愛媛県議会 2001-09-27
平成13年第273回定例会(第4号 9月27日)
平成13年第273回定例会(第4号 9月27日) 第273回
愛媛県議会定例会会議録 第4号
平成13年9月27日(木曜日)
〇出席議員 51名
1番 阿 部 悦 子
2番 今 井 久 代
3番 佐々木 泉
4番 白 石 徹
5番 戒 能 潤之介
6番 渡 部 浩
7番 赤 松 泰 伸
8番 本 宮 勇
9番 欠 番
10番 欠 番
11番 欠 番
12番 池 田 伸
13番 高 橋 克 麿
14番 井 上 和 久
15番 尾 崎 聡
16番 黒 川 洋 介
17番 河 野 忠 康
18番 明 比 昭 治
19番 猪 野 武 典
20番 田 中 多佳子
21番 岡 田 志 朗
22番 井 原 巧
23番 堀 内 琢 郎
24番 藤 田 光 男
25番 村 上 要
26番 中 矢 民三郎
27番 毛 利 修 三
28番 仲 田 中 一
29番 寺 井 修
30番 薬師寺 信 義
31番 西 原 進 平
32番 帽 子 敏 信
33番 山 本 敏 孝
34番 岡 野 達 也
35番 栗 林 新 吾
36番 笹 田 徳三郎
37番 大 前 尚 道
38番 清 家 俊 蔵
39番 菊 池 平 以
40番 高 門 清 彦
41番 横 田 弘 之
42番 越 智 忍
43番 森 高 康 行
44番 篠 原 実
45番 俊 成 薫
46番 欠 番
47番 岡 田 稔
48番 中 畑 保 一
49番 山 本 順 三
50番 谷 本 永 年
51番 柳 沢 正 三
52番 玉 井 実 雄
53番 亀 岡 秀 雄
54番 池 田 忠 幸
55番 先 田 通 夫
――――――――――――――
〇欠席議員 なし
――――――――――――――
〇欠 員 1名
――――――――――――――
〇出席理事者
知事 加 戸 守 行
副知事 矢 野 順 意
副知事 前 田 瑞 枝
出納長 宮 内 薫
理事 服 部 和 良
総務部長 吉 崎 賢 介
企画情報部長 壺 内 紘 光
県民環境部長 武 智 勝 久
保健福祉部長 今 井 春 雄
経済労働部長 高須賀 功
農林水産部長 市 川 憲 次
土木部長 山 本 雅 史
公営企業管理者職務代理者公営企業管理局長 永 野 英 詞
教育委員会委員 井 関 和 彦
教育委員会委員教育長 吉野内 直 光
人事委員会委員長 稲 瀬 道 和
公安委員会委員長 水 木 儀 三
警察本部長 安 原 敬 裕
監査委員 達 川 光 作
――――――――――――――
〇
出席事務局職員
事務局長 佐 野 武 秀
事務局次長 山 岡 昌 徳
総務課長 栗 田 史 朗
議事課長 井 上 久 義
総務課長補佐 窪 田 克 博
副
参事議事課長補佐 大 内 史
――――――――――――――
〇本日の会議に付した事件
定第95号議案ないし定第115号議案
――――――――――――――
午前10時 開議
○(
山本敏孝議長) ただいまから、本日の会議を開きます。
本日の
会議録署名者に高門清彦議員、
中矢民三郎議員を指名いたします。
――――――――――――――
○(
山本敏孝議長) これから、定第95号議案平成13年度愛媛県
一般会計補正予算ないし定第115号議案を一括議題とし、質疑を行います。
○(
毛利修三議員) 議長
○(
山本敏孝議長)
毛利修三議員
〔
毛利修三議員登壇〕
○(
毛利修三議員)(拍手)人間回復の世紀であるはずの21世紀は、今まで想像だにしなかったそら恐ろしいテロから始まりました。人間回復は、命の尊重から始まるはずです。21世紀の平穏無事と世界の平和をともに祈りたい心境であります。
県水産試験場は8月28日、アコヤ貝の大量へい死の共通現象とされる貝柱の赤変化が広がり、8月上旬から続いている高水温と急激な水温変化の影響で、国産天然貝と中国系交配貝のへい死率が大幅に上昇したと発表、大量へい死につながる可能性があるので、貝の育成管理に十分注意してほしいと呼びかけております。9月に入り水温も徐々に低下しているものの、宇和海の真珠養殖業者にとっては不安な毎日が続いており、大量へい死を何とか食いとめようと今、懸命な努力をしているところであります。
県においても、現状の宇和海の環境でも死なない、そしてすぐれた玉を出す
アコヤ貝づくりの研究に一丸となって取り組んでいただいておることは十分承知しており、明るい話も聞いておりますが、今が正念場であります。一層のお力添えをいただきますようお願いする次第であります。
また、数年に及んだ大量へい死の打撃と長引く不況の影響による価格低迷の中で漁業者は、引き続きまことに厳しい経営状況にあり、資金面での支援も重ねてお願いするものであります。
それでは、質問に入ります。
質問の最初は、農業問題についてであります。
農業は国の基。地域でとれた農産物を地域で消費する、いわゆる地産地消は、この大切な農業を守る出発点であり自然の姿ではないかと思っております。
そこで地産地消の推進についてお伺いをいたします。
今日、我が国においては、中国、韓国など
東南アジア諸国からの輸入農産物の急増に見られるように安価な輸入ものを求める動きがある一方、消費者からは、新鮮で安全な国内産農産物、とりわけ地元生産者の顔の見える農産物を求める声が急速に高まっております。
従来の地産地消の典型としては、地元農家が消費者や食品加工業者と契約して米や野菜を定期的に供給する契約栽培や生協などによる産直事業などが挙げられますが、近年では、市町村や地元農協などが中心になって、ファーマーズマーケットとも言うべき産地直売所が各地に開設されており、私の地元においても、日吉村の夢産地、松野町ののびのの、広見町の森の三角帽子などが開設され、いずれも早朝から大勢の人がにぎわい事業の着実な進展を見ているところでありまして、地域農業の振興を考える上からも大変喜ばしいことだと思うのでございます。
ところで昨年3月、国民の健康増進や生活の質的向上及び食料の安定供給の確保を図るため、食生活指針が閣議決定されました。この中で、食事のバランスや品目の組み合わせの大切さ、地域の産物や旬の素材の積極的な活用、日本の食文化のよさの見直しなどについて提言がなされており、今年度から国においては、食を考える国民会議を中心に、全国一斉の普及啓発活動を行っているところと聞いております。
県においても、新しい
愛媛づくり指針において、食と農の連携の強化や生涯を通じた健康づくりの推進、健康教育の充実などを掲げられ、各種事業に着手されているところでありますが、あわせてこの食生活指針を広く県民に周知していくことが有用であるとともに特に、その推進の核となる取り組みとして、地産地消運動の展開が喫緊の課題ではないかと考えております。
県民意識の啓発を図り、健全な食生活を実現し、あわせて県内産地の生産活動の活性化を進めるためには、地域の新鮮で安全安心な食料を安定的に供給し消費する地産地消の体制づくりが重要であると思うのであります。
そこで県においては、本県農産物の地産地消についてどのように取り組もうとしておられるのか、まずお伺いをしたいのであります。
次に、卸売市場の整備についてお伺いをいたします。
御案内のとおり卸売市場は、地域で生産された野菜や果物、花卉などを生産農家が直接にあるいは農協などを通じて随時出荷するいわば青果物の主要な販売先であると同時に、市場に集荷された農産物は、その卸売機能を通じてスーパーや青果小売店に供給され消費者に円滑に届けられる地場流通のかなめとなる施設であります。
しかしながら、卸売市場を取り巻く状況は、青果物流通の広域化や量販店による直接仕入れなど市場外流通の増加などによりその運営は厳しさを増しており、県内市場においても、集荷力の強化や施設の近代化など流通事情の変化に即した市場機能の強化が大きな課題となっております。
さきに述べましたとおり私は、近年盛んになっている青空市や農協による産直市などの消費者と生産者が直接結びついた
農産物販売活動が地域流通の一端を担うものとして、また、消費者の農業への理解を深めるものとして発展していくことに大きな期待を寄せているところでありますが、大量の農産物を集荷し消費者に安定的に供給していくためには、やはり卸売市場が生産者と消費者のよりよいかけ橋としてしっかりと機能していくことが何よりも大切と考えております。
伺いますと、市場というものは、ピラミッドが築かれた古代エジプトにその原型ができ上がっていたと聞いておりまして、ピラミッドの礎石には、タマネギ、ニンニクなどを取引する絵が刻まれているそうであります。以来5000年を経過した今日においても、市場は全世界の人類が集まる場所として続いており、世の中がどう変わろうと、また、国情がどう変わろうと市場は時代を超えて不可欠なものであり、その公共性が語られるゆえんであろうとも考えるのであります。
そこでお伺いをいたします。
県においては、東予地域で計画されている3つの
青果卸売市場の統合と新たな
地方卸売市場愛媛青果食品流通センターの開設にどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせ願いたいのであります。
次に、生活交通の維持、確保についてお伺いをいたします。
御承知のとおり平成14年2月から、
乗合バス事業における
需給調整規制が廃止され、
乗合バス事業への参入やバス路線の撤退が自由化されることになります。
需給調整規制の廃止は、市場原理による競争を通じて乗合バスのサービス向上を目指す一方で、バス路線の撤退の自由を認めることでもありますので、本県のような特に半島部や中山間の過疎地域を抱える地方においては、ほとんどの路線が赤字と言われ、たちまち切り捨てられるのではないかと懸念されるところであります。
また、今年度から乗合バスに対する
国庫補助制度が大きく変わり、補助の対象となる路線は一定の要件を満たす広域的、幹線的路線に限定され、それ以外の路線については、地方自治体が主体的に維持、確保対策を講じることとされたのであります。
今後、地方自治体は、それぞれの路線が本当に住民に必要な路線であるかどうかを見きわめて、路線の廃止はやむを得ないのか、それともどうしても維持する必要があるのか、さらに廃止後の対応はどうするのか、みずから決定しなければならず、市町村にとっては厳しい試練ともいうべき問題だろうと思います。
県は、愛媛県
生活交通確保対策地域協議会を設置し、その中での協議を通じて、
生活交通確保のための課題や
国庫補助対象路線の概要などを内容とする
生活交通路線維持確保3カ年計画を策定されたところでありますが、それによりますと、住民が通勤、通学、通院など日常生活に利用する
生活交通路線は全県下で443路線あり、そのほとんどが赤字路線であるにもかかわらず、
国庫補助制度の補助対象となる路線はわずかに63路線全体の14%にすぎず、旧制度の
補助対象路線135路線と比べても半減してしまう見通しとなっております。
規制緩和や地方分権の推進は避けて通れないものではありますが、私が最も心配をいたしますのは、若年層を中心とした人口の減少が続き高齢化が進行して集落の活力が低下している過疎地域にとって、
生活バス路線もなくなるということになれば、過疎化にさらに追い打ちをかけることになるのではないかということであります。住民の足を確保し過疎化に歯どめをかけるためには、まず第1に、住民に身近な市町村みずからが対策を講じる必要があり、その方策としては、バス事業者に対して補助金を出し路線を維持するあるいはまた独自で福祉バス、通学バスを運行するなどの方法も考えられるでありましょうが、いずれにしても現在の厳しい財政状況のもとで市町村が苦しい対応を迫られることは、十分理解できるのであります。
生活交通路線の維持、確保に向けた市町村の取り組みに対しては、県の積極的な支援を願うものであります。
そこでお伺いをいたします。
住民にとって不可欠な生活交通を確保するために、県は市町村にどのような取り組みを指導されようとしているのか。また、
国庫補助制度の改正に伴い、
県単独補助制度をどのように見直していくのか、お聞かせ願いたいのであります。
次は、IT講習の開催状況についてお伺いいたします。
情報通信技術による産業、社会構造の変革、すなわちIT革命は今、私たちの生活を大きく変えつつあります。数年前までITという言葉さえ余り知られていませんでしたが、現在では、携帯電話を初めパソコン、
インターネットなどのITが生活の一部に取り組まれてきております。数年後には、今まで体験したこともないネット社会が生まれ私たちのライフスタイルやビジネス環境は劇的に変化すると言われており、まさにIT革命は21世紀の産業革命と言っても過言ではありません。
このような中、本年1月には
高度情報通信ネットワーク社会形成基本法いわゆるIT基本法が施行されるとともに内閣に
IT戦略本部が設置され、今後、5年以内に日本が世界最先端のIT国家へと生まれ変わるため、行政はもとより企業、国民をも巻き込んだ
一大国家プロジェクトとしてのe―
Japan戦略が決定されましたが、その基本理念の一つであるすべての国民がITのメリットを享受できる社会を実現するための具体的な施策として、現在、全国でIT講習会が開催されていると伺っております。
また、国の14年度の概算要求基準を見ましても重点7分野の1つにIT革命の推進が掲げられており、超
高速ネットワークインフラの整備や電子政府、電子自治体の実現とあわせて、IT革命に対応した人材の育成が掲げられております。こうしたe―
Japan戦略の推進により21世紀の日本は、生活や仕事などあらゆる分野で
インターネットによるネットワークを利用した仕組みが今後急速に普及していくと考えられますが、そのためにも、1つには、すべての国民が
インターネットを使いこなせ、多様な情報、知識を世界的規模で入手、発信できる能力を身につけること、今一つは、地理的な条件、年齢、身体的な条件に基づく情報格差の解消を図ることがe―
Japan戦略を推進する上で最も重要かつ緊急の課題ではないかと考えております。
そこでお伺いをいたします。
本県でもこのe―
Japan戦略の一環としてIT講習を県下各地で開催していますが、競争率が高くなかなか受講できないという声も耳にしております。現在までのIT講習の開催状況はどうなっているのか。また、今後はどのように進めていくのか、お聞かせ願いたいのであります。
次は、障害者の
情報バリアフリー化についてであります。
パソコン、
インターネットなどITの進歩、普及は、障害者の方々にとっても、情報伝達や移動のハンディキャップを補う有効な手段としてとらえることができ、個々の障害に応じた機器や指導がありさえすればITはだれにでも利用できるのであります。現在でも県や市町村、民間で障害者の方々に対する講習会を実施しておりますが、受講者の中には、情報収集への活用や技術取得による就労意欲など熱心前向きな声がある一方で、視覚障害者に対する指導者不足を指摘する声も聞かれます。
盲学校での指導により若い世代は、パソコンや
インターネットの使用がふえておりますが、中高年や中途障害者は学ぶ機会が少ないのが現状であり、また、民間での講習実施については、採算性から行政の補助やボランティアがないと難しいと指摘されております。
さらに問題なのは、IT機器への経済的負担であります。重度障害者に給付される日常生活用具は、国の制度ではワープロやタイプライターが認められておりますが、要望が強いにもかかわらずパソコンは認められておりません。ついては、障害者へのパソコンの給付についてどのようにお考えか、お聞かせ願いたいのであります。
また、障害者の
パソコン周辺機器の取得については9月補正予算で助成措置されると伺っておりますが、この具体的内容についてもお聞かせを願います。
なお、今後、ITを活用した障害者の自立や就労促進を図るためには、障害者に対する指導者の育成や障害者の情報格差の是正、解消がさらに必要となってくると考えられますが、県においては、どのような対策を講じていかれるのか、お伺いをいたします。
次に、微生物を利用した環境浄化についてお伺いをいたします。
21世紀は環境の世紀と言われ、地球規模においても、また、地域社会においても環境問題の重要性がますます高まっていくであろうことは、あえて申し上げるまでもありません。
そして、その流れの中で私は、私たちの社会で最も大きな環境負荷を排出しているのは、やはり企業ではないかとの観点から、今後、すべての企業を
環境保全型企業に変えていくことが極めて重要なことだと考えております。
幸いにも先般、海外視察団に参加する機会を与えられ、カナダ・バンクーバーの
有機廃棄物処理施設インターナショナル・
バイオ・リカバリー社を訪問いたしました。そこで会長の興味深い話をお聞きし、生物の起源ともいえる微生物の働きの不思議、その効用の大きさに感銘を受け感心して帰国したところであります。
また先日は、県議会の
環境対策特別委員会の一員として県の
工業技術センターを訪問し、
環境浄化微生物普及事業の研究現場を視察、大いにその実用化に期待を寄したところでもあります。
センターでは、乳酸菌や酵母の微生物を糖蜜で発酵培養する
小規模プラントを設置し、食品工場など多くのモニター企業の協力を得て、そこで発生する活性汚泥の量を削減する研究を進めており、
モニタリング調査の結果にもあらわれておりましたが、この研究により、企業のコスト削減など大きな経済効果が期待できるとの説明をいただきました。有用菌や微生物を使って排水などを処理する方法は、化学薬品での処理と比べて環境に優しく、県がこうした技術を利用した
環境保全型企業の育成に力を入れられておられることは、まことに時を得た取り組みであります。
さらに、地球環境への対応もさることながら、多額の
廃棄物処理費用に悩む県内中小企業の経営効率化を支援することが喫緊の課題となっている中、排水処理に伴い発生する汚泥を削減する可能性が高いこの事業は、不況で厳しい経営を強いられている企業にとって、端的にコストダウンにつながる極めて有意義な事業であると考えております。
私は、この
環境浄化微生物普及事業を今後大きく発展させ、
環境保全型企業の育成に一層努めていただきたいと思うのであります。
そこでお伺いをいたします。
この事業の現在の取り組み状況と今後どのように事業展開していく計画なのか、明らかにされたいのであります。
最後に、暴走族対策についてお伺いをいたします。
最近の暴走族は、消音器を取り外したり切断した二輪車を使用して空吹かしを行い耐えがたい爆音を発して県民の安眠を妨害しているなど近隣の静穏を害しております。まさに音の暴力と言っても過言ではなく、どのような理由があろうとも許されるものではありません。
さらに、これら暴走族の仲間であろうと思われる多数の少年が、暴走現場に集まり暴走している仲間に声援や拍手を送って暴走行為をあおりお祭り騒ぎをして近隣の住民に多大な迷惑と不安を与えている状況にあります。
警察で期待族と呼んでいるこのような少年などの行為は、悪質性、迷惑性に関して、
暴走行為そのものと比較しても決して遜色はなく、県民生活の安全と安寧の侵害は甚だしいと思っております。
平成11年5月30日、松山市内で発生した警察官に対する
集団公務執行妨害事案は、彼らの無軌道な無法集団ぶりをあらわした端的な例であり言語道断であります。
その一方、神奈川県では、これら暴走族と期待族の行為に業を煮やした住民が暴走族を捕まえようとしたところ反対に襲撃され命を落とすという痛ましい事案も発生しており、社会規範意識、道徳意識の欠如した暴走族及び期待族の横行は断じて許せないと考えているのは、私だけではないと思います。
こうした暴走族の対策として姫路市においては、期待族による暴走を助長する行為を市の条例で規制したと聞いております。青森県においても、祭りを妨害する暴走族の行為を規制しております。必要があれば、本県においても検討してもよい時期に来ているのではないかと考えるものであります。
最近、新聞やテレビの報道で、暴走族検挙の記事をよく見かけます。警察においても一生懸命取り組んでいただいていることは十分承知しており、県民の一人として感謝しておりますが、深夜の爆音暴走は相変わらず続いており、今夏の猛暑と相まって眠れぬ夜を強いられた県民は数多く、警察には、なお一層の取り締まりの強化に努めていただきたいと思っている次第であります。
そこで暴走族の現況はどうなのか。また、その検挙状況はどうか。期待族に対する効果的な
取り締まり方策はあるのか。この3点について警察本部長にお伺いをいたしたいのであります。
以上で質問を終わります。本当にありがとうございました。(拍手)
○(
山本敏孝議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 毛利議員の質問に答弁さしていただきます。
まず、農産物の地産地消についてどう取り組もうとしているのかとのお尋ねでございました。
お話のございました地産地消は、地域の農業や農産物に対する消費者の理解が深まるという点、安価で安心安全な生鮮食料品が提供されるという点、さらには地元農産物の消費拡大が農家の励みともなり生産意欲を高めるという点等々さまざまな効果が期待されるものでございまして、その推進に当たっては、食生活と生産現場を結びつける活動が大切と考えております。
このため、県におきましては今回、えひめの
農林水産物愛用推進事業を創設いたしまして、県民一人一人とりわけ成長過程にある小中学生の望ましい食生活習慣の形成に向けました親しみの持てる
啓発用パンフレットを作成、配布いたしますとともに地域における食と農の連携のモデルといたしまして、地域農産物の学校給食での利用状況調査とこれに基づいた食材の
供給体制づくりや地元産品を使った給食メニューの開発等に取り組むことといたしました。
また、地産地消は、県内自給率の向上、中山間地域の活性化にもつながるものでございまして、今後、農産物販売の主力となる県外出荷の拡大とあわせまして積極的に推進してまいりたいと思っております。
なお、お話のございました農産物の地産地消運動は、ある意味では、今、不振をきわめております今治地域のタオルあるいは県内の県産材の使用等々にも相一脈つながる考え方ではないかと思っておりまして、単に農産物のみならず県産品、県産材に関します県民の意識が盛り上がっていただければ幸いだと願っております。
次に、生活交通を確保するため、市町村にどのような取り組みを指導するのかとのお尋ねでございました。さらにあわせて、
国庫補助制度の改正に伴い、
県単独補助制度をどのように見直していくのかとの質問でございました。
お話がありましたとおり、路線バスの維持、確保のための
国庫補助制度の改正によりまして、
補助対象路線が大幅に減少いたしますことから、市町村では、住民の足を確保するために主体的な対応が求められている段階にございます。
市町村の生活交通の維持、確保に向けた取り組みといたしましては、現行路線維持のためのバス事業者への補助、市町村が所有する自動車の自主運行や事業者への運行委託、福祉バスやスクールバスの活用、乗合タクシーの利用等々が考えられます。
