佐賀県議会 > 2007-11-10 >
平成19年度決算特別委員会(第5日) 名簿 開催日:2008年11月10日
平成19年度決算特別委員会(第5日) 本文 開催日:2008年11月10日

ツイート シェア
  1. 佐賀県議会 2007-11-10
    平成19年度決算特別委員会(第5日) 本文 開催日:2008年11月10日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三分 開議 ◯堀田委員長=おはようございます。これより本日の委員会を開きます。  日程によりまして、総務常任委員会関係の質疑を行います。  通告に従って、順次発言を許可いたします。 2 ◯福島委員=おはようございます。平成十九年度決算の特別委員会、総務関係の質問をさせていただきたいと思います。  佐賀県の生い立ち、歴史からすると、かなり長い年月が過ぎておるわけでございます。ちょっと調べてきましたところ、佐賀県の沿革ということで、紀元前三万三千年ごろ、犬塚山遺跡成立というふうなことでウィキペディアの辞書に載っておりました。それから、紀元前六世紀ごろ、菜畑遺跡成立というふうなことで進んできまして、一八七一年七月十四日、廃藩置県、そして翌年五月二十九日、伊万里県が佐賀県になる。二年後に有名な佐賀の乱が起こりまして、一八八三年、長崎県より分離独立ということで、佐賀県も非常に長い歴史をたどっておりまして、今回、平成十九年度の決算というのも、駅伝でいいますと、長い間の一年、つなげていかなければならない歴史深いものがあるわけであります。  そういう中で、私は多久でございますので、いろいろな方面で論語が非常に盛んに啓蒙されておりまして、子供たち、そして大人も含めて営々とその教えを請うておるわけであります。  論語の中に「用を節して人を愛す」、国を治めるためには、費用を節約して、国の人々を慈しむことだという教えがございます。まさしくお金、この予算、そして執行については、この旨を念頭に置きながら、執行部の皆様方は、よりよく県民のために使われているものであろうと思っておりますので、その辺を踏まえて質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、経営支援本部の県税の決算と税収確保対策についてから入りたいと思います。  厳しい財政状況が続く中であります。本県では、行財政改革緊急プログラムの見直しを行い、新たなプログラムバージョン2.0を昨年十一月に策定されました。収支不足の縮小や基金残高の確保などに努められているところであります。県税は、貴重な自主財源として県財政を支えるものであることから、その収入状況税収確保対策などについて、幾つかお伺いをさせていただきます。  まず、最近の税収の状況についてお伺いをいたします。  平成十九年度の県税決算額は約八百七十七億八千百万円となっておりますが、平成十九年度を含む過去五年間の税収の状況はどのようになっているのか、質問をいたします。 3 ◯岩崎税務課長=お答えいたします。  最近の県税の収入状況でございますが、まず、平成十五年度が約七百二十六億七千七百万円、平成十六年度約七百四十六億九千百万円、対前年度比は二・八%増でございます。それから、平成十七年度約七百六十一億四千六百万円、前年度比一・九%の増、平成十八年度約七百九十七億七千四百万円、前年度比四・八%の増、平成十九年度が約八百七十七億八千百万円、対前年度比一〇%増ということで、平成十六年度以来四年連続して増加している状況でございます。 4 ◯福島委員=過去五年間、今お答えをいただきました。大方七百億円から七百九十億円というふうなことで来ておりますが、平成十九年度が一割多いわけでございます。そのような中で、手持ちの資料を見ますと、平成十年度が八百九十三億円ということで、近年では平成十年度が県税収入が非常に多かったんではないかなというふうな思いでございます。  そこで、過去七百億円台で推移していた県税決算額が平成十九年度では約八百七十七億八千百万円と前年度と比べ八十億六百六十二万円の大きな増収となっておるわけでありますが、主な税目別ではどのような増減の状況になっておるのか、質問をいたします。 5 ◯岩崎税務課長=平成十九年度の県税収入の税目ごとの増減について申し上げますが、まず主なものといたしましては、個人県民税税源移譲の実施や定率減税の廃止などの影響によりまして、対前年比で一八〇・二%、約九十三億六千二百万円の増となっております。また、法人県民税及び法人事業税は、製造業や電気・ガス供給業の利益の減などによりまして、それぞれ対前年比九六・〇%の約一億七千万円の減、法人事業税が対前年比九四・七%の約十二億三千二百万円の減となっております。  また、その他の主な税目では、不動産取得税が大型店舗の新築や増設などによりまして、対前年比一一六・八%の約三億六千四百万円の増、固定資産税が原発施設の減価償却の進行によりまして、対前年比七一・四%の約三億四千百万円の減、核燃料税挿入核燃料体数の増や核燃料価格の高騰などによりまして、対前年比一三五・三%の約三億一千二百万円の増などとなっている状況です。 6 ◯福島委員=約八十億円増収となったその大きな要因、それは個人県民税が九十三億円増収となったという結果であると思うわけでありますけれども、そこで、個人県民税の納税者の所得の状況は、税源移譲の前と後を比べて変化があるのか、お伺いをいたします。 7 ◯岩崎税務課長=納税者の所得の状況についてでございますが、市町村課税状況調によりますと、個人住民税の納税者の所得につきましては、給与所得、営業等所得、農業所得、譲渡所得等、すべての所得区分の合計で申し上げますが、税源移譲前の平成十八年度は約九千四百十六億六千三百万円、税源移譲後の平成十九年度は九千四百三十三億八千九百万円ということになっておりまして、ほぼ同程度となっております。
    8 ◯福島委員=ただいま答弁を聞く限りにおきましては、個人県民税の納税者の所得の状況には大きな変化はないというふうに思います。そうなりますと、先ほど答弁がありましたように、個人県民税の増収は所得税から個人の住民税への税源移譲定率減税の廃止などの制度改正の影響によるものと考えられるというふうに思います。  そこで、税源移譲定率減税廃止による増収分はそれぞれどれくらいになるのか、お伺いをいたします。 9 ◯岩崎税務課長=平成十九年度におきます個人県民税の税制改正による影響額についてでございますが、平成十九年度の税源移譲に伴います税制改正では、個人県民税の税率について、所得の七百万円以下の部分が二%、七百万円を超えます部分が三%とされていた税率を一律に四%とすることとされたところでございます。したがいまして、平成十九年度の市町村課税状況調から七百万円以下の部分と七百万円を超えます部分の所得階層別課税標準額を算出いたしまして、税源移譲前の税率、いわゆる七百万円以下の部分につきましては二%でございます。七百万円を超える部分につきましては三%を乗じまして算出をしました税額と、同じ課税標準額税源移譲後の税率、いわゆる四%を乗じて算出しました税額との差額、約百四億四千五百万円から調整控除額でありますとか給与所得者の特別徴収によります翌年度への調定影響額を控除しました額が約八十七億四千五百万円でございます。これに平成十九年度の個人県民税の現年分の収入率九七・一%を掛けて、税源移譲によります影響額を約八十四億九千万円と推計をいたしているところでございます。  また、定率減税につきましては、個人住民税の減税率、平成十七年度まで一五%でございましたが、この一五%を平成十八年度に七・五%縮減をして、平成十九年度でさらに七・五%縮減してゼロにするということで、それぞれ七・五%ずつ縮減ということで平成十九年度で完全廃止となったところでございます。  先ほど先生にお答えいたしましたとおり、納税者の方の所得自体は平成十八年度も平成十九年度もそれほど変わっておりませんので、平成十八年度定率減税の実績額、これは課税状況調に出ておりまして、同じ七・五%で、その実績の影響額が、税率控除額が約七億七百万円というふうになっております。したがいまして、平成十九年度もほぼその七億七百万円と同程度だというふうに見込んでいるところでございます。 10 ◯福島委員=この制度改正というもので、今回、昨年十八年度より一割税収がふえたわけであります。これはそれこそ我々議会のほうも、そして執行部の方も痛い思いがあった、三位一体改革の部分で、確かに税源のこういった移譲自体ではよかったわけでありますけれども、反対に、国のほうからしてやられたというふうな部分もあるわけであります。しかし、県税自体のそういう部分の収入というのは、我が県でそれぞれの施策等々を講じるためにやっぱり県税収入を上げていくというふうなことがまず大事であろうというふうに思います。今後はまた政府に対してでも予算獲得、かち取るような、そういった動きを、これは県民一体となってというぐあいに、地方六団体のそういう役割とともに、やっていかなければならないというふうなことで思っているところでございます。  そこで、大切な税収であります。税収の中において、次の質問に移りますけれども、個人県民税税源移譲などにより、平成十九年度は約二百十億円と大きく伸び、県税収入に占める割合も高まっているところであります。補助金などと違い、県の自主財源として自由に使える財源がふえたことは喜ばしいことであるわけでありますけれども、国から県に移譲された財源をしっかり収入確保としていく必要があると思います。  そこで、個人県民税収入未済額の縮減対策についてお伺いをいたします。  まずは、個人県民税収入未済額の過去五年間の推移はどのようになっておるのか、お伺いをいたします。 11 ◯岩崎税務課長個人県民税の過去五年間の収入未済額の推移についてでございますが、平成十五年度が約九億九千六百万円、平成十六年度が約九億九千七百万円、これは前年に比べまして百万円増でございます。それから、平成十七年度九億五千万円、これは約四千七百万円の減、それから平成十八年度九億二千七百万円、約二千三百万円の減、平成十九年度が十二億五千万円ということで三億二千三百万円の増となっておりまして、平成十七年度、平成十八年度と減少傾向にあったところでございますが、平成十九年度は税源移譲などの影響によりまして、三年ぶりの増加となったところでございます。 12 ◯福島委員=お答えいただきました。  それで、平成十九年度の個人県民税収入未済額が十二億五千万円と、昨年度と比べ三億二千三百万円増加しておるわけであります。税源移譲に伴い、個人県民税が増加すれば、収入未済額もこれに伴って増加することも予想されるわけであります。徴収対策を講ずる必要があったと思うわけでありますけれども、県はこれまでどのように取り組んでこられたのか、お伺いをいたします。 13 ◯岩崎税務課長個人県民税収入未済額の縮減に向けた取り組みでございますが、個人県民税につきましては、市町が個人市町村民税とあわせて賦課徴収することとなっておりますけれども、従来から、県といたしましても、市町との共同催告や共同徴収を連携して行ってきているところでございます。しかしながら、個人県民税収入未済額に占める割合が高まってきたことでございますとか、このような税源移譲によって大きく膨らんでくるということから、平成十八年度から市町職員の徴収技術アップの研修を兼ねた県による個人県民税の直接徴収を開始したところでございます。  この直接徴収につきましては、平成十八年度が受け入れ期間が約三カ月ぐらいと短かったために、差し押さえ等滞納処分から換価処分まで行えなかったことなどから、平成十九年度におきましては佐賀県税事務所県税総合広域対策室に直接徴収担当の専任の職員を配置いたしまして、三市町から派遣職員を受け入れ、一年間かけて直接徴収を行いました結果、五千五百五十三万七千円の引き受け額に対しまして、二千四百五十四万一千円を徴収し、徴収率は四四・二%と、滞納繰り越し分県平均徴収率一九・六%に対しまして、約二・二倍という大きな成果が得られたところでございます。  また、共同徴収等につきまして市町との連携をより強化をして、合同捜索の実施や合同公売会の開催などを取り組んで強化してきたところでございます。  さらに、平成二十年度は、県による直接徴収を拡充するということで、三市町から五市町に拡充いたしまして、五市町から五百五件、七千百四十六万四千円の引き受けをいたしまして、現在、個人住民税収入未済額の縮減に取り組んでいるところでございます。 14 ◯福島委員=今、徴収の状況等々をお伺いいたしました。私の手持ち資料ですけれども、(資料を示す)十月二十七日、地元の新聞社の記事に「県と市町 推進機構」というふうな「税滞納解消へ 連携が効果的」というふうなことで、見出しの中に載っておりますけれども、このような、これまでも県として個人県民税徴収対策に取り組んでこられたことは、今の答弁でわかったところでありますが、そうした取り組みがなされたにもかかわらず、個人県民税収入未済額は、今年度は前年度と比べ三億二千三百万円増加しているわけであります。県税の収入未済額の約六割を占めるまでに膨らんだ個人県民税収入未済額を縮減するために、今後、県はさらにどのような取り組みを図っていこうとしておられるのか、お伺いをいたします。 15 ◯岩崎税務課長=先ほど申しましたように、個人県民税収入未済額の縮減を図りますために、県による直接徴収の拡充などに取り組んできたところでございますけれども、この直接徴収、参加市町が少ないことや市町みずからが財源確保のために徴収対策を強化していかなければならないという意識を強く持ってもらう必要がありましたことから、県におきましては平成二十年三月に県と市町とで共同徴収対策研究会を設置いたしまして、検討を重ねてまいりました結果、任意組織の滞納整理推進機構の設置が有効であるとの報告書がこの十月にまとめられたところでございます。それが先生おっしゃいました新聞記事だというふうに思っておりますけれども。  県といたしましては、こういった滞納整理推進機構を来年度立ち上げまして、県内市町の職員とともに税源移譲により、税額が大きくなりました個人住民税収入未済額の縮減を図っていきたいと考えているところでございます。 16 ◯福島委員=そのように連携をとって取り組んでいただきたいというふうに私どもも思うところであります。  そこで、次に移りますけれども、平成十九年度決算における県全体の不納欠損額は約一億八千万円となっておりますが、そのほとんどを県税が占めているわけであります。  そこで、質問をしたいと思いますが、不納欠損額の過去五年間の推移はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 17 ◯岩崎税務課長不納欠損額の推移についてでございます。  平成十五年度が約一億七千三百万円、前年に比べまして約三千万円の増となっております。平成十六年度が一億七千五百万円、これは前年に比べまして二百万円増でございます。それから、平成十七年度が二億三千二百万円、五千七百万円の増。それから、平成十八年度が一億八千六百万円、四千六百万円の減。平成十九年度が一億八千万円ということで六百万円減というふうになっているところでございます。 18 ◯福島委員=平成十九年度の不納欠損額は、前年度と比べまして六百二万円減少しているところでありますけれども、税収の確保を重要課題と位置づけ、収入率アップに取り組んでいる本県としましては、不納欠損処分を行うことは租税債権を放棄することとなるわけであります。また、納税者の間で公平性を失うおそれもあるわけでありますが、慎重に対処すべきであると私は思うわけでありますけれども、この件についてどのように考えられますか、質問いたします。 19 ◯岩崎税務課長不納欠損処分につきましては、時効の完成等によりまして租税債権が消滅をし、あるいは放棄することとなりますことから、その決定に当たっては慎重に対処すべきものと考えております。しかしながら、個別事案によりましては、生活困窮の状態が引き続き継続をし、差し押さえ財産がない場合や所在不明等で法定の期限が経過をして、やむを得ず不納欠損として処分決定せざるを得ない場合も生じているところでございます。  委員御指摘のとおり、不納欠損処分租税債権の放棄により公平性を失うおそれもございますので、安易な欠損処分を行うことがないよう、県では納税義務の消滅する日、または徴収権の消滅時効が成立する日の一年前までに欠損見込み事案の処理状況について税務課で実態調査を行いますほか、経営支援本部長をトップといたしました県税等未収金処理審査会におきまして個別事案の審査を行い、未収金の滞納整理について協議、検討し、適切な運用に努めているところでございます。  今後とも、時効の完成により、債権消滅を余儀なくされることのないよう、さらなる財産調査の上での差し押さえ納付誓約書の提出による滞納者の債務承認の確認など、あらゆる措置を講じて時効中断を図るなど、租税債権の適正な確保に努めてまいりたいと考えております。 20 ◯福島委員=私ども国民としましては、この税に対するもの、国民の三大義務と考えますと、教育を受けさせにゃいかん義務、そして働かんばいかん労働の義務、そしてやっぱり納税をする義務。そうすると、今回質問を上げさせていただきましたが、きちんと納税をしていただいている県民の皆さん方、納税をしたいけれども、この経済情勢の中でできなかったという方もいらっしゃいましょうし、また、できるならば、節税を超えた納税違反というか、納税を免れないだろうかと考えておられる方ももしやいらっしゃるかもわかりません。いずれにしても、このルールの中で納税をきちんと果たしていただくような働きかけ、そしてそれに対して納税できるような環境というか、そういったものも税にかかわる特に職員の皆さん方、そして市町の関係者の皆さんあわせ持って対策を密に行っていただいて、不公平感がないように努めていただきたいというふうに思うところであります。  そこで、最後になりますけれども、厳しい財政運営を強いられている本県でありますけれども、自主財源である県税収入をどのように確保していくのか、今後の税収確保に向けた取り組みについて、西野経営支援本部長にお考えをお伺いさせていただきたいと思います。 21 ◯西野経営支援本部長=お答えします。  県税収入の確保でございますが、「行財政改革緊急プログラムVer・2.0」におきましても、徴収率の向上を掲げるなど、極めて重要な課題であると考えております。  これまでも県では、預貯金でありますとか、給与等の債権差し押さえなどの滞納処分を行ってきたところでありまして、さらにまた、この滞納処分を強化するためにタイヤロックの導入や捜索を実施してまいりました。その結果、市町が徴収します個人県民税を除きました徴収率につきましては、平成十六年が九八・一七%でございましたが、年々向上しまして平成十九年度は九八・六五%と着実に上がっております。収入未済額も昨年度と比べて六千八百万円縮減したところでございます。  また、収入未済額といいますか、徴収率の向上のためにやっぱり納税者の便宜を図ることも必要であると考えておりまして、これまでコンビニでの納入とか、あるいはクレジットでの納入を可能にすると、そういったことにも取り組んできております。  また、御指摘いただきましたように、所得税から住民税への税源移譲がなされましたが、一方、個人県民税収入未済額が増加しております。こういったことから、今後は個人県民税徴収対策を一層推し進めていく必要があると考えております。  また、このようなことは市町も同じような状況でありまして、今後は県といたしましては、税務課長から答弁いたしましたように、市町とともに滞納整理を進めていく組織を新たに立ち上げ、収入未済額の縮減に努めていきたいと考えております。  さらに、地方が安定的で、かつ偏在性の少ない税財源を確保できますように、税制の見直しというものが必要であると考えております。本県では、このような税制の実現のために、地方消費税をより充実させ、その分、法人住民税法人割を国税化するという国税と地方税の交換でありますとか、あるいは地方消費税の精算基準の見直し、こういったことを提案してまいりました。