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平成30年第359回定例会(第4号 9月25日)

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  1. 愛媛県議会 2018-09-25
    平成30年第359回定例会(第4号 9月25日)


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    平成30年第359回定例会(第4号 9月25日) 第359回愛媛県議会定例会会議録  第4号 平成30年9月25日(火曜日)   〇出席議員 44名   1番  武 井 多佳子   2番  田 中 克 彦   3番  松 井 宏 治   4番  塩 出   崇   5番  高 橋 英 行   6番  松 下 行 吉   7番  川 本 健 太   8番  帽 子 大 輔   9番  大 石   豪   10番  宇 高 英 治   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  菊 池 伸 英   14番  福 田   剛   15番  中   政 勝   16番  逢 坂 節 子
      17番  古 川 拓 哉   18番  兵 頭   竜   19番  大 西   誠   20番  松 尾 和 久   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  木 村   誉   24番  石 川   稔   25番  梶 谷 大 治   26番  西 田 洋 一   27番  中 田   廣   28番  大 西   渡   29番  福 羅 浩 一   30番  三 宅 浩 正   31番  欠     番   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  笹 岡 博 之   37番  黒 川 洋 介   38番  毛 利 修 三   39番  徳 永 繁 樹   40番  高 山 康 人   41番  渡 部   浩   42番  戒 能 潤之介   43番  鈴 木 俊 広   44番  欠     番   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   48番  赤 松 泰 伸   49番  本 宮   勇   50番  欠     番   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 3名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         神 野 一 仁  副知事         原   昌 史  公営企業管理者     兵 頭 昭 洋  総務部長        菅   豊 正  企画振興部長      西 本 牧 史  スポーツ・文化部長   土 居 忠 博  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      金 子 浩 一  保健福祉部長      山 口 真 司  営業本部長       八十島 一 幸  経済労働部長      田 中 英 樹  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        杉 本   寧  会計管理者出納局長   岸 本 憲 彦  教育長         三 好 伊佐夫  副教育長        武 智 俊 和  人事委員会委員     大 内 由 美  公安委員会委員     曽我部 謙 一  警察本部長       松 下   整  監査委員        永 井 一 平  監査事務局長      山 本 亜紀子   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        内 田 万 美  事務局次長       山 田 裕 章  参事総務課長      北 川 謙 二  参事議事調査課長    松 本 賢 固  参事政務調査室長    西 田 洋 一  議事調査課主幹     井 原 重 喜   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第100号議案ないし定第126号議案      午前10時 開議 ○(鈴木俊広議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者に福羅浩一議員、梶谷大治議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) これから、定第100号議案平成30年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第126号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(本宮勇議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 本宮勇議員   〔本宮勇議員登壇〕 ○(本宮勇議員) (拍手)皆さん、おはようございます。  今議会一般質問トップバッターで質問をさせていただきます本宮勇です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  質問に先立ちまして、今回の7月豪雨災害によりましてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。  また、今回の災害におきましては、本県がこれまで経験したことのない未曽有の被害が発生いたしました。その復旧・復興に向けまして、全国各地から多くのボランティアの方々による支援をいただくとともに、多くの皆様から義援金を頂戴したほか、国の各省庁には専門的な見地からさまざまな支援を、他県自治体からは職員派遣等の支援をいただいており、県民の一人としても心から感謝を申し上げる次第であります。  理事者におかれましては、これまで豪雨災害からの一日も早い復旧・復興を目指して、スピード感を持って各種施策を展開していただいているところでありますが、今後とも中村知事を先頭に、引き続き万全を尽くしていただきますようお願いを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、本県農業の担い手対策についてお伺いをいたします。  我が国の農業総産出額は2年連続で増加をし、平成28年は16年ぶりに9兆円台を回復するとともに、農家1戸当たりの農業所得も直近5年間で最高を記録しております。  本県の農業算出額につきましても、近年は柑橘類の価格が好調に推移していることなどから増加に転じ、平成28年には1,341億円と、平成20年以来8年ぶりに1,300億円台に回復し、このことだけを見れば農業の将来展望にも明るい兆しが見受けられるのであります。しかし、本県において農業を業としている基幹的農業従事者は、平成27年の農林業センサスでは約3万5,000人と、この20年ほどで約4割も減少するとともに、65歳以上の割合が69.5%と急速に高齢化も進んでおり、農業を取り巻く環境は大変厳しい状況であると思うのであります。  加えまして、今回の豪雨災害により、宇和島市吉田町を初め、松山市や私の地元今治市の島嶼部におきまして、柑橘園地の崩落など甚大な被害が発生をしており、被災された方々の営農継続への影響が懸念される事態ともなっております。  このまま担い手が減少の一途をたどり、各地で耕作放棄地が増加することになれば、豊かな農村景観を損なうだけではなく、野生鳥獣による農作物被害の拡大による生産量の減少など、地域の活力を低下させる要因となり、すぐれた愛媛の農業や産地を近い将来脅かすことになるのではないかと大変危惧をいたしておりまして、早急に何らかの対策を講じる必要があると思っております。  こうした中、県では、昨年度から地域農業の屋台骨であるJAを対象にした新たな担い手確保の取り組みをスタートするとともに、今年度からは認定農業者への支援の強化や、地域ぐるみでの集落営農の推進に向けた相談、指導体制の充実など、多様な戦略を精力的に展開していると伺っております。これらの取り組みはまことに時宜を得たものであると思っておりまして、その成果に期待をいたしております。  そこで、お伺いをいたします。
     県では、本県農業の維持、発展に向け、意欲ある担い手の確保・育成や集落営農の推進について、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、ため池の防災・減災対策についてお伺いをいたします。  今回の豪雨では、県内各地において樹園地や農道、農業用水路に加え、ため池でも数多くの被害が発生をいたしました。県内にある3,200カ所余りのため池のうち、187カ所で被害があったと聞いております。  私の地元今治市においては、大三島のため池が県内で唯一決壊したほか、40カ所を超えるため池で洪水吐きや堤体の損傷、上流からの土砂や流木による埋没などの被害があり、幸い人的被害はなかったものの、農地への土砂の流入や用水不足により農作物等に多大な被害が発生をしており、関係農家の皆さんに大きな打撃を与えております。  言うまでもなく、ため池は農業に欠かせない水を確保する目的でつくられたものであり、農家の方々が長年にわたって大切に守ってきた貴重な水源であるとともに、洪水の緩和や土砂の流出防止、地下水の涵養などの機能を有するほか、周辺農地や里山と一体となって、多様な動植物が生息、生育する場となるなど、地域にとってなくてはならない大切な財産にもなっております。  しかしながら、ため池は江戸時代以前に築造されたものも多く、農村地域の都市化、混住化が進んでいることにより人家が増加する中で、ため池の老朽化による損壊の危険性が高まれば、下流域の被害拡大が懸念されるところであり、現に今回の豪雨により、全国では広島県を中心として、32カ所のため池が決壊し、とうとい命が失われるともに、下流域では人家や道路が損壊するなど甚大な被害をもたらしております。  近年は、豪雨や大規模地震等が頻発しており、今回のような災害がいつ発生してもおかしくない状況の中で、貴重な農業用水源となっている本県のため池の安全性を確保するためには、管理者による日常点検や応急措置などの適正な管理に加え、適時適切な補修、補強、更新が必要となりますが、このまま農家の減少や高齢化が進めば、管理が十分に行き届かなくなるほか、改修工事にかかる地元負担もネックとなり、必要な措置が講じられなくなるおそれがあるのではないかと考えておりまして、行政がしっかりと支援をしていただきたいと強く願ってもおります。  そこで、お伺いをいたします。  今回のような豪雨災害に備え、ため池の防災・減災対策を積極的に進める必要があると考えておりますが、県としては、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、再生可能エネルギーに関する課題についてお伺いをいたします。  本年7月に閣議決定をされた国の第5次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの位置づけは、現時点では安定供給面、コスト面でさまざまな課題が存在するものの、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、長期的な環境負荷低減を見据えつつ活用していく重要な低炭素の国産エネルギー源であるとされております。  今回の計画改定では、再生可能エネルギーの比率について、2030年の電源構成において、22%から24%程度を目指すとした従来の目標が据え置かれてはいるものの、再生可能エネルギーの確実な主力電源化に向けて、引き続き導入を積極的に推進するとの方針が示されたところであります。  本県においても、これまで家庭用の太陽光発電システムや蓄電池の設置に対する助成、企業等による発電事業の可能性調査に対する支援など、再生可能エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでこられたところであります。ことしのゴールデンウイークには、四国エリアや九州エリアで電力需要の少ない時間帯に太陽光発電の割合が80%に達する日もあったと聞き及んでおり、急速に普及が進んでいることを実感した次第であります。  その一方で、今回の西日本豪雨の影響により、山陽新幹線の線路近くに設置をされていた太陽光パネルが崩れ落ち、新幹線が一時運行を見合わせる事態が発生いたしましたが、こうした土砂災害の懸念や環境破壊等への危惧などから、発電設備の設置をめぐる地域住民とのトラブルが全国で相次いでおり、今後、さらなる普及拡大に向けては、地域との共生に十分配慮をした適切な事業実施を担保する仕組みが必要だと思うのであります。  また、先般の台風20号では、兵庫県淡路市において、風力発電施設の高さ約60mの風車が倒壊するという事故が発生いたしました。詳細については調査中とのことでありますが、今後、再生可能エネルギー固定価格買取制度、いわゆるFIT制度による買い取り期間終了後に老朽化した発電設備が放置されたままになる可能性も危惧されており、設置後の適正なメンテナンスや廃棄処理も含めた安全対策の徹底が求められております。  再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国にとって、エネルギー自給率の向上に寄与する重要なエネルギー源であり、地球温暖化対策の観点からも、温室効果ガスを排出しない低炭素エネルギーとして引き続き積極的に導入を進める必要がありますが、同時に地域との共生や住民の安全・安心に十分配慮をした開発や運営が行われる環境をどう整えるかが重要な課題であると考えるのであります。  そこで、お伺いをいたします。  県では、再生可能エネルギーの導入促進に向けて、地域との共生や住民の安全・安心確保にどう取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  次に、障がい者の雇用についてお伺いをいたします。  御案内のとおり、障害者雇用促進法では、障がい者の雇用の確保や安定を図ることを目的として、国や地方公共団体、民間企業に対し、一定割合以上の障がい者を雇用するよう義務づけられております。この法定雇用率の達成状況については、民間企業が約半数にとどまる一方、国や地方公共団体は、これまで本県も含めて大多数が達成している旨、公表がなされてきたところであります。  しかしながら、先般、中央省庁において雇用率の算定方法の疑義を受け、昨年度の公表結果の再点検を行ったところ、新たに26機関が法定雇用率を満たしていないことが判明し、これを満たすためには全体として3,396人の障がい者雇用が必要であることが公表されました。実雇用率も2.49%から半減し、実際には1.19%であったということが明らかになったわけであります。  また、時期を同じくして、全国の地方公共団体でも不適切な算定が行われていたことが明らかになっており、本県においても知事部局、公営企業管理局、教育委員会で国と同様、不適切な算定が判明し、法定雇用率が守られていなかったことが公表されたところであります。  制度上、未達成の民間企業には、不足人数1人当たり月5万円の納付金の徴収や企業名の公表などのペナルティーが科せられる中で、障がい者の雇用や活躍の場の拡大を率先して進め、民間企業の手本となるべき国や地方公共団体でこのような状況が長年にわたって続いていたということは、まことに残念であります。関係者には反省をしていただくとともに、この事態の改善に努めていただきたいと思うのであります。  そこで、お伺いをいたします。  今回の障がい者雇用に係る対応は、障がい者はもとより県民の信頼を損なう状況となっておりますが、障がい者雇用率の算定誤りについて、県における現在の対応状況はどうか。また、法定雇用率の達成に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、ことし3月末の就航から半年が経過をいたしました松山-札幌線の利用状況等についてお伺いをいたします。  