県といたしましては、市町村への特別交付税措置による財政的支援が拡充されたことも考慮に入れまして、各市町村の実態に即した維持、確保方策を促しますとともに
県単独補助制度につきましては、市町村の意見や他県の制度も参考にしつつ
生活交通確保対策地域協議会で十分検討した上で、早期に制度を決定したいと考えおります。中でも特に、合併に積極的に取り組んでいただいております市町村地域内の路線バスに対しましては、優遇措置をあわせて検討したいと思っております。
環境浄化問題に関しての御質問で、毛利議員がバンクーバーのインターナショナル・バイオ・リカバリーを視察されての感想を述べられました。
私も1月にこのIBRに伺いまして、同様な感じで受けて帰ったところでもございますし、また、知事就任以来、力を入れております
環境浄化微生物普及事業に関しまして、強い関心と力強い御支援をいただきましたことに感謝申し上げたいと思います。
これらの問題を含めまして、その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(矢野順意副知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 矢野副知事
〔矢野順意副知事登壇〕
○(矢野順意副知事) 毛利議員の御質問にお答えをいたします。
環境浄化微生物普及事業の取り組み状況と今後の事業展開についてのお尋ねでございました。
県におきましては、平成12年11月に
工業技術センター内に設置をいたしました環境浄化微生物の小型培養プラントをフル稼働しておりまして、これまで32のモニター企業に対しまして微生物培養液の無償提供や技術支援を行っております。その結果、多くの企業から、悪臭がなくなった、排水処理による汚泥発生量が減少をした、肥料製造が効率化したなど微生物の活用の効果が報告されております。また、去る6月26日に
工業技術センターで開催をいたしましたモニター企業を主とする成果発表会におきましては、松山市内の食品メーカーなど4社から、微生物活用効果やコスト削減の顕著な事例が報告をされております。
このため現在、微生物が有効に機能する条件のさらなる解明に向けまして、これらのモニター企業から寄せられました利用環境等の各種条件を詳細に分析をいたしまして、培養や利用の効果的技術手法について検討を進めますとともに微生物活用の経済的効果につきましても取りまとめをすることにいたしております。
今後ともこの微生物による排水処理や肥料製造におきます実証試験をさらに進めますとともにこれらの研究成果を踏まえまして、民間への微生物培養技術の移転方策や培養液の供給体制など普及に向けましてさまざまな角度から引き続き検討を進めることにしておりますが、でき得れば県下のすべての排水処理施設で微生物が活用をされ、企業のコスト削減が図られますとともに河川の水質を浄化いたしまして環境改善を進めてまいりたいと願っております。
以上でございます。
○(壺内紘光企画情報部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 壺内企画情報部長
〔壺内紘光企画情報部長登壇〕
○(壺内紘光企画情報部長) 毛利議員のIT関連の御質問にお答えをいたします。
IT関連の質問のうち、現在までのIT講習の開催状況はどうなっているのか。また、今後はどのように進めるのかという御質問でございました。
IT講習は、平成12年度と13年度の2カ年度で全国で550万人を対象に開催されておりますが、本県におきましては、市町村と共同で6万6,000人の受講を目標といたしまして、ことしの1月から小中高等学校、公民館や民間のパソコン教室などで開催をしておるところでございます。事業開始から今月末までの9カ月間で、すべての市町村で合計2,077講座を開催いたしまして約3万7,000人が受講しておりますが、受講ニーズの高い高齢者や主婦の方々のために、受講場所や時間帯に配慮するなど受講しやすい環境づくりに努めているところでございます。
また、ITの利用機会に恵まれない方に受講機会を提供するという観点から、視覚、聴覚、肢体等に障害を持つ方々のための専用講座も順次開設しているところでございます。
今年度末までの残り6カ月の期間でございますが、より多くの方々に受講していただくため、テレビ、ラジオなどによる広報の充実や受講者募集チラシの配布回数をふやすなどより一層周知啓発に努めまして、潜在的な受講希望者を発掘していきたいと考えております。
以上でございます。
○(今井春雄保健福祉部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 今井保健福祉部長
〔今井春雄保健福祉部長登壇〕
○(今井春雄保健福祉部長) 毛利議員にお答えいたします。
障害者の
情報バリアフリー化について、まず、障害者へのパソコンの給付についてどう考え、
パソコン周辺機器取得への助成措置をどのように講じるのかとのお尋ねでございます。
障害者にとってパソコンは、コミュニケーションを容易にし自立と社会参加を促進する有効な手段だと認識をしております。
しかし、厚生労働省におきましては、日常生活用具を角度が調整できる特殊な寝台や視覚障害者用時計など在宅障害者の日常生活の便宜を図るための用具としておりまして、多くの機能を持つパソコンは、障害を補う目的に沿う用具とは認めらていないことから給付対象としてないのであります。
県としましても、日常生活用具の給付方針を国と同様にとらえておりまして、今のところパソコンを障害者に給付することは考えておりませんので、御理解をいただきたいと存じます。しかしながら、
パソコン周辺機器等の取得助成につきましては、重度視覚障害者及び重度上肢不自由者を対象としまして、パソコン本体を除く点字用キーボードや音声読み上げソフトなど障害のある方が容易に利用できる機器やソフトウエアを購入する経費に対しまして、10万円を限度に助成することといたしました。
今後、障害者の方々が、これらの情報機器を積極的に利用され社会の構成員として地域の中でともに生活が送れるよう、みずからのコミュニケーション能力の向上等に役立てていただきたいと考えております。
次に、ITを活用した障害者の自立や就労促進を図るため、どのような対策を講じていくのかとのお尋ねでございます。
県では現在、視聴覚福祉センターにおきまして、視覚や聴覚の障害者への情報提供、中途視覚障害者への専門指導員による点字、ワープロ、家事動作等の生活訓練のほか、文化、学習活動、ボランティアの養成、交流活動などの事業を実施しまして、障害者の自立と社会参加の促進に努めているところであります。
さらに、お話のITを活用した障害者の自立や就労促進に資するITの知識、技術の学習機会を充実するために、今回新たに、さまざまな情報の発信、入手を支援する視聴覚福祉センターホームページの開設、音声ソフトを導入して、パソコンの操作方法を指導する視覚障害者情報機器操作支援事業、パソコン及び周辺機器を導入して、点字、録音図書を迅速に活用できる点字図書館等情報ネットワークシステムの整備などに取り組むことといたしました。
なお、障害者に対するITの知識、技術の指導訓練については、中央レベルで開催される障害者用情報機器指導員研修などで職員の指導能力を高めるとともに広く福祉ボランティアやNPOなどの協力、支援が得られるように環境づくりに努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
○(市川憲次農林水産部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 市川農林水産部長
〔市川憲次農林水産部長登壇〕
○(市川憲次農林水産部長) 毛利議員にお答えいたします。
東予地域で計画されている3つの
青果卸売市場の統合と新たな地方卸売市場の開設にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。
卸売市場は、農産物の生産現場と消費者をつなぐ流通の拠点でございまして、県民生活に必要な生鮮食料品の安定的な供給や効率的な物流の確保等に極めて重要な役割を果たしております。
お話の西条、新居浜、周桑の3つの卸売市場統合につきましては、地方卸売市場の施設の近代化や運営の合理化に向けましてその整備統合を求めた国の方針あるいは県の第6次卸売市場整備計画に沿って行われるものでございまして、青果物の入荷状況や取引結果等の情報処理設備、自動制御の冷蔵システム、花の競りを行う場への自動搬送システムの導入など最新鋭の機能を備えた市場として、15年4月を目途に交通要路の西条市船屋に開設される予定でございます。
県といたしましては、市場の統合が地元の農家の安定した出荷先の確保と産地の育成にもつながりますことから、その整備と開設が円滑に進むように積極的に支援してまいりたいと考えております。
以上です。
○(安原敬裕警察本部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 安原警察本部長
〔安原敬裕警察本部長登壇〕
○(安原敬裕警察本部長) 毛利議員にお答えいたします。
暴走族の現況と検挙状況はどうか。また、期待族に対する効果的な
取り締まり方策はあるのかという御質問でございます。
まず、暴走族グループの現況についてでありますが、県内では、平成13年7月末現在、組織化された暴走族が9グループ193人、また、組織が明確でない未組織暴走族これが542名、合計いたしまして735人を把握しているところであります。その特徴といたしましては、約7割が16歳から19歳の少年であること。また、ことし中学校を卒業をしたばかりの者の違反検挙が目立ち、特に、現役の高校生が増加していることであります。
また、暴走族は、暴走行為以外にバイク盗、部品盗、ひったくり、傷害こういった各種犯罪を犯すいわば暴走行為と同時に犯罪集団化してきている。さらに、一部グループは、暴力団ともつながりを持ち暴力団予備軍化していると、こういうことで非常に憂慮すべき状況にございます。
また、最近の暴走行為の形態につきましては、かつてのような大規模な何台も車を連ねる暴走行為は減少していますが、二輪車あるいは単車が単独あるいは数台でゲリラ的に爆音暴走を敢行する、また、これをギャラリー、我々期待族と言っておりますが、期待族があおることにより、さらに過激化しているという状況にございます。
これら暴走族の検挙につきましては、捜査体制を強化し、あらゆる法令を適用してその取り締まりに努めているところであります。
本年7月末現在では、道路交通法違反としましては1,133件、1,165名、これ対前年で見ますと若干の増加でございます。を検挙しております。また、あわせまして、道路交通法以外の違反であります窃盗、傷害こういった違反で77件、89人、対前年では30件増加をしているところでございます。こういった道路交通法違反の中でも、特に悪質性が高いと言われております共同危険行為につきましては、この上半期で13件、昨年に比べて6件増の検挙となっております。この共同危険行為の取り締まりにつきましては、本県は全国第2位という非常に高い検挙件数を誇っております。
最後に、御指摘のありました期待族に対する効果的な取り締まりでございますが、暴走族取り締まりにおきましては、暴走族を行うそのこと自体と同時に、その暴走族の周辺の仲間うち、いわゆる期待族これを取り締まっていく必要があります。期待族と言いますものは、同じ中学校卒業の先輩と後輩を中心に構成され、これにそれぞれの友人そういった周辺者が加わったもので、いわば暴走族とは同種同根の密接な関係であります。
暴走行為者が暴走をする理由としては、仲間がいるから走る、仲間に見てもらいたいから走る、仲間に認められたいから走る、こういう3点に集約され、ここで言います仲間とは暴走行為をあおる期待族のことを指しております。こういった期待族は、一般的には、普通車などで道路を徘徊しながら携帯電話で連絡を取り合い、警察の取り締まりの手薄な場所に蝟集しそこの場で暴走行為をあおるなどして、御指摘のございましたように近隣住民に多大な迷惑、不安を及ぼしております。と同時に、警察によります暴走族取り締まりを妨害しあるいは牽制するなど悪質化している実態にございます。
これら暴走族取り締まりを効果的に推進するためには、暴走族本体とともに期待族をきちっと取り締まっていく必要があります。しかしながら、こういった期待族のあおり行為につきましては、現在の法令におきましては、事前共謀が認められ暴走車両の提供等といった具体的に暴走行為との共犯性を実証できた場合あるいは警察の取り締まりを妨害するとその際の公務執行妨害こういった場合にしか検挙できないという問題があります。
そこで私ども今後は、こういった暴走族の行為をあおる期待族の行為自体を直接規制しこれを取り締まると、これが効果的であろうと考えております。現在、このための県条例案につきまして、御指摘のございました姫路市の条例なども参考にしながら、次の12月県議会への上程を目指し鋭意検討をしているところでございます。
以上です。
○(
山本敏孝議長) 暫時休憩いたします。
午前10時52分 休憩
――――――――――――――
午前11時7分 再開
○(
山本敏孝議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(阿部悦子議員) 議長
○(
山本敏孝議長) 阿部悦子議員
〔阿部悦子議員登壇〕
○(阿部悦子議員)(拍手)環境市民の阿部悦子でございます。
去る9月11日、アメリカで思いがけない同時多発テロが起こり多くの人々の命が奪われたことを深く心に痛むものであります。同時に私は、アメリカの軍事力を伴う報復と小泉首相の自衛隊派遣の表明に強く反対いたします。今こそ日本は、世界に誇る平和憲法を高く掲げ、軍縮、国際協力、社会正義による世界への貢献を模索するときであると私は考えます。
初めに、実習船えひめ丸衝突事件についてお尋ねします。
米原潜グリーンビルに衝突されえひめ丸が沈んだのはことしの2月9日でした。その1週間後の2月16日知事は、記者会見で新えひめ丸の規模は沈没した船と同じ499トンにすると発言されました。そして、今議会補正予算案に499トン規模の代船建造事業費が盛り込まれています。
そこで知事にお尋ねします。
衝突事故のたった1週間後に、現場海域において行方不明者の捜索が行われているさなか代船の規模を口にされていますが、関係者の心情を思いやるならば、余りにも不謹慎な御発言ではなかったかと思います。
さらに知事は、実習現場関係者の代船建造に係る要望をくみ取る意思は当初からお持ちではなかったのですか。
また知事は500トンで十分と認識していると述べておられますが、知事御自身は499トンの実習船にて乗船生活をしたことがおありなのでしょうか。(発言する者あり)もし経験がないとすれば何を根拠に十分と認識されているのでしょうか。
6月13日、宇和島水産高校の校長名で代船建造に関する要望書が県教委に出され、安全性、居住性が保障されるように650トンの大型化等が要望されていました。この要望書に県はどのように対応されたのか伺います。
毎年、生徒らとともに実習を行っている教職員こそ最も船を知っているはずです。その現場の職員の声こそ代船の検討において最もよりどころとするべきなのは当然ではないでしょうか。その教職員らの第一番の要望は、規模を650トンにということであったのです。規模について再度御検討いただくことはできませんでしょうか。
ところで沈没した4代目えひめ丸の建造に当たっては、平成6年当時、水産実習船えひめ丸の代船建造検討委員会が招集され、学者、議員、漁業関係者、水産高校職員などが委員に選任されていました。ところが今回の代船建造においては、非公式の打ち合わせ会とされ、学者、漁業関係者、議員が除かれた上秘密会とされました。事故後の重要な今回、なぜ非公式なのか非公式の会にしたのかお伺いいたします。
また、4代目えひめ丸は、漁獲を重視する余り生徒食堂が船底に置かれていたため、今回の事故の際逃げ切れず犠牲者がふえたとの報道があります。例えば、テレビ愛媛スーパーニュース、愛媛新聞、サンデー毎日の記事です。これらの報道は事実であるとお認めになりますか。事実でないのならば報道機関に訂正を求めるべきです。
また、えひめ丸事故は、授業中に多くの生徒らが行方不明になってしまった惨事であり、学校設置者である県は、事故の原因や経過を調べ報告書をつくり、少なくとも関係者に示す義務があるのではないですか。
次に、実習のあり方についてお尋ねします。
新学習指導要領の解説には、実習船の運営については、長期乗船実習の前に短期乗船実習を段階的に行うことと明記されています。しかしながら宇和島水産高校では、短期の沿岸航海実習は行われてきませんでした。
最近の卒業生の船舶関係の就職先を見ると、カーフェリーや内航タンカーなどの内航船が圧倒的に多く遠洋漁業等の外国船への就職者数は皆無に等しいのが現状です。したがって、水産高校における沿岸航海実習は、これからの生徒にとって必要不可欠なものであるといえます。ぜひ時代のニーズに合った魅力ある実習形態に改めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
4代目えひめ丸の乗組員のうち半数の9名が今も不安定な日々雇用であり、全国的にも例がありません。県教委は、5代目の代船建造に当たっては、他県並みに乗務員はすべて正規雇用とするとしています。被災し救助された乗組員は深刻なPTSDにかかっており、その上、不安定労働を強いられているという悲惨な現実に直面しています。県教委は、一刻も早く日々雇用の乗組員を正規職員として採用し、一刻も早くその旨を通知して乗組員の生活不安を払拭していただきたいと思いますが、いかがですか。
次に、えひめ丸事件への今後の取り組みについてお尋ねします。
えひめ丸被害者弁護団が米海軍の新資料から明らかにした潜望鏡の視界を再現したコンピューターグラフィックスによると、えひめ丸の姿は潜望鏡にはっきりととらえられており、マニュアルどおりに潜望鏡確認をしていれば衝突は避けられた可能性が高いことが裏づけられたのです。ワドル元艦長の重過失を弁護団は指摘しています。県としては、これらの新事実も含め今後、事件の真相解明に向けてどのような取り組みを考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
最後に、えひめ丸関係者に対する県の対応についてお聞きします。
えひめ丸被害者家族にあっては、県が紹介する弁護士に関係するグループと一方独自に弁護士を立てて事件に臨んでいる2家族とに分かれているわけですが、県として、これら2つの被害者家族団体に対して、果たして平等に処遇しておられるのでしょうか。
先日、息子さんが行方不明になっている両親が知事、教育長、副知事のいずれかにと会見を求めたのに対し3人全員がこれを拒絶しました。3分でもいい1分でもいいからと面会を求めても頑としてこれに応じようとはしませんでした。これが県民に対するまともな対応でしょうか。子供を失った悲痛のどん底にある被害者への態度でしょうか。理事者の御見解をお聞きしたいと思います。
次は、教科書問題です。
愛媛県教育委員会は本年8月8日、扶桑社の中学校歴史教科書を2002年度から県立養護学校、聾学校で使用する教科書として採択しました。公立中学校の中でこの教科書を採択したのは、銀座に戦車を走らせた石原知事の東京都と愛媛県だけです。さらに知事は、前もって教育長に対して、この教科書がベストだと伝えられました。また教育長は、8月15日に県民との話し合いの場で県民の発言の途中、教育委員らとともに一方的に退席し、ドアにかぎをかけて県民と報道関係者を監禁するという暴挙まで行いました。
そこでお尋ねします。
知事は、愛媛県と東京都だけが扶桑社の教科書を採択したというこの結果をどのように受けとめておられますか。また、養護学校、聾学校の教科書としてどのような点がベストだと思われたのですか。
教育基本法の前文には、われらは個人の尊厳を重んじ真理と平和を希求する人間の育成を期するとありますが、知事がベストだとおっしゃる教科書は、自国の歴史に自信を持たせることを目的として編集されています。自信を持つためには、負の部分には目をそらし正の部分だけ強調した方が効果的となります。このため、戦争に関する記述においては、医療班として動員されていたにすぎないのにひめゆり部隊の少女たちまでが勇敢に戦ってと書いたり、多くの国民はよく働きよく戦ったと書くなど主観的で戦意高揚的な文章が数多くあります。
その一方で、客観的事実である従軍慰安婦や731部隊のような加害の事実が意図的に削除されています。この自国の歴史に自信を持つという目的ゆえに歴史の真実をゆがめたものになっているのです。このような教科書は、真理と平和を希求する人間の育成を目指す教育にはふさわしくないと思いますが、この点についてはどうお考えですか。
さらに、この教育基本法の第10条には、教育は不当な支配に服することなく行われるべきものであると規定していますが、知事の教育長への発言は、今回の教科書採択に知事のねらいどおり影響を与えました。これは明らかに教育基本法に違反するものだと考えますが、いかがですか。
知事は、スポーツ立県えひめの実現を目指しておられますが、この教科書の採択により大洲市で計画されていた子供たちの韓国とのスポーツ交流に支障が生じました。これは子供たちのスポーツに対する情熱に水をかけ、その純真な気持ちを裏切るものだと思いますが、いかがお考えですか。
さらに県民を監禁したということは、知事が提唱しておられる県民のための県政とは全く正反対の行為だと考えますが、県職員がとったこの行為についてはどう思っておられますか。
知事は、新しい歴史教科書をつくる会と歩調を同じくする教科書改善連絡会の会長である三浦朱門氏と極めて親しい間柄にあるとお聞きしています。知事の教育長への御発言は、この三浦氏の意向を受けたものではなかったのですか。
知事は、採択に反対する人々の行動について、反対派の常套手段だと答えています。しかし、このとき撤回を求めた団体は、障害者団体、PTA、国際交流団体、平和運動団体、在日韓国人団体、労働団体、政党など25団体以上に及んでいました。これらのさまざまな団体を反対派という安易な言葉でまとめてしまい、この人たちの心の底から行った行動を常套手段と表現する態度からは、県民の声に真摯に耳を傾けようとする姿は全く見えてきません。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。今後は、知事と反対の意見にも耳を傾ける心の広さを示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
前田副知事にお尋ねします。
