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平成28年 2月定例会本会議-02月25日-04号

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  1. 長野県議会 2016-02-25
    平成28年 2月定例会本会議-02月25日-04号


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    平成28年 2月定例会本会議-02月25日-04号平成28年 2月定例会本会議 平成28年2月25日(木曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 毛利栄子   2 番 今井愛郎      28 番 和田明子   3 番 寺沢功希      29 番 備前光正   4 番 山口典久      30 番 小池久長   5 番 百瀬智之      31 番 太田昌孝   6 番 小山仁志      32 番 諏訪光昭   7 番 小川修一      33 番 髙橋岑俊   8 番 丸山大輔      34 番 今井 敦   9 番 酒井 茂      35 番 丸山栄一   10 番 吉川彰一      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 両角友成      41 番 小池 清   16 番 藤岡義英      42 番 宮本衡司   17 番 髙島陽子      43 番 清沢英男
      18 番 浜 章吉      44 番 垣内基良   19 番 中川宏昌      45 番 鈴木 清   20 番 清水純子      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 荒井武志      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      塩原 豊   副知事       太田 寛    建設部長      奥村康博   副知事       中島恵理    会計管理者兼会   危機管理監兼危           計局長       石田訓教   機管理部長     野池明登    公営企業管理者   企画振興部長    小岩正貴    企業局長事務取扱  小林利弘   総務部長      原山隆一    財政課長      岡地俊季   県立大学設立担           教育委員会委員   当部長       髙田幸生    長         伊藤学司   県民文化部長    青木 弘    教育次長      小林資典   健康福祉部長    小林 透    教育次長      菅沼 尚   環境部長      青柳郁生    警察本部長     尾﨑 徹   産業政策監兼産           警務部長      西口 学   業労働部長     石原秀樹    監査委員      田口敏子   観光部長      吉澤 猛   農政部長      北原富裕         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      大日方正明   議事課担当係長   倉石博之   議事課長      小山 聡    総務課担当係長   小山雅史   企画幹兼議事課           議事課主任     山崎紀子   課長補佐      坪井俊文         ───────────────────  平成28年2月25日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件         午前10時開議 ○議長(西沢正隆 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに各委員長の報告案件についてであります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(西沢正隆 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  最初に、太田昌孝議員。       〔31番太田昌孝君登壇〕 ◆31番(太田昌孝 君)新ながの・公明、太田昌孝でございます。  さて、今月7日、北朝鮮が人工衛星と称する事実上の長距離弾道ミサイルを北朝鮮西岸から南方向に向けて発射をいたしました。危機管理部を初め関係部局においては、警戒のため御苦労いただいたこと、御慰労を申し上げる次第でございます。  北朝鮮にはリアルな危険はないと公言した政治家がおりましたが、国連安全保障理事会は同日、北朝鮮の長距離ロケット発射について強く非難する声明を発表、さらに今月中にも制裁決議案が採択される可能性があるとのこと。  こうした我が国を取り巻く安全保障が変化する中で、平和安全法制は、日米防衛協力体制の実効性をより向上させ、すき間のない防衛体制を構築することで抑止力を高め、紛争を未然に防ぐことができること、そして、こうした法整備を進めることで、国民の生命と平和な暮らしが守られるだけでなく、抑止力をもとにして、他国との外交、対話を一層促し、紛争や課題を平和的に解決することが期待できる、いわば平和外交の推進力の裏づけとなるものであります。  そうした中で、共同通信社が今月の20日、21日両日に全国電話世論調査を実施いたしました。そこでは、「野党5党が、集団的自衛権行使を認めた安全保障関連法は憲法違反だとして、廃止する法案を衆院で共同提出をいたしました。あなたは安保法を廃止するべきだと思いますか」との問いに対して、「廃止するべきだ」38.15%、「廃止するべきでない」47%、「わからない・無回答」14.9%との結果が出ております。  この件については、長野県議会においても、26年6月、27年6月にそれぞれ2回にわたって、国民的な理解が深まるよう丁寧な議論を求めるとの内容で意見書を可決、提出してきた経過がございます。  もとより、平和安全法制は、現行憲法の規範のもとに、従来の政府の基本的な論理を踏まえた新3要件を定め法文上にも明記、これにより、他国防衛を目的とした武力行使を認めず、専守防衛が堅持されたものであります。県議会において求めてきた丁寧な説明が実を結び、国民理解が進んできたことに意を強くするものであります。さらなる理解の推進を期待し、国民の生命、財産に責任ある対応をとることは、政治の第一歩であると自戒をしながら、それでは通告に従い、質問をさせていただきます。  初めに、信州パーソナルサポート事業について伺います。  平成27年4月に生活困窮者自立支援法が施行され、県内23カ所に相談窓口である生活就労支援センターまいさぽが設置をされました。私の地元でも、毎月平均70名を超える新規相談者を迎え、相談件数も、モデル事業であった26年度と比べても11月現在の比較で2倍以上となっております。日々支援に取り組んでいただいております相談支援員の皆様には、本当に頭が下がる思いであります。  さて、これまで私は、入り口である相談窓口と出口である就労支援が一体となって整備されなければ有効な支援とならないと申し上げてまいりました。年度の途中ではありますが、県として、これまでの事業の成果を任意事業も含めてどのように捉えているか。伺います。  また一方で、就労になかなかつながらない方も多くいます。原因はさまざまですが、今回私も意外であったのは、まいさぽ長野市の場合、相談状況の年齢別で見たときに、65歳以上の高齢者の方が最も多く相談に来られております。生活に困窮している高齢者がふえていると伺っておりますが、こうした方々への支援策について伺います。  以上、健康福祉部長に伺います。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)信州パーソナルサポート事業についての御質問に順次お答えをいたします。  信州パーソナルサポート事業の成果についてでございますが、この事業における相談受け付け件数は、本年度この1月末までの累計で3,825件、就労・増収者数は738人で、昨年度に比べいずれも大幅に増加してございます。  これらを人口10万人当たりで全国の都道府県と比較した場合、11月末現在で相談受け付け件数は全国で7位、就労・増収者数は全国で2位となってございます。これは、生活就労支援センターが、一つには、昨年度のモデル事業の6カ所から、本年度は19市を含めて県下23カ所にふえ、町村にも出張相談所を設置することで全県的な体制を整備したことに加えまして、県が支援事例研修会を開催をいたしましてノウハウの共有を図ったこと、あるいは市とともにネットワークづくりを進め、民間の支援の輪も広がったことなどが挙げられるというふうに考えております。  また、任意事業では、家計相談支援事業において支援者が金銭管理に課題を抱えた方を支援しており、就労準備支援事業においては、NPOなどに委託して、一人一人に丁寧な支援を実施してございます。いずれも、専門スタッフが取り組むことで、家計の再建、就労といった成果に結びついているものと考えております。平成28年度は、市に働きかけまして、就労準備支援事業を共同実施する方向で調整しているところでございます。こうした市や関係機関との連携をさらに進めて、全県的な取り組みに展開してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、生活に困窮している高齢者への支援策についてでございます。  まいさぽの相談者のうち、65歳以上の高齢者の割合は、郡部を担当する県センターでは15.4%になってございまして、相談者の6人に1人を占めてございます。その多くが年金だけでは生活することが難しく、就労を求めて相談に来られる方々であります。  就労支援については、相談者の状況に応じてハローワークへの同行支援、季節的な雇用や短時間就労の場の紹介、シルバー人材センターを活用した就業紹介などを行ってございます。  なお、食料、住宅、債務、社会的孤立など、生活面の複雑な課題を抱えている方も多くいらっしゃいますので、地域の関係機関や団体と連携しながら、食料支援、住まいの確保、家計相談や弁護士による債務相談、居場所づくりなどを行っています。高齢者が生活困窮に陥った要因はさまざまでございますが、一人一人に寄り添った支援を充実させてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔31番太田昌孝君登壇〕 ◆31番(太田昌孝 君)信州パーソナルサポート事業を先行して行ってきたということで、全国でも大変模範的な推進をしていただいていることに意を強くしております。  ただ、一方で、現場の感想でございます。全国的には大変進んでいるものの、これで全国のトップクラスかという思いを、やはり相談員の方は持っておられるようでございます。とりわけ、今申し上げましたとおり、高齢者の貧困という問題ですが、言ってしまえば生活保護になっている人はこういうことにはならないわけで、真面目に働いてきた方々が今そういったことで困っているという状況、そして、高齢者でありますから、なかなか就職先が見つからなかったり、あるいはそもそも就職できるような年齢ではない、仕事ができる年齢ではないというような方々もいらっしゃいます。  さまざま制度に助けていただいているところもあるわけですが、結果として、今伺った中でも、これは一人一人に寄り添った対応ということになってしまっておりますけれども、今回、例えば子供の貧困についても相当目を向けていただいておりますし、国においても、県においても力を入れていただいております。  子供の貧困対策は、これからも私としても大いに協力させていただきたいと思いますが、一方で、今回の高齢者の貧困問題が大変に深刻であるというような状況、これは、国政においても、県政においても、今後も課題として取り組んでいただくことをお願いをしておきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、脳脊髄液減少症の取り組みについて伺います。  脳脊髄液減少症は、交通事故など体に受けた強い衝撃で脳脊髄液が漏れ、頭痛や目まい、倦怠感などの症状が複合的にあらわれる病気であります。子供たちにとってはスポーツ中の事故等により発症することも少なくないようでありますが、このような症状が出て不登校となっても、知識のない周囲からは、怠けて学校に行かないと言われ、大変つらい思いをしている子供もいると伺っております。  これまで、長野県議会におきましても、平成17年に牛山県議が本会議で取り上げて以降、宮本県議、そして清水県議がそれぞれ取り上げていただき、また、知事に対しても要望なども行ってまいりました。また、平成17年6月、平成22年12月、平成25年3月と3度にわたって脳脊髄液減少症の診断、治療の推進などを求める意見書を長野県議会として採択いただき、提出をしていただいたところであります。  こうしたこれまでの努力が実を結びまして、このたび、本年2月10日、この治療に有効なブラッドパッチ療法公的医療保険の適用が、厚生労働大臣の諮問機関から答申された2016年度の診療報酬改定案に盛り込まれ、正式に決定いたしました。  このことにより、患者の経済的負担の軽減が期待される上、病症の研究も進み、多くの患者の救済につながることも期待され、患者や家族などの関係者から多くの喜びの声が寄せられております。ただ、まだまだ一般的には知られていない病気でありまして、今回の保険適用を機会に、さらなる周知及び対策の推進が必要であります。  そこで伺います。  現在の県内の診療対応可能な医療機関とブラッドパッチ療法を実施している医療機関はホームページ等で周知されておりますが、医療機関に対する周知、ともあれ、病気そのものの一般的知識がありませんので、患者さんが治療できる医療機関にたどり着くためにも、関係機関への不断の周知や研修が必要と考えます。医療・福祉関係者、県内交通事故担当の警察官、救急隊員に対する周知や研修について、健康福祉部長に伺います。  また、教育機関における対応は今後さらに重要になってまいります。平成19年5月には文部科学省から「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」と題する事務連絡があり、養護教諭などに周知、研修などを行っていただいたと伺っておりますが、脳脊髄液減少症の児童生徒の実態把握及び教師、保護者への啓発などは現在どのように行われておりますか。教育長に伺います。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)脳脊髄液減少症の取り組みについての御質問にお答えをいたします。  御指摘のとおり、脳脊髄液減少症につきましては、今回の診療報酬改定におきまして、保険診療を併用できる先進医療として認められてまいりましたブラッドパッチ療法が新たに保険適用となることとなりまして、これまで厳しい状況にあった患者や家族の皆様の経済的負担の軽減はもとより、幅広く医療現場でこれが実施され、これまで脳脊髄液減少症と診断されなかった患者も、治療が受けられるようになるものと期待されてございます。  県では、これまで、医療機関に対する実態調査の実施、あるいは診療可能な医療機関を県のホームページで公表し、あるいは保健福祉事務所職員を初め医師等の医療従事者、消防・警察関係者、教育関係者に対し、会議、研修会等を通じて周知啓発などに努めてきたところでございます。  今後は、この機会を捉え、脳脊髄液減少症に関する治療や、新たに保険適用になったことの情報を県のホームページを通じわかりやすく県民に発信し周知するとともに、消防長会ですとか、警察学校などの場を通じた関係者への説明を丁寧に行うなど、行政、医療・福祉、消防・警察と密接に連携しながら周知啓発に取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)学校におきます脳脊髄液減少症の周知等についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  脳脊髄液減少症については、交通事故やスポーツによる外傷などで発症すること、頭痛や目まいなどさまざまな症状が見られることなどの基礎的な知識や、安心して学校生活を送るために必要な対応について、継続して学校や保護者へ周知していくことが重要であると考えております。
     県教育委員会では、毎年度、学校を通じ、脳脊髄液減少症、またはその疑いがあると診断された児童生徒の状況について調査するとともに、校長や養護教諭を対象とする研修会において随時情報提供しており、昨年11月に開催した養護教諭を対象とする研修会においても、関係する資料を配付するなど周知に努めているところでございます。また、学校においては、診断を受けている子供の保護者との情報交換なども行いながら、学習面や生活面で必要となる配慮を行っているところでございます。  引き続き、研修会等の機会を通じ、最新の情報を提供するとともに、教職員の共通理解に基づく学校全体での対応や保健だよりを活用した保護者への周知など、学校における適切な対応を働きかけてまいりたいと考えております。       〔31番太田昌孝君登壇〕 ◆31番(太田昌孝 君)ともあれ、なかなか一般に知られていない病気でございます。県職員でも意外と知らない方が多くて、この対応についてと言うと、何のことでしょうと言われてしまうことも大変多い。  そういう意味では、自分の体がそういう状況になっているときに、この病気ではないかと疑う方も少ないわけでございます。患者会の方とおつき合いをしていますと、一人そういう方がいらっしゃると、そういう病気があるんだということで、その周辺に何人かの患者さんが見つかるというのが、今、現状なんです。そういうような状況です。  ですから、潜在的な部分で、やはりもっともっと多くの方がいらっしゃるんでしょうし、知識として知っていても、現状、やっぱり症状だとか症例などを見たときに、そうだったんだということが多いんですね。ですから、知識のみならず、やはり状況などももうちょっと詳しくやっていただいて、いらっしゃるところには大勢いらっしゃるということを考え合わせると、県下にはもっと困っている方がいらっしゃるんじゃないかと思います。  健康福祉部、あるいは教育委員会に大変に取り組んでいただいていることに感謝を申し上げると同時に、さらなる取り組み、もう一歩具体的な事例として情報を共有していただきますようにお願いをしたいと思います。  次に、観光の振興について伺います。  今回の予算の大きな柱であります「信州創生の新展開」の中でも、「住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり」として、「観光大県づくり」、「交通ネットワークを活かした県土づくり」が挙げられております。そして、観光行政の転換として、県DMOの設置、地域DMOの支援、有識者と庁内全部局長で構成する長野県観光戦略推進本部の設置、統括ディレクターの起用などが盛り込まれております。  観光行政に対しての知事の意欲というものを感じるわけでありますが、これまで、長野県観光振興基本計画によって観光行政を進めてまいりましたが、今回の方針の中では、観光行政の転換と記載をされております。知事の考える転換点についてお聞かせいただきたいと思います。  DMOについては、とりわけ人の育成が重要であると思います。リーダー養成塾の開設などを行うとのことですが、受講対象は県内市町村観光協会幹部とのことであります。では、既存の観光協会がDMOにかわることによって、どのように変わるのか伺います。有識者と全部局長を構成メンバーとする長野県観光戦略推進本部ですが、その中で観光部の果たす役割はどのように考えているのか。お聞かせください。  以上、観光部長に伺います。  さて、昨年の9月議会で、私は、観光の振興について伺い、その際に、JR西日本との連携推進について御提案を申し上げました。新幹線延伸に伴い、開かれた西側の扉から多くの観光客を招かなければなりません。今月に入りまして、知事はJR西日本に赴かれ、真鍋社長と親しく懇談をされたと伺っております。その結果はいかがだったのか。また、今後の新たな展開について伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)観光の振興について、2点、私に御質問いただきました。  まず、観光行政の転換についてという御質問でございます。  長野県が国内有数の観光地であるということは、もうこれは日本の中では確立したポジションだと思っております。しかしながら、今インバウンドはふえてきていますけれども、世界的に見たときに、オリンピックの開催地だということはかなり知られておりますけれども、しかしながら、どういう観光資源があるのかということを含めて、観光地としての認知度はまだまだ高めていく余地があるというふうに思っております。  また、山岳高原、あるいは歴史文化など、長野県は観光県としてのポテンシャルをさまざま有しておりますが、必ずしも十二分に生かし切れているという状況ではないのかなというふうに思っております。  こうした中で、私とすれば、この世界水準の山岳高原観光地としてのポテンシャルを最大限に生かして、国内はもとより世界中の多くのお客様を引きつけ、いわゆる富裕層と言われるような方からバックパッカーのような方まで、さまざまな方々に御満足をいただける観光地域づくり、これまでの、単にPRをする、キャンペーンをするということから転換をして、観光地域づくりを、部局横断、あるいは観光関係者、県民の皆様方と一体で行っていくということが重要だと思っております。  また、どうしても観光入り込み客数、宿泊者数という数、量的な側面がこれまで強調されてきておりましたが、もとより、こうした量的な側面も重要でありますが、他方で、やはり経済に貢献しなければいけないわけでありまして、観光消費額の引き上げ等、経済的な部分にもしっかりとこだわりを持った施策が必要だと思っております。  そういう観点で、各地域でお金を使っていただくような仕組みづくり、稼ぐ力というものも、この観光産業の中でより強化していくということが重要だというふうに考えております。こうしたことによりまして、この観光産業、宿泊、飲食を初めとして、交通、あるいはお土産物屋さん、大変裾野の広い産業であります。こうした観光産業が地域経済の発展の牽引役となり得るような姿を目指して取り組んでいきたいというふうに思っております。  こうした観点で、まず観光戦略推進本部、仮称でありますけれども、設置をして、これは観光部だけではなくて、各部局でやはり観光という観点で政策を進めていかなければいけないということで、県の総合力で観光を推進する体制をつくってまいります。  また、観光協会のDMO化を図ることによって、この観光を軸として地域経営を進めていく体制を構築していきたいと考えています。また、山岳高原観光地づくりの推進に向け、ウインタースポーツ、アウトドアアクティビティーを初めとする長野県の強みと言える分野にさらに磨きをかけ、強化をしていきたいというふうに思っています。  また、日本全体で今順調にインバウンドのお客様がふえている状況であります。こうしたお客様をしっかりと本県に取り込むためのインバウンド対策の強化、こうしたものを進めることによって、長野県を本当の意味での観光大県にしていきたいというふうに思っております。こうした観点で、観光行政の質的な大転換を図ってまいりたいと考えております。  それからもう1点、JR西日本の関係で御質問を頂戴いたしました。  北陸新幹線金沢延伸を契機といたしまして、関西方面から金沢、北陸、そしてさらに私ども長野県、信州へと観光客の増加が期待をされているところでございます。これまで以上にJR西日本の皆様方としっかりと連携協力していくということが大変重要だと思っております。  こうした観点で、先日、JR西日本の大阪本社を訪問させていただいて、真鍋精志社長と直接さまざまな意見交換をさせていただきました。この中で、JR西日本は、今シーズンから9年ぶりに復活したスキー旅行に取り組んでいただいておりますが、今後は、このグリーンシーズンが重要であるということで、アウトドア、温泉、高原などをセットにいたしましたグリーンシーズンにおける県内向けの旅行商品の開発を御検討いただくということになりました。  また、NHK大河ドラマ「真田丸」は現在放映中でありますが、これは、もとより、私ども長野県にとっても重要な資源でありますが、大阪でも非常に関心を持って、これから舞台は関西方面に移っていくことになるわけでありますので、こうした大阪と長野にゆかりが深い大河ドラマが放送されておりますので、こうしたものを活用して、関西から長野県内への誘客を強化する方向で話し合っていこうということになりました。  また、JR西日本と東日本が連携してこの4月から発売を予定しております北陸アーチパスというものがございます。これは、成田空港、羽田空港から関西空港まで、北陸新幹線を経由してのフリー切符でございますが、これについては、JR西日本と私どもが一緒になって外国人旅行者の受け入れ拡大に向け活用を検討していこうということになりました。  私からは、こうしたさまざまな取り組みを進めていく上で、単に意見交換するだけではなくて、ぜひプロジェクトチームをつくって、一緒に商品開発、企画を行っていきましょうという御提案をさせていただいて、快く御同意をいただいたところでございます。このプロジェクトチームは、JR西日本の本県の担当者と私どもの観光部、企画振興部、そして観光協会の職員が一緒になって近々発足をさせていきたいというふうに思っております。  JR西日本と共同連携で、具体的な観光誘客の成果が上がるように、今後ともしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。       〔観光部長吉沢猛君登壇〕 ◎観光部長(吉沢猛 君)観光振興につきまして、二つ御質問いただいております。  まず、DMO構築により地域の観光振興がどう変わるかというお尋ねでございます。  多くの観光協会では、これまで、イベントやPR中心に事業を実施しており、継続的なデータ収集や科学的な分析手法の導入という点では総じて不足しているものと考えております。  DMOは、マーケティング手法の導入によるプロモーションなどを行うことで、地域内の稼ぐ力を高め、観光を軸とした地域経営の中核組織となることが期待されております。