路線開設が発表されて間もないころであったと記憶をいたしておりますけれども、地元紙に心温まるエピソードが掲載されておりました。記事によりますと、松山市にお住まいの女性には、戦中戦後のつらい時期をともに過ごされた姉妹同然のいとこが札幌にいらっしゃるのですが、松山から札幌に移動するには羽田空港を乗り継ぐ必要があり、その際の歩く距離や待ち時間が高齢の身には負担となるため、会いに行くのを諦めていたそうであります。そのような中で、松山-札幌線が開設をされ、札幌に会いに行くことができるようになり、心の中に希望がふえたということでありました。  また、その記事に感動をされ、心を動かされた航空会社の支店長の御厚意により、航空会社から往復航空券がプレゼントをされ、この女性は松山発の第1便を利用していとことの再会を果たされたと後日、報道もございました。  このように乗り継ぎ便を利用する際にかかる労力や時間を省くことができる直行便の持つ魅力、地域と地域を直接結びつける大きな力を再認識した次第でもあります。  さて、御案内のとおり、県内で開催をされる北海道の観光物産展では、常に全国トップクラスの集客数となっておりますように、県民の北海道への関心はとても高いと思われます。このことは、県が松山空港を利用される方々を対象に実施をしたアンケート調査におきまして、札幌線が他の路線を大きく引き離して就航希望トップとなったということにもあらわれており、北海道への就航は特に期待される路線でありました。私自身も、雄大な自然や豊かな食など多くの魅力のある北の大地北海道には憧れもあり、北海道への直行便の就航を念願していたところであります。  県を初め関係者の方々の御努力により、待望の札幌線がことし3月25日に就航することとなり、1月の就航発表後からは新聞などにも大きく取り上げられ、県民の皆様方の喜びの声を多く聞くことができました。第1便は満席となるなど順調にスタートをし、その後も多くの方々に御利用いただいていると伺っております。引き続き多くの方々に年間を通じて御利用いただき、札幌線が定着することを心から願ってもおります。  その一方で、過去、松山-札幌線は、平成3年から23年までの約20年間就航をいたしておりましたが、観光需要が中心であり、冬場の利用が低迷したことなどから、惜しまれつつ運休となった苦い経験もあります。今後、利用者の減少が懸念される冬場に向けまして、くれぐれも同じ轍を踏まないよう知恵を絞りながら、より一層の利用促進に取り組み、札幌線をしっかりと支えていく必要があると考えております。  そこで、お伺いをいたします。  就航して半年を経過した松山-札幌線について、これまでの利用状況はどうか。また、冬場に向けた利用促進に、県としてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、移住施策の推進についてお伺いをいたします。  県の発表によりますと、昨年度の県外からの移住者数は前年度の約2倍、過去最多の1,085人となり、とりわけ私の地元である今治市への移住者数は、県内の市町の中で最も多い346人でありました。御案内のとおり、今治市は、しまなみ海道を初めとする美しい自然や瀬戸内海でとれる豊かな海の幸、温暖な気候など、愛媛の特長を凝縮したようなすばらしい地域でありまして、県外の移住希望者にもこうした魅力を高く評価していただいているのではないかと思いますが、見知らぬ土地への移住を決断する上では、地域おこし協力隊に代表されるような、地域で主役となって活躍する先輩移住者の存在も大きいと思うのであります。  地域おこし協力隊は、本年4月現在で県内19市町において導入をされており、82名の方がこの制度を活用して都市部から移住をし、協力隊員として移住促進や産業振興などさまざまな活動に従事をされております。中でも今治市では、県内でも最も多い12名の方が活動をされているほか、これまでに任期を終えられた27名のうち、実に21名の方が引き続き地域に定住をし、農業に従事をしたり、カフェやゲストハウスを経営したりするなどして、日々充実した生活を送られております。  しまなみ海道沿線の大三島地域において、この3月に地域おこし協力隊を卒業され、定住をされた方の中には、農作物に甚大な被害をもたらし、その対策が地域の大きな課題となっているイノシシの骨や肉を素材として活用したシシ骨ラーメン店を開業された方や、あんパンやメロンパンといった定番のパンのほか、大三島産の温州ミカンから酵母を起こしてつくった発酵種のパンを提供する、地域ならではのパン屋を開業された方がおられまして、いずれも地元で人気を博しております。また、先日の豪雨災害の際には、知人に呼びかけ、避難所において炊き出しを提供されたとの話も伺っておりまして、その活躍を大変頼もしく感じているところでもあります。  このように地域の魅力発信の一翼を担いながら、自分らしく生き生きと暮らしている先輩移住者の姿こそ、都市生活に疲弊をして地方への移住を希望している方々が理想とするようなライフスタイルなのではないかと思うのであります。県におかれましては、こうした先輩移住者の力もかりつつ、新たな視点でさらなる移住者の誘致を進めていただきたいと願っております。  そこで、お伺いをいたします。  本県への移住者が年々増加する中、さらなる移住・定住の促進に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  最後に、サイクリングしまなみ2018についてお伺いをいたします。  いよいよ来月28日には、しまなみ海道及びその周辺地域を舞台に国際サイクリング大会サイクリングしまなみ2018が開催をされます。前回大会から2年、大規模大会としては4年がたちますが、供用中の高速道路を規制して行う国内唯一の大会でもあり、サイクリストが高速道路を埋め尽くす姿はまさに圧巻で、この大会を契機にしまなみ海道サイクリストの聖地として不動の地位を得たことを実感いたしております。  今大会は大規模大会であり、参加定員は前回の倍増となる7,000名で、コースも本格的なサイクリストからファミリー層まで誰もが楽しめるように7コースが用意をされ、尾道市向島をスタートして今治市にゴールをする広島発の片道コースが新たに設定もされております。  今や、国内だけではなく、世界中に知られているサイクリングしまなみはエントリーするにも一苦労であり、大会オリジナルジャージや地元特産品等の特典がついた先着順のプレミアムエントリーでは、最も人気の高い140キロコースが募集開始から4分で定員に達したと聞いておりまして、しまなみ海道の魅力と本大会への期待感のあらわれであると思うのであります。  このサイクリングしまなみをきっかけとして、本県が全国に先陣を切って進めてきたサイクリング施策ですが、国においても、自転車の活用に関し総合的かつ計画的な推進を図るため、自転車活用推進計画を6月に閣議決定をしたところであり、その計画の中では、新たな観光資源として注目度が高まっているサイクルツーリズムの推進による観光立国の実現が目標の一つに掲げられております。  また、先月発表された2020年東京オリンピック自転車ロードレースのコースは、東京武蔵野の森公園をスタートし、神奈川県を経て、山梨県及び静岡県内の富士山麓を走り抜けるという大変雄大なものであり、世界中の人々に日本のサイクリングコースのすばらしさを印象づけるに違いないと思うのであります。  今後も、ますます全国各地でサイクリングを活用した観光客誘致の取り組みが進んでいくと思いますが、その中でもしまなみ海道における多島美の中に雄大な橋がかかるその景観は、世界に類を見ないオンリーワンの魅力を有するものと確信をいたしております。  サイクリングしまなみは、本県のサイクリング観光を全世界に発信する絶好の機会でもあり、大会の開催を通じて、国内はもとより、海外から多くのサイクリストを呼び込み、地域経済の活性化に結びつけてほしいと願うものであります。  そこで、お伺いをいたします。  開催が来月に迫るサイクリングしまなみ2018の準備状況はどうか。また、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 本宮議員に、まず、私の方から松山-札幌線についての御質問にお答えをさせていただきます。  約6年半ぶりに復活しました松山-札幌線は、就航前から航空会社等と連携しまして、県内での路線開設の周知や北海道での観光PRを積極的に展開したこともあり、3月末の就航から8月末までの搭乗率は、目標とした75%を上回り、84.6%と好調に推移しているところでございます。  しかし、こうした中、相次ぐ自然災害により、愛媛、北海道とも観光客が落ち込んでおりますが、松山-札幌線を定着させるためには観光分野での相互交流の拡大が鍵であり、特に御指摘のように、冬場は北海道でのスキーや、また、本県でのゴルフなど、両地域の気候の違いを生かした魅力的な観光資源を積極的にPRし、利用促進を図ることが重要ではないかと考えます。  このため8月末に伊予観光大使のみかんさんと北海道庁等で観光プロモーションを実施し、温暖な気候や柑橘を初めとする豊かな食など愛媛の魅力をアピールするとともに、旅行会社へトップセールスを行ってきたところでございます。  また、年末から2月にかけましては、県内の需要喚起を図るため、北海道観光振興機構と共同して、県内のテレビやラジオで冬の北海道の魅力をPRする番組を放送することとしています。  今後とも四国で唯一の直行便の優位性を生かしつつ、愛媛DMOなど関係機関と緊密に連携しながら、両地域の観光地としての魅力をPRして、県民の利用拡大や北海道からの持続的な観光客誘致につなげるとともに、全国に誇る本県ブランド産品の販路拡大など経済交流も深めながら、一層の利用促進に取り組んでいきたいと思います。  次に、サイクリングしまなみ2018の準備状況についての御質問でございますが、サイクリングしまなみは、回を重ねるごとに知名度が向上し、今大会も総応募者数が1万人を上回りまして、人気コースは抽せん倍率が3倍を超えるなど、多くのサイクリストが憧れる日本屈指の大会に育ってきており、現在、安全でおもてなしあふれる大会運営と海外誘客の強化に重点を置いて準備を進めています。  大会運営では、最大の課題であります高速道路本線での安全対策等の調整がおおむね終了したほか、地元市町によりエイドステーションにおけるボランティアの確保や地元食材を生かしたメニューづくりなどの準備が進んでいるところでございます。さらに、大会前日の受付会場及び当日のフィニッシュ会場で開催されるサイクリングイベントでは、両県の観光や地元特産品等のPRにも取り組んでいきたいと考えています。  また、海外誘客の強化では、26の国と地域から、4年前の大会を大幅に上回る約770人にエントリーをいただいたほか、今回初めての取り組みとして、大会前日にしまなみサイクリングサミットを開催し、著名なサイクリング大会を主催する国内外の28団体が一堂に会し、サイクリングの新たな魅力の創造に向けたしまなみ宣言を採択することとしており、サイクリングをテーマとした世界規模の交流が愛媛から世界に向けて発信されていくことに大きな期待を寄せているところでございます。  7月の豪雨災害により大会コースにも被害が発生しましたが、現在は通行可能となりました。今後も関係機関等と連携を密にしながら、大会を成功に導くとともに、本県のサイクリングの魅力を強力に発信することにより、観光振興や地域活性化につなげていきたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(菅豊正総務部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 菅総務部長   〔菅豊正総務部長登壇〕 ○(菅豊正総務部長) 障がい者雇用率に関する御質問にお答えをいたします。  このたびの障がい者雇用率の不適切な算定によりまして、障がい者の皆様を初め、県民の信頼を大きく損なうこととなりましたことを大変申しわけなく、改めて深くおわびを申し上げます。  県では、既に厚生労働省のガイドラインに基づいた適正な方法によりまして、全職員を対象に、プライバシーに配慮しながら、障害者手帳の保有状況を確認するなど、慎重に再点検を実施しているところであり、今月中には結果を取りまとめ、平成29年度及び30年度の障がい者雇用状況の報告数値を修正し、厚生労働省に提出することといたしております。  障がい者雇用につきましては、これまで平成17年度から臨時職員、平成25年度から正規職員の採用試験に身体障がい者採用枠を設け、過去5年間では毎年5人程度の採用実績を上げてまいりましたが、再点検により法定雇用率を下回ることが見込まれますことから、障がいのある方々のさらなる雇用拡大に向けた検討に着手しており、今後は国や他自治体の取り組み等も参考に、障がい者が勤務しやすい職場環境の整備に取り組みますとともに、業務の洗い出しや雇用形態の多様化などを進め、障がい者の活躍の場を拡大することにより、できるだけ早期に法定雇用率を充足できるよう努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 移住・定住促進の取り組みに関する御質問にお答えをいたします。  本県では、県外からの移住促進に向けて、平成27年度から積極的な情報発信や切れ目のない相談体制などの取り組みを強化してきた結果、昨年度の移住者数は初めて1,000人を超えるとともに、地方への移住を支援するふるさと回帰支援センターの移住希望地域ランキングでも過去最高の全国11位となるなど、確かな手応えを感じているところでございます。  全国各地で移住者の誘致が活発化する中、本県への新たな人の流れを加速させるためには、本県独自の訴求力の高い移住施策の推進が重要なことから、6月に東京で開催したあのこの愛媛移住フェアでは、求人募集中の地元企業も参加して、移住後の仕事の相談に応じるとともに、先輩移住者や地域おこし協力隊が経験談を紹介したほか、今月から新たに女性の移住希望者をターゲットに絞り、愛顔のひめターンプロモーションを開始しておりまして、首都圏のFMラジオ局の番組内で移住体験者を公募して生の声を伝えるなど、実体験を踏まえた愛媛暮らしの魅力を発信したいと考えております。  今後とも、本県が移住先として一人でも多くの方々に選ばれるよう、市町や移住コンシェルジュに加えまして、先輩移住者や地域おこし協力隊とも緊密に連携しながら、オール愛媛の体制で重層的かつ戦略的な移住・定住施策を展開してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(金子浩一県民環境部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 金子県民環境部長   〔金子浩一県民環境部長登壇〕 ○(金子浩一県民環境部長) 再生可能エネルギーの導入に関する御質問にお答えさせていただきます。  再生可能エネルギーは、温室効果ガスの削減等の観点から、積極的な導入が求められる一方で、FIT制度の開始による太陽光や風力発電等の急速な普及を背景に、全国的に環境面や防災面での懸念が顕在化しており、今後の導入に当たっては、住民の理解や環境との調和に十分に配慮しながら進めていく必要があると考えております。  これまで県では、発電施設の設置に際し、森林法や農地法の許可手続等を通じて、事業者に対する環境保全や災害防止面での指導を行っているところでありますが、昨年4月のFIT法の改正により、国が施設の保守管理や廃棄など計画全体を審査し、既設の施設を含めて安全管理等に問題がある場合、改善命令や認定取り消しを行う仕組みが導入されましたことから、悪質な事例については、県としても市町と連携し、積極的に国に情報提供を行い、改善につなげたいと考えております。  また、全国知事会を通じて、一定規模以上の発電設備を設置する事業者に対する地域住民への事前説明の義務づけや、事業計画への地元自治体の意見の反映などを国に要望した結果、本年8月に環境影響評価制度の拡充に向けた有識者の検討が開始されたところであり、今後とも国に対し、地域社会との共生に向けた実効性のある対策が早期に講じられるよう働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 農業関係について2点お尋ねのうち、まず担い手の確保・育成などへの取り組みについてお答えをいたします。  本県の農業算出額は、平成26年度を底として上昇基調に転換いたしましたものの、人口減少や高齢化の進展等に伴う担い手の減少に歯どめがかかっておらず、荒廃農地の増加も懸念される状況の中で、営農活動を担う人や組織の確保・育成は、愛媛農業の将来を左右する最重要課題と認識いたしております。  このため、県では、新たな担い手の確保、認定農業者の経営発展、集落営農組織の育成の3つを担い手対策の柱に据えまして、昨年度から新規就農者の確保や育成活動に前向きに取り組むJAなどを強力に支援することで、この2年間に47名の研修生を育成しておりますほか、今年度新たに、認定農業者が規模拡大に必要な機械、施設を導入する際、拡大面積に応じて補助率を優遇する支援制度の創設や、農業経営サポートセンターの設置による集落営農の組織化・法人化の促進など、意欲や成果を重視した攻めの支援策を積極的に展開しているところでございます。  さらに、全農えひめとの人事交流により、担い手サポートセンターに県職員を配置し、JAグループと一体となった推進体制も構築したことで、地域JAの研修体制強化や首都圏での就農相談会の開催など新たな施策にも着手をしており、愛媛農業の魅力向上と情報発信を図りながら、関係者一丸となった担い手対策を進めてまいりたいと考えております。  次に、ため池の防災・減災対策についてお答えをいたします。
