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平成29年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月20日-02号

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  1. 滋賀県議会 2017-02-20
    平成29年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月20日-02号


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    平成29年 2月定例会議(第23号〜第31号)−02月20日-02号平成29年 2月定例会議(第23号〜第31号)                平成29年2月定例会議会議録(第24号)                                       平成29年2月20日(月曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成29年2月20日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第39号まで(平成29年度滋賀県一般会計予算ほか38件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(43名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       10番   下  村     勳
       11番   藤  井  三 恵 子       12番   杉  本  敏  隆    13番   節  木  三 千 代       14番   駒  井  千  代    15番   山  本     正       16番   大  橋  通  伸    17番   冨  波  義  明       18番   井  阪  尚  司    19番   木  沢  成  人       20番   中  村  才 次 郎    21番   有  村  國  俊       22番   大  野  和 三 郎    23番   岩  佐  弘  明       24番   山  本  進  一    25番   富  田  博  明       26番   細  江  正  人    27番   高  木  健  三       28番   生  田  邦  夫    29番   川  島  隆  二       30番   小  寺  裕  雄    31番   奥  村  芳  正       32番   野  田  藤  雄    33番   西  村  久  子       34番   佐  野  高  典    35番   家  森  茂  樹       36番   吉  田  清  一    37番   粉  川  清  美       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長        益  川  教  雄               公安委員会委員長        小  林     徹               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             池  永  肇  恵               総合政策部長          宮  川  正  和               総務部長            日  爪  泰  則               県民生活部長          拾  井  泰  彦               琵琶湖環境部長         村  上  浩  世               健康医療福祉部長        藤  本  武  司               商工観光労働部長        福  永  忠  克               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          桑  山  勝  則               会計管理者           大  谷  雅  代               企業庁長            高  砂  利  夫               病院事業庁長          笹  田  昌  孝               警察本部長           渡  邊  国  佳            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            丸  尾     勉               議事課長            入  江  建  幸               議事課課長補佐         吉  田     亮            ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(野田藤雄) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第39号まで(平成29年度滋賀県一般会計予算ほか38件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(野田藤雄) 日程第1、議第1号から議第39号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、26番細江正人議員の発言を許します。 ◆26番(細江正人議員) (登壇、拍手)おはようございます。自由民主党滋賀県議会議員団の細江正人でございます。会派を代表して、知事、教育長、警察本部長に質問させていただきます。  アメリカ大統領選でのトランプさんの過激な発言やツイートなどから、皆が心配しておりました日米首脳会談の成果では、安倍首相の株が一層上がったと言えるのではないでしょうか。その会談直後、北朝鮮で艦載用ミサイルの発射という蛮行が行われました。このようなことからも、平和を願い、ただ平和を信じているだけでは、ゆでガエルの例えに等しいとみんなが認識しなければなりません。  ことしの雪は、県下におきましても地域により大きな影響を与えました。私事で恐縮でございますが、彦根から長靴をはいて、やっとの思いで出勤してきても、県庁で見上げる青空からは、1時間前の豪雪は想像もつきません。県内のこの気候の違いのように、地域エゴなど、県政へのあるべき姿への思いにそごが生じないように願うものであります。  それでは、指名させていただくまで、知事にお尋ねいたします。  最初に、滋賀県ブランドについてお尋ねします。  本県においては、農産、水産、観光などあらゆる側面からの商品価値を高め、ブランドとして全国に、また世界に発信しようと、さまざまな取り組みがなされています。私は、ブランドというものは、売り手側が幾らブランドとして売り込もうとしても、買い手側にその認識がなければブランドとは言えず、単なる自己満足にしかならないということを改めて申し上げたいと思います。  そこで、まず、ブランドとは何か。あわせて、本県が考えるブランド推進とは何か。わかりやすく説明してください。  現に、ビワイチは自転車での周遊がその名のとおり、少なからず認識されてきました。そして、今では県内市町も積極的に事業展開を考え、知事もみずから自転車に乗られるなど、その取り組みはまさしくビワイチブランドとして全国に知れ渡ってきました。  こうした中、本県では首都圏における情報発信の拠点として、日本橋に施設整備をすることを計画されています。これまでからもさまざまな議論がありましたが、この拠点整備については、建物を借り受ける賃料、また整備にかかる費用、そして運営するための経費など、相当の費用を必要とします。この費用対効果について、どのような算定をされているのか、まずお伺いします。  次に、この拠点が滋賀のブランド推進にどのような役割を果たすのか、また、具体的にどのような成果が上がるのか、お伺いします。  既に運営事業者が決定し、オープンに向けて着々と準備が進められておりますが、その中で大きな役割を果たすのが施設名称であります。先般、県において、公募に応募された201件の名称の好感度調査を行われました。これは、調査を実施した期間、また採用したSNSの使い方などに対するさまざまな指摘もあるようですが、結果として、投票総数が160件と聞いております。応募された人すら投票していない。このような結果では、県の取り組みとして大変お粗末としか言いようがありません。この数が首都圏情報発信拠点への県民の関心のバロメーターであるとするなら、大きな問題ではないでしょうか。このことも踏まえ、滋賀のブランド推進について、知事として、この拠点整備事業をどのように推し進め、どのような成果を約束されるのか、改めてその覚悟をお伺いします。  次に、新年度における行政経営についてお尋ねします。  総額で前年比1.9%減となる新年度一般会計予算案が提案されました。またもや知事の言葉、口癖かもしれませんが、「一緒にやりましょう」というフレーズが聞こえてきそうです。平成29年度予算編成における財政状況の認識について、知事は、「一般財源総額の伸びが期待できない中、社会保障関係費などの義務的経費の増加や国体開催に向けた施設整備を初めとする大規模事業、公共施設等の老朽化対策などの財政需要に対応していくこととなり、歳入歳出両面から将来を見据えた財政運営を行っていく必要がある」とされていました。  まず、提案された平成29年度予算案では、認識にある将来を見据えた財政運営に対してどういったところに配慮されたのでしょうか。具体例をもってお示しください。  また、予算編成においては、平成29年度は県政経営の基本として策定された滋賀県行政経営方針の具体的な成果が求められる重要な年度とされていました。したがいまして、当然、新年度ではとりわけ県庁組織みずからの経営的取り組みの積極姿勢が問われることになろうと思います。経営方針の位置づけにあるように、これまでの行財政改革だけでなく、経営的な視点で取り組むということを踏まえ、以下お伺いします。  経営方針「質の高い行政サービスの提供」の推進方策における職員の意識改革に向けた取り組みを推進する具体策として、一緒にやりましょうプロジェクトの実施というのがあり、今回の予算公表時にも104の事業を示されていました。  具体的な取り組みを見ますと、出前講座や公開講座であったり、イベントや施設見学への参加促進などのようで、特別の予算を伴うことはなく、県民との対話で行政課題の解決につなげるものとされています。  ただ、県民からいえば、本来、一緒にやりましょうというのは、例えば、防災対策における自助、共助、公助のこの3つの助が一緒になって解決につながるというようなイメージではないでしょうか。すなわち、公助となるところ、つまり行政が責任を持って行うところを明確にして、それを県民が納得して自主的に参加できてこそ、一緒にやりましょうと言えるのではないかと思います。  予算を伴わないということは、公開講座やイベントへの参加を呼びかけるということしかないと思いますし、決して否定するものではありませんが、経営方針の副題にある「対話と共感、協働で築く県民主役の県政」からすれば、本来、施策構築の段階から県民参加によって生まれた事業が本来の姿のように思いますが、改めて、知事の「一緒にやりましょう」ということについて、意図するところを明確にお示しください。  今、国会中です。1月20日、第193通常国会が招集されました。天皇陛下の御譲位に関する法整備などが注目される中、働き方改革も焦点の一つとなっています。  安倍首相は3日の衆議院予算委員会で、政府が進める働き方改革に関し、長時間行われる委員会などにかかわる公務員の働き方改革と国会改革の必要性を強調されました。これは、民進党の政調会長が公務員の長時間労働を問題視したのに対し、首相が、「ときには質問を夜中の12時近くにいただくと深夜勤務になる。こういうことをお互い協力し合うことも大切だ」と述べたものです。  当県議会では、発言通告の締め切り日を厳守し円滑な議会運営に心がけているところでありますが、昨年、2つの土木事務所で違法な時間外労働が行われていたとして労働基準監督署から是正勧告を受けましたし、労働基準局の調査では、職員の出退勤の記録と実際に申告された時間が異なっていたことも明らかになっていたということです。このほか、13の出先機関で労使間の協定の上限を超える時間外労働があったとして、人事委員会から改善の指導もされたとのことであります。  今までも、また今回のように、職員の長時間労働という大きな問題こそ、行政経営として具体的な成果が求められるのではないでしょうか。  2月7日の定例会見で、長時間労働対策として、定時退庁日は午後6時、それ以外の日は午後8時に一斉消灯をするとのことです。もちろんすぐ手を打つことが求められますが、その前に明らかにすべきは、特定の職員に長時間労働がなぜ集中するのか、その原因です。  県行政経営方針に示した業務マネジメントの取り組みの一つである作業等の省力化、仕事の進め方の改善、時間外勤務の縮減とありますが、今回の長時間労働に至った原因と、その29年度の成果として目指す具体的な目標をお伺いします。  また、この中に、朝礼、終礼による時間管理に取り組むとありますが、朝礼、終礼の実施状況と、その効果、改善点があれば、あわせてお願いいたします。  関西広域連合の一員でもある徳島県の例ですが、早くから事務の効率化、職員の働き方改革等の取り組みがなされています。その一例として、既に平成21年度から出勤簿システムを導入し、出退管理はもちろん、休暇管理、そして今、大きな課題の超過勤務に対する管理も備えたものとなっています。  本県の行政経営方針業務マネジメントでは、最少の経費で最大の効果を上げるためにICT活用ということも述べています。行政サービスへのICT活用だけでなく、まさに人事管理面でもシステム導入で職員の健康上も課題となる長時間労働の抑止とともに、時間外勤務予算の削減という効果も望めるのではないでしょうか。  さきの議会では出退管理のあり方が問われましたが、行政経営上の業務マネジメント的観点、また職員の働き方改革の視点から、職員の時間管理の方針と出退等のシステム導入の考え方をお伺いします。  行政経営の財務マネジメントに関してお尋ねします。  人口減少、超高齢社会にあっては、税収減と扶助費の継続的増大が大きな課題であることは言うまでもありません。加えて、既存の公共施設の維持管理費用の増大もかねてから課題となっているところです。これら中長期的に必然的に必要となる経費と合わせて、国体関連施設整備などの当面する大型投資が今後の財政運営にどのような影響を与えるのか、しっかりとした財政管理が求められます。  国体関連施設整備の総額をどの程度と見込んでいるかなど、我々はたびたび今後の大型公共事業による財政見通しの提示を求めてまいりました。国体関連では、市町からは、市町への補助は絞っておきながら、県立整備は余りにも過大ではないのかとの声もあるようです。やはりしっかりとした見込み額、または限度額を提示するべきと考えます。  さらに、今回、県立体育館施設整備PFI方式で進めようとされています。また、県立学校への空調設備整備についてはリース方式でとのことであり、その後はPFI方式の導入も検討されているようにお伺いしています。PFI方式あるいはリース方式、いずれの場合も一時の整備費用を後年度負担で賄おうとするものであります。PFI方式による設備整備は、起債を財源とする場合とよく似ておりますが、起債の償還と比べて非常に短い期間での償還となります。  また、県立学校の空調設備のリースは、逆に今日までの事務機器やソフトウエアなどに比べて、非常に長期にわたるものとなっております。この空調設備整備が県立学校全てで整備されたときの見通しについては後ほど教育長への質問でお伺いすることになりますが、長期にわたって多額の財政支出を約束してしまうこととなるものと思われます。PFI、リース、いずれの場合も当然、債務負担行為がなされるわけでありますが、予算議決を求められている議会にすれば、例えば県立体育館であるとか県立学校3校であるとか、個々の債務負担は理解できても、今後、同様の方式の採用やその他施設への拡大など、5年先、10年先を見通した場合の予測ができません。  しかも、起債の場合は毎年度県債残高が公表されますが、設定された債務負担行為についてのその後の状況や、全般的県財政での債務負担行為の全体像は非常にわかりづらいものとなっており、財政状況が把握しづらくなるという側面もあります。  地方財政法第4条の2を持ち出すまでもありませんが、将来的な財政健全化のためにも、ここでいま一度、県が施設設備の整備を行う従来方式と、PFI方式リース方式について、ならびに起債と債務負担行為について、その御認識をお伺いします。  県の推進方策にも、財政運営上の数値目標の設定とあります。県民に財政健全化に向けた取り組みの成果が見えるよう、財政運営上の数値目標を設定することとされていますが、国体を迎える平成36年度までの財政見通し、とりわけ財源調整的基金と県債残高の目標をお伺いします。  次に、私立学校に対する認識についてお尋ねします。  国や県の私立学校に対する助成について規定する私立学校振興助成法は、その目的として、「私立学校の教育条件の維持及び向上並びに私立学校に在学する幼児、児童、生徒又は学生に係る修学上の経済的負担の軽減を図るとともに私立学校の経営の健全性を高め、もって私立学校の健全な発展に資する」と定めています。  本県の私立の幼小中高等学校には1万3,467人の児童生徒が通い、高等学校では全生徒の約2割を占めています。このように私立学校が公立学校とともに公教育の一翼を担う中で、子どもの生きる力を育み、若者や女性が輝く社会の実現を目指す29年度当初予算案には、子供たちに多様な就学の機会を提供する私立学校の振興を図るため、公的に支援することは当然のことであり、現に学校や保護者に対する支援事業が予算計上されています。  東京都では、私立学校について公教育としての位置づけを明確にするかのごとく、来年度予算において実質無償化となるような大幅な増額予算を提案されるとの報道もありました。要するに、知事の公教育に対する考え方が、認識が予算に反映されるものであることは、この東京都のすなわち姿勢を見ても明らかです。  本県では、このうち、保護者の経済的負担を軽減するための補助については、26年度に対象世帯の所得要件が緩和され、また29年度予算では、国の予算案に伴い、調査を目的とした事業ではありますが、負担軽減の対象を新たに私立の小中学校に通う児童生徒の保護者にまで拡大するなど、一定の拡充が図られています。  一方、学校法人に対する経営安定のための補助は、平成20年度予算において、県の財政構造改革プログラムにより、高等学校に対する補助が大幅に削減されましたことから、少なからず学校経営に影響を及ぼす事態になりました。人を育てる公教育の一翼を担う私立学校に対し、財政構造の改革の名のもとに一刀両断にその補助を削減するということは、本県の公教育に対する考え方に疑問を抱かざるを得ません。  子供たち、若者に夢や希望を与えるはずの県予算であるにもかかわらず、本県の私立学校に通う子供たちに対する教育というものは財政状況によって判断されるものならば、公立学校に対しても同様の考え方なのか。このことについて認識をまずお伺いします。
     その後、この補助は関係団体や我が会派からの要望により少し戻されておりますが、それ以降は若干の改善にとどまっています。同単価は、いずれの校種においても全国平均を大きく下回っており、近畿においても大阪に次いで下から2番目となっています。  国における予算案では、国庫補助金と地方交付税の生徒1人当たりの単価は32万7,715円ですが、これを合わせた額と比較しても、本県におきましては、高等学校32万1,000円は29年度の国の予算の額を6,715円まだ下回っており、中学校では5万416円、幼稚園においても1万3,453円、国の交付額を下回っているのが現状であります。  もとより、私立学校の経営は学校法人の努力が前提ではありますが、現在の社会環境のもとでは経営努力にも限界があり、現実には授業料などの値上げにより保護者の負担が増加しています。  来年度、県においては、県立学校の空調設備の設置を進める予算が計上されております。県が設置する以上、当然のことながら、その運転にかかる費用についても公費で賄うものと思われます。一方、私立学校においては、保護者によって空調設備にかかる費用は負担されていると仄聞いたします。これら同じように発生する費用について、公立学校では公費で、私立学校においては学校や保護者が負担するということであれば、同じ目的であるはずの公教育という観点から考えるならばいかがなものか。我々は当然、公費で負担すべきだと考えます。  国においても私立学校への支援が拡充される中で、滋賀の子供たちがたくましく生きる力を育むには、私立学校に対する支援、とりわけ学校法人に対する経営安定事業の一層の拡充が必要と考えますが、御所見をお伺いします。  また、現在の状況を改善するには、毎年、財政状況を見ながら判断するだけでなく、この先何年かを見据えた計画的な視点も必要だと思います。県立高校の設備整備が計画的に進む一方で、公教育の一翼を担う私立学校に対する支援の拡充も計画的に行うべきだと思いますが、御所見をお伺いします。  次に、新生美術館についてお尋ねいたします。  美の滋賀の拠点となる新生美術館の開館に向けて鋭意整備計画が進められていますが、出だしでつまずき、よろめきながら今日に至っています。これまで信頼して予算を認めてきましたが、ここまで我々との間に溝が深まれば、当初の目標どおりの開館ができるのか大変不安に感じます。そもそも司令塔なしに責任感もなく、取り繕いながらやってきたことが一番の問題です。  事の始まりは、近現代美術に仏教美術とアール・ブリュットの3つを一緒に展示する美術館基本計画から始まりました。国体など大口の支出が控える中、基本設計をもとにした工事費が膨らんでいくことに懸念を抱き問いただしてきましたが、それも言いわけに終始されていました。  一つの事例を示しますと、大切な展示品を扱う美術館の消火設備が、ガス消火が当然の時代に、水消火をもとにした設計をしたため、ガス消火に変わったことで設備費がアップしたなど、開き直りともとれる説明をされU^然としました。これまでさまざまな疑問に対し説明を求めてきましたが、納得のいく答えは返ってこず、聞く耳を持たず、強行突破のごとく進められています。  こうした中、基本設計の変更など多くの問題を抱え、本当に当初のコンセプトどおり実現できるのか、不安いっぱいの中で、いまだ司令塔がないまま進んでいるのが現状です。  新生美術館の設計に当たっての基本的な考え方に、指定文化財が保管、展示できる文化庁の公開承認施設として承認されることを挙げていますが、文化財の収蔵機能や公開承認施設としての継続に対し、懸念が払拭されていません。承認に向けての文化庁等との協議の状況と開館時点の公開承認施設継続の見通しをお伺いします。  続いて、来館者数についてですが、これまで来られていた13万人に17万人プラスして、来館者の目標人数を30万人という大きな目標を上げています。目標が大きいことはよいことですが、そのカウントの仕方に疑問を感じます。常設展、企画展、交流・連携・普及事業のそれぞれカウントする数合わせだけのやり方は、自信のなさのあらわれでしょう。  そもそも美術館の来館者目標数は、その基本コンセプトと、それがどう評価されるか、さらには周辺観光や文化施設などと一体となった立地条件、アクセスの利便性など総合的な観点から計画されるべきで、同時に、どのような運営や展示を行うのか、ソフト面の手法も大きな要素となってきます。  現在の近代美術館と何がどのように変わるのか、来館者像が見込めるのか、仏教美術とアール・ブリュットが加わったことがどう寄与するのかなど、今後の具体的な運営方針とともに目標が立てられるべきです。  新生美術館整備推進専門家会議でも、来館者数30万人の目標に向けては相当施策を練らなければならないと指摘されています。当初設定した基本計画の時点と状況が変化した今、改めて、その来館者目標数とその根拠、ならびにそのための具体的取り組み策についてお伺いいたします。  また、設計のコンセプトに分棟型の回遊式庭園美術館を上げ、美術館と別棟でレストランやショップの入る情報交流棟を設けようとされています。雨天時の課題や利用状況等の疑問の声が多くある中、レストランの採算性などに対する納得のいく説明もないまま進められようとされていますが、その責任の所在はいまだ不明確なままです。  今日までの新生美術館建設に当たっての経過では、増築部分のたび重なる設計変更や、指定文化財の保管、展示の問題、コミッションワークや回遊式庭園美術館といったいわばハード面に振り回されて、どのような運営を行われるのか、ソフト面が余りにも不透明でした。  一般的にこれらの施設については、設計の段階で既に館長となるべき人が決まっており、その館長のもとで運営体制が組まれてこそ、その後のしっかりとした運営ができるものであると思います。  とりわけ今回求められているのは、神と仏の美、近代・現代美術、アール・ブリュットの3本柱をバランスよくうまく機能させることにあり、そのことがコンセプトの実現につながるものと考えます。3本柱を理解し、バランスのとれる運営をすることが大事であります。  そのようなことから、今のままの状態で施設整備を進めていくことは、「仏つくって魂を入れず」のことわざにもあるように、魂の入っていない美術館をつくることになるのではないでしょうか。  これから本格的に設備整備に取り組まなければならない時期に来ているのに、いまだに司令塔である館長が決まっていませんし、その後の運営体制も明らかにされていません。例えば、館長の得意な分野とそうでない分野のバランスをどう図るのかなど、そこが今回の3本柱の融合ということの難しさであると我々は指摘してきました。司令塔なしで、しかも今後の体制も不明確なままに、今後の具体的な執行をどのように対処するのか、また、誰が責任をとるのか、お伺いします。  これまでの一連の流れを見ていると、我々との間に隔たりが生じています。これまで、館長の件を初めさまざまな意見を言ってきましたが、何も変わらないし変えようとしない姿勢は、我々との間の溝が埋まっていないことのあらわれだと思います。知事の言う「一緒にやりましょう」は、新生美術館の計画においては一体何なのでしょうか。知事の見解をお伺いします。  次に、琵琶湖保全再生計画についてお尋ねします。  琵琶湖保全再生計画の策定に向けては、昨年4月21日、国の基本方針策定を受けて、県ではこれまでの間、琵琶湖保全再生対策特別委員会での議論はもとより、滋賀県環境審議会での検討、県内市町との意見交換などを実施されてきたところです。  また、昨年12月26日から1カ月間にわたり県民政策コメントを実施し、県民、各団体からさまざまな意見を踏まえ琵琶湖保全再生計画の最終案を取りまとめ、今議会の特別委員会に諮ることとされています。琵琶湖保全再生計画の策定はまさに佳境に差しかかっているといったところですが、国の財政措置がどの程度見込めるのか。我が県の財政にとって打ち出の小づちとなり得るよう、工夫をしなければなりません。  最近の琵琶湖に関する話題としては、琵琶湖の表層と湖底の水が混ざり合う琵琶湖の深呼吸とも呼ばれる全層循環を1月26日に琵琶湖環境科学センターが確認したことが挙げられます。この全層循環は、湖底付近に生息する生きものにとって非常に大切な現象とされていますが、昨年は確認された時期が3月中旬と、非常にやきもきとしました。ことしは過去10年で2番目に早い確認となっており、ひとまず安心といったところでしょうか。  しかし、近年の琵琶湖に目を転じますと、これまでからの水質汚濁や外来魚の問題等に加え、オオバナミズキンバイや水草の大量繁茂など、今まで経験したことのない課題も出現し、新たな大きな財政需要も発生しております。まさに琵琶湖の保全再生は待ったなしであると認識しています。  このような中、保全再生計画の策定を進めてきたわけでありますが、例えば、保全再生計画を法で定められた琵琶湖において、国指定特定外来生物の侵略的外来水生植物の対策には国費を財源に充てるべきとも考えますが、計画案において、これらの課題をどのように捉え、どう対処していこうとしているのか、国費対応とあわせてお伺いいたします。  