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  1. 山梨県議会 2023-06-01
    令和5年6月定例会(第2号) 本文


    取得元: 山梨県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和5年6月定例会(第2号) 本文 2023-06-23 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 25 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長水岸富美男君) 2 ◯議長水岸富美男君) 3 ◯浅川力三君 4 ◯議長水岸富美男君) 5 ◯知事長崎幸太郎君) 6 ◯議長水岸富美男君) 7 ◯林政部長入倉博文君) 8 ◯議長水岸富美男君) 9 ◯農政部長大久保雅直君) 10 ◯議長水岸富美男君) 11 ◯浅川力三君 12 ◯議長水岸富美男君) 13 ◯議長水岸富美男君) 14 ◯臼井友基君 15 ◯議長水岸富美男君) 16 ◯知事長崎幸太郎君) 17 ◯議長水岸富美男君) 18 ◯防災局長(細田 孝君) 19 ◯議長水岸富美男君) 20 ◯福祉保健部長井上弘之君) 21 ◯議長水岸富美男君) 22 ◯教育長降籏友宏君) 23 ◯議長水岸富美男君) 24 ◯臼井友基君 25 ◯議長水岸富美男君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長水岸富美男君)これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。  日程第一、報告をいたします。  地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、第五十号議案について人事委員会の意見を徴したところ、お手元に配付のとおり適当と考える旨の回答がありました。        ─────────────────────────────────────── 梨人委第五百五十四号 令和五年六月二十三日    山梨県議会議長  水 岸 富美男 殿                           山梨人事委員会委員長  細  谷  憲  二              意見聴取について(回答)   令和五年六月二十日付け議調第三百五十号で意見を求められた次の議案については、適当と考えます。   第五十号  山梨職員給与条例等中改正の件        ─────────────────────────────────────── 2 ◯議長水岸富美男君)次に、日程第二、知事提出議案、第五十号議案ないし第六十一号議案及び諮第一号議案を一括して議題といたします。  これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第三の県政一般についての代表質問を行います。  発言の通告により、浅川力三君に四十分の発言を許します。浅川力三君。       (浅川力三君登壇)(拍手) 3 ◯浅川力三君 私は自由民主党・開の国の浅川力三です。自由民主党・開の国を代表して質問をいたします。  三年以上に及ぶコロナ禍は、本年五月八日に、新型コロナウイルス感染症感染症法上の位置づけが五類に移行したことにより、正常化に向けて、大きな一歩を踏み出しました。  今後は、コロナの対応により疲弊している社会・経済を早期に力強く立て直していく必要があります。
     また、原油価格物価高騰等などへの対応や自然災害への備え、人口減少対策などのさまざまな課題が山積しており、課題解決に向けた取り組みを進めていかなければなりません。  こうした状況下長崎知事におかれましては、先の知事選挙において、長崎県政の継続と発展を望む多くの県民の皆様の支持を受け、二期目の県政運営をスタートされました。  一方で、県政推進の両輪となる県議会も本年四月の選挙を経て、新たなスタートを切ったところであります。  私も多くの北杜市民の皆様の御支持をいただき、六期目の当選の栄に浴しました。これからも二十年間続けてきた現場主義を貫き、県民の皆様の声をお伺いしながら、何事に対しても誠意、熱意、創意、勇気を持って、熱き心で課題の解決に全力を尽くしてまいります。  また、我々、自由民主党・開の国は、県議会最大会派として二元代表制の一翼を担う責任と重みを常に自覚し、県民の皆様の声に真摯に耳を傾け、議員一丸となって山梨の未来を切り開くために全身全霊を尽くしてまいることをお誓いし、以下、質問に入ります。  初めに、県政運営考え方についてであります。  知事は、今回の選挙において、長崎幸太郎政策集を取りまとめ、豊かさ共創社会やまなしの実現に向けた十九の約束を県民に示し、再選を果たされました。  多くの県民が知事の再選を選択したのは、公約に共感できたことに加え、就任から四年間の知事の積極果敢な行動力と輝かしい成果によって、この先も託したいと判断したことによるものであります。  中部横断自動車道県費負担大幅削減新型コロナウイルス感染症という誰もが経験したことのない行政課題への対応、やまなしモデルP2Gシステムの技術開発県内外への展開など、一期目の成果は県政の各分野において目に見える形ではっきりとあらわれております。  知事は、令和五年二月定例県議会において、選挙の際に、県民に強く訴えかけられた本県が目指すべき姿、豊かさをもれなく届けられるふるさとを目指すために二つの視点について特に強調されています。  これからの四年間で、まず「ふるさと強靱化」という社会基盤の厚みをさらに積み重ね、その上に「開の国」という理念を展開することにより、生活圏全体として豊かさ共創社会を目指されるとのことでした。  こうした知事の思いは、県とともに豊かさをつくり上げる県民を初めとした関係者に明確に伝わるものと考えます。  この先の四年間、県民を初め、多くの関係者とともにさらなる成果をつくり出し、このふるさと山梨が皆で豊かさを実感できる社会となっていることを確信し、大いに期待しているところであります。  本定例県議会では、山梨県行政の全般に係る総合的な計画の議決等に関する条例に基づき、今後、策定する新たな総合計画の素案が示され、概要が報告されました。  計画素案では、知事の考えに基づく基本理念や約二十年後の二〇四〇年頃までに目指すべき本県の将来像とその実現に向けた政策体系などについて確認させていただいたところです。  あらゆる部門計画の上位に位置し、県政運営基本指針となる総合計画は、今後も全庁横断的に作業を進めた上で、本年十月に策定されると承知しております。  そこで、総合計画の基本的な考え方を初め、今後の県政運営をどのように進めていくのか、所見を伺います。  次に、肝炎対策についてであります。  かつて、本県では、C型肝炎ウイルス感染率が高く、肝炎やそれに関連する肝硬変、肝がんなどに苦しむ方々を多く見てきました。  私は、県議会議員当選以来、C型肝炎対策をライフワークとして、本会議での質問のたびに取り上げ、県執行部とさまざまな議論を重ねてまいりました。  今では、医療機関のネットワークが着実に整備され、医療費助成肝炎ウイルス無料検査が実施されるなど、患者、家族の皆さんを取り巻く環境が大きく前進し、まさに隔世の感があります。  とりわけ、県立病院機構小俣政男理事長が開発に取り組まれたC型肝炎治療薬により、C型肝炎の撲滅も視野に入ってきたと考えております。  県においては、これまで第一次、第二次の肝炎対策推進計画に基づき、さまざまな対策が講じられてきました。  その結果、本県における肝がんの罹患率減少傾向にあり、令和元年には、全国との差が〇・五ポイントに縮まるなど、大幅に改善しています。  また、肝がんの七十五歳未満年齢調整死亡率についても、かつては全国平均を大きく上回る状況でありましたが、令和三年には、初めて全国平均を下回るなど、取り組みの成果があらわれてきており、評価するものであります。  一方で、依然としてウイルス性肝炎肝炎患者の半数に上り、重症化しやすいため、肝炎対策が喫緊の課題であることに変わりはなく、継続した取り組みが求められるところであります。  こうした中、県では、本年二月、第三次山梨肝炎対策推進計画を策定しました。  まず、この計画の基本的な考え方について所見を伺います。  あわせて、計画初年度となる本年度の具体的な取り組みについてお伺いします。  次に、ふるさと強靱化の推進についてであります。  私が会長を務める自由民主党山梨県国土強靱化議員連盟では、安心・安全な県土づくりを推進するため、市町村議員と連携して現地視察などを行い、政策提言につなげるなど、さまざまな活動を行っております。  国に向けた活動では、国土交通大臣や自由民主党幹事長などの方々に国土強靱化対策のさらなる推進について要望を重ねてまいりました。  そのかいもあり、国の防災・減災・国土強靱化のための五か年加速化対策予算が継続して措置され、強靱化予算を積極的に活用する中で、災害に強い県土づくりが着実に進んでいることを大変心強く思っています。  強靱化に当たっては、こうした社会基盤を強固にすることに加え、地域が抱える課題を解決していくことが必要です。  本県は、首都圏に近いという有利な立地であるがゆえに、生産人口、とりわけ若い世代が県外へ流出している課題があります。  また、原油を初めとするエネルギー価格の上昇を受けて、物価の急激な高騰により生活への影響が懸念されています。  県では、知事のリーダーシップのもと、こうしたさまざまな課題に対し、必要な資源や生活・事業・医療環境、生活要素を支えるあらゆるインフラに新しい機能を増強していくふるさと強靱化を展開していくこととしています。  そこで、ふるさと強靱化について、今後、どのように進めていくのか、県の所見を伺います。  次に、リニア中央新幹線の開業に向けた取り組みについてであります。  リニア中央新幹線は、南アルプストンネル山梨工区工事や第四南巨摩トンネル工事のほか、釜無川橋梁に続き笛吹川・濁川橋梁が着工するなど、明かり区間の工事についても目に見える形で進んできております。  私は、昨年十二月に、中央リニア新幹線建設促進山梨県議会議員連盟研究委員会委員長として、相模原市に建設されている神奈川県駅を視察しました。  他の沿線都県においても、着実に工事が進んでいる状況を確認し、近い将来のリニア開業が現実になりつつあることを実感したところであります。  一方、南アルプストンネル静岡工区工事は、水資源や自然環境への影響があるとして、静岡県から着工に同意を得られない状況にあります。  また、JR東海が本年二月に開始した山梨県側から県境に向けて実施している高速長尺先進ボーリングに対しても、静岡県は先月、JR東海に対し、県境から山梨県側への約三百メートルまでの区間をボーリングにより削孔しないことを要請したということであります。  これに対し知事は、「山梨県の経済活動に対して規制をかけるのは極めて例外的な場合に限られるべきだ」と述べ、強い違和感を抱かれたとのことですが、全く同感であります。  県民を代表する県議会としても、なかなか進捗しない静岡工区の水問題が早期に解決に進み、一日も早い開業を切に望むものであり、言うべきことは主張していくべきだと考えます。  また、リニア中央新幹線のような国家的プロジェクトについては、国が責任を持って関与すべきであり、課題が早期に解決するための調整を図ることが求められています。  先月開催された自由民主党山梨県支部連合会大会では、リニア中央新幹線の早期実現と全線開通について、山梨県連の総意として国に強く働きかけることを決議したところであります。  そこで、南アルプストンネルのボーリング調査について知事のお考えを改めてお伺いするとともに、リニアの早期開業を実現するための課題の解決に向け、どのように取り組まれるのかお伺いします。  次に、人口減少対策についてであります。  国立社会保障・人口問題研究所が本年四月に公表した日本の将来推計人口によると、我が国の人口は、五十年後には現在の七割程度になる見込みであり、待ったなしの危機的な状況を迎えております。  県が人口減少対策として総合戦略で掲げる四つの基本目標のうち、産業の付加価値生産性、人口の社会増減、県民の地域に対する満足度の三つの数値目標については、令和三年度時点の検証において順調に推移していると承知しております。  特に、社会増減に関しては、移住や二拠点居住に積極的に取り組んだことなどにより、東京圏からの転入者が二年連続で増加するなど、大きな成果を挙げております。  合計特殊出生率を見ると、二〇二二年時点の目標値を一・六〇、中長期的な目標値として二〇三〇年に県民が希望する出生率一・八七としていますが、二〇二二年の実績は一・四〇と我々が想定していたよりもはるかに厳しい状況にあります。  県では少子化対策としてやまなし出会いサポートセンターなどにおける結婚支援や産前産後ケアセンターによる出産・育児のサポート、待機児童ゼロに向けた保育環境の整備など、さまざまな事業を展開しております。  さらに知事は、この憂慮すべき事態を受け、公表された翌週には、人口減少危機突破宣言を表明し、全ての施策を効果的に推進するため、県庁内に関係部局で構成するプロジェクトチームを速やかに設置しました。  引き続き、知事には強いリーダーシップを発揮し、この局面を打破していただくことを期待しております。  県では、人口減少対策のトレンドを反転させるべく、今後どのように取り組みを進めるのか伺います。  次に、山梨県立大学への子ども家庭福祉の大学院の設置についてであります。  貧困やヤングケアラーなど子供を取り巻くさまざまな課題が増加する中、児童虐待もまた、依然として後を絶ちません。  全国における相談対応件数は、令和二年度に二十万件を超え、令和三年度も過去最高を更新しており、相談内容の深刻さも増しているなど、看過できない状況にあります。  