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  1. 広島県議会 2016-02-05
    平成28年2月定例会(第5日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成28年2月定例会(第5日) 本文 2016-02-25 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 41 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 2 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 3 : ◯河井案里選択 4 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 7 : ◯総務局長山根健嗣君) 選択 8 : ◯河井案里選択 9 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 10 : ◯河井案里選択 11 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 12 : ◯地域政策局長竹中正博君) 選択 13 : ◯副議長佐々木弘司君) 選択 14 : ◯議長平田修己君) 選択 15 : ◯石橋林太郎選択 16 : ◯議長平田修己君) 選択 17 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 18 : ◯議長平田修己君) 選択 19 : ◯土木建築局長児玉好史君) 選択 20 : ◯議長平田修己君) 選択 21 : ◯危機管理監(土井 司君) 選択 22 : ◯議長平田修己君) 選択 23 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 24 : ◯議長平田修己君) 選択 25 : ◯議長平田修己君) 選択 26 : ◯三好良治君 選択 27 : ◯議長平田修己君) 選択 28 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 29 : ◯議長平田修己君) 選択 30 : ◯地域政策局長竹中正博君) 選択 31 : ◯議長平田修己君) 選択 32 : ◯商工労働局長(寄谷純治君) 選択 33 : ◯議長平田修己君) 選択 34 : ◯健康福祉局長(笠松淳也君) 選択 35 : ◯議長平田修己君) 選択 36 : ◯農林水産局長(寳来伸夫君) 選択 37 : ◯議長平田修己君) 選択 38 : ◯会計管理者(兼)会計管理部長(天野清彦君) 選択 39 : ◯議長平田修己君) 選択 40 : ◯教育長(下崎邦明君) 選択 41 : ◯議長平田修己君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十分開議 ◯副議長佐々木弘司君) 出席議員六十二名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第一号議案         至第百 二 報第四号 2: ◯副議長佐々木弘司君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成二十八年度広島県一般会計予算から日程第百二、報第四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。河井案里君。         【河井案里君登壇】 3: ◯河井案里君 皆様、おはようございます。県庁舎の爆破予告が来ているとのことですが、最後まで質問におつき合いいただきますようによろしくお願いいたします。  今回、県は、ひろしま未来チャレンジビジョンを昨年末に見直して以来、初の当初予算案を提出しました。この中期計画の中で県は、「仕事でチャレンジ 暮らしをエンジョイ 活気あふれる広島県」という広島県行政の目指す姿を示しています。県民が仕事と暮らしのどちらをも、県の言葉を借りれば、あきらめずに追求することを欲張りなライフスタイルと定義しています。  知事みずから「県民総欲張り計画スタート予算」と命名されたように、広島県の来年度の予算案の目標には、欲張りなライフスタイルを実現し、面白そう、楽しそうを県内外に届けると宣言されています。  これらのキャッチフレーズは軽く、また薄く感じられてなりません。目の前の個人個人がそれぞれの主観で幸せと感じているならばそれで広島県全体もハッピーという考え方だと思います。この考え方は、これまでの行政とは確かに一線を画しています。行政が、個人主義の前にひざまずいたのです。  面白そう、楽しそうと受けとめてもらうことを自治体政府が予算の目標と設定する。行政とはもっと遠くの、大きく崇高な目標に対して行われるべきものであると考えて仕事をしてきた人たちの目に、県政のこの方針転換は、衝撃を持って受けとめられたのではないでしょうか。しかし、私は、この衝撃を受けた人たちにこそ、その責任を追求したいのです。行政のなさねばならない仕事の何たるかを理解している方々は、この県行政の分岐点に立ちながら、それを正す努力をされたのでしょうか。見て見ぬふりをしたのであれば、その責任はとても重いのではないでしょうか。  今、県行政の中で、競争力の向上という問題がどのように捉えられているか、それは具体的な施策を見れば一目瞭然です。以下の施策の数々には皆さんも聞き覚えがあると思います。  例えば、本社機能の移転促進のための立地交付金制度の創設や工業団地の整備、首都圏からの移住促進窓口の開設や補助金の創設、また、大学生の県内就職促進のための各施策や本社機能移転のための補助金の創設など、そして若手経営者同士の異業種交流会の開催に起業家支援、プロフェッショナル人材戦略拠点の創設、留学生の就職支援、ビジネスマッチングイベントの開催、実は、今私が述べた施策は全て、広島県のものではありません。試みに、福岡県、新潟県、鹿児島県の来年度予算案に計上されている項目から産業施策の幾つかを適当に抜粋したものです。しかし、これらのメニューは広島県が新たな経済成長と銘打っている事業項目とほとんど変わりません。全国の自治体が、ほとんど同じような事業によって、一斉に東京から人間や会社を呼び寄せようとしているのが今の日本の実態であり、広島県もその一部にすぎません。  我が県は、五年前にイノベーション立県を目指すと打ち出したものの、政策の方向性はありふれたものにとどまっている。その間には新しい施策として、投資ファンドをつくったものの、結果として成功していない。そして今回、行政が目指すのは欲張りなライフスタイルを実現させることだという。  確かに、広島県には中四国地方の中で中心的役割を果たしてきたというこれまでの蓄積があります。行政は、この蓄積に寄りかかってさえいれば何とかやっていける非常に恵まれた立場にあります。しかし、私たちの代にも、その蓄積をさらにふやしていく責任は課せられているのではないでしょうか。  将来にわたって我が県の競争力と優位性を向上させるために公共が行うべきは何なのか、その視点に立って質問させていただきたいと思います。  質問の第一は、広島都市圏の中枢都市機能についてです。  先日、知事は、記者会見においてサッカースタジアムは宇品が優位という旨の発言をされました。サッカースタジアムの議論は、広島市を主体として行われてきたのであり、県議会においてはほとんど実質的な議論は行われていません。その中での突然の発言に、知事の真意を議会ははかりかねている状況です。  今回、知事から宇品優位と発言があったのは、よりによって港湾関係者と県、市、商工会議所の作業部会の意見交換会が行われた日であり、その中で、物流への悪影響が懸念されるとして、宇品案には港湾関係者からの大きな批判が相次いでいます。知事の発言は、そうした懸念を一顧だにせず、関係者の心情を逆なでするものではないでしょうか。新聞報道によると、さらに知事は、サンフレッチェ広島が旧市民球場跡地を候補地とした独自案を発表する計画だということに対し、サンフレッチェ広島の動きは理解に苦しむと述べられたとあります。球団に対してこれほど思いやりに欠ける発言はありません。球団の立場を尊重しこそすれ、突き放す必要性は全くないのです。球場跡地の活用方法を議論することに理解すら示さないというこの報道が本当であれば、これまでスタジアム建設議論をリードしてきた広島市からの発表がない中、宇品案が議論の決定事項として知事は既成事実化しようとなさったということでしょうか。このことがもし、これまで政令市における都市開発は政令市が主導して行ってきたという役割分担に対し、県ののりを越えてかかわっていこうとするものであるのならば、その経緯について県議会、市議会に対し、まず納得のいく説明をしてもらわなければ、議論すら始めることはできません。
     そもそも、今回のサッカースタジアム建設を、県と市が、スタジアムだけの問題として議論してきたことに、知事、市長には認識の甘さがあるのではないかと思わざるを得ないのです。スタジアムは、中枢都市圏の機能の一部にすぎません。  これまで、我が県、特に広島の旧市内では、新しい施設をつくってはそのたびに新しい空き地が生まれ、そのまま放置されてきました。このことが中枢都市圏の空洞化につながり、都市の競争力の一層の低下を招いてきました。その最たる例が、広島西飛行場の跡地です。この跡地については、我が会派の松浦会長が申し上げたとおり、長い間放置し続けたあげく、計画を民間に丸投げするというてんまつを迎えています。都市計画にはある程度の中央集権的な意思決定が必要であるにもかかわらず、決め切れず最終的な責任を取れない県と市の弱さが、このような事態を招いてしまったのではないでしょうか。  現在議論されているサッカー場問題に目を転じるならば、新たなサッカー場を新設すれば、現在のエディオンスタジアムは空洞の大規模施設となります。一方、市民球場の跡地がそのまま屋根つきの芝生みたいにされてしまうのであれば、広島市の最中心部である紙屋町・基町一帯もまた、大きな空洞を抱え込むことになります。本来、このサッカー場新設の問題は、広島市内が広島県の中心地としてより強い競争力を維持するための都市再開発の問題だと認識されるべきなのです。  今回、知事は宇品優位と発言されましたが、サッカー場建設について県が主導的立場を取って進めていくというおつもりならば、旧市民球場跡地を起点とする広島市中心部一帯の再開発についても、県が深くコミットすべきという議論が必ず生まれてきます。知事にその意識がないまま、サッカー場という一個の施設だけを見て、あとの広島市中心部の空き地には目をつぶることは決して許されません。  そこで、まず、宇品が優位と発言されたことに関連してお聞きします。  第一に、知事は、交通問題の検討を踏まえて宇品の優位を発表されましたが、一方、同じ検討結果を見て、港湾関係者からは物流への影響を心配する声が上がっています。この見解の差はなぜ生まれているとお考えですか。  第二に、中国地方港運協会会長の発言で、宇品にスタジアムができたら広島港を使わないという荷主が多いとの具体的な危惧が示されていますが、この懸念に県としてどのように対応されるのでしょうか。  そして最後に、広島県の知事として、この県庁周辺一帯の都市計画はいかにあるべきだとお考えなのか、お示しください。  次は、中山間地域の振興に係る体制についてです。  本県では、一昨年十月に中山間地域振興条例が制定され、その後一年かけて中山間地域振興計画が作成されました。  今回提案されている来年度予算案で県は、地方創生をメーンの柱に据えており、まさにそれは地域政策局のおはこであるべき分野です。にもかかわらず局からは、中山間地域が抱える課題を直視した適切な事業提案がなされているとはとても思えません。  今回の予算案で県は、いわゆる日本の田舎に興味を持つ東京の若者と地域を結びつけることや、中山間地域以外の地域に住んでいる県民の皆さんにサポーターとなってもらうことなどを新規の目玉事業として掲げています。それらの事業が県の狙いどおりにはかどったとして、中山間地域の何が変わるというのでしょうか。しかも、これらの事業にかけている予算額は二億四百万円と、これには財政当局の見識を伺う必要があります。知事の肝いりで中山間地域振興条例をつくり、地方創生とかけ声ばかりは勇ましくとも、二億円程度にすぎないのです。広島県全体として、いかに中山間地域を軽視しているかということがこの予算規模に如実にあらわれています。  さらには、県の作成した中山間地域振興計画によれば、具体的な事業のほとんどは地域政策局ではなく、農林水産局関係予算によるものです。地域政策局は、局としての役割を一体どのように認識しているのでしょうか。  ところで、山県郡北広島町芸北の雄鹿原という地域で、乙九日炎の祭典が行われています。これは、毎年夏の終わり、九月の下旬に行われるお祭りです。比較的新しい行事ですが、年々、参加者もふえ、盛大になっています。私もほとんど毎年お邪魔していますが、武者姿の地元の人々と観光客が、薄暮の中、めいめいにたいまつを片手に、カエルや鈴虫の鳴き声の響く静かな山合いの田んぼ道を、遠くから行列を組んでゆっくりと進んでいくさまは本当に美しく、田園風景が身近にあることの幸せを改めて感じさせてくれるようなお祭りです。  このお祭りは、これまで、地域の皆さんが手づくりで育ててこられ、地元の観光協会がPRを行ってきました。しかし、例えばお祭りのプロデュースにもっと工夫をすれば、全国からも集客ができるほどの美しさを備えています。県の職員の皆さんには、地元と一体となってこうした地域の可能性を発掘し、商品として全国に売り込んでいくセールスマンとなってほしいのです。  広島県が来年度予算案で示しているのは、中山間地域を都会の若者やその他の地域に住む県民に任せれば彼らが何かしてくれるのではないかというような発想です。地域政策局が主体的に動こうとせず、人任せなのです。  徳島県上勝町の葉っぱビジネスも、最初は、農協職員が足を棒にし、自腹を切ってまで関西の料亭で飲み食いしながら経営者に食い込んでいき、つまものと呼ばれる葉っぱを売り込んでいったことから現在の成功につながりました。本気で中山間地域の振興に取り組もうとするならば、本県の職員ももっと足で稼ぎ、汗をかくべきです。  我が県では、各地域に総務事務所や県税事務所などの行政機関を置いていますが、地元と密着して中山間地域振興対策を講ずる組織部門は、どの事務所にも置かれていません。広島県の職員の皆さんは、この広島市中区基町に机があって、そこから必要があるときに各地に出張するのだと伺っています。これで地域住民と心から通じ合うことができるのでしょうか。  私は、中山間地域の振興に携わる職員の皆さんには、地域が望んでいることを酌み取りつつ、よりマーケティングに近い考え方で産品や伝統芸能などをプロデュースし、日本中、世界中に発信する仕事をしてもらいたいのです。それは県庁舎からメールでやりとりしているだけではできっこない仕事です。現地に住んで地元の人たちと毎晩ござを敷いて日本酒を酌み交わすくらいの胆力と覚悟が必要なのです。今、県職員がそれだけの仕事を行える体制は整っていません。  今回、予算案の中に示されている事業に見られるように、現在の地域政策局の予算規模と取り組み内容は、中山間地域を再生させるのには不十分ではないかと思われます。知事は、御自身がつくられた中山間地域振興条例の趣旨を全うするために、地域政策局には今後どんな仕事をしてほしいと考えておられるのでしょうか。そして、そのために、この局をどのように育てていこうとお考えでしょうか。  また、県が中山間地域のニーズを把握し、地域と一体となってそれをプロデュースし洗練させていく役割を果たそうとすれば、各地に地域と密接に連携を図り得る県の部署を設置することが必要です。