来年度の事業は、犠牲者へ哀悼の意を表することと併せて、これまで収集・作成した伊勢湾台風に関する資料を時代に合うような形で再編集・加工することも含め、伊勢湾台風の教訓をしっかりと次世代に継承していく内容となるよう、今後、具体的に検討していく。
5: 【
犬飼明佳委員】
次に、来年度に名古屋市で開催する防災推進国民大会は、どのようなイベントであるのか伺う。
6: 【
防災危機管理課主幹(
政策・
啓発)】
防災推進国民大会は、国民全体で防災意識を向上することを目的に、内閣府、防災推進国民会議及び防災推進協議会の三者で構成する実行委員会により、平成28年度から毎年1回開催されているイベントである。本年度は、10月13日から10月14日まで東京ビッグサイト(東京国際展示場)及び東京臨海広域防災公園そなエリア東京で開催され、その中で、内閣府や防災関係機関等の講演、ワークショップ、ポスター展示、ブース展示などが行われ、二日間で1万2,000人が来場したと聞いている。
また、東京都主催の東京防災展が同会場で併催された。
なお、本年10月14日のクロージングセッションで、実行委員会から、来年、防災推進国民大会2019を名古屋市で開催する予定である旨の公表があった。
7: 【
犬飼明佳委員】
名古屋市は、来年度が伊勢湾台風60年の節目であることを意識して、国に対し誘致を行ったと聞いている。
また、先日の名古屋市会で、公明党名古屋市会議員団の田辺雄一議員からの防災推進国民大会2019の開催に関する質問に対し、名古屋市当局から、愛知県と連携した
啓発事業を行っていく旨の答弁があった。
そこで、県としては、どのように名古屋市と連携して取り組んでいくのか伺う。
8: 【
防災危機管理課主幹(
政策・
啓発)】
防災推進国民大会2019は、内閣府が名古屋市を開催地として準備を進めており、近々、国が防災推進国民会議を開催して正式決定すると聞いている。
名古屋市で開催されれば、名古屋市民及び愛知県民の防災への関心を高めることが期待できるため、本県も名古屋市と同様、この地域の防災意識を高める好機として生かしたいと考えており、関連事業の実施などを通じて名古屋市と連携・協力していきたい。
9: 【
犬飼明佳委員】
是非、名古屋市と連携して、成功させてほしい。
毎年のように全国各地で台風や大雨で大きな被害が発生している中、次代を担う若者が、防災に関する正しい知識を持ち、率先して自助・共助に取り組む人材となってほしいが、防災推進国民大会2019への児童、生徒、学生などの若い世代の参加をどのように考えているか伺う。
10: 【
防災危機管理課主幹(
政策・
啓発)】
本年度の防災推進国民大会2018では、宮城県多賀城高等学校及び岐阜聖徳学園高等学校が、それぞれの取組を紹介するプレゼンテーションブースが設けられた。
防災推進国民大会2019の内容は、これから検討するが、愛知県の児童、生徒、学生などの取組を紹介したり、若い世代が来場し、防災について学んだりするなど、防災に関心を持ってもらう絶好の機会となるよう、名古屋市と協議の上で、主催者である内閣府等に対し地元の意見を伝えていく。
11: 【
犬飼明佳委員】
あいち・なごや強靱化共創センターは、産学官の連携により、産業界、大学、行政が保有する最新の技術的知見や経験、ノウハウ、情報などを集約し、愛知・名古屋を中核とした中部圏のシンクタンクとして、地域社会のニーズにマッチした防災・減災対策の研究開発を行う場である。
防災推進国民大会2019では、これまであいち・なごや強靱化共創センターが取り組んできた調査・研究成果を発表したり、防災人材のネットワークづくりなどで培った関係性を生かして多様な参加を促したりするという点で、大きな役割を果たすことができるのではないかと期待しているが、あいち・なごや強靱化共創センターは、防災推進国民大会2019にどのように関与していくのか伺う。
12: 【
防災危機管理課主幹(
政策・
啓発)】
あいち・なごや強靱化共創センターは、大規模災害時にも地域の社会経済活動を維持するための調査研究や人材育成など防災に関する様々な分野の事業を、産学官民の連携の下で行っている。これまでは、あいち防災フェスタや防災人材交流シンポジウムつなぎ舎等のイベントの中で、巨大地図プロジェクションマッピングを活用したワークショップなど、研究成果の県民へのフィードバックを行ってきた。
また、防災人材交流シンポジウムつなぎ舎では、県内各地の防災人材に集まってもらい、次代の担い手づくりというテーマでワークショップを行う場を設け、防災人材のネットワークづくりにも努めてきた。
