ツイート シェア
  1. 富山県議会 2020-11-01
    令和2年11月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 ◯議長(上田英俊君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(上田英俊君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第116号から議案第122号まで、議案第124号から議案第133号まで、報告第19号のうち専決処分第58号、第59号、第67号から第69号まで、報告第20号及び報告第21号を議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  平木柳太郎君。    〔22番平木柳太郎君登壇〕 3 ◯22番(平木柳太郎君)おはようございます。  自由民主党の平木柳太郎です。ワクワクしています。新田県政に対する県議会一般質問の先頭打者、ラグビーでいうスクラムの先頭、フッカーを務めさせていただきます。  これまで党を代表する質問が続き、今日からは県民を代表する個人の議員の質問であります。県議会と新田県政がスクラムを組めるかは、私への答弁にかかっていると言っても過言ではありますけれども、ネット中継を御覧の数万人の県民の皆さんを代表して質問させていただきます。  本日は分割質問形式で、2つのテーマについて14問伺います。  まず、県政の継承と発展について、新田知事の掲げる富山八策を切り口として質問をいたします。  新型コロナウイルス感染症インフルエンザの同時流行も念頭に置き、さらなる予防策の改善と産業振興をどのように進めるべきかは重要な課題であると認識しています。  富山県内での感染が発生した場合に、医療機関以外にも先頭を切ってその対応を進めていただいているのが、県内に4つの本所と4つの支所がある厚生センターです。この厚生センターでは、地域ごとの窓口として新型コロナの感染に疑いのある方の対応、また医療機関との連携の橋渡し役としてのPCR検査や、日常的な業務でも幅広い県民の福祉に寄り添うなど、まさに最前線の富山県庁職員が勤務をされている現場であります。  私自身が幾つかの厚生センターを見てきたところ、飛沫防止パネルが設置されていない窓口があったり、また冷暖房の過度な温度制限のために就労環境として適切ではない、そういった状況があったりと、環境整備に課題が見受けられました。この冬にかけて、環境の改善が必要な施設があるというのは大きな問題であります。  そこで、現場主義を掲げ職員が現場に出向くことを重視すると語る新田知事の方針を生かし、県内の厚生センター8か所に対する整備、設備を改善すべきと考えますが、県の考えを厚生部長に伺います。  感染症やインフルエンザの予防に関しては、県民が必要以上に不安になるような心理を解消するため、県からの情報発信が大変重要です。前知事においては、議会質問でSNSの個人アカウントを使ってのトップメッセージを発信すべきという提案には、業務が多忙という理由でなかなか動いていただけませんでした。
     新田知事におかれては、今回の県知事選挙とは関係なくSNSの個人アカウントの運用を行っておられました。しかしながら選挙後11月9日の初登庁を最後に、活発に情報発信をしていたSNSアカウントは、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムともに活動が休止しています。  さきの代表質問において、私たち自由民主党議員会の鹿熊議員より質問の際には、県民に丁寧な説明を全力で行うという答弁がありましたが、SNSを見る限りでは、知事選挙が終われば県民への説明が必要ないというふうな態度にも取られかねない現状であります。オープンで分かりやすい県政にはSNSも必要ではないでしょうか。  富山県のアカウントはありますが、知事自らのアカウントで、政策や県民が必要とする各種の情報を積極的に発信していくことを、再開されることを期待しますが、県民に対する情報発信の手法や在り方について、新田知事の所見を伺います。  新型コロナウイルス感染症インフルエンザの予防策を取りながらも、産業振興を並行して加速させていかなければなりません。現在県内では、新型コロナの第3波と言われる感染の拡大が続いていますが、各都道府県や市町村のトップが発信する情報には、経済を止めないという強い決意も見られるような状況があります。  私が所属する自由民主党の青年局では、このような緊急時に即応できる政府の確立を目指すために、いわゆるガバメントDXの推進として統計改革やEBPMの推進を加速させる動きがあります。  EBPM──エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング、この解釈については、内閣府が、政府の企画立案をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化した上で政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や、データ、エビデンスに基づくものとするとしています。  産業の分野や経済成長の切り口によって、根拠とする統計情報などが変わることは必要かもしれませんが、あたかも経済が前向きに進んでいるような印象を持たせるための都合のいいデータの利活用があってはなりません。富山型EBPMを確立することを望んでいます。  さきの代表質問でも、複数の経済指標による新田知事の県内経済への評価や見通しが述べられましたが、住民目線での県民が共通言語として理解しやすい、知事としての経済の見方を共有していただくことが望ましいのではないでしょうか。  そこで、経済産業政策を推進していくに当たって具体的な評価指標が必要であると考えますが、民間出身の知事としてどのような経済指標を重視しているのか、新田知事の所見を伺います。  富山県武道館の整備に関しては、さきの代表質問において、できるだけ整備を進めるとの答弁が新田知事よりございました。幸いにも、計画どおりに整備するというふうな答弁ではなかったことから、大方針については再検討の余地があるのだと期待をするところであります。  スポーツ関連施設の整備においては、稲荷公園周辺のアリーナ構想や、この近隣で言えば桜木町のアリーナなどの民間再開発計画も含めて、民間投資が活発に行われるような再開発の展望を描いた上で整備を進めるべきと考えます。  また、住民目線で考えた場合、現在の富山県武道館の建設予定地に、周辺エリアが変わらないまま新しい武道館が建設されても、孤島のような形になり武道館が孤立し、県内武道の発展を象徴するような場所として印象づけるのは難しいのではないでしょうか。住民目線で考えていく民間出身の知事がリーダーに選ばれた今、民間企業等が有する近隣の土地や施設についても意見を交わし合う、そういった機会が求められることを期待しています。  そこで、富山県武道館の整備を進める場合、近隣の施設やビル、ボウリング場を含むエリア一帯の再開発についても検討すべきと考えますが、県の考えを政策監に伺います。  スポーツに関連して県民の関心が高いのは、県内のプロスポーツチームの活躍やスポーツイベント等の開催に関わることです。主要イベントとしては、富山マラソンや富山湾岸サイクリングなど、これまで県内外から参加者を募って成功させてきた各種事業について、継続する事業の選定と早期の方針発表が必要であります。  また、富山県を本拠地にするプロスポーツチームの支援についても、試合の観戦に訪れるファンの数が大きく増えることが難しい環境下で、県としても各チームの支援を強化していただきたいと考えます。  言うまでもなく、県内には、サッカーはカターレ富山、バスケットボールは富山グラウジーズ、野球は富山サンダーバーズが注目されていますが、ほかにも射水市を拠点とする女子ハンドボールのアランマーレ、小矢部市を拠点とする男子ホッケーチームの小矢部RED OX、そして黒部市を拠点とする女子バレーボールKUROBEアクアフェアリーズなど、各競技の活躍が期待されるところであります。  この県内プロチーム6つが力を合わせ、「スポーツの力で富山を元気に」と題するクラウドファンディングが現在も行われており、残り18日間、県内外から広く支援を募り、同時にスポーツに関するイベント企画も募集することで、発起人の各チームの6選手やサポートするまちづくり会社によって県内スポーツの振興に役立てられる予定です。  このような民間の動きもある中、コロナの拡大やオリンピック延期を踏まえ、本県のスポーツ振興を図るために、プロスポーツチーム等の支援やスポーツイベント等の開催にどのように取り組んでいくのか、県の考えを政策監に伺います。  環境政策の継承においては、今年3月に県からもゼロカーボン推進宣言が行われ、新とやま温暖化ストップ計画に基づいた政策の加速が期待されます。  経済産業省は脱炭素化の推進において、効率の悪い石炭火力発電の休廃止を検討しており、県内の火力発電所については、9月の厚生環境委員会において私の質問に対し、再生可能エネルギーへの転換ということで石炭火力から再生可能エネルギー等への転換が図られれば、温室効果ガス排出量の大きな削減につながることになるとの答弁がありました。電力の安定供給の課題、発電コストに関する課題なども指摘をされましたが、県内のゼロカーボンに向けた大きな可能性のある改善点として、少しでも早く取組をする必要があります。  そこで、脱炭素化の推進に向けて、県内で温室効果ガス排出量の多い石炭火力発電所に対しての規制や設備更新の働きかけが必要だと考えますが、県の考えを生活環境文化部長に伺います。  県政の継承においては、最も大きな財産として県職員の存在があります。新田知事は住民目線を掲げ、徹底した現場主義、スピード重視を掲げる中においては、県職員の潜在力を引き出していくことも期待されますし、必要不可欠であります。  しかしながら、県庁内で仕事をしていても民間企業の当たり前を知ることはできず、トップがどれだけ発信をしても県政と県民が近づく機会は得られません。県庁職員自身が大きくアップデートできるために、例えば県内の青年会議所等への県職員の登録や職員向けの副業セミナーの開催などによって、新田知事が掲げるサンドボックス枠予算の活用に関する発想力を高めること、また、それに関する豊富な人脈を得ることによっての協力者を得ることが期待をされます。  特に医療福祉政策においては、アウトリーチという考え方が各議員からも提言をされていますが、まずは県職員が民間の当たり前を実感するために、自ら県庁を飛び出し活動をしていくことが求められるのではないでしょうか。  ちなみに、民間のセミナーなどで頻繁に顔を見る県庁職員は、私の知る限りは3名いらっしゃいますが、そのうちのお一人は、この議事堂でも答弁者として座っていらっしゃる柿沢総合政策局長であります。幹部になられてからは顔を見る機会が減っているような気もしますが、民間の当たり前を新田県政が体現するためには、模範となるような県職員であると考えます。  