計画案では、目指すべき姿として、「多くの固有種を含む豊かな生態系や生物多様性を守り、健全な水循環のもとで、琵琶湖とともにある人々が豊かな暮らしを営み、さらには文化的、歴史的にも価値のある琵琶湖地域のよさ、伝統、知恵を十分に考慮した豊かな文化を育めるようにすることをもって、琵琶湖と人とのよりよい共生関係の形成を目指すものとする」と記述しています。  また、この姿の達成に向け、総合的な観点から琵琶湖保全再生施策を推進するとし、水質汚濁の防止、水源の涵養、生態系の保全など、各種施策を盛り込んでいます。  さらに、計画の重点事項として、琵琶湖を守ることと生かすことの好循環をさらに推進することを盛り込んでいます。琵琶湖を守っていくことと活用していくという2つの視点は非常に大切であり、これまで以上に推進していく必要があると考えますが、それぞれどのようなところに力点を置いて施策展開を図ろうとしているのか、お伺いします。  また、守ることと生かすことの好循環とありますが、琵琶湖を守ることと生かすことは、考えようによっては相対立するようにも思えますが、どのように好循環を創出し推進しようと考えているのか、お伺いいたします。  知事は年頭の職員向け挨拶において、「県民の皆様と力を合わせて、世界に誇れる琵琶湖を一緒につくろう。琵琶湖新時代をつくろう」と述べられたと仄聞しております。知事の言われる琵琶湖新時代とは、どういうようなものをイメージされているのですか、お伺いします。  そして、びわ湖の日の7月1日を休日にしようと言われたのは余りにも唐突です。我が県にとって、昭和55年7月1日施行のいわゆるせっけん条例の評価は万人の認めるところではありますが、休日は多くがハッピーマンデーにもなりつつあり、また滋賀県民にとって、琵琶湖がまさに海であります。国で海の日と定められている7月第3月曜日を、滋賀県のびわ湖の日として制定されてはどうでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。  この計画策定を契機にして、どのような琵琶湖を県民と一緒につくり、県内外に発信していこうと考えているのか、知事の決意をお伺いします。  次に、障害者施策についてお尋ねします。  障害者福祉の父と称される糸賀一雄氏は、共生社会と、人がありのままに存在することの価値を見出し、「この子らを世の光に」という言葉を残されました。この子らに世の光を当ててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らがみずから輝く素材そのものであるから、いよいよ磨きをかけて輝かそうという思想が込められています。  そして、この人たちの放つ光を光として受けとめる人々の数をこの世にふやし、異質の光をしっかりと認める人々が次第に多くなりつつあるとも述べています。こうした糸賀一雄氏の実践や言葉をよりどころにして、滋賀の福祉が深まったと考えています。  そこで、滋賀に根づく福祉の思想について、所見をお伺いいたします。  平成26年に糸賀一雄生誕100周年記念事業として、記念式典や糸賀一雄研究の実施、糸賀一雄展の開催、さらには、保存資料に関する調査、整理のあり方検討事業等々が実施されました。そして、この記念事業を契機に、現在の福祉のあり方に対し、福祉関係者を初め多くの県民が改めて向かい合われたのではないでしょうか。さらにまた、「この子らに」ではなく、「この子らを」とした滋賀の福祉の思想の深掘りができたのではないでしょうか。  そこで、県民一人一人に滋賀の福祉の思想の浸透がいかように図れているのか、その現状と対応について所見をお伺いします。  障害者基本法や障害者総合支援法に基づき、全ての人が生き生きと活躍し、居場所と出番を実感できる共生社会を目指して、滋賀県障害者プランが策定されています。そして、重点施策および障害福祉サービスの提供体制の確保等に関する事項については、ことし改定が予定されています。  そこで、これまでの滋賀県障害者プランの実績と今後の課題について、所見をお伺いします。  障害者差別解消法の制定を踏まえ、実効性を確保しようと、条例の必要性についての検討が進められています。条例制定に当たって最も留意すべき点は、障害者施策の推進が図れることであり、滋賀に根づく福祉の理解を求めることがまずは大切であると考えます。  さらに、事業者の合理的配慮の提供や、個人においても差別の禁止を義務づけてはとの議論があるようですが、義務づけすることによって心のバリアフリーの推進が阻まれないでしょうか。また、滋賀に根づく福祉への理解が広め深められなくなるのではないかと危惧しています。また、条例制定は障害者プランの改定と連動させていくことで、実効性が確保できるものではないかと思います。  そこで、「この子らを世の光に」と提唱された糸賀一雄氏の思想をどのように条例に反映しようとしているのか、所見をお伺いします。  障害者の社会参加や障害への理解の促進を図るため、障害の有無にかかわらず、スポーツを通じて個別の障害児者や障害のない人と交流を深める取組が行われています。平成二十五、六年度は、地域でつながるスポーツの輪事業により、講演会や体験会等が実施されました。そして平成27年度からは、障害者スポーツ推進事業として、継続的に、身近な地域で、障害の有無にかかわらず、障害者がスポーツをする環境整備を図り、心のバリアフリーの推進に向け、総合型地域スポーツクラブにおいてスポーツを楽しめる環境づくりが行われています。  しかしながら、県障害者スポーツ大会やスペシャルカーニバルの参加者は、両大会とも若年層の減少と高齢化が課題となっており、身近にスポーツを楽しめる環境整備が十分でないことがうかがえます。  そこで、気楽にいつでもスポーツに親しめるよう、競技的要素より遊び的要素が備わった種目をニュースポーツとして、障害の有無にかかわらず普及していくことも一つではないかと思います。このようにスポーツを楽しめることを主眼に、多様な団体がかかわり合って、障害者のスポーツ振興につなげていってはいかがでしょう。  来年度末には第2期滋賀県スポーツ推進計画が策定されると伺っていますが、本推進計画に障害者スポーツをどのように位置づけ振興していこうとしているのか、所見をお伺いします。  次に、滋賀県経済の成長に向けた海外展開についてお尋ねします。  近年、インターネットに代表される情報通信技術の著しい進歩や経済のグローバル化の進展によって、人、物、金、情報および文化の交流がますます地球規模で活発となるなど、私たちを取り巻く社会環境が大きく変わり、地域と世界との結びつきが強まっています。  こうした中、本県においては、滋賀の食材や水環境ビジネス、地場産業の海外展開に向け、ベトナム・ホーチミン市との経済交流を初め、湖南省、台南市、さらにはタイへと支援体制を広げ、海外プロモーション、商談会やバイヤー招聘、セミナー等を実施しています。そして、海外との商談件数も多くなり、契約実績もうかがえるところとなってきました。  また、県内の製造業を初めとした企業は、こうした行政の支援にかかわらず、海外展開されているところも多くあるのではないかと思われます。  そこで、本県の国際ビジネスの現状についてお伺いします。  本県では、滋賀県産業支援プラザにおいて、ふえ続ける企業の海外展開ニーズに応えて、国際情報セミナーの開催等により最新の海外情報の提供を行うほか、貿易実務基礎講座の開催等による人材育成に取り組んでおられます。また、貿易投資相談窓口として国際ビジネス情報デスクを常設し、ジェトロや近畿経済産業局、中小企業基盤整備機構と連携しながら、企業等の海外展開を支援されています。  さらに、海外に拠点を持つ商社、損保会社、金融機関等と連携しながら海外情報の収集、提供に努められ、国際ビジネスの支援を実施されています。  そこで、産業支援プラザによるこれまでの海外展開の実績と課題についてお伺いします。  諸外国との貿易拡大および経済協力を目的とする日本貿易振興機構──ジェトロは、海外55カ国に74事業所を有し、国内拠点として42都道府県に事務所が設置されています。そして、そのネットワークを活用し、企業と政府、企業と企業、人と人をつなぐ力で経済の成長に貢献しています。  現在、日本貿易振興機構──ジェトロは、中堅中小企業等の海外展開支援、農水産物、食品の輸出促進、対日直接投資の促進を重点に活動されています。海外展開に向け、支援のスピードアップや海外情報へのアクセスの利便性を向上させるとともに、県内企業、生産者等の情報発信や販路開拓の促進を図ろうと、本県においてジェトロ滋賀事務所を開設されようとしています。  そこで、これまで以上に国際ビジネスへの期待が高まりますが、本県の海外展開とどのように連携を図るのか、その連携により、どのような取り組みを重点的にされるのか、所見をお伺いします。  また、ジェトロ滋賀事務所の開設により新たな海外展開が芽生えると思いますが、どのような成果と目標を定めているのか。相談はもとより、事業実績についてお伺いします。  次に、本県の農業、水産業の競争力強化についてお尋ねします。  国においては、28年11月に農林水産業地域の活力創造本部において、農政新時代に必要な人材力を強化するシステム整備など農業競争力強化プログラムが決定され、今後、農林水産業の競争力強化に向けて取り組むとされております。  本県においても、このような国の動向に沿う施策を進めておられ、農業では毎年100名の新規就農者を確保することを目標にされていますが、今後とも本県農業が持続可能な力強い農業となるためには、現状は非常に少ない40歳以下の新規就農者の確保育成を一層促進することが必要と思われます。  本県における農業の新規就農者の確保状況はどのようになっているのか。また、新規就農者の確保育成に向けて、どのような課題があると認識されているのか、お伺いします。  次に、国の農の雇用事業で平成24年度に就職就農された方の就農状況調査結果によりますと、全国で就職就農された方3,510人のうち、3年後まで研修先に在職されている方が全体の43%にとどまり、就農後の定着率が低いと言われています。本県で就農された方々には、農業にかける夢を実現させ、しっかりと農業を続けていただきたいと思います。  これは、就農前に実際の農業現場に立ち、農業の楽しさや厳しさをみずから肌で感じておいていただくことも必要と考えますが、就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、どのような対策をとられているのか、お伺いします。  今後の課題として、平成30年度の米政策の見通しなど農業を取り巻く環境が転換期を迎える中、さらなる経営力強化が必要と考えます。本県においても、守山市のバラ農家で国内でも最先端の環境制御技術を活用した栽培施設を建設されるなど、ICT技術を積極的に取り入れられている経営体も生まれてきております。  このように、ICTやAI等の先進技術の活用や経営管理能力の向上など、人材力の強化も急務と考えますが、今後どのように取り組もうとされているか、お伺いします。  また一方で、本県農業の競争力を強化するには、環境こだわり農業をさらに推し進めることと考えます。環境こだわり農業は、環境こだわり農業推進条例はもとより、琵琶湖保全再生法、さらに平成31年に目指す世界農業遺産の登録にも重要施策として位置づけられ、琵琶湖と共生する本県ならではの取り組みと言えます。  そして、その主要な支援策として、国の制度である環境保全型農業直接支払交付金を活用され、水稲では作付面積の45%までふえ、基本構想で目標とされている平成30年の50%に向けて、あと一踏ん張りの段階に来ております。  ところが、平成28年度は国の予算が不足し、初めて交付単価の減額が余儀なくされることと聞こえてきて、農業者の皆さんはさぞ困惑されたかと思います。この1月には、農業者団体から知事に緊急要請もされました。こうした声に耳を傾け、知事におかれましては、当初設定単価どおり農業者に支払えるよう、滋賀県が責任を持って独自の措置をとることの判断をいただきました。農業者の皆さんにとっては大変心強く、安心していただけたものと確信しております。ありがとうございます。  そこで、今後も制度そのものに不安を抱かれないように、平成29年度の農作業が始まるまでに、環境保全型農業直接支払交付金がどうなるのかを前もってお示しし、農業者の皆さんの取り組みを進めていただくことが重要だと思いますが、環境保全型農業直接支払交付金の平成29年度予算は、どのような考え方のもと計上されたのか、お伺いします。  全国で環境保全型農業が広がる中で、全国のトップランナーとして本県においてさらに進んだ取り組みが必要と考えますが、今後、環境こだわり農業にどのように取り組んでいくのか、考えをお伺いします。  さきの11月定例会議で答弁いただいた林業、水産業のうち、水産業にもう一度目を向けますと、昨年12月に始まったアユ漁が、漁業者の皆さんがこれまでに経験したことのない極端な不漁と聞き及んでおります。この状況は大変心配されるところです。その確かな原因究明と今後の対策に万全を期していただきますよう、強く要望しておきます。  さて、水産業の振興には、アユを初めニゴロブナ、ビワマスなど本県特産の水産資源をしっかりと確保することとあわせて、それが流通に乗り経済を生み出すよう、需要を高めることも必要です。そのためには、当然のことながら、漁業生産を担う漁業者の皆さんを確保育成していかなければなりません。県はどのように漁業後継者を確保し、育成しようとされているのか。昨年11月定例会議の代表質問でもお尋ねしましたが、その後の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いします。  農業振興にかかわる緊急の課題ですが、本年11月14日からの大雪では一部の地域で33年ぶりの大雪になるなど、近畿管内では多くの農業施設などに被害が発生していると聞いております。本県の農業被害の状況についてお伺いします。  この大雪で多くのビニールハウス等が倒壊しており、施設園芸に取り組む意欲的な農家の再生産の意欲がそがれないよう、県としてしっかり支援する必要があると考えます。知事は、国に支援を求めて、すぐさま東京へ行っていただいたようですが、園芸振興を進めている県として、この大雪の農業被害への対応をどのように考えておられるのか、お伺いします。  次に、建設系技術者の育成確保についてお尋ねします。  公共施設については、耐用年数やまたその役割の変化など取り巻く環境が変わり、今後、順次更新時期がやってまいります。県の試算では、今後50年間で約5,000億円の財政需要があるとの報告もありました。そして、財源確保と同様に、もう1つ大きな課題は、現場を管理する技術者の確保であります。  現状においては、限られた人員の中、それぞれ県職員さんがその業務に精励されておられますが、本年度、労働基準監督署より本県がさまざまな是正勧告を受けたことは大きく報道されたところです。とりわけ湖東土木事務所、長浜土木事務所木之本支所での長時間に及ぶ時間外労働については、36協定に違反する、月に100時間を超える時間外労働が行われていたとのことですが、当該職員の健康や生活を考えると異常事態と言わざるを得ず、個々の働き方改革だけの問題ではないと考えます。  まず、このような状況になった原因は何か。また、その後どのように改善されたのか。そして、今後、再発防止のための対策はどのようにされるのか。見解をお伺いします。  また、国体に向け、これから大型公共事業も予定される中、来年度に向けた新規上級職員の募集において定員割れという事態となり、県においては2次募集をかけられましたが、とりわけ建設系技術職員の不足が顕著であったと仄聞しています。なぜこのような事態になったのか。その原因についてどのように分析しておられるのか。また、追加募集の結果はどうだったのか。状況をお伺いします。  次に、こうした公共施設、インフラ整備については、それを請け負う事業者側の状況も考えなければなりません。我が会派は、かねてから、県経済の発展と振興、また雇用の充実を目的に、地元事業者への発注による地元建設業の育成を訴えてまいりました。本県公共事業の県内事業者への発注は、何より技術の蓄積と技術者確保に寄与するものだと考えます。  しかしながら、現状では、県内の建設事業者において、土木、建築、また電気などの技術者の高齢化、また、新規に従事する人材確保が非常に困難になっているとも聞いております。このことを踏まえ、県内建設産業技術者の現状と今後の対応について、見解をお伺いします。さらに、人口減少、労働力減少社会への抜本的な対策も必要かと思われますが、御所見をお伺いします。  この項の最後に、今後予定されている事業については、建築、土木を問わず、大型事業がめじろ押しです。先ほど申し上げましたように、県内事業者育成は県内経済の発展、振興、また雇用の確保に大きく寄与するものです。加えて技術者育成にもつながることから、その発注形態についても考えなければなりません。  これまでから、事業発注において総合評価方式やプロポーザル方式などが取り入れられてきました。最近ではPFI方式なども取りざたされています。もちろん、より安く、よりよいものを追求していくことが第一の目的です。ただ、目先の目的を求める余り、将来につながっていくものでなければ後々に結果高い買い物になることも十分考えられます。こうした発注形態は県内事業者への育成にどのようにつながるのか、その効果についてお尋ねします。  次に、教育施策について、教育長にお尋ねします。  滋賀県、日本の将来を担う子供たちの能力を伸ばし、可能性を開花させていくことは、変わることのない教育の大きな使命です。昨年12月には、文部科学省が定める小学校、中学校、高等学校など各学校の段階で教える内容や方法、目標を示した基準である学習指導要領の改訂方針を国の中央教育審議会が取りまとめて、文部科学大臣への答申が行われ、先日、2月14日に文部科学大臣から学習指導要領の改訂案が公表されたばかりです。  学習指導要領は、時代の変化や子供たちの状況、社会の要請等を踏まえながら、およそ10年ごとに改訂されてきました。子供たちが活躍していく将来を見通した姿を考え、これからの時代に求められる資質、能力を育成する観点から、次期学習指導要領への対応を着実に行うための十分な準備、備えを行っていくことが平成29年度に求められます。  今般の中央教育審議会の答申では、何を学ぶかだけでなく、どのように学ぶか、何ができるようになるかなどの視点からも要領を改訂すべきと盛り込まれています。新しい指導方法を導入しなければならないと浮き足立つのではなく、これまでの学校教育の蓄積をしっかり踏まえながら、子供たちの知識の理解の質をさらに高めていくことが大切であると考えます。  学習指導要領の改訂を見据えて、県教育委員会として、どのような点に力を入れて取り組んでいかれるのか、お伺いします。  加えて、小学校の5、6年生から英語が教科として、平成30年度に先行して導入される予定です。小学校での英語教育が本格的に始まることになり、十分な事前準備が求められますが、小学校における英語への対応についてお伺いします。  今、本県では、平成30年4月の就航を目指し、学習船うみのこの新船建造が進められています。豊かな心や人間性を育む上で、子供たちがさまざまな体験学習を通じて自然の大切さを学び感性を高めることは、吸収しやすい成長期にとても重要です。本県では、琵琶湖を初めとする豊かな自然や文化芸術に触れるさまざまな体験学習が行われてきました。来年度の体験学習の充実に向けた取り組みについてお伺いします。  また、私たちが子供だった時代に比べて、今の子供たちは地元の商店街や地域でいろんな職業の方に接する機会がなくなり、働く大人の姿を日常生活の中で見て肌で感じることが弱くなっており、職場体験やインターンシップの現場経験を通じて職業観を育み、自分だけではない多くの人と協働することの大切さを学ぶことが求められています。キャリア教育や職業教育に関する来年度の進め方についてお伺いします。  次に、いじめ問題については、いじめ防止対策推進法施行後も、いじめが原因と見られる児童生徒の自殺など、重大被害が生じる事件が残念ながら発生しています。さらに、福島第一原発事故避難者に対する事案も発生しており、強い憤りを禁じ得ません。  本県では、滋賀県いじめ問題対策連絡協議会を設置し、滋賀県いじめ防止基本方針に基づきさまざまな取り組みが進められています。いじめや不登校等の諸問題に対しては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置等に多くの費用を費やしているものの、年々ふえているように感じます。  ふえていることは、事前にその兆候の時点で把握できているということであれば、結果があらわれているともとれます。画一的ではない、個々の子供へのきめ細かな対応が求められます。もう少し教員が授業以外にももっと接してやれると少しでも成果が上がるように思いますが、いじめや不登校の問題に対して、効果のある取り組みをどのように進めていこうと考えているのか、お伺いします。
     県立学校では、生徒の命を守るため耐震化が優先的に進められてきましたが、空調設備の整備が進まず、和式トイレから洋式トイレへの改修も進んでおりません。県内の市町立の小中学校における空調整備は普及が進んでいますが、県立学校での普及は全国よりおくれています。こうした状況の中で、エアコンを整備される方針を打ち出されました。  学校教育施設は子供たちの学びの場であり、安心して快適に学べるよう安全性、機能性の確保を図っていくことは不可欠であり、一日も早い早急な環境整備が求められます。  一方、これから空調設備が設置される学校と既にPTAなど私費により設置されている学校と、ランニングコストなど費用負担を調整する必要もあります。空調設備の整備の方針についてお伺いします。  あわせて、今後採用されるリース方式や検討しようとされるPFI方式で全県立学校に整備した場合の費用は、年間どの程度と見込んでおられるのでしょうか、お伺いします。  社会が大きく変化する中で、学校現場での課題が多様化、複雑化、困難化し、学校、教員の役割がふえております。教員が多くの業務を抱え連日夜遅くまで残られている中で、教員の業務負担軽減を図ることは喫緊の課題であり、このような多忙化の状況が最後に影響するのは子供たちであります。  今年度就任以来、教育長は、強い思いを持って県教育委員会の働き方改革に取り組んでこられました。学校教育現場と教育委員会が意識を共有しながら、働き方改革を来年度はどのように進めていこうとされているのか、お伺いします。  最後に、警察力強化について、警察本部長にお尋ねします。  昨年1年間の県下の刑法犯罪認知件数は41年ぶりに1万件を下回ったほか、交通事故死者数についても前年より20人も少ない53人と、昭和29年以降、最も少ない死者数を記録するなど、大きな改善が見られるところであります。こうした成果を上げられました一方で、社会情勢の変化に伴うサイバー犯罪やDV、ストーカーなど新たな事象も生じているところであり、依然として県下の情勢は予断を許しません。  こうした状況に鑑み、我が会派から、昨年9月の定例会議で警察官の増員に関する意見書を提出して、国に本県警察官の増員も求めるなど、取り組みを進めました。このことにより、全国トップの増員率となる13人の警察官増員が決まり、本2月定例会議に関連条例が提案されているところです。今回新たに増員されるであろう13人を、どのように警察行政に生かされていくのか、お伺いします。  今までの警察力の諸整備を顧みますと、警察本部庁舎建設による予算の増大により、財政面で他の整備がかなり足踏みをしたように思われます。県民の皆さんにさらなる安全、安心を実感していただくためには、今後、より一層のあらゆる面において充実させていかなければなりません。  次年度以降も引き続いて人員の増強を初め、草津警察署、免許センター、大型警備艇、老朽化が進む車両、資機材等、本県の実情に即した整備が不可欠と考えます。今後の警察力の強化に向けた課題と必要な方策について、考え方をお伺いします。  渡邉本部長にあっては、昨年3月に着任され、間もなく着任から1年を迎えようとしておられます。着任後初の6月定例会議で、「指数治安を改善させるとともに、体感治安向上のため、諸課題に取り組んでいく」と、強い決意を示していただきました。我が会派といたしましても、警察署の建てかえ整備、資機材の充実、人員の増強と常に求めてまいりました。  そこで、着任から1年を迎えるに当たって、成果の総括と今後の意気込みをお伺いして、私からの質問といたします。ありがとうございます。(拍手) ○議長(野田藤雄) 26番細江正人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)細江議員、どうぞよろしくお願いいたします。  自由民主党滋賀県議会議員団を代表されての細江議員の御質問にお答えをいたします。  まず、滋賀ブランドについて、4点御質問いただきました。  1点目のブランドとは何か、また、本県が考えるブランド推進とは何かということについてでございますが、滋賀という名称やイメージ、実績から受ける信頼感で、消費者を初め人々の共感が得られていることがブランドではないかと考えます。そのためには、個々の商品やサービスのブランド化と地域イメージ自体のブランド化、2つの取り組みを進める必要があると考えます。  本県はよい素材に恵まれており、それらの素材の磨き上げにより、農水産物や地酒、工芸品、ビワイチ、ふなずしなどの個別ブランド化の取り組みを進めているところでございます。  同時に、滋賀という地域の魅力を知っていただき、地域イメージのブランド化を進めることも不可欠であります。琵琶湖や近江牛、信楽焼、曳山祭りなど、全国的に認知度の高いものをしっかりと滋賀という地域に結びつけて、地域イメージを高めていきたいと存じます。  こうしたことにより、滋賀ならおいしい、滋賀なら安心、滋賀ならおもしろいと言っていただけるよう、滋賀の地域イメージの向上と個別ブランドの信頼感の好循環を生み出す取り組みを進めてまいりたいと存じます。  拠点整備の費用対効果の算定についてでございます。  拠点の経費は、物件の契約や整備のイニシャルコストのほか、物件の賃借や維持管理、拠点で行う催事やメディアとの連携、首都圏での営業に不可欠なネットワークを構築するためのランニングコストがございます。  一方、効果は、拠点での売り上げだけでなく、PR効果による拠点外での販路や通販等を通じた売り上げ増加、観光誘客等の滋賀への誘引も見込んでおります。  物件は10年間賃借いたしますが、当初の5年間で約13億5,000万円の投資に対しまして52億5,000万円の効果を見込み、3.9倍の費用対効果と算定させていただいております。  3点目、その拠点がブランド推進に果たす役割と具体的な成果についてでございます。  この拠点で滋賀のよいものを買っていただき食べていただくことで、全国そして世界に発信するとともに、アンテナ機能で評価や課題を探り、生産者等にフィードバックすることにより磨き上げ、個別ブランドとして育てていきたいと考えます。  同時に、滋賀の豊かな食やものを総合的なプロモーションで発信することにより、ここに来れば滋賀があるという強いメッセージを継続的に発信し、滋賀全体の地域ブランドの向上も図ってまいりたいと存じます。  このように、この拠点は本県のブランド推進において新たな牽引力となる役割を果たすものでございます。そうしたブランド力の強化によって、買うなら滋賀、訪れるなら滋賀と選択いただける付加価値をつけ、県産品の消費拡大や観光客の増加という具体的な成果を上げていきたいと存じます。  4点目の拠点事業をどのように進め、どのような成果を約束するのかということについてでございますが、まず、ことし10月のオープニングで勢いをつけてスタートし、31年度には年間の来館者数や売り上げ目標を達成し、軌道に乗せていきたいと考えます。  33年度までの当初5年間で先ほど申し上げた投資効果を上げ、その次の5年間につなげていきたいと考えます。この間、32年度の東京オリ・パラや36年度の滋賀国体等の追い風もしっかりと捉えながら、10年の間に、首都圏から全国、そして世界に滋賀を売り込んでいきたいと存じます。  この拠点には、経済団体等から首都圏進出の足がかりとして多くの御期待の声もいただいており、熱い思いを受けとめ、着実に準備を進めてまいります。そのため、関係団体や庁内部局の連携の強化、東京での必要な体制の整備など、県庁一丸となって取り組みます。  名称公募につきましては、全国からたくさんの応募をいただきましたものの、拠点の具体のイメージを示していない段階でもございまして、御指摘のとおり、好感度調査の投票に十分つながらなかったものと真摯に課題認識しておりまして、首都圏でのネットワーク等も最大限に活用し、オープン前からのPRに注力してまいります。  