↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(中尾 正幸君) ただいまから本日の会議を開きます。
日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。十中大雅君。(拍手)
*十中議員質問
2 ◯五十番(十中 大雅君)登壇 皆さん、おはようございます。
自民党県議団、十中大雅でございます。通告に従いまして、質問をさせていただきます。
最初に、
バイオ産業の振興についてお尋ねをいたします。福岡県においては、平成十三年より、
バイオ関連産業の一大集積を目指す
福岡バイオバレープロジェクトを開始し、
産学官連携体制を構築することによって、これまでに二百社を超える
バイオ関連企業の創出や、九百名のバイオ人材の育成、そして六十件余りの製品化などが実現をされております。現在は、創薬の拠点化、そしてバイオ技術を活用した食品開発の二つを柱として、さまざまな事業が展開されており、
久留米大学がんワクチンセンターの設立や、
がん免疫創薬ベンチャー、
核酸医薬ベンチャーなどを初めとする
バイオベンチャー企業や、
機能性食品企業の集積につながっていると伺っております。
プロジェクトを積極的に推進し、着実な成果を上げてこられました小川知事を初め関係者の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
バイオ産業については、これからの日本経済を牽引する成長産業の柱となり得る産業分野であり、我が国のみならず世界的に高齢化が急速に進展し、新興国の経済成長が進む中で、医療、食品を初めとする
バイオ産業の需要は急速に拡大することが見込まれております。福岡県
人口ビジョン・
地方創生総合戦略においても、この分野が、
次世代成長産業として、将来の成長と大きな雇用が見込まれる重要な柱の一つとして掲げられているところでございます。これからの地方創生のためには、地方に魅力的な雇用を創出していくことが最も重要な事項であり、今後さらに、
次世代医薬品開発や
食品関連分野の
ベンチャーの集積及び成長を進め、地域経済の活性化や新たな雇用の創出にしっかりとつないでいく必要があると考えております。そこで、次の二点について、今後の取り組みに関し、知事の見解をお伺いをいたします。
一つ目に、
インキュベーション施設の拡充についてであります。
バイオバレープロジェクトの主要施策として、
バイオベンチャーの支援のために、
福岡バイオインキュベーションセンターが平成十六年に、
福岡バイオファクトリーが平成十九年に整備され、供用開始されております。この二つの施設は、これまで多くの
ベンチャー企業の創出、成長に寄与してきており、現在は、
福岡バイオインキュベーションセンターは十七室全て満室になり、
福岡バイオファクトリーは十五室のうち十二室と八〇%の入居となっていると伺っております。このことは、
プロジェクトの着実な進展の結果であり、大変喜ばしいことではあるのですが、一方では、新しい
ベンチャー企業の創出や誘致に支障が出てくるのではないかと懸念をいたしております。今後、
バイオ産業を振興していくためには、絶え間ない継続的な
ベンチャー企業の創出の取り組みが不可欠であり、
インキュベーション施設の拡充に向けた早急な環境整備が必要ではないのでしょうか。知事の見解をお伺いいたします。
二つ目に、
理化学研究所の機能移転についてお伺いします。福岡県においては、
バイオ産業のさらなる振興に向けて、久留米市と連携し、国が進めている
政府機関移転の取り組みにおいて、
国立研究開発法人理化学研究所の
疾患多様性医科学研究部門の誘致を提案されております。今年三月には、本提案を含む二十三機関五十件が採択され、国の
政府関係機関移転の基本方針が示されました。
理化学研究所の当該部門は、人のゲノムを解析し、がん等の治療への応用のための
技術開発研究を行う部門であり、この機能移転が実現しますと、
バイオ産業振興のポテンシャルがますます高まることにつながってくると思っておりますので、ぜひともさらに積極的に取り組んでいただき、移転を実現していただきたいと期待をいたしているところであります。
そこでお尋ねいたします。
理化学研究所の機能移転について、現在の
取り組み状況及び今後の
取り組み方針、展望について、お尋ねをいたします。
次に、待機児童と
保育士確保対策についてお尋ねをいたします。社会全体で子供の育ちや子育てを支え、幼児期の学校教育や保育、地域の
子育て支援の量の拡充や質の向上を進める子ども・
子育て支援新制度が平成二十七年度からスタートいたしました。ここ数年、保育に対するニーズは年々高まっており、平成二十八年四月時点での保育所等を利用する児童数は二百四十六万人と、前年に比べて約八万五千人増加しております。その一方で、希望する保育所の定員にあきがなく、利用することができなかった、いわゆる待機児童も約二万三千人と、昨年を上回っております。国では、待機児童の解消を目指して、平成二十五年度に
待機児童解消加速化プランを策定し、平成二十六年度までの二年間で約二十一万九千人の保育の定員数をふやしており、今後、平成二十九年度までに五十万人分の受け皿を確保することといたしております。福岡県におかれましても、国の交付金を財源とした福岡県
子育て応援基金を設置し、待機児童の解消を目指した保育所の計画的な整備や、
認定こども園などの新たな保育需要に対するための補助を行っていると聞いております。
そこで、現在の福岡県における保育所等の認可定員や、利用児童、待機児童の状況はどのようになっているのか、また待機児童の解消に向けた対策をどのようにお考えなのか、自治体に対する支援を具体的に考えているのかをお尋ねいたします。
次に、保育所に入所するためには、施設の整備による受け皿拡大とあわせて、保育に従事する保育士の確保を行うことも
待機児童解消のための重要な取り組みではないかと考えております。国では、
待機児童解消加速化プランとあわせて
保育士確保プランも策定し、保育士の離職防止や
潜在保育士の掘り起こしなどの施策を講じております。
保育士不足は全国的な課題となっており、その理由の主な要因として挙げられるのが、給与を初めとする待遇面であると言われております。保育士の給与は、全国平均で二十一万九千円と、全産業の平均よりも十一万円ほど低く、有資格者が保育士としての就業を望まない最大の理由も、賃金が希望と合わない、となっております。このため、国では保育士の給与改善のため、保育単価の引き上げや、
一定期間保育所等で就労すれば返済不要となる
各種貸し付け事業などを行うことにより、保育士の離職防止や負担軽減、
潜在保育士の掘り起こしなど、さまざまな施策を講じて
保育士確保策を強化いたしております。福岡県でも、今年度から
県社会福祉協議会が、保育補助者雇い上げ支援や、未就学児を持つ保育士が保育現場に復帰する際に必要となる保育料、
潜在保育士の再就職準備金の
貸し付け事業を新たに始められておりますが、
保育士養成施設に在学し、
保育士資格取得を目指す学生に対する
修学資金貸し付け事業については、国の支援策にもあるにもかかわらず、実施をされておりません。
現在保育現場で勤務されている方の離職防止や
潜在保育士の掘り起こしもさることながら、新たに保育士の資格を取得する方を支援することも将来的な保育士の安定確保という視点では非常に効果的な施策であり、保育士を希望しているものの、経済的に厳しい状況に置かれている方などの可能性が広がるという点でも、ぜひ取り組んでいただきたいと考えておりますが、実施に向けて、今後の見通しをどのように考えておられるのかお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
3 ◯議長(中尾 正幸君) 小川知事。
*知事答弁
4 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、
インキュベーション施設でございます。本県におきましては、久留米市と連携いたしまして、企業が研究開発を行うための
福岡バイオインキュベーションセンター及び
久留米リサーチ・
パーク研究開発棟、またその実用化のための小規模な製造も可能な
福岡バイオファクトリー、この三つの施設を整備をいたしまして、
バイオベンチャー企業の育成に努めてきているところであります。これらの施設の入居状況でございますけれども、
福岡バイオインキュベーションセンターは一〇〇%、
久留米リサーチ・
パーク研究開発棟及び
福岡バイオファクトリーはそれぞれ約八〇%となっておりまして、現在、全体で十室の空き室があります。今後は、新たな企業の入居がある一方で、事業の成功、発展に伴う転居、またやむを得ず退去する可能性というのも否定できないところでございます。このため、
インキュベーション施設の拡充につきましては、今後の入居、退去の動向というものをしっかり見きわめていく必要があると考えておりまして、まずは今あるこれらの施設における空き室の有効利用、これを図ってまいりたいと思っております。今後とも、これらの施設を最大限活用いたしまして、
ベンチャー企業の育成、集積を進めていき、
バイオ産業の振興を図ってまいります。
次に、
理化学研究所の久留米市への機能移転でございます。
政府関係機関の移転につきましては、ことしの三月、国が基本方針を示したところでございます。本件につきましては、以下その基本方針の引用でございますけれども、
理化学研究所と地域大学、企業等との共同研究の成果を踏まえ、連携拠点等のあり方を模索する、このようにされているところでございます。この方針を踏まえまして、
理化学研究所及び九州大学、久留米大学、久留米市など関係者と具体的な
共同研究内容について協議を重ねてまいりました。その結果、
理化学研究所と連携をいたしまして、健康の増進に役立つ革新的な
機能性表示食品の開発に向けた共同研究を行う、そのための補正予算を今議会にお願いをしているところでございます。この共同研究、しっかり着実に進めていきまして、その成果を国にアピールをすることによりまして、
理化学研究所の久留米市への機能移転の実現を目指してまいります。
