滋賀県議会 > 1991-07-02 >
平成 3年 6月定例会(第12号~第16号)-07月02日-03号

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  1. 滋賀県議会 1991-07-02
    平成 3年 6月定例会(第12号~第16号)-07月02日-03号


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    平成 3年 6月定例会(第12号~第16号)-07月02日-03号平成 3年 6月定例会(第12号~第16号)         平成3年6月滋賀県議会定例会会議録(第14号)                           平成3年7月2日(火曜日)       ────────────────────────── 議事日程 第3号                             平成3年7月2日(火)                             午 前 10 時 開 議  第1 議第88号から議第101号まで、および議第103号から議第107号まで(滋賀県職員退職手当条例の一部を改正する条例案ほか18件)(質疑、質問)       ────────────────────────── 本日の会議に付した事件  日程第1 議第88号から議第101号まで、および議第103号から議第107号まで(滋賀県職員退職手当条例の一部を改正する条例案ほか18件)(質疑、質問)       ────────────────────────── 会議に出席した議員(46名)    1番   大久保    貴 君     2番   中 島    敏 君    3番   宇 野    治 君     4番   脇 坂    武 君    5番   玉 田  盛 二 君     6番   世 古    正 君    7番   目 片    信 君     8番   白 倉  一 路 君    9番   中 村  善一郎 君     10番   黒 田  昭 信 君    11番   三 浦  治 雄 君     12番   梅 村    正 君
       13番   稲 田  喜代司 君     14番   桐 山  ヒサ子 君    15番   林    良 子 君     16番   吉 原    稔 君    17番   深 田  作 治 君     18番   川 口  東 洋 君    19番   大 林    清 君     20番   松 井  佐 彦 君    21番   丸 山  省 三 君     22番   橋 本    正 君    23番   上 野  幸 夫 君     24番   滝    一 郎 君    25番   松 井  俊 治 君     26番   森 井  慎 三 君    27番   山 嵜  得三朗 君     28番   石 田  幸 雄 君    30番   伊 藤  正 明 君     31番   奥 村  展 三 君    32番   谷 口  三十三 君     33番   黒 川    治 君    34番   清 水  藤 藏 君     35番   田 中  高 雄 君    36番   桑 野    忠 君     37番   岩 永  峯 一 君    38番   有 村  國 宏 君     39番   西 村  政 之 君    40番   酒 井  研 一 君     43番   栗 本  藤四郎 君    44番   大 谷  元太郎 君     45番   北 川  弥 助 君    46番   石 橋  修 一 君     47番   奥      清 君    48番   小 林    実 君     49番   沢 野  邦 三 君       ────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    29番   清 水  鉄三郎 君     41番   伊夫貴  直 彰 君       ────────────────────────── 会議に出席した説明員              知          事   稲 葉    稔 君              教 育 委 員 会 委 員 長   八 耳  哲 雄 君              選挙管理委員会委 員 長   小 林    隆 君              人 事 委 員 会 委 員 長   野 玉  三 郎 君              公 安 委 員 会 委 員 長   藤 井  義 顯 君              代 表 監 査  委  員   高 土  禮二郎 君              副     知     事   山 田  新 二 君              副     知     事   岩 波  忠 夫 君              出     納     長   渕 田  正 良 君              知  事  公  室  長   上 木    徹 君              総   務  部   長   飛 彈  直 文 君              企   画  部   長   中 桐    正 君              生 活 環 境  部  長   花 房  義 彰 君              健 康 福 祉  部  長   前 川  利 夫 君              商 工 労 働  部  長   高 井  八 良 君              農 林 水 産  部  長   豊 田  卓 司 君              土   木  部   長   宮 尾  悦 夫 君              企   業  庁   長   青 地  宗一郎 君              教     育     長   西 池  季 節 君              警  察  本  部  長   佐々木  俊 男 君       ────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事   務  局   長   森 田  吉 則              議   事  課   長   林    耕 司              議 事 課 課 長 補 佐   大 東  明 良              議事課専門員兼議事 係 長   塩 見  和 夫       ──────────────────────────    午前10時11分 開議 ○副議長(桑野忠君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────── ○副議長(桑野忠君) 直ちに日程に入ります。    ─────────────── △議第88号から議第101号まで、および議第103号から議第107号まで(滋賀県職員退職手当条例の一部を改正する条例ほか18件)(質疑、質問) ○副議長(桑野忠君) 日程第1、議第88号から議第101号まで、および議第103号から議第107号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は一般の質疑ならびに質問であります。発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、16番吉原稔君の発言を許します。 ◆16番(吉原稔君) (登壇、拍手)まず、琵琶湖総合開発についてお尋ねをいたします。  県は、琵琶総の再延長に当たって、琵琶総事業の早期完成を目指すとし、国や下流と交渉を続けておりますが、日本共産党は、琵琶湖総合開発の制定のときからこの計画に根本的な疑問を提起し、この計画は過大な水需要を想定し、びわ湖の水位を低下させて、湖岸を鉄とコンクリートで固めてびわ湖の水質を悪化させ自然を破壊するものであるとして、一貫して毎秒40トン、1.5メートル水位低下の琵琶総原点の見直しを求めてきたところであります。  それに対して、県は、水出しに当たっては、いわゆる水出し三原則を堅持するから大丈夫だと主張してきました。我々は、水出し三原則を守れば水を出してもよいというのではありませんが、最近の法延長に当たっての知事の言明等を見ますと、その最低限の要請である水出し三原則ですら後退させ、県益を守る姿勢が弱まりつつあること、一方、この20年の間にびわ湖の汚染がますます進み、水位を低下させれば、取り返しのつかぬ事態を招くことが明らかとなってきました。このことは、上流県たる滋賀県だけでなく、下流の利水県にとっても重大な問題であります。  次に、新規利水の時期についてでありますが、先日の知事の代表質問の答弁では、新規利水供給の時期について、びわ湖水位が低下しても県民生活に直接的な支障を来さないことが大前提であり、このためには水資源開発公団事業が完了し、地域整備事業の実施、知事の意見が十分加えられた洗いぜき操作規則の制定が原則であるとかねがね主張してきた、その基本スタンスを変えるわけにはまいりませんがと言いつつ、その後、近畿地建の調整を受け入れるその前提条件として、1、法延長期限内の完了の見通しのあること、2、公団事業の完了、3、公団の施設の完成後の公団の責任による管理、4、水質保全基金の創設、5、洗いぜき操作規則の制定の5つを挙げております。  これには、県民生活に直接的な支障を来さないことという大前提が項目として入っていないのでありますが、この大前提を変えないと言いつつ、実質は変えたのか、それともこの大前提は変えないのか、それならこの大前提を調整を受け入れる前提条件として明記すべきではないでしょうか。  もしこの5項目のみを調整の前提条件とするのなら、県是とされた水出し三原則の大幅後退になるのではないか。それは、琵琶総の延長時昭和57年5月に下流府県と交わした覚書の中の水位低下により県民の生活に支障を来さないよう十分な対策を講じた上で、遅くとも66年度末には新規供給を開始するとした合意の線よりすら後退したことにならないか。私は、この大前提は崩すべきではない、そうでないと、知事答弁にあるように鶏が先か卵が先かの議論になり、ずるずると後退し、国や下流のペースにはまることになると思うが、知事の真意を問うものであります。  次に、県民生活に支障を与えないことが大前提だといっても、その内容が問題でありますが、国や下流は、水資源公団事業が完成すれば平成3年度未にはそれで県民生活に支障がない対策ができたとみなすとして水出しを要求するのに対し、県は、地域整備事業が完了しなければだめだとして、法延長を要求しています。それに加えて、事業完了の後の確認というプロセスが必要であり、そのためにこそアセスメントが要るのであります。アセスメントの結果がないのに確認をする方法はないからであります。  現に県は、昭和53年4月発行の琵琶総百問旧版では、毎秒40トンの水供給の時期は、地域整備事業が実施され、水位が低下しても県民生活全般に支障を来さないことが確認されなければならないとしていたのを、延長後の58年3月の改訂版では、確認という言葉がなくなり、県民生活に支障を来さないよう十分な対策を講じた上でと変わっているのでありますが、何ゆえいわゆる水出し三原則の内容から確認が抜け落ちたのか。私は、県のいう大前提は、琵琶総百問の初版本のように、正確には事業が完了した後、県民生活に支障がないことが確認された後に水を出すとすべきと考えるが、どうでありましょうか。  次に、河川管理権の国直轄化についてでありますが、知事は、琵琶総の河川事業を進めるために、草津川と大津放水路は国の直轄にするよう国に要請していると答弁をいたしました。  私は、昨年9月議会で、大津市や草津市の市長からびわ湖の管理権を国に返上した方が工事が進むという議論が出ている、これは新河川法でびわ湖管理権を県が確保した歴史を忘れたものである、琵琶総の再延長と絡んで、この問題と引きかえにびわ湖の国直轄化が出てくるのではないかとの懸念を指摘したのに対し、知事は、自分は今まで国土庁や建設省にしょっちゅう行くが、琵琶総再延長に絡んで国直轄にせよという話はない、市長が陳情に行くと、国直轄にすれば早くなるという話は出てくるが、これはあくまでも期待であって、直轄になったら早く進むという保証はない、その問題と知事が管理をすることが県民のびわ湖である、びわ湖を大切にしているという意識が生まれる問題を十分考える必要がある、審議を尽くして判断すべき問題と思うと、私の懸念を否定いたしました。  ところが、それから半年もしないうちに、しかも何の公開の論議も審議もしないで、急に知事の方から、琵琶総再延長に絡めて草津川と大津放水路を国直轄にしてほしいと要請しているという180度変わった答弁が出てきたのでありますが、実際に国直轄にした方が早いという保証があるのかどうか。  また、びわ湖を知事管理とすることによる県民のためのびわ湖という問題、知事管理だからこそ琵琶湖条例をつくることができたという問題、河川管理権や許認可権が国に握られる問題のマイナス面をどのように判断するのか、このような変化について、どのような理由と議論が国との間で交わされたのかを聞くものであります。  昨年12月の大津市会の議論では、山田市長は、河川を直轄にしてくれと言っているだけで、びわ湖全体を直轄にしてくれと言っていないと言いながら、建設省がびわ湖の直轄化を要求していることをにおわせております。琵琶総再延長と工事の完成を急ぐために河川管理権を返上し、やがてはひさしを貸して母屋を取られるとか、小さな借金でびわ湖全体を代物弁済で取られるというように、びわ湖全体の管理権を国に返上するということのないように、高所高所からの判断をするのが知事の責任であると思うので、問うものであります。  次に、水位低下の影響のアセスメントの実施でありますが、私は、今までにも再三琵琶総による水位低下のもたらす県民や生態環境への影響についてアセスメントを実施すべきであると要求してきました。県民生活への支障とは、単に水道施設や漁港などのハードな対策のみならず、びわ湖の水質や周辺の生態環境を悪化させないことを含むことは、知事が県民生活への影響とは物理的な影響だけではない、しかし生態環境への影響の判断は今の段階では難しいと答弁したところでもあります。したがって、なおさらその支障の有無を判断するための資料としてのアセスメントの実施が必要であります。  ところで、県は、アセスメントは難しい、手法が見つからない、やった例がないということを実施しない理由にしてきましたが、私は最近、既に琵琶総延長時の昭和57年ごろに琵琶湖総合開発の水位低下のもたらす影響についての立派な研究があるということを知りました。これは立派なアセスメントの一種であり、しかもその結果によりますと、びわ湖の1.5メートルの水位低下は、県が言うように10年に1回起こるというどころか、10年のうちの2年ないし4年は起こるとされておりますし、また琵琶総の進行により南湖の平均的な水質変化は現状の2倍近くにも汚染されると予測し、下水道普及率が80%程度に徹底して初めて現状を維持し得るというびっくりするような内容が結論として出されているのであります。  これは、1つは、昭和53年に京都市水道局の依頼で京大工学部衛生工学教室水道工学研究室岩井重久教授住友恒助教授が中心となった「琵琶湖総合開発に係る湖面低下の対策に関する調査研究」であり、こういうものであります。もう1つは、昭和57年琵琶総延長のときの同じく京都市水道局の「琵琶湖汚染の現況と将来」と題する報告書であります。これです。これらはいずれも、京都市水道局の依頼によって京大衛生工学の岩井重久、住友恒、宗宮功等の教授を中心に研究された報告でありますが、この報告書の動機は、京都市はびわ湖からの水利権量が豊かであり、水量は保証されているので、琵琶総の開発水量40トンの対象府県には入っていない、開発の補償費を負担しなくてもよいのだが、琵琶総の水位低下によって水質が悪化すると、水道事業の水源としての価値が損なわれるので、市民との関係でその対応策を誤れば市独自の責任を問われることになるので、水道事業者としての立場から琵琶総の水位低下の影響を予測したとしています。  この本の後書きによりますと、当時の京都市水道局の竹村技術部長は、昭和52年度から毎年京大工学部衛生工学科にお願いをして、びわ湖湖面低下に伴う京都市水道への影響について調査研究をしてきたが、岩井重久名誉教授から、私の口から言うのもおかしいが、この調査研究は私としては本当によくできた世界的なものだと思っているという話があり、そんないいものならもっと広範囲の人に利用してもらおうというので、京大の住友、宗宮両教授に頼んで本にしたと述べておるのでありますが、その意味では、この両研究は京都市と京大が自信を持って世に送ったものであります。  そして、これらの報告は出版され、建設省や県にも送られているのでありますが、私が住友教授にお会いして聞いたところでは、この報告書を見た建設省が、夜間に電話をかけてきて、この報告書で1.5メートルの水位低下が2.5年から5年に1回起こるという部分、濁がふえ、水質が悪化するという部分は困るということを言ってきたという話を聞いたことがあります。  そこで、以下にこの報告書の内容を紹介いたしますと、まず、御承知のように、国や県は毎秒40トンの水を得るために1.5メートルの水位低下をしても、それは10年に1回ぐらいしか起こらないということを、琵琶総百問などで再々言明をしておりますが、これが水位低下をしても水質を悪化させないという根拠の1つになっております。  これに対して、この報告は、まず水位低下の頻度、どれくらいの頻度で起こるかということについて、昭和53年と昭和57年の2つの報告書では、10年に1回起こる渇水で、マイナス1.5メートル利用水深をしようとすると、開発水量は10ないし20立米である、マイナス2メートルで利用水深をしようとすると20ないし30立米である。その程度の開発水量しか見込まれない。一方、40トンをマイナス1.5メートルでとろうとすると40%程度の危険率、つまり10年のうち4年低下しているという状況になる。  逆算流入量によるシミュレーション結果では、10年渇水マイナス1.5メートル利用水深では20立米の開発量、マイナス2メートル利用水深では40トンの開発水量を得るが、40トンでマイナス1.5メートル利用水深では20%程度の危険率、つまり5年に1回の危険率が見込まれるとしているわけであります。  また、200年にわたる日単位のシミュレーションを行った結果、40トンの新規開発水量のときには利用水深マイナス1.5メートルというのは、2.5年に1回ないし5年に1回起こり得る、だから40トンをとることは難しい、53年報告でも、このような頻度は長期的な降水量変動に極めて敏感に左右され、特に1970年代は渇水期となっていることもあって、総合開発のもくろむ40トンの恒常的な確保は不可であるとまで言っているのであります。  言いかえますと、国や県の言うような10年に1回のマイナス1.5メートル低下では、せいぜい毎秒10ないし20トン程度しかとれない、県は、異常渇水のときだけマイナス2メートルに低下すると言っているが、マイナス2メートルでさえ、10年に1回のマイナス2メートルでは20ないし30トンしかとれない、40トンをコンスタントにとることは無理である、40トンをコンスタントにとろうとすると、10年に2年または4年のマイナス1.5メートルの水位低下になる、また1.5メートルとか2メートルでは足らないで、もっと水位が下がることになると言っているのでありますが、これは国や県の主張とは大きな違いであります。  びわ湖の水位は、この報告書の出された57年以降、59年渇水をピークに毎年のようにマイナス50センチと低下しておりますが、このシミュレーションに最近の水位低下のデータを入れると、もっと水位低下の頻度と低下幅は大きく、深刻なものになると考えられます。次に、水位低下が水質にどう影響するかについての報告によりますと、琵琶総の進展に伴い、南湖の平均的な水質変化は現状の2倍近くに汚染されるものと予測し、各下水道処理場で高次処理を徹底し、下水道普及率を80%程度に徹底して初めて現状を維持し得る、また水位低下は湖水流の影響を受けやすい、恒常流が強くなる反面、湖水混合が弱まって、東岸部の汚染が流心に向かってせり出し、西岸部の汚染は沿岸部に沿って流下する傾向を強める、東岸部の汚濁の流心へのせり出しは、特にこの地域が浅く底泥の巻き上げ率も高いので、底泥汚染の影響を湖南に拡散させる危険性も高い、現状の2倍近い汚濁を想定すると、突発時には現状の3倍近い上水道水源の汚濁をも予期しておかなければならない、まことに驚くべき予想と警告をしているのであります。  また、57年報告によりますと、水位低下によってBODやSSは大きくなる、特に濁りは水位低下によって確実に高濃度化し広域化するとしており、水位低下によって南湖の水質がどう悪化するかについては、水位低下によって高濃度水質による危険性が、BODの場合80倍、水中水銀の場合約15倍に増大すると評価されるとし、びわ湖南湖の水源としての評価を要約すると、一般汚染項目は現在は水質基準値を下回っているが、将来びわ湖の開発とともに基準値を超える事態が予想される上に、上にも記したように、水質の変動が突発的な原水悪化をもたらす可能性が高まることを予測し、したがって現段階から水源の水質監視体制を強化することや、突発的な水質悪化に対応できる浄水技術を開発していくことが不可欠である、また基準値という側面からは十分低い値であっても、多項目にわたる有害物質のもたらす総合的な悪影響について十分対処し得るよう、浄水技術をレベルアップしておくことが近代水道の責務だと結論づけているのであります。  これは、国や県が宣伝している楽観的な見方とは正反対の厳しい予測であります。  本年2月の私の質問に対し、知事は、びわ湖の水位低下のアセスメントをするとなると、さまざまな前提条件が必要でありますが、びわ湖のような大湖での環境影響評価の例は外国でも見られないし、他の湖の例を当てはめることもできない、したがってびわ湖の水位低下が水質とどうかかわるかを予測することは簡単にいかないと、アセスメント拒否の理由にしていたのでありますが、この京都市水道局と京大の研究は、さまざまな前提条件、汚濁収支、河川流域での負荷の流出構造、気象要因などの条件を精力的に収集し、これを京大の大型コンピューターに入力してシミュレーションをしているのであります。大湖の環境影響評価の例は外国にもないと言いますが、現にびわ湖について国内にある。京大にできることが建設省や県、琵琶湖研究所にできないことはあり得ないと思うのでありまして、要はやる気があるかどうかの問題であります。もっとも住友教授は、琵琶湖研究所コンピューターでは難しいだろうという意見でもありました。  さて、この研究でびわ湖の水位低下によるヨシ帯、水草帯など生態系の破壊による水質悪化についてはシミュレーションがされておりません。現在も藻の繁殖とヘドロ化は水質悪化の象徴でありますが、水位低下はこれを一層増悪させるでありましょう。この点について、住友教授は、ヨシの生育状況やデータがあれば、水位低下による影響はシミュレーションはできると言っておられました。また、このシミュレーションでは、水位低下後の水位の回復のときに生ずる汚濁が想定されていないこと、最近のピコプランクトンを初め、プランクトンの新種が次々と出ていますが、このようなプランクトンなど生態系全体への影響のシミュレーションがされていない。  この研究の手法とデータに、ここ10年の水位低下の頻発とか、54年から58年にかけてびわ湖水質が改善傾向にあったのに、58年以降は逆に悪化し、第1次水質保全計画のスタートの昭和60年から計画完了後の平成2年には、逆に水質が悪化しているということ、またプランクトンの変化など最新のデータを入れ、さらに生態系の変化のシミュレーションを加えれば、この研究の示した結果よりもより深刻な結果をもたらすであろうと思われます。  住友教授は、生態系のシミュレーションを考慮に入れれば、水質の汚濁は研究結果より一層強まることは確実だと言われております。  私は、京都市が琵琶総の対象府県ではないにもかかわらず、水道事業者として良好な水を市民に供給する責務から、このようなアセスメントを行っておるのに、肝心の滋賀県が国や建設省の言い分をうのみにして10年に1回しか1.5メートルにならないと言い張り、いまだに水位低下の影響のアセスをせず、びわ湖に水源を依存する県下の水道事業者も、取水口を沖出しした後の増加維持管理費を公団から金をもらうということには熱心でありますが、琵琶総の水位低下が水源としての価値をなくすのではないかということについては、京都市ほどの熱心さを毫も示していないことをまことに不思議に思うのであります。  この問題は、滋賀県や京都だけでなく、びわ湖に水源を依存する下流全体の問題でありますが、下流が1.5メートル下げて40トンをもらっても、汚濁して水源として使いものにならない水をもらっても意味がないのでありますが、本来こういうアセスメントは上下流全体で取り組むべきで、創設される水質保全基金が取り組むべき最大の課題であると考えます。  県は、この報告書の結果をどう評価するか、10年に1回しか起こらないという結論は、どの研究に基づくどのような根拠によるものか、この結果にどう反論するのかお尋ねいたします。  また、53年報告にいう下水道普及率が80%ぐらいに達し、下水道高次処理を徹底してやっと現状を維持し得るという指摘によると、あと5年ぐらいの延長でこれができるのか。この報告書は、岩井、住友、宗宮教授らが心血を注いで取り組んだ成果であり、行政機関の委託に基づいて大学の研究機関が行った報告であり、しかも岩井重久教授といえば、琵琶総計画に密接にかかわり、私に言わせると体制側と見られる立場の人ですら、このような厳しい見方をしているという点で大きな価値があり、見逃すことはできないと思うのであります。  もし県がこれが間違いだと言うのなら、その根拠を示すべきであり、この研究のとった手法に見習って、琵琶湖研究所の機構を拡大し、大型コンピューターを導入して、京大などの研究機関と協力してアセスメントを徹底して行い、しかる後に利水の時期、その幅を決定することが知事の責任であると考えます。  中海宍道湖や長良川河口ぜきでも、時代の推移によってアセスメントによる計画の抜本的な見直しを迫られていることは、琵琶総のこれからを予見するものと言えましょう。  また、知事は、さきの代表質問で、洗いぜきの操作規則が滋賀県の意向を十分尊重して決めることが新規利水の前提だと言いましたが、アセスをしないで、どうして滋賀県の意向を決められるのか。建設省のいう10年に1回1.5メートルだということをうのみにして操作規則を決め、それがもし間違っていたとしたら、滋賀県は取り返しのつかない損害を受けますが、県の意向を操作規則に反映させるためにも、少なくとも水位低下の頻度と幅についてのシミュレーション、アセスは必要だと思うが、どうでしょうか。  次に、ヨシ群落保全制度検討委員会の中間報告がされていますが、私は、かねてよりヨシ群落の保全のための条例制定には賛成でありますが、県の中間報告にも、ヨシをつぶした主犯が県や公団であるということの反省と、ヨシの大敵である水位低下への対応がないことが最大の問題であることを、かねてより繰り返し指摘してきました。過日の公害審議会でも、委員から県はヨシをつぶしたことの反省に立つべきだと指摘がされているところであります。  私は、県がヨシ群落を真に保全するのであれば、水位低下の与える影響をアセスすべきであり、既に59年のマイナス94センチの水位低下によって、湖北のヨシが根があらわれて一斉に倒れた経過からしても、水位低下がヨシの大敵であることは明らかでありますが、この大敵を研究せずして、どうしてヨシを保全できるのかと言いたいのであります。  県の生活環境部が1988年3月につくった、びわ湖北湖のヨシ帯の現状とその保全という文書でも、各種開発行為や水位変動幅の拡大など、ヨシ帯の存続にとって問題となり得る要素は少なくなく、今後ヨシ帯をいかに残していくかが大きな課題になっているとしていますが、水位低下のヨシに与える影響をアセスしてこそ有効な対策を立てると考えるが、どうでありましょうか。  以上で水位低下関係の質問を終わります。次に、リゾート構想の問題であります。  リゾートネックレス構想が進行段階に入っておりますが、私は、2月議会でマキノ町の湖のテラスという問題を取り上げ、奥びわ湖の景観とつり合わないという問題を指摘しましたが、今回はリゾート指定基盤整備事業のうちの今津町の深清水地区の箱館山一帯の開発の家族旅行村等の計画について取り上げます。