そこで、県としては、地域のDMOを目指す組織や動きに対しまして、有識者の派遣による助言、地域の機運を高めるための勉強会の開催、マーケティング実施のための助成を行い、地域の観光振興を担う組織の機能を高めるための支援をしてまいります。  地域DMOが構築されることによりまして、マーケティングに基づく効果的なプロモーションが行われるとともに、宿泊、飲食、交通などの情報が一元的に提供され、さらにその地域独自の滞在型旅行商品などがつくられて販売されるようになることで、各地域の観光振興策が稼ぐ力を強化する方向に転換されていくものと考えております。  次に、長野県観光戦略推進本部での観光部の役割についてのお尋ねでございます。  観光産業は、長野県の基幹産業の一つであり、また、宿泊、飲食、運輸、交通、小売など幅広い分野に関係する裾野の広い産業分野でございます。先ほど知事から答弁申し上げましたように、県では、県内観光産業の稼ぐ力を高めて、県の総合力で観光大県づくりを進めていくために、有識者と庁内の部局長で構成する長野県観光戦略推進本部、仮称でございますけれども、これを設置することとしておりまして、本部長である知事のもとで観光部が庁内各部局をリードする形で観光施策を推進してまいります。  推進本部におきましては、施策の実効性を上げていくために、観光インフラ整備や人材育成など特定の重要課題につきまして、関係する部局や団体をメンバーとするタスクフォースを設置し、官民の力を結集して事業を推進してまいります。このタスクフォースにつきましても、観光部が主体的にかかわっていく所存でございます。  お答えは以上でございます。       〔31番太田昌孝君登壇〕 ◆31番(太田昌孝 君)知事から大変に熱のこもった御回答をいただきました。観光行政の転換ということですが、これまでのPR型から、稼ぐ観光産業という形でしっかりと展開をしていこうという意欲であろうというふうに思っております。  大切な大切な長野県のこうした資源を生かせる、そんな観光産業の推進に心から御期待をしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(西沢正隆 君)次に、望月雄内議員。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)3点につきまして質問をさせていただきます。  農業問題につきましては、昨日までの代表質問で何人もの方がるる触られております。我が自民党県議団の風間幹事長が代表質問で、私への温情なのか余り多くを触っておりませんでしたので、その意を酌みまして質問をさせていただきます。  TPP協定への対応について伺います。  昨年10月、アトランタにおいて大筋合意したTPP交渉は、この2月4日、ニュージーランドのオークランドで交渉参加国12カ国が協定に署名し条文が確定したことにより、今後各国は、発効に向けて国内の承認手続に入る見込みであります。日本国内においても、政府は、現在開会されている通常国会へTPP承認法案と関連法案を提出し、早期発効を目指す見通しであります。  大筋合意を受け設置された政府のTPP総合対策本部は、昨年の11月25日に農業分野を初めとした全体の対応方針と言える総合的なTPP関連政策大綱を取りまとめ、TPPを契機に、我が国は新輸出大国を目指すとともに、農業分野については、夢と希望の持てる農政新時代を創造し、努力が報われるような農林水産業を実現するため、生産者の努力ではとても対応できない分野の環境を整えて、農業の成長産業化を一層進めるために必要な戦略などについて、本年秋をめどに具体的な政策の内容を詰めるとされております。  また、昨年12月24日には、TPP政府対策本部から「TPP協定の経済効果分析について」が公表されました。これによりますと、国内のGDPが約14兆円増加するとした一方で、農林業分野については、国内対策を講じることにより生産量は維持されるものの、関税削減の影響による価格の低下により、農業分野における影響額は1,300億から2,100億円とされたところであります。  県におかれましては、長野県TPP農業分野等対策本部において、TPP協定に係る農林業分野対応方針を公表するとともに、長野県の農林産物の生産額への影響について国に準じて試算を行って、影響額を24億円余と発表されたところであります。一方で、県農協グループが行った独自の試算によりますと、県内農林水産物の生産額が約390億円余り減少すると公表されております。  これらの試算数値が余りにも大きくかけ離れていることもあり、多くの農業者が不安を募らせております。県としては、策定した方針に基づいて対策などを進めることと思いますが、まずは農業者の不安を取り除くことが重要であると考えます。そこで、農業者の不安の払拭に向けた今後の対応について、農政部長にお伺いをいたします。  続いて、関連した農業問題について2点お聞きをいたします。  新規就農者の育成など担い手対策についてであります。  さきに公表されました2015年農林業センサスの指標によると、県内の総農家戸数、販売農家戸数の数値は、いずれも5年前の調査に比べ大幅に減少をしております。県では、現在取り組んでいる第2期食と農業農村振興計画の「夢ある農業を実践する経営体の育成」において、新規就農者の育成を位置づけ、施策を推進しておりますが、新規就農者の確保の状況について農政部長にお伺いをいたします。  また、県外などからの新規就農者の誘致にも取り組まれ、国の青年就農給付金制度も活用して支援を行っておりますが、農家の子弟を含め、多様な農業の担い手をいかに確保育成していくのか。今後の方針を農政部長にお伺いをいたします。  続いて、農地の活用対策について伺います。  県では、農地の利用を高めるため、県農業開発公社が行う農地中間管理機構事業を柱に、市町村、農協、農業委員会などの関係者の協力のもとで担い手へ農地を集積する取り組みを進め、26年度末で農地面積の41%を担い手に集積するなど、一定の成果を上げております。  農地の活用につきましては、農産物の生産はもちろんのこと、特に大きな産業が少ない中山間地域においては、農産物の加工、販売、また営農による農村景観の維持など多面的な機能を確保することにより経済活動を生み出しており、今後も地方創生の基盤となるものであります。  そこで、これら中山間地を含め、本県の農地について、農業従事者の減少が進む中でいかに持続的に活用していくのか。今後の方針を農政部長にお伺いをいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農業問題への御質問に順次お答えをいたします。  初めに、TPP協定に対する農業者の不安の払拭に向けた対応についてでございますが、県ではこれまで、ホームページによる情報提供、園芸、畜産などの各分野ごとの相談窓口の設置、農林水産省の職員を招いての説明会の開催など、正確な情報提供に努めてきたところでございます。  2月8日に公表しましたTPP協定に係る農林業分野対応方針では、引き続ききめ細かな情報提供と相談を行うとともに、品目別におおむね10年後の目指す姿を示し、それに向け具体的に取り組む事項を明示するなど、農業者の皆様が将来に向け意欲を持って農業に取り組める対策を示したところでございます。  今後は、この方針に沿って対策を確実に実施するとともに、現場の皆様との意見交換などを通じてさらなる不安の払拭に努めてまいりたいと考えております。  次に、新規就農者の対策についてでございますが、県では、就農相談から就農後の経営発展まで、就農者の段階に応じた支援を関係機関と連携して体系的に実施しております。相談段階では、ウエブサイトによる市町村やJAの就農情報の一元的な提供、また首都圏を初めとした県内外での就農相談会の開催を行っております。  研修段階では、新規就農里親支援制度や農業大学校の実践経営者コースなどでの栽培技術や経営管理手法の指導に取り組んでおります。その結果といたしまして、平成26年度は、年間目標250名を超える253名の新規就農者が確保されたところでございます。  また、就農後は、農業改良普及センターの技術経営指導に加え、信州農業MBA研修の受講などによりまして、後継者を初め多くの青年就農者が企業的な経営感覚を身につけ、担い手として地域で活躍していただいております。  来年度は、果樹経営を志す就農希望者に対しまして、研修中の樹園地整備に助成する事業を新たに創設し新規就農者の定着や早期の経営安定に向けた支援を充実させるなど、本県農業を担う意欲ある人材の確保育成に引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  次に、農地の活用方針についてでございますが、信州創生戦略のKPIとして、平成31年度までに担い手への農地利用集積率を58%とすることを目標としまして、認定農業者等の地域農業の担い手が中心となった持続的な農地の利活用を目指してまいります。このため、農地中間管理機構を活用した担い手への農地の集積、集約化を市町村、農業委員会等と連携し、強力に進めてまいりたいと考えております。  特に、担い手が不足いたします中山間地域では、農地中間管理事業と連携した土地改良事業の補助率を引き上げ、耕作条件の改善により担い手の参入を促進するとともに、引き続き集落営農組織の設立、また法人化や日本型直接支払事業などを活用した地域住民との協働によりまして、農地を守り活用する取り組みを支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)今直面している最も重要な課題を農政部長にお聞きをしたわけですが、知事に伺います。  園芸作物や畜産、中山間地域が多い長野県農業を維持発展させるためには、県独自の施策の立案や国への施策提案も必要であると考えております。県は現在、平成29年度を目標とした第2期長野県食と農業農村振興計画を策定し、具体的な数値目標を掲げ、夢に挑戦する農業と皆が暮らしたい農村の実現に向けての取り組みを推進し、一定の成果を上げていると思われます。しかしながら、TPP協定の大筋合意を受け、今後どうなるのか不安を抱き、将来展望を描けないでいる農業者や県民がいるのが現状ではないでしょうか。  2年前の平成26年2月の大雪の際には、農業用ハウスが壊滅的な被害を受けました。その際、倒壊した農業用ハウスの復旧に対し、国、県などは緊急的な補助事業として補助率9割の手厚い支援を行いました。その結果として、約8割の農家が生産意欲を取り戻し営農を継続するなど、本県農業の維持発展に大きな効果を上げたと評価しております。  本県農業を将来にわたって維持発展させていくためには、国の大綱に基づく対策の活用を図り、その上で本県独自の対策も含め具体的に事業を推進することで、農家及び県民の不安を払拭し、本県農業が継続的に営まれることが重要であると考えます。  知事、TPPという大きなうねりが到来する中、本県独自の対策による長野県の農業の維持発展に向けた知事の決意を伺いたいと思います。  続いて、子供たちが農業を学ぶ教育等についてお聞きをいたします。  現在、子供たちが農業に関する教育や体験を受ける機会として、保育園では芋掘りの体験、小学校では田植えや稲刈りなどの授業があるとお聞きしております。土を耕し、作物を育て、収穫すること、また家畜を世話するなどの体験が、大人になっても忘れられないものとして記憶に残り、食や農業への理解を深める上で重要であると考えております。  昔は、子供が農業を手伝い、作物や家畜を育てる中で、農業の楽しさや苦労を身をもって体得したことにより、農家や食べ物への感謝の気持ちが自然に身についたものでありますが、現在の子供たち、若い世代の人の中には、農家出身であっても農作業を一緒にやらず、農業は大変とのイメージを持っている場合もあります。しかし一方で、農業の楽しさを知って農業を始める若い女性もいるとお聞きをしております。  農業県である本県においては、農業への理解を深め、豊かな心を育む情操教育を推進する上で、農業を学ぶことは重要であると考えております。そこで、小学校や中学校の学校教育の場に農業を学ぶ科目を取り入れ、全国に先駆けて農業に特化した教育に取り組んでもらいたいと考えておりますが、教育委員会のお考えを伺いたいと思います。  また、近年は、県立高校の統合により、農業の基礎を学べる高校が少なくなってきていると感じておりますが、農業を学べる高校の教育の現状と今後の取り組みについても教育長にあわせてお伺いをいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)本県農業の維持発展についての御質問でございます。  長野県における農業の果たす役割には大変重要なものがあるというふうに思っておりますし、何よりも、食の確保ということは、地域、そして国にとっても大変重要なテーマだというふうに思っております。長野県農業を維持発展させる上では、国の政策も積極的に活用するとともに、県独自の対策もしっかりと講じていきたいと思っております。  当面、TPPに係る農林業分野への対応方針に基づいて具体的な対策を進めてまいりますが、例えば、米につきましては、生産者、流通業者、米穀店、消費者が連携した風さやかのブランド化と生産拡大への取り組みを進めてまいります。また、民間企業と協働したICT活用による効率的な生産体系モデルも構築してまいります。  また、果樹については、リンゴの新品種シナノリップ、あるいはナガノパープル、こうした独自品種の栽培の拡大、そしてブランド化の取り組みを進めてまいります。  また、畜産におきましては、DNA情報を活用した優良繁殖雌牛の早期選抜によります高品質な牛肉生産への取り組みでありますとか、あるいは信州プレミアム牛肉の関西さらには首都圏でのブランド力を強化してまいります。  また、流通、消費の分野では、地消地産の推進ということで、旅館、ホテル、飲食店等において信州産オリジナル食材を活用して、県外産を県内産の食材に置きかえていっていただく取り組みを推進してまいります。  今後とも、生産者の皆様方の声を十分お伺いしてしっかり対話をしていきたいというふうに思っております。その上で、国に対して必要な提言、要請をしっかり行ってまいりますし、また他方で、県として独自の支援策も県民の皆様方、農業関係者の皆様方の声にしっかりと耳を傾けて検討してまいります。こうしたことを通じて、本県農業のさらなる発展に向けた取り組みを全力で進めてまいりたいと考えております。  以上です。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)農業教育に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、小中学校における農業に特化した教育についてのお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、子供たちが食や農業への理解を深める上で農業を学ぶことは大変重要であるというふうに認識をしております。  県内では、85%の小学校が、学校が所有したり地域から借用したりしている水田を有し、通年の稲作作業を通じ、農業に関する教育を行っているところでございますし、また、地域の実情に応じ、野菜や果樹を栽培している小中学校も大変多いところでございます。  例えば、長野県で栽培が盛んなリンゴを例にとりますと、安曇野市立堀金小学校では、南安曇農業高等学校フルーツコースの生徒とともにリンゴを栽培することを通して、児童が農業の楽しさや苦労、自然の豊かさを実感する授業に取り組んでございます。また、飯田市立飯田東中学校では、市内のリンゴ並木の手入れを60年以上続けており、最近では、この活動を並木教育として学校運営に位置づけ、地元の小学校や高等学校と連携し、リンゴの栽培やジャムの販売などに取り組むなど、農業に関する教育を重要な教育活動の柱として位置づけている学校も多くなってございます。
     農業を学ぶことは、キャリア教育の一環としても重要でございますし、県の教育委員会といたしましても、各校のこうした実践事例を取り上げて県内の小中学校に周知するとともに、地域を挙げてこのような取り組みが行われるよう支援をしてまいりたいと考えてございます。  次に、農業を学べる高校教育の現状と今後の取り組みについてでございます。  第1期高校再編計画に基づく再編統合によりまして、農業科のみを設置する高校は2校減少しましたが、いずれも、農業科と他学科を併設する総合技術高校とし、より充実した専門高校を創設し、各地域における農業教育の機会の確保を図っているところでございます。このため、高等学校において農業を学ぶ生徒の比率は、第1期高校再編前の6.2%に対し、平成27年度は6.4%と増加しているのが現状でございます。  農業を学んだ多くの卒業生が農業の直接の担い手になるのみならず、食に関する製造業やサービス産業等、農業関連産業へ就職し、地域社会で活躍している現状を踏まえ、今後も高校における農業教育の充実発展を図ることは大変重要であると認識をしてございます。  昨年10月の産業教育審議会の答申では、グローバル化等の社会の変化に対応した国際競争力のある農業の創造や、6次産業化等を推進できる多面的職業能力を育成することの重要性が提言をされたところでございまして、今後、総合技術高校等の創設や、そこでの幅広い農業関係の教育の充実も含め、さらなる農業教育の高度化と裾野の拡大を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)知事の決意が示されたわけでありますが、農業関係者の皆さんも元気を出してくれるのではないかというふうに期待を申し上げたいと思います。しっかり取り組んでいただくように強く要望いたしておきます。  伊藤学司教育長におかれましては、平成25年4月より本年3月末までの3年間にわたり、教育立県である本県教育委員会のトップのお立場で教育改革を推進していただき、大変お疲れさまでございました。  信州教育の伝統を踏まえながら教育立県信州の創造に取り組まれるとともに、県内で発生した教職員によるさまざまな問題への対応や、教育委員会制度改革への対応など、その重責を全うされ、大きな功績を上げられたものと感謝を申し上げます。  今後、国へ戻られましても、本県での経験を生かし、より一層教育行政を推進していただくとともに、健康に御留意され、ますます御活躍されることを御祈念を申し上げます。本当にお疲れさまでございました。  続いて、黒沢川の治水対策についてお伺いをいたします。  穂高町、豊科町、三郷村、堀金村、明科町の3町2村が合併して安曇野市が誕生し、昨年で10周年を迎えました。この安曇野地域は、北アルプスの雄大な景観とこのアルプスを水源とした幾筋もの河川が大地を潤し、豊かな水環境をつくり、四季折々の自然豊かな風情が県内外の多くの皆様に親しまれております。  このように、多くの河川が集中するがゆえに、いにしえより河川の氾濫や堤防の決壊などによる水災害に幾たびも見舞われてまいりました。それら河川の中の一つに、安曇野の西山である黒沢山を水源として旧三郷村を流れ下る全長6.4キロの1級河川、黒沢川があります。この黒沢川は、いわゆる尻なし川であり、過去の大雨のたびに氾濫して被害をもたらしてきましたが、特に昭和57年9月の豪雨や翌昭和58年の台風10号による集中豪雨では、民家の浸水や農地の冠水など大きな被害が発生しております。  こうした災害を未然に防ぐことは沿岸地元住民の悲願であり、昭和60年ころから治水対策はもとより利水対策も含めたダム計画の検討が進められ、平成3年4月に黒沢ダム建設が採択されました。  当時の建設計画によりますと、総事業費150億円、竣工は平成15年度の予定でした。しかし、その後、平成13年2月の脱ダム宣言を受け、ダムにかわる総合的な治水・利水対策を検討することとなり、長野県治水・利水ダム等検討委員会が設置され、黒沢川も黒沢川部会として対策が検討されました。その結果、平成15年6月には、検討委員会が、ダムによらない治水・利水対策案として、治水については調節池を組み合わせた河川改修とし、利水については地下水等で対応するとの答申が出されたわけであります。その後、平成24年7月に国土交通大臣によりダム中止が正式に決定され、これを受けて、同年12月、調節池等を整備するために河川法で義務づけられている河川整備計画が黒沢川単独で認可されました。  この間、平成17年度には、農水省によるあづみ野排水路約2.9キロメートルが完成し、黒沢川の流末との接続を待つ状況になっております。また、その下流に当たり、大雨のたびに水があふれ護岸の決壊を繰り返していた万水川の河川改修事業も、平成20年度には完了しております。  私は、平成18年9月議会の一般質問において、黒沢川の治水・利水対策について質問をしております。そのときから10年近くが経過しました。ただいま申し上げてきたように、条件整備は進んできたとはいえ、スピード感が感じられません。近年は幸いにも大きな水害は発生しておりませんが、全国至るところ異常気象による災害状況を知るにつけ、いつ集中豪雨等による災害が起こるとも限らないと地元住民は大きな不安を抱えております。  そこで建設部長に伺います。  黒沢川の治水対策の今後の明確な方向性と、調節池と河川整備についての事業進捗状況及び今後のスケジュールについてどのように考えておられるのか。伺います。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)黒沢川の治水対策に関するお尋ねでございます。  黒沢川の治水対策は、平成15年に長野県治水・利水ダム等検討委員会でのダムの代替案の答申が出されてから平成24年に河川整備計画が策定されるまで時間を要しましたが、平成26年度から事業着手しております。  事業の進め方につきましては、地元との意見調整の結果、調節池を先行して整備し、調節池の進捗を見きわめてあづみ野排水路と接続する方針としております。  事業の進捗でございますが、平成26年度は測量と地質調査を実施し、平成27年度は、地質調査に加えまして、今後の用地交渉を円滑にするために、来年度予定しておりました補償物件の調査を前倒しして実施しております。平成28年度は、物件調査の結果をもとに、地権者との用地交渉を鋭意進めてまいります。  引き続き住民の安全・安心の確保に向け、地元と情報共有を図りながら用地買収を進めるとともに、必要な調査設計を行うなどできる限り早期の工事着手に努めてまいります。  以上でございます。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)このダムですけれども、このダムがいかに必要かということは、関係者の共通認識なんですよ。あづみ野排水路が完成をいたしまして、実質上は下流部はさらに危険度が増したんですよ。これも共通の認識なんですよ。  これはあってはならないわけでありますけれども、もし昭和58年と同じ大雨が降ったら、この黒沢川は今、あづみ野排水路に行政上は接続していないと言っていますけれども、実質上は接続しているんです。大雨が降れば入ります。そうすると、これは全て万水川に入りまして、大王農場を周辺としたあの一帯は水浸しです。  こういう共通認識を持ち、さらに昭和60年、30年も前にこの危険度を察知してダムの建設が進められるということできたわけですから、よもや災害が起こったら、これは不可抗力だとかいうことではなくて、県の責任は免れないというふうに私は大変心配をしております。  ここで私は知事にどうこう言うつもりはありませんけれども、再度これは検討してもらって、大至急、一刻も早く、事業着手というか、もう工事着手をすると、そういうことを心から強く要望をいたしまして、私の全ての質問を終わります。よろしくお願いします。 ○議長(西沢正隆 君)次に、石和大議員。       〔13番石和大君登壇〕 ◆13番(石和大 君)現代社会を生きる子供たちにとって、インターネットはもはや生活の一部であります。県教育委員会が昨年7月から8月にかけて行ったアンケートを見ても、インターネットを利用できる環境にある児童生徒の割合は、小学生84.4%、中学生94.3%、高校生99.1%であります。つまり、ほとんどの子供たちがインターネットを利用しているのです。  私はネットリテラシー教育、これはネットからの情報を批判的に読み解く力をつけることというものでありますが、その重要性について何度か質問で取り上げましたが、県の取り組みはもっと積極的で全県に広がりを持てるものでなければならないと感じています。報道等で見ていると、市町村では本格的に保護者、児童生徒、学校、そして地域を巻き込んだ取り組みをしているところがふえてきました。  一番の課題は、その依存性です。ゲーム機、スマホといった携帯端末を体から離せないのです。1日3時間とか6時間とか、もっと長い時間それに触れていなければいられない子供たちがふえています。子供たちは実はそれを自覚しています。何とかしなければならないと思っています。今対策が必要です。自覚があるうちなら改善できると思います。  県は、対策として、ネット事業者に依頼をして相談体制をとるとしています。事業者は当然ネット事業がまず大事で、利用促進の立場だと考えていますが、子供たちにとって本当に有効な対策となるとお考えか。県民文化部長にお伺いをいたします。  日進月歩のネット社会で、子供たちへのリテラシー教育については、専門性の高い人材が適時的確にかかわることが求められると考えています。しかし、各市町村で対応するには無理があります。県というスケールメリットを生かすべきです。つまり、県としてそういった人材の登用、もしくは確保が必要です。これまでも指摘してきましたが、人材の確保と的確な配置の現状と今後の対応について、県民文化部長にお聞きをいたします。  子供たちも危機意識を持っています。保護者も持っています。家庭内のルールがない家庭も少なくはありませんが、ルールがあれば守っているという傾向があります。一昨年、県教委やPTA等で各家庭に配布した家庭でのルールづくりの紙面、市町村教委と連携してルールづくりの指導を徹底すれば効果はあると思いますが、お考えはいかがか。教育長にお伺いをいたします。  次に、高校生のほとんど全員がスマホを持っている時代です。特に、現在は、高校3年生が1年生のときに、いわゆる折り畳みのガラケーからスマホに転換した、爆発的に普及した学年です。つまり、高校1年生のときからスマートフォンを持ち高校3年間を過ごしてきた生徒たちということであります。これから、卒業後の進学の状況など、新年度に変化がなかったかどうか調査する必要を感じていますが、教育長に御所見を伺います。  