拠点のオープンを機に、10年の間に全国、世界から選ばれる滋賀というブランド価値を打ち立てようと決意いたしておりまして、定期的に成果を検証し、県民の皆さんや議会にも説明責任を果たしながら、運営を行っていく所存でございます。  2点目に、新年度における行政経営について、7点御質問をいただきました。  1点目、将来を見据えた財政運営についてでございます。  基本構想の実現に向けて持続的、安定的に各種施策を展開していくためには、持続可能な財政基盤を確立することが大変重要であると認識しています。このため、今回の予算案におきましては、国内外から人やものを呼び込む新たな価値の創造、発信に資するIoTによるイノベーション創出の推進や首都圏における情報発信拠点の整備など、地域経済を活性化し、将来の税収確保につながる施策を盛り込んでいるところです。  また、予算編成に当たりましては、財源見通しを踏まえまして、各部局に対して予算要求枠を示し、スクラップ・アンド・ビルドや選択と集中をこれまで以上に徹底したことにより、334の事業において廃止、縮小を行ったところです。  さらに、県税収入や地方交付税などを合わせた一般財源総額の伸びが見込めない中で、財政の中長期的な持続可能性を保つことができるよう、プライマリーバランスについて黒字を確保すべく意を用いたところでございます。  今後とも、持続可能な財政基盤の確立に向けて、歳入歳出両面から財政健全化の取り組みをより一層進めてまいる所存でございます。  2点目、「一緒にやりましょう」の意図するところについてでございますが、今後、ますます複雑化、高度化する地域課題や行政ニーズにきめ細かく対応していくためには、多様な主体と、ともに課題や認識を共有しながら、連携、協働を図っていくことが一層重要になると認識しています。  一緒にやりましょうプロジェクトは、御紹介いただいたとおり、出前講座など職員の創意工夫等により、特別な事業予算を伴うことなく、県民サービスの向上を目指すものとして実施しています。  また、昨年4月には、多様な主体の対話協議の場として協働プラットフォームを設置いたしまして、県民の皆様にも御参画いただき、政策形成の段階から議論を重ねてまいりました。この協働プラットフォームでの議論を踏まえ、平成29年度当初予算案におきまして、高齢ドライバーの運転支援事業を初め、5つの事業について予算を計上しているところでございます。  今後とも、こうした取り組みをしっかり進め、基本構想で掲げる「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀〜みんなでつくろう!新しい豊かさ〜」の実現を目指してまいりたいと存じます。  3点目、長時間労働についてでございます。  その至った原因と平成29年度の時間外労働に対する目指すべき具体的な目標についてでございますが、まず原因といたしましては、社会情勢の変化により、取り組むべき県政の課題が多様化していることとあわせまして、既存事業の見直しが進まない、部局等における仕事の偏りがある、年度途中での状況変化への柔軟な対応ができていないなどの組織的な問題と、時間外勤務状況が適切に管理できていないなどのマネジメントに起因する問題と、効率性、生産性に対する意識が希薄であるなどの意識の問題が存在いたしまして、これらのことにより長時間労働が発生していると認識しています。  そのため、昨年12月末に働き方改革長時間労働解消のための検討チームを立ち上げ、検討を重ねてまいりました。そして今般、働き方改革に向けて、1つに、業務の見直しと人員配置の適正化、2つに、仕事の効率化、3つに、マネジメントの強化および人材育成、そして4つに、働きやすい環境の整備という4本の柱を定めるとともに、今年度内に早急に着手する緊急行動を決定し、取り組みを始めたところでございます。  今後は、この2月および3月の取り組みの実績をもとに、その成果および問題点等の分析を行い、平成29年度に向けて、さらなる取り組みを検討、実施してまいります。そのことにより、滋賀県行政経営方針の実施計画に定めております目標、一人1カ月当たりの時間外勤務時間数14時間未満を達成してまいりたいと考えています。  4点目に、朝礼、終礼の実施状況、その効果、改善点についてでございます。  まず、朝礼、終礼の実施状況についてでございますが、平成28年9月に実施いたしました調査では、知事部局の朝礼実施率は92.0%、終礼実施率は75.0%となっています。  その効果でございますが、朝礼、終礼を実施することによって、時間外勤務の事前命令と事後確認が徹底できた、業務の進捗状況の把握と共有ができた、相談、助言がしやすい雰囲気づくりにつながっている、などの声をいただいているところです。  今後につきましては、引き続き確実な朝礼、終礼の実施を各所属に呼びかけ、実施率をより高めるとともに、勤務時間内に業務を終了するという意識をより徹底するため、終礼実施時刻の30分前倒しにも取り組みまして、朝礼、終礼による適正な時間管理に努めてまいりたいと存じます。  5点目、職員の時間管理についてでございます。  使用者には労働者の労働時間を適切に管理する責務があると認識しておりまして、本県では、健康管理および公務能率向上の観点から、出勤情報については出勤簿で管理し、1日の業務予定は朝礼時に、また、業務の進捗状況や時間外勤務の必要性については終礼時に確認をいたしております。  また、給与システムにより、職員の休暇情報や時間外勤務について日々の状況を管理しており、職員の時間外勤務が一定時間超えた場合には注意喚起を行っております。  職員の出退等の情報を管理するシステムの導入につきましては、より適切に勤務時間を管理していく一つの方法と認識しており、他県の事例も参考にして、検討を進めてまいりたいと存じます。  PFI方式等に関する認識についてでございます。  一般的に、議員御指摘の従来方式に比べ、PFI方式は施設等の整備と管理運営を民間事業者が一体で行うため、創意工夫が発揮されやすいこと、また、リース方式は、事業費の全額について負担の平準化が図れることがメリットであると認識しています。  今後、公共施設の老朽化対策や大規模事業が本格化する中、最適な事業手法を選択することにより、一層効率的かつ効果的な事業の執行を図っていくことが重要であると考えています。  また、こうした事業を行う際には、必要となります地方債の発行や債務負担行為の設定について、いずれも将来の財政負担につながるものであり、慎重に運営していくとともに、こうした将来の負担の状況については、県民の皆様にも明らかにしていく必要があるものと認識しています。  このため、地方債につきましては、その残高の状況のほか、今後の公債費の推移等についても、毎年発行しております財政事情においてお示ししているところです。  一方、債務負担行為については、工事やリースの実施に係るものや貸付金に係る損失補償など、その内容や期間もさまざまでありますことから、わかりやすくお示しする点で難しい面はございますが、今後の支出予定額について財政事情において公表しているほか、財政健全化判断比率の公表においても、対象となる債務負担行為の状況をお示ししてきたところでございます。  今後とも、将来における負担を県民の皆様によりわかりやすく、丁寧に説明できるよう努めてまいる所存であります。  7点目の平成36年度までの財政見通しについてです。  今後の本県財政について展望いたしますと、社会保障関係費を含む扶助費は、高齢化の進行などに伴い増加することが見込まれますとともに、施設整備を初めとする国体開催に向けた準備や新生美術館の整備など、大規模事業に要する経費が一時的に増加していくものと見込んでいます。  一方、現時点では、人件費は職員の若返りによる平均給与の低下などにより減少傾向となるとともに、公債費についても、今後、一時期増加するものの、その後、減少に転ずると見込まれているところです。  こうした中、社会保障に係る財源として、平成31年10月に消費税および地方消費税の税率引き上げが予定されており、こうした地方財政を取り巻く状況も踏まえながら、県税収入の確保や国からの財源獲得、外部資金の導入などの歳入面における取り組みにあわせまして、選択と集中の徹底や進度調整等による負担の平準化など、歳出面における取り組みも進める中で対応を図ってまいりたいと存じます。  また、財源調整的な基金につきましては、歳入の年度間調整という観点から一定額の確保は必要であると考えており、また、県債につきましても、世代間の公平性の確保や負担の平準化といった観点から、その活用を図りつつも、将来の財政負担を考慮し、できるだけ残高縮減に意を用いてまいります。  具体的な数値目標につきましては、今後、財政収支に大きく影響する国体開催関連経費の総額も踏まえまして、できるだけ早く中長期的な財政見通しを試算した上で、お示ししてまいりたいと存じます。  大きな3点目、私立学校に対する認識について、3点御質問いただきました。  1点目、私立学校に通う子供たちに対する教育の認識についてでございますが、私立学校は独自の建学精神に基づき個性豊かな教育を展開され、県民に多彩な教育機会を提供いただいており、公立学校とともに、本県の学校教育において重要な役割を果たしていただいていると認識しています。こうした私立学校の果たす役割を踏まえ、私立学校の経営の健全化が図られるよう、学校運営に必要な経費に対して財政的な支援も行っております。  また、私立学校に通う生徒の保護者負担の軽減を図るため、国の就学支援金に県独自の上乗せをして、授業料の軽減の支援を図っているところであり、特に低所得の世帯に対しては、奨学のための給付金の支給により、授業料以外の教育費についても負担軽減に努めているところです。こうした取り組みを通して、公教育の一翼を担う私立学校の振興を目指しているところでございます。  2点目の学校法人に対する経営安定事業の一層の拡充についてです。  私立学校は独自の建学精神に基づいて自主的に運営され、その費用は学校教育法により学校設置者が負担することとされていますが、学校教育という公共性の高い事業を行っていただいていることから、学校法人の経営の安定化に対する支援は重要であると考えているところでございます。  とりわけ、平成29年度予算におきましては、私立学校振興補助金について、生徒1人当たりの補助単価を、高校、中学、幼稚園においてそれぞれ引き上げをお願いいたしているところでございます。  また、保護者負担軽減につきましても、低所得者世帯を対象に、奨学のための給付金について一部単価の引き上げをお願いしているところでございます。  3点目、私立学校に対する計画的な支援の拡充についてです。  これまでより、学校経営の健全化、教育条件の維持向上、保護者負担の軽減などにより、学校運営を総合的に支援してきたところでございます。  また、国において耐震改築事業に対する補助が2年延長されたことから、県といたしましても上乗せの補助制度を延長して実施いたしますとともに、来年度から県独自に学校法人が行う耐震診断に対する補助を創設するなど、計画的に私立学校の耐震化が促進されるよう支援してまいりたいと存じます。  今後も公教育における私立学校の役割を十分認識した上で、子供たちの教育環境の維持向上に向けて、私立学校振興補助金などを活用いたしまして、県内の私立学校が私学の魅力である建学の精神に基づく特色ある教育を推進していただけるよう、引き続き力を尽くしてまいりたいと存じます。  4点目、新生美術館について、4つの御質問をいただきました。  まず1点目、公開承認施設としての承認に向けた協議状況についてでございます。  基本設計と実施設計を取りまとめるに当たり、これまで11回にわたり協議を行い、作品搬入に適した動線の確保、収蔵庫等の適切な空気環境の維持などについて、その都度、助言をいただき、設計に反映してきたところでございます。  また、開館時点の公開承認施設としての承認の見通しでございますが、昨年12月、文化庁より、平成28年12月から平成33年12月までの5年間の承認を受けたところでございます。  来年度には工事に伴う建物の改築申請を行うこととなりますが、これまでから文化庁等と必要な協議を行い、助言を踏まえ設計を進めてきていることから、承認を得られるものと考えております。  工事着手後におきましても、文化庁等と緊密に連携をとりながら必要な空気環境調査などを実施することしており、開館時においても公開承認施設として継続できるものと考えているところでございます。  2点目に、新生美術館の来館者数目標とその根拠ならびにそのための具体的な取り組み策についてでございます。  平成25年12月に策定をいたしました新生美術館基本計画におきましては、来館者数目標を年間30万人としたところでございます。この目標は、平成19年度から平成23年度までの来館者数の平均値等をベースに算出いたしております。平成23年度から平成27年度までの来館者数の平均値はやや減少しておりますが、交流、連携、普及事業など新生美術館としての来館者数の増加に向けた取り組みを充実させることで、年間30万人の目標を目指してまいりたいと存じます。  また、そのための具体的な取り組みといたしましては、魅力ある企画展やコレクション展示の実施、幅広い芸術表現を取り上げる新たな分野の展覧会の開催はもとより、リピーターのさらなる獲得、キッズスペースやラーニング広場等を活用した屋内外でのワークショップの充実等を考えているところでございます。  3点目、今後の具体的な執行をどのように対処していくのか、また誰が責任をとるのかということについてでございます。  新しい美術館の館長につきましては、新生美術館基本計画に沿って、リーダーシップを発揮し、柔軟かつ機動的な運営が行える幅広い見識や経営感覚を持つ人材が必要であると考え、現在、慎重に検討を進めているところでございます。できるだけ早くお示しできるようにしてまいりたいと思います。  また、これまで近代美術館が蓄積した人脈や専門的ノウハウ、情報を今後も着実に引き継ぐとともに、神と仏の美やアール・ブリュットを初め新たな美の潮流に対応するため、新生美術館に必要となる専門性を備えた学芸員を配置するとともに、全ての美術館職員が横断的に連携し、事業の企画、実施を行える体制づくりを進めていくことといたしております。  これまでから、新しい美術館の整備については、私が先頭に立ち、職員一丸となって推進してきているところであり、引き続き知事として責任を持って尽力してまいりたいと存じます。  4点目、この新生美術館の計画における「一緒にやりましょう」に関する私の見解についてでございますが、特にこの新生美術館については、つくり上げるプロセスが重要であると考え、その都度、さまざまな分野の関係者や県民の皆様の御意見も伺いながら取り組んできたところでございます。  また、議員の皆様に節目節目で御報告申し上げ、御意見をいただきながら設計を進めてまいりました。こうした中で、議員の皆様との間の溝が埋まっていないとの御指摘については真摯に受けとめさせていただくとともに、今後も引き続き丁寧に、ある意味ではより丁寧に説明をさせていただくなど、御理解をいただけるように努めてまいりたいと存じます。  多くの方々に期待と共感を持って迎えていただける開かれた美術館を目指して、県議会の皆様と一緒になって新しい美術館づくりに邁進させていただきたいと存じますので、お力添えよろしくお願いいたします。  大きな5つ目、琵琶湖保全再生計画の策定について、6点御質問いただきました。  まず1点目、オオバナミズキンバイについてでございます。  オオバナミズキンバイは外来生物法の特定外来生物であり、その意味では一義的な防除主体は国とされております。これまでも国に対し、直轄防除事業の抜本的強化や補助金等による財政支援の拡充を要望してきたところでございます。これにより、平成28年度は直轄防除事業の対象区域を拡大していただいたほか、県と関係団体で構成いたします協議会が行う駆除事業に対する交付金の追加交付を獲得したところでございます。  また、平成29年度には、県が琵琶湖国定公園域外の流入河川および一部の内湖において行う駆除事業に対して、環境省の別の交付金を新たに活用できる見込みとなりました。
     計画案には外来植物対策として、取り残しのない駆除や駆除済み区域の徹底的な巡回監視、効果的で効率的な防除手法の確立などを位置づけているところでございます。  議員御指摘のとおり、オオバナミズキンバイを初めとして水質汚濁や外来魚の問題など、琵琶湖の課題は多様化とともに複雑化していると捉えており、今後も、あらゆる機会を捉え国に対して強力に働きかけるとともに、県としても、国民的資産である琵琶湖を守り生かすため、より総合的な視野に立って課題の解決に取り組んでまいりたいと存じます。  2点目の琵琶湖保全再生計画の重点事項、守る取り組み、生かす取り組みについてでございます。  守る取り組みにつきましては、これまでから取り組んでおります水源林の整備保全や水草対策はもとより、喫緊の対策が必要なオオバナミズキンバイ等の侵略的外来水生植物の防除や鹿を初めとする鳥獣害対策、また水産資源の回復に力点を置いて取り組んでまいります。  一方、生かす取り組みにつきましては、県民はもとより、国民の琵琶湖に対する理解と関心を深めるきっかけとなるエコツーリズムなどの体験体感による琵琶湖との触れ合い推進や、滋賀の林業成長産業化、琵琶湖漁業の持続的発展など、琵琶湖が持っているさまざまな可能性を引き出し、活用する施策に力点を置いて進めてまいりたいと考えております。  3点目の計画の重点事項の守ることと生かす、この好循環をどのように創出していくのかということについてでございますが、例えば森林整備や獣害対策などの守る取り組みを進めることにより、山村再生や林業の成長産業化などにつながり、山村再生や林業の成長産業化など生かす取り組みを進めることが、森林整備や獣害対策につながっていくと考えています。  これに加えまして、来年度に一部移転となります国立環境研究所との共同研究などの調査研究や、住民、事業者等多様な主体による協働、体験型の環境学習推進などの環境人材の育成など、琵琶湖を支える取り組みも重要であると考えています。  琵琶湖を守る、生かす、そして支えるという3つの視点に立った施策を推進し、琵琶湖の保全再生を加速してまいりたいと考えています。  4点目の琵琶湖新時代についてでございます。  雄大な琵琶湖とその周囲を取り巻く山々が織りなす美しい風景は、私たち県民が誇るべき資産であり、私たちの心のよりどころでもございます。自然と風土が生み出すふなずしや地酒などの個性豊かな食文化、世界遺産比叡山延暦寺や国宝彦根城、さらには湖北の観音文化など、琵琶湖の周辺には日本の、そして世界の人々の心をつかむことができる魅力的な素材が数多く存在しております。  琵琶湖を中心とした自然や人々のつながりを大切にしながら、行政、民間企業・団体、県民の皆様、さらには全国の琵琶湖ファン一人一人の協働により、琵琶湖とその周辺にある素材の価値を学び、再発見し、磨き上げることで、世界一魅力的な湖を目指してまいる所存であります。  そのために、琵琶湖の保全再生に向けた取り組みから歩みを進め、琵琶湖の魅力を高め、生かすことにこだわった取り組みを幅広い分野で展開していくことを、琵琶湖新時代と表現させていただき、宣言したところでございます。  びわ湖の日を国民の祝日である海の日の7月第3月曜日にしてはどうかと御提案いただいたことについてでございます。  その海の日は、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日として、平成7年に国民の祝日とされ、制定当初は7月20日、現在は7月の第3月曜日とされているところです。  一方、びわ湖の日は、昭和56年に琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例の施行1周年を記念して、7月1日をびわ湖の日と定め、さらに平成8年には、環境基本条例において、琵琶湖を初めとする環境保全についての理解と認識を深め、環境保全に関する活動への参加意欲を高める日として明文化されたところでございます。  私の思いといたしましては、このびわ湖の日を特別な日として休日と定めるとともに、市町や学校、民間企業等の皆さんにも御理解、御協力いただくことで、より多くの県民が改めて琵琶湖への思いを寄せ、さまざまな活動が活発になるなど、琵琶湖とのつながりを深める契機としていきたいと考えています。  海の日として既に休日と位置づけられている7月の第3月曜日をびわ湖の日とするという御提案も承りましたが、7月1日をびわ湖の日とした歴史的な経緯や、現在にも続くびわ湖の日を中心とするさまざまな活動などを踏まえますと、7月1日は滋賀県民にとって特別な日となっていると認識しておりまして、まずはこの日を休日とすることに向けて取り組んでまいりたいと存じます。  いずれにせよ、びわ湖の日の取り組みをもう一段上げていくことを目指しまして、今後、さまざまな意見も伺いながら、琵琶湖とのつながりをさらに深める契機となるよう、検討を進めてまいりたいと存じます。  6点目、どのような琵琶湖を県民と一緒につくり、県内外に発信していこうとしているのか、私の決意について御質問いただきました。  400万年という悠久の歴史の中で、固有かつ多様な生態系を育み、常に人々の暮らしとともにある琵琶湖は滋賀の希望でございます。計画では、国民的資産である琵琶湖を、健全で恵み豊かな湖として保全再生を図るため、琵琶湖と人との共生を基調といたしまして、共感、共存、共有が重要であるとの認識のもと、滋賀県および県内市町が多様な主体の参加と協力を得て、保全再生施策を推進することを基本的な考え方としています。  この計画の策定を契機といたしまして、琵琶湖を中心とした自然や人々のつながりを大切にしながら、行政はもとより、民間企業、団体、県民の皆様とともに、琵琶湖の持つさまざまな可能性を引き出し、その魅力を高め生かしていくことにより、世界一魅力的な湖を目指してまいりたいと考えています。  命の源泉であり、祈りの聖地であり、癒しの空間でもあるこの琵琶湖、その琵琶湖からの恵沢を将来にわたって、滋賀県はもとより日本国民が享受できるよう、真に自然と共生する社会のモデルを県を挙げてつくり、滋賀県から全国に、そして世界に発信し、琵琶湖新時代を切り開いてまいりたいと考えております。  大きな6項目め、障害者施策について、5点御質問をいただきました。  1点目、滋賀に根づく福祉の思想についての所見でございます。  糸賀一雄先生らは戦後の混乱期に近江学園を創設され、子供たちとともに生活をする中で、この命の輝きに社会を変革する力があることに気づかれ、「この子らを世の光に」との言葉を残されました。この言葉を時代に即してどのように具現化していくのか。糸賀先生らから私たちに出された大きな重い宿題であると考えています。  私は、糸賀先生の次の言葉、3つございますが、よりどころとしています。1つ目は、実は根が1つということ。「共感の世界というものの根拠があることを私たちは知りたい。本当に共感できるかどうかは年期がかかります。何年かかってもいいから、慌てず、急がず、本当に心の中に愛を育てていきたいと思います。愛は育つのです」と、そういうお言葉が1つ目。2つ目は、「福祉の実現は、その根底に福祉の思想を持っている。福祉の思想は、行動的な実践の中で常に吟味され育つのである」というお言葉。3つ目は、「自覚者が責任者である」という言葉でございます。  誰であっても福祉の課題に気づき、自覚した人がみずから責任を持って実践を行う。そうした実践を目の当たりにして、人々の中に人の幸せを思いやる共感の心が育っていく。やがて共感と連帯によって、一人の不幸も見逃さない社会が実現するということではないかと理解をいたしております。  本県の福祉の歩みを振り返りますと、近江学園以来、自覚者が連綿としてふえ続け、障害児の早期発見・早期療育システム、重症心身障害者支援、さらにグループホームや障害者自立支援協議会のモデルになった取り組みなど、制度に先駆けた実践が行われてまいりました。  現在におきましても、民家などを活用いたしました、幼児から高齢者までいつでも誰でも集える居場所「あったかホーム」でございますとか、子供が御飯を食べて宿題をしたり遊んだり、安心して過ごせる地域の居場所である「子ども食堂」の活動などの実践が広がり、県内に根づいてきております。  この福祉の思想は、お互いの人格と個性を尊重する共生社会の実現を目指すため、高齢者、障害者、子供といった分野や時代を超えた普遍的な考え方であり、県民の皆さんとともに後世に引き継ぎ、広めていくべき本県の財産であると認識いたしております。  2点目、県民に滋賀の福祉の思想が浸透しているのかどうかといった御指摘についてでございます。  今申し上げた草創期の近江学園では、人や物資が不足する中、地域住民が自発的に食料の提供や作業を手伝い、難局を乗り越えてこられたと聞いています。  また、信楽地域では、糸賀先生の同志であられます池田太郎先生が窯業を通じた就労支援に取り組まれ、地元の皆さんが生活の場と働く場を提供することで、ともに暮らし、働く地域社会をつくり上げられました。現在でも、県民の皆さんが隣人、友人、同僚として、あるいはボランティアや後援者として、生きづらさを抱えた人を支えるために力を発揮しておられ、福祉の思想は着実に広がっていると考えています。  一方で、現在でも障害のある人を避けようという意識を持つ人がいたり、人と人とのつながりや命の温もりを感じづらい状況があるとも認識いたしておりまして、福祉の思想の一層の浸透が必要であると考えています。  今後、関係者とともに、あらゆる機会を通じて、今の福祉実践と糸賀先生の理念を県民の皆さんに知っていただけるよう努めるとともに、条例の検討過程が県民の皆さんに見えるように議論を進めることにより、福祉の思想が浸透し、共感と実践が広がるよう取り組んでいきたいと存じます。  3点目、障害者プランのこれまでの実績と今後の課題についてでございます。  障害者プランの実績を目標指標で見ますと、県内の就労移行支援事業の利用者のうち年度内に一般就労へ移行する人の割合は、平成29年度の目標値が20%であるのに対しまして、平成27年度の実績が20.3%と、既に目標を達している状況でございます。  一方で、福祉施設に入所している人のうち地域生活に移行した人、目標値が平成27年度から平成29年度の累積で21人であるのに対しまして、平成27年度の実績が1人にとどまっております。  こうした状況について、障害者プランの進行管理と評価を行う滋賀県障害者施策推進協議会では、例えば、一般就労を支援する福祉事業所が企業にどのようなことを求めているかがわかれば、もっと協力しやすいといったようなことですとか、県内での住まいの整備について、具体的な進め方を協議する機会をつくってほしいなどの御意見をいただいたところでございます。  今後の課題につきましては、当事者団体などの御要望や御提案、平成28年6月の障害者総合支援法と児童福祉法の改正を踏まえますと、医療的ケアや発達障害など障害のある子供への支援の強化、障害福祉サービス事業所から企業等への就労の促進、重度障害のある人の地域生活の実現、障害のある人の高齢化への対応、ひきこもりなど制度のはざまにある課題や、複数の課題を抱える人の福祉ニーズへの対応などがあると考えております。  さらに、障害者差別の解消や障害者虐待の防止など、障害者理解の促進や権利の保護、障害福祉サービスの質の確保等も、引き続き取り組むべき課題であると認識しています。  来年度の障害者プランの改定に当たりましては、滋賀県障害者施策推進協議会にこれらの課題や取り組み分野ごとの小委員会を設置し、当事者、障害福祉事業者、行政関係者などから幅広く意見を頂戴しながら、現状を踏まえた実効性のある計画となるよう、検討をしてまいりたいと存じます。  4点目、糸賀一雄氏の思想の条例への反映について御質問いただきました。  ひきこもりやダブルケアなど、福祉ニーズの多様化、複雑化に伴って、高齢者、障害者、子供といった既存の縦割りシステムでは対応し切れない課題が生じております。また、今後、人口が減少し、サービスの受け手も、また担い手も減少してくる中で、従来どおり縦割りのサービスの提供を全て用意するのは困難となっていくことも予想されます。  このため、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、公的な福祉サービスと協働して、助け合いながら暮らすことができる地域共生社会の実現が求められています。  糸賀先生らは、近江学園での地道な実践を続けられる傍らで、講演、著作、映像や写真など、さまざまな手段を用いられて人々に語りかけられ、社会を変えていこうと生涯をかけて取り組まれました。  人々のきずなが薄れる一方で、生きづらさを生み出す格差や障壁が依然として存在する現在だからこそ、私たち県民は糸賀先生の実践に学び、その全ての人に居場所と出番がある共生社会の実現を目指す決意と行動を改めて示すことが必要であると考えます。