あることかということをお尋ねに見えられましたので、何点かメモのほうをお渡ししておりますので、その点に沿いながら、また、既に出ている質問等につきましては、重複を避けたいと思いますけれども、一点ちょっと最初に、これはすごくちっちゃな確認なんですが、最初に石川参考人からこの三枚のレジュメで御説明いただいているときに、二枚目のページの目達原駐屯地の常備自衛官のところの部隊名のところで言い間違いがあったような、私、ちょっと聞きそびれだったら申しわけありません、聞きそびれでなかったら確認訂正なんですが、西部方面ヘリコプターのところ、南西ヘリコプター隊か何かに読み間違えをされたように受けたんですが、一応、議事録が残りますので、その点まず確認をさせていただきたいと思います。 68 ◯石川参考人=申しわけございません。私自身は西部方面ヘリコプター隊と読んだつもりではございましたけれども、もしそのように聞こえてしまったのであれば、申しわけございません、訂正させていただきます。 69 ◯江口委員=後ろにお座りの補助者の方がうなずいていらっしゃるのは、恐らくその点のことについてのことだということで今うなずいていらっしゃいますので、確認をさせていただきました。  目達原駐屯地、佐賀県民にとっても非常になじみのある、また、私どももお正月、年明けの行事ですとか、駐屯地の開設の行事等に毎年、桜の咲くころとかに訪問させていただき、模擬訓練ですとか、施設とか、あるいは装備品とか、また、桜の咲くころは地域の方はたくさん、物すごくきれいな桜が咲きますので、地域に愛されている、地域と共存してきた駐屯地だというふうに認識をいたしております。  また、九州補給処ということで、補給なくしてどのような部隊も活動は全くできない、弾もなければ、糧食もなければ、部隊は全く動けない、活動できない、そういった重要な任務を果たされている駐屯地だというふうに認識をいたしております。  そのような中で、今回、墜落事故があったわけですが、私はふだん日常生活でも我々は家を一歩出るときは、子供に対して車に気をつけてと、車は我々も運転しますが、必ず事故のリスクを負いながら、しかしながら社会生活で事故のリスクはあるもののその便益というものが必要であるから、自動車がこれだけ発達をし、我々も利用しているわけです。陸上自衛隊におきましても、配備されている数機種のヘリコプターそれぞれに大切な任務があるからこそ、配備をされているわけですが、事故を起こさないように我々日常生活で車を運転するのと同等、あるいはそれ以上に気を使っていらっしゃるものというふうに、私はそういう前提で受けとめております。ただ、しかしながら人間がやることですから、必ず避けられない、事故は避けられないということもまたこれも当たり前のことであります。  今回、二月五日の事故の件、その後のことにつきまして御説明をいただきましたけれども、今後の対処、補償などの見通しの中で、今回部品のほうを回収されている中で、フライトデータレコーダーという話も先ほどございまして、これは報道によると、米国等に送って情報を解析する必要があるということでございますが、この部品にしっかりとデータが残っていれば、今回の事故がどういうふうな状況であったかということを解析する上でとても大切なことだと思います。  現時点でのフライトデータレコーダーの解析に要する時間とか、あるいは情報等というのがしっかりとれそうなのかどうなのか、その辺の見立てについての状況についてまず御答弁お願いいたします。 70 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  フライトデータレコーダーにつきましては、回収をされておりまして、当初はヘリコプターの製造元であるスバルのほうで解析しようといたしましたけれども、なかなか損壊が激しくて、スバルでは解析できずに、今アメリカのほうに送って、もともとのフライトデータレコーダーの製造元のスミス・エアロスペースという会社によって解析をしております。それで、先般連絡がありまして、データの抽出ができたということでございます。ただ、これにつきましても、完全に抽出できたのか、それともその一部が抽出できていないのかというのは、まだ具体的な成果につきましては報告を受けておりません。  他方で、その後、このデータにつきましては変換処理というものを行わなければいけないわけでございまして、それは日本国内でもできるということですので、今後、日本国内のスバルのほうに再度戻しまして、そちらで変換処理をして、最終的に読み解くという手続になっております。  他方で、かなり損傷が激しかったように聞いてもおりますので、どの程度のものが最終的に読み取れるのかというのは、現時点では未知数でございます。したがいまして、その解析の終了時期につきましても、現時点でお答えすることはなかなか難しゅうございます。 71 ◯江口委員=データがなるだけいい形で残って、また、この事故の原因究明の助けになるような、そういうふうな形でデータが再生されることを心から願っております。  事故の原因、その子細な状況なくして再発防止ということには生かせませんので、そういったデータの復元というのを期待するわけです。  また、時間に関しても、なかなか見通せないということで、その点は承知いたしましたが、また状況が変わった場合は、その都度また情報提供等をお願いしたいと思っております。