次に、
待機児童解消についてお尋ねがございました。本年四月一日現在、県内の保育所等の認可定員は十一万三千九百五十六人となってございます。
利用児童数でございますが、十一万一千五百二十三人、また
待機児童数は九百四十八人でございます。待機児童が増加をしております市町におきましては、将来の保育需要についての先行きが見えないこと、必要な保育士の数が確保できない、それに不安があること、そういったことから大規模な保育所等の施設の整備に踏み込めていないところがございます。また、既存の
保育所等施設におきましても、保育士が確保できず
定員どおり児童の受け入れができないところもございまして、その結果、待機児童の解消が進んでいない、そういう状況にあると思っております。このため県におきましては、比較的少額の投資で早期に対応ができる
小規模保育事業の活用を市町に働きかけております。また、今年度、国においてスタートいたしました
企業主導型保育事業制度について、市町と連携をいたしまして、企業、団体等へのその周知、広報を行いまして、その活用促進を図っているところであります。あわせて、保育士を確保するため、
保育士就職支援センターにおける再就職支援、今年度新たに開始をいたしました
保育士就職支援貸付制度等の取り組みを進めているところでございます。今後とも、市や町と十分協議しながら、地域の実情に応じた
待機児童解消に向けた取り組みを進めてまいります。
保育士修学資金貸付事業の実施についてお尋ねがございました。この事業は、
保育士養成施設の学生に二年間を限度に資金を貸し付けるものでございまして、県内で五年間、保育士として業務を継続すれば、その返済が免除されることとなっております。このため、現在、約五割にとどまっております保育所への就職率の向上、また保育士の就業継続につながる効果が期待できますことから、今後、その実施について検討を進めてまいります。
5 ◯議長(中尾 正幸君) 今井保利君。(拍手)
*
今井議員質問
6 ◯十九番(今井 保利君)登壇 皆さん、おはようございます。民進党・県政クラブの今井保利です。通告に従い、一般質問を行います。
政府は
日本再興戦略二〇一六で観光立国の実現を示し、
インバウンドを成長戦略の一つとしております。先日の報道でも、
訪日観光客二〇二〇年度目標二千万人を、さらに四千万人に倍増するという発表もありました。
東京オリンピック・
パラリンピックに向けて、さらなる
インバウンドツーリズムの促進が日本全体で今後計画、実行されていくと考えます。福岡県におきましても、
ラグビーワールドカップなど各種国際的な行事を通して、さらなる訪日客の向上活動を進めていかれると考えております。当然、訪日客の人がリピーターとして再度日本を、福岡県を訪れたくなる環境整備と、触れ合う住民、県民一人一人が外国の人たちに対して、いわゆるおもてなしの心と対応をすることが重要な課題と考えます。そして、宿泊数、経済効果、
雇用創出効果、県民の意識調査等を数値化して目標設定し、
取り組み効果の把握、分析をしっかり行うことも重要になります。今後、
地域活性化の大きな柱となり得る
インバウンドツーリズムの方向性を、この質問を通じて確認できればと考えております。
さて、
九州運輸局が今月九日に発表した二〇一六年上期、一月から六月ですけれども──の九州への
外国人入国者数は、前年同期比四四・四%増の百六十六万七千八百八十三人となっています。一番懸念されていました熊本地震の影響がほとんどなく、
訪日外国人の数がこんなに増加していることに、正直驚いております。今後も
訪日外国人数が増加するように、そして訪問したお客様、それに対してのサービスの質を高め、リピーターをふやすために活動を進めることが重要と考えます。そして、たくさんの外国の方に日本をより理解していただき、その理解をベースに
ビジネス交流につながり、さらなる福岡県の産業の発展につながることが、
インバウンドツーリズムの本来の目標であり発展形だと私は考えています。
訪日外国人のうち、
クルーズ船による入国者数は五十七万八千二百九十七人と、前年同期比三倍以上となっております。
インバウンドを牽引している感のある
クルーズ船客ですが、福岡県に寄港するそのほとんどが中国上海からの船であり、滞在時間は朝八時から夕方五時までの短時間です。
クルーズ船観光客を受け入れている観光地では、生活文化の違いと短時間にたくさんの観光客が押し寄せることから、しばしばトラブル等が起きていると聞いております。例えば、ごみの捨て方、トイレの使用方法、
撮影禁止場所へ踏み入れるなどが言われております。
クルーズ船観光客をめぐるマナー問題に対する県の認識と今後の対応、対策について、まず御説明をお願いいたします。
クルーズ船の訪日客のその入国目的のほとんどが買い物です。その購入量の多さから、いわゆる爆買いと言われる社会現象と言われています。私は、爆買いについては、円高や人民元の切り下げ、中国の株安など不安な材料があると言えます。同時に、必要とされている爆買いの対象商品を必要とされている国で生産する、いわゆる現地生産化を行うことは当然の帰結であり、爆買い需要の減少、これも大きな不安な材料があると考えます。二十年くらい前に
日本人旅行者が大挙してイタリアを訪れ、いろいろなブランド品を大量に購入し、一時的に
イタリア現地の販売店やメーカーが日本人向けに対応、対策をしました。しかし、その後何年かするといろいろな経済変化や
環境状況変化から、日本からの買い物客が一気に減りました。現地では、それまで日本人相手の商売を中心に行ってきたことから、地元の人たちへの対応がおくれ、
現地イタリアでは大変な苦労があったと聞いております。このような不安定な要素が
クルーズ観光にはあることから、今後は、
クルーズ船による訪日客に頼らない観光客の誘致が福岡県にとって重要と考えます。
そこで二番目の質問として、
クルーズ船以外の
外国人観光客を増加させるために、
海外プロモーションなど、現在どのような取り組みを進めているのかお聞かせ願います。
先ほどの入国者数から
クルーズ船を除く国別内訳を見ますと、韓国からが最も多く六十二万六千二百九十人で、前年同期比九・二%増、二番目は台湾で十五万七千七百三十九人、前年同期比一七・一%増、三番目は中国で十万三千四百四十人、前年同期比九・一%増、四番目は香港で八万三千二百人、前年同期比三三・七%増となっています。この四つの国で、訪日客全体の九〇%を占めております。この四つ以外の国の訪日客をいかにふやすか、
インバウンドツーリズムを考える中で、課題がここにもあると考えます。今月六日、韓国の
LCCジンエアーが
北九州空港と釜山、ソウルを結ぶ定期便を就航すると発表し、
北九州空港発着の国際線はスターフライヤーが釜山便を休止して以来、約二年半ぶりです。LCCは韓国の済州航空が仁川便を休止して以来であり、大変期待しているところです。また、天津航空の三カ月
連続チャーターを実施した結果、搭乗率九〇%以上という顕著な実績を上げられ、そして北九州─大連の定期便の就航をこのほど決定されたとお聞きいたしました。
北九州空港での記念すべき今回の就航路線が今後定着し、かつ新たな海外路線の呼び水となるためには、確実にこの新しい路線の利用者が増加することが重要と考えております。そのためには順調に伸びている
インバウンド需要を着実に取り込んでいくことが必要です。
北九州空港への
海外航空路線新規就航の機会を捉え、どのように地域の魅力を生かし、
インバウンドの拡大を進めていかれるのか、三番目にお伺いいたします。
インバウンドビジネスで重要なのは、情報の提供とも言われています。公共交通等の表示の多言語化や、お店などのメニューの表示も最低英語化するなどが重要と言われております。同時に
情報入手手段としてのWiFiの充実が重要な課題とされ、現在いろいろなところで
WiFiスポットが拡充設置されていると聞いております。しかし、
外国旅行者から、日本ではWiFiの設置者が違っていると毎回認証登録をする必要があり、煩わしさが課題と聞いております。認証の登録の統合と同時に、その情報を
ビッグデータとして観光客の行動や思考などの情報を集約分析し、観光客のニーズを明確にして、これをさらなる誘客に寄与することが重要な課題と私は考えます。
そこで最後に、よりたくさんの
外国人観光客に来ていただくためには、今申し上げた
WiFi環境の整備など、
受け入れ環境の整備が重要であると考えますが、今後どのように取り組むつもりなのか、知事の考えをお聞かせください。
これで私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
7 ◯議長(中尾 正幸君) 小川知事。
*知事答弁
8 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、
クルーズ船観光客をめぐるマナーの問題でございます。昨年、博多港に寄港いたしました
外国籍クルーズ船は二百四十五隻と過去最高を記録いたしました。さらにことしは、八月までの間でございますが、既に二百十隻寄港いたしておりまして、年間三百三十五隻の寄港が今見込まれているところであります。こうした中、
クルーズ船の観光客の訪問先からは、マナーが悪くて困っているといった声が上がっておりまして、マナーの改善に取り組んでいく必要があると、このように認識をいたしております。このマナーの問題の要因でございますけれども、観光客の日本のマナーについての理解が十分でないこと、そして受け入れ側の
観光事業者におきましても、
外国人観光客の接遇になれておらず、十分な情報の提供ができていない、そういったことが挙げられると思います。このため県といたしましては、
外国人観光客に対しまして、県の
観光ホームページでございます
クロスロードふくおか、あるいは啓発チラシを活用いたしまして、トイレの使い方など日本におけるマナーについても積極的に情報の提供をしてまいります。また、県内の
観光事業者を対象といたしました
インバウンド受け入れセミナーにおきまして、イラストによるトイレの使い方に関する説明など