国では、児童虐待において、子供や家庭を地域社会全体でケアしていく方向性を示し、私も児童相談所を初め、市町村や児童養護施設などが連携しながら、地域における家庭支援の強化やより家庭に近い環境での養育を推進していくことがますます重要であると思います。  そこで、これらに的確に対応していくためには、人員体制の充実とあわせて、子供家庭福祉に係る職員一人一人が高度な知識や技術など、その資質を向上させていくことが極めて重要であると考えます。  こうした中、県では、全国初となる児童虐待の対応において中心的な役割を担う人材を養成する大学院を設置することとし、令和六年四月の開学に向け、県立大学が文部科学省に対して認可申請を行ったと伺っております。  国では、本年四月に、子供政策の新たな司令塔となるこども家庭庁を設置しました。  知事は、四年前に子育て支援局を設置され、結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援を効果的に進める体制を整備するなど、全国最先端の子育て支援策を展開されております。  さらには、児童虐待に対応するための大学院を他県に先駆けて設置される知事の先見性に対し、私は、改めて深く感銘し、敬意を表するものであります。  子供たちの命や未来を守るためにも、私は、今回の大学院に強く期待するところであり、大学院では、どのような人材を養成し、どのように活用されていくのか伺います。  次に、県有林の有効利用及び高度活用についてであります。  私の地元である北杜市清里の学校寮区画は、かつては都市部からの自治体や教育機関のセミナーハウスなど数多くの施設が立地し、年間を通じて多くの利用者が清里の魅力を楽しんでいました。  しかし、最近では施設の撤退により、空き区画が目立つようになっております。  この学校寮区画は、現在、中部横断自動車道のインターチェンジの設置が計画されている清里と野辺山の両地区の中間に位置し、ここににぎわいが戻れば清里再生の起爆剤となることが期待できます。  このような思いから、私は令和四年九月議会において、県有林を最大限有効利用するためにも貸し付けの考え方を転換すべきであると強く求めました。  これに対して知事からは、周辺環境と調和した質の高い利活用を進めることにより、地域のブランド力の向上と県の収入増加を図る旨の力強い答弁をいただきました。  清里の学校寮区画はもちろんのことですが、それ以外の県有林についても、これ以上、未利用地を増加させることがないよう、貸し付けに係るルールを見直すなどの取り組みを加速させることが急務であると考えます。  そこで、未利用地の発生防止やその有効利用に向けた県の取り組みについて伺います。  言うまでもなく、県有地は県民全体の財産であり、そこから得られる利益は県民に最大限還元されるべきものであります。  知事は、二十五人学級の実現や介護待機者ゼロという本県の将来の重要な礎となる政策の実現に果敢に取り組んでおります。この実現には安定的な財源の確保が欠かせません。  その意味においても、現状、開発がなされていない県有林を活用し、そこから賃料として収益を得る必要性はますます高まっているのではないでしょうか。  そして、収入を得ることにとどまらず、地域の魅力を高め、地元経済へ好影響を及ぼすような県有林の活用方法を模索することも、県民から財産管理を負託された県の責務であると考えます。  現在、県では県有林の高度活用に向けて検討を進めているものと承知しておりますが、どのような考えのもとに取り組んでいるのか伺います。  次に、メディカル・デバイス・コリドー構想のさらなる推進についてであります。  知事は、山梨をもっと豊かにしたいとの強い思いを実現するとして、本県の機械電子産業が持つすぐれた技術を生かし、医療機器関連産業への進出を支援するメディカル・デバイス・コリドー推進計画を策定し、次々と施策を展開されてきました。  昨年度までの第一期計画では、部材供給志向が強い県内企業への状況を踏まえ、従来の開発型中小企業を重視した方針を見直し、企業の状況に応じたきめ細かな支援に取り組まれました。  医療機器産業に未参入であった企業に寄せられた大手メーカーからの商談に対し、県、推進センター、金融機関により集中的に支援を実施し、その後、見事受注に至り、工場も新設されるといった協調支援の典型的なケースも生まれていると伺っています。  計画策定から三年間で、参入企業は倍増、売り上げも百億円以上増加するなど、基盤構築期でありながら我々の期待を上回る成果を挙げているところであります。  また、医療機器生産額が日本一であり、知事が先頭に立って連携を進めた静岡県からも、「山梨県はセンター開設からわずか三年。さまざまな施策や展開の速さには驚かされる」と評価されているとも伺っております。  改めて、知事の先を見る目と幅広い人脈、そしてリーダーシップを高く評価するものであります。  私は、県内経済に大きな成長をもたらす可能性を秘めた医療機器関連産業には強い関心を持っており、知事が公約で面的・質的に深化させることを掲げられたことに共感しております。  過日、公表されたメディカル・デバイス・コリドー推進計画二・〇の素案では、海外展開や対象分野の拡大など、さらなる施策の展開を図り、構想実現を進めていくとされています。  そこで、県内産業界の期待も大きいメディカル・デバイス・コリドー構想の実現に向けて、第二期計画の狙いと今後、どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、令和十四年の開催を目指す国民スポーツ大会等についてであります。  先日、山梨県スポーツ協会から知事山梨県議会議長山梨県教育長に対し、令和十四年の第八十六回国民スポーツ大会の招致要望書が提出されました。  また、山梨県障害者スポーツ協会からも同年の第三十一回全国障害者スポーツ大会の招致要望書が提出され、知事は、本定例県議会の所信表明において、令和十四年の両大会を招致する旨の決意を述べられました。  本県では、昭和六十一年に開催されたかいじ国体を契機に、選手・指導者の育成やスポーツ施設の整備などが飛躍的に進み、今日のスポーツ振興につながっております。  両大会を開催することにより、本県スポーツのさらなる振興はもとより、地域経済への波及効果や県民の健康増進など、県勢の発展に大きく貢献することから、知事の両大会を招致する考えに心から賛同するものであります。  県自転車競技連盟会長を務め、競技にかかわる立場から、私も大会開催に向け、全力で協力してまいる所存であります。  一方で、大会の開催に際しては、多大な経費が必要となり、開催地に大きな負担が生じることが指摘されております。  大会開催により、多大な財政負担を後世に残すことは絶対に避けなければなりません。  このために、大会運営の効率化や新たな収入確保など、さまざまな工夫を行いながら、対応していくことが必要となると考えております。
     また、大会開催の成果を一過性のものとせず、スポーツ文化を地域に根づかせ、地域が継続して発展する取り組みも進めていかなければなりません。  継続的な発展、すなわち持続可能性の追求こそが第二回目の大会開催に当たっての一つのキーワードとなるのではないでしょうか。  そこで、大会開催に向けた知事の所見を伺います。  次に、インバウンド観光の振興に向けた取り組みについてであります。  日本政府観光局の推計によると、四月に日本を訪れた外国人観光客は二百万人に迫り、全国各地が外国人観光客でにぎわっております。  また、外国人観光客の観光消費額は、コロナ前よりも伸びているという観光庁の調査結果もあり、旺盛な消費意欲を持って訪日する外国人の増加は今後も期待されております。  一方で、本県を訪れる外国人観光客の消費額は、全国平均の半額以下にとどまっているという調査結果があり、この増額に向けた具体的な対策を講ずることが喫緊の課題であります。  今月四日に開催しましたサイクルイベント、マウント富士ヒルクライムには、八千人の参加者のうち約三百人もの外国人の参加がありました。  これに限らず、峡北地域では日本酒を、峡南市域では伝統工芸の製作体験や寺院での文化体験を、峡東地域ではワイナリーをめぐりながらワインと食のペアリングを楽しむことができます。  私は、来月台湾に行き、八ヶ岳の麓で開催されるサイクルイベント、グランフォンドピナレロ八ヶ岳のPRを行ってまいりますが、こうした県内各地域の特徴や魅力を外国人観光客にアピールすることで、地域をもっとめぐっていただくことが可能と考えます。  アクティビティ事業者の多くは、小規模事業者であり、個々の情報発信には限界があるかとは思いますが、地域をめぐるツアーなどの発着拠点をつくり、地域を知り、楽しむコンテンツの積極的な活用を推し進めることは、観光消費額だけではなく満足度の向上にもつながり、持続可能な観光になると考えます。  そこで、本格的に再開したインバウンド観光をどのようにして本県観光の振興につなげていくのか伺います。  次に、本県農業の振興についてであります。  山梨県では、恵まれた自然環境のもと、地域の特性を生かした多様な農業が営まれております。  しかしながら、近年の農業を取り巻く環境は、産地間競争の激化や物価高騰など、大変厳しい状況が続いております。  こうした中、知事は、県産農産物のブランド価値の向上や輸出拡大に先頭に立って取り組むとともに、物価高騰に苦しむ生産者に対して生産性の向上やコストの削減を強力に支援するなど、大いに尽力されており、私は、こうした取り組みが本県農業の持続的な発展につながるものと大いに期待しております。  そこで、本県農業の振興について幾つか伺います。  まず、醸造用ブドウの生産振興についてであります。  先月、北杜市武川町で進められている基盤整備事業の一部が完了し、県内ワイナリーによる醸造用ブドウの植樹式が行われました。  当日、私も現地に赴きましたが、完成後は約四十ヘクタールとなる広大な圃場予定地で、近い将来、一面にブドウ畑が広がる光景を想像し、心踊る思いでありました。  地球温暖化が進む中、標高約六百メートルの冷涼な気候を生かして生産される高品質な醸造用ブドウと雇用の創出などによる地域活性化に大きな期待を寄せているところです。  私は、日本一のワイン産地である本県の地位をさらに確固たるものにするためには、県産の高品質な原料の安定的な確保が不可欠だと思います。  また、近年、関心が高まっている有機栽培や4パーミル・イニシアチブの取り組みによる付加価値の高いワイン生産につなげていくことも重要と考えております。  そこで、県では、ワイン県やまなしのさらなる発展に向けて、醸造用のブドウの生産振興にどのように取り組んでいくのか伺います。  次に、持続可能な畜産経営についてであります。  ウクライナ情勢に伴う穀物価格の上昇などにより、配合飼料価格が上昇し、昨年四月時点で一トン当たり八万円台であった価格が、現在では十万円台とさらに値上がりしています。  畜産農家の皆さんは、さらなる生産コストの削減に向けて努力を続けているものの、肥料や燃料の高騰も追い打ちとなり、依然として経営環境は好転しておりません。  中でも酪農家は、配合飼料を初め、肥料や燃料の価格高騰分を乳価へ価格転嫁することが難しく、厳しい経営が続いています。  また、私の地元では、昨年から、経営の継続が難しいことを理由に七軒もの酪農家がやむなく離農しており、私は、こうした状況を改善していくためには、需要の拡大とあわせ、生産性の向上と経営コストの削減により、所得の向上と働き手の確保を図っていくことが必要であると考えております。  そこで県では、畜産農家の持続可能な経営の実現に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、担い手の確保についてであります。  知事は就任されて以降、本県農業の担い手の確保に精力的に取り組まれ、その結果、令和三年度には新規就農者が過去最多の三百二十一人になるなど、大きな成果を上げてこられました。  私もこれまで担い手不足に悩む地域で、新規就農者の確保や企業の農業参入を積極的に推し進めてまいりました。  しかしながら、県内有数の稲作地域である峡北地方でも高齢の生産者から後継者が見つからず、将来に不安を感じているとの声を聴いております。  知事は、二期目の就任に当たり、農業の人材のさらなる確保に向け、就農準備段階から就農後までニーズに応じた切れ目のない支援を講じていくとの考えを示されました。  そこで、昨年度の新規就農者の状況と農業の担い手の確保に向けどのように取り組んでいくのか伺います。  次に、中部横断自動車道長坂以北の早期事業化についてであります。  中部横断自動車道は、令和三年に静岡─山梨間が全線開通したことにより、災害時の県内生活を支える命の道が確保されるとともに、信頼性の高い高規格道路ネットワークが構築されております。  また、大規模な工場、物流拠点、大型商業施設などの進出や峡南地域の観光地への県外からの来訪者が大幅に増加するなど、経済活動においても効果が出ております。  このことは、いまだにミッシングリンクである長坂から長野・八千穂間がつながることにより、県内はもとより県外に及ぶ広範囲において、さらに大きくさまざまな効果がもたらされるものと確信しております。  しかし、この区間については、事業化に向けた手続の進捗が見られず、停滞感は否めません。  私は、中部横断自動車道沿線地域の県議会議員とともに巨摩地域議員連盟を立ち上げ、さまざまな活動を行っておりますが、引き続き、新たな議員も加え、長野県の議員連盟とも連携して、早期全線開通を求める強い思いを積極的に国に伝えていく所存であります。  先月二十五日には、北杜市の期成同盟会の総会が開催され、北杜市観光協会の会長として、北杜市の産業・経済・文化などの団体の方々と長坂以北の早期整備を熱望する声を結集したところであります。  こうした熱い思いを持ちつつ、昨年に続き、本年五月から六月にかけ、知事とともに国土交通省や財務省などへ早期事業化の要望を行ってまいりました。  