また、実務的に細かいことですが、自動車の差し押さえが円滑にできますように、道路運送車両法の改正、こういったことも国に提案を行ってきております。  このようなことの実現に努めまして、安定した県税収入の確保を目指してまいりたいと考えております。 22 ◯福島委員=総括して今後の方針を示していただきました。遺漏のないように計画実現を努めていただきたいというふうに思うところであります。  それでは、次に移りたいと思います。統括本部の質問に移ります。  統括本部の防災情報の住民への伝達ということで質問をさせていただきます。  最近の災害は、集中豪雨の局地化、台風の大型化、あるいは大規模な地震の多発など、全国的に見ると災害が複雑多様化、大規模化しているように思います。幸い、佐賀県ではことしは台風の被害は一つもありませんでしたし、ここのところ、大きな災害には見舞われておりません。しかしながら、地震などの大きな災害がいつ発生するかもしれない状況にあります。  このような災害による被害を最小限に防ぐためには、気象情報などの防災情報を確実に、迅速に住民へ伝達して災害に備えることが非常に重要であると考えるわけであります。  そこで、平成十九年度の決算におきまして、防災減災等の対策づくりという項目の中で、防災情報の伝達の観点から、防災安全安心情報発信事業として五百五十五万五千円が上げられております。この事業は「防災ネットあんあん」と呼ばれ、私も登録者の一人でありますが、このシステムは、県財政が厳しい中で、経費のすべてを県が負担するのではなく、個人が所有する携帯電話という資源を活用したものと見ることもできるわけでありますし、県民の方々に大いにこのシステムを活用していただきたいという思いでもあります。  そこで、質問をしてまいります。  まず、「防災ネットあんあん」について、このシステムではどのような情報を提供しているのか、まずお伺いをいたします。 23 ◯大坪消防防災課長=「防災ネットあんあん」の情報について、お答えいたします。  「防災ネットあんあん」におきましては、大きく分けまして七種類の情報を配信いたしております。  まず、防災情報といたしまして、大雨・洪水等の気象警報、あるいは注意報、あるいは地震情報、台風情報、竜巻注意情報等の情報がございます。また、防犯情報といたしまして、不審者情報、あるいは犯罪の発生情報、迷い人等の情報などがございます。そして、緊急情報といたしまして、大規模事故、あるいはテロ発生等の情報がございます。また、火災情報といたしまして、火災の発生、あるいは鎮火といった情報を流しております。また、災害発生時の安否確認情報という項目も設けております。そして、生活情報といたしまして、光化学オキシダント、あるいは熱中症等の情報を提供いたしておりますし、また、市町情報といたしまして、市町独自の防犯、あるいは防災情報を提供いたしております。  以上、七種類の情報を提供しているところでございます。以上です。 24 ◯福島委員=かなり幅広く情報提供をなされておるというふうに思いますし、私も常々情報が幅広い分野で入る契約をしておりますので、非常に頼りにしているところでありますし、特に身近な部分の火事の対応等々には非常に役立っているように思っておるわけであります。  そこで、このような情報を提供することで、どのような効果をねらっておられるのか、お伺いをいたします。 25 ◯大坪消防防災課長=目的とする効果についてお答えいたします。  「防災ネットあんあん」の目的につきましては、防災、あるいは防犯情報を迅速かつ確実に県民に提供することによりまして、災害、あるいは犯罪等に対する心構え、あるいは準備に役立てていただくことで、県民の皆様の安全・安心につなげていただくというところでございます。  このように、防災・防犯情報を入手していただきまして、災害や犯罪に対しまして、より的確に対応していただけるものと考えておるところでございます。  以上でございます。 26 ◯福島委員=非常に私も活用させていただきながら、また同僚の皆さん方とも常々この情報提供の活用等々を話しておるところでありますけれども、そのように有効であると思っているわけでありますけれども、それなら県内の登録者についてお伺いしていきたいと思いますけれども、「防災ネットあんあん」は非常に便利なツールであるわけでありますが、現在の登録者数はどのくらいになっているのか、お伺いをいたします。 27 ◯大坪消防防災課長=登録者数についてでございます。  「防災ネットあんあん」の登録者数につきましては、決算の資料でお示ししている十九年度末現在での登録者数につきましては、約一万一千八百人ということになっております。また、その後も増加しておりまして、本年十月末現在では約一万四千九百人というふうになっているところでございます。これは平成二十年三月時点の県内の携帯電話契約件数約六十万件ございまして、その約二・五%ということになっております。  以上でございます。 28 ◯福島委員=六十万件の携帯所持者というか、二・五%と、この事業が始まってまださほど年月がたっていないから、これからだというふうに思うわけでございますけれども、費用対効果をさらにこの分上げていくためには、今後とも登録者数を大きく伸ばしていく必要があると考えるわけであります。しかしながら、携帯電話の契約件数からすると、まだ登録者の割合は低く、より多くの方に利用していただきたいと考えるわけであります。そのためには利用者にとって、より有効で便利なものにするために、提供する情報の内容をさらに充実する必要があると思いますが、どのようなことに取り組んでおられるのか、質問をいたします。 29 ◯大坪消防防災課長=提供する情報の内容の充実というところでございます。  情報の内容につきましては、これまでも充実に努めてきたところでございまして、平成十八年七月の配信開始以来、平成十九年五月には光化学オキシダント、あるいは熱中症情報、紫外線情報、花粉情報といった生活情報を追加いたしておりますし、また、平成二十年三月には防災情報といたしまして竜巻注意情報を追加したところでございます。  さらに、この十一月一日からは、市や町が配信する市町情報といった新たなメニューを追加いたしておりまして、これは市や町が独自にきめ細かな防災、あるいは防犯情報を配信することができるようなものでございます。  今回は鳥栖市からの要望がございまして、市も経費を負担していただきまして、「防災ネットあんあん」の中で一体的に配信を開始したところでございます。  今後とも、市町に「防災ネットあんあん」の活用を働きかけていきますとともに、必要に応じまして新たな情報を追加するなど、利用者にとって便利で役立つものとなるよう内容の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 30 ◯福島委員=市町とも連携をしながら、よりよいこの内容の充実と、そしてそれを今度は利用促進の広報にも生かして、広げられればというふうに思うわけであります。  そういう中で、登録者をふやすためには、広報も非常に必要、重要であると考えるわけであります。このような思いの中で、どのような広報に取り組んでおられるのか、質問をいたします。 31 ◯大坪消防防災課長=広報活動についてお答えいたします。  提供する情報の充実とあわせまして、県民への広報を展開しております。例えば、消防団や消防本部等の防災関係者、あるいは教育委員会等の会合におきましてチラシを配布させていただいたり、あるいは広報をお願いいたしております。  また、地域に出向きまして出前講座を実施しておりますが、その場でのPRをやっておりますし、また、県のホームページへの掲載や、あるいは市町や消防本部を通じまして住民への広報をお願いいたしたり、こういったことに努めてきたところでございます。  今後も、これらの取り組みを通じまして、「防災ネットあんあん」が便利で役立つものであることをPRしながら、できるだけ多くの県民の皆様に利用していただけるよう努めてまいります。  以上でございます。 32 ◯福島委員=広報にも力を入れてやっていただきたいと思いますが、思いますに、やっぱりそもそもが県民のこういう自分の安全確保というか、そういった災害、危害等々に対する構えというもの自体をどうなのかなというふうに思ったりもするわけであります。そういうところで、防災の意識の向上、ここも何とかやっぱり県民の方々に、何でも行政とか、そういう役割を持った、守る、対応する部分に頼るだけではなくて、個人の備えというか、常にそういう情報をキャッチする、またそれに対する対応を、行動を起こすというふうなことの重要な部分があるかというふうに思うわけであります。  そこで、防災意識の向上ということで、最後に質問をさせていただきたいと思います。  まず、伝達された情報を有効に活用して、防災に役立ててもらうためには、県民一人一人の防災意識の向上を図る必要があるというふうに考えます。そこで、県民の防災意識の向上のため、どのようなことに取り組んでおられるのか、お伺いをいたします。 33 ◯大坪消防防災課長=県民の防災意識の向上対策というところでございます。  県民の皆様方が「防災ネットあんあん」などの防災情報を有効に活用していただきまして、災害に備えていただくためには、まずはお一人一人が日ごろから防災意識を高めていただきまして、自分の身は自分で守るという、いわば自助の意識、あるいは自分たちのまちは自分たちで守るという共助の意識、そういったものを持っていただくことが重要であると考えているところでございます。  このため、防災意識の向上、あるいは地域コミュニティーによります地域防災力そのものの向上を図るという観点から、防災に関する意識、あるいは知識、技能を身につけた地域防災リーダーというものの養成を通じまして、自主防災組織の育成強化を図っております。また、地域に出向きました出前講座の実施を、平成十九年度につきましては二十一回実施しておりますし、さらに県の総合防災訓練では住民が参加、体験できるような防災訓練というような形での開催をいたしております。  今後とも、このような取り組みを実施することによりまして、災害に対する心構え、あるいは対応といった県民の防災意識の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 34 ◯福島委員=県の資料(資料を示す)、私もこれをいただきました。「防災ネットあんあん」配信中ということで、いろいろわかりやすく、携帯電話での使い道ということで、さらに広げていただきたいというふうに思いますし、つい十一月七日ですが、後ほど警察本部には質問を行いますけれども、「GPS携帯で高齢者発見」というふうな記事が全国紙の佐賀県版のほうに載っておりました。こういう携帯電話の機能の発達も含めてですが、これはあわせ持って、やっぱり行政が提供する部分、そしてみずからが、民間の事業者がこのような国家的に災害等々を防ぐための活動と、相乗上げていくのが非常にいいことだろうというふうに思います。災害とか危機は忘れたころにやってくるというのは常々先輩方から言われていることであります。常々そういう啓蒙、啓発活動も踏まえて、広報に努めていただきたいというふうに思うところであります。  以上で「防災ネットあんあん」関係は終わりたいというふうに思います。  次に、警察本部に移りたいと思います。  平成十九年度の歳入歳出決算についてであります。  平成十七年度から導入されました本部予算枠制度に伴い、各本部とも予算額が年々減少し、厳しい状況にあると承知しているところであります。しかし、県民の安全・安心、治安を守り、県民の不安解消のよりどころである警察が予算不足により、その活動に支障が出るということは絶対にあってはならないというふうに思うわけであります。  そこで、幾つか質問をさせていただきます。  まず、平成十九年度の歳入決算状況についてでありますけれども、平成十九年度に取り扱った歳入決算額はどのようなっておるのか、質問をいたします。 35 ◯吉岡警察本部会計課長=お答えいたします。  平成十九年度の警察費歳入決算額についてでございますが、議決予算額の合計は二十八億三千七百五十五万一千円でございます。また、県債を除いた収入済額は十六億六千四百三十四万六千三百七円でございまして、平成十八年度と比較いたしますと一億一千二百七十五万七千七百三円、率にしまして七・二七%増加しております。  また、収入未済額につきましては二百八十九万八千円で、これは放置違反金の未収金によるものでございます。  なお、不納欠損額はございません。  以上でございます。 36 ◯福島委員=ただいま平成十九年度の歳入決算等、お示しいただきました。そして、不納欠損額は発生していないということであります。ただ、収入未済額については、放置違反金の未収金が二百八十九万八千円になっているというふうにお答えをいただきました。  そこで、この収入未済額について質問をいたしたいと思いますが、この要因であります放置駐車の違反金制度の概要についてお示しを願いたいと思います。 37 ◯山口交通指導課長=お答えいたします。  放置違反金制度の概要についてでございますが、これは平成十八年六月に施行されました改正道路交通法により導入された制度でございまして、放置車両につきまして、運転者に対して責任追及を行うことができない場合に、車両の運行を管理する立場にあります使用者に対して公安委員会が放置違反金の納付を命ずるというものでございます。  以上でございます。 38 ◯福島委員=お答えをいただきまして、大体概要がわかりました。
     そこで、放置違反金の実績について、お答えを願いたいと思います。 39 ◯山口交通指導課長=それでは、放置違反金の実績について回答いたします。  平成十八年度におきましては、千八百二十三件、二千七百四十六万円の調定を行いましたけれども、年度末では収入済額が千七百八件、二千五百七十八万八千円、収入未済額が百十五件、百六十七万二千円となっております。  平成十九年度につきましては、前年度の収入未済額の分の繰り越しを含めまして三千四百十六件、五千百七十二万八千円の調定を行いまして、年度末では収入済みが三千二百十九件、四千八百八十三万円、収入未済額が百九十七件の二百八十九万八千円というふうになっております。 40 ◯福島委員=細かな数字までちょっとメモり切りませんでしたので、大枠で感想というか、申し上げますと、平成十八から平成十九年度までで五千二百万円の実績ということは、五千二百万円の税収が見込まれたというふうに解釈をしてよろしゅうございますか。 41 ◯山口交通指導課長=お答えいたします。  平成十九年度末で五千百七十二万八千円の調定額でございますので、これに対して年度末で四千八百八十三万円の収入があったということでございます。 42 ◯福島委員=この制度は国税の部分と新たに県税として取り扱うということで、個人的には非常に興味を持っています。大体警察関係の予算とかいうのは、このように徴収するというのは、例えば、俗に言われるネズミ取りとかというとで一生懸命頑張られても、県民のそういうルール違反をされた方は、県ではなくて国のほうに行くのに非常に悔しい思いというか、聞いたこともありますし、私も過去そういう思いをしたことがございます。  ただ、今回、このような制度の改正も相まってでありますけれども、このように県の中に収支をきっちり示していく、またそれにかかわって、収入未済額等々がないように努力をしていくということにおきましては、今後、収入未済額の解決対策というのが非常に重要になってくるというふうに思っておるわけでありますけれども、この収入未済金の解消対策についてはどのように考えておられますか。 43 ◯山口交通指導課長=厳しい県の財政の中でございますので、収入未済額の解消につきましては、我々積極的に取り組んでおりまして、督促状を発しての督促は当然でございますが、その後、電話によります催促、それから月に一回程度、自宅を訪問いたしての催促等々を実施して収入未済額の解消に努めているところであります。また、定期的に預貯金調査を実施いたしまして、預貯金の差し押さえ等を行っております。  こうした催促活動の結果、平成十九年度末で百九十七件、二百八十九万八千円ありました収入未済額は、本年十月末現在で百十六件、百六十六万六千円まで解消しております。したがいまして、今後とも収入未済額につきましては、催促活動等を強化いたしまして、その解消に努めていきたいというふうに考えております。 44 ◯福島委員=百六十六万六千円が現時点での収入未済金ということで、それに回収にというか、精力的に当たっていただきたいと思いますし、先ほどから言っていますが、やっぱりルールはルールでございますので、税の公平性からすると、きちっと納めてもらえるような努力、そしてなおかつ、これが我が県政に対しましては、収入未済金が滞っていくと、欠損不納金としてあらわれる可能性が出てくるわけでありますので、極力与えられた使命ということで頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。  それでは、次の歳出に入ります。  平成十九年度の歳出決算状況についてお伺いをいたします。  平成十九年度で警察で支出した歳出決算額はどのようになっておるのか、質問いたします。 45 ◯吉岡警察本部会計課長=平成十九年度の警察費歳出決算額につきましてお答えいたします。  議決予算額は二百二十七億八千五百五十五万六千円でございます。また、支出済額は二百二十六億六千八百五十三万二千百二十四円でありまして、平成十八年度と比較いたしますと二億六千四百二十四万三千八百四十三円、率にいたしまして一・一八%増加しております。この主なものは、鳥栖警察署及び唐津警察署を改築したための警察施設費が増加したのが主な理由でございます。  また、翌年度繰越額につきましては、七千二百六十六万四百三十七円でございまして、これにつきましては鳥栖及び唐津警察署の改築経費を次年度に繰り越したものでございます。  なお、不用額につきましては、四千九百九十四万七千七百十四円となっておりまして、これにつきましては、職員給与費や赴任旅費などが主なものでございます。  以上でございます。 46 ◯福島委員=歳出の状況をお示しいただきました。平成十八年度、平成十九年度も総枠では厳しい歳入歳出の状況の中、しっかりと県民の安全・安心のためという御努力を感じる数字であろうというふうに思います。しかし、やはりこのような事件、事故等々、多様化したり、そのようなものを考えますと、予算の確保というのが我々県民としては非常に心配になるところであります。  そこで、もう一つの警察予算の経常経費についてお伺いをいたします。  警察活動を行う上で特に必要と思われる警察経常経費について、平成十九年度と平成二十年度予算について説明をお願いしたいと思います。 47 ◯吉岡警察本部会計課長=お答えいたします。  警察本部の経常経費、すなわち警察活動を維持するための旅費や車両用燃料費及び庁舎維持経費、そのほかコピー費や消耗品などの経常経費でございますが、平成十九年度は骨格予算でございましたので十九年度六月現計で申し上げます。十九年度六月現計予算で比較いたしますと、十九年度は約二十七億九千七百万円でございます。平成二十年度の当初予算では二十七億三千二百万円となっておりますので、二十年度は約六千五百万円ほど減少いたしております。  以上でございます。 48 ◯福島委員=一番県民に身近な経常経費の部分で六千五百万円減少というのは、この県全体で緊急行財政のプログラムを実行中というふうなこともここにあらわれているのかなというふうな思いをします。しかし、物を失ったり、そういう災害が起こってしまったでは済まされないというふうな、やっぱり対応をしなければならないし、また、そういう生命、財産が失われるとわかっていて、そのままできなかったでは、やっぱり我が佐賀県としての、この住みよい佐賀県をつくっていく意味では、非常に大切な予算、お金でありますけれども、しっかり保たなければならない、また投下しなければならないことは十分に考えなければならないというふうに思うわけであります。  