外国人観光客に日本のマナーをわかりやすく伝える方法というものを事業者の方に学んでいただきまして、それを実践していただけるよう引き続き取り組んでまいります。
次に、
海外プロモーションについてお尋ねがございました。アジアを中心とした経済の発展に伴いまして、
クルーズ船に限らず多様な観光需要が出てくるものと考えられます。こうした
外国人観光客を誘客をしていくためには、今後増加が見込まれます
個人旅行客の興味、関心、それらを把握した上で、多様なニーズに合った商品の企画を提案をするとともに、地域にありますさまざまな観光資源をつないで魅力ある
観光ルートをつくって、それらについても情報をしっかり伝えていくことが重要であると考えております。その際、広域的な取り組みも重要でございまして、県では、
九州観光推進機構と連携をし、九州観光を紹介をするため、海外旅行博への出展、
現地メディアの招聘など効果的な
プロモーションに継続して取り組んでいるところであります。また、九州各県、
九州運輸局などと連携をいたしまして、
個人旅行客に対応するため、レンタカーを利用して九州内の高速道路をお得に割安感を持って利用できるキャンペーンにも取り組んでいるところでございます。一人でも多くの方に福岡を知ってもらい、また来ていただくために、台湾、香港、タイに進出をしております県内の飲食店の御協力も得て、現地のお店の来店者に本県の食、自然、歴史などの情報を発信をいたしております。今後は、ラグビーの
ワールドカップ、
東京オリンピック・
パラリンピックを見据えまして、欧州、豪州等におけるこういった現地店舗にもこの取り組みを拡大していくなど効果的な
海外プロモーションに努めてまいります。
次に、
北九州地域の魅力を生かした
外国人観光客の誘客についてでございます。
北九州地域は、小倉城、門司港レトロ地区、明治日本の
産業革命遺産、旧蔵内邸住宅といった歴史、小倉祇園や戸畑祇園、京築神楽といった文化、自動車、ロボット、衛生陶器といった産業、平尾台や玄界灘などダイナミックな自然、豊前海一粒かきあるいは豊前本ガニといった豊かな食、そういった多様な魅力にあふれております。今回の
北九州空港新規路線就航、これを契機といたしまして、北九州市、周辺市町村とも連携をし、海外で開催される旅行博への出展、現地旅行社へのセールス、
現地メディアの招聘などを行いまして、これらの周辺のさまざまな魅力をPRすることによって、
北九州空港を起点とした新たなツアーを造成、その造成を促し、
外国人観光客の誘客拡大を進めてまいります。
次に、
外国人観光客の
受け入れ環境についてお尋ねがございました。
外国人観光客の多くはスマートフォン等で観光情報を入手することが多く、WiFiの利用環境を向上させることが求められております。このため県におきましては、無料
WiFiスポットへの接続手続を簡素化をいたします九州フリーWiFi
プロジェクトに九州一体となって取り組んでいるところでございます。この
プロジェクトには、現在、九州全体で約一万二千カ所の
WiFiスポットが参加をいたしております。今後、宿泊施設や観光案内所における、より一層のWiFi整備と、この九州フリーWiFi
プロジェクトへの参加というものを促してまいります。このほかにも、
外国人観光客の皆さんが県内を快適に周遊をしていただけるよう、九州アジア観光アイランド特区、この制度を活用した九州限定の通訳案内士であります特区ガイド、これをさらに育成を進めていきますとともに、写真つき多言語メニュー、あるいはカード決済など、
外国人観光客がストレスなく利用できる県内の飲食店あるいは宿泊施設をさらに拡大をしていくことにも取り組んでいきまして、
受け入れ環境の整備を進めてまいります。
9 ◯議長(中尾 正幸君) 西尾耕治君。(拍手)
*西尾議員質問
10 ◯二番(西尾 耕治君)登壇 公明党の西尾でございます。それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。
福岡県には有人の離島が八つあり、全部の島の総面積は十三・二五平方キロメートル、気候は暖流対馬海流の影響で比較的に温暖、地形は全体として急峻で、平たんな土地が少なく、集落は比較的平たん地である南側の海辺に集中しており、九百八十世帯で二千四百人ほどの方たちが、穏やかに日々暮らしておられます。私が住んでいます糟屋郡新宮町の沖には相島があり、近隣の宗像市には地島と大島があります。特に新宮町の相島には、場所が近いこともあり、島へ渡る機会が多いことから、昨日も島の大運動会が開催され、渡ってきましたが、その中でいただいた現場での相談や、上岡前県議からの引き継ぎ事項も含めて、福岡の離島振興政策について質問させていただきます。
初めに、国の離島振興法の第一条目的の中では、離島については、我が国の領域、国土の保全などについて、大変に重要な役割を持っていることを定義づけされていますが、県内の離島について、どのような課題があると認識されておられるのかお伺いいたします。一九五三年に制定された離島振興法は、十年ごとに改正、延長され、二〇一三年には六回目の改正がなされました。私ども公明党は、遠山清彦衆議院議員が本部長となり、離島振興本部を立ち上げ、精力的に離島の現地調査を重ね、二〇一一年には離島振興ビジョンを発表し、その後、他党との粘り強い交渉を重ね、同ビジョンの大半を法律に盛り込むなど、一貫して法改正をリードしてまいりました。その結果、以前からの離島振興法から、二〇一三年の改正離島振興法は、抜本的に改正されました。中でも最大のポイントは、離島への定住促進を明記し、今までは都道府県任せになりがちだった離島振興政策を国の責務として規定したところで、離島の生活環境整備や、医師不足解消、地域の産業活性化などに国が責任を持って取り組んでいくことで、本土との格差を是正し、人口減少、流出に歯どめをかけることを狙いとしております。この成果として、国は、高校生の修学支援や、妊婦の通院、出産支援などのソフト事業に幅広く使える離島活性化交付金と、地域の創意工夫を生かした施策を推進するために、税制優遇や規制緩和などの特例を設ける離島特区の創設などの政策が打ち出されています。また、本県の離島政策は、福岡県離島振興計画に基づいて進められておられるとは思いますが、幾つかの課題に沿ってお伺いいたします。
初めに、離島における災害対策についてです。先般、強力な台風が日本の各地を襲いました。痛ましいことに死者も発生いたしましたし、甚大な被害を至るところに与えました。近年の異常気象によるものだとも言われ、想像がつかないような、過去に事例がないような自然災害が続出しております。中でも、大いに影響を受ける場所が離島であります。新宮町の相島を例にしますと、島内の地勢については、山部から海岸まで斜面として迫ってきているため、島の人たちの家が斜面に張りついて密集している状態が見受けられます。それに伴う砂防工事を進めていただいてはいますが、災害対策という観点からも、なお一層進めていただきたいと考えます。また、島内に通っている道路は県道もあるようですが、アスファルトの亀裂や断裂箇所も見受けられ、道幅は狭い部分が多く、交通量も少ないし、小さな車が通ることが多いようですが、消防車には通りにくいようです。このように、離島の住民の皆さんは、さまざまな心配や不安を抱えております。
そこで、当然、災害に関連する各離島の地勢の状況は各帰属自治体のハザードマップなどで掌握されておられるとは思いますが、道路や砂防施設などの社会資本整備による離島の災害対策について、本県としての考えを伺います。
次に、前述いたしました離島における定住化促進対策についてです。平成十二年に八島で三千人だった人口は、平成二十二年には十年間の間に五百人減少し、二〇%減の二千四百人ほどになり、島によっては二五%減少しているところもあり、大変に深刻な問題となっております。また、そのことに伴い、空き家も増加しております。
そこで、定住化に向けての政策は必要であると考えます。その中でも特に、定住化促進に向けた空き家の有効活用が重要であります。このことについて、知事はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
次に、島民の高齢化に伴う高齢者福祉、介護支援についてです。離島の高齢化は急速に進んでおり、高齢化率は約四割にもなっております。住みなれた地域で生活を望み、島外の介護サービス事業所に行きたがらない高齢者が大変に多い様子であります。民間の介護サービス事業所が相島にはありますが、島民の人口減少に比例し利用者も減少しており、経営上成り立たなくなってきていると聞き及んでおります。が、島民の皆様からの運営継続の要望も多いようです。なお、本年六月に、全国離島振興協議会より議会宛てに提出された平成二十八年度の要望の中にも、離島特性に応じた介護支援対策を講じることが記述されておりました。
そこで、まず、どの離島にどのような介護サービス事業者があるのか伺います。
また、離島では、介護サービス事業所の運営が厳しいことから、何らかの支援が必要と思いますが、どのように取り組んでおられるのか伺います。
次に、離島留学についてです。豊かな自然や、人とのつながりの中で、子供たちの個性や人間力を育む一方で、離島の地域コミュニティーの再生にもつながり、離島における重要な定住要件である小中学校などの教育機関を維持、活用するためにも、また将来的には、定住化の促進にもつながる離島留学を政策として進めている離島も全国的にはかなりあるようです。もちろん、離島の特性や受け入れる環境がそれぞれ異なるため、確かに、一概に離島留学が全ての離島に適しているとは思えませんが、県内では、どれぐらい進めているのか。また、県教育委員会として、離島留学をどのように支援していくのか。教育長に見解をお伺いいたします。
