▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(
伊藤美都夫君)ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。
それでは、議案第1号から議案第18号までを一括して議題といたします。
これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
13番
濱辺義孝議員
◯13番(濱辺義孝君)(登壇、拍手)おはようございます。公明党の濱辺義孝でございます。
本日は、公明党会派3人が一般質問させていただきます。
トップバッターとして頑張ってまいりたいと思います。
それでは、通告に従い質問をさせていただきます。
初めに、医療政策、とりわけ
ペインクリニックの設置、骨髄移植の充実について伺います。
平成25年度6月
補正分公明党知事要望において、
県立中央病院に
ペインクリニック診療科を設置することを要望いたしました。
ペインクリニックとは、痛みの治療を専門に行うところです。
私がこの
ペインクリニック診療科を知ったのは、ある壮年の方の相談がきっかけでした。話をよく聞いてみますと、この方の奥さんは元気なとき、自身で
ソフトボールチームに入り、選手として活躍するなどスポーツ好きで元気な人であったそうです。しかし、
急性白血病という血液のがんにかかり入院を余儀なくされ、抗がん剤治療、
自家末梢血幹細胞移植などのさまざまな治療を受け、16年間の長い間この病気と向き合い頑張ってこられました。しかし本年春、治療のかいもなく亡くなられました。
この方が
急性白血病の治療で臍帯血の移植を行った後のことですが、帯状疱疹後の神経痛になり皮膚の炎症による痛み、神経の炎症による痛みを薬で治療を行っていましたが、痛みがとまらず、痛みを和らげるために
ペインクリニックでの治療をお願いしたところ、
県立中央病院には
ペインクリニック診療科がなく治療ができませんでした。この壮年の方は、
ペインクリニックの治療の知識があり効果が期待できることを知っていたため、大変残念に思ったそうです。こうしたつらい経験から、同じような境遇にある患者さんを救うべく、
県立中央病院に
ペインクリニック診療科を設置できないだろうかとの相談を受けたのであります。
私自身も、この診療について勉強させていただきました。
河手真理子医学博士、
麻酔科標榜医、
日本ペインクリニック学会認定専門医。この先生の書かれた本によると、
ペインクリニックは診療科として麻酔科に属しています。麻酔科は、1952年、昭和27年に東大で発足しました。1962年に、東大麻酔科のメンバーであった若杉先生が痛みを専門に扱うチームをつくったのが
ペインクリニックの始まりだそうです。以来、大学病院や総合病院で麻酔科の医師が手術室での麻酔業務をこなしながら痛み治療の専門家として各科では手に負えなくなった難しい痛みの治療に当たってきました。かつては外科医がみずから麻酔をかけて手術をしていたため麻酔科という科自体歴史が浅く、麻酔だけを仕事とする医師の存在価値に対する世間一般の認識も低かったようです。医学部卒業後麻酔科研修を始めても、他の科に移る例が多くありました。そのため、熟練した麻酔科医が
ペインクリニックの重要性を認識して痛みの専門家として仕事する場面も少なく、麻酔科医の中でさえ長い
間ペインクリニックは麻酔の片手間の仕事という程度の認識だったそうです。そのため
ペインクリニックを専業とする医師は少なく、結果として
ペインクリニックの診療科、診療所は非常に少ない状態で、今なおどんな痛みを治せるのか、まだ一般にほとんど知られていないのが現状です。
ペインクリニックという名前を聞いたことのある方でも、治療で亡くなった末期のがんの痛みを
神経ブロックやモルヒネなどを使ってとめることが仕事というイメージを持っている人が多いのではないかと思います。
ペインクリニックは、単に痛みをとるだけではありません。
神経ブロックを使って、もとの疾患を治すこともできます。例えば、神経の循環障害が原因となっている
顔面神経麻痺は、交感神経をブロックすることで血流を改善させ治療します。このような
神経ブロックは単なる一時的な痛みをとめる血流改善とは違って、もとの疾患を治すように働きます。
ペインクリニックでいろいろな疾患を治療することができるのは、
神経ブロックは人間が本来持っている自然治癒力を最大限に生かすように働くからです。これが
ペインクリニックの最大の特徴です。
がんや心臓病などの命に関係する深い病については医師は競って情熱を傾けるのですが、死に直面していない痛みに対しては長い間関心が払われておらず、放置されてきました。多くの医師は、手術や処置が終わったら自分の責任は果たしたと思っています。術後、早期の痛みはともかく、痛みが長引いていると言おうものなら、切ったのだから痛みは当たり前、命が助かったのだから痛みぐらい我慢できるでしょうなどと言われ、ワンパターンの消炎鎮痛薬を処方するだけで痛みについて真剣に考えてくれません。
医師の使命は命を助けることではありますが、今の医師は命を助けることだけに主眼を置かれ、その後の人がどのような生活を送るのかまでは関心が及びません。現場では医師不足、一部の医師への患者の集中などから、命を助ける以外に目を向ける余裕がなくなっています。これだけ細分化して高度に発達した医療を行っているのですから、それはやむを得ないことだと思います。だからこそ、全身のあらゆる痛みの治療を専門とする
ペインクリニックが必要な時代になったと言えます。
さて、冒頭に述べました
ペインクリニック設置に関する知事要望に対し、県からはその対応方針として、「
地域がん診療連携拠点病院としてがん性疼痛について
緩和ケアチームが中心となって入院及び外来患者への診療を実施している。がんの
ペインクリニックを含む
がん医療体制の充実については、現在策定中の
鳥取県立中央病院機能強化基本構想の中で検討する」との回答でありました。
県立中央病院は、
地域がん診療連携拠点病院、
災害拠点病院・
基幹災害医療センターに指定されている病院であります。そのため、さまざまな病気の患者の命を守らなければなりません。その意味で、
ペインクリニック診療科はぜひとも必要だと思います。このことに関してどのような考えをお持ちか、知事に伺います。
また、設置に当たり具体的に見通しはどうか、
病院事業管理者に伺います。
続きまして、骨髄移植について伺います。
県立中央病院では、同系の骨髄の移植はできるが他人の骨髄移植はできないのでしょうか。このことも
急性白血病の治療に関連して相談を受けました。そして県にお聞きしたところ、骨髄移植の実績が足らないためにできないとのことでした。そうであれば、
地域がん診療連携拠点病院として今後どのようにこのことについて取り組まれていくのか、知事、
病院事業管理者にお伺いいたします。
次に、
障害者優先調達推進法について伺います。
この法律は、
障害者就労施設で就労する障害者や自宅で就業する障害者の経済面での自立を進め、国や
地方公共団体、
独立行政法人などの公の機関で物品やサービスの調達をする際、
障害者就労施設から優先的、積極的に購入することを推進するために制定され、そして本年4月よりスタートいたしました。この法律は、障害のある人が自立した生活を送るため就労によって経済的な基盤を確立することを目的としており、このためには
障害者雇用を支援するための仕組みを整えるとともに、障害者が就労する施設などの仕事を確保し、その経営基盤を強化することも必要です。
このような観点から、これまで
障害者就労施設などへの仕事の発注に関し、民間企業を初め国や
地方公共団体などにおいてさまざまな取り組みが行われてきました。この法律は、国や
地方公共団体が率先して
障害者就労施設などからの物品等の調達を推進するように必要な措置を講じることを定めたものです。
この趣旨にのっとり、我が会派では
障害者就労施設などからの物品などの調達を推進するよう知事要望しました。このことに対し、鳥取県ではこの
障害者優先調達推進法で求められている内容を先取りをし実施しているとの回答をいただいたところであります。しかし、確かに調達実績も平成22年度約666万円、平成23年度約1,300万円と増加しているようですが、障がい福祉課のまとめた平成23年度
部局別発注実績額を見ますとゼロの部局もあるようです。平成24年度の実績はまだ取りまとめ中のようですが、どれぐらいの伸びの見込みなのかお伺いいたします。あわせて、平成25年度の調達目標についてはどのような点に主眼を置いて設定されているのでしょうか。法の趣旨にのっとり、調達の推進について全庁的に努力すべきと考えますが、各部ではどのような努力をされているのか、知事に伺います。
公明党では、障害者を支援する法整備の充実を機軸に取り組んできました。就労施設からの製品購入や国や
独立行政法人に促す
障害者優先調達推進法は、自立支援への道を大きく開く画期的な法律です。障害のある子を持つ親から特に喜ばれております。しかしながら、就労施設の規模により発注する物品、仕事が全て受け入れができるかどうかという問題もあります。
私は、障害のある方々を情熱を持って就労支援をされているNPOの代表の方とお話をすることができました。その方が言われることは、この支援は情熱、熱い思いがないとできないということです。受ける側の努力、頑張るぞというエネルギー、各施設によって温度差があると思います。単独で頑張れるところは頑張ればいい。手が足らない大変なところはお互いに施設同士で連携をとり合い、障害のある方々の支援ができるように頑張るべきだとのことであります。福祉だからと初めから単価を安くされるのではなく、頑張っていいものをつくり、いい仕事をやり、できた製品、仕事での価値を評価していただき、それに見合った対価が支払われてしかるべきだと思います。それが当たり前になることが障害のある方々への希望につながる。そして、このようにして頑張ってつくったものを仮称ではあります「持ち寄る福祉市場」をつくり、希望の持てる支援ができたらいいとの理想をお聞きいたしました。私も、ぜひこうした環境の整備が進められてほしいと実感したわけであります。
こうした支援、また自立に向けて頑張っておられる障害者の皆さんの思いにどのように応えていこうと考えておられるか、改めて障害のある方々への支援に関する知事の所見を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)濱辺議員からの一般質問にお答え申し上げます。
医療、福祉関係につきまして、実態に即したお尋ねをいただきました。
まず、
ペインクリニックについて、
県立中央病院で診療科をぜひともつくるべきではないか、どのような考えを持っているのかというお話でございます。
ペインクリニックはまだ新しい診療科だということでございますが、もともとは御案内のように麻酔科から派生をしてきたわけであります。人間は、生きていて非常な痛みを伴うことがあります。特に絶えがたいものの一つががんによる痛み、疼痛であるというふうに言われます。私も近親者をがんで亡くしたことがございますが、その痛みの状況を見ていますと、これだけ体力が弱っているのに痛みが追い打ちをかけるということのせつなさを感じたものでございます。そういうような末期的な症状に対するいわばその道筋をつけるといいますか、少しでもそれを緩和してあげるというような痛みに対する対処もあるかと思います。
また、痛みをとるということで、結局痛みというのは大変な刺激を与えるわけでありますから極度な緊張を体に与える。先ほど顔面神経痛とかの例がございましたけれども、そのような派生的な症状にも影響することがございまして、そういう意味で痛みをブロックすることによってそれで治療ということ自体にも踏み込める。そういうこともございまして、
ペインクリニックという手法が重要視されるようになってきました。
県内でも日赤病院や智頭病院、さらに博愛病院や
鳥取大学附属病院など、こうした方面で診療科をつくっておられるところがございますし、鳥取市内でも
鳥取ペインクリニックさんがあったり、境港でも専門の診療所があったり、そのように麻酔科から派生をして
ペインクリニックとして開業されるお医者さんも、ぼちぼちではありますが県内で出てきているところでございます。
県立中央病院での実際の例をお引きいただきました。非常に残念なことだなというふうに思います。今、日赤病院と
鳥取県立中央病院との役割分担を見直しながら、地域の中核的な医療機関として中央病院をさらに大きく力強く育てなければならない、そういう検討をしているところでございます。ぜひ濱辺議員がおっしゃるような趣旨に応えられるように、
ペインクリニックの診療科を設ける方向で検討をしてみるように、現場のほうには申し上げたいというふうに思います。
私も実際入院していましたので、実は
ペインクリニックの資格を持っている人の顔も見えるわけでありますが、それはいいお医者さんです。随分と自分自身も助けられた思いもございますし、技術もあれば人と接する能力もありますので、そうした現場の方が活動しやすいような環境を人的にも物的にも整えながら、そうした診療科にも対処できるような体制を今後の検討の方向性の中で見出していければと考えております。
次に、骨髄移植についてお尋ねがございました。
地域がん診療連携拠点病院としてこうしたことに非血縁者間でも取り組むべきではないか、こういうお尋ねでございます。
これも全く同感でございまして、こういう非血縁者間での骨髄移植が対応できるのは県内では
鳥取大学附属病院、それから米子の
医療センターでございまして、東のほうにはそうしたものが現在はないという状況でございます。
実はこれは血液のがんと大いに関係をするわけでございまして、そういう観点からしますと、東部でこういう血液のがんに対処できる能力を持っているのは中央病院でございますから、中央病院がそうした根本的治療に向かえるように体制を整えてあげる必要があるというふうに思います。この骨髄移植は、実際治療を受けられる方も大変な思いをして治療を受けられるわけですね。いわば自分の骨髄の部分を抜いてしまって、そしてよその方の骨髄を今度は注入をする。そういうことでありますので、大変な苦しみの中で受ける治療でありますが、根本治癒につながるものであります。そうした体制をとれるように、これからよく関係者と調整をする必要があるかと思います。
