広島県議会 2012-12-03
平成24年12月定例会(第3日) 本文
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月定例会(第3日) 本文 2012-12-11
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発言者一覧 選択 1 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 2 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 3 :
◯尾熊良一君
選択 4 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 5 :
◯知事(
湯崎英彦君)
選択 6 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 7 :
◯商工労働局長(
津山直登君)
選択 8 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 9 :
◯環境県民局長(
梅木敏明君)
選択 10 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 11 :
◯健康福祉局長(
佐々木昌弘君)
選択 12 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 13 :
◯教育長(
下崎邦明君)
選択 14 :
◯尾熊良一君
選択 15 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 16 :
◯尾熊良一君
選択 17 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 18 :
◯知事(
湯崎英彦君)
選択 19 :
◯尾熊良一君
選択 20 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 21 :
◯尾熊良一君
選択 22 : ◯副
議長(
中本隆志君)
選択 23 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 24 : ◯伊藤真由美君
選択 25 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 26 :
◯知事(
湯崎英彦君)
選択 27 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 28 : ◯副知事(中下善昭君)
選択 29 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 30 :
◯健康福祉局長(
佐々木昌弘君)
選択 31 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 32 : ◯都市技術審議官(岩佐哲也君)
選択 33 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 34 :
◯環境県民局長(
梅木敏明君)
選択 35 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 36 :
◯商工労働局長(
津山直登君)
選択 37 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 38 : ◯農林水産局長(寳来伸夫君)
選択 39 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 40 :
◯教育長(
下崎邦明君)
選択 41 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 42 : ◯天満祥典君
選択 43 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 44 :
◯知事(
湯崎英彦君)
選択 45 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 46 :
◯商工労働局長(
津山直登君)
選択 47 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 48 : ◯土木局長(高垣広徳君)
選択 49 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 50 : ◯地域政策局長(中山雅文君)
選択 51 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 52 : ◯農林水産局長(寳来伸夫君)
選択 53 : ◯
議長(林 正夫君)
選択 54 :
◯教育長(
下崎邦明君)
選択 55 : ◯
議長(林 正夫君) ↑
発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初の
ヒットへ (全 0
ヒット) 1: 午前十時三十一分開議
◯副
議長(
中本隆志君) 皆さん、おはようございます。出席議員六十名であります。これより会議を開きます。
自第 一 県第九五号議案
至第三十八 報第二四号
2: ◯副
議長(
中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第九五号議案 平成二十四年度広島県一般会計補正予算から日程第三十八、報第二四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。
昨日に引き続いて質問を行います。尾熊良一君。
【尾熊良一君登壇】
3:
◯尾熊良一君 皆さん、おはようございます。公明党広島県議会議員団の尾熊良一でございます。
さて、今、日本は、円高、デフレ、外交問題の影響により、日本経済はマイナスの局面に転じ、これを早急に立て直す必要があります。そのためには、政治において目標を明確にした具体的な経済対策を立て、政策を実行していくことが重要であると考えます。これからの日本経済は、いかに仕事をつくり出し、経済成長を果たしていくかが大きな目標であります。さらに、東日本大震災の経験を教訓に、南海トラフ巨大地震などの災害に備え、必要な公共事業により命を守る防災・減災対策も早急に実行すべきであります。
先週、中央道の笹子トンネルの天井崩落事故があり、九人の方が犠牲になられました。心から御冥福をお祈りいたします。このトンネル事故は、老朽化が原因と言われております。今後、高度成長期に建造された高速道路などの社会インフラが一斉に老朽化の時期を迎えているとして、トンネルだけでなく、道路、橋、通信網、下水管、防潮堤、学校などの早急な総点検を行い、補修や耐震化工事を行うなど、壊れる前に予防保全として手を打つことが大事です。
そこで、公明党は、重要政策として防災・減災ニューディールを国づくりの柱に据え、十年間で百兆円の集中公共投資により命を守る防災・減災対策を行うことで、社会資本の長寿命化を図るだけでなく、仕事の需要をふやすことで景気対策として実質GDP二%以上を押し上げる大きな経済効果と百万人の雇用の創出を目指しております。私は、県政においてもこうした取り組みを反映すべく、県民の皆様の安全・安心な生活を守り、本県の発展のために全力で取り組む決意です。本日はその思いを込めて質問させていただきますので、執行部の皆様の明快な答弁をお願いいたします。
質問の第一は、経済・雇用対策について、三点お伺いします。
一点目の質問は、人材流出対策等についてです。
欧州政府の財政危機や新興国の成長率の鈍化等、世界的にも国内的にも経済情勢は不透明な状況下にあります。県に関係する案件として、経営不振のシャープが希望退職を募ったところ、全体で二千九百六十人が十二月十五日に退職予定であり、このうち県内のシャープ三工場における退職者は従業員約四千三百人の一二%に当たる五百十九人にも上っています。このため、県では、十一月二十日に広島労働局が設置した雇用対策本部に参画し、情報収集、緊急就職面接会の開催等、再就職等を支援することとしておられます。しかし、県内にはシャープだけでなく、関連する取引先企業は二百八十社にも上り、シャープの業績低迷で受注が落ち込んでいる企業もあり、今後、これら取引先企業からも離職者が出てくる可能性があります。
そこで、シャープ及び関連取引企業からの離職者に対して、今後どのような支援を講じようとしているのか、お伺いします。特に、シャープや関連取引企業からの離職に伴う県外への技術系人材の流出について、迅速な対応が必要と考えますが、県はどのような対策を行おうとしているのか、お伺いします。
二点目の質問は、県内消費の拡大策についてお伺いします。
県内製品が消費されると、生産した企業や関連企業へも経済効果が波及します。また、その結果、そこで働く方々の所得が増加することで個人消費の拡大にもつながります。このため、県では、「BUYひろしま」キャンペーンに取り組んでおられます。これは県内製品を幅広く県民の皆様にPRし、その消費拡大を通じて県内経済の活性化に寄与する取り組みです。
ところで、「BUYひろしま」の中心でもありますマツダ車は、クリーンディーゼル乗用車が、通常のガソリン自動車と比較して走行時の二酸化炭素の排出量が少なく、低燃費で環境に優しい自動車で力強い加速も得られ、エコカーとして注目され販売台数も伸びていると聞いています。特に、自動車産業界はすそ野が広く、生産量の増大が続けば、県内の関連企業の設備投資や雇用拡大にも好影響をもたらします。
そこで、県では独自に、新車で新規登録されたクリーンディーゼル乗用車の自動車税をおおむね五〇%軽減する取り組みを、平成二十四年四月から始めましたが、自動車関連企業に対して経済効果を波及させるために環境に優しいクリーンディーゼル乗用車の普及を図るなど、目に見える具体的な県内製品の消費を拡大させる取り組み強化が必要であると思いますが、御所見をお伺いします。
三点目の質問は、高校・大学等卒業予定者の就職支援についてです。
県では、労働局と連携し、就職面接会の開催や経済団体等に対して卒業予定者の正規雇用拡大に向けた要請を行うなど、就職へ向けた支援を継続的に実施されています。平成二十五年三月の高校及び大学等卒業予定者の就職内定率は依然厳しい状況が続いていますが、十月末の県内の就職内定率は高校卒業予定者六三%、大学等卒業予定者五一・七%で、それぞれ前年と比べて二ポイント、四ポイントふえており、このまま推移すれば、三月末の就職内定率も、わずかながらではありますが、改善に向かうと思われます。
このような就職内定率の改善傾向を踏まえ、これまでの就職支援の取り組みをどのように評価し、今後、さらなる内定率の改善を目指していくためにどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いします。
質問の第二は、医工連携の取り組みについてお伺いします。
ひろしま産業新成長ビジョンとして一年前にスタートした広島県のものづくり技術を生かした医療関連産業クラスターは、十年間で医療機器生産額三十社、九十億円から、百社、一千億円の目標を立てています。この一年間では、広島医療関連産業研究会も設立当初の四十五会員から百六十四会員と四倍にふえました。このうち企業数も二十八から百三十五企業へふえています。また、具体的な医療機器研究開発や販路拡大事業テーマも三十事例に達し、補助金制度等の事業支援の活用も図りながら、医療や福祉関連ビジネスとして新規参入企業も出てきており、順調に成果が上がっていることについては評価するものであります。
しかしながら、十年間で百社、一千億円の目標はかなり高く、この厳しい経済状況の中においても景気の動向に左右されない成長産業として医療関連産業クラスター形成による早期生産拡大に向けた取り組みを加速する必要があります。意欲的な参加企業については、具体的な研究開発や販路拡大に向けた補助対象件数の拡大、継続的な研究資金の支援など財政的支援の拡大を図ることが必要であると考えます。また、大手医療機器メーカーについては、将来の県内誘致を目標とした県内企業との連携強化、さらには、県内だけでなく全国の大学病院や医療関係機関、大手福祉施設との連携強化を図るなど、今後、目標達成に向けて医工連携の取り組みをどのように加速していこうと考えているのか、お伺いします。
質問の第三は、再生可能エネルギーの導入促進についてお伺いします。
県では、再生可能エネルギーの導入促進について検討するため、県や関係団体、学識経験者等で構成する広島県再生可能エネルギー推進検討会を設置し、本年十月に検討状況の中間まとめとして、今後の取り組みの方向性が取りまとめられました。この中間まとめの中で本県が重点的に取り組む再生可能エネルギーとして、事業用太陽光発電、木質バイオマス発電、小水力発電の三分野を挙げられています。このうち、事業用太陽光発電については、固定価格買い取り制度による収益を地域に還元するメガソーラーを、県または県が主体となって構成する事業体が実施するという事例が示されています。県はこの事例に沿って、中国電力グループと共同出資で有限責任事業組合を設立してメガソーラー発電所の設置及び運営を行うこととされ、今次定例会にその事業組合を設立するための経費に係る予算案が提案されています。
一方、検討会の中間まとめにおいては、木質バイオマス発電は、発電燃料供給体制の整備などにより燃料化のコスト低減を図り、未利用木材を有効活用する燃料供給システムを構築することとされています。また、小水力発電は、既存の発電施設の設備更新やダムの河川維持流量を活用した小水力発電の普及、さらに、小水力よりも規模の小さなマイクロ水力発電の普及を図ることとされています。
他県の取り組み状況を見ると、公共施設の屋根に太陽光発電設備を設置する、いわゆる屋根貸しを始めた自治体がふえており、十都県以上で県立高校や県営住宅などの屋根を太陽光パネル設置に貸し始めています。さらに、屋根を借りたい企業とのマッチングを行うことも始まっており、その他の自治体でも屋根貸し検討の動きが広まっています。また、中間まとめで、水力発電は新規開発の余地が少ないことが課題となっていましたが、岡山県では河川やダム、上下水道、農業用水などを活用した小水力発電導入に補助制度を設けて、水利権を持つ市町村や農家への普及促進を図っているとのことです。
小水力発電施設は、発電量が小さく、イニシャルコストがかかることが課題となっていますが、ソーラー発電と比べて天候にほとんど左右されず、夜間でも常時発電可能で安定しており、積極的に設置することで県内企業の設備機器製造や設置工事等が増加し、結果、地域経済活動の活性化にもつながると思います。
本県では、太陽光発電の事業化については主体性とスピード感のある対応が目立ちますが、今後幅広く普及を図っていくための屋根貸しや木質バイオマス発電、小水力発電の導入については、全くスピード感が感じられません。
そこで、地域経済・雇用の確保の観点も含め、太陽光発電の事業化以外の再生可能エネルギーの導入について、今後どのようにして取り組まれていこうとしているのか、お伺いします。
質問の第四は、生活交通の確保策についてです。
先日、経営破綻した岡山県笠岡市の井笠鉄道のバス路線が十月三十一日をもって廃止となりました。経営破綻発表後、福山市、井原市、笠岡市などの沿線自治体や広島県、岡山県、国でつくる井笠鉄道バス路線廃止対策会議は、地元バス会社に代替運行を要請し、七十一路線のうち五十三路線を存続させ、大幅な減便を行いました。十一月から来年三月までの暫定運行により急場をしのぎましたが、減便等により日常生活に相当の不便を来すことになり、四月以降の具体的な運行形態もまだ決まっておらず、地元からは増便要望の声が上がっています。