     平成二十九年度におきましては、自衛隊機の四件の墜落事故があったというふうに聞いておりますが、どのような事故で、どういった概要なのか、その点について御説明いただけますでしょうか。 72 ◯小波参考人=お答えいたします。  平成二十九年度に発生いたしました自衛隊機の墜落事故は、御指摘のとおり四件でございます。順番に御説明いたしますと、平成二十九年五月十五日、陸上自衛隊の連絡偵察機LR2が、緊急患者空輸に係る災害派遣要請を受け、函館空港へ飛行中、北海道函館市の山腹に衝突し、同機に搭乗していた隊員四名が死亡した事故が起きております。  それから続きまして、同年八月二十六日、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」搭載のヘリコプターSH60Jが夜間発着艦訓練の実施中、青森県龍飛岬から約九十キロの洋上に墜落し、同機に搭乗していた隊員四名のうちの三名が死亡した事故が発生しております。  続きまして、同じく二十九年十月十七日、航空自衛隊の救難ヘリコプターUH60Jが夜間暗視装置を使用した洋上捜索、救難訓練を実施中、浜松基地から約三十一キロの洋上に墜落し、同機に搭乗していた隊員四名が死亡した事故。  そして四件目は、今般のAH64Dの二名の隊員が殉職した事故、都合四件でございます。 73 ◯江口委員=いずれの任務も、今伺うところ、患者搬送、夜間救出の訓練等々、とても大切な訓練の中で、本当に不慮の事故だったと思います。亡くなられた隊員の方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、その事故それぞれのときに原因の究明と再発の防止というのを防衛省のほうでは御説明をされていると思いますが、この再発防止策等々の対応について、防衛省としてはどのような対応で臨まれているのか、その点についていかがでしょうか。 74 ◯小波参考人=まず、ただいま御説明いたしましたうちのAH64Dの墜落事故以外の三件につきましては、事故調査報告等が上がっておりまして、原因が究明されております。  ただいま御説明いたしました、陸上自衛隊の連絡偵察機LR2の事件、それから海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」搭載ヘリコプターのSH60J、それから航空自衛隊の救難ヘリコプターUH60Jの三件の墜落事故の原因は、いずれも機体に由来するものではなく、機体の操縦等の人的要因により発生したものであることが、各事故調査の結果で明らかになっております。  以下、質問に応じ御説明いたしますけれども、LR2の墜落の主な原因につきましては、今、御説明ございましたように、そもそも大変厳しい気象条件、雲の中を飛行しなければいけないという状況の中で、着陸に向けた複雑な作業をしていた、その中で意図せず、自動操縦装置解除につながるスイッチ類に接触、解除した後も自動操縦解除状態であることを認識しないまま、ですから、自動装置が生きているというふうに誤認したまま、いわゆる飛行計器の確認、航空機の異常姿勢への対応が不十分であったとの調査結果が出ております。まずそれが一件目でございます。  それから続きまして二件目、八月二十六日に発生いたしました護衛艦「せとぎり」搭載ヘリコプターSH60Jが墜落に至った原因でございますけれども、まず、発着艦をやりますときには、機体の姿勢方位装置が必ず磁気を帯びますので、それらの誤差を復旧しなければいけないという制約がございまして、この復旧作業に搭乗員等が集中したために、搭乗員が相互に補完して、機内の計器類や機外の水平性を確認するといった見張りが十分に行われなかったこと。その結果、崩れた機体のバランスを回復するために、機首を急激に下げたところ、機体のバランスがさらに崩れ、墜落に至ったとの調査結果が取りまとめられております。  それから続きまして三件目、昨年十月十七日に発生いたしました救難ヘリコプターUH60Jが墜落に至った主な原因は、そもそも経路上に雲が発生しておりまして、それを回避するために降下作業を行いました際に過大な降下率、ですから、想定したよりも大きな降下率で降下していった結果、機体の高度・降下率等の飛行諸元の確認が不十分であったこと。また、これらの諸元を相互に確認するなどの乗組員間における連携が正しくなされていなかったこと。それから、実際にも電波高度計等の警報が鳴っておったんですけれども、それらに対する対応が適切になされていなかったこと等によりまして、乗組員が海面接近を認識しないまま海面への衝突に至ったとの調査結果を取りまとめております。  ですから、これらのような再発防止策につきましては、基本的には人的要因ということが明らかになっておりますので、それぞれ教育等の徹底と、どの事故につきましても、いわゆる基本動作の徹底というところについて、結果的に当然当時の厳しい気象条件でありますとか、夜間であるとか、あるいは雲を降下しなければいけないというような、いろんな要因を乗り越えていく過程における基本動作の確認というふうなところに大きな問題があったということで、いま一度、基本動作の確認についての教育等の徹底等を中心とした再発防止策を立て、徹底しているところでございます。 75 ◯江口委員=陸海空、それぞれの自衛隊にはいろんな機種の相当数のパイロットの方がいらっしゃると思います。