新年度から
鳥取環境大学に設置される予定になっている英語村は、海外に開かれた大学づくりの
キーセンターとして、学生の英語力の向上や留学、語学研修の支援、多文化交流や地域交流の拠点としての機能を持った多
文化交流空間となっています。この英語村の中では英語のみというルールで英語圏にいるような空間をつくり、クイズ、スポーツ、料理教室などの
ミニイベントを通じて、楽しみを提供することにより学生を呼び込み、自然にネーティブスピーカーの生の英語に触れることで、英語による
コミュニケーション能力を高めるとあります。地域連携の拠点として、地域住民や小・中の児童生徒、また高校生も受け入れるようですが、知事にはこの英語村の設置にどのような期待をされるのか伺います。
また、昨年から小学校の5、6年生では英語による外国語活動が導入されたほか、中学でも英語の授業時間が増加するなど、外国語を通して
コミュニケーションを図る能力の育成が求められており、英語を楽しむ取り組みと位置づけられていると考えます。また、高校生を対象に、夏休みに2泊3日での
集中英語体験も計画されています。
そこで、
教育委員長には、小・中・高の児童生徒が公立大学と連携した英語村の取り組みをどうとらえているのか伺います。
新年度を控え、各学校のほか県内小・中・高の教員へも英語教育や体験活動として英語村の周知をしていく必要性についてどのように考えておられるのか伺います。
次に、
病弱特別支援学校について伺います。
昨年の6月議会で、西部地区における病弱児の
特別支援学校の
高等部設置の必要性について質問しました。
教育委員長からの答弁では、
高等部設置や
皆生養護学校の高等部への病弱部門の設置が必要ではないかとの御提案がありましたので、改めて西部地区の病弱の児童生徒の状況を把握し、検討していきたいと考えますとありました。私はことし1月に
市立米子養護学校を訪れ再度懇談いたしました。現在、同校には23名の児童生徒が在籍をしています。また、病弱の
特別支援学校への入学についての相談件数は、平成22年の8月から24年1月までの1年半に約50件あり、
市立米子養護学校へ14名が入学したとのことですが、今後も増加するのではないかとの話でした。
この問題について、
教育委員会では昨年、西部地区の病弱教育に係る調査として、西部地区の
市町村教育委員会、小学校、中学校、
特別支援学校、
病弱特別支援学級並びに
特別支援学校の児童生徒の保護者を対象に
アンケート調査を行っていますが、この調査結果について
教育委員長はどのように受けとめられているのか、今後の方向性についてもあわせて伺います。
次に、
島根原子力発電所について伺います。
昨年の12月、鳥取県、米子、境港の両市は、中国電力との間で、
島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保に関する協定を結びました。これは何度も言われているとおりEPZの区域外の自治体が締結した全国初の協定であり、大きな一歩であり評価するものです。
2月22日の朝日新聞に、「原発鈍い防潮堤整備」の見出しで、
東京電力福島第一発電所事故を受け、国が原発に求めた中長期の地震・津波対策のうち、防潮堤と
水素爆発対策の整備が進んでいないとの記事が掲載されております。2月17日に、私
たち公明党鳥取県本部の県議会議員、市議会議員13人は、安全協定の締結後の問題を探るため、島根県松江市にある
島根原子力発電所の視察を行いました。当日は、建設がほぼ完成している島根原発3号機の制御室や核燃料が入る炉心の様子、また、建物内の安全上重要な設備を守る防水性を高めた扉の確認のほか、津波対策となる防潮堤の工事状況、高台への
緊急用発電機の設置状況などを安全対策の面から視察、その後は中国電力とさまざまな意見交換を行いました。
このことを踏まえ、知事に伺います。
島根原子力発電所では対策として、
発電所構内全域を防波堤、防潮堤の高さを15メートルに設定し、
かさ上げ工事を進めており、3号機の北壁防潮堤については完成、現在は残りの防潮堤の工事を平成25年完成予定で進めております。意見交換では、稼働の条件として1、2号機の防潮堤は完成していないので、完成するまでは稼働すべきではないとの質問に対し、中国電力からは建物の防水対策ができればオーケーと考えている、安全対策、
ストレステスト等を行うとのことでした。また、原子炉の40年廃炉の政府方針についてどう考えるかについて質問したところ、まだ内容は聞いていないとのことでした。1号機は既に38年を経過しようとしており、40年廃炉の問題は目前であります。そして、1号機、2号機の防水対策と
ストレステストが行われれば再稼働できるという見解について、知事には隣接県として再稼働の条件としての防波壁の完成の有無と40年廃炉についてどのようにとらえているのか伺います。
2月26日のNHK番組「日曜討論」で、私ども公明党の
斉藤鉄夫幹事長代行は、原発の稼働停止が相次ぐ中で、
エネルギー確保について長期的には原子力に依存しない社会を目指していくべき、
再生エネルギー確保の推進、省エネ、化石燃料の効率化が
エネルギー確保の3本柱となると指摘、原発の再稼働に関して、国民の安心が大事、経済が大変だから再稼働を急ぐという姿勢は間違っている、新安全基準をつくることが、まずやらなければならないことだとし、その上で仮免許のようなわかりやすい基準で運転することもあっていいとして、
ストレステスト、耐久性評価ではよくわからない、防潮堤のかさ上げとか、武力攻撃への対策とかをきちんとやって国民に納得していただくことが大事と訴えています。
福島県民の悲劇は、原発立地県ではない鳥取県にも、いつ降りかかるかもしれないという恐怖が現実味を帯びてきています。
福島原発事故から見えてくる絶対安全はないとの教訓に学び、十分な安全対策とともに、電力会社、行政、住民の信頼関係を築いていくことが大事です。
全国で初めて原発立地県、関係隣接県以外で安全協定を結んだ県知事として、この新たな
安全基準発言に対する考え方を伺います。
以上で、壇上の質問といたします。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、観光につきまして何点かお尋ねをいただきました。
第1点目は、以前御質問いただきましたが、韓国ドラマ「アテナ」の件につきまして、ブログのアクセスだとか
テレビショッピングだとか、そういう活用の現状はいかがであろうか、経済的な効果などいかがであろうかと、こういうお尋ねをいただきました。
この「アテナ」につきましては、以前もいろいろとやりとりをさせていただきましたけれども、こういう
ポップカルチャー、映像文化を通じまして、海外に鳥取県を紹介していくという意味では、いいチャンスであったことは間違いないだろうというふうに思います。
残念ながら、「アテナ」が放映されたのが平成22年の末から平成23年の頭にかけてでございまして、3月11日に
東日本大震災が起こりました。放映されていたのは韓国でありますので、特に韓国は震災後の風評被害の厳しいところでございまして、残念ながら本来「アテナ」について我々が期待をしていたほどの効果は得られなかった面もあります。ただ、間違いないのは、熱狂的ということではありませんけれども、非常に認知度が上がったことは疑いもない事実だと思います。
では、現にブログの
アクセス数などどうだったかということでございますが、平成22年、平成23年、すなわち放映前と放映後とを比べてみますと、倍近くの韓国語のブログの
アクセス数でございました。その韓国語のブログにつきましては、当然ながら「アテナ」の撮影シーンでありますとか、そういうものもふんだんに使いまして、
ホームページの上でも魅力をアピールしていくということをしたわけであります。ですから、海外では認知度は高まったかなと思います。
テレビショッピングも、そういうことと連動して誘客を図ったわけでありますが、その後
東日本大震災がありまして、韓国からのお客さんが若干厳しくなったということであります。ただ、現実に韓国の観光業者ですとか向こうから来られる観光客の方に伺ってみますと、やはり「アテナ」の撮影地なので、ぜひ鳥取に来たかったと。震災ということはあったけれども、それは考えずに来ましたよというような感想が聞かれたり、旅行業者のほうからも商品造成がしやすくなったというお話がございました。現に、「アテナ」の直前と直後で比べますと、向こうの観光業者さんの商品造成の数は倍増しています。したがいまして、鳥取県が韓国にとりまして「アテナ」ゆかりの観光目的地ということに成長したということは言えようかと思います。
実際の来られたお客さんの状況ですが、
DBSクルーズフェリーは相変わらず満席に近い状態が続いて回復をしてきておりますが、残念ながら
米子~ソウル便のほうは、日本から行くお客さんはある程度の手ごたえを持った水準ではありますけれども、向こうから来られるお客さんがまだ厳しい状況にあります。若干盛り返しつつあるというぐらいでございまして、
テレビショッピングなど、今も打っているところであります。
「アテナ」以降のそうしたお客さんの状況を見ても、それでもお一人当たりの購入金額などを掛け算をして計算してみますと、最低でも3億円を上回る経済効果があったということは確認できております。したがいまして、一つ土台をつくるような
ステップアップの場にはなったかなと考えております。
また先日、
ロッテ観光さんという韓国の
大手旅行会社がお見えになりました。その皆さんがおっしゃっていたのですが、
コスタ・ヴィクトリア号が境港への入港を決める決め手というのは、鳥取県が非常に
環日本海交流に熱心だということが一つございました。あともう一つは、向こうの方々も「アテナ」の写真を見て非常に盛り上がっておられましたが、やはり「アテナ」で特に韓国のお客さんについては、鳥取へ行ってみたいというようなニーズがあるだろうと。そこに重きを置いて、境港への入港ということをこのたび選択したということでございました。この
コスタ・ヴィクトリア号は関西へ行くとか、九州とか、いろいろとデスティネーションもあるわけですが、初めて境港を目指してやってくるということになりましたのは、「アテナ」の効果だということは言えようかと思います。
向こうの船会社の
ロッテ観光側の話としては、
コスタ・ヴィクトリア号を入れるということだけで2,000万円を上回る経済効果が地元にあるというような計算を示されておられまして、こういうこともだんだん足し算をしていくと、さらに大きな経済効果があったということかなと思います。ただ、これは我々にとって恐らく一つの
スタート地点の話だと思いまして、海外からの誘客をぜひ図っていく必要があると思います。現に「アテナ」は13カ国で放映されてきております。日本でも
BSジャパン、テレビ大阪が現在放映中でございます。その前にはテレビ東京さんとかWOWOWが放映をしていましたし、春には山陰の