そして、ここはもう最後のほうのお答えを求めるわけでありますけれども、先週、全国紙の佐賀版を見ておりますと、(資料を示す)「高齢者犯罪十年で四倍」とか、これは土曜日の全国紙の佐賀版であります。「昨年過去最多四万八千六百五人」とかいうふうなことで高齢者の犯罪等々の記事が載っております。  それから、あわせて「振り込め詐欺被害七十八件」、これは本県の「振り込め詐欺撲滅強化月間」というふうなことで、昨日の新聞であります。  なおもう一つ、六日木曜日におきましては、「高齢者の交通死多発」ということで、「昼間の事故で六七%を占める」、非常にこういうメディア、新聞等々も幅広く、子供たちからお年寄りまで、やっぱり活動範囲も広うございますので、それに対して非常に危惧をしているものであろうと思います。  振り込め詐欺一つにしても、先ほどの「防災ネットあんあん」のメールで、とにかく毎日入ってくるというぐらいに、これだけ啓蒙活動をされておられるだろうになと思うけど、個人の認識というのに本当に伝わっているのかなと非常に心配をしますし、これは知る人がやっぱりきっちりその怖い部分等々、安全に気をつけなければならない部分というのもお互いに知らしめ合わなければならないんじゃないかなと。そこにはやっぱりそれなりの経常的な費用というのはかかっていくものであろうというふうに思うわけであります。  そういう意味において、これは最後になりますけれども、県警予算の編成方針について、警察活動を維持するために経常経費がこのように毎年減少していく中で、今後、警察本部予算をどのようにしていこうと考えておられるのか、質問をいたします。 49 ◯津田警務部長=お答えいたします。  警察予算の編成方針についてでございますが、委員御指摘のように、警察予算の経常経費については毎年減少しており、非常に厳しい予算編成を余儀なくされておるところでございます。このため警察本部においては、費用対効果を検証し、既存事業を見直すとともに、光熱水費や消耗品の徹底した節減を図るなど、経常経費までも減額せざるを得なくなっているところでございます。しかしながら、県民の安全・安心を図るため、積極的な警察活動を推進するには相応の予算が必要であることから、今後とも真に必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 50 ◯福島委員=予算獲得、確かに中身がとにかく重要であるわけであります。  私は、常々地元の駐在所の所長さんに会うよりも、いい意味でパトカーの警ら活動等々によく出会います。私はこの警ら活動というのは非常に重要であろうというふうに思っています。何らしか、やっぱりうかつな交通ルールの考え方とか、ややもすると自分本意のドライバー心理に駆られてみたりとか、また、その役割柄、地域の方たちの暮らし等々をかいま見させていただいたり、協働してやってみたりするときに、必ず安全対策等々を常に、よもやの対策を講じなければならないというふうに思っております。そういう中で、背中に「POLICE」がいいのか、「佐賀県警」がいいのか、そこはわかりませんけれども、いずれにしても、警察官の皆さん方のお姿というのは、これはいい意味で自分を律する部分も含めまして、またほかの方と一緒にその警察の活動を見るということは、自分を守る意味では大いに大切なものであろうというふうに思うわけであります。  そういう中に、やっぱり予算というのは、これは県民の安全・安心のためには、しっかり確保しなければならないというふうに思うわけであります。たまたま統括本部、経営支援本部の方もこの部屋にいらっしゃいますし、財務課関係の方もいらっしゃいますけれども、そちらのほうに御意見は振りはいたしませんけれども、全体的にこの厳しい財政である中に、やっぱりなくてはならない予算というふうなことで私どもは考えるわけであります。  そういう意味で、最後の最後でございます。新しく本県の警察本部長になられました伊藤本部長に、これからの佐賀県の安全・安心のための取り組みを踏まえて、御所見をお伺いしたいというふうに思います。 51 ◯伊藤警察本部長=お答えいたします。  警察の責務であります県民の安全・安心の確保は、県民に対する最も基本的な行政サービスの一つであり、このための警ら活動でありますとか犯罪捜査、交通取り締まりなどの警察活動は、低下させることはいささかも許されないというふうに考えております。  このため、歳出改革の努力や政策の棚卸し等を徹底することにより、財源を捻出して必要な経費に充てるなど、一層の創意工夫をしてまいりますが、真に警察活動のために必要な経費につきましては、施策の目的、効果等をわかりやすく財政当局の皆さんに説明するなどして、理解を得て確保していきたいと考えておるところでございます。よろしくお願いいたします。 52 ◯福島委員=長時間にわたり財源関係、決算関係につきまして質問させていただきました。  冒頭、個人的に多久出身でございますので、孔子様の教えをかりまして、論語から始まりましたもんですから、論語で閉じさせていただきたいと思います。  「人を以て言を廃せず」、どんな人の意見でもよい意見ならば採用する、よくない人だからということで正しい意見まで取り上げないということはしない、だれが言ったかは重要ではない。  以上、申し上げまして、質問を終わります。 53 ◯堀田委員長=以上で福島光洋委員の質疑は終わりました。 54 ◯藤崎委員=県民ネットワークの藤崎輝樹です。財政運営の基本は健全財政であり、私が申すまでもなく、収支の均衡と適正な行政水準の確保によらなければならないというのはよく理解されているところでありますが、あわせて社会情勢の急激な変動に耐え得る弾力ある財政構造を保ちながら、住民の福祉向上に努めるのが皆様の責務であると認識しております。  そのような観点で佐賀県を見てみますと、監査委員の指摘にありますように、財政健全化の具体的な取り組みとして、佐賀県行財政改革緊急プログラムの実現を目指してこられました。  しかしながら、交付税の見込み違いから改めて緊プロを見直され、バージョン2.0を策定されたわけであります。このことだけを踏まえても、佐賀県の財政が国の財政と施策に振り回される状況にあることは否めません。つまり、財政自主権は保障されているにもかかわらず、主体的に財政運営ができないことを強く県民は認識しておかなければならないことを初めに申し上げ、質問に入らせていただきます。  初めに、平成十九年度佐賀県歳入歳出決算審査意見について教えていただきたいと思います。  平成十九年度決算審査においては、財政の健全化という視点に立って審査意見書に記されておりますように、例えば、その係数は正確であるかとか、歳入は予定されたとおり収入されてあるか、そういう云々等において審査されておりますけれども、これ以外についてどのような点をもって審査されたのか伺います。 55 ◯北島監査委員事務局長=平成十九年度決算審査に当たっての注意点についてということでございます。  平成十九年度佐賀県一般会計及び特別会計の決算審査に当たりましては、審査意見書に記載しております五項目のほかに、事務事業はその本来の目的に即応し、かつ計画的に運営管理されているか、収入の減額や免除の取り扱いは適正か、随意契約の理由は適正か、工事発注に当たって、事前調整が十分に実施されているか、また、適正な工期が確保されているか、工事の執行について、工程管理は徹底されているか、また、検査は適正に執行されているか。収入未済額の実態把握や督促等は適切かなどの重点項目を定め実施したところでございます。さらに、予算決算会計事務、それから契約事務、財産管理、工事事務など七事項にわたりまして、百五十五の着眼点をもって県庁各課、あるいは現地機関など二百二十二の部署について、現地に出向き監査を実施いたしました。その結果についても決算審査意見に反映をしたところでございます。  以上でございます。 56 ◯藤崎委員=ただいま御説明いただいたように、その百五十五の着眼点というのは、やはり高い知識と経験等がなければ、なかなか一般の県民では、チェック、審査できないものであろうというふうに認識しております。そこにおいて大事なものは、あくまでも客観性であって主観的なものではないということが、やはり行政の公平性を保つために必要であろうというふうに考えてもおります。  続いて、平成十八年度決算審査を踏まえて、それではどのような点に特に注意をされたのか伺います。 57 ◯北島監査委員事務局長=平成十八年度決算審査を踏まえ、特に注意した点は何かということでございます。  平成十八年度、なかなか改善が見られなかった項目につきまして、特に重点的に監査いたしました結果、一つは支出負担行為手続の時期が遅延しているものについて、二千九十六件の指摘をいたしております。  それから、備品につきましては、財務規則で備品の基準となります取得価格が改正されたこともありまして、監査といたしましても備品元年と位置づけ、その管理状況を厳しくチェックした結果、亡失しているものが七百四十一個、取得価格で約二億円があったため、今後の管理につきまして、毎年度現品と台帳の確認を適切に行うよう意見を述べたところでございます。  また、契約事務につきましては、その重要性にかんがみ、厳しく監査をいたしましたけども、適正を欠く手続八十件について指摘したところでございます。  さらに行政監査として実施をいたしました指定管理制度の監査結果につきましても、審査意見に反映をしたところでございます。  以上でございます。 58 ◯藤崎委員=やはりこの決算審査を踏まえて、確実に執行部におかれては反省すべきは反省して取り組んでおられる、その成果というものがやはり翌年度に反映されてきているのであろうというふうに認識しております。  ただ、残念ながら、やはり改善が見られなかった点もあるということは、実は例えば、コストの面でなかなか容易に着手できない部分もあるのではないかというふうに認識しておりますので、ここのコストに関して、じゃあ監査委員さんのほうからどのような対応をしたほうがいいというのは、非常に申し上げにくいところであろうかとも思うわけであります。というのは、施策的なものに関与することになってくるところもあるからでありますが、ただ、財政の健全化ということに関しては、やはりそこは踏み込んで、その緊プロによらずとも、案というものは大いに指摘してよろしいのではないかというふうに思うんですけども、その踏み込む度合いについて御意見をお聞きしたいと思います。 59 ◯中村監査委員=お答えいたします。  ただいま委員御指摘のように、政策なり、そういうものにどこまで踏み込めるのかというのは、いろいろ監査の上で議論が分かれているところであります。ただ、平成十一年度から外部監査の制度が導入されております。その際、国の考え方としては、やはり効率性、効果、そういうものまで踏まえて監査は手を入れるべきだというふうな判断が一つ大きく出ております。私どもも、そこらあたりにつきましてはかなり踏み込んだ形で、コストの面につきましても、それから事業の効果、そういうものにつきましても、それぞれの担当課長、あるいは現地機関の長と議論する際には申し上げているところでございます。 60 ◯藤崎委員=それも地方分権、地域主権の流れの一環の中の一つであろうと考えております。効率性、効果を踏まえて、監査の立場を越権しないような状況の中であっても、ぜひ積極的にそのような意見等は申し上げていただきたいなというふうに感じております。  次の質問に入りますけれども、先ほどの国の見直しといいますか、決算審査の監査委員のあり方について踏み込んだ意見等によりますけれども、平成十九年度佐賀県歳入歳出決算等審査意見書の今後の県政運営に関する意見について、ちょっと伺いたいと思います。  平成十九年度は、いわゆる古川県政二期目の方針の検証ということにもなるのではないかと思うんですが、この意見書の結びの部分で「『佐賀県総合計画二〇〇七』に基づき県民にとって真に必要な施策を効果的に実施され、県勢の発展と県民の福祉の向上が図られるよう望むものである。」というふうに記載されております。  ここであえて「『総合計画二〇〇七』に基づき」と記された意図について伺いたいと思います。 61 ◯中村監査委員=お答えいたします。  意見書の結びの部分についてのお尋ねでございますが、意見書につきましては、私どもが第一義といたしておりますのは、やはり平成十九年度の決算にかかわる部分でありまして、先ほど事務局長が御答弁申し上げましたとおり、多項目の視点で定期監査等を行い、それをあわせて考慮し、意見を述べているところでございます。  例えて申しますと、いわゆるたい焼きのあんこのいっぱい詰まった部分がここに当たるかと思っております。結びの部分は、たい焼きを形づくるための尻尾の部分と言えるかと思います。ただ、尾っぽの部分ももちろん大変重要でございます。  そういう意味で、この結びのくだりにつきましては、緊プロ、緊プロバージョン2.0と続く厳しい県財政状況の中で、各現地機関の長を初め、本庁各課課長の皆さん方と一年にわたり委員監査を通じて御議論をさせていただき、各監査委員が感じました状況等を勘案し、厳しい財政状況の中でも必要な財源の確保に努め、真に必要な施策を効果的に実施し、県勢発展と県民の福祉の向上が図られるよう期待する旨の意見を述べたものであります。  お尋ねの「『佐賀県総合計画二〇〇七』に基づき」と記載された意図は何かということでございますが、他意はございません。「佐賀県総合計画二〇〇七」は、社会情勢や県民意識の変化などに対応し、県民が「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」をつくるため、県民や市町との意見交換会、数回にわたるパブリックコメントを経て作成されており、平成十九年十一月議会でも知事が所信表明をされ、既に動き出しております。  県政を計画的に運営されることは大変重要なことだと認識しており、まずはその計画に基づいてという意味で、その表現をいたしたところでございます。 62 ◯藤崎委員=わかりやすい表現をしていただいたかと思いますが、まず他意はないということは、つまり書かなくても、この意見書の中身については何ら動いてこないと、つまり読み手に与えるものとしては意味は変わってこないという認識でよろしいんですよね。 63 ◯中村監査委員=なくてもいいかという話でございますけども、いわゆる県の知事が県を運営していくために、そういうふうな計画を立てられて、そして県民にも理解といいますか、意見交換等をやられて、そして、それに沿ってやっていくということでございますので、まずはそれに沿ってやっていただきたい。その中で申し上げておるように、重要な、本当に今の時代、それぞれの年度で県民に必要なもの、それは当然取捨選択してくださいと、そういう意味でここに掲げております。 64 ◯藤崎委員=県民に必要な施策というものは、やはり議会のほうに提案されて、我々がそこで議論を通して執行に当たっていくものというふうに認識しておりますけれども、まず私が確認したいのは、先ほど国においても考え方が変わったというような話がありましたが、基本的にそれは財政の健全性のための意見でないかと、そのための踏み込んだ意見について提言されるものであり、本来、主として監査委員というのは、計算に何ら過誤がないか、誤りがないかというのがあくまでも最も大事な部分であり、踏まえて主要施策の成果の報告は、当然その監査委員の決算審査の対象とならないという考え方は従前と変わっていないのではないかと。  もう一度繰り返しますが、主要施策の成果の報告に関しては、監査委員の決算審査の対象とならないという考え方は変わっていないというふうに思うのですが、どうでしょうか。 65 ◯中村監査委員=御案内のとおり、監査委員ができる範囲といいますか、こういうのは地方自治法で定めておりまして、財務的なものに限るということが一つございます。これは地方自治法の第百九十九条。それと別に、いわゆる地方自治法の第二百三十三条で決算審査をしろということになっております。決算審査は監査委員の責務の中から外れた形で地方自治法では定めております。その中で、決算審査の意義といいますか、そういうものをどこまでできるかというのはいろいろ議論が分かれているところでもございます。  読み上げてみますと、決算書等の様式の関係法令の準拠性が一つ、それから決算に計上された金額の正確性、それから予算執行の適正性、それから予算執行の妥当性、そのほかに財政運営の妥当性、合理性というものについても議論ができるというのが一つあります。  それともう一つは、地方自治法の定めの中にいわゆる監査委員が行政運営に対して意見を申し述べることができるというふうな規定が実はあります。それに基づいて、定期監査の報告書にそれぞれ毎年十項目前後のいろんなものを申し上げているところでございます。  そういうもの等々を勘案して、私どもの判断としては、今回のこの発言がそこまでは及んでいないというふうに理解をいたしているところであります。もちろん、私ども監査委員四名おりますけれども、まずは公正不遍というのが議会でも承認されていますし、それを大前提として仕事をしておりまして、また、今回の審査意見につきましても、議員選任の監査委員さんを含む四名の監査委員の合議の上で審査意見としてまとめたものでございますので、御了解を賜りたいと思います。 66 ◯藤崎委員=見解の相違であって、ここの部分というものは了解していただきたいというような話であろうかと思いますが、私は、平成十八年度決算と今回の平成十九年度の決算等審査意見書と読み比べまして、もちろんおのおの数字的なもの、また着眼点において出されたものというものは違いはありますけども、私自身が感じた一番大きな違いというのは、実はもう最後の結びの部分に書いてある「『くらしの豊かさを実感できる佐賀県』の実現を目指して」の後に、「『佐賀県総合計画二〇〇七』に基づき」と書いてあるのか、平成十八年度はこれを書かずに、そのまま「県民にとって真に必要な施策」というふうに、つまり平成十八年度の結びの部分に、そのまま実は「『総合計画二〇〇七』に基づき」というのが書き込まれてあります。行政の一貫性を考えたときに、このこと自体は何らおかしいとは思いませんけれども、ただ、総合計画二〇〇七を記されてあるというのは、私はいささかというよりも、大分疑問を感じております。  と申しますのは、この総合計画二〇〇七というものの中身については、まだまだ議会のチェックも受けておらず、もちろん予算の提案もなされておらず、そして議決も得ていないわけであります。これから大きく掲げたビジョンに向かって具体的な施策をこの総合計画には書いてありますから、それに基づいて進めていきなさいということは、ある意味議会がチェックする前に、監査委員さんのほうから財政の健全性を保つためには、これはよい方向性に進んでいくことだという言質を与えたことになるのではないかという危惧を持っていたから、私はあえてこのような質問を取り上げさせていただいたわけであります。  今話を聞いて、そういう他意的な部分、いわゆる知事におもねるような部分というものは全くないと、あくまでも監査委員として、公平公正、そして客観性を持って意見を付されたということでありますので、そこの部分はよく理解しておきます。  また、あわせて当然見解の相違でありますので、そういう意見があるということもぜひ踏まえておいていただきたいものと思います。  次の質問に入らせていただきます。  次に、総合計画二〇〇七について伺ってまいります。  平成十九年度決算に対する監査委員の決算等審査意見書では、今後の県政運営について「『くらしの豊かさを実感できる佐賀県』の実現を目指して、『佐賀県総合計画二〇〇七』に基づき県民にとって真に必要な施策を効果的に実施され、県勢の発展と県民の福祉の向上が図られるよう望むものである。」と結ばれております。  そこで、平成十九年度十一月に策定された「佐賀県総合計画二〇〇七」についてお尋ねをしてまいりますが、まず初めに、総合計画については新たな総合計画二〇〇七以前は、平成十三年度、二〇〇一年から平成二十二年度、二〇一〇年までを計画期間として、既に前井本県政で進められていたわけであります。行政の一貫性との整合性は、昨年の総務常任委員会でも指摘させていただきましたが、当然新しい知事のもとで計画を練り直し、施行されていくことは、現実的な政治であろうと理解をしております。  しかしながら、私が特に注目をしたいところは、それまでの総合計画と古川県政における総合計画二〇〇七については、実は大きく異なるものがあるというふうに感じております。  そこで、改めて伺ってまいりますが、総合計画策定の趣旨並びに策定に当たって注力した点を伺います。 67 ◯副島政策監=総合計画策定の趣旨並びに策定に当たり特に注意した点についてお答えいたします。  「佐賀県総合計画二〇〇七」は、我々が初めて経験いたします人口減少社会の到来、少子・高齢化の進展、地球温暖化等環境問題の深刻化など、そのほか市町村合併等によります地方行政の枠組みの変化など、社会経済の大きな変化、また県民の皆様の県政に対する参加意識の変化などに対応していくため、新たな施策展開を計画的に行うために策定したところでございます。  また、策定に当たっては、古川知事のマニフェストを施策レベルに落とし込んで取り入れたほか、県民や議会の皆様を初め、商工団体、医療関係など各種団体のほか、市町などと延べ二十二回の意見交換会を実施いたしまして、また、素案段階から計画案まで、計四回のパブリックコメント等を実施し、県民の意見を積極的に取り入れたところでございます。  以上でございます。 68 ◯藤崎委員=社会情勢の大きな変化というのは大変説得力があると思います。確かに、人口減少や温暖化、合併云々等が大きく移ってきて、それに対応しなければならないという緊急の状況にもあるというのは、私もよく理解をしております。そのために改めて総合計画を策定されたというのは、当然至極のことであろうというふうに感じておりますけども、ならばお聞きしたいと思いますが、社会情勢の変化が一つ大きな理由であるとするならば、私はこの総合計画の“充”点項目のところに知事のいわゆる個人的と申しますか、政務としてのマニフェストが位置づけていることに対して疑問を感じているわけであります。  なぜならば、これを総合計画に書き込むことで、先ほど申し上げられた社会情勢の変化というものに実は対応できないようになってしまったと。本来総合計画が社会情勢の変化に対応する形でつくらなければならないものが、知事のマニフェストを取り込むことで本来対応せざるを得ない部分、私はそれが財政状況、財務の部分であろうと思いますが、そこの部分で対応できないようなものが、実はこの総合計画の中に書いていることで、揺らいでいるように感じているのですが、その部分についてはどのように感じておられるでしょうか。