愛媛県は、男女共同参画推進条例をつくろうとする一方で、扶桑社の歴史教科書を使用することを決めました。この歴史教科書には女性を蔑視する記述があり女性の自立や地位向上を矮小化しており性差別的です。加戸知事の新しい歴史教科書に対するスタンスと女性政策は矛盾しないのでしょうか。
続いて、前田副知事にお尋ねいたします。
今、愛媛県の女性政策には、具体的に何が求められているとお考えですか。
県は先般、愛媛県男女共同参画推進条例これは仮称ですが、に盛り込むべき内容について案を発表いたしました。それを見ますと、既に制定された他県のものと大同小異であり、努力目標の記述にとどまっているという印象を持ちます。副知事に女性を登用するなど女性政策を積極的に推進しようとする愛媛県としては、より具体性と実効性のある条例を制定し他県のモデルにならなければなりません。また、愛媛県の地域性を考慮すべきです。
そのために以下のことを要求します。
1、女性差別を撤廃するという理念に基づくならば名称は男女平等条例とすべきである。2、暴力の被害にあった女性に対する救済を徹底し経済的自立のための具体的な支援策を盛り込むこと。3、第1次産業や自営業に従事する女性の地位向上と経済的自立を促すための施策を盛り込むこと。4、知事や県とは独立した第三者機関による施策のチェック機能と人権侵害に対する救済制度を盛り込むこと。これら4点について県のお考えをお聞かせください。
条例は、今後の女性政策のかなめになるものです。県民の意見を十分に取り入れていただきたいと思います。
次に、障害児の医療、福祉について伺います。
1つ目は、総合療育センターについてです。
ことし3月、地域療育推進協議会より愛媛県における地域療育システムの構築への提言が出されました。この提言は、障害のある人もない人もすべての人が安心して暮らせる地域づくりを目指したものです。
その実現のためには、保健、医療、福祉、教育の連携のもと愛媛県にふさわしい地域療育システムの確立が必要とされており、療育と育児に関する拠点施設、総合療育センターの整備が不可欠であると提言しています。また、県内の複数の障害児の親の会より総合療育センターを求める要望書が県知事あてに提出されています。このような提言を県としてはどのように具体化していくつもりでおられますか。地域療育推進協議会を引き継いだ新たな委員会を立ち上げる予定はあるのですか。
2つ目は、レスパイトケアサービスについてです。
障害児・者の介助は、家族特に母親が重い負担を抱える場合が多く見受けられます。そのために障害児の母親は病院にも行けない、兄弟姉妹のために学校に出向くこともできないという現実があります。
そこで県内各自治体に家族介護支援システムを確立していただきたいと思いますが、各自治体の現状を県は把握しておられますか。特に東予、南予について手薄であるという声がありますが、県として今後どのような施策をお持ちですか。
3つ目は、障害児の放課後、長期休暇対策についてです。
障害児の放課後生活は、家で保護者と2人きりで過ごすことが多いなど決して豊かなものではありません。障害児に家庭生活と学校生活に加えて地域での豊かな放課後生活を保障することは、子供の発達にとってとても大切なことです。また、障害児の保護者は、就労したくても就労できないでいるケースが少なくありませんが、障害児の保護者の働く権利も保障されるべきです。
そのためには、地域に障害児が参加できる学童保育の制度が整備されることが必要です。指導員の加配などの条件整備が必要になってきますが、県としてどのような対策を考えておられますか。
また、他の自治体では、夏休みなどの長期休暇に障害児のためのサマースクールを実施しているところがあります。県内にもその実施を望む声がありますが、県としてはどのようにこたえられますか。
次に、障害児教育についてお伺いします。
1つ目は、障害児学級の教員の加配についてです。
障害児学級は、各障害種別ごとに設置されることになっていますが、県内の自治体の中には、障害種別が混同されて標準定員いっぱいの子供を1人の教員が担当している学級もあります。障害児学級に入ってくる子供の障害も重度化しており、とても子供8人に対して教員1人という国の定数どおりでは、子供の障害に見合った手厚い教育を実践することはできません。学級の状況に応じて積極的に教員を加配すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
2つ目は、肢体不自由児学級の設置についてです。
現在、県内の中学校には、肢体不自由児学級が設置されているところはほとんどありません。保護者の希望があれば設置を認めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、知事にお尋ねします。
先日知事は、整肢療護園と園内の第一養護学校分校を視察されたと伺いましたが、これらの施設とそこで生活している障害を持つ子供たちに対してどのような感想を持たれたのかお聞かせください。また、今後の愛媛県の障害児福祉、教育についてどのような方向に導くお考えでいらっしゃるのかお聞かせください。
次に、地震被害想定と伊方原発の問題についてお尋ねします。
県は、平成8年度から11年度にかけて行った活断層調査を踏まえ、12年度から13年度にわたってマグニチュード7.5から8.4を前提とする地震被害想定調査を行っています。
ことし3月の芸予地震により県民の地震に対する関心は高まっていますが、このときのプレート地震に比べて活断層の活動による地震はけた違いに大きいと言われています。
伊方原発の沖にある活断層群はいつ動いてもおかしくないと警鐘を鳴らされた高知大学の岡村教授は、昨年のトルコ地震の調査の後でこう言っておられます。トルコ地震を起こした黒海の海底の地形と断層の解析図が伊予灘東部のものと酷似している。トルコでは沿岸の町がそっくり黒海に滑り込んだ。上灘、長浜の沖合の活断層をもっと詳しく調査して防災対策を考えなければと。
伊方原発は、学者によると、活断層の真上といっていいところに建てられているのですから、愛媛県民は原発の地震災害を心配せずにはいられません。万一の重大事故が起これば、地震の被害の上に放射能の被害が加わり、社会的、経済的、人的被害ははかり知れません。
愛媛県は、伊方原発の被害を想定外と言っていますが、今からでも地震被害想定調査に伊方原発を含める考えはありませんか。
次に、伊方原発使用済み核燃料の中間貯蔵施設についてお尋ねします。
日本の核燃料サイクルの政策の柱は、プルトニウム燃料を使う高速増殖炉でしたが、1995年原型炉もんじゅのナトリウム漏れ事故で開発がとんざしています。そこでプルサーマル計画が浮上してきました。
ところが予定していた関西電力高浜原発などで、再処理を委託したイギリスのデータ改ざんが発覚したり住民の反対などで進んでいません。青森県六ヶ所村へ運ぶとしても、プルサーマル計画が進まない以上使用済み核燃料はたまる一方です。そこで国は、再処理するまでの間置いておく中間貯蔵施設を原発以外の場所につくることを決め、伊方原発でも2010年までに原発敷地外に中間貯蔵施設をつくることにしています。危険な放射性核廃棄物を貯蔵する施設なので立地予定の住民には大変気がかりなことです。
現在、候補地選定の進み具合はどのようになっていますか、お尋ねいたします。
次に、浦山ダムの問題についてお尋ねします。
浦山ダムは、県営土地改良事業としてかんがい用水、水道用水確保を目的に計画され、当初の予定では平成11年度より建設に着工することが決まっていました。しかし、いまだ土居町から知事への施行申請は出されていません。これは土地改良法による3条資格者の3分の2の同意がとれてないからではありませんか。
先般、地元住民団体の各堰の代表者が、県と土居町に受益者の過半数である758人分の不同意書を持って訪れました。水利権者は4分の3以上の408人が不同意の意志を明らかにしています。このような浦山川流域の人々の強い意志を県はどのように受けとめておられますか。その実態を調査し、地元の人々が不必要であると認めるダムは早期に中止すべきではありませんか。
また、事業の手続開始の際の3条資格者15人以上の申請人について、平成11年7月に公告をしたにもかかわらず土居町は公開を拒否しています。町民間で土地改良事業についての賛否の議論が十分にできるよう公開すべきであると考えますが、いかがですか。
浦山ダムに反対をしてふるさとを守ろうとする人々の主張は、浦山川流域には十分な水があるということです。
平成6年の渇水時、また、この夏の1カ月の日照りでもかんばつの被害はゼロであり、また、地下の水位や地下水量の異常を耳にしたことがないと知事への申し入れ書で訴えています。にもかかわらず土居町は、地下水は、長期的には安定した水源とは認められないとしております。しかし一方で、土居町が地下水についての講演を依頼した愛媛大学の高瀬教授は、地下水の利用可能量を検討する上では、長期的な観測による解析が必要であると結論づけています。
また、県が平成9年から10年の2年間で2億円をかけて行った予備調査でも、地下水に関するものは全く認められません。長期的科学的な地下水調査をこそするべきです。しないまま計画が進められるなら、初めにダムありきの利益誘導のための結論があったのではないかと言われても仕方がありません。
地下水は、味もよく水質が良好で本来安全性の高い水です。水源林を整備し雨水の地下浸透を積極的に推進して地下水の涵養を図ることこそが、循環型社会の水のありようではありませんか。
土居町では、津根地区で施肥が原因と見られる硝酸性窒素の環境基準超過地点が出ており、このことが町が地下水の汚染が進行するおそれがあるとして浦山ダムをつくる根拠の一つにしています。
しかし、県は、今補正予算で環境に優しい土壌管理対策推進事業で有機性資源の利用などによる土壌改善に踏み出されました。また、汚染地域での、地区での安全な飲料水確保のために深井戸を掘る計画もあるようです。地下水は、万一汚染されてもそれは取り除かれるべきであり対策が講じられるべきです。人々が地下水を放棄しない限り地下水は安全なのです。
県の地下水対策のあり方について、お考えを伺います。
浦山ダムの問題については、そのほかに、水不足になると言いながら町は今まで節水対策を行ってこなかったこと、上水道計画で人口と一日最大給水量の将来予測が過大に見積もられていることなど多くの問題があります。
また、大量の地下水を不安定水源と決めつける点などを考えると、浦山ダム問題は、山鳥坂ダム・中予分水計画のずさんさと重なります。これでは両ダムともに地元住民の賛同が得られないのは、当然のことではないでしょうか。
知事は、今まで断ってこられましたが、両地区のダムに反対する住民の皆さんとひざを交えてお話になるつもりはありませんか。
次に、地球温暖化対策と庁内の冷房温度についてお尋ねします。
県は今年度より、県地球温暖化防止実行計画を策定し、CO2排出削減を主目的として、県のすべての機関において環境に配慮した取り組みを進めておられます。実行計画の具体的内容としては、省エネルギーの推進として冷暖房温度の適切な設定を挙げています。
そこでお尋ねします。
愛媛県地球温暖化防止計画における冷房設定温度は28度となっていると思いますが、議事堂及び知事、副知事室では実践をしておられないように思われます。庁舎内の温度管理はどうされているのでしょうか。
私はこの夏、三重県庁を視察する機会を得、北川知事のお話を伺いました。三重県では、意思形成過程からの情報公開、生活者起点の行政、環境経営などのキーワードのもと多くの先進的な取り組みをしておられ興味深く感銘を受けました。私が大変新鮮に感じましたことは、知事以下すべての職員がノーネクタイ、半袖シャツ、女性は自由な服装をしておられ、職員がのびのびと活発に話をしておられたことでした。この服装は、知事も議員も職員もすべての人々が設定温度28度で7月から9月までの3カ月を過ごすための工夫であると聞きました。
地球温暖化対策には、知事も職員も議員もありません。ノーネクタイ、半袖の三重県にならって、愛媛県でも取り組んでいただきたいと存じます。また、女性職員の制服についても男女共同参画の見地より廃止をしていただきたいと思います。この問題は、前田副知事にお答えいただきたいと思います。
最後の質問です。
最後に、学校給食についての知事のお考えを伺います。
去る7月知事は、全国学校給食振興期成会の会長に就任されたと伺いました。学齢期の子供たちにとってお昼の一食は、心と体の健康に大きな影響を与えるものであることを考えると、知事がこのような全国組織の長を務められることは、私たち県民にとって心強い限りであります。
そこで3点お伺いいたします。
1点目は、県内で小中学校とも完全給食が実施されてない自治体は2町2村となっています。特に長浜町では、PTAからの要望も強く昨年12月には、町議会で自校給食を求める請願書の採択もなされたと聞きます。長浜町では、今後、学校給食の実施が始まると思われますが、知事は、あるべき学校給食の理念をどのように考えておられますか。
2つ目は、学校給食の食材をめぐってお伺いいたします。
今9月補正予算では、えひめの
農林水産物愛用推進事業費を計上され、学校給食用食材供給推進事業に着手されようとしています。この事業は、子供たちへの教育的見地とともに県内の農業の振興にとっても大変画期的な試みと思われます。
県内では、既に今治市の学校給食で、地場産品であることのみならず安全性を重視した無農薬または省農薬で育てられた農畜産物を積極的に活用しています。せんだって私も今治市の小学校で、地場産小麦で焼いたパン給食を試食してまいりましたが、それは味わい深く歯ごたえのある大変おいしいパンでした。
このような県内の先進地にならって、今後、学校給食の食材には、環境や健康に配慮した有機農産物を使う試みを視野に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
3つ目は、学校給食における食器等洗浄の際の石けん使用について伺います。
知事は、県庁と県の関係機関で、健康と環境に配慮した石けんの使用をするよう進めてこられました。今後、子供たちの教育の場である学校給食の現場でも石けんの使用が進むよう努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
質問は以上です。ありがとうございました。(拍手)
○(
山本敏孝議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 阿部議員の質問にお答えさしていただきます。
まず、えひめ丸衝突事件に関しまして、知事は、実習現場関係者の代船建造に係る要望をくみ取る意思を当初から持っていなかったのではないかとのお尋ねでございました。
事故発生後間もなく私が2月16日の記者会見で実習船の建造について発言しましたのは、新しい船をつくるという方針を早く示すことが大切であると判断したためでございます。船の規模につきましては、その際、499トン以下が通例であるとの一般論を述べたにすぎません。
新しい実習船の建造につきましては、要望にも配慮して専門家を交えて検討しました結果、499トンであっても二層甲板船とすることなど各般にわたりほとんどの希望に沿えることから決定したものでございまして、650トンとする要望をくみ取る意思を当初から持っていなかったのではないかとの御指摘は当を得てないと思います。
なお、この判断をするに当たりまして、水産実習船の乗船経験がない知事がなぜこういう決定をしたのかという皮肉な御質問がありました。
私は、東京水産大学の実習船には乗船した経験はございますが、高等学校の水産実習船に乗船したことはございません。ただ森羅万象の経験をしなければ、一切知事としての判断が不可能ということでございますと、愛媛県知事は多分100人か200人いないと御希望にこたえられなくなるのではないかと思います。
次に、教科書問題についての質問がございました。8問にわたる質問でございます。
第1点が、東京、愛媛の採択に関する受けとめ方でございますが、扶桑社の歴史教科書の採択に当たりましては、新聞報道等でもございましたように、反対する団体等の圧力により一たん決定された採択が覆った事例もございます中で、東京都教育委員会と愛媛県教育委員会は見識を持って主体的に採択されたものと思っております。
第2点が養護学校、盲聾学校の教科書としてどの点がベストと思うのかという質問でございました。
今回の教科書は、文部科学省の検定済み教科書でございまして、このことが適当でないという御意見ならば、採択以前の検定の問題として議論されることではなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、今回の愛媛県教育委員会の決定は、県の所管である特殊教育諸学校の中等部の生徒に使用する教科書を一般の中学校の生徒と同様な立場で障害の有無にかかわらず検定済み教科書で学習可能な生徒が使用する教科書として採択されたものと理解いたしております。
3点目が、この教科書は真理と平和を希求する人間の育成を目指す教育にはふさわしくないと思うがどうかとのお尋ねでございました。
真理と平和を希求する人間の育成に適しない教科書を文部科学省が検定することはあり得ないと思っております。
4点目は、知事の発言が教育基本法に違反するものだと思うがどうかとのお尋ねでございました。
これは一昨日以来、本会議でたびたび答弁さしていただきましたが、今回の教科書の採択は、県教育委員会の権限において自主的、主体的に決定されたものでございまして、教育長に感想を述べたことが教育基本法に違反するものとは考えておりません。
第5点目に、韓国側からの申し出により、サッカー交流が無期限延期になりましたことは大変残念なことでございますし、教科書採択の問題と文化、スポーツ交流とは切り離して対応して、対処していただきたいと願っているところでもございます。仮に教科書採択がスポーツ交流、文化交流に影響があるとするならば、東京都あるいは愛媛県この2都県に関しましては、そういうことが将来可能性としていろいろな問題をはらむということがあってはならないと考えております。
6件目が、教育委員との市民グループとの話し合いの際に、後に監禁した県職員の行為についてどう思うのかという御意見、質問でございました。
8月15日の市民グループと教育委員との話し合いの後、教育委員をガードしようと思いました職員が、に行き過ぎた行為があったことは、大変申しわけなく思っておりますし、直後の記者会見でも私は、そのおわびの言葉を述べさしていただきましたが、この議会、議場をかりまして、改めておわびを申し上げたいと思っております。
7点目が教科書改善連絡会の会長である三浦朱門氏の意向を受けたものではないかと、私の、知事の発言に関して御質問がございました。
私は、かつて文化庁次長在職時、当時文化庁長官である三浦朱門氏にお仕えをさしていただきまして、大変人格識見ともに尊敬をいたしております。ただ今回の件に関しましては、一切三浦朱門氏との話も連絡もございませんし、意向を受けたものでは全くございません。
第8点が、今後は、反対の意見にも耳を傾ける心の広さを示してほしいがどうかとのお尋ねでございました。
私は、就任以来、一昨年のこの議場でも答弁で申し上げさしていただきましたが、握髪吐哺、言うなれば自分の許す限りあらゆる県民の声をくみ上げる努力をすることを約束いたしております。少なくとも47県知事の中で、あらゆる会合に顔を出し、あらゆる県民の声に耳を傾け、あらゆる話し合いをしている回数の多さは、全国でもトップレベルではないかと自負いたしております。
ただ今回の件に関しまして私の感想を申し上げさしていただくならば、通例、市民グループという形でお話の申し出があります場合には、およそ約束された人数を大幅に上回るとかあるいは約束した時間を大幅に超過するとか、一方的な指弾、糾弾であって、しかもそれに関して必ずテレビカメラが同伴するという手法に関しましては、なかなかすべてをこれをお受けするのは難しいのではないかなというのが、一般論としての感想でもございます。
次に、障害児教育に関しまして、整肢療護園と園内の第一養護学校分校を視察しての知事の感想はどうか。また今後、本県の障害児福祉・教育をどのような方向に導く考えなのかとのお尋ねでございました。
整肢療護園を訪問して拝見さしていただき、施設の老朽化の進み方あるいは施設自体の狭さを感じましたし、また、リハビリに取り組んでいらっしゃる子供さん方の姿を見て、胸を打たれた思いでもございました。
障害児福祉は、ノーマライゼーションの理念を実現するために、順次各種の施策を拡充してきたところでございますが、引き続き自立と社会参加の促進に努めてまいりたいと思っております。
なお、障害児教育につきましては、教育委員会マターでございますので、私がここで答弁すると、聞いている教育長、教育委員に影響を与えるので、いささかどうかという感じはいたしますが、お許しを得まして答弁をさしていただきます。
この事柄は、教育委員会において、一人一人の生きる力をはぐくむ障害児教育の推進に取り組んでもらっているわけでございますけれども、今後とも、知事としても、その方向で教育委員会が進めていただければありがたいと思っているところでもございます。
次に、学校給食についてでございます。
今回の期成会の会長就任に関連いたしまして、知事は、あるべき学校給食の理念をどのように考えているのかとのお尋ねでございました。
私自身が、かつて文部省で学校給食課長の経験もございますし、学校給食に関しては、少なくとも多くの方々の中にありましても一番理解があり、それを推進する立場で今日まで来ていると自分で思っております。
学校給食の理念は、児童生徒に栄養バランスのとれた食事を提供いたしますとともに食事についての正しい認識を身につけさせることなどによりまして、心身ともに健康な国民の育成を図り、ひいては国民の食生活の改善に寄与することにあると考えております。と同時に、私自身は、給食の時間が、子供たちで食事を通じながら相互の自由な意見あるいはお互いの人間関係の形成にすごく役に立つ時間だとも思っておりますし、また、その食事の時間を利用しての栄養指導あるいは各般にわたるいろいろな形での相互コミュニケーションの活発化等々、いい、すばらしい学校教育の中の大きな一つの場であると認識いたしております。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(前田瑞枝副知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 前田副知事
〔前田瑞枝副知事登壇〕
○(前田瑞枝副知事) 阿部議員にお答えいたします。
教科書問題に関しまして、知事の新しい歴史教科書に対するスタンスと女性政策は矛盾しないのかというお尋ねでございました。
これまで御指摘のありました記述は、神話等を引用いたしましたり史実を述べたものでございまして、ことさら女性を蔑視するための記述とは考えられませんので、私といたしましては、知事のスタンスと女性政策は矛盾していないと考えます。