日々厳しい訓練を積まれているにもかかわらず、やっぱり何かしらの気象条件、あるいはいつもと違う独特の状況の中で、人間ですからヒューマンエラーも重なって、残念ながら事故が起きてしまうというふうな現実がある中で、機体は大丈夫だった、ヒューマンエラーだったということで片づけずに、やっぱり最後まで全力で搭乗員の方は頑張っていらっしゃると思いますが、どうしても人間というのは、ヒューマンエラーが重なってしまった、その先に事故というのが起こると思いますが、今、御答弁あったような基本動作の徹底やさらなる確認、訓練について対応をお願いしたいというふうに思います。  次に、AH64Dについて質問させていただきます。  先ほど武藤委員のほうから種々質問させていただいております。私は、そもそもどういう機種であり、どういう任務目的、任務用途、調達と配備、保有数と配備基地という点で質問を組み立てていたんですけれども、ほぼ先ほどの質問で答弁いただいておりますので、その分は、先ほどの答弁を踏まえた上で、AH64Dの整備性について質問させていただきます。  先ほど目達原駐屯地に配備している回転翼機の機種、機数についての御説明をいただきましたが、やはり配備の機数に応じて搭乗員や、あるいは整備に携わる人員というのが配置をされていくことと思います。逆に言うと、同じ機種で機数が多ければ整備にかかわる人も多いだろうし、配備機数が少なければ整備の人員もそれに応じて少なくなるというのは、これは至極当然のことだと思います。  AH64Dは、全体の我が国における配備数も十三機と、決して多いわけではなく、というよりも少ない機種の上、目達原駐屯地では七機ということで、ほかのUH1、AH1等に比べて配備期間も短いですし、機種も少ない、整備体制、人員体制に過不足はなかったのか、ちゃんと体制がとれていたのかというふうな声もありますけれども、AH64Dの整備体制、人員体制について、また、整備員の技術水準についてしっかり担保されているのか、その点について御答弁をお願いいたします。 76 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  防衛省としましては、航空機の整備につきましては、航空機の安全性の確保に直接つながるものであることを十分理解した上で、部隊による飛行前、飛行後の点検及び一定時間ごとの点検並びに企業による定期整備を行っております。防衛省では機数に応じて必要な整備員を養成、配置しておりまして、AH64Dにつきましても、十三機体制に必要な整備員数を確保しているものと認識しております。  具体的に申し上げますと、平成二十八年度時点で十三機のAH64Dを保有しておるわけでございますけれども、約百二十人の整備員を確保しております。一機当たり約十人程度という勘定でございます。ちなみに歴史的経緯を申し上げますと、例えば、平成十八年度時点では四機の保有であったわけなんですけれども、そのとき整備員は約三十名、平成二十三年度時点では十機まで保有がふえまして、このときは約百名ということで、ほぼ一機につきまして十人程度の定数をきちんとふやしてきておりますので、整備員が不足していたり、整備の知見の蓄積が不十分であったということはないのではないかというふうに考えております。 77 ◯江口委員=私、防衛省、陸海空、いろんな分野で正面装備の調達や、あるいは隊員の福利厚生からいろんな後方支援のこと、いろんな分野で予算というのがかかわってくると思うんですけれども、最近、アメリカへのFMS、有償軍事援助ですとかの金額が非常にふえていたり、あるいは目新しい正面装備のメニューが数百億円単位で要求が出てくる。一方で、隊員の日常生活や身の回りのこと、あるいはこういった種々のメンテナンスの部品、そういったものの調達のバランスというのがちゃんとできているのかというふうな論評をいろんな専門家たちとかジャーナリストの方の記事をよく目にするわけであります。そういった中で、AH1Sに関しましては、導入から相当数時間がかかっており、また部品のほうの調達が不安があって、いわゆる稼働率を試すためにほかの機種から部品をとってくる、つまり予備の部品が十分に調達できないので、ほかの機体から部品を外して幾つかの機種を優先的に動かすようにする、いわゆる共食い整備というふうな言葉もありますが、現場では相当苦労しながら稼働率を支えているというふうな文章も読んだことがあります。部品の調達とかメンテナンスにかかわる予算というのが現場の意識として十分に確保されているのかどうかというのが私は非常に気にかかるところであります。幾ら看板の大きな新しい装備ができても、現場のそれぞれの地域、地域で、部隊、部隊でしっかりと細々とした日常のメンテナンス、部品の調達というのができているかどうかということが気にかかるわけですけれども、部品の調達とかメンテナンスに係る予算、そういったものは十分に確保されているのか、その点について御認識を御答弁いただきたいと思います。 78 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  確かに江口委員が御指摘のように、FMSですね、アメリカからの直接的な武器の輸入額が近年非常にふえているということは事実でございます。