テレビ地上波も放映をするというようなお話も伺っておりまして、身近なところで見る機会ができるかなと思います。
こうやって日本でもまた認知度が高まってくるとお客さんがふえてくるかと思います。現に中部のバスツアーでございますが、2,300人を数えております。韓国人と日本人、やや韓国人のほうが多いということでございまして、日本側の認知度も十分なものが出てきているのかなと思います。
次に、台湾の
サイクリング交流など
スポーツツーリズムについてお尋ねをいただきました。
台湾訪問の観光振興への影響はどうだったかということでございますが、これは議会の御同行もいただきまして向こうに出かけていきました。県議の皆さんとも共同してPRをしてきたところでございます。1月12日には台中市において、まんが王国とっとりのオープニングセレモニーをして来場者でにぎわったところでございます。また、1月11日には、今お話にございました自転車会社のジャイアントの劉会長さんと面談をさせていただき、その前の日は復興航空とお会いをしておりますが、別働隊は
サイクリング協会を訪ねておられます。そうした中で出てきたのが、復興航空が4月1日、9日に
チャーター便を飛ばすという成果でございましたし、それから
サイクリング交流、これにつきましては、このたびの復興航空の
チャーター便でそうした
サイクリング旅行関係者に来ていただいてはどうかと思っております。それで、ツール・ド・大山の地であるとか、そうしたところを御視察をいただきまして、いずれ向こうからの旅行客を誘客をする手がかりを得たいというふうに思います。ツール・ド・大山は、ことしの分はかなり間近に迫っておりますので、ちょっと準備が間に合わないかもしれませんが、来年のツール・ド・大山など、そうしたところでチャンスを見出していきたいというふうに思います。
これにつきましては、ツール・ド・アジアという構想もジャイアントの劉会長、あるいはジャイアント・ジャパンの李会長もおっしゃっておられます。これは
ツール・ド・フランスという世界大会がございますが、大体20日以上かけまして、7月にフランスを中心として自転車で回ると。回るといっても全部つながって回るわけではなくて、一部は輸送する区間もあるわけでありますが、大体一周すると、こういうツアーです。こういうものを
ツール・ド・フランスとしてやっていまして、全世界の注目を集めるレースになっています。これのアジア版をやりたいというのがジャイアントの構想でありまして、私どももその一翼を担うことができれば、これは非常に大きなことではないかというふうに思います。
まずは、ツール・ド・ジャパンということを考えたり、さらに台湾だとか韓国だとかとあわせてコースを考える、そういうところを自転車で走りながら、一部輸送して走ってということで、フランス流にいえば一月弱かけて回るというようなことでございます。恐らく台湾の中だけだとちょっと短過ぎるのだと思います。そういう意味で、やはり台湾でやりたいけれども、日本だとか、韓国などを巻き込んで、そういう大会に結びつけられないかなという構想なのだと思います。この辺も将来構想としては非常におもしろい着想だと思いますので、今後
ジャイアント側ともよく意見交換をしてまいりたいと思います。
ニューツーリズムにつきましてお尋ねをいただきました。詳細は
文化観光局長からお話を申し上げたいと思います。
これにつきましては、先般山田佳一郎さんというスイスにふだんおられる
観光カリスマの方でいらっしゃいますが、スイスでございますので、そういう
ニューツーリズムの指導者でもいらっしゃいます。鳥取県で来年行います
エコツーリズム国際大会の実行委員もしていただくという方でございまして、
中核メンバーでいらっしゃいます。その方ともお話をさせていただきましたが、鳥取県、大山など非常に魅力的なところがあると、ぜひ
エコツーリズムの世界大会を通じて、この鳥取県から
ニューツーリズムの商品をしっかりと出していける、そういう道筋を描こうじゃありませんかと、こういうお話でございました。大賛成でございまして、我々としても今議員がおっしゃったようないろんな実践的な
メニュー造成を通じまして、そうしたお客さんの呼び込みにつなげてまいりたいと考えております。
次に、
鳥取環境大学についてお尋ねをいただきました。
英語村でございますけれども、これはこれからの国際的な感覚を磨いたり英語力を磨くという意味で、非常に有効な場ではないかと期待をいたしております。近畿大学など、こういう英語村の取り組みを既に始めておられまして好評を博しているわけであります。私どもは公立として再スタートをする
鳥取環境大学でございますので、地域に開かれた形でこの英語村を活用できるような素地をつくってまいりたいと思います。
今の計画では、来年度は、ちょっと施設整備が完全には間に合いませんので、学生がよく寄ってくるようなカフェテリアのあたりを活用しまして英語村をまず開設をしようと。それから、1年間ぐらい、じっくり準備だとか施設整備の期間をかけまして、再来年度からそういう新しい施設で英語村をオープンさせたいと思っております。できれば小・中学生、高校生といった子供たちの学びにも英語合宿的なことを組み合わせて使っていただくとか、それから地域の方も気軽にやってきていただいて国際感覚を養っていただける、そんな場にもならないかと思っております。
施設整備に今5,000万円ほどかけようとしておりますが、人件費もきちんと手当てをさせていただき、ネーティブの方はもとよりといたしまして、留学のコーディネーターができるような方も配置をして、その場でゲームや、あるいは映像を楽しんだりして、英語の世界に触れていただく、しゃべっていただく、さらに留学だとか、そうしたコンサルティングも行う、そういう多角的な場としたいというふうに思います。欲を言えば1日英語づけのオールイングリッシュのスペースといいますか、大学という考え方もあろうかと思いますけれども、ほかのカリキュラムだとか学生の志向性の問題もありますので、まずはそういう英語空間をつくることで英語教育の実を上げられるようにしてはどうかというふうに考えております。
最後に、島根原発についてお尋ねをいただきました。
再稼働の条件として防波堤、40年廃炉ということについて、どういうふうにとらえているのであろうか。また、先般のテレビでの斉藤議員の御発言ということもございまして、新たな安全基準という考え方についていかがかというお話でございます。
斉藤議員がおっしゃったことに、私としても全く共感を覚えます。本末転倒してはならないのだと思います。最近、野田総理の発言をお伺いをしていて若干気になりますのは、地元の理解を得ることが前提だという言い方ではありますけれども、再稼働ということを夏の
ピーク需要期を見据えたような形で、政府として政治的判断をすべき時期が来るのではないかという趣旨の発言がつい最近になって出てくるようになりました。これは結論を先取りしてはならないと思うのです。大切なのは、先ほどの新基準という表現でございましたけれども、周辺住民の安全確保がまず第一義であると、これが福島第一原発事故の最大の教訓だと思います。結局、確かに経済雇用ということもございますので、電力をつくることを優先しがちでございます。長年それでやってきたわけです。その背景には、学者の世界だとか、あるいは政治行政の世界、さらに企業も経団連も含めて、経済団体も含めてみんなで安全だと言い続けてきた安全神話があった。これは見直されなければならないということになったわけであります。一たび事故が起こってしまって、その被害を発生させるということになりますと、これは何十年というスパンで地域に影響を与えることになります。ですから、このことは、まず安全を最優先してどういうように判断をしていくかというような姿勢で臨んでいただきたいと思います。
先ほどの新基準というお話は、まさにそのことを念頭に置いて提唱されているお考えだと思います。その意味で、深く共感を覚えるものであります。
それで、40年の寿命の話とか防潮堤のお話もございました。こういうような問題についても、そうした観点で考えていかなければならないのだと思います。
今の客観的な情勢を申し上げれば、中国電力は
東日本大震災ということを受けて、15メーターの高さでの防波堤をめぐらすという、約1.5キロの構想を立てました。そして、まずは3番目の3号機のサイトにつきまして、これを囲うということは完成したということであります。さらに1号機、2号機のサイトも含めて防波堤を建てようとしています。また、あわせて、要は電源が水にやられないような措置を施設整備として並行して行おうということを進めています。
先般、原子力発電所についての規制の法案の中で、40年を一応廃炉の基準とすると。ただ、一定の要件を満たせば20年延長することもあり得るべしと、こういうような考え方が出されたと、これが今の客観的な状況であります。
では、これを地元としてどういうふうに評価できるかというと、私は、まだ十分評価できる材料が出てきていないだろうと思います。
ストレステストをやればいいじゃないかという御議論もありますが、
ストレステストは根本的な問題の解決かどうかというと、まだ疑問符があるというのが大方の見方ではないかと思います。なぜそういうようにもやもやとした感じになっているかというと、結局、先ほどの新基準の発言にもございましたが、
福島原発事故の原因がきちんと究明をされていないと。つい最近になりまして、政府内で原子力事故対策が十分であったかどうかの民間の検証レポートが出てきております。ただ、これはまださわりでありまして、現実にどういうメカニズムで事故が発生をしたのか、地震はどういうふうに影響したのか、津波との関係、さらにメルトダウンが起きていないと言い続けながらも結局は起きていた。そうした状況の中で、どういうようなところに原因があったのかというところの完全な究明には至っていないですし、これは政府がつくっていないというのがまだ現段階です。ですから、それに対する原子力安全対策の体系ができ上がり切っていないというのが現状であります。
ですから、こうした原因究明と対策が、これでもうみんなが納得できる、国民もこれなら考えられるかなというものがまずできて、それを現実に今中国電力がやっている15メーターの高さの防波堤であるとか、中国電力の炉の状況だとか、そういうものと照らし合わせて、どういうふうに判断するかということが初めて我々も材料が出てくるのだろうというふうに思います。そこの前提にまだ至っていないわけですね。その片方で、再稼働、再稼働という話が聞こえ始めてきて、大飯原発のほうの動きも出てきていると。もう少し落ちついて慎重にこの問題は議論しないと、大方の国民のコンセンサスを得ながら物事を展開することはまだ難しい状況なのかなというふうに思っております。