さらに、私立高校の一部では、教室棟への持ち込みを制限しているとお聞きをしています。県立高校でも一部にはあるとお聞きしますが、現在の状況をお聞かせください。また、本来授業中には不必要なものですから、授業中は手にしないという原則を徹底するという県教委の取り組みはいかがか。お聞かせをください。できれば、生徒会が主体となって自主的なルールとして確立をすれば、高校生にとっても、自覚を伴い、実効性が高いと考えますが、いかがでしょうか。教育長に御所見を伺います。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)ネットに関します相談支援についてのお尋ねでございます。  子供がインターネットを適正に利用するための実効性ある取り組みを官民協働で検討し実施するため、PTAの皆様や携帯電話事業者やネットリテラシー教育支援機関などの民間事業者、それから国、県警など含めました行政機関などからなります青少年インターネット適正利用推進協議会を昨年10月に設置したところでございます。  お尋ねの新年度に予定いたしますネットトラブル相談支援モデル事業はこの協議会が行う事業でございまして、学校の長期休みの期間中に、日ごろネット関係の相談支援を専門に行っている民間団体が、子供のインターネット利用により親子、家庭が抱える悩みや相談に対応する窓口を開設する内容でございます。  相談窓口の設置場所などの内容につきましては、相談される方の利便性や、ただいま御指摘の御懸念等を踏まえまして、今後協議会で検討してまいりたいと考えておりますけれども、この相談窓口や子ども支援センター等におけるネット関係の相談事例などを収集いたしまして、個人情報に最大限配慮した上で事例検討を行い、今後の相談窓口での対応が適切に行えるよう生かしてまいりたいというふうに考えております。  ネットリテラシー教育に係る専門性の高い人材についてのお尋ねでございます。  御指摘のとおり、インターネットの情報技術は日々進化してございまして、子供に対し、適正な情報リテラシー教育を行うには、最新の知識を持った人材が必要でございます。教育委員会では、毎年、中学校、高校の生徒指導主事を対象とした研修会を実施しておりますほか、28年度には、新たに初任者研修におきましてもネットリテラシー教育に関する研修を実施することとしてございます。また、地域におきましては、民間のネット教育支援機関等の協力を得ながら保護者等に対する情報モラルに関します研修会を開催するなど、学校以外での取り組みの充実を図ってまいります。  インターネットは日々進化し、常に専門性の高い知識が求められますことから、県教育委員会や県警本部のみならず、民間団体、情報通信事業者等との連携を図りながら、専門性の高い人材の確保を含め、子供のネットリテラシー向上に適切な助言、支援ができる体制づくりにつきまして、先ほど申し上げました協議会の場で検討してまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)ネットリテラシー教育に関するお尋ねに順次お答えを申し上げます。  まず、市町村教委と連携したネット利用のルールづくりについてでございますが、県教育委員会では、先ほど議員に御指摘いただきましたように、平成25年度から県PTA連合会、県高等学校PTA連合会とともに、家庭におけるインターネットのルールづくりを促進するため、インターネットの安全な利用に関する共同メッセージを発信しているところでございます。  今年度はその3年目のメッセージを発出したところでございますが、特に今年度のメッセージは、ルールづくりを家庭任せとせず、まず学校、PTA、地域が一体となって子供とともにルールをつくり、これをきっかけに家庭での話し合いが進むことを目指す内容と改定をしたところでございます。さらに、このメッセージをもとに、市町村教育委員会に対し、地域において積極的な取り組みを推進するよう呼びかけたところでございます。  こうした動きを踏まえ、既に幾つかの市町村でも取り組みが始められてございまして、県としてもそのような市町村教育委員会と連携を図り、家庭におけるルールづくりの普及に努めてまいりたいと考えております。  次に、スマホが普及した学年の進学状況等についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、スマートフォンの所持率は、現在の高校3年生が1年生だった平成25年度の調査で90.4%でございまして、その前年度の1年生の所持率72.8%と比較しても大きく増加をし、御指摘のとおり、現高校3年生からはほぼ全員がスマホを所持する世代になったところでございます。  進学状況のお尋ねにつきましては、現在大学入試が続いているところでもございまして、確定的なことは申し上げられませんが、高校3年生の大学入試センター試験の結果を各学校から聴取する限りにおいては、現時点では全国における本県の成績はむしろ例年よりも向上しているという状況でございまして、スマホとの直接の関連は現段階ではまだ必ずしも明らかではないというふうに思ってございますが、スマホの長時間の利用というものは、高校生の生活のあらゆる面に影響を与えると考えられますので、県教育委員会としても、スマホの利用が高校生の生活全体にどのような影響を及ぼすかについて、今後適切に把握に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、スマートフォンの教室棟への持ち込みの制限についてのお尋ねでございます。  スマートフォンや携帯電話については、県教育委員会では、既に県立高校に対し授業中の使用を禁止するよう指導しており、全ての県立高校において使用を禁止してございます。  具体的には、各学校において学校への持ち込み自体を禁止したり、授業前にスマートフォンを提出させ、教員が管理したり、ロッカーやかばんにしまわせるなど各校の実情に合わせた取り組みがなされているところでございます。  次に、生徒の主体的なルールづくりについてでございますが、県教育委員会の調査でも、高校生の約3割が自身のネット依存傾向を課題と考えており、生徒の自覚を伴う取り組みが重要であると認識をしてございます。  このため、今年度、インターネットの適正利用を生徒みずからが考える高校生ICTカンファレンス長野大会を初めて開催し、生徒による主体的なルールづくりが他の高校にも広がるよう、出された意見をメッセージとし、県内全ての高校生に伝えたところでございます。  現在、生徒会を中心に動き始めた高校もあり、県としては今後もこうした高校生の主体的な活動を支援し、子供たちがインターネットを適切に利用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔13番石和大君登壇〕 ◆13番(石和大 君)答弁の中で、本当に耳ざわりはいいわけですが、具体的にこうやるんだということを本当に連携して実現していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  次に、移住政策についてお聞きをします。  先日、東京交通会館にあるふるさと回帰支援センターに伺ってお話をお聞きしました。土曜日の夕方でしたが、南信州の自治体セミナーが行われていたり、相談者も多数来訪されて活気がありました。  4年ほど前だったと思いますが、このセンターが交通会館に移転し、長野県の移住相談窓口も交通会館に開設をされ、そのときも伺いましたが、現在は2フロアに拡張されていました。近々さらに広げられる予定とお聞きをしました。  一昔前、都会に暮らす団塊の世代を中心にした年代層が、田舎に帰りたいという気持ち、自分の田舎ではなくてもふるさとに帰りたい、晩年はふるさとのような豊かな心で暮らせる環境に暮らしたい、そんなニーズからふるさと回帰支援センターと名づけられたのでしょう。  現在は地方創生で何となく田舎に興味があるとか、おじいちゃんやおばあちゃんがいる田舎で暮らしたい孫ターンとか、もちろんIターンやUターンの希望も多いそうです。特に最近はUターンの希望が多いということであります。  さて、都会で暮らしている若者が信州に帰りたいと、ふと思った。仕事はあるかなというふうに考えます。そうしたら、まず親に電話をすることでしょう。「そろそろ信州へ帰りたいとも考えている。仕事ある」、親は、「ない」、そういうふうに答えて、話はそこで終わってしまうわけであります。親は、ふだんから考えていない限りはそんな情報は知りませんから、素直にないというふうに答えてしまいます。  都会のふるさと回帰支援センターや銀座NAGANOでのセミナーや移住に関する情報は、都会ではもちろんですが、その地元で流さないと効果は半減してしまうということです。例えば、新聞やマスコミ紙などに地元で記事にしてもらうとか、リリースしていく必要があります。親も本気で考え始めます。都会で暮らす子供に、こんな移住セミナーがいつここであるから行ってみたらと電話をするでしょう。地元の就職情報にも敏感になります。地元の意識も変わります。都会から帰ってくる、または移り住もうという人々を迎えるという意識が芽生えます。受け皿は地元の住民の皆様なのです。  そこでお聞きします。  長野県へのUターン就職のための説明会や移住に関するセミナーの開催等の情報、これは各市町村が主催するものとか、いろいろな形態があると思いますが、県内に住む親を初め地元の人に広く知ってもらい、子供や若者に地元から発信することも大切であると考えます。県内就職や移住を促す相談会の開催情報を県内外にどう告知しているのか。企画振興部長に伺います。  県内市町村の中には、非常に積極的かつ熱心に移住促進事業を推進しているところがあり、活発だということです。県の具体的な取り組みと各市町村との連携について、所見を企画振興部長に伺います。  ふるさと回帰支援センターと銀座NAGANOには移住相談員が配置され連携しているということですが、やはり移住は人です。この移住相談員が長野県へもたびたび来て地元の人と接し、現在のリアルな情報を肌で感じてもらうと、相談にもさらに的確に対応できると考えていますが、現在の研修状況と今後の工夫について、企画振興部長にお聞きします。  次に、子育て世代の移住についてお聞きします。  都会で暮らす子育て世代の中では、地域コミュニティーの中でコミュニケーション能力を醸成したい、森のようちえんに興味がある、防犯カメラの監視より見守りの目に守られたいなど、都会にはないものを夢見ているというニーズがあるようであります。これらには多分に女性の視点が含まれています。夫が田舎で暮らしたい、故郷に帰りたいと言っても、妻が賛同しなければ実現はしません。移住推進のターゲットはやはり女性です。県の取り組みに工夫はあるのか。県民文化部長に伺います。  ひとり親の移住というアプローチが事業化の予定ですが、どんなことを考えているのか。幼い子供は親といたい。そんな気持ちに応える親の働き方の工夫や、サークルのような仲間の組織で仕事を分担し合えるような体制づくり、テレワークなどの拡大も必要だというふうに考えますが、どんな手法を考えているのか。県民文化部長に伺います。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)移住促進事業について、私には3問御質問いただきました。  まず、相談会の告知についてでございます。  長野県では、U・Iターン就職や移住のための相談会を、今年度、これまで東京で31回、名古屋、大阪でそれぞれ3回ずつ開催をしております。より多くの方に参加していただくため、県やふるさと回帰支援センターのホームページ及びフェイスブックでの告知を初め、御登録いただいている方へのメールの配信、県内ハローワークや銀座NAGANOでのチラシの配布などさまざまな媒体を活用して告知をしているところでございます。また、プレスリリースも行い、マスメディアを意識した情報発信に取り組むとともに、県政広報枠を活用して県内のテレビ・ラジオでの告知も行っているところでございます。引き続き各種媒体を活用し広報するとともに、今後は市町村の広報紙等でも広く周知していただきますよう働きかけてまいりたいと考えております。  次に、県の取り組みと市町村との連携についてでございます。  県内市町村の中には、移住体験ツアーの開催や田舎暮らし体験施設の設置、さらには住宅取得のための補助制度を設けるなど、移住者の誘致に積極的に取り組んでいるところがございます。移住希望者の多くは複数の市町村を比較検討した上で移住先を決めることから、市町村単独ではなく、県全体でプロモーションすることが大切と考えております。  そこで、平成18年に、県、市町村、民間事業者で構成する田舎暮らし「楽園信州」推進協議会を立ち上げ、3大都市圏での移住相談会の開催やホームページでの情報発信に取り組んできたところでございます。また、都道府県で唯一、東京、名古屋、大阪の3大都市圏全てに移住専門の相談員を配置し、相談に訪れた希望者を市町村に取り次いでいるところでございます。  新年度におきましても、引き続き市町村と連携して移住相談会を開催するほか、豊かさを実感できる信州暮らしを紹介する動画作成などに取り組んでまいりたいと考えております。  3点目、移住相談員の研修についてでございます。  移住相談は、市町村の地域情報にとどまらず、仕事や住まい探しの紹介など多岐にわたるため、相談員にはさまざまな知識や情報のほか、相談に的確に応じる能力も求められるところでございます。  そこで、移住相談員を採用するに当たっては、長野県に関する基礎的な知識や相談業務の経験があることを条件としております。また、相談員には県内を順次視察してもらい、市町村の移住担当者等と意見交換をしながら情報収集する機会を設けてまいりました。  今後は、移住した方や受け入れ支援団体との意見交換のほか、就農や起業、創業支援に関する勉強会を充実させることにより、相談員の一層の資質向上を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)子育て世代の移住についてのお尋ねをいただきました。  本県の子育て環境は、待機児童がゼロであること、地域で子供たちを見守るきずなが強いこと、また生活コストが安いことなど、都市部の環境と比べて優位な点が多いというふうに考えてございます。また、信州やまほいくに代表される自然環境を生かした保育は、都市部の子育て世代の多くが希望する保育のあり方であり、女性に高い関心を持っていただける内容ではないかなと考えているところでございます。  こうした本県の子育て環境の特徴や魅力を、県の子育て支援ホームページにより、また「信州で学ぼう!」魅力発信事業によるSNSを活用しての取り組みによりまして県内外に発信してまいりたいと考えておりますし、さらには、都市部の女性に向けまして、女性購読者層の多い子育て支援の情報誌でございますとか、移住専門誌等を活用したり、銀座NAGANOでの移住セミナーにおきまして自然保育の取り組みや県の子育て環境等の紹介をするなど、今後とも工夫を続けてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、ひとり親家庭の移住につきましては、この事業の実施に当たりましては、求人の情報でございますとか、公営住宅などの住まいの情報のみならず、学校や保育所その他の子育て情報をパッケージにして提供させていただきますとともに、具体的には、お試しツアーでございますとか現地採用の面談会、あるいは採用先事業所における研修費用等の補助の支援を行う市町村に対しましての支援を行うという形での事業推進を考えているところでございます。
     個別のニーズへの対応ということが大変重要な観点でございまして、お尋ねにございましたように、生計の維持と子育てを一人で担うひとり親家庭が希望する生活スタイルに配慮するという観点からも、移住先の市町村と十分に連携して取り組むことが肝要ではないかと考えてございます。  今後事業を進める中で、新しい課題でございますとか取り組みにつきましては、どんな工夫ができるかを検証しつつ、今後の対応につなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔13番石和大君登壇〕 ◆13番(石和大 君)観光大県づくりについて伺います。  貸し切りバスツアーへの助成については、平成12年に自動車運送事業の規制緩和が実施され、貸し切りバスについても事業参入時の免許制を許可制とするなど、規制緩和が行われました。この規制緩和を行って以降、全国のバス事業者数は倍増し、過当競争状態に突入したと言われております。  このような過当競争状態の中で、平成24年4月に関越自動車道で高速ツアーバスが道路側面に激突し、乗客7名が死亡するという重大事故が発生しました。この事故を受け、国土交通省では、高速・貸切バスの安全・安心回復プランを策定し、交代運転者の配置基準の厳格化や運賃料金制度の明確化などの貸し切りバスの制度改正が実施されました。この制度改正により、貸し切りバス料金が上昇し、長野県を訪れる貸し切りバスが減少したことにより、県内の観光施設や宿泊施設に大きな影響が生じていると感じています。  県では、このような状況を受け、今年度貸し切りバスツアーに対する助成制度を実施したところでありますが、助成制度の目的、そしてその成果はどのようなものであったのでしょうか。また、来年度も貸し切りバスツアーへの助成をテーマ別ツーリズムを軸に実施するとのことですが、どのような助成を考えているのか。観光部長に伺います。  先日、軽井沢町でスキーツアーバスが道路外に転落し、15人もの方が亡くなるという非常に痛ましい事故が発生しました。亡くなった方々の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々に御見舞いを申し上げます。  さて、このツアーは県が実施している助成制度の対象ツアーであったのでしょうか。また、来年度の助成事業実施に当たっては、事業者の安全対策を条件にするべきではないかというふうに考えますが、観光部長に所見を伺います。  次に、私はかねてから浅間サンラインを活用し東信地域の観光地をめぐるバスの運行を提案してきたところであります。来年度、県では東御市を初めワイナリーが集積した地域でのワインツーリズムを検討しているということですが、事業の狙いはどのようなものなのでしょうか。また、どのようなスキームを考えているのか。観光部長に伺います。  また、信州ブランド再構築・発信事業の狙いは何か。統括ディレクターの役割と事業内容について、観光部長に伺います。  さらに、信州・長野県観光協会のDMO移行のため、マーケティング及びインバウンドの専門人材を採用するというふうにしていますが、どのような目的によるものなのか。観光部長に伺います。       〔観光部長吉沢猛君登壇〕 ◎観光部長(吉沢猛 君)観光大県づくりにつきまして、五つ御質問をいただいております。  1問目が、貸し切りバスツアーに対する助成制度についてでございます。  本年度実施した貸し切りバスツアーへの助成制度は、運賃料金の制度改正に対応し、新たな試みを追加する形でツアーを実施する旅行会社に対して助成を行うことにより、来年度以降の貸し切りバスツアー造成につなげていくことを目的としたものでございます。  具体的には、出発地を長野県内の目的地に近づけたり、行程の途中で鉄道を利用するなどの新たな試みを行った貸し切りバスツアーを対象として、現在までのところ約1,700台、1億2,000万円余の助成を行ってきております。  本年度事業の成果でございますが、助成を行った旅行会社に対しヒアリングとアンケート調査を行ったところ、80%以上の旅行会社が来年度も同様のツアーを実施するか、または行程を一部変更して実施すると回答しておりまして、来年度以降につなげるという所期の目的がおおむね達せられるものと考えております。  来年度におきましては、本県の強みである、山、アウトドア、健康長寿などのテーマ性を持った観光地を利用することや、県内での宿泊を伴うなどの条件を満たすバスツアーへの助成を行うことで、県内の周遊促進とリピーターの確保を図ってまいります。  2問目が、貸し切りバスツアーの安全運行についてでございます。  軽井沢でのスキーツアーバス事故についてでございますが、このツアーは県が本年度実施している助成制度の対象とはなってございません。県としては、今回このような痛ましい事故が起きてしまったことから、安全、安心に長野県を訪れていただくことを今まで以上に重視して、来年度事業の審査に当たりましては、旅行業者とバス事業者との契約関係や運賃料金水準などを含めて、事業者の安全対策について確認を行うよう検討してまいります。  3問目が、ワインツーリズムの振興についてでございます。  ワイン産地という特色を生かして観光客を県内へ誘導することは、観光消費の拡大や地域の活性化につながる重要な取り組みと認識しております。特にワインツーリズムを進める観点からは、最寄りの駅からバスやタクシーなどを利用するか、あるいは自家用車の場合はハンドルキーパーを確保する必要があり、ワイナリーをめぐる交通手段をその地域に合わせて検討する必要があります。  現在東御市が含まれる千曲川ワインバレー東地区におきましては、新幹線軽井沢駅の乗降客や別荘などの長期滞在者が地域内のワイナリーをめぐることができるバスの運行を実証的に行うことを検討しております。  今後、地元市町村、運行事業者、ワイナリーなどとともに、ルート、乗降場所の検討を行い、ことしの夏場から秋口の休日に軽井沢駅と上田駅を結ぶバスの運行を行い、利用状況や運行にかかる時間、経費などを検証してまいります。  4問目が、信州ブランド再構築発信事業の狙いと、統括ディレクターの役割などについてでございます。  信州ブランドの確立につきましては、しあわせ信州をキャッチフレーズに、市町村、企業の皆さんと信州の魅力発信として取り組んでまいりました。取り組みから3年が経過する中、しあわせ信州が県内で一定程度浸透してきている一方、全国、海外に目を向けると、まだまだ知られていない現状があることから、信州ブランドを確かなものとする必要性を感じております。  そこで、しあわせ信州をより具体的な言葉で打ち出すことで信州のイメージを浮き彫りにしていくため、地域や企業のブランディングに実績のある方を統括ディレクターにお願いし、信州らしい統一感のあるイメージづくりを行ってまいります。  事業内容としては、まず信州の強みである健康長寿、山、アウトドアといったしあわせ信州の具体化によるイメージの形成、次にこれらを使ったプロモーションビデオなど発信素材の制作、そしてウエブを中心とした各種媒体や手段による発信などを行ってまいりたいと考えております。  5問目が、信州・長野県観光協会のDMO移行についてでございます。  DMOは、地域の稼ぐ力を引き出し、地域経営の視点に立って観光地域づくりを担う主役となる組織体として期待されているものであり、その中でも、マーケティングの実施が最も基本的で重要な機能とされております。  信州・長野県観光協会におきましては、来年度DMOに移行するためにマーケティングの専門人材を採用し、科学的な手法によるマーケティングを実施し、それに基づいて今後は経営戦略の策定と達成目標を設定して事業を運営していくことになります。  あわせて、インバウンドに関する営業ノウハウやネットワークを持つ専門人材を採用し、マーケティングの結果を踏まえながら、事業者との連携を強化し、事業者の稼ぐ力につながる効果的な旅行商品の造成やプロモーションを実施してまいります。  以上でございます。       〔13番石和大君登壇〕 ◆13番(石和大 君)若い世代に対する結婚支援の推進についてお伺いをいたします。  結婚を希望する若者の出会いの機会の拡大、結婚に関する機運の醸成といった結婚支援を県全体でしっかりと取り組むべきとこれまでも申し上げてきました。若者の希望がかなえられるよう、さまざまな視点から応援することが、少子化対策としても大切な取り組みであります。  県は、平成25年から、ながの出会い応援プロジェクト事業として、結婚支援について本格的な取り組みを始め、開始から3年が経過します。本事業は県民との協働が重要であり、行政と身近な人々と連携が深まり、広がりが求められます。  町なかで結婚に関する相談に乗り、そして結婚することのすばらしさを伝え機運を醸成する婚活サポーターの活動を中心に、これまでの成果はいかがであったのでしょうか。また、その成果から課題をどう認識し、その課題を踏まえて新年度に向けて何を目指していくのか。県民文化部長に伺います。  特に、ながの結婚マッチングシステムは、広域的な出会いの機会を拡大する手段として重要であると考えます。しかし、一昨年質問した際の現状では、十分機能しているとは言えない状況でした。その後、セキュリティー対策を講じて利便性を向上させる改善をされたということでございますが、特にシステム改定後の成果と今後の取り組みについて、県民文化部長に伺います。  また、結婚できない理由では、適当な相手にめぐり会わないが最も多い中で、次いで、結婚資金が足りないとする経済的な理由を挙げる若者も多いわけであります。また、二十歳から34歳の男性のうち、正社員は47.6%が結婚しているのに対し、非正社員は16.8%にとどまっており、正規雇用と非正規雇用では有配偶者率に顕著な差が認められるものであります。  結婚支援のためにも、若者の安定就労の支援、正社員を目指す若者を応援することが重要と考えますが、どう取り組まれるのかについて、産業労働部長に伺います。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)ながの出会い応援プロジェクト事業の成果と課題についてのお尋ねでございます。  この事業では、出会いの仲立ちなどをボランティアで行っていただきます婚活サポーター、出会いを成婚につなげるためのさまざまな講座、交流会による婚活セミナー、結婚を希望する方のデータベースであるながの結婚マッチングシステムの普及、推進等を行ってございますけれども、主な成果について順次お答えいたします。  婚活サポーターは、2月15日現在で個人の方が582人、団体は141団体の方に登録をいただきまして、この2年間で40組の成婚を支援いただいております。また、婚活セミナーではこれまでに二組の成婚報告があり、今年度も40組のカップルが成立しているところでございます。  一方、課題といたしましては、婚活サポーターでは、相談対応に悩まれたり、相談者の情報が少ない等の御意見があることから、引き続き婚活コーディネーターがその活動を支援してまいりたいと考えております。