     これは、今津町内のリゾート指定整備事業は、11項目で総額309億円という大プロジェクトでありますが、既に森の遊び場ゾーンのオートキャンプ場の工事が山林を切り開いて進められております。オートキャンプ場とか、わんぱく科学砦ゾーン等と称して、ブナの森林を切り開き赤土を露出させて、まことに痛々しい破壊をつくり出しております。整備の基本方針として、自然を生かしながら自然と親しめる施設とか、森との触れ合いが生まれる施設と言いながら、森林を大規模に破壊しております。72ヘクタールのうち20ヘクタールが開発区域とされているのでありますが、そのうち森林の面積はどれくらいなのか。県は、林地開発許可に当たって、どれくらいの森林を伐採し、どのように指導しているのかを問うものであります。  また、この旅行村の一角にノアの箱船と称して建物を建てる計画があると聞いておりますが、この地域とは何の関係も必然性もない奇妙な構造物をむやみやたらに建てるのはやめるべきであります。  また、この近くには深清水の平池という池があり、周囲600メートルの池の中に1万株のカキツバタが自生し、私が訪れた6月上旬には湖面を紫色のカキツバタが埋め、その周囲を深い森が覆い、モリアオガエルが木の中に卵を産みつけ、イモリが生息し、まとこにこの世のものとも思えないすばらしい光景でありました。この池を観光コースとして生かすことは必要ではありますが、アクセス道路を含めて最小限度のソフトな開発であるべきですが、家族旅行村の開発がこの池に被害を及ぼさないよう配慮すべきと思うが、どうか。  また、同じ今津町のリゾート整備として石田川環境整備がありますが、石田川の河辺木が河川改修とリゾート整備のため大量に既に切り取られ、破壊をされております。石田川の護岸は大木が生い茂り、豊かな河辺木林を残し、これが湖西の独特の景観を形づくっておりますが、これを河川改修の名のもとに一斉に伐採しようとしているのでありますが、河辺木を保存した改修、例えば河辺木を伐採せず、その外側に堤防をつくるなどして保存すべきではないか。幾ら河川改修やリゾートを名目にするとはいえ、河辺木を切って殺風景なコンクリート護岸の堤防にするのは余りにも惜しいと思われますので、再考を求め質問をするものであります。  大津市の木の岡の12階建てのビル廃墟を爆破解体するについて、県に対して火薬類取締法による許可申請がされ、4月23日付で受理されておりますが、このビルが景観を阻害し付近の環境悪化の原因となっていることから、安全な方法で解体することについては望ましいことでありますが、爆破による解体については国内でも例がなく、今後の先例ともなるだけに、安全上の不安が残るものであります。私は、かねてから爆破解体の外国の例を見た人の話では安全だというふうに聞いておったのでありますが、たまたま6月29日の深夜のテレビのニュースに、アメリカの大学の建物を爆破解体した場面が映りました。10秒で3億8,000万円が使われたが、猛烈な煙と爆風と瓦れきが飛び散っている様子が映し出されたのであります。木の岡ではビルと民家がわずか80メートルぐらいしか離れていない、たとえ民家や国道をシートで覆っても民家や国道への被害を防げるか、ビルの裏手に生育しているヨシや柳の群落を破壊しないか等の懸念のあるところであります。  そこで、県としては、この許否の判断をするに当たって独自に安全性の検証を含めた審査作業をどのようにしているのか。影響のある範囲の住民全体の同意を要件とすべきことはもちろんですが、万一被害が出た場合に、その損害を弁償することの確実な連帯保証人を含めた保証が必要であると思うが、県の所見を問います。  最後に、単位制高校について、さきの代表質問に対する答弁で教育長は、本県の単位制高校の特色は、昼間定時制、夜間定時制および通信制の全課程を備え、そのすべてに単位制を導入した総合的なもので、全国的にも数少ないものだとしながら、一方で、当面現在の湖南高校と大津中央高校の施設を活用するとしています。  県下の通信教育は、膳所高の通信教育のみでありますが、ここでは高校中退者を多数受け入れ、中高齢者の社会教育機関ともなり、登校拒否者や中高齢者にとっての学習意欲の高まりと安らぎの場ともなって、大きな効果を果たしていると評価できるものでありますが、これを湖南高校に移すことによって、現在の有利な通学条件をなくし、生徒の通学の不便を来すことになると言われております。現在の湖南高校への通学はバスしかないのでありますが、単位制高校の生徒は各人のカリキュラムに従って登下校をする関係で、恒常的なバスダイヤの確保が難しいとか、近辺に食堂が少ないとかの問題がありますし、昭和60年の県産業教育審議会の答申でも、学校の性格上交通至便の地を選ぶ必要があるとの答申の内容にもそぐわないことにならないか、お尋ねいたします。  また、定時制と通信制の併修を将来考えるということでありますが、制度も機能も目的も違う2つの併修がうまくいくかも懸念されるところであります。他府県のように、単位制高校を新しい校舎を建設して、している例がありますが、そうではなくて既設の高校を転用するという面で、教育合理化の側面が見られるのであります。  また、特設通信制の主要な部分を占める日清紡績がこの新しい単位制には入らないと聞いておりますが、どう対応されるのか。  また、膳所高通信教育が受け入れてきた守山養護学校大津分校、現在の大津日赤に併設されている大津分校の受け入れ態勢はどうなっているか。  滋賀県は、臨教審、中教審の提起した方向に沿って、単位制高校を他府県に先駆けて受け入れようとしておりますが、理念が先走りがちで、県民への影響を考慮し慎重にすべきではないかと思うのであります。特に、単位制高校に定時制を受け入れることの是非はともかくとして、膳所高通信教育を廃止して、単位制高校に統合するという点は再検討をすべきであると思うのでありますが、以上教育長の所見を伺います。(拍手) ○副議長(桑野忠君) 16番吉原稔君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)吉原議員の琵琶湖総合開発についての御質問にお答えします。  まず、新規水供給の時期についてでありますが、さきの自民党の代表質問に対する答弁でも申し上げましたように、琵琶湖の水位が低下しても県民生活に直接的な支障を来さないことが大前提であり、この前提を念頭に置いた上での懸案事項の同時解決でなければならないと考えております。  また、水資源開発公団事業が完了したとしても、それによって支障がないことを確認するプロセスが必要と言われますが、事前に予測される支障に対しては公団事業で十分対策がなされるはずのものであり、また事業完了後に現実の水位低下によって万一不測の事態が予見される場合には、建設省および水資源開発公団において責任を持って適切な措置が講じられるべきものと考えており、先日代表質問に対する答弁で申し上げました5項目は、調整の座に着く際の当方の前提条件であり、具体的協議項目ではない、そうした場ではさらに踏み込んだやりとりが交わされるということは当然のことでございます。  次に、草津川と大津放水路の直轄施工に関連して、びわ湖の管理権についての御質問がありましたが、びわ湖を知事管理のまま2河川を直轄施工という方向で要請し、協議をしているものでありまして、びわ湖の管理権を変更するというようなことは毛頭考えておりませんし、またそのような話もございません。  また、国直轄にした方が早いという保証はあるのかという御質問ですが、私は、さきにびわ湖を国直轄にしたからといって河川工事が早く進むという期待はできないと申しましたが、河川工事そのものが国直轄になれば、建設省の総合力から考えて、事業への集中した取り組みが期待でき、進捗も早まると思っております。加えて、2河川を直轄施工とすることにより、これまでからこれらに費やしてきたエネルギーを他の河川改修に振り向けることが可能となり、全体として河川事業を早く完成させることができるといった効果を見込んでいるものであります。  次に、びわ湖開発後の水位低下の頻度についてお答えをいたします。  御質問にありました京都市水道局の報告書についてでございますが、57年かに出版された本が県立図書館と琵琶湖研究所にあることを最近承知しましたが、どういう内容かは存じておりません。ただ、御質問に述べられたことから申しますと、水位低下の予測のためには、淀川水系の各地点の河川流量、びわ湖への流入量、ダム群の運用計画等をどのようにシミュレーションに組み入れるかといったことがその結果に影響することでもあり、その議論抜きで評価することはどうかなというふうに思っております。  びわ湖の水位低下の頻度につきましては、今までにもお答えしてきたとおり、びわ湖の現在の開発方式が議論された当時から、淀川水系を全体的に水量管理している建設省において、当時データが整っていた大正7年から昭和40年までの48年間の流量資料などをもとに十分な検討がなされ、これをもとに開発水量を毎秒40トン、利用低水位マイナス1.5メートルとする琵琶湖総合開発計画がスタートしたところであります。これによると、開発後のびわ湖の水位は、10年に1回程度の渇水時にはマイナス1.5メートルまで下がることがあると予測されているところであります。  なお、水位低下の影響のアセスメントにつきましては、従前からお答えしておりますとおり、水位低下時の現実の事象に基づき影響を把握するのが最も現実的ではないかと考えております。  次に、ヨシ群落と水位との関係につきましては、昨年の9月県議会でお答えしておりますように、昭和53年の葭地等保全造成検討委員会の報告を初めとした各種の調査によりましても、ヨシ群落の生育環境条件には、水位だけでなく土地の水分、土質、波浪の程度、湖辺の形状などの地形条件など、さまざまな要素が関係しており、また水位の回復が保証される限り水位低下はそれほど重大な問題ではないとの別の報告もあります。  また、昭和59年の水位低下で一斉に湖北のヨシ帯が倒伏したとの指摘がありましたが、その当時のびわ湖のヨシに詳しい人からは、一部に倒伏した場所があったと聞いておりますが、現在のヨシの植生状況を一見しますと、昭和59年以前の状況と大きな変化は見られないと承知しております。  いずれにいたしましても、ヨシ群落につきましては、本年度詳細な生育環境状況の調査を実施しておりますので、その結果を踏まえ、多様な機能を有しておりますヨシ群落保全の制度化に向けて積極的に取り組んでまいろうと思っております。  以上、琵琶湖総合開発問題を考えるに当たって、新規に毎秒40トンの水量を下流に供給するというのは、国、滋賀県、下流府県との間に交わされた約束事でありますが、今や上下流間の水問題は、量ばかりでなく質の問題でもあるというのが共通の認識になってきております。したがって、水質保全基金も設けて、共同取り組みをしていこうとしているわけでありまして、上下流が自説を主張しながらも、いたずらに対することなく、お互いに譲り合えるところは譲り合ってでも、水質保全管理を流域共同の課題として取り組むシステムを構築するという次の段階に早く入るべきではないかというふうに思っております。そのためにも、残事業を法延長によって完了し、早く決着させることが必要ではないかと思っております。 ◎生活環境部長(花房義彰君) (登壇)今津町深清水の平池の保全についての御質問にお答えをいたします。  当該地区における施設整備事業につきましては、その周辺の自然の機能を生かし、子供から高齢者までの幅広い世代の多様な公園利用のニーズと利用形態に対応しつつ、気軽に自然と触れ合える自然公園の利用拠点として、今津町が家族旅行村を中心とする各種の戸外レクリエーション施設を公園事業として整備を進めているものでございます。これらの整備区域の近くにあり、学術上も評価の高いカキツバタの群落を初め、貴重な自然環境が維持されている地区でもあります。  このため、池およびその周辺については施設整備対象区域には含めず、かつその集水域については、関連する施設の造成工事を行わない計画とされており、その保全に支障を及ぼすものではないというふうに考えております。  なお、今後の事業の展開におきましても、平池の自然環境の保全に配意し、引き続き指導してまいりたいと存じます。  次に、未完成ビルの爆破解体の件についてお答えいたします。  御指摘のとおり、4月23日に当該ビルを解体するための火薬類取締法による火薬類譲り受け、消費許可申請書が提出され、現在審査を進めているところであります。  今回の申請では、単位薬量を少なくし、多段階に時間差を設定することで爆発力を分散させるとともに、国道側に面するビルの外壁を防護壁として利用、また湖辺側については装薬箇所の開口部を閉鎖するなど、適切な防護方法との組み合わせにより、建物敷地外への飛散物の防止を図るもので、いわゆる制御破砕解体工法により実施しようとするものであります。  審査に当たりましては、飛散物の防護を初めとする安全制の確保と周辺に対する騒音、振動、粉じんについての軽減対策がとられているかどうか、慎重に検討を進めているところであります。  また、国におきましては、都市構築物解体用発破保安技術基準が策定中であり、通産省と十分協議しながら慎重に審査してまいりたいと考えております。  さらに、申請者に対しては、地元住民等に対して納得のいく説明をするよう指導しているところであります。また、仮に許可をする場合には被害防止に万全を期す所存でありますが、万一被害が生じた場合は保険等による補償についても十分考慮するようあわせて指導しているところであります。 ◎農林水産部長(豊田卓司君) (登壇)今津町深清水地区の林地開発許可についてお答えします。  家族旅行村等整備計画の事業実施区域は69.1ヘクタールとなっております。このうち森林を伐採することとなる林地開発面積は9.7ヘクタールでございます。その開発面積のうち4ヘクタールは造成後植栽され、今後森林として管理されることになっております。  この計画は、事業主体が今津町でありますことから、森林法上の許可は不要ではございますが、本制度の趣旨に照らし許可基準の範囲内で行われるよう、事前に県と町において連絡調整を図っているものであります。その結果、林地開発許可基準の残置森林等の許可条件を満たしており、開発に伴う災害の発生は防止できるものと考えております。  今後さらに、本開発行為によって周辺地域に対して森林の持つ機能が損なわれることのないよう、適正な指導に努めてまいりたいと考えております。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)リゾート整備と河辺木の保全についてお答えいたします。  石田川は、天井川であることから、これを平地化し河積の拡大を図り、災害を未然に防止するための国庫補助事業として、小規模河川改修事業を実施しております。この場合、河川の疎通能力や天井川という地形上の制約から、河辺木のある河川敷を含めて相当河床を切り下げる必要があり、河辺木を残すことは不可能であります。  また、仮に御質問のように河道内に河辺木を残して、その外側に堤防をつくることにすれば、外側の堤防は相当な後退を余儀なくされ、浜分集落等で相当数の家屋に影響を及ぼすことになり、その用地対策上極めて困難な問題が生ずることになります。  この事業は、リゾート整備に位置づけはされておりませんが、事業実施に当たっては親水性、緑化等具体的に検討し、周辺の環境になじむ新しい河川空間の創造に配慮しなければならないと考えております。 ◎教育長(西池季節君) (登壇)単位制高校と通信教育についての御質問にお答えいたします。  まず、単位制高等学校の設置場所についてでございますが、膳所高校通信制が現在手狭であることや、現湖南高校の校地、校舎に余裕があること、さらには通学の便等をも総合的に考慮して決定したものであります。(「そんなことだけで物を考えてはだめだ」)  次に、定時制と通信制の併修についてでございますが、定時制課程、通信制課程を併置することにより、3年でも卒業可能な形態がとれるなど、定通教育の活性化が図られるものと存じます。  また、単位制高校の定時制課程は、勤労青少年が昼間の午前あるいは夜間に登校して学習をするのが本来の学習形態であります。しかし、生徒が学習機会の拡大や修業年限を3年に短縮することを希望するとき、通信制の一部を併修することが考えられますが、それらの生徒のスクーリングについては平日に予定しております。  また、通信制課程への入学者につきましては、従来どおりの指導と日曜スクーリングを予定しておりますので、御懸念のようなことはないものと存じております。  次に、日清紡績に勤務する者につきましては、紡績会社等の生徒を全国的に受け入れております通信制の向陽台高等学校で学習することを希望していると聞いております。  また、守山養護学校大津分校の協力のもとに、膳所高校の通信制に学んでいる生徒につきましては、今後とも変わらない指導体制を維持していく考えであります。  今後、所定の方針に従い、通信制課程の特殊性を考慮した教育課程や指導内容とするとともに、多様な生徒に対応した施設の整備を図っていく必要があると考えております。(「弱い立場の人のことを考えなければだめだよ。それが教育だ。便利主義ばかり考えていてはだめだ」) ◆16番(吉原稔君) (登壇)水位低下に関する私の質問は、それなりに県民の関心を持った重大な問題であると思うのですが、またそれを京大や京都市水道局の研究に基づいて提起をしたつもりでありますが、今の知事の答弁は余りにも不親切であり、余りにも県民の疑問に答えていないと言わざるを得ないと私は思うのであります。  まず第1に、万一不測の事態が起こったときは、適切な対処を建設省はしてくれるはずだという発想であります。かつて国会の審議の中でも、当県選出のある国会議員が、琵琶湖総合開発の水位低下を心配するのなら、一遍試しにやってみたらどうか、試しに1.5メートル下げてみたらどうかという発言をしたのに対して、建設省は、試しにやるなどということは、その被害の影響の大きさを考えればとてもできませんという答弁をいたしましたが、私は、琵琶湖総合開発による水位低下というものが影響するその問題を、試しにやるとか、あるいは今の知事の答弁のように、万一不測の事態が起こった場合には是正すればいいではないかと、こういう発想では対処できないものだというふうに思うのであります。したがって、そういうことが起こらない、万全の体制をとること、しかもそれが公団事業の完了だけでなくて、地域整備事業が完了した後に、それで支障を来さないとみなすのではなくて、それを確認するという手法をとるべきではないか、その手法はどうするのか、それにアセスメントが必要であるが、どうするのかということを聞いているわけですので、私は、再度知事にそのことをまずお尋ねしたいと思います。  それから、もう1つは、京都市水道局の57年報告は最近承知したが、今までその内容は知らなかったと言っていますが、知事は知らなかったにしても、当局は知っているはずであります。知らなかったとしたら、それはうそであります。なぜならば、私は、この文献を発見して、再度こういう文献が今までどういうふうに論議をされているか、県がこれに対してどういう反論をしているかということを調べましたところ、琵琶湖訴訟の準備書面、昭和63年7月の最終準備書面の中にこれに対する建設省の反論が出ておりました。参考までに紹介をいたします。ですから、琵琶湖訴訟は県も建設省も皆入っておるのだから、県が知らないというようなことはあり得ない、こういう準備書面をつくるときに、ねじり鉢巻きで皆研究しているのだから、県の当局者が知らない、水政当局が知らないということはあり得ないことはおわかりいただけると思います。  実は、そのときの反論をこの場所でも同じようにオウム返しに言うのかなと思って、私は手ぐすね引いて待っておったのですが、それは出なかった。どういう反論をしているかというと、まずこの研究は京都市水道局がやったのだが、京都市は琵琶湖総合開発計画の関係外だ、その関係行政庁でもないものが、この計画の内容と計画策定の経緯を知り得る立場ではないのだ、だから、ということがまず1つ。もう1つは、前提条件の基礎資料として何を用いたか、計算の根拠も不明だ、結論に至る根拠も不明だと言っている、これが2つ目。もう1つは、200年にわたる日単位のシミュレーションの結果と言っているが、鳥居川観測所が設置されたのが明治7年のことだから、200年にわたって観測できるはずはない、その記載が不確かであることを示すものだと、こういう反論をしているのですが、全くこれはナンセンスな反論であるということは、今私が言ったことでも、皆さんやはりあれはナンセンスな反論だったなと思われるのではないでしょうか。  なぜならば、京都市は関係行政庁ではないと言うけれども、下流に関連するすべての問題について、少なくとも琵琶総の内容と計画策定、1.5メートル水位低下、40トンということは当然明らかにされているはずであります。そのことを知っていない、あなた方は関係ないから黙っておれと、こういう反論の仕方は全く当を得ていない。  それから、前提条件の基礎資料として、例えば水文資料とか、いろいろなことがありますが、これも京都市は当然それを収集してシミュレーションの前提として使っているわけであります。  最後のきわめつきは、200年もシミュレーションしたと言うが、200年間にわたって観測しているはずはないではないか。200年といえば、江戸時代の後期、天明2年の田沼意次の時代でありますから、そんなものはあるはずがない。この200年というのは、過去にさかのぼってという意味ではなくて、これから200年の間、2200年にはびわ湖はどうなるかということを1日ごとにシミュレーションしていったという意味でありますから、それが過去にさかのぼって資料がないのにできるはずがないではないかということを反論しておるのは、余りにも研究機関に対して失礼極まる。この程度の準備書面しかできなかった、この程度でも勝ったというのは、県にとっては僥倖であったと言わざるを得ません。  それはともかくとして、私が言いたいことは、先ほどの知事の答弁の中にも、この内容は知らなかったということを言っているが、知らないはずがないということと、シミュレーションに組み入れるさまざまな要因についてが問題だが、その議論抜きにはできないと言うけれども、現に京大の研究機関は、この前提条件を、大正元年からの水文資料に基づくデータとか、いろいろなものをほうり込んで、こういう結果を発表しているわけですから、私は、県は当然もっとまともに答えるべきであると言わざるを得ないと思うのです。だから、その点について知事はどうお考えになっているかと聞きます。  それから、先ほどから話があるように、琵琶総の水位低下のシミュレーションは難しい、アセスメントは難しい、現実の事象によって生じた影響を把握するより仕方がない、それが一番いいのだと、こういう言い方をされました。前の私の質問のときにも、現時点では水位変動の把握という基本の研究をベースにして、その時々の水位変動の事象をとらえて調査研究していくことが現実的であると言いましたが、それならば、仮にそれを認めるとしても、昭和57年以降の極めて極端な渇水状況、水位低下が起こっているこの事象を十分とらまえて、将来水位変動がどうなるかということを考えていく、これが県の責務ではないでしょうか。私は、引き続き知事にそのことを対処していただいて、県民に納得できる対応をしてもらいたい。少なくとも、万一不測の事態が起こっても何とかなるとか、試しにやったらどうかとか、こういう安易な発想では、私は県民の納得を得られないと思うのであります。そのことは、ひいては下流にとっても決してプラスにはならないと思うのでありますが、その点をお尋ねいたします。  次に、生活環境部長ですが、今慎重にやっているということ、私も、確かにあのテレビを見て、テレビを見るまではそんなにも心配しなかったが、テレビを見て、余りにもひどい状況なので、これだったら住民は納得しないだろうということと、住民だけではなくて、隣には鐘化がある、その隣──反対側には湖西流域下水道がありますから、まさに県はこの爆破計画の隣接関係者であります。だから、県は、自分のこととしてこの爆破計画の件に対処すべきだと思いますが、この間見られたテレビの爆破の状況と今度の申請に係るものとが、今いろいろ言われた中身であれば、ああいうことは起こり得ないという確実な保証があるのかどうか、そういう心証を持っておられるのかどうかをお尋ねいたします。  最後に、教育長ですが、私は、基本的に湖南高校に通信教育を併設することの問題点は、やはり第1は交通条件だと思うのです。先ほど教育長は向陽台へ日清紡は行くことになっていると言われましたが、その行くことになっている向陽台というのは、大阪の高槻にあるそうですね。なぜそんな遠いところへ行くかというと、そっちの方が石山にある湖南高校へ行くよりも便利なのだ、だからうちはそっちに行くのだと、こういうことだと聞いております。また、バスの問題とか、あるいは近所の食堂の問題とか、いろいろあって、湖南高校ではなかなか実際的に交通問題としては難しいだろうということがあって、膳所高通信教育生に与える影響が大きいということが懸念をされているわけであります。  ですから、この交通問題について教育長はどう考えておられるのか。いや、心配するな、交通はちゃんとスクールバスかなんかでもきっちりやるのだというような意向があるのかどうか、まずその点をお尋ねいたします。  それから、併修だと言われますが、通信教育と定時制の3年で終了し得るという、特に定時制ですが、3年で終了し得るという単位制の高校を安易に導入しますと、むしろ普通科高校の中でついていけない落ちこぼれの生徒──落ちこぼれという言葉は失礼ですが、そういう生徒、あるいはまた今の定時制の4年制の生徒が、3年で行けるものだったら全部ここへ行こうというような感じで、こちらの方へ来る可能性がある。むしろ既設の県立高校の運営そのものにも大きな影響を与えるのではないかということが懸念されておると聞いておりますが、併修による、あるいは期限を3年とすることによる既設の県立高校への影響について、教育長はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)再質問にお答えをいたします。  万一不測の事態が生じたというようなことを考えるのは困るではないか、そんなことが予想されるようなことをするわけにはいかないというお話でありますが、水資源開発公団事業につきましては、その事業の実施に当たりまして、事前に十分な調査が行われ、水位低下によって予見されるものは計画を実施することが建前となっております。そういうことでありますから、水位低下によって不測の事態が生じるようなことは、まずまずないと思いますけれども、万一生じた場合には、建設省なり水資源開発公団できちっと対処するということをさせるべきであるというふうに申し上げているところでございます。  それから、京都市水道局、京大工学部の研究報告についてでありますが、これにつきましては、私自身、この報告書を今回初めて知ったわけでありまして、その内容についてはまだ承知しておりません。それに対する考えと言われても困るわけでありますが、びわ湖の水位予測計算におきましては、淀川水系の各地点の河川流量、びわ湖への流入量としてどのようなデータを用いるかが一つのポイントであるというふうに思います。  この報告書においては、実際には存在しない200年間の仮想の降水量から河川流量を推算して水位変動を計算しているというふうに伺っておりまして、実績の流入水量に基づいて検討された琵琶湖開発計画とは全く異なった前提で計算をされているというふうに承知をしております。  それから、現実に水位低下した場合の把握なり調査研究につきましては、私どもも最大限の力を尽くしてやっておるつもりでございます。琵琶湖研究所もそういう対応をしてもらっております。 ◎生活環境部長(花房義彰君) ビル爆破についての再質問にお答えをいたします。  爆破解体を実施する場合、建物の構造特性あるいは材質、立地条件、空き地状況等々によりまして異なる工法を用いるというふうに聞いております。吉原議員の御質問にございましたアメリカの大学における建物の爆破解体例では、飛散物が拡散されたということでございますが、この場合は立地条件等から周辺環境への影響を考慮する必要性がなく、そのために飛散物が認められたのではないかというふうに推定をするところでございます。今回実施をいたします制御破砕解体工法によりますと、火薬を一斉に爆発させるのではなく、少量に分散させ、しかも時間差を設けて爆破させるということでございますので、飛散物、振動、騒音等を極力軽減できるという特徴を持つものでございます。  しかしながら、いずれにいたしましても、初めてのことでございますので、通産省とも十分協議しながら慎重に審査を行っているところでございます。 ◎教育長(西池季節君) 再質問にお答えをいたします。  まず、第1点の交通の便ということでございますが、現在湖南高等学校への通学の便ということにつきましては、バスが昼間には15分に1回の割合で運行されておりまして、現時点におきましても、決して不便であるとは考えておりません。  