そういう意味で、政府のほうには40年プラス20年どうするのか、この考え方の基準を明らかにすることを求めなければならないと思いますし、地震を含めた施設整備の基準など、そうしたことを明らかにしてもらうことをまず求めなければいけないわけでございまして、私どもとしても、そういう姿勢で向かっていきたいというふうに考えております。
今後のスケジュール感としては、今国会のほうで原子力災害対策特別措置法の審議がなされ、さらに原子力規制法の審議がなされています。その原災法の関係からいえば、これは私どもがUPZと言われるような中で、周辺地域と認められるかどうかがかかっている法案であります。それから、原子力規制法のほうの関連でいえば、津波対策も含めた震災対策の基準がその後明らかにされる前提としての法整備ということになります。これらが動き出すのは、今のスケジュール感からいいますと4月以降のことになろうかと思うのです。したがいまして、慎重な議論を求めたいというのが私の正直な気持ちであります。
二次交通対策等の状況につきましては、
文化観光局長からあわせて答弁させていただきたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)補足答弁を求めます。
細羽
文化観光局長
◯
文化観光局長(細羽正君)私のほうから2点、補足答弁をさせていただきます。
まず、「アテナ」の関係でございます。成果と取り組み状況ということで、主に韓国からの誘客にかかわります二次交通でありますとか
受け入れ対策、両替等の部分でございます。
まず、二次交通でございますが、昨年の1月末から米子鬼太郎空港、それから境港国際ターミナルと県中部、東部を結ぶリムジンバスの運行を開始しております。この運行主体は県内のバス会社さんでございまして、県も経費支援をさせていただいているところでございますが、こちらの利用者も徐々にふえておりまして、今のところ延べ3,000人ぐらいのお客さんに御利用いただいております。その中には県内のお客さんもいらっしゃいますが、多くは外国のお客さんということでございます。また、二次交通関連ということで、中部の周遊バスでありますとか、東部のタクシープランというのもその直後ぐらいから運行しております。その利用状況につきましては、先ほど知事からもありましたが、中部のバスツアーについては2,300人程度、東部のタクシーツアーについては大体1,000人ぐらいのお客さんということで、これも徐々に認知度も上がり、利用者もふえている状況でございます。
両替等の
受け入れ対策でございます。これにつきましても、「アテナ」にあわせましてどんどん県内で整備しようという機運が高まっておりまして、例えば両替については、従来は銀行が主な両替場所でございました。今は御存じのとおり、少額の両替については特に規制がございませんので、例えば観光案内所とか観光施設のほうでも少額の両替をしようということでされている事例も聞いております。ただ、具体的に件数とか場所についてはちょっと把握はしておりません。また、クレジットカードの利用も外国のお客さんは多いということで、これも県の補助金も御利用いただいて、特に中部でありますとか境港というところで、民間の事業者さんのほうでクレジットカードの導入も進んでいるところでございます。
2点目としまして、
ニューツーリズムの関係でございます。
まず、
ニューツーリズムを県が進めようという目的、背景でございますが、これから多くの外国のお客さんに来ていただくためには、やはり鳥取県の個性、特性を強く打ち出す必要があると思っております。やはり鳥取ならではの体験プログラムが必要であろうということで、今年度民間の事業者さんの取り組みを支援をするということで今回募集をさせていただきました。その結果、先ほど議員のほうからもお話がありました6件企画応募がございました。西部から4件、中部から2件、残念ながら東部からはございませんでしたが、いずれも今年度の事業ということで、今ほぼ商品はでき上がってきております。
少し具体的に申しますと、例えば大山のトレッキングとバイクライドという事業につきましては、これはもう既に商品ができておりまして、韓国のほうへこれからどんどん売り出しをしていこうということでございまして、その販売方法につきましては、皆生の旅行業を持った会社のほうからの販売、それからインターネット等での直接販売ということを考えておられます。また、三朝のほうの健康増進プランということで、これは温泉と周辺の体験プランというのをセットにしたものでやろうということで進んでおりまして、これにつきましては、韓国の旅行会社のほうに直接売り込むというような形での販売ということもお考えのようでございます。いずれにしても、6企画すべて、大体順調に商品造成が進んでおります。
また、これらの評価でございますが、議員のお話にもありましたように、去年の10月末に観光庁の事業を利用しまして外国人の方に直接体験をしていただく
モニターツアーということを実施しております。この主な対象は、西部のほうのメニューが中心だったのですが、そのときは韓国から6名、フランスから1名、計7名の外国の方が参加されました。評価はいろいろありましたが、主なものとしましては、やはり温泉とセットでいろんなプランの体験ができるというのは非常にいいなという高い評価もいただいております。それから、韓国のお客さんからは、意外と仁川から近いところでこういう体験ができるというのは非常にいいということでいい評価をいただいております。また、フランスからの参加者の方につきましては、後ほど帰国されてから、自分のブログのほうでかなり詳細にこのプログラムの御紹介もいただいたりしております。
今後の期待でございますが、今回商品ができ上がってまいりましたが、これをいかにどんどん広めていくか、売っていくかということでございます。県としましても、これからの海外プロモーションの中でこういった商品もどんどん紹介して、また、海外からのメディア、それから旅行会社の招致においても紹介をしたいと思いますし、さらには先ほど知事の話にもありましたが、来年秋に県内で
エコツーリズムの国際大会が開催されます。そういった場面でも、こういったプログラムは積極的に紹介をしてまいりたいと考えております。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
笠見
教育委員会委員長
◯
教育委員会委員長(笠見幸子君)澤議員の一般質問にお答えいたします。
まず、
鳥取環境大学が来年度から設置される英語村についてでございますが、海外に開かれた大学づくりの拠点として英語村を設置され、英語圏にいるような空間をつくり、子供たちや地域の方々に開放していただけることは大変ありがたいことだと思っております。さまざまな分野でグローバル化が進む中で、国際共通語としての英語の重要性はますます高まっておりまして、学校においては、先ほど議員のお話もありましたように、平成23年度から小学校5、6年生に外国語活動が導入され、平成24年度、新年度からは中学校におきまして、英語の授業時間数が週1時間ふえることになっております。また、高等学校におきましては、平成25年度から生徒が英語に触れる機会を多くするために、英語の授業の時間はオールイングリッシュで行うことが基本とされるなど、英語強化の取り組みが進んできております。
こうした中、これまで鳥取県でもネーティブな外国語指導助手を中学校や高等学校に配置しまして、英語による
コミュニケーション能力の向上に努めてまいったわけですが、
コミュニケーション能力を伸ばすには、何といっても英語になれることが大事でございまして、そのような環境をつくっていくことが鳥取県においてはとても必要なことだと考えております。
こうした中、
鳥取環境大学の英語村は、本県の小・中・高校生にとりましても、英語を使って
コミュニケーションを図りながら国際的な感覚を養うきっかけとなる大変すばらしい環境になると思いますし、また、そうあってほしいと願っております。
差し当たり、平成24年度には、この英語村を活用し、小・中学生が夏休みや冬休みを利用して外国の人との調理実習やクイズ、ゲームなど、楽しい催しを通して英語を学ぶ1日英語村体験や、また、高校生におきましては県内にいながら外国で生活しているような体験ができ、ディベートなども行う2泊3日の高校生英語キャンプなどの事業を考えているところでございます。
今後、
教育委員会としまして環境大学の英語村としっかり連携を図り、子供たちが英語になれて積極的に
コミュニケーションがとれるようになったり、また、英語村での体験を通して英語を学ぶ意欲を高めていってほしいと願っているところでございます。
次に、教員や学校への周知についてのお尋ねでございました。
先ほども申し上げましたが、英語村の取り組みは大いに期待しているところでございます。英語村の取り組みは、英語を話したくなる、聞きたくなる、参加をしたくなるような空間、環境や教材があること、それから子供たちが気軽に楽しく学んでいく活動やプログラムがあることなど、子供たちだけでなく教える側の教員にとっても大変参考になるものであると考えております。また、現場の教員からも、外国語活動や英語教育には、英語が楽しいと感じる体験が大切であるといった声を聞いているところでございます。こうしたことから、教員の皆さんにはぜひとも英語村のことを知っていただきたいと思いますし、実際に英語村を体験していただきたいと思っております。
教育委員会では、来年度、先ほど申し上げましたが、英語村を活用した事業を立ち上げる予定にしておりますが、それ以外にも例えば英語村を職員研修の場として活用したり、学校単位で英語村を訪問する、そういったことも可能となりますので、各学校はもちろんのこと、教員の皆さんへしっかり周知していきたいと思っております。
もう1点、西部地区における病弱の子供たちへの
特別支援学校高等部設置の件でございますが、昨年6月に澤議員から西部地区に病弱の高等部を設置してはどうかというお話がありまして、昨年8月に病弱の児童生徒が在籍する
特別支援学校や特別支援学級に在籍する生徒の保護者、そして小・中学校、
市町村教育委員会に対し調査を行いました。
調査の内容でございますが、保護者の方に対しては、病弱の生徒に対して教育を行う
特別支援学校の高等部があった場合に進学先として考えられるかどうか、そして、小・中学校及び
市町村教育委員会に対しましては、そういった高等部の必要性を伺いました。また、このほかに西部地区の病弱教育に対する御意見なども伺ったところでございます。
その調査の結果でございますが、調査時点で、昨年の8月時点で、西部地区の病弱の
