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午前十時二十五分
開会・
開議
5:
◯議長(
内田康宏君) ただいまから
平成十九年二月
定例愛知県議会を
開会いたします。
直ちに
議事日程に従い
会議を進めます。
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日程第一
会議録署名者の指名
6:
◯議長(
内田康宏君)
会議録署名者には久保田浩文
議員、栗田宏
議員、波形昌洋
議員を指名いたします。
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日程第二 諸般の報告
7:
◯議長(
内田康宏君) この際、諸般の報告をいたします。
監査委員から監査結果の報告がありましたので、これを各位のお手元に送付いたしました。
次に、知事から地方自治法第百八十条に基づいて専決処分した旨の報告がありましたので、これを各位のお手元に送付いたしました。
次に、知事から地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定により、県の出資等に係る「法人の経営状況を説明する書類」の提出がありましたので、これを各位のお手元に送付いたしました。
次に、知事から地方自治法第二百四十三条の三第三項の規定により、県有地の信託に係る「事務の処理状況を説明する書類」の提出がありましたので、これを各位のお手元に送付いたしました。
次に、議案は各位のお手元に送付いたしました。
以上、御報告いたします。
─────────────
〔報告書等は別冊付録に掲載〕
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日程第三 会期の決定
8:
◯議長(
内田康宏君) 次に、会期は本日から三月二十日までの二十六日間と決定いたしまして御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
9:
◯議長(
内田康宏君) 御異議なしと認めます。よって、会期は二十六日間と決定いたしました。
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日程第四 第一号議案
平成十九年度愛知県一般会計予
算から第八十六号議案国の行う公園事業に対
する名古屋市の負担金の変更についてまで
(提案理由の説明)
10:
◯議長(
内田康宏君) 次に、第一号議案
平成十九年度愛知県
一般会計予算から第八十六号議案国の行う公園事業に対する名古屋市の負担金の変更についてまでを一括議題といたします。
直ちに知事の提案理由の説明を求めます。
神田知事。
〔
知事神田真秋君
登壇〕(
拍手)
11:
◯知事(
神田真秋君) 今
議会に提案をいたしました諸議案の御説明を申し上げるに先立ち、知事就任のご
あいさつと所信の一端を申し述べ、
県議会並びに
県民の
皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
私は、去る二月四日の
知事選挙におきまして、
県民の
皆様方の幅広い御支援を賜り、引き続き四年間、
県政を担当させていただくことになりました。まことに光栄なことと存じますとともに、その責任の重さを改めて痛感いたしているところであります。
この上は、
県民の
皆様方から寄せられました期待と信頼にしっかりとこたえ、輝かしい愛知の未来に向けて力強く前進し、さらなる飛躍を目指してまいる所存であります。
さて、今回の選挙は、今までになくマニフェストが注目された選挙でありました。私は、七つの柱、六十の政策、二百を超える具体的な取り組み事項をマニフェストに掲げ、その実現を強く
県民の
皆様方に訴えてまいりました。
また、
県政運営の基本は、
県民の
皆様方からの信頼にあり、県に寄せられるさまざまな声や期待をしっかりと受けとめ、それに真摯にこたえてまいること、また、愛知
県民の誇るべき特質である堅実さを大切にし、清潔で透明性の高い
県政運営を行っていくことをお約束させていただきました。幸い、多くの
県民の
皆様方の御賛同を得、信任をいただくことができました。
今、愛知は、空港、万博の二大事業を立派になし遂げ、五年前、十年前と比べて、その力は格段に高まっております。全国一とも言われる旺盛な活力をさらに維持、拡大し、その活力を県内各地に広く浸透させ、七百三十万
