香川県議会 > 2017-11-03 >
平成29年11月定例会(第3日) 本文

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  1. 香川県議会 2017-11-03
    平成29年11月定例会(第3日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    五所野尾  恭  一 君    竹  本  敏  信 君    岡  野  朱里子  君    松  原  哲  也 君    佐  伯  明  浩 君    広  瀬  良  隆 君    松  村  秀  樹 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    木  村  篤  史 君    米  田  晴  彦 君    樫     昭  二 君    氏  家  孝  志 君    新  田  耕  造 君    西  川  昭  吾 君    都  築  信  行 君    谷  久  浩  一 君    有  福  哲  二 君    斉  藤  勝  範 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    三  野  康  祐 君    高  田  良  徳 君    大  山  一  郎 君    花  崎  光  弘 君    高  城  宗  幸 君    香  川  芳  文 君    十  河     直 君    山  田  正  芳 君    黒  島     啓 君    山  本  直  樹 君    宮  本  欣  貞 君    尾  崎  道  広 君    綾  田  福  雄 君    石  川     豊 君    辻  村     修 君    水  本  勝  規 君    平  木     享 君
      欠  席  議  員    鎌  田  守  恭 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  西  原  義  一 君           病院事業管理者  松  本  祐  藏 君           審  議  監  川  田  浩  司 君           政 策 部 長  大  山     智 君           総 務 部 長  徳大寺   祥  宏 君           環境森林部長   中  村  貴  紀 君           健康福祉部長   高  木  康  博 君           商工労働部長   安  藤  照  文 君           交流推進部長   安  松  延  朗 君           農政水産部長   国  分  伸  二 君           土 木 部 長  葛  西     剛 君           知事公室長    淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長  山  田  恵  三 君           文化芸術局長   窪     保  彦 君           水 道 局 長  岡  田  繁  正 君           会計管理者    山  田  泰  子 君           病 院 局 長  木  村  士  郎 君           教  育  長  工  代  祐  司 君           公安委員会委員  溝  渕  香代子  君           警察本部長    千  野  啓太郎  君           代表監査委員   三  谷  和  夫 君           監 査 委 員  川  池  陽  子 君           事 務 局 長           人事委員会    関  谷  利  裕 君           委  員  長           人事委員会    井  川     泰 君           事 務 局 長           労働委員会    大  廣     豊 君           事 務 局 長           政策部次長    東  田  晃  拓 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第三号)               平成二十九年十二月十一日(月)午前十時開議 第  一 議案第 十三号 職員の給与に関する条例及び一般職の任期付職員              の採用等に関する条例の一部を改正する条例議案 第  二 議案第 十四号 公立学校職員の給与に関する条例及び一般職の任              期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する              条例議案 第  三 議案第 十五号 知事等の給与、旅費及び退職手当に関する条例の              一部を改正する条例議案 第  四 議案第 十六号 教育長の給与、旅費、退職手当及び勤務時間等に              関する条例の一部を改正する条例議案 第  五 議案第 十七号 香川県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手              当支給条例の一部を改正する条例議案 第  六 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(五所野尾恭一君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、知事から、地方自治法第百四十九条の規定に基づく議案五件を受理いたし   ました。 一、監査委員から、地方自治法第二百三十五条の二の規定に基づく報告一件を   受理いたしました。 ◯議長(五所野尾恭一君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(五所野尾恭一君)日程第一、議案第十三号、職員の給与に関する条例及び一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例議案から、日程第五、議案第十七号、香川県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当支給条例の一部を改正する条例議案までの五議案を一括議題といたします。  知事の提案理由の説明を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)本日、追加上程されました議案につきまして御説明いたします。  第十三号議案及び第十四号議案は、給与に関する条例の改正であり、人事委員会勧告の趣旨等を踏まえ、給料表及び期末・勤勉手当の改定等を行うものであります。  第十五号議案から第十七号議案までは、特別職の職員及び教育長並びに議会の議員の期末手当の支給割合の改定を行うものであります。  議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)以上で提案理由の説明を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(五所野尾恭一君)日程第六、県の一般事務に関する質問を行います。  松本公継君。    (松本公継君登壇、拍手) ◯松本公継君 議長のお許しをいただきましたので、私から通告に従い四点質問をさせていただきます。  質問の一点目は、道路の整備についてであります。  社会資本を整備することにより、企業の進出や雇用の増加などの地域経済の活性化、新たな観光交流の創出や安全な暮らしの確保など、県民の生活環境の快適性や安全性の改善が図られております。特に道路は、産業、経済、文化の発展に大きな役割を果たす地域間交流、連携、地域活性化への支援のため、整備、供用されることによって、人の流れや物の流れの効率化や防災力の向上、民間投資の誘発等といった中長期的な効果が期待されるものであり、地域間交流や経済活動を支える重要な社会資本であります。  そこで、道路の整備状況について、知事に二点お伺いいたします。  まず、空港連絡道路の整備についてであります。  高松空港は、近年の国際線の拡充や成田線の就航等により、平成二十八年度の定期路線の利用者数は、過去最高の約百八十五万人と三年連続過去最高を更新しており、さらに今月からターミナルビルの、来年四月から空港全体の、民間による運営が開始され、民間の資金とノウハウを生かした利用者数の増加を期待するところであります。しかし、四国の他県を含む地方空港間の競争が激化する中、高松空港が四国の拠点空港として発展していくためには、航空ネットワークを支える空港へのアクセス機能の強化が必須であり、高速交通体系整備効果を生かし、高松西インターチェンジから空港までをつなぐ空港連絡道路の早期整備は喫緊の課題であります。  現在、整備中の国道三十二号との交差箇所においては、これまで私も車の運転で右折等の際に不安を感じていたものの、信号現示の改良により運転しやすくなっており、実際に交通事故数も減少したことによって、地元の方々も大変喜んでおります。その高松西インターチェンジから県道岡本香川線までの中間工区においては、来年二月末に完成予定と伺っており、今後は県道岡本香川線から高松空港までの香南工区について早期に事業着手し、少しでも早く全線開通を目指してもらいたいと思っております。  そこで、中間工区が本年度完成見込みであることを踏まえ、その整備効果について、また、香南工区の今後の取り組み方針について知事にお伺いいたします。  次に、県道太田上志度線バイパスの整備についてであります。  香川インテリジェントパークは、ネクスト香川FROM香川香川大学工学部などの公的拠点施設とともに民間研究所が数多く立地し、産学官の連携によって、研究開発、新規産業創出の拠点を形成しております。また、県有施設は、周辺を含めるとサンメッセ香川県立図書館高松南警察署など多数整備されており、地域の利便性や機動性の向上、さらに高松中央インターチェンジ高松空港などへのアクセス向上を図るため、現在、アクセス道路の整備を進めております。具体的には、インテリジェントパークの東西方向からのアクセス道路の整備を進めておりますが、インテリジェントパーク東側から県道高松長尾大内線までの約一キロメートル区間の六条工区は平成二十四年度から事業着手しており、県道中徳三谷高松線から国道百九十三号に至る約一・七キロメートル区間の太田工区については、本年三月に県道中徳三谷高松線から国道百九十三号までがつながり、供用が開始されたところであります。この供用開始によって、周辺の道路での、特に朝夕での交通渋滞が大きく緩和され、大変効果があったと思われますが、まだまだこの周辺での渋滞はひどく、なお一層の道路整備が求められております。また、太田工区の整備後は、そのストック効果を一層生かすためにも、国道百九十三号から国道三十二号までの区間について整備する必要があると考えております。  そこで、県道太田上志度線バイパスの太田工区の整備効果と今後の取り組み方針について、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の二点目は、動物愛護施策の推進についてであります。  平成二十八年度に県内の保健所に収容された犬は二千五百九頭、猫千三百八十七頭で、合計三千八百九十六頭と前年度の四千六百八十八頭から七百九十二頭減少し、譲渡数も五百八十七頭から八百五十一頭と前年度に比べ二百六十四頭増加しておりますが、依然として犬の殺処分率はワーストの状況にあります。また、元の飼い主への返還と新たな飼い主への譲渡を合わせた数は九百五十三頭であり、譲渡という意味で、昨年度の七百七頭から二百四十六頭増加しております。結果、殺処分数は、犬千八百七十五頭、猫が千七十九頭であり、殺処分率では、犬の場合、全国ワースト一位、猫については十七位、また、犬猫合わせた殺処分率としてはワースト七位ということであります。今後、さらに殺処分数を減少させるためには、まずは飼い主が動物を飼うということの責任と自覚を持ち、その動物を最後まで適正に飼養すること、また、飼い主のいない犬や猫に安易に餌を与えないこと、不妊・去勢手術を適正に行うことなどにより、野良犬、野良猫の収容を減らしつつ、保健所に収容された犬猫の譲渡を推進することが重要だと思います。  また、野良犬に関する苦情が非常に多く、県内各市町でも問題解決に向け、対策されております。特に、通学中の子供たちへの危害防止のためにも、野良犬の捕獲、収容を強化していく必要はあると思いますが、そうすると一時的に犬の収容数が増加してしまい、結果として殺処分数が増加してしまうということになります。さらに、香川県の犬猫の収容数が全国に比べ非常に多く、それらの多くが殺処分されているという現状や、おなかをすかせてかわいそうといった考えで野良犬に餌を与えてしまう行為が、後に捕獲、収容される多くの犬たちを生み出してしまうという結果を招くことを県民にもっと知っていただき、意識改革を行っていくことが必要であると思います。  このほか、県では犬猫の殺処分を減らすための取り組みとして、平成二十五年度から譲渡ボランティア制度を創設し、高松市を含めた県全体の犬猫の譲渡数が、平成二十四年度は百八頭であったものが、平成二十八年度には八百五十一頭と大幅に伸びております。このような効果をもたらしている譲渡ボランティアの皆さんと協力して、新しい飼い主への譲渡を推進しているところですが、県民の中には、保健所で犬猫の譲渡が行われていることや、譲渡犬猫の不妊・去勢手術の補助制度といった県のさまざまな取り組みなどを御承知でない方が多いのではないかと思います。  そこで、野良犬の捕獲、収容の強化の必要性についてお伺いするとともに、譲渡犬猫への補助事業や譲渡情報の提供などの取り組みについて県民の目に見える形で広報すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  犬猫に関するボランティア活動は、組織で活動している団体から個人まで、多くの方々が実にさまざまな方法で取り組まれておりますが、活動の広報や譲渡会の開催は、ボランティアの方々が活動する上で負担が大きいとお聞きしております。そうした御意見を踏まえ、昨年度から県主催で譲渡会を開催しているところであり、多くの県民の方に訪れていただき、毎回多くの犬猫の譲渡ができております。こうした取り組みによって、平成二十八年度の譲渡数は、犬が前年度に比べ百五十三頭増の五百三十七頭、猫は百十一頭増の三百十四頭と大幅に増加し、犬猫の譲渡活動が着実に香川の地に根づいてきていると感じております。このような活動をより支援し、県民の皆さんが参加しやすい体制を強化していくためには、拠点となる施設である、これまでも訴えてまいりました平成三十年度に完成を予定している香川県・高松市動物愛護センター(仮称)の完成が待ち遠しいものです。  そこで、譲渡に貢献していただいているボランティアの方々とのより一層の連携、協働を図るための活動支援をどのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の三点目は、消防団の人材確保と地域での活動についてであります。  消防団が担う業務とは、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を生かした消火活動、救助活動を行う非常勤特別職地方公務員でありますが、地域密着性要員動員力及び即時対応力があり、地域に密着した活動を展開しており、消防力、地域防災力の向上だけでなく、地域コミュニティーの活性化にも大きな役割を果たしております。また、東日本大震災を初め、昨年四月の熊本地震やことし七月の九州北部豪雨災害など、大規模な自然災害の際には、地域住民の避難誘導や救助活動に従事し、早期の復旧・復興に多大な貢献をされています。  地域の住民等で組織され、地域の実情を熟知し、動員力を有している消防団の方々は、消防力、地域防災力の向上に大きな役割を果たしており、消防団の方々に改めて深く敬意と感謝を表する次第であります。ただ、その活動の裏には危険や犠牲も伴います。東日本大震災の際には、被災地の消防団の方々は、みずからも被災者であるにもかかわらず、また、二百五十四名もの死者、行方不明者を出しながらも、住民等の避難誘導、救助、消火、避難所の運営支援、行方不明者の捜索、発見された御遺体の搬送、安置、瓦れき撤去、防犯、防災のための夜間の見回りまで、地域の方々の生命、安全を守るため、昼夜を分かたず、最前線に立ってさまざまな活動に献身的に従事されました。  このように消防団は、消防力、地域防災力の向上に大きな役割を果たしているものであります。しかしながら、人口減少社会少子高齢化社会の中で、消防団員の確保は全国的な課題となっております。全国的には、消防団員数は減少傾向にあり、全国の消防団員数は平成二十八年四月一日現在では、八十五万六千二百七十八人と前年同期に比べ三千七百十七人減少しております。一方、本県は、平成二十八年四月一日現在で七千七百五十七人、平成二十九年四月一日現在で七千七百四十六人と、ここ数年横ばいの状況が続いておりますが、平均年齢が約四十四歳と全国平均より高い状況にあります。  香川県に大きな影響があると考えられている南海トラフ地震の今後三十年以内の発生確率は、七〇%程度と高まっております。最大クラスの地震が発生した場合、県内では建物の全壊、焼失棟数は三万五千棟、死者数六千二百人、負傷者数一万九千人、上水道断水率七八%、避難者数十一万九千人という甚大な被害が想定されています。こうした大規模災害が発生したときに、迅速かつ確実な住民の避難誘導、救助、消火、避難所の運営支援などで消防団員の活動は欠かせないものとなっております。また、地域の防災・減災力を向上していくためには、日ごろの防災訓練や講習会など、消防団としての活動を披露してもらうとともに、消防・防災のリーダーとして、平常時、非常時を問わず、その地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担いながら、地域全体の防災意識の向上を図ることが重要だと考えます。先ほども申しましたように、地域防災力のかなめである消防団員は全国的に減少傾向であり、横ばい状況である本県も、やがては減少基調に移行していくのではないかと懸念しています。  そこで、地域防災力の中核的な存在である消防団員確保に向けて、とりわけ若年層の加入促進のためにどのように取り組んでいこうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
     また、消防団が地域の中で活動する際には、自主防災組織など地域の方々と顔の見える関係が構築されることが望ましいと考えます。そのことによって、消防団の存在意義がより一層認識されるのではないかと考えていますが、知事の御所見をあわせてお伺いいたします。  質問の四点目は、家庭におけるコミュニケーションについてであります。  近年、核家族や共働きの増加、子供の塾通いなど、さまざまな理由から家庭のコミュニケーションの時間がどんどん減少する傾向にあります。児童虐待やDV、子供の凶悪犯罪など、家庭や家族をめぐる社会問題が深刻化しており、近年、家庭教育や子育てについて不安を持つ保護者が多くなっているように思います。  私は、この問題の原因の一つとして、家庭内のコミュニケーションが不足しているということをこれまで訴えてきました。そして、家庭内でのコミュニケーションについて相談を受けることがあります。先日も中学生の子と話していると、親が自分の気持ちをわかってくれないといった声を聞きました。よく話をしてみると、保護者も仕事に追われて子供とゆっくり会話もできないどころか、おはようの一言をかけることもできておりませんでした。昔は、子供について祖父母や気軽に相談できる人が周りにいて、保護者や子供も精神面で助けられてきたものですが、近年、家庭の中の関係が希薄になっており、家庭内でのコミュニケーションが足りていないのではないでしょうか。反抗期であっても、子供は心の中で自分の気持ちを保護者にわかってほしい、構ってもらいたいものですが、今の保護者の中には、子供のSOSをうまくキャッチできない人もいるように思います。先日もこのような話がありました。子供が、何時になっても寝てくれない。あれこれと用事をしたいのに、なかなかさせてくれない。朝の登校も自分一人では行くことができないなど、そういった悩みの内容でした。よく話を聞いていると、仕事が忙しくて、なかなか子供に時間を割くことができず、家事などをしながら子供とのコミュニケーションを図っていたため、子供は親が寝るまで待っていたようです。いろいろなことを試した結果、できるだけ帰ってきてからは子供と一緒にいる時間を優先的にしたところ、見る見ると寝る時間も早くなり、そして子供の笑顔もふえ、早く就寝するようになったそうです。その結果、遅刻をすることなく、みんなと登校することもできるようになったそうです。やはり、いつの時代も、子供は親からの愛情ですくすく育っていくものです。そして、ちょっとしたことで、子供たちは頑張ろうとするものです。  ついつい私たち親は、子供の気持ちがわからないという方もおりますが、子供の様子は、会話をしていると子供の表情や声の調子、振る舞いでわかるものです。最近は、保護者も仕事で毎日疲れているのは理解できますが、子供とコミュニケーションをとって、SOSのメッセージをきちんとキャッチすることも大切なことです。わざわざ特別なことをしなくても、家の近くでキャッチボールをしたり、宿題を見たり、一日三十分でも日常生活の中でコミュニケーションはとれるものだと私は思っています。子供たちの話を聞くと、子供が失敗しても、また頑張ろうなと声をかけたり、何かトラブルがあったときには、ただ叱るだけではなく、どうしたら同じことを繰り返さないと思うか問いかけて考えさせること、また、よい行いはしっかり褒めることも大切だと思っています。