    69 ◯副島政策監=新たな政策課題に対して硬直化しているのではないかという御質問でございます。  総合計画二〇〇七では、県のすべての施策を六つの柱に沿って施策分野ごとに分類しまして掲載しているところでございます。それぞれの施策につきましては、ここ四年間で行います数値目標を設定しておりまして、施策の取り組み結果については、その数値目標をもって、その都度見直しを行っておりまして、効果的な事業実施、タイムリーな事業実施に努めているところでございます。  以上でございます。 70 ◯藤崎委員=申しわけございません。私の質問の仕方が悪かったようで、まだ二項目に実は移っていなくて、済みません。そのようにとらえるような質問の仕方をしてしまったなというふうにもちょっと反省しております。  もう一度繰り返します。社会情勢の変化が大きな理由ということで今回総合計画が策定されたというふうに理解をしております。あくまでも社会情勢が大きく変わったんだということであります。  そこの部分に、知事のマニフェストを“充”点項目として位置づけることで、本来状況の変化、私がここで言うものは財政状況であります。そういったものに対応できなくなってしまうようなことがあったのではないかという点をお尋ねいたしております。(「知事は全知全能ではありませんよ」と呼ぶ者あり) 71 ◯石橋総括政策監=この総合計画をどういうふうにつくっていくかということにつきましては、平成十八年度中、庁内でもいろんな議論をいたしました。といいますのも、県の総合計画、それまで十年単位ぐらいでつくっておりまして、実際は五年から七年ぐらいたった時点で変えていくという繰り返しをしてきておりました。  じゃ、今後その総合計画をどういうふうにしていくんだということを考えたときに、一つは、古川知事の一期目のときには総合計画をつくってから二年ぐらいしかたっていませんでしたので、それはある程度既存の総合計画に知事がマニフェストを掲げてきた政策を上書きするような形で重点実施項目というものを定めて、それを併設して走らせようということになってきたわけですけれども、十二年に策定してから六年ぐらいたっていて、人口減少とか大きな課題が出ているということもあります。  それともう一つは、今後こういった首長選挙というものが、前提としてマニフェスト型の選挙に当然なっていく。とすると、マニフェストでこういうふうにしてやるということで、すべてが支持されたのではないでしょうけれども、全体としては支持いただいて、それで当選してきたと。そういうふうにして当選してきた首長のやりたいことが実現できない、あるいはそれに向かっていけないということは、それはまたそれで投票してくれた県民の方々を無視した話になるというふうになっていきます。となってくると、そのマニフェストというものは、先ほど言いましたように、全部の項目について県民が賛同しているとは思いませんけれども、ただ、いろんな意見をお持ちの上で全体として御支援いただいたとするならば、それは計画としてはやはり掲げるべきであろうと。ただそれが毎年毎年予算編成ということはやっていくわけですから、その情勢情勢に応じてまたいろんな御意見があり、それは今やるべきではないとかいうようなことになれば、それはそれで対応していけばいいのではないかということで、県の長期的な計画と知事のマニフェストをどういうふうに組み合わせていくのか、それぞれ毎年毎年で、しかも総合計画というのは、これからの方向性、県の政策全体の方向性を示し、その中で、特にこの四年間でやっていこうと考えているものを提示しているわけです。  それとはまた別に、毎年毎年の予算編成とか事業計画というのは、毎年毎年また議会にもお伺いして、そこの中で審議をしていただくという、その二つの二面性があるものですので、それはそこで、その時々の課題とか、県の対応というのはそこにゆだねてもいいのではないかということの整理をしているところでございます。 72 ◯藤崎委員=今の答弁で、計画として掲げるけれども、一つ一つの施策については情勢を見ながら判断をしていくということの御答弁であったかと思いますが、今ここで一つ確認をさせていただきたいんですけれども、総合計画二〇〇七の策定は平成十九年度でありました。ですからここで議論をしているわけでありますけれども、知事のマニフェストは、恐らく統一選挙の前ということで、平成十八年度中であったろうかというふうに思っております。つまり、ここに時間的タイムラグが生じているわけでありますけれども、そこの部分を実は私は指摘して議論をしたいと思ったんですけど、先ほどの石橋さんの話を聞くと、実はもう平成十八年度中に、この総合計画の中身についても庁内では議論をしてあったという認識でよろしいんでしょうか。 73 ◯石橋総括政策監=個別の事業の中身とか、進むべき方向性ということではなくて、その総合計画自体を県庁の中でどういうふうに考えていくのだ、県政の中でどう位置づけていくのだと。ですから、総合計画とマニフェストと各年度年度の予算、その三つをどう組み合わせて、どうやって管理していこうかというような話をしているということでございます。 74 ◯藤崎委員=総合計画の位置づけということで、その概念的なものを議論されてあったということであって、施策についての議論ではないということであります。  ならば、平成十九年度は緊プロの見直しを行われたわけであります。当然財政が大変厳しい状況に陥っているということは、総合計画を策定する段階においてはわかっておられたはずであります。そして、それ以前の知事のマニフェストを作成された時期、その折にも実際は財政的に厳しいものであったろうと思いますが、これは政務的な知事の選挙時における有権者に対する公約であり、何らその時点において財源的裏づけというものはなかったであろうというふうに私は感じているわけであります。  ですから、そういう観念で立ちますと、本来ならば総合計画を策定する折に、知事のマニフェストを優先的に位置づけるよりも、緊プロを見直さなければならないような厳しい状況においては、少なくとも四年間の施策を数値化して掲げておられるわけでありますから、本来そこにそういう財政状況というものを踏まえて総合計画を策定されるべきではなかったのかということを私は申し上げたいわけでありますが、その考え方についてはいかがでしょうか。 75 ◯石橋総括政策監=総合計画だから、計画だからといって財政のことは全く考えないというわけにはいかないと思います。ただ、一方で、その財政が厳しいからといって、その新たな打ち出しを全くしないということでもないと思います。それはやはり両方相まってやっていこうということでございます。  県庁内での検討がどうであったかというと、やはり総合計画の策定のほうが若干先行したというのはあります。それは、財政状況の厳しいというのは肌で感じながらも、じゃあその中で何をやっていくんだという、そういうアイデア出しのほうをまず優先したということはあります。  それはなぜかといいますと、緊プロの見直しを何となくしなければいかんだろうと。ただ、そうは言いながらも、当時平成十九年度の交付税の額がどうなるかという、そこの発射台がはっきりしないことには先の推計がなかなか難しいということで、何となく緊プロの見直しをしなきゃいけないのではないかと思いつつも、その平成十九年度の交付税の決定を夏まで待っていたというのはあります。  その後、総合計画の策定は進めながら、その横で同時に緊プロなり、その収支見通しなりの策定を同時並行して進めてきたということです。中身的には総合計画の策定はもう少し早くできたとは思います。  ただ、その財政状況を見たときに、じゃあ例えば、道路かどうかわかりませんが、あるものの整備率をどこまで上げるんだとかいうのは、やはりそれは財政状況がある程度、一方では緊プロの見直しをやっていますから、その枠はある程度考えないと整備率とかはなかなか言えない問題がありますので、そういうこともあって、十一月になって緊プロと総合計画と、そこの整合性を図って、ほぼ同時に決定をしたというふうな状況になっております。 76 ◯藤崎委員=最後にもう一点だけ、ならば確認をさせていただきたいんですが、いわゆる知事のマニフェストに関しては、総合計画に盛り込まれる折に、聖域化されて盛り込まれたのではないかと。本来そこに行政の一貫性を考えるならば、それこそ各本部なり、また皆様方のほうで知事と議論をして、できるものとできないもの、やはりいいことばっかり言っておいても、財源の裏づけがなければやはりできないわけでありますし、またそこを無理して行えば後世に負担を残すわけであります。ならば、財政の健全化という視点に立って申し上げますと、そこの部分を聖域化せずに、本来網をかけるべきではなかったのかと、きちっと精査をするべきはなかったのかと、そこが選挙というものを通じて、そこの部分が強調された余りに優先的に──言葉は語弊ありますが、押し切られたのではないかと。これはいい悪いを申し上げているのではありません。財政の健全化という視点に立って申し上げているわけでありますが、いわゆる知事のマニフェストを聖域化してしまったという反省点はないのかお尋ねいたします。 77 ◯石橋総括政策監=知事のマニフェストをどういうふうにとらえるかということも一つあろうかと思いますけども、先ほど来、何回も言っていますけれども、古川知事は、やはりマニフェストを掲げて当選をしたと。その賛成をいただいたということでございます。ただ、それがすべての項目に賛成をいただいたということではなかろうかと思います。それぞれの項目については、県民がいろんな御意見をお持ちだということは当然の上で、ただ全体として御支持をいただいたとするならば、少なくとも掲げられている項目というものは、我々としてもやっぱりテーブルに上げるというのは当然あろうかと思います。しかも、我々項目に掲げられた項目の方向性として、いや、これはもう根っこからだめだというふうなものはなかったろうかと思っています。  ただ、そういう中でも、進路をどういうふうにやっていくか、やり方をどういうふうにしていくかというのは当然あろうかと思います。  具体的な例といたしましては、例えば、マニフェストの中には校庭の芝生化というのがあって、二十カ所つくっていくというのがありましたけれども、平成十九年度の施策の工程表の中ではそういうふうに掲げていますが、今回、平成二十年度の予算組みをするときに、果たしてそれでいいのかという議論は中でもずっとやっていまして、結局芝生化するというのは、それはいいのかもわからんけれども、ただ、義務教育にするのか、あるいは幼稚園とか保育園とかをするのかと。じゃあ効果としてどっちなんだとすると、知事のマニフェストでは学校というふうになっていますけれども、学校じゃなくて、幼稚園とか保育園とか、そういったところがいいんじゃないかとか、あるいは二十カ所ばっとするんじゃなくて、まず二カ所してみましょうよと。その中で、後の維持管理とかなんとか、そういうやり方とかのノウハウを積み上げて、それがきちんと回るようにしていきましょうということで、これは方向性なんか完全に方向転換しているわけですね。そういったことはきちんと今後ともマニフェストに掲げてある項目であろうとも、その進捗であるとか、その踏み出し方とか、そういったことは毎年毎年の財政状況等々を見ながら、あるいは県民の方からの提案なり、あるいは議会からの御意見とかを踏まえながら、そこら辺は毎年毎年適宜設定をしていきたいというふうに思っています。 78 ◯藤崎委員=私の意を酌んでいただいた、大変説得力ある答弁いただいたかと思いますけれども、午前中、最終的にもう一つ、次の項目に入る前に、意見として指摘をさせていただきたいんですが、マニフェスト選挙というものは、当然今後も主流になってくると思います。  私は、このマニフェストの公約を守ってはいけないということを何ら指摘しているわけではないんです。私が申し上げているのは、残念なことに、人件費を下げなければならないほどに国の地方に対しての対応が悪くなっている中で、私はこの部分においては聖域化せずに見直すべきであったろうということを申し上げているわけであります。  と申しますのは、知事はマニフェストを出せますが、我々議員は、いわゆる数値化したマニフェストは出せないわけであります。我々は予算に関しては何ら提案をできないわけでありますから、あくまでも知事のみが、この県民との約束というのは大手を振ってできるわけであります。そして、それをチェックするのが我々議員の仕事でありますし、先ほどから言われているとおり、県民はこのマニフェストのすべてにおいて賛同しているわけではない。  その一番いい例が、やはり新幹線であります。なぜ新幹線が県民の多くの理解を得られていないのか。そして、県民の代弁者である県議の全賛同も得られていないのか、ここは大変大きな意味があります。  私が一番申し上げたいのは、今の財政状況で本当に今やるべき課題であるのかということを強く強く指摘だけさせていただいておきます。(拍手) 79 ◯堀田委員長=暫時休憩します。午後一時から再開します。     午前十一時五十六分 休憩     午後一時三分 開議 80 ◯堀田委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 81 ◯藤崎委員=午前中に「佐賀県総合計画二〇〇七」について、また、新たな政策課題についての対応という面に関しましても御答弁いただきましたので、続いて次の質問に入らせていただきたいと思います。  アジアのハリウッド構想についてでありますけれども、二十一世紀の成長分野と言われるデジタルコンテンツ産業を県内に集積、定着を図り、また、映画やテレビドラマの誘致を通じて地域の活性化を図るという構想であったと思います。  特に、デジタルコンテンツ産業については、インターネットなどの情報通信基盤の全国的な整備促進により、これまで東京などの大都市に集中していたコンテンツビジネスが地方においても展開可能であるとのことで取り組まれており、デジタルコンテンツは若者にとっても人気がある分野であり、若者が県外に流出せずに県内に就職できるということは、非常に喜ばしいことと考えております。また、県内で撮影された映画の全国的なヒットは、多くの県民が誇りに感じたと考えております。  しかしながら、平成二十年度の知事の演告にアジアのハリウッド構想が取り上げておられなかったというふうに記憶しておりますけれども、これはアジアのハリウッド構想が一定の成果を上げたとの認識であったのか。それとも、断念をされたのか、よくわからないところでもありました。  そこで、改めて、知事が特に力を入れていたと思える重要施策であったかと思いますが、平成十九年度予算実行効果の観点で伺ってまいります。  アジアのハリウッド構想の目的についてでありますけれども、そもそも、この言葉は、知事が平成十五年に「パワふる佐賀」の中で打ち出された政策であったと思います。正直申し上げて、知事自身が当初思っておられたイメージと、その後進んできた構想の結果というのは、実は乖離しているのではないかというふうにも私は感じておりますが、それは知事みずから一般質問の答弁の中で、以前、具体的な反省としてアジアのハリウッド構想を挙げられたことからも指摘できるかと思います。  そこで再度、この目的が何であったのかお示しください。 82 ◯原政策監=アジアのハリウッド構想の目的についてでございますが、この目的には大きく二つの目標がございます。  一つは、デジタルコンテンツ産業を県内に集積、定着させるということ、もう一つは、映画を初めとする映像コンテンツを佐賀に根づかせるための映像文化の定着、映画、テレビドラマのロケ誘致でございます。  デジタルコンテンツ産業は、インターネット等の情報通信基盤の発展に伴いまして、二十一世紀の成長分野として期待されているところでございます。デジタルコンテンツは、インターネットの高速、大容量化や携帯電話の普及によりまして、身近なものとなっておりまして、その制作を行うクリエーターというのは、非常に人気職種の一つと言われているところでございます。また、映画、テレビドラマのロケ誘致は、映像というコンテンツを活用して佐賀県を全国に情報発信することで、地域の経済、観光、文化の振興に大きな効果を与えるものと考えているところでございます。  いずれも県にとっては、新しい分野でございまして、その取り組み手法が確立していなかったため、平成十七年三月に県内外の専門家によりまして、アジアのハリウッド構想推進戦略というものを策定していただいたところでございます。  この戦略は、文化、産業、教育の三つの領域を融合させたものとなっておりまして、人材育成等産業化戦略、チャレンジドIT能力開発戦略、コンテンツ文化定着戦略及び地域資源情報発信戦略の四つの戦略に基づき推進しているところでございます。  以上でございます。 83 ◯藤崎委員=ソフト面の新たな取り組みということでありまして、今年度の具体的な評価としても、大変目に見える形で、このソフト面があらわれてきている部分も多かったというのは私も感じております。少しずつ芽を出しているのではないかというふうに感じているところなわけでありますけれども、改めて、これまでの取り組み事業について、先ほど言われたように、コンテンツビジネスと映像文化の支援事業ということに分けて、人材育成やチャレンジドIT能力開発戦略やコンテンツ文化定着戦略、また、地域資源情報発信戦略などに区分され、その中身について、数多くの事業がなされております。これらの取り組み事業について再度伺いたいと思います。 