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平成16年 2月定例会本会議-03月11日-07号

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  1. 長野県議会 2004-03-11
    平成16年 2月定例会本会議-03月11日-07号


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    平成16年 2月定例会本会議-03月11日-07号平成16年 2月定例会本会議 平成16年3月11日(木曜日)  出席議員(58名)   1 番 村上 淳       23 番 小松千万蔵   2 番 田口哲男       24 番 柳田清二   3 番 木内 均       25 番 竹内久幸   4 番 備前光正       26 番 高村京子   5 番 清水 洋       27 番 小林伸陽   6 番 清水保幸       28 番 藤沢詮子   7 番 丸山賢二       29 番 鈴木 清   8 番 北山早苗       30 番 西沢正隆   9 番 小原 勇       31 番 保科俶教   10 番 小林利一       32 番 小林宗生   11 番 永井一雄       33 番 小松 稔   12 番 田中清一       34 番 佐藤友昭   13 番 今井正子       35 番 宮澤敏文   14 番 宮川速雄       36 番 牛山好子   15 番 毛利栄子       37 番 佐野功武   16 番 柳平千代一      38 番 本郷一彦   17 番 宮本衡司       39 番 村石正郎
      18 番 髙見澤敏光      40 番 木下茂人   19 番 清沢英男       41 番 向山公人   20 番 林 奉文       42 番 望月雄内   21 番 小池 清       43 番 下村 恭   22 番 高木蘭子       44 番 塚田 一   45 番 高橋 宏       52 番 服部宏昭   46 番 平野成基       53 番 寺島義幸   47 番 倉田竜彦       54 番 下﨑 保   48 番 宮澤宗弘       55 番 萩原 清   49 番 森田恒雄       56 番 古田芙士   50 番 島田基正       57 番 小林 実   51 番 石坂千穂       58 番 石田治一郎         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        田中康夫    企画局長      田山重晴   副知事衛生部長事務取扱       参事(財政改革担当)兼             阿部守一        財政改革チームリーダー   出納長       青山篤司              志村勝也                     産業活性化雇用創出推進局長   経営戦略局長    松林憲治              丸山康幸   総務部長      宮尾弘行    副出納長兼会計局長 宮尾博幸   社会部長      堀内清司    公営企業管理者   古林弘充   生活環境部長    大塚武雄    企業局長      小林俊規   商工部長      井上忠恵    教育委員会委員長  佐々木則夫   農政部長      鮎沢光昭    教育長       瀬良和征   林務部長      鷹野 治    教育次長      小林正佳   土木部長      小市正英    警察本部長     岡 弘文   住宅部長      中村芳久    警務部長      山田幸孝   危機管理室長    長尾一郎    監査委員      丸山勝司                     参事(公共事業改革担当)                               長尾 勲         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      峯山 強    議事課委員会係長  跡部正章   議事課長      小林弘一    総務課企画員    内山充栄   議事課調整幹兼課長補佐             宮腰博文  平成16年3月11日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         ───────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時2分開議 ○議長(小林実 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。         ─────────────────── △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(小林実 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、清沢英男議員。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)おはようございます。緑のフォーラム、清沢英男であります。  コモンズの意思と道路改良ということから聞き始めます。  コモンズ、それは、私は地域協働体と訳させていただきます。キョウドウは、共に同じというのではなく、協同して働くという字を当てますが、地域協働体と訳させていただきます。  これまでの説明で、地域協働体の意思は行政にとって政策決定をする原点であると私は受けとめるのであります。そこで、去る3月1日、国道403号線の道路改良につき、関係4カ村の行政関係者ではない地域の皆さんが要望を行うため副知事室を訪れました。手には分厚い署名簿を携えてまいりました。本城、坂北、麻績、坂井、4カ村の93%の皆さんが心を込めて名前を書き連ねたものであります。  救急車も、屈曲、狭隘、急坂なため通行できない。恒常的に崩落も発生し、危険と不便は否めず、盆地である筑北4カ村の最も主要幹線道路の改良は、まさしく地域の悲願なのであります。昨年、土木住宅委員会も現地調査に訪れました。  さて、「未来への提言~コモンズからはじまる、長野県ルネッサンス~」、「第3節 行政の役割」は、こう書き始めています。「コモンズにおいてそれを構成する地域の人たちは、主体的に政策決定や社会的共通資本の管理、維持に参加し、責任をもって実行していくことになる。このとき、地方政府は、住民との協働作業として地域の計画を立て、その実行を支援していく。そして、コモンズが成立するための制度的・政策的諸条件を整備する役割も担う。」とあります。さらに続きます。「つまり、その地域に暮らす人々の自律的な思いと意欲的な活動がまずあって、そこで実現できないことをより身近な地方政府である市町村や県が補い、さらにそこではできないことを国が補完していく。コモンズの取り組みに対するセーフティネットを用意することも行政の役割である。」と述べられております。  この文意を、今回の筑北4カ村地域住民の皆さんの活動に焼き直しますと、道直しをしたい、でも自分たちではどうにもならない、だから県にお願いしたいという自律的な意思があって、住民の総意と熱意を署名活動という意欲的な活動であらわした。よって、地方政府である県は、コモンズ、地域協働体が成立するための条件整備をしなければならない。つまり、道路改良の計画を立て、その実行をしなければならないという論理が成立するのであります。  そこで、知事にお聞きしたい。  道路も、社会的共通資本の三つの範疇の一つ、社会基盤の中に立派に位置づけられております。コモンズ、地域協働体の自律的な意思である403号の改良に地方政府としての県は計画実行の義務が生じたと考えますが、いかがお考えでしょうか。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの清沢さんの御質問に関してでございます。  まさにコモンズに関して大変御理解をいただき、うれしく思っております。  ただ、その前に、本日最初の答弁でございますので、昨日、私どもの土木部の職員に関しまして、いわゆるパソコンに関しての問題に関して有罪の判決が出たわけでございます。これは、私、当初から申し上げておりましたが、1人のかかる職員の個人としての問題ということを超えて、これは私どもの組織全体に対して判決が出されたものと重く受けとめております。  きょう、この後、清沢議員からも御質問がありますが、まさにコンピューター社会の急速な進展という中において、結果として私どもの本県は、一人一人の職員が意欲的に、また効率的に仕事をし、まさにコモンズと同様に、情報の共有化ということを図るという意味で不可欠となってまいりました1人1台のパソコンの配備ということが非常におくれてきたというところがございます。こうした中で、仕事に熱心であるということのために、あのような、客観的に第三者からごらんになれば申し開きができないような犯罪というものが起きたものであります。この点は、その後、私どもはパソコンの配備ということを少なくとも行政職員に関しては1人1台という形でくまなく配備をし、より効率的な仕事、創造的な仕事ができるようにいたしております。  今回、このような判決を受けましたことは、私ども県組織全体への判決と重く受けとめ、おわびを申し上げるとともに、このようなことがないように奮励努力してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたしたいと思います。  もう一度、御質問に戻りますれば、まさに公共事業の公共というものは、一人一人のその地域に暮らす方々の願い、また、集合体が公共でございまして、今まで公共というのは、何か行政が、国や県が施しをするというような、上から下の意味合いでとらえられておりましたけれども、これはまさに私どもが概念として申し上げているように、地域の人々の集合体が公共でございまして、その方々の意欲や希望をかなえるために私たちも同じ一人の国民、県民、市民として尽くすということでございます。  これは、今まで、国の制度や仕組みというものがいわゆる高度経済成長のころから変わらぬまま来ている中で、こうした縦割り、あるいは上意下達という中で地域の要望というものが必ずしも反映されない形がございました。小規模な町村を初めとする市町村に職員を派遣し、実質的に駐在をさせていただき、御一緒にその地域の問題点というものを把握していこうとしているのも、こうしたことを改めていく上での私どもの心意気でございます。まさに、真の地域要望というものをきちんと私ども本庁舎内に勤務する者も把握して、それに対応していこうということであります。  道路の改良事業に関しましても、住民が主体となって計画づくりに参加し、地域の望む真に必要な事業を効率的に進めていくということが大変大事でございます。  平成15年度には、そうした地域の要望を入れて、国の基準の中で道路をいたしますと限られた財源の中で遅々として進まないという反省に立ちまして、南牧村におきます事業に象徴される、まさにローカルルールによる道路、片仮名でありましたので、地元決まりといいますか、地元のそういう認識に基づく決まりをつくって、1.5車線道路として道路整備を行っていくということを来年度はさらに広げていくところでございます。  全国4番目の県土でございますので、多くの道路整備ということは、とりわけ中南信地区の方々、あるいは県境に近い方々、これは東北信地域においても御要望が寄せられていることは承知しているところでございます。  他方で、御存じのような財政状況でございまして、事業評価をきちんと行い、まさに地域要望というものを的確にとらえて、その事業評価の透明性も高めて、優先度の高い箇所から整備をしていくところでございます。  国道403号線に関しましては、過日、副知事のところに清沢議員初め地元の方々が訪れて御要望をいただき、それを承っていることは、私も把握しております。  新矢越トンネルに関してなんでございますが、これは従来も私及び土木部の方からも申し上げておりますように、これは大変に大きな事業規模でございまして、早期の事業着手が難しいところでございます。  他方で、現在の矢越トンネルというのは、幅員が5.5メートルございますので、大型車と乗用車のすれ違いということは比較的難なく行えるようなところであります。  こうした中で、新矢越トンネルという事業に先駆けて、事業着手は難しいということは従来から申し上げているとおりでございます。ですので、そのほかの部分に関して、まさによい意味での地元要望にこたえるべく必要な手だてを順次進めていくという形でございます。  16年度の事業実施の予定といたしましては、道路改良事業が麻績村の叶里地区の部分を進めていくところでございます。これは、既に平成15年度末の進捗予定率は38%でございますが、これをさらに進めるということであります。  それと、交通安全事業として、坂北村の中島の地区でございます。これはまだ始まったばかりでございまして、平成15年度末の予定進捗率は3%でございますが、これもより地元の要望にこたえられるように努力をするところでございまして、ぜひともこの点に関して広い心で御理解いただければというふうに思っております。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)私が申し上げたいのは、93%の地元住民の要望があるということは、できる、できないということでなくて、やらねばならないという義務が発生したということを申し上げたいのであります。  次にまいります。  今、道路を初めとして土木公共事業の大切さを言うのは時代おくれのようでもありますが、しかし、私どものようなひなの地域はどうしても生活道路に対する要望は後を絶ちません。  そこで、次の点についてお聞きします。  それは、今も知事が申し上げましたが、事業別の優先順位を例えば費用対効果のような客観的数字であらわし、それに従い、かつ、将来的な予算規模を見通した上で、この路線は何年ごろには着工できるというような順位づけをすることが大事なことではないかと思うのであります。  宮城県の浅野知事が語ります。島への橋をかなり昔から要望されていたが、道路の優先順位を数字化して、整備計画の完成予定を立て、架橋は17年後と発表した、80の御老人はもしかしたら生きているうちに渡れないかもしれない、住民が聞いたら大変な騒ぎになるだろうと心配していたが、めどがついたというので住民に大変感謝されたというのです。三重の北川元知事も同様のことを語っておりました。「知事が日本を変える」という対談本でであります。  長野県は、県に陳情は不要とする昨今、そうであるならばなおさらのこと、道路等土木公共事業の順位づけと着工予測の情報公開を行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。  地域協働体、市町村はすがるわらさえ手ごたえがなく、心細くなっております。知事のお考えをお聞かせいただきます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの御質問でございます。  大変、まだこの地域に関して、403号線に関して私どもから胸を張れるようなお話ができない中で、こういうことを言うのは申しわけないかもしれませんが、逆に、清沢さんの今の御質問に意を強くしたと言ったら語弊があるかもしれませんが、そうした思いでございます。  私どもも、内部で、やはり地元要望を受けるたびに大変じくじたる思いがあるわけでございまして、実際に着手できるというところは私どもも笑顔でお話しできるんでございますが、そうではないところは、いや、お気持ちはわかりますという形でまいりました。  今、宮城県で、18年後には着手でございますか、あるいは完成でございますか、というようなこと、こうしたことは、私も内部の議論の中で、それぞれ要望があるところにおおむね何年後に着手できるとかという形を出そうと。ただ、言った場合に、逆に、地域の一日千秋の思いの方々が落胆なさったりされるのではないかという中で逡巡していたところがございます。ただ、これは、逆に、私どもが逡巡し決断できなかったことを今議員からそのような建設的な御意見をいただきましたから、こうした問題に関しても、私どもが具体的におおむねのスケジュールを出せるものに関しては出していくような方策を今後早急に検討してまいりたいと思っております。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)次に、信州と道州制について伺います。  私は、9月定例会で道州制を取り上げ、知事の見解をただしました。そのときの知事答弁は、とかく日本の社会は形から入るのがお好きでと返され、否定的なお考えを示されました。  やがて1月、知事は県名を信州県としたいというメッセージを発信なされ、正月の話題を県民に提供なさいました。改称発案の理由に、二つ述べられました。一つは観光面で、信州の方がさわやかで、観光客誘致につながり、経済効果が生まれるという理由。もう一つは、長野県は道州制論議以前から信州という州なのであると言って、言ってみれば知事が従前から言われていた信州共和国宣言であります。また、いつの間にか県は既に取れてしまって、信州知事という名刺をお配りでいらっしゃいます。  そこで、次の点を疑問としてお答えいただきます。
     一つ目、形から入ることを批判された知事が、信州という形にとらわれて、名刺にその名を冠し、来年度事業名にも信州を多用しておられます。形から入っていることをいかがお考えなのでしょうか。  二つ目、県名改称には、特別法改正の前に住民投票を経なければなりません。今からなし崩し的に長野県に変えて信州を使うことは、住民投票時、中立的な立場をとるべき県の姿勢としてはアンフェアではないでしょうか。  三つ目、それとも、金子構造改革特区担当大臣がコメントされたように、特区申請をしていくのでしょうか。  四つ目、言われるように、県外の人にとって信州という言葉の持つイメージは大変に良好なものであろうと存じます。でありますからこそ、信州はさわやかなものを形容するにとどめ、例えば信州廃棄物とか信州議会、そんなふうに使うのはミスマッチと思いますが、どうでしょうか。信州知事についてはコメントをしません。  五つ目、信州人にとって信州は、あるときは厳しい自然、あるときは満蒙開拓団であり、信州そばも米ができないからこその貧困があって、必ずしもいいことのみが頭に浮かんでくるものでもありません。そんな負のイメージを知事は考えたことはありませんか。  以上、お答えいただきます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  先ほどの答弁は少しお褒めをいただきましたので、今回もお褒めをいただけることを願っておりますが、形から入る日本の文化というものはいかがかということを確かに申し上げてきておりますが、信州という言葉や形というのは、信濃、長野県同様に、もう既に存在しているわけなんでございますね。  例えば、千葉県の房総半島、あるいは下総というような言葉の旧国名を使いますと、これは千葉県全体にはならないわけでございますが、山口村の問題はあるにせよ、私どもの長野県と信州と信濃は同じ大きさなんでございますね。山梨県や新潟県の一部が入っていたわけではないわけでございまして、しかも、信州に関しましても、もう既に10世紀のころから延喜式に、提案説明で申し上げましたが、載っているところでございます。  そして、私は、提案説明の中でも申し上げましたが、まさに全県民の運動として世界に発信をするということでオリンピックを招致しようというときに、地元の信濃毎日新聞がその一面の見出しで、長野県、信濃でもなくて、信州の地にという見出しを打っていらっしゃるわけでありまして、私どもの本県は県庁所在地名と県名が同一でございまして、そうでない県と比べますと、とりわけ、かつて筑摩県であった方々からするとやはり南北の問題というようなことがあるわけでございます。  そうした中で、これは新しい、片仮名になりますが、私ども本県の新しいCIであると。コーポレッド・アイデンティティーというふうによく言いますが、企業等も、企業の文化を全社員がまさによい意味で意見を言って、自分たちが見えた形で一丸となっていく、そして、決して株主や経営者や従業員のためだけでなくて、お客様というものに対して尽くすために新しいCIを持つということがございます。  そして、この信州、信濃、長野県は、先ほど申しましたように、既に存在している形でございますので、例えば新しく市が合併して、その新しい市の名前をつけるときと違って、これは認知のために新たにお金を使う必要もないわけなんでございます。よく皆様から、おまえが信州と使うとお金がかかるというふうに言われるんでございますが、これは、市町村名が合併で変わるときにはコンピューターのお金がかかるというようなお話はないわけでございます。  例えば、やはり私どもの本県の気性というのは長いものに巻かれないと。もちろん、国といたずらに対抗するのでなく、やはり気骨があるというところが大変すばらしい点でございます。  例えば、今、三井住友銀行というのがございますけれども、これは、昔、上田にも支店がございましたが、日本相互銀行というのが太陽銀行になって、太陽神戸銀行になって、太陽神戸三井銀行になって、さくら銀行になって、三井住友銀行になって、口座をお持ちの商店の方々は、その都度、ゴム印を御自分のお金で直してきたんですね。しかしながら、国が決めることでありますと、このゴム印をこんなに変えられてたまらんぞ、負担してくれということは言ってこなかったわけでございまして、逆に言えば、信州という言葉を私どもが一緒に使っていくことでより多くの方々に新しいCI、まさに地域協働体ということを理解していただけると思っております。  プライマイナスということは、これはいずれもあるわけでございまして、信州という言葉に、今議員がおっしゃられましたような、大変に厳しい自然と信州そばというお話がございましたが、例えば王滝村等ではおそばもできず、ドングリの実をすって非常食にしていたというようなこともございます。しかしながら、信州にも新しい開かれたイメージはあるわけでございまして、これは長野県も信濃も同様でございます。  ただ、信濃と長野県と信州、これはある意味では存在しておりますし、また、NHKが96年に調査した世論調査の中で、どの言葉に親しみを持つかと県民に聞きましたところ、信州が8割、長野県が13%、信濃が7%であったというようなこともございます。  住民投票が必要であるかどうかということでございますが、まさに私が議場で信州・長野県と申しておりますように、両方の呼称を使わせていただくことによって、県民の新しい統一感、同時に、長野県を愛してくださる全国の方々にもよりイメージを持っていただけるということだろうと思います。  特区申請をするのかというようなお話でございますが、私は、既に存在しているこの言葉を使わせていただくことによって、私たちのよい意味での統一感の意識改革、220万県民のきずなというものを高めたいと、このように思っているところでございまして、ぜひとも御理解をちょうだいしたいところでございます。  何か私の独断で突如つくった造語であったり新語というわけではくれぐれもないわけでございまして、御理解を賜りたいところでございます。  道州制に関しましては、私は道州制に関して危惧をいたしておりましたのは、まさに国のレベルで言われている道州制こそがまさに形から入る話なんでございます。この日本の国土を七つか八つに道州制で束ねると。そうなりますと、まさに一体どこに境界を引いていくのかと。アフリカのような地で、スーダンやソマリアのあたりに縦や横で線が入っておりますが、これは砂漠の地で人も住んでいないところが多かろうと思います。しかしながら、七つ、八つに分けられるというときに、まさに日本列島の背骨といいますか、中央にある本県が、例えば上の方は北陸州に入る、下の方は東海州である、右の方は関東州であるというようなことになれば、それこそ、信州か信濃か長野県かという前に、この長野県が解体されてしまうということでございます。  私は、このようなことは本県の大変誇り高い県民が望むところではないと思っておりまして、また、他方で申し上げたように、面積で言えばこれは全国で4番目の広さでございます。4番目の広さであり、また周囲をすべて山で囲われているわけでございますね。これだけ独立した文化と歴史と心意気を持った地が、そのような霞が関の思惑によって国土を八つか七つに分けるという中で解体するなどということは、これは私としては許しがたい話でございまして、その意味で言いますと、そのような頭の中で考えるような理論が具体化していく前に、本県がいかに力をつけて、本県民がいかに誇りを持って、よい意味で協力し合うまさに統一感を出したいと思っております。  その中において、やはり多くの方々が、8割の方が親しみを持つというようなNHKの調査もある信州という言葉をあわせ使わせていただくことによって、全国の方々からもより応援をしていただけることになろうかと、このように私は思っております。  信州という言葉をあわせて使わせていただくことによって、印刷の2文字が少し多くなるというようなことはあるかもしれませんが、ただ、これは、新たな合併によって全く違う名前をつけるという場合とは異なって、お金がそのようにかかるとかという問題でもございませんし、ぜひとも御理解をいただきたいと私は思っております。(19番清沢英男君「信州廃棄物はミスマッチ」と呼ぶ)  信州廃棄物、やはり私たちが、本当に地域の人々がきちんと声を出し、声を出すだけでなくて実行に一緒に参加していくという心意気の新しい方向性を、統一感ということで、先ほどオリンピックのときに信濃毎日新聞が見出しでも使ったように、信州という言葉を使わせていただくことによって小さなわだかまりを超えて行っていこうと。そして、それは、貧しかったにせよ、国の指令の中で満蒙開拓に出かけさせてしまうというような、何か個人の尊厳を破るような押しつけではなくて、本当に皆が統一感を持って、一人一人の気持ちを持って統一をしていこうというときに、私は、ぜひとも信州という言葉を、古く、しかしながら新しい温故知新の思いを込められればということで御提言をさせていただいてきているわけでございます。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)私は、9月の定例会で、信州が分裂するから、中部州なりのことを先に申し上げて主導的立場をとれと、こういうふうに申し上げたのでありますが、信州という言葉が主導的立場ということであります。  ちょっとお答えになっていないのは、信州が形容するものはさわやかなものだと。私、信州廃棄物とか信州議会とか入れましたが、それは信州に対して失礼ではないかということを申し上げたのであります。  道州制のことについては、もう既に答えていただきましたが、去る3月1日、地方制度調査会に道州制の審議を小泉首相は諮問いたしました。諸井会長も、これを受け、いよいよ道州制の議論に踏み込まねばならない、真剣に取り組む、論点を明確にし国民の関心を高めていくと表明され、道州制は公的なテーブルに乗りました。北海道、北東北3県はいち早く研究を開始しておりますし、あるいは積極的な発言をなさる県の知事、こういう皆さんの主導で道州制論議が進むのではないかとの予想にかたくはありません。  こういうときに、信州はコモンズ市民による独立した共和国、すなわち道州制の言う信州なのであると知事が主張する姿勢は一定程度の共感を呼ぶものであっても、日本の社会全体のうねりや進むべき方向に取り残されるのではないか、そういった不安を県民に惹起させます。質問はしませんが、考えていただきたいと思います。  次に、社会不安の対処と住基ネットについて関連で伺います。  私は、過日、ある方から、こんなはがきが来たと相談を受けました。最終勧告通知書。前略、弊社はMCS債権管理回収機構株式会社ですと始まり、要約すると、貴殿の御家族のことですが、有料情報サイトの未納通信料金を運営事業者から債権譲渡を受けた、よって2日後までに連絡をよこせ、さもないと支払いの意思なきものとして差し押さえまたは回収に伺う、支払いに応じなければ少額訴訟を提訴するとし、連絡先として携帯電話の番号が四つ羅列してあります。一見、さもそれらしき様式を備えているのであります。  早速、警察にはがき持参で相談に行くように申し上げました。やがて警察での報告が届きました。警察ではまことに熱心に聞いてくれた。でも、被害が発生していない以上、何もできないと言われた。はがきに書かれている携帯番号に電話してくれてもよさそうなのに、その番号はプリペイドカードで借りられる携帯番号で、そうできてしまうことが問題で困ったものだということで、お帰り願われたということでありました。  そこで、生活環境部長に伺います。  こういうケースはどの程度消費生活センターに寄せられ、例えばこの件、または類似の件で被害は発生しているのかいないのか。また、このケースの場合、センターではどういう対処をなさるのか。お尋ねします。  同様の質問を県警本部長にもお尋ねいたします。  さらに、本部長には、この件は詐欺の一歩手前の事案だと存じますが、まさに今日的な社会不安の代表例だと考えます。市民が自衛することはもちろんですが、市民が犯罪に遭う予防という意味で警察として打つ手は何もないのかどうか。こういう被害が撲滅できる手段についてどのようにお考えか。お聞かせいただきます。       〔生活環境部長大塚武雄君登壇〕 ◎生活環境部長(大塚武雄 君)お答えをいたします。  御質問の内容は、架空請求であるというふうに思っております。架空請求につきましては、やみ金、あるいは架空請求による被害が現在お話しのように大変数多くございます。このような犯罪行為でございますが、これは、個人情報を悪用して行われている実態が警察の捜査によっても明らかになっておりますし、また、それも報道されております。消費生活センターに寄せられる多くの相談の中でも、個人情報が売買され、それによる架空請求が行われているという実態がうかがえるところでございます。  ただいまの御質問の架空請求に対する関係でございますが、身に覚えのないアダルトなど有料サイトの利用料金等を請求される、あるいは今のお話のような債権の回収というような名目で請求されるという架空請求に関する相談が、県の消費生活センターに殺到をいたしておる状況でございます。  本年度の相談件数でございますが、1月末現在で約1万4,800件でございます。これは対前年度同期比で約4倍となっております。このため、県では、被害防止という観点から、架空請求者へ連絡をとりまして、請求根拠をただしまして、架空請求の疑いが強まった業者につきましては、その業者名、あるいは今お話のありましたような請求内容のすべてを公表をいたしまして注意を喚起しているところでございます。  3月8日現在、14業者を公表をいたしました。これにつきましては、報道機関や市町村へ情報提供するとともに、県ホームページに掲載をしているところでございます。  今後も、架空請求の疑いのある業者の迅速な公表を引き続き実施をしていくとともに、市町村とも連携をいたしまして積極的に広報に努めてまいりたいと、こんなふうに考えておるところでございます。  それから、実際の対応でございますが、これは、一切、そういうものには返事をしたりというか、電話をかけたり、一切相手にするなという指導といいますか、相談に対する指導をいたしておるところでございます。  以上でございます。       〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長(岡弘文 君)ただいま議員の方から御指摘のありましたような身に覚えのない債務の返済を求められたというような相談、警察の方へは昨年740件余寄せられております。  この種事案につきましては、未然に被害を防止するということが一番だろうと思います。警察におきましても、この種事案が多発していること、請求のはがきが来ても、支払ったり、業者に連絡をとったりしないことが大切であるというようなことを県警のホームページに掲載しておりますし、交番や駐在所が発行するミニ広報紙で特にその地域で多く出ておるようなことを県民の皆さんにお知らせし、注意を喚起しておるところでございます。  今後とも、こうした注意喚起を積極的に行い、困ったときやトラブルが生じたときは直ちに警察に相談するよう呼びかけております。  