県民の
皆様方に一層の豊かさを享受していただけるよう、皆で力を合わせて、さらに今を越えていくためにマニフェストの着実な実行をお約束いたしました。
私は、今後四年間、マニフェストに掲げた政策の推進を
県政運営の基軸に据え、一つずつ確実に実現してまいる決意でありますので、
議員各位並びに
県民の
皆様方の格別の御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。
こうした考え方のもと、
平成十九年度予算の編成に当たりましては、マニフェストに掲げた具体的な取り組み項目のうち、九割を超える項目について予算化することとし、マニフェストの七つの柱に沿って予算全体を整理・体系化いたしました。
そこで、この予算の前提になる
県政の方向性でありますが、冒頭に申し上げましたとおり、愛知は長年にわたり目標としてきた大きな節目を乗り越え、新たなステージに第一歩を踏み出したところであります。
今後、その歩みを本格化させ、さらに足取りをたくましく、力強いものにしていく必要がありますが、そのためには、まず待ったなしの緊急課題である安心・安全の確保に最優先で取り組み、足元をしっかりと固めることが不可欠であります。
私は、今回の選挙におきまして、
県民の
皆様方がこのことをいかに望んでおられるか、強く肌で感じました。
そのため、
平成十九年度予算におきましては、
県民の
皆様方の安心の確保のため、子育て、子育ちを社会全体で支える少子化対策、大きな社会問題となっております自殺、引きこもりといった心の問題、さらには、いじめ・不登校対策など、安心できる健康・福祉社会づくりに迅速に対応することにいたしました。
また、
県民の
皆様方の安全を守るという点では、多発する交通死亡事故を抑制するための交通安全対策、犯罪のないまちづくりを目指す治安対策、さらには耐震改修などの地震防災対策を待ったなしの課題として、安全で災害に強い
地域づくりに取り組んでまいる所存であります。
その一方で、空港、万博の二大事業から五年を経過する二〇一〇年を当面の目標として、幾つかの重要な施策の輪郭が明らかになってまいりました。
二〇一〇年は、愛知新時代を目指す中長期的な
地域づくりにおいて、大きな一里塚、いわばマイルストーンとなることは間違いありません。その目標をしっかりと視野にとらえ、着実に実現を目指してまいります。
例えば生物多様性条約第十回締約国
会議、いわゆるCOP10の誘致、イデアのひろばや地球市民交流センターなど、愛・地球博記念公園の整備、国際的な芸術祭の開催、さらには、知の拠点における先導的中核施設や県内全域を対象とする広域最終処分場の整備などの事業は、いずれも愛知の将来の発展にとって重要な位置づけになるものばかりであります。二〇一〇年に焦点を当て、まず、
平成十九年度に必要となる所要額をそれぞれ計上することといたしました。
以上述べてまいりましたように、足元を固め、将来を見据えるという二つの視点にとりわけ意を用いながら、
県政各般の行政課題に幅広く、かつきめ細やかに対応することにしたところであります。
こうした状況を踏まえまして、
平成十九年度当初予算は、私の三期目最初の予算として、安心・安全、信頼の愛知を築き、二〇一〇年に向けて着実に前進する予算と位置づけております。
知事選挙後の短い期間ではございましたが、精力的に予算編成作業を進め、来年度実施すべき事業につきましては、所要の予算を計上し、年間総合予算として御提案をいたすものでございます。
さて、
平成十九年度の
県政を進めていく上で、その前提となる最近の経済や地方財政の動向についてでございます。
我が国の経済は、個人消費はおおむね横ばいであり、弱さが見られるものの、企業収益の改善による設備投資の増加を背景に回復しており、雇用情勢につきましても、厳しさが残るものの、改善に広がりが見られ、完全失業率も回復しております。
また、この地域の景気は、自動車産業の設備投資、輸出の増加を初めとする企業収益の着実な改善に支えられ、拡大基調にありますし、有効求人倍率は一・九倍を超え、全国的にも突出した高水準で推移をいたしております。
このような状況のもとでの
平成十九年度の県税収入につきましては、好調な企業収益や国から地方への税源移譲を反映して、過去最高となる一兆三千百十六億円を計上することができました。
しかしながら、税源移譲に伴い所得譲与税が廃止されること、引き続き不交付団体と見込まれること、さらには臨時財政対策債も減少が見込まれることなどから、実質的な歳入の増加は限られたものになっております。
