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  1. 山口県議会 2021-09-01
    09月16日-05号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 3年 9月定例会   令和三年九月山口県議会定例会会議録 第五号      令和三年九月十六日(木曜日)  ────────────────────        議事日程 第五号      令和三年九月十六日(木曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号                会議に出席した議員(四十三人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(一人)                          酒   本   哲   也 君                欠 員(三人)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         小 松 一 彦 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       藤 田 昭 弘 君                    総合企画部長      平 屋 隆 之 君                    産業戦略部長      平 野 展 康 君                    環境生活部長      神 杉 さとみさん                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      松 岡 正 憲 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      内 畠 義 裕 君                    財政課長        稲 垣 嘉 一 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        山 本 英 信 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        西 村 和 彦 君                    公安委員長       弘 田   公 君                    警察本部長       谷   滋 行 君                    代表監査委員      河 村 邦 彦 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員会事務局長   大 田 淳 夫 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        前 田 安 典 君                    事務局次長       粟 屋   桂 君                    総務課長        原 田 和 生 君                    議事調査課長      柳 原 廉 均 君                    政務企画室長      白 井 雅 晃 君                    秘書室長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          高 尾 大 輝 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十三号まで、十五号及び十六号 ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号まで、十五号及び十六号を議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 新造健次郎君。    〔新造健次郎君登壇〕(拍手) ◆(新造健次郎君) 皆様、おはようございます。自由民主党の新造健次郎であります。 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 最初に、ウォーカブルまちづくりについてお尋ねいたします。 人口減少や少子高齢化の進行により、本県でも商店街をはじめ地域の活力の低下が大きな社会問題となる中、町の魅力を向上させ、地域ににぎわいを創出するまちづくりが求められています。 世界中の多くの都市では、街路を車中心から人中心へと再構築する観点から、沿道と路上を一体的に使って人々が集う憩いの場所へと変えていく取組が進められており、これからの取組により活力が生まれた都市は高い国際競争力を実現しています。 こうした背景を踏まえ、国は令和元年度に、居心地がよく歩きたくなる町なかの形成を目指して、市町村や民間事業者等による取組や産学官等の多様な主体が連携する取組を支援する、まちなかウォーカブル推進プログラムを策定しました。 このプログラムに賛同し、国とともに取組を進めるウォーカブル推進都市は、現在三百十四団体を数え、本県では周南市をはじめ五市が参加しているところです。 私としては、ウォーカブル推進都市を中心としながら、本県においても居心地がよく歩きたくなるまちづくりを進めていくことに大いに期待しております。 こうした新しいまちづくりにおいて、私が特に注目しているのがベンチであり、ベンチに人々がたたずむ町の風景をつくり出すベンチプロジェクトが各地で始まっています。 ベンチを置くと、風景や人、町が変わります。ベンチがあるだけで、ただ通過するだけの場所が人のたたずむ場所へと変わり、人々の滞在時間が長くなり、行動範囲が広がり、経済効果も高まり、そして、町への愛情が大きくなると言われます。 私の地元の新南陽には、新南陽駅から永源山公園への道として、ゆめ風車通りがありますが、この通りは新南陽高校の生徒の通学路であり、古くからあるお店やおしゃれな店もあります。そんな通りに、ベンチを置くことによって、新南陽高校の生徒と地域との交流や触れ合いが新たに始まっており、新南陽高校の生徒もこの通りのボランティア活動に積極的に参加するなど、地域活性化の一翼を担っております。 街路の活用については、歩行者の円滑な通行の確保や交通安全対策への配慮が必要になるとは思いますが、ただ通過するだけの無機質な道路ではなく、ベンチを置くことで、人や地域に元気や活力が生み出るなど、人々の交流や滞在時間が拡大するまちづくりにつながるのではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。地域の魅力向上やにぎわいの創出を図るため、居心地がよく歩きたくなるウォーカブルまちづくりを今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、欧米豪からのインバウンドの推進についてお尋ねいたします。 本県は、本州の最短に位置し、昔から東アジアとの交流を行っている縁もあることから、インバウンドについては、韓国、台湾、香港、ASEAN、中国を重点五市場として捉え、観光プロモーターを核として、ニーズや関心の高いコンテンツなど、国や地域の特性を踏まえたアプローチを展開してきております。 アジアからの集客は順調である一方、欧米豪からの誘客はなかなか進んでいないのが現状であります。 これらの国々から来る観光客は、わざわざ遠い日本まで行くのだからということで滞在日数が長く、アジアからの観光客に比べて支出金額が高いという特徴があります。 本県の持続的インバウンドの推進を考えるとき、観光産業が潤っていくためには、観光消費額を上げていくことは欠かせませんし、そのために欧米豪からの誘客にもしっかり取り組まなければならないと考えます。 仮に、本県単独では困難というのであれば、近県とも連携して、地域としてのブランド化や情報発信をやっていく必要があると思います。 こうした状況の中、せとうちDMOによる取組があります。これは、世界有数の多島美を誇る瀬戸内海を囲む七県が連携し、観光資源を最大限に活用しながら、効果的なマーケティングやプロモーションを行う組織であり、もちろん本県もメンバーとなっております。 先日、私は、せとうちDMOの方からいろいろな話を聞きました。訪日数では、東アジアが上位ではありますが、海外旅行マーケット市場では、圧倒的に欧米豪が多い。また、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカなどは、潜在的な市場規模は大きく、その国々の人から見ると、日本の瀬戸内には特別に関心の高い要素を多く持っているとのことです。 欧米人にとって、瀬戸内が持つクルーズ、サイクリング、アート、食、宿、地域産品の魅力にはとても高いポテンシャルがあり、それをしっかり伝えていくことは重要な戦略となると考えます。 例えば、せとうちDMOでは、まずは瀬戸内を知ってもらおうと、新しい特産品としてレモンという素材に絞って、レモンに関するあらゆる分野で瀬戸内ブランドとしての知名度を上げるように様々な取組を行い、その効果や成果が出ていると聞きました。 瀬戸内海の気候は、地中海に似ていることから、様々な場所でいろいろなかんきつ類が多くとれるので、広島県のレモンだけではなく、山口県のミカンや岡山県のオリーブなどにおいても差別化を図りながら、新たな魅力発信ができると考えられます。 また、本県は、せとうちDMOに若手職員を出向させ、負担金も負担しておりますことから、積極的に情報交換し、他県の取組も参考にしながら、本県独自の新しい取組に挑戦することも大切ではないでしょうか。 せとうちDMOとしては、コロナ禍の今後の見通しとして二○二二年に国内旅行客数が回復し、海外でも回復するのが二○二四年と判断しております。 したがって、時間的な余裕が十分にあるということで、本年から三年間の戦略をつくり、国内外の感染状況を見極めつつ、段階的回復に向けて取組を進めていくこととしております。 そこでお尋ねいたします。ポストコロナを見据え、せとうちDMOをしっかりと活用しながら、欧米豪からのインバウンドの推進にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、本県農業の新たな魅力発信に向けてお尋ねいたします。 長期化するコロナ禍の影響により、都市部においては、田園回帰志向が以前に増して高まっており、地方移住に関心を寄せる人が増えています。三密の環境となりやすい都会を離れ、ゆったりと暮らせる田舎暮らしを求める人が増えており、農業は移住希望者にとって人気の高い仕事として注目されています。 担い手の減少や高齢化といった課題を抱える本県農業にとっては、新たな就農者を確保できる、まさにビッグチャンスであります。このチャンスを生かし、本県への就農に結びつけていくには、本県農業の持つ強みをしっかりとアピールし、就農希望者のハートをがっちりとつかまなければなりません。 彼らに響く本県農業の強みとは、一体何でしょうか。私はずばり他県に比べてハイレベルな受入れ体制にあると考えます。 就農に向けた準備から就農後の経営安定に至るまで、充実した給付金や技術指導によりしっかりサポートする体制が整っているのは、まさに強みです。 では、それだけで人を呼び込むことはできるのでしょうか。私は、受入れ体制の整備と同様、就農希望者本県農業の未来に夢や希望を持てるようなビジョンを示すことが、大きな強みになると考えます。 担い手の減少や高齢化は、今後さらに進展していきます。このような中で、農作業の省力化を可能にし、栽培技術の継承が期待されるスマート技術の果たす役割は今後ますます大きくなります。 希望する人がスマート技術を活用し、生産性を高めながら収益を上げていく。そのように未来へ向けて県は積極的に取り組まなければなりません。 また、今後、農業分野においても、脱炭素化の動きが加速化していきます。化学肥料や化学農薬を使わない有機栽培など、環境負荷を低減する農業にも県としてどのように対応し、どのように現場に広めていくかも重要な課題です。 私は、未来を開く原動力とされるデジタル化グリーン化に迅速かつ的確に対応し、本県農業の将来性を示すことこそが、就農希望者への訴求力を高める大きな魅力になるものと考えます。 県には、本県農業の新たな魅力発信に向けて積極的に取り組んでいただきたいと期待しております。 そこでお尋ねいたします。都市部において田園回帰志向が高まる中、本県への就農につなげていくには、デジタル化グリーン化に的確に対応し、本県農業の新たな魅力として積極的に発信していくことが重要でありますが、県としてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、テレワークを活用した移住等の推進についてお尋ねいたします。 コロナ禍を契機としたニューノーマルの模索をする中で、大きなインパクトを与えたのがテレワークの広がりであります。 業種による隔たりはありますが、仕事はオフィスに出勤してするものという、それまでの常識が覆され、首都圏を中心に働き方や生活様式そのものが見直され始めています。 東京に本社を置くヤフーでは、コロナ収束後もテレワークの積極活用を進めることとし、今年十一月までに都内にあるオフィスを約四割縮小するという方針であるとのことです。 このように、テレワークの活用は、コロナ禍における出勤抑制という一時的な導入から、在宅勤務を軸とした新しい働き方の定着へ一段階ステージを上げて進みつつあるようです。 こうした中、県においては、仕事を続けながら地方に移住する転職なき移住や、余暇を過ごしながら仕事をするワーケーションなど、テレワークを活用した新たな需要を山口県に呼び込もうと、県庁一階にテレワークモデルオフィスとなる「YY!SQUARE」を、宇部空港にはワーケーション総合案内窓口となる「YY!GATEWAY」を開設されました。 利用者の中には、東京本社にはほとんど出社することなく、県庁一階のオフィスで仕事をしているという方もおられるそうで、これらの拠点が広がりつつある需要の受皿となって、県内移住や関係人口の増加につながっていくことを私としても大変期待しております。 一方で、こうした動きは、本県だけではなく全国の様々な地域で始まっております。 お隣の島根県松江市では、観光資源を活用したワーケーションツアーを民間企業と企画し、大都市部の企業や個人に売り込んでいくとのことです。 また、滋賀県彦根市では、データサイエンスに力を入れる地元大学の学生も呼び込んだ、起業の場としてのテレワークオフィスづくりを進めていることのようです。 このように、テレワークを活用した移住や関係人口の増加に向けた取組は、ある種の獲得競争の様相を呈してきております。 過度な競争意識を持つことはありませんが、本県としてどのような特色やメリットを打ち出していくのか、また、どう首都圏の企業・個人の潜在ニーズに対して訴求力のあるアピールをしていくのかといった積極的な戦略を持つことは重要なことです。 あくまでも拠点の設置はスタートであり、本県のこれまでの施策や強みを生かした実効性のある取組をこれからも継続的に展開していくことが必要だと考えます。 そこでお尋ねいたします。新たに設置された二つの施設を皮切りに、本県としては今後どのような戦略を持ってテレワークを活用した移住や関係人口の増加にどう取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、デジタル時代の子供の健康対策についてお尋ねいたします。 近年、我々の身の回りでは、ICTの普及が急速に進んでおり、スマートフォンタブレット端末を使用して調べ物をすることや、動画を視聴することが当たり前になるなど、一昔前とは生活スタイルが大きく変化しております。 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりデジタル化が加速化しており、例えば、ビジネスの場面ではZoomなどを使用したオンライン会議が一般的になり、また、私生活においてもコミュニケーションのツールとして活用されるなど、デジタル化の進展と比例して、デジタル機器を使用する機会が増加しております。 これは必ずしも大人に限ったことではなく、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などを背景に、子供たちにとっても同様にデジタル機器を使用する機会が増加しており、今やデジタル機器子供たちの周りでは当たり前にある時代となっております。 こうした中、先般、文部科学省から令和二年度の幼児、児童及び生徒の発育や健康状態に関する調査の結果が公表され、それによると裸眼視力が一・○未満の子供の割合が、小学生が三七・五二%、中学生が五八・二九%、高校生が六三・一七%となっており、特に、小中学生はここ十数年、視力低下傾向が続いていることに加え、過去最高値の昨年度を上回る数値となっています。 このような中、本県において、令和二年度末までに全ての公立の小・中・高等学校に一人一台のタブレット端末がおおむね整備されたところです。今後、子供たちの学びの充実に向けて積極的に活用されることが期待される一方、こうした機器の使用時間の増加に伴い、子供たちの視力低下が進むことが懸念されます。 こうした子供の視力低下は、世界的にも増大しており、子供の視力低下対策に取り組む国、地域が増えていると聞きます。 台湾では、十年以上前から一日二時間、屋外で過ごすように小学生に推奨し、視力の低い子供の割合を減らす取組を行っていると報道で見たことがあります。 本県においても、こうした事例を参考に、例えば、タブレット端末等を使用する授業では、正しい姿勢を保つこと、時間を決めて遠くを見るなどの工夫をすることで、子供の目や骨格などに配慮した取組を検討することもできると思います。 また、端末を家庭に持ち帰り、学習等を行う場合も使用ルールの設定など、保護者の協力も得ながら視力低下や心身の不調を防ぐ取組も行うことも考えなければなりません。 県教育委員会には、視力低下をはじめとして、デジタル機器の利用などに伴う子供たちの健康への影響に十分留意しながら、子供たちの学びがこれからも充実したものとなるように取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。一人一台タブレット端末の整備が進み、今後、学校教育においてデジタル機器等のさらなる活用が見込まれる中、子供たちの健康への対策について、県教育委員会としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、若年層の犯罪被害者対応についてお尋ねいたします。 