地域との連携をうたった中山間地域振興条例の趣旨を踏まえ、中山間地域に担当する県の組織を置くべきと考えます。さらに、その組織には、ある程度の予算規模とそれを現場の判断で使うことのできる権限を与えるべきであると考えますが、知事のお考えを伺います。  質問の第三は、経済的、社会的に困窮している方々への支援についてです。  デフレからの脱却を目指すアベノミクスにより、平成二十七年の有効求人倍率が前年を〇・一ポイント上回る一・二〇倍となりました。就業者数は確実にふえてきています。  しかしながら、一方で、我が国の就業者のうちの四割がパートや非正規雇用であるということが、昨年十一月の厚生労働省の調査により明らかとなっています。一般労働者と呼ばれる正規雇用者の月額平均給与が四十・八万円であったのに対し、パートタイム労働者の平均給与は九・七万円だということも明らかになっており、非正規雇用に雇用が吸収されていったことも、実質賃金低下の原因の一つであると考えられます。  この正規・非正規雇用の最大の問題は、二十五歳から三十四歳の世代で八十万人、三十五歳から四十四歳の世代で七十万人の望まざる非正規雇用者、つまり不本意非正規雇用者がおり、この二つのジェネレーションで全体の不本意非正規雇用者の五割弱にも上っているということです。つまり、平成六年頃の大学卒業者からおよそ二十年、コンスタントに大量の新卒非正規雇用者を生み出してきたということになります。こうした労働者の多くは、二十年たった今も、非正規雇用として固定化されたまま働かざるを得ない状況が続いています。  非正規雇用者は不安定な雇用、安い賃金に甘んじながら正社員と同等の仕事をさせられていることが多いため、その貯蓄額は当然ながら少なく、彼らが年金受給年齢に達したとき、支給される年金だけで生計を立てられない状況にあるのは目に見えています。社会保障費増大のリスクをはらんでいるということは明らかです。  また、非正規雇用労働者は教育訓練を受けられる機会が限られていて、能力や技能が正社員並みにあったとしても、それを伸ばす機会を与えられていないということは社会にとって大きな損失です。  こうしたリスクと社会的コストがあるということはわかっているのに、今回、県が提案している予算案のどこを見ても、非正規雇用者への対策は見当たりません。今回の商工労働関係予算は、労働関係について余りに手薄であるように見受けられます。  アベノミクスによって企業業績が伸びている今こそ、現在、労働市場において生じているひずみを是正し、適切な職業訓練の機会を与えながら、行政は労働者それぞれの能力を最大限に引き出す制度を整えるべきであると考えます。  そこで、広島県は、非正規雇用労働者対策についてどのような方針を持って臨むのか。国は同一労働同一賃金という方針も打ち出していますが、正規雇用へのスムーズな移行に向けてどのような支援を行うつもりであるか、お聞かせください。  次に、子供の貧困の連鎖を断ち切るための対策について伺います。  我が国の十七歳以下の子供の六人に一人が、一人当たり年百二十二万円以下で暮らさざるを得ない、いわゆる貧困家庭で養育されています。ひとり親家庭の子供に限ると、二人に一人が貧困状態にあります。  さらに、貧困家庭で育った子供が将来貧困にあえぐという貧困の連鎖が生じるケースが多いため、その連鎖を断ち切るために、貧困家庭の子供の将来を社会がバックアップする必要があります。例えば福岡県の来年度予算では、貧困の連鎖を断ち切る対策が別建てで項目化されました。ワンストップの子供の相談窓口の設置やコンビニと連携しての子供への食品の提供、児童養護施設を出た子供のための大学進学費用や自立するための費用の助成などが組まれているとのことです。  そこで、本県では、まずは、子供の貧困の現状について数値を示すとともに、その深刻の度合いをどのように分析しておられるのか、そして、現在貧困状態にある子供達が、将来的に社会で活躍できるように、どのような道をどうやって示してあげようとしているのか、伺います。  また、貧困の連鎖を断ち切るための一つの方策として、大学で高等教育を受けることも有益と考えます。その意味で、教育委員会と健康福祉局が連携して、貧困家庭の子供の大学進学率を上げていく取り組みも必要であると考えますが、県として、貧困家庭の子供たちの大学進学という問題に対し、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。  質問の最後は、東京事務所の役割についてです。  かつて、国と地方の関係が機関委任事務制度によって結ばれていたころ、東京事務所は国の情報を収集し、国からの予算を獲得するためのフォーマル、インフォーマルなさまざまな働きをしてきたと聞いています。  しかし、現在、東京事務所はどのような仕事をしているのでしょうか。一昨年の八・二〇豪雨災害は、まさに私の地元安佐南区で起きた災害であり、真っ先に国が直轄で砂防ダムをつくってくれることになりましたが、この件について県や東京事務所とやりとりをしたことは一度もありませんでした。東京事務所は、果たして能動的に情報を集める努力をしているのでしょうか。  近年、我が県の公共事業費は国からの認証減が続いており、住民の生活に必要な道路などの整備も大幅におくれています。公共事業の予算確保のために東京事務所はどのような働きを行っているのでしょうか、具体的に示していただくとともに、最近の成果を教えてください。  東京事務所が設置されているのは、永田町や霞が関との関係を日常的に構築してほしいとの考えがあるからですが、国と地方の関係が変化をしてきたことを背景に、その重要性がなくなったということであれば、経費削減のため東京事務所を閉じるか、縮小してアンテナショップの三階にでも移設するべきではないかと思いますが、いかがお考えか、知事に伺います。  最後に、この二月二十日で、一昨年の八・二〇豪雨災害から一年半がたちました。今なお、地元の方々は心に深い傷を負い、強い雨が降れば警戒し、時には避難をしながら、助け合って生活しておられます。県は、広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動として、ハード・ソフト両面からの対策をうたっていますが、実際には、そのソフト対策のほとんどは住民自治に負うところが大きいのです。私は、被災地選出の議員として、災害直後に県がこの総ぐるみ運動を提唱したとき、異を唱えました。それは、ソフト対策の推進といっても、結局は住民に甘えてしまうだけだと考えたからです。例えば、避難訓練一つとっても、現在は、防災の素人である地域住民によって運営されています。県が減災の県民運動を提唱するからには、防災の専門家に各市町に入ってもらい、災害の種類に応じた被害想定を行った上で避難経路のパターンを出すなど、綿密なシミュレーションに基づいて住民と情報交換をしてもらった上で、予定調和でない、実地に近い訓練を行えるよう支援を行うべきです。特に南海トラフを初めとする地震の被害については、広範囲に発生するものであり、現在行われている各学区単位での避難訓練がどの程度実効性のあるものか、疑わしいと感じます。県が主導して広域的な訓練を一斉に行うことも必要です。  県民の命を守るのは、行政の責任です。現在のように住民に依存した減災対策ではなく、行政が住民をリードし、サポートしていく体制をとっていただきたく、要望して質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯副議長佐々木弘司君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) まず、サッカースタジアム等に関する御質問が何点かございましたので、お答え申し上げます。  サッカー専用スタジアムの建設につきましては、これまで、その検討状況について、節目節目に議会に御報告させていただいており、御議論いただいているところでございますが、改めて、念のため、現在に至るまでの経緯を御説明させていただきたいと思います。  まず、県サッカー協会、サンフレッチェ広島、サンフレッチェ広島後援会の三者からの要望を受けまして、広島市長の呼びかけに応じ、県、広島市、広島商工会議所、県サッカー協会の四者で対応を協議いたしまして、平成二十五年六月に、学識経験者やサンフレッチェ広島の社長などで構成するサッカースタジアム検討協議会が設置されました。  この協議会におきまして、建設候補地については、九カ所の中から法的制約や土地の形状、公共交通機関のアクセス性等の評価を行い、旧広島市民球場跡地と広島みなと公園の二カ所に絞り込まれ、また、スタジアムの規模については、国際大会の誘致に向けて国内の他のスタジアムよりも優位性を持つべきことなどを考慮し三万人が適正であると判断され、その旨の提言がなされたところでございます。  なお、この協議会は、平成二十五年六月から二十六年十一月までの間、十九回にわたる会議が公開で行われまして、その検討の過程について県議会に御報告をしてきたところでございます。  この協議会の提言を受けまして、昨年一月、関係四者による会談を行った結果、サンフレッチェ広島も加盟しております県サッカー協会から候補地の決定までは検討に参加しない意向が示され、その絞り込みについては、県、広島市、広島商工会議所の三者による検討に任されたところでございます。  その後、三者により実務的な検証作業を行い、昨年七月、広島市長、広島商工会議所会頭、そして私との会談を開催し、候補地については、多機能化や複合開発の観点、また、三万人規模を建設する観点から、広島みなと公園が優位であるということについて三者で合意いたしました。  ただし、広島みなと公園は、宇品地区を中心とした物流拠点に対する交通対策などについて課題があるため、引き続き、交通課題の解決策などについて検討を継続することといたしました。  この三者による会談については、マスコミ公開で行ったことから多くの報道があったと思いますが、また、その合意事項につきましては、昨年七月二十七日の総務委員会において御報告させていただいたところでございます。  その後、この合意に基づきまして、県と広島市において補正予算案を計上し、宇品地区の交通課題の解決策に関する調査・検討を実施しておりましたが、このたび一定の結果がまとまりましたことから、先週十六日の総務委員会において御報告させていただいたものでございます。  その内容としては、最大の負荷がかかるケースとして、サッカースタジアムへの来場者を年間二試合程度見込まれる最大数の三万人とし、さらに、隣接の複合施設へ来場者が一万人あるとして、来場者の移動が最も集中するサッカー終了後の一時間に退場する場合を想定して解析いたしましたところ、シャトルバスの運行や路面電車の増便などによる公共交通機関の輸送能力の拡充、広島競輪場の活用などによる駐車場の確保、信号の調整、右折車線の追加や迂回路の整備等のハード対策などにより、港湾物流の主要ルートである広島みなと公園沿いの国道二号については、円滑な交通処理が可能になるという結果となったところでございます。  また、過去の実績を踏まえて、スタジアムへの来場者数をJリーグの試合の想定平均来場者数である一・八万人として、さらに、隣接の複合施設へ来場者が一万人あるケースを想定した場合についても解析を行ったところ、先ほど申し上げたような対策を講じれば、当然のことではございますが、より円滑な交通処理が可能になるという結果が得られました。  これらの解析結果によりまして、宇品地区の交通課題の解決策について一定の展望が開けましたことから、先ほど申し上げた総務委員会への御報告の後、先日の私の記者会見において、広島みなと公園の優位性が強まったと発言いたしましたが、この認識は、昨年七月に広島みなと公園優位と関係三者で結論づけたものを改めて確認したものであり、また当然、関係三者で共有されているものと考えております。  一方で、港湾関係者からは、仮に広島みなと公園にサッカースタジアムが建設された場合、渋滞等によりまして広島港を利用しなくなる荷主が発生するのではという懸念が示されているところでございます。  また、今回の解析に当たりまして、公共交通機関の輸送能力の拡充については交通事業者から提供された輸送人員をもとに設定しているものでございますが、その前提として、車両留置施設の新設や信号の調整等一定の条件を置いていることから、その前提条件の実効性などについて懸念する意見をいただいたところでございます。  このような御意見も十分に踏まえまして、公共交通機関の輸送能力の拡充等、交通課題の解決策の実現性や実効性を高める観点から、引き続き交通事業者等関係者と協議を進めつつ、荷主の皆様にも御理解いただくことで、港湾関係者の懸念の解消に努めてまいりたいと考えております。  いずれにせよ、サッカースタジアムにつきましては、その建設の可否を含めまして今後検討を進め、改めて議会にも御提案させていただきたいと考えております。  また、お尋ねのありました県庁を含む紙屋町・八丁堀地区につきましては、人口、産業などの集積を生かして、県全体、さらには中国地方全体の自立的発展を牽引する活力と求心力の核となるエリアであり、市域、県域を越え、年間を通じてさまざまな人や企業を引きつけられる多様かつ高次な都市機能の集積などを図るべきであると考えております。  このため、まちづくりの主体である広島市と連携いたしまして、中長期的な視点で広島市都心部の目指すべき姿などを示す仮称都心活性化プランの来年度の策定に向け、今年度、有識者等で構成する懇談会を設置し、議論をしているところであり、引き続き広島市とともに鋭意検討を進めてまいります。  次に、中山間地域振興施策の推進と組織体制についての御質問でございます。  中山間地域振興条例の趣旨は、県民の自主的かつ主体的な地域づくりを基本に、中山間地域の豊かな価値を、県民共通の持続可能な財産として将来に引き継いでいくことであり、これを実現していくため、昨年度策定いたしました中山間地域振興計画においては、都市的な生活環境を目指すのではなく、中山間地域ならではの価値を維持・向上させることにより、将来に希望を持ち、安心して心豊かに、笑顔で幸せな生活を営むことができる中山間地域の実現を理念として掲げております。  このため、地域を支えるのは、究極的には人の力であるという基本的な認識に立ち、人づくりに重点を置いて、中山間地域の価値に共鳴する県内外の人材をふやし、生かすための取り組みを進めているところでございます。  こうした考えに立って、地域づくりの事例を見ましても、例えば、御指摘のありました葉っぱビジネス、上勝町の事例でありますが、これをスタートから支えておりましたのは、農協に勤務する志を持った地域の人材でございます。  また、県内の事例におきましても、御紹介のありました雄鹿原のものも含めまして、例えばそのほかにも、現在、府中市で開催されており毎年四万人が訪れております上下ひなまつりや、回を重ねるごとに来訪者が増加し、旅行会社の企画商品にも組み込まれるようになった庄原さとやまオープンガーデン、あるいは、住民の出資によって会社を設立しこれまで子育て世代を中心に十四世帯六十三人の移住者を受け入れている青河自治振興会など、住民の方々の創意と工夫により成果を上げている取り組みの多くは、地域におけるリーダーの存在があり、そしてそれを行政がさまざまな形で後押しをしているという形になっております。  このように、地域に活力を生み出しさまざまな生活課題を解決する原動力となるのは、中山間地域に愛着を持って地域を支える人たちであり、私としては、そういう人たちの存在があり、それを行政がともに後押しをしていくことで、将来に明るい展望を描くことができるようになるものと考えております。  こうした取り組みを、今後、さらに拡大させるためには、市町と連携し、地域を支えるリーダーの育成や確保を組織立てて行える仕組みを構築する必要があると考えております。  