しかしながら、防衛省としましては、保有、運用しております航空機の維持整備にも非常に大きな力を注いでおりまして、具体的には例えば、維持整備費の金額を見ますと、三自衛隊の航空機の維持整備費の合計としましては、例えば、平成二十六年度でとりますと、約三千億円でございますけれども、これを三十年度予算で見ますと四千五百億円ということで、一・五倍までふやさせていただいているところでございます。もちろん、部品や維持整備コストも上がりますので、当然それが実際の物が一・五倍に量がふえているということでも必ずしもないわけではございますけれども、この航空機の安全にも十分に力点を置きまして、維持整備費をしっかりと確保するように努めておりますので、そういった部品の調達に不足が発生しているというようなお話は聞いておらないところでございます。 79 ◯江口委員=先ほどのAH1Sの稼働率を上げるために苦労しているという記事を読んだことがありますが、数カ月前、航空自衛隊のF4が前脚が折れる事故がたしかあったと思いますが、日本はまだF4EJを海含めてあれだけの数十機単位でまだこれだけ稼働できる状況に配備しているというのは、欧米の軍事分野の方からすると、まだファントムを使っているのかと。しかし、よくもまあそこまでこれだけ稼働率をしっかり保てているのは、航空自衛隊の整備の方々が頑張っているおかげだと思うんですが、しかし、耐用年数というのはじわりじわりと来ているわけでありますので、大きな目玉の装備の買い物もいいけど、やはりしっかりとメンテナンスのほうの部品の供給というのを非常に私は気にかけております。  これは逆に言えば、今回、私たちの身の回りでオスプレイというMV22の導入が二千数百億円でされているものの、通常毎年、陸上自衛隊ヘリコプター関連の予算というのは大体二百五十億円から三百五十億円、あるいは四百億円ぐらいで、この十年ぐらいの防衛白書を見てみると予算立てがなっていた中で、今回のオスプレイの買い物というのは、導入は相当短期間ですごい金額が来ている。それがこの整備とか部品供給、そういったところにしわ寄せになってきはしないかというふうな懸念を持っているわけですね。  目達原駐屯地の配備の中の機種のうち、OH1という観測ヘリコプターが配備をされています。このOH1という機種は、約二年ほど前に和歌山県沖でしたかね、海に墜落事故を起こして、搭乗員の方二名、自力で泳いで無事助かっておりますが、その事故以降、目達原駐屯地に配備されているOH1の稼働状況というのは、今現時点でどのような状況なんでしょうか。 80 ◯石川参考人=お答え申し上げます。  OH1につきましては、委員御指摘のように、平成二十七年十二月に東部方面航空隊所属のOH1が整備試験飛行中にエンジン出力が低下をいたしまして、防衛大学校のグラウンドに予防着陸する事案が発生しております。事案の原因につきましては、調査中でございますけれども、当該機のみの特異事例と判断できないということで、平成二十七年八月より全てのOH1の飛行を停止しているところでございます。したがいまして、目達原駐屯地のOH1も二十七年八月以降、飛んでおりません。  現状でございますけれども、この飛行停止後、ふぐあい調査及び対策案の検討、それからエンジン部品の改修、地上試験と、それから飛行試験を行っておるところでございまして、これエンジンの部分に一部ふぐあいが見つかりまして、そのエンジンの改修を行って、今、飛行試験を行っているところでございます。  今後、試験飛行の結果を踏まえ、OH1のエンジンの改修スケジュール、もしエンジンにふぐあいがあるとなれば、全機につきましてエンジンを改修しなきゃいけませんので、その改修スケジュールやOH1の飛行再開について、今後、検討、判断してまいるところでございます。 81 ◯江口委員=OH1の改修で試験飛行、試験を行っているというふうな記事も読んだことがあるんですが、それは目達原で行われているんでしょうか、それともそれ以外のところで行われているのか、その点についてはいかがでしょうか。 82 ◯石川参考人=明野で行われていると承知しております。 83 ◯江口委員=ありがとうございます。  目達原駐屯地に約十機配備されているということで、この観測ヘリコプターのOH1、今、飛行停止状況が続いているということであります。  今回の二月五日の墜落事故以降、今回、墜落現場は神埼市の千代田町というところでありましたが、佐賀県内でも自衛隊のヘリコプター、いろんなところで見かけることは割となれていることなんですけれども、訓練エリアについて、改めてやはりうちのところは大丈夫よねと思っていた方々が、今回の神埼の事故を受けて、我がごとのように考える意識の変化というのを県民の方はお持ちでいらっしゃいます。今回の墜落事故を受けて、県民は敏感になっているというふうにも言えると思います。  山間部、佐賀県内の脊振山系の山間部や筑後川の下流部など、いろんなところで訓練をなさっていらっしゃると思います。もちろん、訓練というのはとても大切なことだと思います。事故を起こさないためにも、隊員の練度を向上させるために絶対必要なものでありますが、安全性を確保した上でしなければいけないものでもあります。実際、今まで佐賀県内でどういったところで訓練を行われてきたんだというのが、そういった声も新聞の投書でもありましたけれども、現在、米軍のオスプレイ等で、日本全国でパープルとかイエロールートとか、いろんなルートがありましたけれども、主にこの目達原駐屯地所属の航空機、回転翼機というのは、県内のどのような山間部、筑後川下流部などで訓練を行っていらっしゃるのでしょうか、その点についての答弁をお願いいたします。 