一方、歳出では、公債費において将来の積立額の平準化と償還を進めるため、国から示された満期一括償還に関する新しい積立ルールを採用することとし、これに伴う一時的な公債費の急増対策として、十八年度二月補正予算で前倒しをして積み立てを行うなど、年度間を通じた財源調整を行うことにいたしました。
また、退職者の増加による人件費や、高齢化社会の進展に伴う介護、医療などの扶助費を初めとする義務的経費の増加に対応しつつ、臨時の財源対策の圧縮に努めながら、
県民生活の安心・安全の確保などの喫緊の重要課題や、この地域のさらなる発展のために必要な予算もしっかりと盛り込んだ積極的な予算としたところであります。
このような予算編成を進めるため、あいち行革大綱二〇〇五に基づき、徴収率の向上など県税確保に引き続き努めるほか、財源の積極的な確保を図るとともに、不要不急の経費の削減、事務事業の見直しなど、歳出の抑制に努めたところであります。
また、県債につきましても、その発行額を四年連続で抑制し、プライマリーバランスの赤字額も大幅に改善させるなど、着実に財政健全化に向けた取り組みも進めたものであります。
さて、
平成十九年度当初予算において取り組むことといたしました基本的な政策につきまして、七つの政策の柱に沿って、その具体的な内容を順次御説明申し上げます。
今回提案をいたしておりますその予算の内容の第一は、安心できる健康・福祉社会づくりでございます。
私は、
県民の
皆様方が生涯にわたって健康で安心して暮らせること、このことこそ愛知の発展にとって最も重要なこと、
県政の基本であると考え、マニフェストでもその第一に位置づけたところであります。
まず、少子化対策につきまして、急速に進む少子化は、経済活動の規模縮小や地域社会の活力低下を招きかねませんので、この問題に早急に取り組み、少子化の進行に歯どめをかけるため、全力を傾注する必要がございます。
このため、新たに愛知県少子化対策推進条例を制定し、少子化の流れを変える機運を高めるとともに、地域の子育て力の向上を図ってまいることといたしました。
具体的には、不妊治療費の助成を拡充する一方、子育て家庭が店舗等において優待を受けられる子育て家庭支援事業の実施、さらには男女の出会いの場を提供する事業にも果敢に取り組んでまいります。
また、仕事と家庭生活の調和、両立を目指すワーク・ライフ・バランスの考え方に基づき、仕事と育児や介護が両立できるような職場環境づくりに積極的に取り組むファミリー・フレンドリー企業の普及拡大や、新たに中小企業子育て支援奨励金を創設し、中小企業の職場環境の整備を推進することといたしました。
次に、
県民の
皆様方の健康づくりについてでございます。
健康長寿あいちの実現に向け、メタボリックシンドローム対策、高齢者を地域リーダーとして養成するまちの達人活動推進事業、高齢者総合サポートセンターの設置の検討など、幅広い施策を展開してまいります。
がん対策につきましては、県がんセンター中央病院を核に、県内の十カ所の地域がん診療連携拠点病院とのネットワークにより、質の高いがん医療の提供を行うとともに、県がんセンター中央病院に隣接するPET―CT施設の活用など、がん撲滅先進県を目指してまいります。
医師確保対策といたしまして、引き続きドクターバンク事業を実施するとともに、女性医師が生涯にわたり働き続けやすい環境を整えるための調査を新たに実施いたします。
続いて、障害者自立支援対策であります。
障害者自立支援法が昨年四月に施行されたところでありますが、サービスを利用される方の中には、利用者負担金の支払いが困難でありましたり、日割り報酬により事業所の運営費が激減するなど、現場ではさまざまな支障を来しております。
このため、現在策定中の愛知県障害福祉計画に基づき、総合的な施策の展開を図るとともに、
平成十九年度は愛知県授産工賃倍増計画を策定し、アドバイザー派遣事業や市場調査などを行い、県内授産施設の生産性を向上させ、工賃の増加を図ることなどで障害者福祉の向上につなげてまいります。
次に、自殺・引きこもり対策でございます。
自殺問題については、
本県においても毎年一千四百人を超える方がみずから命を絶っており、自殺防止対策は喫緊の課題になっております。
心の健康問題については、相談をきちんと受けとめることが最も重要であり、新たに精神保健福祉センターとすべての保健所にメンタルヘルス相談窓口を設置し、毎日相談を受ける体制を整備することにいたしました。