そこで、県職員の働き方改革のみならず、県政と県民を近づけていく手法の一つとして、県内各団体への職員派遣や副業の導入などを検討してはと考えますが、県の考えを経営管理部長に伺います。 4 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 5 ◯知事(新田八朗君)平木議員の御質問にお答えします。  まず、情報発信の手法や在り方についての御質問と理解をしております。  御指摘のとおり、県政に関する様々な情報、また県の政策や様々な課題などについて、私自ら分かりやすく発信をするということの重要性、おっしゃるとおりだと私も考えております。  こうした思いから、11月9日の就任当日には早速、私から県民の皆さんへのメッセージ動画を撮りまして、それを県の公式のホームページでお伝えをしたところです。また翌10日には、政府のコロナの分科会の提言を受けまして富山県の緊急対策本部も開き、そしてその協議の内容を、私から、新しい生活様式の徹底、あるいは5つの場面を避けましょう、そのようなことをメッセージで発出するとともに、これもまた動画にしまして県民に広く発信をしたところでございます。このように県の公式のSNSなどを大いに活用して、これからも情報の発信には努めていきたいと思います。  あわせまして、今日も御取材をいただいておりますが、県内のマスコミ各社の皆さんにも大いに御取材をいただく場を提供する、コラボレーションと言うとちょっと語弊があるのかもしれませんが、もちろん報道の内容は各社の是々非々の御姿勢だというふうに思いますが、大いに情報はまず提供させていただく、そしてそれをマスメディアから報道していただくことによって、県民の皆様に県政に関する発信を行っていくということも行っているところでございます。  これまで平均して月2回でした記者会見も、今、マスコミの幹事社さんとは、週1回に頻度を増やせないかと、そのような打合せをしているところで、ぜひこれは実現をしたいと考えています。これも各種メディアさんを通じて情報発信力の強化につなげていきたいと考えているところです。  また、SNS、私個人のアカウントも大いに活用すべしというお話でございました。ただ知事としての公式の発言は、やはり県の公式のSNSのアカウントを持っていますので、これが原則だと私は思っています。ツイッターなどは、もう1万9,000人の登録をいただいておりますので、これはこれで大きなツールになっていると考えています。  ただ、私の政治家としてのアカウントもあります。それから、全く私個人のアカウントもあります。このあたりをこれからうまく取り扱いを考えながら活用していくことは必要だというふうに考えています。  ただ、今まだ就任して1か月もたっていませんので、早速こういう議会もございます。この準備などで実は忙殺されているところがあります。忙しさを理由にはしませんけども、これから適切な県の公式のアカウントのSNS、それから政治家としてのアカウントのSNS、また私個人のSNS。確かに議員おっしゃるように、選挙中に比べたら、あるいは政治活動中に比べたら更新の頻度は低いんじゃないかという、実はお叱りもいただいているところです。  一度だけ選挙後にインスタグラムでいろんな方の質問に答えるという場をやりました。これは大反響を確かにいただきました。皆さんからも待ち望まれているなという、そういう実感も持っているところであります。議員御指摘の意味はよく分かります。  それと、既に個人のアカウントで有効な発信をしていらっしゃる政治家の方、何人か私もベンチマークをしております。例えば、同じ知事ですと大阪の吉村知事、それからお隣のお隣の杉本知事も結構活発にやっておられます。それから大臣クラスですと河野行革担当大臣、この方のSNSも結構定評のあるところです。こういった政治家の先輩方で活用していらっしゃる方の状況もしっかりと勉強しながら、できるだけ早く、そんな発信もできるようになっていきたいというふうに考えております。  次に、経済産業政策を推進していく際の評価指標についての御質問にお答えをしたいと思います。  私は、富山県であれば、安心して働ける、そして生活もできる、子育てもできる、挑戦したいことに挑戦ができる、ワクワクするようなそんな気持ちの持てる社会をつくっていきたいと考えております。これまでも訴えてきたところでございます。  そのような社会の形成のために、やはり、いかに雇用を生み出せるか、また企業や個人の所得を増やしていけるかが重要だと思い、これが本県として取り組むべき政策の一丁目一番地だというふうに理解をしておりますし、このことは就任の日に職員の皆さんにもお訴えをして、そのように目線を上げて仕事をやろうという、そのようなことを冒頭にお願いしたところでございます。  こうしたことを踏まえますと、最終的には、やはり県内企業の稼ぐ力を高め県内総生産の増加を図るとともに、就業者数を増やしていきたいと考えています。そのために個別の施策を進めていく上では、新規の創業者数、あるいは企業立地の件数、投資額、若者や女性の雇用状況などを注視していきたいと考えております。そして、それらのKPIを基に個々の施策の成果を高めていく必要があると考えています。  今後は、民間企業の経営者としての経験も生かしながら、次の時代の成長の種をまくために、キャリアや年齢にかかわらず誰でもが起業できる、そのような環境の整備に力を入れていきたいと思いますし、また県外からの企業の誘致にも、これも引き続きトップセールスも含めて取り組んでいきたいと考えております。  ただ、ここで1つ悩みはあります。これは経済人の頃から思っていたことですが、やはりGDPというのは、とても代表的な指標でありますし、我々もKPIとしては重視するものの一つなんですが、ただ例えば子供が生まれたときに、小さい頃は体重が増えたといって喜び、身長が伸びたといって喜ぶ、これは当然でありますが、私のように還暦を過ぎて体重が増えたなどということは決して喜べないわけでありまして、そういう意味では日本国家として、もう子供の段階ではないわけでありまして、成熟した国家として果たしてGDPというもの、これはこれで大切な指標であることは認めながら、それに代わる指標が今求められている。  これは、日本に限らず世界の先進国には共に求められているものだと私は思っていますが、現状では残念ながら、まだGDPに変わるような確固たる指標は編み出されていないというのが現状だと思います。これはこれで、世界中の経済学者や、あるいは世界中の社会学者や、あるいは政治家も含めていろんな方々が、これを今求めていらっしゃる方もおられますので、このようなことを本県としても頭に置きながら、今後の経済政策を進めていくことが大切かというふうに思っています。  このように、これも、これまでも言い続けてきたことですが、チャンスがあり夢が叶えられる富山県、ワクワクすることがたくさんある富山県、そして若者からお年寄りまで希望に満ちた笑顔にあふれる富山県、そのようなものを実現するためには、やはり経済産業の発展というものを進めていくことは、改めて申し上げておきたいと思います。  私に対する質問は以上とさせていただきます。ありがとうございました。 6 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 7 ◯厚生部長(石黒雄一君)おはようございます。  私からは、厚生センターの設備整備に関する御質問にお答えをいたします。  厚生センターは、議員からもお話しのありましたとおり、新型コロナウイルス感染症対策におきまして、積極的疫学調査や、あるいは濃厚接触者の健康観察、こういうことを行っております第一線の機関でございます。  その厚生センターの設備のうち、まず空調設備でございますけれども、執務室は個別に温度管理の設定の操作、これが可能な状況でございまして、それぞれの所属で状況に応じた管理を行っているところでございます。また感染対策につきましては、来庁者の出入口、それと執務室の出入口に手指消毒液を置くとともに、来庁者の受付窓口には飛沫防止シートを設置するなど感染防止対策を行っているほか、一定期間ごとに換気を行うなどの対策を取っているところでございます。  ただ、職員の執務室内における飛沫の防止対策、これにつきましては、例えばですけれども電話を共同利用しておりまして、アクリル板を設置すると、やはり電話の使い勝手が悪くなる、こういった理由等がありましてアクリル板の設置とかは十分にされていないところがございます。  今後、インフルエンザの流行シーズンを迎えることもありまして、厚生センター内にパーティションやアクリル板を追加で設置すること、このことについて検討してまいりたいと考えておるところでございます。 8 ◯議長(上田英俊君)蔵堀政策監。    〔政策監蔵堀祐一君登壇〕 9 ◯政策監(蔵堀祐一君)まず、富山県武道館の整備に関する御質問にお答えをいたします。  富山県武道館の建設予定地は、公共交通による利便性が高いこと、それから地域活性化の効果が期待されること、さらに災害時の防災機能も期待されることなどが評価されて選定をされました。  富山駅周辺には、富岩運河環水公園や県の美術館、富山市のオーバード・ホールなど地域の魅力が備わっており、このエリアに新たに武道館が整備されることで自然、文化、武道やスポーツの振興、健康増進、多様なイベントの開催などができる地域となると考えております。  また、建設予定地の周辺地域におきましては、富山駅周辺南北一体化を図る連続立体交差事業や、ホテル、オフィスの整備、NHK富山放送局の今後の移転などの再開発も進んでいるところでございます。さらには稲荷公園周辺や桜木町の再開発の報道などもされておりまして、エリア一帯では多様な計画があることも承知をいたしております。  予定地に隣接するボウリング場や地鉄ビルを含むエリア一帯の再開発につきましては、まずは地権者である富山地方鉄道株式会社において検討されるべきものでございますけれども、同社におかれては、現在、経営面でコロナの大きな影響を受けており、まずは公共交通の維持に全力を尽くしたい、再開発については連続立体交差事業の完成後の整備となることを念頭に今後よく検討してまいりたいということでございます。  同社の検討に対して、県としても、相談があればエリア一帯が魅力あるエリアとなりますように協力していきたいと考えております。県としてもこのような状況を十分考慮しながら、富山県武道館が重要な都市機能の一つを担う魅力ある施設となるよう努めてまいります。  次に、プロスポーツチームなどへの支援、それからスポーツイベント等の開催に関する御質問にお答えいたします。  プロスポーツや日本リーグ、また多くの人が参加できるスポーツイベントの開催は、参加される皆さんのストレス解消や健康増進につながるばかりではなく、交流人口の拡大や地域のにぎわいづくりなど、大きな経済効果も期待されるものでございます。  こうしたことから、国や各競技団体等のガイドラインを踏まえました新型コロナ感染症対策に留意しながら、地元スポーツチームへの支援やスポーツイベントの開催に取り組んでまいっております。  