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  1. 大阪府議会 2019-09-01
    10月04日-05号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    令和 元年  9月 定例会本会議(1)    第五号 十月四日(金)◯議員出欠状況(出席八十八人 欠席〇人)      一番  中川誠太君(出席)      二番  前田将臣君(〃)      三番  坂 こうき君(〃)      四番  魚森ゴータロー君(〃)      五番  角谷庄一君(〃)      六番  三橋弘幸君(〃)      七番  松浪ケンタ君(〃)      八番  みよしかおる君(〃)      九番  中川嘉彦君(〃)      十番  塩川憲史君(〃)     十一番  西村日加留君(〃)     十二番  須田 旭君(〃)     十三番  奥谷正実君(〃)     十四番  山田けんた君(〃)     十五番  野々上 愛君(〃)     十六番  内海公仁君(〃)     十七番  石川たえ君(〃)     十八番  中野 剛君(〃)     十九番  原田 亮君(〃)     二十番  うらべ走馬君(〃)    二十一番  原田こうじ君(〃)    二十二番  中井もとき君(〃)    二十三番  冨田忠泰君(〃)    二十四番  西川訓史君(〃)    二十五番  奥田悦雄君(〃)    二十六番  岡沢龍一君(〃)    二十七番  山本真吾君(〃)    二十八番  上田健二君(〃)    二十九番  永井公大君(〃)     三十番  前田洋輔君(出席)    三十一番  中川あきひと君(〃)    三十二番  おきた浩之君(〃)    三十三番  紀田 馨君(〃)    三十四番  いらはら勉君(〃)    三十五番  河崎大樹君(〃)    三十六番  泰江まさき君(〃)    三十七番  西林克敏君(〃)    三十八番  松浪武久君(〃)    三十九番  広野瑞穂君(〃)     四十番  植田正裕君(〃)    四十一番  笹川 理君(〃)    四十二番  横山英幸君(〃)    四十三番  やまのは創君(〃)    四十四番  杉江友介君(〃)    四十五番  池下 卓君(〃)    四十六番  うるま譲司君(〃)    四十七番  徳村さとる君(〃)    四十八番  金城克典君(〃)    四十九番  橋本和昌君(〃)     五十番  和田賢治君(〃)    五十一番  杉本太平君(〃)    五十二番  徳永愼市君(〃)    五十三番  しかた松男君(〃)    五十四番  藤村昌隆君(〃)    五十五番  中村広美君(〃)    五十六番  山下浩昭君(〃)    五十七番  大橋章夫君(〃)    五十八番  肥後洋一朗君(〃)    五十九番  内海久子君(〃)     六十番  加治木一彦君(〃)    六十一番  八重樫善幸君(〃)    六十二番  西野修平君(出席)    六十三番  西野弘一君(〃)    六十四番  川岡栄一君(〃)    六十五番  大山明彦君(〃)    六十六番  垣見大志朗君(〃)    六十七番  林 啓二君(〃)    六十八番  西 惠司君(〃)    六十九番  富田武彦君(〃)     七十番  中野稔子君(〃)    七十一番  坂上敏也君(〃)    七十二番  中谷恭典君(〃)    七十三番  久谷眞敬君(〃)    七十四番  鈴木 憲君(〃)    七十五番  西田 薫君(〃)    七十六番  森 和臣君(〃)    七十七番  上島一彦君(〃)    七十八番  中司 宏君(〃)    七十九番  松本利明君(〃)     八十番  土井達也君(〃)    八十一番  三田勝久君(〃)    八十二番  大橋一功君(〃)    八十三番  岩木 均君(〃)    八十四番  今井 豊君(〃)    八十五番  横倉廉幸君(〃)    八十六番  奴井和幸君(〃)    八十七番  三浦寿子君(〃)    八十八番  三宅史明君(〃)     ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         井上幸浩     次長         川崎浩二     議事課長       瀬野憲一     総括補佐       佐藤 実     課長補佐(委員会)  高山泰司     主査(議事記録総括) 山本英次     主査(議事記録総括) 小野健一     主査(議事記録総括) 太上利宏     主査         古石勝寛     ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第五号 令和元年十月四日(金曜)午後一時開議 第一 議案第一号から第四十三号まで及び報告第一号から第十七号まで(「令和元年度大阪一般会計補正予算(第二号)の件」ほか五十九件)    (質疑・質問)     ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件     ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○副議長(西惠司君) これより本日の会議を開きます。     -------◇------- ○副議長(西惠司君) 日程第一、議案第一号から第四十三号まで及び報告第一号から第十七号まで、令和元年度大阪一般会計補正予算(第二号)の件外五十九件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により中川誠太君を指名いたします。中川誠太君。 ◆(中川誠太君) 令和で最初に一般質問を行う西淀川区選出の中川誠太です。 私の地元西淀川区は、戦後の経済成長による公害で悩まされた時代もありましたが、昭和、平成、令和と時代とともに公害を克服してきています。私は、生まれてからずっと西淀川区で育ってきました。だからこそ、地元がこれからますます発展し、インバウンドを含めた来阪観光客が訪れるような観光名所を育て上げ、公害を克服してベイエリアの活性化に寄与するまちへと変えていく必要性があります。 西淀川区には、魅力的なスポットが数多くあり、今はまだ有名な観光スポットは少ないですが、西淀川区の目と鼻の先には、今後に大きなポテンシャルを秘めた夢洲があります。夢洲と西淀川区が水上交通でつながり、人や物の流れを誘導するまちとしてベイエリアでリーダーシップを発揮するまちに育てることが、私の目標であります。 また、西淀川区は、海抜ゼロメーター地域でもあるため、水害対策も進んでおります。先日は、NHKで防災に関する取り組みを挙げていただきました。海抜ゼロメーター地域であることから、高潮や津波に備えて防潮鉄扉閉鎖訓練も定期的に行われております。 そこで、まずこの防潮鉄扉のことから質問させていただきます。 私は、ことし八月に地元水防団が実施した淀川、神崎川、左門殿川での防潮鉄扉閉鎖訓練を見学しました。水防団の皆さんは、高潮や津波による浸水から府民の命を守る役目を担っており、昨年、観測史上最高潮位を記録した台風第二十一号の際にも、防潮鉄扉の閉鎖に御尽力いただきました。高潮による浸水被害を防いでいただきました。防潮堤や防潮鉄扉が機能しなければ、大阪都心部では約十七兆円もの被害が発生した可能性があったと聞き、改めて水防団の重要性を認識したところであります。 今回、本番同様の緊張感のある鉄扉閉鎖訓練を拝見し、水防団の方々が日ごろから災害に備えて鍛錬している姿に大変感銘を受けた次第であります。その一方で、気になったのが、一部の鉄扉がハンドル回転で動かす手動式であり、閉鎖作業にも相当な時間と労力を要していたことであります。水防団の中には、高齢の方もおられるため、鉄扉の手動操作に大変苦労されていました。手動式の鉄扉は、時代おくれの設備に感じ、現在のこの技術であれば、もう少しでも負担を軽減し、効率よく迅速に鉄扉閉鎖ができるのではないかなと思いました。 この図は、府が所管する防潮鉄扉の一覧です。 水防団が操作すべき鉄扉で手動式のものが、神崎川筋西淀川区域に集中しており、水防団による鉄扉閉鎖の負担となっております。 そこで、迫りくる高潮や津波への備えとして、神崎川筋鉄扉閉鎖の迅速化と閉鎖作業に係る水防団の負担軽減取り組みについて、都市整備部長に伺います。 ○副議長(西惠司君) 都市整備部長森岡武一君。 ◎都市整備部長森岡武一君) 高潮や津波の発生時、確実に鉄扉を閉鎖するため、毎年の訓練を通じ、関係機関による閉鎖体制を常に点検し、閉鎖時間の短縮などに努めております。 昨年の台風第二十一号では、御指摘のように水防団を初めとする関係機関が連携し、水門や鉄扉等を的確に操作していただいた結果、大阪都心部浸水被害を防ぐことができました。改めて御礼を申し上げます。 大阪府が所管する大阪市域の鉄扉については、これまで規模の大きい鉄扉から順次電動化等を進めてきたところです。今後は、神崎川筋に残る手動式の小規模な鉄扉七基を電動化することにより、鉄扉閉鎖の迅速化と作業の負担軽減を図ってまいります。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) 水防団の負担軽減に取り組んでいただけると伺い、安心しました。自然災害は、いつやってくるかわかりません。できるだけ早期に完成していただきますようお願いいたします。 続いて、鉄扉の閉鎖状況情報発信についてお伺いします。 先ほど申し上げたとおり、西淀川区は、海抜ゼロメーター地帯で大阪湾や河口部に近いことから、高潮等に対する地元住民の防災意識が高く、鉄扉の閉鎖状況についても関心を持っています。しかしながら、現在は、鉄扉の閉鎖に関する情報が行政からは発信されていません。このため、台風等の際に鉄扉が閉まっているかどうかも心配になり、確認のために現地に出かけられる住民の方もおられ、暴風雨の中、人命にかかわる非常に危険な状態だと感じております。 このような行為を防ぐためにも、鉄扉の閉鎖状況を広く府民に知らしめる必要性があると考えますが、都市整備部長にお伺いします。 ○副議長(西惠司君) 都市整備部長森岡武一君。 ◎都市整備部長森岡武一君) 大阪府では、逃げる施策の一環として、住民の皆様の適切な避難行動につなげるために、雨量や水位、河川カメラの映像などの河川の防災情報をウエブページで公開しておりますが、よりわかりやすく防災情報を提供するために、現在改修を進めているところです。この改修にあわせ、鉄扉の閉鎖状況情報発信につきましても、インターネットでの公開を検討してまいります。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) 防潮鉄扉は、自然災害から人命を守るために重要な設備であります。多発する自然災害の中にあっても、河川の水位などと一緒に防潮鉄扉閉鎖状況を確認できるようにすることで、安心される住民も多くなることと思います。早急な対応をお願いいたします。 次に、夢洲への水上アクセスについてお伺いします。 冒頭に申し上げましたが、二〇二五年大阪・関西万博の開催が決まり、今後、国際観光拠点国際物流拠点として発展が期待されている夢洲は、西淀川区と海を挟んでいます。しかしながら、現状では、西淀川区と夢洲は道路も鉄道もつながっていないため、道路で迂回せざるを得ない状況であります。 私は、夢洲と周辺のエリアとの水上アクセス整備は、海に囲まれた夢洲への道路アクセスをカバーする有効な手段になると考えております。万博の開催を機に大阪湾岸の舟運がますます発展し、夢洲を核として、私の地元である西淀川区を含め、地域の発展につながっていくことを期待しています。 そこで、万博開催期間中の夢洲への水上アクセスについて、現在の検討状況政策企画部長にお伺いします。 ○副議長(西惠司君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) 夢洲への水上アクセスについては、今後、万博会場への円滑な輸送を確保していく上で、シャトルバスや鉄道などに加えまして重要な交通手段であると認識をいたしております。 経済産業省におきましても、本年七月の万博計画具体化検討ワーキンググループ、ここの報告書におきまして、水都大阪にふさわしい水上輸送を活用することが示されました。博覧会協会では、こうした動きも踏まえまして、水上アクセスの具体化に着手したところであり、今後、関係者へのヒアリングを行い、需要の把握や採算面、整備内容などについて検討を進めることといたしております。 大阪府といたしましても、協会を初め関係者と連携いたしまして、万博会場への水上アクセスの実現に向け検討を進めてまいります。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) ベイエリア水上アクセスの整備は、万博に向けた魅力づくりとしてとても有効な手段であります。大阪のベイエリアがつながれば、シンガポールのように発展すると私は考えております。夢洲が、万博、IRを経て関西のベイエリアの中心として発展し、地元西淀川区も活性化することを期待しております。 次に、児童虐待防止のための取り組みについてお伺いします。 我が会派の代表質問でも、重大な児童虐待ゼロの実現に向けた取り組みについてお伺いしました。SNSやAIの活用について答弁をいただきました。 大阪府においては、子ども家庭センターの体制強化を初め安全確認業務など、民間団体への外部委託や児童虐待通告事案における警察との全件情報共有など、児童虐待防止のための取り組みを進めています。加えて、ことし八月に実施された大阪児童虐待防止推進会議では、新たな取り組みの実施に向けて検討するよう指示をされたと聞いております。 このように、自治体を初めさまざまな団体が、児童虐待防止に取り組んでいますが、児童虐待により子どもがとうとい命を落とす事件が後を絶たない状況であります。例えば、転居家庭における虐待死亡事件など、自治体間での情報の連携、共有の不備を要因とする事件や、子どもが危険な状況に置かれているにもかかわらず、一時保護の判断を的確に行えなかったために、命を落としてしまった事件が多数発生しています。 特に自治体や関係機関などのセーフティーネットにかかわることなく、ある日突然、虐待死亡事件として報道されてしまうような事件があることは、痛恨のきわみであります。このような重篤な事件を目にするたびに、救う手だてはなかったのかともどかしく思います。このような子どもたちを救うためには、地域住民の気づきも重要と考えております。 そこで、児童虐待防止のための関係機関との情報共有についてはどのような状況か、また児童虐待防止のために府民意識の向上についてどのように取り組んでいるのか、福祉部長にお伺いします。 ○副議長(西惠司君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 児童虐待防止のためには、関係機関で情報を十分に共有して対応に当たることが重要です。そのため、地域の関係機関が連携して支援方針を決定する要保護児童対策地域協議会を活用し、子ども家庭センターを初め市町村や学校、医療機関などの機関が情報共有を行い、密接に連携し対応しているところです。 また、府民意識の向上については、毎年十一月の児童虐待防止推進月間を中心に、児童虐待防止・オレンジリボンキャンペーンを実施しているところであり、今年度立ち上げた児童虐待防止推進会議においても、さらなる府民意識の向上に向けた取り組みを検討していくこととしています。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) 児童虐待の防止のための情報共有についてお伺いしました。児童虐待につながりそうな予兆を見逃さないために、引き続き住民への意識啓発にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 先ほど申し上げましたが、大阪府は、児童虐待通告事案を警察と全件情報共有するなど、全国に先駆けた取り組みを行っています。