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平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−07月31日-04号

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  1. 滋賀県議会 2018-07-31
    平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−07月31日-04号


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    平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)−07月31日-04号平成30年 7月定例会議(第2号〜第8号)                平成30年7月定例会議会議録(第5号)                                       平成30年7月31日(火曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第4号                                         平成30年7月31日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第89号から議第99号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   桑  野     仁       2番   周  防  清  二    3番   村  島  茂  男       4番   加  藤  誠  一    5番   竹  村     健       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       11番   藤  井  三 恵 子
       12番   杉  本  敏  隆       13番   節  木  三 千 代    14番   駒  井  千  代       15番   山  本     正    16番   大  橋  通  伸       17番   冨  波  義  明    18番   井  阪  尚  司       19番   木  沢  成  人    20番   中  村  才 次 郎       21番   佐  藤  健  司    22番   目  片  信  悟       23番   有  村  國  俊    24番   大  野  和 三 郎       25番   岩  佐  弘  明    26番   山  本  進  一       27番   富  田  博  明    28番   細  江  正  人       29番   高  木  健  三    30番   生  田  邦  夫       31番   川  島  隆  二    32番   奥  村  芳  正       33番   野  田  藤  雄    34番   西  村  久  子       35番   佐  野  高  典    36番   家  森  茂  樹       37番   吉  田  清  一    38番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    10番   下  村     勳            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長代理    大  井     豊               人事委員会委員長        西  原  節  子               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               総合政策部長          福  永  忠  克               総務部長            藤  本  武  司               県民生活部長          浅  見  孝  円               琵琶湖環境部長         廣  脇  正  機               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          川  浦  雅  彦               会計管理者           青  木  幸  一               企業庁長            桂  田  俊  夫               病院事業庁長          宮  川  正  和               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            廣  瀬  年  昭               議事課長            山  本  昌  男               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(川島隆二) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(川島隆二) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として大井豊委員が、また、公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(川島隆二) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第89号から議第99号まで(平成30年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(川島隆二) 日程第1、議第89号から議第99号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、17番冨波義明議員の発言を許します。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇、拍手)皆様、おはようございます。一般質問、2日目のトップバッターとして、きょうは早くから自席に座り、準備をしておりました。  それでは、通告に従い、質問をさせていただきます。  去る6月18日午前7時58分、大阪北部地域で発生いたしましたマグニチュード6.1の地震では、家屋の倒壊や道路の陥没などの被害に加え、公共交通機関を中心とした大都市交通網の脆弱さを思い知らされました。地震の専門家からは、「プレート型の超巨大地震と内陸直下型の大地震は連動していると考えられる。歴史に学ぶなら、西日本で連続して大きな地震が起きているときは、南海トラフ地震を警戒すべき」と、近い将来の大地震への警告も出されているところです。  また、6月28日から7月8日ごろにかけて、西日本を中心に日本列島の広い範囲で記録されました平成30年7月豪雨は、広島県や岡山県などで甚大な人的被害をもたらし、今さらながら河川や山林管理の重要性、そして、私たちの災害に対する準備意識など、危機管理のあり方を痛感させられたところでございます。  さらには、本県でも6月29日に米原市で、近畿地方としては観測史上最大級の竜巻が発生し、家屋や農業施設、県立高校や県立森林公園などに甚大な被害が発生し、いつ、どこで、どんな自然災害が起こるかわからない恐怖も感じたところでございます。  まずもって、大阪北部地震や西日本豪雨で犠牲となられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げ、また、被害を受けられました被災地や被災者の皆様にもお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げています。  さて、このような自然災害や事件、事故災害が起こるたびに、私たちは何げなく危機管理という言葉を使いますが、この危機管理という言葉を辞書で引いてみますと、不測の事態に対して、事前に準備される被害を最小限に食いとどめるための対策、いわゆるリスクマネジメントと、事後に行われる対策──クライシスマネジメントの両面を含む概念。一般的に危機管理として使用される場合には、これらのいずれかを指すか、または、両方を含むかは少し曖昧であるとありました。  私たちが一般的に使う場合の危機管理とは、大方の場合、危機事案が発生した事後の対応であるクライシスマネジメントを指し、これは、危機事案が起こった後の負の影響を最小限にし、いち早く危機状態から脱出し回復を図る減災対策が基本となります。一方、危機が発生する前の対応であるリスクマネジメントは、危機に際し、想定されるリスクが起こらないように、あらゆるリスクを徹底的に洗い出し、あらかじめ抑え込む対策、いわゆるセキュリティーが基本となります。  このような危機管理の概念を念頭に置きながら、今回、私は、最近本県で起こった具体的な事例に対する県民の皆様方からの御意見をもとに、学校の危機管理について調査をさせていただきました。  文部科学省では、自然災害への対応だけでなく、事件や事故災害など、学校や児童生徒を取り巻くさまざまな安全上の課題などを踏まえ、現行の学校の危機管理マニュアルや学校防災の手引きを改訂し、学校の危機管理マニュアル作成の手引を作成されたところです。この手引に従い、学校では、危険などが発生した際に教職員が円滑かつ的確な対応を図るため、全ての学校において学校保健安全法に基づいた危険等発生時対処要領、いわゆる学校の危機管理マニュアルの策定と見直しが義務づけられています。  従来どおりの発想では対応し切れない大規模地震や広域豪雨、命にかかわる酷暑などの自然災害、また、子供たちを標的にした殺傷事件の多発など、私たちの想像を超える早さで目まぐるしく変動しており、学校の危機管理も、スピード感を持ち、適切に対応していくことが求められています。  そこで、以下、学校の危機管理体制の構築に関して、県警察本部長ならびに県教育長に伺います。  まず、凶悪な事件が発生した場合における学校の危機管理について伺います。  本年度に入ってから起こった子供たちをめぐる主な事件を少々振り返ってみますと、5月下旬に、新潟市で23歳の男が小学2年生の女児を殺害し、死体を線路に遺棄した事件、6月中旬には、藤枝市で18歳の少年が集団下校中の小学校4年生男児の頭部を刃物で切りつけ重傷を負わした殺人未遂事件、6月下旬には、富山県久方町で21歳の男が交番で勤務中の警察官を殺害し、拳銃を強奪の上、近くの小学校の警備員に発砲して殺害した事件など、凶悪な事件が相次いで発生しています。  滋賀県においても、小学生以下の子供たちが被害者になる犯罪や、その前兆となる声かけやつきまといなどの事案が平成21年以降増加傾向にあり、本年6月末で昨年同期並みの168件が発生していると伺っております。  学校では、学校安全法第29条において、学校においては、児童生徒等の安全確保を図るため、当該学校の実情に応じて、危険等発生時において当該学校の職員がとるべき措置の具体的内容および手順を定めた危険等発生時対処要領を作成するものとするとされており、危険等発生に伴う不審者への対応について、子供たちの安全・安心体制を構築していただいているところですが、その前提となるのは、やはり学校が迅速かつ正確な情報を得ることであります。  そこで、凶悪な事件等が発生した場合、地域住民や、とりわけ学校に通う子供たちの安全、安心を確保するために、警察からの情報提供がどのように行われているのか、警察本部長に伺います。  また、次に、地震発生後の学校の危機管理について伺います。  去る6月18日、大阪北部地域を中心に発生した震度6弱の地震により、近畿地域一帯に多くの被害が生じました。本県でも、場所により震度は異なりますが、最大震度5弱の揺れがあったと伝えられており、JR琵琶湖線を中心として公共交通機関などに甚大な被害が生じたことは記憶に新しいところです。  本県の各学校では、地震などの災害発生時における基本対応として、地震発生時の基本対応フローの作成と提出が義務づけられているところですが、この対応フローは、震度5弱以上の地震を対象に、地震動継続中における初期対応、そして、地震動停止時の二次対応の2部から構成されています。  今回の大阪北部地震に伴う本県の地震被害は軽微であり、一部県立高校でJR琵琶湖線の不通などにより終業時間の繰り上げ等の処置をとられたと聞いておりますが、ほとんどの学校では通常どおりの授業が行われました。  このような状況下、県内のある小学校において、地震発生後にまち歩きやバスによる校外研修などの学校行事が実施されたと聞いております。平成24年に策定されました県の学校防災の手引きは、震度5弱以上を想定した対応となっており、同小学校のある地域では震度4であったことから、この県のマニュアルに従い、学校独自の判断のもとで学校行事を実施されたものと伺っています。  しかし、同日のテレビ等の地震の特別番組では、余震への警戒が繰り返し報道されており、また、建物の倒壊や落下物による危険、JR線の混乱、高速道路や一般道路の渋滞も伝えられていたことを考えますと、果たしてこの判断でよかったかなとの御意見が保護者から寄せられたところです。  ちなみに、平成28年4月14日21時26分に発生しました熊本地震では、マグニチュード6.5、同県益城町で最大震度7を記録したと発表されました。後に、この地震は本震ではなく、前震、前の震度ですね、前震だったと訂正をされました。14日は、この地震の後にマグニチュード5.8、5.0、5.1と数度の地震、翌15日もマグニチュード6.4、5.0、4.8など大きな地震があり、最初の地震から28時間後の16日1時25分にマグニチュードの地震が再び発生し、これが本震、本当の震度ですね、本震だとされました。この日も、その後、マグニチュード5.9からマグニチュード4.2クラスの余震が何度か観測されています。  今回の大阪北部地震と熊本地震は、発生のメカニズムの違いもあるとは思いますが、このような地震発生の状況を考えますと、今後は余震に対する対応も想定しておかなければならないのではないかと考えます。  そこで、地震に対する学校の危機管理として、特に余震を想定した対応について整備を図る必要があると考えますが、教育長の所見を伺います。  最後に、県立高校の海外修学旅行に対する危機管理について伺います。  昨年7月、北朝鮮がグアム島周辺に中距離弾道ミサイルを発射する計画を明らかにするなど、このような一連の動きを受けて、全国各地で中学校や高校がグアム島への修学旅行を中止、延期したり、行き先を変更するなどの事態が起こりました。  本県でも、県立高校4校が、11月から12月にかけて、3泊4日の日程でグアム方面への修学旅行を予定されていましたが、この北朝鮮によるミサイル発射実験ミサイル発射の可能性等の報道により、このグアム方面への修学旅行を中止し、いずれの高校も旅行先を沖縄や北海道に変更して実施されたところです。この判断については、当然のことながら、4校全てが、米国と北朝鮮を中心とした国際情勢悪化の懸念と、生徒の安全、安心の確保を挙げられていました。  私も何度か修学旅行の引率を経験いたしましたが、修学旅行は、生徒にとっても教員にとっても、学習や研修という教育的な観点もさることながら、一生の宝物となる貴重でかけがえのない特別な学校行事であります。今回のグアム方面への修学旅行の中止決定については、学校も生徒も大変残念な思いをされた中でのやむを得ない苦渋の判断をされたものということは、私も十分理解できます。  しかし、各学校が最終結論を出された9月中旬の段階では、外務省からグアム方面への渡航自粛や文部科学省からの修学旅行に関する注意喚起の通達などは出されていない状況であったと仄聞しています。このような観点から、大きな教育的目的に基づき、さまざまな準備をされてきた修学旅行が、どのような根拠に基づき、どのようなプロセスを経て変更されたのかということについては、いま一度検証しておくべきと考えます。  そこで、海外修学旅行に関するリスク管理のあり方について、以下3つの観点から全て教育長に伺います。  学校が渡航上のリスク管理の面から海外への修学旅行を中止したり行き先を変更する場合、学校はどのような根拠に基づき判断をするのか、また、県教育委員会はこれらリスク管理に関する情報をどのように把握し、学校と対応を協議するのか。学校が海外修学旅行の中止や行き先変更をする場合、保護者への説明はどのように行うのか。海外旅行の狙いが修学旅行先を変更されても達成されるような工夫について、今回はどのように行われたのか。以上3点からお伺いいたします。 ○議長(川島隆二) 17番冨波義明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)学校の危機管理体制についての御質問のうち、私にいただきました4点の御質問にお答えをいたします。  まず、1点目の余震を想定した対応についてでありますが、学校におきましては、学校防災マニュアルを整備し、学校防災教育コーディネーターを中心として、定期的な施設の安全点検や教職員研修、また、消防署と連携をした避難訓練を実施するなど、いつ起こるかわからない地震に対する備えに取り組んでいるところでございます。  先日の大阪北部地震発生時の県内小学校の事例につきましては、学校は、児童の安否や、見学先の状況や意向も確認をした上で、安全であると学校長が判断をし、実施されたと聞いております。  議員御指摘のように、最初に発生をした地震への対応はもちろんのこと、余震発生に関する情報や地域の建物の被害状況、さらには交通機関の運行や道路の通行状況などを十分把握し、状況に応じて適切に対応することは大変重要であると考えております。  県教育委員会といたしましても、今後、各学校の学校防災マニュアルに余震への警戒の視点を反映するよう指導いたしますとともに、教職員を対象とした研修会でも、余震への対応について周知してまいりたいと考えております。  次に、2点目の県立高校の海外修学旅行におけるリスク管理に関する御質問のうち、まず、海外修学旅行を中止する場合、学校がどのように判断をするのか、また、県教育委員会リスク管理に関する情報をどのように把握するかについてお答えをいたします。
     学校は、渡航先の治安等の状況について、外務省が発表する海外安全情報や、旅行業者、各種報道等を通じて情報を入手いたします。校長は、これらの情報をもとに、生徒の安全、安心が確保されないと判断した場合、中止や行き先の変更をいたします。  県教育委員会では、外務省や現地の日本大使館等に直接問い合わせるなどのほか、文部科学省他府県教育委員会等の各種機関からも情報収集をいたしまして現地の状況を把握いたします。こうして把握をした状況につきまして、学校に伝え、学校長が修学旅行の実施の可否について判断をすることができるよう努めているところでございます。  次に、3点目の修学旅行の中止や行き先変更をする場合の保護者への説明についてであります。  修学旅行を中止をしたり、行き先を変更したりする場合、文書や説明会によって、その理由や状況、今後の対応などについてお知らせをしているところでございます。  最後に、4点目の海外修学旅行の狙いが旅行先を変更しても達成されるような工夫をどのように行ったかについてであります。  海外で実施をいたします修学旅行の狙いといたしましては、現地の人と英語などを使って交流をしたり、日本とは違う自然や文化に直接触れたりするなど、海外ならではの体験を通して、英語力の向上を図ることや、異文化への理解を深めることなどがございます。  したがいまして、国内修学旅行で全く同じ成果を得るということは難しいとは思いますが、ある学校では、現地の大学で英語で行う予定であった研究発表大会を、修学旅行とは別の日程ではございましたが、国内の大学の協力を得て、同様に英語で実施をしたところでございます。また、別の学校では、国内修学旅行先の大学で、英語圏からの留学生と交流するなど、さまざまな工夫を行ったところでございます。 ◎警察本部長(鎌田徹郎) (登壇)凶悪事件発生時における警察からの情報提供のあり方についてお答えいたします。  県警察では、強盗や殺人等の凶悪事件が発生すると、発生日時、場所、事案の概要等の犯罪発生情報や必要な防犯情報につきまして、地域住民の方々に、パトカーでの巡回、事前に登録いただいた県民の方宛てのメール配信、マスメディアを通じた広報、警察署と管内の市町との間で締結している協定等に基づいた各市町への情報提供を通じて周知を図り、注意喚起をしております。  また、各警察署の連絡網を活用するなどして、防犯ボランティアの方々に提供し、自主防犯活動に役立てていただいたり、特に、児童生徒が被害に遭った、あるいは以後被害に遭う可能性が高いと認められる事案が発生した場合におきましては、県および市町の教育委員会との間でも、相互に電話やファクス等で共有を図り、学校や通学路等における見守り活動等に役立てていただいているところでございます。  県警察といたしましては、今後とも引き続き、関係市町や学校関係者、防犯ボランティアを初めとする地域住民の皆様に対し、適時適切に犯罪発生情報等の提供を行うことによりまして、地域の安全、安心の確保を図ってまいる所存でございます。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。  今回の私の質問ですけれども、これは、最近本県で起こりました具体的な事例をそれぞれに取り上げながら、学校の危機管理の面から、提案も含めながらお伺いをしたものです。ただ、各事案はあんまり細かくここでは御説明をできなかったんですけども、ありがとうございました。  確認も含めて2つほど再質問させていただきます。  まず、ただいまお答えいただきました凶悪な事件に関する学校の危機管理の面から、警察情報の提供についてということで今回質問させていただきました。  これは、先般、県内のある市で深夜に起こりました凶悪事件のケースなんですけども、これが、翌朝の小学校への連絡がどうだったのかというようなことで、保護者の方から御質問、御意見をいただいたもので挙げさせていただきました。事細かに申しませんが、その辺に若干問題があったのかなというふうに思いました。  本県では、県下19市町と県下の12警察署とがそれぞれに協定や覚書を交わされまして、このような緊急事態発生のときの情報共有を図っておられるように聞いております。犯罪等に関する情報が迅速かつ正確に最終的には学校などに提供されること、あるいは地域住民に伝わることということが、安心、安全につながる大変重要な第一歩だというふうに思います。凶悪な事件がさらなる次の事件を起こさないように、また、子供たちの登下校時や学校現場に持ち込まれないように、今後もよろしくお願いいたします。  2番目の地震発生後の学校の危機管理について、1点再質問をさせていただきます。  今回、地震発生時の学校の対応として、特に余震に対する対策について提案をさせていただきましたが、前向きな御回答をいただきましてありがとうございます。ぜひ迅速な対策をお願いしたいと思います。  さて、今回の大阪北部地震では、本県の地震による被害は軽微でしたんですけれども、JR琵琶湖線を中心とした大規模な交通機関の麻痺、この中で、通学中の高校生が電車内に閉じ込められたり、あるいは、登校するも帰宅することもできないという状況を聞いております。このため、一部高校では終業時間の繰り上げなどの処置をとられたとお聞きをしております。  高校生については、ほとんどの生徒が、このような場合、スマートフォンを持っておりますことから、このような事態においても、それぞれがスマホで情報を収集をして対処したように聞いております。今さらながら、このような場合のスマホ、これは有効な危機管理ツールだと感じたところでございます。  しかし、一方、小学校、中学校の子供たちや保護者が情報収集する場合や、保護者へ伝達をする場合はどうだったのでしょうか。