特別支援学校や特別支援学級に在籍する小学校1年生から中学3年生までの児童生徒は35名でございまして、その保護者のうち24名の方から回答をいただきました。それによりますと、高等部が設置された場合の進学先の希望については、入学をさせたいとか、選択肢の一つとして検討したいと回答された方が20名おられまして、24人のうち20名の方が進路先として検討すると答えられております。また、西部地区における病弱教育に対しまして、進路の選択肢がふえるので高等部ができればうれしく思うとか、西部地区にこれまで病弱の高等部がないことに不公平感を持っており、早急に実現していただきたいといった御意見が多くございました。また一方、西部地区の小・中学校や
市町村教育委員会に高等部の必要性についてお尋ねしたところ、小・中学校、
市町村教育委員会とも8割近くが必要性を感じるとの回答でございました。また、西部地区市町村の教育長とも意見交換をさせていただきましたが、病弱の生徒を対象とする高等部は進路選択の幅を広げるために必要であり、ぜひ設置をお願いしたいということをたくさんいただきました。こういうことから、私は病弱の高等部の設置に向けて、こういった御意見を真摯に受けとめ、前向きに検討していく必要があると受けとめさせていただきました。
現在、設置場所や開設時期、あるいは必要となる施設設備などについて内部で検討しているところでございますが、今後さらに検討を重ねた上で、
教育委員会としての方針を決定して、西部地区の病弱の児童生徒や保護者の皆様のニーズにこたえていきたいと考えておるところでございます。
◯議長(
伊藤美都夫君)14番澤紀男議員
◯14番(澤紀男君)ちょっと長くなりましたけれども、答弁いただきました。
最初に
教育委員長、病弱児の御回答をいただきました。実に8割以上がやはり必要だということが調査の結果出たわけですので、例えば、新年度とはなかなか言えませんけれども、一日も早く、やはり24年度は準備して25年度には開校すると、こういうスケジュール感を持った、やはりこのデータからしっかり
教育委員会で対応していただきたいと、このように私は考えていますけれども、そこのところ、もし御意見があればお伺いをさせていただきたいと思います。そこのところを決意も含めてお願いしたいと思います。
それと、先ほど知事のほうから答弁いただきまして、特に原発の問題につきましては、新しい基準ということの必要性と、現実に今の状況が本当に不備だという、そういう認識を私も知事の答弁を聞かせていただいて感じております。私たちも行って一番感じたことといいますのは、やはり法律の壁というのは本当に大変なものがあるということをあの混乱の中でやはり感じております。その中で、隣接する鳥取県の中で、やはり先ほど防潮堤の話を出しましたけれども、法律からいえば、確かに基準を満たしていればいいかもしれませんが、安全という意味では、先ほどおっしゃったように、これはもう心情的に納得できない部分がありますので、やはり安全基準も満たすと同時に、それから先ほどの防潮堤も一つの大きな安全対策としての安心といいますか、そういうとらえ方として、やはり不備だということをこれからも発信していただきたいということをお願いしておきたいと思います。いずれにしましても、UPZに拡大し、そして新しい法案が通ったときにまた新たなステージになると思いますけれども、それまでにも鳥取県としてもやはり発信をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
観光についてですけれども、先ほどいろいろと伺いました。一つは、「アテナ」の件については、私も何回も議会のほうで質問させていただきまして、やはり一つの大きな呼び水になって外国からの訪問客が多く訪れるというような形の中で、やったことについての効果については、議会でしっかりと取り上げて検証して、いい方向に進めたいという意味で、これからも質問で取り上げさせていただきたいというふうに考えております。
もう一つは英語村についてですが、これは先ほど
教育委員長の答弁をいただきましたように、やはり非常に画期的なことではないか。かつて京都産業大学に行きましたときに、いろいろと懇談をしておりまして、前外国語学部の学部長さんが言っていらっしゃいましたけれども、鳥取県は本当にそれをされるのですかと、びっくりされていました。といいますのが、韓国などは英語村について非常に爆発的な授業として広まっておりますし、教育の現場では大きな大きな広がりのもとになるということを感じておりますので、これからも地域の核としてやはり発信していただきたいなということをお願いしておきたいと思います。
次に
スポーツツーリズムについて、重ねて質問したいと思います。
県西部の
スポーツツーリズムの推進についてですけれども、平成21年の1月から観光立国推進本部のもとに置かれました観光連携コンソーシアムにおいて、
スポーツ観光が取り上げられ、
スポーツツーリズムの一層の推進が図られることが期待をされており、政府もさまざまな振興策を検討しております。また、一般のサイクリストを対象に、実は大山、中海周辺をめぐるサイクリングコースが5コース設定されておりまして、それぞれ各コース別に走行距離や最大高差、それから平均傾斜度、初心者から上級者などの対象者、サイクリングの総合所要時間、コースのポイント内容、走行コースの5段階に分かれた難易度が示された大山中海サイクリングマップが作成されております。
ちょっと紹介しますと、難易度5、ぐるっと大山~天空の道~ルート、難易度3、ぐるっと中海~水辺の道~ルート、難易度2、日野川と花回廊ルート、難易度2、大山北麓ダウンヒルサイクリングツアー、難易度1、白鳳の里ポタリングルート、このツール・ド・大山コースや日野川河川敷コースには、サイクリングロード路面表示整備事業が82カ所計上されておりますが、そのほかのサイクリングコースの整備もあわせて検討していくべきと思います。大山中海サイクリングロードの環境整備として、自転車ナビマークを設置するなどの道路整備を進めるべきと考えますけれども、知事の御所見を伺いたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員から重ねてのお尋ねをいただきました。
防波堤につきましては、5月だったですか、中国電力から今回こういうような整備を進めることになりましたよと、そんなようなことで計画が示されたり、また国のほうへ報告が行ったりしておりますが、実は政府のほうは、この15メーターの防潮堤が十分かどうかということについて、その適否の判断は出していません。これは先ほどの基準がないということにも関係するのではないかと思いますが、こういうようなまだふわふわした状態でありますので、我々もなかなか判断材料がないというのが現状であります。ぜひ今後注視をして、この課題について見守ってまいりたいと思います。
また、「アテナ」につきましては、せっかくの機会でございますので、海外からの誘客につながるよう、我々としても全力を挙げていきたいというふうに思います。
また、英語村につきましても、これもこれからの関係として韓国の話なども考えれば、今、平均点でいきますと、やはり小学校で教育が始まったということもありまして、韓国は急速に英語の平均点が伸びているということであります。そうしたところでの有効な教育手法としてあるわけでございまして、本県としても国際人の養成のために活用していきたいと思います。
そして、質問の5コースのサイクリングコースということでございますが、このたびの予算の中で自転車のナビゲーションのための道路標識を計上させていただき、御審議を賜っております。ぜひこれは前向きに考えていただきまして、私どもとしてサイクリングの可能性を国内外の人たちにわかりやすく提供していきたいというふうに思います。
鳥取県は起伏に富んでおりますし、平たんなところもあります。例えば弓ケ浜であれば、ずっと長く平たんな道が続くわけであります。また、大山の周遊でぐるっと回るということになりますと、
ツール・ド・フランスがそうなわけでありますが、急峻なところ、非常にアップダウンの激しいところを体験をするということもできるわけでございまして、いろんな形のコース設定ができる、そんな意味では自転車の聖地になり得るところだと思います。せっかくの澤議員の御提案でございますので、今の御質問の趣旨を実現できるように、我々としても今後とも道路標識の整備、ナビゲーションシステムを整えてまいりたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
笠見
教育委員会委員長
◯
教育委員会委員長(笠見幸子君)澤議員の西部地区における病弱の高等部の設置の時期についてのお尋ねにお答えいたしますが、設置の時期につきましては、平成25年4月に、赤碕に琴の浦高等
特別支援学校が開校する予定でございまして、本県の特別支援教育の充実に向けて大きく踏み出すことになります。それにあわせまして、今の西部地区における病弱の高等部の設置についても、できるだけそれに合わすような格好で早い時期に設置できればと、
教育委員会で協議しているところでございます。
◯議長(
伊藤美都夫君)14番澤紀男議員
◯14番(澤紀男君)答弁をいただきました。知事、大変よくわかりました。ありがとうございます。
それで、先ほどの話の続きなのですけれども、原発のことですが、やはり法律に規定していないとどうしようもないと。私が思いますのは、特に30キロ圏内であれば立地県でなくても立地県並みの権利を認めるように、国のほうにこれからも法改正を求めていっていただきたいというふうに思っております。
それと、
教育委員長のほうもいただきましたので、一つの大きな目標がきちんと出たということで、関係者の方もうれしい思いをしているのではないかと思います。これからもよろしくお願いしたいと思っております。
それで、続きまして
スポーツツーリズムについてもう少しお話をさせてもらいたいと思います。
県西部を中心に
スポーツツーリズムのメッカにする取り組みが行われております。先ほど言いましたように、新年度予算にも盛り込まれております。全日本トライアスロンの皆生大会ですとか、皆生・大山シーツーサミット、ツール・ド・大山やヒルクライムin大山、それから鳥取県サイクルマラソン、春詣Bike or Run大会を中心に国内、海外、ほかからの誘致客を目指しております。
スポーツツーリズムとしてのサイクリングを広く地域住民に周知することも必要だと思いますけれども、知事の御所見をお願いしたい。スポーツを活用した新しい観光価値の創造を図っていくためには、企業、そして宿泊施設、観光施設、交通機関、旅行会社、飲食店、商店などや観光協会などを代表とした観光団体やスポーツ団体との連携、協働を効率よく機能させる必要があります。
そこで、県の
ホームページにも
スポーツ観光の開設をして、トライアスロンや
サイクリング協会、
スポーツツーリズム、中部のノルディック・ウォーク、東部の鳥取砂丘のパラグライダーなど、それ以外の県内で開催されるスポーツ大会、見る、体験する、参加するに対応した、あらゆる情報を得られる
