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  1. 長野県議会 2020-12-07
    令和 2年11月定例会農政林務委員会−12月07日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 2年11月定例会農政林務委員会−12月07日-01号令和 2年11月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その1) ●招集年月日時刻及び場所   令和2年12月7日(月)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長        中 川 宏 昌    副 委 員 長        大 畑 俊 隆    委     員        清 沢 英 男       同           山 岸 喜 昭       同           竹 花 美 幸       同           小 林 君 男       同           花 岡 賢 一       同           中 川 博 司       同           両 角 友 成 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (農 政 部)
       農政部長           伊 藤 洋 人    農業政策課長         斎 藤 政一郎    農業技術課長         小 林 安 男    園芸畜産課長         鈴 木 正 幸    農地整備課長         飯 島 好 文    農村振興課長         飯 島 和 久    農産物マーケティング室長   佐 藤 源 彦    家畜防疫対策室        荒 井 一 哉 ●付託事件   別紙のとおり ●会議に付した事件   付託事件のうち1〜5、7、8、13〜15、18〜21、24及び農政部関係所管事務一般開議時刻 午前10時26分 ●中川委員長 開会を宣した。  ▲ 審査日程の決定    農政部関係 12月7日(月)、12月8日(火)    林務部関係 12月9日(水)  ▲ 日程宣告   1 会議録署名委員の決定   2 農政部関係の審査  ▲ 審査順序の決定   1 付託議案等について理事者の説明   2 質疑等   3 付託議案等の採決   4 陳情の審査  ▲ 会議録署名委員の決定    委員長の指名により、次の委員に決定した。    5番 花岡委員  6番 中川(博)委員  ▲ 農政林務委員会付託事件の報告   予算案1件、条例案1件、事件案1件、陳情23件  ▲ 農政部関係付託事件の報告    予算案1件、条例案1件、事件案1件、陳情12件  ▲ 議題宣告農政部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して理事者の説明を求めた。 ◎伊藤洋人 農政部長 別添、部長説明要旨に基づいて説明した。 ○中川宏昌 委員長 第1号「令和2年度長野県一般会計補正予算(第9号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費中の農政部関係、第2条「第2表 繰越明許費補正」中の一部について、理事者の説明を求めた。 ◎飯島好文 農地整備課長 議案、予算説明書及び別添資料1により説明した。 ○中川宏昌 委員長 第8号「長野県手数料徴収条例の一部を改正する条例案」について、理事者の説明を求めた。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 議案及び別添資料2により説明した。 ○中川宏昌 委員長 第21号「県営かんがい排水事業梓川右岸地区排水トンネル工事請負契約の締結について」、理事者の説明を求めた。 ◎飯島好文 農地整備課長 議案及び別添資料3により説明した。 ○中川宏昌 委員長 理事者から発言を求められていたので、これを許可した。なお、理事者の発言中、モニターを用いたい旨の申し出があったので了承願った。また、それに伴い、一時的に理事者が席を移動するので、併せて了承願った。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 別添資料4「新型コロナウイルス感染症に係る農業分野対応状況について」により説明した。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 別添資料5「県産食材の学校給食への提供と食育活動について」により説明した。 ◎小林安男 農業技術課長 別添資料6「「風さやか」の生産・販売振興について」及び資料7「米の需給動向等について」により説明した。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 別添資料8「「信州プレミアム牛肉」の生産拡大に向けた取組について」により説明した。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 別添資料9「豚熱及び高病原性鳥インフルエンザの対策について」により説明した。 ◎飯島好文 農地整備課長 別添資料10「多面的機能支払事業について」及び資料11「棚田地域の振興について」により説明した。 ◎飯島和久 農村振興課長 別添資料12「コロナ禍における農業者経営継続支援について」及び資料13「中山間地域農業直接支払事業について」により説明した。 ○中川宏昌 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時30分 ●再開時刻 午後1時27分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆清沢英男 委員 それでは、今日、説明をいただいた順番で、聞かせていただきます。まず、ICT活用の長所については御説明をいただきましたが、短所というものをどう捉えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。 ◎飯島好文 農地整備課長 ICT活用工事の短所についてのお尋ねでございますが、まず、現場に行かないことが一つ挙げられると思います。現場に行かないということで、画面で見るわけですけれども、画面の情報というのは限られているということで、大きなエリアを俯瞰するようなことが難しいかと考えます。 ◆清沢英男 委員 今、おっしゃるとおり、緊急的な現場とのやり取りには、とても向いていると思うんですけれども、ただ、全体的な把握をするには、やはり担当の方が現場に足を運んで、しっかり把握してもらうということの大事さはあると思うんですね。そんなことでお願いをしたいと思います。  県営かんがい排水梓川右岸地区波田堰のことについて、お尋ねいたします。昔から波田は担当していましたけれども、実はこんな大ごとの事業があったとは思わなかったんですよね。波田堰というのは、流量もたくさんあるんですよね。一度、私が言われたのは、資料3の地図で言えば床下浸水被害と書いてもらってあるんですが、そこが崩れて、どうにかならないかという話は、農地整備と話をしたことがありますけれども、これを全体的に片づけるのに、排水トンネルを造るというのは、こんなことをやるんだという感じで受け取ったんですよ。それで、お尋ねしたいのは、このバイパス水路そのものはすごいなと思っていますが、既設の波田堰には水はもう通らなくなるということでいいんですか。 ◎飯島好文 農地整備課長 既設の波田堰に降雨時の排水がいかないかどうかというお尋ねかと思います。これにつきましては、現況の既設水路にも一定量いくように分担させまして、それを超えるものについては、こちらのバイパスへ流して速やかに排出するということで計画しています。 ◆清沢英男 委員 それでは、トンネルはほとんど使わないと思うんです。今の水路で、十分、のめるはのめるんですよね。けれども、たまたま、こういう被害が出たときには使うということになる。そうすると、先ほど私が言ったような、既設水路が崩れたりしたところは、同時に整備をしてもらえるという考え方でいいですか。いや、そうしてもらわなければ困るんだけれども。 ◎飯島好文 農地整備課長 バイパス水路既設水路は、先へ行ってまた合流しますので、合流したところから梓川に向けては改修整備をいたしますので、その部分については、崩れるようなところがないということで承知しております。 ◆清沢英男 委員 実際、崩れているところがあるんですよ。そこから、先ほど言った床下浸水の原因になったという水路なんですよね。だから、当然、同時にやってもらわなければいけないと思いますが、よろしいでしょうか。 ◎飯島好文 農地整備課長 合流した先については、合流したときの水量により災害なく流せるように、断面を大きくして整備するということです。 ◆清沢英男 委員 いや、だから、床下浸水の原因になったところは直してもらえるんですよねということと、もう一つ、この波田の水路、水じまいというのは、昔から比較的、尻無川だったんですよね。しかもみんなスイカ作りになってきていますから、水田というのは減ってきているんですよね。そういう意味で、いろいろ考えてやっていただければと思います。その災害部分だけ、お答えいただきたい。 ◎飯島好文 農地整備課長 災害部分についても、当然、対策をしていきます。 ◆清沢英男 委員 今でも青いシートが張ってありますので、よく見てください。それから、資料4で、まず一つ、米の部分でお聞きしたいのですが、相対取引価格が前年の95.8%ということですよね。それで、「風さやか」との関係もあってお尋ねしたいのは、いわゆる種苗法の改正があって、「風さやか」は登録品種じゃないですか。この前年比95.8%の相対取引価格は、もちろん一般品種も入ってということだと思いますけれども、登録品種である「風さやか」の相対取引価格は、生産者が支払うべき許諾料を含んで相対取引の価格ができているか、そこを教えてもらいたいんです。 ◎小林安男 農業技術課長 登録品種である「風さやか」について、許諾料相当額相対取引の価格に反映されているかという御質問だとお伺いしました。相対取引の価格への反映については、許諾料という視点で決まっていくというよりは、消費の中で、実際に相対で、相手方との契約でやるというのが一般的になっていますので、その部分で許諾料を考慮した契約取引価格ということで留意されているとは考えておりません。  ただ、前回の委員会でも御質問いただきましたけれども、長野県産米の相対取引の価格はこういう状況ですけれども、全体の前渡金の価格については、他県が1,000円程度大きく下がっているところもある中で、「コシヒカリ」は480円程度の低下ということでして、前回はお話しできませんでしたけれども、「風さやか」も同額程度の低下ということですので、その部分は若干下がってきている状況にはあると認識しております。 ◆清沢英男 委員 そうすると、「コシヒカリ」、「あきたこまち」、「風さやか」、大体、その3品種は同じくらいの値段で取引されているということで理解しておきます。  それで、資料4の花きのところですが、この高収益作物次期作支援交付金、国の1次・2次補正ということで書かれています。信濃毎日新聞の10月30日付の記事に、その高収益作物次期作支援交付金は、1次は甘めで、2次は厳しいんじゃないかと、大ざっぱに言うとそういう記事が載っていますけれども、例えば花きの場合、記事によると80万円ぐらいが交付されると書いてある。これは、長野県の場合はどうなっているか、1次は、長野県が一番多いなんて、どこかに書いてあったと思いますが、全体像を御説明いただければと思います。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 高収益作物次期作支援交付金の関係のお尋ねでございます。今まで、募集については、1次募集、2次募集ということで、3次は12月25日までという形で、今、やらせていただいております。その中で、1次と2次の違いといいますか、厳しくなったというお話でございますけれども、国は、当初の段階では、あくまで次期作、次の作物を作付するためのものということで、減収額などをあまり細かく条件づけていなかったというところがございます。しかし、全国からかなり幅広く要請がありまして、予算額を大幅に超えてしまった。また、コロナの被害を受けたとは思えないようなものが含まれているのではないかということで、国の段階で見直しが行われたということでございます。そのため、当初から比べますと、現在の状況は非常に厳しいといいますか、必ず減収があったことを証明することといった部分が加えられたという状況でございます。 ◆清沢英男 委員 大体、コロナ自体が初めてのことなので、初めは何とか農業者の皆さんを支援しようということだったと思うんですよね。それが甘めであったことは、私は、非難するべきことではないと思うし、2次でも、3次でも、事実上、コロナによって次期作について困っている農業者がいれば、やはりきちんと採択されるように取り計らっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  先ほど動画で「風さやか」のことを見せてもらいましたけれども、長野県の米は、1等米とか2等米という話の中では、割と1等米が多いんですよね。去年は1等米比率が全国2位になっていたということで、長野県の米ってうまいんだよというか、1等米なんだよということを、すごく強調したほうがいいと思うんですが、いかがですか。  「風さやか」の場合は、冷たくてもおいしいという米なんでしょう。だからおにぎりが出てくるんでしょうけれども、ただ米を食べるだけだと、少し分かりにくい。要は、若い人に、あっ、すごい米なんだなという印象を与えて、米そのものの需要が高まるような宣伝をぜひしてもらいたいと思いますが、いかがですか。 ◎小林安男 農業技術課長 長野県産米の品質の高さをもう少しブランド化させてPRするべきではないかという御質問でございますけれども、まさに委員御指摘があったとおり、長野県の米の1等米比率は、ここ10年間を見ても、大半のときが、長野県が全国1位という状況になっています。たまたま、今年、10月31日発表のものは残念ながら全国2位となりましたけれども、9月の時点では長野県が全国1位でした。最終的に発表がまたありますけれども、1位か2位ということで、全国的には非常に高い1等米比率を誇っていると考えております。こういった実績があるということを、長野米のブランド力としてPRしていくことは、非常に重要だと考えておりますので、その辺を県としてもどんどんPRしてまいりたいと考えております。 ◆清沢英男 委員 来年の6月の予想では、米の在庫がいつもの年よりも多くなっちゃって、それで生産調整を今年から厳しくやっていかなきゃいけないということになっていると思うんです。ただ、資料7の最後、令和3年度主食用米適正生産に向けた対応の中で、ウのところに3地域協議会だけが大丈夫かといったことが書かれていますけれども、これ、多分、おいしい米の生産地だと思うんですよね、違いますか。名前を挙げてもよければ、名前を挙げてお答えいただきたいんですが。 ◎小林安男 農業技術課長 目安値の範囲内で作付がされていない協議会ということで、具体的には東信地方の市町村におけるところが、本年度、最終的には2協議会が離脱という形になっております。それに対しては、県、それからJAグループ、市町村も含めてですけれども、実際にその場に赴いて、ぜひ全体の協力の中で米の需給を安定的なものにしていきたいということへの御理解を、今も継続してお願いしているところです。 ◆清沢英男 委員 私、思うんですけれども、農業者の皆さんには、おいしい米を作るという自負がありますよね。だから、きちんと生産調整の枠の中にはまらなくても、長野県のうまい米だったら、ぜひどんどん出せばいいじゃないかと思うんですよね。その辺、いろいろな考え方の違いがあって、ここの協議会の人たちは、いや、そんなわけにはいかないということになると思うんですけれども、画一的な考え方でないほうがいいような気がいたしますので、御一考いただければと思います。  次に、資料10の多面的機能支払事業について、伺います。地域別に見ると、松本地域が農振農用地面積も、取組面積も、非常に大きいのですが、どうしてこういうアンバランスというか、でこぼこが出てきちゃっているのか、御説明いただけますか。 ◎飯島好文 農地整備課長 多面的機能支払事業の県内のばらつき状況についてのお尋ねかと思います。これには、なかなかこれはという理由が申し上げられないんですけれども、堰ざらいですとか、農道の砂利敷きですとか、そういう共同活動に対する思いというんですかね、これまでの取組が松本管内は多いのかという感想でございます。 ◆清沢英男 委員 褒めてもらっているということ・・・。  〔飯島農地整備課長から「はい」という声あり〕  あっ、そう、分かりました。  資料13の中山間地域農業直接支払事業についてですが、5期について、未実施市町村の中に、朝日村とか、山形村とかが入っていますけれども、これは朝日村も山形村も中山間地域ではないということなんですよね。中山間地域の仲間に加えてもらえますか。 ◎飯島和久 農村振興課長 中山間地域農業直接支払事業について、朝日村・山形村が対象地域でないという部分ですけれども、これは振興地域指定法法指定地域でないとなりませんので、朝日村・山形村については、実施することができないということでございます。 ◆清沢英男 委員 豚熱、それから鳥インフルエンザについて、お尋ねしたいと思います。豚熱については、ワクチン接種をいまだに県の予算でやっているということでしょうか。