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  1. 長野県議会 2017-07-04
    平成29年 6月定例会環境産業観光委員会−07月04日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成29年 6月定例会環境産業観光委員会−07月04日-01号平成29年 6月定例会環境産業観光委員会 環境産業観光委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   平成29年7月4日(火)午前10時30分、議事堂第3委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名   委  員  長           中 川 宏 昌   副 委 員 長           堀 内 孝 人   委     員           本 郷 一 彦      同              向 山 公 人      同              丸 山 大 輔      同              山 口 典 久      同              花 岡 賢 一      同              山 岸 喜 昭      同              吉 川 彰 一      同              村 上   淳 ●欠席した委員の氏名   な     し ●説明のため出席した者の氏名
     (産業労働部)   産業政策監兼産業労働部長      土 屋 智 則   雇用・就業支援担当部長       内 田 雅 啓   産業政策課長            松 澤 繁 明   産業戦略室長            竹 花 顕 宏   産業立地・経営支援課長       渡 辺 高 秀   創業・サービス産業振興室長     町 田 直 樹   ものづくり振興課長         沖 村 正 博   日本酒・ワイン振興室長       宮 澤   勉   人材育成課長            浅 岡 龍 光   労働雇用課長            青 木   隆  (労働委員会事務局)   労働委員会事務局長         佐 藤 尚 子   労働委員会事務局調整総務課長    町 田 隆 一 ●付託事件   7月3日に同じ。 ●会議に付した事件  付託事件のうち、1〜3、6並びに産業労働部及び労働委員会関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時28分 ●中川委員長 開会を宣した。  ▲日程宣告    産業労働部及び労働委員会関係の審査  ▲産業労働部及び労働委員会関係の付託事件の報告    予算案1件、条例案1件、陳情2件  ▲議題宣告(産業労働部及び労働委員会関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して、理事者の説明を求めた。 ◎土屋智則 産業政策監兼産業労働部長 別添、産業労働部長説明要旨に基づいて説明した。 ◎佐藤尚子 労働委員会事務局長 別添、労働委員会事務局長説明要旨に基づいて説明した。 ○中川宏昌 委員長 第1号「平成29年度長野県一般会計補正予算(第1号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第8款 商工費中、産業労働部関係について、理事者の説明を求めた。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 議案、予算説明書及び別添資料1により説明した。 ○中川宏昌 委員長 第7号「勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案」について、理事者の説明を求めた。 ◎青木隆 労働雇用課長 議案及び別添資料2により説明した。 ○中川宏昌 委員長 報第7号「交通事故に係る損害賠償の専決処分報告」について、理事者の説明を求めた。 ◎松澤繁明 産業政策課長 議案により説明した。 ○中川宏昌 委員長 報第14号「平成28年度長野県一般会計予算の繰越しについて報告」中、産業労働部関係について、理事者の説明を求めた。 ◎松澤繁明 産業政策課長 議案により説明した。 ○中川宏昌 委員長 理事者から発言を求められていたのでこれを許可した。 ◎松澤繁明 産業政策課長 別添資料3「最近の経済情勢について」により説明した。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 別添資料4「平成29年度中小企業融資制度資金あっせん状況について」により説明した。 ◎町田直樹 創業・サービス産業振興室長 別添資料5「「長野県サービス産業振興戦略」の取組状況について」により説明した。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 別添資料6「ヘルスケア産業振興の取組状況について」及び資料7「ものづくり現場環境対応支援事業の成果について」により説明した。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 別添資料8「若者や女性への日本酒の魅力発信について」により説明した。 ◎浅岡龍光 人材育成課長 別添資料9「若者の技能検定実技試験手数料の減免について」及び資料10「信州ものづくり未来塾事業について」により説明した。 ◎青木隆 労働雇用課長 別添資料11「最近の雇用情勢について」、資料12「労働相談等の状況について」及び資料13「学生向け就活支援ポータルサイトについて」により説明した。 ○中川宏昌 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時26分 ●再開時刻 午後1時28分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。なお、議論を深めるため委員の発言に対し、ほかの委員から意見等がある場合についてもあわせて発言願った。 ◆本郷一彦 委員 午前中は、土屋部長のもとで、それぞれ明快なる御説明をいただきまして、本当にありがとうございました。土屋部長におかれましては、経済産業大臣のようなお立場でございますので、ぜひ張り切って頑張っていただきたいと思う次第でございます。  時間が限られていますので少しはしょりますが、アメリカ経済なり海外景気の動向によって、きのうの日銀短観では、景気の明るさが見えてきたというのが一般論であります。日銀短観の業況判断は製造業でプラス17ポイントで、3期連続で、前回より5ポイント上でございますし、非製造業でも建設はプラス48ポイント、不動産はプラス38ポイント、新車販売台数は、半年で278万台で、プラス9.7ポイントということです。そういうものが全て連関しているわけですし、また土地については、銀座5丁目では1平方メートル当たり4,600万円という、バブルのときより大きい数字になっております。  しかし、国際政治情勢や経済情勢は非常に流動的でありますし、特にトランプ大統領の保護主義の動向については、けさも新聞報道がされておりましたが、通商拡大法第232条を発令するとなってきますと、特に鉄鋼やアルミの輸入を禁止するとなると、中国はそれに対して、当然、報復措置に出るということもあって、メディアの書き方は、現時点での形は非常にいいものになってきておる。つまり、アベノミクスは、全体的には成功の方向にあるけれども、今後の国際情勢によっては、流動性が極めて高いということであります。そういう視点に立ちまして、現下の日本経済の現状と課題について、マクロ的な視点から、見識ある土屋部長の御意見をお伺いしたい。  それから、バブル期を超え、戦後3番目の好況の長さになっているアベノミクス景気が続く中で、日銀松本支店や県の景気動向調査では、長野県経済が緩やかに回復しているとの分析をしております。先ほどは日本経済全体の問題ですが、足元の長野県経済の展望についても、ぜひ土屋部長の御所見をお伺いしたいと思う次第でございます。  なお、先ほどまで中期5カ年計画に係る研究会を約1時間行いました。小岩企画振興部長伊藤総合政策課長と、私ども各会派から代表が出まして、一般論の話を書いてもしようがないといった議論をしました。もっと鋭い革新的な発想力が必要であるというところに落ちついて時間切れで終わりました。その中で、知事の意向として、特に産業と学びの2本柱にしたいということが行政のほうから出ておりました。そういう意味においても、当委員会の果たすべき役割は、極めて大きなわけでして、経済に力をつけ、その結果によって財政の裏づけをし、それによって、子供保険の問題も出ましたが、今、家計経済が、大変厳しい状況にあるわけですから、入学前の子供たちの負担を軽くする。また、将来的には、高等教育の無償化について、どういう議論をやっていくのかと。しかし、そのためにも、首都圏も含め、地方創生の理念からいけば、日本全体が経済の活力を持っていかなければならないということではなかろうかと思うわけでございます。  そういう意味で、長野県は、歴史的に見れば、明治時代には、松本に世界一の製糸工場があったわけで、片倉兼太郎さんが岡谷の御出身で、その弟が片倉五介さんですが、岡谷に行かれて養子になられて今井五介になりまして、その方が松本に工場長として赴任され、松本商工会議所会頭を十数年やり、松商学園をつくり、また大糸線をつくり、その他もろもろのことをやったわけでございます。要は、長野県の産業は製糸業から始まり、精密機械、最近は電子関係と、時代の変遷とともに大きく変化をしてきて、また松本・諏訪新産業都市の指定を内陸としては初めて受け、松本と諏訪がそういう意味において一つのインセンティブになったことは事実であります。  したがって、次世代の成長産業分野を長野県としてどのように構築していくのかということは、非常に重要でございます。したがって、この次期総合5カ年計画を、多くの県民の夢を結集したものとして、僕たちも、議会側としても両輪となって作成してまいりますが、長野県の産業の次世代を含めての成長戦略について、土屋部長の御所見をお伺いしたいと思います。要は日本経済、長野県経済、そして次世代成長戦略、マクロ的な観点で結構ですので、御所見をいただければと思います。 ◎土屋智則 産業政策監兼産業労働部長 本郷委員から、現下の日本経済の現状と課題についてのマクロ的な視点からという所見、それから長野県経済についての展望、さらには、5カ年計画策定の中にあって、成長戦略をどのように考えているかという3点について御質問をいただきました。順次、私の所見でございますが、お答えをしたいと思います。  国においても、地方におきましても、経済政策、産業政策を、有効かつ効率的に進めていく上では、マクロ経済の分析は非常に重要だと常々思っているところでございます。そういう意味で、国におきましても、また日銀におきましても、景気動向の調査等はちゃんとしておるわけですし、私ども産業労働部でも当然行っています。県下では、そのほか金融系の経済シンクタンクも行っておりますし、新聞等も世論調査を背景としてそういった分析を行っているところでございます。私どももそういった分析をしっかりと拝見をし、その奥にあるものをしっかりと見きわめながら、政策・施策を構築してまいりたい。それについて、議会の皆様と議論をして進めていくのが、長野県の経済にとって望ましい姿なのではないかなと考えているところでございます。  県下の経済情勢につきましては、知事の議案提案説明の際に必ず触れる部分でございます。それから私どもの午前中の説明でも、日銀の短観も含めまして、県下の状況などにつきましても御説明を申し上げたところでございます。現在、総じて申し上げますと、内閣府の6月の月例経済報告によりますれば、世界経済は緩やかに回復しているとしておりますし、また日本経済につきましても、緩やかな回復基調が続いているとされているところでございます。  ただ、現在の景気回復基調に何が貢献しているのかということを見ますと、一つは、中国におけるスマホの需要増大を背景とした半導体生産の好調さであるとか、北米における自動車産業の売れ行き好調を受けた関連部品の関係で非常に景気がいいといった状況でございます。いずれにしましても、海外経済に随分と頼っているのが現状と見ているところでございます。好調な海外需要と、それに支えられた製造業における生産拡大が現在の景気の一番の特徴なのではないかと考えているところでございます。  今回の一般質問におきましても、デフレは脱却したのかという御質問をいただきましたが、デフレが脱却したのかというのを見るときに、本県だけではなくて、日本全国で判断するものであると知事は答弁いたしておりました。景気の回復の中で、本当にデフレは脱却しているのだろうかということで、物価指標を見ますと0.4とか0.5という上昇ですが、これにつきましても、その実態はどうなのかというと、燃料価格の高騰に伴って、電気、ガスといったエネルギー関係の価格が上がっているのが、この0.4、0.5ではないかと言われているわけです。日銀では、この7月に、物価上昇2%に向けてのシナリオについて、少し見直そうということも新聞紙上では拝見しているところです。このような状況でございまして、デフレも、必ずしも脱却はしていない。ただ、景気は好調であります。アベノミクスの一つの成果であろうかなと見ております。  いずれにしましても、海外経済に頼っている限りにおいては、海外の動向には目が離せないと常に思っております。これがなかなか、本郷委員もおっしゃるように、アメリカトランプ大統領がこれからどのような政策をとっていくのか、TPPは離脱表明をしていますが、自由貿易が現にされるのかどうなのか。そういったことをしっかりと見ていかなければならない。ヨーロッパにおいても、イギリスはEUを離脱する方向でございます。フランスの政治情勢も、これまでの既存政党とは違う大統領が登場しているわけでして、日本、それから本県経済も海外市場に依存している以上は、やはり海外の状況からは目を離せない。その海外の状況が非常に不安定であるといった状況があるのかなと感じているところでございます。  そうした中で、足腰の強い長野県経済を築いていくにはどうしたらいいのかということが、我々、産業政策を進める上での一番の課題と考えているところでございます。設備投資はそれなりに進んできておりますが、個人消費はなかなか進まない。企業の内部留保の問題や消費者の消費マインドの問題もございましょうが、そういった状況の中で、しっかりと足腰が強くて持続可能な産業構造をつくっていく。そしてそれにはどうしたらいいのかということは、これからの大きな課題であろうと思っています。やはり成長産業にしっかりと転換をし、それに力を入れていくことによって高い付加価値を生む。そのことが足腰をより強くすることにつながるのではないのかなと感じているところでございます。  話がいろいろまとまりませんが、長野県経済は、そういった意味で、これからの成長期待分野を、今のものづくり産業振興戦略プランにおいて3点掲げてございます。