また、婚活セミナーでは、市町村等が行う同様の事業との重複、女性の参加者の拡大が課題となっております。  こうしたことから、来年度は婚活支援センターを設置し、県としての支援体制の強化を図りますとともに、新たに企業間交流によります若者の出会いの場づくりなど、市町村等が行う事業との重複などの見直しを行った上で取り組みを進めますほか、移住等の連携も視野に入れる中で、県外におけます情報の発信強化、それから交流会の開催を実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。  ながの結婚マッチングシステムについてでございますが、結婚を希望する方のプロフィールをデータベース化いたしましたながの結婚マッチングシステムは、システム改修や市町村、企業等への普及推進などに取り組んだ結果、登録者はこの2年間で約3倍の655名、年間のお見合い件数は、昨年度と今年度を比べますと、倍以上の93件に増加してございますし、成婚数は平成25年度までは1組でございましたが、この2年間で8組にふえているところでございます。  県内には公的結婚相談所が66カ所ありますけれども、システムの利用団体は30カ所にとどまってございまして、広域での情報が得られるこのシステムの利用は、相談所の体制強化にもつながることから、来年度は婚活支援センターを中心に利用団体の拡大にも努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)お答えいたします。  若者の安定就労の支援についての御質問でございます。  これから結婚、子育てをしようとする若い世代におきまして、雇用が不安定で収入面での不安がある非正規雇用は切実な問題であると認識しております。そのため、県では、正社員を希望する若者を対象に、座学と職場実習を経て直接正規雇用に結びつける取り組みをこれまで進めてまいりました。これまでに260人を超える正社員を生み、具体的な成果を上げていることから、来年度も継続して実施する予算を計上しているところでございます。  また、来年度は、若者の就職相談にワンストップで対応しているジョブカフェ信州の新しいサテライトを東信地区にも増設するほか、南信地区への出張相談回数をふやすなど、全県で正社員を目指す若者の相談体制を強化してまいります。  県といたしましては、このような取り組みを通じて若い世代の雇用の安定を図り、ひいては結婚支援につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔13番石和大君登壇〕 ◆13番(石和大 君)長野県への移住の促進、観光振興による交流人口の増加、そして結婚支援と若者の就労支援の充実、人口定着・確かな暮らし実現総合戦略の実効性を高めるのに不可欠な要素であります。そして、本日質問の中で申し上げましたとおり、そこに共通するのは人材であります。そこでいかに人材が育つか、また、いかに有効な希有な人材をしっかりと登用し的確に配置するか、それによってこの事業の成果があらわれると確信をいたします。どうかその確かな実行による成果に期待をしまして、質問を終わります。 ○議長(西沢正隆 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時42分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(小島康晴 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  佐々木祥二議員。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)佐々木祥二であります。  通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。  しあわせ信州創造プラン、地方創生に向けまして、私見を交えながら質問と提案をさせていただきます。あの田中角栄氏は、やれ、責任はわしがとると、こう言って職員のやる気を出させました。政治は結果であります。執行部の方々には積極的で結果の出せる答弁を期待するものであります。  私は、明るい未来を築くためには、超高齢化社会のイメージを変えて、高齢者も障害者も再チャレンジをし、リハビリをして、活躍できる社会をつくっていく必要があると思います。  そこで、健康福祉部長にお伺いをいたしますが、私は、医療の中でもリハビリが重要だと考えます。障害者であっても、きっちりリハビリをして、安心して社会復帰できる環境をつくるべきと考えます。  県では、総合リハビリテーションセンターが設置され、41年が経過したとお聞きいたしました。この間、センターは身体障害者の生活復帰や社会復帰のため、相談、診断、医療、訓練等を総合的に行う県内唯一の施設として役割を果たしてまいりました。障害福祉制度の変更や利用者ニーズの多様化など障害者を取り巻く環境が変化する中で、県において今後のセンターのあり方検討会が設置され、センターの方向性を議論していると聞いております。  そこで、センターの現状や課題をどのように認識しているのか。また、あり方検討会の検討はどこまで進んでいるのか。健康福祉部長の御所見をお伺いをいたします。  また、南信地域におきましては、センターから距離が遠く、利用したいのだが通所等の利用は困難との声も大いに聞かれるところであります。サテライトの設置など、全県民のセンターのアクセス機会均等など全県的な支援の方策についても検討されているのか。お聞きいたします。  また、自動車運転訓練所のあるリハビリテーションは全国に5カ所と聞いております。運転免許がある方が障害を持った場合でも、障害者仕様の自動車を使用することにより可能だと思います。社会復帰に重要な役割を果たす自動車の運転習熟訓練をどのようにされているのか、あわせて健康福祉部長にお伺いをいたします。  次に、県看護大学の特色づくりについてお伺いをいたします。  県看護大学が行っている社会連携では、大学を拠点として、県立病院を初めとする県内4病院との連携事業が行われているほか、公開講座やオープンキャンパス、さらに施策立案のため審議会の委員に参画するなど、さまざまな地域貢献事業が行われております。  今後は、さらに一歩踏み込んだ地域貢献事業として、県民の健康増進を図るため、地域や地元市町村、県内自治体へ直接還元できる連携事業の展開が必要であると思います。具体的には、健康長寿世界一を掲げ、長生きから健康で長生きへと生活の質を高めることであり、長野県の健康寿命は、男性が6位、女性が17位となっておりまして、真の健康長寿世界一の取り組みが求められております。  私は、看護大学には、こうした保健、医療、福祉、スポーツ医学分野において県や市町村が抱えている課題に対し、共同研究等に基づいた施策の展開を検証したり、事業の再構築を行う地域貢献事業を推進することも重要だと考えております。  そこで、健康福祉部長にお伺いいたしますが、これからの取り組みとして、自治体との共同研究などあればその成果について、また、今後新たな地域貢献事業の計画があるのか。御所見をお伺いをいたします。  次に、近年、医療の高度化、専門化が進んでおり、医療現場においては、高度な専門的知識と技術、さらには探究心の旺盛な医療人材が多く求められております。こうした中、平成29年4月に向け、信州大学大学院医学系研究科と県立病院機構のこころの医療センター駒ヶ根やこども病院において、連携大学院を設置する構想があると聞いております。この構想は、県立病院で採用をした若手や中堅医師が県立病院で行った研究成果に基づいて、信州大学の大学院博士課程を修了し、学位を取得できるとお聞きいたしました。県看護大学大学院でも、医療現場で抱えている課題について研究を行い、高度な理論に基づいた実践ができる専門職を養成する連携大学院の仕組みが必要と考えます。  そこでお伺いいたしますが、県内の高度専門医療を提供しているこころの医療センター駒ヶ根及びこども病院との間で連携大学院を設置するべきと考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いをいたします。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)御質問に順次お答えを申し上げます。  まず、総合リハビリテーションセンターの現状や課題、あり方の検討状況についてでございますが、総合リハビリテーションセンターは、昭和49年の開設以来、主に身体障害者の在宅復帰や社会復帰のため、相談、医療、訓練などにわたり総合的に支援する施設として、県内におけるセーフティーネット機能を担ってまいりました。  近年は、高次脳機能障害のある方の就労や、脳血管障害により身体に麻痺などが残る方の生活復帰に向けた支援の充実を図る一方、利用者ニーズに適切に対応した効率的な運営が求められております。  御指摘のセンターの今後のあり方については、平成26年7月に外部の有識者を含めた検討会を設置し、これまで5回にわたり議論を重ねてきたところでございまして、その中では、センターの目指すべき姿といたしまして、障害者の在宅復帰、社会復帰に対する総合的な支援やセーフティーネットを担う機能とともに、高度・専門的医療の提供や関係機関の連携などについて、またその実現に向けた医療・福祉サービスの提供体制や運営形態などについても御議論をいただいたところであり、現在報告書の取りまとめを行ってございます。  次に、全県的な支援の方策についてですが、御指摘のとおり、センターの利用者は北信地域の皆様が多く、南信地域の皆様から利用しづらいとの声があることから、現在、センターでは、主に補装具の判定を行う巡回相談を県内各地で実施し、遠距離のため通所困難な方に支障が生じないように努めているところでございます。  あり方検討会の中では、サテライトの設置を長期的な課題としつつも、アクセス機会の均等を図るため、各地域におけるリハビリテーションの基幹的な病院との連携や、地域とリハビリテーションセンターをつなぐ窓口の設置などにより、全県的なリハビリテーションの充実を図ることが重要との観点から議論がなされてございます。  次に、自動車運転習熟訓練についてですが、センターでは、運転免許があるものの障害により自動車の運転ができなくなった方や、新たに運転免許を取得しようとする障害のある方に対して、障害があっても運転できるように改造された自動車の運転技能を習得する訓練を行っています。平成26年度は50人の方が訓練を受けられ、改造された自動車の運転技能を身につけて仕事に復帰するなど、所期の目的を達成して自宅に戻られているほか、新たに運転免許を取得した方もいらっしゃいます。  障害のある方にとって、運転技能の習得は、地域社会における生活の質が向上し、活動の範囲も広がるなど大きな効果があるものと認識してございます。御指摘のとおり、全国的にも数少ない訓練内容であり、障害のある方からも評価を受けておることから、今後も、自動車運転訓練をセンターにおいて実施することで、障害者の社会復帰を支援してまいりたいと思います。  次に、看護大学の地域貢献事業の取り組みについてでございますが、看護大学では、地域貢献等の事業につきまして、看護実践国際研究センターの事業と位置づけ、町村と連携して、在宅療養者と医療機関を結ぶ遠隔看護システムの開発や、地域住民を対象として温水プールを活用した高齢者の水中運動の研究など、地域住民の健康増進を初めさまざまな地域課題の研究に取り組んでいるところでございます。  また、教員の資質向上と地域へのさらなる貢献を目的といたしまして、県内病院との連携協定による相互研修や地域企業との連携プロジェクトを推進するとともに、新たに地域住民の要望に応じた出前講座を実施することを予定するなど、今後も積極的に地域貢献に取り組んでまいりたいと思います。  次に、看護大学との連携大学院の設置についてでございますが、医療の高度化が進む中、看護学に関する理論と実践を専門的かつ学際的に探究する看護大学が大学院教育において高度・専門医療機関と連携することは、意義あるものと考えます。  また、看護実践の場で研究を推進することは、看護の質の向上に大きく寄与するため、こころの医療センター駒ヶ根やこども病院との連携大学院の設置については、今後、信州大学大学院と県立病院機構との連携や他県の看護大学の取り組み状況などを研究してまいりたいと思います。  以上でございます。       〔48番佐々木祥二君登壇〕
    ◆48番(佐々木祥二 君)昨年は戦後70年の節目でありました。私たちの先人は、外地や戦地より復員をし、この信州に帰り、国破れて山河あり、城春にして草青見たり、そして、ふるさとの山に向かいて言うことなし、ふるさとの山はありがたきかなと思って、信州の荒廃をした山々を黙々として植林をし、間伐、育林をして、このふるさとの山々を今日のようなすばらしい青々とした山々にしてきたと思います。  長野県のカラマツは、戦後の混乱期を過ぎると間もなく、国家的規模で造林事業が本格的に展開をされ、特に中部山岳高冷地に対してカラマツがクローズアップされ、木材資源の早期育成の夢を託され、長野県でも昭和25年から20年間にわたって民有林でも大規模にカラマツ造林が進展をし、広大なカラマツ人工造林が造成をされてまいりました。  私も、中学時代、また高校時代に、自分のうちの山をおやじ様と一緒に植林をしたり、学校林にもヒノキやカラマツを植えてまいりました。あれから50年であります。  そこで、林務部長にお伺いいたしますが、長野県のカラマツは、他の地域では北海道、岩手県などに分布するのみであり、全国的には希少価値の高い木であると思います。近年では、強度や木目の美しさなどの特性が高く評価され、カラマツの需要は拡大をしており、特に本県のカラマツは、他地域よりも強度、品質にすぐれている日本一のカラマツと言われております。  今後、カラマツを初め本県の県産材の利用の促進が期待をされております。多くの県民が利用し、地域のシンボルにもなる公共施設への木材利用を一層進めることが重要と考えます。  公共施設の木造化、木質化に当たり効果的に活用されている木造公共施設整備事業は、事業の見直しがされると聞いております。今後の公共施設への県産材利用の推進方法について、林務部長の御所見をお伺いをいたします。  次に、昨年末に新国立競技場の技術提案等審査委員会におきまして、隈研吾氏らが提案をいたしました、木材をふんだんに使い日本の伝統デザインを取り入れた施設計画の採択が決定いたしました。その他のオリンピック施設についても木材が使用されるという予定を聞いております。日本のシンボルとなる施設に木材が利用されることは、大変にすばらしいことであり、今後の木材利用に大きな効果が生まれると期待しております。このオリンピック施設に、ぜひ長野県のカラマツを中心とした県産材を使用してもらえればと思いますが、その実現に向けた取り組みなど、林務部長の御所見をお伺いをいたします。  また、私は昨年末、山形県天童市の天童木工さんで、伊那谷のカラマツの加工と工場を視察させていただきました。すばらしい工場で、加工技術とデザイン性はピカ一でありました。今後、県産材の利用促進を図るためには、従来の木材利用に加えて、新たな用途への利用拡大と林業の6次産業化、あるいは他の素材を県産材に転換するなどの技術開発が必要と考えますが、林務部長の御所見をお伺いをいたします。  次に、県営住宅の整備についてお伺いをいたします。  県内の公営住宅は、現在、県営、市町村営合わせて約3万3,000戸、このうち県営住宅は1万5,321戸、全体の46%と聞いております。この半数以上が、戦後の復興期から高度成長期にかけての住宅難と言われた時代に市町村と一緒になって大量に建設されたものであり、著しく老朽化が進んでおります。少子高齢化が進み、人口減少社会となる中、依然財政状況は厳しく、このような老朽化した公営住宅をどのようにしていくのか。本県ばかりでなく、全国的に大きな課題となっていると思います。  そこでお伺いいたしますが、私の地元駒ヶ根市に、県と協働で県営ふじやま団地、市営住宅経塚団地の協働建替事業が平成24年度から始まり、県営は25年度に完成をし、今、市営住宅を着工しており、本年11月には市営住宅経塚団地も完成すると承知しております。これは、近くにある県営住宅と市営住宅がともに老朽化しており、これに対応するため、県と市の協働事業ということで、県、市双方で建替事業を行い、土地の交換もセットで行いながら、県が先行して建てかえた県営ふじやま団地を将来は市に移譲し、市営住宅として一体的に管理していこうというものであります。  団地の入居者や近所の方々からは、評判いいよと、こう言われております。まず、老朽化の暗いイメージが払拭された、周辺の道路と住環境がすばらしくよくなった、子育て世代の入居が期待でき地域活性化にもつながる、集会所が共同で使えるなどなど、大変喜んでいる声を私も直接聞いております。  このような市町村との協働による建替事業のメリットや成果、今後の課題について、建設部長にお伺いをいたします。  次に、私は、このような協働事業は、今後の公営住宅のあり方、とりわけ県と市町村との役割分担を見通す中で大変有効であり、県内の各地域にもっとこれは広げていくべきと考えます。駒ヶ根市と同類の取り組みを行っているところがほかにもあるのか、県内市町村の状況につきましても、建設部長にお伺いをいたします。  次に、私は先ほど述べたような社会情勢、財政状況が厳しい中、これは単独での事業が計画的に進まないと思います。老朽化した県営住宅を今後どのように整備をしていくお考えか。ここは知事の御所見をお伺いをいたします。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)林業行政政策について、3点御質問をいただきました。  初めに、公共施設への県産材の利用推進についてのお尋ねですが、県内では、木造公共施設整備事業により、平成12年度からこれまでに、保育園や地域交流施設など212カ所、399棟の公共施設の木造化等に対し支援し、着実な成果を上げております。  こうした中、国では、全国的にも木造公共施設整備事業の要望が年々増加していることを踏まえ、一律2分の1以内であった補助率を、一般的な木造施設については15%以内に、新たな開発部材や建築工法などの活用等により特に推進する必要性が高い施設については、補助率を2分の1以内に見直し、来年度から適用することとしています。このため、今後は、可能な限り新技術等の活用により高率の助成が適用されるよう、市町村や関係団体等との連携を一層強化してまいります。  これに加えて、公共施設への県産材利用を促進するため、県産材を活用した優良建設事例集の配布や設計関係者に対する技術研修会の開催などを通じて、外材や代替品等から県産材への転換を図ってまいります。  次に、東京オリンピック施設への県産材利用についてのお尋ねですが、近年のオリンピック施設では、適切に森林の管理経営を行っている森林を認証機関が認定し、そこから生産された木材を分別、流通させた認証材が使用されております。先般決定されました新国立競技場におきましてもこの認証材を使用する計画となっており、今後策定される東京大会の木材調達方針においても、認証材の使用が盛り込まれる見込みとなっております。  このため、長野県産材の使用に向けては、本県の強みでありますカラマツを中心とする認証材の供給体制の構築が必要となるため、森林認証の取得に関心を持つ森林所有者や木材関係者と連携し、現在早期の森林認証の取得に向けた調整を進めております。  また、木材の採用に当たっては、国、東京都等の施設発注者や工事受注者等の理解を得ることが重要でありますことから、県内関係者と連携し、本県のすぐれた県産材製品が選定されるよう取り組んでまいります。  次に、木材の利用拡大と技術開発についてのお尋ねですが、県産材の利用を促進するためには、これまで木材が余り利用されてこなかった分野への利用拡大や、外材やコンクリート等が用いられてきた分野に対し、県産材への転換を図る技術開発が必要でありますことから、県といたしましては、その効果的な取り組みに支援を行っております。  特徴的な取り組みとしまして、新たな用途への利用拡大のため、カラマツ材のくいを利用した軟弱地盤対策の実証実験を支援しており、既に県外では複数の軟弱地盤地区の補強にカラマツぐいの活用が始まるなど、成果は着実に出てきております。  また、本県独自の技術開発では、木材を重ね合わせて接着した信州型接着重ね梁の開発を県林業総合センターの協力のもとに支援しており、平成28年度早々には、県内外で広く建築材として使用されるために必要な国土交通大臣の認定取得が見込まれており、外材のシェアが大きいはり、桁材の県産材への転換が進むことが期待されます。  さらに、林業の6次産業化の視点では、木質バイオマスエネルギー利用施設を導入する取り組みなどに対し支援しております。今後もこれらの取り組みを一層推進して、暮らしの中でより多くの県産材が利用していただけるよう努めてまいります。  以上でございます。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)県営住宅につきまして、2点御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。  初めに、市町村との協働による建替事業のメリットや今後の課題等についての御質問でございます。  公営住宅は、住民にきめ細かなサービスを効果的に提供するという観点から、住民に密着した基礎自治体である市町村が主体となって供給、管理していくことが適切だと考えております。このため、県営住宅の建てかえにつきましては、中長期的な公営住宅の必要戸数などを勘案しながら、将来的な移管協議が調った団地において、市町村と協働して行っていくこととしております。  そのメリットや成果といたしましては、議員から御指摘のあったことのほか、一体的な町並み整備や市町村にとっての初期投資の低減、県と市町村に分かれている行政サービスの一元化などがメリットとして考えられます。  今後の課題としまして、将来の財政負担を懸念する市町村もあることから、地域の実情を十分踏まえ、対応していくことが重要であると考えております。  次に、県内における駒ヶ根市と同様の取り組みについての御質問でございます。  平成23年度に塩尻市の県営君石団地において実施しております。また、今年度、大町市の県営常盤上一団地及び安曇野市の県営アルプス団地について、それぞれ市と将来的な移管協議が調いましたので、新年度予算案に関連予算をお願いしているところでございます。この他の市町村におかれましても、地域の実情において必要な協議をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)老朽化した県営住宅を今後どのように整備していくかという御質問でございます。  私も各地へ出かけて、ちょっと老朽化、余りにもいかがなものかという県営住宅を目にする中で、何とか居住環境を改善しなければいけないということを常々感じておりました。今回の駒ヶ根での取り組み、御評価いただけて大変ありがたいというふうに思っておりますし、建設部、あるいは公営住宅室、しっかり頑張って今取り組みを進めているところでございます。  現行の長寿命化計画、これを見直して、新しく10カ年の計画として、県営住宅プラン2016、28年度を初年度とする計画を策定いたしました。これに基づきまして、将来的に市町村への移管につながる建替事業のほか、既存の住宅ストックを活用しながら、ユニットバスの設置でありますとか、新たに子育て世帯が住みたくなるようなリノベーションにも取り組むなど、来年度から総合的にこの県営住宅をよりよくしていくための施策を展開してまいります。  県営住宅団地の約3分の1は市町村営団地と隣接、近接しているという現状にありますので、御指摘ありましたように、市町村と協働して事業を進めていくということも大変重要だというふうに考えております。  今後は、このプランに沿いまして、市町村としっかりと協働しながら県営住宅の整備を行い、住宅にお困りの方、あるいは県営住宅にお住まいいただいている方、こうした皆様方の安心・安全で快適な暮らしを確保するべく尽くしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)それぞれ答弁をいただきました。よろしくお願いをいたします。駒ヶ根にもまだありますので、安価で入れるようにお願いをしたいと思います。  また、リハビリセンターのあり方検討会でありますが、社会復帰するには車がないと生活も仕事もできませんので、自動車運転訓練の強化、充実を強くお願いをしておきます。  私は平成19年12月の県議会一般質問で、当時の村井知事に、身体・精神・知的3障害の社会復帰訓練施設、リハビリセンターの開設を提案をさせていただきました。この際、身近なところで安心して相談や治療、加えて社会適応訓練能力を備えた総合的な南信トータルリハビリセンター構想を提案をさせていただきました。  当時の村井知事は、何とか総合的な仕組みをつくっていけないかという提案だとするならば、私はこれは非常に有益な提言だと思います、少し勉強をさせていただければと思う次第ですと答弁をいただきました。  あれから8年でございます。駒ヶ根病院は、こころの医療センター駒ヶ根となり、日本一の精神科の病院となりました。病院内のリハビリ、精神通所リハビリも充実をしてまいりました。また、知的障害者の方々の総合的援護施設であります西駒郷でも、リハビリの援助を受けながら皆様楽しく仕事をしております。また、看護大学のプール棟内にありますサンスポート駒ヶ根は、サンアップルのサテライトであり、南信地区の身体・知的障害者の方々がスポーツを通じてリハビリに汗を流しております。また、昭和伊南総合病院も地域先進リハビリセンターを設置し、徐々に充実させております。  しかし、まだまだ満足のいく状況ではありません。健康長寿県づくりには、このリハビリテーションは欠かせない施策であり、全県民的機会均等についても十分発展させていく必要があると思います。  そこで、県立総合リハビリテーションセンターを持つ長野県として、今後どのようにリハビリテーションを進めていくのか。ここは決意のほどを健康福祉部長にお伺いをいたします。  看護大学でありますが、今後も、積極的に地域住民の要望に応じた出前講座とか青少年育成のホッケーとか、高齢者のグラウンドゴルフなどの健康増進プロジェクトなど、これは取り入れていただきたいと要望をしておきます。  