プロスポーツチームへの支援につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴います感染症対策などに対しまして、各チームの実情もお伺いしながら、適時に支援のための補正予算も計上して対応してまいっております。また企業・クラブチームにつきましても活躍を期待しておりまして、重点的に強化活動支援も行ってきております。  県としては、今後とも各チームや競技団体との連携を深めまして、感染症対策も含め、地元スポーツチームの振興につながる取組を推進してまいります。  また、富山マラソンや富山湾岸サイクリングでございますけれども、これらのイベントは全国から参加者が集まるイベントでございまして、今年度は感染症対策の影響によりまして中止せざるを得ないこととなりました。今後、こうした主要なスポーツイベントにつきましては、参加者の同意が得られますように、感染状況等を注視しながら開催可否を適時適切に判断することといたします。また、開催する場合には、徹底した感染防止対策の下で安全なイベントとなるように万全を期していきたいと考えております。  なお、富山マラソンにつきましては、今月中にも実行委員会を開催し2021年度の開催方針を協議することといたしております。  以上でございます。 10 ◯議長(上田英俊君)竹野生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕 11 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)私からは、脱炭素化の推進に向けて、石炭火力発電所への規制や更新の働きかけについての質問にお答えいたします。  石炭火力発電所につきましては、脱炭素の観点で非効率的なものを休廃止する方向で、経済産業省の有識者会議で議論されているものと承知しております。現時点の議論では、石炭火力の発電効率等による非効率か否かの線引きにつきまして検討されており、県内では北陸電力の富山新港の石炭火力2基が、その検討対象になっております。  本県において、もし石炭火力から再生可能エネルギー等への転換が図られれば、温室効果ガス排出量の大きな削減につながるという点で効果がありますが、一方で電力の安定供給をどのように確保するのかや、発電コスト、ひいては電気料金がどうなるのかといった課題もございます。  石炭火力発電の規制は国の所管であるものの、県は、これまでも全国知事会を通じて、ゼロカーボンに向けた石炭火力発電の野心的な見直し等について国に対し働きかけてきたところであり、これに引き続き取り組みます。また事業者に対しては、経済産業省での石炭火力見直しの動きを踏まえながら、安定供給等の課題解決を図りながらも、できるだけ積極的に、より温室効果ガス排出量の少ない発電方式や設備を検討するよう商工労働部と連携して働きかけてまいります。 12 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 13 ◯経営管理部長(滝 陽介君)私からは、県職員の派遣、副業に関します御質問にお答えいたします。  県では、行政と民間との協働や相互理解、人的ネットワークの構築のため、例えば富山経済同友会に職員を派遣してまいりましたほか、県内民間企業や県、市町村の若手職員あるいは社員が一堂に会します共同研修、あるいは民間企業の管理職の方と県の管理職によります意見交換も行ってまいりました。  また近年では、多様で柔軟な働き方への需要の高まり、人口減少に伴い人材が少なくなっているということを背景といたしまして、特に民間企業におきましては、兼業や副業が奨励、促進をされております。地方公務員におきましても、地域社会の中でコーディネーター役、あるいはいろんな形での担い手ということで、公務以外での活躍も期待されているところでございます。  そのため、本県でも公益的活動に関する兼業の許可基準を明確化し、今年1月から適用しておりまして、今月には兼業の意義あるいは実例を学ぶ中堅職員向けの研修も開催する予定でございます。職員が兼業を行いやすいように、今、環境整備を始めているという状況でございます。  職員が、様々な機会を通じて民間の皆さんと連携をするということは、県民が主役の県政の実現に向けて重要なことだと考えております。特に行政よりもDXが進んでいると言われております民間企業の方との交流、あるいはデジタルに通じました人材に、例えば創業を認めるというようなことは、デジタル化を通じた行政サービスの質の向上にもつながる重要な意義があると思っております。  そうしたことも踏まえまして、また議員からの御指摘も踏まえて、一方で公務としての性格、制約があることにも当然留意する必要がございますけれども、官民交流の拡大をさらに図り、職員の意識変革やスキルアップ、人脈づくりを通じた行政サービスのさらなる向上につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 14 ◯議長(上田英俊君)平木柳太郎君。    〔22番平木柳太郎君登壇〕 15 ◯22番(平木柳太郎君)ここからは、教育施策のアップデートと人材への投資について伺います。  学校教育については、富山八策において、詰め込み教育から問題解決型の教育へ転換するとの方針を示されていますが、教育施策を常に追ってきた身としては、問題解決型の教育というのも、そろそろアップデートしていかなければいけない過去のものになりつつあります。また、そもそもその前に問題を発見する能力を高めなくては、現代の社会における民間企業が求めるような人材の育成にはつながらないというふうな現状のギャップもございます。  教育県として富山が認められるためには、学校の在り方は、頭をよくするだけでなく、自制心や自己効力感といった非認知能力も伸ばす場所であり、そのようなことはOECDも重要視をしているところであります。学力調査の正答率が全国で上位に入ることは、確かに誇るべきことかもしれませんが、就職する先の民間企業が求める能力は別にあり、学力・学習状況調査においては非認知能力も調査すべきものであると考えます。  まずは、学力の伸びや非認知能力を把握し、そのデータを活用して、教師が指導の改善を行える調査を実施している県もありますが、同様の調査を実施すべきではないでしょうか。県の考えを教育長に伺います。  学校現場は、現在でも学力によってその進学先を決めている傾向が強く残っています。中学校段階から学力で輪切りするような進学思考は見直し、適切な個人のキャリアプランを持った全人教育が必要であると考えます。富山県が本当の意味での教育県となるためには、脱進学県として大きくかじを切る必要があると考えますが、県の考えを教育長に伺います。  学校現場には、教育施策の改善や改定のために、特に教職員には大きな負担がかかり続けています。教員不足の解消は喫緊ではなく、緊急的な課題となりました。その証拠に、教育委員会から出されている教職員の募集のチラシには、臨時募集ではなく緊急募集の文字が記されています。私の耳に入る限りでも、産休に入る先生方の代理がいないまま学校現場が進み、また専門外の教科の指導を行う教員が複数いたり、いわゆる支援級と言われる特別な教育が必要な生徒に対しても、適切な教育課程を経ていない専門外の教員が、担任のような形で専門教科と兼任をしている状況も既に起きています。  新田知事は、スクール・サポート・スタッフの配置などによって、教職員の働き方改革、その負担軽減を進める方針を示されていますが、当然ながら大賛成です。加えるならば、教員免許保持者が教育現場へ復帰するキャリアプランとして、まずスクール・サポート・スタッフを第一段階として、その後に講師、そして正規採用へとつなげられるような道筋をつくることも、前提として設計すべきではないかと考えます。  そこで、働き方改革の丁寧な推進に、県単独予算によるスクール・サポート・スタッフの大幅な増員が必要だと考えますが、新田知事の所見を伺います。  教員不足の解消には、緊急的な対応に加えて恒久的な対応が必要不可欠です。つまり教職課程の大学を卒業する新卒採用の強化であります。  新型コロナウイルス感染症の影響により、県外から富山県内の大学へ進学してくれている学生さんが、地元に帰省できず教育実習先を見つけられないという悩みがあると伺っています。これを前向きに解決するとするならば、そのような学生さんに対して教育実習先を県内で設けるお手伝いをするなど、課題解決の支援が県内への就職にもつながるのではないでしょうか。  そこで、教員免許取得を目指す県外出身の大学生に対して、県内学校での採用を促進する支援策が必要と考えますが、県の考えを教育長に伺います。
     次に、起業家の支援について伺います。  これまで16年にわたり続けられてきた、とやま起業未来塾は、私も今から10年前に受講し、今でも県内に幅広い起業家のネットワークを残しています。起業家の支援は全国共通の政策であり、ほかの近隣県等と差別化を図る必要があると考えています。例えば起業未来塾を発展的に進めるため、富山市が駅前にオープンしたSketch Labのようなオープンイノベーションを促進する施設、昨日、日本海ラボが富山市中央通りに開設したHATCHというインキュベーション施設のような人が集う拠点づくりも重要でありますし、起業家と一くくりにせずに、重点的に支援する年代などの方向性を明確にすることでの差別化も図れるのではないでしょうか。  一言で起業家の支援や企業誘致と言っても、他県と同じことをしていては全く効果が高まらないと考えます。起業の聖地と言われるシリコンバレーでは、現在40代での起業を重点投資先として経験豊富な人材の後押しを推進されています。今や起業家は若い人材の特権ではないはずです。  県内の起業を増やしていくためにどのように起業家の育成支援に取り組んでいくのか、とやま起業未来塾の継続方針なども含め、新田知事の所見を伺います。  教育現場のグローバル化は、中長期で目指してきた形でありながらも、県内の学校ではほとんど実現できていないと認識しています。  新田知事の富山八策には、「富山県内の教育機関の「国際バカロレア認定」取得の支援など、英語・グローバル教育を推進」するとありますが、前知事時代の答弁においては、私から国際バカロレア推進の提案に対し、高度な指導ができる教師の確保が難しいこと、学費が高額であること、また国内の認定校の多くが私立であることなどに導入の課題があるとして、検討の土台にも上がっておりません。  富山県内の教育において、国際バカロレア資格を取得できることが真のグローバル人材教育に効果的だと考えますが、どのように検討を進めていくのか、県の考えを教育長に伺います。  最後に、グローバル化より先に進んでいるのが、この新型コロナウイルスの影響によって一気に加速することが期待される教育現場のデジタル化であります。  現在は、教育現場のICT化を機材から進めていますが、専門知識と実業経験のある人材が、教育現場の実情と沿った形で指導していかなければ、どれだけデジタル機器が豊富になっても宝の持ち腐れとなることを懸念しています。  直近の9月議会における予算特別委員会においては、永森議員の質問に対し、教育CIOの登用を前向きに検討する旨の答弁がありました。