また、捜査の方でございますけれども、議員も御指摘になりましたように、プリペイドカード方式の携帯電話が使われたり、口座につきましても、何と言いましょうか、買い取って、どこのだれが使っている口座がわからないようにして使うというようなことで、行為者が県内にいない場合が大半でございまして、非常に捜査に難渋しておるというのが現状でございますけれども、こうした手口の実態解明に努め、悪質な業者を検挙していくという方向で今鋭意やっております。  このことは、先般御質問のありましたおれおれ詐欺の犯罪の手口についても同様でございまして、今、全国の警察で力を入れております。そのうち全国の警察の持っておる情報がつながってくればさらに捜査も進むのではないかと思って、鋭意やっておるところでございます。今後ともよろしくお願いしたいと思います。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)こういった社会不安の根源は名簿漏れによるものと考えます。でありますから、なおさら住基ネットには敏感に対処すべきものと私は思います。  私は、住基の問題では、本人確認情報保護審議会にくみする立場で幾つか総務部長にお聞きします。  一つ目、昨年8月から始まった住基カードの交付につき、現在、県下市町村で何人の人が交付申請をしたのかどうか。  二つ目、住基ネットシステムの構築には長野県及び県下市町村でどのくらいの金額を要したのか。  三つ目、これまで同システムに要したランニングコストはどれくらいか。1点目の申請者数で割るとどのくらいの金額になるのか。お尋ねします。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)お答えいたします。  最初に、住基カードの発行枚数ということでございますが、昨年の8月から1月までで合計2,688でございまして、これは220万県民の人口比に対しまして0.12%という状況でございます。  それから次に、県と市町村の住基ネットの費用についてのお尋ねでございますが、11年度から準備を始めまして15年度までとしまして計算しますと、長野県では累計で約7億4,000万円でございます。そして、市町村の分でございますが、同じ時期で計算しまして約14億円。合わせますと21億円余ということでございます。  それから、ランニングコストについてのお尋ねでございますが、今申し上げました数字は、構築費、導入経費に運営経費も入っておりまして、分けた計算というか積み上げしてございませんので、その辺はよろしくお願いします。  それから、16年度の年間運営費ということでございますが、まず県の方を申し上げますと、今定例議会にお願いしてあります予算額ということで、長野県の場合は約2億6,000万円、それから市町村の分については、これは個々の市町村でわかりませんですが、総務省で団体規模別の経費の試算という資料を出しておりまして、これは積み上げではないので済みませんが、その試算に基づいて市町村ごとに計算して仮に積み上げてみますと約2億7,000万ぐらいになります。ですから、県の今の予算でお願いしてあります2億6,000万と県内の市町村の試算値を足しますと約5億3,000万か4,000万ぐらいということでございまして、今、1人当たりどのくらいかという、そうしますとランニングコストでよろしいんですね。ランニングコストは今5億何千万といたしますと、カード数が約2,700枚としますと、大体20万円前後になるということでございます。  ただ、ランニングコストと住基カード1枚当たりという関係は、必ずしもカードの発行者数に全部コストがかかるということじゃなくて、カードでない人もサービスというか恩恵を受けているという関係でございますので、1人当たり20万もかけているということでは必ずしもないというふうな数字だと、こんなふうに考えるところでございます。  以上でこざいます。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)全国どこの市町村でも住民票を取得できるというこのシステムを利用する人、それは例えば田中知事のような方だと私は思うんでありますが、大変希少であるというふうに思います。  そこで、知事にお聞きします。  一つ目、以上の計算で、行政としての費用対効果をどう評価するのか。  二つ目、きのう高木議員の質問にもありましたが、侵入実験の結果、県独自のシステムを構築するとの御意思のようですが、これは地方自治情報センターのシステムと五十歩百歩の感は否めない。むしろ、センターの方が信用できると考える方が人情であります。県独自のシステムを構築した場合、どのくらいの見積もりを立てておられるのか、また、その費用対効果をどう考えておられるのか。  三つ目、原点の議論になりますが、意識的自治体が選択制導入を研究しているように、県下の自治体にも選択制が導入できるように道を開いたらどうかと考えますが、見解をお聞かせいただきます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)地方自治情報センターの件でございますが、センターの情報公開という部分に関しては、これは、詳しくは以前に情報政策課長を務めておりました現経営戦略局長の松林がお答えすることも可能かと思いますが、情報公開という部分に関しては、かなりの部分、まだできていないところがあろうかと思います。  行政としての費用対効果、あるいは選択制の導入というような点に関しましては、これは、法律によって設置をさせていただいた長野県本人確認情報保護審議会、こうしたところにおいて、とりわけこの審議会において御議論いただいていることを見守らせていただき、かかる後に皆様のまた御意見もお聞きして考えていくところであろうと、このように思っております。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)今回の侵入実験を含めてもそうでありますが、知事の政策的な根本的な考えが伝わってこない。どこに落としどころを持っていきたいのか、そういうことは知事としてきちんと主張するべきであると私は思うのであります。そういうことで県民の理解を得ていく、そういう姿勢が必要ではないんでしょうか。お答えください。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)とかく私は、自分の考えを、先に方針を示し過ぎるという御批判もいただいてきておりますので、先ほど来、清沢議員には、逆に、知事の考えをきちんと示して問うていくべきだというありがたいお言葉をいただいているところですが、私どもが委員会において議論をし、そしてまた、いわゆる検査といいますか実験を行いましたのも、住基ネットというものにかなりの部分脆弱性があるんじゃないかということで行ったわけでございます。  この点に関しましては、前議会でも申し上げていると思いますが、総務省がアメリカの企業に頼んだと、ここまでは明らかでございますが、品川区において行った実験というものに準拠して行わせていただいているわけでございます。  こうした中において、基本住基サーバーというところの部分の情報というものが閲覧できたり改ざんできる、あるいは転送できるというような形がわかったわけでございまして、市町村の自治事務でありますところの既存住基サーバー、また住基ネットに関してのプロテクション、情報保護と侵入の拒絶をするということに関しては、その後、私どもの実験の中間の報告が出るのとある意味では軌を一にして、総務省の側でもこうしたことの手だてをする基礎自治体に対して支援をしていくということをおっしゃっているわけでございまして、これはある意味では手前みそに聞こえるかもしれませんが、本県で行いました実験というものを、総務省においても中間報告の内容を見据えて対応を始められてきているということで、これは、私どもが申し上げてきた脆弱性というところを総務省が対応していこうというあらわれでして、大変ありがたいことだと思っております。  そうしたことを踏まえた上で私どもは審議会でも議論をしているわけでして、既に住基ネットというものは、もう昨年、稼働しているわけでして、本県においては、市町村においてはすべての市町村が加入なさっているわけでございます。他の福島県や東京都のように加入なさらないというところとは、その点においては本県は状況が違うわけでございまして、しかしながら、稼働しているものの、我々が改善すべき点はどこにあるのかということを審議会でも議論され、それにのっとって実験が行われ、また、その実験の私どもの中間報告の結果に総務省がいち早く、その部分においてはよい意味で対応なさってきているわけですから、さらに今回最終報告も出たわけでございますし、それを踏まえて、今後、審議会での議論も見据えながら、検討を加えるところであろうと思っております。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)改善だけなんでありますね。そこを確認します。  次に、松林経営戦略局長にお聞きします。  局長は、波田町にインターネット侵入実験をお願いする際、町名は秘匿するとお約束なされたにもかかわらず、その約束をほごになされた。当時の住基ネットシステム担当としては最もしてはならないことをなさった責任をどう感じておられるのか。お聞きしたいと存じます。       〔「答弁、答弁」と呼び、その他発言する者あり〕 ○議長(小林実 君)御静粛にしばらくお待ちください。  松林経営戦略局長に申し上げます。速やかに登壇して御答弁願います。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  波田町という名前の公表については、それ以前に一部マスコミ等でも報じられた点がございました。その後、県の中間報告の段階で波田町という名前が既にマスコミ等で公表された後、12月15日の速報の段階で波田町という名称が出てしまったと。これは、責任者としては、住基ネット対応チームとして責任をとっておりました私としてはこれは至らぬ点でございまして、おわびをするとともに、また、先般、波田町の方にも、結果を御報告する際に、この点については、町長、助役以下、御迷惑をかけた点についてきちんとその経緯を御説明をさせていただきました。  なお、波田町については、今回の場合に、実験について特に支障があったということではございません。これはつけ加えさせていただきます。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)どうしてか知らないけれども、マスコミへのリークがあった。そして、そのために、県からは公表はしてないんだけれども、だから波田町に謝ったと。私はそういうふうに聞いていません。再答弁をお願いします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  議員おっしゃるようなことはございません。あくまで、これは一部マスコミからの公表がそれ以前にあったということでございます。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)マスコミのせいにしてしまうことは、県の責任回避だというふうに私は思います。これについて、改めて、もし違う答弁があれば、お聞きをしておきたいと思いますが、知事、答弁なさいますか。
          〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)議員御指摘の自治体及び私たちがそれぞれの首長の御同意と御協力をいただいて行った実験の自治体というものに関して、私どもの方から、それを今議員がお使いになりましたようなリーク、特定の表現者に対しての漏えいというようなことはないわけでございます。  これは、あくまでもそれぞれの表現者の方々の、私は決してよい熱意とは思いませんが、そうした独自取材によって報じられたことでございまして、私どもとしても、この点に関しては、報道によって自治体に大変に御迷惑がかかってしまったということはじくじたる思いがありますが、同時に、大変に心外な報道でございます。  また、そうした自治体の温かい御協力のもとで実験を行う際にも、自治体関係者に傍若無人に迷惑をかけるような表現者というものが、極めて確立した新聞社等において執拗に行われたということも、これは大変残念なことでございます。  先ほど松林がお答えいたしましたように、かかる自治体の方々には、きちんと私どもから御報告の際におわびも申し上げております。  しかしながら、これは私どもの側からではなく、恐らく勘案しますに、コンピューターとの接続の状況というものに関しては、マスコミの独自取材によって接続の状況がある程度わかってくる中で、118の自治体でございますので、それを当たっていく中で、どうもインターネットにつながっているのはここではないかというようなことで、そうしたところに半ば人海戦術でマスメディアの方々がそれぞれ当たってきたというようなことはあるというふうに伺っております。  いずれにいたしましても、私どもの方からそのようなことを公表したものではないと、あるいは事前に私どもが一部の機関に伝えたものではないということだけは、この場で再度確認をさせていただきたく思います。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)波田町の担当者からのお話を添えて総務委員会の同僚議員に提出をいたしますので、今の答弁と違っていたら責任をおとりいただきます。  次に、知的障害者の地域生活移行におけるハードとソフトの問題点ということでお伺いをいたします。きのうも牛山議員の質問にありました、中信地区の入所施設の関連で伺います。  現在の中信地区には、知的障害者更生施設を初めさまざまな施設が大変少ないわけであります。キャパシティーがないわけであります。まず、このような偏在状態が生じた原因は何なのか。社会部長にお聞きします。  それから、きのうの答弁の中で、中信地区に予定されておる入所施設について、それは地域移行の様子を見てと答弁なさいましたが、必要なのはその後の文言であります。様子を見て、必要があれば中信地区につくりますと言っていただきたい。社会部長、いかがですか。       〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長(堀内清司 君)お答えをいたします。  知的障害者更生施設の関係につきまして、設置が偏在しているではないか、原因はどうかというお尋ねでございます。  現在、長野県におきましては、知的障害者の入所更生施設、34施設で定員が1,940名、それと入所授産施設が5施設で定員が430人分ございます。合わせまして39施設で2,370人で、現在、長野県に知的障害者の方は9,300人ほどおられますが、約25%の方が利用できる施設が整備されておるところでございます。  それで、御指摘のように、地区ごとの整備状況でございますが、偏在していますが、知的障害者数に対する入所定員の割合を見てみますと、東信で見ますと、佐久、上小でございますが、その割合が28.2%、南信が40.6%、これは県立の西駒郷があるもので、それを除きますと20.7%、今御指摘の中信が17.4%と、北信も17.4%と、こんなようなことになっています。  整備率の高い地域、いわゆる東信と南信でございます。どちらかといいますと、民間の社会福祉法人、この方が自律的に知的障害者施設を開設された地域でございまして、ちなみに佐久地域におきましては、5施設あるうち4施設が社会福祉法人。上小は6施設すべてが社会福祉法人。それから諏訪へ行きましても、2施設全部社会福祉法人。上伊那につきましては、西駒郷がある関係で3施設中の西駒郷が一つ。(「飯伊はどうなんだ」と呼ぶ者あり)飯伊につきましては、6施設中5施設が社会福祉法人で運営しています。そういう格好で高くなっていると。  それから、一方、市町村が指導して整備を進めた地域、先ほど言いましたように中信と北信、それらにつきましては民間の施設が進んでいないと。ちなみに、中信全体で7施設ありますが、そのうち民間でやっているのは三つしかありません。北信も、10施設中半分の5施設しかない。ですから、民間が主体的に進めたところについては整備が高いけれども、市町村が進めたところについては民間がなかなか整備が進まなかったということだと考えられます。  それから、もう1点、中信地区、きのうお答えした中身ですね。私、前々から申し上げているんですが、障害者プランをつくるときに、中信地区に更生施設1カ所つくりますというプランになっております。現在、かなりのスピードで施設から地域へということで移行が始まっております。でありますから、計画にありきじゃなくて、その入所の実態、入所といいますか、地域の全体の希望する実態等を勘案するとともに、それぞれ地域にある社会福祉法人で持っている入所施設がありますね。そこからもまた地域へ、またグループホームに移ります。ですから、最初の計画をあらゆる面で精査した上でないとなかなか建設というのはすぐにいくものではないと。  それと同時に、先ほどから申し上げていますように、県でつくっているのは西駒郷一つ。ほとんどの施設が、トータルで言いますと、さっき言いました39施設中26施設というのはいわゆる民間の社会福祉法人が運営していると。その他は市町村、一部事務組合とかそういうのでつくっているんですが、県でつくるというようなことは考えていないと。県といいますか、県の設立ということを考えていないといいますか、ですから、中信地域で施設をつくっていただきたい強い要望を受けているんですが、それぞれの地域を構成する、中信地域を構成する市町村がどう考えるか、自分たちの地域を。その中で成熟したものについては私ども支援すべきは支援していきたいと、こういう趣旨で申し上げたところでございます。  以上です。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)でありますから、コモンズ理論によりますと、地域住民の皆さんが必要と言い、そしてそれを市町村に言っても、市町村もちょっときついなと、こういうふうに言った場合は、県はどうするのかと。きちっとつくるという必要ができたときにはつくりますというふうに言っていただきたいと、こう私は申し上げているんです。  次に、知的な障害を持つ皆さんを保護的な施設から普通の社会生活へと移行するに際し、もう一つきちんと考えておかねばならないことは権利義務の問題であります。措置から契約へという行政上の態度変更は、障害を持つ皆さんに権利義務の当事者になり得ることを意味すると考えます。例えば、施設内だと契約等の法的行為は本人に不利ならば防御することもできましたが、地域生活では、法的行為に及べば、いかに本人に不利であろうと、その意思表示により、健常者と同様、きちんと権利義務が発生いたします。  そこで、二つの問題についてお尋ねします。  一つは、地域社会に対して、知的障害を持つ皆さんの地域生活移行が始まることを十分周知し、その意義を理解して心のバリアフリーを醸成し、真のともに支え合う地域社会をつくり上げることが肝要ということであります。保護すべきは、地域社会が全体で障害を持つ皆さんのかさにならねばならないという心構えを持つ、そのことが大切なことであります。しかし、現状はほど遠いと言って過言ではないでしょう。グループホームをつくる、訓練施設をつくる、そんなときでさえ近隣から反対または拒否反応が起こっている実情です。  私は思うのですが、ハードの面で障害を持つ方やお年寄りが使いやすい建築を進めようというハートビル法、ハートビル条例ができた際に、その前提として差別禁止条例のようなものをつくるべきだと、そんな議論があったことを思い起こすのです。そんな経緯も参考にして、今こそソフトの面で、罰則や強制力を持たずとも、まさに理念条例として地域生活移行の意義条例を、例えばハートフル条例というようなものを用意し、地域生活に入っていく皆さんに対する地域社会の環境整備をすることも一つの方法であると考えますが、そのことに関して知事の所見を伺いたいと存じます。  二つ目に、成年後見制度の利用であります。地域生活に入り、もしも不利な契約に及んでも取り消し得る法的なバックアップは必要であろうと考えます。そのため、改正民法も視野に入れて、市町村と連携を図り、国の成年後見制度利用支援事業等を活用していくべきであります。このことをどの程度進捗させておられるのか。社会部長にお聞きします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)昨日、牛山さんからも、私どもの取り組みに関してはさらに改善をした上で期待をしていくということが、滋賀での会合のときにも全国の福祉の関係者からあったというお話があり、大変うれしく思っております。  今の議員の御指摘は、やはり私ども、地域移行ということを、他の都道府県に先駆けてよりきめ細かく迅速に行っていくということが大事でして、これを既に予算の上でも人員配置の上でも行っているわけであります。  もし地域社会の中で御理解いただけていない向きがあるというならば、それこそ社会部が今年度から始めました、まさにコンシェルジュという、社会福祉施設等の担当を本庁舎内の職員も一人一人すると。忙しい中で十分にまだできていないという反省はございますが、これをよりそれぞれの地域においても社会部の職員あるいは現地の機関の職員、生活環境を担当しておる地方事務所の職員がゼロ予算事業として行っていくということによって、地域移行を円滑に進め、地域社会の理解を深めていくと、このことを私どもとしては行いたいと、このように思っております。       〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長(堀内清司 君)お答えいたします。  成年後見制度利用支援事業の関係についてでございます。  これにつきましては、痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者などの判断能力が不十分な成年者の大きな財産や権利を保護するための制度であります。それで、成年後見制度を支えていくために設けられた、平成13年度から実施している事業でございます。  長野県はどういう状況にあるかということでお尋ねでございます。  15年度につきましては普及啓発等に努めてまいりました。市町村担当者会議等でこの制度の説明を東北信、中南信等で行ったり、社会福祉協議会が実施した権利擁護セミナーを開催するなどして、普及啓発を図ってきたところでございます。  ちなみに、15年度の実績につきましては、19市町村で実施されたと。今後とも、引き続き、市町村に対しましてこの制度を周知させまして制度の円滑な利用促進を図ってまいりたいと、こんなふうに考えています。  以上です。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)コンシェル何とかという制度ですが、人海戦術でそうやっていこうということでありますが、一番考えなきゃいけないのはやっぱり地域移行に入る人たちのことだと思うのであります。その人たちが、きちんと県が考えているような、あるいは日本全体もそういう動きですが、そういうことを考えているようなことができるようにしてやることがやはり大事なことだろうというふうに思いますので、今やっている方策にこだわることなく、いいことがあったらどんどん取り入れてやっていっていただきたいというふうに思います。  リサイクル製品認定制度について伺います。  廃棄物の対応はリデュース、リユース、リサイクル、発生抑制、再使用、再生利用の比率を高めることこそ、環境への負荷を低減させ、持続可能な社会を構築する方策であると平成11年制定の循環型社会形成推進基本法にうたわれます。このため、社会経済活動を循環型にすることを目標に、さまざまな廃棄物リサイクル対策が進められていることは御承知のところであります。  そこで、多くの県が、循環型社会の構築を目的に、循環資源の有効利用、また環境産業の育成を図るためリサイクル製品の認定制度を条例や要綱で定め、さらには、グリーン購入推進方針として、物品の選択に当たっては認定リサイクル製品を優先的に選択するようにとしております。  例えば、私が政務調査を行った和歌山県の場合、間伐材利用製品を対象としたり、発生場所を県内に限定しないというようなことから、特徴的な製品として、紀州間伐材を使った事務機器、梅の種を炭化した水質浄化剤等が挙げられていました。  この認定制度の一覧表を見ると、既に25県で実施されておりますが、長野県の欄は、未定、開始時期04年3月からスタート、対象品目検討中とされております。これを来年度予算の中で具体的にどう進めていくのか。企画局長のお考えをお聞きします。  また、6月に提案予定の廃棄物関連条例骨子案はリユース、リサイクルの理念が伝わってこない。その点、生活環境部長の見解をお聞かせいただきます。       〔企画局長田山重晴君登壇〕 ◎企画局長(田山重晴 君)お答えいたします。  循環型社会の形成は、21世紀型の社会のために非常に重要な課題であることは申し上げることもないわけでありますけれども、大量生産、大量消費、大量廃棄と、各種のリサイクル法が誕生してきておるわけでありますけれども、ますますこれからは恐らく、大量生産、大量消費は経済が安定成長に入ってくればそれほどでもないんでしょうけれども、日本人は多くのものを持っていますし、また多くの建築物を持っています。それが恐らく大量廃棄の時代を迎えるだろうということでありますから、今議員のおっしゃるように、リサイクルというのは非常に重要な課題になってくるんじゃないかということは当然想定されるわけでありまして、そのリサイクル市場、マーケットを活性化しなきゃいけない。リサイクル製品を幾らつくっても、それが流通しなければ意味がないわけで、リサイクル製品がごみになるというまた皮肉な結果になるわけでありますから、そういうことからしまして、今議員のお尋ねの、一つの手段としましてリサイクル製品認定制度を導入している県が幾つかございまして、中には顕著な成績を上げているところがございます。  私どもも、昨年の11月にそのための策定委員会を発足させまして、現在、その策定の基準を検討している最中でございまして、ほどなくそれが完成するかと思いますので、来年度は認定委員会というものをつくりまして、そこで建設リサイクルの資材、それからリサイクルの製品を県独自の基準で認定をし、そして、認定の場合には、安全性であるとか信頼性であるとか、あるいは消費者に対して親しみのある、そんな視点からきちっと認定したものを、できることならばラベル、マークを用意して、さらにはすぐれたものに対してはアイデア賞などをして意欲をかき立てながら、その制度を順調に作動するようなことを備えるべく、予算でも、金額はささやかであります、七十数万でありますけれども、しかしこれは民間の意欲を活性化する仕組み、手法でありますから、そういう意味で、長野県も若干おくれたところがありますけれども、制度でこのリサイクルマーケットの活性化に寄与していきたいと、そのように考えております。  以上でございます。       〔生活環境部長大塚武雄君登壇〕 ◎生活環境部長(大塚武雄 君)お答えをいたします。  現在、廃棄物の新たな条例の骨子案をお示しをしているところでございますが、その中におきまして、基本的な考え方の中で発生抑制と資源化を推進するという言葉であらわしておりますので、積極的に資源化を図っていかなければ、できるだけ燃やさない、埋め立てないという方向にはならないわけでございますので、そこではっきりと出しておるというふうに考えておるところでございます。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)さて、緑のフォーラムは、西駒郷を政務調査した折、近くの伊那石産工業という会社で研修させていただきました。ここは、普通の砂利もどきを焼却灰からつくっているものであります。ただ、残念なことに、重金属等の溶融を懸念してのことだろうと思われますが、県は試験を安全な焼却灰だけに限定しているため、市町村で困っている焼却場の灰までを実験対象に加えられないことであります。  スリー・バイ・スリーの一角、環境掛ける製造業の新しい成果品とも言えるこれに対して、もっと積極的に県はリサイクルに関与し、こういう民間活力とともに研究すべきと考えますが、この件を含め、県の対応、姿勢を知事にお聞きします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)まさに、繰り返しお話をしておりますが、大量消費や大量生産、大量廃棄という社会から、なるべく燃やさなかったり、あるいはなるべく埋めないような廃棄物の発生抑制、資源の再利用は極めて大事なことでございます。  議員が御指摘のそうした焼却灰の再利用ということに関しても、こうした観点から無論検討するべきこれは世界的なテーマであろうと思います。  他方で、そうした中に有害物質が入っているというようなことがありますと、これは逆に大変に大きな問題となるわけでございまして、この点は慎重にきちんと見据えながらさらなる検討を鋭意加えなければというふうに考えているところでございます。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)小山福来さん事件について知事に伺います。  御遺族の補償につき、森田議員への答弁は、またボールを公安委員会に投げ返した感があります。納得いかない部分は知事みずから調査なさるなりして、今定例会のうちにできるできないの結論を出すべきであります。ボールはどこにあるのでしょうか。知事に伺います。  同じ質問を県警本部長に伺います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)昨年末に長野県公安委員からいただいた報告の中においては、捜査において過ちというように決めつけるようなことはなかったというような御趣旨であります。これは、恐らく議員が御指摘の点も、御遺族の方に県として何らかの金銭的な補償をすべきではないかというお話だと思います。しかしながら、まさに警察行政をチェックしてくださる公安委員会が、この捜査において過ちと呼び得るほどのものはなかったとおっしゃっているわけでして、このように公安委員会がおっしゃっている限り、この件に関して私どもが公金を用いて何らかの対応をするということはできかねぬことでございます。  つまり、議員の御指摘のボールということであれば、これに対して、私どもは、副知事と出納長が一緒にお話をお聞きしてかなりの部分納得できないと、これに関しても御質問を再度したいというふうに申し上げたんですが、質問の内容いかんでしか答えられないというようなお話だったわけで、ボールということであえて申し上げれば、これは3名の公安委員会の側にあるというふうに私ども考えております。  でありますからして、もし、議員が御指摘のような、私どもの対応ということを望まれる、それを実現したいと思われるのであれば、これはもちろん独立した機関でございますが、公安委員の方々に、犯人と名乗り出た者に対しての直接の調査、あるいは当時の関係の捜査員を初めとする方々への直接のきちんとした調査をしていただかなくてはならないことだと、このように思っておりますし、そのようなことを私ども行政部局の人間がみずから行うということは、私どもにそのような権限を県議会が与えてくださるならばいざ知らず、現時点においてはそれはできかねぬことだと思うんですね。あくまでも、公安委員会の方々が、やはり県民の代表として警察の信頼というものを今後もより一層高める上で、公安委員の方々3名の方がみずから御判断なさり、行動なさるべきことだと思います。       〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長(岡弘文 君)この事件につきましては、事件後23年が経過いたしまして、賠償金はもとより犯罪被害給付金も御遺族には受け取れない状況であることから、こうした御事情を知りました私ども長野県警察を退職した警察官の有志の方々が中心となって募金を行われ、昨年末、お見舞金をお届けしたと伺っております。その際、御遺族には快くお受け取りいただいたと伺っておりまして、このことについては既に現実的な救済がなされたものというふうに理解いたしております。(19番清沢英男君「ボールは」と呼ぶ)  ボールといいますと、どういうふうに理解すればいいのかあれですけれども、公安委員会におきましても、23年前に誤って自殺と判断、処理された事件の捜査の経緯につきまして私どもから詳細に報告を求められるとともに、事件現場を実地に視察され、また小山福来さんの御遺族とも面談されるなど慎重に審査をされ、昨年の12月の19日に最終の結論を出されたものというふうに理解しております。       