健康・医療、環境・エネルギー、次世代交通といった辺に、しっかりと傾注をして産業の振興を図ってまいりたいということで、航空機産業振興ビジョンを策定し、これからの成長期待、高付加価値が見込まれる航空機産業に、産学官という形になりますが県としてもしっかりと応援をしていくということで取り組んでいるところでございます。  それから、今年度、新しい5カ年計画の策定の年という中で、産業振興はしっかりと県として稼いでいかないと、県民に対するさまざまな政策が実行できない。長野県全体の稼ぐ力をしっかりと培っていくことが大事だということで、政策の大きな柱になるのだろうと我々も考えているところでございます。そういった意味で、この5カ年計画の中で、産業政策としては何を目指していくのかということでございます。産業政策は、あまり時代が変わっても、そんなに変わらない部分、言ってみれば不易な部分かもしれません。既存産業をしっかりと育てていくこと。それから新しい産業分野の創出、そういった産業の誘致をしっかりしていくこと。それから産業は人が支えるものでございますので、産業人材をしっかり育成していくとの3つが、これから5カ年計画を策定していくに当たっての大きな目標、柱になるのではないのかなと考えてございます。  その中で、先ほど不易と言いましたが、長野県において産業振興をしっかり図っていく上で、重要なポイント・観点が幾つかあるのかなと考えてございます。一つは、AI、IoT、ビッグデータといった第4次産業革命の技術によって、県民の生活自体を変えていく、大きなインパクトのあるものにこれからなっていくと思われます。それだけではなくて、もちろん産業、製造業に限らずサービス業も含めまして、生産性を高める、人手不足を補うといった部分で、このAI、IoT、ビッグデータ、第4次産業革命は、一つの重要な観点であろうと考えてございます。  それから海外展開については、長野県に限らず、日本全国が人口減少しておりますので、これからしっかりと成長させていくには、海外展開を図っていかなくちゃならない。それから、地域を重視した取り組みについては、国の地域未来投資促進法もそうですが、地域の特性・特徴をしっかりと生かして産業振興を図っていくという視点。もう一つは、従来から取り組んでおります産学官の連携によって進めていく。これによりまして、先ほどの3つの目標をしっかりと達成してまいりたいと考えながら、よりとがった政策を検討しているところでございます。 ◆本郷一彦 委員 私が次に質問をしようとしたこと、大体お答えいただきまして、包括的に部長のお考えが理解はできました。今、一番問題なのは、労働分配率ですね。高度成長期のときは60%台だったのが、今は大体50%台に下がっております。経営者側から見れば大変なことでありますが、労働分配率の変化が世界経済全体に起きておりまして、カウントの仕方にもいろいろよりますが、アメリカは利益の90%以上をファンドに回っている、真面目に働いてもお給料に還元されずに投資家のほうに行ってしまうという状況です。アメリカは、私どもが想像するような国ではありません。もう大変厳しい経済環境の世界であります。そういう意味では、トランプ自身アメリカ経済界のエスタブリッシュメントではないわけで、ウォールストリート国際金融資本が世界を動かしていることは、皆さん既に御承知のとおりであります。したがって、現在は、グローバリズムとナショナリズムの対立で、イデオロギー論争は既に消滅をしております。そういうところにまたポピュリズムが絡んできて、国際社会は、私どもが思っている以上に苛酷で、非常に冷酷な社会であります。  そういう中において、政治・行政・経済の安定は非常に重要な問題であります。要は労働分配率をどうするかということでありますし、向山委員がよく御質問される正規社員と非正規社員の問題も非常に深く内在をしているわけであります。個人消費がなぜ伸びないのかというと、労働分配率が上がってこないからであります。したがって、御家庭の奥様の財布に余裕がないということであります。GDPの60%は個人消費ということと、先ほどの部長の指摘とは、全部連関をしているわけでして、なかなか、私ども議会の立場や、行政で指導ということは難しいんですが。マクロ経済では、企業業績は3期連続でいい数字が出ておりますが、それぞれの分野で働いている方々に還元ができていないという問題をどのようにしていくのか。つまり新しい時代の資本主義を、あるいは新しい社会像を造形する責任が政治や行政にあるということを、御指摘をしたい点でございます。  先ほど全てお話ししていただきましたが、いずれにしてもAIとIoTの問題、さらに政府は、6月9日に成長戦略「未来投資戦略」を閣議決定して、第4次産業革命の推進に軸足を置いて、「ソサエティー5.0」の実現を目指すということです。この「ソサエティー5.0」は、私も初めて知った概念でございます。簡単に言えば、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たなる社会像を概念とした、政府が提唱した言葉でございます。つまり、第4次産業革命から「ソサエティー5.0」の時代が、この10年間以内に必ず来る、全く違った社会ができてくるわけであります。そこに人口減少の問題を絡めながらやっていく上では、その基軸となるのは産業政策であります。つまり、日本独自のオリジナリティーを持ってやらなければ、世界の大きな嵐の中で吹き飛んでしまう。国際社会と地方経済はリンケージをしているわけで、小さいステージの中で小さい議論をしていては、これからは生き抜けないということであります。  そういう意味において、新しい次世代産業を担うビジネスモデルの創出について、創業・サービス産業振興室長にお答えを願いたいと思います。それから、次世代産業を担う企業の創出には、創業の量だけではなく質を高める必要があると考えます。その辺についての御所見を願いたいと思います。  もう1点、やはりイノベーティブな人材をオーダーしなきゃいけない。そのためにはどのような形で長野県がイノベーティブな人材確保を行政の立場でやっていくのか、その課題と今後の対応について、お伺いしたいと思います。  それから、プロフェッショナルな人材の誘致を進めるに当たっては、他県との競争に打ち勝てるような、長野県のポテンシャルを理解したり、あるいはそれを売り込むだけの営業力がなければいけないわけであります。そのためには、東京事務所を含めて、攻める行政という観点からも、新しい発想力を持たなければいけないと思っております。ましてや、長野県の大手の一部上場のオーナーとお話しすると、人材が全部東京へ行っちゃうと。それでほとんどいい人材が残らないと言う話でございます。つまり、大学の収容率が全国最下位、そして御両親が大変苦労した方の4割しか帰ってきてないと。そしてその受け皿がないという、ある種の悪循環が長野県の中に内在をしているわけであります。そういうものを含めて、それぞれの担当課長さんにお答えをいただければありがたいと思います。 ◎町田直樹 創業・サービス産業振興室長 本郷委員から、創業の量だけでなくて質を高める取り組みをという御質問をいただきました。私ども、日本一創業しやすい県づくりという大きな目標を掲げて、創業施策に取り組んでまいりました。その結果ですが、創業件数や創業支援向けの制度資金の融資件数は着実に右肩上がりであることは数字的にも言えるのではないかと思っております。ただ、創業支援資金の貸し付け先の業種等を分析いたしますと、飲食業、理・美容業などのサービス産業が中心でして、足元の経済という面では一定の効果はあるとは思いますが、次世代産業の育成といったところまではなかなか到達していないという実感を持っているところでございます。  ただ、今後、そういった創業の質を高めていかなければいけないというのは、非常に重要な視点だと思っておりまして、そのためには斬新なアイデアを持つ人材の育成や、人材の誘致、それからそういったビジネスアイデアを実際にビジネスとして生かしていく支援のあり方の2つの柱が大事なのではないかと思っております。  私ども、先ほど御説明いたしましたが、「おためしナガノ」のような形で、首都圏のIT人材、長野県に拠点を移していただこうという取り組みをしております。そうした人材を含めて、創業を希望する人が持っているビジネスアイデアを、実際の創業に結びつけるためには、今、そういう方々が活動している場は、県内各地にあるコワーキングスペースなどが中心だと思いますので、そういったコワーキングスペースを運営している方々と、実際に支援を行っている商工団体、金融機関、大学等の高等教育機関の情報が結びつくようなネットワークが必要だと考えまして、今年度、新たに信州創業応援プラットフォームを立ち上げました。まだ立ち上げてばかりで、これからに話ですが、その中では、今後、長野県が創業活性化といったときに、目指すべき分野、関係機関が相互に絡みながらやっていく支援のあり方といったものを検討するとともに、情報交換の中から、ビジネスシーズと企業側のニーズがうまくマッチングできるようなところまで支援の輪が広がればいいと思っておって、そこまでの取り組みになるように、今後、努めてまいりたいと考えております。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 御質問、イノベーティブな人材の誘致ということでございます。誘致に当たっての課題や対応、それから長野県のポテンシャルをしっかりと生かして売り込みが必要ではないかという2点の御質問をいただいております。  まず1点目の課題と対応でございますが、イノベーティブな人材ということで、本定例会にお願いしております補正予算にもございますが、プロフェッショナル人材は、企業が求めているイノベーティブな人材ということで、先ほど申し上げましたとおり全国6位という形で、一定の成果、これは拠点のメンバーであったり、我々や金融機関それぞれが皆うまく連携をした成果だと思っております。一方で、掘り起こしたものが、先ほど370ほどあるといって、その中でまだ40という形でございます。実際にはまだ1割を超えた程度ということで、特にこの中では、まさに企業が求めるイノベーションを進める上での生産技術であったりとか生産管理といったような人材を求めるところが3分の1ほどございます。こういった製造業が多い長野県の特性にある、こういった分野を中心に案件が多いということから、こういったところにしっかり応えていかなければいけないと思ってございます。  こうした課題に対しまして、求人案件が多い分野については、特別なセミナーや商談会といった形で、しっかり特化した形でやるのも一つの方法かと思っております。また、人材ビジネス事業者のほうが、それぞれ得意分野がございますので、しっかりターゲットを絞った売り込みをしていきたいと思っております。  もう1点、大企業からの出向というような形については、なかなかいきなり長野県へ来て移住という形だとハードルが高いというお話もございますので、こういった出向制度のようなものも活用しながら、しっかりとミスマッチを解消していきたいと思っております。  それから、長野県のポテンシャルを生かした売り込みということでございますが、委員御指摘のとおり、それぞれのセクションでしっかり連携をして努めていかなければいけない課題でございます。そういった面で、長野県の持つポテンシャルは何なのかというところで、例えば移住につきましては、11年連続日本一ということですので、こういった生活環境ですね。それから首都圏との近接性、高い技術力といった特徴・強みをしっかりと把握し、やはり来ていただく方には、仕事だけではなく、暮らしていただくことになりますので、そういった方に、しっかりとこういう情報やバックグランドを一緒に売り込んでいくことが大事かと思っております。  それから、現在、40件来ていただいている方がございますので、そうした取り組みについて、そういう方の直接の声を生かしながら、売り込みをかけていくことも効果のある取り組みではないかと思っております。  先ほどそれぞれのセクションとという話がありましたが、庁内でいけば、移住の関係、観光、農業といったところと、しっかり連携をし、例えば東京でセミナーをやるなどの取組をしております。このほかにも、庁内だけではなくて、人材ビジネス事業者、金融機関、経済団体といったところと、定期的な意見交換、懇談の場を持ってございますので、しっかりと連携をしまして、人材誘致、イノベーティブな人材の誘致に努めてまいりたいと思っております。 ◆向山公人 委員 それでは、私からもお願いします。具体的な話を幾つかお伺いします。御承知のように、昨年、リニアの起工式が終わり、いよいよ着工されたわけであります。長野県にとってみれば、10年先にリニアが開通するということで、当然、10年先の開通時に向けて取り組みを進めていかなければならないということであります。来年からの新5カ年計画の中でも、そういったことを念頭に置いて方向づけをしていかなければならないと思っております。  その参考にしたいと思いますが、北陸新幹線が開通してすでに数年ほどたちます。金沢まで北陸新幹線が開通したことによって、長野県の産業界・経済界は、どのような状況になっているのか。また、当初、北陸新幹線の開通に合わせて、産業労働部としては産業界をどのような形にしていきたいという目標があったわけですが、実際開通してみて、どんなふうな変化が起きているのかをお伺いします。 ◎松澤繁明 産業政策課長 北陸新幹線の開業に伴う長野県経済への影響、産業の活性化の状況についての御質問かと思います。御存じのとおり、北陸新幹線が開業いたしまして、東京からのお客さんが大勢長野県にも入っていらっしゃる状況がございますし、北陸方面からのお客さんにおいでいただくという意味で、観光面での効果は非常にあるかと思います。また、企業の面におきましても、我々とすると富山県と一緒に商談会をやったり、富山県の企業と連携したりすることがあると聞いております。  その一方で、北陸から東京が近くなったことによって、北陸の企業さんや県内企業が、東京に出ていってしまって支店がなくなるといったことも見られているとお聞きしております。そういった意味で言いますと、当然、プラスの部分もございますし、マイナスの部分も中にはあるのかなと認識をしております。  ただ、そういう中で、我々といたしますと、せっかくここで北陸地域との距離が非常に縮まったということもございますので、北陸方面の企業とは、いろいろな機会を通じて連携を深めていきたいと考えているところでございます。 ◆向山公人 委員 当然、北陸新幹線の延伸によって、おいでになる人たちも新幹線によって来やすくなった、利便性が向上したわけですし、逆に長野県からも、東京や金沢に出ていきやすくなったという意味では、やはり双方向でありますから、当然、プラスもマイナスもあろうと思っているわけであります。それ以上に、10年先にリニア新幹線が伊那谷を通るということになれば、東京まで40分、名古屋まで25分ということで、時間だけで考えれば通勤圏内になってくるわけであります。  上下伊那の産業界として、10年先のリニアの時代を迎えるについて、経済界としてはどのような地域づくりが必要なのかというテーマを与えられまして、上伊那・下伊那と多少の地域の違いがございますが、究極は上伊那・下伊那のだけの問題ではなくて、最低限、上下伊那・伊那谷の中で、10年先のリニアの開通を迎えるに当たって、経済界・産業界としてどのような取り組みをしていくことが望ましいのかということについて検討に入っているところでございます。  