さらに、日清紡につきましては、今回の湖南高校の単位制への編成がえにつきまして、いろいろその趣旨を御説明申し上げまして、御了解を得たものと考えております。  それから、併修による全日制高校への影響ということでございますが、簡単に併修と申しますけれども、安易に併修によって単位が簡単に3年間で取れるというようなこととは考えておりません。努力する者については3年間で可能であるということでございまして、それをもって全日制への影響があらわれるというふうには考えておりません。 ◆16番(吉原稔君) (登壇)再度知事にお尋ねします。  まず最初に、私の質問に対する答弁漏れがありましたので、確認をしておきます。洗いぜきの操作規則を制定するについて県民の意向を反映させるということは、知事が繰り返し主張しておられる大前提でありますが、その洗いぜきの操作規則に対して県民の意向を反映させるに当たって、どれだけの水位が下がればどれだけの水位低下になるかとか、どれだけ出せばどれだけ水位が下がるか、その頻度はどれだけだということをやらなければならないわけですが、その判断の前提として、建設省や県が今まで言っている10年に一遍しか起こらない、起こってもせいぜい、一遍といっても、秋から冬にしか起こらないというようなその前提でもって判断をするというのか。  現に、そういう研究機関がこういう問題を投げかけている。これ以外にも水位低下のアセスメントをした研究機関は水産対策何とかという団体等もあるそうですが、そういうところが明確に言っているにもかかわらず、依然として建設省の言っていることに従って洗いぜきの操作規則を制定するのであれば、県民の意向を反映するといっても、結局は県は建設省が言っていることをうのみにして、操作規則を制定するということにしかならないのではないか。私は、そのことを申し上げているのでありますが、その点についての知事の考えをお尋ねいたします。  それから、不測の事態は生じないとおっしゃいます。先ほどの答弁でも、水資源公団の対策が完了したら、下流の方はそれで対策が完了したものとみなすというような意見を持っているようですが、水資源開発公団の事業は、繰り返し言いますように、水をとっても船が着くとか、水源が枯れないとか、上水道の取水口を沖に出すとか、そういういわゆるハードな物理的な施策が基本であり、少なくとも利水、治水、保全──保全という面は、県のやる地域対策事業でもってやろうとしているわけですから、当然それが終わるということが前提になるわけです。不測の事態は生じないが、万一生じたらというふうにおっしゃるけれども、私は、現にこういった研究機関が生じる、大変なことになると言っているのですから、それに対する真摯な検討が必要であると思うのであります。  ところで、先ほどの知事の御答弁の中で、この京大のやっているシミュレーションと国のやっているのとは違うのだ、その違う理由として、200年という仮想の降水量を想定した前提で計算をしている、そこが違うのだという意見がありましたが、それこそ先ほど私が紹介した琵琶湖訴訟の準備書面の中で、鳥居川観測所のデータは明治7年からしかないのに200年なんてあり得ないではないか、だから間違いだと言っているのと全く同じ発想であります。恐らくそういうことを言うのではないかと思ったのですが、やはり知事の口から言われた。  私は、この点について住友教授に再度お聞きしましたが、この200年というのは、大正元年からずっと48年近くにわたって行われている水門資料とか、いろいろな資料をした上で、それを前提にして今後200年どうなるかと、いわゆる今後の問題として計算をしているのだ、それは明らかな間違いなのだ、そんなことを言っているのですかというような対応であったのであります。  したがって、依然として県の反論のレベルは、あの昭和63年7月に作成された琵琶湖訴訟の準備書面のレベルを一歩も出ていない。ただ、そういうことをこの場で言うかどうかだけの違いであって、余りそういうとんでもないことを言うと失礼に当たるという面もあったのかもしれませんが、言わないだけのことであって、腹の底ではあれは200年という仮想の降水量でやっているなどということを考えているに違いないと、私は思うのであります。  したがって、こういう問題は、もし京大の住友教授や京大の研究者が了解をされれば、琵琶湖研究所のシンポジウムとか、そういう公の場で、一体どこが違うのか、どこのスタートが違うのか、どこが正しいのかということを堂々と公開討論をすべきである。何も隠す必要はないのであって、もし京大の方が間違っておったら間違いでいいわけですから、あるいは建設省が間違えておるのなら、間違えているというふうに改めるべきであると思うのでありますが、そういう意向はないかをお尋ねいたします。  次に、水位低下の問題についてやっているのだ、異常渇水が起こったら、その対策、その影響はどうかというのを県はやっていると知事は言われましたが、確かにやっています。水位低下が起こったときに、生態系がどう変化したか、生物がどれだけ死んだかというようなことは、琵琶湖研究所の季報の中にも出てきている。  しかし、水位低下がこれほど頻繁に起こっているから、将来のマイナス1.5メートル、40トンは大丈夫か、下手に操作規則をつくったら、結果としては40トン、40トンと出しているうちに、10年のうちの半分ぐらい水位がだだ下がりというようなことがあり得ないか、こういう点の調査はしていないと私は思っている。もししているのなら、しているとおっしゃっていただきたい。つまり、水位低下の実態を反映させる、水位低下の実態を検証するのが近道だとおっしゃるけれども、現実のその作業はやっていないのではないかと私は思うのでありますが、やっているのなら、どこでだれがやって、どういう結果が出たかを示していただきたい、このことをお尋ねいたします。  実は、琵琶総が成立して後にこういう研究機関が報告をした、そういう結果があらわれておりますが、琵琶総の制定のとき、毎秒40トン、1.5メートルという政策を決定したとき、合意が成立した、申し合わせができたときにも、実はこれは折衷的政治的な決定なのであります。これは、この研究書にも載っておりますが、建設省が行ったシミュレーションでも、安全率を94%と見た場合に、マイナス1.5メートルで8.5トン、マイナス2メートルで30トンぐらいしかとれないと計算をした。したがって、40トンをとろうとすれば、マイナス2メートルを超えることがあり得るということを考えながら、政治的配慮から40トン、1.5メートルと決めたのだということは公知の事実であります。(「どこに書いてあるねん、そんなこと」)それがちゃんと書いてある。後でゆっくり読みなさい。  そういう意味で、もともと40トン、1.5メートルの決定そのものが、科学的根拠に基づかない政治的、経済的な配慮によって決定されたものでありますから、なおさら今日の時点において、ましてこの20年の間の水位変動の経過等を考えて、県としては十分な科学的調査をするのが県の責任であると私は思いますが、金が欲しいばかりに、あるいは早く出さなければいけないと約束しているばかりに、そういうことはいいかげんにしておいて、とにかく工事を進めればいいのだ、5年たってそれで終わったら、さあ何が何でも出すのだと、そういうことでは、上流はもちろんですが、下流にとっても決してよい事態にはならないということを繰り返し強調して、知事の再度の意見をお伺いします。  それから、教育長は先ほど日清紡に了解を得ていると言うが、日清紡は仕方がないからあっちへ行くと言っているにすぎないのであります。バスの問題にしても、15分に1本とおっしゃるが、時間幅が結構あって、普通の高校のように一斉に来て一斉に退校するとシステムにはならない。だから、そういう意味では、非常に交通上問題があるということを聞いていますし、膳所高だから、あるいは膳所高の通信教育だから、あの立地場所だから、あの歴史と伝統のある学校に併設されている通信教育だから、非常に多くの人たちに魅力のある教育ができた。だから、高校の中退者を率先して受け入れるとか、40、50になって子供の手の離れた母親なども通信教育を受けてみようというふうになるとか、やはりそういう魅力があるわけです。その歴史と伝統を消去して、ただ金がどうとかこうとか──金とは言われないけれども、そういう発想はまさに教育合理化にしかすぎない、こう断定をするものでありますが、教育長いかがでありましょうか。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)洗いぜきの操作規則に対して県知事の意向をどう反映させるのかというような御質問がございました。新規水供給毎秒40トン、利用水位マイナス1.5メートルが琵琶湖総合開発計画でございまして、その中で水位変動により事前に予想される影響に対しては、琵総事業の中で対策が講じられるものでありますし、また事前に予想できない事態が生じたときは、先ほど申し上げましたように、建設省および水公団において責任を持って所要の措置が講じられるべきであるというふうに考えております。  そうした前提で、洗いぜき操作規則に対し県としての意向を反映させていきたいというふうに考えておりますが、これはこれからの交渉なり折衝になるわけでありまして、私どもとしては、一気にマイナス1.5メートルというようなことを想定して下げていくのではなくて、これまで県が経験したことのないような水位低下については、十分な歯どめをかけながら徐々に操作をしていくという方向を考えるべきではないかというふうに思って、そういう考え方で折衝していきたいというふうに思っております。  それから、京大の計算について、私はとやかく言うあれがないわけでありますけれども、200年を推計で出されたわけでありまして、建設省の場合には、年数は短いけれども、その間の実際の水の流入なり流出というものを押さえて計算をしておるというところでございますから、その是非について、私は何ともコメントをする考えはございません。  それから、57年以降の水位低下の状況も踏まえた水位低下というものを検討すべきではないかというお話でありますが、水位低下した際の影響については十分調査をしておりますが、そういう検討は今いたしておりません。 ◎教育長(西池季節君) 再々の御質問にお答えをいたします。  御承知のとおり、定通の問題につきましては、議員先ほど御指摘のとおり、昭和60年の本県の産業教育審議会の答申で、定通の総合高校ということの御答申をいただいたわけであります。一方、単位制高等学校につきましては、昭和60年の臨教審答申というのにその方向が示されておりまして、文部省がそれを具体化しましたのは昭和63年でございますけれども、以後昭和60年のものを踏まえまして、本県では昭和62年からこの問題につきまして検討を重ねてきた結論でございます。 ○副議長(桑野忠君) 次に、12番梅村正君の発言を許します。 ◆12番(梅村正君) (登壇、拍手)私は、さきの統一選挙で大変若輩ではございますけれども、橋本喜三男前県会議員の後をお受けいたしまして、多くの県民の皆様方の御支援をいただき、議員としての第一歩を歩ませていただきました。未熟でございますけれども、生活者の政治を目指しながら一生懸命県民の皆様の声にこたえるべく、また生まれ育った湖国発展のために働いてまいる覚悟でございます。諸先輩の議員の皆様、そして稲葉知事を初めとする全職員の皆様、何とぞよろしくお願いを申し上げます。  私は、今日まで多くの方々との対話の中で、県民の皆様の声、そして実感いたしましたことにつきまして、ただいまより初めての質問をさせていただきます。  「語り、創り、燃える陶芸ルネサンスをめざして」 とのテーマを掲げ、いにしえの陶の歴史と伝統を生かし、国際交流への貢献策といたしまして、また交流の場として信楽の地より日本へ、世界へと企画されました世界陶芸祭も、5月14日一転して大変忌まわしい大惨事となりました。
     亡くなられました御遺族の方々に衷心より深くお悔やみを申し上げますとともに、多くの被災者の皆様に心よりお見舞いと一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第でございます。  また、今日まで救助活動を初めといたしまして、合同慰霊祭や補償への対応など陰に日に日夜御奮闘いただいております知事初め職員の皆様方に心より敬意を表するものでございます。  私も、当日テレビで事故を知りまして、とるものもとらずに現地へ急行いたしました。目を疑いたくなるような惨状、信楽駅でお帰りになる軽傷の方々の御案内をしながら聞く生々しいその状況に胸がえぐられる思いでございました。  翌日、春日公明党運輸部会長を初め党視察団とともに現地視察を行い、信楽町、信楽高原鐵道、西日本旅客鉄道株式会社、そして稲葉知事に対しまして、1つは事故原因の徹底的な調査と再発防止のため最大限の努力を、2つ目に御遺族の方や負傷者の方への万全の補償措置を、3つ目に第三セクター鉄道へのJR乗り入れの際の安全運行の基本的条件面での合意の徹底をなど、7項目にわたりまして緊急申し入れをさせていただいたところでございます。  あなたたちは信号が赤とか青とか言っているが、現に事故が起こったではないか、私が病院にお見舞いに行かせていただいたときに、全身打撲の被災者の方がベッドの上から憤りの心情を訴えられた言葉でございます。無念の訴えでありましたでしょう。この一言にどうこたえればよいのでありましょうか。私はこうべを垂れるのみでございました。この言葉に被災者の思いがすべて込められているように強く感じました。  この問題を考えるときに、私は、この言葉を原点として、直接的また間接的であるにせよ、あのときにこうしておけばという猛反省をしながら、全力を尽くしてこたえていかなければならないと思います。それは徹底した原因究明でありましょう。誠意を尽くした補償への対応でありましょう。そして、このことを教訓として二度と事故は起こさないという誓いで、湖国の発展に寄与していくことでもあると私は強く思うのでございます。  原因につきましては、当局で調査中でございますので、その結果を待たねばなりませんが、現在の状況の中で何点かお伺いをさせていただきます。  今議会開会日、知事より提案説明の冒頭、信楽高原鐵道列車事故に対する深甚の哀悼の言葉と決意の披瀝がございました。知事は、6月16日の合同慰霊祭に触れられ、二度とこのような事故が起きることがないよう祈りを込めて、またこの大惨事を通してだれもが人の命の安全を守ることの大切さ、重みというものを痛感したところであり、このことを教訓として今後に生かしていかなければならないとの言葉に、私も心痛む思いで聞かせていただきました。  今日、陶芸祭を振り返って考えるときに、知事の言葉の中に含まれております思いやり、温かい配慮、また安全第一への誓いは、その実務の中において何回も何回も繰り返しても過ぎることはございません。そこから生まれる発想と展開は幾らでも実務の中で生かせるからでございます。99%は準備、1%は本番とよく言われます。それでこそ来ていただく方々に、作品のみならず、触れ合う1つ1つに理解と共感をより強く与えるものになると思います。改めて知事の御見解をお伺いするものでございます。  そういう観点から見るときに、具体的な体制組みでございますけれども、陶芸祭というイベントから、商工労働部の方々を中心にすべてにわたり懸命の運営をされたのでございますが、やはり要所の人の配置は適材適所でなければなりません。人命を預かる実行委員会の輸送班という部門は、日常業務として携わっておられる部局が担当すべきであったと思います。物事はちょっとした意見で大きく変わるものでございます。  なぜこのように言うかと申し上げますと、今言われております縦割り行政のすき間を突かれた事故でもあると思うからでございます。将来二度と起こしてはならないという観点から、このような考え方を全面的に改めるべきであると思いますが、知事いかがでございましょうか。  続きまして、商工労働部長にお伺いをいたします。  今回のように信楽という地に不特定多数の観客を対象としたイベントは、万全な準備と確認、すべてにわたって安全第一を第一義にした配慮が当然最優先されなければならないのでございます。例えば、37日間というロングランの開催でございます。通常なら、中間に役員の疲れをいやすために、また各部門の点検などを行う安全点検日として休日を設けるべきであったと思いますが、いかがでございましょうか。  当初の計画1日平均1万人、合計35万人、本当にこれだけ来ていただけるのかという不安と、これだけ来ていただけるならば大成功との読みは完全に外れ、1日の観客予定の何倍もの観客数の日もございました。35万人を突破した5月4日は驚きであったでありましょう。40万人、50万人とウナギ登りの観客数に対し、運営される方々は当初の不安から急増する観客への対応に懸命に対処されていた状況が想像以上であったと推察するものでございます。  特に、17人と言われる信楽高原鐵道従業員の人数で、最大ピーク時240%の乗車率と言われるほど、あふれる観客の輸送業務は過激な労働であり、日を経るごとにその疲労度は大変なものであったと思うのでございます。  すべての部門がそのような異常なときにこそ勇断をもって緊急対応策を講じ、すべてにわたり総点検と部門間の連携を確認し合うことが必要であったのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。  3点目に、準備、運営についてお伺いをいたします。  その1つは、世界と銘打つ陶芸祭の手づくりの企画と信楽という地理的条件、運営実態を考えあわせるとき、そのひずみや無理はなかったのかということでございます。  次に、JRの乗り入れについての考え方でございますが、試運転期間中の4月8日、12日に信号機のトラブルが2回あったと言われているのであります。この試運転の結果報告についてお伺いをいたします。  もちろん鉄道輸送自体、運輸省の許可のため、近畿運輸局の管轄処理であろうと思います。しかしながら、今回のJRとの契約は商業ベースの話でございます。乗り入れの依頼をした実行委員会に対し、信号機のトラブルの原因と処置の結果も含めて、JRまた信楽高原鐵道側に試運転の結果報告の義務があったと思うのでございます。また、実行委員会といたしましても、確認すべき責任があったのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。どのような形であれあったのなら、その内容はどうであったのか、またどのように対処されたのか、お伺いいたします。  さらに、実行委員会の輸送班についてでございます。当初より鉄道輸送はJRと信楽高原鐵道に予想人数の輸送依頼にとどまり、実質的な運営は、輸送班という部門はあるものの、任せきりになっていた点でございます。相互乗り入れのため、その班の中に専門家に入っていただくなど、また連絡の窓口を設けるなど、JRや信楽高原鐵道に要請されたのでありましょうか。  また、鉄道側より日常報告の内容はどのようであったのでしょうか。5月3日の報告書には信号機異変の記入はあったのでありましょうか。世界陶芸祭の主催者として、鉄道関係は専門ではないのでという言葉は、被災者の嘆きの心にこたえた言葉でありましょうか。私は否と思います。報告の件とあわせ、答弁をお願いいたします。  第4点目に、代表質問でも触れられておりましたけれども、信楽高原鐵道再建問題でございます。現実的には人的、物質的に、また経済的にも多くの乗り越えなければならない課題が山積しております。しかし、現地の方々の御意見、また代替バス運行の状況を考えるときに、早期の再開の必要性を強く感じるでございます。旧国鉄の民営化という国の交通政策の一環としての第三セクター方式での運営という点から、国の支援依頼も含め、さらにJRに対し基本的にどのような考えでおられるのか、生活環境部長にお伺いをいたします。  最後の5点目の質問でございますけれども、JRの対応についてお伺いをいたします。  事故後、JRは、今回の事故は信楽高原鐵道側に責任があるというような内容の報道がなされました。しかしながら、列車間の連絡がとれない周波数の異なる無線は異常時には対応できないという事前の相互の安全確認の問題、さらにJR側は訓練、教育をされたエキスパートでございます。その運転士が、ダイヤどおりならばあるべきはずの信楽高原列車がない、おかしいと思われたのはよほどのことであり、これは異常事態であります。そのときの判断が、青信号で通過と言われるなら、それは通常判断であり、異常時の判断ではないのではないでしょうか。異常時の際の相互の乗り入れ、相互の取り決めマニュアルはどうなっていたのでありましょうか。また、異常時の判断なら、小野谷信号所による電話で確認されたはずでございます。乗り入れ試運転中に2回の信号トラブルに対し、JR、信楽高原鐵道の原因追及、また対処の問題など、その不確定の要素は多々あるわけでございます。これらを考えあわせるときに、当局の捜査段階であるにもかかわらず、JR側の言い方はいかがであるかと思うのでありますが、警察当局の見解をお伺いいたします。  次に、健康福祉部長ならびに土木部長にお伺いをいたします。  近年、とみに増加傾向にあります発達障害者、法律上は精神薄弱者と言われている方々でございますけれども、今地域や職場、社会の中にあって、言い知れぬ苦痛を感じている現状でございます。  私は、このような発達障害者に加え、痴呆性老人がみずからの権利行使や人権を侵害された場合、その解決が非常に困難であるというところから、また安心して生きがいのある日々を送っていただくために、さまざまな形で支援をすべきであると常々思っております。  そこで、提案をいたしたいのは、権利擁護機関の設置でございます。個人のプライバシーにかかわる問題が大きく、また公正な業務でなければならない、そういう観点から、行政から独立した第三者機関として、具体的な機能といたしましては、虐待などの人権侵害問題や財産管理などの相談、相談内容に関しての調査、また権利擁護の考え方に関する普及と啓発などでございます。県としての基本的な考え方と、この機関設置に関しての御所見をお伺いいたします。  次に、発達障害者への運賃割引制度についてでございますが、公明党はかねてより同じ障害者でありながら身体障害者と区別するのは問題であると提言してきたところでございます。このたび、政府は、平成3年度中をめどに、全国約35万人と言われる発達障害者にも、現在の身体障害者に適用されている各種機関の運賃割引制度を拡大適用する方針を決めたと伺っているところでございます。  本県におきましても、地方交通機関や、かねてより問題提起のございました琵琶湖大橋などの通行料について、身体障害者と同等の扱いをすべきであると、私は強く主張したいわけでございますが、いかがでございましょうか。  次に、進行性筋ジストロフィー症についてお伺いをいたします。  あなたのお子さんはあと二、三年ぐらいでしょう、デュシェンヌ型筋ジストロフィー症を背負った14歳のY君の母が聞いた言葉でございました。以来、心の中でその言葉を打ち消したいとの親子の必死の闘病生活が今も続けられているのでございます。  筋脱力と筋萎縮など、体の筋肉の衰えは呼吸筋にも及び、風邪からでも呼吸不全や心不全を起こし、死亡することが多いとされております。Y君もそのとおりの症状が進み、首の筋肉も衰え、ちょっとした衝撃でも首が折れるように曲がってしまいます。背骨や骨盤の変形などさまざまな形となってあらわれ、病状は容赦なく進み、入退院の繰り返しを余儀なくされているのでございます。  その子供の姿を見守り続けてきた母親も、早朝からトイレ、訓練、そして学校へ、買い物もできないほど、ほとんどつきっきりの状態であります。夜は夜で、何回も寝返りをさせなければならず、睡眠も十分にとれない、それでも何とか助けよう、この子に希望を与えてやりたいと、自分のことなどは見向きする時間もなく、必死の毎日でございます。  私は、限界というものがなければよいと思うのでありますけれども、ショッキングな話でございますけれども、看病疲れが重なり、筋ジスの子を抱えたまま母親が倒れ、亡くなられたこともありました。身動きできない子供は涙を流して母の顔を見つめていたとあります。悲劇は多いのであります。だから、その限界のつらさを知っている母親同士が励まし合う、何とか一条の光を見出し、我が子の本当の笑顔が見たい、社会に送り出したいという心でございます。  私は、Y君の両親の必死の訴えを聞かせていただきました。この病気は特定疾患に指定されていないところから、数々の負担を強いられております。  また、先日のテレビでも、筋ジスの子供さんが普通高への入学希望で裁判に持ち込まれた報道がありました。患者は、小学生から高校生までの学齢期にある方々が大変多いために、教育の問題も重要な課題でございます。現在、その取り組みはされていると伺っておりますが、もっと現実的な悩みに耳を傾けてもらいたい、そのような声もあるのでございます。教育委員会のより積極的な対応を切望いたします。  そこで、決定的な治療法がないこの筋ジストロフィーについて、3点お伺いをいたします。  まず、実態でありますが、県内において身体障害者手帳を交付されている筋ジス患者数は何人おられるのでありましょうか。  次に、社会復帰に至るまでの間、医療、教育、訓練を兼ね備えた社会訓練施設が必要でございます。我が県といたしましては、まだその施設がないのでありますが、ぜひ設けるべきだと思います。どのようにお考えなのか、お伺いをいたします。  また、3つ目に、介護する家族は買い物に行く時間も自由にならないほどであります。100メートル全力疾走は続けられないのであります。看病疲れが惨事を招かないようにするために、医療機関の協力をいただきながらのデイサービスやショートステイ制度が必要不可欠であると主張いたしますが、いかがでありましょうか。健康福祉部長にお伺いをいたします。  続いて、救急体制についてお伺いをいたします。  高齢化の進行と、第2次交通戦争と言われるほど交通事故者がふえ続ける今日、救急医療の体制づくりは急務でございます。将来に向かって、その基盤を築かなければなりません。そこで、3点についてお伺いをいたします。  まず、第1点でございますが、厚生省では、来年度より一般住民を対象といたしまして、応急手当についての講習会を、各保健所を中心に2日間1コースで年4回開催、対象は40人という大綱で実施する方針と伺っております、もし日常生活の中でそのような場に遭遇したときに、的確な判断と応急手当がなされるならば、救命への大変有効な手だてであると思います。  本県におきましても、この応急処置法の県民への普及につきまして、着実に取り組みをされるべきであると考えますが、具体的な実施計画についてお伺いをいたします。  第2点目に、さきの県議会で我が党の橋本喜三男前県会議員が烈々と訴えておられました救急救命士の養成につきまして、私も強く主張するところでございます。  さきの県議会後、国会におきまして、医師以外の者に瀕死の患者に対し高度な応急処置を施すことを認めた救急救命士法が成立いたしました。交通事故や心臓病などよって心臓も呼吸もとまっているる──デッドオン・アライバルでございますけれども、医療機関に搬送される患者に対し、医師の指導のもとに救急車の中で気道を確保するなどの応急処置が行える国家資格でございます。  その資格は、高校卒業後約2,000時間の専門教育、訓練を受けた後、国家試験に合格した人に与えられるものであり、また救急業務に経験のある救急隊員につきましては、その教育期間が短縮されておるわけでございます。  現在、消防庁によりますと、救急車が現場から医療機関に搬送される所要時間の平均は約15.8分と言われております。そして逆に、救急の処置による救命可能な時間は、心臓停止後約3分、呼吸がとまってからは約10分、出血多量の場合は約30分とも言われておるわけでございます。  この間、今までは患者を前にして、救急隊員は医師法の関係から初歩的な応急処置しか認められておらず、そのDOA患者の救命率はわずか3.4%と言われ、制度が整っているアメリカの3分の1とも、また5分の1とも言われている現状でございます。この医療の空白時間の解消で救命率上昇を目指したのがこの制度であります。  我が県におきましても、この制度をいかに運用し育てていくかが重要な課題であり、救命士の養成が期待されているところでございますが、本県におきましてどのように取り組まれているのか、お伺いをいたします。  第3点目に、この法と車の両輪と言えるドクターカーについてでございます。高度な装備をした救急車に医師や看護婦が同乗するドクターカーは、救急専門の指導医師の確保等困難な状況があろうと思いますが、ぜひ克服をしていただき、滋賀県におけるドクターカー1号車の誕生を期待するものでございます。  これら救急課題に対し、県としての取り組みについて、健康福祉部長に答弁を求めるものでございます。  続きまして、土木部長にお伺いをいたします。  