また、Eメール相談も新たに開始するほか、自殺や引きこもりの実態調査にも着手し、関係機関とも連携を密にし、心の健康のセーフティーネットを構築してまいる所存であります。
次に、いじめ・不登校対策についてでございます。
昨年来、全国各地でいじめによる子供の自殺が相次ぎました。実に痛ましいことであります。本来、学校は子供たちが安心して楽しく学べる場でなければなりません。
いじめ、不登校等の未然防止、早期発見、早期対応のため、これまで中学校と高校に配置しておりましたスクールカウンセラーを小学校にも拡充して配置し、児童生徒へのカウンセリング、教員、保護者への助言等を行うなど、教育相談体制のさらなる充実を行うことにいたしました。
さらに、児童虐待対策であります。
本来は、家庭において温かく見守られ、健やかにはぐくまれるべき児童が虐待を受ける事件が増加し続けているということは、まことにやりきれない思いでいっぱいであります。
このため、児童相談センターの専門職員を増員し、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応、あるいは虐待を受けた児童の保護、さらには家庭復帰などの支援を行い、切れ目のない総合的な対策を実施してまいります。
第二に、安全で災害に強い
地域づくりについてでありますが、まず、地震対策についてであります。
東海地震や東南海地震が発生した場合の県内の死者数は、約二千四百人にも上ると予測され、被害は甚大かつ深刻であり、
県民の
皆様方の生命、財産を守るためには、その対策にしっかりと取り組む必要があります。
このたび策定をいたしました第二次あいち地震対策アクションプランにより、被害の半減を目指した被害軽減策を一層効果的かつ効率的に推進をいたします。
とりわけ重要である住宅等の耐震化につきましては、木造住宅に加え、新たに非木造住宅、避難所、救急病院及び救急診療所の耐震化につきましても支援制度を創設し、市町村と連携し、より一層の建築物の耐震化を図ることにいたしました。
次に、安全なまちづくりの推進についてであります。
治安の一刻も早い回復は、
県政の緊急課題の一つであります。昨年を
治安回復元年と位置づけ、あいち地域安全緊急三か年戦略を策定し、短期集中的な取り組みを展開してきた結果、県内すべての小学校区に自主防犯団体が設立され、
平成十八年の刑法犯認知件数は、前年に比べ四万件以上、二〇・九%の大幅な減少となりました。
この取り組みを強固なものにするため、警察官を新たに百十八人増員し、この七年間で合計一千六百九十三人の体制強化を図ります一方、三か年戦略の二年目も引き続き刑法犯認知件数一万件以上の減少を目指し、さらなる自主防犯団体の設立や活動拡充の支援を行うなど、地域防犯力の向上を図りながら、安全なまちづくりに向けた
県民総ぐるみの取り組みを一層強化し、治安の回復に全力を尽くします。
次に、交通安全対策についてであります。
県内の交通事故による死者数は減少してはいるものの、昨年は二年続けての全国ワースト一位でありました。本年は、この不名誉な記録に何としても終止符を打たなければなりません。
平成十九年度は予算を大幅に増額し、交通安全意識を一層高めるための
県民運動を年間を通じて幅広く展開いたします。特に、交通事故死者数に占める割合が高い高齢者の方々への直接訪問や、企業、ボランティアの方々と連携した取り組みを推進するとともに、事故多発交差点の重点的な改良や信号機のLED化など、交通安全施設の整備も進めてまいります。
第三は、新しい時代を拓く人づくりについてであります。
心豊かで向上心に富み、たくましく意欲あふれる人づくりは、あすの愛知を支える重要な礎であります。基礎学力の向上や子供たちの学習意欲を引き出すために、少人数学級と少人数指導を組み合わせた少人数教育を効果的に進めるほか、外国人児童生徒の日本語教育の支援のための教員を増員し、新たにスペイン語の語学相談員も配置いたします。
障害を持つ子供たちに対しましては、養護学校にコーディネーターを配置し、教育上特別の支援を必要とする幼児、児童生徒のニーズに対応した教育を進めるなど、きめ細やかな教育環境づくりを進めてまいります。
また、学校と地域が一丸となって子供の社会性をはぐくむため、中学生が五日間程度職場体験を行うあいち・出会いと体験の道場を事業規模を拡大して実施し、地域全体で子供たちをはぐくむ体制づくりを目指します。
さらに、放課後などに小学校の余裕教室を活用して、さまざまな体験や学習の機会を提供する放課後子ども教室推進事業を実施することにしております。