教育現場のデジタル化を推進するためには、その責任者としての教育CIO、またはCDOの任用が必要だと考えますが、その方針に変更はなく、また具体的な人材の検討も進めているかなど、県の考えを教育長に伺い、私の質問を終わります。 16 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 17 ◯知事(新田八朗君)まず、教員不足の解決についての質問にお答えをします。  本県では、これまでも教職員の負担軽減を図るため、学習準備や学校からの配布プリントの印刷業務など、教員の補助的業務を担うスクール・サポート・スタッフを毎年拡充してきたところです。加えて今年度は国の補正予算を活用しまして、コロナ対策のための学校内の衛生管理に関する業務などを担う緊急スクール・サポート・スタッフも配置することとしており、既に配置されている学校と合わせて、全ての公立学校に配置をすることとしています。  学校現場からは、教員の業務負担の軽減になった、また精神的な負担感の解消にもなったと、大変に評価をする声を聞いております。配置をした効果が大きかったというふうに認識をしているところです。  来年度以降につきましても、コロナ対策だけではなく、教員の働き方改革を推進していくという観点からも、スクール・サポート・スタッフの配置の拡充は極めて重要であると考えております。今後、国に対して予算の確保も強く働きかけていきたいと考えております。  なお、現行ではスクール・サポート・スタッフの任用に当たり、教員免許の有無は特に問わないことにしておりますが、議員の御指摘のとおり、対象者の中には教員経験者など教員の免許を持っておられる方もおられるというふうに聞いております。引き続き教員の確保が難しいという客観情勢は続くと思われますので、学校現場で必要な人材をできる限り確保していく必要は、これからもあるわけでありますから、今後、教育委員会には、議員から御提案のありましたスクール・サポート・スタッフの経験者を臨任の講師として任用することも含めて、採用に努めることをお考えいただくように促していきたいと考えております。  次に、起業家の育成支援についての御質問にお答えをします。  平木議員におかれましても、先ほど御自身でもおっしゃったように、平成22年度第6期コミュニティビジネスコースを受講され修了されているところです。そして、その成果を生かされ自らも起業し、さらに自らの起業だけではなくて、県内の起業家の皆さんへの講師を務められたり、あるいは新たな起業家育成にも御尽力いただいていることを、心から感謝を申し上げたいと思います。  県内で新たに事業に挑戦する方が、独自の優れたアイデアを形にして事業化をしていく、そして発展をしていくことは、まさに本県の経済の活性化や雇用の拡大にもつながることで、私としても大歓迎、また大いに進めていきたいことだと考えております。特に今、新型コロナの感染拡大というときに当たり、経済に深刻な影響がもたらされているわけでありますが、こんなときだからこそ、次の時代への成長の種も併せてまいておかなければなりません。  私は、年齢やキャリアにかかわらず、誰もが起業にチャレンジできる環境を整備していく、そして先ほど質問の答えにもありましたが、起業家の伸びの数を日本一にしていく、そして雇用が生まれ、雇用があるところには移住者も来てもらえるというふうに考えております。そんな力強く、ワクワクする新しい産業をつくり出していく、そういった県にしていきたいと考えております。  起業家の育成支援、確かに、どこでも今、政策課題として他の都道府県でも自治体でも行われていること、これも御指摘のとおりだと思います。ただ、ここに私は特効薬のようなものはないと思います。起業家の育成の王道に従いまして、切れ目のない支援を行っていくことが必要だと思っています。  これまでの起業未来塾は、一定の効果が私はあったと思いますが、修了者の約7割が起業されております。残念ながら10%ほどは廃業されておりますが、これはそれぐらいの数字はあろうかというふうに思います。7割の起業というのはとても大きなことだというふうに、いい成果を上げてきたというふうに理解をしております。  ただ一方で、そこから、いわゆるシリコンバレーで言うところのスケールした企業がどれぐらいあるかと言いますと、私の知る限り、あまりないというのも現実だというふうに思います。今後、起業未来塾のような試みをどう、より目線を上げてやっていくのかということ、これが本県においては起業家を育成していく上での課題の一つだというふうに思っています。  それからまた、シリコンバレーについて言及をいただいたところですが、やはり御存じのように、シリコンバレーはスタンフォード大学という知の巨頭があってのシリコンバレーだというふうに、私は理解をしております。  富山県におきましても、やはりこのアカデミアからのスタートアップの輩出ということは、今後も私の目指していきたいことの一つでございます。富山大学をはじめ県立大学も含めて、県内の大学とも今後積極的に連携をしていくこと、こうやってスタートアップの、言わば生み出す源として、このアカデミアを大いに活用といいますか、共にやっていくことが大切だというふうに考えています。  そして、そんなスタートアップをふ化させ、そして育み成鳥として羽ばたいてもらう。そのための、先ほども言いました切れ目のない応援。シードの段階からアーリーの段階、そしてミドルの段階、そして最後レイターの段階。できればスケールをして、IPOだけが私は起業家の目的ではないとは思っていますが、幾つかはそうやって大きく羽ばたいていって、さらにIPOを果たしたようなベンチャーが、また次の新しい起業に再投資をしていただく、そんないい循環を、できればこれからつくり出していく、私としてはそういう目線で行っていきたいと考えております。  いずれにしましても、産学官金、オール富山でそんな環境づくりに努めていく、これを今年からぜひスタートしていきたいと考えておりますので、平木議員にも、また議員の皆様にも大いに応援をいただければというふうに思います。  以上でございます。 18 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 19 ◯教育長(伍嶋二美男君)まず、データ活用による指導力の向上に関する御質問にお答えをいたします。  多様化し先行きが不透明である社会では、答えが1つではない課題に取り組み、対応できる人材を育てることが大切であり、学力では測れない力として自制心や自己効力感などの非認知能力を育成することが重要とされております。学校の授業等において、認知能力はもとより非認知能力を伸ばしていくためには、どのような取組が有効であるかについて客観的な検証を行い、指導方法を改善していくことが有効と考えられております。  このため本県では、認知能力である学力の向上を図るため全国学力・学習状況調査等の分析結果を基に、データ活用による指導力向上に向けた取組を支援してきております。また今年度は、新たに読み解く力を育成するため、これは以前に平木議員からも御提案がありましたが、リーディングスキルテストを活用した授業改善を行い学力向上につなげるよう取り組んでおります。  議員から御紹介のありました埼玉県内の自治体の取組は、いわゆる学力と非認知能力における相関関係のデータを活用いたしまして、学力の向上を図ることにより、結果として非認知能力を効果的に伸ばす指導改善に取り組まれているものであると承知をしております。  県教育委員会としては、今後、具体的な手法等について調査研究を進めて、本県の子供たちの非認知能力を伸ばすための手法について、取り入れることが可能かどうかについて検討してまいりたいと考えております。  次に、今後の教育の方向性に関する御質問にお答えをいたします。  本県では、教育大綱を踏まえ児童生徒一人一人が、個性や能力に応じて将来の夢や目標などのキャリアプランを持ち、自らの未来を切り開いていくことを学ぶ教育に取り組んでおります。これまでも学力の向上はもとより、自己肯定感を持って社会で生きる実践的な力を育むため、職業観等を身につける系統的なキャリア教育やライフプラン教育を推進してきたところです。  例えば中学校では、自分の意志で進路を選択できるよう、地域で働く方の講演やものづくり企業の見学、また社会に学ぶ「14歳の挑戦」等を行っております。高校では、社会へ羽ばたく「17歳の挑戦」として、民間企業に加えて大学での実験などの体験など、幅広いインターンシップを実施してきております。  さらに進路指導においては、生徒一人一人の能力や特性、希望などを踏まえた上で、生徒本人の将来の夢や目標、目指す職業や資格取得などを確かめながら、個別懇談や三者面談を重ねております。このことにより、行ける学校より自分が行きたい学校を選ぶことができるよう指導しておりまして、本人及び保護者が納得できる進学先が決定できるよう取り組んでおります。  今後とも、進学のみを目的とするのではなく、明日を担う富山の子供たちが、自らの進路を選択し、その目標に向かってチャレンジするとともに生涯にわたり学び続ける意欲を育む、知徳体のバランスの取れた全人的な教育に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県外出身大学生の県内学校での採用に関する御質問にお答えをいたします。  教員確保については、昨年度から新たに「とやまで教員」応援事業といたしまして、教員志望者を対象として教員UIJターンセミナーの開催や教員養成講座を実施してきております。  特に、県外出身学生の確保は、議員御指摘のとおり大変重要であることから、当該学生に対しては、本県で教員として働くことの魅力を伝えるとともに、本県の優れた教育環境や子育て環境、住環境などについて十分なPRを行っております。また県外出身学生の県内学校への採用促進については、これまで富山大学と連携いたしまして、県内の小中学校での観察実験アシストや学びのアシストなど、体験型の教育活動に参加する機会を提供してきております。  また、御提案のありました県内公立学校での教育実習受入れについては、来年度から、県内出身者のみならず県外出身者についても、県内の公立中学校または高等学校で教育実習を行えるよう準備を進めております。このことにより、本県の優れた教育環境を肌で感じてもらい、本県で教員を目指す動機づけにもつながる絶好の機会になると考えております。また県外出身者にとっては、身近な地域での教育実習中に大学での研究活動を継続しやすいことや、今年のようなコロナウイルス感染症のリスクも避けられるといった利点も考えられます。  教員確保の厳しい状況は今後も続くことが見込まれることから、県教育委員会としては、県外出身学生への働きかけを強めるとともに、教員の採用に向けた取組をさらに進め、本県教育を担う優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、教育機関における国際バカロレア資格の取得に関する御質問にお答えをいたします。  