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  1. 岐阜県議会 2020-02-01
    03月04日-03号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    令和 2年  2月 定例会(第1回)…………………………………………………………………………………………… △議事日程(第三号)                   令和二年三月四日(水)午前十時開議 第一 議第一号から議第六十九号まで 第二 県議第一号 第三 議第七十一号 第四 請願第七号から請願第十号まで 第五 一般質問…………………………………………………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一 日程第一 議第一号から議第六十九号まで 一 日程第二 県議第一号 一 日程第三 議第七十一号 一 日程第四 請願第七号から請願第十号まで 一 日程第五 一般質問…………………………………………………………………………………………… △出席議員 四十五人      一番   平野恭子君      二番   森 治久君      三番   山内房壽君      五番   小川祐輝君      六番   平野祐也君      七番   所 竜也君      八番   今井政嘉君      九番   藤本恵司君      十番   安井 忠君     十一番   中川裕子君     十二番   伊藤英生君     十三番   澄川寿之君     十四番   水野吉近君     十五番   恩田佳幸君     十六番   若井敦子君     十七番   広瀬 修君     十八番   布俣正也君     十九番   国枝慎太郎君     二十番   長屋光征君    二十一番   林 幸広君    二十二番   高木貴行君    二十三番   野村美穂君    二十四番   高殿 尚君    二十五番   田中勝士君    二十六番   加藤大博君    二十七番   山本勝敏君    二十八番   松岡正人君    二十九番   小原 尚君     三十番   川上哲也君    三十一番   松村多美夫君    三十二番   水野正敏君    三十三番   野島征夫君    三十四番   伊藤秀光君    三十五番   平岩正光君    三十六番   佐藤武彦君    三十七番   森 正弘君    三十八番   小川恒雄君    三十九番   渡辺嘉山君     四十番   伊藤正博君    四十一番   村下貴夫君    四十三番   尾藤義昭君    四十四番   藤墳 守君    四十六番   玉田和浩君    四十七番   岩井豊太郎君    四十八番   猫田 孝君…………………………………………………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長         市川篤丸 総務課長         森 浩一 議事調査課長       篭橋智基 議事調査課管理調整監   三宅誠樹 同    課長補佐    青木陽輔 同    係長      市川圭司 同    係長      佐藤貴一 同    係長      横川真澄 同    主査      上野由香 同    主査      早野ひとみ…………………………………………………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事           古田 肇君 副知事          平木 省君 副知事          河合孝憲君 会計管理者        石原佳洋君 総務部長         横山 玄君 清流の国推進部長     尾鼻 智君 危機管理部長       西垣功朗君 環境生活部長       服部 敬君 環境生活部県民文化局長  矢本哲也君 健康福祉部長       兼山鎮也君 健康福祉部子ども・女性局長              北川幹根君 商工労働部長       井川孝明君 商工労働部観光国際局長  崎浦良典君 農政部長         渡辺正信君 林政部長         荻巣雅俊君 県土整備部長       宗宮裕雄君 都市建築部長       船坂徳彦君 都市建築部都市公園整備局長              湯澤将憲君 健康福祉部次長(医療担当)              堀 裕行君 教育長          安福正寿君 警察本部長        今林寛幸君 代表監査委員       鈴土 靖君 人事委員会事務局長    藤田春美君 労働委員会事務局長    桐山敏通君…………………………………………………………………………………………… △三月四日午前十時開議 ○議長(小川恒雄君) ただいまから本日の会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(小川恒雄君) 諸般の報告をいたします。 書記に朗読をさせます。    (書記朗読) 議案の提出について 知事から、本日付をもって、お手元に配付のとおり、議第七十一号 令和元年度岐阜県一般会計補正予算の議案の提出がありました。 請願書の受理について 請願第七号 「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める請願書ほか三件の請願書を受理しました。 職員に関する条例に対する意見について 人事委員会委員長から、令和二年二月二十日付をもって、議第三十号 岐阜県職員退職手当条例の一部を改正する条例について、及び議第五十二号 岐阜県教育職員の給与その他の勤務条件の特例に関する条例の一部を改正する条例については、異議がない旨の回答がありました。 損害賠償責任の一部免責等に関する条例に対する意見について 監査委員から、令和二年二月二十六日付をもって、議第三十二号 岐阜県知事等の損害賠償責任の一部の免責に関する条例について、及び議第三十九号 岐阜県地方独立行政法人の役員等の損害賠償責任の限度額を定める条例については、意見がない旨の回答がありました。 監査結果等の報告の提出について 監査委員から、お手元に配付のとおり、令和二年二月二十六日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により随時監査の結果について及び財政的援助団体等監査の結果について、並びに地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について報告の提出がありました。…………………………………………………………………………………………… ○議長(小川恒雄君) 日程第一から日程第四までを一括して議題といたします。 追加提出議案に対する知事の説明を求めます。知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) おはようございます。 本日、追加提出いたしました議案につきまして御説明申し上げます。 議第七十一号は、令和元年度一般会計補正予算でございます。 既に予備費などにより対応しております新型コロナウイルス感染症への追加対策といたしまして、県保健環境研究所の検査体制を強化するための検査機器の整備をはじめ、保健所に備蓄する防護服、消毒液などの確保、マスクや消毒液などについて消費者の冷静な購買活動を促すための啓発、さらには長期間家庭にとどまることを余儀なくされる中高生の心のケアを図るためのSNSを活用した相談窓口の開設経費など、総額二千六百万円余を計上いたします。 今後も一刻も早い事態の収束に向け、県議会、市町村などと緊密に連携し、オール岐阜の体制で取り組みを進めてまいります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(小川恒雄君) 日程第五 一般質問を行います。あわせて、議案に対する質疑を行います。 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十六番 玉田和浩君。    〔四十六番 玉田和浩君登壇〕(拍手) ◆四十六番(玉田和浩君) おはようございます。 こちらから見ると異様な光景でございますが、こんな光景は二度と来ないようにしたいと思います。 議長のお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表いたしまして、県政の諸課題につきまして大きく五項目について御質問いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 まず初めに、連日世間をにぎわし、国内に不安が広がっております新型コロナウイルスの感染症への対応についてお尋ねいたしたいと思います。 昨年末から、中国中心に世界中に感染が広がっている新型コロナウイルスについては、日本国内でも一月に初の感染者が確認された後、全国各地で感染経路が明らかでない報告が相次いで発生しております。県内では、先月二十六日、初めて感染者が確認されました。終息の見通しが全く立っていない現在の状況を鑑みると、今後県内での感染が続くおそれもあり、先行きは予断を許さない状況であります。 国からは、スポーツや文化イベントの実施について当面、延期や中止、あるいは規模縮小の要請がなされ、これを受け、県でも今月十五日まで開催予定であった県主催イベントの中止等が決定されました。企業活動でも経済団体主催の求職者向け企業説明会が中止されるなど、県民生活や県内経済に影響が出ております。 また、全国の小・中、高校や特別支援学校の春休みまでの臨時休校という前代未聞の要請も立て続けになされております。県内の公立学校全てが今月二日から順次休校となり、予期せぬ展開に保護者や学校現場には不安や混乱が広がっております。 このような状態を踏まえ、県では、先月二十八日に感染の拡大防止に向けた三月半ばまでの行動計画として新型コロナウイルス感染症対策総合アクションプランを策定し、県内全市町村や医療、経済関係団体等が一丸となってオール岐阜で対策を講じていくこととされました。 県議会では、先月二十五日に急遽本会議を開催し、岐阜県議会新型コロナウイルス感染症対策委員会の設置を議決したところであります。県議会としても、この緊急事態への対応に積極的に取り組んでいかなければならないと考えており、県政自民クラブでは、今定例会において新型コロナウイルス感染症対策に関する意見書を発案し、国に強く申入れをしていこうと検討しているところであります。 そこで、県には県内で監視体制を強め、リスクを様々に想定した上で感染症対策をはじめ、最大限の対策を取ってもらいたいと思いますが、県内での新型コロナウイルスの感染症の感染拡大を見据え、どのような対策を取っていかれるのか、まずは知事にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(小川恒雄君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてのお尋ねでございます。 本件につきましては、本県でも三月三日現在で二人の陽性患者が発症しており、この一、二週間の感染拡大防止に向けた徹底的な取り組みが必要という観点から取り組んでおります。 そのためには、オール岐阜体制でのスピード感を持った連携が不可欠であります。このため、本県はいち早く庁内に対策本部を設置するとともに、初の陽性患者が発生した翌日の先月二十七日、県、県議会、市町村、関係団体で構成する対策協議会を招集し、情報提供・意見交換をした上で、翌二十八日には、医療体制整備、学校の一斉臨時休業への対応、経済的な支援、イベントや施設の休止などについての当面の方針を包括した新型コロナウイルス感染症対策総合アクションプランを取りまとめております。三月二日には、市町村、関係団体の事務方責任者を改めて招集し、このアクションプランを詳しく説明し、徹底したところでございます。 市中感染が懸念される中、患者の早期発見がまずは重要であり、相談及び検査の体制の充実が不可欠であります。本県は当初から、国基準にとどまらず医療機関の要請があれば弾力的かつ積極的に検査を行う方針を徹底し、二月六日以降、昨日までの累計で百三十一件のPCR検査を実施しております。そして、今後の検査ニーズ拡大を見据え、保健所設置市である岐阜市と連携し、当初一日四十件でありました県内のPCR検査能力を一日八十件に増強いたしました。さらに、これを超える検査数が必要になる場合には、一日当たり最大百二十件まで検査能力を拡大いたします。 また、既に確保している感染症指定医療機関の三十床に加え、感染が蔓延期に入った際の患者受入れのため、一般医療機関等の三百六十一床を確保しており、最大で合計三百九十一床を確保することになっております。 そして、全国的に不足し、国が増産する方針を示しておられますマスク、消毒液等の確保につきましては、医療機関や市町村におけるニーズを踏まえ、本県への配分を国に対して要請いたします。加えて、県が災害応援協定を結んでいる企業、団体に対しましても供給への協力要請を行ってまいります。 なお、物資の買占めについては、岐阜県消費生活条例に基づき、県内市町村とも連携し、全市町村のスーパー、ドラッグストアなどの需給動向を毎日調査するとともに、県民の皆様に対して、県ホームページ、新聞、ラジオ等を通じた情報提供を行い、確実な情報に基づく冷静な消費行動を促してまいります。 さらに、今や早期発見にとどまらず、徹底した感染防止対策が必要であります。総合アクションプランに盛り込んだとおり、公立・私立学校の一斉臨時休業については、個別の事情を十分踏まえて柔軟な対応を行いつつも、県、市町村及び私立学校設置者が極力足並みをそろえ、今週から実施していただいております。また、保育所、幼稚園等に対しましては、感染が発生した場合には、休園や登園停止を徹底していただくよう要請したところであります。卒業式、卒園式につきましても感染防止措置の徹底や開催方法の工夫を実行していただいているところであります。 そして、三月半ばまでに開催を予定していた県が主催または関与するイベント等は原則として中止、延期または規模縮小を行うこととし、県以外の主催者にも同様の措置を要請しております。県有施設につきましても、県図書館については閲覧室等の利用の休止、メモリアルセンター等トレーニングルーム利用も休止するなど感染拡大防止のための措置を徹底しているところです。 なお、県予算に関しては、既に緊急対策として移送車や陰圧装置の配備など医療体制の整備、観光客数の落ち込みに即応した宿泊クーポン券の発行などを予備費により対応してまいりました。そして、ただいま議会冒頭で御説明させていただきましたとおり、追加対策のための補正予算の御審議をお願いしております。今後とも県議会と緊密に連携しつつ対策を遂行してまいりますが、その点で今般、岐阜県議会新型コロナウイルス感染症対策委員会を設置していただきましたことは大変心強く感じておるところでございます。 以上、申し上げました感染症対策のほかにも景気経済・社会生活などへの広範囲にわたる影響についてもきめ細やかに目配りし、機動的に対処してまいります。 ○議長(小川恒雄君) 四十六番 玉田和浩君。    〔四十六番 玉田和浩君登壇〕 ◆四十六番(玉田和浩君) ありがとうございました。 次に、今後の行財政運営について三点お尋ねいたします。 まずは、新年度予算案について二点お尋ねします。 新年度は、古田県政四期目の締めくくりとなる年でありますが、知事には持続可能な財政運営に意を用いつつも様々な課題に真正面から立ち向かい、清流の国ぎふのさらなる深化に向けた取り組みを引き続き強力に進めていただきたいと思います。新年度の当初予算編成に当たり、我が会派からは、景気の下支え効果の高い公共事業予算の安定的な確保、昨年の台風十五号による大規模停電や台風十九号による豪雨災害の検証を踏まえた防災・減災対策の一層の推進、一月末の法改正により名称が豚コレラから豚熱に変更されましたCSFの終息に向けた対策の強化など県政全般にわたり百十九項目の要望を行いました。これに対しまして、知事からは全ての項目について推進するとの回答があり、厳しい財政状況にある中でありますけれども、十分に努力していただき、我々の要望への回答を含めて一定の評価ができる内容であると判断いたしております。 今議会に上程されている県の新年度予算案は、本県の地方創生に挑戦していく予算として引き続き清流の国ぎふ創生総合戦略の三本柱に沿った取り組みを進めつつ、東京オリンピック・パラリンピックの開催など二〇二〇年ならではのチャンスを大いに生かした県の魅力の創造・発信とCSF対策や激甚化する自然災害などの教訓を踏まえた危機管理の徹底に意を用いた予算とのことで、八年連続で前年を上回る八千四百二十億円が計上されております。 また、国の新年度予算案でも、地方財政については前年度を七千億円上回る六十三兆四千億円の一般財源総額が確保されるとともに、地方交付税についても前年度を四千億円上回る十六兆六千億円が確保されており、国としても地方の積極的な取り組みを後押しする予算措置が出されております。 そこで、新年度当初予算案はどのような狙いを持って編成し、その実現のために具体的にどのような取り組みを展開していくのか、知事にお伺いするものであります。 また、県の予算編成の前提となります一般財源の歳入見通しに関しましては、新年度の県税収入と地方交付税の交付額をどのように見込んでおり、臨時財政対策債を含めた一般財源総額はどの程度確保できる見通しなのか、これは総務部長にお伺いするものであります。 次に、女性職員登用の取り組みについてお尋ねいたします。 女性の活躍推進は、数年前に政府の成長戦略の柱の一つに位置づけられて以降、行政組織を含めて組織運営を考える上で避けては通れない重要な政策課題となっております。 昨年四月一日の時点で、県の管理職における女性職員の割合は一七・三%、課長補佐・係長級での割合については二二・八%となっており、それぞれ県計画上の目標数値であります二〇%と二五%に向けて女性の登用が進められています。 もちろん管理職への登用を含む人事管理については、能力、実績などを踏まえて行うことが重要であり、女性登用についてもその前提で行われるべきであります。計画の数値達成が目標となってしまっては、男性職員はもちろんでありますが、女性の職員からも取り組みの賛同を得られず、本末転倒となります。そのために、若いうちから様々な分野を経験させて鍛え、育て上げ、職域の拡大を通じ、管理職になる能力と実績を備えた女性職員の育成に継続して取り組んでいただきたいと思います。 県内の市町村においても女性職員の登用に頭を悩ませているところが多いと耳にします。まず県において女性職員の活躍を推進する取り組みを行うことにより、市町村においても取り組みが広がっていくのではないかと考えます。 そこで、県におけるこれまでの女性職員登用拡大の取り組みの実績とともに、それを踏まえた今後の取り組みの方向性について、総務部長にお伺いするものであります。よろしくお願いします。 ○議長(小川恒雄君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 新年度予算につきましては、人口減少・少子高齢化に直面しながらも活力を生み出し、暮らしの安全・安心を確保する清流の国ぎふづくりを引き続き進めることを狙いとして、昨年三月に策定いたしました清流の国ぎふ創生総合戦略に基づき、編成しております。そして、その中で、東京オリンピック・パラリンピックイヤーである二〇二〇年というチャンスを生かした魅力の創造・発信と想定外の常態化とも言える自然災害やCSF、これはいわゆる豚コレラでございますが、などへの危機管理対策の二点については特に意を用いることといたしております。 また、社会保障関係経費や公共施設の長寿命化対策といった構造的な歳出増要因や国内外の情勢変化なども視野に入れ、財政規律に十分配慮した、言わば節度ある積極予算というふうにしているものでございます。 最初に、重点項目二点について申し上げます。 まず魅力の創造・発信でございますが、本県は新年度をターゲットイヤー二〇二〇と位置づけ、スポーツ振興、観光ビッグイヤーの諸施策、そして文化・芸術の発信に積極的に取り組んでまいります。 具体的には、東京二〇二〇大会の事前合宿受入れ、ホストタウン交流ねんりんピック岐阜二〇二〇、あるいは冬季国体の開催のほか、現在放送中の「麒麟がくる」、岐阜関ケ原古戦場記念館開館、杉原千畝「命のビザ八十年」などを契機とした戦国武将観光、あるいは人道観光という岐阜ならではの周遊観光の展開、そしてエンジン〇一in岐阜や地歌舞伎勢揃い公演などを通した岐阜の文化・芸術力の発信を行ってまいります。 次に、危機管理対策でありますが、防災・減災対策としては、国予算を活用し着実にインフラ整備を進めるほか、昨年相次いだ大規模災害を教訓に、県議会にお諮りしております第二期岐阜県強靱化計画に基づき、市町村トップ及び県民の防災意識の醸成、避難所環境の改善、大規模停電対策などを盛り込んでおります。 また、CSF、いわゆる豚コレラ、ASF、アフリカ豚コレラ対策として、県独自基準にのっとった施設整備を進め、農場の飼養衛生管理水準を強化するほか、CSF対策・養豚業再生支援センターを新設し、経営再開支援を行ってまいります。以上に加え、創生総合戦略に沿って、主要予算を確保しております。 三つの柱から成っておりまして、まず第一に清流の国ぎふを支える人づくりでございますが、合宿形式による起業支援、農福連携の推進による障がい者の農業就労促進などにより、産業人材の育成を行ってまいります。また、就職氷河期世代に対する相談・研修・企業開拓・マッチングといった包括的な就労支援、介護分野への高齢者の就労に向けた助成制度の創設、女性のキャリア形成や継続就労に関する講座の開催などによって、誰もが活躍できる社会づくりを目指してまいります。 第二に、健やかで安らかな地域づくりでございますが、低出生体重児、ダウン症児、多胎児の特性に応じた子育て支援手帳の作成など、きめ細かな子育て環境整備のほか、虐待・家庭内暴力防止の取り組みを進めてまいります。また、ねんりんピック岐阜二〇二〇のレガシーとして、ねんりん運動を健康寿命の延伸と高齢者の生きがいづくりに向けた県民運動と位置づけ、推進組織の設置や市町村の取り組み支援を通じ、全県的に展開していまいります。 最後に、地域にあふれる魅力と活力づくりといたしまして、米国西海岸を新たなターゲットとした飛騨牛のプロモーションの実施、岐阜和傘の伝統的工芸品指定に向けた支援、伝統産業の後継者育成支援などを通じて、ぎふブランドの確立を図るほか、新技術の導入による産業競争力の強化や農林畜水産業の活性化についても必要な予算を盛り込んだところでございます。 以上、新年度当初予算編成について申し上げましたが、目下、未曽有の事態たる新型コロナウイルスの問題が発生しております。この問題への具体的対応につきましては、先ほど御答弁させていただいたとおりでございますが、今後、事態の推移とともに、県財政や政策展開への影響についてもしっかりと見極め、対応してまいります。 ○議長(小川恒雄君) 総務部長 横山 玄君。    〔総務部長 横山 玄君登壇〕