これまでにも、中山間地域においてはモータリゼーションの進展や人口減少、高齢化等によってバス利用者が減少し、民間バス路線の縮小や撤退が拡大してきたことから、市町が代替運行する路線も増加しています。また、都市近郊の住宅団地においても、通勤・通学の利用者の減少等によりバス路線の減便や廃止が行われています。県では人口減少や高齢化の実情に応じた生活交通を確保していくため、民間バス路線や市町運行路線への運行経費の補助を行っていますが、対症療法にすぎず、赤字を穴埋めする補助金制度では赤字を減らすと補助金も減るなど経営努力が生まれにくく、地方の路線バスのビジネスモデルは既に崩壊しているのが現状です。
今回の代替運行委託に伴う福山市の負担増は、市の試算によると月約一千万円で、仮に代替運行が継承できる来年十月までこの状態を維持することになると、路線継続に年間一億二千万円もの経費を要するため、市の財政負担の増大が懸念されます。今回の代替運行のバス会社社長からは、事業性が見込めない路線の運行を続けるためには、コミュニティーバスやデマンドタクシーのように沿線自治体が車両施設等の資産を保有し、バス事業者に運行委託する公設民託方式を強く提案しているとお聞きしました。
県では、市町の生活交通の効率化など、持続的な交通体系への再編支援に取り組まれていますが、今回のような市町や他県にまたがり広域的に運行している事業者の突然の撤退に際して、県民の生活交通を維持していくためには、生活交通支援制度の要件緩和等の見直しも必要であると思いますが、今後どのような支援を行っていこうとしているのか、お伺いします。
また、関係自治体との縦割りが対応をおくらせる原因にもなることから、市町や他県をまたぐ路線について、市町や岡山県との連携強化をどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いします。
次に、昨日、鞆地区の地域振興策について質問がありましたが、改めて福山市との連携についてお伺いします。
今次定例会の知事説明において、知事は、広島市は県全体の発展を牽引する重要なパートナーであり、広島都市圏の魅力向上や観光振興、県内産業の競争率向上などの施策に今後も連携・協力して取り組んでまいると、広島市との連携について非常に積極的な説明をされました。しかしながら、広島市に次ぐ備後都市圏の中心都市に住む福山市民からは、知事の顔が見えてこないなど県と福山市の連携について心配する声が多く上がっていると聞いております。
そこで、鞆のまちづくりの取り組みを初め、観光振興、生活交通、地域産業施策等について、福山市との連携をどのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いします。
質問の第六は、国際平和拠点ひろしま構想の取り組みについてお伺いします。
ことし十月、軍縮問題を扱う国連総会第一委員会で、スイスやノルウェーなど十六カ国が核兵器を非合法化する努力の強化の声明案を作成し、日本にも署名を打診しましたが、日本政府は署名拒否を決めたということでした。この声明は、すべての国は核兵器を非合法化し、核兵器のない世界に到達する努力を強めなければならないと訴えており、唯一の被爆国である日本が先導して世界に広げていくべきメッセージとも言えます。署名拒否の理由は、アメリカの核の傘に入っている日本の安全保障政策と合致しないとのことでしたが、これでは核兵器による惨状を懸命に訴えてきた広島・長崎の被爆者の思いを踏みにじるものであります。声明案を作成した十六カ国には、NATO加盟国のノルウェーとデンマークも入っており、アメリカの核の傘に入っている事情は日本と同じですが、署名しています。
核兵器を非人道兵器と位置づけようという国際機運は高まっており、広島・長崎の原爆被害を見れば、その非人道性は明らかであり、非合法化を拒む日本の姿勢は国際的にも到底理解は得られません。被爆国として、傍観者の姿勢ではなく、一歩進んだ行動をしないといけないと思いますし、国際的に
発言力や力のある非核保有国が先導して悪循環を断つ必要があります。広島市の松井市長は、政府が署名しなかったことに対し、外務省を訪れて政府の説明を求める要請書を提出されました。それに対し、湯崎知事は政府への要請活動は行っておられません。広島が動けば耳を傾けてもらいやすく、国際平和拠点ひろしま構想のもと、今こそ広島市と一体となって政府に物を言う態度が必要だったのではないかと思います。
そこで、国際平和拠点ひろしま構想に基づいて、世界平和のために何をすればよいのか、広島市と連携を図り、一緒になって考え、世界に発信していくことが必要であると考えますが、今後、どのようにして平和構築に取り組もうとされているのか、お伺いします。
質問の第七は、動物の殺処分減少の取り組みについてお伺いします。
ことしになって、呉市で切断された猫の死骸が相次いで見つかる事件が発生しています。また、広島市では、動物管理センターから引き取った猫を虐待したとして動物愛護管理法違反の罪に問われた男性の判決公判が広島地裁であり、動物愛護精神に著しく欠ける行為として罰金六十万円が言い渡されました。このように、動物虐待の痛ましい事件が起こっていますが、県の動物愛護センターには、飼育放棄されたり飼い主不明の犬や猫が数多く保護されています。平成二十三年度に同センターへ保護・収容された犬猫は四千八百五十九頭になります。このうち、返還や譲渡されたのは三百四十八頭で、残りの四千四百九十一頭は殺処分されています。県では犬のしつけ等の飼育講習会の開催などによる普及啓発や犬・猫の譲渡などを行うとともに、昨年から、安易な飼育放棄を防ぐため飼い主からの犬・猫の引き取りを有料化するなど、殺処分の減少につながる取り組みを展開され、動物愛護センターにおける保護頭数、殺処分頭数は毎年減少しており、一定の成果は見られます。
私は、名前が尾熊だからではありませんが、これまでに動物福祉の観点から殺処分ゼロに向けた対策強化を訴えてまいりました。このためには、保護や収容頭数を減少させることはもちろんですが、もっと譲渡頭数をふやさないと殺処分頭数は減少しません。
殺処分ゼロの町を宣言した神石高原町では、家庭で飼えなくなった犬や町内で捕獲した迷い犬を民間施設が一時的に保護して、次の飼い主を探す取り組みを始めて注目を集めています。同町では、ことし七月から県の動物愛護センターへの引き渡しをやめ、町内にある災害救助犬訓練センターで新しい飼い主が見つかるまで一時保護しています。訓練センターを運営するのはNPO法人で、昨年開設した訓練センターでは、県動物愛護センターから譲り受けた子犬を災害救助犬やセラピー犬へと育てる訓練に取り組んでいます。施設は、雑木林の中にドッグラン施設もあり、犬が伸び伸びと暮らしているようでした。殺処分頭数を減少させるためには、適正なペット飼育の普及啓発や命の大切さを教える動物愛護教室の取り組み強化が必要です。
動物愛護センターは、譲渡を行うための収容施設に限りがあり、施設も古く殺処分施設のような印象を与えているため、殺処分ゼロを目指すには、動物愛護団体や救助犬やセラピー犬の訓練ノウハウを持つNPO法人や民間団体を活用して譲渡を推進していくべきであると考えますが、今後、殺処分ゼロに向けてどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いします。
質問の第八は、発達障害者に対する支援について二点お伺いします。
発達障害者支援法では、国及び地方公共団体は、発達障害児がその障害の状態に応じ十分な教育を受けられるようにするため、適切な教育的支援、支援体制の整備、その他必要な措置を講じるものとされています。本年二月の予算特別委員会において、小中学校における一人一人の課題に応じた特別な指導や支援が必要な発達障害を有する児童生徒の対応について質問させていただいたところ、校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーター指名などの体制整備や各種研修を行うなど、指導力の向上を図っておられるとのことでした。
そこで、一点目の質問は、発達障害のある高校生への支援体制強化についてお伺いします。
知的障害や身体障害を伴わない発達障害のある生徒は、一般の高等学校で教育することが原則とされていますが、人間関係が苦手であったり環境になじめなかったりして、学業を続けられないケースも多いとお聞きしています。本県では適切な対応がなされているのでしょうか。特に高校段階においては、卒業後の自立的な生活や就業を目指す生徒も少なくないことから、高等学校における発達障害のある生徒に対する適切な指導や必要な支援は非常に重要な課題であると考えます。
国では、特別支援教育総合推進事業の中で、高等学校における発達障害のある生徒への支援強化として、平成二十二年度から実践教育を行うモデル校を指定して、指導方法、授業方法や評価の工夫、就労支援、一般生徒に対する理解促進、教職員や保護者の研修などに取り組んでいます。モデル校では、地域の他の高等学校や、技能教育施設、特別支援学校、発達障害者支援センター、ハローワークなどの関係機関との連携強化を図り、就労支援などにも取り組んでいます。全国でモデル校は二十二校指定されていますが、残念ながら広島県にはありません。
このように、他県ではモデル校指定等により、発達障害のある高校生への社会的・職業的な自立に向けた教育に取り組まれている事例もあることから、本県においても発達障害のある高等学校の生徒に対してもっと積極的な支援を行っていくことが必要であると考えますが、現在どのような取り組みを行っているのか、また、今後どのような発達障害のある生徒の支援強化に取り組まれようとしているのか、お伺いします。
二点目は、発達障害者に対する就業支援についてお伺いします。
就業支援や生活支援を希望されている障害のある方に対して、雇用、福祉、教育等の関係機関と連携しながら就業面と生活面の一体的な支援を行う障害者就業・生活支援センター、いわゆるナカポツセンターが、昨年の十二月から県内を七つのエリアに分けた圏域のすべてに設置されました。障害者の就業や生活支援が必要な場合は、ワンストップでナカポツセンターに相談すれば就労意向支援事業者に対して基礎訓練のあっせんを行う仕組みとなっています。
先日、私は、府中市にある東部地域ナカポツセンターを訪問して、センターに隣接する発達障害に関する就労移行支援事業所の取り組みについてお聞きしました。この事業所では、障害者職業総合センターが開発したJSTという職場対人技能トレーニングや、ワークサンプル幕張版という発達障害や高次脳機能障害を有する人たちにも適用可能な職場適応促進の訓練
ツールを活用して、OA作業、事務作業、実務作業に大別された十三の作業の疑似体験や職業上の課題を評価するとともに障害の補完手段や対処行動を習得し、職務を遂行していく上で必要となるスキルの向上に取り組まれていました。実際にこの事業所を利用した発達障害のある方の母親からこの訓練結果を聞いたところ、効果がはっきりとあらわれて、かなりの改善につながっているとのことでした。事業所へこの訓練
ツールJSTやワークサンプル幕張版の効果や県内への導入状況を尋ねたところ、実際、この一年間で数名の方が就業した実績があり、すばらしい効果が期待できるにもかかわらず、他施設への導入事例はほとんどないとのことでした。
成人の発達障害者の多くは未診断であったり、障害者手帳も所持していなかったりする場合もあり、発達障害者の人数については正確な統計データはありませんが、専門家によると全人口の六%前後は存在するとも言われています。県内すべてのエリアにナカポツセンターが設置され、雇用と福祉のネットワークが構築されていますが、発達障害者の生活支援や就業支援に有効なワークサンプル幕張版等の訓練
ツールをもっと積極的に活用すべきであると考えます。
発達障害に対する支援のあり方について、どのように考えているのか、現状と今後の取り組み方向についてお伺いします。
質問の最後は、結婚支援についてです。
我が国では、結婚適齢期の男女の晩婚化や未婚化が進んでおり、少子化の大きな要因になっています。「ひろしま未来チャレンジビジョン」の実現に向けて、県では人づくりの分野において女性の社会参画の促進などの子育て支援に重点的に取り組んでいますが、抜本的な少子化対策の取り組みはほとんどなく、もっと直接的な取り組みとして独身男女の出会いや結婚支援が必要なのではないでしょうか。
本県の結婚支援の取り組みとしては、平成二十二年度に安心こども基金を活用した出会いのチャンス創出事業で、出会いの機会が少ない若者に対するコミュニケーション能力向上のセミナーや出会いのチャンス創出のイベントを開催して、ある程度参加者は集まったようですが、その後の成果の把握や結婚につながるような支援には至っていません。
さらに、現在は、イクちゃん縁結サービスとして、県内の企業、団体、グループ等が行う婚活イベントの情報を県の子育てポータル「イクちゃんネット」で情報提供しているだけであります。これは、主催者任せのイベント情報で、県の人づくりの取り組みから見ても根本的な課題解決にはなっておらず、結婚支援に対する本気さが全く伝わってきません。
県内では結婚支援に取り組んでいる市町もありますが、都市部と中山間地域との交流機会を設けて広域的に取り組むことにより、さまざまな出会いを生む機会増加が見込めるため、県の積極的な支援が必要であると考えます。
他県の取り組み事例として、兵庫県が晩婚化・未婚化への対策として、ひょうご出会いサポートセンター事業を兵庫県青少年本部に委託し、社会全体で出会いや結婚に関するさまざまな取り組みを支援しています。中でも、平成二十二年度から実施しているひょうご縁結びプロジェクトでは、結婚支援としてお見合いの機会の提供に取り組んでおり、県内十カ所に出会いサポートセンターを設置し、各センターのサポーターが会員登録した男女の仲介役となって一対一でお見合いできる機会を提供するとともに、
交際開始後のアドバイスも行っています。十月末現在で四千六百八十三人の男女が会員登録し、これまでに九十三組が結婚し、二百八十組以上が三カ月以上の交際を続けており、サポートセンターによると、行政がお見合いを手伝ってくれるので安心とか、料金も年会費三千円と安いなどの声が寄せられているとのことでありました。
独身男女の晩婚化・未婚化の進行は、少子化の大きな要因にもなっており、若者の価値観や人間関係、さらには経済的理由の問題もあると思いますが、真剣に交際や結婚を望んでいる独身男女は多く存在しているはずです。
ホームページの情報提供だけではなく、もっと真剣に県が主体的に安全・安心な新たな出会いの場の提供や、結婚に向けた交際を支援する積極的な取り組みが不可欠であると考えますが、独身男女の晩婚化・未婚化の進行に対して今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いします。
これで質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
4: ◯副
議長(
中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事
湯崎英彦君。
【知事
湯崎英彦君登壇】
5:
◯知事(
湯崎英彦君) まず、医工連携の取り組みについての御質問でございます。