防災推進国民大会2019でも、今までの取組の成果を十分発揮できると考えているので、設置者の一人として、名古屋市及び国立大学法人名古屋大学とともに、そういった取組をアピールできるよう、内閣府等と調整していく。
13: 【
犬飼明佳委員】
伊勢湾台風に関する資料の現在の技術を駆使した再編集は、特に若い世代には、より鮮明な映像の方が頭の中にも心の中にも入ってきやすいと思うので、是非、行ってほしい。
防災推進国民大会2019の内容は、これから名古屋市、内閣府、国立大学法人名古屋大学、あいち・なごや強靱化共創センター等と調整して進めていくと思うが、愛知県では、平成26年11月に持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議が開催されたことを機に、多くの学校がユネスコスクールに加盟し、その中で、防災学習に取り組んでいる学校も多くあると聞いている。教育委員会とも連携しながら、来年度の防災推進国民大会2019を、このような愛知県の特色や子供たちの日頃の活動を発表する場として、児童、生徒、学生が参加できる企画を是非、考えてほしい。
次に、市町村防災支援システムについて伺う。
本年2月に、公明党愛知県議員団が運用前の市町村防災支援システムを視察した際に、市町村防災支援システムは、総務省の災害情報伝達手段等の高度化事業で、本県がモデル事業の提案県としてシステム開発に携わり、豪雨災害等に備えて市町村が避難情報を出すタイミングを自動で通知する全国初の防災情報システムであると説明を受けた。
市町村が市町村防災支援システムに参加することで、災害対応に追われる中でも、通知に従って、迅速に避難情報を発令できるようになることを期待している。
視察時には、過去の台風のデータ等を用いて実証実験を行っていたようだが、本年9月には、台風第21号及び台風第24号などの災害が発生し、多くの地域で避難情報が発令された。本年6月から、県内17市町村で順次運用されていると聞いているが、本年度の6月から10月の出水期での市町村防災支援システムの実運用を踏まえた評価及び課題を伺う。
14: 【
災害対策課主幹(
災害対策・
通信)】
市町村防災支援システムの課題等を聴取し、今後の改善につなげていく目的で、本年11月2日に、導入済みの17市町村をメンバーとした課題検証会議を開催した。その中で、台風第21号及び台風第24号の災害発生時の業務の省力化や避難判断の支援は、一定の評価が得られた。一方で、運用初年度であるため、操作性の向上や操作する職員の習熟度不足といった課題が見受けられた。
15: 【
犬飼明佳委員】
操作性の向上のためのハード面の課題及び操作する職員の習熟度に起因するソフト面の課題があるが、それぞれの課題にどのように対応していくのか。
16: 【
災害対策課主幹(
災害対策・
通信)】
ハード面の課題は、検証会議で意見を聴取した市町村からの要望に優先順位を付け、必要なものは、本年度から実施する予定である。
ソフト面の課題は、既に本年11月中旬に導入市町村を対象とした個別操作説明会を実施した。また、来年2月中旬をめどに、本番に即した模擬入力訓練を実施したい。
17: 【
犬飼明佳委員】
市町村防災支援システムの主な特徴として、避難判断支援機能のほか、避難所からの物資の要請を把握する支援物資管理機能がある。
必要な支援物資が届かないという情報を早急に把握し、解決することを期待しているが、本年度の災害での支援物資管理機能の活用状況及び今後の活用に向けた取組を伺う。
18: 【
災害対策課主幹(
災害対策・
通信)】
本年度、市町村では、台風等により避難所を開設し、避難者の受入れが行われたが、物資が要請される状況には至っていないため、支援物資管理機能の活用はなかった。
来年2月中旬に実施予定の訓練の中で、システムの特色の一つであるタブレットやスマートフォンから直接物資を
災害対策本部へ要請できる機能に関する訓練を実施することで、職員の習熟を図っていく。
19: 【
犬飼明佳委員】
災害対応の迅速化と市町村間で切れ目のない災害対応を実施する意味でも、今後、県内市町村が市町村防災支援システムを早期に導入することが重要と考えるが、市町村防災支援システム未導入の市町村での導入に向けて、どのように取り組んでいくのか。
20: 【
災害対策課主幹(
災害対策・
通信)】