     今回の豪雨では、被災ため池の約3分の1に当たる68カ所で堤体や洪水吐き、取水施設等が損傷するなどの被害が発生いたしましたほか、被災後に2,779カ所を対象に実施した緊急点検の結果、被災ため池以外にも67カ所で堤体等の応急措置が必要とされ、ブルーシートの敷設や低水位管理等による監視強化が求められるなど、これまでにない大きな被害規模となり、取水困難となった下流域では営農活動に支障が出るなど、地域農業も打撃をこうむったところでございます。  ため池の老朽化対策は、これまであらゆる被災リスクを一挙に解消できる全面改修を基本に取り組んできており、長い工期と多額の事業費を要しておりますが、今回の被災が洪水吐きや堤体の部分崩壊などの局所的なものが多かった状況を鑑みれば、部分的な補修、補強でも決壊リスクの低減など一定の防災効果が期待できると考えられますことから、今後は、全面改修に限らない柔軟で効率的な対策をスピード感を持って講じていく必要があるとの認識を強くしているところでございます。  このため、県では、地域の実情に応じ、部分改修や補強策など幅広い視点からの対策を検討し提案することで合理的な改修整備を進めていきたいと考えており、ハザードマップの作成、周知への支援など、ソフト対策とあわせまして、総合的な防災・減災対策を迅速に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 暫時休憩いたします。      午前10時46分 休憩   ―――――――――――――――――      午前11時 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(大石豪議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 大石豪議員   〔大石豪議員登壇〕 ○(大石豪議員) (拍手)おはようございます。  自由民主党の大石豪です。  質問に先立ちまして、今回の豪雨では宇和島市や愛南町において、本県では初めてとなる大雨特別警報が発令され、7月の平年を大幅に超える降雨により県内各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生し、災害関連死を含め29名ものとうとい命が失われるという甚大な被害を本県にもたらしました。また、痛ましいことに、さきの北海道地震においては41名もの犠牲者が出てしまうなど、近年の異常気象に割り切れない思いを抱いております。改めましてお亡くなりになられた方やその御遺族に哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われ今なお苦しんでおられる方、避難所等で不便な生活を余儀なくされている皆様に対して、心からお見舞い申し上げます。  今議会の質問は、私を含め質問者の皆さんが、災害に対する思いをぶつけられていることと存じますので、重複する点も多くあろうかと思いますが御容赦いただき、適切な御答弁をいただけますようお願い申し上げ、質問に移らせていただきます。  まず、今回の豪雨災害への対応の検証等についてお伺いいたします。  県は、発災直後から、被災者の生活支援策や社会基盤等の復旧対策として矢継ぎ早な対策を実施し、被災者の不安や心配の解消に取り組まれており、関係する皆様の取り組みには敬意を表するところです。  仮設住宅の建設では、市町と連携した建設場所の事前調整や地元建設業者の協力など、本県の強みでもあるオール愛媛の取り組みにより、発災からわずか2カ月弱で入居開始につなげており、被災者の生活再建の後押しになっていると感じております。今後、復旧から復興へと歩みを進めていくこととなりますが、引き続き市町を人的、財政的に支援するとともに、調整役としての県の役割に大いに期待するところです。  被災地には、発災直後から善意の支援物資が届けられ、被災地の復興に向けて、ボランティアに全国各地からお越しいただいておりますし、各市町の社会福祉協議会ではボランティアセンターを設置、被災者のニーズに応じたきめ細やかな対応をされておられます。  本県の基幹産業であり、今回の豪雨で大きな被害を受けた吉田町のミカン農園でも、ボランティアの皆さんの協力により園地の復旧支援が行われ、全国の自治体からも応援の職員が駆けつけてくださり、県や市町の現場において、公共施設の復旧や罹災証明書の交付業務などを支援いただいております。  また、民間企業においても、大規模災害時の協定等に基づき、支援物資の搬送や避難所等の移動支援、被災地の土砂撤去支援、避難者への物資の提供、避難所等に整備された公衆無線LANの無料開放などが行われました。被災者の多くがスマホを通して情報収集や連絡を行う現代において、公衆無線LANの無料開放は、東日本大震災からの教訓を生かした先見性のある取り組みであり、これは今回の豪雨災害でも必要性が実証されたと言えるでしょう。  一方で、今回の災害でさまざまな課題が浮き彫りになりました。罹災証明の手続では、申請件数に対して市町の職員が足りず、災害発生後初期の段階では交付までに何日も待たされ、前を向こうと懸命に頑張っている被災者の妨げになりかねないといったものや、公衆無線LANの無料開放までには避難所開設から数日間要したところも残念ながらあったとお聞きしております。また、時間の経過とともに、ボランティアセンターと被災者のニーズのずれや支援物資の偏りといった避難者の不満などがあり、それらの橋渡し役となる人材も不足していると感じたところです。  御承知のとおり、本県では近い将来、南海トラフ地震が発生すると予測されており、だからこそ今回の災害の教訓を生かすための取り組みを行ってほしいと強く思うのです。  そこで、お伺いします。  被災者の生活再建のために必要な罹災証明の迅速な交付や速やかな情報収集のための環境整備など、今回の豪雨災害での対応を検証し、今後の防災対策に生かしていくべきと考えますが、県の見解をお聞かせください。  次に、公共施設の豪雨対策等についてお伺いいたします。  県では、昨年の九州北部豪雨災害や平成26年の広島豪雨災害などを教訓として、災害に強い愛媛づくりを進めてこられておられます。今議会にも、県の単独事業として、緊急防災・減災事業を盛り込む予算案を提案されていることは、県民の一人としてまことに心強い限りであり、引き続き県民の安心・安全に万全を期してほしいと思っております。  今回の豪雨による県が管理する公共土木施設への被害は、先月28日時点で1,287カ所、260億円となっております。これは平成以降で最大であった16年度の166億円を大幅に超えるものでもあり、主なものでは、河川施設が812カ所144億円、砂防施設が207カ所35億円、道路施設が249カ所76億円の被害です。公共施設のほかにも、肱川が氾濫した大洲市で2,500戸を超える家屋の浸水被害が発生するなど、その被害は甚大なものとなりました。  県では、これまで水害対策として河川堤防や護岸の改修を行い、越水が発生した場合でも堤防が決壊するまでの時間を少しでも引き延ばす対策工事を実施してこられました。  また、国の要請に基づき、全国的な動きとして、本県でも住民の避難手順などを定めたタイムラインの策定を進めてこられましたが、今回の災害では、肱川や岡山県の小田川などで想定を超えて水位が上昇し氾濫するなど、タイムラインが機能しない事例もありました。  また、土砂災害では、戦後最多となる17名もの命が犠牲に。宇和島市吉田町では急傾斜地だけでなく、比較的傾斜の緩い箇所でも斜面崩壊が発生したと聞いており、被災地の現状を見聞きするたびに、人的被害に直結し、いつどこで起こるかわからない土砂災害の怖さをまざまざと感じさせられた次第であります。  県は、土砂災害対策としても、その被害を軽減する砂防堰堤を整備するとともに、土砂災害の被害が及ぶ地域を指定し市町のハザードマップ作成を支援するなど、ハード・ソフト両面からの対策に取り組んでこられました。一方で、整備から時間の経過した砂防堰堤には土砂が堆積するなど、いざという災害の際に本来の施設の機能が十分に発揮できない公共土木施設が数多くあるのではないかとも感じるのです。  お聞きしますと、鹿森ダムでは昨年度の時点で、堆砂量が58万立米と、総貯水容量159万立米に対して36.5%にも上っているとのことです。県では、限りある財源を有効活用するため、優先順位をつけながら各種防災対策に取り組まれているということは十分理解できることではありますが、今回の災害を受け、今後の豪雨の備えとして、公共土木施設の適正な管理に最優先で取り組んでほしいと願うのです。  そこで、お伺いします。  今後の豪雨に備え、県が管理するダム、河川施設、砂防堰堤の適正な維持管理にどのように取り組んでおられるのか、お聞かせください。  また、ため池に関しても、今治市大三島で1カ所が決壊したほか、187カ所が被害を受けました。その中でも気にかかるのが、決壊した場合、下流域への被害が大きい県内に355カ所ある防災重点ため池であり、今回、そのうちの9カ所が豪雨で被害を受けたのです。  国によると、全国にはため池が約20万カ所あり、その約7割が江戸時代以前につくられたものとされ、老朽化により決壊のリスクが高まっております。平成19年から28年までのため池被害は8,776件であり、そのうち約7割が豪雨によるもので、残りの3割が地震によるものとされております。自治体は、日ごろからため池管理者と連携し、適正な点検と管理により異常を確認した場合は直ちに対策をとることができる体制を整えるとともに、計画的な改修を進めることが重要としております。  これまで国は、防災重点ため池のハザードマップ作成を自治体に指導してきましたが、ため池を多く抱える自治体の中には、十分に手が回っていないところもあるのです。そうした中で、今回の豪雨により、小規模ため池で決壊等が多発したことを受け、国は、これまで都道府県ごとに定めてきたため池の管理基準を見直し、下流に人家があるため池は、その規模にかかわらず防災重点ため池に指定するよう全国統一の基準を設定することを検討しているとのことなのですが、私は、ただでさえ十分な対応が困難な中で、これに各自治体がしっかりと対応できるのか懸念しております。むしろこの機会に、農業用水の利用者の減少に伴い使用されていないため池の取り扱いなど、まずは地域で議論する時期に来ているのではないかと思うのです。  こうした中、本県では、今回の災害以前から南海トラフ地震を見据え計画的に対策を進めてきており、防災重点ため池355カ所のうち244カ所でハザードマップが作成済みとなっているなど、ソフト面にも注力をして取り組んでいることとお聞きしておりますが、今後は、周辺住民に対する決壊の危険性の周知や避難時の呼びかけなど啓発に加え、国の方針次第で大多数の小規模ため池についても特段の対策を求められることが考えられます。これは県においても大きな負担となり、現在の取り組みにも影響を及ぼすことを危惧するものであります。  そこで、お伺いいたします。  こうした防災重点ため池の選定基準見直しなどの国の動きをどう受けとめ、今後の対応についてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただければと思います。  次に、脱炭素化の切り札となる新しいエネルギーとして期待されている水素の活用についてお伺いいたします。  水からつくることができ、燃やしてもCO2を排出しない水素は、究極のクリーンエネルギーと呼ばれております。  国は昨年、水素基本戦略を策定し、これは水素を再生可能エネルギーと並ぶ新たなエネルギーに位置づけ、ガソリンやLNGと同程度のコストとすることで、水素の飛躍的な拡大を図ろうとするものであります。また、自国の技術を生かした中長期的なエネルギー安全保障の確保と温室効果ガスの排出削減の課題を同時並行で解決するとともに、水素利用において世界をリードするとの方針を示しており、国を挙げて水素利用に取り組み、世界に先駆けて水素社会を実現しようとするものでもあるのです。  国は東京都と連携して、開催まであと2年に迫った東京オリンピックを水素社会の見本市とするべく、メーン会場となる新国立競技場や選手村に水素を貯蔵した燃料電池や燃焼装置を設置し、施設内の照明や冷暖房などの電力や温水供給を賄い、競技会場と都心を燃料電池で走るバスで結ぶ次世代都市システムの導入を計画するなど、さまざまな取り組みが予定されております。国は、これまでも水素の普及を強く後押ししてきましたが、今後においては、水素ステーションなどのインフラ整備でも大きな進展が期待できると感じるのです。  これまで水素の活用における課題とされてきた貯蔵方法に関しても、ニッケル水素電池で実用化されている金属に水素を吸着させて貯蔵する水素吸蔵合金を初め、大規模な貯蔵施設の開発も進められております。金属以外でも、カーボンナノチューブや非常に表面積の大きな分子に水素を吸着させて貯蔵する方法や、水素吸蔵合金の重量という問題をクリアするため、融解温度が低い錯体水素化物や有機化合物を利用して水素を貯蔵するという新たな研究も行われており、貯蔵技術は着実に向上しております。また、燃料電池が持つ、必要なときに容易に電気を取り出すことができ、送電ロスが極めて少なくエネルギー効率が高いなどのすぐれた特性によって、水素は災害時の電力の安定供給にもその役割を広げつつあります。  東京都が導入している最新の燃料電池バスでは、災害時に235kWhの大容量外部給電設備となり、これは一般家庭の約二十日の電力量に相当し、避難所であれば4.5日分の電力量を賄えるというのです。  ただ一方で、水素の活用には海外から調達するための貯蔵、輸送技術の向上やコストダウン、インフラネットワークの充実、規制の見直しなど、クリアすべき課題がまだまだ多く残されているのも事実です。  本県は、国を上回る温室効果ガス排出量の削減目標を掲げるとともに、県内の環境保全活動者を対象として、平成13年度から毎年開催しているえひめ環境大学の開催、CO2を排出しない環境に優しい乗り物である自転車通勤を促進するえひめツーキニストクラブの立ち上げなど、全国的に見ても環境先進県であると認識しており、だからこそ水素の普及促進にもさらに前向きに取り組んでほしいと思うのです。  そこで、お伺いします。  大きな可能性を秘めた次世代エネルギーとして注目されている水素の活用に向け、県はどのように取り組んでおられるのか、お聞かせいただければと思います。  次に、外国人材の雇用についてお伺いいたします。  我が国では、少子高齢化に伴う人口減少が進行し、企業の生産現場を担う労働力が不足しております。約2年半にわたって、全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超え、全国規模で人手不足が顕著になっております。帝国データバンクによる平成25年以降の倒産要因の分析でも、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどを要因とする倒産件数は、上半期の実績として3年連続で前年を上回っているとのことであります。  