現在、県では国の協力のもと、環境影響評価とともに都市計画決定の手続に向け、対応されていると承知しておりますが、一日も早く次の段階である一キロメートル幅のルート帯から具体的なルートや道路構造が示されることを強く願っております。  そこで、中部横断自動車道の長坂から八千穂間における早期事業化に向けた県の取り組みについて伺います。  次に、水素エネルギー社会の実現に向けた取り組みについてであります。  過日、我が国が世界で初めて国家戦略として策定した水素基本戦略が二〇一七年の策定から五年以上が経過し、水素を取り巻く環境の変化を踏まえ、改定されました。  その改定によって、官民合わせて十五兆円を投資し、国内において水素製造基盤や供給体制を整備し、二〇四〇年までに、現在の約六倍に当たる年間千二百万トンの水素を導入するという数値目標が盛り込まれ、これからの水素市場を我が国がリードしていくという強い意志が示されました。  一方、県では、民間企業と共同で、最先端の技術を活用し、製造段階からCO2を排出せず、水素の中でもよりクリーンなグリーン水素を安全・安心につくり出すやまなしモデルP2Gシステムを開発し、水素供給の実績を積み重ね、私の地元である北杜市内のサントリー白州工場に、国内最大規模のP2Gシステムを導入し、水素を製造・利用する拠点整備を進めていると承知しています。  先般、米倉山のP2Gシステムと三月末にオープンした次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジを視察しましたが、水素・燃料電池など、次世代エネルギーに関する統一したテーマで、複数の企業や団体が研究開発や実証実験を行うことができる地域は、国内のみならず、海外を見渡しても本県以外にないと改めて高く評価したところであります。  そして、水素の利用拡大が加速する将来に向け、米倉山の機能を最大限に発揮させ、さらに強化していくことが必要であると感じました。  そこで、我が国の水素戦略が大きく動こうとする中、水素エネルギー社会の実現に向けて、どのように取り組みを進めていくのか伺います。  最後に、少人数教育の推進についてであります。  平成二十六年度に、公立小中学校の全学年において、国の基準を上回る少人数学級を導入されたのは、横内正明元知事でありました。  現在、長崎知事は、少人数教育を山梨の教育の最大の特徴と位置づけ、令和三年度から全国初となる二十五人学級を小学校一年生に導入したことを皮切りに、本年度には小学校三年生まで拡大されました。  既に、来春の令和六年度には、小学校四年生にも導入することを表明されており、山梨の少人数教育をさらに前へと進められています。  国では、学級編成に関する制度改正が行われ、令和三年度から段階的に小学校二年生から小学校六年生まで、四十人学級から三十五人学級への引き下げを進めています。  本県の二十五人学級は、この国の水準を大きく上回るものであり、大変誇らしいことであります。  かねてから私は、本県の少人数教育の推進に強い関心を持って見守ってきました。  少人数教育の導入効果については、これまでおおむね肯定的な評価がなされていると承知していますが、少人数教育を進めている現在、その検証はこれからも必要であると考えます。  今後の少人数教育の方向性を検討するに当たっては、引き続き、効果の検証に取り組まれることはもちろん、小学校五年生以降は、中学校への接続を意識する学年になってくるという視点も必要ではないかと考えております。  そこで、県では、小学校五年生以降の少人数教育の方向性について、今後、どのように検討を進めていくのかお伺いします。  以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 4 ◯議長水岸富美男君)浅川力三君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 5 ◯知事長崎幸太郎君)浅川議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、自由民主党・開の国を代表され、県政各般にわたり、御質問をいただきました。  私の一期目、四年間の県政運営に対しまして、輝かしい成果との大変高い御評価を賜るとともに山梨の未来を切り開くために全身全霊を尽くされるとの大変心強いお言葉をいただきました。  浅川議員におかれましては、熱き心で行動するという信念のもと、これまで五期二十年間、山積する課題に現場主義で取り組まれてこられましたことに深く敬意を表する次第であります。  二期目の県政運営に対する議員からの大いなる御期待に応え、一期目でまいた種を確実に花開かせ、豊かさをもれなく届けられるふるさとを実現できますよう、浅川議員を初め、自由民主党・開の国の皆様方とともに県勢発展に粉骨砕身取り組んでまいります。  以下、答弁に入ります。  初めに、県政運営考え方についてです。  一期目の政策展開をきっかけに、山梨という地域社会全体が進取果敢な気風に満ち、攻めのマインドセットへと転換が図られてきたことによりまして、山梨のさらなる飛躍に向けた頼れる土台が構築されています。  その上で、今後の県政運営基本指針となる新たな総合計画におきましても、本県の目指すべき姿を県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなしといたしまして、引き続き豊かさを量・質・面で築いてまいります。  本県らしい豊かさとは、人それぞれで異なる幸福を得るため、自分なりに学び、歩みを進めていけることを追求した先にあるべきものと考えております。  その実現に向けまして、私が理想とする県政を進めるための前提条件の一つ目は、県民の自由な選択を妨げる諸要因をできる限り取り除いていくことであります。  二つ目として、各ライフステージにおいて、県民が希望を持って自分らしい道を進むことができるよう、できる限り多くの、そして豊かな選択肢を提供してまいります。  その上で、県民はもちろん、県内外を問わず、社会を支える全てのステークホルダーの方々が主体となり、意欲的に参画していただく機会と機運を確保し、全県一体となった県政運営を目指してまいります。  以上の考え方に基づきまして、まず、県民の自由な選択を妨げる諸要因を山梨から取り除いていくため、感染症や自然災害の脅威、生活を取り巻くさまざまな不安や恐怖に対するセーフティーネットを張りめぐらせていくこと、すなわち、ふるさと強靱化を進めてまいります。  第二に、このふるさと強靱化の土台の上に、道路交通体系の整備など、目に見える有形の開化と同時に、多様性を尊重する意識の上の開化も進め、県内外との交流を深化させ、あらゆる可能性にチャレンジをしていく「開の国」を進めてまいります。  今後は、ふるさと強靱化という社会基盤の厚みの上に、開の国の理念に基づく諸施策を展開し、豊かさをもれなく届けられるふるさとを構築すべく、県政運営に邁進してまいります。  肝炎対策につきましては、県ではこれまで肝炎対策を重要課題と位置づけ、さまざまな取り組みを行ってきた結果、議員、御指摘のとおり、肝がんの罹患率や死亡率は大幅に改善いたしました。  一方で、肝炎に対する理解や知識が十分でないこと、肝炎ウイルス検査に関する認知度が低いこと、確実な受診につながるサポートが必要であることといった課題もあります。  このため、第三次計画におきましては、引き続き、肝炎の予防、肝炎ウイルス検査の受検促進、治療終了者などへのフォローアップ体制の充実、肝炎患者などを支える体制の整備に取り組むこととしております。  こうした取り組みをしっかりと進めることによりまして、肝がんの罹患率などのさらなる低減や、新たに目標に追加をした五年相対生存率の向上を図ってまいります。  次に、本年度の具体的な取り組みですが、肝炎の感染者を減少させるためには、まずは、肝炎について県民に正しく理解をしていただくことが重要です。  このため、家族連れが多く集まる施設で、肝臓硬度測定などの無料検査や肝疾患コーディネーターによる相談会を新たに実施し、家庭で話し合うきっかけにしたいと考えております。  さらに、肝炎ウイルス検査の受検の機運醸成を図るため、ウエブ上や病院・診療所の待合所で誰もが気軽に視聴できる啓発動画を作成することとし、所要の経費を六月補正予算に計上したところです。  今後も関係機関と連携しながら肝炎対策をより一層推進し、計画の基本理念である肝炎の完全な克服を目指してまいります。  次に、ふるさと強靱化の推進についてです。  豊かさの実現には、自然災害や感染症の脅威から守り抜く施策にとどまらず、福祉・医療・貧困対策など、生活を取り巻くさまざまな不安や恐怖から解放することも含めたふるさとの強靱化の推進が必要であります。  まず第一に、県民の生命や財産の保護を最優先することに加え、公共施設の被害を最小化し、社会機能を維持する自然災害への強靱化です。  具体的には、信頼性の高い道路ネットワークの整備や流域治水対策などの事前防災対策を加速させ、富士山噴火時の逃げおくれゼロを実現するための火山防災対策をハード・ソフトの両面から実施してまいります。  また、大規模停電に備え、電力会社など関係機関と連携をし、電力供給体制の強靱化に取り組みます。  さらに、強靱化施策を計画的に推進するため、今年の夏に予定される国土強靱化基本計画の改定などを踏まえ、県土強靱化計画を策定してまいります。  また、感染症に対しましては、CDCに蓄積された科学的知見を生かすとともに、その機能拡充や専門人材の育成を図り、感染対策と経済を両立できる社会を実現します。  第二に、物価高騰など地域経済を取り巻く情勢が厳しい際にも、企業がしなやかに対応できるようにするための施策を展開する経済基盤の強靱化です。  まず、エネルギー価格高騰への企業の対応力を高めるための省エネ設備導入支援や、災害時の事業継続に資するBCP作成支援などを実施してまいります。
     さらに、肥料飼料の高騰に対しましては、下水汚泥の肥料化や、牧草のみで育てた赤身のグラスフェッドビーフなど新商品の開発に取り組みます。  加えて、本県経済が海外からもグローバル・リーディングプレーヤーとして存在感を高め、安定して成長できる経済体質の獲得を目指します。  そのため、本県と親和性の高い医療・水素・半導体関連産業の県内集積を図り、高付加価値化を図ってまいります。  第三に、市町村や関係機関と連携をし、介護・医療・子育てなど日常生活で抱える県民の不安を解消していく生活基盤の強靱化です。  特別養護老人ホーム増床や、介護施設における人材バンク機能の整備など、介護事業への支援を行い、介護待機者ゼロ社会の実現を目指してまいります。  また、医療につきましては、遠隔医療や初期救急医療体制の新たな整備に取り組み、誰もが安心して受診できる体制を確保し、健康寿命のさらなる延伸を図ります。  さらに、結婚・妊娠・出産から子育てまで、切れ目のない子育て支援を充実するとともに、困窮家庭への支援を行い、子育てしやすさ日本一を目指します。  加えて、人材育成が生産性の向上につながり、さらに企業の収益力向上が賃金アップとして好循環する豊かさ共創社会を実現するため、地域を担う人材づくりに取り組んでまいります。  このため、その基盤となるキャリアアップ・ユニバーシティの設置に向け、リスキリングサービスを一気通貫で提供するプラットフォームを構築し、労働者生活の安定性向上に資する取り組みを推進します。  こうした諸施策を重層的に展開し、県民の自由な選択を妨げる要因を取り除き、誰もが安心して暮らすことができる、ふるさと強靱化を進め、豊かさを実現するための強固な土台を構築してまいります。  次に、リニア中央新幹線の開業に向けた取り組みについてです。  今回のボーリング調査は、地下水の流出量を科学的事実として把握するために不可欠なものであり、このことは、工事の安全確保や作業員の命を守るために極めて重要なものと考えております。  他方で、静岡県が大井川の水資源に対する影響を懸念していることは、山梨県としても深く理解をし、重く受けとめるべきことは言うまでもありません。  そもそも、山梨県内における正当な企業活動については、その環境を整備し、保護していくことは本県の責務であります。  反面、この企業活動が正当ではない場合、例えば、山梨県外も含めて、著しい悪影響を及ぼすような場合には、是正を求めていくことも同時に本県の責務であります。  今回の先進ボーリング調査も含め、リニアに係る工事が、静岡県の水資源・自然環境に対して受忍限度を超える大きな影響を生み、かつ、この工事との因果関係が明白である場合には、JR東海に対し、山梨県として是正を求めるべきものと考えております。  現時点におきましては、水環境への影響は抽象的可能性にとどまると評価せざるを得ないことを踏まえれば、本県としては当該ボーリング調査はしっかりと進めていくべきだと考え、先日、この旨をJR東海と静岡県にもお伝えしたところであります。  あわせて、静岡県からJR東海に出された要請文につきましては、あくまでもお願いベースの話だということであり、改めてその位置づけも確認いたしました。  また、静岡の水か山梨の水かという議論は、我々としては受け入れがたいとはっきり申し上げ、川勝知事も会見におきまして「その議論はしない」と述べられておられましたので御理解いただけたものと考えております。  なお、この問題への静岡県の懸念は、リニア全通にかかわる重要な問題であるため、期成同盟会総会の場におきまして、私から沿線地域全体で共有する場の設置を提案をし、過日、意見交換が開始されたところであります。  また、リニア開業に向けた機運を高めていくためには、リニア全通後の将来像を示し、東海道新幹線の静岡空港新駅の設置など、静岡県を含め沿線全ての地域にメリットを享受できる将来像を提示することも重要であると考えております。  このため、期成同盟会の中に本県を事務局とする研究会を設立をし、期成同盟会総会の場で高速交通体系の将来像の大まかな方向性を示した事務局案を報告したところであります。  