想定では時速500キロ超というリニア新幹線ですから、当然、今までの延長線で考えるような時代とは全く違う時代が訪れると想定しなければならないことになっていきます。こういった北陸新幹線が開通したときの産業界の動きというものは、リニアの場合も同様に類似する問題が、多分発生してくるだろうということで、私どもも、今、そんな意見交換をしたり、究極、できれば秋口までに、おぼろながらの姿図もまとめてみたいということで、産業界でも取り組みをいたしているわけであります。  そんな中で、航空宇宙産業について特区認定がされまして、その航空宇宙産業も一つの大きな柱になるだろうし、県でもそういったことを中心として取り組みを進めていくことになろうと思います。これはあくまでも地域のほうで具体的になっていったときに、産業労働部として、それを具体的にどのような支援をしていくのか、どのような取り組みをしていくことが、長野県のプラスになるのかということになろうと思います。  一般的にお聞きをしますが、この10年先のリニアの問題を念頭に置いたときに、これから産業界・経済界として、何らかの方向づけをしていくのかというようなことは検討されているのか、おぼろながらでも、どのような経済状況を求めているのかがわかれば、お伺いをしたいと思います。 ◎松澤繁明 産業政策課長 リニアに関しまして、伊那谷を中心としてどのような産業展開をしていくのかということで、基本的にはリニアの推進につきましては、リニア整備推進局でいろいろな取りまとめをしております。その中で、一応、産業分野についても、具体的にどういう取り組みをしていくのかということについて、当然、産業分野においてどういう展開が必要なのかというものを検討する部会をつくってございます。ただ、具体的には、その部会での議論は、まだ具体的に始まっておらず、今後、検討していくということはでき上がっているようでございます。今後、そこら辺の産業分野の問題につきましても、その中でも議論をしていくようになるのではないかと思っております。 ◆向山公人 委員 当然、リニアバレー構想を所管するのは、リニア整備推進局になろうと思いますが、その中でも、産業労働部とすれば、やはり県内の産業振興を図っていくということは、重要な取り組みの一つであろうと思っているわけです。そんな中で、県内の経済の向上、産業振興という意味で、民間の産業・経済界に求めるものは、どんなことが、今、検討されておるのか、その辺、わかればお聞かせをいただきたい。 ◎松澤繁明 産業政策課長 先ほど委員からもお話がございましたように、基本的には飯田地域は航空機産業の振興を中心に行っております。ですので、当然、航空機産業を中心とした産業の展開ということで、例えば試験研究機関ですとか、企業の皆さんをできるだけ飯田地域に誘致をして、できるだけ裾野を広げて地域の産業の活性化につなげていきたいと考えております。もちろん、それ以外にも、飯田地域には食品や伝統工芸などさまざまな産業がございますので、そういった部分での支援も必要かとは思います。大きな柱とすると、やはり航空機産業を中心とした産業の振興を柱に据えてやっていきたいと考えております。 ◆向山公人 委員 御承知のように、私どもの地域も企業誘致がかなり活発に行われてきました。誘致した企業で、最近、撤退をしていく大手企業が幾つか出てきております。当然、そこで働いている人たちの失業という問題もあわせて、地域としては大きな課題として捉えているわけであります。本来、私どもが考えれば、10年先にリニアが来て東京や名古屋まで近くなるということならば、何もここで撤退するよりも、何でそれを活用してくれないのかなと不思議な気がいたします。これは国全体の産業構造の変化の中で、そういった時代を迎えているのかなと思っているところですから、どっちにしてもこれは、長野県の産業をグレードアップする、向上していくということになれば、産業労働部が果たす役割は、非常に大きいと思っております。
     そんな中で、今、新産業の参入という言葉が出てきております。リニアの開通により飯田市に駅ができれば、長野県ももちろんですが、私どもの上下伊那・伊那谷は、好むと好まざるとにかかわらず、間違いなく影響が出てくる。しかし、その影響をプラスの地域振興につなげていくということになれば、これはJR東海の問題ではなくて、やはり私どもの住む伊那谷、そして長野県がどのような形でリニアを生かしていくかっていうのが、地域の振興にもなるし、長野県の発展にも大きく貢献をすることになります。これはやはり長野県が中心となって、地域とも連携する中で、10年先の体制を整えていくのには、今からある程度具体的な構想を立てながらやっていかなければ、10年という時間はすぐ来てしまいますので、とにかく開通をしたときに、その対応がほとんどできてないという形の中で開通を迎えるというわけにもまいりませんので、ぜひ産業労働部の立場で御検討いただきたいことをお願いさせていただきます。  そして、私どもの長野県はものづくり産業が一つの特徴であります。実は、私も個人的にケーブルテレビをやっているものですから、伝送路の中で、雷とかによってブレーカーが落とされて、伝送路がとまってしまうことが幾つかありました。そんな中で、東京のメーカーにお願いして、いい方法がないかと相談をしたんです。そんな中で、地元の町工場等々を回って、こういうものができないかという話をしたら、町工場の現場の人間が、もしかすればいいものができるかもしれないという話があって試作品をつくりました。そして、中部電力に持ち込みました。検査をしてもらったら、これはどこでつくったんですか、技術がすごいですねという話を中電さんからいただきました。コスト的にもメーカーに頼むより半分以下の値段で対応できた。今は、雷で電源が落とされても、自動復帰装置ですから、時間になると自動的に落ちたブレーカーが上がって、停波が少なくなるという形になりました。そういったものをあちこちにつけさせてもらって、今、やっているわけであります。  やっぱり、そういった技術者の人材育成というところにつながるかもしれませんが、そういった技術を持っている人が埋もれている部分がたくさんあろうかと思います。ものづくりの人材育成という視点からも、情報をきちっとつかむことによって、そういう人材を掘り起こすことにもなりますし、また零細企業でも、実は特許を持っているけれども、企業的にその特許を活用するだけの規模の会社でないものですから、せっかく持っている特許を生かすことができないでいて、何とかこれを生かせないかという話もちらほら聞きます。ですから、そういう県内企業が持っている特許を、有効に活用できるよう把握をして、そういったものを生かすことによって、長野県の伝統であるものづくりや、またそのことが、今度は大手との連携にもつながってくるかと思いますので、そういったことにもぜひ取り組んでいただければと思っております。今、産業労働部では、そういった県内の企業が持っている特許について掌握することはされておりますか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 特許全体を把握することは難しいわけでございます。県の外郭団体であります発明協会では、有望特許の活用に当たって、相談員、コーディネーターが配置されております。その人たちが、これはこんなところに使えるんじゃないかというようなアドバイスをさせていただいているところでございます。 ◆向山公人 委員 そういう小さい企業から相談があったときには、工業技術総合センターを案内することはありますが、そういうところへはうちみたいな企業は非常に行きづらいというように、ハードルが高いように受けとめられていることがあります。やはりそういったところへ日を当てて掘り起こすようなことが、県内の産業界のグレードアップにつながるんじゃないかと思っておりますし、これから迎える時代にとってみれば、長野県の大きな財産にもつながると思いますので、ぜひそんな点も注視してもらいたいと思っております。  また、長野県内のあちこちで、市町村を中心として企業誘致を進めてきましたが、たまたま私どもの地域の中でも、大手企業が幾つか撤退していくような問題が出てきております。県内で、誘致した企業の撤退だとか、その現況は、今、どんなふうになっているか、おわかりになったら教えてください。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 企業誘致の関係でございます。撤退というところで、私ども、例えば倒産ですとか、あと報道等でされているようなものを把握している形でございます。統計的には数字をとってございません。そういったもので把握をしながら、先ほどお話のあったように、その後の跡地利用であったり、雇用の関係等をそれぞれの振興局と連携をとりながら進めるといった形でございます。 ◆向山公人 委員 先ほど本郷委員から雇用の問題で御紹介をいただきました。今の雇用情勢は、有効求人倍率1.53ぐらいの高い水準の中で、正規社員の雇用率は、長野県の場合は1を切っているんですね。3月は確か0.86だったと思います。県内企業は全体的に見れば上向きで、製造業でもかなり忙しいところがふえてきております。公表されている求人倍率からすると、正規の求人倍率が1を切っている状況であります。そこへ持ってきて、企業にお聞きしますと、実際は、多くの皆さんは求人は来るんですが、企業としては欲しい人がなかなかいないということで、単純に頭数ではなくて人材不足であるとの意見がかなりあります。  それと、できるだけ雇用をするには、正社員で雇ってもらえるように、御尽力をいただきたいという話も申し上げるんですが、企業によっては、仕事がものすごく忙しいのにもかかわらず、正規社員の採用になかなか踏み切れないという要素の一つに、この2、3年先まで本当に今の受注が確保できるのかどうかという不安があって、なかなか正規社員の雇用に結びつかないという意見もお聞きをいたしております。そういった意味で、ミスマッチばっかりではないと思いますが、そういった企業側が求める人材育成にきちっと力を入れていくことは、それぞれの企業の発展にも大きな貢献になると思いますが、その辺についての取り組みについては、どんなふうでしょうか。 ◎青木隆 労働雇用課長 有効求人倍率に比して、正規社員の倍率が低いんではないかという御質問でございます。午前中、資料11で御説明申し上げましたが、最近の雇用情勢の中で、5月の有効求人倍率は、長野県の場合1.53倍ですが、正社員の有効求人倍率は1を切っておりまして0.90という状況です。ちなみに全国の正社員有効求人倍率が0.91という状況です。委員御指摘のとおり、今後の景気の見通しにつきまして、先ほど産業労働部長等からもいろいろお話がございましたが、外国に頼っている部分がかなりあって見通しが立たない中で、全て正社員で雇ってもいいのかという御心配をなさる経営者の方もいらっしゃいます。  県としましても、例えば働き方改革の一環で、短期の正社員、短時間勤務の正社員など、正社員といっても必ずしもフルタイムに限らず、さまざまな形態がとられておりますので、そういったものも含めながら、経営者の方に情報等を提供する中で、今、空前の売り手市場と言われている中で、特に東京の大手企業への就職を目指す学生が多いわけでございます。県内でも輝く製品等を製造している企業が多いわけでございますので、そういった情報も含めながら、できるだけ県内に優秀な人材が集まるような形をとってまいりたいと思っております。 ◎浅岡龍光 人材育成課長 私からは、企業側が求める人材育成をどうするのかという御質問についてお答えいたします。県内の中小企業の中で、人材育成に関する課題といたしましては、なかなか人材育成にかける時間がない、あるいは指導する人材が不足しているということで、企業内でなかなか人材育成まで手が回らないというような状況がうかがえるということが、県が実施したニーズ調査等で承知をしております。  県といたしましては、中小企業の在職者を対象といたしまして、スキルアップ講座を開催しておりまして、主に企業の初心者を対象とした、機械とか機器などの操作の基礎的な研修、講習を実施しているものですが、この講習につきましては、地域の企業の具体的なニーズを踏まえて企画をしておりまして、近年、要望も非常に高くなっております。こうした講座の内容を工夫するのと同時に、一層の利用を呼びかけまして、できるだけ、経済的な環境の変化によって業務の内容が変化していった場合に対応できるような訓練の提供をしていきたいと考えております。 ◆向山公人 委員 以前は、企業が雇用をした後、企業が自分のところの発注先だとか取引先の大手企業に研修に出していた時代もありました。今はそれぞれの企業にはそんな余裕がありませんので、どうしても雇用のときには、ある程度の知識と技術能力を持った人を雇用したいというふうに変わってきていると思うんですね。そういう意味では、私どもの地元に南信工科短期大学校を開校していただいて、やはりそうしたかなりレベルの高い技術指導をしていただいておりますので、企業ですぐ実戦力として使える形で、大きな期待をいたしているところでございます。先日も部長さんにおいでいただきましたが、機械科は、来年初めて卒業生が出るんですが、既に20人中16人ぐらいは内定をもらった状況にまでなってきて、何とかいい成果を上げて、南信工科短大を南信につくってよかったと思われるような結果に結びつけたいと、私どもも、産業界でもそう思って応援させていただいているわけでございますが。  その中で、県内の企業立地の状況はどんな状況にあるのか、お聞きをしたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 企業立地の動向についてのお尋ねでございます。まず平成28年の立地動向ですが、研究所を含めまして36件、長野県に立地をしていただいています。投資で増築をしていただいたりとか、新設をしていただいた県内企業も入ってございます。全国順位では第9位という状況です。長野県は、一昨年が14位、その前が11位ですので、若干、投資については上がってきているという認識でございます。 ◆向山公人 委員 昨日、国土交通省で土地の評価が発表になりまして、銀座がバブル期を超えて1平米4千何百万円という数字が出されましたが、まだまだ地方では、昨年に比べても評価額が落ちているような状況であります。長野県にしてみれば、新幹線が通り、そしてリニアの時代を迎えるときになれば、産業界でも都市部への時間の短縮は、大変大きな魅力になろうと思います。そういった意味では、求める側のもののニーズに合ったような企業誘致ができれば、土地の評価というのは、当然上がってくるわけですし、銀座だって、ホテルができるところは、不動産業として活発な売買があるということから、土地の評価が上がっているということであります。そういった意味で、都市部への時間短縮の中で産業界が、長野県の中で必要と思われるような業種の企業誘致をうまくしていって土地の評価額が上がれば、当然、固定資産税の対象にもなるわけですから、大きな収入源にもつながってくるわけですから、ぜひそんな点もよく念頭に置いて、産業労働部としての取り組みをしていただければいいと思いますが、どうですか。