〔19番清沢英男君登壇〕 ◆19番(清沢英男 君)ボールがどこにあるかわからないという言葉を残して、一般質問を終わります。 ○議長(小林実 君)次に、小池清議員。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)自由民主党県議団の小池清です。  それでは、質問をいたします。松川入治山事業と松川ダムについて伺います。  飯田市の松川入地区は、昭和34年の伊勢湾台風、36年の梅雨前線豪雨等で枝状の崩落地が多数発生しました。その後においても、花崗岩の脆弱な地質構造と表面が浅く急峻な地形に加えて山岳気象の多雨地帯であることから、58年の台風災害、平成11年の梅雨前線では50万立米もの土砂が流出するなど、年々多量の不安定土砂を生産し、崩壊地は拡大を続けております。  この荒廃地を復旧させるため、県は、復旧治山、水源地緊急整備事業などで、昭和37年度から平成3年度まで、事業費約40億円を投入しましたが、荒廃規模が大きく、その対策は十分と言える状況ではございません。また、特に、松川ダムへの有害な土砂流入によるダムの機能低下が危ぶまれる状況にもあります。  このため、近年、荒廃規模や土砂流出災害などの増大に対応し、同地区における治山事業を計画的、集中的に実施する必要がありましたが、治山復旧事業の規模が著しく大きく、かつ、高度な技術、多額の経費を要することから、県や地元の要請を受け、当時の長野営林局が実施主体となって民有林直轄治山事業が平成5年度から実施されてきました。  この民有林直轄治山事業は、土砂の流出防止と崩壊地に緑化を目的に、平成5年度から40年まで、5,384ヘクタールを対象に治山事業を実施する計画で、平成15年度末までに進捗率は23%という状況でございます。  また、県営松川ダムは、洪水調整による松川下流域、鼎地区での河川はんらんの防止、飯田市3万戸の上水道としての生活用水、伊賀良井を初め1,000ヘクタールという広範囲のかんがい用として農業用水の供給を行っています。その中で、特に上水については日量最大3万立方を松川から取水し、妙琴浄水場で浄水しているとともに、松川ダムは渇水期における飯田市民の生活の原水であります。  しかし、ダムの堆積量は建設当時では100年で200万立米という想定でございましたが、既に10年たっている現状、350万立米というような量が入っていることが想定され、掘削を行わない限り維持ができないというような状況でございます。このことから、ダムの貯水量のほぼ4割が土砂で埋まっていると想定されます。実際に現地では堆積した土砂の取り除きが行われましたが、松川入地区の土砂流出を防がない限り、今後も堆積した土砂の取り除きを継続しなくてはなりません。  そこで伺います。  良質な水源の供給と国土の保全、重要な水源地における森林を緑のダムとして、洪水防止、土砂流出防止、あるいは水質の保全などの機能を発揮させることが重要と考えますが、この点につきまして林務部長の御見解を伺います。  また、洪水による災害防止、渇水対策として、松川ダムへの土砂の流入軽減策が急務であります。この点につきまして土木部長の見解を伺います。       〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長(鷹野治 君)お答えを申し上げます。  松川入についての緑のダムとしての治山事業あるいは森林整備についてのお尋ねでございます。  御案内のとおり、この松川入地区につきましては、先ほど来お話がありましたとおり、国の直轄治山事業というふうなことで事業を行っていただいているわけでございまして、私どもといたしましては、この直轄事業につきまして、私ども県の新しい治山事業の考え方に基づいて、現在、事業の見直し等についてお願いを申し上げているところでございますけれども、私ども自身は、国の方がこれから事業の見直しをしていただけるというふうなことで作業を続けているところでございますので、この事業の見直しの状況と、さらには、私ども県そのものも、松川入地区の森林整備というふうなことで、現在、針葉樹と広葉樹がバランスよく混交した災害に強い壊れにくい森林の造成を目指して事業を進めているところでございますので、これらの事業を実施することによって緑のダムとしての機能を高めてまいりたいと、このように考えているところでございます。  以上でございます。       〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長(小市正英 君)答弁をさせていただきます前に、一言おわびを申し上げさせていただきます。  先ほど知事からもお話がございましたが、昨日、土木部職員の競売入札妨害及び加重収賄事件に関する判決公判がございました。有罪という判決が下されたところでございます。まことに遺憾であり、県議会の皆様、県民の皆様に大変御迷惑をおかけをいたしました。この場をおかりいたしまして、改めて深くおわびを申し上げます。  今後も、すべての職員が今回の判決をみずからの問題として真摯に反省をし、より一層、襟を正して職務を遂行することにより信頼回復に努めてまいります。よろしくお願いをいたします。  それでは、答弁をさせていただきます。
     松川ダムの堆砂の関係でございますが、松川ダムにつきましては、今お話にございましたように、治水、それから浄水、さらには農業用水等の利水、多目的ダムとして、昭和50年3月に完成をいたしまして、28年ほどたってございますが、その堆砂でございますが、お話にございましたように非常に土砂が流出しやすいような状況にございます。  お話にありましたように、58年の台風等がございまして、そういう大きな災害によりまして一気に土砂が流入したということもございますが、現在の堆砂状況を見ますと、計画200万立米に対しまして約250万ほどの量で、少し上回っております。  こういうような状況の中で、平成2年から松川ダム再開発事業という国の補助事業を同様に打ち出しまして、堆砂土の除去、あわせてバイパストンネル、排砂トンネルというものをつくるという、この二つの目的で事業を進めてきておりますが、堆砂土の除去につきましては平成8年から進めてきておりまして、平成15年までに約42万立米、年間約5万立米を取り除いてきております。そういうことによりまして、実際に入ってきた量に対しましては除去に努めてきているところでございます。  また、もう一方、排砂トンネルでございますが、いろいろ調査をいたしまして、具体的には、そのトンネルにつきまして、平成10年10月に、全体の延長が1,417メーターでございますが、そのうち1,396メーターにつきまして発注をいたしました。現在、掘削を進めておりますが、実はこの排砂トンネルという機能でございますが、全国でもまだ完成した実績の排砂トンネルはございません。現在、直轄で長谷村にございます美和ダム、ここで現在排砂トンネルの建設が進められておりまして、16年度に完成をすることとなっております。また、小渋ダムでも排砂トンネルを計画しておりますが、いずれにいたしましても、新しい排砂施設でございますので、美和ダムのトンネルの効果等を実証して、その結果も参考にしながらよりよいものにしていく必要があるというのが一方にございます。  それから、非常に多額な予算もかかるということから、今回、発注に当たりましては、その中身を、今回の掘削、さらには中間のいわゆる巻き立てまでに抑えまして、その後、検証した後に最終的な形を決めていきたいというふうに思っています。  特に、松川の場合は、トンネルの上流部に砂を分砂する施設があるわけでございますが、今まで模型実験等をやってまいりましたが、現在の形式を見ますと非常に管理が複雑になるような形式ではないかというふうに私は思っております。水門等が三つほどございまして、もう少しシンプルに管理ができるような形で少し見直しをする必要があるんじゃないかというふうに思っておりまして、そういうこともこれから進め、全体的で美和ダムの検証も含めて、効果ある形で進めたいというふうに思っております。  そういう中ではございますが、16年度も引き続き堆砂土の除去、あわせて湛水地の末端にあります貯砂ダム、一たんストックします貯砂ダムにつきましては、16年度に着手をいたしまして17年に完成するような方向で進めたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)年間に、多い年では50万立米もの土が流出するような大変な地域でございます。特に、そういう中で、治山事業の継続的な実施の必要性、この点についての見解を、いま一度、林務部長にお願いいたします。       〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長(鷹野治 君)お答えを申し上げます。  先ほどもこの件については申し上げたところでございますけれども、国の松川入におきます直轄治山事業についてでございますけれども、私どもといたしましては、新しい治山事業の考え方に基づきまして、現在、国の方に見直しをお願いしているところでございまして、そういう状況でございます。現在、見直しをお願いしているところでございます。  以上でございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)いま一度聞きたいと思います。  こうした荒廃地、大量の土砂が流れ出てくるわけでございますが、事業自体の見直しという内容がちょっとよくわかりませんが、事業自体の必要性について伺いたいと思います。林務部長、お願いいたします。       〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長(鷹野治 君)お答えを申し上げます。  先ほどお答えしたとおりでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)御答弁がないわけでございますが、いずれにいたしましても、現地へ行っていただいて現状をよく把握していただき、しっかりとした、住民の皆さんが安全に住める対策をお願いを申し上げます。  次に、地場産業センターの支援について伺います。  県の外郭団体の見直しにおいて、飯田市におけます財団法人飯伊地場産業振興センターが運営、管理している工業技術センターが対象となっております。本センターは、テクノハイランド構想に基づいて、飯伊地域の中小企業の技術向上を図るために行っておる事業でありますが、このセンターの飯伊地区における役割、あるいは県の支援内容について商工部長に伺います。       〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長(井上忠恵 君)飯伊地域地場産業振興センターに附置をされております工業技術センターの役割ということでございますけれども、これは、地域の産業、特にあの地域の電機関係、あるいは機械関係の産業の特に技術的な測定とか、そういうようなことについて支援をするということで、あの地域の産業の技術的な高度化のために設置をされていると、それを支援するために設置をされているということでございます。  この工業技術センターの設置の際でございますけれども、工業技術センターが設置をされましたのが昭和62年でございます。その当時、地元の要望が強いというようなこともございまして、地元の皆さん方と県が一緒に国の方に補助金を出してもらえないかというようなことで働きかけをいたしまして、その当時、1億4,544万9,000円の設置の補助金を国の方から出してもらったという経緯がございます。  それからまた、このセンターが、その後、例えば3次元の測定器だとか真円度の測定器だとか、あるいは顕微鏡、フーリエ変換赤外分光光度計、これは有機物の特性を調べる測定器でありますが、こういうもの、あるいはEMCといいますか、電波暗室、こういうようなものを設置をするに当たりましていろいろな形で御相談にも乗り、御支援もしてまいったわけでありますが、同時に、これらの施設を本格的に使うことができるまで当面県の方から職員を出してもらいたいという話がありまして、61年に嘱託職員を1名、それから平成8年にさらに嘱託職員を1名、平成12年に嘱託職員を1名ということで、県から3名の嘱託職員を出しておるわけであります。  今現在は、飯田市の職員の方と飯田市でお雇いになっている嘱託職員の方、市の関係の2名の方という形で工業技術センターの運営をしているという状況でございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)こうした重要な施設であるわけでありますが、今回の見直しの対象となった理由は何か。伺います。  また、県内には県が運営しておる他の工業施設があるわけでございますが、これらの事業内容と、今回の見直しになったセンターとの違いはどういうものなのか。伺いたいと思います。商工部長にお願いします。       〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長(井上忠恵 君)この外郭団体が対象になったというのは、外郭団体見直しの基準に該当したということでございまして、他のこのようなものがどのようにあるかという御指摘でございます。  これは、この見直しの対象にはなっておりませんけれども、坂城町の坂城にテクノセンターというのがございまして、そのテクノセンターでさまざまな3次元測定器等を導入をしていると。それに対して嘱託の職員を出してもらいたいということもありまして、ここにも出しておりますけれども、これは16年度で嘱託を廃止をするということでなっております。  それから、伊那の技術形成センターというのがございますけれども、これはバイオの関係と電子部品の関係の測定器を一部入れてございます。そういう状況でございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)もう一回、質問をいたします。  県では、長野県工業試験場あるいは長野県精密工業試験場等、県が運営している施設があるわけでありますが、これらとの違いを伺います。       〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長(井上忠恵 君)県の関係では、こうした同じような施設を持っているところは、工業技術センターの中にありますEMC、電磁環境適合性能試験の関係ですが、これは精密工業試験場の中にございます。それから、3次元測定器とかそういうようなものの計測器につきましては、精密工業試験場あるいは長野市にございます工業試験場、こういうようなところに設置をされております。  それぞれそれらの試験場におきまして、そうした試験機器を使いまして企業からの製品の検査、あるいは性能のチェック、こういうようなことをやっております。ですから、基本的には、この技術形成センターは、特に試験ですね、依頼試験とか、あるいは機器を企業の方々がみずからそこで借りて使うという、その部分をやっております。  試験研究機関とどこが違うかというと、私どもの研究機関の方は、そうした依頼試験だとか、そういう試験の関係のほかに、いろいろな新しい製品開発に対する支援をやると、研究開発の支援をやるというこの機能が飯伊の地場産センターに附置されております工業技術センターにはないということになっております。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)今回の地場産業センターの運営しております工業センターにつきましては、県の運営ではないという点はございますが、民間の技術支援につきましては県の運営している施設と全く同じ役割を果たしていると、こういうふうに考える次第でございます。また、この施設は公正証明書を交付する公的測定試験機関でもあるわけでございます。  工業技術が急速に進展している中、まさにこういった厳しい経済状況の中で生き残りをかけた非常に厳しい競争があるわけでございますが、行政としての支援が大変重要な時期でございます。  特に、精密機械工業製品の輸出による景気回復基調にもあるわけでございまして、こういった中、地域の中小企業の産業活性化の中核となるセンターの機能をさらに強化していく時期と考えるわけでございますが、今回の見直しについての考えでは長野県経済にとってマイナスの面が大きいんではないかと、こういうふうに考えますが、商工部長の見解を伺いたいと思います。       〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長(井上忠恵 君)こうした設備につきましては非常に重要であるということは、私ども認識をしておるわけです。ただ、その運営につきましては、できる限り、地域のセンターについては地域で運営をしていただきたいということは、これはずっとお願いを申し上げてまいりました。地元の方にもその辺のことについてはお願いをしてきたと。  中身的に見ますと、例えばEMCの電磁環境適合試験というのは、議員おっしゃられますように、航空機だとか、そうしたかなり高度なものにも使えるような、長野県のほかにはないようなものではございます。しかし、そうしたものはほとんど民間の企業の方々が実際に来てお使いになっているというようなことで、利用の実態なんかをお聞きしますと、最初の段階のように、職員がずっとつきっきりでやらなきゃいけないというようなことではないというものが多くなってきております。これはリピーターの方が非常に多くなってきているというようなこともあるわけでありまして、そのような状況の中で収益も手数料も順調に伸びてきているというようなこともありまして、できる限り地域の中で運営をしていただきたいということでお願いをしてきております。  その重要性については、私は重要だということはもちろん認識はしておるわけですけれども、できるだけ地域のものについては地域でやっていただきたいということでお願いをしているところであります。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)まさに経済環境が大変厳しい、また、県の財政にとりましてもこういった産業の育成が非常に大事な時期であるにもかかわらず、こうした施設への支援を打ち切っていく、その考えは理解できないわけでございます。単に、地域でやってもらいたいというような形式的な話ではないわけでございます。県の財政にも大きくかかわるこうした地域産業の育成という面で、いま一度、答弁を願いたいというふうに思います。商工部長、お願いいたします。       〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長(井上忠恵 君)議員御指摘のとおり、県といたしましてもこれは非常に重要だというふうには考えております。ただ、この運営につきましては、今申し上げましたような方向でぜひお願いをしたいと。それからまた、今後の事業拡張等に当たりましては、当然、いろんな国への申請だとか、いろいろなことがあるわけであります。その際には、この間もちょっとお話ししましたように、新事業創出促進法の認定に基づく計画をおつくりしてありますので、そういう面で今後御支援を申し上げるとか、そういうことはしっかりやっていきたいと思っています。  それからまた、ただ支援を打ち切るということではなくて、試験研究機関、例えば岡谷の精密工業試験場とか長野の工業試験場との間、これまでと同じようにしっかり使っていただけるというようなことで、巡回技術指導なんかはやっておりますものですから、そういうような形でこれからもこの地域の工業技術センターとの関係は、そういう形で支援をしていくことは十分可能だというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)先ほどの質問と同じ趣旨で、知事の見解を伺いたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの御質問でございますが、さらにきちんとした基本方針を立てていくところでございます。ただ、方向性としては、やはりこれはそれぞれの自律、とりわけ飯伊の地区は自律心が旺盛であるということで私たちはそれに期待をしてきたわけでございまして、基本的には地域における自律ということを目指すということであろうかと思います。  詳しくそのスケジュールに関しましては、現在、きちんとした方針を立てているところでございます。  そのほかの方向性は、商工部長の井上がお答えしたとおりでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)ぜひ、現在の長野県の経済情勢あるいは産業の育成に立った政策を推進していただきたいと思います。  次に、中山間地域総合整備事業への取り組みについて伺います。  信州の田舎ということで伊那谷では、体験教育旅行あるいはワーキングホリデー等、地域の農業を中心とした新しい産業、グリーンツーリズムを基調とした新しい地域づくりをしたいということで取り組んでおりまして、これらの事業は全国でも注目をされておるところでございますが、そういった地域の環境整備にと地域の県民の皆さん方が長い間検討を重ねる中、中山間地域総合整備事業が導入をされてきたところでございますが、今回、県から突然の見直しの通告があり、地元では驚きと怒りにも似た声が大変多く上がっておるところでございます。  先般も、飯田市の南原地域におきましての意見交換会に出席させていただいたんでありますが、大変に残念だというような声が多く出されました。今回の見直しの経緯を農政部長に伺いたいと思います。       〔農政部長鮎沢光昭君登壇〕 ◎農政部長(鮎沢光昭 君)お答えいたします。  中山間総合整備事業につきましては、いわゆる過疎地域活性化特別法、あるいは山村振興法、特定農山村法というので指定された市町村、県内に今118市町村あるわけですが、そのうちの97市町村が該当して、その地域の中山間地域の農業の生産条件が不利な地域について農業を中心として地域の活性化を図ると、こういうために農業生産基盤等の整備を総合的に実施する事業ということで取り組んできておるわけでございます。  現在、事業実施に当たりましては、やはり県の財政の状況とか、あるいは地域の状況、例えば議員のおっしゃっているような、多分これは飯喬地区のことかと思うんですけれども、この地域で申しますと、いわゆる農業用排水路、こういうような農業生産基盤の問題、あるいは防災安全施設、防火水槽、こういうものをつくったり、それから情報基盤整備を整備したり、あるいは鳥獣害防止施設をつくったりということのほかに、家畜排せつ物の適正化法というのがことし11月から施行されるということで、昨年、緊急的に堆肥センターをつくったというような形で、それぞれの地域の皆さんと協議をする中で、緊急度に応じて今の予算の中で重点的に事業を実施すべきものについては事業をしていると、こういうことでございまして、急にということではございませんで、私たちは、地域の皆さんと相談する中で事業の実施の順位を決めて、その中で優先的に事業を実施させていただいていると、こういうふうに理解しているところでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)当地域で行っておるこの新しい事業では、平成14年度には直接消費額が約3億円、また波及効果は7億円というような大きな産業として育とうとしております。訪れた皆さんからは、口コミで評判が広がっております。また、農家の皆さん方は、自分らの生活様式の魅力に再認識ということで、生産意欲の刺激にもなっておる。こういうような大事な事業をやっておる状況でございます。  先ほど申しました工業への支援、これは農業への支援ということでございますが、残念ながら、県の財政を理由に、今までの積み上げた事業が突如として打ち切られていく、こういう状況を大変残念に思うわけでございます。  ただいま農政部長からは、地元の意見を聞いて順序づけと言いますが、その地元の意見を聞くということの時点で、急に、中止をしたいから順番をというような話をしたことでありまして、地元としてはその会合において大変な疑問の声が出ておると、こういうことでございます。一方、信州モデル創造枠事業を拡大しておるというような、こういった県の財政運営に非常に疑問の声があるわけでございますが、この点につきまして、もう一度、農政部長に伺いたいと思います。       〔農政部長鮎沢光昭君登壇〕 ◎農政部長(鮎沢光昭 君)お答えいたします。  国の予算が全体では1割ちょっと削減されている中で、私たちの中山間地総合整備事業につきましても、財政改革プログラムの中の重みづけの中で、年度ごとの見直しをする中でやっているわけでございまして、特に飯喬地区につきましては、情報整備につきましては早くやらなきゃいけないということで、この計画は12年度の策定ということで、14年度以降の策定については情報基盤整備はもう既にこの事業では採択にならないという条件の中でございますので、私たちといたしましては、地元の要望もございますので、重点的に配分をしてきているという認識でございます。  ただ、当初計画がそのまま最後までずっといくというようなことは、この状況の中ではすべてが計画どおりできるという状況にはないということは御理解いただきながら、できるだけ地元が計画したものについては緊急性の高いものについて優先的に実施していきたいということでやっておりますので、御理解をお願いいたします。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)それでは、こういった中におきます財政難における県の対応について伺いたいと思います。  平成16年度の地方債計画においては、地域経済の活性化及び地域雇用の創造を実現し地域の再生を図るため、地方単独事業を積極的に展開しようとする地方公共団体が円滑に事業を実施できるよう新たに地域再生事業債が創設されました。全国で8,000億円の枠があるわけでございますが、長野県における対応を伺います。経営戦略局長、お願いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  地域再生事業債の活用についてでございますけれども、結論から申しますと、これは長野県においては配分の対象にはならないと、このように考えております。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)対象にならない理由とあわせて、もう一つ質問いたします。  国では、現下の厳しい財政状況のもと、深刻な財政状況にある地方公共団体については財政健全化債について弾力的な運用を行うことも予定されているということですが、長野県における対応を経営戦略局長に伺います。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  地域再生事業債の配分の対象とならない理由でございますが、二つございまして、一つは、これは、基準としまして、地方財政計画の投資単独事業費の対前年度比がマイナス9.5%を上回る団体でなければならないという基準がございます。これにつきましては、本県においては地方財政計画のマイナス9.5%を上回るマイナス21.6%であるために、これは該当いたしません。  それから、もう一つの理由としましては、平成15年度の標準財政規模に対する平成16年度当初予算の地方単独事業費の比率が13%を上回る団体でなければならないということでございますけれども、本県の場合、今申し上げました標準財政規模と比較をいたしますと、平成16年度当初予算の地方単独事業費の比率を出しますと11.0%となりまして、13%を下回るということでございます。  それから、2番目の質問の財政健全化債についてのお尋ねでございますが、財政健全化債は、行財政改革を実施することによりまして将来の財政負担の軽減が見込める場合において、その範囲内で発行が認められると、こういうものでございますが、平成16年度当初予算におきましては、各部局の歳出の削減に努めたこと、並びに平成15年度の財源活用、これは90億と再三申し上げているところでございますが、こういった活用を図った結果、当初不足すると思われました財源を上回る31億円を基金に残せることになったことから、当初予算においては財政健全化債は発行しないこととしているわけでございます。  以上でございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)国の財政運営につきまして、長野県は、地方交付税の減額等が県内の財政運営に大きな影響を及ぼしているというような発言をたびたびされておるところでございますが、実際にはこうした健全財政のための諸施策も取り入れることができないほど長野県の財政の枠組みは一般からかけ離れておる。それゆえに、こうした事業を取り入れることができないというような状況。また、それによってさらに長野県の財政状況を悪くしておると、こういうことだと思います。  先ほどの工業あるいは農業の支援につきましても、お金がなくてはできないというようなこと、そして、ただいまの答弁のように財政も一方ではますます厳しくなるような財政運営をしておると。こういう状況では、真の県民の皆さんの要望にこたえていくことはできないんじゃないかな、こんなことを非常に心配をするところでございますが、これらの点につきまして国では十分に相談をされたいというようなことでおるわけでありますが、どのような協議をされておるのか。経営戦略局長に伺いたいと思います。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  長野県の財政状況について、かなりこれは厳しい状況であるということは認識をしているところでございますけれども、これにつきましては、当然のことながら、国の情報を収集する一方で、昨年2月に策定をいたしました財政改革推進プログラムの基本的な考え方、それから視点に基づきまして、さまざまな取り組みを引き続き着実に実行していくということによりまして自律的な財政運営の道を着実に進めていきたいと、こういう方針でございます。(21番小池清君「国との協議を聞いているんです」と呼ぶ)