犯罪発生件数が、全国、山口県内ともに減少する中、うそ電話詐欺のような住民が不安に感じる犯罪の発生は、コロナ禍を巧みに利用して、昨年よりも被害額が増加するなど、予断を許さない状況であるといえます。 中でも、県内のサイバー犯罪の今年上半期の相談件数は千八百六十二件であり、前年同期比四百三十五件の大幅増加となり、統計を取り始めた二○○○年以降では過去最多となるということであります。 新型コロナウイルスの影響で外出機会が減少したことにより、インターネットを利用する機会が増えたことも要因の一つであるようですが、相談内容としては、ショッピングサイトで商品を購入したが、届かないという詐欺、悪質商法が最も多いということです。 最近は、現金での支払いではなくクレジットやプリペイドカード決済などにより、クレジットや電子マネーが大変便利で身近な時代になり、若年層においてもとても使いやすい手段であるようです。 しかし、アイチューンズカードなどのように、カード番号さえ分かれば誰でもどこからでも引き出せるような便利なものもあり、こういう便利な手段を使って金銭詐欺に遭う被害も生まれやすい状況が出てきているようです。 知人の大学生の子供さんが、このカードを使ってお金をだまし取られるという詐欺に遭いました。うそ電話詐欺などでは、独居または高齢者世帯のみで居住している方に対して固定電話に電話をかけるなどして被害に遭われるケースが多いようですが、ショッピングサイトなどを利用した詐欺では、パソコンやスマートフォンの操作に精通している若者世代、若年層が被害に遭うケースも多いようです。 県警では、高等学校等の新入学生、保護者を対象に、情報モラル教室を開催し、サイバー犯罪の危険性などについて講習を実施しているようですが、相手はだまそうとしてくる犯罪者であり、詐欺被害に遭ってしまうこともあるのかと思います。 成人年齢の引下げにより、様々な契約関係も保護者の同意なく行われるようになりました。進学や就職で親元を離れ生活し、保護者の目が行き届かなくなることもあります。 さきの被害者の学生は、警察に関わることが初めてで、警察官とのやり取りする上で行き違いもあり、被害届の受理まで時間がかかってしまったということも聞いております。 警察への相談、届出というものは大人であっても勇気のいることであります。若年層であれば、なおさら警察に対する敷居は高いものであるということは間違いありません。警察は有事の際に信頼され、頼られるべき存在でなくてはなりません。相談、届出がどのような手続で流れていき、今後どのようなことをしなくてはならないかということについて、相手の心情に寄り添った丁寧な対応が必要ではないでしょうか。 そこで、県警本部長にお聞きします。これから増加が見込まれるサイバー犯罪などから若年層を守っていくために、その特性・心情に配慮した対応や警察安全相談カード、被害届、供述調書などの警察用語と、その違いについても分かりやすい説明が必要だと考えますが、警察組織における捜査員に対する指導、教養を含めて、県警として今後どのような取組をしていくのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 新造議員の御質問のうち、私からは、テレワークを活用した移住等の推進についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍を契機に、テレワークが急速に普及し、出勤は月に数回、残りはテレワークという柔軟な勤務形態が現れ、職場に近い都心に住む必然性が薄れたことで、東京からの人口流出が生じています。 私は、県政の最重要課題である人口減少を食い止めるためには、こうした動きをしっかりと捉え、新たな人の流れを本県へ確実に呼び込んでいく必要があると考えています。 このため、全県的な推進体制として、移住促進に取り組む「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議に、新たにテレワークワーケーション専門部会を設置し、市町や関係団体と緊密に連携を図りながら、地方創生テレワークワーケーションの推進に一体的に取り組んでいます。 その拠点となる施設として、お示しのとおり、県庁一階に、やまぐち創生テレワークオフィス「YY!SQUARE」を、また、山口宇部空港内に、やまぐちワーケーション総合案内施設「YY!GATEWAY」を新たに開設したところです。 転職なき移住の実現を目指す地方創生テレワークの推進に当たっては、まずは、都市部テレワーカーを受け入れるための体制づくりが重要となります。 このため、現在、両施設を拠点に、県内におけるコワーキングスペース等のネットワークの構築を進めており、さらに、先進事例の横展開を図ることで、各地域での取組を一層充実させてまいります。 そして、これらの情報を都市部の企業や従業員に向けて効果的に発信をし、本県でのテレワーク実施の機運を高めるとともに、将来的なサテライトオフィス等の呼び込みにもつなげていきたいと考えています。 地方創生テレワークの裾野を広げるワーケーションについては、全国的に誘致競争が激しくなる中、本県が目的地として選択されるよう、地理的に優位な首都圏近隣県や先進地との差別化を図っていく必要があります。 このため、他の地域のような観光やレジャーだけでなく、企業の生産性向上やイノベーションの創出など、ビジネス面のメリットを強調した、本県ならではの特色あるプログラムを提供する山口型ワーケーションを実施してまいります。 私としては、特に、県内企業との交流を通じて新規ビジネスの創出を目指す企業交流プログラムや、地域との交流活動を新たなマーケットの開拓にもつなげる地域交流プログラム等の開発を進め、企業の人材育成や事業展開の場として、本県を売り込んでいきたいと考えています。 また、今後の誘致活動に向けては、県進出企業や県人会、在京同窓会等の地縁のある団体や、ワーケーションや地方創生テレワークを推奨する企業など、潜在ニーズが高いターゲットに対し、戦略的なプロモーションを展開してまいります。 現在は、デルタ株の猛威により、積極的な働きかけを行いにくい状態にありますが、感染状況を踏まえながら、さらに、首都圏企業等を対象とするワーケーションのモニターツアーやオンラインツアー等も実施し、本県の魅力を積極的にアピールしていくこととしています。 私は、引き続き、市町や関係団体との連携の下、地方創生テレワークワーケーションを積極的に推進することにより、本県への移住促進や関係人口の創出・拡大に確実につなげてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) ウォーカブルまちづくりについてのお尋ねにお答えします。 人口減少や少子高齢化が進行し、中心市街地の空洞化などにより地域活力の低下が懸念される中、都市の魅力を向上させ、町なかににぎわいを創出するためには、人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げることができる道路空間を整備することが重要です。 このため、県では、地域の特性に応じて、街路樹やポケットパークの整備、無電柱化の推進等により、快適で歩きやすい道路空間の創出に努めているところです。 また、民間の取組として、新南陽地区をはじめ県内各地において、地元関係者が主体となって、ベンチの設置や花壇の手入れ、清掃など、歩行空間の魅力向上に資する活動も行われています。 こうした中、昨年、改正都市再生特別措置法等が施行され、町なかにおける交流・滞在空間の創出を図るため、市町が設定する、まちなかウォーカブル区域内において、市町の事業に対する国費率のかさ上げや、民間事業者等が民地のオープンスペース化等を行った場合の税の優遇措置など、新たな制度が創出されました。 また、昨年の改正道路法の施行により、道路管理者が指定した区域において、民間事業者等が路上にオープンカフェやベンチ等を設置するための占用許可の基準が緩和されたところです。 お尋ねのウォーカブルまちづくりを進めるためには、官民一体となった取組が有効であることから、まちづくりの主体である市町や民間事業者等が、これらの制度を積極的に活用できるよう支援していくことが必要と考えています。 このため県では、お示しのウォーカブル推進都市である周南市をはじめ県内市町に対し、引き続き制度の有効性や活用事例の情報提供を行うとともに、地域の実情に応じた助言を適切に行ってまいります。 また、県が管理する道路において、市町等が路上の環境整備の取組を進める際には、占用許可基準を緩和する区域等の指定などにより支援を行う考えです。 県としては、今後とも居心地がよく、歩きたくなる町なかの形成を目指し、市町と連携してウォーカブルまちづくりに取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 三坂観光スポーツ文化部長。    〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 ◎観光スポーツ文化部長(三坂啓司君) 欧米豪からのインバウンドの推進についてのお尋ねにお答えします。 現在、海外からの誘客は、入国制限措置などにより極めて厳しい状況にありますが、訪日旅行の潜在的需要は依然として高く、特にお示しの欧米豪市場は、観光消費額が大きく、今後の拡大が期待できることから、こうした需要を本県に確実に取り込むことが重要です。 このため、瀬戸内七県が参画し、欧米豪からの観光客誘致に積極的に取り組んでいる、せとうちDMOと連携し、感染収束後を見据えた戦略的なプロモーションや受入れ環境の整備を推進していくこととしています。 まず、戦略的なプロモーションについては、せとうちDMOが欧米四か国に配置している現地エージェンシーを活用し、各市場のニーズに応じた効果的な情報発信を行うとともに、在留外国人を招いた視察ツアーの実施やSNSを活用したマーケティングなどの取組を積極的に展開していきます。 また、欧米豪市場との強力なネットワークを有する航空会社と連携し、旅行商品の造成やオンライン商談会を行うほか、欧米豪からの観光客が多い東京や広島の観光案内所において、県内の観光情報を効果的に発信し、本県への誘客につなげてまいります。 次に、受入れ環境の整備については、せとうちDMOと連携し、歴史、文化、自然体験等、欧米豪の観光客のニーズが高い体験型コンテンツの造成を支援し、これらを活用した新たな広域周遊ルートの開発に取り組むこととしています。 また、滞在拠点となる宿泊施設が実施する感染拡大防止や高付加価値化・収益力向上を図る取組を支援するとともに、「やまぐち Free Wi─Fi」の導入促進や多言語コールセンターの運用など、インバウンドの受入れ環境の充実に努めていきます。 県としては、今後とも政府の水際対策を注視しつつ、せとうちDMOや交通事業者等と緊密に連携し、ポストコロナを見据えた欧米豪からのインバウンドの推進に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 本県農業の新たな魅力発信についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進む中、本県農業を持続的に発展させるためには、新規就農者の安定的な確保が重要であることから、これまで全国からの就農希望者に対し、募集から定着まで一貫した、日本一の担い手支援策を積極的に展開しているところです。 こうした中、コロナ禍の影響により、田園回帰の流れが高まるとともに、先端技術の進展や脱炭素化への対応など、農業を取り巻く環境が大きく変化していることから、担い手確保に向けては、これらの変化に的確に対応しながら、本県農業の将来をしっかりと示していくことが必要です。 このため、農業の未来を開く原動力となるデジタル化グリーン化に迅速かつ的確に対応するとともに、就農希望者本県農業の未来に夢や希望を持てるよう、これらの取組を積極的に発信していきます。 まず、デジタル化については、作業の省力・軽労化が実現できるよう、本県の基幹作物である水稲を中心に、GPS機能付トラクターやドローンなど、スマート農機の導入効果の実証と現地普及に取り組みます。 また、新規就農者であっても高い収益が確保できるよう、ベテラン農家の栽培管理が再現できる環境制御やかんきつにおけるIoTを活用した栽培システムなど、早期に高品質安定生産が可能となる技術体系を構築します。 次に、グリーン化については、脱炭素や環境保全に最も高い効果を有する有機農業に安心して取り組めるよう、国の試験研究機関等とも連携し、気象変動にも対応できる栽培技術の確立を図ります。 さらに、有機農業を志向する就農希望者がスムーズに農地の確保や技術支援を受けられるよう、市町や関係団体等と連携して、市町単位での受入れ体制を強化します。 加えて、こうしたデジタル化等への積極的な取組や、先端技術などを活用して夢を実現している先輩農業者の生の声などを本県農業の将来性や新たな魅力として、就農ガイダンスや各種SNS等を通じて広く全国に発信していきます。 県としては、県外からの新規就農者のさらなる確保に向けて、デジタル化グリーン化に的確に対応しながら、本県農業の新たな魅力発信に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) デジタル時代の子供の健康対策についてのお尋ねにお答えします。 子供たちの視力の低下傾向が続いている中、本県では、一人一台タブレット端末等を活用した教育活動が本格的にスタートし、今後、学校や家庭でのデジタル機器の使用時間が増えることが見込まれることから、目の健康をはじめとした子供たちの健康対策に取り組むことが重要であると考えています。 このため、県教委では、情報の授業をはじめ、タブレット端末の配付時に行う情報モラル研修など、あらゆる機会を捉えて、長時間の利用を控えるなど、健康に留意して使用するよう指導しているところです。 こうした中、本年三月、文部科学省からの通知の中で、ICTの活用に当たっての児童生徒の目の健康などに関する配慮事項として、よい姿勢を保ち目と画面との距離を三十センチ以上離すこと、三十分に一回は二十秒以上画面から目を離して遠くを見ること、就寝一時間前からICT機器の利用を控えることなど、具体的な対応策が示されたところです。 県教委では、この通知に沿って児童生徒の健康への配慮がなされるよう、県立学校や市町教委に周知するとともに、県立学校の児童生徒が使用する一人一台のタブレット端末に啓発リーフレットを掲載し、注意喚起を行っているところです。 また、今年度、文部科学省においては、全国の小中学生を対象に近視の実態調査を実施し、視力悪化の詳細やライフスタイルとの関連等を明らかにした上で、子供の視力低下の予防に必要な対策を講じることとされています。 県教委といたしましては、一人一台タブレット端末等のICTを活用した子供たちの学びの充実に当たっては、こうした国の動向も踏まえながら、引き続き子供たちの健康面に十分配慮してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 谷警察本部長。    〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 ◎警察本部長(谷滋行君) 若年層の犯罪被害者対応についての御質問にお答えいたします。 議員お示しのとおり、近年のインターネット利用の拡大により、若年層がSNSなどを利用した詐欺をはじめとする犯罪の被害に遭う事案も多数発生するようになっております。 犯罪の被害を警察に届け出ることは、多くの方にとって過去に経験のない不安や緊張を感じるものであると思われる上、刑事手続で用いられる書類や用語、また手続そのものもなじみのないものであり、大きな心理的負担を感じるものと思います。 特に、若年層の方にとっては、なおさら敷居を高く感じるものであるということも議員お示しのとおりと思います。 警察は、犯罪被害に遭われた方にとって頼りになり、安心できる場所でなくてはならないと考えております。 被害に遭われた方の立場に立ち、その心情や特性、御負担に配意しつつ、被害状況の聴取を行うとともに、刑事手続の流れについても、できる限り丁寧な説明を行うことにより、安心して捜査に協力していただくことが重要であると考えております。 こうした認識の下、県警察においては、被害を届け出た方への丁寧な対応について、これまでも第一線で対応に当たる警察官への指導、研修などを行ってきたところですが、議員お示しのとおり、それでも警察官の対応に疑問を感じた、あるいは配慮を欠いていたと感じたとの声を聞くこともあるところです。 県警察としては、こうした声にも謙虚に耳を傾け、犯罪の被害に遭われた方に安心して警察を頼っていただけるよう、対応の在り方についても不断に改善を図っていかなければならないと考えております。 被害に遭われた方と接する機会の多い警察署の若手警察官に対しては、具体的な想定を用いるなどして、研修やマンツーマンの指導を繰り返すとともに、捜査指揮を担う各級幹部に対しては、経験の浅い警察官の対応状況について一歩踏み込んだ確認を行うことに留意をさせるなど、指導方法にも工夫を凝らして、被害に遭われた方々に寄り添い、県民に信頼される県警察を目指して取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 曽田聡君。    〔曽田聡君登壇〕(拍手) ◆(曽田聡君) 皆様、おはようございます。公明党の曽田聡でございます。 通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 初めに、特定地域づくり事業協同組合についてお尋ねいたします。 中山間地域を抱える人口減少・人口流出に歯止めをかけるため、これまでも国、県、市町において様々な施策を推進してまいりました。都市部から田舎暮らしに憧れて、また夢を描いて移住してきたものの、安定した仕事が得られず、夢半ばでその地から去らざるを得なくなった方々も多くおられます。 そのような状況を打開しようと、二○二○年六月、自由民主党細田博之元官房長官が中心となった議員立法で、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律に基づいて、特定地域づくり事業協同組合が日本各地で発足し始めました。 