愛媛県議会 2018-10-29
平成30年決算特別委員会(10月29日)
委員 兵頭 竜
委員 福羅 浩一
委員 古川 拓哉
委員 松下 行吉
〇欠席委員[0人]
〇その他の出席者[4人]
監査委員 本田 和良
監査事務局長 山本 亜紀子
監査事務局次長 大西 亮一
議事調査課長 松本 賢固
〇
出席理事者[30人]
(総務部)
総務管理局長 矢野 等
人事課長 武村 洋三
財政課長 末永 洋一
税務課長 田中 寿治
(
企画振興部)
政策企画局長 東野 政隆
地域政策課長 山本 泰士
(スポーツ・文化部)
スポーツ局長 齊藤 直樹
地域スポーツ課長 客本 宗嗣
競技スポーツ課長 友澤 義弘
(
県民環境部)
県民生活局長 信貴 正美
県民生活課長 八塚 洋
消防防災安全課長 渡辺 良浩
(
経済労働部)
産業雇用局長 河瀬 利文
産業政策課長 赤坂 克洋
(
農林水産部)
農政企画局長 大北 秀
農政課長 鶴村 幸弘
農地・
担い手対策室長 久保田 誠
農産園芸課長 山本 浩二
(土木部)
土木管理局長 橋本 珠樹
技術企画室長 白石 昌史
砂防課長 清家 伸二
(出納局)
会計管理者 岸本 憲彦
会計課長 三瀬 眞一
審査課長 谷岡 義明
(
公営企業管理局)
公営企業管理者 兵頭 昭洋
公営企業管理局長 川上 浩二
総務課長 佐伯 隆
発電工水課長 高須賀 光治
県立病院課長 田中 信政
(警察本部)
交通部長 森平 将文
午前9時58分 開会
○(
毛利修三委員長) ただいまから、
決算特別委員会を開会いたします。
これより議事に入ります。
本日の
会議録署名者に
古川拓哉委員、
松下行吉委員を指名いたします。
最初に、前回の委員会で委員長に一任されておりました委員席は、ただいま御着席のとおり決定いたしましたので、御了承願います。
次に、前回の委員会で実施の有無も含め委員長に一任されておりました現地視察についてでありますが、私といたしましては、平成29年度事業のうち、特に現地視察を行う必要がある事業はないものと判断いたしました。このため、11月22日に予定しておりました現地視察は実施しないことといたしましたので、御了承願います。
次に、今後の審査日程についてであります。お手元の
審査スケジュールを御覧願います。
本日は、普通会計と企業会計の総括審査及び前年度の
決算特別委員会の審査過程で出された主な意見への
対応状況報告と質疑、あさって10月31日水曜日は、各
常任委員会による
部局別決算調査、11月22日木曜日は、各
常任委員長報告を踏まえ審査を行った後、採決を行うこととしております。
次に、本日の審査方法についてであります。お手元の日程表を御覧願います。
この後、午前中に普通会計、企業会計の順で決算概要の説明と審査概要の説明を受けた後、質疑を行います。そして、午後から、前年度の
決算特別委員会の審査過程で出された主な意見への対応状況について報告を受けた後、質疑を行います。
それでは、定第113号議案を議題として審査を行います。
初めに、
会計管理者から決算概要の説明をお願いいたします。
○(
会計管理者) 失礼いたします。
会計管理者の岸本でございます。
毛利委員長を初め委員の皆様には、本日から平成29年度の
普通会計決算の審査をお願いすることとしております。どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、説明をさせていただきます。
平成29年度は、愛顔つなぐ
えひめ国体・
えひめ大会の成功に向けた取り組み及び競技力の向上対策、県の第六次長期計画である「愛媛の
未来づくりプラン」における第2期
アクションプログラムに基づき、
南海トラフ地震等の大規模災害に備えた防災・減災対策や、
少子高齢化に伴う
人口減少対策、地域経済の
活性化対策を初め、各分野の施策を着実に推進してまいりました。
その一方で、県の財政状況が厳しい中、
財政健全化基本方針に基づき、歳出におけるさらなるスクラップ・アンド・ビルドの徹底、歳入における自主財源の確保等、
歳入歳出全般にわたり徹底した見直しと効率的な予算執行に努めてまいりました。
それでは、決算の概要につきまして、お手元の資料のうち参考資料1、平成29年度
歳入歳出決算概要説明書により御説明いたします。
まず、1ページをお開き願います。
初めに、一般会計について御説明いたします。
一般会計の
歳入歳出決算額は、歳入額6,512億1,272万244円、歳出額6,403億3,239万6,218円、差引額108億8,032万4,026円でございます。この差引額の中には、翌年度に繰り越しをいたしました翌
年度繰越財源64億8,867万5,000円が含まれておりますので、これを差し引いた
実質収支額は43億9,164万9,026円でございます。これから、前年度
実質収支額47億8,210万2,680円を差し引いた単年度収支は3億9,045万3,654円のマイナスとなっております。
次に、2ページをお開きください。
歳入でございます。予算現額6,975億2,570万1,000円に対しまして、調定額6,536億8,828万348円、
収入済額6,512億1,272万244円、
不納欠損額2億1,368万4,540円、
収入未済額22億6,187万5,564円となっております。
収入済額の予算現額に対する割合は93.36%、調定額に対する割合は99.62%でございます。
次に、3ページをお開きください。
第1表、
財源別歳入決算予算対照表でございますが、予算現額に対する収入済額を(B)の欄に財源ごとに記載しております。
自主財源の
収入済額は3,079億8,476万6,392円で、収入全体に占める割合は47.29%となっております。依存財源の
収入済額は3,432億2,795万3,852円で、収入全体に占める割合は52.71%となっております。
次に、4ページをお開きください。
第2表、
収入状況調でございます。収入状況につきまして、前年度に比べ増減額の大きいものについて御説明いたします。
収入済額の増加が最も大きいものは12の繰入金で、
収入済額は214億9,173万5,879円であります。
財政基盤強化積立金、
スポーツ推進基金積立金繰入金等により、前年度に比べ約106億円の増となっております。
減少が最も大きいものは14の諸収入で、
収入済額は629億344万6,319円で、
中小企業振興資金貸付金償還金等により、前年度に比べ約59億円の減となっております。
また、
不納欠損額の合計は2億1,368万4,540円、
収入未済額の合計は22億6,187万5,564円でございます。
収入未済額と
不納欠損額の内訳につきましては、42ページから43ページに
収入未済額及び
不納欠損額一覧表を、また、44ページから45ページには20年度決算からの推移を整理いたしました
不納欠損額状況表を掲載しておりますが、説明は省略させていただきます。
次に、前に戻りまして5ページをお開きください。
歳出でございます。予算現額6,975億2,570万1,000円に対しまして、支出済額6,403億3,239万6,218円、翌
年度繰越額479億1,668万7,000円、不用額92億7,661万7,782円となっておりまして、予算現額に対する支出済額の割合は91.80%となっております。
次に、6ページをお開き願います。
第3表、
支出状況調でございます。前年度に比べて支出済額の増減額が大きいものについて御説明をいたします。
支出済額の増加が最も大きなものは2の総務費で、支出済額は1,066億7,857万6,432円でございます。
県有施設更新整備基金積立金等の増によりまして、前年度に比べ約137億円の増となっております。
最も減少したものは7の商工費でございまして、支出済額は532億1,980万6,856円でございます。
中小企業振興資金貸付金等の減によりまして、前年度に比べ約34億円の減となっております。
なお、7ページと8ページには当初予算と補正予算の対照表を掲載しております。また、不用額につきましては13ページ以降に、翌
年度繰越額につきましては46ページ以降に、それぞれ部局ごとにその生じた理由を記載しておりますが、説明は省略させていただきます。
次に、
特別会計について御説明いたします。
9ページをお願いいたします。
特別会計は14会計ございまして、その総計は、歳入額1,313億4,689万4,587円、歳出額1,271億6,699万6,391円、差引額41億7,989万8,196円でございます。
10ページをお開き願います。
会計別歳入歳出決算額調でございます。
県有林経営事業特別会計の
歳入歳出差引額の
歳入不足額22億9,515万7,663円につきましては、平成30年度分の歳入を繰上充用しております。
11ページを御覧ください。
会計別収入状況表でございます。
収入済額の合計1,313億4,689万4,587円の予算現額に対する収入歩合は101.78%でございます。
不納欠損額はゼロ円でございました。
また、
収入未済額の合計は7億2,729万3,529円で、その内容は、
母子父子寡婦福祉資金特別会計、
中小企業振興資金特別会計、
林業改善資金特別会計、
沿岸漁業改善資金特別会計及び
奨学資金特別会計における
貸付金償還金、違約金の未収によるものでございます。
12ページをお開き願います。
会計別支出状況表でございます。
支出済額の合計1,271億6,699万6,391円の予算現額に対する支出歩合は98.54%でございます。繰越額は、
公共用地整備事業特別会計において7億9,045万6,000円を平成30年度に繰り越しをいたしました。
また、不用額の合計は10億9,165万1,609円でございます。なお、不用額の生じた理由につきましては、一般会計と同様に13ページ以降に記載いたしております。
次に、60ページから79ページには公有財産の
部局別内訳を掲載いたしております。80ページから82ページには出資による権利の状況を掲載いたしております。83ページには所有株券の内訳表を部局別に掲載いたしております。
最後になりますが、84ページをお開き願います。
平成29年度末
目的別県債現在高調でございます。
一般会計は1兆202億5,813万1,000円で、前年度に比べ約51億円の減、
特別会計は169億84万9,000円で、前年度に比べ約2億円の減でありまして、合計は1兆371億5,898万円で、前年度に比べ約53億円の減となっております。
以上、簡単ではございますが決算概要の説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
次に、監査委員から審査概要の説明を願います。
○(監査委員) 監査委員の本田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料7の
審査意見書に基づきまして、平成29年度一般会計及び
特別会計の決算並びに
基金運用状況の審査結果について概要を申し上げます。
まず、1ページをお開きください。
審査に当たりましては、決算の計数の正確性、予算の適正かつ効率的な執行、会計事務の合法かつ適正な処理、財産の適正な管理に主眼を置きまして、定期監査や
例月出納検査の結果も踏まえまして、審査を実施いたしました。
2ページをお開きください。
審査の結果を総括いたしますと、平成29年度決算の計数は正確であり、予算についても議会の議決の趣旨に沿って執行されているものと認められました。
財政収支は、2ページの下から2行目に記載してありますとおり、一般会計における実質収支は43億9,165万円の黒字、単年度収支は3億9,045万円のマイナスとなっております。
本県の財政状況につきましては、
健全化判断比率の4つの指標において、いずれも
早期健全化基準を下回っております。しかしながら、
社会保障関係経費が増加する中、県税収入は県内経済の持ち直しの増加要因もあり、回復基調にあるものの、平成30年7月豪雨による災害対応に伴う財政支出の増加も見込まれるところであり、また、県債残高は引き続き1兆円を超え、
赤字地方債である
臨時財政対策債の残高比率が高まるなど、依然として厳しい財政運営を余儀なくされております。このため、今後の
行財政運営に当たりましては、最少の経費で最大の効果が得られるよう事業の選択と執行に厳正に取り組むことが強く望まれているところであります。
4ページをお願いします。
一般会計の歳入に係る審査意見を申し上げます。
まず、アの県税につきましては、
収入済額が1,481億円で、前年度比31億円の増、調定額に対する収入割合が98.94%で、前年度比0.26ポイント上昇、
収入未済額は14億1,010万円で、前年度比2億7,823万円の減、歳入全体に占める県税の割合は22.75%で、前年度比0.15ポイント上昇となっております。今後とも納税意識を喚起し、
納期内納付の推進と
滞納繰越額の縮減に引き続き努めるよう求めたところでございます。
次に、イの分担金及び負担金につきましては、