このような地震が起こった場合の緊急連絡対策として、特に登校前の登校してもよいかどうか、その可否の連絡、あるいは登校後の授業の可否、やっているのかやっていないのか、やってもいいのかという、このような情報はどのような手段で各家庭と連絡をとられたのでしょうか。関連すると思いますので、よろしくお願いいたします。  3番目に、修学旅行に関するリスク管理のあり方について、1点再質問させていただきます。  1点目の海外旅行を中止したり行き先を変更する場合の根拠と、また、県教育委員会のかかわりについての質問に関してですけれども、今回、県内4校がグアム方面への修学旅行を中止を決定されましたが、これは、子供たちの安全な修学旅行に対するリスク管理の面からも、学校も生徒も大変残念な思いの中でやむを得ない判断をされたということは理解できます。だからこそ、実は私は、外務省や文科省からの通達や指導がない状況の場合、学校が総合的な見地から判断をしなければならないというのは、なかなか学校にとって厳しいのではないかなというふうに感じたわけです。そこで、県教育委員会の中心的な指導が必要ではないだろうかとも感じました。  それから、もう1つ、3点目の海外旅行の狙いの達成についてですが、私も教員時代に、海外への修学旅行の実施については、保護者の皆様方から、その教育的な意義や経費の面、さらには安全性の面からさまざまに御意見をいただいた経験がございます。そのような中で、いかに危機事態発生といえども、海外修学旅行の教育的な狙いがおろそかにされるようなことがあってはならないと思って質問させていただきましたんですけども、今回は各学校でそれぞれに工夫をしていただいていることをお聞きをしまして安心をいたしました。  そこで、この項の2点目の保護者への説明に関して、1点だけ再質問させていただきます。  他府県では、今回のような海外旅行の修学旅行を中止するに当たり、保護者に対してアンケート調査をされたケースもあったと聞いております。緊急事態の場合はそのような手順は必要ないという見解もありますが、やはり保護者への丁寧な説明という観点も大切にしていただきたいというふうに思います。  そこで再質問ですけども、学校の危機管理の観点から、このように海外旅行が中止されたり、あるいは行き先を変更する可能性が想定される、このような海外旅行を実施するような場合ですけれども、これは、事前に生徒たちや保護者に対して中止や行き先変更があり得ること、あるいは、そういうことがあり得るという説明をすることや、実施要綱や、あるいは保護者宛て連絡文書にあらかじめその旨を記しておくべきと考えますが、この点について教育長の所見を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  今、2点の再質問をいただいたかと思います。  まず、1点目の小中学校におけます緊急時の連絡方法でございます。  小中学校におきましては、多くの学校がメールの配信により連絡を行っていると聞いておりますし、一部の学校では電話による連絡も行っていると、そんなふうに承知をしております。  それと、2点目の海外修学旅行の中止とか変更についての事前の保護者等への説明という御質問をいただいたかと思います。  海外の修学旅行につきましては、今後とも、紛争、テロ、あるいは感染症のリスク、そうしたことから中止あるいは変更する可能性というのはございます。そうした可能性につきまして、生徒あるいは保護者に対して事前に説明をしておくということは重要なことというふうに考えております。  こうしましたことから、議員が御提案いただきました方法も含めまして、どのような方法で説明をしていくのがいいのか、今後検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆17番(冨波義明議員) (登壇)ありがとうございました。  今回は、ちょっと具体的な事例を3つ挙げながら、学校全体の危機管理ということでお尋ねをさせてもらいました。冒頭には、ちょっと大きく構えまして、危機管理の概念から入らせていただきましたが、いずれにいたしましても、近年、子供たちを取り巻く、いわゆる従来の発想では対応し切れない大規模な地震や広域豪雨、そして、先日も問題になっていましたように、命にかかわる酷暑などの自然災害、さらには子供たちを標的にした殺傷事件の多発など、このような危機的な状況は、私たちの想像を超える速さで、また、目まぐるしく変動しており、学校の危機管理のあり方も、さまざまな面、さまざまな角度から、その都度修正するものは修正していく、もう少し事前に考えておくという対策が必要かと思います。学校の危機管理のあり方も、そういう意味では、スピード感を持ち、適切に対応していくことが求められていると思います。  どうか今まで以上に、例えば事件や事故などは、警察と各自治体、また、学校間の情報伝達や連携がスムーズに行われますように、また、自然災害に対しては、あらゆる角度からリスク管理が計画され実施されることをお願いいたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、17番冨波義明議員の質問を終了いたします。  次に、24番大野和三郎議員の発言を許します。 ◆24番(大野和三郎議員) (登壇、拍手)おはようございます。  それでは、通告に従い、琵琶湖の保全に関して下流府県等に負担を求めることについて、全て知事に問います。  想定どおりといいますか、予想どおりといいますか、当然といいますか、三日月県政の2期目が始まりました。2期目にかける思いは、我が会派の代表質問でも問われましたし、私も選挙戦において知事の演説を何度か聞きました。配布されていましたリーフレットに沿って、地元課題を交えながら思いを訴えておられましたが、1期目挑戦のときのいわゆるマニフェストと比べて、この4年間において我々が提案し、また議論となった新たな項目への対応もあります。これらを健康というキーワードで進めていこうとする姿勢は、一定評価するものであります。  ただ、演説では、あれもやりたい、これも気になると課題解決の姿勢はよいのですが、問題はその財源であります。この大きな財源の問題についても、リーフレットの最後に、県政運営として組織力を高める健康経営とともに持続可能な行財政基盤の構築とありました。私は、ここが三日月県政2期目において非常に重要なものだと思っています。財政基盤の構築、すなわち県財政の基礎について、その構造から改めて全体を築くということは、一から見直すということであります。  そこで、まず問いますが、三日月県政2期目の財政基盤の構築にかける決意と、できるだけ具体の取り組み、目指す目標を含めてお答えを願います。  私もかつては行政の長をお預かりしていましたので、町民福祉の向上には、やはり財源がなければ絵に描いた餅になるということをつくづく感じていました。国との遠ざかった、そして冷めているような関係も、三日月県政になって以降、ようやく改善傾向にあるやに聞いています。今回の選挙を振り返って、さらなる国との良好な関係を築くことがまずは必要だと思いますが、この際、2期目に当たって、国との関係について、財源確保の観点も含めてどのように考えているのかを問います。  信頼関係を築くには相当の年月、時間が必要でありますが、失うのは一瞬であります。その一瞬を取り戻すにはマイナスからのスタートとなることをこの4年間で経験されたと思いますが、ぜひ肝に銘じていただきたいと思います。  さて、財源に関する具体的な質問に入りますが、通常国会も終わり、国では、8月末の概算要求に向けて、各省庁では新たな施策構築の議論が終盤を迎えています。この概算要求にいかに都道府県の思いを反映できるか、これも知事の力であり、日ごろの国との信頼関係であり、それが試されることにもなります。本県も、平成31年度の国の予算編成に向けて、5月に知事が要望、提案を行っています。  その中で、琵琶湖の財政需要に対する地方交付税措置を求めています。その理由としては、まず、湖沼の保全再生の重要性が高まっていること、また、本県は、水質の汚濁防止や外来生物による被害拡大、大量繁茂する水草対策、琵琶湖を教材とした環境教育の充実など、琵琶湖に関連する経費として、国庫支出金等を除く県負担額でも65億円程度を要していることなどが挙げられています。  この琵琶湖に関する財源問題については、平成25年、当時の嘉田知事に質問をしています。関西広域連合という広域行政に参画している立場からも述べたものであります。1点は、結局消えてしまった北陸新幹線米原ルートが、なぜ滋賀県民を外に置いて広域連合で経費面から議論されたのかという疑問、いま1点が、近畿の水がめと言っているのに、なぜ広域連合で琵琶湖保全の財源負担を議論しないのか、その矛盾を指摘をしました。  当時、嘉田知事は、「琵琶湖は、近畿1,450万人の水資源として重要な役割を果たしており、その保全費用については、厳しい県財政の状況の中で滋賀県民だけが負担するのではなく、下流府県にも応分の負担をしてもらいたいという思いは私も同感である。特に琵琶湖の総合保全は、琵琶湖淀川流域全体の視点から、関係府県が共通の認識に立って考えるべき問題であることから、広域連合など関係府県を交えた広域連携の場において、琵琶湖の保全のあり方について議論し、取り組んでいくことが重要であると考えており、議員の質問の趣旨には同感、賛成である」と答弁されました。一方で、当時は、琵琶湖保全再生法の制定に向けて、国会議員による議員連盟が動き出していたことから、当時、嘉田知事は、「今は下流府県と琵琶湖の保全に関する負担の議論を行う時期ではなく、検討されている琵琶湖再生法の内容を見きわめながら、本県の厳しい財政状況も踏まえ、提案また対応していきたい」と答弁されています。  その後、三日月県政になった平成27年9月、琵琶湖の保全及び再生に関する法律が施行され、その中には、県の策定する琵琶湖保全再生計画に基づく事業の実施に要する経費については、必要な財政上の措置を講ずると規定されました。平成29年度末に策定された県の計画の2年目を迎えますが、残念ながら計画を実現するための財源が国によって担保されたものではありません。  計画における施策の推進体制においては、国や関係地方公共団体、関係事業者、関係団体等とより一層の連携を図るとし、琵琶湖保全再生推進協議会も設置されています。当然、こうした組織において議論されると考えますが、前知事に提案した下流府県に一定の負担を求めることについて、三日月知事も前知事同様に、本県の厳しい財政状況も踏まえ、提案また対応する姿勢であるのか、ここで問います。  こうした協議会で取り上げるとともに、さきに述べました関西広域連合の委員という立場からも、トップ同士の交渉も行ってはと考えます。  一例ですが、下流府県等の水道事業は総じて黒字経営であります。平成29年度の決算見込みや最終予算額等を見ると、その黒字額は、例えば、京都府で2億9,300万円、京都市で43億5,800万円、大阪府から事業承継された大阪広域水道企業団では69億3,800万円、大阪市で150億6,700万円、兵庫県で22億4,500万円、神戸市で32億500万円にも上っています。また、これらの府県等の平成29年度の財政力指数は、京都府で0.588、京都市で0.81、大阪府で0.778、大阪市で0.93、兵庫県で0.641、神戸市で0.80と推計され、いずれも本県の0.564を上回っています。  こうした下流府県等の状況もしっかりと県として調査し、まさに国民的資産である琵琶湖に関する純粋な県負担65億円の財政需要について、関西広域連合でも議論の土俵に上げるべきと考えますが、2期目三日月県政としての考えを問います。  最後に確認ですが、ことしの組織目標にもなっております琵琶湖保全再生に向けた活用を推進するため、琵琶湖活用推進会議を設置するとされていますが、負担の分かち合いに関する手法も議論されるとしています。知事としては、この負担については何らかの利用税的なものも念頭にあるのか、持続可能な財政基盤の構築の一つなのかをあわせて問います。  県民の皆さんが選んでよかったと思える答弁を期待しながら質問とします。 ○議長(川島隆二) 24番大野和三郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)琵琶湖の保全に関して5点御質問いただきました。  1点目、財政基盤の構築にかける決意等についてでございますが、健康しがの取り組みを初め、さまざまな政策課題に迅速かつ適切に対応していくためには、議員御指摘のとおり、持続可能で安定的な財政基盤を確立することが大変重要であると認識しています。  現在、直近の状況変化を踏まえ、財政収支見通しの再試算を行っているところでございますが、見込まれる財源不足に対して、まずは、次期行政経営方針の期間中における収支改善目標を設定し、財源調整的な基金の活用等も図りながら、財源不足の解消に努めてまいります。  具体的には、歳入面では、本県経済の活性化を通じた県税収入の安定確保のほか、国からの財源獲得、県有資産の有効活用等による独自財源の確保など、あらゆる面から歳入確保を検討し、増収につなげてまいりたい。  また、歳出面では、費用対効果を踏まえた事業全般の見直しのほか、不用額の抑制に向けた一層の精査を行うとともに、今後、大規模事業等の臨時的な支出の増加が見込まれることから、内部事務費や施設管理費など経常的な経費について、一層の効率化、合理化を図ることにより、財政の弾力性を高めてまいりたいと存じます。  さらに、大規模事業につきましては、これまでから一定の見直し、精査を行ってまいりましたが、今後も事業進捗を図る過程で不断に精査を行い、経費の抑制に努めてまいります。  今後とも、健全な財政基盤の構築に向けて、聖域を設けることなく、行財政改革に不断に取り組んでまいる所存でございます。  2点目、国との関係についてでございます。  今後見込まれます財源不足に対応していくためには、歳出面の改革のみならず、歳入面で一層の充実、強化を図ることが重要であり、特に、歳入全体の約4割を占める国庫支出金や地方交付税の確保は大きな課題であると認識しています。  これまでから、政策提案や要望を通じて、各省庁や県選出国会議員の方々に対して、本県の実情や課題をできるだけ丁寧にお伝えし、理解と協力を求めてきたところでございます。こうした地道な取り組みの結果、県選出国会議員の皆様の御尽力もあり、琵琶湖保全再生法を成立いただけたことは大きな成果であると考えております。そのほかにも、道路や河川等の国庫の当初内示額が年々増加していることや、国道8号野洲栗東バイパスなど国直轄事業の進捗、また、琵琶湖を初めとする指定湖沼の特別交付税措置が省令上、明文化されたことなど、少しずつではございますが、その成果があらわれてきていると感じています。  今後とも、本県が抱える課題の解決や財源確保に資するよう、国への政策提案や要望をわかりやすい資料でタイミングよく行うとともに、国との良好な関係構築に努めてまいる所存であります。  大きな3点目、4点目の御質問については、あわせてお答えをさせていただきます。  琵琶湖の保全に係る費用について、下流府県市にも一定の負担をしていただきたいという思いは、私も嘉田前知事と同じでございます。  琵琶湖保全再生計画の推進のためには、上下流の相互連携、協力が不可欠であり、保全再生法においても、関係地方公共団体が相互連携を図り協力すべきことや、下流府県市を含む琵琶湖保全再生推進協議会の設置が規定されております。このため、こうした場において、琵琶湖の保全再生に関する施策の実施状況等について説明するとともに、現地視察なども実施しており、また、関西広域連合においても現状や課題を共有できるよう努めてまいりました。  下流の住民の方々についても、京都市の琵琶湖疏水記念館におけるびわ湖の日の共同企画展示、大阪府吹田市などの環境学習イベントの共同実施、さらには、環境学習船うみのこを活用した親子体験航海など、理解増進に向けた連携協力による取り組みを進めているところでございます。  こうしたことを通じて、国民的資産であり、下流域の生活や産業にも大きく貢献している琵琶湖を本県がお預かりしていることを十分御理解いただき、その保全再生に係る財源の確保について、関西広域連合の場なども活用しながら、国や下流府県市の協力を得られるよう真摯に取り組んでまいりたいと存じます。  最後、5点目、琵琶湖の保全再生に向けた負担の分かち合いについては、その費用負担について、税や利用料などによる義務的なものや、協力金や寄附金などによる任意のものがありますほか、費用負担以外のものとして、例えばオオバナミズキンバイの駆除協力など、さまざまな形態が想定されます。  議員御質問にもございました利用税という形も含め、負担の分かち合いについては、どのような可能性があるのか、過去の小型船舶の湖面利用税や琵琶湖レジャー利用税の検討時の議論もしっかりと踏まえながら、まずは庁内において、今年度内を目途に課題の整理を行ってまいりたいと存じます。  こうした検討に当たりましては、琵琶湖の保全再生に係る持続可能な財政基盤の構築にも役立つものになるよう進めてまいりたいと存じます。 ◆24番(大野和三郎議員) (登壇)それでは、2点確認をしておきたいと思いますが、まず、琵琶湖の保全再生に係る財源確保についてですが、今、知事から、国や下流府県市の協力を得られるよう真摯に取り組むとの答弁がいただいたわけですが、ちなみに、地方自治法第140条、御存じですね。御存じですか。地方自治法第140条。御存じですね。(発言する者あり)私が申し上げますが、地方自治法第140条、普通地方公共団体の長の任期は4年とする。つまり、もちろん国も含めてですが、下流域府県市の協力を得られるよう真摯に取り組むとの答弁をいただきましたので、少なくともこの今任期4年の間に成果、つまり結果を出すと、そのように理解してよろしいですか。そういうのがまず1点ですね。  いま1点が、琵琶湖の保全再生に向けた負担の分かち合いについて、今年度内をめどに課題の整理を庁内で行うといった趣旨の答弁いただいたんですが、その庁内での課題の整理の後のフローですね。つまり、工程、これの具体を示していただければと思います。現時点ですので、知事の私見で結構ですので、その辺の2点、確認の意味で御答弁、説明いただければありがたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 失礼いたしました。  まず1点目の、地方自治法にも定められているように、普通地方公共団体の長の任期は4年であるがゆえに、この4年で成果、結果を出すようにということでございますが、そういった御負託は、県民の皆様方から強く、また熱く、多くいただいているものと存じますので、できるだけ前進できるよう、成果や結果がお示しできるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じますので、御指導、御支援よろしくお願いいたします。  また、2点目に賜りました琵琶湖の保全に関する負担の分かち合いについて、答弁申し上げたとおり、今年度内を目途に、まず庁内で課題の整理をさせていただこうと思っております。その上で、その後のフロー、スケジュールについては、より広く県民の皆様方初め、関係主体、当事者の皆様方の御理解を得るという段階が必要かと思いますので、一定庁内での取りまとめがされて以降、そのスケジュール、フローについてもお示しをしたいと思います。 ◆24番(大野和三郎議員) (登壇)1点目ですが、議論はあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、普通地方公共団体の長の任期は4年、これは一つの区切り、けじめかと思うので、先ほども申し上げましたが、全ての県民の皆さんから選んでよかったと、そういった評価をいただける三日月県政の2期目であっていただきたい、そのことを願いながら質問を終わります。  以上、終わります。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、24番大野和三郎議員の質問を終了いたします。  次に、4番加藤誠一議員の発言を許します。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇、拍手)それでは、まず文化財の保護と活用について御質問をさせていただきます。  第196通常国会、延長されましたが、去る7月の22日に閉会をいたしました。この国会で成立をした法案の一つに文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律があります。来年──平成31年4月に施行をされますが、これに向けた本県の取り組み方向や考え方について取り上げをさせていただきます。  以下、一問一答で御質問をさせていただきます。  このたびの改正は、昨年、文化審議会に諮問されました文化財の確実な継承に向けたこれからの時代にふさわしい保存と活用のあり方についての答申を受けたもので、地域における文化財の計画的な保存活用の促進や、地方文化財保護行政の推進力の強化を図るとされています。具体的には、過疎化、少子高齢化等の社会状況の変化を背景に、各地域の貴重な文化財の滅失──失われる、また、散逸──ばらばらになる等の防止が緊急の課題となる中で、これまで価値づけが明確でなかった未指定を含めた有形、無形の文化財をまちづくりに生かしつつ、文化財継承の担い手を確保する、そのために地域社会総がかりで取り組んでいく体制づくりを実現するということであります。今回の文化財を活用するための施策が盛り込まれました。この見直しは、平成16年以来の抜本的な改正と言えます。  そこで、今回の法改正を受けてでありますが、まず教育長にお伺いいたします。  今回の法改正を受けて、すなわち活用が明文化されました、その中で、文化財を保存するということについて、教育長、どのような見解をお持ちでしょうか、お伺いをいたします。 ○議長(川島隆二) 4番加藤誠一議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  本県におきましても、近年の人口減少や少子高齢化等の社会状況の変化により、これまで地域で育まれ、地域で守り伝えられてきた文化財の保存継承が困難となりつつあります。  文化財を将来に引き継いでいくためには、これは当然のことではありますが、まずはしっかりと保存することが大切と考えております。その上で、文化財をまちづくりや地域活性化の資源として活用することにより、地域の皆さんや文化財に触れていただいた皆さんが、文化財の価値や魅力を再認識していただくことにつなげ、それが改めてしっかりと保存していこうという機運につながっていく、そんな保存と活用の好循環を生み出していくことが必要であると、そんなふうに考えております。  こうしましたことから、今回の法改正を契機に、より一層文化財の保存と活用の一体的な取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)法改正の趣旨に基づいて進んでいこうと、こういう御答弁であったと思います。  平成27年7月に、私、初めてこの場に立たせていただきまして、観光関連の質問をいたしました。そのときに安土城の復元についてお伺いをしました。そのとき知事は、「安土城跡は、国の特別史跡に指定され、国民共有の財産として保護されている。復元には大きなハードルがあるが、一方、多くの観光客を引きつけることのできる可能性のある観光資源と考えており、大変夢のあるもの」との考えを示していただきました。「民間の知恵もかりて、観光振興にどう活かしていくのか研究したい」とも答弁をしていただきました。