移住を考え、地方で仕事を探す人や、地元の若者を組合が職員として雇用し、事業者の需要に応じて、季節ごとに異なる複数の仕事に派遣する仕組みで、都道府県知事の認定で、国と市町村が運営費の半額と職員一人当たり年間四百万円を上限に人件費の半額を支援する制度は、都市部から地方へ移住する人だけでなく、中山間地域を抱える地方自治体もメリットが多い制度でございます。 三方を海に囲まれ、県土の七割が中山間地域の本県において、都市部からUJIターン希望者を受け入れ、定着していただくチャンスだと思います。下関市豊北町、角島大橋の本土側でライフセービングクラブの運営、海を使ったアクティビティーで新たなツーリズムを提供している代表から、土地柄、海を主体にした仕事が収益の大半、六月から九月の四か月間は猫の手も借りたいぐらい多忙になりますが、十月から春先の寒く、海が荒れる時期は仕事が見込めない。二年前に古民家をイノベーションしてオープンさせたゲストハウスが僅かな支えとなっているとおっしゃっています。 このように、季節によって仕事の量に波がある地域や業態で、通年働ける環境をつくるのが特定地域づくり事業協同組合であります。九月一日現在、国が支援を決定した協同組合は十七組合、本年四月に本格始動した長崎県五島市の五島市地域づくり事業協同組合では、一月から四月は農産物加工・発送、五月から八月は市の特産物であるツバキ関連の商品製造、九月から十二月は水産物加工・発送と季節ごとに繁忙期を迎える農業、食品加工業など、様々な仕事を組み合わせて通年勤務を実現することによって、仕事さえあれば出たくない、仕事さえあれば帰りたい、仕事さえあれば住んでみたいとの若者や移住者の声に応えられると思います。 そこでお尋ねいたします。平成十八年、本県初の議員提案条例である、山口県中山間地域振興条例に基づき、また平成二十四年十一月議会で報告された、中山間地域振興対策特別委員会委員長報告を受け、本県が抱える中山間地域の課題を解決するためには、その地域におけるなりわいをつくることが喫緊の課題であると思います。 特定地域づくり事業協同組合という新たな制度を活用して、中山間地域の活性化、人口減少を食い止めるためにどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、地域おこし協力隊についてお尋ねいたします。 二○○九年度、隊員数八十九名、三十一団体で始まった地域おこし協力隊は、二○二○年度、多少の増減があるものの、隊員数五千四百六十四名、一千六十五団体と増加しています。 総務省では、来年度予算概算要求に今年度予算の三倍に当たる四億五千万円程度を計上する方向と発表されました。新型コロナウイルス感染症の収束が見込めない中、都市部から地方への関心が高まり、二○二四年度には隊員数を八千人まで増やす目標を掲げて、新たな隊員の掘り起こしに向けたPRに力を入れるほか、隊員がなかなか集まらない自治体を支援するとしています。 また、隊員の報償費や活動経費などへの特別交付税措置を、一人当たり四百七十万円から、二○二二年度以降は四百八十万円にする予定と、隊員の待遇改善にも取組を強化しています。 二○二○年度、一千六十五自治体の中で、地域おこし協力隊が多く活躍している自治体は、北海道東川町五十名、新潟県三条市四十九名、熊本県高森町四十二名、島根県海士町四十名と続いています。ないものはない宣言で有名な島根県海士町では、二○一九年度、二十名から一気に二十名増の四十名の地域おこし協力隊を雇用、人口約二千三百人で人口減少が続く同町では、地域おこし協力隊は人手不足を補う上で大変重要です。 このたびの二十名増の主たる要因は、町が打ち出した就業体験移住制度、大人の島留学。この制度を利用した大学生など十五名が海士町役場の仕事のサポートや海士町外貨創出プロジェクト、空き家の活用を起点とした海士町住宅魅力化プロジェクトなどに取り組み、大人の島留学を終えた後も島と関わり続けてもらえることを目指しています。 山口県では九月一日現在、萩市二十名、長門市九名、美祢市八名、阿武町八名、山口市七名など、県内で七十名の地域おこし協力隊が活躍されています。全国各地から応募された隊員の方々は、不慣れな環境に当初、戸惑いもあったと活動レポートにつづられていますが、活動を開始し地域と触れ合う中、地域で応援してくれる方が現れ、戸惑いもなくなったと結ばれております。 地域の農産品を加工し、今までなかった商品を開発し特産物を使って起業した隊員、地域の伝統と技能を継承し、物産品を作ってなりわいとしたいとの思いが実った隊員、地域の資源を掘り起こし、今までになかった感覚で地域を盛り上げ、新たなツーリズムをつくった隊員など、県内各地で地域おこし協力隊のOB・OGの方が活躍し、その地域を元気にしてくれています。二○二○年九月末現在、協力隊卒業者は七十七人、そのうち六十二人が県内に定着して活躍しております。定住率は全国トップクラスの八○%を超えています。 そこでお尋ねいたします。地域おこし協力隊の募集から任期中のサポート、そして卒業、県内定着に至るまで、どのように取り組まれたか。そして、今後さらなる県内定着率アップにどのように取り組まれるお考えか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、補装具費支給制度についてお尋ねいたします。 八月二十四日から九月五日までの十三日間行われた東京二○二○パラリンピックでは、数多くの感動の場面が私たちの目に焼きつく中、閉会となりました。 様々な障害のあるトップアスリートたちが創意工夫を凝らして限界に挑むパラリンピック、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し活躍できるスポーツの祭典であるとともに、共生社会を具現化するための重要なヒントが詰まっています。また、障害のある方も健常の方も社会の中にあるバリアに気づき、暮らしやすい社会をつくっていく発想の転換の必要性を気づかせてくれました。 また、パラリンピックでは、アスリートを支える様々な補助器具や道具を目の当たりにすることは、大変興味深いものの一つであります。日々進化を続ける補助器具や道具は、アスリートの成績にも直接結びつくため、開発する側も使用する側のアスリートもその開発には真剣勝負そのものです。競技の場面だけでなく、障害者の日常生活を支える新製品、サービスへの応用も大いに期待されます。 例えば時代とともに進化を続ける補装具の一つ車椅子は、パラリンピックでもテニス、バスケットボール、ラグビー、陸上等で使用されたように、様々な用途・目的に応じて開発されています。 また、日常生活では介助者の助けを必要とする手押し型、バッテリーやモーターを搭載しない分、軽量で機動力はありますが、使用者の肉体的負担がある手動型、電気の力でアシストできるため使用者の負担が少なく、坂道でも楽に上ることのできる反面、重量があり機動力に欠ける電動型。そこで開発されたのが電動アシスト式車椅子、手動型の機動性と電動型で使用者の肉体的負担軽減を併せ持ち、手動型のように腕力を使ってタイヤを回して移動しますが、それを電気の力でサポートし、自身の体を動かしながらも楽に移動できるようになっています。 厚生労働省が平成十八年十月に施行された補装具費支給制度では、障害者が日常生活を送る上で必要な移動等の確保や、就労場面における能率の向上を図ること及び障害児が将来、社会人として独立自活するための素地を育成助成することを目的として、身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代替する用具の購入または修理に要した費用の額を一定要件に当てはめて支給するとされ、補装具種目の対象も十二回の改正を経て、令和三年三月末現在、十七分野七十八項目となっています。 申請に係る実施主体は各市町村になりますが、県としても四分の一負担がありますので、各市町から申請されてきたものに責任を持つ必要があります。特に時代とともに進化を続ける補装具がその対象かどうか、また参入してくるメーカーが少ない業界で、その性能、価格等に整合性があるかないか見極める必要があります。国の基準に沿った判定を適正に実施するとともに、国の基準が現在の補装具の水準に見合っていないのであれば、必要な見直しが行われるよう、現場の声をしっかりと国に届ける必要があるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。障害のある方々が自立した日常生活を送るため様々な補装具が開発されていますし、また、これからも日々進化していくものと考えますが、県として補装具費支給について今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、街路樹の適正管理についてお尋ねいたします。 一九八七年に日本の道百選に選ばれた県道二百三号厳島早間田線、いわゆるパークロードは、ケヤキやクスノキなどがランダムに植樹され、四季折々の景観で県民から親しまれています。また、周南市の徳山駅から北へ延びる御幸通や岐山通も、クスノキやイチョウ、ヒマラヤシイダの街路樹が植えられる、市民憩いの通りとなっています。 このように美しい街路樹は町の魅力の一つになっています。全国的に有名な杜の都仙台市は、街路樹を行政の看板として使わない手はないと、街路樹を生かした様々な催しを企画し、町の活性化に取り組んでいます。夏は緑陰――緑の陰を生かしてジャズフェスティバル、冬は光の都へと姿を変える「SENDAI光のページェント」は、定禅寺通のケヤキ百六十本に約六十万球もの電飾が施され、通りを温かく彩り、多くの観光客でにぎわいを創出しています。 また、街路樹には、二酸化炭素の吸収、雨水の流れの調整、木陰の提供、車道と歩道の分離など様々な効果があります。また、コンクリートやアスファルトだけで造られた無機質な道路に比べて、樹木があることで、私たちに癒やしを与える効果もあると言われています。 国土技術政策総合研究所によれば、一九八七年に三百七十一万本であった街路樹の総本数は、二○○二年に六百七十九万本となり、二○一七年では九万本減の六百七十万本に、山口県では一九八七年、三万八千二百八十五本、二○一七年、五万四千三百二十一本となっています。二○○二年以降、総本数はほぼ横ばいで推移していますが、一九八七年を境に全国的に緑を増やそうとの取組が見てとれます。 そのような状況の中で、街路樹のよい面ばかりでなく、様々な課題も出てきています。夏は生い茂る葉で緑陰を提供し、秋には美しい紅葉で私たちの目を楽しませてくれる木々も、秋の落葉時期を迎えると、落ち葉で歩道や車道は滑りやすくなり、毎日落ち葉を清掃しなければならないため、地域の住民から苦情の声も届いています。 また、道路の附属物と位置づけられる街路樹が車両の通行の妨げになってはならず、信号機や標識が見えづらいと、私たちの目に届く範囲での苦情。目の届かない地下でも、樹木の根が太くなり、歩道の縁石や舗装を持ち上げ、歩道が凸凹になる根上がりも発生し、町の景観を損なうとともに、車椅子を利用される方、御高齢の方々から苦情が届いております。そして、近年の気候変動による台風の大型化などによる風水害で、老朽化した高木な街路樹が倒木する被害も増加しています。 多くの自治体では、街路樹を適正に育成するための剪定に係る費用の確保に苦労される中、樹木の伐採や樹木の育成を阻害する強剪定などが行われています。強剪定は、景観を損なうだけでなく、光合成も低下し、樹勢の低下を招いております。 そこでお尋ねいたします。四半世紀前の社会状況の変化の中から、街路樹の適正管理について、県では今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、教育現場のICT化、デジタル化と言えば、児童生徒への教育環境整備に目を向けられ、予算もつきやすい昨今でありますが、このたびは小中学校事務のデジタル化についてお尋ねいたします。 OECDが二○一八年に実施した国際教員指導環境調査によれば、日本の教員の一週間当たりの仕事時間は、小学校五十四・四時間、中学校五十六時間と、いずれも最長でありました。その多くは事務作業に多くの時間が費やされ、本来の児童生徒に対する教育力を高める職能開発などの時間は最も少なかったと報告されています。 全国連合小学校長会は、令和二年度の研究紀要のまとめの中で、小学校教育の改善・充実に向けた教育課程の編成・実施や学校運営などで特に重視すべきことを尋ねる質問において、教員の多忙解消のため校務改善へ取組との回答が最も多くありました。 また、全国公立学校教頭会が令和二年度に全国調査した中で、校務の効率化、ヒューマンエラーの減少、子供と向き合う時間の確保や教員の負担感の軽減に大きな効果をもたらす校務支援システムの導入は、積極的に推進することを要望しています。 文部科学省では、教員の長時間勤務を解消し、教育の質の維持向上を図るための具体的な解決策の一つとして、統合型校務支援システムの導入により、業務の効率化などを図ることが必要であるとされています。 山口県教育委員会では、令和三年度の予算のうち、ICTを活用した先進的教育推進事業において、全県立高校へ統合型校務支援システムの前倒し導入、そして小中学校、県立特別支援学校へ統合型校務支援システムの導入に向けた検討・支援を掲げています。 現段階、県内の多くの小中学校では、通知表や指導要録を作成するための校務支援ツールを導入されていますが、これは、文部科学省が統合型校務支援システムの導入のための手引などで示している、保健系や学校事務系を含めた四系統の統合型校務支援システムではありません。 また、旅費請求手続も、申請者の先生から上がってきた書類を基に小中学校事務ネットワークシステムに事務職員が入力するという、何とも昭和的な運用が令和の時代においてもなされております。 国において行政分野でのデジタル化が推進される中、学校、教育現場もICT化、デジタル化を積極的に進めていく必要があります。 そのような中、独自に開発した学校事務システムを県教委の小中学校事務ネットワークシステムへ接続する検討が進められている市町もあると聞いております。このような取組が進んでいけば、教職員の服務に関わるデジタル化に大きく寄与するものと考えます。 また、山口県でも全庁挙げて押印廃止、見直しが図られる中、中学校事務において押印をなくした様式が示されておりますが、押印から署名やチェックに代わっただけで、デジタル化には程遠いと思います。 そこでお尋ねいたします。デジタル化による小中学校事務の負担軽減に向け、県教委はその支援にどのように取り組まれるお考えか、教育長に御所見をお伺いいたします。 最後にストーカー防犯対策についてお尋ねいたします。 本年八月二十六日、全面施行された改正ストーカー規制法は、恋愛感情やそれが満たされなかった恨みから、付きまといなどを繰り返すストーカー被害に苦しむ方々にとって、大変力強い改正内容となりました。 今回で三度目となる法改正は、IT技術の発達に伴い、巧妙化する付きまといの手口を封じるのが目的で、ストーカーへの取締り強化へ、公明党が推進してまいりました。 改正に向けて昨年八月、我が党の山本香苗参議院議員が座長を務める、公明党のストーカー・DV・性暴力等対策推進プロジェクトチームが、警察庁に対し、有識者の意見を聴く場を設けるよう要請し、これを受けて発足した有識者検討会が本年一月に報告書を取りまとめ、今回の法改正につながりました。 具体的には、六月十五日に見張り等の対象場所の拡大、そして電話、ファクス、電子メール、SNSに加え、拒まれたにもかかわらず、文書を連続して送付する行為を追加し、八月二十六日には、相手の車などに無断でGPS機器を取り付ける行為を取締りの対象に追加されました。相手のスマートフォンに無断でインストールしたアプリを悪用した位置情報の取得も禁じています。 警察庁によると、昨年の同法違反による摘発は九百八十五件と、十年前の四倍になりました。 最近では、GPSを悪用した手口も目立っています。しかし、GPS悪用については、最高裁が昨年七月、見張りに当たらないと違法性を否定したことから、GPS悪用を取締り対象として明確に位置づける法改正が求められていました。 ストーカーやDV、セクハラ、パワハラといったハラスメント問題の解決、再発の防止に取り組まれているNPO法人ヒューマニティの小早川明子理事長は「二十年以上、ストーカー被害の相談を受けてきましたが、十年ほど前から、GPSなどを悪用した付きまといが見受けられるようになりました。相手の車にGPS機器を取り付けた人に注意しても、何で法律違反なんだと開き直られたこともあります。また、若い人の間では、アプリを利用して互いの位置情報を知り合うことは広く行われており、ストーカー被害につながってしまう危険性を感じていました。」と話されています。 山口県におけるストーカー事案の対応状況は、本年八月末現在、ストーカー相談百九十九件、行為者への指導警告百八件、ストーカー規制法に係る警告三件、禁止命令十一件、検挙四件、援助百五十九件、他法令検挙十一件、精神医学的治療三件とお聞きしています。このように、本県でも多くの方々がストーカーの被害に遭い、制約された日々の暮らしから解放し、伸び伸びと生活できるよう、法律の抜け穴になっていた手口を早急に対応することが求められていました。 そこでお尋ねいたします。今回の法改正により、今までストーカー行為として捉えられなかった、そして罰することのできなかった行為に対してフォローできるよう改正されています。 ストーカー行為は、次第にエスカレートして、凶悪な犯罪に発展するおそれのある行為、今回の法改正を踏まえて、県警察として県民が不安を覚えるストーカー犯罪を抑止、検挙していくために今後どのように対応されるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたします。 質問は以上でございますが、私から一言提案をさせていただきます。 デジタル化を推進するため、村岡県知事自ら最高情報責任者(CIO)、また、民間で活躍されているLINE執行役員の砂金信一郎氏、一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事の関治之氏と日本マイクロソフト業務執行役員の中井陽子氏という、いずれもIT業界で大活躍されているお三方をCIO補佐官に起用され、山口県のDX推進が加速されようとしています。 