84 ◯原政策監=これまでの取り組み事業についてでございますが、具体的な事業の取り組みは平成十七年三月の戦略策定後でございまして、実質的には、三年が経過したところでございます。  まず、人材育成等産業化戦略としましては、プロデューサー、ディレクター養成事業、映像関連講座開催事業、地域情報化のためのセミナーの開催事業。  チャレンジドIT能力開発戦略としましては、デジタルアーカイブモデル事業ということで、モデル事業として、実際に事業等を仕組んでおります。  そのほかに、コンテンツ文化定着戦略、地域資源情報発信戦略としましては、映像関係でございますけれども、映画祭等映像文化の支援、あるいはデジタルコンテンツ作成・編集講座を開催したりとか、フィルムコミッションの推進、「佐賀のがばいばあちゃん」活用情報発信事業といったものに取り組んできたところでございます。 85 ◯藤崎委員=この事業名を一つ一つ見ていきますと、アジアのハリウッド構想自体の大きな概念というものが理解できますけれども、事実、この事業を推進するに当たって、途中で事業をやめられたものと、また、継続してこられたものとあるというふうに思いますけれども、この取り組まれた事業について、まずどのような効果があったかをお尋ねしたいと思います。 86 ◯原政策監=事業の成果でございます。  まず、アジアのハリウッド構想が対象としておりますデジタルコンテンツにつきましてでございますけれども、まず、このビジネス推進のかなめでございますプロデューサーの養成事業につきましては、平成十八年度から実施しまして、平成十九年度までに三十三名の修了者を出しているところでございます。  この研修の最大の効果は、これまで出会うことのなかったIT企業とコンテンツの制作会社が共同で新しい製品を生み出し始めたところであるというふうに考えております。  例えば、学術的価値のある古い地図などの複製品、レプリカと申しますが、これを、今までは高い費用がかかっていたんですけれども、これを最新のデジタルによる保存技術と印刷技術を組み合わせることで、安価で気軽に閲覧でき、何度でもつくり直しができる製品として開発されたところでございます。いずれも、これは佐賀県内の企業が二社共同して取り組んだところでございます。  一方、佐賀大学と連携して実施しました映像関連講座開催事業は、デジタルコンテンツビジネスを担う次世代の人材育成の観点から、県内唯一の四年制の総合大学でございます佐賀大学において、その人材育成のあり方について、研究と講義をお願いしたところでございます。  この事業を契機としまして、学生と県民で映像を制作する「ふるさと映像塾」というものが結成されるなどしまして、人材育成に寄与しているというふうに考えております。  さらに、佐賀大学におかれましては、昨年度から独自にデジタルコンテンツクリエーター育成プログラムというもので、社会人などを対象としまして講座が始まったところでございます。  さらに、デジタルアーカイブモデル事業につきましては、映像編集技術をチャレンジドの方々に習得していただき、ビジネスとして実施できるのかをモデル事業として実施したところでございます。  三年間実施しまして、例えば、小学校の卒業式を映像に納めたDVDを作成したところ、大変御好評をいただいたところでございます。  当該事業に参加していただいたチャレンジドは、三年間で七名でございました。そのうち四名の方が、映像や画像の処理業務やIT活用業務で就業されるなど、雇用面の創出に効果があったものというふうに考えております。  以上でございます。 87 ◯藤崎委員=幾つか質問をしたいんですけれども、チャレンジドIT能力開発戦略の中でのデジタルアーカイブモデル事業、これは大変好評いただいたということであり、三カ年されてこられたわけでありますけれども、この中身を見ますと、今後も引き続き取り組んでいったほうがよいのではないかというふうにも感じますけれども、具体的にそのところはどういうふうに考えておられるんでしょうか。 88 ◯原政策監=お答えします。  このデジタルアーカイブモデル事業につきましては、成果も十分あったというふうに考えているところでございます。ただ、この事業はモデル事業として、市場の規模などから、地方においてビジネス化されていないものにつきまして、実験的に取り組んで、障害者の雇用、あるいはその前提としまして、将来採算性がどうか、そういったものについて検討するということで仕組んだ事業でございます。実際に雇用等にもつながったということで、非常に事業としての採算性があるものというふうに考えておりまして、今後は民間におきまして、これらの事業について積極的に取り組んでいただくということで今考えておりまして、それについて、私どものほうとしても、支援なりなんなりというのはやっていくつもりでございます。  以上でございます。 89 ◯藤崎委員=今後、引き続き支援をされていくものと別に、事業を廃止されたものというのは何があるのかお尋ねいたします。 90 ◯原政策監=先ほどのデジタルアーカイブモデル事業も、今年度はもう廃止をしております。さらに、過去、ディレクター養成事業といったものに取り組んでおりました。これについても廃止をしております。そのほかには、映画の関係で申しますと、これはもう今年度から観光課のほうに移しておりますけれども、ショートフィルムコンペティション活用事業、そのほか、例えば、「佐賀のがばいばあちゃん」活用情報発信事業というのは、既にもう当然ながら済んだところでございます。こういったものが大体、事業としては廃止したところでございます。 91 ◯藤崎委員=事業の成果という面でお尋ねいたしますけれども、廃止と言われても、事業自体は、実は民間であったり、また、ほかの部署で進められているわけでありますか、お尋ねします。 92 ◯原政策監=廃止された事業について、特にほかのセクションで取り組んでいるということはございません。ただ、先ほど申しましたが、例えば、ディレクター養成事業というものについては、いわゆるこのデジタルコンテンツにかかわる人材の部分での人材育成の事業でございますけれども、今まで私どものほうでは、プロデューサーの養成事業、あるいはディレクターの養成事業というのを取り組んできたところなんですが、デジタルコンテンツの制作現場におきまして、まずプロデューサーというのは、実際に仕事を見つけてきて、あるいは需要と供給をマッチさせて仕事を新しくつくる。ディレクターは、制作現場でそこの制作現場をコントロールする。さらに、クリエーターと言われる方々がいらっしゃいまして、そこの制作現場で実際につくっていくと、大体こういうふうな三層構造が成り立つかと思います。  ただ、今まで実際にディレクターの養成事業等をやってくる中で、ディレクターにつきましては、プロデューサーが兼ねたり、あるいはディレクターにつきましても、クリエーターの部分が兼ねたりということで、人材育成という面からは優先度がちょっと低いかなということでございます。ですから、今後私どものほうとしては、このプロデューサーの養成等を通しまして、もちろんディレクターの資質向上等にもつながるような形での事業を仕組んでいきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 93 ◯藤崎委員=このアジアのハリウッド構想というものがソフトな面に特化されてきているせいか、その成果というのが非常に県民に伝わりにくいというふうに感じております。しかしながら、実は種を植えて、その後芽が出て、民間レベルですくすくと育っているということを私は期待をしているのでありますが、そういう認識に立ったときに、皆様方が当初思い描いたとおり育っていっているというふうな認識を持っておられますか。 94 ◯原政策監=お答えいたします。  アジアのハリウッド構想については、いかんせん今まで私どもについては、全く初めての取り組みということでございまして、単年度で成果なりなんなりを上げるというのは、なかなか厳しいかというふうに認識しております。やっぱり十年スパンで考えていかないといけないということで、先ほど委員御指摘のとおり、種まきというのを今一生懸命やっているところでございます。  先ほどプロデューサー養成事業というふうに申しましたけれども、その中から、例えば、県内で起業、新しく事業を始めるという方々が出始めたと。この養成事業を始めまして、二社プロデューサー養成事業の中から巣立っていった者がございます。さらに、こういうふうな形で人材を養成しているということで、県外から進出してきた企業が、今年度も含めて二社ございます。  こういったところで、徐々にではありますが、その集積、定着に向けての活動といったものが、成果といいますか、少しずつではありますけれども、実を結んできているのではないかというふうに考えておる次第でございます。 95 ◯藤崎委員=私は、このアジアのハリウッド構想の戦略というのは、非常におもしろい取り組みだと思っております。というのは、県民の福祉向上に、本来県民の声が届かない部分を手厚くしていくことも行政の大事な仕事であろうかと思いますけれども、同時に、こういう先進的に他県がやっていないようなことをあえて挑戦をして、そして成果を出すということも、結果として財政の健全化につながるような、税収面であったり、また、雇用面であったりというふうな向上面につながるものと思ってはおります。  ただ、残念なのは、その成果が出ていっている過程が実は見えにくい部分があるというのは、その後の予算づけが行われていないと、なかなか議論の俎上に上がってこないという面があろうかと思います。そういうことに関しては、議会のほうに報告なり、その後のことも責任を持って、ぜひやっていっていただきたい。最初の種だけ植えて、あとはもう完璧に民間に任せるんじゃなくして、本当に十年スパンで考えたときに、それだけの成果が出ていっているんだということを、きちっと県民に報告できるだけの過程も大事にしていただきたいというふうな観点で、あえて決算のほうで取り上げさせていただきました。  今後の展開というものについても、先ほど若干触れていただいたんですけれども、何かつけ加えることがあればお尋ねしたいと思います。 96 ◯原政策監=つけ加えることということですが、この構想におきましては、具体的な事業に取り組みまして、実質的に四年目になっているところで、ようやくその成果が見え始めてきたところかなというふうに思っております。  一方で、これまで東京中心であったコンテンツビジネスにつきましても、クリエーター賃金やオフィス賃料などのコストが高騰しておりまして、制作部門や制作会社そのものが地方に移転するといった事例が始まっているところでございます。  今後、コンテンツ制作企業の誘致をさらに強化していくとともに、県内企業が首都圏のビジネス案件に対応できる高いデザイン性と技術力を有する人材を確保できるよう、クリエーターなどの人材育成に力を入れてまいりたいというふうに考えております。 97 ◯藤崎委員=次の質問に入らせていただきます。  財政構造の健全化について、佐賀県の財政構造が好転をしているのか、それとも、逆に悪い方に動いていっているのかということを、この経常収支比率を通して勉強させていただきたいというふうに思っております。  まず、平成十九年度決算に基づく経常収支比率の状況について伺います。 98 ◯林財務課長=平成十九年度決算に係る経常収支比率の数値でございます。現在、九四・三%となっておりまして、これは、平成十八年度の九〇・九%より三・四ポイント上昇しております。 99 ◯藤崎委員=もしわかればお示しいただきたいんですけれども、平成十八年度以前のデータが今おありでしたら、お尋ねしたいんですけれども。 100 ◯林財務課長=平成十五年度から申し上げますが、十五年度は八三・七%、平成十六年度は九〇・三%、平成十七年度はほぼ横ばいで九〇・四%、平成十八年度は九〇・九%、平成十九年度が先ほど申し上げた九四・三%となっております。 101 ◯藤崎委員=今の答弁を聞きますと、明らかに上がってきておるというふうに思うのでありますが、多岐にわたっての執行部のこれに対する弁解といいますか、答弁というのがあろうかと思いますけれども、改めて、この数値が上昇している理由について伺いたいと思います。 102 ◯林財務課長=経常収支比率につきましては、県税や普通交付税などの県が自由に使える一般財源等で、経常的に収入されるもののうち、どの程度の比率で人件費や公債費、扶助費などの経常的な経費に充当されているかを示す数値でございます。  上昇した要因でございますが、経常収支比率を積算する際の分子にございます人件費や公債費に充当する一般財源につきましては減少しているんですが、補助費等や介護給付・訓練等給付費負担金などが増加しておりまして、総体として見ますと、分子でございます経常的な経費に充当した一般財源等が、平成十九年度は、ほぼ前年度と同額でございました。  一方で、その分母でございます経常的な収入につきましては、地方税は増加しておりますけれども、それ以上に、地方譲与税や普通交付税が減少しております。したがいまして、分子は大きく変わりませんけれども、分母が小さくなったといったことによりまして、比率としては上昇をしております。  以上でございます。 103 ◯藤崎委員=分母が小さくなってきているというのは、これは国の財政状況によるものが大きいかというふうには思っておりますし、また、景気の状況の影響というものもあろうかと思います。ただ、そういった外部からの要因にタフになるためにも、この比率というものを下げていかなければならないわけでありまして、そのための努力というものをどういうふうになされてあるのか、お尋ねいたします。 104 ◯林財務課長=経常収支比率の数値につきまして、先ほど平成十九年度も含めまして過去五年分申し上げました。確かに平成十六年度以降、経常収支比率が九〇%を上回るという事態になってきております。  経常収支比率といいますのは、財政構造の弾力性を見る指標でございますので、財政構造の硬直化が進行しているという評価になろうかと思います。
     平成十六年度を境に、その経常収支比率が上昇し始めている要因につきましては、特に平成十六年度の交付税ショックによりまして、その分母でございます経常一般財源等の大宗を占める交付税が削減されたことによって上昇しております。  経常収支比率が悪化したことだけではございませんけれども、本県では、平成十六年十月に行財政改革の緊急プログラムをまず策定をいたしまして、歳出削減と歳入確保に取り組んでまいりました。  御承知のとおり、昨年十一月には、「行財政改革緊急プログラムVer・2.0」を策定いたしまして、特に総人件費の抑制ですとか、社会保障費の適正化、また、公債費負担の平準化を図ることなどによりまして、経常的な経費の削減をまずやろうということで、そうした取り組みをしております。  また、一方で、先ほど来、分母が減りましたということを申し上げておりますけれども、まず、県税収入の増に向けた取り組みですとか、また、企業誘致などを通じて、元気な企業をふやすことによる税源涵養など、自主財源の獲得に向けた対策についても講じることにしております。  以上でございます。 105 ◯藤崎委員=この経常収支の比率の動きというのは、県の財政状況の動きを見るのに大変わかりやすい指標であるかと思いますけれども、まず一点、先ほど言われた交付税の減、これは国の三位一体の改革の影響であろうかと思いますが、ならば、他県の類似団体においても、同じように数値というものは上がってきているかと思うのでありますが、そのように他県の類似団体等であれば結構ですけれども、そういう比較について、今データがあればお示しいただきたいと思います。 106 ◯林財務課長=全国の状況についてでございますが、平成十九年度の比率につきましては、まだちょっと速報値しかございませんけれども、全国平均で見ますと、全県的には九四・七%が平均値となっております。ただ、これは不交付団体でございます東京都や愛知県を含んだ数値になっておりますので、不交付団体を除きますと九七・七%が平均値でございます。  そこと比較いたしますと、その全国平均を佐賀県は三・四ポイント下回っている状況でございまして、現在、私どもがつかんでおります数値で言えば、財政の硬直度合いというのは、相対的に低い状況にございます。全国ではいいほうから八番目となっておりますが、今申し上げたとおり、九七・七%というのが全国平均の数値ですので、全県的に見ても非常に高くなってきていると言えると思います。 107 ◯藤崎委員=県の努力が若干かいま見えたわけでありますけれども、だからと言って安心できるわけではない状況でありまして、当然、分子において、県民の福祉向上や、また必要なものを最低限の文化的な生活保障であったりとか、そういったところに悪影響を与えないように、やはりさらに努力をなさっていただきたいというふうには思うのでありますが、そのための一つが、この緊プロであろうかと思います。であるならば、この緊プロを推進することに当たって、確実に、この経常収支比率というものを下げていくことができるというふうに確信されておられるのか、お尋ねいたします。 108 ◯林財務課長=先ほど申し上げた経常的な経費の削減対策を確実に講じていくこと、また、歳入確保に向けた努力をしていくことによって、実現できるものと考えております。しかしながら、実際、景気の悪化によりまして、現在のように国税収入も大きく減となっていく現状にございます。また、県税につきましても、きちっと企業誘致などを通じた収入の増に向けて取り組んでいるところではございますが、その景気の悪化の波を完全に防ぎ切るというのは、なかなか難しいものがございます。そうした予測が難しいものに関しましても、できるだけ掌握をしながら、また、緊急プログラム、その収支をローリングさせて、毎年度ちゃんと見通しを立ててまいりたいと考えております。 109 ◯藤崎委員=その意味におきましては、平成二十年度の決算というものに着目して、高い関心を持って見ていきたいというふうに思っております。  次に、今後の財政運営についてどのように考えているのか。先ほどと若干重複する面もあるかと思いますけれども、お尋ねいたします。 110 ◯林財務課長=今後の財政運営についてでございます。着実に「行財政改革緊急プログラムVer・2.0」に掲げました取り組みでございます総人件費の抑制や公債費負担の平準化といった経常的な経費の削減を行うとともに、税収の増に向けて、特に自主財源の獲得に向けて対策を行うことによりまして、県が自由に使える一般財源を確保してまいりたいと考えております。緊急プログラムバージョン2.0の着実な推進を図ることによりまして、健全な財政運営に向けて努めてまいりたいと考えております。 111 ◯藤崎委員=ありがとうございます。  次に、先ほどの答弁にも触れられました公債費負担の平準化対策について、具体的な対策について伺ってまいります。  初めに、財政の健全化のために執行部は緊プロに沿って大変努力をされてあることは、もう周知の事実でありますけれども、他方、監査委員の指摘にもありましたように、また、午前中の質問にもありましたように、収入未済額に対する直接徴収制度の強化、活用なども取り組まなければならない懸案の事項が多岐にわたっておるかと思います。しかしながら、弾力的な単年の財政運営が図られるようには、一つ、この公債費の平準化対策というものも大事であろうかと考えておりますが、どのように取り組まれておられるのか、伺います。 112 ◯林財務課長=公債費負担の平準化対策についてでございますが、まず、既発債、既に発行されている地方債につきましては、過去二十年償還で許可を受けている県債につきまして、実際に銀行からは十年償還で借り入れを行っているものもございます。そういったものにつきましては、最終年度の償還分を、さらに十年償還で借りかえを行うといったようなことを行いまして、計二十年で償還を行うといったことに取り組んでおります。  また、新発債、新たに発行する県債でございますが、民間の金融機関からの借り入れに当たりましては、十年での償還となりますと、実際の毎年度ごとの償還額が大きくなりますので、これまで十年償還の比率が高かったんですけれども、それを二十年償還の比率を高めていくことによりまして、償還の額の平準化を図っております。  