そのため、地域政策局においては、これまでも、中山間地域を内外から支えるリーダーの養成や、地域貢献に意欲を持つ人材を外部から呼び込むプロジェクトなどを進めてきたところでございますが、これに加えて、来年度は、新たに平成二十九年度に実施する中山間地域の交流拡大プロジェクトのための取り組みに着手することとしております。  この考えの背景にありますのは、広島県においては非常に広大な中山間地域を抱えており、必要となるリーダーの数は相当な人数が要るということでございます。  あわせて、中山間地域の振興には、就業の場の確保や教育・医療など、さまざまな生活環境を整えることも重要であり、各局にまたがる関連施策の効果的・総合的な推進に向け、全庁的な調整役として積極的な役割を果たしていくことを期待しているところでございます。  また、組織体制につきましては、地域づくりの主体となるのは、それぞれの地域や市町であり、県は、それを支援し、促進する役割を担っております。  先ほど申し上げたとおり、広島県は非常に数多く中山間地域のコミュニティーを抱えております。そこへそれぞれ職員を配置していくということは、現状では必ずしも効率的・効果的ではなく、ノウハウや情報の蓄積や人員・予算の運用などを勘案すると、分散配置よりも集約した方が効果的な面もあると考えております。  他方で、地域の現実に即した施策の推進という観点から見ると、常に現場を意識し、現場の情報をもとに仕事を進めることは、地域政策を進める上で基本となるものであり、これまでも現場主義に基づき、地域の状況に応じて職員が現場に出向き、市町や地域の方々との積極的な対話に努めてきたところでございますが、さらに徹底を図ってまいります。  県といたしましては、引き続き、地域に身近な市町との適切な役割分担と連携を図るとともに、地域政策局を初めとした関係局が一丸となって、中山間地域振興計画に掲げる施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。  次に、非正規雇用者の正規雇用への移行についてでございます。  若い世代を中心に非正規雇用が増加することは、所得の低迷や生活の不安定化を招き、社会全体の活力の低下にもつながるおそれがあることから、正規雇用を拡大していくことが重要であると認識しております。  そのためには、まずは各企業がイノベーションなどを通じて新たな価値を創出し、企業の収益力を向上させることによって、雇用の増大や給与水準の向上につなげていくことが必要であると考えております。  こうした観点から、多様な創業・新事業展開や事業化・製品化につながる研究開発への支援などを通じて、企業の成長を促すとともに、企業活動を支える多様な人材の育成・確保や、企業ニーズに応じたスキルアップに取り組んでいるところでございます。  また、正規雇用を目指す労働者を対象に、ひろしましごと館における助言・相談など、ハローワークと連携したきめ細かな就業支援やキャリアアップのための職業訓練などに取り組むとともに、今年度、新たに正規雇用への転換を目的とした就職面接会を開催したところでございます。  さらに、正規雇用化に取り組む企業に対する国の助成金制度などについて、さまざまな機会を捉えて周知を図るほか、正規雇用への転換を行う企業への低利融資の実施など、企業の正規雇用の拡大に向けた取り組みを促進しているところでございます。  今後は、非正規雇用に係る法改正など国の動向を注視するとともに、労働局との緊密な連携を図りながら、さらなる対応も検討していくなど、非正規雇用者の正規雇用化に向けた取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。  次に、子供の貧困の現状と貧困の連鎖を断ち切るための方策についての御質問でございます。  子供たちが夢と希望を持って成長していけるよう、子供の貧困対策を総合的に推進することにより、貧困の連鎖を断ち切ることが重要な課題であると認識しております。  本県の子供の貧困の現状でございますが、平成二十五年度の県内の大学等進学率と関連して見てみますと、全体が五八・三%であるのに対し、ひとり親家庭の子供では三五・五%、生活保護世帯の子供では二三・三%、児童養護施設を退所した児童では二三・一%と大きな開きが生じており、子供たちが親の経済力や生活環境の違いによって、大変厳しい状況に置かれていると考えております。  そのような中で、貧困状態にある子供たちにとって、大学等への進学により進路の選択肢が広がることは、より安定した生活が送れることにつながり、貧困の連鎖を断ち切るための有効な手段になり得ることから、経済面とともに学力向上の支援が必要と考えております。  このため、福祉分野におきましては、低所得家庭の保護者に対する生活資金の貸し付けなどによる経済的な支援や、経済的に厳しい状況にある場合が多いひとり親家庭に対する職業紹介や就職相談などの就労支援などを行っております。  また、来年度からは、新たに、児童養護施設を退所した児童が進学や就職をする場合の生活資金の貸付制度の創設や、ひとり親家庭の子供に対する学習支援事業の実施個所の拡大等を行うこととしております。  教育委員会におきましても、現在進めております「学びの変革」アクション・プランにおける主体的な学びをさらに充実させるとともに、習熟の程度に応じたきめ細かい指導や丁寧な個人面談を実施することにより、全ての生徒がみずからの目標を実現できる確かな学力を身につけられるよう取り組みを進めてまいります。また、経済的に進学が困難な家庭につきましては、生徒が安心して進学を検討することができるよう奨学金についての相談に応じるなど、きめ細かな取り組みを進めてまいります。  今後とも、家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供が質の高い教育を受け、能力と可能性を最大限伸ばしてそれぞれの夢に挑戦できるよう、子供の貧困対策を総合的に推進してまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯副議長佐々木弘司君) 総務局長山根健嗣君。         【総務局長山根健嗣君登壇】 7: ◯総務局長山根健嗣君) 東京事務所の役割につきまして御答弁申し上げます。  東京事務所は、県と中央省庁等との間における事務の推進や連絡を初めといたしまして、県内産業の振興に関する情報の収集及び提供、県内への企業立地及び投資促進に関し本県と関係方面との間における事務の推進、本県観光地の宣伝及び紹介に関する業務などを行うために設置しているものでございます。  御指摘の公共事業予算の確保に当たりましては、国の施策の方向性や予算の重点化の内容及び公共事業予算の規模などの情報について迅速に収集・伝達するとともに、国への要望活動を行う際はその全体調整を行うなど、関係省庁等との窓口としての役割を担っております。  こうした情報の収集・伝達や要望活動に加えまして、平素から関係省庁等に対して本県の課題や状況について説明し、理解を得るよう取り組むことによりまして、平成二十七年度におきましては、国土交通省における公共事業の当初予算が前年とほぼ同額である中、本県への認証額は対前年一〇八・六%となったところでございます。  また、こうした国等との密接な窓口機能に加えまして、企業訪問等によります着実な県内投資誘致、首都圏広報の実施やメディアリレーションの形成による全国メディアへの掲載、県や市町が首都圏で開催します観光や定住促進のプロモーションイベント等への支援などを実施し、県施策の一翼を担っているところでございます。
     東京事務所は、予算確保の要望活動等を本庁各局と連携して行っておりますが、要望の内容や相手先、そのタイミングにつきまして、東京事務所が日ごろの人脈を生かして調整を行っており、その機能は予算確保のためには必要なものでございます。  今後とも、東京事務所を窓口としました情報の収集・伝達や要望活動を積極的に行うことにより公共事業予算の確保に努めていくとともに、首都圏の立地特性を生かしました県主要施策の多面的な役割の遂行に努めてまいります。 8: ◯河井案里君 議長……。 9: ◯副議長佐々木弘司君) 再質問を許します。河井案里君。 10: ◯河井案里君 広島都市圏の強化ということで、今、宇品優位というサッカー場の新設の問題についてお聞きし、御答弁いただいたわけですけれども、私の質問の趣旨がうまく伝わっていなかったのではないかと反省しております。  私は、知事は広島県のリーダーとして、知事も市長もサッカー場の問題だけを考えていていいのですかということを申し上げたかったわけであります。サッカー場は確かに必要なものでありますが、これは質問の中でも申し上げましたように、都市機能の施設の一つでございます。  知事からは、サッカーのお客さんに対する配慮、サッカーのお客さんが混雑しないための対策について、るる御説明いただきましたけれども、物流の拠点として、都市機能への影響はないのですか、ないと本当に言い切れるのですかということを私はお聞きしたかったわけでございます。  港湾関係者から物流への影響を心配する声が上がっています。よほど港湾関係者のほうが、広島県の将来について真剣に心配してくれているのではないかと思わざるを得ません。  今、御答弁をいただいたわけですけれども、その中でも物流関係者と知事とのその見解の差がなぜ生まれているのかということについては御答弁いただけませんでした。  まずは、このことについて一点、お答えいただきたいのと、そして、本当に今、知事がおっしゃったように、この物流関係者に対して懇切丁寧に説明すれば理解を得られるというような方向性をお示しになりましたが、物流機能については影響がないとお考えであるのか、改めてお聞きしたいと思います。 11: ◯副議長佐々木弘司君) 地域政策局長竹中正博君。         【地域政策局長竹中正博君登壇】 12: ◯地域政策局長竹中正博君) ただいまの御質問について、二点あるかと考えております。  一点は、なぜ我々行政と港湾関係者の方にずれがあるのかということ、もう一点は、影響が本当にないのかということであると考えております。  まず一点目でございます。先ほど申し上げましたとおり、サッカースタジアムを広島みなと公園に設置した場合の交通がどのようになるのかということにつきましては、最大の負荷がかかる場合を前提に置いた上で、対策を講じた場合にどうなるかということを、我々として現実的であると考える対策を組み込んだ上で解析を行ったところでございます。  その結果としましては、港湾物流の主要ルートである広島みなと公園沿いの国道二号については、円滑な交通処理が可能となるという結果となったところでございます。この点について先ほど、サッカースタジアムにいらっしゃる方についての視点であるという御指摘がございましたが、必ずしもそういうわけではなく、港湾物流の影響ということを重視した上で、そこの主要ルートである広島みなと公園沿いの国道二号についてどうなるかということも見まして、その結果、円滑な交通処理が可能となるという結果となったところでございます。  一方で、港湾事業者の方からしますと、やはり、しっかりそれが確保できるのか、まずはシミュレーションというものですので、それが前提条件も含めて、きちんと担保されるのか、もし影響が出た場合には、みずからの業務、また、さらには広島港の機能に大きな影響があるという懸念をいただいているところでございます。  ですので、これが二点目のお答えにかかわるところであると思いますが、我々としても、広島港の港湾機能、これが非常に重要であるということは同じ考えを持っているところでございますので、仮にサッカースタジアムを建設した場合も、港湾物流機能を阻害するようなことはあってはならないということで、現在、解析としてはこのような結果が出ているところでございますが、もちろん、港湾関係者からの御懸念を踏まえながら、さらにその確実性を高めるような努力をし、港湾物流機能に影響が出ない形での交通機能の担保ということをしっかり努めてまいりたいと考えております。 13: ◯副議長佐々木弘司君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十五分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 14: ◯議長平田修己君) 出席議員五十五名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。石橋林太郎君。         【石橋林太郎登壇】 15: ◯石橋林太郎君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の石橋林太郎でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきました議長を初め、先輩、同僚議員各位に心よりお礼申し上げます。  また、本日はお忙しい中、そしてお寒い中、私の初質問の応援に駆けつけてくださいました傍聴席の皆様にも心よりお礼申し上げます。まことにありがとうございます。  私は、昨年四月の統一地方選挙におきまして、引退した父の思いを受け継ぎ立候補し、初当選させていただきました。教育、家庭、地域、この三つの柱を掲げて戦った選挙戦がまるで遠い昔のことのように感じられますが、今、こうして歴史と伝統ある広島県議会の壇上に立たせていただき、職責の重みに改めて身の引き締まる思いでいっぱいであります。誇りある広島の実現のため、微力ではありますが、愚直に活動していくことを今、この場で改めて県民の皆様にお誓い申し上げながら、早速質問に入らせていただきます。  質問の第一は、湯崎知事の夢についてお伺いいたします。  昨年の二月定例会で、私の父は議員生活最後の質問の機会をいただきました。  その内容は、質問というよりはむしろ父みずからが大ぼらと例えたような、みずからの夢を語るものでありましたが、人類希望の塔の建設、クラマー財団本部の設置、遷都による地方創生などについて力強く質問する姿は、常々政治は夢を語るべしと言っていた父らしいものでありました。  父は、質問の最後で湯崎知事に対し、常に県民の福祉向上を願いながら、日本国を、アジアを、そして世界を視野に入れながら、己の信ずる道を迷うことなく、ただひたすらに邁進していただきたいとメッセージを送りました。そして、広島県の知事として堂々と歩んでいっていただきたいとエールを送りました。  ひろしま未来チャレンジビジョンが見直され、これから二期目の後半に差しかかっていく今、知事は、まさに己の信じる道を歩んでいらっしゃるものと受けとめております。  そこで、広島県の知事として、広島県というキャンバスに何を描き、何を実現しようとされているのか、知事の抱く夢をお聞かせください。  私の夢は、日本が日本らしくあることであり、日本人が日本人らしくあることであります。  昨年の、いわゆる戦後七十年という節目の年を経て、私はその思いを一層強くしたところでありますが、この夢は教育なくしては実現し得ないものであります。  そこで、質問の第二は、本県の教育について、四点お伺いいたします。  私が申すまでもなく、教育とは国家百年の計であり、我が国はいつの時代にも人を育てるということに力を注いでまいりました。  第一次安倍内閣における教育基本法の七十年ぶりの大改正に始まり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正、昨年から始まった学習指導要領の全面改定の議論、中でも特別な教科として格上げされる道徳の実施など、教育行政をめぐる一連の動きは、七十年という長い歳月をかけて我が国がようやくGHQによる占領政策のくびきから抜け出し、我が国本来の姿を取り戻そうとする動きが始まったようであり、大いに期待しているところであります。  