実は、最大の障害になっていますのは
骨髄バンク、要はドナーから提供されるものを移植するわけでありますから、その
骨髄バンクの基準がその厳密さのゆえにどこでも治療できるということにならないわけでございます。
骨髄バンクさんのほうの提供基準としては、やはり経験を積んでいる病院であるとか、そうした客観的な数字を求められるわけでございます。例えば、過去3年間で10件以上症例がないといけないということが非血縁者間での骨髄移植の前提条件とされるわけであります。ただ、鳥取県はそんなに人口が多いわけではございませんで、症例がどうしても人口の希薄さと影響するわけでありますから、それほどの症例がないわけですね。そうしたことなどがございまして、これがボトルネックで、やりたいのですけれども非血縁者間での移植ができないという実情があります。
ですから、最近こういう血液内科のお医者さんも現場ではふやしてきておりますので、症例を何とかふやしていくようなことの工夫を何らか考えてみて、この基準さえクリアできれば技術的には可能だと思いますので、実現に向けて一歩ずつではあろうかと思いますが歩みを進めることとさせていただきたいと思います。
次に、
障害者優先調達推進法につきましてお尋ねがございました。
平成25年度の調達目標について、どんな点に主眼を置いて設定されているのか、各部でどんな努力をしているのかというお尋ねがございました。それから、障害のある方々への支援についての考え方やいかんというようなお話がございました。
この2つの点でございますけれども、県庁の中で今計画的に、実はそれぞれの部局ごとに目標を設定しまして、その達成を求めるといういわば
PDCAサイクルを回すような形で全庁的に引っ張ろうということをしています。濱辺議員もおっしゃったように、この分野は鳥取県は若干よそよりは前に踏み出してこれまでもやってきました。後段のほうにもかかわりますけれども、障害者の方の作業所でやっておられる仕事の成果、この
クオリティーを上げていくことがやはり大事なわけですね。それは所得の3倍増、工賃3倍増の計画をつくりまして、なかなか高過ぎるハードルかもしれませんけれども、それに向かっていこうとしたら、今1万5,000円レベルだとかそういうように従来よりも大分上がってきたというのが現状であります。その背景として、障害者の方の通われる作業所にうちのほうの
振興センターがさまざまな技術的な支援をしたり、あるいはパッケージをデザイナーと一緒に考えるようなことをやってみたり、商品開発に当たっての支援をしたり、また私どものほうでもハートフルサポートをしようという無利子の融資制度、あるいは新商品開発に対する補助制度、こういうものを先導的にここ数年間投入をしてきました。
大分クオリティーが上がってきているわけですね。
例えば、和貴の郷さんというところでスパイシーくんというお魚の加工品ですね、こうしたものをつくっています。例えばカナガシラと言われるようなちょっとほかでは使っていないようなものを、漁協の人がこれを何とか使えんだろうかと。こんなようなことで商品開発できないかなということでやったりしています。
築地の本願寺のところでありましたハタハタのフェスティバル、秋田県との
対決イベントにも一緒に行きましたけれども、飛ぶように売れていました。ハタハタの処理技術、加工技術も大したものであります。恐らく買われる方は障害者の作業所でつくっているとは多分思わないわけでございまして、こういうふうになれば要は通常の会社と同じような収益が上がるようになりますので、工賃も上がってくる。勢い官公需にも当然ながら対応してくるということだと思います。根本はこの部分ではないかと思っていまして、そうした障害者の就労支援ということを一つの基本として、これまで本県でやってきました。
そういうこととあわせまして県内での官公需調達、この促進にも努めてきまして、大体5年前ぐらいからしますと3倍以上に県庁の中の調達実績が上がってきています。1,700万円レベルぐらいに今なっているわけでありますけれども、こういうことをさらに市町村にも波及をさせようとしておりまして、今、日野郡のほうで共同でこうした調達をやろうではないかと。
障害者施設の調達をやろうではないかということを始めました。例えば草刈りでありますとか清掃でありますとか、そうしたことを障害者の組織に委託をすることを県や町共同でやるということも始めております。
県庁の中での具体的な取り組みとして新しいいろんなサービスがございますし、従来からあるような障害者の方の施設のサービスもあります。その情報を共有をしまして、各部局で取り組んでもらおうということにいたしております。
そういう中で、例えば先般、天皇皇后両陛下が行かれました大山の自然歴史館がございますけれども、あそこのところでは清掃活動、清掃業務は柿木村共同作業所のほうに委託をしているわけです。障害者の施設のほうで年間契約で受けてもらえるようになっていたり、こういうふうにそれぞれの地域で可能な部分を障害者の事業所のほうにお願いをするようにしております。
ただ、議員も御指摘のように、まだ余り実績のない部局もあります。そういうところでは、何で名刺をつくることだけでも頼まないのかなとか思えるところもございまして、これは個別にこれから目標を達成できていないところをチェックをしながら、レベルアップを図ってまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、
あいサポート運動をやっております鳥取県らしく、障害者の方の参画が図れるようにさまざまな手法でアプローチしていきたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
柴田病院事業管理者
◯病院事業管理者(柴田正顕君)2点御質問いただきました。
まず、1点目ですが、
ペインクリニックについてであります。
県立中央病院において、
ペインクリニック診療科はぜひとも必要だと思うけれども、設置に当たり具体的な見通しはどうかというのが第1点目のお尋ねでありました。
まず、議員がお触れになられました臍帯血移植後の治療中に帯状疱疹等を併発されて、さまざまな痛みと闘われながらお亡くなりになられた患者様に対しまして心より御冥福をお祈りいたしたいと存じます。
まず、中央病院の現状を申し上げますと、中央病院には現在麻酔科医が5名おります。そのうちの1名は、
日本ペインクリニック学会の認定専門医でございます。そうしたこともございまして、以前は外来診療として
ペインクリニック治療を行っていたということもございました。ただ、圏域のほかの医療機関で
ペインクリニックが充実されてきたこと、それから一方で
中央病院自身が救急医療を受け持っているわけですけれども、年間の手術件数が3,000件を超えるような状態になってきた。しかもこれは年々増加傾向にあるわけでございますけれども、そういったことがございまして、そういう状況の中で5名の麻酔科の医師の業務を手術のほうにシフトしてきたということがございます。そのために
ペインクリニックの外来診療を今一時休止をしているということで、現在に至っているということであります。
ただ、議員が御指摘になられましたように、治療の中で疼痛を緩和する
ペインクリニックというのは非常に重要であるというふうに認識をしております。現時点で今後具体的な設置の見通しをお示しすることはなかなか難しいのですけれども、今後中央病院の機能強化を検討していく中で、こうした
ペインクリニックに対する対応、あるいはその手術件数の増あるいはがんの
疼痛緩和医療、こういったことも含めて麻酔科医師の充実について全体として検討していきたいというふうに思っているところでございます。
2点目であります。骨髄移植について御質問いただきました。
県立中央病院では、他人からの骨髄移植は移植の実績が足りないためにできないとのことであった。もしそうであれば、
地域がん診療連携拠点病院として今後どのように取り組んでいくのかというお尋ねであります。
白血病などの血液難病の治療の一つとして骨髄移植があるわけでありますけれども、この骨髄移植は骨髄の提供者によって兄弟姉妹等の血縁者から受けるものと、それから
骨髄バンクから非血縁者の骨髄の提供を受けるケースと2種類あるわけであります。
骨髄バンクから非血縁者の骨髄を提供していただいて移植をするためには、病院として
骨髄バンクの認定を受ける必要がございます。その認定の条件として、病院として過去3年間に10例以上の骨髄移植の実績があることなどの要件が定められているということであります。これにつきましても現状を申し上げますと、
骨髄移植そのものについては現在の中央病院の血液内科のドクターなどのスタッフで技術的には対応が可能であります。しかしながら、血縁者からの移植の実績は過去3年間で5例あるわけですけれども、これが基準を満たしていないということで、
骨髄バンクからの提供が受けられていない状況が現状でございます。
この要因を考えてみますと、なぜ実績が上がらないかということでありますけれども、中央病院では高齢の患者さんが比較的多いわけでありますけれども、この高齢の患者さんの兄弟姉妹の方、つまり血縁者の方がありましても、それらの方々が心臓病などの病気を有しておられる場合に移植に危険が伴います。そのために、なかなか実施件数が伸びていかないということも要因の一つとしてはあるようでございます。状況はこのような状況であるわけですけれども、東部地域で骨髄移植ができるのは現在中央病院だけでございますし、血液内科の専門医もこの春から3名から5名にふやして体制も徐々に充実してきております。そうしたことを踏まえて今後一層実績を上げていくように、中央病院でも非血縁者からの骨髄移植が可能になるように、現在の診療体制の維持充実を含めて基準を満たすように努力をしていきたいというふうに考えておるところであります。
◯議長(
伊藤美都夫君)13番
濱辺義孝議員
◯13番(濱辺義孝君)それぞれ答弁をいただきました。
それでは、続けて質問をさせていただきます。
初めに、
ペインクリニックの診療について再度質問させていただきます。
今回、私がお話を伺った壮年の方ですけれども、中央病院にお願いしたときに、要はそのときに中央病院から鳥取赤十字病院を紹介され、その
ペインクリニックのお話を聞きに行かれたそうです。そしてそのお話を伺われて、要はもし鳥取赤十字病院で
ペインクリニックをするのであれば病院をかわらなければいけないということで話がありましたので、今回その
ペインクリニックの治療を受けられなかったという背景がありました。
先ほども本問で私自身が話をさせていただきましたけれども、やはり私自身がまだまだ多く勉強しなくてはいけないことはあるのですけれども、この
ペインクリニックの診療というのはかなり幅広い治療が期待できるというところから、これは必ず必要ではないかということで今回質問させていただきました。
それで、今
病院事業管理者のほうから話がありました。要は、今その中で1人
ペインクリニックの専門医がおられる。今まで救急病院とか医師不足で、また看護師不足で手が足らないからということで、手術とかそういう方面に人がとられてしまっている。この
ペインクリニックの診療科が設置できるまで、何とかその方にそれまでの
間ペインクリニックの診療をしていただけないか。このことをまた改めて
病院事業管理者にお伺いいたします。
そして、もう1点は骨髄移植について伺います。
県立中央病院では骨髄移植ができないと聞いたときに、正直私自身はびっくりいたしました。自分自身に知識がなかったからかもわかりませんけれども、やはりがんが今成人病の中でも、また、私の身近なところでも
急性白血病の患者さんというのはふえてきております。そんなに多くはありませんけれども、ちょくちょく耳にすることがあります。
県立中央病院という立場を考えたときに、えっという感じがいたしました。
それで、今回この方も要は
県立中央病院でできないので、
県立中央病院の紹介もありましたけれども、結局はネット等で調べて実績の多い島根の病院で臍帯血の移植をされたという経緯になります。本当に先ほど
病院事業管理者のほうからも言われましたけれども、この病院の機能強化の基本構想の中で、私はしっかりとこれは取り組んでいただきたい。今、答弁いただきましたように取り組んでいただきたいと思います。もう一度、今後のスケジュール感も含めて、
病院事業管理者の所見を伺いたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
柴田病院事業管理者
◯病院事業管理者(柴田正顕君)再度の御質問をいただきました。
まず、
ペインクリニックについてであります。必要になった場合に、
中央病院自身の機能強化も必要であるし、それから場合によっては他の医療機関からの応援も含めて体制づくりができないかというお尋ねであったかと思います。
議員が触れられましたケースで、中央病院から日赤病院へ紹介した患者さんがおられたということでありましたけれども、当時、日赤のほうで
ペインクリニックを充実されていたということもございましたでしょうし、また、先ほど申し上げたように中央病院で
ペインクリニックに対応できないというわけではないわけでありますけれども、現実的に多くの手術の対応が必要であって、なかなか手が回らなかったということも背景にあったかもしれません。
ほかの病院との病病連携、病診連携の中でその体制づくりということですけれども、これについては
ペインクリニック以外に現実にやってきておる分野が現在でもございます。例えば中央病院の整形外科の医師が他の医療機関に出かけていって治療を行うですとか、あるいは人工腎臓の専門家に来ていただいて透析を診ていただくとか、そういう病病連携、病診連携の例は現在でもございます。
ペインクリニックの治療について、入院中の患者さんに対して他の医療機関から医師の派遣を受けることはできないかということについてでありますけれども、中央病院の医師が手術等の対応のため