そして、時にはぎゅっと抱きしめてあげるだけでもいいと思います。そうすることで、子供は困難に耐え、それを乗り越え、誰かのために頑張ろうと考えたり思ったりするものであります。  私は、子供たちとこんな約束をしています。それは、靴を並べること、家に帰ったらすぐ宿題をすること、次の日の準備をすること、この単純な三つの約束をしています。そして、子供がそれらができて報告してきたら、その行動を認め褒めます。これがコミュニケーションのきっかけとなるのです。  子供にとってコミュニケーション能力は、社会に出たときに最も必要なスキルの一つですから、しっかりと子供と向き合って育てていかなければならないと思います。最近の情報化社会の中で、保護者も子育てで困っていることがあると、周りの人に相談をするのではなく、まずネットを見て偏った情報を真に受ける傾向があると聞きます。ネットのいろいろな情報を見て、いろいろな考えがあることを知るのならいいのですが、自分の都合のよい情報だけを切り取って取り入れているように思います。これは、大変危険なことではないでしょうか。そのため、その子に合った方法でなく、都合のいいコミュニケーションのやり方をしがちになっているように思います。  そこで、子供たちの心のよりどころとなる家庭でのコミュニケーションきっかけづくりや保護者の子供とのかかわりを深くするために、教育委員会としてどのような取り組みをしているのか、教育長にお伺いをいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)松本議員の御質問にお答えいたします。  まず、道路の整備についてであります。  地域高規格道路である空港連絡道路のうち、高松西インターチェンジから県道岡本香川線までの中間工区約三キロメートルにおける整備効果につきましては、国道三十二号やことでん琴平線、県道高松琴平線の三カ所を立体交差化することにより、信号交差点二カ所及び踏切一カ所が解消されることから、高松西インターチェンジから高松空港まで約九キロメートルに要する時間が十五分から十三分に短縮されるとともに、所要時間のばらつきは十分から八分になり、定時性も向上すると見込んでいるほか、本線における平面交差点の解消により、交通事故も減少するものと考えております。私といたしましては、高松空港を四国の拠点空港として発展させるため、地元関係者の皆様の御理解と御協力をいただきながら、中間工区の供用後は、引き続き香南工区における空港連絡道路の整備を進めてまいりたいと考えております。  太田上町志度線太田工区につきましては、本年三月に国道百九十三号までつながったところですが、開通前後の交通量を見ますと、北側に並行する現道と南側の県道三木国分寺線では、どちらも約二〇%減少しています。また、今回整備したバイパスと並行する二路線をあわせた三路線の合計は、約二万七千台から約三万四千台へと約二五%増加しており、東西交通が幅員の狭い並行路線からバイパスに転換し、周辺道路の交通混雑緩和に加え、地域間交流の活性化にも寄与しているものと考えております。国道百九十三号から国道三十二号までの区間につきましては、高松市中部地域の東西アクセスを向上させるとともに、並行する現道や県道三木国分寺線の交通の円滑化にも資する道路でありますことから、現在、整備を進めている六条工区の事業進捗や今後の周辺の交通状況を見ながら、財政事情を踏まえつつ、事業化の時期について検討してまいりたいと考えております。  次に、動物愛護施策の推進についてであります。  議員御指摘の野良犬の捕獲、収容については、動物由来感染症の予防や危害防止の観点から強化が必要であると認識しており、今年度から保健所の捕獲、収容体制を強化したところでありますが、さらに市町に対する捕獲箱整備の助成を拡充するなど、野良犬の捕獲、収容を強化してまいりたいと考えております。  譲渡ボランティアの活動や譲渡推進のための県の取り組みにつきましては、テレビ、ラジオ、ホームページ、SNS、広報誌などさまざまな広報媒体を通じて周知しておりますが、さらに広く県民の皆様に知っていただけるよう、より効果的な広報、啓発について検討してまいりたいと考えております。  また、新しい飼い主への犬猫の譲渡を一層推進していくためには、譲渡ボランティアの方々との協働、連携が不可欠であると考えており、その活動支援として、今年度、県主催の譲渡会の回数をふやすなど支援を拡充したところであり、今後はこうした取り組みをより一層充実させるとともに、優良事例の紹介などボランティア活動に役立つ情報提供を行う研修会を新たに開催するなど、ボランティア活動の活性化を図ってまいります。私といたしましては、今後とも犬猫の譲渡推進を図るため、さらにボランティアとの連携、協働を進めてまいりたいと考えております。  次は、消防団の人材確保と地域における活動についてであります。  消防団員は、火災を初め、大規模災害などから県民の生命や財産を守るため、地域防災力の中核的存在として大きな役割を果たしており、団員の確保、とりわけ若年層の加入促進を図ることは、大変重要であると考えております。このため県では、昨年、県内の消防団員が飲食店や販売店などの登録事業所で各種の優遇サービスを受けられる消防団員応援制度を創設するとともに、勤務時間中の活動への便宜など、消防団活動に協力している事業所であることを示す消防団協力事業所表示制度の導入を各市町に働きかけるなど、地域における消防団活動への理解が深まるよう取り組んでいるところであります。  また、先月十八日には、学生消防団員の活動の活性化や若者の消防団への加入促進を目的として、高松市消防団の香川大学防災サポートチーム及び高松大学防災サポートチームと松山市消防団の大学生防災サポーターによる交流会を開催し、五十名の大学生が参加し、活動報告やグループ討議などが活発に行われたところであります。  議員御指摘の地域の方々との顔の見える関係の構築につきましては、これまでも消防団員は、自主防災組織の方々と連携、協力した救助訓練や消火訓練等のほか、ひとり暮らし高齢者宅への訪問や住宅用火災警報器の普及指導、保育所での防火教育など、地域における防災リーダーとして活動されており、より一層こうした活動の幅を広げていくことが重要であると考えております。私といたしましては、今後とも各市町等と連携し、消防団員の確保を図るとともに、消防団が平時から自主防災組織などと連携して地域に密着した活動を行い、大規模災害時には要員動員力即時対応力といった消防団の特性を生かした活動が円滑に実施されるよう、助言や支援に努めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)松本議員の家庭におけるコミュニケーションについての御質問にお答えいたします。  平成二十九年度全国学力・学習状況調査の質問紙調査では、「家の人と学校での出来事について話をしますか」という問いに、否定的な回答をした小学六年生は約二〇%、中学三年生は約二六%であり、議員御指摘のように、家庭内でのコミュニケーション不足が課題となっているところです。  県教育委員会では、昨年度、学識経験者、学校関係者等から成る親育ちサポート会議において検討を重ね、子供の成長段階に応じた望ましいかかわり方を具体的に示した幼児から小学生までの保護者向けリーフレットを作成し、配付いたしました。また、今年度は、思春期の子供の特徴と保護者のかかわりのヒントを解説した冊子を作成し、来春中学校入学生の保護者に配付するとともに、学校に対し保護者向け啓発資料としても活用するよう働きかけております。さらに、県教育委員会が養成した家庭教育推進専門員を派遣して実施するワークショップでも、「子どもへの「言葉かけ」を考える」などのプログラムを活用して、保護者に気づきを促す取り組みを進めています。そのほか、昨年度、小学生が家族の一員として家事を担い、親子でコミュニケーションを図りながら子供の自己有用感を高めるための「自分でできるよ!」プロジェクトを実施したところ、保護者からは、子供との会話のきっかけとなり、家庭が明るくなったなどの感想が寄せられており、今年度も引き続きこの取り組みを行うこととしております。  なお、啓発冊子やリーフレットなどの資料は、広く継続的に活用していただけるよう、県教育委員会のホームページの「かがわの家庭教育」に掲載しております。今後とも、家庭におけるコミュニケーションきっかけづくりや保護者の子供とのかかわりを深める取り組みを一層推進し、家庭の教育力向上を図ってまいります。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)一般質問を続行いたします。  岡野朱里子さん。    (岡野朱里子君登壇、拍手) ◯岡野朱里子君 一般質問を始めさせていただきます。  まず最初に、本県におけるSDGsの取り組みの推進についてお伺いいたします。  二〇一五年の国連サミットで採択されたSDGsとは、サスティナブルデベロップメントゴールズの略で、持続可能な開発目標と言われ、国際社会が二〇三〇年までに達成すべき十七のゴールと百六十九のターゲットを掲げています。そして、「誰ひとり取り残さない」をその根底に流れる共通理念としています。日本政府もSDGs達成のために早速安倍総理を本部長とする持続可能な開発目標推進本部を立ち上げ、有識者会議を開いたり、自治体、企業、市民活動団体などに積極的取り組みを求めています。そして、二〇一六年十二月に、その実施指針と具体的施策を公表しました。また、国際社会においても、総理を初め、閣僚がたびたびこの課題に言及するとともに、その達成のために約四千億円の投資を表明しています。  さて、日本においては、十七のゴールのうち、既に達成しているものもある一方で、一、貧困の解消、二、ジェンダー平等の実現、三、不平等の解消、四、持続可能な生産と消費、五、気候変動への具体的対策など幾つかでその評価が低くなっているのが現状です。そして、その達成には、政府のみならず、自治体や企業などの理解向上と参加が求められています。先日伺った村上周三東京大学名誉教授の「自治体にとってのSDGs導入の意義と目的」という講演では、自治体が取り組むメリットとして、一、住民の生活の質の向上、二、自治体固有のまちづくりの推進、三、課題解決と新しい価値の創造による経済、社会、環境政策の統合などがあり、まさしく地方創生の原動力になるとのことでした。また、地方自治体は、市民や企業に最も近い位置にあり、多くのステークホルダーとのパートナーシップを結びやすいことから、その成果が期待されるとのお話もありました。  先進的取り組みとしては、例えば先日視察した滋賀県においては、県の基本計画作成においてSDGsを柱とし、全ての施策の根拠としています。また、札幌市においては、第二次札幌市環境基本計画において、環境の側面からSDGsへの貢献を位置づけ、さまざまな主体とその取り組みを広げていこうとしています。そして、企業においては、経団連が本年十一月、その企業行動憲章を七年ぶりに改定し、持続可能な開発目標を理念に盛り込みました。各業界団体や企業は、日本の強みである革新的な技術と製品、問題解決力を生かし、さらなる成長に向けた事業活動と持続可能な開発への貢献の両立を目指し、取り組みを始めています。改めて自治体や企業は、持続可能な開発目標達成のため、必要不可欠なプレーヤーであるということを指摘した上で知事にお伺いをいたします。  このSDGsへの知事の御認識と評価、そしてこれまでの庁内での取り組み、そして今後、県民の暮らしの質の向上や地域経済の活性化に生かすために、計画に盛り込むお考えをお聞かせください。  また、国では、SDGsにかかわる施策の実施について、関係行政機関相互の綿密な連携を図り、総合的かつ効果的に推進するため、全国務大臣を構成員とする推進本部を設置しています。  そこで、本県においても、同様に各部の連携、効果的推進のため、各部横断の組織をつくり、取り組みを進めるのがいいと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、二番目に、創エネの推進と創エネによる地域経済活性化の可能性についてお伺いをいたします。  さて、先ほどの質問、持続可能な開発目標の中の十七のゴールのうち、少なくとも十二個は環境に関連しており、二〇三〇年の目標達成には、日本もこれまで以上に積極的に環境課題を克服する努力が必要です。また、昨年、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定が発効され、日本は二〇五〇年までに二酸化炭素排出量を現在より八〇%削減することを目標としています。そして、本年は国のエネルギー基本計画の見直し年度になっており、二〇一四年に策定された計画においては、二〇三〇年までに再生可能エネルギーの全電源比率を全体の二二%から二四%にするとしておりますが、次期計画においては、この比率をさらに増加させることも模索されています。ただ、その検討委員会においては、再生可能エネルギーについては、太陽光への偏重や電気料金の値上がり、そして安定供給への不安などが課題とされているところです。目まぐるしく変わる国際情勢や国の動向に注視し、自治体も独自の環境課題克服策とエネルギー政策に取り組んでいく必要があると強く感じています。例えば、国では、持続可能な低炭素社会の実現に向け高い目標を掲げ、先駆的な取り組みを行う環境未来都市構想を進めていて、エネルギー施策は地方創生のキーワードの一つとなっているところです。  さて、香川県におきましては、地域で取り組みができる省エネルギー、いわゆる省エネを促進するとともに、再生可能エネルギーの導入促進や低炭素型まちづくりの推進などを内容とする第三次香川県地球温暖化対策推進計画を平成二十七年十二月に策定し、地球温暖化に取り組んでいるところです。しかしながら、冒頭に述べたさまざまなエネルギーや環境課題の克服には、これまでの省エネの取り組みに加え、エネルギー施策のもう一つの重要な要素である創エネルギー、いわゆる創エネの促進がさらに必要不可欠だと思います。  御承知のように、創エネとは、太陽光や風力、地熱などの自然エネルギーや火力発電から発生するCO2を減らす技術、水素エネルギー技術などの低炭素エネルギー技術を開発し普及させることです。中でも太陽光以外での創エネに取り組むことが求められており、太陽光に加え、最近では、コージェネレーションの取り組みなどがさらに普及し始め、エネルギーの地産地消も夢の話ではなくなりました。  エネルギーの地産地消と言えば、有名なのはドイツのシュタットベルケです。シュタットベルケとは、自治体出資の民間経営事業体で、固定価格買い取り制度などを活用したエネルギー事業から得た収益を利用し、地域に必要なインフラサービスを提供します。例えば、地域の公共交通サービスなど、単体では不採算な事業を取り込みつつ、事業全体では黒字を確保することで、持続可能性を担保しています。ドイツ国内には千四百ものシュタットベルケが存在し、中には従業員が千人を超える規模のシュタットベルケもあり、地域経済のメーンプレーヤーになるなど、地域活性化に大いに寄与しているところです。  ドイツのシュタットベルケを目指し、各国も取り組みを進めていますが、日本でも本年八月、一般社団法人シュタットベルケネットワークが設立されました。この団体では、シュタットベルケ普及のための情報提供や講演会開催だけでなく、企業体運営ノウハウのない地方自治体に対して、エネルギー事業や地域課題を解決するソーシャル事業などの事業計画の策定、または事業計画に基づく企業体の設立及び運営なども支援してくれるそうです。また、福岡県みやま市では、一足早く日本版シュタットベルケの取り組みを進めていて、みやま市と筑邦銀行、九州スマートシティー株式会社とで共同出資したみやまスマートエネルギー株式会社を起業し、電力の小売化による収益を確保し、売電収益の一部で地域課題である高齢者の見守りや地域商店街活性化を行い、さらには雇用創出という好循環を生み出しています。本県でも、本県のコンパクトさや日照条件の長さなど、その利点を生かし、市や町とともにエネルギーの地産地消に取り組むことで、地域課題の克服や地域経済の活性化をすることができるのではないかと考えるとわくわくしませんか。  そこで、知事にお伺いいたします。  創エネの必要性と太陽光以外の再生可能エネルギーに対する認識についてお聞かせください。  また、エネルギーの地産地消、いわゆる日本版シュタットベルケへの御所見とシュタットベルケによる地域経済活性化の可能性についてのお考えをお聞かせください。  次に、性暴力被害者支援センター機能強化と性暴力に対する啓発、教育についてお伺いをいたします。  けさも、女子高生に背後から抱きつき、押し倒すなどした強制わいせつ致傷容疑で、大阪の小学校講師が五度目の逮捕をされたと報道がありました。このような報道を連日耳にする気がしております。  さて、二〇一五年に発生した強姦事件は千百六十七件。しかし、この数字はあくまでも警察が事件化した数であり、内閣府の平成二十六年の調査によると、実際に異性から無理やり性交させられた経験のある女性のうち、警察に相談した人は四・三%にとどまるとされています。そして、六七・五%の方が、誰にも相談できなかったと回答しています。また、警察に相談しても、そこから事件扱いになる数はさらに少ないことが予想されることから、本当はどれぐらいの方が被害に遭われているかわからないと言っても言い過ぎではないでしょう。また、ウイメンズトピックスが二〇一五年に行った調査によると、強姦まではいかないとしても、体にさわるなどの痴漢行為や強姦未遂などのわいせつ行為なども含めると、約三割の女性が被害に遭ったことがあると回答しています。多くの調査結果を見る限り、日本は、性被害を訴えることが難しい国であることがよくわかります。  このような状況を鑑み、政府は二〇二〇年までに各都道府県に最低一カ所の行政が関与する性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置を目指しており、現在、本県を含む三十八都道府県、三十九カ所で開設されています。本県の性暴力被害者支援センターオリーブかがわは四月に開設されましたが、まだそれほど認知をされていません。それ自体は大変よかったことですが、現在の相談窓口開設時間は平日九時から二十時、土曜日は九時から十六時まで、日曜日はお休みです。そして、電話相談と面談相談のみとなっています。この間、大阪や滋賀県や神奈川県など幾つかの性暴力被害者支援センターに視察に行きお話を伺いましたが、やはり三百六十五日、二十四時間化を目指すべきだと感じます。毎日新聞の調査によると、現在三十九カ所ある支援センターのうち、二十四時間相談を受け付けているのは十一カ所で、今年度中に山口県が二十四時間化されることから、山口県を含めて十二カ所になります。  性暴力は、夜に発生する確率が高いことや、夜一人になると過去のトラウマがよみがえりやすく、不安や恐怖や罪悪感に襲われることが多いなどのことから、深夜帯の相談受け付けが求められています。また、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター開設・運営の手引きにおいても、三百六十五日、二十四時間開設が望ましいとされているところです。実際、二十四時間化されたらどうなるかというと、例えば福岡県の性暴力被害者支援センター・ふくおかは、二〇一五年十二月から受け付け時間を十五時間から二十四時間に拡大し、前年同期に比べ、相談件数が一・八倍に増加しました。また、熊本県は、くまもと被害者支援センターで受けていた性犯罪被害相談を独立させ、ゆあさいどくまもとを設立し、二十四時間化したところ、前年同期の五・三倍にもなったそうです。福岡では二十四時間化に当たり、相談員を二十人から四十人に、予算を約二倍の約三千三百万円に、熊本では相談員を三十人、予算を千七百万円に増員、増額するなどして対応しているということをつけ加えておきます。  さて、ここ数年、ある事件をきっかけに、性暴力についてのさまざまな報道もあり、性被害がこれまでよりいろいろなところで語られるようになりました。また、小さな子供も、そしてハンディを抱える人たちも、高齢者も、そして男女を問わず、性犯罪の被害者になり得ることの認識も少しずつ広まってきており、苦痛を感じている人が声を上げられる環境が少しでもできたことで当事者の苦しみは緩和するとともに、性暴力に対する認識が変わってくるように思います。とはいえ、冒頭述べたように、性暴力に対する正しい認識がまだまだ日本には根づいていないと言われています。例えば、たとえ女性が薄着で道路に寝ていたとしても、性行為をしたら犯罪です。また、結婚していたり、つき合っているなど、パートナー同士であっても、無理やり望まない性行為をしたり、避妊を拒否することは性暴力です。実際、顔見知りによる性暴力の割合は、三割近いという調査もあります。また、被害に遭うと必ず、あなたにも落ち度があったのではないかという偏見も被害者を苦しめます。被害者は、総じて自分に落ち度があったのではないかという思いにさいなまれ、相談機関や警察に訴えることをちゅうちょしているのが実態です。私自身、つい先日、早朝八時ごろ、小雨が降る中、男性に背後からつきまとわれ、その後、車の助手席に乗り込まれ、襲われそうになり、県警に相談しました。県警は、大変丁寧に対応してくださいましたが、朝八時で小雨が降っていて、私は雨がっぱを着ていた、つまりは、早朝肌の露出もしていなかったことを強調する自分がいました。そして、その後なぜか、自分に落ち度がなかったかなあという考えにも至りました。ですので、やはり性暴力に対する正しい認識が社会で共有されることで、被害者は声を上げやすくなり、また、犯罪も未然に防ぐことにつながり、被害自体が減少していくのだと私は思います。  そこで、知事にお伺いいたします。  性暴力被害者支援センターオリーブかがわの二十四時間化やメールでの相談受け付けなど、被害者の方が少しでも相談しやすいように機能強化をしていくこと、また、性暴力に対する正しい認識を県民で共有する必要性と方策についてお聞かせください。  そして、性暴力の被害者、加害者の低年齢化が問題になっています。