国際バカロレアは、課題論文、批判的思考の探求等の特色的なカリキュラムによりまして、グローバル化に対応した素養や能力を育成するプログラムであります。日本の高校段階に相当する教育課程──ディプロマと呼ばれていますが──こうしたディプロマを履修し、試験に合格いたしますと、その取得スコアにより国際的に認められる大学への入学資格を取得でき、海外大学への受験が可能となるなど、グローバル人材育成のための有効な方策の一つであると考えております。  政府の未来投資戦略では、2020年度までに国際バカロレア認定校を200校以上にするという目標が掲げられており、2020年6月時点では認定校113校、うちディプロマ認定校は51校となっております。また国際バカロレアディプロマを導入している公立校は6校ありますけれども、その学校では海外の大学へ進学している者もいると聞いております。  一方、他の導入校からは、先ほど議員からも御指摘ありましたが、教師、生徒双方に高い外国語能力が求められることや、また高度な指導ができる教員養成やカリキュラム開発等の準備に時間がかかることなど、導入に当たっての課題もあると聞いております。  このため、今後、情報収集を進めるとともに、生徒や各学校の意向、グローバル人材の育成等の観点を十分に踏まえて、国際バカロレアの認定についてどのように取り組むことが望ましいかについて、今後幅広く検討してまいりたいと考えております。  最後に、教育CIO・CDOの任用に関する御質問にお答えをいたします。  AIやIoT等の技術革新やグローバル化などの進展を見据えて、教育現場でのデジタル化に積極的に取り組むため、現在、県内の小中学校及び県立学校におきまして、校内LANの整備や児童生徒及び教員の1人1台タブレットの配備を進めております。  今後、こうしたICT環境の整備と併せて、授業や校務などにおける活用策の検討、また教職員研修等の運用について、教育委員会全体として一元的かつ効果的に推進していくための体制を構築していく必要があると考えております。このため来年度に、教育環境のデジタル化を統括いたします教育CIO・CDOやその補佐役、デジタル化推進アドバイザー等、いずれも仮称でありますが、そういった方々で構成いたします教育環境のデジタル化推進会議、仮称ですが、こうした会議を設置する方向で検討しておりまして、今後、総合教育会議の場において、取組の方策などについて協議をしてまいりたいと考えております。  また、民間の発想やノウハウを柔軟に取り入れるため、その構成メンバーには、ICT教育の専門家やICT技術の実業経験者も含めて考えたいと思っております。また教育CIO・CDOについては、ICTに関する社会、技術、行政の各分野のバランスを図りながら、教育の情報化のビジョンを構築し、総合的、計画的に実行できる方がふさわしいと考えておりまして、今後、他県の任用状況等も参考にしながら、人選等について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(上田英俊君)以上で平木柳太郎君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午前10時58分休憩       ───────────────────  午前11時10分開議       ─────────────────── 21 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  澤崎豊君。    〔3番澤崎 豊君登壇〕 22 ◯3番(澤崎 豊君)皆さん、おはようございます。  私もラグビーになぞらえて、2番手、プロップ、自民党新令和会の澤崎豊です。この会派での初めての質問であり、また新田知事にとっても初めての定例会であります。初めて尽くしの大変おめでたいことでもあり、本日は私の地元魚津より、沢山、本当にたくさん、この議場に足を運んでいただきました。本当にありがとうございます。  それでは、論もまた愉し、自由闊達な討論が展開できるよう、早速質問に入らせていただきます。大きく分けて3分野からの質問になっております。  それでは、1つ目の分野、新しい富山県に向けた施策について、3問質問いたします。  まずは1問目。先日、鹿熊議員が代表質問で、また稗苗県議が委員会で指摘された、新川こども屋内レクリエーション施設についてであります。  この事業は、令和2年2月に新川地域推進協議会から施設整備の要望をし、令和2年度当初予算において調査費1,000万円がついたものであります。県東部において新川文化ホール整備以来の久しぶりの県有施設の建設事業でもあり、新川地域の方々には大変楽しみにしているものであります。コロナ禍で気持ちや行動が内向きになっている現在、この施設整備の響くつち音が、県民を元気にすること間違いないものと確信いたしております。  既に現地においても地質地盤調査も行われ、地元の方や有識者を入れた検討委員会も既に開催されておりますが、知事選挙となり、それ以降の検討委員会の開催は現在延期されているところであります。  この施設は、アフターコロナの時代にマッチしたレクリエーション施設とは、いかなるものか、その有する機能、内容とは。県有施設としてふさわしい建物の大きさや規模、現在の新川文化ホールの風景に配慮した建物配置なども、先入観なく慎重に検討する時間が必要であると考えております。  また、類似施設と思えるような施設との違いも明らかにしなければなりません。同じ新川地区の入善町では、555坪ある全天候型子どもの遊び場「こどもの園」が来年度完成予定であり、お隣の滑川市には人気の高い児童館もあります。また特に、この新川文化ホールと指呼の間に、県内唯一とも言える遊園地、ミラージュランドもあるわけであり、これらの施設と利用者の取り合いにならないようにすることは言うまでもありません。お互いの施設が、よい相乗効果を生み出すようにしなければならないと私は考えております。  一日も早い本格的な事業開始が待たれるところでありますが、先日の予算編成方針で示されたように、歳入減少の見込みの中で財政状況は厳しく、このようなハード整備については、選択と集中、スクラップ・アンド・ビルド、民間活力の導入など、多方面からのアプローチも今後、必要不可欠なことであります。  この施設の機能や内容についての基本的方針と、整備に至る今後のスケジュールの見通しを、まずは新田知事に伺います。  続いて2問目は、昨年の11月議会でも同様の質問を私はしております。  魚津水族館は、1913年(大正2年)に富山県により建設され、その後、魚津市に払い下げられた現存する日本で最も古い、そして最古の水族館であります。調べる由もありませんが、恐らく富山県民の多くが一度は訪れたことがあり、そういう意味では明らかに県民水族館になっているのではないでしょうか。  ノーベル賞を受賞された故下村博士も、ここで一時期研究されたように、研究機関としても、最近では富山湾の深海生物が網にかかると、この水族館の学芸員の出番であります。富山湾にとどまらず河川の水生生物、そして富山県全体の水生生物の調査研究機関としての役割をも果たしております。まさしく富山丸ごと博物館的な水族館として今日に至っており、県内県外から年間12万人を超える入館者もあり、県内の大事な観光拠点の一つでもあります。  現在の水族館は、実は3代目の施設であり、1981年(昭和56年)にできたものであります。そろそろ建て替えの時期にかかってきており、県有の水族館として、また観光拠点として、日本海、日本海学の調査研究拠点として、建て替えも含め、さらなる機能強化を検討すべきと考えますが、これも新田知事の御所見をお伺いいたします。  最後に3問目。日本地図を逆さまにしてみたらという中沖元知事の発想で平成6年に作られた逆さ地図は、発想の転換を視覚的に迫ってくるものでありました。私も事務所に張りつけて見ておりますが、富山湾がまさに環日本海の中心に位置し、ロシア、韓国、中国の北東アジアと対峙している地政学上の重要性をよく理解できるものであります。  その重要性に鑑み、県は日本海政策課を立ち上げ、1997年(平成9年)より、文明間の相互理解と世界平和、環境との共生による持続的発展という考えを環日本海地域から提案するために、日本海学を推進しています。令和元年度もシンポジウムや講座などを開催しておりますが、SDGsを推進する観点からも、更に強力に推進し深化させていくべきだと考えております。  新田知事が掲げた北陸の十字路構想には、環日本海という視座は外すことのできないものと考えますが、これも新田知事の所見を伺います。  次の分野は、県民のための安心施策に関連して6問質問いたします。  1問目は、教育警務委員会で岡崎議員も同様の指摘をしていた件であります。  JAFが先日発表した横断歩道での調査によると、県内における信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で、一時停止する車の割合が全国で4番目に低い結果、つまりワースト4でありました。  確かに私自身もよく見かけます。横断歩道手前で車が通過しているのを待っている歩行者。最近はニュース、報道でよく取り上げられ、そこそこ県民に一時停止のメッセージが伝わってきていると感じますが、横断歩道での事故の発生実態と違反の検挙状況、そして違反者の年齢やその構成比はどうか。また県内における一時停止率を向上させワースト4から脱却させるには、全世代を通じた交通安全教育により、横断歩道手前で一時停止する意識を定着させる取組が必要と考えますが、併せて大原県警本部長の所見をお伺いいたします。  次の2問目も同じ交通に関する質問です。  県内の死亡事故者数は11月20日時点で26人。過去、統計を取り始めてからの最少の交通事故死亡者数は31人であります。昭和21年で、現在とは隔世の感がありますが、当時の自動車登録台数は何と1,500台。ちなみに初めての交通死亡事故は大八車によるものだったということであります。人数だけを目標に置くのは、もちろん本筋ではありませんが、昨年は平成以降最少の34人であり、今年はできれば昭和以降最少にしたいものであります。  そこで、重大な事故につながる信号交差点における県内の事故の発生状況と取締り状況はどうか。また信号交差点における事故防止対策にはどのように取り組んでいるのか、これも大原県警本部長に伺います。  3問目は、11月補正で生活福祉資金特例貸付け原資の増額、6億7,300万円が計上されました。この資金は、コロナ禍の中、休業や失業により収入減となった生活資金で苦しんでいる方に向けた緊急小口資金、総合支援資金の貸付制度であります。問合せや相談、受付窓口は、各市町村の社会福祉協議会であります。  先日、地元の社会福祉協議会で最近の状況を聞き取ってきました。相談者は、シングルマザーの方や就職氷河期世代の方、また高齢者の方など幅広い層であるとのこと。相談者数が多くなると、職員のマンパワー不足や外国人の相談もあり、対応に困難を伴うケースが懸念されるとのことでありました。  これから年の瀬を迎え、窓口の社会福祉協議会は一層混雑すると予想される中、せっかく増額した資金をスムーズに貸付けにつなげるように、県として受付窓口である市町村へどのようにサポートしていくのか、石黒厚生部長に所見を伺います。  