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 豚熱の飼養豚に対するワクチン接種のお尋ねでございますが、豚熱のワクチンにつきましては、農家から、手数料徴収条例に基づきまして手数料を頂戴して、接種を行っているところでございます。 ◆清沢英男 委員 それはどの程度の負担金でしたか。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 手数料につきましては、1件330円という金額でございます。 ◆清沢英男 委員 330円で、本当は幾らかかるんですか。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 手数料につきましては、必要な経費に、国からワクチン接種代金の2分の1の補助金等がありますので、その代金等を差し引いた残りの金額として、330円が実費として必要だということで頂戴しているものでございます。 ◆清沢英男 委員 今の御説明は、県の負担はないということなんですね。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 ワクチン接種に付随するものにつきましては、経費がかかっておりますけれども、ワクチン接種そのものについては、計算上は、実質的な持ち出しはないという計算になっております。 ◆清沢英男 委員 野生イノシシもきちんと見ていかなければいけないので、なかなか大変だと思います。高病原性鳥インフルエンザのことですが、鹿児島県の出水市の発生例を見てみますと、出水市の野鳥というのはほとんどがハクチョウなんですよね。そういう意味で、長野県内、例えば中信地区ですと、安曇野市の明科の犀川にハクチョウがいっぱい来るんですけれども、ああいうものから鳥インフルエンザが発見されるということを心配しなくていいかどうか、その辺はいかがでしょう。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 ハクチョウにつきましても、万が一、鳥インフルエンザにかかっている場合につきましては、そこから感染が拡大するという懸念がございますので、安曇野市のその場所においても、十分な注意が必要かと考えております。 ◆清沢英男 委員 その十分な注意で、例えばその群れの中から何羽かを、試験のために検査をするという必要はないでしょうか。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 野鳥の検査につきましては、所管は林務部ではございますけれども、死亡した野鳥につきましては、検査をするということでございます。 ◆清沢英男 委員 亡くなったものについては検査をするということなんですね。それでしっかり捉えられるということですね。
    荒井一哉 家畜防疫対策室長 野鳥の検査につきましては、やはり林務部の所管ではあるんですが、環境省の基準に基づいて調査していると承知しております。 ◆清沢英男 委員 10月30日付の毎日新聞の記事ですけれども、「シャインマスカット」にナノファイバーを使って袋がけをすると、果肉が硬くなり、食感アップにつながるとする実験結果を発表したと。「ナガノパープル」の裂果も減ったという記事が出ていたわけですが、これは、県としても捉えていらっしゃるんですよね。 ◎小林安男 農業技術課長 信州大学が開発したものだということで承知をしております。県は、ナノファイバーを使った、いわゆるブドウの袋に対する開発等については、直接は関与していませんけれども、信州大学等でそういった実証をされているということについては承知しているところでございます。 ◆清沢英男 委員 それはそれがよければ、農家に推奨していこうというようなことでしょうか。 ◎小林安男 農業技術課長 農家への普及という話になりますと、実際にそれを試験場において実証するという効果の確認と、もう1点は、やはり経費が発生するわけでして、一般的な紙でできた袋の経費に対して、ナノファイバーの袋がどの程度のコストでできるかという部分も併せて検討する中で、普及に移す技術として認められるということであれば、試験場において検討して普及に移していくということになろうかと思います。 ◆清沢英男 委員 例えば、これはいいんじゃないかという説があって、それを立証するために県の試験場で実験しなければいけないという場合に、結構、長時間かかるわけですか。 ◎小林安男 農業技術課長 県に民間から持ち込みをしていただいて、それを受けて試験をするというやり方もございますし、実際、今のところは、県が直接、研究に関与していませんので、その辺のデータ等も持ち合わせておりません。今後、どうしていくかということは、関係する開発機関から相談があれば対応という形になろうかと思います。 ◆清沢英男 委員 以上です。 ◆山岸喜昭 委員 それでは、私からも何点か、お願いしたいと思います。今、清沢委員からもありましたが、米につきまして、価格が下がる、また、ここへ来て、コロナ感染症の拡大によりまして、外食産業の需要が大幅に減っているということですね。それで、在庫が膨らみ、米価が下落しているということであります。また、酒米も消費が減少しているということであります。飲食店、また宿泊・お土産関係についても、イベントの中止ということで、米に関しても販売活動が大変厳しい時代になっているということでございます。それに伴い、海外への輸出も減少という状況であるようでございます。県としても、米の消費拡大、そして酒米の消費拡大については、どのように取り組まれるか。  また、今議会でも、一般質問の中に、沖縄との交流ということで何件か出ていました。そしてまた、先ほど長野沖縄交流促進議員連盟が立ち上がったところであります。そんな中で、産業労働部、営業局、農政部、また生産者団体としっかりとした連携の中で、戦略的な売り込みをしていくことが面白いんじゃないかということでございます。先ほど課長からもお話がありましたように、長野県の米は日本一うまい米だということでございますので、これはもう絶対に売れるんじゃないかと思いますので、その辺のお取組について、お伺いしたいと思います。  そして、米から野菜等の高収益作物への転換を進めるということでありますけれども、野菜等は、時期が決まっていて、二、三か月で回転していくわけですが、これは、もう大変、災害に弱いんじゃないかと思うんです。霜や、ひょう、台風、大雨とか起こっている中で、米農家が野菜農家に転換するのを推進するに当たって、しっかりと支援はなされるのか、また共済制度に入るのかどうか。共済制度も入らない農家がたくさんいるとお聞きしますけれども、この転作に向けての取組について、しっかりと補償すると言えばおかしいですけれども、その辺の指導をなされるのかどうか、お伺いします。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 米の価格下落ということで、長野県産米、あるいは酒米の需要喚起といった取組についての部分について、お答えさせていただきます。県では、包括協定を結んでおりますイオン、埼玉県のイオングループと連携して、10月22日から25日の間、39店舗でイオンフェアに取り組んでおります。「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「秋映」、「シャインマスカット」や「巨峰」、あと野菜ですとか、キノコ、「信州プレミアム牛肉」等ですね。その中で、長野県産米、あるいは日本酒等についても、物販に取り組んでおります。当初、イオンが目標としていた4日間の売上げも、1,000万円程度を見込んでいたようですが、倍近い1,900万円程度の売上げになっているということであります。  また、長野県産米、特に「風さやか」についても、JFフードサービスバイヤーズ商談会というのが、11月17日に東京で行われまして、営業局とも連携して、そういった情報を共有しながら、「風さやか」推進協議会にこの商談会に出展をしていただいているところであります。  それからもう1点、沖縄との連携の関係でございます。営業局と農政部が連携する中で、沖縄で開催されましたツーリズムEXPOジャパン、旅の祭典ですけれども、これに合わせた長野県産物販のPRということで、地元の新聞社2社も含めて3か所で行っております。そこでは、リンゴは「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「秋映」等4品種、ブドウであれば「シャインマスカット」、「ナガノパープル」等、また日本酒等の酒類も、販売しておりまして、若い女性を中心に大変人気があったとお聞きしております。現状では、そのような取組を行っております。 ◎小林安男 農業技術課長 米の生産調整の取組を進める中で、野菜等への作物転換の推進ということでお話をいただきました。県では、米の生産につきましては、水田農業トリプルアップ戦略という形で取組を進めているところでございます。