児童福祉施設入所措置費負担金で5,232万円の収入未済がありますので、納期内の収入確保と
滞納繰越額の縮減に引き続き努めるよう求めました。
ウの使用料及び手数料につきましては、
子ども療育センター使用料で389万円の収入未済がありますので、納期内の収入確保と
滞納繰越額の縮減に引き続き努めるよう求めました。また、
収入証紙収納事務において、毎月末の検印のない事例があったほか、道路や河川の
占用許可事務において、占用料の調定漏れや調定不足があった事例、
工事着手届出や
工事完了届出を提出させていなかった事例などが認められましたので、関係規則や
取り扱い要領に基づいた適切な事務処理に努めることを求めました。
エの財産収入につきましては、
県営住宅貸付料などで3,689万円の収入未済がありますので、今後とも納期内の収入確保と
滞納繰越額の縮減に引き続き努めるよう求めました。
オの諸収入につきましては、
地域改善対策高等学校等就学奨励費貸付金償還金などで7億5,867万円の収入未済がありますので、適切な債権管理と納期内の収入確保及び
滞納繰越額の縮減に引き続き努めるよう求めました。
6ページをお願いいたします。
次に、一般会計の歳出に係る審査意見を申し上げます。
まず、アの給与費等につきましては、住居手当について
期間限定家賃の認定誤りによる過支給の事例、通勤手当について
支給開始月の誤りによる過支給の事例、
超過勤務手当について超過勤務時間の集計誤りによる過支給や支給不足の事例、児童手当について
給与システムへの入力誤りによる過支給の事例、旅費について領収書等の確認や保管がされていなかった事例などがありましたので、手当額の認定や
システム入力等を適切に行うとともに、書類の確認や整備保管などを適正に行うよう求めました。
イの委託料につきましては、
完了確認検査をしていなかったり
完了確認検査調書を作成していなかった事例などがありましたので、適正な事務処理に努めるよう求めました。
ウの
工事請負費につきましては、契約書に定める
下請通知書を提出させていなかった事例、設計積算の違算があった事例、請負業者に対する
工事成績評定の算定を誤っていた事例などが見受けられましたので、
工事請負契約事務の適正な執行などを求めました。
エの負担金、補助及び交付金につきましては、
補助金交付要綱に定める着手届の提出がなかった事例などがありましたので、適切な事務処理に努めるよう求めました。
オのその他の事項につきましては、契約時に予定価格を定めていなかった事例、請書等を徴していなかった事例、切手等の管理に不備があった事例、
検査実施者が
契約事務担当者と同一であった事例などがありましたので、適期・適正な事務処理に努めることを求めました。
また、
公用車運転中の人身・物損事故がありましたので、職員に対する
安全運転意識高揚の徹底により一層努めることを求めました。
7ページを御覧ください。
次に、
特別会計について申し上げます。
まず、愛媛県
県有林経営事業特別会計につきましては、平成29年度末の
歳入不足額が22億9,516万円と多額でありますので、平成27年3月に見直しを行った
経営改善計画を着実に実行するなど、健全な経営に向けてより一層努めること。収入未済が生じております愛媛県
母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか4会計につきましては、適切な債権管理と納期内の収入確保及び
滞納繰越額の縮減により一層努めることを求めました。
次に、8ページを御覧ください。
財産について申し上げます。
まず、
遊休県有地について、有効利用が見込めないものは、引き続き売却処分を進めること。また、
履行期限到来債権を保有している関係部局にあっては、適切な債権管理と債権回収の強化に努めるとともに、回収の見込みが事実上皆無と考えられる債権につきましては、適切な債権整理の措置を講じることを求めました。
66ページを御覧ください。
最後に、基金の運用状況について申し上げます。
審査に付されていました愛媛県
土地開発基金など4つの基金の運用状況につきましては、いずれも計数は正確であることを確認し、適正に執行されているものと認められました。
以上が審査結果の概要でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。以上で説明が終わりました。
質疑につきましては、個別の
事業項目等に関することではなく、ただいま説明をいただきました内容に関する全体的、総括的な事項についてお願いをいたしたいと思います。
委員の皆さん、質疑はございませんか。
○(
宇高英治委員) 細部に至る御説明をいただきありがとうございます。
資料7の5ページ、審査意見のウ、使用料及び手数料に
子ども療育センターの収入未済が389万円、その下のエ、財政収入に
県営住宅貸付料の収入未済が3,567万円とありますが、未収の詳細な説明をしていただけたらと思います。
○(
毛利修三委員長) 詳細な説明ということでございますが、全体的、包括的ということで説明をお願いします。
○(会計課長)
収入未済分について御説明をさせていただきます。
詳細につきましては、
部局別決算調査の際に御確認いただきたいと思いますが、全体的な中身といたしまして、
子ども療育センターにつきましては、
生活困窮等によりまして関係経費が支払われていないということがわかっております。
それから、県営住宅につきましても、生活困窮や
入居者死亡等により債権の回収ができないものがあるというふうなお話を聞いております。
○(
毛利修三委員長) 宇高委員、そういうことでよろしいですか。
○(
宇高英治委員) はい。ありがとうございます。
○(
毛利修三委員長) ほかに。
○(
兵頭竜委員) 監査委員の
審査意見書の7ページ、
特別会計についてなんですが、愛媛県
県有林経営事業特別会計の御意見が書かれております。これを見るにつけ、毎年のように木材価格の低迷が非常に厳しい中、より一層の努力ということが望まれると書いてありますが、その辺りの御意見をもうちょっと詳しくお伺いしたいんですが。
○(監査委員) 今、御質問いただいた
県有林経営事業特別会計の状況ですが、今までの経緯も含めて少し説明をさせていただけたらと思います。
県有林経営は、水源の涵養と
模範林造成等を目的として森林造成に着手したのが始まりでございまして、昭和39年度から
特別会計を設けて管理運営を行ってまいりましたが、木材価格の長期低迷などにより、昭和56年度以降は、単年度赤字に陥り、昭和59年度からは、毎年、繰上充用による決算処理を行うことになった経緯がございます。
実は、平成11年度に
経営改善計画を策定いたしまして、国庫事業の積極的な導入や借入金の低利子への借り入れなど、さまざまな改善策を実施して
財政健全化に努めてきたわけですが、計画策定以降も木材価格の下落がとまらず、平成27年度においても3,000万円余りの単年度赤字を計上し、累積赤字は、委員御指摘のように23億7,700万円余りにまで達する状況となりました。このため、平成27年3月に再度この計画の見直しを行いまして、平成28年度からは借入金の償還金も
一般会計繰入金の対象にするなど、一般会計からの繰入金の大幅な増額を行いました。1億4,000万円から1億5,000万円規模の一般会計からの繰り入れを行った結果、平成28年度からは単年度黒字となり、
経営改善計画に沿った経営再建が行われているところでございます。
この
県有林経営事業は、もともと計画期間が非常に長く、現在、平成12年から平成61年までの50年間の計画になっております。今の一般会計からの繰り入れも計画では平成39年度までということになっておりますが、平成30年度の半ばあたりから木材の
生産販売収入をふやしていって、一般会計の繰り入れがなくても経営改善、事業赤字の解消ができるようにというような、長期的な計画になっております。そういったこともあって、現段階では単年度赤字が解消されているわけですが、依然として
累積欠損金は多額でございますので、監査意見としては、今後の健全な経営に向けてより一層の努力が望まれるというような意見にさせていただいているところでございます。
○(
兵頭竜委員) 本当にいろんな方面から御努力、御尽力をされ、また、一般会計からの繰り入れについても、いろいろなところに影響を及ぼしますし、本来なら単独で改善されればいいんですが、それは難しいことだというふうに思いますので、私たちの方も努力をしていきますが、より一層の経過観察を行い、御指摘のほどをよろしくお願いして要望とさせていただきます。
○(
毛利修三委員長) ほかに。
○(
松下行吉委員) 御説明ありがとうございます。
参考資料1、84ページの県債残高のことでちょっと教えていただきたいのですが、一般会計は前年度より約51億円の減少、
特別会計を含めた全体で約53億円の減少という御説明をいただきました。1兆円ある県債残高の中で約51億円の数字というのが大きいのか小さいのかということはちょっと私にもわからないんですけれども、この減少していった県債の区分が参考資料に書かれていますが、どのあたりが大きく寄与して減っていっているのか。
臨時財政対策債についてはいろいろと御議論をされているようですけれども、残高として建設関係の起債が減っているのか、その辺のところを大まかで結構なので教えていただけませんか。
○(財政課長) 県債残高でございますが、委員御指摘のように平成29年度末の全体額で1兆円を超えております。内訳を申し上げますと、
臨時財政対策債が4,523億円、それ以外の建設地方債等が5,679億円で、前年度からの増減内訳を申し上げますと、
臨時財政対策債は98億円余りの増、建設地方債が149億円余りの減となっております。
臨時財政対策債は、平成13年度から地方交付税の振りかえとして発行を続けておりますが、依然として発行額が非常に大きな規模になっておりまして、これについて、県としては、地方交付税として現金で配分をしていただきたいということで、国の方にずっとお願いをしてきているような状況でございます。
建設地方債につきましては、原則、道路河川等の整備に要する投資的経費に充当するものでございまして、投資的経費のピークが平成6年、平成7年あたりでございますが、その償還が順次終了したことで、平成14年度末の8,502億円をピークに残高が減少してきている状況でございます。
○(
松下行吉委員) それでいくと、結局、土木関係の公共投資を減らしてきた中で県債も減ってきたと考えられますが、今後、建物の更新や道路関係の事業もいろいろとやっていかないといけない部分が出てきているんではないかと思います。そういった中で、県債は、結局は返していくわけですから、返済計画が立てやすいと思いますので、これは意見ですけれども、長期的な返済計画の中で起債の発行を考えていっていただきたいと思います。
○(財政課長) 県債につきましては、将来世代の負担になってしまうというマイナス面がある一方で、先ほど言いましたように、道路や河川など、いわゆる長期的に使うものに充当することとなっておりますので、世代間の負担のバランスに配慮することも必要であり、社会情勢の変化で金利の動向がどうなるかということもございます。残高はもちろん、将来の公債費がどういうふうに動いていくのか、金利が上昇するとどういうリスクがあるのか、償還期間を何年間で設定するのかといったことを総合的に考えて、適切な規模の県債発行や残高の管理に努めてまいりたいと考えております。
○(
毛利修三委員長) ほかに質疑はございませんか。
○(大西誠委員) 御説明ありがとうございました。
県税の収入未済と不納欠損に関しまして1点お聞きいたします。納税意識の向上とか、払えないということと払わないということをしっかりと見きわめながら御尽力いただきまして、収入未済や不納欠損に関しまして大幅な改善が見られました。参考資料1の44、45ページを拝見しますと、過去10年間でも
不納欠損額が最低額となり、前年と比べましても3割以上減少しているわけですが、平成29年度の
不納欠損額の減少についてどういった御努力をされたのか教えていただきたいと思います。
○(税務課長) 現在の
不納欠損額の状況でありますが、平成29年度の県税の
不納欠損額は1億7,709万円であり、平成28年度から6,786万円、27.7%減少しておりまして、44ページにありますように、平成20年度以降で最も低い数値となっています。平成29年度だけということではありませんが、以前から不納欠損につきましては、滞納者の状況を十分に調査した上で、地方税法の規定に基づきまして、滞納処分をすることができる財産がないとき、滞納処分をすることによって生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるときのいずれかに該当することが判明した場合には、滞納処分の執行を停止し、この執行停止期間が3年間継続した場合に納税義務が消滅するため、不納欠損として処理しているものでございます。