     今回のこの法改正にかかわらず、文化財の観光への活用、これはもう今までから考えられていましたし、現に文化財が観光資源となっていることも数多くあります。文化財保護法、この法の中に活用をうたったところに今回の改正の大きな意義があると思いますが、この際、県の組織を挙げて、意識を変えて積極的に対応する姿勢が求められるのではないかと、こんな思いをしたわけであります。  今回の法改正では文化財を活用することが明文化されましたが、観光のみならず、まちづくりや産業面からも文化財を生かす、この視点がこれからは大切でありますが、商工観光労働部長はどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  本県の有する文化財につきましては、観光素材としても極めて重要であり、これまでからその活用を図っているところであります。  今回の法改正によりまして、文化財の活用がより明確に示されたところでありまして、市町が組織する協議会に地域経済団体等が参画し、産業振興や社会経済の活性化につなげることは大変重要であると考えております。  今後、例えば、歴史的建造物や景観を生かした商店街の取り組み、地域の資源や素材を生かしたストーリーのある商品や地場産品づくり、魅力ある観光素材を取り込んだまち歩きや体験プログラムの造成など、文化財を地域全体で生かす視点を共有しながら産業振興につなげてまいりたいと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)今の御答弁で結構だと思うんですが、実は、初めに言われました素材として重要だと、ここなんですね。素材はいいんですけれども、料理としては、素材があってどう食べるか、料理をするところが誰が料理をするかと、素材を料理しないと食べられない、この部分が、今回、活用のいかにしていくかというのが大事だと思うんです。例えば、やはりそこに行った人が見て楽しめる、触れて楽しめるという、その部分を誰がどうするかというところがこれからの活用ではないかと、こんな思いをしておりますので、観光的には見てもらいたいという思いはありますが、見るために誰がする、ここを皆さんで考える、これが総がかりだというふうに思います。  ちょっと話は変わりますが、代表質問で、美術館が整備方針が一度立ちどまるということになりまして、きのうも生田議員が御質問されましたけれども、長年の懸案でございました琵琶湖文化館に保管をされておりました多くの重要文化財、いよいよ見られるかなと、こんな思いでございましたけれども、またちょっと不透明になったような気がしました。  そこで、これまで文化財を守ってこられた教育長、そして、今度は積極的に生かすための方向が加わった文化財でございますが、今回の新生美術館を立ちどまるとした方針、どのように受けとめられたか、ちょっと聞いてみたいと思います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  琵琶湖文化館は、仏教美術等の文化財を適切な環境で保管し展示することなどの機能を果たしてきたところであります。その機能の継承は、教育委員会としても喫緊の課題であると認識をしております。  新生美術館の整備につきましては、一旦立ちどまることとされましたが、今後、どのような形になるにせよ、琵琶湖文化館の機能をしっかりと継承し、本県が誇ります文化財の保存と活用にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)この問題をそのままずっと続けるというつもりはないんですけれども、現段階の教育長の心情を聞いてみたということでございますが、結局、文化財を生かすためには、先ほど言いましたけれども、見せる環境づくりではないかというふうに思います。  先日、文化庁で文化財保護を担当されている職員の方とお話をする機会がございました。そのときにおっしゃっていたのが、全ての文化財、史跡を含めて守るということは、指一本触れさせないということではないと、多くの国民に見てもらう、すなわち見に来てもらえる環境を整える、そのことが結局守ることであると、このようなお話をされておられました。  ここで、知事選のときのリーフレットにも、そのリーフレットの中に文化財の保存と活用という項目がございました。改めて、ここで知事は、今回の法改正、どのように評価をされているのか、お伺いをしておきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  今回の法改正は、1つ目といたしまして、県は大綱を、市町は地域計画を策定することにより、文化財の総合的な保存活用ができるようになったこと、2つ目といたしまして、所有者等が保存活用計画を作成することにより、個々の文化財の確実な保存活用が図れるようになったこと、3つ目といたしまして、文化財保護の事務が、教育委員会だけでなく、地方公共団体の長も担当できるようになったことなどが特徴でございます。  改正後は、地域での文化財の保存と活用がより主体的にできるようになり、これからの時代にふさわしい文化財の継承を行えるものと考えます。また、県といたしましても、地域のまちづくりや文化財を生かした観光振興につながるものと、今回の法改正を高く評価しているところでございます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)高く評価をしていただくということで、それぞれの改正の解説までいただいたわけでございますが、幾つかその中で聞いていくわけでございます。  1つ、まず初めに、今知事から御説明ございました、都道府県は文化財の保存活用に関して大綱を策定できるということになってございます。先ほど言いました来年4月からでございますけれども、まだ時間があるようでないと思います。できたら、滋賀県という、これだけ文化財があるんだという県であればこそ、早くからその大綱づくりを念頭に置いた体制づくり、こういうことを準備をしていってはどうかと思いますが、知事の考えはいかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今回の法改正を受けて、国においては、来年4月1日の施行までに、法改正に伴う関係政省令の整備でありますとか、文化財保存活用大綱等に関する指針などが示される予定と伺っております。こういった情報収集を行いながら、時期を逸することなく、本県においても大綱づくりの準備を進めてまいりたいと存じます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)いつものスピード感を持ってということで対応されるというふうに理解をさせていただきます。  ところで、これも実は先ほど申し上げましたけれども、リーフレットの中に安土城復元プロジェクトの検討ということが出てまいりました。今回の法改正も手伝ってかなと思うんですが、このことはちょっと後ほどお伺いするといたしまして、その前に、知事が前回初めて当選された4年前でございますが、平成26年、そして27年にかけまして、特別史跡安土城跡保存管理計画というのが策定をされております。興味深いのは、この時点の計画で、その目的の中に、今回の法改正に先んじて、適切な保存とともに活用を目的として基本方針を定めるというようなことが書いてございまして、大変期待をしているわけでございますが、改めて、この計画は策定からもう2年たちましたけれども、この計画の位置づけを教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成27年度に策定をいたしました保存管理計画は、管理団体である県や史跡内の所有者および関係機関が、特別史跡安土城跡を将来にわたって適切に保存し、その活用を図っていくための基本方針や整備活用方針について定めたものであり、現在、この計画に基づき保存管理に努めているところでございます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)現在、その基本方針に基づいてやっているということでございますけれども、なかなかどこでどういうふうに動いているか、大き過ぎてわからないわけでございますが、実は、ここでちょっと具体的に、じゃあ、取り上げさせていただきたいんですが、計画の中の5章で今言われた保存管理の考え方、それから、6章で整備、活用についてまとめておられます。その中で、遺構──遺跡の中の構ですが、集中区域などエリア別にその方針が示されておりまして、その中に、現在県が整備しております県道2号線大津能登川長浜線の関係も出てまいります。実は、今、片側通行ですが、8月2日にようやく車道が全面開通になるということで地元のほうにも聞いておりまして、あとわずかでございますが、楽しみにしております。  その県道のルートの設定時、これはもう平成の初めだと思いますけれども、まだ今のその法改正なり管理計画の前の段階の計画の段階です。そのころは、やはり特別史跡は保存ありきであったのでしょう。県道のルート設定も、結局、安土史跡には一切触れないと、指を一つも触れない、こんなようなことで決まったような印象の計画であります。その証拠に、今申し上げましたせっかく2車線の、そして両サイドの歩道つきの立派な県道が来るわけでございますが、安土山峠で安土山側の歩道がそこで途切れてしまうという図面になっております。聞いておりますと、第1期工事では手前なんですが、ただ、計画では、当たるところまでは歩道の図面がありますけれども、本来、歩道ならば歩道としてそのまま当時からいっとくべきであると思うんですが、やはりそのときは指一本触れてはならん、こういう話でなかったかと思います。今回の法改正に期待をしているわけでございますが、今のままですと、何のための歩道なのかと、こんなことを言わざるを得ません。ここでは文化財を生かすということにはちょっとならないのではということで、現在工事を進めていただいております土木交通部長にお伺いしますが、県道2号線、安土山峠前後で途切れる歩道、これは県民の立場から見て、ここままではよくないと思うんですが、いかがお考えでしょうか。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えします。  当該区間の歩道計画につきましては、さまざまな制約条件の中、歩道として必要な機能を確保すべく調整した結果、決定したものでありますが、残念ながら、県道を安土山に沿って通行したいと思われる方に御不便をおかけする形状になっているものと考えます。(発言する者多し) ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)まだ考えだけ聞いただけですから、これからどうするかはこれから聞きますので、ちょっとお待ちください。  実は、青森県に国道7号線石川バイパスという工事がございまして、これは24年3月に開通しています。このバイパスは、国指定の史跡であります堀越城跡を横断をするというようなものでございまして、そのとき携わられた土木の所長がまとめられた文章がありましたので、これを見てますと、全部は紹介しませんけれども、最後にこう結んでおられます。「歴史を守る事業とこれからを築く事業、交わることが難しい関係にある両者が手を組んで進めるためには、お互いの事業の重要性を理解し合うことだ。そのとき、地域の人々にとって何が最善であるか、お互いに考えて協議を重ねてクリアした。地域の人々が二の次になってはだめだ」と、こういう結びでございまして、まさに今回、保存と活用、歴史を守る事業とこれからを築く事業、ここを一緒に考えていこうということをおっしゃっています。  昭和53年の管理計画のときは、この計画で土木協議もやむを得んということだったと思うんですけれども、歩道部分の先になる安土城跡へのエリアへの接続にやっぱり知恵を出してみてはと思います。そのための法改正ではないかと思います。  今、土木部長、このままではよくないというような御答弁でございましたが、では、土木交通部長として、安土城跡エリアへの歩道の接続について、どのように今お考えでしょうか、お伺いします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) お答えいたします。  安土城跡は極めて重要な史跡であり、そのエリアに歩道を接続することについては、史跡を訪問される方々や、日常生活で歩道を利用する方々にとって大変有用なものであると考えております。このため、今後とも文化財担当部局と連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)今の答弁は受け身の答弁だったと思います。歩道をつくっておられる部長ですから、積極的に、やはり今お困り、問題点をおっしゃっていました。解決するためには、土木交通部として積極的な姿勢でやっていただくという思いはないか、確認だけします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) 先ほども答弁しましたように、ここの重要性については土木交通部としても認識しておりますし、そのような環境が整うよう、しっかり文化財担当部局と連携を図って進めてまいりたいと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)なかなか難しいと思います。行く言うたって、行けるかどうかわからない。これは、実は調べますと、やっぱり道路法上の道路をつくるという意味と、文化財保護の中にそれを通す、必ずしもそうでなくてもいいと私は思っているんです。例えば、当たったところからは史跡を見るための遊歩道をつくると。これは、公園で何するかは、今の整備計画でするのか道路でするかは別ですけども、そういういろんな知恵を出してはどうかというのが根底にあります。ですから、そういうことも含めて、今、土木交通部長のお考えだったと私は理解をいたしておりますけれども、せっかくそういうふうに部長がお考えで、ぜひとも土木交通部としてはこのままではだめなんだという意識を持っていただきました。  じゃあ、一方、文化財保護行政の窓口であります教育長さん。その気になっていただかないとなかなか難しいのではないかと思うわけでございますが、先ほど土木交通部長がおっしゃいました、せっかく歩道が安土城跡まで接続すれば、そこに来た方が、県民がスムーズに史跡に触れられることとなるよう検討をしたいという思いがあるときに、土木交通部とともに史跡活用のためにそういった検討を行うということを行っていただけるか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  新しくできます県道2号線からのアプローチとして、歩道が安土城跡につながることは、安土城跡の活用という側面からも有効だと考えております。こうしたことから、今ほど土木交通部長から答弁もありましたように、しっかり連携をして取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)両部長、教育長とも、必要性を認めた上で連携すると、こういうふうに返しをいただきましたので、ぜひともいい道をこれからつくっていただくということをお願いしておきたいと思います。  ここで、生かすと言うことは口では簡単なんですけれども、重要なことは、そのためにどう行動するかと、ここが次にやはり今回の生かすに当たって重要ではないかと思います。その生かすための行動のきっかけになると大いに期待しておりますが知事選の公約であります。ここで、選挙の公約のときにリーフレットにございました安土城復元プロジェクトの検討、このお考えを知事にお伺いをしておきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  安土城周辺は、もう議員御案内のとおり、戦国時代を象徴する誰もが知っている歴史の大舞台であり、観光資源としてその魅力発信を進めているところでございますが、ちなみにでございますが、平成28年には延べ約26万人の観光客が訪れたということでございます。さらに、天守等を復元した際には、数多くの来訪者増が期待され、その経済効果もはかり知れないと推測しています。  一方で、安土城跡の復元は、建築当時の設計図と絵図等資料が必要であると認識しているところです。安土城跡の調査整備事業において、安土城の復元に関する資料について県や当時の安土町が調査をされましたが、建築された当時の設計図や絵図等の資料の発見にまでは至らなかったと承知をしています。  今後も、広く情報収集に努め、民間と連携しながら復元の可能性を探ってまいりたいと存じます。また、こうした活動による機運の盛り上がりが、まちづくりや観光振興につながるものと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)実は、今の御答弁を、平成27年のときの期待をしてた答弁だったんですけれども、今まで何回か取り上げまして、やはり一歩そういう形で知事が表明するという非常に大きな話だと思いますので、期待をしておりますが、かなり夢であります、その城そのものは。しかしながら、今、平成20年まで調査しまして、整備事業が進んでおりまして、平成20年度でちょっと終わっているというか、休憩しているといいますか、一旦今とまっておりますけれども、この際、あの続きといいますか、再開を、その城跡の調査整備事業、これを、これもいろんな手続がございますから、きょう、あすではないと思いますけれども、やっぱり一歩そういう調査にも踏み出すことで、今知事がおっしゃったそういった夢をやりながら、具体的に現場でそういうことが見えてくるというのが大事ではないかと思うんですが、城跡の調査整備事業再開に向けて一歩を踏み出してはいかがかと思うんですが、知事のお考えをお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 議員もお取り上げいただいたように、平成元年度から20年間にわたり、大手南面でありますとか、遺構が集中すると言われている大手道およびからめ手道等の区域で発掘調査や環境整備を進めてきたところでございますが、その中においても、まだ発掘調査が実施されていない区域も多々あるというのが現状でございます。今後の環境整備につきましては、土地所有者や関係機関との協議が必要であったり、体制や経費面等の課題も数多くありますため、慎重に検討していきたいと存じます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)もちろん検討からでございます。慎重に検討いただくのはいいんですけれども、その検討する方向は、今申し上げましたが、せっかく知事がそういうプロジェクトをおっしゃったんであれば、どこからでも結構です。そんで、多く、20年までかなりのお金を使っておりますけれども、あの中で、実は、安土山の半分は近江八幡で、半分が東近江市なんですね。今回、あの道路ができますと、実は、北から来ますと、直線で安土城が正面になる部分が出てきます。あそこが、実は、北側から上がる、からめ手門でしたかな、あの階段があるところですが、せめて見たときに、ああ、何かあるなというところも少しあれば、もっと安土城が皆さんに知ってもらえるのではないかと、こんな思いなんです。ですから、20年間かけた、ああいう大きなやつをどんともう一遍やるという、そこまでなかなか難しいと思いますけれども、できるところから、いろんな調査をやっていく方法もあわせて検討してはどうかという思いでございますので、これは要望にしておきます。  質問はちょっと変わりますけれども、実は、この法改正を受けまして、この8月に文化財の活用を通した地域資源セミナーというのが開催されるチラシをいただきました。このチラシを見て、やはりこの法改正で、こういうセミナーをやるというだけの滋賀県には文化財が本当にたくさんあるんだろうということ、改めてこう思うわけでございますけれども、実は、先ほど紹介しましたこの安土城復元のプロジェクトの検討という、書いているパンフレットがあるんですけども、いろいろと検討された中に、これも知事の頭にあった時期があったのではないかとちょっと聞いてはいるんですけれども、文化財の宝庫滋賀県にも、その宝を生かすための国立博物館のようなものがと思ったんです、私は。実は知らんでたんですけども、まだ京都、奈良、福岡ですか、あるのを知ってるんですけども、今回、法律を改正されますし、今聞いておりますと、やはり前向きなお話ばっかりでございますので、国立博物館、こういうことを誘致するというお考え、知事、持っていただいたらどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 本県には、全国第4位になります国宝、重要文化財を初め、数多くのすぐれた文化財が所在しておりますことから、国立博物館などの文化財拠点施設の立地場所としてふさわしいと思っております。我が国のすぐれた文化財を収蔵、展示する国立博物館といたしましては、議員も御案内のとおり、古くからの東京、京都、奈良に加えて、平成17年には九州国立博物館が開館したところであり、先般伺いますと、2020年には国立アイヌ民族博物館が北海道に開館する予定であるということでございます。それ以外は、現在、さらなる国立博物館の整備構想はないと承知をしているところでございます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)国の現状をお伺いしたわけじゃなくて、そういう状況であるけれども、そういう姿勢を持ちませんかという知事への御質問なんでございますが、改めて。 ◎知事(三日月大造) ふさわしい場所で国の経過を申し上げただけで、失礼いたしました。  私もこの可能性について内々に探ったことがあるんですが、しかし、なかなか難しいのではないかなと思っています。相当程度、地元自治体の負担を求められるということがございますので、そういったことに耐えられるだけの力があるのかどうか。また、九州が一番直近で開館されたということでございますが、相当程度長きにわたる地元の誘致活動もあった末の開館であったということも承知しておりますので、この時点で私が国立博物館の誘致ということを申し上げるには、まだ素地が整っていないのではないかなというのが実感でございます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)素地が整うことを期待しながら、知事、最後の質問なんですけれども、一番初め、知事が今法改正の中身、逐条解説をいただいたわけでございますが、今回の改正を受けまして、いろんなことが考えられますし、いろんな部署がかかわってくると思います。現在、文化財保護の事務は教育委員会でございますが、地方公共団体の長が担当できることにもなりました。先ほど、安土城プロジェクトの検討についてお話をいただきましたけれども、そういうことを考えますと、この際、知事の担当のできる知事部局でそういうことを考えてみてはどうかと思うわけでございますが、いかがお考えでしょうか。 ◎知事(三日月大造) よく検討したいと思います。  御指摘のとおり、今回の法改正で、地方公共団体の文化財保護に関する事務を、条例の定めるところにより、地方公共団体の長が管理、執行できるとされたところでございます。国の文化審議会からは、文化財保護についての専門的・技術的判断の確保、開発行為との均衡、学校教育や社会教育との連携などが要請されており、それを踏まえ、法律施行までに関係政省令の整備などが予定されているところでございます。こうした動きも注視しながら対応を考えてまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、滋賀の文化財、大変すばらしいもの、古くからのもの、とうといものがございますので、こういったものを保存すると同時に、活用にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)大綱は多分つくられると思いますので、先ほど、時期を逸せず検討したいということでございますので、その中で今のどこで担うかということもぜひお考えをいただければというふうに思います。  それでは、次の質問でございますが、近江鉄道線について質問させていただきます。これは分割でございます。  去る7月12日に、近江鉄道の在り方検討に向けた副首長級キックオフ会議なるものが開催をされたと報道をされていました。近江鉄道が、将来、単独での鉄道事業継承が難しくなると表明されており、今回の会議に至ったものと承知をいたしております。  平成29年から1年近くは、勉強会という名のもとで関係者が検討をされてこられたということでございますが、まずは、勉強会では結果として何が確認をされたのでしょうか、土木交通部長にお伺いいたします。  