本県の基幹産業である農林水産業でも、担い手の高齢化に伴う人手不足は顕著であり、近隣の農家に委託するなど何とか耕作を継続しているところもありますが、耕作放棄地は増加傾向にあるのです。  今後、AIなどの最先端技術のさらなる技術革新によって、一定の労働力不足が補える可能性はあると思いますが、人口減少が続く現状を見れば、労働参加が進展しても生産年齢人口は減少し続ける可能性が高いのではないかと推測するのです。また、生産年齢人口が減少することになれば税収も減少しますし、高齢化の進行に伴って社会保障関係経費は急激に増加し、医療制度や年金制度が破綻するということもあり得ない話とは言い切れません。  このように、生産年齢人口の減少は、ひいては日本の社会全体を縮小させ、現在のさまざまな制度を崩壊させかねない深刻な問題であり、一日も早い現状からの脱却が切に求められていることは御承知のとおりです。  政府は、この慢性的な人手不足を補うため、本年6月、経済財政運営と改革の基本方針2018、いわゆる骨太の方針において、新たな外国人労働者の在留資格を創設することを掲げ、来年4月を目指し、外国人材の受け入れが必要と認められる業種の受け入れ方針等について、検討を進めていると聞いております。  これはまず、これまで禁止されてきた外国人労働者の単純労働にも門戸を広げるもので、一定の専門性や技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れる新たな制度とするとの方針を示すとともに、その受け入れと共生のための総合的な対策を進めるものであります。新たに受け入れる外国人材の保護や円滑な受け入れを可能とするため、受け入れ企業または法務大臣が認めた登録支援機関が支援の実施主体となりましたが、業界の実態に応じて、受け入れ企業等に対する巡回指導や就労状況の実態把握等を実施するとしているのです。  昨年10月の日本の労働人口は6,762万人、外国人労働者数は128万人と、労働人口の約50人に1人を外国人が担っているという計算になります。この議場の中にも、東京や大阪に出かけ、コンビニやレストランに入った際に見かけた店員さんが全て外国人であったという経験のある人もいらっしゃるのではないかと思います。愛媛では今のところ、そこまでの状況にはありませんが、既に外国人材の活用は特別なことではなくなっております。  政府の外国人材受け入れの方針を受けて、全国知事会では、先月、外国人材の受け入れ・共生に向けた国への提言として、地域の実情を踏まえ、人手不足が深刻化している産業を新たな外国人材の受け入れ業種として検討すること。また、新たに受け入れる外国人材及び在留外国人への日本語教育や安心して働き、暮らしていくための支援などを挙げられ、国に要望されました。国においては、地方からの切実な声に対して、責任を果たすように取り組んでいただきたいと強く思います。  本県はこれまで、本年1月に、中村知事立ち会いのもと、県外国人技能実習生受入組合協議会が協定を締結したカンボジアを初め、中国やベトナムなどから優秀な外国人技能実習生を多く受け入れており、建設業や製造業、小売業と幅広い分野で活躍していただいております。今後、在留資格の拡大により、外国人材の受け入れ数の増加が期待できる一方で、本県においても、新たに受け入れる外国人材の送出国の多様化に伴い、言語や生活習慣、宗教の違いによる新たな課題が生じるおそれがありますので、今後も引き続き優秀な外国人材を獲得し、県内企業の活動を支える担い手とするためには、国と連携して事前に受け入れの準備をしていかなければなりません。  そこで、お伺いいたします。  県内企業が必要とする外国人材の円滑な受け入れ環境の整備に向け、県は国と連携してどう取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  最後に、来年、東予東部圏域で開催されるえひめさんさん物語についてお伺いいたします。  えひめさんさん物語は、東予東部圏域では初めて開催される地域振興イベントであります。東予東部圏域は、別子銅山の開坑によって繁栄し、四国屈指の臨海工業都市の新居浜市、造船や半導体など四国屈指の工業集積地の西条市、日本有数の製紙産業地帯の四国中央市で構成される四国屈指のものづくり集積地であります。また、西日本最高峰の石鎚山を望み、高山植物の宝庫である赤石山系と登山道の滝など見どころの多い赤星山、コスモス畑で有名な翠波峰からなる法皇山脈などの自然や新鮮な海産物、西条のうちぬき、新宮茶、土居の里芋など、食文化を初めとして全国に誇れる地域資源が多くあります。  えひめさんさん物語は、これらの魅力を広く全国に発信し、一体的かつ持続的な発展につなげていこうとするものであり、地元住民や企業などが改めて地域資源の魅力を見詰め直す機会とするとともに、定住・移住の促進により産業を支える人材の確保を行い、観光まちづくりの拡大を図ろうとするものであります。イベントを通して、今ある地域資源がブラッシュアップされたり、新たな気づきにより地域資源が発見されたりすることを大いに期待しております。  今回のイベントを成功させるためには、情報発信が重要なのは言うまでもありません。これまで何度も松山に行き道後温泉には入ったことがあるけれども、それ以外のところには行ったことがないという観光客の声を耳にしました。愛媛の人でも、特に南予地域の人の中には、東予地域に足を運んだことがないという人も多いのではないでしょうか。えひめ町並み博やえひめいやしの南予博等を通して、東予地域の人が南予地域を訪れたように、今度は逆に、南予地域の人に東予地域に来てもらえるよう、さまざまな機会を通して、この圏域の魅力を伝えていただきたいと思うのです。  そのためには、広く県民にこのイベントを知ってもらえるよう、例えば知事と市長との対談などを通して、この圏域の魅力を伝え、誘客につなげていくことが重要であると考えますし、各種メディアを巻き込んでいく必要はもちろん、加えて、近年注目されている人気ユーチューバーなど外部からの情報発信にも力を入れる必要があるでしょう。  また、地元住民の盛り上がりも欠かせません。いやしの南予博では、滑床渓谷でのキャニオニングや愛南町のシーウォーカーなど、多彩ないやしのプログラムが南予全域で展開されるとともに、全国に向けて発信されました。今ではこのプログラムに参加するために、全国から観光客が南予地域を訪れるという人気のプログラムとなっているのです。イベント開催を契機として、地域資源を活用した新たなプログラムが生まれ、イベント終了後も自主的な活動として継続していくことは、住民が減少し高齢化が進むことで活力が低下し続ける地域の現状を打破し、活力を復活させる唯一の手段だと確信いたします。  今回のイベントでは、住民のグループやNPOなどがみずから企画し実施するチャレンジプログラムの実施が予定され、本年5月から募集されておられました。この圏域を訪れた人が、この圏域ならではの手づくりのプログラムを体験することでファンになってもらえるようなプログラムを多く生み出してほしいと願うのです。  そこで、お伺いいたします。  えひめさんさん物語の核となるチャレンジプログラムの現況と県民への周知方法についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。  以上で私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 大石議員に、まず、今回の豪雨災害での対応に関する御質問にお答えをさせていただきます。  甚大な被害が生じました今回の豪雨災害の初動・応急対応では、被災自治体単独では対応できないため、罹災証明書交付や避難所運営等の膨大な業務に対し、国や他県等から手厚い人的支援があったほか、国によるラジオの配布、携帯電話事業者による公衆無線LANの無料化や避難所への臨時開設など、情報収集の環境整備への支援も行われたところであります。  罹災証明書につきましては、まずは膨大な件数の被害調査を行う必要があったため、発災直後には申請から交付までに期間を要しましたが、熊本県などからの応援により迅速に処理できる体制を市町が確立したところでございます。  また、携帯電話事業者の負担による善意の支援によりまして、避難所を含む県下全域の公衆無線LANが被災後3日目までに無料開放されるとともに、未設置の避難所への臨時開設も順次行われるなど、被災者に寄り添った対応に感謝をしているところでございます。  県では、豪雨災害の初動・応急対応について、国や他県等、さらには民間やボランティアによるさまざまな支援や、県や市町の受け入れ体制の状況を含め、今後、検証委員会を設置して課題の洗い出しや改善点等の整理を行い、その結果を防災・減災対策の充実強化につなげていくこととしているところであります。  次に、えひめさんさん物語の御質問についてお答えをさせていただきます。  えひめさんさん物語の開催を持続可能な観光まちづくりにつなげていくためには、地元の方々の熱意と主体性が大きな鍵を握りますことから、東予東部3市で60件を目標に、住民グループ等がみずから企画して地域の魅力を発信するチャレンジプログラムの発掘に力を入れて取り組んでいるところであります。  これまで県と地元3市の広報紙や町内会に出向いての説明などにより募集の周知に努めるとともに、専門家を交えた企画相談会をこれまで10回開催し、アイデアのブラッシュアップを支援してきたところであります。その結果、今月9日には第1弾として、新居浜市沖でのシーカヤック体験や瓶ヶ森でのスタンプラリー、四国中央市の食品工場でのオリジナルコンニャクづくり体験など39件のプログラムを認定したところでございます。  また、県内外へアピールするため、今週末29日に新居浜市で開催するプレイベントで、来年のコアイベントやチャレンジプログラムの内容等を発表するほか、今後、PRキャラバンの派遣やSNS等による情報発信、人気旅行誌と連携したガイドブックの発行等も予定しているところであります。  引き続き、チャレンジプログラムの掘り起こしと誘客促進に向けた情報発信等に努め、イベントの成功、ひいては東予東部圏域の一体的な発展に向けて取り組むこととしています。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(金子浩一県民環境部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 金子県民環境部長   〔金子浩一県民環境部長登壇〕 ○(金子浩一県民環境部長) 水素の活用に関する御質問にお答えさせていただきます。  水素は、さまざまな資源から製造が可能であり、利用時にCO2を排出しないことなどから、我が国のエネルギー構造を多様化し大幅な低炭素化を実現する可能性を有するエネルギーとして、国内では自動車等の分野で一部実用化されているほか、本格導入に向けた研究開発が行われておりますが、コストやインフラ整備などの面で課題が多く、国の水素基本戦略では、2050年までの長期的視点で戦略的な取り組みを進めることとしております。  このため、県といたしましても、まずは水素エネルギーに対する県民や企業等の理解を促進し、身近な分野から導入を進めたいと考えており、水素エネルギーの利活用等に関するセミナーや、国や市町、大学、関係企業等による情報交換会を開催するほか、水素エネルギーを利用した家庭用燃料電池の設置助成に加え、今年度から企業等による導入可能性調査も助成対象とするなど取り組みを強化しているところであり、今後、市町や企業の主体的な取り組みとの連携も視野に入れながら、導入促進を図ることとしております。  以上でございます。 ○(田中英樹経済労働部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田中経済労働部長
      〔田中英樹経済労働部長登壇〕 ○(田中英樹経済労働部長) 外国人材の受け入れ環境の整備の御質問についてお答えいたします。  中小企業の深刻な人手不足を踏まえ、政府が一定の専門性、技能を有する外国人材の新たな在留資格の創設を方針決定したため、県では、28道県とともに知事会にプロジェクトチームを立ち上げ、国に対し8月29日、地域の実情を踏まえた受け入れ業種の拡大とともに、外国人が安心して就労できる環境整備等を提言したところでございます。  現在、国においては、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を設置し、外国人材への多言語による生活相談体制や日本語教育の充実、医療、保健、福祉サービスの提供、労働環境の改善、社会保険の加入など、受け入れ環境の整備に係るさまざまな項目について協議しており、今後、政府基本方針や業種受け入れ方針等として取りまとめることとしております。  県としても、その作業を通じて、国や地方自治体、事業者の役割分担が明確になってくると考えておりまして、今後、国の検討状況等を注視し、連携して必要な対策を講じていくこととしております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 防災重点ため池の基準見直しなどへの対応についてお答えをいたします。  県では、平成27年度に規模や被災時の影響が大きい355カ所を防災重点ため池として位置づけ、昨年度から防災・減災強化予算を活用し、耐震調査や対策事業の実施、ハザードマップの作成支援など、ハード・ソフトの両面からの対策を加速させているところでございます。  こうした中、今回の豪雨災害を受けまして、国において、防災重点ため池の選定基準の見直しが行われていることは承知しておりまして、今後、対策を求められるため池が大幅に増加する可能性もございますが、その対応には相当の費用と期間が必要となりますことから、当面は行政による事業進捗と並行して、ため池管理者や下流域の住民が自助・共助の考え方に立ち、将来に向けたため池のあり方の検討や日常点検、緊急避難等のルールづくりを行うなど、地域が一体となった管理体制を確立することが重要と考えております。  今後とも、国の動向を見きわめながら防災対策を着実に進めていくとともに、被災後に実施した緊急点検結果の周知や防災ワークショップの開催などを通じ、地域みずからの取り組みを促進していくこととしております。  以上でございます。 ○(杉本寧土木部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 杉本土木部長   〔杉本寧土木部長登壇〕 ○(杉本寧土木部長) 公共施設の豪雨対策のうち、県が管理するダム等の維持管理に関する御質問にお答えをさせていただきます。  県では、公共土木施設について、定期パトロールを実施し施設の状況を把握するとともに、施設の機能維持のため、専門家による定期的な点検を実施し必要な措置を講ずることにより適正な維持管理に努めているところでございます。  このうち砂防堰堤については、満砂になっても一定の効果を発揮するものでございますが、下流人家への被害が懸念される場合など緊急性に応じて土砂撤去を実施しております。また、河川では、土砂の堆積が著しい箇所で、従来の断面を確保する河床掘削を実施しているほか、堆砂の進んでいるダムにおいて、貯砂ダムの設置や土砂撤去を実施しており、特に鹿森ダムについては、現在、貯水池内の本格的な土砂撤去に向け、進入路の設置を行っているところでございます。  今後とも、豪雨等の異常気象時などにおいても、公共土木施設が適切に機能するよう維持管理に万全を期すこととしております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時41分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(村上要副議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(兵頭竜議員) 議長 ○(村上要副議長) 兵頭竜議員   〔兵頭竜議員登壇〕 ○(兵頭竜議員) (拍手)愛媛維新の会、兵頭竜です。  西日本豪雨災害、台風21号、北海道地震においてお亡くなりになられた方々に対して心から御冥福をお祈り申し上げ、質問に入ります。  まず初めに、7月豪雨災害を踏まえた洪水対策についてお伺いをします。  7月7日午前5時過ぎ、自宅に大きな無線音が鳴り響き、就寝中の私と妻は飛び起きました。