続いて4問目です。報道によると、特殊詐欺被害は、このところ、その件数や金額が大幅に伸びているとのことであり、被害者は独り暮らしの高齢者が多いということであります。昨日も、富山の80代女性が3,450万円という大金をだまし取られたという事件が、私の質問に合わせたように報じられておりました。  オレオレ詐欺などの手口はよく周知されているのに、なぜにこのような犯罪が後を絶たないのか不思議でありますが、よっぽど巧妙な手口なのでしょう。手口や組織なども含めた県内の被害状況の分析、抑止に向けた取組について、絶対ストップするんだ特殊詐欺被害、大原県警本部長に所見を伺います。  次に5問目です。さきの決算特別委員会でも、県内の地籍調査の推進について指摘しております。地籍調査は、昭和26年に制定された国土調査法に基づいて行われています。歴史上、学校で習った班田収授法あるいは太閤検地、明治の地租改正など、土地の管理は国の基本になる本当に重要な事業であります。  地籍調査は自治事務として市町村が中心となって実施されていますが、県内においての地籍調査の進捗率は、決算特別委員会で指摘したように28.9%であり、全国平均を大きく下回っています。令和2年に第7次国土調査事業十箇年計画が策定され、円滑化、そして迅速化の各種措置が講じられたところであります。  地図混乱地や境界の確認等、困難な事象は山積でありますが、この機を逃さずに、まさしく令和の検地事業として県内15市町村への進捗率の目標を定めて、特に進捗率の悪い市町村に対し地籍調査への働きかけを早急に行うべきと考えますが、竹野生活環境文化部長にお伺いいたします。  最後に6問目です。我が県が全国一の持ち家率であるということは、県民の誇り、そして自慢できるところであります。一方で人口減少の流れや家族形態の変化により、県特有の高い持ち家率や戸建て住宅の多さが影響し、空き家率を押し上げているものと私は推測しております。  県においては、市町村、不動産業界を交えた官民連絡協議会の開催、あるいは空き家にしない予防的な県民向けの住まいのライフプランセミナーなどを開催し、多角的かつ総合的に空き家対策に取り組んでいると評価するところであります。
     しかし、つい先日、魚津にて空き家の火災も発生をしたところであります。現在、実際に空き家となっているものを、しっかりと管理する必要性を私は改めて感じたところであります。  ここ数年の空き家率の推移から見た今後の大まかな空き家率、そして、その空き家に対する管理の啓発について、江幡土木部長に所見を伺います。  最後の分野は、コロナ禍における県内経済の活性化に関連して5問質問いたします。  まずは1問目です。国は、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策を強化しています。全ての地域からの入国者に対し、当分の間、検疫所長の指定する場所で14日間待機し公共交通機関不使用としています。  県内には、1次産業、2次産業の製造業を中心に多くの外国人技能実習生を受け入れております。したがって受け入れる際には、当然、国の水際対策に対応するための宿泊費を負担しなければならず、これが大きな負担を強いていることになっております。  まだまだ国際的に出口の見えないコロナ禍での外国人実習生を受け入れ、入国後14日間の待機期間にかかる宿泊費用を、県が事業者に直接支援すべきと考えますが、布野商工労働部長の所見を伺います。  続いて2問目。政府が、コロナウイルス感染対策として業態転換に取り組む中小企業への補助金制度を新設する検討に入ったと報道されていました。持続化給付金の申請期限なども令和3年1月15日と期限が迫っており、それに代わるものということでありましょう。  県内においては、事業者にとって大変好評であった3年間無利子、無担保、保証料ゼロの富山県制度融資の新型コロナウイルス感染症対応資金、この期限も12月31日に迫っております。まだまだ収束の見えない昨今の状況から、この期限延長を望む声が多数あり、検討すべきと考えます。また、これまでの融資状況も併せて、布野商工労働部長の所見を伺います。  それでは3問目。Go To Eatは、多くの県民が販売当初よりプレミアムチケットを購入し、大変好評でありました。その勢いで忘年会、新年会シーズンに突入し、飲食業界にはよい起爆剤になるだろうと思いきや、新型コロナウイルス感染で一時ストップの格好となり、外での会食や宴会にブレーキがかかってしまいました。一方で、予断なく感染拡大防止をしつつも、直近の感染状況を見ながら県内経済との両立も考えなければなりません。  県では、感染リスクが高まる5つの場面を想定、新しい生活スタイル実践ポスター作成ガイドなどに取り組んでおりますが、もう一歩踏み込んで、会食時のコロナ感染症予防対策を分かりやすく県民に示すべきと考えます。  東京都の小池知事は「5つの小」を提唱、黒岩知事は黒岩流と言われるマスク会食を提唱しています。知事によるアナウンス効果は絶大であることから、ぜひ会食における予防対策を広く県民の目に、耳に届くようにしていただきたいと思っておりますが、新田知事の所見を伺います。  続いて4問目。富山県の総面積の67%が森林であります。そのことから有効活用すべき資源として、林業を考えなければなりません。  これらを有効活用して大規模な産業と雇用を生み出すこと、そしてIT機材の開発、活用により、老若男女を問わず誰しもが林業に携わる仕組みをつくらなければなりません。  県内の経営形態別森林面積を見ると、国有林が37%、そして民有林が63%、民有林のうち45%に当たるのが私有林であります。  現在、木材価格は低迷しており、伐採しても低収入である実情を踏まえ、林業の成長産業化の足元と言うべき森林所有者、そして山元への支援が必要であると考えますが、堀口農林水産部長に所見を伺います。  最後に5問目です。今年、県内南砺市において、安心・安全な農業経営を目指して、IoT農業管理プラットフォームの構築に向けて実装、共同利用推進が始まっております。このような取組が、一日でも早く県内で横展開できるように望むばかりであります。  地域のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向け、デジタル技術への積極的な投資が重要と考えますが、今後どのように取り組むのか、新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用し取り組むことが期待される政策分野を例示した地域未来構想20を参考に、まずは県内のニーズにマッチした政策の絞り込みが必要であると考えますが、滝経営管理部長に所見を伺いまして、以上質問を終わります。  御清聴どうもありがとうございました。 23 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 24 ◯知事(新田八朗君)澤崎議員の御質問にお答えします。  まず、新川こども屋内レクリエーション施設についての御質問でした。  新川こども屋内レクリエーション施設につきましては、地元の魚津市や新川地域推進協議会からの要望、県議会での様々な議論を経て、本年2月県議会において調査費などの予算を御承認いただき、基本計画の策定に向け検討を進めてきた経緯につきまして、しっかりと受け止める必要があると考えております。  これまでの検討状況は、有識者等で構成する検討会を7月に設置し、遊びを通じた非認知能力の形成、先ほど平木議員の御質問でもいろいろ触れられた件でございますが、また隣接の新川文化ホールとの連携など、施設のコンセプトや機能について議論いただいたところです。  また、6月から7月にかけて、新川地域2市2町の小学生、園児の親御さんを対象にしたアンケート調査を行いましたところ、回答の中の9割の方が「利用したい」という御意向を示されております。10月からは建設候補地の地質調査を実施しているところです。  一方で、新型コロナの影響に伴います国、地方を通じた税収の大幅な減収、これが本県においても財政状況の悪化が懸念をされております。そのため新年度予算編成の中で、この施設の規模、配置や事業費、整備スケジュール等について、いま一度、精査が必要であると考えております。  この施設につきましては、子どもの健やかな成長や子育て支援の充実などに極めて重要、また新川地域ひいては県全体のさらなる発展に大きな役割を果たすものと考えておりますので、有利な財源の確保に努めるなどの工夫をしながら、できるだけ整備する方向で進めてまいりたいと考えております。  次に、魚津水族館の機能強化についての御質問にお答えします。  魚津水族館は、魚津市の魚津市立博物館条例において「市民の教育、学術、文化の向上に資するために設置する」と位置づけられ、市民の皆さんの愛着も深い、同市が誇る地域資源となっております。  これまで県内で唯一の水生生物を常設展示する水族博物館として、富山湾の環境に合わせた展示や世界各地から集めた魚の展示など、工夫を凝らした内容により県内外の観光客に親しまれてきました。もちろん私も、子どもの頃から何度も遠足などで訪れさせていただいております。  魚津市におかれましては、魚津水族館だけではなく、近接するミラージュランドや海の駅「蜃気楼」などを含む一体的なエリアにおける誘客の相乗効果を踏まえ、総合的な観光振興に取り組まれております。魚津水族館の機能強化等の在り方についても、まずは魚津市において御検討をいただければというふうに考えております。  富山県では、これまでも魚津水族館の創立100周年を記念したリニューアル、また先ほど議員の質問にありましたが、リュウグウノツカイなどの希少な深海魚の生態等の調査研究など、施設の魅力向上や富山湾の多彩な魅力の情報発信に対する支援も行ってきたところでございます。  今後も、魚津市の御意見、御要望なども伺いながら連携協力を進めてまいりたいと思います。  なお、次の質問で日本海学についても触れさせていただきますが、日本海との関わりを軸に、その自然や文化、歴史、経済など様々な観点からアプローチし学問的に掘り下げていく、本県発祥の総合的な地域学が日本海学でありますが、現時点では調査研究のための拠点を設置する予定はないと聞いております。それを申し添えさせていただきます。  次に、その日本海学についての御質問にお答えします。  日本海学は、日本海とその周辺地域を1つのまとまりとして捉え、海との関わりを軸に沿岸地域の自然や文化、歴史、経済など様々な観点からアプローチし、学問的に掘り下げていく本県発祥の総合的な地域学です。その対象地域の広がりや地域に暮らす方々の営みを対象としている点など、私が提唱しました北陸の十字路構想の推進にも関わりが深い学問であるというのは、議員の御指摘のとおりでございます。  逆さ地図は、実は私の知事室にも掲示をしてありまして、いつも眺めて構想を練っているところでございます。まさにあの地図を見ますと、日本海と呼んでいる私たちがいますが、でも逆さにしてみれば、本当に日本列島と東アジア、さらにユーラシア大陸の間のちょっと大きめの池というような感じに見えてまいります。