そのために、滋賀に根づくこの福祉の思想を条例として県民の皆さんが改めて共有することは、大変有意義なことであると考えます。  来年度は、この福祉の思想を条例にどのように盛り込めばよいのかを含めて、社会福祉審議会に専門分科会を設けて条例の骨格を御議論いただくとともに、滋賀県障害者プランの改定における議論も踏まえながら、滋賀らしく実効性のある条例になるよう、検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、第2期滋賀県スポーツ推進計画における障害者スポーツの位置づけ、振興策についてでございます。  第2期滋賀県スポーツ推進計画の策定につきましては、昨年11月、滋賀県スポーツ推進審議会に諮問を行い、現在、議論をいただいているところです。  この審議会では、障害者がスポーツを身近に楽しめる環境整備が必ずしも十分でない現状を踏まえまして、障害のある人とない人がスポーツでともに活動できることが必要であること、障害者と地域のスポーツ関係者や団体が連携して活動することが重要など、障害者スポーツの振興についてさまざまな御意見をいただいているところでございます。  今後、第2期計画の策定に当たりましては、こうした御意見を踏まえますとともに、滋賀県スポーツ推進条例に規定されております障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類および程度に応じ必要な配慮または支援を行うことという基本理念の実現に向け、障害者スポーツの振興を施策展開の柱にしっかり位置づけてまいりたいと存じます。  また、新年度におきましては、障害者がスポーツを身近に楽しむことができるよう、総合型地域スポーツクラブでニュースポーツの活用など、誰もが取り組めるプログラムの情報共有やマニュアルの普及を図りますとともに、特別支援学校等を活用したスポーツ教室、パラスポーツチャレンジプロジェクトにおいて、大学との連携による拠点整備も進めていくこととしております。  さらに、東京オリンピック・パラリンピックに向けたホストタウンの取り組みにおきましては、守山市とともに障害者スポーツによるトルコ共和国との交流を進めることといたしており、こうしたさまざまな取り組みを行うことにより、全ての県民が身近にスポーツを楽しみ、みずから進んで参画し、互いに連携協働することを通じて、全ての人に居場所と出番のある共生社会の実現に向け取り組んでまいりたいと存じます。  次に、大きな7項目め、滋賀県経済の成長に向けた海外展開について、4点御質問いただきました。  まず1点目、本県の国際ビジネスの状況についてでございます。  本県が昨年度、製造業を対象として実施し、366社から回答がございました貿易実態調査では、平成26年の輸出額は7,052億円余で、輸入額は5,906億円余でございました。平成26年は輸入額および輸出額ともに前年を上回り、年間貿易額、これは輸出額と輸入額を足したものでございますが、これは前年比で7.8%の増加となったところでございます。  企業区分で見ますと、中小企業の輸出額は678億円余でございまして、全体の9.6%、輸入額は201億円余で、全体の3.4%となっております。  輸出の商品別では、電気機械器具製品が最も多く、全体の29.1%を占めております。次いで一般機械器具製品、輸送用機械器具製品の順となっておりまして、機械関連業種で全体の70.5%を占めております。  輸出先といたしましては、アジア向けが最も多く、全体の68.5%、次いで北米向けが14.7%、西欧向けが10.4%となっております。  企業の海外進出で最も多い地域はアジア地域であり、151社が進出しておられます。次いで北米地域の18社、西欧の9社の順となっており、今後の進出の意向につきましても、アジア地域を挙げる企業が多くなっております。  また、農畜水産物の輸出につきましては、昨年度、農業関係者を対象として実施し、106者から回答がございました輸出実態調査によりますと、輸出に取り組む生産者等は26者で、品目といたしましては、多い順に、近江牛が7者、お茶が5者、米が3者などでございます。  輸出先といたしましては、シンガポールや香港、タイなど東南アジア向けが18者と最も多く、ドレッシングなどの加工品や花卉などはアメリカやEUにも輸出されております。  2点目、産業支援プラザの海外展開の実績と課題についてでございます。  県内企業の海外展開支援に当たりましては、産業支援プラザ内に貿易投資相談窓口を設置しており、相談員として商社等のOB2名を配置いたしまして、相談対応や情報提供、セミナーの開催などを行っております。  相談件数は、平成24年度125件、平成25年度197件、平成26年度233件、平成27年度221件、この今の平成28年度は1月末までで187件となっておりまして、県内企業の海外展開に関する関心が高まっていると考えられます。  相談内容の内訳は、輸出関連が39%と最も多く、次いで輸入関連が11%、投資関連が10%となっております。  国別では、中国とベトナムが13%ずつ、タイが10%、ASEAN等21%、その他の国が43%となっており、東アジア、東南アジア地域に関する相談が多い状況でございます。  また、滋賀銀行、三井住友海上火災保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社等と連携いたしまして、専門家等を招聘し、平成28年度はこれまで計8回のセミナーを開催し、延べ225名の参加を得ました。  課題といたしましては、国際情勢の変動や多様化、複雑化する企業のニーズに適切に対応するために、よりきめ細かで専門的な支援が必要となっているところでございます。このため、国の新輸出大国コンソーシアムの取り組みや、海外に幅広いネットワークを持つジェトロ等との連携を一層強化することが重要であると考えています。  そのジェトロとの連携および重点的な取り組みについてでございますが、ジェトロ滋賀事務所について、来年度中の設置を目指して、昨年12月に設置要望書をジェトロに対して提出いたしました。  ジェトロ滋賀事務所が設置された場合には、県の各施策や産業支援プラザが培ってきた県内のネットワーク、ノウハウ等を生かしながら、ジェトロとの連携を図ってまいります。  具体的には、設置が決定され次第、県やジェトロ、経済団体、JAグループ、産業支援プラザ、市町等で構成される準備会議を設置するとともに、ジェトロ開設後は海外展開支援を推進する会議を立ち上げて、ジェトロのみならず、県内関係者が連携して、企業や生産者等の海外展開を推進してまいります。  一方、ジェトロ滋賀事務所と連携した取り組みとして、例えば1つ目、産官学民に蓄積された琵琶湖保全に係る経験や技術、ノウハウ等を生かした水環境ビジネスの推進、近江牛や近江米、近江の茶など、滋賀の農畜水産物の海外販路開拓、3つ目に、昨年県議会で制定いただきました近江の地場産業および近江の地場産品の振興に関する条例に基づく地場産業、地場産品の海外販路開拓、4つ目に、滋賀の恵まれた地の利のよさや自然等の住み心地のよさ等を生かした外資系企業へのセールスに重点的に取り組みたいと考えています。  その他、ジェトロの持つ豊富な海外ネットワーク等を生かして、インバウンドの促進等の取り組みも充実させてまいりたいと存じます。  4点目、ジェトロ滋賀事務所開設の成果目標についてでございますが、ジェトロの県内設置により、県内中小企業がジェトロをより活用しやすくなる土壌ができるとともに、本県の状況に応じたセミナーや商談会を実施できると考えています。  これらにより、既に海外展開している企業等の業績の向上のほか、新たに海外展開に取り組まれる県内企業や生産者等の掘り起こしが期待できます。  水環境ビジネスでは、新たにジェトロと大阪府との共同事業として水メジャーを招聘し、商談会を開催するなどにより、開設後5年間で商談1,000件を目指してまいりたいと存じます。  海外展開企業の掘り起こしでは、ジェトロ設置により、今までノウハウが不足していた企業に対して、海外対象国の商慣習、現地企業等の情報提供や販路開拓などの支援をきめ細かに行うことが可能になりますことから、開設後5年間で、県内中小企業15社の新規開拓を行っていきたい。これにより約75億円の輸出額の増加が見込まれるところでございます。  さらに、農畜水産物につきましては、ジェトロ貿易情報センターから有望市場の食文化や嗜好性、農薬規制の情報提供などを受けながら、昨年度策定いたしました滋賀県農畜水産物輸出戦略に掲げております輸出目標である平成32年度において、近江牛については440頭を800頭に、近江米については140トンを300トンに、近江の茶については0.4トンを10トンにという目標の達成を図ってまいりたいと存じます。  大きな8項目め、農業、水産業の競争力強化について、8点御質問いただきました。  1点目、農業の新規就農者の確保状況およびその課題についてでございます。  近年、食料をみずから生産する喜びや農業が好きだからという理由で農業を志す若者がふえています。このため、県では、公益財団法人滋賀県農林漁業担い手育成基金や、市町と協力いたしまして、就農を希望される方々への支援や就農後のサポートを実施しております。この結果、平成21年度以降、新規就農者は目標としております年間約100名を確保できており、その大半は40歳代以下でございます。  新規就農者の確保育成に向けての課題についてでございますが、近年、新規就農者の半数が非農家出身者が占めておりますことから、農地の確保が重要な課題となっております。また、施設、機械等の整備や技術、経営力の早期習得、就農前後の所得の確保なども課題と認識しています。  このため、農地中間管理事業を活用いたしました農地の借り入れや青年就農給付金の活用のほか、普及指導員による技術や経営指導など、就農準備から就農後経営が安定するまで、段階に応じた総合的な支援を行っているところでございます。  2点目、就農意欲の喚起と就農後の定着を図るための対策についてお答えをいたします。  就農意欲を喚起するため、議員御指摘のとおり、就農前に実際に農業を体験してもらうことが重要であると考えています。このため、県内の先進的な農家で農作業を体験してもらう五感で感じる農業体験を開催いたしまして、今年度は17名の参加がございました。  また、既存の国の農業インターンシップ制度や、今年度から始まりました滋賀インターンシップ推進協議会の取り組みに、県内農業法人等が積極的に参加されるよう働きかけてまいりたいと考えます。  さらに、先輩就農者の体験談を聞き基礎知識を学ぶ就農準備講座を、今年度は9月と11月に開催いたしまして、延べ45名が参加されたところでございます。  就職就農者の定着率が低いことにつきましては、平成25年に全国農業会議所が調査した結果によりますと、雇用主との人間関係や仕事がきついなどが離職の主な理由となっています。このため、定着率の向上対策といたしまして、今年度より農業法人などの経営者向けに、従業員とのコミュニケーション手法など人材育成について学ぶセミナーを実施し、参加者からは、人を育てることの大切さがわかったとの評価もいただいたところでございます。  あわせまして、従業員を対象に、仕事のやりがいやモチベーションを高めることを目的に交流会を開催しており、引き続き、就職就農者の定着に向けた支援を行ってまいりたいと存じます。  3点目の先進技術の活用や経営管理能力の向上など、人材力の強化についてでございます。  先進技術の活用については、農業技術振興センターに、本県のICT農業の推進拠点となります研修棟と、栽培環境を自動制御できる園芸ハウスを整備させていただくこととしております。  この施設では、民間企業や大学等と連携いたしまして、農業大学校のICT農業の教育の充実、若手の農業者や普及指導員、JA営農指導員を対象とした講習会等を開催し、高収益農業を実現する人材育成に取り組むことといたしております。  一方、経営管理能力の向上につきましては、農業大学校では、来年度から県内外の第一線で活躍される先進的農業者による講義や現地視察など、プロ農家育成を目指したカリキュラムを充実することといたしております。  また、就農して5年から10年程度の若手農業者を対象に、経営戦略やマーケティング、ICTの活用など、経営全般を体系的に学べるしがの農業経営塾を新たに開設し、本県農業を牽引するトップランナーの育成を図ってまいりたいと存じます。  このような取り組みを通じて、農政新時代を担う人材を確保育成し、本県における農業の産業としての競争力を強化してまいりたいと存じます。  4点目の環境保全型農業直接支払交付金の平成29年度予算計上の考え方についてでございます。  環境こだわり農業は、環境こだわり農業推進条例はもとより、国民的資産とされた琵琶湖を守る琵琶湖保全再生法や世界農業遺産の取り組みにおいても重要施策として位置づけている本県ならではの琵琶湖と共生する農業であり、本県農政の核として推進する必要がございます。  県基本構想に掲げております環境こだわり米の作付面積割合を平成30年度に50%とする目標の達成に向け、当交付金の活用による継続した支援が必要と考え、来年度予算については、その割合を今年度の45%から47%に引き上げるのに必要な支援額として、対前年度比19.7%増の6億6,474万円を計上させていただいたところです。
     当交付金は国の法律に基づく制度で、国と県と市町が2対1対1の比率で負担し、生産者に作付前にかかり増し経費に見合った単価を示して取り組みを促す仕組みでございまして、その単価どおりしっかりと支払うことが不可欠であることは申すまでもございません。  しかしながら、平成29年度の国の予算案は今年度と同額でございまして、不足することが見込まれますため、今後、国が必要額を措置されるよう、JA等関係団体、さらには県議会議員、県選出国会議員の皆様にも御協力をいただき、また、他の都道府県とも連携しながら、これまで以上に強く国に対しても要請してまいりたいと存じます。  生産者の皆さんに環境こだわり農業に安心して取り組んでいただき、着実に推進するため、来年度においては事前にお示しした単価をお支払いできるよう、市町と連携しながら、県として責任を持って対処してまいりたいと存じます。  5点目、今後、環境こだわり農業にどのように取り組んでいくのかについてでございます。  本県では、御指摘いただいたように、全国に先駆けて環境こだわり農業を推進し、その取り組みは日本一となっております。しかしながら、全国の取り組みが拡大してきて、環境こだわり農業がスタンダード化しつつある中で、本県の優位性は薄らいできている状況です。  さらに、平成30年からの米政策の見直し等により産地間競争がさらに激化すると予測され、本県農業の競争力の強化を図ることが喫緊の課題となってございます。  このような状況を踏まえ、全国を牽引してきたトップランナーとして、環境こだわり農業の取り組みをしっかりと守りながら、新たにブランド力強化や琵琶湖の保全に資する取り組みを推進していくことが必要であると考えます。  このため、来年度から環境こだわり農業の深化プロジェクトを実施いたしまして、有機農業などの栽培技術の実証や、実践農業者、流通業者、さらには消費者ニーズの調査をもとに検討を進め、深化に向けた取り組みをスタートさせます。  あわせまして、本県の環境こだわり農業の取り組みが日本一であることを、京阪神はもとより全国に向け、首都圏情報発信拠点も活用しながら、そのストーリーとともに発信し、全国に誇れるブランドとして構築していきたいと考えております。  6点目、漁業後継者の確保と育成についてでございます。  昨年11月の定例会議でお答えいたしましたが、今年度、滋賀県漁業協同組合連合会に、就業希望者の相談窓口となりますしがの漁業技術研修センターを設置するとともに、琵琶湖漁業を詳しく紹介する専用ホームページを開設したところでございます。  現在、地元漁業協同組合の御協力も得て、実際に操業体験していただく10日間の短期研修を進めており、これまでに3名の研修生が刺し網漁や貝びき網漁の体験をされ、さらに数名の方から、えり漁など他の漁法での研修希望もいただいているところです。研修生からは、琵琶湖の湖底の状況がよくわかったとの御感想や、本格的な技術習得への意欲をお聞かせいただいたところです。  来年度からは、短期研修の受け入れ人数を18名にふやすとともに、2名に対して、漁労技術の習得を目指す6カ月程度の中期研修をスタートさせる予定でございます。  さらに、就業希望を固めた研修生には、国が行う最長3年間の長期研修の活用を促すとともに、漁船、漁具の準備や住居の確保など、市町とも連携した総合的な支援に取り組み、着実な就業につなげてまいります。  このような一連の取り組みにより、県農業・水産業基本計画で目標といたしております平成32年度までに累計10名の新規就業者を確保し、琵琶湖漁業を次の世代にしっかりと引き継いでまいりたいと考えます。  7点目、大雪に関する本県の農業被害状況についてでございます。  本年1月14日からの大雪により、先週末の時点で、農業施設については、野菜など園芸用ビニールハウスの全壊、半壊など294カ所、被害金額約1億9,000万円、農作物については、ビニールハウス倒壊による収穫不能、積雪による倒伏など3.1ヘクタール、被害金額約1,500万円、合計で2億円を超え、県内全域にわたり近年にない被害が発生しております。  その大雪の農業被害に対する県の対応についてでございます。  去る2月2日、農林水産省に対して緊急要望を行いました。礒崎農林水産副大臣からは、被災者への心からのお見舞いとともに、全国的な状況、そして今後の状況を見て対応したい旨の御回答を得たところでございます。  県の対応でございますが、農業被害に対しましては農業共済制度が整備されており、その活用が基本と考えております。このため、県といたしましては、共済金の早期支払いに向け農業共済組合と連携するとともに、あわせまして、日本政策金融公庫や農協などの低利融資制度の活用を促進してまいりたいと存じます。  加えまして、今回の大雪につきましては、県として園芸振興を図っている中、農業施設に大きな被害が出ており、農業団体等からも強い要望をいただいておりますことから、大雪被害からの再起を目指して、新たな園芸作物の産地化に向け取り組む農業者に対し、ビニールハウスの再建に必要な対策を講じたいと考えています。  今回被災された生産者の皆様が一日も早く園芸作物の生産を再開され、地域の特性を生かした新たな園芸産地づくりの第一歩を着実に踏み出していただけるよう、県としてしっかりと対応してまいります。  また、今後も降雪の可能性がありますことから、農業施設の補強や保温などの雪害対策、農業共済への加入促進など、気象災害のリスクへの備えの強化を指導しながら、園芸振興に着実に取り組んでまいります。  私に賜りました最後の大きな御質問、建設系技術者の育成確保について、4点御質問をいただきました。  1点目、土木事務所における36協定違反の状況になりました原因、改善状況、再発防止についてでございます。  今年度は、繰り越し予算、国の交付金等事業や補正事業等の増により、土木交通部全体で執行する事業費が前年度に比べ100億円近く増加しておりますこと、公共事業費の上半期発注率80%を目指し、上半期に発注事務が集中いたしましたこと、また、台風等の災害対応や国道306号の多賀町地先における大規模な法面崩壊など、突発的な事態に対応したことなどが起因しているものと考えております。  労働基準監督署からの是正勧告を受けましたことは、コンプライアンスの点で大変問題があり、このことを重く受けとめ、まずは労働基準法違反であった実態を土木交通部全体に周知いたしまして、法令遵守意識の向上を徹底いたしますとともに、各所属における仕事の仕方の見直しを進め、特定の職員に仕事が偏らないよう上司のマネジメントの徹底などに努め、勧告を受けて以降、36協定の上限を超えた時間外勤務命令は行っておりません。  今後は、現場技術業務の外部への委託や事務の見直しなどにより、これまで以上に業務を効率的に進められるよう工夫するとともに、土木事務所内での事務分担の見直しや、課や係の垣根を超えた応援体制の構築を行い、再発防止に努めてまいります。  2点目、新規上級職員の募集の定員割れの原因と追加募集の結果についてでございます。  昨年夏に実施いたしました今年度の県職員採用試験において、総合土木職は22人の募集に対して合格者は16人でございまして、募集人員を下回りました。また、機械職につきましては、1人の募集に対する合格者1人の方が、本県への採用を辞退されました。  このように、合格者が募集人員を下回ることとなった要因といたしましては、大学で土木建築工学を専攻する学生が全体として減少していること、震災復興や災害復旧、東京オリンピック・パラリンピック開催準備等による建設事業の増加に伴いまして、民間企業と国、自治体との間で、また自治体同士においても土木技術者の獲得競争となっていることが背景にあるのではないかと考えています。  こうした事態を受けまして、来年度の事務執行を行う上で必要な採用者数を確保するため、土木職、機械職の追加募集を本年1月に実施いたしました。その結果につきましては、去る2月13日に最終合格者が発表されたところでございますが、土木職につきましては9人が合格するとともに、機械職については3人が合格し、必要な採用者数を確保できたものと考えております。  3点目、県内建設産業技術者の現状と今後の対応、人口減少、労働力減少社会への抜本的な対策についてでございます。  まず、現状についてでございますが、本県の建設業界における就業者数は、平成17年には5万1,000人でありました就業者数、平成27年では4万2,000人と、約17%、これは国勢調査の速報値でございますが、減少しております。この状況は全国的にも同じ傾向でございます。  また、総務省の労働力調査によりますと、平成9年から平成27年までの18年間で、15歳から24歳の若年就業者の構成比率は11%から5%に減少しているところでございます。このため、若年就業者の育成確保が課題と認識しておりまして、建設業者との協働により、滋賀けんせつみらいフェスタ、現場見学会、出前講座など、魅力発信事業に今後も引き続き取り組んでまいります。  また一方で、労働力減少社会への対策といたしまして、建設現場の生産性の向上についても取り組むことが重要であると認識しております。  国土交通省では、i−Constructionといたしまして、ドローンによる測量やハイテク建設機械による自動運転などの活用を推進しております。  本県におきましても、これはドローンのびわコプターの導入や情報通信技術を備えた建設機械の導入など、全国に先駆け取り組んでいるところであり、今後も積極的に建設現場の生産性の向上を図ってまいりたいと存じます。  4点目、総合評価方式などの発注形態、これが県内事業者の育成にどのような効果があるのかということについてでございます。  総合評価方式は従来の価格競争とは異なり、技術提案や技術者資格などの技術的な要素に加え、地域貢献度等を評価しているものでございます。  平成27年度の工事成績を比較いたしますと、総合評価方式が相対的に高くなっておりまして、企業の技術力向上に一定寄与しているものと認識しています。こういった効果も見られますことから、品質向上と担い手の育成確保を踏まえ、総合評価方式等の適切な運用を図り、県内事業者の育成につなげてまいりたいと考えております。 ◎教育長(青木洋) (登壇)教育施策についての7つの質問にお答えいたします。  まず1点目の学習指導要領の改訂を見据えて、どのような点に力を入れて取り組んでいくのかについてであります。  次期学習指導要領では、子供たちが学習内容を自分の暮らしや生き方と結びつけて理解し、生涯にわたって主体的に学び続けることを大切にしており、子供の能動的な学びのある授業づくりが求められております。  県教育委員会といたしましては、こうした趣旨を踏まえ、授業改善や指導力の向上に力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。  まず、子供がみずから課題を見つけ、意見を出し合い、考えを深め解決していく学習、いわゆる主体的、対話的で深い学びを実現する授業改善を図るため、県内の小学校19校と中学校5校を研究校に指定し、研究を深めてまいります。  また、中学校においては、各教科のリーダーとなる指導力のある教員をコアティーチャーに認定し、授業公開や学校訪問を通して、すぐれた指導方法の普及を図ってまいります。さらに、総合教育センターでの教員研修につきましても、これまで取り組んできた授業改善や指導力の向上を図る研修を充実させてまいります。  こうした取り組みに加え、全ての教員に次期学習指導要領の趣旨を周知徹底する必要がありますことから、市町教育委員会の指導主事等への伝達講習を実施するともに、全ての公立小中学校を訪問して、授業を通した指導、助言を行います。  あわせて、保護者の皆さんに対しましても、学習参観等の機会を通じて、新学習指導要領の趣旨や学校の授業改善の取り組みについて伝えてまいりたいと考えております。  次に、2点目の小学校における英語への対応についてお答えをいたします。  平成30年度から小学校外国語科が先行実施されますことから、小学校教員の指導力向上は喫緊の課題であると認識をしており、県や市町、小学校において、英語教育のリーダーとなる教員の育成に力を入れております。  具体的には、まず、毎年3名の小学校教員を文部科学省主催の研修会に派遣をし、研修修了後は総合教育センターの指導力向上研修の講師として、外国語活動主任を対象に、英語教育のすぐれた指導方法を伝えております。  また、小中高等学校が連携した系統的な英語教育に取り組む5つの強化地域を設け研究を推進しますとともに、他地域の教員に対しても、授業公開や成果の報告を通して、英語教育の先進的な取り組みの普及を図っております。  さらに、滋賀大学と連携して、小学校教員に中学校外国語科二種免許状を取得させる取り組みや、大学等の外部専門機関と連携した教員研修会の実施、外国語科の免許状を所持している教員の適正な配置や新規採用に努めております。  あわせて、来年度は全ての市町に小学校外国語教育の専科教員を配置をし、指導計画の作成や先進的な授業を発信することで、英語教育の円滑な導入の実現に取り組んでいくこととしております。  次に、3点目の来年度の体験学習の充実に向けた取り組みについてお答えをいたします。  本県ではこれまでから、自然や伝統、文化など地域資源を生かした滋賀ならではの本物体験、感動体験を柱とした体験学習を推進しております。こうした体験学習は、豊かな人間性や人間関係を築く力を培う上で重要な役割を担っていると認識をしており、来年度は、事業の系統性と質の向上という2つの観点からの充実を図ってまいりたいと考えております。  1つ目の系統性につきましては、幼児期や小学校低学年の土や水、生きものなどの自然に親しみ、感性を育む体験、これを基盤として、琵琶湖の水源林を育てることの大切さを学ぶ4年生のやまのこ、その琵琶湖が多様な生きものの命を育んでいることを学ぶ5年生のうみのこへとつながる系統的な学びの実践を考えております。  2つ目の質の向上につきましては、まず、現在策定を進めておりますうみのこ新船における新たな学習プログラムについて、1、事前学習の充実、2、湖を身近に感じ、体全体で学ぶ、3、科学的に琵琶湖を学ぶ、4、地域の伝統文化や歴史から学ぶ、5、ICT活用による学習の充実の5つの柱を設け、活動の質的な向上を目指しております。  また、ホールの子事業においては、子供たちの良かった、また聞きたいという声を大切にし、関係部局との連携の中で、これまでの成果を踏まえながら、演奏曲や演出により一層工夫を加え、さらなる質的な充実を図り、参加者がふえるよう取り組んでまいります。  次に、4点目のキャリア教育や職業教育について、来年度の進め方についてお答えをいたします。  グローバル化や高度情報化、少子高齢化など社会が大きく変化する中で、子供たちには時代の変化に力強く柔軟に対応できる力が求められております。このような力を育んでいくためには、地域や地元企業とのつながりを大切にしながら、小中高が連携をした系統的なキャリア教育をしっかりと進めていくことが重要であると認識をしております。  来年度、小学校では、幼児期に味わった人とかかわることの楽しさなどを踏まえ、社会見学等を通して仕事や環境への関心を高めます。中学校では、チャレンジウィークなどを通して、小学校で高めた関心を生き方や働き方を考える学習へとつないでいきたいと考えております。この中学校での学びをさらに深めるために、高校では、インターンシップを初め、課題対応力やチャレンジ精神、創造性などを育む取り組みを一層進め、具体的に自分の将来を展望する力を高めていきたいと考えております。  