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 業種であったりとか、長野県の強み、特性といったものをしっかり生かして、企業誘致を進めていくべきだということは、まさに委員御指摘のとおりでございます。せんだって、長野県に投資をしていただける企業がお話しになっていたのは、パン屋さんなんですが、県外に工場を持っているんだけれども、運送費が非常に高いと。そういった中で、長野県の伊那に立地をしようと。なぜかと言えば、伊那からだったら、いざとなったら自分たちで首都圏に運んでいけると。こういった形で企業の皆さんが考えていることを我々もしっかりと事前に先取るようなことをしながら、あと長野県の場合は、パン屋さんもそうですが、そのほかの昨年7件ほどの食品関係が来ております。長野県の水、空気、イメージといったものが、非常に企業のブランドイメージにもつながるといったお話もございます。  ほかにも、製造業の場合では、例えば諏訪地域や伊那地域の高い技術力をしっかりとPRさせていただくこと。これまでなかなか知らなかったとを知ってもらう形で、長野県に御視察をいただき、立地について考えていただく。そして、実際に立地いただいている企業もございますので、しっかりその辺のところを進めてまいりたいと思っております。 ◆向山公人 委員 銀座NAGANOでもかなり企業誘致をしていただいたりしています。以前の話になりますが、東京事務所でも、ノルマとして1日何件回って企業誘致を進めるという話がありました。今はそういう営業的な取り組みをしているんですか。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 企業誘致の状況でございます。今、東京・名古屋・大阪に、それぞれ企業誘致の推進員を配置しています。東京は5名で、県と市町村からいただいているところと、これまで例えば不動産系の会社にいた方であったり、銀行にいた方を推進員として任命をしています。名古屋・大阪についてもそれぞれ推進員を1名ずつ配置しております。  過去には、ノルマを決めてというお話がございましたが、現在は、実際にはどういう形でやるのがいいのか、例えばいろいろアンケートをとっていただいたり、それぞれの推進役が持っている人脈を生かしながら回っていただくとか。それから、例えば東京で企業が出展するセミナーであったりとか展示会に出ながら、そこへ来ていただいている企業の皆様と直接お話をするといった形で、単に企業を飛び込み訪問するだけではなくて、ある程度ターゲットを絞ったり、機会を捉えてやっている状況でございます。 ◆向山公人 委員 そこで要望があるんですが。先ほど申し上げましたように、リニア時代を迎えたときに、この地域で、どのような形で長野県駅でおりてもらう必要性をつくっていくのか。どういうところに魅力を持っていけばいいのかということについて話し合う中でも、迎える側の感覚ばっかり言ったって無理じゃないかという意見があります。来てもらえる人たちにとって、どういう地域なのか、どういう機能を持っていれば、行ってもいいよということがあるんで、そういった情報をつかむ方法を取り組みの中でやったほうがいいんじゃないかという意見もあります。  今の推進員の皆さん方が企業に行って話をしてくるときに、例えば今度リニアの時代が来たときに、長野県の場合は飯田に長野県駅ができるわけですが、名古屋にしろ、東京にしろ、企業の求めるものについての意見を一緒に聞いてきていただければ大変にありがたいと思うんですが、そういうことは可能ですか。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 まさに東京・名古屋で、それぞれの推進員等が企業に行くときに、長野県にはあと10年でリニアが来ますということで、社員が通えることだとか、地価が安いといったことについて売り込みはさせていただいております。委員御指摘のとおり、逆に企業さんがどのように考えているのかについて、例えばこれから迎える側の整備として活用していくということも重要な課題だと思っておりますので、そういったところは推進員とも話をしながら進めていければと思っております。 ◆向山公人 委員 最後に、今、お願いをいたしました件ですが、やはり東京や名古屋の企業や個人にもなるかもしれませんが、飯田にリニア長野県駅ができる。時間の短縮が図れる。そういったところに、私どもの長野県に、リニアを通じて求める未来像という点も、推進員の皆さん方にお願いをして、企業を回られたときにはぜひそういった御意見もお伺いをしていただき、情報を提供いただければ、今後に生かせるんじゃないかなと思いますので、よろしくお願いをいたしまして、私の質問を終わります。 ◆村上淳 委員 私からもお願いします。まず、長野県の法人税の関係であります。長野県全体の税収は、5カ年連続で増収で、これはまさに皆様方が大変御尽力いただいているということの証明だと思っております。本当にありがたいことだと思っています。ただ、これから人口減少社会、あるいは生産年齢人口が減っていく中で、今後の法人税の見込みについて、御所見がありましたらお願いしたいと思います。  それから、長野県は平均寿命が全国一長く、そして健康長寿県で有名であります。魅力のある地域と言えると思いますが、本音のところを言いますと、魅力ある地域とは、稼げる社会だと堺屋太一さんがおっしゃっております。また、貯蓄ができる社会ともあわせて述べているわけですが、私は人生観におきます価値観というのは、大分変わってきたような気がしております。ただ、お金を稼げばいいという時代は終わりまして、充実した人生を送りたいといった中で、長野県を選ばれる方が非常に多いと思っております。  過日、長野県議会に入札制度研究会がありました。この中で、今、有効求人倍率が非常に高いんですが、幾ら募集をかけてもなかなか人手が足りない、特に若い人たちが来ない業種の中に、建設業があります。調べましたら、建設業で土日休日をしっかりとっている会社は、実に100社のうち4社しかないそうです。そこで、県の建設部を中心に、こういったことについては、総合評価落札方式で加点をつけてモチベーションを上げていこうということです。現実論として、特に中小零細企業が多い業種ですので、すぐあしたから土日は休みましょうというわけにはいかないんですが。このことについて、県としては、何とか後押しができないのかと。土日休みが当たり前の社会ではありますが、建設業におきましては、非常に厳しい現実があるのかなということですので、ぜひとも、こういったことは建設業ばかりではありませんので、皆さんの力で考えていただかなければいけないと思っております。  それから、いよいよ総合5カ年計画が本年度で最終年ということで、阿部県政にとりましても、一つの節目の年であると思っております。こういった中で、総合5カ年計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略とも重なりまして、今、推進をしているわけであります。この中で県民所得の向上を目指そうということを目標としているわけですが、この目標は達成されたのでしょうか。  それから、今後の5カ年計画におきまして、皆さんの分野で、達成された分野は非常に多いと聞いておりますがその達成率と、逆に達成できそうもない難しい分野があります。こちらについては、今後の計画に生かしてほしいわけですが、その見込みがありましたら御所見をお願いしたいと思います。 ◎内田雅啓 雇用・就業支援担当部長 まず、法人税についてです。法人事業税となりますと、事業所にかかる法人の税金ですから、もし人口が減っていく、若者が減っていくという形であっても、企業それぞれが稼いでいくことができれば、法人事業税は減らないと思います。  私どもも、将来の人口推計において予測するに、かなりの労働力不足が発生すると考えてございまして、そのための施策を打っていかなければいけないというところでございます。そのための施策は幾つもありまして、複合してやっていかなければいけないんですが、一つには、労働生産性を上げていくこと。人が減っていきますから、その分、生産力を増していかなければいけないという部分がございます。それは、先ほどの本郷委員の御質問にもありましたが、AI、ICTを利活用しながら、労働生産性を上げていかなければいけないということがございます。特に県内の中小企業の皆さんは、ICT、AIのことは御存じなんですが、御自分の事業所においてどのように活用して労働生産性を上げていくのかということがよくわからないという人も多いものですから、そのことについて行政が支援をして利活用を図っているというところがございます。  それから、AIやICTを使っても、もう少し労働力がないとだめだよねという部分もあろうかと思います。そういうところについては、例えば女性が育児・出産で職場を離れてしまうことがありますが、育児の支援をするなどの労働環境を整えて、そういう人たちも働けるようにすることが一つございます。  それから優秀な人材を外から呼んでこなければいけないという部分もございますから、U・I・Jターンという形で埋めていくことで、複合した取組で労働力を確保しながら労働生産性を上げて、法人税を維持していくというようなイメージを描いております。  それから、建設業の労働力不足についてお話がございました。こちらも、働き方改革という形で、一緒になって進めていかなければいけない部分がございます。それと、おそらく大学生や高校生の中には、建設業について興味を持っておられる方が結構おられると思うんです。そういう人たちに対して啓発をしていかなければいけないという部分もあろうかと思います。長野県においても、40校以上の大学と協定を結びまして、長野県内で就職してくれるように、大学の説明会のときに長野県のブースをつくって説明をさせていただいているところですので、そういうところにお邪魔をしていろいろな企業を紹介するとか、それから働き方改革については、先ほど土日休みがとれないというところもありますから、土日が休みでなくても、では週に1回・2回、水曜日と木曜日を休みにしましょうというような努力を、一緒になって進めていかなければいけないと考えてございます。  5カ年計画における県民所得については、産業政策課長から申し上げますが、その他の指標で、私のほうで担当しておりますものについて御説明申し上げます。この中には、就業率がございまして、計画策定時は全国第1位を目指してございました。現状は、平成27年の状況ですが、全国第2位でございまして、もう一息というところです。男性の就業率は、長野県は第1位ですが、先ほど申し上げました女性の就業率が、福井県が非常に強く、やはりM字カーブの傾向が強く、結婚・出産・育児後の支援を行って、M字カーブの緩和・解消を図っていきたいと考えてございます。  それから、県内の高校生・大学生の就職内定率という指標がございます。目標では、高校生は100%、大学生は95%と掲げさせていただきました。高校生につきましては、平成29年3月の段階で99.2%でもう一息です。大学生につきましては、平成28年度で97.0%で、こちらは目標を達成してございます。  そのほか、社員の子育て応援宣言登録企業数がございます。会社が、子育てをする職員に対して、やさしい取り扱いをする。例えば少し休日を多くとれる、時短勤務をさせるという制度をつくっていると宣言をした企業さんです。目標では1,500社と掲げておりますが、平成28年度は1,078社ということで、ちょっと苦しい状況ではございます。平成29年度は一層頑張ってまいりたいと思ってございます。 ◎松澤繁明 産業政策課長 私からは、「貢献」と「自立」の経済構造への転換という観点から、次世代産業創出プロジェクトについての達成目標等について、御説明をしたいと思います。次世代産業創出プロジェクトにつきましては、大きく3つ柱がございます。一つは成長期待分野への展開の支援です。それから戦略的な企業誘致や創業の促進、それから産業人材の育成という大きな3つの柱のもとに事業を展開してございまして、その中で達成目標としまして3つございます。  一つは、委員からお話がございました一人当たりの県民所得です。こちらは、目標が全国10位以内としてございますが、平成26年の状況では23位でして、10位以内の目標達成は非常に難しいと思っております。ただ、計画策定時には13位で、その順位を踏まえて10位という目標を立てたんですが、その後、統計の計算方法の変更等により、実際には27位に遡及改定されたという事情もあります。また、御案内のとおり、県内の産業は輸出依存型の企業が多いものですから、リーマンショック等の影響を受けたこともございます。そういった理由から、なかなか目標の達成は難しいと認識しているところでございます。  ただ、プラン策定以降、一人当たりの県民所得自体は増加しておりますし、国民所得との差も縮まってきておりますので、そういう意味では、レベルとしては上がってきていると認識しているところでございます。いずれにしても生産性をいかに高めていくのかが課題になってくると考えているところでございます。  2点目が創業支援資金の利用状況がございます。これは累計で3,600件を目標としていました。こちらは、平成28年度末に3,397件でおおむね順調にきて、目標は達成できる見込みと考えているところでございます。  3点目が企業誘致の件数です。こちらも累計で200件を目標としてきたところです。平成28年度末で174件でございますので評価としては順調で、おおむね目標が達成できるのではないかと考えているところでございます。 ◆村上淳 委員 今、大変力強い御返答があったわけでございます。法人税についても、今後、順調に推移するのではないかとの見込みが立っているようですので、安心いたしました。ただ、長野県には、圧倒的に中小零細企業が多いわけですから、そこら辺のことを注視していただきたいと思っております。  それから、この6月にいよいよ大学生の就職活動が解禁となったわけでございます。1カ月がたちますが、長野県に戻ってくる若者がどのくらいいるのか、見込みがありましたら、お示しをいただきたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 都会等へ進学で出ていった若者たちが戻ってくるのかという御質問でございます。先ほども申し上げましたが、今、空前の売り手市場で、どうしても大手企業に目が向いてしまっている状況がございます。親御さんにも聞いた話ですが、息子さんが県内企業に内定をもらったと言ったら、東京のもっと大きい企業に行けというようなことを言っている親御さんもいるという状況です。今、どうしても親御さんも含めて都会の大手に目が向いてしまっている状況で、ただでさえ売り手市場という中で、県内企業は人集めに非常に苦労しているという状況をお聞きしているところでございます。今までも、県内企業の魅力等を発信してきたわけですが、先ほど担当部長からもお話がございましたとおり、Uターンの協定を結んだ大学等が首都圏を中心に42校ございます。そういった中で、県内の企業の魅力等を発信して、ぜひとも県内企業への就職に結びつけていくよう努力してまいりたいと思います。 ◆村上淳 委員 青木課長さん、本当に御尽力いただいているわけで、苦労も大変だなと思っています。確かに売り手市場は、都会の魅力をますます引き立てるわけです。こういった中で、若者にいきなり帰ってこいといっても、なかなか帰ってこられないのが現実ではないでしょうか。私は木曽に住んでおりますが、木曽にはIHIが約700名、南木曽発条が240名、上松電子が280名と、今、非常にトヨタ自動車関連の企業が活況を呈しております。この3社とも悩みは、若者の就職率が非常に低いということで、ぜひとも木曽の学校を出た高校生の皆さんが就職してくれるといいなという思いを持っているそうです。南木曽発条の場合は、240名中236名が正社員で、圧倒的に正社員の数が多いわけですが、過日、トヨタの本社の営業生産部長さんが木曽へ来ましたので、どうしてこんな木曽地域に、このような企業を育成していただけるんでしょうかとお聞きしたんですね。そうしたら、トヨタ自動車の生産部長は、木曽の成績が非常にいいんだと。100個の物をつくるにしても、完成品がすばらしい出来だと、個々の技量が高いんだとおっしゃっておりました。  今、長野県で生産・販売1兆円を超える企業はセイコーエプソンだけであります。こういった企業が、あと2、3社ぐらい育っていただければ、より良い状況がつくれるのかなと思っております。そういった経営者の皆さんに対する要望事項、あるいは長野県としてこんなことをしてもらいたいという要望があったら出していただきたいと思っております。  それから、先ほど青木課長さんがおっしゃったように、子供たちが長野県に戻ってこられないのは、親の意向と半分は教育もあるんですね。今、郷学郷就とか、あるいは信州学を長野県として売っているんですが、高校の先生たちから言わせると、信州学とか郷学郷就って何のことですかと。地元に魅力をつけることは当たり前だけれども、それを高校の段階でどう教えればいいんですかとおっしゃるわけですね。自然とかいろいろな意味で長野県には魅力があるんですが、そういったことを若年層の皆さん方に教育できる場所を、皆さんと教育委員会でつくっていただくことができないのか、提案とお願いですが、いかがでしょうか。 ◎内田雅啓 雇用・就業支援担当部長 今、ちょうど5カ年計画のほうで、いろいろな事業やその項目立てをしている中で、私どもも小さいときから地元にどんな企業や創業者がいるのかといった教育は必要だと思ってございます。既に市町村の中には、義務教育段階から自分たちの地元にどんな企業があるのかを自分たちで調べて、その企業が何をやっているのかということを訪問している学校もございます。ですから、産業教育、キャリア教育というのは、今のUターンというところにも影響を持ってくるんだと思っておりますので、教育委員会と連携をしながら、新しい5カ年計画の中でも考えてまいりたいと思ってございます。 ◎松澤繁明 産業政策課長 企業のトップの方との意見交換というお話もございました。私ども、例えば先ほども報告しました景気動向調査を通じて、企業の皆さんといろいろな情報交換をしております。企業のトップの方と特に改めてその場を設けてということはやっておりませんが、さまざまな機会において経営トップの方と御一緒させていただきますので、そういった中で、情報交換をしたり、意向をお聞きするというような取り組みを通して情報収集に努めているという状況でございます。 ◆村上淳 委員 松澤課長さん、やっぱりそこら辺はきちんとやったほうがいいと思うんですよね。企業はかなりの努力をしています。それからIoT、ICTといった新しい分野においても、今、県立高校の工業系の生徒が使っている機器、機械、パソコン、コンピュータ、システムが、企業から言うとどうしても時代遅れの部分だということです。これは、我々が指摘をさせていただいている分野でもありますが、こういった中で、インターンシップ等を使ってどんどん企業へ来ていただきたいという中で、就職を進めることができるんだということができると思います。  また、長野県内のトヨタ系の会社の皆さんと話をすると、いい県なんだけど、アセンブリ、つまり組み立て工場だとか完成品に近い工場がないという弱点があるというんです。過日、我が会派で、3.11の東日本地震以来、東北の各企業を回ってまいりました。その中で、トヨタ系だけではないんですが、アセンブリの会社ほど、再びその地で工場を始めた企業が幾つもあるんですね。そこでなければならない、そこへ行かなければいけない個々の技術を持っているわけですが、こういったものを目指して、幾ら機械産業とは言いましても、そういった分野は、個々の力量も問われるわけです。そういった形で、長野県で同じ企業誘致でも、アセンブリの組み立て工場に近いような、自動車産業ばかりでなくてもいいんですが、そういった企業を目指されたらいかがかなと思うんですがいかがでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 組み立て工場、組み立て産業は、製品の最終段階に近いところになってくるかと思いますが、その辺が、今まで長野県の製造業が培っていた技術と若干ギャップがあるのかなという感じはいたしております。やはり、我々の県が得意とするのは、精密加工技術や電子技術だったりというところがあるんですが、最終的に商品に組み立て上げるところは、まだまだ弱いのかなというのが実態でございます。  私どもが、工業技術総合センターを中心としまして、県内のものづくり産業に対する技術動向調査をやっているところですが、この辺につきましても、中核技術として挙げられているのが、そういった精密加工技術や加工技術、材料技術といった比較的川上産業に近いところでやっていきたいと言っているところです。ではいかに設計から始まって、商品開発といったところを強めるかというところが、今後の課題と感じているところです。  そういったものも含めまして、県のものづくり産業振興戦略プランの中でも、これから研究開発型企業を育成しようという取り組みを、5年前から始めたところでして、テクノ財団、工業技術総合センターが中心となって、下請企業でそういった完成品ができるとか、また川下企業に提案ができるような企業に育てていくという事業をスタートさせているところでございます。ぜひこういったものを継続しながら、企業が成長できるような取り組みを行ってまいりたいと考えております。 ◆村上淳 委員 ぜひお願いしたいと思います。最後になりましたが、先ほど向山委員からリニアの話が出ました。過日、浜松を中心に各企業を回ってまいりました。その中では、リニアではなくて、三遠南信自動車道の話が出ました。三遠南信自動車道が開通したときの期待度を、反対側の浜松からの見方を見させていただきまして、少し驚いたんですが、浜松の工場群からすると、10年後のリニアよりも、むしろ三遠南信自動車道に非常に期待をしたいということです。これは、物流と同時に、一斉に上伊那・飯田方面から、働き口を求めて浜松へどっと人口が流れるんではないかということを、今、ホンダ、ヤマハ、トヨタの関係を初め、数社いたことに私も驚きました。そういったことも、既に企業はスタートしているわけであります。ふたをあけてみたらびっくりして、人口が流れていったことにならないように、皆さんとしましても、その対策をしっかりとしていただき、魅力ある本県をつくっていただきたいと思います。 ○中川宏昌 委員長 午後3時15分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後3時2分 ●再開時刻 午後3時16分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣し、引き続き、委員の質疑等発言を許可した。 ◆吉川彰一 委員 それではお願いします。補正予算の関係で、プロフェッショナル人材戦略拠点事業ということで2,000万円ぐらい計上があったと思います。確か、よろず支援拠点だとか、私も登録しているんで、それでだめなんだと思うんですが、一応、県内のプロフェッショナル人材は一通り登録ができていると思うんですが、それとどこが違うのかということと、それからおととしだったと思いますが、国でプロフェッショナル人材の事業をやったと思いますが、それと何か関連性があるのかということを教えていただきたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 プロフェッショナル人材戦略拠点事業についてでございますが、先ほどのお話のありましたよろず支援拠点と専門家派遣事業が、多分、企業のほうへ専門家の方を派遣していただいて、そこで相談を受けていただく、よろず支援拠点も同じような事業になってございます。今回のプロフェッショナル人材戦略拠点事業のほうは、経営者協会に委託をしまして、まずはそこのところに、マネージャーとサブマネージャーたちが企業を回って、企業の方が専門人材をほしいと、まさに人材を直接呼び込む事業でございまして、そのニーズを首都圏等の人材ビジネス事業者と連携をしまして、求職者を探してマッチングをさせるというものです。このような形で、専門家を派遣する事業とマッチングする事業といったところで違いが出てきてございます。過去、この事業自体が平成27年11月ということで、多分、プロフェッショナル人材としては、平成27年の11月からスタートしたものでございます。 ◆吉川彰一 委員 実際、運用してみて、効果が出ることを期待したいと思いますが、また運用状況を教えていただければと思います。  続きまして、向山委員と村上委員からお話がありましたが、飯田・下伊那が航空宇宙産業クラスター形成特区となっております。国家戦略特区と言いますと、恣意的に選ばれているという印象が最近の報道であるんですが、何か特定の人物が恣意的にやったりということはあるんでしょうか。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 特区につきましては、下伊那地域、上伊那地域、諏訪地域まで、特区を拡大したところでございます。やはり、今の集積の度合いとか、静岡や愛知、三重と連携をして、航空宇宙産業をしっかり呼び込んで、特区としてやっていこうということで特区申請をしたものでございますので御理解をいただければと思います。 ◆吉川彰一 委員 特区になると、何かいいことがあるわけなんですか。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 特区のメリットでございますが、例えば国の支援措置でいきますと、税制面で、税制の償却ですとか、税額控除が受けられたり、利子補給の金融等の制度であったり、それから規制の特例であったりといった形のメリットがあります。 ◆吉川彰一 委員 その規制の特例っていうのは、何なんですかね。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 規制の特例の関係ですが、工場の増築にかかる建築規制の緩和ですとか、輸入品の関税のフリーゾーン化といった中身になっております。 ◆吉川彰一 委員 結局、航空宇宙産業というと、最近、三菱航空機でつくっているMRJと関連があると思うんですけど、どれぐらい関連があるのか教えていただけますかね。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 三菱のMRJにつきましては、三菱重工の子会社である三菱航空機が設計、開発しているものでございます。国内の部品が使われている率は約3割と言われております。エンジンは海外製を使っているということで、一部の製品は長野県内でつくられていると承知しておりますが、多くは海外からの輸入品でございます。 ◆吉川彰一 委員 そのMRJは、非常に不調だというお話を聞いています。そのことに特に左右されずに飯田・下伊那はいけるということで、間違いないでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 今、MRJがアメリカでテストを繰り返しておりますが、なぜ最初の引き渡しが遅れたのかということですが、やはりYS-11から始まって50年間ぐらい、我が国には航空機産業がなかった状況でして、FAA(アメリカ連邦航空局)の認定を受けるに当たりまして、どのような設計をして、どのようなことをすれば、FAAをクリアできるのかというノウハウが三菱の中になかったことが要因でございます。現在は、FAAの試験をクリアした実績を持つ技術者をアメリカから数百人呼んできまして、その人たちが設計に携わることによって試作機を開発して、第5号機、6号機、7号機ぐらいで、新たな設計をし直した飛行機を完成させて、最終試験をクリアするという状況になっております。そういった観点からいきますと、試験は、今後、順調に行くんではないかと考えております。 ◆吉川彰一 委員 わかりました。次に、日本酒の振興について、質問させていただきたいと思うんですが。関東信越国税局の鑑評会の結果を見ますと、新潟のお酒が大分勢いがある中で、長野県の日本酒について、何か振興策があればお話しいただきたいということと、農林水産省のホームページを見ますと、日本酒に合った酒米を開発することももちろんなんですが、例えば麦で言えばおいしいビールが飲める麦の開発ですとか、農政部と結構協力しないといけないような場面があるのかなと思いながら見ているんですが。実際、長野県においては、どれぐらい協力関係があるのかということをお話しいただきたい。あと日本とEUでEPAを結ぶ中で、ワインの関税を撤廃するという話の中で、本県についてどの程度影響があるのかということ、あるいは逆にこちらから海外に打って出るような策があるかどうかということをお話しいただければと思います。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 3点いただきました。1点目が、長野県の日本酒の特徴の話です。今、お話しいただいた日本酒の中でも、淡麗辛口というのが新潟県のお酒の特徴です。あと、実は、鑑評会では、福島県が5連覇していまして、長野県は残念ながらまだその下なんですが、逆に長野県のお酒の特徴を申し上げるとすれば、新潟県のようなすっきりした同じお酒がずらっと並んでいるわけではなくて、地形に合った米を使うことによってそれぞれのお酒の味が違いますので、気候に合った米と水でつくって、個性がそれぞれ違って、県の事業の中でも百花繚乱とさせていただいて、80近くある蔵のそれぞれ違った味が長野県の特徴だと思っています。強いて言うと、酒蔵めぐりですとか、それぞれの酒蔵のお酒を飲んでいただくには格好の素材だと思って、PRのもとにしてございます。  2点目が、農政部との連携でございます。まさに、うちはお酒全体の司令塔ということで使命を受けているんですが、観光部と農政部とも協力させていただく中で、農政部は生産のところで、具体的には酒米やブドウの生産、あるいはほかの材料についても、例えばブドウについては、今、苗木がないものですから、苗木の緊急対策ということで、ブドウの苗木は試験場でもつくっていますし、お米についても、新しい酒米の開発を、農政部で取り組んでいただいています。それが、実際実を結んで、もう間もなく新しいものができます。そんな形で農政部並びに観光部とタッグを組んで連携をして、早期に成果が上がるような取り組みをしています。  