ペインクリニック治療ができない、手が回らないような場合に、そうした患者さんに対して必要に応じて
ペインクリニックの診療援助が他の医療機関からいただけるように、具体的に話を進めていきたいというふうに思っております。
一時的にはそういう対応でいいと思うのですけれども、継続した治療が必要な患者さんもおられると思いますが、そういった患者さんに対しては、やはり高度医療を目指す中央病院として自分の病院の患者さんの治療はやはり自分の病院で完結できるという体制づくりが一方では必要ではないかと思っておりますので、先ほども申し上げましたけれども、中央病院の機能強化を検討する中で麻酔科医の充実を図って、その中で対応していくこともあわせて検討していきたいというふうに思っております。
骨髄移植についても重ねて御質問をいただきました。非血縁者間での骨髄移植の認定基準でありますけれども、2つ実はございまして、過去3年間の10例以上の移植実績を持つこと、または過去1年に4例の実績かつ過去に10例以上の移植の経験を有する医師が1名以上いることという2つの、またはですけれども、orの関係ですが、どちらかの条件を満たす必要がございます。
現在、中央病院には過去10例以上の移植経験を有する血液内科の医師は在籍をしております。したがいまして、条件の一部は既に満たしておるわけであります。問題は、病院としていかに実績をあとは積み重ねていくかということが残っているわけであります。さまざまな難しい状況はあるわけですけれども、東部地域で骨髄移植を実施しているのは中央病院だけでございますし、今後内科医もさらに充実を図りながら、体制整備も含めて実績が何とか上げられるように努力をしていきたいというふうに考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)13番
濱辺義孝議員
◯13番(濱辺義孝君)今回の
ペインクリニックの設置、それから骨髄の移植についてでありますけれども、病院においては医師また看護師不足とかさまざまな課題があると思いますが、病院にかかる方々の、要は患者さんの立場になって、先ほど答弁いただきました
県立中央病院の機能、基本構想の計画を十分に行っていただきたいと思います。これは強くお願いしていきたいと思います。
ペインクリニックの治療に関しましては、これは早くすればするほど効果はかなり期待できるそうです。時期がおくれれば、
ペインクリニックの治療をしても効果は期待できないという話もお聞きしました。しっかりとこの辺の検討をよろしくお願いいたします。
続きまして、
障害者優先調達推進法について重ねて伺います。
障害者優先調達法の推進のために、NPO法人鳥取県障害者就労事業
振興センターに官公庁からの発注の掘り起こしや注文に対する振り分けなどを行う共同受注窓口担当をことしから設置したとのことであります。このことは、まだ設置後間がないところではありますが、どのような効果があるのか。あるいはどのような効果がこれから見込まれるのか、知事に伺います。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて障害者の就労につきましてお尋ねをいただきました。
共同受注窓口につきましては、福祉保健部長から詳細をお話申し上げたいと思いますが、先ほど申しました障害者就労事業
振興センターについては、これまでも例えば作業所でつくられる商品の販売力強化を目指すとか販路開拓をやる、共同受注を考える、こういうことをやってきました。その一環として、今回、国の法律も通ったということもございますが、このたびは官公需のところ、市町村や県のところでの共同受注を目指して紹介をしようということをやっています。例えばこういうような商品がありますということや制度の説明、国のほうでできた制度がございますので、そうしたことを徹底して市町村にも申し上げていこうということで、早速回り始めているところであります。
先ほども申しましたように、例えば日野郡であればそれぞれの町も問題意識があって、ノウハウを持っている県と共同して共同受注をやろうということをやってきた先例もございますが、そうしたことを全県的に広げていきたいというふうに思っております。
◯議長(
伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。
松田福祉保健部長
◯福祉保健部長(松田佐惠子君)それでは、鳥取県障害者就労事業
振興センターにつきましての補足の御説明をさせていただきます。
このNPO法人鳥取県障害者就労事業
振興センターにつきましては、平成16年に設置をしております。その中でさまざまなマッチング等の、あるいは啓発の事業を実施していただいておりますけれども、このたび、平成25年度4月には担当職員の2名の方を共同受注窓口担当ということで配置をしたところでございます。
実は、今までそれぞれの事業所が発注を受けましても、ここの事業所1つではこんなにたくさんのものは受注できない、用意できないというふうなことだとか、ここでは組み立てはできるけれどもその組み立てになるもとのところは作成できないというふうなことの問題を抱えておりました。そのことの解消、大量受注に対応するマッチングでありますとか発注の相談、仕事の提案などというものをこの窓口の方々にお願いをしたり、その企業あるいは
地方公共団体それぞれとのマッチングをしていただくというふうな役割を担っていただいております。この方々は、市町村だとか企業に出かけていろいろな周知をしていただいているところでございまして、まだ4月に設置をさせていただいたばかりですので、成果というものがあらわれるのはこれからだと思いますが、少し例を申し上げますと、例えばNPO法人のふたばの里という作業所が鳥取市の雲山にありますけれども、そこで鳥取県の発注でございましたけれども、お土産品として風鈴をつくってもらえないかというふうなことがありました。そこでは風鈴自体はつくれませんけれども、県外の事業所から風鈴のもとになるパーツを発注しまして、それを組み立てるようなことであればできるというふうなことで、県としてはそこを通して買わせていただいたというふうなことがございます。こんなように、今まで少し困難だというふうなことの印象がございましたけれども、この窓口の方々のマッチングによって、より使いやすい施設での品物の発注といいますか受注といいますか、そういうことが進んでくるのかなというふうに思います。窓口を設置しましたことから、官公庁のみならず民間企業に対しても積極的に営業などに伺ったり、障害者の就労施設への発注が増加するように今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)13番
濱辺義孝議員
◯13番(濱辺義孝君)答弁をいただきました。
それで、今回本問でも紹介させていただきました就労支援をされているNPOの代表の方にいろいろ話を伺いました。そしてその方は非常に気持ちの熱い方で、支援するのに対して、要は受ける側も努力をしていかなければいけない。その方は県外に出て仕事をとってきたりとか、いろんな人脈を通して仕事を探している。また、その方は思いを持って、いろんな障害の方があるのですけれども、やはり作業のできる方に対して熱意を持って指導されている。たまには叱るときもあるそうですけれども、本当に思いを持って、心を持ってその方は当たっておられる。そうしたときに、一生懸命されるそうです。そして、一生懸命されて、例えば花瓶を敷くような台があると思うのですが、一つの木を磨いて磨いて磨き込んで、ニスを塗ってぴかぴかにして、そして展示会で売れたときにその障害者の方が喜んだというのですね。自分のつくったものが売れたという喜びを感じられたそうです。それを見たときに、自分自身も非常に強い感動を覚えたという話をお聞きしました。
私自身が思うには、そういう作業所の方々の努力、そして今紹介がありました共同受注窓口の担当者の方といいますか、県としても先ほど言われました目標を持ってそういう自立のために取り組んでいく。だからここがしっかりと連携をとり合ってお互いに努力していくという姿勢が、この障害者の方々への支援に対して非常に必要ではないかということを感じました。
確かに規模が大きいところと小さいところがあります。だから難しいところは助けてあげる、お互いに連携をとって助けてあげるという、お互いに頑張ろうねというそういうきずなが必要ではないかと思いました。本当にいろいろ障害があるかもわかりませんけれども、しっかりと県としてこれからも取り組んでいただけたらと思いまして、私の質問は終わらせていただきます。
◯議長(
伊藤美都夫君)続きまして、14番澤紀男議員
◯14番(澤紀男君)(登壇、拍手)おはようございます。公明党の2番バッターになりますので、どうかよろしくお願いいたします。澤紀男でございます。
それでは、通告に従いまして質問をいたします。
まず、がん対策について質問をいたします。
国においては平成19年にがん対策基本法が施行され、それに基づくがん対策推進計画が策定をされました。鳥取県では、昭和57年以降がんは死因の第1位で全死亡の3割を占めており、平成22年には年間死亡者が2,000人を超えたとの報告があります。がん患者を含めた県民ががんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会を目指し、平成20年度から24年度まで鳥取県第一次がん対策推進計画が策定され、第一次計画が終了しました。そして、本年4月から新たに第二次となる鳥取県がん対策推進計画がスタートしております。
そこで、まずこの第一次のがん対策推進計画について、知事の所見をお伺いします。
また、県は教育現場での出張がん予防教室を昨年から行っていますが、教育長はどのように評価され、今後の展開についてのお考えを伺います。
私は、ことしの5月に開催された「「がん政策サミット2013」~県計画の好事例を共有し実践していこう~」に参加する機会を得ました。がん政策サミットは、よりよいがん対策に取り組む人々が全国から集まり、患者、議員、行政担当者、医療提供者、民間、メディアが六位一体で知恵を集める場で、今回は第二次となる47都道府県のがん対策推進計画について、11の分野についての都道府県の設定目標と具体的施策を読み込み、日本中の好事例や創意工夫を共有することで新5カ年計画の共同作業の実践と患者のための成果の実現に役立てようとの目的で開催をされました。
会場では、各セッションごとに患者関係者からそれぞれ好事例と思われる県の施策をがん予防、小児がん、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進、がんに関する相談支援と情報提供など11分野についての好事例を発表。それに対する行政関係者からの取り組み状況や課題について率直な意見交換が行われました。患者サイドに立った視点での取り組みであり非常に参考となる事例も多くあり、がん対策の進んでいる県としてお隣の島根県が何度も紹介をされておりました。
主催者の日本医療政策機構、市民医療協議会、がん政策情報センターが47都道府県別に各県のがん対策の現状をアンケート調査し、都道府県別がんカルテ2012を発表しております。その中で、各都道府県が行っているがん対策推進のための広報について感じることがあります。県のがん対策に関する施策や取り組み状況など、県民にがん対策を周知し問題意識を深めるためにも、県のホームページの開設の仕方で認知度へ大きな差が出てくるのではないかと感じています。
そこで、1、鳥取県のホームページにがん対策の専門サイトが開設をされておりますが、県民からの視線での見やすさ、わかりやすさ、またサイトへのアクセス状況についてどのような評価をしているのか伺います。
2、がん対策の重要性を示す上でも、専門のウエブサイトを県のホームページのトップに開設すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。
3、がん対策を推進していく上で、がんの現状に関する県民への独自の調査をすることも必要と思いますが、知事の所見を伺います。
4、県のがんの現況に関して、県による独自の患者満足度調査を行うことも必要と思いますが、あわせて所見を伺います。
これからいろんな食のイベントがあろうかと思いますし、PRの機会があろうかと思いますが、鳥取の地鶏を新甘泉、あるいはオレイン55とあわせて戦略的な中心に位置づけてまいりたいと思います。
次に、中小家畜試験場での雄鶏の斉一化につきましていかがかということでございますが、これは詳細は農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
今、既に第8世代まで順調に仕上がって、だんだんと固定化が進みつつあります。目標としては11世代までいけば鶏というのは固定化されるという実務になっておりまして、もう一息のところまでやってきているということで御理解いただければと思います。
次に、ひな鳥の生産拡大、それから飼育農家の確保等々の課題がございました。これらも詳細は農林水産部長のほうからお話を申し上げたいと思います。
現在の中小家畜試験場である程度のことはできると思いますし、先般も拡張しましたし、それでなるべくやっていきたいというように思いますけれども、長期的に見れば別の体制を模索する時期も来るかもしれません。ただ、現状を申しますと、生産に1羽当たり500円かかっている。これを生産者の保護ないしそのブランドの確保のために、他産地の地鶏並みに1羽当たり110円でお分けしなければ要は市場での競争力がなくなりますので、育たないということになります。ですからここに最大のボトルネックがございまして、単純に経営を切り離していけるかというと、そうするとたちまち赤字操業になってしまいますので、こうやってだんだん増羽されて鶏の数がふえていって、そしてペイできるようなかなり大きなロットになって初めて110円がおのずから達せられるということでございます。ですからある程度は現状のやり方を踏襲しながら、できるだけ多くの方々にできるだけ多くの鶏を育てていただけるように働きかけをしながら進んでいくということかというふうに思っております。