内容は、正確には聞き取れなかったものの避難指示、直ちに避難してくださいというメッセージは聞き取れ、連日降り注ぐ雨とともに、事の重大さは少なからず理解はできたことを鮮明に覚えています。  そういったとき、私が暮らす地区の人がよくとる行動は、まず、増水した川を見に行くことです。当然、私のとった行動も、川を見るため玄関をあけました。すると、そこには前の家の人も顔を出し、どんなですかと尋ねると、まだ二、三mある、いつもどおりよといった、これから始まる悲劇をみじんも感じさせない会話をしました。しかし、その会話がその人と交わした最後の会話になるとは夢にも思いませんでした。  その後、川の水位を確認し、別の近所の方と会話をし、どうしようかなと思いながら家に戻り、いつもどおりだ、まだ二、三mある、万が一のときは消防団が来るといったような会話をしました。しかし、危機感が強かった妻は、子供の身支度の最中でしたので、万が一があってからでは遅いと思い、まず、子供を実家に避難させることにしました。その帰り道に、戸別訪問をしている消防団の姿を見つけ状況を尋ねると、6時半から今までにない放流を始める、逃げた方がいいと言って回っているということを聞き、これはただごとではないなということを実感しました。とはいうものの、心のどこかでは浸水はしないだろうと思っていたのも事実です。家に着き、消防団とのやりとりを妻に伝え、テレビや掃除機、パソコン、書類にスーツなどを2階に持って上がり、とりあえずの荷物を片手に避難所へと向かいましたが、私も含め、大丈夫だ、越流することはないという思いは、この地域みんなの共通のものだったように思います。  避難所に到着するとすぐに停電となり、近所の人が次々とやってきました。すると、もうつかり始めた、これは大変なことになるとの報告を受け、それが避難所到着から恐らく十数分後の出来事だったように思います。それからは、次々に信じられない情報が飛び交い、SNSで我が家の屋根しか見えない状況を目の当たりにしたときは言葉を失いました。  そのとき、近所の人たちを確認すると、何人もの人たちの姿が見えない状況に気づきました。結局、逃げおくれ、2階や屋根の上に取り残されていたのです。30軒程度の小さな集落、逃げおくれた人が20人、うち残念ながら命を落とした方が2名という結果になりました。また、西予市では、自分たちの地域外でも3名の方が命を落とし、非常に厳しい現実を突きつけられました。  さて、なぜこのような結果になったのかということを考えたとき、雨の音で防災行政無線やサイレンが聞き取れない状態であったこと、洪水スピードが速かったことなどもありますが、一番は、ダムがあるから大丈夫だ、洪水するはずがないといった町民の共通認識が避難をおくらせたような気がします。  私も、避難所に行く前に近所の方と話をしましたが、こういった認識は少なからずあり、正確な情報をとってきますといって避難所へ向かいました。しかし、私たちが信じていたダム神話は跡形もなく崩れ去りました。  野村ダムは昭和57年3月に完成し、実施計画調査からわずか10年という短い期間で建設され、そのスピードは全国にも類を見ません。それは、幾度となく繰り返されてきた肱川の氾濫による浸水被害を防ぐ洪水調節や、昭和42年の大干ばつによって大打撃を受けた南予地区のかんがい用水や生活用水を送るための利水機能を有し、特にその恩恵を受けている柑橘農家からは、野村に足を向けて寝られないと言わせるほど、町民にとって誇り高きダムでありました。  建設当時の町長で、県議会でも長年にわたりその手腕を振るわれた池田忠幸先生から当時のことをよく話していただきますが、この建設にこぎつけるまでには一言では言い尽くせない苦労があったことを申し添えます。  そんな野村ダムの中身を見ますと、6月中旬から10月中旬の洪水期における貯水池の容量配分は、有効貯水容量1,270万tのうち、利水容量は920万t、そして洪水調節容量は350万tであります。  また、平成7年7月に下流の大洲市東大洲地区を襲った洪水災害により、操作規則が見直され、洪水調節開始流量が毎秒500tから300tへ変更されました。さらに、ダム計画最大放流量は毎秒1,000tとされており、その下流域の野村地区は、それに耐え得る河川改修が行われています。  しかし、今回の豪雨はその機能を大きく上回る流入があったため、500戸を超える浸水被害があったとされています。被災住民は、前述したように、ダムがあるから大丈夫との思いが念頭にあり、ダムの下流域に暮らす人間にとっては当たり前のことかもしれませんが、このような数字的根拠を知らずにいた人がほとんどだったと思います。今回の洪水によって全てを失い、ここ近年の異常気象や集中豪雨の状況を見ると、250年に一度の雨で片づけられるわけもなく、人災だと悲痛な叫びをする気持ちもわかります。  そんな中、視察に訪れた安倍首相は徹底的に検証すると言われ、現在、国土交通省による検証が行われておりますが、いまだ住民の納得のいく答えは出ていません。今後、被災者の気持ちに寄り添った検証に期待をいたします。  そこで、お伺いします。  今回の洪水に対して、野村ダムの操作が問題となっていますが、県としてどのように対応していくのか、お聞かせください。  また、野村ダムの計画最大放流量は1,000tであり、それに合わせた河川改修が行われておりますが、今回は毎秒約1,800tの放流量によって甚大な浸水被害がもたらされました。  今後の大洲地区におけるスピードアップした河川改修の完了や鹿野川ダムの洪水吐きの完成によってさまざまな状況も変更すると予想されますが、野村ダムが毎秒約1,800tの放流をしたことは一つの基準となり、このような気象条件を考えたとき、同様のことが起こる可能性も否定できず、洪水時に大量の水を放流できるクレストゲートの最大能力は毎秒2,250tであるということも考慮に入れなければいけないのかもしれません。  ダムは100年に一回の確率で発生する洪水を想定して建設されますが、建設後40年もたたないうちに想定を上回る災害に見舞われたことに、確率と割り切れるはずもなく、行き場のない憤りを覚えます。  そこで、お伺いします。  ダムの計画規模を超える洪水により甚大な被害が発生する中、今後、下流域の河川の流量確保をどの基準でどのように行い、住民の安全をどう担保していくのか、お聞かせください。  さらに、今回の豪雨災害において浸水した野村地区は、県の水防計画では水位周知河川に指定されておらず、私も水防協議会に出席しておりましたが、先ほどから述べているように、今回の件を踏まえると認識の甘さがあったと思います。  今後、指定数を年々ふやすこととしているものの、今回の一件を踏まえ、計画の見直しや野村地区のほかにも早急な対応が求められていると思います。そうすることによって、市町のハザードマップの作成や避難計画策定につながります。さらに、南海・東南海地震の対策で作成した津波被害の映像のような洪水映像を作成することは、住民にとって危機意識を向上させることにつながると感じています。  そこで、お伺いします。  今回の災害を踏まえ、早期に水位周知河川に指定することが必要であり、かつ住民の危機意識向上のため洪水映像の作成が有効な手段だと考えますが、御所見をお聞かせください。  加えて、今回改めて実感しましたが、災害時には何よりも命を守ることが最優先です。そのためにはいかに早く正確な情報を確実に住民に伝えるかが重要な鍵を握っています。しかし、全ての家庭に防災行政無線の受信機器が整備されているわけではなく、一部の地域では屋外型のスピーカーによる防災行政無線しかないため、今回のように大きな雨音に遮られ、避難勧告の指示が伝わらない場合があります。私自身、防災行政無線の戸別受信機の有効性を身にしみて感じました。  一方では、戸別受信機が居間などに設置され、聞こえなかった事例もあることを考えると、居間と寝室など各家庭に複数の受信機があればより効果的だと考えます。  また、近年、気象庁や地方公共団体が発信する災害に関する速報や避難情報などを受信することができる、通信事業者による緊急速報メールも広がっており、これらとの組み合わせにより、必要な情報がより多くの人に届くと考えます。  そこで、お伺いします。  県においては、今回の課題を検証し、災害情報の伝達体制の充実強化を検討する必要があると考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、これまでの国の要望対応と今後の復旧、そして復興についてお伺いをします。  愛媛県では、この豪雨災害に対して、今議会でも被災者の生活再建支援や防災に対しての予算案を計上され、既に7月の専決処分を初め、さまざまな部分での対応にスピード感を持って取り組まれ、住家被災世帯に対する愛媛県独自の生活再建資金は被災者のもとに届き、生活再建の一部となっています。  さらに、先月末には、本格的な復興を目指し、愛媛県復興本部を立ち上げましたが、今後も被災者に寄り添うきめ細やかな対応を期待するところであります。  一方、財政の厳しい県内の市町では、国の一定の基準や定型化された仕組みでは弾力的かつきめ細やかな対処、複数年度にまたがっての柔軟な対処が難しく、災害救助法の補助制度では支援されない部分については、今後の復旧・復興に向けて基礎自治体の大きな負担となります。  そのような中、平成28年4月に最大震度7を記録する地震が発生した熊本県では、熊本復興基金を創設しています。この復興基金は、既存制度では対応できない被災者等のきめ細やかなニーズに対応し、早期の復旧を図るため、県が国の平成28年度第2次補正予算により措置された510億円の特別交付税等を原資として、平成28年熊本地震復興基金条例により創設されています。この条例は、平成28年10月11日に公布、施行され、附則において、条例が効力を失う期日を平成38年12月31日と定めています。当該条例制定と同時に、総額523.2億円の基金造成費が熊本県の平成28年9月補正予算として可決され、その財源内訳は、特別交付税510億円と宝くじ交付金13.2億円でありました。  また、復興基金の活用方針については、平成28年10月14日に開催された復興基金に関する第1回県市町村意見交換会などでの議論を踏まえ、被災市町村が実施する事業を中心に、県が活用事業の統一ルールを定めて配分するという基本方針のもと、市町村への3回にわたる活用事業調査を踏まえ、随時事業化されました。  復興基金の全体像は、平成28年9月補正予算編成を経て整理したとしており、内容は基本事業が54本、約373.2億円で、うち市町村分36本、約293.2億円、県事業分18本、約80億円となり、市町村への枠配分が100億円、広域的な課題対応が50億円となっており、さまざまな部分で救われたと伺っております。  その中で一例を挙げますと、応急仮設住宅維持管理費支援事業では、入居者の利用しやすい環境を維持、整備するため、応急仮設住宅に関する維持管理経費として、市町村が負担する費用を支援し、被災宅地復旧支援事業では、熊本地震で被災をした、原則として宅地耐震化推進事業などの公共事業の対象にならない宅地について被災者等の負担軽減を図り、生活再建を支援するために、被災者が行う宅地の復旧工事に要する経費の一部を支援しています。  また、地域コミュニティ施設等再建支援事業では、地域、集落における地域コミュニティの場として長年利用されてきた被災施設等の再建を支援しており、西予市でも4つの集会所が被害に遭ったことを考えると大変ありがたい制度となっています。  このような中、今回の豪雨災害でも、現制度の枠内では適用されない部分が多くあり、何とか救う道はないかと考えます。例えば、愛媛県中小企業等のグループ補助金制度では、多くの事業者が活路を見出せる一方、賃貸目的の住居用アパート等が水害で被災した場合、借り主へは災害見舞金が支払われますが、貸し主には修繕費用等に対する支援がなく、アパート等の再開に必要な経費は全て自己負担となります。また、危険空き家となっていない空き家が浸水被害を受けた場合は補助制度がなく、自費で解体しなければなりません。  さらに、西予市のジオサイトに指定されている桂川渓谷、三滝渓谷等の観光施設が、土砂災害等により大きく被災をしていますが、補助制度がないため市単独で復旧を行わなければならず、先が見通せない状況であるなど、被災地の要望は枚挙にいとまがありません。  被災地や被災者の現状を見ると、熊本県で実施されている復興基金による事業が、今回の復旧・復興にも大変有意義なものであると確信しており、国に対し特別交付税の措置を求め、復興基金を創設してほしいと考えます。  8月には広島、岡山との3県知事による緊急要望を国に提出し、生活・生業再建支援パッケージの決定や、その財源としての予備費活用など財政支援を引き出しておりますが、実現していない要望もあると思いますので、今後の復興に向けて国にさらなる支援を求める必要があると感じます。特に、地元の要望等を踏まえて、国に柔軟な対応を求めていく必要があると思います。  そこで、お伺いをします。  今後のさらなる復旧の加速化、復興の本格化に向け、どう取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  最後に、災害時の電源確保についてお伺いします。  西日本豪雨災害の傷も癒えぬ間に、関西の台風災害、そして、今月6日未明に北海道全域を襲った震度7の地震。日本列島は自然の猛威にさらされ続けています。  関西や北海道の映像が飛び込んでくるたびに人間の無力さを感じ、避難所や現場での悲痛な叫びを見たときは、西日本豪雨災害時のことがフラッシュバックしました。被災された方々に対して心からお見舞い申し上げますとともに、関西、北海道の一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。  そういった中、北海道では、震源地に近い石炭火力の北海道電力苫東厚真発電所が地震で破損した結果、全ての発電所が緊急停止し、北海道内全域が停電するという事態になりました。8日には、停電はほぼ解消されましたが、電力の供給可能量は平時を大幅に下回っており、平日である10日以降に需要がふえれば、再び大規模停電が発生するおそれがありました。  政府は2割の節電を呼びかけ、北電は必要に応じて計画停電を実施する準備を始めるなど、停電回避に向けて綱渡りの状態が続きました。中でも、携帯電話の充電に並ぶ行列は現代の象徴であり、特にそこに情報のほとんどを頼っていると言っても過言ではない現代においては、スマートフォンの電源がないとなると、非常時には死活問題であります。  私は、被災時に連絡や情報収集、確認に活用したスマートフォンの充電は、幸いにも車で行うことができました。また、それが情報確認だけでなく、安否確認の主たるものであり、非常用電源の整備は今後の大きな課題となると感じています。今、スマートフォンの保有率が7割を超えており、スマートフォンを主な情報収集のツールとする人は今後もふえると容易に予想され、行政も災害情報に関するコンテンツを充実しています。しかし、バッテリーが長くもたないスマートフォンに依存すれば、電源の不足する災害時にはその機能を発揮できなくなります。  そこで、お伺いします。  災害時におけるスマートフォンの役割は今後も重要であり、避難所等において停電に備えた電源の確保、整備をしていかなければならないと考えますが、御所見をお聞かせください。  また、今回の大規模停電時における命を守る病院での対応について、報道が多くなされました。病院は非常用電源が確保されているものの、その機能には限界があり、札幌市内にある病院では地震のあった6日未明、男児の出産が行われ、非常用電源が稼働したが照明の一部は点灯せず、助産師3人と当直医師1人が薄暗い中で胎盤を取り出しました。医事課によると、出産を終えた女性は激しい揺れを地震と思わず、体を揺らされていると思ったと話したということでした。また、北海道から地域医療支援病院に指定されているある病院では、当日、一般外来を休診、予定されていた手術は全て取りやめました。  野村病院でも電源回復まで非常用電源を用いて対応しましたが、その間には電源車がサポートをしていただき、病院業務に深刻な支障を来すことはありませんでした。しかし、北海道のような大規模停電が県内全域に起こったときのことを考えると、同じサポートをしていただけたかはわかりません。  そこで、お伺いします。  