次代の本県経済を担う新たな産業として医療関連分野のクラスター形成を目指し、本年七月に今後十年間の基本戦略や具体的取り組み等を取りまとめた医療関連産業クラスターアクションプランを策定したところであります。このプランにおきましては、来年度までの三年間を第一ステージ、基盤づくりの期間と位置づけて、クラスター形成に向けた推進体制の構築と県内企業の医療関連ビジネスの拡大に向け、重点的に施策を展開しているところでございます。これまでの取り組みによりまして、多くの意欲的な企業のひろしま医療関連産業研究会への参画、産学連携による多数のプロジェクトの進展、全国規模の医療・福祉展示会への出展など、企業活動が活性化しつつあり、大きな手ごたえを感じているところでございます。
こうした取り組みを本格化するために、企業の研究開発や販路拡大などの戦略的な活動に対する補助制度の拡充、本県の医療関連ビジネスを牽引・先導する内視鏡手術用支援機器などの高度な研究開発に対する重点的な支援、医療・福祉現場と企業のネットワーク構築を図るための連携モデル事業の実施や現場のニーズ・課題の発掘など、県内企業のビジネス拡大に向け効果的な施策を計画的に実施してまいります。
さらに、大手医療機器メーカーへの県内企業のPRやマッチングなどの戦略的な企業誘致、医療機器クラスター全国会議への参画による先進地域とのネットワークの構築、県内企業と全国の大学・医療機関等との先端医療機器等の共同研究など、広域的な視点からさまざまな活力を本県に取り込むことにより計画の着実な推進と目標の実現を図ってまいりたいと考えております。
次に、生活交通の確保策についての御質問でございます。
井笠鉄道バスは、福山市において年間延べ六十万人以上が利用されており、その事業が突然全面的に廃止されたことは、地域の生活交通に大きな影響を与えているものと認識しているところであります。このため、本県では岡山県や福山市等の沿線市町、中国運輸局と連携して対策会議を設置し、県民の生活交通への影響をできるだけ少なくするよう、必要な路線を継続するため対策を講じてまいりました。
こうした中、先般、対策会議において国への支援要請を行った結果、当面、沿線自治体が代替運行する路線について特例的に国庫補助対象とする制度改正が行われたところでございます。本県におきましても、これに呼応して幹線バス路線に対する国と連携した補助制度の改正を行いたいと考えております。また、市町運行路線に対する本県独自の補助制度の適用も行うなど、地域に必要とされる路線が安定的に運行されるよう支援してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、今後のさらなる利用者の減少によりバス事業者の経営状況が厳しさを増すことも想定されますが、地域に必要な生活交通を将来にわたって安定的に維持・確保していくことは、県としても重要な課題であると認識しております。
そのため、今後とも、各市町が設置した交通会議等に県も参画して連携を図ることにより、地域の実情や利用実態を踏まえた見直しを不断に行い、持続可能で最適な生活交通体系の構築に取り組んでまいります。
次に、福山市との連携についてでございます。
福山市は、人口約四十六万人を擁します県内第二の都市であり、ものづくりを中心としてオンリーワンあるいはナンバーワン企業が数多く立地するすぐれた産業集積を持ち、また、鞆の浦や福山城などの貴重な歴史文化遺産を有し、さらには山陽自動車道、本州四国連絡橋などの主要な交通・物流基盤の要衝に位置するなど、多様な機能が集積する備後都市圏の中心都市でございます。県としては、こうした地域が有する資源や強みを生かすため、地域の経済産業活動の基盤である福山港の国際バルク戦略港湾としての機能強化や、都市の魅力向上につながる福山駅周辺地域の市街地再開発事業への支援、また、直近では新入江大橋の整備による広域交通ネットワークの構築など、各種の施策を総合的に推進しているところでございます。
こうした取り組みにより、福山市の拠点性を強化し、魅力を高めていくことは、備後都市圏はもとより、本県全体の発展を牽引する上からも非常に重要であると考えており、今後とも、福山市と連携・協力して必要な施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、国際平和拠点ひろしま構想の取り組みについてでございます。
核兵器の非合法化を訴える共同声明への署名を日本政府が拒否したことにつきましては、被爆地の知事として大変残念であると考えております。このことについて、今回、県としての要請文の提出は行っておりませんが、核兵器廃絶についてはこれまでも国が積極的なリーダーシップを発揮するよう、本県として要請してきているところであり、国に対しては、今後も機会をとらえて働きかけをしてまいりたいと考えております。
世界の平和のためには、昨年十月に取りまとめました国際平和拠点ひろしま構想におきまして、核兵器廃絶のための国際会議の開催や復興・平和構築のための人材育成など、核兵器廃絶と平和構築に包括的に取り組んでいくこととしております。この構想の推進に当たっては、広島市との連携が重要であるため、本年度から平和担当課に職員を相互に派遣し、国際平和フォーラムの共催や被爆後の復興プロセスの共同研究などを進めているところであり、今後とも県と広島市が一体となって平和構築に取り組みたいと考えております。
また、十月末から議会団の皆様とともにユニタール本部、国連欧州本部など欧州の国連機関、国際機関等を訪問し、構想の説明を行い、協力の要請等を行いました。いずれの訪問先でも構想への賛同と支持をいただき、広島からの平和の発信ができたものと考えております。こうした取り組みを広島市や国内外の関係機関・団体と連携して着実に実施することにより、平和構築に貢献してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。
6: ◯副
議長(
中本隆志君) 商工労働局長
津山直登君。
【商工労働局長
津山直登君登壇】
7:
◯商工労働局長(
津山直登君) 経済・雇用対策に関しまして、三点御答弁を申し上げます。
まず、人材流出対策等についてでございます。
シャープ株式会社は、希望退職制度の実施に伴い、退職を希望される方々に対して全国的な求人情報を有する再就職支援会社による再就職先の紹介などに取り組んでおられます。しかし、県内三工場で一時期に五百十九名もの方が離職されることから、広島労働局を中心に県及び地元三市による雇用対策本部を設置し、関連取引企業を含めた情報収集と離職される方々への再就職支援を行うことといたしました。これまで、各工場に出向いて雇用保険の手続や求職活動、各種相談に応じる合同相談会の開催や、ハローワークに特別相談窓口を設置するなどの対応を行っております。
離職により県外へ転出されることは、本県にとっても大きな損失であると認識しており、今後、雇用対策本部として離職者の職務経歴や希望も踏まえ求人開拓に取り組むなど、きめ細かい対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、県内消費の拡大策についてでございます。
県内製品の消費拡大は、生産した企業だけでなく県内関連企業に対しても波及効果をもたらし、そこで働いておられる方々の所得が増加することで消費が拡大し、ひいてはさらなる県内生産や雇用の増大につながるという好循環が期待されます。ちなみに民間シンクタンクの試算によりますと、県内で生産された一台二百万円の自動車の販売による経済波及効果は三百三十五万円と見込まれております。
県内企業においては、マツダを初めとして、消費者ニーズを的確にとらえた技術や商品の開発に積極的に取り組み、市場において高い評価を受けている製品も数多くございます。県といたしましては、本県経済の活性化のため、こうした多くの魅力ある県内製品を幅広く県民の皆様にPRし、その消費拡大が図られるよう、引き続き関係団体とも連携しながら、「BUYひろしま」キャンペーン等に積極的に取り組んでまいります。
さらに、首都圏への広島の情報発信拠点であるブランドショップ「TAU」を活用した情報発信に取り組むなど、これまで以上に広島製品の消費拡大を図ってまいりたいと考えております。
次に、高校及び大学等卒業予定者の就職支援についてでございます。
近年の極めて厳しい新規学卒者の雇用状況を踏まえ、県といたしましては、国など関係機関と連携して積極的な就職支援策を実施してきたところでございます。ここに来て、就職内定率は改善傾向にございますが、その背景には経済・雇用情勢が全体としてリーマンショック後の状況からは回復基調にあること、いわゆる大企業志向といった新規学卒者の意識に変化が見られること、加えて高校へのジョブサポートティーチャーの配置等の政策効果などがあるものと考えております。
しかしながら、依然として相当数の未就職卒業者が懸念されることから、引き続き内定状況を注視しながら、緊急就職面接会の開催など時宜を得たきめ細かな対応を行い、一人でも多く就職に結びつけられるよう支援してまいります。
8: ◯副
議長(
中本隆志君) 環境県民局長
梅木敏明君。
【環境県民局長
梅木敏明君登壇】
9:
◯環境県民局長(
梅木敏明君) 再生可能エネルギーの導入促進について御答弁申し上げます。
再生可能エネルギーの普及につきましては、再生可能エネルギー推進検討会の中間まとめ以降、事業用太陽光、木質バイオマス及び小水力発電の分野ごとに普及促進の具体策の検討を進めているところでございます。
まず、事業用太陽光発電につきましては、公共施設の屋根への設置に向けて、設置が可能な県施設の選定や民間への貸し出しの実現可能性などを検討しているところでございます。
また、木質バイオマス発電につきましては、山林に放置された未利用材の燃料化コストの低減に向けて、チップの製造や発電施設への運搬の効率化を図る具体的な方策について検討しているところでございます。
次に、小水力発電につきましては、ダムの維持流量の活用に向けて対象となり得る県管理ダムの選定や採算性の検証等を行うとともに、関係団体と協力して農業用水路等への導入可能性を検討しているところでございます。
引き続き、地域経済や雇用確保の観点も踏まえましてこうした検討を進め、再生可能エネルギー推進検討会の最終まとめを得て、年度内には具体策を取りまとめた上で可能なものから事業化を図ってまいりたいと考えております。
10: ◯副
議長(
中本隆志君) 健康福祉局長
佐々木昌弘君。
【健康福祉局長
佐々木昌弘君登壇】
11:
◯健康福祉局長(
佐々木昌弘君) 三点についてお答えいたします。
まず、動物殺処分減少の取り組みについてお答えいたします。
動物愛護につきましては、子供のころからの生命尊重意識の涵養等の観点から重要であり、本県ではこれまで、安易に犬・猫を手放すことがないよう、しつけを含む適正飼養の普及啓発、命の大切さを教える動物愛護教室の拡充などに取り組むとともに、昨年七月より、飼うことができなくなった犬・猫の引き取り有料化、引き取り場所を九十八カ所から二十四カ所に見直しを行うことにより、殺処分数は平成十八年度の六千九百九十七頭から、昨年度は四千四百九十一頭まで減少してきたところでございます。
これまでの取り組みから、殺処分をさらに減らしていくためには広く県内にある組織や団体と連携・協力することが望ましいと考えており、現在、実績のあるNPO法人や民間団体の協力を得て、新たな飼い主を捜す取り組みを行っております。今後は、こうした団体との連携等をさらに強化することにより、譲渡先の確保や動物愛護教室開催の支援等を行うとともに、県の動物愛護センターが行う野犬対策やペットショップなどに対する監視指導などとあわせて動物愛護精神の普及啓発を推進してまいります。
二点目は、発達障害者に対する就業支援についてお答えいたします。
発達障害者に対する就業支援につきましては、本人や企業が障害特性や個々の特徴等を理解すること、本人の障害特性等を踏まえた職業訓練、就職活動や職場への定着促進など、きめ細かな支援を行う必要があると考えております。このため、県ではハローワーク等と連携し、直接の雇用主体である企業や就労支援機関等に働きかけるなどの取り組みを行っており、発達障害の方の就職件数については年々増加しているものと推計しております。
具体的な県の今年度の取り組みといたしましては、県民に対する発達障害の特性等についての理解の促進を目的とした啓発セミナーの福山市や広島市での開催、相談員等が使用することを目的に発達障害に特化した就職支援ハンドブックの作成、相談援助技術の向上を図るためのロールプレイによる研修会の開催、福祉と雇用の連携を密にした障害者就業・生活支援センター、議員御指摘のナカポツセンターを中心とした就労支援機関等とのネットワークの構築、障害者の就業促進を図るための事業所の設備や備品購入に対する助成など、対象者を明確にした上でのきめ細かな対応を行っております。
今後は、県といたしましては、これまでに構築した関係機関のネットワークを活用して、訓練
ツールやトレーニングプログラムも含めた検証を行い、就労支援機関に働きかけることにより、発達障害者の職務遂行のためのスキルが向上し、就業促進が図られるよう取り組んでまいります。
三点目は、結婚支援についてお答えいたします。
本県の平成二十三年、昨年の合計特殊出生率は一・五三で全国十二位、平成十八年から平成二十三年までの伸び幅が全国で一位となっており、出生数につきましても、二万五千四百六十七人と六年連続で二万五千人を超えております。しかしながら、近年、男女とも平均初婚年齢、生涯未婚率が上昇傾向にあり、本県でも平成二十二年、一昨年における五十歳時の生涯未婚率が男性一七・五八%、女性九・三四%となっております。このような晩婚化・未婚化の進行は、議員御指摘のとおり、出生数や人口の減少の大きな要因となることから、結婚支援の取り組みは重要であると考えております。
このため、結婚支援として、イクちゃん縁結サービスを実施しておりますが、本年十一月の実績では、掲載しているイベント数は一年前と比べて約二倍、アクセス件数も約三倍と増加傾向にあり、県民に広く認知されてきていると考えており、イクちゃん縁結サービスの掲載情報の充実を図り、行事等を広く周知することが効率的・効果的であると考え、このイクちゃん縁結サービスのきめ細かな事業展開に努めているところでございます。
また、現在、本県では将来を見据えた施策として、これから親となる思春期世代を対象に、健やかな妊娠、出産、子育て等に関する講座を開催し、将来家庭を築くことに希望が持てるような支援も実施しているところであり、本年度、これまでに高等学校三十校、八千四十八人の参加がございました。
今後とも、民間の力を最大限引き出すとともに、県といたしましても、本県独自の取り組みであるこども未来づくり・ひろしま応援隊と連携し、結婚支援の取り組みの促進やこれから結婚を考える思春期世代への結婚に対する意識の醸成を図り、晩婚化、未婚化に歯どめをかけてまいりたいと考えております。
12: ◯副
議長(
中本隆志君) 教育長
下崎邦明君。
【教育長
下崎邦明君登壇】
13:
◯教育長(
下崎邦明君) 発達障害のある高校生への支援体制強化についてお答えいたします。
高等学校におきましては、これまですべての学校で特別支援教育に係る校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などが行われるなど、特別支援教育推進のための仕組みが整ったところでございます。現在は、発達障害のある生徒など個々の特性に応じて学習面や行動面でどのような指導や支援を行うことが効果的であるかなど、より具体的な支援方策をすべての学校が個別の指導計画としてまとめ、校内で共有して実行していくよう指導しているところでございます。このため、小中学校及び高等学校への指導・助言を行う専任の教育相談主任を特別支援学校に毎年増員して配置してきており、要請のあったすべての高等学校に訪問し、授業参観などをした上で助言を行っているところでございます。