◯副議長(稲田寿久君)補足の答弁を求めます。
西山農林水産部長
◯農林水産部長(西山信一君)3点につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
まず、1点目が種鶏の固定化についてでございます。
知事のほうからもございましたけれども、現在第8世代という段階になっております。実際、試験のスタートは平成16年からスタートしておりまして、目標年度を平成27年というふうにしておりまして、12年間の試験でございます。現在第2の選抜期間ということで、平成24年度から最後の仕上げの27年度に向けた試験を行っておるところであります。現在、選抜は計画どおり進んでおりまして、もも肉なり胸肉なり産卵率なり、予定どおり向上が見られているところでございます。
次に、ひな鳥の生産拡大に関してでございます。これにつきましては、現在生産者のほうの増羽の計画というのが一通り体制ができたというところで、先ほどもございましたように2万羽に向けての生産体制が整えられたというところでございます。当面は、現在中小家畜試験場に整備をいたしましたひな鳥の生産体制でいけるというふうに考えておりますけれども、また将来飼養羽数が拡大をしていきますと、次の対策を検討する段階が来るのは間違いがないということがございまして、その段階に向けて今後も生産者の意見をよく伺いながら、体制の検討を進めてまいりたいと考えております。
3点目で飼育農家の確保、増羽にどういうふうに取り組んでいくのかということでございます。
議員のほうもおっしゃいましたように、一つは販売先をどういうふうに確保していくかという出口の対策をやはりまず考えていくということが大事だと思います。大山どりさんのほうでは、大手の食肉卸を使って販売拡大というふうな体制をとっておられますけれども、なかなか小口の生産のほうではそういう販路拡大というところがネックになっているところがございます。
今後は生産の増加に伴いまして、現在は食肉の卸さんには供給をしておりませんけれどもそういうところを開発をしたり、それから販売店舗をふやしたりというふうな拡大、県外での拡大をこれから進めていきたいというふうに考えておりまして、本年度、県の緊急雇用創出基金を活用いたしまして、鳥取地どりピヨの販売拡大を進めていくいわば販路開拓員を協議会のほうに設置をするという計画にしております。
また、生産のほうも智頭町の楽粹さんなり鹿野地鶏さんなり、これからの増羽の計画もございまして、それにつきましては必要な施設を整備するに当たっての支援ということを引き続きやってまいりたいというふうに考えております。
◯副議長(稲田寿久君)34番銀杏泰利議員
◯34番(銀杏泰利君)それでは、漫画につきまして引き続き質問をさせていただきたいと思います。
元老院についてお話がございまして、まんが王国とっとり国づくり構想を年度内につくっていくのだということだろうと思います。この世界は非常に流れが速い世界ですので、年度内にこうした構想をつくるということは大変大事なことで、ぜひやらなければいけませんが、構想をつくってこれで解散ということにはならないだろうかなという心配をしておりまして、やはりこれはもうしばらく継続していくようにぜひすべきであるというふうに思いますので、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
地域づくりの観点で質問をしたいと思います。知事からも拠点ということで言及がありましたけれども、水木しげるロード、それから九州のほうで温泉で成功した湯布院というところがあります。それぞれ行って私が感じたことは、小さな施設や宿に例えば漫画とか温泉を閉じ込めているのではなくて、施設の外にそうした漫画とか温泉を広げていっているというのが成功した原因ではないかなと。その地域に行くと町やその場所全体がそうしたことになっておりまして、訪れた人はその雰囲気を満喫ができる。それが人気となっているというのだろうと思っています。
これは燕趙園などについても参考になるのではないかというふうに思っておりますけれども、以前、韓国の江原道に行ったときに漫画というかアニメの展示施設を視察してきました。何もないというか、余りそういう雰囲気がないところにその展示施設だけがあって、中身はなかなかよくできたすばらしいものなのですが、何かその地域に溶け込むような感じがなくてそこだけ別世界のような感じで、余り印象に残らなかったなというふうに思っております。その漫画なりの世界がその地域に広がるとか、そうした地域になっているというふうにしていかないと、その場所だけだといずれ飽きがくるのではないかというふうに思いました。
ちょうどとっとりフロンティア2013に盛り込まれております地元と連携した漫画、アニメの拠点整備・充実というのがございますけれども、そこに出てくるのがコナンワールドとか谷口ワールドという、そうした表現自体はこうした意味なのかなというふうに自分は思って期待をしております。
いろいろあちこちも出かけてきまして、杉並に杉並アニメーションミュージアムというのがありまして、これも見てきました。また、練馬のほうは漫画アニメの制作会社、産業が日本一の集積だということで、これも何とか活用したいということで考えておられるようでしたけれども、その練馬区にも行ってきました。ただ、それぞれの東京の区の町並みに漫画やアニメの雰囲気は全然感じられませんで、あの辺は土地柄が住宅の密集地であったり商工業の密集地になっておりますので、アニメで地域づくりというのはなかなか難しいのだろうなというふうに感じて帰ってきました。その点、鳥取は決して東京の杉並や練馬には負けていない。よほど鳥取県のほうが地の利がある、可能性に富んでいるというふうに自信を持って帰ってきました。
一方、都心から離れると、漫画、アニメを活用したまちおこしをしている地域があります。埼玉県飯能市は漫画とアニメの「ヤマノススメ」の舞台となっております。お手元に議長の許しを得まして置いておりますのがそれのマップです。主人公の女子学生が山登りをしていくという設定なのですが、巡礼スポットの紹介とか探訪マップの紹介など市役所も巻き込んで取り組んでおります。行政行事としてウオークラリーなども行ったり、なかなか半端ではない取り組みです。市役所のホームページにはこのアニメの特集ページがありまして、マップがダウンロードできるようになっておりまして、それがこのダウンロードしたマップであります。こういうふうな取り組みもしているところもあります。
山陰、鳥取でも「古事記」の古代神話を題材にした漫画「女神十神」が途中でありますがつくられております。主人公は米子の高校生で、その幼なじみが稲田美姫といい、その稲田美姫の一族である稲田家、ちょうど議長席に座っておられるのも稲田さんでありますが、その米子の稲田家が神の国の秘密を知っているという設定でありまして、十神、10人の女神の中には因幡の国の八神姫、ヤカミもいまして、鳥取県全体が舞台になっているようであります。ぜひともヒットしてほしいというふうに願っておりますが、できればこうした漫画を利用して西部の町村や地域でまちおこしをされるところがあらわれてもいいのではないかなと思っております。漫画のストーリーに合わせて町おこしになろうかと思いますので、制作会社とタイアップする事業を考えたらどうかなというふうに思っています。本来、市町村の仕事でありますけれども、まんが王国を進める鳥取県としても応援の取り組みをされるべきと考えますけれども、知事の所見を伺いたいと思います。
また、知事から「琴浦さん」のお話も紹介をされました。作者はえのきづという漫画家の方なのですが、主人公が琴浦春香ということで、その名字は東伯郡琴浦町からとっているということでありまして、こういうこともしっかり地域づくりに使っていけるのではないかというふうに思っております。
以上、答弁をいただきたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねてのお尋ねをいただきました。
まず、元老院については、解散させるのかどうかというお話がございました。衆議院ではないので解散はしないということではないかと思いますが、それはともかくとしまして、元老院というのは要はこれは役所がちょっと苦手な分野なのですね。どうしても漫画関係者の方に入っていただく。あるいは地域の中で漫画の地域づくりを一生懸命やっておられる方に入っていただく。そうやって進めていかないと、どうも方向性を見失ったり間違ったりするのではないかと思っています。ですから、まず国づくりの構想をつくるということで御協力をいただくようにしておりますけれども、さらにその後のフォローアップなり年々の展開が出てこようかと思います。例えば地域づくりを進めようと思えば、これは1年でできるものではありませんで年々積み重ねてやっていく。また、イベント的な仕掛けをやるにしても、役所の中の発想ではなくてそうした専門家の方の意見も交えながら練っていく必要があるということでありますので、当面は審議会的に常設で持っておくべき組織ではないかと考えております。
次に、地域づくりにつきまして、先ほど飯能市のチラシも見せていただきましたけれども、そういう地域の中でオープンにやること、水木しげるロードのような展開が鳥取県でこそ可能ではないだろうか、こういうお話がございました。
飯能市のパンフレットは非常によくできていると思いました。確かに我々のところにはいろんな素材がありますけれども、スペースもあれば地域の協力もできてくれば町ごと一つの別世界を形づくる。ディズニーランド化するということが可能だと思います。その意味で、水木しげるロードは一つおもしろい世界になったのではないかと思いますし、だんだん定着してきたいい例だと思います。きのうもNHKが日本海側は真夏日で暑いということで取り上げていた夜の9時のニュースの中だったと思いますが、その中で境港がしっかり取り上げられまして、アイスクリームを食べてアイスクリームがおいしいと。そして鬼太郎の着ぐるみが登場しますけれども、着ぐるみも汗を拭って手で顔をあおいでいる。着ぐるみですからそんなことで涼しくなるはずはないのですけれども、そこまでやるかというぐらいなりきって、そのワールドをやっていただいているわけであります。こういうような姿勢がこれからの地域づくりでは求められるのだろうなというふうに思います。水木ロードは別に世田谷区のように固定資産税を課税するわけでもないでしょうから、安心してブロンズ像をどんどんつくっていただければいいと思いますし、そういう要はとんがった地域づくりをやっていく必要があるなと思います。
その意味で、制作会社とタイアップをした取り組みを支援してもいいのではないかというお話がございました。
この飯能市のを見てびっくりしますけれども、ふんだんにアニメの中の絵を入れてあります。これは恐らくうちの職員などが見るとひっくり返るわけでありまして、こういうものをつくろうとしていつも立ちどまってしまうのですね。結局著作権だとかいろんな課題がありまして、その前で役所というのはとまりがちなわけであります。だからやはり制作会社ともある程度タイアップして、かなり思い切ってやっていかないとこういうものはできない世界かなと思います。
最近は茨城県の大洗でしたかね、あちらのほうでもアニメの登場したところがございまして、震災の後、風評被害でお客さんが減っているわけでありますけれども、そのアニメが追い風になって若い人たちがこういうバイブルを手にやってくるようになったということもございました。我々のところでもそういうような取り組みを考えてもいいと思いますし、えのきづさんのお話もありましたが、「女神十神」のようなやり方を応援をしていくということもあっていいと思います。現実にも、私どものほうでもまんが王国推進の助成のシステムの中で、こうしたプロジェクトをサポートしていきたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)34番銀杏議員
◯34番(銀杏泰利君)もう少し漫画について質問します。
昨年、国際マンガサミットのありましたその収穫の一つに、中国からの漫画家の皆さんがちゃんと来られた。人数は減りましたけれども、ちゃんと来られたということが私は大きいなと思っております。一昨年の北京大会に行きました。そこでは中国の若い人たちの漫画、アニメに対する熱さというものを本当に痛いほど感じて帰ってきたわけでありますが、こうした漫画交流で今後も友好関係を築いていくべきだと思っています。
ことし香港で開催されます。鳥取県からもブースを出展するということでありますが、冷めた状態にあると言われる交流事業が縮小を各地でしていく中で、漫画、アニメを通じた文化交流の継続、発展をぜひとも力を入れていただきたい。この点について、知事の所見を求めます。
漫画の効能、効果といいますか、これを国際交流の分野でも十分活用していくべきだと思います。非常に難解なことでもわかりやすく表現ができまして、文字だけではなくて形状や表情で表現するということで、私どもの公明党の機関紙、公明新聞では難しい政策とか議員の履歴、経歴など、本当は読むのが面倒くさいなと思うような内容を漫画にしたりイラストであらわしたりすることで、すんなりと頭に入ってくるように工夫もしておったりします。特に日本語が読めない外国の方に日本や鳥取県を紹介するのには直接的に訴え、直観的に理解できる漫画が非常に有効だと思います。観光や国際交流の分野でもっと活用すべきであると考えますが、知事の所見を求めたいと思います。
もう1点、安倍内閣でクールジャパン立国宣言をしようということが言われていまして、アニメ、日本食などを海外へ発信するのだということでありますが、ちょっと中身についてはよくわかりませんけれども、このことにつきまして鳥取県も乗っかって動いていったらいいのではないかと思うわけですが、感想と鳥取県がこれに乗っかってどう進めていこうというふうに考えておられるのかお聞かせをいただきたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から、重ねてまんが王国につきましてお尋ねがございました。