また、償還期間が三十年という超長期債といったものの導入などについても実施をしてきたところでございます。 113 ◯藤崎委員=平成十九年度の九月議会であったかと思いますが、先ほど答弁でも超長期債に触れられましたが、知事は収支改善の課題、とりわけ公債費の縮減については、重要な課題であることから、大手金融機関や外資系金融機関を活用し、三十年の超長期債の発行や仕組み債の導入を積極的に検討したい旨発言があったわけであります。  それを受けた場合の、これまでの県内金融機関四行を中心にした資金調達から、県外の金融機関も含めた資金調達について、どういうふうに取り組まれてあるのか、お尋ねいたします。 114 ◯林財務課長=先ほど申し上げました三十年の超長期債の導入に当たりましては、外資系の金融機関にお願いをしております。ただ、その場合も県内の金融機関に間に入っていただいて調整をお願いしているところでございます。  また、確かに今、実際県内四行を中心に調達をしておりますけれども、資金の調達額が地元の金融機関の引き受け能力の範囲内におさまっている場合はよいのですが、実際、県内金融機関が貸出額に占めます自治体の割合が徐々に高まっておりますので、今後、金融機関側の引き受け能力に限界が見えることになれば、県外もしくは海外も含めて資金調達を考えていかなければならないというふうに思っております。  したがいまして、どういう場合であるにしても、県内四行だけに限っていつも検討しているわけではございませんで、知事が御答弁申し上げたように、確かに今後、さらに県外もしくは外資系なども含めた資金調達を考えていかなければならないというふうに認識しております。 115 ◯藤崎委員=県内の金融機関の引き受け能力の範囲内にある場合は除いて、今後、需要が高まっている中では、県外の金融機関も考えていくというようなことであったかというふうに感じますけれども、今回、間に県内の金融機関をかませたといいますか、仲介といいますか、されたその理由というのはどういう観点からなのか、お尋ねいたします。 116 ◯林財務課長=直接本県のほうから、ほかの金融機関と接触をして調達をするといったことももちろんできますけれども、佐賀県におきましては、県内四行を中心に調達してきたという歴史もございますので、そうした中で、県内金融機関とのやりとりにおきまして間に入っていただいたと、そういう経緯だけでございます。 117 ◯藤崎委員=先ほど言われる歴史というのは、ある意味信用に置きかえることができるかと思いますけれども、そういう何らかのリスク回避、ヘッジのためのというような考えも含まれているんでしょうか、お尋ねいたします。 118 ◯林財務課長=そこのところは、私が御答弁申し上げるというよりも、むしろ県内金融機関の側がどのようにお考えかということによりますが、実際県内金融機関におきましては、県内だけではないかもしれませんけれども、利率変動に伴うリスク回避のために、すごく期間の長い超長期債の導入に関しては消極的でございます。したがいまして、私どもが公債費負担の平準化をしたい。できれば長期でお借りしたいという場合に、そのニーズに県内だけではおこたえいただけない場合に、県外金融機関などからもいろいろな提案がございますので、その調整を県内金融機関側にしていただいたというものでございます。 119 ◯藤崎委員=私が思うに、引き受けという場合は、当然預託という見返る部分もあるかと思うわけでありまして、いわゆるペイオフによりますリスクヘッジというものを考えたときには、やはり長いつき合いを今後もしていく金融機関というものを特定していたほうがよいとの観点でされてあるのか、それとも、あくまでも中小企業、県内の零細企業等を考えたときには、やはり県内に地盤を置く県内の金融機関を県としては大事にしていったがよいという観点で取り組まれておられるのか、お尋ねいたします。 120 ◯林財務課長=財政当局の側から申し上げれば、借り入れするときの利率が低いにこしたことはないのですが、実際、佐賀県庁が財政当局だけで成り立っているわけではもちろんございませんので、県政の施策に影響といいますか、十分これまでも助けていただいている県内の金融機関との関係を十分重視しながらやっているというのも実際でございます。  しかしながら、資金調達が引き受け能力の範囲内におさまる、おさまらないというのは、また別の話でございますので、その場合には、もちろん県内金融機関を重視するという姿勢は恐らく今後も変わらないとは思いますけれども、そこはやはり程度問題といったところがあろうかと思います。 121 ◯藤崎委員=どこの金融機関というのは、大変大きな県政の課題でも、方向を示す課題の一つにもなろうかというふうに私は考えておりますので、今後の動向を注目しておきたいというふうに思います。  最後の質問に入らせていただきます。  決算に対する執行部の認識についてでありますけれども、決算を認定するに当たり、監査委員の審査対象といった留意点も大事でありますけれども、県民の代弁者である議会としては、期待された行政効果は達成されたのか。また、今後の財政運営にどのように反映していくのかをただすことが求められてくるというふうに考えております。そのため、主要な施策の成果を説明する書類を執行部は提出することを求められているわけでありますが、そのような視点で、今回初めて私、決算特別委員会に所属して率直に感じたことでありますけれども、執行部からの説明に、みずから提案した予算に対してどのような成果があったのかというプラスのよい成果の報告というのは多分に多く聞こえてまいりましたが、それと反対のことに対する執行部自身の見解というものが実は少ないのではないかというふうに不満も感じております。施行実績を踏まえて、今後どのように反映させていくのか、議会側に説明する必要があると思いますけれども、そういう面に関しましての見解をお尋ねしたいと思います。 122 ◯副島政策監=決算説明報告書は、主に議会の各会期におきまして報告いたしました予算の主要事項、そのほか重要なものの実施状況について、総合計画二〇〇七の柱立てに沿いまして、網羅的に記載し、報告したところでございます。  事業の取り組み状況を記載するに当たっては、数値目標があるものについては、その達成状況を記載しておりまして、未達成のものを省くようなことはしておりませんが、委員御指摘の点については真摯に受けとめたいと考えております。 123 ◯藤崎委員=その報告書の要旨は任意というふうになっておりますので、執行部側で作成をされて何ら問題はないわけでありますけれども、やはり、むしろ成果が出なかった面、当初の目的を達成できなかった面に関して、本来ならば県民サイドにわかる形で御報告しなければならないというふうに考えております。当然、公金を使用するからには、よくなかった部分というものをあからさまにすることで次年度の施策に反映をしていただきたいというふうに考えるわけでありますけれども、この主要な施策にどういうふうに反映をしていったのか、財政の健全性もさることながら、主要な施策についての成果を上げることができたのか、できなかったのか、これをつまびらかにすることが大事だという観点で統括本部長にお尋ねをしたいと思いますが、先ほど来から私が一番指摘をしておりました総合計画二〇〇七、ここに知事のマニフェストが“充”点項目として入っていることで、私は県民の満足度が上げられないことになってしまったのではないかという心配をしております。  それらを踏まえて、統括本部長、具体的に県の主要な施策を決めていくに当たって、この決算説明報告書の中身について、マイナス部分をもっとつまびらかにするという私の考えについて、見解を伺いたいと思います。 124 ◯中野統括本部長=午前中から引き続き質疑していただいておりまして、マニフェストの話については、午前中、総括政策監がお示しした見解でございますけれども、確かに私も決算説明報告書を見まして、当然一年間予算をかけて事業をやっているわけですので、それについては、ある意味成果が出るというのが全体の中で見ると多くなっていると。それは、やっぱり当然そうあるべきだろうと思っております。ただ、中には、数値目標を上げている中で下回っているものについては、下回っているということの表現をしているのもあちこちございます。ただ、そういったものをきちんと今後とも県民の皆様方にお示しする形で、この主要な施策の成果については、取りまとめをしていきたいというふうに考えております。 125 ◯藤崎委員=最後にもう一点だけ。  ぜひそのようにしていただきたいと思います。具体的に、当初やると言ってあったパブリックコメントが実施されなかったりとか、また、進捗状況が思ったほど進まなかったということで予算を減額したり、また、年度途中の補正でそこの部分というのは修正をされる中で、庁内においては議論がされてきたかと思います。しかし、それが県民にわかりやすい形で軌道修正がなされているのがなかなか伝わりにくいと思います。ぜひそういう面においては、一年間の総決算、総評価にもなりますこの決算の場において、やはりそういう軌道修正をしたり、また、事業の見直しをされたものに関しては、補正で予算減額を行ったからとか、年度途中で議論をしているということじゃなくして、この決算の場において、再度報告を義務づけるぐらいの意思を持って取り組んでいただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 126 ◯堀田委員長=藤崎輝樹君の質問はこれにて終了しました。 127 ◯武藤委員=日本共産党の武藤明美でございます。質問の順序を変えて、四番目の警察行政からまず質問をいたしたいと思います。  一番目に挙げております駐車監視員制度の運用については、そのほとんどが先ほど放置車両の問題について、諸収入の点、そして収入未済額の点について質疑があっておりましたので省きますが、一点だけお聞きしておきたいと思います。  この放置車両に関して、駐車監視員制度、この委託料が幾らなのか、この点については伺いたいと思います。 128 ◯吉岡警察本部会計課長=お答えいたします。  放置違反金制度が平成十八年六月一日から施行されております。これにつきましては、一般競争入札による単価契約を実施しております。平成十八年度は、株式会社コアズが落札いたしまして、一ユニット当たり三万六千円の契約です。実績として支出額は七百九十二万二百八十一円となっております。  次年度の平成十九年度は、一般競争入札の結果、自家用自動車協会が落札いたしました。単価契約額は一ユニット二万六千九百円、平成十九年度の支出額は七百十五万六千五百七十一円でございます。  二十年度におきましても、入札を行いまして、同じく自家用自動車協会が落札しております。この単価契約額は二百円減りまして二万六千七百円であります。  以上でございます。 129 ◯武藤委員=それでは、次に進みます。  被害者支援活動についてです。  この決算の歳出九款の警察費の問題ですけれども、事件だとか事故が多様化している中で、突然に犯罪の被害に遭われた方たち、そして大事な家族が亡くなられた方たちが、犯罪による被害者というんでしょうか、事件後もPTSDなども起こって、経済的にも身体的にも、そして精神的にも本当に大変な状況になっておられることはもう容易に想像がつくわけですけれども、こういう方たちを支援する取り組みを促進することはとても大事なことだと思っております。  現在行われております被害者支援について質問いたしますが、この被害者支援活動、いつごろ、どういう経緯で始まったのかをお聞かせください。 130 ◯池田警務課長=被害者支援活動の経緯についてお答えいたします。  犯罪の被害者は、犯罪による直接的な被害だけではなく、その結果として生じる精神的、経済的な被害を初め、多くの二次的被害を受けているところでございます。警察は、こうした犯罪被害者にとって最も身近な公的機関であることから、従来から被害の回復、あるいは軽減及び再被害防止活動等のほか、犯罪被害者等給付金の支給などの支援を行ってきたところでありますが、平成八年に佐賀県警察被害者対策要綱を定めまして、被害者等に対する支援の強化を図るとともに、その後、平成十七年に施行されました犯罪被害者等基本法及び犯罪被害者等基本計画に基づきまして、組織的、総合的なきめ細やかな支援活動を実施しているところでございます。 131 ◯武藤委員=警察が行っておられる支援は具体的にどんなものがありますか。 132 ◯池田警務課長=警察が行っております被害者支援の内容についてお答えいたします。  警察は、被害の届け出、被疑者の検挙、被害の回復・軽減、再被害防止等の面で、被害者と最も密接にかかわっております。被害者を保護する役割を担う機関でありますことから、犯罪発生直後から被害者の視点に立ったさまざまな被害者支援活動を実施しているところでございます。  具体的には、警察署等で必要に応じまして被害者支援要員を指定した上で、被害者やその家族に対しまして「被害者の手引き」を交付するとともに、付き添い、自宅への送迎、心配事などの相談対応、刑事手続の説明等の直接支援を行っておりますほか、被害者やその遺族への犯罪被害者等給付金の支給や診断書、死体検案書の経費、司法解剖に伴います遺体搬送料、犯罪被害者等の一時避難場所の確保に要する経費、性犯罪被害者の緊急避妊経費等を公費で負担する経済的な支援を行っているところでございます。  また、関係機関・団体との連携を強化するための被害者支援連絡協議会や被害者支援技術向上のためのカウンセリング研究会を開催しているほか、相談窓口等を紹介したポスターの掲示、あるいはリーフレットを配布するなどの広報啓発活動を行っているところでございます。 133 ◯武藤委員=ほかに委託事業として民間の支援団体が行っている活動があるわけですけれども、どういうふうに委託契約の内容がなっていて、どんなことをしてもらっておられるのか、そこをお聞かせください。 134 ◯池田警務課長=まず、警察と民間被害者支援団体との関係でございますけれども、警察では事件発生直後から、密接に被害者に接し、捜査現場、あるいは病院への付き添い、捜査状況の連絡を初めとしました各種の支援活動を行っております。  被害者のニーズは、精神的、あるいは生活面の支援等、多岐にわたっております。被害者が真に立ち直って平穏な生活を取り戻すためには、長期間に及ぶ継続的かつ専門的な知識に基づく支援が必要となる場合も多いところでございます。こうした支援は、警察だけでは困難でありますことから、多くのボランティア、あるいは精神科医、臨床心理士、弁護士等の専門家を有しておられます民間被害者支援団体との連携を図りまして、各種相談活動、あるいはカウンセリング等、被害者のニーズに対応したきめ細やかな継続的支援を行うこととしております。  民間被害者支援団体との委託契約でございますが、現在、県内では特定非営利活動法人「被害者支援ネットワーク佐賀VOISS(ボイス)」の一団体が活動しておられます。この団体は平成十二年四月に被害者支援を行うことを目的に発足した任意団体でございます。平成十四年五月にNPO法人の認可を得て、現在に至っておられます。  県警察では、平成十四年度から佐賀VOISSとの被害者支援業務委託契約を行っており、ここ三カ年の委託費は、平成十八年度が四百七十七万七千五百円、平成十九年度及び平成二十年度が四百三十一万九千七百円でございます。  委託業務の内容でございますけれども、被害者等の相談に関する業務、あるいは病院、裁判所等への付き添いなどの直接支援業務等でございます。  以上でございます。 135 ◯武藤委員=本当にメンタルの部分で大変な方々もいらっしゃると思いますので、そういう専門家がきちっとそういう団体に入っておられる、そして相談活動がきめ細やかにしておられるということを聞いて、本当に大事なことだと思いますし、運営の面でもこういった団体がちゃんと成り立っていけるように、今後とも皆さん方と連携しながら進めていっていただきたいということを強く願うものでございますが、平成十八年度に比べて、平成十九年度の委託料がちょっと安くなっているのはどういう事情からなんでしょうか、それをお聞かせください。 136 ◯池田警務課長=その点については、ちょっと私のほうでも把握しておりませんので。(「ので、それから先を言ってください」と武藤委員呼ぶ) 137 ◯武藤委員=把握していないので、それから先、どのようにしようと思っておられるかをちょっとお聞かせください。 138 ◯池田警務課長=その点については把握をしておりませんので、後ほどお答えしたいというふうに思います。 139 ◯武藤委員=はい、結構です。  では、次に、保護事案以降における県警の取り組みということでちょっとお聞きしたいんです。  平成十九年度の決算が行われる年度のときに、本当に不幸にして知的障害者の方が警察に取り押さえられて死亡されるという事件が起こりました。関係者の方たちも県民も本当に胸を痛くしているものです。  私はこの事件があった直後の十二月県議会で、障害者の方たちに対する理解をもっと深めるべきではないか、警察の内部でそういう研修なり理解を深めることがきちっとされていたならば、こんなことは起きなかったんではないかということを指摘しておりますけれども、平成十九年度中にこの事件が起こった後、皆様方がどういう理解を深めるようなことをされたのか、研修などの状況がどのようになっているのか、それについて明らかにしていただきたいと思います。 140 ◯前田警務部理事官=保護事案以降における県警の障害者の特性を理解するための取り組みについてお答えいたします。  警察では、これまでにもさまざまな教養を実施してきたところでありまして、特に障害者の方々に対しては、その特性を理解し、それを踏まえた適切な対応などを行うために、障害者に配意した警察活動に関する教養や社会福祉施設に出向いての研修を実施してきたところであります。  これは以前から行っていることでありますが、昨年九月以降は、本年一月、三月、四月に知的障害者総合援護施設佐賀県立佐賀コロニーにおいて、警察学校初任科などの警察官百四十二人を対象とした研修を行っております。また、四月には、新任警察官だけではなく、新たに各警察署、本部執行隊などの教養担当者を含めた研修を実施したところでありまして、各所属では、この担当者による還元教養を実施するなど、研修の効果を高めているところであります。  このほかに、各所属では知的障害者更生施設職員による知的障害に関する講話、また知的障害者施設や精神障害者福祉工場などに出向いての交通安全教室や防犯講話、それと障害者の方々との触れ合い活動などを実施しているところであります。  また、昨日は唐津市内で開催されました地域福祉、障害福祉などを考える「チャレンジドフォーラム in SAGA」に教養担当職員を参加させたところであり、今後さらに教育研修の充実を図っていくこととしております。 141 ◯武藤委員=障害者の方には、身体障害者の方もいらっしゃれば、知的障害者の方もいらっしゃいます。精神障害者の方もいらっしゃいます。一見、見た目に障害をお持ちだというふうにはっきりはわからないかもしれないけれども、知的障害者の方、精神障害者の方たち、そういう方たちに対する対応というものを、あの事件を本当に教訓にしていただいて、皆さん方の今後の活動、取り組みに生かしていくべきだと思うんですけれども、知的障害の方の研修はされたやに今伺いましたけれども、精神障害をお持ちの方も、皆さん方から見て不審者だというふうに思われてしまうと、本当に大変なことになりかねない。そういうことを私は心配しているんです。  皆さん方は、そういったことも含めてどんなふうに考えておられるんでしょうか、それをお聞きしたいと思います。 142 ◯伊藤警察本部長=障害者に対する認識についてお答えいたします。  我が国の目指します社会というのは、障害の有無にかかわらず、だれもが互いに人格と個性を尊重し、支え合う共生社会であります。したがいまして、社会には障害者の活動を制限し、社会の参加を制約しているような諸要因を取り除き、障害者がみずからの能力を最大限発揮し、自己実現できるように求められているのであります。  