また、子供たちを初めとする
県民の
皆様方の健やかな身体をはぐくむためには食育が重要でありますことから、あいち食育いきいきプランに基づき、家庭、学校、職場が連携して継続的な
県民運動を推進してまいります。
次に、新しい愛知県公立大学法人のスタートについてでございます。
二十一世紀を迎えた今日、社会、経済のグローバル化、少子・高齢化の進行などに伴う大学に対する社会的ニーズの多様化に対応するため、法人化に向けた取り組みを進めてきたところであります。
平成十九年四月には、愛知県公立大学法人を設立し、自主・自律的な大学の運営を行うとともに、学生に対する支援体制の充実など、魅力あふれる大学を目指してまいります。また、開学後四十年が経過し、老朽化が著しい芸術大学校舎につきましては、再整備のための基本構想の策定に着手いたします。
さらに、
本県の学校教育において重要な役割を果たしている私立学校につきましては、私立学校の振興と父母負担の軽減を図るため、私立学校経常費に対する補助などの各種助成を着実に実施してまいります。
第四は、世界をリードする産業中枢づくりについてでございます。
本県の産業は、日本の物づくりの中心的役割を担ってきており、引き続きその役割を持続、発展させるためには、付加価値を重視した産業展開を戦略的に推し進めていく必要があります。
このため、ナノテク、IT、バイオなどの基盤技術を強化するため、産・学・行政が共同して研究開発を行い、次世代物づくり技術を創造、発信する知の拠点づくりを産・学・行政が連携して進めることとし、先導的中核施設の整備に着手いたします。
また、新産業の創出のため、市場の拡大が今後一層期待されます健康長寿や環境・エネルギー、あるいはライフ・クオリティーや航空宇宙などの次世代産業分野につきまして、高度な研究集積を生かし、産業クラスター創生・推進のための取り組みを強化することにしました。
さらに、国内外からの企業誘致を積極的に進めるとともに、県内地域の産業特性を踏まえた戦略的な産業基盤の整備を計画的に進めてまいる所存であります。
そのほかにも、中小企業金融対策貸付金の融資枠を十分確保するなど、中小企業への資金面からの支援を引き続き行ってまいります。
また、商店街を中心としたにぎわいと活力あふれるまちづくりを目指し、市町村と一体となって積極的に商店街を支援してまいります。
雇用対策につきましては、県内企業の求人ニーズが高まる中で、
本県産業の安定的振興を図るため、若年労働力の広域的確保に努めるほか、あいちの物づくり人材の育成につきまして、あいち版マイスター制度の創設やOB人材バンクなど、技能者活用促進事業にも意を用いました。
次に、農林水産業の振興についてであります。
農地、森林は、食糧などの生産はもとより、県土、環境の保全や水源の涵養など、多面的な機能を果たしており、その保全は大変重要であります。
このため、農業の振興につきましては、担い手の育成や農業農村基盤、農作物の生産・出荷体制の整備を引き続き進めてまいるとともに、農村の環境を向上させるため、地域ぐるみで取り組む農地や水路の保全活動や、化学肥料などを低減し環境負荷の少ない農業とする取り組みに対し、新たに農地・水・環境保全向上対策事業として支援をすることにいたしました。
また、林業の振興につきましては、県産材の利用促進を図るとともに、森林整備を進めてまいります。
さらに、水産業の振興につきましては、豊かな海の恵みをこれからも享受できるよう、藻場や干潟の再生に向けた取り組みや、漁場や漁港などの生産基盤の整備などにも取り組む所存であります。
第五は、持続可能な循環型社会づくりについてであります。
愛知万博の大きな成果の一つは、環境に対する人々の意識や取り組みが一層深まり、着実に根づき始めたことであります。私どもは、こうした意識、取り組みを大きく育て、環境万博を開催した地域にふさわしい先進的な取り組みを常に世界を一歩リードしながら実践し、この愛知の豊かで快適な環境を未来の子孫に引き継ぐという重い責務を負っております。
愛知万博における先導的な取り組みや、
本県が誇る物づくりの技術を生かして、廃棄物のリサイクル技術と新エネルギー技術を組み合わせることにより、ゼロエミッション・コミュニティ構想を推進するとともに、あいち資源循環推進センターを拠点として、先導的、効果的な循環ビジネスの発掘、創出を推進いたします。
あわせて、リデュース、リユース、リサイクルの三Rの取り組みや、廃棄物の適正処理を引き続き進めるとともに、公共関与による広域最終処分場の整備に積極的に取り組んでまいります。