本年6月に、未導入の市町村を対象に実施した意向確認の調査を実施した結果、来年度に導入を予定している市町村が22市町村、平成32年度及び平成33年度に導入を予定している市町村が8市町村、現時点で導入を予定していない市町村が7市町村となっている。
導入促進に向けて、導入を検討している市町村に、開発業者及び県が訪問して個別相談会を実施する。
また、財政的な支援として、本年度と同様に、南海トラフ地震等対策事業費補助金で、初期導入費用の3分の1を補助する。
21: 【
犬飼明佳委員】
市町村によって様々な事情があると思うが、全ての市町村が参画できるよう、引き続き県としてのバックアップ体制をお願いしたい。
22: 【山本浩史委員】
本年9月、
愛知県議会海外調査団の一員としてブラジルを訪れ、世界的に広く認知されている現代アートの国際展覧会であるサンパウロ・ビエンナーレを運営するサンパウロ・ビエンナーレ財団を調査した。
サンパウロ・ビエンナーレを開催している建物は、サンパウロ市が所有し、サンパウロ・ビエンナーレ財団が管理している。メイン会場がサンパウロ・ビエンナーレのための施設であるため、開催期間中の祝祭感を高めやすいと思う。
あいちトリエンナーレでは、分散した各展示会場で祝祭感を高めるには課題があると思うが、あいちトリエンナーレ2019を盛り上げるために、どのように取り組んでいくのか伺う。
あわせて、愛知・名古屋の玄関口である名古屋駅や中部国際空港等との関わりをどのように考えているのか伺う。
23: 【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
前回のあいちトリエンナーレ2016では、にぎわい感や盛り上がりが不足しているという意見があったことを、あいちトリエンナーレ2019に向けた課題として捉えており、にぎわい感が出るような取組や広報を検討し、準備を進めている。
あいちトリエンナーレ2019では、津田大介芸術監督の意向もあり、新たに音楽プログラムに取り組む。具体的には、愛知芸術文化センターやオアシス21などを一体として、美術と音楽の垣根を越えた、祝祭感のある音楽プログラムのあいちトリエンナーレ2019MUSIC&ARTS FESTIVALを開催するほか、まちなか会場となる四間道・円頓寺地区でも、できるだけ多くの音楽プログラムを開催したい。音楽プログラムを呼び水として、これまであいちトリエンナーレに関心がなかった人にも来場してもらい、にぎわい感や盛り上がりのあるあいちトリエンナーレにしていきたい。
また、国際現代美術展は、メイン会場となる愛知芸術文化センターを中心に、今回のテーマカラーである金と紫による装飾を効果的に配置することなどにより、来場者に、開催していることが分かりやすく伝わるように努めていく。
これまでも、名古屋駅や中部国際空港といった多くの人が行き来し、広報効果が期待できる場所で、あいちトリエンナーレの広報活動を実施してきたが、名古屋駅は、今回、初めて会場となる四間道・円頓寺地区にも近いことから、特に力を入れたいと考えており、中部国際空港も含めて、これまで以上にあいちトリエンナーレの露出が増えるように、広報・PRに取り組んでいく。
24: 【山本浩史委員】
サンパウロ・ビエンナーレでは、入場料の無料化や地域巡回展示、教育プログラムを通じて芸術に親しむ機会を広く提供する取組を行っている。
あいちトリエンナーレでも、地域展開を始めとする、現代芸術に触れ、アートを体感できる様々な教育プログラムを展開してきているが、本年2月から毎月開催しているトリエンナーレスクールのこれまでの取組成果及び今後の展開を伺う。
また、あいちトリエンナーレ2019で、より多くの児童・生徒に、現代芸術に触れてもらうために、どのように取り組んでいくのか伺う。
25: 【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
トリエンナーレスクールでは、ゲストに芸術関係の専門家だけでなく、まちづくりに取り組む専門家やあいちトリエンナーレ2019のテーマに関連した情報学の研究者など様々な分野の専門家を招いている。毎回、ゲストの講演を聞いた後に、参加者が四、五人のグループに分かれて、講演内容についてディスカッションし、各々の感想や思いを共有し、学び合う機会を設けている。
様々な視点からアートに切り込むことで、アート以外の分野に興味を持つ人にも、あいちトリエンナーレ2019に関心を持ってもらうきっかけになったと考えており、引き続き、あいちトリエンナーレ2019開幕直前の来年6月まで、毎月開催する予定である。