    ○議長(小林実 君)経営戦略局長に申し上げますが、国とどういう相談をされたか、その部分わかりましたらお願いします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  先ほどお尋ねありました財政健全化債等につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、現段階では発行する予定はございませんので、これは特に国については協議はしてございません。ただし、当然のことながら、国の財務官とのヒアリング等においては本県の状況についてはきちんと伝えてあると、こういう状況でございます。これが国とのやりとりでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)その相談の内容をお聞きしておるわけでございます。 ○議長(小林実 君)小池清議員、詳しく言ってください。 ◆21番(小池清 君)現下の長野県財政が非常に厳しいということにつきまして、こうした国の諸施策があるわけでございますが、これにつきまして、長野県において課題がある場合は国と十分な協議をしてほしいというようなことでおるわけでございますが、今の答弁でしておるということでありますので、その内容をお聞きしたいということです。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)御発言をお許しいただき、ありがとうございます。  財政健全化債に関しましては、経営戦略局長の松林が申し上げておりますように、私ども現時点でこのようなものの発行ということを考えていないわけでございますから、考えていない仮定の問題に関して国の側と協議をするということには及んでいないわけでございます。  他方で、松林が申し上げましたように、無論、私どもも、それは指導というような形ではなくて、自律的な財政再建ということを目指しながら、国の側の諸施策というものに関しては私どもも情報を収集し、また私どもの状況に関しても、国の側から問い合わせがあった場合にはきちんとお答えをしているというところでございます。  これは、家庭の財政と行政の財政は違うというようなことをよくおっしゃられますが、しかしながら、私ども現実的に起債の償還ということで本当にあっぷあっぷしているわけでございます。その中においてやはりこれをこのまま放置するわけにはいかないわけでして、アルゼンチンに、アルゼンチンという国名を出すとこれまたおしかりを受けるかもしれませんが、そのような状況をだれも望んでいないわけでございます。私どもは、確かに議員がおっしゃられるように綱渡りの状況であるかもしれませんが、しかしながら、現状から目をそらしたり先送りすることなく行い、県民のニーズにもこたえるという、このことを二律背反ではなくて行っていこうという覚悟のもと、今回も16年度の当初予算を出しているわけでございまして、ぜひ、当初予算の内容に関して、この点が至らないとか、この点はもっとより施策を充実させるべきではないかというような御質問をいただき、それに対して私どもの至らぬ点があれば省みてよりよい施策を行いたいと、このような覚悟で今議会においても私を初めとする理事者一同、また職員一同臨んでいるわけでございまして、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)ただいま知事からじきじきに御答弁いただきまして、どうも、国との協議をしていないというようなことがわかったわけでございますが、県の財政が非常に厳しいというような状況でございますが、県民の皆さんのことを考えれば、そういった独善的なことではなく、やはりなすべきことはきちんとやることが大事じゃないかなと考えるところでございます。  また、これらのことからしまして、県が進めております財政改革プログラムが足かせとなって諸施策が打てないというような現実もあるわけでございますので、ぜひともその点を十分に考えていただいた政策をやっていただきたいと思います。  次に、住基ネット問題について伺います。  昨年の5月から始まりました住基ネット問題につきましては、ようやく、先般、県の方から最終結果が出されました。その中で何点か伺いたいと思いますが、いまだに、委託先あるいは委託の予定価格の積算内容等、情報公開が不十分の点があるわけでございますが、この点につきまして総務部長に伺いたいと思います。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)お答えいたします。  いわゆる侵入実験についての委託先、それから予定価格についてまだ明らかにされていないという御指摘でございますが、いずれも県の条例に基づいて、個人情報、あるいはそういう条文によって私ども皆様に公表することができないということで、この点につきましてはかねがねそのようにお願いしてございますが、ただ、委託先につきましては、委託先の方の御了解をいただければ公表できるということで今鋭意了解を求めておりまして、そのような方向で、今、この委託先の方と鋭意詰めておるところでございます。そういうことでよろしくお願いいたします。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)全く情報公開の流れと逆行した考えと判断をいたさざるを得ません。  次に、今回の実験におきましては、自治体のコンピューターの施錠を外す等の常識外の実験を行っておるわけでございますが、それによります現在あるいは将来にわたる責任は知事にあるのか、あるいは吉田柳太郎氏にあるか。伺いたいと思います。  また、今回の実験については中立的な第三者が行うべきであったと考えますが、その点につきまして総務部長に伺います。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)お答えいたします。  侵入実験の過程で今御指摘のような形があったわけですが、これが必ずしも実験の方法として間違っているということでもございませんし、責任がどこにあるかというそういう事態でもないと、こういうふうに考えております。 ○議長(小林実 君)第三者にゆだねるべきじゃなかったかと。 ◎総務部長(宮尾弘行 君)実験を第三者にゆだねるべきでなかったかというお尋ねでございますが、第三者というちょっと解釈がわかりませんけれども、この実験の主体は県が実施主体として行ったものでございます。それで、審議会において御協力をいただけるということで、御協力をいただける専門的な委員である吉田柳太郎さんが指揮監督をしていただいたと、こういうことでございますので、第三者にゆだねるべきというその意味合い、ある意味では吉田柳太郎さんは第三者というふうに考えております。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)まず一つ、こういったやり方、この実験は県に責任があるということで、そういう指示を県が出しておったということなのか。伺いたいと思います。  また、審議会の位置づけは、今総務部長が答弁なされたようなものではないと私は考えます。その点につきまして再度答弁を伺いたいと思います。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)お答えいたします。  県の指示であったかどうかというお尋ねですが、これは、県の指示というよりも、県職員も一緒にそこに同席して、その場で実験をしたということでございますが、指示ということではなくて、県がその実験の過程で吉田柳太郎さんと一緒にそのような手続をとったと。  それから、もう一つでございますが、審議会の委員はそのような役割かということでございますが、これは、もともとがインターネットからの漏えいのリスク、あるいはLANの中でのリスク、そういうことを指摘されたところから端を発してこの侵入実験を行ったということでございます。ですから、審議会にまた実験のことをお伝えし、その中で、審議会といたしましても全面的にこれを御支援していただくという話の中から、審議会の中の技術的な専門的な方であります吉田柳太郎委員にこの指揮監督をお願いしたと、こういう経過でございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)お聞きいただいたように、いまだに実験内容についてもはっきりした答弁ができないというような今回の住基ネットの実験は、何だったのかということを考えなくてはいけないと思います。大きな県民負担でございます、お金も投入された実験でありました。  それでは、伺います。  インターネットから庁内LAN経由で住基ネットへの侵入はできたのか。この点について伺います。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)インターネットから庁内LANを経由して住基ネットへの侵入ということでございますが、これはできませんでした。  その状況は、既に私どもの方でインターネットの脆弱性を指摘し、また、その安全対策を大方の市町村でおとりいただいて、この当該実験町村においてもしっかりと対応をおとりいただいていたということでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)結果ははっきりしたわけでございますが、庁内LANの安全性実験に切りかえた理由は何か。伺いたいと思います。  また、県が今回新しい政策を出しましたが、その点についても伺いたいと思います。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)お答えいたします。  1点目は、インターネットからの侵入をなぜ庁内LANに切りかえたかというお尋ねでございますが、これは切りかえたということではございませんで、この報告書をごらんいただいたと思いますが、その目的の中で、インターネット側からの市町村の庁内ネットワークを経由した住基ネットシステムへの不正アクセス、それから住基ネットシステムからの本人確認情報漏えいの可能性を調査するということで、つまり、インターネットに接続されている市町村と、それからインターネットから先の庁内LANへの侵入、この2種類の調査を行いまして、これらの結果を組み合わせて、そして住基ネットに対するインターネットからの脅威を明らかにするという目的でございました。そのような実験でございますので、決して切りかえたということではないわけでございます。  それから、対応についてのお尋ねでございます。  対応につきましては、まず、今回の調査結果によりまして、報告書にもございますように、ネットワークシステムの運用上の課題が幾つか見つかっております。こうしたことから、当面すぐに手をつけるべきこと、こうした点でセキュリティー研修会あるいはセキュリティー監査の実施等、これは市町村におけるセキュリティー体制を市町村とともに研究して強化していくと。  それから、もう一つ、大きなネットワークの問題といたしまして、これにつきましても、長野県本人確認情報保護審議会から提案されております、より安全なネットワークシステムということで、これについてもこれから具体化を進めていくということでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)実験が庁内LANの実験に変わったわけでございますので、そういう中で今度県が新しい施策を出してきました。  そこで、伺いたいと思います。  こういったネットワークの問題はどこにもある課題、問題であるわけです。県にも当然あるわけでございますので、そこで幾つか伺いたいと思いますが、現在、県が運営しておるサーバー及びクライアントの台数と、そのOSのバージョンを伺いたいと思います。  また、庁内LANのセキュリティー対策の内容を伺います。  また、ウィンドウズ95、98、ME系のセキュリティーについての対策を伺います。  ウイルス対策費の平成15年度と16年度の予算を伺います。  OSへのセキュリティーパッチの更新状況はどのようにして行われているか伺いたいと思います。  総務部長にお願いします。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)ただいま御質問を何点かいただきまして、これは県庁のLAN及びそのシステムについてのお尋ねでございますので、私の方というよりも、むしろ情報政策課の方で把握しておりますので、その点、早速調べましてお答えさせていただきたいと存じます。 ○議長(小林実 君)小池議員、時間がかかるそうですが、後ほどでいいですか。 ◆21番(小池清 君)現在答弁ができないということですね。 ○議長(小林実 君)そうです。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)セキュリティーの問題を論ずるのであれば、当然承知しておる内容のことばかりでございます。残念ながら、長野県は自分のところのシステムについては御存じないということがわかりました。  次に、知事の行動責任について伺います。  知事は、先般の「サンデープロジェクト」において、信毎、朝日新聞の記者の名前まで挙げまして、知事をおとしめようとしているというような発言に及んでおりますが、これについて知事に内容を伺いたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)放送において発言したものは私の考えでございます。そして、私たちは、昨日も御質問であられたかと思いますが、脱・記者クラブ宣言というものをして、すべての方々は表現者であると。そうした方々の御意見をきちんとお聞きし、私たちも考えるところをきちんと述べるという形で至っているわけでございます。       〔21番小池清君登壇〕 ◆21番(小池清 君)私が心配するのは、こうした知事の考えが国民の権利を保障する憲法21条の表現の自由に抵触しているということでございます。真に民主的な政治を運営する上において非常に大事な…… ○議長(小林実 君)小池議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆21番(小池清 君)表現の自由を抑えつける、こういったことでは真に開かれた県政、真に民主的な長野県政の実現は難しいんではないか、この点について非常に心を痛めるわけでございます。  以上で質問を終わります。 ○議長(小林実 君)昼食のため午後1時50分まで休憩いたします。         午後0時45分休憩         ───────────────────         午後1時53分開議 ○副議長(倉田竜彦 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  林奉文議員。       〔20番林奉文君登壇〕 ◆20番(林奉文 君)無所属の林奉文でございます。  私は、田中知事が出直し選挙において5直しを提唱され、その中の田直しでは、生産調整をできる限り排し、優良水田を生かすために、脱・減反政策の推進を公約されました。日本農業の大黒柱は稲作であり、稲作は日本の文化でもあります。  昨年2月、44カ国の提案により、米の生産を本格的に増加させるための国際的取り組み、国際コメ年がスタートいたしました。一つの産品のみで国連提唱の年がつくられたことは、これまでの国連の歴史で一度もありません。その根拠は、60億人を超える世界人口の半分以上を養う稲作を持続的に発展させることは、飢餓や貧困人口を減少させ、環境保全に貢献することが可能となると述べられております。  過去40年間で倍増した世界人口は、2025年には80億人を超えると言われております。国際稲作研究所は、2025年までに米の7割増産を提唱し、アフリカで2.97倍、アジアでも1.6倍にする必要があると警告しています。しかし、日本では、村山内閣によってWTO協定を受け入れた結果、今や、米どころ新潟県の年間生産量を上回る77万トンものミニマムアクセス米の輸入が義務づけられ、4割もの減反を強制しながら、米の自給率が何と95%となっています。ちなみに、本県の平成14年度の生産量が22万5,000トンであります。  今や、日本の食糧自給率が先進国では例を見ない40%にも低下し、砂漠やツンドラ地帯と同程度の自給率に陥っております。生産能力を持つ日本が今果たすべき役割は、世界の食糧を買いあさるのでなしに、自給率を高め、食糧難に苦しむ発展途上国へ食糧援助を行うことではないでしょうか。  日本のODA、海外援助予算は、昨年まで、アメリカを超えて、1兆2,773億円までに膨れ上がり、世界一となっております。  1996年、312億円を投じて、日本の支援で、インドネシアのスマトラ島に建設されたコトバンジャンダムは、5,000世帯、2万5,000人の人々がその地を追われ、8,396名が日本政府を相手取り補償の提訴を行っております。  また、3月6日付の信毎でも、タイのメコン川流域で、日本を最大の出資国とするアジア開発銀行が、ダムや道路建設によって住民の生活を脅かし、国境を超える地球規模での環境破壊を伴い、各地で住民の強い反対運動が広がっております。  また、日本のODAの食糧援助費は年々低下し、平成14年度は235億1,200万円、その中身は米などを購入する資金供与となっています。外務省の関係機関へ問い合わせてみますと、中東での地震の際、救援米として10万トン援助したことはありますが、現物供与は法的には何の制約もないとの答えでした。  田ごとの月の棚田や本県の中山間地の水田は、米をつくってこそ、農地を保全し、環境と景観、農民の暮らしを守ることができます。  昭和45年に8万7,700ヘクタールあった本県の水田が、平成14年度には5万8,800ヘクタールとなり、実に33%も減少。この1年間だけでも、800ヘクタールに及ぶ水田が転用されています。  ODAのあり方が問われている今、脱・減反政策を掲げる田中県政において、国際コメ年にかんがみ、信州の荒廃した水田に稲作をよみがえらせ、米を市場開放に任せる無責任な政府の米政策を転換させ、国の責任で米を買い上げ、毎年2万人もの子供が食糧不足で亡くなっている発展途上国へ食糧援助を中央政府に強く要求することを提案し、知事並びに農政部長の所見を求めます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの林さんの御質問に関してでございます。
     私は、北佐久郡の浅科村が脱・減反宣言と呼び得るような形をおとりになったときには、これをぜひとも支援したいというふうに申し上げたわけでございますけれども、当の農業者の方々がその後逡巡なさったというお話を聞いて、自律した個人に立脚した行政、農業というのはなかなか一日にしてはならないものだというふうに、複雑な思いを抱いたところでございます。  今後も、私としては、本県において脱・減反、これは単にないものねだりではなくて、自律的な農業を営むために脱・減反をおっしゃる地域、コモンズや、あるいは自治体があれば、これを私は全面的に御支援申し上げようと思っております。このことを最初に申し上げるところでございます。  今の荒廃しております農地を活用して米をつくり、これらを発展途上国への支援としてはいかがかというお話でございます。  今お話の中でありましたように、私どものODAやあるいはJICAというものが、何か20世紀型の大量生産、大量破壊のような形でODAを発展途上国に行うということは大変ゆゆしき問題でございます。本来であるならば、我が国が自給率を高めようということは、きょう議場にいらっしゃる方々すべての方々がお思いの点であろうと思うんですね。鎖国をするとかということとは一緒なことではございませんでして、WTOというものを認めながら、WTOの至らぬ点をよりよくするということが課せられております。そうした意味では、そうした発展途上国における農業生産をきちんと再興させるということも、物質的には豊かになった日本のするべきことだとは思います。  そうした点も踏まえた上でなお、今おっしゃられましたようなこうした発展途上国、とりわけ飢餓に苦しむような地域に私どもの国土でつくった米を届けるというのは、これこそがまさにハードパワーではないソフトパワー、いわゆる武器とか軍事力とか人口が多いとか面積が大きいというようなかたい力の行使ではなくて、文化であったり、あるいは芸術であったり、そうした柔らかい人間的な支援ということにおいては大事なことでございます。  かつて、この議場においても、たしか、当時社会県民連合という名称であられたころに、議員から、アフリカへの援助米というようなことを本県も行うべきではないかというような御質問があったと思います。また、民主党も最近は急に農業と言っているようでございます。これも、安全のためだとか、自給率を高めよう、あるいは中山間地に、人々がそこを荒れないようにしようということを最初に言えばいいんでございますが、参議院選挙のために地方の票が欲しいなどというような報道をされてもそれに反駁することもできないというところが痛しかゆしでございまして、ぜひ、マーケティングというのを、プレゼンテーション、説明の仕方というのを民主党も学んでいただきたいところでございます。  今林県議は無所属ではあられますが、恐らく日本共産党県議団も同様のお考えをお持ちであられようかと思いますし、あるいはトライアルしなのもそのようなお考えをお持ちではないかと思いまして、また県民協働ネットも同様のお考えでございましょうし、さらに緑のフォーラムという名前をおつけになられたところも、呉越同舟とはいえ同じお考えでございましょうし、さらに、ここに福祉の公明党の方も同様のお考えになれば、これこそ本当に本県ならではの御提言を一緒にできるのではないかというふうにも思っているところでございます。そのほかの会派の方々も同様のお考えであられようと思います。  それぞれの発展途上国の農業をもう一回再興させるということも踏まえつつ、こうしたことは、それぞれの地域の方から日本が真の意味で信頼される形になる一助ではなかろうかと思っております。  もし、具体的にこうしたことを農林水産省のみならず与党各党にも申し上げるのでしたら、自由民主党県議団からも、今回、交付税の大幅削減に関しては一緒に提言しに行こうというありがたいお言葉をいただきましたから、ぜひこの問題も一緒に本県の新しい提案事項にできればと意を強くしたところでございます。       〔農政部長鮎沢光昭君登壇〕 ◎農政部長(鮎沢光昭 君)お答えいたします。  国の食糧援助、いわゆる政府開発援助、ODAでございますけれども、これは、その大綱に基づいて、外務省予算を中心にして行われているということでございまして、米につきましては、かつては米は国がすべて買い上げてやっていたということでございますけれども、今は不測の事態に対処するための備蓄分のみということで、今度の16年度から始まる米政策の中では100万トン程度ということになっているわけでございます。  今、知事の方からも御回答申し上げましたけれども、開発途上国等への食糧援助が国際貢献の立場から強化されるということにつきましては、これは国の米の買い上げがふえるということにもなりますので、この辺は国の方によく要望しながら対応していきたいと、こんなふうに考えているところでございます。  なお、この制度によらずに、既に一部の皆さん方は、民間の皆さん方が、食糧援助という中で、遊休地を使ったり、棚田を使ったりしながら精力的に取り組んでおりまして、15年度では19.6トンの、これはすべて網羅しているわけでございませんけれども、私たちが知っている限りでは、県内の16地区で19.6トンの米を援助米として輸出していると、こういう実態にあるわけでございます。       〔20番林奉文君登壇〕 ◆20番(林奉文 君)大臣になりそこなった知事でありますけれども、その力をもってぜひ国に働きかけをして、永田町や霞が関にもこの政策の実現を要求していただきたい、こう思います。  次に、県内保育所での輸入脱脂粉乳の使用についてお伺いいたします。  ここ数日の新聞等で今年度の乳価の問題が報道されており、国内産の脱脂粉乳の在庫が増加したため、04年度の牛乳の生産を減産させる働きが強まっております。  一方、全国の44%の保育所では、児童育成協会を通じて、WTO協定によって無関税で安く輸入されたニュージーランド産の脱脂粉乳が使用されており、広島市では、20年にわたって、10万人の署名運動と6回の議会請願でようやく地元産の牛乳に切りかえました。秋田県では、昨年9月の県議会で、知事が、地元産の牛乳に切りかえるよう市町村に働きかけていくと答弁しております。  現在、県内の6割の保育所で使用されていると聞いておりますが、本県の使用実態を社会部長に、また、学校給食において地元食材の日を設定し地産地消を推進しております田中知事と農政部長に所見をお伺いいたします。       〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長(堀内清司 君)お答えいたします。  県内の保育所での脱脂粉乳についての使用実態はいかがかと、こういうお尋ねでございます。  県内の保育所では、発育期にある乳幼児にとって日常不足しやすいカルシウムを有効に摂取する手段といたしまして、主として調理用に脱脂粉乳が使われております。今年度は、644保育所中373保育所、57.9%の保育所で外国産、いわゆるニュージーランド産の脱脂粉乳を使用しております。  以上です。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいま社会部長の堀内から現状をお伝えしたところでございます。  これは、私ども、小中学校給食において地産地消ということを行っておりますし、こうした点に関しましても、無論本県生産の脱脂粉乳が安全であるということが大前提でございますが、鋭意努力をいたしたいと思っております。       〔農政部長鮎沢光昭君登壇〕 ◎農政部長(鮎沢光昭 君)お答えいたします。  保育園での脱脂粉乳利用の今後の方向ということだと思いますけれども、調理に利用する脱脂粉乳については、実は、輸入価格がキログラム当たり541円、国産が922円というとで、国産を使うことになりますと高くなるということがございますけれども、国産脱脂粉乳への切りかえ誘導を図るべきだと、そういうふうに考えているところでございます。  また、脱脂粉乳の飲用利用につきましては、先ほど発表がございましたとおり量そのものは少ないわけでございますけれども、飲用している保育園については、地産地消の観点から、牛乳利用への切りかえが望ましいと、こういうふうに思っているところでございます。  また、酪農振興の面からも国産脱脂粉乳利用あるいは牛乳利用を進めることが必要だと、そういうふうに思っておるところでございまして、この利用につきまして、保育園を管轄しております市町村長にその利用の促進について要請していきたいと、こんなふうに考えておるところでございます。       〔20番林奉文君登壇〕 ◆20番(林奉文 君)次に、信州廃棄物条例案の骨子が発表され、21世紀にあっては、破滅型の大量生産、大量消費から脱却し、環境と経済の両面から持続可能な社会の再生を目指しており、この理念は共有できる内容となっております。  地球が誕生して46億年、生命が誕生して30億年と言われていますが、わずかこの100年余にして、企業の利潤追求と利便さ優先の生活がCO2の大量排出による地球温暖化やオゾン層の破壊など、地球規模での環境破壊が急速に進行している今日、この条例案で示しております、できるだけ燃やさない、できるだけ埋めないの目標設定は、余りにも低いハードルであると言わざるを得ません。  去る1月27日、私たち無所属連絡会では、ゼロ・ウェイスト、ごみゼロを宣言した徳島県の上勝町の調査に行ってまいりました。山間にある人口2,200人ほどの町で、高齢化率44%の四国で最も小さな町です。  この町は、昨年9月に、ごみの再資源化、再利用を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくすことを高らかに宣言し、町内の1カ所のごみステーションでは34分別を行い、それぞれがどこで処理されるかを図で示し、平成14年度のリサイクル率が79%、生ごみは、各家庭に1万円で生ごみ処理機をあっせんし、90%のリサイクル率に達しております。  ゼロ・ウェイスト政策は1996年にオーストラリアの首都キャンベラで始まり、現在は、ニュージーランドの50%以上の自治体で、またカナダの二つの州、アメリカのサンフランシスコ市などで宣言され、ごみの削減のみならず、住民の意識改革によって環境汚染の改善、地域活性化などの成果を上げています。  日本の背骨に位置し、豊かな自然に恵まれた長野県であるからこそ、全国に先駆けた高い目標を掲げ、ゼロ・ウェイストを長野モデルとして条例に盛り込むことを提案したいと思いますが、知事及び生活環境部長の所見をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)今お話の中にありました徳島県の上勝町に関しては、私も大変注目している町でございます。ある意味では、こうした自律的なまさに集落、コモンズからの発想、とりわけ小さな市町村のこうした自律的な行いがぜひ本県でもより広がるようにと。そのことをお手伝いする上で、私たちも今回の条例を目指しているというものでございます。まさに、できるだけ焼いたりしない、できるだけ埋めたりしないようにするというのが循環型社会の目標であります。  議員御指摘のような、お題目としてゼロ・ウェイストということを掲げてもしようがないわけでございまして、さりとて、これは、はるかかかる道だから、皆が望んでいるけれどもそれに踏み出さなくてよいということではありませんし、そうした方向に踏み出していこうということがこの条例の目指すところでございます。それをぜひ市町村と御一緒に行おうということでありまして、まさに発生抑制ということ、あるいは資源化ということ、これに対して、県民参加によってそうした具体的なスケジュールを策定をしていこうと、また、その達成状況を一緒に皆でチェックをしていこうということでございます。  こうした中で私たちはこの条例を目指そうということでありますし、また、廃棄物の処理に伴って生じる環境の影響等のチェックにも県民が参加できる制度を担保していこうということが今回の条例の目指すところでございます。  無論、一般廃棄物施設設置に関しては、届け出以上の手続を私どもが一方的に課すなどという考えは毛頭ないわけでございまして、今御指摘があったような上勝町のような取り組みというものを、ぜひ本県において、多くの場所において、多くのコモンズにおいて行っていけるようなお手伝いをしたいということが今回の条例でございまして、こうした点は既にお伝えをしてきているところであります。  また、この条例ができますことによって、中信地区の問題、あるいは他の地域の産廃の問題というものも、一緒に、よりスピードアップをして実施に向けていけると、このように考えております。       〔生活環境部長大塚武雄君登壇〕 ◎生活環境部長(大塚武雄 君)お答えをいたします。  ただいま、徳島県上勝町のお話がございました。これは、私ども、昨年の11月に朝日新聞に載っておりましたので、拝見をいたしております。ここまで一生懸命に取り組んでおられるところはないんではないかと思いますし、ここまでいかなくても、部分的には、今お話がありましたような循環型社会の形成を目指して、名古屋市でありますとか、あるいは日進市でありますとか、山形県の長井市でありますとか、そういったところもそういう取り組み、ゼロ宣言はしておりませんけれども、取り組みをしている市町村がたくさんあるというふうに思っております。  知事からも申し上げましたように、私どもが今考えております新たな条例は、ほかの県の条例にないものをたくさん取り入れてございます。できるだけ燃やさない、できるだけ埋め立てないということもそうでございますし、また、先ほど知事も申し上げましたように、県民の参加というようなことで、計画策定の中でも参加をしていただくし、あるいは環境監視等につきましても県民の参加の制度を創設していきたいというふうに思っておりまして、他県にない条例になるんではないかというふうに思っております。  こんなようなことから、上勝町とまではいかなくても、そこを目指して頑張っていきたいと、こんなふうに考えておるところでございます。       〔20番林奉文君登壇〕 ◆20番(林奉文 君)より高い目標を条例の中に盛り込まれることを期待しておきたいと思います。  最後に、公職選挙法違反についてお尋ねします。  1月25日投票で行われました駒ケ根市長選挙は、現職と前県教育次長で争われ、わずか198票差で現職が再選された激しい選挙戦でした。  この選挙で、投票日の前日、この大型のカラーのビラが人口密集地全戸に配られました。発行者名は市の選管の調査で偽名であることが判明し、また、法に基づいて届け出した政治団体の発行する法定ビラでさえも候補者名を記載できないにもかかわらず、両候補の名前が載り、現職については評価をし、相手候補については事実を載せてありません。これは公職選挙法第146条に違反すると思われますが、県の選管は限りなく違法性があると言っています、県警は違法性はないと言っておりますけれども、警察本部長の改めての答弁を求めます。       〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長(岡弘文 君)議員御指摘の文書につきましては、先日、捜査二課において御相談をお受けいたしましたが、投票を依頼する文書のように、直ちに違法であるとまでは言えない文書でありましたので、その旨お話をして文書をお預かりいたしております。さらに具体的な状況が判明しなければ結論が出せないものでありますので、捜査二課において引き続き御相談をお受けしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(倉田竜彦 君)次に、下村恭議員。       〔43番下村恭君登壇〕 ◆43番(下村恭 君)去る2月25日、新しい国道バイパスが開通式を迎え、供用が開始されました。このバイパスは、国道18号線の上田周辺の慢性的な渋滞緩和を目的に建設されたものです。わずか600メートルではありますが、この先が岩鼻に到達いたします。この岩鼻地区は、県道長野上田線が千曲川沿いを通過しており、平成7年の岩石崩落により洞門が崩壊し、現在は千曲川の河川敷を仮設道によって辛うじて通行を確保しているのが現状であります。こうしたことから、安全な交通の確保と安心に暮らせる地域づくりのためにも、さらなる建設推進を願うところであります。  申し上げるまでもなく、道路は最も身近な社会資本であり、輸送や移動を担う交通基盤として私たちの社会経済活動を支えるとともに、都市の形成やライフラインの収容空間として多面的に利用され、今日の社会システムを維持していく上で不可欠な存在となっているのであります。  本県の道路整備の基本的な方針に関する資料を見ましても、こうした認識の上に立ち、安全な生活環境の提供や、産業や観光振興の支援、県内外との交流、連携の強化、信頼できる県土づくりの支援などと掲げております。  しかしながら、その一方で、価値観の多様化や経済の低迷など、経済社会情勢の変化を踏まえて、道路整備も従来の量から質を重視した整備へと転換を図り、必要性の高いものに効率的に投資するとともに、既存ストックを有効活用していくという姿勢も県の基本的方針の中では述べられております。  