サッカーのワールドカップがちょうど行われましたし、最中でした。開催された会議の名前はキックオフ会議でございました。そこで、今回の会議が副首長級とされた理由と、会議設置の目的を土木交通部長にお伺いをしておきます。  もちろん、沿線の自治体が同じテーブルで、しかも同じ立場で議論するということにはなろうかと思いますが、5市5町にまたがる鉄道路線であります。したがいまして、やはりここは県がリーダーシップを発揮して議論を進めていくべきではないかと考えますが、土木交通部長の考えを伺います。  また、今回の課題は、滋賀県にとっても、県民にとっても、いわんや沿線の利用者にとっても非常に関心が強いわけでございますので、常に開かれた議論のもとで納得した形で進められるべきと思いますが、いかがでしょうか、土木交通部長の考えを伺います。  ところで、本年度の予算が計上されておりますが、地域鉄道のネットワークを検討されるということであります。存続していくための自治体の負担がどうなるのかということももちろん重要でありますけれども、県民の皆さんや利用者の皆さんにとっては、通勤通学、通院、買い物、そして観光等への影響であります。しかも、人口減少と高齢化を念頭に置いた中での予測というものも明確にすべきだと思います。今回の調査の概要、とりわけ影響というものに対する調査の考え方を土木交通部長にお伺いをいたします。  キックオフされた試合ならば勝利をしなければなりません。この場合は目的が確実に達成することであります。どのようなスケジュール感で進めていかれるのか、土木交通部長にお伺いいたします。  近江鉄道に関しましては、この2月議会でも取り上げをさせていただきました。知事からも、日本有数の鉄道会社、地域にとっては不可欠な、一方で維持運営が大変困難な路線との認識を示され、しっかりと検討をするという答弁でございまして、そのとおり今年度早々にこの会議を立ち上げられたということだと思いますので、その点については敬意を表したいと思います。しかしながら、これからであります。  最後に知事に伺って終わりたいと思いますが、法定協議会の設置が視野にあるようです。過去、国内で鉄道の存続に向けた自治体の対応を見ておりますと、しっかりとした内部体制も必要であったように思います。スピード感を持って動くためにも、また、交通というだけではなく、さまざまな社会的視点から議論をするためにも、県庁内の体制を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか、いま一度、公共交通への思いとあわせて知事にお伺いをいたしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 大きな2項目め、近江鉄道について7点御質問賜りましたが、私に対しては最後に1問、御質問賜りました。  公共交通機関への思いと庁内体制ということについてでございますが、先般の選挙公約にも掲げさせていただいておりますように、地域に根差した交通移動手段の充実を図ることは、県民の健康増進や交流人口の拡大等、地域活力の維持活性化に大きく寄与するものであり、今回の選挙活動において、多くの県民の皆様との対話を通じて、改めて公共交通の充実への期待が非常に大きいことも実感、再認識したところでございます。  また、先日青森県で開催されました15県の知事で構成する自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークに参加いたしまして、地域交通ネットワークの維持確保について、出席知事と意見討議を行いまして、地域公共交通の維持確保は、本県はもとより、全国共通の喫緊の行政課題であるという認識をしたところでございます。  こうしたことも踏まえまして、まず、近江鉄道線の維持活性化を全庁的な課題として位置づけ、課題解決に向けて全庁一丸となって取り組むことが重要だと考えます。そのため、他府県の先進事例も参考にしながら、体制整備ができるよう努めてまいりたいと存じます。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) 近江鉄道についての7点の御質問のうち、私に対する6点の御質問にお答えさせていただきます。  まず1点目、勉強会での確認事項でございますが、この勉強会では、県、沿線5市5町、近江鉄道の3者により、近江鉄道の経営状況、輸送状況、利用促進策等を中心に近江鉄道の説明を受けながら、近江鉄道線の現状や課題について理解を深めてきたところでございます。この勉強会を通して、今の状態では、近江鉄道だけで近江鉄道線を維持存続していくことは困難であるということを確認しております。  次に、2点目、会議を副首長級とした理由と会議設置の目的についてお答えいたします。  まず、当会議の設置目的ですが、この地域にとって大切な社会インフラとして、将来を見据えた近江鉄道線のあり方について、県と5市5町が一体となり、法定協議会の設置へ向けて、事務レベルでの合意形成を図るために設置したものでございます。  次に、副市長・副町長会議とした理由でございますが、これまで沿線市町の課長級職員を構成メンバーとして検討を進めてきましたが、今後、市長、町長を交えた協議体の移行を見据え、より高度な判断が求められることが想定されることから、副市長、副町長の会議としたところでございます。  3点目、県がリーダーシップを発揮して議論を進めていくことについてでございます。  まず、近江鉄道は、5市5町にまたがる延長59.5キロの鉄道路線でございます。地域公共交通の活性化及び再生に関する法律においても、都道府県は、市町と密接な連携を図りつつ、主体的に地域交通の活性化および再生に取り組むよう規定されているところでございます。こうしたことから、広域自治体である県がリーダーシップを持って、事務局の中核的な役割を担い、沿線市町の合意を得ながら慎重かつ丁寧に検討を進めていこうと考えております。  4点目、会議を開かれた議論のもとで進めることについてお答えします。  議員御指摘のとおり、常に開かれた環境のもとで合意形成を図りながら議論を進めていくことは大変重要でございます。こうしたことから、議員の皆様はもとより、沿線の住民や学校、事業者など幅広い方々の意見を直接伺えるよう、地域シンポジウムや住民フォーラムなどの機会も設けながら、オープンな議論を進められるよう努めてまいりたいと考えております。  5点目、調査の概要、とりわけ影響に対する調査の考えについてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、今後の地域鉄道ネットワークの検討を進めていく上で、通勤通学を初めとする地域住民の生活等に密接に関連する各分野への影響について調査を行うことは、県民、利用者にとっても大変重要かつ有益であると考えております。こうしたことから、現時点での財政負担の問題だけではなく、20年、30年先の沿線地域の将来像とまちづくりのあり方などを見据えながら、地域社会に与える効果、価値を中心に調査、検討を行ってまいりたいと考えております。  最後、6点目の会議のスケジュールについてお答えいたします。  先日開催のキックオフ会議では、平成31年度中に地域公共交通活性化再生法に基づく法定協議会の設置を目指して検討を進めていくことを、県および市町との間で合意をしたところでございます。今後は、平成31年度中の法定協議会の設置に向けて、月1回をめどに課長クラス検討会で基本的な検討を行いながら、節目、節目で副市長・副町長会議を開催し、沿線地域全体で合意形成を図りながら議論を進めてまいりたいと考えております。 ◆4番(加藤誠一議員) (登壇)確認の意味でずっとお聞きしました。最後に確認だけというか、お願いを含めてでございますけれども、今、最後に土木交通部長が、スケジュール感の話で聞きましたように、今回、会議がスタートいたしまして、平成31年度中の法定協議会、それを毎月会議をしようと、それから、節目では首長さんに寄ってもらうと、こういう流れでございますので、知事が最後の答弁でいただきました全庁的な考え方も結構でございます。ぜひお願いしたい。  それから、体制のときに、他府県を見ながら検討するという、さっと流していただいたんですけれども、他府県も結構でございますけれども、滋賀県として、今、31年中に法定協議会をつくるのであれば、臨機応変に体制というのも大事やと思うんです。今、土木交通部の交通政策課でやっていると思うんですけれども、これがどういう形かわかりませんけれども、この1年半、あるいはスパンの中で、年度というような考え方でなくて、その法定協議会に向けて臨機応変な体制をぜひ念頭にお考えをいただければ、地元含めて安心するのではないかと、こんな思いですが、ちょっとそこだけ確認だけさせてください。知事、すんません。 ○議長(川島隆二) 加藤議員、今のは知事ですか。 ◆4番(加藤誠一議員) はい、知事で。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今御指摘のように、全ての事象において、機を見るに敏に、臨機に応変に対応するということは大事だと思いますし、とりわけ、今年度、来年度中に法定協議会の設置を目指して検討を開始したこのテーマについては、しっかりとした体制整備をするということも肝要かと存じますので、今年度やることについては一定体制整備ができていると思っておりますが、さらに庁内でしっかりと全庁的な体制をとるということと同時に、これは市町にも絡むテーマでございますので、こういった沿線市町との連携をどう構築するのかという次の課題を展望した体制整備ということも必要ではないかと思いますので、そういった臨機に応変に対応することとあわせて、先を展望した体制整備ということも考えながら、今後の体制をよく検討し、対応していきたいと存じます。 ◆4番(加藤誠一議員) ありがとうございました。(拍手) ○議長(川島隆二) 以上で、4番加藤誠一議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時43分 休憩    ────────────────   午後0時59分 開議
    ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、19番木沢成人議員の発言を許します。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、平和について、一問一答方式で以下お伺いをいたします。  今から73年前の昭和20年7月24日から30日にかけて、湖東地域一帯を中心として、本県は太平洋上に展開する米国機動部隊の艦載機による空襲を受け、彦根市内の工場群、鉄道車両および施設、現東近江市に位置する旧陸軍八日市飛行場等に大きな被害がもたらされるとともに、一般市民にも多くの犠牲者が出ることとなりました。現在、滋賀県平和祈念館、以下平和祈念館といいます、では、この6月9日から9月24日まで、第20回企画展示「戦場となった滋賀─県下の戦争遺跡─」が開催されており、この展示の中でも、今述べました県下の空襲に関する資料等が展示されております。特に昭和20年7月25日の空襲においては、八日市飛行場上空で、鈴鹿の山並みや琵琶湖を眼下にしながら、米軍機と迎撃に上がった日本軍機との間で激しい空中戦が展開されましたが、この様子を目撃した生々しい体験談の展示は、ぜひ多くの皆様に見ていただきたいと思います。  私も幼少のころ、祖父から、この空襲時に日本軍機に撃墜され、近くの雪野山の麓に不時着した米グラマン機の様子について何度も聞かされましたが、体験談にも「家の上をグラマンが超低空で飛来したこともあった。防空ごうに入ろうとしたときに、アメリカ操縦士の目と私の目がかちっと合ってしまって、思わず立ちすくんでしまいました」との記載があり、遠く外地のみならず、戦争というものが私たちのすぐ身近なところにあったのだということを改めて深く思い知ることができます。  さて、戦後70周年を迎えることとなった平成27年6月定例会議での平和祈念館に係る私の一般質問に対し、知事は、平和への思いとして、「私自身も戦争を体験しておりません。私の親も戦争を知らない世代であります。そういう世代の者がこういう職をいただく、そういう時代に入ってまいりました。そういう世代が国全体でも8割を占めます今、悲惨な戦禍を二度と繰り返さないために、その記憶を風化させることなく私たちも学び、そして次の世代に伝えていく、こういう取り組みが私は極めて重要であると考えておりまして、私自身の使命と捉えて大事にしていきたいと存じます」と答弁をされました。  時に、知事は、本年5月11日に開催されました本年度第1回目の滋賀県総合教育会議におきまして、次期滋賀の教育大綱をめぐる議論の中、滋賀の教育の目指すべきものの大きなテーマの一つとして平和というキーワードを掲げられました。今、改めて、教育の中で平和という言葉を掲げた思いについて、知事にお伺いいたします。 ○副議長(生田邦夫) 19番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  平成27年6月定例会議において、今御紹介いただきました答弁をさせていただきましたとおり、平和についての思いは今も変わっておらず、悲惨な戦争を二度と繰り返さないため、その記憶を風化させることなく次の世代に伝えていくことが必要と考えており、誰もが、いつの時代においても大切にしなければならないとの思いから、今年度最初の総合教育会議の場において、これは大綱の議論だったと思いますが、平和について述べさせていただいたものでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)改めて、平和についての思いについて、今、語っていただきました。  教育の場というところで、そういうことを大きなテーマとして掲げられましたので、当然、そういうことの思いがまたその大綱の議論の中でもさらに深まるものだというふうに理解しているんですけども、次の2番の質問にちょっと行く前に、実はこれ、この今出ている2番の前に、幻の2番目というのが実はありまして、以降の質問の中で私の思いのベースになるので、ちょっと語らしていただきたいと思うんですけれども、県は今、SDGsの取り組みを県単位で行っていただいていると思うんですけれども、きのうもちょっとその質問ありましたが、国連の持続可能な開発目標、そこに対して滋賀県が47都道府県の中で初めて参画を表明して、今、その取り組みを進めていただいているということなんですけれども、私の考えでは、そのSDGsというのが、もともとその国連の名前のとおり目標なので、じゃ、国際連合のもともとの目的って何だろうというふうに考えたときに、当然ですけれども、国際平和と安全の維持というのが第一義的なというか、もうその目標の中で国連というものがつくられております。その中で、例えば経済社会とかその辺の文化面での国際協力というのは、それを実現するための一つのソフトパワーの形として、さまざまなプログラムなり機関が設立されているんですけども、SDGsの取り組みも、滋賀県で、じゃあ、何を行っていくかということを考えたときに、究極の目標というのは、世界平和につながるという意味の中で滋賀県の立ち位置を示していって、その取り組みをするものだと私は思っていたんですよ。  ですから、本来、ここの今申し上げた幻の2問目というところに、滋賀県の今SDGsの中に、どうやってその平和という概念を施策の中に織り込んでいくんだというような趣旨の質問を当初は入れさせていただいたんですけども、担当と協議していたら、県のレベルで今そんなことは考えてないみたいなことが返ってきたんですね。私としては非常にちょっと残念だったんですけども、そのときも私、こちらから申し上げたんですが、例えば、今、水ビジネス、水環境ビジネスなんかでも、非常にベトナムと政府なんかと取り組みを進めてますよね、滋賀県の環境のそういう会社と組みながら。ああいうのでも、私も昨年カンボジアにも行ってまいりましたけれども、例えば東南アジア地域でも、まだまだ政情も不安定だし、さまざまな課題を擁しておられる国がある、そういう中で、滋賀県の技術なり、そういう水環境に特化した滋賀県の得意技というのが現地の人に受け入れられて、そのことによって国が発展していくということは、最終的にその辺の地域の平和と安定につながるものだろうと、だから、そういう意味でつながっているじゃないですかと、そういうような議論もさせていただいたんですよ。でも、何かそういう大きい意味での平和というところにそれぞれの施策がつながってないような感じのことも見受けられたので、きのうも岩佐議員が、知事の理念が本当に県庁もそうだし、県民にどこまでおりてるんだというような、そういうお話もあったと思うんですけども、やっぱりその辺の今SDGsに取り組んでいく滋賀県の思いなんかは、やっぱり県庁の中にもう少し落とし込んでいただかないと、ちょっと言葉だけが躍っているんじゃないかという印象を持ちましたので、そういうスタンスで以下ちょっと聞かしていただくので、それをちょっと踏まえていただきたいなと思います。  それで、今通告している2番目なんですけれども、平和という言葉の対義語は、広義には、混乱や不安とか混沌とか、およびその状態というふうになるんですけれども、究極の状況は、やはり戦争なりそういう状態であるかというふうに思います。その意味におきまして、平和について、よく世間でも言われるんですけども、平和、平和という言葉が出てくるんですが、そういうことを希求するということは、対義としての国家間における戦争、それから各種の戦、争い、紛争といったそういうものについて、その原因や背景等について真摯に学ぶことが何より私は必要だと思っているんですけども、このことについて知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 大変大きなテーマですし、しかし、大切なテーマであり、世界のことであると同時に日常のことでもあるということから、しっかりと我々自身が考えていかなければならないんですけれども、日ごろの県庁での仕事とこの平和とのつながりということについても、お互い意識しながら議論したり仕事ができるように、理念の落とし込みも含めてしっかりと我々も語っていきたいと思います。  今お尋ねありましたさきの大戦においては、多くの人が亡くなり、多くの人が空襲におびえながら、戦時体制下のもと苦しい生活を余儀なくされた。県では、平成5年から、延べ人数ではございますけれども、2,008名の方から戦争体験の聞き取りを行うとともに、その体験を多くの人々に語り継いでいくため、平成24年のこの平和祈念館の開館以降、戦争体験を聞く会を定期的に開催しており、これまで69名の語り部にお話をいただき、3,198名の方に御参加をいただいたところでございます。戦後生まれが8割を超える今日の日本社会であるからこそ、こうした戦争の悲惨さと平和のとうとさを理解し、二度と戦争を起こしてはならないという思いを共有するとともに、その原因や背景等から多くの教訓を学び、未来に向け不断の努力を続けることが重要であると考えているところでございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)知事はまた後で質問させていただきますので、よろしくお願いします。  続いて、教育長にお伺いをいたします。  今までの知事の答弁を受けまして、小学校、中学校、高等学校の各学校の教育課程において、平和について学習することの意義はどういうものでしょうか、お伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  小中高等学校の各学習指導要領において、児童生徒に、国際社会に生きる平和で民主的な国家、社会の形成者として、必要な公民的資質を養うことが共通して求められております。そのために、日本国憲法の平和主義について理解を深めたり、過去に起こった戦乱や戦争の原因や背景について考えを深めたりしながら、社会科を中心に平和について学習を進めることは意義のあることだと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今も、平和で民主的な国家形成に資する人というか、公民をつくるために、そのことが大事だというような御答弁がございました。国際社会というようなことも、大きく広い、憲法のお話も出ましたけれども、自分の国だけではなくて、広く世界ということの中でそういうことがしっかり見詰められる人材を育成していくということなんだろうと思うんですけれども、戦争という国家間の広義の戦争だけじゃなくて、戦、戦乱について学ぶこと、先ほども知事にも聞きましたけども、その原因や背景について、より深みのある学習するということは、今の答弁にもありましたけども、大変私も意義があることだと考えます。その意味で、県内の中学校社会科教師の方々により独自に編集されている副読本「12歳から学ぶ滋賀県の歴史」についても、その記述内容を見ておりますと、生徒が、自分たちの身近なところにあった、この滋賀県なり近江の国の中で行われた戦、戦乱、それから大きな意味での戦争というものを学ぶ上で、大変有効であるというふうに考えます。教育現場でのより一層の活用を願うものですが、現状を含め、教育長の御所見をお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  議員に御紹介いただきました「12歳から学ぶ滋賀の歴史」は、滋賀県の通史をベースとしながらトピック的な構成をとり、子供たちにとって興味が湧くものとなっております。これまでから、滋賀県中学校教育研究会社会科部会などにおいて、有効に活用されるよう県内の社会科の先生に周知をされており、社会科や総合的な学習の時間等の副読本として、主に中学校において活用されております。児童生徒が身近なところで起こった歴史的事象を学ぶことは、社会に対する関心を高めることなどにつながりますことから、今後も副読本の活用を一層進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)私も、この副読本、今申し上げた戦とか戦乱にかかわるところ以外も全て読ませていただいたんですけれども、中学生はもとより、本当に一般の県民にもわかりやすく、本当に滋賀県の歴史全般も含めて学ぶには非常にいいテキストかなと思っておりますので、より一層の活用を願うとこなんですが、例えば、今出てました滋賀県の中の歴史的事実の中での戦とか戦乱というのをたどってみましても、例えば667年に、皆さん滋賀県の人はよく御存じだと思うんですけども、いわゆる大津宮に遷都がされています。天智天皇ということになるんですけれども、それも、なぜそちらに都を移したかという、その背景を見ていくと、当時、朝鮮半島の諸国と日本がそういう戦乱の状態にあって、その前に白村江の戦いというのがあるんですけども、このまま朝鮮半島の勢力が日本にずっと攻めてくるんじゃないかということの中で、滋賀県の今の大津の位置が比叡山に守られ、そして、琵琶湖からまた東国のほうに逃げやすい、そういう軍事的に見ても非常に優位性があるというようなこともあって、そちらに遷都がされたというふうに言われてるんですけども、そういうことも含めて、単純に歴史的な何年に何が起こったという事実だけでなくて、その背景がどういうことだったのか、その当時からの例えば半島のつながり、それとまた現代的なつながりというような深みのある学びが滋賀県の場合できるのかなと。その後、壬申の乱、これも有名ですけども、壬申の乱の舞台は、ほぼこの滋賀県というか、旧の近江のエリアで展開されてますし、それから、南北朝の動乱の時代もここがさまざま舞台になっておりますし、応仁の乱でも戦場になっています。午前中も加藤議員が安土城を取り上げていただきましたけれども、戦国期のさまざまな合戦は言うにおよびませんし、本当にそういう意味では、子供たちが学ぶときに、そういう素材なり資料が本当に身近なとこにあると。そういう中で、本質的な部分の戦とか戦いとか、そういうものがなぜ起こったのかというような深みのある学習につなげていただきたいと思いますので、その意味での活用をさらにお願いしておきます。  