また、あいちトリエンナーレ2019の会期中には、出展するアーティストに対して、トークイベントへの参加をお願いしていくことも考えている。
より多くの児童・生徒に、現代芸術に触れてもらうため、従来から、授業や校外学習などの学校行事を活用して、児童・生徒に作品を会場で鑑賞してもらう学校向け団体鑑賞プログラムや、アーティストを学校に派遣して、ワークショップ等を行う事業を通じて、児童・生徒が現代芸術に触れる機会を提供してきた。
あいちトリエンナーレ2019では、そうした取組に加えて、新たに、子供から大人まで、来場者同士が互いに学び合い、創造性を楽しむためのアート・プレイグラウンドという場を用意する予定である。例えば、段ボールなどを活用して、子供たちが遊具を創作して楽しめる場などを、愛知芸術文化センターを中心に展開していく。
26: 【山本浩史委員】
サンパウロ・ビエンナーレの調査に先立って調査した横浜トリエンナーレでは、SNSなどで芸術祭を広めてもらうために、全ての作品の写真撮影が可能であることを、積極的に来場者にPRしていた。
サンパウロ・ビエンナーレでも、来場者に公式ハッシュタグをPRし、活用してもらっているとのことだった。美術館での撮影は、原則禁止されているという来場者の思い込みを払拭して、展覧会の存在感を高めるためには、来場者への積極的なアプローチが必要だと思う。
あいちトリエンナーレでの、舞台芸術を除いた展示作品の写真撮影及び来場者のSNSなどでの配信に対する考え方を伺う。
27: 【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
あいちトリエンナーレ2016では、著作権上認められないもの、作家の承諾が得られないもの、映像作品の動画撮影などの撮影禁止の表示があるもの以外は、全て撮影可能という運用を行っていた。なお、あいちトリエンナーレ2016では、現代美術展に参加した79の作家のうち、撮影禁止とした作家は13であり、66の作家から撮影の承諾をもらった。
一方で、来場者からは、撮影してよいかどうかが分かりにくかったという意見があったので、あいちトリエンナーレ2019では、撮影可能な作品が分かりやすくなるように表示等を工夫していく。
来場者に気に入った作品を撮影してもらい、SNSを通じて拡散してもらうことは、非常に効果的な広報手段と考えているので、撮影が可能であることの表示と併せて、♯(ハッシュタグ)あいちトリエンナーレを付けてSNSに積極的に投稿してもらえるよう、来場者に案内していきたい。
28: 【山本浩史委員】
サンパウロ・ビエンナーレは、芸術を振興する上で官民がそれぞれ重要な役割を果たしている好例であると思う。
あいちトリエンナーレは、歴史が浅く、県民がより芸術に触れ親しむための事業として育てるためには、引き続き、開催方法や財源、コンセプトを常に問い直し、時代とともに変化していくことが重要であるので、あいちトリエンナーレを更に進化させるよう努力してほしい。
29: 【長江正成委員】
高齢者の消費者被害の特徴は、例年、変化があるのか伺う。
また、それに伴って、県が消費生活全般に関する暮らしの情報を提供し、定期的に発行しているあいち暮らしっくの記事の内容を見直しているのか伺う。
30: 【県民生活課主幹(消費生活)】
高齢者の消費者被害の特徴は、例年、大きな変化はないが、対象となる商品や手口は、変化が見られる。最近の特徴としては、身に覚えのないはがきによる架空請求の相談や仮想通貨に関した詐欺的な投資の相談が著しく増加していることが挙げられる。
こうした状況を踏まえ、本年度のあいち暮らしっく高齢者特集号では、より現実的に注意喚起を行うため、現実に送られてきた架空請求はがきのサンプルを掲載したり、仮想通貨の被害や手口を詳細に記載したりするなどの内容の見直しを行った。
また、被害の未然防止のためには、高齢者への
啓発も大切であるが、判断力の低下などから、被害に気づいていないケースも少なくないので、家族や周りの人たちの見守りが非常に大事になる。そのため、あいち暮らしっく高齢者特集号では、福祉関係者を始め、高齢者を見守る立場の人々にも、日頃から高齢者に気を配り、異変に気付いたときには消費生活センターにつなぐといった高齢者の見守りに関する情報を届けるとともに、地域で高齢者を見守る仕組みづくりである消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)の設置促進に向けた記事を、制度開始の平成28年度以降、掲載している。