    ◎総務部長(横山玄君) 私には、二点質問を頂きました。 初めに、新年度予算における県税収入及び地方交付税の交付額の見込みと臨時財政対策債を含めた一般財源総額の見込みについてお答えを申し上げます。 まず県税収入につきましては、昨年十月からの税率引上げによる地方消費税の増収など見込んでいることから、今年度当初予算から四十三億円増となる二千四百八十九億円を計上しております。 次に、地方交付税につきましては、令和二年度の地方財政計画を踏まえ、今年度当初予算から二十四億円増となる一千七百五十三億円を計上しております。 また、臨時財政対策債につきましては、地方財政計画において減額されたことから、本県においても三億円減となる三百三十六億円を計上している一方、地方消費税清算金収入について地方消費税と同様、税率引上げにより百六十四億円増となる九百十六億円を計上しており、これらを含めた一般財源総額につきましては、五千八百九十二億円となり、今年度当初予算を二百二十三億円ほど上回るものと見込んでおります。 次に、女性職員登用の取り組みについてお答えを申し上げます。 職員の配置につきましては、職員の持つ能力や適性、経験や実績などを総合的に勘案し、適材適所で行っており、女性職員の登用についても同様となってございます。 そしてこれまで、各部局での政策立案や福祉、観光などの重要施策を担う係長ポスト、あるいは多文化共生など新たな政策課題に対応する管理職ポストに女性職員を配置するほか、総務省等の中央省庁や海外にも積極的に派遣するなど、幅広い視野を備えた人材の育成に努めております。 これにより、令和元年度の管理職及び課長補佐・係長級への女性職員の登用率は、それぞれ約一七%及び二三%となり、目標設定前の平成二十六年度と比べ、いずれも九ポイントの上昇となっておりまして、女性職員の活躍の場が着実に広がってきております。 来年度につきましては、今まさに人事異動作業を行っているところでございますが、今後も引き続き、より一層の職域拡大と人材育成に努めながら、適材適所の考え方のもと、女性職員の登用を進めてまいります。 ○議長(小川恒雄君) 四十六番 玉田和浩君。    〔四十六番 玉田和浩君登壇〕 ◆四十六番(玉田和浩君) ありがとうございました。 次に、活力ある地域づくりに向けた取り組みについて八点お伺いいたします。 まずは、県の海外戦略の総括と今後の方向性についてお尋ねをいたします。 県では、平成二十一年度から観光・食・モノを三位一体でぎふブランドとして海外に魅力を発信する飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトを展開してきました。平成二十一年度のタイ・香港を皮切りに、まずはアジアから始め、その後、欧州、北米、オーストラリアと知事自ら売り込むトップセールスとして、本県の世界遺産や地歌舞伎、飛騨牛やアユなどの農産物、あるいは地酒、陶磁器、刃物、美濃和紙、木工家具などの県産品といった岐阜県の魅力をトータルでPRしてこられました。 そこで、特筆すべきその手法でありますけれども、知事の経済産業省や外務省時代に築いた人脈を活用していることであります。対象国の大使公邸でレセプションを開催するとともに、どのような人を呼べば効果的なプロモーションができるかという点について、大使の人的ネットワークを使って現地で影響力のある富裕層やメディアなどを招いていることにあり、こうした手法は他県の知事にはなかなかできないことだと思います。また、現地の有力なインフルエンサーなどを事前に本県へ招致し、現地の人から見た岐阜県の魅力を発信してもらうなど、効果的なプロモーションを行っている点も高く評価できるものであります。 プロジェクトの成果は、飛騨牛、富有柿をはじめとする農産物の輸出量や本県を訪れる外国人観光客数の大幅な増加として現れております。飛騨牛につきましては、年間五十キロ以上取り扱う飛騨牛海外推奨店は十二か国四十七店舗まで拡大されました。また、本県の観光入り込み客数は、着実に増加しており、特に外国人の延べ宿泊数につきましては、平成二十三年の十三万人から平成三十年には過去最高の百四十八万人と約十一倍まで増加しました。 このように、プロジェクトの成果は着実に出ていますが、外国人観光客につきましては、国としても二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年には六千万人と長期的な視点で取り組んでいるように、本県においても欧州や北米等を中心にまだまだ伸びる余地はあると思われます。今後さらなる取り組みの強化、発展を期待するものであります。 そこで、県の飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトの推進により、各分野で着実に成果が上がったと評価しておりますが、同プロジェクトに対する県としての成果を含めた評価を知事にお伺いするものであります。また、今後その取り組みをさらに強化・発展させるべきだと考えますが、方向性についても知事にお伺いするものであります。 次に、世界農業遺産活用に向けた展開についてお尋ねをいたします。 早いもので、今年の十二月には、清流長良川の鮎が世界農業遺産に認定されてから五年の節目を迎えます。認定のとき、世界農業遺産清流長良川の鮎推進協議会の会長として古田知事と共に、イタリア・ローマに飛び、認定を勝ち取ったときの喜びと感動は今でも鮮明に覚えております。認定後には、岐阜県独自に皆様方、御承知のとおり、七月の第四日曜日をGIAHS鮎の日として制定し、また一昨年の六月には世界農業遺産清流長良川の鮎の情報発信拠点として郡上市内に、清流長良川あゆパークがオープンするなど、県は清流の象徴である県の魚アユへの関心を高める取り組みを推進しております。 知事のアジア諸国へのトップセールスがきっかけとなって開催されたアユの輸出については、平成三十年度には、タイ・ベトナム・香港の三か国に対し、約一・四トンが輸出されるなど着実に伸びており、昨年は県の飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトによるプロモーション活動で、初進出となったオーストラリアにおいても県産アユが振る舞われ、今後の同国での取扱いに大いに期待しているところであります。 また、世界農業遺産清流長良川の鮎推進協議会が始めました岐阜アユ海外推奨店による認定第一号には、バンコクの日本食レストラン「きさら」が認定され、昨年十一月に現地で実施された認定式典には、私も協議会の会長として河合副知事とともに出席しました。今後、岐阜アユが世界的に知名度の高いブランドとして定着し、認定店がタイをはじめ、世界中に広がっていくことを切に願っております。 そこで、岐阜県産アユの知名度及びブランドの向上、さらなる輸出拡大に向けて、世界農業遺産認定を活用した取り組みを拡大させていくことが必要と考えますが、農林水産業の振興、観光誘客、伝統業法や文化の継承、地域ぐるみでの河川や景観の保全等、清流長良川の鮎を全面に押し出した今後の県の総合的な施策展開を知事にお伺いするものであります。 次に、「スポーツ立県・ぎふ」の推進についてお尋ねいたします。 今年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックを迎えるメモリアルイヤーであり、スポーツが脚光を浴びる一年となります。県ではスポーツ立県・ぎふを基本目標に掲げ、東京オリンピック・パラリンピックの開催年である今年をターゲットイヤーとする清流の国ぎふスポーツ推進計画を平成二十七年三月に策定しました。この計画に沿って、県ではこれまでトップアスリートに向けた御嶽濁河高地トレーニングセンター等の県有スポーツ施設を整備し、スポーツ合宿の誘致等のスポーツを核とした地域活性化に向けた取り組みを推進するとともに、有望選手のサポートやジュニア選手の発掘・育成等による競技力向上に取り組んできました。 毎年一月に開催されます全国都道府県対抗駅伝競走大会に向けて岐阜県チームが高地トレーニングエリアで行う強化合宿に対して県は費用を助成していますが、この大会で岐阜県チームが好成績を残すことが県の高地トレーニングエリアの最良の宣伝となり、施設の利用促進にもつながっていくことから、今後の入賞を目指し、引き続き選手の育成強化を進めてもらいたいと思います。 また、ぎふ清流福祉エリア、県福祉友愛プールや県福祉友愛アリーナを整備するなど、障がい者スポーツを支える環境整備にも精力的に取り組んできました。そして、県民のスポーツへの関わり方という観点では、岐阜県で初開催しました平成二十八年の全国レクリエーション大会や昨年の日本スポーツマスターズ、そして今や岐阜の春の風物詩としてすっかり定着しました高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン等の開催は、スポーツをするだけではなくて、観て、支える機会の提供としてきたことが県のスポーツ参加人口の拡大につながったものではないかと考えます。 新年度は、東京オリンピック・パラリンピックの後にも、ねんりんピックや冬季国体スピードスケート競技会の開催など、スポーツ立県・ぎふに向けた取り組みを大きく前進させるまたとないチャンスの年でもあります。 そこで、新年度は清流の国ぎふスポーツ推進計画の集大成の年となりますが、同計画が目指すスポーツ立県・ぎふの実現に向けて、どのような取り組みを実施していくのか、これも知事にお伺いするものであります。 次に、東海環状自動車道路の整備促進についてお尋ねをいたします。 東海環状自動車道路の全線開通が本県にもたらす効果は、これまでも多くの議員の皆さんがこの議場で取り上げてきたように、成長分野等の企業立地や観光振興、国土強靱化等の面でも大変大きな効果が見込まれます。県議会としても、平成十七年に建設促進議員連盟を結成して以来、毎年議員連盟主催の東海環状自動車道西回りルート建設促進大会を開催し、国に対して一貫して建設を強く働きかけているところであります。一日も早い全線開通を実現する必要があります。 昨年十二月には、大野神戸インターチェンジから大垣西インターチェンジ間が開通し、そして今月二十日には、関広見インターチェンジから山県インターチェンジ間と、岐阜三輪パーキングエリアにおいて、岐阜三輪スマートインターチェンジが同時開通する予定となっております。また、山県インターチェンジから大野神戸インターチェンジ間につきましては、財政投融資の活用により、既に二〇二四年度の開通見通しが示されているところでありますが、この区間につきましても可能な限り前倒しで整備が進むことを期待しております。 唯一、西回り区間で開通見通しが示されていない、いわゆる養老インターチェンジ以南の県境区間十八キロメートルについても事業主体であります国土交通省が県境の未買収地の取得手続を進めているとのことであります。 他方、東回り区間においては、昨年九月、渋滞解消や事故防止等の基盤強化のため、土岐ジャンクションから美濃加茂インターチェンジ間が四車線化の優先整備区間に設定され、一月からこの区間での車線の追加設置工事が始まっております。これをきっかけに、全線の四車線化につなげていく必要があると思います。 そこで、東海環状自動車道の整備促進について、今後どのように取り組んでいかれるのか、これも知事にお伺いするものであります。 次に、名岐道路の早期事業化と国道二十一号の立体化に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。 リニア中央新幹線の二〇二七年の開業まで、残り十年を切りました。さきの十二月定例会において、県政自民クラブの平岩議員の一般質問におきまして、知事は東京オリンピック・パラリンピックの次に県が設定するターゲットイヤーは、その二〇二七年であるとの認識が示されました。 岐阜県駅ができる中津川市の新駅予定地周辺では、濃飛横断自動車道や瑞浪恵那道路など新たなアクセス道路の整備に向けた整備に向けた動きが進んでいます。中津川市に岐阜県駅ができることで、リニア開業による首都圏への所要時間短縮効果は東濃地域や飛騨南部地域等の沿線地域にとっては画期的に大きなものとなります。しかし、県内の人口の半数を抱える岐阜地域や西濃地域など県内で大半を占める沿線地域以外の地域にもリニア中央新幹線の高速性による時間短縮効果を波及させるためには、リニア中央新幹線の名古屋新駅との結節機能の強化・充実と併せて行っていく必要があります。 現在、名古屋圏と本県を結ぶ重要計画として、名岐道路と国道二十一号の岐阜市内立体化事業の整備に向けた構想があるものの、これまでの事業進捗は芳しくありません。滞ったまま何年もの月日が経過しております。両道路の整備により、交通渋滞の緩和、交通安全確保がされれば、リニア効果のさらなる岐阜県への波及が期待できます。今こそ整備に向けた動きを活性化させるべきと思います。 そこで、名岐道路の早期事業化と国道二十一号の岐阜市内立体化事業を促進し、岐阜市内南部の幹線ネットワークを構築するために、国に対して早期の工事着手を求めていくことが必要と考えますが、今後の県の取り組みを知事にお伺いします。特に、国道二十一号の岐阜市内立体化事業につきましては、平成三十年九月の私の質問に対しまして、知事からは今後最優先で進めるべき重要な事業の一つと位置づけて、国へ早期整備を強く働きかけていくという御答弁でございました。その後の県の取り組みを含めて答弁いただければありがたいと思います。 次に、観光ビッグイヤーにおける観光政策についてお尋ねします。 県では、東京オリンピック・パラリンピックの開催や関ケ原合戦四百二十年、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送、杉原千畝生誕百二十年、命のビザ発給から八十年の節目を迎えることなど、県がその魅力を全面的に発信できる歴史的な年となる今年を観光ビッグイヤーと位置づけて、県の魅力・発信に力を注いていくこととしております。 新年に入って早々、一月十一日には、岐阜市、可児市、恵那市で「麒麟がくる」大河ドラマ館が三館同時オープンし、岐阜市のドラマ館ではオープン十日目で来場者が一万人を超えるなど、出足は上々のようであります。「麒麟」効果は、岐阜城の入場者にも表れております。一月の月間入場者が初めて月間二万人を超え、過去最多を記録したとのことであります。岐阜城は四月のオリンピック聖火リレーコースにもなっておりまして、周辺の観光振興にとって追い風が続きます。 七月のオリンピック開催前には関ケ原古戦場のシンボルとなる岐阜関ケ原古戦場記念館のオープンが控えており、大河ドラマ館と併せて県が進める戦国武将観光の拠点として多くの観光客が訪れることを期待します。 また、リトアニアの国会では、今年を杉原千畝イヤーと宣言し、岐阜県が世界に誇る偉人の顕彰を、国を挙げて実施するとのことであり、これに呼応して県でも人道観光をテーマとした観光誘客を展開していくとのことであります。 加えて、エンジン〇一in岐阜やまた全国から延べ六十万人が参加するねんりんピックぎふ二〇二〇が開催されるなど、一年間を通じて岐阜県の魅力を発信する機会があふれています。 そこで、こうした機会を生かした本県の魅力を存分に発信するため、観光ビッグイヤーにおける具体的な取り組みについて観光国際局長にお伺いをするものであります。 次に、岐阜産業会館の今後の施設運営についてお尋ねします。 岐阜産業会館は、昭和四十五年八月に県と岐阜市が共同で開設した施設でありますが、施設の老朽化が進んでおり、現在、文化ホールの貸出しは休止しております。また、大中小展示場の利用率は近年四割程度を推移しているため、会館の運営は原則的に毎年の施設使用料の収入の範囲内で実施するとともに、老朽化した施設の改善も現状維持を基本に、緊急度の高いものに限定して実施されてきております。岐阜産業会館の施設運営につきましては、これまで県では共管者である岐阜市への譲渡や移管、施設の廃止も視野に入れて、岐阜市との間で協議、検討を継続してきたとのことですが、今日まで判断が先延ばしにされてきています。 しかし、来年度中には建物の法定耐用年数である五十年を超えるため、いよいよ何らかの判断をすべきする時期に来ていると思います。 そのような中、昨年九月、岐阜市議会において、施設の老朽化により現状による施設存続は困難であると、県と市の組織である岐阜産業会館運営管理協議会において、貸館業務の停止について検討している旨の答弁がなされております。 岐阜産業会館は、県内で唯一大型重機による搬入が可能な大展示場を備え、重量物を展示できる施設であります。三百五十台もの無料駐車場も備えておりまして、これまでに産業用機械や住宅関連の展示会など様々な催しが行われ、事業者や県民からも非常に使い勝手のよい評判のいい施設だと言われております。 こうした機能を備えた施設は、県内ではほかにはなく、地場産業の振興や新産業の創出といった観点からこれまで岐阜産業会館が果たしてきた役割は非常に大きなものではないかと思います。そのため、施設を廃止するのであれば、この機能をどこかが代替するか、既存の類似施設の稼働状況、あるいは地域や産業界の存続ニーズ、施設の管理運営コストなどの観点から検討した上で丁寧な議論や検討を重ねながら、結論を出していくことが必要だと思います。 そこで、岐阜産業会館の今後の施設運営について、現在県がどのような検討をなされているのでしょうか、また施設の廃止となる場合、同会館の貸館業務がなくなると県内では大規模な展示会等が開催できる施設がないことから、今後どのように対応していくのか、併せてこれは商工労働部長にお伺いするものであります。 次に、アクティブGの評価で今後の方針についてお尋ねします。 アクティブGは、JR岐阜駅の高架下空間を利用するため県所有の高架下建物を森ビル都市企画に一括貸付け、その管理運営を森ビル都市企画が自らの経営ノウハウにより行う、いわゆる公設民営方式で、平成十二年七月にオープンしました。今年二十周年を迎えますが、県と森ビル都市企画との賃貸契約期間は来年度末までとなっております。 アクティブGでは、これまで様々な取り組みがなされてきていますが、例えば毎年九月に開催されます県内外の工芸作家が作品を販売する「GIFUクラフトフェア」は、昨年は三日間で十一万人が来場するビッグイベントに育ち、アクティブGの年間来場者数は五百万人に達するなど、駅周辺地域の活性化に多大なる実績を上げています。また、二階にあります県産品アンテナショップ、ザ・ギフツショップでは、県産品の常設販売やテストマーケティングが実施され、アクティブG内の飲食店と連携した地酒ワークショップを開催するなど、店舗間の連携による相乗効果も生み出しております。 加えて、昨年度リニューアルしました一階の県産食材を販売する駅市場DODAも売上げが好調のようであります。このDODAという意味がようわからんのやけど、知事に聞いたら「どうだ見たか」と、こんなような意味だそうでございます。 また、県内各地の観光PRや特産物販売を行う市町村フェアも積極的に開催されるなど、全館を挙げて県産品の発信に取り組まれております。JR岐阜駅周辺は県都岐阜市の玄関口でありまして、引き続きにぎわい創出に力を入れていくとともに、他県から訪れる駅利用者などに対する県産品販売や情報発信に積極的に取り組むべきであることから、今後もアクティブGの適正な運営に努める必要があると思います。 そこで、アクティブGの運営に対するこれまでの評価と今後の県の方針について、商工労働部長にお伺いするものであります。よろしくお願いします。 ○議長(小川恒雄君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 私には五点お尋ねがございました。 まず最初に、県の海外戦略についてであります。 飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトということで、平成二十一年から約十年にわたって観光誘客、食、モノの輸出や販売促進を官民一体となって実施してきたわけであります。 これにより、海外からの宿泊客数は比較可能な平成二十三年と令和元年と比べてみますと、約十一倍ということでございます。とりわけトップセールスを積極的に行ってきたイギリス、フランス、スペインといったヨーロッパ主要国は顕著な伸びを見せ、令和元年の全国順位はいずれも十位以内、特にスペインは四位ということになっております。 食については、飛騨牛の輸出量が平成二十年度の〇・三トンから平成三十年度には約六十トンに拡大し、飛騨牛の海外推奨店は十二か国、四十七店舗に増加しております。さらに、富有柿の輸出量も約五倍に増え、近年では新たにアユの販路開拓にも着手しました。 また、伝統工芸品など県産品を常時扱う、私どもGAS店舗と言っておりますが、グローバル・アンテナ・ショップについては、現在八か国十三店舗に拡大し、これと取引をする県内の事業所数も百十五に伸びております。このように、この十年間の取り組みに一定の手応えを実感しているところでございます。 今後、さらに次のステージに上がっていくためには、他の地域にはない差別化した岐阜の魅力を本物、あるいは持続可能といったコンセプトで、海外に広く、しっかりと知っていただくことが必要だというふうに考えております。 本県の強みは、長良川鵜飼い、中山道や地歌舞伎、さらには世界遺産白川郷などの伝統・文化、また陶磁器・和紙・木工・刃物などのたくみの技が、いずれも長い時を超えて先人から受け継がれ、日々の暮らしの中で今も息づいているということにあります。 これらの岐阜県ならではの観光資源は、専ら観光用につくったものではなく、千年以上の歴史を誇り、本物の日本ないし日本人の源流といったものを感じることができるものと思っております。まさに、国連で提唱されているSDGs、開発可能目標の理念を体した持続可能な観光を担うに値するものであるというふうに考えております。 そこで、例えば国連の観光機関でありますUNWTOなどとも連携し、各種災害、オーバーツーリズム、過剰な混雑というふうに訳されておりますが、といった観光面での様々なリスクに対する対策の整備を進めてまいりたいと思っております。また、観光庁が新年度より取り組む予定の日本版・持続可能な観光指標モデル事業にも岐阜県として積極的に応募してまいりたいというふうに思っております。 さらに、持続可能な観光地を意識した新たなブランディング展開も準備しております。例えばインバウンド向けウェブサイトをリニューアルし、映画「ダ・ヴィンチ・コード」の撮影チームによる動画などで外国人旅行者の目を引きつけていきたいというふうに考えております。また、宿泊とたくみの技、伝統文化、自然体験活動などの体験ツアーの予約手配までをワンストップで行ってまいります。これにより本県を訪問先として直接選んでいただき、県内での宿泊滞在を促進したいと思っております。 さらに、杉原千畝氏にちなんだ人道観光について、SDGsに掲げられた平和や多様性への理解につながる観光資源として、例えばユダヤ系の方が多いアメリカ西海岸でのこうしたテーマでのトップセールスを試みてみたいというふうに考えております。 次に、食については、引き続き飛騨牛の輸出拡大に努めるとともに、飛騨牛に続くブランド品目の育成に取り組んでまいります。具体的には、日米貿易協定締結をチャンスと捉え、アメリカ西海岸を新たな飛騨牛輸出のターゲットとするほか、中国における牛肉輸入解禁の動きを踏まえ、現地でのマーケティング調査を実施してまいります。 アユにつきましては、タイ、ベトナムに続く新たな国への輸出とともに岐阜県アユ海外推奨店を増やしてまいります。また、柿についても、天下富舞など高級ブランド柿の輸出に新たに取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、モノにつきましては、新たにアマゾンなどのインターネット販売サイトを活用し、世界をターゲットに県産品の販路拡大を一層推進してまいります。その準備として、来年度は巨大なマーケット等流行発信力を有するアメリカにおいて、期間限定ショップによるテスト販売を行い、市場動向を調査してまいります。 このように十年前より始めた観光・食・モノの三位一体のプロモーションのステージアップとして、世界が求める「持続可能な観光」という指標に基づいたプロモーションを戦略的に実施していくことで、県の知名度向上、誘客促進、食やモノの販路拡大を一段と強化してまいります。そして、こうした海外での評価を国内での再評価、地域での消費拡大、そして地方創生につなげるなど、好循環の形成に取り組んでまいりたいと思っております。 次に、世界農業遺産の活用ということでございます。 御紹介がありましたように、平成二十七年に清流長良川の鮎が世界農業遺産に認定されて以来、これまで、GIAHS、これは世界農業遺産の横文字ですが、GIAHS鮎の日の制定、清流長良川あゆパークの整備、清流長良川恵みの逸品の認定、全国GIAHSの集いinぎふの開催などを通じて、その価値を広く発信してまいりました。 また、アジアやアフリカ諸国からの研修生の受入れについては、JICA、独立行政法人国際協力機構と連携して、内水面漁業研修センターにおいて積極的に行ってきております。さらに、タイ政府の要請に応じ専門研究員を現地に派遣した結果、タイにおけるニジマスの稚魚生産量が倍になるなどの成果も上げております。 平成三十年に行われました国の世界農業遺産等専門家会議によりますモニタリングでは、私どものこの清流長良川の鮎については、全体としてよく取り組まれており、とりわけ国際貢献では国内の認定案件の中では最も推進されていると大変高い評価を受けております。 世界農業遺産の理念は、「遺産的価値のある農業システムを保全し、次世代へ継承していくこと」ということであります。今後もこの理念に基づいて、さらに取り組みを深化させてまいります。 