それに関連して、その次の5番目の質問なんですけれども、今、主に中学生ということだったので、次、高校のお話をさせていただきますが、本年度の小学6年生が高校1年生になる平成34年度から実施される新しい学習指導要領では、高等学校の地理歴史科において、これまでの世界史Aと日本史Aを統合する形で新たに歴史総合が創設され、必履修科目となります。この歴史総合は、世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉えて、現代的な諸課題の形成にかかわる近現代の歴史を考察する科目とされています。この科目では4つの柱が示されておりますが、その一つ、「グローバル化と私たち」においては、特に戦争という点に関し、第2次大戦後の冷戦下における地域紛争の背景や影響、また、冷戦終結後の地域紛争の拡散、これはまさに今、現代が直面している課題だと思うんですが、そういう国際政治の変容と課題を理解することが目標として掲げられております。平和に関する学びを、国内事象にとどまらず、より広い視野で深めていくことが求められているわけですが、いかに滋賀らしい平和への学びを構築していこうとされるのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  新しい学習指導要領の必履修科目であります歴史総合では、子供たちは、年度の初めにおきまして、身近な地域の歴史が日本や世界の歴史とつながっていることを理解する学習を行います。その際、滋賀県平和祈念館の出前講座や貸し出し資料を活用したり、あるいは、先ほど申し上げました中学校で学んだ滋賀の歴史をもう一度振り返ったりして、自分たちの身近な地域における戦争と人々の暮らしなどの歴史を学び、考えることは、滋賀らしい歴史学習の構築につながるものと考えておりまして、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)それでは、次に、平和祈念館の事業について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。  開館から本年2月で6周年を迎えたわけでございますが、ここ3年間の来館者の動向についてお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  直近3年の来館者数は、平成27年度2万2,328人、平成28年度1万8,408人、平成29年度1万9,491人となっております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)以前も同じような質問をさせていただいたんですけども、数字については、今、平成27年から若干減って、そのまま横ばい状態ということなんですけども、中身からすると、もう少し、県民だけではなくてもいいんですが、県外も含めて多くの人に足を運んでいただきたいなという思いは強くございます。  その中で、先ほども教育長の答弁の中にもありましたが、平和学習における来館学習、それから出前講座、こちらも実施していただいているんですけども、その実績と、それから課題について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  来館による平和学習利用者は、平成29年度は4,029人となっておりまして、対前年度比で24%の増となっております。また、出前講座は、平成29年度は1万149人となっておりまして、対前年度で19%の増となっております。  これらの課題といたしましては、修学旅行の事前学習などで秋に利用が集中しているなどの時期の偏り、あるいは、遠方の地域の利用の方がやはり少ないなどの地域の偏りがあること、また、小中学校に比べまして高等学校の利用が少ないということなどがございます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)小学生等で修学旅行に行かれる際に、事前学習で使っていただくというのは本当にいい試みだなと思っているんですが、今おっしゃったように、ちょっと時期の問題もあるというふうなこと、それから、先ほどちょうど高校の新学習指導要領のお話しさせていただいたんですけども、高校のカリキュラムがああいう形で変わっていくとなると、今、現状では非常に利用が少ないということなんですが、先ほど教育長の答弁にもありましたように、より本当に積極的に使っていただく、それから、使いやすいというようなプログラムにしていただくことが大事かと思うんですが、その中で、今、小学生、中学生あたりのちょっと対象の課題にもかかわるんですけれども、より多くの県下の児童ならびに生徒さんが平和の学びを深められることを私は本当に願うところなんでありますが、今、平和祈念館さんのほうでは、今後一層の平和学習の充実を図るため、平和の子プログラムについて検討中と仄聞をしております。今も出ていたようなこれまでの課題を踏まえて、どのような内容で実施されようとしているのか、健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  このプログラムにつきましては、平和であるからこそ学校に行ける、授業で学べるなど、日常の平和の大切さを次の世代に伝えるため、県内全ての小学生を対象とした新たな平和学習プログラムを作成しようとするものでございます。  また、先ほど課題として挙げました利用者の地域の偏り、そういう点も踏まえまして、遠方の学校の利用促進を図るため、来館および現地見学に係りますバスの借り上げ等の仕組みについても検討をすることといたしております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)この議場でもたびたび質問出てるかと思うんですけど、びわ湖ホールのほうで実施されているホールの子も、多分というか、そちらと似たようなプログラムになるかとは思うんですが、あちらでも、やっぱり先ほど部長おっしゃったとおりで、やっぱり遠方のところが、学校さん、びわ湖ホールの場合は大津まで来ていただかないといけないんですけども、それもなかなかちょっと難しいというところがあって、今の助成の仕組みなんかもできてきたんだと思うんですが、湖北の地域の方でも、東近江地域なので、そういう意味では、びわ湖ホールよりは近いですし、逆に大津の方からすると、ちょっと北に向かっていくという形にはなるかと思いますけれども、周辺にも、マーガレットステーションですとか、あそこも含めて、あと、環境の学びのプログラムがあるような施設もあったりとか、実際に戦跡も、この後触れますけれども、実際の戦争遺跡なんかも周辺にも点在してますので、そういった中で、館の学びとフィールドワークができるような、そういうふうな形のプログラムにぜひ進化させていただきたいなと思います。  それで、次の9番目の質問に移りますが、冒頭述べました今の企画展なんですけども、ここも、今回の9番でこれから述べるところの部分とちょっと関連をしてるんですが、平成27年6月の定例会議の一般質問では、その当時、戦後70年を迎え、ますます当時の方の記憶、それから記録、そういうものが減少していくというような中で、一方、遺跡自体も風化、劣化、そういうことが進んでいく中で、県内の戦争遺跡の保存活用ならびに伝承について、取り組みを一層進めるべきではないかと提言をさせていただきました。その後、平成28年度および昨年度にかけまして、滋賀県立大学の中井均教授を代表とする調査チームにより、県内の戦争遺跡の分布調査を実施いただき、本年3月には大変すばらしい形で調査報告書を取りまとめていただきました。本当にその御労苦には敬意を表したいと思うところなんですが、この報告書をベースに、先ほど述べた今回の第20回の企画展示が今開催をされているところでございます。今後は、さらに児童生徒を含む、より多くの県民や来訪者の平和への学びに、今回のこの調査の一連の報告書含めて活用願いたいと思いますが、具体の活用策について健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  まずは、本調査報告書をもとにパネルを作成しておりますので、そのパネル等を出前講座の実施時などに活用することによりまして、その地域の戦争遺跡を紹介し、身近なところで行われた戦争を実感してもらえるように努めたいと考えております。  また、戦争遺跡の現地見学等におきましても、本調査結果を活用いたしまして、遺跡の詳細な内容などをお示しし、県民の皆さんにより理解を深めていただきたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)報告書のほうも全部拝見をさせていただきました。自分が住まいしている東近江市でも、以前から知っていたものもあれば、初めてこんなところもあったんだというような気づきもありましたし、他の市町のそういう遺跡についても同様のことがございました。東近江で申し上げますと、先ほど述べた旧陸軍八日市飛行場関連で、大きな飛行機を隠しておいた掩体ごう、大きなコンクリート製の掩体ごうというのが目にわかりやすい遺跡としては有名なんですけれども、例えば、米原駅の近くの列車の避難のための、蒸気機関車隠すための同じような掩体ごうというか、トンネルについても、地域の住民の方が整備されて、今、見れるようになってるというふうにお伺いしてますし、そういうことも記載ございます。  今部長おっしゃったように、まず、今回のパネルとか含めて、この資料もそういう学習の中で積極的に使用していただくというのはそのとおりだし、進めていただきたいんですけども、後段のほうにありましたが、現地を、実際に当然これを見られた方が、私自身もそうですけど、じゃあ、実際見に行こうと、見に行ってみようという形で現地を訪れたときに、しっかりその場で見れる場所と、なかなか見にくい場所、それから、そこ自体に全くそういう案内とか解説等がないというような場所も多々あると思うんですね。午前中も加藤議員が文化財の活用という観点でも質問されておりましたけども、せっかくこれだけまとめて集められて、資料としてしっかりとしたものができて、通し番号を含めて振られてるわけですから、例えば、戦争遺跡滋賀県ナンバー1とかいう形で案内のプレートをつくるであるとか、今だったら、例えばスマホを使ってデジタル化したようなものを、QRコードぐらいがあって、かざしたら、もうちょっと深みのある資料にリンクが飛ぶとか、そんなことは多分割と簡単にはできるのかなと思ってるんです。ただ、所有者さんが民間の方であったりとか、私有地であったりとかという制約はありますので、そういったことは、その所有者さんなり、また市町と協議が必要だと思うんですけども、実際、学習が進んでいけば、現地のフィールドに出るという動きに多分なっていきますし、そういった中で、午前中の質問も重なりますけど、回遊性とか周遊性みたいなところで、ちょっと学びプラスアルファの部分のそういう取り組みもできるのかなと思うんですけども、今申し上げたところぐらいの、もう少し、例えば表示とか、その辺の案内みたいなところ、すぐにはやれとは申しませんけど、そういったところの部分もちょっと検討はいただけないか、ちょっと再質させていただきます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 今議員のほうから御紹介いただいたとおりでございますが、例えば、今おっしゃっていただきました米原の蒸気機関車避難ごうにつきましては、そのような一部のものについては、もう戦争遺跡であるという旨の表示もなされておりますし、現地での見学会というか、見られるようになっているところでございます。これもおっしゃっていただいたとおり、ただ、多くのものがまだ見学できるような状態になってないものも多うございますし、また、私有地の中にあるものもございます。今後とも、どのような対応ができるのか、一遍関係の皆様と話をしていきたいと考えております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)ぜひよろしくお願いを申し上げます。  それで、今の質問にもちょっと関連するんですけども、今後の県政の全般、先ほどもSDGsにもちょっと触れたんですけども、そういう取り組みですとか、ほかのこととの関連を考えたときに、ホームページでありますとか、平和祈念館の現地展示も含めてなんですけども、その平和祈念館に係る各種コンテンツの国際化対応がより必要と考えます。複数の言語対応というのが、今の時代、望ましいところではあるんですけれども、せめて英語での対応強化を願うものですが、健康医療福祉部長の所見をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  平成33年度までの2期計画期間中に基本展示やパンフレットの更新を予定しております。それに合わせまして外国語の表記を検討していきたいと思っております。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)今までの質問を踏まえ、最後にもう一度知事にお伺いいたします。ずっと最初の質問からつながっている形でここの最後に一応来てるので、その辺ちょっと踏まえてよろしくお願いいたします。  平成27年6月定例会議での質問におきましては、ほかの類似施設と平和祈念館との連携を強化すべきとも提言をさせていただきました。このことにつきましては、昨年、開館5周年を記念したシベリア抑留に関する企画展示において、京都府舞鶴市の舞鶴引揚記念館と連携する等、一定取り組みを進めていただいておりますが、よりグローバルな視点を持って進めていただきたいと思います。  時に、本年は、イスラエル建国70周年に当たりますが、その記念行事が8月末に琵琶湖畔の大津市で実施されると仄聞しております。イスラエル最大の湖ガリラヤ湖は、琵琶湖と同じ古代湖の一つであり、また、現地での通名は、近代ヘブライ語読みでは竪琴を意味することから、今回の御縁は大事にしていただきたいと思います。  さて、第2次世界大戦において、ナチスドイツがユダヤ人等に対して行ったホロコーストは、戦争犯罪として多くの人が知るところでありますが、1940年、バルト三国の一つ、リトアニア領事館の領事代理を務め、ナチスドイツに追われ、押し寄せるユダヤ難民に、日本への通過ビザを発給し続け、1940年から翌年にかけて約6,000人のユダヤ難民の命を救った外交官、杉原千畝氏の功績は、まだまだ国内的には知られていないと思います。  先般、杉原千畝氏のふるさと、岐阜県八百津町に立地する杉原千畝記念館を訪問し、館のスタッフの方にヒアリングをしてまいりました。氏の生い立ちとともに、緊張する国際関係の中、本国外務省の方針に反し、人道的観点から、約2カ月間、ひたすら自署による命のビザを発給し続けた氏の功績と苦悩、苦労が、当時の国際情勢の展示とあわせて大変わかりやすく展示されており、山間部の決してアクセスが容易でない地にもかかわらず、多くの人が来訪されておりました。ちょうど開催されておりました企画展示では、まさに杉原氏が発行した手書きのビザや、それが挟まれたパスポートの実物も展示され、これらを提供された方が戦後どのように今日までを生きてこられたか、その感謝の念がどれだけ大きかったということも伝わる展示内容でありました。また、訪問日には、さきに述べたように、イスラエル建国70周年ということもあり、イスラエル人の観光客が観光バスによって訪問もされておりました。イスラエル本国のみならず、世界各国に散らばるユダヤ人関係者、当時、杉原氏に命を救われた方や、その子孫の方々含め、日本の国内以上に外国での評価が高い施設ならびにコンテンツであると実感をしたところでございます。  一方、杉原氏が発給したビザにより、当時のソビエト連邦内のシベリアの地を経て、極東のウラジオストクの地より日本海を越え、日本におり立った地が福井県の敦賀港でありますが、先日、敦賀港に立地する「人道の港敦賀ムゼウム」も訪問してまいりました。こちらも、当時の国際環境や国際情勢の中で、どのようにして日本の地へユダヤ難民が逃れてきたか、当時の国際港としての敦賀港の位置づけとあわせて、わかりやすく展示がなされておりました。こちらの施設も、京都や金沢観光、そして、さきの杉原千畝記念館訪問とあわせて、近年、イスラエル人ならびに世界各国のユダヤ人関係者の来訪がふえてきているとのことでありました。  今述べたように、当時の敦賀港は、日本とヨーロッパをつなぐ玄関口、国際港として栄えていたわけですが、両施設の展示の中でも注目されたのが、東京─敦賀間の欧亜国際連絡列車に関する展示、その中継地点としての本県、米原駅に関する記載や展示であります。遠くヨーロッパの地より敦賀港におり立った難民は、その後、横浜港や神戸港を経由して、北米や中南米、オセアニア等の第三国へ逃避することになりますが、その際には、必ず敦賀駅から湖北や湖東の地を列車で駆け抜けていったことになります。当時の米原駅や、遠く異国の地で見た琵琶湖の風景は、彼らにどのような印象を与えたのか、大変興味深いところでもございます。  さきに述べましたように、高等学校の歴史の学びにおいても、グローバルな視点が求められていく中、こうしたエピソードが身近になれば、より歴史的事実の学びの質も深まり、また、その事実を背景とした現代的課題への学びの質も深まるものと考えます。  今申し上げた事例も含めて、現下の国際情勢を見据えた中での平和祈念館と他の類似施設との一層の連携強化を願うものですが、知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) ありがとうございます。大変大切なテーマをお取り上げいただいたと思います。  今、平和祈念館において開催中の企画展示、広く皆様方に来ていただけるようお呼びかけすると同時に、私自身も一度勉強に行かなければならないと思いましたし、昨年度までにおまとめいただきました調査報告書、私もまだ見ておりませんので、しっかりと確認の上、改めて勉強させていただきたいと思います。  御紹介いただきました、昨年度、開館5周年記念いたしまして、舞鶴引揚記念館と連携いたしたシベリア抑留をテーマとした企画展示、こちらでは、当時の世界情勢から長くシベリアに抑留された方々に関するユネスコ世界記憶遺産にも認定された貴重な資料をお借りいたしまして展示することで、多くの方に御来館いただき、終戦後も長期間にわたり続いた苛酷な抑留生活について理解を深めていただきました。今後も、例えば多くの県民が苦労された満蒙開拓団について、他府県にある平和資料館とも連携いたしまして、旧満州等へ赴くこととなられた当時の時代背景や現地での生活を展示するなど、県内外はもとより広く国外にも目を向け、他施設との連携強化を進め、子供たち、高校生はもちろんのこと、私たち県民の学習に広く供するよう努めてまいりたいと存じます。 ◆19番(木沢成人議員) (登壇)満蒙開拓団とか、また、そういう新しいテーマで取り組みしていただくのは非常にありがたいと思いますが、先ほどの高校のやっぱり学びでも、より本当に広い視野で遠くを見詰めてということの中で、その中で歴史的事実と現代社会の諸課題をいかに結びつけていくかということになると、この議会でもちょっと議論が出た、例えばエネルギーの問題にしても、我々日本という国が中東諸国にそういうところの部分にかなりの部分依存してる中で、じゃあ、その中で、シリア含めてあの地域が今不安定になってることと、じゃ、日本というのがどういう関係があったりとか、どういうことができるのかという、そういうとこら辺のもっと学びというところまで、高校レベルは、まあまあ、できるかどうかはわからないですけど、求めてるわけなんですね、指導要領上は。ですから、そういう意味において、さきの大戦というのも、狭いアジア太平洋地域ということでなくて、構造的な意味での第2次世界大戦とか、その前の第1次世界大戦であるとか、その辺のところがいかに今の自分の生活なり社会と結びついていくかということを学べるようなところぐらいまで平和祈念館も私は持っていっていただきたいと思いますし、それが冒頭申し上げた滋賀県がSDGsの取り組みをしていくということにも大きくつながると思いますので、その辺のことも含めて、再度、知事の思いがあればちょっと聞かしていただきたいんですが。 ◎知事(三日月大造) 議員もお触れいただきましたし、私も思うのですが、SDGsの取り組みは、これは、世界の平和や私たちのより豊かな生活、また、持続可能な社会のありようにつながっていく取り組みでありますので、そういったことにつながる取り組みであることをさまざま訴求しながら、教育活動にもしっかりと落とし込んでいきたいし、また、行政の取り組みの中にも反映させていけるように努力したいと思います。  また、高校生の学びで、3年間の学びの中で、もちろん学習指導要領に基づいて教育委員会を中心に展開していただくんでしょうけれども、3年間の中だけで、どれだけの学びが今議員が御紹介されたような形で深められるのかということについては、いろいろと限界もあるのかもしれませんが、しかし、せっかくの機会ですので、日本史、世界史の枠にとらわれず、その背景でありますとか、大きな世界観でありますとか、そういったことの広く深い学びにつながるような、そういう学習教育が展開されるように、我々もしっかりと期待をしたいし、応援をしていきたいと思います。  せっかくこの平和祈念館を開設しておりますので、その平和祈念館を中心に、先ほど来ありました平和の子という取り組みでありますとか、県内の戦争遺跡の調査でありますとか、この間、多くの御遺族の方々から御提供いただいた資料等もございますし、証言等もございますので、そういったことも含めて、広く平和につながる学びに広げていけるように、きょういただいた御指摘等も含めながら取り組みを深めていきたいと思いますので、ぜひ今後ともお力添え、御指導よろしくお願いいたします。 ◆19番(木沢成人議員) 終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、19番木沢成人議員の質問を終了いたします。  次に、12番杉本敏隆議員の発言を許します。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇、拍手)最初に、昨日、今江議員が提案されました手話言語条例の制定について、私は賛同を表明したいと思います。実は、私の亡くなった兄は聴覚障害者でありまして、私も小さいころに兄から手話を教えられました。今でもあいうえおくらいは覚えてるんですけども。亡くなった兄は、草津の聾話学校を卒業した後、漁師になりました。船の上で、漁師同士が船で走っていて交信を交わすのには、エンジンの音が大きいので声では会話ができません。それで、いろんな身振り手振りでやりとりするんですけども、私の兄が漁師になってから、例えば、魚がたくさんとれたかというのを聞く場合にはこういうふうにして、たくさんとれなかったらこういうふうに相手は返すと。たくさんとれたときは、おなかをこういうふうにしてたくさんとれたということで漁師同士が会話を交わせるというのが、私の兄がそういう点では琵琶湖の多くの漁師にそういう交信の手段を広げたということなんですけども、手話言語というのは、単に聾唖者だけでなしに、広く多くの人に豊かなコミュニケーションを広げる手段であるというふうに思います。だから、この滋賀県も、手話言語条例を制定して、広く多くの人が手話言語に親しむような、そういうような県になるように要望したいと思います。  それで、本論に入ります。  最初に、滋賀県立大学の改善について質問をいたします。  滋賀県立大学の教職員組合が発行していることし4月のニュースを見ると、本学は、法人化以来、毎年欠かさず36協定などの労使協定違反をし続けてきているとして、36協定で定められた1日の時間外労働の上限超え、あるいは、特別延長の時間外労働の上限超え、特別延長を行う際の労使協議がされていないことなどを指摘しています。  先日、県立大学に労働基準監督署が調査に入ったと聞きますが、この長時間労働についてどのような指摘を受けたのか、総務部長に説明を求めます。  以下、指名しない場合は、総務部長に答弁をお願いします。 ○副議長(生田邦夫) 12番杉本敏隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  滋賀県立大学におきましては、平成30年6月21日に労働基準監督署の調査があり、昨年の時間外勤務の状況等について、7月2日に是正勧告を受けたと聞いております。