次に、林業行政でございますが、私の知人は、林業はきつい仕事だがやりがいがあると言っておりますし、もう一人はバイオマス研究会を立ち上げ、6次産業の方々と研究をしております。それぞれUターン、Iターンの方々であります。かけがえのない自然と共生をして、もって県土の保全と県民の精神的安定に寄与する森林・林業を、私はしあわせ信州の政策の中心に据え、最先端産業と商工業を融合し、豊かさを増し、学校とも融合させながら、文化と教育と教養に富んだ、優雅で気品に満ちた長野県づくりを目指すべきと考えます。ここは知事、先頭に立って政策から営業まで積極一貫挑戦し続けていただきたいことを要望をしておきます。  望月先生からもお話がございましたが、今定例会に教育委員会委員長人事案件が提案をされております。  そこで、伊藤教育長にお伺いをいたします。  平成25年4月、文部科学省から本県教育委員会委員長に就任されましたが、当時、教員の不祥事が大きな問題となり、経験を生かす中、信州教育の信頼回復に向けて努力されました。また、特別支援教育の充実やスーパーグローバルハイスクールの設置、そして、昨年は、長野県いじめ防止対策推進条例を制定をし、いじめ防止の取り組みを積極的に推進してまいりました。私もこの議場において、質問、質疑を通じて御指導をいただき、教育観を醸成させていただきました。  また、平成25年9月、学校登山の奨励策、昨年2月、2回目の本国体開催について質問をさせていただきましたが、その都度適切な答弁をいただき、心から感謝と敬意を申し上げます。  さらに、広島での全国都道府県駅伝大会にも2度同行させていただき、一度は優勝も経験をさせていただきました。また、武道教育、県立武道館建設についても熱心に取り組み、スポーツ、武道振興に対する強い意気込みを感じました。また、次代を担う子供たちに安心して学べる教育環境の構築のため尽力されたことも思い出されます。  私も長野県教育の一層の発展を心から期待している者の一人でありますが、伊藤教育長が退任されるに当たり、長野県教育に対する熱い思いをお聞かせ願えればと思う次第でございます。よろしくお願いをいたします。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)今後のリハビリテーションについての御質問にお答えをいたします。  あり方検討会では、全県的なリハビリテーションの充実強化を図るため、リハビリテーションにかかわる県内の医療、福祉、教育、行政など関係者の情報共有や連携とともに、信州大学等との連携協力によるリハビリテーション専門医等の養成確保や、医療、技術の研究、またセンターの持つ専門知識や技術の地域への還元などにつきまして、有益な御意見をいただきました。  こうした観点から、センターの専門性や総合的支援機能を生かして、新たな訓練方法や技術を取り入れた効果的なリハビリテーションの実施や、リハビリテーション専門人材の確保養成など、関係機関と連携した取り組みを進めてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)ただいまは佐々木議員より、また、午前中の質疑の中では望月議員より過分のお言葉をいただき、大変強縮をしております。  若輩である私が長野県の教育長という重責を3年間果たすことができましたのも、県議会議員各先生からの御指導を初め、阿部知事や教育委員の皆様、市町村長や教育長、そして長野県の教育をよりよくしたいという熱い思いを持って日々頑張っている教育委員会事務局や学校の多くの仲間から、御指導、お力添えをいただいたことのたまものだと深く感謝を申し上げます。  私自身は東京で生まれ育ちはいたしましたけれども、両親が旧高遠町の出身であり、幼少期よりたびたび訪れ長期間を過ごしたこの長野県に少しでも貢献できればという思いを持っておりました。  しかしながら、自分自身、長野県の教育を受けてきたわけではない中、全国の教育界から教育県と言われ一目置かれている長野県の教育長となり、かつ課題山積の中で、教育に対する県民の信頼を回復し信州教育を再生するという重責を担うことについて、本当に私で務まるのであろうかと不安と身の引き締まる思いで3年前に就任したことを、きのうのことのように思い出します。  就任以来、できるだけ学校や地域、スポーツ大会などの現場に足を運び、それぞれの立場で日々努力されている多くの関係者の姿を見たり、話を聞いたりするとともに、時には大学生や高校生とも膝を交え話をしてまいりました。  そのような中で、これまでの信州教育のよさを大切にしながらも、私がこれまで国や他県で経験し学んできた知見をフルに生かし、激しく変化する社会の中をたくましく生き抜き、未来を切り開く長野県の子供たちを育む教育を実現するため、従来のやり方を大きく変えたり、新しい取り組みにチャレンジするなど、たくさんの改革に取り組ませていただきました。  長野県には、教育熱心で子供たちを地域全体で育もうとする温かい県民の皆様が各地におり、子供たちを育む豊かな自然や文化などの環境があり、そして、子供たちのことを第一に考え、日々努力しているたくさんのすばらしい教職員がおります。  そうした力を結集し、変えることを恐れず、信州の精神で我が国の教育界を再びリードする気概を持ってよりよい教育を実現するよう、今後も改革を進めてほしいと強く願っております。  とはいえ、私の在任期間もまだ1カ月以上ありますので、最後まで全力で県民の期待に応えられるよう取り組んでまいりますので、引き続き御指導のほどをよろしくお願い申し上げ、私の思いとさせていただきます。本当にありがとうございました。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)伊藤教育長には、信州教育再生のため、本当に最善を尽くされたことに対し、重ねて感謝と敬意を申し上げます。今後とも信州教育に御支援をお願いをいたします。  孔子先生は、政治とはと問われたときに、近くの人喜べば、遠くの人集まってくると、こう答えたそうでございます。私もそのとおりだと思います。また、安倍総理は、なせよ、屈するなかれ、時重なればその事必ず成らんと語り、目標に向かって諦めずに進み、挑戦し続け、必ず結果を出そうと施政方針演説で述べました。また、ある方は、仕事は楽しく一生懸命やるもの、やる気とは働いて見せるもの、努力とは結果で示すもの、目標とは最後まで挑戦し、超えるものとおっしゃいました。  長野県では、信州創生のすばらしい総合戦略ができ上がりました。目標に向かって、国、県、市町村、県民力を合わせて信州創生をやり遂げていただくことを要望をしておきます。  ちょうど時間となりました。全ての質問を終了させていただきます。御清聴、ありがとうございました。 ○副議長(小島康晴 君)次に、山岸喜昭議員。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)順次質問に入ります。  長野県産米のブランド価値向上についてでございます。  我が国の水田の激減を防ぐには、米が、これまで以上の需要が生じ、また今まで以上に高価に買い取られることであり、それには外国への販売拡大が不可欠であります。  近年、日本食の普及や、全粒穀物の玄米等の健康増進効果が見直され、アメリカなどでも米の消費量が拡大しつつあります。それに伴い、海外における日本の米の評価が高まっており、世界においてさらに需要が高くなると思われます。国内とは違い、海外におきましては、まだまだ新潟のコシヒカリや秋田のあきたこまち等、昔から海外でも有名な米がやはり人気なことから、ネームバリューが一つのブランドと認知されているようであります。  しかし、このような海外市場においても、もう一つのブランドとなり得るのがコンクールでの受賞ではないでしょうか。第17回米・食味分析鑑定コンクール国際大会が石川県で開催されました。米のコンクールとして、規模、出品数ともに国内最大で、恐らく海外においても最大級であり、受賞米は非常に高い評価とブランド力が認められています。  米の安全性や良食味を審査、評価することで、良質な米づくりに努めている生産者、生産団体を支援し、安心、安全でかつ健全な米づくりを守り、日本の米食文化を支える基盤づくりや指針の役割をも担っております。  大会には、全国各地から、また海外から、合計5,119点の米が出品され、各地自慢の米のおいしさを競い合います。審査の結果、国際総合部門におきまして、長野県産米が、飯山産が3件、木島平産が2件、そして私ども地元の小諸産が1件金賞を受賞し、金賞18件のうち本県の6農家が見事受賞されました。  受賞米は、非常に高い評価とブランド力が認められております。これにより、長野県産米は世界に存在感を示すとともに、長野県産の米のブランド化に向けて一歩も二歩も前進したと思われます。  厳しい審査を受け選ばれた米職人、自然や風土、米職人のこだわりと情熱が、味わい、おいしさとなってあらわれ、米のプロをもうならせる結晶となり、すぐれた米が誕生しています。この機会に、ぜひとも国内外において最高のブランド力の取得を目指したいものであります。  農政部長にお聞きします。  コンクール国際大会で、金賞受賞18件のうち、長野県は6農家で最多受賞、米づくり農家が努力している結果だと思われます。ある企業は、受賞者から6名を選抜し、精米、ブレンド、貯蔵し、世界最高の米として国際市場へ販路を広げ、1キロ1万1,000円で販売します。ブランド化に取り組む長野県としても、県内外や海外市場への販売開拓や銀座NAGANOでのPRはできないものか。  一方、県におきましても、新たな主要穀類オリジナル品種の水稲「風さやか」と、そばでは「信州ひすいそば」の県産農産物のブランド化や生産拡大に向けて取り組んでいることは承知しておりますが、適地適作の信州産「風さやか」と、「信州ひすいそば」など、どのように知名度をアップ、ブランド化をしていくのか。また、ブランド化には一定の流通量が必要です。どのように生産拡大を進めていくのか。また、早期産地化に向けた取り組みはどのようにしていくのか。今後の信州産米の魅力発信、展望をどのようにしていくのか。お聞きします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)長野県産米のブランド化につきまして、順次お答えをさせていただきます。  まず、すぐれた県産米のPRについてでございますが、本県では、原産地呼称管理制度による認定米に対し、県ホームページでの紹介のほか、銀座NAGANOを活用したお披露目会や商談会などによりまして、県内外へ広くPRをしているところでございます。  全国段階のコンクール入賞者の中には、原産地呼称管理制度に取り組んでいただいている生産者もおられますので、今後はより多くの生産者にこの制度に取り組んでいただけるような働きかけをしまして、PRにつなげてまいりたいというふうに思っております。  また、コンクール入賞者につきましては、県のホームページで紹介させていただくバナーを開設しまして、生産者のお米の優秀性とつくり手の思いを広く周知できるよう取り組んでまいります。  なお、海外輸出につきましては、県農産物等輸出事業者協議会において販路開拓の可能性を検討させていただきたいというふうに考えております。
     次に、オリジナル品種のブランド化についてでございますが、取り組みに当たっては、生産者のみならず、流通、販売、実需者が参画します推進協議会を設立しまして、関係者一体となって進めております。  「風さやか」につきましては、本年度、推進フォーラムを開催し、実需者に向けて特徴などをPRしてまいりました。来年度は、ロゴマークを活用した統一した米袋での販売、宣伝ですとか、キャッチフレーズの募集などによりまして、消費者に向けての認知度向上を図ってまいります。  「信州ひすいそば」につきましては、緑色が鮮やかで香りが高いといった品種の特徴を協議会参加のそば店等から発信していただく取り組みですとか、商標の活用などによりまして、認知の向上を図っているところであります。  また、早期産地化への取り組みでございますが、「風さやか」は生産者の作付意欲も高く、栽培面積は大幅に増加しております。一方で、品質のばらつきが課題となっておりますので、来年度は、統一した栽培マニュアルに基づきます高品質で安定的な栽培の徹底を図りまして生産拡大を進めていくこととしておりまして、現在、各産地において生産者講習会を実施しているところです。  「信州ひすいそば」は、そば店等から供給量の増大を求める強い要望がございます。種子の確保や栽培マニュアルによります安定生産指導によりまして、耕作放棄地の活用もあわせ、栽培面積の拡大を進めてまいります。  また、県産米の魅力発信に向けた取り組みでございますが、これまで、本県の一等米比率が全国1位であることや、原産地呼称管理制度認定米のおいしさなど、県産米の魅力について発信してきたところでございます。来年度からは、これらに加えまして、県内のホテル、旅館や飲食店等で県産米を利用していただく地消地産の取り組みを積極的に進めまして、県内外の観光客や消費者の皆様へ県産米の魅力を発信してまいりたいというふうに考えております。  また、県オリジナル品種の「風さやか」につきましては、特徴や魅力を銀座NAGANOでのイベント、県ホームページやメディアなどを活用したPRなどにより進めまして、他県品種に負けないブランド米に今後育て上げていきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)続いて、6次産業についてお聞きします。  6次産業化の推進については、農産物の新たな付加価値を創出するとして、県が信州6次産業化推進協議会を設立し、事業者に対して支援を効果的に推進中であります。農山村の所得や雇用拡大、地域活力の向上を図るために、地域内外の多様な事業者がネットワークを構築して取り組む新商品開発や販売開拓等を支援するネットワーク活動交付金があり、認定を受けた事業者はさまざまな支援が受けられます。国の認定している総合化事業計画数は全国の3位とお聞きしております。しかし、国の補助金制度の変更がたびたびあり、使い勝手がよくないともお聞きしております。  農政部長にお聞きします。  国が実際に補助金を出す場合に、設備、機械等の整備支援では、27年度から金融機関融資が前提となり、補助率も事業費の10分の3に狭められております。ということは、金融機関が前向きに6次産業支援に取り組まない限り成果が出ないことになるが、県として金融機関が6次産業化に積極的に取り組むようにするためにはどのような対策をしていくのか。  また、総合化事業計画認定数が全国で3位であるが、年度ごとに認定数は減少してきています。そこで、この現状をどのように受けとめているのか。また、今後どのように支援をしていくのか。お聞きします。  続いて、農業水利施設の管理についてお聞きします。  インフラ長寿命化計画を策定する中、昨今、土地改良区が維持管理を行っている県内の農業水利施設は、食料増産を目的に整備されてから相当の年数が経過し、特に農産物生産の生命線である重要な水路の老朽化は激しく、コンクリート構造物の耐用年数は既に超えており、水利施設はいつどこで漏水するか、通水不能になるかわからない状態であります。一たび故障等が発生すれば、故障箇所によってはその被害は甚大なものになります。  土地改良区は、農家の経営への影響を最小限にとどめるため、迅速な対応をしなければなりません。農家の減少、高齢化の進行により、ますます土地改良区の運営が厳しくなりつつある中、土地改良区の運営に大きな負担となるわけであります。また、地域農業を守るとりででもある土地改良区の存続そのものを脅かすものであると思います。  農政部長にお聞きします。  農業水利施設は、土地改良区が適切に維持管理するものとされておりますが、高齢化、組合員の減少等により運営が厳しい中、経営への影響を心配することなく、老朽対策が迅速に、また改善事業等維持管理に対応できるよう、県として支援策を講じるべきではないか。お伺いいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)6次産業化についてのお尋ねでございますが、初めに、金融機関の取り組みについてですが、6次産業化の推進にあって大変重要な課題であるというふうに考えております。  このため、6次産業化の推進母体である信州6次産業化推進協議会においては、平成25年の設立時から県内の主要な金融機関に参画いただき、金融機関による6次産業化支援の強化のための意見交換会や、金融機関の職員を対象とした研修会などを開催してきております。  これらの取り組みによりまして、金融機関みずからが事業者の相談に対応するためのアドバイザーを設置したり、セミナーを開催するなどの動きとなってきておりまして、今後、このような金融機関の積極的な取り組みがさらに進みますよう、県としても連携支援を図ってまいりたいというふうに考えております。  また、6次産業化への今後の支援についてですが、認定件数が全国3位であることは、意欲的な事業者が全国に先駆けて6次産業化に取り組んできたあらわれであるというふうに認識しております。今後は、既に認定されている事業者の経営の多角化や、規模の大きな事業体の育成が必要であるというふうに考えております。  このため、来年度は、6次産業化プランナーによる、より熟度の高い事業計画策定への支援や、経営マネジメント等の研修会の開催などによりまして、事業者をきめ細かく支援してまいる考えでございます。  また、商品力の向上と販路開拓を支援するため、しあわせ信州食品開発センターを活用した加工技術の改善、銀座NAGANOや首都圏等での商談会の開催などに取り組んでまいります。  次に、農業水利施設の管理についてでございます。  農業水利施設は、基幹から末端に至る一連の施設として、基幹の部分は県が、支線や末端は市町村や土地改良区が役割を分担し保全管理を行っております。しかしながら、支線、末端施設では、土地改良区組合員の減少と高齢化や、施設の多くが耐用年数を迎えるなど、適切な保全管理が難しくなってきております。  このため、本年2月、長野県農業水利施設等保全管理会議を設立いたしまして、県、市町村、土地改良区などが密接に連携する体制の強化を図ったところでございます。  県といたしましては、国庫補助事業や多面的機能支払事業を最大限に活用して補修、更新を支援するとともに、先ほどの保全管理会議を活用しまして、長寿命化計画の策定や適切な機能保全のための技術的支援などに取り組んでまいることとしております。  以上でございます。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)続きまして、次に、以前もお聞きしましたけれども、AEDについてお聞きします。  心臓異常が原因で起こる心臓突然死で年間何人の人が亡くなっているか御存じでしょうか。元気な人でも突然心臓発作を起こして、年間7万人以上、日々約200人もの人が心臓突然死で亡くなっております。高齢化が進むとともに増加しているわけであります。この中には、救えたはずの命も少なくないと言われております。  2分以内に除細動を行えば、救命の確率は80%以上になります。突然死の対策として、それを減らす決め手となっているのがAEDであります。10年前から一般の人でも使用が認められるようになり、AEDはこれまでに63万6,000台以上が販売され、駅や公共施設など今やあちこちのいろいろなところで目にすることができます。  しかし、一般の人が迷わずに使うことができるでしょうか。誰かが、目の前で倒れた人に対しAEDが使われたケースはわずか3.7%、見知らぬ人が目の前で突然倒れた場合にAEDを使うことができる、できないの問いに、できないと答えた人は半分以上に当たります。その理由の多くは、使い方がわからない、使うべき状態かわからない、必要でない人に電気ショックを与えてしまうのではないかためらってしまう。  小学校で駅伝の練習中に倒れて反応のない女の子に、保健室にあるAEDが使われずに亡くなる事故が起きました。何のために学校に設置されているAEDなのか。学校の中でAEDや心肺蘇生が実施された数は過去5年間で821件に上っていると聞いております。児童や生徒が倒れた場合、子供たちが第1発見者になる可能性があることから、日本循環器学会では、学校教育の中でAEDなど救命法の指導と訓練が望まれるという提言を出しました。その必要性を実感する出来事が起きたわけです。  また、心臓に負担がかかるスポーツの現場は特に警戒が必要であります。スポーツの中で、突然死で一番多いのがマラソンであります。大会で走り終えたランナーが心臓発作で倒れる事態が発生、すぐに心臓マッサージが行われ、AEDを使って電気ショックを与えられたことで命が救われるケースがふえております。  AEDは、正しく理解されておりません。AEDは、電気ショックを与える治療器具であると同時に、電気ショックが必要か判断する診断機でもあります。全国で設置は進んで、一度は講習を受けている人も多いと思いますが、いざというときに使用されておりません。AEDを使う勇気が必要であります。その後押しは知識と訓練が求められます。定期的な講習会やAEDの設置場所など情報も必要であります。AEDは電源さえ入れば簡単に使えます。  健康福祉部長にお聞きします。  設置については、救命率の向上のために、可能な限り身近な施設にも設置されていることが望まれておりますが、県、市町村の公的機関やスポーツ関連施設などへのAEDの設置状況はいかがか。商業施設や深夜営業施設など設置状況はいかがか。多数の人が出入りする施設の設置箇所情報はどのようにされているのか。  維持管理について、冬期間はパッドの凍結やバッテリーの出力低下、消耗期限切れなど正常に作動しない可能性が指摘され、適切な管理が必要であります。利用者が多い公共施設でのAEDは適切な維持管理が行われているのか。心肺停止から5分以内の処置が求められるが、なぜ使用率が低いのか。使用率向上のためには、AEDの正しい理解など啓発活動を進めていくことが必要と思われますが、いかがか。  続いて、教育長にお聞きします。  学校教育の中で、救命法の指導や訓練の必要性を実感するが、教職員や子供や生徒たちへ防災訓練同様の定期的な救命講習会や啓発活動が必要と思うが、いかがか。  県においては、スポーツ振興に取り組み、地域が一体となって地域資源を磨き、合宿の誘致、海外からのキャンプや、各地で開催される多くのスポーツ大会、イベントなどを控える中、県内のスポーツ施設やスポーツの現場に備えつけと、施設関係者が使用法を学ぶ定期的な講習会等が必要と思うが、いかがか。お聞かせください。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)AEDの設置についての御質問に順次お答えをいたします。  まず、AEDの設置状況についてでございますが、県内に設置されているAEDの登録件数は、一般財団法人日本救急医療財団によりますと、平成28年2月現在6,622台、そのうち県や市町村等の公的機関については、学校や保育施設が1,335台、庁舎等その他の不特定多数の人が利用する公的施設が738台、運動場や体育館などのスポーツ関連施設が329台となっております。  このうち、県の施設には、全体で237施設、287台のAEDが設置されており、県の野球場等のスポーツ施設については、6施設、7台が設置されてございます。また、コンビニなども含めました商業施設につきましては165台が、ホテルなどの宿泊施設には283台が設置されてございます。  次に、AEDの設置情報についてでございますが、AEDを設置する県有施設については、県のホームページで設置情報を公表しているほか、平成27年7月より、全国AEDマップが先ほど申し上げました財団のホームページに新たに開設され、県有施設を初め全国のAEDを設置する施設等の情報が公開されて、AEDが施設の敷地や建物のどこに設置されているかという詳細な位置情報も見ることができるようになってございます。  また、いざAEDが必要になったとき、設置している場所にたどり着けるような案内表示も含むAEDの設置表示の整備についても各施設管理者に取り組んでいただく必要があり、県において、昨年7月の全国AEDマップの周知とあわせて、AEDを有効に使用するための表示に係る必要な設備についても周知を図っているところでございます。  次に、AEDの管理についてでございますが、御指摘のとおり、いざというときにAEDが有効に機能するためには、設置されたAEDが設置者によって適切に維持管理され、いつでも使えるようにしておくことが必要と考えております。  しかしながら、厚生労働省が平成25年にAED製造販売事業者にアンケート調査を実施したところ、一部のAEDの維持管理が適切に行われていない事態が指摘されたため、県においては、平成25年9月に、AEDの適切な管理の実施について関係機関に周知し、日常点検や消耗品の交換等、AEDの適切な管理について徹底を図ったところでございます。  今後も、県有施設を初め、設置されたAEDが適切に維持管理がなされるよう、引き続き周知を図ってまいりたいと思います。  次に、AEDの使用率の向上についてでございますが、消防庁の「平成26年版救急・救助の現況」によりますと、平成25年の一般市民により目撃された心肺機能停止症例に対するAEDの使用率は、全国で5.85%となり、さらに長野県内では3.72%にとどまってございます。  AEDの使用率が低い要因といたしましては、一般的にはそもそもそうした現場の近くにAEDがなかった場合と、AEDがあったにもかかわらず使用に至らなかった場合もあるものと考えております。  御指摘のとおり、このAEDが存在したものの使用に至らなかった要因につきましては、関係者がAEDの設置場所を知らなかったことや、AEDの使用方法がわからない、あるいは機器の更新などによりまして取り扱いがふなれであったことなどが考えられます。  使用率の向上を図るために、県としては、AEDへの関心を高め、使用方法などについて県民が学ぶ機会をふやす必要があると考えており、関係者に対して地域や施設における定期的な講習会の開催などについて、引き続き県内の消防本部とも連携しながら周知を図ってまいりたいと思います。  以上でございます。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)AEDに関します私に対するお尋ねに順次お答えを申し上げます。  まず、学校における救命講習等についてでございますが、学校における心肺蘇生や応急手当てに関する指導は、学習指導要領に基づき保健体育の授業で発達段階に応じ行っており、中学校及び高等学校におきましては、実技を通して理解を深めるほか、心肺停止状態におけるAEDの必要性や使用法についても指導しているところでございます。  