行政や企業のDXのみならず、広く県民のDXへの関心を醸成するため、お三方に出席していただいて、デジタル化で変わる山口県の未来を発信するフォーラムを開催されてはと御提案申し上げ、私の一般質問を終わらさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 曽田議員の御質問のうち、私からは、特定地域づくり事業協同組合についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や高齢化が急速に進む中山間地域にあって、地域や産業の深刻な担い手不足など、直面する様々な課題を解決していくためには、地域になりわいをつくり、人を呼び込み、地域を活性化していくことが極めて重要です。 このため、私は、これまでも観光交流産業をはじめ、地域資源を生かしたコミュニティービジネスの創出など、中山間地域の強みを生かした多様な産業の振興を図るとともに、地域課題の解決に向けた取組を持続的に行う地域経営会社の設立支援にも取り組んでまいりました。 こうした中、お示しのように、人口のさらなる急減を抑え、地域の担い手を確保するための新たな枠組みとして、昨年六月、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律が施行され、特定地域づくり事業協同組合制度が創設されたところです。 春と秋の農業、夏の観光業、冬の除雪作業というように、それぞれの仕事が人手を必要とするにもかかわらず、単独では確保が困難であるといった地域課題の解決に効果的な人材派遣の制度であり、私としても、人口減少の現状を踏まえ、かつ現実的な解決策を伴った仕組みであると評価しています。 具体的には、地域の仕事を組み合わせて年間を通じた雇用を生み出すとともに、国と地方公共団体の財政支援により、安定的な雇用環境と一定の給与水準を確保できることから、人口流出の抑止やUJIターンの受皿として、地域事業者に活用を促していきたいと考えています。 このため、県としては、法律の施行を受け、制度概要や法律のガイドライン等について、市町への情報提供を行うとともに、昨年十月には国から講師を招き、市町や関係団体等に対する説明会を開催するなど、制度の周知や普及に取り組んでまいりました。 この結果、県内において、制度の活用に向けた具体的な検討の動きが出てきており、地元市町と情報共有を図るとともに、関係団体と連携し、相談等に的確に対応するなど、きめ細かなサポートに努めているところです。 地域振興に資する選択肢にこの制度を新たに加え、仕事と収入の確保に向けた取組の一層の加速化が図られるよう、県内でのさらなる機運醸成に取り組み、意欲を有する地域に対しては、地元市町の意向も十分に踏まえながら、この機を逃さず積極的な支援を行ってまいります。 私は、今後とも、市町や関係団体との緊密な連携の下、特定地域づくり事業協同組合の設立支援も含め、様々な対策を機動的かつ継続的に推進することにより、中山間地域の活性化と人口減少の抑止に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) 地域おこし協力隊についてのお尋ねにお答えします。 過疎化や高齢化等の進行が著しい地域で多様な活動を担う地域おこし協力隊は、地域力の維持・強化や中山間地域の活性化を図る上で重要な役割を果たしています。 このため、県では、市町と連携し、行政、関係団体等で構成する「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議が主体となって、隊員の募集から任期満了後の定住まで、一貫した取組を行っているところです。 隊員の募集に当たっては、全国の自治体との採用競争が激化する中、協力隊志望者に本県を選択してもらうため、首都圏等の移住フェアにおいて、地域の魅力や先輩隊員の活動状況を紹介するとともに、ウェブサイトやフェイスブック等により市町の募集状況等を発信しています。 採用後においては、慣れない環境で生じる不安や任務への重圧等を解消し、地域コミュニティーに溶け込んでいけるよう、隊員に対し、悩み相談会での個別相談や情報交換会の開催等によるサポートを実施しています。 さらに、任期満了後の定住に向けては、退任後の生活や開業に必要となる資金に関する研修会の実施、創業セミナーや補助制度などの情報提供を行うほか、隊員OB・OGの活動事例を紹介しているところです。 YY!ターンコンシェルジュとして設置している専任の相談員とファイナンシャルプランナー、そして先輩移住者の三名によるきめ細かな支援も実施しており、こうした取組の結果、任期満了隊員の県内定住率は、この隊員数が五十名以上である三十八道府県の中で全国一位となっています。 また、ここ二年間の年度別定住率は一○○%であり、今後もこの高い水準を持続させるとともに、さらに多くの隊員を県内に呼び込むことで、地域活力の向上につなげていきたいと考えています。 一方で、現下のコロナ禍においては、地域で暮らし続けるビジョンを持てなかったり、孤独を感じる隊員も増えてきており、今まで以上に一人一人に寄り添い、フォローアップを強化していくこととしています。 県としては、今後とも、市町との緊密な連携の下、隊員の方々の御意見等もしっかりとお聞きをしながら、県内定住率の一層のアップに積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 補装具費支給制度についてのお尋ねにお答えします。 補装具は、身体に障害のある方等にとって、損なわれた身体機能を補完・代替するものであり、障害のある方が自立した生活を送る上で、また社会参加をする上で重要であると考えています。 このため、県では、障害のある方の身体の状況や生活環境に応じた補装具が適切に提供できるよう、県身体障害者更生相談所において、その必要性に関する専門的な判定を実施するとともに、補装具費支給の実施主体である市町に対して技術的助言等に努めています。 具体的には、支給の判定に当たっては、医学的見地等からの判断が必要であることから、県身体障害者更生相談所に医師や理学療法士等の専門職員を配置するとともに、定期的に巡回相談会を開催し、障害のある方の状態等に応じた補装具の提供に努めています。 また、市町に対しては、窓口職員の資質向上を支援するため、制度概要や補装具に関する専門的知見等を内容とした研修会を毎年開催するとともに、更生相談所で事例検討会を開催し、その検証結果をフィードバックすることにより、市町職員のスキルアップや連携体制の強化を図っています。 こうした中、お示しのとおり、新たな技術を活用した福祉用具の開発が進むとともに、障害のある方の補装具に対するニーズも多様化しています。 このため、全国の更生相談所からなる協議会を通じて、新たな技術等の情報収集を行うとともに、研修等の開催により、市町を含め、関係職員等の対応力の向上に努めてまいります。 さらに、国に対して、補装具の種目等が時代に即したものとなるよう、引き続き対象種目の拡充や基準額の引上げなど、全国知事会等を通じて必要な見直しについて要望してまいります。 県としましては、今後とも市町等と連携をし、障害のある方の状態に合った補装具の支給を通じて、自立と社会参加が促進されるよう積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 街路樹の適正管理についてのお尋ねにお答えします。 街路樹は、景観の形成、沿道環境の保全、交通の安全など様々な機能を有しており、特に親しみ、潤い、安らぎという効果をもたらすことが期待されています。 このため、県では、お示しの県道厳島早間田線のパークロードのケヤキやクスノキ、県道宇部防府線の南部海岸道路の桜など、地域の特性に応じた植樹を行うことで、美しい景観や安全で快適な空間を創出し、地域に愛される道づくりに努めてきたところです。 しかしながら、植栽後、長期間経過し、樹木が大きく成長し過ぎたことによる枝葉の張り出しや舗装の隆起に加え、近年の大型化した台風等による倒木など、道路交通に支障を来している事例も見受けられ、また、こうした問題に対応するため、維持管理費の確保も課題となっています。 このため、植樹の枝葉の張り出しなどにより交通安全上の支障がある場合は、生育や周辺環境に配慮しながら、必要な剪定や舗装補修を行い、また、緊急輸送道路や通学路において倒木等のおそれがある場合は、地元市町や関係者の意向を確認した上で撤去を行っているところです。 一方、街路樹が沿道と一体となった美しい景観を形成する必要がある箇所については、樹形の美しさを維持する剪定はもとより、地域と連携しながら樹木周辺の除草、清掃に努め、美観の維持や生育環境の保全を図るなど、選択と集中の観点に立って維持管理を行っているところです。 県としては、今後も、道路利用者の安心・安全の確保はもとより、快適な道路空間の提供や良好な景観の形成のため、引き続き必要な予算の確保に努め、街路樹をはじめ道路の適切な維持管理を行ってまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 小中学校事務のデジタル化についてのお尋ねにお答えします。 国のGIGAスクール構想の推進に向け、児童生徒の一人一台端末の整備等、市町教委のICT教育環境の整備・充実に向けた取組を支援するとともに、学校事務等を含む校務の情報化を進め、教職員の働き方改革を推進することが重要であると考えています。 このため、県教委では、ICTの効果的な活用により、学校における業務のさらなる効率化を図れるよう、本年七月に改訂した学校における働き方改革加速化プランにおいて、統合型校務支援システムの導入と運用を推進することとしています。 具体的には、県立学校への導入を進めるとともに、小中学校への早期導入に向け、システムの概要や導入の効果についての情報提供、共同調達に向けた意向調査の実施など、市町教委の取組を積極的に支援しているところです。 一方で、旅費請求手続については、県内統一のシステムとして県が開発した小中学校事務ネットワークシステムで処理していることから、引き続きこれを活用してまいります。 このため、県教委では、各学校の事務職員の入力作業の省力化に向け、お示しの独自に開発された学校事務システムと県の事務ネットワークシステムとの接続について、当該市町教委と連携しながら検証を進めることとしております。 県教委といたしましては、各市町教委の意向を踏まえながら、小中学校の事務の負担軽減につながるデジタル化の推進に向け、必要な支援に引き続き取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 谷警察本部長。    〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 ◎警察本部長(谷滋行君) 法改正を踏まえたストーカー犯罪の抑止と検挙への対応についてのお尋ねにお答えいたします。 議員お示しのとおり、ストーカー事案は被害者に大きな不安や恐怖を与え、その平穏な生活を脅かすものであるとともに、次第にエスカレートして、殺人等のより重大な事件に発展するおそれもある、非常に陰湿で危険な犯罪であり、県内での相談件数も高水準で推移しております。 このため、県警察では、被害者の安全確保を最優先に、被害の届出や相談を受けた際には、全件、警察本部への報告を徹底させ、組織的に事案の危険性・切迫性を判断することにより、対応の万全を図っているところです。 まず、被害者に対しては、被害の拡大を防止するため、今後、起こり得る危険性や親族等にまで危害が及ぶおそれがあることなどを丁寧に説明し、さらに、被害者の申出により、通報があれば、県内のどの警察署の管内でも即応できるよう連絡体制を構築したり、被害者の自宅周辺等の固定警戒、防犯カメラの設置など、被害者を守るための対策に努めているところです。 また、法令違反の疑われる相談については、刑事部門と生活安全部門の捜査員が共同で聴取をし、行為者に対して早い段階で指導・警告を行ったり、悪質なものについては確実に検挙措置を講じるなど、警察として取るべき対応を迅速かつ積極的に行うこととしております。 議員お示しのとおり、このたび、これまでは取締りができなかった、GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得や被害者が現に所在する場所付近における見張り行為、さらには、拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為が、法律の一部改正によって規制対象行為に加わり、検挙や禁止行為などの行政措置を講じることができるようになりました。 県警察では、引き続き認知した段階から警察本部と警察署が緊密に連携をし、改正されたストーカー規制法を多角的に駆使して、被害者の安全・安心の確保に万全を期してまいります。   ───────────── ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時三十四分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号 ○副議長(二木健治君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号を議題とし、質疑の議事を継続いたします。 中嶋光雄君。    〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) ◆(中嶋光雄君) お疲れさまです。社民党・市民連合の中嶋です。通告に従い、質問させていただきます。 まず、新型コロナウイルスワクチン接種の完了後に感染が判明するブレークスルー感染の事例が、デルタ株の蔓延により、多数報告されています。 例えば、二回接種を終えていた河村たかし名古屋市長がコロナ感染、仙台市は九月二日、新型コロナウイルスに感染し、八月末時点で入院中の市内患者百四十八人のうち、六・一%に当たる九人がワクチン二回接種後、二週間が経過して陽性が判明したブレークスルー感染と明らかにしました。 また、ワクチン二回接種済み油断しないで、広島の医療従事者がブレークスルー感染などが報道されています。しかも、厚生労働省も、新型コロナワクチンQ&Aで、ワクチン接種後のブレークスルー感染、なぜワクチンと感染予防対策の両方が必要なのかと注意を呼びかけています。 また、最近の研究では、ワクチン接種後にできた体内の抗体の量には個人差があることなどが徐々に分かってきていますが、依然不明な部分が多く、実態の解明が待たれています。 そこで、県が把握しているブレークスルー感染の情報について、以下の点、いずれも、八月三十一日までの数値等についてお尋ねします。 ブレークスルー感染が確認された件数について、ブレークスルー感染者の主な年代及び医療・福祉従事者の有無、ブレークスルー感染の判明後に重症化または死亡したケースの有無、ワクチン接種者への注意喚起として、感染したことによる感染者への差別が誘発されることのないような万全の配慮をしていただいた上で、ブレークスルー感染の定期的な情報開示が必要と思われるが、県の所見を伺います。 いずれにしろ、ブレークスルー感染も含め、感染拡大を防止するには、基本的には、広島県が実施した無料PCR検査のような社会的検査を徹底すべきですが、県の御所見を伺います。 地方公務員の定年延長について。 平均寿命の伸長や少子高齢化の進展を踏まえ、豊富な知識、技術、経験等を持つ高齢期の職員に最大限活躍してもらうため、国家公務員定年の六十五歳引上げについての国会及び内閣に対する人事院の意見の申出、平成三十年八月のことですが、このことを受け、安倍政権は、国家公務員法と検察庁法の改正などを一本化した、束ね法案として国会に提出しました。 しかし、モリカケ、桜を見る会への疑惑封じなどと世論の批判が高まり、審議末了で一旦は廃案となりました。 しかし、今年一月召集の通常国会に、検察庁法改正を切り離して、国家公務員法等の一部を改正する法律案が再提出され可決成立、そして地方公務員法の一部を改正する法律案も附帯決議が付されて可決成立しています。 地方公務員の定年は、国家公務員を基準として条例で定めることとなっていますので、この法案の成立により、本県でも同様に定年を引き上げることになります。 高齢者が活躍できる社会を目指す上で、公務部門において定年を引き上げることは必要であり、一方、定年の引上げは、職員の新規採用や若年・中堅層の昇進などにも影響を与え、これによる職員の士気の低下を招き、かえって公務全体の能率に悪影響を与えるおそれも指摘されています。 そのような事態を起こさないため、管理監督職員に、いわゆる役職定年制の導入についても法案に明記されていますが、組織の活力を維持していくための人事政策上の課題も様々あるようです。 そこでお尋ねです。定年の六十五歳引上げの制度開始は、二〇二三年度からです。二二年度中に翌年度に六十歳になる職員に対して、制度に関する情報提供、意思確認をすることとされています。 したがって、今年度末までに制度を確立する必要があることから、この十一月県議会、遅くとも来年二月県議会での条例改正を見据えて、お配りした附帯決議等に基づいた労使の交渉・協議が求められていますが、このスケジュール感について、まずはお尋ねします。 その上で、知事にお尋ねします。公務員の定年引上げの意義について、知事はどのような認識をお持ちでしょうか、お尋ねです。 また、制度の導入により起こり得る人事政策上の課題について、知事はどのように対応していこうとされているのか、お尋ねします。 スマート農業について。 二〇二〇年農林業センサスの調査結果、確定値によると、本県の経営耕地面積が三十アール以上または一年間の農産物販売金額が五十万円以上の農家を指す販売農家数は、五年前の二〇一五年は二万三百七戸であるのに対し、今回は一万四千八百三十七戸と、わずか五年で二六・九%も減少、ちなみに、二十年前からは六二・七%も減少しているという、厳しい結果が明らかになっています。 また、基幹的農業従事者の平均年齢は全国で最も高く、七十二・三歳と高齢化も進んでいます。 このように、農業従事者の減少、高齢化が進み、将来の労働力不足が懸念される中、食料生産の基盤である水田や畑地の維持をしていくためには、農業従事者の確保を進めていくこと、そして一人当たりの作業面積の限界を突破して、より多くの面積を効率的に管理する省力化、そして収穫増の技術革新が求められています。そのためには、今注目されているスマート農業による技術革新が重要です。 そこで一点目に、知事はスマート農業の意義をどう認識され、県の農業施策にどのように位置づけているのか、お示しください。 あわせて、今後スマート農業を進めていくとしても、地域振興の観点、水田農業、施設園芸、中山間地など、それぞれ地域の特性に応じた活用が必要ではないでしょうか。 そこで、興味を持たれた農家の方々がスマート農業を理解できるような実証、これはどのようになっているのか、お尋ねします。 