次に、女性政策に関しまして、今、本県の女性政策には、具体的に何が求められていると考えるかというお尋ねでございました。
私は、本県の現状を踏まえまして、主に次の3点の男女共同参画政策が重要であると考えております。
1つは、女性の政策方針決定過程への参画が、保守的な本県ではまだまだ十分ではないという実態から、あらゆる分野に女性の参画を促進いたしまして、男女が対等な社会の構成員として共同参画できる社会づくりを進めていくことでございます。
2つ目は、仕事と子育ての両立支援に対する要望が高いという現状を踏まえまして、また、少子化対策の観点からも、仕事と子育ての両立支援策を進めまして、男女がともに子育てに参加できる環境づくりに努めることでございます。
3つ目は、女性への重大な人権侵害でありますドメスティック・バイオレンスなど女性に対するあらゆる暴力を根絶させるための意識啓発や基盤整備に努めることであるというふうに考えております。
以上でございます。
○(吉崎賢介総務部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 吉崎総務部長
〔吉崎賢介総務部長登壇〕
○(吉崎賢介総務部長) 庁舎内の温度管理についての阿部議員の質問にお答えいたします。
本庁舎内の冷房につきましては、地球温暖化防止実施計画等を踏まえまして、室温はおおむね28度を目安に運転を行うと、こういう形でやっております。
議場でございますが、職員が常時監視しておりますけれども、何分こういう大空間でございまして、吹き出し口は、あの上の目玉のような穴から出ておるんでありますけれども、場所により温度差が実は2、3度出るような構造になっております。それで、傍聴席等については天井が低いこと等もありまして、傍聴席とかこちらの方は温度が結構低くなります。真ん中あたりが高くなるということになっておりまして、そのあたりを調整しながら注意して、冷え過ぎにならないように注意してまいりたいというふうに考えております。
知事、副知事室につきましても、部屋と空調の関係はあるわけですが、それぞれの自席において28度になるように秘書が調整をしております。
次に、女性の制服につきましてでありますけれども、服務の問題でございますので、私の方から総務部担当としてお答えさしていただきます。
女子職員の制服でございますけれども、福利厚生の一環として貸与しております。女性職員の意見も踏まえながら改善を行っております。実は、今回の場合も、平成11年に女性職員を対象にいたしましたアンケート調査を行いました。制服が必要とする職員が73%程度あったことがございます。貸与を望む職員の意見でございますが、汚れを気にせず仕事に集中できるとか、公私の区別がつき責任感、緊張感を保持できるとか、あるいは職員と来庁者の区別がつき来庁者への対応が円滑に行える等でございました。
ただ、アンケート調査の中でもありましたし、また、今御指摘の点もありましたように、女性職員だけを制服着用の対象とすること自体が、男女共同参画社会を進める中でどうかという議論もありますので、今後勉強さしていただきたいと思っております。
以上でございます。
○(武智勝久
県民環境部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 武智県民環境部長
〔武智勝久
県民環境部長登壇〕
○(武智勝久
県民環境部長) 阿部議員にお答えをいたします。
まず、女性政策についての御質問の中で、男女共同参画推進条例(仮称)に盛り込む内容についての所見はどうかとのお尋ねでございました。
条例に盛り込む内容につきましては、愛媛県男女共同参画会議におきまして、現在審議をしていただいておりまして、今の段階で御提言の1つ1つにお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
今後、公聴会での意見等を十分踏まえまして、県民の声を生かした条例づくりに取り組んでいきたいと、このように考えております。阿部議員の御提言につきましても、男女共同参画会議での検討課題として取り上げていただくようにしたいと考えております。
次に、地震被害想定と伊方原発問題についての御質問のうち、まず、今からでも地震被害想定調査に伊方原発を含める考えはないかとのお尋ねでございました。
伊方原発につきましては、国の安全審査やその後の新たな知見の再評価等によりまして、既に耐震安全性が確保されておりまして、地震被害想定調査に当たって、伊方原発を個別に取り上げ調査対象とする必要があるとは考えておりません。
次に、伊方原発使用済み核燃料の中間貯蔵施設候補地選定の進み具合での御質問でございます。
中間貯蔵施設の候補地選定につきましては、国では電力会社が一体となって取り組む必要があるとしておりまして、現在、東京電力株式会社が青森県むつ市におきましてリサイクル燃料備蓄センターの立地可能性調査を実施しておりますが、四国電力を含めまして他の電力会社におきましても技術的検討の段階でございまして、候補地の選定にまで至っていないという状況を聞いております。
最後に、地球温暖化対策についての御質問でございまして、その中での地球温暖化対策のため全庁挙げてノーネクタイ、半袖に取り組んでほしいがどうかという御質問でございました。
職場における夏の夏季におけます職員のノーネクタイ、半袖は、地球温暖化対策を進める上での一つの手段と考えられますので、お話のありましたような三重県などの先行県におけます実施方法や職員の意見これも聞きながら、今後研究してまいりたい、このように考えております。
また、この取り組みにあわせまして、温暖化防止につなげるために冷房期間やあるいは設定温度などについてもあわせて検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○(今井春雄保健福祉部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 今井保健福祉部長
〔今井春雄保健福祉部長登壇〕
○(今井春雄保健福祉部長) 阿部議員にお答えいたします。
障害児の医療・福祉について、まず、総合療育センターの整備を求める提言をどのように具体化していくのか。また、地域療育推進協議会を引き継ぐ新たな委員会を立ち上げる予定はあるのかとの御質問でございました。
この3月の地域療育推進協議会の報告では、育児と療育の拠点施設の整備が不可欠であるとの提言をいただいております。この提言の趣旨を踏まえまして、心身障害児等に対する望ましいサービス体制の整備につきましてさまざまな角度から検討を進めているところであります。
したがいまして、新たな委員会の設置は必要ないと考えております。
次に、障害児・者の家族介護支援システムを県内各自治体に確立してほしいがどうかとのお尋ねでございます。
県では、家族を支援するショートステイ事業を29施設72床で実施しておりまして、利用日数は平成12年度で延べ7,628日となっております。また、この事業では、障害児及び知的障害者について宿泊を伴わない半日のみの利用も認められておりまして、レスパイト的な利用も可能となっております。
なお、平成15年度には、ショートステイに係る事務が県から市町村に委譲されますために、市町村職員の研修等を通じまして円滑な実施ができるように努めることとしております。
次に、障害児の放課後の学童保育制度の整備についてどのような対策を考えているのか。また、長期休暇に障害児のためのサマースクール等の実施を望む声にどうこたえるのかとのお尋ねでございます。
放課後児童クラブいわゆる学童保育への障害児の受け入れにつきましては、事業実施主体である市町村の判断のもと、本年の7月現在、県内98クラブのうち11クラブで実施をしております。
県としては、本年度から障害児4人以上の受け入れを行う放課後児童クラブへの加算を制度化いたしまして、できる限り障害児の受け入れを行うように市町村にお願いをしているところでございます。
また、サマースクール等につきましては、毎年、愛媛県肢体不自由児協会において、肢体不自由児を対象とした療育キャンプを実施しているところであります。
以上でございます。
○(市川憲次農林水産部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 市川農林水産部長
〔市川憲次農林水産部長登壇〕
○(市川憲次農林水産部長) 阿部議員にお答えいたします。
浦山ダムに関連しまして、まず、浦山ダム等についての所見を問うとのことで数点御質問をいただきました。
浦山ダムの事業施行申請に必要な受益者の同意は、8月末現在で3分の2以上に達していると聞いておりますけれども、地元では、この同意が関係集落ごとにより広く得られるよう努力している段階と承知いたしております。また、ダム建設に反対する浦山川流域の人々の意思につきましては、
地元住民団体代表者からこれまで3回にわたり不同意署名を添えて申し入れがございまして、その趣旨は十分承知いたしております。
したがいまして、今後につきましては、事業施行申請が提出されました段階で同意の状況も含めましてその内容を精査し、これまでの経過や土居町の意向も踏まえて対処していきたいと考えております。
なお、事業申請人の公開につきましては、土居町が判断されることでございまして、県としてはコメントする立場にないものと考えております。
また、ダム建設に反対する住民との話し合いにつきましては、浦山ダムについては、さきにお答えしましたとおり、これまで3回ダム建設中止の申し入れ書が提出されておりまして、山鳥坂ダムにつきましても、流域の総意として計画見直し案は基本的に妥当との回答が出されておりまして、2つのダムについて知事が改めて話し合いする必要はないものと考えております。
次に、県下の地下水対策についての考えはどうかとのお尋ねでございました。
地下水を良好な状態で保全するためには、これを涵養する森林の整備等にあわせまして、汚染が認められる場合には、この原因の把握と抑制、改善に向けた迅速な対応が基本になると考えております。
県におきましては、毎年、地下水の水質調査を行っておりますが、お話の環境に優しい土壌管理対策推進事業は、昨年度の調査におきまして、一部に環境基準を超えた地区がございまして、その原因が施肥によるものと推定されましたことから、施肥量の削減等によりまして環境負荷の軽減を図ろうとするものでございます。
以上でございます。
○(吉野内直光教育長) 議長
○(
山本敏孝議長) 吉野内教育長
〔吉野内直光教育長登壇〕
○(吉野内直光教育長) 阿部議員にお答えします。
まず、えひめ丸関係の御質問でございますが、最初は、代船建造に関する要望に関してでございますが、代船建造に関する要望につきましては、650トン級にしてほしい、この要望を除きましてほとんど取り入れております。さらに新しい設備や機器を導入して、安全性、居住性及び各種機能を高めるなど十分な改善を図っているところでございます。
規模につきましては、499トンで適切であると考えておりまして、再度検討するつもりはございません。
次に、代船建造の検討についてでありますが、今回は、代船を早急に建造する必要もございましたことから、海洋水産システム協会の設計技師、水産高校の校長、船長、教職員など実務者により検討したものでございます。
この会は、安全性や居住性の改善に十分配慮するとの方針のもとに設計等について実務的、専門的な検討を行ったものでございまして、傍聴や議事録の作成を要する性格のものではないと考えております。
次に、生徒食堂が船底の上にあったため犠牲者がふえたとの報道に関してでございますが、報道は、いずれも推測の域を出ておりませず、これについては真偽を確かめる性質のものではございません。したがいまして抗議する考えもございません。
事故原因につきましては、ファーゴ太平洋艦隊司令官が、えひめ丸側に落ち度や欠陥はなく、グリーンビル側にすべての責任がある旨表明しておりまして、県として報告書をつくることは考えておりません。
次に、沿岸航海実習に絡んで、魅力ある実習形態にしてほしいというようなお話でございますが、宇和島水産高校では、大型実習船のほか小型実習船2隻がございますが、この2隻を使いまして沿岸航海や沿岸漁業実習をした後、遠洋航海実習を行っております。また、定係港が宇和島港になりますれば、さらに多様な実習を行うことが可能になると考えております。
次に、乗組員の正規職員化についてでございますが、正規職員を希望する臨時職員のうち、適格者につきましては正規に採用する方向で考えておりまして、その時期につきましては、職員の健康状態や代船建造の進捗状況などを見ながら検討してまいりたいと考えております。
次に、新しい事実を含め、今後、事件の真相究明に向けてどのように取り組むのかとの点でございますが、新事実と言われる潜望鏡による探知をマニュアルどおり行えば衝突を避けられたであろうという、こういったことも含めまして、事故の原因につきましては、査問会議の結果を受けたファーゴ太平洋艦隊司令官の声名書の中で既に明らかにされております。国や県、要請を受けまして現在、NTSBこれ米国家運輸安全委員会におきましても、原因究明と再発防止のための調査に取り組んでおりますので、その結果に期待したいと考えております。
次に、2つの被害者家族団体に対して平等に処遇しているのかとのことでございますが、委任した弁護団には関係なく、どの御家族にも平等に対応しているところでございます。
今回、議員がお話になったケースでございますが、結果的には前田副知事と私がお会いすることになりました。公務の都合もいろいろございまして、すべての面会希望におこたえすることは困難であると考えております。
次に、障害児教育についてでございますが、障害児学級への教員加配の問題でございますけれども、学校の実態を考慮しまして、情緒障害児学級など特に指導が困難な場合、学級編制の弾力化を図りますとともに加配措置を講じているところでございます。
次に、肢体不自由児学級の設置についてのお話でございますが、市町村教育委員会からの申し出を受けまして、施設、設備等が整っている場合には県教委といたしましては同意しておりまして、現在、中学校にも2校設置されているところでございます。
次に、学校給食関係でございます。
学校給食の食材に有機農産物などを使うことについての件でございますけれども、これらの農産物を使用いたしますためには、これは安定的な供給の確保が前提になります。学校給食の食材の選択は、阿部議員御指摘の今治市のように、実施主体である市町村教育委員会が適切に判断していただきたいと考えております。
次に、学校給食の現場でも石けん使用ということでございますが、市町村教育委員会など給食関係者を対象とした各種会議や研修会そういった機会をとらえまして石けんの使用を勧めているところでございます。
以上でございます。
〔傍聴席で発言する者あり〕
○(
山本敏孝議長) 傍聴人は静かにしてください。
○(阿部悦子議員) 議長
○(
山本敏孝議長) 阿部悦子議員
〔阿部悦子議員登壇〕
○(阿部悦子議員)(拍手)再質問をさせていただきます。
再質問をいたします。
初めに、えひめ丸の代船建造の規模に関することです。
全国的に代船建造をする場合、大型船が主流になりつつあります。この知事がですね、十分であると、499トンでいくとおっしゃいましたけれども、この事故がありました。そして、その原因の一つとして、もちろんアメリカが、アメリカ軍が、の原潜が悪いわけですけれども、その原因の一つとして、愛媛県の代船のつくり方、4代目えひめ丸に問題があったのではないかということが言われております。そういうときにですね、知事は水産県愛媛の、につくられる新えひめ丸をですね、どのような船にするのかというスタンスをお伺いしたつもりでありました。
このえひめ丸はですね、これから水産高校で使われるだけなく、他の高校などでも実習船として、実習船ではないですけれども、教育としてさまざまな場所で使うというようなこともあろうかと思います。
また、この事故の重大なことを考えてみますと、ぜひもう一度650トンにしていただきたいと、(発言する者あり)そして、なぜ私が質問をしたのかと申しますと、私は、現場の声が聞かれないような代船建造は間違いである、この生徒と一緒に実習をした先生方が今でも650トンを強く望んでおられます。その現場の声を聞かれないという県のお立場はどうなのかと、私は質問をいたした次第です。そのことについてお答えをいただいておりませんので、質問をいたしました。
それから、教科書問題についてです。
知事に伺います。
養護学校、聾学校の教科書としてどのような点がベストと思うかということの私の質問に対して、検定に通ったからそれでよかろうというようなお答えがございましたけれども、養護学校の先生方から、現場の先生方から、量が多くて難解な教科書であり、養護学校などで使用するにはふさわしくないという意見が出ていることは知事もご存じだろうと思います。
そういう意味でお答えを求めたわけですので、もう一度お答えください。
それから、知事の教育長への発言は、今回の教科書採択に影響を与え、教育基本法に違反するものだと思うがどうかという質問をさせていただきましたし、これはおとといからのさまざまな方の質問の中で取り上げられております。知事は、感想を述べたとおっしゃいましたけれども、五役会議で述べられるのは単なる感想ではないのであります。また、知事としてではなく個人として述べたということもおっしゃっておられますが、知事が知事である以上、個人である発言をするというようなことを認めるわけにはいかないのです。知事は知事として発言をされたとしか県民には思われないのであります。その件について、私はやはり、しかも、何度も何度も知事は繰り返して教育長にベストであると、扶桑社の教科書がベストであると言われたわけでありまして、この件について感想を述べただけであって教育基本法に違反しないということは間違っていると、やはり違反していると私は思います。お答えいただきたいと思います。
また、今後は反対の意見にも耳を傾ける心の広さを示してほしいがどうかという件でありますけれども、私は、知事は、たくさんの人たちと会って、日本の中でも有数の県民の声を聞く知事だとおっしゃいましたけれども、その質が問題であります。今、県民の間では、愛媛県ではたくさんの重要な課題があります。教科書問題もそうです。えひめ丸問題もそうです。浦山ダムもそうです。山鳥坂ダムもそうです。そういう重大な問題について会わないということは、私は、愛媛県を開かれた県政にするためには間違いだというふうに思います。
最後に、浦山ダムの問題で質問いたします。
浦山ダムの問題なんですけれども、御答弁では、8月末に3分の2、受益者の3分の2以上の賛成同意が集まったと言っておられます。しかし、住民団体の皆さんは、半分以上の方の反対の署名を持っておられます。この矛盾をどうするのか、県はどう考えるのか、実態を把握してほしいという私の質問をいたしました。それについてお答えがありませんので、お話を、質問をいたしました。よろしくお願いいたします。
○(
山本敏孝議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 阿部議員の再質問に答弁いたします。
まず、障害児に対する教科書として適切かどうかとの答えがなかったというお話でございました。
私は扶桑社の教科書を読みまして、中学生にとっていい教科書だなという自分なりの考え方がありましたし、そのことを教育長に感想を申し上げたことも事実でございます。しかし、愛媛県教育委員会がどういう判断基準でどういう視点で障害児の教育の教科書として適切かという判断をされたかは、私はつぶさには承知いたしておりません。また、これが障害児の教育にとって適切かどうかというこの意見を私がここで申し上げることは、やや教育問題には知事の言葉としては深入りすることになるのではないかなと思います。
それから、教育基本法に違反しているか違反してないかという、これは水掛け論でございまして、私は、違反してないということを申し上げておりますが、阿部議員の見識によりまして、知事の感想を述べることは教育基本法違反だとお考えになるのは、それはもちろん思想の解釈の自由でございます。
それから、市民団体との会見についてのお話がございました。
私、先ほど一般論として申し上げましたけれども、私の過去何十年の経験からいたしましても、通例、こういう場合は、5人といってもセットされないで20、30人来られたり、あるいは10分とか15分という時間を切りましても、それが2時間とか3時間とかエンドレスになるとか、そういう形で査問糾弾会になってしまうので、実りがあった経験は過去一度もございませんでした。
私は、いかなる場所でもいかなる人にもお会いしてます。例えば、私が大街道を散歩しているときに、市民グループのどなたかが疑問をお持ちならば話しかけてきて、この教科書の問題、私はこう思うけど知事はどうですかと言えば、歩きながら私はその時間の中で答えることもやってきておりまして、それが私の手法でございます。必ず集団を組んで何とかグループと称し、大量の人数を動員し、しかも大幅な時間を超過し、そして、それを宣伝するための会合に私は利用されることは余り好ましいとは思えませんし、そのことが市民の声に耳を傾けないということとは別であろうと思っております。
○(市川憲次農林水産部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 市川農林水産部長
〔市川憲次農林水産部長登壇〕
○(市川憲次農林水産部長) 阿部議員の再質問にお答えいたします。
お尋ねは、御質問にありましたダムの建設に反対される方の不同意が過半数を超えておるということと私の方で答弁申し上げました8月末現在で3分の2以上になっている点について差があるんではないかということだと思います。
受益者は、現時点で1,000人余りになるものと承知いたしておりますけれども、現段階では、同意あるいは不同意の双方に署名をされた方があるかもしれないと思っております。
今後の実態につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、事業施行申請書が出た段階におきまして、その同意の状況も含めて、その内容を精査して対処していきたい、こういうことでございます。
○(
山本敏孝議長) 暫時休憩いたします。
午後2時から再開いたします。
午後0時25分 休憩
――――――――――――――
午後2時 再開
〇出席議員 50名
1番 阿 部 悦 子
2番 今 井 久 代
3番 佐々木 泉
4番 白 石 徹
5番 戒 能 潤之介
6番 渡 部 浩
7番 赤 松 泰 伸
8番 本 宮 勇
9番 欠 番
10番 欠 番
11番 欠 番
12番 池 田 伸
13番 高 橋 克 麿
14番 井 上 和 久
15番 尾 崎 聡
16番 黒 川 洋 介
17番 河 野 忠 康
18番 明 比 昭 治