今後とも税の公平性を確保するために、安易に不納欠損となることがないよう、十分な調査を前提とした執行停止を進めますとともに、差し押さえやその差し押さえ物件の換価など、滞納処分を徹底して行うことによりまして、
滞納繰越額を減少させ、執行停止を極力少なくすることで
不納欠損額の減少に努めていきたいというふうに思っております。
なお、執行を停止した案件につきましても、年1回は財産調査を行うこととしております。
○(大西誠委員) ありがとうございました。
税の公平性は、国・県・市町の永遠の課題ではないかと思いますが、冒頭に申し上げましたように、本当に払えない方にはしっかりと寄り添ってあげることも必要ですが、払えるのに払わないという最大の問題をしっかりとクリアしていただくことで、これからも引き続き
不納欠損額の減少と、払わなければいけない方や払える方からしっかりと税を徴収することに御尽力をいただきたいと思います。要望でございます。
○(
毛利修三委員長) ほかにございませんか。
○(福羅浩一委員) 厳しい情勢の中で御努力いただいたことに感謝をしたいと思います。
資料7の4ページ、歳入のところにありますけれども、やはり心配したのは、7月に豪雨災害がありまして、平成29年度の県債の中身を見させていただいて、豪雨災害による影響というか、あるいはその影響をどうやってカバーしたのかということ。県債も51億円減っていますし、やりくりをしていただいていると思いますけれども、この影響についてちょっとお聞かせをいただければと思います。
○(財政課長) 今回の豪雨災害は、非常に甚大な被害となっております。県では、これに迅速に対応するため、積極的かつスピード感を持って予算対応に努めているところでございまして、専決補正あるいは臨時議会での予算成立等、全体で832億円余りの予算を計上しています。これは平成30年度の話でございますので、平成29年度の決算には、この豪雨災害の影響はあらわれておりませんが、832億円の財源を確保するために県債を100億円以上発行しております。それから、財源対策用基金を130億円投入しております。今後のことを考えますと、その県債の残高が県財政を圧迫することにつながりかねません。
また、財政への足腰になります財源対策用基金が450億円余りあったものが285億円にまで減少することが見込まれており、将来の財政の体力を鑑みますと、体力的にはより脆弱なものになってくる可能性があるというふうなことで、我々としても緊張感を持って財政運営をしていかないといけないというふうに思っております。ただ災害に関しましては、先ほど申し上げました100億円を超える県債のほとんどが地方交付税の対象になっており、通常の県債と比べますと財政運営に及ぼす影響は若干少なくなるというふうに思いますが、間違いなく残高の増加、あるいは公債費の増加につながってくると考えておりますので、そのあたりを十分見きわめながら今後の財政運営に努めていきたいと考えております。
○(福羅浩一委員) ありがとうございます。
今期ではなくて来期なんだろうなと思います。来期のことをここで語っても仕方がないのかもしれませんけれども、影響がないということはないので、来期の決算は予算も含めて非常に厳しい状況になるんではないかと心配をしています。災害復旧・復興もそうですけれども、個人消費や滞納についてもかなり取り組んでいかないと厳しいということが想像できると思いますが、取り組み方は難しいと思います。いろいろな手だてを講じながらやっていかなければならないと思いますけれども、来期に向けての取り組み方について何かお考えがあれば、大枠でいいのでお聞かせいただきたいと思います。
○(財政課長) 今年度につきましては、災害に関して832億円という大きな予算を組みました。もともと平成30年度当初予算は、平成29年度に国体、それから、県立学校の耐震化が終了しましたので、その分の減はありましたが、それを除くと前年並みであり、予算規模としては、前年度と比べると、若干少な目になっているところがありましたが、今回の災害を受けて現計予算は非常に大きな規模になっております。最終的な執行状況は明確なものはございませんが、今後の執行状況や税収の見通し、地方交付税も特別交付税が決まるのがまだ先になりますので、そのあたりの状況がどうなるのかということを踏まえて今年度の決算をにらみつつ、来年度の予算編成に臨む必要があると考えており、その状況を十分注視していきたいと思っております。
○(
毛利修三委員長) よろしいですか。ほかに。
○(木村誉委員) 御説明ありがとうございました。
審査意見書の6ページと7ページ、一般会計の歳出について、全体的な部分でお伺いしたいと思います。
例えば給与費等について見てみますと、認定誤りでありますとか集計誤りでありますとか、いわゆるヒューマンエラーの部分が指摘されております。これは、毎年、
決算特別委員会で出てくる内容ですが、ヒューマンエラーというのは着実に減っているのか、それともふえているのか、もしわかれば教えていただきたいと思います。
○(
監査事務局長) 監査での指摘は、おおむね毎年度同じくらいの件数が出てきているところでございます。
○(木村誉委員) 人間は、毎年一定の確率で失敗する生き物でありますので、出てくるのはもう織り込み済みと言ってもいいと思うんですけれども、時代もAIやICTが言われていて、例えば県庁業務への導入を今年度から推進されているところであります。そういうことを含めますと、こういった単純作業みたいなところについては、そこを加速させながら、ヒューマンエラーを低下させていくということを、監査委員の方からも強く指摘あるいは指導していくというふうなことを求めたいなと思いますけれども、このあたりに対する意見を頂戴できればと思います。
○(監査委員) 会計担当職員は、どうしても定期的な3年ごとの人事異動で入れ替わるため、新任会計担当職員の研修である程度カバーできていくのかなと。特に、超過勤務や給与の手当関係の指摘が毎年出てくるんですけれども、例えば平成29年度では、
超過勤務手当関係のケアレスミスが非常に多かったと。その要因を分析する中で、平成29年度は国体があった関係で、関係各課において国体用務の超過勤務が非常に多い中で計算ミスが出てきたといった年度ごとの事情もございます。ただ毎年同じような指摘に対して効果がある監査の具体的なやり方というのは、会計課とも連携して、今言った会計事務を担当する新任職員に対して、いかに効果的な研修をして、ケアレスミスをなくしていくかということが大事だと思いますから、今後とも引き続き検討してまいりたいと思います。
○(木村誉委員) ぜひお願いしたいと思います。どの部署においても、それぞれマニュアルなり手続を明確にしたシステムの仕組みがあると思うんですけれども、毎年出てくることについて、ことしも出ているなみたいに感じるところもあります。例えばいまだに手入力、手計算で行っているのであれば、一定の確率の失敗はやむを得ないとしても、どうすれば減らしていくことができるのか、本庁部局の方におかれましてもしっかりとAIの研究を重ねていっていただくよう要望したいと思います。
○(会計課長) 御指摘のとおり、AIの活用につきましては、今後、研究していくべき課題というふうに認識をいたしております。ただ現時点での対応としては、会計事務新任者に対する研修で、具体的に事例を挙げて研修を行っています。それから、給与事務関係者につきましても、給与事務説明会において具体的に誤った事例を挙げて研修を行っているところでございます。
超過勤務手当の計算誤りにつきましては、過去と比べまして、計算が非常に複雑になっており、特に昨年度は国体に従事した職員に対する
超過勤務手当の算定誤りや入力誤りというものがあったということでございます。また、パソコンを活用した入力をしているんですけれども、その入力時点で誤ってしまうと事後のチェックができていないというようなこともございまして、これらについての対応は、今後、検討していくべきであると認識をいたしております。委員御指摘のとおり、なるべくこういったことが発生することのないように進めてまいりたいと思っております。
○(
毛利修三委員長) ほかにございませんか。
○(西田洋一委員) ちょっと勉強も兼ねてお聞きするんですけれども、いわゆる公債、借金が1兆円を超えていると先ほどお話がありました。これらをどう片づけるのか。国や地方の借金というように新聞報道等で言われますけれども、一般会計から公債管理
特別会計へ繰り出して、
特別会計の中でその公債費を支払っているんでしょうか、ちょっと説明をお願いします。
○(財政課長) 公債管理
特別会計は、数年前につくったものですが、県が発行している県債の中には借換債というのがございます。例えば30億円を借り入れするときに、20年で償還しましょうという形にして発行します。その20年というのは、いわゆる20年に分割して全体を定時償還するのではなくて、半分は10年で償還します。半分は10年間そのままにしておいて、10年たったら一括で償還して同額を再度借り入れる。その後、10年で返していく。30億円のうち15億円は10年間で返します。残りの15億円は、10年間ほったらかしです。金利を払っていくだけです。15年後に一括して返すためのお金を借り入れるということで、借り入れと返済が同時に同額起こるということになります。
そうすると、予算計上の方法として、歳入にも15億円、歳出にも15億円ということになって、予算が実態と比べると多く膨らんでしまうということになりますので、それを回避するために
特別会計を設けてその借換債については
特別会計で返し、借り入れるということになります。別経理にしていますので、実質的な県債発行額というのは、一般会計に計上している金額となり、公債費についても、一般会計に計上されている金額が実質的な公債費であり、発行する県債となります。
また、過去に借りた分を借り直して全額返すというような処理をしているのが
特別会計の役目になりますので、一般会計で返す分についても全て
特別会計を経由して返すというような経理操作をしております。その関係で
特別会計の金額は一般会計と比べると大きくなっていますし、その大きくなっているのを一般会計で必要以上に大きく見せないというか、実態と乖離してしまいますので、それを避けるために
特別会計を設置しているということでございます。
○(西田洋一委員) 一般会計に計上されている数字が実質の公債費の数字ですよということが理解できました。ありがとうございました。
もう一点お聞きしたいのは、いろいろな支出がありますけれども、今年度発生した災害は突発的なことで、財政的にも大変大きな事象が起きたと思っております。そのため、各自治体において
財政健全化の努力を行い、基金の積み増しなどを行っていると理解しております。議会の方も、あるいは理事者の方も汗をかいてやっていると理解しておりますが、平成29年度においては、国体やさまざまな事業がありました。これはある程度予測ができた中で、計算された財政運用をされているんではないかなと。ただ平成29年度で見ますと、特に財源対策用基金については、どれくらい上乗せや追加があったのか、この資料ではわかりにくいのでお聞きしたい。予定か決定かわかりませんけれども、数字がわかれば教えていただきたい。
○(財政課長) 財源対策用基金につきましては、平成29年度末残高が456億円でございます。前年度が491億円でございましたので、差し引き35億円の減少というのが平成29年度決算の前年比でございます。
○(西田洋一委員) 平成29年度は、国体などいろいろなことがありましたけれども、特筆すべきものはなかったのでしょうか。
○(財政課長) 冒頭、
会計管理者の方から説明がありましたように、平成29年度決算において、実質収支は約43億円を確保することができました。これは、前年度と比べると約3億円減っていますけれども、ほぼ前年並みを確保できたというふうに理解しております。ただし、内訳を見ますと、県税収入や地方消費税清算金収入が増加しておりますが、地方消費税につきましては、他県に支払う地方消費税清算金支出も同時に増額することになります。清算した後の数字を市町に2分の1交付することから、見かけは収入がかなり大きく見えるんですが、実質的な収入は、その数字よりは少なくなります。
それから、歳入の大きな減少要因としては、地方交付税が約20億円減少した中で、財源対策用基金を約59億円投入し、約43億円の黒字を確保できたということでございます。
なお、先ほど委員がおっしゃいました国体関係については、当然、財政的には一定の負担はございました。ただこれはあらかじめ予測ができましたので、必要経費を基金に積み立てておいて、平成29年度に必要な額については、原則としてその基金から取り崩して賄うというやり方でやっておりますので、平成29年単年度だけで見ると、そんなに大きな財政負担となったわけではございませんので、そこは計画的な運用に努めているということでございます。
○(西田洋一委員) ありがとうございました。