今後とも、特別支援学校の教育相談主任の専門性向上を図るとともに、高等学校へ積極的に派遣をするなど、高等学校における特別支援教育の充実に努めてまいります。
14:
◯尾熊良一君
議長……。
15: ◯副
議長(
中本隆志君) 再質問を許します。尾熊良一君。
16:
◯尾熊良一君 福山市との連携について、再質問させていただきます。
先ほどの知事の答弁では、東部の拠点都市である福山市に対しての重要性の認識については、お伺いしまして、大変知事の思いも認識もあるということで私は非常に評価しております。ただ、昨日の内田議員の鞆の地域振興策に対する答弁や、先ほどの私の質問の福山市との連携に対する知事の答弁では、具体性がなく、私は、知事の思いや積極的な取り組み姿勢が本当にどうなのかという部分をちょっと感じております。特に、広島市とはパートナーとして積極的に事業や施策に対して市長と会談されておりますが、福山市の市長と知事の会談は、広島市長に比べ、かなり差があると思います。福山市は岡山県に近く、広島市役所に比べ、県庁からずっと遠く、知事の思いも遠いのではないかと危惧しております。
私は、県の事業を進める上で、時代の流れにより周辺環境の変化や財源状況の変化でやむを得ず事業の見直しや事業の方向転換をせざるを得ないケースも出ることは十分理解できます。その途上で、市や地域住民との考えの違いから意見が対立するケースもあるかと思います。しかし、どのような問題があるにせよ、知事と市長が同じテーブルに着き、トップ会談を行っていくことが問題解決につながり、事業を前に進めていく上で最重要であると考えます。何も前に進まないことが、一番地域住民や市民にとってマイナスになり、地域の活性化、インフラ整備、都市づくりがおくれることで実際に犠牲になるのは、そこに住む地域住民の皆様です。
そこで、知事の答弁された福山市との協力、また、連携を強化するには、今後何が必要で、具体的にどのような対応をされようとしているのか、知事にお伺いします。
17: ◯副
議長(
中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事
湯崎英彦君。
【知事
湯崎英彦君登壇】
18:
◯知事(
湯崎英彦君) 福山市との関係ということにつきまして、物理的な距離は関係ないと思っております。私としては、福山市長と個別の重要課題について会談するためにいつでもお会いする用意はあると考えております。定期的な会談を持つことにつきましては、現在、県市共同会議などを定期的に行っているところでございますけれども、今後、他の市町も含めて個別に連携の強化を図っていく必要があると考えているところでありまして、その方法については、現在検討しているところでございます。
19:
◯尾熊良一君
議長、再々質問。
20: ◯副
議長(
中本隆志君) 再々質問を許します。尾熊良一君。
21:
◯尾熊良一君 事業を進める上でいろいろと御苦労もあるかと思いますが、福山市民の皆様のためにぜひ福山市との連携強化に向け全力で取り組んでいただけるよう私の要望として、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
22: ◯副
議長(
中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。
午前十一時二十九分休憩
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
午後一時一分開議
23: ◯
議長(林 正夫君) 出席議員五十八名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続いて質問を行います。伊藤真由美君。
【伊藤真由美君登壇】
24: ◯伊藤真由美君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員団・県民会議、安芸郡選出の伊藤真由美です。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、林
議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝申し上げます。今回の質問には、ことし二
月定例会で質問させていただいたばかりのものもございますが、地元での事件や県の動きを受けて、改めて質問させていただきますので、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入らせていただきます。
最初の質問は、児童虐待の防止についてお伺いします。
ことし十月一日に府中町在住の十一歳の児童が母親から暴行を受けた末に死亡するという大変痛ましい事件が起きました。私は、先般二
月定例会で市町が設置する要保護児童対策地域協議会の重要性を訴え、その機能強化に対する県の支援について質問していただけに、今回の事件は非常に残念でなりませんし、県の判断や対応が甘かったと言わざるを得ません。今回の事件に関する県の対応を検証するため、外部の有識者で構成する検証委員会を設置して本年度中に報告書をまとめることとされています。検証委員会の検証はしっかりやっていただきたいと思いますが、今回の事件について、当事者である県はどのように受けとめておられるのか、お伺いします。
また、改めて、要保護児童対策地域協議会の機能強化を初め、虐待を受けるおそれのある児童の見守りについて今後どのように取り組んでいかれるのか、あわせて知事にお伺いします。
質問の第二は、広島市東部地区連続立体交差事業についてお伺いします。
広島市東部と府中町、海田町を通るJR山陽本線と呉線、計六・三キロを高架化する連続立体交差事業については、二十カ所の踏切撤去によって朝夕の慢性的な渋滞が解消されるとともに、路線の高架化によって市街地の一体性が確保され、地域の活性化が可能になるものと地域住民の皆様は大いに期待していたところです。しかしながら、事業主体である県と広島市は、平成十三年度に事業に着手し、既に八割の用地を買収しているにもかかわらず、財政が厳しいことを理由に本年二月から事業の見直しに向けた検討を進められています。十月九日には、海田町に対して連続立体交差事業によらない場合のまちづくりということで意見を伺いながら整理していきたい旨の打診があり、海田町からは連立区間の縮小は容認できないとの意見表明があったところです。当然です。
また、知事は十一月六日の記者会見で事業の縮小を示唆しておられます。先日、海田町の方々からいろいろな御意見を伺ってまいりました。確かに大きなプロジェクトではありますが、だからこそ海田町はこのプロジェクトを起爆剤にまちづくりをしようとしていたわけであり、事業の縮小は到底容認できるものではありませんし、地域住民の皆様も思いは同じです。
また、この地域は、マツダの関連企業が集積する地域でもあります。朝晩の渋滞解消はもとより、何よりこの事業がこの地域のみ縮小されるとなると、これから経済対策を施さなければならない現状の中、これら中小企業にもさらに暗い影を落とすことは明らかです。広島都市圏の交通の円滑化と地域経済活性化という観点からもこの連続立体交差事業は必要不可欠であると思います。
広島市東部地区連続立体交差事業については、ぜひ、事業の縮小をすることなく、平成三十四年度の完成を目指して事業を推進していただきたいと思いますが、知事に御所見をお伺いします。
質問の第三は、広島都市圏の活性化についてお伺いします。
広島都市圏は本県のみならず中国地方の中枢拠点であり、広島都市圏の活性化は本県や中国地方を牽引するという重要な役割を担っています。ことしはサンフレッチェの活躍によりJリーグの観戦人気が高まり、ビッグアーチまでの交通渋滞でキックオフに間に合わない人が続出したと聞いております。こうしたことも踏まえ、県民を巻き込んだ議論や検討が大切と考えます。現在、県は広島市と連携して、広島都市圏の活性化策についての調査検討を行うとともに、先導的プロジェクトとして西飛行場跡地の利活用や平和記念公園周辺地区の活性化について検討を行われています。
これからの魅力と活力ある広島都市圏を形成するための戦略に大いに期待していますが、広島都市圏の活性化策について、これまでの検討状況と今後の取り組みについて知事にお伺いします。
第四の質問は、経済活性化の観点から女性の活躍の促進について、二点お伺いします。
県では、出産、育児などで仕事を離れた女性の再就職を支援するため、本年三月にはハローワークと連携して「しごとプラザマザーズひろしま」を開設され、また、本年度から新たに出産や育児と仕事の両立を希望する女性の就業継続を支援するための相談・研修事業に取り組まれています。私もちょうど先日、その研修生の方々と意見交換してきたところです。そこでは、同じ立場の女性たちと相談し、交流され、皆さん前向きに顔を輝かせていらっしゃるのが印象的でした。
私は、世界経済の減速や円高の影響などを背景に本県の経済を低下させ、ひいては雇用・労働情勢の悪化を招いている現状の閉塞感を打破するためには、女性の経済活動に向けた戦略的な施策展開がますます重要になってくるものと考えております。なぜなら、女性が就業・起業することで社会における新たな需要が生まれやすく、そこで提供される、例えば教育や学習支援事業や医療や福祉やネイリストといった、暮らしや社会を充実させるサービスによって女性が就業する際の家事や育児や介護といった課題が解決しやすくなるとともに、女性の就業が促進され、消費拡大にもつながるという好循環をもたらすことが期待できるからです。昨年九月に開催されたAPECの、女性と経済サミットにおいて、米国のクリントン国務長官は、労働市場における女性参加への障壁を取り除くことで米国ではGDPを九%、何と日本は一六%拡大することができるという試算を紹介されています。
そこで、本県経済活動の活性化に向け、女性の起業・創業を掘り起こすような就業支援を積極的に展開する必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。
次に、学術分野における女性の進出促進についてです。
今や社会経済の活性化には女性の力や視点が不可欠であり、そのためには、将来の社会を担う人材育成や学術研究を行う高等教育機関の女性の教育者や研究者をもっとふやしていく施策展開は大変有効と考えます。知事も御存じのように、英国のケンブリッジ大学や米国のマサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学では、女性学長は今や常識です。
ちょうど現在、県内の大学連携や県立大学の中期目標の策定に取り組んでおられますが、県立大学が率先して女性の教育者や研究者をふやしていくことは、多様な人材の育成や集積につながると考えますが、知事に今後の方針をお伺いします。
質問の第五は、新たな経済成長の育成とアジア戦略について、三点お伺いします。
本県では、新たな成長産業として観光に着目し、観光地「ひろしまブランド」を構築して、観光客の誘致と観光産業の育成を図るため、積極的な事業展開をされています。私の地元である熊野町出身の有吉弘行さんを起用した広島県観光プロモーション「おしい広島県」がこの春に全国で大きな話題となったことを受け、六月補正で予算を増額して夏と秋の観光キャンペーンやインターネット宿泊予約への特設ページの掲載の拡充などを行われました。
本県ではことしの総観光客数を昨年より五百三十万人増加させることを目標に掲げておられます。ことしは大河ドラマ「平清盛」の影響も大きかったのではないかと思いますが、観光客数の目標達成の見込みと観光プロモーション「おしい広島県」によって得られた成果についてお伺いします。
また、来年には七月から九月の三カ月間、本県を対象としたJRのデスティネーションキャンペーンが実施されます。JRはもとより、市町や観光関連事業者などと連携して効果的に取り組んでいただきたい。
そこで、観光地「ひろしまブランド」を構築するため、デスティネーションキャンペーンに向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、あわせて知事にお伺いします。
次に、中国との経済交流について伺います。
本県は、経済成長が著しいアジア諸国との経済交流を推進していらっしゃいます。一方、我が国固有の領土である尖閣諸島の国有化に端を発した中国国内の暴動や反日感情の激化により、昨日、松浦議員の御質問にもありましたように、残念ながら本県と中国との経済交流において、また、広島空港と中国とを結ぶエアラインにおいても大きな影響が出ています。昨年、成都まで延伸し、本年九月二十日に週九往復から十往復に増便したばかりの上海便ですが、現在、三往復が運休です。さらに、週三往復ある大連・天津線においては、何と来年三月三十日まで全便が運休です。
そこで、我が国と中国との関係の先行きが不透明な中で、本県と中国との経済交流の現状がどうなっているのか、また、今後どのような展開を考えておられるのか、中下副知事にお伺いします。
次に、アジア諸国との経済交流について、県内の農水産品や加工食品の販路拡大のため、アジア諸国へスーパーマーケットなどを展開しているイオングループとの連携により、本年度、マレーシアや香港での物産展やPRイベントを新たに実施することとされ、九月補正予算では、さらにマレーシアでの物産展の追加実施などの経費を計上されています。イオングループは、中国やマレーシアのほか、タイでも事業展開されており、今後はベトナムやカンボジア、インドネシアやミャンマーなどASEAN諸国への進出も検討されていると聞いております。今後もイオングループとの連携を継続・強化されるのであれば、本県もこうした国々への販路拡大に取り組まれるのではないかと思います。海外展開には為替変動のほか、人件費の上昇、慣習や法制度の違いなどのさまざまな課題やリスクがあります。それらをしっかりと見きわめて海外展開に取り組んでいただきたい。
そこで、この際、農水産品や加工食品のアジア諸国への販路拡大について、これまでの取り組みをきちんと検証・評価し、今後の戦略を明らかにした上で事業を進める必要があると思います。これまでの取り組みをどう評価し、今後どのような戦略で事業を進めていかれるのか、イオングループで数々の事業の立て直しをしてこられた中下副知事にお伺いします。
質問の第六は、緊急経済・雇用対策について、二点お伺いします。
リーマンショック以降の金融危機や景気の低迷による中小企業の資金繰りの悪化などへの対応策として、平成二十一年十二月四日に施行された時限立法の中小企業金融円滑化法は、その後、二度の延長措置を経て、いよいよ平成二十五年三月末をもって終了します。本年度下半期に入って、金融機関が円滑化法期限切れを見込んで融資態度を変化させ、県内でも倒産がふえるのではないかと危惧しております。
そこで、本県では中小企業金融円滑化法終了後の対応策として、信用保証協会などと連携し、緊急対応融資制度の中に特別資金を創設するとともに、既に融資を行っている運転資金についても十年を限度に融資機関の延長を認めることとし、来年一月四日から実施されることとなっております。
こうした中小企業金融円滑化法の終了を踏まえた県の対応については、中小企業に対して十分に周知する必要があると思いますが、どのように周知していかれるのか、お伺いします。
そして、一方では、県内の金融機関と日本政策投資銀行は、中小企業の事業再生支援と地域経済の活性化に資するため、ちょうど十二月一日、事業再生ファンド「せとみらいファンド」を創設されましたが、新たな融資制度の創設や融資期間の延長を行う県は、この事業再生ファンドとどのように役割分担と連携を図っていかれるのか、あわせて知事にお伺いします。