84 ◯小波参考人=お答えいたします。  目達原駐屯地所属のヘリコプターを用いた訓練につきましては、訓練そのものは離着陸訓練、ホバリング訓練、基本操縦訓練、部隊訓練等を実施しております。  まず、離着陸訓練とは、当然のことながら離陸及び着陸等の操縦技法を訓練するものでございまして、目達原駐屯地の滑走路への離着陸により訓練を実施しております  それから、ホバリング訓練とは、ある一定の高度において静止し、旋回及び高度を一定にして行う低速の前進、後進、横方向への移動などを行う訓練でございまして、主に目達原駐屯地内のほか、各演習場等で訓練を実施しております。  それから、基本操縦訓練は、パイロットが航空機の基本的性能を理解し、出発地から目的地までの飛行を行うために必要な知識及び技術を取得するための訓練でございまして、目達原駐屯地からそれぞれ個別の訓練ごとの目的地とする場所までの間の飛行訓練を実施しております。また、基本操縦訓練の中には離着陸訓練とホバリング訓練も含まれております。  また、目的地までの飛行を行う基本操縦訓練については、個別の訓練ごとに飛行エリアが異なるものであるため、訓練エリアは特段設定しておりませんけれども、飛行に当たっては、その時点の気象状況にはよりますが、可能な限り住宅地や学校、病院等の上空を飛行することのないよう、安全確保に最大限配慮した飛行を行うこととしております。  このような基本操縦訓練を通じ、機体の基本操作等に習熟した操縦士が操縦するヘリコプターを用いた部隊訓練を実際の各演習場、日出生台演習場でありますとか大野原演習場、霧島演習場等の各演習場等で実施しているところでございます。  また、御指摘のありました低空飛行訓練につきましては、特に国土交通省に申請し承認を受けた脊振、筑肥、大野原、高良山等の低空飛行訓練区域で実施しております。  なお、訓練飛行以外の整備確認訓練では、筑後川、嘉瀬川の河川流域で実施しております。  これらの航空機の飛行に際しては、近隣住民の方々に御迷惑をおかけすることのないよう最大限の安全確保措置をとって実施しているところでございます。 85 ◯江口委員=一たび今回の神埼の墜落事故のような事故が起きますと、やはり住民の方が今まで意識していなかった方が改めて意識をし、あるいは低空飛行訓練などにおきましては、佐賀県内も結構大きな送電線が平野部も、また山のほうにもありますので、そういった送電線等との接触とか、いろんな意味で県民の方も敏感になっていると思いますので、今後の訓練におきましては、さらなる細心の注意を払った上で対応していただければというふうに思います。  先ほどOH1観測ヘリコプターの二年前の事故及びそれ以降の飛行停止の状況についての御答弁をいただきました。今回、AH64Dに関しましても、これから今回の事故を受けて原因究明や、あるいはさらなる安全対策というものが講じられる、もちろんそれに関してはどれぐらい時間がかかるかわからない中でありますけれども、今回の事故を踏まえて、私が県民の方に一つ御指摘いただいた点がありまして、それは、現在、防衛省は佐賀空港の隣に駐屯地の計画をされていると。オスプレイの配備もそうだが、目達原駐屯地の約五十機の移駐も二つ目の依頼として入っているが、そもそも配備計画数約七十機に対して格納庫が三つしかなくて、以前のこの委員会の審議では、配備数の半分分しか収容できる格納庫がないのに、半分は外に置いておくと、夜も。空港や駐屯地は有明海の真ん前だし、今回の事故を受けて、そんな潮風の当たるような、あるいは海の近くに夜、外に置いていて、逆に故障がふえるんじゃないの、大丈夫ねというふうな声を私いただきましたので、今度防衛省を呼びますので、そのときに聞いてみますというふうに受けておりますので、その点について質問させていただきたいと思います。お願いします。 86 ◯小波参考人=お答えいたします。  まず、当然のことながら、自衛隊機の飛行の安全確保は最優先の課題でございまして、防衛省としては、まず、今回のAH64Dの事故について徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げる必要があるものと認識しておりまして、現在の今御指摘のございましたオスプレイ等佐賀空港配備に関しては、現時点では、今回の事故を踏まえた対応を申し上げる状況にはございません。その上で、あくまでもその過程のもとで、るる御説明した経緯がございますので、現時点で、いわゆる機体の整備などの運用面を考慮いたしまして、二十機から三十機程度の機体を格納庫に入れることができる計画としております。これは、ですから、今、委員が御説明されたとおりでございます。  残りの機体については、駐機場に配置する計画となっております。  航空機の整備については、航空機の安全に直結するものであることを十分理解した上で、部隊による飛行前、飛行後の点検及び一定時間ごとの点検並びに企業による定期整備を行っています。ですから、例えば、御懸念ありましたように、特に海上を飛行した後などであれば、真水で機体洗浄するなど、運用環境の特性にも十分留意しておりまして、いずれにしましても、整備に万全を期すことは、格納庫に配置する場合であっても、ちょっと御説明ございましたように、駐機場に格納庫外に配置する場合でも全く同じことだと考えております。  