ホームページづくりが必要だと思いますけれども、知事の御所見を伺いたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)原子力発電所の関係につきましては、今安全協定を結んでいるわけでありますが、さらに立地県並みのポジションを我々としても強く求めてきたところであります。これは今後とも粘り強くさせていただきたいと思いますし、法的な不備、あるいは国の予算上の不足につきましては、これからも強く要請活動を展開をしていきたいと思います。
先般、岡田副総理が来られたときにも、この原子力安全の関係で、周辺地域における予算がまだまだ不足をしている状況などを申し上げたところでございます。いろんな機会をとらえまして、呼びかけをしていきたいというふうに思います。
スポーツツーリズムにつきましては、皆生トライアスロンもそうでありますし、ツール・ド・大山、あるいはシーツーサミットもそうでありますが、参加者の大方は山陰一円の方でございます。そこに県外からもかなり多数の参加もあり、ぜひ海外からも参加してもらおうということで、この辺は県も助成をしながらてこ入れをしているというのが現状であります。
この
スポーツツーリズムでありますけれども、県民の健康づくりにも大きく役立つものでございますので、こういうようなさまざまな機会があるよと、また、旅の形として、今度、手近なサイクリングの旅をしませんか、県のほうで自転車のナビゲーションの標識をつけましたよと、いろんなことを住民の皆様に知っていただいて、体を動かし、クリエーティブにすがすがしい時を過ごしていただける、そんな提案をしていきたいというふうに思います。
その意味で、議員から御指摘がございました
ホームページのような情報発信を強化をすることは賛成でございます。私どもの
ホームページももちろんでありますけれども、
エコツーリズムについては協議会があったりしますし、これから
エコツーリズムの世界大会に向けてさらに組織づくりを強化していくことになろうかと思います。そうした団体、また大山王国などの関連する団体がいろいろございます。そうしたところの、どういうところでどういう
ホームページづくりをしていくのが県民の皆様、あるいは世界じゅうの皆様にとって効果的で、検索なりアクセスがいいかどうか、この辺をよく考えてみまして、情報発信のあり方をバージョンアップしていきたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)24番山口享議員
◯24番(山口享君)(登壇、拍手)私は、2月定例会に当たりまして、今まで進めてまいりました関西広域連合議会の抱える諸問題について、知事に質問したいと思っております。
発足してから今1年がたとうとしておるわけでございますけれども、この目的は、御承知のように東京一極集中を排除して地域分散型の社会をつくろうじゃないかという形でスタートしたものでございます。人と物が本当に東京に集中すると、特に役所が東京にあるから陳情もそこに行くと、それから社会経済がどんどん発展する中で、中枢は東京に全部移ってしまうということで、関西地域というのが非常に地盤沈下するというおそれがありますので、まず地方分権社会をつくって、そこに権限を移譲してもらうと、そういうことで関西の復権を図ろうという目的で設置されたものと私どもは意識しておるわけでございます。
そういうことでありますので、まず、突破口は二重行政を排除すると、効率的な行政運営をやろうじゃなかろうかという形でスタートしたものであります。
確かに広域連合をつくられた経過については、あるいは1年間の実績を見ましても、
東日本大震災の応援であるとか、あるいは和歌山県紀伊半島で発生した災害であるとか、あるいは節電対策とか、非常に大きな活動をされたこともありますけれども、知事が担当しておられます広域医療分野について、あるいは山陰海岸ジオパークを初めとする広域観光分野の問題について、まず1年を総括していただきたいと思っております。
そこで、私ども福間議員と一緒になりまして、まず関西広域連合議会議員の本来の姿を取り戻さなければならないだろうと。実は入りましてから、ほとんどと言っていいほど議案の審議すらせずに、執行部、委員会が出した議案の追認的な機関でありました。皆が大体そうでございます。議会が活性化しなければ動かないということで、福間議員と議会改革に取り組んでおるところでございますけれども、まだ道半ばでございます。これから相携えながら、鳥取県の議会とは別でございますけれども、これから議会改革に対応してまいりたいと、こう思っております。
そこで、一番大きな課題は、地方主権の問題でございますけれども、なかなか難しいわけでございます。議長の許しを得ておりますけれども、この突破口を開こうというのが、ここにございますように、関西広域連合が地方自治法によって、国土交通省のブランチを丸ごと移管しよういうのが突破口なのですけれども、なかなかこれがうまく進まない。民主党政権においても、なかなか前に進みにくいということがありますけれども、それは一体なぜかといいますと、私がこれから申し上げますけれども、構成団体の利害調整がまず進んでおらないではないかとか、あるいは首長が公選制じゃないではないかとか、連合体でございますので、今委員長は兵庫県知事でございます。責任体制がはっきりしておらないのではないかとか、あるいは大災害における司令塔がいないではないか、あるいは国家公務員をどういうぐあいに配置するのかとか、あるいは移譲された権限について、財源を含めてどういう形で地域に配分するかというような問題も多くあるわけでございまして、こういう不安が今までの体制の中で、市町村長も大きな懸念を持っておるということも、なかなか進みにくい一つの大きな要因ではないかと私は思っております。
そこで、2つ目の課題は、大阪府、京都府、兵庫県が政令市を持っているわけでございますけれども、京都府の人口の55%ぐらいは京都市なのです。したがって、いろいろな事業を実施しようと思いますならば、同等に近い権限を持っておりますので、この加入を促進すべきだと思って私は運動してまいりました。知事にも相当言いましたし、連合委員会にもこのことを申し上げました。ようやくこの4市が入ることになったわけですけれども、定数の問題でなかなかうまくいきません。この定員については、今の定数というのはもう既に人口配分でやっておるわけですから、新しく政令市が加わることによって増加するということは基本的にはよくないと、ダブルカウントすることになるじゃないかということで福間議員と私でいろいろ妥協案を出しましたけれどもなかなかうまくいかないということでございます。さらに多くの市に対して配分いたしますと大阪一極集中が始まるのではないかということで、実は滋賀県がこれに対して大きな反対をしておりまして、なかなか滋賀県議会が入ってこないというのが大きな原因でございます。これから条例を出されるようでございますけれども、さらに奈良県も同じようなことで加盟していないという大きな障害を持っている組織なのです。
そこで、まず、私はこの問題も含めて、やはり政令市が加わることによって近畿全体が活性化すると、下まで浸透するということで、結果はいい形になったのじゃなかろうかと、こう思っておるところです。
そこで、一つ知事に質問いたしますけれども、実は広域連合が道州制につながるかどうかということをただしたわけですけれども、井戸連合長も私の一般質問に対して、福間議員もそうですけれども、道州制にはつながらないということでございましたし、知事ももちろんでございますけれども、道州制につながるような組織ではないと公言されたわけでございますけれども、実はこのたび当選された橋下市長ですけれども、皆さん御承知でしょうか。大阪都構想を目指すと。その次に道州制をやろうということを表明されておるわけです。また、同じように新しく就任された松井大阪府知事も広域連合を道州制に移行したらというような発言をされたけれども、これはすぐ取り消されたということなのですが、改めて道州制に対して、知事、連合委員会としての対応について伺うとともに、政令都市が加わったことに対する意義についても述べていただきたいと思っております。
さらに、出先機関の移管に対しては政府内においても非常に反対も多いということでございますけれども、やはり今までのなれがあるかもしれませんけれども、市町村長であるとか、いろいろな団体がこれに反対運動を展開しておるということなので、これが一つの大きな障害だと思っておりますが、これをどういう形で説得していくかというのが移管の大きなキーではないかと私は思っておりますので、これについて答弁をいただきたいと思っておるところです。
もう一つ、戦略会議において検討されておる中で、政府の対応なのですけれども、先ほど言いましたように、入っておる構成団体から予算配分などでも調整がしにくいじゃないかという問題と、それから直接そこで選ばれた長ではないわけです、連合体ですから。兵庫県知事が今委員長ですけれども、やはり責任のある者がそこに座らなければいけないのじゃないかとか、あるいは大災害のときにおけるオペレーションが、指示命令がはっきりできるかどうかということと、公務員の処遇がどうなるか、あるいは財源がどういう形になるかということも地方にとっては非常に大きな心配の種ではなかろうかと思っておるところですので、これについての見解をまずお願い申し上げたいと思っております。
もう一つ、進まない大きな理由があるのじゃなかろうかと思っておるところでございますけれども、その一つが、御承知のように、地方自治法では冒頭に、地方公共団は、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うことというぐあいに定義されておるわけです。一方、国は国際社会における国家としての存立にかかわる事務と。すなわち外交であるとか国防であるとか、こういうものを重点的に担うという形になっておるわけでございます。したがって、国会議員の介入は余りないほうがいいじゃないかということですけれども、国会議員そのものがなかなかこれに同調しないというのも大きな要因ではなかろうかと私は思っておるところでございまして、実は私が関西広域連合を進めるに当たって、国会議員を巻き込んで地方分権社会をつくっていかないといけないじゃないかということをずっと提案しておりますけれども、国会議員に対するアプローチを今までほとんどと言っていいほどしてなかった。知事はされたでしょうか。
そういうこともありまして、これはいろいろと解釈はありますけれども、恐らく国会議員は地域における存在感を維持するためになかなか権限を渡しにくいというようなことがありますので、やはり国会議員の意識改革をしてもらわなければいけないではなかろうかと思います。そういう中で、私は橋下知事が維新の会をつくって国政に参画しようということを決意をされたのじゃなかろうかと思っております。