また、子供のころから性暴力について正しく学ぶことが、将来の加害者、被害者を生まないための一つの方法でもあります。性暴力の低年齢化や性暴力に対して声を上げられないのは、諸外国に比べおくれている日本の性教育に課題があると言われています。そのため最近は、被害者にならないための、そして加害者にならないための性教育を行う自治体や学校もふえています。例えば、愛知県では、高校一年生の男子を対象に、警察官による性犯罪防止教室を行っています。  そこで、教育長にお伺いします。  全ての生徒や保護者に対し、誰も性暴力の被害者、加害者にしないという観点から性教育を行う必要があると思うのですが、いかがでしょうか。  次に、LGBTの方々への対応についてお伺いします。  最近では、自分の性について声を上げる方がふえてきていて、その人が心の性に合わせた生き方を堂々と選択しているのを見て勇気をもらう人もたくさんいると思います。LGBT、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーと言われるいわゆる性的マイノリティーの方々は、日本の人口の約八%いらっしゃると推定されています。八%というと、左ききより多いと言われていて、すぐ身近にいらっしゃると考えて間違いがない数字です。私も数年前、幼なじみから、結婚して出産した後に自分の性について改めて気づき、本来の自分のまま生きたいと思い離婚をし、今は同姓のパートナーと生活をしているという話を聞き、彼女のそれまでの三十年がいかに苦しかったのかと思いをめぐらせました。本県では、教育現場においては取り組みが少し進んでいて、先日息子の通う小学校でも、当事者の方による出前講座が保護者向けに開催されました。児童・生徒向けにも出前授業が行われている学校もあると伺っております。  さて、先進自治体では、LGBTの方々の事実婚を認めるパートナーシップ条例が制定されており、例えば住宅入居やスマホの家族割、生命保険の受け取りなどでメリットがあると言われます。しかし、それ以上に当事者の方々の社会に認められているんだという気持ちの問題のほうが大きいようです。また、LGBTに対する理解や支援を行う企業をLGBTフレンドリー企業として登録制にしている自治体もあります。宮城県では本年七月よりLGBTの相談窓口が設置され、当事者はもちろん、その御家族や職場の方、友人など周囲の方からの相談を受け付けています。これは、平成二十九年三月に策定した宮城県男女共同参画基本計画に性的マイノリティーの人たちへの理解と支援の促進が初めて盛り込まれたことから、その施策の一つとして、相談窓口が具体化されたということです。また、企業では、一足早く社を挙げてLGBTの社員の方に対する理解や支援を行っていたり、保険や携帯の契約などでLGBTの当事者向けの商品も発売されています。先日、当事者の方たちと話をし、あったらうれしいことの幾つかを御紹介します。まずは、LGBTを掲げた相談窓口の設置。現在は、関西方面の相談窓口に電話しているそうです。そして、公営住宅において、同姓のパートナーも家族として入居を認めてもらいたい。また、病院において、LGBTへの配慮をしてほしい。また、学校での制服の自由選択などでした。  そこで、知事にお伺いします。  当事者だけでなく、その家族や周囲の人が相談できる相談窓口の設置をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、今あなたが心の性に合わせている生き方を応援しますよという姿勢を県が率先して示す時期に来ていると思います。  そこで、例えば公営住宅の入居に関し、同姓パートナーを認めるとか、LGBTフレンドリー企業の登録制など、何らかの具体的支援策を一つからでも始めるべきと考えますが、知事、いかがでしょうか。  最後に、ニート、ひきこもり対策についてお伺いをいたします。  ニートとは、御存じのように、十五歳から三十四歳までの非労働力人口のうち、求職も家事もしていない人口です。本年七月に発表された内閣府の子ども若者白書によると、その推定人口は五十七万人とされています。しかしながら、ニートの高年齢化が近年問題となっており、この数字に三十五歳から三十九歳までのニート人口の推計を加えると、七十七万人となります。もちろん四十歳以降のニートの方もいらっしゃることは想像できるので、実際に働ける年齢の人でも、求職も家事もしていない人口は、さらに多いことが予想されます。  次に、ひきこもりについてですが、内閣府によるひきこもりの定義は、六カ月以上にわたって、「趣味の用事のときだけ外に出る」、「近所のコンビニなどには出かける」、「自室からは出るが、家からは出ない」、「自室からほとんど出ない」状態です。内閣府の二〇一五年の実態調査によると、十五歳から三十九歳までのひきこもりの状態にある人口は、推計五十四万一千人でした。しかし、五年前に実施した調査で二三・七%と最も多かった三十五歳から三十九歳層に対するその後の追跡調査は行っていません。自治体の調査によると、ひきこもりの半数以上が四十歳以上であるという結果があり、その事実から考えると、この五十四万一千人という数を大幅に上回ることになります。また、さきの内閣府の調査から、香川県においては、ひきこもりの状況にある方を三千七百人と推定していますが、先ほども述べたように、四十歳以降の方のカウントはできていないので、実態に即した数字ではありません。この点、県独自の実態調査が必要と考えます。平成二十六年に島根県が行った実態調査によると、四十歳代のひきこもりが一番多く、なおかつ四十歳以上のひきこもりが全体の半数を超えています。また、その原因としては、十代、二十代では不登校、三十代以降では失業が多くなっていて、不登校や失業など、社会との接点が切れる時点からの早期の介入や支援が、ひきこもりやその長期化を防ぐ方法になるとわかります。また、三十代以上の方は十年以上ひきこもり状態にあると回答しており、長期化が顕在化しています。さらに、この間、何の支援も受けていない、つまりどこともつながっていない人が半数以上を占め、支援のあり方、届け方が課題であることがわかります。  さて、国は、全国百七十三カ所に若者サポートステーション、いわゆるサポステを設置し、働くことに悩みを抱えている十五歳から三十九歳までの方、そしてその保護者の方を対象に就労相談支援を行っています。本県にも現在、高松と丸亀に設置されています。全国的にその就労率は高く、利用者の七〇%近い方が、何らかの形で就労につながっています。また、利用開始から一年未満に就労につながった方が約九割です。平成二十八年に公表されたサポステ利用者満足度調査によると、九割以上の方が満足していると回答していて、香川県の利用者も同じような回答になっています。このことにより、サポステにたどり着いた方々は、何らかの形で就労、もしくは社会とのかかわりを持てることにつながるという結果が出ています。  しかし、一方で課題もあります。香川県のサポステにおいては、その利用者数が到底全ニートやひきこもりの方の数には達していない、むしろ大多数がサポステにつながっていないのが実情です。また、対象年齢が三十九歳までとなっていて、冒頭に述べた増加する四十歳以降のニート、ひきこもりの方に対応できていないということです。  国もニート、ひきこもりの高年齢化や長期化を課題とし、来年度より幾つかのサポステにおいてモデル事業を実施すると伺っています。御承知のように、大体において、ニート、ひきこもりの長期化、高年齢化は、生活困窮や医療的ケアなどさまざまな課題をもたらし、その方らしい自立や生活の弊害となっています。私たちは、全ての県民の皆様に、その人らしい健康な自立した生活を送ってもらうため、さらなる努力が求められています。また、人口減少社会、労働力人口減少の中で、一人でも多くの方に職場の担い手側に回っていただくことは、地方創生に欠かせない要素だと思います。  そこで、知事にお伺いします。  まず、効果的な支援を届けるために、他県でも事例があるひきこもりの実態調査について、県内でも市町と協力して実施をすべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  また、ひきこもりやニートの就労支援の状況と知事の問題意識を確認させていただくとともに、高年齢化や長期化が進む中で、四十歳以上の就労支援の届きにくい方に対し、さまざまな機関が情報共有し、連携するなど、何らかの効果的な取り組みが必要と感じますが、いかがでしょうか。  以上で質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)岡野議員の御質問にお答えいたします。  まず、持続可能な開発目標、いわゆるSDGsについてであります。  議員御指摘のとおり、SDGsは、二〇一五年九月の国連サミットにおいて採択された持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダで示された二〇三〇年を期限とする国際社会全体の開発目標であり、誰ひとり取り残さない社会の実現を目指すものと承知しており、私といたしましては、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に国際社会が一致して取り組むことに大きな意義があると考えております。国連における採択を受け、我が国では、昨年十二月、持続可能な開発目標SDGs実施指針が策定され、SDGsを全国的に実施していくためには、地方自治体や地域で活動するNPO、NGO、有識者、民間企業などの広範な関係者による積極的な取り組みが不可欠であるとされており、こうした国の動きも踏まえ、本県においても、SDGsに関して、庁内各部局で情報共有を図っているところであります。  議員お尋ねのSDGsの各種計画への反映や各部横断の組織づくりにつきましては、現在、国の有識者検討会において、地方自治体におけるSDGsの推進のあり方について検討が進められているところであり、今後、こうした国の動向を見きわめながら、県においても対応を検討してまいりたいと考えております。  次は、創エネルギーの推進と活用についてであります。  エネルギーの消費量を節約する省エネルギーだけでなく、太陽光や風力、地熱などの自然エネルギーや水素エネルギー技術などの低炭素技術を利用して積極的にエネルギーをつくり出す、いわゆる創エネにつきましては、地球温暖化対策はもとより、エネルギーの安定供給の観点からも有効であると考えております。本県におきましては、日照時間が長いという特性を踏まえ、住宅用太陽光発電施設の設置に対する補助を行うなど、太陽光発電を中心として取り組んでおり、また、その他の再生可能エネルギーについても、エネルギー源の多様化を図ることは重要であると考えていることから、技術開発等の情報収集や情報提供を行っているところであります。  次に、シュタットベルケにつきましては、地域においてエネルギー事業で得た収益を利用し、必要なインフラサービス等を提供する共同体であり、エネルギーの地産地消として、非常時のエネルギー供給の確保、送電ロスの低減によるエネルギーの効率的利用や地域の活性化につながるもので、国内でも日本版シュタットベルケとして幾つかの自治体等が取り組んでいることは承知しております。議員御指摘のとおり、シュタットベルケに取り組むことにより、地域課題の克服や雇用の創出など、地域経済活性化につながる可能性があると考えられますことから、今後、情報収集に努め、他県等の先進事例も研究してまいりたいと考えております。私といたしましては、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、国のエネルギー基本計画における意欲的な導入目標の設定や技術開発の積極的な推進等について、全国知事会を通じて要望しているところであり、創エネの観点を踏まえながら、引き続き再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ニート、ひきこもり対策についてであります。  近年、ひきこもりの長期化や高年齢化が指摘されており、県としてもひきこもりの実態を把握していく必要があると認識しております。  一方で、ひきこもりは、家庭内の問題として表面化しにくく、本人はもとより、家族にとってもデリケートな問題であり、議員御提案の実態調査につきましては、内閣府や他県の調査内容を参考に、各市町や関係団体の御意見もお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。  また、ひきこもりやニートの状態に陥ることは、本人や家族の問題にとどまらず、社会経済に与える影響も大きいことから、こうした若者の職業的自立に向けた積極的な支援が必要であると考えております。このため、国と協働して県内二カ所に設置している地域若者サポートステーションにおいて、各種講座や心理相談に加え、短期間のジョブトレーニングなどに取り組むとともに、学校や福祉機関と連携し、支援を必要とする若者の把握や情報提供などを行っております。  こうした中で、ニート等の高年齢化に対応するため、国は来年度三十九歳までを対象としている現在の支援制度を四十歳代前半まで拡充したモデル事業を大都市を中心に実施すると伺っており、その取り組みを注視したいと考えております。私といたしましては、今後とも地域若者サポートステーションを初め、市町の自立相談支援窓口や香川求職者総合支援センターなどの関係機関とも連携しながら、議員御指摘の高年齢化にも留意しつつ、ニートやひきこもりの状態にある方の就労支援に取り組んでまいります。  なお、そのほかの御質問につきまして、担当部長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)大山政策部長。    (政策部長大山 智君登壇) ◯政策部長(大山 智君)岡野議員の性暴力への対応のうち、性暴力被害者支援センターの機能強化等についての御質問にお答えいたします。  性暴力被害者支援センターオリーブかがわの開館時間の決定に当たりましては、全国のセンターのうち、平日は十七時半までに閉館するところ、また、土日は閉館するところがいずれも半数近くになっておりましたが、相談者の利便性に配慮して、平日は二十時までとし、土曜日も開館することといたしました。こうした考えのもと、本年四月に運営を開始したところであり、現時点で二十四時間、三百六十五日対応することは考えておりませんが、開館時間やメールでの相談受け付けなど、機能強化については相談者の御意見もお聞きしながら検討すべきものと存じております。  また、議員御指摘のとおり、性暴力に対する正しい認識を県民で共有することは必要であると考えており、そうした内容を記載したリーフレットなどの啓発資材を、病院や大学、コンビニ等に配布しているほか、じんけんフェスタなどさまざまな機会を捉えて周知に努めているところであり、今後とも性暴力に対する正しい認識の普及啓発に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)徳大寺総務部長。    (総務部長徳大寺祥宏君登壇)
    ◯総務部長(徳大寺祥宏君)岡野議員の性的少数者、いわゆるLGBTの方々への支援についての御質問にお答えいたします。  LGBTの方々は、偏見や無理解のため、学校や職場などで心ない好奇の目にさらされたり、不当な差別を受けたりするなど困難な状況に置かれており、こうした方々が安心して暮らせるよう、人権尊重の観点からの配慮が必要であると認識しております。  本県におきましても、LGBTの方々の人権を新たに取り組むべき人権課題の一つと捉え、県民の正しい理解と認識が深まるよう、県民参加型啓発イベントじんけんフェスタなどの機会を活用して、人権教育、啓発に取り組んでおります。  また、LGBTを初め、人権に関するさまざまな問題に直面している方々の相談に応じるため、専任相談員を配置した総合窓口を設置し、本人の意思を尊重しつつ、必要に応じて適切な専門機関へ取り次ぐなどの相談体制をとっており、こうした相談窓口の周知に努めております。  LGBTの方々への支援につきましては、当事者やその家族などが、本県において安心と生きがいを持って住み続けるためにはどのような具体的支援が必要か、相談体制の充実を含め、今後とも当事者団体などと緊密に意見交換を行い、当事者に寄り添った取り組みを行ってまいりたいと考えております。県といたしましては、LGBTの方々への支援を行うことで、県民誰もが自分らしく生きることができるよう、人権教育、啓発に努め、県民一人一人の人権が尊重される社会の実現に向け、一層努力してまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)岡野議員の性暴力への対応の御質問のうち、生徒や保護者に対する性に関する指導についてお答えいたします。  近年、さまざまなメディアを通じた過激な性情報の氾濫や規範意識の希薄化など、児童・生徒を取り巻く社会環境は大きく変化しており、このような中で、性に関する指導は大変重要であると考えております。  学習指導要領においては、児童・生徒の発達段階に応じ、性に関する科学的知識を理解させるとともに、これに基づいた望ましい行動がとれることを狙いとして、保健体育や特別活動、道徳等を中心に、学校教育全体を通じて、性に関する指導を行うこととされており、各学校において、年間計画をもとに、養護教諭や学級担任、保健体育科教員が中心となって指導しているところです。指導に当たっては、児童・生徒が、性暴力の被害者や加害者にならないようにするため、自己及び他者の個性の尊重や望ましい人間関係の構築などにも配慮しており、また、中学校や高等学校では、性に関する情報等に惑わされずに行動することも指導しています。さらに、性に関する指導の目的等について保護者等と共通認識が持てるよう、学校便り等で情報提供を行っております。このほか、各学校では、児童・生徒や保護者を対象に、性被害を含む不審者情報の提供による注意喚起や警察官等によるインターネット上の有害情報への対処やフィルタリングの利用等に関する携帯安全教室、不審者に遭遇したときの対処法等を学ぶ防犯教室を行っており、こうしたことも被害者や加害者を生まないための一助になっていると考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも、市町教育委員会や関係団体と連携し、児童・生徒の発達段階に応じた適切な指導に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)一般質問を続行いたします。  松原哲也君。    (松原哲也君登壇、拍手) ◯松原哲也君 それでは、三番目、午前中最後の質問者になります私からの一般質問を始めさせていただきたいと思います。知事、教育長並びに執行部の皆様方、簡単簡潔明瞭な答弁、よろしくお願いいたします。  まず初めに、第七期高齢者保健福祉計画についてお伺いします。  昨年十月、総務省から公表された平成二十七年国勢調査の人口等基本集計結果によると、我が国の総人口に占める六十五歳以上の高齢者の割合は二六・六%と過去最高となり、大正九年の国勢調査開始以来、初めて高齢者が四人に一人を超える結果となりました。これは、諸外国と比べると、イタリアの二二・四%やドイツの二一・二%よりも高く、世界で最も高い水準とのことであります。  同国勢調査によると、本県の六十五歳以上の高齢者人口の割合は二九・九%、高いほうから全国十四位となっており、全国平均に比べて速いスピードで高齢化が進んでいる結果となりました。また、国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口によりますと、総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、平成三十二年には全国の高齢化率は二九・一%、団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年、西暦二〇二五年には三〇・三%と約三人に一人が高齢者となると予測されております。本県の高齢者率については、平成三十二年には三二・五%、平成三十七年には三三・八%と全国を上回る高齢化が進むと見込まれています。  一方で、国の高齢社会白書によりますと、六十五歳以上の高齢者人口といわゆる現役世代である十五から六十四歳人口の比率を見ると、昭和二十五年には一人の高齢者に対して十二・一人の現役世代がいたのに対して、平成二十七年には高齢者一人に対して現役世代は二・三人になったとのことであります。今後、高齢化率は上昇し、現役世代の割合はさらに低下すると見込まれ、今後は、より少ない現役世代で高齢者を支えていかなければなりません。要介護高齢者を社会全体で支えるための介護保険制度が創設されてから十七年余りたちますが、国の介護保険事業状況報告によると、制度が創設された平成十二年度と平成二十七年度を比較すると、要介護等認定者数は二百五十六万人から六百二十万人と二・四倍に、介護給付費は三兆二千四百二十七億円から九兆九百七十六億円と三・三倍に増加しています。本県においても、要介護等認定者数は二万五千七百人から五万七千人と二・二倍に、介護給付費は三百二十一億円から八百四十九億円と二・六倍に、全国と同様に増加の一途をたどっております。  このような中、国においては、団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年をめどに、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援、サービス提供体制である地域包括ケアシステムの構築を推進しています。本県においても、全国を上回る高齢化が進展する中で、その構築に向けて多くの課題への対応が必要であることから、これまで平成二十七年度から二十九年度までを計画期間とする第六期の高齢者保健福祉計画に基づき、各般の高齢者施策を推進してきておりますが、今年度は計画の最終年度であると同時に、次期第七期計画を策定する年でもあります。