まず、何より世界農業遺産のシンボルである「アユを守り育てること」が重要であります。このため、魚苗センターの計画的な改修や、稚アユ生産に必要な親アユの養成技術を確立し、放流稚アユの安定供給体制を整備してまいります。あわせて、放流効果を高めるため、春先から小型の稚アユを大量に放流する早期小型放流、冷水病に強く、低水温のダム上流域に適した稚アユ開発などに取り組んでまいります。また、アユが育つ清流を守るため、長良川源流の森育成事業、長良川流域連携クリーン作戦など、漁業者や市民とともに森や川を守る活動を促進してまいります。 同時に、育て上げてきたアユのブランド価値を強く発信し、販路拡大を図ってまいります。昨年から郡上漁業協同組合が東京豊洲市場へ出荷し、大変高い評価を受けております。このブランド価値を生かし、飛騨牛など本県が誇る食材と併せて、首都圏でのメニューフェアの開催などPRを強化してまいります。また、豪州向けのアユの商業用輸出解禁に向けた病原体保有状況の調査・分析、岐阜アユ海外推奨店の拡大などにより、海外輸出を促進してまいります。 さらには、旅行雑誌などのメディア向けに長良川流域を巡る体験ツアーや観光ビッグイヤーにおける大河ドラマ館と鵜飼いやアユ料理等を組み込んだ旅行商品の造成など世界農業遺産を活用した交流人口の拡大を図ってまいります。 一方、先人のたゆまない努力により受け継がれてきた伝統漁法、文化を未来に継承するための人材を育てていかなくてはなりません。このため、まずは若い世代の川や魚への関心を高めるため、あゆパークでの漁業体験や漁業協同組合が行う釣り教室や伝統漁法である友釣り講習会など、川と魚に親しむ様々な体験活動を提供してまいります。また、川や魚をテーマとしたふるさと教育を通じて、若い世代にGIAHSの価値を伝えてまいります。あわせて、アユを中心とした内水面漁業の担い手の育成とともに、美濃和紙、岐阜和傘等の伝統文化の後継者育成支援にも努めてまいります。 国際貢献についても引き続き力を入れてまいりますが、今年九月、中国で開催される東アジア農業遺産学会において、こうした清流長良川の鮎の取り組みを発表し、世界に発信するとともに、二〇二一年度に日本で開催されるこの学会の本県での開催を目指してまいります。 清流長良川の鮎は、今年十二月には認定五周年を迎えます。清流長良川の鮎の世界農業遺産の認定は、私自身は清流の国ぎふの丸ごとの世界からの認定と、そうした思いでおるわけでありまして、この五周年を機に県内外のGIAHS関係者が一堂に集う「GIAHS未来の集い」を開催し、日頃の活動の成果を語り合いつつ、未来への継承を誓う機会として、そして清流の国ぎふを丸ごとアピールする機会としてまいりたいと思っております。 次に、「スポーツ立県・ぎふ」についてでございます。 本県は、清流国体・清流大会以来、この東京オリンピック・パラリンピック開催年の二〇二〇年をターゲットイヤーということで、スポーツ振興に取り組んできております。 先月、パラテコンドーの工藤俊介選手が本県ゆかりの選手第一号としてパラリンピック日本代表に内定しました。さらに先日は、自転車競技の橋本英也選手がオリンピック日本代表選出を確実にしたところであります。引き続き、オリンピック三十人、パラリンピック十人の県ゆかりの選手出場という目標に向け、代表選考レースにしのぎを削る選手に特化し、重点的な支援を行ってまいります。 また、ホストタウンを登録している十の市町と連携会議を開催し、海外選手団の受入れやおもてなしの方針を共有するとともに、大会期間中には、岐阜駅前にコミュニティライブサイトを設置し、県ゆかりの選手やホストタウン相手国などを応援する場を提供してまいります。 東京二〇二〇大会の後には、全国健康福祉祭ねんりんピック岐阜と冬季国体スピードスケート競技会ぎふクリスタル国体が控えております。特にねんりんピックは、県内全市町村で合計六十三種目の大会が開催され、全国から参加する約一万人の選手に加え、子供から高齢者まで世代や立場を超えて多くの県民に参加いただく一大イベントでございます。ぎふ清流国体・ぎふ清流の国大会以降、スポーツをはじめ各種の大会を開催する中で育んできた岐阜県自慢のおもてなしの心を持って、大会を成功させたいと考えております。 さらに、こうした取り組みを一過性のものに終わらせることなく、レガシーをしっかりと引き継いでいくことが重要でございます。本県競技力を支える次期トップアスリートへの支援やジュニア世代の選手発掘・育成に取り組むとともに、東京パラリンピックを契機に新たに取り組んできた障がい者アスリートの育成強化や、裾野の拡大を進めてまいります。あわせて、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアなど県有施設への合宿誘致にも引き続き取り組んでまいります。 また、ねんりんピックの開催に向けて全県的に展開している県民の健康寿命を延ばすねんりん運動は、大会終了後も県民運動として拡大を継続してまいります。 こうした取り組みについて、スポーツ界をはじめ関係団体に御意見を頂きながら、来年度中に改定をします清流の国ぎふスポーツ推進計画の中にしっかりと位置づけてまいります。 次に、東海環状自動車道の整備促進でございます。 これは申すまでもなく、首都圏と近畿圏、太平洋と日本海をつなぐ、日本の真ん真ん中のロータリーとしての機能を有し、日本の経済や観光、産業の発展を支えるとともに、大規模災害時には広域支援や救急搬送のルート機能を発揮する極めて重要な道路でございます。 本自動車道の整備につきましては、これまでも県議会の皆様や隣接県、沿線市町、経済界の皆様と連携し、あらゆる形で要望活動を展開してまいりました。このところは、養老から北勢インターチェンジ間の開通見通しを一日も早く示すこと、山県から大野神戸インターチェンジ間の開通を可能な限り前倒しすること、東回り区間の早期四車線化を進めることについて、強く要請しているところでございます。 そうした中、本自動車道は昨年十二月に大野神戸インターチェンジが開通し、今月二十日には山県インターチェンジ及び岐阜三輪スマートインターチェンジが開通予定と、待ちに待った開通が続いておるわけでございます。これにより、開通延長が約七割に達し、いよいよゴールが見えるところまで来たわけでございます。 そうした中、今年一月には、山県から大野神戸インターチェンジ間について、国より事業費が当初見通しに比べかなり増額になることが明らかにされました。そこで、これを予定どおり令和六年度までに開通させるために、直轄事業費の一部を中日本高速道路株式会社が立替え施行し、開通後に同社に返済をするという特別な措置が取られることとなっております。 また、今年一月には、岐阜県と三重県との県境区間で、国において土地収用に向けて手続が開始されました。県としても、用地課に土地収用の専任職員を配置するなど土地収用手続のための体制を確保するとともに、国に対して早期の開通見通しの公表、工事期間が長くなると予想されるトンネル工事の早期着手を強く訴えてまいります。 また、東回り区間におきましても、早期の四車線化に向けて積極的に働きかけてまいります。さらには、本自動車道の効果が最大限発揮されるよう各インターチェンジにつながるアクセス道路の整備を着実に進めてまいりたいと思っております。 申すまでもなく、本自動車道の全線開通は、まさに今、最優先で取り組むべき最重要プロジェクトの一つであります。あと残り三割は、まだ三割でもあります。これまで以上に関係者と一丸となって、早期の全線開通に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。 最後に、名岐道路の早期事業化、そして国道二十一号の立体化についてでございます。 まず名岐道路でございますが、まさに岐阜と名古屋圏域を直結する大動脈として地域経済を支えるとともに、リニア中央新幹線の名古屋駅開業効果を最大限波及させる上でも重要な役割を担うものであると認識しております。こうしたことから、本県でも国に対し早期の事業化を訴えてきているところでございます。 そこで、平成三十年十一月に、名古屋高速の一宮中インターチェンジから東海北陸自動車道の一宮木曽川インターチェンジ間の約六キロメートルが優先的に整備される区間として位置づけられております。その後、昨年十二月には、この区間全線を立体構造で整備する方針が示されております。また、先月には中京圏の新たな高速道路料金の具体案が示されましたが、その中で名岐道路の整備について、名古屋高速道路公社が事業主体となることを前提とするという方針も示されております。 このように、事業化に向けて着実に進みつつありますが、さらに本道路の早期事業化に向けた環境影響評価や都市計画決定の手続を速やかに進めるよう関係機関や団体とも連携し、国等に対し強く働きかけてまいります。 次に、国道二十一号岐阜市内立体事業についてでございますが、岐阜市茜部本郷から下奈良間の約五キロメートルを立体化するという計画であります。名古屋圏域からの人やモノの流れをつくる上でも、今後最優先で進められるべき重要な事業の一つとして位置づけております。 昨年二月には、国において有識者とともに本県や岐阜市を交えた構造検討会が設立されました。そこでは必要な車線数、出入口の配置、形式等の道路構造の方向性が確認されております。 これを踏まえ、昨年七、八月には国が主体となり、県、岐阜市と合同で三年ぶりとなる地元報告会を開催しております。この報告会では、八車線化や立体化する区間の見直しの必要性、出入口の適切な配置や形式の検討状況、都市計画変更に向けた今後のスケジュール等について説明し、参加者からは使いやすい形で早期に整備してほしいといったような意見が出されております。 現在は、国において都市計画変更に向けた概略の設計が行われております。今後、基本的な道路構造の決定に向けた第二回目の検討会が開催される予定でございます。県としては、この流れを加速させ、速やかに都市計画変更に向けた手続を行い、早期に工事着手するよう国に対し、あらゆる機会を捉えて強く働きかけてまいります。 ○議長(小川恒雄君) 観光国際局長 崎浦良典君。    〔観光国際局長 崎浦良典君登壇〕 ◎観光国際局長(崎浦良典君) 観光ビッグイヤーにおける観光施策についてお答えします。 まず戦国武将観光については、岐阜関ケ原古戦場記念館開館とそれに合わせたナイトイベントや合戦再現イベントの実施等により、広域周遊観光の核となる関ケ原古戦場の魅力づくりに取り組んでまいります。 また、県ゆかりの戦国武将と観光地の情報を盛り込んだ戦国ウェブサイトを構築するとともに、JR東海と連携し、明智光秀ゆかりの地や関ケ原などを巡る観光商品の企画、東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス利用者への観光施設等の割引企画、これらと連動した大都市圏でのプロモーションなどを行ってまいります。 次に、人道観光では、杉原千畝氏を縁に関係を築いていたリトアニアとの相互訪問ツアーを実施するとともに、アメリカ西海岸でのトップセールスの際、ユダヤ系メディアへの情報発信や杉原千畝ルートを巡る旅行商品のPRなど、人道観光をアピールしてまいります。 さらに、ねんりんピック岐阜二〇二〇の開催に合わせ、来県者に楽しんでいただけるような観光ツアーを企画するなど、戦国武将観光と人道観光を推進してまいります。 ○議長(小川恒雄君) 商工労働部長 井川孝明君。    〔商工労働部長 井川孝明君登壇〕 ◎商工労働部長(井川孝明君) 活力ある地域づくりについて二点御質問いただきました。 まず岐阜産業会館の今後の施設運営についてお答えします。 岐阜産業会館は、昭和四十五年の設置以来、工作機器の展示や住宅商談会をはじめ、企業や団体の様々な催しに活用されてまいりました。 しかしながら、今年で築五十年と老朽化が著しく、これまでも外壁補修や展示場の床の張り替えなどを行ってまいりましたが、近年、空調や電気設備の不具合、雨漏りも多く発生し、引き続き施設を維持するには約二十四億円もの施設改修費が必要と試算しております。 また、国内外の見本市への出展など、商機を求める場が変化してきたことなどから、大展示場の稼働率も最盛期である平成七年度の七七%から昨年度は四〇%とほぼ半減し、重量物の展示も年間数件程度と利用ニーズは減少しております。 こうした状況を踏まえ、共同設置者である岐阜市とも検討を重ねた結果、来年度末をもって廃止をせざるを得ないのではないかとの考えが大勢を占めております。今後、利用者に対しては、同規模の展示スペースを備えた岐阜メモリアルセンターやセラミックパークMINOなどを御案内するとともに、重量物の展示については、今後の在り方を含め、その対応について岐阜市と丁寧に検討を進めてまいります。 次に、アクティブGの評価と今後の方針についてお答えします。 JR岐阜駅のアクティブGは、この七月で二十年を迎え、この間、森ビル都市企画に運営委託を委ねてまいりました。 そして、クラフトフェアやザ・ギフツショップなどにおける地場産業の振興や県産品のPR、あるいは駅市場DODAやアユやイチゴをテーマとしたフェアなどを通じた県産食材のPRに積極的に取り組まれ、来館者も開館当初の四百万人程度から昨年度は五百十一万人へ増加するなど、本県の情報発信と駅周辺のにぎわい創出に貢献しているものと評価しております。今回、外部有識者による評価会議からも期待される水準を満たす運営・管理がなされているとの評価を頂いたところです。 こうしたことから、向こう十年間、森ビル都市企画に運営委託を委ねたいと考えており、この二十年間に蓄積されたノウハウを最大限発揮し、より積極的な取り組みを期待しております。現在、二十周年記念イベントの計画を進めておりますが、今後も連携を強化し、アクティブGのさらなる魅力向上に取り組んでまいります。 ○議長(小川恒雄君) 四十六番 玉田和浩君。    〔四十六番 玉田和浩君登壇〕 ◆四十六番(玉田和浩君) ありがとうございました。 次に、安心・安全な暮らしの確保に向けた取り組みについて八点お尋ねいたします。 まずは、次期県環境基本計画の方向性についてお尋ねをいたします。 昨年末に策定されました国の第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略では、国連の持続可能な開発目標、いわゆるSDGsを地方創生推進の原動力とすることが明記されました。お手元に配付の資料を出しましたが、SDGsの十七の目標には、環境分野の課題に関する多くの目標があります。例えば目標十三の気候変動への対応をはじめ、水に関する目標六、エネルギーに関する目標七、消費と生産に関する目標十二、海や陸の生態系に関する目標十四と十五など実に多岐にわたっており、地球環境の持続性に関する国際的な危機感が高まっております。SDGsは経済社会環境に関わる諸課題に統合的に取り組むための世界共通の目標です。 環境は人類の生存基盤であり、環境への配慮を欠いた経済成長などもはやあり得ません。環境政策においては、いかに環境を保全するかという従来からの視点からももちろんですが、それだけにとどまらず経済社会の諸課題にも同時に配慮しながら、環境と関わりの深い目標を達成し、いかに持続的な成長につなげていくかという視点がますます重要になってくると考えます。 県環境基本計画は、来年度には計画期間の最終年度となる五年目を迎え、新たな計画の策定に向けた検討が進められる重要な年となります。海洋プラスチック問題、温室効果ガス削減問題等、環境問題への世界的な関心がかつてないほど高まりを見せる中、SDGsに取り組む岐阜県としても重要な計画であると考えます。 そこで、県の環境施策の基本的な指針となる次期の県環境基本計画の方向性について知事にお伺いするものであります。 次に、国の経済対策を生かした防災・減災対策、県土強靱化の推進についてお尋ねいたします。 一月末に総額四兆四千億円の国の補正予算が国会で成立しました。国では、この補正予算と現在国会で審議中の新年度当初予算を合わせた十五か月予算により、大型の経済対策が実施されることとなっています。 成立した国補正予算では、昨年の台風十九号などの災害からの復旧・復興や防災・減災対策のために最大となる二兆三千億円が配分されました。具体的な対策内容としては、氾濫リスクの高い河川の堤防強化や川底の掘削などをはじめ、農業、水利施設やため池、治山施設の強靱化や災害のときに物資の輸送を確保するための道路ネットワークの機能強化など必要な事業が盛り込まれております。 県では、現在国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を活用し、県土強靱化に取り組んでいるところでありますが、この三か年緊急対策は三か年で七兆円の事業規模で、国費ベースでは三兆七千億となっています。県は、三か年緊急対策をフル活用し、この二年間で約二百四十五億円の事業費を確保したとの答弁が昨年の六月の定例会でなされましたが、今回の国の経済対策において、防災・減災対策に割かれる事業費は今後成立が見込まれる国の新年度当初予算を合わせると、三か年緊急対策に相当する規模となっています。県強靱化計画の更新に向けた議案が今定例会に提出されていますが、県計画に基づく取り組みを確実に実施していくためにも、今回のこの国の経済対策を活用して、必要な対策を前に進めていく必要があると思います。 そこで、国の経済対策を生かした岐阜県の防災・減災対策、県土強靱化の指針について、危機管理部長にお伺いするものであります。 次に、大規模停電対策についてお尋ねいたします。 二〇一八年九月の北海道胆振東部地震で北海道全域が停電となる国内初のブラックアウトが発生しましたことや、昨年九月の関東地方を直撃した台風十五号で長期間にわたる大規模な停電が発生したことを踏まえ、次期の県強靱化計画における目玉策として、大規模停電対策が大きく取り上げられています。現代の暮らしで電気がなくては、情報収集も健康維持もままなりません。停電で不自由な生活が続くことで、継続的にストレスを感じたり、暗くなることで避難のときの不安を大きくすることにもつながります。 次期計画においても起きてはならない最悪の事態に設定されている電気をはじめ、ライフラインの長期間にわたる機能停止は何としても防がなくてはなりません。大規模停電対策の具体策としては、危険樹木の伐採や市町村医療機関やあるいは社会福祉施設が備蓄、保有する非常用発電機の総点検などとなっており、地道な取り組みでありますが、具体的あるいは計画的に進めることができる対策として、県と市町村等関係機関が連携してスピード感を持って備えていくことが肝要と考えますが、今後の県の取り組みを危機管理部長にお伺いするものであります。 次に、認知症対策についてお尋ねします。 昨年六月、国は二〇一九年から二〇二五年までの認知症施策の指針となる認知症施策推進大綱を閣議決定いたしました。大綱では、従来の認知症施策で重視してきた認知症になっても住みやすい社会を形成する「共生」に加え、発症や進行を遅らせる可能性が示唆されている「予防」を新たな車の両輪として、認知症施策の一層の推進を図っていくことが示されました。 認知症は運動不足の解消や生活習慣病の予防、社会参加などにより、発症を遅らせることができる可能性が示唆されていますが、その予防法はまだ確立されていないと言われています。新たな車の両輪として重点化された予防の取り組みに関しては、その確立に向けたデータ、収集や研究が国において進められているところであり、その成果を期待するところでありますが、住民に身近な市町村において、認知症の予防に資すると考えられる活動の推進が求められています。 そこで、こうした予防の取り組みを含め、認知症の人やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、認知症施策推進大綱を踏まえた今後の県の取り組みについて、これは健康福祉部長にお伺いするものであります。 次に、第四次県少子化対策基本計画の推進についてお尋ねをいたします。 昨年末、厚生労働省が発表されました二〇一九年の人口動態統計では、日本人の国内出生数は過去最少の八十六万四千人に落ち込む見通しとなり、少子化は予想を上回るペースで進んでおります。また、出産適齢期となる二十代と三十代の女性の数が大きく減っていることから、出生数の減少は今後もさらに進むと見られています。 本県の合計特殊出生率は、過去最低であった平成十六年の一・三一から県などの取り組みの効果があってか、平成三十年には一・五二まで回復しましたが、本県でも人口減少という大きな流れを止めるまでには至っておりません。少子化の要因は、親になる世代の減少や非婚化、晩婚化の進行、あるいは低賃金の非正規雇用の増加により、結婚したくてもできない若者の増加、あるいは長時間労働、仕事と子育ての両立の難しさ、子育て中の孤立感や負担感、あるいは教育負担の重さなどの様々な要因が絡み合っております。 本年度末に策定される第四次県少子化対策基本計画では、これらの要因の克服に向けた取り組みを推進し、第三次計画で達成できなかった二〇三〇年の合計特殊出生率一・八を引き続き目指すこととしていますが、少子化対策に特効薬や即効薬はありません。第四次計画に記載された県がやるべきとした施策について、地域性やニーズを十分に踏まえて、着実に実行することが重要であると思います。 そこで、新計画の推進に当たっては、合計特殊出生率一・八という目標を机上の空論としないためにも、各市町村における例えば保育所や放課後児童クラブの待機児童の解消に向けた取り組みや病児保育実施状況、あるいは子育て世代包括支援センターの取組内容といった必要施策の取組状況を把握・分析して、各市町村が取り組むべき課題を明らかにし、少子化の突破に向けて、県と市町村の連携を一層推進する具体的な仕組みを整備した上で取り組んでいくことが肝要であると思いますが、県の対応を子ども・女性局長にお伺いするものであります。 次に、CSF発生農家の経営再開支援についてお尋ねをいたします。 本県では、昨年十月二十五日の豚へのワクチンの接種開始以降、幸いなことに農場でのCSFは発生しておりません。しかしながら、本県同様にワクチン接種状況下にある愛知県の農場においてCSFが発生し、また本州から海を隔てた沖縄でも発生、拡大するなどCSFの脅威は続いております。あわせて、海外で猛威を振るうASF、アフリカ豚熱への備えも必要であることから、各農家をはじめ関係者にあっては引き続き気を緩めることなく、飼養衛生管理の向上に取り組んでいく必要があります。 また、今後、CSF発生以前と比べ四割まで落ち込んだ本県の飼育豚の飼養頭数の回復に向け、発生農家の経営再開支援が重要なテーマとなっております。こうした中で、県ではワクチン接種開始の翌十一月には県内の養豚場の再生支援策を打ち出して、今後発生農家の経営再開も徐々に進むものと思われますが、本県においてCSFが発生した二十の農場のうち、現在、経営再開を果たしたのは二農場にとどまっております。これを加速していくことが望まれます。 他方、ワクチン接種に伴う風評被害が起きないよう引き続き目を光らせるとともに、県産豚肉のPR、販売促進を図っていく必要があります。 そこで、農政部長に二点お尋ねいたします。 一点目として、発生農家の経営再開に向けた現状と課題についてどのように考えておられるのか。また二点目として、現状と課題を踏まえた今後の対応についてもお伺いするものであります。 次に、県内の安全・安心に向けた警察の取り組みについてお尋ねをいたします。 国家的行事であります東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けては、岐阜県警からも多くの警察官が派遣されるものと思われます。来月四日と五日には県内各地を巡る聖火リレーがとり行われる予定もあり、警察としても早速の対応が求められます。国内では、四年に一度のお祭りムードが高まる一方でありますけれども、このようなときだからこそ、足元の部分、つまり県民の日常生活の中で発生する犯罪や事故等への備えが重要であり、それがひいて言えば、県民の不安も払拭し、大きな安心感を与えることにつながると考えます。 治安のバロメータと言われます刑法犯認知件数は、近年県内では減少傾向にあるものの、それでもやはり昨年で一万二千八百五十七件発生し、その約七割は空き巣や忍び込み、あるいは万引きなどの私たちの身近なところで発生する窃盗事件が増えています。また、偽電話詐欺事件、まだいまだ発生がやまず、ますます犯行手口が巧妙化になっています。また、相談件数が増えておりますDV、あるいはストーカー事件や社会問題化しておるあおり運転などは、いずれも日常生活を送る上で、県民の誰もが被害に遭うかもしれないものばかりであります。 