今後は、この研究会でさらに検討した成果を国やJRなどに対し提案をし、リニア中央新幹線の建設促進とともに交通ネットワークの充実や地域の活性化にもつながるよう取り組みを進めてまいります。  次に、人口減少対策についてです。  議員御指摘のとおり、コロナ禍という特殊な事情はあるものの、二年連続の出生数の減少、出生率の下落は、まさに危機的状況であります。  このため今月九日、この下降トレンドを固定化させず、上昇へと転換させる瀬戸際であることを認識し、克服する決意を県民の皆様と共有するため、人口減少危機突破宣言を発したところであります。  若い世代が安心して、子を産み育むためには、子育てや教育環境の整備はもちろんのこと、介護の不安解消や所得の向上など、総合的な安心の土台をつくり上げていかなければなりません。  さらには、男女問わず子育てと仕事は円滑に両立する職場や働き方のあり方など、ライフスタイル全般にわたって、若い人たちが将来展望を持てるよう、あらゆる施策を総動員して取り組む必要があります。  このため来月を目途に思い切った抜本メニューを県民各位にお示しをし、全県的な議論を喚起するべく、部局横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、人口減少対策の政策パッケージを取りまとめることとしております。  これをもとに、市町村や多くの民間企業、関係団体にも議論と対策の実行に参画をいただき、本県が未来にわたり愛すべきふるさとであり続けられるよう、オール山梨の集合知を発揮し、この危機を克服・突破してまいります。  次に、山梨県立大学への子ども家庭福祉の大学院設置についてです。  児童虐待は、子供たちの人格形成を阻害し、その大切な命や未来を脅かす重大な問題であり、断じて許してはならないと考えております。  こうした強い思いから、公約にも掲げましたとおり、全国初となる児童虐待に対応する中心的な人材を養成する大学院を設置することといたしました。  この大学院におきましては、児童虐待対応を主軸としながら、子供への理解、ソーシャルワークなどの講義や演習によって高度な専門性を培います。  また、現場実習での学びと、学術的な学びの循環によって、経験と理論をあわせ持った、より質の高い実践力を養います。  これらとともに、現場職員の資質向上を図る指導力や、関係機関との連携強化を図る調整力も培い、現場を先導していく人材として養成をしてまいります。  養成された人材につきましては、まずは県内の各現場で中心的な役割を担っていただき、その知見を周囲に広めることで、県全体の虐待への対応力を向上させてまいります。  さらには今後、この大学院がオールジャパンの人材養成の拠点としても発展をしていくよう、県立大学と連携を図りながら取り組んでまいります。  これらによりまして、虐待防止対策の一層の強化を図り、全ての子供が、力強く、健やかに成長できる社会を、山梨県が全国の先頭に立って構築をしてまいります。  次に、メディカル・デバイス・コリドー構想のさらなる推進についてです。  医療機器市場の成長力を県内経済の伸びる力に転化させるため、第一期では、機械電子産業のすぐれた技術を活用した、部材供給を主軸に支援をしてまいりました。  新設した専門支援機関の活動を通じ、生産額の大幅な増加を県内企業にもたらすとともに、相談やマッチングのノウハウも蓄積されてきております。  こうした取り組みを行う中で、本分野は食品や情報通信など間口が広く、機械電子以外の企業も幅広く進出できる市場であることも分かりました。  第二期では、山梨大学と連携し、食品の健康上の効果を明らかにすることで、機能性表示食品への進出を図るなど、参入企業の裾野拡大を狙ってまいります。  また、世界市場の四割を占める米国をターゲットに加えることとし、本県企業のすぐれた技術の海外展開も図ってまいります。  新たな展開に対応するため、六月補正予算におきましては、これらの新機軸ごとに専門コーディネーターを配置するなど、支援体制を大幅に強化します。  特に、海外展開では、法制度や商慣習が国内と異なるため、医療系国際取引の法務に精通する専門家を招聘し、高水準で最先端の助言を得てまいります。  加えて、優良な成功モデルを早期につくれるよう、米国進出支援の実績が豊富なコンサルタントと組み、企業技術を見きわめた上で、ターゲットの選定や販売網の構築などを内容とする活動戦略を策定します。  県内の幅広い産業において豊かさを実感してもらえるよう、構想実現のための取り組みを一層加速してまいります。  次に、令和十四年の開催を目指す国民スポーツ大会等についてであります。  昭和六十一年に、かいじ国体が開催され、本県のスポーツを取り巻く環境は劇的に改善されるとともに、全国規模の大会を成功させたことは県民に大きな自信と活力をもたらしました。  今回、二巡目の開催に向け、私が重点を置くべきと考えているキーワードは、共生社会と持続可能性であります。  まず、共生社会につきましては、大会を契機にパラスポーツの一層の振興を図るとともに、若者を中心に多様な参画を得るため、BMXやスケートボードなどのアーバンスポーツを積極的に取り上げてまいります。  持続可能性につきましては、議員御指摘のとおり、大会の開催が後世に多大なツケを負わせることとならないよう、ソフト・ハード両面において従来の大会モデルにとらわれず、新たな時代のモデルを大胆に全国へも示してまいりたいと思います。  開会式・閉会式の大胆な簡素化や民間施設を含めた既存施設の活用のほか、多様な場面での企業スポンサーの獲得など、あらゆる工夫を講じてまいります。  また、運営面にとどまらず開催効果の面につきましても、大会参加選手による次世代の育成や、スポーツツーリズムによる地域が潤う仕組みづくりなどを進め、持続可能性を向上させてまいります。  いずれにいたしましても、県議会の皆様や市町村、競技団体などと連携し、集合知を発揮しながら山梨らしい大会の開催に向け取り組みを進めてまいります。  次に、インバウンド観光の振興に向けた取り組みについてです。  本格的に再開したインバウンド観光を本県観光の振興につなげていくために、地域ごとに特色ある観光資源を、外国人の観光消費額のアップに直結するような形で最大限に活用していくことが必須であると考えております。  一方、その実現に向けましては、こうした資源を活用する事業者は小規模のため、外国語での情報発信や予約対応が難しいことや、通訳ガイドの数に限りがあるなどの課題があり、地域全体で連携する必要があります。  そこで県では、外国人のニーズにかなう資源を掘り起こし、通訳ガイドや交通手段なども組み合わせ、商品化をし、手配や決済まで一括で行う、いわば地域の観光コンシェルジュとなる拠点の整備を支援してまいります。  また、快適で上質な滞在環境の整備も海外富裕層の誘客につながり、消費額の増加に欠かすことはできません。  県ではこれまで宿泊施設に対し、露天風呂つき客室やシアター客室の整備など、施設の高付加価値化への支援を行い、滞在環境の充実を図ってまいりました。  今後は、産業集積促進助成金を活用するなどして高級宿泊施設の誘致を進め、滞在環境のさらなる上質化に取り組むこととしております。  さらに、食体験の充実も外国人観光客の消費額アップに向け重要な要素であります。  このため、県内シェフのさらなるレベルアップ、県外著名シェフの誘致などに取り組むとともに、一層の充実に向け具体的施策の検討を重ねてまいります。  次に、農業の担い手の確保についてです。  令和四年度の新規就農者数は、好調な果樹経営にも後押しをされ、過去最多の三百三十一人となりました。  近年は、果樹を中心に新規参入やUターンをして親元就農する自営就農者が大幅に増加をしており、また四十代以下が全体の約七割を占めるに至っております。  これらは、市町村・JAなどと連携をし、就農相談から技術習得まで手厚く支援してきた成果であるとともに、農産物のブランド価値が高まり生産者の所得が向上していることも大きな要因と考えております。  本年度は、こうした流れを加速するため、ブランド価値のさらなる向上を図るとともに、本県農業を身近に感じる見学ツアーや先輩農業者のもとでの短期農業体験など、新たなステップも提供してまいります。  また、就農後も、スマート農業やデータ農業などの最先端技術の習得機会の提供や、経営改善に向けた専門家の派遣など切れ目のない手厚い支援を行い、新規就農者の定着を図ってまいります。  さらに、意欲ある担い手を育成し、後継者不在の農地を確実に集積できるよう、市町村の地域計画の策定をサポートするとともに、圃場の集約や生産性を高める基盤整備を積極的に進めてまいります。  次に、中部横断自動車道長坂以北の早期事業化についてです。  中部横断自動車道の静岡─山梨間の開通は、県外からの集客を見込んだ大規模商業施設が進出するとともに、さまざまな分野の国内有力企業が立地するなど、本県にとって大きなインパクトとなっております。  さらに全線開通することで、太平洋に加え日本海とも結ばれ、港湾や空港を活用した物流・人流が一層促進され、本県は海外へも開かれた開の国になると考えております。  しかしながら、長坂─八千穂間については、いまだ事業化の時期が見通せず、ミッシングリンクとなっており、広域道路ネットワークとして期待される効果は十分には発揮されておりません。  そこで、先月二十四日ですが、国土交通省の幹部を、さらには今月五日には斉藤国土交通大臣を訪れ、県が行う都市計画の手続の準備が整っていることをお伝えをし、一日も早く具体的なルートや道路構造を示していただくよう強く要望をしてまいりました。  その際には、国に地域の熱意が伝わり、以前にも増して前向きに捉えていただいたと実感をしており、手続が次の段階に進み、事業化に向け大きな一歩が踏み出されるものと確信をしております。  今後、ルート計画案を受理した際には、地域への丁寧な対応に努めつつ、速やかに都市計画の手続を進め、引き続き長野県を初め沿線自治体と連携しながら、一日も早い事業化を国に働きかけてまいります。  次に、水素エネルギー社会の実現に向けた取り組みについてです。  県では、甲府市米倉山において、脱炭素社会の鍵を握るグリーン水素を安全・安心につくり出すやまなしモデルP2Gシステムを開発し、県内工場や東京ビッグサイトなどへ水素供給を行っております。  また、システムそのものの導入拡大を図ることとし、現在、国内最大のシステムを設置する北杜市内のサントリー白州工場を初め、埼玉県や福島県内の工場への設置を進めています。  さらに、インドやスコットランドなど再生可能エネルギーが豊富で、かつ熱需要が大きい国への導入に向けた調査を行うなど、海外展開についても積極的に取り組みを進めています。  こうした中、水素先進県であります本県といたしましては、水素基本戦略の改定を追い風に、米倉山に蓄積した強みを生かし、さらに拡充することにより、水素社会の実現と地域経済の発展につなげていくことが重要であると考えております。  そこで、米倉山を国の戦略に呼応したムーブメントを牽引する世界的イノベーション拠点とすることを目指し、国・大学・金融機関・地元甲府市などのステークホルダーで構成する戦略会議を設置いたしました。  この戦略会議におきましては、実証フィールドとしての今後の方向性、企業や研究者の交流促進など研究開発ビレッジを含めた米倉山の機能を最大限に発揮し、さらに強化するための方策を検討することとしております。  年度内を目途に意見を取りまとめ、米倉山を核に、本県を投資先として魅力ある山梨水素実証エリアへと進化させ、世界に開かれた開の国の実現に向け、取り組みを加速してまいります。  最後に、少人数教育の推進についてです。  少人数教育の推進は、私の重要公約の一つであり、未来の山梨を支える原動力となる子供たちの力を最大限に引き伸ばす教育環境の整備こそ、山梨再生の原点であると考えております。  近年、社会問題となっております家庭の経済格差は、教育の格差を生み、子供自身の努力では解消できなくなるほどの学力格差につながっております。  このような負の連鎖を断ち切るためには、公教育を充実させ、教育本来の力を発揮することができる教育環境を整えなければなりません。  このため、少人数教育の推進は極めて重要であり、私は全国の水準をはるかに上回る二十五人学級を小学校一年生から三年生まで導入をし、来年度には四年生まで拡大することを決定いたしました。  五年生以降の少人数教育のあり方については、議員御指摘のとおり、効果検証を行いつつ、小学校の次の段階である中学校を見据えながら、学びの最適化を図る観点から検討を進める必要があると考えております。  山梨の子供にとってどのような教育が最も望ましいのか、まずは教育関係者において専門的な見地から、しっかりと議論をしていただきたいと思います。  山梨の最大の可能性は、まさに子供たちであり、いかなる家庭環境の子供も誰一人取り残されることなく、希望を持って、しっかりと学びを続けられるよう、これからも少人数教育を推進してまいります。  以上をもちまして私の答弁といたします。その他につきまして、担当の部長からお答え申し上げます。 6 ◯議長水岸富美男君)林政部長、入倉博文君。       (林政部長 入倉博文君登壇) 7 ◯林政部長入倉博文君)浅川議員の県有林の有効利用及び高度活用についての御質問にお答えをいたします。