さらに現実的な問題でございますけれども、知事が委員会で担当しておられます広域医療分野でございますけれども、中国地方では山口県であるとか島根、岡山でドクターヘリが配備されておりますし、広島県は新たに配置されることになっておるわけでございます。これに対してどういう形で向き合うかと、こういうことも含めてお願いしたいと思っております。
先ほど澤議員から広域観光分野についての話がありましたけれども、まず、国際観光なくして関西の発展はないということで、インバウンド対策が要るのじゃないかというのが関西広域連合の大きな課題なのでございますけれども、しかしながら、どこの県も同じことをやっておるわけでございまして、したがって、どういう形で連携をとっていくかということも必要であると私は思っておりますので、総合的にやはりそういうことを調整しながら、協調できるものは協調して、そういう対策を練ることが必要じゃなかろうかと思っておるわけでございます。
さらに、知事が担当されております山陰海岸ジオパークの問題ですけれども、これも民間団体であるとか住民の間になかなか浸透していないということもございますので、やはり関西広域連合としての統一コンセプトとして対応する必要があると。それから、さらに大きなイベントでございますけれども、国際まんが博ですけれども、それも関西広域連合の一つの統一したコンセプトにして対応してもらったらいいのじゃなかろうかと思っておるわけでございます。
さらに、今度産業分野に加入することが決定されておるわけでございますけれども、その大きな意義でございますけれども、産業分野全体にわたっての将来発展の期待される日本海諸国との物流、それから人の交流を一層強化するとともに、境港が日本海側の拠点港として重要であることを広く関西広域連合に位置づけること、それから山陰道を含む高速道路の整備促進が関西復権に必要な基盤整備であることを訴えていただきたいと思っておりますし、さらに災害時における企業のリスク分散という立場でも、鳥取県の存在をさらにアピールしていただきたいというぐあいに思っておるところでございますので、知事の答弁をお願い申し上げます。
さて、24年度の産業分野に関する予算でございますけれども、広域連合が実施する事業、あるいは政策立案に鳥取県がどうかかわってこられたのかということをまずお聞きしたいと思っておりますし、また、広域産業ビジョンの策定の上に、広域連合が実施する事業と鳥取県産業界とのかかわり方についてどう対応されるのか、さらに広域連合に関する事業と鳥取県の産業分野との連携をどういう形で推し進められるのか、それから本県が単独で事業をやっておるものについて、広域連合に対してどういう形で議会にアプローチをされるのか、この問題についても知事の考え方を伺っておきたいと思っております。
鳥取県が産業分野に加入することで重要なのは、いかにして鳥取県のプレゼンスを高め、どのようにして関西エリアとの連携強化に努めるかということであると思っております。また、それと同時に産業界を初め農林水産業、あらゆる分野において鳥取県と関西圏が双方向の官民挙げての連携として取り組むこと、一体性、さらにシステムづくりも必要ではなかろうかということを考えておるわけでございますので、この点に御答弁を願いたいと思っております。
議長の許しを得まして、わかるでしょうか、ここまで今来ております。今度はここから権限を地方に渡すのはこれが大変なのです。これは個別法で法案を通さないといけないのです。ここが問題であるわけです。わかるでしょうか。ありがとうございました。
これで壇上での質問を終わります。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山口議員からの一般質問にお答えを申し上げます。関西広域連合の今行おうとしております事務の移譲を受ける、このことに関連をしまして、何点かお尋ねをいただきました。
今、質問全般をお伺いしておりましたけれども、山口議員が福間議員ともいろいろと御議論をされながら広域連合の議会でも活動されておられますが、日ごろ訴えかけられておられます関西一丸となって東京に対抗していくと、そのためのシステム、あるいは住民参画や産業を巻き込んだ大きな動きを起こしていこうという、その熱意を拝聴させていただいたところでございます。ぜひそうした思いで、これからも関西広域連合の活用に向けまして全力を挙げてまいりたいと考えております。
非常にわかりやすく広域連合が事務の移譲を受けようとしている、図解とともに御説明をいただいたわけでありますけれども、まず冒頭、議員のほうからはこの1年間を総括してどうであったかというお話をいただきました。
これにつきましては、まず7つの府県がまとまって行動するということを実践的に学習をし、そして災害対策、
東日本大震災対策などで一定の成果を上げることができたのではないかと思います。後ほどお話の中にもございましたとおり、医療のことであればドクターヘリだとか、また広域観光であるとか、そうしたところでも活動を着実に行うことができた。ただ、議員のほうでおっしゃられますように、広域連合議会と執行部との車の両輪としてのシステムづくり、これはまだこれからさらに深めていかなければならないことだと思います。
ついせんだっての3月3日の広域連合議会でも、議員発議による条例提案がございました。重要な計画など、そうしたことにつきまして、議会側の議決が求められるシステムが導入をされるということになりました。当然といえば当然なのですけれども、こうしたことなど、それぞれの地域を代表する議員の皆様の監視と御提案を受けながら、執行部が動いていく体制づくりをさらに進めていく必要があると思います。そういう意味で、一定の成果は上げることができたと思いますが、これからの課題も残されていると思います。
当面の課題としては、政令市の加入問題ということがあろうかと思います。それから、国からの事務の移譲を受けるということを前提として、政令市の加入問題も起きてきているわけでございますが、その事務の移譲が進みそうでなかなか進まない、ただ、一定の正念場には来ているかなというようなことの課題が見えているということではないかと思います。
具体論として何点かお尋ねをいただきました。国出先機関の丸ごと移管が進まない理由として、国との協議、調整のこともあるわけでありますが、構成団体間の利害調整だとか首長のリーダーシップだとか、国家公務員の移管だとか、そうしたさまざまなシステム改革が必要なのではないかという御趣旨でお尋ねをいただきました。
これにつきましては、今地域主権戦略会議のもとにおきますアクションプランの検討委員会がございまして、そちらのほうで精力的に話し合いが行われています。関西広域連合からも連合長である井戸連合長、また、担当委員であります嘉田知事も出られまして、我々の主張をしているところであります。例えばガバナンスの問題を国側が盛んに言ってくるわけであります。これは本来お門違いでありまして、現在、国の出先機関はガバナンスが一切住民の目という点ではきいていないわけでありますけれども、広域連合に入れば広域連合議会もあり、また、首長という存在も出てきますので、当然ながらガバナンスは従来以上にできるようになるわけでありますが、そこを何とかねじ曲げようとしているところがやはり国のほうもあるのです。
今2つの案がございます。一つは、連合長に当たる首長さんができまして、これのもとに事務局をつくるというやり方、あともう一つは理事会制という案でございます。我々広域連合委員会としては、理事会制の案をとるべきではないかと主張しています。実は我々鳥取県にとりまして大事なのは、小さな鳥取県の意見が抹殺されてしまうのではないかという不安でございます。これは我々だけでなくて、滋賀県だとか和歌山県だとか、そうしたところでも同じような危惧がございます。和歌山の知事が提唱されまして、今広域連合はコンセンサス方式で運営することになっています。7つの府県が同意をしない限りは事業を行うことにはつながらないという仕組みになっております。こうしたかんぬきがかかっておるわけでありますけれども、そのかんぬきをかけているからこそ、安心して参画ができる、いわば連邦制国家のような状況が生まれているわけであります。私どもとしては、どういう制度にするかということにつきまして、国との精力的な話し合いをしているところでありますが、ぜひ現場に即した案を国として採択をしてもらうように働きかけを続けていきたいと思います。
国のほうは変わったことを言い始めています。もし移譲するということであれば、地方整備局だとか、また地方環境事務所とか、経済産業局というものが連合の傘のもとに入ってくるわけでありますが、傘のもとに入ってきたときに、それぞれの地方整備局なり経済産業局、こうしたところを統括する職員を必置で法定化しようということを言い始めているわけであります。その職員のレベルも、国でいうと指定職と言われるレベルの職員を置くということを国が求めているわけです。私は、要は国がこうやって体裁よくポストを確保するために協議に紛れて言ってきたのかなという感想を持っているのですけれども、議論としては大局的にやらなければいけないと思っています。最終的には連合長がリーダーシップを持って国と折衝して、何とか地方への事務移譲を実現するという観点で、どこからどこまで妥協して、どこからどこまでは頑張るというところの決め引きがありますので、最終的には戦略的に考えていかなければならないと思いますが、事ほどさように、国はここに来て、要は国の本音のポスト確保だとか権益の確保だとか、そういうところをぎらぎらと出しながら交渉しているというような状況になってきています。非常に微妙な段階を迎えておりますけれども、できるだけ地方側の意向をしっかりと踏まえた解決策を望みたいと思います。
次に、大阪市、堺市、京都市、神戸市の4政令市が加入する件についてお尋ねをいただきました。
山口議員がおっしゃるように、これは政令市の権限というのは非常に大きなものがございます。ですから、政令市が加入することで連合としてのステージは飛躍的に高まる面があろうかと思います。例えば私どもが加入しております広域医療の観点でいきますと、一つは災害時の医療のことを話し合っていますが、あともう一つ大きなテーマとして、一次医療圏、二次医療圏、三次医療圏といいますが、四次医療圏とでも言うべきスーパー医療圏を設定して、高度な医療を連合の地域全体で提供していくということも目指していいのではないかということであります。私どもがこういうことを考えますと、例えば大阪市のほうもそうでありますけれども、例えば神戸であれば市民病院がポートアイランドのところにございます。これはかなりレベルの高い病院であります。そうしたところと連携を組むことができれば、鳥取県内の非常に高度な医療を必要する人にとって大きなメリットもあるかもしれない、こういうようなことで、それぞれの地域の中で協力し合って、命を助けるとかいうことにもつながってくる可能性が開けてくるのではないかと思います。広域産業振興や観光文化の面でも、当然ながら同じようにメリットがあるだろうと思います。