また、昨年の台風十五号や十九号レベルの台風が今後岐阜県を襲うことも十分懸念されるところであります。そこで、今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催等、警察としても多忙な一年となると思いますが、安全・安心な清流の国ぎふづくりに向け、県民の安全と安心を守り抜くために、警察としてどのような点に重点的に取り組んでいかれるのか警察本部長にお伺いするものであります。 以上です。よろしく。 ○議長(小川恒雄君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) SDGsを踏まえた環境基本計画についていろいろと御指摘、御質問を頂きました。 先ほど観光戦略のところでも申し上げましたように、持続可能性は、清流の国づくりに向けて取り組む本県としては大変重要なテーマであります。このため、SDGs、すなわち持続可能な開発目標については、来年度よりSDGs推進監を設けるとともに、県、市町村、企業が相互の情報発信や取り組みの共有を行うネットワークを構築したいと考えております。また、清流の国ぎふ推進補助金にSDGs枠を設けるなど、取り組みを加速することとしております。 既に、現行の第五次環境基本計画におきましても、「環境に配慮する持続可能な仕組みを創る」を基本目標に掲げ、SDGsの概念を既に盛り込んでいるところでありますが、これまでに例えば森林整備などの温室効果ガスの吸収源対策や木質バイオマスエネルギーの導入などの削減対策により、年間に排出する温室効果ガスは、令和二年度までに達成すべき目標である千八百三十五万トンに対して、平成二十九年度には千八百二十万トンまで削減され、既に目標を達成したところであります。 また、県民一人一日当たりのごみ排出量につきましては、家庭ごみの減量化やリサイクルの促進などの取り組みにより、平成二十五年度の九百二十八グラムから平成二十八年度の八百九十二グラムとなり、このまま推移すれば令和二年度までに達成すべき目標である八百六十六グラムを達成できる見込みでございます。 一方、新たに対応が必要となる分野も生まれてきております。例えば第一に地球温暖化の影響による環境の変化により、言わば想定外の常態化を招いている気候変動への適応対策、第二に国際的な関心の高まりに伴い、より野心的な対応が求められる温室効果ガス排出削減対策、第三に、令和元年六月のG20大阪サミットにおける大阪ブルー・オーシャン・ビジョン宣言により新たな汚染ゼロを目指す方針が示されている海洋プラスチックごみ対策などでございます。 そこで、次期環境基本計画でも、もちろん持続可能な社会を築いていくための方向性をお示ししてまいりますが、特に温室効果ガス排出ゼロを目指した対策強化や、気候変動適応対策を重点分野に位置づけてまいります。また、内陸県である本県においても、河川を経由した海洋汚染防止対策が急務であることから、プラスチックごみ削減を重点分野として位置づけてまいります。 このため、四月より岐阜大学と共同設置する岐阜県気候変動適応センターにおいて、岐阜県における気候変動の影響や適応に関する共同研究を開始するとともに、ぎふプラごみ削減モデルショップ登録制度の普及により使い捨てプラスチックの削減を図るなど、より一層施策を充実させてまいります。 その際、企業や県民の主体的取り組みを促すとともに、持続可能な社会のつくり手としての役割が期待される若者を対象として、先ほど申し上げました岐阜大学と共同設置する気候変動適応センターにおいて人材育成プログラムにも取り組んでまいります。 今後、県環境審議会、県議会、そして県民の皆様の御意見を幅広く伺いながら、九月には議会に対し骨子案をお示しし、令和三年三月までに次期計画を策定してまいります。 ○議長(小川恒雄君) 危機管理部長 西垣功朗君。    〔危機管理部長 西垣功朗君登壇〕 ◎危機管理部長(西垣功朗君) 安全・安心な暮らしの確保について、私には二点御質問を頂きました。 まず、国の経済対策を生かした防災・減災対策、県土強靱化の推進についてお答えをいたします。 まず補正予算案におきましては、国の経済対策を活用し、緊急輸送道路の拡幅やバイパス整備をはじめ、水害対策として長良川・水門川などにおける河川のしゅんせつや堤防の整備、治山ダムの整備や農業用排水機場の改修、ため池の耐震調査など総額百三十八億円を計上しているところです。 加えて、当初予算案では、国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を活用し、道路の落石対策や河川の改修、ため池の整備や治山施設の流木対策、上水道施設の耐震化や福祉施設の大規模修繕など防災・減災対策として総額六十九億円を計上しており、これを含め、公共事業費で六百九十七億円、県単独事業費で三百十五億円を確保し、社会資本の整備・強化に努めることとしております。 今議会にお諮りしている第二期県強靱化計画に基づく取り組みを進めるためにも、今後も国の経済対策などを積極的かつ効果的に活用し、必要な防災・減災対策、県土強靱化を推進してまいります。 次に、大規模停電対策についてお答えをいたします。 県では、昨年の台風十五号災害での教訓を踏まえ、事前防止、早期復旧、代替電源の確保、情報発信の観点から大規模停電対策として取りまとめ、総合的に推進することとしております。 具体的には、危険樹木の事前伐採や関係機関相互間での復旧計画の共有、避難所等における非常用発電機などの総点検と代替電源の確保、SNSを活用した情報発信など十六項目にわたる取り組みを進めてまいりますが、いずれの取り組みについても事業者や市町村との緊密な連携が不可欠であります。 そこで、近く電力事業者と早期復旧の体制づくりや電源車の確保等に関する相互連携協定、また自動車メーカー及び販売店とは電動車両に関する支援協定をそれぞれ締結することとしております。さらに、新たに市町村向けの補助制度を設けて非常用発電機の整備など必要な対策を後押ししてまいりたいと考えております。これら対策を平時から着実に推進することにより、停電被害を低減させるべく取り組んでまいります。 ○議長(小川恒雄君) 健康福祉部長 兼山鎮也君。    〔健康福祉部長 兼山鎮也君登壇〕 ◎健康福祉部長(兼山鎮也君) 認知症対策についてお答えいたします。 県は、これまで専門相談や医療を行う認知症疾患医療センターを各圏域に設置し、認知症の早期発見・治療に努めてまいりました。また、国の認知症施策推進大綱に示された認知症の人の外出支援等を認知症サポーターが行うチームの設置を推進するため、市町村職員等に運営研修を実施したほか、来年度は認知症の人の意思を酌み取って支援できるよう介護職員等への研修を行ってまいります。 さらに、運動や人との交流等が予防につながる可能性があるため、体操などの教室や交流の場の設置を進める市町村に対する優良事例の提供、設置の進め方や住民の参加啓発などを支援するアドバイザーの派遣、市町村が課題や取り組みの情報交換を行う場の提供を行うとともに、来年度、ねんりんピック岐阜のレガシーとして取り組むねんりん運動の全県展開も認知症の予防に資するものと考えております。 今後は、審議中の認知症基本法に基づく国の動向、市町村や当事者家族等の現場の意見を踏まえ、認知症の人やその家族が安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、取り組みを強化してまいります。 ○議長(小川恒雄君) 子ども・女性局長 北川幹根君。    〔子ども・女性局長 北川幹根君登壇〕 ◎子ども・女性局長(北川幹根君) 第四次県少子化対策基本計画の推進についてお答えいたします。 県としましては、少子化対策基本計画の目標達成に向けた着実な施策実施のためには、状況の把握・分析と市町村との連携は不可欠であると考えており、毎年、保育所や放課後児童クラブの待機児童数、病児保育の実施状況などについて状況を把握するとともに、市長会や町村会に出向き、市長村長に対し、現状とその分析について情報提供し、意見交換を行っております。また、実務者間でも、少子化対策連携会議を各圏域で開催し、地域の課題や対応策などについて、現場の声を伺い、意見交換を実施しております。 その上で、来年度中に全市町村で設置を目指す子育て世代包括支援センターについて、未設置市町村を個別に訪問するなど課題解決に向けた取り組みを市町村と共に進めてまいります。今後も、各市町村が個別に抱える課題にきめ細かに対応することで、県と市町村が実質的に連携する仕組みを整え、新計画の一層の推進に取り組んでまいります。 ○議長(小川恒雄君) 農政部長 渡辺正信君。    〔農政部長 渡辺正信君登壇〕 ◎農政部長(渡辺正信君) CSF発生農家の経営再開支援について二点の御質問を頂きました。 まず、発生農家の経営再開に向けた現状と課題認識についてお答えをいたします。 県では、今年度、県内養豚関係者の要望に応え、ハード・ソフト両面にわたる補助制度を設けるととともに、県産豚肉の販売促進など経営再開に向けた支援に取り組んでまいりました。 CSFが発生した二十農場のうち、残念ながら三つの農場が再開を断念されたとお聞きしておりますが、現在までに二つの農場が出荷を再開され、今月中にはさらに一つの農場が出荷を開始する予定でございます。また、出荷の再開に向けた豚の再導入につきましては、この三月までに三農場、来年度以降の予定が十一農場となっております。 これらの農場では、再開に向け、鋭意、施設整備など衛生管理の強化が進められておりますが、発生前の飼養頭数に戻るまでにはかなりの月日が必要であるということに加え、種豚の供給元や地元との調整などの課題を抱えておられる農場もございます。 次に、現状と課題を踏まえた今後の対策についてお答えいたします。 今後の対策としましては、農家の個々の事情やニーズにきめ細かく対応するため、四月には県畜産協会内に、CSF対策・養豚業再生支援センターを開設し、経営再開に向けた様々な支援をワンストップで提供してまいります。 このセンターでは、繁殖豚導入時の積替えや車両消毒などに係る掛かり増し経費、浄化槽などの設置の再稼働に向けたメンテナンス経費等への支援とともに、農場の経営や再開計画に対する専門家による指導を行うなど、再開の後押しをしてまいります。 また、現在、国において、飼養衛生管理基準の見直しが進められておりますが、本県としてもASFにも備えて、欧州の知見も参考に、県独自の推奨基準を新たに策定し、これにのっとった施設整備への支援も行ってまいります。 あわせて、岐阜ブランドの復活に向けて、ボーノブラウンの再造成に全力で取り組むほか、ワクチン接種後の豚肉の流通状況を注視しつつ、県産豚肉消費拡大フェアを開催するなど、販売促進にも取り組んでまいります。 ○議長(小川恒雄君) 警察本部長 今林寛幸君。    〔警察本部長 今林寛幸君登壇〕 ◎警察本部長(今林寛幸君) 県民の安全・安心に向けた警察の取り組みについてお答えいたします。 県警察においては、安全・安心な清流の国ぎふづくりを基本指針と定め、犯罪の予防・検挙、街頭活動・初動警察活動やテロ、災害などに備えた対策を強化し、さらには安全かつ快適な交通の確立等を重点として諸対策を推進しているところであります。 昨年における県下の治安情勢を見ますと、刑法犯認知件数は、平成十四年の五万一千九百五十六件をピークに減少傾向にあり、昨年は一万二千八百五十七件とピーク時の約四分の一まで減少し、数値上では一定の改善を見ております。 しかしながら、刑法犯認知件数のうち県民の身近なところで発生する窃盗事件が約七割を占め、偽電話詐欺事件は、認知件数・被害額ともほぼ横ばいで、依然として高止まり状態にあるほか、DV・ストーカーなどの人身安全関連事案の認知件数は、三千六百八十八件と過去最多を記録しております。 交通情勢につきましても、昨年の人身事故件数及び負傷者数は、十五年連続で減少しておりますが、交通事故によって八十四人もの尊い命が失われるなど、依然として治安をめぐる課題は数多くあると認識しております。 県警察としては、これらの情勢を踏まえ、窃盗事件については、発生状況等のデータ分析に基づいて、機動捜査隊などの執行隊を集中運用するなど、組織窃盗グループ等の検挙を強化するほか、DV・ストーカーなどの人身安全関連事案に対しては、被害者や関係者の安全確保等を目的として、本年四月より本部内に新たに人身安全対策室を設置し、対応してまいります。 加えて、最近激甚化傾向にある災害等については、自治体に協力を頂き、避難行動要支援者名簿の提供を求めるなどして被災者の迅速な救助等に努めてまいります。 さらに、県民アンケートの結果からも、警察官の街頭活動の強化を願う声が強いことからテクノロジーの活用や事件・事故の分析の高度化などにより業務の合理化、効率化を進め、その分警察官を積極的に街頭に出すことによって、犯罪や交通事故の抑止及び発生した犯罪の早期検挙を図り、安全・安心を願う県民の声に応えてまいります。 なお、本年は、七月から九月にかけて東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う警察部隊の県外派遣が予定されているところです。この間、時間や場所を問わず発生する事件・事故や災害等の有事の際には、発生警察署へちゅうちょすることなく本部員を投入したり、隣接警察署員を応援派遣するなど、県警察の総力を結集して治安に間隙が生じないよう努めてまいります。 今後とも、県民の声に耳を傾け、皆様が真に安全・安心を実感できる地域社会の実現に向けて、各種取り組みを推進してまいる所存でございます。 ○議長(小川恒雄君) 四十六番 玉田和浩君。    〔四十六番 玉田和浩君登壇〕 ◆四十六番(玉田和浩君) ありがとうございました。 次に、清流の国ぎふを支える人づくりに向けた取り組みについて、六点お尋ねいたします。 まずは、共生社会の実現に向けた県の障がい者支援の取り組みについてお尋ねをいたします。 県では、岐阜市鷺山・早田地区周辺をぎふ清流福祉エリアとして障がい者のための福祉、医療、教育、文化芸術、スポーツ及び就労施設を一体的に整備し、このエリアを拠点として、障がい者支援を展開しております。来月には、県障がい者総合就労支援センターとぎふ木遊館がオープンする予定でありますが、これにより整備を予定しておりました十の施設が全て完了することとなりました。 これを契機に、ぎふ清流福祉エリアが障がい者支援活動の拠点として、今後ますます発展していくことを期待しております。少子高齢化の克服のため年齢や障がいの有無等に関わりなく、人々の多様な在り方を相互的に認め合える全員参加型の共生社会の実現を目指すことは、我が国において最も積極的に取り組むべき重要な課題であるとされております。 平成二十八年三月の議員提案条例として制定された岐阜県障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくりの条例においても、共生社会の実現のために、全ての障がいのある人は、社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることが基本理念の一つとなっております。 そこで、ぎふ清流福祉エリア内の全施設の完成を契機として、障がい者が地域の一員として社会に溶け込み、生活できる共生社会を実現するための今後の県の取り組みについて知事にお伺いいたします。 次に、就職氷河期世代の就労支援に向けた県の取り組みについてお尋ねいたします。 厚生労働省によると、県内では就職氷河期世代のうち、不安定な就労状態にある人たちは五千人程度いると推定されています。厚生労働省では、昨年六月に就職氷河期世代支援プログラムを公表し、三十代半ばから四十代半ばの就職氷河期世代の就職支援に本格的に乗り出し、非正規社員や長期無業者、ひきこもりを含む百万人規模の人たちを新年度から三年間かけて支援し、三十万人の正社員化を目指すこととしています。 このプログラムを受けた厚生労働省の新年度予算は、六百三十二億円が計上されております。その中身を見ると、全国の主要なハローワークにおける専門窓口の設置、あるいは専門担当者のチーム制による就職相談、職業紹介、職場定着までの一貫した伴走型支援、あるいは就職氷河期世代を正社員で雇い入れた企業への助成金の拡充、業界団体と連携して正社員就職につながる資格を短期間で取得できる訓練コースの創設などとなっております。 就職氷河期世代の収入が不安定なまま高齢化すれば、いずれ親の介護やあるいは自身の高齢化で貧困に陥る問題が顕在化しかねず、影響は社会保障など各方面に及ぶこととなり、その支援は、当人はもとより社会全体の利益につながるものであります。また、就職氷河期世代のような不遇の世代を新たに生み出さないためにも、強靱な社会の構築に取り組むことが重要であると思います。 そこで、就職氷河期世代の就労支援に向けた今後の県の取り組みについて、商工労働部長にお伺いするものであります。 次に、林業の担い手育成についてお尋ねいたします。 令和元年版「森林・林業白書」によると、日本の木材自給率は二〇〇二年に過去最低の一八・八%まで落ち込んでいましたが、二〇一七年にはほぼ倍の三六・二%まで上昇しており、森林・林業の再生に向けた兆しが見え始めております。 しかし、昨今の森林所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林の増加、また境界が未確定の森林の存在等により、森林整備が進まず放置されている森林が多いのもまた事実であります。こうした森林の整備を進めるために、昨年四月から森林経営管理法が施行されました。この法律によって、森林所有者による適切な経営管理が行われていない森林については、市町村が仲介役となり森林所有者と意欲と能力のある林業経営者等をつなぐか、また市町村が所有者に代わって整備を行うことが可能となりました。 しかし、従来の森林整備に加え、新たな制度によりこれまで手入れがされていなかった森林の整備を行うためには、より一層の森林技術者の確保・育成が必須であります。県内の森林技術者数は、平成二十五年度には千九十七人だったのが、平成三十年度には九百四十人と、この五年間だけで見ても、約一四%減っています。 森林技術者の雇用は、林業作業の季節性や事業主の経営基盤の脆弱性等から、臨時的あるいは間断的で安定せず、社会保険等が適用にならない場合も多いと聞きます。また、厚生労働省の労働災害統計によると、林業における労働災害発生率は依然として高水準で、全産業の中でも最も高い状態が続いており、安全な労働環境の整備に向けた取り組みが必要であります。さらに、現在進められている路網と林業機械とを組み合わせた低コスト作業システムを現場で実施するため、専門的かつ高度な知識と技術・技能を有する森林技術者の育成も引き続き重要であります。 そこで、今後増加する森林整備に対応するためにも、林業の担い手となる林業技術者の確保・育成に向けた今後の県の取り組みについて、これは林政部長にお伺いするものであります。 次に、教育の大量退職者への対応について二点お尋ねします。 教員採用試験の倍率の低下が岐阜県も含めて大きな社会問題となっており、特に全国的に、小学校の教員の倍率が低下しているとのことであります。原因としては、近年の人手不足により、売手市場で、民間企業での採用が好調なことや、あるいは大学の教育学部卒業生の教員離れなど、受験者数は減少傾向にあることに加え、教員の苛酷な勤務状態がマスコミ等で大きく報じられるため、多くの学生が教員となることに不安を抱いていることも一因となっていると指摘されています。 本県の教員採用試験の倍率は、大量退職が始まる前の平成十一年度の頃は十八・三倍をピークにおおむね下落傾向にあり、昨年度実施された今年度春採用の試験倍率は三・七倍でした。特に、小学校は二・五倍と全国平均二・八倍を下回りました。しかも、昨年度の試験では、職員採用試験合格者六百四十二名のうち、最終的には五十五人の辞退者が出たとのことでありました。辞退者の中には、他県の教員や民間企業など他へ就職したために辞退をした方もいたのではないかと思います。 岐阜県では、昭和五十年代の大量採用期に採用された教員が毎年退職し、それに伴い若手教員が大量採用される教員の世代交代とも言うべき状態が進んでおります。この傾向はしばらく続き、来年度から令和七年度までの今後六年間における公立学校教職員の退職者数は約四千人が見込まれており、教職員定数の二割を超える人員が入れ替わることになります。 一般的に、競争率が三倍を切ると、人材の質を維持するのが困難だと言われており、採用のハードルが下がり過ぎて指導力不足の教員が増えれば、教育の質を保てないのではないかと事態を憂慮しております。また、採用試験に合格しながら採用を辞退する者を減らしていくことも、これは人材確保に向けて重要な視点ではないかと思います。 そこで、教育長に二点お尋ねいたします。 一点目として、教員の大量退職を控え、より優れた人材の確保に向けて、採用活動に今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。採用辞退者の抑制方策も含めてお伺いします。 二点目として、教員の働き方改革について、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いするものであります。 次に、学校における弁護士の活用についてお尋ねいたします。 最近の学校をめぐる課題は、いじめをはじめ、生徒指導に関わる問題、あるいは地域や保護者からの相談、要望への対応など、複雑化・多様化した課題が山積いたしております。昨年七月に、岐阜市内の市立中学校に通う中学三年生の男子生徒がいじめを苦に自殺したと見られる事件は、昨年末に公表された市教育委員会の第三者組織による調査において、いじめが自殺の主要因と認定されるとともに、学校が組織として対応できなかったことがいじめを激化させたとされました。教育現場が法律の専門家につながり、適切な初動ができていれば、このような最悪の結果にはならなかったのではないかと大変残念に思っております。 国では、新年度から各都道府県や政令指定都市におけるスクールロイヤー等への法務相談経費について地方財政措置が講じられ、全国の教育委員会や小・中学校において、スクールロイヤーに相談できる体制が整備されることとなりました。教育現場において判断に悩むケースで、法律のプロからアドバイスを受け、トラブルを未然に防ぐことや、学校現場の負担を軽くする効果も期待できるものであると思います。 こうした国の制度を先行して、全国の自治体では既にスクールロイヤーの活用実績のある自治体が増えております。三重県や大阪府、県内でも幾つかの市町村で既に導入がされているということであります。県立学校においても、弁護士等の法律の専門家の活用を図るべきと考えますが、ただし、制度の導入に当たって心がけることは、子供が安心して通える学校運営に資する制度となることが一番重要であると考えます。 そこで、国や他県での取組内容等を踏まえて、今後県の取り組みについて、教育長にお伺いするものであります。 以上、県政各般にわたりまして御質問させていただきました。いずれに対しましても、新型コロナウイルスが一日も早く終息することをこいねがいまして、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○議長(小川恒雄君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 共生社会の実現に向けた県の障がい者支援の取り組みについてでございますが、御指摘にありましたように、ぎふ清流福祉エリアは、四月に障がい者総合就労支援センターとぎふ木遊館の二つの施設がオープンする予定でございます。これで十施設が全てそろうということになります。 このエリアは、今回オープンする二つの施設のほか、障がい者と高齢者が共に利用する福祉友愛プール、障がい者をはじめ県民の皆さんの文化芸術活動を支えるぎふ清流文化プラザなど、福祉、医療、教育、文化芸術、スポーツ及び就労といった様々な機能を有しております。まさに、障がい者の暮らしをあらゆる面から支える拠点でございます。 共生社会の実現に向けては、今後、このエリアを中核に障がい者と広く県内の地域をつなぎ、障がい者の社会参加と自立を促進していくことが重要であるというふうに考えております。 そのため、例えば文化芸術分野では、ぎふ清流文化プラザの障がい者芸術文化支援センターにおいて、東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、「障がいのある人もない人も、みんなでつくる芸術祭tomoniアートのフェスティバル」を開催し、創作や展示の機会を提供してまいります。 