特に、近い将来、社会に出て、応急手当てをみずから行う場面に居合わせる可能性が高くなる高等学校の生徒につきましては、AEDを用いた実技講習を受ける機会を充実するよう学校へ指導しており、昨年度は県下の公立高等学校64校で延べ82回実施をされているところでございます。  また、教職員につきましては、いざというときにAEDを使用した心肺蘇生法を実施することができるよう、全教職員に対してAEDの使用を含む救命講習を、消防庁が普通救命講習の技量維持の目安としている2年から3年に1回以上受講するよう求めており、昨年度は県下の公立学校全教職員の半数以上が受講しているところでございます。  教職員はもとより、児童生徒が発達段階に応じ、AEDの有用性に対する理解を深め、いざというときに適切な応急手当てが行えるよう、引き続き学校における指導に努めてまいりたいと考えております。  次に、スポーツ施設へのAEDの設置等についてのお尋ねでございます。  県内スポーツ施設へのAEDの設置状況は、先ほど小林健康福祉部長から答弁を申し上げたとおりでございますが、県民が安心してスポーツに親しむために、スポーツ施設等におけるAEDの普及は重要な取り組みであると認識をしております。  そのため、教育委員会では、現在展開している長野県スポーツ推進計画において、スポーツにおける安全確保の一施策としてAEDの活用を掲げ、市町村教育委員会に対する救急処置の体制整備に向けた通知や民間事業者も対象にしたスポーツ施設等安全管理講習会などにより、AEDの普及啓発に取り組んでいるところでございます。  今後ともAEDの設置や適切な使用につながるよう、市町村など関係機関と連携をし、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)普及活動に前向きに取り組んでおられますこと、本当に御苦労さまでございます。今後、インバウンドの強化によりまして、本県にも外国人旅行者が多数訪れることが予想されます。もちろん喜ばしいことでありますけれども、その一方で、AEDを使わなければならない状況もふえてくるわけであります。  見知らぬ人が目の前で倒れたときに、ちゅうちょなくAEDを使うことができるでしょうか。私は目の前であっても、できなかったわけでございます。先ほども申しましたが、使うためには勇気が必要であり、勇気は定期的な訓練でしか生まれません。県民一人一人が自分のこととして問題意識を持ち、そして行動できるよう県の取り組みをお願いいたしまして、質問を終わります。 ○副議長(小島康晴 君) この際、15分間休憩いたします。         午後2時13分休憩          ──────────────────         午後2時30分開議 ○議長(西沢正隆 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  鈴木清議員。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)まず、地域の課題にかかわる1点、確認させていただきたいと思います。  北陸新幹線が延伸されました。長野市の長沼地域に新幹線の車両基地がありました。今まで、長野駅の出発、終点の新幹線が、スピードを漸減し、すこぶる緩めて車両基地を運用しておりましたけれども、金沢に延伸になりましたから通常の速度で新幹線の車両が通過していきます。したがって、騒音被害あるいは苦情が最近非常に多く見受けられるようになりました。  70デシベル以上の通過地点が何カ所ぐらいあるのか。また、国の機構に対し県はどのような対応を委ねているのか。今後の進捗状況と、それから取りまとめについてつまびらかな御報告をお示し願いたいと思います。環境部長。       〔環境部長青柳郁生君登壇〕 ◎環境部長(青柳郁生 君)新幹線騒音対策についてお答え申し上げます。  長野市古里地区におけます騒音測定は、上駒沢地区の2地点、そして富竹地区の1地点の3地点で測定を行い、上駒沢地区の1地点において環境基準を超過いたしました。  新幹線の騒音対策につきましては、建設主体であります独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、そして営業主体であります東日本旅客鉄道株式会社が実施することとされておりまして、国におきまして、本年1月、国土交通省を通じて所要の措置を講ずるよう要請がされ、当面、鉄道建設・運輸施設整備支援機構において防音壁のかさ上げ等の音源対策を講じ、なお環境基準を達成できない場合は個々の住宅に対する障害防止対策を行う旨を聞いておるところでございます。  県といたしましても、本年1月25日に機構の東京支社に対し、そして2月1日には旅客鉄道長野支社に対し効果的な騒音防止対策の実施について要請をしたところでございます。  今後、新年度以降につきましても引き続き騒音測定を実施し状況の把握に努めますとともに、必要に応じまして所要の措置を講ずるよう要請を続けてまいります。  以上です。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)青木県民文化部長に2点お伺いいたします。  最近頻発する幼児・児童虐待について本県の状況はどのようになっておられるのか。また、虐待は何に起因すると考えるのか。さらに、どのような対応が今後考えられるのか。まず第1点。  続いて、全国的に子供に関係する凄惨かつ陰湿で凶悪な事件、犯罪が多発しておりますが、このような現象をどのように捉えておられるのか。  以上、2点、青木県民文化部長にお伺いいたします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)まず1点目の児童虐待の関連でございます。  児童相談所におきます児童虐待の相談対応件数でございますが、平成24年度に1,016件、平成25年度には1,358件、平成26年度には1,638件と3年連続で過去最高を更新している状況でございます。  近年、特に子供に対する暴言やドメスティック・バイオレンスの目撃等の心理的虐待の件数が増加しておりまして、相談件数の約半分を占めている状況でございます。
     児童虐待は、保護者及び子供の身体的、精神的な状況、あるいは養育環境、社会的背景等のさまざまな要素が絡み合って起こるものであり、経済不況等の世相の影響でございますとか、少子化、核家族化の影響からくる保護者の未経験や未熟さ等、その背景は多岐にわたるとの指摘があるところでございます。  児童虐待の防止には保健、医療、教育等多くの関係分野の連携が必要であることから、増加する児童虐待の防止に向けまして来年度は新たに児童虐待防止計画及び連携指針を策定することとしております。この計画や指針によりまして、各市町村が設置する要保護児童対策地域協議会を構成する関係機関などが虐待防止に向けた理念を共有し、それぞれの役割や支援の明確化を図りたいと考えております。  また、来年度は、中央児童相談所に広域支援センターを新設し、各児童相談所の専門的であり困難な業務を分担、支援することによりまして各児童相談所全体の機能強化を図ってまいりたいと考えております。  2点目の子供関係犯罪の現状認識についてでございます。  県内の非行少年の総数でございますが、平成17年に2,264人でございましたけれども、平成26年には989件と長期的には減少傾向を示しております。一方で、御指摘のとおり、子供や若者によります社会の耳目を集める重大な事件の発生が見られるところでございます。  最近の非行の背景には、従来、子供の規範意識の醸成を担ってきた家庭や地域社会の教育機能の低下、子供自身のコミュニケーション能力の不足、子供がともすれば自分の居場所を見出せず、孤立し、疎外感を抱いている現状があると認識しているところでございます。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)私は、家庭における養育力の低下、それから地域社会におけるのり代がなくなってきているということが今日の非常に乾き切った社会の実相をある一面あらわしていると思います。  ここで一句御披露申し上げたいと思います。「お父さん 今日も肩こり治します、心に響く小さなこぶし」。これは、県教委が後援している長野県親学推進委員会の県大会で最優秀賞(県知事賞)を受賞した句であります。子供が「お父さん 今日も肩こり治します」と上の句を詠み、父親が「心に響く小さなこぶし」と下の句を詠み継いだものであります。  子供たちの心の喪失感、よりどころをなくしている中で、一義的には家庭内における人間関係の希薄化が底流にあるように思われてなりませんが、親学というものを、今さらと思われるかもしれませんが、改めて検証し実践していかなければならないと思います。  親学推進委員会が進めている親学について、もし教育長御存じでしたら、どのような御所見をお持ちか。お伺いをしたいと思います。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)長野県親学推進委員会は、親子のきずなの回復を目指し、子から親、そして親から子への思いを伝える、今、議員御紹介をいただきました親守詩長野大会を平成24年度から開催するなど、親としての学び、親となるための学びの普及や家庭教育の大切さを訴えていくことに取り組まれている団体だというふうに承知をしております。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)教育基本法第1条は、教育の目的として人格の完成を目指すと定めています。これは、ある意味、国語、社会、算数、理科、音楽、図工、家庭科、体育など全ての教科及び特別活動や総合的な学習の時間などあらゆる教育活動の目的は人格の完成に集約されるということであります。  第2条は、教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、まず第1に、「幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。」としています。  学校における道徳教育の取り組み状況は今どのような状況なのか。また、平成30年から道徳が教科化されますが、それらに向けてどのような取り組みを行っておるのか。お伺いをいたします。教育長。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)道徳教育の取り組み状況についてのお尋ねでございますが、県内の各学校におきましては、学習指導要領に基づき、校長の方針のもとに、道徳教育推進教師が中心となり、道徳教育の全体計画を作成し、道徳の時間をかなめとして学校の教育活動全体を通じ道徳教育が行われているところでございます。  道徳教育については、平成27年3月に新しい学習指導要領が公表され、特別の教科道徳として教科化されることになり、平成30年度からは小学校と特別支援学校小学部で、平成31年度からは中学校と特別支援学校中学部で実施となる予定でございます。  県教育委員会としては、県内の全小中学校の道徳教育推進教師を集めた研修会を開催し、特別の教科道徳の学習指導要領の内容等を説明し指導するとともに、各教育事務所の指導主事が学校訪問し道徳教育の教科化に向けた準備について指導しているところでございます。  また、道徳教育研究推進校を県が指定し、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた研究授業を実施するとともに、その内容を研究発表会等を開催し各学校への普及を図り、準備を進めているところであります。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)概要、方向、狙いについては今御答弁いただいたとおりであります。  道徳とは、人間性、人格の陶冶、あるいは、本来ある徳目というものをどのように養い、身につけるか、国家の柱石になる人材をどのように輩出するか。そういう一つの観点、狙いもあるやに私は考えております。  そういうことで、やはり、わかりやすく身近にするという観点から人物の生き方から学ぶということが私は必要であると思っています。  学習指導要領に、「先人の伝記、自然、伝統と文化、スポーツなどを題材とし、児童が感動を覚えるような魅力的な教材の開発や活用を通して、児童の発達の段階や特性等を考慮した創意工夫ある指導を行うこと。」とあります。  子供が人物の生き方に感動し憧れを持てるように、人物の特定のエピソードだけでなく、できるだけ人物の全体像を描くようにし、こうすることにより子供はその人物の生き方に含まれている複数の道徳的価値について関連的、構造的に学ぶことができるとしております。  道徳の教科化に当たり、まず教科書へ歴史上の人物を掲載することについてどのような観点でお考えになっていらっしゃいますか。お示しを願いたいと思います。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)新しい教科化される道徳では、その指導要領の解説などを読みますと、道徳科においては一定の道徳的価値を含んだ狙いを達成するための授業を展開することから、教材には適切な道徳的価値にかかわる事象や人物が取り上げられていることが必要であるとされているところでございます。  また、今御指摘いただきましたように、先人の伝記などの多様な教材の活用に努めることも求められているところでございます。  先人の伝記には、多様な生き方が織り込まれ、生きる勇気や知恵などを感じることができるとともに、時に人間としての弱さを吐露する姿などにも接することができ、生きることの魅力や意味の深さについて考えを深めることが期待できることから、新しい道徳の教科書に歴史上の人物も含め先人の伝記を取り入れていくということは道徳を学ぶ上で大変意義のあることだというふうに考えております。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)方向の狙いとしては教育長の御答弁のとおりであります。  私は一歩踏み込んで具体的な事例を御紹介申し上げたいと思います。  戦後、日本が高度成長をきわめた新幹線の開発と世界最速への挑戦の島秀雄技師長、そしてまた、日露戦役の折に敵将に帯剣を許し会見をした、武士道を体現した乃木希典将軍とステッセルとの会見の水師営、そして、東日本大震災に心を寄せられた天皇皇后両陛下の祈り、あるいは、台湾で今もって尊敬され敬愛される、嘉南大という香川県に匹敵する農業土木の師であられた八田與一、そしてまた、熊沢蕃山、中江藤樹等民生に尽くされた先達、そして、ヘレン・ケラーが目標にされた日本人は塙保己一であります。そしてまた、1,000人の体を洗ったという光明皇后、17条憲法の聖徳太子、そして、戦後の高度成長を担った、町工場からスタートしたソニーの盛田昭夫氏、そして、今もって日本に対する最大の親日国であるトルコは、どういう経緯からこのような状況になったのか、それは、エルトゥールル号の海難事故のときに身を挺して救った和歌山県民の方々の事績があります。イラン・イラク戦争のときに、自国の航空機を派遣し、我が国の同胞を救難してくれた。  私は、これらの国々のいろんな距離感、出来事、そして過去の歴史的な経緯の人物等をわかりやすく登載することが道徳教育に関して極めて大事だと思われますが、今申し上げた事例、方々の氏名は長野県の道徳の教材には一切記述、掲載されておりません。非常に残念なことであります。  また、逆に、今それぞれの人物のエピソード、実績などを紹介しておりましたが、教科書採択に当たってはぜひ児童生徒に感動を与えるような人物、伝記を積極的に取り上げていただきたいと思っています。  まず、例えば県歌「信濃の国」にうたわれている太宰春台、佐久間象山、木曽義仲、仁科五郎信盛を初め、いわゆる英雄、豪傑のみならず、郷土にかかわる医学、実業、教育、スポーツなどさまざまな分野で活躍された人物を積極的に取り上げていただきたいと思います。  今、NHKが大河ドラマで真田幸村を取り上げておりますが、もう一方、玉川上水を築き、末期養子を禁止した、徳川家の礎を築いた高遠城主保科正之公も、私ども長野県の郷土が誇れる、あなたの血筋のある高遠の殿様であります。これらの人物掲載についてどのようにお考えになるのか。ぜひ御所見をいただきたいと思います。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)我が国には大変すぐれた先人が多数おりまして、その多くの先人の伝記からさまざまなことを学ぶというのは道徳を進める上で大変重要だというふうに思っております。  一方、恐らく教科書という形になりますと紙面が限られてしまうであろうと。今回、特別の教科道徳になることによって初めて検定教科書というものが登場するわけでございますが、これは全国スタンダードで出てくる部分だというふうに思ってございます。  議員からお名前が上がったような方々も何人かは入ってくるんだというふうに思いますけれども、そういったような制約上で必ずしも長野県ゆかりの方がここにたくさん掲載されるということは厳しいのではないかというふうに思ってございます。  もう一方で、私ども、しっかり道徳について学ぶ上では、教科書は主たる教材として使用しつつも、地域の実情に応じ地域を形づくってきた先人について学ぶことは大変重要だというふうに思ってございますので、まさに、長野県の出身で全国で活躍する、またこの長野県の地域の中で大いなる活躍をした方々を、例えば地元の教育委員会や教育会等が副教材という形で光を当てて伝記等を紹介していく、こうしたものも各学校では積極的に取り入れていただきながら、多様な教材の活用を図り、教科道徳の目標というものをしっかり達成していくことが大変重要だというふうに私も強く思っております。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)18歳選挙権について、あるいは関係した法令について確認したいと思います。  成人年齢の見直しということでありますが、現行では民法で20歳と定める成人年齢を18歳へ引き下げる、あるいは20歳未満の飲酒、喫煙の禁止年齢を18歳未満とすべきだ、あるいは馬券等の購入も18歳から可能にするよう、あるいは少年法の保護対象年齢の20歳未満から18歳未満への見直し、あるいは銃刀法の猟銃所持や道路交通法の中型免許取得、国民年金の保険料支払いなどは現状の20歳以上を維持するのかどうなのか。  当然、成人年齢が見直されれば18歳、19歳は親の同意なしに契約行為もできますし、今、現行法上の20歳以上の裁判員制度の年齢要件も変更になることも想定されるわけであります。  選挙権、いわゆる参政権という一番大きな権利を与えた一方、民法、少年法などの整合性の中でこれらの法令の規定はどのように考え、あるいは変更すべきなのか。率直な御見解を小岩企画振興部長、青木県民文化部長、尾﨑警察本部長にお伺いをしたいと思います。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)選挙権年齢についての御質問についてお答え申し上げます。  今般の選挙権年齢の見直しは、将来を担う若者の意見が投票行為を通じてより社会に反映されるよう、国会での議論を経て18歳以上に引き下げられたものと理解をしております。  県といたしましては、今回の公職選挙法の改正の趣旨や経緯を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)法令における成人年齢の不整合についてのお尋ねでございます。  成人となる年齢区分につきましては、法律それぞれの立法趣旨により異なる扱いとなっているところでございます。  この成人年齢につきましては、一律に議論をするのではなく、それぞれの立法趣旨や引き下げした場合の影響等を一つ一つ丁寧に検討していくべきという議論もあると承知をしてございます。  いずれにしましても、平成27年の公職選挙法等の一部を改正する法律の附則におきまして、国において、民法、少年法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずると規定されておりますことから、今後の国の動向を見守ってまいりたいと考えております。       〔警察本部長尾﨑徹君登壇〕 ◎警察本部長(尾﨑徹 君)成人年齢についてのお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、成人年齢についてさまざまな議論があることは承知しておりますが、警察といたしましては法の規定に則して適切に対処してまいりたいと考えております。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)まさしく、今、企画振興部長県民文化部長、警察本部長から答弁いただきましたように、すぐれて国の立法政策を待つよりほかなしということでありますから、そのとおりでありますが、それにつきましても、それぞれの自分の担当する所管の部局の中で、こういう事例、こういう部分においてはそごを来す点があるとか、こういう事案に関してはなじまないというものを一歩踏み込んで発言していただけたならば私どもはかえってありがたいのかという思いであえて質問をさせていただいた次第であります。  それでは、ここで個別具体的な質問に入らさせていただきたいと思いますが、まず学校の教育現場では、部活動は平日から土曜日まで夜8時ごろまで練習が行われているところが非常に多くあります。休日は試合の開催なども多く、選挙権を得ても実際に選挙に行けるかどうか不安であるという声を聞きますが、選挙日程が今後特定された場合、どのような対応を県教委としてするのか。まず教育長にお伺いしたいと思います。  2点目に、部活動指導者の政治的意見が指導を受けている生徒に大きな影響を与えるのではないかという声が現場から寄せられております。学校内における政治活動は禁止であっても、部活の指導をされている顧問等の政治的中立性の担保についてどのように考えられるのか。2点目としてお聞きしたいと思います。  ちなみに、参考事例で申し上げますと、バスケットボールが34名、剣道が12名、ソフトテニスが8名、空手が3名、卓球が2名、59名の方々が県立高校の監督、外部指導者として携わっておられるということであります。  3点目に、生徒から教員に対し個別具体的な政党や候補者の比較について相談があった場合、どのような適切な指導ができるのか。お伺いしたいと思います。  教育委員会は、投票所に足を運ぶというハード面の教育、模擬投票等を進めておりますが、ソフト面の、投票に行った18歳の選挙権を有した生徒がどのような判断基準、あるいはどのような投票行為をもってよしとするのか。そのソフト面について私は非常に危惧をしております。  家に帰ってお父さん、お母さんに相談したところ、お前が最も尊敬している、最も信頼している先生と相談して決めなさい、わかりましたと。恐らく先生の一つの発言、誘導をもって投票行為に至るものではないかということを私は危惧しています。  実は、ある新聞の紙面を紹介いたしますが、安保反対、先生が言わなくちゃ。これは、ある政党の政策委員長でありますが、記者会見で、選挙権年齢の18歳以上への引き下げに伴う学校現場での主権者教育に関し、憲法を守ろうとか、安全保障法制は反対、問題ありますよねと先生が言わなくちゃ教育になんかならないんですよ、こんなような発言をされている政党の責任ある立場の方もいらっしゃるんです。  教育の政治的な中立性が本当に担保できるのかどうなのか。教育長、率直な御見解をお聞かせください。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)順次お答えを申し上げます。  まず、部活動をしている生徒の投票に対する配慮についてでございますが、選挙で投票するということは、国民が政治に参加し、主権者とし、その意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会であると認識をしてございます。  県教育委員会では、部活動を行うに当たっては、有権者である生徒に対し、投票日に投票する時間を確保できるよう部活動の日程を調整することや、仮に大会等で当日の投票が困難な場合には期日前投票を利用できるよう日ごろの練習の部活動時間を配慮することなど、各学校をしっかり指導してまいりたいというふうに考えております。  次に、部活動における政治的中立性の担保、特に外部指導者に関してというお尋ねでございます。  部活動は学校教育活動の一環で行われているものでございますから、部活動であっても当然政治的中立性を担保するということは重要な責務であるというふうに考えてございます。  私どもは、教職員に対して政治的中立性確保を徹底するようにと、これは当然法令に基づいて行っているところでございますが、外部指導者についても、学校の部活動を行っていく上で生徒に接する中で、教職員と同様に、みずからが影響力がある存在であるということを十分自覚の上、特定の政治的立場に立って生徒に接することがないよう徹底をしてまいりたいというふうに考えてございます。  次に、ソフト面のことで、政党や候補者を比較するような相談が生徒からあった場合など、どう対応するのかとのお尋ねでございます。  具体的な政治的事象について見解の異なる複数の考えに触れ、比較や検討を加えるということは、生徒の興味、関心を深め、思考力、判断力を育成することにつながるものであって、主権者教育にとって大変有効な方法であるというふうに認識をしてございますので、生徒から相談があった場合には、一つの結論を急ぐのではなく、まず議論や考察をもとにみずからの考えをまとめるプロセスが重要であることを理解させるということが主権者教育の基本であるというふうに思ってございます。  さらに、その際、教員は、個人的な主義主張を避け、中立かつ公正な立場で指導するよう留意することが肝要であり、引き続き、研修会等の機会を捉え、教員が注意、留意すべきことを適切に指導してまいりたいと考えております。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)教育長、教員が主義主張を避けてと言っていますが、比較対照する場合、それぞれの政党の一長一短、あるいは個別具体的な政策等について論に及ばなければこれは比較対照できませんよ。その辺は極めて私は担保されるのかということは危惧しておりますが、それについてはあえて答弁は求めません。  関連して、特別支援学校では主権者教育についてどのように行っておられるのか。また、対象人員はどのくらいなのか。補足してお答えをいただきたいと思います。  次に、今回、参議院選が7月10日に決まりましたけれども、今回の参議院選、あるいは同日選挙になるか知りませんが、憲法の改正については大きな争点になるものと思われております。憲法について教育現場ではどのように教えられているのか。  以下についてお伺いしたいと思います。  まず第1点、評価すべき点、改正すべき点についてどのように教えられておられるのか。  2点目として、現行憲法は、どのような経過を経て、どのような状況下で成立したと教えられておられるのか。  3番目、北方領土や竹島などは教科書でどう記載されているのか。また、これらが原状回復できないことについてどのように教えられているのか。  以上、3点、お答えをお願いしたいと思います。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)まず、特別支援学校におきます主権者教育についての状況のお尋ねでございますが、特別支援学校におきましては個々の生徒の障害の状況や発達段階等を十分考慮しながら選挙の意味や政治参加について学ぶ機会を設けていくことが重要だと考えてございます。  今年度は、県選挙管理委員会が実施する選挙出前授業を県立18校中7校で既に活用するなど、積極的に主権者教育に取り組んでいるところでございます。出前授業では、模擬投票を行うほか、障害のある生徒にわかりやすいものとなるよう選挙の基礎的な知識をクイズ形式で学ぶといった工夫を行っており、参加した生徒の関心は非常に高く、多くの質問が出されていると聞いております。  また、学校によっては保護者向けに選挙制度の改正点や代理投票制度の説明などを行っているほか、盲学校では点字投票の制度や手続について学ぶ機会を設けているところでございます。  今後とも、関係機関と連携をしながら、特別支援学校における主権者教育の充実を図ってまいりたいと考えてございます。  なお、対象人員はということでございますが、平成25年に公職選挙法が改正され、成年被後見人の選挙権が回復されたことから障害の有無にかかわらず18歳になれば参政権が与えられますので、特別支援学校の全ての児童生徒が主権者教育の対象となり、今年度の高等部3年生でいえば366人がこれに該当するということでございます。  次に、憲法に関する教科書の記述等のお尋ねでございます。