31: 【長江正成委員】
高齢者の消費者被害の手口に変化があったとのことだが、記事を作成する上で、広く県民から要望や意見を聴取したことはあるのか。
32: 【県民生活課主幹(消費生活)】
県が委嘱している消費生活モニターへ実施したアンケートの結果によれば、あいち暮らしっくなどの
啓発物に掲載してほしい情報として最も多かったものは、悪質商法に関する相談であり、そのほかでは、食の安全・安心などの身近な消費者トラブルに関する情報に関心が高いことが分かったので、こうした結果も参考にしながら、記事の構成を考えている。
また、あいち暮らしっく配布後、県民から、老人会の研修で是非、使いたいとか、記事を見て被害を防止できたといった意見があったので、こうした意見も参考にしながら、検討している。
33: 【長江正成委員】
来年6月に、改正後の消費者契約法が施行され、あいち暮らしっく高齢者特集号の記事の内容が変わってくると思う。
例年は、8月頃にあいち暮らしっく高齢者特集号を発行しているが、来年は、時期を早めて発行するといった考えはあるのか。
34: 【県民生活課主幹(消費生活)】
あいち暮らしっく高齢者特集号は、例年、9月の敬老の日に向けて、8月頃に発行している。来年度の作成スケジュールはこれから検討するが、消費者契約法の改正も踏まえて、しっかりと記事を掲載していきたい。
35: 【長江正成委員】
あいち暮らしっく高齢者特集号に、消費者トラブルに遭わないための7か条が記載してあるが、隣県の消費生活センターのホームページを見ると、県によって5か条であったり、全く表の形になっていなかったりして、横の連携が取れていない。
悪質商法は、愛知県で発生して隣接の県に飛び火することや、隣県で発生したものが愛知県に及ぶことが考えられるが、現在の隣県との情報交換の状況を伺う。
36: 【県民生活課主幹(消費生活)】
年に一度、消費者庁が主催する消費者行政ブロック会議で、近隣県の被害の状況、対策等の情報交換を行っている。
また、新たな取組として、東海三県や名古屋市などを含めた消費者
啓発に携わる職員の情報交換の場を来年の年明け頃に予定している。
37: 【長江正成委員】
市町村での見守りネットワークの設置の拡充に向けた今後の取組を伺う。
38: 【県民生活課長】
見守りネットワークは、消費者安全法の改正により、平成28年4月から設置できるようになったが、地域での見守り活動は、住民に身近な市町村の役割が重要となっている。このため、愛知県では、市町村に先立って、平成28年10月に行政機関や消費者団体、福祉や医療機関、金融機関、弁護士などを構成員とする愛知県高齢者等消費者被害見守りネットワークづくりのための関係団体連絡会議を立ち上げ、オブザーバーとして市町村の関係職員に参加してもらいながら、市町村での見守りネットワークの設置機運の醸成を図っている。
あわせて、そうした多様な関係主体の連携を深め、見守り活動の重要性を認識してもらうためのシンポジウムの開催や市町村への県職員の個別訪問などを通じて、設置を働きかけた結果、本年度は、一宮市、豊橋市等の7市で、見守りネットワークが設置された。
多くの市町村では、既に福祉の分野で高齢者の安否確認等のネットワークが構築されているので、既存の枠組みを活用するなどの設置手法の提案等を行っていくとともに、他県の先進事例を参考にしながら、より多くの市町村で見守りネットワークが構築されるように、引き続き、設立支援に努めていく。
39: 【長江正成委員】
他県では、県民事務所単位で設立し、県が主体になっているところもあるようだが、愛知県は、市町村を主体として考えている。
高齢者は、県よりも市町村の方が身近で、安心感が強いと思う。消費者ホットライン188の拡充のように、見守りネットワークを設置する市町村が更に増えるような取組をお願いしたい。
40: 【神戸健太郎委員】
先日、私学関係者から、近年、名古屋市以外の地区にある私立高等学校は、募集計画どおりに生徒が集まらず、学校運営に苦慮しているとの話を聞いた。
平成32年度から、私立高等学校の授業料がおおむね無償になり、中学三年生が私立高等学校を
選択しやすくなることが考えられる一方で、少子化が進展し、
通信制や専修学校高等課程に進学する生徒が増加する状況が続いており、公私両輪の下、本県の公教育の一翼を担う重要な役割を果たしてきた全日制私立高等学校が、今後も維持、存続できるのか、強い危機感を持たざるを得ない状況である。