19番 猪 野 武 典
20番 田 中 多佳子
21番 岡 田 志 朗
22番 井 原 巧
23番 堀 内 琢 郎
24番 藤 田 光 男
25番 村 上 要
26番 中 矢 民三郎
27番 毛 利 修 三
28番 仲 田 中 一
29番 寺 井 修
30番 薬師寺 信 義
31番 西 原 進 平
32番 帽 子 敏 信
33番 山 本 敏 孝
34番 岡 野 達 也
35番 栗 林 新 吾
36番 笹 田 徳三郎
37番 大 前 尚 道
38番 清 家 俊 蔵
39番 菊 池 平 以
40番 高 門 清 彦
41番 横 田 弘 之
42番 越 智 忍
43番 森 高 康 行
44番 篠 原 実
45番 俊 成 薫
46番 欠 番
47番 岡 田 稔
48番 中 畑 保 一
49番 山 本 順 三
50番 谷 本 永 年
52番 玉 井 実 雄
53番 亀 岡 秀 雄
54番 池 田 忠 幸
55番 先 田 通 夫
――――――――――――――
〇欠席議員 1名
51番 柳 沢 正 三
――――――――――――――
〇欠 員 1名
――――――――――――――
〇出席理事者
知事 加 戸 守 行
副知事 矢 野 順 意
副知事 前 田 瑞 枝
出納長 宮 内 薫
理事 服 部 和 良
総務部長 吉 崎 賢 介
企画情報部長 壺 内 紘 光
県民環境部長 武 智 勝 久
保健福祉部長 今 井 春 雄
経済労働部長 高須賀 功
農林水産部長 市 川 憲 次
土木部長 山 本 雅 史
公営企業管理者職務代理者公営企業管理局長 永 野 英 詞
教育委員会委員 井 関 和 彦
教育委員会委員教育長 吉野内 直 光
人事委員会委員長 稲 瀬 道 和
公安委員会委員長 水 木 儀 三
警察本部長 安 原 敬 裕
監査委員 達 川 光 作
――――――――――――――
〇
出席事務局職員
事務局長 佐 野 武 秀
事務局次長 山 岡 昌 徳
総務課長 栗 田 史 朗
議事課長 井 上 久 義
総務課長補佐 窪 田 克 博
副
参事議事課長補佐 大 内 史
――――――――――――――
○(
山本敏孝議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(大前尚道議員) 議長
○(
山本敏孝議長) 大前尚道議員
〔大前尚道議員登壇〕
○(大前尚道議員)(拍手)公明・民社会議の大前でございますが、私は、今回は公明の立場の方をやや重視して質問させていただきますので、知事初め関係理事者の御答弁をよろしくお願いします。
質問の1は、知事の政治姿勢として歴史教科書問題についてお尋ねします。
この夏は、歴史教科書や小泉首相の靖国参拝問題が大きくマスコミをにぎわし国民の論議を呼びましたが、また今度は、アメリカでの非道にして、卑劣、非道にして許されざる同時テロが世界中を震撼させ、その日本としての対応をめぐって集団自衛権問題等が持ち上がってくるものと思われます。このテロ根絶のためには、その温床となっている貧困、飢餓など地球的問題群を国連中心に一つ一つ解決する以外にないと思いますが、それはさておくとして、このような一連の動きから、国の内外から日本の国家主義的傾向を危惧する声が聞かれるのであります。
公明党は現在、連立与党として改革を進める一方で、日本を戦前の国家体制に戻すような右傾化、国家主義的動きには敏感に警戒を怠ってはならないと全国大会での運動方針にも強くうたっております。このような立場に立つとき、今回の歴史教科書採択に当たっての知事の発言は、その真意を確認しておく必要があるとの思いから与党ではありますが、質問させていただくことをまずお断りしておきます。
本来、教科書採択作業は教育委員会や教育関係者の専権事項であり、その選択に政治家として意見を言うことは政治介入のおそれがあるとの考えから私どもは静観しておりましたが、知事みずからが感想とはいえその採択前において扶桑社の教科書への強い意向を示されたことは、教育委員会に対し大きく影響を与えたであろうことは、いかに教育長が否定されようとも容易に想像できるのであります。現に知事が関与した東京都と本県のみで扶桑社が採択されていることからも明らかであります。
既にさきの答弁で知事から反省の表明がなされておりますが、私はこの点を問題視するのであり、この教科書への賛否両論ありはしますが、これほどまでに反対の声が強い教科書に対し知事が会見の中で言われているような、以前から個人として待望していたとか愛媛の子供たちにこの教科書をもとに授業してもらえるといいなという気持ちがあったなど高い評価を与えておられる理由は何なのか。
加戸知事は、現在は政治家でありますが、もともと文部官僚であり教育には深い造詣や高い識見をお持ちであることは御案内のとおりであり、それに基づいての発言でありましょうが、知事の歴史観や思想背景として、皇国史観や自虐史観との見方によるいつまで謝ればよいのか他の国にとやかく言われる筋はない、筋合いはないなどといった感情的ナショナリズムや日本という国家を賛嘆する余り、過去の侵略さえ肯定するかもしくは隠すかのような、この部分がまさしく扶桑社の教科書で反対者から指摘される大きな問題点の1つでありますが、そのようなお考えがもし万一おありとすれば、余りにも時代錯誤であると申し上げざるを得ないのであります。これはあくまで万一の杞憂を申し上げているので失礼があればお許しを願いますが、著名な歴史学者トインビーは、自分の国だけにとらわれた歴史観を歴史の牢獄と呼んでいることもつけ加えておきます。
さらにまた、この教科書の大きな意図として、日本人の誇りを取り戻すことを目指しているようであります。このことに知事はもしかして共鳴されたのでしょうか。
しかし、誇りが持てなくなるから歴史の真実は教えないという、真実から目を背けないと保てない誇りとは何でありましょうか。それは虚勢とかひとりよがりとかいうのではないのか。その結果、日本が世界からあきれられ軽蔑されてきているのが現実であるとある著名な識者も指摘しているのであります。
確かに誇りの持てない日本人が多くいることはそのとおりであり、そのためにどうすべきかを考えることは、我が国にとって大きな課題であろうと思います。このことに関しては次の質問で改めて触れますが、例えば、アメリカの青年が広島や長崎に来て、アメリカが原爆を投下し何万という市民が犠牲になったという事実を教えられていなくて知らなかったとしたらどのような思われ方をするでしょうか。したがって、例えどのような過去であっても、真実は真実として教え歴史を正視することが国際社会での信頼につながるものと固く信ずるものであります。
いろいろと申し上げましたが、扶桑社歴史教科書評価の真意と私の主張に対する知事の御所見を承りたいのであります。
質問の2は、公務員等の綱紀粛正と倫理観の育成についてであります。
去る7月、神戸市の中国自動車道で中学1年の少女が手錠をかけられ車から落とされて死亡した事件の犯人が中学校教諭であったとの報道は、日本中に大変大きなショックを与えました。それがしかもわいせつ行為が目的であったとは何をかいわんやであり、例え休職中であったとはいえ教師以前の人間として大人として、まことに恥ずべきことであります。
文部科学省の調査によると、1999年度にわいせつ行為で懲戒処分を受けた公立小中高校などの教員は97人と過去最多で前年度の51人からほぼ倍増しており、この10年でわいせつ行為による懲戒処分件数だけでも9倍に達したとのことであります。
しかし、このような現象は教職員に限ったことではなく、新聞等にも大きく報道されているように警察官のみならずあろうことか裁判官までが少女買春で逮捕され有罪判決を受けるとは、まことに言語道断であります。
本来、社会に規範を示すべきリーダーとしての公職者や公務員が何らかの不祥事等により受けた懲戒処分者数を調べてみると、国家公務員では2000年度で2,289人、地方公務員では1999年度で5,991人といずれも前年度を大きく上回り年々増加の傾向にあります。警察官としてのデータはつかめておりませんが、これまでのマスコミ報道だけからしても、全国的には相当の数に上るものと予想されます。
なぜこのようにだらしなくなったのか。その原因はどこにあるのか。どうすればよいのか。これはお互いに自分のこととしても深く考えなければならない問題だと思うのであります。結局公職者として、公務員としての誇りや名誉心、使命感といったものがなくなっているのではないか。恥の感覚が育っていないのではないかなどと思うのであります。そのことを解くかぎが私は、新渡戸稲造の名著「武士道」の中にあるのではないかと考えるものであります。
実はこれは知事から教えられたのでありますが、毎週土曜日のラジオ放送の中に「加戸さんの今日もあなたと」という知事とアナウンサーの宇都宮民さんとのトーク番組があり、たまたま聞いていた中で、この夏休みに読んだらよいと思われる本はとの問いにこの武士道を挙げておられたのを聞いて、私も早速、図書館で借りて拾い読みをしてみたのでありますが、なるほどこの中には、知事の座右の銘とされている惻隠の心という章もあります。
思想家であり教育者でもあった新渡戸博士が、宗教のない日本人はどうやって道徳教育を行えるのかという問いに答えられないで悩み続けて一つの答えを出したのがこの武士道だったということですが、確かに当時の社会のリーダー的存在であった武士の精神的支柱に武士道の心があり、それが武士のおきてであり規範となっていたようであります。何も封建時代がよかったとかその昔に帰れとか言っているのではなく、少なくとも公務員等の綱紀粛正を図る上において、このような武士道的倫理観をいかに醸成するかということであります。
そこでお伺いしたい第1点は、特に、公務員等において現在のような多くの不祥事が発生する原因についてどのような御所見か。
第2点は、さらなる綱紀粛正と倫理観の育成について今後どのように図っていかれるか御見解をお聞かせ願います。
質問の3は、文化芸術振興のための条例制定についてであります。
現今の我が国の状況を顧みるとき、急速に科学技術が発展し都市化が進む中で経済的豊かさは獲得されてはきましたが、一方で、個々人を結ぶきずなが失われ社会は荒廃し人々の不安は増大するばかりであります。
先ごろの新聞報道によっても、小中高生の校内外での暴力事件は4万件を超えしかも年々増加の一途をたどるばかりであり、いじめや不登校さらには親等による児童虐待等においても同様な状況で、大きな社会問題となっております。いかにこれらの問題を解消するかはいまだに大きな難問でありますが、私は、ここにその一方策を文化芸術に求められないかと考えるものであります。
人間を人間たらしめるものこそ文化と芸術の力であります。文化芸術は、人々の創造性を開き多様性を尊重する社会をつくるために欠かせない要素であり、また、教育の荒廃が叫ばれる現在、青少年の豊かな心を育む力として大きいものがあると思うのであります。総合研究大学院大学教授の出口正之氏も次のように語っておられます。日本は戦後、欧米に追いつき追い越せで一生懸命走って、文化芸術という最も人間らしいものを忘れてしまっていた50数年ではなかったか。だから今なぜ文化、芸術かというと、人間本来の姿を取り戻そうということではないのか。文化芸術を国づくり、人づくりの根幹に据えるということは、ここ数十年日本が忘れてきたことを取り戻す作業ではないかと思うと。
このようなことから我が党では、21世紀の日本は文化芸術立国にすべきとの考えから、今、国においては芸術文化振興基本法案を提案しその成立を目指しているところでありますが、その法案の目的の条項には、心豊かな活力ある社会の形成に寄与することを目的とするとうたっております。そもそもこの法案提出の大きな理由は、米国やフランス等の先進諸国に比べて我が国の文化芸術支援策が余りにも貧弱であることからその拡充を図ろうとするものでありますが、このような財政難のときに何が文化芸術かとの御批判もあろうかと思いますが、これこそ小泉首相が唱える米百俵なのであります。
小泉首相は、この話を構造改革断行のための痛みに耐える例えとして引かれておりましたが、本来の意味は、私はこれまで何度かこの議場で引用してきましたが、財政難の中を将来を見据えた人づくりのためにせっかくもらった米百俵を学校建設の資金づくりに全部使って、その後において多くの人材を輩出したという話なのであります。
現在本県では、平成10年に愛媛の文化振興指針が策定され、予算額においては、今年度の9月現計で総額18億8,000万円ほどの文化関係予算が組まれており、そのうち文化振興費だけで見ると1億6,000万円ほどになっております。他県との比較資料が手元にないのでこれが多いのか少ないのかは言えませんが、確かに県民総合文化祭を初め多彩な事業に取り組まれていると思います。しかしながら、指針を見る限りにおいては、豊かな心づくりという視点がやや弱いように思われるのであり、その点をもっと全面に打ち出す形で条例化に向けた取り組みを強く願うものであります。
そこでお伺いいたします。
第1点は、文化芸術が人間を人間たらしめ豊かな心づくりになることについて、どのように認識されているかお聞かせください。
第2点は、国の基本法制定をにらみながら、本県としての文化芸術振興のための条例制定をするお考えはないか、お聞かせ願いたいのであります。
第3点は、県下には現在分野別の文化団体が31団体あるようでありますが、これら各団体の中にはさまざまな数多くのグループが日夜活動されていることと思います。ところがそれらの日ごろの活動の場というか練習の場に手ごろなところが少なく困る場合があるやに伺うのでありますが、確かに若い音楽グループの中には商店街の路上に楽器を持ち込んで白い目で見られながら演奏したりしているのもありますが、身近な学校や公民館等の活用状況や体制はどのようになっているのか、今後の支援策とあわせお尋ねをいたします。
質問の4は、市町村合併についてであります。
御案内のとおり、昨年12月1日に政府が決定した行政改革大綱は、行政の簡素化、住民サービスの拡充を目指し、現在約3,200ある自治体を約1,000にする目標を掲げておりますが、こうした政府の方針を踏まえ合併の動きが全国的にも急速に広がっているようであります。9月1日現在、合併を希望する市町村がそれぞれの議会で議決してできた正式な合併協議会すなわち法定協議会は全国で26地域93市町村で設置されておりますが、そのうち四国内では、お隣香川県で3地域11町での設置がなされ、特に大川郡8町のうち5町と3町がそれぞれ別々に合併してさぬき市と東かがわ市となって来年及び再来年のそれぞれ4月にスタートする予定とのことであります。
ところで本県においては、法定協議会までには至っていないものの早くから取り組まれている宇摩地域と南宇和地域において任意の合併協議会がつくられており、県としても、今年2月の市町村合併推進要綱策定を受けて推進本部等の設置など体制の整備が図られたことからも、その他の地域においても合併研究組織や検討組織が設けられるなどかなり機運の高まりが見えてきつつあるようであります。しかしながら、一般県民の理解度はまだまだ十分とは言えず、なぜ今合併なのかどのようなメリットがあるのか、逆にデメリットになることはないのかといったさまざまな疑問や不安を多くの県民が抱いているのではないかと思うのであります。
現に、先ほど紹介した香川県の来年からさぬき市として発足する津田、大川、志度、寒川、長尾の5町における合併協議の中でも、財政指数の違いから地域エゴを出し、各町の財政計画の範囲内で事業を行えとか駆け込み事業をしているのではないかとか他町の負の遺産を背負わされるとか予算が庁舎が置かれる中心部に集中されるのではないかとかいろんな問題が提起され、一時は合併成立が危ぶまれるほどであったとのことであります。このようなことはどこにでも起こり得ることであろうと思われますが、この関係町のある町議さんは、地域エゴをなくし合併する市町村が協力し合い夢のある新しい町を築くための議論をしていくことが大切であると特に感じたと、その産みの苦しみを語っておられましたが、同時に住民主導が大事だとの指摘もされておりました。
そこでお伺いしたい第1点は、メリットという点で、全国的な試算では、市町村数が1,000になれば年間4ないし5兆円の経費削減になるとのことであります。本県の場合、合併の基本パターンでは11自治体となることが示されておりますが、どれくらいの経費削減が見込まれると試算されるのか、お示しいただきたいのであります
第2点は、県民への啓発、PRについて、住民主導にしていくためにもより積極的取り組みが必要と思われますが、今後どのように対応されるのか。特に、現在108万を超えるアクセス数のある本県ホームページでのやさしくわかりやすい解説とメールで意見や質問に答えられるツーウェイ方式の導入を早急に開始すべきと思いますが、どのような取り組み状況になっているのか。また、既に事業化されているシミュレーション事業の取り組み状況ともあわせお聞かせ願います。
第3点は、合併重点支援地域の指定についてでありますが、政府はこのほど、市町村合併に弾みをつけるため各省庁が連携して取り組む総合的な支援策として市町村合併支援プランを策定し、例えば、複数の市町村を結ぶ道路、トンネル、橋を重点的に整備するなど各分野にわたって約60項目の新たな具体策を打ち出しております。この対象は、都道府県の合併支援本部が合併重点支援地域に指定した市町村か合併特例法の期限となる平成17年3月までに合併する市町村となっており、本県の場合、現在のところ前者の場合でしか対象地域に該当するところがありませんが、全国的にも現時点でまだ10県の16地域しか指定がないようであり、しかも法定協議会設置地域でなくても指定されている例もあることからも、本県でも積極的に指定に向けて取り組むべきと思いますが、御所信をお聞かせ願います。
質問の5は、環境対策についてであります。
その1は、四国カルストの保護、保全についてお尋ねします。
この問題は2月議会に引き続いての質問でありますが、私は2月議会では、四国カルストの姫鶴平から五段城にかけての最景勝地にウインドファーム計画があることを問題視して、現在の県立自然公園区域指定を普通地域から特別地域への見直しができないかとの問いに対し、隣接の高知県側との整合性を図っていくことが不可欠で、直ちには困難である旨の答弁をいただいておりました。
確かにこの地域には、我が国最高品位の石灰岩が全国年間使用量の20年分が埋蔵されていることから、自然公園指定前の昭和30年代半ばに三井鉱山が公園区域内に3カ所もの鉱業権を取得しているとのことで、御答弁にもあるように、そのことが本来ならとっくに特別地域とすべきところを普通地域のままに残した最大の理由であることからしても、特別地域への見直しのハードルは高いであろうことは理解するのであります。
しかし私は、このたび同僚議員とともに日本3大カルストと言われるもう2つの秋吉台と平尾台を視察して、四国カルストがそれらと比べても全く遜色なく高い価値があることを改めて認識し、次世代の者のためにも特別地域への見直しを図り、より一層の保護、保全に努めるべきとの思いを強くいたしているのであります。
今回勉強させていただいた秋吉台科学博物館長杉村昭弘氏のお話によると、秋吉台においては、国定公園ということもあるでしょうが、早くから自然保護体制ができ上がっていて昭和34年には秋吉台科学博物館が設置され、その後昭和44年に地元秋芳町に秋吉台管理事務所や自然保護協会までが設立されております。
しかし、それにはそれなりの理由があったのであります。それはこの地が日本で4番目の国定公園として指定された直後の昭和31年、あろうことか在日米軍がこの地を空爆演習地としての使用を県や町に申し入れてきたことから大々的な反対運動が巻き起こり、特に、それまでこの秋吉台の学術的価値等について研究してきた科学者たちの強力な応援があって、無事秋吉台の文化財が破壊から守られることになったという経緯があるのであります。
それらを機に、それまで一般的には余り知られていなかったカルスト生成の過程での古い地層と新しい地層との逆転構造という地質学上の世界的発見がなされていたこと等々の学術的価値が知られるようになってきたことが、県民や町民の自然保護意識を高めてきたことの背景となっているようであります。この世界的発見は、大正時代に当時東大の学生であった地質学者小沢儀明博士が、卒論としての化石の研究の中で見つけ出し世界中の地質学者の間で大問題となったものだそうであります。秋吉台のカーレーンを形成する石灰岩中には、それらが海水中でつくられたことを物語る巻貝やフズリナ等の化石がたくさん含まれており、そのことが早くから地質学上の研究対象となってきたのだろうと思うのであります。
ところが残念ながら、四国カルストの石灰岩の場合、それらの化石の発見がおくれ、昭和25年ごろまでは一般に無化石であると考えられていたようであります。しかし、その後において、愛媛大学の先生方によっても秋吉台と同種のフズリナ化石の密集も発見され、地質学的にも特に、四国カルストの地層は高位高原カルストと呼ばれ我が国では大変珍しい地形とされており、また、植物や昆虫等においても貴重なものが多く発見されており秋吉台と同様に学術的価値は非常に高いものと言えると思うのであります。結局、最初の化石発見のおくれが四国カルストにおける研究史上のおくれとなり、それがひいては鉱業権や放牧を許す結果となったのでありましょうが、学術的、文化的価値には差がないとなれば、これからでももっとそのことを宣揚していくべきと考えるのであります。
そこでお尋ねしたい第1点は、最終的には、私は、特別地域への見直しをあくまでも図るべきと思うのでありますが、まずその前段階として、そのような運動が盛り上がるためにも広く県民が四国カルストの価値を認識できるようにするため、1つには、ホームページの開設をしてはどうか。これは他の県内自然公園を含めてであります。2つには、現在発行されている県立自然公園ガイドブックを改訂してもう少し大判にし、内容も学術的、文化財的価値を強調して、カルストの形成過程の図解や化石の説明等をもっと追加し、全体的にもう少し読みやすい表現にするなど工夫ができないかということであります。
第2点は、科学博物館があることは既に申しましたが、北九州の平尾台にも昨年自然観察センターが立派に開設されております。同じ四国カルストでも高知県の東津野村の天狗高原には、県が設置したカルスト学習館があります。ここには本県からも大勢の小中学生等が訪れておるそうでありますが、本県としても、このような施設を現地に設置すれば、学習を兼ねた観光客増大の一助にもなろうと思われますが、ぜひ御検討願いたいのでありますが、御所信をお聞かせ願います。
その2は、自然再生型公共事業等についてであります。