是正勧告の内容は、特別条項つき時間外労働に関する協定、いわゆる36協定の特別延長時間を1カ月当たり80時間以内としているところ、平成29年度において、1人の職員が一月法定労働時間を、80時間を超えていたと指摘されたものと承知をしております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)私が滋賀県立大学に行って聞き取りをしたんですけども、ちょっと今のとは違うんですけども、2015年の場合は80時間超えが27件、2016年が9件、2017年が6件あったというふうに聞いております。2006年の法人化以来、こういう36協定違反が毎年続いているというのは、これは事実だったと思うんですけども、この背景には大学職員が非常に少ないということがあると思われます。滋賀県立大学と学部構成や学生数などが類似している県立広島大学と2015年度の指標で比べると、学生数は170人ほど滋賀県立大学が多いのに、正規職員数は広島の方が25人も多い、学校経費も5億円ほど多くなっています。大学運営交付金をきちんと措置していないから、正規職員が少なく、労使協定違反が常態となっていると思われますが、認識を伺います。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  滋賀県立大学の事務局職員の配置や勤務時間の管理につきましては、独立した法人として大学が責任を持って対応いただいているところでございます。また、滋賀県立大学への運営費交付金は、大学が積算をしました全体の運営費から授業料や企業からの寄附金等の自主財源を除いた額を交付しており、人件費につきましても大学の積算に基づいて交付をしているところでございます。  滋賀県立大学においては、大学改革や地方創生への取り組みといった業務の多様化等によりまして、時間外勤務が一定生じている状況を踏まえて、平成30年度から、労使協定違反とならないよう、事務職員の増員、時間外勤務の事前承認の徹底、事前協議による特別延長手続の整備などの対応を講じているところでございます。大学からは、今年度の時間外勤務は前年度に比べて2割以上削減し、労使協定違反もなく、今後とも業務量に応じた職員の適正配置ができるよう努めると聞いているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)いつも議論になるんですけども、大学が積算して運営交付金が決められているような答弁でありますけども、じゃあ、基準財政需要額というのがあります。これは、理科系あるいは文科系によって単価が違うんですけども、学生1人当たりに対して、この大学にはこれぐらいの職員がいて、このぐらいの設備があって、で、1人当たりこのくらいの予算が要るからということで、国がこの基準財政需要額というのを示してるんですけども、滋賀県の運営費交付金は、この基準財政需要額の何%になっていますか、お尋ねします。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  平成30年度の当初予算における運営費交付金につきましては、昨年度よりも約1,100万円増額し、23億9,536万4,000円を計上しております。これにより、現状で見込まれる普通交付税の基準財政需要額に対する比率を計算いたしますと65%となり、昨年度の比率よりも2ポイント上回ることとなります。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)そこでお伺いしますけども、その65%という数字は他府県と比べてどのようになっていますか。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  学生数ですとかキャンパスの配置など、それぞれの大学の置かれた状況が異なりますので、単純に比較することは難しいと思われますが、運営費交付金に近い数字として、各都道府県の平成27年度決算における大学費と普通交付税の基準財政需要額の比率を比較してみますと、最も高い県では2.32、また、1.0を超えている都道府県が25ございまして、平均では1.19となっております。これと比較しますと、本県の0.65という比率は全国的にも低い数字であると認識しております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)一番多いのが鹿児島県の2.3ですね。基準財政需要額の2.3倍出していると。平均でも1.19ということで、基準財政需要額よりも公立大学に対して設置県はたくさんの運営費交付金を出していると。平均よりかなり低いと思われますけども、当局からいただいた資料では、滋賀県は、一番低いのが青森県の0.58、その次に0.65なんですよ。その次が0.67で、滋賀県は全国の43の公立大学を持っている県の中で下から2番目、42位、0.65しか基準財政額の運営費交付金を出していないという貧弱な状況になっています。  知事にお伺いしますけども、知事は健康しがということを強調されていますが、県が設置している大学で、このような労使協定違反の不健康な働き方がされていることは重大な問題だと思われます。今年度の一歩踏み込んだ行財政改革で、県立大学の電気料金の契約変更で1,500万円の運営費交付金が削減できたというふうに挙げられていますけども、この異常に低い大学運営費交付金を行革の削減対象に挙げること自体が、政治姿勢が問われる問題だと思います。全国の公立大学並みに運営費交付金を抜本的に引き上げるべきではないでしょうか、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  県では、限られた財源の中で、滋賀県立大学の特色ある教育研究に支障が生じることがないよう、運営費交付金を交付しており、基準財政需要額に算定されている額と乖離はありますものの、運営費交付金とは別途、大規模な施設整備については施設整備費補助金を交付するなど、必要に応じた支援を行っているところです。  滋賀県立大学も開学以来20年以上経過する中で、今後、施設の老朽化対策にも取り組んでいく必要があると考えております。こうしたことも含め、滋賀県立大学がこれまでの教育研究の成果を生かしつつ、地域に貢献できる人材の育成や地域課題の解決に向けた研究に取り組むことができるよう、大学側と議論しながら必要な検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)大規模改修とか、そういう施設の改修については、運営費交付金とは別枠でどこの県も措置しているというふうに思われます。今、検討していきたいと言われたのは、運営費交付金について増額をする検討をするのかどうかということについて、もう一度お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) あらゆることを検討したいと思っています。滋賀県立大学の果たすべき役割がございますし、また、運営費交付金をどのように取り扱うのかということもございますし、長い目で見て施設の老朽化対策にどう取り組むのかということでありますとか、さまざまな形で県立大学と地域との連携協働といったこともございますので、さまざまな観点から必要な検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)県立大学について、文句ばっかつけてるようですので、評価したいところもあると思います。今年度の学生の授業料の減免について、大幅な改善が図られたというふうに聞きますが、どのような前進があったのか、減免比率がどのようになったのかとあわせて答弁を求めます。 ○副議長(生田邦夫) どなたにでしょう。
    ◆12番(杉本敏隆議員) 指定しない場合は総務部長にお願いします。 ○副議長(生田邦夫) ああ、ごめんなさい、すんません。 ◎総務部長(藤本武司) お答えをいたします。  今年度からは、これまで以上に多くの学生に対して減免ができるよう、所得基準を生活保護受給世帯所得の1.5倍から国立大学と同程度の1.8倍まで緩和をし、かつ、成績区分ごとの減免割合をおおむね25%程度ずつ引き上げたところであります。これによりまして、今年度の前期におきましては、昨年度の前期と比べて20人以上申請者がふえ、減免比率も昨年度の2.73から3.71となる見込みであります。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)20人以上減免を受けることができるようになったという点では、大きな成果だというふうに思います。ただ、授業料の減免率については、全国の公立大学平均で大体4.2%、それが国立大学では12.4%というふうにまだまだ乖離がありますので、引き続き、滋賀県立大学が経済的に大変な学生でもしっかり学べるような授業料の減免制度を拡充していただきたいということを要望して、この問題の質問を終わります。  次に、残土条例について質問をいたします。全て知事に答弁をお願いします。  長浜市鳥羽上町切畑地区の山林に、2015年9月から大量の建設残土が投棄され、これが2016年10月に大崩壊し、下部の山林を埋め尽くし、数百本の杉の木を壊し、その後の大雨で崩壊した土砂が川にも流れ込みました。被害を受けた山林所有者6名は、長浜簡易裁判所に調停を申し立てましたが、加害者がまともな回答をしないため、本訴の準備を進めていると聞きます。この事案について、県は、いつ調査をし、どのような現状把握を行っているのか、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  ことしの3月5日に地元自治会から依頼があり、同月8日、その3日後に環境事務所職員が現地調査を実施したということでございます。現地は、推定で約3,000平方メートルの土地に大量の土砂が積み上げられており、その一部が隣地に崩落した状態になっているということでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)私も現地を視察しましたが、隣接する風致地区に流出しているものも含め、大量の建設残土が広範囲に堆積しており、土砂の中に一部産業廃棄物が混入していることを確認しています。このような事案について、どのような行政指導、措置が図れるのか、答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘のとおり、この土砂の中には、少量と聞いてますが、少量ではあるが、コンクリートがらが混入していることを環境事務所の職員が確認をしているということでございます。土砂自体は廃棄物には当たりませんが、コンクリートがらにつきましては適正に処理していく必要がありますことから、改めて現地を確認し、必要な対応を講じてまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)本来なら、こういう土砂が大量に積まれて、それが大崩落して、それに対して毅然ときちんと行政指導ができるということが本来だと思うんですけども、この風致地区条例に関連して何か対応できるかというと、なかなかそれは難しいと。それから、土砂の中にまじっているのが、コンクリートがらなど、ごくわずかの廃棄物だというふうな問題があって、迅速にきちんと対応しないという状況になっております。  先日も、京都府の伏見区で、不法投棄の土砂が崩れて、ため池を覆い尽くし、住宅街に10メートルまで迫ってきたというふうな話が報道されておりましたけども、抜本的にこの土砂の投棄、盛土、こういうことについて規制することが必要になっているということを専門家も指摘をされております。  茨城県では、土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例というのをつくって、それについて、制定経過について次のように説明しています。「これまで残土については法令による規制がなく、残土と称して廃棄物を不法に投棄する事例が見受けられるようになったことから、平成3年に、県において、条例基準を提示し、市町村に対し制定を指導した結果、現在、全ての市町村が条例を制定しています。しかしながら、大規模な残土処理計画への対応については、残土の発生場所が茨城県外の複数県にまたがる事案が多いことや、土砂の崩落や流出などの安全対策が必要となるため、平成15年10月に県条例を制定し、平成16年4月1日より必要な規制を行うことになりました。県条例、市条例ともに内容はほぼ同様になっています」という説明をしています。  このように、条例で、一定規模以上の土地の埋め立て等について許可制にする、あるいは、土砂の特定と土壌基準、安全基準、定期的な検査、立入調査権、市町村との連携協力、罰則等を条例で定めています。こうした条例によって、生活環境の保全、土砂災害の発生防止が図れると思いますが、滋賀県もこうした条例をつくるべきだと考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 県内では、既に大津市、野洲市、高島市、愛荘町において、条例による規制が行われております。こうした土砂等に関する問題は、地理的な条件でありますとか、土地利用上の条件等、それぞれ地域によって大きな差異が生じるのではないかと考えます。  県におきましても、平成27年度に各市町にヒアリングを行いましたところ、こうした問題事案がない市町がほとんどでございまして、また、県による条例制定が必要であるとされたところは、2市、2つの市のみでございました。  こうしたことから、これまでのように、必要と判断される市町において、それぞれ条例等により対応されることが望ましいものと考えており、現時点においては、県の条例は必要とは考えておりません。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)次に行きます。  農業と輸入自由化について、全て知事に答弁を求めます。  全国の統計で見ても、農業経営体は、2015年までの10年間に33%減少、経営耕地面積も6.7%減少し、そのテンポは早まっています。基幹的農業従事者は、2005年の205万人から2017年の151万人に減り、その42%が70歳以上です。食料自給率は先進諸国では最低水準の38%にまで低下しています。農業、農村の衰退は、食料の安定供給や国土と環境の保全という国民の生存条件にかかわる重大問題です。  我が党は、農業を国の基幹的生産部門に位置づけ、食料自給率の50%早期達成を国政の柱に据えて、多様な担い手支援、価格保障と所得補償、食料主権を守る貿易ルール確立、農村社会の維持に特別に力を入れることなどの政策を訴えています。  そこで、まず最初に、県政において農業をどのように位置づけておられるのか、現状認識とあわせて答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) まず、本県農業の現状についてでございますが、農林業センサスなどによりますと、2015年──平成27年までの10年間におきまして、1つ目、農業経営体数、こちらは38%の減少、経営耕地面積も2%減少となっております。  2つ目、基幹的農業従事者につきましては、約5割が70歳以上の方でございますが、新規就農者数は、従来30名程度であったものが、2009年──平成21年以降、毎年100名前後で推移いたしまして、うち7割から8割が40歳未満の青年層となっております。  3つ目、1経営体当たりの経営耕地面積は、2015年では2.22ヘクタールと、10年前に比べ56%増加しておりまして、経営規模の拡大が進んでいる状況だと存じます。  滋賀の農業は、安全で安心な食料を供給し、県民の皆様の健康を支えている基幹的な産業であることに加え、県土の保全や琵琶湖を初めとする滋賀の美しい自然や近江の文化、地域社会を守るといった多面的機能を持っており、本県の大変重要な産業であると認識しております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)そこで、TPP11および日欧EPAの影響について、JA滋賀中央会は、主要農畜産物の生産額が将来的に年間47億円減少すると試算しています。これに対して県は、TPP11および日欧EPAの県内農林水産物への影響は2.2億から4.4億円としています。これは余りにも楽観的な見通しと思いますが、その根拠について説明を求めます。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  この今お示しいただきました試算に当たりましては、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、体質強化対策や経営安定対策などが講じられることにより、国内生産量が維持されることなどを前提とした国の試算方法に基づいており、関税削減による価格低下の影響を算出したものでございます。  なお、JA滋賀中央会の試算におかれましては、対策が講じられる前の影響額として、生産物の価格下落の影響に加え、農業者の生産意欲の低下による国内生産量の減少も見込んでいると伺っているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)TPPについては、以前からここの場でいろいろ議論してきましたけれども、総じて輸入自由化という観点から見ると、1960年代に麦や大豆、それから飼料作物が全面的に自由化をされました。それから、1980年代に牛肉、かんきつ類が自由化されました。それから、1990年代に主食の米まで輸入に道が開かれました。そして、2000年代に入ってからは、中国などから大量の安い野菜が入ってきまして、結果として食料自給率が38%にまで落ちているというのが今日の実態だというふうに思います。  TPPにつきましては、その本質は、各国の経済主権、食料主権を侵害し、国民の暮らしや権利を犠牲にして、多国籍企業の利益を最大化するところにあるというふうに今までから指摘をしてきました。TPP11につきましても、元協定の一部を凍結したとはいえ、日本農業に重大な打撃をもたらす内容に変わりはありません。それどころか、今後、アメリカからの市場開放圧力が加わり、TPP以上の影響を受ける危険性があります。日欧EPAでも、日本は乳製品でTPP以上の譲歩を行っています。  政府は、TPPで我が国農林水産物の輸出拡大のチャンスが広がると言いますが、一部の産地や経営でそれが可能であっても、それと引きかえに大量の外国産が流入し、国内需要が奪われることは、ここ数年の経過を見ても明らかです。政府は、2017年の農産物輸出額が5年連続で増加し、過去最高になったと宣伝していますが、確かに輸出額4,968億円は前年より37億円上回っています。しかし、輸入額6兆4,500億円は、その15倍の600億円も増加をしています。このように際限のない自由化を促進する安倍政治では、我が国農業の存立基盤が決定的に狭められる、それと同時に、国民の食の安全がますます危機にさらされるというふうに思いますが、このことについて知事の所見をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 国においては、米、牛肉などの重要5品目を中心に、国家貿易制度の維持、また、輸入急増時に関税を引き上げるセーフガードなど、関税撤廃の例外をしっかり確保したとされ、輸入農産物による影響がなるべく出ないような措置がなされたと聞いております。さらに、総合的なTPP関連政策大綱に基づく対策を講ずることにより、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されることが見込まれています。  県といたしましては、国の総合的なTPP等関連政策大綱による諸対策を活用しつつ、滋賀県農業・水産業基本計画に基づきまして、例えば、農畜水産物の輸出促進や競争力のある担い手の確保、育成、近江牛の生産基盤強化など体質強化のためのいわゆる攻めの対策と、2つ目、農地の維持保全や経営安定対策など、生産者が将来にわたって経営に取り組むためのいわゆる守りの対策を、より強力に、かつスピード感を持って進め、本県農業をしっかり守っていきたいと存じます。  また、食の安全につきましては、TPP協定により、個別の食品安全基準の緩和でありますとか現行制度の変更を要求されるものではないと承知をしております。国におきましては、検疫所にて輸入時に遺伝子組み換え食品や輸入肉の成長ホルモン剤等についての検査および監視指導を実施しており、その検査体制が強化されたところと承知をしております。本県においても、輸入食品の検査や監視指導を着実に実施いたしまして、その安全確保にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)余りにも国の言うとおり真に受けて、国の言いなりの農政では、私は滋賀の農政は守れないというふうに思います。  きょうもきのうも話題になっていますSDGsの話ですけども、この開発目標の一つに、飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進することが目標の一つに挙げられています。県が目指す世界農業遺産登録を指定する国連食糧農業機関は、2014年を国際家族農業年に設定しました。そして、これに続いて、昨年の暮れに、2019年から28年を家族農業の10年と設定し、各国に小規模・家族農業の重要な役割を認識し、支援することを呼びかけました。これは、国連を含む国際機関の多くが、人類の食料問題の解決は、農業・農産物貿易の拡大や大規模化と効率化、大手資本との連携などが近道だとして、各国の農業の多様性や家族農業の重要性を事実上否定してきました。しかし、その路線が、21世紀に入り、飢餓や貧困をむしろ悪化させてきた現実を踏まえたものであります。こうした食料主権の確立や家族農業を守る、こういう世界の流れをしっかり見据えて、安倍政権が進めるような際限のない農産物の自由化では農政は守れないというふうに思います。  今、全国では、滋賀県でも100人ずつ毎年新規就農者はふえているというお話がありましたけども、田園回帰という流れが広がっています。あるいは、かみなかの農業楽舎とか、いろんな行政が指導して地域の農業おこしを図られています。そういう地域の農業の再生実践にしっかりと踏み出していくと、そのためには、こういう際限のない貿易の自由化は歯どめをかけるべきだということが必要であるというふうに私は思うんですけども、最後に知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 私は、今議員がおっしゃった、そういった地域として、また、家族として農業を大切にしていこうというその流れそのものを否定するものではございません。同時に、世界とのつながりの中で、世界との通商貿易の中で、それぞれつくった産物を交易していく、そのことによって経済を豊かにしていくという、この両面で、ある意味ではバランスをとりながら、その地域地域、取り組みを進めていくということだと思いますので、今回の国の通商交渉の中でも、そういったことも勘案しながら、こういった合意に至っているのではないかと推測いたしますし、県は県として、県の強みであるこういった自然豊かな環境の中で食べるもの等をつくる力、こういったものを、新規就農者も入れながら、ある意味では経済政策として、ある意味では地域政策として、その両輪で持続的に発展させることができるよう取り組みをしっかりと行っていきたいと思います。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)最後に、アユと水産資源維持保全事業についてお尋ねをいたします。  実は、きのう話に出ました2001年の第9回世界湖沼会議、これ、私、漁師の代表としてパワーポイントを使って発表しました。そこで取り上げた一つの話題は、琵琶湖総合開発以降、産卵場所がなくなったり、外来魚が繁殖したりして、湖辺で産卵するニゴロブナやホンモロコは激減しました。