そこで、広域道路基本計画について土木部長に伺います。  この計画については、平成5年12月に計画策定され、平成10年6月に計画の見直しが行われ、現在に至っております。この広域道路網マスタープランは、道路審議会建議により、道路整備5カ年計画で県内においても何路線かが選定されておりますが、現在どのような状況になっているのかを伺います。  また、以前にもこのような質問をいたしましたが、県内東信地区と中南信地区を結ぶ道路網が非常に厳しい状況を迎えております。この地域においては通過車両が相当に多く、上田、東部湯の丸インターから国道18号を通り、諏訪、松本方面に向かう通過車両は国道152号線丸子町において一日1万6,000台となっております。確かに、地域における危険箇所の道路改良工事や交通安全施設工事も大変必要ではあると思いますが、対応が追いつかないのが現状であります。  こうした中、地元の生活車両と通過車両が混在している状況にあって、地元は一日も早い広域道路網整備に着手していただきたいことを願っております。また、上田環状道路整備もあわせ、バイパスによる安心、安全な道路網基盤整備を望んでおりますので、この点について所見を伺います。  次に、有料道路についてお伺いいたします。  さきにも申し上げましたが、152号を通過した車両は、佐久インターから諏訪、松本方面に向かう車両と合流し、国道142号線新和田トンネル有料道路、254号線は三才山トンネル有料道路へと向かいます。和田トンネルは年間通行量183万台を超え、三才山については何と307万台もの利用がされております。  しかしながら、松本トンネルの夜間無料化などにより非常に地域住民には納得のできない問題があるのでございます。というのは、254号線にあります平井寺トンネルの無料化がなされないということであります。この有料トンネルは、上田市と丸子町を結んでおりますが、まさに生活道路の一部となっており、トンネルを挟んで人家もわずかしか離れておりません。コモンズを唱えるのであれば無料化するのが本筋と思いますが、所見を伺います。  手元にあります資料を見ましても、平井寺トンネル無料化に伴う収入の減収は、三才山トンネルの有料料金に上乗せしても賄えると思います。和田トンネルの通行料金、普通車620円、三才山有料は500円となっております。平井寺の年間収入は2億9,000万でありますので、三才山トンネルの通行車両が307万台、1台当たり100円にも満たない料金アップで賄えるのではないかと思われます。所見を伺います。  また、この無料化により、丸子町を通過するよりも、塩田方面から上田環状線にアクセスして国道18号線に接続する車両がふえ、交通量の分散が図られ、渋滞解消、危険防止、地域交流の促進とともに、別所温泉、鹿教湯温泉等がつながることで観光の活性化に役立つことと思われますので、前向きな答弁をお願いいたします。  次に、企画局長に質問をいたします。  先日の16年度当初予算のポイントは、コモンズという言葉から始まり、難解な言葉遣いがたくさん見受けられます。企画局の事業にも信州アジール事業というものがあります。大多数の県民には理解がされない、どうもこの言葉はよく理解できないということでございますので、メンターに聞いてみようかと、こういう話になるのでございます。  私も、けちをつけるために申しておるのではありませんけれども、地域にもすばらしい木造ホールの信州国際音楽村があります。島田、寺島両議員と私も理事となり、「信州ルネッサンスふれあい」というイベントを17年間続けてまいりました。長野県では後出しじゃんけんもおありのようですが、行政はもっと県民にわかりやすい言葉を使わなければいけないのではないかと思われます。この点について企画局長にお伺いします。  IT革命、またブロードバンド等による高速通信が普及するなど、本格的なネットワーク社会の到来を迎えております。  企画局長に伺いますが、こうしたネットワーク社会の中で、長野県行政として、情報をいかに社会的弱者の皆さんに利用をいただき、その生活の役に立てられるのか検討したことがありますでしょうか、また、あるとすればどのようなことが可能であるのか、また、どのようなネットワークづくりを行うのか、いかに整備することができるのかをお聞かせください。  次に、社会部長に伺います。  1月23日の読売新聞紙面に載りました、ひとり暮らしのお年寄りの家に設置した見守りセンサーについては、お年寄りの生活状況を、離れて暮らす家族がインターネットで確認できる新システムとあります。24時間、寝室、トイレ、ふろ場、キッチン、居間のセンサーによって、メールを携帯電話や緊急・相談センターを通じて警察、消防にも通報することができる。また、利用料金も月500円で利用ができるということでございます。また、生活状況等もグラフ化されて確認することができます。これが丸子町で始まっておりますが、このようなシステムを県としても取り入れて、長野県にこのようなシステムを広めることができるのかをお伺いして、1回目の質問といたします。       〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長(小市正英 君)道路関係につきまして順次お答えをいたします。  最初に、広域道路基本計画、広域道路網マスタープランと言っておりますが、この件についてでございますが、今お話にございましたように、このマスタープランは平成5年に策定をいたしました。これは各県で策定をいたしましたが、全国の県が隣接県との交流も含めて検討したわけでございますが、この計画は、長期的な視点に立った国土全体、地域全体という広域レベルで地域の連携を促す広域的な幹線道路網の整備を計画的に進めるということで、幹線道路網計画として策定したものでございます。  この中で、特に広域道路としての位置づけをした路線、これは、高速道路、上信越道とか長野道ございますが、それと高規格幹線道路、うちで言いますと三遠南信、中部縦貫、それと一体的に機能する一般国道、主要な県道でございますが、特に直轄で管理をいたします18号、19号、20号、私ども県で管理する道路といたしましては、例えば飯山から新潟県へ行く117号、上田から群馬へ行く144号、それから佐久から中信を結びます142号、254号、上田から諏訪へ結ぶ152号、松本から糸魚川の148、147号等でございます。これらの道路を規格の高い道路を目指して整備をしていこうということで、交流促進型というような位置づけをいたしまして、幹線的なネットワークとして位置づけて整備を心がけているものでございます。  おかげさまで、県で管理する道路につきましても、ほとんどの路線が改良率が100に近いような状況にございますが、例えばその中でも伊那と木曽を結びます国道361号、これも交流促進型でございますが、これは、今、国の代行事業を私どもの県事業で整備が進められておりまして、平成17年度末には供用というような事業を進められておりますが、こういう路線を中心に、いわゆる幹線的なネットワークを構築して整備を進めていこうというのが広域道路マスタープランでございます。  こういう中で、東信地域と中南信地域を結ぶ道路網ということでございますが、今お話を申し上げましたように、広域道路マスタープランの中でも、例えば東信地域と南信、上小、諏訪と言っておりますが、152号等がございますし、それからまた今言いました142号、三才山を越えます254号が入ってございます。これらの路線が東信、中南信を結ぶ幹線道路になるわけでございますが、路線自体につきましてはほぼ100%近く改良が進められております。  特に、152号で言いますと、和田バイパスができました。近々に改良いたします下諏訪・岡谷バイパスも今バイパスの幹線ができましたし、そういう状況にございますが、まだ丸子町の中で集落内を通るというようなことでバイパスというような構想もございます。そういうようなことも含めて今後検討していかなきゃいけないというふうに思っておりますが、特に、その中で、昨今では現道の隘路になっているところを具体的に対応していくということが必要というふうに思っております。将来的な構想もございますが、現実的な中でいわゆる効果が上がるところを整備をしていくというふうに思っておりまして、例えば、現在、丸子の中では、152号では下丸子地区の道路改良事業を行っております。それからまた、大屋と丸子町の間のいわゆる渋滞という中では、これは市と町でございますが、例の大石橋の災害にあわせまして近々に改良ができます。そうすると2本になりまして、かなり緩和をされるというような具体的なそういう状況もございますし、また、県道では荻窪丸子線の改良を行っております。これは、町道の改良とあわせますと、丸子町の中心地区を通らなくて迂回的に通過できるというような、そういう分散化の状況も出てきておりますので、そういう効果の上がるところから整備をすることが一番現実的だというふうに考えております。  それから、平井寺トンネルの有料道路の関係でございますが、有料道路につきましては、先般、外郭団体の中で道路公社がやっているわけでございますが、財務条件を満たした時点で廃止といいますか、こういうことでございますが、もともと公道でございますので無料で通ることが一番望ましいわけでございますが、早期に整備するということで有料道路制度を活用して整備をしてまいりました。  各路線状況が違いますが、平井寺につきましては、63年の8月に完成をいたしまして約15年。30年償還でございますから、ちょうど中間というような状況にございます。交通量を見ますと、日交通量約4,000台、計画に対しまして85%と、割合成績のいい道路でございます。料金が200円でございますが、昨今、有料道路につきましては、三才山も新和田もできれば無料にしてほしい、早く開放してほしいというのが皆さん方の要望でございまして、今申し上げましたように、本来、道路は無料であるのが望ましいわけでございますが、そういう中で平井寺の分を三才山、新和田に上乗せということになりますと、三才山、新和田を使う方たちの負担が逆にふえるということもございまして、今の料金制度の中で設定をしておりますので、その辺につきましては現実的には非常に難しい状況にございます。  私ども、できるだけ早期に無料化といいますか、先ほど言いました、いわゆる財務条件を満たした時点での廃止というようなことも視点に、16年度中には改革プランを検討いたしまして、その辺の方向性を出したいと思っておりますが、できるだけ早く開放ができるように努力をしていきたいと思っております。  確かに、平井寺、いわゆるネットワーク的には上小、それから松本地域、または諏訪地域に行きますのに短絡して非常にぐあいいい状況にはございますが、それにつきましてはぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔企画局長田山重晴君登壇〕 ◎企画局長(田山重晴 君)2点お尋ねでございます。  一つは、社会的に弱い立場の方々にも理解しやすい言葉遣い、難解な言葉は使わないようにというお話でございました。  おっしゃるとおりでございまして、いつでも、どこでも、だれもが参加していく、特に地方自治の現場においては、やはりパートナーである県民の方々に配慮した言葉遣いといいますか、伝わりやすい、具体的でわかりやすい言葉を使うことが一番根本ではなかろうかと思っているわけでございます。言葉によって唯一コミュニケーションが成立するわけでございますので、そういう意味から、そういう精神で挑んでいかなきゃならないと思っているところでございます。  御指摘のありましたビジョンに、コモンズという言葉があって難解であるというお話でございます。  私どもも、当初はこのコモンズという言葉につきましても、日本語で変えることができないかどうかについても検討がありました。ありましたけれども、しかしながら、この信州ルネッサンス革命構想の中で非常に重要なキー、コアとなる、これまた英語でいけないんですけれども、核となる概念でありまして、こういうものについては多少なじみは薄くとも、注釈であるとか、具体的な解説であるとか、あるいは別の言葉での説明とか、そういうようないろんな具体的な表現方法でもってカバーしていくということに留意しながら使っていきたいということでございます。  国語研究所の方も、たしか昨年でしたか、横文字が多過ぎて、これを改めなきゃいけないという提言、中間報告が出ておるわけですけれども、その中でも、専門的であってもキーとなるような、コアとなるような言葉については定着する努力をするということで、場合によっては使わざるを得ない場合もあり得るというようなレポートがございまして、そういう意味からすると、このコモンズというのは、ほかに表現のしようがない、ある意味では改革を推進する場合の重要な広さと深みを持っているということでございまして、この議会でも、随分、好き嫌いにかかわらず御議論いただいておりまして、かなり問題意識が定着したんじゃないかなと思っているところでございます。  ただ、このビジョンが出た後、先ほど申しました表現方法の問題のみならず、県の職員が現場へ出て、現場の方々、地域の方々と対話を交わす場合には、やはり相手の目線に応じて、県職員自身がきちっとコモンズの意味をよく理解した上で伝えるという努力もしていかねばならないと、それから、具体的な施策でもって進めていくということを通じて理解を広めていきたいと、そのように考えているところでございます。
     それから、社会的に弱い方々のための情報ネットワークづくりについてのお尋ねでございます。  情報ネットワーク、特にパソコンを使った技術、テクノロジーでございますけれども、これはいろんな文献にもありますけれども、パソコン、特にインターネットは自分の目の前に世界の窓を広げていくと。そういう意味で、交流を拡大させてくれる、コミュニケーションを拡大させてくれる非常に有益な、また強力な一つの道具であります。  いろいろなアンケート調査を見ましても、高齢者の方々、障害者の方々も、インターネットを使うことによって社会の交流が非常に広まった、非常に生きがいを感じているというようなデータも幾つかあります。そういう意味で議員の御指摘のように非常に大事な視点でございまして、昨日の議論の中でもお答えしたと思いますが、情報化ネットワークに向けての研究協議会のレポートでも、障害者の方々に対して、特に音声であるとか点字であるとか、あるいは文字掲示ですね、そういうものにIT技術を使ってコミュニケーションを拡大できるような施策を進めるべきであるというような提言もございまして、社会部も特に進めておるわけでありますけれども、いわゆる障害者の方々に対するコミュニケーションの場を拡大するような施策を進めておりまして、例えば栄村で遠隔健康診査が可能になるような制度を導入するであるとか、あるいはまた、これは社会部の事業でありますけれども、障害者のインターネットの利用促進ということで、あるいは点字、音声による情報ネットワークの事業を進めるとか、さまざまな方法を通じて議員のお尋ねのような問題に対して県も努力しておりますし、これからもさらに、先ほどの研究協議会の報告書に基づいて鋭意努力して進めていきたいと考えております。  以上でございます。       〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長(堀内清司 君)お答えいたします。  見守りセンサーを長野県へ広めてはいかがかと、こういう御質問でございます。  ひとり暮らしの高齢者の急病など緊急時に安全確認をするために、緊急通報体制整備事業によりまして、現在は市町村において実施しております介護予防、地域支え合い事業、このメニューの一つであります。平成15年度は95の市町村で実施されているところでございます。  見守りセンサーにつきましては、従来のペンダント型の緊急通報装置に生活のリズムを見守るセンサーを付加しましてさらに機能を充実したということでありまして、例えば一定時間トイレの使用がない場合については自動的に通報したり、また、家の中で移動状況から夜間の徘回等の痴呆症状を早期に発見できるなど、従来型のものに比べまして、このセンサーつきのものにつきましては生活の安心を支える大変有効なシステムというふうに思っております。  今後、ひとり暮らしの高齢者や痴呆性の高齢者が増加する中でございますので、センサー機能を持った緊急通報装置の整備の必要性が高まってくるというふうに思っております。県といたしましても、普及が進みますよう市町村に周知を図ってまいりたいと考えております。  以上です。       〔43番下村恭君登壇〕 ◆43番(下村恭 君)平井寺有料の件でございます。  三才山と和田とが150円の格差があるわけです。その辺を十分御検討いただいて前向きに進めていただきたい、このように思うわけです。  次に、知事に伺います。  去る2月19日、閉会中、土木住宅委員会が開催されました。浅川、砥川の流出解析の結果が報告される期待感で開会したわけでございますけれども、残念ながら、土木部から流出解析の報告がありませんでした。浅川、砥川は15年12月に国土交通省に対して整備計画を提出する、16年には事業を着工するということでございましたけれども、延期になっております。それで、8月には間違いなく整備計画を提出するということになっておりますけれども、計画性が非常におくれております。部長に答弁を求めました。責任はだれがとるのかと委員会の中でございましたけれども、土木部長と最高責任者である知事が責任をとると明快に答弁をいただいております。本当に知事は責任をとる気持ちがあるのかどうか。お尋ねをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)浅川あるいはまた砥川に関しての治水ということに関しては、今議会においても既にその方向性をお話ししているところでございます。無論、私が河川管理者であるわけでございまして、その河川管理者としての役目を果たしていくという覚悟でございます。       〔43番下村恭君登壇〕 ◆43番(下村恭 君)しっかりと責任を果たすように施策を進めていただきたいと思います。  知事は、かねがね、予算案等について議会も代替案を示せと申します…… ○副議長(倉田竜彦 君)下村恭議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆43番(下村恭 君)あなたは、脱ダム宣言以来3年間、代替案を発表しておりません。私どもも一生懸命努力するわけでございますけれども、ただ、今の県政を見ておりまして、部下が非常に酷使をされておる。それで、改革がおくれているのは職員のせいにして、予算不足で開校がおくれる稲荷山養護学校も、木材の事前調達を否決したため議会が悪いと言っております。16年度予算の歳入不足は…… ○副議長(倉田竜彦 君)下村恭議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆43番(下村恭 君)国に頼らない県政と言いながら国の責任にして、県議会議員選挙であなたの応援候補が落選すれば、投票率が悪いと言って県民のせいにしております。その点も十分県政発展のために御尽力をいただくことをお願いして、終わります。 ○副議長(倉田竜彦 君)次に、宮本衡司議員。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)まず最初に、予定した質問の前に、本日の報道によると、平成14年度の決算書に3件の記載ミスがあったとされていますが、どういうことなのか。出納長に御説明を願います。       〔出納長青山篤司君登壇〕 ◎出納長(青山篤司 君)14年度の決算書の中の財産に関する調べの中の記載でございまして、今回、決算書の作成につきましてミスがあったということで、私の責任でございまして、陳謝申し上げると同時に、御迷惑をおかけしたことにつきましておわびを申し上げたいと存じます。  今後、こういうことがないように、私の責任におきまして万全の体制をとっていきたいと、このように考えております。  内容でございますけれども、まず一つは基金の部分でございまして、長野県の森林整備基金という中の運用につきまして、有価証券で運用しているか、あるいは現金で持っているかという部分につきまして、誤りの部分につきましては、すべて現金で保有しているという内容でございましたけれども、改めて調査した結果、有価証券で持っている部分と現金で持っている部分の二つに分かれていたということが1点でございます。  それから、2点目でございますけれども、オリンピックの記念基金、これは御存じだと思いますけれども、これの14年度中に、当然、この基金につきましては、一般会計に繰り出して、そして補助している内容でございますけれども、その取り崩し額に間違いがあったと。これはどういうことかと申しますと、ここの決算における基金の状況というのは3月31日現在でどうなっているかというものを調べて決算の中へ御報告するという、こういう内容でございますけれども、実際には300万ほど使わなかったわけです、余ったわけです。そして、本来でしたら4月、5月の出納整理期間で整理してもとへ戻すんですけれども、それが普通なんですけれども、この基金の場合は3月31日現在でもうそれについては一応出してあるわけですよね。それで、整理期間中に戻ってくるわけです。だから、その差の300万ということで、誤差というかミスがあったということでございます。  それから、3点目でございますけれども、森林整備の地域活動支援基金ということで3,100万ほどございますけれども、これは全くの記載ミスということで、実際に基金として3,000万ほどございますけれども、これにつきまして記載漏れということで、以上3点につきましてミスがあったということで、改めておわび申し上げたいと思います。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)県の決算書で誤りが見つかったというのは初めてのことでございます。基本的な職務が遂行されていないというあらわれそのものであります。県民の信頼を失わぬよう今後きちんとした対応を要望し、次の質問に入ります。  一部大手製造業の景況判断が上向きになったとはいえ、地方に点在する中小零細企業はいまだその恩恵にあずかることなく、あらゆる産業界において、不況による賃金カット、人員整理等を余儀なくされております。また、それにより収入減となり、従来の生活が破綻を来し、住宅を手放す人も少なからずいると聞いております。このような現状の中、少しでも家賃負担の少ない県営住宅への入居希望者は後を絶ちません。県営住宅は不足しているのであります。  そこで、県内各地の今現在空き室となっている県職員宿舎を、県営住宅として県民に提供するようなお考えはおありでしょうか。また、現在、県住に入居されておられる県職員の方はいらっしゃるでしょうか。総務部長にお伺いをいたします。  例えば、北信地方事務所管内の県営住宅空き家募集の応募状況を申しますと、平成12年の5月から平成15年の12月までの間に県住の応募戸数は49戸でありましたが、これに対する応募人数は388名で、応募倍率は何と7.9倍でした。多くの方々が抽せんに外れ、涙をのんだのであります。  翻って、平成16年1月5日現在、同管内の職員宿舎の空き状況は、中野市三好町戸建て宿舎はあいており、中野職員宿舎A棟では、1棟17戸のうち2戸空き室がございました。飯山南町第一職員宿舎では、1棟18室中、入居者は8室で、10室もあいており、同じく第二職員宿舎では8室全室あいておりました。そして、城南職員宿舎8戸中、入居者数は6戸で、2戸あいておりました。  わらにもすがる思いの県住の抽せんに運悪く外れた人たちにとって、県住でなくとも、もしほかにあいている県有施設があれば入居させてほしいと思うのは素朴な感情であり、当然のことであります。何よりも、県の財政状況が非常事態であるという認識に立てば、県にとってわずかではあると思いますが増収となり、お互いの利益が一致するのではないでしょうか。諸般の事情で現時点では難しいならば、将来、職員宿舎として不要となるかもしれぬ建物を住宅部で引き取り、それを県営住宅として県民に提供するのも一案かと思いますが、いかがでしょうか。住宅部長にお伺いいたします。       〔総務部長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長(宮尾弘行 君)お答えいたします。  最初に、県職員住宅は、本課の職員課と、それから地方事務所、あるいは現地機関、例えば病院等の職員の方の宿舎ということで現地機関等で管理しているものがそれぞれございまして、空き室状況を全般的に見ますと、合計で見ますと戸数で2,200戸余りありますが、全体の空き室が約13%という状況でございます。  今、議員お尋ねの北信地域だけをとって見ますと、実は空き室状況は割と高い数字で34%ということで、今個々に御指摘のような状況でございます。  それで、職員宿舎につきましては、その時々の人事異動等に対応して需給ミスマッチ等も生じて、時として空き室が出ることもありますし満杯になることもあるという、変動しております。  今、北信地区の状況もそのような高い空き室状況になっておりますが、かつて12年度ごろには67のうち4戸ぐらいしかあいていないという状況のときもございました。そのように、人事異動に伴ってミスマッチといいますか、そういうものが生じて空き室が多く出たり、あるいは少なくなったりという状況が見られるわけです。  また、職員のニーズも、交通事情の変化とか、それに伴って立地条件が変化したりしてニーズも変わってくるというようなこともございまして、そういう点で職員住宅の立地、建設等も見直しているわけですが、実は平成11年度以降新設はしておりません。一方で、老朽化とか、ニーズがもうほとんどなくなっているところは用途廃止というようなことで、絶対数自体はそうした状況の中で減ってきているわけでございます。  ですから、今あいているから即別の用途にというようなこともなかなか難しい面もございますけれども、将来にわたって入居が見込まれないような、いわゆる宿舎として不要というような状況の場合には、用途廃止をした上でさらによりよい有効活用ということを検討していくということになるわけでございます。  その方法の中には、一義的には県の他部局の活用等も検討し、さらにまた市町村あるいは公益法人等で活用していただくような道がないかどうかとか、そういうこともあわせて検討していくということでございますが、そうした状況を見ながら、今議員御提言のことも十分念頭に置いて対応させていただきたいなと、こういうふうに考えております。  それから、県住に住む県職員の数というお尋ねでございましたけれども、これについては私どもで把握できておりませんのでお答えできませんが、よろしくお願いいたします。       〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長(中村芳久 君)お答えをいたします。  ただいま話がございましたように、職員宿舎等の用途廃止がなされて私どもに引き渡しを受ければ、県営住宅として活用はできます。ただ、昨日、鈴木議員の質問に対して知事がお答えしましたように、今後、県営住宅につきましては、基本的には市町村の方に移管しようというようなことで今基本的な施策を進めている状況でございます。  ただ、きのう、鈴木議員の質問に私がお答えしましたように、今まで、地方事務所といいますか、県の公営住宅と市町村の公営住宅の相互の活用といいますか、そういうようなことも検討してきていなかったというような状況がございます。  今、お話を聞いている中で思ったことでありますけれども、実は、県の住宅の状況というのを申し上げますと、72万世帯に対して85万戸というようなことで、量的には十分満たしているような状況なんでございます。ただ、大きいものとか、質のいいもの、悪いものとかいろいろな状況があるんですけれども、そういうようなことを総合的にどこでそういう情報を提供してきたのかという点ではかなり疑問な点がございます。したがいまして、今、こういうような経済状況の中で、住宅弱者に対して住宅をどこがどのように提供するかというようなことについては、県と市町村、もう少し連携をとって対応しなきゃいけないのかなというふうに思いました。  それと、先ほど総務部長へお尋ねの県営住宅に県職員がどのくらい入っているかということなんですけれども、丹念に調べていけばわかることなんですけれども、1万6,000戸ございますもので、そういう分類を今までしてございませんもので、ちょっと数字としては出てこない、すぐにと言われても出てこない数字ではないかというふうに考えます。  以上です。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)さまざまな制約があろうかとは存じますが、県民益となるような方向で早急に県有施設の有効活用をされますよう、御検討をお願い申し上げます。  長野県から始まる日本の農業革命を旗印に、新年度に向け一大転換を図られました農政部に、まずもって敬意を表するものであります。  大量生産型農業から、環境に負荷を与えない、自然と共生できる農業へ、これは環境保全を優先する時代の流れかと思いますし、今まさに世間の話題になっております鳥インフルエンザ等の食の問題を見るにつけ、消費者が安心で安全な食材を求めることもまた当然のことであります。しかし、この構想の実現には多くのハードルを越えなければならないことも事実であります。  農業や化学肥料の使用量を50%削減を目標にすることでございますが、生産者である農家にとっては、やはり、農業は産業であり、なりわいであります。低減農薬野菜や有機野菜が健康によしとすることは、だれも否定するものではございません。そうした場合、従来の収量が果たして見込まれるのか。そして、生産された農作物が割高となり、外見がよくなくても確実に市場に流れ、商品として認知されるでしょうか。  一定程度の保障がなければ、農家は、今以上のリスクを負ってまで環境保全型農業への転換はしないのではないでしょうか。将来的には、そのような栽培方法に転換する生産者に対して経済的助成が必要と思われます。そして、より一層、現地機関を強化、充実させ、農家の皆さんと一体になり、環境保全型農業の実証、研究、また技術指導をせねばならないと思いますが、その具体策を農政部長にお伺いいたします。       〔農政部長鮎沢光昭君登壇〕 ◎農政部長(鮎沢光昭 君)私たちが来年から転換しようとする自然と共生する農業へのエールを送っていただきまして、ありがとうございます。  私たち、このことは一朝一夕にすぐできると、こういうふうには考えておりません。確かに、おっしゃるとおり、農家は生活をして、そして取り組むということが前提にあるわけでございますので、私たちはこのことを常に考えて取り組むということでございます。ですから、私たち農政部は、全組織を挙げて、農家の皆さんと一緒になって取り組みを展開しようということでございます。  将来的な保障の問題でございますけれども、これについては、今、国の方でも、新たな基本計画見直しの中で、環境に配慮した農業の生産方式に対するものに対しては何らかのことを考えなきゃいけないんじゃないかと、こういうことは言われております。具体的ではございません。我々も、その点に関しては、まずは技術をしっかり応援してやっていきたいということと、国の動きは常に注視しながら一体的に取り組んでいきたいと、こんなふうに考えているところでございまして、農家の皆さんと一緒になって取り組む、そういう気構えでございます。よろしくお願いします。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)ありがとうございました。  次に、消費者側の食に対する意識改革であります。  農業は、命をはぐくむ産業、生命産業であります。そして、人間は他の生命体を犠牲にしておのれの命を保持しているという現実を直視せねばなりません。すなわち、自然の恵みに対する感謝の気持ちを常に忘れずにいることが重要であります。そして、戦後、多くの日本人が捨ててしまった伝統的な日本古来の食事の優位性を見直さなければならない時期に今来ていると思います。  北信地方のある小学校で、低農薬のブロッコリーをゆでたものが給食に出ました。ところが、中に虫が入っていて大騒ぎになり、子供たちは結局食べれませんでした。また、ある主婦に無農薬のレタスが欲しいと言われ、生産者が納品したら、穴だらけということで返品をされてしまいました。このように、理屈ではわかっていても、実際に受け入れるにはよほどの理解が必要です。割高で、しかも外見はよくなく、そして多少の虫がついていたとしても、本当に安心、安全な食材を求めたいならば、ある程度の我慢はするという消費者側の意識改革が必要であります。  