一応付言いたしますと、例えば、海上自衛隊の哨戒機でありますとか、航空自衛隊の輸送機等につきましても、同じように、格納庫に収納している場合もあれば駐機場に配置している場合もございまして、このような場合であっても、整備に万全を期し、自衛隊で運用します航空機の体制に大きな問題があるとは考えていないところでございます。 87 ◯竹内委員長=ほかの委員も質問があるようですので、江口委員。 88 ◯江口委員=最後の質問になると思います。  ただ、以前の委員会でも指摘しましたけれども、恒常的にそこの駐屯地や基地に配備されている航空機が、海上自衛隊も航空自衛隊陸上自衛隊も全部格納できるだけの格納庫をどの駐屯地も基本的に備えているんじゃないかというふうに私は認識をしております。逆に言うと、いろんなところの基地の方に伺うと、いや、夜は全部格納庫へ入れています、夜は入れていますというふうな声を聞いているし、もちろん、双眼鏡を持って各駐屯地を回れば、外に恒常的に入り切れない分は置いてあるのか、あるいは格納庫にしまってあるのかというのは、調べればわかることなんですけれども、この佐賀空港駐屯地以外に、恒常的に外に夜間、駐機をされているような陸海空の駐屯地や航空基地があるのかどうか、その点について、最後お尋ねいたします。 89 ◯小波参考人=申しわけございません。先ほど私が答弁いたしましたように、基本的には海空の例えば哨戒機とか輸送機等については、常続的に駐機場といいますか、格納庫外で収納されている例もございます。ですから、その点自体は私どもとしては、そのような保管の仕方が大きな問題があるとは考えておりませんけれども、いずれにいたしましても、今後とも自衛隊の航空機の安全確保については重要な問題だと考えておりますので、御指摘も含め、いろいろと今後の件については考えていきたいと考えております。 90 ◯江口委員=安全対策、事故防止ということは、とても国民の関心事でございますので、これからもしっかりとした対策をとっていただいた上で、運営に取り組んでいただきますよう要請して、質問を終わらせていただきます。 91 ◯中本委員=公明党の中本正一でございます。まずもって、今回、被害に遭われました御家族並びに現場周辺の住民の皆様に対しまして、お見舞いを申し上げますとともに、一日も早く普通の生活に戻れるようお祈りをいたすところでございます。また、殉職をされましたお二人の自衛官とその御家族に対しまして、心からお悔やみを申し上げます。  今回の事故は、近隣住民を恐怖におとしめるとともに、自衛隊に対する信頼を揺るがせかねない、絶対にあってはならない事故であったと思います。  私も事故翌日の二月六日の午後、現場のほうに入らせていただきましたが、やはりマスコミが多数押し寄せており、規制線が張られた中で、自衛隊の方々等による乗員の捜索、また、機体の撤収作業が行われていたところでありました。  周辺を歩いてみますと、現場は非常に民家が密集しておりますし、近くに小学校、そして幼稚園があり、あれだけの事故で死亡者が出なかったこと自体、非常に不思議な思いがしたところであります。また、周辺の農地には機体の破片がやっぱり飛散をしておりまして、中には一メートルぐらいある破片も私も実際見させていただきました。もしこれが車や人に直撃していたならばと、大変そら恐ろしい思いもしたところであります。  いずれにいたしましても、事故調査委員会が立ち上げられ、徹底した原因の究明と、できる限り速やかに安全管理、そして再発防止対策を求めておきたいというふうに思います。  私のほうからは、被害に遭われた方々に対する補償についてお伺いをさせていただきたいと思います。  特に、今回の事故で生活の基盤を初め、何もかも失われました被災者御家族に対する補償については、早急な対応が求められてくるものと考えます。  一部マスコミの報道では、この補償について、防衛省の見解といたしまして、このような記事がございました。  防衛省によると、墜落事故の原因が操縦ミスや装備ミスなど自衛隊側の過失と判断された場合、防衛省は国家賠償法に基づいて被害者に補償する方針だと。ただ、陸自の事故調査委員会による調査は始まったばかり。省内の補償担当の部署では、調査委員会の結論が出る前でも被害者側にお見舞いとして何らかの対応ができないか検討を進めていると、こういう記事でありまして、この事故調査委員会については四カ月以内と。今回の場合、それ以上かかるかもしれないと言われる中で、私は、この事故調査委員会の結論を待つことなく、やはり早急にいわゆる生活の再建ということを考えた場合、補償していくべきではないかと思いますが、この記事の真偽についてちょっとお伺いをしたいと思います。 92 ◯宮原参考人=お答え申し上げます。  まず初めに、墜落現場で被害を受けられた御家族につきましては、委員御指摘のとおり、生活の基盤である御自宅を失われ、いろんな思い出の品々、身の回りの品々も失われております。また、現場で事故を経験された被害者の方の心の痛み、それから、今もまだ不自由な生活をなさっております。改めて心からおわびを申し上げたいと思います。  その上で、現在の損害賠償の検討状況でございますけれども、今回、民間に対して多大な被害を生じさせた事件であるということ、それから、冒頭、石川のほうからも申し上げましたけれども、県議会からも補償をしっかりやるようにということについては、強く要請をいただいております。