ある学者に言わせると、借金は借金でしっかり見なければいけない。単年度会計を黒字にすることがもっと大事なんだと。今の国の状態はどんどん借金がふえているという状態ですけれども、突発的なことは別として、常に愛媛県財政の単年度黒字をキープすれば、今、借金が1兆円あるとしても、これは必ず100年後、150年後は消えるはずだと。ですから、要は借金が大変だというよりも、単年度会計の赤字をなくして、黒字へ努力することが重要だということを言われている経済学者もいらっしゃいます。ぜひともそういった面で財政の健全化、借金を返すよりも単年度黒字をいかにして維持するかというようなところの御努力をお願いしたいということを要望として申し上げて終わります。
○(財政課長) 委員御指摘のことも踏まえまして、今後、財政運営をしていきたいと思っております。参考に申し上げますと、国でよく言われるプライマリーバランスというのがございます。これが赤字になりますと、借金が雪だるま式にふえるという仕組みになってしまうものでございますが、本県の場合、ここ最近で言いますと、数年間ずっと黒字を続けておりまして、そのあたりも含めながら、なおかつ先ほども言いましたが、金利の情勢、公債費の見込み、それから基金の残高などについて、近視眼的に一つのパーツだけを見るのは適当ではないとは思っておりますが、委員おっしゃいましたように、まずは単年度を黒字にしないと将来の見通しがなかなか立たないというところもございますので、そのあたりを十分踏まえながら、今後とも執行状況を注視しつつ、適正な財政運営に努めていきたいと考えております。
○(
毛利修三委員長) よろしくお願いします。ほかに。
○(明比昭治委員) 皆さん方に努力をいただいて、経費を詰めて予算を立てて、執行されているということでございますけれども、一つだけわからないのが、国庫支出金の予算額に対する収入割合が75%ぐらいで、これは、平成28年度も平成29年度も、その前もそうだったのかもしれませんけれども、予算よりも25%少なく終わったと。調定は最後に100%になっていますけれども、大ざっぱに国との関係で、結果として運用しているのかというふうなことで、非常に不安を感じます。しっかりと折衝や交渉をしながら事業計画を立てられていると思うんですけれども、なぜ4分の1も計画したものがカットされるのか、その辺がよくわからないのでちょっと教えてもらえますか。
○(財政課長) 委員おっしゃいましたように、国庫支出金の予算額は1,055億円余り、それから決算額が約799億円ということで、予算に対して256億円の減少ということになっております。これは、会計上のテクニカルな部分もございますが、この256億円のうち234億円ぐらいを翌年度に繰り越していまして、収入されるのが平成30年度になってしまう関係でここに穴があいたような形に見えておりますが、決して国から予定していた額がもらえなかったとか数字を切られたとか、そういうことではなくて、事業執行が年度内に終わらなかったので、収入年度が翌年度に回ってしまうというのが、その大宗を占めている状況でございます。
○(明比昭治委員) ということは、毎年同じようなパターンで、決算の時期や事業の執行時期もあるんでしょうが、予定されているのが翌年度に繰り越される。それで、翌年度に満額、事業としては執行している、こういうことですね。
○(財政課長) そういうことでございます。
○(
毛利修三委員長) よろしいですか。
○(明比昭治委員) はい。
○(
毛利修三委員長) ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○(
毛利修三委員長) ほかに質疑もないようですので、これをもちまして普通会計の総括審査を終了いたします。
暫時休憩いたします。11時20分から再開いたします。
午前11時8分 休憩
――――――――――――――
午前11時19分 再開
○(
毛利修三委員長) 再開いたします。
それでは、定第114号議案ないし定第116号議案を一括議題として、審査を行います。
初めに、
公営企業管理局長から決算概要の説明を願います。
○(
公営企業管理局長) それでは、私の方から、平成29年度の公営企業の決算概要について御説明いたします。
まず、電気事業について御説明いたします。
資料10、愛媛県電気事業決算書の13ページをお願いします。
電気事業は、銅山川第一から第三までの3発電所、富郷発電所、肱川発電所、道前道後第一から第三までの3発電所、畑寺発電所の合計9発電所におきまして、最大出力6万7,530kWで営業をいたしております。
平成29年度の供給電力量は2億6,465万1,607kWhとなり、年間目標電力量の2億7,151万6,100kWhに対しまして、97.5%の供給率となりました。発生した電気は、再生可能エネルギー固定価格買取制度、いわゆるFITの対象となっております3基につきましては、畑寺発電所分は29円、銅山川第一発電所分は21円93銭、富郷発電所分は20円78銭で、FIT以外の発電所は8円43銭で四国電力株式会社に供給いたしました。
5ページにお戻りください。
損益計算書でございます。これは、平成29年度1年間の経営成績を示すもので、数字は税抜きで表示しております。
一番右の欄に記載した数値について、上から順に1,000円未満の端数を切り捨てて御説明をいたします。
まず、電力料などの営業収益から水力発電費などの営業費用を差し引いた営業利益は、右端の欄の一番上、10億3,523万2,000円となり、その下、営業外収益から営業外費用を差し引いた921万7,000円を加味した下から5行目と4行目の経常利益及び当年度純利益は10億4,444万9,000円の黒字となり、引き続き安定した経営状況を維持しております。
この当年度純利益に前年度繰越利益剰余金9億8,144万1,000円と各種積立金取崩額であるその他未処分利益剰余金変動額5億5,739万1,000円を加味した当年度未処分利益剰余金は、一番下の行、25億8,328万2,000円となりました。
次に、7ページをお願いします。
剰余金処分計算書(案)でございます。これは、先ほどの当年度未処分利益剰余金をどのように処分するかを整理したものでございます。
先ほどの未処分利益剰余金25億8,328万2,000円につきましては、まず事業運営上の財源として、企業債償還のため減債積立金へ3億630万7,000円、建設改良工事実施のため中小水力発電開発及び改良積立金へ3億円の積み立てを行いますとともに、病院事業の経営基盤の強化を図るため、病院事業会計に対してFIT移行に伴う増益分2億2,200万円を繰り出すほか、以前の利益処分に基づき積み立てた減債積立金、中小水力発電開発及び改良積立金のうち、平成29年度に財源として使用した5億5,739万1,000円を取り崩し、資本金に組み入れることとし、差し引き処分後残高11億9,758万3,000円を繰越利益剰余金として平成30年度へ繰り越すこととしております。
8ページをお願いします。
貸借対照表でございます。これは、年度末、つまり3月31日現在の財政状態を示すものでございます。
主なものを御説明いたします。
まず、資産の部でございますが、1の固定資産は9発電所の水力発電設備や工業用水道事業会計と病院事業会計への長期貸付金など、2の流動資産は現金預金や未収金などでございます。これら資産合計は、一番下の行の右端、210億9,733万8,000円となっております。
次に、9ページの負債の部でございます。
3の固定負債は平成31年度以降償還予定の企業債や引当金、4の流動負債は平成30年度償還予定の企業債や未払金などでございます。5の繰延収益は発電施設など減価償却を行う固定資産の取得に充てられた補助金・負担金相当額等でございます。これら負債合計は、中ほどの行の右端太字部分、54億1,886万4,000円となっております。
次に、資本の部でございます。
6の資本金はこれまでの減債積立金の組み入れ等により資本としたもの、7の剰余金のうち(1)の資本剰余金は土地など減価償却を行わない固定資産の取得に充てられた補助金、(2)の利益剰余金は中小水力発電開発及び改良積立金と当年度未処分利益剰余金でございます。これら資本合計は、下から2行目の右端、156億7,847万3,000円となっております。
次に、工業用水道事業について御説明をいたします。
資料11、愛媛県工業用水道事業決算書の13ページをお開き願います。
工業用水道事業は、松山・松前地区、今治地区、西条地区の3地区において、計画給水日量24万9,220m3で営業をいたしております。平成29年度の実績給水量は6,398万5,471m3で、年間契約給水量8,404万7,450m3に対しまして76.1%の給水率となっております。
給水料金は、基本料金1m3当たり松山・松前地区は14円65銭、今治地区は第1種が10円85銭、第2種が11円90銭、西条地区は24円20銭で供給しておりまして、いずれも責任使用水量制をとっております。
5ページにお戻りください。
損益計算書でございます。一番右の欄に記載した数値について、上から順に御説明をいたします。
まず、給水収益などの営業収益から給水費や減価償却費などの営業費用を差し引いた営業利益は、右端の欄の一番上、5億4,323万5,000円となり、その下、営業外収益から営業外費用を差し引いたマイナス1,136万7,000円、それから、土地造成事業に関する附帯事業収益から附帯事業費用を差し引いた2,099万6,000円を加味した、下から4行目と3行目の経常利益及び当年度純利益は5億5,286万4,000円の黒字となり、工業用水道事業は、8年連続の黒字となりました。なお、事業所別に見ましても、3事業所全てにおいて黒字を達成しております。
この当年度純利益5億5,286万4,000円に、前年度繰越欠損金のマイナス117億1,268万1,000円を加味した一番下の行、当年度未処理欠損金はマイナス111億5,981万7,000円となりました。
7ページをお願いいたします。
平成29年度の欠損金処理計算書でございます。この平成29年度の欠損金の処理につきましては、全額翌年度に繰り越すこととしております。
次に、8ページをお願いします。
貸借対照表でございます。主なものを御説明いたします。
まず、資産の部ですが、1の固定資産は松山・松前地区ほか2地区の工業用水道設備等、2の造成土地は東予インダストリアルパークの土地のリース分の造成原価、3の流動資産は現金預金のほか未収金、浄水処理用の薬品や災害に備えた応急復旧用備蓄資材の貯蔵品などでございます。これら資産合計は、一番下の行の右端、182億8,424万円となっております。
9ページを御覧ください。
負債の部でございます。
4の固定負債は平成31年度以降償還予定の企業債、一般会計及び電気事業会計からの他会計借入金、引当金など、5の流動負債は平成30年度償還予定の企業債や未払金など、6の繰延収益は減価償却を行う固定資産の取得に充てられた補助金・負担金相当額等でございます。これら負債合計は、一番下の行の右端、253億2,179万9,000円となっております。
次に、10ページを御覧ください。
資本の部でございます。
7の資本金は従前からの減債積立金の組み入れ等により資本としたもの、8の剰余金のうち(1)の資本剰余金は土地など減価償却を行わない資産の取得に充てられた補助金・負担金、(2)の欠損金は当年度未処理欠損金でございます。これら資本合計は、下から2行目の右端、マイナス70億3,755万8,000円となっております。
最後に、病院事業について御説明をいたします。
資料12、愛媛県病院事業決算書の15ページをお願いします。
病院事業は、中央、今治、南宇和、新居浜の4病院を運営しておりまして、病床数1,659床を有し、それぞれ地域の中核的医療機関として機能を発揮しております。
平成29年度の患者数は年間延べ115万1,350人で、平成28年度と比較しまして1万1,434人増加しております。中央病院の建てかえ及び運営に関しましては、PFI手法により事業を実施しておりまして、現在まで特に大きな問題も生じておらず、順調に事業が実施されております。また、新居浜病院に関しましては、デザインビルド手法により、現在地で建てかえることとしておりまして、平成30年2月19日に落札業者と事業契約を締結いたしまして、基本設計に着手したところでございます。
5ページにお戻りください。
損益計算書でございます。一番右の欄に記載した数値について、上から順に御説明いたします。
まず、入院・外来収益などの医業収益から給与費や材料費などの医業費用を差し引きました医療損失は、右端の欄の一番上、マイナス39億4,197万1,000円となりましたが、一般会計からの負担金などの医業外収益から非課税売上分消費税などの医業外費用を差し引いた43億9,845万2,000円を加味した、下から4行目と3行目の経常利益及び当年度純利益は4億5,648万1,000円となりました。