     最初に、清里学校寮区画を含めました未利用地の有効利用についてであります。  清里学校寮区画は、少子化などと相まって撤退が相次ぎ、現在三十五区画中二十三区画が空き区画であることから、その解消が喫緊の課題であると認識をしております。  こうした中、昨年度、撤退の相談がありました二区画について、静ひつな環境の維持などを条件に、借地権の譲渡を広く認めることで、いずれも未利用となる事態を回避をいたしましたが、今なお課題の解決に至ってはおりません。  これら未利用地の解消には、新規貸し付けを希望する者をふやすことが必要であり、そのためには民間事業者の多様なニーズに応えることが肝要です。  県有林の民間への新規貸し付けにつきましては、平成七年に凍結を解除して以来、公益目的であれば貸し付けを認めるなど、条件の緩和を漸次進めてまいりましたが、新たな貸し付けにつながっていないのが実情です。  このため目下、用途制限の抜本的な見直しや、公正・公平で透明性のある賃借人選定手続の整備などを進めており、年内には公募を行う考えでおります。  次に、現状、開発がなされていない県有林の高度活用についてでございます。  県有林は、その賃料収入が貴重な自主財源となるばかりではなく、森林空間を活用した交流機会の創出により地域活性化を実現する潜在的な力を有しております。  そして、そのような力を十全に発揮させることこそ、恩賜林御下賜の趣旨に沿うものであると考えます。  このため、未開発の県有林についても、未利用地と同様に貸し付け条件を見直すとともに、特に周辺環境と調和した質の高い利活用の促進に重点を置くこととしております。  こうした考えのもと、新たな活用ニーズや周辺の環境、その目指すべき姿について調査を行い、その結果を踏まえ、年内を目途に地域のブランド力向上に資する県有林の活用戦略を策定してまいります。  活用戦略では、モデル地区を設けるとともに、その地区の潜在力を最大限発揮する方策のほか、収支予測などから県民利益の最大化に資する貸付料の算定方法も盛り込む所存でございます。  この戦略に基づき、年度内には事業者の公募を行う予定でございますが、こうした取り組みにより、地域のブランド力向上と自主財源の確保に向け、守りから攻めへの貸し付けへシフトチェンジをしてまいります。  以上でございます。 8 ◯議長水岸富美男君)農政部長、大久保雅直君。       (農政部長 大久保雅直君登壇) 9 ◯農政部長大久保雅直君)浅川議員の御質問にお答えいたします。  まず、醸造用ブドウの生産振興についてであります。  ワイン県やまなしのさらなる発展のためには、高品質で安定的な原料の確保と有機栽培など新たなニーズに対応した生産技術の確立が不可欠であります。  県では、高品質な甲州種を安定的に確保するため、生産性や糖度の高い四系統を選抜し、この苗木を約六千本供給するとともに、ワイナリーとの長期契約栽培をこれまでに二十九ヘクタール拡大いたしました。  また、田崎真也ワイン県副知事から高い評価をいただいた赤系の新品種ソワノワールについては、早期産地化と五年後の製品化を目指し、苗木の生産を強化してまいります。  さらに、オーガニックワインが世界的な潮流となりつつあることから、果樹試験場において有機JAS認証に向けた栽培実証を開始するとともに、認証を目指すワイナリーに対して技術的な支援を行っていきます。  また、原料ブドウ生産園に対しても4パーミル・イニシアチブの取り組みを拡大し、そのワインを「おいしい未来へ やまなし」をキャッチフレーズに、エシカル消費層に強力に訴求していきます。  また、ワイナリーなどから寄せられる圃場の新設・拡大の要望については、個々のニーズに合わせた農地のマッチングと基盤整備のほか、栽培施設や苗木の導入を積極的に支援してまいります。  次に、持続可能な畜産経営についてであります。  持続可能な畜産経営の実現に向けては、議員御指摘のとおり、コストの削減や生産性の向上とあわせ、需要拡大による所得向上を図っていくことが重要であります。  このため県では、畜産農家のコスト削減に向けて、県立八ケ岳牧場の積極的な活用を働きかけるとともに、引き続き自給飼料増産に必要なトラクターなどの機器の整備を支援していきます。  また、生産性の向上に向けては、AIカメラやデータを活用した畜産DXにより、出荷時期の適正化による格付の向上が実証できたことから、その成果を畜産農家に普及していきます。  県産畜産物の需要拡大については、学校給食での提供などにより、国内需要の拡大を図ってきたところですが、今後は国産牛の人気が高まるアジア地域への販路開拓に向けて市場調査を行ってまいります。  さらに、高騰を続ける飼料のコスト低減と近年注目されている赤身肉の生産をあわせて推進するため、県内二カ所の農場で牛を牧草のみで肥育するグラスフェッドビーフの生産技術の実証を行っていきます。  加えて、県立八ケ岳牧場にペレット堆肥の製造施設を整備し、家畜排せつ物を高付加価値化して販売する仕組みを構築することにより、畜産農家の収益の増加を図ってまいります。  こうした取り組みを通じて、持続可能な畜産経営を実現し、畜産農家の魅力を高めることにより、ヘルパーとして畜産に従事する者を確保・育成し、就農につなげてまいります。  以上でございます。 10 ◯議長水岸富美男君)当局の答弁が終わりました。  浅川力三君に申し上げます。再質問はありませんか。 11 ◯浅川力三君 ございません。 12 ◯議長水岸富美男君)これをもって、浅川力三君の代表質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後二時二十分休憩        ───────────────────────────────────────                                          午後二時四十分再開議 13 ◯議長水岸富美男君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第二及び日程第三の議事を継続いたします。  発言の通告により、臼井友基君に四十分の発言を許します。臼井友基君。       (臼井友基君登壇)(拍手) 14 ◯臼井友基君 自由民主党新緑の会の臼井友基です。会派を代表して、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。  初めに、四月に行われた山梨県議会議員選挙、甲府市選挙区において、多くの皆様の温かい御支援を賜り、二度目の当選をさせていただくことができました。心から感謝を申し上げます。  戦後初の無投票当選という結果を真摯に受けとめ、今後も県政のさらなる推進に微力を尽くしてまいる覚悟です。  あわせて、改選後初めての大切な議会において、代表質問の機会をくださった会派代表を初め、新緑の会全ての議員にお礼申し上げます。  さて、六月九日、長崎知事は、人口減少危機突破宣言を出されました。  全国的な人口減少や少子高齢化はとどまることを知らず、本県においても県人口が約四十三年ぶりに八十万人を割り込み、とりわけ将来を担う子供の数は下降の一途をたどっています。  統計上、子供の数は減り、人口減少は避けられない事態にあり、都心部を除く多くの地方自治体では、人口減少を前堤とする新たなまちづくりを模索する動きも出てきていると仄聞しています。  コロナ禍からの過渡期ゆえの先行きの不透明さへの不安感とコロナ禍を脱して日常を取り戻した先の成長・発展への期待感とが交錯する不安定な現下、この状況をそのままスルーしてはいけない、今が瀬戸際との強い思いを示しつつ、声を大にして官民連携のオール山梨で取り組む覚悟を訴えられた長崎知事の並々ならぬ御決意に心から賛同し、敬意を表します。  財政に精通し、中央省庁や有力な民間企業とも強力なコネクションがある知事のもとで、今後中身が充実した政策パッケージにまとめられますよう期待申し上げます。  ある議会関係者のSNSでは、宣言が数年おくれている、ダウンサイジングを示さなければならないと投稿されています。そもそも抜本的な取り組みを目指し、改めてオール山梨で危機を共有したいという意図を示しているにもかかわらず、このことはさておき、極めてネガティブかつ的外れな認識が示されています。  少子化が進むということは、その地域が緩やかに衰退していくことを意味します。経済力を低下させ、社会の安定性・持続可能性が損なわれ、県民全てに不利益を生じさせることにつながります。  本来ならば、人口減少対策は国が主導し、人口が減り、疲弊に疲弊を重ねた地方の窮地を国が救うべきであります。  しかし、人口減少対策において最も大切なことは、スピード感であります。各地域の実情に合わせた施策を速やかに展開し、社会の意識改革こそが何より肝要です。  その意味においては、長崎知事が全国初かつ県独自の宣言をされたことは極めて大きなインパクトがあったと感じています。  結婚を望み、妊娠・出産を願う方々に夢や希望を与え、本県の置かれている超危機的状況を転じさせるのは、我々行政にかかわる者の責務であります。  諦めや傍観ではなく、地方から国を動かすくらいの気概を持って、一石を投じる山梨、一石を投じる議員でありたいと思います。  今回の代表質問では、ただいま申し上げた人口減少や少子高齢化問題にかかわる内容について、幾つかただしたく思います。  私は、二期目を迎えたばかりの駆け出しではありますが、長崎知事とともに、この山梨を発展させるべく全身全霊で努力することをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。  初めに、不妊に悩む方々への支援について伺います。  厚生労働省が今月二日に公表した人口動態統計の概数によると、我が国の昨年の出生数は統計開始以来、初めて八十万人を割り込みました。  政府が二〇一七年に推計した日本の将来推計人口では、出生数は二〇三〇年に八十万人を割り込むと予測されていましたが、出生数の減少は八年も早いペースで進んでおり、このまま行くと、二〇三〇年代には、現在の倍の速度で若年人口が減少すると予測されています。  また、本県の昨年の出生数については四千七百五十九人で、過去三十年の推移では四五%減となり、全国の三六%減より、減少幅が大きくなっており、とても憂慮すべき事態となっています。  この状況の中、国では、子供の最善の利益を第一に考える、こどもまんなか社会の実現を掲げ、あらゆる政策手段を組み合わせて、従来とは次元の異なる少子化対策に果敢に取り組むため、四月一日、子供・子育て政策の司令塔となるこども家庭庁を設置しました。  また、今月十三日には、少子化対策の強化策を盛り込んだ、こども未来戦略方針が示されました。  ここには、希望する誰もが子供を持つことが、我々が目指すべき社会の姿の一つとして掲げられています。  妊娠は子育ての最初の重要な部分であり、望みどおりの子供が授かり、無事に出産できることが多くの夫婦の願いであります。  しかし、二〇二一年に国立社会保障・人口問題研究所が行った出生動向基本調査によると、不妊症の検査や治療を受けたことがあると答えた夫婦は全体の二二・七%で、四・四組に一組が検査、治療を受けていることが明らかになりました。  また、不妊治療には、高額の医療費がかかります。国では、不妊治療に医療保険を適用したことは承知していますが、継続した治療には、経済的負担が重くのしかかります。  私には、二人の子供がおります。子供が生まれ、初めて自分の腕に抱いたときのあの感動は今でも忘れません。この感動を、子供を持ちたいと願う、全ての方々が享受できることが私の願いであります。  そこで、県では、このように不妊に悩む方々への支援をどのように行っていくのか、所見を伺います。  次に、パートナーシップ宣誓制度について伺います。  今年のゴールデンウイークは比較的天候に恵まれ、また新型コロナウイルス感染症の五類移行が間近だったということもあり、県内外の多くの子供たちが本県のすばらしい自然の中で生き生きと活動している姿が見受けられ、久々に気持ちが華やぎました。  一方、五月四日に総務省が公表した、子供の数の統計データによると、本県の昨年十月一日時点の十五歳未満の子供の数は、一昨年より二千人減っており、減少傾向に歯どめがかかりません。  今、未来を担う子供をふやしていくことは喫緊の課題であり、人口減少危機突破宣言による官民連携のもと、多様な価値観が尊重され、この地で子供を産み育てたいと思える環境づくりが求められています。  そして、この環境づくりにおいては、性別や年齢などにかかわりなく、誰もが活躍できることが重要であり、今年の信玄公祭りの武田信玄公役にモデルで俳優の冨永愛さんが初めて女性として起用されると聞き、本県の新しい可能性への挑戦に心が躍る思いです。  また、先日、今年のカンヌ映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞をあわせて受賞した「怪物」という日本映画を見ました。  脚本家の坂元裕二氏は、さまざまな家族の姿や社会課題を題材に数多くの作品を手がけてきましたが、今回の怪物では性のあり方を深く考えさせられました。  最近、社会のあらゆる分野で性の多様性に関する議論が活発化していますが、多くの方が社会課題として捉えている姿と考えられます。  県議会においても、昨年度、山梨県多様性を認め合う共生社会づくり条例を制定し、私も委員の一人として議論に参加してきました。  長崎知事は、本県が豊かな地域として、持続的に成長・発展を遂げていくための基礎条件として、多様性を尊重する共生社会化に挑戦するとの意志を表明されました。  この表明はまことに的を射ており、将来に向けた確固たる環境づくりを目指す姿を心強く思っています。  そこで、本県では、性の多様性を尊重する選択肢としてパートナーシップ宣誓制度の導入を検討していますが、現在の取り組み状況と今後の見通しを伺います。  次に、介護人材の確保・定着に向けた取り組みについて伺います。  三年以上にも及ぶコロナ禍により、介護施設ではクラスター感染が続発し、介護職員は心身ともに疲れ果ててしまいました。今でも介護職員はみずから行動を制限し、人との接触を避け、外食すら自制している状況にあります。  結果、多くの職員が仕事に見切りをつけ、現場を去るという最悪の事態となっています。  これから高齢者人口がピークを迎え、介護を必要とする方が増加するというのに、少子高齢化の進展に伴い、生産年齢人口が急激に減少していくことが見込まれる中、介護人材の確保は殊のほか厳しく、現場では危機感を通り越して、諦めムードまで漂っている状況です。  それでも、県では、少しでも事態を改善するために介護の魅力発信による担い手確保や、介護ロボット・ICT導入による業務負担の軽減などさまざまな施策を展開してきました。  また、自宅での生活が困難となった高齢者が速やかに介護施設へ入所できることを目指す介護待機者ゼロ社会の実現という高い目標を掲げ、大変厳しい課題にも前向きに取り組まれ、心から敬意を表します。  さらに、長崎知事が二月定例県議会で表明した介護事業者及び家族介護者への支援を一体的に行う介護福祉総合支援センターを福祉プラザ内に新設され、十分な人材確保を目指す司令塔的な専門部隊による実効力の向上に大いに期待しています。  介護という仕事は、確かに肉体的にも精神的にも決して甘いものではありません。  しかし、実際は高齢者の暮らしを守り、生きがいを創出するという、極めてやりがいのある、とうとい職業であると私は断言します。  これからも欠かすことのできない職業が介護職であります。今こそ、担い手確保という観点から、介護職員の早期離職を少しでも改善するために賃上げなど処遇改善を図ることや、業務負担の効率化を目指して、若者や女性、高齢者、外国人といった多様な方々が介護助手という新たなスタイルで働くことなど、真剣に議論を重ねなければなりません。  そこで、県では、介護人材の確保・定着について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、高等専門学校、高専の開設に向けた検討について伺います。  現在、日本では人口減少が急速に進行し、地域経済においては、需要はあるものの、業種によっては労働力不足の問題が深刻化しています。