自然再生型公共事業というのは、まだ余り耳なれない言葉と思いますが、どちらかというと、生態系や環境を破壊するケースの多かった従来の開発型公共事業から、環境を重視する自然との共生に発想を転換して自然の再生と修復を目指すというものであり、新しい型の公共事業として今注目されております。これは今年5月、我が党が公共事業を大胆に見直し、環境最優先に思い切って転換していくことが必要などとする大都市圏エコタウン構想十カ年戦略を発表し小泉首相に申し入れていたことを受けて、首相の私的懇談会21世紀「環の国」づくり会議が、都市での森づくりや干潟、藻場の保全再生などを行う自然再生型公共事業の推進を打ち出したものであります。
自然再生型公共事業のスタートはこれからですが、その内容としては、1つ、失われた自然環境そのものを再生するケース、2つ、良好な自然環境の保全とあわせて周辺地域で自然生態系を整備するケース、3つ、自然環境の喪失が著しい地域で自然生態系を整備するケースが考えられております。この事業の具体的なモデルケースとなるのが北海道の釧路湿原の事業で、湿原の乾燥化に歯どめをかけるため、釧路川を本来の姿である蛇行した川に復元させるというものであります。
そこでお伺いしたい第1点は、本県として今後、自然再生型公共事業にどう取り組んでいかれるのかということであります。
一方、地方自治体からも、自然重視の公共事業に期待する声が上がっており、御案内のように今月3日、和歌山県と三重県の木村、北川両知事が共同提言緑の雇用事業で地方版セーフティネットを発表し、全国28道府県知事の賛同を得た上で木村知事が、川口環境大臣らに対し来年度から実施するよう申し入れたとのことであります。この提言では、国土面積の3分の2を占める森林の公益的機能に着目し、水を豊富に蓄える水源涵養や地球温暖化を招く二酸化炭素を吸収し生物に酸素を供給する観点から緑の雇用事業を創設することとしており、特に特徴的なのが、森林活動を通じて新規雇用の創出を目的としていることであります。
そこでお伺いしたい第2点は、緑の雇用事業の共同提言に対し加戸知事は賛同者となられているのでありますが、本県としては、今後どのように緑の雇用事業に取り組んでいかれるのか御説明願いたいのであります。
以上をもって質問を終わります。(拍手)
○(
山本敏孝議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 大前議員の質問に答弁さしていただきます。
初めに、知事の扶桑社歴史教科書評価の真意と大前議員の主張に対する所見を問うとのお尋ねでございました。
大前県議の見識ある御主張拝聴さしていただきまして、おおむねそのとおりだと感じ入りました。
私が扶桑社の歴史教科書を評価する気持ちを持たしていただいた遠因からいささか申し上げさしていただきたいと思っております。それは以前から個人として待望していたという私の感想に凝縮されているわけでございますが、御承知のように私は、文部省で長い間人生を過ごしてまいりまして、在職中にいろいろな歴史教科書に関する問題の提起等はさまざまございました。
歴史というものは、それぞれの国が栄光と汚辱の積み重ねの中に今日に至っているんでありまして、今日の視点から過去を反省しようと思えばすべて反省材料であろうかと思います。例えて言えば、エジプトのピラミッドは今や世界遺産であると評価されておりますけれども、これも別の見方をすれば、当時の独裁者たる王様の専制政治のもとに人民が動員され、恐らくは相当な死者を伴った形ででき上がっていったものであろうと思います。そういった面から見れば悪の権化なのかもしれません。ただ幾何学的な当時のエジプトの文明、文化といった視点から見れば貴重な世界遺産でもあります。どのような見方をするかによって歴史の評価はさまざまに分かれるものだと思っております。
一般的に申し上げさしていただきますと、私の在職中には、侵略、進出の問題というのが大きな議論になりました。そのとき私も素朴な疑問を持ちましたのは、例えて言えば、19世紀ヨーロッパ諸国がアフリカ、アジア地域を植民地化いたしました。そのことに関しましては、一切侵略という用語は使われておりません。また、第2次世界大戦の端緒となりましたソ連とナチスドイツの両者によりますポーランド侵攻、これも侵略とは書かれてなくて、進出、侵攻という言葉が使われておりまして、そして日本の場合のみ侵略という言葉が使われるようになりました。そして近隣諸国条項が出てまいりましてからは、秀吉の朝鮮出兵も朝鮮侵略という言葉に変わりまして、そして日本人の教科書の中に侵略という言葉は、例えば日中戦争であるとか朝鮮出兵であるとかそういう形には侵略の用語が使われ、一切その他の諸外国のケースについては侵略の用語がありません。これが果たしてバランスのとれた教科書なのかなというのは、私の素朴な疑問でございました。
もちろん戦争は憎むべきものでございます。多大な戦禍あるいは被害を与えるものでもあります。その反省に立つ必要があります。ただ教科書であるからには、バランスのとれた教科書であってほしいなというのが私の心の中の願いでもございました。そんな意味におきまして、過去を現在の視点から見て100%悪しとする見方もあり得るでしょう。ただそれは教科書の中で日本の過去は暗かった。悪かった。先人はみんなひどいことをしたという、現在の尺度ですべてと言いませんが、ほとんどそういう形で教育する内容となる教科書なのが果たして妥当なのかどうか率直な疑問は持ち続けてまいりましただけに、今回の扶桑社の歴史教科書の中でそういった点に関し過去の事実を述べ、そして例えば日本の過去の歴史の中でも客観的に見れば、当時としてはまあまあそれなりの今日の日本につながる歴史の積み重ねがあるような記述も見られるようになったことを私は、自身は評価したわけでもございます。
決して戦争がいいとかあるいは戦争を賛美するとかそういうような事柄ではなくて、100%悪いんではなくてそれは90何%悪かったかもしれぬけど少しは救いがほしいな、その救いの1つが、この答弁でも申し上げさしていただきましたが、杉原千畝リトアニア領事代理の6,000人のユダヤ人の命を救ったような行為そういうようなことがちりばめてある、ほっとするような思いがしたことも事実でございます。
すべてどのような教科書がいいのかということは、だれにも断定できないことでしょう。大切なことは、過去の歴史の事実としてそれを客観的に眺めることができ、そしてそれをベースとして子供たちが考えることができる、そんな教科書というのを私は望んでいましただけに、私自身は、今回の扶桑社の歴史教科書は、今までの7冊に比べると私のフィーリングに合ったということは事実でございまして、またそのことが感想としても出たことでもございます。
大前県議が誇りが持てなくなるから歴史の真実を教えないというあるいは歴史から目を背けないと保てない誇りとは何であろうかという御意見がございました。そのとおりだろうと思います。事実に目を背けてはなりません。
ただ1つの例として従軍慰安婦の問題がございました。今回の歴史教科書の中では、N社の1冊を除いてほかの6冊からは従軍慰安婦の記述が消えました。これは恐らく子供たちに中学生レベルの教科書として、内容として適当かどうかあるいはその事実の確定が学説的にも固まっていないとかいろんな相互判断の上で記述されなかったんでございましょうけれども、このことが扶桑社がもし歴史の事実を教えないという批難を受けるとするならば、残りの6社も同様な批難を受けるべきであろうと私は思いますし、このこと自体が欠陥ではないと私は思っております。決して誇りを持つために事実を曲げようということではないと思います。
教科書は常にいろいろな問題を抱えます。特に扶桑社の場合は、初めてこの歴史教科書に参入いたしました。多くの欠点もあろうと思います。それはだんだん修正されていくことでもございましょうし、いろんな今までの7冊の教科書もそれぞれの批判を受けながら、いろいろな形で変わってきている、これが1つの方向ではないのかなあ、そんな気持ちでもございます。ただこれを余りこの場で強調いたしますと、また教育委員や教育長聞いておりますから、影響を与えてはいけないと思いますけれども、私自身の気持ちということで、大前県議の主張に対します所見としても、そういう形で私加戸守行個人はそう考えているということを申し上げさしていただきました。
繰り返しになりますけれども、私の歴史観やあるいは思想背景といたしまして、感情的なナショナリズム等は持ち合わせておりません。私は、国際協調の重要性を十分認識いたしておりますし、戦争の悲惨さそして平和の大切さを皆様同様持っているつもりでもございます。これからのいろいろな御議論もございましょうけれども、願わくんば、教科書問題に関します質問は差し控えられまして、私が影響を与えないようにさして(笑声)、じっと一加戸守行個人として眺めさしていただければ幸いでもございます。
次に、公務員等において現在のような多くの不祥事が発生する原因についての所見はどうかとの質問でございました。
お話のように兵庫県の中学校教師や神奈川県警を初めとする警察官の不祥事などこのところ公務員の不祥事が相次いでおりまして、全国的に見て懲戒処分をうけた職員が増加傾向にあるのは、御指摘のとおりでございます。
その原因を考えてみますと、大前議員の言われます公務員としての誇りや名誉心がなくなり恥の感覚が育っていないのではないかとの御指摘には、私も全く同感でございます。
大前議員の引用されました新渡戸稲造博士の「武士道」によりますと、武士は、名誉と誇りを最も重んじ、その名誉を傷つけられるようなことを最も恥と感じたのでございますし、また、私は、武士道を座右の書とさしていただいておりますのは、この考えの中に、特に恥ずかしいということだけを自分で問いかけて感じるようなことであってはならない、そんな意味で私自身がみずから処世訓といたしておりますのは、みずから顧みて恥ずるところはなかりしか、これを私の人生の生き方の基本に据えさしていただいておりますのも、この武士道による影響がかなり強いであろうと思っております。
このことを公務員に置き換えてみますれば、公務員には一般のサラリーマンに課せられました職業倫理よりははるかに厳しい公務員倫理があると思っております。それは言うなれば、国民、県民の税金で国民、県民にサービスすべき立場に仕事を選択した、そのことに伴う公倫理であろうかと思います。公務員としての名誉と誇りを保つためには、この公務員倫理を常に身につけて仕事をすることが必要であると考えております。
しかしながら、時代の進展とともに公務員倫理が希薄となりまして、家庭教育や学校教育を通じて社会規範としての道徳心を身につける訓練もおろそかとなってまいりました。また、核家族化や少子化によって人間関係も希薄化の一途をたどっております。こうした背景が一部の公務員において誇りや羞恥心を忘れさせ不祥事を生じさしている1つの要因となっているのではないかと考えております。
私たちもいま一度原点に立ち返りまして、足元を見詰め直し全体の奉仕者である公務員としての誇りを改めて自覚し、県民の信頼と期待にこたえられるようみずからを律していかなければならないと思っております。
次に、文化芸術が人間を人間たらしめ、豊かな心づくりになることについてどのように認識しているのかとのお尋ねでございました。
公明党がかねてより文化芸術に力を、力点を置かれ、また政策の中で取り上げられていられることに心から敬意を表する一人でもございます。
すぐれた芸術文化は、それぞれの独自の世界観を持っておりまして、それに触れることによりまして、人々は生きる喜びや大切さを学んできたところでもございます。文化というものは、人として生きるあかしでございまして、自己の可能性を追求する人間の根源的な探求であると認識をいたしております。
お話がございましたように、現在は、価値観の多様化であるとか国際化の進展、さらには地球規模での競争の激化等の急激な変化が進みます中で、人間性の喪失や倫理観の欠如など人間としてのあり方が問われている時代でもございます。このような時代でありますからこそ、個人が自立し心豊かで質の高い生活を送り、創造性に富んだ活力ある社会を築いていきますためには、芸術文化がかつてなく重要なものになると考えております。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(矢野順意副知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 矢野副知事
〔矢野順意副知事登壇〕
○(矢野順意副知事) 大前議員の御質問にお答えをいたします。
公務員等の綱紀粛正と倫理観の育成についての御質問の中で、さらなる綱紀粛正と倫理観の育成について今後どのように図っていくのかというお尋ねでございました。
職員の綱紀の保持につきましては、あらゆる機会を通じまして注意を喚起しており、常に県民の目線に合わせた県政の推進に努めるよう指導をしているところでございます。
お話にもございましたように、倫理観の緩みの原因には、公務員の個人としての資質のほか、先ほど知事からの答弁にもございましたように、公務員倫理が希薄化し、公務員としての自覚と誇りを忘れかけていることにあるのではないかとも考えられます。こうした緩みを引き締め、全体の奉仕者たるにふさわしい倫理観を育成いたしますためには、県職員、教員、警察官それぞれの研修機関におきまして、服務規範の周知徹底を図り、公務員の立場や役割を再認識させることによって、使命感や倫理意識を高揚させるよう努めますほか、あらゆる機会を通じて公務員としての倫理観を職員一人一人に定着させることが大切でございます。
また、職務倫理や服務の根本基準に反するような行為のあった職員には、厳正な処分をもって臨む所存でございまして、今後ともあらゆる機会を通じて県民の負託にこたえ得る高い倫理観と使命感を備えた職員の養成に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
○(吉崎賢介総務部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 吉崎総務部長
〔吉崎賢介総務部長登壇〕
○(吉崎賢介総務部長) 大前議員にお答えいたします。
まず、市町村合併につきまして、本県の基本パターンでございます11という数字になった場合、どのぐらいの経費節減が見込まれるかという点であります。
合併によりまして、スケールメリットを生かした効率化が図られるということは大いに期待できるところでございますが、その節減額につきましては、算出方法などの問題もありまして、確定的に今お示しすることは少し難しいのかなと思っております。
ただ御案内ございました、例えば全国1,000団体で4、5兆円というような議論にあわせて、非常に大ざっぱと言いますか大くくりの試算で市町村の類似団体別財政指標というのがありまして、人口と就業者比で予算を見るわけですけども、それで見ますと、歳出総額は約2割程度の減少と、こういう数字になります。ただ今言いましたように、これは人口と就業者比でありますので、面積等の要件がありませんので、また、合併後の市町村の体制、どんな体制をしていくのかと、こういうことも考慮していかなければなりませんので、直ちにここまでの削減は期待できないものとは思いますけれども、中長期的には大きな節減あるいは行政改革になると思っております。
いずれにいたしましても、現在、行っております市町村合併のシュミレーション事業、試算を行っておりますので、これを通じた関係市町村の努力によりまして、住民の方々に対してできるだけ具体的な合併効果が示されることを期待し、また、その旨市町村に助言してまいりたいと思います。
次に、県民へのPR、啓発でありますけれども、これにつきましては、これまでも合併推進要綱の住民への説明会や広報紙への掲載、合併アドバイザーの派遣等による講演会の開催など積極的に取り組んできておりますが、なかなか一般県民の方に十分これについて理解していただけるところにさらに進んでいかなきゃならないと思っております。
お話のシュミレーション事業につきましては、県と関係市町村が地方局ごとに設置しております検討協議会におきまして、具体的な市町村の組み合わせによる部会を20つくっております。合併の効果、課題、地域の将来像について検討を行っていただいておるところでございます。部会により進捗度は異なっておりますけれども、できる限り早い時期に検討結果を取りまとめていきたいと思っております。この取りまとめができた段階でこれを広く公表し、合併の判断材料にしていただきたいと思っております。
さらに御提案がありました合併専用のホームページでございますけれども、これもこういう検討結果が出ますれば、近くホームページを開設いたしまして、各種情報を迅速に提案、提供してまいりたい。あるいは県民の意見等も今の
インターネット等では双方向でありますから、これに的確に対応できるというふうに考えております。
次に、合併重点支援地域の指定に積極的に取り組むべしという御議論でありますけれども、御案内のように国では、各都道府県に対しまして、関係市町村の意向を踏まえた上で、複数の合併重点支援地域を指定することを要請しております。お話のように指定地域に対しましては、市町村合併支援プラン、国によってまとめられた支援プランによりまして、社会資本整備等につきまして関係省庁が連携して重点的な支援をするということが約束されております。
県といたしましては、取り組みが進んでいる地域に対しまして、道路、架橋等の基盤整備、それと交通対策あるいは地域振興などの面で重点的な支援を行っていきたいと考えております。そして、その姿勢を明確にするためにも、また、市町村合併支援プランによる国の支援を受けるためにも、早い時期の指定に向けて積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
指定の候補といたしましては、できるだけたくさん指定したいと思っておりますけれども、先般、町村長、議長から指定の御要望、猪野県議も一緒に来ていただきました南宇和郡あるいは既に任意の合併協議会を設置して検討をいただいております宇摩地域などが考えられておりまして、これは地元の意向を踏まえて対応、今後対応してまいりたいと思ってございます。
以上です。
○(武智勝久
県民環境部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 武智県民環境部長
〔武智勝久
県民環境部長登壇〕
○(武智勝久
県民環境部長) 大前議員にお答えをいたします。
四国カルストの保護、保全についての御質問のうち、まず、広く県民が四国カルストの価値を認識できるようにするため、ホームページの開設や県立自然公園ガイドブックの改訂をしてはどうかとのお尋ねでございました。
県におきましては、すぐれた自然の風景地や貴重な県民の財産として保護し、次の世代に引き継ぐため、四国カルストを初め県下7地域を県立自然公園に指定をしておりまして、野外レクリエーションや自然に親しむ場としても、県民に広く利用されているところでございます。
これら愛媛の県立自然公園をより身近なものとして広く県民に理解していただくため、愛媛県自然保護協会のホームページにおきまして紹介をしているところでございますが、近く県民環境部環境局のホームページであります「えひめの環境」に登録する予定である環境地理情報システムにおきましても、県下の県立自然公園を紹介したいとこのように考えておるところでございます。
また、お話のございました県立自然公園ガイドブックは、平成元年から3年間で7つの公園につきまして順次刊行し、県内の有識者や市町村の協力のもとに各公園の自然の解説に加えまして、写真や地図、図解なども多くして、県民に親しみやすいものとなるよう十分配慮して作成したものでございまして、市町村、小中高等学校を初め県内の図書館や観光協会等に配布をいたしておるところでございます。
しかし、刊行後10年を既に経過してございまして、この間に公園地域の風致景観や自然環境に対する県民意識も変化していると考えられますので、できるだけ早い機会に御指摘の点を踏まえまして、改訂を検討したいというふうに考えております。
次に、学習を兼ねた観光客増大の一助にもなるような施設を設置してはどうかとの御質問でございました。
四国カルストは、県境で接しておりますが、本県と高知県がともに県立自然公園として本県が昭和39年に高知県は昭和36年に指定しておりまして、両県におきまして一体の地域として保全と活用を図るべきものと考えております。
御案内のとおり高知県立のカルスト学習館は、ビデオ映像やパネル、標本などによりカルストの自然や成り立ちを紹介する施設といたしまして5年に開設をされまして、年間8,000人程度の入館者があると聞いておりまして、本県側からの訪れた人も相当数含まれるのではないかと考えております。
したがいまして、本県側にお話のような施設を設置してはどうかとの御質問でございますが、既に当カルスト地域には、高知県におきましてカルスト学習館が設置をされておりまして、また、現下の厳しい財政事情のもとでは直ちに建設することは困難であると思われますが、四国カルストを県内外にPRをいたします貴重な御提言でもございますので、今後の課題として慎重に検討さしていただきたいと思います。
以上でございます。
○(市川憲次農林水産部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 市川農林水産部長
〔市川憲次農林水産部長登壇〕
○(市川憲次農林水産部長) 大前議員にお答えいたします。
環境対策のうち、自然再生型公共事業等について、今後、緑の雇用事業にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。
県におきましては、本年度を森林蘇生元年と位置づけまして水源涵養機能等を高める施策を全国に先駆けて実施しているところでございますが、昨今は、雇用問題が喫緊の課題となっておりまして、水源林の整備や放置林対策等を何とかして雇用対策に結びつけていきたいと考えております。
お話のとおり知事は、緑の雇用事業創出の共同提案者となっておりまして、先般の全国知事会における閣僚との意見交換会におきましても、知事御自身が間伐事業等が雇用の受け皿になり得るものとして、公共事業で森林をよみがえらせてもらいたい旨を強く要請されたところでございます。
今後は、国の動向も見ながら、就業希望者の把握と事業量の調整、都市部に多い就業者の、就業希望者の居住地と作業現場の問題、森林作業へ就業する方への技術習得機会の提供、事業実施に伴う森林所有者の負担等を検討しました上で、御提言の趣旨に沿った緑の雇用事業が具体化できるように取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○(山本雅史土木部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 山本土木部長
〔山本雅史土木部長登壇〕
○(山本雅史土木部長) 大前議員にお答えいたします。
自然再生型公共事業等についての御質問の中で、今後、自然再生型公共事業にどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。