全国的な医師不足によりまして、本県県立病院におきましても診療体制の維持に苦慮している状況ではありますが、病院現場職員の懸命な努力により、経常損益ベースでは8年度連続で黒字を維持することができております。
ここで、13ページをお願いします。
病院別の経常損益について御説明いたします。
表の上から4行目になりますが、中央病院が7億5,695万2,000円の黒字、今治病院が3,227万7,000円の黒字、南宇和病院が3億4,071万円の赤字、新居浜病院が796万2,000円の黒字となっております。
5ページにお戻りください。
先ほどの当年度純利益4億5,648万1,000円に前年度繰越欠損金マイナス203億6,011万6,000円を加味した、一番下の行、当年度未処理欠損金はマイナス199億363万4,000円となりました。
7ページをお願いいたします。
平成29年度の欠損金処理計算書でございます。
この平成29年度の欠損金の処理につきましては、全額翌年度に繰り越すこととしております。
8ページをお願いします。
貸借対照表でございます。主なものを御説明いたします。
まず、資産の部でございます。1の固定資産は各病院の土地、建物、医療機器等、2の流動資産は現金預金のほか、未収金、薬品・診療材料等の貯蔵品などでございます。これら資産合計は、一番下の行の右端、518億3,610万7,000円となっております。
次に、9ページをお願いします。
負債の部でございます。
3の固定負債は平成31年度以降償還予定の企業債、一般会計及び電気事業会計からの他会計借入金、長期未払金、引当金など、4の流動負債は、平成30年度償還予定の企業債や未払金など、5の繰延収益は減価償却を行う固定資産の取得に充てられた補助金・負担金相当額等でございます。これら負債合計は、10ページの上から2行目の右端、643億7,205万1,000円となっております。
次に、資本の部でございます。
6の資本金は一般会計からの出資金、減債積立金からの組入資本金など、7の剰余金のうち(1)の資本剰余金は土地の取得に充てられた受贈財産評価額でございます。(2)の欠損金は当年度未処理欠損金でございます。これら資本合計は、下から2行目の右端、マイナス125億3,594万3,000円となっております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
次に、監査委員から審査概要の説明を願います。
○(監査委員) それでは、お手元の資料13、決算
審査意見書に基づき、平成29年度公営企業会計決算の審査結果について概要を申し上げます。
まず、1ページを御覧ください。
審査に当たりましては、地方公営企業法等関係法令に基づいて運営がなされているか、決算報告書などは適正に表示されているか、会計処理は適法な手続により行われているかなどの点に主眼を置き、定期監査や
例月出納検査の結果も踏まえまして、審査を実施いたしました。
2ページをお願いします。
各事業会計の決算報告書及び財務諸表の表示は適正であり、事業の運営及び会計処理につきましても、おおむね適正になされているものと認められました。
経営成績につきましては、各事業会計とも純利益を計上しておりますが、工業用水道及び病院事業につきましては、多額の長期借入金等により債務超過の状況となっておりますので、引き続き経営の合理化、事業運営の効率化に取り組むことを求めたところでございます。
次に、事業会計ごとに審査意見の概要を申し上げます。
まず、2の(1)の電気事業会計につきましては、10億4,445万円の純利益を確保しており、安定した経営がなされているものと認められました。
しかしながら、アの電力システム改革への対応につきましては、現在、国が進めております同改革に伴い、公営電気事業を取り巻く経営環境が大きく変化しておりますので、今後ともこうした変化に的確に対応しながら、さらなる経営基盤の安定に努められることを望むものであります。
次に、イの畑寺発電所で生じました営業未収金につきましては、適正な債権管理と早期回収に努めることを求めております。
ウの工事の執行体制の強化につきましては、下請届の変更が提出されていなかった事例や変更指示を文書通知していなかった事例が見受けられましたので、適切な工事の執行体制の強化に努めることなどを求めております。
続いて、(2)の工業用水道事業会計につきましては、今治地区及び西条地区工業用水道事業の契約給水量がふえたことなどにより、純利益については、前年度を上回る5億5,286万円の純利益を計上しております。
県下3工業用水道事業のうち、松山・松前地区工業用水道事業につきましては、給水実績も堅調で、経営成績は安定しております。しかしながら、今治地区工業用水道事業につきましては、給水能力に見合う契約給水量の確保により、経営成績自体は安定しているものの、実績給水率が依然として低調であります。また、西条地区工業用水道事業につきましては、前年度に引き続き純利益を計上したものの、長期借入金と企業債を合わせて206億円の借入残高があるなど、厳しい財政状態にあります。
このため、アの取り組み課題といたしまして、まず、今治地区工業用水道事業につきましては、実績給水率の低迷により、将来、給水契約の維持が困難となる事態も懸念されますので、事業運営の合理化・効率化に取り組むとともに、今治市と共同利用しております浄水場につきましては、新たに市単独の浄水場が平成34年3月に完成予定でありますことから、将来的な事業運営について、引き続き真摯に今治市と協議を進めるように求めております。
また、西条地区工業用水道事業につきましては、契約給水量が、規模縮小後の計画給水量に達しておりませんので、企業立地の促進支援等による新たな水需要の開拓と、引き続き事業運営の合理化・効率化に取り組むことを求める意見を付しております。
次に、イの営業未収金につきましては、適正な債権管理と早期回収に努めることを求めております。
ウの工事の執行体制の強化につきましては、
工事成績評定を誤った事例、請負業者に対する安全対策の指導・監督が不十分な事例が見受けられましたので、適切な工事の執行体制の強化に努めることなどを求めております。
次に、(3)の病院事業会計につきましては、平成29年度の純利益は、愛媛県立病院中期経営戦略に基づく各種施策に取り組んだことなどにより、前年度を上回る4億5,648万円となったものの、
累積欠損金が199億円、企業債の借入残高が272億円、長期借入金が93億円など債務超過の状況にあり、依然として厳しい財政状態が続いておりますので、引き続き経営健全化に取り組むことを期待して、次のような意見を付しております。
アの医療制度改革への対応につきましては、病院経営を取り巻く環境が厳しさを増している中、公立病院に対しても改革が求められていることから、県立病院中期経営戦略に基づき経営健全化に努めておりますが、今後も公立病院としての役割を堅持しつつ、国が進める医療制度改革に的確に対応し、経営の安定に努めるよう求めております。
イの医師の確保、診療科の維持につきましては、特に南宇和病院において、半数を超える診療科で常勤医師が一人もいない状況にあるなど、深刻な医師不足が続いておりますので、大学医学部や他の医療機関との連携強化に引き続き取り組むとともに、県地域医療医師確保奨学金貸与制度を利用した卒業生の配置・育成策について、関係機関と一体となって検討するなど、さらなる対策を講じて診療科の維持に努めるよう求めております。
ウの看護師の確保につきましては、院内保育の充実など、待遇の改善を含めた看護師の確保・定着策や人材育成について、引き続き検討するよう求めております。
エの医業未収金等につきましては、平成29年度末の残高が約4億6,000万円と依然として多額でありますので、債権管理マニュアルや弁護士法人を積極的に活用するなどして、引き続き早期回収や適正管理に努めるよう求めております。
6ページをお願いします。
オの契約事務等の適正な執行につきましては、保守点検における検査調書の作成及び変更契約書の締結を失念していた事例、契約書に定める変更後の工程表を請負者から提出させていなかった事例、前金払いをしていた定期刊行物の購読契約について、履行の終了通知を提出させていなかったほか、完了確認をしていなかった事例、
超過勤務手当、休日給、住居手当及び旅費において過支給や支給不足があった事例などがあったので、適正な事務処理に努めるよう求めております。
カの中央病院の事業運営につきましては、PFI事業のモニタリング制度における客観的な評価システムの構築や、実務を担当する病院の人材育成策を検討するなどして、導入目的・効果を十分に発現させるよう努めることを求めております。
キの経営健全化への取り組みにつきましては、平成28年3月に策定された県立病院中期経営戦略に示されている具体的な取り組みについては、おおむね順調に実施されており、8年連続で経常黒字を計上しておりますものの、厳しい経営状況は依然として続いており、新居浜病院の建てかえや今治病院の老朽化対策など、多額の資金を必要とする施設の整備計画を進めるためにも、引き続き経営の健全化と経営体質の強化に努めるよう求めております。
クの新居浜病院の建てかえにつきましては、デザインビルド方式により現在地で建てかえることとなり、平成30年3月から基本設計に着手しているところですが、今後とも地域の基幹医療施設として良質な医療の提供を継続しながら、建てかえが円滑に進むよう万全を期すことを求めたものであります。
以上が審査結果の概要でございます。御審議のほどよろしくお願いをいたします。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
以上で説明が終わりました。
質疑につきましては、個別の
事業項目等に関することではなく、ただいま説明をいただきました内容に関する全体的・総括的な事項についてお願いをいたします。
委員の皆さん、質疑はございませんか。
○(石川稔委員) 監査委員の
審査意見書の3ページ、今治地区工業用水道事業についてですが、今治市が浄水場の移転計画を推進しており、将来的な事業運営について引き続き真摯に今治市と協議を進められたいというふうにありますけれども、このように、今治市が新たな浄水場をつくることによって、今治地区工業用水道事業にどのような影響があるのでしょうか。
○(総務課長) 現在、県の今治地区工業用水道の主要施設と今治市の上水道施設は共有となっている部分がございます。今治市が上水道につきまして、途中から分岐をしまして新しい浄水場をつくるという計画を進めております。ということは、将来的には、共有部分の財産をどうするのかという問題があることから、そのあたりについて今治市と協議を進めているところでございます。
○(
毛利修三委員長) よろしいですか。
○(石川稔委員) いいです。
○(
毛利修三委員長) ほかにございますか。
○(福羅浩一委員) 電気事業会計ですが、前年度に比べて少し減りましたけれども、かなり好調ということで安心をしていたところです。肱川発電所の休電補償が終了したということですし、被災などもありまして、それに加えて国の進めている電力システム改革に伴い、取り巻く経営環境が大きく変化するということが決算
審査意見書に書かれていますが、その結果を受けて、どういう対応をとっていくのかという部分が少し心配になるところであります。そのあたりをもう少し詳しく教えていただければと思います。
○(総務課長) まず、肱川発電所につきましては、平成30年7月豪雨により被災をしまして、現在、発電が停止している状況でございますので、
公営企業管理局としてはなるべく早く再開したいということで、7月補正予算で更新工事関係の予算を議決いただき、平成35年2月の運転再開を目指して準備を進めているところでございます。現在の売電単価は8円44銭で契約しておりますけれども、更新後は、FIT制度を活用することとしており、20年間は12円という単価で経営をしていくよう計画しておりまして、そういうことも含めまして収益を確保していきたいと考えております。
○(福羅浩一委員) ありがとうございます。
それと、参考までに、電力システム改革があるということなんですけれども、これは、どういう変化を起こしていくのか。収支見込みというか、どれくらいの影響が出てくるのかということを、改革の内容も含めてお教えいただければありがたいと思いますが。
○(総務課長) まず、国の進める電力システム改革の概要でございますけれども、平成23年3月に発生しました東日本大震災と福島原発事故が引き起こした未曽有の電力危機をきっかけに、我が国の電力システムのあり方を見直し、抜本的に改革しようとする取り組みが進められました。これが電力システム改革でございます。一言で言えば、料金規制と地域独占によって電力の安定供給を実現してきた従来型システムから、事業者やユーザーの自由な選択と自由な競争によって電力の安定供給を実現しようとする新たなシステムにシフトさせようとする取り組みでございます。