二点目に、スマート農業機械の導入について。 確かに、スマート農業機械はこれまでの機械に対し、作業効率や省力化が格段に向上しています。しかし、ロボットトラクターや環境制御装置は、いずれもかなり高額です。高額な農業機械、設備によって農家負担が過大となり、経営が厳しくなったでは本末転倒です。 そこで、スマート農業機械の導入には、農家の負担が過度にならないように県の支援が不可欠だと考えますが、現在、県では地域を支えている水田農業や園芸農業で、負担軽減のため、どのような支援をされているのか、お答えください。 その上で、さらに導入が促進されるために、今後、県としてどのような支援をしていくおつもりかお伺いします。 脱炭素について。 今年三月に改定された山口県地球温暖化対策実行計画(第二次計画)では、温室効果ガス排出を二〇三〇年度に一七・八%削減、二〇一三年度比ですが、する目標にとどまっており、政府の四六%削減方針に見合うよう早急に見直すべきでは、既に出ておりますけども、私からも見解を伺います。 まず、隗より始めよです。 そこで一点目に、本県では教育員会、県警察本部所管の施設を含む県有施設における再生可能エネルギー発電設備の導入状況はどうなっているのか、伺います。 次に、県有施設における再生可能エネルギーの使用について。 世界レベルでは、企業が自らの事業の使用電力を一〇〇%再エネで賄うことを目指す、国際的なイニシアチブ、RE一〇〇に、環境省は二〇一八年六月に、公的機関として世界で初めてアンバサダーとして参画しました。 そして、RE一〇〇の取組の普及のほか、自らの官舎や施設での再エネ電気導入に向けた率先的な取組、またその輪を広げていくとしています。 また、国内では、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を一〇〇%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ一〇〇%利用を促進する新たな枠組み「再エネ一〇〇宣言 RE Action」に参加を表明する自治体が続出。 例えば、神奈川県では、SDGs最先進県として、順次庁舎での再エネ利用を進め、二〇五〇年までに全県有施設での一〇〇%利用達成を目指す。二〇二〇年二月七日には「再エネ一〇〇宣言 RE Action」に参加し、また「再エネ一〇〇宣言 RE Action」の活動について、賛同支援や県内の団体等に参加推奨等を行うアンバサダー――応援者にも就任しました。 県内で再エネ利用に取り組む行動の輪を広げるための取組を実施すると、ホームページで高らかにうたっています。 そこで二点目に、世界的潮流や社会的責任を踏まえ、教育委員会、県警察本部を含め、本県でも電力供給に係る一般競争入札の際に、再エネの利用などを前提とした入札をしているのか、現状についてお尋ねします。 その上で、県有施設の使用電力の再エネ一〇〇%化をすべきですが、知事の認識をお伺いします。 さらに、本県も、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロ表明し、「再エネ一〇〇宣言 RE Action」にアンバサダーとしても参画し、再生可能エネルギー導入促進を応援すべきだと考えますが、知事の御見解をお伺いします。 教職員の働き方改革については、二〇一八年二月定例会において質問し、長時間勤務の大きな要因の一つである部活動の負担軽減などを図り、平成二十九年度からの三年間で、教員の時間外業務時間を平成二十八年度比で三〇%削減することとしていますとの答弁でした。 ところが、令和元年度決算特別委員会でこの目標の到達度をただしたところ、この三年間の削減率は小学校で四・六%、中学校では一一・〇%、県立学校では一六・五%であって、目標未達もいいとこで、未達要因として、小学校では新教育課程実施に向けた教材研究やカリキュラム編成等の準備・対応が必要となったこと、中学校、高等学校は、部活動運営方針が、令和元年度途中に策定されたばかりで、取組の浸透が十分でなかったことなどがあるとし、今後とも、学校における働き方改革を推進するとの答弁でございました。 勤務時間の把握については、ICカード等による勤務時間管理システムが導入され、業務時間の把握が詳細に行えるようになっているはずです。 そこで一点目に、その後の進行管理状況を知りたいので、令和二年度における、県立学校の学校の教員の時間外在校等時間、以下長時間労働と述べますが、この平均時間、月八十時間を超える長時間労働のあった教員の割合、併せて部活動指導との関係で労働時間が長くなる傾向にある教員の割合、長時間労働が著しい教員の状況について、それぞれお示しください。 また、教育長は、その実態をどのように捉まえておられるのでしょうか。コロナ対応の状況も含め、その認識と長時間労働の解消に向けた取組についてお尋ねします。 二点目に、市町教育委員会における勤務時間管理の状況及び教育長として、それをどのように認識しておられるのか、伺います。 三点目に、策定された運動部活動の在り方に関する方針では、休養日を原則週当たり二日以上、活動時間を原則平日は二時間程度、学校の休業日は三時間程度とするなど、詳細に定めています。 そこで、まず教育長に、県立学校の運動部の休養日の取得状況や、また休養日を設定していても、いわゆる自主練習によって休養日となっていない実態もあるとも聞いていますので、自主練習の実施状況、併せて部活動指導員の配置状況についてお示し頂き、その状況に対する所見も伺います。 そして、知事にもお伺いします。この方針は、スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的ガイドラインにのっとったもので、私立学校においても、この方針を参考にした取組が求められます。 そこで、私学における休養日や活動時間の設定の状況、部活動指導員の任用や研修の実施状況等についてお示しください。 また、その状況に対する所見もお聞きします。 次に、上関原発について。 県が六月十一日、一般海域の占用許可を出したため、中国電力は、六月二十九日からボーリング調査の準備作業を開始しようとしました。しかし、この海域には、いつもの年以上に、魚の餌であるイワシの群れが田ノ浦湾に入り込んでいたため、マダイ、ハマチ、サワラが大量に釣れました。 祝島の漁船をはじめ、周辺の漁船等が釣りに来て、土曜・日曜日には五十隻以上の釣り船が押しかけ、八月上旬まで豊漁が続いていました。「ボートで光市から釣りに来ていた若い方に、私は祝島の漁師、三十九年間原発に反対している、今も建設されようとしているが仮に建設されたら釣りはできなくなる、私たちに協力してくださいねとすぐ先にある原発予定地を指さすと、はいとうなずいていた、同じ呼びかけにほとんどの方は賛同してくれた」と祝島の漁師さんは言われています。 これから秋になると、予定地海域で、ヤズ、タイなどがよく釣れる時期になる。安心して原発のことを考えないで仕事、釣りをしたいと、祝島の漁民は訴えています。 そこで質問です。この許可書では、一、占用期間は七月七日から十月六日までとなっている、二、この占用及び工作物の設置によって損失を受ける者があるときは、許可を受けた者の負担において原状回復または損失の補償を行うこと等の条件が付されています。 しかし、中国電力さんは、占用許可期間前の六月二十九日から漁をしている祝島の漁船に衝突寸前まで接近し、許可条件の祝島漁民の自由漁業への補償の話は、一言もなしに、のいてくださいと繰り返し執拗に迫っています。 係る行為が、特別使用の許可期間外に、また許可条件が遵守されることもなしに、白昼堂々と、誰のものでもない海上で行われていることが見過ごされてよいものか、まずは、許可権者たる県知事の見解をお伺いします。 さらに、問題は、中国電力は、どのような理由であっても、この調査場所付近に船舶を進入・係留させることは、調査の妨げとなり、お約束に反する行為になりますので、速やかにこの付近から離れていただくようお願いしますなどと記された、調査場所付近におられる皆様へ、なる文章を祝島に送り付けてきましたが、そもそも係る文書を中国電力が発出する権限は何にのっとるものなのか、この点についても、県の見解を伺います。 さすがに、上関原発を建てさせない祝島島民の会、以下島民の会と申しますが、祝島漁民への損失補償は一切なされていない、したがって、本件ボーリング調査は適法になされておらず、祝島漁民が不作為義務を負うことは全くないとの反論書を、七月十五日に海上で中国電力社員に手交。すると、七月十六日には、中国電力は準備作業開始の一時見合せを発表、その後、中国電力に現場での動きはなく、一時見合せが継続している状況となっています。 しかし、裏では、八月二十七日付で、中国電力の代理人弁護士から島民の会宛に文書が送り付けられ、九月十日付で、この八月二十七日付文書に再反論する反論書及び説明要求書を、再度、島民の会は送り返しています。 中国電力は、これまでの裁判において和解した内容に、祝島島民が反してボーリング調査の妨害行為を行っていると主張。しかし、和解条項の、適法に埋立てに関する工事を再開したときに、今回のボーリング調査は、公有水面埋立法に基づくものでは当然ありませんので、該当しないと島民の会は考えている。係る事態を招いている責任の一端は、許可権者たる県知事にあるはずです。 そこで、根源的な解決に向け、県知事の見解を伺います。 ボーリング調査に必要な日数は五十日とされており、過去二〇一九年、二〇二〇年の調査でも、中国電力は調査にはおよそ二か月の期間を要することから、期限内に調査を完了させることは難しいとして、許可期間中に調査の一時中断を発表しています。 今回の占用許可期限は十月六日までであり、残された日数は既に三十日に満たない状況です。 現時点で、中国電力から一時中断の発表はないものの、準備作業も開始されていない状況を踏まえれば、期間内に調査を完了できないことは明らかであるため、県は中国電力に海域の占用許可の廃止届を提出するよう指導すべきではないか、見解をお伺いします。 次に、六月県議会で、海上ボーリング調査に係る利害関係人の同意書は県漁協四代支店のものなのかと質問、答弁は、県漁協の同意書が添付されているでした。 土木建築委員会で、さらに質問すると、県漁協の同意書の中には四代支店の押印したものもあるが、漁協内部の関係で押印してあるものであって、県が求めているのは、あくまで県漁協の同意だなどといった、まさに御飯論法答弁でした。 そこで、当該共同漁業権の免許は県漁協が受けているが、実際に、当該漁業権を営んでいるのは誰か、また、ボーリング調査によって、免許を有する県漁協にはどのような利害が生じるというのか、明解な答弁を求めたいと思います。 次に、原発建設予定地のある長島、祝島周辺の周防灘東部一帯は、過疎地域の島嶼部という条件から開発を免れ、奇跡的に瀬戸内の原風景を残し、日本のガラパゴスとも呼ばれ、生物多様性の宝庫です。 そこで、上関の自然を守る会は、祝島島民の会と二人三脚で、この豊かな自然を保護するため、識者と調査研究活動を長年にわたって行っていますし、日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会なども再三、原発計画の再考や中止を求める決議等を行っています。 原発建設予定地周辺は、天然記念物、絶滅危惧種、希少種の宝庫で、マダイなどの好漁場でもある。誰もが、なぜここなのかと思う、日本の宝のような地点です。 そこで、知事は、こうした地元団体の皆さんからの生の声を、まさに「元気創出!どこでもトーク」で、耳の痛いこともしっかり聞かれる気はないのか、前にも聞いたことですが、改めて伺います。 次に、情報公開について。 県民からの県行政に関する問合せや意見、苦情、提言などの県民相談、いわゆる県民の声について、本県では、知事への提言、県民相談受付状況で、部署別の受付件数のみがホームページで公開されているだけです。 ところが、県民の声○○県とネット検索すると、他県の状況がすぐに分かり、ほとんどの県で、県民の声は受付件数のみでなく、それぞれの内容や回答、その対応状況まで公開されており、本県のような例は、全国的にもまれなケースです。 せっかくの県民の声です。他県並みに対応状況を含め、見える化、情報公開すべきです。 情報公開することで、県職員のサービス向上や県政の透明化にもつながります。公開に向け、必要な運用基準の改正も含む検討を行うべきです。見解を伺います。 次に、二〇一五年九月県議会でも質問しましたが、今回、改めて全都道府県の情報公開条例を調べてみました。 非開示事項に該当する情報が記録されているときは開示をしないことができるとなっているのは、本県と大阪府のみ、他都道府県は全て、非開示情報が記録されているときを除き開示しなければならないで、公文書の開示義務が意識されたものになっています。 先ほどの県民の声の開示状況に見られる遠因が、こうした点にあるのではないでしょうか。 そこで、国の情報公開法及び他都道府県条例並みに、開示しなければならない規定に改め、また非開示事項も、意思形成過程情報、協力・信頼関係情報、合議制機関等情報という旧来の情報の類型を、国の情報公開法にならい、審議・検討等情報として整理し、他の事務事業と同じように扱う形での条例見直しを行うべきでは、お尋ねします。 宇宙状況監視レーダーについて伺います。 中国四国防衛局は、山陽小野田市に、レーダーの詳細設計は三月末に完了した、また、七月三十日に、市議会議員連絡協議会への説明と、八月二十一日に、住民説明会を行うと言っていたが、突然、両方とも中止しました。 中国四国防衛局は、市民団体に対し、住民説明会などは、県、市と調整して対応すると常々答えています。今回の突然の中止について、県はどのように報告を受けているのか、お聞かせください。 レーダー設置予定地の近くの市民の方が、整地・基礎工事だけではないよ、電源局舎等建設工事や電力・通信・給水、井戸掘り工事を行うとする、お手元にお配りしたお知らせが配られたと、不安に思われて、私の元に届けてこられましたので、友人の市会議員と情報共有し、この市議に山陽小野田市議会で市に経過をただしてもらったところ、市の答弁は曖昧ながら、中国四国防衛局から自治会協議会へ直接お知らせのビラが渡され、そのときにビラの内容の説明を行ったと聞いているだった。 これは、明らかに住民懐柔工作ではないか。県の見解をお聞かせください。 さらに、報道によると、防衛省は防府北基地に第二宇宙作戦隊を新設する方針を固めたとあります。 県として、宇宙状況監視レーダーに関するあらゆる情報の提供を求めるべきです。 見解を伺いまして、一回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 中嶋議員の御質問のうち、私からは、スマート農業の意義と農業施策への位置づけについてのお尋ねにお答えします。 スマート農業は、作業の省力化や軽労化、生産工程の精密化等により、さらなる生産性の向上や農産物の高付加価値化を実現するものであることから、私は、これからの農業の在り方を大きく変革させる手段になるものと認識しています。 こうした中、担い手の減少や高齢化が進む本県農業を活性化させるためには、集落営農法人の育成や新規就農者の確保と併せ、飛躍的な生産性の向上が期待できるスマート農業を積極的に導入していくことが重要です。 このため、やまぐち維新プランにおいて、先端・先進技術の研究開発・実用化の推進を重点施策に位置づけており、引き続き、国の研究機関等とも連携しながら、地域特性に応じたスマート農業技術の開発や普及促進に取り組むこととしています。 まず、技術開発については、主要作物の水稲を中心に、省力効果の高い技術の導入を促進するとともに、収益性の高い園芸作物についても、多様な担い手が取り組みやすい技術の確立を図ります。 また、現在、整備を進めている、農林業の知と技の拠点においては、先端技術を活用した省力化や所得向上につながる技術の開発に取り組みます。 次に、普及促進については、実用段階にある農業機械の実演会などを通じて、スマート農業への理解促進を図るとともに、生産者が安心して導入できるよう、地域の要請に応じた専門家派遣など、きめ細かな支援を行います。 私は、引き続き、関係団体等と緊密に連携しながら、本県農業の持続的な発展に向け、スマート農業技術の開発と普及・定着にしっかりと取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 新型コロナ・ブレークスルー感染への注意喚起についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、ワクチンを二回接種し、二週間経過した後に感染する、いわゆるブレークスルー感染が確認された人数は、八月一日から三十一日までの間で百二十一人であり、これは感染者全体の七・三%に当たります。 次に、感染者の主な年代と医療・福祉従事者の有無についてですが、まず年代は七十歳代が三十二人と最も多く、また、感染者の中には、医療・福祉従事者の方もおられます。 次に、ブレークスルー感染の判明後に重症化または死亡したケースについては、本県では該当はありません。 次に、ブレークスルー感染の定期的な情報開示についてですが、県では、個人の特定や差別の誘発等につながることのないよう十分配慮した上で、ホームページで、ワクチン接種効果の周知やブレークスルー感染への注意喚起を行っているところです。 次に、社会的検査の徹底についてですが、県では、これまでと同様、感染拡大時には一斉検査を実施するなど、感染状況に応じて必要な対応を行ってまいります。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 地方公務員の定年延長についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、スケジュール感についてです。 現在、国から示されているスケジュールでは、年明け以降に条例の参考例が示される予定で、職員団体との協議も適宜行うこととされており、これらを踏まえ、条例改正に向けた具体的な制度の検討・構築を行っていきたいと考えています。 次に、定年引上げの意義についてです。 少子高齢化が進む中、複雑・高度化する行政課題に的確に対応し、良質な行政サービスを提供するためには、能力と意欲のある高齢期の職員を最大限活用しつつ、次の世代にその知識、技術、経験などを継承していくことが必要であり、定年引上げは有意義な制度であると考えています。 次に、制度の導入による人事政策上の課題への対応についてです。 