教育分野では、岐阜希望が丘特別支援学校が開催する美術展に、近隣の小・中、高等学校の児童・生徒が共に出展し交流を深め、障がい者と健常者が共に活躍する場を創出しております。さらに、新たに加わるぎふ木遊館では、障がい者も参加できる木育プログラムを開発し実施してまいります。 また、各施設を有機的につなげていくことで、このエリアならではの相乗効果を発揮し、障がい者の活躍を力強く後押しすることも期待されます。例えばスポーツ分野では、パラリンピックを目指す県内選手が、練習拠点として福祉友愛プールとアリーナの両方を活用したトレーニングにより、競争力の向上を図っております。 今後は、就労分野においても、障がい者総合就労支援センターの障がい者職業能力開発校が福祉友愛アリーナを活用したトレーニングを予定しております。 このような総合的かつ本格的な福祉エリアの形成は、全国的にも大変ユニークな取り組みであり、内外から注目されております。まさに、共生社会実現の拠点として全国的、さらには国際的な交流も視野に入れてまいりたいと思います。 ○議長(小川恒雄君) 商工労働部長 井川孝明君。    〔商工労働部長 井川孝明君登壇〕 ◎商工労働部長(井川孝明君) 就職氷河期世代の就労支援に向けた県の取り組みについてお答えします。 就職氷河期世代の中には、不本意ながら非正規雇用や無業状態にある方々などが多数いることを踏まえ、こうした方々へのきめ細かな支援に取り組んでまいります。 具体的には、まず総合人材チャレンジセンターにおいて、これまでの正規雇用を目指す各種セミナーに加えて、新たにこの世代を対象に、小グループ制の就活塾を開催してまいります。 また、就業に悩みを抱える方へのカウンセリングなどを行う若者サポートステーションでは、対象年齢をこれまでの三十九歳から四十九歳まで引き上げて支援を行うとともに、臨床心理士を増員し、体制を強化してまいります。あわせて、就職氷河期世代の離職者などへの職業訓練も実施することとしております。 また、国は、今後都道府県ごとに労働局、県、経済団体などから成る支援のためのプラットフォームを設置することとしていますので、労働局と共に早期設置に向けた準備を進め、これら関係機関と連携した支援の充実にも取り組んでまいります。 ○議長(小川恒雄君) 林政部長 荻巣雅俊君。    〔林政部長 荻巣雅俊君登壇〕 ◎林政部長(荻巣雅俊君) 林業の担い手育成についてお答えします。 「森のジョブズステーションぎふ」における各種の取り組みなどにより、直近の県内の森林技術者は二年連続で増加となり、減少傾向に一定の歯止めがかかったものと考えております。 この流れを確かなものとするため、来年度は、新たに県内で林業に従事するために移住される方、特に愛知県をはじめ中京圏からの新規就業者をターゲットとした移住支援金制度を創設するとともに、林業分野における外国人材の活用に向けて研究会を立ち上げ、外国人技能実習制度に関する講習会を開催するなど、多様な人材確保に努めてまいります。 また、林業は他の産業と比べて労働災害の発生率が高く、新規就業者に敬遠されたり、定着率が低い一因ともなっているため、伐採技術のスキルアップを図るための訓練機の導入や研修プログラムの作成を行うなど、安全対策にも積極的に取り組んでまいります。 あわせて、ICT技術の実証試験や導入支援、高性能林業機械のレンタル制度の創設などによりスマート林業を推進し、森林技術者の能力や木材生産性の向上を図ってまいります。 ○議長(小川恒雄君) 教育長 安福正寿君。    〔教育長 安福正寿君登壇〕 ◎教育長(安福正寿君) より優れた人材の確保に向けた今後の採用活動についてお答えします。 より優れた人材の確保に向けた採用活動の工夫・改善は重要であり、これまでも、例えば大学での説明会や学校バスツアーに加え、大学に出向き教師養成塾を実施するなど、教員志願者の拡大や資質の向上を図ってきました。また、教員採用試験では、東海三県一市での試験日の統一や年齢制限の撤廃、人物本位の特色ある試験などにより、岐阜県で働く意思を持つ優秀な人材の確保に努めております。 今後は、一部の高校で行っているミニ教育実習などの高校生が教員の魅力を体験する取り組みを全県に広げるなど教員志願者の裾野拡大に力を入れてまいります。 加えて、例えば小・中学校での教育実習は、学生と教員を原則一対一とし、教員養成の質の向上を図ってまいります。なお、今年度の採用試験では、内定後の辞退理由の約七割が「出身地に戻り教員になるため」であったことも踏まえ、今後は志願者に対し、本県で教員として働く魅力を伝える取り組みの充実についても検討してまいります。 次に、教員の働き方改革に向けた今後の取り組みについてお答えします。 優れた人材の確保に向けては、働き方改革を進め、岐阜県の教員として働くことの魅力をより高めることもまた重要であり、取り組みを進めているところですが、県立学校では、教員の時間外勤務は着実に減少しつつあるものの、国の指針に定める月四十五時間の上限を超えて勤務する教員がいまだ三割いる状況です。 このため、働き方改革プラン二〇二〇には、新たに全県立学校の退勤時刻を午後七時に統一することや上限時間を超えた場合の要因の事後検証による業務分担の見直し、業務アシスタントの配置拡充を盛り込み、さらなる教員の負担軽減を図ってまいります。 また、時間外勤務の主な要因である部活動についても、部活動指導員を増員するとともに、複数顧問による交替指導を徹底し、特定の部活動顧問に負担が集中しない体制への転換を図ってまいります。 市町村に対しては、小・中学校における同様の取り組みを促すほか、持ち授業数の平準化や空き時間の確保に向け、小学校専科指導教員を新たに配置し、勤務環境の改善を図ってまいります。 学校における弁護士の活用についてお答えします。 県立学校において複雑化・多様化するトラブルに対応するため、弁護士の活用は必要不可欠であると考えております。このため、昨年度新設した教育管理課において、県立学校の苦情・トラブル情報を集約し、学校だけでは解決できない事案については、それぞれの地域の弁護士に相談して、早期解決に努めてきております。例えば県立高校の生徒がSNSに他の生徒に関する不適切な書き込みをした事案では、弁護士からいじめ防止対策推進法などの法律上の問題点や対応について助言を得て、解決つながった事例もあります。 一方で、御指摘の国等のスクールロイヤー導入に向けた動きに加え、学校現場からも早い段階で、気軽に弁護士に相談できる体制づくりを望む声があります。このため、来年度からは、まずは喫緊の課題であるいじめへの法令に基づく対応の徹底を図るため、全県立学校のいじめ防止等対策組織のメンバーに弁護士を加えることとしております。今後は、様々なトラブルの未然防止に向け、この弁護士を県立学校の身近な法律相談窓口、言わばスクールロイヤーとしても活用してまいります。…………………………………………………………………………………………… ○議長(小川恒雄君) しばらく休憩します。 △午後零時七分休憩 …………………………………………………………………………………………… △午後一時再開 ○副議長(水野正敏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(水野正敏君) お諮りします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(水野正敏君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(水野正敏君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十一番 林 幸広君。    〔二十一番 林 幸広君登壇〕(拍手) ◆二十一番(林幸広君) 議長よりお許しをいただきましたので、県民クラブを代表し、十四項目の内容についてお伺いをいたします。 初めに、令和二年度当初予算案の狙いと国予算の活用についてお尋ねいたします。 昨年は、一昨年の九月に国内で二十六年ぶりに発生したCSF、いわゆる豚熱が、ワクチン接種に踏み切るまで約一年間にわたり発生し続け、県内で養豚業者に深刻な被害を及ぼしたかと思えば、今現在、中国から始まった新型コロナウイルスが人々の恐怖をあおっています。 国内外を問わず、人々の行き来が活発になった今、今後は新たな感染症のリスクを視野に入れた取り組みが必要になってきております。 さて、今年は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが開催されますが、現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」では岐阜県が主要舞台となっており、県内三か所に大河ドラマ館が常設しました。五月末には、エンジン〇一in岐阜が開催、七月には岐阜関ケ原古戦場記念館のオープンが決まっています。また、秋にはねんりんピック岐阜二〇二〇が県内各地にて開催されます。県内外から多くの観光客が訪れることが予想でき、岐阜県の歴史、自然、文化、産業、魅力をアピールできる絶好の機会がやってきたと言えるのではないでしょうか。 これらを踏まえ、先月の知事の令和二年度当初予算記者会見の場において、今年はターゲットイヤー二〇二〇として、これまで磨き上げてきた戦国武将観光や人道観光などを積極的に展開し、内外の交流を図り、岐阜県の誇りある文化や芸能を生かした講演や展示会などを通して「オール岐阜」を国内外に発信していくと打ち出されました。 また、これらの岐阜の魅力を県内外にPRし、人を呼び込む施策だけでなく、県内の産業振興、県内人口減少の対策、自然災害への備え、県民生活に関わる安心・安全の備え、教育や福祉に関連の予算措置について重要性が増していると思います。 そこで、知事にお尋ねします。 来年度、本県が最優先で取り組むべき県政の重要課題をどう捉え、どこに重点を置いて編成されたのでしょうか。また、近年の厳しい財政状況の中、国の予算の積極的な活用も必要不可欠でありますが、県予算にどのようにうまく活用していくのか、知事のお考えをお聞かせください。 次に、ねんりんピック岐阜二〇二〇と国民体育大会冬季大会において、二点お尋ねします。 さきの来年度予算の質問にも触れましたが、今年はねんりんピックが、東京オリンピック・パラリンピックが終了した後の一番いい季節、時期に開催されます。このねんりんピックは、六十歳以上の方々を中心とするスポーツ、文化、健康と福祉の総合的な祭典で、国内各地域からおよそ一万人の選手と役員の方々が訪れます。また、観客を含め延べ参加人数は約六十万人を見込む大きな催しとなります。来年には、第七十六回国民体育大会冬季大会スケート競技会、いわゆる冬季国体がクリスタルパーク恵那にて開催されることから、実施・運営に関わる作業が着々と進んでいることと思います。 ねんりんピックは、県内全市町村において過去最多となる計六十三種目が開催されることになっており、開催中には岐阜県の食や伝統工芸など、岐阜の魅力を一堂に集めたふれあい広場や、豊かな経験や知識を生かして様々な地域文化や伝統芸能、伝承活動を紹介する地域文化伝承館、全国の愛好家が創作した美術作品を鑑賞できる美術展など、年齢に関係なく楽しむことができる各種イベントも開催されることから、規模も大きく、運営を安心・安全に、また円滑に行うための準備と同時に、それに伴う作業量が多くなることは容易に想像できるところです。 当該準備作業に関わる職員を無制限に配置することは当然かなわず、限られた人員で作業を進めることになります。これらの開催時期を踏まえると、大会実施に向けた業務は今後半年で大詰めを迎え、業務量がさらに増加していくことが予想されます。 一方で、岐阜県の人口十万人当たりの一般行政職員数が、政令都市である都道府県を除く三十一団体の中で二十九位の県職員少数県であります。少ない職員数で広大な県土を抱え、日々多くの県政課題に取り組んでいただいておりますが、近年は豪雨や台風などの自然災害に加え、CSFや新型コロナウイルス肺炎など突発的な危機管理事案も相次いでおり、今後、このような大規模スポーツイベントなど事前に開催が確定しているイベントは、適正な財政規模と職員負担を考慮した開催を行うことが限られた職員数で多岐にわたる業務を処理しなければならない、県職員のモチベーションを維持する上でも非常に大切と考えます。 そこで、知事にお尋ねします。 ねんりんピック岐阜二〇二〇の開催に向けて、現在の進捗状況と、この機会を捉えて岐阜県内外から多くの来場者に本県に訪れていただき、かつ多くの来県者にどう岐阜県をPRしていくのでしょうか。 また、来年度はねんりんピック岐阜二〇二〇及び国民体育大会冬季大会と、大きなイベントが開催され、県庁全体で多くの職員がスタッフとして従事することになりますが、これらのスポーツイベントの開催に当たり、職員に過度な負担を求めることのないよう職員の負担軽減についても知事にお考えをいただきたいと思います。 ここで、一回目の質問を終わります。 ○副議長(水野正敏君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) まず、令和二年度当初予算案についてでございますが、その内容について御答弁申し上げる前にお断りをさせていただきたいと思いますが、目下進行しつつある新型コロナウイルスの問題に伴う財政運営については、午前中にも申し上げましたとおり、事態の推移とともに、その県財政や政策展開の影響についてしっかりと見極めて対応してまいります。 そういう前提で今回の予算の内容について入らせていただきますが、まず新年度は「清流の国ぎふ」創生総合戦略の二年目でございます。したがって、これに沿って県政の諸課題に着実に対応していくことが基本であるということで、「清流の国ぎふ」を支える人づくり、健やかで安らかな地域づくり、地域にあふれる魅力と活力づくりの三本の柱で組み立てておるわけでございます。 さらに、新年度予算における重点項目としては、ターゲットイヤー二〇二〇を契機とした魅力の創造・発信と、教訓を踏まえた危機管理対策と、この二つを上げております。すなわち、新年度には東京二〇二〇大会が開催され、世界の注目が日本に集まります。これを追い風としたスポーツ振興をはじめ、戦国武将観光や人道観光の推進、地歌舞伎など本県が誇る文化・芸術の発信を通して、「清流の国ぎふ」の魅力を国内外に創造・発信する施策を重点的に実施してまいります。 また、想定外が常態化しております災害への備えとして、命を守る防災教育や学校防災の推進をはじめとする防災意識の醸成、大規模停電対策などに取り組んでまいります。 また、豚コレラの問題につきましては、アフリカ豚コレラ、ASFまで視野に入れた農場の飼養衛生管理水準のさらなる強化、CSF対策・養豚業再生支援センターの設置による県内養豚業の再生などに取り組んでまいります。 次に、国の予算の活用ということでお尋ねがございました。 新年度予算におきましても、例えば国の経済対策として計上されました治山事業費補助金を活用し、治山施設の防災・減災対策などを推進し、着実にインフラ整備を進めることにしておりますし、国で創設されました有利な地方債であります緊急浚渫推進事業債を活用しまして、河川の氾濫対策を進めてまいります。 また、就職氷河期世代への支援に当たりましても、国が新設した地域就職氷河期世代支援加速交付金を最大限活用し、中小企業総合人材確保センターにおける相談対応などに充当をいたすことにしております。 加えて、今年度の内示額ベースでいきますと、全国で地方創生推進交付金、岐阜県は四十七都道府県中五番目にたくさん頂いておりまして、これを使って関ケ原古戦場をはじめとする地域資源の磨き上げ、ぎふブランドの発信などの財源として活用してまいりたいと思っております。 また、CSF、豚コレラ対策につきましても、先月、私から総務大臣に対しまして直接必要な特別交付税の確保について御要望申し上げたところでございます。 本県財政は様々な改革を進めてきた成果もあり、全国的に見れば比較的健全性を維持しておりますが、社会保障関係経費や社会資本の老朽化対策経費など、構造的な歳出増圧力もあることから、今後も財政規律には十分配慮していくことが必要というふうに考えております。 したがって、こういうことから、国の予算編成や施策の動向、新規事業の動向などについてもアンテナを高くして積極的に情報収集をし、国の補助金、交付金や有利な起債の活用に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 ねんりんピックに関連して二点御質問がございました。 まず、準備状況と今後のPRということでございます。 県では、これまで日程、会場など大会基本事項の決定をまず行って、その上で選手、関係者の宿舎、輸送バスの確保、協賛の募集、公式ポスターの決定、メダルデザインの募集など、開催に向けた準備を進めてきております。あわせて、県庁前カウントダウンボードの設置、一年前イベントの開催、各種メディアやSNSを通じた広報PRなど、開催機運の醸成にも取り組んできております。 今後は、総合開会式・閉会式に関わる式典内容や出演者の決定、練習会の実施、選手・関係者の配宿、宿の配分ですね、それから実施本部の構築、観覧者やボランティアの募集など、大会本番に向けた準備を着々と進めてまいります。 また、各競技を実施するそれぞれの市町村におきましても、これまでリハーサル大会を開催するなど準備を進めていただいておりますけれども、今後は競技別プログラムの策定、運営マニュアルの作成など、各種競技の開催に向けた本格的な準備を行っていただきたいと思っております。 県といたしましても、こうした市町村の開催準備に対して各種準備に係る経費の補助、研修会、説明会の開催など、財政、運営の両面から支援を行ってまいります。 次に、県内外から多くの方々に来場いただく取り組みにつきましては、ねんりんピックを気軽に楽しんでいただけるよう自由に観覧、体験できる地域文化伝承館、美術展、健康フェアといった文化、健康福祉イベントを用意するほか、岐阜大会独自の取り組みとして、誰でも参加できる「ふれあいレク大会」を三十二種目開催いたします。 また、ねんりんピックでは、全国から選手、関係者のみならず、その御家族などが多く来県されることが見込まれております。そこで、こうした御家族の方々にも事前に本県ならではの戦国武将や土産物などの魅力が伝わる観光パンフレットや観光ツアーの御案内をお届けすることにしております。 さらに、御家族以外の方にも御来県いただけるよう、県人会、県ゆかりの方々等々への広報、ホームページへの観光情報や観光ツアーの掲載などを通して広くPRしてまいります。 また、実際来県された方々に対しましては、飛騨牛やアユなど本県の特産物の試食、販売や観光PRを行う「ふれあい広場」を設置するとともに、関ケ原古戦場記念館や大河ドラマ館などを組み合わせた観光ツアーを実施するなど、ターゲットイヤー二〇二〇にふさわしい趣向を凝らした企画で「清流の国ぎふ」の魅力を発信してまいりたいと思っております。 この大会の開催における職員の負担軽減についてもお尋ねがございました。 職員のこの問題につきましては、ねんりんピックでは、例えば総合開会式では、来場者の受付、案内、会場管理、選手団の誘導、式典の進行など、県が中心となって行う多くの業務がございます。また、各種目大会では、県としても大会会場における市町村との円滑な連絡調整などが必要となります。このため、県組織全体で構成する実施本部を立ち上げ、大会運営を担っていくことが不可欠であると考えております。 本県では、これまで、「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」や全国レクリエーション大会in岐阜など数多くの全国規模の大会を開催し、その都度、実施本部を構築し運営を行ってまいりました。こうした経験から、本県には多種多様な業務を確実に遂行しながらも、できるだけスリムな実施本部となる体制を構築するノウハウが蓄積されております。ねんりんピック岐阜でも、こうした経験をフル活用していきたいというふうに考えております。 具体的には、必要最小限の人数で最大限の効果を発揮するため、過去のイベント運営マニュアルの見直しによる業務改善の実施、イベント経験が豊富な職員の要所要所への配置、実施本部の指揮系統ポストへの事務局職員の重点的配置、駐車場管理業務など可能な限りの外部委託などを行ってまいります。さらに、多くのボランティアの皆様の協力をいただくとともに、市町村との連携も図りながら、業務と体制の効率化を図ります。 加えて、特定の職員に負担が集中することのないよう、職員一人一人の業務量の平準化、勤務時間の徹底管理、居住地に配慮した従事先の選定を行うことなどで目配りをしてまいります。 一方、「ぎふクリスタル国体二〇二一」につきましては、スピードスケート競技のみの開催にとどまりますので、ねんりんピックのような県組織全体で構成する実施本部の設置は考えておりません。 共に大会運営を担う恵那市と県が連携を密にし、業務の棚卸し作業などを行い、役割分担を明確にすることで担当職員の負担軽減を図ってまいります。 ○副議長(水野正敏君) 二十一番 林 幸広君。    〔二十一番 林 幸広君登壇〕 ◆二十一番(林幸広君) ありがとうございます。 次に、COVID19、いわゆる新型コロナウイルス感染症の対策についてお尋ねします。 現在、感染拡大を抑制するために様々な措置が講じられておりますが、国内感染者の死亡、医療従事者の感染、感染経路が不明な感染者が相次いで確認されるなど、感染拡大の様相を呈しております。本県でも二人の感染者が確認され、県民の不安がますます増大しています。 そもそもコロナウイルスとは、発熱や上気道症状を引き起こすウイルスのことで、二〇〇二年頃に中国を中心に流行したSARSや、二〇一二年以降中東で確認されたMARSなど、重症傾向のある疾患の原因ウイルスも含まれています。今回の新型コロナウイルスによる肺炎では、既に中国の死者だけでSARSによる世界全体の死者数七百七十四人を上回っています。 この新型コロナウイルスはいまだワクチンが開発されておらず、正確な潜伏期間、感染力の強さ、正確な死亡率など、不透明な情報が多いことから、県民の皆さんも不安に感じている方々が多いと思います。 岐阜県においては、一月三十一日に新型コロナウイルス感染症警戒本部を設置し、岐阜県保健環境研究所で新型ウイルスの検査体制が整えられました。また、県内各保健所などには新型コロナウイルス感染症の一般相談窓口が開設され、窓口に寄せられた相談件数は二千五百件を超えているということです。 また、この新型コロナウイルス感染症の流行は、経済界にも深刻な影響を与えています。一月二十四日から三月一日までの県内宿泊予約のうち、キャンセルが約二万四千人分発生したとのことで、観光消費の大幅な下落は避けられない状況となっています。 中国国内では操業を停止している工場もあり、日本を含め、中国製品の部品、製品の供給が混乱している状況が発生しています。コストの上昇や、特に経営基盤の弱い中小企業では資金繰りの悪化も懸念され、観光業、製造業をはじめとする県内経営の影響にも大変憂慮しております。まさに、国難とも言える状況であります。 こうした状況を乗り越えるには、国はもちろんですが、県や市町村、そして県民総出で対策に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。 そこで、健康福祉部医療担当次長と商工労働部長にそれぞれお尋ねします。 今後、感染がさらに拡大することが想定される中、どのような医療提供体制で対応するのか、健康福祉部医療担当次長にお尋ねします。 また、新型コロナウイルス感染症が国際的な広がりを見せる中、県内中小企業・小規模事業者に向けた対策について、商工労働部長にお尋ねいたします。 次に、今後の工場用地確保・企業誘致推進と労働人材の確保対策についてお尋ねします。 今月二十日に、東海環状自動車道山県インターチェンジが開通することが発表されました。岐阜市への利便性がさらに向上し、「麒麟がくる 岐阜大河ドラマ館」や長良川鵜飼いなどへのアクセスがしやすくなり、また二〇二四年度までに東海環状自動車道西回りの養老インターチェンジまでが開通する見込みとなっており、観光や物流により地域の活性化や企業誘致に対して期待が寄せられるところです。 