そういうことも踏まえまして、防衛大臣の指導のもと、できるだけ速やかに損害賠償をするための検討を行っているところでございます。  先ほど新聞記事のことがございましたけれども、確かに一般的には事故の損害賠償を行うためには、事故の原因が判明するのを待って損害賠償をするのが通例でございます。ただ、今回の件につきましては、一つは、民間に対して多大な被害を出してしまった事件であるということ、それから、パイロットの過失なのか、ほかの要因なのか等々、それはございますけれども、この被害を出してしまった国と被害者の方々との関係で申し上げれば、国側に責任があるということは明らかでございますので、そういうことを踏まえまして、今回の件につきましては、事故調査の結果を待つことなく、できるだけ速やかに損害賠償をしたいということで対応を検討しているところでございます。  そういう意味で、できるだけ早くできるように誠心誠意対応してまいるつもりでございます。 93 ◯中本委員=周辺の家屋への被害についても同様の対応をしていくということでよろしいでしょうか。 94 ◯宮原参考人=御指摘のとおりでございます。 95 ◯中本委員=二月十日に小野寺防衛大臣が来県され、被害に遭われた御家族と面談された際にも、生活、そして住まいの再建については誠心誠意対応していきたいと、このように述べられたところでありますので、しっかり寄り添っていただきながらの速やかな対応を求めておきたいというふうに思います。  それと、もう一点でありますけれども、二月十日、いわゆる現場から百メートルぐらい南にお住まいの農家の方からちょっと相談があるということで言われまして、いろいろお話も聞かせていただきました。  その方は、現場から五十メートルぐらい東に実は農地をお持ちで、人に預けて麦をされていたんですけれども、そこの農地に、先ほど大きい破片等々の回収はほぼ終わったということで言われておりましたけれども、小さな、例えば金属片であったり、部品といったものがまだ残っているかもしれないと、そういった場合の対応であったり、特に当日、火災で重油らしいものを含んだ黒煙が非常に猛烈に上がっておりました。折からの西風で、その灰とか煙が自分の農地に大分降り注いでいると、そういう中で、今は麦で乾いているからいいけれども、水を入れたときに油が浮いてくるんじゃないかと。こういう心配も実はされておられました。そういった際に、農地、またそこで収穫される農作物等についての補償は大丈夫なのかと、こういう点で質問も受けておりますので、その点、どうでしょうか。 96 ◯宮原参考人=冒頭、石川のほうから御報告させていただきましたとおり、現時点で判明している被害というのは、墜落現場の御家族のところと、その周辺八件の家屋等の被害というふうに認識してございますけれども、御指摘のあった黒煙、黒い煙について、それが実際に農作物に影響するのかどうかということについては、現時点ではわかりませんけれども、そういう黒煙の被害があるのかないのか、そういうことも含めまして、現時点で判明していない被害が後々判明した場合は、実際被害が生じているということであれば、その賠償も含めて対応してまいるということになると思います。 97 ◯中本委員=こうした補償につきましても、いわゆる万が一被害が確認された場合にはしっかり対応していくということで、また、被害に遭われた方々の生活再建、また心のケアについても、地元の皆さんからしっかり御要望をいただきながら、それは誠心誠意対応していただくということで取り組んでいただくよう求めまして、質問を終わります。 98 ◯留守委員=時間も迫っておりますので、簡潔にしたいと思いますが、ちょっと気になった点が一点あります。  まずもって、参考人の皆さん方、日ごろから国防に御貢献いただいておりますことに敬意を表したいと思います。  私は自民党の留守ですが、先ほど墜落現場から数百メートルしか離れていないところに居を構えておる同僚の八谷議員から質疑がありました。  その中で、石川部長さん、答弁なさったわけですけれども、私ども県議会といたしましても、全会一致でもって意見書を採択しました。その前に私どもは二月九日に防衛省に赴いて、いち早く駆けつけていただいた大野政務官に応対していただきました。まずもって、あってはならない事故が起こったということで、厳重抗議をいたしながら、私どもは五つの項目を要請したわけですけれども、県議会の意見書は四つの項目でありました。私どもが一つ加えたのは、即時のことですけれども、この事故機の即時飛行停止、これはちゃんと守っていただいておるようであります。  先ほど来の答弁の中で、心身のケア、あるいは被害補償、徹底的な原因究明等々については、今、対応していただいておるのはよくわかりました。  気になったのは、四つ目の項の中の迅速な情報提供ですね。  なぜこの文言を入れたかというと、小野寺大臣が来県され、あの現場に来られたときに、近隣自治体の首長さんともお会いされました。それから、私どもも首長にお会いしたときに、必ずこれが出たんですね。  本当に情報提供が正しかったのか、迅速な情報提供になっておったのかという指摘がありました。  そういう状況の中で、後から聞いた話ですけれども、あの墜落した状況を管制塔から目視できたというようなことも私は聞きました。そういうことがあっておって、後の迅速な対応というのを何で怠られたのかなと。  いろんなことが錯綜したと思います。