定年の引上げは、高齢期の職員のみならず、若年・中堅層職員も含めた人事管理全体に様々な影響を及ぼすことから、改正法においても、役職定年制を導入することとされており、今後、国から示される制度設計の考え方や他県の動向等を踏まえ、適切な制度となるよう、検討してまいります。 次に、脱炭素の取組についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、電力供給に係る一般競争入札の現状についてです。 県では、令和元年度以降、約五十件の電気の調達に係る入札を実施しましたが、このうち再生可能エネルギーの利用を前提としたものはありません。 次に、県有施設の使用電力の再生可能エネルギー一〇〇%化についてです。 県では、今年三月に改定した、山口県地球温暖化対策実行計画に基づき、環境に配慮した電気の調達に新たに努めることとしたところであり、今後、再生可能エネルギーの導入について、コストや事業者の供給体制等を踏まえながら、検討を進めていくこととしています。 次に、教職員の働き方改革に関するお尋ねのうち、私立学校における運動部活動指導の在り方についての数点のお尋ねに、まとめてお答えします。 学校法人等の学校設置者は、お示しの国のガイドラインにのっとり、都道府県の運動部活動の在り方に関する方針を参考に、設置する学校に係る運動部活動の方針を策定することとされています。 県内の私立学校においては、私立中学、高等学校二十八校のうち十五校で、県の方針を参考に、休養日や活動時間を設定した運動部活動の方針が策定されています。 また、部活動指導員を任用し、研修を実施しているのは一校です。 県としては、私立学校における自主性や独自性を尊重しつつ、運動部活動の方針について、これまでも国のガイドラインにのっとり、県の方針を参考に策定を行うよう、要請してきたところですが、未策定の学校については、引き続き、策定に向け、働きかけを行ってまいります。 次に、情報公開条例についてのお尋ねにお答えします。 まず、非開示事項に該当する情報が記録されているときは開示をしないことができるを、非開示情報が記録されているときを除き開示しなければならないとするよう見直すべきとのお尋ねです。 本県条例は、公文書の原則開示を基本理念としており、県民の知る権利を尊重し、県が保有する公文書の開示を請求する権利を明らかにするとともに、条例の解釈及び運用に当たっては、開示を求める者の権利を最大限に尊重しなければならないと規定しています。 こうしたことから、本県の条例施行後に制定された情報公開法や他県の条例と規定の方法は異なっているものの、趣旨及び運用において、何ら異なるものではありません。 また、意思形成過程情報、協力・信頼関係情報、合議制機関等情報の規定につきましては、国や他県においては、法令の解釈及び運用等に当たり、同様の趣旨を含む包括的な規定により、非開示情報を判断することとされています。 こうしたことから、本県条例がこれらの規定を設けていることで、非開示の範囲を広げているものではありません。 したがいまして、県としては、直ちにこれらの規定の見直しを行うことは考えていませんが、引き続き、条例の趣旨、目的を踏まえながら、情報公開制度の適正な運用に努めてまいります。 次に、宇宙状況監視レーダーについての三点のお尋ねにお答えします。 まず、住民説明会などが突然中止になったことについて、国からどのような報告を受けているのかについてのお尋ねです。 国からは、宇宙状況監視レーダーの設置等について、より分かりやすく、丁寧な説明をするために時間を要していることや、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大が危惧される状況であることなどから、山陽小野田市と調整し、住民説明会等の開催時期を延期することとなったと聞いております。 次に、レーダー設置予定地の近くの市民に、工事のお知らせが配布されたことは、住民懐柔工作ではないかとのお尋ねです。 国からは、電源局舎の整地工事の開始に当たり、休日や夜間作業に対する理解や協力を頂くため、近隣の自治会協議会にビラを配布したものと聞いています。 次に、宇宙状況監視レーダーに関するあらゆる情報の提供を求めるべきとのお尋ねです。 宇宙状況監視レーダーについては、現在、国において住民説明会の開催等が調整されているところであり、地元山陽小野田市や地域住民に対し、その必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています。 なお、お示しの宇宙作戦隊の新設については、国の防衛政策に関する事柄であり、その必要性等については、国において検討されるべきものと認識しています。 ○副議長(二木健治君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 農業振興、特にスマート農業についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、農家の方々がスマート農業を理解できるような実証についてです。 昨年四月に設立した、山口県スマート農業導入加速協議会を中心に、条件の異なる八地域において、地域の特性や生産者のニーズに応じた様々なスマート農業機械や装置を貸し出し、現地実証を行っているところです。 次に、農家の負担が過度にならないスマート農業機械の導入支援については、費用対効果を判断した上で、導入を希望する法人等が活用できる国や県の補助事業を提示するとともに、相対的なコスト低減につながる規模拡大や複数法人での共同利用などを推進しています。 次に、今後の導入促進への支援については、スマート農業の導入が本県農業の活性化につながるよう、市町やJA、農機メーカー等の関係機関と連携しながら、引き続き、ハード・ソフト両面からの対応を行ってまいります。 次に、上関原発についてのお尋ねのうち、共同漁業を営んでいる者についてお答えします。 お尋ねの海域においては、熊毛郡上関町大字長島四代地区を関係地区として、山口県漁業協同組合に対し、第一種及び第二種共同漁業を免許しており、当該共同漁業を営んでいるのは、山口県漁業協同組合四代支店組合員です。 ○副議長(二木健治君) 神杉環境生活部長。    〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 ◎環境生活部長(神杉さとみさん) 脱炭素の取組についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、山口県地球温暖化対策実行計画の改定についてです。 県実行計画には、今後の国の動向や社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じて見直すことを明記しており、県では、引き続き、国の動きを注視するとともに、社会情勢の変化等を踏まえ、県実行計画の改定の必要性について検討してまいります。 次に、県有施設における再生可能エネルギー発電設備の導入状況についてです。 令和二年度末時点で、教育委員会、県警察本部所管の施設を含め、八十三の県有施設に、計八百五十九キロワットの太陽光発電設備が導入されています。 次に、再生可能エネルギーの導入促進等についてです。 まず、二〇五〇年温室効果ガス排出ゼロ表明については、県としては、カーボンニュートラルの達成に向けた国の動き等を踏まえるとともに、県民や事業者、市町などから幅広く意見を聞きながら、引き続き、慎重に検討することとしています。 また、再生可能エネルギーの導入促進については、県は実行計画において、再エネ発電量等の導入目標を設定し、これまでも事業者や市町等と連携して積極的に取り組んでいるところです。 このため、お示しの「再エネ一〇〇宣言 RE Action」のアンバサダーとしての参画は考えていませんが、実行計画に基づき、引き続き、再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいります。 ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発について、数点のお尋ねにお答えします。 まず、海上ボーリング調査の準備作業が、一般海域の占用許可期間開始前に、許可条件を遵守することなく行われてよいのかについてです。 今回の海上ボーリング調査のための準備作業は、一定の区域を排他・独占的に使用するという占用行為に当たらないことから、占用許可は不要です。 占用許可に当たらない準備作業については、そもそも占用許可条件の対象外であり、許可条件が遵守されることなく準備作業が行われているとの御指摘は当たりません。 次に、中国電力が祝島に宛てた文書の発出権限は何によるものか、また、中国電力と島民の会との裁判での和解内容に係る根源的な解決に向けた知事の見解は何かの二点について、まとめてお答えします。 いずれも、事業者と島民の会等との和解に係るものであり、民事上の問題であることから、県としてはお答えする立場にありません。 次に、中国電力に占用許可の廃止届を提出するよう指導すべきではないかについてです。 海上ボーリング調査の実施に向けて、どのように対応するかは、事業者において判断されるべきものであることから、県としては、廃止届の提出を指導することは考えていません。 次に、海上ボーリング調査によって、免許を有する県漁協にどのような利害が生じるのかについてです。 山口県漁業協同組合は、今回の占用区域において、排他・独占的な権利である漁業権を有しており、今回の海上ボーリング調査によって、漁業権の行使に支障が生じる可能性があることから、利害関係を有すると考えています。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発についてのお尋ねのうち、地元団体の生の声についてお答えします。 「元気創出!どこでもトーク」についてお尋ねがあったところですが、県では、これまで、お示しの団体からの申入れ等に対し、組織として真摯に対応しているところです。 上関原発計画については、様々な意見があることは承知しておりますが、県としましては、これまで一貫して、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してきたところであり、今後とも、同様に対応してまいります。 ○副議長(二木健治君) 平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) 情報公開に関する御質問のうち、県民相談への対応状況等の公開についてのお尋ねにお答えします。 県民の皆様からの御意見等は、県政運営や施策立案のための貴重な基礎資料となるものであることから、御意見等がより県に届きやすくすることが重要であります。 こうした観点から、お尋ねの県民相談については、県民の皆様が気軽に問合せ等ができるよう、その内容を公開しないことを前提に運用を行っているところです。 また、実際の内容についても、事実関係の確認が難しいものや、個人が特定される可能性があるものが多く、取扱いに当たっては慎重な対応が必要であり、他県においても、公開されている意見等の内容や、その回答はごく一部に限られています。 このため、県としては、県民相談の内容や回答を公開することは考えておりませんが、そのほかの広聴事業として実施している「元気創出!どこでもトーク」や県政世論調査の結果等については、できるだけの公開を行っており、今後も、これに努めてまいります。 ○副議長(二木健治君) 西村副教育長。    〔副教育長 西村和彦君登壇〕 ◎副教育長(西村和彦君) 教職員の働き方改革についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、令和二年度の県立学校教員の一か月当たりの平均時間外在校等時間は二十九・八時間、月八十時間を超えた教員の割合は五・六%となっています。 また、時間外在校等時間の上限である月四十五時間を超えた教員の割合は二二・一%であり、そのうち部活動指導が主な理由である者の割合は五〇%です。 次に、この実態の認識と解消に向けた取組についてです。 これまでの取組により、一定の効果が得られたものの、学校では新型コロナウイルスへの対応等で新たな業務も生じている中、依然として厳しい勤務の実態があると考えており、今後とも、学校における働き方改革加速化プランに掲げた取組を着実に進めてまいります。 次に、市町教育委員会における勤務時間管理の現状についてですが、市町立学校においても、県立学校と同様の取組が進められているものと承知しています。 市町立学校教員の働き方改革については、基本的には、各市町教委において取り組まれるものですが、県教委としましても、勤務体制の改善に関する取組等について情報共有を行うなど、引き続きプランに沿って、連携して取り組んでまいります。 次に、運動部活動指導の在り方についてです。 まず、県立学校の運動部の休養日ですが、令和二年度は、文化部も含めておおむね九割の部活動が、県方針に沿った休養日を確保していると把握しています。 なお、生徒による自主練習の実施状況までは把握していません。 次に、部活動指導員の配置ですが、今年度は、九月現在、文化部も含めて県立学校に四十二名、公立中学校には七十二名を配置しています。 県教委としましては、平成三十年度に策定した、運動部活動指導の在り方に関する方針の徹底により、運動部活動の適正化が図られてきているものと考えています。 ○副議長(二木健治君) 中嶋光雄君。    〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) ◆(中嶋光雄君) 再質問させていただきます。 るる御答弁頂きましたけれども、時間がありませんので、上関についてのみ、再質問させていただきます。 農林水産部長より、ボーリング占用場所で共同漁業を行っているのは四代支店だという御答弁がありました。けれども、土木建築部長では、このたびの一般海域の占用許可申請に当たって、県漁業の同意があって、県漁業の共同漁業権が妨げられると、こういうふうにおっしゃいました。 しかし、県漁業というのは、免許を受けているだけだから、ボーリング調査で損失を受けるということは考えられない、あくまでも漁業を営むのは組合員であるのが当然だと思います。 それなのに、部長は県漁業の共同漁業権が妨げられる、損なわれるというようなことだったと思いますけれども、それでは、県漁業が損なわれるというのを、具体的に例を挙げて説明頂きたいと思います。 私は、県漁業の同意書があればいいのだとおっしゃいますけれども、そうすると、県漁業の組合員には、当然、祝島支店の組合員も含まれるわけですし、日本海側の田万川の漁協の組合員も引き上げられるということになります。 翻ってみますと、二〇〇二年の漁業補償契約では、当時、まだ合併前ですので、四代漁協、上関漁協、祝島を含む八漁協の共第百七号共同漁業権管理委員会と中国電力で漁業補償が結ばれています。 四代漁協、上関漁協は、当然、漁をする海面が埋立てられるのですから、直接、漁業ができなくなるから、補償の対象になるのは当たり前のことです。そのうちの八漁協、共第百七号共同漁業権はなぜかというと、温排水、原発から排出される温排水の影響を受けるからだとするなら、山口県漁協の全部の支店が温排水の影響を受けるというと同じ意味ではないかと、これは思うんですけども、この点について御説明頂きたいと思います。 以上、御答弁をお願いします。(拍手) ○副議長(二木健治君) 和田土木建築部長。    〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 ◎土木建築部長(和田卓君) 上関原発についての再質問にお答えいたします。 このたびの海上ボーリング調査に関する一般海域の占用許可の申請については、条例に基づき、適正に審査した結果、申請内容が条例の許可基準に適合していることから、許可したものです。 ボーリング調査の実施について、どのような損失が発生するかどうかは、事業者と県漁業の問題であることから、県としては、お答えする立場にありません。 ○副議長(二木健治君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 上関原発についての再質問にお答えします。 漁業法の規定上、共同漁業権は、漁業協同組合または漁業協同組合連合会に対してのみ免許され、組合員は当該漁業権の免許の範囲内において、漁業を営む権利を有するとされております。 同じ山口県漁業協同組合の組合員であっても、漁業権行使規則で規定する資格に該当しない者は、当該漁業権に係る漁業を営む権利はございません。 それから、漁業補償契約に基づく補償金、この問題につきましては、漁業補償契約は民事上の問題でございますから、県としては、お答えする立場にはございません。 ○副議長(二木健治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。 私は昨年九月、菅政権発足以来、毎議会、時々の評価をお聞きしてきました。 六月議会では、コロナ対策の無為無策とオリパラの強行についてお聞きしましたが、知事は、コロナ対策も五輪推進も、いずれも心強く感じていると、もろ手を挙げて礼賛されました。 両大会の期間中は、全国的にも感染が急激に拡大。感染対策をはじめ多くの問題を残したことは御承知のとおりであります。 改めて菅政権下でのコロナ対策とオリパラ推進の評価について伺います。 第二は、歴史認識に係る問題です。 今年初めて全国戦没者追悼式で首相式辞を述べた菅首相は、さきの大戦では、三百万余りの同胞の命が失われましたと述べたものの、日本が引き起こしたアジア・太平洋戦争で二千万人を超すアジア諸国民の命を奪ったことには全く触れず、過去に無反省な政権の姿をあらわにしました。 あさって九月十八日は、九十年前、日本が中国東北部、いわゆる満州事変を起こし、侵略戦争を始めた日でもあります。以後、一九三七年に日中全面戦争、四一年にアジア・太平洋戦争へと侵略を拡大させたことは歴史の事実です。 一九一○年には、朝鮮人民に対して、土地収奪だけではなく、姓名も言語も文化、宗教など民族の誇りを奪い尽くす植民地支配を強行しました。時の政権、総理大臣は、いずれも山口県出身者でした。 安倍・菅政権がこの九年間、あえて目を背けてきた加害責任について、どうお考えなのか、知事の歴史認識を改めてお尋ねします。 質問の第二は、コロナ禍における保健医療体制強化についてです。 第一は、保健所機能の抜本的な拡充です。 国内でも一九八○年代以降、全てを市場任せにして、医療・福祉、公共サービスの縮小や民営化により小さな政府を目指す新自由主義が声高に叫ばれ、山口県も構造改革の掛け声で、出先機関の統廃合を一気に進めました。 