本県においても、最新の企業立地の動向を見てみますと、令和元年上期の実績では製造業など工場立地件数が二十七件で全国六位、立地面積は二十九ヘクタールで全国九位と、全国平均を大きく上回っております。 また、県内において現在造成済みの分譲中の工業用地は、可児市、高山市、瑞浪市、大野町、池田町、北方町、垂井町の七か所、約二十一ヘクタール、造成中の工業用地は海津市の一か所、約十ヘクタールとなっています。 岐阜県は、東海環状自動車道や東海北陸自動車道の整備が進み、県内を横断する東名・名神・中央自動車道と合わせて広域アクセスが充実したことや、地震災害の津波被害などのリスクに備え、内陸への生産拠点の立地と工場用地の強固な地盤が評価されたことが企業を誘致する上でアピールできるポイントとなっています。 岐阜県は、工場用地の開発や企業訪問活動、大都市圏で開催される企業展でアピールなど、企業誘致活動に県・市町村が連携して積極的に展開しており、その中で、昨年、大同特殊鋼株式会社が中津川市に研究所の設置を決めるなど着実に企業誘致の取り組みの成果が出てきており、地域のポテンシャルの高さや県の補助制度をさらにPRしていくことが必要です。 しかしながら、企業誘致は全国どこの自治体でも力を入れており、隣県との優位性を見出すことが必要です。隣県が岐阜県より優位な施策や助成をすれば、企業が流出してしまう可能性が否定できません。また、人口減少が続いている昨今、企業誘致と必要となる労働人材確保を両輪として捉えることが大事です。企業誘致が促進されることで企業の雇用の場が確保されることにより、人口減少・人口流出に歯止めがかかるのではないでしょうか。 そこで、商工労働部長にお尋ねします。 企業誘致において隣県との優位性を見出し、工場用地の確保や企業誘致活動をどのように進めていくのか、また必要となる労働人材の確保についてどのようにお考えか、併せて商工労働部長のお考えをお聞かせください。 次に、医師不足・偏在是正に向けた今後の取り組みについてお尋ねします。 国全体の人口が減少し始める昨今、病院間の役割や機能の集約化など、改革を自治体などに促しているところですが、昨年二月に厚生労働省が医療ニーズ及び将来の人口・人口構成の変化、患者の流出入、僻地等の地理的条件、医師の性別・年齢分布、医師偏在の単位を偏在に関わる五要素として考慮し策定した医師偏在指標によりますと、岐阜県は都道府県中三十六位と医師少数県に該当します。このまま医師不足が進めば病院が縮小され、地域医療に悪循環が生まれ、地方で老後を過ごせなくなるという危機的状況となってしまうことから、地域枠の積極的活用や地元出身者枠を設置し、県内の医療機関に勤めていただく、定住していただくことで医師確保につながると思います。 このような中、郡上市、高山市、白川村では医師不足の地域、僻地医療を担う地域医療連携推進法人の四月の設立を目指し、一般社団法人県北西部地域医療ネットを立ち上げています。自治体のみで構成する地域医療推進法人ができれば、全国初となります。 また、岐阜大学では医療機関で働く若手や医学部の学生たちへの教育の在り方について研究する医療者教育学専攻が大学院の修士課程に四月から新設されます。国内初の分野であり、専門を超えた多様な職種の方々と連携し、医療の質の向上につながる教育方法の開発を目指すということで、これも医師の確保と育成に寄与するものと期待しています。 また、働き方改革の一環として、病院などの勤務医の過重労働を是正する残業時間の規制が二〇二四年四月から適用されることになっています。一方で、地域医療を支える病院の医師については、特例として過労死ラインと言われる月八十時間超えの二倍近い長時間労働となる年間千八百六十時間を容認するという状態です。今後の地域医療を支えていくためには、医師偏在を早期に解消する必要があると考えます。 そこで、健康福祉部医療担当次長にお尋ねします。 医師不足・偏在の是正に向けて、どのような施策に取り組んでいくのかお聞かせください。 次に、子供の貧困防止に向けたひとり親家庭に対する支援についてお尋ねします。 県が二〇一八年に行ったひとり親家庭実態調査によりますと、就業状況について、母子世帯は「臨時・パート」の割合が四一・六%と最も高く、平均年間就労収入は百九十六万円となっています。対する父子家庭は「正社員・正職員」が五八・六%を占め、収入は三百二十四万円となり、母子世帯と父子世帯の収入差は前回の二〇一三年調査時点から十三万拡大し、特に母子世帯において大変厳しい状況になっております。 一方で、ひとり親家庭の子供は厳しい経済状況の下、教育面だけでなく生活面においても課題を抱えるものと考えられ、こうした子供たちへの支援の観点も重要です。 県のひとり親家庭実態調査では、離婚後に子供を養育などしていない方の親が子供と面会を行う面会交流の取決めをしているのは母子家庭が三三・三%、父子家庭が二六%という状況です。 また、県が行った岐阜県「子ども調査」によると、岐阜県の子供の貧困率は七・二%であり、所得区分の低い世帯の子供は学校以外の平日の学習時間が少ない傾向や、自己肯定感が低い傾向が見られます。母子家庭が大半を占めるひとり親世帯においても、その半分が貧困状態であると言われており、同様の傾向が見られます。 これは、ひとり親家庭の親の生活が不安定であることも原因の一つであると考えられることから、ひとり親家庭の雇用の質を高め、経済的な自立や生活の安定につながっていくことは、ひとり親支援、ひいては子供の貧困対策としても重要となるのではないでしょうか。 現在、県が設置する岐阜県ひとり親家庭等就業・自立支援センターが中心となってひとり親家庭の支援に取り組んでおられますが、このような状況の中でひとり親家庭に対するさらなる支援の充実が必要となると考えております。 そこで、子ども・女性局長にお尋ねします。 岐阜県ひとり親家庭等就業・自立支援センターにおいては、子供の貧困防止のために、今後もひとり親家庭の生活安定に向けた支援をどのように取り組んでいくのか、子ども・女性局長のお考えをお聞かせください。 ここで二回目の質問を終わります。 ○副議長(水野正敏君) 健康福祉部次長医療担当 堀 裕行君。    〔健康福祉部次長医療担当 堀 裕行君登壇〕 ◎健康福祉部次長医療担当(堀裕行君) 二点、御質問をいただきました。 まず、新型コロナウイルス感染症の今後の感染拡大に備えた医療提供体制についてお答えをします。 先月二十八日に、新型コロナウイルス感染症対策総合アクションプランを取りまとめたところでありますが、感染拡大防止に向けた医療体制についても盛り込んだところです。 まず患者の早期発見のため、PCR検査の体制を県と岐阜市で連携し、県内の検査可能件数を一日八十件に拡充し、必要に応じて最大百二十件までの検査能力を持つことといたします。 また、入院については、感染症指定医療機関における三十床に加え、感染が蔓延期に入った場合の患者の受入れのため、一般医療機関等で三百六十一床を確保し、最大で合計三百九十一床で対応することを確認しております。 このような取り組みを通じ、患者増加時にも適切な医療が提供されるよう対応してまいります。 次に、医師不足・偏在是正に向けた今後の取り組みについてお答えをいたします。 まず、岐阜大学医学部に設けている地域枠につきましては、これまで二百九十名が入学し、既に百二十名が県内で勤務をされています。地域枠は令和三年度入学者まで二十八人の定員を確保しており、令和四年度以降も定員を維持できるよう国に要望してまいります。 また、今年度から地域枠卒業医師の勤務について、岐阜圏域以外での勤務期間を三年間から四年間と、一年間拡充する見直しを行い、さらに過疎地等の出身者を対象に出身市町村の医療機関での勤務を義務づけた地域医療コースを新たに設定しております。加えて、岐阜県医学生修学資金貸与制度の活用や、自治医科大学卒業医師の確保などにも取り組んでまいります。 さらに、医師少数区域とされていない三圏域でも、局所的に医師が少ない地域を医師少数スポットとして十一か所設定しました。 加えて、医師の働き方改革への対応として、医師の負担軽減や女性医師の就業継続のための医師の勤務環境の改善に取り組み、医師の定着につなげてまいります。 ○副議長(水野正敏君) 商工労働部長 井川孝明君。    〔商工労働部長 井川孝明君登壇〕 ◎商工労働部長(井川孝明君) 二点、御質問をいただきました。 まず新型コロナウイルス感染症対策のうち、県内中小企業・小規模事業者に向けた対策についてお答えします。 県内においても、観光客の宿泊キャンセルや中国からの物流の停滞などによる影響が広がりつつあると認識しております。そのため、まずは県内の宿泊施設を対象とした宿泊割引クーポンを発行し、三月末までに新たに約三千人の予約をいただきました。引き続き、今後の状況に注視しつつ、さらなる観光プロモーションの展開などを検討してまいります。 また、中小企業・小規模事業者の資金繰り対策として、先月五日に融資相談窓口を開設するとともに、早期に融資を活用いただけるよう、県中小企業資金制度融資の要件を緩和いたしました。さらに、新たに新型コロナウイルス感染症対策資金を設け、信用保証料を県が一部負担することで資金調達に当たっての負担軽減も図ってまいりたいと考えております。 あわせて、国に対しては金融機関からの借入れの円滑化に向け、信用保証協会が借入債務の一〇〇%を保証するセーフティーネット保証四号の指定を要請し、今月二日から実施されております。 今後も、経済界との情報を密に、さらなる対策を検討してまいります。 次に、今後の工場用地確保・企業誘致推進と労働人材の確保対策についてお答えします。 多くの自治体が企業誘致に注力する中、本県への誘致を促進していくためには、企業ニーズのみならず、他県の動向も把握し、本県の優位性をアピールする必要があります。このため、まず工場用地の確保に当たっては、インターチェンジへのアクセスや給排水など必要なインフラの整備状況について他地域と比較して優位な候補地を選定し、開発を進めるとともに、補助制度についても昨年十月に東京二十三区からの本社機能移転に対する補助を全国トップクラスの内容へと拡充を図ったところです。 また、人材確保についても地元高校の就職担当教員とのマッチングや中小企業総合人材確保センターでの専門家による個別相談など、きめ細かに対応しているところです。 企業誘致は、企業に寄り添い、そのニーズに丁寧に対応していくことが重要と考えておりますが、合わせて他県の動向も注視しつつ、さらなる誘致に全力を挙げてまいります。 ○副議長(水野正敏君) 子ども・女性局長 北川幹根君。    〔健康福祉部子ども・女性局長 北川幹根君登壇〕 ◎健康福祉部子ども・女性局長(北川幹根君) 子供の貧困防止に向けたひとり親家庭に対する支援についてお答えいたします。 岐阜県ひとり親家庭等就業・自立支援センターでは、専門の相談員による就業相談や安定した就業や、キャリアアップにつながる知識や技能を習得する講習会など、ひとり親の経済的自立に向けた様々な支援を実施しております。 また、今年度からは夜間相談窓口の開設や、ひとり親の方々がお互いに情報交換を行う「ひとり親カフェ」の開催などにも取り組みを広げております。 これらに加え、来年度からはフェイスブックの開設やひとり親家庭への支援を分かりやすく紹介したガイドブックの配付などを新たに行い、より多くの方々に必要な情報をお届けし、経済的自立や生活の安定に向けたきっかけとしていただくよう努めてまいります。 そして、子供の健全な成長のため、センターが橋渡し役となり、離婚などにより離れて暮らす親子が交流する機会を設ける事業にも新たに取り組むなど、ひとり親家庭に寄り添った支援を充実させてまいります。 ○副議長(水野正敏君) 二十一番 林 幸広君。    〔二十一番 林 幸広君登壇〕 ◆二十一番(林幸広君) それぞれ、答弁ありがとうございます。 次に、「ぎふ木遊館」のPRと今後の展開についてお尋ねします。 ぎふ木遊館は、岐阜県が誇る「木と共生する文化」を次世代につないでいくために平成二十五年に策定されたぎふ木育三十年ビジョンの実現に向け、幅広い年齢層の方が森や木に親しみ、森林とのつながりを体験できる総合的な木育拠点として、四月に開館します。 このぎふ木育三十年ビジョンとは、子供をはじめとする全ての人々が森林や自然に対して誇りと愛着を持ち、森林に対して責任ある行動を取ることができる人材を育成していくことです。ここで言う「森林に対して責任ある行動」とは、森林や山村に存在する多くの課題の解決に向けた積極的な行動はもちろんのこと、森林及び山村地域の産業を日々の暮らしの中に消費行動などを通して支えていくことです。 基本的な考え方としては、人が生まれたときから次の世代を育てるまでの一つのスパンとして長期的に育むこと、木育活動と歴史・文化・産業、地域と学校、体験と学習、世代間といったつながりを育むこと、そして継続的な取り組みをしていくこと、段階的に育むことです。 今回オープンするぎふ木遊館には、子供や大人が自由に木育を体験できる木育広場、二歳以下の子供と保護者の赤ちゃん木育広場、木工体験や各種研修を実施する木工教室、岐阜県の木のおもちゃなどを販売するショップの四つのエリアがあります。 施設本体や館内の備品など、ほぼ全ての木質部分には県産材を使用し、バリアフリーへの配慮、木のよさを感じられる居心地のよい空間が提供されているとのことです。 大型木製遊具についても、山の国飛騨と水の国美濃を合わせた飛山濃水をテーマにした川、山、里の三つのエリアで構成されており、岐阜県を象徴する遊具になります。幼少期から木に触れ合うことにより、木のぬくもりや森林の大切さを学ぶなど、森林への理解を深めることは森林に対して責任ある行動が取れ、心豊かな人材を形成することができます。 私は、このぎふ木遊館を県民に限らず多くの方々に利用していただき、また都市部と森林を抱える地域とのつながりを理解する一助となることを大いに期待をしております。 そこで、知事にお尋ねします。 多くの県民にぎふ木遊館を利用してもらうためにどのようにPRしていくのか、また開館を踏まえ、今後、ぎふ木育をどのように展開していくのか、知事のお考えをお聞かせください。 次に、CSF、いわゆる豚熱による「ぎふジビエ」への影響と、今後の推進に向けた取り組みについてお尋ねします。 国は、鹿、イノシシなどのジビエの利用拡大に向け、二〇二〇年にICTを活用して捕獲された個体情報や解体状況、在庫などを関係者間で共有するシステムに着手し、農作物被害の軽減とともに、農山村地域の所得向上につなげようと取り組みを進めています。また、高い衛生基準でジビエを加工処理する全国十六地区をジビエ利用モデル地区として選定し、捕獲後の加工や保冷といった施設の整備を支援しています。加えて、ジビエの安定供給、適正な衛生管理の流通規格に従って野生鳥獣肉を扱える食肉施設に国産ジビエ認証を与える制度をつくり、消費者の安心感を高め、ジビエの普及拡大につなげる政策を取っています。これは、野生イノシシや鹿をただ単に害獣として駆除するのではなく、食材として有効活用していくことを目的としているわけです。 しかし、一昨年発生したCSFにより、特にイノシシ肉の販売に負の影響を与えています。 人間には感染しないCSFですが、大量に殺処分される映像は誰もが不安を感じてしまうものでした。それを打破するために、三重県では関係自治体や生産、流通業者らでつくる連絡協議会を開き、風評被害対策を強化し、ジビエを提供する県内レストランでイベントを企画するなど安全のPRを行いつつ、予算を組んで風評被害への対策を、ジビエの消費が減らないよう対策をしているとのことです。 岐阜県においては、これまでぎふジビエの登録制度を設け、ジビエの普及に力を入れてきました。二〇二一年度までに解体処理施設を四十か所に、解体を担う人材を八十人に、県産ジビエを扱う飲食店などを二百三十店舗に増やそうとしているところです。 これまで、ぎふジビエの県内外への普及に向けては、関係自治体と生産、流通業者が連携し取り組みを進めてきたところであり、そのような中においてイノシシ肉を販売自粛せざるを得なくなったことはやむを得ないことではありますが、非常に残念でもあります。 また、今後、風評被害が払拭され、被害額減の目標を達成するためにも、ぎふジビエの販売網の確立と拡大は必要です。 そこで、農政部長にお尋ねします。 CSF、いわゆる豚熱の発生により、ぎふジビエに対する影響とこれまで積極的に取り組んできたぎふジビエについて、県内外へのPRをはじめ、今後どのように推進していくのか、農政部長のお考えをお聞かせください。 次に、スマート林業実践に向けた今後の取り組みについてお尋ねします。 岐阜県は全国でも有数の森林県として豊富な森林資源を活用し、県産材のさらなる増産と利用拡大の取り組みが進められてきていました。しかし、一方で現代の人口減少社会において、林業は低い労働生産性や高い労働災害率といった特有の課題を抱えており、本県の林業の成長産業化に向けた取り組みを着実に推進していくためには、これらの課題の解決が必要不可欠となっております。 国では、現在これらの課題を解決するために地理空間情報やICT等の先端技術を駆使し、生産性や安全性の飛躍的な向上、需要に応じた高度な木材生産を可能とするスマート林業の取り組みが推進されています。 一般的には、森林資源の利用の流れは、資源段階、生産段階、流通段階の三段階に分けられます。しかし、現在、例えば資源段階においては、小規模で零細な所有構造や、所有者の高齢化などに対応するための施業の集約化が、生産段階では効率的な人員・機械の配置や需要動向を踏まえて生産管理が不十分な現状に対応するための生産性、経営力の向上、流通段階では需給情報の共有と、それぞれにおいて課題があります。それらを解決するためには森林情報の高度化や共有化、高性能林業機械の活用、需給マッチングの円滑化などの対策が考えられていますが、ICTを活用することにより、これらの課題を解決することが可能になります。 現在、国においてICTなどの先端技術を現場レベルで活用する実践的取り組みへの支援や、林業機械の開発・改良などを推進する取り組みへの支援などが実施されています。これにより、森林情報収集工程や各種計画立案工程の高度化、労働負荷軽減や危険作業からの回避が自動化され、詳細な森林・国材情報を多様な関係者と共有可能になるなどの効果が期待されています。 岐阜県の林業業者の声を聴きますと、スマート林業の導入に対し期待の声は上がるものの、まだまだ投資や人的資源などの経営体力が必要なことから、取り組める事業者が限られているとの声があるようです。 飛山濃水という岐阜県でこのスマート林業実践に向けて取り組みをすることは、県内の産業資源の有効活用や林業の再活性化に寄与するものとなり、若年層も含めた担い手確保に向けて、本県として積極的に取り組んでいく必要があると考えます。 そこで、林政部長にお尋ねします。 現在、様々な職業分野において人材不足が問題となっていますが、林業においても例外ではなく、森林面積が県土の八割を占め、森林率全国二位を誇る岐阜県にとって林業の効率化は必要不可欠であると考えます。本県ではスマート林業についてどのように取り組んでいくのか、林政部長のお考えをお聞かせください。 ここで、三回目の質問を終わります。 ○副議長(水野正敏君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) ぎふ木遊館の今後の展開についてのお尋ねでございました。 平成二十五年に作成しました「ぎふ木育三十年ビジョン」、そして曲折ありましたが、七年後にいよいよぎふ木遊館が完成するということで、これらについて先ほど来の議員の御理解、御評価に感謝申し上げる次第でありますが、御期待に沿えるようにしっかりとしたスタートを切りたいというふうに思っております。 このぎふ木遊館は、岐阜の木に触れ、親しみ、木のおもちゃや遊具で遊ぶことを通じて子供たちを育てるとともに、幅広い世代が交流するぎふ木育の総合拠点として整備を進めてきております。 名誉館長には、平成十八年に開催した第五十七回全国植樹祭、平成二十七年に開催した第三十九回全国育樹祭で総合司会を務めていただくなど、本県の森林と人とのつながりを全国的に発信していただいている俳優の竹下景子さんをお迎えします。そして、施設の概要、魅力、体験プログラム等を広く浸透させていくため、近々専用ホームページを開設するとともに、SNSや地域情報紙を積極的に活用し、情報発信をしてまいりたいと思っております。 また、年間を通じて安定した利用を図るため、県内に約七百ある全ての幼稚園・保育園等に対し、平日の団体での利用について御案内を進めているところでございます。 さらに、子供たちだけにとどまらず、親子が一緒に楽しめる木育教室や、大人や高齢者を対象としたものなど、幅広い世代の方々に御利用いただけるプログラムも進めてまいります。 次に、ぎふ木育の今後の展開につきましては、ぎふ木遊館に続いて本年五月には森林文化アカデミー内に森林総合教育センター、愛称「morinos」がオープンとなります。これにより、木遊館での木に親しむ日常の暮らしからのアプローチと、morinosでの自然のフィールドを生かした森からのアプローチの両面から岐阜の木育を進化させてまいりたいと思っております。 その上で、この木遊館では、これまで県内各地域に順次整備を進めてきた百か所のぎふ木育ひろばとのネットワークにより、出前講座や交流会などを開催し、県民の皆様が地域でより気軽に木育を体験できる環境を提供してまいります。 また、木遊館周辺は、ぎふ清流福祉エリアであることから、岐阜希望が丘特別支援学校やぎふ清流文化プラザ内の障がい者芸術文化支援センターなどと連携した木育プログラムを実践し、福祉や療育分野と連携したぎふ木育の新たな領域への普及も図ってまいります。 ○副議長(水野正敏君) 農政部長 渡辺正信君。    〔農政部長 渡辺正信君登壇〕 ◎農政部長(渡辺正信君) CSFによる「ぎふジビエ」への影響と今後の推進に向けた取り組みについてお答えをいたします。 ぎふジビエに登録された解体処理施設の近年の処理量は、CSF発生前の平成二十九年度は二十トン、三十年度、十八トン、そして本年度については、現在は国の通知に基づきイノシシ肉の利用を自粛しており、鹿肉のみですが、十二月末現在で約十四トンとなっております。 これら施設からは、鹿肉の処理を増やしたのでもっとPRをしてほしい、ジビエ肉そのものの売上げが減ったとの声もあり、イノシシ肉が使えなくなった影響が現われてきております。このため、当面は鹿肉のジビエ振興に注力し、現在の首都圏や県内飲食店での料理フェアや道の駅での飲食会等に加えまして、解体技術講習会や鹿肉を使った料理講習会を開催するなど、解体処理施設や取扱飲食店等の一層の拡大を図ってまいります。 あわせて、国の「国産ジビエ認証」の取得に向けた支援を行うとともに、県内のCSFの状況について引き続き注視してまいります。 ○副議長(水野正敏君) 林政部長 荻巣雅俊君。    〔林政部長 荻巣雅俊君登壇〕 ◎林政部長(荻巣雅俊君) スマート林業実践に向けた今後の取り組みについてお答えします。 県では、国の事業を活用し、中津川、白川、東白川地域と郡上地域においてスマート林業のモデル事業を進めており、航空レーザー測量の成果を活用した森林資源量の把握や、木材が伐採現場から計画的に製材工場に納入される需給調整システムの構築などに地域を挙げて取り組んでおります。 さらに、来年度からは県独自に林業事業体を支援し、県全域へと普及を図ってまいります。具体的には、まず資源量の把握のためドローンの活用や、情報共有のためのクラウドGISの導入等を支援してまいります。また、生産の効率化に向け、伐採した木材の形状や体積を自動計測するシステムの導入を支援するとともに、小規模事業者を対象とした林業機械のレンタル制度を創設いたします。 さらに、流通の合理化に向けて、木材の生産状況と需給状況をリアルタイムで共有できるシステムの導入を支援いたします。 あわせて、最新のICT技術の講習会開催などにより、スマート林業の推進に必要な人材の育成にも取り組んでまいります。 ○副議長(水野正敏君) 二十一番 林 幸広君。    〔二十一番 林 幸広君登壇〕 ◆二十一番(林幸広君) それぞれ答弁ありがとうございます。 次に、若年層の就職促進に向けた建設業の処遇改善と魅力発信についてお尋ねいたします。 建設業界は年々人材不足が進んでいると言われ、人口減少、少子高齢化が要因とはいえ、数字にも顕著に表われています。 