本県におきましては、限られた県土の中で、多くの人々が生活を営み生産活動を行ってきているわけでございますが、その活動自体やそのための基盤となります社会資本整備の過程におきまして、経済性や効率性を追求する余り、生態系や環境の保全と相反することが多かったことは、否めない事実でございます。
このため、近年県におきましては、さまざまな分野で環境負荷の軽減や自然との共生を目指す事業に取り組んでいるところでございますが、公共事業におきましても、環境重視の観点から、多自然型川づくりやエコロードの整備あるいは郷土種による切り土のり面の樹林化等、生態系の保全や自然との共生に配慮した事業に積極的に取り組んでいるところでございます。
お話の21世紀「環の国」づくり会議の報告に取り上げられました自然再生型公共事業は、従来よりさらに環境への視点を強め、生態系管理の手法を取り入れつつ森林や河川、干潟などの自然を都市と農山漁村のそれぞれにおいて積極的に再生、整備していこうとする新しい形の取り組みでありまして、本県の恵み豊かな自然環境を将来へ確実に引き継いでいくためにも必要な事業であると考えられますことから、今後、国や各県の動向も見きわめますとともに関係部局間で連携をとりながら、研究を行ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○(吉野内直光教育長) 議長
○(
山本敏孝議長) 吉野内教育長
〔吉野内直光教育長登壇〕
○(吉野内直光教育長) 大前議員にお答えします。
文化芸術振興問題のうち、国の基本法制定をにらみながら、本県としての文化芸術振興のための条例を制定する考えはないかとの点でございますが、文化振興条例は、現在東京都、北海道そして2つの県で制定されております。その内容は見てみますと、おおむね文化振興に関する県の責務や市町村、民間団体等の役割、そして施策の基本方向などについて定めておりまして、いわば文化振興に対する取り組みを宣言するものとなっております。
本県におきましては、お話のありましたように愛媛の文化振興指針のほか平成12年3月に策定しました第5次長期計画におきまして、人や文化が明るく伸び伸びと躍動する愛媛、これを5つの基本目標の1つに掲げまして、総合的な文化振興の推進に取り組んでいるところでございます。
また、お話の芸術文化振興基本法案におきましては、地方公共団体の責務や地方公共団体が実施する施策等についても規定されることになっておりまして、条例の制定につきましては、当面は、法案の審議の動向を見守らせていただきたいと存じます。
次に、県下の文化団体の身近な学校や公民館等の活用状況や体制はどうなっているのか。今後の支援策もあわせて問うという御質問でございますが、学校施設は、教育上支障のない限りスポーツ活動など一般の利用に供しておりますものの文化活動に利用される事例は限られている状況にございます。
一方、公民館におきましては、華道でありますとか詩吟、合唱、舞踊など多様な文化活動の練習や発表の場として活発に利用されているところでございます。
今後とも県民に身近で気軽に利用できる公民館や学校などの公共施設の利用を促進しまして、さまざまな文化活動の場の拡充に努めてまいりたいと考えております。
また、文化団体の活動につきましては、本年度から活動の成果発表に対する助成制度を創設しましたほか、今回、新たに練習会場の借り上げなど団体の活動基盤の整備に対する助成を開始することとしておりまして、今後とも積極的に支援をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
○(
山本敏孝議長) 暫時休憩いたします。
午後3時3分 休憩
――――――――――――――
午後3時16分 再開
○(
山本敏孝議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(黒川洋介議員) 議長
○(
山本敏孝議長) 黒川洋介議員
〔黒川洋介議員登壇〕
○(黒川洋介議員)(拍手)自由民主党黒川洋介です。
質問に入る前に、9月11日米国で民間機が乗っ取られニューヨークの世界貿易センタービル及びワシントンの国防総省に突入。乗っ取られた民間機乗客乗員全員、貿易センタービル関係者、国防総省職員及び救助に向かった消防士、警察官等数多くの人々のとうとい命がテロにより失われました。東西冷戦が終わりイデオロギーの対立は消え世界が均質化したように思われましたが大変残念です。この事件で、平和の大切さとともに平和は自然に守られるものではなくテロまたは外圧による危機が存在する限り、平和と自由を守るため世界が協力、協調し全力で取り組まなければならないことを痛感いたしました。この事件によりとうとい命を落とされました人々に対し、心より哀悼の意を表します。
それでは、これより一部提言を交えながら質問を行いますので、知事初め理事者の皆様の前向きで建設的な答弁をお願いいたします。
さて、21世紀を迎え、世界は今までに経験したことのない未知の変革の真っただ中にあります。
目をヨーロッパに転じると、欧州連合加盟国は、2002年単一通貨ユーロの流通実施、2003年外交、安全保障面での統合、2004年東欧からの新規加盟国を迎え入れ、加盟国30カ国約5億人の人口を抱える大連合となる見込みであり、実現すれば加盟国の国内総生産の合計は米国を大きくリードするものとなります。EUの未来像として、国家主権を重視するのかあるいは連邦国家制を目指すのか終着点の論議が今後、本格化すると思われます。
一方、国内におきましては、国民の期待を一身に集め小泉新首相が今春誕生いたしました。所信表明演説において、最重要課題は、経済を立て直し自信と誇りに満ちた日本社会を築くことである。同時に、地球社会の一員として日本が建設的な責任を果たしていくことである。構造改革なくして日本の再生と発展はないという信念のもとで、経済、財政、行政、社会、政治の分野における構造改革を進めることにより新世紀維新とも言うべき改革を断行したい。抜本的な改革を進めるに当たっては、さまざまな形で国民との対話を強化することを約束すると述べ、これが信頼の政治を実現していくことになると明言されております。まさに明治維新の五箇条の御誓文にある広く会議を興し万機公論に決すべしの精神であります。
この所信表明演説を聞いたとき私は、2年前の愛媛県知事選挙において県政刷新を掲げた加戸知事が誕生し、平成11年2月の県議会の知事所信表明の中で、時代の変化に的確に対応し思い切った自己改革を行い、何よりも自由闊達で風通しのいい明るくさわやかで活力ある愛媛をつくりたい。そしてその基本理念は、民主主義の原点である住民主権、民意反映、住民福祉の3本柱であることを表明され、県民の目線に立った県政を実践されてこられました加戸知事の県政改革に取り組む姿とダブって感じたのであります。
そこでお伺いいたします。
知事は、小泉総理が断行しようとしている聖域なき構造改革の基本理念についてどのように考えておられるのか。また、小泉総理に何を期待されるのか、お伺いしたいのであります。
次に、雇用問題についてお伺いいたします。
国債の新規発行30兆円以下という小泉内閣の公約達成に向け、今後は、改革工程表に基づき国民の理解を得ながら改革断行のスピードと具体性、実行力を示すなど構造改革の道筋を国民に明らかにすることが求められております。
その一方では、改革で痛みをこうむる人たちや中小企業の金融面に対するセーフティネットの強化と痛みに耐え得る体力をつけるための地方の基盤整備が不可欠であります。
本年7月の完全失業率は、1953年調査開始以来初めて全国で5%に乗りました。完全失業者数は330万人にも上ります。また、有効求人倍率も0.60倍と低下をしておりまして、先行きにおいても、当面の景気や今後の構造改革の進展に伴い雇用情勢は一層悪化する要素が大きくなると予想されます。愛媛県内でも、平成13年8月の有効求職者数は2万8,112人となっておりまして、求職者に対する就職支援を柱とする雇用対策の充実が急がれる状況にあると考えます。
そこでお伺いいたします。
雇用のセーフティネットの強化及び拡充が必要と考えますが、県として雇用の流動化、再就職のための職業訓練の実施及び受け皿となる新規産業の育成などについてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いしたいのであります。
次に、産業振興策として、産業情報総合ネットワークの利用促進についてお伺いいたします。
これからの情報化をより一層促進するためには、本年4月より運用されている愛媛情報スーパーハイウェイを民間に開放し他県並みの低料金でより多くの県民が利用できるシステムを構築することが必要と考えております。
県では、このスーパーハイウェイを活用した産業情報総合ネットワークを本格稼働させ、産業情報センター、工業系試験研究機関、商工団体などをネットワークで結び、企業や県民の技術相談に迅速に対応できる電子相談システムによるサービスなどが提供されております。このネットワークは、会員数784社、
インターネット会員583社、情報発信企業93社で構成され、さまざまな情報通信により産業の振興に大きく寄与しているところでありまして、ネットワークに参加する企業は県内各地に設けられたアクセスポイントへ電話回線などによりアクセスし、情報の収集や発信を行うものとなっております。
アクセスポイントは県内どこからでも市内通話料金で利用可能となるよう設置されておりますので、企業にとってもその利用効果ははかり知れないものがあると思われます。ただ既存の電話回線を使用した場合、情報伝達の速度に限界があり、昨今の情報通信に対するニーズを考えれば、その速度に対する不満の声があることは否定できません。かといって通信速度を高めるための専用回線の借り上げにはかなりの費用負担が必要となるため、参加企業にとっては、このことがネットワーク利用のネックになる場合もあると聞きます。
我が国の情報通信回線の利用料金につきましては、最近、国際比較においても徐々に低廉化しつつあるやに聞いておりますが、ネットワークの命は、その中に蓄積された情報であり、その効用が最大限活用されるか否かは、質のよい情報をできる限り多くの企業から収集し、いかに素早く伝達していくかがかぎを握っていると言っても過言ではありません。利用者にとって回線使用料の負担以上に得るものが大きいと判断されるようなネットワークにしていかなければならないのではないかと考える次第であります。
そこでお伺いいたします。
産業情報総合ネットワークの利用促進にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、環境問題についてお伺いいたします。
自然は、祖先から譲り受けたものではなく子孫からかりているものだ。アメリカインディアン、ナバホ族の言葉です。多くの生命をはぐくみ、緑豊かなこのかけがえのない地球が、私たち人間のために汚染されたことにより地球の温度調整機能が低下し温度が上がり続けております。
気象庁の発表によると、温室効果ガスがこのままふえれば、70年後には日本の冬の気温は2℃以上も上昇するとされております。まさに危機的状況にあるのであります。こうした中、地球に住む人間全員で早急に対策を講じなければ大変なことになるとし、1997年京都議定書の取りまとめが行われ、本年、議定書発行のための運用規則の合意がなされました。今や環境問題への取り組みは世界的な対応が急がれていることは言うまでもありません。
地球環境を守るためには、厳正な循環型社会の構築が不可欠であり、その具体策として、リサイクルを推進して廃棄物を出さないゼロエミッションを目指すことが大変重要になってくるのであります。
ゼロエミッションとは、地域の産業や家庭から出る廃棄物を他の分野の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想であります。このようなリサイクルを社会全体のシステムとして実現し、あらゆる物が循環する姿を人間の体に例えるならば、動脈が生産システムであり静脈がリサイクルシステムであると言えますが、近年日本では、産業構造の変化により産業の空洞化が著しく外国での生産比率が高まっていることから、国内システムがいわゆる動脈硬化を来しておりまして、今後、ものづくりにおける国内生産比率を高めることがこの構想の推進に大変重要であると考えます。
県では、平成14年度の国への重要要望の22項目の中でエコタウン事業の推進が盛り込まれました。この事業の推進によって、環境意識の向上と地域の産業蓄積等を生かした環境調和型地域づくりが図られ、環境産業の創造さらには雇用の創出につながること、また、これからの社会づくりの基本となる官民協力による民間活力の活性化をも促進するものと期待をいたしております。
また、事業を成功させるためには、廃棄物をスタート材とする事業のための施設はすべて迷惑施設であるかのような認識を改め、関係市町村の積極的な対応と国及び県の指導力の発揮が必要不可欠であります。
そこでお伺いいたします。
平成14年度の国のエコタウン事業の承認に向けた取り組み状況と自治体の参画状況を含め、その進捗状況はどのようになっているのか。また、本県のエコタウン構想の概要についてお聞かせ願いたいのであります。
次に、県内の不法投棄の現状についてお伺いいたします。
日本においてもようやく環境問題に対する行政の取り組みが本格化し、平成12年の通常国会において、循環型社会の形成に向けた循環型社会形成推進基本法を初め重要6法案が制定され、社会全体が環境問題を抜きにしては考えられない時代となりましたが、法整備が進む一方で、河川、山道など人目につかない場所での不法投棄は逆に増加する傾向にあり、住民一人一人の倫理観の低下が浮き彫りとなってまいりました。不法投棄を防止するためには、取り締まりの強化と息の長い環境教育の実践が欠かせません。
そこで2点お伺いいたします。
まず、県内の不法投棄の現状はどうか。また、平成12年度より県民環境部に配置されている現職警官の実効性と活動状況についてお伺いしたいのであります。
2点目として、社会全体で環境教育に取り組むことが重要と考えますが、その現状はどのようになっているのか。また今後、県としてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いしたいのであります。
次に、マイバック運動の推進についてお伺いいたします。
昨今、県民の環境問題に対する意識と関心はますます高まっておりますが、具体的な行動については、その実行性が低いのが課題であります。
そこで私の提言として、他国の一例を紹介さしていただきます。
ドイツのフライブルク市では、買い物の際、自分の買い物袋を持参するいわゆるマイバック運動への取り組みを市民全員が当たり前のこととして実践しておりまして、日本のように使い捨てのビニール袋を持ってお店を出る人を見ることはまれであります。つまりは一人一人がごみの減量化に向けた具体的行動を起こしているのでありまして、その結果、あの敗戦の焼け野原から今日では世界ナンバーワンの環境先進地の地位を築いているのであります。
我が国においても環境問題に取り組む各種団体などがありはしますが、団体の活動を有機的につなぐネットワークが不十分であるため、その拡大が進みにくい状況にあると思われます。問題意識の高揚があっても具体的行動が伴わなければその効果は期待できません。官民一体となって住民一人一人が身の周りでできることから行動を始めることこそこの問題への対応の第一歩になり、ひいては環境先進県愛媛を実現することにもつながるのではないかと思います。
そこでお伺いいたします。
県としてマイバック運動に取り組んでほしいと考えますが、御所見をお聞かせください。
次に、市町村合併の現況と対応についてお伺いいたします。
冒頭申し上げましたように、国際化、グローバル化の中で、日本独自の尺度ではなく世界の中の日本として世界標準が基準となってきております。ヨーロッパの変革に比べれば、日本の構造改革や市町村合併は、近未来に訪れるであろう世界の変革の中で日本が体力を養い十分に競争力を持つための必要不可欠な改革であり、早期に取り組む必要を感じる次第であります。
政府の市町村合併支援プランが8月30日に決定されました。それによると、地方の要望を各省庁が最大限くみ取り多分野にわたる幅広い優遇メニューをそろえることとなっております。6月末現在で全市町村の4割近い1,247市町村が何らかの検討組織を設けておりますが、法定協議会を設置しているのは26地域93市町村であり、全国的にはまだ少ない状況であります。
先日の愛媛トップミーティングにおいても、各市町村の合併に対する現況と取り組みの見通しが論議されましたが、合併推進にはまだかなりの温度差を感じます。その原因として、地域固有の歴史、文化に対する愛着やきめ細かな行政サービスの低下を心配する声、また、失職を恐れる首長や議員がいま一歩積極的になれない背景を感じます。
まず、最優先されるのは、住民の合併に対する不安を払拭するための適切なアカウンタビリティを実行すべきであり、県内においてその対応がされていない地域が多いことが問題であります。また、首長や議員が自分の市をいかに有利な状況のもとでいつ合併議論のテーブルにつくか、また、どこの市町村長がまとめ役になるかといった綱引きを行うなど住民不在の政治的なかけひきをすべきではないと思います。市町村のリーダーは、市町村民の市町村民による市町村民のための市町村行政を実行することが大切であります。メリット、デメリット及びまちづくりの設計図を住民に示し早急に議論を深めるべきと考えます。
そこでお伺いいたします。
県内市町村の合併に向けた取り組み状況と今後の県の支援策を含めた対応方針についてお聞かせ願いたいのであります。
次に、県職員の人的交流についてお伺いいたします。
エックスハイウエイの完成により四国4県の県都が結ばれ、交流時間の短縮、交流人口の増大、それに伴う経済、観光、情報等多くの分野での連携が期待されております。
中四国サミットでは、さまざまな場で数多くの各県知事と顔を合わせることの大切さと言いっ放しにせず後でフォローし結果を出すことの大切さが話されました。四国知事会議においても、四国はひとつとの認識のもと、水源林整備事業の創設など広域で取り組むべき事項も多く論議されるとともに道州制も考慮した議論が活発に行われるなど県民も4県の連携が一層強化されることに大いに期待をいたしております。
また、しまなみ海道の開通により愛媛と広島が陸続きとなり交流圏が大きく広がりました。さらに、両県の交流事業である自転車の貸し出しにおけるシステムにおいても利用者の利便性を優先させた対応がなされ、一つ一つの問題が解決されお互いの行政が連携、協力することの大切さを学びました。現在、市町村合併の推進が図られ、行政間の垣根を取り除き、新しい時代に向けた協力協調体制が実行できるか真剣な議論がなされております。
県におきましても、地域性を生かした県土づくりとともに他県との交流が欠かせません。現在国と県、県と市町村との間で職員の人的交流が行われ、事業遂行がスムーズに進むとともに地域の声を中央に、中央の情報を地域へと反映させることにつながるなど着実に成果を上げております。
例として、一つ提案さしていただきます。
平成29年度に国体の開催が予定されておりますが、施設整備や指導者の育成など開催に向けた準備はもとより、国体を単なる一過性のスポーツイベントに終わらせることなく、一村一スポーツの実現を目指した息の長い地域密着型のクラブづくりに取り組むといった開催後の対応についても、近年国体を開催した県へ職員を派遣しその取り組みや反省点等も踏まえて開催準備を進めることは、みずからの足元を見詰め直すことにもなり、そこから学ぶことは多いと考えます。このように人的交流は県勢発展にも必ず寄与するものと私は確信をしております。
そこでお伺いいたします。
県職員の人的交流を積極的に推進すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。
次に、警察問題についてお伺いいたします。
国際化、都市化、情報化の進展に伴い、犯罪も凶悪化、低年齢化が進み、殺人事件の増加、また外国人による犯罪も多発する一方、エリート官僚による公金流用、教員による非道な犯罪等社会秩序が乱れ、公に対しても信頼が失墜しており、報道を聞くたびに怒りが込み上げると同時にまたかとあきらめの心境を抱く人も少なからずいると思います。しかし、悪は悪として取り締まり強化を行うとともに子供への虐待、ストーカー事件等早く情報を得て未然防止に努め、相談業務の強化を行うことが重要となると考えます。
本年上半期、刑法犯の検挙率が19.0%と過去最低を記録、そのうち重要犯罪の検挙率も54.5%と最悪となり、また刑法犯件数は約128万件と前年比15.9%増加しております。犯罪が急激に増加し検挙率が下がる最悪の状況となっておりまして、世界一安全な国を自負してきた日本の安全神話が揺らぎ、県民が肌で感じる安全の度合い、いわゆる体感治安が急速に悪化しているのではないかと考えます。県民が安全で安心して生活することのできる治安を確保するための取り組みとして、住民に一番身近な交番相談員、警察安全相談員等の制度拡充や環境犯罪等に適切に対応するための警察官の自治体への出向措置等も積極的に推進していく必要を感じております。
先日、東京において、自分の身の危険も顧みず職責を全うしようとした警察官が殉職するという痛ましい事案があり、葬儀で、最後まで職務を全うした夫を誇りに思いこれからの支えにしたいとのあいさつがあったことを新聞で見ました。私たち一人一人が身の回りにあるさまざまな危険を認識し、個人がみずからの責任においてできることからしていくことが必要であります。
それに加え警察では、犯罪の未然防止活動に際し、警察自体で取り組むことが効果的な活動や犯罪の取り締まりなど警察にしかできない活動に重点を置いた治安維持活動を望むものであります。その人員について警察では、職員全般の配置や事務の見直しによる合理化を図り、警察官の質の向上と警察の体質の見直しも並行して行い、それでもなお不足する要員については早急にふやす必要があると思います。
警察庁は8月24日、全国規模で警察官5,000人を緊急増員することを決め、平成14年度概算要求に盛り込むことが明らかになりました。本県としても、平穏な県民生活を確保するためには、警察体制を一層強化する必要があると感じているところであります。
そこで2点お伺いいたします。
まず、国に対して警察官の増員を強く働きかけていただきたいと思いますが、御所見はどうかお聞かせ願いたいのであります。
次に、本県の治安情勢の実態について、とりわけ体感治安の悪化の要因は何か。また、犯罪の未然防止を図り、県民が安全で安心を肌で実感できるような対策をどのように講じているのか、お伺いしたいのであります。