そこで、本年度の全日制私立高等学校の入学者の状況を伺う。
また、尾張地区の学校に欠員が多いという声を聞くが、地区別では、どのような状況か。
41: 【私学振興室主幹(認可・助成)】
本年度の全日制私立高等学校の募集人数の2万2,112人に対して、入学者数は2万448人で、募集人数を1,664人下回っており、募集人数に対する入学者の割合は92.5パーセントとなっている。
地区別では、名古屋地区が、募集人数の1万2,325人に対して、入学者数は1万1,645人で、入学者の割合は94.5パーセント、尾張地区が、募集人数の5,085人に対して、入学者数は4,436人で、入学者の割合は87.2パーセント、三河地区が、募集人数の4,702人に対して、入学者数は4,367人で、入学者の割合は92.9パーセントとなっており、尾張地区は、ほかの地区に比べて募集人数に対する入学者の割合が低くなっている。
42: 【神戸健太郎委員】
全日制私立高等学校の募集人数に対する入学者の割合が低く、また、地区によって差が生じているが、その理由をどのように考えているのか。
43: 【私学振興室主幹(認可・助成)】
公私を問わず、県全体の全日制高等学校への進学状況は、93パーセントの計画進学率に対し、90パーセントになっている。
この進学率は、中学校でのきめ細かな進路指導により、学力不足や不登校、保護者の経済的な理由など、それぞれの生徒の状況を勘案して、
通信制や定時制、専修学校高等課程といった様々な
選択肢の中から、その生徒に最適な
選択がなされた結果と考えている。
募集数に対する入学者の割合は、公立高等学校がどの地区もおおむね95パーセントを上回っているのに対して、私立高等学校は、地区ごとの差が大きい状況となっている。公立高等学校が、県内各地区で比較的均等に設置されているのに対し、私立高等学校は、55校中約半数の27校が名古屋市内に集中している。名古屋地区は、学校の
選択の幅が広く、また、交通の便も良いことから、ほかの地区から生徒が流入する傾向にあるため、特に、尾張地区からの入学者が多い状況となっている。
44: 【神戸健太郎委員】
そのような状況を改善するための取組を伺う。
45: 【私学振興室主幹(認可・助成)】
募集人数に対する入学者の割合がほかの地区に比べて低い尾張地区でも、特色ある教育を実施し、学校の魅力を高めることにより、地理的な条件等に影響されず、募集計画どおり生徒を確保している学校が存在している。
地理的な条件を解決することは困難だが、各学校が魅力を高めることができるよう、県としては、愛知県私立学校経常費補助金で特色ある取組に補助する仕組みを設けている。
また、毎年、教育委員会及び私立学校設置者で構成する愛知県公私立高等学校設置者会議で、全日制高等学校の生徒募集について協議しており、私立高等学校側の入試状況を愛知県教育委員会及び名古屋市教育委員会に伝え、私立高等学校の配置状況を勘案して、公立高等学校の募集計画を策定することにより、地区ごとの入学状況の改善を図る取組を本年度から始めた。
今後も、公私が協力して、中学三年生の進路実現に向け、より効果的な取組が進むよう、引き続き協議・検討していく。
46: 【神戸健太郎委員】
私立高等学校の配置状況を勘案するというのは、具体的にはどういったことか。
47: 【私学振興室主幹(認可・助成)】
公立高等学校の募集計画は、愛知県教育委員会及び名古屋市教育委員会が策定しているため、推測になるが、教育委員会は、各地区の中学校卒業者数や過去の入学状況等を考慮して、個々の高等学校の募集人数及びクラス配置を増減していると考えている。
その際、私立高等学校の募集状況を、考慮する項目として加えていくということだと考えている。
48: 【神戸健太郎委員】
公立高等学校とともに公教育の一翼を担ってきた私立高等学校の入学者が減少し、経営が悪化すれば、私立高等学校が存在しない地区が出てくることが懸念される。
今後は、就学支援金及び授業料軽減補助金の引上げにより、私立高等学校への入学が
選択される可能性が高まると期待されている。学校の魅力づくりは、各学校で実施していると思うが、各地域で私立高等学校が存続できるよう、引き続き支援してほしい。
49: 【今井隆喜委員】
先日、自由民主党愛知県議員団は、熊本地震の際に、熊本県
災害対策本部オペレーションの責任者として震災対応を指揮した元自衛官の有浦隆熊本県危機管理防災企画監を招き、講演してもらった。