知事は、先般、今後五年間にわたり本県教育行政の大きな道しるべとなる広島県教育に関する大綱を策定されました。一人一人が、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造する人づくりのスローガンのもと、広島らしい教育を推し進め、オール広島県で日本一の教育県を実現されようとするその決意に対し、心より敬意を表すものであります。  知事は常々、グローバルに活躍できる人材、国際社会の平和と発展に貢献できる人材、そういった多様で厚みのある人材の育成が重要であると語られています。  世界で通用する人材を育てるという趣旨には全く賛同するものであり、私の経験では、そのために最も必要な要素、それは日本なのであります。  かつて我が国の教育の土台になったものの一つに教育に関する勅語がありました。  明治二十三年、文明開化と欧風化の波が押し寄せる中で渙発された教育勅語は、ないがしろにされつつあった我が国の伝統的な価値観、そして、それに基づく美徳を改めて明らかにしたのでありました。  両親には孝行し、兄弟姉妹は互いに友愛を持って接し、夫婦は互いに睦み合い、友人とは互いに信頼し合い、謙虚な姿勢を忘れず周囲に博愛の輪を広げ、学問を修め職能を磨くことを通じて、自らの能力を高め人格を涵養し、率先して公益を広め社会的義務を果たし、憲法や法律を遵守し、非常時には勇気を奮って問題解決に当たり、そして、一致団結して豊かで美しい国を築き上げていこう。このように記された教育勅語には、国民全員で我が国の美風を守り伝え、よりよい国づくりをするために弛まず努力をしていこうという固い決意が示されています。  また、学校教育においても、例えば、尋常小学校三年生の修身書には「よい日本人」と題した次のような文章が載せられていました。父母に孝行を尽くし、師を敬い、友達には親切にし、近所の人とはよくつきあわねばなりません、正直で、寛大で、慈善の心も深く、人から受けた恩を忘れず、人と共同して助け合い、規則には従い、自分の物と人の物の分かちをつけ、また世間のために公益を図らなければなりません、その他、行儀をよくし、物を整頓し、仕事に骨折り、学問に励み、体の健康に気をつけ、勇気を養い、堪忍の心を強く、ものに慌てないようにし、また倹約の心がなければなりません、かように自分の行いを慎んで、よく人に交わり、世のため人のために尽くすように心がけるのは、よい日本人になる大切なことです。そうして、これらの心得は真心から行わなければなりません。  実に堂々と我が国の美徳に基づく目指すべき人間像が描かれていますが、私は末尾の「そうして、これらの心得は真心から行わなければなりません」というところにその神髄があるのだと思うのであります。  教育の目的とは、子供たちに志を持たせることであり、明確な目的を持つ教育が、かつて世界が称賛した日本人の強さや優しさ、勤勉さや礼儀正しさなどを育んだのであります。  私は、これらの美徳こそ、我が国における人材育成の礎として極めて重要であると考えるものであり、またそれは、教育基本法第二条に明記された教育の目標である、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度を養うことにも通ずるものであると確信しているのであります。  そこで、広島県教育に関する大綱の策定に当たり、いかなる国家観のもと、どのような教育を目指そうとされているのか、また、知事が描かれている育成すべきグローバルな人間像についてお聞かせください。  二点目は、建国をしのび、国を愛する心を養う教育についてであります。  二週間前の二月十一日は建国記念の日でありました。国民の祝日に関する法律では、この日には建国をしのび、国を愛する心を養うこととされ、私たち日本国民にとって重要な祝日の一つであります。当日は広島市内において一千五百名を超す人々の集う建国奉祝式典が開催され、知事の代理として中下副知事が出席されていました。  そこで、このように公の性格の強い式典は、本来県が主催し、県民とともに祝い、建国をしのび、子供達の国を愛する心を養うというのが本来あるべき姿ではないかと思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  三点目は、建国の歴史を教えることについてお伺いいたします。  建国をしのぶためには、当然、建国についての知識が必要になります。我が国は、初代神武天皇による建国以来、第百二十五代今上陛下の御代である今日まで、二千六百七十六年もの長きにわたり存在し続けている世界最古の国家であります。  神武天皇御即位の日とされる二月十一日が建国記念の日に定められていますが、残念ながら現行の学習指導要領では必ずしも建国の歴史を取り扱うこととはされておりません。  国際的に活躍する人材を育てるためにも、また、誇りを持ち胸を張って日本を語ることのできる人材を育てるためにも、自国史において最も重要な出来事の一つである建国について教えないなどということは到底考えられないのであります。  そこで、子供たちが我が国の成り立ちを理解するため、学校で建国の歴史を教えることについて、どのようにあるべきとお考えか、教育長の御所見をお伺いいたします。  四点目は、主権とは何かということについてお伺いいたします。  昨年の公職選挙法改正により選挙権年齢の対象が十八歳以上に引き下げられました。本年六月以降の選挙から適用されることを受け、現在、主権者教育が取り沙汰されています。選挙制度について学んだり、模擬選挙をしてみたりと試行錯誤されている様子が見受けられますが、そもそも主権とは何かということを考えることなくして、いかにして主権者教育なるものを実施されていくのか、疑問に思うものであります。  近代国民国家の成立要件は主権、領土、国民の三要素であると言われています。また、現行憲法には国民主権ということもうたわれております。  この二つの主権を考えるとき、その意味するところは独立した最終決定権とでも言うべきものではないかと考えますが、その際決して無視することのできない事柄があります。  それは、北朝鮮による日本人拉致問題、そして韓国による竹島の不法占拠の問題です。  御承知のとおり北朝鮮は国家ぐるみで日本人を拉致しており、これは、日本国民の生命と安全に関する重大な人権侵害という点からも、また我が国に対する主権侵害という点からも決して許すことのできない行為であります。  去る二月二十二日は竹島の日でありましたが、竹島は、我が国固有の領土であるにもかかわらず、一九五三年の不法占拠以来、韓国が武装警官を配備し実効支配しています。日本政府はこの不法占拠に対し継続して抗議していますがいまだ解決への道のりは遠く、領土侵犯が継続しているのであります。  このほかに北方領土問題などもありますが、これらの問題はいずれも主権にかかわる問題であります。特に、拉致問題に関しては、国家の主権のみならず個人の人権も侵害されており、主権が二重に侵されていると言えるものかも知れません。  選挙制度の理解や政策比較の仕方などを教えることももちろん必要ではありますが、主権者教育を通じて政治的教養なるものを身につけさせていくことが目的であるならば、議論を矮小化することなく、子供たちが真剣に自分たちの未来を考え、そして我が国のあり方を議論する機会として捉えるべきであると考えます。  そこで、そもそも主権者教育における主権とは何なのか、教育長にお伺いいたします。  主権者教育が話題に上がる際には必ず教員の政治的中立性の確保が問題になります。過去には現職の国会議員が教育の政治的中立はあり得ないと発言した例や、十八歳選挙権、主権者教育に触れながら、学校の先生が安保法制反対と言わなければ教育にならないと発言した例もあります。本県が平成十年に文部省から是正指導を受けたことを考えると、こうしたことは、決して二度とあってはならないのであります。  夏には参議院議員選挙も実施されます。主権者教育における政治的中立性の確保にはくれぐれも留意していただき、子供たちを指導していただきたいと強く要望するものであります。  質問の第三は、子育て支援策並びに少子化対策についてお伺いいたします。  現在、県は少子化対策・子育て支援策の一つとして保育所待機児童の解消に取り組まれており、県庁内保育施設である「イクちゃんち」のオープンも三月一日に控えています。  本県に限らず多くの自治体が、子育て支援策として待機児童対策を実施しているものと思いますが、私は、この待機児童という言葉に違和感を持っています。なぜなら、待機児童という言葉は、まるで幼い子供たちがみずから保育所に入りたくて、列をなして待っているかのような印象を与えるからであります。  しかし、現実にそこにあるのは、子育て以外の何かをするために、幼い我が子を施設に預けようとしている親の姿なのであります。  教育基本法第十条には父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有すると、子供の教育に対する親の責任を明記してありますが、この我が子を我が手で育てるという役目を果たせずにいる親、そしてそれを助長している社会が、自分たちの罪悪感を薄めるために待機児童という魔法の言葉を考え出したのではないかと思うのであります。  最近の研究では、母親または特定の養育者との間における新生児期から乳幼児期にわたる緊密で愛情深いかかわりが、子供の心身の健全な発育のためには不可欠だということが明らかにされています。  赤ちゃんと養育者との間に良好な関係が築かれていることを指す言葉に愛着という言葉がありますが、愛着がきちんと形成されなかった場合、その後の成長過程において親子関係を含む対人関係に困難を覚えたり、精神的に不安定になるなどの影響も指摘されているところであります。  また、子供の側だけではなく、養育者の側にも、幼い子供との適切なスキンシップにより愛情ホルモンとして知られるオキシトシンという物質が分泌され、それにより養育者から子供への愛情が増すことも知られています。  私は、保育ニーズそのものを否定するつもりなど毛頭ありません。しかし、乳幼児期のかかわり方が、子供と養育者双方に与える影響の大きさを考えると、保育施設の拡充は子育てを支援しているというよりは、むしろ子育ての外部委託を支援してしまっているのだということをもっときちんと認識すべきだと思います。  愛着形成を含む子供たちの心身の健全育成を第一に考えるならば、本来子育て支援策として実施すべきなのは、母親または特定の養育者による恒常的な育児環境の整備であるはずであります。  私の友人も、多くが保育サービスを利用しています。しかし、できれば子供が幼い間は施設に預けず自分で子育てをしたいが、経済的な理由から保育サービスを利用せざるを得ないというのがほとんどであり、ここからも、現行の子育て支援策が、こうした子育て家庭の潜在ニーズに対応していないことがわかるのであります。  そこで、ひろしま未来チャレンジビジョンで掲げられたファミリー・フレンドリーな広島県の実現のためにも、従来の保育サービスに加え、国や他の自治体に先駆け、本来の意味での子育て支援である在宅育児支援の取り組みを強力に推し進めるべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、あわせて、教育基本法第十条第二項にのっとり、保護者に対し、家庭教育に関する学習の機会及び情報の提供並びにその他家庭教育を支援するためにどのような施策に取り組まれるのか、教育長にお伺いいたします。  近年、第二子、第三子以降の子供を諦めている夫婦のうち約六割が、その理由として子育てや教育にお金がかかり過ぎるなどの経済的な理由を挙げています。  この現実を考えれば、税控除やクーポン給付などの経済的支援も含めた在宅育児支援は、そのまま少子化対策としての効果も期待できると思いますので、実施に向け、ぜひ前向きに御検討いただきますよう重ねてお願い申し上げます。  質問の第四は、性的マイノリティー、いわゆるLGBTについて、二点お伺いいたします。  近年のLGBTに対する認知度の高まりに伴い、当事者に対しどのような配慮をするべきか、どのような配慮ができるのかという議論が高まりつつあることは、今次定例会におきましても連日、LGBTに関する質問がなされていることが示すとおりであります。  昨日、我が会派の緒方議員から、啓発や当事者等への支援、性的多様性に関する教育の必要性についての質問があり、知事からは、相談機能の強化やより効果的な啓発に取り組む旨の御回答をいただき、教育長からは、学校とPTAなど関係機関が連携した取り組みなどについて御回答いただいたところであります。  私も、この問題に対する問題意識を共有する者の一人であります。LGBTに対する理解度の低い社会では、当事者は悩みを一人で抱え込んでしまうことになり、一説には当事者の自殺リスクは非当事者の六倍になるとも言われています。  LGBTに対する認知度の向上、理解の促進を図るとともに、当事者に対して適切な対応をしていくことが必要であると考えますが、その中でも特に子供たちへの対応は急務であります。昨年四月には文部科学省が「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を発し、その中で、性的マイノリティーと明記した上で、子供たちに対するきめ細かな対応を求めているところでもあります。  そこで、LGBTに関する教育に携わる教員への今後の研修・指導などの取り組みについて、またあわせて、当事者である児童生徒並びに教員に対する学校現場での対応の必要性について、教育長の御認識をお伺いいたします。  二点目は、婚姻制度への認識と同性婚への見解についてお伺いいたします。  御承知のとおり、昨年四月に東京都渋谷区で、同性カップルの関係を男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備えると認める、いわゆる同性パートナーシップ条例が成立いたしました。  私は、この同性カップルの問題は、少子・高齢化社会の真っただ中にある私たちに、今改めて結婚とは何かという問いを突きつけているように思えるのであります。  そもそも人間関係にはさまざまな形があります。その中で、なぜ、特定の男女の間柄だけを結婚、婚姻という形で区別するのか。しかも、ただ区別するだけではなく法的に保護し、他の人間関係よりも優位な状態に置いているのか。それは、子供の健やかな成長、子供の福祉を考えてのことではないでしょうか。特に、我が国のように結婚と出産が一つなぎのものとして捉えられている場合には、今申し上げた結婚とは子供の健やかな成長を期待して設けられた制度であるという考え方は腑に落ちるだろうと思います。  また、少子化の原因として若者の未婚化・晩婚化が挙げられるのも、私たちが結婚と出産を不可分のものとして捉えているからにほかなりません。  しかし、単純に少子化の解決、すなわち出産数の増加だけを考えるのであれば、母親が結婚している必要はないのであります。例えば、スウェーデンは一・九〇という高い合計特殊出生率を維持していますが、二〇〇八年のデータでは婚外子の割合が約五五%となっており、生まれてくる子供の実に半数以上が婚外子なのであります。翻って日本の婚外子率はわずかに二%程度であります。五五%と二%の違いが何を意味するかというと、両国における結婚と出産の捉え方が違うということにほかなりません。  つまり、私たちが考える結婚とスウェーデン人が考える結婚とは、同じ言葉を使いながらもその意味合いが違う。特に、結婚と出産との関係に関しては極端に違っているということであります。同性カップルから子供が生まれることがない以上、私は、同性婚を考える際にも同じことが言えるのではないかと思います。  つまり、同性婚について考えるということは、ただ単純にLGBT当事者の抱える問題について考えればいいというだけではなく、私たちの社会における結婚、出産、親子、家族などのあり方について考えなければならないということなのであります。  渋谷区の同性パートナーシップ条例、アメリカ連邦最高裁による同性婚合法化判決、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催などを踏まえると、今後我が国においてLGBT、同性婚に関する議論はますます盛んになることが予想されます。