     また、AIやIoT、ビッグデータなどデジタル技術の目覚ましい発展は、既存の産業やビジネスモデルを初め、社会全体に大きな変化を起こしつつあります。  このため、デジタル技術への対応能力と新しい価値観を備える人材が求められており、こうした教育環境を整えることは、地域発展のために不可欠な要素です。  このような状況下、デジタル時代にふさわしいものづくりの山梨を支える技術者の養成機関として、高専の創設を要望する声があると聞いています。  高専は、実験・実習を中心とした五年一貫の実践型技術者教育を行う高等教育機関であり、短期間で高度な技術を習得できる教育機関です。  また、社会の課題解決型教育の展開や、研究開発に従事する技術者として活躍する学生を輩出しています。  このため、高専の開設は、少子高齢化に伴う労働力不足や技術革新に対応する上で、重要な役割を果たすと考えられます。県内の産業振興や雇用創出、また県民生活における技術レベルの向上や、将来の技術者育成にも大きく貢献するはずです。  現在、国内には国立五十一校、公立三校、私立四校、合計五十八校がありますが、山梨県を含む五県には高専がありません。  知事は、二期目の公約として、しなやかなものづくりを支える高専の整備を掲げられ、開設に向けた検討を進めるとしています。  一方で、県内には、技術系教育機関として、山梨大学、産業技術短期大学校、甲府工業高校専攻科などがあり、山梨県内のものづくり産業を支えています。  そこに新たに高専を加えるに当たっては、その必要性について、十分な検討はもちろん、設置時のみならず、運営についても相当な経費が必要となるため、県内にあるほかの教育機関との連携や、学校経営の効率化をどのように図ることができるのか、検討も必要になると思います。  そこで、高専の開設に向けた検討に対する県の所見を伺います。  次に、職員採用と育成について伺います。  少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少、デジタル社会の到来、大規模災害や感染症リスクの増大など地方公共団体を取り巻く環境は大きく変化しており、今後、行政課題はさらに多様化・複雑化していくことが想定されます。  このような中にあっても、本県においては、ふるさとの強靱化を図り、国の内外に開かれた新しい山梨を旗頭に、県民に質の高いサービスを提供していますが、今後もそれを継続していくには、多種多様で前途有為な人材を確保していくことが極めて重要であります。  現在、県では、専門的な能力や経営感覚を有する職員を確保するため、新卒を初めとした若年層対象の採用試験とは別に、民間企業での実務経験者を対象とした試験も実施しています。  その試験での採用数は、ここ数年、事務職や技術職を合わせて五名程度にすぎません。  生産年齢人口は減少し、公務員試験の倍率が低下していくことが見込まれ、他県においては、人口規模の違いはあるものの、民間経験者を積極的に採用しているところもあると仄聞しており、人材確保はまさに地域間競争の重要ポイントになりつつあります。  どんな職場であっても、長い間に身についた職員の意識や組織の体質を変えることは決して容易ではありません。そうであっても、外部からの人材を投入するため、中途採用や民間交流を拡大させ、県庁内をバラエティーに富んだ人材の宝庫にし、そこで起こるであろう化学反応を大胆に政策に反映させていけるのであれば、間違いなく山梨の発展と県民の豊かさ・幸せの実感につながるものと確信します。  そこで、民間経験者枠の大幅な拡大、一旦退職して民間経験を積んだ元職の出戻り採用など、思い切った人材確保策を講じるべきであり、あわせて採用職員の配置や処遇など、組織内で確保した人材の経験や知見を生かすための取り組みを強化していく必要があると考えますが、県の所見を伺います。  次に、首都圏との交通強靱化について伺います。  本県は、周囲を山々に囲まれ、急峻な地形や脆弱な地質が多く、さまざまな災害リスクに対する県土の強靱化は喫緊の課題です。  また、他県とつながる交通網が限られており、災害時に交通が途絶えることで陸の孤島となるリスクが心配されます。  令和元年、東日本台風の豪雨により、東京都・神奈川県・山梨県境おいて、主な交通手段である中央自動車道や国道二十号、JR中央線が同時に被災し、沿線地域の生活・物流・観光・医療等に深刻な影響を与えたことは記憶に新しいところです。  国では、激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策として、平成三十年度から防災・減災、国土強靱化のための三か年及び五か年加速化対策などにより、重点的・集中的に交通ネットワークを維持し、経済や生活を支えてきました。そして、その成果もあらわれ始めています。  しかし、いまだ全国各地で想定を超える自然災害により、多くの被害が毎年のように発生しています。  幸いにも近年、本県には、人命にかかわるような大きな災害はありませんが、今後いつ発生するかわからない自然災害に対し、県民の不安を払拭する対策は十分とは言えず、さらなる県土強靱化が必要不可欠であります。  特に、本県と首都圏を直接結ぶ中央自動車道や国道二十号は、本県の産業や経済活動を支える生命線と言えるため、万が一の事態に備え、両路線を補完する代替ルートの安全性や信頼性の向上は最重要課題です。  県では、首都圏との交通遮断という苦い経験を踏まえ、中央道や国道二十号を補完する路線として、国道四百十三号と県道都留道志線の整備に取り組んでいると承知しています。  そこで、国道四百十三号と県道都留道志線の強靱化について、県の所見を伺います。  次に、先進的なデジタルアートの取り組みについて伺います。  近年、デジタルアートが大変盛り上がっていますが、その背景には、NFTと呼ばれる最先端のデジタル技術が大きくかかわっています。  このNFTの技術により、デジタルアートの複製が制限され、美術品の鑑定書のような機能を果たすことで、経済的な価値が担保され、唯一無二の芸術作品として所有できるようになりました。  このことがデジタルアートの世界のブレイクスルーにつながり、新しい芸術分野として、今後、さらに発展・拡大していくことが期待されています。  一方、県では、本年二月、本県出身であり、現代美術作家として、またNFTアーティストとしても著名な、たかくらかずき氏を起用し、県立美術館におけるメタバースの実験的な取り組みを始動しました。  これは、最新のデジタルアートを公立美術館で展示する、全国でも先進的な取り組みとして評価されています。  また、デジタルアートなど、いわゆるメディア芸術にいち早く焦点を当て、アーティストやクリエーターが集うアートシティーの実現を目指して創設された、やまなしメディア芸術アワードは、若手作家の登竜門として全国の注目を集めるようになりました。  これらの取り組みが着実に実を結ぶ中、知事は、本定例会の所信表明において、文化・芸術の振興に向け、NFT化したデジタルアートをふるさと納税の返礼品に活用し、得られた資金により、アーティストを支援する仕組みづくりを進めると表明されました。  デジタルアートなど新しい芸術分野に意欲的に取り組むアーティストの活躍の場として、魅力のある環境を整えることで、本県を国内外のアーティストが集い、創作し、世界に飛躍する場に進化させていくことは、これからの山梨の文化・芸術振興にとても大切な要素であると考えます。  そこで、県では、本年度、先進的なデジタルアートの取り組みをどのように進めていくのか、考えを伺います。  次に、消防用設備等の点検について伺います。  私は、昨年の九月議会にて、消防用設備等に対する法定点検の実施と報告率の向上について質問しましたが、今回は点検の適正な実施について伺います。  消防用設備等の法定点検は、半年ごとに行われ、一定規模の建物や施設については、国家資格の消防設備士などに点検を実施させることになっています。  言うまでもなく、点検は、その建物や施設を利用する方々の安全と安心を担保するものでなければなりません。  点検の確実な実施のため、本県においては、平成八年の消防庁通知に基づき、山梨県消防設備協会が主体となり、適切に点検を終えた消防用設備等に点検済みを証するシールを貼付する取り組みを行っています。  この点検済票は、点検実施者の責任を明確にしつつ、消防用設備等の点検が適正に行われたことを関係者や利用者などにお知らせする、いわばお墨つきのようなものであります。  これは、山梨県消防設備協会が一定の要件を満たしている点検事業者に交付しており、県内で七十二社が登録していますが、全ての建物の点検をこの登録業者が行っているとは限りません。  点検そのものは登録業者でなくても行うことができますが、中には悪質な業者が存在し、有資格者であっても適正な点検を行わない、無資格者が違法点検を行うなどのケースがあると聞いています。  また、そのようなケースにおいては、仕事を得たいがために、入札や見積もり合わせなどで極めて低い金額を提示し、結果として手抜き点検が行われる可能性もあります。  近年、消防用設備の不具合等が原因で、発生した大規模火災などで複数のとうとい命が奪われるという大惨事が何件か発生しています。  二度と同じことを繰り返さないためにも、まずは県が管理する不特定多数の方々が出入りする公共施設において、点検業者の選定に細心の注意を払い、悪質な業者を排除するとともに、適正な点検について厳しくチェックを行うべきと考えます。  そこで、消防用設備等の点検の適正な実施に向け、県では、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、人と動物の共生社会の推進について伺います。  県では、人と動物が調和し、共生する社会の実現を目指して、令和二年度に山梨県動物愛護管理推進計画を策定し、動物致死処分ゼロに向けたさまざまな取り組みを行っています。  昨年度は、猫の不妊・去勢手術への補助制度を思い切って拡充し、全ての市町村と連携して取り組んだことで、寄附に頼らず、各市町村が地域の環境問題として、猫の問題に取り組む社会に一歩近づけたと感じています。  知事が公約で掲げた動物致死処分ゼロの実現に向け、引き続き猫の不妊・去勢手術への助成を維持し、これからも飼い猫にも飼い主のいない猫にも、手術が十分に行われることを期待しています。  一方、一部地域で取り組みが始まった不妊・去勢後の飼い主のいない猫を見守る、いわゆる地域猫活動は、いまだ県全域で積極的に取り組まれているとは言えない状況です。  県内各地で、みずからの生活や自宅を犠牲にしながら、何十頭もの猫を保護しているボランティアや仕事の合間に地域猫活動に取り組むボランティアが多くいること、県外の獣医師がわざわざ山梨へ来て、低価格で手術を請け負っているという話をよく聞きます。  猫の問題が地域環境問題だとすれば、ボランティアが私生活を犠牲にして取り組むのではなく、県の動物愛護指導センターを地域猫活動や、保護・譲渡の拠点として、もっと活用すべきでありますし、地域の獣医師との一層の連携も必要です。  さらに、こうして必死で猫たちを救い、無秩序な繁殖をなくすための活動がされている一方で、一部の不適切な繁殖業者が不幸な猫を生み出しているという話も聞いています。  このような取り扱い業者に法令遵守を徹底させることは、不妊・去勢手術の補助制度や地域猫活動の取り組みを効果的にするためにも欠かせないはずです。  そこで、これらの課題を踏まえつつ、地域猫活動を初めとする人と動物の共生社会の推進に向けた施策について、今後どのように取り組むのか、県の所見を伺います。  次に、ひきこもり支援について伺います。  山梨県では、ひきこもりについて、一、六カ月以上にわたって社会的に孤立し、おおむね自宅にとどまり続けている状態が続いている。二、社会的・対人関係上の機能に問題がある。三、こうした状況に対して本人、あるいは家族や周囲の人たちが苦悩している。これら三点を全て満たす場合に支援を要するひきこもりと判断しています。  県が令和二年に実施したひきこもりに関する調査によると、該当者は六百十五人であり、年代は四十代から五十代が約半数を占めています。  