児童福祉司の増員など体制の強化に積極的に努めていただいております。しかし、現実に児童虐待の事件はなくなっていません。 私は、現在の児童虐待防止に向けた取り組みの体制が、縦割りの仕組みになっていることに原因があるのではないかなと思っております。法律や条例が、関係機関、関係部局間の連携、例えば情報共有などの支障になっているのではないでしょうか。子ども家庭センターや保健所、警察、医療機関などが、それぞれ虐待の可能性を判断して、見えないことでも情報をつなぎ合わせると、見えてくることもあるのではないでしょうか。 個人情報を守るために子どもの命が守られていないのでは、何にもなりません。みずから声を上げることができない声なき声を救い上げなければ、悲惨な事件は防げません。虐待の通報があってからでは遅いのであります。そのため、既存の枠組みを取っ払って、組織や情報共有のあり方などをゼロベースで見直すときに来ていると私は考えております。それが、声なき声を救う手段になるのではないでしょうか。 さまざまな課題があると思いますが、御検討いただきますようお願いしておきます。 最後に、中学生、高校生に対する進路指導についてお伺いします。 私は、常々教育は、時代のニーズに合わせて変わっていく必要性があると考えております。予測がつかないと言われているこれらの社会で、生徒が生きていくために、学校の先生に指示をされたことをただやりこなすだけではなく、生徒が、何をすべきなのかを自分で気づき、どうしたらいいのか自分で考えて行動していけるような力をつけなければなりません。 そこで、まず中学校の教育について質問します。 中学校においては、生徒が社会で生きていく力をつけていくためには、友達や先生、保護者のかかわりだけでは難しいのではないのかなと思っております。生徒が、さまざまな生き方があることを知り、社会で生きていく力をつけていくためには、地域や社会のいろいろな人と出会い、多様な価値観を学ぶ必要性があると私は考えております。 そのため、学校は、地域、社会に対してオープンな場所であるべきであり、多くの人が学校に来たり、また生徒が地域に出てさまざまな人とかかわったりしてほしいと考えますが、中学校でのそうした取り組みの状況はどうなっているのでしょうか、教育長にお伺いします。
    ○副議長(西惠司君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) 中学校では、多様な生き方や働き方を学び、自己実現をしていく力を育むために、さまざまな分野の人との出会いから学ぶ学習や仕事に携わる体験活動などに取り組んでいます。 具体的には、現在多くの中学校で一定期間、商店や事業所などで働く職場体験学習が実施を実施をされています。また、プロの仕事をしている方をゲストティーチャーとして学校に招き、その苦労ややりがいなどの話を聞く活動も行っております。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) 今定例会で、知事は、若者と中小企業マッチングが不十分と認識しており、合同企業説明会の開催などを通じて若者と企業とのマッチングを支援していきたいと発言されました。 全国の高校卒業後三年以内での離職率は、約四〇%とのことですが、私は、離職理由の一つとなっている企業と生徒のミスマッチングを生み出す要因が、高校生の就職活動に一人一社制度を採用しているためではないかなと私は考えております。現在、高校生の就職活動において、大阪府では、十一月一日から複数応募が可能と聞いておりますが、全国的には、十月一日から複数企業への応募が可能な都道府県が二十二と最も多く、九月中旬の解禁日初日から複数企業への応募を可能としているのは、秋田県、沖縄県の二つの自治体であります。 国も、生徒が主体性を持って職業を選べるようにするとの観点で、一人一社制度を初めとした高卒雇用慣行のあり方等について、全国高等学校就職問題検討会議のもとにワーキングチームを設置したところであります。 大阪府も、若者と中小企業とのマッチングの機会をふやすためにも、複数応募制を採用すべきと私は考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(西惠司君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) いわゆる一人一社制についてでありますが、これは経済団体、教育庁、労働局の代表者で構成をされる大阪府高等学校就職問題検討会議の場で毎年協議をした上で決定をしています。 そのメリットは、多くの生徒が、確実に内定をとることができること、短時間で就職先が決定するために学業への影響が少ないことなどが挙げられます。また、企業としては、内定自体が少なくなるため、効率的に人材を採用できるという利点があります。 一方で、併願応募ができないこと、校内選考などの結果によって応募したい企業に応募ができないなどの課題もあります。また、新たに高校生の求人を検討している企業などが参入しにくいなどの声もありまして、お示しのように、国では、高校卒業者の雇用のあり方について検討が行われているところであります。 府教育庁といたしましては、これらの課題、そして国の動きを踏まえつつ、経済団体等と協議を重ねまして、生徒の可能性が最大限に広がる就職指導のあり方について検討をしてまいります。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) ただいまの答弁で、教育長は、これらの課題や国の動きを踏まえつつとおっしゃいましたが、一人一社制度は、一九五〇年代から見直されることなく継承されてきました。このような経緯も踏まえ、大阪府が先陣を切って制度の見直しに向けた検討を始めていただきますよう強く要望しておきます。 何より大切なことは、生徒が主体性を持って進路選択をできるようにしていくことだと私は思っております。今の子どもたちには、無限の可能性にチャレンジできるよう最大限の選択肢を広げてあげることが大切だと思います。さらに、令和四年度から成人年齢が十八歳に引き下げられることも重ね合わせると、大人としての主体的意思を一層尊重しなくてはならないかと考えております。 そこで、府教育庁として、子どもたちの主体的な進路選択の支援をするためにどのような取り組みをしているのか、教育長にお伺いします。 ○副議長(西惠司君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) 議員御指摘のとおり、生徒が主体性を持ち、将来についてみずから考える力を伸ばしていくことが重要であります。 府教育庁では、キャリア教育を学校の教育計画の柱の一つとして位置づけるよう全府立高校に指示をしており、各校では、自校の生徒の状況に応じて、それぞれの学年で段階的に必要な力が身につくように計画的な指導に取り組んでいるところです。加えて、来年度に向けまして、府立高校進路保障機能を充実する方向を打ち出しています。その中で、生徒の経験値を高め、より能動的な進路選択ができるよう、例えばキャリア教育コーディネーター等専門人材を活用して協力企業を拡充し、職業体験などの機会をふやすことなどを検討しています。 府教育庁といたしましては、これらの取り組みを推進し、生徒の主体的な進路選択を支援してまいりたいと存じております。 ○副議長(西惠司君) 中川誠太君。 ◆(中川誠太君) 今後、生徒が能動的に進路選択できるように、キャリア教育コーディネーター等専門人材を早急に導入していただくことを期待しています。 子どもたちの進路は、子どもたちみずからが主体性を持ってさまざまなことに挑戦することが大切であります。そのため、一人一社制度のような内定辞退もできない古いやり方ではなくて、時代のニーズに合わせた教育をしていく必要性があることは明白であります。 そこで、私自身の中学時代のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。 今思うと多感な時期だったこともあり、私自身は、親や先生たちの話を素直に聞くことができず、進路選択に対して高校に行かないことを選択しました。そんな私に対して先生たちからは、私の気持ちに寄り添ったアドバイスなどはもらえず、先生たちの物差しで話をされた苦い経験があります。その後、地域の方々の支えがあり、私は、いろいろな仕事をさせていただきました。ですが、社会に出ると目に見えない社会の壁が必ずあります。子どもたちには、大人たちがつくったレールの上を歩むだけではなく、みずからが主体性を持って目標に向けて歩んでもらいたい。そして、見えない社会の壁を乗り越えるためには、社会に出る前からのキャリア教育を行い、子どもたちの可能性を広げ、チャレンジ精神を持ってこれからの社会に羽ばたいていただきたいと思います。 二〇二〇年から順次実施される新学習指導要領では、これからの時代に求められる力の一つに、学ぶ意欲や自分で課題を見つけ、みずからが学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等を挙げています。私も、大阪府議会議員として、子どもたちが主体性を持ってみずからの目標にチャレンジできる社会になるよう力を尽くしたいと思います。 以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。 ○副議長(西惠司君) 次に、奥谷正実君を指名いたします。奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 自由民主党・無所属 大阪府議会議員団の奥谷正実でございます。府議会で初めての質問となりますので、知事並びに理事者各位におかれましては、何とぞよろしくお願いをいたします。 第一点目は、大阪・関西万博についてお尋ねをいたします。 平成三十年十一月二十三日にパリで開催をされましたBIE総会におきまして、二〇二五年万博開催地が大阪に決定をし、大阪府民はもとより日本各地で喜びの声が上がりました。大阪では、一九七〇年(昭和四十五年)に、「人類の進歩と調和」をテーマに、千里丘陵におきまして日本万国博覧会が百八十三日間開催をされ、日本全国はもとより、世界の国々より六千四百二十一万人の方々が訪れました。 今回開催をされます大阪・関西万博は、五十五年ぶりの大阪での開催でもあり、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに夢洲において百八十五日間開催をされ、来場者は最大二千八百万人を想定しておられると思います。 そこで、初めに吉村知事に確認をさせていただきたいと思います。 万博記念公園は、私の地元の吹田市民はもとより、府民の多くの方々に親しまれ、年間を通じてさまざまなイベントなどが行われております。さらには、太陽の塔を初め、アジア初の万博のレガシーとして今現在も存在をしており、二〇二五年大阪・関西万博で連携すれば、より大きな盛り上がりにつながっていくと考えております。 松井前知事は、平成三十年十一月二十八日の定例記者会見において、サテライトをやるにもそのエリアの熱意が必要であり、実行組織ができ、それに見合う負担の根拠が明確になれば、二〇二五年万博開催のときには、万博記念公園を関連イベントとして位置づけたいと発言をされておられました。また、建築から五十年が経過すれば世界遺産へ向けた資格ができることから、太陽の塔を二〇二五年に世界遺産に登録されるように活動していきたいとも発言をされておられました。 太陽の塔は、地元でもございますし、松井前知事と思いは同じであります。まさしく、これが政治家の発言であると考えますが、万博記念公園における関連イベント開催と世界遺産登録について、吉村知事も前知事の考えを踏襲されるのか、御見解をお聞かせください。 ○副議長(西惠司君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 奥谷議員の御質問にお答えを申し上げます。 大阪・関西万博の関連イベントにつきましては、今後、博覧会協会が、まさに万博の基本計画を策定する過程で議論されますが、この万博記念公園での関連イベントについては、吹田市を初めとする地元の熱意や負担、それから万博本体とのバランスなども大きな判断要素になるというふうに考えています。この考え方は、松井前知事と同じ考え方です。 それから、太陽の塔につきまして、私自身も、世界遺産の登録がされるように活動していきたいと考えています。世界遺産として登録されるためには、その前提としまして登録有形文化財の登録が必要です。そのため、まずは建設後五十年を迎える来年に、太陽の塔が登録有形文化財に登録されることを目指します。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 関連イベントにつきましては、地元の熱意等が大きな判断要素になるとの答弁をいただきましたが、地元などから要請があり、万博記念公園をサテライトなどで使用するときには、地元市と連携をしていただいて、すばらしい万博となるように心から要望しておきたいと思います。 また、一九七〇年の開催時には、郷土文化ということで、地元に古くから伝わります山田権六おどりというのが披露されました。この山田権六おどりは、二〇一〇年に開催されました上海万博のジャパンウイークにおいても、当時踊られていた方々が四十年ぶりに披露されるということで、NHKも同行取材をするなど、大きなニュースとなったわけであります。 今回の大阪・関西万博で、一九七〇年から五十五年ぶりに万博記念公園での山田権六おどりの披露の御検討も要望しておきたいと思います。 続いて、第二点目は、万博記念公園周辺地区の活用についてお尋ねをいたします。 この地区の再整備には、ホテル阪急エキスポパークが来年二月末で閉館すると聞いており、今後ホテルを含めたこの地域がどうなるのかが気になっておりました。 一九七〇年の万博開催時から万博記念公園や旧エキスポランドなどへの来場者の駐車場として長年利用されてきたエリアでしたが、そうした中、先月の十七日、吉村知事が、この地域を活性化するために、大規模アリーナを中核とした大阪、関西を代表する新たなスポーツ、文化の拠点づくりを推進することとし、その整備や運営を担う民間事業者を公募すると発表されました。会見によれば、今回、大阪府が整備をしようとしているものは、国際的なスポーツ大会を開催できる規模の日本を代表するアリーナということであります。 初めに、日本を代表するアリーナといたしましては、新横浜駅前地区に横浜アリーナがございまして、最大収容人数約一万七千人という当時日本一の大規模なアリーナを建設しました。その後、約十年間日本一を誇っておりましたが、二〇〇〇年三月にさいたま市新都心に最大収容人数約三万七千人という横浜アリーナより大きな施設ができ上がり、現在もさいたまスーパーアリーナが日本一であり続けています。 アリーナをどうせ検討するのであれば日本一にしましょうよ、知事。理事者は、面積や収容人数だけが日本一ではなく、設備やサービスなどでも日本一になることができると胸を張って発言をされておられましたが、ソフト面では、後からできる施設は全て日本一になれる可能性がございます。一度つくってしまえば、なかなか超えることができないのが規模だと思いますよ。後からつくるのに、二番あるいは三番ということはないんではないかと思います。だから、大阪は、首都圏に追いつくことができないのと違いますか。日本一の施設ができたら、自然に人が集まってくると思いますが、どうでしょうか。 ただし、日本一の施設をつくるにも、万博記念公園周辺地区は交通インフラが脆弱過ぎると思います。現在、首都圏の二カ所のアリーナは、いずれも新都心というような鉄道網が複数路線整備された立地であり、大規模収容施設に見合った適地だと考えます。 