このような取り組みとあわせて、専門高校を中心とした職業教育では、地域の産業界や大学などと連携をして、高度な資格取得を進めるなど、将来のスペシャリストとして必要な知識や技能を備えた人材の育成を図ってまいりたいと考えております。  今後、小中高の進路指導担当者の交流、連携をさらに深め、取り組みの成果や課題を共有しながら、キャリア教育、職業教育の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、5点目のいじめや不登校の問題に対する取り組みについてお答えをいたします。  いじめや不登校の問題は、さまざまな要因が複雑に絡み合っておりますことから、議員御指摘のとおり、その解決には、児童生徒一人一人に応じたきめ細やかな対応が必要であると考えております。  そこで、まず、こうした問題への対応等に関する研修を実施し、教員のさらなる資質の向上を図ってまいります。  また、心理や福祉の専門家であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置時間数を今年度よりもふやし、教員と連携、分担する体制を今まで以上に充実させ、チーム学校による組織的対応の強化に努めてまいりたいと考えております。  こうした取り組みによって、子供を中心に据えて社会全体で子供を見守る姿勢を大切にしながら、児童生徒とのかかわりを充実していくことで、児童生徒一人一人の多様な課題に対応した切れ目のない支援を推進していきたいと考えております。  次に、6点目の県立学校の空調設備の整備方針および整備費用についてお答えをいたします。  県立学校の空調設備につきましては、平成29年度から5年をめどとして、全ての県立学校の普通教室等に順次整備することを考えております。  まず、平成29年度には、改築工事を予定しております新校長浜北高校など6校について、リース方式により整備することを予定しております。あわせて、平成31年度以降の整備について、PFI方式の導入可能性調査を実施していくこととしております。  また、一部の高校について、既にPTA等による空調設備の整備が行われているところでありますが、それに係る光熱水費の負担につきましては、平成30年度から公費負担する方向で、また、リース代につきましては、県による整備が全て完了する時点において、それ以降分について公費負担できるよう検討していきたいと考えております。  次に、整備費用等についてですが、PFI方式につきましては、導入方法等について今後検討が必要になりますことから、現時点で明確にお答えすることは困難でありますが、リース方式で申し上げますと、整備については、耐用年数に応じた13年の支払いとして、整備費用および光熱水費等の維持管理費を合わせますと、平年度ベースで年間約7億円程度、1校当たり一千数百万円程度と試算をしております。  最後に、7点目の働き方改革についてお答えをいたします。  県教育委員会では、教員が心身ともに万全な状態で子供一人一人と向き合う時間を確保するため、学校現場の働き方改革に取り組んでおります。  今年度は、これまでに県教育委員会が行ってきた会議や調査、報告などの業務の廃止や見直しを行うなどの取り組みを進めてまいりました。これは県教育委員会が直ちに取り組めることから始めたものでありますが、あわせて具体的に業務を見直す姿勢を示すことで、市町の教育委員会や学校現場の管理職が取り組むきっかけとなり、教員の負担軽減の取り組みが広がることをも期待して行ったものであります。  また、今月16日には、さらに学校現場に取り組みが届くようステップアップするために、県教育委員会事務局内に働き方改革推進事務局会議を立ち上げました。あわせて、県教育委員会、市町教育委員会、学校関係者が、ともに学校現場における働き方改革について研修を受けたところであります。  さらに来年度は、外部有識者や民間企業など幅広い分野のメンバーによる、仮称ではありますが、働き方改革推進会議を設け、学校現場の業務のあり方について議論していただきたいと考えております。県教育委員会といたしましては、その御意見を取りまとめて検討し、できることから直ちに実践に移していきたいというふうに考えております。  子供たちの成長を心から願い、教員が子供一人一人と生き生きと向かい合う時間を確保するための環境づくりや意識改革を、市町教育委員会、学校現場と一体なって進めていきたいと考えております。 ◎警察本部長(渡邊国佳) (登壇)私には、警察力強化について、3点の御質問をいただきました。  まず、増員内示された13人をどのように警察行政に生かすかについてお答えします。  警察官の増員につきましては、県議会を初め関係機関の格別の御支援を賜りました結果、13人の増員が内示され、関係条例の改正を本議会に提案させていただいているところであります。県議会の皆様には、御支援、御協力賜りましたことについて、この場をおかりして御礼を申し上げます。  地方警察官の増員につきましては、国において3カ年で3,000人の増員が計画され、最終年度となります平成29年度は、政府予算案に886人の増員が盛り込まれたところであります。  増員の理由といたしまして3点。DV、ストーカーを初めとした人身安全関連事案対策の強化、特殊詐欺対策の強化、我が国を取り巻く国際情勢の変化に対応するための事態対処能力の強化、これら3つについては、警察庁も全国的に必要がある増員項目として挙げておりまして、本県警察におきましても、これらを担当する部署を中心に配置することを考えております。  次に、今後の警察力強化に向けた課題と必要な方策についてお答えします。  警察力を強化する上では、厳しい治安情勢に対応するための警察職員個々の能力向上や、ボランティア団体を初めとする関係団体との連携強化など、ソフト面の強化はもちろんですが、警察職員の負担率の高さをカバーするための、議員に挙げていただいた施設整備を含むハード面の充実をいかに図っていくかが大きな課題であると考えております。  中でも災害対策の強化につきましては、本県において滋賀県国土強靱化地域計画に取り組み始めているところでありますが、災害警備対策の拠点となる警察署を中心とする施設や設備が老朽化しているほか、発災時の迅速な対応に必要な情報通信網や装備資機材が万全とは言いがたい状態であります。  県警察におきましては、災害発生に備えた教養訓練を初め、対応要領を定めたマニュアルに必要な見直しを加えるなど研さんを重ねておりますが、その力を十分に発揮していくためには、拠点となる施設や通信網等の整備が必要であります。  また、近年の情報通信技術の発展に伴い、県民による利活用が拡大しているサイバー空間の安全確保も大きな課題となっており、特にサイバー空間の脅威の巧妙化、多様化に鑑みますと、継続的な装備資機材の更新が必要であります。  こうした警察活動を支える基盤整備について、今後も、知事部局を初めとする関係機関等と従来にも増して連携をさせていただき、県議会の御理解と御支援も賜りながら進めてまいりたいと考えております。  最後に、着任から1年を迎えるに当たっての総括と今後の意気込みについてお答えします。  昨年の県内の治安情勢につきましては、議員に言及していただきましたように、刑法犯認知件数が抑止目標である1万1,000件以下を大きく下回る9,573件となったほか、交通事故発生件数も前年比で約10%減の5,294件、交通事故死者数については平成29年以降最少となる53人となり、指数治安の面で大幅な改善が見られました。  これらは警察のみでなし得たものではなく、県、市町を初めとする関係機関や地域における各種ボランティア団体等との連携強化が実を結んだ結果であると考えております。  また、犯罪検挙におきましても、迅速的確な捜査活動と資機材の活用により、今年度、県内で発生したコンビニ強盗を全て検挙するなど、県民の体感治安に影響を与える凶悪犯罪について、早期解決と被害の拡大防止を図ったところであります。  しかしながら、先ほど申しました災害対策やサイバー空間の脅威への対応のほか、高齢者を狙った特殊詐欺の被害防止など、体感治安の向上に向けた課題はまだまだ山積しております。  さらに、今般、ストーカー規制法や道路交通法が改正されることにより、各種制度の手続が変更され、あるいは関係事務が増大することとなりますので、遺漏なき対応について万全を期さねばなりません。  こうした課題に対処していくことは決して容易ではありませんが、今後も県民の期待と信頼に応えられるよう、職員全員が一丸となって職務に邁進する所存でありますので、一層の御理解と御支援を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(野田藤雄) しばらく休憩いたします。
      午後0時27分 休憩    ────────────────   午後1時29分 開議 ○議長(野田藤雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、39番成田政隆議員の発言を許します。 ◆39番(成田政隆議員) (登壇、拍手)それでは、午後からもよろしくお願いいたします。  三寒四温、日に日に春の兆しも出てきております。ことしは数十年ぶりの大雪に見舞われました。びわ湖バレイにも積雪もあるということで、息子とスキーをしに行ってまいりました。そこには県外から、また、台湾を初め多くの外国の方々が来られ、琵琶湖を一望できるゲレンデで楽しまれておられました。  私の子供のころの父との印象的な思い出は、毎年、びわ湖バレイにスキーに行ったことでした。当時は湖西道路もなく、旧の国道161号を何時間も渋滞の中、帰ってきたことを記憶しております。四半世紀の間を見ても、交通事情等社会資本整備も進み、また、国際化やIT技術の進歩など、多くの情報が得られる時代となっております。  しかし、子供としっかりと向き合うことの大切さは、今も昔も変わらずに大切ではないか。そうした時間をこれまで以上にとれるような生活が確保される働き方の改革の推進が求められるのではないでしょうか。  それでは、チームしが 県議団を代表して、10項目にわたり質問をいたします。  まず初めに、新年度予算編成について、知事に伺います。  本定例会議で示された平成29年度一般会計当初予算の総額は5,343億円、前年度比1.9%減となり、5年ぶりの減額予算の提示となりました。  また、歳入における県税収入は、対前年度当初予算比5億円減、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税の合計は約9億円減少し、自主財源比率も1.8%減少するなど、厳しい状況がうかがわれます。  また、財政調整基金と県債管理基金は合計で100億円取り崩され、両基金残高は94億円となり、平成に入り21年度に次いで2番目に少ない残高となります。  さらに、(仮称)彦根総合運動公園の整備や公共施設等の老朽化対策、財源対策的な対応のため、県債発行額は791億円と前年度当初予算比7.1%増となり、臨時財政対策債を含めた県債残高は約1兆980億円と、いまだに増加傾向にあります。  一方、歳出については、プライマリーバランスは4年連続で黒字を維持し、財政収支の改善を図っておられます。しかし、介護保険給付費や後期高齢者医療給付費等社会保障関係費の県負担分を初めとする義務的経費が年々増加し、投資的経費や一般行政費を初めとする政策的経費が圧迫される中での5年ぶりの減額予算の提示は、限られた財源を県民にとって真に必要な施策に対し、重点かつ効果的に配分したことへのあらわれであると考えます。  そこで、「新しい豊かさ」の具現化、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現に向けて、どういった視点に重点を置き、スクラップ・アンド・ビルド、選択と集中の観点を踏まえ、新年度の予算編成を行ったのか伺います。  限られた政策的経費の中で、今後、新生美術館や琵琶湖博物館のリニューアル、さらには、2024年国体・障スポ開催に向けた施設整備費や運営経費など関連経費を確保しながら、財政健全化に努めていかなければなりません。  そこで、今後、社会保障関係費など県の裁量が少ない義務的経費の増加をどのように捉え、本県財政の中長期の展望をどのように描き、財政の健全化を図りながら、県民の満足度を最大限にする県政運営を行っていかれるのか伺います。  次に、本県経済の展望について伺います。  格差是正や教育などの人への投資が経済成長につながることは、今や世界の常識となっております。現政権の経済政策、いわゆるアベノミクスは、金融緩和や財政出動で目先のことに金をばらまくことばかり熱心に取り組んでおり、人材育成などへ投資する視点が欠落しております。  人材育成を中心とする人への投資は、足元の消費を拡大し、さらに人口減少に歯どめをかけ、一人一人が最大限の能力を発揮できることで、夢や希望に満ちた全ての人に居場所と出番があり、豊かさを実感できる滋賀の未来へとつながっていくと考えます。本県経済の発展にとって、人への投資の拡大、強化は今すぐ取り組むべき課題であります。  さらに、グローバル経済への対応、ローカル経済システムの再構築という2つの価値観に基づく経済政策を両輪とすることで、人が中心の経済構造へ転換し、人口減少の歯どめにつながると考えます。  そこで、本県経済の展望と人への投資による経済政策について所見を伺います。  この項の最後に、農業関連予算について伺います。  アメリカでのトランプ新大統領の就任により、TPP協定発効のめどが立たなくなりました。このことにより、あらゆる産業に影響が出ると考えます。これまでも滋賀県ではTPP対策本部を設置し、プラス効果の発現対策とマイナス面の影響を生じさせない対策を取り組んでこられました。  そこで、TPPを見据えてきた本県の農業政策を今後どのように展開していくのか伺います。  今年度、環境こだわり農業に取り組んだ農家に一定額を支給する環境保全型農業直接支払交付金の申請額の84%しか内示されませんでした。農業者の取り組みが終わっていたため、追加配分の要望を行ったにもかかわらず、国は何の措置も行いませんでした。  本来、国が環境こだわり農業を広げるとの方針を持つ以上、国からの交付金の措置は原理原則であり、取り組み後の減額については大変遺憾であります。今年度は県費で対応するとのことですが、新年度、環境こだわり農業をどのように推進していくのか。また、環境こだわり農業の先進県として琵琶湖保全再生の観点から、環境こだわり農業の深化に向け、有機農業等を含めた新しい推進策について伺い、次の質問に移ります。  次に、災害対応について、知事に伺います。  ことしは例年になく冷え込みが激しく、県内でも数十年ぶりの大雪となり、湖北、湖西を中心に1メートルを超える積雪がありました。積雪によるビニールハウスの倒壊などによる農業被害や、特に彦根市や近江八幡市といった湖東では除雪作業が間に合わず、また、車両の立ち往生等による交通機関の乱れが各地で見受けられました。大雪の影響で、高島市から草津市までの車での移動に10時間以上もかかってしまったという声も聞いております。  そこでまず、今回の大雪を踏まえて、今後どのように対応していくのか伺います。  こういった降雪の交通事情の中で、もし仮に地震も同時発生した場合、どのような事態になっていたのか心配するところです。常に気候やその地域の情報、さらには、被害があればその状況を的確に収集し、指揮がとれる体制ができていたのか、気になったところです。  ほかにも、原子力災害と地震災害が同時発生すれば、どこまで屋内退避が現実的と言えるのか。水害と地震災害の際はどうなるかなど、複合災害の場合は必ずしも単独の災害と同じ対応ができるとは限りません。  そこで、災害はもとより、今回の大雪は今後も起こり得ることでありますが、何かの不測の事態が起こった際に、異なる災害が同時あるいは連続的に生じたとき、複合災害等の対応についてどのように考えているのか伺います。  今回の大雪でも帰宅困難の方が多数おられましたが、災害に見舞われるのは自宅とは限りません。防災のみならず、減災に向けた取り組みが何よりも被害を最小限度にとどめ、いち早く日常の生活を取り戻すことになります。  警報や注意報は不要不急の外出を控えるよう促すものですが、局地的な災害では状況が判断しにくいこともあります。特に滋賀県は、大津、湖南を中心に、大阪、京都のベッドタウンとなっている地域もあります。2010年の調査によると、県外への従業、通学人数が9万人、県外からの従業、通学人数が4万5,000人と、日中の移動人口が多く、関西広域連合の防災計画でも帰宅困難者対策が位置づけられています。  そこで、帰宅困難者対策について、滋賀県での取り組みはどこまでできているのか伺います。  昨年の熊本地震では、被災された人が避難所ではなく車の中で避難生活を送るなど、新たな状況が見受けられました。被害が局所的であったため人の移動も多く、被災者の状況がつかみにくかったとも仄聞しております。  東日本大震災では、要介護高齢者、障害者、外国人などの要配慮者への支援が十分でなかったことから、平成25年に内閣府が、避難所における取り組み指針で、避難者名簿、避難者カードの作成を求めるようになりました。現在、滋賀県では19市町のうち9市町で整備されているものの、10市町で未策定や項目不足がある状況です。避難者名簿の統一化は、きめ細かい支援や必要な救援物資を把握し、迅速な対応ができ、また、広域災害時の円滑なる連携ができるとされています。  そこで、兵庫県や佐賀県などで避難者名簿の統一様式づくりに乗り出されておりますが、滋賀県においても避難者名簿の様式の統一化を図るべきではないかと考えますが、所見を伺います。  滋賀県では、これまでも学校や警察署を初め公共建築物や橋梁、管渠などの耐震工事を進めてまいりました。また、昨年、危機管理センターを開設するなど、幾度となく発生する災害に対し的確に対応できるように危機管理体制の強化がされましたが、加えて、情報の受発信も含め、ソフト対策を進めることも重要であります。  昨年は熊本地震において、災害派遣医療チーム、DMATや行政、民間の支援が早くから入りましたが、地域によっては受援体制が整わず、受援応援体制の脆弱性が指摘されたところです。  さらに、鳥取県中部地震も起こるなど、全国各地で立て続けに発生する地震の教訓から、新たな課題にも対応していかなければなりません。  そこで、来年度推進される(仮称)滋賀県地震防災プランにより、いかにして県民の安全、安心な暮らしを守っていくのか、その方向性について伺い、次の質問に移ります。  次に、働き方改革について、知事に伺います。  政府による働き方改革実現会議の議論が始まり、時間外上限を提示、年間720時間、教員70%超週6時間労働等、勤務時間や残業時間に関する報道が盛んに行われております。  また、政府が国会に提出している労働基準法の改正案では、高収入の専門職について、働いた時間ではなく成果で賃金を支払う制度が盛り込まれており、長時間労働の是正と矛盾しているなどと批判が上がっております。  滋賀県でも、時間外勤務が年間1,000時間を超えている職員が20人いたこと、36協定違反の事案が発生していること等を受け、現在、生産性の高い働き方に向けての取り組みにより、長時間労働を是とする働き方を大きく転換させるとともに、限られた時間で成果を上げる生産性の高い働き方、ワーク・ライフ・バランスを実現する働き方改革に取り組まれようとされています。  しかし、実情は業務量の減らない中で、残業時間を減らせ、一斉消灯と言われた結果、早出の職員がふえていると聞きます。場合によっては、仕事をこっそりと持ち帰っている職員も多数いるのではないでしょうか。  また、係制になったにもかかわらず、係長もしくは管理職が業務の適正量が管理できているのか、仕事のフォローアップがされているのか、心配するところであります。  人員不足や適正な業務量など、現場の状況を十分把握されない中での一斉消灯による残業時間の解消であれば、職員の精神的な不安がふえるなど、全庁的な労働意欲の低下につながり、県庁内での働く時間改革であって、真の働き方の改革にはつながらないと言えます。  本来行うべきことは、県民サービスの最大化に向け、全庁的に無駄とは何かを統一し、職員一人一人が、もっとよい方法はないか、もっと効率よくできないかと考えていかなければ改善が果たされないと言えます。全員の参画のもと、1人の100歩より100人が一歩ずつ、みんなの知恵を信じ、みんなの知恵を生かし、改善していく必要があると言えます。  そこで、昨年の県庁内での時間外勤務の課題についてどのように対応するのか、業務量の適正配分の課題に対するための職員の適正な定数管理も含め、所見を伺います。  次に、ワーク・ライフ・バランスについて伺います。  誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て、介護の時間や家庭、地域、自己啓発等に係る個人の時間を持てる、健康で豊かな生活ができるよう、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならないと言えますが、それがなければ、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスを保った状態にはないと言えます。  特に、残業を減らすための取り組みによって、逆に家庭に仕事を持ち帰り、個人の時間が損なわれるようなことになっては本末転倒であり、加えて、幾ら残業や休日出勤をしても、生産性が上がらなければ意味がありません。働く一人一人が働き方を、管理職も働かせ方を変え、職場環境自体が変わっていくとともに、個々人の生活も意識されなければ真の働き方改革とは言えません。  そこで、ワーク・ライフ・バランスについて、意義をどのように考え、さらなる推進を図っていくのか伺います。  次に、琵琶湖新時代について、知事に伺います。  イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ新大統領の誕生など、自国の利益優先を第一と捉え、排他的、保護的な思想や風潮の台頭に不安を感じます。  一方、知事が常々言われている、物質だけの豊かさや、今だけ、自分だけの豊かさだけではなく、滋賀の豊かな自然や文化、産業、伝統を軸に、人と人とのきずなが育まれる共生社会の実現は、未来に生きる子供たちにとっても大きな財産になることを確信しています。  知事はこのたび、琵琶湖新時代を築いていくことを提唱され、琵琶湖を真ん中に、人や生き物の生き方など、持続可能な共生社会のモデルは滋賀にあるのだ、琵琶湖にあるのだということを自信を持って発信していけると信じたいと述べられました。  あわせて、知事は、県政を運営していく上で、国連における持続可能な開発目標であるSDGsを一つのよりどころとしながら、琵琶湖を中心として、自然と共生する社会のモデルを創造するとされました。SDGsは、社会的包摂、経済成長、環境保護の分類のもと、貧困や教育、水、エネルギー、平和的社会など17の項目に分けられ、多岐にわたっています。  そこで、SDGsへの参画を行い、琵琶湖新時代という新しい時代をどのように切り開き、自然と共生する滋賀を築いていかれるのか、その思いを伺います。  滋賀県は、言うまでもなく、琵琶湖を真ん中に据えて人の暮らしや文化が営まれてきました。その琵琶湖の保全と再生に向けた計画が年度内に示されようとしています。  先日、琵琶湖保全再生対策特別委員会の県民参画委員会において、漁業関係者と直接懇談をされました。そこでは、深刻で危機的な状況にある今の琵琶湖では、もうこれ以上漁業を続けていくのが難しいといった声が多く、来年度予算における滋賀の漁業担い手確保事業についても、漁業関係者は、気の毒で、漁師になって後を継いでくれなんて言えないとまでおっしゃっておられたとのことです。それほど現場にいる人たちにしてみれば、私たちが想像している以上に琵琶湖の環境は厳しさを増していると思われます。  さらに、昨年12月1日から始まった早期活鮎漁は、結果的に目標漁獲量であった20.2トンの半分にも至りませんでした。漁師の年収の半分を占めるとまで言われているこの活鮎漁で今回の不漁は極めて深刻であり、漁師の皆さんの落胆ははかり知れません。  また、この危機的な状況にある琵琶湖に対して、国を挙げて、また、滋賀県としても県民の力を得ながら、総力を挙げてもとの琵琶湖に戻していく覚悟と決意が必要です。  昨年に琵琶湖保全再生法が策定されました。さらに、ことし4月からは国立環境研究所琵琶湖分室が設置されることにより、水質管理手法や水草の適正管理、在来魚介類の回復など、琵琶湖におけるさまざまな課題に対して、蓄積された豊富な知見を活用され、研究成果が実感できる取り組みを期待するものです。  特に漁業関係者が懸念されている下水道処理水についての検証や、琵琶湖の水位操作による魚の産卵への影響、さらには大型の植物性プランクトンの大量発生など漁業を取り巻く窮状、加えて、慢性的な課題となっている水草や外来水生植物など、琵琶湖の生態系にかかわる研究が推進されるとともに、琵琶湖を守り支えられるための対策が講じられなければなりませんが、見解を伺います。  先般、我が会派は岡山県真庭市へ視察に行きました。森林がほとんどを占めるこのまちで、地元産の木材を利用した庁舎の建築や木質バイオマスを活用した熱源利用、直交集成板、いわゆるCLTの製造や販売など精力的に取り組まれ、まち全体がバイオマス産業都市真庭として活気がみなぎっておりました。  本年度、本県においても林業の成長産業化を図り、山を生かし、山に人の心や力が入るよう、琵琶湖の保全再生に資する林業の構築を図られますが、滋賀県でも、琵琶湖を中心に山々に囲まれる優位性を活用し、木質バイオマス、太陽光、水草や汚泥などの資源を最大限活用しながら、原発に依存しない電力、燃料、建材、肥料などを開発、創造し、地域循環型社会を構築していくことこそが、まさに琵琶湖新時代の到来にふさわしいとも言えるのではないでしょうか。  そこで、滋賀県として、琵琶湖を守り生かすための地域循環型社会の創造と推進にどのように取り組まれようとされているのか、所見を伺います。  知事は、7月1日のびわ湖の日を県民の休日にしたいと提案されました。7月1日は富栄養化防止条例が1980年に施行された日であり、これまでも環境保全の理解と認識を深め、環境の保全活動への参加意識を高める日でありました。これまで以上に、家族や地域、職場、学校などで琵琶湖について思いを語り合うことや清掃活動の参加等によって、より琵琶湖への愛着と親近感を得られるのではないかと思います。  さらに、人と人とのきずなを深め、ともに生きる環境の創造につなげ、新しい豊かさを追求できるびわ湖の日になってほしいと私どもは願っております。改めて、びわ湖の日として県民の休日についての意義を伺い、次の質問に移ります。  次に、健康寿命の延伸について、知事に伺います。  滋賀県の平均寿命は、平成26年のデータによると、男性81.53歳、女性87.26歳であります。一方、心身ともに健康で自立して活動し生活できる健康寿命は、平成25年のデータによると、男性70.95歳、女性73.75歳であり、健康でない期間が、男性が約11年間、女性が約13.5年間であり、全国順位では下位の状況であります。  一方で、国民健康保険や介護保険等の社会保障関係費が年々増大しており、団塊の世代が75歳となる2025年には、医療資源や介護資源にさらに負荷がかかるとされており、健康寿命が短いままでは財政的に大きな影響が出てきます。  来年度、滋賀県保険利用計画、滋賀県がん対策推進計画、健康いきいき21〜健康しが推進プラン〜(改定版)、(仮称)滋賀県自殺対策基本計画、(仮称)アルコール健康障害対策推進計画を初め、健康や医療、福祉にかかわる11の計画が改定または策定され、今後の方向性を示す上で大変重要な年となります。  これら計画において、医療や介護に係る現状の費用を抑制するために数値のみを追いかけるのではなく、健康寿命の延伸に重点を置いた上で、地域での現状を的確に把握し、必要な医療や介護が受けられる安心な体制整備を目指した介護予防や健康に暮らせる環境整備に取り組むべきであります。  そこで、滋賀の健康寿命の現状も含め、これまでの計画の総括について伺います。あわせて、来年度策定される健康、医療、福祉に関する計画を生かし、健康寿命の延伸をどのように図ろうとされているのか、方向性について伺います。  次に、働き盛り世代への取り組みについて伺います。  近年、健康づくりに対する意識は、30から40代の割合が60代に比べ低いとされており、働き盛りの世代からの意識改革が必要であります。例えば、がん対策においても、がん検診へのアプローチを市町や職域において取り組みを推進させるなど、若い世代から率先して生活習慣病の健診を行うことにより、早期に発見し、リスクを最小化させることができます。  