警察といたしましても、その一翼を担いまして、障害者に住みよい地域づくりに積極的に取り組むことが重要と考えております。そのためには、委員お示しのとおり、各種の障害者の特性を理解することが重要でありますことから、そのための教養等を今後とも充実させてまいりたいと考えております。 143 ◯武藤委員=私は、県警の皆様方の研修の内容を充実していく、その本部長の今の決意を受けとめるならば、さらに一般社会と乖離したようなことのないような、社会的常識といいましょうか、社会人としての常識を高めていく、そういった研修もやっぱり努めていただきたいというふうにも思うわけです。  例えば、身内に甘いとか、あるいはおいこら警察とか、そういったことのないような、一般社会の人たちにも警察はちょっと我々一般社会人と違っている感覚を持っているんじゃないかというふうなことが思われないような社会人としての常識を高めていくということも大事なことだと思うんですね。  もちろん、平成十九年度の事案にかかわらず、例えば、最近も起こりましたけれども、拳銃を職務として持っていながら、それをめったやたらに取り出すということはあってはならないわけですけれども、そういったことのないように警察官としての職務の中身を、質を高めていくということ、そして社会人としての常識も高めていくということ、本当に求められるものは大きいと思うんですけれども、反省も含めて、そういった県民から求められている研修をしっかり積んでいただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。 144 ◯津田警務部長=ただいまの質問、今回の保護事案、それから拳銃事案、その他いろいろあるということで、警察官の質を高めるとともに、社会人としての質を高めよというような御指摘だったというふうに思っております。  警察におきましては、従来のように警察大学校、それから県の学校等でさまざまな課程で昇任時とか、その他専門的な分野においての研修等を行っているところでございますし、また、警察署等におきましては、署長以下の幹部が朝の定例の会議等におきまして、その時々の社会情勢等踏まえた、警察官にとって必要な社会的常識、また職務倫理等について教養を行っておるところでございます。  また、本部、私もそうですけれども、各幹部が、時には署を巡回することでいろいろ指示をしたりとか、その他、各種通達等実施しておるところでございますけれども、委員の今の御指摘の趣旨を生かしまして、今後とも警察官としての質の高い、また社会常識を備えた警察官を育成して、県民の安全・安心を守るように頑張っていきたいというふうに思っております。 145 ◯武藤委員=では、次の質問に移りたいと思います。  問一の歳入についてです。  小泉元首相は「自民党をぶっ壊す」と言いましたけれども、構造改革によって壊されたのは、私たち国民生活であり、そして地方自治体の姿を変えていく、そういったことだったんだということが今日はっきりとしてまいりました。国の構造改革のもとで、三位一体改革が行われ、本当に思っていた以上に地方の自治体にとっては大変な財政状況になっているということも明らかになってまいりましたし、また、税源移譲の名で、県は県民税が増収となったでしょうけれども、県民のほうは所得がふえて豊かになったというわけではなくて、その結果、納税がなかなか大変になっている、未納がふえているといったことも起こっているんではないかと思うんですね。  先ほども論議があっておりましたけれども、平成十九年度の個人県民税は、十二億五千万円収入未済となっていて、前の年に比べて三億数千万もふえていると、ここに県民の暮らしの大変さがあらわれているんではないかというふうにも思いました。その一方で、地方交付税は大幅に削減をされ続けています。  日本の地方交付税の制度は、世界に最も精緻な仕組みを持っているというふうに言われておりますけれども、地方自治体の独立性を強化し、一般財源の保障を行うことを通じて、ナショナルミニマム、あるいはナショナルスタンダード水準の行政を保障するということで生存権や生活権が維持されるためにつくられている、そういうものだからでした。  ところが、構造改革によって、地方財政計画や地方交付税にまで市場主義的な改革が求められて、縮減されたり、あるいは算定方式そのものまで簡素化されようとしている、こういう状況に見舞われているのが今日ではないかというふうに思います。  この数年の地方交付税のあり方、推移というふうにいいましょうか、それを少しお示しいただけたらと思うんですけれども、どうでしょうか。 146 ◯林財務課長=ここ数年の交付税の推移ということでございますが、まず全国ベースで申し上げますと、三位一体の改革がございました平成十六年度のときの普通交付税の総額で申し上げますと、約十五・九兆円となっております。平成十七年度も十五・九兆円となっておりますが、平成十九年度は十四・三兆円、平成二十年度は十四・五兆円となってきております。
    147 ◯武藤委員=平成十八年度と平成十九年度の地方交付税は、県内において幾らになっていますか。 148 ◯林財務課長=平成十八年度と平成十九年度の交付税の額ということでよろしいでしょうか。  平成十八年度につきましては、千三百四十七億円、平成十九年度は千三百三十八億円となっております。 149 ◯武藤委員=平成十九年度からその交付税の中に頑張る地方応援プログラムというのが創設されているわけですけれども、地方交付税が減らされている中で、この頑張る地方応援プログラムというものはどういう制度なのか、それについてまずお示しください。 150 ◯原政策監=頑張る地方応援プログラムは、具体的な成果目標を掲げた独自のプロジェクトに前向きに取り組む地方自治体に対し、地方交付税等の支援措置を講じる仕組みでございます。  国の支援措置としましては、プロジェクトに取り組む経費につきましては、市町村に対する特別交付税として措置、都道府県は支援がございません。地方自治体の頑張りの成果に対して行政改革指標や農業産出額、製造品出荷額などの成果指標が全国平均以上に向上した市町村、都道府県に対しまして、普通交付税を割り増し措置することなどが主な内容となっております。 151 ◯武藤委員=では、本県においての割り増しの算定、これはどんなふうになっているのかお示しください。 152 ◯原政策監=普通交付税の割り増し措置についてお答えいたします。  平成十九年度の普通交付税につきましては、まず先ほどの指標でございますけれども、行政改革指標で徴収率などが全国平均を上回ったことなどにより、約一・七億円、農業産出額伸び率が全国平均を上回ったことにより、約五・五億円、一人当たり小売業年間商品販売額伸び率が全国平均を上回ったことにより約一・六億円、合計八・七億円が措置されたところでございます。 153 ◯武藤委員=今、御説明をいただきました歳出削減だとか徴収率、これが加味されているということなんですけど、つまり人件費だとか物件費だとか補助金など、前に比べて削減をしているのかどうなのか、それから、徴収率においては、徴収率を上げていけというようなことになっているわけですよね。そういうふうな内容だというふうに認識していいですか。 154 ◯原政策監=この頑張る地方応援プログラムの指標としましては、行政改革の指標、転入者人口、あるいは農業産出額、こういったもろもろを挙げまして、その中の項目別に全国平均と比べて、それにつきましていろいろ割り増し措置等をやるというふうな制度になっておりまして、委員のおっしゃるような御理解でよろしいかと思います。 155 ◯武藤委員=頑張る地方応援プログラムという名前なんですけれども、じゃあ、行政努力はどうなのかということで考えますときに、例えば、行財政改革をあおるという中身であるとか、例えば農業の産出額、これ伸び率ですね、それによって算定されるとか、小売業の年間商品の販売の伸び率だとか、それから、製造品出荷額の伸び率というふうに定めてあるわけですけれども、果たしてこれが、地方が頑張っているという指標になり得るんだろうかというふうに私は思うわけです。  例えば、農業の産出額伸び率というものの場合に、人の努力だけではなかなかはかり知れない部分が出てくるのは当然です。例えば、長雨だとか、台風災害、そういったことがあったときに、自然災害などが起こったときに左右されやすくなってくるという面があります。  それから、小売業の年間商品販売伸び率という場合に、たまたま大型店が進出してきて、そして小売が伸びたといったこともあるかもしれません。それから、製造業の出荷額については、企業進出用地が準備されていて、そしてその企業が進出してきて製造品が出荷したということになっていくわけで、ちゃんと地方がそれだけの財政力があるから土地を準備して企業に来てもらうといったようなことに関係してくるわけですよね。つまり、苦しい地方に応援する制度ではなくて、財政を既に持っていて、いろんな施策がやられる、そういったところにお金もまた回ってくるというようなことになっていくんではないか。あるいは、この製造業の製造品の出荷額の伸び率が経済状況によって左右されていく。例えば、最近のような世界的な金融危機のもとで、製造業がちょっと製造を抑えるとかいうようなことになってしまうということで、極めてこれらの要件というのは不安定になってしまうんではないだろうかというふうに私は思うわけですけれども、皆さん方はどんなふうに思っておられるでしょうか。 156 ◯原政策監=頑張る地方応援プログラムにつきましては、地方を支援する制度創設の動機や、地方の自主性を損なわないことを基本にしていること自体は一定の理解はできるものでございます。しかしながら、先ほど委員御指摘のように、交付税につきましては、本来あるべき事業に着目して算定すべきものでございますけれども、頑張る地方応援プログラムでは、必ずしも需要と相関関係が明確でない、先ほど挙げられました成果等に着目して算定していることを考えますと、若干その財政力とかの成果なり、あるいは偶然の天候などの成果といいますか、そういったものに左右される面があるということは否めないというふうに思っております。 157 ◯武藤委員=私も、こういう頑張る地方応援プログラムという国のあり方、地方交付税を削減しながら、こういう施策をばらまくというようなあり方は、余計地域間格差をまた広げていってしまうのではないかというふうに心配を持つものです。交付税の総額を復元していくということが、本来的な我々国民の願いであり、地方自治体の中でもそのことを願っておられると思うんですけど、国のこういったやり方に私自身は納得できません。  県は、この頑張る地方応援プログラムという制度、施策に対して、今もお答えになりましたけれども、もう少し、どういう評価を持っておられるのか、それをお伺いしたいと思います。 158 ◯原政策監=先ほど申しましたが、支援措置として本来あるべき事業に着目して算定すべき交付税におきまして、頑張る地方応援プログラムは、需要と必ずしも相関関係が明確ではない成果に着目して算定しているということを考えますと、県としては地方を真に応援するためには、何よりも地方交付税の総額を復元すること、頑張る地方応援プログラムの支援措置は交付税の外枠で対応すべきというふうに考えているところでございます。  地方六団体としても、同じように地方交付税の復元と頑張る地方応援プログラムの財源については、交付税の本来の機能を損なわないよう、別枠で確保することを国に求めているところでございます。  以上でございます。 159 ◯武藤委員=私も交付税の外枠ですべきだと考えているんです。しかし、内容にはやっぱり問題があると思うんですね。例えば、行革をあおったりする部分、そしてこれは佐賀県の緊急プログラムにつながっていくというふうにも思いますし、さらには、徴収率を上げろということになれば、債権回収会社に取り立てを頼むということにまでつながっていくんではないか。本当に県民の暮らしが苦しいときに、払いたくても払い切れないような収入未済が発生しているようなときにも、そういった事情も構わずにどんどん取り立てるためにやっていくというようなことになりかねないという危惧を持っている。もう本当にこの内容についてはもっと精査もしていくべきだと思いますし、国のあり方、構造改革路線の一つの象徴的なものだなということを述べておきたいというふうに思います。  次に、問二に行きますけれども、合併市町村への支援についてです。  歳出の二款総務費の市町村振興費に関して質問いたします。  合併市町村の支援事業がありますけれども、まず、合併した市町に対して国はどういう支援を行っているのか、それについて伺いたいと思います。 160 ◯福田市町村課長=国の支援内容についてお答えします。  合併市町村に対する国からの支援といたしましては、まず合併市町村補助金がございます。この国の補助金は、合併市町村が作成いたしました市町村建設計画に基づいて行われる事業で、電算システムの統合など、合併市町村において統一的に業務を遂行する上で必要となり、かつ合併市町村の行政運営の合理化・効率化に資するもの。あるいは小中学校の整備など、住民への行政サービスの水準の確保、強化に資するもの。また、旧市町村間を結ぶ道路の整備など、合併市町村の区域内の人的・物的交流の促進を図るために必要なものなどを対象に交付をされております。  この補助金の活用期限でございますけれども、合併年度及びこれに続く十年度以内とされております。  この補助金のほかに、合併市町村が行う事業に要する経費の九五%に充当することができ、元利償還金の七〇%が普通交付税で措置される合併特例債や、合併により交付税上不利益をこうむらないよう普通交付税の合併算定替えといった支援措置が設けられているところでございます。 161 ◯武藤委員=では、県においてはどういう支援を行っているんでしょうか。 162 ◯福田市町村課長=県の支援内容についてでございますが、合併市町に対する県からの支援といたしましては、合併市町村交付金がございます。この交付金は、合併市町村におきまして、市町村建設計画に基づいて行われます庁舎の整備など、行政の一体化を図るもの。あるいはコミュニティバス等の運行による住民のサービスの向上を図るものなどに対して交付をしております。  この交付金の活用期限は、合併年度及びこれに続く五年度以内としております。  また、県は佐賀県市町村合併支援プランに基づきまして、合併市町に対しまして、県事業の重点実施、補助金等の優先採択等の支援を行っているところでございます。  以上でございます。 163 ◯武藤委員=市町村の合併推進支援事業においては、合併市町村交付金、そしてまちづくり支援チームの活動費などがあるわけですけれども、十九年度の交付金の金額と、その交付金を活用し、市町が行ってきた事業、それはどんなものがあるのかお示しください。 164 ◯福田市町村課長=平成十九年度に交付をいたしました市町村合併交付金とその内容についてでございますが、県は平成十九年度に、合併しました十市町に対しまして、合併市町交付金を合計で十億一千六百一万五千円交付をいたしております。  平成十九年度に、合併市町ではこの交付金を活用されまして、例えば、唐津市とか武雄市、小城市におきましては電算システムの統合、小城市、みやき町などでは小中学校校舎の整備、吉野ヶ里町、白石町では地域を循環するコミュニティバス等の運行、また、白石町では新庁舎の建設に係る設計などが行われたところでございます。  以上でございます。 165 ◯武藤委員=まちづくり支援チームの活動なんですけれども、合併市町との意見交換会を行い、要望や相談などに対する対応を行うということになっておりますけれども、平成十九年度は何回くらいどんなことを話し合われたのでしょうか。 166 ◯福田市町村課長=合併市町村まちづくり支援チームの活動の内容でございますが、平成十九年度におきましては、延べ二十四回意見交換とか相談等を承っております。  中身といたしましては、例えば、小城市の新庁舎の建設にかかります相談でありますとか、みやき町から公民館の統合事業に係る財源の相談でありますとか、有田町からは、道路整備事業への合併特例債の活用に係る相談、こういうものを受けているところでございます。 167 ◯武藤委員=合併した市町では、それぞれに市町の建設計画をつくるということになっております。そして、その建設計画の策定によって合併後の将来像を示すことになっておりますけれども、この建設計画に沿ったまちづくりが行われるように、財政支援だけでなくって、今おっしゃったようないろんなアドバイスも含めた相談活動もされていくと思うんですけれども、その実態に見合った建設計画になっているのか。それについて県は、財政ももちろんですけれどもアドバイスなど、ちゃんと的確になされているのか、その辺はどうなんでしょうか。 168 ◯福田市町村課長=合併市町村の建設計画につきましては、合併する際にそれぞれの市町村で適切に判断をされて計画されているものと認識をしております。  県におきましては、その建設計画が円滑に進むように応援をしておるところでございます。 169 ◯武藤委員=平成十九年度には、例えば、この佐賀市で言いますと、南部三町が合併をいたしております。そして、こうやって新たな合併の基本計画もできているわけなんですけれども、これまでの佐賀市の合併に加えて、平成十九年度に南部三町が入ったということによって、南部三町の特色を生かしたまちづくり、これがこの基本計画の中には加わっているわけです。  例えば、ブルーツーリズムや有明干潟エコパーク整備構想、こういったものが入っているんですけれども、では一方の合併交付金はどうなのかと見ると、合併交付金の要領を見てみますと、平成十七年三月末までが申請の基準で、そして遅くとも平成十八年の三月までに合併しなければもらえない交付金制度ということになっているわけですよね。南部三町が加わった事業には交付金は活用されない。対象外となるという矛盾があるのではないかと思うんですが、どう認識しておられますか。 170 ◯福田市町村課長=合併市町村交付金につきましては、委員御指摘のとおり、旧合併法下で合併をしました市町村が対象になっておりまして、平成十九年十月に合併をいたしました佐賀市の川副町、東与賀町、久保田町の分は対象外となっているところでございます。この点につきましても、従前合併をされる段階で、こういうふうになるという説明をした上でございますので、県の制度としてはこのようにやっているところでございます。 171 ◯武藤委員=ということは、合併した佐賀市の裁量でやってしまえということなんですか。例えば、交付金事業、この要綱で見ますと、先ほどからお答えもあっておりましたけれども、地域コミュニティー活動を推進するための事業だとか、行政サービスで住民負担水準の均衡を図るための事業、こういったものに使われるべき交付金なんですけれども、本当に南部方面の住民の場合は今だに水道料金が高いといった差があるわけなんですね。こういったことに対して均衡を図るために、この交付金を使ってほしいなと思うんですが、もう交付金は出さないということであれば、今の合併した佐賀市の枠の裁量でもってやるしかないというふうに県は突き放すのかですね。  例えば、合併せよ、合併せよと推進しておきながら、そういう矛盾が出たときに、この交付金は使えないよということで放置するのは、やっぱりおかしいと思うんですね。新たな施策など検討をしていくべきではないかと思うんですけれども、どうなんでしょうか。 172 ◯福田市町村課長=先ほどもお答えいたしましたように、この交付金につきましては、旧合併法下で合併しました市町村を対象に交付をするということで、従前から市町村に説明をしてまいりましてやっているところでございます。  今後のことにつきましては、また新たなことがあれば、それは考えていかないとはいけないと思いますけれども、この交付金を拡大するということは、現在のところ考えておりません。 173 ◯武藤委員=そういう矛盾があるということを、一つは指摘をさせていただきました。  それからもう一つ、県内でも早く合併した唐津市ですね。