ですから、議員がおっしゃるように、私の北陸の十字路構想の視点に十分に入っていることでございます。また現環境省事務次官の中井徳太郎さんからも、日本海学については直接いろいろとお伺いをしたことも、よい思い出になっております。  この日本海学では、海洋環境の保全というのも大事なテーマの一つでありまして、これまでも研究を深めてこられているところですが、私が88の具体策の中で掲げるSDGsの推進にも密接につながるものであり、今後も成果の発信、共有などを積極的に行っていきたいと考えております。  日本海学に関する研究の推進と普及を行っておられます日本海学推進機構、ここではこれまでシンポジウムや日本海学講座、県内大学への講師の派遣、刊行物の発刊、また日本海学を研究するNPOやグループ等への支援など、広く日本海学への理解、関心を高めるための取組や研究支援を行ってこられました。  今後も県内外の研究機関などとも連携を進め、新しい時代を担う若い世代の皆さんの富山湾や環日本海沿岸地域に対する理解を深めていくなど、時代の変化に即しながら、成果のさらなる蓄積と普及に努めてまいりたいと考えております。  最後に、会食時の新型コロナ感染症予防策についての御質問にお答えをします。  10月23日に、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会では、大人数、例えば5人以上の会食では大声になりがちであり、飛沫も飛びやすくなるということで感染リスクが高まるなど、具体の5つの場面が例示され、政府に提言されたところです。  この感染の第1波当初の頃に、客船ダイヤモンド・プリンセス号の船内での蔓延が、本当に我々を驚愕させたわけでありますが、あのときも、やはり船内への感染の大きな原因の一つは会食時にあったというふうに言われています。当初から会食というのが大きなリスクの場であるということは、言われてきたところです。  私自身も、就任直後の今月10日に、県民の皆さん向けに新しい生活様式の徹底、感染リスクの高まる5つの場面の回避など、ぜひ御自身の感染を避けるだけではなく、御家族をはじめ、ほかの方々にも感染させない行動、これを徹底していただくようメッセージを発信するとともに、動画でも配信をしているところです。  最近の県内の事例におきましても、残念なことですが、会食時の感染が疑われるケースが散見されております。これから年末年始にかけ、会社関係だけではなく親族や友人など帰省の方も多くなられます。会食の機会が増える、さらに感染リスクが高まることを懸念しております。  そのため、これからさらに新聞広告、あるいはテレビCMに加え新しいCMも、今、追加をする予定でおります。若い方に訴求力のあるSNSなども活用して、一層の注意喚起を促していきたいと考えております。  私からは、県民の皆様に会食時の留意点として、体調の悪いときにはぐっと我慢をして参加を我慢していただく、それから少人数や小さな声など、先ほどの小池知事の例示にもありますが、感染リスクを避ける取組、また飲食を提供される業者さん方には、店内の換気の徹底をはじめ、外食業の事業継続に関するガイドラインというものを業界団体を通じてお配りをしているところでございますが、これを、これからの飲食が増えるシーズンに当たり、改めて徹底をしていただくようお願いをしてまいります。  澤崎議員御案内のとおり、県民の皆様に注意すべき点や予防策を分かりやすくお知らせすることが大切です。今後とも新型コロナ感染症予防策の広報については、いろいろと工夫をして繰り返し繰り返し徹底をする、これでもかと言われるぐらいにやってまいりたいというふうに思います。  以上です。 25 ◯議長(上田英俊君)大原警察本部長。    〔警察本部長大原光博君登壇〕 26 ◯警察本部長(大原光博君)まず、横断歩道における安全対策についてお答えします。  横断歩道上における人身事故については、本年10月末現在56件発生し、そのうちの1件が死亡事故であります。横断歩行者妨害等違反の検挙件数は、10月末現在3,217件で、昨年同期に比べ2.6倍と大幅に増加しております。違反者の特徴としましては、年代別では30代が22.4%で最も多く、次いで50代の18.7%となっており、この2つの年代で全体の4割を占めています。  当県における横断歩道での停止率は全国と比較しても低いため、本年から「横断歩道「おもいやり」作戦2020」と銘打ち、広報啓発及び指導取締りの両面を強化しているところでありますが、最新の調査結果を見ましても全国順位は改善していないことから、いまだ取組は道半ばであると認識しております。引き続き広報啓発を質、量ともに充実させるとともに、強力な取締りを推進してまいります。  次に、信号交差点における安全対策についてお答えします。  信号交差点における人身事故のうち、信号無視に起因する事故については、本年10月末現在97件発生しております。そのうち点灯の信号無視による事故が、昨年同期に比べ4件増加の83件、点滅の信号無視による事故が14件であります。  他方、信号無視の検挙件数を全体で見ますと、10月末現在5,342件で、昨年同期に比べ1,282件、31.6%増と大幅に増加しております。そのうち点灯の信号無視が、昨年同期に比べ1,263件増加の4,280件、点滅の信号無視が1,062件あります。  信号無視に起因する人身事故は、過去5年では減少傾向にあるものの、本年は昨年と同程度の数値で推移していることや、信号無視は重大事故に直結する悪質な違反であることから、今後も指導取締りを強化するとともに、運転免許の更新時講習、交通安全イベント等による広報啓発、さらには信号灯器のLED化による視認性の向上など、各種取組を推進してまいります。  最後に、特殊詐欺対策についての御質問にお答えします。  本県における特殊詐欺の被害については、ここ数年、やや減少傾向にあったところ、本年10月末現在の認知件数は35件、被害総額は約7,700万円で、昨年同期と比べ5件、約4,000万円増加するなど、高齢者を中心に厳しい情勢となっています。  手口としては、架空料金を請求するものが最も多く、次いでキャッシュカードをだまし取るものが多く見られます。また被害者に対して接触を試みる方法として最も多いのは、従来どおり電話であります。  中でも、被害が高額になった手口としては、先ほど澤崎議員のほうからも言及がありましたけれども、老人ホームへの入居権取得のために名義を貸してほしいなどと、うその話を持ちかけられた上で、その後、手のひらを返して、名義貸しは犯罪になると脅されるというものでありまして、罪の意識から長期間、複数回にわたって現金を渡してしまったというものがあります。  県警察では、被害の抑止に向け、金融機関やコンビニエンスストアにおける声がけ、スーパーマーケットでの店内放送及びチラシ配布などの取組のほか、犯人からの電話を直接受けないための通話録音装置の普及に努めており、今後とも、関係機関、事業者等と連携した対策を強力に推進していくこととしております。 27 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 28 ◯厚生部長(石黒雄一君)生活福祉資金貸付けに係ります市町村社会福祉協議会へのサポートについてお答えをいたします。  まず、貸付けに係る手続について申しますと、新たに特例貸付けを行う際には、原則必要とされております生活困窮者自立支援法の相談支援などの手続が、国の通知によりまして不要または簡略化されているということでございます。審査に必要な事情確認にとどめるなど、手続は一応簡略化されております。  また、県内の貸付け決定件数が月に1,000件を超えておりました5月から6月、このときには市町村社会福祉協議会におきましては、非常勤職員の雇用や他部署からの応援職員の配置、こういうことで対応していただきました。  こういった市町村社会福祉協議会の丁寧な対応によりまして、実施主体の県社会福祉協議会では、市町村社協の窓口に申請されてから、おおむね4日後までに送金処理できるよう、こうやって努力しておるわけでございます。  最近の県全体の貸付け状況は、10月は412件と、最多でありました6月の1,317件からは減少し、窓口はそれなりに落ち着いてきている状況だと聞いております。  また、外国籍の方の利用は、10月末までの緊急小口資金の貸付けの決定実績4,585件の約2割を占めておりますものの、窓口において翻訳機を利用したり、あるいは申請者のほうから、通訳できる友人とか、あるいは市町村の相談員を同行して申請に来られる、こういうことが多いということで、おおむね対応はできていると聞いておるところでございます。  ただ一方で、年末が近づくにつれ、制度の問合せや申請手続の相談が増えているとも聞いているところでございます。  今回の補正予算案に計上しております特例貸付け原資には、年末の資金のほかに、窓口の繁忙化に対応するための追加的な人件費、あるいは通訳等の事務費も含めて計上しておるところでございます。県といたしましては、こういった措置によりまして、市町村社協の窓口において円滑に事務処理ができるようサポートしてまいります。 29 ◯議長(上田英俊君)竹野生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕 30 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)私からは、地籍調査の推進についての御質問にお答えいたします。  本県の地籍調査の進捗率は、圃場整備が進んでおります農用地では76.0%で全国平均を上回っておりますが、市街地で25.4%、また本県の調査対象面積の6割近くを占めております林地では7.4%となっておりまして、全国平均を下回っております。その結果、県の進捗率は28.9%と、全国平均の52%を大きく下回っているものでございます。  今年5月に閣議決定をされました第7次国土調査事業十箇年計画では、調査の迅速、効率的な実施のために、所有者の検索のための固定資産課税台帳等の利用や新たな現地立会いルール、山間部でのリモートセンシングデータの活用など、新たな調査手法の導入が盛り込まれました。これに合わせまして令和2年度からの10か年で、事業量94平方キロメートル、11年度末の進捗率32%を目標とする本県の計画を国に報告しておるところでございます。  地籍調査は、個人の財産に関わるセンシティブな調査でございまして、関係住民の理解や合意が得られず、なかなか進まない状況にございます。  県といたしましては、今後、目標達成に向けまして、事業主体である市町村に対して、地籍調査の重要性やメリットについて、住民の方々に理解を深めていただくための啓発資料の作成、提供をするとともに、新たな調査手続等の活用や他県の優良事例について適宜情報提供や助言に努めてまいります。  さらに、県内市町村からの予算要望額を十分確保できるよう、引き続き国に対しても強く働きかけてまいります。  以上でございます。 