しかし、家族や親族などが公にしていないケースもあると思われ、実態の把握が難しく、実際にはもっと多くの方がひきこもり状態にあると推測されます。  ひきこもりに至った経緯は、失業や病気などの理由が約四割ある一方、理由が明確でないケースも半数近くあり、一たびひきこもると、長期化する傾向があります。  私は、何度かひきこもりの当事者や、その家族が集まって行うミーティングに参加しましたが、その場に出かけることができる方は、どちらかといえば少数派であり、多くのひきこもり当事者は家から出ることすらできません。  県は、ひきこもり地域支援センターを設置し、電話やLINEでの相談体制を構築しました。また、市町村には、ひきこもり支援の手引きを作成するなどして、状況に応じた連携を図っていますが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、当事者や御家族との対面での支援が適切なタイミングで十分に実施できていないのではないかと懸念しています。  実にデリケートで、深刻な社会問題でありますが、私は、自宅にとどまり続けている当事者や、その家族と向き合い、家庭内に潜む実態をつかんでいくためには、訪問型支援に重点を置き、長期的かつ継続的に取り組むことが肝要であると考えます。  また、訪問型支援をさらに充実させるには、保健所や地域の社会福祉協議会、家族会、その他民間支援団体との緊密な連携を図り、社会全体で支える仕組みを構築することが欠かせません。  そこで、現在行われている訪問型支援の状況と今後の具体的な取り組みについて、県の所見を伺います。  次に、フリースクールとの連携について伺います。  令和四年度に公表された山梨県の小中学校における不登校児童生徒数は千五百六十七人で、過去最多であります。  コロナ禍もあってか、昨今、社会環境や家庭環境が大きく変容し、不登校の要因も多様化しています。例えば、何となく行きたくない、行かなくても困らないという曖昧な理由によるものや、嫌なことがあるなら行かなくてもいいといった保護者の考えによるもの、また自分に合った学びの場として、学校以外の場所を選ぶといった、いわゆる積極的不登校などさまざまであります。  もはや不登校は、どの児童生徒にも起こり得ることであり、大切なことは、学びの場が学校であるか否かにかかわらず、子供が自分自身で問題に向き合い、主体的に考え、社会的な自立を目指すための支援を受けられることです。  そして、このような支援を行う場の一つに、フリースクールがあります。  現在、本県には、十四のフリースクールがあり、それぞれ独自の考えで運営され、活動内容も学習支援を重視するところ、自主性を養うことに重きを置くところなどさまざまであります。  文部科学省では、相談、指導を受けるためにフリースクールなどの学校外の施設に通っていても、一定の要件を満たす場合には、学校長の判断で出席扱いできるとしています。  しかしながら、現状では、本県のフリースクールに通う児童生徒が出席扱いになっているケースは少ないと聞いています。これは、学校や教育委員会において、フリースクールへの理解が進んでいないことが要因の一つであると考えます。  社会に翻弄され、その結果として学校外の施設であるフリースクールに身を寄せている児童生徒に対して、学校として寄り添い、適正な評価と支援を行っていくためにも、フリースクールとの連携・協働を図っていくべきではないでしょうか。  そこで、県では、子供たちの課題解決のために、市町村、学校、フリースクールとの連携についてどのように考えているのか、お伺いします。  最後に、子ども支援委員会について伺います。  「子どもの権利は、子どもが成長するために欠くことのできない大切なものです。」この一文は、昨年三月、私たち県議会の議員提案により成立した、やまなし子ども条例の前文に掲げられている理念です。  現代社会は、変わり行く時代と価値観の中で、人間関係の希薄化や経済格差などの問題を抱えており、虐待、いじめなど子供たちの権利が脅かされるケースは、増加の一途をたどっています。  また、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話を日常的に行い、自分の時間が制限されるヤングケアラーと言われる子供たちの存在も注目されています。  さらに問題なのは、この厳しい境遇に置かれている子供たちが誰にも相談できず、悩み、我慢している現状があることです。  県議会では、この事態を看過できず、令和三年四月に、やまなし子ども条例案作成委員会を立ち上げ、私も委員の一人として、条例の作成に携わらせていただきました。  条例では、子供の権利が尊重されることを基本理念の第一として、県の責務や保護者・学校関係者等の役割などを規定しているほか、子供に優しいまちづくりの推進やヤングケアラー支援の推進などについて規定しています。  県では、条例の制定を受け、知事の強いリーダーシップのもと、全国に先駆けて、ヤングケアラーの支援に特化した支援計画を策定し、ヤングケアラー・コーディネーターの養成や、さまざまなメディアを活用した啓発活動を行うなど活発な取り組みを展開されてきました。  本年三月に、岸田総理が会見で、「子供たちがいかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会、これが目指すべき社会の姿である」と発言されました。  このあるべき姿を実現するためには、子供の権利が保障されていなければなりません。  県では、条例に基づき、今月一日に山梨県子ども支援委員会を設置しました。  この委員会は、困難な状況にある子供たちのよりどころであり、とりでとも言えるものであります。  そこで、県では、子供の権利を保障するため、子ども支援委員会でどのような取り組みを進めていくのか伺います。  以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴に心から感謝を申し上げます。 15 ◯議長水岸富美男君)臼井友基君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 16 ◯知事長崎幸太郎君)臼井議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、自由民主党新緑の会を代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。
     過日発表いたしました全国初、本県独自の人口減少危機突破宣言に対する御賛同や、今後の政策パッケージへの御期待をいただくとともに、私とともに、山梨の発展に向け、全身全霊で取り組まれるとの力強いお言葉を賜りました。  人口減少という極めて重大な課題に対しまして、地方から国を動かす気概を持って率先して取り組んでいくとの御決意を示され、私も、その言葉により、危機突破に向け、一段と勇気を得た思いであります。  私も、臼井議員を初め、自由民主党新緑の会の皆様方とともに、人口減少危機を克服、突破して、本県を発展させるべく、積極果敢に取り組んでまいります。  以下、答弁に入ります。  初めに、不妊に悩む方々への支援についてです。  不妊治療を考えている女性やその家族は、治療への不安や経済的負担、仕事への影響など多くの悩みを抱えているため、安心して相談、治療を受けられる環境を提供していくことが重要です。  このため県では、これまでの相談窓口に加えまして、SNSによる相談を導入するとともに、流産などを経験した方に寄り添う相談員の専門性を高める研修を行い、より丁寧な相談体制を築いてまいります。  また、大きな経済的負担となっている不妊症検査に対する助成のほか、保険適用外の先進的な不妊治療に対しても助成を行い、高度な不妊治療を望む方への経済的負担の軽減を図ってまいります。  さらに、仕事への影響を考慮し、身近な地域で治療が受けられるよう、引き続き山梨大学との連携のもと、受精卵を育てる専門人材である胚培養士の育成に取り組んでまいります。  加えて、大学・企業などと連携をし、若い世代に向けた妊娠・出産の知識の啓発や、企業に向けた不妊治療への理解促進など、若い世代が妊娠を契機としたライフデザインを描きやすい機運を醸成してまいります。  こうした取り組みによりまして、今後も不妊治療を必要とする方々に寄り添ったきめ細かい支援を継続し、子供を持ちたいと願う方々が安心してその希望がかなえられる環境の充実・強化に取り組んでまいります。  次に、パートナーシップ宣誓制度についてです。  本県が真に豊かさを実感できる地域となっていくためには、県民一人一人がお互いの多様な個性や価値観を認め合い支え合うことで、その能力を最大限発揮できる共生社会化を進める必要があります。  その第一歩となりますのは、性の多様性への尊重と考えますが、性のあり方への理解が進んでいないことから、日々の生活の中で不安を抱えている人たちが少なからず存在します。  このため県では、当事者や御家族、有識者からなるパートナーシップ宣誓制度研究会を設置し、幅広い視点から制度導入の検討を深めてきました。  この研究会の中で、当事者の方々からの多様な性自認やパートナーの形を知ってほしい、パートナーとともに心豊かに暮らしたいといった切実な思いを受けとめました。  こうした声を踏まえまして、多様な性への県民理解の浸透を図り、性的マイノリティーの方々がパートナーとともに充実した生活を営むための一助とするため、パートナーシップ宣誓制度を導入することといたしました。  なお、有識者からは、制度導入に当たって、当事者目線で障壁解消に努めていくことが大事だ、多様性を受け入れる意識醸成は一朝一夕には進まないが、丁寧に取り組む必要があるとの御意見をいただきました。  今後は、こうした御意見も踏まえまして、全ての県民が安心して生活することができることを旨とし、身近な市町村の御意見も伺いながら、当事者の視点から制度の詳細を詰めてまいります。  まずは、目的や手続を定めた要綱でモデル的に運用を開始し、その状況を検証した上で、県や県民の役割なども盛り込んだ条例化を検討してまいります。  次に、介護人材の確保・定着に向けた取り組みについてです。  介護人材の確保・定着の促進は、必要とする人に必要な介護サービスを提供し、介護待機者ゼロ社会を実現するための前提となるものであり、最優先で取り組むべき重要課題であると考えております。  三年半にわたるコロナ禍におきまして、介護施設などでは想像を絶する困難を強いられており、昨今の物価高騰がさらに追い打ちをかける状況となっております。  加えて、介護施設などの収入は国による公定価格で算定されるため、限られた財源の中、賃金改善は思うように進まず、離職に歯どめがかかっていません。  こうした厳しい状況を打開するため、県では、介護施設などに対し、光熱費及び食費の高騰分や、賃上げに対応するための緊急的な財政支援を行うこととし、所要の経費を六月補正に計上したところです。  加えて、今後も現職の介護職員のモチベーションを高めるとともに、新規就労を促進していくため、介護の仕事のすばらしさがわかるエピソードを募集し、現場の介護従事者を表彰する制度の創設や、こうしたエピソードの漫画化により介護の魅力をPRすること、介護サービスの質の向上などに成果を上げた事業者にインセンティブを付与するなど、事業者の自主的な取り組みを促す事業といった取り組みにつきましても鋭意検討し、実現をしてまいりたいと思います。  また、介護職員の一層の負担軽減を図るためには、介護現場で清掃や配膳など介護経験を必要としない周辺業務を担う介護助手の活用が有効であります。  このため、本年度普及推進員を配置し、学生や子育てを終えた女性、元気な高齢者など、介護助手としての活用が期待できる幅広い層への積極的な掘り起こしを行い、施設とのマッチングを推進してまいります。  さらに本年度、新たにAI搭載の介護機器など、最新のデジタル介護の導入支援に知見を有するコンサルタントを委員に加えた介護現場革新会議を設置することとしております。  今後、現場の介護関係者や有識者も参画するこの会議での議論を取り組みに反映させながら、介護人材の確保・定着に全力で取り組んでまいります。  次に、高等専門学校、いわゆる高専の開設に向けた検討についてです。  高専は、柔軟なカリキュラム構成により、実践的な専門人材の育成が可能であるため、企業の採用ニーズが高く、高等専門人材の育成機関として期待されています。  こうした中、デジタル時代におけるものづくり人材の育成に当たりましては、AIやデータサイエンスなどの技術分野と、豊かな感性で新たな価値を創造できるデザイン分野に精通した人材が必要不可欠です。  一方で、設置主体の問題や教育人材の確保、ハード整備のための財源確保などの課題があることは議員御指摘のとおりであり、我々も重々承知をしているところでございます。  また、工業系高校の再編拡充や職業能力開発施設の訓練内容の充実、さらには大学との連携や接続といった選択肢も考えられるところです。  このため、本県産業の目指すべき姿を考え、どのような人材育成が必要なのか、その上で卒業生がどういうキャリアパスを描けるのかを検討していくため、地域の特性やニーズ、効果などを把握する調査を行ってまいります。  その際には、中学校卒業後の進路選択の幅が広がることによります子供や親世代への安心感の提供など、間接的な効果も含め整理を進めてまいりたいと思います。  これにあわせ、庁内プロジェクトチームを立ち上げ、課題への対応方策の議論を深めながら、設置の可能性について幅広く検討をしてまいります。  次に、職員採用と育成についてです。  県民本位の県政を進める県庁において、最も大切な経営資源は職員であります。議員御指摘のとおり、多様な人材を確保し、その能力を最大限に引き出す環境を整えることは極めて重要であります。  これまでも本県におきましては、民間経験者採用に加え、任期付職員採用や特別職非常勤の任命などさまざまな形態で人材を確保してきました。  