また、地球温暖化対策の取り組みの一つとして、県みずからも率先して風力・太陽光利用型ハイブリッド発電システムを用いたエコ街灯を県庁の西庁舎に設置するとともに、省エネを実践するESCO事業を愛知芸術文化センターと県がんセンターで本格実施することにいたしました。
さらに、
県民の
皆様方の環境保全への取り組みの促進に向け、県環境調査センター内に開設したあいち環境学習プラザや、愛・地球博記念公園内にこの三月にオープンをするもりの学舎を拠点として、魅力ある環境学習の機会の提供など、さまざまな環境学習事業を積極的に行うとともに、エコマネーの地域への普及を目指したモデル事業も実施してまいります。
第六は、多彩な交流が展開される愛知づくりについてであります。
今、この愛知が元気な愛知と呼ばれておりますのも、二大事業の実現によりまして、世界規模で人や物あるいは情報などの交流が可能な基盤が整ったからであります。
こうした国際交流の基盤を最大限生かし、多彩な交流が展開され、常に活力が満ちあふれた地域としての展開を図っていくことが重要であります。
そこで、
本県が世界的な交流拠点としての役割を目指していく具体的な取り組みとして、
平成二十二年に開催が予定されておりますCOP10の誘致活動を国、名古屋市や地元経済界とともに行ってまいります。
また、社会経済の大きなグローバル化の進展の中で、外国人の方々が安心して暮らせ、その能力を十分発揮して活躍していただけるような多文化共生社会づくりもますます重要なものになっており、在住外国人の方々への支援の拠点として多文化共生センターを設置いたします。
さらに、愛知の国際的機能の向上や国際交流をより一層進めるため、新たな国際化推進計画を策定いたしますとともに、愛知万博期間中に実施した一市町村一国フレンドシップ事業を継承、発展させるため、市町村が行う国際交流事業を積極的に支援してまいります。
続いて、文化芸術の振興についてでございます。
愛知万博の開催は、
県民の
皆様方の文化芸術への関心の高まりを呼び起こしたところでありますが、そうした状況の変化を踏まえ、新たな文化芸術振興プランを策定するとともに、愛知芸術文化センターなどの文化芸術資産を生かし、世界に向けて愛知発の新たな文化芸術を創造、発信する国際的な芸術祭の構想の検討に着手いたします。
次に、愛・地球博記念公園につきましては、大規模な花畑を初め大芝生広場や多目的広場等の整備を進めるとともに、博覧会の理念と成果を継承する核となる場として位置づけたイデアのひろばにおいて、地球市民交流センターやフレンドシップ広場の
平成二十二年度供用を目指し、その設計に着手するなど、
県民の
皆様方に広く愛される公園を目指したいと思います。
次に、観光・交流対策の充実であります。
引き続き愛知の魅力のPRに努めてまいるほか、今後の具体的な観光施策を盛り込みました愛知観光チャレンジプランの具体化に向けまして、武将観光の推進や外国人観光客の受け入れ態勢の強化をするための環境づくりを推進してまいります。
続いて、愛知の活力を下支えする陸・海・空のさらなる交流基盤づくりについてでございます。
まず、道路網の整備につきましては、第二東名高速道路、名古屋環状二号線などの高規格幹線道路を初め、中部国際空港や県営名古屋空港、名古屋港、衣浦港及び三河港など、経済活動の拠点を有機的に結びつける幹線道路ネットワークの強化などを引き続き積極的に推進してまいりたいと考えております。
三河港におきましては、港湾機能の強化を図るため、
平成二十年度からの稼働に向けて、ガントリークレーンの整備を引き続き進めることといたしました。
また、中部国際空港が世界規模の拠点空港としての地位をより確かなものにしていくためには、欧米路線の一層の充実が不可欠でありますので、国際路線の誘致促進に努めてまいりますとともに、国際ビジネス機の拠点県営名古屋空港の利用促進を積極的に図ってまいります。
なお、渇水への対策として、東三河地域の持続的な発展に不可欠な設楽ダムにつきましては、来年度は着工へ向けましていよいよ正念場を迎えますので、万全の現地体制を整え、地元調整に全力を注ぐ所存であります。
第七は、分権・協働・行革の
県政づくりについてでございます。
第二期地方分権改革のまさにスタートラインに立つ今、自主、自立の地域経営を目指すべきときであります。地方こそ主役であるという認識を強く持ち、真の地方分権の実現に向けて引き続き努力をいたします。