     当事者に対する対応が必要なことは言うまでもありません。しかし、当事者個人の人権救済に必要な個別具体的な事案に関する議論と、婚姻制度のように当事者に限らず幅広く影響を及ぼす社会の一般原則に関する議論とを混同することのないよう注意を払わなければならないと考えます。  そこで、婚姻制度に対する認識と同性婚に対する見解について、知事にお伺いいたします。  また、学校教育にLGBTに関する内容を取り入れる際には、あわせて我が国における伝統的な結婚、家族、家庭の意義を伝える取り組みを充実させるべきであると考えます。  繰り返しにはなりますが、個別事例と一般原則を混同することのないよう十分に注意をした上で、子供たちに適切な指導をしていただきますよう強く要望させていただきます。  質問の第五は、八・二〇土砂災害以降の本県における防災・減災対策について、二点お伺いいたします。  災害に対する備えとして、しばしば自助・共助・公助ということが言われますが、私は、あの災害から共助のネットワークづくりの必要性、重要性を痛感しています。  阪神淡路大震災を機に、地域の防災リーダーの育成を目的として創設された防災士という民間資格がありますが、県ではこの防災士の講座を利用するなどして防災リーダーの育成に取り組まれており、防災・減災に関する知識と技能を身につけた防災リーダーが数多く育成されるのは大変すばらしいことであると思います。  現在、主に地域の自主防災組織の方を対象に防災リーダー育成講座を開催しているとのことでありますが、ぜひ、その対象を拡大していただきたいと思います。  地域で活動する団体には町内会を初め、さまざまな団体があります。全ての団体が自主防災組織と緊密なネットワークを持っているわけではありません。私は、ぜひそれらの団体にも防災リーダーの輪を広げ、そして、地域で組織横断的な防災のネットワーク、すなわち共助のネットワークを構築すべきだと思うのであります。  そこで、防災リーダーを含む地域住民による共助のネットワークと、消防、行政などの関係機関との間に連携体制を構築し、防災・減災の活動をより効率的・機動的に実施すべきものと考えますが、御所見をお伺いいたします。  二点目は、復興に係る課題に対する認識と県とのかかわりについてお伺いいたします。  現在、私の地元安佐南区にあります八木・緑井地区では生活環境の再建が進められていますが、その中で行政に対して住民の意見が届きにくいという声を耳にしています。  私自身、被災地の復旧活動に携わった際には、地域住民と行政との間に距離を感じることがありましたし、支援要請や住民の要望がなかなか行政に伝わらず、幾度となくもどかしい思いをいたしました。復興という同じ目的に向け地域住民と行政が歩調を合わせるためにも、しっかりと地域住民の声に耳を傾けることが必要だと感じています。  また、このたびの災害は多くの子供たちに心身ともに影響を与えました。災害後、親や周囲の大人への遠慮から自分の感情を押し殺していたことが、将来、思わぬ影響を与えることがあるとも言われています。  先日、地元放送局が行ったアンケートでは、被災地から転出したまま地域に戻らない理由の中で最も多いのは、精神的な理由でありました。このアンケートを見ても、子供たちへの心のケアはより一層重要だと思うのであります。被災地の復興に向け、ハード面の整備はもちろん、子供たちの心のケアなど、まだまだなすべきことがあるように思います。  そこで、復興に係る課題に対する認識と県とのかかわりについてお伺いいたします。  私の質問は以上であります。冒頭に申し上げましたとおり、私の夢は日本が日本らしくあり、日本人が日本人らしくあることであります。子供たちが心身ともに健やかに、日本に生まれた誇りと喜びを胸に成長していけるように、そして、その成長を見守る私たち大人も、笑顔で和やかに暮らせる社会であるように、長い歴史に連なる自覚を持ち、一日一日を大切に積み重ねてまいりたいと思います。  本日の質問が、誇りある広島の実現に役立つことを念願しつつ、私の質問を閉じさせていただきます。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 16: ◯議長平田修己君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 17: ◯知事湯崎英彦君) まず、私の抱く夢についてでございますが、私が知事を志しましたのは、挑戦心あふれる県民性を呼び覚まし、本県が持っている底力を発揮することで、県民の皆様とともに愛するふるさとを発展させたいと思ったからでございます。  本県は、風光明媚な瀬戸内海やなだらかな中国山地など豊かな自然に恵まれ、古くから交通や流通の要衝、産業の拠点、文化・教育・スポーツの中心地としての道を歩んでまいりました。  しかしながら、近年、人口減少や少子・高齢化、過疎化の進行や急激なグローバル化による国際的な競争の激化など、数々の困難な課題に直面しております。  こうしたときこそ諦めることなく、直面する課題に真摯に向き合い、将来の本県や我が国の発展も見据えながら解決に向けて挑戦し、ピンチをチャンスに変えていくことが必要であると考えております。  本県には、多くの宝や先人たちが築き上げた潜在的な力がございます。具体的には、競争力のある産業や蓄積された技術、二つの世界文化遺産、世界的な知名度などのほか、フロンティア精神にあふれ、イノベーションを生み出す県民性、多数の人材を各界に輩出した教育県としての歩みやファミリー・フレンドリーな環境、恵まれた自然環境とそのすぐそばにある魅力的な都市などでございます。  こうした強みを生かして本来有する力を十分に発揮することができれば、本県は自信と勢いを取り戻し、人を引きつける魅力ある地域として発展を続けていくことができると確信いたしております。  したがいまして、私は、人、経済、暮らし、地域のいずれの政策分野においても、本県の底力を最大限に引き出し、勇気を持って挑戦を続けていくこと、また、問題意識を持って一歩踏み出そうとする県内の全ての人たちを後押しし、ともに変化を起こしていくことを政策理念として、県政に臨んでまいりましたし、今後もそれは変わることはないと考えております。  こうした姿勢で県民の皆様とともに歩み、本県の活力と誇りを次代につなげていくことで、昨年の二月定例会で当時の石橋良三議員に対してお答えした、県民一人一人が豊かさを享受でき、世界の中で輝く広島県を実現してまいる所存でございます。  次に、広島県教育に関する大綱で育成を目指す人間像についてでございます。  教育基本法におきましては、日本国民は、民主的で文化的な国家をさらに発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものとされているところであり、国の教育振興基本計画におきましては、公共の精神をたっとび、国家、社会の形成に主体的に参画する国民、我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人の育成などを目指すことが明確にされているところでございます。  私といたしましては、この考え方に加え、グローバル化や情報化が進展して、人、物、金、情報やさまざまな文化、また価値観が国境を越えて流動化する、そういう社会の中におきましては、グローバルな視野を持ちつつ、自己をしっかりと確立することが重要であり、日本人としては、これまで以上に日本人としてのアイデンティティーを持ち、日本の歴史や文化について語ることができるようになることが重要であると考えております。  こうした基本的認識のもと、このたび策定をした大綱におきまして、幼児期から大学、社会人までを見据え、学校、家庭、地域、さらには経済界や産業界も含めたオール広島県で、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な人々と協働して新たな価値を創造することのできる人材を育成していくこととしたところでございます。  また、本県がさらなる成長や持続的な発展を遂げていくためには、我が国や郷土の伝統、また文化についての理解を深め、広島への深い愛着や広島で学んだことへの誇り、将来広島に貢献したいという意欲などを有したさまざまな分野で地域や広島、日本の成長・発展を担うことのできる人材や世界を舞台に活躍できる人材など、多様で厚みのある人材層を形成していく必要があると考えております。  私といたしましては、この大綱を踏まえ、本県の特徴を最大限生かした広島らしい教育を、本県のあらゆる力を結集し力強く推進していくことにより、広島で学んでよかったと思える日本一の教育県を実現してまいりたいと考えております。  次に、在宅育児支援の取り組み強化についてでございます。  全ての子供たちの健やかな成長は県民全ての願いであり、子育てに対する希望や子育てを取り巻く環境はそれぞれの家庭によって異なることから、県といたしましては、さまざまなニーズに対応できる多様な子育て支援を行うことが必要であると考えております。  特に乳幼児期は、生涯にわたる人格の形成を培う重要な時期であり、保護者を初めとする身近な人たちからの触れ合いによる愛着の形成が必要であり、少子化や核家族化、地域のつながりの希薄化などによる子育てに不安や負担を感じている保護者が多い現状においては、子育てを地域全体で支援する必要があろうと考えております。  このため、本県におきましては、家庭で子育てしたいが経済的な理由で保育施設に預けて働かざるを得ない、あるいは、子育てしながら働き、仕事の上でも自己実現を図りたいなど、あらゆる保護者のニーズに応えるため、子育てに関する不安等を相談し親子で交流できる地域子育て支援拠点の整備や育児サークル・子育てサークルの育成支援など、地域で子育てを支える環境づくりに取り組んでおります。  また、インターネットや携帯電話を活用した子育てポータルサイト・イクちゃんネットやkidsめるまがといった情報ツールを充実させ、子育てに必要な情報を提供するとともに、親子で外出しやすいよう子育て応援イクちゃんサービスの普及拡大を図っているところでございます。  一方で、乳幼児期は子育てに専念しその後再び働きたいと思う方に対しましては、育児休業等を取得しやすい職場環境の整備や子育てなどのために一旦離職した女性が円滑に再就職できるよう、マザーズハローワークに併設したわーくわくママサポートコーナーの運営による相談支援を行っております。  今後も引き続き、在宅での育児を含む全ての子育て家庭を地域全体で応援し、乳幼児期からの多様な子育ち・子育てを積極的に支援することにより、次代を担う子供たちが健やかに成長できる広島県の実現に取り組んでまいります。  次に、婚姻制度への認識と同性婚への見解についての御質問でございます。  婚姻制度につきましては、憲法その他の法令に定めがございまして、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有するほか、相続や財産、社会保障上の各種受給権などの経済的利益を得るとともに、同居や扶助の義務などを負うものであると認識いたしております。  また、婚姻は、両当事者が社会の構成単位として認知・承認されるといった心理的・社会的利益も伴うものと考えております。  現行法のもとでは、異性同士であれば婚姻を選択することができますが、同性同士は婚姻を選択できないことからさまざまな権利が受けられず、また、義務も負わず、社会的な認知・承認も得られないこととなります。  このため、パートナーを有するLGBTの方々にとっての不便さや偏見、差別的な扱いを解消する観点からは、同性婚も一つの方策であると考えます。  他方、血縁によるつながりを基本とする家族観などもあり、家族や家庭についての価値観や婚姻に係る制度のあり方をめぐってはさまざまな御意見があるものと認識しており、慎重な議論と国民的合意が必要であると考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 18: ◯議長平田修己君) 土木建築局長児玉好史君。         【土木建築局長児玉好史君登壇】 19: ◯土木建築局長児玉好史君) 復興に係る課題に対する認識と県とのかかわりについて、複数部局にわたるお尋ねでございますが、私からお答えいたします。  平成二十六年八月の土砂災害被災地域の復旧・復興につきましては、八・二〇土砂災害 砂防・治山に関する施設整備計画に基づき、国、広島市と連携しながら着実に進めているところであり、砂防ダムなどの防災施設の緊急事業のうち、県が実施する砂防ダム及び治山ダム等二十三カ所につきましては、当初の予定どおり、今年度内に完成する見通しであるなど、順調に進捗しております。  被災した方々の生活再建を見通していく上での一助とするため、防災施設整備の進捗状況などを県民だよりやホームページなどにより広く周知をするとともに、地域の皆様方には、地元説明会、現場見学会の開催や、広報紙を回覧するなどの方法できめ細やかにお知らせしているところでございます。  また、被災した県営緑丘住宅におきましては、既に住棟部分の復旧工事が完了し、再入居された被災者に対しまして、昨年九月から毎月、職員が出向いて御相談や御意見を聞く機会を設けております。  また、被災者の心身のケアにつきましては、多くの被災者の皆様が心の痛みなどを抱えられていることが課題であることから、広島県災害時公衆衛生チームやDPATを避難所に派遣し、市と共同で、精神科医や保健師等による被災者の健康管理や心身のケアを行うとともに、被災者が避難所から出られた後も健康調査や相談・支援を行ってきたところでございます。  とりわけ、子供の心のケアが課題であることから、医師や臨床心理士などから構成する広島県こども支援チームを編成し、被災地域での診療や定期相談窓口の設置によりPTSDへの適切な対応を行ってまいりました。  広島市は昨年八月から罹災証明書交付全世帯を対象に健康調査を実施し、その中で把握された方々にメンタルヘルス対策等を実施しておられ、県といたしましては、市からの要請があればいつでも派遣できる体制を継続しております。  こうした取り組みを積極的に進めることで、被災された方々の一日も早い生活再建と早期の復旧・復興に全力を尽くしてまいります。 20: ◯議長平田修己君) 危機管理監土井 司君。         【危機管理監土井 司君登壇】 21: ◯危機管理監(土井 司君) 共助のネットワークと連携体制の構築についてお答えします。  地域における共助をより機能させるために、その要となる自主防災組織を中心としたさまざまな地域団体がネットワークを構築し、行政と連携を図りながら防災・減災の活動を行うことは効果的であると認識いたしております。  こうした中で、自主防災組織は、町内会、地区社会福祉協議会、女性会、老人会など、多くの地域団体等の構成員も包含する組織となっていることから、活動が活発な自主防災組織においては、防災リーダー等が中心となって、各団体と連携し、地域行事にあわせて防災活動を実施するなどの取り組みが行われております。  また、市町、消防、警察といった公助を担う行政と連携し、発災時の安否連絡、被害の通報などの実践的な防災訓練の取り組みにより、災害時における役割分担などを具体的にイメージすることで、防災意識の向上につなげている組織もございます。こうした先進的な取り組みにつきましては、自主防災組織活性化マニュアルにおいて紹介し、全県の自主防災組織への浸透を図っているところでございます。  