一九七〇年の万博開催時には、万国博中央駅が現在の中国自動車道の一部に通っており、梅田から万国博中央駅まで二十四分という速さで、期間中二千万人以上の方々を輸送したとのことでしたが、現在大阪府が検討している万博記念公園周辺地区は、大阪モノレールがあるだけでございます。ガンバ大阪の試合の観戦者、自然公園やエキスポシティの来場者、それと数万人規模のアリーナができれば、アリーナの来場者といっときに重なれば、十万人規模の人数が集まり、本当にあの場所がアリーナにふさわしいのかが疑問に思います。 私は、何も反対をしているわけではございません。せっかく大阪にアリーナをつくるのであれば、名実ともに日本一の聖地になるようなものをぜひともつくってほしい、そう願っておる次第でございます。大阪府としては、どれくらいの規模のアリーナをつくり、どんな周辺施設を整備したいと考えているのでしょうか。 また、さきに述べましたように、この地域は、交通インフラが脆弱なため、自動車で来る方々も多数いると思いますが、現在、外周道路から出入りする住宅が整備をされて生活道路にもなっております。週末を中心にひどい渋滞がよく発生しております。アリーナが整備されると、今後ますます道路は混雑をし、地域住民の生活に影響を及ぼすのではないかと心配をいたしております。現在のエキスポシティの計画が上がったときに、万博外周道路に来場者の自動車を乗り入れさせないとの考えから、中央環状線に信号交差点を設けて中央環状線から直接出入りをさせるとか、あるいは中国自動車道から陸橋をかけて高速道路からだけの出入りにするとか、さまざまな声が上がっておりました。 大阪府は、つくるだけではなく、でき上がってからの責任もあるのではないかと考えますが、府民文化部長の御見解をお聞かせください。 ○副議長(西惠司君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 近年、国際的なスポーツ大会を開催するには、固定の観客席数が一万人を超え、競技床面積を十分に確保できるフロア等のスペックを満たすことが求められています。しかし、こうした大規模アリーナは、現在、首都圏に二カ所しか整備されておらず、大阪で最大の大阪城ホールの固定観客席数は約九千人、競技床面積は約三千五百平方メートルと、横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナの半分程度にとどまっております。 このような中、本府では、日本万国博覧会記念公園の活性化に向けた将来ビジョンの具体化を図るため、万博記念公園駅前周辺地区の活用について、スポーツやエンターテインメントを取り巻く状況、アリーナのニーズ等の市場調査などを行ったほか、大阪府日本万国博覧会記念公園運営審議会からの意見なども伺いながら検討を重ねてまいりました。その結果、民間事業者とともに、大規模アリーナを中核とした大阪、関西を代表する新たなスポーツ、文化の拠点づくりを推進していくこととしたものです。 現在、公募に向けた準備を進めており、民間の知恵と力を最大限におかりしながら、国際的なスポーツ大会やコンサートなどが開催できる規模を持ち、広範な利用が可能な世界最先端の機能を有するアリーナを整備したいと考えております。あわせて、当該アリーナを中核としたまちづくりにふさわしいホテルなどの周辺整備もしてまいりたいと考えております。 また、交通対策につきましては、今後の民間事業者からの提案内容に基づき、地域住民の声を伺いながら具体的な検討を始めることとなりますが、本府として適切に対応してまいります。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 今答弁いただきましたように、地元地域の声をしっかりと聞いて取り組んでいただきたいと思います。 今回の事業者公募に至るまでどんな議論がなされていたのかが、私は、いまいち理解ができませんけれども、私も、この地区について、今この時期にしかできないまちづくりのアイデアを考えております。ぜひとも、この一般質問の機会に知事の意見、見解を伺っておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 今回公募されます万博記念公園周辺地区は、約十六・九ヘクタールあるということですが、ここに約十一ヘクタールの天王寺の動物園を丸ごと移転をさせて、大規模アリーナを天王寺動物園跡地に建設するという考えは検討されたのでしょうか。面積としては十分な面積だと私は考えます。しかしながら、多分そのようなことはしていなかったと思います。なぜなら、今までなら、天王寺動物園は大阪市立でございます。万博記念公園周辺地区は大阪府というように、ありきたりの行政間の垣根を超えた議論がなされるということはなかったと思います。 しかし、知事は、日ごろから府市が一体となって大阪の成長戦略をするんだというように高らかに言っておられると思います。移転をすれば、万博公園の価値自体も、また天王寺動物園のポテンシャルも向上しますし、それにも増して天王寺という一等地に広大な用地が生まれてくるんではないでしょうか。新たな土地活用の可能性が限りなく生まれてくると思います。 いつまでも天王寺に動物園が絶対必要という道理はないと思いますし、さきにも述べましたように、横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナは、鉄道網が発展をしていて、輸送力がある立地に建設をされております。また、天王寺地区には、関西空港や新大阪、奈良、和歌山、三重などのさまざまな地域からのアクセスに非常によい地域でございます。また、インバウンドの恩恵を受け、最高のポテンシャルを有した適地になるのではないかと考えます。 この案は、天王寺と万博公園の両方の土地の価値を上げることが可能となること、また大胆なまちづくり施策でもあり、府域全体のためになると思いますが、どうでしょうか。吉村知事は、大阪市長も経験をされておられますので、どちらの土地のポテンシャルも御存じかと思います。府と市の権限の関係などさまざまな課題もあるかもしれませんが、府市連携ができる今の吉村知事、松井市長の体制なら調整は可能ではないかと思いますが、どうでしょうか。 まずは、政治が大きなビジョンを描き、役割を果たしていき、本当の意味での大阪の成長戦略や商都大阪の復活にチャレンジをしてみてはと考えますが、知事にまちづくり施策の提案について御見解をお伺いしたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) まず、万博記念公園ですけども、万博記念公園において何が必要なのか、何がふさわしいのかという視点が重要だと思います。万博記念公園が絶対に動物園が必要なのか、そういう視点になるのか、ふさわしいのか、そういう視点が必要だろうというふうに思います。 万博記念公園の周辺地区は、これ将来ビジョンが既に示されているところでもあります。その将来ビジョンにおいて、みどりと文化、スポーツを通じて生命力と感性が磨かれる公園を目指す、そのために民間活力を導入することによって国内外から利用者を引きつける、魅力向上を図るということにしているところです。まさに、その文化、スポーツを通じて魅力が磨かれる公園と、その具体化に向けて審議会を経て、そして審議会の意見も踏まえて検討を重ねた結果、この大規模アリーナを中核とした大阪、関西を代表する新たなスポーツ、文化の拠点づくりを推進していくということにしたところであります。 この万博公園については、新御堂筋もあり、交通も新大阪からも非常に近いところにもありますし、そして伊丹空港とモノレールでつながり、また空港からも近い、大動脈の中央環状線も接している、非常に交通においては至便なところだと、大都市を広く見れば僕はそういうところだと思ってます。大規模のアリーナを中核としたまちづくりというのは、まさにこの将来ビジョンに適合しているんじゃないかなと思います。 さらに、万博記念公園には、万博記念の競技場、野球場、テニスコートがあります。それから、吹田のサッカースタジアムもある。まさに、多種多様なスポーツ施設がありまして、スポーツ、文化の拠点になっている。ここに、さらに大規模アリーナを誘致して、このスポーツ文化の拠点を強化すると、集中させていくということは、万博記念公園の魅力がさらに高まるのではないのかというふうに思います。 それから、議員御提案の天王寺動物園を移転させるということですけども、天王寺動物園自体も、僕自身も市長のときにさまざまな改革をしようということでやってきました。民間活力を生かせないかということでやりましたが、これは民間で丸ごとに活用するということは、事業者として無理というような判断もその時点ではありました。 この動物園というのは、見た目にはたくさんの方もいらっしゃって、ここ過去三年ぐらいで過去最高の入園者も記録しています。旭山動物園を抜いたところでもありますし、非常に大阪の天王寺動物園の魅力は高まってきてます。これは、さらに続けていかなきゃいけないと思っていますが、動物園自体を公立動物園として見たときに確実に赤字施設です。それだけじゃなくて、やはりノウハウが必要になってきます。動物園を経営するというのは、かなり高いノウハウと人も必要になってくるところです。 そんな中で、吹田市や大阪府、ノウハウがないところがどこまで--もちろん人と財源が一緒になって移管すれば別ですけども、そうじゃない状況で吹田に持ってくるというのは、かなり厳しいんじゃないかと思います。その厳しさを乗り越えてでも動物園を吹田に置くことが、アリーナよりもはるかにいいんだという判断ができるんであれば、それは一つの政治判断と方向性というのはあるかとは思いますが。 ただ、吹田の万博公園として何がふさわしいのかと、そして大阪にないものというのを考えていったときに、この大規模アリーナというのは、万博公園の魅力を非常に高めていくもんじゃないかと、僕はそういうふうに思っています。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 知事、先ほども言いましたように、何も反対をしてるわけじゃないんですね、あそこにつくること自体。ただつくるには、今さまざまな交通の利便性をおっしゃっていただきましたけども、やはり数万人、十万人規模の方々が、あのときにいっときに集中するというようなことで、つくるのであれば、交通インフラも考えていただくということをまた要望しておきたいと思います。 それでは、三点目は、吹田市のいじめ事案についてお尋ねをいたします。 吹田市の選出の議員といたしまして、この案件が発生したことについて非常に心が痛むわけであります。 小学校で、女子児童が約一年半にわたっていじめを受けていました。そして、この問題が大きく報道されたわけであります。市の第三者委員会の調査報告書では、学校は、いじめ防止対策推進法に基づいたアンケートは実施していたものの、児童が生活アンケートに記載した訴えを担任がいじめとして対応しなかったと、そのため長期にわたっていじめが継続され、被害児童の保護者からの訴えがあるまで学校は気づくことができなかったと記載をされております。 大阪府といたしまして、今回のいじめ事案をどのように受けとめているのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) 府教育庁といたしまして、今回の事案で児童、保護者が長期間にわたり苦しんでおられたということを重く受けとめております。 まず、学校の対応につきましては、当該児童がアンケートでいじめを訴えていたにもかかわらず、学級担任が事実確認もしないまま深刻ないじめはないと判断をしたこと、またアンケート結果を校内で共有できていなかったことなど、いじめを組織的に把握し対応するシステムが機能していなかったことが課題と考えています。また、市教育委員会の対応につきましては、重大事態を調査する第三者委員会の設置がおくれるなど、被害児童や保護者に寄り添った対応がなされてこなかったことが課題と考えています。 府教育庁といたしましては、今回の事案における課題を全ての市町村教育委員会で共有し、これを教訓に、改めていじめを早期に発見し、重篤化を防ぐ取り組みを強化することが必要と認識をしています。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 今回の事案を教訓としていただいて、府域全体に広げていく必要があるということですが、府教育庁として今後どのような指導を行っていくのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) 府教育庁といたしましては、本事案の報告を受け、まず六月には、教職員のいじめに対する姿勢や学校の体制が機能しているかを確認するために、いじめ対応セルフチェックシートを作成し、府内の全ての公立学校に発出をし、見直しと改善を行うよう依頼をいたしました。また、八月には、政令市を除く府域の公立小中学校など及び府立学校の校長を対象とした研修会を開催し、いじめの認知と組織的な対応について、さらなる充実を求めたところであります。 今後は、事案の初期段階からスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクールロイヤーなどの専門家を交えて対応を協議する等のチーム支援体制を強化するなど、各市町村、学校におけるいじめ対策が適切に機能するよう支援をしてまいりたいと存じております。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 他府県では、いじめ撲滅宣言を掲げて取り組んでいる自治体があると聞いております。いじめから子どもの生命、身体を守るために、府教育庁といたしましても各市町村に発信するべきだと考えますが、教育長の考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) 今お示しがありましたように、いじめ問題への理解を促すために、府教育庁から府民の皆さんに対し目指すべき方向などを発信することは、意義あることと考えております。 府教育庁では、毎年十一月に府内全市町村の中学校生徒会代表がこの議場に集まりまして、いじめについて考え議論する生徒会サミットというものを開催しておりまして、議論のまとめとして、生徒たちがスローガンを考え、府内全ての学校に発信をするという取り組みを行っています。ことしから、そのスローガンを府のホームページに掲載するとともに、報道機関にも御協力をお願いし、広く府民に発信をしてまいりたいと存じております。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) やはりスローガンというようにマニュアルも遂行されているということで、絵に描いた餅にならないように、やっぱり実効性のあるものにしていただきたいと思いますので、お願いをいたします。 第四点目は、中核市移行後の児童相談所についてお尋ねをいたします。 児童虐待の対応につきましては、府子ども家庭センターの体制強化を初め、関係機関や民間団体との連携などさまざまな取り組みがなされておりますが、東京都目黒区や千葉県野田市での虐待死事件など、虐待によって子どものとうとい命がなくなるという痛ましい事件が後を絶ちません。児童虐待の未然防止や早期発見、早期対応を行うためには、都道府県や関係機関などによる取り組みとともに、住民に身近な存在である市町村の果たす役割が重要であると考えます。 現在、都道府県や政令市だけではなく、中核市においても児童相談所を設置することが可能とされておりますが、児童相談所設置をしている中核市は、現在、全国的に見ても金沢市、横須賀市、明石市の三自治体に限られており、中核市の児童相談所設置はなかなか進んでいない状況でございます。 そこで、中核市の児童相談所設置についてお伺いをさせていただきます。 