文化交流の継続、発展にアニメを使っていく。さらに観光や国際交流の分野、あるいはみずからを表現してわかりやすく伝える分野で漫画が活用できるのではないかというお話がございました。いろんなプロジェクトを考えているところでございまして、詳細につきましてまんが王国官房長からお答えを申し上げたいと思います。
去年のサミットのときも、除濤さんと言われます中国の漫画の代表者が来られまして、あのとき議員もおっしゃるように、私なども直前まで果たして本当に来るのかなと気をもんでおりました。しかし、こちらに来られて実際に壇上に立たれたり、あるいはテレビの取材が殺到しましたので、その前でもやはり漫画は国の争いだとかを越えていくのだと。こういうときこそ漫画を通じて交流しなければならない、そういう信念でやってきたというふうにおっしゃっていまして、非常に感銘を受けました。理屈とかそういうことではなくて、文化あるいは芸術の一領域としてこういうジャンルがあるのだと思います。それが日本の得意分野として成長、発展してきたわけでありますから、それを存分に十全に使うべきだというふうに思います。鳥取県としても、そういう見地からまんが王国の推進を図ってまいりたいと思います。
クールジャパン立国宣言についても言及がございました。これはまさにそうした視点で、安倍内閣が漫画、アニメを活用しようと考えているのだと思いますし、振り返ってみますと、今、ギャラクシーだとかサムスンがいろんな電気機器で世界を席巻しているわけであります。そのほかにも、化粧品でも韓国製品が出ている。その前提として韓国のドラマであるとか音楽であるとか、そういうものを意識的に世界中へ売り出しながら、それとあわせて韓国の製品を売っていくということがありました。
日本も考えてみますと日本食にしてもそうですし、こういうアニメだとかあるいは音楽もそうでありますが、クール、とっても格好いいねという印象を世界中の人に持っていただいています。これを活用する意味で、クールジャパンで立国をしようというのは正しい方向性だと思います。
鳥取県のまんが王国づくりも、これと密接に関連すると思います。これから若干先を見て考えていけば漫画の地域づくりをやるとか、それから明治大学や京都精華大学などと今連携を組み始めていますけれども、こうしたところと協働しながら、先ほど杉並のアニメーションの施設とかのお話もございましたが、鳥取県としてもある一定のこうした愛好者、家族連れ等に来ていただきやすいような、そういうゾーニングなり施設なりを考える時期も来ようかと思います。そんなようなときにこういうクールジャパンの国づくりが動き出せば、我々のほうにもいい意味でリエゾンができるのではないか。そういう意味で、支援の要素も生まれてくるのではないかというふうに期待をしたいと思います。
現に、今年度はまんが博・乙を7月から8月に実施をすることにいたしておりますが、国のほうから4,300万円の助成をいただけるということになりました。これもこうしたクールジャパンの立国の中で、我々のほうにもそうした支援が回ってきたのではないかというふうに思っております。よく国の動向を見ながら、機敏に対応していきたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)補足の答弁を求めます。
前田まんが王国官房長
◯まんが王国官房長(前田修君)漫画を通じた国際交流についての補足答弁をさせていただきます。
議員のほうからお話がございましたことし11月に国際マンガサミット香港大会に参加して鳥取県のPR等を図っていくとともに、従来からやっています韓国とか台湾のほうの漫画博覧会にも出展してPRをすることにしております。
ことしは7月から香港チャーター便が鳥取県のほうに来ますので、来られる方に対して到着便ごとに漫画を活用したこととか、それからちょうど時期が同じですので、まんが博・乙のことを紹介した16コマの漫画なのですけれども、そういったものでまんが博・乙のPRに努めていきたいと思っております。
あと鳥取県を紹介するようなパネル等をつくったり、そういったことで漫画を活用しているところでございます。今後も観光面や国際交流の場面で、漫画の持つわかりやすいというものを活用してPRしていきたいというふうに考えているところでございます。
◯副議長(稲田寿久君)34番銀杏議員
◯34番(銀杏泰利君)それでは、鳥取地どりピヨについてさらに質問をいたしたいと思います。
ブランド化を進めて、県外、首都圏等で扱う店舗をふやしていくことが必要でありますけれども、このブランド化においてピヨを加工食品にして売り出すことも有効だというふうに考えています。これにつきまして、知事の所見を求めたいと思います。
一例を挙げますと、ピヨにこだわっています焼き鳥屋のひょうたんというのが倉吉にあるのですが、実はその店主が地どりピヨのチップス、「ぴよップス」、それから煎餅「ぴよせん」をつくりました。材料はピヨの胸肉。この胸肉はなかなか売れが悪くて捨てることもあるそうですけれども、その胸肉を使ってつくったと。ブロイラーではなく地鶏でつくったということで、独特の一段と香ばしいスナックとなったということであります。商品化は岩美のはーと食品という会社なのですが、製造は残念ながら愛知の会社でありました。県内で加工ができなかったことが残念でありますけれども、県東部のジャスコでは大変な人気でよく売れたそうであります。店で料理されて消費されるだけですと付加価値がなかなか生まれませんが、加工食品で生まれ変わり広く販売されれば、鳥取地どりピヨが全国ブランドとして定着する可能性が広がるのではないかと思いました。
ただ、食品加工する企業が県内には少ないというのはこれまでも言われてきておりまして、鳥取には原材料が多いのにということであります。地元で加工もしますと利益率も高くなりまして、就労の場もふえる、収入もふえるというふうなことにもなります。そうしないと、鳥取県になかなかお金が落ちないということになってしまいます。ということで、いわゆる6次産業化なわけですけれども、小規模にやるとなると加工に投資がなかなかできないといったこともあるでしょうし、難しい加工がなかなかできないということもあります。成功するかどうかもわからない。商売になるかどうかもわからないのに大きな投資はできないということもあります。そういう意味で、加工食品化を県内でできるように加工産業を振興する、または誘致することをぜひ進めていただきたい。もしくはリスク覚悟で最初から大きな投資をするのではなくて、試作品作成の支援をさらに積極的に進めるべきと思いますけれども、知事の所見を求めたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から、ピヨを加工品にして売り出すことも有効ではないか。さらに、加工産業の振興や誘致、試作品作成の支援等を進めるべきではないかというお話がございました。
このピヨにつきましては、議員のほうから御指摘がございましたように上嵜さんのほうでつくられました「ぴよップス」やそれから「ぴよせん」ですか、そうしたものが結構商品として手応えのある売れ行きだったというふうに伺っております。「ぴよップス」も米子の駅の構内とか、それから「わったいな」であるとかそうしたところで売られていましたし、「ぴよせん」もそうでございます。県庁の地下の売店でも若干売っているわけでありますけれども、だんだんと定着しつつあるようで、追加注文が入ったりというように動いてきているようであります。
議員がおっしゃったように胸肉は地鶏の一番の難点でございまして、結局余り使われない部位というのがあるわけですね。ももだとかそうした使われるところはいいのですけれども、そうしたところともトータルで採算を合わせていかないと地鶏の生産というのがうまくいかないということでありますので、そうした胸肉を活用した商品というのは非常に魅力的だと思います。
そうした意味で、議員がおっしゃるように6次産業化というのを県の政策として進める必要がありまして、県としても経済再生成長戦略の中にもそうした農商工連携を位置づけまして進めてきているところであります。最近でも小川養鶏さんとかひよこカンパニーさんとか、卵のほうでありますけれども、例えばこんなに大きなシュークリームをつくってみるとか、そうしたものをつくって結構販路もできて快調にいっているところも出てきているわけでございますが、そうした産業をぜひ応援をしていきたいと思います。
まず、試作段階で結構難しいわけでありまして、鳥取県の境港のほうにある産業技術センターの食品加工の研究施設のほうにそういう試作などをする商品開発支援棟というのをこのたびつくることにいたしております。こうしたところで例えば詳細な味覚の分析とか加工のやり方の試作であるとか、そうしたことがある程度できるようなものを最新鋭の設備で今準備中でございます。こうしたものなどでぜひ県内の事業者さんに活用していただき、新商品の開発につなげていただければというふうに思います。
また、農林系の6次産業のほうでもそうですし農商工連携の基金のほうでもそうでありますが、加工施設をつくられるときに、その支援システムというのを鳥取県独自につくってまいりました。議員のほうでおっしゃられるように、こうした食品加工の会社というのをぜひ県内で育てたり誘致をしたりという方向に結びつけていければというふうに考えております。最近でも夢食研さんのような女川から来られてやっておられるところもございますし、源吉兆庵さんだとか、あるいは円山菓寮さんとかそうしたところもございますので、もっとこうした分野、鳥取県も強味だと思いますから、拡大を図ってまいりたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)34番銀杏議員
◯34番(銀杏泰利君)地どりピヨでありますけれども、来年以降この鳥取で全国初の地鶏サミットをやろうというそうした機運が盛り上がっているようであります。鳥取県は地鶏の生産は決して多くはないのですけれども、中の味はほかの地鶏にも引けをとらないと思っております。若手経営者なども絡んで検討されているようですので、県としてもぜひ支援をされたいというふうに思います。この点について、知事の所見を求めたいと思います。
もう一つ、商品の名前をつけるのは自由であると。確かにそうなのですが、実は大山地どりというのは大変有名でありました。今、会社は大山どりというのがありまして、ブロイラーの名前も商品も大山どりということで、大山どりは会社の名前なのか商品の名前なのか大山地どりなのかよくわからない。混同されることが多うございまして、そうした意味でも、鳥取地どりピヨを頭につけるというふうなことを何かしら登録商標を持っている県としてきっちりと訴えていくことが必要ではないかなと思っております。よろしければ、知事の所見をこの点について求めたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)地鶏サミットにつきましては、いいアイデアだと思います。これから具体の話が出てくるのだろうと思いますので、関係者とよく相談させていただいて支援を考えていければなと思います。
先般もエンジン02をやっている吉川さんを初めとした若い東部の経済界の方々が来られまして、ことしは鶏をテーマに食のみやこを売り出すようなイベントにしたいというような話もされておられました。そうした意味で、地鶏というのは特に外部の方々から鳥取県のイメージと何となく重なるようでございまして、その辺を上手に乗っからせていただいて、地鶏のサミット等でさらにPRしていくのは一興だと思います。検討させていただければと思っています。
また、ブランドのことでございますけれども、先ほど申しましたように登録商標の制度としてうちが強制することは法的にはできない部分ではありますけれども、大山どりさんとどういうようなサポートをいただけるものか、これは先方ともまずは話をさせていただきたいと思います。大山どりさんは、実は流通では大手の食肉メーカーがかかわって流通をさせていまして、そちらとどのような契約になっているのかちょっと我々も承知しているところではございません。ただ、いずれにせよ東京なり大阪なりで地鶏を売り出すときは鳥取地どりピヨという名前を前面に出して、登録商標でありますので売り込みを図って、鳥取の鶏のよさをアピールしていきたいと思います。
◯副議長(稲田寿久君)11番長谷川稔議員
◯11番(長谷川稔君)(登壇、拍手)まず、アベノミクスの地方への影響についてお尋ねをいたします。
アベノミクスと称される経済政策により、大胆な金融政策がもたらしたものは株価の高騰であり円安の進展であり、それを受けての景気の回復感、正しくは景気回復への期待の高まりです。安倍政権は、もくろみどおり好調な滑り出しを維持しているように見えます。しかし、その危うさは5月末の株の乱高下が暗示しています。株高メリットは業績の改善につながっていますが、従業員の賃上げには至っていません。
評価が分かれるのが円安の影響です。5月の鳥取県企業経営者見通しでも、輸出系企業では受注増や為替差益による業績好転の動きが見られる中、内需関連の業種では原材料の高騰により収益悪化が深刻さを増しているとしています。
今議会に20億円の補正予算が計上されていますが、株高現象は国債から株に資金移動し、結果的に長期金利を引き上げるリスクをはらみ、住宅ローンや地方財政にも影響を及ぼさずにはいません。国債の利回りの上昇は当然ながら地方債利回りの上昇となり、ひいては公債費の負担増となります。
安倍内閣は、既に補正で7.8兆円、新年度予算で43兆円の民主党政権を大幅に上回る国債を発行し、財政規律は弛緩状態です。しかし、政府の債務不履行から免れるはずはなく、歳出削減の柱に地方交付税をターゲットにしています。来年は消費税引き上げの時期も迫ってきます。物価は上がるが所得はふえない事態がかなりの確率で想定されますが、知事はアベノミクスの地方への影響について、高齢化問題、子供の減少、貧困問題が進む本県においてどのような影響を及ぼすと考えられるのか、お伺いをいたします。
次に、全国植樹祭の成功から「大山賛歌」が県民愛唱歌になればと提唱したいと思います。