それでは、もう少し私の地元新宮町の相島を具体的な事例として、数点お伺いいたします。相島は、新宮町より八キロメートルの玄界灘の沖合に浮かぶ面積一・二五平方キロメートル、周囲が約八キロメートルの台地状の島で、百五十世帯で約三百人の島民が住んでおられます。ほとんどの方は漁業をなりわいとしておりますが、近年では、ミキモト真珠が真珠の養殖事業を始められ、その成果物の真珠が市場に出回り始めております。また、最近では、島に住みついた猫がふえ、その猫たちを見に来る観光客もふえてはきましたが、島の駅や海の駅のような観光客を対象とした一定規模の店も少なく、宿泊施設も一軒だけのため、現実には、結果として地元にお金が落ちていってはいないのが事実のようです。島内にある漁協の購買店の老朽化に伴い、建てかえの話も出てきているので、この際、観光客に対応できるものにつくりかえる場合のハード、ソフトの何らかの両面の支援を行政としてはできないものかとも思います。また、島内で生活していく上で、移動手段に必要な車を所有されている方も多くいます。が、車検に出すには台船に乗せて、多大な費用をかけて本土まで運ばなければならないところもあります。生活の利便性の平準化の観点で言えば、何らかの支援ができないものか、例えば、出張車検のようなことができないものかとも思いますが、これは国の担当機関に所管する内容とも思いますので、このことについては国会議員の事務所を通じて相談していきたいとも考えます。
二〇一四年六月、先ほどお話しいたしました私どもの党の遠山清彦衆議院議員に相島へ渡っていただき、地元町長、町議会議員が入り、私も同行させていただき、島民の皆さんと意見交換会を行う機会がありました。直接いろいろな話を伺い、現場の状況や課題が明確につかめました。もちろん、すぐにできること、できないことはあるようでしたが、大変に喜んでいただきました。また、先月の中旬にも、遠山議員は、我が県のすぐお隣、佐賀県唐津市の四つの離島を訪問し、島民と懇談会を行っております。視察を終えた遠山議員は、島によって取り組まなければならない課題が異なる、今後も、島民のニーズに合った政策実現に努めていくと語っておられました。
このような、県や市町村の職員の方が直接島民からお話を聞かれるような、それぞれの島の状況に応じた、さまざまな行政上の相談を受けられる行政相談会のような機会は、非常に効果的であります。本県では、離島を有する市町の首長や、漁協、住民代表による福岡県離島振興協議会もあり、また離島の振興を有志の皆さんで話し合う場に、県職員の方も出席されていると聞き及んでおります。ぜひ、積極的な意見交換をお願いいたします。前述してきたさまざまな具体的なお話も出てくることとは思います。
また、相島については、七月には、大分県の立命館アジア太平洋大学(APU)の学生さんが、過疎、高齢化が進む相島を現地調査していただき、朝鮮通信使の接遇の料理を復元し提供するなど、島の歴史や自然を生かした提言、観光振興策を発表される機会がありました。さらに、新宮町教育委員会が去年、相島近海で確認された瓦と見られる遺物に関連して、十月より四年がかりの海底遺跡調査を実施すると発表しました。九月初旬には、相島で、同島の国指定史跡の相島積石塚群の被葬者が、古代海人族の宗像族か、あるいは安曇族、安曇氏かということをテーマにした講演がありました。このように、島独自の歴史や文化、自然と密着した地域活性化、まちおこしについての前向きな意見も出てき始めております。
本県としても、このような離島の
地域活性化について、改正離島振興法により創設された離島活性化交付金などを使って支援を行っていくべきと思いますが、いかがでしょうか。もちろん、このようなことは、県内のほかの離島にも言えることだと考えます。
先月二十一日、大分県知事を六期二十四年間務め上げられた平松守彦氏が九十二歳で亡くなられました。同氏は地域おこしの先進的な取り組みとして一村一品運動を推進いたしました。まさに、地域ごとに特徴を見出し、地域の活性化につなげていくことは重要であります。
我が県においても、それぞれの島がテーマを決めて地域おこしに取り組み、また島同士でも連携をとっていくような、例えば、将来的に一島一品運動につながるような特産品開発を支援してはいかがでしょうか。知事のお考えを伺いたいと思います。
離島の振興を図ること、地域の活性化を進めることは、県民の皆さんへ、離島について広く周知し、理解していただくことであり、日本の島や海を知ることであり、地球上の自然や生物のことを考えるきっかけになるとも思います。高尚な哲学の上で考察すれば、生命が海から誕生したことを考えれば、自分たちの存在、起源を考えることにもつながるのではないかとも思います。近年、人類による自然破壊が原因で、異常気象が立て続けに起こっていることは、周知の事実であります。当然、島や海にも多大な影響を及ぼしております。玄界灘の沿岸を四十年以上歩き、漂着物の研究を続けた石井忠氏は、海が病んでいると警鐘を鳴らし続けておられました。また、世界文化遺産登録への手続が進んでいる宗像・沖ノ島の関係者でもある宗像大社の葦津敬之宮司は、沖ノ島海域の海も変化している、世界遺産登録への過程をきっかけに、海の再生を国内外へ強く訴えていきたいと語っておられます。
冒頭お話しいたしましたが、昨日、新宮相島では、島を挙げての大運動会が開催されました。相島小、新宮中相島分校合わせて十四人の生徒を中心に、島の大人たちも主な産業の漁業を休漁して、また婦人会、老人会、行政幹部、議会なども参加、約三百人の方たちで盛り上げておられ、すばらしい運動会の様子でした。運動会のスローガンは、一致団結、心をつないで勝利をつかめでした。知事及び執行部におかれましては、一致団結の心で、離島振興政策にしっかりと取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
11 ◯議長(中尾 正幸君) 小川知事。
*知事答弁
12 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、県内離島における課題でございます。離島にお住まいの方には、海洋の保全、水産業の振興、また多様な歴史、文化の継承など大切な役割を担っていただいております。私自身、知事のふるさと訪問で新宮町の相島、宗像市の大島、福岡市の玄界島を訪れ、島民の皆様とそれぞれ意見交換をさせていただきましたが、離島におきましては、人口減少、高齢化が急速に進んでおりまして、医療、福祉、教育の維持に加え、若者や女性の就業機会の創出、漁業後継者の確保といったことが大きな課題になっていると、このように考えております。
次に、災害対策でございます。県内八つの有人離島につきましては、議員も御指摘になりましたが、地形が急峻でありますことから、県ではこれまでも、災害履歴、また災害危険箇所の点検結果、これを踏まえまして、緊急性の高い箇所から道路ののり面対策、砂防施設の整備といったハード対策を計画的に実施をしてきたところでございます。あわせて各自治体が定める地域防災計画、ハザードマップのもととなります土砂災害警戒区域の指定、避難行動を支援する土砂災害警戒情報の発表と周知といったソフト対策にも取り組んできているところであります。今後も、離島の住民の皆様の安全、安心なお暮らしを支えるため、各自治体と十分連携を図りながら、ハード、ソフト両面一体となりました災害対策を進めてまいります。
次に、空き家の有効活用でございます。人口減少社会を迎える中、空き家の問題というのは自治体にとりまして大きな行政課題になっております。特に、離島におきましては、買い物、交通、教育などの点におきまして、各地域に比べ困難な条件を抱えておられ、空き家を活用した移住促進には特段の支援が必要であると考えております。このため県におきましては、空き家の所有者と住居を求めておられる方とをつなぐ空き家バンクの普及促進に加えまして、離島活性化交付金など有利な財政支援制度を利用したお試し居住、移住者と地域住民との交流施設への活用など、定住促進のための空き家の有効活用を働きかけてきたところであります。こうしたことによりまして、宗像市の大島、地島では、離島でお試し居住を行う田舎暮らし体験事業の取り組みがなされることとなっております。
次に、離島における介護サービス事業についてでございます。現在、県内八つの離島のうち、新宮町相島及び福岡市玄界島には小規模多機能型居宅介護事業所が、宗像市の大島には訪問介護事業所が、糸島市姫島には通所介護事業所がそれぞれ開設をされております。これら四つの事業所のうち、玄界島の小規模多機能型居宅介護事業所と姫島の通所介護事業所の整備につきましては、県や国からの助成を行っております。また、これら離島の事業所におきましては、利用者が少なく安定的な経営、安定的な運営が困難でありますことから、県といたしましては、離島も含めた過疎地域の介護サービス事業所に対する財政的な支援について国に要望してきているところであります。
次に、離島の歴史、自然を生かした
地域活性化と特産品の開発についてお尋ねがございました。県におきましては、これまでも離島を有する五市町の首長、漁協、住民代表で組織をいたしております福岡県離島振興協議会を通じまして、特産品開発のための研修会の開催、島おこしを担う青年リーダーの養成、そして都市圏の子供や若者等との交流といった
地域活性化の取り組みを進めてまいりました。特産品の開発でございますけれども、それぞれの島において創意工夫を生かした新商品の開発が進められておりまして、小呂島漁師のしまごはんのように、福岡市内の百貨店で人気の商品も誕生したところでございます。県といたしましても、こうした島の特産品をあすから開催をいたします県庁のロビー展、十一月に新宮町で開催する離島フェアなど、そういう場におきまして積極的に紹介し、販売することといたしております。県といたしましては、引き続き国の離島活性化交付金も活用しながら、島の皆さんと知恵を出し合って、それぞれの自然、歴史、文化といった資源を活用して、特産品開発を初め離島の活性化に取り組んでまいります。
13 ◯議長(中尾 正幸君) 城戸教育長。
*教育長答弁
14 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 離島留学の実施状況と支援についてでございます。離島留学は、現在、宗像市の地島小学校で実施されており、全校児童十二名のうち五名が留学生となっております。現在、県内でほかに離島留学を行う意向のある学校の報告は受けておりませんが、今後そのようなケースがありましたならば、管轄する市町村や学校に対しまして、地島での取り組みの成果と課題等について情報提供をしてまいりたいと考えております。