このようなことを子供のうちから教える、すなわち食農教育の推進を、従前からの知育、徳育、体育に加え、教育現場にてぜひ実践していただきたいと思いますが、教育長にお伺いをいたします。       〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長(瀬良和征 君)お答えいたします。  子供のときから、いわゆる安全な食品といいますか、賢い消費者になるということの教育でございますが、まさに議員のおっしゃるとおりでございます。  私も、昨日、環境教育の中でもちょっと申し上げましたけれども、「沈黙の春」の中で彼女が一番訴えたかったのはまさに農薬の害であります。  現在、議員もいろいろと御提案されておりますけれども、まさに無農薬、無肥料といういわゆる科学的な自然農法、議員の言われているのは、強制発酵技術に基づく、そういうふうな土壌を肥やして、そしてその土壌の中で無農薬、無肥料という安全な農作物をつくる。そして、それを子供たちが食べることによって体を育成していくということでございますけれども、私たちは、今、教育の現場では、議員の御提案されているほどまでには実は進んでおりません、正直に申し上げまして。  現状では、今、食事生活が非常に家庭的にも社会的にも乱れておりますので、給食を通してできるだけ地産地消の作物を、子供たちに栄養のバランスのいいような給食を通して食に対する知識を深めようということでございますけれども、まだまだ実際には無農薬または無肥料というようなまさに自然農法的な作物を食育教育のプログラムの中に組んだ教育はできていないという段階でございまして、それにつきましては、きのうも申し上げましたけれども、環境教育そのものと一体となって、そういうふうな安全な食品というものがいかに私たちの体に対して大切なのか、そして、そういうふうな自覚の中で、将来、子供たちが賢い消費者として、安全な食品が市場に流通でき、そしてそれを支える農業が発展されるような、そういうふうな学習に努めてまいりたいと考えております。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)野菜産地において化学肥料や農薬を50%削減した栽培実証を行うとのことでありますが、もう一歩踏み込んでいただき、それらの安心、安全な野菜を食材として用いることが、体質改善、またはアトピー、アレルギーといった疾病に対して有効であるという医学的実証を県の医療研究機関等で行うことはできないでしょうか。そうすれば、予防医学という観点からもより付加価値のある長野ブランド野菜として全国に発信できると考えますが、阿部副知事にお伺いをいたします。       〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事(阿部守一 君)食材、食べ物による体質改善について実証的な検証をすべきではないかというお尋ねでございます。  栄養、食生活、これは私が申し上げるまでもなく、多くの生活習慣病と関連が深いということで、私ども長野県といたしましても、これまで、市町村あるいは食生活改善を行っております地区組織の皆様方の御協力をいただきながら、望ましい食生活のあり方の普及といったものに努めてきております。主食、主菜、副菜がそろった食事をする、食塩の摂取量を減らすといったようなことをやってきております。  また、医療上、食事療法という療法も確立している部分がございます。糖尿病あるいは腎臓病等、一定の疾患に対しましては食事療法というものが保険の対象ということで認められてきているわけであります。  お尋ねにございました食材、広い意味での体質改善との関係性についての実証ということでございます。  これは、一つは、広い意味でのいわゆる食養療法と言われているようなものがあるわけでございますけれども、そうしたものについては、今申し上げましたように、現在の医療上必ずしも効果が確定できていないと。現時点において、そこまで県の行政機関が踏み込むべきかどうかというところ、私も、自分自身、まだ得心していないところもあります。民間の方々、NPOの方々が自主的に研究、検証されていらっしゃるというふうにもお伺いしておりますので、そうしたものをお伺いする中で対応を考えていく必要があるんではないかというふうに考えております。  以上でございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)ぜひ、前向きに御検討をお願いいたします。  県下のスキー場を利用した観光客数は、平成3年のピーク時には2,106万9,000人ありましたが、平成14年には1,046万5,000人と半分以下になっております。もはや、スキーシーズンの収入だけでは経営が成り立たず、グリーンシーズンと呼ばれる5月から11月の時期の集客をいかに考えるかにかかっております。  そこで、地元でとれた無農薬、低減農薬野菜や有機野菜、お米等の食材を使ったメニューを、全国の生活習慣病やアレルギーで悩み、体質改善を望む人たちに県内各地の宿泊施設や飲食店で提供し、長期滞在型の健康リゾート地として長野県の観光産業を活性化させたらいかがかと御提案をいたしますが、商工部長にお伺いをいたします。       〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長(井上忠恵 君)今、長野県に訪れていただいております観光のお客様の数は9,822万人ということでございまして、これらのお客様のほとんどが、長野県の自然だとかその風景、そういったようなものの中でいやし、あるいは健康につなげるというような意図をお持ちで来ていただいているというようなことでございます。  そしてまた、長野県に来た場合には、土地のおいしいものを食べたいというような希望も非常に高いわけでございます。もちろん、そういう中で、農作物なんかは、地産地消といいますか、地元でとれた本物の味を食べたいというようなお客様が非常に多いわけであります。  そういう中で、今おっしゃられましたように、安全で、なおかつまた健康によいというような食品、そういうものは、当然、観光のお客様に対するメニューとして開発をしていかなきゃいけないと思っておりますし、一部、県内のそうした旅館等におきましても薬膳料理といったようなメニューをつくりまして提供しているところもあるわけであります。  今、御指摘にありましたような形で、これが本当に体にきくというようなことについての科学的な証明といいますか、そういうようなものというものも非常に大事でありまして、商店で食品を売るということになりますと、どこで、どんな形でつくられたのかというようなことの履歴というものを売る側も自分の責任でしっかりと調べる。そういうようなことになってくるわけであります。したがいまして、それぞれつくる側の方の責任、それから売る側の流通の側の責任、市場の中でこうしたものの流通というものは決まってくるわけでございまして、できるだけ、すばらしい、健康にいい食品を流通させるという方向は県内の産業界を活性化させることになるわけでございますので、そういうことについては私どもとしても支援をしていきたいと思っています。  具体的に言いますと、地域の食品というような開発になりますと、食品工業試験場におきましてさまざまな食品開発に関連した試験研究、あるいは成分分析等をやっておりますので、そんなようなことを考えていくこともできます。それから、具体的なそうした観光のメニューづくりについては観光協会が御支援をするというようなことも十分可能でございますし、そういう体制の中で、議員御指摘のようなことはお手伝いできるというふうに考えております。       〔17番宮本衡司君登壇〕
    ◆17番(宮本衡司 君)これは、知事の提唱する、農業、観光、医療を融合させたまさにスリー・バイ・スリーの構想であると私は自負をしておるのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)今、議員が御指摘になりました、まさにこの美しい自然、そして200カ所に上る豊富な温泉、また全国一の農家戸数を誇る生産者がつくる丹精込めた安全な野菜、農作物ですね。そこに全国一の長寿県という本県の保健や医療というものは、これは、もう既に本来のコンテンツに、売り物にはなっているはずでございまして、今までは黙っていてもお客様がお越しになってくださるという温泉やスキー場であったわけでございますけれども、より訴求力を高めていくということは、国内外から年間1億人に上る方々が訪れる本県の大事な、まさに滞在型の観光と。これは、さきに述べましたように、堀辰雄の「風立ちぬ」という場合は肺を病んでいらっしゃるというような方のサナトリウムでありましたが、これからは逆に、他の都道府県でお住まいの方々が移り住んでくださって第2の人生を輝かしく過ごす、そうしたよい意味でのホスピスでありましたり滞在ができる場所ということは私どもの目指すべき方向でございます。  今回、信州土地利用基本条例、そしてまた信州の美しく豊かな風景を育成する条例というものを出させていただいておりますが、こうしたことがより価値を見出していく上では、自然や歴史、文化、風景等はまさに人の五感というものに訴え、その人の心を形成していくものでございまして、こうした中での信州の風景の育成、議員諸氏からは町づくりというものがそれであるというふうにおっしゃられておりますが、こうしたことを目指すためにも今回こうした条例を、森林の条例を含めて出させていただいております。  議員が御指摘のような点でございますが、私ども既に長野県原産地呼称管理制度というものを創設しておりますし、これは、もう今年度中にはお米に関しても、飯山を含めすばらしい米の産地がありますので、立ち上げていくことになっております。また、農政部からも御説明しておりますように、農薬を50%以下に削減していくという形、そして地産地消ということもございます。  こうしたものは、既に南信において、南信州観光公社という、これはもう大変な自律的に地域の方々が営まれ、この場所がまさにグリーンツーリズムというような片仮名の言葉が出る前から、農山村に滞在をしてさまざまな得がたい経験を得ていただく、そしてこの長寿県の食べ物を味わっていただくということで行ってきていますし、また、グリーンウッドと呼ばれるような滞在型の学習施設もあります。  私ども県も、あるいは観光協会も、こうした自律的に営まれているような方々に関して御一緒に支援をしていくということであろうと思いますし、また、美麻村の麻という美麻村の歴史的なものを、私どもの若い職員が4月から駐在員的に伺う中で、彼が一緒に音頭をとって麻に関しての構造改革特区というようなものを申請をしていって、美麻村において麻がきちんと生産でき、それが一つの村の売り物にしていこうというような動きもあるわけでございます。  私たちは、まずは自力で歩み出してくださるという方々のものをきちんとお手伝いをしていきたいと思いますし、また、そうしたことが歩み出しやすいように、原産地呼称管理や、あるいは前から申し上げております農薬のレス50というような形というものを、あるいは森林整備もでございますが、取り組んでいるところでございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)私が今申し上げたことは知事の提唱するところのスリー・バイ・スリーなんですか。どうですか。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)私どもが申し上げているそのスリー・バイ・スリーという中の、まさに一つの動きだろうというふうに思っております。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)ありがとうございました。  最初に、警察官の80人増員を高く評価するものであります。  県内の犯罪発生は、岡警察本部長を初めとする全職員の昼夜を分かたぬ取り組みにより、わずかではありますが歯どめがかかりつつあるとはいえ、依然厳しいものがあります。このような情勢の中、本部長は現状を危険水域ととらえ、今何とかしなければ取り返しがつかなくなってしまうと、昨年12月15日、警察委員会で御答弁をされていらっしゃいます。  とりわけ、暴力団の勢力拡大は深刻であります。全国の暴力団組員や準構成員は、昨年末現在8万5,800人に上り、昨年同期に比べ500人ふえており、県内におきましても、6団体45組織1,070人と、前年同期に比べ1組織20人増加をしております。  暴力団の手口は年々潜在化、巧妙化し、経済分野にまで手を伸ばしているのが現状です。  そんな中、事もあろうに、長野県出資等外郭団体見直し専門委員会は、財団法人長野県暴力追放県民センターの廃止を、行政機構審議会を通じ、2月2日、知事に最終答申をしたのであります。  専門委員会の報告との関連性は明らかではありませんが、現実の問題として、昨年末、東信方面において東京圏の暴力団出先事務所に本部が移ってまいりました。そして、北信では、今まで消滅していた組織が復活し事務所を開設したり、さらに北信、中信地域では他県からの進出動向もあり、多少の小競り合いが発生しておるとのことであります。  このような暴力団の動きは近年見られなかったものであります。もし長野県だけが廃止ということになれば、抑止力がなくなり、暴力団の取り組みが甘い県というふうに見られ、こぞって長野県に暴力団が進出するという事態になりかねません。  暴追センターは、全国47都道府県に設置され、暴力団対策をやっておる唯一の公益の民間法人であり、平成3年5月に国会議員全党一致で制定されたいわゆる暴対法第31条の中で位置づけられている組織であります。  警察に相談すると事が大げさになってしまう、弁護士に頼みたいが費用が心配だ、そんなとき暴追センターで相談を受け、法律的なことで対処しなければいけない場合は弁護士会とタイアップし、事件として検挙していく事案は警察でやってもらう、言うなれば半官半民の気軽な相談窓口、駆け込み寺であります。そして、対象事案の多くは、私的紛争と刑事事件との境界にあるわけであります。  主な業務としては、暴追意識の高揚を図るための広報活動を初め、全国のセンターからの暴力団情報を収集したり、暴力団離脱者の就職あっせんをしたり、また被害者に対して給付金を支給したり、暴力団の絡んだ競売物件をセンターが落札し一般市民に所有権を戻す、およそ警察ではできないこともしているのであります。  そして、過日の萩原議員らの質問の際、本部長は、民間団体ならではの手法で暴力団と戦う県民や企業を支援しており、県民に必要とされているのではないかと答弁をしております。  見直し委員会は、センターを廃止しても県警本体を強化すればよいとしておりますが、平成15年度、センターに対する補助金予算は1,955万7,000円で、公安委員会委託料144万4,000円と合わせて合計2,100万1,000円であります。これを充ててどのように県警本体を強化なさるのか。経営戦略局長にお伺いをいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  先般、12月の26日に外郭団体見直し専門委員会の報告、それから1月21日に開催されました行政機構審議会に基づきまして、2月2日に知事に答申がされているわけでございますけれども、県としましては、この答申を踏まえて、先般知事も申し上げましたとおり、改革基本方針なるものを16年度早々に策定していくと、こういうスケジュールになっております。  したがいまして、現在のところ県としての最終の判断はしてございませんが、今までの専門委員会の御指摘になりました点を要点を挙げて申し上げますと、一つは、センターの運営は、今議員御指摘のとおり、補助金、それから委託料によって賄われておりまして、警察のOB職員によって運営されているのが実態でございます。したがいまして、これは、外郭団体を介在させるメリットが、直営としないで、外郭団体を介在させるメリットが明確ではないと、こういう御指摘がございます。  それから、センターの事業のうち、被害者保護救済事業以外の広報啓発、それから協力支援、暴力相談、受託、離脱者援助、それから暴力団監視、情報収集、それから暴力団調査研究事業というものはこれは警察でも同種事業を実施しておりまして、団体独自の自律した活動があるとは言いがたいと、このように言っております。  それから、昨今の暴力が、暴力団関連のほかに、ストーカー行為であるとか、それからドメスティック・バイオレンス、児童虐待、こういった非常に暴力の形が多様化する中で、県民からはこのような状況に対する警察の迅速な対応を求める声が高まっていることに着目いたしまして、民事介入の誤った解釈の払底と質的な面を含めた警察本体の強化により対応することが必要であると、このように位置づけてございます。  それから、最後の点でございますが、暴追センターが収集している情報というものは警察発表に基づく新聞等の刊行物の情報でございまして、重複した情報管理の必要性には乏しいと、このように位置づけてございます。  専門委員会では、予算削減効果の観点だけからこの暴追センターの存廃を検討したわけではございませんで、県民益の極大化という見直しの理念に基づいて慎重に議論を重ねてきているところでございます。  以上でございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)補助金が問題じゃないとおっしゃいましたね。それじゃ、2,000万で県警の本体強化というのは一体どういうふうにできるんですか。2,000万は出してもいいんですか。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)これにつきましては、金額の多寡ということではなくて、まさに形から入るのではなくて、NPOであるとか、まさにコモンズを代表するような市民のネットワークをきちんとつくり上げて、それで暴力団対策をやっていくと、こういう基本的な考え方が専門委員会の中でもございます。(発言する者あり) ○副議長(倉田竜彦 君)御静粛に。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)ばかも休み休み言ってくださいよ。NPOで暴力団対策できますか。何を考えているんですか、一体。それで県民の安全を守っていると言えるんですか。  ですから、2,000万が問題じゃないんですね、じゃあ。どうなんですか。そこをはっきりしてくださいよ。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  これは、先ほど申しましたとおり、従来から民暴被害救済に取り組んでいる弁護士会、それから防犯協会、それから25の警察署に設置されました警察署の協議会、こういったものを活用した市民とのネットワーク、これがコモンズの精神であると、こういう意味でございます。こういったネットワークを構築することによって、センターを廃止しても長野県は暴力団対策については他県に先んじて強力な体制をとることが可能ではあると。これは見直し専門委員会の報告書でございますけれども、長野県としましてはこれを尊重して検討を今進めていると、こういうことでございます。 ○副議長(倉田竜彦 君)松林さん、2,000万の話を聞いているので。 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)2,000万のことにつきましては、これは金額の多寡ではございません。ですから、これについては、当然のことながら、廃止という方向が、一応今の段階では報告書では言われております。県としましては、現段階では、先ほど申し上げましたとおり、16年度早々に基本方針なるものを作成いたしますので、その中できちんと意思を表明していくと、こういうことでございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)あなたは暴力団の怖さを知っているんですか。ただいま松林さんがおっしゃったように、見直し委員会では、県下25の警察署に設置されている警察署協議会を活用し、市民ネットワークを構築すれば、センターを廃止しても長野県は暴力団対策においては他県に先んじた強力な体制ができるという、およそ暴力団の本質を何も知らない無責任な回答をしておりますが、協議会は警察法第53条の2第2項で、「警察署長の諮問に応ずるとともに、警察署長に対して意見を述べる機関とする。」とあります。各署の規模に応じ公安委員会が委嘱した7人から20人で構成され、年4回程度の会議が開かれております。ゆえに、この協議会に暴力団対策事業の一翼を担わせるのは趣旨が異なりますし、またそのノウハウもないと思いますが、一体、こんなことが可能なのか。本部長にお伺いします。       〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長(岡弘文 君)警察署協議会につきましては、今議員の御指摘のとおりの規定が警察法に置かれています。この規定は平成12年に創設されたものでありますけれども、平成12年前後に警察のいろんな不祥事が出てまいりましたときに指摘された一つに、警察活動が住民の求めるものに応じ切れていないとの批判がございました。これに対応するために、住民の目線での意見、要望が警察活動全般に反映させることを制度的に担保しようということで設けられた規定でございます。したがいまして、協議会やその委員が個別の問題について具体的に行動することを期待しているものではございません。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)要は、この協議会ではそういうことはできないということなんですよ。  それから、先ほど戦略局長がおっしゃった民事介入のことでございますけれども、民事介入暴力事件の被害防止と救済には確かに警察のいわゆる民事不介入の原則というのは妥当しないというふうには私は理解しております。しかし、警察官は日常的に多発する事件、事故に追われ、その負担は極めて過重となっているのが実態であります。  冒頭申し上げましたように、潜在化、巧妙化する暴力団等の反社会的勢力が引き起こす民事介入暴力事件については、被害者支援のすべてを警察に担わせようとすることは適切ではなく、無理があるわけであります。何でもかんでも警察がやれと言うならば法律を変えなければならないし、警察がよもや一方に加担するようなことは民主社会において許されない行為であります。そして、それは、法治国家においておよそあってはならないことと私は考えるわけであります。  寄せられたパブリックコメントは全部で32件あり、廃止反対が31件、条件つき賛成が1件であります。言うなれば、97%が廃止に反対をしておるわけでありますが、この結果をどのように受けとめておられますか。経営戦略局長にお伺いします。  ちなみに、昨日、小松稔議員の審議会のあり方についての質問の際、パブリックコメントという形で県民の方から御意見をいただき、県としての方針を立てていくとの答弁を阿部副知事がされておりましたけれども、よろしくお願いいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  パブリックコメントを求めたのは、この素案が出ました11月の段階でございます。その後、パブリックコメントを求めまして、正確に申しますと、11月の14日から11月の28日の期間に、素案が11月14日に出しております。その後、パブリックコメントを募集いたしまして、そのパブリックコメントも十分踏まえて検討した結果、報告書の公表が昨年の12月26日になったわけでございまして、今言われました32件のパブリックコメントにつきましては、その段階で検討委員会でも十分お聞きいたしまして、これはホームページにもきちんと回答まで全部つけて、各31件につきましてきちんと回答をしてございます。したがいまして、パブリックコメントを踏まえて検討したと、こういうことでございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)きのうの小松稔議員の質問というのは、余りにも審議会のメンバーが長野県と関係のない方々がほとんどだと。これに対してどうするのかと言ったら、阿部副知事は、パブリックコメントという形で県民の方から御意見をいただき、県として方針を立てていくとはっきり言っているじゃないですか。97%の人が廃止に反対していることを、あなたは一体どう思っているんですか。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  先ほど申しましたとおり、県としての最終方針というのはまだ出していないんですよ。先ほど私申し上げたのは、あくまで委員会で出された考え方を御説明したということでございます。したがいまして、議論についてはまだ、県としては最終報告を出すまでは議論をしていくということでございます。 ○副議長(倉田竜彦 君)松林さん、パブリックコメントの31件に対するあなたの認識を聞いているわけだから、それを答えてください。 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)これにつきましては、最終結論を県は出していないわけですから、十分これは検討をしていくと、こういうことです。  以上です。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)県庁の職員の最高ポストにおいでになる経営戦略局長に対して、私は、97%の人たちが廃止に反対しておるんですけれども、あなたはどのようにこれを受けとめていますかと聞いているんですよ。それだけなんですよ。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  パブリックコメントについて、これを勘案しながら検討していくと、こういうことでございます。  以上です。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)一口に廃止すると申しますが、公益法人の解散というものは、民法第68条にもあるように、そんなに簡単にできるものじゃありません。暴追センターの定款とも言うべき寄附行為の第40条において、理事総数の3分の2以上の同意を得て、かつ、長野県知事の認可が必要なのであります。ゆえに、見直し委員会が補助金の拠出について可否を審議するならともかく、暴追センター本体の廃止、存続について言うのは全く筋違いであり、僣越と言わざるを得ません。  本県は、青少年保護条例がないため、かつて県外から長野県へ若い性を求めてよからぬ人々が殺到したことは否定できない事実であります。近年、児童買春・ポルノ禁止法が施行されてこの現象はなくなりましたが、犠牲になった青少年は多かったと思います。  本当に暴追センターが廃止になれば、こぞって勢力拡大を図り、以前のように県内各地で銃器発砲等の抗争事件が勃発する危険性も高まります。具体的な危険性の存在については結果を見なければだれも証明できるものではありませんが、ただ、先ほども申し上げたとおり、県民の安全を守るべき立場にある県として、この点についてどのように考えているのか。経営戦略局長にお伺いします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えします。  さらに検討を加えていきたいと、こういうことでございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)人は、良好な治安のもとで初めて、生産活動に励んだり、潤いのある生活を営むことができるのであります。また、観光立県長野にとって、犯罪のない、安心な地域づくりは不可欠であります。初めに廃止ありきの見直し委員会学者先生方の誤った最終答申をうのみにすることなく、知事におかれましては、心底長野県民の安全を願うおつもりなら、大いなる政治決断のもと、暴追センターを存続し、真の県民益につなげてほしいと思いますが、知事の御所見をお伺いします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)まさに、先ほど経営戦略局長の松林も申し上げましたように、警察の質的な向上ということは多くの県民が望んでいるところでございます。  こうした中において、先ほど冒頭に宮本さんもおっしゃいましたように、厳しい財源下でございますが、80人の警察官の増員と、しかも、これに関しては、県警本部長のありがたい御英断によりまして、県職員を退職して、まさにプロフェッショナルとしての新しい県警察官として県民のためにさらに奉仕をすると、こういうものをまずは採用、募集してくださるということにもなっているわけでございます。  つまり、警察というものはまさに頼りになる存在であらねばなりませんし、また、同時に何でも相談できる、私たちがコモンズと言っているのは、県民が身勝手に何でも行政や警察に頼ろうということではなくて、自律的な県民がコモンズをつくりながらも、同時に、親しみのある警察や行政であって、何でも相談でき、行けるという形を望んでいるわけでございます。  したがいまして、他の都道府県においてはいまだに民事不介入というような形でにべもない警察が、これは報道等によって報じられておりますが、我が本県におきましては、まさに民事の問題に関しても一緒にコモンズの一員として、そしてプロフェッショナルとして警察の方々が行動してくださるというところにこそ信頼関係があるわけでございまして、こうした警察の民事に関しても積極的に一緒に取り組むという姿勢は、サービス業であると申し上げている県職員みずからが、私も含めて大いに学んでいかねばならない点でございます。  よしんば、あってはならないことでございますが、本県の警察において、多忙であるというようなことのもとに、民事不介入というようなことが結果として起きるようなことがあれば、これは大変残念なことでございます。私は、そのような組織ではないという信頼のもとに、今回、80人の増員ということも逆に警察にお願いをしているところでございます。  そして、私どもの生活環境部の生活文化課は、これは皆様既に御存じのように、やみ金に関しましても、現在下伊那の事務所長を務めております田野尻正の決断によって、私がそれを大変すばらしいと言ったことによって、やみ金の口座というものが多くの金融機関にあり、そこの金融機関が名だたる金融機関であるがために、お年を召した方々を初め、そこについお金を振り込んでしまうという形があったわけでございます。これは本来県の権限ではないという内部の議論もありましたが、しかしながら、私は、市民を守るのが行政であり警察であるということのもと、これらの口座を持っております金融機関に、1カ月をめどに口座の閉鎖をしてほしいということを知事名で出したわけでございます。権限がなくとも、このようなことにすぐれた企業市民である金融機関は呼応して、これらの口座はすべて閉鎖、凍結されたわけでございます。その後に、金融庁あるいは弁護士会というような方々が、こうした口座を全国的にも閉鎖しろという動きになったわけでございます。  そして、本県は既に、先ほど大塚も申し上げましたが、架空請求というようなものに関しても、例えば販売店において、とりわけ量販店においてカードを使う場合に、例えば電話番号も書けと、電話番号を書く欄も記入してありますが、このような電話番号を記す必要は毛頭ないと。つまり、あなたのサインだけでよいと。電話番号を書くことによって、架空請求やカードの偽造が起きるということに関しても、他の都道府県と異なり、生活文化課の意欲によって広報をしているわけでございます。  もし、民事という問題に関して、県民の方々が警察組織に親しみを持って何でも御相談できるというようなことが滞る点があるならば、私たちの組織において、逆に行政の側において、こうした民事の問題に関しても県民のよい意味での悩み事相談防波堤となってともに行っていく決意を私は持っているわけでございまして、こうした中において、今外郭団体の見直しという中で出ておりますこのセンターにおいても、このセンターというものが存在するいかんの以前に、私ども行政あるいは警察がそうした民事に関しても積極的に、個人のプライバシーに介入するのではなくて、個人の悩みをともに解決する意欲を持つ、これがまさに「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」の公僕が持つべき意欲であると考えているわけでございまして、私は、こうした考えのもと、さらにこの問題に関しては議論を詰めていくと、こういう覚悟でございます。       〔17番宮本衡司君登壇〕 ◆17番(宮本衡司 君)知事さん、そんなに興奮なさらなくてもいいですよ。  犯罪となる以前に警察が介入するというのは、要するに一方に加担するということなんですよ。ただ、一般市民からすると、警察に相談するというのはやっぱり事が大げさになってしまうと。弁護士に頼みたいけれども、お金はどうなっているんだと。対象事案の多くというのは、やっぱり私的紛争と刑事事件のはざまにあるんですよ。そういう方たちが暴追センターに相談に行って、いろんな方が助かっているんですよ。できなかった当時、暴追センターがあれば本当に助かったなという方もあるんですよ。どうか、ちまたの声を聞いてください。特に答弁は求めません。  私は、犯罪のない長野県をとにかく知事さんにつくっていただきたいと思います。  以上でございます。発言を終わります。 ○副議長(倉田竜彦 君)この際、15分間休憩いたします。         午後4時2分休憩