有浦氏は、大規模災害の経験が少ない市町村に、罹(り)災証明書の作成や住家の被害認定調査、避難所運営などの災害発生後の行政対応に関するノウハウの蓄積がなく、事前の訓練を行っていなかったことを
反省事項として挙げている。
災害発生後の行政対応という点での本県の現状及び今後の対応を伺う。
50: 【
災害対策課主幹(
災害対策・
通信)】
災害発生後の行政対応では、特に、基礎自治体として災害対応を行う市町村職員が迅速かつ適切に対処するために、事前の訓練などによってノウハウを蓄積していくことが非常に重要である。
このため、本県では、昨年度から、あいち・なごや強靱化共創センターが主催する研修で、県職員などが講師となり、家屋の被害認定や罹災証明書の概要、模擬演習、被災地で被害認定を行ったほかの自治体職員の体験談を聞くなどの研修を行っている。受講者は、愛知県家屋被害認定士として昨年度から登録し、これまでに380人を育成した。
また、昨年度から実施している被災自治体支援活動訓練でも、建物を用いての被害認定調査訓練や、その調査結果に基づいた罹災証明書の作成訓練を行うことで、訓練を通じて市町村職員の知識や経験の充実に努めている。
さらに、平成30年7月豪雨では、国の対口支援方式により、本県は、広島県東広島市を支援することになり、東広島市から要請を受けて、家屋の被害認定業務を支援するために、家屋被害認定士として登録された職員を含め、市町村職員55人を現地に派遣した。
また、市町村が行う避難所運営では、地域住民が主体的に運営してもらう必要があることから、毎年市町村と共催している総合防災訓練や津波・地震防災訓練で共催市町村の地域の実情を踏まえた訓練を実施しており、自主防災会の会員などにも幅広く参加を募り、訓練に参加してもらうことにより、経験や知識を積み重ねてもらっている。
今後も引き続き訓練や研修を重ねることにより、市町村の防災力の強化に努めていく。
51: 【今井隆喜委員】
被災地に職員を派遣しても、その職員に知識や経験がないと現地で十分な支援ができない。日頃から研修を行っておくことが、非常に重要であるため、引き続き取り組んでほしい。
次に、有浦氏は、住民のリーダーシップによる避難所運営が重要であると言っていたが、県として、住民のリーダーシップによる避難所運営の体制づくりに、どのように取り組んでいるのか伺う。
52: 【
災害対策課主幹(調整・支援)】
避難所の運営に当たっては、市町村が住民等と協力し、避難所ごとにその実情に合わせた運営のマニュアルを作成することとなっているので、県としても、その指針となる愛知県避難所運営マニュアルを作成し、市町村の作成支援に取り組んでいる。
愛知県避難所運営マニュアルは、東日本大震災、熊本地震の課題等を踏まえ、平成27年度及び昨年度に改正を行ったが、避難所の運営は、当初から変わることなく、避難所利用者による自主運営を基本としている。
また、運営を円滑に行うため、地域の役員、避難所利用者の代表者、施設管理者や行政担当者等を構成員とする運営委員会を設置し、運営のルールや住民の役割分担を定めることとしている。
避難所の運営には、地域コミュニティの存在が非常に重要であり、自治会の役員や自主防災組織の代表者などは、避難所運営のけん引役となることが期待されるので、県政お届け講座により、避難所運営の模擬体験などを実施し、住民に避難所の自主運営に関する意識を高めてもらうように取り組んでいる。
県としては、継続して市町村の避難所運営の取組を支援していくことで、地域での人材育成や住民のリーダーシップによる避難所運営の体制づくりが進展するものと考えているので、今後も引き続きしっかりと取り組んでいく。
53: 【今井隆喜委員】
安城市の防災訓練では、発災時には、市の職員が特命者として避難所を開設するための準備を行い、その後、自主防災会の代表者等が集まって運営委員会を開催し、役割分担して避難所を運営していくこととなっていた。防災訓練を通じて、日頃から顔の見える関係性を築いていくことが重要である。各市町村でも様々な取組を行っているので、県としても積極的に良いところを取り上げ、活用することに力を注いでほしい。
次に、
災害対策基本法第40条では、都道府県の地域防災計画は、災害予防、災害応急対策及び災害復旧等に関する事項別の計画について定めた総合的な計画であり、毎年検討を加え、必要があると認めるときは、修正しなければならないとされている。
また、地域防災計画の作成及び修正は、都道府県防災会議の所管事項とされている。