今回の災害対応を踏まえ、非常用電源の確保を初めとする災害時の医療の確保に、今後、どのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  さらに、電源確保において待ったなしの状態になるのが、生き物に携わるなりわいをされている方々です。特に、酪農家にとって電源は1日2度の搾乳という作業において欠かすことができません。  私も、被災後に変わり果てたまちを歩いているときに、高圧の発電機を積んだ1台のトラックと遭遇しました。そこで話をすると、発電機を持って酪農家を回るということでした。しかし、発電機の数が足らず苦慮しているとの相談を受けました。この搾乳ができなければ、牛は乳房炎などの病気になり、一刻を争うことがそこには起きていました。  私も各所を当たりましたが、すぐには段取りがつかず、無力さを感じた瞬間でありました。そして、18時くらいに役所から発電機が確保できたとの一報を受け、市の職員と搾乳できていない酪農家を回り、何とかその日のうちに全ての酪農家の搾乳を終えることができ、わずかではありますが、サポートができました。しかし、幾ら搾乳ができても、停電によって搾った生乳を冷やし保管するクーラーが機能しないため廃棄するしかなく、やるせない気持ちになったことは忘れることができません。  電源がないことでこのような事態になり、平成16年の台風災害で大野ヶ原地区が停電となった際に、同様に全てを破棄したことも思い出し、非常時における生き物を扱う酪農業の電源確保の重要性を改めて感じた次第であります。今後、酪農家単体でそういった設備が整備できるかといえば厳しいものがあります。地域が連携しながらさまざまな観点からの確保が必要であると考えます。  そこで、お伺いします。  今回の災害を踏まえ、非常時における酪農業の電源確保をどのように進めていくべきか、御所見をお聞かせください。  以上で質問は終わりますが、最後に一言申し上げます。  7月8日から始まった片づけ作業。まちいっぱいに人があふれ、沿道には処分される家財と軽トラの群れ。どぶ水の水たまりで手を洗い、頑張ろうと笑顔で励まし合いました。しかし、なぜだか一人になると、わけもなく涙が出ることもありました。その中で、多くの皆様から寄せられた支援のおかげで少しずつ前に歩むことができたと思います。この場をかりて厚く感謝を申し上げます。  しかし、一方では、見えない生活再建の中で、命があってよかったという気持ちから、これからどうしようという思いに心境が変化する中で苦しんでいる人たちはたくさんいます。
     また、土砂災害による孤立集落の問題や、いまだ避難指示が解けていない現状、先が見えないミカン園地を初めとする農地など、抱える課題は山積しています。  今後、恐らくさまざまなことが進んでいくと思います。その中で、この災害を忘れず、この経験を生かし、ふるさとのため、そして、愛媛県のために、私は私の人生を使っていきたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(村上要副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(村上要副議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 兵頭議員に、まず、洪水対策について、今回の課題の検証等に関する御質問がございましたので、お答えをさせていただきます。  今回の豪雨災害では、避難指示等を伝える防災行政無線の屋外型スピーカーの音声が豪雨で聞こえなかった、あるいは避難指示等は聞こえていたけれども、速やかな避難行動につながらなかったなどさまざまな課題が指摘される一方で、戸別受信機からの音声で避難をした事例や、県の災害情報伝達研修を受けた市職員による緊迫感ある無線放送が避難につながったという事例も報告されています。  災害時において何より優先すべきは人命を守ることであり、今回の豪雨災害における情報伝達の課題を分析、検証し、戸別受信機のさらなる普及等による防災行政無線の情報伝達機能の強化に加えまして、防災メール、避難支援アプリ、SNS、さらには緊急速報メールなどさまざまなツールを活用して避難情報を迅速かつ確実に住民に伝える方策や、住民の皆さんの避難意識の向上策などについて検討する必要があると考えています。  県では、県、市町、防災の専門家等で構成する検証委員会で今回の初動・応急対応の検証を行う考えであり、被災市町や住民等の意見も聞きながらしっかりと検証して、ハード・ソフトを効果的に組み合わせた対策を検討し、災害情報伝達体制の充実強化にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  次に、今後の復旧の状況についての御質問でございます。  今回の豪雨災害では、水の確保と住居環境の早期整備という第1段階の目標に一定のめどが立ちましたことから、生活基盤や農林水産業、商工業など地域産業の復興に本格的に取り組むため、8月30日に復興本部を立ち上げ、迅速な復興に向けた工程表を共有して全庁で取り組む体制を強化したところでございます。  また、復旧に当たりましては、国の財政的な担保が不可欠な甚大な被害であると考え、被災直後7月9日に首相に直接、被害状況を訴えたのを初め、8月2日には、岡山、広島両県と連携して復旧・復興への手厚い支援を強く要望させていただきました。  その結果、国による早期の激甚災害指定や生活・生業再建支援パッケージ等が示されたことを受け、本県の被害実態に応じた軽トラックのレンタル経費助成等に加え、県独自の支援策として、半壊や床上浸水家屋に対する補助、県立学校の生徒への通学費の助成等を盛り込んだ過去最大規模となる約833億円の復旧・復興対策予算を措置したところであり、今後の速やかな復興に向けて迅速に執行してまいりたいと思います。  今後とも、国に対して被災者のニーズに沿った柔軟な対応を要請していくとともに、復興基金につきましては、岡山、広島両県と歩調を合わせ、実現の可能性を探りながら復旧・復興に必要な特別交付税の増額配分を求めるなど、地域を守るため、人を守る、生活を守る、産業を守るという視点をオール愛媛で共有し、スピード感を持って全力で被災地の復興をなし遂げていく所存でございます。  兵頭議員におかれましては、御自身も被災されたとお聞きしております。心からお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(村上要副議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 避難所などの電源の確保、整備についてお答えをいたします。  総務省の調査によりますと、熊本地震の発災時から復旧期までの情報収集手段として、携帯電話やスマートフォンが多く活用されており、災害時の情報収集、安否情報確認などの重要なツールとなっております。  県では、ツイッター、フェイスブック、スマートフォンのアプリなどで防災情報を配信し、県民の皆さんの避難行動等を支援しておりますが、避難所などで継続使用するためには定期的に充電する必要がございまして、その電源確保が課題であると認識をしております。  災害時に地域住民の皆さんが緊急的に避難する公民館や小学校などの避難所の電源対策については、市町が行う避難所の資機材の整備を促進するため、平成26年度から28年度までの3カ年実施した補助事業などにより、県下20市町で合計1,015基の発電機が整備されておりまして、今回の豪雨災害時には、この事業で整備した発電機が避難所で住民のスマートフォンなどの充電にも使用されたというふうに聞いております。  県では、万一の停電時にも備えて、まずは、自助の取り組みとして、家庭などで携帯充電器、モバイルバッテリーなどを用意していただきますよう防災パンフレット等で引き続き呼びかけていきますとともに、今回の豪雨災害における避難所の停電の状況、それから対応につきまして検証を行いまして、その結果を踏まえて、今後の避難所の電源対策について、市町等と連携し検討をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(村上要副議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 災害時の電源確保についての御質問のうち、医療の確保についてお答えをいたします。  今回の豪雨災害では、市立野村病院を初め、大洲記念病院や市立吉田病院といった地域の中核となる医療機関にも停電が発生し、自家発電機の稼働や電源車のバックアップ等により診療機能を維持することができたものの、北海道の大規模停電を踏まえますと、医療機関における非常時の電源確保の強化の重要性を改めて認識したところであります。  本県では、災害発生時の救命医療を担う8カ所の災害拠点病院及び52カ所の二次救急病院は、全て非常用電源設備を保有しておりますが、これら設備の機能の拡充に加えまして、全ての医療機関への整備を促進していくことが必要でありまして、国への重要要望において、災害時における医療機関の機能維持に必要な施設・設備の整備に対する国の財政支援を求めているところであります。  また、災害時の医療機能の維持には、非常用電源の確保とともに、施設の耐震化や用水の確保などハード面の対策に加えまして、DMATなどの災害時の医療を担う人材の育成確保も必要でありまして、今後とも災害に備えた施設・設備の整備促進や人材育成の強化を図り、ハード・ソフト両面で災害医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二農林水産部長) 議長 ○(村上要副議長) 田所農林水産部長   〔田所竜二農林水産部長登壇〕 ○(田所竜二農林水産部長) 災害時の電源確保についての御質問のうち、非常時の酪農業の電源確保についてお答えをいたします。  今回の豪雨に伴う停電は、本県酪農業にも大きな影響を及ぼしており、西予市野村町を中心に県内酪農家の約37%に当たる40戸において、生乳の品質管理ができなくなり、県全体の生産量の1日分に相当する約70tが出荷できず廃棄される結果となりました。  こうした事態の再来を避けるためには、各酪農家への非常用電源の設置が望まれるところでありまして、国による補助制度も設けられておりますことから、県では、今回の災害を契機に改めて広く周知することとしております。  一方で、必要とされる発電機は高額で、平常時には使用されないこともあり、県下の酪農家の所有率が1割にも満たない現状の中で、設置の機運が一気に拡大するかは不透明な状況にございます。  今回の事態では、酪農家の皆さんやJAの要請を受けた地元の建設業者などの御協力により、搾乳に必要な最低限の電源は確保できましたことで、乳牛のへい死といった最悪の結果は免れることができましたものの、今後の有事に対応し得る確実なバックアップ体制を整備しておく必要があると考えております。  このため、エリアごとの必要台数を設定いたしますとともに、地元建設業者等からの貸与やリース調達などを基軸とした具体的な確保計画について、今後、早急に関係機関との協議を進め、酪農業の電源確保対策を確立してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(杉本寧土木部長) 議長 ○(村上要副議長) 杉本土木部長   〔杉本寧土木部長登壇〕 ○(杉本寧土木部長) 洪水対策の御質問のうち、まず、野村ダムの操作に関する県の対応についての御質問にお答えさせていただきます。  国からは今回の野村ダムの操作につきましては、ダム上流域で計画規模を上回る2日間で421㎜という記録的な豪雨となったことから、操作規則に基づき異常洪水時防災操作を実施したと聞いておりますが、被災者の方々からは、治水容量や放流量を規定する操作規則の変更や柔軟な運用を求める意見、また、住民への周知の時期、方法について改善を求める意見が出されていることを県としても承知しておりまして、重く受けとめております。  国では、情報提供や住民への周知の検証とダム操作の技術的考察を行うことを目的に検証の場を設置しており、まずは国においてしっかりと検証していただくため、県といたしましても、下流の河川管理者として参画し、流域住民の安全を最優先に考え、一緒になって議論していくほか、緊急対策として、河床掘削の実施や洪水浸水想定区域の設定を進めることとしております。  県としては、検証の結果を踏まえ、ダム管理者である国や住民の避難を判断する西予市、大洲市と連携して、肱川流域住民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、下流域の流量確保と住民の安全担保に関する御質問にお答えをさせていただきます。  国が設置した検証の場では、より効果的なダム操作等について技術的考察を行うこととしており、その結果を踏まえて、下流域の洪水被害を助長しないよう流域全体の治水安全度に配慮しながら、河川整備における目標流量などを検討する必要があると認識しております。  県では、当面の対策として、流域住民の河川氾濫に対する不安を少しでも取り除くため、7月補正予算により河床掘削を緊急的に実施するとともに、被災した護岸について、早期の復旧に向けて取り組みを進めるほか、今後とも河道を適切な状態に保つよう努めることとしております。  今後は、流域全体の治水安全度向上に向け、肱川水系河川整備計画の見直しも視野に入れまして、国や関係自治体と議論を進めるとともに、命を守るソフト対策も組み合わせ、流域住民の安全確保につながるよう努めてまいりたいと考えております。  最後に、水位周知河川の早期指定と洪水映像の作成に関する御質問にお答えさせていただきます。  県では、住民の確実な避難を支援するため、市町と連携のもと、背後地の状況や浸水実績等を総合的に勘案し、これまで11河川を順次、水位周知河川に指定してきたところでございます。  しかしながら、今回、西予市野村地区、大洲市菅田地区等におきまして、甚大な被害があったことから、住民の避難判断の目安となる水位の設定を進め、来年の出水期までに水位周知河川の指定を行うとともに、今後とも指定河川を拡大し、住民の迅速な避難行動を支援してまいりたいと考えております。  また、洪水映像の作成については、ことし5月に中学生を対象に映像等を用いた防災教育を実施したところ、生徒から、具体的で理解しやすかったとの声が多数あり、県としても防災意識の向上に有用であると認識しており、さらに、先日開催されました野村ダム等の検証の場においても、委員から住民の避難訓練に役立つ洪水映像の作成を求める意見もあったことから、今後、関係機関で検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(村上要副議長) 暫時休憩いたします。      午後1時48分 休憩   ―――――――――――――――――      午後2時5分 再開 ○(村上要副議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(笹岡博之議員) 議長 ○(村上要副議長) 笹岡博之議員   〔笹岡博之議員登壇〕 ○(笹岡博之議員) (拍手)公明党の笹岡博之でございます。  まず最初に、7月豪雨災害で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたします。そして、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興と生活再建を願うところであります。  ことしの夏は、7月豪雨災害、台風21号を初めとした台風被害、そして、北海道胆振東部地震と災害続きでありました。加えて、災害級の猛暑に悩まされ、災害復旧の妨げとなり、日常生活や体調管理にも大きな影響を与えました。まさかと思うようなことが続き、もはや日本のどこにいても災害は起こり得るとの認識を新たにした人も多かったと思います。私もその一人であります。  7月9日、木村県議とともに、大洲市と西予市野村に向かいました。内子インター手前から大渋滞でありました。大洲インターのETCが浸水被害で作動していないということで、内子インターから国道56号へおりました。国道も渋滞をする中、道の両脇にある災害ごみの山を横目に、大洲市新谷の市会議員宅へ行きました。議員宅も被災をし、車関係の仕事をしている事務所も整備工場も全部浸水被害に遭っていました。  