            ───────────────────         午後4時19分開議 ○議長(小林実 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  毛利栄子議員。       〔15番毛利栄子君登壇〕 ◆15番(毛利栄子 君)最初に、農業問題について農政部長に伺います。  昨年暮れ、農水省が初めて実施した食糧自給率に関する意識調査によりますと、将来の日本の食糧供給に不安を感じる人が90%、食糧自給率を大幅に引き上げるべきだと考える人が85%となっており、食糧自給率の引き上げは圧倒的多数の国民の声と言えます。このことは、アメリカ産牛肉の輸入がとまった途端の牛丼騒ぎで一層切実なものになっています。  日本の食糧自給率は、40年前には73%でしたが、今や40%にまで落ち込みました。政府は、農業基本計画で、2010年までに自給率を45%に引き上げる目標を掲げていましたが、既に事実上棚上げしようとしています。さらに、WTO、FTAという外圧をてこに農産物の一層の輸入自由化を進め、米改革の一環として、市町村に地域水田農業ビジョンづくりを押しつけ、4ヘクタール規模のプロ農家への政策と財源の集中で、中小農家をリストラしながら、株式会社の参入を含む農業構造改革を進めようとしています。この方針で突き進めば、自然条件を生かし、急峻な地形を利用して、狭い耕地を家族経営で支え合いながら集落を維持して頑張っている長野県の中山間地農業は到底成り立ちません。  県内の耕作放棄地は全国平均の2倍で、1割を超え、中山間地では2割にもなっており、景観面からも、県土保全の面から見ても、集落そのものが荒れていくという大変な事態であます。このような中小農家を切り捨てる米政策を進めるのか。県としての基本姿勢を伺いたい。  県内では、規模の大小にかかわらず、あきらめて物づくりをやめたら輸入がふえるだけ、元気を出して物をつくり、みんなで売ろうと、生き生き取り組んでいる運動があり、全国からも注目を浴びて広がっています。  一つの例として、佐久産直センターと結んだ農民連、佐久楽農倶楽部の取り組みを紹介します。  兼業農家、定年退職による新規就農者、高齢者、女性パート労働者、日曜農業者など、およそ200人が生産の担い手になり、農協の共同販売には加われないが、あれこれの作物を意欲的につくって、スーパーの一角にコーナーを設けて販売し、安い、おいしい、新鮮が消費者にも大いに歓迎され、遊休農地を次々と耕してきていると伺っています。農協に出荷する場合、大手スーパーの規格に合わないものは商品にならなかったのに、この取り組みの中でおもしろいように売れ、1カ月20万円の収入につながる例もあるそうで、農業をやめようと考えていたお年寄りの皆さんも今でははつらつと耕作に励んでいるとお聞きしています。  県内には、産直や販売運動を初め、このような取り組みが幾つもあります。長野県農業を振興させていくには、大変な中でも頑張っているこのような取り組みに光を当てて励まし、応援していくことが大切ではないでしょうか。現状では、公的な援助の仕組みは何もなく、運営費などを互いの拠出金で賄っていたり、直売の日よけテントなどを購入しようとしても財政的にかなわず、さらに、個人が荒廃農地に手を入れようとしても農地の賃借料や基盤整備費の補助制度もないなど不都合が生じています。  そこで、ぜひ、自主的な農民グループに対する行政としてのしっかりした位置づけと財政支援、販売スペースのあっせんや確保、成功例の紹介などを行うことを求めますが、農政部長の見解を伺います。  また、本県農業の10時間当たりの純生産額は5,950円、1時間当たり595円で、最低賃金の646円にも及ばず、農業で生活していくことはとても困難です。所得を安定させ、再生産できる農業者の生活を支えるために、農業予算の中身を、公共事業偏重でなく、価格安定制度や担い手対策などに重点化するべきではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。  次に、しなの鉄道と長野以北問題について知事にお伺いいたします。  過日、日本共産党県議団は、上田のしなの鉄道本社を訪れ、交渉会派として初めての訪問だと歓迎を受けながら、杉野社長と懇談してまいりました。  しなの鉄道の支援策をどうするかが今問題になっていますが、そもそも、この問題の根底には、長野新幹線開通に際して、建設費の地元負担とあわせて、並行在来線をJRから切り離して廃止するという不当な申し合わせが政府・与党の間で決められ、全国で初めて幹線である信越線に適用されたことにあります。私たちは、この不当な政府・与党申し合わせに反対してきました。また、全国の第三セクター鉄道としても、これも初めて鉄道資産の有償譲渡を押しつけられたこと、長野―篠ノ井間を取り上げられたことも今日のしなの鉄道の困難の原因となっています。  旧信越線は、文字どおり、地域住民の生活の足、観光の足として交通権を保障する重要な役割を果たしていました。今、環境を守るという点からも、公共交通を維持し、充実、発展させていくことは時代の流れでもあるのに、このような形で切り捨ててしまったことは本当に許せません。  県では、この間、篠ノ井―長野間及びその周辺部における旅客流動調査をJRと共同して実施し、情報開示したり、鉄道の未来を語る懇談会を県内私鉄が同じテーブルに着いて開催したり、「長野県」調査委員会を立ち上げ、しなの鉄道設立経過について調査を開始するなど、前向きな取り組みを行ってきており、このこと自体は大いに評価するものです。  以下、4点について知事に伺います。  一つとして、政府・与党合意は、長野以北を視野に入れて考える場合でも、全く不当なものであり、整備新幹線の建設が進む中で全国の在来線沿線住民と自治体に困難を広げるもので、粘り強く撤回を求めるべきだと思いますが、いかがですか。  二つとして、公表されている資料を見ても、無償譲渡が有償になった問題、篠ノ井―長野間の問題については、結果として不当で一方的な結論だけを押しつけられています。事の不当性を明らかにし、改めてJRと交渉すべきと考えますが、見解を伺います。  三つとして、しなの鉄道の処理策は、長野以北をどうするかを見通しながら、トータルとして考えるべきと思いますが、どうでしょうか。  四つとして、しなの鉄道の支援策は100億を超える県財政の使い方にかかわることであり、県民の足をどう守るかという県の責任が問われる問題で、株式化した上で減損会計を適用するという県の考え方を拙速に決めておろすのではなく、債権の株式化がいいのか、上下分離方式がいいのか、料金値上げをどうするのかなど、考えられるさまざまな選択肢を示した上で県民的議論を巻き起こし、意見を徴すべきと思います。  長野―篠ノ井間の獲得問題を交渉するのに、JR対しなの鉄道の交渉で勝ち目があるのか。JR対県との交渉にするべきではないかという考え方もあります。上下分離方式での英国での失敗は、細かく民間に切り売りし、事故があった場合に責任のなすりつけ合いになったと聞いています。そのことを教訓とした対応も検討されてよいのではないでしょうか。知事の見解をお聞かせください。       〔農政部長鮎沢光昭君登壇〕 ◎農政部長(鮎沢光昭 君)順次お答えいたしたいと思います。  大きく三つの点で御質問があったかと思うんですが、まず1点目の米政策をこのまま進めるのかという点でございます。  米の政策につきましては、16年度から新たな方針に変わって、平たく言えば売れる米づくりをしようということになったわけです。長野県は中山間地域を多く抱えているわけでございまして、そういうところで本当に売れる米づくりということができるかということになると、非常に大きな課題を抱えていることは承知しているところでございます。  そういう中で、私たちは、売れる米づくりというのは銘柄米だけではないということで、銘柄米だけじゃなくて、値ごろ感で売り切ることもできるだろうし、あるいは中山間地という特徴を生かして、水系が同じであるとか、そういうことで栽培方法を統一する中で、いわゆる低農薬だとか、そういうような取り組みをして消費者に売っていくということが大事だろうと思います。  そこの中で、これからの米づくりにつきましては、今までのように一律減反ということではございませんで、三つの選択肢があるということでございます。一つは、国が進めようとするメリット措置を受けながら、与えられた生産数量をこなしていくということでございます。もう一つは、生産調整には参加してメリット措置を受けるわけですけれども、産地間協定というのを使いまして、その分自分では負担するわけでございますけれども、産地間協定で得た数量だけを一生懸命自分でつくっていくという、そういう人たち。それから、もう一つは、メリット措置はもう要らないですよということで、米が変動しようということにかかわらず、そういうリスクを返上して自由に米をつくると。こういう選択肢が広がったということでございますので、米づくりにつきましては、そういうもろもろの条件を踏まえて、私たちは地域の皆さんと一緒になって考えながら進めていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。  続いて、2点目の直売所への支援のあり方、こういうことかと思います。  直売所につきましては、14年の統計でちょっと古いかもしれませんけれども、県内に298の直売所がございます。それから、スーパーなどの中でグループが販売しているというようなのが165カ所ということで、全体で463カ所、農家の皆さんやそういうグループの皆さんが直売所をつくって販売しているという施設がございます。  こういう施設につきましては、それぞれのグループの皆さんが自律的に取り組んだり、あるいはJAの直売所として取り組んだり、その形態はいろいろあるわけでございますけれども、その中のPOSシステムだとか、そういうものに対しては一部支援はしてきているわけでございますが、ハウスを建てるとか、一部あったかと思いますけれども、余り大きな立派なハウスを建てることによってかえって負担が、固定費が増すということで後が大変になっているという事例もございますので、この辺はやはり販売計画とかそういうものをよく見てやっていかないといけないんじゃないかなと思っているところでございます。  いずれにいたしましても、私たちは、これから地産地消というのを進めていく上でこれは有効な手段の一つであると、こういうふうに認識しておりますので、これからも一緒に支援をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。  それから、3点目でございます。  公共事業を見直して、価格安定、担い手への対策をということでございますけれども、公共事業につきましては、私たちは、必要なものについては、例えば水とか、そういうものについてはちゃんとしっかりやっていかなきゃいけないだろうと思っております。ですから、厳選をして公共事業については今進めているところでございますし、見直してということじゃなくて、私はやるべきことはやっていきたいと思っております。  それから、価格安定、担い手対策については、当然、担い手対策は重要な対策でございますので、これについては、今定例会にも予算の要求をしているとおり、担い手対策を充実してこれからも進めていきたいと思っています。  なお、価格安定対策については、従来よりございます安定対策につきまして、引き続き堅持するように国にも働きかけているところでございます。  以上でございます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)御指摘のとおりの部分が多くございまして、論理的に考えれば、北陸新幹線は、開業から間もなく長野行き新幹線、あるいは今長野新幹線と呼ばれているわけでございます。これの意味するところは長野駅までの新幹線ということでございますので、並行在来線ということで申し上げれば、これは長野駅までが並行在来線になるわけでございまして、篠ノ井新幹線や篠ノ井行き新幹線では断じてないわけでございます。こうした点は、今、毛利さんの御指摘のとおりでありまして、私どもは、この点に関しまして、「長野県」調査委員会というものは、オリンピックの帳簿のみならず、極めて不可解な並行在来線の譲渡の経緯というもの、この点について明らかにするべく設けているわけでございます。  過日も、1月29日の日に、鉄道の未来を語る懇談会というものを県内の鉄道経営者の方々と行いまして、東日本旅客鉄道の長野支社長は取締役でありまして、この斉藤何がし氏も御出席をいただいて、この場において、長野以北の並行在来線化という、長野以北という形ではなくて、まさに軽井沢から県境まで、あるいは新潟も含めてでありますが、これを一体化として考えねばならないということは既に申しております。これは地元の方によって御議論いただきたいというような御発言がありましたので、まさに長野支社長として地元に根づいた鉄道運営をなさっている取締役であり、役員のメンバーでありますから、地元の代表であられて一緒に御議論に参加いただくということを私は申し上げているところでございます。これは既にホームページでも音声及び活字で公開をされているところでございます。  したがいまして、長野以北の問題を含めてでもありますし、あるいはそれ以前に、1問目のまさに撤回の部分ということは御指摘のとおりであろうと。そのために、私ども今まで企画局においても乗客の流動という調査もしてまいりまして、これは、上田方向から御利用になる方が、松本方向から御利用になる方よりも、はるかに多く篠ノ井―長野間はいるということであります。  また、現実的に考えますと、これは、並行在来線が、篠ノ井―長野間はJR東日本が保有したまま、長野以北をしなの鉄道、もしくは他の会社によって行うということになりますと、乗務員はすべて篠ノ井と長野で入れかわるという形になるわけでございますし、これはJR東日本においても経営効率上も安全上もいかがかと思うわけでございます。  これらはトータルに考えることですし、トータルに考えるというのは、決して10年強後の長野以北の運行ということを待ってトータルに考えるということではなく、現時点から行っていくことであります。そのために先般もこの会合を行っておりますし、また「長野県」調査委員会もそのために発足をしているわけでございます。  ある意味では、JR対しなの鉄道ではなく、JR対長野県ではないかという御指摘でありますが、しなの鉄道に関しましては、長野県が最大の株主であり、それぞれ組織体は違いますけれども、あえて申し上げればJR東日本、国土交通省対長野県、しなの鉄道ということであります。ただ、この対というのは、いたずらに対立をするということではなく、根底にあるのは御利用者の方々にとっての安全や利便性、また、他の地域に先駆けて近く九州においても新幹線が開業するわけでありまして、並行在来線がまた生まれるわけでありまして、こうしたところの先駆けでありますしなの鉄道の自律性という観点から考えるということでございます。  減損会計のみならず、上下分離等さまざまあるのではないかというような御議論でありますが、私どもは、減損会計という形において行うことが結果として県民益にかなうということを申し上げてきているわけでございます。そして、この点に関しまして、減損会計を導入していけるという形が、ようやく、昨年の暮れにおいて、国の側でも認めてくださる形になってきたわけでございます。  また、仮に減損会計を導入しませぬとも、資本金5億円以上の企業というものに関しては、あと2年ほどで減損会計というものを半ば強制的に導入せよという形にはなっているわけでございます。  そして、過日、企画局長の田山が沿線の市町村長の方々にも御説明に上がっておりますが、長野市の鷲沢正一市長も、県が下を持つというような上下分離のやり方は行わない方がよいという貴重な御提言をいただいております。鷲沢市長と私がある意味では考えを一にしているという大変貴重な接点でございまして、これは大変に大事にいたしたいと、このように思っているところでございます。  こうした観点から、私どもは、減損会計という方向で、そして16年度中においても債権の株式化の予算計上というような形も行うべく、現在準備を進めておりますし、幸いに、沿線市町村長の方々も、上下分離ではなく、減損会計をすることによって市町村の方にも固定資産税というものが入るわけでございまして、現下の大変な交付税の急減という中において、これはその場しのぎというようなものではなく、こうした固定資産税が入ることによって、まさに東北信地域の方々の足であり、そして、そこをめでてくださる方々が御利用になるものでもあるという意識がより高まるのではないかと、このように期待をしているところでございます。  いずれにいたしましても、新年度に入りまして、この問題に関してもすぐに沿線住民の方々にもきちんと御説明をして、自律的にしなの鉄道が運行できるようになっていくということが長野以北の問題にもかかわってまいりますし、また、他の都道府県において今後生まれてくる並行在来線を運営なさる方々の模範ともなることであろうと、このように考えております。  いずれにしても、JR東日本あるいは国土交通省の側と交渉していく上で明らかにすべき点というのは、かかる委員会あるいは私どもの内部資料においてもきちんと鋭意調査し、把握し、また公表していくところでございます。よろしくお願いいたします。       〔15番毛利栄子君登壇〕 ◆15番(毛利栄子 君)農業問題につきまして部長さんの方から御答弁いただきまして、ありがとうございました。  90年代は、農業予算の中で公共事業の占める割合が6割から7割にも及んで、年間400億円ないし500億円が大型農場や圃場整備など基盤整備に使われていました。しかし、平成16年度は最高時の35%になり、初めて5割を切る編成になって、200億円を切るようになっています。この使い方を歓迎するとともに、ぜひ、今後とも、農業予算は身の丈に合った公共事業に転換をして、価格の安定対策や担い手対策、農業の再生産を支えるものに使ってほしいことを切望いたします。  次に、しなの鉄道の問題につきまして知事から御答弁をいただき、私が御提案申し上げたことについて前向きなお答えをいただきました。こういう点をぜひまた押さえてほしいというふうに思います。  本日の新聞報道によりますと、与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームが、北陸新幹線長野―金沢間を平成18年度に開通を目指すというふうにしているわけです。いよいよ、この対応は急務となっているわけであります。  そこで、知事は、対ということで、対立するではなく、国土交通省、JRとも話し合いたいとおっしゃっておられましたが、政府・与党合意の中でも、本申し合わせに係る事項については、国、地方公共団体の財政事情、行財政改革の進捗状況、建設費の変動等の社会経済情勢に照らし、必要になった場合には逐次見直すことにするという項があります。国の三位一体改革の影響で地方自治体はかつてない苦境に陥られているわけですから、この項目自身もぜひ盾にとっていただいて、強力な交渉に当たっていただきたいと思います。  それから、先ほどの減損会計の問題の中では、現行のしなの鉄道の経営の到達の中でやられていると思うわけですが、しかし、今後のことを考えれば長野以北も含めて考えていただかなければなりません。長野―黒姫間は現行のしなの鉄道どころではなく、完全に赤字になることは目に見えています。ですから、それらを含めて処理策を考えなければ、次々と税金を投入しなければならない仕組みになってしまうわけであります。  また、篠ノ井―長野間をJRに中抜けされたまま、先ほど知事がおっしゃったように、長野以北がまたしなの鉄道の運行になるという、線としてつながらない不正常さは何としても解決しなければなりません。ここで、ドル箱である篠ノ井―長野間をしなの鉄道にという交渉が避けられないものになるわけで、それができるのは長野県しかありません。改めて知事の決意をお聞かせ願いたいと思います。  続きまして、高校改革プランについてお伺いをいたします。  本年実施された高校入試の自己推薦制、4通学区制についての十分な検証、検討がされない中で、既に高校教育の全面的な見直しを含む高校改革プランが示され、検討委員会も発足して論議が始まっています。  プランは、現状の課題を、生徒の多様化、社会の変化、生徒数の減少の三つにあるとし、8タイプの魅力ある高校を規定して、1学年平均6学級が望ましいとしながら、適正規模の名のもとに統廃合を打ち出しています。そして、これらの改革プランをことしの11月までには仕上げて、平成17年度から順次着手していく方向を示しています。  私は、今の進め方は余りに拙速で、肝心の高校生や県民不在のままなされようとしていることに不安を覚えます。統廃合先にありき、17年からの実施先にありきの対応ではなく、高校教育の制度そのものを大幅に変えていく重要な中身であります。生徒の意見、父母の意見、教師の意見、県民の意見をよく聞いて、多様な形態での論議を重ね、十分時間をかけて取り組んでほしいと思いますが、教育長の御所見をお伺いします。  次に、開かれた学校づくりについてお聞きします。  教育基本法には、教育の目標を、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民を目指すとはっきりうたっています。そのために、学校は公の性質を持ち、教育は不当な支配に屈することなく、国民全体に対し直接に責任を負うものであるとされました。親や地域が学校のことに口を挟めなかった時代から、今では開かれた学校づくりはどこの学校でも意識的に取り組まれるようになりました。  私は、開かれた学校づくりとは、生徒、教職員、保護者それぞれが対等の立場で言いたいことを言い合える場づくり、学校や地域の差し迫った教育課題、教育方針を徹底して論議し、共通認識を育てる場づくり、お互いが抱える重荷をお互いがおろせる場づくりだと理解しています。中核となる三者協議会も広がりつつありますが、教育基本法の精神を具体化し、豊かに展開するものでなくてはなりません。  過日、辰野高校の取り組みが長野市で開催された全国教育研修集会で紹介され、大変深い感銘を受けました。生徒の荒れ、地域住民の不評など、学校の困難を三者協議会の中で取り上げ、生徒も父母も教職員も、それぞれが学校づくりの主人公として粘り強く力を合わせることで、ごみ問題、アルバイト、制服問題、市町村合併問題など次々と解決していき、それが授業改革にも及んで、学校が、とりわけ生徒が自信と誇りをつかみ、劇的に変わっていく様子は本当に見事です。県内には、ほかにも、公私立高校でのこのような生徒を主人公にした取り組みが関係者の努力の中で始まっています。ぜひ、こういった取り組みに光を当て、三者協議会を、単なる形式ではなくて、学校運営の基本に据えていつてほしいと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、岡谷市の田中線の拡幅改良について土木部長に伺います。  岡谷市の南部を下諏訪町に向かって走っている田中線は、幹線道路として交通量も激しいわけですが、従来、岡谷東高校や田中小学校の通学路であるにもかかわらず、歩道もなく、冬などは除雪した雪に阻まれて通行にとても危険な状態でした。しかし、数年前に駅側から拡幅改良されて、両側に歩道もつき、住民の皆さんや利用者から大変喜ばれておりました。  ところが、途中でとまったまま現在に至っており、このままでは今まで進めてきたことの投資効果も得られず、急に狭くなっているところはかえって危険です。再三、工事の再開をお願いしてきたわけですが、その区間は反対運動が根強い市施行の湖畔若宮土地区画整理地内になっており、膠着状態のまま行き詰まっていて、都市計画の網がかかっているからとの理由で放置されたままにされているのです。  問題の箇所までは用地買収方式で進めてきたのに、継続の場所は住民から土地を無償で提供を受けなければ工事が進められない、こんな理不尽なことはありません。同じ直線道路がこのような状態であっていいのでしょうか。区画整理地内であるないにかかわらず、一つの幹線道路として、中途半端でなく、一日も早い工事の促進を望みますが、土木部長の見解をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)先ほど申し上げましたように、とりわけ篠ノ井―長野間の問題を含めた旧信越線区間のしなの鉄道、この問題、篠ノ井線区間ですね、これは県が率先して取り組んでいくべき問題であろうと思います。  ただ、その場合においては、しなの鉄道、あるいは沿線の市町村、こうした多くの方々が、私どもの一貫した地元の足であり、また遠来から訪れる方々の利便や安全のために、私たちが自律的にこの篠ノ井―長野も含めて、自律的というか、私どもが主導権を持って運営していけるということのために御協力を全県的にいただけるということが基本ではございます。  こうした皆様の御支援があれば、率先して、この問題は恐らく他の道県においても今後出てくる問題でございますので、先駆けとして奮励努力したいと思っております。       〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長(瀬良和征 君)順次お答えいたします。  まず、高校改革プランのお尋ねでございますけれども、16年4月から12通学区を4通学区にし、また自己推薦制を導入したわけでございますけれども、そういうふうな改革とともに、16年度、17年度、18年度にかけまして高校改革プランを行うというところでございます。  通学区制の改革とか、それから入試の改善というふうなこととあわせて、どうして今高校改革プランが急がれるかということでございます。  第1回目の検討委員会を1月に行ったわけでございますけれども、そこでも御説明したわけでありますけれども、現在、高等学校におきましては、生徒の不本意入学であるとか、自主的な学習意欲の欠如、あるいは不登校、また中途退学者というものが大変多く出ているわけでございます。また、一方におきまして、少子化によりまして高校生が減ってくるというふうな状況の中で、まさに高等学校の体質を根本的に見直す時期にまいっております。  加えて、先ごろ中教審の方からも、いろいろと問題になっておりますけれども、学校の運営そのものもいわゆる地域に運営を任せようというふうな動きも出てきているわけでございまして、地域や学校が主体的に学校運営に取り組む、携わるということも非常に必要になってきているわけでございます。そういうふうな中で、教育改革、高等学校の改革プランも急いで実施しなきゃならないと、一刻も猶予がならないということでございます。  そういう中で急がなければならない課題でありますけれども、拙速を旨としているわけではなくて、必要な改革につきましては議論を深める中で順次取り組んでいきますけれども、よく県民の皆さんの意見や地域の方々の御意見、高等学校につきましては、県立高校は今89校ございますけれども、従来からの地域高校も含めて、地域社会に非常に密着しておるわけでございまして、それぞれの方々の御意見とか御要望というものを踏まえて、じっくりと検討してまいりたいとは考えているところでございます。  それから次に、開かれた学校づくりというお尋ねでございます。  まさに、今も申し上げましたけれども、教育というのは、ともすれば今までの日本の教育というのは上意下達的な中で、いわゆる教育への権利というものが子供や保護者にあるのではなくて、どちらかといえば行政の側に教育の権利があったわけでございますけれども、これからはまさに教育を受ける子供や保護者の側に教育の権利があるという視点が大事であるわけでございまして、そういうふうな中での開かれた学校の運営というのが必要であります。  そういうことにつきましては、例えば学校評議員制度の取り組みというのが行われておるわけでございまして、現在、15年度におきましては89校全校におきまして学校評議員制度が実施されているところでございます。  議員の御指摘されました辰野高校におけるような三者協議会、私も本を読みましたけれども、非常によい取り組みであると思っております。そういうふうに各学校がそれぞれ創意工夫して、その学校の実情に合って、子供や保護者や先生方が協力して、みずからの学校はみずからでつくるというふうな気概を持っていろいろな取り組みが行われることを私どもも期待しておりますし、またそれを支援してまいりたいと考えているところでございます。       〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長(小市正英 君)岡谷市の田中線の改良についてというお尋ねで、この田中線、県道名で言いますと岡谷下諏訪線ということでございますが、都市計画決定をされております街路ということで田中線という名称でございますが、今お尋ねがありましたのは若宮地区の区画整理事業の中の未改良区間のお話だと思いますが、田中線、いわゆる岡谷下諏訪線につきまして、若宮地区の約300メーター区間と、もう一つ、丸山橋の近くの450メーター区間、この二つが未改良区間になっておりまして、それ以外は16メーターの街路で整備がされているところでございます。  この二つの未改良区間のうち、若宮の区画整理内のところでございますが、岡谷市では、平成8年にJRが立体化になりまして、この若宮地区の面的な整備ということで土地区画整理事業を起こして面的に整備をしていこうということで、平成8年に土地区画整理の区域決定もしたところでございますが、その後、地元の皆さん方の反対等がございまして今日に至っている状況にございます。  市におきましては、現在、まちづくり検討会等もつくりまして、地元の皆さん方の意向を踏まえ、この区画整理事業が成立して事業化できるべく今いろいろと努力をされ、話し合いを続けているということでございますが、基本的には、都市計画の区域にもう既に決定をされておりまして、その中にある街路といいますか、それにつきましては基本的には区画整理事業でやるというのが原則になっておりますが、そういうようなことから、今、市の方で、一生懸命、今申し上げましたような地区との話し合いを進めております。その辺のところの状況も踏まえてまた市の方と相談をしていきたいと思っておりますが、今お話にありましたように、そういう事業ではなく、言うなら直売方式で道路だけ整備をしたらどうだという御要望も地元から出ているようでございますが、いずれにいたしましても、市も一方では区画整理事業をぜひ立ち上げたいというような、そういう話し合いといいますか、そういうことも進めておりますので、また市の方とよく協議をしてまいりたいと思っております。  一方、私ども、先ほど言いました丸山橋の方の450メーター区間、これは街路だけで、区画整理がかぶっておりませんので、この区間の改良を先に整備するということで、これは、16年度、来年度から補助事業で着手をいたしまして整備にかかっていくことにしております。この事業の促進を図りながら、一方、若宮地区につきましては、また市の方と協議をして、よりよい方向に向けて取り組んでまいりたいと思っています。       〔15番毛利栄子君登壇〕 ◆15番(毛利栄子 君)教育長の教育改革プランにかかわってですが、じっくり時間をかけて取り組みたいというその答弁については信じます。しかし、その上に立って、どういう形で住民意見を入れていくかという点についてはまだ先が見えないものがあります。一方的な説明に終わらせることなく、同じテーブルでディスカッションをする機会なども大いにとっていただいて、本当に住民の皆さんのよく反映された形で望ましいものを探っていってほしいと思いますが、それらについての所見を伺います。  それから、田中線の問題につきましては、先ほど部長さんからもお話がありましたが、行き詰まっているわけですが、この行き詰まりを打開するためにも、ぜひ県としても骨を折ってほしい、そのことを切に要望いたします。  日本が戦後初めて武装した自衛隊を海外に送り、戦後培ってきた平和や憲法25条の生存権が著しく侵されようとしている今、あるべき税金の使い方、県民参加のあり方を求めて改革を目指す長野県にとって、それを支えるのは県民の皆さんだと思います。県民生活に心を寄せ、職員とのパートナーシップを大切にしながらさらに頑張っていただきたいことを求め、私もささやかですが一石を投じる決意を込めて、一般質問を終わります。       〔教育長瀬良和征君登壇〕