最後に、危機管理能力を身につけさせるための教育に関しお伺いいたします。
現在学校では、特別活動を初め保健体育などすべての教育活動を通じて、安全教育、性教育等を行っておりますが、最近の社会情勢を見ると子供たちの身の回りには多種多様な危険があり、今後は、安全で安心して住める社会づくりの実現に向けた学習の必要性を感じております。例えば、大規模地震が起こった場合の安全地帯を確認し、また、実際にその指定場所に行って食、住を行うことを体験するとか、また薬物の乱用、先日起きた学校内での殺人事件、また交通事故などから身を守るための心得などその地域性と自分の生活圏の中での対応を学ぶこと。そして、学校、警察、自衛隊、消防等の現実の姿とその必要性を肌で感じ、自分自身も大切な社会の一員であることを自覚するとともに自助、公序、共助の大切さを学び、一人一人が何をしなければならないか、また、何ができるかを学ぶ場として学校が有効に機能することを望む次第であります。
そこでお伺いいたします。
学校において総合的危機管理能力の向上を目指した教育が必要と考えますが、教育長の御所見をお聞かせください。
これで私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○(
山本敏孝議長) 理事者の答弁を求めます。
○(加戸守行知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 加戸知事
〔加戸守行知事登壇〕
○(加戸守行知事) 黒川議員の質問に答弁さしていただきます。
まず、知事は、小泉総理が断行しようとしている聖域なき構造改革の基本理念についてどのように考えているのか。また、小泉総理に何を期待するのかとのお尋ねでございました。
小泉総理が断行しようとしております聖域なき構造改革は、21世紀にふさわしい社会経済システムを確立し、日本の再生と発展を目指すために大胆な改革を推進しようするものでございまして、対話を通じて、政策の検討過程を明らかにし、国民の理解と意識の共有を求めていくこととしております。
こうした基本理念は、時代の変化に的確に対応し、思い切った自己改革を行い、自由闊達で風通しのよい明るくさわやかで活力ある愛媛を創造することを目標として、県民参加による県民主役の県政を推進しております本県の方針にも通ずるものがあると考えております。
また、構造改革は、日本の将来のために不可欠なものでありまして、小泉総理には強い指導力と実行力で改革を断行していただきたいわけでございますが、特に、地方の自立、活性化に当たりましては、先般の全国都道府県知事会議におきまして改めて総理から表明されました地方にできることは地方にゆだねるという方針を堅持されることを強く期待いたしております。
次に、県内市町村の合併に向けた取り組み状況と今後の県の支援策を含めた対応方針はどうかとのお尋ねでございました。
県内では、宇摩圏域及び南宇和地域で任意の合併協議会が設置されておりますが、その他の地域におきましても、上島地域など4地区で関係市町村が共同で研究を進めているほか、ほとんどの市町村が庁内の検討組織を設置いたしております。しかしながら、地域によってかなりの温度差がありますことは事実でございます。
お話にございましたように、合併の是非を判断するためには、具体的な組み合わせによる合併の効果や課題、地域の将来像を地域住民に示すことが肝要だと思っております。このため県では、これらについての検討の場として、各地方局ごとに検討協議会を設置しておりまして、全市町村が参加しているところでございます。
この協議会の活動を通じて、地域住民が求めている情報の収集整理と公開が早期に進むことを期待しております。
また、既に設置されております任意の合併協議会に対しましては、職員を協議会の委員として参画さしておりますほか、近く法定協議会に移行する予定の南宇和郡に対しましては、協議会事務局に県職員を派遣するなどの支援も行う方針であります。
今後は、さきに示されました国の合併支援プランの具体化の動向も見きわめながら、合併重点支援地域の指定や合併後の市町村の建設に資する事業の優先的な実施などに取り組みたいと思っておりますが、県内各地域の動きに対応して、来年度に向け支援策の拡充についても検討していく所存であります。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
○(前田瑞枝副知事) 議長
○(
山本敏孝議長) 前田副知事
〔前田瑞枝副知事登壇〕
○(前田瑞枝副知事) 黒川議員にお答え申し上げます。
環境問題に関しまして、県として、マイバッグ運動に取り組んでほしいがどうかというお尋ねでございました。
マイバッグ運動は、行政や消費者団体などで組織いたしますごみ減量化推進国民会議が、だれにでもできるごみ減量化と資源の節減につながる活動といたしまして、平成7年度から全国キャンペーンを行っているものでございます。
県内でも、消費者グループの自主的な活動にあわせまして、大手スーパーなどにおきまして買い物袋を持参した顧客に対してスタンプをサービスし、これが一定数たまりますと換金できるシステムを実施いたしますなどマイバッグ運動の取り組みがなされております。
県といたしましても、このマイバッグ運動を推進いたしますため、ごみ減量化推進月間のポスターや情報誌リサイクルえひめなどで買い物袋持参運動の普及啓発を行っておりますが、今後、消費者団体や生産、流通業界の代表などで構成いたしますえひめ循環型社会推進会議等で、マイバッグ持参体験モニター制度の創設、スーパー等でのレジ袋をサービスしない運動の展開など具体的推進方策につきまして検討をいただきまして、マイバッグ運動の拡大と定着促進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(吉崎賢介総務部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 吉崎総務部長
〔吉崎賢介総務部長登壇〕
○(吉崎賢介総務部長) 黒川議員にお答えいたします。
県職員の人事交流を積極的にすべしという御意見であります。
国やほかの県あるいは県下の市町村との人事交流でございますが、これは幅広い人的ネットワークの形成あるいは広範な専門知識の習得など本県職員の行政能力の向上に資するとともに国やほかの県とかあるいは市町村のノウハウを本県の各種事業に活用できるということの点から、県政の推進に寄与するものと我々も考えております。
このため、四国4県の知事の合意を踏まえまして、香川、徳島、高知の3県との職員相互交流事業、これを開始しております。また、本県同様情報化に力を入れております岐阜県あるいは国の政策研究大学院大学へも新たに職員を派遣いたしております。
また、先ほど知事から答弁いたしましたとおり、ことしの10月には、県下で初めて合併推進の法定協議会が設置される予定になっております南宇和郡でございますけれども、その事務局がございます御荘町に職員を派遣するなど当面する課題に的確な対応を行って、人的交流の拡大に努めてまいりたいと思っております。
今後とも県政の重要課題への対応を図る観点から人的交流を推進していきたいと考えております。ただ一方で、厳しい行財政改革を取り組んでいく中で、派遣がどの程度必要かを精査する必要ございます。個々の事案ごとに対応を検討していきたいと思っております。
御提案の国体開催県への職員派遣でございますけれども、本県の開催準備を進める上で有意義と考えております。ただ平成29年とまだ少し年数もありますので、今後、県の準備体制もこれから構築していかないといけないと思います。特に、教育委員会の準備体制ということで構築していかないといけないと思いますので、その整備の過程で十分検討してまいりたいと思っております。
以上です。
○(武智勝久
県民環境部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 武智県民環境部長
〔武智勝久
県民環境部長登壇〕
○(武智勝久
県民環境部長) 黒川議員にお答えをいたします。
環境問題についての御質問のうち、まず、平成14年度の国のエコタウン事業の承認に向けた取り組みの状況とその進捗状況はどうか。また、本県のエコタウン構想の概要についての御質問でございました。
循環型社会を構築していくためには、ゼロエミッションを基調とする環境ビジネスの育成が極めて重要でございまして、本県でもエコタウン構想の推進を14年度の国に対する要望の中で最重要施策として位置づけまして取り組んでおるところでございます。
幸いエコタウンプランの策定事業に対しまして国の補助が得られましたことから、先般、愛媛大学工学部の稲田教授を委員長とする検討委員会を開催いたしまして、プラン策定作業を進めているところでございます。
今後、事業主体となります企業、関係市町村等とも協議を重ねながら、事業計画を煮詰めまして、平成14年度に国の承認が得られますよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
なお、本県のエコタウン構想につきましては、廃家電、廃OA機器等リサイクル事業と家電等から出ます廃プラスチックリサイクルとの一体的な事業、それから生ごみを利用したバイオガス化事業、廃プラスチックのマテリアル・リサイクル事業などが核となる見込みでございますが、これらの事業につきましては、事業化の熟度が高く新たな雇用の創出効果もありますことから、廃棄物の再生利用が推進されるだけでなく地域経済の活性化にもつながるものとして期待をいたしておるところでございます。
次に、県内の不法投棄の現状はどうか。また、県民環境部に配置をされておる現職警察官の実効性と活動状況はどうかとの御質問でございました。
県内におけます1件当たり10トン以上の産業廃棄物の不法投棄は、過去3カ年では、平成10年度が11件、平成11年度は13件、平成12年度が17件、トータルいたしますと41件でございますが年々増加の傾向にあります。しかし、うち35件が改善されておりまして、残り6件につきましても現在、撤去指導を行っているところでございます。
また、テレビなど廃家電4品目につきましては、市町村の巡回監視の結果、家電リサイクル法施行後におきましても県下で月に約100台が不法投棄され、市町村が処理している状況であります。
さらに、昨年4月から廃棄物対策課へ配置をしております現職警察官の効果でございますが、警察との連携強化によります情報収集及び調査活動の充実強化、それから不法投棄者などへの心理的抑止力等が挙げられますが、平成12年度の活動実績といたしましては、78件の不法投棄や野焼などの不適正処理事案を調査指導し、改善済み事案が64件、改善指導中が13件、行為者特定中が1件となっておりまして、不法投棄を初め環境犯罪の未然防止と被害の拡大阻止に大きく貢献しているものと考えております。
次に、社会全体での環境教育への取り組みの現状はどうか。また今後、県としてどのように取り組むのかとの御質問でございます。
不法投棄をなくしごみのない美しい自然環境を未来に残してまいりますためには、県民一人一人の環境意識の醸成が重要でございまして、平成12年3月に策定をいたしましたえひめ循環型社会推進計画におきまして、環境意識の高揚を主要施策の柱として位置づけまして、その推進に取り組んでおるところでございます。
具体的には、情報誌リサイクルえひめの作成配布、新聞社等との共催による環境フェアなど大規模な環境イベントを開催いたしますほか、今年度新たに、エコライフ・サポートルームの開設とエコライフ推進員による、推進員によりますアドバイス、環境マイスター派遣制度の創設によります地域活動グループに対する支援など環境学習の充実と環境意識の啓発に積極的に取り組んでいるところでございます。
一方、学校教育の面におきましては、全学年を対象に教育活動全体を通じまして環境教育を行っているところでございますが、小学校4年生を対象に漫画パンフレットごみとリサイクル、ごみ問題学習用のCD−ROM、これを作成をいたしまして、県内の小学校に配布するほか、中学校におきましても、ごみ問題を学習教材に取り上げまして実践活動を行っておるところでございます。
また、高等学校でも今年度から、環境教育推進事業を実施しておりまして、校内ごみの減量化と分別収集の徹底、地域の生活ごみや生活排水の処理状況調査などに学校を挙げて取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、今後とも家庭、学校、地域のあらゆる場で、子供から高齢者までそれぞれの段階に応じた効果的な環境施策を展開いたしまして、県民の環境意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(高須賀功経済労働部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 高須賀経済労働部長
〔高須賀功経済労働部長登壇〕
○(高須賀功経済労働部長) 黒川議員さんにお答えいたします。
まず、県として、雇用の流動化、再就職のための職業訓練の実施及び受け皿となる新規産業の育成などについてどのように取り組むのかとのお尋ねでございます。
経済、産業構造が大きく転換する中で、労働移動が増加し失業率が高どまりすることが懸念されており、円滑な再就職を促進する上で職業訓練の重要性が一層高まってくるものと考えております。
このため県におきましては、訓練ニーズが多いIT化関連科目等の定員増や内容の高度化を図るなど訓練の充実に努めてきたところでございますが、さらに現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえまして、9月補正予算におきましてIT関連訓練科目の定員追加と事務系科目の新設を行うこととしたところでございまして、今後とも労働力需給の動向を的確に把握しながら、これら訓練を効果的に推進し、円滑な再就職を図ってまいりたい、このように考えております。
また、新規産業の育成につきましては、アクティブベンチャー支援事業や新事業創出支援資金などの活用によりまして、新技術、新製品の開発、販路開拓等を積極的に支援し、新しい企業の創出に努めますとともに企業誘致制度の拡充や誘致活動の強化によりまして、新規産業の立地に積極的に取り組んでいるところであり、今後ともこれらの施策の充実強化を図りながら、雇用の創出と地域経済の活性化に努めてまいりたい、このように考えております。
次に、産業情報総合ネットワークの利用促進にどのように取り組まれているかとのお尋ねでございます。
県におきましては、高度な情報基盤整備によります本県産業の情報化や活性化を促進するために、産業情報総合ネットワークをことし4月から本格稼働させ、お話の電子相談システムを初め、販路開拓等のための企業戦略支援地図情報や人材育成のための教育用映像ソフト等を配信する研修システムなど各種システムを提供しているところでございます。
さらに県内中小企業が日々日々進展する情報技術に的確に対応できますよう、新たにネットワーク経由によるグループウエアや企業間電子商取引等の業務用ソフトを提供する中小企業IT導入支援システムを整備中でありますほか、商工団体と連携し、それぞれが蓄積している情報を一元化する企業情報総合データベースの構築も進めているところでございます。
今後とも産業情報総合ネットワークの利用促進のため提供システムの拡充強化やブロードバンド化に対応できるネットワークの基盤強化に努めますとともに時代の変化や企業ニーズに即した情報化支援に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
以上でございます。
○(吉野内直光教育長) 議長
○(
山本敏孝議長) 吉野内教育長
〔吉野内直光教育長登壇〕
○(吉野内直光教育長) 黒川議員にお答えします。
学校において、総合的危機管理能力の向上を目指した教育が必要と思うがどうかとのお尋ねでありますが、各学校におきましては、学習指導要領等に基づきまして、幼児、児童生徒が事故災害の現状、原因そして安全な行動の仕方、そういったものについて理解を深め、安全に行動できるようにする。また、日常生活の中に潜むさまざまな危険を予測し、常に的確な判断のもとに安全に行動できるようにする。さらに、自他の生命を尊重し、学校、家庭、社会それらの安全に進んで協力し貢献できるようにする。こういったことを目標にしまして、保健体育やホームルーム活動など教育活動全体を通じて指導を行っているところでございます。
県の教育委員会としましては、池田小学校の事件や芸予地震等の災害の経験をもとにしまして、今回新たに作成いたします実践事例を盛り込んだ学校安全の手引きこれを活用しますほか、教員研修会の実施これらを通じまして、教員の危機管理能力を高めまして、防災教育や交通安全教育など総合的危機管理能力の向上を目指した教育の推進を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(安原敬裕警察本部長) 議長
○(
山本敏孝議長) 安原警察本部長
〔安原敬裕警察本部長登壇〕
○(安原敬裕警察本部長) 黒川議員の質問にお答えいたします。
まず、国に対し警察官の増員を強く働きかけてほしいがどうかという問いでございます。
御指摘のように現在の警察官定員では、質量ともに増大する警察事象に的確に対応するには、既存の組織の見直し、合理化といった内部努力のみでは、もはや限界に達しておるとこう認識しております。
昨年7月に出されました警察刷新会議の緊急提言、この会議は弁護士の中坊公平さんあるいはアサヒビール名誉会長の樋口廣太郎さん等6名のメンバーで構成されておりますが、その提言の中でも、我が国の警察官1人当たりの負担人口は全国平均で556人、欧米諸国の300から400人と比較し著しく高い。当面、警察官1人当たり負担人口を500人程度となるまで増員する必要があると指摘しております。
国の警察庁では、この提言を踏まえ計画的な増員を行うこととし来年度平成14年度は、全国規模で5,000名の増員を概算要求しているところであります。
愛媛県警察の警察官1人当たりの負担人口は683人であり、全国平均の556人を大きく上回っております。したがいまして、来年度予算で増員が認められる場合には、ぜひとも本県に配分されるよう警察庁に対し強く要望しているところであります。
ところで現在、先ほどの米国の同時多発テロに際します被害者の救援と復興の陣頭指揮に立って活躍しておられますニューヨークのジュリアーニ市長でありますが、治安悪化に対処するために、1994年の就任後に警察官を3万人から4万人へと1万人強の増員をしたところ、殺人、傷害といった犯罪件数がその後の4年間で半分以下に減少したという実績があります。安全はただでは買えないということの具体例として示唆に富むものであり、参考にしていただけたらとこう考えております。
2点目でございますが、県民の体感治安の悪化の要因は何か。犯罪の未然防止を図り県民が安全安心を肌で実感できるような対策をどのように講じているのかという御質問でございます。
御指摘のいわゆる体感治安の悪化についてでありますが、その主たる要因は、やはり御指摘にございましたように、近年における犯罪発生件数の増加、凶悪化とその一方での検挙率の低下等があると考えております。
まず、発生件数を見ますと、刑法犯認知件数ことしの上半期は、全国的には過去最悪、本県でも過去10年間で最悪の状況となっております。その内容もひったくり、ストーカーといった我々の生活に極めて身近な場所での事件が増加するとともに少年事件の深刻化あるいはことし6月の大阪府池田市で発生した小学校での無差別殺人事件といったように因果関係がはっきりしない凶悪事件が発生している。あるいはさらには在日外国人による組織犯罪あるいはコンピューターを利用したサイバーテロといった、これまで我が国にはなかった全く新しいタイプの犯罪構造が出現しております。これらの事象に全体的な検挙率の低迷が相互に作用し合うことにより、県民の治安に対する不安感が増加しているものと考えております。
その検挙率につきましても、本県のベースで見ますと、殺人、強盗といった凶悪犯罪の検挙率は本県は92%、全国的に極めて高い水準にありますが、発生件数の大半を占めます窃盗犯、これを含めますと全国平均の検挙率19%台をやや上回っておりますが本県は23%台、遺憾ながら年々低下している状況にございます。これは犯罪の広域化、巧妙化等のために、その捜査に要する時間と労力が従来に比べて非常に長くなっていること、また増加し複雑多様化する犯罪の発生を初めとして増大の一途にある警察事象に対処をするためには、さきの警察官の増員問題とも関連いたしますが、限られた警察力が分散せざるを得なくなっている。こういった要因が複合的に作用しているものと考えております。
次に、県民が安全安心を肌で感じる社会を構築するためにどうするかという点につきまして、警察では、犯罪を発生させないという防犯活動と発生した犯罪は迅速、的確に検挙するという捜査活動を車の両輪として積極的に推進しております。
まず、防犯活動につきましては、地域警察官、交番、駐在所の地域警察官によるパトロール活動の強化、警察安全相談への親身な対応等とあわせまして、地域住民のボランティアや学校あるいは市町村等の関係機関と連携協力することにより、近年その低下が著しい個々人の規範意識あるいは地域の防犯機能の向上、回復に向けた取り組みを図るとともに、自分の安全は自分で守るという意識の徹底、あるいは街路における防犯灯の整備、公園等における死角の排除、集合住宅における防犯施設の整備といった町全体を犯罪に遭いにくい構造に変えていく、こういったことが重要であり、そのための施策を強化しているところであります。
また、警察自体の防犯活動あるいは捜査活動を強化するために、装備資機材の近代化や一般職員の警察官への振りかえ、警察OBを活用した空き交番の解消、また管理部門の警察官を削減してできるだけ現場部門に配置転換すると、こういったいわば現場執行力の強化に努めております。例えば、今年4月からは、松山東署に37名体制の路上犯罪対策隊を設置しております。また、南署にも27名体制の安全安心推進隊を設置したところであります。そして県あるいは市町村との連携強化を図るために、従来から、知事部局に対しては現職警察官を出向さしておりますが、本年からは松山市にも出向さしたところでございます。
今後とも以上申し上げました諸対策を関係機関との連携のもとにこれまで以上に強力積極的に推進し、安全安心を肌で感ずる21世紀の愛媛の実現に力を尽くしてまいりたいと思います。
以上です。
――――――――――――――
○(
山本敏孝議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。
明28日は、午前10時から本会議を開きます。
日程は、全議案に対する審議の続行であります。
本日は、これをもって散会いたします。
午後4時14分 散会...