あわせて、自主防災組織の活動をより一層活性化させるため、市町が行う自主防災組織のリーダー養成に対する支援、自主防災アドバイザーの派遣などの取り組みを進めているところでございます。  今後とも、こうした自主防災組織の活性化を通じ、共助の取り組みを推進することにより地域防災力の向上に努めてまいります。 22: ◯議長平田修己君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 23: ◯教育長(下崎邦明君) 五点についてお答えいたします。  まず、建国をしのび国を愛する心を養う教育についてでございます。複数部局にわたるお尋ねでございますが、私が代表して答弁させていただきます。  建国記念の日は、国民の祝日に関する法律に定める建国をしのび、国を愛する心を養う日であり、この日を契機として、国民一人一人が先人の努力に思いをはせ、さらなる国の発展を願うことで、我が国の平和と繁栄につながっていくことが期待されているものでございます。  児童生徒が日本人としての自覚を持って国を愛し国家の発展に努めるとともに、すぐれた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するよう指導することは大切であると考えております。  国民の祝日である建国記念の日につきましては、建国をしのび、国を愛する心を養うことが大切であることから、その由来などを取り上げながら祝日が設けられている意義を考えさせる指導を行うことは大切であると考えております。  教育委員会といたしましては、今後とも、我が国を愛する心情・態度を養う教育を推進してまいりたいと考えております。  なお、建国記念の日を含む全ての祝日について、県民の皆様が国民として祝い感謝し、または記念する機会となるよう、県としても引き続き努めてまいります。  次に、建国の歴史を教えることについてでございます。  グローバル化が進展する中で、我が国の将来を担う児童生徒が日本の歴史について理解を深めることは、国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚や資質を育てる上で、重要なことであると考えております。  学校では、授業におきまして、古事記や日本書紀などに書かれている建国の歴史などの記述を通して古代の人々のものの考え方や生活を捉えさせるなど、古代国家の形成と展開、文化の特色とその成立の背景について学習しているところでございます。  教育委員会といたしましては、こうした学習を通して、日本人としてのアイデンティティーと誇りを持ち、胸を張って日本を語ることのできる人材の育成に努めてまいります。  次に、主権とは何かということについてでございます。  政治的教養の教育、いわゆる主権者教育の主権とは、一国の政治のあり方を最終的に決定する権力が国民にあるとする日本国憲法に規定されている国民主権のことを意味しているものと考えております。  公職選挙法等の一部を改正する法律の成立に伴い、満十八歳に選挙権年齢の引き下げが行われたことで、新たに有権者となる若い人たちには、未来の日本のあり方を決める政治にしっかりと関与していくことがさらに求められる状況になったところでございます。  教育委員会といたしましては、生徒が近い将来有権者として政治に参加することを踏まえ、模擬選挙などの実践的な学習活動を展開し、主権者としての自覚を持ち国家・社会の形成者として必要な資質を主体的に身につけることができるよう指導の充実を図ってまいります。  次に、家庭教育に対する支援についてでございます。  教育基本法第十条第二項では、国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならないとされております。  これを踏まえまして、教育委員会では、保護者に対して、親の役割や責任を自覚し自信を持って子育てに取り組むことができるよう、親同士が家庭教育について気軽に話し合い学び合う親の学習プログラムを活用した講座実施に取り組んできたところでございます。  また、乳幼児期の教育・保育は、生涯にわたる人格形成及び小学校以降の教育の基盤を培う重要なものであることから、乳幼児期の家庭教育に関する効果的な情報提供などにつきましても、有識者の助言を得ながら調査研究や先行的な取り組みを行っているところでございます。次年度は、これまで実施した調査研究に基づき、本県が目指す幼児の姿や養育機関や家庭における教育・保育の方向性、充実方策などを取りまとめた幼児教育アクションプランを新たに策定する予定としております。  教育委員会といたしましては、引き続き、親の学習プログラムのさらなる充実を図るとともに、県内全ての乳幼児が質の高い教育・保育を受けることができるよう、関係部局等と連携した家庭教育の支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、LGBTに関する教員への教育と当事者への対応についてでございます。  いわゆる性的マイノリティーに係る対応につきましては、児童生徒に限らず教職員につきましても、個別の事案に応じ、その心情などに配慮した対応が必要であると認識しております。  このため、各学校におきましては、児童生徒が相談しやすい環境を整え、個別の状況に応じて服装の変更や更衣室・トイレ使用時の配慮などが行われるよう指導しているところであり、教職員への支援につきましても、同様に適切な対応がなされるよう、さまざまな機会を捉えて校長等を指導しており、さらに徹底を図ってまいります。  教育委員会といたしましては、性的マイノリティーに係る教職員の意識啓発や指導力の向上を図るとともに、指導資料や学習教材を作成することを検討することとしており、発達段階に応じて児童生徒が性的多様性について正しい認識が持てるよう、指導の充実を図ってまいります。 24: ◯議長平田修己君) 傍聴者の入れかえを行いますので、このまましばらくお待ち願います。         【傍聴者入退場を待つ】 25: ◯議長平田修己君) 引き続いて質問を行います。三好良治君。         【三好良治君登壇】 26: ◯三好良治君 皆様、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟、福山市選出の三好良治でございます。  今次定例会におきまして、初当選以来五回目となります質問の機会をお与えいただき、平田議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝を申し上げます。  本日は、多くの皆様にはるばる傍聴にもお越しいただきまして、心より感謝を申し上げます。  私は、知事の言われる「仕事でチャレンジ 暮らしをエンジョイ」という前向きなフレーズが大好きであります。私自身、仕事の上ではますますチャレンジを続けていきたいと思っておりますし、暮らしの面でも元気に楽しみながら、しかしエンジョイし過ぎて皆様に面倒をかけることのないよう身を引き締めて頑張ってまいりたいと思いますので、引き続き御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、早速、質問に入らせていただきます。
     質問の第一は、福山市との連携について、二点お伺いします。  私の地元、福山市は、ことしの七月一日、市制施行百周年を迎え、現在この節目を記念する取り組みとして、記念式典を初め、歴史・文化・スポーツ、記念出版や映画など数多くの行事やイベントが計画されており、既にその一部が実施されているところであります。  こうした事業やイベントの開催は単に百周年をお祝いするといった一時的なものではなく、多くの市民と思いを共有する中で次なる百年のビジョンを描いていく大変重要な取り組みであり、県としても積極的な参画並びに支援を行っていただきたいと強く念願するところでありますが、残念ながら私の知る限り、来年度の予算案には、そうした内容は盛り込まれていないように見受けられます。  鞆地区の振興推進事業など、県と福山市の連携による事業も数多くつくっていただいており、感謝いたしますが、特に、百周年という大きな節目を迎えるに当たって、しっかりと県の姿が見える形で御支援をいただきますよう強く要望するものであります。  そこで、福山市が市制施行百周年を迎えるに当たって、県としてどのような協力を考えておられるのか、知事の御所見をお伺いします。  こうした節目の年に、鞆地区の振興対策事業として町なか交通処理対策や防災対策など、その推進に係る予算案が本定例会に提出され、県と福山市が連携し、まちづくりに向けた取り組みが動き始めたことは大いに評価するところであります。  今後とも、一層丁寧な住民との合意形成に努めていただき、大きな成果を上げていただきますよう強く念願するものであります。  さて、現在、多くの観光客から注目を集める鞆地区ですが、今後さらなる魅力向上を図る上では、道路アクセスや鞆周辺の観光資源や景観なども一体的に捉え、それらを総合的に生かすという戦略性を持ってこそ、大きな成果を上げられるものと考えます。  例えば、鞆の西部、常石地区における環境観光の取り組みとの連携も強めていくことが求められますし、特に、北側に隣接する田尻地区においては、言葉はよくはありませんが、鞆の影に隠れ、県としても地域の方々の地道な努力について、これまでほとんど取り上げてこなかったように感じます。  その田尻地区では、観光客へのおもてなしの心から、地域の方々が手作業で、県道の清掃や海に面した山肌への菜の花を植える活動、さらには瀬戸内海を見おろす山頂までの遊歩道や花壇の整備など、本当に地道な努力を続けておられ、私自身いつも拝見させていただき、ただただ頭の下がる思いであります。  こうした取り組みの成果もあって、毎年春先に開催されるたじり杏まつりに訪れる観光客も年々多くなり、人気イベントの一つであるクルージングでは、鞆・田尻地区一円のすばらしい景観を楽しむことができます。  こうした地道な住民の努力が一つの観光地を一帯的に支えているのだということを私たちは再認識する必要があると思いますが、一方で高齢化も進む中、こうした奉仕活動の上にあぐらをかくばかりではいけないとも強く感じます。  遊歩道の整備は、いまだ道半ばであり、私自身何とかお手伝いをしたいといろいろと調べてみましたが、整備自体を行える補助制度については、県はもとより、国においても市においても用意されていませんでした。  また、県道鞆松永線を初めとする鞆地区に至る道路アクセスの強化についても、早期に取り組んでいただきたい道路整備が依然残されています。  そこで、常石地区における環境観光の取り組みとの連携強化、田尻地区における住民主体の活動への支援、道路アクセスの強化など鞆地区を中心とする周辺地域と一体となった魅力ある観光地づくりについて、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第二は、委託役務業務に係る入札契約制度の見直しについて、二点お伺いします。  現在、県では、この四月以降に契約する委託・役務業務に関し、不当な低価格での入札の防止及び排除を目的として、そのあり方について積極的に見直しを進めておられます。  今回の見直しにより、県の契約担当職員は、その判断によって総合評価一般競争入札もしくは低入札価格調査制度の適切な利用が可能となります。  総合評価一般競争入札では、価格だけでなく技術力や政策的項目の達成度により評価されることとなり、低入札価格調査制度では、入札結果が仮に低入札と判断された場合に入札の積算内訳を調査して契約の相手方を決定することができるようになり、不当な低価格での契約の防止につながると考えます。  厳しい財政状況のもと、不要不急な予算の執行額を抑えることは、県において重要な責務でありますが、一方で、不適切な労働環境を排し、適正価格による適正な業務の遂行を公契約を担う県が率先して実現していくことは、国の施策とも合致し、私自身高く評価するものであります。  そこで、まずは、落札額を適正な水準とする今回の見直しによって入札契約制度の適正化を効果的に推進していくためには、一部の契約については設計積算の見直しや予算的な裏づけが必要なケースもあると思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  本制度の見直しに当たっては、県としてその本来の趣旨にさかのぼり、契約の相手方の企業等において、最低賃金以上の支払いや社会保険等への加入など、法令を遵守した対応がなされているかという点についてまでもその適切な履行がなされるよう、一歩踏み込んだ措置を講じていくことが重要であると考えます。  しかし、法令遵守の徹底を行うためには、最低賃金、労働時間、有給休暇など、場合によっては就業規則や労使間協定の内容ともリンクさせた労務調査、実態に即した労災・雇用保険への加入、また、各種医療保険や年金への加入実態など、専門的な知識が必要とされる上に、実際に調査するとなるとその具体的な裏づけには相当な労力が割かれることが予想されるため、契約担当課のみにその適切な実施を求めることは、少し酷な気がいたします。  折しも県では、昨年十二月に取りまとめられた行政経営の方針の中で外部人材の活用を打ち出しておられるところでありますが、そこで、私としては、求められる専門性を持った外部の人材、例えば社会保険労務士などの専門家の手をかりることも検討に値するのではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、海ごみ対策についてお伺いします。  県は、新年度、「エコの力でひろしまを元気に具体化推進事業」と銘打って、地域の特性やライフスタイルに応じた環境保全活動を推進するための人材や仕組みを構築し、地域における自主的な環境保全活動を促進することを目的とした事業に新規に取り組むこととされています。  事業内容を詳しく見ていきますと、海ごみ対策の推進も図ることとされており、具体的には、イベントと組み合わせた一斉清掃活動の実施などが検討されているようでありますが、一方で、こうした海ごみ対策や清掃活動といった取り組みについては、既に現在、各地でさまざまな団体により活動が行われております。  例えば、福山市松永湾では、二十年近く前から有志の方々により環境市民ネット松永という団体が活動を続けており、ヘドロのたまった底質の改善や、地域の子供たちを対象とした環境学習を続けておられます。  県が実施しようとしているこのたびの事業を否定はしませんが、これまで地道に活動を行ってきた方々からすれば、その活動やごみ処理などに対する公的支援が求められているのではないでしょうか。  仮に、イベントにマスコミや世間の注目が集まる一方で、地元で地道に活動を続けてこられた方々に光が当たらないようでは、これまで取り組んでこられたモチベーションをそぐことにもなりかねず、せっかくの事業が逆効果にすらなりかねません。  海ごみ対策の取り組みは継続することが重要であり、例えば土木のアダプト制度のように、県が地元で地道に活動している方を支援できる仕組みなど、この取り組みが一過性のものとならないよう、よく検討していただきたいと思います。  そこで、海ごみ対策について、地元で地道に活動している方の支援をどのように行っていくべきと考えているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第四は、不妊治療への支援の拡充についてお伺いいたします。  県では現在、不妊専門相談センターによる相談事業を初め、不妊検査費用の助成、高度生殖医療に要した費用の助成を行っていますが、そうした取り組みに加えて、さらに、妊娠しやすい体をつくるといった体質改善面にも目を向けることを提案させていただきたいと思います。  不妊治療は、基本検査を受けることから始まり、原因が明らかになれば、そこを治療して妊娠を目指すことになりますが、中には検査の結果、異常が見当たらず、原因不明と診断されるケースも少なくないそうであります。  