また、権限移譲の観点でいきますと、今回政令市が入ってくるのもそうでありますが、例えば道路整備を見ますと、県道で我々がやっているようなところを指定都市は自分でやっているわけであります。したがいまして、そういうようなことで、権限移譲を受けるとなると政令市の抜ける穴というのは非常に大きなものがありますので、県と政令市とが共同での受け皿をつくっていくというのは大きな意味があるだろうと思います。
その点で、議員のほうが御指摘されましたけれども、今関係の7府県で鋭意協議をしているわけであります。本日、それに基づいた御提案を本議会にも行いたいと考えておりますけれども、政令市も入れる規約の変更案を出させていただきたいと思います。ただ、これにつきまして、今滋賀県議会で議論もございまして、この辺は精力的に連合議会の吉田議長、また広域連合長が調整を図っているところでございます。そういうような、今、当面クリアすべき課題はありますけれども、滋賀県議会のほうも政令市が加入すること自体には異論はないということをおっしゃっておられまして、ぜひ乗り越えるべき山を乗り越えて、広域連合のさらなる拡大を図り、国が権限移譲を渋る材料を減らしていくことが必要ではないかと思います。
次に、道州制につきましてお尋ねをいただいたわけでございます。
この道州制問題でございますけれども、山口議員も広域連合議会で御質問されまして、道州制を念頭に置く組織ではないと、連合というのはそのための組織でないことを明確に答弁としても引き出されたところでございます。そういう共通理解で、この問題は進んでいるところでございます。
大阪市の橋下市長は、連合のあり方について、直ちにどうのこうのということではないと思いますが、大都市制度としての大阪都構想を提唱し、さらには道州制ということを維新の会として今ぶち上げているという状況でございます。これと連合の運営とは切り離して行われるものだというふうに理解しております。
ついせんだっても、3月3日に関西広域連合の委員会が開かれました。公式、非公式のいろんな話をお互いに取り交わしたところでありますけれども、連合として道州制ということを前提とするものではないという、そういう理解は共通なものとして述べられたところでございます。この問題につきましては、また別途の御議論、大きな議論を国全体でしていただければいいのではないかと思います。
次に、いろんな権限移譲についての心配事があるということでございまして、災害緊急時のオペレーションだとか、国家公務員の移管のあり方だとかあるのではないかということでございます。
この辺を、先ほどのアクションプログラムを実施していく上での国、地方の協議の中で議題として今まさに提示しているわけであります。国側は、緊急時の対処ができないではないかということを言います。私たちは、緊急時については切り離して、国としてそのときはやってもらったらいいじゃないか、また、今回の台風12号災害もそうでありますけれども、府県同士での協力でかなりの部分は乗り切れるのではないかと、こんなような話をさせていただいているところでございます。この辺も国、地方間で今大いなる議論をしているところでございまして、新しいシステムづくりをして、この通常国会に野田総理は法案を提出するとおっしゃっていますので、それに向けて我々も協力をして議論をさせていただきたいと考えております。
次に、国会議員の役割なり、国会議員へのアプローチが必要ではないか、意識改革が必要ではないか、そういうことに関連をして、維新の会の動きが出てきたのではないかというお尋ねをいただきました。
この国会議員の皆様へのアプローチでありますけれども、これはそれぞれで手分けをして関係の国会議員のほうにさせていただいております。私どもとしても、たび重ねて国会議員の皆様への県政の要請活動をしております。そういう要請の一項目として、権限移譲をぜひ地方側に進めていただきたいということを呼びかけています。国会議員の先生方も総論で根っこから反対するものではないというのが、私どもの受けとめ方でありますけれども、あと各論的にどういうような移譲を考えるかというところで、今後いろんな議論が出てくるのかもしれません。これからも権限移譲の実現に向けまして、広域連合として精力的に政府、また立法府に働きかけていこうということを話し合っているところでございます。
また、国会議員が動かないものだから、地域政党である維新の会が今動き始めたのではないかというお話がございました。
私はそういう面も当然あるかとは思いますけれども、橋下市長あるいは松井知事が関西広域連合への権限移譲を行わせるがために維新の会を旗上げしてやっているというような印象は実は余り持っておりません。むしろ地方からこの国の決定システム、この国が動き出す仕組みというものを変えていきたいと、その辺に恐らく彼らの政治的な意図の根本があるのではないかというふうに思います。
関西広域連合への移譲、あるいは大阪都構想を実現する、こういう地域テーマから、もう既に維新の会は外れてきていると、もっと別の世界のほうへ動いているように私には思えます。だからこそ、200名、300名という規模で国会議員の候補者を立てるのだということを橋下市長がぶち上げておられるということでありますし、参議院の廃止であるとか、首相公選制であるとか、また消費税の引き上げであるとか、明確な政策をも示して国民に信を問いたいという行動に出ておられるのだと思います。したがいまして、関西広域連合への権限移譲が進まないことのフラストレーションだけでなくて、むしろ今のなかなか物事が決まらない国のあり方に対するアンチテーゼとして運動が起こされているのではないかと理解をいたしております。
次に、広域医療に関連しまして、ドクターヘリでございますが、中国地方での二重のセーフティーネットを張るべきではないかということでございます。これは大賛成でございまして、そういうことで中国5県でも話し合いをいたしております。
ドクターヘリが動き出しました。我々としても命が助かる事例が幾つか出てきて非常に喜びを感じることがございます。例えば日南町のほうで車が転落するという事故がありました。男性と女性が乗っておられて、女性のほうが非常に重篤な状態でございまして、心肺停止ということになりました。ドクターヘリが向かいまして蘇生を行い、最終的には鳥大の附属病院のほうへヘリで搬送するということでありました。こういうようなことが現実に起きております。また、佐治のほうでもトラクターの下敷きになった方が救出されると、そういうときにもドクターヘリが出動し、かなり時間短縮を図って病院へ運び込むということができております。
こういうように、実際にドクターヘリというのは関西広域連合で一定の成果を上げていると思いますし、鳥取県の場合はかなり安い値段でこれができている。決算ベースで見ますと、大体400万円ぐらいのところでドクターヘリの運航ということになっていまして、想像以上に安上がりに我々は済んでいると。これはなぜかというと、兵庫県や京都府で出動がすごく多いのです。全体で大体全国の10分の1ぐらいの件数をドクターヘリ1機で稼ぎ出しているわけでございまして、そういうように他の地方で使われる頻度が非常に高いものですから、我々のところは助けてもらっていますけれども、値段は総体的に安くなるということになっています。
ただ、これですべてよしということにはならないと思います。島根県もドクターヘリを導入されました。私どももドクターヘリではないですが、医師搭乗型の消防防災ヘリコプターを整備しました。こういうことで、重層的に図っていく必要があります。そのために県境を越えて飛んでいただく必要がありますが、今年度中にそういうドクターヘリの共同運航のことなども含めまして広域的な医療連携について話し合いをしようじゃないかと中国5県でなっております。ドクターヘリについては新年度、そして今年度、まず広域医療の項目のようなことを冊子にしてまとめていこうということをやっているのですが、そういうようなスケジュール感で、議員がおっしゃるような重層化を図ろうとしているところでございます。
次に、具体の行政施策、行政領域につきましてお尋ねをいただきました。
まず、観光につきましては、山陰海岸ジオパークあるいは国際まんが博ということも念頭に置いて、民間組織なども加えて強力にプロモーションをかけていくべきではないかという御趣旨のお尋ねをいただきました。
この点につきましては、3月3日の関西広域連合議会におきまして、福間議員からの御質問もあったところでございますけれども、私どもとしては、例えば山陰海岸ジオパークのエリアにKTRという北近畿タンゴ鉄道の特急車両を使いました特別列車を運行させるなど、精力的にPR活動をやっていきたいと思いますし、長崎で開かれますユネスコの国際ジオパーク大会に私どもからもPRをさせていただく。それから、できればアジア・太平洋地域の国際会議を山陰海岸ジオパークに引っ張ってくる、そんなプロモーションも行う、いろんなことを展開いたしまして、今までの殻をさらに破っていきたいと思っております。その意味で、まんが王国とっとりのまんが博なども含めて、ぜひとも中国、韓国といったところでの共同プロモーションをことしもやっていきたいというふうに思います。
つい昨日記者発表されましたが、山陰本線をコナンのイラスト列車が走るそのデザインが公表されました。4月2日にまず第1号の列車を走らせようと乗られる方の募集を始めたところでありますけれども、恐らくいろんな形で話題になるような、そういう1年になろうかと思います。この1年をとらえまして、国際まんが博、山陰海岸ジオパークなど広域的な観光ルートの中で、関西広域連合でプロモーションをしてまいりたいと思います。
広域産業振興分野につきましてお尋ねをいただきましたが、日本海側拠点港としての重要性、あるいは高速道路の整備や企業リスク分散など、そういう展開があるのではないかというお話でございます。
この分野につきましては、山口議員などの御提案もあり、広域産業のビジョンが作成過程で改められました。従来は阪神港しか載っていなかったのですが、境港といった環日本海拠点港をそのビジョンの中でも明記をするということになりました。非常に感謝を申し上げたいと思います。
こういうような環日本海に向けて開かれた関西ということを活用していけば、関西圏域は東京なり、あるいは上海などに伍してやっていける地域に成長し得ると思います。そのためにも境港を十分活用してもらう、それは関西のメリットにもなると思います。それは高速道路網の整備にもつながるわけでございまして、インフラストラクチャーの整備も関西広域連合として、今やろうということで後押しを考えてくれるようになりました。リスク分散のお話もございましたけれども、企業同士のマッチングなどの機会も新年度は飛躍的にふえてこようかと思います。これをぜひ活用しながら、企業の活力を高めてまいりたいと思います。