15 ◯議長(中尾 正幸君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時三十分といたします。
午 後 零 時 二十分 休 憩
午 後 一 時 三十一分 再 開
16 ◯副議長(佐々木 徹君) 再開いたします。
休憩前に引き続き一般質問を行います。順次発言を許可いたします。神崎聡君。(拍手)
*神崎議員質問
17 ◯三十一番(神崎 聡君)登壇 皆さん、こんにちは。緑友会福岡県議団の神崎聡です。
山に登るのは努力の一歩、人生を開くのも努力の一歩であります。本県の霊峰英彦山のブナ林が危ないとの地元からの陳情がありました。そこで、母校県立田川高等学校時代の恩師で、本年度、みどりの日自然環境功労者環境大臣賞を受賞されました熊谷信孝先生に現況をお尋ねし、県環境部自然環境課、福岡県保健環境研究所の協力を得て、家族を伴って英彦山に登ってきました。知事も小中学校のときに英彦山登山をされたと聞いておりますけれども、現場主義の知事同様に、百聞は一見にしかず、現場を目の当たりにしての質問であります。
霊山英彦山は日本三大修験道の一つで、福岡県を代表する山であります。県では、豊かな自然環境を守るため、英彦山の絶滅危惧種の植物の保護、保全活動に力を入れていただいております。英彦山のブナ林は表日本型と裏日本型が混在する極めてまれな群落として国と県の貴重群落指定を受けています。山頂付近、中岳から北岳一帯に広がるブナ林の自然林が広がり、その林床を九州では珍しいクマイザサが埋め尽くしているのが特徴で、西日本有数の美林であります。平成三年の大型台風十七号、十九号で英彦山は壊滅的な被害を受け、その後遺症とニホンジカの被害でブナ林の衰退や枯損が目立つようになりました。県のレッドデータブックでも保全対策が必要な群落とされており、地元ではブナ林の再生を目指した活動が行われております。原生林としてのブナ林は多様な動植物が生息し、私たちにとっても空気の浄化、土砂崩れの防止、水の安定供給などさまざまな自然の恩恵を受けています。したがいまして、ブナ林の衰退は、動植物のみならず地域で暮らす私たちにとってはかり知れない影響を及ぼすことを意味いたします。
そこで知事にお尋ねいたします。県職員の方と一緒にブナ林が衰退する英彦山の実態を見てきましたが、大変危機的な状況でありました。そして、職員の方の説明で、森を守る県の地道な研究や活動も拝見させていただきました。最初に、英彦山のブナ林が荒廃している状況や衰退の原因、その対策など知事の認識も含めてお尋ねいたします。
ブナ林は五十年で花をつけ、七十年で充実種子をつける息の長い取り組みであります。育苗、植樹を県として行っていくことについて、どのようにお考えになられているのかお尋ねいたします。
あわせて、本県として耶馬日田英彦山国定公園のブナ林保全の取り組みにおいて、地元やボランティアへの支援と連携についてお尋ねいたします。
我が会派の代表質問の中で森林環境税についてただしましたところ、知事は、市町村、関係団体、そして県議会、県民の意見を聞きながら、今後のあり方を検討するとの前向きな御答弁でした。知事のこの御答弁を受けまして、農林水産部長にお尋ねいたします。森林環境税は、森林をめぐる環境に対して依然としてさまざまな課題が残されていることから、隣県の大分県を初めとして、既に森林環境税の取り組みを継続実施されています。継続した他県では、税率や適用期間、使途の拡大に対して、継続後、どのようになっているのかお尋ねいたします。
県では、森林環境税による事業の内容を県民に明らかにし、その透明性を確保するため、森林環境税事業評価委員会があります。本年度は六月一日に開催され、事業実績や荒廃森林事業の効果調査など話し合われておられます。今後の同委員会のスケジュールや議題について、どのような内容を検討されていかれるのかお尋ねいたします。
本県では、森林環境税を活用して荒廃森林再生事業に取り組んでいますが、この事業は荒廃した杉、ヒノキ人工林の再生が対象となっており、英彦山のブナ林再生には直接活用できません。
そこで知事にお尋ねいたします。ブナ林を再生するため、どのような財源が考えられるのでしょうか。また、森林環境税と国庫補助を併用した事業を行っている県も多いと聞いていますが、他県のこのような取り組みを、知事はどのように評価されているのかお尋ねいたします。
森林環境税は各県レベルでの取り組みとなっていますが、自然環境は各県だけの問題ではなく、国全体の問題でもあります。国と県が連携を図り、より一層の森林整備を推進することをお願いいたします。
次に、有害獣対策について、ここでは鹿の抜本的解決策についてお尋ねいたします。とにかく有害獣対策においては、なかなか抜本的な解決策が見つかりません。そもそも鹿が増加した原因は、天敵であったオオカミの絶滅と人間、狩猟者の減少だと言われています。今、県では捕獲計画の策定や侵入防止柵の設置方法などの現地研修会の開催、あるいは銃猟免許取得者の確保を図るなどの対策を積極的に取り組んでいます。それでも鹿は、その数をどんどんふやしています。そこで解決策として注目を集めているのが、絶滅したオオカミを放ち、もとの自然生態系を回復させるという議論であります。
実は、十月の二十三日に私の地元添田町民会館で、「九州(英彦山)にオオカミを取り戻せ!!」と題して、日・米・独オオカミフォーラムが開催されるそうです。一般社団法人日本オオカミ協会では、全国的に獣害問題が深刻化し、狩猟者の激減と鹿、イノシシの個体数調整は完全に行き詰まっている現状と、鹿の野方図な食害により森林原野の荒廃は広域的に進み、土砂災害などの多発が予想される状況を踏まえ、一、奥山で絶滅種のオオカミを再導入すること、二、里山・人里では、ハンターの自治体雇用による常勤体制化を図ること、三、広域的で半恒久的な有害獣侵入防止柵の建設が必要であると、三つの緊急対策を提案しているようです。オオカミは怖い、人を襲うという話は、グリム童話にオオカミが出てくる話だそうで、それはヨーロッパが放牧を中心とした文化だからと言われています。ヨーロッパでは牧場のヤギや羊をオオカミが狙います。したがって、ヨーロッパの人たちにとって害獣はオオカミであったということです。一方、古来日本では、オオカミは山を守る大きな神としてあがめられ、大きな神、大神として、信仰の対象でありました。オオカミという漢字はけものへんに良と書きます。農耕民族の日本人にとって、農作物を荒らすイノシシや鹿、タヌキなどの害獣を捕食するニホンオオカミは、自然と共存するよきパートナーだったのかもしれません。
ただ、一口にオオカミを放つと言っても、私は簡単にはいかないと思います。既にニホンオオカミは絶滅していて、タイリクオオカミの導入となれば外来種であるという点、麓の住民の理解や登山や参拝者あるいは観光客への影響、さらには、百年前にオオカミが存在していた環境と比べると今の日本は大きく変わってしまっている点、またオオカミへの対処法を知らない私たち日本人、現実的には、かなり大きな課題があるように思います。オオカミの再導入に対して賛否が分かれるところではありますが、私は専門家ではありませんのでよくわかりません。
そこで知事にお尋ねいたします。知事は、オオカミの再導入に対してどのような御所見をお持ちになり、調査研究に値するものなのかどうなのか、お聞かせください。
また、自然の生態系というのは、数万年という歳月の中で絶妙なバランスの上で構築されています。ニホンオオカミという捕食者の絶滅により生態系が崩れて鹿がふえ過ぎ、その結果、自然環境にさまざまな悪影響を与えています。捕食者絶滅によって崩れた生態系を改善するために何をしなければならないと知事はお考えでしょうか、大所高所からの御意見をお聞かせください。
一方、私が鹿対策の解決策として目をつけたのが、奈良公園周辺に生息する国の天然記念物の鹿であります。奈良では平城に遷都した千三百年前から鹿と共存してきたと言われています。そこで、奈良県庁の農林部の鳥獣対策と県土マネジメント部まちづくり推進局の奈良公園室に、有害獣の鹿の駆除と天然記念物の鹿の保護という、それぞれの立場から興味深く話を聞くことができました。これ、説明しますと長くなりますので、私の結論から申しますと、英彦山に適した捕獲方法と体制を考えた上で野生の鹿を餌づけし、将来は鹿による観光地化していく。人間によって個体管理することにより、適正頭数を維持しジビエを安定的に提供していく取り組みを考えてはどうかと思いました。問題は、生息域や個体数の把握、群れごと捕獲するための誘導システムを、どうシステム化し構築するかということであります。鹿は学習機能が発達していますから、学習させない方法の確立も求められます。
先日、IT業界の方々とこの件について意見交換し、赤外線カメラを搭載したドローンやにおいセンサーなど最先端テクノロジー活用の必要性を感じました。今、求められているのは、集中的に捕獲する高度な技術だと思います。農林水産省や環境省でも、ITを活用した総合的な取り組みを推進しています。
そこで知事にお尋ねいたします。繁殖の一途をたどる鹿に対して、県はどのような具体的な対策を研究されているのでしょうか。国の支援を最大限活用して、本県として鹿対策強化策を打ち出すべきだと考えますが、知事の御所見をお尋ねいたします。
また、耶馬日田英彦山国定公園のように県境をまたいだ取り組みについて、例えば大分県との連携を今後どう取り組んでいくのか、あわせてお答えください。
今回の質問は、これまでのどの質問よりも体力と時間を要しました。恩師と県執行部の御協力をいただき、家族を巻き込んでの質問であります。知事には、涙ぐましい努力を御理解いただきまして、内容のある御答弁をお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
18 ◯副議長(佐々木 徹君) 小川知事。
*知事答弁
19 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