今、進められておりますシルバーハウジング・プロジェクト事業といたしまして、ケアサービスが受けられる住宅が県営神領団地に27戸新築されることは大変喜ばしいことでございますが、将来的に、例えばゴールドプラン10カ年計画やレイカディア計画と整合性を持たせた拡大プランが必要だと考えますが、今後の具体的な計画はどのようになっているのでありましょうか。また、対象外の県営住宅の新設につきましては、できる限りの高齢者向けの設備を整えるべきであると思います。  そして、この趣旨に沿って県下市町村への普及を図るべきだと考えますが、いかがでありましょうか。  さらに、車庫法の改正に伴う駐車場問題について、土木部長にお伺いをいたします。  違法駐車に邪魔をされてパトカーや消防車、また救急車がスムーズに走れず、消火活動や人命救助が手おくれになるという深刻な社会問題まで引き起こしている現状は、ふえ続ける自動車とふえない駐車場と言われ、行政の取り組みに今注目が集まっているところでございます。  違法駐車をなくす対策として、ことし1月から改正道路交通法が施行され、また7月1日には車庫法も改正されたところであります。こうした一連の法律改正で、駐車場の必要性はますます高まってきていることにかんがみ、駐車場整備につきましては今後万全を期さなければならないと思うものでございます。  そこで、質問をしたい内容は、県営住宅の入居者の問題でございます。  入居されている方が新車や中古車を購入したり、名義変更や転入されてきたりしたときは車庫証明が必要になるのでありますが、本来車庫は本人が探すべきでありましょうが、大変難しい現状でもございます。県としましては、公営住宅入居者の駐車場確保につきましてどのように考えておられるのか。例えば、住宅敷地内の空地につきましては、積極的に駐車場として利用されるのかどうかということでございます。  さらに、新法によりますと、2キロメートル以内に車庫を設けなければならない、このようになっているわけでございますが、県営住宅周辺2キロメートル以内に県有地の空地があった場合、車庫として提供すべきであると思います。  また、いずれの場合も土地抄本とともに車庫使用承諾書が必要でありますが、県はこれを発行する考えがあるのかどうか、お伺いをいたします。  最後に、生活環境部長にお伺いをいたします。  先ほども話がございました国内では初めてと言われる民間企業によるビルの爆破解体についての問題でございます。  大津市木の岡町に立つこのビルは、今日まで非行が多発し、地域住民の方々も大変困っているとのことでございます。過日の報道によりますと、21年前に建設着工されて、その途中で中断、以来そのままの姿で今日を迎えている12階建ての木の岡レイクサイドビルを一気に爆破と自重で解体するというものであります。所有者のユーイック社と英国の爆破専門会社であるレッカーズ社との技術協力で実施計画をされ、県へ申請、県は受理されたと伺っております。  通産省でも保安技術指針を策定中のことでありますが、県としても、慎重には慎重を重ね、あらゆる角度からの御検討をお願いしたいのであります。特に、爆風、振動、騒音、粉じんなど、周辺住民、民家への影響、安全確認について、県当局としては現在どのように検討、判断をされているのか。また、地域住民の方々には、その要望を聞き入れながらの協議を進めていただき、今後同様の申請があることも想定して、その基準につきましては万全を期されるように重ねてお願いを申し上げる次第でございます。  この申請に対し、今日までの経過と周辺住民への安全確保、さらには許可の見通しについてお伺いをいたします。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(桑野忠君) しばらく休憩をいたします。    午前11時50分 休憩    ───────────────    午後1時1分開議 ○副議長(桑野忠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  12番梅村正君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)梅村議員の世界陶芸祭についての御質問にお答えします。  世界陶芸祭は、これまでも申し上げたと思いますが、信楽焼という全国、世界に通じる素材を選び、焼き物を通して滋賀から全国、世界に情報を発信する拠点として整備した県立陶芸の森の開設お披露目と、その目指す理念、考え方をできるだけ内外の多くの方々に知っていただきたいということで計画したものでありまして、最近はやりの地方博のように、単に珍しいもので人集めをし、地域が潤えばいいというような発想だけではなくて、もちろんそれもなかったとは申しませんけれども、むしろ主眼は焼き物と人とのかかわりを考えながら、新しい焼き物の創造の場にしようと、内外の権威者、研究者の集まる意欲的なシンポジウムを中心に据える等、決して浮かれた調子のものではありませんでした。そのことは、まず御理解をいただきたいというふうに思うのであります。  そうは申しましても、やはりフェスティバルでありますから、お越しいただく方々には安全で気持ちよく過ごしていただき、楽しい思い出を持ってお帰りいただこうという考えで準備を進め、運営に当たってきたつもりでございます。したがいまして、スタッフやコンパニオンなど関係者はもちろん、信楽町の人々にもお願いして、思いやりや遠来の客をもてなす気持ちで努めてまいりました。温かい応接の仕方や案内の仕方、困っている人への対応、自宅トイレの開放など、精いっぱい取り組んでもらったと考えております。  また、安全面につきましては、会場内の運営はもちろんのこと、道路の混乱が予想されましたので、警察や土木事務所などと協議を重ね、会場外の安全確保にも十分配慮して準備してきたものであります。  ただ、鉄道につきましては、輸送力という点で留意をいたしておりましたが、運行とか安全という面では鉄道側に任せきりであった、私たちの手の届かないところの問題として、そうするほかなかったというのが実情であります。そこで、専門外とはいえ、せめて大丈夫かとなぜ一言かけなかったのかというのが、私自身の今心に重く残る思いでございます。  次に、実施体制についてでございますが、確かに実行委員会の事務局は商工労働部が担当しておりましたが、県を挙げてのイベントということで、準備段階から全庁的な協力体制で進めており、決して商工労働部が単独ですべてを取り仕切ってきたというものではございません。庁内の関係機関で構成する推進体制として、世界陶芸祭推進委員会を設けておりましたし、個別の課題につきましては、それぞれ所管部署と十分協議して進めてまいりました。  しかしながら、このたびのことにかんがみまして、今後のイベントの実施に際しましては、まず人への思いやりや安全の確保が図られるよう、関係者間の連携を一層密にした体制をしっかり固めて、準備や運営に万全を期さなければならないと考えている次第でございます。 ◎生活環境部長(花房義彰君) (登壇)まず、信楽高原鐵道の再建問題についてお答えいたします。  地方ローカル鉄道は、その性格上、今後とも飛躍的な収入増が見込めず、経営環境は極めて厳しい状況にあり、その多くは地方公共団体が出資する第三セクター鉄道としてしか存続できないのが現状でございます。  信楽高原鐵道においても、第三セクター鉄道として、県を初めとする地元地方公共団体等の出資と国鉄ならびに近江鉄道の技術支援により設立をされ、今日まで懸命の経営努力がなされてきたところでございます。  今回の事故により、安全運行の確保が最優先されねばならない鉄道事業においては、何よりも安定した経営基盤の確保と運行体制の確立が必要であることが再認識されたところでありますので、県といたしましては、このような見地から、国に対しましては、運行再開に対する支援とともに安定経営のための支援制度の新設、拡充についても要望いたしておりますし、JRに対しましては、安全運行に係るノーハウや積極的な人的支援を要請しているところでございまして、既に具体的な対応もいただいているところでございます。  いずれにいたしましても、国やJRの支援を得ながら早期に運行を再開し、住民の足を確保したいと考えております。  次に、未完成ビルの爆破解体に関する御質問についてお答えをいたします。  当骸ビルは、昭和43年に建設を開始しましたが、種々の事情から中断、その後所有者がかわりながら二十数年にわたって未完成のまま放置されてきたものであります。現在は京都市内の株式会社やさかが所有しておりますが、本年4月23日にやさかの関連会社である株式会社ユーイックから県に対して、ビルを解体するための火薬類譲り受け、消費許可申請があり、受理に至ったものであります。  既に外国においては火薬類を用いたビルの爆破解体事例は多数ありますが、我が国における構築物の爆破解体は、昭和61年の民間による筑波科学博国連平和館の解体と、昭和63年の国の実験による長崎県旧三菱石炭鉱業所跡の6階建て集合住宅の解体の2例に限られ、本格的な高層ビルの爆破解体に伴う火薬類譲り受け、消費許可申請は日本では初めてのものであります。  今回の申請に係る許可の適否を判定する上で、最も基本的かつ重要な事項は災害の防止と公共の安全の確保であります。その主な内容としては、付近住民および作業従事者の安全確保、近隣の住宅や工場等に対する危害の防止、騒音、振動、粉じん等の軽減、さらには国道161号線へのビル倒壊防止等であり、それらを担保するために爆破施工計画、防護対策、安全管理、環境保全管理等あらゆる観点から検討を進めているところでございます。  国において、都市構築物解体用発破保安技術基準が策定中でありますので、通産省ならびに全国火薬類保安協会とも十分協議をしながら慎重に審査し、できるだけ早い時期に結論を出したいと考えております。 ◎健康福祉部長(前川利夫君) (登壇)障害者対策についての御質問にお答えいたします。  まず、精神薄弱者の権利擁護機関の設置についてでありますが、障害のある人もない人もできるだけ家庭や地域でともに生き、ともに支える、普通の生活をするというノーマライゼーションの理念は、心身障害者のみならず、痴呆性老人等の特別な援助を必要とする人にとっても普遍化されるべき基本的な福祉理念でございますし、地域における自立支援、社会参加の促進を図っているところでございます。  地域で生活する精神薄弱者および家族の日常生活に係る各種の問題につきましては、これまで福祉事務所、障害者更生相談所、あるいは地域における民生委員や精神薄弱者相談員が相談に当たり、その内容に応じ関係の各機関と連絡をとり対応しているところであります。今後とも関係機関との連絡を密にしながら相談機能を充実させ、これらの人々の権利を守り、日常生活の向上に一層努めてまいりたいと考えております。  御提案をいただきました第三者機関による権利擁護機関につきましては、既存の行政機関とのかかわりなど十分検討する課題もあり、東京都において実施されるように聞いておりますので、この制度の実施内容などを参考としながら、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。  次に、精神薄弱者への運賃の割引制度についてでありますが、障害者の生活圏の拡大と社会参加を促進する上で、交通手段の確保は大変重要であります。そうしたことから、身体障害者と同様に、精神薄弱者についても旅客運賃および有料道路通行料金の割引が適用されるよう、県議会において請願が採択され、平成2年3月に意見書を提出されております。また、県としても国に対し同様の要望をしてきたところであります。  国におかれては、平成3年3月の国会において、精神薄弱者に対しても平成3年度中に運賃割引を適用する旨の答弁を運輸大臣がなされたところであり、現在運輸省と厚生省とで鋭意調整中であり、年内実施に向けて関係機関に通知されると聞いております。これを受け、早期に実施がされるよう関係事業者に要請してまいりたいと考えております。  次に、進行性筋ジストロフィー症者についてでありますが、県内の身体障害者手帳の所持者のうち患者数は、平成2年度末で約100名おられ、うち就学年齢児童は約20名であります。
     また、社会訓練施設についてでありますが、専門的な医療ケアを必要とされておられる方につきましては、県内における医療機関として、大津赤十字病院や県立小児保健医療センターなどで対応しているところであります。  なお、症状が進行していくことで、さらに家庭での対応が困難になることや病気に関する専門的処置が一層必要となってくる場合には、国立療養所において専門的に治療や必要な訓練を行っており、近畿府県においては4つの専門的な国立療養所があり、教育の面でも病院に併設されている養護学校で対応されております。  ただいま申し上げましたような状況であり、高度の医療や専門的施設が必要であることから、今県単独で設置するのは困難であると考えており、近くの国立療養所で難病対策として対応していただくこととしております。  次に、介護する家族のためのデイサービスやショートステイについては、一般的に障害者デイサービス事業や在宅重度心身障害児緊急一時保護事業というのがございますが、筋ジストロフィー症につきましては、専門的な介護や医療ケアを必要としますので、既存の制度では困難であり、今後医療機関での対応について検討してまいりたいと考えております。  次に、救急体制についての御質問にお答えいたします。  まず、応急処置法の県民への普及についてでありますが、平素から自分の健康管理については、血液型、血圧、既往症などの自己に関する健康管理データを把握しておくことも必要であります。また、万一事故や急病になった場合の応急手当の知識を身につけておくことも大変望ましいことと考えております。つきましては、本年度から救急法等の講習会を行うこととし、県下9つの保健所で2回に分け、1回当たり40人程度の参加を得て、心肺蘇生法などを中心に計画いたしておりますが、詳細につきましては、補助事業のことでもあり国の通知を待って実施してまいります。次に、救急救命士についてでありますが、さきの国会において救急救命士法が成立し、4月23日に公布されたところであります。今後、国において法の施行および学校、養成所の指定や教育内容などの整備が行われ、本格的な養成が始まることとなります。県としましては、国の動向を踏まえて、救急救命士の確保に向けての方策等、関係部局と調整を図りながら検討してまいりたいと考えております。  なお、救急隊員を対象にした救急救命士の養成については、財団法人救急振興財団が設立され、必要な専門的訓練などが行われるところです。近く第1期生として60名程度の救急救命士が養成されることとなっておりますので、本県からもぜひ受講していただきたいと、このように考えております。  さらに、国においては、これと並行して救急隊員による応急処置等の範囲を拡大すべくカリキュラム等の検討がなされており、本県においてもこれに対応するため、その実施方法について消防学校等において現在検討がなされているところでもございます。  また、ドクターカーにつきましては、専門医師確保の難しさなどさまざまな問題がありますが、これからの救急医療体制の整備に当たっての重要な課題でありますので、先月設置いたしました医師会、病院協会、消防本部等から成る救急医療体制検討委員会において、ドクターカーの導入および救急車と医療機関とのホットライン電話の設置など、本県にふさわしい救急医療体制の整備について検討してまいります。 ◎商工労働部長(高井八良君) (登壇)世界陶芸祭についての御質問にお答えいたします。  まず、世界陶芸祭の会期の中間に安全確認のための休日を設けるべきであったのではないかという御質問でございますが、これにつきましては、最近の多くの地方博で、世界陶芸祭よりも期間の長いものが相当ございましたが、いずれもそのような例はなく、安全確認のために休日を設けるという考え方に思い至りませんでございました。  ただ、先ほど知事の答弁にもありましたように、会場内外の安全の確保につきましては、関係機関との協議、さらには会場運営に当たった全スタッフによりまして、毎晩各班からの報告をし合い、問題点を十分出し合いながら、翌日以降の対応について、時間をかけた打ち合わせ会を持ちまして、安全面には十分留意して運営してきたつもりでございます。  次に、準備や運営に無理がなかったかという点でございますが、確かに信楽町は交通の便がよいところだとは申せませんが、全国、世界に通ずる信楽焼という素材を生かすということで、陶芸の森を建設し、それを記念してこの世界陶芸祭を計画したものでありますので、信楽町以外で世界陶芸祭を開催するということを考える余地はありませんでした。  開催地がこうした土地柄であるということから、開催時期や期間、動員目標などについて、地元信楽町を初め業界や陶芸の専門家など各方面の意見を聞きながら、十分な検討と調整をしてまいったものであります。  次に、JRの乗り入れについてでありますが、今回のダイヤ編成や列車運行につきましては、実行委員会から増便の要請や直通乗り入れのお願いは確かにしておりますが、契約を取り交わして実行してもらったものではなく、あくまで協力していただいたものでございます。したがいまして、鉄道側に事業の内容を報告していただくことにはなっておりませんでしたし、試運転の結果に関する報告も受けておりません。また、鉄道側からの毎日の報告は特にございませんで、信号機のトラブルに関する報告も受けておりませんでした。次に、輸送班にJRの専門家を加えていただくことを要請したのかということでございますが、鉄道は極めて安全で確実な輸送手段であると確信しておりましたので、輸送班の業務は専らシャトルバスの運行計画や駐車場の整備など、道路交通関係を中心に対応してまいりました。このため、鉄道の専門家に加わっていただくというような考え方は持っておりませんでした。  鉄道側と実行委員会側の関係は以上のようなことでございますが、大惨事の現実を思いますと、二度とこうした悲惨な事故が起こらないように、幅広く声をかけ合いながら、きめ細かく配慮しながら、今後の事業計画や運営にこの教訓を生かしていかなければならないと肝に銘じているところでございます。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)まず、発達障害者への運賃割引制度についての御質問にお答えします。  琵琶湖大橋を初めとする県の有料道路の通行料金における身体障害者に対する割引制度につきましては、建設省の通達に基づき、足など歩行機能を失われているために自動車を運転しなければならない身体障害者に対して、社会的、経済的自立を阻まれることのないよう、特別な割引措置を講じられているものであります。これは発達障害者に対して適用するものには至っておりませんことから、そこで県としましては、その適用範囲の拡大に向けて、機会あるごとに国に対し要望してまいったところであります。  この制度につきましては、現在運輸省において、精神薄弱者および介護者が鉄道、バス、航空機など交通機関を利用する場合を対象とした運賃の割引制度を平成3年度中をめどに導入する方針であることは、ただいま健康福祉部長から答弁したとおりでございます。  一方、建設省におきましても、発達障害者に対する有料道路の通行料金の割引制度の拡充について、現在検討中とされているよう伺っております。県としましては、その動向を見きわめまして前向きに対応してまいりたいと考えております。  次に、ケアつき住宅についての御質問にお答えいたします。  来るべき21世紀の長寿社会を暮らしよい社会とすることは、県民の切実なる願いであり、高齢者が住みなれた地域社会で安心して生活できるような住宅づくり、町づくりを計画的に取り組んでいくことが必要であります。  このため、具体的施策として、レイカディア10か年プランに基づき、公営住宅においても高齢者の多様な住まい方に応じた住宅の供給や高齢者に配慮した設備のある住宅の供給を促進し、さらに医療、福祉施策と連携を図りながら、高齢者の生活を支援する生活指導などのサービスのついた住宅の供給を促進していきたいと考えております。  そこで、県営住宅におきましては、滋賀県高齢者住宅整備指針に基づき、モデル的な取り組みとして、大津市三大寺の神領団地建てかえ基本計画の策定に際し、入居者の実態を踏まえまして、ケアつき住宅27戸とライフサポートアドバイザー住宅1戸を供給するシルバーハウジング・プロジェクト事業を導入することとし、本年はこの推進会議を設置いたしまして、事業計画、推進計画を策定していくことといたしております。  今後とも高齢者世帯向け住宅や高齢者仕様住宅の普及を図るとともに、一定の条件が整った県営住宅、市町村公営住宅からシルバーハウジング・プロジェクト事業に取り組んでまいりたいと考えています。  最後に、県営住宅の駐車場の確保についての御質問でありますが、県営住宅では、入居者の保有する自動車の保管場所については、県営住宅の管理上支障のない範囲において認めてきたところでありますが、自動車の保管場所の確保に関する法律の一部が改正する法律の施行に伴い、同施行令および道路交通法施行令の一部が改正されたことにより、現在車庫証明の発行に向けて事務の諸問題について検討しているところであります。  なお、最近建設しました団地では、1戸に1台程度のスペースを確保しておりますので、その舗装などの整備をしていくこととし、建てかえ予定の団地につきましては、その際に確保してまいりたいと考えております。  しかしながら、既設の団地におきましては、駐車場用地の確保が困難な状況にありますが、現に空き地のある団地については、敷地内の有効利用を図ってまいります。  なお、県営住宅の周辺での公有地の空き地利用が考えられますが、空き地はほとんどないのが実情でありますので、御了解願います。 ◎警察本部長(佐々木俊雄君) (登壇)梅村議員の御質問にお答えいたします。  信楽高原鐵道列車事故に関します警察の捜査状況などは、過日の代表質問においてお答えしておるとおりでございます。  今回の事故の原因につきましては、御指摘の点を含め、いろいろな意見がなされているようでありますが、警察といたしましては、予断を交えず、あらゆる可能性を排除せず、1つ1つの事実を慎重に検討するという緻密な捜査を行い、悲惨な事故が発生した原因と刑事責任を明らかにしてまいりたいと、このように考えているところであります。 ◆12番(梅村正君) (登壇)先ほどの答弁でございますけれども、1つは、健康福祉部長にお伺いをいたしますが、先ほど筋ジスの家庭の件を申し上げました。その答弁といたしまして、訓練施設、また教育の問題、養護学校でのお話がございましたけれども、先ほどの答弁の内容は現状の紹介のみでありまして、私の言わんとしていることは、そのような筋ジスの子の能力の程度というのはさまざまでございますけれども、普通校に行っている子供もいるわけでございます。そういう意味で、そういう子たちに対する教育、訓練、それから医療の施設を設けるべきだと、こういうふうに言っておるのでございます。私の言った趣旨とは違う答弁であると思いますので、改めて質問をさせていただき、答弁をお願いしたいと思います。  また、土木部長のお話でございますけれども、1点お答えがありませんでしたので、重ねてお尋ねいたしますが、県営住宅の公有地内での駐車場ですが、先ほどもお話のとおり、積極的に活用していくということでありますけれども、最後に御質問いたしました車庫証明、使用承諾書でありますとか土地抄本等の提出は、県としてはする考えがあるのかどうかというこの答えがございませんので、あわせてお願いをしたいと思います。 ◎健康福祉部長(前川利夫君) 再質問にお答えいたします。  進行性の筋ジストロフィー症は、骨格筋の進行性萎縮と筋力低下という、現在でも原因がはっきりせず、治療法も確立しておられない状態でもございます。特に、症状が進行性でありますので、障害をお持ちの方を支える御家族の精神的、経済的な御苦労は大変であるということはよく理解をいたしております。県におきましては、先ほど御説明申し上げましたように、いわゆる訓練施設としまして、専門的な医療ケアを必要とされておる方につきましては、県内におきます関係機関といたしまして、大津赤十字病院や県立小児保健センターなどで対応させてもらっているところでございますし、またそれでも対応できないものについては、専門の知識なり、あるいは施設を持っておられる国立療養所でやっていただいているというのが現状でございまして、現在大津赤十字病院で18歳以上の方につきましては3名の方が、あるいは国立療養所関係につきましては、例えば、医王病院では3名というような方をお世話願っているところでございます。  県の必要性につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、特に高度の医療や専門施設が必要になるということから、現状ではそのような専門的なところへお願いしたいと、このように考えております。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) 県営住宅における駐車場の車庫証明の件でございますが、私が先ほど御答弁申し上げましたのは、現在車庫証明の発行に向けて事務の諸問題について検討していると申し上げました。これは、車庫についても土地をお貸しするという形にもなりますし、有料になることもあると考えられますので、実際に証明書を発行する上に、それにかかわる事務的な諸問題を検討しているとお答えいたしました。 ○副議長(桑野忠君) 次に、49番沢野邦三君の発言を許します。 ◆49番(沢野邦三君) (登壇、拍手)まず、信楽高原鐵道列車衝突事故でお亡くなりになりました皆さんに心から哀悼の誠をささげ、けがをされた方々の一日も早い回復を願うものであります。  世界陶芸祭セラミックワールドしがらき'91、語り、造り、燃える陶芸ルネサンスを目指すとともに、焼き物による地域興しを県が中心になって開催をしてきたわけであります。成功間違いなしと言われていた後半に、起こってはならない単線区間での列車衝突事故が起こり、今その原因については調査中でありますが、県は、信楽高原鐵道への多額の出資と世界陶芸祭を開催し、その陶芸祭に来られた方々の多くが事故に遭われ、犠牲になられた経緯などにより道義的な責任を感じ、遺族や負傷された方の補償などの支援に全力を挙げておるのであります。  責任が非常に複雑な中で、全く経験のない補償問題などに当たる関係職員の御苦労や、県内の団体や機関、そして多くの県民の皆さん、地元信楽町などでは、遺族や負傷された方々のことを思い、義援金などの募金活動を、そして犠牲者の合同慰霊祭が済むまでは、忌明けが済むまではと行事の自粛など、大変気を使っておられます。特に、関係職員の方々の今日までの労苦、今後の御苦労に心から敬意を表するものであります。  さて、生環部長にお伺いをするわけでありますが、信楽高原鐵道の要員についてであります。信楽高原鐵道は、旧国鉄時代は要員が40名でありましたが、人件費の大幅削減を行い、第三セクター信楽高原鐵道は14名か17名で、従来どおりの1時間1往復のダイヤで運行されてきたと聞いておりますが、世界陶芸祭を前に、待避線や特殊自動閉塞式信号などの設備改善を行い、従来の倍の30分に1本のダイヤを編成し、陶芸祭の輸送に当たっておりましたが、要員は何名増員されたのか伺いたいのであります。  人の命を預かる業務に、臨時雇用や休日出勤、超勤などで、正規の運転手などの要員増を伴わないで設備を近代化するだけでは、輸送力増強策と言えないのではなかったかと思うわけであります。この点について、まず伺いたいのであります。  人減らし合理化による列車運行管理の甘さ、安全は輸送業務の最大の使命であるという基本を忘れていたのではないか、監督責任のある運輸局の責任は大きいと思うのであります。合理化だけが安全ではないことを改めて知らされ、またこの点が問われる事故だと思いますが、生環部長の考えを伺いたいのであります。  次に、事故のあった日、近畿運輸局が信楽高原鐵道や近江鉄道の査察日になっていて、事故を起こした高原鐵道列車が貴生川駅に着き、折り返し信楽へ発車するこの列車に乗り込み、安全運転などの査察をする予定だったと聞いておりますが、当日の近畿運輸局の査察についてはどのように行われる予定であったのかを伺いたいのであります。  信楽高原鐵道の常務ら役職員の方5名が犠牲になっておられますが、当日の査察を受けに行く途中で事故に遭われたと解してよいのかどうか。きょうは査察に来られるのでダイヤどおりに運行したい、こんなときはだれしもいいところを見せたいのは当然で、査察を受ける側のはやる気持ちばかりが先立ち、信号の故障という異常な状況を忘れさせ、手落ちなく考え、最も安全と認められる道をとらなければならないという、これこそ安全の基本を失念させたのではないかと悔やまれてならないのであります。  