折しも今定例会におきまして、第七期計画の素案が報告されておりますが、次期計画においては、高齢者を取り巻く環境が変化する中で、さまざまな課題に対して、さらなる対策を講じていく必要があると考えます。  そこで、第七期高齢者保健福祉計画においては、今後、どのような施策に重点的に取り組んでいこうとしているのか、知事の考えをお伺いします。  次に、耕作放棄地対策についてお伺いします。  先日、農林水産省が本年の耕地面積の調査結果を公表しました。その調査結果によりますと、本年の全国の耕地面積は四百四十四万四千ヘクタールで、前年に比べて二万七千ヘクタール、率にして〇・六%の減となっており、昭和三十六年の六百八万六千ヘクタールをピークに五十六年連続で減り続けており、ピーク時と比べるとおよそ三割近くもの農地が失われています。また、この中で注目したいのが、耕地面積が減少した最も大きな要因が、農地の荒廃化であるということです。耕地の減少面積三万二千五百ヘクタールのうち、耕作放棄により荒廃化した農地の面積が一万九千三百ヘクタールと実に六割を占めています。本県においても、その傾向は同じで、本年の耕地面積は三万五百ヘクタールと前年に比べて三百ヘクタール減少しており、そのうち、荒廃化した農地の面積は百四十八ヘクタールとなっています。農地の荒廃化が進む要因としては、農業従事者の高齢化の進行や担い手の不足のほか、農産物価格の低下などによる担い手の規模拡大意欲の低下、基盤整備のおくれなどが考えられますが、今後も人口減少や高齢化の進行が見込まれる中で、ますます農地の荒廃化が進んでいくものと思われます。中でも、中山間地域においては、平場に比べ狭小農地が多く、また、畦畔やのり面が高く、面的にも広いため、管理作業に多大な負担を要するなど、不利な条件を抱えています。そのため、規模拡大が困難で、新たな担い手も育ちにくく、農業従事者の減少や高齢化が一層進行し、農地の集積、集約化も難しい現状にあります。加えて、鳥獣被害の拡大などから耕作意欲が低下し、このまま放置すれば耕作放棄地はさらに増加し、さらなる鳥獣被害の増大を招くという悪循環を生じ、ますます深刻な状況になることも予想されます。  私も地元三木町で地域のリーダーと意見交換しておりますと、こうした耕作放棄地の状況、とりわけ中山間地域の現状について、非常に強い危機感を持っていることが感じられます。耕作放棄地の拡大は、国土の保全、水源の涵養など、農業の有する多面的機能の低下につながるほか、農業生産活動においても、雑草の繁茂や病害虫の発生源となり、その解消は喫緊の課題となっています。今のうちに対策を打っておかなければ、集落営農や六次産業に取り組んでいる地区はあるものの、ごく一部に限られており、荒廃農地となってからでは取り返しがつきません。  そこで、こうした状況を踏まえ、耕作放棄地の解消あるいは発生の防止に向けて、県ではどのように取り組んでいるのでしょうか。  また、中山間地域などの条件不利地域で耕作放棄地を解消していくためには、よりきめ細かな支援を講じる必要があると思いますが、県としてどのような支援を行っているのか、知事にお伺いします。  次に、ICTを活用したイチゴ生産技術の開発についてお伺いします。  農業従事者の高齢化や減少による労働力不足のほか、農産物価格の低迷、国内外の産地間競争の激化など、農業を取り巻く厳しい環境の中、本県のイチゴ生産は昭和五十四年をピークに栽培面積が減少傾向となっております。しかしながら、イチゴは本県の園芸農業においては基幹的な品目であったことから、農業関係者はさまざまな対策をこれまで講じてきたと承知しております。例を挙げますと、香川大学、県農協、県農業試験場などの連携のもと、イチゴのバッグ式養液栽培システムが二十年ほど前に開発され、腰ほどの高さに設置したバッグから液肥を自動でかん水することで、栽培管理や収穫作業を飛躍的に軽減してイチゴ栽培を大きく改善しました。また、洋菓子等の業務需要が高い女峰の作付や県オリジナル品種さぬき姫をさぬき讃フルーツとしてブランド化することなどの取り組みが行われています。中でも、県内栽培面積の約七五%を占めるさぬき姫は、光沢のある大きい果実とやわらかな食感、豊かな香りと甘く深みのある果汁が特徴で、地面から離して空中栽培することで、色、大きさ、形のよい実ができるため、市場で高く取引されております。  このような関係者のたゆまぬ取り組みにより、近年はイチゴの栽培面積の減少に歯どめがかかり、九十ヘクタール程度で維持されるようになっています。こうした中で、私の地元である三木町でも、次世代を担う若手農業者を中心に、平成二十四年からの五年間で、四経営体、七名が新たに就農し、七十七アールで栽培を始めておりますが、単に流通経路へ出荷するだけでなく、イチゴ狩りなど農業体験やイチゴの加工品を提供する観光農園なども行われており、新たな農業の可能性を示した成功例として注目されているところであります。彼らの成功は、数多くの御苦労や御努力によるものであることはもちろんでありますが、イチゴは六次産業化により経営発展を目指す農業者、特に若者やアグリレディーにとって魅力的な品目であり、また、グリーンツーリズムによる地域の活性化といったような新たな展開も見込めることなども考えますと、県においては、今後の農業の成長を支える重要な品目として、生産拡大や新規参入に向けた支援を一層強力に進めていくべきではないでしょうか。現時点においても、県では、新品種のイチゴよつぼしを本年二月に品種登録するなど、品種や技術の開発に引き続き取り組んでいると承知はしておりますが、意欲がある生産者による増産や高品質化、新規参入を促すためには、作業を自動化、機械化することで、少人数や高齢者、女性でも取り組めるように軽労化することや、ベテラン農家の生産技術、技能を新規就農者など次世代の担い手に継承することが必要であります。  このような課題を克服するために、昨今ではICTを活用して熟練農家のノウハウの見える化、生産履歴情報の効率的な記録、活用などを効果的に行うことを可能とするスマート農業技術の導入が注目されています。ぜひとも行政として研究を進め、県内の生産者に普及していただきたいと思います。  県では、時宜を捉えて、平成二十八年度末にかがわ農業ICT導入・活用戦略を策定し、本年度は情報活用農業推進事業として予算計上して、農業ICTのノウハウを持つ企業や機関と積極的な連携を図りながら、イチゴの生産技術の開発と現地実証などに取り組んでいると伺っております。  そこで、開発中のICTを活用したイチゴの生産技術の内容、期待される効果、生産現場への普及の見通しについて知事にお伺いします。  次に、若者の早期離職対策についてお伺いします。  厚生労働省が今月発表した十月の有効求人倍率は、前月より〇・〇三ポイント高い一・五五倍であり、これはバブル経済期の水準を超え、本県においても有効求人倍率が一・七六倍で、全国九位の高水準となっております。この数字は、景気が回復していることを示すとともに、仕事につきたい人にとっては求人のほうが多いわけですから、非常に望ましい状況と言えるかもしれませんが、反面、人手不足がバブル期を上回る水準にまで達してきたという深刻な状況をもあらわしているものであります。  企業の人手不足感は強まるばかりで、これを解消しないと成長の機会が奪われるばかりか、事業を継続していくことが困難となり得る事例もあり、人手不足倒産という事例も全国的にはちらほら見受けられる状況であります。人手不足の度合いは、各業種、企業規模によって大きな差異があると思いますが、大企業と中小零細企業の労働環境の格差はますます拡大し、本県経済を支えている中小零細企業は、より一層人手不足が深刻化するのではないかと危惧するところであります。  こうした中、今春の県内公立高卒生の就職内定率は九八・九%で、記録の残る平成九年度以降では四番目の高水準となっています。これまで大卒者の求人しか出していなかった企業も高卒者を雇い入れ、早いうちから自社で育てようという動きも活発化していると聞いています。  他方で、このように厳しい人手不足であるにもかかわらず、高卒者の就業後三年以内の早期離職率は五年連続で四割を超過しています。大卒者についても、三四・五%が早期離職しています。これは、中卒で七割、高卒で五割、大卒でも三割の新規就職者が三年以内に離職してしまうといういわゆる七五三現象と言われるもので、実際に平成二十八年度には、新規就職者のうち、全国で高卒では一七・二%、大卒では一一・三%もの人が離職をしているそうです。本県の場合、大卒者の数値は一三・七%で、全国平均を大きく上回っています。こうした若者の早期離職は、企業にとっても、若者自身にとっても大きな損失であり、しかも大企業より中小企業のほうが起こりやすいと言われており、中小企業が県経済を支えている本県にとっては、重大な課題と考えます。  そこで、若者の早期離職は、何が原因だとお考えでしょうか。  また、県として、どのように取り組んでいくのか、あわせて知事にお伺いします。  また、高校卒業者の早期離職を防ぐためには、就職前の高校生のうちから対応していくことが必要だと考えますが、県立高校での取り組みについて教育長にお伺いします。  最後に、小学校におけるプログラミング教育必修化に向けた準備状況についてお伺いします。  これからの社会は、新しい知識、情報、技術が、社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増していくと言われており、特に、知識、情報、技術をめぐる変化の速さが加速度的となり、情報化やグローバル化といった社会的変化が、人間の予測を超えて進展すると推測されております。とりわけ、第四次産業革命とも言われる進化した人工知能がさまざまな判断を行ったり、身近な物の働きがインターネット経由で最適化されたりする時代の到来が、社会や生活を大きく変えていくとの予測がなされております。そのため、子供たちの六五%は、将来、今は存在していない職業につくであろうという予測や、今後、十年から二十年程度で半数近くの仕事が自動化される可能性が高いなどの予測がなされております。子供たちには、そのような第四次産業革命時代を生き抜くために、あらゆる分野、業種における経済社会等の諸活動にAIやIoTを活用する能力が必要です。そして、子供たちにコンピューターに意図した処理を指示することを体験させながら、将来どのような職業につくとしても、時代を超えて普遍的に求められる力として、自分の意図することを実現するために、論理的に考える力、いわゆるプログラミング的思考を育成していくことが重要であると考えます。  本年三月三十一日に告示された新学習指導要領では、情報活用能力等の教科横断的な視点に立った資質、能力の育成が求められ、児童がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動の充実が図られていると伺っております。  このような中、香川県議会では、プログラミング教育の円滑な実施を図るため、さきの九月議会において、小中学校におけるプログラミング教育の必修化に対して支援を求める意見書を可決し、早期にプログラミング教育の指導の概要を明らかにすること、自治体間の格差を是正するための環境整備等に必要な財政措置を行うこと、民間の人材活用など、弾力的な人材配置を認めることの三点について十月十二日付で国に意見書を提出したところであります。全国的にもプログラミング教育を取り入れている自治体はふえており、特に低学年での実践を重ねて成果を上げている自治体もあると聞いています。今後の変化の激しい社会を香川で育った子供たちが生き抜き、そして力を発揮して活躍することができるようにするために、香川県も先進的に取り組む他の自治体におくれをとらないよう、プログラミング教育を積極的に推進する必要があると考えます。  そこでまず、プログラミング教育の具体的な内容として、授業時間の確保も含めてどのようなものとなるのか、お伺いします。  また、県下の小学校教員が、自信を持って指導に当たることができるよう、指導力向上に向けた支援についてどのように取り組むのかについても教育長にお伺いしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)松原議員の御質問にお答えいたします。  まず、第七期高齢者保健福祉計画についてであります。  第七期計画では、地域包括ケアシステムの構築に向け、住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができる香川の実現を基本理念に掲げ、県内における介護サービスの提供水準を確保する観点から、介護サービス基盤の整備方針、介護人材の育成確保、資質向上策等について定めるものであります。具体的には、自立した日常生活への支援や介護予防、重度化防止を推進するため、市町における地域ケア会議等へのリハビリテーション専門職等の派遣に関する調整や保健師、ケアマネジャー等の専門職を対象とした研修会などに取り組んでまいります。また、今後、医療及び介護のニーズをあわせ持つ高齢者の増加が見込まれることから、市町や地域の医療機関等において在宅医療に携わるコーディネーター等の人材の育成や、医師等を対象とした研修会を実施するとともに、医療機関と介護サービス事業者等への情報提供や普及啓発を行うことにより、在宅医療、介護連携の推進に取り組んでまいります。さらには、今後、ますます介護ニーズの増加及び多様化が見込まれる中、質の高い人材の確保が重要であることから、介護職員に対する資質向上のための研修会を実施するとともに、介護職員の処遇改善等による魅力ある職場づくりへの支援に取り組むことなどにより、介護、福祉人材の安定的確保に努めてまいります。私といたしましては、こうした施策に重点的に取り組むことにより、高齢者ができる限り住みなれた地域で必要な医療、介護サービスを受けながら、自分らしい暮らしを続けることができる社会の実現を目指してまいります。  次は、耕作放棄地対策についてであります。  耕作放棄地が年々増加する中、優良農地の確保や県土保全の観点から、耕作放棄地の発生を未然に防止するとともに、その解消に向けて取り組むことは重要であると考えております。このため県では、集落協定に基づく継続的な農業生産活動や集落営農組織の設立を促すとともに、地域の実情を踏まえた生産基盤整備や担い手への農地集積を進め、耕作放棄地の発生防止に努めております。また、荒廃農地については、これまでも国の制度を活用し、再生利用に向けた整備に対する助成を行ってきたところでありますが、今年度からは発生を防止する簡易な作業も対象となり、県や市町による補助率も拡充して、従来よりも手厚い支援を行っているところであります。さらに、今年度、新たに県独自で創設した中山間地域等農地活用総合支援事業では、中山間地域の抱えるさまざまな課題に対して、柔軟に事業展開できるよう、提案方式による簡易な基盤整備や機械、施設の導入など、地域のニーズの高いメニューを総合的に支援することとしております。これにより、地域の農地の受け皿として規模拡大を目指す集落営農法人や認定農業者などの意欲ある担い手が、中山間地域での農地の有効活用を図るとともに、地域農業の維持発展や耕作放棄地の発生防止にまでつなげているところであります。  私といたしましては、こうした取り組みのほか、引き続き市町や農業委員会、農業関係団体などとの連携により、地域の実情に応じた耕作放棄地の解消と発生防止に努めるとともに、再生した農地につきましては、農地中間管理事業を積極的に活用し、担い手への農地の集積、集約化を推進してまいりたいと考えております。  次に、ICTを活用したイチゴ生産技術の開発についてであります。  本県農業の成長産業化を加速するためには、近年急速に進化しているICTを活用し、農作業の効率化、省力化を初め、高品質、高収量な農産物の安定生産や生産工程の見える化を進めることが効果的であると認識しております。このため、昨年度、かがわ農業ICT導入・活用戦略を策定し、イチゴにおいては、気温などの施設内栽培環境の管理と養液栽培システムらくちんの高度化に取り組んでいるところであります。具体的には、今年度、情報活用農業推進事業で、新らくちんコントローラーの実証圃を、農業試験場を初め県内九カ所に設置し、イチゴの栽培環境や栽培管理作業のデータを自動的に収集、蓄積するシステムの検証を進めております。こうして集積した栽培技術、栽培環境等の精緻なデータを見える化して、農業者が情報共有するとともに、農業試験場がデータを解析し、イチゴ生産技術の高位平準化のための活用方法を検討することとしております。こうした成果は、平成三十二年度を目途に現場へ普及したいと考えており、ICTを活用して熟練農家のイチゴ生産技術を一般農家へ普及し、生産技術の高位平準化による収量、品質の向上を図るとともに、新規就農者を含む新たな栽培者へ生産技術をスムーズに継承し、その定着促進と早期の経営発展を図ることで、産地全体の底上げにつなげたいと考えております。  私といたしましては、イチゴの生産技術のみならず、かんきつの収量、品質の向上に向けたかん水指示システムや、オリーブの栽培技術を習得するための学習コンテンツの開発など、ICTを活用した次世代農業技術の研究開発及び導入に積極的に取り組んでまいります。  次に、若者の早期離職対策についてであります。  若者の早期離職率が高い状況にあることは、若者のキャリア形成をおくらせるおそれがあるだけでなく、企業にとっては人材の確保や育成に投じた経費の大きな損失であり、人手不足にもつながることから、重要な課題であると認識しております。  香川労働局が昨年夏に実施した若年者離職理由アンケート調査の結果では、退職理由は、「仕事内容が合わない」が最も多く、その原因は、就職しようとしている会社がどのような会社なのか、自分に合っているのかなどを十分理解しないまま就職活動を進めたことにあると考えております。このため、本年四月に開設した香川県就職・移住支援センター、通称ワークサポートかがわにおいて、求人と求職とのマッチングに加え、就職前の大学生向けの企業見学会やインターンシップを希望する企業と学生との交流会の開催等、県内企業の実情をよく知ってもらうための取り組みを進めております。また、より早期から離職防止の啓発を図るため、高校生を対象に、働き続けることの意義等についてキャリアデザイン教育の出前授業を実施しております。  一方、就職後の職場の人間関係等を原因とする離職も多く、これを防ぐための取り組みとして、若手社員だけでなく、先輩社員や経営者なども対象とした職場での意思疎通を図るための研修に加えて、昨年度から新たに中小企業の就職後三年以内の若手社員を対象に、会社の枠を超え、職場でのやりがいや悩みを共有する場をつくるための異業種交流研修を実施しています。  私といたしましては、若者がやりがいを感じながら働き続けられるとともに、企業にとって人材の確保や業績の向上に資するものとなるよう、引き続き若者の早期離職対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)松原議員の御質問にお答えいたします。  まず、若者の早期離職対策についてであります。  高校においては、働くことの喜びとともに、その厳しさなどを知った上で、将来の生き方、進路に夢や希望を持ち、その実現を目指して学校生活や学びに意欲的に取り組み、社会的、職業的自立に必要な能力や態度を身につけることが必要であると考えています。  このため、県立高校においては、企業等でのインターンシップなどを通して、職業観や勤労観、さらには進路を主体的に選択する能力を育成するとともに、就職を希望する生徒には、希望職種とのミスマッチを防止するため、企業現場の見学会や就職面談会などを通じて、生徒に会社の業務内容等の実情を理解させた上で、就職試験に臨むよう指導しております。さらに、コミュニケーション能力など、職業人としての基本的能力を高めるため、就職前にスキルアップを図る講習会を開催しております。  一方で、県内高校卒業者の就職後三年以内の離職率が全国平均より高い状況が続いたことから、平成二十六年度からは、進路指導担当者等が就職した卒業生の職場を訪問し、状況把握を行うとともに、悩みの相談を受けるなど、職場定着に向けたサポートを行っております。  さらに、今年度からは、初めての取り組みとして、卒業直前の二月に就職内定者を対象に企業経営者や卒業生等を講師に招いて、職場定着のためのセミナーを県内高校五会場で開催することとしております。このセミナーでは、講演会やグループディスカッションを通して、就職に対する不安を取り除くとともに、改めて仕事や働くことへの心構えを持たせたいと考えております。県教育委員会といたしましては、今後ともこれらの取り組みの充実を図るとともに、知事部局とも連携しながら、高校卒業者の早期離職の防止に努めてまいります。  次に、小学校におけるプログラミング教育についてであります。  今後、ますます人工知能等の技術革新が私たちの生活に変革をもたらしていく中で、人間がコンピューターの働きをよりよい暮らしや社会づくりに生かしていくことが重要であります。そのため、子供たちに対しては、生活の便利さの裏側でどのような仕組みが機能しているのかについて思いをめぐらせ、便利な機械は魔法の箱ではなく、プログラミングを通じて人間の意図した処理を行わせているものであるといったことを理解できるようにしていくことが必要であると考えております。  このような中、プログラミング教育は、子供たちがコンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるプログラミング的思考の育成を目的として、新小学校学習指導要領が全面実施となる平成三十二年度から新たに授業時間をふやすことなく、既存の各教科の授業の中で行うこととされております。その例としては、算数で正多角形の性質を学ぶ授業において、子供たちが辺の長さや角の大きさを入力し、コンピューターに図形を描かせる活動を通してプログラミング的思考の育成を図ることなどが考えられますが、各教科において、その特質に応じて、効果的な指導場面を考えていく必要があると承知しております。国においては、今後、小学校におけるプログラミング教育の趣旨や内容を解説した指針の策定や実際の授業で活用する教材やソフトウエアの開発等を行う予定であると聞いております。  県教育委員会といたしましては、こうした情報を随時各学校に提供するとともに、今後、プログラミング教育の年間指導計画への位置づけや授業展開の工夫、教材開発等に関する研究を進め、その成果を用いて、授業のあり方を考える実践的な研修を行うなど、プログラミング教育の円滑な実施に向けた取り組みを進めてまいります。(降壇) ◯議長(五所野尾恭一君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                            午後零時三分休憩                            午後一時八分開議     ─────────────────────────────   出  席  議  員    竹  本  敏  信 君    岡  野  朱里子  君    松  原  哲  也 君    佐  伯  明  浩 君    広  瀬  良  隆 君    松  村  秀  樹 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    木  村  篤  史 君    米  田  晴  彦 君    樫     昭  二 君    氏  家  孝  志 君    新  田  耕  造 君    西  川  昭  吾 君    都  築  信  行 君    谷  久  浩  一 君    有  福  哲  二 君    斉  藤  勝  範 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    三  野  康  祐 君    高  田  良  徳 君    大  山  一  郎 君    花  崎  光  弘 君    高  城  宗  幸 君    香  川  芳  文 君    十  河     直 君    山  田  正  芳 君    黒  島     啓 君    山  本  直  樹 君    宮  本  欣  貞 君    尾  崎  道  広 君    綾  田  福  雄 君    石  川     豊 君    辻  村     修 君    水  本  勝  規 君    平  木     享 君