そうした中でも、議員は、市民からの要望を行政に伝え、現場に向かい奮闘しておりました。私たちも一緒に被災現場を回らせていただく中で、トイレを含むライフラインの復旧を一刻も早くと多くの皆様から要望が出ておりました。  西予市野村は、宇和からの県道が通行どめとなっておりましたので、大洲市から県道で入りました。西予市の市会議員と乙亥会館前で待ち合わせをし、支援物資が満載されたトラックの到着を待ち、搬入のお手伝いもさせていただきました。乙亥会館にはまだ水が残り、川沿いは流された家もあり、氾濫の爪跡が生々しく残っておりました。本当にさぞ怖かっただろうと思います。  被災された兵頭県議の自宅を訪ねるも不在。聞けば、避難所を拠点に被災現場を回りながら、要望を聞き、復旧のお手伝いをされているとのこと、先ほども胸に迫る質問でありました。本当に頭が下がります。  野村に入ると、携帯電話がつながりにくいところがあり、安否の確認など御苦労されたと思います。その後、吉田町に入ると、水のことで御苦労されていました。井戸が本当に助けになるとのお話もいただきました。  7月16日には、石井国土交通大臣が大洲市と宇和島市吉田町を訪問されました。その際、公明党愛媛県本部として、石井大臣に対して、激甚災害の早期指定、交通インフラの早期復旧、仮設住宅の早期設置やダム運用規則の見直しなど緊急要望を行わせていただきました。  ここで、災害に強いライフラインについて質問をいたします。  7月豪雨災害は、特に被害の大きかった南予において、電気、水道を初め、通信施設や設備、道路、鉄道などに大きな損壊を与えました。幸い電気や通信施設については、関係者の御努力もあり、比較的早期に修復されたものと思っております。水道施設についても、吉田町の浄水場が土砂で損壊、埋没したこともあり、復旧まで長期化すると言われておりました。しかし、知事初め、政府や東京都の協力もあり、1カ月半近くかかったものの復旧しました。ただ、三間町においては、最近まで飲用の水質ではないという状態が続いておりました。そして、JR四国については、つい先日、卯之町-宇和島間が運転再開したばかりであります。また、吉田町を通る国道56号は、一部片側交互通行が続き、大雨が降れば通行どめという状況であります。  台風21号の直撃を受けた関西、猛烈な風により、関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突する映像や、建物の外壁が吹き飛ばされる映像には衝撃を受けました。この台風による停電は225万戸とされ、中山間部を中心に、数万世帯が1週間たっても停電が続いておると聞いております。倒木や電柱の倒壊で道路が塞がり、復旧作業に入れなかったことが大きな原因とされております。関西電力によりますと、電柱の変圧器の故障や各家庭への引き込み線の切断による停電は、把握し切れていないとのことでありました。中山間地では、水源からポンプアップして各家庭に配水しているところもありますから、そういうところは、当然水の供給もとまります。水が使えないということは、水洗トイレも使えないということになります。  北海道胆振東部地震では、北海道では初めての最大震度7を記録し、やはりライフラインに大きな被害を出しました。北海道最大の火力発電所で道内需要の半分以上の165万kWの出力を誇る苫東厚真発電所が損壊、東北電力から60万kWの融通を受けたとの報道もありますが、結果として、電力の需給バランスが崩れることにより、日本では初めて、道内ほぼ全域で停電するというブラックアウトという現象が起こったわけであります。  最近になってようやく不要となったものの、苫東厚真発電所の停止により、約2週間にわたって節電を続けなければならない状況にありました。折しも北海道では寒い日が続き、道民は不便を強いられていたのであります。  発災当初、札幌で暮らす私の次男夫婦から、通勤で使う地下鉄もとまり、自動車で通勤すると、信号が機能していないので、ふだんの数倍の時間がかかったという話を聞きました。マンションの給水塔へのポンプアップにも電気を使うわけですから、停電が続くと当然断水状態になります。主要交差点には警察官がいますが、それ以外の交差点は譲り合いながら通行するしかないということを聞きました。  通信施設や機器も、電気がないと機能しません。携帯の充電を求めて電源のあるところに殺到する様子は、関西国際空港や北海道胆振東部地震でも報道されました。また、携帯の電波基地局の非常用電源も最大で24時間程度とのことなので、停電が長引くと携帯電話も使用できなくなります。7月豪雨災害発災当初の野村でも、電波障害が発生をしておりました。  報道によりますと、電力の供給について、四国電力は、北海道のようなブラックアウトが起こる可能性は極めて低いとの認識を示しています。また、南海トラフ巨大地震が起きた場合でも、坂出、阿南、西条と分散している火力発電所が一気に被害を受けるとは考えにくいとも説明をしています。そして、中国地方と関西方面から電力融通を受けることができる体制も整えているとのことであります。ただ四国電力では、ブラックアウトを想定し、年1回の復旧訓練を行っているとのことであります。  北海道のブラックアウトについては、詳細な検証が必要とされています。北海道胆振東部地震での経済損失は、生産活動の停滞や観光産業への打撃も含め、5兆円を超えるとされています。ブラックアウトの影響は余りに大きく、愛媛県内だけでなく、四国全体の問題でもあります。  そこで、お伺いをいたします。  四国電力の大規模災害対策の状況はどうか、お聞かせを願いたいのであります。  四国電力は、本州からの電力融通もあると言われています。東北電力から北海道電力へ融通する際、直流から交流へ変換する必要があり、そのための電力が確保できなかったとの報道もあります。四国電力からは、電力融通を受ける場合の制約についてどのような説明になっているのか、お聞かせを願いたいのであります。  北海道胆振東部地震や大阪北部地震では、水道管が破損し大規模な断水が発生するなど、改めて、今後、想定される南海トラフ地震を見据え、水道施設の耐震化が喫緊の課題であると認識したところであります。また、今回、土砂流入により被災した吉田浄水場に見られるように、今後は地震のみならず、降雨による土砂災害の危険性にも留意をする必要があると考えます。  そこで、お伺いします。  今後、水道施設の耐震化と土砂災害への対応についてどう取り組んでいくのか、お聞かせを願いたいのであります。  道路と鉄道についても、大事なライフラインであります。7月豪雨災害では、高速道路が宇和島まで延伸していなければと考えるとぞっとするのであります。宇和島駅と卯之町駅間の工事も完了し、交通インフラの復旧も落ちついてきた感があります。発災当初問題となったのは、鉄道にかわる交通機関の確保であります。一番考えられるのがバスだと思います。例えば八幡浜から松山へ通勤、通学で利用する場合、鉄道であれば早朝から便がありますが、バス利用では8時近くでないと便がありません。そのことで随分不便を感じた、何とかならないものかとの相談も随分いただきました。災害時における弾力的なバスの運行等について、行政の関与のもと、鉄道事業者が事前に関係機関と協議をしておく必要があるのではないでしょうか。御見解をお聞かせ願いたいのであります。  7月豪雨災害でも、高速道路は命の道となりました。愛南町への延伸と四国8の字ネットワークの早期完成は、高知県とも連携しながら取り組むべき大事な課題であります。このことについての決意をお聞かせ願います。  7月豪雨災害で、吉田町では、道路や橋が寸断され、輸送手段として船に頼らざるを得なかったとの話も聞きました。吉田町に限らず、災害時に海上からの輸送を活用せざるを得ない地形に暮らす人は多いと思います。災害時に円滑な海上輸送を実施するため、平時から準備をしておく必要があると考えます。御見解をお聞かせください。  災害支援に対して、NPO等との連携について質問をいたします。  ことしの夏は、今までの人生の中でも忘れられない夏となりました。7月豪雨災害は、愛媛県に重くのしかかっています。生活再建もこれからという人がたくさんいらっしゃいます。そして、台風被害、地震被害と、日本列島はどうなっているのか、安心できるところはどこにもないというのが、国民の思いではないでしょうか。  豪雨災害の被災地に入って、さまざまなことを感じました。発災当初から復旧過程に応じて、被災者の皆さんの要望は変化をしていきます。また、災害ボランティアの皆さんが入ってくると、効率よく被災者支援に入っていただき、みんなが気持ちよく行動できるように差配することも必要となります。それぞれの役割を明確にしながら、混乱なく行動することが理想であります。自衛隊や警察の皆様にも大変にお世話になりました。発災当初は、行政もやるべきことが余りに多く、現場はパニックになっているように感じました。今まで経験したことがないような災害を目の前にして、無理もないと思います。
     そこで、頼りになったのが、東日本大震災の支援などでノウハウを蓄積している災害支援のNPOの皆さんの存在であります。暑い時期の作業の癒やしにかき氷を振る舞ったり、水没して車が使えなくなった方のために無料のレンタカーを提供したりと八面六臂の活躍ぶりでありました。もちろん今も支援を続けてくれています。そうした支援活動を行ってくださる内外のボランティア団体や個人の情報共有の場として、本県においても連絡会議が行われ、参加した方からは、状況がよくわかり、今後の活動の参考になったとの声もお聞きしました。  本年4月、内閣府より「防災における行政のNPO・ボランティア等との連携・協働ガイドブック~三者連携を目指して~」が公表されました。今回の豪雨災害でも、発災当初から自治体の仕事量は飛躍的に増大し、市職員だけでは対応できない状況となっていたように見えます。そうした中、被災者から寄せられるニーズに寄り添い、より適切、効果的な支援を行うために、被災地内外の行政組織、社会福祉協議会、NPO、ボランティア等が、災害に対応する行政と協働して被災者支援に当たる流れが定着をしつつあります。  その際、災害ボランティアセンター以外の多様な入り口を通じて、さまざまな支援団体が被災地での支援活動を行うようになっているのが現状であります。今回の豪雨災害の支援でも同様でありました。それらの活動を支え、適切な支援活動がなされるよう調整する中間支援組織の役割も重要と認識されるようになってきました。今回の豪雨災害支援でも、中間支援組織である全国災害ボランティア支援団体ネットワーク、通称JVOADのメンバーが発災当初から、県とも連携しながら活動していたと聞いております。  上記のガイドブックでは、熊本地震や九州北部豪雨など多くの事例から、行政、災害ボランティアセンター、NPOの3者連携や、平時からの関係構築に向けた考え方や活動方法を説明しています。ここ最近の状況を見ても、災害はいつ、どこで起こるか予想できません。だからこそ、平時の備えがますます大事となってくるのであります。  平時の取り組みについては、ガイドブックの大事なポイントの一つとして取り上げています。行政と社会福祉協議会の親密な関係構築はもちろんのこと、NPO等との連携に当たっては、連携のためのルールづくりや地域防災計画への反映などに加え、研修やイベント参加、共同での訓練等を通して、JVOADを初めとした全国域の中間支援組織とのネットワークを構築することも重要と考えられます。  行政は人事異動があります。今回の災害の実体験も、数年たてば、部署全員で共有することは難しいでしょう。災害支援のNPOの皆さん、特に中心となっている方は人事異動があるわけではないので、ノウハウはどんどん蓄積をされていきます。北海道胆振東部地震の支援もしながら、豪雨被災地の支援もするというように、今までの経験を生かしながら、被災者支援を続けておられます。  災害支援のNPOの中心者が望んでいるのは、定期的な行政との協議です。災害時、最終的な司令塔の役目は知事であり、県行政が担うのが自然であります。今回の豪雨災害における知事のリーダーシップには、目を見張るものがありました。県民の一人として、敬意と感謝を表したいと思います。  そして、被災者に具体的に寄り添うという意味では、災害支援のNPOの経験と知恵をふだんから県行政との協議の中で共有することが必要ではないでしょうか。  お伺いします。  気候変動とともに、地震災害を含め、ふだんから大きな災害に備えることが必要であります。その一環として、県を初め、災害支援のNPOを含めた平時からの定期的な協議の場を持っていただきたい。御見解をお聞かせ願います。  災害に強いミカン園地について質問をいたします。  吉田町のミカン山が崩落した現場に立ち、余りの景色の変貌に驚きました。石ころだらけの中にミカンの木がまばらに生えているという状態、園地に入ろうにも農道が土砂で埋まり、入れない状態が続いた農家も多かったと聞きます。大事に育てたミカンの木が、消毒もできない、水もやれない、手入れができないということにどれほどやきもきされたことでありましょう。  県からもたくさんの職員が、みかんボランティアとして園地の手伝いに入っていると聞きました。結局モノレールやスプリンクラーが損壊している状況では、手作業に頼るしかないと聞きます。摘果も大事な作業となります。  今回の豪雨災害による農林水産業の被害額は、9月12日現在、県で595億円、うちミカンを中心とする農業被害額は455億円と、直近20年で最も被害が大きかった平成16年度の台風6件の農林水産業被害額約314億円を大きく超えたと聞いております。  県も、7月末からミカン農家を守るため、復旧方法や資金繰りについてのワンストップの相談窓口を設け、対応に当たっておられます。8月初め、谷合正明農林水産副大臣が被災地の視察に来られ、同僚の木村議員とともに同行をさせていただきました。視察先は、大三島と松山市高浜、興居島の3カ所のミカン園地であります。それぞれ大規模な崩落により、原形からは想像もつかない状況になっているところもありました。副大臣からは、園地に入る道路と配水施設の応急復旧を最優先に取り組むことと同時に、植えかえや未収益期間に係る経費なども支援しなければならないとの話がありました。また、被害状況を見据えて、今後、園地を再形成するには、災害に強い園地とし、効率性、生産性の高いものにしなければならないとのコメントもありました。谷合副大臣は、9月22日にも山本博司参議院議員とともに吉田町の園地の状況を視察に来られ、関係の皆様との懇談もされております。  このように、ひとたび災害が発生すると、園地や施設、樹体の損失はもとより、農業者の生活を脅かす甚大な影響を及ぼすこととなります。  そこで、お伺いをいたします。  被害を受けたミカン園地の再生に向けて、災害に強い園地にするため、どのように取り組んでいくのか、お聞かせを願いたいのであります。  最後に、生活困窮者の自立支援についてお伺いをいたします。  貧困ビジネスや貧困の連鎖という言葉をたびたび耳にします。社会的に困窮している人を食い物にしようというやからを排除しなければならないことは当然であります。また、生まれた環境によって受けられる教育に格差が出るようなことも、是正をしなければなりません。貧困家庭にあっても、大学進学等が可能ということがあらかじめわかっていれば、子供たちにも希望が生まれ、自身の努力を喚起する要因ともなります。  本年6月8日に、生活困窮者自立支援法等の一部が改正されました。この改正により、自立支援制度の強化がなされるわけであります。そして、今回の改正におきまして、国等から財政支援が強化される部分もありますので、今まで以上の取り組みを切に願うところであります。  改正点を簡略に紹介します。生活困窮者に対する支援体制の強化として、就労準備支援事業、家計改善支援事業を実施する努力義務を創設し、両事業を一体的に実施した場合の国庫補助率引き上げ。学習支援に加え、生活習慣等の改善も助言するよう、子供の学習支援事業を子どもの生活・学習支援事業に拡充。一時生活支援事業でシェルター等を利用していた人について居住支援を強化。そして、県や市の各部局で把握した生活困窮者に対し、自立相談支援事業等の利用勧奨を行う努力義務を創設。また、県による市に対する研修等の支援を行う事業等が創設されています。さらに、生活保護法の改正による自立支援の強化・適正化、例えば大学等への進学を支援するために、進学準備給付金の創設などがあります。