中核市が、児童相談所を設置するためには、施設の整備や人材の確保など越えなければならない課題が数多く存在をしておりますが、府内の中核市が児童相談所の設置を進めるに当たって、府としてどのような支援を行っていくのか、福祉部長にお伺いさせていただきたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 児童虐待防止に向け、対応力を備えた中核市が児童相談所を設置することについては、有効な取り組みと認識しています。一方で、児童相談所の設置には、専門職員の確保や財政的負担などの課題が指摘されておりまして、本年六月に改正された児童福祉法においては、政府は、改正法の施行後五年間をめどとして、中核市が児童相談所を設置できるよう必要な措置を講ずるとされたところです。 府としては、国における検討状況等、必要な情報提供を行ってまいりますとともに、中核市が設置に向けた検討を行う場合には、人材の育成、運営ノウハウの提供など、積極的に支援してまいります。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 中核市を設置するということは、財源はもとより人材が非常に大変だと思うんで、またそういったことで吹田市を含む中核市から何か相談事があれば、前向きに検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、五点目、防犯カメラの普及促進についてお尋ねをいたします。 府内において、これまで防犯カメラ設置促進の補助事業に取り組んでまいりましたが、平成二十八年度で補助事業を終了したと聞いております。 防犯カメラは、犯罪捜査だけでなく犯罪の抑止力にも重要であると認識をしておりますが、今後の防犯カメラ設置に対する府としての考えをお伺いさせていただきたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 危機管理監橋本正司君。 ◎危機管理監(橋本正司君) 防犯カメラは、犯罪抑止のほか、犯人の早期検挙、府民の安心感の醸成などの効果がありますことから、本府では、平成二十一年度から平成二十八年度まで市町村におきます防犯カメラの設置に対する取り組みを促進するために補助を行ってまいりました。 その結果、府内の市町村におきまして、自治会等に対する防犯カメラ設置の補助制度を設けた団体数は、平成二十年度末で一団体であったものが、平成二十八年度末では三十七団体まで拡大し、約二万六千台の防犯カメラが設置されましたことから、広域自治体としての府の役割を一定果たしたものと考えております。また、平成二十九年度以降も市町村による防犯カメラの設置が進みまして、現在では府域で約三万二千台が設置されているところでございます。 なお、本府では、より一層の地域防犯力の向上を図るために、今年度から三年間で青色防犯パトロール車にドライブレコーダーを設置する市町村に対しまして補助を行い、地域の見守り活動を強化しているところでございます。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 防犯カメラの設置に対する府としての考え方、今年度は、ドライブレコーダーを青色防犯パトロール車に設置する補助事業を行って地域防犯力の向上を図っているということは、理解をいたしました。 しかし、防犯カメラの設置は、犯罪の抑止力として非常に重要だと考えておりますので、今後再開発される地区などにおいて、防犯カメラ設置を含めた防犯環境に配慮した安全なまちづくりを計画的かつ重点的に推進をし、その取り組みを府内全域に広げていく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか、御見解をお聞かせください。 ○副議長(西惠司君) 危機管理監橋本正司君。 ◎危機管理監(橋本正司君) 安全なまちづくりを推進するためには、自治体、警察、地域住民等が一体となって、それぞれの地域における防犯環境の整備を計画的かつ重点的に取り組むことが重要でございます。 これまでに、防犯環境に配意したまちづくりの事例としては、安全安心なまちづくり大規模モデルタウンとして開発されました和泉市のはつが野地区における事例がございまして、その際、民間開発事業者が防犯カメラやLED防犯灯の設置などを行い、大阪府及び大阪府警察は、子どもの見守り活動に対する防犯教室の開催や地域安全センターの活動支援などを行っております。 まちづくりは、それぞれの地域ニーズを踏まえ行われるものでございますので、さきの事例のように、防犯環境に配意したまちづくりを行いたいという要請があれば、関係機関と連携を図りながら必要な支援を行ってまいります。 ○副議長(西惠司君) 奥谷正実君。 ◆(奥谷正実君) 安全なまちづくりを推進していくためには、警察、自治体、地域住民などが一体となって取り組むことが最も重要と考えます。今後も、関係機関と連携を図りながら、防犯環境の整備を計画的かつ重点的に取り組み、府内全域の安心安全のために広域自治体としての役割を果たしていただくことを強く要望しておきたいと思います。 最後に、吉村知事におかれましては、数点の質問は、今後の大阪の発展のためには私なりに必要ではないかという思いでお尋ねをいたしました。今後も、大阪の発展のためには、惜しみなく取り組んでいただきたいと思いますし、府民にとって今一番何がいいのかも本当に真剣になって検討していただきたいと思います。 是々非々の立場でありますが、私もできることは協力をさせていただきたいと思っておりますし、これからの大阪は、大阪・関西万博などで世界に名を知らしめ、すばらしいまちであることを発信していただき、人々が訪れ、にぎわいのある商都大阪の復活を実現していただきますことを心から願い、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(西惠司君) 次に、前田将臣君を指名いたします。前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 大阪維新の会大阪府議会議員団、岸和田市選出の前田将臣です。 岸和田といえばだんじりというイメージが頭に浮かぶかもしれませんが、そのほかにもさまざまな歴史と伝統を感じることのできる表情豊かなまちであります。住む人の情熱が、これまでの岸和田のまちをにぎやかにしてきました。その反面、変わり行く時代の流れに対し、何とか今の岸和田を新しいまちへ変えていこうという思いを持った方々が、今の岸和田を力強く支えています。この思いを胸に地元のさらなる活性化を果たし、世界に誇れる大阪を目指すため力を尽くしてまいる所存です。 また、私は、児童養護施設という場で生きてきた当事者であります。社会のセーフティーネットとなる社会的養護のあり方を考え、そこで今も生活している子どもたちの代弁者としての責務を果たすべく、府政に対し思いを訴えてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従い順次質問させていただきます。 初めに、スマート農業の推進について伺います。 泉州地域の農業は、大阪府の農業産出額の約五割を占め、さきのG20大阪サミットで使用された水なすや泉州たまねぎのほか、全国シェア二位のシュンギクや桃など収益性の高い農産物の生産が行われております。例えば、水なすのハウス栽培では、十アール当たりの収益が約二百四十万円とも言われ、お米と比べて四十倍以上の収益があることからも、収益性の高い農業を発展させていくことは、農業の成長産業化にとって重要と考えます。 国土面積が九州ほどしかないオランダでは、大きな農業用ハウスで肥料や給水をコンピューター制御により自動で供給するスマート農業によって、国際競争力の高い農業を実現しています。 大阪府においても、農業の盛んな泉州地域を中心とした大阪農業の成長産業化に向け、収益性の高い農産物と合わせたICTを活用したスマート農業をさらに推進すべきと考えますが、どのように取り組むのか、環境農林水産部長に伺います。 ○副議長(西惠司君) 環境農林水産部長南部和人君。 ◎環境農林水産部長(南部和人君) スマート農業についてお答えを申し上げます。 本府では、農作業の省力化、農産物の高品質化に向けて、環境農林水産総合研究所と共同で革新技術の開発導入ロードマップを策定し、ブドウやナスの栽培ハウスにおいて、温度管理を自動化する装置などスマート農業技術の普及に取り組んでいるところです。また、泉州水なすの栽培におきましては、ハウス内の環境を遠隔でコントロールする技術を開発したところであり、この九月に民間企業の参画も得てコンソーシアムを設立し、今後、現地圃場での実証を通じて広く普及していくこととしております。加えて、これらの技術をより効果的に活用するため、ICTを活用して測定された環境データを蓄積し、ビッグデータ化することにより、新規の就農者であっても最適な栽培環境をつくり出せる取り組みも行うこととしております。 今後とも、大阪農業の成長産業化に向け、より多くの農家が省力化を図り、高品質生産を実現できるようスマート農業を推進してまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 御答弁ありがとうございます。スマート農業の推進による大阪産大阪農業のさらなる成長を期待しております。 次に、私の地元にある岸和田丘陵地区では、府が主体の圃場整備事業が進められており、ICTを導入した安定的で高収益な次世代農業の展開を目指す最先端の農業拠点づくりを実施し、新たに参入される企業などを対象に、スマート農業を展開するための助成制度も独自に創設しています。 岸和田市におけるこの新たな農業拠点を早期に実現し、大阪農業の成長産業化のモデルとすべく、岸和田丘陵地区の圃場整備事業を速やかに完了すべきと考えますが、どのような見解でしょうか。 また、国では、より一層担い手への農地集積を推進するため、平成三十年度の新たな圃場整備事業の制度を創設されましたが、市街化が進んだ府内の農地は、住宅等で分断され、まとまりの規模が小さいものも多く、小規模な集団農地においてはこの補助制度が活用できないため、事業化することが困難と聞いております。大阪で栽培されている水なすや軟弱野菜などによる高収益農業は、小さな面積でも十分実現できるのではないでしょうか。 このような小規模な集団農地においても、国の制度を活用し、圃場整備事業が進められるように取り組むべきと考えますが、環境農林水産部長にあわせてお伺いいたします。 ○副議長(西惠司君) 環境農林水産部長南部和人君。 ◎環境農林水産部長(南部和人君) 初めに、岸和田丘陵地区の圃場整備事業についてお答え申し上げます。 本事業は、平成二十五年度より約二十一ヘクタールの農地を対象に実施しており、昨年度までに約十五ヘクタールの整備工事に着手をしております。既に整備された約二ヘクタールの農地では、水なすなどの営農が開始されており、引き続き未着手の六ヘクタールも含め、令和三年度の工事完了に向け着実に事業を進めてまいります。 次に、小規模な集団農地についても、意欲ある担い手に農地を集約し、高収益農業を展開するため、圃場整備事業を実施することは必要というふうに認識しております。しかしながら、国が創設した制度は、十ヘクタール未満の農地では活用できないことから、国に対しまして面積要件の緩和など要望を行ったところ、来年度の制度拡充に向け検討がなされているというふうに聞いております。 今後とも、地域の実情に応じて圃場整備事業を実施し、担い手が求める農地を提供することにより、大阪農業の成長産業化につなげてまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 御答弁ありがとうございました。丘陵地区の着実な整備とあわせ各地の圃場整備を進め、引き続き大阪農業の成長産業化に向けて取り組みをお願いいたします。 次に、阪南港木材港地区木材コンビナートについてお伺いいたします。 岸和田市、忠岡町にまたがる木材コンビナートは、開設当初七十ヘクタールの水面を輸入原木が埋め尽くすほど利用があり、陸域でも木材加工業が盛んでありましたが、社会情勢の変化により平成初期以降は、貯木場としてほとんど利用されなくなっている状況が続いています。 そのような中、民間の太陽光発電事業者複数社から地元岸和田市に対して、水面に太陽光パネルを設置してクリーンエネルギーを供給したいとの意欲的な計画が昨年提出されたと聞いております。実現に向けては、さまざまな課題があることは認識していますが、積極的に取り組んでいくべきと考えております。 手続の一つとして、港湾計画の変更が必要とのことですが、水域管理を所管する港湾管理者として都市整備部長の見解をお伺いいたします。 ○副議長(西惠司君) 都市整備部長森岡武一君。 ◎都市整備部長森岡武一君) 木材コンビナートは、全国的な外材輸入量の急増に対応すべく事業化され、昭和四十一年に開設し、現在も木材コンビナート協会が海面の貯木場を占用しています。しかし、昭和五十年代以降、製材された木材の輸入増加に伴い、利用が大きく減少しているところです。 平成二十一年度からは、木材コンビナートを含めた地域の活性化を目的として、大阪府の関係部局とともに地元市や町が情報交換会を開催し、調査検討を行っており、都市整備部も参画しております。昨年度、民間事業者より、太陽光発電としての利活用の提案があったことから、現在、情報交換会において、事業性や地域に及ぼす影響、課題について情報共有を行っているところです。 都市整備部としては、港湾管理者の立場から事業化の動向などを見きわめつつ見据えつつ、港湾計画の変更に備えるなど協力してまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) ありがとうございました。港湾管理者としての立場からの見解は理解しました。 しかし、答弁にもありましたように、平成二十一年から現在まで長年利活用がなされていないことから、地元としても早急な活用が求められている状況であります。 そこで、木材コンビナート貯木場の未利用部分について、海面利活用を早期に進めるべきと考えますが、この点について知事の見解をお伺いいたします。 ○副議長(西惠司君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 前田将臣議員の御質問にお答えを申し上げます。 先ほどの議員の質疑を受けて、議員の問題意識は、十分に理解をいたしました。 まず、これまでですが、木材コンビナート貯木場の利活用につきましては、地元の市町とともにさまざまな可能性について検討を行ってきました。海面の利活用につきましては、用途目的変更に係る港湾計画上の位置づけなど、実現に向けた課題がありますものの、地元から提案のあった事業については、市や町におけるまちづくりの位置づけ、事業化の動向等も見きわめて、府として引き続き積極的に協力をしていきたいと思います。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 知事、御答弁いただきましてまことにありがとうございました。 この貯木場の利活用は、地元としての長年の懸案事項となっている次第です。府として協力していくとの前向きな答弁いただきましたので、早期の利活用に向け地元の思いをお酌み取りいただき、引き続き御協力のほどお願い申し上げます。 続いて、阪南港阪南二区について伺います。 岸和田市沖合で埋立事業が進められているちきりアイランドは、平成三十年度末時点で埋立進捗率は約七七%であり、平成三十年三月に行った第二期製造業用地十二区画の公募においては、八カ月で全ての区画で事業者が決定するなど順調である一方、本事業の埋め立てに用いている建設発生土等が減少しており、このままでは事業の進捗に影響することが予想されています。 このように、土地需要が高まっているこの時期を逃すことなく、埋立事業の進捗を図り、早期に次期公募が開始できるよう取り組みが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。 