      欠  席  議  員    五所野尾  恭  一 君    鎌  田  守  恭 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  西  原  義  一 君           病院事業管理者  松  本  祐  藏 君           審  議  監  川  田  浩  司 君           政 策 部 長  大  山     智 君           総 務 部 長  徳大寺   祥  宏 君           環境森林部長   中  村  貴  紀 君           健康福祉部長   高  木  康  博 君           商工労働部長   安  藤  照  文 君           交流推進部長   安  松  延  朗 君           農政水産部長   国  分  伸  二 君           土 木 部 長  葛  西     剛 君           知事公室長    淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長  山  田  恵  三 君           文化芸術局長   窪     保  彦 君           会計管理者    山  田  泰  子 君           病 院 局 長  木  村  士  郎 君           教  育  長  工  代  祐  司 君           公安委員会委員  溝  渕  香代子  君           警察本部長    千  野  啓太郎  君           代表監査委員   三  谷  和  夫 君           監 査 委 員  川  池  陽  子 君           事 務 局 長           人事委員会    関  谷  利  裕 君           委  員  長           人事委員会    井  川     泰 君           事 務 局 長           労働委員会    大  廣     豊 君           事 務 局 長           政策部次長    東  田  晃  拓 君    ───────────────────────────── ◯副議長(竹本敏信君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  佐伯明浩君。    (佐伯明浩君登壇、拍手) ◯佐伯明浩君 先般、十月二十三日から鹿児島県、熊本県へ総合防災対策特別委員会の行政視察に行ってまいりました。鹿児島県におきましては、鹿児島港の整備、また、大型ダムの洪水対策について視察をさせていただきました。鹿児島港は、南北に約二十キロという大きな港湾でありますが、今回は新港区というところを視察をさせていただきました。ここは、海底の地盤が弱く、セメントを注入して地盤を固め、その上に耐震性を備えたマイナス九メートルの岸壁が整備されておりました。平時は、大隅半島、沖縄本島等に人的物流の拠点となるターミナルとして整備されており、有事のときは、震災後等は復旧緊急車両等、また、警察官、自衛隊の方々を運ぶ基地として整備されておりました。やはり、平時のときからしっかりと整備をしていかないといけないということを言っておりました。香川県も、高松港朝日地区の国際物流ターミナル、マイナス十二メートルの耐震性を備えた岸壁を整備しているわけでありますが、南海トラフを中心とした大地震がいつ起こってくるかもわかりませんし、災害もいつ起こるかもわかりません。香川はもとより、四国の復旧・復興の拠点港湾となるべく、しっかりと整備をしていかなければいけないと感じたわけであります。  また、熊本県におきましては、震災後の農業用の大型ため池の復旧、そして熊本県庁を視察させていただきました。昨年四月の熊本県での大地震の後、農業用の大型ため池の堤防が横割れし、また、のり面も相当な被害を受けておりましたが、それをしっかりと修復されておりました。香川県は、言うまでもなく、大小のため池があるわけですが、十万トンの大型ため池の耐震性等々の改修後は、中小ため池もしっかりと整備をしていかなければいけないと感じたわけであります。  また、熊本県庁を訪問させていただいたときは、危機管理課の企画監からいろいろお話を聞かせていただきました。この方は元自衛隊のレンジャー部隊の隊長ということで、現場目線からのお話を聞かせていただきました。その方が一番最初に言った言葉が、「予防にまさる防災対策なし」ということでありました。平時の予防というのが一番大事だということを言っておられました。熊本は、土砂災害が非常に多くの地域でありまして、レッドゾーン等々から安全な地域に移ってもらうために、国と県の補助金、一戸当たり最高で約一千百万円の制度があるそうです。そういうことによって、平時に安心なところに移り住んでもらう制度もつくっているそうであります。  また、先般の大地震では、物資支援が大変役立ったということを言っていました。すぐにいろいろな物資が届いた。ただし、同じものが大量に届いたので、あとのいろいろと手配等々が大変だったので、できればリュックでパックでセットでということを言われておりましたが、これは非常に難しい課題ではないかと感じたわけであります。  また、避難場所、ある地区においては、自主防災組織がみずから立ち上げ、運営されていたということでございまして、非常に行政の方々も助かったということでございます。被災された方々が自主防災組織として、その地域に自主防災というか避難場所を設けて、みずからの手でいろいろ配ったり、また、トイレ掃除等して、他の避難場所とは劇的に環境面、衛生面で変わったということを言われておりました。やはり、避難したときにはいろいろ困ったこともありましたが、元気な方々は自分らが作業員になってその避難所を運営していく、それは非常に大きな自信にもつながったということを言われておりました。  それから、復旧・復興もそのほかの地域に比べて本当に早かったということを言われておりました。災害は、一〇〇%防げませんが、被害を最小限に食いとめて、そしてその後復旧・復興をいかにスピーディーに確実にやるか、特に電気、ガス、水道のインフラをいかにやるか、自助、共助、公助、そして防災対策関連機関と手を合わせてしっかりとやっていかなければいけないと感じたわけであります。これからまた、皆さんと一緒になって、香川県のより安心・安全な防災対策に努めていきたいと感じたわけであります。  本日は、人口減少、高齢化の進展という構造的な社会変化の中で、我が県民の生活を維持していくために不可欠な公共交通機関のあり方、JR四国等の幹線交通のあり方、そして四国の新幹線構想の実現に向けた取り組みの方針、ICTを活用した農業の技術開発等につき、知事のお考えをただしていきたいと思います。  質問の一点目は、地域公共交通の確保、維持及び活性化についてであります。  人口が減少し、また、多くの県民がマイカーを志向するという傾向がさらに強くなっていることから、バス、鉄道といった公共交通機関、公共交通事業者の経営環境は、ますます厳しくなっていると言えます。  一方で、高齢化の進展等により、自家用車を運転できない県民の移動の手段としての公共交通機関の必要性は増大しております。特に、過疎地域、人口が著しく減少し、住居が極めて少ない地域などにおいて、幹線交通網の端の地点からその先の地域に向かう、いわゆる二次交通は、通勤、通学や通院、買い物など、日常生活に欠かせない社会基盤であり、その利便性の低下は地域の衰退にもつながりかねない重要な課題だと認識をいたしております。  地域の公共交通については、全国各地で各市町が住民や交通事業者の声を聞きながら、まちづくりとあわせて計画し、維持、活性化に努めているものと認識しておりますが、その制度的枠組みである地域公共交通活性化再生法に基づく地域公共交通網形成計画の策定状況は、本県においては高松市及び小豆島地域の二件にとどまっていると聞いております。地域公共交通を確保し、維持することについては、各市町の努力とその意識の向上が不可欠なものでありますが、県が関係法律の運用の状況、他県の取り組みの動向、国土交通省や四国運輸局の公共交通関連部局の見解など、諸情報を把握し、そのような点の情報収集能力が、必ずしも十分ではない関係市町のサポートをし、地域公共交通網形成計画の策定につながるような措置を講ずるべきであると考えます。  さらに、公共交通は、各市町の区域で完結するものだけではなく、市町をまたがるような広域的なものも存在し、これらの確保、維持及び活性化も重要であると考えますが、各市町の取り組みに任せているだけでは、必ずしも円滑に進まない場合もあると考えられるところであります。他の県においては、県が地域公共交通網形成計画の認定を受けていることもあると聞いております。  そこで、県知事におかれては、県内の公共交通について、現状をどのように認識しているのか、そして今後、地域公共交通を強化していこうと考えておられる市町に対する支援や県みずからが地域公共交通網形成計画を策定する必要性についてどのようにお考えか、見解を聞かせてください。  また、地域公共交通網形成計画の策定に関する県と市町との連携、役割分担についてのお考えをお聞かせください。  また、公共交通については、都市部においても県民の余暇活動や社会参加、本県を訪れる観光客の移動手段として活用されているものであると考えます。こういった広い意義、重要な意義を有する公共交通の利用促進に向けて、知事としてはどのように取り組んでいくお考えか、お聞かせください。  さらに、本県への来訪者、観光客に県内を広く周遊し、県内に長く滞在していただくためには、公共交通による県内の移動の利便性を向上させることが必要であると考えます。そのためには、鉄道、バス、旅客船等の各交通事業者の各企業それぞれの努力はもとより、各事業者が幅広く連携、協力した取り組みが重要と考えられます。現在でも各事業者の企画により、例えばJR四国の志度・高松・琴平間とことでん全線が一日乗りおり自由なことでん・JRくるり~んきっぷなどが発売をされております。しかしながら、いずれも対象となるエリアや路線等が限定されていて、必ずしも使い勝手のいいものとは言えないのではないかと考えます。  県では、日本で唯一の取り組みである県全域を対象とする香川せとうちアート観光圏の整備に取り組んできておりますが、観光圏の趣旨である国内外からの観光客が二泊三日以上滞在できる観光エリアの整備の観点から、その中身を充実させる必要があるのではないかと思います。そして、具体的には、県内の広域周遊をより一層促進するための仕掛け、利便性向上が必要と思われるところであります。そういう考えのもとで、例えば県内全域全ての公共交通機関、全ての路線、全ての航路等を対象として、低額で自由に利用できるフリー切符の造成を目指してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。これが実現すれば、全国にも誇れる成果となることは間違いなしだと思っております。もちろん、実現に向けては、さまざまな利害を超えて多くの交通事業者の理解と協力を得ることが必要であり、そのためには事業者任せにするのではなく、県が主体となって取り組むことが不可欠かと思います。県として、各事業所に協力を働きかけ、積極的に検討を進めていただきたいと考えますが、知事の見解を示していただくよう、お願いをいたします。  質問の二点目は、幹線交通のあり方についてであります。  本年五月八日にJR四国が公表した平成二十九年三月期決算、すなわち平成二十八年度の経営の結果を見ると、残念ながら営業利益、経常利益ともに対前年度比で減少したとの結果となっております。また、JR発足から三十年に当たり、JR四国の社長が報道関係機関インタビューにおいて、人口減少等から経営努力だけでの現状維持は困難との認識とともに、鉄道や公共交通のあり方についての議論を行う場を設けたいとの意向を示されました。この問題を含め、四国における公共交通のあり方は極めて重要な課題であり、これまでも関係者の英知を集めて対策を検討すべく、さまざまな場が設けられております。今年八月には、四国における鉄道ネットワークのあり方懇談会IIの会合も開催されておりますし、四国における交通施策のあり方検討会という場も持たれていると聞いております。  ところで、県内のJR路線である予讃線、高徳線、土讃線、瀬戸大橋線については、各県庁所在地を結ぶ幹線鉄道であり、また、都市部と周辺を結ぶ交通として、さらに本州と四国を結ぶ幹線として、一定の需要があると考えます。しかしながら、少子化に伴う利用者の減少は避けて通れないと考えられます。今春四月に四国運輸局が開催し、県も参加された四国における交通施策のあり方検討会の資料によれば、JR四国の各路線において、将来輸送人員は長期的に減少傾向にあると推計されております。一方で、サービス面では、バリアフリー化の推進やダイヤ編成、ICカードの導入、多言語化など多くのサービスの充実が望まれております。  このような状況を踏まえ、県内JR路線を含めた幹線交通のあり方について、知事としてどのようにお考えであるか、お示しください。  また、JR四国の社長の意向やその後の関係者の取り組み状況等について、県としてどのように受けとめ、どのようなスタンスとスケジュール感を持って今後、対応していくのか、知事の御見解をお示しください。  質問の三点目は、JR四国との連携、協力に関する協定締結についてであります。  県とJR四国は、今春五月に「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクト、瀬戸大橋開通三十周年記念事業の実施を通じて、香川県観光の発展を図り、交流人口の一層の拡大を目指し、相互に連携、協力する協定を締結したとお聞きいたしております。広域・幹線交通や旅行業、宿泊業等を担うJR四国との連携、協力は、県の観光振興等にとって意義あるものと考えますが、県としてはどのような考え方をもとに協定を締結し、その後、半年の間において、具体的にどのような取り組みを開始し、成果を上げているのか、御説明をください。  特に、連携、協力する事業として、香川県への誘客に向けたプロモーションの実施、香川県へリピーターとして来ていただける魅力ある観光地づくりなどが挙げられておりますが、新たな特色、今までにない効果などについて、あわせてその考えと具体的な進捗状況を御説明ください。私としては、今回の協定締結とその後の取り組みを生かし、これまでとは異なる新たな事業を企画し、立ち上げ、進めていかれることが、県民のみならず、県外の観光業者、旅行者の方々にもアピールできるようなものとなることを期待しておりますが、今後、どのような取り組みを進めていくのか、お考えをお示しください。  質問の四点目は、四国新幹線の推進に向けての取り組み方針についてであります。  新幹線は、今や高速道路と並ぶ基礎的な社会経済基盤であります。唯一の空白地帯である四国に新幹線を導入することがいかに必要であり、かつ重要な課題であるかは共通の認識かと思います。四国に新幹線を整備し、香川県の社会基盤の強化、県民の生活利便の向上、産業競争力の向上、観光促進の強化など、新幹線から得られるさまざまな効果便益を、香川県民も他の新幹線の走っている地域の住民と同様に、これを享受すべきであるという主張を県議当選以来より言い続けてまいりました。  昨年三月、国が四国圏広域地方計画で長期的な検討課題と初めて位置づけ、二〇一七年度予算で基本計画段階の新幹線を含む幹線鉄道のあり方という名目で調査費が計上されました。こうした情勢の変化を好機とし、誘致活動を加速してこられました。本年の動きとしては、三月に北陸新幹線の京都・新大阪間のルートが決定されました。次は、四国へ新幹線をとの思いを改めて強くし、早期導入に向け、機運醸成を図る新組織、四国新幹線整備促進期成会が七月六日に設立されました。四国選出国会議員や四県知事、四県県議会議員の皆様を初め、官民四十六団体、約六百人の方々の参加を得ての決起大会でありました。浜田知事は、「高速鉄道は、世界でも標準インフラ。四国のみが空白であってはならない」などと挨拶されました。また、四国新幹線の基本計画から整備計画への格上げに向けた調査費の二〇一八年度予算での計上や新幹線建設予算の大幅増額を国に求める決議案が採択されました。今後は、四国の四地銀による包括提携枠組みを生かし、四行の系列シンクタンクでつくる四国アライアンス地域経済研究分科会と連携し、年度内に新幹線を活用した四国の地域づくりの方向性や経済、社会への波及効果について調査し、報告書としてまとめることとされております。このほか、PRビデオの作成、大型シンポジウムの開催等広く誘致活動を発信することとされております。引き続き、目に見える形で成果を上げるべく、スケジュールに従って着実に進めていただきたいと感じております。  昨年三月に新幹線が北海道に乗り入れ、日本の主要四島で唯一の空白地帯であり、一九七三年に基本計画が定められたまま塩漬けとなっております。整備計画への格上げに向けた早期の調査費計上が、まず最初の突破口であります。ただ、概算事業費で一兆五千億円を上回る基本計画は、国の厳しい財政状況もあり、実現が厳しいのではないかとも言われております。岡山から新幹線規格の瀬戸大橋経由で四国に導入させる機能を果たす瀬戸大橋ルートをまず整備し、その後、段階的に他の県庁所在地につなげるなど、建築費の抑制を講ずるべきとの意見も出されております。今後は、もっと戦略性を持った取り組みが必要かと思われます。人口減少、高齢化の進展、在来線の維持も極めて厳しくなっている中、悠長に多大の年月をかけるわけにもいかないと思います。  しかしながら、北陸新幹線の例を見ますと、整備計画決定から開通までに四十年以上の歳月がかかっております。財源の確保、各県の地理的状況、需要等が異なることから足並みがそろわず、国から足元を見られ、思いどおり進まない可能性もあります。課題の多さと厳しさを十分認識し、四国の未来にとり、そして香川県の発展にとり、新幹線が必要不可欠な存在であるという、かたく強い信念を共有するとともに、県民に広く理解してもらい、地道な粘り強い、息の長い誘致活動を盛り上げていく覚悟も必要であります。そのためにも、四国四県が一丸となり、地域の総意として協力して進めるという強固な取り組み体制の構築が肝要だと考えております。さらに、短期的、中期的にどのような戦略で活動を行っていこうとするのか、改めて知事の見解と、強い、強い御決意を聞かせてください。  質問の五点目は、ICTを活用した農業の技術開発についてであります。  近年、全国的にICTやロボット技術を活用し、超省力、高品質生産を実現する新たな農業、スマート農業が注目されております。本県においても、農家の減少、高齢化が進んでいる中、スマート農業の推進は必要不可欠なものだと思いますが、導入が進みません。なぜでしょうか。昨年十二月に中国四国農政局が行ったスマート農業意識・意向調査では、スマート農業を導入している農家は六・四%しかおらず、導入しない一番の理由は、「費用がかかるため」で六六・四%、次が、「活用方法がよくわからないため」で四七・三%という結果でした。機器の購入費用が高いことやICTといっただけでどうしたらいいのかわからないということでちゅうちょする農家も多いと聞いております。やはり、個々の農家では、対応するには限界があります。ここは行政や研究機関が一体となり、ICTを活用した技術開発を行うのが現実的だと思います。昨年十一月に政府の農林水産業・地域の活力創造本部が決定した農業競争力強化プログラムには、「農政新時代における必要な人材力を強化するシステムの整備」の中で、「ICTやロボット技術等を活用した現場実証型の技術開発推進」とされております。