しかし、アユは川に遡上して産卵、ふ化するため、その影響を免れてきたと、それで、琵琶湖の大半の漁師がアユ漁に頼り、漁獲高の5割以上がアユを占めていると、こういう報告をしたんですけれども、これまでアユの産卵時期に、琵琶湖に流入する河川に適度な水量があれば、翌年のアユ資源は維持されるというのが通念でした。しかし、近年の状況を見ると、この再生産のシステムに異常が生じているというふうに思われます。過去にも、産卵期前の湖中の親魚が異常に乏しかったり、9月の渇水で産卵が大きくおくれたりしたことがありましたが、今日のような事態は生じませんでした。アユの不漁原因の解明に今乗り出されていますが、個別の要因の解明は重要です。それとともに、さらに大局的な要因として、アユの再生産を不安定にしている琵琶湖の環境変化があるのではないかと推測されますが、この点について知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 私がお答えするより議員のほうがお詳しいと思いますが、平成24年の産卵激減、昨シーズンの記録的な不漁と、それに続く平年比2.6%という、これまでになく少ない産卵量など、近年のアユ資源は不安定となっております。  昨シーズンの不漁原因につきましては、アユのふ化が10月以降におくれるとともに、一時期に集中したことによって1尾当たりの餌が少なくなる密度効果などにより、著しく成長がおくれたためではないかと一定の絞り込みを行ったところでございます。  また、昨年の産卵激減につきましては、成長のおくれによって十分に成熟するアユが少なかったことと、体型が小さいために成熟したアユでも産卵する卵の数が少なかったことによるものだと推測しております。さらに、過去のデータを解析する中で、過去10年間でアユの体型がだんだん小さくなる傾向があることがわかりました。  一方、県の試験研究機関や行政機関で構成いたします琵琶湖環境研究推進機構におきまして、平成26年度から、在来魚介類のにぎわい復活に向け、餌環境について研究を進め、平成29年度からは、それをもとに微生物も含めた魚介類につながる物質循環に関する研究を進めています。  これら成果も取り入れながら、栄養や水質など琵琶湖の環境面を含む広い視点で、水産試験場と琵琶湖環境科学研究センターが連携し、国立環境研究所琵琶湖分室、国の水産研究機関の助言もいただきながら、不漁原因の検証を進めているところでございます。引き続き、各試験研究機関の総力を挙げてしっかりと調べてまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)過去にも、9月に全然雨が降らなくて、10月にやっと川に水が流れて大量に産卵したということが何度かありました。私も経験してるんですけども、それでも去年のような事態は生まれませんでした。やっぱりこの琵琶湖そのものが、アユそのものを育てる、生育するのに非常にしにくくなっているというふうなところがあるかというふうに思っております。そういう点で、ぜひもっと研究を深めて、アユの再生産がうまくいくような努力をお願いしたいと思います。  そこで、補正予算に計上されている人工河川へ放流するアユ親魚3トンの根拠についてお尋ねします。  当局の議案説明では、早生まれ、9月中にふ化したアユは、天然産卵に余り貢献せず、今、湖中にいるアユの77%が早生まれだから、今秋の天然河川からのふ化仔魚の流入が当初見込みよりも7.5億尾不足する、そのために追加親魚量3トンが必要というものでしたが、そういう理解でよろしいでしょうか、お尋ねします。 ◎知事(三日月大造) 今、私が答弁しようとしたことを全て御説明いただいたんですが、改めて少し付言してお答えいたしますと、昨年は天然産卵が少なかったことから、今シーズンのアユの資源量は平年の20%弱にとどまると推測されております。また、その多くが人工河川で9月にふ化したものでありますため、今シーズンのアユは77%が早生まれに偏っているということでございます。一方で、水産試験場による資源調査のデータを解析いたしましたところ、9月にふ化した早生まれのアユは、次の年の天然産卵への貢献度が低いということだそうでございます。  こうしたことから、当初予算で計上した通常8トンに加えて7トンを追加した人工河川の運用を行いましても、なお7.5億尾のアユのふ化仔魚が不足いたしますことから、今般、3トンのさらなる追加放流を行う必要があると判断し、提案をさせていただいているものでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)たしか去年、当初の8トンに加えて10トン追加して18トンと。この説明なんですけども、今、琵琶湖の中にいるアユが平年の4割くらいだと推測されるので、産卵が心配されるから、去年並みに、当初予算で15トン計上されてますので、あと3トンぐらい必要だというふうに提案されるのだったら文句も言わないんですけども、こういう数字で出されてくると、ちょっと待てよというふうに言わざるを得ません。  この積算には一つの矛盾があるというふうに思うんです。今、湖中にいるアユの群れが小群換算値で696群、平年の大体40%ぐらいというふうに言われているんですけども、その中の77%が9月生まれ、早生まれだから、だから、残りの23%しか天然産卵に寄与しないとということなんですけども、この77対23という比率は、現在のリアルタイムで出されたものではないんですよね。昨年の11月のまだアユが生まれて間もないときにヒウオ引きをして、それを分析して、耳石を解析して、77%が早生まれで23%が10月以降の生まれだと出されているんです。  ところが、ここに言われてるように、9月生まれのアユはほとんど産卵に寄与しない。それはなぜかというと、9月生まれは早く成長して大きくなるから、川に上がってやなでとられたり、早く漁獲されると、だから天然産卵には寄与しないんだということになると、9月生まれのアユは今の時点で当初の77%よりも比率が低いはずなんですよ。そこはちょっと矛盾だというふうに思いませんか。 ◎知事(三日月大造) すいません、ちょっとお聞きしているうちに、私も、わかるように努めておったんですが、ちょっと十分ついていけなくなってまいりましたので、答弁を部長に委任させていただいてもよろしゅうございますでしょうか。 ○副議長(生田邦夫) よろしいか。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  今の御指摘でございますが、もともと昨年秋の天然産卵につきましては、アユの産卵につきましては、天然産卵が平年の2.6と極めて少なく、その多くが人工河川からの放流に依存していた状況にあると思います。その資源量を当初予算を算定する際に見込んでおりましたのは、資源量は平年の20%であろうというふうに考えまして、この15トンの放流予算を組ませていただいたところでございます。  その後の調査で、9月生まれのアユが産卵に貢献しないという事実がわかってまいりました。昨年秋の産卵したアユにつきましては、先ほど申したように、人工河川からの放流がほとんどでありまして、つまり、昨年の生まれたアユについては9月生まれがほとんどで、天然産卵への貢献、この秋の産卵への貢献が少ないということがわかってまいりましたので、その事実を捉えまして、今回、3トンの追加の放流の予算を組ませていただいたということでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)(発言する者あり)いや、いいんですけど、じゃあ、今、この早生まれ、9月生まれと、9月以降、10月以降のアユの比率が23対77というのが出されてるんですけど、これはどっから出てきたんですか。 ◎知事(三日月大造) 答弁を農政水産部長に委任いたします。 ○副議長(生田邦夫) 部長、お願いします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  この77対23の調査は、議員御指摘の11月のヒウオ引きのデータをもとに算定したものでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)いや、だからね、早生まれが産卵に貢献しないのは、早生まれが早くにようけとられてしまうから、その産卵時期にいないということで、産卵に貢献しないというふうな結論になってくると思うんですよ。捕らえていったら、当然、遅生まれと早生まれの比率は、遅生まれの比率が上がってくるんですよ。それをまだ11月の時点で23対77を、今の6月の時点で23対77でいいのかという問題なんですよ。当然、遅生まれの比率が上がってるはずなんですよ、早生まれが先とられるから。だから、この試算にはそこに問題があるということで、まあ、ちょっと言いたかっただけで、その3トンの放流については別に否定しているわけじゃないんですよ。  問題なのは、このアユの異常事態に対して、資源調査の精度をもっと抜本的に上げることが求められてるんですけども、とりわけ特に重要なのは、耳石日輪計数ですね。1日たつと1つ耳石の輪がふえると。これを数えることによって、このアユはいつ幾日に生まれたというのがわかるんですよ。それをリアルタイムでつかんでこういう数字を出してくるんやったらわかるけど、8カ月前のデータで、そのまま琵琶湖のアユはこの比率でいるんだと言うから、そこに問題があって、で、6月の時点で、今琵琶湖にあるアユをとって、サンプルをとって全部耳石を調べたら、大体組成がわかるんですよ、いつ幾日生まれた比率がですね。それができない。それは何でできないかというと、先日、水産試験場へ委員会で視察に行ったときに、大体この数が多くなってくると、もう数えるのが大変で、1日に5匹ぐらいしか計測できないと。だから、リアルタイムにこの耳石の計数を、日輪の計数をすることができないというところに問題があると。じゃあ、どうすればいいかというと、この耳石を計測する機械をもっとふやして、20、30とふやして、そして職員体制をふやして、リアルタイムに琵琶湖にいる資源量や、琵琶湖のアユの生まれた日の比率、こういうのをわかるようにするということが非常に大事だと。  この耳石の日輪計数というのは、アユの生態の解明や、あるいは天然産卵の結果と予測、あるいは人工河川の親魚放流のあり方について、非常に決定的な意味を持つと思うんですよ。だから、この水産試験場の予算についても、行革の対象でいろいろ削られていると思うんですけども、こんだけアユの問題が深刻になってるんだったら、集中的にそこに予算を投入して、しっかりとこの試験研究を深めて、きちっとしたデータが出せるようにするということをやっていただきたいということを私は求めたいので今の問題を出してきたんですけども、どうですか、知事。 ◎知事(三日月大造) まず、昨年来のアユの不漁を受けまして、今、水産スタッフも挙げてこの原因解明に取り組んでおります。また、水産スタッフだけではなくて、環境の部門やさまざまな試験研究機関と協力しながら、どういったところに原因があり、どういう対策を講じていけばいいのかということを、今、集中的に研究調査しているところでございます。その中で、この耳石というものが大変重要であるということはそのとおりでございまして、できるだけ正確に把握していくことが極めて重要だということでございます。  ただ、議員も御案内のとおり、多数のアユの標本から大きさ2.5ミリ以下の耳石を取り出して、1日1本ずつできる日輪を読み取る必要があるということでございまして、このふ化してから150日以上成長したアユの耳石には一定の厚みがあって、1つずつ研磨して薄くしてから数を数えなければならないということで、もちろん機械は一定増量もしてきてるんですけども、人がふえれば、じゃ、機械的にすぐできるかというと、なかなかそういうものでもないということでございます。  限られた資源の中で、また、予算の中での取り組みになりますが、さまざまな工夫をしながら、これまでにも増して効率的かつ効果的に研究を進め、適時、施策や対策に反映をしてまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)佐野議員とまた力を合わせて琵琶湖魚の振興に頑張りたいと思います。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、12番杉本敏隆議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時41分 休憩    ────────────────   午後2時59分 開議 ○副議長(生田邦夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、2番周防清二議員の発言を許します。 ◆2番(周防清二議員) (登壇、拍手)議長の許可をいただきましたので、発言通告に従い、人口減少下における農振制度の運用について、全て農政水産部長に一問一答で質問させていただきます。初めての登壇でございますので、ふなれな点がありましても御容赦お願いしたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  滋賀県においても、平成26年から人口減少局面に入り、農村地域を中心に人口減少が見られるが、県の活力を維持するためにも、また、農村地域社会を維持するためにも、人口減少社会への対応は最重要課題と考えます。  知事は、山村の過疎化、人口減少について言及されておられますが、実は、もう既に平地の農村集落においても、若者の不在、過疎化が進行しており、私の目には同様に映っております。  子供の数が少ない農村集落がございます。その現状は、今は何とか維持できていても、次の世代では自治会組織すらままならないのではないかと危惧されます。農地を守る担い手においても同様で、集落営農や農業法人化ができている集落はまだしも、個人が担う集落では次の担い手が危ぶまれております。集団化され、大規模化された農地の引き受け手はあると思われますが、集落周辺の小規模、未整形の圃場は、今後、耕作放棄されることも予想されます。担い手である農業法人ですら、次の世代への引き継ぎに困るところも出かねません。  集落のつき合いが煩わしいとの意見もあり、自分たちで改革していかなければならない点は集落にもありますが、農村地域で人口を伸ばすことができない要因の一つとして農業振興地域制度があると考えており、少なくとも今後10年先を見れば、こうした外的要因は、その影響は少なくしておくべきとの思いで質問をさせていただきます。  昭和16年、戦時体制下の食糧難で、食料の確保が国の最重要課題となり、臨時農地等管理令が発布され、その後、農地調整法、昭和27年には農地法が制定され、昭和34年には農地転用許可基準が制定されて、農地の転用が抑止されてきました。昭和30年代後半からの高度経済成長による人口、産業の都市部への急速な集中に伴い、国土の総合的、計画的な利用の必要性が認識され、昭和43年、都市計画法、また、昭和44年には優良農地を主体とした農業地域を保全、形成し、農業施策を計画的、効果的に行うための長期的な計画制度として、農業振興地域の整備に関する法律、これが農振法でございますが、制定されました。  その後、農地価格の高騰や土地利用の競合、農村の著しい変貌、地方分権推進など、社会の情勢に応じて所要の改正が行われ、優良農地の確保とともに適正に農振除外、転用が許可されてきたと思っております。  ところが、一転、平成21年、農業振興地域制度の改正が行われ、農地転用規制が厳格化されました。これにより、地域の農業の振興を図ると考えられる施設のための申請も却下され、大混乱が生じました。  もともと滋賀県では琵琶湖総合開発とあわせて水田の基盤整備が進み、軒先まで農振農用地として指定されており、例えば、圃場整備区域外の集落外周道路の小さな水田でも農振農用地として残っており、原則除外は認められません。このため、たとえ農地として生産力が期待できない小さな土地だとしても、集落の維持に必要な施設、例えば地縁者住宅や小売店、診療所、集会施設などを建てることもできず、これが今後、農村離れを助長し、農村集落の活力の低下につながっております。特に滋賀県は、農振農用地を隅々まで指定していることもあり、他県に比べて農振農用地除外に関する運用が厳しく、支障が出ていると聞いております。  このままでは、将来的に農村集落が維持できず、農地を守っても、それを維持する者がいないという本末転倒な事態も予想されます。農振制度は県の裁量が大きいと考えており、県民を守るため、県土を守るために、現場で起きていることを直視し、市町に寄り添って制度を運用していただきたいと考えます。  それでは、質問に入りますが、まずは、平成21年の農業振興地域制度の改正に至る背景は何であったのか、その理由は滋賀県にも当てはまっていたのかも含めて答弁を願います。 ○副議長(生田邦夫) 2番周防清二議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) (登壇)お答えいたします。  平成21年の農業振興地域制度の改正におきましては、1つに、全国の農地面積がピーク時の約7割にまで減少したこと、2つ目に、世界の食料自給率が逼迫基調で推移すると見込まれ、国内の食料自給率の強化が喫緊の課題とされたこと、こういったことなどから、農地の確保を図る仕組みを充実させる必要性が出てきたことが背景とされております。  滋賀県の平成20年の農地面積は、ピーク時に当たる昭和42年の7万4,300ヘクタールに比べまして、約7割の5万3,800ヘクタールまで減少しておりまして、滋賀県におきましても、この改正の背景にある農地面積の減少は、全国と同様の状況にあったものと考えております。 ◆2番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。  今までちょっと聞いていた事情とは、きょうは報告というか、答弁いただかなかったので、ちょっとあれなんですけど、まあ、いずれにしても、そういう転用が非常に進んでいたというのは事実だと聞いております。  そういった形で、食料自給の意味合いで7割まで農地が減っていたということを、実は、当時、農水省に要望等も行きましたが、一切その話はされなかったので、今、改めてそういった形でお聞きさせていただいたわけですけど、農地法施行規則第4条の5第26号の2計画で対応してほしいの一点張りでありまして、理由としては、今の話がなかなか表に出てこなかったというふうに私は記憶しております。  釈迦に説法かもしれませんが、26号2計画について簡単に説明すると、市町に条例の制定が必要となり、そのもとで、除外希望に対して集落の合意形成が必要となりますが、実は、この合意形成が相当難しいと当時も含めて考えておりますし、今もそういうふうに聞いております。  加えて、26号の2計画を適用した集落は、27号計画、これは実は農家後継者住宅のための除外ですけど、これが適用できないとも聞いておりまして、非常に使いづらい制度だというふうに理解しております。
     県内でも条例を制定した市は幾つかあると聞いておりますが、実際の運用には至っていないというふうに聞いております。ですから、こういった運用の非常にやりにくい制度を、これを県として進めるべく主体的に動かれたというような事実はございますか、伺います。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  県といたしましては、農村の集落機能の維持向上を図るために、平成27年に策定しました人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の中の持続可能な県土づくりプロジェクトにおける主な施策としまして、議員御指摘の農業振興地域の整備に関する法律施行規則第4条の5第1項第26号の2の計画の策定に対する市町の支援を位置づけているところでございます。  この26号の2計画の活用を進めるために、計画策定の参考となるよう、制度の運用に関する考え方を取りまとめ、さまざまな機会を捉えまして市町に周知するとともに、具体的な計画の相談に対応しているところでございます。 ◆2番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。計画の支援をしたということでございますが、今も申し上げたとおり、その合意形成をつくること自体が非常に難しいということで、集落に入って、そういった、直接的な市町のほうがそういう支援をするんでしょうけど、なかなかその現場の状況というのは、合意というのは非常にやりにくいという状況だというふうに聞いておりますが、もちろん、この点について、そこまで市町と一緒に、集落まで一緒に行ったという、そこまで支援をしたかどうかをもう一度確認させていただきたいと思います。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えします。  この計画は、あくまで市町がこの規定に基づいてつくられる計画でございますので、県として市町と一緒に関係集落に入って御説明をということはないというふうに承知してます。 ◆2番(周防清二議員) (登壇)本当に実はそこが大変市町のほうも苦労しているところというふうに聞いておりまして、なかなか運用できていないというふうな、やるところまで至らないというふうに聞いております。そこで、この26号2計画について、もっと柔軟に運用する案が提案されたと聞いております。その案に沿った柔軟に運用する方向で、国とそのあたりを協議していただきたいと思うんですけども、そのことにつきまして、いかがでしょうか。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  26号の2の計画の運用に当たりましては、市の意向を十分に尊重しつつ、法の規定やガイドラインの解釈に関しましては、必要に応じて国にも確認しながら適切に対応してまいりたいと考えております。今議員御指摘のありました、今般、地元市の方から26号の2の運用につきまして、具体的な提案をいただいている状況でございます。この内容も踏まえまして国とも協議してまいりたいというふうに考えております。 ◆2番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。前向きなお話をいただきました。  今も少しお話いただいたようでございますが、実は、もう1つ、農業振興地域制度に関するガイドラインについても改めて確認させていただきたいんですが、平成12年に国から出されておりまして、この中で定義されている土地改良事業施行8年未経過の適用事業でございますが、現在はガイドラインに規定された時代と大きく社会情勢、農業の情勢が変わってきている状況と言えます。人口減少社会に突入して、耕作者の減少により農地維持が困難になる一方、老朽化した施設の整備手法としてストックマネジメント手法が定着し、半永久的に施設を整備し続ける時代となっております。国営、県営の事業が続くことで、常に8年未経過の土地が発生することになります。現行運用では農村地域における土地利用が硬直化していくということにもなり得ません。  8年未経過の適用事業については、県が地域の状況を踏まえて判断すべきと考えます。18年も経過し、ガイドラインに規定された時代と大きく変わってきている状況を踏まえて、今もお話いただきましたけど、ガイドラインの変更を求めて国と協議するおつもりでいただいているかと思いますが、もう一度答弁をお願いいたします。 ◎農政水産部長(高橋滝治郎) お答えいたします。  本県におきましては、土地改良事業等による基盤整備実施済みの農地が広範囲に存在する上、老朽化した土地改良施設の更新事業を実施しなければならないことから、長期にわたり非農業的な土地利用への転換が制限される状況にあることは、県としても認識をしているところでございます。  こうした本県の事情を踏まえまして、平成27年6月に、農林水産省に対しまして、市町が農村集落機能の維持向上のためのまちづくりに必要と考える土地について農振除外ができるよう、制度を見直す政策提案を実施をいたしました。