また、ちきりアイランドにかかる岸之浦大橋についても、現在の二車線では、事故発生や落下物等による不通のケースなど、企業活動に対するリスクが大きく、災害発生時に避難活動にも大きな影響を及ぼすことも考えられることから、岸之浦大橋の四車線化も早期に整備が必要と考えますが、いかがでしょうか、都市整備部長に伺います。 ○副議長(西惠司君) 都市整備部長森岡武一君。 ◎都市整備部長森岡武一君) ちきりアイランドの整備事業については、平成三十一年一月に公有水面埋立免許を変更し、埋め立てに用いる土砂の受け入れ対象範囲を拡大して搬入土量を確保するとともに、埋立区域の分割による一部区域の早期完了を図っております。これにより、次期公募を予定している第一期保管施設用地約九ヘクタールのうち約四ヘクタールについては、本用地全体の埋立完了予定より一年早い令和二年度に埋め立てが完了する予定です。 埋立完了後は、関連する道路や上下水道等のインフラ整備を速やかに行うとともに、並行して用地分譲、賃貸の公募を行うことにより、早期に企業が進出できるよう取り組んでいきます。 次に、岸之浦大橋につきましては、事故や災害等に備えるとともに、通行が困難となった場合は、関係機関との連携のもと早期対応に努めてまいります。また、四車線化につきましては、今年度実施した交通量調査において混雑の状況が確認されていないことから、令和四年度から公募開始予定の第一期保管施設用地への企業の進出状況や交通量の状況を見きわめ、検討してまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 御答弁ありがとうございました。この埋め立ては、土砂の受け入れ量減少により完了期間の延長もなされている背景があることからも、早期の埋め立てを要望いたします。 あわせて、橋梁の四車線化についても、企業誘致を進める上で早期の整備ができていることが土地の価値を高めることにつながります。引き続き、早期の四車線化への整備を要望いたします。 次に、大阪府の子どもの一時保護の状況について伺います。 現在の大阪府子ども家庭センターの一時保護の現状は、平成三十年度は二千三百六十二件と前年に比べ二百四件増加しています。平成二十五年八月に二つ目の一時保護所が開設され、定員数が五十人から八十人に増加したものの、件数増により恒常的に満床だと聞いております。 国が示す新しい社会的養育ビジョンでは、一時保護は、子どもにとって養育環境の急激な変化を伴う精神的な危機的状況をもたらす可能性が高いため、子どもに安心感をもたらすよう十分な共感的傾聴を基本とした個別化された丁寧なケアが不可欠であり、国では、一時保護所の個室化やケアの質の向上のための検討が始まっております。大阪府においても、一時保護所のケアの質の向上とともに、子どもの権利についてもしっかりと守っていくことが求められると考えております。 大阪府において増加する虐待対応件数については、児童福祉司を増加するなどの対策を講じておりますが、増加する一時保護件数については、どのような対策を講じているのか、福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(西惠司君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 一時保護は、子どもの迅速な安全確保や心身の状況などを把握するために行うものであり、一時保護中は、子どもや家族に対する今後の支援方針を定める期間となります。府で設置している二カ所の一時保護所では、特に専門的なケアが必要な子どもに対応するとともに、民間の児童養護施設等への委託による一時保護も活用しながら適切に対応しているところです。 今後とも、増加する一時保護に適切に対応できるように取り組んでまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 御答弁ありがとうございました。 近年、児童養護施設等においては、虐待を受けた経験のある児童が約六割、障がい等のある児童が約三割であり、専門的、個別的なケアの必要性が高まるなど施設の負担も増大しています。今後も、民間施設等への一時保護委託を継続するためには、施設の声をよく聞き、一人一人の子どもの状況に応じた環境や体制の整備支援が必要であると考えます。 民間の児童養護施設等においても、今後も適切な一時保護が実施されるよう、府としてどのように支援していくのか、福祉部長に伺います。 ○副議長(西惠司君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 大阪府の平成三十年度の一時保護件数は二千三百六十二件であり、そのうち児童養護施設等への委託は約五二%の一千二百二十五件となっています。 児童養護施設等への委託においては、子どものさまざまな状態像に配慮した丁寧な対応が求められます。一時保護児童については、とりわけ十分な行動観察と生活指導を踏まえたアセスメントが重要であり、児童養護施設等への委託においても府の一時保護所と同様の機能が実現されますよう、専用スペースの確保など各施設の実情に応じた受け入れ体制の整備に向け、引き続き支援してまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) ありがとうございます。大阪府が持つ一時保護所の定員では限界であることは言うまでもなく、民間の児童養護施設への委託は現状必須であることからも、この受け入れ体制の整備については、より一層の支援が必要であると考えますので、引き続きの支援をお願いいたします。 最後に、子どもの社会的養護と自立支援についてお伺いいたします。 児童養護施設で育つ子どもは、退所後、実家庭からの支援等を得ることができないケースが多い中、そのほとんどが進学や就労自立することになり、学費や家賃、生活費が日々の生活の中で大きな負担となります。また、これら経済的な負担に加え、さまざまな場面に直面する困難に対応することができず、孤立感を抱きながら生活している子どもも多くいる現状があります。 こういった背景から、進学後の経済的な理由や就職後のさまざまな理由によって安定した生活を続けることに困難を抱え、結果的に就労、就学の継続が難しくなるケースが散見しています。 そのような中、安定した自立支援を送ることができるよう、平成二十八年六月の改正児童福祉法で、十八歳以上の者に対する支援の継続などの自立支援策が盛り込まれています。施設等を退所する子どもが、継続して安定した自立生活が送れるようにするため、どのような支援を行っているのか、大阪府の取り組み福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(西惠司君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 児童養護施設などを退所後、進学や就労をしながら自立して生活していくためには、退所前からの社会知識の習得に加え、日常生活や仕事の悩みを気軽に相談できる環境と住居の確保を初めとした経済的支援が重要と認識しています。 退所前の子どもに対しては、企業への職場見学や体験、年間を通じた講習会を開催し、社会生活上のマナーや法律の基礎知識などの習得を図るとともに、退所後の悩みを相談できる専門窓口を設置するなど、相談支援体制を確保しています。また、経済的な支援として、就職支度費などの支給に加え、一定期間の就労を条件に家賃や生活費等の返還が免除される貸し付け事業の積極的な活用を図っているところです。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 退所後の子どもに対する経済的な支援や生活相談などの悩みに対する支援策についてお示しいただきました。 しかし、施設退所後の大学進学率が約三〇%と低い背景には、経済的な不安が根底にあり、加えて退所後、生活が安定しないケースが少なくないのは、経済的課題と、より身近な相談相手となるはずの施設などの職員が、今在籍している子どもの対応で手いっぱいで、退所者の相談に対して時間をかけて寄り添えないことも要因であります。一方で、府においては、平成二十九年度、試行的な取り組みとして、自立支援専任職員を施設一カ所に配置したところ、高い効果が得られたと伺っており、退所者の相談にじっくりと対応できる体制整備が必要であると認識しております。 このように、経済的な不安による進学の断念がある現状や、退所後の子どもが施設などの職員にじっくり相談できないといった状況についてどのように取り組むのか、福祉部長に伺います。 ○副議長(西惠司君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 経済的支援につきましては、大学等を卒業するまで引き続き安心して施設や里親宅で生活できるよう、今年度より新たに原則二十二歳までの生活費と居住費相当分を施設等に支給できるようになったところであり、その活用を進めてまいります。 また、子どもが、生活していた施設職員に気軽に相談できる体制の確保に関しましては、各施設における自立支援の専任職員の配置について、引き続き国に要望してまいります。 ○副議長(西惠司君) 前田将臣君。 ◆(前田将臣君) 児童養護施設における自立支援の専任職員の配置については、国では、いまだ制度化に至っていない状況である一方、東京都のように独自で事業を行っているところもあることから、施設等を退所した子どもの多くが親や家族に頼ることができない中で、信頼できる職員に相談できる体制を一刻も早く確保することは、社会からの孤立を予防し、安定した自立生活を送るために必要であります。 大阪府として、その必要性を認めた上で国へ要望されていると考えておりますので、国が制度化するまでの間、独自の専任職員を早急に配置していただくよう切に要望いたします。 社会的養護の本質は、子どもたちの命を守り、社会全体で子どもたちを育むことにあります。冒頭申し上げたとおり、私は、児童養護施設の出身者です。当時、唯一の肉親であった父が亡くなり、一人で施設に入所しました。八年間の施設生活でした。施設の中で生活している当時、自分の置かれた環境に負い目を感じ、自信を持つこともできず、常に劣等感を感じながら生きていました。寝食をともにする子どもたちの中には、守ってくれるはずの親からの虐待によって大きな心の傷を負い、自分自身が存在する価値を見出すことができず、非行に走る子どもたちが多く、彼らにはたくさんの問題がありました。今でも、この状況は変わっていません。 このような親と離れて暮らす子どもたちが成長し、社会に出て自分たちの思いを実現できるようになるということは、並大抵のことではありません。そのためには、本当に信頼できる人の存在が必要です。そして、たくさんの人の思いを分かち合いながら、守ってくれた人たちに対し感謝できる心を育む環境が必要不可欠です。 児童虐待によって命を落とす子どもをゼロにすること、児童虐待をなくすこと、児童虐待の被害児童を無事に社会に参加できるよう支援すること、これらの課題は、社会全体で共有すべきものであり、そしてこれらは解決することのできる課題です。 報道により重大な虐待が明るみに出ることが多くなった昨今、傷ついた子どもたちにとって必要なのは、まずは傷を癒やすことです。そして、生きる力を育む環境を与えることです。さまざまな立場から多様な支援が提供されることが理想であり、児童虐待はこれで解決、そのような万能な政策はありません。公民ともに、いわば手数をふやしていくことが大切であります。 今の大阪には、子どもたちにとって本当に必要な環境をつくり提供することができる力が公にも民にもあります。成長し発展していく大阪をつくる、成長で得た果実を真に必要とする方々に届ける、その結果、子どもたちの未来が豊かになる、そんな誇れる大阪を目指していきたいと思います。 私自身も、施設の職員の方々や地域の方々、そしてセーフティーネットである社会的養護の拡充を図るべく尽力された多くの方々に支えられてきたからこそ、今ここにいることができています。支えられる側の人から今度は支える側の人として、子どもたちの未来のために大阪の改革に取り組みます。共感してくださった方には、ぜひ里親や施設で親と離れて暮らす子どもたち、そして虐待で苦しむ子ども並びに親の味方になっていただき、全ての子どもの権利が守られる社会づくりに御協力いただきますようお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。 ○副議長(西惠司君) この際、休憩いたします。午後二時三十四分休憩    ◇午後二時五十六分再開 ○議長(三田勝久君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により藤村昌隆君を指名いたします。藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 公明党の藤村です。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、大阪・関西万博に向けた取り組みについて。 我が会派は、子どもたちに夢をとの思いで、万博の誘致活動の段階からさまざまな提案を行ってまいりました。一昨年、誘致の機運醸成のために実施された「私の考える万博絵画展」もその一つ。来日したBIE調査団の目に触れる場所に展示するなど、子どもたちの万博への思いを直接届けることができました。 また、私の地元平野区の中学生が編成するロボットの日本代表チーム3πr(サンパイアール)は、昨年、ハンガリーで開催のロボット国際競技大会、ファーストレゴリーグに出場した際、二〇二五年万博の大阪、関西への誘致を一生懸命PRしてくれた姿に感動いたしました。いよいよ開催が決定した大阪・関西万博、主役は子どもたちです。子どもたちが未来のテクノロジーに夢と希望を抱く万博となるよう取り組んでいただきたいと考えます。 同時に、万博に関連したテーマで、世界の子どもたちが活躍・交流するような大会の誘致についても、ぜひ取り組んでいただきたいと考えます。 例えば、先ほど紹介したファーストレゴリーグやWRO--ワールドロボットオリンピアードなど、未来のテクノロジーを深く掘り下げたロボットの世界大会が数多くあります。 万博開催を契機に、今後、このような大会の誘致にも府として積極的にかかわっていただくことは、子どもたちがさまざまな先端技術に触れる機会となり、教育面、産業振興面にも資すると考えますが、知事の所見を伺います。 ○議長(三田勝久君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 藤村議員の御質問にお答えを申し上げます。 子どもたちが夢や希望を抱き、さまざまな分野で活躍できるようになるということは大変重要なことであります。議員お示しの中学生のチームは、昨年、表敬訪問いただいておりまして、大阪の子どもたちが国際的なステージで活躍しているということは大変うれしいことであります。 府においては、産業用ロボットのアイデアを競うコンテストへの協力や、ロボットプログラミング教育を行う企業への支援など、子どもたちがロボットに触れ、関心を高めるための取り組みを行っています。 二〇二五年大阪・関西万博に向けて、子どもたちにさまざまな先端技術に触れる機会を提供することは重要です。議員御提案の子どもたちを対象とした世界ロボット大会は、民間主導で開催されるものでもあります。これが大阪で開催されるよう、府としても働きかけていきたいと思います。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 知事、ぜひよろしくお願い申し上げます。 次に、パーソナルヘルスレコード--PHRの活用について。 PHRとは、個人の健康診断や服薬履歴等の健康情報を電子記録として本人、家族が把握し、活用する仕組みです。PHRの活用によって、本人の生活習慣の改善や健康増進につながるとともに、健診結果等のデータを簡単に医療従事者に提供することで、医療の円滑なコミュニケーションが期待されています。 