次に、雇用対策です。
国の交付金を財源に平成二十一年度から始まった緊急雇用対策は、国の追加経済対策を受け、二十一億二千万円を県の緊急雇用対策基金に積み立てる補正予算案が昨日追加提案されたばかりです。実質的に一年延長されることになりましたが、来年度をもって終了いたします。この交付金事業は雇用環境の急激な悪化に対応するため、迅速で効果的な雇用対策が求められるものですが、これまでに講じられた対策の結果を見ると、その有用性に疑問を持たざるを得ません。緊急雇用対策基金事業は、緊急かつ臨時的で原則一年以内の短期雇用の創出を目的としているものではありますが、平成二十一年度から平成二十三年度までの間、県と市町が実施したこの事業によって雇用された一万三千百四十三人のうち、正規雇用に結びついたのはわずかに千九十七人です。事業費としては、約百五十九億円が投入されており、単純計算ですが、一人の正規雇用を生み出すのに何と約千四百五十万円もかけていることになります。
また、同様に雇用創出基金事業は安定的で原則一年以上の雇用を創出することが目的でしたが、約四十億円の事業費を投入して雇用された千四百三十八人のうち、正規雇用に結びついたのは二百十三人にとどまり、一人の正規雇用を生み出すのに約千八百七十万円もかけている計算になります。費用対効果や雇用の継続性・定着性の面で大いに疑問であり、これらの事業が果たして雇用対策と言えるのでしょうか。
そこで、平成二十一年度から本年度までの緊急雇用対策の成果と課題についてどのように認識されているのか、お伺いします。
県内の雇用情勢は依然として厳しく、県においては雇用対策を喫緊の課題と位置づけて取り組んでいく必要があると思いますが、来年度いっぱいで緊急雇用対策基金事業は終了いたします。来年度の緊急雇用対策については、ぜひ、正規雇用や長期的な雇用に結びつく事業展開をしていただきたい。今後どのように取り組んでいかれるのか、さらには基金事業終了後の雇用対策に関する考え方についてもあわせて知事にお伺いします。
質問の第七は、農林水産業のイノベーションについて、二点お伺いします。
平成二十三年三月、農業振興や食料自給率の向上の観点から、いわゆる六次産業化法が施行されました。現在、本県では六次産業化法に基づく認定を受けた事業以外でも集落法人などが農業の六次産業化を実践していますが、小規模な法人などではマンパワーや資金面で負担が大きく、まだまだ農業者自身による加工や販売分野への取り組みには限界があります。経営力の高い担い手育成に向け、農業の六次産業化を促進するためには、集落や市町単位でのある程度の広いエリアで農業者のほか多様な主体が役割分担と連携して、生産、加工、販売そして消費までを行う地域ビジネス展開の仕組みをつくる必要があると思いますが、知事の御所見を伺います。
次に、カキの消費拡大と生産出荷体制の強化について伺います。
県では身入りのよいカキの生産に必要なカキいかだの整備やカキの出荷体制の強化に取り組むとともに、東日本大震災による東北産カキの供給量の減少による消費者のカキ離れを防ぎ、カキ市場の維持を図るため、六月補正でも予算を増額して被災県と連携した首都圏での消費拡大キャンペーンを実施することとされています。
そこで、カキの消費拡大キャンペーンにどのように取り組んでこられたのか、また、本格的なカキのシーズンを迎えましたが、首都圏の市場における広島かきの反応はどうなのか、お伺いします。
県内でもかき小屋がいよいよ営業を始め、県民が気軽にカキを味わえる機会の提供とともに、これからの着地型観光の目玉としても大いに期待しているところですが、県内の各家庭における消費拡大を図るためのPRも、もっと積極的に行っていく必要があるでしょうし、県外へ向けた広島かきのブランド戦略にも力を注ぐべきだと思います。今後のカキの出荷体制の整備や増産の取り組みと県内、県外に向けたカキの販売戦略について、あわせて知事にお伺いします。
最後の質問は、公立学校における消費者教育の充実についてお伺いします。
本年八月十日に我が自民党を中心とした議員立法、消費者教育推進法が可決・成立し、いよいよ施行されることとなりました。消費者教育推進法では、消費者教育に関する七つの基本理念を掲げるとともに、その推進に向けた国と地方公共団体の責務と財政上の措置が規定されました。この基本理念では、消費者となる準備段階である幼児期から発達の各段階に応じて、自分のとる消費行動が日本経済社会や環境にどのような影響を与えるかを家庭や学校、社会や職場でその相互間の連携のもとに体系的に行わなければならないことが明記されています。
人はだれでも生涯にわたって消費者です。私は常々、消費者教育は消費者被害の防止だけではなく、消費行動が社会や経済に一体どのように影響を及ぼし発展させるものであるかということをライフステージに応じて啓発すべきであると考えておりましたので、消費者教育推進法において、こうしたことがきちんと明文化されたことは大変意義深いことであると思っております。
一方で、この法の成立の背景には、地方の消費生活センターの方々の御尽力があったと聞いています。これからも、本県の消費生活センターを充実させ、連携をとりながら進めていく必要もあると思います。
県教育委員会では、消費者教育を推進する教職員を育成するための指導者養成講座などに取り組まれてこられましたが、この消費者教育推進法の公布を受けて、消費者教育の充実に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いいたします。
以上が私の質問です。本日は地元から多くの後援会の皆様がお忙しい中お越しくださっています。私が今、ここに立たせていただいているのも皆様方の御支援のおかげさまです。
現在、衆議院選挙真っただ中です。我が自民党は「日本を取り戻す」をキャッチフレーズに戦っています。経済を取り戻す、外交を取り戻す、教育を取り戻す、そして何より国民は今、本当に安全で安定した政権を求めているのです。この三年間で国債残高が五百九十四兆円から七百九兆円へと約百十兆円もの国債が膨らんでおります。財政見通しを無視した場当たりな政策は、局所の損得勘定にとらわれて失着を犯します。我が党は財政を健全化し、中小企業の技術力支援や人材支援へと将来投資へ展開いたします。戦後、日本はもうだめだと世界から見放されましたが、我が党を中心とした政治と国民の力で、世界でもトップレベルの国へと成長してまいりました。私はいつも思うのですが、保守というのは古いものを大切に守りながらそれを新しい時代にあったよりよいものへと改革していく不断の姿勢だと思うのです。これからも、国際的競争力をつけた豊かな県土づくりへ向け、世界にきらりと光る広島県づくりに向けて皆様とともに歩んでまいりますことをお誓い申し上げまして、結びの言葉とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
25: ◯
議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事
湯崎英彦君。
【知事
湯崎英彦君登壇】
26:
◯知事(
湯崎英彦君) まず、広島都市圏の活性化についての御質問でございます。
本県が厳しい地域間競争に打ちかち、発展していくためには、人口、産業、都市基盤などあらゆる面で県内最大の集積地である広島都市圏の中枢拠点性をさらに向上させるとともに、国内外の人や企業を引きつける魅力づくりに取り組んでいく必要があると考えております。
こうした観点から、県といたしましては、これまでの広く波及効果のある都市基盤の整備等に加えて、今年度、魅力と活力ある地域環境の創出に向けた広島都市圏の活性化策の調査・検討を行っております。具体的には、アンケートやヒアリング調査などを通じて、国際的知名度の高さや自然との近接性などの強み、また、多様な就業機会やにぎわいの場の充実が必要なことなどの課題が明らかになったところであり、それらの強みや課題を分析して広島都市圏の魅力と活力を高めるための基本的な考え方、施策の方向性などについて鋭意検討を進め、本年度中の策定を目指してまいります。
今後とも、広島市を初めとする関係自治体や団体と連携・協力し、現在実施しております調査・検討を含めた広島都市圏の中枢拠点性のさらなる強化や魅力と活力の向上に向けた取り組みを総合的に推進してまいりたいと考えております。
次に、経済活動の活性化に向けた女性の起業・創業の支援についての御質問でございます。
少子・高齢化に伴いまして労働力人口が減少する中で、潜在的な女性労働力の活用を図ることが喫緊の課題となっております。しかしながら、現状としては、働く女性のうち六割の方が結婚や出産を機に離職しており、子育てが一段落してから復職を希望しても仕事と家庭の両立の難しさ等から直ちに就職に結びつきにくい状況にございます。
このため、本県においては、女性が離職せず就業を継続することができるよう、研修や相談事業を実施しておりますほか、再就職を希望する女性に対し、しごとプラザマザーズひろしまにおいてきめ細かい相談や就業体験の機会を提供し、できるだけ早く希望する内容に近い就職ができるよう支援を行っております。
また、女性が経験や能力を生かして起業することで提供される多様なサービスや新たなビジネスモデルの構築も地域の活力を生み出すためには重要であると考えておりますが、近年、女性の起業者数や起業家全体に占める女性の割合はいずれも減少傾向にございます。県といたしましては、こうした現状を踏まえ、引き続き女性の就業継続や再就職を支援し、キャリアアップを図る中で起業する女性もふえていくものと期待しております。
また、来年度は県内企業のイノベーションの創出を加速化させる観点から、多様な創業や事業展開の支援に重点的に取り組むこととしており、そうした中で女性の起業の促進に向けた具体的な支援のあり方についても検討してまいりたいと考えております。
次に、観光プロモーションの成果と今後の取り組みについての御質問でございます。
本県では観光地「ひろしまブランド」の構築に向けて、平成二十三年度から三カ年の集中的な大型観光キャンペーンを展開してきたところでございます。その一環として、本年は大河ドラマ「平清盛」の放映を契機に、瀬戸内海の自然や歴史・文化などの魅力を全国に発信することにより、宮島を初め、清盛ゆかりの地を中心に観光客が大幅に増加いたしましたが、全県への波及効果という点では必ずしも十分でなかったと認識しております。
また、観光プロモーション「おしい広島県」の展開によって、全国の方々から注目を集めることには相当の手ごたえがありましたが、これが直ちに実際の誘客に結びついていないという面もございました。こうした状況や県内主要観光施設のモニタリング調査等から見ますと、対前年比五百三十万人増加という所期の目標達成は厳しい状況にありますが、平成二十四年の年間総観光客数は過去最高になると見込んでおり、キャンペーンの取り組みは着実に前進しているものと考えております。
こうした中で、来年は広島で八年ぶりにJRグループと共同でデスティネーションキャンペーンを実施いたします。県といたしましては、大型観光キャンペーンの最終年として、今年度の取り組みで課題となった具体的な誘客につながるプロモーションや全国的な波及効果等の視点も含め、今回のデスティネーションキャンペーンを最大限活用した観光振興策を展開して、観光地としてのひろしまブランドの定着を図ってまいりたいと考えております。
次に、カキの消費拡大と生産出荷体制の強化についての御質問でございます。
広島かきは、全国の六割の生産量を占めて、生鮮カキから冷凍食品などの加工用原料まで幅広い用途に出荷されておりますが、産地としてのまとまりが弱いことや需要のピークである年末に首都圏への出荷量が少なかったことから消費者の認知が低い状況にあるというふうに認識しております。このため、首都圏でのPRを強化することとし、その第一弾として広島ブランドショップの「TAU」で十一月にオイスターバーを開設いたしましたところ、大変高い評価を受けました。
続いて、インターネットサイト上でのレシピコンテストの優秀作を活用した販売促進を首都圏の約七百店舗の量販店で来年三月まで実施するとともに、来年一月からは丸の内などの飲食店において「おいしい広島かきフェア」、「おしい」ではなくて、「おいしい広島かきフェア」を実施するなどPRの強化を進めてまいります。さらに積極的なPRにあわせまして、生産者から流通加工業者までが一体となった生産流通体制の強化を進めてまいりたいと考えております。具体的には、生産につきましては、県が開発してきました、シーズン当初でも身入りのよい「かき小町」の増産を計画的に進めますとともに、生食用殻つきカキの安定供給につきましても取り組んでまいりたいと思っております。
次に、流通につきましては、需要が多く、価格の高い年内に安定的に出荷するため、人工的に温度刺激を与えて早期の身入りを促す養殖手法の導入、また、意欲ある担い手が直接市場へ共同出荷する取り組みなどを支援してまいります。これらの取り組みに加えまして、一貫した生産・品質管理についても関係者とともに取り組んで、日本一の産地として多様な消費者ニーズにこたえることができる広島かきのブランド力の向上を図ってまいりたいと思っております。
その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。
27: ◯
議長(林 正夫君) 副知事中下善昭君。
【副知事中下善昭君登壇】
28: ◯副知事(中下善昭君) 二つの御質問にお答えいたします。
まず、中国との経済交流についてでございます。
本年十一月に県が行った最近の経営環境に関する調査では、回答企業の二二%、とりわけ輸送用機械製造業の五三%が、日中関係悪化について事業への影響ありとしていることから、大変憂慮しているところでございます。一方で、県内企業が有する海外事業所のうち、約四五%が中国に置かれており、同国における本県企業の着実な事業展開が県経済の成長に欠かせない推進力であると認識いたしております。加えて、環境浄化分野あるいは食品や生活用品を中心とする消費財、高齢者福祉や外食産業などの生活関連サービスの分野におきましては、成長する中国市場への新規参入が十分に期待できるという観点から事業意欲を持ち続けている県内企業がございます。これらの企業に対しては、日中関係の改善時期を注視しながら、博覧会への出展や物産展などを通じて現地企業との商談機会を設定するなど積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、アジア諸国への販路拡大についてでございます。
県内企業の海外展開に関しましては、支援すべき産業分野と対象となる国・地域それぞれの発展状況や市場ニーズに応じて戦略的に施策を講じているところでございます。中でも、消費財分野の販路拡大戦略につきましては、現地の有力な小売業とタイアップした物産展によるマーケットリサーチで売れ筋商品の見きわめを行い、さらに新規の販路を創出するための商談会をセットで実施することにより、商品の定着とひろしまブランドの浸透を図っているところでございます。
その第一歩の取り組みといたしまして、六月にはASEAN市場全体をにらみマレーシアで、そして今月初めには中国本土市場を視野に香港で物産展を開催いたしました。マレーシアにおきましては二十八社が百三十七品目を出展したところ、早期の完売による追加注文や外資系高級スーパーでの新たな販路拡大など、事前に想定した以上の成果に結びついております。