道州制につきましては、その当事者として、国の検討におくれることなく、地方分権を体現した道州制の姿が提示できるよう調査研究を行い、その成果を全国に発信してまいります。
次に、市町村合併についてでございます。
これまでに合併した十三市町村に対しましては、合併特例交付金の交付など引き続き支援を行うとともに、昨年十二月に決定をした愛知県市町村合併推進構想に基づき、これから合併を目指す市町村への支援を行ってまいります。
さらに、三河山間地域の情報格差対策でありますが、とりわけ地上デジタル放送への対応などが緊急の課題になっておりますことから、新たにケーブルテレビや携帯電話通信用鉄塔などの情報基盤の整備に支援を行います。
次に、NPO、ボランティアとの協働であります。
あいち協働ルールブックのさらなる普及、活用に取り組みますとともに、協働事業の評価、検証や、NPOと行政の課題意識の共有を図る意見交換会などを引き続き実施してまいります。
情報公開の推進につきましては、
県政への信頼を高め、開かれた透明性の高い
県政を推進する上で大変重要でありますことから、原則開示の理念に立ち、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
次に、行財政改革についてであります。
本県では、新たな地域経営システムの構築を目標に掲げましたあいち行革大綱二〇〇五の取り組みを全庁一丸となって推進し、スピード感あふれる行財政改革を目指して、これまでも計画の前倒しなどを積極的に行い、成果を上げてまいりました。
平成十九年度は計画期間の前半三年間の最終年度に当たりますことから、これまでの取り組みのフォローアップを行い、後半三年間の行財政改革を一層加速させてまいります。
また、公共サービスの質の維持向上や、経費節減を目的とした市場化テストの導入に向けまして、外部有識者で構成する検討委員会を設置し、民間事業者等からの意見募集やモデル事業の選定などを行ってまいります。
以上、予算の主な内容につきまして申し上げてまいりましたが、ここに御
審議をいただく
平成十九年度の当初予算は、一般会計二兆二千四百五十億余円、特別会計六千二百六十四億余円、企業会計一千五百七十二億余円でございまして、合わせて三兆二百八十七億余円となります。
このうち、一般会計の財源といたしましては、国庫支出金、県債及び基金からの繰入運用などの特定財源七千六百二十一億余円を計上し、一般財源といたしましては、県税、地方特例交付金など、総額一兆四千八百二十八億余円を充当いたします。
次に、予算以外の案件につきまして御説明を申し上げます。
条例は、制定及び一部改正を合わせまして三十四件を提案いたしております。
まず、地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定についてであります。
これは、出納長や吏員制度を廃止するなどの地方自治法の一部改正に伴いまして、愛知県副出納長定数条例を廃止するほか、その他関係する条例の規定の整理を一括して行うものであります。
次に、愛知県公立大学法人の設立に伴う関係条例の整理に関する条例の制定についてであります。
本年四月一日に愛知県公立大学法人を設立することに伴いまして、大学の設置者が愛知県から法人に変更されますため、愛知県大学条例及び県立大学奨学基金条例を廃止いたしますとともに、その他関係条例の一部を改正し、所要の規定の整理を行うものであります。
次に、条例の一部改正でありますが、愛知県職員定数条例の一部改正についてでございます。
事務の合理化や県立三大学の法人化などに伴い、知事の事務部局や警察部局などの職員を七百八人減員する一方、小中学校の児童数の増加などに対応するため、教職員を三百八十六人、多発する犯罪への対処や
県民の
皆様方の不安の解消のため、警察官を百十八人、それぞれ増員するものであります。
続いて、職員の給与に関する条例の一部改正についてであります。
これは、管理職手当を定率制から定額制とすること、定時制通信教育手当及び産業教育手当の支給割合を引き下げるなどの改正を行うものであります。
なお、使用料及び手数料に係る改正につきましては、受益者負担の原則に基づき、所要経費との間の乖離の是正や、地方交付税単価の改定に伴い改正するものなどでございます。
さらに、条例以外の案件といたしましては、名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更を初め十四件提案をいたしております。
次に、