群馬県と群馬県立県民健康科学大学では、来年度、健康寿命を延ばすため、国民健康保険のビッグデータを活用して、病気と生活習慣の相関関係や地域ごとの健康面の課題を探る事業に乗り出されます。滋賀県としても、さまざまなビッグデータを分析しながら、疾病予防、介護予防に取り組みをつなげていく必要があると言えます。  そこで、来年度重点項目として、健康寿命延伸事業の推進、働き盛りの世代への取り組み強化とされておりますが、どのような取り組みを行われるのか伺います。  また、健康寿命の延伸には、生活習慣病の予防など、そもそも病気にならず、いつまでも健康を維持することが大切です。一般的に、社会的活動の多い人や外出する頻度が高い方などが長生きされる傾向があり、病は気からとあるように、気持ちを明るく保ち、楽しく前向きに生きる姿勢を持つことが何よりも重要です。  そのためにも、医療、福祉分野だけでなく、グラウンドゴルフを初め、気軽にスポーツができる環境整備や、退職後にも引き続き知識や技能を生かしながらできる仕事、ボランティア活動、趣味、サークルなどの生きがいづくり、さらには、どこにでも出歩ける公共交通網、住環境や職場環境の整備など、多岐にわたる取り組みを行い、社会参加が促進されるまちづくりを築いていかなければなりません。  そこで、さまざまな政策を通じ、高齢者になっても元気に活躍できるまち、健康寿命日本一の滋賀を築くための決意を、知事に伺います。  次に、産業振興について、知事に伺います。  人口減少、少子高齢化の進行やグローバル化の進展等、国内外で経済、社会の構造的な変化が進んでいく中、2年前に滋賀県産業振興ビジョンを策定し、産業振興のあり方を考え、その理念や施策の基本的な方向などを指し示しました。  毎年、有識者等の意見を聞きながら、本県の経済、産業の動向について客観、主観の両面からモニタリングを行い、その状況の把握と分析がなされておりますが、昨年10月に平成27年度の結果が発表されたところであります。この2年間の取り組みで、滋賀の産業、雇用の創造の芽は出てきたのか。本ビジョン全般の現状の取り組みの成果と課題および今後の展望について伺います。  また、本ビジョンのモニタリング結果によりますと、平成24年度から26年度にかけて開業率は上昇し、廃業率は低下しているものの、依然として廃業率が開業率を上回っている状態が続いております。  さらに、新しい事業を始めたり、新しい商品、サービスを生みやすい環境が整っていると感じている人の割合は、約7%となっております。  本県の現状から考えると、新設事業所数の増加を目指すとともに、雇用がいかにふえ、経済の好循環につながっているのかなど、量に加えて質も求めていくべきではないかと考えます。  そこで、起業、創業が本県で少ない状況を踏まえ、課題がどこにあると分析され、起業の拡大により滋賀の産業を発展させていかれるのか伺います。  あわせて、本県では、今後の成長が見込まれる産業分野における本社機能、研究開発拠点、マザー工場などの新規立地や県内工場等の増設を促進するための助成金制度を設けたり、昨年末に造成が完了した滋賀竜王工場団地の整備を図るなど企業誘致に取り組んでこられましたが、これまでの成果と今後の方針について伺います。  本県では、中小企業が県内企業の99.8%を占め、地域経済や社会の担い手として重要な役割を果たしており、滋賀の地域経済および社会を発展させていくため、これまで、滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例の制定および改定により、小規模企業も含め中小企業の活性化に取り組んでこられたところです。  しかし、中小企業へのアンケート調査によると、企業経営における課題、支援を求めたいことのいずれにおいても人材不足・人材育成が上位に入るなど、人材確保育成の問題は喫緊の課題であると言えます。  一方で、近年の人口移動の状況において、特に20歳から24歳の年齢層における転出超過が顕著になっており、若者を初め誰もがみずからの能力を発揮し、多様な選択のもと、安定的に働ける環境を整備していくことも重要であります。  そこで、中小企業の人材確保、人材育成のこれまでの成果はどうであったのか。また、県内大学卒業生や県出身の県外大学生、高校生とのマッチングをいかに図っていき、滋賀の人材を生かしていくのか伺います。
     この項の最後に、産学官連携やIoTによるイノベーションの推進について伺います。  ことしの4月には、彦根の滋賀大学に国内初と言えるデータサイエンス学部が開設されます。データサイエンスとは、社会にあふれているデータから価値を引き出す学問であり、初代学部長の竹村彰通氏は、「滋賀大がデータ研究の核となり、得られた成果をビジネスや新たな研究に応用できれば、世界最大のIT産業の集積地となったシリコンバレーのように、この地域が大きく変わるかもしれません」と、データの集積地を彦根につくる構想について語っておられます。  また、知事は昨年8月にアメリカ・シリコンバレーのスタンフォード大学を訪問され、そこでデザインシンキングというイノベーションを起こすための思考法を学んでこられたと仄聞しております。  加えて、最近注目を集めておりますIoT、これは物のインターネットと訳され、さまざまなものがインターネットに接続され情報交換することにより、相互に制御する仕組みやそれによる社会の実現を意味しますが、このIoTの活用は、イノベーションを起こし新しい産業を創出するだけでなく、地域の課題解決にもつながることも可能であると言われております。  そこで、県として、滋賀大データサイエンス学部といかに連携し、データ関連企業の集積など、産業振興と雇用の創出に結びつけていかれるのか。また、デザインシンキングやIoTの活用により、いかにしてイノベーションを起こし、全国から、世界から、人、物、情報、投資を呼び込み、滋賀の産業の創出、振興を図られるのか伺い、次の質問に移ります。  次に、観光振興について、知事に伺います。  昨年、世界無形文化遺産に、長浜曳山祭りも含む33件で構成された「山・鉾・屋台行事」が登録されました。また、地域の歴史的魅力や特色を我が国の文化、伝統をストーリーで語る日本遺産の認定も始まり、滋賀県では、「琵琶湖とその水辺景観−祈りと暮らしの水遺産」が認定され、これまで観光ボランティアの育成などに取り組まれてきました。来年度は、「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」を開催するとともに、平成30年の大型キャンペーンに向けて動き出す年でもあります。  先般、我が会派で瀬戸内国際芸術祭の取り組みについて調査してまいりました。3年ごとに開催されるトリエンナーレ方式にて昨年第3回が行われましたが、地元の意識も変わっていかないといけない、地元の島の将来を考えるなど、イベントが目的でなく、地域の活性化の視点で取り組まれております。  また、船で島々をめぐり、芸術祭がなければ出会えない場所の魅力、力を引き出され、地域の方がみずから盛り上げる機運を醸成されており、国内外からの訪問者のリピート率も高く、加えて、観光客のボランティア化や寄附を初めとする企業の参画、交流人口の拡大、地域の活性化や再生につながっております。  このたび、滋賀県においても、ぐるっと博や大型キャンペーンの実施に当たって、湖上交通を最大限活用するなど、各地の多彩な魅力をつなげることも可能ではないかと考えます。  そこで、来年度行われるぐるっと博をどのように位置づけ、大型キャンペーンの実施につなげていくのか伺います。あわせて、今後、観光振興をどのように地域の活性化につなげていくのか伺います。  次に、農家民宿、農家民泊について伺います。  インバウンドを初めとする拡大する宿泊需給への対応、多様化するニーズへの対応、空きストックの有効活用としても注目がされている民泊は、そのあり方も含め、活発な議論がなされております。  これまでも、農家民泊については代表質問等で議論してまいりましたが、滋賀県に訪れる人が光を見る「観光」だけでなく、訪れた人も地域の人も幸せを感じる「感幸」を進めるために、農村地域を中心とした農家民宿や農家民泊の整備も必要であると考えます。  そこで、先進的に取り組まれている県内市町での課題と要望を受け、滋賀県としてどのような点を取り組んでいかれるのか。また、整備推進のためには、農家民宿、農家民泊についての条例化を視野に入れるべきではないかと考えますが、所見を伺います。  滋賀県では、滋賀ロケーションオフィスを中心にロケ地誘致に取り組み、これまで、大河ドラマや映画「SP」、「るろうに剣心」、昨年は近江神宮を中心として撮影された映画「ちはやふる」の効果により、ロケ地へ訪れる人がふえ、国内観光客の増加へとつながっていると言われています。  ことし8月には県内でも撮影が行われている「関ヶ原」も上映され、岡田准一さんが石田三成役として出演されるなど、これまでの滋賀県の取り組みの発展と相乗効果を期待するものです。  また、海外向けでは、イギリス映画やベトナムのテレビドラマ、日本と台湾との共同映画などが撮影されていることから、インバウンド効果も期待したいところです。  数々の国内映画、ドラマのロケ地となっており、現地の受け入れ体制の整備も進んできておりますが、今後、インバウンド観光の強化を図るため、国はロケツーリズムを推進しておりますが、滋賀県として、ロケ誘致において官民連携で戦略的に取り組んではどうかと考えますが、今後の展望について伺います。  この項の最後に、首都圏情報発信拠点について伺います。  ことしの秋、いよいよ日本橋に首都圏情報発信拠点が開設されます。滋賀の魅力を実際に見て、触れて、感じることのできる体験型の情報発信を行うとともに、滋賀への誘引の役割を担う拠点として大いに期待したいと思っております。  特に、滋賀県は昨年の地域ブランド調査においても、41位から33位とランキングは若干上がったものの、まだまだ下位にとどまっているのが現状であります。滋賀、琵琶湖、近江といったブランドの位置づけを明確にし、国内はもとより、さらには世界から滋賀、滋賀から世界と大きく打って出るにも、首都圏からの効果的な発信が重要であります。  そこで、一過性のものではなく、継続して滋賀の魅力を広めていくためにも、これまでの取り組みや検討を運営計画にどのように生かそうとしているのか、拠点の開設により、どのように滋賀の魅力を発信し、滋賀に訪れていただくのかを伺い、次の質問に移ります。  次に、交通政策について、知事に伺います。  今年度、滋賀県において、人口減少を見据えた公共交通のあり方検討協議会を設置し、人口減少社会における本県の公共交通を取り巻くさまざまな課題等について、現状把握と今後の影響等を調査するとともに、さまざまな主体と意見交換を行いながら、課題解決に向けた方策の検討を進められてこられました。  そこで、協議会の議論を通じて、どういった課題を認識し、来年度に生かそうとされているのか伺います。  特に、人口減少が進む地域において、公共交通は欠くことのできない重要な基盤であります。昨年は名古屋大学大学院加藤博和准教授をお招きし、地域交通の勉強会を開催し、また、会派において、公共交通の再生と地域の活性化を行ってこられた両備グループに調査に伺いました。  小嶋会長より、交通政策基本法の制定に向けた経過も含め、国、自治体、市民、事業者が一体となった地域公共交通の活性化に向けた熱い思いを伺いました。特に、公設民営など公共交通の意義を考えた上で、地域の交通の再生のため財政的な手だてをしなければ、地方の路線はさらに失われるといった警鐘も唱えられておられました。  滋賀県の公共交通の現状を見ても、民間事業者において、運転士の人材不足や赤字路線を抱えながらも、何とか地域の公共交通を保持しようと努力されておられます。  また、コミュニティバスやデマンドタクシーなど、地域の実情を踏まえながら、公共の交通として生活者の視点に立った取り組みが行われております。高齢者の免許返納が進む中で、公共交通の役割はさらに大きくなります。  そこで、人口減少が進む地域において、地域公共交通が今後も維持、確保できるように守っていく必要があると考えますが、県として地域公共交通の維持をどのように考え、取り組みを行っていかれるのか伺います。  次に、人口集積地域における地域公共交通について伺います。  滋賀県の低炭素社会実現に向け、県南部地域において、自動車中心の社会から歩いて暮らせるまちづくりへの転換を図るため、新交通システムの導入可能性に係る検討を、大津・湖南地域新交通システム検討協議会において4年間議論されてこられました。今年度からは、大津湖南エリア地域公共交通活性化協議会において、地域公共交通網形成計画の策定等の議論が進められております。  これまでも、南草津駅からの連節バスの運行等も行われておりますが、今後、新生美術館や県立体育館等、新たなニーズが高まるびわこ文化公園都市へのアクセスや、既存の高校、大学等への利便性の向上、モビリティマネジメントなど、人口が増加している地域がゆえに、さらに公共交通を利活用し効率性を高めていく必要があると考えます。  これまでにもLRTも含めた構想もあったところでありますが、今後の大津湖南地域の地域公共交通活性化のさらなる進展について、どのように考えているのか伺います。  次に、湖西線について伺います。  「風でとまらない湖西線」を知事選挙で訴えられ、知事就任直後より湖西線利便性向上プロジェクトの取り組みにより、防風柵の延伸等が進んできたところです。しかし、北陸新幹線が小浜・京都ルートが適切であるとの報告とともに、湖西線が並行在来線になるのではと、湖西線の利用者は大きな不安を抱いております。  この並行在来線の経営分離の課題に対し、ただ湖西線を守ってほしいというだけでなく、ダイヤの改善、防風柵対策のさらなる延伸、湖西線沿線の魅力発信による観光客数のさらなる増加など、湖西線利便性向上プロジェクトを継続的に発展させ、県としてもJR、地域住民と一緒に取り組みを進め、利用者を増大させ、湖西線が誰にとっても重要な路線として位置づけていくことが何よりも重要であると考えます。  そこで、湖西線の維持発展について、所見を伺います。  この項の最後に、今後の滋賀の交通の方向性を示す条例について伺います。  日本は概して公共交通機関の運営を民間に委ね過ぎており、費用対効果を初め民間の経営努力を意識している一方で、郊外への公共施設や大型ショッピングセンター、道路の基盤整備など、マイカー中心の車社会の構築を行い、結果、公共交通の経営を圧迫しているという矛盾をはらんでおります。  いま一度、福祉政策や観光政策、まちづくりなど多岐にわたった政策の連携を図り、また、誰もが必要なときに必要な場所へ移動できる環境を整え、交通弱者を意識した県民に交通を保障する権利、交通権を滋賀県に位置づけるとともに、行政と交通事業者、NPO、地域団体も含めた民間との役割を新たに構築し、公共交通を守っていく必要があります。  そこで、人口減少や少子高齢化が進行する中、地域社会の活力を維持向上させるため、地域公共交通の果たす役割を明確化する条例が必要でありますが、今後どのような議論を行い、いつごろ策定されるのか伺い、次の質問に移ります。  次に、教育環境について、知事ならびに教育長に伺います。  県立普通科高校の全県一区制度が10年を経過し、その検証が進められ、昨年12月に中間報告が公表されました。そこでは、「行きたい高校を県内で選べるのは自由で、可能性がふえる」、「居住地によって受験校を制限されたくない」など、中学3年生、普通科高校生、それぞれの保護者から、「よい」「おおむねよい」の肯定的な回答が9割以上ありました。  一方で、自宅から近い学校に倍率が上がり行けなくなった、希望しても遠距離がゆえに通学費や通学時間がふえ、部活動をする時間的制約等が生じ、断念するケースがあることも忘れてはなりません。  また、全県一区制度を心配する声として、保護者からは、「学区制の目的であった受験競争や学校格差の是正がおろそかになって、教育の機会均等は損なわれた」、「健康的な生活リズムを確保する点でも以前の学区制に戻すべき」など、この制度の根幹に触れる意見も出ておりました。  また、例えば、ある市の教育長からは、「都市部への志願者増加により、地域の学校の活力維持が年々難しくなりつつある」、県立高校の校長からは、「地域外の高校に進学する生徒が多くなり、学力面や大学進学の実績低下への対応が必要になった」との苦しい胸のうちを明かされております。  アンケートでは、賛成の意見が多い反面、他地域からの流入により地元の高校に入れなくなったなど、選択の自由を逆に制限するケースが生じていること、選択肢が広がることにより高校の序列化が一層進んだという懸念について、この10年間の生徒の動向を冷静に分析する必要があります。  この後、この検証は、有識者からの意見を取り入れ、学校関係者からの聞き取りを進め、年度内に検証結果としてまとめるとされておりますが、この中間報告をどう捉えているのか、知事の見解を伺います。  また、この全県一区制によって、どの地域のどの生徒にとっても選択したくなるような魅力と活力ある高等学校がふえたと考えるか、知事の認識を伺います。  次に、中高一貫教育校について伺います。  全県一区制度が始まる3年前、新たな学校選択肢を提供することを目的とし、県下3校において中高一貫教育校が設置されました。その後、平成19年には、本県財政の極めて厳しい状況に鑑み、虎姫、安曇川における2校の開校を断念されたところです。  今春、9期生の卒業になり、多くの高校生が3校から卒業しましたが、これまでの間、どのような成果を上げたのか。あわせて、今後の中高一貫教育校の役割をどのように考えているのか、知事に伺います。  次に、施設整備に関して伺います。  県立学校における空調設備の整備の予算が計上され、新校の長浜北高校と彦根翔西館高校、長浜北西高校、併設する長浜高等養護学校、また盲学校、聾話学校、鳥居本養護学校において取り組まれようとされております。空調設備の整備についてはこれまでにも求めてまいりましたが、耐震化の完了に伴い、間髪入れずに来年度に予算化されたことを評価いたします。  今後5年で県立高校の空調設備の整備を完了される予定と聞いておりますが、PTA主体で設置を準備されている学校もあり、今後どう対応すればよいか困惑されておられ、どの学校から整備が行われるのかなど、県教育委員会の動向を注視されておられます。  そこで、今後、混乱を来さないためにも、明確なる基準を記した整備方針の策定を急ぐ必要があると考えますが、教育長に所見を伺います。  あわせて、今回の取り組みを待てず、既にPTA等が動き自前で設置された高校への対応をどのようにするのか、教育長の見解を伺います。  この項の最後に、公立学校のトイレの洋式化について伺います。  現在、県立高校における洋式トイレの設置率は25.2%であります。空調整備同様に、教育環境の整備を進めていくためには、洋式トイレの設置率を上げていく必要があると考えます。これまで、トイレの洋式化のためのスペース拡張や配管等、予算と工事の両面でさまざまな困難が予想されておりますが、着実な整備を期待するものです。  そこで、トイレの洋式化を今後どのように進めていかれるのか、教育長に伺います。  最後に、ストーカー、DV、性犯罪などによって被害に遭われた犯罪被害者支援について、知事ならびに警察本部長に伺います。  桶川ストーカー殺人事件を契機に、2001年に施行されたストーカー行為等規制等に関する法律は、近年のメールやSNSを使用した執拗なストーカーに対しても規制をすべく改正され、1月から施行されました。  また、同じく2001年に施行された配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法は、現在、同居する交際相手からの暴力についても保護対象として拡大されています。加えて、性犯罪の厳罰化に向けた刑法の改正も閣議決定される予定となっております。  滋賀県内におけるストーカー行為とDVに関しての相談件数が過去最多を更新し、また、性犯罪は認知件数、検挙件数についても増加しているのが現状であります。また、これらストーカーやDV性犯罪の被害は本人からの相談がなければ表面化しにくく、被害は潜在化しているために、もっと多くあるのではないかと危惧されております。  そこで、県内のストーカー、DV、性犯罪の現状と対応について、警察本部長に伺います。  これらの被害者への支援には、センシティブな対応が求められています。被害者である相談者の立場に立った対応が大切であり、民間の相談機関との連携も必要であります。  特にDVに関しては、逃げたら殺されるとの恐怖心、継続する暴力による無気力状態、経済的問題、子供の安全や就学などの問題、仕事をやめたり、今までの人間関係を失うものが大きいことなど、逃げることができない理由が多くあるとされており、内閣府の調査によると、被害を受けた後、相手と別れたという人は僅か8.7%であり、子供や経済的不安の理由から、別れたいと思ったが別れなかったという人が39%もありました。これらに対応していくためにも、警察だけではなく専門家や福祉分野など、チームになった連携が必要であります。  一方で、ストーカーやDVの加害者への対応については、対症療法だけでなく、ストーカー行為やDVを繰り返さない取り組みも求められています。  ストーカーに関しては、西欧諸国では、カウンセリングで認知のゆがみを改善する認知行動療法の有用性が認められ、取り組みがされているとも仄聞しています。加害者の情報の共有、医療と連携した加害者の更生など、根本的な解決に向けた取り組みも求められています。  また、DVに関しては、アルコール依存症や薬物依存、精神障害等が関連して暴力を振るう人もいますが、男女に置かれている経済的な状況や固定的な性別役割分担意識が背景にあるとも言われています。加害者が二度と犯罪を繰り返さないための更生に対する取り組みが必要であると言えます。  平成28年4月には、法改正により犯罪被害者等施策の推進が内閣府から国家公安委員会に移管され、より現場に近いところで犯罪被害者等と密接にかかわり、各種施策を行っていく必要が生じてきております。  また、ストーカー事案を含む人身安全関連事案対策を強化するため、警察官の増員がなされたと聞いております。  そこで、ストーカー、DVに関する警察と関係機関との連携、体制強化について、警察本部長に伺います。  DVに関しては、パートナーしがプラン2020における県民意識調査によると、「夫婦や恋人など親しい人間関係の中で起こる暴力を直接経験したことがある」、男性は6.2%、女性は13.9%です。10代から20代を中心に深刻化している恋人間の暴力、デートDVも問題になっており、DVが犯罪であるなど正しい知識が求められます。  また、近年、だまされてAVに出演させる事案も表面化しており、AV強要の被害も深刻な問題となっております。犯罪被害者にならないためにも、しっかりと知識を得ることが必要であります。  また、性暴力や性犯罪を含め、これらの被害については直後の対応が大切であるにもかかわらず、一人で抱え込んでしまうことが多いとも言われております。  そこで、加害者にも被害者にもならないよう、ストーカーやDV、性暴力や性犯罪などについて、正しい知識を得ることや身を守るための手法、もしも犯罪に巻き込まれたときの対応方法など、広報や教育が必要であると考えますが、犯罪被害者にならないための予防策や犯罪被害者に対する支援の取り組みについて、知事に伺います。  また、近年、SNSが普及し、児童生徒も被害に遭うリスクが広がっております。だまされたりおどされたりして、児童生徒が自分の裸の画像を相手に送らされる自画撮りの問題、児童ポルノ等、一旦画像がネット上に流出すると消去や回収が難しくなることなどを早い段階から教育するとともに、みずから身を守るための知識を児童生徒に教育していくことが求められます。また、現在、東京都において検討されておりますが、自画撮りを要求する行為に対する規制なども行っていく必要があります。  そこで、滋賀県においても、児童生徒を犯罪被害者にならないように守っていくと同時に、犯罪を未然に防ぐための取り組みが必要であると考えますが、知事に所見を伺います。  最後に、犯罪被害者支援の条例について伺います。  新年度、安全で安心な暮らしを守る取り組みの推進として、犯罪被害者支援事業として、SATOCOやおうみ犯罪被害者支援センターへの支援の充実、強化の取り組みに関して高く評価いたします。  しかし、今もなお、ストーカーやDV、性犯罪など、犯罪被害者になる可能性は誰にもあります。不幸にも被害に遭ったとしても、犯罪被害者が置き去りにされることなく、一日も早くもとの平穏な暮らしを取り戻せるよう、支援が行われる滋賀にしていかなければなりません。  そこで、県として、犯罪被害者等の視点に立った総合的かつ計画的な支援を推進するための条例を整備し、犯罪被害者に寄り添った施策がさらに推進される必要があると考えますが、知事の所見を伺い、質問を終わります。(拍手) ○議長(野田藤雄) 39番成田政隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)成田議員、どうぞよろしくお願いいたします。  チームしが 県議団を代表されての大きく10点の御質問に、前半、後半分けて、お答えをさせていただきます。  まず、大きな1項目め、新年度予算編成について、5点御質問いただきました。  1点目のどういった視点に重点を置き予算編成を行ったのかということについてでございますが、今回の予算編成におきましては、一般財源総額の伸びが見込めない中で、県政を取り巻くさまざまな課題に的確に対応するため、これまで以上にスクラップ・アンド・ビルドや選択と集中を徹底しながら、戦略的な施策構築を図ることとしたところでございます。  そのため、まず、既存事業について、その成果を検証した上で、必要性や執行方法等の見直しを行うこととし、334の事業において廃止、縮小を行いました。そして、見直しにより生み出した財源も有効活用しながら、特に、若者の希望の創造、国内外から人やものを呼び込む新たな価値の創造・発信、だれもが健康で、活躍する社会づくり、琵琶湖や山と人々の暮らしとのつながりの再生という4つの視点に重点を置きながら、施策の具体化を図ったところでございます。  今回予算案に盛り込みました施策を実行していくことにより、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現に向けて、着実に成果を上げてまいる所存であります。  2点目、本県財政の中長期の展望と県政運営についてでございます。  今後の本県財政につきましては、社会保障関係費を含みます扶助費が高齢化の進行などに伴い増加することが見込まれるとともに、施設整備を初めとする国体開催に向けた準備や新生美術館の整備など、大規模事業に要する経費が一時的に増加していくものと見込んでおります。  一方、現時点では、職員の若返りによる平均給与の低下などにより人件費は減少傾向となりますほか、公債費も一時期増加いたしますものの、その後、減少に転ずると見込まれるところでございます。  また、社会保障に係る財源といたしまして、平成31年10月に消費税および地方消費税の税率引き上げが予定されており、こうした地方財政を取り巻く状況を勘案しながら、国体開催関連経費の総額も踏まえ、できるだけ早く中長期的な財政見通しをお示ししてまいりたいと存じます。  そうした中で、財政の健全化に向けて、まずは地域経済の活性化に向けた施策の展開による県税収入の確保や国からの財源獲得、寄附金等外部資金の導入などにより、各種施策の展開に必要となる財源の確保に努めてまいります。  さらに、施策の必要性や緊急度、優先度を見きわめながら、選択と集中の徹底や進度調整等による負担の平準化を図るとともに、効果の低い施策から、より効果が高い施策へ財源を振り向けていく中で、県民の皆様の満足度を最大化すべく、県政運営を行ってまいる所存であります。  3点目、本県経済の展望と人への投資についてでございます。  数少ない人口増加県でありました本県におきましても人口減少社会を迎えることから、消費の減少に加えまして、県内産業を担う生産年齢人口の減少、担い手不足により技術の継承が困難となるなどによる経済活力の低下が懸念されるところでございます。