次に、信楽高原鐵道の再開でございますが、代表質問でも答弁のあったとおり、いろいろな面でまだかなりの日時を要するものと思われますので、現在の代行バス運行を認可路線を持っておりますJRバスの正規路線に切りかえて、JRバス路線を復活させる──もちろんこれは鉄道再開までの間でありますが、この点についてどう考えておられるのかを伺いたいのであります。  さて、今回の事故を教訓に、JRも高原鐵道も経営第一主義を見直し、安全第一主義に改め、早急に犠牲者に対する補償と地域の足である信楽高原鐵道の再開に向け努力をしてほしいことを申し上げ、次の質問に移ります。  JR北陸本線の長浜までの直流化関連について、知事に伺いたいのであります。  湖北地方活性化の先端を切ると思われます北陸線の直流化については、県の大きな努力と地元の熱意により、昨年から琵琶湖環状線を前提に、第一段階としての長浜までの直流化工事を着工するとともに、あわせて近江塩津駅構内に北陸線から湖西線への渡り線となるポイントの設置、河毛駅のホーム延長、坂田駅の移設など、9月の開通を目指し工事が進められておるのであります。  そうした中で、今、長浜を中心に湖北の皆さんが、果たして何本の新快速電車が長浜に入るのか、普通電車はどのようになるのか、特に長浜以北との接続はどうなるのか、田村駅、新設の坂田駅に新快速が停車するのかどうかなど、大きな期待と関心を持っておるのであります。  先日、長浜市長が記者会見の席でJR側からよい感触を受けていると言われておりますが、琵琶湖環状線促進期成同盟会の会長として、知事からもう少しはっきりした現況をお聞きしたいと思います。  また、長浜までの直流化を記念して、県や市、JRが企画をしております京阪神と長浜、湖北が一体となった記念イベントについては、どのような企画を考えておられるのか伺いたいのであります。  この秋、長浜が、湖北が長い長い真っ暗な夜から朝日の上る朝を迎えようとしておるのでありますが、この際、名古屋、岐阜の中京方面からも、JR東海の協力を得て、ぜひ長浜に乗り入れてほしいとの要望が伊吹、山東、醒井あたりからも強いのでありますが、この点についてはどのようになっておるのか、お聞きをいたしたいのであります。  また、琵琶湖環状線の現状と見通しについても、あわせてお伺いをいたします。  びわこライナーの木之本駅への乗り入れについては、地元から大変強い要望があり、この際私からも強く要望しておきたいと思います。  次に、水質汚染対策について伺いますが、去る25日に開かれた公害対策審議会に報告された昨年度びわ湖と河川の水質調査の結果は、南湖よりも北湖でCODなどの汚濁が進行し、県として今までのように横ばい状態とは言えないと報告をされたのでありますが、私たちは、汚染が進行しているのに、従前から横ばいとはおかしいではないかということを言ってきたわけでありますが、北湖のCODなどの汚濁の進行は何が原因だと思われるのか、お聞きをしたいのであります。  これ以上北湖を汚染させないためには、どうしたらよいのか。また、計画されている丹生ダムー高時川ダムでありますが、高時川ダムやびわ湖の中を通る都市計画道路などについては、これからの北湖の汚染との関係がないと生活環境部長は思われるのかどうか、伺いたいのであります。  湖に窒素やりんなどの栄養分が過剰になりますと、その種の植物プランクトンが大量に発生をし、アオコ現象を起こし、悪臭や酸欠によって魚が大量に死んだり、水道施設の故障などの原因になることや、またシアノビリジンの毒性は肝臓障害を起こすと言われておりまして、上水道への影響が心配をされますし、カビ臭の原因となるホルミジウムなどの対策についてはどの程度まで進んでおるのか伺いたいのであります。  アオコの正体であります植物プラントンを食べる珍しい微生物と言われる水生のミミズ、ワムシなどを使ってアオコの浄化を国立環境研究所などで研究をしていると聞いておりますが、生物の力を利用した低コストで無公害のアオコ退治法として大変関心を持っておるわけでございますけれども、びわ湖への実用化については検討されておるのかどうか。  同研究所の実験などによりますと、ミミズ、ワムシ、モナスなどにアオコの正体であるミクロキスティスなどのプランクトンを食べさせる、モナスなどは、アオコを食べて増殖し、24時間後にはプランクトンを10%にまで減少し、ミクロキスティスがつくるシアノビリジンという毒性物質も95%以上が分解をされ、水質汚濁の指標になるCODも半分以下となり、きれいになったと報告をされておるのであります。  また、アオコと同様に、汚れた湖に大量に発生し、水道水のカビ臭の原因となるホルミジウムという糸状の藍藻類も分解ができ、カビ臭物質の量がほとんどゼロになることも報告をされておるのでありますが、これらの微生物を大量に培養する方法や、どのように湖で使うのかの検討が待たれるわけでございますけれども、自然の浄化力を生かしたアオコ処理や飲料水の水質向上などに大いに期待したいと思うわけでありますが、生環部長の所見を伺いたいのであります。  次に、家庭用合併処理浄化槽の設置について伺いますが、合併処理浄化槽の効用については今さら申し上げませんし、今年度予算でも7,725万円の設置促進補助費が計上されていることも承知をしておるわけであります。現在までの設置状況については、どのようになっておるのか。  また、びわ湖を持つ県内の市町村で、いまだに合併処理浄化槽設置整備事業補助金交付要綱をつくっていない市町村があると聞いておるわけでありますが、どれくらいあるのか。生活環境への保全やびわ湖を守るためにも必要な合併処理浄化槽の設置促進をなぜ自治体がしないのか、どこに問題があるのかどうかをお聞きいたしたいのであります。  今、住宅を建てかえたり、新しい住宅を建てる場合に、下水道計画はあるけれども、3年後か5年後になるか、あるいは10年後になるかはわからない地域でも、そのときにまた台所や便所などの改修をするのではなく、今、近い将来の下水道に備えておきたい、二度手間にならないように雑排水や下水を1カ所に集めておき、当面は設置促進される補助のつく合併処理浄化槽にしておきたいし、今どきの住宅にくみ取り式便所ではと、こういう考えから町へ申し込んだけれども、その町には浄化槽設置整備事業補助要綱がなく、困っている人が案外多いのであります。  それなら単独浄化槽でと言われても、下水が来たときにまた雑排水関係の改修が必要になることや、自治会によっては、いまだに浄化槽を自治会や区が認めないところもあります。最近の浄化槽でも自治会や区の同意が必要なのかどうか、県の指導はどのようにされているのかを伺いたいのであります。  次に、農業問題の質問に入りますが、今、日本の農林業、食と環境は重大な局面に立たされております。ガット・ウルグアイラウンドの農業交渉ではアメリカなどは農産物、林産物貿易の完全自由化、農業保護の撒廃を主張し、私たちの主食である米までも輸入の自由化を迫っておるのであります。その外圧を利用し、政府や自民党の一部、財界、マスコミは一体となって米の開放をねらっておるところであります。  農産物、林産物の貿易自由化は、人間の生存に欠かせない食糧、緑を効率化の名のもとに工業製品と同じように扱い、一部の企業的農業や商社のもうけの手段になるのであります。そして、非効率的とされた世界じゅうの家族農業はつぶされ、自然環境を荒らし、飢餓に苦しむ人々の食糧を奪いながら、安全性に問題の多い輸入食糧が私たちの食卓を支配することになってしまいます。  国内でも、価格の低迷、減反、減産の拡大、後継者不足などで農林業の将来展望が見出せない状況にあり、存亡の危機に立つ農山村はリゾート、ゴルフ場などの開発を進め、日本列島の環境は総破壊へと突き進んでおります。  こんな経済合理主義、競争原理ばかりで、私たちの命や暮らしはどうなってしまうのでしょうか。このような基本的な問題を、まず知事に伺いたいのであります。  自然や環境と調和する農業や林業をもっと大切にする、安全で素性のはっきりした食べ物を食べる、その中から都市や農村がともに生き生きとした暮らしができる、そんな社会、地域、滋賀にしてはと思いますが、知事の考えをお聞きいたしたいのであります。  できるだけ農薬や化学肥料を使わない安全な農産物の生産、供給体制を確立する、そのために生産者と消費者の提携を進め、各市町村または集落で安全食品条例などの制定や宣言をしていく必要があるのではないかと私は考えておるのであります。  また、ポストハーベストや放射能などに汚染された輸入農産物や食品が消費者、生活者の食卓に上らないように、検査基準の緩和に反対し、検査体制の強化を求めることが今大事であり、今議会に提出されております滋賀県消費生活条例案の趣旨でもあると思うわけであります。特に、輸入農産物の原産地、加工地を表示させることも大事な要件だと消費者、生活者の皆さんが一同に思っておられるわけであります。  次の時代を担う子供たちの学校給食にも、加工食品や輸入食品の比率が高まっておるわけです。自県産の米、地場産の有機野菜、果物、国産小麦のパン、うどん、低温殺菌牛乳など、地場農業の発展と結びついた安全で健康的な農産物の供給について真剣に取り組む必要があると考えております。  しかし、そうはいっても、本県産麦は成分がよいとは言えず、したがって売れ行きが悪く、生産過剰となっておるのであります。その対策として、大豆を転作に、麦は集団で2年続きの連作をとの指導がされておるわけでありますが、もともと水田であり、麦や大豆をつくるところではないのに、大豆や麦の集団連作をといっても、集落のコミニュケーションがとりにくく、まとまらないのであります。麦の転作について部長の見解を伺いたいのであります。  次に、農業政策の改革の動きについてでありますが、これは農業基本法制定30年目に当たるのを機に、深刻化する農業後継者対策を基本に中核農家づくりを見直し、企業の参入を図り、農業に競争原理を入れていくことなどの農業食糧改革プログラムが農水省で検討されておるわけですが、今日までの県農政の主軸であった中核農家の育成、集落ぐるみ農業は大きな変化と後退をすることになるわけでありますが、部長はどのように考えておられるのか伺いたいのであります。  また、このような動きに備え、農業公社などについてはどのように検討されておるのかもあわせて伺いたいのであります。  今、政府米が100万トンを割る中で、自主流通米が過剰となっておるのであります。価格形成の場は消費者ニーズにこたえていないばかりか、業者のための価格形成の場となっており、ササやコシヒカリは下がっても消費者米価は下がっていないのが現況であります。ここでの年間変動幅を7%から10%にし、地域区分を設定し、品種銘柄から地域銘柄になっておるわけでありまして、主食の国による管理から部分管理の方向に食管が大きく変わろうとしておるわけでございますが、果たしてこれでよいのかどうか。これらを見てきますと、第3次行革審とそれに同調する食管廃止論が資本の米支配以外の何物でもないことが明らかになってきたのであります。  そこで、当面の重点要求として、平成3年度米価の現行維持や売買順ざや解消で米需給調整に必要な政府米の確保を行うこと、自流米価格形成の場での入札取引は指標価格づくりに必要な限度にとどめること、そのため回数、数量、値幅制限は現行どおりとすることなどを要求すべきだと思いますが、部長の考えをお聞きいたしたいのであります。  次に、行革審と米市場開放とはどのような関係にあるのか。第3次行革審は、米市場開 放を前提として農地法、食管法の改正などを緊急提言し、外圧を利用し、農業、食糧も支配下に置こうとする財界の戦略を代弁する動きが顕著になり、国権の最高機関である国会の決議をも無視した行革審のあり方そのものに疑義を持つものでありますし、特に行革審会長の農業いじめの発言には強く抗議をしたいし、県下の多くの兼業農家を初め農業関係者はそのような気持ちで、今、我慢がならないところであります。  しかし、知らず知らずの間にその会長に協力しておる、そんなばかげたことはないと腹の虫がおさまらないのが今の農家ではありますが、三菱化成商品のボイコット運動をしようではないか、こういう呼びかけもございます。みずからの手で地域農業を守るために、行革審会長の会社でつくられている農業関係資材、肥料や農薬などの不買運動もやむを得ないと考えるものであります。  最後に、知事に伺いますが、迫りくる農業危機のもと、米市場開放阻止、米価闘争を含め、まさに正念場を迎えておるわけでありますが、今こそ滋賀県が全国に先駆けて食糧自給宣言を行うくらいの決意で、食と緑と水を守るために全力を出し切ってほしいと思いますが、知事の所見をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手) ○副議長(桑野忠君) 49番沢野邦三君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)沢野議員の御質問にお答えをいたします。  JR北陸本線の長浜までの直流化関連でございますが、今後湖北地域の発展を図る上で最大の課題の1つに交通基盤の拡充、とりわけ鉄軌道の整備があろうと考えております。御質問の琵琶湖線の北陸本線への直通電車の乗り入れに伴うダイヤ改正の内容についてでございますが、まだ要望折衝中であり、具体的な回答は得ておりませんが、地元県会議員各位ならびに市町長さん方による琵琶湖環状線促進期成同盟会による要望活動の中で、幾つかの点で前向きの感触を得ているところでございます。  まず、長浜までの直通乗り入れにつきましては、新快速電車を含む相当数の電車を乗り入れていただけるものと考えております。  なお、乗り入れに際し、田村駅や移設の坂田駅における快速電車、新快速電車の停車も実現可能と思料いたしております。  また、長浜以北につきましても、一定の増便等利便性の向上が図られるとともに、近江塩津駅に新設されます渡り線を使い、湖北住民はもとより湖西住民からも強く要望されていた長浜──近江今津間に直通列車が運行されることも、まず間違いないと考えております。  そうした長浜までの直流化に伴うダイヤ改正は、9月中旬と伺っているところであり、これを記念したイベントを長浜市が中心となり、県、JRの共催のもと、びわ湖・湖北路ロマン・ルネッサンスフェスティバルと銘打って10日間の予定で開催されることとなっております。  その内容は、記念セレモニー、多種多様なイベントを長浜イベント会場、湖北地域一帯にわたる広域イベント会場に分けて実施することとされており、現在実行委員会において鋭意詰めの作業が行われているところでございます。  なお、こうしたイベントは、一過性に終わることなく、これを契機に北陸本線沿線各地のすぐれた観光資源を生かした地域の活性化につなげていく必要があると考えております。JR西日本においても支援プロジェクトチームを設置され、具体的な検討も始まっているところでございますので、連携を密にして観光客の誘致を図ってまいりたいと考えております。  これらのことを通じ、また沿線市町村の各種活性化対策やパークアンドライド方式による駅前駐車場の整備と相まって、北陸本線の利用増進を図り、所期の目的とする琵琶湖環状線の実現に結びつけてまいりたいと考えております。  なお、名古屋、岐阜方面からのJR東海の電車乗り入れについてでありますが、北陸線の直流化を機に、その実現方法につき期成同盟会より要望いたしておりますが、この乗り入れがJRの別会社にまたがることから、調整を要する事項も多く、早期に実現は困難との回答であり、それ以上のものを得ていない状況でありますので、引き続き実現に向けて積極的に要望してまいりたいと考えております。  次に、農業問題についての御質問にお答えします。  かねてから申し上げておりますとおり、農林業の役割は、基本的には食糧を初め木材や繊維など、衣食住に必要な原材料の供給ということではありますが、農地や森林は水を蓄え、地下水を涵養し、水や大気の浄化作用を持つとともに、洪水や土砂の流出を防ぐという、いわば自然環境の保全という機能もあわせ持ち、経済原理を強調する余りに、このような公益的な機能を忘れるわけにはまいらないのであります。  特に、本県では、びわ湖とそれを取り巻く山々など、水と緑豊かな郷土を有し、これらの自然や生態系とのしなやかな共生関係の中で農業の生産活動や日常の生活が営まれ、本県固有の農村文化が築かれてきたのであります。  昨今の農業、農村は、内憂外患こもごもに至る時代変革の大きなはざまにありますが、私は、農林業をなくしては生き生きとした地域の存立は望めない、また自然に培われた人間性豊かな人をつくり、湖国の文化を育てていくことはできないという考えを持っておりまして、県民の皆様とともに何としても守っていかなければならないと思っております。現在、湖国農林水産プランに基づき各種の施策を進めておりますが、その中から、集落ぐるみの話し合いを通じて、中核農家を中心とした将来にわたる生産組織の体制が整備されたり、地域の資源を生かした特産づくりが進められたり、また自然あふれる生産の場や産直を通じて都市住民との交流が深められたりといったさまざまな取り組みをし、頑張っていただいている地域も出てまいっております。  こういう意欲的な取り組みに学び助長しながら、しっかりした生産基盤を整え、また都市住民との交流を通じて生産者と消費者の心が通い合うような農林業を目指すことが大切であり、そこから活力も生まれ、将来への展望も開けるものと存じております。各界各層の協力も得ながら一層の努力をしてまいりたいと存じます。  なお、米の市場開放問題につきましては、最近いろいろな視点から活発な論議がなされておりますが、政府がこれまでの国内自給方針を貫かれるよう、県といたしましても、また知事会としても再々要望いたしているところであります。今後ともその成り行きには十分注視していかなければならないものと思っております。
    ◎生活環境部長(花房義彰君) (登壇)まず、信楽高原鐵道問題についてお答えをいたします。  信楽高原鐵道は、沿線地域住民の熱い期待を背に、第三セクター鉄道として発足し、懸命の経営努力により地域の足として定着するよう努力されてきたところであります。今回の世界陶芸祭においても、唯一の公共交通機関として、その輸送使命を果たさんがため、施設の整備や職員の増員を図られたところでございます。  要員の確保についてでありますが、世界陶芸祭開催の1年前の平成2年4月に駅員1名、同5月に運転手1名、計2名を正式採用し、また世界陶芸祭開催期間中の駅務要員として、信楽駅で国鉄OB6名、貴生川駅等で近江鉄道OB5名を臨時に雇用し対処されてきたところでございます。  なお、JR列車の乗り入れに係る増便分の要員につきましては、JRの乗務員により運行されていたものであります。  次に、安全輸送の考え方でございますが、組織の簡素化と安全性の確保は必ずしも相反するものではないと思いますが、地球より重い人の命を預かる鉄道事業者にとりましては、安全がすべての根幹であると考えております。  次に、近畿運輸局の査察予定についての御質問でございますが、事故後調査いたしましたところ、査察スケジュールは、貴生川駅発11時16分発の信楽高原鐵道に近畿運輸局鉄道部の職員3名が乗車し、会社の安全運動の取り組みと保安関係の査察を行った後、信楽駅発13時16分の列車で次の査察場所である近江鉄道へ行く予定であったと聞いておりますが、実質責任者の常務が査察官出迎えのため事故列車に乗車していて、死亡いたしておりますので、その詳細は不明でございます。  次に、代行バスの運行についての御提言でございますが、当該路線は極度の不採算路線のため平成元年12月に休止されたものであり、また鉄道再開までの限られた期間での路線バスの運行というものについては、種々問題もございますが、監督官庁である近畿運輸局の御指導とバス事業者の御協力を得ながら、よりよい方法を検討してまいりたいと考えております。  次に、水質汚染対策についての質問にお答えをいたします。  まず、びわ湖の水質についてでございますが、平成2年度の水質調査結果では北湖、南湖とも過去10年間の水質と比較して過年度並みという評価をいたしておりますが、さらに詳細に見てまいりますと、北湖のCODについては、昭和59年度を境にして微増傾向を示しているため、汚濁が進行しているのではないかと懸念をいたしておるところでございます。  この北湖のCODの汚濁の進行についてでございますが、びわ湖の場合、CODとしてあらわれる汚濁物質のおおむね4分の3が植物プランクトンに起因するものであり、ここ数年北湖のCODが微増傾向を示していることは、この内部生産の増加が一因ではないかと考えておりますので、湖内での生物生産によるCODの増加を防ぐべく富栄養化防止対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  今後の北湖の水質保全につきましては、現在湖沼法に基づく第2次水質保全計画を策定中でありますが、その過程で経済的にも文化的にもより質の高い生活が進んでいく社会趨勢を踏まえ、水質の保全を図っていくためには、現状をどう解析し、その対応策をどう進めるかについて検討していく予定でございます。  丹生ダムや都市計画道路世継相撲線のびわ湖北湖の水質への影響についてでございますが、さきの2月定例会でもお答えをいたしましたように、両事業とも既に環境アセスメントの手続を終えておりまして、丹生ダムにつきましては、ダム湖の水質はCODで湖沼に係る環境基準のAAを、窒素、りんでⅠⅠ類型を、また工事中および供用後の高時川については現状水質の維持を、それぞれ目標に水質の維持に努めることとされております。また、世継相撲線については、工事中に二重の汚濁防止膜を設置するなど、必要な環境保全対策を講じることにより、両事業とも北湖水質に与える影響としては問題のないレベルであるとされておりますので、御了承いただきます。  びわ湖のカビ臭の原因となるプランクトンは、ホルミジウム、アナベナ、オシラトリアの3種類であることが判明しておりますので、これらのプランクトンによりカビ臭が発生したときは、浄水施設での活性炭の投入などにより対応していただいているところでございます。  いずれにいたしましても、カビ臭の予防は、基本的にはこれらのプランクトンの発生を防止すること、すなわち富栄養化防止対策であると考えておりますので、今後ともそれらの施策の推進を図ってまいる所存でございます。  生物を利用したアオコの対策に関する御質問でありますが、御指摘のとおり、国立環境研究所の研究成果として、アオコの原因となるプランクトン、ミクロキスティスを選択的に補食する生物として、アブラミミズ、ワムシ、モナスなどの存在が判明しております。アブラミミズやワムシは、肝臓障害を起こす毒性物質シアノビリジンを80%以上分解することが明らかになってきたところでありますが、これらを利用することは、湖内での天敵を利用して有害生物を制御することであり、環境に与える影響が少ない対策ともなることから、近畿1,300万人の飲料水源であるびわ湖の水質保全の観点からも注目をしているところでございます。  また、例年南湖の限られた水域でアオコの発生を見ている本県といたしましても、その研究の成果には期待をいたしておりますが、現時点ではまだ実験室段階での研究成果であり、びわ湖の生態系への影響など、実際の湖沼において適用するための研究はまさに緒についたばかりの段階でございますので、今後の研究成果を見守りつつ、びわ湖への利用について勉強してまいりたいと考えているところでございます。  次に、家庭用合併処理浄化槽についての御質問にお答えいたします。  近年、性能のすぐれた小型合併処理浄化槽が開発され、本県におきましても、水質保全や生活環境の向上の観点から昭和62年度より滋賀県合併処理浄化槽設置整備事業として市町村事業に対して補助を行い、普及を図ってきているところでございます。  まず、現在までの設置状況ですが、県内の合併処理浄化槽は平成2年度末で4,253基であり、うち補助対象浄化槽は457基となっております。また、この制度化を行っている市町村は25市町で、半数が未策定となっております。  策定されていない理由は、生活排水対策の施設整備は下水道や農村下水道による整備により対応していこうとする町村や、合併処理浄化槽の設置希望者が少ない等の理由によるものでございます。  しかし、今後は滋賀県生活雑排水対策推進要綱等に基づき市町村が策定する生活排水対策計画で、合併処理浄化槽は下水道の計画のない地域あるいは整備に時間を要する地域の有効な対策として大きな柱に位置づける必要があること、またこの制度は、県および市町村が補助したうち80%が特別交付税により措置され、財政的にも優遇された制度であることから、未策定の市町村に対しまして、補助要綱の策定について積極的な指導を行ってまいりたいと考えております。  次に、浄化槽設置に係る放流先の同意についてでありますが、従来は放流水が1日当たり30トン以上のときで、関係機関の長が必要と認めた場合には付近住民の代表者の同意を求めておりました。しかし、国の指導や性能のよい浄化槽が普及してきたことから、昨年10月滋賀県浄化槽取扱要綱を一部改正し、同意条項を削除したところでありますが、今後とも市町村に対しさらにその趣旨を徹底し、より一層合併処理浄化槽の促進を図ってまいりたいと考えております。 ◎農林水産部長(豊田卓司君) (登壇)農業問題の3点についてお答えします。  今日、食と健康の関係が厳しく問われておりますが、農業はあくまで自然を大切にしながら、より安全な農産物を消費者に提供していくことが使命でもございます。このようなことから、試験研究の成果をも生かしながら、自然豊かな農産物の生産に一層努力を払ってまいりたいと存じます。  特に、次代を担う子供たちの学校給食には、既に県内産のおいしい米や牛乳が供給されておりますし、新鮮な野菜や果物についてもできるだけ多く届けられるよう、生産面でも努力してまいりたいと存じます。  まず、麦の生産についてでありますが、麦は、昭和53年から転作作物として取り入れたものであり、今日では約7,000ヘクタールが作付され、転作の基幹作物として定着してきたものでございます。  年々生産量が拡大するにつれ、加工適性の面からよりたんぱく含量の高い麦が求められてきておりますので、県では、たんぱく含量の向上対策といたしまして、関係団体と一体となって施肥の改善や排水対策を進めるとともに、2年連続畑作物を生産する、いわゆる複年ブロックローテーションを推進しているところでもあります。今後とも米に次ぐ本県の基幹作物として麦の振興を図っていくためには、どうしてもこの複年ブロックローテーション方式が必要でありますので、理解と協力を得ながら、関係機関を挙げて推進してまいりたいと考えております。  次に、農業政策の改革の動きについてでありますが、農業基本法が制定されて以来30年、この間我が国の農業をめぐる状況が大きく変化を遂げていることから、農業、農村をめぐる制度、施策のあり方について、中長期的展望に立ち積極的かつ総合的な見直しを行うため、農林水産省に新しい食料・農業・農村政策検討本部が設置されたところであります。  去る6月5日に同本部で初会合が持たれ、今後本格的な議論が進められていくことと聞いておりますので、その動向には大いに関心を寄せていかなければならないと考えております。基本的には、連綿と日本農業を支えてきた中核農家や、農業を支える原点である集落の持つ重要な役割に変化を生じさせるようなものではないと考えております。  なお、農業公社につきましても、現行法上に位置づけられておりますように、農地保有合理化促進事業を通じた中核農家への経営規模拡大を図る役割を持たなければならないものと考えております。  最後に、食糧の管理についてでありますが、価格形成の場は、自主流通米取引の明確化と需要動向を反映するために設けられた制度であり、あくまで食糧管理制度の枠内で実施されなければならないものであります。  したがって、この制度の運用に当たっても、年間値幅制限は、投機や買い占めの対象とならないよう適正な変動幅であるべきでありますし、地域区分の設定等に当たっても、大幅な地域間格差が生じないよう適正に運用されなければならないものと思っております。  いずれにいたしましても、食糧需給は、食糧管理制度に基づき国において適正に管理され、国民の需要にこたえるのが原則でありますので、価格の決定や政府米の確保についても十分な配慮がされ、生産者が安心してつくり、消費者が安定して購入できるような管理がされるべきものと考えております。県といたしましても、その都度必要な要望をいたしているところでもございます。 ○副議長(桑野忠君) 次に、19番大林清君の発言を許します。 ◆19番(大林清君) (登壇、拍手)信楽高原鐵道事故に関連して、甲賀郡選出議員の1人として生活環境部長に伺います。  去る5月14日発生いたしました信楽高原鐵道列車事故は、42名の死者、500名を超える負傷者を出すという大惨事となりました。ここに改めて、お亡くなりになりました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、けがをされました方々に対しまして心よりお見舞い申し上げ、一日も早い御快癒をお祈り申し上げます。  