社会が変化のスピードを増し、行政課題がますます複雑・多様化する中で、今後も行政サービスの質を向上させていくためには、多彩なバックグラウンドを持った人材の確保をさらに進めていくことが必要と考えております。  そこでまず、採用面におきましては、民間経験者採用の募集人数について、DX関連施策の推進を強化するために昨年度新設いたしましたデジタル職も含め、本年度は十名と大幅にふやしたところです。  加えまして、社会全体で雇用の流動化が進む中、県を退職し、民間で活躍した後、再び県に戻り、民間での経験を県政に生かしてもらえるような制度の創設につきましても検討を始めております。  また、配置・処遇面におきましては、これまでの職員も当然含めながら、従来の新卒・終身雇用をベースとしたキャリア形成システム全般を見直し、年齢や勤続年数にとらわれず、能力と意欲を適正に評価し、処遇できるシステムの再構築に着手したところです。  これによりまして、民間からの人材も含め、職員が保有する知見・能力を最大限発揮できるような配置を行うとともに、その知見・能力に見合ったポストや給与で処遇できるよう対応をしてまいります。  さらに、育成面におきましては、県内で働く人のリスキリング推進拠点として今後設置いたします、キャリアアップ・ユニバーシティーとも連携をしながら、職員に対する研修を充実させてまいります。  新たなキャリア形成システムの構築におきましては、スキルアップを配置や処遇に反映することで、職員が意欲を持って継続的にみずからの能力開発を図る仕組みづくりも進めてまいります。  その上で、今後も新しい視点を持った多種多様な人材の確保を進めることにより、さまざまな知見や個性がぶつかり合い、個々の職員の能力の相乗的な効果も図られると考えています。  これらの取り組みによりまして、県庁全ての職員が高い意欲を持って、独自性と先進性を備えた施策を立案・実行することで、県民の豊かさ実感を実現し、さらには国内外に多くの価値を提供してまいります。  次に、首都圏との交通強靱化についてです。  首都圏とつながる中央道や国道二十号は、本県の経済・産業を支える重要な路線でありますが、令和元年東日本台風による交通途絶は、代替機能の脆弱さを顕在化させました。  このため、国や高速道路会社など関係機関と交通強靱化プロジェクトを設立し、相互に連携・協力して信頼性の高い交通ネットワークの構築に一体的かつ計画的に取り組むこととしております。  国道四百十三号と県道都留道志線は、災害時において国道二十号の代替ルートとなることから、整備を進めることが不可欠であると考えております。  このうち国道四百十三号では、現在、道志村野原地区から月夜野地区において、道志バイパスの整備を実施しており、本年度中にはトンネル本体の掘削工事に着手いたします。  また、県道都留道志線では、急峻な峠区間を回避するため、新たなトンネルを含む道路整備を行うこととし、これまでルートや道路構造の検討を行ってまいりました。  来月七月には、具体的な道路計画について地元説明会を開催することとしております。そして、地域の合意形成に努め、令和六年度の事業化を目指します。  さらに事業化後は、地元関係者の御協力をいただきながら調査設計や用地の取得を進め、おおむね三年程度、すなわち令和九年度頃には工事に着手できるよう努めてまいります。  今後も引き続き、首都圏との物流・人流を促進するため、広域道路ネットワークの整備を進め、ふるさと強靱化の実現に取り組んでまいります。  次に、先進的なデジタルアートの取り組みについてです。  AI、NFTなどの革新的デジタル技術が急速に発展をし、芸術の分野においても多様な創作活動の展開が可能となる中、新たな芸術分野としてのデジタルアートの可能性は、非常に大きいものと期待されております。  このような動向を踏まえまして、私は、この山梨から世界に飛躍するアートシティー、すなわち国内外から気鋭のアーティストが集い、交わり、新たな価値が創造されていく場所を生み出していきたいと考えております。  そのためには、アーティストが制作し、発表した作品が高く評価され、収入を得て次の創作活動につながる好循環を作り出し、本県が多くのアーティストを引きつける場所となる必要があります。  その実現に向けまして、本年度は美術館メタバースプロジェクト第二弾として、新たなデジタルアーティストの発掘や、NFTなど最先端デジタル技術の活用に向けたアドバイザーの設置を予定しております。  さらに本年秋を目途に、プロジェクトから生まれたNFTアートをふるさと納税返礼品に活用し、アーティスト支援の財源とすることで、アートシティー実現へとつながる支援の仕組みづくりを進めてまいります。  また、やまなしメディア芸術アワードは大変好評で、応募作品も一気にふえ、令和三年度の百五十五作品から令和四年度は二百七十九作品となるなど、国内外のアーティストからの注目度が年々高まっております。  本年度は、美術館のメタバース空間を活用した受賞作品の発表、富士五湖地域及び八ケ岳地域での展示など新たな展開を図り、アーティストのキャリア形成の場として、本県の認知度をさらに高めてまいります。  最後に、子ども支援委員会についてです。  子ども支援委員会は、子供の健全な成長を強く願う県議会の皆様の後押しにより実現したもので、子供の権利保障が子育て政策の基本であるとの考えは、私も県議会と思いを同じくするところであります。  県ではこれまで、教育の体系内での相談・支援が中心でしたが、子ども支援委員会はこの仕組みの枠外にいる子供の権利救済にも介入できるよう、多くの関係機関と連携した救済ルートの複線化を行いました。  また、子ども支援委員会の設置にあわせ、虐待やいじめだけではなく、日常の悩み事など、あらゆる相談を受け付ける、子どもの権利相談室・やまなしスマイルを県庁内に設置し、対応を開始したところです。  相談室では、メール、電話、手紙など、さまざまな媒体による相談を受け付けるとともに、面談を希望する相談者の利便性を考慮し、オンラインによる相談も受け付けることとしております。  子ども支援委員会では、権利侵害の救済を進めていくに当たりまして、委員が直接、子供から内容や希望を聞き取り、解決方法を協議するなど、子供の意思を最大限尊重していくこととしております。  また、市町村を初め、教育、児童福祉などの関係機関と連携を密にすることで、情報管理の徹底、きめ細かい対応を行い、相談者である子供への身体的、心理的負担につながらないよう配慮してまいります。  県では、子ども支援委員会を子供権利擁護の中心に置き、全ての子供が等しく大切にされ、笑顔で暮らせる社会の実現を目指し、今後もちゅうちょなく積極的な子供・子育て政策の充実に取り組んでまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきまして、担当の部長等からお答えを申し上げます。 17 ◯議長水岸富美男君)防災局長、細田孝君。       (防災局長 細田 孝君登壇) 18 ◯防災局長(細田 孝君)臼井議員の消防用設備等の点検についての御質問にお答えします。  火災から県民の生命・財産を守る消防用設備等は、常にその機能を維持する必要があり、そのための点検は適正に実施されることが重要です。  このため消防本部においては、消防法に基づき建物への立入検査や防火管理者講習を計画的に実施し、消防用設備等の適正な維持管理について建物管理者等を指導しているところです。  一方、建物管理者等においても有資格者に点検させる場合は、その結果の確認のみならず、点検に立ち会い、実施状況を把握することが大切です。  このため県では、建物管理者等が点検に立ち会う際に留意すべき事項をわかりやすくまとめたチェックリストを新たに作成することといたします。  その上で、庁内関係部局や消防本部と連携しながら、県が管理する公共施設を初めとした建物管理者等に対して、このリストを活用した点検の実施を促してまいります。  また、不適正な点検を覚知した際には、点検を実施した有資格者を違反行為の種別に応じて処分する制度に基づき、消防本部と連携し適切に対処してまいります。  以上でございます。 19 ◯議長水岸富美男君)福祉保健部長、井上弘之君。       (福祉保健部長 井上弘之君登壇) 20 ◯福祉保健部長井上弘之君)臼井議員の御質問にお答えします。  まず、人と動物の共生社会の推進についてであります。  犬や猫といった身近な動物は、生活をさまざまな形で豊かにしてくれる、かけがえのない存在であり、人と動物の共生社会の実現は、県民の豊かさを一層増進させるものと考えます。  県が目指す致死処分ゼロの推進は、動物愛護の原点であり、飼い主の有無にかかわらず、猫の不妊・去勢手術を助成する全国に類を見ない制度を創設し、市町村との連携体制を構築してきたところであります。  これにより、猫の不妊・去勢手術が進み、飼い主のいない子猫の引き取り数は大幅に減少しております。  一方、不妊・去勢手術後の飼い主のいない猫を放っておくと、ふん尿被害やごみを荒らされるなどの環境問題が発生するので、これらの猫を地域で見守る、いわゆる地域猫活動の推進が重要となります。  そこで、地域猫活動を県全体へ普及するため、自治会などが活動を円滑にスタートできるよう、猫の餌などの購入経費に対し助成することといたしました。  また、保護・譲渡の拠点となる動物愛護指導センターに専用ポータルサイトを開設し、収容した犬猫の姿や特徴の動画配信により、迷い猫の飼い主への返還や飼い主のいない猫の譲渡を一層促進してまいります。  さらに、議員御指摘の繁殖業者を初めとする動物取扱業者へ法令遵守を徹底させるため、計画的に監視指導を実施します。  今後とも、地域住民やボランティア団体を初め、県獣医師会などとも連携し、人と動物の共生社会を推進してまいります。  次に、ひきこもり支援についてであります。  誰一人取り残されることのない社会を実現する上で、生きづらさと孤立に葛藤する当事者や家族に時間をかけて寄り添い、本人が望む、その人らしい人生を歩んでいただくための支援は大変重要です。
     ひきこもりの当事者には、相談先へ出向くことが難しいというケースが多いため、議員御指摘のとおり、訪問型支援が非常に効果的であります。  現在、保健所においては、職員による定期的な自宅訪問に加え、本人の興味や関心に沿って外出に同行するなど、オーダーメイド型の支援を行っています。  また、当事者と会えないケースについては、本人に向けた手紙を残すなどにより信頼関係を構築しながら、本人の気持ちの変化を捉えて支援を次の段階に進めています。  昨年度は、コロナ禍の制限はあったものの、県及び甲府市保健所において三百回近い支援を行い、支援した方のうち約二六%を定期的な外出などの社会参加につなげることができました。  しかし、このような本人、家族に伴走する支援を一層充実させるには、今後、各関係機関の役割、特に民間支援団体の活動も重要になると考えております。  そこで、活動を行う団体の支援となるよう、一定の基準のもと、県が団体を認証し、県のウエブサイトなどで周知する制度を来月からスタートさせることといたしました。  この認証制度により団体の信頼性を高めるとともに、地域の相談支援機関や家族会などにより構成する、ひきこもり支援情報交換会において好事例を横展開し、訪問型支援を充実させてまいります。  以上でございます。 21 ◯議長水岸富美男君)教育長、降籏友宏君。       (教育長 降籏友宏君登壇) 22 ◯教育長降籏友宏君)臼井議員のフリースクールとの連携についての御質問にお答えします。  不登校児童生徒への支援につきましては、学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があると考えております。  この点において、県や市町村、学校、フリースクールが目指すものは同じであり、相互に連携し協力することは大変重要であります。  このため県では、フリースクール、市町村、学校関係者などによるネットワーク会議をこの夏に開催し、不登校支援の充実を図ってまいります。  この会議では、不登校支援における県の考え方や県内のフリースクールの運営方針、また、フリースクールに通う児童生徒の情報共有の方法などについて取り上げていく予定であります。  また、議員御指摘のフリースクールの出席扱いにつきましては、関係者の認識が不十分であることから、市町村、学校などに対して改めて国の考え方を周知するとともに、研修会などでも説明を重ねてまいります。  さらに、保護者が悩みを抱えて孤立しないようにするためには情報発信も重要であり、県のホームページでフリースクールの場所や活動内容などを紹介し、情報提供を行ってまいります。  こうした取り組みにより、関係機関とフリースクールとの連携をしっかりと行い、誰一人取り残されずに学びが続けられる環境づくりを進めてまいります。  あわせて、不登校の児童生徒に限らず、学校での学びについて、従来の教師主導の一斉授業から、子供の理解度に応じて自分のペースで学ぶ子供主体の授業への転換を図ることにより、子供がみずから選ぶ学びの実現を目指してまいります。  以上でございます。 23 ◯議長水岸富美男君)当局の答弁が終わりました。  臼井友基君に申し上げます。再質問はありませんか。 24 ◯臼井友基君 ございません。 25 ◯議長水岸富美男君)これをもって、臼井友基君の代表質問を打ち切ります。  以上で、本日の日程は全部終了いたしました。  来る六月二十六日、午後一時、会議を開き、代表質問及び一般質問を行います。  本日は、これをもって散会いたします。                                          午後三時四十八分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Yamanashi Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...