トリプルアップというのは、一つ目は競争力をアップする。二つ目がブランド力をアップする。三つ目が収益力をアップするということで取組を進めているところでございまして、この1番目の競争力のアップという中に、野菜等への転作という部分を位置づけて、米の農家が水稲だけではなく、野菜等も組み合わせた、災害にも強い、収益性の高い経営体にしていくということで、経営の複合化ということを進めております。  具体的には、白ネギですとか、加工業務用のキャベツですとか、大規模な農家、経営体が導入しやすいような品目を選定する中で、それらに見合った野菜の導入等を進めているところでございまして、そういったものによって複合的な収入を得ていくという形で、農家の収益力を高めてまいりたいと考えております。 ◆山岸喜昭 委員 今の異常気象の時代で、栽培はいいですけれども、そういう転換を進める上で、しっかりとした支援というか、補償と言えばおかしいですけれども、そういうことをしてやらなければ、米のように守られているわけじゃないですから、なかなか転換へつながらないのかと思いますが、その辺につきまして、お伺いします。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 補償の関係で、共済や収入保険の状況のお話をさせていただこうと思いますけれども、今回、災害等があった中で、果樹ですとか、収入保険に入ろうという動きは、北信等を中心に上がってきております。具体的には、これまで加入実績が688件ぐらいだったものが、来年度に向けましては、1,200件ぐらいまで上がってきていることもありまして、やはり災害に対して意識が高まってきていることの裏返しはありまして、まとまって入っていただく場合には、こちらからも働きかけもして、よく説明しております。  委員おっしゃるように、皆さんも、転作にリスクがあるということを今までよりも、大分、意識してきている状況だと思いますので、なおかつ、複合経営的にバランスを取るということも可能なことだと思いますし、あと面的にも、標高とか、斜面の状況とか、作柄と生産物の組合せも大事かと思います。その辺は、農業農村支援センターも一生懸命フォローもできていると思いますけれども、あわせて、その都度の集まりの中では、今、収入保険を中心に御説明させていただいております。  あと、生産設備的な支援もしつつ、技術的な支援と。最終的に、大きい被害の場合には、国も含めた支援策というのが出てくるんですけれども、個別のケース・バイ・ケースのところも多々ありますので、そういったところには、やはりこの収入保険制度の中で対応いただけるように、私たちもNOSAIとともにしっかり働きかけをさせていただいています。 ◆山岸喜昭 委員 しっかりとした農業が取り組めるよう、もうかる農業にしていただきたいと思います。また、沖縄との交流につきましても、知事からも、また部長からも答弁いただいておりますけれども、チャーター便を飛ばしてしっかりとした対応を取るということでございますので、これから農政部の出番だということで、米もしっかりと販売していっていただきたいと思います。  次に、その米の関係ですが、長野県の原産地呼称管理制度という制度がありまして、ワイン・日本酒・米・焼酎・シードルという5品の中でやっているわけでございますけれども、長野県が最初に始めたということで、これは本当にすばらしい取組だと評価しているわけでございます。そんな中で、長野県の米につきましては、農薬や化学肥料の使用を厳しく制限して栽培されまして、さらに米の食味の専門家によります官能審査に合格した米だけを認定するという制度でありますけれども、今、この県内の認定米はどのくらいあるのか。また、消費者の評価はどうであるか、お伺いしたいと思います。 ◎小林安男 農業技術課長 原産地呼称管理制度の認定の状況でございますけれども、本年度も、11月に官能審査会を開催いたしまして、最終的な審査を終了して認定をしているところでございます。本年度につきましては、56件の申請がございまして、そのうち認定されたものが36件になっています。申請面積でいうと224ヘクタール、合格した認定面積で108.6ヘクタールの水田において収穫されているという状況でございます。また、申請をされている方に聞きますと、販売先からも高い評価を得ているという声が聞かれるということでございます。 ◆山岸喜昭 委員 認定米の中には、「風さやか」は入っていますか。 ◎小林安男 農業技術課長 「風さやか」も認定米の中に入っております。 ◆山岸喜昭 委員 この制度は大変よい取組だと思っているところでございますけれども、この認定制度につきまして、生産者も消費者も、なかなか、まだ認知度が低いような気がするんですけれども、その辺について、お伺いしたいと思います。 ◎小林安男 農業技術課長 原産地呼称管理制度の全体の枠組みについては、産業労働部、日本酒・ワイン振興室で受け持って担当していただいて進めているところです。この制度につきましても、より透明性を高めて評価を高めていくという部分ですとか、いろいろなことを考慮しまして、本年度から、県直営から、新たに原産地呼称管理制度委員会という委員会を設立しまして、単独した組織としてこの取組を進めていくという形にしているところです。そういう中で、県としても、委員会と協力して、より一層の認知度向上に努めていく必要があると考えているところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 特別委員会ができるようでございますので、農政部としても、しっかりと現況の中で、この制度を進めていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。  次に、一昨日、小諸におきまして、第1回の「お米コンクールこもろ」、そしてまた、第2回目の「JA佐久浅間一番うまい米コンテスト」というのが行われました。小林課長にも御来賓で御参列いただきまして、審査員をしていただき、御苦労さまでした。米のコンテストということで、佐久地域の、浅間山麓や八ヶ岳山麓の中の8市町村が集まりまして、その中で2020年の新米、品種は限定していません。そういう中で、1次の募集で、佐久地域振興局の管内で235検体が提出されました。その中から、穀粒判別機と食味分析機によってスコア判定で上位40検体を選出するわけであります。次に第2次審査ということで、農業農村支援センターにあります味度計によるスコア審査、そこで機械にかけまして上位20検体を選出して最終審査ということで、おととい、私と小林課長が審査に当たったところでございます。  出品されたのは20品なんですけれども、全部「コシヒカリ」でして、「風さやか」は出てきませんでした。審査員は、全国の米・食味鑑定士協会の鈴木さん、JA関係、また8市町村の首長関係など、20人で出たわけでございます。鑑定士も、米飯官能鑑定士というのと、また講習を受けまして地元の職業高校の女の子たち3人ぐらいに、審査員として参加していただきました。これも、令和4年に小諸でこのコンクールが、国際大会として開催されるわけでございまして、今回がプレ大会ということで、これも米産業の活性化、そして消費拡大を目指す大会であるわけでございます。  この事業も、おかげさまで県の元気づくり支援金を頂きまして、開催することができました。本大会は世界大会ということで、6,000検体ぐらい出るということであります。この大会は、長野県の飯山や木島平、また佐久方面の米は、常に上位に入っているということでございまして、米の振興に大いに期待されるコンテストと捉えています。そんな中で、また令和4年には、知事や部長が審査員になってもらえればいいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  そんな中で、地元として、この米のコンクール、国際大会を、ぜひ成功させたいということで、県としてどのように捉えて、どのような支援を考えていただけるか、お答えください。 ◎小林安男 農業技術課長 「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」でございますけれども、委員からお話がありましたように、実は、私も将来、国際大会が開かれるということで、取りあえず現場だけ見させていただこうと思ってお声がけをしましたら、審査員をやれと言われて、急遽、審査員をさせていただきました。そういう中で、今回、地域振興局、農業農村支援センターも、人的に多くの職員が運営についてお手伝いをさせていただいているところでございまして、当然、令和4年に開催されます本大会に向けては、職員としても協力できる部分については協力していきたいという人的な部分の支援が一つ。  それに加えて、具体的に県としてどのような支援ができるかということにつきましては、令和4年ということでまだしばらく時間がございますので、資金面ですとか、いろいろな部分を含めて、総合的に県がどのような支援ができるかということを、具体的に、関係する小諸市の皆さんとも御相談する中で、より効果的な支援ができるように検討してまいりたいと思っております。 ◆山岸喜昭 委員 時間がありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。この国際大会は、信州の米、このおいしい米を国内外に示す最適なPRのチャンスと捉えているわけであります。今日の資料にあります「風さやか」につきましても、作っていただいている生産者にしっかりと声をかけていただいて、ぜひ出品されて金賞を取らなければ、幾ら言っても、「風さやか」もルートに乗せることはできない。ある程度、しっかりと賞をいただいて、PRできることが、生産・販売、また「風さやか」の振興に当たると思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎小林安男 農業技術課長 この国際大会につきましては、おとといお聞きしますと、全世界から、海外からの申請が増加している状況にあるということで、世界的に注目されている大会だという認識をさせていただきました。そういう中で、国内外に長野県米のよさをPRするには、非常にいい機会だと考えているところでございまして、「風さやか」も含めて、長野県産のおいしい「コシヒカリ」、「あきたこまち」、そして「風さやか」という3大ブランドでいくというお話を先ほどさせていただきましたけれども、この大会を利用した長野県産米のPRも考えてまいりたいと思います。 ◆山岸喜昭 委員 ぜひ出品していただいて金賞を取るように推進をしていただかないと、「風さやか」は、表へまだまだ出てこないと思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、地籍の調査について、お伺いしたいと思います。地籍の調査につきましては、新聞紙上にもよく載っておりますけれども、人口減少、高齢社会ということで、土地の利用ニーズの低下、地縁・血縁関係の希薄化、そしてまた、土地の境が不明でありまして、今、土地に関する所有者の意識が大変低下しているということであります。特に長野県は中山間地でありまして、農地はもちろんですけれども、町の中にも空き家がたくさんあるし、山林などには、特に所有者が不明の山林が多くなってきているということを感じているところでございます。  社会的な状況が変化する中で、相続登記が数代にわたって行われていない、また、名義変更等がなされていない、そういう所有者不明土地に関わる問題が、本当に、今、課題となっているということでございます。そういうことで、国や県で進めています、農地や山林などの集約化や集積が全然進まないという状況であるわけです。東日本台風の被害においても、被害地の土地の境界、また権利関係がはっきりしていないということで、復旧に支障を来す例がこれまで幾つも報告されています。こうした所有者不明の土地が存在することによって、災害時、また公共事業の推進等の様々な場面におきまして、所有者の探索等のため、膨大な時間と費用が必要なわけで、円滑な事業の実施に支障となっているというのが現状であると思います。  そんな中で、今、県内の所有者不明の土地はどのくらいあると予想されているでしょうか。 ◎飯島和久 農村振興課長 所有者不明農地についてでございますけれども、実は、大変お恥ずかしいことですけれども、県としては把握をしていないという状況です。しかしながら、今、委員おっしゃるように、そういう農地の貸付けの仕組みができていないということですが、一昨年、農業経営基盤強化促進法が改正されまして、所有者不明農地についても、持っている方がもう亡くなっていらっしゃるとして、奥様とそのお子様等が確認できないという場合については、市町村と農業委員会が手続を行うことで、中間管理機構が借り受けられる仕組みになってございます。これによって、なかなか進んでいないんですけれども、今のところ、県内では、1件だけそういう手続が進められた事例があるということでございます。この手続については、検討されている市町村もあるという話はありますので、今後、所有者不明の農地についても、有効活用に向けて、機構も対応できるような状況になるのではないかと考えているところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 この所有者不明の土地は、山林でも同じような状況でありまして、山林の関係は、環境税を使って市町村と連携しながら少しずつやっていくという取組を国でされていますけれども、ぜひ農地も、そういったことをしていく必要があると思っていますので、よろしくお願いします。  所有不明地というのは、山にしろ、水源関係にしろ、農地もそうなんですが、こういう空き地が、外国人に買われたり、日本人の名前を使って買ったりといったことが、北海道では出ているようなこともお聞きしますけれども、県内では、現状はどうなんでしょうか。この辺について、もし分かればお聞かせください。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 農地の権利移転等がある場合には、農地制度がありますから、移転の関係とかでも、農業委員会でも把握する部分はあるんですが、外国人という切り口は、確かに持ってはおりません。農地の関係ですと、農業者である部分とか、あとは法人で持てる場合も、農事組合、株式会社形態でも、農地所有適格法人という形で、実際には農業関係者になる方たち、権利関係を持ったりしている方たちが、過半を持つことが必要ですので、まだ農地はしっかり守られている状況があります。あとは農業委員会とか、それぞれでパトロールもしていただいております。  もう完全に荒廃して山林化して元に戻らないところは、逆に農地じゃなくする形の手続を取るということもたまにはあるんですけれども、そういった中で、農地じゃなくなったときに、どういう管理をされていくかというところには、今、委員おっしゃるような問題点も出てくる可能性はあろうかと思います。農地については、地域力でしっかり守られるといいますか、見えている状況でありまして、規制緩和の委員会等で提言もありそうですけれども、自民党でも、いきなりそこまでいくこともなく、企業的なところでは、リースなどの形態で、所有までしなくても経営できているということです。当然、しっかり耕作しない場合には、原状復帰なり、契約解除なりということが入っている状態のリースですけれども、そういった形での利用になっていますので、山林ですとか、ほかのところよりは少し安全度は高いかなというような状況であります。 ◆山岸喜昭 委員 農地はしっかりと管理されているというお話でございますので、これも引き続きお願いしたいと思います。そんな中で、林業もそうなんですけれども、農地の集約化・集積化の進捗状況はいかがでしょうか。 ◎飯島和久 農村振興課長 農地の集積状況についてのお尋ねですけれども、中間管理事業による農地の集積状況ということで、お答えさせていただければと思います。事業が始まりました26年から、貸付面積は4,460ヘクタール、年平均すると750ヘクタールぐらいが集積・集約しているという状況でございます。今年度につきましては、9月末までに、既に1,000ヘクタール近い967ヘクタールの貸付けを実施しておりまして、前年対比でもう200%の伸びという状況でございます。ですので、年間を通じた貸付面積は、今後、大幅に増加するものと考えているところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 農地活用ということで、ぜひ推進をお願いしたいと思います。また、地籍調査は本当に必要だと思いますので、ぜひお進めいただくように、よろしくお願いします。  次に、農林業センサスによりますと、農業を主な仕事とする基幹的農業従事者が136万1,000人で、5年前と比べて22.5%、39万6,000人減少したということであります。また、65歳以上が占める割合が69.8%で、4.9%、1985年の346万人から減少しているということでございます。平均年齢が0.7%上昇して67.8歳ということであります。高齢で農業をやめる人が多いこと、そして担い手不足が課題であるわけであります。  この農業を主な仕事とする県内の基幹的農業従事者が5万5,320人、単純に比較できませんけれども、5年前の確定値と比べまして、1万8,147人減少しているということであります。また65歳以上が占める割合が73.6%で、平均年齢が69.4歳だということであります。高齢化による離農に歯止めがかからないと見られます。今年は、コロナの影響で外国人の技能実習生が確保できなくて、外国人の労働力に支えられてきた産地の今後の課題も深刻であります。中山間地の多い県内では、担い手をいかに確保していくかが問われるところであります。このような状況の中で、県内の農業従事者の現状、そして長野県の農業における課題をどのように考えるか、お聞かせ願います。 ◎飯島和久 農村振興課長 農業従事者の現状と課題という御質問でございますが、今回のセンサスについて、今、委員からも御指摘がございましたが、60歳以上のところで高齢化がどうも進んでいるという状況でございます。細かく比べてみましたら、実は、60歳以上が非常に増えているというところでございますけれども、今回のセンサスで、男性の割合が女性の割合よりもだんだん増えてきているという状況になってございます。それで、男性の場合については、65歳以上がまだ増えているという状況ですが、女性を細かく見ますと、実数ではなく割合ですけれども、50歳以上の方の割合が、5年前のセンサスと比べまして減り始めているという状況でございます。ですので、トータルで見ますと、60歳以上の割合が増えてきているんですけれども、細かく見ると、女性のリタイアが先行しているという状況で、今回のセンサスを見る限りは、女性の割合が減ってきて、だんだん男性にシフトしているという状況でございます。いずれにしても、高齢化ということは間違いないですし、女性が長生きですので、高齢になってまでお仕事ができるということだったのかというところもあって、その部分、最初にあった山のほうが崩れてきたのかとも考えるところでございます。  県といたしましては、引き続き若い担い手の育成・確保、それから、今、やっていただいている法人について、さらにまた法人を拡大して、農地を有効利用していただく農業の担い手として対応していただくような施策を展開してまいりたいと考えているところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 ぜひ、農業というものをみんなで考えていかなければいけないと思います。農業を取り巻く厳しい環境ということで、本当に危機感を覚えながら、県民を支える農業は、なりわいとして確立されなければならないと思っているところでございます。まず、農業につきましては、やはりしっかりと稼げる農業でなければ、本当に女性でも、誰でも、やらないわけでございます。  おとといの大会で、飯山の先進農家の金崎隆さんの講演がありまして、家族経営で、40ヘクタール、稲作、水稲をやっているということで、スマート農業を進めていまして、米・食味分析鑑定コンクールにも出品して金賞も受賞しているということです。米の販売も、農協じゃなくて、インターネットで販売している。奥さんが前、県職だったということでお聞きしていますけれども、家族経営ですので、奥さんがしっかりとインターネットで販売して、売上げも1億1,000万円ぐらいということでお話を聞きました。それも、また、皇室へ献上したり、海外へ輸出したりということで、ブランド化を目指しているということであります。  「風さやか」、また、牛肉もブランド化ということでございますけれども、この金崎さんのやり方というのは、量より質だということで、商品が高い安いじゃなく、定価でしっかりと消費者が喜んで求める米が必要だということで、これがブランド力だということでございます。今日のお話の中にあった牛肉の販売は、取扱店を増やすということだそうですけれども、しっかりと消費者が好む販売力ということですね。販売店を増やすことではない。私ども地元で「蓼科牛」というのがあるんですけれども、「蓼科牛」も、うちのツルヤさんでは販売していなくて、地元の指定の道の駅とか、小諸市内、一、二店ぐらいでしか販売していない。ほとんどは関西方面に出ている。それがブランドということですね。なかなか、地元の人も食べられないというものがブランドではないかと思っているところでございます。  金崎さんも、そんな中で、先般、東京でロックダウンというように騒がれたときに、真空米というものの注文がものすごく来て、飛ぶように売れたということで、売上げもぐんと伸びたとの話です。これも、本当に販売力というんですかね、そういうことがあるかと思っております。  そんな中で、スマート農業ということをよく聞かれますけれども、スマート農業に対する農家の認知度というのは、まだまだ低く、なかなか浸透していないような気がするんですけれども、スマート農業の農機具なんか、大変高いですよね。そしてまた、地域の山間地の生産現場にまだまだ合わない部分もあったりして、これからスマート農業の推進をしっかりとやっていかないと、農業の後継者の育成ができないと思いますけれども、長野県のスマート農業の進捗状況について、お話をお願いします。 ◎小林安男 農業技術課長 前段で委員からお話があったとおり、センサスの数値等を見ましても、農業の従事者が減少している中で、農業の生産現場における労働力の不足というものは、非常に顕著になってきている状況だと認識しております。こういった課題を克服するためにも、スマート農業の導入は、県としても非常に重要なことだと考えているところでございます。一方で、委員御指摘のとおり、まだまだ農家が知らないですとか、導入コストといった部分の課題もあるというのは現状だと思います。現状のものを分析しますと、今は研究開発と販売が同時進行している段階なんだなという形で、さらに機械等については進化していくんだろうと思っております。  こうした中で、どのような施策をということでございますけれども、県としましては、まだまだ知られていないスマート農業について、農業者にまず知っていただき、そしてそれを試していただき、さらに、そのステップを経た中で導入していただくという、知る・試す・導入する、このステップ方式での普及を進めてまいりたいと考えているところでございます。そういう中で、具体的には、本年度も、伊那の中山間地域の集落営農組織において、稲作で、自動田植機から自動耕運機、収穫用のコンバイン等につきましても、一体的に導入をした実証のコンソーシアムを立ち上げて取組を進めているところでございます。これらについて、実際に農家の方に、その効果等を目で見ていただいて確認していただくということで、研修会等も、5月・7月・10月と3回ほど開催させていただいています。参加者は常に150人を超えているということで、農業者も興味のある方は非常に多いと認識しているところでございますので、こういった取組を来年度以降も引き続き進めてまいりたいと考えております。  また加えて、導入に当たっては、幾つかの国庫補助事業が活用できるということでございますので、実際に導入したいという希望が上がってきた場合には、補助事業の活用等についても指導してまいりたいと考えております。 ◆山岸喜昭 委員 それには、また農地も、集約・集積が進まなければ、なかなか難しいかなと思っていますし、しっかり県の支援が必要だと思います。今回、米に関してですけれども、米コンクール等ありますので、また、県の皆さんのしっかりした御指導と御支援をお願いしたいと思います。  最後に、信州の農業を担う新規就農者育成、そして、人材の確保に向けまして、農業は若者に夢を与える、そして稼げる農業を目指す若者に光を当てることが必要だと思います。そんな中で、部長に御所見をお聞きして、終わります。 ◎伊藤洋人 農政部長 若者に夢を与える産業ということで、稼げる農業ということを進めていくべきではないかという御質問でございます。まさに委員おっしゃったとおり、農業を進めていくためには、基本的にまず再生産が可能であることと、やはり安心して暮らしていけるだけの所得が確保できることが、経営では必須と考えているところでございます。農業については、過去には3Kの職業の一つとも言われた時期がありまして、きつい・汚いと言われていたところでございますけれども、近年は、我々も新3Kということで、格好いいと、稼げると、それから感動を与えると、この三つを魅力あるポイントとして、若い世代等の皆さんにアピールをしているところでございます。  実際、どのぐらいのお金を稼ぐかということについては、例えば高齢の農家さんの場合、それからお子さんがまだ小さい若い方、それから新規に入ったばかりの方、それぞれ、目標水準というのは異なるかと思いますけれども、それぞれ目標とする金額、例えば新規就農者の当初であれば、まずは250万円の売上げから始めましょうというケースも、計画上はあるところでございますし、また、農業大学校の実践経営者コースでは、やはり1,000万円の所得ということを将来的に目標としていくということが、一つの考え方として持っているところでございます。  いずれにいたしましても、若い世代、高校生の皆さん等に、これから長野県の農業に関心を持っていただきたいということで、県でも平成30年頃から、そういった新3Kということを冊子等にしまして、農業高校とも連携して、若い世代の皆さんに、こんなに農業は魅力あるんだよと知っていただくような取組もしておりますし、また、トップランナーということで、1億円以上の売上げがあるような方に御登場いただいて、こんなに農業って面白いんだと、稼げるんだよといった動画を作ってアップしたり、あるいは冊子を作りまして御紹介したりもしているところでございます。  