英彦山のブナ林の荒廃状況と対策についてでございます。英彦山のブナ林は、県内では最大のブナ林でございまして、多くの野生の動植物が生息、生育する生物の多様性の保全の観点から重要な地域であると考えております。英彦山のブナ林は、平成三年の台風被害が非常に大きかったこと、その後の鹿の食害によりブナの幼木が枯れていることなどから回復が思うようには進んでおりません。現在の県資源活用研究センターが平成十四年に行いました調査によりますと、山頂付近のブナのうち、健全な木は二六%とされているところであります。このため、今年度から英彦山、犬ヶ岳地区の生態系の回復を目的とした鹿の捕獲事業を実施しておりまして、鹿を適正な生息密度になるまで減少をさせ、鹿の食害を減らしていくことといたしております。あわせて、地元住民やボランティアの皆さんによるブナの植樹活動に対しても、その支援を行い、ブナ林の再生を図っているところでございます。
ブナの育苗、植樹についてでございます。英彦山のブナ林は自然林であります。自然更新が図られることが望ましいため、まずは現在行っております鹿の捕獲事業によって鹿の食害を減らすことによって自然更新がどの程度進むのか、これを確認することが必要でございます。しかし、自然更新を図ることが困難な場所もありますことから、植樹もブナ林再生の有効な方法と考えております。このため、現在県の保健環境研究所において植樹を実施すべき場所の把握、生育に必要な条件、植樹後必要とする管理の手法等につきまして研究を進めているところであります。
地元住民やボランティアの皆さんに対する支援と連携でございます。英彦山におきましては、地元住民や複数のボランティア団体が参加をされ、現地で採取した種子から成長させた苗木を植樹をされておられます。この植樹には県の保健環境研究所の職員も同行いたしておりまして、植樹に適した場所について助言を行っております。今後、県保健環境研究所を中心に地元住民やボランティアの皆さんと情報共有、意見交換を進め、関係者が連携して行うブナ林再生方策について検討を進めてまいります。
ブナ林再生の事業についてでございます。荒廃森林再生事業は、長期間手入れがなされず荒廃をした杉やヒノキの人工林がその対象となっておりまして、ブナ林などの天然林は対象となっておりません。しかし、NPO等の団体が行う森林の保全を目的としたブナ林を再生する活動につきましては、その苗木の購入代金等を森林環境税を活用した森林づくり活動公募事業の助成対象としているところであります。また、国定公園内の保安林に指定された区域のうち、林地の植生が消滅をし表土の流出により濁水を発生させ、またそのおそれがある箇所につきましては、治山事業によってブナの植栽が可能となります。これによりまして、平成七年度には一ヘクタールの植栽を行ったところであります。なお、ブナ林の衰退により損なわれました国定公園内の生態系を再生をするため、県が鹿の防護柵の設置を行う場合、国の自然環境整備交付金を活用することができることになっております。
次に、オオカミを再び自然に導入することについてお尋ねがございました。国は、オオカミによる鹿の減少効果が定かでないこと、人身被害や家畜の被害の発生、感染症の影響などの懸念がありますこと、過去に国内で捕食性の外来生物を害獣対策として導入をいたしました結果、生態系の攪乱や農業被害が引き起こされたという事例がありますことから、オオカミの再導入を検討する状況にはないと、そのような見解を示しております。県といたしましては、こうした懸念が払拭されない限り、オオカミを再び自然に導入することは困難ではないかというふうに考えております。
崩れた生態系の改善についてでございます。鹿がふえた原因といたしましては、捕食者であるオオカミが絶滅したこと以外にも、積雪量の減少によって子鹿が越冬できるようになったこと、狩猟者が減少をしたこと、鹿の餌場となる耕作放棄地が拡大したことなどが掲げられております。崩れた生態系の改善を図り、自然環境を守るには、積極的に人の手で生息数を適正な水準に減少させていくこと、つまり鳥獣の管理というものが重要になってくると考えております。国におきましては、平成二十六年に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律を改正をいたしまして、これまでの鳥獣の保護だけではなく、鳥獣の管理も進めていくことになっております。この法改正によりまして、都道府県による鹿やイノシシの円滑で迅速な捕獲を可能とする指定管理鳥獣捕獲等事業が創設をされたところでございます。本県といたしましても、本年度からこの国の事業を活用した英彦山、犬ヶ岳地区における鹿捕獲事業を実施しておりまして、鳥獣の適正な管理に努めてまいります。
鹿による農林水産物の被害対策でございます。県では、野生鳥獣による農林水産物の被害を軽減するために、侵入防止から捕獲、捕獲獣の有効利用までの対策を一体的に進めてきております。これらの取り組みによりまして、鹿による被害額はこの五年間で八千万円減少いたしておりまして、昨年度は二億四千万円となってございます。しかしながら、依然として被害額が高額でありますため、今年度から新たに林地の伐採後に植栽した苗を守るための柵の設置につきまして、国の補助に県費による上乗せを行っているところであります。また、捕獲数をふやすため、ベテラン狩猟者が指導することによりまして、経験の浅い狩猟者の技術の向上とその養成が早期に図られるよう支援をしているところであります。さらに、農林業総合試験場におきまして、化学的誘引物資で鹿を誘導いたしまして、これをセンサーカメラ等ICT機器を活用して捕獲をするわなの実証を行っているところであります。
次に、県境をまたいだ取り組みでございます。九州五県で構成をいたしております九州シカ広域一斉捕獲推進会議を設置いたしまして、効果的な捕獲対策を検討するとともに、本年度も九月と来年三月になりますが、九月と三月の年二回、同じ期間に捕獲を実施することといたしております。今後とも、こうした対策にしっかり取り組んでいき、被害の防止に努めてまいります。
なお、残余につきましては、農林水産部長から答弁をさせていただきます。
失礼いたしました。一問答弁漏れがございました。
森林環境税と国庫補助の併用の事例についてお尋ねがございました。森林環境税を導入いたしております三十七府県の全てが間伐等の森林整備を行っております。このうち、国庫補助の対象となります林業経営として行う森林の整備に対して森林環境税を併用している県が十二ございます。本県の森林環境税は、林業経営が行われなくて荒廃をした森林が増加したことによって森林の持つ公益的機能が低下をし、県民生活に影響が及ぼされることを懸念されましたことから、この荒廃森林を早急に再生し、健全な状態で次の世代へ引き継ぐため、導入されたものでございます。このため、林業経営として行う森林の整備については、森林環境税は併用いたしておりません。なお、私ども福岡県と同じように、国庫補助を併用していない府県が二十五ございます。
20 ◯副議長(佐々木 徹君) 小寺農林水産部長。
*農林水産部長答弁
21 ◯農林水産部長(小寺 均君)登壇 森林環境税に関してお答えいたします。まずは森林環境税の他県の状況についてであります。森林環境税は、水源の涵養等森林の有する公益的機能の重要性に鑑み、平成二十八年四月現在、本県を含む三十七府県で導入されており、そのうち適用期限を迎え見直しを行った十六県全てが継続しております。継続している県につきましては、税率や適用期間の変更はありません。使途につきましては、主たる使途の変更はありませんが、各県の実情に応じ支援内容の見直しが行われております。
次に、森林環境税事業評価委員会についてであります。この委員会は、森林環境税による個々の事業の内容を県民に明らかにし、その透明性を確保するために設置した外部の有識者を構成員とする委員会であり、毎年度二回開催されております。この委員会においては、本年六月に森林環境税を活用して実施している荒廃森林再生事業や森林づくり活動公募事業等の実施状況やその効果について評価していただいたところです。来年三月には、平成二十九年度の公募事業に応募した実施団体からの企画書で審査を行っていただくこととしております。
22 ◯副議長(佐々木 徹君) 香原勝司君。(拍手)
40 ◯議長(中尾 正幸君) 田辺一城君。(拍手)
*田辺議員質問
41 ◯二十番(田辺 一城君)登壇 皆さん、お疲れさまです。民進党・県政クラブの田辺一城です。通告に従い、政務調査に基づき、一般質問をさせていただきます。今回は、障害者の皆さんが身近な地域で働くための就業支援や日常生活の支援を行っている障害者就業・生活支援センターについて、制度上の課題を指摘し、知事に具体的な対応を求めたいと思います。また、朝食を欠いた子供の割合が年々増加する傾向に歯どめをかけられていない本県の実態を改善するため、次期総合計画へのあり方も含めて教育長に質問しますので、よろしくお願いいたします。
まず、障害者の就業、生活支援体制の充実強化についてお聞きをいたします。近年、民間企業が雇用する障害者の数は年々増加傾向にあります。本県における平成二十七年の障害者雇用者数は一万四千二百九十四人と、五年前の平成二十三年の一万一千百五人から三千百八十九人ふえています。これに伴い、障害者の雇用率も同じ五年間で一・六三%から一・八八%に増加しており、法定雇用率の二・〇%には達していないという課題はあるものの、上昇傾向にあります。雇用された障害者を障害別に見ますと、特に急増しているのが精神障害者の数で、五年間でおよそ四倍の千十七人となっています。また、知的障害者の数もおよそ一・五倍の二千五百二十九・五人に上っています。
福岡県内には障害保健福祉圏域別に十三の障害者就業・生活支援センターがあります。今月、センターを運営する社会福祉法人の方々から話を聞くことができました。そこでは、センターで受ける相談がどんどんふえている。その内容も、就業支援や生活支援の当初想定されたものにとどまらず、精神障害や知的障害、発達障害のさまざまな側面に及び、質的にも多様化をしている。センターとしてはどんな内容でも相談をされたら対応しなければならないと思って運営をしているが、現行制度に従った財政面の制約に基づく職員数などの体制では、正直に言って、全てにきめ細かく対応するのが困難というものでした。