県におかれましては、事故発生以来、事故対策本部を設置され、関係機関との連携の中、被災者の救出、救助活動等々を初め、信楽高原鐵道支援対策本部ならびに同支援対策室を設置する等、県当局の懸命の努力に対し深甚の敬意と感謝を申し上げるものでございます。信楽高原鐵道の歩みは、さきの県民連合代表質問にもありましたように、まさに地域住民の汗と涙の歴史でありました。特に、昭和56年廃止対象の赤字ローカル線第1次特定地方線に指定されて以来、甲賀郡内労働者も信楽線存続を願う地元住民の方々とともに必死の乗車運動に参加し、5月1日のメーデーには郡内労働者3,000名が信楽町に結集し、信楽線存続の熱い願いを確認し合ったことは、今も記憶に新しいところでございます。  さて、この事故に対しての被災者に対する補償問題など、信楽高原鐵道への財政支援について、県は全面支援を打ち出され、また同鐵道の再建と運行再開についても何としても、必要だとの認識と、早期に運行ができるよう県も支援するとの決意を表明され、心より感謝とお礼を申し上げるところでございます。  甲賀郡内労働者が結集する甲賀地区労働者福祉対策協議会は、過日水口県事務所へ、信楽高原鐵道の再建のために使ってくださいと、36組合7,725名の組合員からカンパ132万8,659円を持参、あわせて地域住民の足を守るため、引き続き存続、再開に向けて最大限の努力をしてほしいとの意見書を手渡されたところであります。  また、甲賀郡内各町よりの支援はもとよりではありますが、県内市町議会において信楽高原鐵道事故に対する支援を求める意見書も採択されるなど、深い支援の輪が広がっております。県の今後とも信楽高原鐵道に対して一層の御支援を心より要望する次第でございます。  さて、質問の第1点は、運行再開についてであります。事故が発生してからもう2カ月が経過しようとしております。運行再開について、県の積極的な意欲は十分承知するものでありますが、速やかな実現が強く求められて、補償問題の解決が最優先課題であることは至極当然とはいえ、並行的に再開問題に目に見える形で取り組むべきであります。人的確保、財務対策、安全対策等々について、JR当局の協力問題も含め、どのような具体的取り組みをされてきたのか、説明を願いたいと思います。  第2点は、県内はもとより全国から見舞い金、義援金が寄せられております。既にその一部を弔慰金等に支出されていると聞くのでありますが、当然に県も加わっての処理と考えますが、見舞い金、義援金の性質上、県に説明する姿勢が望ましいと思うのであります。寄せられた見舞い金、義援金の額、使途等について明らかにされるとともに、今後の善意にこたえる方策等について所見を伺いたいと思います。  次に、同和問題の早期解決について、同和対策本部長である山田副知事に伺います。  同和問題は、人類不変の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、憲法によって保障された基本的人権にかかわる問題であり、これを解決することは我が国の真の民主主義を確立する上で、国および地方公共団体に課せられた使命と責任は重大であり、かつ国民すべてに共通の課題であります。  このため、国においては、昭和44年に同和対策事業特別措置法──同対法が、また昭和57年には地域改善対策特別措置法──地対法が、昭和62年4月から地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律──地対財特法が制定されたところであります。  本県においては、昭和46年に滋賀県同和対策長期計画を、昭和57年には滋賀県同和対策総合推進計画を策定し、これらの計画に基づき関係諸施策の総合的かつ計画的な推進に努めてきました。この結果、地域住民の生活状況は改善向上され、特に生活環境の改善整備を中心とする物的事業はかなりの地区で完了を見るなど、顕著な成果をおさめてきました。  しかし、県同和対策総合推進計画の計画期間が終了した時点においても、物的事業については一部の大規模地区などになお残事業があること、生活保護率が依然として高いこと、中高年齢層を中心に不安定就労者の割合が高いこと、高校、大学への進学率等に格差があることなど、低位な状況を残しており、またいまだに予断と偏見による差別事象が後を絶っていない状況にあることや、意識調査の結果等でも見られるように、同和教育や啓発活動が県民各層まで十分浸透しているとは言えない状況であります。  このような状況から、昭和62年以降においても、同和地区住民の自立を促進することを基調としつつ、住民の生活基盤の安定、教育、文化水準の向上を図るとともに、すべての県民の同和問題を初めとする人権問題の認識と理解を深め、同和問題の抜本的解決を図ることを目的として、滋賀県同和対策新総合推進計画を策定され、今年度は計画の最終年度となっています。  ここで、まず滋賀県同和対策新総合推進計画の諸状況は、現時点においてどのような成果を見ているのか、環境改善、福祉保健、産業職業、教育と対策別にその成果と問題点について伺うものであります。  次は、地対財特法の最終年度を迎えている今日の動向と県の対応についてであります。  中央では、地域改善対策協議会において鋭意検討を進めておられるところでありますが、ことしの2月から都道府県の代表や関係団体の意見を踏まえた中間意見の答申が7月以降に出されると仄聞しているところであります。ついては、地対協に対し、本県はどのような意見を述べてきたのか、また政府方針は、特別対策から一般対策へと移行する方向にあるようでございますが、その場合、国が来年以降の対応をどうするかに重大な関心を寄せざるを得ません。地方への責任転嫁、負担転嫁とならざるよう、確たる地方の対策が強く求められているところであります。県は、このことについてどう対応してきたのか、どう対応していこうとされているのか、所見を伺いたいと思います。  次は、県内の動きについてであります。  部落差別の根本的解決を目指し、またあらゆる差別をなくす人権確立に向けた部落解放基本法制定要求の運動が全国規模で展開されております。1985年に部落解放同盟の呼びかけにより中央実行委員会が結成され、これを受けて本県においても、1986年に部落解放基本法制定要求国民運動滋賀県実行委員会が結成され、24団体と滋賀県、市町を含む11のオブザーバー団体で運営されています。  連合滋賀は、部落解放同盟滋賀県連とともに部落解放県民会議を結成し、県実行委員会に参加し、基本法制定要求運動に精力的に取り組んでいます。この運動は、地域実行委員会に発展し、既に草津栗東、守山野洲、甲賀、近江八幡竜王、彦根犬上、愛知等々全県的規模に広がっています。  部落解放問題は、冒頭申し上げましたとおり、基本的人権にかかわる最も深刻にして、心の痛む社会問題であり、行政の責務と位置づけられている大きな課題であります。したがって、この運動に支援し協力することは行政の責務でもあります。県は傍観者でおってはいけません。こうした運動をどのように評価し、みずからの位置をどう考えているのか、所見を求めるものであります。  次に、一般廃棄物の処理対策および合併処理浄化槽の設置促進について、生活環境部長にお尋ねいたします。  去る6月20日厚生省が発表した数字によると、平成元年度に全国で発生した一般ごみは5,000万トンの大台を突破し、東京ドームの135杯分にもなるということであります。確かに、私たちの身近な家庭ごみだけに焦点を当ててみるだけでも、その量がふえているとだれもが感じるところであり、各町内会のごみステーションに出されるごみの量や種類からしても考えさせられるものがあります。  現在、県下における一般廃棄物の処理については、市町村長の責任として、市町村あるいは行政事務組合を組織して、焼却、破砕、さらには埋め立て処分を行っていますが、それぞれの施設の整備状況をお聞きしますと、焼却炉については老朽化しつつあるようですし、破砕施設の設置はまだ数が少ないようですし、埋め立て処分場については、最近整備がされたところもあるようですが、全体的には厳しい状況であるとのことです。  このような実態から考えますと、ふえ続けるごみを適正に処理するため、将来を見通した各種のごみ処理施設の整備を進める必要があると考えますが、このことについて市町村や行政事務組合に対して県はどのように指導されているのか、お伺いいたします。  さらに、私は、このようなごみとして排出される処理施設の整備も大切ですが、それにも増して大切なことは、各家庭や職場などでごみをつくらない、出さない工夫が必要であると考えます。このことは、1991年厚生白書のサブタイトル「真の豊かさに向っての社会システムの再構築」でも明らかなように、ごみが出てからのことを考えるのではなく、出る前に少なくする、出さないようにする、すなわちごみの減量化、資源化を進める必要があると考えますが、このことについて、県における現状ならびに今後の指導方針についてお伺いいたします。  次に、合併処理浄化槽の設置促進についてであります。  びわ湖水質の保全は県の最重要課題であり、そのために各種の施策を講じているところでありますが、その汚濁原因の約3分の1が生活系であるとされていることから、県では昨年7月滋賀県生活雑排水対策推進要綱を定め、広く県民に周知されるよう告知されたところであります。  この要綱は、生活雑排水対策の基本的な方針を定めるとともに、県、市町村、県民および事業者の果たす役割を明確にし、生活雑排水対策を積極的に推進することにより公共水域の水質保全を図り、もって快適な水環境の創造と保全に資することを目的としているものであります。  特に、同要綱に基づく生活排水対策の基本的な県計画をこの4月に定められましたが、この基本計画においては、下水道等の計画のない地域および整備に時間を要する地域に対しては、コミュニティープラントおよび合併処理浄化槽の推進を図るものと定めております。  そこで、小型合併処理浄化槽の設置、整備促進については、昭和62年度から滋賀県合併処理浄化槽設置整備事業をスタートし、現在では25市町において整備事業補助の制度化がされているとのことでございますが、この事業の対象地域は下水道法第4条1項の認可または同法第25条の3第1項の認可を受けた事業計画に定められた予定処理区域以外であることと定められています。したがって、下水道の認可区域以外の地域であれば、県合併処理浄化槽設置整備事業の対象区域と理解してよいのかどうか、さらに認可区域であっても時間を要する地域に対してはどのようになるのか、お尋ねいたします。  さらに、この事業の実施主体は市町村であり、市町村は合併処理浄化槽設置整備事業補助金交付要綱を策定しなければならないのであります。しかし、県下50市町村中25市町は策定され、恩恵を受けられるのでありますが、未策定の市町への積極的な働きかけも必要と考えるのでありますが、所信をお伺いいたします。  次に、不法行為の取り締まりについて、関係部長に伺います。  映画が娯楽の王様であった時代からテレビ、ビデオ全盛となった今日まで、相変わらず人気が続いているドラマに「水戸黄門」があります。土地の悪代官がみずからの権限を悪用し、御用商人とつるんで私腹を肥やす、天下の副将軍水戸の御老公が悪政に苦しむ庶民を助け、印ろうをかざして悪を滅ぼし正義を貫くといったストーリーが繰り返されているわけであります。私たちの小さいころのあこがれの主人公、月光仮面や鞍馬天狗もいつも正義の味方、悪を懲らしめて、私たちはいつも拍手喝采、留飲を下げたことをよく思い出します。  今、政治改革の論議が高まっています。選挙制度の改革も重要なことでありますが、政治改革の本筋は、リクルート問題に端を発した政治と金のかかわりを正し、国民にわかりやすい政治を実現すること、お金の力が世の中を律するのではなく、まじめに働く者の汗が報われる社会をつくることであります。バブル経済の破綻でクローズアップされた銀行や商社、ノンバンクをめぐる不明朗な出来事に、月光仮面や水戸の御老公のような正義の味方の登場がいよいよ待たれていることをお互い心に銘じ合いたいものだと思います。  こうした正義ということを、毎日の私たちの暮らしの回りにも見聞きし、考えさせられることがあります。まじめな庶民には法の規制や行政の指導が極めて有効なのに対し、強引な行為には無力な実態についてであります。具体的な例示の1つに、公有地なり公有水面等の不法占拠が挙げられます。県では、びわ湖の湖岸をだれしも散策し、水と親しめるようにするために、プロジェクトチームをつくって湖岸や公有水面の不法占拠対策に当たってこられました。これらの土地は湖岸緑地として整備が進んでいることも事実でありますが、このときに、びわ湖を裏庭として毎日を過ごして来られた人たちは、県の指導に従って庭の境界を下げ、畑を明け渡し、漁に出る船をつなぐ零細な棧橋を撒去されてこられました。こうした人たちからすれば、今なお一部に占有が続く実態や雄琴地先のレジャー施設の棧橋不法設置のようなことは、正直者、弱い者が損をするという見方につながるのであります。  2つ目の例に、大津市山上町の長等山地先で山砂の採取が挙げられます。この山の周辺は、以前から不法採取や大雨どきの災害の問題が起こったところでありますが、最近山砂を積んだダンプカーの往来が頻繁だとのことでございます。当該地は国定公園、風致地域に指定されている地域でございますが、知事の許可はおろされていないと考えるものであります。  関係業界からの風聞によれば、京都市大文字山のふもとの不法開発業者が摘発された──市民が問題にしてから摘発まで随分日時がかかったことではありますが、摘発されたことで比叡山系の良質のマサ砂が品薄となり、高価格で売れることも採取が続く原因というのであります。そして、地域の人たちは、ダンプカーの往来に対する交通安全、梅雨や台風時の出水等に大きな不安を持っております。  こうした不法行為に対する行政の対応、廃棄物の不法投棄や不法処分も同様でありますが、指導や警告などの処置は大変無力に見えるのでございます。対応の現状について、さらには行政の知恵や工夫を凝らすこと、横の連携を凝らして正義を貫くことについて、生活環境部長、土木部長、警察本部長にお尋ねをいたします。  最後に、小中学校の学習評価について教育長に伺います。  昨年11月25日、文部省の指導要録改善調査研究協力者会議は、小中学校の学習評価について、従来のクラスや学年の中での順位による相対評価を改め、児童生徒一人一人がどれだけ学習目標に到達したかを見る絶対評価中心に大転換する方針を固めたところであります。  小学校低学年については、3段階で行われていた相対評価を廃止し、絶対評価の観点別学習状況の表記一本にするほか、中、高学年でも現行の5段階を3段階評価に変更、中学校は現行どおりの5段階評価でありますが、観点別学習状況がより重視され、絶対評価の色濃いものとなっています。  小学校は平成4年度、中学校は平成3年度の第1学年から新評価方式が順次実施される予定です。  御承知のとおり、指導要録は、各児童生徒の指導のための資料として学習や出欠の状況を記録した書類であり、外部に対する成績証明書等の原簿としての性格を持ち、通信簿や内申書などもほぼ指導要録に準拠して記載されていると言われています。  今回の見直しの対象となるのは、指導要録の学習の記録であります。  現行の学習の記録は、相対評価による評定、教科目標の達成状況を観点別に評価する観点別学習状況、所見の順で構成されていますが、改定では、目標に応じて観点別の到達度を見る観点別学習状況をトップに据えるとともに、観点別学習状況の評価の観点も各教科の共通性を強め、関心・意欲・態度、思考・判断、技能・表現、知識・理解の4項目を中心に構成されます。  記入方法もきめ細かく改善され、現行では目標十分達成をプラス、達成不十分をマイナス、おおむね達成は空欄とするとなっており、記入しないで済むこともできますが、改正では、これをA、B,Cの3段階とし、必ず記入するとの方針が示されています。  相対評価からの転換、それ自体歓迎すべきことだと考えます。一人一人の子供を他と比べて位置づけするのでなく、その子自身がどれだけ努力したかを評価できるようになれば、教師にとっては子供の頑張りをストレートに評価してあげられるようになるし、親にとっても、自分の子供が必要なことをどの程度理解しているか、正確につかめるようになるだろう、何よりも子供本人にとってはよかれあしかれ納得できる評価となるであろう、教員が一人一人の子供に行き届いた教育を保障するためにも、重要なことであると考えます。  父母や児童生徒の期待どおりの結果を生み出すために、教職員の目の行き届く体制づくりなど、相対評価からの転換につき県教育委員会の所見、今後の対応について伺います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○副議長(桑野忠君) しばらく休憩いたします。    午後2時47分 休憩    ───────────────    午後3時16分 開議 ○副議長(桑野忠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  19番大林清君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎副知事(山田新二君) (登壇)大林議員の同和行政についての御質問にお答えいたします。  まず、新総合推進計画の対策別の成果と問題点についてでありますが、物的事業と非物的事業に大別して申し上げます。  住宅地区改良や地区道路、下水排水路などの整備に係る環境改善対策、圃場整備、農道などの生産基盤整備に係る産業、職業対策および隣保館、児童館等の整備に係る福祉、保健対策などの物的事業につきましては、昭和61年度末の進捗率は88.7%でありましたが、法期限内完遂を目指し推進してきた結果、平成2年度末ではほぼ96%まで進捗しており、事業完了地区が65地区のうち52地区の約8割に達するなど、相当の成果を上げてきたところであります。しかしながら、大規模地区において用地取得が困難なことや地域の合意形成が不十分なことなどから、数地区において事業が残るものと予想されているところでございます。  次に、非物的事業について施策別に申し上げます。  まず、福祉、保健対策につきましては、地区住民の健康で文化的な生活を確保するため、一般対策との関連のもとに地域総合センターを初めとする社会資源の有効な活用を図りつつ取り組んできたところであります。しかしながら、依然として生活保護率が県平均と比較してかなり高率であることや、保育需要の実態を見るとまだまだ家庭における養育力に問題があるなどの課題がございます。また、隣保事業につきましても、地域間格差がある以上、地域課題に即した対応を促していく必要があると考えております。  次に、産業、職業対策のうち、商工業の振興につきましては、同和地区の商工業の振興を図るため、経営の合理化、設備の近代化等の指導や制度融資の活用などによる企業、事業所の成長発展を図ってきたところでございますが、経営基盤の脆弱な同和地区中小零細企業においては、今なお、資本力、技術力の面で課題を抱えているところでございます。また、同和地区住民の雇用の促進と職業の安定を図るための就労対策につきましては、公共職業安定所や関係機関との連携のもと、就職の指導、あっせんの強化に努め、公平公正な採用選考が実施されるよう、企業、事業所に対する啓発指導を積極的に行ってきたところでありますが、中高年齢層を中心に不安定就労者の割合が高いことや、新規学卒者の安定就労等にまだまだ問題があると存じております。  農林漁業の振興につきましては、生産基盤や近代化施設の整備により弱小な経営基盤の克服に努めてきたところでありますが、依然として規模は零細であり、そのため、今日までに整備してきた共同施設、機材の効率利用、付加価値を高めるための集約的な複合経営への誘導も今後の課題でございます。  教育、啓発の対策につきましては、今日まで県同和教育基本方針に基づき、学校教育、社会教育などすべての教育活動を通して諸施策の積極的な推進に努めてまいったところでございます。そのうち、学校教育におきましては、同和教育が全教育活動に位置づけられ、系統的な指導が展開されてきております。また、教育の機会均等を目指す取り組みによりまして、同和地区生徒の高校への進学率は、同和対策審議会の答申が出されました昭和44年の44.4%に比べますと、平成2年は88.1%と大きく向上をしております。しかしながら、高校ならびに大学の進学率になお県平均に比べ格差があることや、さらには、差別事象、事件の発生が後を絶たない状況を見ますとき、同和教育、さらには県民啓発についてはなお多くの課題が残されております。  次に、地域改善対策協議会への意見の陳述ならびに政府の一般対策移行への方針に係る対応の経過と今後の取り組みについてお答えを申し上げます。  まず、地域改善対策協議会におきましては、地対財特法後において一般対策への移行をいかに円滑に行うかとの観点から、昨年の12月より審議が開始され、全日本同和対策協議会、民間運動団体、一部の地方公共団体などの意見の聴取を初め、全国数府県の現地調査などが実施されてきております。本県といたしましては、去る2月の全日本同和対策協議会の意見陳述の際に、本県における同和行政の現状と課題についても陳述をいたしております。また、4月に委員3名が現地調査に来県された際にも、さきに申し上げました成果と課題につきまして実情を詳しく説明いたしますとともに、残された課題解決のためには、引き続き国の責務の明確化、物的事業の完了が図れる措置、非物的事業について格差の完全是正が図られる措置、啓発、人権擁護活動の充実強化および地方財政負担の軽減を盛り込んだ法的措置等が必要であることを強く要望してきたところでございます。
     次に、一般対策への移行の方向を目指している政府の方針に対する県の対応についてでございますが、さきに申し上げました地域改善対策協議会に対する意見陳述や現地調査での説明のほか、総務庁を初め関係各省庁に対しまして、昨年12月および本年6月の政府予算編成に当たっての重点要望の中で残された課題解決のための法的措置等を強く求めてきておりますし、また全日本同和対策協議会による政府要望を通じ繰り返し要望をいたしてきておるところでございます。なお、今後におきましても、全日本同和対策協議会による全国大会等を通じ要望を行います一方、県独自の要望活動を事業を直接抱えておられる市町行政とともに展開をしてまいる予定でございます。  最後に、部落解放基本法制定要求国民運動に対する評価とみずからの位置をどう考えているのかというお尋ねでございますが、これにつきましては、法制定要求国民運動につきましては、部落の完全解放を達成するための基本となる法律の制定を求める運動として熱心に取り組まれてきておりまして、地対財特法後の同和対策のあるべき姿の1つとして求められている運動であり、運動関係者の積極的な御活動に敬意を表するところであります。  県といたしましては、国際的な人権尊重の潮流の中で、広く県民に対して人権思想の普及、高揚を図るとともに、特に、同和問題は基本的人権にかかわる重大な問題として、何よりもまず解決が図られなければならない焦眉の急を要するものであるとともに、その解決が行政の責務であることから、今後とも行政の主体性を発揮いたしまして、物的事業の完遂を初め、教育、啓発、就労など残された課題を早急に解決し、同和問題の一日も早い解決を図るための法的措置等の要望を強力に推進し、その実現に努力をしてまいりたいと考えております。 ◎生活環境部長(花房義彰君) (登壇)まず、信楽高原鐵道事故についてお答えをいたします。  運行再開への取り組みについてでありますが、当鉄道は通勤通学等地域住民の足として欠くことのできない路線と認識をいたしており、県といたしましてもその早期運行再開に対し鋭意支援に努めているところであります。  ところで、運行再開に当たっては、御質問にもありましたとおり、人的体制の確立、経営基盤の見通しならびに安全運行対策の確保等、解決を要する課題が山積しているのが現状であります。しかし、これらのうち、技術的、専門的な事項については現在の信楽高原鐵道では到底対応できないため、こうした支援をJRならびに運輸省に要請を行っているところでありますが、今般JR西日本に技術支援チームを設けていただいたところであります。今後、運転再開の前提となります運行再開計画については、このJRの支援チームや国の指導を受け検討を速やかに行うことといたしておりますし、不足する人材についても、運行再開計画が運輸当局で認められた時点でJRから派遣していただけることになっております。一方、運行再開に当たって、今後における鉄道会社の経営面での安定を図るためには、その基盤の確立が不可欠でありますので、こうした面においても国の支援が得られますよう関係先に要望をしているところであります。  次に、見舞い金、義援金についての御質問でございますが、6月28日現在で、全国から義援金は2,600件、4,500万円、また見舞い金は300件、1億5,500万円の浄財をいただいているところでございます。この中には、事故現場の近くに工場を建設し信楽町とゆかりの深い企業から、他人事とは思えないので事故対策に役立ててほしいということで1,000万円の見舞い金をいただいたり、信楽高原鐵道を利用していた小学生が、顔なじみの亡くなられた鉄道職員への思いとともに、一日も早い鉄道の再開を願い貯金箱を贈られた例など、地元を初め全国各地の方々から温かい善意と励ましが贈られているところであります。これら浄財のうち、義援金につきましては、被災者のために役立ててほしいとの趣旨で贈っていただいたものでありますので、既に合同慰霊祭の後、御遺族の方々に弔意金としてお渡ししたところであり、その後寄せられている義援金につきましては、負傷者へのお見舞い金として使わせていただく予定であります。また、見舞い金につきましては、信楽町においてこの事故の対策に充てるため設けられました基金に積み立てて管理をしており、今後、県と町で協議しながら、全国から寄せられた善意を最大限生かす方法で活用させていただく所存でございます。  次に、一般廃棄物の処理対策についての御質問にお答えをいたします。  ごみ処理施設は、周辺住民の理解が得られにくいことから、新設、更新ともなかなか予定どおりに進まず、特に埋立処分地にあっては逼迫している状況にあります。  このような状況下で、施設の整備は各市町村とも重要な課題として取り組んでいるところでありますが、県といたしましても、長期的展望に立った計画的な施設整備の指導を行っております。特に、最近増加しております粗大ごみについては、破砕などの中間処理施設を設け減量化を図るとともに、資源となるものを取り出すなど少しでも埋立処分するものを減らすことを指導しているところであります。一方、これらの施設は迷惑施設とのイメージが強いことから、事前の環境調査はもちろん、関連施設の整備や周辺環境にマッチした施設計画や現行施設の適正な維持管理等を行うことによって、住民の理解と協力の中で施設建設がスムーズに行えるよう指導を進めているところであります。また、施設の建設に当たりましては、国庫補助、地方債や地方交付税などの財政的援助がありますが、県といたしましても国庫補助対象外事業分に対して廃棄物処理施設整備事業促進交付金を交付しているところであります。  次に、ごみ減量化と資源化の必要性についてでありますが、御指摘のように、いかにごみを減らすかが大きな課題であります。このためには、生ごみを堆肥化するなど、県民みずからのごみの減量化やごみの性状や処理の方法にあわせた分別収集が必要で、これに積極的に取り組んでいるところであります。県下の現況を申し上げますと、すべての市町村で不燃、可燃を初めとした分別収集の体制をとっており、さらに瓶や金属など資源ごみの分別収集も43の市町村で実施をしており、また自治会や子供会などによる資源の集団回収の状況を考えると、県下のほとんどの地域で資源化、減量化に向けての対応が進められております。しかしながら、ここ数年ごみの収集量は増加の傾向となっているため、さらに一層の減量化対策を推進する必要があると認識をいたしております。このため、市町村に対しましては、昨年度ごみの減量、再資源化の推進についての年4回の研修会を実施し、また本年度も適正なごみの収集方式とその徹底を期す方策について同様の集中的研修会を行う予定であります。  いずれにいたしましても、従来のように出されたごみを処理するという考え方でなく、いかにごみとして排出する量を減らし、ごみの処理施設の安定的な整備と資源の有効活用が図られるように、今後とも市町村の指導を進めていきたいと考えております。  次に、合併処理浄化槽の設置促進についての御質問にお答えをいたします。  近年、性能のすぐれた小型合併処理浄化槽の開発に伴い、合併処理浄化槽設置整備事業として制度化を図るとともに、滋賀県生活雑排水対策推進要綱に基づく施設整備の一方の柱としてこれの普及に努めているところでございます。  