最後に、EUとの経済連携協定、EPAの関係について、いろいろな報道がされたところです。最終的に、ワインが最初に決着しちゃうと思ったんですが、それに先立って南米のチリと契約が結ばれていまして、激変緩和措置ということで、約7年以上、段階的に関税をというのが今までの考え方で、TPPも同じ考え方をとっているものですから、今回、同じ標準をかけたんですが。日本車の関係の関税とのバーターの中で、どうもワインの関税は締結と同時に一気に、約94円ぐらいになると思うんですが撤廃されるということが、日本に条件として提示されています。今回、決裂して、6日以降、再交渉という話があります。そういうことになりますと、当然、価格自体の課題が起こってきますので、一つは、ワインとともに日本酒におきましても影響がありますので、酒類全体、ひいては地酒産業全体、飲食店にもかかわるかもしれませんが、その辺のところにも影響が及ぶと思っております。 ◆吉川彰一 委員 9月議会は、時期的にシードルのお話を聞きたいと思いますので、お願いいたします。最後に、佐藤労働委員会事務局長さんに、基本的な質問をお聞きします。労働委員会と労働審判って、何が違うんでしょうか、それだけお聞きして終わりにしたいと思います。 ◎佐藤尚子 労働委員会事務局長 まず、労働委員会の制度について、簡単にお話しさせていただきます。労働委員会制度は、もともとは労働組合法で規定されているところでございます。もともとは労働組合と使用者との間の争いを調整していくということがベースでございます。現在は、それに加えて、個人の労働者の方と使用者の方とのあっせんも行っているところでございます。  労働審判は、裁判所で行っている制度でして、裁判所で労働審判ということで、労働関係の調整を行っているものでございます。基本的に、実施主体が違いますし、裁判所ではお金がかかったりしますが、労働委員会のほうは無料でやっています。それから労働委員会のほうが、労働者側、使用者側、公益委員という三者の立場から丁寧に対応しているという点が大きな特徴となっておりますのでよろしくお願いいたします。 ◆山岸喜昭 委員 私からもお願いします。資料4の中小企業の融資制度についてでございます。融資可能額800億円と設定されておりまして、あっせん率が6.6%ということですが、これは十分に活用されているのかどうか。そして活用がされていないのであれば、この制度の使い勝手がいいのかどうかということを、お願いしたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 あっせん率のお話でございます。今の段階でいきますと、4月・5月の2カ月の資金需要の部分をやっておりまして、この800億円に対して6.6という数字でございます。ただ、近年、実際の融資可能額、例えば800億円に相当する金額のあっせん実績も、なかなか伸びなかったところがございまして。そういったことから、先ほど申し上げました借りかえの制度ですとか、委員からお話のありました使い勝手ですね。まさに企業の皆さんに制度資金をしっかり活用していただくことが重要ですので、先ほどの借りかえのお話であったりや事業承継とか、設備的なものでもしっかり活用いただけるように。あと企業さんのほうで、経営改善サポートという形で、どちらかというと、市中の金融のほうが活発に動いているような状況もございますので、制度資金の役割としては、なかなか市中では借りられないような企業の皆さんの声にも応えられるように、使い勝手等についても改正したところで、しっかりPRしてやっていきたいと思っております。 ◆山岸喜昭 委員 なるべく使い勝手のいい制度でお願いしたいと思います。この中で、特にいいなと思うのが創業支援向けの設備資金がありますが、今、起業する皆さんがふえていると捉えていいんでしょうか。 ◎町田直樹 創業・サービス産業振興室長 先ほどの御質問にもお答えしましたが、相談件数、融資件数は右肩上がりにある状況は言えると思います。実際、全国的な開業率等を見ますと、平成27年度が3.91%で全国39位です。全国的にはなかなか伸びないのが実情かと思っております。 ◆山岸喜昭 委員 新しく起業するというのは、制度資金があるとしても、使えないというか、やらないというか、今、そんな時代だと思います。次に、資料8の日本酒の関係でございます。新しい企画の中で、ラベルデザインに女性の感覚を取り入れるということでございます。その中で、先ほどもお話が出ましたが、しっかりと支援していくには、元来から長野県で取り組んでおります原産地呼称管理制度があると思うんで、これをもっと前へ出していったほうがいいと思うんですが、その辺につきまして、お願いします。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 平成14年から長野県では全国に先駆けて、原産地呼称管理制度ということで、長野県の材料を使っていい物を、専門家の味見を介した上でしっかりこう表に出すという制度を運用しています。お話のとおり、このことによって、実はワインや日本酒の品質も上がったといった成果はあります。ただ、課題としては、実際に参加できるのは、例えば80の蔵のうちの3割ぐらいということで参加率が低いという現状があります。そんなこともありますと、必然的に物が少ないものですから、なかなかPR力がなくて、商品の棚に並ぶ、この赤いシールがなかなか目につかないという課題があります。  そこで、実は委員から質問をいただいたこともあったりして、今、専門家の意見を聞きながら、制度の改正を考えています。具体的には、国でも少し長野県の制度にならって、地理的表示というGI制度の運用に当たって、長野県の制度とうまく整合性をとりながら、一番の主体は各製造業者、具体的には酒造組合様ですとか、長野県ワイン協会様ですので、そちらの方とよく話し合いながら、今のお話の原産地呼称管理制度は、消費者の方によりPRできる形にしながら、事業者の方が活用できる方法に変えていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 ◆山岸喜昭 委員 ぜひ、いい制度を使っていただきたいと思います。それと、お酒とワインの振興も大変よく取り組んでいるんですが、ワインは、今、信州ワインバレー構想ということで取り組んでおりまして、先ほども外国からの税の免除ということで、これからワインも厳しい時代になるかと思います。今の信州のワインバレー構想はどのくらいまで進んでいるのか、また信州ワインの魅力の発信を、サミットで使うなどいろいろしていますが、これからしっかりとワインも売っていかなければいけないということですので、そちらのお取り組みについて、お願いいたします。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 ワインバレー構想のお話をいただきました。ワインバレー構想は、平成25年に、特徴とすれば、産官学でワイン振興に取り組もうということと、もう一つは、ワインバレーと言って県内に4カ所の地区指定を行って、そこにワイナリーを集中させようという作戦で取り組んできたところでございます。具体的には、先ほど申し上げた原産地呼称管理制度の普及ですとか、プロモーションあるいは農政部が取り組んでいます人材育成という形で、実際に取り組んできています。  1つ目の成果でございますが、人材育成につきましては、農政部が、生産アカデミーという形で、素人がワインづくりに取り組む場合の栽培技術や醸造技術、経営のノウハウや借入の方法を勉強していただく1年間のコースを設定していただいています。そのときは25のワイナリーだったんですが、今は33にふえています。予備軍もありますので、ここ数年では10ぐらいふえる形をとっています。  2つ目は、品質の向上についてです。原産地呼称管理制度がうまくはまりまして、コンクールとかで一番端的なのは、今、おっしゃっていただいたサミットで採用されました。  最後にプロモーションに関しましては、個々のワイナリーの売り込み、あるいは市町村の売り込みはあるんですが、NAGANOワインとしましては、NAGANOワインであることが一体としてわかるようにということで、東京の帝国ホテルでワインのフェスティバルを開かせていただきました。おかげさまで、大分、東京での発信がかなっていますし、毎日の発表は、銀座NAGANOにおける商品の中で、一番多いのがワインになっています。ワインと日本酒を、しっかり東京の銀座NAGANOで売っていただくことをやっていただくことでプロモーションが成功しています。目標値は定めていますが、順調な形で、ホップ・ステップのホップのところまでは上がってきたと思いますので、今後より加速できるような形をとってまいりたいと思います。 ◆山岸喜昭 委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。続きまして、先ほどからお話が出ていますように、県内の有効求人倍率が1.5でございまして、大変、買い手市場ということでございます。そんな中で、一般質問の中でも何人かが取り上げておりましたが国家戦略特区ということでございます。農業関係につきましては、特区で外国人を受け入れるということで取り組んでおりますが、これから医療や介護関係、そして建設業関係、飲食業関係等、人手が足りなくなると思われます。求人がふえるということですが、なかなか人がつかないということでございます。この外国人技能労働者の受け入れについてはどのようにお考えでしょうか。 ◎内田雅啓 雇用・就業支援担当部長 外国人労働者の問題についてです。この件につきましては、過日、本会議でも丸山委員からの御質問に、知事、部長からお答えさせていただいたところです。庁内で部局横断的なプロジェクトチームをつくりまして、外国人の利活用について検討をしているところでございます。その中で、国家戦略特区をつくりまして、農業に外国人が働いていただけないかということで手を上げたということで、全国にはほかに5カ所乗り遅れることなく手を上げたということです。この国家戦略特区は、非常に幅の広いものでございまして、枠をつくるということですから、一旦枠をつくって認められますと、今は農業ですが、その後、建設関係でも実行計画をつくりまして、それが認められれば、その中でまた利用することができるというものでございます。  あと、今、検討チームの中では、将来的に人手不足になるところについて、では外国人労働者を利活用できるのかどうかということでございます。おそらく、今の段階では、信州大学等に留学をしている皆さんがおられますので、高度人材、技能実習生といった部分を、もう少し地元への就職ができないのかどうか。おそらく一般労働者となりますと、いろいろな障壁や地元との課題もございますので、そこはこれからいろいろ考えていかなければいけない部分でございます。留学生につきましては、例えば信大には350名ほど来ておられまして、卒業した後はほとんどが県外へ出てしまいますので、そういった皆さんを県内に何とか就職していただけないか。高度人材でございますし、既に日本語も習得していることを考えれば、県内へ就職していただければなと考えております。今後、5カ年の計画の策定に向ってプロジェクトチームのほうで、どんな形で県として考えていくか取りまとめてまいりたいと考えてございます。 ◆山岸喜昭 委員 また御検討をお願いしたいと思います。続いて資料12の労働相談の状況でございます。昨年に比べて労働相談の件数が5.1%上昇しているということです。この要因はどんなことであったのか。どういうことでこういう問題が起きているのかということにつきまして教えてください。
    ◎青木隆 労働雇用課長 資料12でも御説明申し上げましたが、労働条件についての相談がふえてございます。やはり賃金の状況について、当初、思っていたよりも賃金がもらえないとか、賃金の支払いが遅れているといったような案件で、労働者が少し不満に思っているようなものを中心に、相談件数がふえている状況です。 ◆山岸喜昭 委員 昨年からもふえているし、ことし、またふえるのかどうかわかりませんが、こういう苦情・相談が少なくなるようにしていかなければいけないと思いますので、お取り組みをお願いしたいと思います。  もう1点、先ほどからお話が出ております若者の首都圏への流出ということで、大手企業のほうへ目が向いているということでございました。今、地元の町や村で、後継者が大変不足しているということ、そして、経営している者が高齢化になってきて、事業引き継ぎがなかなかできないという事例が何点か起きております。その中で、事業引き継ぎ支援に取り組まれておりますが、事業を引き継ぐ若者がいないとか、またさっきも言いましたけど、起業する若者がなかなか出てこないということ、自立するということをもっとわかってもらえるような人材育成をしていかなければだめじゃないかなと思うんですが。親がやっていたことを息子が帰ってきてやるということが、今なかなかうまくいかないという事例がありますが、その辺につきまして、お願いいたします。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 事業承継のお話でございます。後継者不足ということで、お話のありましたとおり、後継者の不在率は、民間の調査でいきますと、長野県で65%近くになってございます。事業引き継ぎに関して言いますと、確かに、実際に後継者の息子さん、娘さんたちが、なかなか戻ってこないというようなお話もございます。具体的に事業承継の関係でいきますと、そういったところについては、また後継者対策という形でいきますと、親族内調整であったりとか、M&Aみたいなもの、従業員承継といったものを、後継者バンクという登録制度も設けまして、後継者対策もしっかり引継センターのほうと連携をしてやっていきたいと思っております。 ◆山口典久 委員 それでは、私からも質問させていただきます。最初に商店街の振興策についてお伺いします。平成26年商店街実態調査報告書を見せていただきました。中身を見ると、特に商店街数の激減が大きな特徴だったと思います。昭和56年に454あった県内の商店街ですが、平成26年には241まで激減しています。商店街は、言うまでもなく、地域経済にとっても、お年寄りなど生活弱者の生活を支えるという点でも、防犯上の問題でも、地域の大事な柱だと思っているところです。そこで、どうしたら商店街を元気にしていくことができるのか、どういう対策が必要であり、また望まれているのかということですが。産業労働部が行った調査によりますと、例えば栄えている元気な商店街の特徴と、逆に衰退している商店街で何が必要と思われるのか。空き店舗対策等いろいろなことに共通していることは、どのように魅力ある店をその商店街に生んでいくのか、そして商店街自身をどういうふうに魅力のあるものにしていくのかというところにあると思うんです。もちろん後継者の対策も大事ですし、経営改善のためのさまざまな支援も求められていると思うわけであります。  魅力ある商店街をどうつくっていくのか、特に空き店舗対策をどのようにやっていくのかということですが、調査によると、何もしていないという商店街が7割を超えているとのことです。これは、何をやったらいいのかわからないのか、それとも何かやらなければいけないとは思っているが、なかなかまとまらないのか、その要因はいろいろあると思うんですが、その辺はどのように分析をされているのでしょうか。  