障害者就業・生活支援センターは、十四年前の平成十四年五月に全国で事業が始まりました。就業面においては、就職に向けた準備や就職活動の支援、職場定着に向けた支援、また事業所に対して個々の障害特性を踏まえた雇用管理についての助言などを業務とし、生活面では、生活習慣の形成や健康管理、金銭管理といった日常生活、また住まいや年金などの地域生活にかかわる助言等を行っています。この制度の最大の目的は、今挙げましたような就業と生活について一体的かつ総合的な支援を実現することにあります。ところが、さきに示したように、センターを運営する現場では、相談の量的な増加と質的な変化に直面し、十四年前に設計された制度のままでは、国や県が求める十分なサービスを障害者の方々に提供することが難しくなっています。
そこで、詳しく調べてみますと、同じ一つのセンターが一体的、総合的に運営する前提なのに、就業支援と生活支援で、事業の委託主体が異なることがわかりました。就業支援については、厚生労働省の福岡労働局がセンターに委託をし、生活支援については、本県が委託をしています。委託の主体が異なるということは、つまり財源も異なります。福岡労働局が委託主体の就業支援は旧労働省の職業安定局が財政を一〇〇%負担し、本県が委託主体の生活支援は旧厚生省の社会・援護局と本県が二分の一ずつ財政を負担しています。その上で、就業支援と生活支援について、事業委託の予算額を見ますと、職業安定局の財政負担が一〇〇%の就業支援は平成二十四年度が四十二億五千三百万円だったところ、今年度は七十五億三千七百万円と年々増加をしています。その一方で、社会・援護局と本県が二分の一ずつ財政負担する生活支援の予算額は、ピークだった平成二十四年度の約十億五千四百万円から、今年度は約六億九千八百万円と大幅に減少をしていました。これを本県において、一つのセンターの職員一人当たりの年間委託費で見ますと、平成二十四年度の五百二十九万円から平成二十七年度以降は四百七十万九百円と約六十万円もの減少となっており、センターを運営する法人によっては、人件費や事務費などの運営総額が委託費を超過する、いわゆる赤字状態となり、法人の繰り入れによって事業を成り立たせるといった事態が生じています。つまり、本来、国や県が全ての財政負担に責任を負い、法人に負担をさせないという制度上の大前提が崩壊していることを意味しています。
現場では、第一に、生活支援の予算額が減少していることによって思うような運営ができなくなっているということ、そして第二に、生活支援の予算額が減少しているならば就業支援と生活支援の委託費を一体的かつ総合的に運用していきたいのに、委託主体と財源が旧省庁の縦割りで異なるため、これが不可能とされていることの大きく二点が重大かつ明白な問題として認識をされています。これは制度設計が国によりなされているため、本県だけではなく全国的な課題と推察をされます。
そこで知事にお聞きをいたします。第一に、企業などにおける障害者雇用者数の増加や、精神や知的などの障害者の就労が進むなど社会状況が大きく変化している中、障害者就業・生活支援センターの果たす役割はますます重要になってきていると言えます。福岡県内十三カ所の障害者就業・生活支援センターにおける近年の相談、支援件数は増加している傾向にあると見られますが、その推移と今後の見通しについて、知事としてどのように分析、評価をしているのかお聞きをいたします。
第二に、ここまで紹介してきたように、障害者就業・生活支援センターの現場からは、相談件数の増加や内容の多様化について、現状の職員配置などで十分に対応することは困難との声が聞こえてきています。県として、現場が置かれている状況をどのように把握し、認識しているのかお聞きします。
その上で、一つのセンターなのに、就業支援と生活支援の委託主体が異なることで、一体的な財政運営を阻害している現実と、生活支援の予算額が大幅に減少していることで受託する運営主体がいわゆる赤字を補填をしながら制度を運用している実態について、知事としてどのように受けとめておられるのか伺います。
第三に、障害者就業・生活支援センターが、障害者の就業面と生活面で一体的かつ総合的な支援の実施を目指しているにもかかわらず、これが困難となっている実態を踏まえ、知事として全国知事会の場などを通じてこの問題を提起し、解決を図るため、国に対して十分な財源の確保はもちろん、現行制度の改善を求めていくべきだと思いますが、知事の考えをお聞きいたします。
また、国としての制度改善がなされなくとも、ここまで述べてきた課題を解決するために、本県として独自にセンターの運営主体を支援していく必要があると考えますが、知事のお考えをお聞きします。
続いて、朝食を毎日食べる子供の増加策についてお聞きをいたします。私は今年度、福岡県総合計画審議会の委員として、現行の総合計画を検証し、次期総合計画のあるべき姿を検討していく役割を担い、この間、審議会に参加をしております。昨年度の実施状況報告の中で、特に気になったのが、学力の向上にもつながる食にかかわる施策目標でした。数値目標を設定した百二十一の施策目標の中にある朝食を毎日食べる児童の割合(公立学校)は、計画終了の今年度までに九五%を目指すことを目標としていましたが、昨年度、平成二十七年度で八四・四%と約一〇ポイント下回り、大幅に乖離をしています。その上、計画初年度だった平成二十四年度の八六・八%から年々低下をしてきての結果であり、極めて厳しい状況と言わざるを得ません。周知のように、朝食と学力の相関関係は既に明らかになっており、平成二十七年度の全国学力・学習状況調査の結果を見ても、朝食を毎日食べている児童生徒の正答率は全教科区分において高い傾向にあり、例えば、小学校の国語Aでは、毎日食べる子供の正答率が七一・四%のところ、全く食べない子供は五四・五%と、一六・九ポイントもの開きがあります。
本県の学力向上が思うように進まない実態と、朝食を欠いた子供が増加している現実に、県民の皆さんも危機感を抱くようになっており、各地で独自に取り組みを始めるケースが出てきています。古賀市の古賀東中学校では、地域と学校が連携し、子供の学習習慣と生活習慣の確立、向上を目指し、学校で朝の自習の場をつくり、地域のおじさん、おばさんや有志の先生が見守り、農家の人たちも巻き込んで朝食を提供する朝勉アンド朝弁を展開しています。三年前から始まり、自学を希望する生徒たちが、基本的には月曜と水曜、考査直前は毎日、午前七時半から八時十分、教科ごとのプリントなどに集中して取り組みます。終了後、生徒たちは地元の農家さんが提供するお米でつくられたおいしいおにぎりとスープをいただき、頭も心もすっきり爽やかな朝が始まります。参加者が多いときは全校生徒の三分の一に上り、個々の学力の向上はもちろん、生徒の生活態度の改善にもつながっています。ある男子生徒は、言葉遣いも荒く、授業態度や清掃活動などに関して指導されることも多々ありましたが、朝勉朝弁に参加したことで生活習慣が改善され、学年や学級のリーダーとしても行動するようになり、学力も飛躍的に向上をしました。生徒は、朝弁でおにぎりを食べると、元気が出て授業に集中でき、朝御飯の大切さを実感したと話すようになり、さらに、ここからがポイントですが、もともと朝食をとる習慣のなかった彼の家庭で、彼の生活習慣の改善がきっかけになり、朝食を保護者が用意してくれるようになるという家庭の改善にもつながったと聞いています。この取り組みはメディアでも取り上げられ、全国的にも注目され始めています。ことし一月、知事のふるさと訪問では、取り組みの中心となっているアーティストの坂崎隆一さんから小川知事に直接説明をしていただいたので、知事もその効果、効用をよく存じていただいていると思います。また、県内のNPO法人には、食生活における自立した子供を育てる観点から、おにぎりやみそ汁を子供たち自身がつくることができる食べる居場所づくりに取り組み、自活する力を養ってきている事例もあります。
そこで教育長にお聞きします。第一に、現行の福岡県総合計画で数値目標も設定をして掲げている朝食を毎日食べる児童の割合は、目標とした九五%と現状値の乖離が著しいことに加え、年々減少するという極めて厳しい状況にあります。まずは、その設定の考え方を確認いたします。その上で、五年間で九五%を達成できなかったこと、さまざまな施策に取り組みながら年々悪化してしまったことについて、この間の取り組みをどのように総括をしているのかお聞きをいたします。
第二に、次期総合計画における施策目標について伺います。食生活などの生活習慣が子供の学力に直結をしている現実を踏まえると、次期総合計画にもしっかりと指標として掲げ、取り組んでいくべきだと思いますが、教育長の考えをお聞きいたします。
第三に、この間の取り組みの限界は、数値上は全体の一五%ほどに当たる、まさに朝食を子供に食べさせていない家庭、保護者へのアプローチが不足し、意識を変えることができなかったことにあると考えます。そして、意識を変えるとは、子供の朝食の摂取率の向上はもちろん大切ですが、ただ食べればいいのではなく、望ましい食習慣の定着が必要で、これを目指さなければなりません。こうしたことを実現するため、保護者へのマンツーマンのアプローチを子供を通じて担任の先生などが図っていく必要があり、新たに実効性ある手法を検討していくべきと考えますが、教育長の考えをお聞きします。
加えて、さきに示したNPOの活動のように、子供が早い段階で自活する力を養えるよう、学校と地域が連携して取り組んでいく必要があると考えますが、教育長の考えをお聞きいたします。
最後に、個々の保護者へのアプローチに加え、それでも朝食を食べることができない子供たちに対しては、地域や学校が連携をして、その環境を整備することも重要な責務と言えます。この点、さきに示した古賀東中学校の朝勉朝弁は、子供自身の食への意識を高める、これに応じて保護者の食への意識も高めるという、食育推進の意味でも理想形の一つと考えます。県教育委員会として、こうした取り組みを広く県内各地の中学校に知ってもらい、それぞれのPTAの中で、学校がPTAの一員として助言、ともに運営していくといった取り組みも必要と考えますが、教育長の考えをお聞きいたします。