私は、このことを5月26日、南部町のとっとり花回廊の植樹祭式典会場で体の中を貫いていく気がしました。大山山麓に響き渡るような県西部地区5校による大演奏、それに米子高専も加わった8校400人を中心とする大合唱で「ふるさと」と「大山賛歌」が地響きのように流れたのです。大会テーマである「森のめぐみと緑の豊かさ」を森林保有量、源流、水質、河川流量などの数値を超越し、会場で体全体で感じることができました。鳥取県での開催は48年ぶりということであり、私の手元には48年前の昭和40年の父からのはがきが残されていました。当時の私は、高校を終え大阪で社会人の一歩を歩み始めたところでした。はがきには、天皇がきょう上井駅に着き、たくさんの奉迎者でした。私は特別奉迎者だからプラットホームで下車直前でしたとありました。時はたち、私が父と同じ年齢となり、めぐりめぐって私も同じようなことになるとは、深い感慨に浸りました。そんな私を包んでくれたのが「大山賛歌」でした。これまでも山開きなど何度も「大山賛歌」を口ずさむ機会はありましたが、その時々、その都度違う心の状態であり、新鮮さは変わることはありませんでした。
植樹祭からほどなく、県庁講堂で県警音楽隊演奏会で「大山賛歌」を聞くことに恵まれ、それも司会者が私たちの心のふるさと「大山賛歌」をという紹介に、これほどまでに「大山賛歌」が県民に愛されているのかと我が意を得たりという気がしました。
聞けば「大山賛歌」は昭和46年、大山での冬期国体で当時大山中学3年生の応募作品とのことです。とっとりグリーンウェイブは、引き続き舞台を移しさまざまな事業展開が予定されています。ことし限りでなく、至るところで「あなたがもしもひとりになって、静かにこころをみつめてみたい、そのときは大山に行こう」と「大山賛歌」が響き渡ることを願い、少しだけ行政に仕掛けと心持ちをいただくことを知事と教育長からお答えをいただきたいと思います。
次に、太陽光発電導入促進の現状と農用地での取り組みについてお尋ねをいたします。
飛躍的という言葉があれば、まさにこのことだと言えます。太陽光発電は、固定価格買い取り制度を背に受け実に多く見受けられるようになりましたが、数字的にはどのような推移となっているでしょうか。
また、平成25年度は住宅用で昨年度より4円安い38円に、非住宅用も37円80銭となりましたが、これも導入が進んだあかしであり、今年度もかなりの導入予定が見通せますが、今年度は県有地や屋根貸しでの計画を初め民間事業計画を中心にその見込みをお示しいただきたいと思います。
その中にあって、全量固定価格買い取り制度の中で電力系統線、電力会社の受け入れ問題等、派生している課題についてどのように認識し対応されてきたかをお尋ねいたします。
また、新たに農地での太陽光発電の問題というよりも期待について取り上げさせていただきます。
昨年末の衆議院解散により農地転用を図る法案が廃案になる中、ことし3月31日、農水省指針として「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用の許可制度上の取扱いについて」とする規制緩和の通知が出ています。後継者がいないことや生産販売額の低迷などで農地を保持することが困難なケースが珍しくなくなってきています。
そこで、農地としての利用を継続しつつ生産物に支障を生じない形で太陽光発電設置の構想から事業計画に進んでいる取り組みがあります。耕作放棄地となることを防ぎ、売電収入を得ることにつながる農業問題にまさに日を当てようとする具体的先行事例だと考えます。さきの農水省指針とあわせ、既に25年度地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立事業に申請中で、事業者の承認も得ておりますので、計画の概要を紹介いただきたいと思います。
鳥取県環境対策設備導入促進補助金について質問いたします。
実は、このような制度があったこともこのたびのグリーンウェイブの一環に位置づけられたことにより知ったところであります。エネルギーは生活や産業活動の基点となるものであり、エネルギー戦略は消費削減と再生エネルギーを一体的に進めることにあり、エネルギーのあしたにつなげていくグリーンモデルです。その将来に貢献するこの補助金制度は、21年度という早い時点で他県、しかも規模の大きい県に比較しても上回るすぐれたものとなっています。とりわけ採択された事業を公表することで、取り組みの広がりを促している効果も果たしています。改めて、補助金制度の内容と主な適用事業を開陳いただければと思います。
次に、原子力発電と防災計画につきまして、その第1として新規制基準と島根原発について、中電の対応と県の臨み方についてお伺いをいたします。
昨年9月に発足した原子力規制委員会が策定を進めている原発の新規制基準は、ことし7月18日の期限に向け骨子をまとめ、すぐに規制文案のパブリックコメントに入る強行スケジュールとなっています。島根原発は1号機が運転開始から39年、2号機が24年経過し、3号機が現在完成間近にあります。新規制基準が福島原発事故の教訓を踏まえることが当然の前提とされなければならない中で、福島原発事故について事故原因、特に地震による影響が解明されていない中で、耐震設計基準は根本からの見直しが迫られることになります。本来、基準作成を急ぐ前に福島原発事故の全容解明が優先されるべきという意見がある中で、新基準における中国電力の対応をいかに承知しておられるのかお伺いをいたします。
新規制基準では、施行後、防潮堤や免震重要棟整備やテロ対策の信頼性向上のための後方対策は5年猶予し、実現を求めるとされている点への所感。また、今動いているからという理由で大飯原発だけを特別扱いして運転継続を許すのもあってはならないと考えますが、この点も含め、平井知事は5月23日の関西広域連合で共同アピールを行っておられます。その内容にも付言いただきたいと思います。
2点目は、関西電力は3月21日、高浜原発3号機用のウランプルトニウム混合酸化物であるMOX燃料をフランスから輸送すると発表しました。福島第一原発事故収束のために全ての技術を注がなければならないときに、申請許可もされていない高浜原発のためにMOX燃料を輸送することは認めがたいものがあります。MOX輸送は海外、さらには日本海沖を通過する際に事故が起きた場合、直ちに国への通知は行われるものか。また、鳥取県への通知はあるものでしょうか。
ちなみに、関西電力と福井県の安全協定第5条によりますと、関西電力は福井県等に対し「新燃料、使用済燃料、放射性廃棄物等の輸送計画について、事前に連絡しなければならない」とされており、協定を結んでいる自治体には連絡があるとされていますが、今回のケースにおいてこの協定の存在を確認いただけますでしょうか。知事のお答えをいただきたいと思います。
3点目は、放射性物質拡散シミュレーションを県独自に行う仕組みや兵庫県などのシミュレーションも活用しつつ、広域避難を関西広域連合とも、また中国地方とも協力した計画にしてはどうかという問題です。
昨年の国の原子力災害対策指針の改定で、鳥取県が原発30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域、UPZに含まれております。そこで得た資料を前提に、兵庫県などのように1年間で最も汚染がひどくなる気象時期などもコンピューターの試算のデータに入れまして調査を加えることで、さらに精緻なものになると思われます。こうした中で、安定ヨウ素剤の配備範囲などが割り出しやすくなるものと思われますが、新たな拡散シミュレーションの取り組みについての意思はないか、原子力安全対策監にお尋ねをいたします。
避難計画区域においても、島根原発対応だけでなく福井で原発事故時の被曝線量を推計している兵庫県などの拡大予測結果なども参考にし避難計画を立てることが有効、現実的と思われ、関西広域連合での協力申し合わせなどについてこの際知事に伺っておきたいと思います。
質問の最後として、高齢者を支える上での課題は住みなれた地域で尊厳ある生活が送れるようにすることです。鳥取県には、全国的にも注目される日野町でのあいきょうの取り組みがあります。あいきょうは以前生活協同組合で働いていた方々が中心となって立ち上げており、買い物をする住民と事業者とのつながりが強い面がうかがえます。また、販売の後半時間に商品が少なくなると、店舗で再度品ぞろえをして地域に出向くやり方が喜ばれているようでもありました。市場原理のもとで買い物弱者の問題が深刻化する中、介護や医療分野でつくり上げようとしている地域包括ケアシステムの中での買い物支援の位置づけや、あいきょうのような取り組みを強化していくことが必要であると考えます。買い物支援の現状と、このたび設置した電話相談窓口はどのような役割を果たそうとしているのか、知事にお尋ねをして質問を終わります。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)長谷川議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、アベノミクスの地方への影響についていかがかというお尋ねがございました。
この点につきましては、代表質問を初め各質問の中でもいろいろとやりとりをさせていただいたところでございますが、現在、大胆な金融政策、機動的な財政政策、こうした1本目の矢、2本目の矢が放たれまして、そして明日にも規制緩和等を内容として経済成長に向けた政府の戦略が示されるのではないか、こういう報道が強まっております。
こういうようなことで3本の矢が放たれたわけでありますが、今のところ株が以前よりは上がってきている。それから円が以前よりは円安傾向になってきている。きょうも実は株価が下がり、それから円高が進みというような状況でありますけれども、安倍政権が発足する前から比べますと水準は是正されてきているという状況かと思います。そういうようなことはあるのですけれども、では実体経済としてどうかというところがこれからの焦点だろうというふうに認識をいたしております。
現実にマネーサプライ、マネーストックからいいますと、先月、5月現在でいうと対前年2.8%増ということでありまして、これはじわじわと月を追って増加率も上がってきております。ですから、そういう意味で大胆な金融政策というのが確かに数字上もあらわれてきている面があろうかと思います。
ただ、こうして日本もそうですしアメリカやヨーロッパもそうでありますが、今、金融緩和を行いまして、出てきたそのお金がどちらかというと投機的に投資先へ向いている。それがあちこちに行ったり逃げたり引いたり出したりするものですから、株価なり円相場なりが乱高下するということが起きてきておりまして、その辺には注意する必要があるというふうに思います。
実体経済としてどうかというと、例えば大型小売店舗での売り上げ、百貨店などは鳥取県内でも若干ふえてきているというような面がないわけではありません。ただ、これは結構でこぼこがございましてホームセンター等では減っているとか、そういうようなことでストレートに実感として実際に物がよく売れるようになったとか、そういうところまでいっているデータには鳥取県ではなってはいないというふうに思います。
ただ、先般鉄永議員の御質問の中でもございましてやりとりもさせていただきましたが、円安傾向だとか、それから海外からの再移転というようなことの動きが出てきているのもまた事実でございまして、倉吉の明治製作所さんでいえば自動車部品の製造の需要が出てきておりまして、これはもちろんタイだとかそうした海外との役割分担もあるわけでありますが、そういう中でパイがふえてこちらのほうで増産をしようと。8億円ほど投資をして、10人ほどまた追加で雇おうかと、こんなような構想が今動いています。こういうように少しずつ変わってきています。
また、含み資産がふえてきたということなども影響しているのだと思いますが、本県の次の懸案であったシャープの問題がありました。これを何とか事業所が継続するようにということで、再三再四大阪のほうに出かけたりして働きかけをしてきたところでありますが、なかなか企業の財務体質の抜本的改善まで至らなかったわけでありますが、最近は多分含み資産がふえてきたり、それから円安傾向で製品の売れ行きが変わってきているだろうというふうに思われます。そんなことがあって、クアルコムとの出資交渉がこのたび完全に動きまして、今月、第2次出資が固まるというような中になってきました。
そういう中で、今、我々のほうで聞こえ始めてきた方針では、シャープ米子についてMEMSと言われるような医療にも応用ができるようなIGZOの技術を応用するわけでありますけれども、精細な画像を使った生産へと向けていく。そういうように、クアルコムの出資をもとにして45億円だとかそうしたレベルでの投資を行って、こちらのほうでも雇用をふやしていこうと。今まで我々は何とか残してくれと申し入れをしてきましたけれども、ここに来て経済情勢の変化の中で、シャープ米子のほうで次の事業展開へとようやく動き始めたというところも見えてきました。こんなようなことで、徐々にではありますけれども県内経済にもいい意味での影響もないわけではないと思います。
他方で円安は材料高になりますから、これについては県としても20億円枠の融資資金を用意したりというようなことや、あるいは飼料高対策、漁船の燃料高対策、こういうことも片方でやる必要があります。ですからいい面、悪い面、両面正直なところないまぜになって鳥取県のほうにも影響が出てきております。
次に、「大山賛歌」につきまして、県民愛唱歌になればというふうに考えているが、県としても何らかの仕掛けを考えられないものかということでございました。
御指摘の中にもございましたように、これはもともと昭和46年のときに松田さんという中学3年生の大山の子供の作詞に基づいてできた歌でありますが、お聞きいただいたとおり将来に対する何か希望を感じさせる。それも大山の緑の中で自分を再発見するといいますか、そうしたいかにも若者らしい歌詞になっていまして、不朽の名作と言ってもいいではないかと思います。