これと関連して、産業界とのかかわり方、また本県の事業との関連などについてお話がございました。
広域連合の政策立案につきましては、つとに触れて我々も申し上げています。この広域産業振興の分野では、農商工連携を協調してやっていくべきだという主張を強力にさせていただきまして、これも軌道修正をされて、農商工連携は大事だという方向になってきております。これは意外なところで、NTTの方が我々の応援団的に、やはり関西一円で考えれば農業と商工業を結びつけるのは大事だという主張もされまして、それも後追いになりまして、そうした動きも出てきているところでございます。
事ほどさように、私どもも主張をさせていただき、政策立案にも反映をされるようになってきています。
先般の関西広域連合のときに申し上げたわけですけれども、鳥取県も何らかの仕事を産業振興の中で担っていきたいと思います。例えば外国との交易だとか、そうした分野でワーキンググループの一翼を鳥取県担当などでさせてもらってもいいのじゃないだろうかという提案をしました。松井大阪府知事が担当のところでございますので、これから事務ベースで詰めていきたいと考えております。
産業界の皆様にもこの機会を活用していただきたいと思いますので、トップマネジメントの方々も交えて、今議会が終わった後、この議会で提案させていただいております予算の内容だとかを成立後に説明をさせていただき、活用を呼びかけることとあわせて、こうした関西広域連合の新しい仕組みの活用も呼びかけさせていただきたいと思います。
本県の単独事業としても、さまざまなマッチングのプロモーション活動や、あるいは高速道路が開通することに伴うPR活動などを組ませていただいておりますが、関西広域連合の具体の動きと個々コーディネートさせていただきながら、県の施策とも結びつけて展開をしていきたいと思います。そういうことで、官民一体となって、関西広域連合が十分に活用される体制をつくってまいりたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)24番山口享議員
◯24番(山口享君)私が知事に申し上げましたのは、国会議員に対するアプローチなのですけれども、確かに知事はやっておられますけれども、ほかの加入した県がほとんどと言っていいほどやっておらないということで、私は議会において、まず自分たちの発想であるから、国会議員さんに理解を求める運動をして、中央政府に対しても移管運動をされたらどうかということなのですけれども、全然と言っていいほどやっておられなかったのです。そこで問題があるなと思って、私は今地方自治法まで挙げて話をしたということなのです。やはりそういう行動をしなければ、まず国会議員さんを動かさなければ、これは法案ですので、法律ですので、そういうことを申し上げたということなのです。
もう一つは、やはり違和感がありますのは、井戸連合長、それから平井知事、こういう方はやはり地方自治に対して非常に大きな理解と手法を持っておられますけれども、中央省庁に向かっての地方の声が、法的な問題を含めてやはり納得のいくような説明がなされておらないのじゃなかろうかと。だから、知事が連合長になられたら困りますけれども、委員長になられると困りますけれども、本当にそういう感じが私はしておりますので、連合議会の改革をこれからやらなければならないと、これが一つなのです。
もう一つ、福間議員と共通しておりますけれども、今規約変更を出すということなのですけれども、これは全加入県が合意しなければなりませんけれども、滋賀県が議員定数の問題でデッドロックに乗り上げているということと、同じ近畿圏にあります奈良県が入っていない、これは規約の件かわかりませんけれども、それはなぜかといいますと、今は定数が20人なのですけれども、この割り振りは人口比率で割り振りしているわけです。それを私ども福間議員と話をして、まず政令市に1人ずつ増加して、県、市で調整すればいいじゃないかと、そういうことを言ったと思うのですけれども、いつの間にか大阪府が定員を2人ふやすと、それから堺市と、こういう形でなったものですから不安なのです。ですから、滋賀県はこういう関西広域連合という大きな組織をつくっておって、大阪府に埋没するおそれがある、こういう危機感があると思っております。そういうことも含めて、なかなかこの問題は確かに規約変更の条例を出されることもいいですけれども、そういう危機感があることだけは伝えておきたいと思っております。
もう一つ、各市町村であるとか、組合もそうですし、民主党の中でもそうですし、自民党の中でもそうだと思いますけれども、やはり連合体というものに対しての意識、あり方というものが浸透しておらないと。県もそうかもわかりませんけれども、地方自治体は非常に不安を持っておると、そういうことを心配しておるのじゃなかろうかと思っております。
ところで、もし関西広域連合に近畿整備局が移譲された場合において、本当にどういうスキームになるだろうかという心配もあります。関西広域連合に移管された場合、よかったら、恐らく中国地方においても、鳥取県を含めた連合組織をつくるかどうかは別にして、移譲が加速したり、あるいは頓挫したりするおそれがあると思っておりますので、これはやはりいい方向で、本当に住民自治を基本としたような、あるいは予算の配分を含めて、地方分権型の社会をつくるという視点で対応する必要があるのじゃなかろうかと思っておるところでございます。
もう一つ、実は産業分野に加入したことは非常に大きな意義があるということで、商工連合であるとか農も含めて対応しておられるということで結構なことだと思っておりまして、県の予算書を見ますと、事業の中で検討されるという項目がかなり並んでいるわけです。だから、これをいかにして、産業界を含めて具現化するかというのが加入した意義と今後の課題ではなかろうかと思っておりますので、これについての御意見。連合議会の議員の定数問題は答弁は要りませんけれども、ちょっとその問題について。
◯議長(
伊藤美都夫君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山口議員から重ねてのお尋ねをいただきました。
まず、実際に広域連合への事務移譲を実現するために、議会としての国会へのアプローチが必要ではないかとか、中央省庁への積極的な説明が必要ではないかというお話がございました。
この点は、それぞれの構成団体でもやっておりますけれども、広域連合議会なりなんなりでも動きを起こしていただくと非常にありがたいというふうに思います。
これが説得的に国に対して説明がなされていないのではないかということでありますが、聞く耳を持たないというほうがむしろ向こう側の事情でございまして、国の各省庁、国の政権の中枢だとか国会議員はまた別なわけでありますが、国の各省庁のほうにまでまいりますと、これは官僚組織でありまして、どうやって自分のところの組織を守るかというところ、権益としてどれがいわば自分らにメリットが大きい権益、これは守らなければいけない、メリットが少ない権益は放してしまえ、こんなような打算のもとに今結構な検討が行われているのです。だから、国側の回答を見ますと、それが非常につまびらかに出始めているのが今の現状であります。このようなところで、あとは本来は政治のリーダーシップで、もううるさいことを言うなと、これは地方にやってもらえばいいじゃないかと、道理を言う人がいればいいわけでありますが、各省庁の話し合いで取りまとめてやろうとなりますと、これは恐らく進まないということだと思います。
ですから、これからぜひ政権、中枢もそうでありますし、与野党を通じたリーダーシップを発揮していただきたいというような気持ちでございます。そのためにも、広域連合議会の動きが出てくるとありがたいというふうに思います。
規約変更についてお尋ねをいただきました。
滋賀県の埋没してしまうかもしれないというその懸念というのはわかるところもございます。我々もそうでございます。ただ、今議会としては、粛々と協議の変更を提案させていただいたところでありまして、御理解を賜りたいと思います。
次に、整備局のことにつきましてお尋ねをいただきました。
この整備局につきましては、これはもし自分たちである程度まとまったロットの予算をもらうことができれば、自由度が高く選択をして、いわばかゆいところに手が届くようなことをやることができる。その意味で、地方分権にふさわしいものになるだろうというふうに思います。その意味で、我々としても近畿地方整備局の御議論というのをさせていただいているわけであります。
中国地方整備局はどうかということでございますが、これにつきましては、中国5県の対象エリアになります。中国5県として、筋論はそういうことで皆さんよくわかるわけでありますが、5県の中ではまだ温度差がかなりあります。今5県で話をまとめて広域連合を設立し、事務移譲について考えようということをやっておりますが、整備局の取り扱いがどうなるかなど、これからの議論にかかっているのかなというふうに思います。整備局にとどまらず、例えば運輸局だとか、あるいは地方環境事務所とか、そうしたさまざまな出先機関がございまして、それをそれぞれ同じようなメリットがございますので、俎上にのせて議論していくべき段階ではないかというふうに思います。
最後に、産業についてでございますが、産業については経済圏域として京阪神にとどまらず、京阪神を含めた私ども鳥取も入れる関西広域のエリアというのは結びつきの深い地域であるわけでございます。その意味で、今まで県境があるから、例えば産業行政も一つ一つ別々にやっていったわけでありますが、試験研究を共同でやるとか、また、例えば去年は日産に共同プロモーションをやったわけであります。別のどこかの大手会社、東京のほうの会社が多分引っ張ってくるのだと思いますが、我々の県も入りまして、こういう部品を鳥取県でつくっていますよというようなプロモーションを共同で行うようなことをやる。また、鳥取の産品を大阪の企業さんなどと結びついて商品化をしていく、そのようなことも十分可能になってくるだろうというふうに思います。
現に、今も岩美町のほうでキリンソウの種苗をつくっておられる会社があるわけでありますが、これは淡路島など関西の企業と一緒になって製品化をして売っているということでございます。また、田中農場さんのお米を使って、その酒米から「稲羽乃素菟」という新しいお酒を醸造されましたけれども、このお酒を実際につくられたのは隣の兵庫県の香住鶴さんでございます。本来、県境というのは経済という意味では小さなものであります。それを過大にすることで産業振興が阻まれるようなことになってはなりませんので、ぜひ広域産業振興を活用できる基盤を産業界の皆さんと一緒につくってまいりたいと思います。
◯議長(
伊藤美都夫君)24番山口享議員