さらに農業女子ということで、女性の皆さんにも非常に御活躍されている方が多いということで、そういった皆さんをクローズアップして、皆さんの語りですとか、あるいはパンフレットによる紹介ですとか、あるいは東京の就農相談会のときにも行っていただいて、女性でもしっかりやれるよ、魅力ある産業なんだよというようなアピールをしているところでございます。  いずれにしましても、新品種の育成ですとか、生産性の向上といったことで、一般的な農業の稼げる力の向上に加えまして、6次産業化ですとか、あるいは輸出ですとか、委員から先ほどインターネットの話もありましたけれども、販路の多様化というのも非常に重要でございます。こういったことのPRを進めながら、なおかつ、それぞれの農家の基盤整備ということをしっかり推進してまいりたいと考えております。 ◆山岸喜昭 委員 今、格好いい、稼げる、もう一つは何でしたか。   〔伊藤部長から「感動を与える」という声あり〕  感動だ、ありがとうございました。以上で終わります。 ○中川宏昌 委員長 先ほどの答弁の関係で理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎飯島和久 農村振興課長 先ほど清沢委員から御質問を受けました中山間地域農業直接支払事業の山形村・朝日村の件でございますけれども、訂正をさせていただきます。大変申し訳ございません。山形村については知事特認地域、それから朝日村については法指定地域ですので、要件を満たす農地は存在するということで、2村とも実施そのものは可能ということです。山形村については、3期対策まで1協定のみ実施をしているところでございます。朝日村については、情報があまりないんですけれども、2期以降、実施していないということで、この二つについては、今現在、4期以降、実施しているという状況はございません。ですけれども、実施については、協定できれば可能ということでございます。 ○中川宏昌 委員長 午後3時5分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時46分 ●再開時刻 午後3時3分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣し、先ほどの答弁の関係で理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 先ほど山岸委員から御質問いただきました共済等の具体的な補償の関係のところで、私から申し上げた収入保険の件数なんですが、令和2年度は、現在、872件登録されておりまして、来年度、令和3年度に向けた取組で、今、働きかけをしておりまして、現時点では688件ですが、これが、見込みとしましては、今後、1,268件まで伸ばすというところの数字の訂正をさせていただきたいと思います。失礼いたしました。よろしくお願いいたします。 ○中川宏昌 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆竹花美幸 委員 竹花美幸です。よろしくお願いいたします。先ほどから清沢委員と山岸委員が、大変、すばらしい質問を展開されておりまして、本当に私は何を質問していいのかというぐらい悩むところでございますが、何点か、簡単なところでございますので、お聞かせ願えたらと存じます。  まず1点目です。資料10です。多面的機能支払事業について、お聞きをしたいと存じます。まず、多面的機能支払交付金として、農地維持支払交付金、そして資源向上支払交付金と、二つの交付金があるわけですけれども、この実績はどのくらいか、教えていただきたいと存じます。 ◎飯島好文 農地整備課長 資料10の裏面を御覧いただきたいと思いますが、交付金の額につきましては、(1)の表の交付金額のところに記載がございまして、令和2年度につきまして23億7,261万2,000円という金額でございます。  それでは、それぞれの区分ごとの取組組織数、面積でございます。農地維持支払につきましては、693組織で面積は3万9,811ヘクタールでございます。それから資源向上支払につきましては、共同活動の方ですが、取組の組織数が452組織で面積が2万6,878ヘクタールでございます。それから長寿命化につきましては、413の組織数で取組面積は3万2,466ヘクタールでございます。 ◆竹花美幸 委員 今、交付金ごとに組織団体の数などもお聞かせ願ったところなんですけれども、取組面積、全体を見ますと、農振農用地10万1,028ヘクタールに対して、3万9,937ヘクタール、39.5%の取組ですので、毎年、0.2ポイントずつぐらい上がってきてはいるんですけれども、令和4年度の目標が4万3,900ヘクタールで、43.4%となっているんです。令和元年度、令和2年度と0.2ポイントずつ上がってきている中で、令和4年度に向けて、来年、再来年と、まだ3.9ポイントぐらい上げていかなきゃいけないわけでして、これまでの取組からしたら、一生懸命やっていただいているんですけれども、厳しい状況にはあるのかなと見ております。さらなる農用地などの維持のための取組面積の拡大を図る必要があると考えるんです。  実は、今、この三つの交付金、それぞれの活動の組織数を教えていただいたんですが、先ほど清沢委員がおっしゃったように、県内72市町村、698組織で活動を実施しているんですけれども、地域別では50%を超えているところもあれば、組織数は、佐久のように57あっても19.8%と、それぞれの開きというものが大変多いように思うんです。この72市町村、698組織という数は、県として見ればどのように御覧になりますでしょうか。また、逆に言えば、これから未取組のところが多い現状もあるのでしょうか。それぞれの地域ごとの差というのが、先ほど清沢委員にお答えになったときに、活動が熱心な松本のようなところもというようなお答えだったんですけれども、この数というものをどのように御覧になっているのか、教えていただけたらと思います。 ◎飯島好文 農地整備課長 活動の組織数、約700でございますが、これについては、多いのか少ないかというのは、何とも申し上げられないんですけれども、県としましては、さらなる取組を進めまして、この第3期食と農業農村振興計画の目標としています4万3,900ヘクタールを達成するように、しっかり市町村等を回りまして、意識の醸成ですとか、そういった取組を進めることを、これからも引き続きやっていきたいと考えています。 ◆竹花美幸 委員 そうですね、では、そうした未取組地域へのPRとか、取組の推進等については、何かお考えでしょうか。 ◎飯島好文 農地整備課長 資料の今後の方針のところに記載がございますけれども、市町村、JA等が構成員となります長野県農業農村多面的機能発揮促進協議会と連携しまして、組織を立ち上げるには、その中心となるリーダーの方の育成が大変重要になるかと思いますので、そういった方の育成を図りながら、取組の活動組織を増やしていきたいと考えております。 ◆竹花美幸 委員 高齢化もしてまいりますし、人材の確保も重要だと思います。こちらに今後の方針といたしまして、書類作成の簡素化を要望するということが書かれております。やはりこれから、そうした高齢化や人口減少で組織が小規模になってくる皆さんたちが継続してやっていかれるためには、書類の作成とか、申請などの作業や手続をしやすくしていくというのは、私もやはりとても重要な視点であると考えます。書類作成の簡素化を要望していくというお考えを打ち出しておられますけれども、現在はどういう課題があるのか、それと具体的に、今後、どのような形でこれを国へ要望されていくお考えでしょうか。 ◎飯島好文 農地整備課長 事務手続の簡素化に関するお尋ねでございます。どういった課題があるかということでございますけれども、この多面的機能支払交付金につきましては、国の補助事業ということでございまして、やはりそれを交付するに当たっては、それ相応の書類の作成、あるいは写真、実績、それから会計の領収書等が必要なわけでございます。最低限必要なもの、どうしても必要ではございますが、そういったものをできるだけ簡素化して、負担にならないように、様々な機会を通じて国へ要望しているところでございます。  また、さらに具体的に書類の簡素化ということでございますけれども、私ども、そういった書類を入力すればすぐ打ち出せるようなソフトを配布したり、あるいは活動組織は小さいわけですけれども、その活動組織を広域化しまして、そういった事務を一手に担うといったところを設けたり、あるいは、土地改良区にそういった事務を委託しているところもございます。そういった様々な取組によりまして、活動を継続していただくようにやってまいりたいと思います。 ◆竹花美幸 委員 大変、重要な視点だと思います。ここの部分を、今、県において支援していただいているんですけれども、それがさらに簡素化して取組をしやすくしていくために国へ要望していく、これはとても重要なことなので、私たちもまた協力をしてまいりたいと思っております。  