     そのような中、人への投資は、議員御指摘のとおり、本県の産業振興、経済発展にとって、また、人口減少下での地域社会の活力を維持していくためにも、極めて重要なものであると考えております。そのため、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略におきまして、産業人材育成・確保プロジェクトや働く力・稼ぐ力向上プロジェクト等の各種施策展開を図っているところです。  来年度におきましては、例えば滋賀マザーズジョブステーションの湖北地域への展開、産業人材育成・確保のグッドジョブプロジェクト事業によるインターンシップの普及・拡大、地域創生人材育成事業による人手不足分野の人材育成確保などについて、重点的に進めることといたしております。  また、おうみ若者未来サポートセンターでの若年者層への一体的な就労支援でありますとか、シニアジョブステーションでの中高年齢者層への支援、さらには働き・暮らし応援センターでの障害者への支援などについて、引き続き推進してまいります。  こうした取り組みによって、より多くの人を滋賀での雇用に結びつけ、本県経済の発展につなげてまいる所存であります。  TPPを見据えた今後の展開についてでございます。  TPPへの対策といたしまして、農林水産分野ではプラス効果を発現させるため、輸出の促進や体質強化のための攻めの対策、マイナス面をできるだけ生じさせないよう、生産者が将来にわたって経営に取り組むための守りの対策を2本の柱といたしまして、平成28年3月策定の滋賀県農業・水産業基本計画に盛り込んだところでございます。  米国のTPP協定からの離脱により、協定の発効の見通しは困難な状況と認識しておりますが、農林水産業を取り巻く環境が大変厳しい中にありましては、農林水産業の体質強化や生産者の経営安定のための対策は重要であり、こうした対策をより強力にスピード感を持って進めていく必要があると考えます。  まず、攻めの対策といたしましては、担い手の確保や経営感覚にすぐれ、競争力のある農業経営者の育成、多様な園芸産地の育成や水田農業経営の安定を目指した園芸作物の振興、肉用素牛や飼料価格の高騰に対応するための近江牛の生産基盤強化、環境にこだわった安全、安心な県産農産物のブランド力の向上、滋賀県農畜水産物輸出戦略の目標達成に向けて、ジェトロ、滋賀貿易情報センターと連携した輸出の促進などの施策に取り組み、本県農業の体質の強化を図ってまいります。  また、守りの対策といたしましては、農業水利施設のアセットマネジメント計画による保全、更新でありますとか、地域農業戦略指針に基づく集落の実践活動への支援などの施策に取り組み、本県農業、農村を健全な姿で次の世代に引き継いでまいりたいと存じます。  5点目の環境こだわり農業の推進についてでございます。  環境こだわり農業は、琵琶湖保全再生法にも重要施策として位置づけ、今後とも本県農政の核として推進する必要があると考えます。  平成30年度に環境こだわり米の作付面積割合を50%とする目標の達成に向けまして、環境保全型農業直接支払交付金の活用による継続した支援が必要と考えておりまして、来年度予算において必要な支援額を計上いたしました。  同交付金の国の予算額は不足が見込まれますが、国において必要額を措置されるよう、関係団体や議員の皆様にも御協力をいただき、また、他の都道府県とも連携し、これまで以上に強く要請してまいりたいと考えます。  何よりも生産者の皆さんが安心して環境こだわり農業に取り組めることが大切でありますことから、来年度におきましては、作付前にお示しした単価をお支払いできるよう、市町と連携しながら県として責任を持って対処してまいりたいと存じます。  次に、環境こだわり農業の新たな推進策についてでございますが、今年度の交付金不足に見られますように、全国の追い上げがある中で、環境こだわり農業を推進してきた強みを生かし、琵琶湖を預かる滋賀県として農薬のさらなる削減を目指し、新たに農薬や化学肥料を使用しない有機農業など、その取り組みを深化させていく必要があると考えます。  このため、来年度から有機農業などの栽培技術の実証や、実践農業者、流通業者、さらには消費者ニーズの調査をもとに環境こだわり農業の深化に向けた検討を進め、一層の琵琶湖の保全、さらにはブランド化を目指してまいりたいと考えます。  大きな2項目め、災害対策について、5点御質問をいただきました。  1点目、今回の大雪を踏まえた対応についてでございます。  本年1月の中旬以降、彦根においては昭和59年豪雪以来の60センチの積雪を記録するなど、県内各地で記録的な大雪となりまして、通勤時間帯に重なったこともあり、車両のスリップ等により大規模な交通渋滞の発生等、県民生活に多大な影響が及んだところでございます。  これらを受けまして、今後は、国、市町、警察、交通事業者、建設業協会などとの連携をさらに深めながら、効率的に除雪を行うための情報収集の強化、影響が大きい区間について重点的に除雪を行う方法について検討を進め、冬期の円滑な道路交通の確保に努めてまいります。  2点目、複合災害等への対応についてでございます。  御質問のとおり、複数の災害等が同時に発生することは十分想定されるところでございます。例えば、大雪により交通障害が発生しているときに地震が発生した場合には、円滑な人命救助に支障を来すなど、さまざまな課題があると認識しており、地域防災計画においても、複合災害に備えた体制の整備や発生時の対応について位置づけているところでございます。  計画の内容を具現化するため、総合防災訓練では豪雨災害と大規模地震、原子力防災訓練では、大規模地震と原子力災害の同時発生を想定するなど、訓練の実施に当たりましては、できる限り複合災害の発生を含めた実践的な内容としているところでございます。  2月11日に実施いたしました地震災害初動対応訓練におきましては、実際に積雪がある中で初動対策班要員が参集することとなりましたため、積雪時において初動体制の立ち上げにどの程度の時間を要するのか等について、再確認できたところでございます。  また、複合災害の発生時に要員や防災資機材の適切な配分ができるよう、外部からの支援を早期に要請すること等について、あらかじめ国や防災関係機関等との連携を図ってまいりました。  今後とも、複合災害時において発生し得るさまざまな状況を想定し、シミュレーションを行いながら、迅速かつ的確に災害への対応ができるよう、マニュアルの見直しや、より実効性の高い訓練の実施に努め、万全の体制を整えてまいります。  3点目、帰宅困難者対策についてでございます。  大規模災害発生時には、交通機関の運行停止等により、最悪の場合、県内外に数万人規模の帰宅困難者が発生することが予想されます。このため、県ではまず、帰宅困難者への情報提供として、市町や鉄道事業者等と協力しながら、被害状況、公共交通に関する情報、通行不能箇所などの帰宅に当たって注意すべき情報等を適時適切に発信することとしており、それらの情報がスマートフォン等でも閲覧できるよう、平成28年3月に防災ポータルサイトの機能充実を行ったところでございます。  また、帰宅困難者の徒歩による帰宅への支援といたしましては、大手コンビニエンスストア事業者等との災害時応援協定に基づきまして、トイレの利用や飲料水、道路情報などの提供を行うこととしており、毎年、総合防災訓練におきまして、連携訓練を実施いたしまして実効性を高めているところでございます。  さらに、府県をまたがる場合には、関西広域連合において、帰宅路の選定や代替輸送手段の確保などに係ります広域的な支援体制や具体的手順について、帰宅支援ガイドラインを策定しているところでございます。  引き続き、市町、関西広域連合、鉄道などの関係事業者、災害時応援協定の締結先等との連携を密にしながら、より実効性の高い帰宅困難者対策が実施できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  4点目の避難者名簿についてでございます。  避難者名簿は、避難者に対し適切な生活支援ができるよう、住所、氏名、家屋の状況、その他必要な事項について記載したものであり、市町において作成されるものでございます。  とりわけ要配慮者について、障害や病気、食物アレルギーなどの有無、通訳の要否など、避難生活において特別な配慮が必要となる事項を確実に把握する上で、避難者名簿の作成は有効な手段であると認識しています。  このため、災害時に避難者、とりわけ要配慮者の皆さんが十分な生活支援を受けられる環境づくりに向けて、まずは、全市町において避難者名簿の取り組みが進められるよう促してまいります。  また、広域災害時などには、避難者が避難所等を移動しても、確実かつ円滑に支援が実施継続できるよう、避難者名簿には必要な項目が必ず記載されていることが望ましいということから、県といたしましても研究しながら、国からの情報や全国の先進事例について積極的に情報提供を行うなど、必要な助言や支援に努めてまいります。  5点目の地震防災プランについてであります。  平成28年熊本地震は、同一地域で震度7の地震が連続して発生するという観測史上初めての事例でありますことから、これをしっかりと検証し教訓とすることにより、本県の地震対策の一層の充実、強化を図る必要があると認識しています。  このため、地震防災プランでは、熊本地震等の教訓から明らかになった新たな課題に対応するための基本的な考え方、スケジュール等について定めることとしております。  具体的には、1つ、災害時における国や他府県、DMAT、ボランティア等からの支援の効率的かつ効果的な活用について、2点目、物資輸送等や帰宅困難者対策等、民間団体との連携による迅速かつ的確な災害応急対策について、3つ目は、家屋被害認定や罹災証明書の発行等、被災地の早期復興と被災者の生活の再建に必要不可欠な市町の業務への支援について、4つ目、県民一人一人の災害に対する備えの充実、強化などについて、具体的な仕組みの構築に努めてまいります。  県民の命を守ることは県の重要な使命であるということを改めて認識し、いつどこで起こるかわからない災害に対し、国や市町、防災関係機関、民間団体等としっかりと連携しながら、災害対策に万全を期してまいります。  大きな3項目め、働き方改革につきまして、2点御質問をいただきました。  1点目、県庁における時間外勤務の課題と対応についてでございます。  課題といたしましては、社会情勢の変化により取り組むべき県政の課題が多様化していることとあわせまして、例えば、既存事業の見直しが進まない、部局等における仕事の偏りがある、年度途中での状況変化への柔軟な対応ができていないなどの組織的な問題があることが1つ。  また、2つ目といたしまして、時間外勤務状況が適切に管理できていないなどのマネジメントに起因する問題があるということ。  3つ目は、効率性、生産性に対する意識が希薄であるという意識の問題などが存在いたしまして、これらのことが要因となって長時間労働が発生していると認識しています。そのため、昨年12月末に働き方改革・長時間労働解消のための検討チームを立ち上げまして、検討を重ねてまいりました。  今般、働き方改革に向けて、1つ、業務の見直しと人員配置の適正化、2つ、仕事の効率化、3つ、マネジメントの強化および人材育成、4つ、働きやすい環境の整備という4本の柱を定めるとともに、今年度内に早急に着手する緊急行動を決定し、取り組みを始めたところでございます。  この中で、業務の見直しと人員配置の適正化の取り組みといたしまして、業務の棚卸しや部局横断的業務の見直しを行うとともに、重点的な取り組みが必要なところには必要な人員を措置してまいりたいと考えます。  加えまして、来年度に向けましては、国体、全国障害者スポーツ大会の開催準備や子ども家庭相談センターの体制強化、公共事業への対応など各種取り組みを着実に進めるとともに、長時間労働の解消に向けて、知事部局の定数を10人増員させていただきたいと考えており、今議会に条例案を提出しているところでございます。  2点目のワーク・ライフ・バランスの意義とさらなる推進についてでございます。  ワーク・ライフ・バランスの意義は、誰もがみずからの希望するバランスで、仕事、家庭生活、地域生活や自己啓発等さまざまな活動を実現できることと考えておりまして、多様性に富んだ活力ある社会づくりの基盤として極めて重要であると考えます。  平成26年度に実施いたしました県民意識調査において、仕事と家庭、あるいは仕事と家庭、地域、個人の生活を両立させたいと考えている人が、男性も女性も約6割でございました。  しかしながら、現実に両立できていると考えている人はその半分程度でございまして、男性は仕事、女性は家庭生活を優先している人が最も多いという結果でもございました。その背景には、男性は仕事をし、女性は家庭を守るべきという考え方がまだまだ根強く、主として男性を中心に、長時間労働が当然という風潮があると考えられます。  働き方改革を進める上で、労働時間関係法令の遵守は当然のことといたしまして、経営者、管理者の方、働く方、それぞれがワーク・ライフ・バランスの意義をしっかり認識していただくことが重要であると考えます。  そのため、県では、経済労働団体、地域団体、行政など関係者による推進組織を設置し、ワーク・ライフ・バランスの推進のための啓発活動等に取り組んできたところでございます。  今後も、官民連携のもと、イクボス養成講座、男性の育児、家事参画のあり方を考える講座などを通じ、経営者、管理者の方、働く方、それぞれに対し、誰もが仕事、家庭生活、地域生活や自己啓発等のバランスがとれた豊かな生き方を実現できる社会に向け、意識の醸成に取り組んでまいりたいと存じます。  大きな4項目め、琵琶湖新時代についてでございます。4点御質問いただきました。  まず1点目、SDGsへの参画についてでございます。  琵琶湖新時代は、琵琶湖の保全再生から歩みを進め、琵琶湖の魅力を高め生かすことにこだわった取り組みを多様な主体の参画のもと推進することでございまして、琵琶湖を世界一魅力な湖として、責任を持って次世代に引き継いでいくことを宣言したものでございます。  その実現のためには、グローバルな問題を地域の視点から捉え、また逆に、地域の問題を世界の視点から捉えるというグローカルの視点を持つことが必要であり、全ての国連加盟国が2030年を目標年次として取り組む共通の目標でございますSDGsは、一つのよりどころとして重要なものであると考えます。  誰一人取り残さないという理念のもと、人間、繁栄、地球、平和、パートナーシップを優先課題とし、17のゴールと169のターゲットを掲げたこのSDGsに参画することを通じまして、自然と共生する社会のモデルの創造に向けた取り組みを推進するとともに、琵琶湖を持続可能な滋賀の象徴として全国に、そして世界に発信し、琵琶湖新時代をともに切り開いてまいりたいと存じます。  2点目の琵琶湖の生態系にかかわる研究を行い、琵琶湖を守り支えるための対策を講じることについての見解でございます。  県といたしましても、琵琶湖は生態系のバランスが崩れてきた状態にあると認識しておりまして、漁業者の皆さんの切実なお声も届いているところでございます。こうした生態系の回復には、食物連鎖や生息環境など複雑に絡み合った要因の解析が必要であり、分野横断で連携する琵琶湖環境研究推進機構におきまして、研究成果を施策に反映させるべく、在来魚介類のにぎわい復活に向けた研究を進めてきたところでございます。  この機構では、来年度以降、これまで得られた知見を生かした実証的研究などにつなげるとともに、オオバナミズキンバイ対策に関する研究につきましても、県立大学などと連携して取り組んでまいります。  また、現在策定中の琵琶湖保全再生計画では、下水道に関して環境保全のための必要な調査を実施することや、在来魚の産卵条件に即した増殖環境のあり方検討、水草の抜本的な課題解決のために必要な調査研究の実施など、個別の課題を盛り込み、その解決につなげていくことといたしております。  先日17日には、国立環境研究所琵琶湖分室の設置について基本協定を締結いたしました。今後、共同研究などを通じ、生態系を初めとする新たな知見を得て、課題の解決に向けた対策につなげてまいりたいと存じます。  3点目、琵琶湖を守り、生かすための地域循環型社会の創造と推進にどのように取り組んでいくのかということについてでございます。  このたびの予算では、4つの柱に、琵琶湖や山と人々の暮らしとのつながりの再生を掲げまして、琵琶湖を守ることと生かすことの好循環を推進し、琵琶湖の保全再生に向けた動きを加速させ、滋賀の新しい豊かさの実現につなげていきたいと考えています。  現在策定中の琵琶湖保全再生計画におきましても、琵琶湖を生かす取り組みとして、例えば山村の再生、しがの林業成長産業化などを位置づけているところです。  具体の取り組みといたしましては、今年度中に策定予定のしがの林業成長産業化アクションプランにおきまして、琵琶湖の水源林としての環境保全に配慮しつつ、県産材の安定的な生産、流通、加工体制の整備やCLT等、新たな利用の創出、木質バイオマスの利活用などを推進することといたしております。  また、水草の有効利用に係る技術開発への支援や、下水道汚泥の有効利用の取り組みなども進めていくこととしているところです。  このように、琵琶湖を守るために地域で生まれる資源を循環させ生かしていくことは大変重要であると考えており、具体の取り組みを通じ、地域循環型の社会づくりを推進してまいりたいと存じます。  4点目、びわ湖の日を休日にすることについての意義でございますが、びわ湖の日は、御質問にもございましたが、琵琶湖を初めとする環境保全についての理解と認識を深めるとともに、環境保全に関する活動への参加意欲を高めることを目的に設けられたところでございます。  びわ湖の日の取り組みといたしまして、7月1日を中心に、毎年10万人を超える県民の皆さんが清掃活動に参加されておられ、これに加え、豊かな琵琶湖を取り戻すこと、琵琶湖にもっとかかわることといった視点で取り組みを推進しているところでございます。  私自身、漁業者の皆さんが7月1日に取り組まれている「びわ湖をきれいにする運動」に議長とともに参加させていただくなど、7月1日は、私自身にとってもそうでございますが、県民の皆さんにとっても特別な日であると認識しています。  また、琵琶湖保全再生法において国民的資産と定められたこの琵琶湖を健全で恵み豊かな湖として保全および再生を図っていくためには、琵琶湖と人とのよりよい共生関係の形成が必要であり、多くの県民の皆さんが積極的に琵琶湖にかかわることが大変重要であると認識しています。  私の思いといたしましては、びわ湖の日を特別な日として休日として定めるとともに、市町や学校、民間企業等の皆さんにも御理解、御協力いただくことで、より多くの県民が改めて琵琶湖へ思いを寄せ、さまざまな活動が活発になるなど、琵琶湖とのつながりを深める契機としていきたいと考えます。  かつて、みんなで琵琶湖を守ろうと立ち上がった県民運動の原点に立ち返りながら、今後、さまざまな御意見も伺い、検討を進めてまいりたいと存じます。  健康寿命延伸に向けて、3点御質問いただきました。  1点目、健康寿命の現状を含むこれまでの計画の総括と、来年度策定する計画の方向性についてでございます。  本県の健康寿命は、男性が平成22年の70.67歳から平成25年の70.95歳と0.28歳伸びており、女性が平成22年の72.37歳から平成25年の73.75歳と1.38歳伸びております。  また、成人1人当たりの野菜摂取量の増加や喫煙率の低下、80歳以上で20本以上の歯がある人の割合の増加など、関連指標の改善傾向が見られ、着実に県民の健康増進が図られているものと考えます。  一方、少子高齢化、人口減少の時代を見据え、地域で生き生きと安心して暮らせる社会を構築するためには、さまざまな生き方、暮らし方に対応できる持続可能な仕組みをつくり、医療福祉の充実による新しい豊かさを創出するという課題がございます。  この課題解決に向けて、来年度の保健、医療、介護、福祉に関する各種の計画策定に当たりましては、県民一人一人が輝ける健やかな滋賀の実現という理念のもと、健やかな人づくり、健やかな地域づくりを目指してまいりたいと存じます。  そのためには、生涯を通じた予防・健康づくり、社会参加しやすい環境整備・場づくり、安心できる医療介護提供体制、各種サービスを支える人材、健全で安定した財政といった基盤づくりが重要であります。これら重要な基盤をしっかり構築できるよう、各分野の計画相互の関連性を意識しながら、一体的に改定に取り組むことにより、健康寿命の延伸につなげていきたいと存じます。  2点目に、健康寿命延伸事業の推進、特に働き盛り世代への取り組み強化についてでございます。  近年、企業が従業員の健康に配慮することによって、リスク管理や医療費の削減、節減だけでなく、生産性の向上や従業員の創造性発揮を通じた企業価値、企業イメージの向上など、経営面においても大きな成果が期待できるとの考え方に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践するという健康経営が注目を集めております。  これまで、健康づくりへの意識が他の世代と比べて低い30から40代を初め、働き盛り世代への取り組みを一層充実強化していく上では、企業の主体的な取り組みを促すことが重要かつ有効であると考えます。  こうしたことから、来年度は、これまで県、市町、滋賀労働局や産業保健総合支援センター、医療関係団体、経済団体、医療保険者で構成してきた県の地域職域連携推進会議に、新たに民間事業者やビッグデータ活用のために大学にも御参画いただき、一体となって今後の事業展開の充実強化に取り組んでまいります。  具体的には、職場における禁煙や食育推進といった好事例を収集いたしまして、成果や課題の検証を行うとともに、事業主や産業医、産業保健師などを対象としたワークショップを開催し、情報交換や好事例の発信、横展開を図り、企業の健康経営を支援することを通じて、働き盛り世代への取り組みを強化してまいりたいと存じます。  3点目、高齢者になっても元気に活躍できるまち、健康寿命日本一の滋賀を築くための決意についてでございますが、私は県民の願いは、たとえ高齢になっても、障害があっても、時々医療や介護のサービスを受けながら自分らしく生活し、まちに出かけ、人に出会い、地域の中で自分なりの役割を持って活躍できることであると思います。  そのためには、誰もができるだけ長く健康を保つための疾病予防や介護予防などの施策を充実させることがまずは重要であり、その上で、医療や介護が必要なときに適時に適切なサービスが受けられる体制を整備し、その人らしい生活が継続できるようにしていくことが大切であります。  こうしたことから、県といたしましては、医療介護の計画の同時改定や、健康医療にかかわるデータの分析、提供を通じた保健・予防の推進、リハビリテーション提供体制の再構築など、地域包括ケアシステムの構築を目指して、市町とともに一層強力に取り組みを進めてまいります。  さらに、こうした施策とあわせまして、スポーツに親しめる環境整備や公園、散歩道の整備、移動交通手段の確保など、社会参加を促す環境整備、参加の場づくりといったさまざまな分野の取り組みを総合的に推進することにより、高齢者になっても元気に活躍できる健康寿命日本一の滋賀を実現してまいりたいと存じます。  6項目め、産業振興について、5点御質問をいただきました。  まず1点目の産業振興ビジョン全般の現状等についてでございます。  平成27年度から、ビジョンに掲げますイノベーションの創出に向け、重点的に施策を展開しています。水・エネルギー・環境イノベーションでは、産学官金民のプラットフォームでありますしが水環境ビジネス推進フォーラムの参加企業等は、平成28年12月現在140社と着実に増加しており、また、国立環境研究所の一部機能移転を契機といたしまして、この1月に研究技術分科会を設置するなど、さらなる水環境ビジネスの推進を図っているところでございます。  医療・健康・福祉イノベーションにおきましては、社会課題の解決を図る新たな成長産業の創出を目指しまして、高齢者の運動機能低下による膝の痛みを緩和する医療機器の開発等に取り組みますほか、新たな健康支援サービスの創出を目指すしがウェルネスファームにおきまして、高齢者の介護予防を目的に、大学発ベンチャーが新たに考案した健康のび体操の効果検証に取り組んでいるところでございます。  さらに、高度モノづくりイノベーションにおきましては、本県モノづくり中小企業の競争力強化を目指しまして、産業支援プラザを中心に、研究開発プロジェクトの構築と事業化に向けた取り組みを進めているところであり、平成28年度は国の競争的資金戦略的基盤技術高度化支援事業に6件の採択を受け、事業管理機関別の採択件数で全国一となったところでございます。  これらの取り組みによりまして、滋賀の産業、雇用の創造の芽が着実に進んでおりますものの、イノベーションの創出には、産学官金の取り組みや連携をさらに活発化させることが必要と考えております。