国では、先月、国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会が開催されるなど検討が進められていますが、生涯にわたる健診(検診)情報の分析、活用を国全体で進めるためには課題も多く残されています。例えば妊婦健診、乳幼児健診は母子保健法に基づき市町村が、学校健診は学校保健安全法に基づき、小中学校は市町村教育委員会が所管をしております。 乳幼児健診の記録は、小学校入学後五年間のみ保存、小中学校における学校健診の記録は高校へ送られた後、卒業後五年で破棄されています。学齢期の貴重な医療データが活用されていないのが現状でございます。 そんな中、京都大学の研究機関と全国約百五十の自治体が連携し、小中学校における学校健診記録を電子化し、本人や保護者へアプリで情報を還元、匿名化してビッグデータとしての活用が始まっています。今後、妊婦健診や乳幼児健診への展開が期待されています。 私は、大阪・関西万博に向け、産官学が連携したPHR活用の大阪モデルをつくっていただきたいと考えます。今後のスマートシティ戦略において、PHRの活用について、総務部長に伺います。 ○議長(三田勝久君) 総務部長村上慶太郎君。 ◎総務部長(村上慶太郎君) パーソナルヘルスレコード、いわゆるPHRを含めた医療ビッグデータの活用につきましては、御指摘のとおりさまざまな課題がありますが、住民の生活の質の向上を目指すスマートシティ戦略を検討する上で重要なテーマの一つであると認識しております。 PHRの活用につきましては、現在、国において関係省庁横断で検討されており、その動きを注視するとともに、議員お示しの研究機関や民間の取り組みについても情報収集を行い、さまざまな課題について整理しながら、今年度末の戦略策定に向けて、関係部局とともに議論を深めてまいります。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 次に、ICTを活用した防災・減災対策について。 本府では、昨年のたび重なる災害の教訓を踏まえ、マンパワーが限られる中、AI、ICTを活用した災害対応力の強化が喫緊の課題です。本年六月、国や自治体、民間企業等が参画し、AI技術等を活用した防災・減災対策を議論するAI防災協議会が設立され、本府も参画いたしました。協議会に参画している神戸市では、既にLINEの自動対話プログラム「防災チャットボット」を活用し、市民と双方向で災害情報を共有することを想定した訓練が実施されております。災害情報の収集や情報提供を的確に行うためには、これらの技術を用いたシステムが有用だと考えます。 今後、本府でも、AI技術等を実装すべく、例えば来年の大阪八百八十万人訓練において実証実験を実施すべきと考えますが、危機管理監に見解を伺います。 あわせて、防犯対策について。 私は、平成二十八年十月の警察常任委員会以来、安まちメールのアプリ化を提案してまいりました。警視庁では、防犯アプリ「デジポリス」を運用し、犯罪情報のみならず、防犯ブザーや痴漢虐待ブザーなどさまざまな機能を実装しております。また、二十九年二月に、私も直接伺いましたが、福岡県警でも、「みまもっち」という独自の防犯アプリを運用しております。 ぜひ、大阪府警察でも防犯アプリを導入していただきたいと考えますが、警察本部長にお考えを伺います。 ○議長(三田勝久君) 危機管理監橋本正司君。
    ◎危機管理監(橋本正司君) 災害対応力の強化のため、IT、ICTの活用は重要であり、これらを活用した災害情報の収集や情報提供は、災害対応を最前線で行う市町村と一体的に取り組むことが不可欠であると考えております。 そのため、今後、AI防災協議会を通じまして防災チャットボットなどの情報収集を行いますとともに、AI技術等の効果的な活用方法を検証するため、協議会に参画しております府内の自治体などとともに実証実験を行うなど、検討を進めてまいります。 引き続き、国や民間事業者の技術開発も注視しながら、IT、ICTを活用し、災害対応力のより一層の強化を図ってまいります。 ○議長(三田勝久君) 警察本部長石田高久君。 ◎警察本部長(石田高久君) 防犯用アプリケーションソフトの導入に関する考え方につきましてお答えいたします。 大阪府警察では、現在、安まちメールやツイッター等を活用して、犯罪発生情報や防犯対策情報等のタイムリーな発信に努めておりますが、幅広い層の受け手に対して効果的に情報を発信し、また防犯ブザー等のさまざまな機能を実装することができるアプリケーションソフトの活用は、多様化する府民のニーズに応え得るものであると考えますので、警視庁等の取り組みやその効果を参考にしつつ、防犯用アプリケーションソフトの導入を検討してまいります。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 次に、LINEによるいじめ相談について。 平成二十九年三月、我が党の浮島智子衆議院議員が、LINE社とともにLINEいじめ相談の創設を文科大臣に直接要請したことを契機に、党として国に働きかけ、国のSNSを活用した相談体制構築事業が創設されました。 我が会派は、LINEいじめ相談を大阪にも導入したいと、同年六月、LINE本社に赴き、導入に向け協力を要請し、以後、府教育庁と制度設計を議論し、二十九年度には高校生を対象とした試行実施を、三十年度には国事業を活用し、中学・高校生を対象とした本格実施を実現してきました。 大阪府では、今年度も七月より相談が開始されていますが、課題は、さきにもございましたが、対象年齢についてです。 私は、本年一月、SNSカウンセリングシンポジウムin関西に参加した際、大阪市の事例報告でも、相談件数が一番多い年代は小学六年、中学一年生であったとの結果も踏まえ、大阪府でも対象を小学生に拡充することを求めてまいりました。あわせて、現在の相談時間は十八時から二十一時となっています。これでは、定時制高校の授業時間と重なっており、この点、配慮に欠けているのではないでしょうか。昨今のいじめをめぐる状況を鑑みても、制度の改善は急務であると考えますが、教育長に見解を伺います。 ○議長(三田勝久君) 教育長酒井隆行君。 ◎教育委員会教育長酒井隆行君) LINEを活用した教育相談は、学校生活や友人関係などで悩みを抱えた子どもたちにとって、非常に身近であり、かつ効果的であります。国事業を積極的に活用する等により、議員御指摘のとおりの実現、充実を図ってまいりました。 今年度も、引き続き相談を必要とする子どもたちが一層活用しやすいように、相談体制を改善することが必要と考えています。 具体的には、来年一月から新たに小学生を対象に加えるとともに、相談時間を一時間早めて十七時からとし、相談員を増員することで、御指摘の定時制の生徒を含め、より多くの児童生徒が相談できる体制づくりを整備してまいります。 また、今年度のLINE相談の対応状況等について必要な検証を行いまして、次年度以降、さらに充実できるよう取り組みを進めてまいります。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 知事は、先日、児童虐待防止取り組みでもLINE相談の活用を表明されました。SNSの利用が進む時代において、相談しやすい環境を整備するためには、いじめや虐待のみならず、行政が実施しているさまざまな相談事業において、SNSを活用することを検討する時期に来ているのではないでしょうか。 神奈川県では、今月から、子育ての不安、ひとり親家庭、DV、ひきこもりといった四つの分野のお悩みについてLINE相談を開設。他都市でもさまざまな事例があります。 妊娠・出産、産後鬱、自殺防止、道路補修や公園管理を初め、本府においても今後のSNSを活用した相談体制の拡充について全庁的に検討していただきたいと考えますが、知事のお考えを伺います。 ○議長(三田勝久君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 本府におきましては、行政サービスのICT化を含めたスマートシティ戦略の検討を進めています。今日、多くの方がスマートフォンを利用する中で、行政として、情報発信や相談にSNSを活用することは、府民の皆さんの利便性の向上につながると認識をしています。SNSによる相談の拡充については、他府県も含めた先行事例を参考としつつ、それぞれの相談の特性やこれまでの相談窓口の状況等を踏まえ、ICT活用の庁内の旗振り役でもありますスマートシティ戦略準備室を中心に、課題整理を含めた検討を始めていきます。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 本年四月、大阪府犯罪被害者等支援条例が施行されましたが、大切なのは条例が制定されたこれからです。ある日突然犯罪被害に遭う、仕事ができない、治療費がかかる等々、直接的な被害のみならず経済的な負担等が重くのしかかります。 国では、犯罪被害者等給付制度がありますが、給付の申請から裁定までに要した期間は、昨年度、平均六・六カ月。申請までも多くの時間を要し、被害直後からの支援という観点では限界があります。 警察庁は、毎年、経済的負担の軽減策を自治体で講じていただきたいと要請しており、本年四月の時点で五県、二百五十九市区町村で見舞金制度等が実施されています。 七月十八日に起こった京都アニメーション事件では、国内外から哀悼の意を込め多額の寄附が寄せられており、大阪府も募金箱を設置されたとお聞きしておりますが、一過性ではなく、報道の多い少ないでもなく、全ての犯罪被害者やその家族を社会全体で支える制度の構築が不可欠です。 府として、財源の確保策を工夫しながら、見舞金制度等の創設に取り組んでいただきたいと考えますが、危機管理監、いかがでしょうか。 ○議長(三田勝久君) 危機管理監橋本正司君。 ◎危機管理監(橋本正司君) 犯罪被害者支援につきましては、本年四月に施行しました大阪府犯罪被害者等支援条例に基づき、被害者支援調整会議を設置して総合的な支援体制を築きますとともに、被害者等の経済的負担の軽減を図りますため、無料法律相談の実施や損害賠償請求権の消滅時効を防ぐための再提訴費用を助成するなどの施策を開始したところでございます。 見舞い金制度につきましては、給付要件の整理や安定した財源の確保などの課題がございまして、まずは新たに開始した現行の被害者支援制度をしっかり根づかせることが重要と考えております。 先ほど申し上げました経済的負担の軽減方策につきましては、その効果検証も行いながら、被害者や御家族にとってより実効性のある支援制度としてまいります。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 次に、府大・市大の無償化の制度について。 大阪の学生が、親の経済格差や家庭の個別事情などさまざまな事情によって進学を諦めることなく、チャレンジできる機会を提供するという本制度の趣旨、目的は、私自身大いに賛同をいたします。 無償化の制度について、さきの代表質問でも各会派から質疑がございましたが、私が重視する観点は、今回の無償化制度の趣旨、目的の達成のため、制度本体ではカバーできないところを補っていく必要があるのではないかという点にございます。この間、府民の皆様からさまざまな御意見をいただきましたが、ほんまにそうやなと思ったのは、教員養成や歯学、薬学など、自身の夢をかなえるための学部、学域が府大、市大にはない学生はどうすればいいのかという声であります。 実際の制度を設計する際には、どこかで線を引かなければならないということはわかっております。将来、大阪で小学校の先生や歯科医、薬剤師になりたい、あるいは美容師、理容師になりたいなどという子どもたちには、今回の府の制度は適用されません。結果として、子どもたちが抱いた夢の分野によって、せっかくつくった府独自の支援制度に崖があるというのは酷ではないかと感じる次第でございます。 対象の人数枠をどうするかなど課題の検討というのは当然必要でございますが、私は、大阪の学生がさまざまな事情によって進学を諦めることなくチャレンジできる機会を提供するという趣旨、目的を鑑み、府大、市大の学域にはない多様な夢を持つ子どもたちも希望を持ってチャレンジできるような別枠の支援制度の設計を、ぜひ一度御検討いただけないかと考えておりますが、知事に伺います。 ○議長(三田勝久君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 制度設計をするに当たっては、これは当然財源も考えた上で、そして合理的な根拠と、そしてどこかで線を引くということは、どの施策においても必要なことだと思います。財源が無尽蔵にあるのであれば何でもやりたいというのはそのとおりでありますが、どっかでやはり線を引かなきゃいけない、それがまさに政策だというふうに思っています。 特に将来を担う人への投資である教育につきましては、僕は無償であるべきというのが基本的な考え方です。これは、本来、国家の方向性として示すべきだというのが僕の考え方でもあります。高等教育の無償化においても、本来は僕は国がしっかりやるべきだと思っています。教育無償化については憲法を改正してでも実現すべきだ、国の根本規範として示していくべきと僕はそういうように思っていますし、そうあってほしいと思っています。 現在、国において高等教育の無償化の制度が設けられましたが、余りにも不十分でありますから、大阪府においても、限りある財源の中で、大阪府としてできること、府が持つ公立大学、府大、市大を所管します公立大学法人の設立者という立場でできること、そして大阪の子どもたちがチャレンジできるようにと、一〇〇%ではないかもしれませんが、新しい選択肢を示していきたいと考えています。 国においては、来年度から給付型奨学金制度の対象者や給付額が拡充されるということになりますが、広く高等教育機関への進学を目指す学生を支援するためのさらなる制度拡充については、私としてもぜひ国に働きかけていきたいと思いますし、現在、政府・与党に所属する議員においても、ぜひ国に働きかけてもらいたいと思います。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 再質問いたします。 本来、国の責任である、国では不十分なので、設置者の立場から無償化を実施したと、これが知事のリーダーシップであるというふうに思います。 その府独自の制度をつくった制度の設立者として、確かに財源というものはあるんです。無尽蔵じゃない、もちろんそうでございます。夢の違いによって、府独自の制度を入り口から閉ざされる方というものへの配慮というものを御検討いただけないかということでございます。 今、制度設計しているところでございますから、しっかりとそういう人員、枠とかそういうやり方とかも含めて、一度御検討いただけないかというふうなことが趣旨でございますが、検討なされるということはございませんか。 ○議長(三田勝久君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) まず、歯科医になりたい、あるいは学校の先生になりたい、薬剤師になりたい、そこになるために大学で学ぶ、そういったことを目指す子どもたちを応援したいという気持ちは当然あります。その中でさまざまな大学、私学もあり、さまざまな選択肢がある。そして職業につくにおいては、ほかの仕事もそうですけど、職業のサポートをしていくと、就職支援をしていくということは、これは引き続きやってまいりたいと思います。 ただ、この大学の無償化については、あまた私学や国立大学がある中で、大阪府としてできることとして考えたときに、やはりこれは大阪府が大学を持っている以上、この公立大学において無償化を先行させていくと、これがまさにアリの一穴になっていくと僕は考えています。 その範囲を拡大する、もともとはこれは国がやってもらうべきことだと思っていますが、子どもたちの夢を応援するというのはぜひやっていきたいと思いますが、現実、府大、市大において新たな学部を設置するというのは非常に困難だろうと思いますし、じゃ府大と関係ないところの大学の学部においてやるというのも非常に困難だと思います。