平成十八年度関係の諸議案についてでございますが、まず、補正予算についてであります。
今回の補正は、国の補正予算への対応や、国庫補助金及び事業費の確定に伴う所要の措置及び十九年度当初予算編成のための財源対策等を行うものでございます。
補正予算を会計別に申し上げますと、一般会計一千五十五億二千八百四十一万余円、特別会計六百二十四億三千八百四十一万余円、企業会計百二十六億七百十三万余円でございまして、合わせて一千八百五億七千三百九十五万余円となります。
以下、その主なものにつきまして概要を御説明申し上げます。
まず、障害者自立支援対策臨時特例基金積立金につきましては、障害者自立支援法施行に伴う激変緩和措置や、新たな事業に直ちに移行できない事業者に対しまして経過的な支援等を行うため、国の交付金を受けまして基金を造成するものであります。
次に、愛知万博基本理念継承発展基金積立金につきましては、財団法人二〇〇五年日本国際博覧会協会から愛知万博の剰余金を受け入れ、万博の基本理念を継承、発展させる事業に充てるための基金を造成することといたしました。
このほか、乳幼児医療事業費補助金の補正など、所要の経費を計上するものでございます。
また、県税収入の大幅な増加を受けまして、十七年度に繰り入れを行った減債基金などへの償還を行いますとともに、十八年度に予定していた減債基金などからの繰入運用を取りやめて、臨時の財源対策六百五十一億円のすべてを解消することといたしました。
さらに、満期一括償還に関する減債基金への新しい積み立てルールの採用に伴い、十八年度分の減債基金への追加積み立てと十九年度の積立額の急増対策、二十年度以降への対策として、合わせて七百十七億余円を減債基金に積み立てるものでございます。
以上、御説明申し上げました一般会計の財源といたしまして、一般財源は県税収入を企業収益の改善により法人二税の大幅な増収が見込まれますことなどから一千百七十九億円を増額し、全体で一千二百八十九億六千七百八十二万余円を増額することにいたしております。
また、特定財源につきましては、国の補正予算に関連する事業の財源として国庫補助金及び県債の増額を行う一方で、減債基金などからの繰入運用四百四十三億円全額を取りやめましたことから、全体で二百三十四億三千九百四十一万余円を減額することにいたしております。
次に、補正予算以外の議案についてでございます。
まず、障害者自立支援対策臨時特例基金条例並びに愛知万博基本理念継承発展基金条例の制定についてであります。
いずれも補正予算で御説明申し上げましたとおり、国からの交付金あるいは愛知万博の剰余金を原資とする基金を設置し、その管理及び処分に関する事項を定めるものであります。
そのほか、県有財産の売り払い、負担つき寄附の受納及びこのたび提案をいたしております補正予算に伴う関係市町村の負担金の変更など、合わせて八件であります。
以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきましてその概要を御説明申し上げましたが、なお詳細につきましては、議事の進行に従いまして御説明を申し上げたいと存じます。
どうかよろしく御
審議の上、適切な御議決を賜りますようお願いを申し上げる次第であります。ありがとうございました。(
拍手)
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〔議案は別冊付録に掲載〕
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12: ◯三十九番(
三浦孝司君) 本日はこれをもって散会し、明二月二十四日から三月一日までは議案説明会開催等のため休会とし、三月二日午前十時より本
会議を
開会されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
13:
◯議長(
内田康宏君)
三浦孝司議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
14:
◯議長(
内田康宏君) 御異議なしと認めます。
明二月二十四日から三月一日までは議案説明会開催等のため休会とし、三月二日午前十時より本
会議を開きます。
日程は
文書をもって配付いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時二十一分散会
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