本年5月31日に愛知県防災会議が開催されたが、過去の災害の教訓を基に、これまで愛知県地域防災計画をどのように修正してきたのか伺う。
54: 【
防災危機管理課主幹(
政策・
啓発)】
愛知県地域防災計画は、毎年修正を加えている。既に規定している事項で、災害の教訓を生かし、実務レベルで対策を充実させたものなどがあるが、ここでは、過去の災害を教訓に、新たに計画に盛り込んだものを中心に回答する。
平成7年の阪神・淡路大震災の際には、都市の直下で大きな地震が発生したことを踏まえ、活断層の調査の実施や、初動体制の確立、情報
通信網の整備などを計画に盛り込んだ。
また、平成12年の東海豪雨の際には、降水量や河川の水位等を避難勧告・指示の発令の時期の目安とする事項や、水害に対してぜい弱となる都市部の地下街・地下鉄などの地下空間の浸水対策を進めていく趣旨の修正を盛り込んだ。
さらに、平成23年の東日本大震災の際には、津波により多くの人的被害が発生したことや東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故による複合災害もあったことから、これらに対応するよう、津波
災害対策や原子力
災害対策を拡充する抜本的な見直しを行った。
平成28年の熊本地震の際には、庁舎の被災などにより、行政機能が著しく低下した被災自治体を支援することが課題となったことから、大規模災害時の効率的な応援に資する取組などを充実するための修正を行った。
55: 【今井隆喜委員】
過去の災害の教訓を愛知県地域防災計画に反映することは重要であるが、更に重要なことは、計画が絵に描いた餅にならず、どのように実行されるかということである。
これらの教訓を防災対策に生かしていく必要があると思うが、県として、どのように取り組んでいくのか伺う。
56: 【
災害対策課長】
本県では、過去の災害の教訓を踏まえ、様々な取組を実施してきた。
阪神・淡路大震災の際には、
通信の途絶や職員の被災などにより初動体制の確立に時間を要した教訓を踏まえ、防災局幹部職員の危機管理待機、
災害対策本部員等幹部職員への携帯電話の携行、県庁の被災により情報伝達手段が喪失した場合を想定した県庁耐震
通信局、東三河耐震
通信局の設置、各地域の震度情報を迅速に把握できる震度情報ネットワークシステムの整備などの対策を実施してきた。
次に、東海豪雨の際には、情報収集・伝達の遅れが顕在化したことから、県と市町村等をネットワークで結び、迅速な災害情報の収集・伝達と情報共有が可能となる防災情報システムを整備した。また、職員一人一人の防災に対する意識が希薄であったという反省から、全ての職員が災害時に迅速・的確に初動対応を実施できるよう、参集方法や
災害対策活動の概略を明記した
災害対策実施マニュアルを全職員が常時携行するなど、職員の防災意識の向上に取り組んでいる。
東日本大震災の際には、
災害対策本部の活動スペース不足といった課題があった。このため、南海トラフ地震等の対応に必要な活動スペースの確保を図るため、平成26年度末に自治センターに
災害対策本部機能を移設して拡充を行った。また、大きな課題である津波対策のため、津波避難に特化した訓練を市町村と共催で毎年実施するとともに、津波等による浸水が懸念されるゼロメートル地帯で、浸水対策を備えた防災活動拠点の整備を計画的に進めている。
熊本地震の際には、車中泊など、指定避難所以外での避難者への対応を盛り込むなどの愛知県避難所運営マニュアルの改訂を行った。また、被災地周辺に支援物資が集積しているが、被災者の手元まで物資が届かなかった課題を踏まえ、支援物資の円滑な配送体制の確保を図るため、愛知県災害物流円滑化検討会を設置し、検討を進めるとともに、市町村との共催による災害物流訓練を実施している。
なお、本年に発生した平成30年7月豪雨からは、国の検証結果なども踏まえ、本県に必要な対策を検討していく。
今後も、課題や教訓を生かして、訓練・研修を通じ本県の
災害対策行政を進めていく。
57: 【今井隆喜委員】
防災の本質は予防にあると認識し、守るべき県民の命のために、防災や災害時の対応を徹底していかなければならない。これからも引き続きアンテナを高くして、情報のアップデートを繰り返し、迅速に物事に臨んでほしい。
58: 【水野富夫委員】
災害対策実施マニュアルは、災害発生時の初動対応に影響を及ぼす非常に重要なものであるため、全職員が常に携行することを、再度徹底してほしい。
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