そして、これを受けて、お役人がつくった非常に長い名前のセンターでありますが、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターでは、革新的技術開発・緊急展開事業を実施しております。この事業は、国が定めた技術戦略に即した開発目標に向かって研究勢力を結集し、農林漁業経営体の参画のもと、現場での技術実証を踏まえた技術開発を実施し、速やかな社会実装を目指す実証研究について公募を通じて委託されるものであり、本県の農業試験場も応募し、幾つか採択されたと聞いております。そして、この中には、ICTを活用したものもあり、それは民間企業等とともに研究を行うものと聞いております。  そこで、この農業試験場が行うICTを活用した技術開発とはどのようなものであり、それを今後、どのように生かしていくのか、知事の御見解をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(竹本敏信君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)佐伯議員の御質問にお答えいたします。  まず、地域公共交通の確保、維持及び活性化についてであります。  本格的な人口減少社会の到来により、本県においても交通事業者を取り巻く環境が一段と厳しくなる中、地域公共交通の重要性は、今後、ますます高まるものと考えており、まちづくりと連携しながら、活性化を図ることが求められていると認識しております。このため、県では、基幹的な交通は県を中心に、地域に密着した交通は地元市町を中心にといった役割分担のもと、市町と連携しつつ、地域公共交通の確保、維持に向けて取り組んでいるところであり、ことでんにつきましては、沿線三市四町と連携し、平成二十三年に策定したことでん沿線地域公共交通総合連携計画に沿って、新駅整備やICカードの拡大等に取り組んでいるところであります。  また、地域公共交通網形成計画の策定は、地域公共交通の強化を図る上で有効な手法でありますが、同計画では、まちづくりと連携し、路線バスからデマンド交通への転換や複数路線バスを再編した乗りかえ拠点の設置等、地域公共交通の再編が求められていることから、まずは各市町において、地域公共交通の潜在需要を含めて現状分析を行い、今後のまちづくりを描く中で、十分議論し、策定いただくことが適切であると考えており、県といたしましては、複数市町が共同して策定する場合には、広域的な観点から相談に応じるなど、その策定に協力してまいりたいと考えております。  また、公共交通の利用促進については、四国四県や関係団体、四国運輸局等で構成する四国公共交通利用促進協議会において、四国まるごと公共交通利用促進キャンペーンを実施するなど、普及啓発に努めているところであり、今後とも関係機関などと連携して鋭意取り組んでまいります。  次に、県内全域の交通機関を対象とした低額フリー切符の造成につきましては、交通事業者間での連携や合意形成が前提であり、その実現には採算性や各交通事業者間における収益配分などの課題があると考えておりますが、現在、香川アートせとうち観光圏事業において、県観光協会や鉄道、バス、旅客船などの交通事業者、四国運輸局等の参加によるワーキンググループを設け、観光客の利便性の向上に結びつくような異なる交通手段をつなげて観光地を周遊する旅行商品の造成等について議論を行っているところであります。私といたしましては、まずはこのような取り組みを通じて、交通事業者間の連携強化を促進し、観光客の県内での周遊、滞在につなげてまいりたいと考えております。  次に、幹線交通のあり方についてであります。  幹線交通は、都市間交通の利便性の向上、交流圏や交流人口の拡大による経済活性化などに加え、災害耐力の向上を図る上でも重要であると考えております。このため県では、輸送力、定時性等にすぐれた鉄道を中心に、県全体で利便性と結節性にすぐれた公共交通ネットワークの構築を目指し、その実現に向けて鋭意取り組んでおります。  このような中、JR四国の呼びかけにより、本年八月には、神戸大学の正司健一教授を座長に、有識者を初め、国、県、市町、経済界等の代表者から成る四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会IIが開催され、私も委員として参画いたしました。懇談会では、各委員から鉄道ネットワークに関するさまざまな意見が出されましたが、私からは、今後、鉄道ネットワークを維持していくためには、利便性の向上による利用者の確保やインバウンドの利用者を今以上に取り込むことなどにより、鉄道の営業収益の増加を図っていく必要があること、さらには在来線の確保維持の観点から、四国の新幹線の重要性についても今回の議論に結びつける必要があることなどを申し上げました。今後、この懇談会では、来年夏ごろに中間取りまとめが行われる予定であり、その後、各県単位で鉄道を含む公共交通の維持方策などについて検討を実施する予定となっております。私といたしましては、この懇談会での御議論や中間取りまとめを踏まえ、県議会の御意見も伺いながら、沿線市町や事業者などとも緊密に連携し、地域公共交通の確保、維持に向けた具体的な方策について検討を進めてまいりたいと考えております。  次は、四国への新幹線導入に向けた取り組みについてであります。  議員御指摘のとおり、新幹線は、今や高速道路と並ぶ基礎的社会経済基盤であり、その整備を図ることは、交流圏や交流人口の拡大による経済活性化に加え、災害耐力の向上や在来線の確保維持等を図る上でも、極めて重要であると考えております。このため、本年七月に四国各県や経済界などと連携して、四国の新幹線の実現に特化した新たな組織である四国新幹線整備促進期成会を立ち上げたところであり、現在、地元機運の醸成などにつなげるため、この期成会と四国の地方銀行四行の系列シンクタンクで構成する四国アライアンス地域経済研究分科会が連携し、四国の新幹線の経済波及効果や新幹線を生かした地域づくりの方向性などについて、本格的な調査、検討を進めております。  一方、今年度、国において基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査が実施され、現在、瀬戸大橋など既存インフラを活用した新幹線整備に係る工法や単線による新幹線整備など、フル規格新幹線整備に係る費用削減方策などが検討されており、今後、こうした調査の結果を踏まえ、四国各県や経済界などと連携しながら、四国への新幹線の導入に向け、戦略的な取り組みを検討してまいりたいと考えております。私といたしましては、今後、さらに県民の皆様に四国の新幹線の必要性やそのもたらす効果などを十分御理解いただく必要があると考えており、勉強会やシンポジウムなどの開催を通して、粘り強く訴えかけるとともに、県議会を初め、関係国会議員の皆様の御協力を賜りながら、四国新幹線整備促進期成会を中心に、国に対しこれまで以上に声を一つにして働きかけを強め、国政レベルでの動きを一歩でも前進、拡大していけるよう、取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ICTを活用した農業の技術開発についてであります。  本県農業の成長産業化を加速するためには、生産技術の向上による一層の高品質化や経営の効率化、高度な技術の伝承などが不可欠であり、ICTの活用は、そのための重要なツールになるものと考えております。このため本年三月に、かがわ農業ICT導入・活用戦略を策定し、農業ICTのノウハウを持つ民間企業や導入効果の高い大規模経営体との緊密な連携を図りながら、本県の実態に即したICTの研究開発や導入を加速化することとしております。  お尋ねの革新的技術開発・緊急展開事業につきましては、農林漁業者、民間企業、研究機関などがチームを組んで、それぞれの強みを生かした技術の開発と迅速な普及を目指すもので、現在、県農業試験場が主体となって、ICTを活用した加工・業務用葉ネギの省力安定生産技術の開発に取り組んでおります。今回の試験研究には、企画段階から県内の大規模経営体に共同研究者として参画いただき、より現場ニーズを反映したシステムの開発を目指しており、葉ネギの病気の発生予測や出荷時期の判断に活用できるシステムの開発に向け、県内十二カ所に観測装置を設置し、気温や湿度、降水量などの観測データや生育状況の画像データの収集に努めているところであります。  また、同時に開発中の省力収穫機とこのシステムを一体的に活用することにより、大規模経営体の収益力の一層の向上を図るとともに、産地全体の品質向上による県産葉ネギのブランド力の向上や計画出荷による加工・業務用の新たな需要開拓にもつなげたいと考えております。私といたしましては、今後とも本県農業の持続的発展につながるICTを活用した次世代農業技術の研究開発、導入に積極的に取り組んでまいります。  なお、その他の御質問につきまして、交流推進部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)安松交流推進部長。    (交流推進部長安松延朗君登壇) ◯交流推進部長(安松延朗君)佐伯議員の観光施策等におけるJR四国との連携、協力についての御質問にお答えをいたします。  本年五月に締結したJR四国との連携・協力協定については、本県とJR四国が連携し、相互の資産を効果的に活用することで、「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトと、瀬戸大橋開通三十周年記念事業のプロモーション効果を最大化し、本県への誘客を図ることを目的に締結したものであります。これまで、JR四国と連携して同社の駅や列車内に本県のイベントポスター等を掲出するほか、JR四国の大阪での商談会に出席し、本県観光のPRや旅行商品造成の要請を行うなど、効果的な情報発信に取り組むとともに、同社と連携したイベントやおもてなし運動を実施するほか、JR高松駅に観光案内所を設置するなど、観光香川の受け入れ環境の充実にも努めてきたところであります。また、四月から六月に十四年ぶりに実施された四国デスティネーションキャンペーンや新たに運行が開始された観光列車四国まんなか千年ものがたりを活用した観光客の誘致などにJR四国と連携して取り組み、同キャンペーンにあわせて、金刀比羅宮宝物館の特別展が開催された琴平では、期間中の入り込み客数が前年比約二七・四%増となったほか、四国の延べ宿泊観光客数は前年比約五・八%増となったところです。今後新たに、来年四月の瀬戸大橋開通三十周年を記念した記念列車の運行やJRの駅等を活用したスタンプラリー、記念パネル展などに連携して取り組むこととしており、本四三架橋のうち、唯一の鉄道併用橋である瀬戸大橋の特長を生かし、瀬戸大橋三十周年を契機として、より一層の観光客の誘致を図りたいと考えております。今後とも、本協定に基づき、JR四国とより一層緊密に連携、協力することにより、これまでの成果を生かして効果的な誘客活動やプロモーションを行い、本県の魅力を全国に向けて発信し、交流人口の拡大につなげてまいります。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)一般質問を続行いたします。  都築信行君。    (都築信行君登壇、拍手) ◯都築信行君 議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。
     まず最初に、公文書管理と情報公開についてお伺いをいたします。  公文書管理は、公文書が県民共有の知的資源であることを踏まえ、県民への説明責任を全うすることを目的とするものであり、一方、情報公開は、県が保有する情報の一層の公開を図り、県政に対する県民の理解と信頼を深め、県勢の発展につなげることを目的とするもので、公文書管理と情報公開とは車の両輪と言われます。  そこで、第一点目に、公文書管理についてお伺いいたします。  平成二十三年四月に公文書等の管理に関する法律、いわゆる公文書管理法が施行されて既に六年が経過いたしました。制定当時、薬害肝炎患者リストの放置問題や消えた年金記録問題など、行政機関における不適切な公文書管理の事案が発生しており、それが法律制定のきっかけとなったと言われております。最近になっても、省庁間等におけるやりとりや打ち合わせの記録の作成が不十分であったとされる事案や契約等の相手方との重要なやりとりについて、一年未満の文書の保存期間を設定した上で、事案終了後に廃棄されていたとされる事案が見られるなど、不適切事案は後を絶ちません。  我々も、県政情報が県民が県政へ参加するための基本的インフラであり、県と県民との共有財産であるという認識とともに、仕事をする職員にとっても、県民への説明責任を果たす文証になるとの意識を持って、手間はかかりますが、適正管理への不断の努力をお願いしたいと思います。  全国的には、ほとんどの都道府県が公文書管理のルールを規程レベルにとどめている中で、我が県は公文書管理法の趣旨にのっとり、より適切な公文書の管理を図ることなどを目的として、平成二十五年三月、都道府県では島根、熊本、鳥取に次いで全国で四番目に香川県公文書等の管理に関する条例を制定したことは大変に評価をしております。ただし、一定のルールは定まっているものの、文書の保存期間が適切に設定されていなかったとして監査で指導を受けた事例が見受けられるなど、条例という形を整えても、実効性を伴わないものであるならば意味はありません。文書事務に携わる個々の職員が、公文書管理に対する意識を高くして、必要な知識を習得していなければ、適切な公文書管理は実現できないのではないかと考えます。つきましては、ルールを逸脱した文書保存期間の指定や廃棄など不適切な取り扱いが一切ない、県民が安心でき、信頼できる公文書管理への取り組みについて知事の御所見をお伺いいたします。  第二点目は、情報公開制度についてです。  行政の透明性や説明責任を確保し、県民の知る権利を担保する大事な制度がこの情報公開制度であります。この制度は、昭和五十七年に山形県の金山町が日本で初めて導入したもので、まず地方が先行し、それにおくれて平成十一年にいわゆる情報公開法が施行されております。今やほとんどの自治体で情報公開条例が制定され、それにのっとり制度運営がなされております。我が県においても、平成十二年に情報公開条例が施行されており、昨年度は知事部局、教育委員会等を含め、二千二百件余の情報公開請求があったと伺っております。  ところで、どのような制度であっても、長い年月を経る中でメンテナンスをしなければ、やがて時代にそぐわなくなり、県民にも不利益を及ぼすようになります。そこで、個人情報保護に関する県民意識の変化や情報通信技術、ICTの発達などを敏感に感じ取り、環境の変化に対応して、その見直しを図る自治体も出てまいりました。山形県では、県の情報公開条例がことしで施行二十年を迎えることもあり、請求への対応や公文書の範囲や保存期間、災害時の個人情報の公表基準など、細かいルールが明確でなかったことなどから、有識者の議論を踏まえ、県政運営の透明性向上に向け、その運用を見直すこととしております。また、東京都では、本年十月末より、情報提供の一層の推進を図るため、都が保有している公文書情報の電子データをインターネットを通じ無料提供する新たなサービスを開始しております。二十四時間いつでも申し込め、二週間以内に受け取れるそうです。  我が県においても、条例の施行から十七年がたち、時代の変化に合ったものとなっているかとの検証や必要に応じて見直しを図っていく必要があると考えます。特に、公開を請求する手続がいまだアナログな部分については、早急に見直しを図るべきと考えます。例えば、請求に書面を要求しておりますが、四県では既にインターネットによる請求を認めております。また、コピーの費用はともかくとして、いまだ閲覧手数料を徴収しているのは、全国でも我が県と和歌山県の二県しかありません。つきましては、情報公開条例の見直しとさらなる行政の透明化に向けてどう取り組むおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、妊娠期からの切れ目ない支援体制についてお伺いいたします。  最近は、晩婚化に伴う高齢出産のケースもふえ、若年の母親に比べると産後の疲労は重く、さらには産科医の減少により、分娩のための入院期間も短期化傾向にあります。退院後、育児と母体の養生に励む中で、隣近所の助けはもとより、実家の助けも見込めない人もふえております。病院や職場、地域からも隔絶された状況で、夫婦だけ、母親だけが不安を抱え、孤立化するケースが見られ、それが産後鬱や育児不安、虐待等につながることもあります。本県においても、昨年、子供をトイレで出産後に死なせたという本当に悲惨な事件がありましたが、このケースにおいても、母親は周囲に妊娠したことを相談できず、最終的に殺害してしまったとのことでありました。  こうした状況を防ぐため、産後ではなく妊娠中から母親、家族を支えるべく、妊娠期から子育て期にわたる多様なニーズに対応する子育て世代包括支援センター、日本版ネウボラの設置が昨年五月に成立、ことし四月一日に施行した改正母子保健法により、市町に努力義務が課せられ、保健師等が中心となって子育ての相談などに応じております。  ネウボラは、北欧のフィンランドで一九二〇年代に始まった子育て支援拠点で、フィンランド語で「助言の場」という意味だそうです。日本版では、子育て支援策をワンストップで対応し、核家族化の進行で不安を抱えがちな子育て世帯に対し、保健師やソーシャルワーカーなどが妊娠中から出産、産後までを継続して支援するものです。  これまでの子育て支援の仕組みは、妊娠時に渡される母子健康手帳の交付は市町、妊娠中の健診や両親学級は医療機関や市町、出産後の支援は市町や子育て支援施設等となっており、まだ窓口が一本化されていない市町もあります。また、乳児の状況を自治体が把握するには時間がかかり、虐待のリスクも高まります。虐待死に占めるゼロ歳児の割合は約六割と高く、出産直後に支援へつなげることが欠かせません。同センターが産科医療機関や児童相談所などと連携して状況を把握することで、虐待予防の拠点となることも期待されております。  同センターは、平成二十九年四月時点で、高松市を初め、県内三市二町で十二カ所設置されておりますが、未設置のところや地域的、人口的に不十分のところもあります。その背景には、市町単独では専門家の配置等が困難なことが挙げられます。また、近年は、出産年齢の高齢化により、夜泣きへの対応などが体力的に厳しかったり、共働きがふえ、仕事と両立の苦労があったり、インターネット等からの情報過多によりかえって不安になるなど、さまざまな課題を抱えている方がふえており、安心して相談ができ、信頼関係が築ける場があることが、母親にとって一番の救いになると思います。そのためには、窓口できちんと対応できる信頼の置ける保健師等の人材育成も重要だと考えます。  そこで、県としても子育て世代包括支援センター、日本版ネウボラなどの市町における取り組みを強力に後押しすべく、必要な支援をすべきと考えます。つきましては、子育て県を標榜する我が県において、妊娠期からの切れ目ない支援体制の構築に向けてどう取り組むおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、ダブルケア支援への取り組みについてお伺いいたします。  晩婚化などを背景に、介護と育児を同時に担わなければならないダブルケアに直面する当事者、いわゆるダブルケアラーが増加をしております。子育ての次に介護という従来のライフサイクルが崩れ、育児と介護の時期が重なりやすくなっているためです。昨年四月に内閣府が調査、発表したデータでは、ダブルケアに直面する人は全国で約二十五万人、男性八万人、女性十七万人いると推計されており、男女とも平均年齢は四十歳前後で、三十から四十代だけで全体の八割を占めております。特に、親と住居が離れていても、育児や介護といったケアが家族内に必要な場合、一人の女性に負担が集中する例が多いこともわかってまいりました。また、ダブルケア研究の第一人者である横浜国立大学の相馬直子准教授ら研究チームが、子育て世代の約千九百人を対象にして行った実態調査では、ダブルケアに「直面中」が八%、「過去に直面」が六%、「数年先に直面を予測」も一八%と、今後もダブルケア人口が潜在的にふえていくと指摘しております。  ところで、そのダブルケアラーが相談できる行政窓口について、介護に関するものは通常市町の高齢者担当窓口か地域包括支援センターで対応され、子育ての相談は、同様に市町の子育て相談担当窓口か地域子育て支援拠点等で受け付けてもらえます。しかし、どうしても窓口が分かれているため、相談者はその窓口に沿った一方だけの悩みを相談し、もう一方の相談内容は表に出てこないこともあるようです。実際に、介護と子育ての両方に対応できるダブルケア相談窓口を開設した堺市によると、児童虐待の相談をしていた人が、介護の問題も抱えていたとか、DVの相談に来ていた人が、子育ての悩みを持っていたなどのケースもあり、ダブルケアの観点から詳しく聞くことによって、もう一方の問題が見える化されるとのことでありました。行政制度や家族関係、雇用環境が大きく変化する中で、ケア当事者が求める複合的な課題やニーズを酌み取りながら、効果的な支援の取り組みが行政に求められております。  そこで、他の基礎自治体等では、先ほどの堺市のように、ダブルケアに係る専門の相談窓口を設置したり、保育施設や介護施設の入所基準の緩和、また、周囲に相談できる人がいないという現状を受けて、ダブルケアカフェと呼ばれる気軽に話ができる居場所づくりや、広く悩みを共有できるインターネットの掲示板サイトを立ち上げる団体もあります。特に、都道府県レベルでは、京都府がこの二月、インターネットを使った府民アンケートを実施、三月にはその結果を反映させた仕事と介護・子育て両立支援ガイドブックを発行し、支援に結びついた体験例を載せながら、窓口や各種サービスの周知を始めるとともに、介護プランを作成するケアマネジャーの研修内容に、子育て支援に関する情報を追加することで、保育に配慮したプランを作成できるようにしております。  