資料一に示したように、公衆衛生の拠点でもある保健所・支所は、二○○三年の十五か所から、二○一九年には八か所にほぼ半減しました。県保健統計年報によりますと常勤職員は、二○○三年度末三百七十六人から、一九年度末の二百三十七人へと三七%も削減。 こうした中で、保健所は、昨年三月以来の新型コロナの感染急拡大により、通常業務に加え、発熱相談や濃厚接触者の追跡、入院調整などの激務が集中しています。 その結果、保健所では、時間外勤務が過労死ラインを超過する月百時間以上の職員数は、昨年は六十七人、今年はこの八月までで百九十七人に達しており、中には月二百六十三時間も時間外勤務を強いられた職員もいます。月二十日勤務とすれば、一日の勤務時間は時間外を含めて、何と二十一時間です。まさに過労死につながる異常事態であります。 我が党は一貫して保健所職員の拡充増員を求めてきましたが、今年度の職員の増員は僅か六名です。 構造改革を名目にした保健所・支所と職員削減が、あってはならない長時間過密労働を生み出したことは反省すべきですが、お尋ねします。 新型感染症によるパンデミックは、今後も繰り返される可能性は大です。今回を教訓として、保健所・支所の復元と職員の大幅増は喫緊の課題ですが、どう取り組まれるか伺います。 第二は、医療体制の拡充です。 首都圏や近畿圏などコロナパンデミックに襲われた地域では、医療崩壊が現実となり、入院治療が必要な方が自宅療養という名の自宅放置という、信じられない事態が生まれました。 県内では幸い、こうした事態は避けられていますが、病床使用率が七割を超え、レベルⅣの時期もあり、決して人ごとではありません。災害と同様、最悪の事態を想定した備えは欠かせませんが、県は、地域医療構想の名前で病床削減策を推し進めています。 資料二のように、二○二五年時点の望ましい病床数は、全県で高度急性期千三百二十三、急性期四千五百八、回復期四千六百七十四、慢性期五千三百八十四とされ、一九年の病床機能報告と比べると、高度急性期六百三十七、急性期二千四百九十九、慢性期二千八百八十三の病床を削減しようとしています。 政府はコロナ感染拡大後、同構想の見直しを言明していましたが、結局、基本的な枠組みを維持しつつ、着実に取組を進めていくと変わりません。医療崩壊という、かつて想像もしなかった事態が想定される中で、到底容認できるものではありません。 加えて許し難いのは、国が昨年度から取り入れた病床削減支援制度であります。稼働率の高い病床を削減したら、一床当たり最大二百二十八万円の報奨金を配るというものです。昨年度は県内でも百八十五床削減され、二億六千五百六十二万円の支援金が支払われました。 今年度から、報奨金の財源は消費税増税分とされ、百九十五億円の予算が計上され、県も六月から申請受付を開始しています。 消費税は福祉増進のためと導入が強行され、福祉増進のために増税が繰り返されて、安倍政権の下で一○%にまでなりました。 消費税を財源とした報奨金をニンジンのようにぶら下げて、病床削減を推進するという、こうした施策は、病床削減は福祉増進のためという論理につながってしまいますが、県も同意されているのか。まさにモラルハザードであり、直ちに撤回を求めるべきです。お尋ねします。 質問の第三は、最低賃金引上げと中小企業支援についてです。 山口労働局は八月二十三日、山口県の最低賃金を一時間二十八円引き上げ、八百五十七円に改定すると発表し、十月一日から効力が発生します。引上げ率は三・四%と近年最大であり、評価するものであります。 しかし、この金額で、一か月フルタイムで働いた場合の月収は約十四万九千円、税金、社会保険料を除けば、十二万円程度であり、安定した暮らしは望めません。 全国労働組合総連合は、最低生計費調査を基に、若者が人並みの暮らしをするためには約二十四万円程度必要だという調査結果を発表し、そのためには時給千五百円が必要と提言しています。 県は今回の最賃引上げをどう評価し、今後、どの程度まで引上げが必要と考えているのか、お尋ねします。 最賃引上げと同時に、中小企業への支援を抜本的に強めることが欠かせません。 ところが、国の最賃引上げの支援策の一つ、業務改善助成金の予算は二○一九年度、約七億円にすぎません。また、安倍政権が打ち出した賃上げ減税は、二○一九年度実績で三千八百四十九億円、その上、半分以上は大企業に回り、中小企業は僅か四%程度にすぎません。 日本共産党は、予算規模を現在の千倍に当たる七千億円へと抜本的に拡充し、労働者を雇用すれば赤字でも負担する社会保険料の事業主負担分を、賃上げ実績に応じて減免する中小企業賃上げ支援制度をつくるように提案しています。 また、適正な単価や納入価格の保障、過度な競争の規制、公契約法、公契約条例の実現と併せ、中小企業が最低賃金を引き上げられる環境をつくることが急務と考えますが、見解を伺います。 質問の第四は、米軍岩国基地問題についてです。 第一は、岩国基地の港湾機能の問題です。 沖合移設事業着工前の一九九六年六月議会で、我が党の中島修三県議が、同事業によって港湾機能が強化されることは基地機能強化にほかならないと問いただしたのに対し、当時の平井知事は、防衛施設庁が、現有の機能と何ら変わるものではないので、基地機能の強化ではないと説明していると弁明しました。 事業が進捗していた二○○五年九月県議会では、我が党の藤本一規県議が、沖合移設は機能代替が原則。新たな岸壁への米艦船の接岸は、この原則を逸脱するために容認できないはずだと見解をただしたのに対し、当時の総務部理事は、国の見解を確認したところ、従来どおり燃料並びに補給物資等の積み下ろしを行うためのもので、大型艦船停泊のために建設したものではないという説明を受けたと答弁しました。 しかるに、二○一二年以降、明らかになっているだけでも、資料三に示したように、四万トンから六万トンクラスの大型艦船が六回も停泊し、オスプレイやアパッチなど大型の輸送機やヘリコプターの積み下ろしを行ってきました。 この事実は、過去の国の説明は明白な虚偽であり、約束違反だと考えますが、見解を伺います。 黙っていたら今後も、自衛隊配備のオスプレイの陸揚げに利用される可能性は大であります。国に厳重抗議し、大型艦船の停泊は二度と行わないように要請すべきです。それとも、米軍の運用上の問題として看過されるのか、併せてお尋ねします。 第二は、F35Bの安全性の問題です。 米軍岩国基地に配備されているステルス戦闘機F35B二機が七月十三日、沖縄に向けて飛行中に落雷の被害を受けました。同基地報道部は、乗員にけがはなく、安全に着陸したと説明していますが、その後、米海軍安全センターは損害額が二百五十万ドル、約二億七千五百万円を超える見込みであることから、事故の深刻度を示す四段階の分類のうち最も重大なクラスAと判断しています。 基地報道部はマスコミの取材に対し、現在、事故調査が進められており、学び得た経験は今後の飛行運用に生かすなどとしていますが、F35Bについては、従来から雷に脆弱である事実が指摘されていました。昨年六月二十五日付の米報道機関ミリタリーコムは、F35Aは爆発の懸念から雷の近くでの飛行は禁じられたとする記事を掲載しています。 落雷はどこでも起こり得る現象です。F35が落雷に脆弱であるという構造上の欠陥がある可能性があるとすれば、極めて重大な問題です。 国に対して、今回のクラスAの事故の経緯と原因はもちろん、F35に構造上の問題がないかも含めて明らかにするよう求めるとともに、事故原因が究明され、再発防止策が講じられるまでは訓練を中止するよう要請すべきであります。お尋ねします。 質問の第五は、上関原発問題です。 第一は、現在、国が策定を進めている第六次エネルギー基本計画との関連です。 二○一一年三月の福島原発の過酷事故を機に、国のエネルギー政策は大きく変わりました。 二○一○年六月の第三次エネルギー基本計画は、二○二○年までに、九基の原子力発電所の新増設、さらに二○三○年までに、少なくとも十四基以上の新増設と明記されていましたが、第四次基本計画では、原発の再稼働を進めることは書き込まれたものの、原発依存度は可能な限り低減させるとされ、新増設については、政府は想定していないと繰り返しています。 県が国の専管事項だと繰り返すエネルギー政策のうち、原子力発電所の扱いは、新増設推進から、新増設は想定しないと大転換していることは明らかではありませんか、お尋ねします。 国の政策が変わった以上、県のエネルギー政策も変わるのは当然ですが、具体的にどのような政策変更があったのか、お示しください。 第二は、SDGsと原子力発電との関連です。 SDGsとは持続可能な開発目標の略称です。二○一五年九月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟百九十三か国が二○一六年から三○年の十五年間で達成するために掲げた目標であります。 山口県もSDGsが掲げる十七の目標を第二期「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる施策と関連づけて、その推進に取り組んでいます。 原子力発電は、発電の過程ではCO2を出さない方法として、SDGsとつながっているとも言われますが、一方で、発電をする際に核のごみと言われる放射性廃棄物が発生するという大問題があります。核のごみを処理し切るためには数十万年単位の年月が必要とされており、我々の子孫に大きな負の遺産を残すことになり、持続可能という考え方からも遠のきます。 また、福島第一原発事故から十年たった今でも帰宅困難区域になっている場所があるなど、社会的、時間的、空間的に、ほかの災害とは異質の危険性を持つ原子力災害の危険性を考えると、住み続けられるまちづくりをというSDGsの考え方から最も遠い存在です。 原子力発電所の新設と県の総合戦略が両立し得ないことは明白です。住み続けられる山口県を次世代に引き継いでいくためにも、上関原発計画は白紙撤回を求めるべきです。見解を伺います。 質問の第六は、朝鮮学校問題についてです。 第一に、山口県は、補助金を支給しない理由として、高校無償化など国の考え方、二、他県の動向、三、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、補助金の支給は県民の理解を得られないということでありますが、私は、在日朝鮮人の方々は、日本の植民地支配によって故郷を追われ、やむを得ず日本に渡ってきた人々とその子孫であり、植民地支配は、被害国を徹底的に支配し、あらゆる権利を奪う犯罪だと考えます。 まず、県当局に、こうした歴史認識についてお尋ねします。 第二に、他県の動向についてです。 北九州と福岡県は、子供たちには罪はない、教育に差別は持ち込まないと補助金支給は継続しています。 あの広島市は、国や県の対応も変わっていない現状からすると、本市としても現時点で助成を再開することは極めて困難と答弁する一方で、本市の市民である子供たちが民族教育を受ける権利については、当然に尊重すべきものと答弁しています。 山口県は、在日コリアンの方々は山口県民ではないとでも言うのでしょうか、お尋ねします。 次に、北朝鮮の動向は県民の理解を得られないについてです。 北朝鮮による核実験や日本人拉致などは、朝鮮学校で学ぶ児童生徒に責任があることでは全くありません。 御承知のように、日本が批准している人種差別撤廃条約や子どもの権利条約には、民族教育を保障すべき締約国と地方政府の義務が明記されています。 今、山口県が行っているのは、民族的、文化的、言語的アイデンティティーを獲得する教育を受けることをさらに危うくすることにほかなりません。 一刻も早く、補助金を復活すべきであります。お尋ねします。 最後は、安岡沖洋上風力発電所問題についてです。 先日、同事業を進めてきた前田建設工業が、地元の反対する会の会長に、建設は凍結する旨の表明がありました。地元の皆さんの不屈の闘いに、心から敬意を表します。 まず、県として、凍結表明をどのように捉えているか伺います。 同事業について村岡知事は、二○一七年六月八日、健康への影響や景観に対する住民の不安が払拭できていないとする知事意見書を経産大臣に提出されました。 低周波による健康被害に対する科学的医学的知見が確立していないことと、地元住民の合意が大前提だとする内容であります。 環境省が久留米大学に委託した低周波による健康被害の科学的医学的知見については、どこまで進捗しているか、お示しください。 健康リスクへの不安の払拭や住民合意がなければ、こうした建設は絶対に認められないことは当然であり、事業者に対し凍結ではなく、きちんと撤退すべきだと要請すべきと考えますが、お尋ねをして、一回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは、菅政権の評価についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、菅政権においては、何よりも国民の命と健康を守るとの考えの下、病床等の確保促進に加え、中和抗体薬や酸素ステーションの導入、開業医を活用した療養者支援の充実など、必要な医療を確実に提供するための対策を強力に進めてこられました。 さらに、感染や重症化を防ぐ効果が高いとされるワクチン接種についても、歯科医師の活用や職域接種の促進など、既存の枠にとらわれない新たな手法を用いることにより、当初の目標を大きく上回るペースで進んでおり、既に全人口の五割以上が二回の接種を完了したところです。 また、経済面においては、雇用調整助成金の特例措置や事業者に対する資金繰り支援の期限延長など、国民の雇用と暮らしを守る対策が的確に講じられ、制限の緩和と社会経済活動の正常化に向けて、新たなワクチン・検査パッケージの導入も検討されています。 私は、こうした一連の取組がさらに前へ進められることで、今後、コロナとの共存を前提としながら、感染拡大への備えを固めると同時に、社会経済活動の正常化を実現する確かな道筋がつけられてくるものと期待しています。 東京オリンピック・パラリンピックについては、その開催に対して様々な意見もありましたが、我が国は、開催国としての責任を十分に果たすとともに、代表選手たちの活躍が、コロナ禍で影響を受けている多くの国民に勇気と希望を与える、またとない機会になったものと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(二木健治君) 平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) 歴史認識についてのお尋ねにお答えします。 歴史認識などの外交問題は、どこまでも国の専管事項であり、県としては見解を申し述べる立場にありませんが、政府においては、これまで、戦後五十年、六十年、そして七十年の節目に内閣総理大臣談話が閣議決定されており、県としては、こうした政府の見解を尊重すべき立場にあると考えています。 ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) コロナ禍における保健医療体制強化に関するお尋ねのうち、保健所機能の抜本的な拡充についてお答えします。 まず、構造改革を名目にした保健所・支所と職員削減が、あってはならない長時間過密労働を生み出したことを反省すべきとのお尋ねについてです。 これまで行ってきた保健所の組織再編や定数の見直しについては、地域保健法の施行に伴う県と市町村の役割分担の見直しや、市町村合併の進展等を踏まえたものであり、適切な対応であったと考えています。 次に、今回を教訓として保健所・支所の復元と職員の大幅増は喫緊の課題だが、どう取り組むのかとのお尋ねについてです。 新型コロナの感染拡大に伴い、保健所に大きな負担が生じたことから、職員の増員や応援派遣、業務の外部委託等、業務執行体制の強化や職員の負担軽減を図ってきたところであり、引き続き、感染状況や現場のニーズ等に柔軟かつ機動的に対応できる体制を確保してまいります。 また、今回のコロナ禍で直面した課題等を踏まえ、国において、感染症対策に係る国、都道府県、市町村の関係等について検討するとされていることから、こうした国の動向も注視しながら、適切に対応してまいります。 次に、朝鮮学校問題についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、歴史認識についてですが、政府において、これまで内閣総理大臣談話が戦後の節目において閣議決定されているものと承知をしています。 次に、他県の動向と県民の理解についてのお尋ねにまとめてお答えします。 福岡県や北九州市、広島市における対応については、それぞれの自治体の判断によるものと考えています。 その上で、県内の在日韓国・朝鮮人の方々を含め、国際条約などが求める子供の人権や学ぶ権利については、当然尊重すべきものと考えていますが、朝鮮学校補助金については、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないと判断しており、補助金を予算計上することは考えておりません。 ○副議長(二木健治君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) コロナ禍における保健医療体制強化についてのお尋ねのうち、医療体制の拡充についてお答えします。 国の病床機能再編に係る支援制度は、中長期的な人口減少・高齢化の進行を見据えつつ、地域の実情に応じた質の高い効率的な医療提供体制を構築するため、地域医療構想調整会議等の合意を踏まえて、自主的な病床削減等を対象としています。 県としては、地域医療構想に基づき、医療機能の分化・連携等、地域にふさわしいバランスの取れた医療提供体制を構築するために必要な支援と認識しており、国に撤回を求めることは考えておりません。 ○副議長(二木健治君) 小関商工労働部長。    〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 ◎商工労働部長(小関浩幸君) 最低賃金引上げと中小企業支援についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、今回の最低賃金引上げをどう評価し、今後、どの程度までの引上げが必要と考えているのかとのお尋ねについてです。 最低賃金については、法律に基づき、最低賃金審議会の審議を経て、各地域の労働者の生計費や賃金などを総合的に勘案して、地域の労働局長が決定しているものです。 今回の引上げについても、国において、審議会での慎重な審議等を踏まえて決定されたものであり、県としてその決定内容について評価すべき立場にはありません。 