また、年齢が高い、栄養の偏りがある、ストレスが高い、血流が悪いなどの理由で良好な受精卵を育むことができていないのであれば、幾ら生殖医療を施してもその効果は限定的とされ、その場合には生活習慣の見直しや適度な運動により体内環境を整え、受精卵の生きようとする力を育み、その邪魔をしないようにするのだそうです。  そうした妊娠しやすい体をつくるといった領域において、医師による治療やアドバイスとあわせて、鍼灸治療を施すことで体調が整えられ、妊娠率を向上させる可能性が高くなるとの報告が数多くなされているほか、例えばアメリカ国立補完統合衛生センターといった研究機関からも鍼灸の効果に関する声明が発表され、不妊に対する鍼灸治療の効果に注目が集まっており、中には、体質改善といったレベルを超えた効果も期待できるケースもあるようであります。  負担が少なく仕事帰りなどにも気楽に立ち寄ることができる鍼灸治療を支援対象にすることは、本県の取り組みが他県と比べ豊富なメニューを有するという直接的な差別化につながることに加え、不妊治療の受け方の幅を広げ、総合的なバックアップを行う優しい制度であるとのメッセージを発することにもなるのではないでしょうか。  そこで、不妊治療の一層の推進を図る観点から、国における統合医療推進の状況も踏まえ、エビデンスの収集に着手し、我が県独自の制度として鍼灸治療を助成対象とすることを検討してはいかがかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、広島かきの今後の展開について、二点お伺いいたします。  県内では瀬戸内 海の道構想に基づくかき小屋が各地に展開し、にぎわいを見せており、また、ちょうど今月二十九日まで広島県と三重県のアンテナショップで、首都圏でのカキの消費拡大を図るためのイベント「三重・広島カキフェアー」が開催されているなど、県内外における広島かきの消費拡大に向けた取り組みは着実に進んでいると感じます。  一方、平成二十五年度、二十六年度と二年連続してカキの採苗が不調に終わったことは、生産者への経営的な打撃はもちろんのこと、せっかくの消費拡大の流れに水を差しかねず、広島かきの安定的な生産を揺るがした大きな問題でありました。  幸い二十七年度は好調でありましたが、こうした不調・好調の波の明確な要因はわかっていないとのことで、広島かきの安定的な生産の確立に向けては、まだまだ課題があると言えます。  天然で採苗できるという本県カキ産業の最大のメリットを今後も維持し続けるために早急な解決が求められるところであり、広島市も平成二十八年度予算において安定した採苗のための調査に取り組まれるという報道もなされました。  そこで、まず、生産者や地元自治体、関係機関と一体となって、採苗を初めとする広島かきの安定的な生産を可能とするための取り組みを一層推進すべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  さて、県では、平成二十五年に生産者、流通、加工業者と広島かき協議会を発足させ、生産から流通まで一貫した品質管理の強化を図るとともに、ブランド力向上のための具体的な立案と対策を進め、かき小町などで知られる三倍体カキを開発するなどの取り組みを進めてこられました。  生産者においてもこうした取り組みを受け、首都圏や高級店をターゲットとした高品質のブランドカキの生産を進められる一方、既に海外市場へのチャレンジも始まっているとも伺っており、県としても次のターゲットとして広島かきの海外への展開を積極的に推し進める必要があると考えます。  また、本県におけるカキの生産は、現在、県の中西部の海域において行われていますが、かつては県東部の福山市沿岸においてもカキ養殖が盛んに行われていた時代がありました。  こうした中で昨年、福山市は、福山産カキの復活に向けた試験養殖を市内の田尻漁港沖と内海沖で開始し、将来的なブランド化も目指して、今後、養殖の本格化に取り組むこととしています。  ぜひとも、これまで県が培った生産技術、衛生管理などのノウハウを生かし、安定的な生産の確立に向けた支援に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、広島かきの海外への展開や県東部における養殖の再開といった未来を見据えたチャレンジに対して、県はどのように支援されようとしているのか、知事にお伺いします。  最後に、教育に関する項目について、数点質問させていただきたいと思います。  私自身、先般の決算特別委員会において、県の推し進める「学びの変革」アクション・プランについて、私立学校との意識の共有、また、私立学校の教員の研修の充実といった点について言及いたしましたが、その際、教育長からは学びの変革は、公立私立の垣根を越えて県内全ての子供たちへの実践を目指すものであり、教員研修も含め、さらなる連携の可能性について検討していく旨の明確な御答弁をいただいたところであります。  新年度予算案においては、私立学校における新たな教育推進リーダー育成支援事業として、私立学校の教員の研修の支援に必要な経費を計上いただいており、高く評価するものであります。  一方で、実際の研修については、まず管理職員を対象に実施され、管理職員はそこで習得した内容を踏まえて校内研修会等を実施するという方式で行われると伺っておりますが、これまで各学校において長年にわたり独自の研究を重ね授業の方法を確立してこられた、特にベテランの管理職員については、新たな理念への理解の促進という面で変革が難しい、もしくはそれなりの時間がかかるなど、乗り越えなければならない課題も多々あるのではないかと心配しています。  そこで、新たに導入を検討されている私立学校における新たな教育推進リーダー育成支援事業の実施に関して、県として、どのような課題認識を持ち、それに対してどのような工夫をしていこうと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  真のグローバル人材を養成するためには、正しい国家観・歴史観を持つことに加え、家族や生まれ育ったふるさとを愛する心をしっかりと育むことが重要であり、現在、県教育委員会では歴史教材「郷土ひろしまの歴史」などを作成し、郷土の偉人の功績を学び、郷土愛を育む取り組みを積極的に進められており、大いに評価するものであります。  さて、私自身無知ながらも、ふるさとの歴史自体には大きな関心を持っており、福山を中心に活動を続けている備陽史探訪の会という郷土史研究サークルに名前を加えていただき、その活動を傍らで見させていただいておりますが、まさに知識と人材の宝庫であることから、自治会や文化サークルからの講演依頼や遺跡の調査依頼など、さまざまな依頼を受け、約三百人の郷土史研究家がボランティアでその活動に当たっておられます。  その中で、学校との関連で言いますと、教員が他地域から通勤している場合も多く動機が乏しいこともあってか、例えば、学校に対し、史跡めぐりへの参加の呼びかけや出前授業を行う旨の申し出をしても、よい返事をもらえることは少なく、地域の歴史や文化を真剣に子供たちに教えていこうという積極的なふるさと教育は、まだなされていないのが実情ではないかとの声をよくお聞きいたします。  私は、その地域で活動されている郷土史研究家などを活用した副教材の作成、出前講座や遺跡めぐりの開催など、真に地域に根差したふるさと教育の一層の充実を図っていくべきと考えます。  そこで、地域に根差したふるさと教育を進めていく観点から、各学校において、郷土史研究サークルなど民間ボランティアとの一層の連携強化を図っていく必要があると考えますが、こうした仕組みづくりに向けて県教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  本県の学校図書館に目を向けますと、特に学校司書の配置については、最新の文科省の調査では、公立学校における配置状況は、お隣の島根県がほぼ一〇〇%達成しているのに対し、我が県では小中学校では二〇から三〇%にとどまり、高校に至っては本年辛うじて最下位は脱したものの、配置学校数わずか二校、二・二%という状況にあります。  私自身、学校へ図書を納入している地元の書店の方からお聞きした話では、本県の場合、学校司書がいないため、実態として教員が図書室の担当を兼務するケースがほとんどとなっており、中には新たな図書を購入する際、忙しいからとカタログも全く見ないで、新しいほうから何冊か入れておいてくれと言われ、あきれてしまうことも多々あるとのことでありました。  学びの変革を進める中で、文献をじっくりと調べ読み比べるということは、まさに課題発見・解決学習の原点とも言える作業であり、質の高い図書の充実、また、子供たちが本にかかわる知識を司書という専門家から直接得ることのできる環境づくりは大変重要な事であると考えます。  学校司書の各校への配置は理想ではありますが、現実的な当面の改善策として、確保した学校司書に複数校を巡回させるといった工夫や、図書に造詣の深い図書ボランティアを活用し、本の修復や読み聞かせなど、現在行っていただいている業務にプラスアルファさせる仕組みとして、認定制度等を設けた上で図書の管理や発注業務も担ってもらえるような迅速かつ実効性の高い取り組みも検討していくべきではないかと考えます。  このたびの教育に関する大綱の策定においても、学校図書館における司書の配置など体制整備の必要性について指摘する意見も出された中で、図書館に関する記述が大綱に反映されたところでありますが、今後、学校図書館の運営充実にどのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に、命の教育についてお伺いいたします。  生徒同士がいとも身勝手な動機で相手の命を奪ってしまう事件や、いじめに悩み、みずから命を絶ってしまう事件が後を絶たず、報道されるたびに本当に胸が詰まる思いであります。  現在、小学校や中学校の道徳の授業の中で命の教育も行われていますが、その対応にはいろいろとばらつきもあるとお聞きしております。  県教育委員会として、子供たちが命の重みとしっかりと向き合えるよう工夫を重ね、引き続き、積極的な対応を行っていただきますよう強く要望するものであります。  この命の教育の先進例としてはファミリーツリー、つまり家系図を用いる試みもなされており、複雑な家庭環境の割合が多いとされる欧米でも、こうした学びはごく一般的に行われているとのことであります。  こうした手法を用いるかどうかは別といたしましても、私は、命はリレーするもの、命はリレーさせなければならないものという当たり前のことを、家族をテーマとしてもう一度正面から子供たちに教えていくことが必要であると強く感じています。  人が生まれてくるためには必ず父親と母親が存在し、例えばひいひいじいさんの代、つまり、四代前までさかのぼるだけでそこには最低三十人、つまりは学校の一クラス分近くの祖先がいるという普段なかなか意識しないことを、子供たちに再認識してもらいたいのであります。  そうすることで、自分の血の中にはまだ自分でも気づいていないたくさんの力が眠っているのだという生きる勇気を、また、どんなに不遇な環境にあろうとも命をつなぐという壮大な使命の前ではいっときの小さな問題にすぎないのだという受け入れる力を、子供たちがみずから心の中に少しでも芽生えさせることができるのであれば、これ以上ない命の教育になると考えるからであります。  虐待を受けている子や複雑な家庭環境のもとにいる子のことを考えるとちゅうちょしがちなテーマかもしれませんが、決して逃げることなく、正面から考えていかなければならない重要なことであると考えます。  そこで、子供たちにみずからの命の重みを再認識させ、たくましく生き抜く力を育む教育を推進する観点から、命のリレー、家族というテーマに対し、現在、我が県の道徳教育においてはどのような取り組みがなされており、また、今後どのような工夫をしていかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  以上が私の質問ですが、最後に一つ、我が県教育について御要望を申し上げます。  私は、昭和四十七年に生まれました。是正指導の前夜、まさに我が県教育が地に落ちたと言われる時代に、私は中学生活、高校生活を送りました。今から考えると、確かに偏った教育内容が多々あったように思いますが、当時、純朴な私は、何の疑問も抱くことなく、ただただ楽しく青春を謳歌していました。そう考えますと、教育の威力と、また同時に、その怖さを改めて感じるとともに、そうした教育をまともに受けてきたその私が、今、県議会で文教委員長を務めさせていただいていることに不思議な因果を感じます。  先人のまさに血のにじむ努力により、我が県教育は着実に、その復興をなし遂げてまいりました。時計の針は絶対に後戻りさせてはいけない、教育県広島をもう一度よみがえらせたいとの思いは県民の総意であります。  現在、グローバルリーダー育成校の設置を初め、学びの変革にかかわるさまざまな議論が繰り広げられていますが、走り続けることこそ我が県教育を押し上げる原動力であると確信します。  さまざまな課題もありますが、あの時代のような閉塞状況に陥らないためにも、立ちどまることなく、大きな視点に立って、積極的に新たな学びの変革を推進していただきますよう御要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 27: ◯議長平田修己君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 28: ◯知事湯崎英彦君) まず、入札契約制度の見直しに伴う対応についての御質問でございます。  自治体が発注いたします委託役務業務契約におきましては、適正な履行品質を確保するため、不当な低価格入札による契約の防止等が必要であると認識いたしております。  このたび制定いたしました低入札価格調査制度及び総合評価一般競争入札の事務処理要領に基づく取り組みは、適正な労働環境や履行品質が確保されないおそれのある不当な低価格入札による契約の防止及び排除のために有用な制度であると考えております。  これらの制度を適正に活用するためには、業務内容に係る詳細な仕様書の作成や、人件費など必要な経費を含めた適切な設計金額の積算などの対応が必要であると考えております。  このため、これらの事務処理要領に係る詳細な運用方法など、制度の適用条件を明確にしていくとともに、事業者を含め、その周知を図ることにより、契約の適正化を効果的に推進してまいりたいと考えております。  今後も、こうした取り組みを継続いたしますとともに、契約制度の不断の見直しを行うことで、適正な労働環境や履行品質の確保など、本県の委託役務業務契約の適正化を図ることにより、仕事も暮らしも充実できる欲張りなライフスタイルの実現に向けた新たな挑戦を進めてまいります。  次に、海ごみ対策についてでございます。  瀬戸内海は、世界に比類のない美しさを誇る景勝の地として、また、貴重な漁業資源の宝庫として、次代に継承すべきものであると認識いたしております。  しかしながら、国の推計によれば、県内の海岸には約四千トンの海ごみが漂着しているとされており、その美しい景観を大きく損ねるだけでなく、生態系や漁業への影響が懸念される状況となっております。  本県では、平成十四年度に瀬戸内海の環境保全活動を行う団体をせとうち海援隊として認定する制度を創設し、アダプト制度と同様に、活動に必要な資材の提供などの支援を行ってきたところであり、現在、三十二団体、約二千七百人が海ごみの回収活動を行っていただいているところでありますが、その数は近年横ばいの状況でありまして、平成二十五年度のごみの回収量も二百二十トン余りにとどまっております。  これらの課題に対応するため、平成二十八年度から、せとうち海援隊を初め、これまで地域で活動されている方々を支援することで、その活動がさらに拡大していく新たな仕組みを創設することといたしております。  具体的には、活動団体と市町、地域住民等が連携して継続的に活動できる体制づくり、関係者の役割分担や重点取り組み区域等を定めた地域計画の策定、また、地域計画を基にした国庫補助制度の活用などを推進することにより、家族で楽しめるイベントなどと組み合わせ、より多くの方々に楽しんでいただける活動を展開することとしております。  活動団体や地域住民、行政が一体となりましたこうした活動の継続・拡大により、瀬戸内海の魅力をより一層向上させるよう、本県が先頭に立って積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、広島かきの安定的な生産の確立に向けた取り組みについてでございます。  広島かきの生産量は約二万トンと全国生産量の六割を超え、生鮮から冷凍、加工用原料まで幅広い用途に利用されております。  このような中、カキの採苗につきましては、平成二十五年、二十六年と不調が続き、特に平成二十六年は、必要量の二割程度しか確保できないという深刻な状況でございました。