また、二十六社、二百三十品目を出展した香港におきましては、輸入関税が非課税で検疫も緩やかなことから、世界じゅうからの売り込み競争が激しく、苦戦を予想しておりましたが、カキ、みかん、日本酒、サラダドレッシングなどが好調に売れ、追加対応するとともに、あわせて実施いたしました現地の卸売業者やレストラン等との商談会では約三十件の成約が見込まれております。これらの一連の取り組みについては、現地メディアでも大きく取り上げられ、ひろしまブランドをPRできたこと、また、出展企業からも高い評価をいただいたことなどからも一定の成果が見えているところでございます。
今後も、新たな商品を掘り起こし、物産展などを通じたマーケットリサーチと商談会を深化させるとともに、県産品のイメージ向上につながるような戦略や他地域への展開についてもあわせて検討してまいります。
29: ◯
議長(林 正夫君) 健康福祉局長
佐々木昌弘君。
【健康福祉局長
佐々木昌弘君登壇】
30:
◯健康福祉局長(
佐々木昌弘君) 児童虐待の防止についてお答えいたします。
本年十月に府中町で発生した十一歳の児童の死亡事案につきまして、県西部こども家庭センターは、母親や祖母に対する面接を重ねるとともに、一年半をかけて母と子の面談、外出、外泊を繰り返し実施するなどして、本児童が家庭復帰をする準備を進めて、昨年三月に、親子とも同居を望んでいたことや長期の外泊においても何ら問題を生じなかったことなどから、親子関係は改善したと判断し、措置解除を行いましたが、一年半後にこのような結果となりました。
県といたしましては、なぜこのような結果になったのかという受けとめから事案の徹底的な検証を、二度とこのようなことがあってはならないという受けとめから再発防止を、この二つの観点から検証委員会を設置し、虐待事案の措置解除のあり方や情報伝達・共有の方法等について、現在、御議論いただいているところですが、委員会の報告を待つことなく、各こども家庭センターが措置解除する際の市町への
文書連絡の徹底、また、市町における要保護児童対策地域協議会の出席や困難事例への対応に関する助言、センター措置解除後の児童の状況確認などの取り組みを既に行っております。
今後は、要保護児童対策地域協議会の機能強化に向けた取り組みを、また、その支援に努めていくとともに、検証委員会の報告を踏まえ、再発防止に向けたさらなる取り組みを講じ、児童虐待防止対策の一層の充実に努めてまいります。
31: ◯
議長(林 正夫君) 都市技術審議官岩佐哲也君。
【都市技術審議官岩佐哲也君登壇】
32: ◯都市技術審議官(岩佐哲也君) 広島市東部地区連続立体交差事業についてお答え申し上げます。
広島市東部地区連続立体交差事業は、広島都市圏東部地域のまちづくりや地域経済の活性化を図る上で重要な事業であると認識しております。しかしながら、当事業はその規模が全国的にも最大クラスの事業であり、工事着手後は完成まで長期間にわたり多額の負担が見込まれていることから、広島市と連携して鉄道高架区間の短縮も一つの案として、実現可能な見直し案の検討を進めているところでございます。
検討に当たっては、地域の皆様が期待されている都市内交通の円滑化や市街地の一体性などの機能確保の視点が重要であると考えております。このような視点から広島市と連携してできるだけ早期に見直しの方向性がお示しできるよう検討し、関係機関や住民の皆様の理解を得ながら事業が早期に実現できるよう取り組んでまいります。
33: ◯
議長(林 正夫君) 環境県民局長
梅木敏明君。
【環境県民局長
梅木敏明君登壇】
34:
◯環境県民局長(
梅木敏明君) 学術分野における女性の進出促進についてお答えいたします。
高等教育機関の教育研究活動におきましては、多様な視点や発想を取り入れ、新たな知見の創出などにつなげていくことが重要であり、そのためには女性の教育者、研究者が能力を最大限に発揮し、活躍できることが不可欠であると考えております。
県立広島大学では、こうした観点も踏まえまして能力・実績に基づき女性教員を採用するとともに、学長補佐を初めとする幹部への登用を積極的に行っているところでございます。
また、女性教員が教育研究活動を継続し、その能力を発揮できるよう、出産・育児・介護に関する支援制度や休暇制度などの整備とその利用促進にも努めております。こうした取り組みによりまして、全教員二百五十四人中、女性教員は八十六人、約三四%で、全国平均の約二一%を上回り、国の男女共同参画基本計画に定める平成三十二年目標三〇%を上回る状況となっております。
県といたしましては、多様な人材の育成・集積につながるよう、県立広島大学の女性教育者・研究者のさらなる活躍に向けた取り組みを促進してまいります。
35: ◯
議長(林 正夫君) 商工労働局長
津山直登君。
【商工労働局長
津山直登君登壇】
36:
◯商工労働局長(
津山直登君) 緊急経済・雇用対策に関しまして、二点御答弁を申し上げます。
まず、中小企業金融円滑化法の期間終了への対応についてでございます。
本県においては、金融円滑化法の期限到来後を見据え、本年十月に、県内の金融機関を初め、信用保証協会、再生支援協議会、商工会議所、国及び県等が広島県中小企業支援ネットワークを創設し、中小企業の経営改善や事業再生を促進するため、関係機関が情報共有を図り、それぞれの適切な機能分担のもとで各種支援に取り組むこととしたところでございます。
今回、県として県費預託融資制度の中に新たに創設する特別資金につきましては、ネットワークの各構成機関の支援のもと、経営改善に取り組む企業に対しまして必要な運転資金等を融資するものでございます。
一方で、今般、県内金融機関が中心となって創設された事業再生ファンドは、金融機関から貸出債権を買い取り、その借り手企業の事業再生等を図るものであり、手法は異なりますが、それぞれ役割分担して企業を支援するものでございます。
引き続き、ネットワーク全体でこれらの支援策について情報共有し、さまざまなチャンネルを最大限活用して県内の中小企業へ幅広く周知を図りながら、個々の企業の実情に応じた支援を行ってまいります。
次に、雇用対策についてでございます。
雇用関連基金事業につきましては、リーマンショックによる雇用情勢の急激な悪化を踏まえ、離職者等を対象に臨時・短期的な雇用需要を創出し、当面の所得確保を図ることを第一義的な目的とするものでございます。この間、約一万六千人を雇用し、いわゆるつなぎ雇用としての役割を果たしており、さらに他の雇用対策とも相まって失業率や有効求人倍率が大幅に改善するなど、一定の成果が上がったものと考えております。
また、基金事業は人材不足感の強い介護・福祉分野、農林水産業における就業促進や安定的な雇用を目指す若年者への就職支援など、雇用創出という直接的な効果に加え、地域経済の活性化や産業振興、安心な暮らしづくりなどのさまざまな行政施策の推進にも寄与しているものと考えております。
今後は、失業者のスキルアップとキャリア形成を図る事業や雇用をめぐる中長期的な諸課題に対応した取り組みへ比重を移していく必要があると認識しております。来年度につきましては、これまでの基金事業の成果と課題を踏まえ、未就職卒業者等就業体験事業などといった若者の就業支援や女性の就業支援など、継続的な雇用につながる事業に重点的に取り組んでまいります。
また、基金事業終了後の雇用対策につきましては、これまで実施してまいりました事業の効果を検証した上で、経済団体や大学、労働局など関係団体等と連携しながら対応を検討してまいりたいと考えております。
37: ◯
議長(林 正夫君) 農林水産局長寳来伸夫君。
【農林水産局長寳来伸夫君登壇】
38: ◯農林水産局長(寳来伸夫君) 農業の六次産業化の促進についてお答えいたします。
担い手の経営力の向上を図るためには、生産だけでなく加工・流通・外食等の川下で形成される付加価値を農業経営に取り入れる必要があり、これらの付加価値を取り入れる六次産業化は、地域の雇用を創出し、経営を高める一つの取り組みとして重要であると考えております。このため、六次産業化に向けた支援として、財団法人広島県農林振興センター内に国の認定する広島六次産業化サポートセンターを設置し、さまざまな支援制度の情報提供や商品開発、経営・販売の専門家の派遣による相談、指導・助言の取り組みを進めており、農産物を加工したお菓子やドライフーズ、直販施設での販売など、徐々にではありますが、六次産業化に取り組む個々の経営体がふえております。
また、農産物を核として地域全体で六次産業化を展開していこうとする動きも出ております。具体的には、江田島市におきましては、温暖な瀬戸内の島という地域の特徴を生かし、オリーブを核として、生産だけでなくオイル、新漬けなどの加工・販売や体験型の観光までを一体的に計画し、幅広い業種と連携した取り組みが進められております。
こうした地域の特徴を生かし、農林水産物を核として幅広い分野で地域ビジネスを進めていく取り組みに対しましては、基盤整備にあわせて関係部局とも連携して総合的な支援を行ってまいりたいと考えております。
39: ◯
議長(林 正夫君) 教育長
下崎邦明君。
【教育長
下崎邦明君登壇】
40:
◯教育長(
下崎邦明君) 公立学校における消費者教育の充実についてお答えいたします。
学校教育において、今日の消費行動の複雑化、多様化等を踏まえ、児童生徒が消費者としての自覚を持ち、主体的に判断し責任を持って行動できるようにする観点から、消費者教育の充実を図ることは重要であると考えております。このため、新しい学習指導要領を踏まえ、小学校では物や金銭の使い方と買い物、中学校では家庭生活と消費、高等学校では消費者としての権利と責任などの内容を取り上げ、家庭科の授業などにおいて発達段階に応じて指導いたしております。
教職員の研修につきましては、平成二十二年度と二十三年度の二年間、文部科学省との共催で消費者教育指導者養成講座を実施し、本年度は環境県民局が主催する消費者教育指導者研修会に教職員を参加させたところでございます。
また、本年度の新任教職員全員に配付した研修資料にも消費者教育の内容を新たに盛り込んでおります。
今後とも、消費者教育の推進に関する法律の基本理念にもありますように、児童生徒が消費生活に関する基礎的な知識を適切な行動に結びつけることができる実践的な能力を身につけられるよう、関係部局や関係機関等と連携を図りながら消費者教育の推進に取り組んでまいります。
41: ◯
議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。天満祥典君。
【天満祥典君登壇】
42: ◯天満祥典君 皆さん、こんにちは。本日最後の質問となりました。三原市・世羅郡選出、自由民主党広島県議会議員団・県民会議の天満祥典でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきましたことを、まずもって感謝申し上げます。本日は、私がこれまで県議会で主張してきたことなどを中心に質問させていただきたいと思います。湯崎知事を初め、執行部におかれましては、県民が将来に希望を持つことができ、地域の活性化につながるような御答弁を期待し、早速ですが質問に入らせていただきます。
質問の第一は、観光振興についてであります。
まず一点目は、大河ドラマ「平清盛」に係る観光客の誘致対策の成果と課題を踏まえた今後の取り組みについてお伺いいたします。
本県では、このドラマの放映に合わせてその効果を最大限活用するために観光キャンペーンを打ち、観光客の誘致対策を積極的に推進して、平清盛を広島の新たなブランドとして確立するよう取り組んだところでございます。そして、放映開始から約一年、ドラマもまもなく終わろうとしておりますが、ドラマの効果とこれまでの取り組みにより、宮島への観光客は本年十一月末現在で三百七十九万人を突破し、過去最多のペースだと聞いております。
また、主として広島市内を路線エリアとする広島電鉄も本年四月から九月までの連結経常利益を九・二%増益へと上方修正したとのことであり、その一つとしてドラマの効果による輸送客の増加が挙げられており、これらを踏まえると観光客の誘致の取り組みに一定の成果があったものと考えられます。
しかしながら、大河ドラマの効果については、「毛利元就」の放映当時と同様、とかく放映当年限りの一過性に終わるのではないかという懸念があります。また、実際に観光客がふえたのは宮島のみで、県内のそのほかの地域への波及効果は十分ではないという声もお聞きしております。ドラマ終了後もその効果を継続させていくとともに、宮島への観光客を県内のほかの地域に波及させていくための取り組みが不可欠であり、そのためには交通網や宿泊施設の整備など観光客の受け入れ態勢の整備も必要であると考えます。
そこで、県は大河ドラマ「平清盛」の放映に伴う取り組みの成果と課題について、現時点でどのようにとらえているのか、また、それらを踏まえて、今後、本県の観光振興にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。
二点目は、観光振興に係る広島市との連携・協力についてお伺いいたします。
世界遺産である原爆ドームや平和公園を有する広島市は、観光資源が集積する都市として重要な役割を果たしており、平成二十三年の本県における総観光客数五千五百三十二万人のうち、広島市は約千二百万人で、全体の約二割を占めております。ことしは、先ほども申しました平清盛の放映に合わせて、広島市内においてもさまざまな観光イベントが開催され、それらの取り組みが観光客の増加につながったものと理解しております。さらに来年度には、ひろしま菓子博二〇一三が広島市において開催される予定であり、平清盛から菓子博へと継続した観光振興の取り組みを推進していかねばなりません。また、広島市への観光客をそのほかの市町へと振り向けることにより、その効果を波及させていく必要がありますが、それらを実現させるためには、県と広島市との連携・協力が喫緊の課題であります。
観光振興の分野における県と広島市との連携・協力については、これまで教育旅行の誘致活動や観光地ひろしまのおもてなし向上などの取り組みが行われているものの、必ずしも十分とは言えない状況にあります。
このような中で県は、広島市との二重行政の解消を目指す分野の一つとして、観光振興について先行的に検討を行うことで広島市と合意しておられますが、広島市との連携・協力の課題をどのようにとらえ、その解決のために今後、具体的にどう取り組むのか、お伺いいたします。
三点目は、中国四川省との観光交流・協力の推進についてお伺いいたします。
日本政府による尖閣諸島の国有化を契機として生じた日中関係の悪化により、現在、訪日中国人旅行者数が大きく減少しており、日本政府観光局の調査によると、本年十月に日本を訪れた中国人旅行者は、東日本大震災の影響がない平成二十二年の同月に比べて三三%減となっており、今後も減少が続くことが懸念されております。本県においても、中国からの観光客は昨年は米国に次いで二番目に多く、本県観光産業に与える影響は深刻であるとお聞きしております。
さて、本県は友好交流について、長年の実績である中国四川省との経済交流をなお一層進めるため、昨年六月に中国経済交流プログラムを策定するとともに、昨年八月には広島県と四川省の経済等分野における友好交流を強化することに関する協議書が締結されたところであります。そして、本年五月には広島・四川経済交流事務所を現地に開設するとともに、四川広島企業座談会を開催するなど、積極的に交流を進められております。このような中で、本年五月、日中国交正常化四十周年を記念して、四川省の訪問団が本県に来られ、その歓迎レセプションに私が参加させていただいた際に、四川省の方から、広島県は観光地として大きな魅力があり、今後もぜひ来たいという声もお聞きしております。このため、今後の日中情勢を見きわめる必要もあろうかと思いますが、私は、ぜひ四川省からの観光客の誘致について積極的に取り組むべきであると考えます。