     特に、生産性革命を主導いたします最大の鍵となります第4次産業革命に向けた取り組みが求められており、本県におきましても、IoT、ビッグデータ、ロボットセンサー等に係る技術開発や、新たなビジネス創出に向けた取り組みをさらに推進していく必要があると認識しているところでございます。  2点目の起業、創業についてでございます。  我が国の開業率が低い理由といたしまして、中小企業白書が2014年版におきまして、起業に関心のある者に対する調査結果から、1つは起業意識、2つは起業後の生活収入の不安定化、3つに、起業に伴うコストや手続の3つに分類されておられます。  中でも、多くの割合を占めます起業意識につきましては、大企業への就職等安定的な雇用を求める意識が高いということですとか、起業を職業の選択肢として認識する機会が少ないなどの理由を挙げておられます。  こうした現状を踏まえまして、本県において起業家をふやすためには、起業希望者をふやすための取り組みと、起業希望者が起業家になりやすい環境整備が必要であると考えます。  まず、起業希望者をふやすための取り組みといたしまして、商工団体や金融機関、大学では、経営知識やノウハウの習得等を目指す創業塾や起業塾などが開催されているところでございます。来年度は、こうした取り組みと連携を図りながら、産業振興ビジョンで重点的に取り組むこととしております5つの分野にかかわるビジネスプランを募集いたしまして、有望なプランを表彰するコンテストを開催することにより、起業への機運の醸成と起業家の発掘を進めてまいる所存であります。  また、起業希望者が起業家になりやすい環境整備として、SOHOビジネスオフィス等の活動拠点の提供や、平成27年度からは創業に関する相談に対応できる専門的なスキルやノウハウを持ったインキュベーション・マネジャーを養成いたしまして、起業しようとする人が県内各地で指導や助言を受けられる環境づくりを進めているところでございます。  さらに、平成28年度からは、新たな成長分野を切り開き、滋賀の経済成長を牽引する研究開発型ものづくりベンチャーの創出を目指す滋賀テックプランターの実施など、ハンズオン支援に継続的に取り組んでいるところでございます。  滋賀発の起業、創業を促進するため、創業前から創業後まで切れ目のない取り組みを着実に進め、地域経済の活性化、雇用の創出につなげてまいります。  3点目、企業誘致のこれまでの成果と取り組み、今後の方針等についてでございます。  企業誘致に当たりましては、メイドイン滋賀企業立地助成金や地域再生計画の本社機能移転促進プロジェクト等を活用いたしまして、今後の成長が期待される付加価値の高いモノづくり分野に重点を置きまして、本社機能や研究開発機能、マザー工場といった定着性の高い拠点の誘致に重点的に取り組んでいるところでございます。  これまでの成果といたしましては、今年度に入ってから、東レ株式会社様の未来創造研究センターの設置でありますとか、東大阪市にあります株式会社アテクト様の東近江市への本社工場の移転、日清食品株式会社様の新工場建設が決定したことなどが挙げられます。  メイドイン滋賀企業立地助成金では、平成27年度の制度創設以来、これまでに16件のマザー工場や研究開発拠点等の新増設に対し、指定を行っているところでございます。  また、滋賀竜王工業団地につきましては、1区画の立地が決定いたしました。残る6区画も関心を持っていただく企業に対し、個別訪問や現地案内を行っているところでございます。  昨年末の造成工事の完了に伴いまして、県と土地開発公社、竜王町がより連携を密にいたしまして、引き続き滋賀竜王工業団地の魅力を積極的にPRするなど、誘致活動に注力してまいります。  また、県内の市町などとの連携を一層強化いたしまして、地域の産業特性や集積を踏まえた企業の誘致に取り組むとともに、引き続き近江金石会などの機会を活用しながら、既に県内に立地いただいている企業との関係の構築に努め、再投資の促進にもしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  4点目の中小企業の人材確保育成等についてでございます。  これまでの成果といたしましては、例えば若者については、おうみ若者未来サポートセンターの支援により、平成27年度に1,459人が就職したところでございます。また、女性につきましては、滋賀マザーズジョブステーションの支援等により、平成27年度に757人が就職するなど、一定の成果を得たところでございます。  しかしながら、大都市圏への人口集中や雇用情勢が改善する中で、中小企業における人材確保は一層厳しい状況となっておりまして、引き続き、きめ細かな支援が必要だと考えております。  滋賀の人材をどう活用していくのかについてでございますが、このためには、まず若者に中小企業をより深く知ってもらうこと、また、地域において体験を積み重ね、地域への理解や愛着を高めていくことが大切であると考えます。  このため、魅力ある中小企業の認知度を高める情報発信を行うとともに、県内外の大学生のインターンシップの一層の充実を図ってまいります。あわせまして、人材不足で困られている企業の人材確保を支援する合同企業説明会の一層の充実等についても取り組んでまいります。  また、高校生につきましては、インターンシップなどを通して生徒が自分の適正について考えるとともに、就職選考の応募前職場見学などにより、企業や仕事内容を具体的に理解することが重要であると考えます。  これらの取り組みを通じまして、多くの大学生や高校生の皆さんが県内中小企業を選択していただき、地域社会を支え、将来の滋賀を担う人材となるよう、一層の取り組みを進めてまいる所存であります。  5点目、滋賀大学データサイエンス学部との連携等ついてでございます。  滋賀大学データサイエンス学部の設置は、本県の産業競争力強化にとっても重要なものと捉えており、現在、統計相談窓口の開設などで滋賀大学と連携しております。  今後は、行政情報や統計データなど、さまざまな分野におけるオープンデータ、ビッグデータを活用した新たなビジネスモデルの構築に向けても取り組んでまいります。  また、新年度に設置いたします滋賀IoT推進ネットワークをプラットフォームといたしまして、IoTの活用により、新ビジネスの創出を目指す産学官金の関係者にIoTの利活用に係る最新情報や交流、出会いの場を提供し、デザインシンキングも取り入れながらプロジェクトの構築を進めるとともに、事業効果の高いプロジェクトに対し事業化支援を行ってまいる所存であります。  今後、このネットワークに滋賀大学を初め多くの産学官金の関係者がプレーヤーとして参画いただくことにより、滋賀からイノベーションを起こし、このことをきっかけとして国内外から新たなプレーヤーの参画を呼び込み、また新たなイノベーションが生まれるよう取り組んでまいりたいと存じます。  大きな7項目め、観光振興について、4点御質問いただきました。  まず1点目、ぐるっと博についてでございます。  「日本遺産滋賀・びわ湖水の文化ぐるっと博」は、琵琶湖の価値を全国に、そして世界にPRし、訪れていただくことを通じて、観光客と観光消費の拡大を目指すものでございます。  内容はイベント中心ではなく、住民との交流を目的としたコミュニティツーリズムの視点で、関係7市を中心に、びわこビジターズビューローがワークショップ等で地域に入り込み、地域を周遊する仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。  また、地域の取り組みを広域につないでいくため、「滋賀・びわ湖フリーきっぷ」など、湖上交通を生かした広域周遊の仕組みづくりにも取り組んでいるところでございます。  このぐるっと博を平成30年度に実施を予定いたしております大型観光キャンペーンのプレイベントといたしまして、観光振興の機運をつなぎ、加速させてまいりたいと存じます。  今後の観光振興については、まずは素材の掘り起こしと磨き上げ、それを体験していただく仕掛けづくりが必要でありまして、加えまして二次交通やトイレなどの環境整備、マップやパンフレットなどのおもてなしツールの作成なども必要であると認識しています。  観光まちづくりの視点で、地域住民とともに、商業や農業など観光事業者以外の事業者も含めて地域の方が主体的に取り組むことを通じて、地域全体に経済効果をもたらし、地域活性化に結びつけることを目指してまいりたいと考えます。  2点目の農家民宿、農家民泊に関してでございます。  関係市町からは、単独の市町で受け入れ切れない際の市町間での調整といった市町の横のつながりでありますとか、受け入れに際しての個々の受け入れ家庭や学校との調整といった事務量をこなすための事務局体制がまだまだ十分とは言えない状況があるとお聞きしているところでございます。  農家民宿、農家民泊は、もとより利用者の安全、安心を確保する必要がございますが、修学旅行生を初めとする旅行者の方々に、農村でのホームステイやさまざまな体験、交流を通じて本県に愛着を持っていただくとともに、農村の皆さんには地域の価値を再認識していただき、地域に誇りを持っていただくことにより、地域の活性化を図るための有効な手段であると認識しています。  県といたしましては、こうした認識のもと、農家民宿、農家民泊の推進に当たりまして市町が抱えている課題が解決されるよう、しっかりと市町を応援していきたいと存じます。  さらに、農林水産省では、平成29年度から新たに農泊を持続的な観光ビジネスとして推進する農泊推進対策を創設することとされており、県といたしましても、市町とともにその活用を検討してまいります。  なお、こうした取り組みを推進するため、条例制定までは現在のところ考えておりませんが、農家民宿、農家民泊の振興のための仕組みづくりについて、関係市町と研究を進めてまいりたいと存じます。  3点目、インバウンド観光の強化を図る観点から、ロケ誘致に関する今後の展望についてでございます。  日本の映像コンテンツが海外でも人気を集める中、映画やドラマ等を通じて、観光名所だけではない地域のリアルな魅力を海外に発信することにより、観光客の拡大につなげる、いわゆるロケツーリズムが注目されているところでございます。  滋賀ロケーションオフィスでは、海外映像作品を誘致するため、平成23年度から中国の映像関係者の招聘や、動画やパンフレットを作成し、東アジアの映像関係者に配付しております。  さらに、本県で撮影が行われた海外作品の支援により築いた人脈を活用いたしまして、海外の製作会社やプロデューサーなどの関係者に働きかけを行っています。  その結果、平成23年度から27年度までの5年間のロケ実績は、ベトナム、タイ、中国、台湾、イギリス、ドイツなどの映像作品が計11本となっており、本年度は現時点で、台湾、中国、ベトナムの映画やドラマなど、計4本の撮影が県内で行われたところでございます。  今後、インバウンドも視野に入れたロケツーリズムのさらなる展開を目指し、海外映像作品を誘致するため、ホームページや各種宣伝媒体により積極的に情報発信に努めていくとともに、より多くの協賛企業と連携して、撮影隊の受け入れ体制を整備してまいりたいと存じます。  あわせまして、海外の製作会社やプロデューサーなどの関係者との人脈が映像作品の誘致に向けて何よりも重要でありますことから、関係者との信頼関係の構築と人脈の拡大を図れるよう、撮影隊の皆さんに滋賀で撮影してよかったと思っていただけるようなロケの支援を行ってまいりたいと存じます。  4点目、首都圏の情報発信拠点についてでございます。  これまでの取り組み等を踏まえ、滋賀の魅力を広めるためには、物販や飲食、情報発信を効果的に組み合わせて趣向を凝らし、拠点を核として継続的に発信し、体感していただくことが肝要であると考えます。  このため、拠点では、滋賀の魅力を五感で体感できる演出と拠点のにぎわいを創出する企画催事が重要と考えておりまして、ことし10月のオープンに向け、運営計画の検討を重ねているところでございます。  1階では、地場産品の実演や試飲、試食等による販売、地酒や近江の茶を楽しめるバーカウンター、観光等の案内を行い、2階では、発酵と近江牛をテーマとした和食ダイニングを展開することといたしております。  年間の運営計画には滋賀の旬の話題も取り上げながら、販売や和食ダイニングとの連動や屋上を利用したイベントなど、一棟借りの利点を最大限に生かした企画催事を盛り込み、建物全体で滋賀の魅力を発信していきたいと考えます。  こうした発信を通じまして、全国、世界から選ばれる滋賀の土台をつくるとともに、関心を深めていただいた方を滋賀に誘客するツアー造成も行う予定であり、発信の成果をしっかりと滋賀の観光振興に結びつけていきたいと考えております。  次に、交通政策について、5点御質問をいただきました。  1点目、協議会の議論を通じて、どう来年度以降に生かそうとしているのかということについてでございますが、今年度、人口減少社会を見据え、将来にわたって持続可能な本県の公共交通のあり方について、さまざまな分野の方を交えて、これまで4回にわたって議論を進めてきたところでございます。  その中で、課題については、1つ、利用者の減少により運賃収入が減少し、交通事業者の自助努力や行政支援だけで必要な公共交通を維持することが困難になること、2つに、高齢ドライバーの事故や運転免許返納者の増加に伴い、移動手段の確保を図ることが必要であること、3つに、公共交通だけで地域の移動手段を確保することには限界がございまして、多様な移動手段の確保や他分野との連携について検討することが必要であることなど、大きく6点の課題に整理したところでございます。  来年度におきましては、このようなさまざまな課題や地域の実情等を踏まえ、誰もが必要なときに必要な場所へ移動できる社会を目指して、条例制定等具体的な実行策について議論を深めてまいりたいと存じます。  2点目、県として地域公共交通の意義をどのように考えているのかということ等についてでございますが、地域公共交通は地域における移動、交通のかなめであり、とりわけ児童生徒あるいは高齢者、障害者といった公共交通以外に移動手段を持たない方々にとって、通院や通学、買い物など、日常生活を営むためにはなくてはならない交通手段であります。  また、医療費の削減や事故を削減する効果など公共交通が確保されることによる費用節減効果や、地域における信頼関係や住民間のネットワークの醸成につながるなど、さまざまな価値を有しており、県民や市町、交通事業者とともに、地域公共交通の維持確保に努めることが必要であると認識しています。  そのための取り組みといたしまして、複数市町にまたがる幹線バス路線を初め、コミュニティバスやデマンドタクシー、地域で立ち上げた協議会による実証運行など、それぞれの地域の実情に応じた支援を行うことにより、地域における移動手段の確保に努めているところでございます。  また、今後、人口減少、少子高齢社会が進展していく中で地域の活力を維持していくためには、県と市町、地域住民、交通事業者が連携協働して、公共交通の課題解決に向けた枠組みを構築することが必要であり、新年度におきましては、新たに県内の交通空白地2地域において、二、三カ月程度デマンド型交通の運行を行う地域協働交通社会実験事業に取り組んでまいりたいと考えています。  3点目の大津湖南地域の地域公共交通活性化についてでございますが、今後も人口増加と集積が想定される大津湖南地域においては、コンパクト・プラス・ネットワークをキーワードに、大津湖南エリア地域公共交通活性化協議会において、まちづくりと連携した公共交通の再編を目的とした地域公共交通網形成計画の策定を目指しているところでございます。  計画の策定に当たりましては、歩いて暮らせるまちづくりの実現、BRTの導入促進、公共交通サービスレベルの向上、新交通システム導入検討の4つの目標を掲げて、平成29年度中の策定を目指して、現在検討を進めているところでございます。  また、LRT等の新交通システムにつきましては、今後も人口集積が進む一方で高齢化が進展する都市部における交通と、まちづくりのあるべき姿を見据えた長期的な課題として、継続的に検討していきたいと考えております。  新年度におきましては、地元市や交通事業者、道路管理者等とも連携いたしまして、当該地域におけるバス交通の改善に向けた交通社会実験を交えながら、地域の公共交通全体のサービスレベルの向上を目指して、利用者にとって最適なバス路線網や、利用者視点に立ったバス運行システムの実現に向け取り組んでまいりたいと存じます。  湖西線の維持発展についてでございます。  議員御案内のとおり、私が知事就任直後に、沿線市と連携いたしまして湖西線利便性向上プロジェクトチームを立ち上げ、大きく3つの柱を中心に取り組みを進めてきています。  具体的には、1つ、防風柵の延伸など強風対策、2つは、新旭駅などのバリアフリー化整備の促進、3つ目は、関空特急「はるか」の試験運行など、地元観光業者と連携した活性化策の展開でございます。  特に、強風対策につきましては、おかげさまでJR西日本の御協力もいただきながら、平成27年度までに約6.7キロメートルの防風柵が整備され、本県の集計では、平成26年度に12回でございました運転見合わせが、平成27年度には4回に減少いたしました。防風柵は平成29年度までにさらに約7.9キロメートルの整備が予定されているところでございます。  こうした中、北陸新幹線の敦賀以西整備に伴いまして、湖西線が並行在来線としてJRから経営分離される懸念が生じているところでございまして、並行在来線の経営分離を阻止するという大きな命題に向け取り組んでいかなければならないと認識しています。  並行在来線の経営分離は認められないという基本的な考え方のもと、経営分離阻止に向けた議論の構築を行い、国やJR西日本に対し本県の意向をしっかりと主張していくとともに、湖西線の利便性向上やバス交通などのアクセス向上、さらに観光誘客など、地域活性化に沿線市町や企業の皆様と連携して、全力で取り組んでいく覚悟でございます。  引き続き、本県選出国会議員の皆さんや関係市町、そして県議会議員の皆様とも連携して、戦略的に取り組んでまいりたいと存じますので、お力添えよろしくお願いいたします。  5点目、地域公共交通の果たす役割を明確化する条例についてでございます。  来年度におきましては、これまで申し上げてきたとおり、人口減少を見据えた公共交通のあり方検討協議会での議論を踏まえ、公共交通の維持確保に向けて、県民、交通事業者、行政の果たすべき役割や、過度に自動車に依存した社会やライフスタイルの見直し、また、公共交通を支えるための費用負担のあり方について検討を進めてまいりたいと存じます。  あわせまして、人口減少や超高齢社会の進行を踏まえますと、公共交通だけで必要な移動手段を確保することは困難であり、福祉政策やまちづくりとの連携や多様な移動手段の検討など、地域の実情に応じて議論を深めていかなければならないと考えております。  さらに、公共交通の維持確保と地域における移動手段の確保に向けて、県民、交通事業者、行政がそれぞれ共通の理解のもとで取り組みを進めるためには、来年度は有識者を中心とした検討組織を新たに設置し、条例の方向性や骨子について集中的に検討を行ってまいりたいと考えております。  なお、条例策定の時期につきましては、検討組織における議論の進展や社会情勢、さらには議会での御議論や県民の皆さんの御意見もお伺いしながら、判断をさせていただきたいと存じます。  前半の最終項目といたしまして、教育環境について、私には3点御質問いただきました。  1点目、県立普通科高等学校通学区域全県一区制度の検証の受けとめについてでございます。  この報告では、これから進路を考える中学生、既に受験を終えた高校生、およびそれぞれの保護者へのアンケート結果に加えまして、市町の教育長や県立高等学校長から聞き取った主な御意見が報告されております。  アンケートでは約1万2,000人の回答がございまして、その9割以上がこの制度を肯定していらっしゃることから、制度導入の狙いである自分に合った高校を主体的に選択できることが、生徒や保護者に受け入れられていると考えております。  一方で、この中間報告では、北部の高校に活気がなくなる、他地域に進学した生徒は地元への愛着を持たなくなるといったお声も上げられているところでございます。現在もさらなる聞き取りや分析が行われており、教育委員会において、今後、関係者からの御意見も踏まえ、検証結果をまとめられるものと認識しております。  2点目、この全県一区制によって、どの地域のどの生徒にとっても選択したくなるような魅力と活力ある高等学校がふえたのかということについてでございますが、県立高校では、専門学科や総合学科も含め全ての高校において、国や県の研究指定なども活用し、魅力ある学校づくりに取り組まれておられます。  全県一区制度の導入後、普通科高校では、例えば全県から意欲ある生徒が入学し、大学との連携や海外での語学研修も進めていますといったことや、部活動を頑張りたい生徒が普通科にも全県から入学できるようになり、さらに文武両道の学校づくりを進めている、また、地域との結びつきを強めて、地域密着の学校づくりを進めているといった対応が中間報告で示されているところでございます。  私自身も昨年8月に、県内高校生24名と高校生が考える滋賀の魅力について語り合いましたが、どの高校の生徒も、生き生きと地域のことや自分の夢について話してくれました。  また、昨年12月に訪問いたしました長浜北高校では、滋賀のモデルとなる実践的な英語の授業を見学させていただきました。生徒同士の活発なコミュニケーション活動や、プレゼンテーションの練習を通した英語での発信力を育成する取り組みに、私自身の高校生時代との大きな差も感じたところでございます。  こうした各高校での魅力と活力ある学校づくりにより、中学生が選択したくなるような学校はふえつつあると考えています。今後、さらに一層、特色ある学校づくりに頑張ってほしいと思いますし、私たちもその発信に努めてまいりたいと存じます。  3点目、中高一貫教育校の成果と今後の役割についてでございます。  中高一貫教育校では、6年間の一貫教育のもと、各校が独自の探究的な科目を設定するなど、特色を生かした教育課程を編成しております。さらに、中学校段階から高校での学習を意識した発展的な学びを取り入れていただき、幅広い学力の向上を図っております。  また、入学者選抜を経ずに併設高等学校へ入学できることから、自分の将来についてじっくり考え、個性や創造性を伸ばす場ともなっていると聞いております。  さらに、中学生と高校生が学園祭や部活動などで一緒に取り組む機会もあるそうで、12歳から18歳という幅広い年齢層の生徒たちが交流することが、社会性や豊かな人間性を育むことにつながっていると考えられます。  今後も、6年間の一貫教育を通して、今ほど申し上げたような幅広い学力の向上と豊かな人間性を育む学校としての役割をしっかり果たせるよう努めてまいりたいと存じます。  あわせまして、こうした県立の中高一貫教育校がより一層充実し、滋賀の教育の多様性と質の向上につながるよう、引き続き教育委員会とともに取り組んでまいりたいと存じます。  前半の答弁は以上とさせていただきます。 ◎教育長(青木洋) (登壇)教育環境についての御質問のうち、私にいただきました施設整備に関する2点の御質問にお答えをいたします。  まず1点目の県立学校の空調設備の整備方針についてでありますが、平成29年度から5年をめどとして、全ての県立学校の普通教室等に順次整備を進めていきたいと考えております。  まず、平成29年度には、改築工事を予定をしております新校長浜北高校など県立学校6校について、リース方式で整備をすることを予定をしております。あわせて、平成31年度以降の整備について、PFI方式の導入可能性調査を実施していくこととしております。  また、整備の順序についてでありますが、来年度に全ての学校の状況を調査をし、設置が必要な教室数等について把握をすることとしております。あわせまして、他の工事の実施予定なども考慮する必要がありますことから、現時点で整備順序をお示しすることは困難であると考えております。
     次に、既にPTA等により空調設備の整備が行われている学校につきましては、それに係ります光熱水費を、来年度中に整備する6校の稼働に合わせて平成30年度から公費負担する方向で、また、リース代につきましては、県による整備が全て完了する時点で、それ以降分について公費負担できるよう検討していきたいと考えております。  なお、PTA等に対しましては、学校を通じて必要な情報提供等に努め、丁寧な説明を行うなどして、御理解を得ていきたいというふうに考えております。  次に、2点目のトイレの洋式化についてお答えをいたします。  昨今の生活様式の変化により、和式トイレになれていない子供たちが学校ではトイレに行くことを我慢をしているなどの声も聞いておりますことから、これまでも大規模な改修工事等にあわせて洋式化を進めてきたところでありますが、今後はその取り組みをさらに加速させることが重要であると認識をしております。  そうしたことから、平成29年度において各学校のトイレの現状を改めて調査をし、老朽化の状況も踏まえ、平成30年度以降に順次、設計や改修に着手できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◎知事(三日月大造) 再び失礼いたします。  犯罪被害者支援につきまして、私に3点いただいた御質問にお答えいたします。  1点目、犯罪被害者にならないための予防策や犯罪被害者に対する支援の取り組みについてでございますが、ストーカーやDV、性暴力や性犯罪など、女性等に対する暴力は深刻化しており、大きな社会問題となっております。これらの行為はまさに人権を侵害するものであり、決して、断じて許されるものではございません。  このことから、県では、平成28年3月に策定いたしましたパートナーしがプラン2020におきまして、DV対策や性暴力、ストーカー行為等、あらゆる男女間の暴力に対する取り組みの推進について掲げており、県民の皆様を対象といたしました「くらし安全安心出前講座」の中で、犯罪から身を守る方法を御紹介したり、教職員等を対象にデートDV防止啓発セミナーを開催するなど、各種予防策を講じてきているところでございます。  また、来年度は新たに児童生徒の性暴力被害の未然防止を図るため、小中学校において性の健康教育も始めることとしております。  一方、性暴力被害に遭われた方に相談窓口を周知するため、学生ボランティアの皆さんと一緒に街頭啓発を行ったり、県内の薬局店でも案内広告版設置に御協力をいただいております。DV被害の相談窓口についても、パンフレットを市町や医療機関等に配置するなどの取り組みを行っております。  今後も、犯罪被害に遭われた方が一人で悩み苦しまれることがないよう、各種団体や事業者等と連携を図りながら、広報、教育や相談窓口の周知に努めてまいります。  2点目、SNS等により児童生徒が犯罪被害者にならないよう守っていくこと等についてでございますが、スマートフォン等の普及によりまして、SNS等による児童生徒の犯罪被害は増加しております。こうした状況を踏まえまして、平成28年11月には県教育委員会から県立学校および市町教育委員会に対して、自画撮り被害防止のための注意喚起を行ったところでございます。  また、県といたしましては、児童生徒にインターネット等安全、安心な利用を啓発するとともに、保護者に向けて、家庭内におけるルールづくりの推奨、スマートフォン等のフィルタリングの設定等を推進しております。とりわけ、多くの児童生徒が初めてスマートフォン等を持つ春の新入学の時期には特に重点を置いて取り組んでおります。  小学校の早い段階から高等学校までを通して、発達段階に応じた情報モラル教育を行い、児童生徒が犯罪被害者にならない取り組みを行っております。  今後は、こうした現場の取り組みについて、東京都での検討状況を注視しながら、その効果を検証してまいりたいと存じます。  最後、3点目の県として犯罪被害者支援の条例の整備についてでございますが、県では犯罪被害者を支援するため、これまでから、「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例に基づく基本方針の一つに犯罪被害者や弱者の支援を掲げ、国の犯罪被害者等基本計画や滋賀県犯罪被害者支援施策の取り組み指針をもとに、各種施策の取り組みを推進してきたところでございます。  さらに、昨年4月に閣議決定されました第3次犯罪被害者等基本計画や犯罪被害者等を取り巻く環境の変化を踏まえ、平成29年1月に、先月に滋賀県犯罪被害者支援施策の取り組み指針を改正いたしまして、性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖、通称SATOCOの取り組みや、二次的被害の防止対策の充実を位置づけたところでございます。  条例の整備に関しまして、昨年9月、犯罪被害者支援に御尽力いただいております認定NPO法人おうみ犯罪被害者支援センターから、また、先月27日には、超党派のこの県議会の女性議員の皆様からの御要望も承ったところでございます。  犯罪被害者支援を今後より充実させ、また、県民の皆さんに犯罪被害者支援への御理解を高めていただくためにも、関係機関・団体の方々の御意見も伺いながら、他府県の制定状況も参考に、本県としてどのような条例の整備がふさわしいのか、研究してまいりたいと存じます。 ◎警察本部長(渡邊国佳) (登壇)犯罪被害者支援につきまして、私にいただいた2つの御質問についてお答えします。  まず、ストーカー、DV、性犯罪の現状と対応についてでありますが、ストーカー、DVにつきましては、昨年の年間相談件数が1,250件と、前年に比べて260件増加しております。その原因としては、SNSの普及によるトラブルの増加などが考えられるなど、その対応も多様なものとなっております。  また、ストーカー、DVにつきましては、その性質上、事態が急展開して重大事件に発展するおそれがあります。県警察といたしましては、引き続き事案の危険性、切迫性を的確に判断し、被害者の安全確保を最優先に、迅速に対応してまいりたいと考えております。  次に、性犯罪につきましては、昨年の強姦、強制わいせつ等の性犯罪の認知件数が129件、検挙件数が87件と、いずれも前年に比べてやや増加しておりまして、そのうち約9割が犯人と被害者の面識がない事件であります。  県警察といたしましては、検挙活動を強化する一方、事案発生の初期段階から被害者の御心情に配意しつつ、被害者支援活動を徹底しているところであります。  また、女性や子供を性犯罪等の被害から守るため、声かけ、つきまといといった前兆事案についても、重点パトロール等の対策を講じているところであります。さらに、県民に防犯意識を高めていただくため、犯罪情報の提供や啓発活動等を推進しているところであります。  2つ目のストーカー、DVに関する県警察と関係機関との連携、体制強化についてお答えします。  まず、関係機関との連携についてですが、ストーカー、DVの事案では、被害者を犯罪等の被害から守るために、県警察では、県とともに各市町、滋賀弁護士会などの関係機関との情報共有と連携強化を図っており、滋賀県女性等を犯罪等から守るネットワークを構築し、相談、保護、行政措置などにわたって、途切れのない被害者支援に努めています。  また、個別事案での具体的な対応の例を申しますと、警察への相談事案で、被害女性に避難が必要な場合には、県の子ども家庭相談センターに避難保護していただいたり、市町と連携して、避難をしている被害者の住所を知られないようにするための支援措置を行うなど、緊密な連携に努めているところです。  また、加害者に対しては、重大な事案に発展する前に警察から警告、命令等を行っておりますが、同種の行為を繰り返すことも多く、議員御指摘のとおり、真の事案解決のためには加害者への指導も非常に重要です。  このため、県警察では医師会や精神病院協会等とも連携しており、ストーカー行為者を精神科等の医療機関に受診させ、カウンセリングや治療を施し、立ち直りを支援して事態の鎮静化を図っているケースもあります。  次に、人身安全関連事案に係る体制の強化につきましては、事案発生の初期段階から、被害者支援に専従する要員には女性警察官を中心に指定しているほか、迅速な事件処理や継続的なサポートができるよう、取り扱いの件数の多い警察署の生活安全課や刑事課を中心に増員配置をしているところであります。 ○議長(野田藤雄) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(野田藤雄) お諮りいたします。  明21日および22日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(野田藤雄) 来る23日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時37分 散会    ────────────────...