    ◎教育長(瀬良和征 君)お答えいたします。  議員御質問のように、改革は、迅速にやるとともに、慎重にやるという姿勢でございます。  それで、その中に、もちろんこれほどの大きな高校の改革見直しでありますから、県民から多くの意見を集めてその中身に生かしていくということはもちろんでございます。既に高校に上がる前の中学校のお子さんたちのアンケートをとったりして徐々に行っているわけでございますけれども、これから16年度、17年度と検討を進める中で、それぞれの必要な時期に、段階ごとに、地域の住民だけじゃなくて、学校の関係者、あるいは生徒、中学生や現に高校に上がっている子供さんたちのアンケート、それから保護者の皆さん、それから学校のそれぞれの関係者の皆さん、さまざまな各界の御意見を十分にお聞きしていきたいというふうに考えております。  そういうふうな中で、県民の意見が十分に反映できるような高校改革プランでなければ実効性の上がる高校改革にならないわけでございますので、その点につきましては肝に銘じて十分に行ってまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小林実 君)次に、高橋宏議員。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)高橋宏でございます。  稲荷山養護学校のことについて、皆さんの期待に添えるよう質問をしたいと思います。  まず、林務部長にお尋ねをいたします。  12月の議会のときに、273立方の事前調達が削除される議案になったわけでございますが、その後、林務部ではどのような対応をされ、また教育委員会とはどのような協議をなされ、そして今日どのような方向で臨むのか。まず林務部長にお尋ねいたします。       〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長(鷹野治 君)お答えを申し上げます。  12月議会以降、県有林を使うこと等について、どのように教育委員会等と調整をしたのかというお話でございますが、私ども、12月県議会の高橋議員の御質問にもお答えしたとおりでございまして、木材調達に関しましては、政策的な意味もございまして、私有林を活用としておるところでございます。  以上でございます。(45番高橋宏君「教育委員会とは協議したの」と呼ぶ) ◎林務部長(鷹野治 君)失礼いたしました。教育委員会と県有林の利用についてのお話はいたしておりません。  以上でございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)林務部が積極的に関与をすると、こういうことになっていたわけでございます。そして、12月議会が終わったこと、私有林の話はあのとき聞きました。以後、何もしていない。そうすると、18年4月開校でやろうとしてしっかり応援をすると言っていたことはどういうことになるのか。答弁をお願いします。       〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長(鷹野治 君)お答えを申し上げます。  私ども自身、今回の稲荷山養護学校の改築に絡む木材の供給に関する私どもの基本的な考え方でございますけれども、これは3月8日の島田議員の御質問にもお答え申し上げておりますけれども、稲荷山養護学校における県産材の利用は、停滞する林業活動に活力を生むと同時に、確かな品質の信州の木を安定的に供給し、県産材の新たな流れをつくり出し、今後の他の学校建築などの公共建築の木質化に大きく道を開く契機となる最重要プロジェクトとして取り組んでいるところでございます。  したがいまして、私どもは、稲荷山養護学校建築に必要とする県産材については、先ほども申し上げましたとおり、私有林を中心に調達していくべきものと考えておりまして、この調達に係る技術的な面の指導ですとか、そういう部分の助言ですとか、いろいろな部分で私ども御協力申し上げる所存でございます。  以上でございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)今のお答えのとおり、まことに残念でございます。  例えば、あのときに否決されても、本当に18年4月開校に向けて努力するならば、ブナの大作戦という林務部の事業があるわけでございます。660ヘクタールから2,300立方の木材を、11月からこの3月まで市場へ出すと言っているんですよ。それで、この間確認をいたしましたら、確実にそれは届いたと。しかしながら、林務部から長いのを切れとかないから、全部4メートルですよ。  例えば、273というのは、正直なことを言うと、WTOの関係でそれ以上は買えない、2,900万以上は。2,900万以上は買えないということですから、あれによって273立方を決めただけであって、それもやらない。そして、材木があるのないのと。また後で教育委員会に聞きますが、戸隠、ここで3月までに300立方、来年以降、国有林で東信で1万立方も出るそうですから、安心して材木はあるということでございますので、ぜひ、そういう意味できちんと対応をお願いしたい。  特に、林務部長にお願いしたいのは、11月24日にやったような会議を今度は堂々とやってもらって、応援をしてもらうように頼むのが林務部長の役目だと。そうでなければ、一体、協力する、技術的協力、そんなことを聞いているわけじゃないですよ。私は、そういうきちんとした対応をとってもらうことを望んでいるわけです。もう一度、答弁をお願いします。       〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長(鷹野治 君)お答えを申し上げます。  木材調達に関するお話でございますけれども、まず、11月24日に会議をやって、堂々とやれというお話もございましたが、現在予定されている事業の進め方によりますと、事業者が一括して工事を請け負われるという形になりますので、実際の木材調達は請負事業者が調達なさるようになるわけでございます。  そういう意味では、私ども、先ほど技術的な問題というふうに申しましたが、今回の場合は、県産材に関して、例えば含水率ですとか、あるいは弾性値関係の指数ですとか、そういう部分でかなり厳しい検査をしていかなければなりません。乾燥技術の問題ですとか、そういう部分でいろいろな形でそういう業者の関係の技術指導をしていかなきゃいけない。そこが非常に大きなウエートを占めるんではないかなと。このようなことから、先ほど技術的な部分の御支援というふうに申し上げたわけでございます。  そのほかの部分で、円滑な供給を確保するために私どもできることであれば、その範囲で十分御協力は申し上げて、対応はしてまいりたいと、このように考えているところでございます。  以上でございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)また矛盾をすることができちゃった。例えば、業者は民有林で買うか、どこで買うか、私はわからない。だから、県産材であればいいということ。間伐材であろうが、近くにあった材木であればいいというふうに考えているわけで、民有林と今林務部長は言ったけれども、業者はどこから買うかわかりません。県産材であればということになるんではないでしょうか。  それでは、住宅部長にお尋ねをいたします。  2月14日ごろの北川原事務所との契約のときに、やっぱり設計期間は最低1年から1年半欲しいという要望があったというふうに北川原事務所からお聞きしました。それでは、なぜ6月30日から9月30日にして、防火対策も雪対策もしっかりやりますよとしてなぜ9月30日に切った。1年かかるんなら、最初から1月30日にすればいいじゃないですか。  ということは、今まで、5人の業者のプロポーザルの委員会に入るときに、何かがあったんじゃないかとうかがい知れるものが考えられるかなと、こういうふうに私は一人で判断しているわけです。だから、その辺のところはどうしてそういうふうになったのか。  それから、もう一つ、この間、保護者の皆さん方に聞きました。北川原さんになったら、ちっとも我々の意見は通らない。そして、図面をもらったら、これは返してくださいと言ってすっと回収されちゃった。検討するどころでもない。RCのころは、県の職員が来て一生懸命皆さんの意見を聞いていたと。  それでは基本的設計図というのはあったのでしょうか。9月の予算のときに、基本的設計図まで断ち切ってやったからお金をくださいということなんだ。それで8,080万円になったわけだ。基本設計がなかったら、最初から基本設計と実施設計を組んでくださいというのが、私ならそう言う。ところが、それを言えない。その5人の入札のときに何かがあったのかなと、こういうふうに思うからですよ。ただ、私一人だから間違ったら困るから、そのことは言いませんけれども、そういうことがきちんとできないというのはおかしいんじゃないかなというふうに思いましたので、御答弁をお願いいたします。       〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長(中村芳久 君)お答えをいたします。  まず、2月14日の契約の際に、なぜ6月30日ではなくて9月30日で、なおかつ、もっと長くなかったかという御質問でございます。  このことに関しましては、たしか村上議員の御質問にお答えしたと思うんですけれども、プロポーザルの際に、確かに北川原温建築都市研究所から期間が短いという話がございました。しかし、これは、決して1年とか1年半が云々ということではなくて、改めて保護者の皆さんだとか学校関係者の皆さん等と共同してプランをつくっていきたいから期間が短いという話がございました。それを受けて、プロポーザルの選考委員会で決定するときに、委員長の方から、県としてはそれに対して期間を少し配慮するようにという示唆がございました。しかし、それは、何カ月にしろとかそういうことでは一切ございません。  北川原温建築都市研究所にプロポーザルの結果決まったときに、私ども施設課としては、北川原さんと相談をしまして、そういうようなことで委員会から示唆を受けたがいかがなものかということで御相談を申し上げました。その結果、北川原温建築都市研究所の方から、2月の12日付でこういう文書が来ております。前段はそういうようなことで延長してほしいと、現時点では少なくとも3カ月程度の期間を予想されますということで文書が来ております。したがって、私どもは、プロポーザルの審査委員会の示唆もございますもので、9月30日まで期間を延長してやったということでございます。  それと、2点目の基本設計図があったかどうかということでございますけれども、それは、前々から申し上げてございますように、13年のうちに私ども施設課が基本設計についてつくってまいりました。それは、当然、学校の改築検討委員会等と相談しながら基本構想をつくり、それに基づき基本設計図をつくってまいりました。そして、平成14年の6月議会を経て、7月に、その基本設計図に基づいて実施設計図の作成を発注したというのが今回の始まりでございました。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)今お話ございましたように、基本設計はRCの3階建ての基本設計、それを木材の2階建てに使うこと自体がおかしいと、こういうふうに私は思うわけでございまして、その辺をもう一度御答弁をいただきたいと思います。       〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長(中村芳久 君)お答えいたします。  第2回目のプロポーザルを出したときには、基本設計に基づいて実施設計をつくるという大原則はあります。しかし、そこにいかに多くの木材を使うことができるかということで問い合わせておりますものですから、基本設計をそのまま使って木造にできる人もいるかもしれない、あるいは、もっと前に戻って、基本設計まで戻って実施設計に至るものがいるかもわからない。そういう段階で、障害を持つ児童生徒のためにいかにいい学校をつくるかということで提案をいただいたわけでございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)そうすると、基本設計に立ち返ったからお金をよこしてくださいというのはおかしいですよ。木造でできるかもしれないと言って約束しておいて、9月30日までできない。そして、選考委員会の團さんのところへ行って、お金やってもいいよ、期間延ばしてもいいよと。先ほどのように、RCの中で基本設計に立ち返ってやる人もいるかもしれないと。だから、そういうつもりで受けたのに、どうしてお金を払うことになるのかということになってしまうかなと思うんですが、もう一度、住宅部長。       〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長(中村芳久 君)いずれにいたしましても、基本構想、基本設計に基づいてまず建築を始めようとしました。しかし、そこで、もっといい学校に関する提案がないかということでプロポーザルをしたわけでございます。したがって、プロポーザルというのは、製品を求めたわけではなくて、技術だとか考え方だとか発想を求めたわけでございます。したがって、そのプロポーザルによって選考されたものと、私ども住宅部はもちろんですけれども、教育委員会も林務部も一緒になって、どういう学校をつくっていったらいいかということで検討したわけでございます。そうしているうちに、そうしているうちにというか、そのことが私どもがつくっていたRCに基づく一部3階建ての基本設計とは違ったものになっていったということでございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)検討していったら木造になっちゃったと、こういうことですから、話はえらい違うんですよ。10月の10日ごろ、知事からこういうことをやってほしいと、木造で検討しろと言われてそういうふうになっていったんです。ということで、その辺は委員会でまたやらさせていただきます。  教育長にお尋ねいたします。  15年の2月の議会、それから15年の9月の議会、12月議会の総事業費、そして床面積を全部教えてください。       〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長(瀬良和征 君)議員お尋ねの件でございますけれども、15年2月当初、それから9月、12月と多少面積等も変更いたしましたし、額も若干変更いたしました。その細かい数字については今そろえて手持ちにないわけでございますので答えられませんけれども、大ざっぱに申し上げますと、面積につきましては1万4,000平米と。その前後の動きはあったと思いますけれども、当初の規模そのものを大きく変更したということはなかったと思います。それから、額につきましても、議員も御存じのように、当初は総額56億円余でございまして、その中のいわゆる校舎の本体については43億円程度ということも、それほど大きな変化はなかったというふうに承知しております。  それから、先ほど来の御質問の中で、高橋議員の方から、昨年の9月のときに、昨年の8月11日のプロポーザル審査委員会後に、9月の県議会に設計費の増額、それももちろん木造にということで、昨年の9月に委員会でも極めて議論をさせていただいて、その上で委員会審議で木造にすることと、それから設計図の増額について委員の皆さんが御了解されて補正予算を組んでいただいたわけでございますので、ここにおいてそれをどうして理解されているかよくわかりませんけれども、県会においてもその点で予算を通していただいたわけで、それについては十分御了解いただけていると判断しているところでございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)もちろん、今教育長の言ったことは十分承知で聞いておる。途中から立ち返ってもいい人もいるというから、そういうふうに聞いただけである。  もう一つ、なぜそんなことをお聞きしたかというと、本当は、15年の2月は1万4,700平米、15年の9月は1万4,500平米、このときにさっきの設計図の予算、そして12月は1万4,200平米、300平米減っちゃった、そのときに材木を買うという話だったんです。そして、今回、設計図ができてきたが、それは1万4,481、約1万4,500と言ってもいい。  そうすると、この設計図のお金をくださいというとき、あるいは12月のときは構造材を買うからほとんどできていると、こう言った。それでも、これだけの面積の差があるということはおかしい。基本設計やそういうものがきちんとしていれば、こういうことがないはず。だから、そういうことであれば、さっきの総事業費は、例えば15年2月は56億2,000万、一般財源が23億、それから9月は55億4,000万、それから12月は55億1,000万、一般財源21億3,000万。事業費もこうなっている、床面積もこうなっている。そういう中で事前調達の木材費を承認してくださいと。我々はあのときに、よく言っておきますよ、あのときに、設計図もできてないからそのことは無理じゃないかと言っただけであって、例えば273立米の中身をちょっと申し上げます。今回の設計図は全部5.5メートル以下ですよ。あのときはどういうことかというと、私が今申し上げます、ここまできたら。実は、6メートルというのは356本あった。今回、一つも使わないんですよ、これ。どういうこと。  だから、私は、こういうことがあるから、そうするとさっきの話じゃないが、面積はこうなる、それから平米はこうなる。その中で長さまで違う。273というのは、WTOの関係で2,900万円以下でなきゃ買えないから、設計図で欲しくてこの材木を買ったんじゃないか、これに材木をあわせただけじゃないですか、私はそういう理解。だから、それに賛成しろと言われたのはおかしい。賛成した諸君もよく聞いて、また勉強してください。  それから、構造材の総使用量、あのときは2,671立方、今回は1,950立方、そして全体の量が今度は3,200立方だったんです、最初は。今回は3,700立方ですよ、500立方も違うんですよ。それを、こののが正しいから、事前着工やるからと、こう言った。そうしたら、林務部に聞いたら、今度は事前着工やったら、全然、そんな話は技術的なことですと。冗談じゃないというふうに言いたくなる。  そこで、こういうことを平気で、3回の委員会にも全部数字が違うものをかけてある。そして、6メートルを使うと言って、特別構造材だからお願いと、こう言った。何が特殊構造材だと。こういうことを委員会なり議会にかけて、そして県民に、県会議員があれを反対したから18年4月にできないなんという、冗談じゃないなと、こう思う。  そこで、教育長、一つだけお聞きします。  こういうことを平気で議会にかけていて、あなたはうそを言ったと思わないんですか。教育委員として同意したから私も切ない。長野県の教育の最高の長たる者が、こういうことを平気で議会にかけている。そのときの責任はだれがとるのかと私は思います。  そこで、教育長の答弁の後、教育委員長さん、そういう教育長さんであることはどうしたらいいかね、一言だけお聞きします。       〔教育委員会委員長佐々木則夫君登壇〕 ◎教育委員会委員長(佐々木則夫 君)何てお答えしていいかちょっと困っております。細かいことですので、教育長へ振ります。       〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長(瀬良和征 君)お答えいたします。  うそ偽り呼ばわりされたものですから、私も弁明をさせていただきたいと思いますけれども、まず、3点、高橋議員はおっしゃったと思います。  1点は、何でころころ面積が変わったんだと、額も変わったんだというお尋ねですけれども、この稲荷山養護学校の建設につきましては、昨年の1月にプロポーザル審査委員会を通り、これまでなかったような、RCではない、木造建築主体の校舎をつくるということで北川原さんに設計者が決まったわけでございます。  その中で、県の基本設計そのものが、実は当初は基本設計がかなり参考になるというふうに過程であったわけでございますけれども、実際にプロポーザルで北川原さんが設計の、いわゆるプロポーザルというのは言ってみればアイデアとかそういうものを審査するわけでございまして、結局、基本設計にほぼ立ち返ってもう一度見直さなきゃならないということになりまして、その過程で、基本設計に立ち返るということは単に事務的にやるだけじゃなくて、まさに利用される子供さん、それから保護者、学校関係者が長年にわたって基本構想を練って組み立ててきたことですから、その内容についても、一々いろんな段階でもってその人たちと相談して、いろんなことをクリアするということがありまして、いわゆる基本的な配置そのものも実は3回か4回変わったという中で、実は、現在の敷地の中で全体の要望に沿うような形で最良のものをつくるということの中で面積や金額もそのように見直してきたということでございまして、最終的には、今回御提案されたような形で決まってきたということで、面積とか金額についても決していいかげんな検討でもってころころ変わったわけではないということでございます。  それから、昨年の12月県会のときに、木材はたしか3,194.54立方というふうな形で御提出してあると思いますけれども、今回が3,761.42立方と。これは、今回の資料と前回の資料をよく見比べていただければわかるわけでありますけれども、この中にはいわゆる合板というものが入っていないんですね、六百数十立方の。これを加えれば、この3,700立方メートルに合うわけでございまして、よくごらんいただければわかるわけですけれども、前回提出した資料と今回とは若干そういうふうな、前回では木材と集成材というものを主体に出させていただいた数量でございますので、その点で若干の定義が違うわけで、決して急激に2割も3割もふえたとか、数量が変わったということじゃなくて、この前の12月の県会に申し上げましたけれども、あの段階では設計がほとんどでき上がっていて、もちろん、構造的な部分とか材木数量なんかについては9月の段階で既にでき上がっていたわけです。そういうことはこの前の12月県会におきましてもるる御説明させていただいて、決して設計図ができ上がらなければ数量がわからないということではないというふうに御説明したわけです。  事実、文教委員会の皆さんが北川原温さんと團プロポーザル審査委員長さん、お二人のほか、北川原さんの事務所のお二人の設計者の方をお招きして、当初1時間のお約束を3時間半の勉強会をされたわけです。その中でも、北川原さんや團さんはちゃんと明確に御説明しているわけですよね。それを若干読みますけれども、そもそもこの木材の県の事前調達というのは極めて公明な、いわゆる広く県民が参加して木材を集めるという事前調達というものは好ましいものだったと。その中で、例えば上原さんも言っておりますけれども、12月県会の前に、11月の17日と、それから12月の11日に住宅部や林務部、私ども教育委員会の一部の職員も参加して、業者の方々に、12月補正にかける前段で、それはできないのかということで事前に御説明したところ、実はそういうのが不透明だというふうな形でおしかりを受けたわけですけれども、上原さんが言うには、12月県会の前に木材連合会さんから県に説明に来てほしいという依頼があり、県が説明に行ったと聞いてやっと動き出した、非常に喜ばしいことだと思った、しかし、それが不透明ということでかえって裏目に出てしまったと。  また、團委員長も、愛知県の木材の事前調達においても、設計の初期の段階で判明している概算数量で発注していた、木材は生き物なので、一日ではそろわない、県議会としてこの事業を支えていただければありがたいと思う、結果論ではあるが、選定委員会の委員長としては残念に思っているというふうにおっしゃっているわけです。  それから、北川原さんもいろいろ申し上げているわけで、3時間半に及ぶ勉強会の中で、いろいろと質疑があって、十分に御理解されたと私は思っておるわけでございますけれども、ぜひその点につきましてはよろしくお願い申し上げたいと思います。  6メーターというふうなものが5.5メートルというお話で、そのとおりでございますが、いわゆる現在の木材の乾燥技術、いろいろなことを考えまして、6メーターのものよりも5.5メーターの方が実際に効率的な乾燥ができ、工期が短縮できるというふうなことによって、5.5メーターの形にさせていただいたということでございまして、あくまでも、いわゆるその後検討した形での工期が極めて、この前の12月の補正が削減された後に、どうしても工期を18年4月に間に合わせるように四苦八苦で我々は取り組んでいたわけです。北川原温設計事務所の方で、それを、短期間に工期をあわせるためにどうしようかと、そういう過程の中で6メーターじゃなくて5.5メーターにやって(発言する者あり) ○議長(小林実 君)御静粛にお願いします。 ◎教育長(瀬良和征 君)材質を6メーターから5.5メーターに変えたという経過でございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)秘密会のデータがみんなそこへ出ているようじゃ困ったなと思います。あれは公開ではなかったはずだから。それはまた委員会で聞きます。  実は、そういうようなこと、例えば6メートルを5.5にしたらどんなことがあったというふうに言われてみても、私どもに出ている資料はこれだけだから、その中で言っているわけ。どこからも私は資料をもらってきませんよ。どこからも、そっと行ってもらってなんてきませんよ。委員会に出てきた資料でやっているわけです。  そして、このごろ稲荷山の検討委員会だか研究会に行って、この辺がちょっとわからないんですが、瀬良教育長が行って、おくれて申しわけないと。そこまではよかった。そのときの面積、体育館は約1万3,000平米、それから第2期工事が8,500平米、そして第3期工事は4,800平米、これを足すと1万4,600平米になっちゃう。また100平米ふえちゃう。ということは、私はよくわかりませんが、またこれは委員会で聞きます。  そのように、私ども、ころころ変わっていることにただ疑問を持っただけで、ということは、我々はそういうことを真に受けていたから、どうしてこんなに変わるんだろうと。たから、受け取る側にすれば少しはうそ言われたのかなと、こういうだけの話で。また、どんどん委員会で質問させていただきますが、ただ、設計について、保護者の皆さんが切ながっている。こんなくにゃくにゃした廊下、車いすで押してごらんなさい、あの延長距離を押してごらんなさいというふうに言われました。設計事務所は、大きい空間の中でいるからなお不安を感じると言った。毎日生活しているお母さんたちがそういうことを言ったんですよ。だから、そういうことをなぜ設計に反映されないのか。  先ほど、地域の意見を聞きます、保護者のみんなの意見を聞きました、だから時間がかかりましたと。8月の11日のプロポーザルの委員会からいって、そのことを再度、防火と雪害対策を説明されて、慌てて東大の先生のところへ行って、どういうふうにやればいいのかといって勉強しましたと、この間の北川原事務所が言いました。ということは、8月ごろから本格的な設計に入ったのかなと私は推測をする。これは推測です。だから、これから特に保護者の皆さん方には工事について協力をいただかなければならないので、よろしくお願いをしたい。  だんだん時間がなくなりましたから、それでは、総工事費、一応43億円というのは18年開校と、こういうことになっていました。だから、43億円はいいとして、1期、2期、3期とやりましたが、その工事費は幾らか。また、方法によって、例えば12月の発表にあったように、16年から17年の前半までかけて1期工事をやって、あと2期工事をやれば、18年4月の開校に間に合う。材木も、先ほどの組合の皆さん方にしっかり頼んで間に合わせてもらう。そういうことをするのが林務部であったり教育委員会であったり、そういう連携ができてこそすばらしい学校ができるんじゃないですか。それを、林務部は技術的で、乾燥する方はしっかりやりますと。うちの議員さんのだれかが言いました。さわれば何%かわかるぐらいベテランの議員さんがいるんですよ、材木の。そういう皆さん方にちゃんと教えていただきましたので、私はこういう質問をできるわけです。  だから、先ほど村上さんも言ったように、例えばカラマツは五十何%で、あと杉とヒノキと、こういうことになりましたから、ヒノキはヒノキの皆さんで、そしてカラマツはカラマツの皆さんで、一致協力してこの大事業をすることによって、そして長野県が、ただモデルといっても、デザインがいいからモデルじゃないんですよ。そこに入った子供たちが本当に生き生きとしてそういうことができる。そして、お母さん方も、いい学校だなと感動するような学校にすること、それは形ではございません、心なんです。それがコモンズと、こういうことになるわけです。  それで、最後に知事に伺います。  18年4月開校というのは、実は12月のときに努力しますと言った。18年4月開校に向けて、先ほどの3人の各部局長さんたちにしっかりお願いをしていただいて開校に向けるべきだというふうに私は思います。そこで、知事にその決意をお聞きして質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)先ほど、高橋さん、心の問題だというふうにおっしゃいました。まさに私たちは、心の問題としてこの子供たちの学び舎が長野県の材を使ってつくり上げると。そして、建築家というものは、目が不自由な方以外は、町を歩けばいや応なしに目の中に入ってくるという極めて社会性の高いものをつくる。すなわち、それは、建物という形状だけでなく、今議員がおっしゃられましたように、心をはぐくむクリエーションでございます。クリエーターに私たちは公明正大の審査の中で依頼をしているわけでございます。そして、その方が奮励努力をなさり、そしてそれに私たちは呼応するべく、12月の議会に補正予算を計上させていただきたいというふうに御提案を申し上げたわけでございます。しかしながら、残念ながら、そのことは県民の代表であられる議員の皆様によって否決されたわけでございます。  私のところに、今、父母の方々もお目にかかりたいという話が来ております。私は、来週お目にかかる予定で現在時間を調整いたしております。私は、これをまさに議員が心の問題とおっしゃるならば、どこの材を使うとか、そうしたことではなく、あるいは今おっしゃられましたようなことではなく、私たちは一貫してこれは心の問題として住宅部も教育委員会も私も努力をしてきたわけでこざいます。しかしながら、残念ながら予算は否決されたわけでございます。そうした中においても、心の問題を早期に実現すべく議論を重ねてきたわけでございます。議論を重ねてなお、私たちの英知によってはこれはいかんともしがたいという段階にあるということでございます。私たちは、教育長の瀬良氏が申し上げましたように、部分的にでき上がったところは供用する(発言する者あり)
    ○議長(小林実 君)御静粛に願います。 ◎知事(田中康夫 君)というようなさまざまな可能性を検討しながら今日に至っております。しかしながら、議員が今おっしゃられました18年の4月の全面開校ということは、私は、これは極めて現実的に考えて難しい、不可能であるというふうに認識をいたしております。  その中において、そうした心のよりどころという建物ができるために現在もなお、先ほど関係部局長が答弁をしたように努力をしているわけでごさいます。ぜひとも、議会の皆様におかれましても、まさにそうした建設的な、つまりそれは大工さんの方々によってつくる建設ということを超えた、心の建設のための御議論や御判断を今後さらにいただきたいと私はお願いするところです。  18年4月という問題に関して、議員の御質問に関してお答えをすれば、それは極めて不可能であるということであります。 ○議長(小林実 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明12日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後5時52分散会...