先ほどのスマート林業と同様に、建設業の生産性向上においてもICT技術を活用することにより現場の生産性を高め、工期の短縮や労働環境の改善などにもつなげようと、岐阜県においても平成三十年に建設ICT人材育成センターが開設され、現在、建設ICT人材育成センターでは、建設ICTなど、建設業の技術力・経営力向上を図る建設業担い手育成事業、建設業の魅力発信や新規入職者の確保と定着を図る建設業担い手確保事業、県・市町村などが建設技術職員を対象に技術力向上を図る建設技術職員研修の三つの事業を展開されています。これにより、将来の県土づくりを支える建設人材の育成・確保を図ることができ、建設現場における技術力、生産性の向上のための研修事業や建設業の魅力発信事業などを積極的に展開できることになります。 県内の建設就業者数は、平成十二年の約十一万六千人をピークに平成二十七年に約八万人となり、その年齢構成も二十九歳以下は約二万五千人から約八千人に、六十歳以上は約一万九千人から約二万千人となっており、今後ますます建設業就業者数の減少と高齢化が懸念されます。 厚生労働省の平成二十四年度調査によると、建設業における若年層の離職者の一番の理由は、「雇用が不安定であること」や「遠方の作業場が多い」を上げており、企業側が考える若年技能労働者が定着しない理由と考えている「作業が厳しいこと」や「危険が伴うこと」よりも高く、このギャップが今後の建設業の若年労働者を確保していく上で一つのポイントではないかと考えます。 また、若年層の定着に成功している企業が取り組んでいることは、技能教育の推進、資格取得の支援や社会保険の加入があり、雇用の安定を目指した取り組みが実を結んだと言えます。 そこで、県土整備部長にお尋ねします。 建設業・モノづくりに対して若者が魅力を感じ、就職先の候補として選択され、次世代の担い手確保につながるよう、若年層に対する処遇の改善と建設業の魅力の発信にどのように取り組んでいくのか、県土整備部長のお考えをお聞かせください。 次に、下流域への影響を見据えた河川監視カメラの設置の考え方についてお尋ねします。 昨今、豪雨災害について甚大な被害が全国各地で発生しており、岐阜県においても、平成三十年七月豪雨災害では、津保川の氾濫により関市上之保での大規模な浸水被害が発生したことは記憶に新しいところです。 国土交通省は、七月豪雨を含む近年の豪雨災害を踏まえて、社会全体で洪水に備える水防災意識社会を再構築する取り組みをさらに充実し加速するため、緊急行動計画を改定しました。 七月豪雨災害では、避難を呼びかける警告情報が流れても、どのタイミングで逃げればよいのか分からないなどの意見が聞かれた一方で、河川監視カメラの映像を見て避難につながった事例もあったようです。そこで、この計画に基づき、二〇二〇年度までに簡易型河川監視カメラを約三千七百か所設置することとしており、地域住民の迅速な避難判断の参考情報となることが期待できます。 河川状況を確認しますと、従来の水位情報に加え、リアリティーのある洪水状況を映像として住民に提供することが適切な避難判断を促します。 水害時における避難には、立ち退き避難、いわゆる水平避難と、屋内安全確保、いわゆる垂直避難の二種類の行動があり、津波や高潮、土砂災害のときは原則として市町村長の指定する避難所へ移動する立ち退き避難になりますが、しかし、近年、立ち退き避難の途上で被災するケースがあり、移動することがかえって危険と思われる状態になった場合には、屋内安全確保も避難の在り方の一つとなっています。 豪雨や台風災害になると必ず屋外に出て被害に遭われる方がいますが、このような事故を防ぎ、避難方法の判断を行う上で、河川の状況が分かる監視カメラの映像は住民が状況を知る一つの重要な情報であり、加えて、河川の状況と氾濫を予測するには、自分が住んでいる地域の河川カメラではなく、その場所より上流域に設置された河川監視カメラを活用することにより、市町村は早期の警戒レベルの判断ができ、県民の安心・安全につながるのではないでしょうか。 そこで、県土整備部長にお尋ねします。 河川監視カメラの設置が必要な箇所の再点検と下流域の監視のためには、市町村区域をまたいだ上流域の情報が重要となると考えますが、下流域への影響を見据えたカメラの設置の考え方と近隣市町村との情報共有について、県土整備部長のお考えをお聞かせください。 次に、企業の障がい者雇用の促進と支援体制の整備についてお尋ねします。 二〇一八年の障害者雇用促進法の改正により、現在定められる障がい者の法定雇用率は、民間企業は二・二%、国や地方公共団体などは二・五%に引き上げられています。二〇二一年四月までにさらに〇・一%引き上げが予定されており、障がい者の雇用のさらなる促進に向けた取り組みが必要とされています。 現状、障がい者雇用において企業が求める人材は、比較的軽い身体障がい者や知的障がい者に集中し、程度の重い障がい者や体調や気分を一定に保つことが難しい障がい者が働ける職場の求人が少ない傾向があります。そこで、職場に定着しても同様のことが言え、平成三十年度における障がい者の平均勤務年数は、身体障がい者が十年二か月、知的障がい者が七年五か月、精神障がい者が三年二か月となっています。 企業側においても、障がい者に対して認識不足や法令遵守意識の不足など、特に中小企業を中心とした障がい者の雇用に積極的ではない現状があります。 このような状況の改善に向け、現在、全国の職業安定所では障がいがあってもその特性を踏まえ、希望や能力、適性に応じて活躍できること、障がい者とともに働くことが当たり前の社会を目指していくため、正しい知識と理解を持って温かく見守り、そして支援する応援者を育成するため、精神・発達障がい者しごとサポーターの養成講座を開催しており、これにより同じ職場の仲間として日常的な配慮のポイントを学ぶことができます。 また、求職者が企業に対して一人一人の障がい特性を分かりやすく伝えるためのツールとして、就労パスポートも導入されました。これは、働く上で自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮など特徴を理解してもらい、自分に合った支援を受けやすくなるもので、相互理解が深まり、就労や定着につながると期待できます。 岐阜県において、障がい者の一般就労を促進し、相談から訓練、マッチング、職場までのトータルサポートする拠点として、ぎふ清流福祉エリア内に岐阜県障がい者総合就労支援センターが来月オープンすることとなっており、岐阜県の障がい者支援施策の一層の推進が期待されるところです。 そこで、商工労働部長にお尋ねします。 県内企業における障がい者雇用の促進に向けて、企業と求職者側に対する支援に本県としてどのように取り組むのか、商工労働部長のお考えをお聞かせください。 次に、特別支援学校の就労支援の取り組みについてお尋ねします。 岐阜県の児童・生徒数は、平成三十年時点で二十一万九千七百四十九名と三十三年連続して減少し、過去最低を記録していますが、特別支援学校の在学者数は二千六百十人で二十三年連続して増加しており、過去最高を記録しています。一人一人の障がいの状況に応じて個別の教育支援計画や指導計画が立てられている特別支援教育への理解が進み、きめ細かな対応が得られる特別支援学校を選ぶ保護者が増えていることも要因と考えられます。今後、さらに生徒数は増えると予想されます。 しかし、特別支援学校に通う子供たちも必ず卒業の時を迎え、社会に出ていかなければなりません。一人でも多くの障がいを持つ子供たちが社会の一員として働く場所を見つけ、長く就労し続けることができるよう、特別支援学校における就労支援の取り組みは非常に重要な責務となっております。 岐阜県では、平成二十九年四月に岐阜清流高等特別支援学校、平成三十年四月に西濃高等特別支援学校を開校し、就労支援統括コーディネーターを一名、就労支援地域コーディネーターを二名配置し、特別支援学校の就労支援体制の充実を図っています。 平成三十年三月に県内の特別支援学校高等部を卒業した生徒のうち、一般就労した割合は全体の三六・三%ということで、まだまだ低い水準です。また、就労に際しての問題として、就労分野の選択肢が限定されることや、就労での賃金が少なく雇用条件も悪く、特に福祉的就労については工賃が月額一万円以下のところもあるという状況です。そして、通勤に難があるため進路先が限定されてしまい、やむなく在宅というケースもあるとのことです。 また、就労には生徒だけではなく、保護者との連携も必要不可欠であります。保護者と一緒になって進路を考える場を用意することや、保護者向けの企業見学会を開催し、実際に障がい者スタッフが働いている様子を見ることや説明を聞くことで職場環境や業務内容が分かり、企業で働くイメージを持つことができ、それを保護者と生徒で話し合うことで不安を払拭できます。これにより、就労後の生活の安定と定着にもつながっていくのではないでしょうか。 そこで、教育長にお尋ねします。 就労を望む生徒が生き生きと長く働き続けられるよう、企業とのマッチングなど、特別支援学校における就労支援の取り組みについて、教育長のお考えをお聞かせください。 次に、外国人児童に対する適応指導体制の充実と不就学児童・生徒の現状と就学促進に向けた取り組みについてお尋ねします。 岐阜県における外国人児童・生徒数は、平成二十年度、小学校千百八十六人、中学校四百七十三人であったものが、平成三十年度では小学校千八百十八人、中学校八百三人と大きく急増しています。 本県では、外国籍児童や生徒に対し日本語教育に当たる教員を養成し、学校での指導体制を強化する役割を担う指導教諭配置の方針を固めています。しかし、保護者の経済的な理由や、弟や妹の子守などをさせる保護者の無理解により学校への受入れがうまくいかず不登校になってしまうなどの外国人児童・生徒も存在していることは事実です。 このことから、入学前より保護者や児童・生徒に対し日本の教育システムや支援システムについて説明し、理解していただくことが必要ですし、不就学や不登校のないようフォローをしていく体制が必要ではないでしょうか。 日本に住民登録しているものの、小・中学校に通っているか分からない外国籍の子供の数は全国で約二万二千人と言われています。 就学不明が発生する元凶は、日本国憲法第二十六条にあります。すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。つまり、自国民ではない外国籍児童は就学義務がない、これが要因です。しかし、国際法の児童の権利に関する条約によると、締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとするとあります。 そこで、教育長にお尋ねします。 今後の増加が予想される外国人児童の編入学前及び入学後における適応指導体制の充実、県内で不就学となっている児童・生徒の現状及び就学促進に向けた取り組みについて、教育長のお考えをお聞かせください。 最後に、特殊詐欺の現状と今後の被害防止対策についてお尋ねします。 平成十年代半ばから、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害の深刻さが社会問題化し、これまで官民が一体となって様々な対策を講じているところですが、これに対抗するように犯罪手口も巧妙化、多様化しております。 二〇一九年の全国における特殊詐欺の認知件数は一万六千八百三十六件であり、前年と比べ千八件の減少、一年間の被害額も八十一億四千万円ほど減ったとのことですが、総額三百一億五千万円、単純計算で一日八千万円を超える被害が出ていることになり、深刻な状況が続いています。また、被害者は六十五歳以上の高齢者が全体の八割を占めており、確実に高齢者が狙われています。 新聞報道等を拝見しますと、残念ながら県内においても依然として高齢者が詐欺被害に遭っているようです。 岐阜県警では、特殊詐欺のことを偽電話詐欺と呼んでおり、被害に遭われた状況を見てみますと、警察官をかたる、銀行協会をかたる、役所職員をかたるなど、犯人グループが手を替え、品を替え、人まで替えて実に巧みに被害者をだまし、そして大切な蓄えのお金をだまし取っているものであります。特殊詐欺は年々巧妙になっており、組織が個人をだましにかかるので、高齢者が一人で太刀打ちすることはやはり難しいものと思います。 高齢者の家族はもちろん、金融機関やコンビニエンスストアなどの民間事業者と連携した被害防止活動など、官民一体となって各種対策を講じていくことが必要であり、岐阜県警ではその一つとして全件通報と呼ばれる水際対策に長く取り組まれています。これは、金融機関において高齢者が多額の預貯金等を引き出した場合、金融機関が警察へ通報、警察が臨場して高齢者の方と直接お会いして引き出し理由などを確認するというものであり、一定の効果も出ているとお聞きしています。 このような効果的な工夫や取り組みなどを今後も打っていくことが必要であるところですが、巧妙化する手口に対抗するには常に現状を踏まえた上でさらに被害防止に資する取り組み、つまりだまされない方策を効果的かつ粘り強く進めていかなければならないと思います。 そこで、警察本部長にお尋ねします。 いまだに発生する特殊詐欺でありますが、その現状と今後の被害防止対策について御答弁をよろしくお願いいたします。 以上、県政全般にわたり質問をさせていただきました。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(水野正敏君) 県土整備部長 宗宮裕雄君。    〔県土整備部長 宗宮裕雄君登壇〕 ◎県土整備部長(宗宮裕雄君) 二点、御質問をいただきました。 まず、建設業における若年層に対する処遇の改善と魅力発信に向けた取り組みについてお答えします。 若年層の処遇の改善に向け、全ての県発注工事において社会保険等の加入を求め、雇用の安定化を図るとともに、休暇の確保に向けた週休二日制モデル工事の実施や若手を対象とした研修を開催し、技術力の向上に努めております。 また、女性や若手技術者の採用、社員の資格取得の支援などに積極的な企業をぎふ建設人材育成リーディング企業として認定する取り組みも推進しております。 魅力の発信としては、建設業の魅力を直接現場から伝えるため、学生と現場の技術者が直接意見を交わせる交流サロンを開催するとともに、中学生を対象とした出前授業を実施しております。さらに、来年度は新たに保護者向けのPR冊子や動画を制作し発信することで親子で建設業の役割や魅力を知っていただく取り組みも進めてまいります。 今後も、建設業界はもとより、学校関係者や保護者の方から御意見を伺いながら、建設業の担い手の確保に向け、若年層の処遇の改善や魅力の発信に努めてまいります。 次に、下流域への影響を見据えた河川監視カメラの設置の考え方と近隣市町村との情報共有についてお答えします。 県では、これまで水位計の設置に併せて三十二河川、五十二か所に河川監視カメラを設置しております。さらに、迅速な避難行動に役立てるため、六月の出水期までに低コストで容易に設置が可能な簡易型カメラを新たに四十一か所設置し、県全体で六十三河川、九十三か所となるよう整備を進めてまいります。 これらは、近隣に病院や学校などの重要施設がある河川の水位観測所に設置するほか、複数の市町村にまたがるなどの延長が長い河川においては、上流・下流それぞれに設置するなど、流域全体の状況が把握できるよう努めているところです。 あわせて、河川の増水時等には上流域の状況を注視しつつ下流域でも洪水警報等を同時に発令するなど、流域全体を見据えた上で関係市町村へ情報を発信し、共有しております。 今後は、各市町村からの意見も踏まえながらカメラの設置が必要な箇所の点検を引き続き実施し、地域住民の適切な避難行動につながるよう努めてまいります。 ○副議長(水野正敏君) 商工労働部長 井川孝明君。    〔商工労働部長 井川孝明君登壇〕 ◎商工労働部長(井川孝明君) 企業の障がい者雇用の促進と支援体制の整備についてお答えします。 まず企業に対しては、障がいのある方の能力が十分に発揮できる仕事づくりや職場環境の整備などを促すため、現在、障がい者雇用企業支援センターにおいて企業経営者向けのセミナーや経験豊富な企業の担当者などをアドバイザーとして派遣するとともに、職場内での相談窓口となり障がいのある方と企業との調整を担うジョブコーチの育成を図っております。 次に、障がいのある方へは、障がい者就業・生活支援センターにおいて障がいのある方一人一人の特性に応じた就労相談や就労先の紹介とともに、就労面でのカウンセリングなどに取り組んでいます。 この四月に開設する障がい者総合就労支援センターでは、これらの機関を集約し、新たに職業訓練を行う職業能力開発校と障がい者に職業紹介を行う県立ハローワークを設置してまいります。 これにより、就労相談から職業訓練、マッチング、定着支援まで、企業、障がいのある方、双方向での総合的な就労支援体制を構築し、障がい者雇用のさらなる促進を図ってまいります。 ○副議長(水野正敏君) 教育長 安福正寿君。    〔教育長 安福正寿君登壇〕 ◎教育長(安福正寿君) 特別支援学校における就労支援の取り組みについてお答えします。 特別支援学校の生徒に対して効果的な就労支援をするためには、生徒の働くための能力と企業のニーズをいかにマッチングさせるかということが重要な課題であると捉えております。 このため、高等部においては作業学習を通して意欲や態度といった働く上での基礎となる力の育成に取り組むとともに、企業が求める能力を生徒がどれだけ身につけているかを分かりやすく示す学習到達度の指標づくりも進めているところです。 また、特別支援学校と企業が連携し、企業での現場実習などを通して生徒の職業適性を見極め、雇用に直結させる取り組みも行っております。 そのほか、高等特別支援学校に就労支援コーディネーターを配置し、実習や雇用の受入れ企業の開拓を行うとともに、就労情報を活用した企業との橋渡しを行っております。 加えて、新たに各圏域に就労支援オフィスを設置し、特別支援学校の卒業生等を雇用しながら、特別支援教育経験者を中心とした支援員の指導の下、一般就労に必要な能力を養成してまいります。 次に、外国人児童に対する適応指導体制の充実と不就学児童・生徒の現状及び就学促進に向けた取り組みについてお答えします。 今年度、県内に在住する外国人の子供のうち、不就学者は二百二十五人で、全体の約六%を占めています。その背景には、就学を希望しない場合があるほか、居住者が少ない市町村では、住民登録と同時に就学申請を行わず、就学機会を逸してしまったなどの事情があったと聞いております。 また、外国人児童・生徒が学校生活に適応できるよう、編入学直後に生活に必要な日本語を学ぶ場として初期指導教室を設置する市町村が増加しているところです。 県としては、市町村や学校を支援するため、大学教授など学識経験者や民間団体などの指導者等の協力を得て、日本語指導のカリキュラムや教材、さらにはポルトガル語やタガログ語版の就学ガイドブックを作成、提供しております。 今後は、散在地域にも適応指導員の支援が届くよう体制を充実するとともに、日本語指導に不慣れな教員向けに作成したDVDの活用のほか、全市町村から成る外国人児童生徒連絡協議会を地区ごとに開催し、不就学ゼロを目指した好事例を普及してまいります。 ○副議長(水野正敏君) 警察本部長 今林寛幸君。    〔警察本部長 今林寛幸君登壇〕 ◎警察本部長(今林寛幸君) 偽電話詐欺被害の現状と今後の被害防止対策についてお答えいたします。 令和元年中における県下の偽電話詐欺被害は、認知件数が百二十六件、前年比プラス一件、被害額が約二億七千七百万円、前年比マイナス百万円と、認知件数、被害額とも横ばいで推移しており、依然として厳しい情勢にあると認識しております。また、被害者の約六割が六十五歳以上の高齢者であります。 中でも、昨年来、警察官や金融機関職員等をかたってキャッシュカードをだまし取る手口が急増し、昨年は五十三件、被害金額合計五千九百八十三万円、前年に比べ三十五件、被害金額三千百十五万円増加したほか、今年に入ってからも多発傾向にあり、今後も予断を許さない状況にあります。 県警察では、被害防止対策として、金融機関と連携した高齢者の高額引き下ろし全件通報のほか、コンビニ事業者と連携した疑わしい電子マネー購入に関する通報、専属オペレーターが電話で注意喚起する安全・安心コールセンター事業、自動通話録音警告機の貸出事業などを継続して実施しております。 また、岐阜県警察「絆」作戦と銘打ち、家族の絆を強め、家族間で平素から連絡を取り合うことで被害を防止していく偽電話詐欺被害防止モデル企業などの取り組みも推進しております。 今後の対策につきましては、これまでの対策をさらに発展させながら粘り強く継続し、被害実態や地域性に応じたきめ細かな広報・啓発を図るほか、高齢者が被害に遭わない仕組みづくりとして、留守電機能を設定する呼びかけの強化や、金融機関に対し高齢者のATM利用限度額の引下げ拡充を求めてまいります。 また、高齢者だけでなく、その子供・孫世代への働きかけも強化していく必要があり、本年四月から、岐阜県警察防犯アプリを導入し、スマートフォンを利用する高校生や大学生などの若い世代、企業で働く現役世代を対象とした情報発信を強化してまいります。 今後、ますます高齢者人口が増えていく中、偽電話詐欺の被害防止を徹底することはまさに喫緊の課題であり、県や市町村はもとより、各種団体や企業等の幅広い協力も得ながらより効果的な被害防止を推進してまいります。 ○副議長(水野正敏君) 十八番 布俣正也君。    〔十八番 布俣正也君登壇〕(拍手) ◆十八番(布俣正也君) 通告に従いまして、今回は、三項目、五点について二分割で質問をさせていただきます。 その前に、このような状況下ですので、私からも全ての県民の皆様へ、今こそ向上の精神でもってこの難局を乗り切ってまいりましょうとエールを送らせていただきます。 それでは、一項目め、食の安全についてです。 この関連の質問は、過去十年間の間に二十五名の議員が登壇されてみえます。それだけ食に対しての関心が高く、事案が発生しているということで、そのたびに県当局は迅速かつ適切な対応をされて、岐阜県の食品・食材の安全性をPRされてまいりました。 質問の主な内容を紹介しますと、平成二十年の中国製ギョーザ中毒問題、飛騨牛の偽装問題、二十一年の学校教育における食の安全、植物工場での無農薬野菜、食品表示などに関する安全性、二十二年のぎふクリーン農業、二十五年のTPP問題、二十六年の食品表示の適正化、二十八年のHACCPによる工程管理、廃棄食品の不正流通事件、三十年の東京オリ・パラに向けた県内農畜水産物の魅力発信及びGAPの取り組み、最近では昨年のCSFによる風評被害防止策などがございます。 平成十五年五月、政府が食品安全基本法を制定したのを受けて、平成十六年に、県は岐阜県食品安全基本条例を制定しました。この条例の趣旨は、豊かな食生活を享受できるようになった近年の経済発展の下、食糧自給率の低下や輸入食品の増加、環境汚染物質による食品汚染や残留農薬問題、食品添加物の過剰使用や食品表示の在り方など、食品の安全性に対する県民の関心が高まっていることにあります。 毎日の食生活は、私たちの生命や健康の根源であり、食品の安全性の確保と食品に対する安心感の向上は、我々県民にとって最も切実な願いの一つであります。全ての県民の参加と協働によって、食品の安全性の確保と食品に対する安心感の向上を図って、県民が健康で安心できる生活の確保に寄与するためのものです。 その後、食品安全行動基本計画の幾たびかの見直し、策定・公表をして、平成三十年六月、食品衛生法など、同十二月、食品表示法の一部を改正する法律が公布され、県も食品の安全性の確保などに関して講じた施策についてまとめられました。 岐阜県食品安全行動基本計画とは、食品の安全性の確保等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、岐阜県食品安全基本条例第二十条の規定に基づき岐阜県が策定をしている計画です。 平成二十六年から三十年の五か年計画により、二十三の施策には具体的な対策と数値目標が定められており、特に力を入れて取り組む七つの重点施策を設定しております。 重点施策とは、一、コンプライアンスの推進、二、食中毒防止対策の推進、三、アレルギー物質対策、四、食品表示対策、五、食品廃棄物対策、六、双方向のリスクコミュニケーション、七、食品の安全を守る人材の確保・育成の七項目です。 重点四の食品表示対策の計画については、食品表示が適正に行われるよう、事業者の食品表示に対する監視指導を適切に行うとともに、事業者に対して食品表示に関する正しい知識の普及を進め、同時に消費者が正しい知識を持って食品を選択できるよう、消費者に対して食品表示の知識を普及するとあります。