     平成二十六年の採苗不調は、採苗時期の夏場に少雨や日照不足など天候不順であったことや、広島湾において近年餌となるプランクトンが減少し、カキの幼生が育ちにくい環境となっていることが大きな要因であったと考えております。  このため、昨年の採苗に当たりましては、県、広島市、カキ養殖業者が一体となって、餌の多い広島湾の太田川河口付近に母貝いかだを移動させ産卵させることで幼生の生存率を高め、採苗海域の分散と採苗数の確保を図るとともに、育成状況調査を行ってカキ養殖業者に情報提供することにより、早期に必要とする種苗の確保ができたところでございます。  今後の採苗につきましても、県、広島市を初めとする関係市町、カキ養殖業者等が連携して海域調査を充実させた上で、昨年と同様の取り組みを効果的に行うことにより良質な種苗を確保してまいりたいと考えております。  また、オイスターバーなどで消費が伸びております生食用の殻つきカキなどの提供や、トップかきなどの販売強化を業界と一体となって進めることとしており、そのためにも、漁場の生産力に見合った適正規模での養殖を継続し、大粒で良質なカキが安定的に生産されるよう取り組んでまいります。  次に、学びの変革の展開における私立学校教員の研修についてでございます。  このほど策定いたしました教育に関する大綱におきまして、学びの変革をオール広島県で全県的に展開していくことといたしており、公立と私立が一体となって取り組むことが重要であると考えております。  私立学校におきましては、これまで独自に教育改革に取り組まれてきた各学校の実情に応じて、どのように学びの変革へ対応していくのかが喫緊の課題であるとの認識のもと、来年度から、学びの変革を踏まえた教育改革の進め方を検討することとされたところでございます。  具体的には、広島県私立中学高等学校協会におきまして、学校の指導的な役割を果たす管理職員を対象とした研修会を開催し、教育改革への十分な理解を図るとともに、各学校で教育改革を推進するリーダーを養成する研修計画を策定することとされております。  県といたしましては、こうした私立学校の取り組みが円滑に進むよう支援することとしており、管理職員を対象とした研修におきましては、県教育委員会が講師として参加し「学びの変革」アクション・プランの理念や具体的な取り組みを説明するとともに、リーダー教員養成のための研修計画の検討にも積極的に参画することといたしております。  さらに、県教育委員会が実施する研修への私立学校教員の参加や公立私立それぞれの先進的な取り組みの共有を図るなど、より高いレベルで全県的な学びの変革を推進してまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 29: ◯議長平田修己君) 地域政策局長竹中正博君。         【地域政策局長竹中正博君登壇】 30: ◯地域政策局長竹中正博君) 福山市制百周年に対する県の支援についてお答えいたします。  福山市は、大正五年七月に市制を施行し、今年七月に広島市、尾道市、呉市に次いで、県内四番目となる市制百周年を迎えられます。  この間、平成十年四月に中核市へ移行し、近隣四町との合併を果たされるなど、現在では人口四十六万人を擁する県内第二の都市に発展し、とりわけ、ものづくりを中心としたオンリーワン、ナンバーワン企業が数多く立地するすぐれた産業集積を有しており、県全体の発展を牽引する中心都市の一つとなっております。  このため、県といたしましては、これまで、JR福山駅周辺地域の市街地再開発事業や福山港の国際コンテナターミナルの整備、福山港への台湾・東南アジア航路の誘致など、福山市の都市機能や産業基盤の強化につながる各種施策に取り組んできたところでございます。  市町の周年行事は各団体においてみずから企画・予算化し取り組まれることが基本ではございますが、今回の百周年は大きな節目の年でもあり、県といたしましても福山市の記念映画「星籠の海」の撮影において、県施設をロケ地として提供したほか、福山市と連携して広島ブランドショップTAUでの記念映画の応援イベントや観光物産フェアの開催、県立歴史博物館での市制施行百周年記念事業協賛展示などの取り組みを行うこととしております。  今後、百周年に当たって、福山市からさらに具体的な依頼があった場合には、県としても改めて対応を検討してまいります。 31: ◯議長平田修己君) 商工労働局長寄谷純治君。         【商工労働局長寄谷純治君登壇】 32: ◯商工労働局長(寄谷純治君) 鞆地区を中心とした魅力ある観光地づくりについて御答弁申し上げます。  鞆地区は、風光明媚な景観や旧跡・神社仏閣、歴史的な町並みを有する県東部を代表する観光地の一つであり、こうした鞆地区への来訪客を周辺地域への周遊につなげていくことは、周辺地域と一体的な観光振興を図っていく上で重要であると考えております。  周辺には常石地区のカーリサイクル工場での環境観光や地域住民の方々の手づくりによるたじり杏まつり、とれたての地魚が購入できる田島・横島の朝市などの観光資源がございます。  この地域の観光地づくりに向けましては、これら地域主体の取り組みと鞆地区の観光情報を一体的にPRするとともに、阿伏兎観音などの知名度の高い観光施設や全国的にも有名な尾道とのネットワーク化を進めることによりまして、広域の周遊観光の促進と滞在時間の延長につなげていくことが必要であると考えております。  また、ネットワーク化に当たりましては、鞆地区への道路アクセスの整備も必要でございまして、県道鞆松永線の道路改良事業やグリーンラインの環境整備に引き続き取り組んでまいります。  さらに、鞆から尾道にかけましては、広域観光周遊ルートせとうち・海の道ルートの広域観光拠点地区に含まれていることから、昨年末設置いたしました県、地元市、交通事業者等で構成いたします部会におきまして、滞在型コンテンツの充実、周遊ルートについての情報発信、交通アクセスの円滑化などに関する具体的な取り組み方策を検討し、鞆地区を含むこの地域一帯の魅力ある観光地づくりにつなげてまいります。 33: ◯議長平田修己君) 健康福祉局長笠松淳也君。         【健康福祉局長笠松淳也君登壇】 34: ◯健康福祉局長(笠松淳也君) 不妊治療への支援の拡充についてお答え申し上げます。  近年、女性の晩婚化などの影響により不妊に悩む夫婦が増加しており、今後、さらに不妊治療の必要性が高まると認識しております。  こうした中、鍼灸治療は、一般的にストレスの軽減による体調や精神面の安定、血行の促進などの効果があり、妊娠につながりやすいという指摘がございますが、直接的に妊娠に結びつくという医学的な根拠は示されていないのが現状でございます。  一方、鍼灸治療につきましては、国の統合医療のあり方に関する検討会におきまして、食事療法、マッサージなどと同様に補完・代替療法の一つとして、医師主導による近代西洋医学と組み合わせることによってQOLを向上させる医療と位置づけられております。  県といたしましては、こうした国の動きを注視しながら、引き続き、夫婦ともに検査を受けた際の不妊検査費助成事業や特定不妊治療に対する治療費助成などを推進し、より効果的な不妊治療支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。 35: ◯議長平田修己君) 農林水産局長寳来伸夫君。         【農林水産局長寳来伸夫君登壇】 36: ◯農林水産局長(寳来伸夫君) カキの海外展開と東部海域での養殖再開についてお答えいたします。  広島かきは全国一の生産量を誇っておりますが、一般家庭での消費量は減少傾向にあり、今後は輸出を視野に入れた取り組みも必要となってくるものと考えております。  平成二十七年の貿易統計によりますと、冷凍や乾燥カキなどの加工品は、アジアを中心に約八百トンが輸出されておりますが、生鮮カキにつきましては、香港やロシアなどに約七トン輸出されるにとどまっているのが現状でございます。  海外で需要の高い生食用の殻つきカキなどの輸出拡大に当たりましては、養殖海域の衛生的な管理も含めた生産から加工・出荷まで、輸入国が定めるHACCP等の管理基準に適応した管理体制の整備が必要となってまいります。  このようなことから、今年度、海域の管理が可能な閉鎖水域を活用した養殖技術や人工浄化技術など、高度な衛生管理が可能な生産工程の技術開発の取り組みを開始したところでございます。  次に、東部海域におきましては、過去に小規模なくい打ち式養殖が行われておりましたが、漁場が狭隘なことから、本県で通常行われております垂下式いかだによるカキ養殖は定着しない状況でございました。  しかし、殻つきカキの全国的な需要の増加に伴い、現在、殻つきカキの出荷を前提に、福山市内の三地区の漁業者がかご養殖やいかだから直接垂下する方式などの養殖試験に取り組んでおられるところでございます。  今後、養殖試験の結果を踏まえ、東部海域に適した収益性の高い養殖手法を確立しますとともに、生食用カキの加工基準に基づく採取海域の指定など、カキ出荷に向けた手続を進めることといたしております。  漁業経営をより安定化する上でカキ養殖は有効と考えられますことから、安定的な出荷に向けた課題を解決することによりまして、東部海域におけるカキ養殖を着実に進めてまいりたいと考えております。 37: ◯議長平田修己君) 会計管理者(兼)会計管理部長天野清彦君。         【会計管理者(兼)会計管理部長天野清彦君登壇】 38: ◯会計管理者(兼)会計管理部長(天野清彦君) 専門性を持った外部人材の活用についてお答えいたします。  本県の委託役務業務に係る労働関係法令等の遵守義務の確認につきましては、今回の制度改正により契約書に追加いたします調査協力義務規定に基づき、来年度、一部の契約につきまして確認調査を試行的に実施し、効率的で効果的な確認方法の確立に取り組むことといたしております。  こうした確認調査において専門性を持った外部人材を活用することにつきましては、適切な調査を効率的に実施する方法として有効な手段の一つであると考えられます。  そのため、今後の効率的で効果的な確認方法の確立に向けた取り組みの中で、社会保険労務士を含め、専門性を持った外部人材の活用につきましても、幅広い観点から検討してまいりたいと考えております。 39: ◯議長平田修己君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 40: ◯教育長(下崎邦明君) 三点についてお答え申し上げます。  まず、ふるさと教育の推進についてでございます。  郷土の伝統と文化を大切にし郷土を愛する心を育てることは、日本人としてのアイデンティティーを確立する上で重要であると考えております。  そのため、学校におきましては、地域に受け継がれてきた伝統や文化、地域の歴史などについて調べる学習を行っており、その際、幅広く情報を集め、学習内容について理解を一層深めるよう、地域の郷土史研究会やボランティアの協力を得るなど、地域の実状に応じた取り組みを行っているところでございます。  例えば福山市では、市全域の小中学校におきまして、ふるさとへの愛着と誇りの育成を目的として、「大好き 福山 ふるさと学習」に取り組んでおり、地域の郷土史研究家や地域の人々の協力を得て、ガイドブックの作成や特産物の商品化など、郷土を愛する心を育む学習の充実を図っているところでございます。  また、三原市の小学校では、観光協会、ボランティアなどさまざまな方から三原の歴史や地域の人々の願いを聞き取り、市の活性化のために自分たちにできることを考え、三原神明市こどもだるま行列を地域の方々とともにつくり上げる取り組みが行われているところでございます。  教育委員会といたしましては、このような取り組みを広く県内に紹介し、各学校における郷土の伝統や文化の学習の一層の充実を図ってまいります。  次に、学校図書館の運営の充実についてでございます。  学校図書館は、学校内において読書、学習、情報収集などの機能を持っているため、子供たちの主体的な学習を進める上でその役割は重要であり、司書教諭などが中心となって、学校司書やボランティアとの連携などにより、学校図書館を活性化する必要がございます。  こうしたことから、司書教諭につきましては、学校図書館法で義務づけられている十二学級以上の学校に加えて、十一学級以下の学校につきましても順次配置を進めるとともに、その資質向上に努めているところでございます。  一方、学校司書の配置につきましては、小中学校においては、国の財政措置を活用し配置促進に努めるよう各市町教育委員会を指導し、徐々に配置が進んでいるところでございますが、県立学校においては、国の財政措置がないことなどから配置が進んでいない状況でございます。  また、ボランティアの方々には、児童生徒への読み聞かせや県教育委員会が認証している子供司書の指導、学校図書の整理や修理など、学校図書館の活性化に協力していただいているところでございます。  教育委員会といたしましては、引き続き、司書教諭の配置の拡充や資質の向上を図るとともに、市町教育委員会に対する学校司書の配置拡充の要請やさらなるボランティアの活用など、学校図書館の充実などに努めてまいります。  次に、命の教育の推進についてでございます。  命を大切にする心を育む教育につきましては、児童生徒の発達段階に応じて、道徳の時間を初め、教科や特別活動、総合的な学習の時間など学校の教育活動全体を通じて取り組んでいるところでございます。  例えば、小学校の道徳の時間に、我が子の誕生の喜びや家族の死の悲しみを保護者や地域の方に語ってもらうことで、家族の愛情や命はリレーされていることを実感させ、命を大切にする心を育んでおります。  また、中学校では、文部科学省作成の道徳教育用教材「私たちの道徳」を活用し、家族のきずなや誰もがいつか必ず死を迎えるという有限性、命が過去から現在、未来へと脈々と受け継がれていくという連続性を実感させ、命を大切にする態度を育てているところでございます。  引き続き、児童生徒が生や死の意味について真剣に考え、命の大切さや生きる喜びを実感する指導を充実するとともに、道徳教育研究指定校で生命尊重をテーマに研究している学校の取り組み事例や成果を県内に普及するなど、命を大切にする心を育む教育をより一層推進してまいります。 41: ◯議長平田修己君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十六分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...