まず、合併処理浄化槽設置整備事業に係る対象地域についてでありますが、御質問のとおり、公共下水道あるいは流域下水道による認可区域を除いた区域を対象地域として実施をしてきております。しかしながら、下水道整備に相当の時間を要する地域があることも事実でございます。こうしたことから、国におきましては、特に、本県のように水質汚濁防止法に基づく生活排水対策重点地域等にあっては、認可区域でも原則として7年以上整備が見込まれない地域においては当該事業の対象地域とする旨通知がなされたところであります。これにより、生活排水対策の一層の推進が図られるものと期待をいたしております。  次に、交付要綱の未策定市町村についてでありますが、県といたしましては、全市町村においてこの補助金交付要綱は必要と考えており、さきに沢野議員にお答えいたしましたように、滋賀県雑排水対策推進要綱に基づき市町村が策定する生活排水対策計画では合併処理浄化槽は大きな柱になることから、補助金交付要綱策定について市町村を積極的に指導していきたいと考えております。  次に、自然公園内における山砂の不法採取に対する対応についてお答えをいたします。御指摘のとおり、法律上自然公園の特別地域内では露天掘りで土石を採取することは許可できない行為となっております。こうしたことから、違法な土石の採取に対しましては、他法令の規制がかかっている場合には、関係部局とともに連携をとりながら共同で巡視を行うとともに、土石の採取を行っている業者に対し文書でもって警告や中止命令を発し、是正のために必要な工事の指示をするなど厳しい姿勢で対処しているところであります。  今後は、悪質なものについては、関係部局との連携をより一層密にし、告発も含め厳正に対処してまいる所存でございます。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)不法行為の取り締まりについての御質問にお答えします。  まず、びわ湖を含め河川敷地の不法占用に対する対応につきましては、職員によるパトロールや河川管理協力員、地元住民の方々からの通報に基づき迅速に現地調査を行っておりますが、不法占用に至った事情もいろいろのケースがあるため、不法行為者等からその事情を十分聴取した上で原状回復などの行政指導を強化しております。行政指導に従わない者に対する河川法上の最終処分は、知事名による原状回復命令など法第75条に基づく監督処分でございますが、この処分にも従わないような悪質なケースにつきましては、国など関係機関とも慎重に協議しながら、告発や訴訟の提起、行政代執行等により厳しく対応してまいりたいと考えております。  なお、御質問の中にありました雄琴地先の棧橋等の不法設置事件につきましては、監督処分を前提とした厳しい行政指導を行ったことにより、相手方もその指導に従い、現在では既に原状回復も終了しております。  次に、山砂採取の御質問ですが、風致地区で土砂採取を行う場合は知事の許可が必要となりますが、風致の維持に著しい支障を及ぼさないことが許可の条件となります。また、他法令の規制がかかっている場合は、担当部局と調整を行いながら、行政上の支障の生じないよう一体的に取り組みを行っております。御指摘のとおり、風致地区内において許可を受けることなく違法に土砂採取が行われている箇所がございます。このような箇所につきましては、関係部局と合同で常に現場のパトロールを行い、違反行為の中止命令、防災措置の命令を行い、特に、梅雨や台風時の異常出水による災害防止につきましては緊急対策を命じるなど最大限の行政指導を行っているところでございます。今後は、他法令との関係を見きわめて、告発も辞さない姿勢で対処してまいる所存でございます。 ◎教育長(西池季節君) (登壇)小中学校の学習評価についての御質問にお答えいたします。  今回改定された学習指導要録は、平成元年の学習指導要領の改定に伴うものでありますが、その改定の基本方針といたしましては、1つには、新学習指導要領が目指す学力観に立った教育の実践に役立つようにすることであり、とりわけ、みずから学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成および基礎的、基本的な能力の育成であり、2つには、児童生徒一人一人の可能性を積極的に評価し、豊かな自己実現に役立つようにすることでございます。  県教育委員会といたしましては、こうした改定の基本的な考え方を踏まえ、これからの教育や評価のあり方について、各学校において教職員の共通理解や取り組みの充実を図る必要があると考えております。そのため、県教育委員会としての指導要録の基準を市町村教育委員会に示すとともに、その内容について4月当初の校長を対象とした学校教育指針説明会、4月、6月の市町村教育委員会指導事務担当者会および5月の教頭を対象とした校務運営等協議会において指導するとともに、学校訪問等を通して現在趣旨の徹底に努めているところでございます。  その重点指導事項といたしましては、第1に、新しい授業の創造についてでございます。これまでの知育偏重になりがちであった教師主導の教える授業から、児童生徒の発達特性や一人一人の個性を重視した児童生徒の側に立った授業へと発想を転換すること、つまり、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの学力を中心とした授業の創造であり、一人一人の児童生徒の持っているよさや持ち味を積極的に引き出せるような授業の展開が必要であるということでございます。第2に、指導と評価の一体化についてでございます。  授業に当たっては指導目標を明確にし、児童生徒が生き生きと学習に取り組む中で一人一人がどのように目標を実現しているかを評価し、その評価を一人一人の学習や指導に役立てることでございます。また、学習の成果だけでなく、日常生活や授業の中での児童生徒の取り組みの姿や思考の過程をも的確に把握し、継続的、総合的に評価して絶えず指導に生かしていくことが重要であるということでございます。  今後の具体的な対応といたしましては、7月から8月にかけて実施いたします管理職および一般教員を対象とした小中学校教育課程講習会において新学習指導要領の趣旨を一層徹底いたしますとともに、新しい指導要録に基づいた評価のあり方についての理解を図っていく考えでございます。さらに、学校訪問や市町村教育委員会訪問など、あらゆる機会を通して継続的に指導をし、児童生徒一人一人の成長の過程を見守り、それぞれのよさや可能性などを引き出し育てる教育が展開できるよう教員の指導力の向上に努める所存でございます。 ◎警察本部長(佐々木俊雄君) (登壇)御質問にお答えいたします。  びわ湖を中心とする湖国の自然環境を保護、保全することは県民の総意であります。警察といたしましても、びわこ対策官を新設し、また防犯部内に特別捜査班を編成するなどし、強力な取り締まりを総合的に推進しているところであります。また、御指摘のような事犯につきましては、その性質上、御指摘のように横の連絡というものが非常に重要であります。警察といたしましても、関係機関と日ごろから密接に連携をとっているところであります。今後も、違法行為には同様の方針のもと厳正に対処してまいりたいと、このように考えておるところであります。 ○副議長(桑野忠君) 次に、17番深田作治君の発言を許します。 ◆17番(深田作治君) (登壇、拍手)初登壇の機会をお与えいただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。  それでは、大戸川ダム建設に伴う諸問題について御質問を申し上げます。知事初め関係部長の簡明なる御答弁をお願い申し上げます。  御承知のとおり、大戸川ダムは、大津市上田上桐生町、牧町の地先に建設省が建設をする多目的ダムであります。ダムは、重量式コンクリートダムで、高さ92.5メートル、総貯水容量3,360万立米、有効貯水量2,760万立米。ダム建設の目的は、1つには、ダム地点における計画高水量毎秒1,250立米のうち、毎秒1,000立米の洪水調節を行い、大戸川、瀬田川、宇治川および淀川本川地域の水害を防御すること、2つには、ダム地点より下流の大戸川沿線の既得用水の補給を行うなど、流水の正常な機能の維持と増進を図る、3つには、大阪府、京都府および大津市に対し、都市用水として新たに日量最大4万4,200立米の取水を可能ならしめる、4つには、大戸川ダムの建設に伴って新設されます新大戸川ダム発電所において、最大出力3,000キロワットの発電を行うことを目的としたダムであります。  このダムは、建設省が昭和43年に予備調査を開始以来、23年を経過しようといたしているところであります。御高承のとおり、ダム建設に伴い、上田上大鳥居町の集落55戸の家屋、宅地6ヘクタール、農地52ヘクタール、山林133ヘクタール、合計190ヘクタール、そして地域住民の皆さんの心のよりどころであります神社、寺院、墓地、そして多くの公共施設等が1250年の古い歴史や風土とともに水没するのであります。  この計画は、下流府県にとって、治水、利水の面からも極めて公共性が高く、大きな期待が寄せられている事業であります。今日までダム建設に対し、地元大鳥居町の皆さんを初め関係住民の方々の深い御理解と御協力のもと計画が推進されているところでありますが、犠牲を払い、水没され、長年住みなれたふるさとを離れられます関係住民にとっては、これから先の移住地や代替農地の確保など生活再建に対する不安が極めて大きく、住民の皆さんの心中を思いますとき、察するに余りあるものがございます。現在、建設省では、平成元年度補償調査の実施に関する覚書の調印を受け、水没予定地における土地の一筆調査、建物調査が実施されているところであります。一方、水没者に対する生活再建の早期対策およびダム建設を契機とするダム周辺地域を含む下流地域の振興発展を図るため、地元要望を踏まえた諸事業の早期対策が求められているところであります。御承知のとおり、ダム建設は建設省が起業者でありますが、事業の特異性から、特に、県そして関係市町の支援が必要とされています。今日までの間、地元との折衝、また関係省庁や下流府県との交渉に御苦労をいただいております皆さんに敬意を表し、以下数点についてお尋ねをいたします。  水没者の生活再建対策は何よりも再優先すべきであり、特に移転地と代替農地についてお伺いをいたします。  まず、移転地でありますが、昭和63年7月、集団移転地として県のびわこ文化公園の一角に11ヘクタールの場所が決定されているところであり、移転宅地については建設省の依頼で大津市が主体的に実施されているところでありますが、現在どのようになっているのか。特に、進入道路や造成工事など目に見えたものがなく、現状と今後の見通しについてお尋ねをいたすものであります。  次に、代替農地の確保についてお伺いをいたします。地元から、代替農地として23ヘクタールの新たな開田──施策開田の要求があると聞き及びます。しかし、このように新たに広大な農地をつくるとなると、広大な面積が必要となり、その場所が確保できるのか、その見通しと対応についてお尋ねをいたします。  また、補償開田としての種々の制約があり、長期間を要することから、既設田による代替農地の確保についても検討をされているやに伺うものであります。特に、新規開田の事業主体はダムの事業者のみしかなり得ないことになっており、これに要する用地の取得などについての対応は、仄聞をいたしますと、農地法によれば市や町では農地を保有できない、また財政負担が大きいなどの理由から県に受けとめてほしいということのようでありますが、どのように対処されるのかお伺いをいたします。  また、地元から行政による既設田の先行保有の要求のあった場合や、地元、個人による既設田の先行取得に対する助成措置等についてはどのようにお考えであるのか、お尋ねをいたします。  なお、これら既設田の取得、あっせんなどの業務については、既に全国47都道府県において、農地保有合理化法人を設立し業務に当たられているところであります。現在、県においても農地協会が設立されているところであり、代替農地の早期解決が図られるよう、また先行保有や今後予定されます建設省の施策開田用地の先行取得には農地協会を活用すべきと思いますが、当局のお考えとその対応についてお尋ねをいたします。  次に、ダム建設に関連し、地域の振興発展対策など諸問題についてお尋ねをいたします。  まず、大戸川の河川整備および環境整備についてお伺いをいたします。  大戸川は、明治36年の関の津、太子の冠水を初め、過去に幾度となくはんらんを繰り返してきたと聞き及びます。大戸川ダムの建設によって洪水調節がなされるところでありますが、洪水時の放流量に対して、大戸川の現状の断面では不足する危険な箇所が数カ所あり河川改修が必要とのことでありますが、改修計画等についてはどのようになっているのか、お尋ねをいたします。  また、ダム下流の上田上、田土地域では、ダム建設を契機に425ヘクタールに及ぶ圃場整備やかんがい排水事業を行う準備が進められているところであります。今後、河川整備計画との整合を図りながら事業を推進する必要がありますが、その対応についてもお尋ねをいたしておきます。  一方、この大戸川周辺は、四季を通じて多くの皆さんが河川を散策など楽しまれているところであり、特に、これからのシーズンは川遊びに興じられる家族連れやグループが数多く見受けられるところであります。大戸川は、御承知のとおり、大津市に残された最も河川らしい河川であります。この機会に、治水上安全な堀込め河川としての整備はもとより、田上の豊かな自然と調和のとれた、だれもが水辺に触れ、楽しめるような親水空間の持てる整備を図っていただきたいと思うのであります。  次に、主要地方道大津信楽線のつけかえについてお伺いをいたします。  水没いたします主要地方道大津信楽線は、湖南地方を直結する重要な幹線道路であります。つけかえに当たっては地元要望などを踏まえ対応していただいているものと考えますが、特に、地元関係者および関係市町ではダム本体工事に着手されるときには新しい道路をとの願いでありますが、県のお考えとその対応についてお尋ねをいたします。  次に、大戸川流域の地域振興対策についてお伺いをいたします。  大戸川ダムは、知事を初め関係各位の御努力により、平成2年3月、水源地域対策特別措置法の指定ダムに決定をされました。本措置法では、ダム湖に面しダム建設による影響が著しい地域を水源地域として指定し、この地域内での整備事業が実施できるとなっているのであります。しかし、大戸川ダムの場合は、水没住民がすべてダム下流へ集団移転し人家が全くなくなるという状況から、地域指定を下流域へも広げていただきますとともに、全地域における諸事業への事業費についても拡大を願うものであります。このためには、今後、県の積極的な取り組みを願うものでありますが、その対応についてもお尋ねをいたします。また、平成2年6月、大戸川ダムは淀川水源地域対策基金の対象ダムとしても決定されているところであり、これからの生活再建対策にこの基金の有効活用が図られるよう願うものであります。  なお、本大戸川ダム建設に要する事業費ならびに建設計画と完成年度についてお尋ねをいたします。  以上、幾つかの点について御質問してまいりましたが、大戸川ダムは、さきにも述べましたように、昭和43年に現地予備調査が開始されて以来、23年の歳月を要しております。この間には、水没する大鳥居町の皆さんには、ダム建設をめぐり賛否両論、町を二分するという事態も生じ、自治会運営ができなかった時期もあったのであります。しかしながら、知事を初め大津市長、建設省ならびに行政関係の方々との再三にわたる協議会が持たれ、今日を迎えられたのであります。現在では、建設省側は、ダム本体関係では技術調査を初め、水没家屋や土地の補償調査が完了されたと聞きます。一方、地元では、調査以来23年を経過した今日、どうせやるなら早くやれ、同じやるなら早くやってほしいと前向きの姿勢のようであります。しかし、このようにダム本体の諸調査だけが順調な進捗を見ている反面、生活再建、宅地、農地には目に見えた進展がないのであります。具体的な方針が示されない限り、工事着工についての承認は無理とのことのようであります。  また、水没者の中には、我々は好んで移転を希望するものではない、我々の住んでいる大鳥居町は過疎地域ではない、毎日の生活においては何の不自由なく満足に暮らしているとのことであります。大戸川ダムは、御承知のとおり、地理的な条件として、わずか数キロメートルで信楽町や大津の市街地であり、最寄りのJRの駅も近く、通勤通学にも何ら不便のないところであります。このようなことから、大戸川ダムは全国的にも例を見ない町の中にできる珍しい都市型ダムであります。 また、今日まで全国で数多くのダムが建設されておりますが、常に耳にする言葉に、ダムの上流にある町に栄えたためしがないという伝えを耳にいたします。ダムの上流は信楽町、信楽焼を中心とした地場産業を基盤に人口1万4,000人の皆さんが居住されており、陶芸の森を中心に今後21世紀を目指した陶磁器の情報、技術の全国、世界への発信基地として今後ますます発展飛躍される地域であります。  また一方、大津市域にあっては、大津の東部地域として新規開発を適正に誘導しながら、新しい時代に対応した生活諸機能の広域的な拠点、すなわち自然と生産の緑地を持った文化の息づく大津の副都心地域として位置づけがされているところであります。今後、第二名神自動車道の整備を初め幹線道路やアクセス道路が予定され、21世紀に向けて大きく発展が期待される地域であります。  現在、ダム建設を契機に、関係市町においてそれぞれの地域の振興整備計画がまとめられており、いよいよ水没者に対する生活再建、補償交渉などを迎える重要な時期であります。水没され、移転される皆さんには少なからず犠牲を払っていただくわけでありますが、犠牲を犠牲としない姿勢のもとに取り組んでいただき、ダム事業に協力してよかった、移転をしてよかったと喜んで協力していただけるような最大限の努力を願うものであります。  知事におかれては、大戸川ダム建設事業に対する決意と取り組み姿勢、さらに、県の南部地域を今後どのような地域として位置づけておられるのかお尋ねをし、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○副議長(桑野忠君) 17番深田作治君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)深田議員の大戸川ダム建設についての御質問にお答えいたします。  御承知のとおり、大戸川ダムは、大戸川を初め淀川水系下流域の治水、利水を図るため、工事実施基本計画および水資源開発基本計画に位置づけられ、平成元年度から建設省において本格的に事業が進められているところであります。その水没区域は、大津市、信楽町、栗東町の3市町にまたがり、水没関係者はもとより、関係市町において長期にわたりその対応について種々論議されてきましたが、昭和61年6月関係市町と国との間で基本協定が締結されて以来、紆余曲折を経ながらも、関係住民の方々の協力を得て、手順を追って推移してきたところであります。しかしながら、その水没戸数は五十数戸にわたり農地もほとんど水没することから、その生活再建への不安は大きく、またダム上流町でも種々御心配いただいていることはよく承知いたしております。そこで、建設大臣が特定多目的ダム法に基づき作成した本ダム建設基本計画に対し、県議会の議決を得てそれらの状況を踏まえた知事意見を述べたところであります。  県といたしましては、今後ともダム事業の進捗にあわせ、建設省および関係自治体ならびに下流受益府県と調整を図り、水源地域の振興を念頭に置きながら、ダム建設に伴う影響の緩和に必要な整備計画の作成に取り組むとともに、生活再建対策に万全を期し、関係者の皆様が一日も早く今後の展望を持っていただけるよう努力をさせていただく考えでおります。なお、この問題の詳細につきましては、関係部長からお答えをいたします。  また、これに関連して、県の南部地域の位置づけについての御質問でございますが、大津湖南地域および甲賀地域にかかわる諸指標について、これらの地域が県全体に占めております状況を見てみますと、人口では約53%、最近5年間の人口増加率では約9%の増、製造品出荷額では約53%などとなっているところでありまして、国土幹線である名神高速道路や国道1号を有し、これまで第2次産業の集積を中心に本県の発展の上で重要な役割を担ってきた地域であります。歴史、文化、自然環境等の面におきましては、信楽焼を初めといたします伝統産業や琵琶湖リゾートネックレス構想の重点整備地区を有するなど、豊かな歴史と自然を持っている地域であり、またびわこ文化公園都市におきまして、龍谷大学や県立近代美術館など、学術、文化の面における整備も進んできているところであります。  今後におきましては、特に、第二名神高速道路などの幹線交通網の整備が具体化してまいりますと、近畿圏や中部圏との広域的な連携が一層強まり、引き続き地域のポテンシャルを高めながら県勢振興に大きな役割を果たしていくことが期待されるところであります。関西文化学術研究都市や関西新空港、さらには第二国道軸構想など関西の南部の地域が動き出しているときでもあり、これまでのような京都や湖南都市部の背後地というばかりではなくて、関西南部地方の動きに呼応する県の新しい南玄関あるいは独自の拠点としての整備ということも検討課題であろうと思っております。 ◎農林水産部長(豊田卓司君) (登壇)大戸川ダムの建設についてお答えします。  まず、代替農地の確保につきましては、起業者において施策開田の適地が少ないことから一部既成田による代替農地を検討されておるようでありますが、この代替農地の取り扱いについて農地協会を活用することは、本協会が農地保有合理化促進事業を通じた中核農家への経営規模の拡大を図る役割を持っているものであり、公共用地に係る代替農地の取得、あっせんまでには業務を及ぼしかねるところでございます。これら代替農地につきましては、起業者において適切な措置をされるものと思っておりますが、農林水産部といたしましても、大戸川ダムの建設促進は重要なものと十分認識いたしておりますので、具体的な事例によりましては、法令上一定の制約はありますものの、地域の実態を熟知した地元農業委員会等と十分連携を図りながら、できる限り円滑な事業実施に向けて協力をしてまいりたいと考えております。  次に、土地改良事業と河川整備計画との整合性についてでありますが、大戸川沿岸の上田上、田土地区約450ヘクタールを対象に、現在大津市において調査が進められているところであります。今後、事業促進に当たりましては、河川整備計画と整合を図りながら早期着工に努力してまいる所存であります。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)大戸川ダム建設についての御質問にお答えいたします。  まず、移転宅地造成についてでありますが、現在、大津市において未買収地の買収や宅地造成に係る開発申請などの準備、および隣接する進入道路としての都市計画道路3・4・73号の計画変更手続などが進められているところであります。これらの事業は、いずれも補償基準妥結および契約までに完成させることとなっております。  次に、代替農地についてでありますが、地元より一団地23ヘクタール確保の強い要求があり、県としては補償の一環として建設省が行う施策開田による確保を基本として、国、市と調整を行ってまいりましたが、建設省が行っている現在までの施策開田候補地調査結果では、地元要望に沿う農地の確保は困難な状況であります。このことから、地元対策委員会などと協議を行い、施策開田に加えて既成田での農地の確保を検討しているところでございます。  そこで、施策開田についてでありますが、将来の分譲等を考えますと、その経費の低廉化が重要な事項となってまいります。そのため、ダム建設事業における残土処分地の跡地利用を含め、経費の低廉化の方向で現在関係者と調整を図っているところでございます。また、既成田の確保につきましては、県、市は農地法上農地を保有することができず、地元要望の先行取得によるストックはできない状況であります。したがいまして、水没農地所有者の方々が先行取得する以外にはないことから、その方法について検討中であります。次に、大戸川の河川整備および環境整備事業についてでありますが、現在、大戸川河川改修計画を策定中であり、この中で、当面は、ダム建設にかかわりなく断面の不足している部分から改修を重点的に進めていくことといたしております。また、河川の環境整備につきましては、土砂のしゅんせつや草木の伐開を行うなど河川の美化を図るとともに、親水性のある施設を設けるなど、豊かな水と緑を大切にした地域にふさわしい河川づくりを目指してまいります。  次に、主要地方道大津信楽線のつけかえについてでありますが、平成元年度ダム建設採択を受けた後、建設省と県との間で道路の企画、計画ルートなど事業計画について協議を行い、現在ほぼ合意を得ておりますので、地元関係者と協議を経た後、建設省において工事が着手される予定であります。また、このつけかえ道路の進め方につきましては、当該道路の利用状況に応じて整備するよう地元と調整してまいります。  次に、水源地域対策特別措置法に基づく地域指定の申し出および地域整備計画の作成についてでありますが、知事から内閣総理大臣に手続をとることとされておりまして、現在、地元3市町の素案作成の段階であります。御質問の地域指定と事業採択については、関係省庁および下流府県との協議において大変厳しいものがありますので、県といたしましては事前に関係市町との十分な協議を行っていきたいと考えております。また、淀川水源地域対策基金につきましては、水源地域整備計画作成後、具体的に協議を進めてまいりたいと考えております。  最後に、大戸川ダム建設に要する事業費についてでありますが、先般、特定多目的ダム法に基づき告知されたダム建設基本計画では、総事業費740億円をもって平成13年度完成とされております。 ○副議長(桑野忠君) 最後に、8番白倉一路君の発言を許します。 ◆8番(白倉一路君) (登壇、拍手)それでは、初めて質問をするに当たり、一言お断りを申し上げます。知事を初め県政の担当者に対して、いささか言葉が過ぎることがあるかもしれませんが、それもこれも県勢の発展と県民の幸せを思う余りであると御理解をいただき、お許しをお願い申し上げます。  では、早速質問に入ります。  福祉の問題であります。福祉、保健、医療の分野で人材の育成について──。  本年6月厚生省発表の日本の将来推計人口によると、総人口は平成2年10月1日現在1億2,361万人であり、平成22年に1億2,945万人と一度ピークに達するが、推計期間の最終年次の平成37年には1億2,414万人となる。 また、年齢別人口の推計で目につくのは、やはり人口の老化であり、老年人口は平成2年の12.1%から増加を続け、平成12年の16.9%を経て、平成37年には25.4%、つまり4人に1人が老人である高齢化社会が予測されるのであります。また、同じく厚生省の人口動態統計で、人口1,000人に対する出生者数は9.9人と減少し、史上初めて10人を切った数字となった。また、1人の女性が生涯のうちに出産する子供の数──合計特殊出生率といいますが、1.53人と減少し、今後も低下の傾向が続くと考えられる。以上のことより、福祉、保健、医療の分野で人材の育成について橋本議員より代表質問がなされたが、次の諸点について重ねて健康福祉部長および商工労働部長に所信を伺う。  a、歯科衛生士育成の問題。県では唯一総合保健専門学校において年間30人──昨年度は28人──が養成されるが、表に出ている求人数は年間約70人ぐらいであり、今後の在宅歯科保健医療の推進を考えると、慢性の求人難はますます悪化すると考えられる。せめて試験科目から数学を抜くとか、募集方法の強化等により応募者数を増し実質の卒業生を多く出すよう努力し、それで不足する場合は県は募集人数の拡大を考える。  次に、高齢者の問題ですが、高齢者、障害者の在宅支援システムにおけるヘルパーの確保について、任意の時間に出勤できるような、いわゆるボランタリータイムヘルパーの登録、活用といった考え方の実用について方策はどうか。  次は、出生率の低下の問題であります。出生率の低下とその対策について──。現在の出生率の低下傾向は、将来国民の公的扶養負担の増大を示唆している。出生や子育てを社会的に支援し、安心して子供を産み育て教育できる具体的な誘導施策について、例えば、出産給付金、児童手当などの経済援助等の増額、また働く婦人の環境づくりについて所信を伺う。  次は、骨髄バンクについて伺います。今現在も難病と闘いながら骨髄移植に希望を託している多くの患者がいるにもかかわらず、国や県の対応は余りにも遅い。我が県下においても移植を夢見ていた若い命が散っていった。