しかしながら、これに対しまして、農地制度につきましては、平成27年6月の地方分権一括法の制定等によりまして、農地転用権限が国から県および大臣の指定する市町村に移譲されるなど、国と地方の間で一定の結論が出されたところであり、国としては既存の制度の枠内で対応すべきとの回答でありました。  こうした経過を踏まえますと、この制度の見直しに関する国との協議につきましては、現時点では困難であると考えておりますが、県といたしましては、個別の案件につきまして、現行制度の範囲内で市町の意向を尊重し、対応してまいりたいと考えております。  また、先ほど議員から御質問のありました26号の2の計画の策定等につきましても、適切に支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆2番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。今も後ろからもお話いただきましたけど、県が非常に重要な位置づけを今なってると思うんですよ。ですから、市町の後ろ支えというか、本当に市町の現場のことを考えていただくのであれば、やっぱり県が主体的にそこは判断をいただく、あるいは、まあまあ、もちろん国との協議も必要でしょうけど、そこは主体的に国と協議していただいて、何より本当にお願いしたいのは、やっぱり市町が作成するそういった農用地利用計画をぜひとも後ろから支えていただくという県の姿を見せていただきたいと思っておるところでございます。本当に昨日の答弁にありましたんですけども、現場に立ち向かう市町が活躍できる環境づくりをするのが県、広域行政体であるという答弁をきのうもいただいております。本当に市町と向き合い、要望をかなえるよう、精いっぱい努力していただきたいと願うばかりでございます。  もう1つ質問をする予定でしたけども、ここはやめておきます。  本当にこの案件に関しましては、私は、実はこの最初から、21年からずっとかかわっておりまして、今やっとここまで来たのかなという思いでございまして、ぜひとも、今のお話があったように、県が国と地方分権の関係で権限移譲されてるというふうに理解いたしますので、そういう意味では、県が主体的にやっていただけたらありがたいという思いでございます。そのことをお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、2番周防清二議員の質問を終了いたします。  最後に、9番塚本茂樹議員の発言を許します。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇、拍手)周防議員の質問、初めての質問ということで、私も3年前に初めて質問したときのことを思い出しました。初心忘るべからずということで気合いを入れて質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  去る7月16日、このたびの平成30年7月豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町へボランティアに行ってきました。当日は、早朝、岡山駅からJR伯備線で清音駅まで行き、そこから徒歩にて高梁川の川辺橋を渡り、被災地である真備地区に入りました。高梁川の堤防から被災地を見おろすと、あちらこちらに災害ごみが集積されており、被害の悲惨さが伝わってまいりました。  私がお手伝いをしたのは平屋建ての民家で、建物内にある被災した家具や畳などを軽トラに積んで、災害ごみの仮集積場まで運び出す作業で、もちろん、建物内の泥上げも大変な作業でした。平屋建ての民家の屋根には、どこから流れてきたかわからないドラム缶や一斗缶などがひっかかっていました。これは、屋根まで水位が上がったことを物語っています。災害ごみの仮集積場はどこもいっぱいで、搬出する軽トラなどで道は大渋滞、作業も思うように進みませんでした。猛暑の中での作業でもあり、できたことはわずかで、役に立ったかどうかはわかりません。  その日は、3連休の最終日で、真備地区には1,000人を超えるボランティアが入ったと聞きましたが、ボランティアとボランティアが入ってほしいと願っている被災者との間を調整する受援体制もやや混乱していたように感じました。  私の入ったお宅では、幸いにして人的被害はありませんでしたが、近くのお宅では、足の不自由なお年寄りが、家の2階にも避難できず、1階で水死したとのことでした。生まれ育った思い出の場で、一番の憩いの場であるはずの家の中で水死するということを、皆さん、想像できますでしょうか。  真備地区は、倉敷市が公表している洪水・土砂災害ハザードマップによると、100年降雨確率で浸水深は5メーター以上の浸水想定区域でした。1972年にも小田川が氾濫し、7,000棟以上が浸水するなど、過去にもたびたび水害が発生しています。今回も、洪水ハザードマップの浸水域とほぼ重なる浸水被害が発生したということになります。  また、時系列で検証してみますと、倉敷市は7月6日の金曜日午後10時に地区の全域に避難勧告を発表、10時40分に気象庁が倉敷市に大雨特別警報を発表、午後11時45分に小田川の南側、日にちが変わって7日の午前1時半に北側にそれぞれ避難指示を出しています。国交省は、その約4分後の午前1時34分ごろ、小田川との合流地点近くの高馬川で堤防の決壊を確認、午前6時52分ごろ、すぐ近くの小田川の堤防決壊も確認しています。避難勧告から避難指示までの間に適切な避難行動がとられておれば、命を守れた可能性は大きかったと思います。何か命を守る手だてができなかったのか、悔しい思いでいっぱいです。  倉敷市真備地区で起きた浸水被害については、バックウオーター現象が起き、水位が上昇した小田川の堤防が決壊した可能性があると言われております。これを受け、三日月知事は、今後、台風シーズンを迎えることもあり、県内の河川合流地点でも同様の現象が起こる可能性も想定し、対応をとるよう指示したとのことですが、まず、バックウオーター現象とは何か、知事にお伺いします。 ○副議長(生田邦夫) 9番塚本茂樹議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  バックウオーター現象とは、河川の合流地点において、本川水位が高くなったときに、支川の流れが阻害され、水位が高くなる現象であり、河川の合流地点で起こる現象であると認識しております。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)バックウオーター現象は、本県の地先の安全度マップでも表現できています。その対策は、流域治水条例制定時にしっかりと議論していたというふうに先輩議員にも聞いております。また、バックウオーター対策は、国よりも先に既に取り組んできており、具体的には、バックウオーターを考慮して、身近な水路の氾濫をも表現した地先の安全度マップの作成、公表、河川改修や堤防強化の推進、また、避難体制の充実、さらには土地利用規制や建築規制の制度化とその運用などでございます。  そこで、改めて、これまでの本県におけるバックウオーター対策の具体的な取り組みについて、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 本県では、合流地点の本川水位を低下させるハード対策として、日野川などの河川改修や、しゅんせつ、伐採による河川の流下能力を向上させる取り組みを実施しております。また、支川におきましても、水位上昇による決壊が予見される堤防の強化に取り組んでおります。  あわせて、ソフト対策では、滋賀の流域治水として、地先の安全度マップによる浸水リスクの周知、共有や、地域の特性に応じた避難計画の策定などの「そなえる」対策と、適正な土地利用や安全な住まい方への転換を図る「とどめる」対策を進めているところでございます。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)その知事の会見のときに、流域政策局は、国の対応などを注視しながら、今後、被害防止のため必要な対策をとりたいとおっしゃっておりますが、国の具体的な新たな取り組みとして現段階で参考になるものはあるのか、土木交通部長にお伺いします。 ◎土木交通部長(川浦雅彦) (登壇)お答えします。  今回の7月豪雨を受けて、国においては、小田川の堤防決壊の調査委員会を設置され、堤防決壊の原因調査や復旧方法などを検討されていると聞いておるところでございます。さらに、国と倉敷市が合同で、今回の豪雨による避難情報の周知状況や避難体制について検証する予定であります。  本県の参考とできるか、こういった検討や検証の結果を今後注視してまいりたいと考えておるところでございます。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)現段階では、まだ国のほうからの新しい取り組みとかいうのはないということでございますけれども、またそれぞれ検証が進んで、また対策等出てきたら、また報告のほう、よろしくお願いをいたします。  次に行きます。  次に、平成30年7月豪雨での甚大な被害の中、住民の結束力と防災のノウハウの共有化で一人の犠牲も出さなかった地域があります。愛媛県大洲市三善地区です。この三善地区は、肱川を挟む田園地帯に4つの集落がある地域で、区内を流れる一級河川の肱川は、今回の豪雨により氾濫しました。同地区では、7月7日土曜日午前には避難勧告が発令され、約60人の住民が災害発生時の避難所となっていた公民館へ避難しました。その公民館までもが浸水しそうになったため、住民はすぐに高台となっている四国電力の変電所施設へ避難し、難を逃れたそうです。  では、なぜ一人の犠牲者も出すことなく住民全員が難を逃れることができたのか。三善地区の住民たちが組織する三善地区自主防災組織の本部長の話によると、三善地区は、地形的に見ても、肱川や山に囲まれていて、特に肱川は洪水など水の災害がよくあったものですから、住民には水に対する危機意識があったとのこと。また、内閣府の「災害・避難カード」モデル事業に選ばれて、ワークショップとか作業部会をつくり、みんなで寄り集まって、危険な箇所とか、どこに逃げ込むとか、意識を高めるための会を持つことができ、具体的な災害対策を進めることができたことを挙げています。  具体的には、2枚のカードを作成しています。  まず、1枚目のカード、「わたしの避難行動」というカードには、三善地区の地図上に浸水想定区域や土砂災害特別警戒区域などが詳細に記されており、指定避難場所が目立つように大きな赤字で強調されて、さらに、具体的な避難場所や災害時に気にかける人などを住民それぞれの事情に応じて書き込めるようになっています。「わたしの避難行動」の表裏両面には、災害発生時における川の水位や雨量の情報、土砂災害の危険度などを知るための方法が詳細に記されています。この「わたしの避難行動」は、A3用紙1枚だけで、両面に災害に備えるための情報や災害発生時に必要となる情報がしっかりと載せられており、その地区によって、どこに避難するのか、土石流だとか水害だとか、どういう災害が想定されているのか、その危険の要因によって避難する場所を考えるとか、本人が避難するのは、どの段階でどこに避難するのか、こうした情報をあらかじめ書いて、例えばこれを冷蔵庫などに張っておくそうです。  また、もう一枚のカードは、「わたしの情報」というカードです。このカードは、手のひらにおさまる程度のサイズのカードで、三善西区では、災害発生に伴い、避難をする際には、このカードを持って避難所に行くよう呼びかけられています。「わたしの情報」には、名前や性別、血液型に住所など、持ち主の個人情報を記入できるようになっており、留意事項として、持病や服用している薬を書くように促しています。避難生活をしなければならなくなったときを想定しています。  今回の水害では、三善地区の有線放送で、このカードをつけて避難するように呼びかけたとのことです。地元住民から成る三善地区自主防災組織は、「わたしの避難行動」と「わたしの情報」の2枚のカードを作成し、災害に備えて、カードの重要性を住民に説明し、こうしたことが日ごろから行われていたからこそ、一人の犠牲も出さずに済んだということです。本県の流域治水でいう4つの対策の中の水害に「そなえる」対策が三善地区では実践できていたことになります。  そこで質問です。本県においては、流域治水の肝でもある、しっかりと地域の水害リスクを知ること、そして、洪水が起こったときにどうするかを住民とともに考えてきたと認識しています。本県でも重点50地区にて取り組みを進めていますが、三善地区のように「災害・避難カード」モデル事業のような取り組みをしているのかどうか、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) まさに本県においても、水害、土砂災害のリスク情報を共有し、住民みずからが避難行動を起こすための取り組みを進めてきたところでございます。  この中で、今御紹介いただきました内閣府の「災害・避難カード」モデル事業を参考にした「我が家の避難カード」の作成を、例えば甲賀市黄瀬地区など、浸水リスクの高い地区を中心に取り組みを進めているところでございます。地域住民の方が、避難行動に必要な避難場所等の情報や、避難生活に必要な個人の情報を記載したカードを活用することで、適切な避難行動につながると認識しており、継続的な運用が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)言うまでもなく、もう滋賀県では実施をされていたということで、浸水リスクの高い地域で行われているということで、重点50地区の中でも、今、甲賀の黄瀬地区でしたっけ、やられておるということですけれども、広げていってほしいなというふうに思います。  浸水リスクの高いということで、滋賀県流域治水の推進に関する条例第13条に基づく浸水警戒区域の指定について、現在の進捗状況を知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  地先の安全度マップにより、200年確率で浸水深が3メートル以上となる浸水リスクの高い地区、約50地区を対象に、「そなえる」対策とともに、浸水警戒区域の指定に向けた取り組みを進めていくこととしています。平成29年度末現在で34地区で取り組みを行っておりますが、このうち、米原市村居田地区を平成29年度6月に指定いたしましたほか、今紹介いたしました甲賀市黄瀬地区におきましては、浸水警戒区域案の縦覧等、指定に向けた手続を予定しているところでございます。このほか10地区で浸水警戒区域の案を作成し、一部の地区で区域案を住民の皆様に説明したところでございます。引き続き、地域住民の合意形成を図りながら、区域指定を進めていきたいと存じます。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)区域指定につきましては、スピード感を持ってちょっと取り組んでいただきたいなというふうに思います。  次の質問に入ります。  次に、災害ごみについて質問をします。  今回の真備町でのボランティアを経験して気になったのが、災害ごみの処理についてです。真備地区では、地区の27%に当たる約1,200ヘクタールが浸水し、約4,600世帯が被災しています。災害ごみの総量は7万から10万トンと推定されており、この量は倉敷市全体の1年分の家庭ごみに匹敵するそうです。  災害ごみの処理については、大量の災害廃棄物が生じた2011年3月の東日本大震災で問題となり、環境省は、2014年、想定する災害ごみの発生量や仮置き場候補地などを盛り込んだ災害廃棄物処理計画をつくるよう全国の自治体に求めましたが、全国の市区町村の計画策定率は昨年3月末現在で24%にとどまっています。倉敷市は計画を策定していたものの、仮置き場については具体的に定めていなかったとのことでございます。  本県においては、県が本年3月に滋賀県災害廃棄物処理計画を策定、市町では大津市のみが策定されておりますが、県内各市町が行っている災害ごみ仮置き場の選定状況と、それに対する県の今後の対応について知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 県内における仮置き場候補地の選定状況は、現在8つの市町で96カ所、約114ヘクタールとなっております。今回の平成30年7月豪雨による甚大な被害の状況を目の当たりにいたしまして、災害からの早期復旧・復興には、災害廃棄物の早期処理のための仮置き場候補地の選定は大変重要であると改めて認識したところです。  このため、県といたしましては、選定を行った市町の先進事例の共有化や、市町の要望を踏まえて県有地等に係る調整を行うなど、市町の選定が進むよう支援を行ってまいりたいと存じます。  あわせまして、県内市町の災害廃棄物処理計画の策定についても、モデル計画の提供、研修会や机上訓練の開催、各種関係情報の提供などを通じて支援を行ってまいりたいと存じます。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)災害ごみの処理については、災害の種類とか場所とかで、本当にどこを選定しておいて、災害が起こって、そのとおりにそこが仮置き場になるのかというのは、なかなか想像難しいと思うんですけれども、ちょうどボランティアに行ったときに、もう道路沿いにかなり真備地区内に積まれてまして、そこがいっぱいで、自衛隊の方が、近くの中学校、真備東中学校やったと思うんですけど、もうそっちに仮置き場を設けたから持っていってくれということで、渋滞を並んでたんですけれども、途中、警察の方が、総社市のほうに持っていったら早いよということを聞きまして、1回真備から離れて総社、10分ぐらいなんですけれども、そっちにごみを1回運びました。そこでは、広場のところに、可燃ごみ、不燃ごみ、大型ごみ、ガラスと、何か6つぐらいに山が分かれてて、軽トラでそこを持っていったら、ちょうどその各ブロックに10人ぐらい、赤色のベストを着たボランティアの方が、軽トラの後ろに積んである、例えば大型ごみやったら大型ごみだけをおろして、はい、次、ガラス系統はこっちでおろしてくださいということで、総社市では、もう仮置き場の、一時仮置き場所というんですかね、分別までできてたような状況を見ました。被害が、それは真備と比べたら大分少なかったので、そういう対応ができたのかどうかはわからないですけれども、多分、計画してて、そこの場所がそういう一時仮置き場の選定するという場所になっていたのが、そのままちゃんと計画どおりに進んでいたというふうに思いますので、また先進事例等を今回見て、各また市町の計画を作成する中で、また助言等お願いしたいというふうに思います。  それでは、最後の質問でございます。  避難指示、避難勧告の発令基準について質問します。  倉敷市は、7月6日金曜日の午後10時に地区全域に避難勧告を発表、11時45分に小田川の南側、日にちが変わった7日の午前1時半に北側にそれぞれ避難指示を出しています。  災害時の避難勧告、避難指示は、災害対策基本法第60条第1項に基づき、各自治体から発令されるもので、避難指示は避難勧告よりも強い呼びかけとなっていますが、情報を受ける側にしたら、避難の勧告と指示の厳密な相違はかなり難しいと思います。いずれも違反した場合の罰則はなく、また、従わない人への強制力がないという点では共通しています。  そこで、各自治体が発令する避難指示、避難勧告について、受け手の側に立った情報提供が必要であると考えますが、その発令基準について知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 今、御質問の中でおっしゃっていただいたように、避難勧告等の発令は、災害対策基本法に基づき、市町村長が行うものでございますが、その運用は、国が定めた避難勧告等に関するガイドラインに基づき行われております。  このガイドラインでは、高齢者等が避難を開始する段階であることを明確にするため、それまでの「避難準備情報」を「避難準備・高齢者等避難開始」に変更され、また、避難勧告と避難指示の差異、違いが明確となるように、「避難指示」を「避難指示(緊急)」に変更されたところでございます。  また、避難勧告等を受け取る立場に立った情報提供が重要でありますことから、避難勧告等を発令する際には、とるべき避難行動がわかるように伝達することとされました。例えば、「避難勧告」の際には、「速やかに避難を開始してください」、今先ほど紹介しました「避難指示(緊急)」の際には、「いまだに避難していない人は、緊急に避難してください」などと呼びかけることとしております。  情報を受ける側によりわかりやすく情報を伝えることは、みずからの命を守る自助の取り組みを進める上で大変重要でございます。  今後は、このガイドラインの趣旨を改めて周知徹底するとともに、住民一人一人がみずからの命はみずからが守るという意識を持ち、適切な避難行動をとることができるよう、自主防災組織の充実や防災意識の普及、避難訓練等の充実強化に市町と連携して取り組んでまいりたいと存じます。 ◆9番(塚本茂樹議員) (登壇)避難情報も、まず、何ですか、「避難準備」が「避難準備・高齢者等避難開始」という言葉に変わったみたいなんですけれども、なかなかその開始という意味がどの程度なのか、で、「避難指示」が「避難指示(緊急)」という言葉がついたということなんですけれども、いずれにしてもわかりにくいのかなというふうに思いますので、やっぱりはっきり、もう逃げてくださいとか、もう避難してくださいとかいう言葉をやっぱり入れていく必要があるのかなということを思います。  それと、この避難情報と、もう1つ、気象庁から発令される防災気象情報というこの2つの情報があって、今回、大雨特別警報ということで、これは2013年度に制度化されて、今回で10回目の発表ということで、気象庁は、いわゆるこの大雨特別警報がもう最後通告やというふうに言っとるぐらいで、ただ、その状況の中でも、やはり自治体やその住民には切迫感というのが伝わってなかったのかなというふうに思います。  この甚大な被害を受けて、菅官房長官が会見で、ここ数年、従来と桁外れの豪雨被害が繰り返し発生していると、で、防災気象情報と避難情報の連携を含めてしっかり検証する必要があるというふうにおっしゃっておりますので、どうかその辺の検証も県の方でもしっかりとしていただきたいというふうに思います。  今回、私も出身が倉敷ということで、いても立ってもいられず、3連休の最後なんですけれども、猛暑の中、ボランティアに行ってきました。それにつき合ってくれた仲間もいるんで、本当にどうもありがとうございました。  倉敷市真備地区での今回堤防決壊により命を落とした皆様のことを思うとき、何としても、河川内の整備にプラスして、住民が暮らす流域管理というものを本格的に進めていく必要を一層感じています。  本県としては、地先の安全度マップを開示し、「ながす」、「ためる」、「とどめる」、「そなえる」という重層的な政策を練り上げ、どのような洪水でも人の命を守り、床上浸水など生活再建が難しくなる被害を避けることを目的に条例が策定されています。また、国でも、水防災意識社会の再構築ビジョンを2015年12月に公表し、水防法の改正などを行い、施設の能力には限界があり、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものとの認識から、逃げおくれゼロと社会経済被害の最小化を実現しようとしています。  地球温暖化の影響による水害多発時代において、人々が歴史的に積み上げてきた自然観に根差した命を守る仕組みを学び、現代に生かしながら、日本の未来世代の命の安全、安心を見据えた水害対策が重要であると思います。知事には、滋賀の流域治水の取り組みを全国にPRしていただくことと、先頭に立って滋賀の流域治水の施策のさらなる推進をお願いいたしまして質問を終わります。(拍手) ○副議長(生田邦夫) 以上で、9番塚本茂樹議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明8月1日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時52分 散会    ────────────────...