この改革は3段階に分けて段階的に進めていくこととされております。第1段階は広域的運営推進機関を設立し、これにより全国規模で電力融通をする。第2段階は小売参入を全面自由化する。第3段階は電力会社の送配電部門を法的分離するとともに、小売料金の完全自由化を実施するものであります。
このうち、改革の第1段階に当たる広域的運営推進機関の設立等について定めた改正電気事業法は平成25年11月に成立し、平成27年4月に広域的運営推進機関が設立されるとともに、改革の第2段階に向けて電気の小売業への参入の全面自由化を実施するために必要な措置を定めた電気事業法の一部改正法も平成26年6月に成立して、平成28年4月から実施されております。さらに、第3段階は、改革の仕上げとして、法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保及び小売電気料金の規制の撤廃を行うとともに、電気事業の規制をつかさどる行政組織を独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織に移行させるということで、平成27年6月に法案が可決成立し、平成30年4月から施行されております。
こうした中、公営電気事業に直ちに影響してまいりますのが、平成28年4月から実施された電力の小売参入の全面自由化により料金規制が撤廃され、一般電気事業者以外への売電が可能になるなど、電力市場において自由に売電することが可能となったということでございます。したがいまして、四国電力株式会社との契約もございますが、そこだけではなく、一般競争入札などを行って売電先を決めるということになっておりますけれども、公営企業としましては、平成30年度、平成31年度の2カ年については、いろいろと検討した中で、やはり四国電力へ売電する方法が最も適当であるとの結論に至りまして、現在、四国電力との契約を継続しております。次の料金改正は平成32年度からになりますので、ここでの売電先について最も適当な売電方法はどういうことなのか、電力市場価格や他県の動向、新規参入事業者の状況等も見ながら慎重に検討していくことが当面の課題となっております。
○(
毛利修三委員長) 限られた時間でありますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。
ほかに。
○(
宇高英治委員) 先ほどの売電の事業でもう少し詳しくお伺いしたいんですが、監査報告を見せていただきますと、10億円以上の純利益があり、今後も引き続き安定した経営をしてほしいという内容だったと思うんですが、やはり一番心配なのは、売電の中でも事業収入自体の総収益の中でも一番幅をきかせている電力量について見てみますと、畑寺発電所は、平成47年まで今の料金で売っていけますが、その他のFIT部分というのが売り上げのうちの3分の2近くになると思うんですが、平成30年4月以降はどういった料金体制に変わっていくのか。銅山川第一発電所2号機や富郷発電所などは料金が安くなって、ほかの銅山川発電所や道前道後発電所、それから肱川発電所は、逆に高くなって買い取ってくれるのかなとも考えるんですが、そのバランスは今後どうなるのか、ちょっと不安なのでお伺いします。
○(総務課長) 畑寺発電所以外の2発電所についてもFIT移行による売電期間は平成33年11月までとなっております。この期間は今の料金が継続されますけれども、それを過ぎますと、通常の売電ということになってまいります。
○(
毛利修三委員長) よろしいですか。ほかにございませんでしょうか。
○(大西誠委員) 病院事業会計に関しまして、総括で1点だけお聞きしたいと思います。
医師不足、看護師不足等々個別の案件はあるかと思うんですが、総括としましては、中期経営戦略を着実に実行して、平成29年度の決算は約4億6,000万円の黒字ということで順調かと思います。しかし、問題としまして、
累積欠損金が約199億円、企業債が272億円等、非常に厳しいと思うんですけれども、この経常利益の数億円という数字と
累積欠損金の数百億円という数字は非常に厳しいという判断なのか、まあ中程度かという判断なのか、比較するとまだいい方ですよという判断なのか、どういった位置づけなのかということを教えていただきたい。
○(
県立病院課長) 昨年度の決算は、4億円余りの黒字を出している状況なんですが、監査委員の意見書にもありました
累積欠損金、それから企業債の多額の借り入れ、それと一般会計、電気事業会計からの長期の借り入れを受けて運転資金を確保しているという状況でございますので、経営的には大変厳しい状況にあると考えております。
○(
毛利修三委員長) ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○(
毛利修三委員長) 質疑もないようでございますので、これで企業会計の総括審査を終わります。
暫時休憩いたします。午後1時から再開いたします。
午後0時5分 休憩
――――――――――――――
午後0時58分 再開
○(
毛利修三委員長) 再開いたします。
それでは、前年度の
決算特別委員会の審査過程で出された主な意見への対応状況について報告を受けた後、質疑を行います。
理事者の報告を求めますが、報告は簡潔明瞭にお願いをいたします。
○(
総務管理局長) それでは、総務部関係の対応状況について御報告をいたします。
配付資料、前年度の
決算特別委員会で出された主な意見の
対応状況報告の2ページをお開き願います。
県職員の採用についてでございますけれども、昨年度の
決算特別委員会におきまして、辞退に係る情報を人事委員会に提供するなど、翌年の採用試験に向けて対策を講じる必要があるのではないかとの御意見がございました。
合格・内定辞退に関する情報は人事委員会とも共有し、受験者確保対策も連携して行っているところでありますけれども、受験者の多くは国家公務員や他の自治体等と併願をいたしておりまして、優秀な受験者を選考しようといたしますと、結果として併願先も合格している可能性が高く、ある程度の辞退は避けられないと考えております。しかしながら、合格者の辞退は、定員管理や人事配置に大きな影響を与えるため、採用辞退対策には力を入れているところであります。
これまでも、任命権者において合格者説明会や採用内定者セミナーを開催し、採用に対する不安の解消や内定者同士の横のつながりの強化を図るなど、採用辞退対策に取り組んでいるところであります。
さらに、今年度からは、若手職員を中心としたプロジェクトチーム、職員の採用・魅力PRチームを人事委員会との共管で立ち上げ、職員採用セミナーや出身大学での採用説明会において業務説明やアドバイスを行うなど、各種職員採用試験の広報活動や上級職1次及び2次試験合格発表後に実施する説明会において、採用辞退防止のための合格者との意見交換を行うなど、有為な人材確保に向けた効果的な情報発信を年間を通して実施することといたしております。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
政策企画局長) それでは、同じ資料の4ページをお願いいたします。
移住者住宅改修支援事業について、意見の概要といたしましては、当事業における不用額の理由と改善を進めてほしいということでございます。
当補助事業は、移住先決定の際に重要なポイントとなります住まいの確保に要する経費に対し、働き手世帯・子育て世帯にターゲットを絞り、平成28年度から県と市町が連携して補助を実施しております。初年度であります平成28年度の執行率は、補助金ベースで16.9%、約4,900万円の不用額が発生をいたしましたが、この理由としては大きく2つの理由があるというふうに考えてございます。
1つ目は、市町によりましては補正予算で対応した上、事業初年度で実施体制の整備に時間を要したことから移住者への制度周知の時間が限られたこと、2つ目は、補助対象者を平成28年度に移住した者に限定したことから対象者が少なかったことというふうに考えております。
このため、平成29年度につきましては、関係市町に早期の予算計上及び事業実施を働きかけた結果、事業実施市町は前年度より3市町多い19市町となり、その全てにおきまして当初予算が計上されたことに加えまして、補助対象者を制度開始の平成28年度以降の移住者とするなど、対象者を拡大したところでございます。
しかしながら、対象者拡大の効果が一部あったものの、平成29年度の執行率は補助金ベースで19.9%、不用額は約200万円減の約4,700万円にとどまったところでございます。
このため、平成30年度は、事業未実施の町にさらに実施を働きかけまして全市町で事業を実施しております。それに加えまして、新たな取り組みといたしまして、全市町が参加する首都圏での大規模な移住フェア、あのこの愛媛移住フェアや求人・移住総合サイト、あのこの愛媛において積極的に広報を行いますとともに、移住コンシェルジュや各市町移住担当者による移住者・移住希望者への個別説明等を実施しており、9月末時点の執行率は補助金ベースで27.1%となっているところでございます。
今後とも移住コンシェルジュや市町と連携して事業利用者を迎えたセミナーを開催するなど、移住希望者への周知を進め、本県への移住者の呼び込みを図ってまいりたいと考えております。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
県民生活局長) 同じく資料の6ページをお開きください。
県民環境部からは、自転車安全利用促進事業について御報告いたします。
委員から、平成28年の自転車事故の死者13人のうち、高齢者についてはヘルメットの着用がゼロであったが、負傷者739人のうちヘルメットを着用していた人は何人か。また、自転車事故の負傷者のうち高齢者は何人か。ヘルメット着用の高齢者対策として行っていることはあるのかとの御意見がございました。
平成28年中の自転車事故による負傷者739人のうち、ヘルメットの着用者は164人であり、そのうち頭部の負傷者は17人、着用者の約9割が頭部以外の負傷でございました。平成29年中は、負傷者651人のうちヘルメット着用者は156人であり、着用者のうち頭部の負傷者は12人でございました。平成28年中の自転車事故の負傷者739人のうち高齢者は198人で、そのうちヘルメット着用者は7人でございました。平成29年中は、自転車事故による負傷者651人のうち高齢者は134人で、そのうちヘルメット着用者は5人でございました。
県では、これまで、シルバー人材センターの会員等を高齢者自転車ヘルメット着用推進員に指定し、高齢者の着用促進に向けた広報啓発活動を行っていただくほか、高齢者団体に着用の働きかけを行ってきたところでございますが、平成29年度は普段着とヘルメットのファッション性を競うコンテストを実施し、今年度はこのコンテストに加えまして、子供や孫などの身近な人から高齢者にヘルメットをプレゼントするキャンペーンや、ヘルメット着用に関する川柳コンテストなどのイベントを通じて、高齢者のヘルメット着用に向けた機運のさらなる醸成を図りたいと考えております。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
農政企画局長) 続きまして、
農林水産部関係につきまして2点御報告をいたします。
まず、8ページでございます。
新規就農総合支援事業につきまして、農業大学校の就農率が、事業開始前5年平均の14%から56%に増加し、青年新規就農者数も大きく増加しているが、執行状況はどうかとの御意見をいただいております。
本事業は、本県農業の担い手となります若い新規就農者を一人でも多く確保するため平成24年度から開始した事業でございまして、平成29年度は、準備型と経営開始型を合わせて470名、6億1,740万8,000円を交付しており、平成28年度に比べまして利用者は11名増加しております。なお、準備型を活用している農業大学校では、卒業生の新規就農者数が、事業開始前5年平均の7名から、平成29年度は31名へと大きく増加をいたしております。
また、今後の予算額の見通しはどうか、また、どのように積算するのかとの御意見につきましては、毎年、事業実施主体であります市町やえひめ農林漁業振興機構からの要望に応じまして、新規就農者数の見込みを立て、最大必要額による積算の上で予算計上し、国から事業費の確保に努めておりまして、近年は7億円程度で推移をしております。
なお、平成29年度からは、県の普及機関や市町、JA等の関係機関がサポートチームをつくり、円滑な就農と営農定着に向けた支援を強化しているところでございます。
続きまして、10ページをお願いいたします。
2点目の鳥獣被害対策につきまして、鳥獣被害はいつ終息するのか、また、有害鳥獣捕獲活用推進事業の事業内容と成果はどうかとの御意見をいただいております。
鳥獣被害につきましては、近年、4億円程度で高どまりしておりまして、中山間地域を中心に深刻化しているため、関連予算約5億2,000万円を措置し、捕獲、防除、地域の実施体制の強化を3本柱として各対策を推進しておりまして、平成29年度は10市町において被害額が減少いたしております。