今回もそうした意味で、テーマソングとして実は全国植樹祭の中で使わさせていただきました。大山町は既にあらゆる場面で使っていまして、先般の山開きがありましたたいまつ行列、ああいうようなイベントのときには「大山賛歌」がテーマソングで使われます。また、最近始まったスポーツイベントでシー・トゥー・サミットというのがございます。これは海の上のカヤック等もございますが、山を登るというのが最後にありまして、それが大山である。こちらのイベントでも「大山賛歌」をメーンの曲として使っていただいています。これからグリーンウェイブの続きとして国際的なエコツーリズムの大会が開かれるわけでございまして、我々もその実行委員会の一角をなしていますが、こういう「大山賛歌」を全国植樹祭に引き続いて世界中から集まるような関係者の方々にも聞いていただきながら大山を感じてもらうというのも一つのやり方かなと思いますので、話し合ってみたいと思います。
また、従来からありますような皆生のトライアスロンとかいろいろと地元のイベントもございますので、こういう「大山賛歌」の活用について呼びかけもしてみようかなというふうに思います。
次に、太陽光発電につきまして、電力系統、それから受け入れの問題等についていかがということでございました。これにつきましては、生活環境部長から詳細を現況等も含めてお話を申し上げたいと思います。
おかげさまで、平成26年度までに105メガワットレベルまで県内発電が進むということになりまして、もともとマニフェスト等で考えていたレベルを半分終わりまして、達成できそうな勢いになってきております。ただ、そうやってだんだんと発電が進むのとあわせて、現場ではそれをつないで実際に発電機と電力線を結ぶところで結構隘路が出てきています。我々としては、中国電力と増産協定も結んでやってきたという経緯もありまして話し合いもし、そのための系統接続のための月数を短縮をするなどのそういう話し合いの成果というのも出てきてはいますけれども、根本問題として国全体のシステムに問題があるところもございまして、問題意識を持っているところでございます。
次に、農水省のほうの関係で農地を活用した転用許可による太陽光発電所の設置、それから地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立事業について、計画概要を説明するようにということでございまして、これについては農林水産部長からその計画概要等を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
農林水産省からこのたび要件を緩和するような指針が示されて、農地の一時転用が認められるということで出てきました。ただ、我々の現場からするとどうかなというような指針でございます。例えば太陽光発電をやってもいいけれども、許可の期間は3年ですよと。3年で元が取れるはずがないわけですね。それをでは更新を認めてもいいよというところまではあっても、では例えば電力会社が言っているような20年とかそういうようなスパンということを示しているわけではない。さらに細かい基準もいろいろとございまして、これを示したところで本当に農地を活用した太陽光発電が進むかなと。農林水産省は口先だけではないかなと、言葉は悪いですけれどもそういうふうに見えないところもございません。ですから今後ともその要件緩和等を呼びかける必要があるかなと思いますし、県のほうの権限で全部できるところもあります。2ヘクタールという境目がありまして、そこから小さいものは県のほうに許可権がございますので、農林水産省の示した指針は尊重はしますけれども、現場で使えないようなところは我々なりに拡張解釈をさせてもらって、事業者の支障にならないように運用していきたいと考えております。
次に、鳥取県環境対策設備導入促進補助金につきましては、これは商工労働部長から詳細を申し上げたいと思います。
例えば、皆生グランドホテルさんで温泉熱を利用するとかして省エネを実現をするなどに支援してまいりました。
次に、原子力発電について何点かお尋ねをいただきました。
まず、新規制基準について、中国電力の対応をどのように承知しているのかということでございますが、これについては原子力安全対策監から詳細お答えを申し上げたいと思います。
また、対策について、バックフィットと呼ばれる5年間の猶予期間が設けられていることへの所感、それから大飯原発についての所感等のお話がございました。
ここらはまだまだ議論はあるだろうと思いますし、関西広域連合でも議論いたしましたけれども、5年間バックフィットの猶予期間を設けるのにどれほど合理性があるのか。これは国民の納得をもっと得てもらわなければいけないのではないかということで、関係府県と我々は話をしているところでございます。
また、つい昨日のこととして報道されていますけれども、島根原発にもかかわることでありますが、40年ということで、そこから先は運転を認めるかどうかという問題がありました。
これについては、特別検査をして運転継続という余地を考えるようなことが原子力規制委員会のほうから昨日出てきているところでございます。私どもにしてみれば寝耳に水のところがございまして、この間まで40年を超えるところは厳格にやるのだとおっしゃっていたわけでありますが、ここに来てどういう考え方なのかなと。これは説明責任を国は果たさなければならないのではないかということがあろうかと思います。
こういうようなことが事ほどさようにいろいろございまして、新規制基準、私は一定程度評価を率直にいたします。例えば敦賀の問題でいえば、断層について非常に厳格に適用したりしていまして、こういうことからしますと立地自治体とかなりフリクションも起き始めていますが、現在の規制委員会のスタンスは従来の原子力行政よりは前に出てきていることは評価してあげないといけないかなと思います。ただ、その新しい規制基準が国民の理解を得ていくというのは、これは国の責任できちんとやっていただかなければならないだろうというふうに思います。
大飯原発につきましては、我々関西広域連合での申し合わせの内容をということでありますけれども、もし基準を満たさないということであれば、これは運転停止をすべきだということも含めてアピールする内容で出させていただいたところでございます。要は、安全をまず第一義として地域、それから地域の住民、その意見をそんたくをしながら事は考えるべきではないかというふうに思っております。
次に、MOX燃料の海上輸送について、高浜原発に持ち込むことの輸送計画の事前連絡についてどうだったのかというお尋ねでございます。
高浜原発のほうは当方のほうに直接来るものにはなりません。島根原発との間では協定も結ばさせていただきまして、輸送についての連絡というものが用意をされることになりました。安全協定を結んだ成果であります。
高浜原発については、ただこれは我々が加入しているものですから関西広域連合での協定がございまして、こちらの約束事に従って今回も随時連絡は来ています。例えば4月18日であれば、4月17日にフランスのシェルブールを出発をした。この船は6月の下旬に日本に到達するであろうと、そういう計画である。この程度の連絡は関西広域連合に関電から来て、そして関西広域連合から私どものほうにファクスでの連絡が来ております。ただ、これ以上ではないものですから、これ以上の内容までは我々として知り得るところではございません。
お尋ねの福井県との協定についてでありますけれども、福井県と関電の間ではこうした輸送について計画を立地側に伝える、そういう協定になっております。
次に、福井の原発事故時の広域的な対応について、関西広域連合での申し合わせはいかがかということでございます。
広域的な防災は、実は鳥取県は全加入の対象外になっていまして、一部加入で除外をされている部分であります。ただ、この点についてはお互い話し合いをしております。その広域防災の観点で、原子力安全対策として各県がそれぞれカウンターパートを持って避難者を受け入れるということで協議を今しているところであります。鳥取県につきましても、それに協力をしようとこれは我々の紳士的立場で申し上げているところでございまして、京都府の方が兵庫県と徳島県に避難をされるのですけれども、鳥取県につきましては必要があれば受け入れをさらに鳥取県で行う、こういう手順で今広域的な対応を進めているところでございます。
付言すれば、先般中国地方知事会が開かれまして、中国地方知事会で共同の連携組織を今後考えていこうという柱の一つに、溝口知事の提案の中にございましたが原子力安全対策での避難など、これも中心的課題として広域対応しようということで申し合わせたところでございます。
買い物支援についてお尋ねがございました。その現状と電話相談窓口はどんな状況かということでございますが、詳細は部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
御案内のようにあいきょう号が先鞭を切られまして、全国からも注目をされました。これはいいことだということで、鳥取県としてももちろんあいきょう号も支援したのですが、そのほかのことに大分裾野を広げようということをやってきました。例えば県中部であれば、ハッピーバーディーさんが湯梨浜町等で提供されていますけれども、これが結構評判もよろしいというふうに伺っております。また、和さんがやはり同様のサービスを開始されました。また、ことしの4月から琴浦町のほうではポプラがあそこの道の駅に入っておられますけれども、ポプラさんが赤碕漁協とタイアップをしましてこうしたサービスを始められているところでございます。こういうように順次鳥取県はそうした買い物支援に積極的に動いているところでございまして、このたびは電話相談窓口もつけて、さらに潜在的なニーズの掘り起こしであるとか、困り事への相談に対応するようにさせていただいているところでございます。
◯議長(
伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。
中山生活環境部長
◯生活環境部長(中山貴雄君)では、私のほうから太陽光発電の現状と課題の対応状況につきまして補足の答弁を申し上げます。
まず、現状でございますが、議員も御指摘のありましたように太陽光発電の導入はかなり飛躍的に進んできておりまして、平成22年に比べまして平成24年は約38%程度の増加を示しております。知事も御答弁いたしましたが、マニフェストの中で掲げております目標、全体ですと再生可能エネルギーの全体目標値は大体102%ぐらいの達成見込みかと考えておりますが、太陽光発電だけに限って申しますと大体152%、5割増しぐらいの達成見込みになろうかと思っております。
内容的には、現在屋根貸し事業等を県の中でもいろいろ準備をしておりますし、先般、米子市のほうでも屋根貸し事業を公募されまして、18施設中6施設に応募があったような状況でございます。
さらに、崎津のメガソーラーあるいはBSSエナジーなど民間におきますメガソーラーの進捗も目覚ましいものがございます。
さらには、住宅用あるいは非住宅用の小規模の太陽光でございますが、予算的な面で申しますと住宅用太陽光の発電の補助事業、県、市町村で合わせて助成しておりますが、平成24年度と比べて全体で1割増ぐらいの予算ベースで措置を行っておりますし、非住宅用の補助金につきましては7月1日から補助受け付けを行いますが、現在4月から5月の間にも事業者の方から30件程度既に照会等がありますように、昨年実績以上の導入がかなり見込まれるのではないかというふうに考えております。
一方で、御指摘のように導入に当たっての幾つかの問題点が出てまいっております。主なものを掲げますと、発電事業者の希望する送電容量と電力会社の受け入れ容量とが乖離がある点、また近くに受け入れいたします変電施設がないために長距離の
配線工事が必要となるというような点が大きな主な問題点になろうかと考えております。2月議会でも議員なりのほうからいろいろ御指摘をいただきましたので、その後、副知事あるいは統轄監をトップにいたしまして中電のほうへ要望いたしますほか、また国への要望も行っております。
この結果、ちょっと細かな話にはなりますが、例えば変電所の受け入れ可能容量の開示をいただくですとか、系統連系の期間を1カ月程度短縮したり、途中経過でその検討状況ですとかそういったものの御報告をいただくというような事務的な改善をしていただいておるところでございます。
さらに、知事も御紹介をいたしましたが、国の電力システム上、実は変電所のエリア内でしかその受け入れができないというような技術的な枠組みといいますか、制度上の制約がございましたけれども、このたび一定の制御設備ですとかそういったものが設置できればその変電所枠内を超えて、これはバンク逆潮流と申しますが、電気をより広いエリアのほうへ流していける、受け入れができるというような技術的な制約も規制緩和が進められております。
今後、中国電力なり電力会社とより詳細な打ち合わせ、あるいはより丁寧な対応を求めるとともに、こういったような制度的な規制緩和をてこにいたしまして、より導入が進むような働きかけを国、電力会社のほうへ進めてまいりたいと考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)西山農林水産部長
◯農林水産部長(西山信一君)農用地の太陽光発電の設備に係る許可制度の新たな通知につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
今回、3月31日付で農林水産省から発出をされましたこの通知といいますのは、農産物を生産をしながら支柱を立てて圃場の上に太陽光パネルを設置をする場合の農地転用の許可制度というものの取り扱いを示されたものであります。FIT制度の発足に伴いまして、このような取り組みが全国で問い合わせがあるというふうなことで、農林水産省のほうで整備をされたと承知をしております。この通知によりまして農地のままで3年間は一時転用が可能となり、その期間の更新も認められるということであります。