そして、患者の家族に残されたのは、ドナー探しのための検査費の莫大な借金のみであった。なるほど病気そのものの治療には難病研究費で公的に支援されてはいるが、その前段階である適合者探しについては口も手も金も出していない。具体的な支援施策についての所信を伺う。  次は、教育の問題であります。  単位制高校と通信制高校の併設について──。この問題も先日来話題になっております。我が県初の単位制高校と通信制高校の併設高である湖南高校の特に通信制高校についての所信を伺いたい。  これは、私が膳所高校の通信制の健康診断をしているときのある生徒の言葉であります。僕らの膳所高の通信制はもうなくなるんや、体も弱いし、石山団地の上まで不便になるし、どんな学校になるのか心配や、僕は特にゆっくり組やし、続けられへんかもわからんわ。この学生の本心を聞いてやってほしいと思います。(「そのとおり」)勤労青少年、婦人層、退職者といった生涯学習志向型および中退学生や疾病等による身体的弱者を含め、通信制生徒は実に多様化しております。こういう弱者的生徒を含むがゆえに、普通高校よりもよい環境、よい教育条件を配慮し、こういう生徒も心豊かに学び、学校でしっかり勉強できるようにならなければならない。  また、単位制高校との併設にも問題がある。併修が可能となると、施設が共用できる等のメリットもあるが、通信制だから続けられる登校拒否的生徒については、少し元気過ぎる一般の生徒と一緒に勉学が続けられるのだろうか。月2回ほどのスクーリングでよい今の通信制は、学校嫌いの生徒にとっても最も安心して無理なく学習できる学校の1つと言えよう。(「膳所高の通信制をつぶしたらだめだよ」)  他府県では独立した通信制高校があるが、本県では全日制に併設された、今言われた膳所高校の通信制しかない。十分研究された通信制高校、例えば、新宿の山吹高校とか大宮中央高校等においては、駐車場はもちろんつくられておるし、その他、夏期、冬期のスクーリングに向けての冷暖房、主婦のための託児所、身障者用トイレ、エレベーター等はきっちりと設置されていると聞く。このための施設設備にかかる予算面でも普通高校の1.5倍から2倍くらいかけなければいけないと聞いているので、この部分については、知事や財政当局、議員の皆様の今後の御理解をいただきたい。これだけの事業であるにもかかわらず、本県の本年度の重点施策になぜ入らなかったのか不思議に思う次第である。教育長の所信を伺う。  次に、交通安全の問題について──。交通安全の問題について下記の点での所信を伺う。  交差点の形状が悪いゆえに事故が起きやすいと推定される交差点がある。これらの改善について、土木部長、県警本部長にお答えを願いたい。また、不法駐車はもちろん、自転車、ごみ箱、かんばんが、歩行者、特に障害者や老人、幼児にとって大変障害となっている。安心して歩ける優しい町づくりを考えるため、駐車、駐輪場の設備──税制面での優遇措置等の誘導施策を含めて、交通安全推進員の権限の強化、住民への安全教育等の施策について生活環境部長および県警本部長に所信を伺う。  次は、環境の問題であります。南湖におけるオオカナダモの異常発生とその対策について──。南湖におけるオオカナダモの大量発生について、その対策等について所信を伺う。  このところ、毎年夏になると南湖の岸辺近くにオオカナダモが異常発生し、それが岸辺に打ち上げられて異臭を放っていて、そばにも寄りつけない状況になる。根本的には富栄養化対策だろうが、何とかならないだろうか。県のスーパーかいつぶりとかいう船があると聞くが、ついぞ見かけない。御健在であろうか。もう少し大きくて効率のよい方法はないのであろうか。生活環境部にお答えを願いたい。  さて、これはアイデアであるが、夢の実現と豊かさを実感できる、この地滋賀から発信する。CI戦略および夢工場について──。  近年、レイカディア、ねんりんピック、陶芸祭、この夏のAKINDOフォーラム、ペイロン大会、さまざまな構想や企画が滋賀から発信され、県民の1人としては大変うれしく誇りに思う次第である。私たちの仲間の間でも、びわ湖の水と環境とクリーンエネルギーを考え、太陽光線で走る船のコンテスト、オールジャパンソーラーボートインびわ湖とか、びわ湖を縦に泳ごう会、そして障害者とともに走るふれあいマラソン等の企画が話に出ている。このような県民の企画をサポートし、相談に乗ってくれるようなところがあれば、ますます滋賀は元気になるに違いない。県庁と県民がさらに近くなるのではと考える。知事直属の夢工場はどうであろうか。知事のお考えを伺いたい。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(桑野忠君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  8番白倉一路君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)白倉議員の御質問にお答えをいたします。
     今日のように、社会、経済情勢が大きく変化し、これに伴って県民の価値観も急激に多様化していく中で、県政においても地域の経営体として、それぞれの地域の個性を生かしたさまざまな施策を推進していくことが必要であると考えております。幸い、本県におきましては、草の根まちづくりの進展とともに、住民側にも自分たちの地域は自分たちの手でつくり上げるという積極的な展開が図られており、地域単位で、またグループ単位でさまざまなアイデアが次々と主体的に生み出されているという状況でありますので、あすの滋賀をともに切り拓いていく担い手が各地で御活躍いただいていることに大変心強く感じているところであります。県におきましては、県民の皆さんの声を県政に反映させるため、県民相談室を初め、それぞれの部局の窓口を通じ、種々の相談活動を実施して皆さんの声をお聞きしているところでございます。御質問の県民の皆さんによる自発的な企画等につきましても、県として支援できるものは積極的に応援し、県政が県民に身近なものとなるよう種々工夫をしているところであります。  御提案いただきました夢工場というのは、多種多様な企画につきまして集中指導や援助ができる組織という意味であろうかと思いますが、それぞれの企画によりましては、専門的な知識やノーハウが必要となりますし、また各種事業との整合性も出てまいります。民間主催のイベントの単なる後援ぐらいでありますと相談に応ずる程度で済みますけれども、いやしくもそれを県として政策化し、あるいは事業化しようとする場合には、それ相応の調査や検討が必要であり、そうした場合には、その問題に最も精通をしているか、あるいは関係の深いセクションが中心になりまして、関係部局とも連携、協議させなければなりません。  そういうことからいいますと、一窓口ということでなく、県庁の全組織が県民サイドから寄せられる発想なり企画なりを吸収していく機能を持たなければならないと考えるものでありますが、現実の問題として、複雑な県庁組織のどこへ行き、だれに話せば聞いてくれるのかということはあろうと存じます。そのときにはどうぞひとつ、秘書課の方へお越しをいただきましたら御丁寧に御案内を申し上げますし、私なり三役、政策監、知事公室長が承ることにいたします。遠方の方は、お手紙でも結構でございますし、県事務所長にお話しいただいても結構であります。  私どもも、県民の皆様の声に敏感に反応する開かれた県政でありたいというふうに願いまして、御質問の趣旨にかんがみながら、さらに努力をしてまいるつもりでございます。(「ありがとうございます」) ◎生活環境部長(花房義彰君) (登壇)まず、道路交通環境についての御質問にお答えをいたします。  自動車の不法駐車につきましては、交通の円滑化を妨げるだけでなく、車両の追突や歩行者の飛び出し等の交通事故の大きな原因にもなっているところであります。また、放置自転車のはんらんは、歩行者の通行を妨げるほか、町の美観上からも全国的に大きな社会問題となっているところであります。  このようなことから、国におきましては、本年度を初年度とし平成7年度を目標とする第5次の交通安全基本計画において、こうした駐車対策などの道路交通環境の整備充実が新たに大きな柱の1つとして加えられたところであります。県におきましても、国の基本計画に基づき、第5次の交通安全計画を策定し、駐車対策の推進を含む安全、円滑な道路環境の整備を今回新たに交通安全対策の柱として位置づけているところであります。もとより、交通安全対策は、県各部局、教育委員会、警察本部を含めた総合行政として展開していくとともに、関係団体も参加していただき推進を図ることといたしております。  その中で、生活環境部が所管をいたしております自転車駐輪場の整備についてでありますが、駐輪場不足や自転車利用者のモラルの低下もあり、駅前を初め町の中においてもかなりの自転車が放置されており、道路交通環境に支障をもたらしております。ちなみに、平成2年度の調査によりますと、県下の鉄道線別の駅前における放置率は、一番悪いところが51.2%というようになっておりますし、県下全体の平均放置率は16.7%となっております。  このような現状に対処するため、近江八幡市ほか3町においては、放置自転車を防止することにより、通行機能および歩行者の安全を確保するとともに、町の美観維持を図るため条例を制定いたしておりまして、この条例に基づく具体的な措置といたしましては、放置自転車に警告札等を張り放置しないよう呼びかけるとともに、再三の呼びかけにもかかわらず放置されている場合には他の場所へ撤収するなどの対応が行われております。なお、条例制定はなされておりませんが、大津市ほかにおいても同様の取り組みがなされております。  生活環境部といたしましても、放置自転車をなくするため、市町村が実施する駅周辺自転車駐輪場の整備事業に対して県単独の補助制度を設け駐輪場確保に努めているところでございますが、今後とも、これらの整備促進ならびに放置自転車対策条例の制定促進を市町村に働きかけてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、安全な道路環境を整備するためには、国や県また市町村が連携を図りながら地道に着実に実施していく必要がありますので、県の第5次交通安全計画に基づく各部局の諸施策の総合的な推進によりまして、安全で快適な住みよい町づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、南湖におけるオオカナダモの異常発生とその対策でございますが、かつてはオオカナダモが異常繁茂した時期もございましたが、平成元年および2年度には、極めて大量のコカナダモが繁茂したこと、それが平年の刈り取り時期よりかなり早く切れ藻となって湖面を漂流したり湖岸に打ち上げられて問題となったところでございます。県といたしましては、県所有の水草刈り取り船スーパーかいつぶりとあわせまして、水草刈り取り船を持つ業者にも委託をいたしまして、平年の10倍以上の量のコカナダモなどの刈り取りを実施いたしました。また、湖岸に漂着したコカナダモの除去につきましては、市町村で実施をしていただくことになっており、その事業に対して県が補助を行っております。水草の刈り取りは、コカナダモの成長が一段落した時期で、成長がとまって切れ藻となって漂流する前に行うことが最も効果があるものと考えられますので、漁業調整規則が改正をされました本年度は、適正な時期に刈り取れるよう十分配慮してまいりたいと存じます。  また、水草の刈り取り方法の改善につきましては、昨年度からより効率的な方法として、試験的にジェットポンプ方式による吸い込み除去を試しておりますので、今後この方式の改良状況を見ながら、より効率的な刈り取り事業の実施について取り組んでまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(前川利夫君) (登壇)人材の育成についての御質問にお答えいたします。  まず、歯科衛生士育成の問題でございますが、昭和36年に歯科衛生士養成所を開設以来、今日まで766名の卒業生を送り出してきたところであります。また、県内の就業歯科衛生士数は昭和63年12月現在で328名であり、免許登録者数966名から推計いたしますと、在宅歯科衛生士数は数百人に上るものと思われます。今後、若年層を中心に人手不足がより深刻になると予測される折から、潜在歯科衛生士の掘り起こしなどその活用を図ることが大変重要と思われますので、歯科医師会、歯科衛生士会などとも連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。  また、歯科衛生学科の試験科目についてでありますが、現在、国語、英語、数学、理科の4科目で実施しているところであります。  数学については、全国の国公立養成所の試験科目でもほとんど入っており、入学者を選考する上で必要な科目であると考えております。しかし、受験者数は昭和58年の124名をピークに年々減少し、昨年度の受験者数は40名であることなどから考慮いたしまして、平成4年度入学者の選考からは、真に歯科衛生士を志す者を早期に確保するため推薦入学制の導入や、受験者の拡大を図るため試験科目を3科目とするよう検討をしているところでございます。  次に、ホームヘルパーについてでありますが、ホームヘルパーの勤務形態としては、月額ヘルパー、日額ヘルパー、時間給ヘルパーがあります。本年度から、主任ヘルパーとパートヘルパーが一体となったチーム方式を導入し、パートヘルパーの増員を図るとともに、食事や入浴などの生活の節目の時間帯にも派遣できる体制づくりを推進しているところであります。また、このヘルパーの派遣につきましては、従来、市町村や社会福祉協議会を中心に実施されてきておりますが、特別養護老人ホームや寝たきり老人の介護の専門知識を持つ民間事業者等への委託も可能でありますことから、幅広い派遣事業を進めてまいりたいと考えております。  なお、パートヘルパーの確保に当たりましては、近く設置いたします福祉人材情報センターの積極的な展開を図り、比較的自由な時間の確保が可能な主婦や中高年齢者を活用してまいりたいと考えております。  次に、出生率の低下とその対策についてでありますが、本県におきましては、出生率は全国的に見て高い県に属しております。しかし、出生率の低下等に係る対策につきましては、労働、保育、保健医療、教育、住宅、環境等々幅広い分野における総合的な条件整備を図ることが重要な課題と認識いたしております。  お尋ねの経済的支援についてでありますが、児童手当は子育て家庭に対する経済的支援の1つとして実施されている国の制度で、今回、育児負担が大きいと考えられる3歳未満の時期に給付を重点化することとし、平成4年1月から支給対象を第1子からに拡大するとともに、支給金額を倍増させるなどの改正が図られるところでございます。また、国民健康保険の出産給付金については、本年4月から全市町村で引き上げがなされたところであります。県といたしましては、保険給付という枠の中で望ましい給付が行われるよう指導してまいりたいと考えております。  次に、働く婦人の環境づくりについてでありますが、仕事と子育ての両立の支援という観点からは、保育所機能の充実を図ることが不可欠であり、ゼロ歳児からの受け入れや勤務形態に応じて保育時間の延長、夜間保育所の設置、さらには母親等の病気などの際の一時的な保育等、働く婦人のニーズに対応する特別保育の積極的な推進に努めているところであります。(「保育料の値下げ」)さらに、子育ての相談、支援体制については、保健所の赤ちゃん電話、児童相談所や福祉事務所の家庭相談室のほか、身近な施設である保育所で地域の母親等を対象とする育児講座の開設を推進しているところであります。今後とも、児童や家庭を取り巻く状況の把握に努め、婦人が安心して働ける環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、骨髄バンクについてでありますが、骨髄バンクが有効に機能するためには、一般的には5万人規模の提供者が必要であること、また適合者となれば全国のどのような患者に対しても提供することなどが必須の条件になります。このようなことから、全国的規模の公的な骨髄バンクの設立が必要であります。 したがいまして、本県といたしましては、近畿ブロック知事会で足並みをそろえ、厚生省に対して骨髄バンクの早期設立を要望してまいったところでございます。これに対しまして、国におきましては、本年11月を目途に骨髄バンク開設に向け準備が進められております。なお、骨髄提供者が登録する際、必要なHLA型検査に要する費用については全額公費で負担を行うと聞いております。  県では、これまでHLA型検査に必要な採血窓口の確保を図るなどの支援をしてまいったところでありますが、本年度は、国の骨髄バンク事業の開始に向けて、骨髄提供者の確保の基礎資料を得るため意識調査を実施することとしております。また、総合的な骨髄提供者の確保対策を検討するため、滋賀県骨髄移植対策検討委員会を今月中に発足させ、一人でも多くの提供者が確保でき、骨髄移植を必要とする患者さんのお役に立てるよう今後とも取り組んでまいります。 ◎商工労働部長(高井八良君) (登壇)出生率の低下対策について、女性が働きやすい環境をどうつくっていくかという観点からお答えいたします。  従来から、労働基準法では働く女性の母性の保護について、産前産後の休業のほか、妊産婦に対する危険有害業務、時間外労働、休日労働、深夜業の制限など最低労働条件としての措置がとられ、また男女雇用機会均等法では、妊娠中および出産後の健康管理に関して事業主が配慮すべき事項や必要な措置がそれぞれ定められているところでございます。この5月に、これらに加えまして育児休業法が制定され、働く女性の子育てを容易にする法的措置が講じられました。1歳未満の子供を育てる労働者は事業主に申し出ることにより育児休業をすることができることとなっており、雇用関係を中断することなく、また職場復帰後の待遇等もあらかじめ示されることから、育児に専念できると同時に、女性の能力の発揮にもつながるものと期待されているところでございます。さらに、ゆとりと豊かさという幅広い面から見ますと、労働時間の短縮が労働環境の改善に大きな役割を果たすものと考えられます。  そこで、当面、育児休業法の周知徹底、労働時間の短縮等について、滋賀婦人少年室、労働基準局等と密接な連携をとりながら推進することにより、働く女性の環境の改善、向上に努めてまいりたいと考えております。一層の御支援をお願い申し上げます。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)交通安全の推進についての御質問のうち、交差点の形状の改善についてお答えいたします。  県内における事故の多発しております箇所につきましては、毎年2回定例的に、県警本部を初め所轄警察署、国、県、関係市町村が一体となって交通事故防止対策検討会を開催し、当該年度の事故データを十分吟味し、また分析の上、事故の未然防止のための対策を検討しております。御指摘の交差点の形状ゆえに事故が起きやすいと推定される交差点につきましても、この検討会の中で現状に合った対策を見出し、直ちに事業実施をすることといたしております。そして、交通事故の解消に努めているところでございます。しかし、交差点周辺の土地利用も進んでいる事例が多く、あわせて近年の地価高騰により用地買収が非常に難航し、事業実施に支障を来しているのが実情でございます。今後とも、これらの用地問題の早期解決を図り、その改善に努め、安全で快適な道づくりに向けて努力してまいる所存であります。 ◎教育長(西池季節君) (登壇)単位制高校と通信制高校の併設についての御質問にお答えいたします。  通信制課程は、多様化した生徒の教育や生涯学習の一環として大きな役割を担っております。県教育委員会といたしましては、本年度単位制高等学校開設準備室を設置し、平成4年度から定時制課程と通信制課程を併設した総合的な学校の開校に向け鋭意準備を進めておりますが、今後の本県における通信教育につきましては、膳所高校の通信制課程は平成4年度から生徒の募集を停止し、平成6年度末をもって廃止する予定になっております。したがいまして、現在在籍する生徒は、膳所高校通信制課程で引き続き学習することになりますし、一方、平成4年度以降通信制課程に入学を希望する者は、単位制高等学校に設置される通信制課程において学習することになります。  次に、定時制課程と通信制課程の併修についてでございますが、単位制高校で通信制のみの学習を希望する者には、従前どおり日曜スクーリングを月2回程度受講させる予定をいたしております。また、単位制高校の定時制課程に在籍し通信制課程の併修を希望する生徒には、平日に開講するスクーリングを受講させる予定にいたしております。したがいまして、定時制課程の生徒と通信制課程の生徒がともにスクーリングを受講することはほとんど考えられませんので、通信制の生徒の学習環境や学習意欲をそぐことはないものと存じます。(「それやったら一緒にすることはない」)  最後に、通信制課程で安心して学べる環境づくりについてでございますが、まず施設設備につきましては、主婦や中途退学者、さらには身体に障害のある人など多様な生徒が入学してくることが十分予想されますので、御指摘の通学方法や、だれもが快適に学習できる学校環境づくりを初め、幼児を抱えた婦人等が安心して学べる施設、身体の不自由な方々が無理なく学習できる施設設備についても、先進県の実態を十分研究し検討していく必要があると考えております。さらに、教育課程や指導内容につきましても、通信制課程の特殊性を十分考慮し、生徒が安心して学習できる学校づくりに努める所存でございます。(「歴史、伝統のある膳所高だからいいんだよ」) ◎警察本部長(佐々木俊雄君) (登壇)白倉議員の御質問にお答えいたします。  まず第1に、交差点事故の問題についてでございます。本年5月末現在で、交差点におきまして1,036件の事故が発生し、20名の方が死亡なされております。警察といたしましては、死亡事故など重大事故が発生いたしました場合、その都度現場調査を実施し、改善が必要と考えます交差点につきましては、先ほど土木部長の方から御答弁ございましたような場などにおきまして十分に協議をしておるところでございます。また、事故が多発するのではないかと、このように予想されます危険な交差点につきましても、道路管理者と協議をし、その改善に努力しておるところでございます。  次に、交通安全活動推進委員の活動などについてでございます。交通安全活動推進委員の皆様は、本年1月1日の改正道路交通法の施行によりまして県の公安委員会が委嘱申し上げたところであり、交通安全協会、安全運転管理者協会などで日ごろ交通安全のため中核となって御活躍いただいていらっしゃる方々でもあり、駐車問題についてはもとよりのこと、交通安全の全般にわたり御活躍をお願いいたしているところであります。  この制度は発足後日も浅いのでありますが、春の交通安全運動において各地区で御活躍をいただきましたほか、大津市内では昨日7月1日、改正保管場所法の施行を契機としまして、この法律の周知徹底を図る迷惑駐車追放キャンペーンを実施されるなど、地域のリーダーとして御活躍いただいております。今後はさらに幅広い分野において各種の活動に参加し御活躍いただけますよう、一層連携を深めてまいりたいと考えているところであります。  最後に、安全教育の問題であります。道路交通の安全を実施するためには、道路交通の場に参加するもの全員が安全意識を持つことが必要であると考えております。このため、警察といたしましても、関係機関や各種の団体と連携し、ドライバーや歩行者など道路を利用する人々すべてに対し、あらゆる機会をとらえ安全意識の高揚が図られるよう努力しているところであります。交通事故が増加しております現在、このことは一層重要となっております。今後とも、同様の努力を続けてまいりたいと考えているところであります。以上であります。 ◆8番(白倉一路君) (登壇)ただいまのお答えの中で、骨髄バンクについて腑に落ちないところがございます。と申しますのは、現在信楽にはK君といいまして、今実際に熱を出しまして日赤に入院したり、そしておうちに帰ったりということを繰り返している子供がございます。この子も時々非常に危ない状態になるのでございますけれども、そういう子供さんのもとには、それを支援するボランティアのグループが集まってドナー集めを一生懸命やっておるわけです。約二千数百名のドナーを今集めることができました。だが、残念ながら、まだ適合、完全に適合する人が見つかっておりません。そして、この人の場合は約2,000分の1の確率で本来ならばドナーが見つかるであろうという予測のもとに運動を開始しておるのでございます。そして、理想的には1人の患者に対して2名のドナーを見つける必要がございます。すなわち、1人のHLAの検査は今の時価で1万1,000円、そして2,000人でございますから4,000万強、約5,000万弱のお金がかかるわけでございます。現実に、この信楽の子供の場合は、一生懸命お金を集めて、それを支払いながら、さらにドナーを集めていく。その中には、K君に対する移植のみを考えている人たちもございます。そしてまた、半分近くは、いわゆるコモンドナーと呼ばれて、ほかの人に対しても移植をしてもよいというふうに善意を示してくださる人がいらっしゃいます。  こういう人が全国の各患者さんの回りには何人か今集まっているわけであります。こういう人たちをどういうふうに公的な骨髄バンクの中に取り組むのか、その辺のところの施策について何らお答えが得られなかったのが非常に残念であります。我が滋賀県でも、そうやって骨髄バンクをやっていこうという私的なグループに対して何を支援していくのか。これからそういう人をどうやって取り込んでいくのか。これをやらなければ、骨髄バンクは、金が入ってない銀行と同じでありまして、全く役に立ちません。  アメリカの話ですけれども、アメリカで1968年に初めての骨髄バンクが行われました。そして1987年、大分おくれたのですけれども、米国で骨髄バンクが運営されました。1988年、我が国で5つの学会が骨髄バンクについての提言をなしております。ただ、政府はそれでもなかなか動きませんでした。ごらんのとおりであります。  政治というものは、政治家の意見を聞いて、そしてそのポリシーを決定し、それによって県民なり国民なりの動向をリードするのが本筋ではないでしょうか。もし県民の多くが、あるいは国民の多くがその必要を実感するのを待っていたら、間に合わないことだってたくさんあるわけです。だから、本気になって考えていただきたいと、私は重ねてこの件をお願いしたく思います。  5万人のコモンドナーを集める。言うことは簡単なのですが、5万人集めるということは大変なことなのです。コモンドナーでありますので、この人のためにだったら輸血に応じてあげるという人、これは集まります。ただ、コモンドナーを一般にばあっと網打って集めようと思ったってなかなか難しいと思いますので、その辺の施策を含めて、健康福祉部長、重ねて所信をお伺い申し上げます。 ◎健康福祉部長(前川利夫君) 再質問にお答えいたします。  K君を支えます地域の熱意、あるいはドナーの皆様方に心から敬意を表するものでございます。  ただいま御説明申し上げましたように、善意のドナーがどなたにでも骨髄を提供していただけるという公的な骨髄バンクというのはどうしても必要でございます。確かにドナー個人個人につきましては、まさに善意の固まりでありまして、まことに心から敬意を表しておるものでございますが、ただいま申し上げましたように、行政の公平性、公共性、公益性というような見地から考えますと、特に特定の患者に対してそのように支援するという、非常に立派なことでございますけれども、そのような経費について公費で負担するというのは、やはり無理があるのではないかと考えております。  今後、5万人を集めるというのは大変なことだと思いますが、これは行政だけが精いっぱい努力してもできるものではございません。現在のいろいろな地域の固まりの方々皆さんのお力をおかりいたしたいと思いますし、先ほど御説明申し上げましたように、今回つくります検討委員会におきまして、そのような施策につきましても検討を進めてまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。(「なるべく早くお願いします」) ○副議長(桑野忠君) 以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明3日は定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後5時1分散会    ───────────────       会議録署名議員         副議長 桑 野   忠             宇 野   治             山 嵜 得三郎...