また、鳥獣被害は自然災害であり、現段階におきまして特効薬はないことから、引き続きこれらの各対策に粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
次に、中予地方局予算であります有害鳥獣捕獲活用推進事業は、松山市中島地区を対象に、効率的な捕獲活動を促進させるため、SNSを活用して狩猟者、農業者が被害状況、有害鳥獣の出没・捕獲情報を瞬時に共有できるネットワーク化などを支援してきたもので、学校法人河原学園電子ビジネス専門学校と連携し、スマートフォン用のアプリ、鳥獣捕獲情報いの・シーカーを開発いたしました。平成30年3月現在、関係者44人のうち約7割の31人が利用を開始し、捕獲活動が活発化しており、引き続き効率的な捕獲活動が行えるよう、アプリの利用拡大を支援してまいります。
なお、今年度からは、従来から取り組んでまいりました3つの対策を一層強化するため、専門性の高い知識・技術を習得したえひめ地域鳥獣管理専門員の育成や、岡山理科大学獣医学部との連携による、新しく有効な被害対策の検討等に取り組んでいるところでございます。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
産業雇用局長) 続きまして、
経済労働部関係でございます。資料は16ページをお願いいたします。
愛媛の優れたものづくり技術情報発信事業についてでございます。御意見といたしましては、ものづくり企業への販路開拓支援について、実績や成果はどのようなものかという内容でございます。
本県のものづくり企業の販路開拓に向けては、すぐれた技術や製品等を紹介するスゴ技データベースの構築を初め、国内外での大規模展示会への出展や個別商談会の実施のほか、大手企業へのトップセールスや海外への経済交流ミッション団の派遣、大手企業との連携やコーディネーターによる個別マッチング機会の提供といった支援に取り組んでいるところでございます。
平成29年度は、県内企業に対して商談会等によるマッチングの機会を113回提供し、延べ264社が参加をいたしました。また、県が関与したものづくり分野の成約額は約30億2,000万円であり、平成28年度の約1.1倍となっております。
なお、スゴ技データベースにつきましては、愛媛の技術力のアピールや県内企業の知名度向上を図るため、毎年、県内企業のすぐれた技術や製品の掘り起こしに努めており、本年度は8社14技術を新たに追加し、現在、合計183社241技術を掲載しているところでございます。
引き続き、県内企業への質の高い商談機会の提供や事業実施後の丁寧なフォローアップに努めることによりまして企業の販路開拓につなげるとともに、愛媛のものづくり力の知名度向上を図ってまいりたいと考えております。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
公営企業管理局長) 18ページをお開き願います。
公営企業管理局の個人医業未収金について、対応状況を御報告させていただきます。
前年度の意見の概要は、個人医業未収金の状況と対策はどうかとのことでございました。
県立病院におけます個人医業未収金につきましては、平成29年度末における残高は、現年度分が納期未到来分を含めて1億6,357万円、過年度分が3億7,596万円、合計で5億3,953万円となっておりまして、前年度末に比べ774万円減少しております。なお、平成29年度医業収益全体に占める現年度個人医業未収金額の割合は0.43%となっております。
対策といたしまして、県立病院では、医事担当職員、医事会計業務委託業者及び看護部が連携して未収金の発生防止と早期回収に取り組んでおります。
発生防止につきましては、納入相談の実施、高額療養費制度や福祉制度等の紹介を行いますとともに、医事職員、医事会計業務委託業者及び看護部の間で未収患者の情報を共有いたしまして、再度未収金が発生することがないように、該当患者が来院した場合は、受付時や会計時に直接声をかけることとしております。また、未収金が発生した場合には、各病院担当職員により迅速に電話督促、文書督促等を行っております。
なお、病院からの督促等で回収できない場合は、発生から3カ月経過した時点で弁護士法人へ回収を委託し、弁護士法人から文書督促、電話督促を行っておりまして、これまでに累計で7,887万円を回収しております。さらなる取り組みといたしまして、平成28年度からは弁護士法人による訪問による督促も実施しておりまして、平成29年度末時点で計3回、延べ10日間、112の債権について臨戸訪問を行いまして、累計のうち138万7,930円を回収いたしております。
今後ともこうした取り組みを行いまして、各病院、回収を委託している弁護士法人と連携を図りながら、未収金の発生防止と早期回収に努めてまいりたいと考えております。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
土木管理局長) 土木部からは2件御報告をさせていただきます。
資料は20ページをお開き願います。
まず、建設業BCPについてでございますが、大規模災害はいつ起こるかわからない状況になっているので、建設業BCPの普及拡大にしっかり取り組んでほしいとの御意見をいただいております。
今回の7月豪雨におけます初動対応といたしまして、土砂や瓦れきの撤去、また、被災いたしました道路や河川における二次災害防止等の早急な応急対応などから、大規模災害時におけます建設業の必要性が再認識されたところでございます。建設業者が早期に企業活動を再開し、地域の安全・安心を速やかに確保するためには、建設業BCPの策定が改めて必要不可欠であるというふうに考えております。
このため県では、建設業BCPの普及促進のため、全国に先駆けまして認定制度を設けており、えひめ震災対策アクションプランで平成36年度の認定率80%を目標と定めまして、建設業者に対して審査会で指摘のあった改善すべき事項を個別に指導するなどきめ細かいフォローアップに加えまして、平成29年度は未認定業者に書類作成の助言を行うなど、新規申請者の申し込みにも重点を置いて認定率の向上に努めてまいったところでございます。
その結果、現在の認定状況は、平成30年4月時点で、A等級業者が188社、認定率91%、B等級業者が53社、認定率34%、合計241社、認定率67%という状況になっております。平成29年4月と比較いたしますと、認定率は、A等級、B等級ともに6ポイント、合計で6ポイント向上しているという状況でございまして、目標どおり順調に伸びてきていると考えております。
今後も目標を達成いたしますとともに、建設業BCPの実効性を高め、災害に強い建設業者となるよう、引き続き支援を行ってまいる所存でございます。
次に、22ページをお開き願います。
土砂災害防止法関連基礎調査事業の取り組み状況についてでございますが、基礎調査の進捗及び土砂災害警戒区域の指定状況はどうかとの御質問をいただいております。
土砂災害警戒区域等の指定のため、崩壊土砂等の到達範囲や衝撃力を求めまして、区域図の作成を行います基礎調査につきましては、住民が土砂災害の危険性を認識し、早期に避難することなどを目的として実施しておりまして、平成31年度末の完了に向けて予算を優先的に確保し、進めているところでございます。
まず、基礎調査の進捗状況でございますが、平成29年度は当初予算8億円と2月補正予算の5億8,000万円とを合わせまして13億8,000万円を確保して、平成29年度末時点で土砂災害危険箇所1万5,190カ所のうち6,747カ所の調査が完了しており、進捗率は44%となっています。また、平成30年度は当初予算6億8,000万円と、新たに加わりました農林水産省所管の地すべり危険地等の調査を行うための6月補正予算5億8,000万円とを合わせまして12億6,000万円を確保し、年度末には農林地すべり危険地等514カ所を含む全ての箇所について調査着手となる見込みでございます。
次に、指定状況につきましては、平成29年度末時点で5,489カ所、進捗率は36%となっており、調査が完了した箇所から速やかに指定したいというふうに考えております。今後とも必要な予算の確保に努めますとともに、詳細な進捗管理を行い、確実に平成31年度末に調査が完了するよう努めてまいりたいというふうに考えております。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(
スポーツ局長) スポーツ・文化部からは2点御報告を申し上げます。
障がい者スポーツの選手育成・強化について及びえひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業についてでございます。
まず、第1点目の障がい者スポーツの選手育成・強化についてでございますが、御意見としては、
えひめ大会に向けてこれまで選手の育成・強化に取り組んできたが、選手や関係者から今後の強化費に関する不安の声もあるので、今後とも各種団体等と連携を図りながら選手の育成・強化を進めてもらいたいということでございました。
この対応状況でございますが、昨年度は、本県で初めて開催される第17回全国障害者スポーツ大会に向け、個人競技選手や団体チームの育成・強化の取り組みに対する補助を実施しておりまして、
えひめ大会に出場した全団体に対し、強化練習や遠征等に必要となる経費の補助を行うなど、大会直前まで本県障がい者スポーツの競技力の底上げを図ったところでございます。
今年度も引き続き障がい者スポーツに対する選手の競技力の維持・向上を図るため、選手の強化練習や遠征費等について、昨年度を上回る育成・強化支援内容とするなど継続的な支援のもと障がい者スポーツの振興に取り組んでおります。
この結果、ことしの福井国体では、個人競技のメダル目標数を1人1個、計56個以上ということで臨みましたところ、金メダル31個、銀メダル15個、銅メダル13個、計59個のメダルを獲得することができ、
えひめ大会に次ぐ過去2番目の好成績を上げることができました。
また、本県では、障がい者スポーツの裾野拡大からパラアスリート選手の競技力向上まで幅広い取り組みを行うことで、本県障がい者スポーツを総合的に支援していくこととしておりまして、昨年度に引き続き、東京パラリンピック等の出場を目指す本県在住のパラスポーツ選手に対し、各種大会の出場経費や競技用補装具の購入等に要した経費等の一部を助成し、トップアスリートの輩出も通じたスポーツ立県えひめの実現を目指しているところでございます。
次に、えひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業について御説明を申し上げます。
御意見は3つございまして、1つ目は、今後、国際大会やオリンピックで活躍できるジュニア世代の育成が重要であると考えるが、本事業の成果と今後の取り組みはどうか。2つ目は、国体での順位が平成29年度の2位から急激に落ち込まないよう、ある程度の成績がおさめられるよう継続して取り組んでほしい。3つ目は、この事業をしっかりアピールしながら、メジャースポーツだけでなくマイナー競技への取り組みも進めてほしいというものでございました。
この対応状況でございますが、1つ目の本事業の成果についてですが、ライフル射撃の全国大会中学の部で優勝した選手や、ウエイトリフティングの全国大会で上位に入る選手が出ているほか、日本スポーツ協会が主催するジャパン・ライジング・スター・プロジェクトにおいて、7人制ラグビーフットボール女子の最終選考に残っている選手が、既に世代別の代表合宿に招集されたほか、先に行われた福井国体にも5名の選手が出場するなど、一定の成果が出てきております。将来オリンピックを初めとする国際大会で活躍する日本代表選手を本県から輩出するという目標に向かって、えひめから世界へを合い言葉に、本県独自のプログラムで育成を図ってまいりたいと考えております。
2つ目の国体の順位でございますけれども、今年度もスポーツ推進基金のもと、引き続き競技力向上に取り組んでおりまして、福井国体では、天皇杯13位以内を目標に掲げて臨みましたところ、歴代4位の12位を獲得したほか、皇后杯でも10位とトップテン入りを果たすなど、目標を達成したところでございます。また、ことしの高校総体でも過去最高の入賞を果たすなど、ジュニア世代も確実に力をつけてきておりまして、今後とも競技力の維持向上に努めたいと考えております。
3つ目でございますが、本事業では、子供たちが今後、本格的に取り組む競技を選択するために、競技団体と連携し、競技の体験や適正評価の場を設けております。
なお、最終の競技の選択は本人や保護者の判断となりますけれども、選択の幅が広がるよう、マイナー競技を含め可能な限り多くの競技体験を実施してもらえるよう努めているところでございます。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