団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年、さらには高齢人口がピークに達する二〇四二年に向けて、このダブルケアの問題は、ますます深刻化することが予想されます。今後の必要な取り組みとして、子育てサービスと介護サービスとの連携やダブルケアを抱える方が相談しやすくなる環境づくり、そしてダブルケアラーを初め、当事者を取り巻く関係者への情報提供など、ダブルケアに対応する環境整備の必要があると考えます。  そこで、知事は、ダブルケアに関してどのような御認識をお持ちなのか、そして今後、どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  次に、相談窓口の利便向上について二点お伺いをいたします。  その第一は、SNSを活用した青少年の相談対応についてであります。  最近の若年層の交流手段は、音声通話よりもSNSの活用が圧倒的に多くなっており、総務省の調査によりますと、十代が平日に携帯電話で話す時間は平均で二・七分にすぎませんが、SNSを利用する時間は五十八・九分にも上っており、若年層の間ではSNSを媒介としたコミュニケーションが定着しつつあります。行政側も青少年を取り巻くSNSの功罪を見きわめながら、そうした変化に対応した規制や推進施策を展開していかなければなりません。  さて、利用時間が物語っているように、SNSは身近に相談相手がいない若者にとって、安心して本音を吐き出せる場所になっているのも事実であります。ネット上に吐露されるSOSに応える対策を、あらゆるレベルで強化、充実させることは時代の要請であります。実際、長野県がことし九月、中・高校生を対象に試行したLINEを活用したいじめ相談には、二週間で一千五百件超と想定を上回るアクセスがありました。また、「死にたい」などと検索した人のパソコン画面に相談を促す広告を掲載し、四年で六百人以上の相談に応じたNPO法人もあります。  いじめや不登校は、当該児童・生徒にとっては深刻な問題であり、当事者からの相談を電話やメール、来所等を通じて教育センターが受けておりますが、その相談件数は、昨年度三千九百八十八件となっており、一定の受け皿にはなっていると思われます。ただ、青少年がよく利用するLINEなどのSNSを活用した相談にも応じられるようにしておくべきと考えます。つきましては、人手や予算面での制約など課題もありますが、教育センターでのLINE等SNSを活用した相談の対応について教育長の御所見をお伺いいたします。  第二に、一般向け救急電話相談番号の短縮化についてです。  県は、救急医療機関に多数の比較的軽症な患者が診療時間外に訪れている実態を踏まえ、救急医療機関への時間外の軽症患者の来院を減らして、より重篤な患者に対し必要な救急医療の提供を行うため、小児を対象に実施していた救急電話相談を成人向けに拡充した一般向け救急電話相談事業を平成二十三年四月から都道府県レベルでは全国で初めて実施したと聞いております。  全国に先駆けて開始した一般向け救急電話相談事業は、現在でも香川県を含め五県しか導入されていませんが、本県では相談件数が開始当初の二千四百六十一件から直近の平成二十八年度は八千三十件と約三・三倍に増加しているとともに、医療機関への受診を一旦回避した件数も全体の七六・一%と報告されており、先行県として事業の実施の効果を十分発揮しており、私としては、県の取り組みを高く評価しているところです。  一方で、私のところには、全国的に短縮ダイヤル♯八〇〇〇番を活用している小児救急電話相談事業と比べて、一般の電話番号を使っている当該電話相談事業は、番号が覚えにくく、特に高齢者や外出先などで番号を携帯していないときなどは利用しにくいという声も寄せられております。今後、一般向け救急電話相談事業をこれまで以上に利用してもらい、事業の効果を最大化していくためにも、事業の周知啓発のほか、短縮ダイヤル化などの利便性の向上も検討する必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、都市の危機管理における道路対策についてお伺いいたします。  災害時に道路が機能することは危機管理における最重要課題であります。特に、人、施設、そして機能が集中している都市部においては、災害時に安全に活動できる道路空間及び交通機能を確保することが地域防災計画に重要施策として位置づけられており、維持修繕パトロールや沿道建築物の耐震改修が進められています。しかしながら、中でも道路機能を低下させる道路の陥没、変状については、その事前対策や事後対応策が明確にされておらず、原因となる路面下空洞への減災対策を確立することが急務となっております。  去る十月二十六日に、都市の危機管理における路面下空洞対策と題したシンポジウムが都内で開催され、私も参加させていただきました。ゲストとして小此木国土強靱化担当大臣を初め、国土交通省の担当者や地盤機能保全に詳しい東京大学生産技術研究所の桑野玲子教授、自治体からも福岡市長を初め、札幌、仙台、熊本各市の道路担当者が災害時等における道路被害と対策事例について報告が行われておりました。政府関係者や被災都市の関係者が集っての会合であり、道路下の空洞対策が全国的な喫緊の課題として捉えられ、国も自治体も具体的な施策を着実に進めているとの印象を受けました。  さて、道路陥没の仕組みは、何らかの要因で地下に生じた空洞が始まりとなります。そこに地下水が浸透することで、天井部分の土砂が徐々に崩れ、陥没に至ります。路面下の深い場所に空洞が発生しても、地表からは確認できないことが事故防止の大きなネックになっております。  高度経済成長期の一九六〇年代以降、全国で都市化が進み、地下空間が整備されてきましたが、そうした整備から既に数十年もたっていることから、事故はどこでも起こり得、全国の主要都市に危険性があると推測されております。さらに近年は、豪雨などの気象の激甚化によって、道路や地盤などの損傷の度合いも加速しております。東日本大震災で被災した仙台市では、市街地にできた道路陥没により、通行規制が長期化し、路線バスの迂回や深刻な渋滞、夜間工事の騒音により、市民生活へ大きな影響を及ぼしました。  こうしたことを教訓に、各自治体とも、まずは強靱化計画にこの路面下の空洞対策を盛り込み、日ごろから定期的に路面下空洞調査を実施していると伺いました。本県においても、国土強靱化地域計画に路面下の空洞調査を位置づけており、平成二十六年度から下水の老朽化が進んでいる箇所や河川沿い等の空洞化しやすい箇所を部分的に調査していただいております。昨年度までに約百八十キロメートルの調査を実施し、空洞のおそれのある箇所が百六十二カ所検出され、そのうち五十五カ所で大きさは大小さまざまなようですが、実際に空洞が見つかっております。  今すぐ陥没する可能性は低いかもしれませんが、空洞は徐々に大きくなり、看過すれば空洞上部からの加重や地震などにより陥没に至る可能性は大きくなることから、空洞を早期に把握し、対応するべきであると考えます。これまで我が県では、試験的に続けていただいている調査ですが、来年度からは他県のようにきちんと当初から予算立てし、年間調査距離を決め、計画的な調査をお願いしたいと思います。つきましては、香川県の道路下空洞対策について、今後、どのような取り組みをされるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、特に緊急輸送道路の機能を災害時においても確保することは重要であると考えます。県では、南海トラフを震源とする大規模な地震などに備え、沿道建築物の耐震化を促進するため、平成二十三年に香川県緊急輸送道路沿道建築物等耐震対策支援事業を創設し、倒壊による緊急輸送道路の閉塞を防止するための取り組みを進めていますが、建築物は民間で所有している場合が多く、耐震化の促進は難しいのではないかと懸念するところであります。また、国や一部自治体では、緊急輸送道路の電柱新設を禁止しているところもあるようです。つきましては、県内において危機管理上の観点から、災害時に大事な役割を担う緊急輸送道路の確保として、沿道の建築物の耐震化への取り組みと電柱新設や無電柱化への取り組みについて、知事の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(竹本敏信君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)都築議員の御質問にお答えいたします。  まず、公文書管理と情報公開のうち、公文書管理についてであります。  議員御指摘のとおり、本県では、香川県公文書等の管理に関する条例を制定し、平成二十六年四月から施行しており、この条例に基づき、県の各行政機関では、行政文書の整理、保存の方法などに関する行政文書管理規程を定めて、統一的なルールに基づく適正な公文書管理に取り組んでいるところであります。具体的には、各行政機関では公表している基準に従い、文書ごとに保存期間を設定し、密接な関連を有する文書を簿冊にまとめて、保存期間満了時における文書館への移管または廃棄の措置を定めた上で、適切な保存に努めており、期間が満了した簿冊は、改めて専門職員を配置している文書館において、特定歴史公文書として文書館に移管するか、廃棄するかの措置を決定しております。また、条例に基づく取り組みを推進するため、県ではこれまで、初任者等の任用時の研修や全職員を対象としたe─ラーニング等を実施してきたところであり、来年二月には、昨年度に引き続き、外部の専門家を講師とした公文書管理セミナーを開催するなど、今後とも職員の意識啓発を図り、条例に基づく適正な公文書管理に取り組んでまいります。  次に、情報公開制度についてであります。  本県では、昭和六十二年四月に県民の県政への参加をより一層推進すること等を目的とした現在の香川県情報公開条例の前身に当たる香川県公文書公開条例を施行し、これまで原則公開という基本的な考え方と個人や法人等の権利、利益保護との均衡を図りながら、情報公開制度の適切な運用に努めてきたところであります。議員御指摘のとおり、近年の情報通信技術の発達や個人情報保護への県民意識の変化などに伴い、他の都道府県においては、インターネットを使った公文書情報提供サービスを開始するなど、情報公開制度等の見直しに向けた動きがあることは承知しております。情報公開条例の施行から十七年が経過し、この間における情報通信技術の発達など環境の変化に即した対応は必要と考えておりますので、今後、新たな情報セキュリティー対策の必要性や各都道府県の取り組み状況なども参考にしながら、検討を深めたいと考えております。  次に、妊娠期からの切れ目ない支援体制についてであります。  核家族化や地域のつながりの希薄化等により、妊産婦や母親の孤立感や不安感も高まっている中、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行うことは重要であると認識しており、県といたしましては、各市町に子育て世代包括支援センターの設置を働きかけるとともに、その運営への補助などの支援を行っております。具体的には、子育て世代包括支援センター等の市町保健師向けに産科医療機関、児童相談所などと連携して、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応につなげるためのマニュアルを作成しているほか、思いがけない妊娠や発達障害などの気になる子供やその保護者への支援などについての研修を実施し、専門性の向上を図っております。また、県産婦人科医会に委託したメール相談や県助産師会に委託した妊娠出産サポート事業により、各市町での対応が難しい週末や夜間における妊娠、出産や子育ての相談にも対応しているところであります。さらに、若年妊娠や配偶者から暴力を受けているなど、出産後の養育支援が特に必要と認められる妊婦等に対して、専門のコーディネーターが、各市町や関係機関と連携して、子育て支援や自立支援等を行う産前・産後母子支援事業を本年八月から開始し、先月末までに二十二人に対応しているところであり、今後、この事業等を通じて、妊娠期からの切れ目ない支援体制の一層の充実を図ってまいります。  私といたしましては、こうした取り組みを積極的に進めることにより、次代を担う子供たちを安心して生み、健やかに育てることができる子育て県かがわの実現を目指してまいります。  次に、育児と介護を同時に担ういわゆるダブルケアについてであります。  ダブルケアについては、身体的な負担のみならず、精神的、経済的負担も集中することから、保育や介護の公的サービスの提供を基本としつつ、子育てや介護に関する相談窓口等において、きめ細かな対応をしていくことが重要であると認識しております。  現在、子育てや介護に関する相談については、市町のそれぞれの窓口で受け付けており、当該窓口だけでは解決困難なダブルケア等の事例については、関係する窓口へ案内するなどの対応がなされているものと承知しております。また、本年六月の社会福祉法の改正により、市町の地域子育て支援拠点や地域包括支援センターなど各分野における相談・支援機関がダブルケアなどの生活課題を把握した場合に、適切な機関につないでいくことが努力義務とされたところであります。県としては、相談・支援機関の連携を図るため、議員御提案の先進自治体の取り組み事例等の各市町への情報提供に努めるとともに、今後、各分野の相談窓口や関連施策についての相互理解が深まるよう、子育てや介護分野の従事者に対し、ダブルケアに関する現状や課題への対応等の研修に取り組んでまいります。本県におきましても、高齢化による要介護者の増加に加え、晩婚化による出産年齢の高年齢化が進むことにより、ダブルケアに直面する世帯が今後も増加することが見込まれることから、私といたしましては、ダブルケアへの対応について、市町や関係団体とも緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。  なお、そのほかの御質問につきまして、担当部長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)高木健康福祉部長。    (健康福祉部長高木康博君登壇) ◯健康福祉部長(高木康博君)都築議員の相談窓口の利便性向上のうち、一般向け救急電話相談の利便性向上についての御質問にお答えいたします。  御指摘のとおり、一般向け救急電話相談事業は、夜間における急病やけがなどに対する不安を解消するとともに、救急医療機関への時間外の軽症患者の来院を減らし、より重篤な患者に対して必要な救急医療の提供を行うことを目的に、平成二十三年四月から都道府県レベルでは全国で初めて開始したものであり、相談実績や相談結果から一定の効果が得られているものと認識しております。  事業の実施に当たっては、一般向け救急電話相談事業の利用拡大や利便性向上のため、県広報誌やラジオ等による広報のほか、冷蔵庫などの目につきやすいところに張りつけることができるシールやマグネットの配布などの取り組みを行っているところであります。  電話番号の短縮化については、今年度実施している事業の認知度に関する県政モニターアンケートの結果や導入による費用対効果も見きわめながら検討してまいりたいと考えております。県といたしましては、県民の皆様の夜間における急病等に対する不安解消や医療機関への適正受診が効果的に推進されるよう、引き続き救急電話相談事業の周知、啓発や利便性の向上に努めてまいります。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)葛西土木部長。    (土木部長葛西 剛君登壇) ◯土木部長(葛西 剛君)都築議員の都市の危機管理における道路対策についての御質問にお答えいたします。  路面下空洞対策につきましては、県では、平成二十六年度から調査を試験的に実施し、対応しているところです。本年三月から、国においてこれまで開発されてきた技術の特徴や性能を同一条件下での比較が可能な表を作成すると伺っており、今後、この比較表を参考にして、効果的かつ効率的な調査方法を用い、空洞を早期に把握し、対応してまいりたいと考えております。  緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化については、国の補助制度を活用し、市町と連携して耐震診断や改修に要する経費に対する補助を行っており、平成二十六年度からは、多くの避難者が利用する人口密集地区内の避難路の沿道建築物について、平成三十二年度末までに耐震診断を行うことを義務づけた上で、耐震診断の補助率を引き上げ、支援の強化を行っているところであり、現在までに耐震診断四十二件、改修設計七件、改修六件に支援を行っています。今後も対象建築物の所有者に対し、文書の送付や戸別訪問により耐震化の必要性や支援制度の周知を行い、一層の耐震化の促進を図ってまいります。  次に、緊急輸送道路における電柱新設については、本県では現在、道路占用を制限する区域指定は行っておりませんが、緊急輸送道路は、災害時の救命活動や物資の輸送に必要な道路であることから、今後、電柱新設の制限が開始できるよう検討を進めてまいります。  また、緊急輸送道路における無電柱化については、現在、高松市宮脇町の県道高松善通寺線など二カ所の事業を推進しているところであり、今後も、電力、通信事業者などの関係者の御理解と御協力を得ながら、コスト縮減や国の施策の活用に努め、無電柱化を進めてまいりたいと考えております。県といたしましては、災害時においても道路の機能を確保することは、防災上非常に重要であることから、さまざまな観点から、必要な対策に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)都築議員の相談窓口の利便性向上の御質問のうち、SNSを活用した青少年の相談対応についてお答えいたします。  現在、県教育センターにおいて、青少年や保護者からの不登校やいじめ、学校生活の悩みなどについて、専門的な知識や経験を有する臨床心理士や教員経験者が、電話、来所、メールまたはファクスにより相談対応を行っているところであり、二十四時間対応できる電話相談の窓口も設置するとともに、広くその周知に努めているところです。  議員御指摘のとおり、スマートフォンの普及等に伴い、青少年のコミュニケーション手段については、電話やメールよりもSNSを用いることが圧倒的に多くなってきているところであり、長野県が試行したSNSを活用した中・高校生のいじめ、自殺相談では、電話に比べ相談件数が大幅にふえるとともに、相談内容も多岐にわたるものであったとのことであります。  一方で、SNSを活用した相談では、絵文字や短い文章でのやりとりになることが多く、相談者の心理状態を把握したり、相談者に寄り添う気持ちを伝えたりすることに困難が伴うことなどから、SNSを活用した相談に対応できる専門性の高い相談員の養成などの課題があると考えております。  また、国においては、平成三十年度に、SNSを活用した相談体制の構築に向けた調査研究として、試行的に一部の地域でモデル事業を実施することも検討されており、こうした国の事業や他の自治体の取り組みの状況を注視しながら、県教育センターにおけるSNSを活用した相談対応について、調査、研究してまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)一般質問を続行いたします。  香川芳文君。    (香川芳文君登壇、拍手) ◯香川芳文君 久しぶりに一般質問をさせていただきます。  質問の一点目は、フロン類の漏えい防止についてであります。  本年九月、環境省と経済産業省が代替フロンの規制に乗り出すとの新聞報道を目にしました。各種の冷媒に使われる代替フロンのうち、HFC、ハイドロフルオロカーボンの製造を許可制とするとともに、製造量と使用量の基準限度を設定する方針とのことであり、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律、いわゆるオゾン層保護法の改正に向け、来年通常国会への法案提出を目指すとのことであります。  フロンは、二十世紀に発明された化学物質であり、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒として世界中で使用されてきました。冷媒とは、液体が気化する際に熱を奪う性質を利用して周囲を冷やす役割を果たす物質のことであり、フロンは冷媒として非常にすぐれ、日常生活を劇的に豊かにしたことから、かつては夢の化学物質と呼ばれていました。しかし、一九七四年になり、カリフォルニア大学のローランド教授とモリナ博士が、フロンが対流圏に大量に放出され、分解されずに成層圏に達すると、紫外線により分解され、オゾン層を破壊するとの仮説を発表しました。さまざまな機関の実証研究や報告により、この仮説が理論として認められ始める中、一九八三年には、当時、気象庁気象研究所の研究官であった忠鉢 繁氏が、南極上空のオゾンホールを発見、翌一九八四年にギリシアで開催されたオゾンシンポジウムで発表するに至り、世界がフロン規制に向けかじを切ることになったのです。  一九八五年には、オゾン層保護のためのウイーン条約が採択され、この条約のもとで一九八七年にモントリオール議定書が採択、一九八九年に発効しました。これにより、オゾン層を破壊する作用を持つ特定フロンは、段階的に生産及び使用が規制され、CFC、クロロフルオロカーボンは、二〇〇九年末で全廃、HCFC、ハイドロクロロフルオロカーボンについても先進国では二〇二〇年に、途上国では二〇三〇年に原則全廃されることとなりました。この特定フロンにかわるものとして使用が進んだのが、今回報道があった代替フロンであります。代替フロンにはオゾン層を破壊する作用がなく、普及が進みましたが、近年になって地球に大きな温暖化効果をもたらす作用を持つことがわかりました。その効果は、二酸化炭素の百倍から高いもので一万倍以上あることが判明したのです。昨年、モントリオール議定書の改正が採択され、先進国は二〇三六年までに代替フロンを八五%削減することが決定しました。