つまり、制度の線引きをどっかでしなきゃいけないということを考えたときに、やはり大阪府が大学を持っているんであれば、この大学というのは大阪の成長に資する大学として育ってもらいたいと思うし、そしてそこで学ぶ大阪の子どもたちをサポートする、そしてその大学に挑戦することは、平等にその機会がチャンスが与えられている、これが重要だろうというふうに思っています。 なので、まずこの大阪府大・市大、ここにチャレンジする機会が平等に与えられているというところをスタート地点としてやってまいりたいと思います。 なので、現状において、例えばほかの職業、議員の話でいけば宇宙飛行士になりたいとか、いろんな職業が全部入ってくると思いますけども、どこかで線を引くという意味では、現在の府大、市大を中心に大阪府としては考えていきたい。ただ、政治家としては、これやっぱり国として無償化を実現していくべきだと僕は思っています。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 大阪府教育庁においてスカラシップ制度をつくるなど、さまざまなやり方というものはあるかというふうに思っております。また議論ができればというふうに思います。 次に、小児救急電話相談#八〇〇〇番について。 子どもが急な病気の際、看護師等の相談員に適切なアドバイスを受けることができる#八〇〇〇番。私は、相談体制の拡充を一貫して訴え、これまで二度にわたって拡充していただき、現在、相談件数は年間五万八千件を超えています。また、相談対応も非常に高い満足度であるとお聞きしており、相談員の皆様の御努力に心から感謝申し上げます。 今後の課題は、現在二十時から翌朝八時までとなっている相談時間の拡充であります。私は、少なくとも病院があいていない時間帯において相談ができるよう、夜間だけではなく、日、祝日の昼間も相談できる体制が必要だと考えます。他府県では、本年五月時点で約半数が日、祝日の昼間に相談を実施しているということがわかりました。日、祝日の時間拡充について、健康医療部長に伺います。 ○議長(三田勝久君) 健康医療部長藤井睦子君。 ◎健康医療部長(藤井睦子君) 小児救急電話相談事業#八〇〇〇につきましては、診療が十分には提供されない夜間に、経験豊かな相談員が丁寧な対応に努め、保護者の不安解消はもとより、適切な救急医療の利用につながるなど、小児救急医療体制の維持に大きな役割を担ってきたと認識しております。こうした適切な電話相談を実施するためには、専門性の高い相談員を確保、養成する必要があります。今後、日、祝日への相談時間の拡充については、休日急病診療所の開設時間や他府県の事例、相談員の確保状況などを踏まえて、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 次に、不妊検査・不妊治療について。 不妊治療は、子どもを望む夫婦にとって体力的にも精神的にも大変つらい治療である上、高額な費用が必要なことから、私は、質問の機会をいただくたびに、府として上乗せ助成を行うべきだと提案し、また不妊治療への入り口となる検査への費用助成についても、一昨年の一般質問で質疑いたしました。 モニターのとおり、他県の実施状況を聞きますと、不妊検査については九都県、さらに一般不妊治療は十六都府県、特定不妊治療は二十都道府県でそれぞれ実施をしています。子どもを望む夫婦の切実な思いに寄り添うべく、大阪府においても、不妊治療及び不妊検査に対する助成を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。 あわせて、若年がん患者の妊孕性の温存についてもお聞きします。 近年、がん治療の進歩によって、多くのがん患者さんががんを克服することができるようになった一方、治療内容によって、妊娠をする力、妊孕性や子どもをつくる機能、生殖機能が低下したり失われることがあります。 最近では、がん治療を始める前に、受精卵や卵子、精子などを保存し、がん治療後にも子どもを持つ可能性を残す治療、いわゆる妊孕性、生殖機能の温存が行われています。この、妊孕性等の温存は、現在自由診療となっており、がん治療費そのものに加え、さまざまな費用が必要となってくるがん患者さんには大きな負担となっています。妊孕性等の温存治療についても、一昨年の一般質問で質疑をいたしましたが、以後、府では、パンフレットの作成など御尽力いただいていることは承知をしておりますが、モニターのとおり、妊孕性の温存治療に対する助成を実施しているのは、一昨年、私が質疑した当時は滋賀県のみでございましたが、今や全国で十二府県、うち今年度からの実施は七県と取り組みが加速度を増しています。 若年がん患者のQOL、将来の希望を応援するための制度を大阪では一体いつまで待たねばならないのでしょうか。制度の創設について、健康医療部長に伺います。 ○議長(三田勝久君) 健康医療部長藤井睦子君。 ◎健康医療部長(藤井睦子君) まず、不妊治療に対する助成につきましては、特定不妊治療は現在、医療保険が適用されておらず高額であることから、国制度を活用して治療費助成を実施しております。今年度も、国の助成内容の充実が図られており、府としてはさらなる充実を国に要望しているところです。 また、市町村に対する府の新子育て支援交付金に、不妊検査や一般不妊治療に係る助成事業をメニューとして新たに加えることを検討していきます。 一方で、不妊に悩む方へのさらなる相談の充実を図るため、大阪府不妊専門相談センターについて、大阪市との共同運営に向けた協議を行うなど支援の拡充を進めてまいります。 次に、がん患者における妊孕性等の温存は、切実な課題の一つであるという認識のもと、まずは適切なタイミングで情報を提供できるよう、大阪国際がんセンターや大阪がん・生殖医療ネットワークと連携し、セミナーや研修会、冊子などの作成を行ってきたところです。 妊孕性の温存に対する助成については、国からは、がん患者の妊娠・出産につながるという実績が現時点では十分に得られていないことから、妊孕性の温存ができるがん治療の研究も進めていくという考えが示された一方で、お示しのように、今年度新たに助成を開始した府県もあります。 府としては、こうした他府県での取り組みの広がりや医療の状況も念頭に置いて、しっかりと検討してまいります。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) 検討、検討ということでございますが、しっかりと結果を出していただきたいというふうに思っております。 昨年二月議会、府民文化常任委員会で質疑をいたしましたeスポーツに関しましては、申しわけございません、別の機会で質疑をさせていただきます。 最後に、万博のテーマの柱であるSDGsについて。 この間、SDGs推進の必要性について訴えてまいりました。大阪府が、SDGs先進都市を目指すと表明されたことは、喜ばしく感じる一方、先進都市実現のためには、取り組みをさらに加速せねばならないと考え、今回、具体的に四点提案をさせていただきます。 一点目、SDGsに取り組む企業・団体等ステークホルダーの事例を登録、発信し、府と企業等が連携してSDGsの普及啓発に取り組む(仮称)SDGsパートナーシップ制度を創設していただきたい。 二点目、そのステークホルダー同士が連携し、化学反応を起こし、社会課題の解決につなげていくための交流拠点、(仮称)SDGsラボの設置。 三点目、本府がSDGs先進都市を目指す姿勢、取り組み、推進体制を国内外に大きく示す(仮称)大阪SDGs推進条例の制定。 四点目、本府のSDGs推進窓口の明確化及び体制を強化するため、(仮称)大阪SDGs推進課の設置が必要と考えております。知事の御所見を伺います。 ○議長(三田勝久君) 知事吉村洋文君。 ◎知事(吉村洋文君) 御提案をいただきました四つの事項につきましては、いずれもSDGsを推進する上で重要だと認識をしています。こうした観点から、大阪府としては、御提案のパートナーシップ制度について、プラスチックごみ削減対策など五十八企業・大学との公民連携によりSDGs関連施策を推進しているところであります。 また、交流拠点につきましてですが、平成三十年二月から公民戦略連携デスクにおいて創発ダイアログの取り組み、そして本年度からは、商工労働部におきましてSDGsビジネス創出支援事業を実施するなど、ステークホルダー同士が連携して、社会課題の解決につながる交流の場を創出しているところでもあります。 また、SDGsに対する大阪府の取り組み姿勢についてですけども、これは内容を広く示すために、知事自身をトップとする全庁を挙げたSDGs推進本部体制を整備いたしました。そのもとで、大阪が目指すビジョンを取りまとめて、各部局がそれぞれの知恵を絞って主体的な取り組みを推進していくこととしています。 誰ひとり取り残さないというSDGsの実現は、あらゆるステークホルダーの参画があってこそ可能だと思います。このことを念頭に置きまして、御提案の趣旨を今後とも踏まえながら、大阪府がリーダーシップを発揮して、さらなる取り組みを強化していきたいと思います。 ○議長(三田勝久君) 藤村昌隆君。 ◆(藤村昌隆君) パートナーシップ制度についてなんですけども、先ほど「五十八企業・大学との公民連携により」とございましたが、最初聞いたときには十五やと言ってたんですよね。それが一気にふえて五十八というふうになったという形で、やはりSDGsというものを真正面に捉えた、そのようなパートナーシップ制度というものをぜひつくっていただきたい。また、神奈川県にはSDGs推進課がございまして、十八名の体制でされております。 今、大阪府では、企画室計画課計画グループというところが五名という形になっております。さらなる推進をお願い申し上げまして、以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(三田勝久君) 次に、坂こうき君を指名いたします。坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 大阪維新の会大阪府議会議員団の坂こうきでございます。 通告に従い、順次質問させていただきます。 まず、母乳バンクの設置推進について伺います。 私は、現在、保育園の運営にかかわり、園児の健やかな成長を見守っております。その園児たちの成長は何よりの喜びですが、中でも乳幼児が成長していくためにも母乳はとても大切だと考えており、保育園では母乳保育を推進しています。 母乳は栄養のバランスや消化吸収などがよいことや、疾病の発生率等が低いデータが出ているなど、多くのメリットがあると聞いております。また、厚生労働省の調査によると、妊娠中に、ぜひ母乳で育てたいと思った、母乳が出れば母乳で育てたいと思ったと回答した母親は九割を超えており、母乳による授乳を希望していることが報告されています。母乳以外にも人工乳による授乳もありますが、中でも母乳による育児は母子にとって大切だと考えますが、いかがでしょうか、健康医療部長の考えをお伺いします。 ○議長(三田勝久君) 健康医療部長藤井睦子君。 ◎健康医療部長(藤井睦子君) WHOでは、子どもたちの栄養不良や死亡率の改善のため、生後一定の期間における母乳育児を推奨しているところです。 一方、平成二十七年度に厚生労働省が行った調査によると、生後三カ月の時点では、日本では母乳栄養が約五五%、人工乳による栄養が約一〇%、母乳と人工乳の混合栄養が約三五%となっております。 国の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、母乳、人工乳にかかわらず、授乳は乳児に栄養を与えるだけではなく、スキンシップにより親子のきずなを深め、子どもの心身の健やかな成長発達を促す上で重要であると記載されており、府としては、このガイドの活用について、改めて市町村に周知してまいります。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 母乳、人工乳にかかわらず、乳児の成長発達状態に合わせて、その時期に必要な栄養素を与えることで、健やかな成長発達を促すことはわかりました。 しかし、特に早産・極低出生体重児においては、母乳が最良の栄養源であると聞いています。早産児は、出生後すぐにNICUと呼ばれる新生児集中治療室に移されるため、母親は授乳ができないだけでなく、ストレスを感じやすくなるなどにより、母乳の分泌量も減るという報告もあります。 そのため、早産児らに母乳を提供するために、母親とは別の善意の母親から提供される母乳による「もらい乳」の方法により、早産児へ栄養を提供している病院もありますが、希望する乳児全てに提供することができない場合もあるようです。 そこで、母乳バンクという方法があります。母乳のやりとりに当たって、ドナーの健康状態の把握、提供された母乳の検査、低温殺菌処理など、安全性を十分に担保し、母乳を必要とする新生児、乳児に広く提供していくための施設です。 海外に目を向けると、五十カ国以上で六百を超える母乳バンクが活動しています。また、日本においても、NICU施設の七五%が母乳バンクが必要と考えていることがわかっています。しかし、国内では、現在、昭和大学江東豊洲病院に設立されているだけであり、まだ設置がおくれているという感が否めません。 私は、母乳バンクの必要性を大いに感じています。全国的にも普及していないことが残念に思いますが、府としても、早産児、極低出生体重児が必要とする母乳を確保するために、母乳バンクの設置に向け、何らかの取り組みや支援ができないものかと考えますが、健康医療部長、府としての見解をお聞きします。 ○議長(三田勝久君) 健康医療部長藤井睦子君。 ◎健康医療部長(藤井睦子君) 母乳バンクにつきましては、議員お示しのとおり、無償で提供された母乳を会員病院に対し届ける仕組みであり、現在は昭和大学内にある一般社団法人日本母乳バンク協会が運営されています。 府としては、母乳及び人工乳における栄養効果の比較研究、日本母乳バンク協会の活動や国などにおける検討の状況について情報収集に努めてまいります。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 府として、今後情報収集に努めてまいるとの答弁をいただきましたが、母乳バンクについては、本年七月一日、日本小児科学会から大変注目すべき提言がなされました。内容は大きく二点、早産・極低出生体重児にとって自母乳は最適な栄養であり、NICUにおいても母乳育児を推奨し支援すべきということ、そしてもらい乳の安全かつ適正管理をするためにも、国内の需要に見合うだけの母乳バンクの整備が必要ということです。 また、既に二〇一四年四月から二〇一七年三月の三年間には、厚生労働科学研究の過程で母乳バンクの運用基準が作成され、日本母乳バンク協会ではその基準に基づき運用されています。既にあるこれらの動きもしっかりと追ってください。 母乳バンクの整備により、一人でも多くの早産・極低出生体重児の命を守り、健やかな成長につなげ、いずれは医療機関での早産・極低出生体重児だけではなく、母乳が出ない、出にくいといった全ての母親が幅広く利用できるようなシステムを構築できればと考えています。また、医療機関にて保険点数なども適用になればと思います。 次に、育児中の方が求職活動する際の子どもの一時預かりについて伺います。 少子高齢化社会において、大阪の経済活動を支える生産年齢人口は、二〇一五年から二〇四五年の三十年間で五百四十二万人から四百万人へ二六%も減少し、大阪の中小企業の労働力不足はますます深刻化すると見込まれています。このままでは、活力ある元気な大阪は実現できません。 大阪は、全国でも女性の有業率が低く、平成二十九年就業構造基本調査によると、働いていない女性が約九十二万人おられますが、その離職理由の一つに出産、育児が上がっています。働きたい女性の皆さんが生き生きと働いていただくことこそが重要です。その対応のために、大阪府においてはさまざまな取り組みがなされておりますが、就業支援においては、OSAKAしごとフィールドにおける仕事と子育ての両立支援の対応策の柱とされています。