それと、今、お話をされた中で、活動組織の合併・広域化、外部団体への業務委託を促進するといったお話もありましたけれども、この辺りは、今後、具体的にどのように進めていかれる計画でしょうか。 ◎飯島好文 農地整備課長 活動組織の広域化についてのお尋ねでございます。活動組織自体は、それぞれ小さくあるんですけれども、それを統括して事務を行うような組織をつくるといったことでして、例えば上田市におきましては、広域化して、事務専門にやるところを設けまして、そこに事務をお願いしているということがございます。私どもとしましては、様々な機会を通じまして、そういった広域化による事務負担軽減について、いろいろなところで説明をして、御理解を得る中で、広域化を進めていきたいと考えています。 ◆竹花美幸 委員 分かりました。では続いて、これは農政部にお聞きしてよろしいのかどうか、農作物の野生鳥獣被害なんですけれども、前回も、私、お話をしたことがあるんですが、地域の皆様からの御要望で、実は今年度も、かなりの猿が集団で、数週間ごとに地域を移動しておりまして、今年の農作物もほとんど猿によって駄目になってしまった地域がございます。どうも猿の被害で、おりじゃないですけれども、そういう仕掛けがあるようでして、佐久市にはないので、小諸市からそういったものをお借りして、猿を捕獲するようなことをしたそうなんです。  それで、県では、猿の被害について、難しいかもしれないですけれども、どのような支援があるのか。できれば、県がそういった機材を持って地域に貸し出すとか、市町村に補助をお願いするとか、そういったいろいろ、何とか手だてがあったらというお声なんですけれども、もしお分かりになりましたら、猿だけではなくて、農作物への野生鳥獣の被害は現在、どのような状況なのか、そしてどんな支援を行っているのか。やはり私どもの地域では、どうしてもこの猿の被害というのがかなり課題になっておりまして、何とか、議員さん、これに対してどうにか支援がお願いできないかというお話がございますので、辰野町でも先進的な事例があるようなお話でしたけれども、県で何か承知しているようなことがありましたら、お話をしながら教えていただきたいと存じます。お願いいたします。 ◎小林安男 農業技術課長 野生鳥獣被害の関係でございます。獣類による農作物の被害の状況につきましては、令和元年度、昨年度でございますけれども、農作物全体で3億3,600万円余の被害が発生しているところでございます。このうち、一番被害額が多いのはニホンジカでありまして、1億2,800万円余、次いでニホンザルということで、被害額が7,100万円余という形になって、獣類による農作物被害の中では2番目に多いというのが現状でございます。  この中で、農政部では、林務部とともに、副知事をキャップにした野生鳥獣対策本部を設置し、活動を展開しているところでございまして、農政部の受け持ちとすれば、イノシシや鹿等が、圃場、農地に入らないための侵入防止柵の設置、こういった部分を重点的に、ハード面では支援をしているところでございます。捕獲ですとか、わなの設置、そういった部分につきましては、林務部で所管をしておりますので、こちらにつきましては林務部でお聞きいただければということで、よろしくお願いいたします。 ◆竹花美幸 委員 承知いたしました。また林務部の審査でお聞きしたいと思います。
     では、もう1点だけ、お聞かせください。部長にお聞きをしたいんですけれども、2050ゼロカーボンに向けての取組について、日本の農林水産分野から排出されるCO2というのは、0.4%ぐらいで少ないとは思うんですけれども、この2050ゼロカーボンに取り組む中で、農政部として、やはりいろいろと考えていかなければならない取組がたくさんあると思うんです。現在、お聞かせ願えることがありましたら、2050ゼロカーボンに向けての農政部の取組をぜひ教えていただけたらと思います。お願いいたします。 ◎伊藤洋人 農政部長 2050年のゼロカーボンに向けた農政部としての考え方という御質問でございます。まず、農業関係の排出量というのは、恐らくまだ、正式な統計等は見ておりませんけれども、少し前の統計では日本全体の排出量の中の2.8%ぐらいが農業分野からと国で公表されているところでございまして、全体の産業界等の排出量が落ちてきているので、相対的に、農業関係では比率は上がっていると承知しております。  農業関係の排出の主なものは、一つは稲作によるものでございます。それからもう一つ大きなものといたしましては、家畜の飼育に係る、牛のげっぷとか、堆肥の処理に係るもの。それから肥料を土壌に施用しまして、その肥料が分解するときに微生物によってガスが出てくるものという、主にこの三つが全体の9割ぐらいを占めているという状況でございます。これ以外には、トラクターですとか、農業用のハウスでの暖房とか、そういったエネルギー系のものがあるところでございます。  こうした状況でございますので、農政部におきますゼロカーボンの取組というのは、一つはこういった燃油系のものにつきましては、より効率のいい機器に順次変えていくというような方法。あるいは、バイオマス的なものも一部取り入れることができる形態については取り入れるというようなこと。それからトラクター等につきましては、基本的にどんどん燃費や性能が上がっておりますので、買替えによって新たな、低減するものに代わっていくということがありますので、補助事業や資金の支援等でそういったものをまた支援していくことがあるかと思っております。  それ以外の大きな部分を占めております、まさに稲作の部分ですとか、あるいは畜産の部分等につきましては、これは営農そのものから排出されるという特徴があるということでございます。現時点におきまして、農業者が手軽に取り組めて、排出を減らせる方法がなかなかないという状況でございますけれども、国の試験場等におきましても、そういった技術の開発を進めておりますし、県においても、そういった技術の開発を、今後、進めてまいりたいと考えております。こういった技術開発を進めることによりまして、農業者があまり負担にならない形で、そういったものを使っていただくことで、農業活動そのものから排出されるガスを削減するということに取り組んでいくことが必要と考えております。  さらに、肥料等、土壌中に施肥して、それが分解して発生するという部分につきましては、これは、やはり適正施肥ということで、余分な肥料をやらないということ。やはり農家さんは、心配なので、少し多めにやったりとか、土壌にどのぐらいの肥料分が含まれているかを、必ずしも測定しないで、毎年の勘や経験で肥料をやっているというところもないわけではございませんので、そういったものを、土壌を分析して、足りない肥料を適切に施用するという形を進めていくことが一つかと考えております。  あわせて、環境にやさしい農業ということで、例えば有機農業ですとか、あるいは減農薬・減化学肥料といった取組を進めることも、化学的な物質を使わないということや、有機農法の中では、肥料も農薬も全然やらないという農法も一部ございますので、そういった環境負荷の少ない形のものを進めていくということも、一つ、重要なポイントだと思っております。これにつきましては、国の環境直払の事業もございますので、そういったものを活用しながら、農業者の方がそういったものにより取り組んでいけるようにということで、県としても取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  主には、今、言ったようなところで、農政部としては、やはり農業分野の排出の一番大きなものは、営農活動そのものから発しているということに鑑みますと、やはりこの辺の技術開発やサポートを国と一緒に全力で進めていく必要があると思っております。あわせて、先ほど申し上げましたような、環境にやさしい農業、有機農業の推進ですとか、肥料の適正施用といったことをしっかり進めながら、カーボンゼロに向けて、少しでも農業関係の排出が減るように取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆竹花美幸 委員 部長にしっかりと前を向いた答弁をいただきました。やはりゼロカーボンに向けて、全庁で取り組んでいくことでございますので、農政部においても取組も期待しておりますので、また今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。質問は以上でございます。 ○中川宏昌 委員長 本日の審査はこの程度とし、明8日は午前10時30分から委員会を開会し、農政部関係の審査を日程といたします。  なお、今定例会中の委員会の開議通知は、書面通知を省略し、放送または口頭連絡により行いますので御了承を願います。  散会を宣した。   ●散会時刻 午後3時26分...