今回のオゾン層保護法の改正に向けた動きは、この議定書の改正を受けたものであり、また、昨年十一月に発効した温室効果ガス排出の削減をうたう気候変動に関する国際的枠組み、パリ協定の目標達成に向けた動きと考えられます。  さて、オゾン層の破壊は、紫外線による白内障や皮膚がんなどの増加を招き、地球温暖化は気候変動による海面上昇や種の絶滅のリスクを招くと言われています。これらの回避に向けては、フロン類の生産や使用を規制することはもとより、現在使用されている機器からのフロン類の漏えいを防止するとともに、廃棄等がなされる機器からフロン類を適切に回収するなどの取り組みが求められます。  国においては、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律を改正し、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律、いわゆるフロン排出抑制法として、平成二十七年四月一日から施行しました。フロン類については、これまでも第一種特定製品と呼ばれる業務用のエアコンや冷凍冷蔵機器などの整備時や廃棄時に、登録業者による回収や許可業者による破壊処理が義務づけられてきたところですが、新たに、充填についても知事の登録を受けた業者が行わなければならないこととされたほか、機器の管理者による点検等が義務づけられたところです。しかし、平成二十七年度における第一種特定製品からのフロン類回収率は、全国で三八%にとどまっており、残りは大気中に放出され、地球温暖化を進行させているものと見られます。平成二十八年五月に閣議決定された地球温暖化対策計画では、代替フロンの回収率につき、二〇二〇年度までに五〇%、二〇三〇年度に七〇%を目指すとされていますが、現状では達成が困難な状況です。フロンの漏えいを防止し、フロン排出抑制法の適正な運用を図っていくためには、冷凍空気調和機器施工技能士などの有資格者による適切な冷媒配管工事の施工やフロンの充填、回収の推進が求められるほか、初期施工不良や不適正な使用、整備、経年劣化等による機器からの漏えいを生じることのないよう、管理者による機器の点検等が適正に行われる必要があります。  ついては、本県における第一種特定製品の回収台数及びフロン類の回収の状況について知事にお伺いしますとともに、県の建築設備工事における有資格者の配置や県有施設における点検等の実施など、県におけるフロン類の漏えい防止に向けた取り組み状況について知事にお伺いします。  質問の二点目は、所有者が不明である土地への対応についてであります。  所有者が不明である土地については、先般、その面積が二〇四〇年に約七百二十万ヘクタールになり、その経済的損失が二〇一六年に約千八百億円、二〇一七年から二〇四〇年までの累積で約六兆円に上るとの試算結果が大きく報じられました。これは、増田寛也元総務大臣を座長とする民間団体、所有者不明土地問題研究会が発表したものです。  このような動きの中、国土交通省においても、本年八月に国土審議会土地政策分科会特別部会が設置され、所有者不明土地問題に関する制度の方向性等について検討が行われているところです。この特別部会においては、喫緊の課題として、所有者の探索を円滑化する仕組みと探索しても所有者が不明である土地を円滑に利用する仕組み、中長期的課題として、所有者不明土地の発生を予防する仕組みと放棄された土地の管理責任の所在等の土地所有のあり方等が検討されており、年内には中間取りまとめが行われる予定であります。  この所有者が不明である土地について、最も重要な課題が相続登記であることは周知のとおりですが、不動産取引においては、これら相続登記が未登記である事案は珍しくありません。  我が国では、不動産の権利に関する登記につき、当事者に申請義務は課せられておりません。不動産の権利の変動は、当事者間の契約や相続の事実により成立することとされており、登記は第三者に権利を主張するための対抗要件を備えるものにすぎず、相続登記の必要性に乏しいためであって、このことが所有者が不明である土地を生み出し、問題を拡大する要因となっているのです。事実、国土交通省が平成二十八年度に地籍調査を実施した地区等の中から所有権の登記一万五千三百十三個を抽出して行った調査によれば、所有権に関して最終の登記からの経過年数が五十年以上であるものが二一・五%、三十年以上五十年未満のものが二七・五%に及んだといいます。  ところで、所有者が不明である土地は、土地の権利関係だけではなく、固定資産税の徴収にも大きな影響を与えています。固定資産税は、市町村税収の約四割を占める税目です。本来、納税通知書が納税義務者に何らかの形で到達しない場合には、徴収することはできません。しかし、相続未登記の事案の中には、納税通知書が登記簿名義人である死亡者に宛てて送付され、その死亡者の親族が納税している場合もあると聞いております。  厚生労働省の平成二十八年国民生活基礎調査によると、固定資産税課税世帯のうち、世帯主が六十五歳以上の世帯が五一・七%、七十五歳以上の世帯が二三・六%を占めるそうです。  私は、所有者が不明である土地が今後も発生、拡大を続け、地方の税収に大きな影響を与えるのではないかと懸念しているところです。この問題に対して、私は、不動産登記手続の一層の簡素化や、一定期間内に相続登記が行われた場合に登録免許税を軽減するなどにより、相続登記を促す方策が必要と考えております。  一方、県においても、用地の取得や農地の集積等さまざまな場面で所有者が不明である土地への対応に当たっていることと思います。相続未登記の土地は、公共事業の円滑な推進、市町における固定資産税の徴収など、さまざまな場面で支障となっているほか、相続人の探知に要する時間や労力ほど無駄な行政コストはないと考えられます。そのほか、土地の測量、分筆など、隣接地権者の同意を要する場面において、隣接地の土地所有者が誰であるのか行き当たらないなど、影響は周辺土地の所有者にも及んでいます。所有者が不明である土地への対応は、喫緊の課題と考えます。  さきにも申し上げたとおり、現在、国において所有者不明土地問題に関する制度についての検討が進められており、その動向に注目しておく必要がありますが、所有者が不明である土地について、県としてどのように取り組むのか、知事にお伺いします。  質問の三点目は、子供に対する生活習慣病予防に向けた取り組みについてであります。  厚生労働省が行った平成二十六年患者調査で、本県の糖尿病による受療率は、人口十万人当たり二百八十二人と三重県に次いでワースト二位となりました。全国平均は人口十万人当たり百九十一人であり、本県はそれを大きく上回っています。  糖尿病は、食習慣の乱れや運動不足などの積み重ねが大きな原因として指摘されていますが、私は、正しい生活習慣を身につけるためには、子供のころからの対策が重要であると感じています。県では、糖尿病ワースト上位脱出事業として、市町が実施する小学校四年生を対象とした小児生活習慣病予防健診に助成を行っています。この平成二十八年度における健診結果によると、ヘモグロビンA1cの値から糖尿病発症のリスクが高いと考えられる子供の割合が、男子で九・六%、女子で七・九%、脂質異常のある子供が、男子で一一・九%、女子で一三・八%と将来的に糖尿病などの生活習慣病につながりかねない子供が相当多く見られたと伺っています。また、血液検査とあわせて行った生活習慣のアンケート調査によると、朝食の欠食の割合が一〇・八%、早食いが八・八%、毎日腹いっぱい食べるが一五・七%、一日に二時間以上ゲームをしているのが一七・一%と生活習慣に問題のある子供も多い状況にあります。  これらの要因については、さまざまな分析があるのでしょうが、私は、健康に対する親の意識や家庭における食生活などの生活習慣の影響が大きいのではないかと考えます。例えば、親が、味が濃く、カロリーの高い食事や砂糖や油を多く使った間食、スポーツドリンクやジュースなどの糖分が多く含まれている飲み物を多くとっていると、必然的に子供も同じものをとることとなります。夜型の生活パターンの場合は、夜食や間食の量がふえ、朝食をとらない傾向がありますが、親と一緒に子供も夜食を食べ、翌朝、朝食をとらずに学校へ出かけているなどの状況があるのかもわかりません。
     また、最近は、生活の中で歩いたり体を動かしたりする機会が減っています。子供がどこへ行くにも親が車で送迎をしていますし、親子の遊びもゲームを楽しむ時間が増加した分、キャッチボールなどの親子で体を動かす遊びの時間が減っているように感じます。  このように、家庭においては、親子の間で食生活などの生活慣習に共通する部分が多くあり、親の世代が不適切な食生活や運動不足などの好ましくない生活習慣を送っていると、子供にも悪影響を及ぼします。さらに、共働き世帯の増加により、子供が一人で食事をとる孤食がふえていると聞きます。一人での食事は、どうしても好きな物ばかり食べる、食べ過ぎるという傾向に陥りがちです。このことが、野菜不足や間食のとり過ぎにつながっている部分も大きいのではないでしょうか。  こうした状況を踏まえ、小児生活習慣病予防健診により所見のあった子供については、その後の指導が適切に行われ、改善につなげることが重要であります。健診は、受診するだけでは意味がありませんし、県でも統計をとるだけでは意味がありません。私は、生活習慣病が見られる子供やその父兄に対する事後指導を充実し、改善を図るとともに、例えば、子供が中学校に入った後に再度健診を行うなどにより、改善の状況を確認する取り組みを行うべきではないかと考えます。あわせて、この取り組みを通じて、指導の効果を検証し、よりよい指導につなげていくことが必要ではないかと考えています。  糖尿病は、慢性化すると高血糖が原因で全身の血管を傷め、神経障害や網膜症、腎症などの合併症を引き起こし、さらには動脈硬化や失明、人工透析に至るリスクもある恐ろしい病気であります。適切な事後指導を通じて、我が国の未来を担う子供の将来の糖尿病への罹患を予防し、ひいては本県における糖尿病の現状の改善にもつなげていく必要があると考えます。  ついては、子供に対する糖尿病などの生活習慣病予防に向けた取り組みについて、小児生活習慣病予防健診の結果をどう認識し、今後、どのように取り組んでいこうと考えているのか、知事にお伺いします。  質問の四点目は、オリーブ畜産物についてであります。  本県では、平成十年度以降、県特産の畜産物である讃岐牛、讃岐夢豚、讃岐コーチンを讃岐三畜と称し、銘柄化を推進するべく取り組みを進めてきました。讃岐三畜は、言うまでもなく、古来の讃岐の特産品であった綿、塩、砂糖の讃岐三白になぞらえた誇るべき名称であります。県では、讃岐三畜の銘柄のもと、産地間競争の激化に対応するべく、一体的な販売推進に努めてきたところですが、老舗ブランド畜産物との競争では苦戦を強いられ、新たな魅力の付加が望まれてきました。  ここで登場したのがオリーブ畜産物であります。平成二十二年度に小豆島の篤農家が苦労の末、讃岐牛の新たなブランドとしてオリーブ牛を開発しました。  改めて申し上げるまでもなく、小豆島は日本のオリーブ栽培発祥の地であります。明治四十一年、小豆島のほか、三重、鹿児島の三カ所でオリーブの試験栽培を行ったところ、小豆島に植えられたものだけが根づいたことに端を発し、現在も本県が栽培面積、生産量ともに日本一を誇っています。このオリーブからオリーブオイルを搾油した後の果実を乾燥させたものを飼料として、出荷前二カ月以上讃岐牛に与え飼育したものがオリーブ牛であり、うまみ成分ややわらかさ、抗酸化成分の測定値が高く、平成二十三年三月からは、県内外へ向け販売を促進しています。オリーブ牛に関しては、健康によいとされているオリーブを給与している点で、他の和牛にない商品価値を有するとの感触を得ていると伺っています。  県が実施した平成二十八年度県産品認知度調査によると、全三十二品目中、オリーブ牛の認知度は県内で八六・七%で一位、首都圏では八・八%で丸亀うちわに次ぐ二位、関西圏では一八・八%で一位、三エリア全体でも三〇・六%で一位となったほか、一年前の前回調査からの認知度上昇ポイントも六・四%と継続調査に係る二十七品目中トップであるなど、高い認知度を誇っており、ブランドとして着実に定着しつつあります。また、平成二十七年七月には、オリーブ飼料を給与した新たなブランド豚であるオリーブ夢豚、オリーブ豚が開発されました。  讃岐三畜の一つである讃岐夢豚は、平成六年にイギリスから導入したバークシャー種を五〇%以上で交配して開発された品種であり、一般の豚より約一カ月長い七カ月をかけ、麦類の給与により飼育されています。この讃岐夢豚に出荷前三十日以上、麦類を八%以上含む飼料にオリーブ飼料を〇・五%以上混合して給与し、育て上げたものがオリーブ夢豚であります。また、県内には、讃岐麦豚、もち豚といった麦類を給与された県産の銘柄豚があり、これらに同様にオリーブ飼料を与え、飼育したのがオリーブ豚です。オリーブ飼料の給与による甘み成分の高まりが確認されており、中でもフルクトースと呼ばれる果糖が高く、他の成分と相まっておいしさを高めています。オリーブ夢豚、オリーブ豚は、各種のイベント出店において好評を博しているほか、オリーブ豚は、ふるさと納税返礼品として人気を高めているなど、PR効果も高まっているところです。また、オリーブ夢豚、オリーブ豚に関しては、さきの平成二十八年度県産品認知度調査の三エリア全体の認知度で一七・三%と既にブランド県産品の平均認知度を上回る高い結果を得ています。  私は、讃岐三畜から誕生したオリーブ畜産物の推進が、本県の畜産振興につながるものと考えています。オリーブをブランド名に冠することによる消費者への訴求力は高く、今後の海外展開も視野に入れ、オリーブ畜産物の生産振興や販売促進に向けた取り組みを進めていくことが重要と考えております。  ついては、まず、オリーブ牛、オリーブ夢豚、オリーブ豚の出荷の状況について知事にお伺いしますとともに、今後のオリーブ畜産物の推進に向けた取り組みについてどのようにお考えか、知事にお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(竹本敏信君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)香川議員の御質問にお答えいたします。  まず、フロン類の漏えい防止に向けた取り組みについてであります。  議員御指摘のとおり、フロン類の漏えいによるオゾン層の破壊や地球温暖化の防止を図るため、平成二十七年四月にフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律、いわゆるフロン排出抑制法が施行され、第一種特定製品である業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収に加え、充填作業についても県への事業者登録が定められたほか、業務用冷凍空調機器の管理者に対しても適正な定期点検が義務化されるなど、フロン類の漏えい防止対策が強化され、これに基づき、県においても機器の管理者等への指導を行ってきたところであります。  お尋ねの本県における第一種特定製品の昨年度の回収台数は、約一万六千二百台で、フロン類の回収量は、過去最高の約四十五トンとなっております。これは、フロン類充填回収業者や機器の管理者に対し、フロン排出抑制法の内容についての説明会の開催や立入検査を行ったことなどにより、フロン類回収の意識が高まってきたことによるものと考えております。  また、県有施設については、フロン排出抑制法の周知徹底を図り、該当する機器の定期点検等を適切に実施しているところであり、県の建築設備工事においては、フロン類を取り扱う際には、有資格者として冷凍空気調和機器施工技能士を配置することを求めています。今後とも、さまざまな機会を捉えて、フロン類充填回収業者や機器の管理者に対し、定期点検の実施や故障の際の速やかな修理、廃棄時の適切な回収が行われるよう啓発を行っていくとともに、立入検査の際には、適正にフロン類を取り扱うよう指導を徹底するなど、フロン類の漏えい防止に努めてまいります。  次に、所有者が不明である土地への対応についてであります。  人口減少や超高齢社会を迎え、土地に対する国民の意識、家族や相続の形態が変化する中で、相続時に登記の名義変更が行われていないことなどにより、真の所有者の特定が困難な土地が発生しており、今後、さらに増加することが見込まれております。議員御指摘のとおり、現在、国土交通省の国土審議会土地政策分科会特別部会において、所有者が不明な土地を円滑に利用するための仕組みとして、収用手続の合理化や円滑化、収用制度の対象とならない公共的事業への対応等が検討されております。また、このほか所有者の探索を合理化するため、有益な所有者情報へのアクセス手法や聞き取り調査範囲の明確化等についての検討もなされており、年内には中間取りまとめが行われることとされています。  こうした中、県においては、土地所有者の調査方法や所有者が不明な土地の解決事例等について国が取りまとめた所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドラインも活用しながら、このような土地の所有者の特定に努めており、各市町に対しては、用地担当職員の研修等の際に、本ガイドラインの効果的な活用について情報提供や助言等を行っております。また、各市町においても、固定資産税の円滑な徴収のために税務担当部門と住民担当部門とが連携した対応を進めています。所有者が不明である土地の対応につきましては、引き続き農地や森林を相続等により取得した場合の届け出制度の適切な運用を図ることなどにより、こうした土地の増加の抑制に努めるとともに、現在検討がなされている国の動向にも注視しつつ、市町との情報共有や連携を図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。  次は、子供に対する生活習慣病予防に向けた取り組みについてであります。  小児生活習慣病予防健診につきましては、平成二十四年度の開始以降、毎年八千人程度の児童を対象に血液検査や生活習慣アンケートを行ってきましたが、毎年一割程度の子供に脂質異常や肝機能障害、糖尿病リスクが高いなどの結果が出ており、また、食習慣や運動習慣も改善されているとは言いがたく、子供の生活習慣病対策は重要課題であると考えております。  このような中、県では、これまで保護者向けの啓発用チラシを作成、配付するほか、栄養士など食の専門家を外部講師として小学校に派遣するなど、生活習慣病の予防に向けた普及啓発に努めるとともに、今年度からは新たに県、市町、小児科医等の専門家による検討会を設置し、基準値の見直しなど健診制度の維持、向上や健診結果の分析などに関する検討を進めているところです。また、健診の事前、事後の指導をより効果的に行うため、学校で児童が健診の前と後に視聴するDVDと、家庭で保護者と児童が健診結果を振り返りながら生活習慣について考えることができるように工夫したリーフレットを新たに作成したところであり、今後、県内の全小学校に配付することとしています。  議員御提案の中学生に対する生活習慣病予防健診の実施につきましては、小学生に対するフォローアップとして継続した生活習慣指導ができることから、意義がある取り組みと認識しており、一部の中学校では既に実施されておりますが、市町間で対象学年や検査項目等にばらつきがあり、今後、実施している市町の取り組み状況や結果などについて調査してまいりたいと考えております。私といたしましては、まずは教育委員会や市町と連携を図りながら、各小学校における児童への健康教育の充実や、治療や指導を要する児童とその保護者への的確な事後指導の徹底を図るなど、子供の生活習慣病予防に向けた効果的な取り組みを推進してまいりたいと考えております。  次は、オリーブ畜産物についてであります。  オリーブ牛は、平成二十二年度の販売開始以来、県内外の需要拡大に応じて、昨年度の生産頭数は一昨年度の千八百十七頭から二千二百七十七頭へと増加いたしましたが、子牛価格の高騰もあり、今年度は昨年度並みの出荷見込みとなっております。  オリーブ夢豚とオリーブ豚の生産頭数は、平成二十七年度の販売開始以来、強い需要に支えられ、昨年度は一昨年度の六千五百八十六頭から一万四千七百二十二頭へとふえており、今年度は約一万六千五百頭が見込まれております。  今後は、オリーブ牛につきましては、本年九月に開催された全国和牛能力能力共進会で脂肪の質賞を受賞し、高い評価を受けたことから、各種イベントで「脂肪の質日本一!」としてPRするなど、一層の販売促進に努めるとともに、受賞牛やその系統の牛から脂肪の質の良好な遺伝子を持つ牛を調査、選別し、高品質なオリーブ牛の増頭を図ってまいります。  さらに、海外での富裕層の多い地域等をターゲットに、効果的な情報発信を行い、輸出促進や国内販路拡大を一層推進してまいります。  オリーブ夢豚とオリーブ豚につきましては、国の畜産クラスター事業を活用した畜舎整備や機械導入などの支援を行うとともに、畜産試験場から優良な種豚を農家に供給することで、増頭を推進してまいります。  また、各種イベントでのPRやキャンペーンに加えて、レタスなどの県産野菜とあわせたメニューを販売店や料理教室などで紹介することにより、販売促進を図ってまいります。県といたしましては、こうした取り組みを通して、オリーブ畜産物の生産振興や販売促進をより一層推進してまいります。(降壇) ◯副議長(竹本敏信君)理事者の答弁は終わりました。  本日の一般質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(竹本敏信君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十二月十二日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時五十七分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....