先ほど申しました昨年八月の協議書においては、両県省の観光産業の発展に向け、さらなる観光交流と協力を進めることとし、相互に情報を共有するとともに、観光市場の開拓に努めると示されており、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。
質問の第二は、広島空港の活性化についてであります。
一点目は、広島空港の利用につながる観光施策の充実についてお伺いいたします。
明後日の十二月十三日、岩国錦帯橋空港がいよいよ開港いたします。この空港の開港を契機として、廿日市市の宮島観光協会と山口県の柳井市観光協会は双方の集客力アップを目指して相互に協力し、観光交流事業を開始したとお聞きしております。岩国錦帯橋空港は年間三十五万人の利用が見込まれ、空港からの直線距離が約十一キロメートルの宮島と、約十六キロメートルの柳井市とでは、開港に伴い観光客の増加が見込まれることから、宮島と柳井市の両観光協会が連携・協力して観光客の誘致に取り組んでおられます。このように、岩国錦帯橋空港の開港に伴って、観光サイドが積極的に観光客を呼び込もうとしておりますが、同空港の開港の影響により利用者数の減少が懸念される広島空港においても、観光振興の観点から、もっと利用客の増加に向けて取り組む必要があると考えます。
そこで、県が先頭に立って関係機関と連携しつつ、広島空港の利用につながる観光コンテンツの創設など、観光施策の充実を図っていくべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
二点目は、広島空港への軌道系アクセスの整備についてお伺いいたします。
広島空港へのアクセスの問題については、私はこれまでも本会議等においてたびたび質問してきております。また、昨日も質問がありました。空港リムジンバスについては社会実験などの取り組みがなされているものの、山陽自動車道の代替ルートの確保などの抜本的な対策がなされなければ解決にはつながりませんし、また、JR山陽本線を利用した改善策も検討されておりますが、その実現の可能性や実効性等については明らかではありません。広島空港のアクセスの定時性を確保し、問題を解決するための手段としては、やはり軌道系アクセスの整備が最善の策であり、私は、これまでその整備を一貫して主張してまいりました。
岩国錦帯橋空港の開港に伴う利用者の減少が懸念される今、一刻も早く軌道系アクセスの整備に着手するべきであると考えますが、改めて御所見をお伺いいたします。
三点目は、広島空港周辺地域の活性化について、まず、未利用地活用の取り組み状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
中国地方や海外との交流の玄関となる広島空港とその周辺地域については、本県の発展の牽引役となる重要な地域であります。このため、県は、広島空港が開港する前の平成四年に新広島空港臨空都市圏プランを、また、平成五年には、新広島空港臨空タウン整備計画をそれぞれ策定し、空港周辺地域について計画的に開発を進めることとし、物流機能のほかに産業・研究機能、住宅機能の整備を目指して、工業・流通団地の造成などが行われてまいりました。しかし、残念ながらその進捗状況ははかばかしくなく、計画の見直しや中止といった事業もたくさんあります。また、大規模未利用地や分譲が進んでいない産業団地などの利活用が大きな課題となっております。
本県では、これまで広島空港周辺事業推進協議会等を通じて、空港周辺地域の活性化に取り組んでおられるところでございますが、御案内のとおり、先般、大仙地区において、県有地の貸し付けを受けてメガソーラー事業を行う事業者が内定したという事例も出てきております。
そこでまず、広島空港周辺地域における未利用地の活用について、現在の取り組み状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
次に、新たな振興計画等の策定についてお伺いいたします。
先ほどの臨空都市圏プランや臨空タウン整備計画の策定からおおむね二十年が経過し、社会経済等の諸情勢は策定当時から大きく変化しております。現在、広島空港周辺地域の活性化に向けて、周辺地域の施設の利活用によるにぎわいの創出や、交流人口の増大、未利用地の有効活用などに取り組んでおられますが、これらは非常に対症療法的であるという感が否めません。今、新たな振興計画等を策定して、施策を総合的かつ計画的に推進していくことが求められます。
そこで、広島空港周辺地域の新たな振興計画等を早急に策定し、県を挙げて取り組む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
質問の第三は、農業問題についてであります。
まず一点目は、農業高校における今後の入学定員のあり方についてお伺いいたします。
本県では現在、農林水産局を中心として、農業を持続的に発展させていくため、農業の担い手となる人材の育成に重点を置き、積極的に取り組んでおられますが、本県の農業高校は、これまで本県の農業を担う人材の輩出に貢献してまいりました。このような中で、教育委員会は県立世羅高等学校の農業科の入学定員について、学科改編により、平成二十二年度に新設したばかりの農業経営科二学級を翌年度には一学級に減じました。県内の農業高校全体の定員の推移を見てみますと、平成十五年度は十六学級六百四十人で、その後、世羅高校を一学級減とし、平成二十三年度に十五学級、六百人として現在に至っております。農林水産局が農業の担い手の育成に力を入れる中で、教育委員会は農業高校の定員を減とするのは双方の姿勢が相反するものであると考えます。
そこで、本県における農業高校の入学定員の現状に対する認識と、世羅高校も含め、今後の農業高校の入学定員のあり方についてどのように考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。
二点目は、農業高校卒業者の就農の拡大への取り組みについてお伺いいたします。
県内の農業高校で卒業後直ちに就農した生徒の状況は、昨年度末の卒業生では五百三十八名中わずか九名で、全体の一・七%となっており、その前の数年を見ても、それぞれ五名前後と非常に少ない状況であります。農業の担い手育成に積極的に取り組んでいる本県において、即戦力となる農業高校の卒業生の就農を促進していくことは、非常に重要であると考えますが、そのためには農林水産局や関係機関とも連携して、農業高校の生徒が、将来、農業の道にぜひ進みたいと思うように教育内容のさらなる充実を図るとともに、適切な進路指導等を行うことが必要であります。県内の農業高校は油木高校のナマズ養殖やハチみつ、世羅高校のブルーベリージャム等の地域連携による特産品開発を初め、農業クラブは全国大会では優秀な成績を上げるなど、非常に元気で、頑張っていると認識しておりますが、これらのよい取り組みが卒業後の進路につながっていないというのは非常に残念であると考えます。
そこで、農業高校においては、卒業者の就農の拡大に向けて、現在どのように取り組んでおり、その課題は何か、また、その課題等も踏まえて今後どのように取り組んでいこうと考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。
三点目は、農業のマーケティング力強化に向けた支援についてお伺いいたします。
農産物を取り巻く消費や流通の形態は、人口減少等による国内市場の縮小や外食化の進行、小売等の大型化、そして消費者ニーズの多様化など非常に複雑化してきております。このような中で、持続的な農業を確立していくためには、消費者を初め、量販店、加工業者及び外食産業などの大型需要者である実需者のニーズを的確に把握し、売れるものを生産し、流通関係の情報を把握して適切な時期に市場へ供給していくことが重要でありますが、これらを情報が少なく経験も浅い農家等の生産者が独自に行うのは難しい状況にあります。例えば、生産者が新たに収益性の高い園芸作物への転換を目指そうとしても、どのような作物が消費者や実需者のニーズにこたえられるのか、また、どのような流通ルートを用いたときに最も有利に販売できるのか、生産者だけで市場の動向等をつかむことは非常に難しいと思います。
このため、民間で商品の開発や買い付けなどに携わってきた専門家を活用して、生産者と流通業者、実需者とのマッチングや販路拡大等に対して、適切なアドバイスを行うことが必要であります。このような課題に対応するため、本県では昨年度からアグリ・マーケティング力強化事業を創設し、実需者等のニーズを的確に踏まえた生産者とのコーディネート体制の構築を図り、生産者のマーケティング力の強化に向けた支援を行っておられます。
この事業の実施により、生産者が実際にマーケティング力を身につけて、みずから適切に判断して販路拡大等を行うことができるようにしていくことが必要でありますが、これまでの取り組みの課題をどのようにとらえ、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。
質問の最後は、教育問題についてであります。
まず一点目は、土曜日授業の実施についてお伺いいたします。
本年度の全国学力・学習状況調査の結果では、本県において小学校はすべての教科で全国平均を上回っていたものの、中学校は本年度から新たに実施された理科が全国平均を下回っております。また、高等学校においては、大学入試センター試験の全国平均点以上の得点者数は、平成二十一年度をピークとして伸び悩んでいる状況にあり、本県における学力向上の取り組みに一部停滞感があることも指摘されております。
このような中で、東京、埼玉、福岡などでは、土曜日授業を実施しているとお聞きしております。文部科学省の全国調査では、運動会等の学校行事を除き、土曜日等に教育課程内、すなわち正規の授業を行ったのは、小学校六五%、中学校五六・四%、そして高等学校の全日制普通科では四〇%となっております。また、土曜日等において正規の授業を行った場合、代休日を設けて平日の授業と振りかえるのが一般的で、それではプラス・マイナス同じになりますが、代休日を設けずに土曜日等に授業を行うのは、授業時間数の純増になり、これを年一回以上実施しているのは、小学校五・七%、中学校六・四%、高等学校の全日制普通科では四・一%と、まだ少数ではございます。しかしながら、土曜日授業は京都や大阪などにおいても実施の動きがあり、さらに各地で広がりを見せております。
私は、一部に停滞感も見られる本県の学力向上の取り組みを一層充実させ、さらに飛躍させていくためには、ぜひ土曜日における正規の授業の実施について積極的に取り組むべきであると考えます。また、土曜日に学校に行くことで、児童生徒に規則正しい生活習慣を身につけさせることにもつながるものと考えます。さらに、教員の勤務の問題については、学校週五日制の完全実施前に行われていた、いわゆるまとめどりで夏休み等の長期休業期間中に代替の休日を割り振れば、対応できるものと考えます。
そこで、本県の公立学校の土曜日等における正規の授業の実施状況と、それに対する認識、さらに今後の対応について、教育長にお伺いいたします。
二点目は、生徒指導のあり方についてお伺いいたします。
本県の公立小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は近年増加傾向にありましたが、平成二十三年度は千四百四十一件と、対前年で百二件減少したものの、依然として高い水準にあります。また、全国と比較しても、千人当たりの発生件数は、全国は四・二件、本県は五・二件で、全国より多くなっております。このうち対教師暴力は、平成二十三年度は二百七十四件と対前年で七十五件減少したものの、依然として高い水準であります。
児童生徒の暴力行為については、特に近年、小学校での増加が深刻となっておりますが、児童生徒を指導する際、体罰は学校教育法で明確に禁止されており、教員が懲戒処分を受ける場合もあります。このため、児童生徒が教員に対して、殴れるものなら殴ってみろと挑発することもあるとお聞きしており、これでは教員は萎縮して毅然とした指導ができません。私は、このような状況が果たして本当に子供たちのためになっているのか、甚だ疑問であります。
この問題は平成十八年度に国の教育再生会議でも議論され、その後、文部科学省の通知で示された見解では、体罰はいかなる場合も行ってはならないとしながらも、目に見える物理的な力、すなわち有形力の行使については、その一切が体罰として許されないものではないとしております。また、平成二十一年の最高裁の判例では、熊本県の公立小学校において発生した事件で、男性講師をけって逃げた二年生の児童を、当該講師が追いかけ、胸元をつかんで壁に押し当てる行為が、教育的指導の範囲を逸脱するものではなく、体罰に当たらないとし、教員による有形力の行使が違法とは言えない場合があるとの判断が示されております。この最高裁の判例は有形力の程度が軽微な事例であり、教員による有形力の行使が一律に認められるわけではありませんが、この判例や文部科学省の通知は、従前の体罰に関する基本的な考え方から一歩前に踏み込んだものであると考えます。
近年、対教師暴力がふえているのは、教員が昔のように厳しく指導できないことが原因であるという指摘もあるとお聞きしております。その背景には懲戒処分の問題もありますが、体罰で教員を処分するかどうかは任命権者である教育委員会が判断するものであり、それは個別の事案の状況や子供や保護者との信頼関係によっても変わるものと考えます。
私は、現状を打破するために、文部科学省の通知や最高裁の判例等も踏まえて、教員が勇気を持って児童生徒に対して毅然とした指導ができるよう、教育委員会が一定の基準等を示して、一歩前に踏み込んだ指導を可能にしてはどうかと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
質問は以上でございますが、私は、県議会に参りましてはや十年を迎えました。これまでを振り返ってみますと、印象深いのは、初当選した平成十五年には、まず県議会各会派の大きな再編があり、そして、国連訓練調査研究所、ユニタール・アジア太平洋広島事務所が開設された年でございます。また、当時は市町村のいわゆる平成の大合併が進んでおり、私の地元では平成十六年十月、新たな世羅町が、平成十七年三月には新たな三原市が生まれ、そして平成十八年三月には本県で八十六あった市町村が二十三までに進展いたしました。
県政では、平成二十一年十一月に藤田前知事から湯崎知事へと交代され、湯崎知事は平成二十二年十月に「ひろしま未来チャレンジビジョン」を策定され、おおむね十年後の本県のあるべき姿に向けて、現在、取り組みが進められております。特に、湯崎知事が提唱された「瀬戸内 海の道構想」は、瀬戸内海の多彩な地域資源を相互に連携させて、観光産業を初めとする地域産業の活性化につなげていくもので、その関連として、本年度は大河ドラマ「平清盛」放映に伴う観光キャンペーンの展開や海フェスタの開催などがありましたが、構想の実現に向けた今後の取り組みに期待するものであります。
災害関係では、平成十六年の台風十六号は主に県の東部地方に、また、同年の台風十八号は宮島の世界遺産・厳島神社など県西部地方に、それぞれ強風や高潮などで大きな被害をもたらしました。そして、平成二十二年七月の豪雨災害は、特に庄原市で局地的豪雨により甚大な被害となったほか、呉市や世羅町でも大きな被害となったことは記憶に新しいところでございます。
議会関係では、平成十九年の政治倫理条例の制定、そして、平成二十二年の議会基本条例の制定、さらには本会議における一問一答方式の導入などの諸改革が積極的に進められてまいりました。