以上、一部を簡略に紹介いたしました。  自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業の一体的実施を進める県や市に対して、国は財政支援を手厚くする方針であります。県内においては、自立相談支援事業は全市町で実施しておりますが、就労準備支援事業は、松山市と郡部の6町、久万高原、松前、砥部、松野、鬼北、愛南で既に導入をされております。家計改善支援事業は、郡部9町で実施していますが、11市ではこれからということであります。  今回の法改正に伴い、県下市町においても、ぜひ3事業の一体的な実施に取り組んでいただきたいと考えておりますが、自治体ごとに事業を実施するのであれば、職員の人件費や事業費の負担が大きいことが予想されます。  そこで、お伺いをいたします。  複数の自治体による事業の広域的な連携も視野に入れて、市町の意向を確認しながら、一体的な実施の促進に向けて、今後、どのように取り組まれるのか、御見解をお聞かせください。  生活困窮者自立支援制度の利用者が少ないとの声をよく聞きます。主要な対象者として、福祉事務所来訪者のうち、生活保護に至らない人やひきこもり状態にある人などが対象者となるわけであります。しかし、そういった人は表に出にくく、掘り起こしが必要な場合も多いと思います。そこで、努力規定ではありますが、この事業の対象者を県の各部局で情報共有するとともに、市町と連携しながら掌握することが必要であると考えます。  愛媛県で暮らせば、たとえ予期しない事態により生活困窮者となっても、その場しのぎではない、将来に希望が持てる対応をしてくれると地域住民が自信を持って語れる愛媛になってもらいたいと切に思うのであります。御見解をお聞かせください。  7月豪雨災害の対応におきまして、知事の陣頭指揮には、先ほども申しましたが、敬意を表します。いち早く安倍総理に直接支援を要請し、被災地に寄り添いながらの行動に安堵した県民も多かったと思います。引き続きリーダーシップを発揮していただくことを切に願うところであります。  終わりに当たりまして、今回の災害に対し、関係し支援くださっている全ての皆様に心からの感謝を申し上げます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(村上要副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(村上要副議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 現場を細かく歩き回られて、その視点でさまざまな御提言を含めた御質問をいただきまして、私の方からは、そのうち、まず高速道路、8の字ネットワークについて、そして、ミカン関係にお答えをさせていただきたいと思います。  まず、高速道路についてですけれども、今回の豪雨では、国道56号やJRなど南予方面への交通網が寸断される中で、高速道路が被災地への救援や緊急物資の輸送、さらには復旧・復興に大きな効果を発揮しており、改めて必要不可欠な社会基盤であると実感をしております。  高速道路の南予延伸は、豪雨災害はもとより、南海トラフ地震発生時には、津波等により国道56号が寸断されるおそれがあることから、命の道として、また、農水産物の販路拡大や観光振興等の観点からも喫緊の課題と考えており、機会あるごとに国に働きかけてきた結果、内海-宿毛間については、新規事業化の前段となる計画段階評価に地域の意見を反映させるため、来月から地域住民等を対象としたアンケート調査が行われる予定となっています。  県としても、これまでも高速道路の南予延伸を最重要施策の一つに位置づけ、さきの重要要望においても、私みずからが津島道路の整備促進と内海-宿毛間の早期事業化を国に強く要望させていただいたところであり、道路はつながってこそ多様な効果を発揮するとの認識のもと、引き続き南予の市町や高知県とも連携しながら、県民の悲願である南予延伸の一日も早い実現と、四国8の字ネットワークの早期完成に向け、全力で取り組んでいきたいと思います。  次に、ミカン園地の御質問でございますが、本県の柑橘農業は、園地全体の約7割が急傾斜地という厳しい地形を活用し、その結果、水はけがよく日照にも恵まれる特質を最大限生かしながら、手間を惜しまず、高品質にこだわった生産に徹することで、市場から高い評価を得てきましたが、今回の豪雨により、数多くの園地が崩落し、農道や水利施設なども大きく損傷するという深刻な被害に直面する中で、自然と共生していかなければならない農業の厳しさ、難しさを改めて痛感します。  このため、今後の復旧に当たりましては、地形や地質、湧水の状況など園地崩落の原因を精査した上で、原形復旧の場合でも、可能な限り緩傾斜化を促進するほか、広範囲に及ぶ崩落箇所では、周辺の園地も含めた大規模な区画整理による思い切った緩傾斜化と農道、排水施設の整備を総合的に行っていく再編復旧の手法を提案するなど、農家や集落の意向を確認しながら、災害に強く、そして省力化も図られる園地再生を目指していきたいと考えています。  また、園地再生までの未収益期間は、JAによる農作業受託や新たな柑橘生産の実証事業等に従事することで、生計維持と産地力のレベルアップを確保できるなりわい支援も検討しており、意欲ある若い担い手が、将来にわたり安心して営農活動や経営発展に専念できる強靱な園地の再構築、まさにピンチをチャンスに変えるんだというような意気込みで取り組んでまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁をさせていただきます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(村上要副議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) 災害に強いライフラインの交通に関する御質問のうち、鉄道の代替輸送についてお答えをいたします。  災害時における鉄道の代替輸送は、県地域防災計画に基づき、利用者の利便性確保のため、鉄道事業者が対応に努めることとなっておりまして、今回の豪雨災害において、JR四国では、直ちにバスの手配や運行ルートの設定などに着手し、7月17日の八幡浜-卯之町駅間を皮切りに、順次、代替バスを運行するなど、県民の足の確保に努めたものと受けとめております。  一方で、通勤、通学の利用客の方々が不便を強いられたことも承知しておりまして、今回の事例を通じて、改めて鉄道が有するすぐれた輸送力はもとより、多様な交通ネットワーク形成の重要性を認識したところでございます。  このため、県としては、今後、愛媛運輸支局などの関係行政機関や交通事業者等の参画を得て設置している愛媛県地域交通活性化推進会議の場を活用して、関係者相互の情報共有を行うなど、災害時の応援体制の強化を図り、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(村上要副議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 2点お尋ねがございました。  停電対策の御質問のうち、四国電力の大規模災害対策の状況についてお答えをいたします。  四国電力が、平成26年4月に国に提出した大規模自然災害に対する電気設備の耐性評価及び復旧迅速化対策の検討結果によりますと、南海トラフ巨大地震が発生した場合、大規模な被害が発生する可能性のある火力発電所は2カ所で、復旧期間4カ月程度以上、中規模の被害が発生する可能性のある火力発電所は2カ所で、復旧期間1カ月程度以内と想定をされております。  このため、四国電力では、耐震補強、防潮扉の設置、機器のかさ上げ、復旧迅速化に係るマニュアル類の整備、災害復旧用資機材の追加、資機材・要員の電力会社間の融通、自衛隊など関係機関との連携強化などの対策を講じてきており、被害の防止や軽減、復旧期間の短縮に向け、全力で取り組んでいるとのことでございます。  四国電力によりますと、同社の発電設備は火力、水力、原子力等があり、主力の火力発電は、徳島県の阿南及び橘湾、香川県の坂出、愛媛県の西条の4カ所で、多様性と分散配置を確保していることから、一度に大きな被害を受けるとは考えにくいが、最も苛酷なケースを想定して、全ての火力発電が停止した場合でも、連系設備が健全であれば、本州からの電力融通により、四国エリアで全域停電に至る可能性は極めて低いとのことでございます。  次に、交通に関する御質問のうち、災害時の海上輸送についてお答えをいたします。  大規模災害が発生した場合、沿岸地域や島嶼部では、土砂災害等による道路の損壊や津波や高潮による交通手段の喪失によって孤立集落が発生するおそれがあるため、県内海運団体と物資や人員の輸送に関する協定を締結するとともに、地域防災計画に海上保安部や自衛隊による海上輸送体制を位置づけ、防災訓練に巡視艇や艦艇等が参加して、住民搬送訓練や物資搬送訓練を実施しております。  今回の豪雨災害では、訓練の成果等もあり、発災当初、宇和島市吉田町への海上保安部の巡視船による消防・警察・自衛隊の救助要員の搬送や重症患者の搬送、土砂崩れが発生した松山市怒和島への海上保安部及び県漁業取締船による警察官及び自衛隊員の搬送、断水状態となった上島町への海上自衛隊多用途支援艦による給水支援などを速やかに実施することができたと認識をしております。  県では、今後とも協定先との連携強化を図りますとともに、平素から総合防災訓練等を通じて海上保安部や自衛隊などとの連携を密にし、災害時の孤立地区などへの円滑な海上輸送の実施に万全を期してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(金子浩一県民環境部長) 議長 ○(村上要副議長) 金子県民環境部長   〔金子浩一県民環境部長登壇〕 ○(金子浩一県民環境部長) ライフラインに関する御質問のうち、水道施設の耐震化等への対応についてお答えさせていただきます。  県内市町では、これまで損壊した場合に影響の大きい浄水場や配水池等の耐震化を優先して進めてきたため、28年度末の耐震化率は、浄水場が51.0%で全国7位、配水池が57.9%で全国14位とそれぞれ全国平均を上回っておりますが、基幹管路の耐震適合率につきましては、年々上昇しているものの、全国平均38.7%に対し、25.6%にとどまっている状況にあります。  このため、県では、えひめ震災対策アクションプランに基づき、36年度までに基幹管路の耐震適合率45%の達成を目標に掲げ、各市町に対し、災害拠点病院や指定避難所等の重要な給水拠点となる施設への管路を優先的に耐震化することなどを助言するとともに、整備に要する多額の財源を確保するため、国に対し補助率のかさ上げや補助採択の要件緩和等を要望しているところであります。  また、土砂災害警戒区域や特別警戒区域に含まれる水道施設は、浄水場が257施設のうち38施設、配水池が929施設のうち102施設となっており、県としては、まずは各水道施設の防災上の課題等を把握した上で、市町に対策の促進等について助言を行うとともに、今後、市町の意向も踏まえながら、国に対する財政面や技術面での支援等に関する要望についても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(村上要副議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) まず、災害支援に関するNPOとの連携についてお答えをいたします。  今回の豪雨災害では、被害の大きい南予3市を中心に、全国から東日本大震災や熊本地震などの災害支援経験を有する多くのNPOやボランティア団体等の方々が駆けつけ、それぞれの経験に基づくノウハウやさまざまな専門性を生かして、被災地のニーズに沿った支援をいただいているところでありまして、これらの災害ボランティアによる支援活動が効果的に展開できるよう、連携体制の構築が重要と認識をしております。  このため、本県では、発災直後から、内閣府や全国の災害ボランティアの連携組織であります全国災害ボランティア支援団体ネットワーク等の協力のもと、行政と社会福祉協議会、災害ボランティアの3者による情報共有会議を定期的に開催いたしまして、被災者ニーズの把握やNPO等の有するノウハウの提供、各団体の活動状況の情報共有等を図っているところであり、この情報共有会議での取り組みを生かして、将来の南海トラフ地震も見据え、さまざまな主体による災害支援活動の連携・調整機能の強化を図るなど、平時における本県の災害支援ネットワークづくりにつなげてまいりたいと考えております。  次に、生活困窮者の自立支援に関する御質問のうち、広域的な連携も視野に入れた支援事業等の一体的実施についてお答えをいたします。  本年6月の生活困窮者自立支援法の改正により、包括的に生活困窮者の自立を支援するため、自立相談支援事業を核に、家計改善支援事業と就労準備支援事業の2事業を一体的に実施することが努力義務とされたところでありますが、本県では2事業を未実施の市が多いことから、法改正の趣旨を踏まえ、これらの市の取り組みを促進することが必要と考えております。  国においては、今後、2事業の適切な推進を図るための指針を策定するなど、3年間で実施体制の整備を進め、2022年度を目標に、2事業の完全実施を目指すこととしておりまして、県としても、2事業未実施の市に対して、一体的な事業の実施を働きかけているところであります。  県が実施主体であります町の事業につきましては、ノウハウを有する支援団体に委託し、広域で支援事業を実施している事例もありますことから、今後、市町の意向を踏まえながら、複数自治体による広域的な連携実施を提案するなど、自立相談支援事業等の一体的な実施に向けた取り組みが進むよう支援してまいりたいと考えております。  次に、県と市町が連携した取り組みについてお答えをいたします。  地域のコミュニティや互助・共助機能が薄れるなど社会構造が変化をする中、ひきこもりなど社会的孤立状態にあり、みずから支援を求めることが困難な対象者を早期に把握し、支援につなげることが重要と認識をしております。  このため、県では、市町と連携し、福祉の各種相談窓口で支援対象者を把握した場合には、自立相談支援機関につなぐよう努めているところでありますが、今回の法改正を機に、毎年11月に開催をする相談支援員の養成、資質向上を図る研修会を、県・市町の福祉部門に加えまして、就労、教育、税務、住宅等の関係部局職員も対象として実施をし制度の周知と情報共有を図るとともに、各部局の窓口に生活困窮者自立支援制度を紹介するリーフレットを設置するなど、支援対象者の掘り起こしや相談窓口への誘導等に連携を強化して取り組むこととしているところであります。  また、県では、包括的地域福祉社会づくりに向けたセミナーを開催するなど、福祉を支える関係機関のネットワークづくりや県民の福祉に対する参画意識の醸成にも取り組んでいるところでありまして、今後とも、生活困窮者を初め、支援を必要とする方が安心して暮らせる地域社会づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田中英樹経済労働部長) 議長 ○(村上要副議長) 田中経済労働部長   〔田中英樹経済労働部長登壇〕 ○(田中英樹経済労働部長) 災害に強いライフラインに関する停電対策の御質問のうち、四国電力の電力融通についてお答えいたします。  四国電力は、中国電力及び関西電力とそれぞれ瀬戸大橋に設置したケーブル及び徳島-和歌山間の海底ケーブルの2系統の連系線を設け、電力融通を行っております。  四国電力に電力融通を受ける際の制約を確認したところ、1つ目は、この2系統の連系線からの受電は、四国管内で想定される最大電力需要時の約500万kWの半分程度である260万kWであること、2つ目として、関西電力との連系線については、北海道と同じく、受電時に直流から交流に変換する電源が必要であることとの説明を受けております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(村上要副議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明26日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後2時56分 散会...