建設計画の中には、財政計画がちゃんと立てられているわけですけれども、既に合併した後に見込み違いが発生しているんですね。地方債の発行が大きく膨らんでいるんです。  平成十九年度の予定では、五十二億三千二百万円だった地方債の発行予定、しかし実際は七十億七千七百万円も発行していると。合併した直後の平成十七年度からの合計で見れば、財政計画の予定では二百四億二百万円だったものが、通算して合計してみると実際は二百五十五億一千四百八十万円に膨らんでいると。既にこの新市の建設計画から見て大きく外れてきているということがあるわけです。五十一億円も地方債は発行を上回っているということなんですけれども、県が自主的合併だと言いながら、合併合併へと導いておいて、財政的に大変な状況になっているこの現実について、皆さん方の合併市町村への支援、アドバイスの取り組み、それはされていないのかどうなのか。そこら辺についてきめ細かに目配りとかしておられないのかどうなのか、それが不思議でしようがないんですが、どうなんですか。 174 ◯福田市町村課長=合併市町村からのいろんな相談につきましては、県と合併市町村に係る会議でありますとか、先ほど委員からもお話がありましたようなまちづくり支援チームとの会議でありますとか、そういう場でいろいろ話を聞いて、対応できるところについては対応をしているところでございます。 175 ◯武藤委員=財政を健全化する、効率化すると言って合併を推進したわけですよね。ところが、合併したら、さらに財政的に大変になってきている、今そういう現状にあるんです。合併前は地域審議会をつくる、意思決定機関にすると言っておきながら、合併後においてはそういう役割を果たされていないのが現状ではないかと。合併を推進した県が、今平成十九年度の決算を見ても、いろんな相談活動をしていると言いながら、交付金を出すと言っておきながら、実際には矛盾点がいっぱい出てきているというのが現状ではないかということを私は強く申し上げたいんです。  さらには、県内で三つの町が対等合併した白石町の例を見てみましょう。ここに「新町まちづくり計画」(資料を示す)といういわゆる建設計画があるんですけれども、私は昨日、この新白石町にお住まいの五十人の方たちとお会いいたしました。お話をお聞きしたんですけど、だれ一人合併してよかったということをおっしゃいませんでした。我が町はよくなるというふうに言われて、説明会のときにはバラ色の夢を振りまかれた。しかし、合併して四年たつけれども、いいことはなかったというふうにおっしゃっていました。  建設計画には、この白石町の場合は、健全な財政運営を目指すとなっているんだけれども、新庁舎建設とともに建設予定地が公園だったために、その代替地が必要と県から言われて七億円近く投入しなければならないと、そういう事態も生まれていると。新町の建設計画と大きく異なってきているんだということも言われました。さらなる財政支出も、町民にとって大きな負担になってくるんではないかという心配も持たれています。こういった矛盾が広がっているのが合併した市や町の現実なんです。  皆さん方は、合併合併とあおっていた、その責任上も、やはり本当に合併した今の県内の市や町がどういう状況にあるのか、それをきちっと把握し、相談に乗っていく、適切なアドバイスを行っていく、そういう役割があるかと思うんですけれども、先ほど平成十九年度の事業をおっしゃいましたけれども、本当にもっと心配りなどが必要なんじゃないかと、もっと的確なアドバイスが必要なんじゃないかと思うんですが、本部長どうですか。 176 ◯西野経営支援本部長=「平成の大合併」ということで、県も主体的に県下の市町村合併を推進してまいりました。非常に合併の時期と平成十六年度の交付税ショックと言われるような、非常に財政状況の悪化という時期が重なりまして、合併による財政力の効率化の効果というものがなかなかあらわれておりませんが、こういった合併の効果というものは一定の期間を要するものと理解しております。非常に厳しい財政運営をなされているわけでございますが、今後、合併算定替えの効果、こういったことも相まって、財政運営の改善というものを私ども県もいろいろサポートしながら、委員御指摘の点を踏まえて、親身になってサポートしながら合併効果というものが図られるように努めてまいりたいと思っております。 177 ◯武藤委員=合併をあおって、そして自主的合併と言いながらも、強力なイニシアチブで県が県主導のようにしてされた結果が、今町民や住民の皆さん方に大きな不安をもたらしている。このことは厳然たる事実ですので、皆さん方が国の言うとおりに施策を展開していく、市や町の考え方を県のほうで強力に推進していくというやり方については、今後やはり慎重な態度が必要なのではないかと、今後のいろんな施策、国から強引にやってくる、進められてくるようなことがあると思いますけれども、それについてもやはり県内の実情をしっかり踏まえていくべきではないかと。そのことが市町村合併の教訓として言えるのではないかというふうなことを指摘しておきたいと思います。  次に、問三の消防の広域化計画についてお尋ねをいたします。  歳出第二款の総務費の防災費の項にあります佐賀県消防広域化推進計画策定事業として、三十四万六千円の決算額が示されております。金額的には何億もするような事業とは違うので見過ごされがちなんですけれども、私はこれ、わずかな決算額ではあるけれども、内容がとても大きい、大きな心配を持っておりますものですから質問いたします。  事業内容は佐賀県消防広域化検討委員会の設置ですが、このことについて質問いたします。  平成十九年の八月三十一日に設置されているこの委員会は、何を目的として設置されたのでしょうか、まずそのことからお聞きしたいと思います。 178 ◯大坪消防防災課長=検討委員会の設置目的というところでございます。  近年、災害の大規模化や、あるいは住民ニーズの多様化など、消防を取り巻く環境は急速に変化いたしております。消防本部にとりましても、こうした変化に的確に対応していく必要がございます。  また、一方で、小規模な消防本部におきましては、出動体制、あるいは保有する車両等の住民サービス面や、あるいは組織管理面での限界が指摘されるなど、消防の体制としては必ずしも十分でない場合がございます。  こうした背景をとらえまして、国におきましては平成十八年の消防組織法の改正によりまして、消防の広域化というのを推進することとされたところでございます。  これを契機に、本県におきましても、この消防の広域化につきまして検討するに至ったところでございます。消防広域化推進計画を策定することに当たりましては、市町や消防機関、あるいは学識経験者の参画を得まして、推進計画の素案を検討いたすために佐賀県消防広域化検討委員会というのを設置したところでございます。  以上でございます。 179 ◯武藤委員=この素案を検討して、いつをめどに策定をするのか。この策定はいつがめどになっているのか、それについてお聞かせください。 180 ◯大坪消防防災課長=推進計画の策定のめどということでございます。  基本的に消防広域化につきましては、平成二十四年度までに実現を目指すという一定の目標が掲げられております。そのことを踏まえまして、基本的には関係市町の皆様方で十分に検討していただくというのを踏まえまして、推進計画を策定してまいりたいというふうに考えているところでございます。 181 ◯武藤委員=この平成十九年度の設置された委員会では、何回会議がされたんですか。 182 ◯大坪消防防災課長=検討委員会における会議は二回でございます。  以上でございます。 183 ◯武藤委員=この会議で、一定のめどをいつまでに策定をしようとされたわけですか。 184 ◯大坪消防防災課長=検討委員会の設置のときに、検討委員会の皆様方にお示ししました段階では、平成十九年度中に策定をしたいというふうにお願いを申し上げましたけれども、その間、関係市町の皆様の認識が不十分だというような意見もございまして、鋭意関係機関の調整、あるいは合意といったものをしていただけるように、県のほうとしても、あるいは事務局としても、説明ないし意見交換をさせていただいたというような状況でございます。 185 ◯武藤委員=平成十九年度末までに策定をしたかったけれども、いろんな理解がまだ得られていないということで、当初の目的であった平成十九年度末までにはできなかったということですよね。先ほど平成十九年度に何回されましたかとお聞きしましたけど、二回だというお答えだったんですが、これはじゃあ平成二十年度には、この会議は開かれたのでしょうか。 186 ◯大坪消防防災課長=先ほど御答弁申し上げましたが、平成十九年度に二回開きまして、まずは関係市町の首長さんを含めまして、消防関係機関の方々のコンセンサスを得る必要があるというような御意見ございまして、現在に至るまで関係各機関の方、あるいは首長さん方に御説明申し上げて、あるいは調整をさせていただいているというような状況でございます。 187 ◯武藤委員=じゃあ、平成十九年に二回開かれただけで、平成二十年度はまだ開かれていないということですよね、その確認ですよね。はい、そう確認いたしました。  では、この委員会の中で、皆さん方はどういうモデルを示されたのでしょうか。 188 ◯大坪消防防災課長=委員会におけるモデルということでございますが、基本的には広域化の組み合わせ案ということをお示しいたしまして、県内一本部案から三本部案まで四通りの案を提示させていただきました。その中で意見交換を行っていただいたというような状況でございます。  以上でございます。 189 ◯武藤委員=その組み合わせの四通りの案ですけど、一つ一つちょっと御説明いただけませんか。 190 ◯大坪消防防災課長=四通りの案について御説明させていただきます。  まず、一つ目には、県内を一本部とする組み合わせ案でございます。  最初に申し上げますけど、県内には現在のところ七つの消防本部がございます。その七つの消防本部を一つの消防本部にするという広域化の案が一つでございます。それから、県内を東西の二本部にする案でございます。それから、県内を南北の二本部とする案、それから県内を三つの本部に集約するという案、以上の四つの案でございます。 191 ◯武藤委員=県内を一本化する、もしくは二本部、あるいは三本部と、二本部の中には東西に分けるのと南北に分けるのという二通りがあるということなんですけど、本当に広域そのものですよね。これに関して、どういう論議が交わされたんですか。 192 ◯大坪消防防災課長=検討委員会の意見、あるいは議論ということでございます。  まず、検討委員会におきましては、広域化そのものを先ほど申しましたけども、広域化そのものに対する意見を十分理解していただくというようなこともございましたし、また、メリットというのもなかなかわかりにくいというような意見もございました。  それから、前回の平成七年に広域化について一度検討しておりますけれども、そのときの積み残しというのを先に考える必要があるんじゃなかろうかというような、いろんな意見があったところでございます。  そうした中で、今回四つの案について御検討をいただいたわけでございますけども、この中の具体的に議論というのは、先ほど申しました、まずはそれぞれの認識を深めてからじゃないとなかなか検討しにくいというような御意見が多かったというのがございまして、基本的にこの四つの案について、具体的な議論になるというようなところまではならなかったというようなところでございます。 193 ◯武藤委員=先ほどもお答えいただいた、県が示した案では、本当に唐突で皆さんびっくりされたんだと思うんですね。それで、なかなか論議にはなりにくいというふうに思います。  市や町、そして消防関係者など、この消防広域化計画について、県が示した案についてどんな意見を持っておられるか御存じですか。 194 ◯大坪消防防災課長=市や町、あるいは消防関係者の意見ということでございます。  消防本部の管轄区域がなくなることによりまして、現場到着時間の短縮効果というのがございまして、また、総務部門や通信指令部門の統合に伴います現場体制の充実といったような広域化によるメリットがございますけども、こうしたメリットを享受するためには、やはり消防の広域化を実現しようじゃないかという意見が大半を占めている状況でございます。  しかしながら、その反面、広域化による懸念といたしまして、消防本部が統合されることによりまして、住民サービスの低下、あるいは地域密着が薄れるんじゃないかといったような意見もございました。また、消防の広域化によりまして負担増、あるいは財政的な負担増になるんじゃないかというような意見もございました。  そういった意見がございまして、中には消防の広域化そのものに慎重な意見というのがあるのも事実でございます。  以上でございます。
    195 ◯武藤委員=地域密着度が薄れるんではないかとか、広域化そのものに慎重であるべきだという意見が出るのは当然だと思うんですね。  先ほどお示しになった四つの案ですけど、こういう(資料を示す)全県一本の案と東西に分ける案と、南北に分ける案と、この三本部の案というのがありますけれども、私もこれを見て、本当に皆さん方が国の基本指針をもとにつくるということをされておられますけれども、また市町村合併と同じような矛盾点が出てくるんではないか、そういう懸念を強く持っているわけです。人員の問題だとか、消防機能の問題とか、皆さん方は効率化という言葉のもとにこういったことをされようとしているんですけれども、本当に地域住民の安心・安全を保つという点では、マイナス面が大きいのではないかなというふうに思います。  こういう計画があることを市や町の議会、あるいは消防の組合議会などで論議されているんでしょうか。 196 ◯大坪消防防災課長=市や町、あるいは消防の議会での議論ということでございます。基本的には、私ども県と首長さん、各消防の管理者の方との意見交換を頻繁にやらせていただいているところでございます。  そういった中で、例えば、一部事務組合、あるいは広域連合さんに至りましては、そういった会合の中で、あるいは組合議会の中で、この広域化についても議論がなされたというふうに聞いております。  以上でございます。 197 ◯武藤委員=平成十九年に二回開かれて、平成二十年に至っては全然開かれていないという中で、国の指針が自主的な広域化と言っているにもかかわらず、市や町から出た話ではなくって、県がモデルを示して推進しようとしている、この姿ですね。これは本当に先ほども指摘したような「平成の大合併」と同じような基礎的自治体の形を変えた、この反省が生かされていないというふうに思うんですよね。合併の弊害や矛盾が出てきている中で、消防の広域化もこういったことが起こるんではないかというように思っております。  先ほど私、市町村合併の弊害のことも言いましたけれども、今でも教育費が高くなったとか、税金や国保税が高くなったとか、福祉サービスが悪くなったとか、水道料などの公共料金が高くなったとか、本当に強引に進められた結果が県民の暮らしにおいていろんな矛盾が出てきている、そういったことにつながっています。権限移譲を次々に行うとか、合併を強引に進めるとか、そういったことは今度の消防の広域化計画にもあらわれているんではないかというふうに、地方の姿を国が変えようとしていることに余りにも皆さん方従順に受けとめられているんではないかと思うんですね。  佐賀県は佐賀県の地域に応じた考え方というのが、独自にできるはずです。自主的なことを本当にきちっと佐賀県なりの姿で考えていくべきではないかと思いますので、こういう一本化計画だとか、あるいは二本にするとかいうようなことは戒めるべきだというふうに思うんですよね。  平成十九年度末までにつくられなければならなかった、そういう予定であったものができなかったということは、いわば頓挫している。矛盾しているということのあらわれですから、この案については非常に慎重な対応をとるべきだし、市や町の皆さん方、まだ全体的にこのことを御存じないからいろんな声がわっと来ていないかもしれないけれども、関係する消防の責任者の方とか、あるいは市町の首長さんあたりは、やはり先ほどから慎重であるべきだとか、地域に密着していないじゃないかという声が出てくるのは当然です。県民の皆さんの多くがこのことをお知りになったら、さらに反対が起きるのではないでしょうか。  私は、この県の案、示してある四つのモデルですね、これについても見直していくべきだというふうに考えるんですけど、どうでしょうか。 198 ◯大坪消防防災課長=消防広域化につきまして、るる御意見いただいておりますが、まず消防の広域化そのものについて誤解があるようですので、説明させていただきたいと思います。  基本的に消防の広域化につきましては、消防署は現行のまま維持するという前提でスタートをしております。ですから、総務部門、あるいは指令部門を効率化することによりまして、むしろ現場の消防体制を維持するという方向で検討しているものでございまして、基本的に現場の消防体制が低下するとか、あるいはそういったことにはならないものというふうに考えているところでございます。  そうした中で、いろんな組み合わせ案が今四つの通りで基本に考えさせていただいておりますけども、その中で、それぞれの消防管理者の皆様方お考えがあるようでございますけども、基本的には一本部がいいという意見がある一方で、先ほど申しましたように、一本部ではそれぞれの今の体制を即、今すぐ一本部というのは時期尚早じゃないかといったような意見もあるというような状況でございます。  以上でございます。 199 ◯武藤委員=県民の暮らし、安全を守るという根本を忘れて、国の効率化を進めるような方針、構造改革路線に皆さんが従っているから、そういう発想になっていくんだと思うんです。私は県の仕事というのは、県民の暮らし、命、安全を守る、それが何よりも大事な仕事ですから、効率化だけで物を考えない、本当にきめ細かな対応が必要だということを念頭に置いた上で考えていかなければならないと思うんですね。権限移譲を進めたり、市町村合併したり、あるいは介護の大きな連合をつくっていったり、消防広域化したり、そのことが地方の姿を大きく変えていく、いわば道州制の地ならしになってしまうんではないか、そのことを大きく危惧し、問題点として私は認識しておりますので、そのことを本当に皆さん方は国の忠実なしもべでなく、県民の暮らしを守る、その立場であることを忘れないように願いたいと思います。  以上です。 200 ◯堀田委員長=先ほどの武藤委員の警察関係の質疑の中で、答弁漏れが出ておったようでございますので。 201 ◯津田警務部長=先ほど武藤委員の被害者支援ネットワーク佐賀VOISSの予算の減額についての質問については、十分な答弁ができず失礼いたしました。改めて私のほうから答弁させていただきます。  これにつきましては、先ほど福島委員の御質問にもありましたように、警察予算は非常に限られた予算でございますので、もう一度予算全体を見直した結果、本経費につきましては、平成十八年度に比べ十九年度、二十年度、これ四十五万七千八百円減額しているところでございます。  この主な内訳につきましては、例えば、研修会等の旅費、それから直接支援、これは被害者や御遺族の方を病院に連れていったり、裁判所にお連れしたりする経費のことでございますけれども、これに伴いますレンタカーの借り上げ代等、これらをもう一度見直しまして、削れるところを削ったということでございます。  いずれにいたしましても、被害者支援活動の重要性をかんがみまして、今後とも必要な予算は予算化に努めるとともに、民間支援団体佐賀VOISSとの連携を強化していきたいというふうに思っているところでございます。  以上でございます。 202 ◯堀田委員長=以上で総務常任委員会関係の質疑を終了いたします。  明日十一日は午前十時に委員会を再開して、引き続き文教厚生常任委員会関係の質疑を行います。  本日はこれにて散会します。     午後二時五十八分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...