今回追加をされました許可要件ですけれども、一時転用の期間が3年以内であること。これは更新が可。それから、簡易な構造で容易に撤去できる支柱で、申請面積が必要最小限であること。営農の適切な継続が確実で、太陽光パネルが農作物の生育に適した日照量を保つこと。それから、支柱を含め発電設備を撤去するのに必要な資力、信用があると認められることというふうなことが条件で示されております。全国的に新たな取り組みということで混乱があるというふうに考えておりますけれども、知事のほうからありましたように耕作放棄地の未然防止等の観点から、通知の趣旨に合致する案件につきましては審査の上、転用を許可していくということになると思います。
また、お話にありました国の地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立事業でございますけれども、これは農林水産省のほうで24年度の経済対策補正予算で創設をされたもので、農山漁村の小水力、風力、太陽光等の資源を活用した再生可能エネルギーの導入をする。その売電収入を地域の農山漁村の発展に還元をしていく、そういうモデルを全国で3つ程度選定をするということで、申請等は県を経由しませんで全国団体のほうに直接応募するという方式で、この5月21日に応募が締め切られておるようでございます。近々のうちに、結果が判明するというふうには伺っております。
これに対しまして、議員のほうから御紹介がありました北栄町のエナテクスファームさんという民間の業者でございますけれども、北栄町大谷の芝畑を活用して、先ほど説明をいたしましたように支柱を立てて太陽光パネルを設置をするというふうな形で発電を実施をし、その下のほうでは高麗芝と屋上緑化等にも使われますキリンソウという植物がございますけれども、これを栽培をして、ともに営農を継続しながら発電を行おうという計画を持っていらっしゃいます。用地のほうは、今のところの計画では1万8,700平米程度というふうに伺っております。
◯議長(
伊藤美都夫君)岡村商工労働部長
◯商工労働部長(岡村整諮君)それでは、鳥取県の環境対策設備導入促進補助金の制度の内容と適用事業の内容について補足の答弁をさせていただきます。
まず、この事業でありますけれども、この補助制度は事業者、県内の中小企業者を対象としておりますが、県内の中小企業者の方にまず専門家による省エネ診断を受けていただきます。その上で環境経営計画を策定いただきまして、導入する省エネ設備ですとか新エネ設備に対しまして補助金が適用されるということになります。限度額は500万円となっておりまして、それぞれ3つの区分がございまして、新エネ導入事業が2分の1、競争力強化につながるような設備導入が2分の1の補助、省エネに関しましては3分の1の助成制度となっておりまして、それぞれ選択いただけるようにしております。これまで21年から24年までに105件が採択されておりまして、導入設備によるコスト削減効果、さらには従業員の環境意識が高まったというようなことも報告されております。
この制度の価値、非常に有用なところは、設備導入後その設備投資をされた企業さんに1年間そのデータの取得をしっかりしていただきまして、その効果を検証して報告いただくということにしておりまして、情報を共有する仕組みをつくっております。
例えば、先ほど知事のほうから事例でございました皆生グランドホテルさんでは熱交換器というものを導入されまして、温泉熱、泉源は非常に温度が高いのですけれども、その泉源を使いまして通常の客室で使う水をそこに引き入れまして、それを少し温度を高めて今度は客室の浴槽に戻す。逆に、その源泉は温度が下がります。その源泉を大浴場のほうに使うというような仕組みで、熱効率を高めて温度差のエネルギーを利用する仕組みをつくられております。非常に効果があったということで、1,000万円の投資でありましたけれども、効果を上げられております。
ほかにも競争力強化ということで、県内の中小企業の競争力強化というのは例えば気高電機さんなども油圧式の成形機を電動式にかえていく。ただ単に設備更新をするのではなくて、そのことによって当然診断効果とコスト削減効果、それと売り上げ効果、ここまで出していただくようにしておりまして、そういうものを検証しながら進めております。引き続き省エネ、新エネの導入促進と、県内中小企業の競争力強化に結びつけるよう積極的にPRに努めていきたいと考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)渡辺原子力安全対策監
◯原子力安全対策監(渡辺剛英君)原子力発電所の新規制基準に対する中国電力の対応について、補足答弁を申し上げます。
新規制基準は、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、炉心溶融など重大事故に備えた安全強化策を定めるものであり、政府事故調や国会事故調等の提言、また国際原子力機関、IAEAの基準など、現時点の知見において必要と考えられる対策を原子力規制委員会において取りまとめたものと認識しております。
一方で、国の原子力規制委員会におきましては、福島原発における事故分析につきまして本年5月に改めて検討会を立ち上げまして、御指摘の地震による影響の調査等が改めて行われているところであり、本県では国に対し新たな知見が得られた場合には速やかに基準に反映するよう要望しているところでございます。
このような中、新規制基準に関する中国電力の対応についてでございますけれども、先行的かつ自主的に津波・地震対策等の強化に取り組んでいると承知しております。主なものといたしまして、津波に対する防波壁の強化、フィルターベントの設置、免震重要棟の設置、これらについては今工事中でございますけれども、このほかにも電源強化のための電源車の確保、あるいは冷却のための水源、配管系統の強化等というものも別途進められていると報告を受けております。これらにつきましては、基本的には安全性の向上に資するものと考えられますけれども、その具体的な実施状況については引き続き注視をいたしまして、厳格に安全確保を求めていく所存でございます。
続きまして、放射性物質拡散シミュレーションについてお答え申し上げます。
原子力発電所周辺の福島原発事故を踏まえたシミュレーションにつきましては、国の原子力規制委員会によりまして各地域のUPZを決定する際の参考といたしまして、昨年度データの提供がなされておりますけれども、地形が考慮されていないなど防災対策を検討する上では十分な内容ではなかったということから、国に対してより精緻なシミュレーションの実施を求めてきたところでございます。
UPZ30キロ圏を超える広域的な対応を検討するためのシミュレーションは複数の圏域にまたがるものであり、国の責任において原子力防災上の専門的見地から一体的に実施すべきものであると考えておりまして、今後も引き続き国に対応を求めていく所存でございます。
一方、議員から御指摘のありました兵庫県において4月に公表された拡散シミュレーションにつきましては、鳥取県内の推計結果の提供を現在依頼しているところでございます。
今後、UPZ外における放射性物質拡散に係るより広域的な対策、いわゆるPPAなどになると思いますけれども、安定ヨウ素剤の取り扱いを含めまして原子力規制委員会で検討が行われる予定であります。こうした結果も踏まえつつ、関西広域連合や中国地方の関係府県とも連携しながら、島根原発に係る対応を含めて具体的な対応を検討してまいりたいと考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)多田地域振興部長
◯地域振興部長(多田治樹君)それでは買い物支援の現状と電話相談窓口の関係につきまして、補足答弁させていただきます。
県では、中山間地振興そして支え愛のまちづくり双方の視点から、移動販売や店舗開設に取り組む事業者に対する支援を行ってきておりまして、現在15市町15事業者にまでその取り組みは広がってきております。例えば中山間地振興の関係の事業ですと、移動販売車の導入、店舗整備等につきまして補助することにしておりまして、これはおおむね10品目を取り扱うような事業者に対して支援を行っております。
具体的事例としましては、先ほど議員からもございましたあいきょうさんですとか、中部地区を例に挙げますと知事からもございましたハッピーバーディーさんが湯梨浜町27集落を対象としまして、月におよそ15日間巡回をしていただいているというような状況がございます。また、同じく社会福祉法人和さんが倉吉市で10集落を対象に移動販売、買い物代行なども行っていただいております。また、最近始まったものとしましては、ポプラさんが琴浦町で赤碕漁港さんと一緒になりまして25集落を対象に週1回から2回の巡回をしているというような取り組みがなされておるところでございます。
また、支え愛関係の補助金を活用した例としましては、鳥取市内の宝木地区におきまして住民がボランティアで無人となった店舗を新たに運営するというような取り組みですとか、三朝町内でNPOの方々が買い物代行サービス等、あるいは高齢者世帯の見回り事業を実施するような取り組みが始まっております。
こうした取り組みはこの1~2年で随分と広がってきておりまして、県としましても例えば今年度の中山間振興関係の予算では県の補助対象となります移動販売車の範囲を拡充するなど、引き続きこういう買い物支援に対する支援を充実させて応援していこうとしているところでございます。
次に、6月3日に買い物不便相談窓口を県庁内のとっとり暮らし支援課内に開設いたしました。これは中山間地域におきまして買い物に不便を感じておられる方々からのニーズを聞き取り、あるいは移動販売事業をこれから始めたい、あるいは今事業をやっているのだけれどもさらにどういうエリアが対象になり得るかといったような、事業をやる上でのいろいろな助言を求められたようなときにいろいろ対応して、さらによりよい買い物支援を実現しようとするために設けた窓口でございますけれども、6月11日現在、これまで10件ほどの相談を受け付けておりまして、具体的には事業を実施している方あるいはこれから事業を実施したいという方から9件、そして実際に買い物でお困りの方から1件の御相談を受けております。
例えば、買い物にお困りの方の1件というのはちょっと体が不自由な方で買い物にお困りだということで、この方に対しましては電話で注文ができます配送サービスのお近くのサービスを御紹介させていただいたりいたしました。
また、事業者からは、新たに事業を開始したいのだけれどもどういったところにニーズがあるかといったようなお問い合わせをいただいたりしておりまして、そうした事業者へのニーズの情報提供を行ったり、あるいはこれはまだ具体的にそういう相談は受け付けておりませんけれども、例えば全く今移動販売業者が入ってきていないような空白のエリアからの御相談などがあった場合には、市町村と県の中山間振興チームなどが一緒になりまして、その地域のニーズを踏まえて新しく事業者を誘致するのか、あるいは先ほど宝木地区の例がございましたけれども、住民が主体となって新たな店舗開設などを検討するのか、そういった各地域の実情に合わせた対応を住民の皆さんと市町村、あと県が一緒になって考えていくような取り組みを進めていくことで、買い物の不便な状況を少しでも改善したいと考えております。
また、この中山間における買い物支援の取り組みというのは、単に食品ですとか日用品を提供するということにとどまらず、高齢者の見守りといったようなことで非常に重要な役割を担っていると認識しておりまして、これまでもあいきょうさんですとか、それからこの春から始められた米子高島屋さんなどが移動販売を実際にやっておられる途中で倒れられた方を発見して、救急車を呼んでいただくといったような事例もございまして、こうした重要な機能を有しているということでございますので、こうした見守り機能というような役割というのは今後ますます高まってくると思います。
その一方で、集落の人口というのがやはり低減していくという中で、持続可能的にこういう事業を引き続き運営していただけるように、県としてもサポートを引き続きしていきたいと思っております。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
横濱教育長
◯教育長(横濱純一君)長谷川議員の御質問にお答えいたします。
議員から、「大山賛歌」が県民愛唱歌になればということでお話をいただきました。
「大山賛歌」は発表から40年たっておりまして、今でも県内で脈々と歌われたり演奏されたりしております。地元を中心にして親しまれております。私もこのメロディーを聞いたり歌詞も歌ったりするわけですけれども、非常にみずみずしい感性の歌詞でありますし、そしてまた爽やかなメロディーと相まって本当にいい曲だなというふうに思います。
県全体ということでいいますと、県の中学校音楽教育研究会というのがありまして、そこが音楽の副教材を作成しております。その中には、鳥取県の歌として県民歌「わきあがる力」とともにこの「大山賛歌」が取り上げられておりまして、県内のほとんどの学校で使用しております。私は、この副教材の中で実際に歌を取り上げて歌っていくということが一つのポイントだというふうに思います。
また、県教育委員会が所管しております大山青年の家では、利用者が退所される際にこの「大山賛歌」を流して見送りをしているということでございますが、この大山青年の家の利用者は増加しておりまして、実は昨年度は3万4,305人という過去最高を記録しております。このようなことで、大山でのよい思い出を持った方がこの歌に送られて帰っていかれるということで、よい体験とそのリズムとメロディーがあって、また心に刻まれるのではないかというふうに思います。
「大山賛歌」を歌ったり聞いたり演奏したりすることで、やはり子供たちはそのメロディーのすばらしさ、リズムのすばらしさだけではなく、その中身、あるいは大山の姿をイメージしますので、ふるさとに愛着を持つというきっかけになるとも思います。
そういう面で、まず学校現場でどのように実際にこの歌を歌っているのか、活用しているのかということを把握した上で、よい取り組みがあれば応援していきたいと思いますし、関係者とも話し合ってみたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)11番長谷川稔議員
◯11番(長谷川稔君)自席で再質問をいたします。