御答弁よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
42 ◯議長(中尾 正幸君) 小川知事。
*知事答弁
43 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
まず初めに、障害者就業・生活支援センターにおける相談、支援についてでございます。センターの相談、支援件数でございますが、全ての障害保健福祉圏域にセンターを設置をいたしました、その初年度でございます平成二十三年度、四万三千六百三十三件でございましたが、昨年度は五万八千二百八十九件と約三割増加をいたしております。また、その登録者数でございますが、二十三年度の三千六百四十六人から、昨年度は六千四百二十三人と約七割増加をいたしました。このうち精神障害者からの相談、支援件数でございますが、昨年度二万二千四百六十件で、二十三年度から四割増加をし、登録者も昨年度二千二百十八人と、二十三年度からは倍増しているところであります。平成三十年度に精神障害者が法定雇用率の算定の基礎に加わりますことから、精神障害者の雇用ニーズというものが高まってきております。そのことがセンターへの相談、支援件数や登録者数の増加につながっておりまして、今後も同様の形で推移するものと見ております。
センターの現状についてでございます。県では、実務担当者によります定期的な会合や、センターを直接訪問させて行っておりますヒアリングなどによりまして、現場の実態把握に努めているところであります。センターにおきましては、ここ数年、今申し上げました精神障害者の相談が増加をいたしております。その支援には、本人や御家族の障害理解に時間がかかること、体調や症状に波があることなど、他の障害とは異なる難しさがございまして、センターが担う役割は質、量ともに増大をしていると考えております。
センターの制度運用の実態でございますけれども、センターの役割はこのように増大していく中で、障害者の生活支援や相談業務を行う職員の人件費等にかかわる国の補助基準額が減額をされている状況にございます。このため、現場からは、十分な技能や経験を有する人材の確保が難しい、そういうお声が上がっております。県といたしましては、障害者の生活支援を円滑に行うためには、この補助基準額を引き上げ、人材を確保していくことが必要であると考えております。
その財源の確保、制度設計の改善でございます。県では、センターの生活支援事業に対する補助基準額の引き上げにつきまして、九月の上旬、関係の七府県とともに厚生労働省に対し要望を行ったところでございます。今後とも、この補助基準額の引き上げやセンターが効果的なサービスを提供できる制度の改善につきまして、他の都道府県と課題の共有を図りながら、政府予算要望などの機会を捉えまして、国に対し要望をしてまいります。
次に、県独自の支援でございます。年々増加をしております精神障害者への対応といたしまして、平成二十四年度に心理専門職を、また昨年度には精神保健福祉士をセンターに配置をいたしまして、カウンセリングや就職に向けた生活指導を行うなど、その体制を拡充したところでございます。今後とも、現場の実態把握に努めながら、センターがこうした新しい課題に対応し、その期待される役割、機能を十分発揮できるよう支援をしてまいります。
44 ◯議長(中尾 正幸君) 城戸教育長。
*教育長答弁
45 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 まず、朝食摂取率の目標値を九五%と設定した理由についてでございます。平成二十二年度の朝食摂取率に関する調査で、毎日朝食を食べると回答した児童の割合が八七・二%であり、これにどちらかといえば食べていると回答した児童の割合八・二%を加えまして、結果として一〇%増を目指して目標値といたしました。
次に、目標値が達成されていないことへの総括についてでございます。手軽な外食産業の普及や生活スタイルに合わせた食生活の多様化により、偏った栄養摂取、不規則な食事など、子供のさまざまな食生活の乱れが顕著になってきております。また、一部の保護者に食に対する意識の低下が見受けられるなど、家庭において子供に望ましい食習慣を身につけさせることが困難となっております。こうした状況の中、近年の朝食摂取率の低下は本県を含め全国的な傾向となっております。県教育委員会では、子供と保護者がともに食に対する意識を高める学校給食フェアの開催や福岡県PTA連合会が実施する学校と家庭が連携した早寝・早起き・朝ごはん県民運動を推進してまいりました。しかしながら、こうした取り組みが保護者一人一人に浸透するには至っておらず、朝食摂取率の伸びにつながっていないと考えております。
次期総合計画の目標についてでございます。子供のうちに望ましい食生活を確立することは、生涯にわたり健全な心身を培う基礎となるものであります。特に、朝食を毎日食べることは、幼少期に基本的な生活習慣を定着させる観点からも非常に重要であると考えております。また、子供の中には朝食にお菓子などを食べている子供も見受けられるため、食事内容等の改善も大切であると考えております。県教育委員会といたしましては、今後、子供の食をめぐる環境の変化を踏まえつつ、次期総合計画においても適切な目標の設定を検討してまいります。
目標達成に向けた実効性ある取り組みについてでございます。目標達成のためには保護者の意識を変えることが鍵であり、子供を通した保護者への個別のアプローチを行う仕組みづくりは視点として重要なものであると考えます。ただ、その際、子供を通してとはいえ、私生活のあり方に関与することとなりますので、どのような方法で、どこまで踏み込んでアプローチできるのか、慎重に検討してまいります。
次に、子供たちの自活する力を養うための取り組みについてでございます。本県では、異年齢集団の子供たちが一週間程度、家庭を離れて日常の生活体験をともにしながら学校に通う通学合宿や、子供たちが自分自身の力で弁当づくりを行う、ふくおか弁当の日の取り組みを推進しており、実践校も年々増加しております。これらの取り組みは、子供の自立心や生活力を育む上で大変有効と評価されており、今後もその取り組みを進めてまいります。
古賀東中学校の取り組みについてでございます。この取り組みは、学校と保護者と地域が協働して子供の学力と健康を育てることを目指すもので、現在、県が進めている、地域とともにある学校づくりの先進的な事例であると評価しております。また、この取り組みにより、朝食を食べる習慣がなかった生徒からも、朝、おにぎりを食べることで元気が出て、朝食の大切さを実感したといった声が聞かれ、生徒に朝食の重要性を実感させるとともに、保護者にも朝食の意義を再認識させるなど、食育上も有効な取り組みであると考えております。今後、本県における特色ある取り組みとして、校長、教頭研修会などの学校関係者やPTA関係者を対象とした研修の場で周知してまいりたいと考えております。
46 ◯議長(中尾 正幸君) 田辺一城君。
47 ◯二十番(田辺 一城君)登壇 御答弁をいただきました。
知事に意見というか、指摘をしておきます。今回、国制度に関して知事に質問させていただいたのは、知事が障害者就業・生活支援センターを指定する権限、これを持っているためです。制度としては厚生労働省という同じ省内なのに、旧省庁の縦割りで財源の主体が異なると。結果として、現場で受託している社会福祉法人などにとって、一体的、総合的な運営が阻害されて、赤字補填までせざるを得ない状況を生んでしまっているという現実は、指定権限を持っているという知事にとってもぜひ御認識をいただきたいというふうに考えました。そして、ここが重要ですが、本県は、委託主体となっていない就業支援の部分について、個々の財政運営の実態を詳細に把握できていない現状にあります。これは指定の主体となる者として適切なのかという疑問を持ちましたので、制度改善といった点を国に求めていただきたいと要請をさせていただきました。
知事からの答弁では、これまでの活動に加えて、この制度の改善についても、ほかの都道府県と課題共有を図りながら国に対し要望するという考えを示していただきましたので、ここは非常にハードルが高いのですが、ぜひ、同じ制度の中で四十七都道府県置かれていますので、この仲間をふやすというか、しっかりと連携をして、結果につなげるよう取り組んでいただきたいということを強く求めておきたいと思います。
教育長からは、生活習慣と学力における朝食の重要性というところを共有していただきまして、次期総合計画においても目標設定を検討する旨、また個別アプローチの仕組みづくりについても答弁をいただきました。古賀東中学校の点についても周知をいただけるということですが、これはかなり実は難しい、実現するに難しい取り組みです。ぜひ周知の際に伝えていただきたい最大のポイント、これは運営者の方々がおっしゃっているのですが、組織運営をしないこと、そして受動的に行動する人を生産しないで運営しているというところでした。地域の大人一人一人が主体的に子供のために行動する意識を持つ、自発的に参加をする、これが結果として一人一人の負荷を最小にし、継続的に取り組んでいける環境につながっているということでした。これはぜひ教育長に伝えていただきたいということでしたので、お伝えをいたします。
こうした地域のあり方を県内各地の学校、地域関係者に知ってもらうために県教委が果たすべき役割がある、そのために取り組んでいただきたいという思いで質問をしましたので、教育長にはこれを酌んでいただきまして、気合いを入れて、しっかり周知を図っていただきたいと思います。
以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
48 ◯議長(中尾 正幸君) 本日の一般質問はこれまでとし、残余は明日取り進めることといたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午 後 三 時 三十九分 散 会
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