そして、空き店舗対策という点で、魅力ある商店街をつくる上での、県としてこの間行ってきていただいた施策の取り組みの状況と課題などについて、お伺いできればと思います。 ◎町田直樹 創業・サービス産業振興室長 今、御紹介のございました商店街実態調査の結果については、委員御指摘のとおりでございまして、空き店舗率が8.8%までふえている状況です。一番の課題は、この前も商店街の連合会等の総会に出席させていただいたんですが、商店街としての活動を取りまとめていく人材が不足していること、要するに自分の店舗の経営だけで手いっぱいで、商店街そのものの活動を率先してやっていく人材がいない。また、世代交代も進んでいないというのが一番の課題だというお話を伺ってまいりました。確かに、商店街そのものの活動としてやっていくには、人材が必要でもしかしたら専門的なアドバイザー等の制度を活用する等の施策も必要なのかもしれません。そういったところが課題だと思っておりますし、では何が必要なのかということで、一番皆さんから答えの多かったのが個店の魅力アップということで、商店街というよりも商店そのものの魅力を高めていく必要があるのではないかということです。  県といたしましては、空き店舗対策とあわせて、外からも若者を中心にやる気のある人材を入れていく必要があるんじゃないかということで、今、「信州で始めるあなたのお店」という事業をやっておりまして、リノベーション的な視点も含めて、空き店舗ではあるけれども、歴史的な価値があるんじゃないかといったことを再発見するところから、新たにお店を継いでいただける人を発掘しようという試みをやっております。ことし、2年目になりますので、もう少しその辺の成果を見定めたいと思っております。 ◆山口典久 委員 ぜひ期待したいと思います。同時に、県が行っていただきました商店街の実態調査の報告書を見ると、新たな開業率が6%である一方、廃業率が6%という状況です。しかし、開業率6%というのは、頑張っているというような印象を持ったんです。こうやって開業された皆さんが、実際に開業をしてみて、商店街で商売を続けていく上でなさっている御苦労や、よかったと思っていること、その後どうだったのかというフォローが必要だと思うんですが、そういうことはされているんでしょうか。 ◎町田直樹 創業・サービス産業振興室長 個々の商店街にそういった聞き取り調査は必要だと思っておりますが、前回の調査以降、具体的にそういった取り組みをしておりません。今年度、再度、この調査を実施する時期に当たっております。その中で、皆さん方の御苦労等も含めて、御意見を聴取できればと思っております。 ◆山口典久 委員 頑張って開業されていらっしゃる方の声というのは、さまざまな教訓や学ぶべき点があると思いますので、ぜひそれはお願いをいたします。  次に、多様な働き方等労働環境実態調査について、お伺いいたします。この多様な働き方等労働環境実態調査について、私も全部目を通させていただきましたが、その中で、今、短時間正社員の制度も一つの大事な形態かなと思っているんです。短時間正社員について、名前や内容を知っているという方は、8.3%という数字も出ていました。まだまだ知られていないのかなとも思うわけです。こういった労働形態を推進していく上で、いろいろな課題があると思うんですが、今、どのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 多様な働き方についての御質問でございます。現在、県では、昨年の2月に、経済団体、労働団体、行政機関等を含めて、長野県働き方改革・女性活躍推進会議を立ち上げてございます。こちらで、関係機関等と連携しながら、いかにその企業に働き方改革の重要性等を知っていただくかということを、順次検討しているところでございます。まだ実際に目に見えた成果はあらわれておりませんが、成果が上がるような形で検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。 ◆山口典久 委員 次に、賃金の問題ですが、年収200万円未満の方が男女合わせて7割を超えているんですね。そうした中で、今後の働き方や会社への要望ということで言えば、賃金格差の解消というのが56.5%と非常に高い数字だと思うんです。また、行政への要望でも、最低賃金の水準アップが一番高い比率だったと思います。もちろん、賃金は誰だって高ければ高いほどいいわけですが、長野県の年収200万円未満が7割を超えているということや、賃金格差の解消を56.5%の方が望んでいる状況は、他県と比べてどうなのかなということについて、何か掌握されていらっしゃったら、お願いします。 ◎青木隆 労働雇用課長 他県との比較ということで、今、手元に資料がございません。申しわけございません。 ◆山口典久 委員 それでは、労働時間に関して、時間外労働がないという答えですね。それから時間外労働が2時間以上というのが、今回の調査では増加している。2時間以上の方は、2.7%から3.3%へ増加しております。この増加の背景については、どのように掌握されているのでしょうか。 ◎青木隆 労働雇用課長 考えられるものということになってしまいますが、今のところ景気が回復基調でございます。一方で、人手不足ということで、なかなか雇えないという状況もございます。そういった中で、今いる社員で何とか注文に対応していなかければいけない中で、労働時間が長くなっているのではないかと考えるところでございます。 ◆山口典久 委員 そういう中で、今、お話しがありましたが、景気が回復基調にある中で、人手不足が背景にあるのが事実だと思うんですよね。しかし、そのことが心身をむしばむような苛酷な時間外労働を生んでしまうこにならないように、県のほうでもよく掌握をしていただきたいと思います。そういった点で、改めて時間外労働の問題について、施策として行なおうとしている対策などがあったらお願いします。 ◎青木隆 労働雇用課長 県の施策として、これはという切り札的なものはございません。先月も、長野労働局と県で、経済四団体を初めとした団体に、夏の勤務スタイルで「ゆう活」(ゆうやけ時間活動推進)ということで、企業のほうでも働き方改革に取り組んでいただきたいという要請をしているところでございます。 ◆山口典久 委員 ぜひその点はお願いしたいと思います。多様な働き方等労働環境実態調査を行ってみて、今、個別の課題でいろいろ質問させていただきましたが、総論として長野県における働き方の環境をどのように捉えていらっしゃるのか。そして、今後、どういう課題があるのか、県としてどのような施策が必要と考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 今、国を挙げて働き方改革について取り組まれているわけでございます。当然、現在、検討をしております次期総合5カ年計画でも、働き方改革というのは一つの大きな柱になってくると想定されるところでございます。現在、今すぐにというものはなかなか申し上げづらいんですが、当然、検討をする中で、経済団体・労働団体の皆様方の御意見も聞きながら、大きな柱にして、次期5カ年計画で実現するような形にしてまいりたいと思っています。 ◆山口典久 委員 最後に、今回の調査も、常用労働者10人以上の事業所を対象に行われたものであると思います。一方で、常用労働者10人未満の事業所も県内に多く存在し、実はそういうところの実態がどうなのかということについては、なかなか表に出ていないように思うんです。それで、10人未満の事業所については、このような労働環境の調査は行われているんでしょうか。また、行われていないとすれば、今後の予定などがあればお願いしたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 企業規模の小さいところも調査対象に含めるとなると、当然、事業所数がふえてくることで、予算的にもかなりかかってくることが想定されます。そうはいっても、小規模事業者の実態がどうなのかということも含めて、今後も雇用の実態調査を行ってまいりますので、そういった観点も含めて検討してまいりたいと思います。 ◆山口典久 委員 実は、10人未満の小さな事業所を歩いてお話を伺ったりしますと、俺たちなんて最初から相手にされていないとおっしゃるんです。そんなことはないんですが、事業規模が小さいけれども頑張っている事業所の比率は、県内においては高いし、実はそこに本当の打開すべきことなどがあるんではないかと思っているんです。ですから、ぜひ、予算がかかるでしょうけれども、10人未満の零細企業の実態も掌握していただくように、お願いをしたいと思います。 ◆丸山大輔 委員 それでは私からも何点かお願いします。先ほど来、有効求人倍率が大分高くなってきて、景気動向がよくなっているというお話です。賃金の動向というのはどうなっているのか、東京の非正規は大分上がっているとの話も聞きますが、県内の正規・非正規の賃金動向がもしおわかりになれば、教えていただきたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 賃金の動向ということでございます。春季の賃上げ動向の把握を県で実施しておりまして、最終的には、6月末現在のものを取りまとめて8月に発表する予定でございます。現在のところ、第一報の段階では、賃金要求額に対しまして、当然、妥結額のほうが低い状況でございますが、賃上げの状況のみを見ますと、平均要求率では3.68%でございましたが、賃上げ実施上昇率につきましては1.6%という状況です。これは企業規模に応じて、当然違うわけでございますが、企業規模の大きい企業ほど、賃上げ上昇率は高くなっているということで、1,000人以上の規模の企業については、1.99%という状況でございます。  ただ、労働組合や連合長野さんと懇談をする機会がございまして、連合長野さんの調査によりますと、規模の小さい企業の方が、逆に賃上げの幅が大きかったという状況もございます。最終的には8月にまとめる状況でございますので、そのときにまたお知らせしたいと思っております。 ◆丸山大輔 委員 新規採用職員の賃金動向について、何か情報はありますか。 ◎青木隆 労働雇用課長 初任給の状況について、県ではそこのところの調査はしておらない状況です。 ◆丸山大輔 委員 わかりました。感覚としますと、労働力不足にもかかわらず、なかなかそれが賃金に反映されてきていないという状況があるんではないかと考えております。将来不安ということもあるんで、なかなか、賃金の上方硬直性とか下方硬直性という話をよく言われますので、そういったことも原因にあるのかもしれませんが、ぜひそこら辺を打開していただくことが景気回復にもつながっていくと思います。先ほども海外依存度が強いために、不安がなかなか解消しないというお話がありましたが、ぜひそういった状況を皆さんで打開していっていただきたいと思いますし、若干、ブラフでも、もう大丈夫だよっていうようなことを発信していただくと、社長さんもいい気になってどんどん採用しようということもなきにしもあらずだと思いますので、ぜひ、厳しい話も大事かもしれないんですが明るい話題を出していっていただきたいと思います。  次に、制度融資の件で、先ほど山岸委員からも使い勝手についてお話がありました。塩尻市の例でいくと、市の制度のほうが割と使いやすいもので、金融機関は市の制度を優先的に勧められているというお話があったんですが、全県的に言うとどんなような状況なのか、おわかりになれば教えていただきたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 現在の制度資金のあっせん状況でございます。これは信用保証協会の調べになりますが、通常ですと、保証協会が保証するものには、一般の金融機関のもの、市町村のもの、県のものという三つがございます。それぞれ、平成29年の5月末現在ですと、一般が前年比89.2%、県が103.2%、市町村が96.9%ということで、こういった現状の中では、県の制度については、前年比では伸びているという状況でございます。 ◆丸山大輔 委員 そうですね、借りかえも入れていただくなど制度改正もしていただいて、使いやすいように取り組んでいただいていると思います。1点思うのは、これから新規の創業を多く進めていきたいことの中にあって、やはり、中にはどうしても立ち行かなくなって廃業することも可能性として十分あるわけであります。創業をふやしていけばいくほど廃業もふえていくわけで、そういったときに、今、日本は、伝統的に会社をつぶすと後ろ指を指されて人でないような扱いをされるような感じがあるわけです。本来は株式会社であれば、その出資の範囲内で責任を負えばいいのですが、経営者保証が、どうしても家屋敷も失うような状況を招いているということで、非常に大きな問題があると考えております。  経営者保証に関するガイドラインが出されているわけですが、なかなか実効性がないというお話も聞いている中で、例えばマル経の小規模事業者経営改善資金の無保証・無担保の資金が、もうちょっと充実すればいいんではないかなと思うわけです。例えばマル経で言うと、サービス業だと従業員5人以内だとか2,000万円以内というような制限もあるわけで、こういった部分の補強をしていくお考えがないかお聞かせいただきたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業立地・経営支援課長 最初に経営者保証のガイドラインのお話がございましたが、経営者の個人保証について、多額の保証を求めないとか、このガイドラインに沿いまして、県の保証協会でも、これまで平成26年2月から平成28年3月の26カ月の累計ですが、新規に無保証で融資した件数は20件ほどという数字も出てございます。実際にガイドラインに、私どももしっかり金融機関等と意見交換をしながら、金融機関と、そういう機会にはPRをさせていただいているところでございます。  制度資金のところ、無担保・無保証、今、市中でも事業性評価というような形で、事業を見てという形でやっているケースもございます。私ども、保証協会にお願いをしているところがありますが、今、金融庁の行政方針もできるだけ広げていこうというお話もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。 ◆丸山大輔 委員 ありがとうございます。ぜひいいものをつくっていただければありがたいと思います。最後に日本酒の関係で、先ほど関税撤廃というお話がありまして、私の情報が正確かどうかわからないですが、7.7ユーロ、950円、100リッターなものですから、リッター当たり9.5円で、大した金額ではないんだと思います。どちらにしても、今、海外の日本酒需要は非常に高まってきておりまして、大手は、大分、輸出に力を入れ始めていると聞いております。なかなか、県内は小さい酒蔵が多くて、輸出というところまで手を出せるところは多くないという状況であります。今後、日本の需要は、どうしても人口減少の中で減っていくことが予想されますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思うわけですが、そういった面でのお考えはありますか。