さて、現在、県では、今後のあるべき広域自治体のあり方について検討が進められておりますが、この問題はこれからの地方分権改革の進展においては避けて通れないものであり、中国地方だけでなく、四国地方も視野に入れて本県が先頭に立って取り組むよう期待するものであります。私も、これから新たな目標に向かってチャレンジするよう決意したところでございますが、いずれにいたしましても、これまで支えていただきました後援会の皆様方、そして歴代の
議長を初め、先輩、同僚議員の方々、また、歴代の知事を初め、日本一強い県庁を目指しておられる執行部の方々から多大な御支援をいただきましたことに深く感謝申し上げますとともに、厚くお礼を申し上げる次第でございます。
終わりに、本県の今後ますますの発展と皆様方の御多幸を祈念申し上げ、私の最後の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
43: ◯
議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事
湯崎英彦君。
【知事
湯崎英彦君登壇】
44:
◯知事(
湯崎英彦君) 大河ドラマ「平清盛」に係る誘客対策の成果と課題を踏まえた今後の取り組みについての御質問でございます。
本県では、大河ドラマ放送開始の半年以上前となる昨年五月に、市町や観光関係団体と連携して、大河ドラマ「平清盛」広島県推進協議会を立ち上げ、民間プロデューサーや著名人を活用し、強力なプロモーション活動を展開してきたところでございます。こうした取り組みによりまして、宮島や音戸の瀬戸を訪問される観光客は過去最高となったほか、民間の調査において、清盛ゆかりの地としてイメージされる地域で本県が全国一位となるなど、大きな成果が上がっているものと考えております。また、平家ゆかりの地や伝説等を掘り起こすことで、新たな観光ルートの開発や観光ガイドに平家にまつわるエピソードを盛り込むといった取り組みも進んでおりますが、一方で清盛効果の全県的な広がりという点では課題が残ったものと認識しております。
来年は、厳島神社がひろしま菓子博のシンボル展示となることや、デスティネーションキャンペーンに向けて清盛関連の観光資源のブラッシュアップも図ることとしており、今後さらに清盛ゆかりの地としてのイメージを生かしながら、市町や観光関連事業者と連携した観光振興に積極的に取り組んでまいります。
次に、中国四川省との観光交流と協力の推進についての御質問でございます。
四川省は、中国の国家プロジェクトであります西部大開発の中心として、中国国内でも非常に高い経済成長率で急速な成長を続けており、その一人当たりのGDPも大きな伸びを示すなど、巨大な市場として高い潜在力を有する地域でございます。このため、四川省からの観光客の誘致につきましても、昨年八月に締結した経済交流協定に基づき、同省政府観光局の協力のもと、現地での旅行会社向けの観光説明会を始め、旅行会社やメディア招請などの取り組みを行ってまいりました。
しかしながら、観光地としての広島の認知度がまだ高くないことや、上海経由であることによる利便性の問題、旅行価格の割高感などの面で、内陸部の旅行需要に対応し切れていないなどの課題がございます。さらに、昨今の日中情勢の悪化から、予定しておりました博覧会への出展や物産展が取りやめになるなど、積極的なプロモーション活動が困難な状況となっております。当面、四川省から観光客誘致が大きく進む状況にはございませんが、日中関係の推移を見守りつつ、引き続き、広島・四川経済交流事務所を活用した情報収集に努めるとともに、二十八年間の友好提携の中で培ってきた人的ネットワークなどを活用しながら、今後の観光施策のあり方について検討し、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、広島空港の利用につながる観光施策の充実についての御質問でございます。
岩国錦帯橋空港の開港によりまして、県西部の観光地を中心に交通手段の
選択肢がふえ、利便性が高まる一方で、広島空港の利用者については一定程度の減少は避けられない面があると認識しております。
こうした中で、広島空港の利用者をふやすためには、空港周辺の市町を初め、空港利用により利便性が高まる観光地の魅力づくりをさらに進めるとともに、航空路線の就航する首都圏にターゲットを絞った積極的な取り組みを行っていく必要があると考えております。
このため、首都圏を中心に、「おしい広島県」のキャンペーンなどにより、県内の魅力ある観光資源を発信し、インターネット宿泊プランの特設サイトの開設や旅行会社へのツアー造成の働きかけなどの取り組みを行ってきたところでございます。
今後は、旅行事業者とも協力しながら、首都圏へ向けた取り組みをさらに強化いたしますとともに、広島空港と岩国錦帯橋空港を連携させた周遊ルートの造成など、新たな需要の創出にも取り組んでまいります。あわせて、県西部地域と広島空港のアクセス性を高めるなど、空港の利便性、快適性の向上を進め、広島空港の利用につながる誘客促進を図ってまいりたいと考えております。
次に、新たな振興計画等の策定についてでございますが、広島空港を核とする臨空都市圏につきましては、本県発展のための戦略的拠点として位置づけ、これまで交流、産業、研究の拠点などの集積促進に向け、各種基盤の開発整備に取り組んでまいりました。この結果、広島空港は国内線五路線、国際線六路線が就航し、中四国地方で最大のネットワークを有する拠点空港として発展してきていること、周辺地域では情報通信や電子機械産業など先端技術関連企業の集積が進んできたこと、中央フライトロードや東広島・呉自動車道の整備による空港アクセス機能等、交通ネットワークの強化が図られてきたことなど、一定の成果があらわれつつあります。
一方で、長期にわたる景気低迷など社会経済情勢の変化等により、計画と大きく乖離している分譲中の産業団地や先行投資した未利用地の活用が課題となっております。
また、空港周辺地域の活性化には、広島空港のさらなる拠点性の強化も重要であり、航空ネットワークの拡充など空港機能の強化、空港周辺施設の利用促進によるにぎわいの創出などを引き続き推進していくことが必要であると認識しております。
これまで、臨空タウン整備計画等に基づき、空港を生かした交流機能、産業機能等の集積を図り、その整備効果を広く県内外に波及させ、本県の中枢拠点性を高める地域として開発整備を進めてきたところであり、引き続き、こうした課題等に対し、一つ一つ着実に取り組んでいくことが重要であると考えております。
その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。
45: ◯
議長(林 正夫君) 商工労働局長
津山直登君。
【商工労働局長
津山直登君登壇】
46:
◯商工労働局長(
津山直登君) 観光振興に係る広島市との連携及び協力についてでございます。
観光地「ひろしまブランド」の構築を図る上で、知名度の高い世界遺産を有し、県内で最も多くの観光客が来訪される広島市との連携強化は極めて重要であると認識しております。これまでも、主要な観光施策を進めるに当たりましては、役割分担や負担の調整等を図ってまいりましたが、県全体に資する観光振興施策については、より一層連携を強めること、それぞれの観光関連組織の事業内容や対象などについて、その果たすべき役割や機能を再検証して見直すことなどが必要であると考えております。
今後、こうした課題を早急に整理し、より効果的かつ効率的に観光振興施策を展開してまいりたいと考えております。
47: ◯
議長(林 正夫君) 土木局長高垣広徳君。
【土木局長高垣広徳君登壇】
48: ◯土木局長(高垣広徳君) 広島空港への軌道系アクセスの整備についてお答え申し上げます。
広島空港への軌道系アクセスの整備につきましては、広島空港の年間旅客数が昨年度二百五十六万人であり、現時点では鉄道事業としての採算性の確保ができる三百五十万人を下回っている状況にございます。このため、広島県空港振興協議会において、これまで定時性確保のために検討されたさまざまなアクセス改善策について、その課題や効果等を再度検証するとともに、利用者のニーズを把握した上で、白市駅における乗りかえ機能の強化や空港連絡バスの接続の改善など、JR山陽本線を利用したアクセス改善策の検討を行っており、本年度中に現時点で有効かつ実行性のある対策として取りまとめを行うこととしております。
空港アクセスの改善は、航空ネットワークの拡充などとともに広島空港の利便性を向上させる大きな要素であり、広島高速五号線や東広島・安芸バイパス、東広島・呉自動車道などの道路整備の促進に加え、JR山陽本線を利用した軌道系アクセスの強化についても、引き続き取り組んでまいります。
49: ◯
議長(林 正夫君) 地域政策局長中山雅文君。
【地域政策局長中山雅文君登壇】
50: ◯地域政策局長(中山雅文君) 広島空港周辺地域の未利用地活用の取り組み状況と今後の見通しについて御答弁申し上げます。
広島空港周辺地域におきましては、長期にわたる景気低迷など空港開港後の社会経済情勢の変化により、当初の計画どおりに企業の立地が進んでおらず、大規模な未利用地も抱えていることから、その活用が課題と認識しております。
このため、未利用地のうち、空港に隣接した広島臨空産業団地につきましては、昨年度実施したニーズ調査を踏まえ、従来のオフィス用途を見直し、幅広く産業用地として企業誘致に取り組んだ結果、本年九月、第一号となる企業の立地が決定いたしました。さらに竹原工業・流通団地におきましても、十月には三社目の進出企業が決定いたしました。
また、大仙地区につきましては、民間事業者からの要望を踏まえ、メガソーラー事業用地としてその一部を暫定的に活用することとし、先般、事業候補者を内定し、現在、事業実施に向けた協議等を行っているところでございます。
今後、中国横断自動車道尾道松江線や東広島・呉自動車道の開通により空港周辺地域の開発可能性も高まることが期待されることから、未利用地の活用につきまして、こうした社会経済環境の変化や企業ニーズの動向を見きわめながら、鋭意取り組んでまいります。
51: ◯
議長(林 正夫君) 農林水産局長寳来伸夫君。
【農林水産局長寳来伸夫君登壇】
52: ◯農林水産局長(寳来伸夫君) 農業のマーケティング力強化に向けた支援についてお答えいたします。
アグリ・マーケティング力強化事業におきましては、生産者への具体的な実需者情報の提供や、地域別、品目別のきめ細かいマッチングの実施などにより、参入企業等と実需者との契約取引が進んでおります。
しかしながら、個々の事業者では、生産量が少ないため、大口で安定的な供給を望んでいる食品製造業やコンビニエンスストアなどへの販路拡大が進まないという課題がございます。このため、県域キャベツなど産地の連携による安定供給や、生産者が連携した集荷・配送体制の確保などにより、契約取引の拡大を進めていく必要があると考えております。
また、一方で、生産者みずからがマーケティングを含めて経営力を高めていくことが重要と考えており、県が開設するひろしま農業経営者学校において、基礎的な経営力の研修から流通・小売事業者等の協力を得た実践的な販売力の強化に向けた演習など、幅広い研修を実施しております。これらの取り組みを通じ、経営力の高い担い手による生産から販売までが一体となった持続的な農業の確立を推進してまいります。
53: ◯
議長(林 正夫君) 教育長
下崎邦明君。
【教育長
下崎邦明君登壇】
54:
◯教育長(
下崎邦明君) 四点についてお答え申し上げます。
まず、農業高校における今後の入学定員のあり方についてでございます。
本県の公立高等学校におきましては、農業に関する学科を持つ学校は、拠点校二校を含め、六校十五学科で生徒を募集しており、これらの学校全体で将来の農業のスペシャリストとして必要な知識や技術を修得させ、地域産業を担う人材の育成に努めているところでございます。公立高等学校の農業に関する学科の入学定員につきましては、平成二十五年度は六百人で、公立高等学校全体の三・五%を占めておりますが、十年前と比較すると〇・二ポイントの増となっております。
なお、世羅高等学校の農業経営科の入学定員につきましては、平成二十二年度に二十九名の定員割れが生じるとともに、地域の中学校の在籍者数が減少することから、平成二十三年度に一学級減としたところでございます。
教育委員会といたしましては、今後とも、入学者の状況や地域の中学校の在籍者数の増減だけではなく、地域産業を担う人材を育成する観点にも配慮しつつ、入学定員を適切に設定してまいりたいと考えております。
次に、農業高校卒業者の就農の拡大への取り組みについてでございます。
農業高校においては、地域の農業の現状を学び、将来、地域農業の担い手として活躍しようとする志を持つ人材を育成することが重要であると考えております。教育委員会では、平成二十一年度からJA等の農業関係者と連携して農業技術大学校における宿泊研修や高校生担い手育成塾などを実施し、農業の担い手の育成に取り組んでまいりました。これらの取り組みにおきましては、系統的な学習プログラムに基づいた指導が十分に行われていないことや学校と地域農業関係機関等との連携が定期的に行われていないという課題があるものと考えております。
こうしたことから、本年六月に新たに広島県農業教育連絡協議会を設置し、農林水産局、教育委員会及び農業高校等が連携して、担い手育成の体制強化や系統的な学習プログラムの開発などに取り組んでいるところでございます。
今後とも、関係部局などと一体となって、地域農業を担う人材の育成に努めてまいります。
次に、土曜日授業の実施についてでございます。
学校週五日制につきましては、子供の地域や家庭での生活時間の比重を高め、さまざまな活動を経験させ、生きる力をはぐくむことを趣旨としており、学校教育法施行規則において土曜日は休業日とされているところでございます。このことに基づき、県内の公立学校におきましては、授業時数の増加を目的とした土曜日授業は実施していないところでございます。
なお、学校週五日制の趣旨を前提として、授業や学習発表会などを保護者や地域へ公開する場合には、各教育委員会の判断により土曜日に授業を実施できることとされており、本県におきましても多くの学校において実施されているところでございます。
教育委員会といたしましては、高等学校学力向上対策事業や小中学校における学力向上総合対策事業などに取り組んでいるところであり、引き続き、本県児童生徒の学力の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、生徒指導のあり方についてでございます。
教員は、児童生徒が指導に従おうとしない場合においても感情的になることなく、児童生徒に真摯に向き合い、その気持ちを理解しようとする姿勢を持ちながら、間違っていることは間違っていると粘り強く指導することが必要であると考えております。体罰や物理的な実力行使ではなく、このような毅然とした粘り強い指導を積み重ねることにより、児童生徒が規範を守るべき理由をみずから理解し、規範意識が醸成され、より高い教育効果が望めるものと考えております。
教育委員会では、体罰は場合によっては容認されると考えるのは誤りであることを教員に示しており、児童生徒が興奮しているような場合であっても、できるだけ多くの教員で対応し、暴力を振るえないように抱え込むなど、慎重に制止を行うよう指導しております。
今後とも、教員がこうした考え方により毅然とした粘り強い指導を行うよう、市町教育長会議や県立学校長会議、生徒指導主事研修会等を通して指導してまいります。
55: ◯
議長(林 正夫君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後二時四十七分散会
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...