次に、中小企業の最低賃金引上げのための環境づくりに関する見解についてのお尋ねです。 国においては、最低賃金の引上げのため、事業再構築補助金における最低賃金枠の創設や、九月の価格交渉促進月間における集中的な適正取引の啓発など、中小企業に対する生産性向上や取引改善に向けた対策を講じることにより、賃上げしやすい環境の整備に取り組んでいます。 こうした国の取組に併せ、県としても、商工会等と連携し、国の補助金の申請サポート等を実施するとともに、大企業等の発注企業に対して取引適正化に係る文書要請等を行うこととしています。 県では、国と連携した対策を講じることにより、中小企業の最低賃金引上げのための環境整備に取り組んでいきたいと考えています。 ○副議長(二木健治君) 藤田総務部理事。    〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 ◎総務部理事(藤田昭弘君) 米軍岩国基地問題についてのお尋ねのうち、まず、岩国基地の港湾機能に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、過去の国の説明は虚偽であり、約束違反と考えるが、どうかとのお尋ねです。 岩国基地の港湾施設の運用については、県では、基地の沖合移設に際し、軍艦等の母港及び寄港地とならないよう国に要請しており、これを基本的な考え方として、軍艦等が寄港する際には、その都度、国に見解を照会するとともに、目的や施設の運用等についても確認しているところです。 その際に国からは、あくまでも、補給物資の荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であり、岩国飛行場が米軍艦船のいわゆる母港になるという計画はないと承知している、乗組員に岩国への訪問の機会を目的とする寄港は一般的にあり得るとの見解が示されています。 お示しの航空機の陸揚げを目的とする寄港については、国からさらに、基地周辺での具体的な運用の内容等について説明を受けており、これを踏まえ、県としては、その運用が一時的なものであり、基地周辺住民への影響も少ないことから、やむを得ないものと判断しています。 また、その他の寄港が、主として親善目的であることを踏まえると、岩国基地の港湾施設において、過去の国の説明に反する運用が行われているとまでは考えていないところです。 次に、大型艦船の停泊が二度と行われないよう要請すべきであるが、米軍の運用上の問題として看過するのかとのお尋ねです。 県としては、軍艦等が寄港する際の事前の情報提供の徹底を国に強く求めており、その内容に応じて、地元市町と連携して、国に必要な要請を行うとともに、航空機の陸揚げの場合には、併せて、岩国での実施を通例としないよう、要請しているところです。 岩国基地の港湾施設の運用については、今後とも、こうした取組を積み重ねることにより、なし崩し的に軍艦等の母港及び寄港地とならないよう、適切に対応してまいります。 次に、F35Bの安全性についてです。 航空機の機体の安全性については、外交・防衛政策を所管し、専門的な知見を有する国の責任において判断し、確保されるべきものであり、飛行訓練の中止についても、基本的には、国や米軍が安全管理の徹底を図る中で、自主的に判断されるべきものと考えています。 したがって、県としては、お示しの落雷による事故をもって、改めてF35Bの構造上の問題を確認することや飛行訓練の中止について要請する考えはありませんが、航空機の安全対策を徹底するよう、引き続き、あらゆる機会を通じて、国や米側に働きかけてまいります。 ○副議長(二木健治君) 三浦商工労働部理事。    〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 ◎商工労働部理事(三浦健治君) 上関原発問題に関する御質問のうち、エネルギー基本計画との関連についての二点のお尋ねにまとめてお答えいたします。 現行の第五次のエネルギー基本計画において、原子力発電所の新増設に関して明確な記述がされていないこと、また、国会答弁等において、原発について新増設やリプレースは現時点においては想定していない旨の政府の考え方が示されていることは承知しております。 一方で、国からは、上関原子力発電所に係る重要電源開発地点の指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの見解も示されております。 県としましては、重要電源開発地点に指定された上関原発について、国のエネルギー政策上の位置づけは現在も変わっていないものと認識しており、これまでと同様に、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応しているところです。 次に、SDGsと原子力発電との関連についてです。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、SDGsの考え方との整合性を含め、原子力発電をどうするかについては、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任で判断されるべきものと考えております。 また、上関原発計画は、事業者である中国電力が、国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えております。 このため、県としましては、上関原発計画の白紙撤回を求めることは考えていません。 次に、安岡沖洋上風力発電所問題に関するお尋ねのうち、事業者による凍結表明についてです。 お示しのような凍結表明があったかどうかにつきましては承知しておりませんので、県としては、見解を述べることはできません。 ○副議長(二木健治君) 神杉環境生活部長。    〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 ◎環境生活部長(神杉さとみさん) 安岡沖洋上風力発電所問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、低周波による健康被害の科学的医学的知見の進捗状況についてです。 環境省は、平成二十九年五月に発出した風力発電施設から発生する騒音に関する指針において、久留米大学の研究結果を踏まえて、低周波音と健康影響に明らかな関連を示す知見は確認されなかったとしており、それ以降は、新たな知見は示していません。 次に、事業者に撤退を要請すべきとのお尋ねですが、環境影響評価制度においては、県が事業の可否を判断するものではないことから、撤退の要請をすることはありません。    〔発言する者あり〕 ○副議長(二木健治君) 木佐木大助君。 ◆(木佐木大助君) 議長、その前に答弁漏れがあるんですが、恐らく総務部長の、要するに在日コリアンは山口県民かと。広島市の当局がちゃんとそれは我が広島市民であるっていうことも聞きました。ついでに言えば、下関の当局もそういう大事な下関市民だということは言っておるんですが、山口県は、在日コリアンは山口県民として見とるんか見てないのか。それか、あえて答弁を避ける態度なのか。いずれにしても答弁漏れですので。 ○副議長(二木健治君) 再質問で答えていただきたいと思います。 ◆(木佐木大助君) 内海部長に。ちゃんと答えてくれるということでよろしいですか。 ○副議長(二木健治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問行います。 保健所問題、NHKは今年一月、保健所の体制について、全国の知事を対象に書面によるアンケートを行い、全ての都道府県から回答を得たと報じています。コロナ禍で保健所の体制が十分だと思うか。十分だと答えたのは八つの自治体で、全体のおよそ六割に当たる二十九の自治体が十分ではないと答えました。 十分ではないと答えた知事の多くは、これまでマンパワーの確保に取り組んできたとしていますが、例えば栃木県知事は、新規感染者の急増により業務量が増え、通常業務を一部制限せざるを得ない。また、熊本県の知事も、業務の効率化や拡充を行ってきたが、感染拡大の速度に間に合わず、専門職の人数が不足しているとコメントを寄せています。 さて、山口県はどうだったのか。何と保健所の体制は十分と回答されていました。昨年五月から十二月まで、県内五つの保健所で、時間外勤務が八十時間を超えた職員は九十人もおられました。二百時間を超えた職員もいます。こうした現実を目の当たりにしながら、なぜ保健所の体制が十分と回答されたのか、お尋ねします。 また、こういう県の態度は、職員のモチベーションを大きく損なうことにならないか、心配します。保健所の体制は十分ではない。大幅な増員を図る必要があるという認識に立って対応すべきだと考えますが、改めて伺います。 基地問題、米軍岩国基地における基地機能の変更に対する基本政策について、県は機能強化の有無を判断する能力がないから、二○一七年九月以降は、騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が悪化することは認められないに変更していると繰り返されています。 県議会は、過去三度にわたって、基地の機能強化は許されないという決議を上げています。 我が党は、山口県当局は、この決議の縛りから逃れるために判断基準を意図的に変えて、ついに基地機能強化という概念そのものをなくそうとしているという懸念を持たざるを得ません。この点、お尋ねします。 こうした県当局の対応は、結果的に岩国基地に起因する爆音や墜落への恐怖、米兵軍属による犯罪に苦しめられている多くの住民の思いを踏みにじることになります。 所属機数が増える、最新鋭装備に変わる、新たな部隊が駐留する、これまで接岸できなかった艦船が寄港する、これらの事実を機能強化と言わず、何と言っているのか、お尋ねします。 F35B事故についてです。 落雷によってクラスAの被害を被ったF35の事故原因などについては、米側は運用上の問題として説明を拒否しているようです。 しかし、落雷の可能性は、墜落などと比較するとはるかに高いわけです。落雷によって機体にどのような損傷があったのか、構造上の問題はなかったのかなどについて、運用上の問題として看過できるものではありません。事故原因の究明を求め、再発防止策をつまびらかに明らかにするよう求めるべきです。改めて答弁求めます。 原発問題です。 国のエネルギー政策の大本であるエネルギー基本計画において、原発の新増設の記述は消え去り、時の首相も新増設は想定していないと繰り返すなど、現時点で原発新設などできないことは明らかです。 ところが、中国電力は上関原発の重要電源開発地点の指定、これは引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除することはできない、考えていないという政府の回答をもって、上関原発は国のエネルギー政策に位置づけられていると強弁し、山口県はそれを受けて、電源の開発が確実であると埋立延長の申請を許可し続けています。こんな茶番はいつまでも許されるはずではありません。 我が党は、市民と野党の共同の力で原発ゼロを目指す政権を実現し、上関原発建設を止めるために全力を尽くして頑張ります。これは意見ですので、答弁は要りません。 最後、朝鮮学校問題、県民の理解が得られないと言いますけれども、世論調査も行っていない、県政世論調査でも今年度と昨年度、拉致問題での調査を行っただけではないですか。基地・原発問題では国の専管事項としながら、この問題では大胆に外交・防衛問題に踏み込む、二枚舌までとは言いませんが、地方自治体としてはあってはならないダブルスタンダードと考えます。この点について見解を求めて再質問といたします。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 木佐木議員の再質問にお答えします。 まず、保健所の体制の強化についてであります。 長時間の時間外が発生する中、なぜ今年一月のNHKのアンケートに保健所の体制は十分と回答したのか、体制強化に取り組むべきではないのかとのお尋ねです。 NHKからアンケートのありました一月下旬の時点では、全県下で一日当たり約二十人程度の新規感染者の発生でありまして、その時点では職員の機動的な応援派遣や業務の外部委託等により、十分対応できる体制を確保していたことから、アンケートはそのように回答しているものです。 県としましては、引き続き、感染状況や現場のニーズ等に柔軟かつ機動的に対応できる保健所の体制を確保してまいります。 次に、朝鮮学校問題についての再質問であります。 世論調査も行わず、基地・原発問題では国の専管事項としながら、外交・防衛問題を盾に朝鮮学校への補助金を廃止したのはダブルスタンダードではないかというお尋ねであります。 朝鮮学校への補助金でありますけれども、これを外交・防衛問題として捉えているものではありません。あくまでも朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県として県民の理解が得られないと判断しているものであり、朝鮮学校補助金を予算計上することは考えておりません。 ○副議長(二木健治君) 藤田総務部理事。    〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 ◎総務部理事(藤田昭弘君) 再質問にお答えします。 まず、軍艦の寄港に関連して、基地機能の強化の概念についてお尋ねがございました。 基地機能強化とその概念につきましては、平成二十九年九月まで県の基地問題に対する基本姿勢の一つとして用いていた、今以上の基地機能の強化は容認できない、そういうことであると思いますが、その判断基準としては、部隊の移駐などの基地機能の変更があった場合に、航空機騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が現状より悪化する状態が生じるかどうかとしていたところで、これはこの県議会でも何度も議論が重ねられたものと承知しております。 しかしながら、基地機能の強化という表現では、県としてこれを判断することができない軍事機能の強化というふうに誤解される可能性があるので、平成二十九年九月以降はその表現を用いずに、判断基準であった航空機騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは認められないという表現に基本姿勢を改めたところです。 したがいまして、その表現は変更しているものの、その考え方、判断基準、これは平成二十九年九月以前も以降も一貫しているものであり、機能強化の概念そのものがなくなったものではございません。 それから、事例を示されて機能強化となるのかということがございましたが、まず、基地の運用の全てについて、これが何でも基本姿勢に照らして判断するのかということではなくて、基地施設の充実とか基地施設の新設、それから部隊・航空機の追加配備というようなものが、この基地機能の変更に当たるというふうに考えておりまして、基地の一時的な運用というふうに言えるものは、これに当たらないということで、基本姿勢に照らして判断するものではないというふうに考えております。 この考え方により、最新鋭機への変更とか艦船の一時的な寄港などは、この基地機能の変更には該当しませんが、所属機の増加、これも部隊への航空機の機数というのはその時々で変動しますので、機数の増加が単純に基地機能の変更になるとは言えませんが、例えば、これが航空機の追加配備となる場合には基地機能の変更に該当しますので、これは基本姿勢に照らして、基地周辺住民の生活環境が悪化するかどうかということを判断するということになります。 それから、F35Bの落雷による事故への対応についてお尋ねがございました。 今回の事故は原因が落雷という不可抗力によるものでございましたが、クラスAの事故であったということを踏まえまして、機体の被害状況とか雷雨時の飛行ルールについては、国に照会をいたしました。 これに対し国からは、米軍の運用に関することでお答えすることは困難という回答ではございましたが、機体の安全性については先ほども御答弁したとおり、国が確保するものでございますので、国においては、米軍がこの事故を受けて行おうとしているこの調査を確実に実施するようにフォローするなど、航空機の安全対策の徹底に万全を期してほしいと考えております。 ○副議長(二木健治君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。 かたくなに在日コリアンは県民かどうかに答弁を避けられる、この点について改めて山口県の独自の立場が現れているのではないかというふうに思います。総務部長、改めてこの点についてお答えください。 最後ですが、一言述べさせていただきます。 七月十五日、桜を見る会前夜祭での公職選挙法違反容疑をめぐって、東京第一検察審査会は、安倍前首相の不起訴は不当との議決を行い、東京地裁は再捜査を始めました。 続いて八月二十七日、安倍前首相は、政治資金規制法違反容疑で東京地検特捜部に刑事告発をされました。これも桜を見る会前夜祭の費用補填をめぐる、うその内容を記入した虚偽記載の疑いです。 いずれも本質は有権者を買収した疑いであり、国会で百十八回にも上る虚偽答弁をしてきたことは、絶対に許されることではありません。安倍・菅政権の九年間で政治腐敗は一層広がりました。 この間、政治と金の疑惑で刑事責任を問われた国会議員は、何と九人にも上り、うち七人は閣僚経験者であります。安倍前首相は、速やかに国会で説明をするとともに、その進退を含めて責任を果たすべきであります。 以上指摘をして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 内海総務部長。    〔総務部長 内海隆明君登壇〕 ◎総務部長(内海隆明君) 朝鮮学校問題についての再々質問にお答えします。 県内の在日コリアンの方々は山口県民であるとの認識かとのお尋ねですけれども、山口県にお住まいの方は山口県民であると認識しております。 ○副議長(二木健治君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時五十四分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   有   近   眞 知 子                   会議録署名議員   上   岡   康   彦...