     評価すべき点、改正すべき点というような形の記載ではございませんが、教科書には、日本国憲法の特徴とし、基本的人権の尊重、国民主権及び平和主義を基本原則としていることなどが記載をされてございます。また一方、直接改正すべきということではございませんが、憲法との関係では、環境権や知る権利など現行憲法にはない新しい人権が生まれていることや、憲法9条との関係で自衛権の範囲について議論があることなどの記載が教科書にあるところでございます。  各学校は、こうした教科書の記述を踏まえながら憲法に関する学習がなされていると承知をしてございます。  次に、その成立過程等についてのお尋ねでございますが、憲法の制定過程につきましては、教科書では、第2次世界大戦後、GHQの指示により日本政府が改正案を作成したが、その改正案は大日本帝国憲法を手直ししたものであったためGHQはみずから改正草案をまとめたことや、日本政府はこの草案に修正を加えたものを政府原案として発表し、帝国議会での審議を経て1946年11月3日に日本国憲法が公布され、翌年5月3日から施行されたことなどの記述がなされているところでございます。  各学校においては、こうした教科書記述を踏まえ、日本国憲法の制定を初めとした大きな改革が戦後次々に進められ、現在の日本の枠組みが形成されたことに気づかせるよう学習を行うことに取り組んでいるところでございます。  次に、北方領土や竹島に関する指導についてのお尋ねでございます。  教科書には、北方領土や竹島は我が国の固有の領土であるが、それぞれロシア連邦と韓国によって占拠されており、北方領土についてはロシア連邦にその返還を求めていることや、竹島については韓国に対し累次にわたり抗議を行っていることについて記載をされてございます。  原状回復できていないことにつきましては、各学校において、我が国が国際法上正当な根拠に基づいて主張していることや、平和的な手段による解決に向け努力していることを生徒が理解できるよう指導していると、このように承知をしてございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)今の御答弁をお聞きしまして、大分、教科書の記述、掲載内容も改善されてきたなということを実感しています。  ただ、北方領土4島に関しましては、日ソ不可侵条約を破り、一方的に占拠されたという不法な占拠であり、竹島もそうであります。  ちなみに、竹島の例を簡単に申し上げますけれども、韓国による竹島侵略はいわゆる自衛権を放棄した日本国憲法の施行後でありまして、昭和28年(1953年)1月12日、韓国が日本領である竹島の強奪作戦を開始、韓国は一方的な理由で日本漁船を銃撃し、漁師44人が死傷、そのうち5人は死亡、最終的に計328隻を拿捕、3,929人を抑留ということでありまして、この結果、一連の作戦により韓国は日本領の竹島を実効支配、これは、韓国の初代の李承晩、イ・スンマン大統領の一方的な強奪作戦であります。  したがって、今の憲法上の問題は、憲法9条の1項、侵略的な作戦、戦争行為はしなくても、2項の我が国を主体的に守るという自衛権が発動されておりません。アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領は、こん棒を持って静かに交渉を重ねると言っておりますし、自分の国が自分で守れない、まさに自衛権は一国が独立して存続する以上当たり前の権利でありますし、集団自衛権、個別自衛権を問わず、ごく当たり前に与えられた普通の国家としての権利であると私は思っています。  戦後のGHQの7年に及ぶいわゆる民主化教育の中で、今の共同通信社、時事通信社、朝日新聞を初め全部GHQの規制にかかり、発刊停止になったこともありました。いわゆる無冠の帝王と言われている報道機関も一切GHQ傘下におさまり、何ら報道することができなかったということであります。  そして、日本の戦後憲法は、憲法委員会なるものが発足しました。高野岩三郎、森戸辰男、鈴木安蔵の方々でありますが、これはいわゆる二人羽織と同じで、絶対的な権力を持ったGHQが後ろで操り、その草案をもとにし、GHQのGSから示されたものをもって国会で承認した。幣原喜重郎当時の総理が、こんなことで後世にこんな憲法を残していいのかと嘆いたという逸話も残っております。田中美知太郎という哲学者が、憲法に台風が来なければよいと書いておけばいいのだとやゆしたこともあります。  どうか、憲法の成立過程から今の憲法上の問題、我が国が独立して存続する以上、問題点をきっちりし、そして大いに論議をし、憲法を国民の場で、平場で論議できるような状況が求められていると私は思います。  次に、緊急事態法についてお伺いしたいと思います。  時間がありませんが進めていきますが、読売新聞の「編集手帳」の一文であります。  「日本の「天気」には「空模様」のほかに「晴天」の意味がある。英和辞典で「ウェザー」を引くと「荒天」と載っている。国際情勢の天気を占うにも、どうやら楽観が禁物らしい 「戦争の放棄」をうたった憲法9条は限りなく尊いが、それだけで悲惨な戦禍が避けられる保証はない。」という中で、A案として、とにかく相手の思うようにさせる、B案として、こわもて作戦でこん棒を持つ、C案として、同盟国をつくる。A、B、Cのうち、今般の平和安全法制は仲間作戦だろうと言っています。何もしなくていいのかどうなのか。そして、江戸時代の狂歌が載っているんですね。「あせ水をながしてならふ剣術のやくにもたゝぬ御代ぞめでたき。平和のおかげで現在の繁栄を築き、「めでたき」心が骨の髄まで徹した国だからこそ、胸を張って汗水を流すことができる。」という表現であります。  緊急事態法が私は極めて必要だと思いますが、危機的状況に対応するため緊急事態に関する基本法及び規定が必要と思われますが、野池危機管理部長、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。       〔危機管理監兼危機管理部長野池明登君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(野池明登 君)緊急事態に関する基本法の必要性についてどうかというお尋ねでございます。  いわゆる緊急事態法制ですけれども、ただいまお話にもありましたけれども、我が国に対する外部からの武力攻撃や大規模な自然災害などの緊急事態が生じた場合に、国が国民の権利を制限し、あるいは義務を課すことができることを憲法上あるいは法律上規定するものということでございます。  また、これまで、緊急事態が生じた場合の対応といたしましては、国民保護法など個別法の制定によりまして対応がなされてきたところと理解をしているところでございます。  一方、緊急事態法制に関しましては、さまざまな見解があるとともに、国会における憲法審査会などの場面で議論がなされているとも承知をさせていただいております。  緊急事態法制に関しましては、国民一人一人にかかわる問題であり、法制の案によっては憲法の改正もかかわる問題でございますので、国政レベルでの十分な議論と、また国民の間でも幅広い議論が必要な問題であると認識をしているところでございます。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)教育問題について一気に教育長に個別具体的にお伺いしていきます。  いわゆる教職員の非違行為の通報・相談窓口制度の今日までの成果、その検証についてどのような状況なのか。また、今後も続けられる予定でいらっしゃるのかどうなのか。  次に、教科書会社が検定中の教科書を県内の小中学校教員に見せて謝礼を支払っていた問題について、このような事例は以前から常態化してあったのか。また、今後どのように対応されるのか。お聞きします。  次に、文部科学省では、2014年1月に、小中学校の社会、高校の地理、歴史、公民の教科書の検定基準を改定しましたが、その内容についてどのような見解をお持ちか。お伺いをいたします。  次に、2015年4月、NHKの報道によりますと、教科書採択について文部科学省が全国1,740の市町村教委を調査したところ、大多数の教育委員会が手元に教科書見本を持たないまま採択を決めていたと。本県ではどのようになっているのか。いわゆる絞り込みが行われたのではないかと私は大変危惧しております。この現状について。  次に、学力テストの結果と児童生徒の生活習慣との関連について。特に携帯電話やスマートフォンの使用状況と学力との相関関係はどのようになっていらっしゃるのか。お示しいただきたいと思います。  最後に、小中一貫教育について評価すべき点は何か。また、今後どのように取り組んでいかれるのか。  以上、教育長にお伺いをいたします。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)順次お答えを申し上げます。  教職員の非違行為の通報・相談窓口制度の成果と検証についてのお尋ねでございますが、県教育委員会では、不祥事を発見した教職員が安心して通報、相談できる窓口とし、平成26年4月から長野県教職員通報・相談窓口を設置し、今年度は、より制度の信頼性を高めるため、通報窓口に教育長のほかコンプライアンスアドバイザーである弁護士を加えるなど、制度を見直しながら実施をしてきているところでございます。  この制度は、教職員の非違行為を適切に把握するとともに、制度を設けることにより非違行為の発生を抑止する効果も期待をしているものでございます。  現在のところこの窓口への通報、相談は寄せられてございませんが、県教育委員会では、このほかにも私に対する直接の手紙や県ホームページ等を通じた電子メール、電話等さまざまなチャンネルを通じて教職員や県民の皆様からの通報や相談を受け、教職員の非違行為につながる情報を得た場合には事実関係を確認するなど迅速に対応しているところでございます。  今後も、引き続き、さまざまなチャンネルを通じ教職員や県民の皆様から情報をいただくとともに、必要に応じコンプライアンスアドバイザーの意見も聞きながらこの制度の改善も図り、教職員の不祥事根絶に向けた取り組みを粘り強く行ってまいりたいと考えております。  次に、教科書検定本の閲覧事例と今後の対応についてでございます。  このたび文部科学省の要請で各教科書会社が行いました点検調査は、独占禁止法による特殊指定が解除され、教科書協会による自主規制が設けられた平成19年度以降の検定、採択に関し実施されたものでございまして、独占禁止法の特殊指定に基づく規制があった平成19年度以前については県内の教員でこれに該当する事例があったということは承知をしていないところでございます。  今回の自己点検・検証により該当した本県の教員については、現在、採択結果に影響を及ぼしたかどうか等に関する詳細な事実関係を調査中であり、仮に影響を及ぼした等の事実があれば厳正に対処してまいりたいと考えてございます。  また、文部科学省は、今後、教科書採択の公正性、透明性を担保するため教科書会社によるオープンな説明会を設定できるよう通知を見直す予定であり、県教育委員会としても、採択制度そのものについて教員に正しく周知するとともに、教科書採択における公正確保の趣旨を徹底し、教育公務員とし県民に疑念を生じさせることのないよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、教科書検定基準の改定についてのお尋ねでございます。  議員御指摘の検定基準の改定については、小中高とも、未確定な事象を断定的に記述しないこと、特定の事柄を強調し過ぎないこと、政府の統一的な見解または最高裁判所の判例が存在する場合にはそれらに基づいた記述がされていることなどといった内容であると承知をしてございます。  この新しい検定基準につきましては、社会科、地理歴史科、公民科の学習において、多面的、多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を育てるという教科の目標を達成する上で適切なものであると考えております。  次に、市町村教育委員会での教科書見本の取り扱いについてのお尋ねでございます。  議員御指摘の本県の状況につきましては、今年度の文部科学省の調査で、教育委員が自宅や職場、教育委員専用の部屋等で自由に教科書見本を閲覧できる環境であった市町村教育委員会は本県では約半数にとどまっているところでありまして、しっかりと教科書を見て採択に臨むという教科書見本の取り扱いとしては十分とはいえない状況にあったというふうに認識をしてございます。  教科書見本の取り扱いにつきましては、文部科学省から出されました通知で、市町村教育委員会の教育長及び委員が十分な時間的余裕をもって教科書見本を閲覧し、その内容について適宜吟味できるような環境を整えるよう求められており、県教育委員会としても教科書見本が適正に取り扱われるよう市町村教育委員会に対し指導助言してまいりたいと考えております。  次に、学力テストの結果と児童生徒の生活習慣との関連についてのお尋ねでございます。  小学生、中学生を対象とした全国学力・学習状況調査によりますと、生活習慣については、例えば朝食を毎日食べる、毎日同じぐらいの時刻に寝ているという問いに対し、肯定的な回答をしている児童生徒や、ふだんのテレビゲームをしている時間が短い児童生徒は教科の平均正答率が高い傾向が見られております。  また、携帯電話やスマートフォンの使用状況との関係では、携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットをする時間が短い児童生徒のほうが全ての教科で平均正答率が高い傾向が見られております。  このような調査結果を市町村教育委員会、学校及び保護者等に情報提供し、児童生徒がより望ましい生活が送れるよう、関係機関と連携し、取り組んでいるところでございます。  次に、小中一貫教育の評価と今後の取り組みについてでございます。  市町村によります小中一貫教育の取り組みはこれまでも運用で行われてきましたが、国において昨年6月学校教育法が改正され、ことしの4月から義務教育学校制度が創設され、市町村の判断により義務教育学校の設置も選択できるようになったところでございます。  県内においては、公立では、現在、施設一体型3校と施設分離型3校の小中一貫校が設置されているところであり、うち1校がことし4月から義務教育学校に移行する予定でございます。  これらの小中一貫校では、中1ギャップの緩和、異学年の交流が深まることによる児童生徒の人間関係形成能力の育成、さらに、地域の特色を生かした教育課程の編成等により、ふるさと学習や英会話、スキー学習等の成果が報告されているところであり、活力ある学校づくりを推進する上で有効な取り組みであると考えております。  小中一貫校や義務教育学校を設置するかどうかは、地域の実情に応じ、設置者である市町村教育委員会が判断すべき制度でありますが、県教育委員会としては今後も市町村教育委員会における主体的な検討が進むよう助言や必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)教育長、ありがとうございました。現行の教育委員会制度の現状における中で、個別具体的に、ある意味においては精いっぱいお答えいただいたのかなと。今後、長野県を去るに当たって、教育は国家百年の大計と言われております、国においても主要な立場で、次代を育む児童生徒が健全に、そして日本人として誇りと自信と勇気が持てるような教育体系にぜひ励んでいただきたいと思います。今日までの職務に関して御精励いただいたことに対しまして心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。  終わりに、たまたま私どもの所管する委員会の中で論議されておりますが、全国で37の都道府県が都道府県警の独立庁舎を持ち、10県が県との合同庁舎であります。そのうち2県が現在独立庁舎を建設中とお聞きしておりますが、本県における県警察本部の独立庁舎設置についてはどのようにお考えをお持ちですか。尾﨑警察本部長にお伺いいたします。  また、阿部知事には、いろんな大型事業がある中で警察本部庁舎建設についてどのように受けとめておられるのか。率直な御見解を承りたいと思います。  以上申し上げまして、非常に隔靴掻痒の感もありますが、私の質問をこれで終了させていただきます。ありがとうございました。       〔警察本部長尾﨑徹君登壇〕 ◎警察本部長(尾﨑徹 君)警察本部庁舎についてのお尋ねにお答えいたします。  議員御指摘のとおり、全国的には独立庁舎を有する警察本部が大勢を占めておりまして、全国47都道府県のうち県庁舎に警察本部が併設されているのは本県を含めて10県であります。このうち福島県警、岡山県警では既に独立庁舎の新設が具体化しておりますので、これを除けば本県同様の形態をとっている警察本部は全国で8県でございます。  本県の警察本部は県庁の主に9階、10階を使用させていただいておりますが、配置上の事情等からセキュリティー面が脆弱であり、また、複数の本部所属が県庁の他フロアや周辺施設に分散配置しておりますことから、大規模災害発生時などにおける組織の迅速かつ効率的な運用など円滑な業務の推進が課題となっております。  このような現状を踏まえ、県警察として、これまで警察本部庁舎のあり方について検討を重ねてまいりましたが、全国的な状況からも新たな警察本部庁舎を整備させていただくことが望ましい方向性であると考えております。  一方で、警察署や交番等について順次建てかえ等を行うことも重要でございますから、優先順位を考慮しながら整備を進めてきているところでございます。  平成28年度には、厳しいテロ情勢のもと、全国植樹祭やサミット交通相会合などの大規模警備を控えており、情報管理の徹底を図る必要がありますことから、来年度当初予算案に入庁者管理など警察本部のセキュリティー対策に係る経費を計上させていただいておりまして、この措置によりセキュリティーの一定の向上は図られると考えておりますが、引き続き知事部局と必要な検討を進めてまいりたいと考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)警察本部の庁舎についての御質問でございます。独立庁舎設置についてどう考えるかという御質問でございます。  警察本部の執務室、狭隘な環境、分散配置といったような点、今本部長から御答弁があったとおりだと思います。私も長野県以外の県庁にも勤務したことがございますので、他の都道府県と比べたときに必ずしも良好な執務遂行環境ではないものというふうには思っております。  また、来年度は全国植樹祭、G7交通大臣会合の開催等もある中で、セキュリティー対策の強化の必要性、こうしたことについても十分理解できるところでございます。  しかしながら、他方で、厳しい財政状況の中、これまでも県民に身近な警察署あるいは交番など警察施設の整備について着実に進めてまいりました。平成28年度におきましても、施設整備に約20億円の予算を計上して今御審議をいただいているところでございます。  今後も老朽化した警察署、交番などの警察施設の改修、建てかえ等が見込まれておりますこと、また将来的な展望を踏まえて検討を行った上での県庁舎耐震化工事が完了した直後でもありますこと、加えて現下の厳しい財政状況などを考慮いたしますと、独立庁舎の建設については長期的な視点で慎重に検討を行うべき課題だというふうに考えます。  新年度予算案におきましては、喫緊の課題として、警察本部が置かれております県庁9階、10階のフロア整備、入庁者管理などに要する経費を計上いたしましてセキュリティーの強化に取り組むことといたしております。  以上でございます。 ○議長(西沢正隆 君)次に、小山仁志議員。       〔6番小山仁志君登壇〕 ◆6番(小山仁志 君)子供の貧困対策は、子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として講ずることにより推進されなければならない、子どもの貧困対策の推進に関する法律に掲げられた基本理念です。  厚生労働省が2012年の国民生活基礎調査に基づき公表している子供の相対的貧困率は16.3%、約6人に1人、人口規模で約325万人もの子供たちが相対的貧困状態にあるということになります。  この子供の貧困をめぐる問題は、経済的困窮を核としてさまざまな問題と複合的に絡み合っていることを認識しなければなりません。親のストレスや健康面等の問題、虐待やネグレクト、社会からの孤立、いじめや不登校等、多種多様な問題が密接にクモの巣のように絡み合っています。さらに、貧困の問題は世代を超えて連鎖をしていく確率が統計的に高いことが明らかになっています。複雑に絡み合いながら社会的には見えにくいこの子供の貧困をめぐる問題をどう断ち切っていくのか。社会を挙げて総合的な取り組みが必要です。  本県におきましても、このほど、子どもの貧困対策推進計画案が公表されまして、県民意見を公募中となっています。子供の生活、暮らしの基盤となる地域をどう変えていくかという意味で県の役割は大きく、計画の策定は大変意義深いものと考えますが、どういった視点を重視して策定された計画案であるのか。まず、県民文化部長にお伺いいたします。  計画案におきましては、将来世代応援県民会議の立ち上げが明記されました。さまざまな子育て支援施策にお取り組みの市町村の役割への期待も大きいものと考えます。市町村との連携はどのように図り、具体的にどういった活動や運動を行っていくお考えなのか。県民文化部長にあわせてお伺いをいたします。  また、点在している民間企業の取り組みやNPO等との活動を包括していく官民連携の視点も求められてくると考えます。計画案において官民連携についてもどのように行っていくお考えなのか。県民文化部長からお答えください。  そして、計画の実効性を高めていく上で重要なのは、事後評価と成果への視点であると考えます。何をいつまでに、どのように行うかを明らかにしながらどういう成果を得ていくのか、事後評価ができる数値目標を盛り込んでいくことが重要です。  一方で、計画案は、計画期間が2年、達成目標も限られており、計画に掲げられている基本目標やあるべき姿が達成し得るものなのか、中長期的展望が見えにくいと感じます。中長期的な展望についてはどのように理解をすればよいのか。また、達成目標の設定についても幅を広げながら全体として成果の底上げを図っていくこと、さらには長期的な成果を検証する仕組みづくりが必要と考えますが、どのように対応していくのか。県民文化部長に県のお考えをお伺いいたします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)まず、子どもの貧困対策推進計画策定の指針からお答えを申し上げたいと思います。  今回の計画は、昨年度改定いたしましたながの子ども・子育て応援総合計画で、子供の貧困対策に関する施策の方向性を示したものをもとといたしまして、ひとり親家庭実態調査などにより詳細な実態把握に努め、子供の貧困対策に特化した計画として策定を進めているものでございます。  生まれ育った環境にかかわらず、全ての子供が夢と希望を持って成長する長野県を目指しまして、長野県の地域資源を活用した家庭養育の補完の仕組みづくりや、切れ目のない教育費の負担軽減等による子供の希望を実現できる学びの支援、早期の課題解決に向けたアウトリーチ型支援による要支援家庭の孤立化の防止に重点的に取り組むこととしたところでございます。  次に、市町村との連携等についてでございます。  議員御指摘のとおり、子育て支援や貧困家庭支援を行う市町村やNPO等との連携は大変重要であると認識しております。計画に盛り込みました家庭養育の補完機能としての居場所づくりや、孤立しがちな貧困家庭へのアウトリーチ型支援等の取り組みにつきましては、市町村の主体的取り組みが必要であることから、県がモデル事業を通じて技術的な支援を行いますとともに、児童相談所の体制強化や信州母子保健推進センターの機能強化により、市町村への助言、サポート体制の充実を図ってまいりたいと考えております。また、地域におきまして子供の支援活動を行っているNPO等の役割も大きいものと認識しております。  昨年11月に開催いたしました県と市町村との協議の場におきまして、子供の貧困対策を官民連携で進めていくため、市町村や民間企業、NPOなどを構成員とした県民会議を設置し、取り組みを推進することを確認したところでございます。これを踏まえ、計画に記載したこの長野県将来世代応援県民会議、仮称でございますけれども、ここにおきましては、子供の貧困対策に関しましての県の事業に対し御意見をいただくとともに、官民連携した取り組みを具現化してまいりたいと考えております。  次に、中長期的な展望や長期的な効果検証のための仕組みづくりについてのお尋ねですが、本計画は、先ほど答弁申し上げましたとおり、ながの子ども・子育て応援総合計画に基づく、いわば第1弾の取り組みを進めるため、目標とする年度も合わせる必要がございまして、平成28年度、29年度の2年間を計画期間としたところでございます。  今後、上位計画でございますながの子ども・子育て応援総合計画やしあわせ信州創造プランの見直しとあわせまして、計画の内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