OSAKAしごとフィールドに登録し、求職活動をされる方は、隣接する建物の企業主導型保育施設の余裕枠を活用した一時預かりサービスを無料で利用できると伺いました。これは、求職活動される方にとっては大変便利であり、よい制度だと思います。 企業主導型保育施設は、待機児童対策の一環として、平成二十八年度以降、全国で設置が始まり、大阪は助成決定している設置件数において平成三十年度までの実績で全国一位の成果を上げているところですが、定員に達していないところもあると聞いております。この定員に達していない余裕枠を活用した一時預かりサービスを提供している施設の情報があれば、求職者の利便性がより向上すると思いますが、求職者から見て、一時預かりを実施している企業主導型保育施設がどこなのか、現状なかなかわからないのではないでしょうか。求職者の利便性を高め、より活発に求職活動を行えるよう、一時預かりを実施している企業主導型保育施設をぜひ周知していただきたいと思います。 さらに、子育て中の求職者の利便性を一層高めるため、OSAKAしごとフィールドの一時預かりサービスのような取り組みをほかの就業支援施設に広げるなど、企業主導型保育施設との連携の拡充や、OSAKAしごとフィールドが府内の一時預かりを実施している企業主導型保育施設と連携することについて、商工労働部長に見解を伺います。 ○議長(三田勝久君) 商工労働部長西田淳一君。 ◎商工労働部長(西田淳一君) 議員御指摘のとおり、就職活動中に一時預かりが利用できれば、より積極的な求職活動の後押しになります。今後、福祉部と連携して、企業主導型保育施設の余裕枠で一時預かりを行っている施設の状況などについて調査をし、求職者に周知してまいります。 また、OSAKAしごとフィールドの一時預かりサービスのような取り組みにつきまして、ハローワークなど就業支援施設にノウハウなどの情報を提供してまいります。 さらには、OSAKAしごとフィールドの利用者の利便性を高めるため、安全安心なサービスを提供している企業主導型保育施設との連携をふやせるよう関係者等と調整を図っていきます。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 一時預かりを行う企業主導型保育施設との連携に際しては、保育の質を確保するためにも、一定の基準を定めた上で協定を結んでいくべきであると考えます。国や市町村による監査で問題が見つかった保育施設とは連携を解消することもあり得るでしょう。また、市町村とも協力し、本取り組みを企業主導型保育施設に限らず、認可・認可外保育施設双方に、より多くの施設に広げていくべきかと考えます。 次に、保育所における医療的ケア児の受け入れについて伺います。 就学前のたんの吸引や経管栄養など、日常生活を営むために医療を要する子ども、いわゆる医療的ケア児の保育ニーズが高まっています。しかし、認可保育所においては看護師の配置があったとしても医療的ケア児をケアできるだけの体制をとることは困難です。 私は、実際に医療的ケア児の保護者から、保育所に預けたくても預けられずに困っている、保育所に預けられないため仕方なく乳児院や障がい児施設に預けている、認可保育所等では障がい児の加配としての扱いになっているといった話を聞いております。保育所等における医療的ケア児の受け入れは、保護者の切なる願いです。 医療的ケア児を保育所等で受け入れるために、厚生労働省はモデル事業を実施していますが、同事業の大阪府内の活用状況はいかがでしょうか、福祉部長に伺います。 ○議長(三田勝久君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 平成二十九年度からの医療的ケア児保育支援モデル事業は、保育所等に医療的ケアに従事する看護師等を配置する場合や、保育士が認定特定行為業務従事者となるための研修を受ける場合の費用に対して補助が行われるものです。 このモデル事業の府における活用状況ですが、平成三十年度実績では六市町十六施設で実施され、二十人の医療的ケア児の受け入れがなされているところでございます。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 大阪府内の医療的ケア児保育支援モデル事業の活用状況は、六市町において十六施設二十人とのことですが、認可保育施設においてモデル事業を活用せず受け入れをしているケースや、認可外保育施設においても受け入れをしているケースはあると思います。 そうであったとしても、府内の保育所等の数や医療的ケア児の保育ニーズを考えると、受け入れ施設数がまだまだ足りない状況にあるのではないでしょうか。 受け入れ施設数をふやすため、例えば看護師が配置されている病児保育施設で医療的ケア児を受け入れられるような仕組みとするなど、医療的ケア児を受け入れることができる施設をふやす取り組みを進めていくべきであると私は考えます。 また、事業者側から見ると、医療的ケア児のために看護師等を配置するには多くの費用が必要です。現在のモデル事業は、市町村単位での補助で、施設ごとの補助とはなっておらず、補助額が到底足りないため、採算が合いません。さらに、リスクが高い事業を率先して行う施設は多くありません。補助制度の拡充を図るべきではないでしょうか。 制度については、国において検討すべきことと思いますが、大阪府としては、保育所等における医療的ケア児の受け入れ体制を充実させていくために、今後、どのようなことを取り組んでいくのか、福祉部長にお伺いします。 ○議長(三田勝久君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 医療的ケア児の受け入れについては、市町村においてニーズを踏まえ、医療等関係機関と連携体制を構築して行う必要があり、府としては、先進事例の紹介、国モデル事業の周知など、医療的ケア児の受け入れが促進されるよう市町村を支援してまいります。 また、国モデル事業については、制度内容を拡充した上で安定的に本格実施が図られるよう、引き続き国に要望してまいります。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 医療的ケア児の保護者は、預け先の保育所がなく、また情報も少なく、本当に困っています。あわせて、受け入れ可能な施設の情報が保護者に届くよう、受け入れ園の周知なども必要だと思います。そのためにも、まずは医療的ケア児を受け入れられる保育所等がふえるように要望します。 そして、国のモデル事業が早期に制度化されるよう国に強く要望していただくとともに、府としても、国に先駆けた対策を打っていただくようお願いします。 次に、子ども食堂のあり方について伺います。 子どもの貧困問題において、子どもの居場所づくりは、支援を要する子どもの継続的な見守りや多様な世代との交流機会の提供を行うなど、大変有意義な取り組みです。中でも、地域のボランティア等による子ども食堂の取り組みが広がっており、今年度、府が市町村を通じて把握した数は三百六十八カ所とのことです。 子どもの貧困問題を放置することは、大きな社会的損失を生むという推計もあり、行政のみならず、企業も含めて社会全体で支援していくことが重要です。 府では、企業や府民等からの寄附による子ども輝く未来基金を活用した取り組みや、企業からの寄贈物品の提供等に取り組んでおりますが、今後、より多くの支援が集まるよう広く働きかけを行っていくことが必要と考えます。 一方で、子ども食堂の実態として、本当に支援を必要としている子どもが来ていない、来にくくなっているといったことや、子ども食堂という名称から大人が参加しにくいケースもあると聞いています。困難を抱えている子どもたちが気軽に参加できるようにするためには、地域の取り組みとも連携し、子ども食堂を大人も含めてさまざまな方が交流できる開かれた場所にしていくことも大切でしょう。そのような環境にすることで、子どもの貧困対策だけではなく、女性や高齢者も含め、地域で包括的に見守りする、顔の見える地域づくりができると考えます。 府としても、開かれた居場所づくりに取り組んでいる子ども食堂等の好事例を多くの地域に広げていくことが重要と思いますが、子ども食堂を通じた子どもへの支援をどのように推進していくのか、福祉部長の見解を伺います。 ○議長(三田勝久君) 福祉部長岸本康孝君。 ◎福祉部長(岸本康孝君) 子ども食堂では、地域の実情に応じ、ボランティアや有志の方々の自発的な活動により、子どもたちに無料または低額で食事や居場所が提供されています。府としては、広域的な観点から府民や企業等と連携した支援を進めるため、子ども輝く未来基金を活用した学習教材等の支給や、企業からのスポーツ・文化行事への招待などを子どもや保護者へつなぐ取り組みを進めているところです。 今後、地域の活動や行政との連携に取り組む子ども食堂の好事例を府内で展開できるよう、市町村を通じた事例収集や情報提供により必要な支援を行ってまいります。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) ありがとうございます。引き続き、支援をお願いいたします。 最後に、スポーツ振興について伺います。 知事は、先日の定例記者会見において、新たなスポーツ、文化の拠点として万博記念公園駅前に大規模アリーナを誘致すると発表し、大阪のまちを若者や子どもたちが世界レベルの大会を間近でふれあえるような環境にしていきたいと発信されました。大阪府が目指すアジアをリードする国際・プロスポーツ都市、健康と生きがいを創出するスポーツに親しめる都市への取り組みが加速することを期待しております。 また、先日の我が会派の代表質問でも、スポーツ振興施策についてお聞きしたところ、府民文化部長からは、大阪の有するスポーツ資源を最大限活用するとともに、IRや大阪・関西万博を見据え、大阪にふさわしいスポーツツーリズムの推進や、eスポーツなどの新しい分野に関しても、今後、庁内関係部局や経済界等と連携しながら戦略的に取り組んでまいりたいとの答弁を頂戴したところです。 そこで、どういった戦略を立てていくべきなのか、論じてまいりたいと思います。 先月初めに、私は、府民文化常任委員会の管外視察で佐賀県を視察し、スポーツ振興の取り組みとして、SAGAスポーツピラミッド構想に関して説明を受けました。この構想は、二〇二三年の佐賀国体や二〇二〇年、二〇二四年のオリンピック・パラリンピックを見据え、人材育成、練習環境の充実、就職支援を重点三分野とし、スポーツ分野の裾野の拡大、次世代のトップアスリートの育成といった好循環を確立することで、関係機関・団体との連携のもと、スポーツの力を生かした人づくり、地域づくりを目指すものとなっております。 具体的な取り組みとして私が関心を持ったのは、佐賀から世界に挑戦する佐賀ゆかりのトップアスリートの育成を目指したプログラムの実施、アスリートの佐賀定着・就職を支援するシステムの構築です。また、プロスポーツ選手による指導が、子どもが夢や目標を見つける一つのきっかけとなることや、プロスポーツ選手も子どもとふれあうことで、自身のセカンドキャリアを考える機会になるなど、大変魅力的な取り組みであると感じました。 佐賀県と大阪府では、社会基盤や経済活動状況などスポーツを取り巻く諸環境が異なることは承知しておりますが、大阪府においても、このSAGAスポーツピラミッド構想の大阪版を策定し、スポーツ振興の推進を図るべきであると考えますが、府民文化部長に見解を伺います。 ○議長(三田勝久君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 府では、第二次大阪府スポーツ推進計画に基づき、大阪にあるさまざまなスポーツ施設や野球、サッカーなどのトップチーム、スポーツ関連産業の集積なども活用してスポーツ施策の振興に取り組んでおります。 具体的には、スポーツを通じて大阪の都市魅力を発信するため、ラグビーワールドカップ二〇一九や大阪マラソンなど大規模スポーツイベントを誘致・開催しています。 また、府民がスポーツに夢や希望、憧れを抱き、トップアスリートを目指す環境を創出するため、府内のプロスポーツ選手やオリンピアン、パラリンピアンを小学校などに派遣し、実技指導をしたり体験談を披露する機会を提供しています。 さらに、新たなスポーツ・文化拠点として、世界的な屋内競技の大会に対応できる大規模アリーナの誘致を進めており、さらなるスポーツ資源の充実にも取り組んでいます。 こういった取り組みをしている中で、議員お示しのSAGAスポーツピラミッド構想を初め他の自治体の取り組みも参考としながら、庁内関係部局で構成するスポーツ施策推進会議なども活用し、大阪にふさわしいスポーツ振興施策の推進に引き続き戦略的に取り組んでまいります。 ○議長(三田勝久君) 坂こうき君。 ◆(坂こうき君) 御答弁いただいたように、大阪でも、大規模スポーツイベントの誘致やプロスポーツ選手の派遣、実技指導に取り組んでいることはわかります。 一方、佐賀県では、アスリートの発掘、育成、就職を支援することで、全国、世界で活躍する選手が生まれ、その選手のプレーを見て子どもも大人も夢や誇りを感じる、引退した選手のセカンドキャリアを一緒に考え、指導者としての新たなステージに進んでいただく、これらを通じてスポーツ文化の裾野が拡大し、さらなるトップアスリートの育成につながる好循環ができるというシステムを確立していることがわかります。子どもも大人も全ての県民が当事者として参加できる親しみやすい事業として打ち出されているのです。 大阪には、国際大会や大規模スポーツイベントが開催されるスタジアムなど施設が整備されているほか、多くのトップスポーツチームやアスリートなど人材も多く存在しています。これらは、佐賀県より多くの資源をストックしているということですから、佐賀のプログラムを参考に、関係各所が連携し、単発的でなく重層的な取り組みを展開すれば、より一層効果が期待できるのではないでしょうか。 また、私は、二〇二五年の万博が終わった後を見据えると、この大阪の活況を継続し、さらに発展していくために、eスポーツやコンサートなどのイベントとスポーツを融合した国際的なイベントの開催といった都市魅力を発信できる取り組みも必要だと考えています。毎年こういった世界的なイベントをPFI方式や協賛など民間の力を活用し、公募事業とし、大阪府に収入が入る仕組みをつくり、それを大阪独自のスポーツピラミッド構想の財源とし、活用していってはどうでしょうか。子どもから大人まで包含した府民にわかりやすい事業を大きく打ち出し、国際的なイベントと組み合わせた取り組みを行うべきでしょう。 本件については、この後の委員会でも細かく伺っていきたいと思います。 乳児期から成人期、老年期と人のライフサイクルの中で、大阪で生まれ育ってよかった、そして後世受け継いでいく循環する流れの中で、人と人の支えの中で生きているという大阪の実現をしていくことにより、大阪府民としての誇りをさらに持てるとともに、人、物、金の循環が進むことにより、大阪のさらなる成長となり、副首都大阪の確立、発展につながると考えます。 これで、私からの質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。     ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(三田勝久君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、十月七日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。  (「異議なし」「異議なし」) ○議長(三田勝久君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。     -------◇------- ○議長(三田勝久君) 本日は、これをもって散会いたします。午後四時六分散会...