○(交通部長) 続きまして、警察本部から御説明をいたします。
資料の30ページをお開きください。
交通安全施設等整備事業につきまして、交通規制標識や横断歩道等は県民にとって身近な施設で要望も多いと思うが、その要望に対し年間でどの程度の整備を実施できているのか、また、県民の要望等を踏まえて信号機等のLED化等について活用できる予算を使い切れるような整備を進めてほしいとの御意見がございました。
これにつきまして、対応状況でございますが、交通規制標識や横断歩道等の交通安全施設の整備につきましては、県民の皆様からの御要望や交通事故の発生状況、通学路などの交通環境を総合的に勘案いたしまして、交通安全施設の計画的な補修を進めるとともに、新たに設置する箇所につきましては、必要性と効果を検討し、整備に努めているところであります。
平成29年度の交通規制標識、道路標示の整備状況につきましては、道路標識861本、横断歩道850本等の整備を行っております。中でも、通学路における交通の安全を確保するため、警察本部、学校関係者及び道路管理者が協働で、毎年定期的に通学路の合同点検を実施しておりますが、その点検結果に基づき、横断歩道や一時停止線などの道路標示の補修や交通の状況に応じた交通規制の見直しなどを行っております。また、信号機等につきましては、主に国の補助事業により整備しておりますが、当初予定をしていた事業が完了して予算額が残った場合には、知事部局及び警察庁と協議の上、信号灯器等のLED化事業を追加で実施するなど、予算の有効活用に努めているところであります。
信号機や横断歩道を初めとする交通安全施設の整備と適正な維持管理は、交通事故の抑止や交通の安全確保に極めて有効な対策であると考えており、今後も真に必要な交通安全施設の計画的な整備に努めてまいります。
○(
毛利修三委員長) ありがとうございました。
以上で理事者の報告が終わりました。
委員の皆さん、報告に対する質疑はございませんか。
○(木村誉委員) 御説明ありがとうございました。
10ページの鳥獣被害対策についてお伺いします。
昨年度の取り組みの中で、スマホ専用アプリ等を開発しながら活用を広めて、10市町で被害額が減少したということですが、この10市町を教えていただけますか。
○(
農政企画局長) 平成28年度に比べて被害額が減少した10市町は、四国中央市、新居浜市、今治市、上島町、松山市、伊予市、砥部町、内子町、伊方町、松野町でございます。
○(木村誉委員) ありがとうございました。
それと、もう一つ、岡山理科大学獣医学部との連携について、新しい有効な被害対策の検討状況はどうなのか具体的に教えてください。
○(
農産園芸課長) 岡山理科大学との連携状況ですけれども、県では、本年4月に学部関係者等と鳥獣被害対策の実証実験に関する意見交換を行っておりまして、6月に大学の方が野生鳥獣リスクマネジメント学のキックオフミーティングを開催したところでございます。県職員もミーティングに参加をいたしまして、被害対策について教授や学生などと検討を行っております。この野生鳥獣リスクマネジメント学は、大学の準成果教育ということで単位に反映されない科目として実施されておりますが、現段階では4年間かけて調査・研究を行い、その後2年間で検証を行っていく予定となっております。
具体的な調査を現在、島嶼部等で行っているところでございますけれども、そういった調査をもとに有効な対策をこれから検討していくというふうな状況になっておりまして、県としても引き続き具体的に連携・協力していく内容の検討を進めていきたいと考えているところでございます。
○(
毛利修三委員長) ほかに。
○(西田洋一委員) 22ページの土砂災害防止法関連基礎調査事業で、この報告によりますと、平成31年度末までに完了する予定だと御説明いただきましたけれども、箇所からするとまだまだ大変かなと、平成29年度末段階での進捗率は44%で、箇所数からすると結構残っているような感じがします。今年度と来年度の2カ年でやれるのかちょっと心配ですが、どうでございますか。
○(砂防課長) 土砂災害危険箇所の基礎調査につきましては、先ほど委員からお話がありましたように、昨年度末で6,747カ所、44%の調査が済んでおりますが、今年度は全ての箇所で委託発注まで終わっています。今の目標としては、今年度に83%の調査を終わらせる予定にしておりまして、平成31年度末までには
農林水産部所管の地すべり危険地を含めました全ての箇所においての調査が完了する見込みになっています。
○(西田洋一委員) わかりました。それと、この調査の成果についても、土砂災害の危険性がありますよというようなことで、避難体制や特定開発行為等の規制という形になるんですけれども、御案内のように、ことしは、南予地域で大きな土砂災害等も起こりました。どちらかというと、県民からは、まずはハード面の対策を求める声が強く出ているんではないかなという感じがするんですが、この調査事業の結果をもとに、どういった土砂災害防止につなげるかというハード整備にはつながらないという理解でいいんですか。
○(砂防課長) 基礎調査につきましては、来年度に全て完了する予定にしておりますけれども、その全ての箇所につきまして順次公表することとしております。危険箇所に住まわれている方については、指定までできないにしても、基礎調査が終わりましたら全て公表していくということになっています。
それと、ハード対策につきましては、ソフト対策とリンクするものではありませんし、ハード対策は時間がかかるということで、ソフト対策を優先して進めるところがございます。一方、ハード対策につきましては、1万5,190カ所の土砂災害危険箇所の中でも、特に人家が多いとか重要交通網や要配慮者利用施設を守るとか、そういったものに対して重点的に進めていくことにしております。今後もハード・ソフト対策の両輪で土砂災害対策の推進に努めていきたいと考えています。
○(
毛利修三委員長) ほかにございませんか。
○(大西誠委員) 8ページの新規就農総合支援事業に関してお聞きしたいんですが、重要な施策と考えております。そのうち準備型が61件、経営開始型が409件とのことでございますが、この中で、残念ながら離農された方の状況はどうなっているんでしょうか。
○(農地・
担い手対策室長) 交付対象者の定着状況ということでお答えさせていただきます。
就農前の研修期間に給付する準備型と就農後に給付する経営開始型があります。準備型につきましては、研修修了者208人中11人が就農できなかったり離農しており、定着率は94.7%となっております。また、経営開始型につきましては、交付対象者508人中23人が離農しており、定着率は95.5%となっております。離農理由としましては、聞き取りですけれども、外からの新規参入、県外等から入ってきた人がなかなか地域になじめなかったとか、思っていたよりも収入が上がらなかったとか、親の介護等の家庭の事情などとなっております。
○(大西誠委員) 御説明ありがとうございました。
私の地元、伊予市の農家でこういった支援や指導をされている方からは、やはり考え方が若干甘いといいますか、支援金をいただけるからという理由でまずはやってみようという、そういう安易な考えの方も若干はいらっしゃるというふうにお聞きしましたので、この準備型、経営開始型の支援事業に当たりまして、事前の説明といったことにも重々御配慮をいただいているとは思うんですが、せっかく新規就農された方でございますので、離農率の低下にこれからも御尽力をいただきたいと思います。要望です。
○(
毛利修三委員長) ほかに。
○(
古川拓哉委員) 個人医業未収金の状況について少しお伺いしたいんですが、これには、海外から来られた方も入っているのかということと、実際にそういう事例があるのかどうか。例えば、きのうサイクリング大会があって、そのうち海外から800人ぐらいの方が参加してくださったということですが、我々が海外に行くときは、クレジットカードの附帯や保険に入ったりするわけなんですが、海外から来られる方というのは、そういったものに加入していたりとか、何か回収する手段になるようなものがあるのかどうかということもあわせてお伺いしたいんですが。
○(
県立病院課長) 外国籍の方の未収金につきましては、平成30年9月末時点で、過年度分は中央病院が7件、65万2,210円、新居浜病院が1件、1万1,410円、合計で8件、66万3,620円発生しております。平成30年度分は4病院合計で23万2,680円発生しております。過年度分の8件、66万3,620円が今回の平成29年度の決算の中に入っております。
また、先ほど言われました旅行等で来られる方については、今のところ未収金はなく納めていただいております。先ほどの66万3,620円につきましては、全て愛媛県内に在住の方で、この方々についても国内在住の方と同じように督促を続けている状況でございます。
そして、未収金につきまして、御本人が旅行保険に入られているかどうかというのは、私どもでは把握しておりませんけれども、収納方法といたしましては、クレジットカードによる収納を導入しておりますので、クレジットカードを持っておられる方については、そういった形でお支払いしていただいているものと考えております。
○(
毛利修三委員長) ほかにございませんか。
○(
兵頭竜委員) 6ページの自転車安全利用促進事業について、高齢者へのヘルメット対策の部分で、先ほど説明があったように、さまざまな事業を展開されて意識醸成も図っていただいて、そういった部分で大きく寄与していただいていると感じております。事業の成果を見てもヘルメット着用率は6割と、高い水準を維持している中で、負傷者のヘルメット着用者は、高齢者だけでいうと平成28年が3.5%、平成29年が3.7%なんですけれども、高齢者全体のヘルメット着用率はどのくらいなのか教えてください。
○(
消防防災安全課長) 高齢者のヘルメット着用率の推移に関してでございます。
これにつきましては、警察本部の方で毎月10日の朝の時間帯に、利用者の多い県内17カ所で目視で確認をしておりまして、平成30年度からは3カ月に1回、4月、7月、10月に統計をとっております。高齢者の着用率は4月が24.3%、7月が10.6%、10月が14.7%でございまして、高齢者、成人、高校生、中学生、これらを合わせた全体では、4月、7月、10月で申し上げますと、70.8%、68.6%、70.2%とおおむね70%前後で推移しているところでございます。
○(
兵頭竜委員) 今の中で、高齢者の着用率が24%、10%、14%と出ていますが、このばらつきの特性というか、そういうのがわかっていましたら教えてください。
○(
消防防災安全課長) 数値のばらつきにつきましては、詳細な分析の情報はございませんが、4月につきましては、年度当初ということもございまして、学生の率も上がりますし、全体的な機運の盛り上げということで、毎年4月の数値は若干高くなっております。その後の月につきましては、10%を超える数値で推移をしているところでございまして、特に高齢者のばらつきにつきましては、明確にお答えすることはできません。
○(
兵頭竜委員) ヘルメットの着用率を上げるということは大きなテーマだと思うし、それが少しずつでも成果が上がっているんだろうというふうに思いますので、今後に期待もしますし、またより一層の展開を要望して終わります。
○(
毛利修三委員長) 要望でございます。
ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○(
毛利修三委員長) 質疑もないようでございますので、対応状況の報告に対する質疑を終わります。
以上で本日の審査を終了いたしました。
次に、来年度の
決算特別委員会で対応状況の報告を求める項目の選定についてであります。
10月31日の各
常任委員会における
部局別決算調査において項目の候補を決定し本委員会に提出、11月22日の本委員会において各
常任委員会から提出のあった候補をもとに項目を決定する。以上のとおりとすることで御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○(
毛利修三委員長) 御異議ないものと認め、そのとおりに決定いたします。
それでは、議長に対して、各
常任委員会に決算の部局別調査を行い、来年度の
決算特別委員会で対応状況の報告を求める項目の候補を決定するよう依頼することで御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○(
毛利修三委員長) 御異議ないものと認め、そのとおりに決定いたします。
次に、次回の
決算特別委員会についてであります。
11月22日木曜日午前10時に開会し、各
常任委員長報告について審査を行った後、採決を行います。
本日は、これをもって閉会いたします。
午後1時47分 閉会...