第三期のこの五年間の重点四、食品表示対策に関する指標七項目については、いずれも目標が達成をされております。しかし、達成項目は事業者に対しての立入検査や外見検査、総合講習会などであり、消費者に対しての知識の普及活動に対してはどのような状況でしょうか。 さらに、重点七の食品の安全を守る人材の確保・育成の計画については、行政職員に対し、最新の知識や技術の習得機会の設置、また専門性を高め、食品など関連事業者に対し、必要な知識と技術の習得を支援するとあります。重点七に関する指標五項目についても、いずれも目標が達成されておりますが、各種研修会の実施回数の目標達成のみで、研修内容が消費者に対してどう生かされているかがなかなか見えてきません。 食品は、人の生命や健康を支える上で、またおいしいという楽しみを人に与え、生活の質、QOLを維持、向上するという意味において日々の生活に必要不可欠なものです。そして、食品表示は消費者と食品をつなぐ重要な情報源です。万が一事故が発生した場合、その原因の究明や製品回収などの事故の拡大防止のための措置を迅速かつ的確に行うための手がかりにもなります。 昨今の一連の偽装表示問題において、消費者の表示への関心は高まっていると思います。しかしながら、食品の表示は幾つもの法律によって規定されている上に、製造者・販売者のコマーシャルなども同じ場所に表示されているため、表示する側も見る側も分かりにくい状況になっているのではと思っております。やはり、行政職員の研修会参加の成果を消費者に対して知識の普及にさらに役立ててもらいたいと考えます。 また、改正食品衛生法と改正食品表示法に基づき、消費者が様々な情報を入手しやすくなっていくのは大変ありがたく、ますます安全な環境が整っていくと思われますが、全ての消費者、つまり子供たちや年配者の方々にも配慮されているかというと、若干、疑問視されます。やはり、ここは行政機関の情報をどれだけでも多く発信できるセミナーの開催を多くしたり、いろんな媒体をフルに活用して多くの県民に情報を提供していただく必要があると考えます。 総合的に判断すると、重点施策六の双方向のリスクコミュニケーションの部分が重要になってくるのではと思います。つまり、行政と消費者、それぞれの立場から一堂に会して意見交換をしながら相互理解を深めていく必要があると考えます。 農産物に関しては、生産時点で農薬の適正使用や、出荷時点での異物混入チェック、生産者表示、農薬使用履歴表示など、生産から流通にかけて、安全性には幅広く気を配られてみえます。 特に、平成七年頃より、ぎふクリーン農業の推進に力を入れて、農薬三〇%削減生産に始まり、さらには五〇%削減、有機栽培の推進へと、岐阜県の農畜産物の安心・安全の関心は年々高まってまいりました。しかし、昨今の環境変動によりまだまだ慣行農業に頼らなければいけない部分もあり、今後、生産者と消費者の信頼関係を一層強固にしていく必要があるのではないかと思います。 さらには、現行のGAP制度をより身近なものにする施策や、本県農業の体質強化を図るための新たな展開にも期待をしたいところです。特に、GAPに関しては、再三にわたり岩井議員も一般質問にて指摘されてみえるように、「岐阜県GAP」の今後の展開次第で生産者の意識喚起や消費者の理解促進に大きく影響していくものと思われます。 学校教育の観点からは、第三次岐阜県教育ビジョンの中の基本方針三の十七にあります健康教育・食育の推進にもあるように、子供たちが生涯にわたって健康な生活を送ることができるよう、様々な健康管理の解決に向けた体制づくりや取り組みの推進の支援、児童・生徒の食育の一層の推進を目指し、学校と家庭の連携を図り、児童・生徒の実態に応じた食育の取り組みや、食とそれを支える農の大切さや重要性について学ぶ食農教育の推進が上げられております。 子供たちが間違った認識をしないように、今後もあらゆる角度から食の安全について教育していかなければいけないと考えます。 現状では、小学校において、家庭の食育マイスターの取り組みを、中学校においては公募制による中学生学校給食選手権の開催、高校においては、各種専門分野にて食育指導が行われております。 昨年は、岐阜県にて第六十回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会が開催をされ、県内からも約百七十名が参加をされ、食育の推進に向けての指導の在り方や学校給食の充実方策について研究協議され、栄養教諭・学校栄養職員の資質の向上が図られました。この大会を通じて、栄養教諭の存在の意味・意義を明確にされ、学校における食育の推進がますます高まるものと思います。 以上の観点から、順次質問をさせていただきます。 まず、健康福祉部長にお伺いをします。 豊食社会の昨今、岐阜県内でも様々な食品・食材が流通をしております。消費者は食品・食材の値段、品質、内容表示などを確認の上、当然自己責任の下で買物をしております。それらの行為に対して、行政側からの命令や指示はできないものの、ある程度の啓発をしていかないと県民の健康を促進することができないのではないかと考えます。 現在も、あらゆる角度から県民の健康維持のために努力をされてみえますが、食の安全について消費者へさらなる啓発活動をする必要があるのではと考えますが、現在の具体的な取り組みと今後の展開をお伺いします。 続いて、農政部長にお伺いします。 ぎふ農業・農村基本計画にもあるように、ぎふクリーン農業の推進や岐阜県GAPの推進、生産工程管理、HACCPの制度化など、農産物の安心・安全については生産者自らが高い意識の下で実践をしていると思われますが、有機栽培農家に対してのセミナーの参加など、もっと支援をしていくシステムを新たにつくることや、ぎふクリーン農業制度・岐阜県GAPの見直しなどで、昨今の環境に合った県独自の制度の再創設によって県内農畜産物に対する安全の意識の高揚につながるのではと考えます。 また、新年度の取り組みとして、農業者のGAPの取り組みをサポートするGAP推進拠点を一般社団法人岐阜県農畜産公社内に設置すると伺っております。新たな拠点設置により、県民に対し食の健康増進をさらに図っていくべきと考えます。そこで、有機栽培の推進とGAPなど各種制度の見直しについてどのようにお考えかお伺いをします。 続いて、教育長にお伺いをします。 学校給食では、県内農産物の使用割合が年々高まっていると伺っております。 岐阜県が誇る農畜産物を子供たちが学校給食によって理解できることは大変すばらしく、県内農産物の安全性への理解も高まっていくと思われます。ただ、給食、朝晩の家庭での食事以外の飲食物、例えばスナック類や清涼飲料水などの安全性の度合いを教えていくには、家庭と学校が協働しないと成長期の子供たちの健康は守れないと思います。栄養教諭の任用により学校内での食育はさらに充実して、社会・道徳・家庭科の時間での取り組みも期待をされます。 自分の身は自分で守る、自立心を育てる意味において、学校教育の中で食の安全について今後どのように教育していかれるのか、御所見をお伺いします。 ここで、一回目の質問を終わります。 ○副議長(水野正敏君) 健康福祉部長 兼山鎮也君。    〔健康福祉部長 兼山鎮也君登壇〕 ◎健康福祉部長(兼山鎮也君) 消費者への啓発についてお答えします。 県では、第三期食品安全行動基本計画に基づき、毎年食品表示をはじめ、多様なテーマでシンポジウムや出前講座を実施することで、県民に対し食の安全に関わる様々な情報提供を行うとともに、消費者、事業者、行政が一堂に会し、それぞれの立場から意見交換を行うことで、関係者間の相互理解に努めてまいりました。 また、小学生を対象とした食品安全クイズ大会、保育園児や小学生向けの手洗い教室など、若年層にも楽しく関心を持ってもらえるイベントを企画してまいりました。 今後は、第四期計画においては、これまでの取り組みに加え、若年層への教育に重点を置いて「親子で学ぶ食品安全セミナー」のほか、高校生を対象に食品表示等の講習会を実施するなど、食の安全に向けた取り組みをさらに強化してまいります。 さらに、フェイスブック、メールマガジン、消費者向け啓発リーフレットなどを活用し、幅広く消費者啓発に努め、消費者が正しい情報により食品を選択できるよう取り組んでまいります。 ○副議長(水野正敏君) 農政部長 渡辺正信君。    〔農政部長 渡辺正信君登壇〕 ◎農政部長(渡辺正信君) 有機栽培の推進とGAP等の制度の見直しについてお答えをいたします。 有機栽培につきましては、県有機農業推進計画に基づき、研修会の開催や病害虫防除技術の開発などに取り組んできております。 有機栽培を行う農業者からは、収量や品質をさらに向上させるための技術的な支援などが求められているところでございます。このため、来年度は新たに有機JAS制度について農業者に指導・助言する普及指導員を育成するとともに、有機栽培に使用できる天敵昆虫や有用な微生物について学ぶセミナーを開催するほか、技術情報を県のホームページで発信してまいります。 また、ぎふクリーン農業と県GAP制度の見直しにおいては、食品安全や環境保全、労働安全などに加え、有機栽培について評価する観点を盛り込んでまいりたいと考えております。 この新しい県GAP制度の普及に当たっては、専属の職員を配置したGAP推進拠点を設置して指導員の育成や農業者からの相談への対応、さらには各圏域での講習会の開催などに取り組んでまいります。 ○副議長(水野正敏君) 教育長 安福正寿君。    〔教育長 安福正寿君登壇〕 ◎教育長(安福正寿君) 子供たちの食の安全に対する理解の醸成についてお答えします。 学校教育における食の安全につきましては、文部科学省の食に関する指導の手引の中で、食品を選択する能力として、子供自らが食品表示などから食品の品質や安全性を大切にしようとする態度や食品の品質の見分け方、適切に選択ができる判断力を育成するよう示されております。 これを踏まえ、各学校では、例えば成長期に必要な栄養素とその取り方について学習したり、学校給食で使用されている地場産物を献立表に記載し、食材が地元で取れた安全なものであることを家庭にも紹介したりするなど、児童・生徒や保護者が食品の品質や安全性等への関心を高め、理解を深めることができるようにと工夫をしております。 県としましては、今後もこうした学校と家庭が連携した取り組みを年間を通じて継続し、正しい知識・情報に基づいて食品の品質や安全性等について自ら判断できる児童・生徒の育成に努めてまいります。 ○副議長(水野正敏君) 十八番 布俣正也君。    〔十八番 布俣正也君登壇〕(拍手) ◆十八番(布俣正也君) それぞれ御答弁、御回答ありがとうございました。 これからも総合力でもって県民の食の安全にさらに御尽力いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、二項目め、教員の変形労働時間制導入についてお伺いをします。 政府は、昨年十一月、公立の義務教育諸学校などの教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を発表いたしました。これは、公立校教員の働き方改革の一環で、勤務時間を年単位で調整をするものです。 その概要としては、一、教師の業務はますます長時間化しており、極めて深刻である、二、持続可能な学校教育の中で教育成果を維持し向上させるためには、教師のこれまでの働き方を見直し、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることが急務である、三、学校における働き方改革を推進するための総合的な方策の一環として、特別措置法、給特法の一部を改正するとあります。この改正により、繁忙期の勤務時間を延長する代わりに夏休み期間の休日を増やす運用が自治体の判断で可能になるほか、残業の上限を月四十五時間とする文部科学省指針を法的に位置づけるものです。あくまでも残業上限時間の遵守が導入の前提としながらも、教員志望者への教職の魅力をアピールする上で有効とも言われております。しかし、この改革自体に業務削減効果はなく、繁忙期がより忙しくなるおそれも予想され、さらに夏休み期間は研修や部活で忙しく、長期休暇は難しいとの声も聞かれるようです。 制度の導入に関しては各自治体の判断によるものと聞いており、今後、各教育委員会で実態調査などを実施して方向性を探っていく必要はあると思います。 教職員の働き方改革を進めてみえる県教育委員会としては、令和二年度の取り組みとして業務量の適切な管理などに関する指針も踏まえ、全ての教職員の様々な意見・要望を集約して法改正に向けて万全の体制を取っていく必要があると考えます。 そこで、教育長にお伺いをします。 一年単位の変形労働時間制の適用、休日のまとめ取りなどに関して、令和三年四月施行までの間、どのようなプランで取り組んでいくお考えかお聞かせください。 三項目めに、家畜伝染病の予防対策についてお伺いをします。 二〇〇一年十二月、国内初の牛海綿状脳症、いわゆるBSEが発生し、死亡牛検査や飼料規制の取り組みなど、岐阜県畜産関係団体の必死の努力にて、現在、国内での発生はありませんが、その後、県内では高病原性鳥インフルエンザ、そして一昨年からのCSFの発生により、現在も県内畜産農家は相当の被害とストレスを受けていると思います。そして、今最も恐れられているのがアフリカ豚熱、ASFでしょう。現在、国において予防的殺処分についての法律改正も進められ、水際対策も万全とするなどにより経過が見守られております。 さて、今回は飛騨牛に関わる家畜伝染病の中から、牛白血病についてお伺いをします。 牛白血病は、現在、届出伝染病の中で最も多く発生をしており、発症すると死に至ることから、牛白血病の発生が続けば畜産農家の経営に甚大な損害を与えてしまいます。県内公共牧場では、入牧の際、抗体検査を実施して、岐阜県でも毎年計画的に牛白血病の検査を実施されるなどの対策が取られております。消費者に安全・安心でおいしい畜産物を提供するためには、適切な検査体制や防疫体制を整備して家畜伝染病の蔓延防止を図る取り組みが不可欠です。 岐阜県においても検査体制の強化に取り組んでみえますが、県内の牛白血病届出頭数に減少傾向は見られておりません。特に、数回のお産を経た繁殖牛の発症リスクが高く、繁殖農家に大きな経済的損失をもたらします。牛白血病フリー、すなわち陽性頭数ゼロを目指して、県内全域で積極的な取り組みを進める必要があると思います。 一方、全国に先駆けて清浄化を推進してきた宮崎県では、非感染牛のみを上場する市場も出現して高価格での取引が行われています。 栃木県に本社を構えるキャノンメディカルシステムズ株式会社の調査においては、宮崎県の家畜市場で陰性雌子牛については次世代雌牛と書いたピンクのタグが装着されており、陽性牛との明確な区別がされているとのことです。牛白血病フリーを目指すことで飛騨牛のブランド力もさらに高まり、流通価格の上昇や販路拡大も大いに期待ができます。 そこで、農政部長にお伺いをします。 飛騨牛の今後のますますの生産力・販売力の強化促進のために、県の家畜伝染病に係る検査機器及び検査体制の強化、牛白血病の清浄化に向けた管理方法の普及啓発に向けてどのように取り組まれるか、御所見をお伺いします。 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。 ○副議長(水野正敏君) 教育長 安福正寿君。    〔教育長 安福正寿君登壇〕 ◎教育長(安福正寿君) 教員の変型労働時間制の導入についてお答えします。 一年単位の変型労働時間制には、長期休業期間中の休日まとめ取りを促進する効果が期待される一方、この制度だけでは勤務時間を削減することはできません。平成三十一年一月の中央教育審議会答申でも、実際に学校現場に導入するに当たっては、長期休業期間中の業務量を一層縮減することが前提となると明記されています。このため、県教育委員会としては、まずは改正法に基づく文部科学省の指針を踏まえ、教員の業務負担の軽減に努めることが必要と考えております。 具体的には、働き方改革プラン二〇二〇を策定し、退勤時刻の設定や時間外在校時間の上限を超えた場合の事後検証の実施などに取り組みます。 変型労働時間制の導入については、本年度中にもその要件が国から示される予定となっておりますので、それを踏まえ、法律の施行までに具体的な検討を行ってまいります。その際、議員御指摘のように、学校や市町村教育委員会の実態や要望等についても丁寧に把握し、検討に生かしてまいりたいと考えています。 ○副議長(水野正敏君) 農政部長 渡辺正信君。    〔農政部長 渡辺正信君登壇〕 ◎農政部長(渡辺正信君) 家畜伝染病の予防対策についてお答えをいたします。 牛白血病については、国の牛白血病に関する衛生対策ガイドラインに基づき取り組みを進めており、来年度は地域サーベイランスとして繁殖牛を中心に抗体検査を実施してまいります。 また、県畜産協会においてより詳細なリアルタイムPCR検査を実施する市町村への支援を行うこととしており、この検査を生かして感染度合いに応じた繁殖牛の早期更新など、感染拡大を抑制する対策を実施してまいります。 県としても、現在計画を進めている新たな飛騨家畜保健衛生所の整備に当たっては、リアルタイムPCR設備も導入するなど、検査体制の強化を図ってまいります。 あわせて、新たに感染状況等に応じた牛の区分管理や計画的な入替えなどの対策を分かりやすく記載したパンフレットを作成し、畜産農家をはじめ関係者の研修会を開催するなど、牛白血病の清浄化に向けた管理方法を普及してまいります。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(水野正敏君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件のうち、議第七十一号 令和元年度岐阜県一般会計補正予算については、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(水野正敏君) 御異議なしと認めます。よって、本案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。 なお、本案は直ちに審査の上、議長に報告願います。 △令和二年第一回岐阜県議会定例会議案付託表 委員会名付託案件総務委員会◯ 議第七十一号のうち歳入予算補正厚生環境委員会◯ 議第七十一号のうち歳出予算補正中厚生環境委員会関係及び繰越明許費補正教育警察委員会◯ 議第七十一号のうち歳出予算補正中教育警察委員会関係…………………………………………………………………………………………… ○副議長(水野正敏君) 委員会開催のため、しばらく休憩いたします。 △午後三時三分休憩 …………………………………………………………………………………………… △午後四時八分再開 ○議長(小川恒雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(小川恒雄君) ただいま議題となっております各案件のうち、議第七十一号について、関係常任委員会委員長に審査の経過及び結果の報告を求めます。総務委員会委員長 長屋光征君。    〔総務委員会委員長 長屋光征君登壇〕 ◆総務委員会委員長(長屋光征君) 総務委員会に審査を付託されました議案一件の審査の結果について御報告申し上げます。 まず、議案の概要を申し上げます。 議第七十一号 令和元年度岐阜県一般会計補正予算について、歳入予算補正は、総額二千六百四十五万八千円を増額するものであります。 その内容としましては、新型コロナウイルス感染症対策関連事業として保健環境研究所の検査試薬購入経費に係る国庫支出金が百五十万円の増額、同対策関連事業による財政調整基金からの繰入金が二千四百九十五万八千円の増額となっております。 採決の結果、議第七十一号のうち歳入予算補正については、全会一致をもって、原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。 以上、総務委員会の審査の結果を御報告申し上げます。 ○議長(小川恒雄君) 厚生環境委員会委員長 国枝慎太郎君。    〔厚生環境委員会委員長 国枝慎太郎君登壇〕 ◆厚生環境委員会委員長(国枝慎太郎君) 厚生環境委員会に審査を付託されました議案一件の審査の経過及び結果について御報告を申し上げます。 まず、議案の概要を申し上げます。 議第七十一号の令和元年度岐阜県一般会計補正予算のうち歳出予算補正については、当委員会所管としまして、総額二千百七十九万三千円の増額となっております。 その主な内容としましては、消費者の冷静な購買活動を促し、生活関連物資の買占め等を防止するため、消費者に対する啓発を実施する経費として三百一万八千円を計上するほか、保健環境研究所等の検査体制を充実するため、検査機器及び試薬類を整備する経費として千四百八万円を増額するものなどであります。 また、繰越明許費補正については、防疫対策費の変更が一件であります。 採決の結果、議第七十一号のうち、歳出予算補正中厚生環境委員会関係及び繰越明許費補正については、全会一致をもって、原案のとおり可決するべきものと決定いたしました。 なお、審査の過程において、執行部から議案の説明を受け、質疑を行いました。その主なものを申し上げます。 トイレットペーパーなどの生活物資の買占め防止に向けた具体的な啓発方法について質疑があり、執行部より、新聞での広告を二紙に二回ずつ実施することや、ラジオのパーソナリティーによる呼びかけを早急に実施することに加え、各市町村への啓発チラシを五万五千部、啓発ポスターを県内のスーパー等、計千四百店舗に掲示、配付していくとの答弁がありました。 また、検査体制の充実に関しては、自動拡散抽出装置を追加で調達する時期について質疑があり、執行部より、検査可能数を増加させることができるものであり、できる限り早期に調達できるよう努めていくとの答弁がありました。 以上、厚生環境委員会の審査の経過と結果を御報告申し上げます。 ○議長(小川恒雄君) 教育警察委員会委員長 山本勝敏君。    〔教育警察委員会委員長 山本勝敏君登壇〕 ◆教育警察委員会委員長(山本勝敏君) 教育警察委員会に審査を付託されました議案一件の審査の経過及び結果について御報告申し上げます。 まず、議案の概要を申し上げます。 議第七十一号の令和元年度岐阜県一般会計補正予算のうち歳出予算補正については、当委員会所管として、総額四百六十六万五千円の増額となっております。 その内容としましては、長期間家庭で過ごす生徒の心のケアを図るため、SNSを活用した教育相談を実施するための経費として二百五十万円を計上するほか、臨時休業中の生徒や保護者と学校との間の連絡体制を確保するため、各県立学校に携帯電話を配備するための経費として二百十六万五千円を増額するものであります。 採決の結果、議第七十一号のうち、歳出予算補正中教育警察委員会関係については、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査の過程において、執行部から議案の説明を受け、質疑を行いました。その主なものを申し上げます。 SNSを活用した教育相談の具体的な相談方法について質疑があり、臨床心理士等の資格を持つ相談員によるカウンセリングを通じて、不安や悩みを抱えている児童・生徒の心の安定を図っていくとの答弁がありました。 また、携帯電話の増設が十分かという点について質疑があり、既設の回線と併せて活用していくことで児童・生徒からの相談や家庭との連絡に対応可能であるとの答弁がありました。 以上、教育警察委員会の審査の経過と結果を御報告申し上げます。 ○議長(小川恒雄君) ただいまから、議第七十一号を採決いたします。 お諮りいたします。本案を各委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小川恒雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は各委員長報告どおり決定いたしました。 なお、この可決に伴う計数の整理につきましては、係数整理票を追って配付をいたします。…………………………………………………………………………………………… ○議長(小川恒雄君) 以上をもって、本日の日程は全て終了しました。 明日は、午前十時までに御参集願います。 明日の日程は追って配付をいたします。 本日はこれをもって散会といたします。 △午後四時十七分散会 ……………………………………………………………………………………………...