     また、達成目標につきましても、施策の拡充にあわせまして対策の成果を検証できるよう充実を行いますとともに、先ほど申し上げました県民会議と協働いたしましてその成果を検証し、計画や施策の充実につなげる仕組みを検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔6番小山仁志君登壇〕 ◆6番(小山仁志 君)子供の貧困対策を考える上で、私は、現在目に見えている問題の対処も重要なのですが、長期的な課題の全体像を捉えながら抜本的な制度変更を見据えていくということが重要だと考えています。  例えば、日本のひとり親世帯の相対的貧困率がOECD諸国の中で突出して高く、一番高いという特徴があるんですが、その内実をひもといてみますと、非就労、就労していないひとり親家庭の貧困率は50.4%なんですが、就労をしているひとり親家庭の貧困率は50.9%ということで、就労している家庭のほうが、ひとり親家庭の場合、貧困率が高いという日本の特徴があります。そんな国は日本だけなんですね。普通、就労すれば貧困率は下がっていくんですが、日本はそういう特徴を持っています。つまり、働いても貧困から抜け出せていないという現況があります。  すなわち、就業・自立支援センターの就職率や進学率等も、第一歩として、数値目標として大事なんですが、わかりやすい数値のみを追い求めているだけでは不十分ですし、問題解決には至りません。安定した就業とともに、社会を支える側になっていただくことで事業の成果に至ることができ得るわけでございますので、長期的な成果を検証する仕組みづくりについてもしっかりと検討いただきたいというふうに思います。  輪切りの調査ではなく、英国におけるパネル調査ですとか、中長期的な継続的な調査、そして社会的投資収益率といった社会的価値をはかる物差しもしっかり使用していただくことを求めておきたいと思います。  さて、ひとり親家庭に支給する児童扶養手当について、子供が2人以上いる場合、加算拡充が本年12月支給分から適用ということになりました。36年ぶりの児童扶養手当増額ということが大変話題になりました。子供の貧困対策と向き合うときに、例えば国民負担率等の影響もあるんですが、国際比較における日本の最低レベルの保育教育予算の一方での最高の学費という状況や、社会保障政策として所得再分配機能は確かに機能しているのかといった国としての特徴と直面することが大変多いなというふうに私は感じています。  本県において、生まれ育った環境にかかわらずということを実現をしていくには、こうした国としての特徴を乗り越えていく覚悟が県の貧困対策推進計画には求められるというふうに考えます。阿部知事の子供の貧困対策、貧困の連鎖解消に向けた思いを確認をさせてください。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)子供の貧困対策、今、小山議員からもお話しいただきましたように、中長期の視点に立って、本当に本質的なところにしっかり目を向けて取り組まなければいけない重要な課題だというふうに思っています。  今回、子供の貧困対策、予算編成過程の中で政策パッケージをつくらせていただきましたけれども、先ほどのお話にもありましたけれども、単に福祉的な視点だけではなくて、就労等、幅広い分野を含めてこの問題に向き合っていかなければいけないだろうというふうに思っています。  社会保障制度の根幹は国が所管をしているわけでありますので、なかなか県独自だけではできない部分もたくさんあるわけでありますけれども、とはいえ、国に対しても積極的な問題提起をし、そして県として取り組めることについては最大限全力を傾けて取り組んでまいりたいと思っております。  今回、子どもの貧困対策推進計画策定に当たってアンケートをとらせていただきましたけれども、やはり学ぶということ、最も重要なテーマだというふうに考えています。  先ほど、日本の予算、先進諸国の中でいかがなものかという御趣旨の御発言もありましたが、私どももでき得る限り、この教育であったり、子育てであったり、こうした部分にしっかりと予算を振り向けていかなければいけないというふうに思っています。  来年度予算の中でも、例えば、新たに保育・就学資金貸付事業を開始するための経費など、保育士確保を図るための費用として約5億6,000万円予算を増額をさせていただいておりますし、また、これは市町村とも話をした上で子育て支援戦略をまとめているわけでありますけれども、引き続き第3子以降の保育料の減免を県単独事業で行っていこうということで、これは単独で3億円投入しているわけであります。また、これは子育て対策費全体では約10億円増加という形になります。  また、教育の面で申し上げれば、スクールソーシャルワーカー、この県議会でもさまざま御議論がありましたが、来年度は大幅に増員しようということで、2,600万円、予算的には増額をさせていただいておりますし、また、県立高校、私立高校の教材費や学用品に充てていただくための奨学給付金、これについては対前年比で約2億5,000万円増という形でございます。また、県独自で県内大学就学のための給付型奨学金の創設もさせていただいているところでございまして、限られた予算の中で、教育、子育てについては重点的に財源配分をさせていただいているところでございます。  今後とも、全ての子供が学びたいことが学ぶことができるような長野県をつくっていくことができるように、全力で取り組んでまいります。  以上でございます。       〔6番小山仁志君登壇〕 ◆6番(小山仁志 君)限られた財源の中で、教育、子育てに財源を傾注していくという姿勢が大変見てとれる予算案だなというふうに感じています。  子供の貧困、そしてその連鎖の対策については、コストとしてではなく、将来への社会的投資として捉えていただくこと、そして、社会の子供という意識を働かせていくことが重要だと考えます。  生まれた環境によってライフチャンスが左右されない、全ての子供のウエルビーイングを保障していくために、少子化対策の政策議論以上に、生まれてくる側の、子供の側に立った政策議論にも軸足を持っていただくことを求めまして、次に移ります。児童虐待についてです。  児童虐待通告件数、認知件数や相談件数が年々上昇を続けています。また、虐待と貧困の問題も密接な結びつきを持っています。  全国の児童相談所統計である児童虐待相談ケース分析等に関する調査研究結果報告書によりますと、児童虐待相談ケースは、生活保護世帯、非課税世帯という低所得世帯が41.6%を占めており、また、ひとり親家庭における虐待の発生率が高く、32.6%と、一般人口の5.9%と比較し、かなり高いことが明らかになっています。  また、長野県におきましても、社会的擁護が必要とされる児童施設等への入所理由として最も多いのが虐待となっておりまして、平成26年度の数値では4割を超える状況となっております。社会的擁護の施策が時代とともに役割が大きくさま変わりしていることが見てとれます。貧困の原因の中核となる経済的困窮が虐待によって子供を被害者に追いやっているという現実とも向き合わなければなりません。  こうした状況の中で、虐待の発生予防策について強化を図っていく必要があると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか。県民文化部長にお伺いをいたします。  また、虐待を理由とした一時保護や施設入所等の措置により分離した家族が再統合されたケースにおきましても、暴力が再発し再び保護されるというケースも珍しくありません。この理由として、日本では虐待する親に対する強制力がなく、虐待した保護者への援助、加害者更生プログラムに取り組む公共・民間団体の存在が皆無に等しいという現況があります。  虐待防止、家族再統合に向けた支援の一つとして、虐待をした、あるいは繰り返してしまう保護者への援助、加害者更生プログラムへの視点について、しっかりと課題として位置づけ、仕組みづくりや対応について研究をしていく必要があると考えますが、県としてのお考えを県民文化部長にお尋ねをいたします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)児童虐待の発生予防策の強化と取り組みについてお答えをいたします。  児童虐待は、保護者及び子供の身体的・精神的状況、養育環境、社会的背景等のさまざまな要素が絡み合って起こるものでございまして、発生を予防するには、保健、医療、教育等の関係者が情報を収集し、そうした情報を共有する中で早期に適切な支援を行うことが大変重要なことと認識しております。  児童虐待の防止には、今申し上げたとおり、保健、医療、教育等の多くの関係の分野の連携が必要であることから、増加する児童虐待の防止に向け、来年度は新たに児童虐待防止計画及び連携指針を策定することとしております。  この計画や指針によりまして、各市町村が設置いたします要保護児童対策地域協議会を構成する関係機関などが虐待防止に向けた理念を共有し、それぞれの役割や支援の明確化を図りたいと考えております。  次に、虐待防止、家族再統合に向けた支援についてでございます。  児童虐待を理由として子供を施設に入所させた後、保護者等に対し家族再統合等の継続的な支援を行うことは重要なことと認識しております。  県では、家族再統合支援のあり方について、平成18年度に児童相談所、施設関係者、民間の児童虐待防止支援団体による検討委員会を立ち上げ、継続的に検討や研修を行っているところでございます。  具体的には、虐待を理由に施設入所措置となった場合に、児童相談所が施設等の関係者とともに独自のアセスメントシートを用いて子供や家族の状態を評価し、個別の支援プランを策定して継続的な支援を行う仕組みとしております。こうしたアセスメントシートを導入したことによりまして、客観的な状態像の把握が容易となり、家族への支援目標が明確になったところですが、保護者等の改善意欲を引き出すためには、アセスメントやプラン策定への当事者参加について、今後の課題として捉えているところでございます。  虐待を行った保護者に対する支援は大変重要な課題として認識しておりまして、先ほど申し上げました児童虐待防止計画の中でも位置づけることを検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔6番小山仁志君登壇〕 ◆6番(小山仁志 君)関係機関との連携、情報共有をしっかりしていくというお話がありました。この虐待の未然予防につきましては、このサインを見逃さないという視点が欠かせないと考えています。孤立したり、子育てに不安を感じたりしている、高いストレスを抱える御家庭に対してのおせっかい型のアウトリーチによって支援が届くように、包み支え合う施策を体系立てていただくことを求めたいと思います。  また、家族再統合に向けた保護者に対する援助につきまして、児童相談所、あるいは児童福祉施設等の業務負担が高まり続ける中で、なかなか手が回せないという実態があるというお話もよくお聞きをします。また、日本におきましては、欧米諸国のように加害者更生プログラムが法定化をされていない中で、虐待した親に対する指導、相談が十分機能しているとは言えない現況があると捉えるべきと考えます。  そもそも、専門的人材の絶対的な不足につきましても指摘があるわけですが、虐待の問題を根本的に解決をしていくためにも、実現可能な加害者更生プログラムについての研究は喫緊の課題として捉えていただいて、新しい計画においても対応していっていただくことを求めたいと考えます。  次が、多文化共生の推進についてです。  現在、長野県には約3万人弱の外国籍の方々が居住されており、外国人登録者数は年々減少傾向にあるものの、永住資格を有する外国籍県民数が増加をしており、定住化が進行している傾向があります。  しあわせ信州創造プランでは、施策の基本目標として、国籍等にかかわらず、誰もが住みやすい地域づくりを進めるとともに、国際交流、協力を推進することが掲げられ、国籍や文化などの違いを尊重し合い、誰もが地域社会の一員として活躍することのできる多様性を活用した豊かな地域社会を創造していくことが求められています。  国籍等にかかわらず暮らしやすい地域を創造していくためには、一定の日本語能力が不可欠であり、昨年3月に策定をされました多文化共生指針におきまして、日本語学習の支援が重点事業の一つとして明記をされています。  こうした中で、長野県では、本年度、外国籍児童生徒等学習支援事業がスタートいたしました。日本語指導が必要な児童生徒等の学習を支援するため、日本語教育の知識を有するコーディネーターを配置し、県内小中学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒等の日本語能力の把握と学習カリキュラムの作成支援などを行い、学校や地域と連携した効果的な学習支援を進めていくことを目的とした事業です。今年度、本事業の成果についてはどのように捉えているのか。まず、県民文化部長にお伺いいたします。  また、この制度の定着を図り、事業目的を達成をしていくこと、中長期的な視点での取り組みが本事業におきましては重要であると考えます。新年度、平成28年度以降の事業展開についてはどのように考えているのかを、あわせて県民文化部長にお伺いいたします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)本年度実施いたしました外国籍児童生徒等学習支援事業の成果と課題等についてのお尋ねでございます。  今年度実施いたしました事業は、公益財団法人長野県国際化協会に配置しました学習支援コーディネーターの活動によるものでございまして、このコーディネーターは、市町村教育委員会や地域の支援団体などを訪問し、日本語学習が必要な外国籍児童生徒等の現状把握と、学校側の要請に応じた学習支援方法の相談に応じたものでございます。  この活動によりまして、日常会話では全く問題はないものの、学習で用いる日本語、いわゆる学習言語に問題があり授業についていけない児童生徒が県内に多数存在することがわかっております。平成27年度、具体的な数字で申し上げますと、494名という数字を確認してございます。また、市町村教育委員会や学校と、外国籍県民への支援団体や日本語教師との連携にまだ課題がございまして、一方、その連携が十分にいきますと児童生徒の課題解決につながることも見えてきたところでございます。  このような成果や課題を県教育委員会とも情報共有するとともに、母国語でも、また日本語でも教育関係の相談が可能な多文化共生くらしのサポーターなどの支援策につきまして、教育機関と連携して協力して児童生徒やその御家族に活用いただけるよう、今後は多言語での周知にも努めてまいりたいというふうにも考えてございます。  さらに、外国籍児童生徒就学支援事業、いわゆるサンタ・プロジェクトを活用いたしまして、日本語の指導が必要な児童生徒向けの日本語教室への経費助成でございますとか、児童生徒の学習言語能力を把握するための相談など、教育機関と連携した支援を一層強めまして、今年度の事業の成果を生かしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔6番小山仁志君登壇〕 ◆6番(小山仁志 君)済みません、ちょっと今答弁で理解できなかったのですが、1点確認させていただきたいと思います。  この外国籍児童生徒等学習支援事業につきましては、平成27年度、本年度は4名の地域コーディネーターの皆さんがいらっしゃって、その上に主任コーディネーターがいらっしゃる。各地域に4名の皆さんが回っていただいて、連携をしっかりできるように模索しているというのが平成27年度でございましたけれども、サンタ・プロジェクト等のお話もありましたが、この4名のコーディネーター、先ほど成果のお話もありましたけれども、続けて配置をしながらこの成果をさらに上げていくということでよろしいでしょうか。確認させてください。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)今年度行いました事業につきましては、先ほど申し上げましたように、現状の把握でございますとか、そういう課題について明らかにしていくという事業でございまして、来年度以降につきましては、先ほど申し上げましたとおり、さまざまな既存の事業を有効に活用する中で、その見えてきた課題等に対して対応してまいりたいというふうに考えているところでございまして、27年度限りのコーディネーターの設置でございました。  以上でございます。       〔6番小山仁志君登壇〕 ◆6番(小山仁志 君)日本語指導が必要な児童生徒等の家庭状況の背景や、日常会話、学習言語の習得状況というのは、大変多種多様な状況です。また、散在地域での日本語指導、学習支援の届け方や日本語指導が必要な児童生徒の県内統一的な把握、必要性の客観的な判断等、日本語指導が必要な児童生徒等への学習支援については、喫緊の課題を多く抱えているものと考えています。  また、先日の新聞報道で、共同通信の調査で、住民票のある外国籍の子約1万人について、就学の有無について未確認であるという、確認できていないんじゃないかという新聞報道がありました。  そういう意味では、せっかくコーディネーターが単年度で配置をされて、いろいろな課題も明らかになってきたと思います。こうした実態を包括支援していくためには、加配された教員の皆様や学校、あるいは教育委員会を支援しながら、そして地域の力も引き出しながら、支援を届けていくためのコーディネート力を、しっかりと県が、国際課が発揮していただくことが私は重要だというふうに考えています。  成果が明らかになった平成27年度でございますから、課題解決への道筋をしっかり描きながら、対応施策についてもしっかりと、単年度ではなくて中長期的な計画に基づいて考えていただくことをお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △委員会審査報告書提出報告 ○議長(西沢正隆 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、各委員長から委員会審査報告書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「6 委員会審査報告書」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △各委員長の報告 ○議長(西沢正隆 君)各委員長の報告案件を議題といたします。  最初に、県民文化健康福祉委員長の報告を求めます。  太田昌孝県民文化健康福祉委員長。       〔31番太田昌孝君登壇〕 ◎31番(太田昌孝 君)県民文化健康福祉委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(西沢正隆 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)次に、環境産業観光委員長の報告を求めます。  宮本衡司環境産業観光委員長。       〔42番宮本衡司君登壇〕 ◎42番(宮本衡司 君)環境産業観光委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告を申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(西沢正隆 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)次に、農政林務委員長の報告を求めます。  荒井武志農政林務委員長。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◎26番(荒井武志 君)農政林務委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
     以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(西沢正隆 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)次に、危機管理建設委員長の報告を求めます。  山岸喜昭危機管理建設委員長。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◎25番(山岸喜昭 君)危機管理建設委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告を申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(西沢正隆 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)次に、文教企業委員長の報告を求めます。  備前光正文教企業委員長。       〔29番備前光正君登壇〕 ◎29番(備前光正 君)文教企業委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(西沢正隆 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)次に、総務企画警察委員長の報告を求めます。  鈴木清総務企画警察委員長。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◎45番(鈴木清 君)総務企画警察委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(西沢正隆 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)次に、各委員長報告の第16号「平成27年度長野県一般会計補正予算(第5号)案」につき討論をいたします。  和田明子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  和田明子議員。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)第16号「平成27年度一般会計補正予算案」に賛成の討論を行います。  安倍政権が掲げる一億総活躍社会の実現対策、TPPの国内対策などが盛り込まれた国の2015年度補正予算が1月20日に成立したことを受け、国の補正予算を最大限活用し、農業振興や安全、安心な社会づくり、地方創生に向けた取り組みなどを切れ目なく推進するとして、今回、84億3,554万2,000円の補正予算案が提案されました。  国がTPP国内対策を盛り込んだことを受け、攻めの農業への転換、農業競争力強化に向けた生産基盤の整備推進と農業の担い手確保、経営力強化の支援、12億4,000万円余が計上されております。  昨日、小林伸陽団長や山口県議が指摘したように、TPP協定は国会決議違反であり、県議会の意見書にも反しております。協定署名がされたことは大変に遺憾であります。また、TPP交渉経過の詳細も明らかにされておらず、協定案全文は、暫定仮訳版は公表いたしましたが、TPPの全容を知る上で欠かせない附属書などが訳されておりません。国会審議もなく、批准どころではない状況であります。  国の指示に沿った長野県農業への影響額試算は24億円です。国が国内対策をせよとして計上された今回の12億円余の補正予算は、長野県農業を発展させるために必要な部分はありますが、TPP関連ということでは矛盾に満ちていると指摘せざるを得ません。  地方創生関連の予算は、26年補正、27年補正とも地方自治体に対して国から示される交付金の取り扱いに沿って予算化しなければならないという点では、地方公共団体の総意よりも国の方針に拘束されているという感が否めません。  特に、地方創生加速化交付金は、内閣府が緊急対策に資する効果の発現が高い分野を対象とする具体的な成果目標を設定し、事業効果の検証が求められるものになっています。外国人旅行者倍増に向けた誘致強化事業費等は、外国人宿泊者数を66万人から120万人へと倍増させるなど、かなり成果目標は高いものになっているのではないかと思われます。  また、格差と貧困が広がり、とりわけひとり親家庭の子供の貧困率は54.6%という状態がある中で、子供の居場所づくりモデル事業が盛り込まれたことは歓迎し、モデル事業を契機に、さらに拡充していくように求めたいと思います。  以上申し上げ、総じて県民からの要望が反映されているものとして、補正予算案の賛成の討論といたします。 ○議長(西沢正隆 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案、各委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)御異議なしと認めます。よって、本案は各委員長の報告どおり可決されました。          ────────────────── ○議長(西沢正隆 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明26日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時6分延会...