あってはならない事故が起こったわけですから、瞬時とは言わないにしても、自治体あるいは住民、それから常備消防、非常備消防、本当に迅速な情報提供がなされなかったのか。  石川部長、この内容的なものは実際どうだったのか、ちょっとそれをお聞きしたいと思います。 99 ◯石川参考人=今御指摘のあったとおり、状況の一部につきましては、目達原駐屯地の管制塔で管制官が目撃しておりまして、ヘリコプターが機首から落ちていくというようなところは目撃できたようでありますけれども、最終的にどういう形で落ちたのかということは、少なくとも目達原駐屯地では情報が得られませんで、駐屯地としては連絡が途絶をしたので、直ちに落ちた方向に向かって部隊を情報収集のために出そうとしておったところでございます。  それで、落ちたのが二月五日の十六時四十三分ごろということでございますけれども、その後、十七時ぐらいからNHKの映像が出まして、全国に、燃えているのが広がりまして、自衛隊も独自の手段でヘリを飛ばして情報を確認しようとしたりしましたけれども、やはりヘリを飛ばすにしてもすぐ出るわけではありませんので、いろいろやっているうちに、メディアの情報も含め情報が錯綜しまして、最初の三十分、一時間はいろいろ混乱の中で必ずしも十分に御連絡ができなかったというところであります。  私が聞いておりますのは、例えば、神埼市に対しては十七時十五分ごろに情報提供したというふうに聞いておりますけれども、佐賀県のほうには十七時三十分、それから、地元自治体でございます吉野ヶ里町や上峰町につきましては、さらにそこから十五分おくれて十七時四十五分ごろに情報提供がようやくできたというようなことになっておりまして、いずれにしましても、これは非常に混乱している中で、情報も入ってくるものがあればこっちから連絡しなければいけないというものもありまして、当初の一時間はそういう形で周辺自治体への御連絡も含め、十五分ですとか三十分という時間単位でおくれが生じてしまったことはまことに申しわけないと思っております。  なので、今後十分に教訓反省を行いまして、自治体や県民の皆様にはさらに迅速的確な情報提供を行うように最大限努力してまいりたいと思います。  今回の事例としまして、例えば、当日外部からの問い合わせが殺到して、目達原駐屯地の内線がパンクしたとかいうようなこともございまして、今後は回線数をふやすとか、ホットラインを設置する、あるいは各自治体に対する緊急連絡網を見直したり、連絡要領を見直したりするなど検討しまして、今後の教訓反省に反映させていただきたいと思います。 100 ◯留守委員=まさに石川部長、今答弁なさったように、こういうことが二度と起こってはならないわけですね。  しかし、この問題は、自治体からすると一番気になるところなんですね。首長がコンプライアンスの視点で指令を出すときに、何の情報も提供できないと待ちの状態でいかなければいかんということでありますから、やっぱりこの教訓を生かして、その対応、広報体制も含めて、コンプライアンス体制も含めて、しっかりと私は受けとめていただきたいと思います。  そして、この問題が事故調査委員会、民間の有識者の偉い方も含まれての事故調でありますから、速やかな対応をしていただいて、住民の安心・安全に寄与していただくことをお願いして、終わりたいと思います。 101 ◯竹内委員長=ほかに質問のある方はいらっしゃいますか。
        〔「なし」と呼ぶ者あり〕 102 ◯竹内委員長=では、質問がないようですので、これで質疑を終了いたします。  以上で、小波参考人及びほかの参考人に対する質疑を終了いたします。  小波参考人及びほかの参考人の方々には、御多忙中、長時間にわたり貴重な御意見を述べていただきまして、まことにありがとうございました。  参考人及び補助者は御退席されて結構です。     〔参考人退室〕 103 ◯竹内委員長=以上をもちまして、予定していた参考人からの意見聴取を終了いたします。  本日の委員会において参考人の皆様方から述べられました意見につきましては、今後の委員会の審議に十分反映させていきたいと存じます。  なお、本日の委員会での説明及び質疑応答などにおいて、数字または字句の誤り及び不適切な表現などがありました場合は、適宜、委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願っておきます。  以上をもちまして、本日の予定の質疑を終了いたしました。     ○ 継 続 審 査 104 ◯竹内委員長=お諮りいたします。  自衛隊等による佐賀空港使用、佐賀空港の利活用、九州新幹線に関する諸問題の調査に関する件につきましては、重要な問題が残されておりますので、閉会中もなお継続審査に付する必要がある旨を議長に申し出ることにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 105 ◯竹内委員長=御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  これをもちまして、佐賀空港・新幹線問題等特別委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後零時五分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...