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 今、質問をいただきましたのは、EPAの話の中で、先ほどワインのお話をさせていただいたんですが、今度はEU向けについて、現在は約10円程度の関税がかかっているんですが、それを即時撤廃するという話を向こうがバーターとして挙げてきた話をされたと思うんです。海外の勢いを取り込むことは、日本酒に限らず大事なことだと思っています。今回、予算をいただいて、まずは酒蔵の皆さんのインバウンド振興に対して、セミナーを開催させていただいて、外国人対応、ネット販売ということで、海外の方が来ていただいて買いやすいようなことをやっていますし、もう一つは輸出についても大事で、実は、私、前から輸出はある程度ロッドがないとだめだと思っていたんですが、経営支援課さんにも協力をいただいて、海外の展示会にここのところ日本酒の方が手を上げていただいて出店していただくと、意外にロッドが少なくても、いい物はしっかり売れるということがわかりました。  ただ、輸出コストがかかるものですから、やり方を考えまして需要に応えればしっかりいい物として売れますので、大量な輸出という形にはなりませんが、海外の方に喜んでいただいて、それをきっかけに日本に来ていただいて、インバウンドの増加並びに酒蔵観光につながるような好循環を生み出していこうと考えてございます。 ◆丸山大輔 委員 やっぱり手続ですとか、向こうでの免許のあるような関係もありますので、小さい酒蔵が取り組める輸出の事業を、何かプランニングしていただければありがたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ◆花岡賢一 委員 それでは私からもよろしくお願いします。先ほどの日本酒の振興のことで、輸出はロッドという話だったんですが、シンガポールは大吟醸も売れるという中で、需要が調えば輸出できるという答えではあったんですが。佐久の企業でなんですが、海外への輸出が好評である背景には、日本食人気との絡みもあって伸びていくんだろうという見通しの中で取り組まれているんですが。その中で、通年輸出できることが条件だと言われたところがあったと聞いています。その辺は、海外に対しての戦略としては入れていくべきだとお考えでしょうか。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 実は、先日、長野県内の酒屋では、諏訪市の宮坂醸造が量とすれば一番多いものですから、その方を招いて懇談会を開催したときに、社長さんから輸出は環境が厳しいものですから、なかなか元を取るのは難しいというお話をいただきました。確かに、例がいいかどうかあれですけど、東北のような大酒蔵は、海外に打って出てしっかりもうけがとれるのかもしれませんが、長野県は個性のある色々な酒蔵がお酒を出すことで、輸出でしっかり稼ぐというよりも、先ほど申し上げたように、来ていただいて飲んでいただくほうが、今の段階ではいいのではないかと思う。ですが、そうはいっても、出るところで、あまり多額な金を使ってもいけないものですから、経営支援課と協力して、出展費用みたいなものを少し補助させていただいたり、あるいはこういう展示会がいいということをアドバイスさせていただくようなことに取り組んでいるところでございます。本来でしたら、海外の勢いを取り込むことはすごく大事なことですが、今の県内の酒蔵の経営環境を見ると、輸出まではなかなかいかないものですから、ある程度ロッドが小規模事業者の中でもまとまるということが将来的に考えられると、そういう市場の中で売っているということは、否定はできませんが、今の段階ではそんなことを考えています。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。やはり、先ほどの丸山委員の最後の提案でもあったと思うんですが、小さい酒蔵がそれぞれ百花繚乱の事業といった形につながっていると思いますので、例えば百花繚乱をパッケージにして、何個かっていう形をつくって輸出に取り組むとか、やはりそういった対策も見越して打っていってもらったらいいのかなと思いましたので、提案させていただきます。  それともう一つ、テクニック的な話だと思うんですが。麹をつくった段階での分析を、以前、工業技術総合センターで行っていた経過があったと思うんです。あるときという言い方をさせていただきますが、そのときからやめてしまったと。先ほどの話、金賞を鑑評会とかでとっている福島県は、試験場で分析をしていると聞くんですが、県としてそういった形の取り組みが行えるかどうかをお伺いさせてください。 ◎宮澤勉 日本酒・ワイン振興室長 長野県の工業技術総合センターの中に食品技術部門がありまして、食品系の委託された研究の中に、お酒とかワインの発酵の状況といったものを見る研究員もおります。現実の話は、今回、違う事業で外部から人材をお願いもしていますが、その職員が、実際に酒蔵の皆さんの発酵状況だとか、麹については対応ができます。ただ、今のお話は、もしかするともうちょっと解説を加えさせていただくと、以前はアルプス酵母というものを県で開発したことがあって、それをもとに、現実は、長野県が全国ナンバーワンになったという経過は聞いたことがあります。そういうところの技術までは今どうかというと、なかなか、現状を確認したり、指導するというところはあるんですが、新しいものを開発するというのは、今、大企業のバイオテクノロジーのほうが大分進んでいるものですから、県の試験場としてはちょっとそこまではたどり着けてないのが現状です。今後、先ほどの県の成長産業の中でも、食品を少し長野県は目玉にという話もありますので、そういうことに対しても、少し県のほうで取り組む必要があるかなと個人的には思っていますので、今いただいた形で、能力はありますけれども、新しいものを出すというのは、大企業の開発能力から比べるとなかなか劣っているものですから、追従できていないというのが現状だと思います。 ◆花岡賢一 委員 ありがとうございました。信州の日本酒全国No.1奪還プロジェクトと、百花繚乱という形を考えると、なかなか難しいのかなとは思うわけです。やはりナンバーワンをとりにいくのであれば、とっているところのことを、事業として取り入れていくことも必要ではないかなというところもありますし、ただ、そこで均一的なものになってはいけないという話は以前もさせていただいたと思うんで、両方を進めて行かなきゃいけない事業かなと思いますので、日本酒の消費拡大を国内、国外も含めて広めていただくために、ものすごい重要な役割だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  質問が変わりますけれども、長野県労働問題審議会についてお伺いさせていただきます。平成27年11月を最後に、任期を残して最後の開催ということで、その後は開かれていない状況です。長野県労働問題審議ということで、今の状況はどのような状況であるのか、諮問ができるのかどうかということも含めてお答えいただけたらと思うんですけれども。 ◎青木隆 労働雇用課長 県の労働問題審議会が、平成27年11月以降、開かれていないではないかという御質問でございます。この労働問題審議会は、条例で、労働問題に関する重要事項について調査・審議するために設置するとうたわれておりまして、平成28年度は1回も開催されておりません。委員の任期が平成28年7月に切れておりまして、現在、委員が任命されていない状況です。状況につきましては、昨年度、諮問する事項がなかったということで、開催をしなかったようでございます。先ほども御説明申し上げましたが、平成28年2月に長野県働き方改革・女性活躍推進会議に経済団体・労働団体が入っているということで、労働の関係の御意見もいただけるということもありまして、昨年度は1回も開かなかったという状況でございます。 ◆花岡賢一 委員 ありがとうございます。今後ということであれば、やはり動きはあるのかどうかというのをあわせてお答えいただけますでしょうか。 ◎青木隆 労働雇用課長 次期総合5カ年計画において、働き方改革が一つの大きな柱になっていくだろうということもございますので、委員の選任から始めて、何とか審議会を今年度中に開催したいと思っているところでございます。 ◆花岡賢一 委員 ありがとうございます。説明の中にありましたが、例えば原因として、死亡事故がなかったから開催することがなかったということであるならば、死亡する事故がないにこしたことはないわけですから、開かれないほうがいいのかなと思ってしまうわけですが、労働問題という冠がついていると、今後の課題として、取り組んでいただけたらなということを提案させていただけたらと思います。  最後の質問ですが、長野県食品産業振興ビジョン案があるんですが、ちょっと調べた段階で、5月中に決定との発表があったそうなんですが、現在の状況を教えていただけますでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 昨年度末から、ものづくり産業振興戦略プランの中に、健康・医療という分野があるものですから、そこを深掘りする形で、食は、一般的に医食同源といわれるように健康にも直結するというところから始まって、策定を始めたところでございます。先に開催されましたイノベーション推進本部会議において、案を御提示したところでございますが、その中で各部局長さんからいろいろな御意見を頂戴して、例えばこういったものを加えたほうがいいというような意見ですとか、我々もこういう形で協力できるといったような御意見も多々頂戴いたしまして、次回のイノベーション推進本部会議において成案とすべく、今、案の改定をしているところでございます。 ◆花岡賢一 委員 改定の作業中ということですけれども、具体的にどこら辺を着地点として、日にちも含めて見越していらっしゃるのかプランみたいなものはありますでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 この前のイノベーション推進本部会議で御指摘された事項としては、どちらかというと、ものづくりに偏り過ぎている部分が多いというところで、特に食というのは、例えば観光産業や原料をつくる農業関係とか、食育の関係で教育委員会ももうちょっと関与すべきというような意見が出ました。我々、産業労働部の部分では、つくり込んだわけでございますが、そういった他部局の意見を付加する形で作業を進めているところでございます。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。具体的にどこら辺というのは、まだわからないということでよろしいですか。お答えいただきましたが、広く部局をまたいでということですので、いつぐらいに発表できるかは示されていらっしゃるでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 改定内容は、今の内容をどんどんつけ足している状況でございます。あしたまでに、各部局から御意見を頂戴して、どんな形で盛り込むのかという意見を頂戴しているところでございます。それを受けまして、その内容を現在のものに付加していくという形でございます。時期の問題ですが、次のイノベーション推進本部会議の開催が9月上旬を予定しておりますので、できれば8月中ぐらいに私どもの部の案としては持っていきたいと思っております。 ◆花岡賢一 委員 ありがとうございました。特にいつまでにやれという形で引き出したかったわけではないんですが、そういった形で、いろいろなものをつけ足しているところという話をいただきました。よりいいものになることをお願いさせていただいて、質問を終わります。 ○中川宏昌 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で産業労働部及び労働委員会関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。初めに、第1号「平成29年度長野県一般会計補正予算(第1号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第8款 商工費 第1項 商工費について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第7号「勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案」について、採決いたします。  本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております産業労働部及び労働委員会関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。産業労働部及び労働委員会関係の陳情は、継続分2件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また、願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために、継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りしたいと思いますので御了承願います。  それでは、継続分の陳情の審査を行います。継続分の審査に当たっては、2月定例会以降、状況に変化のないものについては一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  それでは、継続審査となっております陳第4号及び陳第71号について、状況に変化がありましたら、理事者から説明願います。 ◎松澤繁明 産業政策課長 状況に特段の変化はありません。 ○中川宏昌 委員長 それでは、特に状況に変化のない陳情2件を一括して審査いたします。  お諮りいたします。陳第4号及び陳第71号については、引き続き「継続審査」とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  以上をもちまして、陳情の審査を終局いたします。  以上で、産業労働部及び労働委員会関係の審査を終局いたします。  本日の審査はこの程度とし、明5日は午前10時30分から委員会を開会し、観光部関係の審査を日程といたします。  散会を宣した。 ●散会時刻 午後4時32分 △採決結果一覧(産業労働部及び労働委員会関係)  (付託議案)   ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)     第1号 平成29年度長野県一般会計補正予算(第1号)案中       第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中         歳出 第8款 商工費              第1項 商工費     第7号 勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案  (陳情)   ▲継続審査と決定したもの(簡易採決)     陳第4号、陳第71号...