31 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 32 ◯土木部長(江幡光博君)私から、空き家の管理についての御質問にお答えをいたします。  平成30年住宅・土地統計調査によりますと、本県の空き家率は13.3%でありまして、これは5年前の平成25年調査よりも0.5ポイント増えております。今後の動向につきましては、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、本県の一般世帯の総数が近く減少に転じる見込みであることから、このままでは現在よりも空き家率が高くなるというふうに考えております。  また本県では、一戸建てで延べ床面積の広い住宅が多いことや、空き家の所有者の遠方への転居、高齢化などの理由によりまして、空き家の適切な管理が続けられず、周辺地域に悪影響を及ぼすケースが今後増えていくことが懸念されます。  そのため県では、空き家所有者の管理意識を高めていくことが重要と考えておりまして、これまでも啓発パンフレットの配布や住まいのライフプランセミナーの開催等を通じまして、空き家の問題が所有者だけでなく地域全体の問題であることや、空き家を適切に管理していくことの必要性などについて、啓発を行ってきております。  今後も、市町村や民間団体と連携いたしまして空き家問題に関する啓発をさらに進め、空き家が適切に管理されるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 33 ◯議長(上田英俊君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 34 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず外国人技能実習生についての御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、我が国では、現在、外国人技能実習生の受入れについて、入国後14日間の自宅、宿泊施設等での待機、公共交通機関を使用しないなどの必要な防疫措置を取ることを条件としております。  その際の防疫措置につきましては、受入れ企業、団体側が実施し、その費用を負担するものとされております。こうした防疫措置に係る費用負担は、受入れ企業、団体にとりまして、いわば想定外の負担であり、技能実習生の受入れ、ひいては国際的な技能の移転による国際協力の推進に支障が出るおそれもあります。  このため、技能実習生をはじめ外国人材の受入先における費用負担の増加に対する軽減措置を国において講じますように、全国知事会を通じて要望しているところであります。  県といたしましても、今後の国による入国の水際対策を注視しつつ、県内における技能実習生の状況を踏まえ、防疫措置に係る必要な支援の在り方について検討してまいります。  次に、県制度融資についての御質問にお答えいたします。  実質3年間無利子・無担保の県制度融資新型コロナウイルス感染症対応資金につきましては、国の経済対策に呼応いたしまして今年5月1日に創設しております。  融資の申込み状況につきましては、7月の約3,000件をピークとして少しずつ落ち着いていく状況にはあるものの、依然として高い水準が続いており、申込み実績は11月末の時点で1万663件、約1,758億円に達しております。これはリーマンショック時を大きく上回っており、過去最高の実績を更新していることから、本資金は中小企業の資金繰り対策に一定の役割を果たしているものと考えております。なお融資枠につきましては、9月補正予算においてお認めいただき、3,000億円に拡大をしております。
     そのような中、国費を活用して実施しております本資金の申込み期限は今月末とされており、県では、経済情勢を鑑み、また第3波とも言える新型コロナの影響も勘案いたしまして、全国知事会を通じ国に対して延長を要望しております。先般、国で現在取りまとめ中の経済対策に、来年3月までの延長が盛り込まれるとの報道がありましたが、国において延長の方針が確定した時点で、県といたしましてもスピーディーに切れ目なく対応してまいりたいと考えております。  今後とも、国、市町村、商工団体、金融機関等と密接に連携し、また国のさらなる対策の動向等もよく見極めながら、事業者への迅速かつ円滑な資金繰り支援に万全を期してまいります。 35 ◯議長(上田英俊君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 36 ◯農林水産部長(堀口 正君)林業成長産業化についての御質問にお答えをいたします。  本県の豊かな森林資源を有効に活用し林業成長産業化を実現するためには、若者や女性を含め幅広い年代の様々な担い手により、持続可能な森林経営が行われますとともに、県産材が安定的に供給され需要拡大が図られることが重要であると考えております。  このため県では、富山県森林・林業振興計画に掲げております「伐って、使って、植えて、育てる」の森林資源の循環利用をポイントに、施業に必要な路網の整備や高性能林業機械の導入によります省力化と生産性の向上、安全性の確保に努めていますほか、ドローンやICT機器を活用した施工管理の導入、航空レーザー計測による高精度な森林情報や木材需要の情報等を集約した森林クラウドの整備など、スマート林業を推進しているところであります。  また、県産材を活用した住宅建設への支援、公共建築物の木造化、木質化のプロモーションの展開、とやま県産材需給情報センターによる円滑なマッチングなどにより、需要の拡大と木材価格の安定にも努めているところであります。  今後とも、森林組合をはじめとした林業事業体が利益を確保し、経営基盤が強化されますとともに、山元である森林所有者にも利益が還元される仕組みとなるよう、生産から流通に至る魅力ある林業の構築に取り組んでまいります。 37 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 38 ◯経営管理部長(滝 陽介君)私からは、DXの推進等に関する御質問にお答えをいたします。  県では、6月補正予算で新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用し、18億円を計上して、市町村と連携して令和3年度中に光ケーブルの世帯カバー率100%化を図る県独自の補助制度を創設しております。これによりまして、中山間地域をはじめとする各地域のDXの基盤となる情報通信インフラの整備が図られるものと思っております。  この補助制度を活用する県内8つの市町の事業につきましては、いずれも国庫補助金の交付決定がなされておりまして、現在、入札等の手続を行い、順次着手をしているという状況でございまして、令和3年度中の工事完了に向けて、おおむね順調に進んでいると承知をしております。  また、今ほど議員からも御指摘がありましたとおり、今年度、このコロナの臨時交付金を活用いたしまして、南砺市内のワイン農場において、ケーブルテレビ事業者と連携をして、IoT、AI技術、ローカル5Gを活用したスマート農業と鳥獣被害対策のモデル事業にも取り組んでおります。来年度にかけましてこの実証を行いまして、その成果あるいは課題等も出てくると思いますので、そうしたことを踏まえ、他の地域への横展開も今後図ってまいりたいと考えております。  あわせて、議員から御指摘がございました、内閣府が示しております地域未来構想20、それから国の経済対策の中で増額も検討されているという報道もございますが、国の臨時交付金、こういったものも大いに活用させていただきながら、県としましてはデジタル技術を活用した地方創生の推進、地域課題の解決や民間企業におけますデジタル技術への設備投資を促す取組等につきまして、県内におけるニーズの把握、その掘り起こしにも十分努めながら、部局横断的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 39 ◯議長(上田英俊君)以上で澤崎豊君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時00分休憩       ───────────────────  午後1時00分開議       ─────────────────── 40 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  岡崎信也君。    〔12番岡崎信也君登壇〕 41 ◯12番(岡崎信也君)社民党議員会より県政に対する一般質問を行います。  まず、我々会派からも新田知事の御就任に心からお祝いを申し上げます。  知事は、この間、幅広く県民の意見に耳を傾け強い意志を持って、今後の富山県を、その姿を見ていこうとしておられると感じております。二元代表制を執るこの県政の場においても、幅広く県民の声を議会から吸い上げていただきたいと思います。我々会派からも県行政をチェックする立場で是々非々で臨み、しっかりと役割を果たしていきたいと考えております。  まず、県政運営について伺います。  知事は、政策の基本を政府の成長戦略に置き、規制緩和とデジタル革命を推進、そして企業の活動しやすい環境整備を行い、民間手法を取り入れ、現場重視であり、そしてスピード感を持って取り組むとされております。現場重視、スピード感は重要であります。これは新型コロナウイルス感染症への不安の高まりもあってか、令和2年度の県民アンケートにも高い比率を占めたところでございます。  県民は、安心と安全を求めています。県政は、地方自治体として県民の福祉の増進を図るという信念の下、幅広い分野を多岐にわたり担うという役割があります。特に医療や福祉、教育などは、効率や採算では評価が困難な、そして速効的な成果を求めにくいマンパワー重視の分野であるともいえます。しかし県政にとっては、県民の生活と命を守り育むという、何よりも重要な課題を担っているわけでもあります。  石井前知事も同様のことをお話しされたようですが、行政において効率化やコストばかりを追い求めるべきではないと考えますが、あえて知事に御所見をお伺いいたします。  次に、経済、産業や地域の活性化についてお聞きをいたします。  成長戦略には、デジタル革命や規制緩和が大々的に打ち出されています。情報産業という牽引役を前面に出し、トリクルダウンを狙うように感じます。インターネットには今や40億人の人がつながり、生活には欠かせないインフラとして利便性の向上は誰もが待ち望むものだと考えます。要は民間の利益に貢献するだけではなくて、行政が、住民の幸せのためにどのように活用し責任を持って運営していくのかが、課題であります。  先進国では、巨大インターネット企業によるスマートシティー計画が、情報の監視という面から市民の信頼を得ることができず頓挫をしたという事態も発生をしています。また産業構造の変革に対応できる教育環境を整えないと、高度な技術力を持つ人とそうでない人との二極化という社会的な格差が起こるという指摘もあります。  また、この間の規制緩和は、大規模店舗法の撤廃による大型店舗の郊外進出で、県内多くの地域において中心街のにぎわいが喪失するという課題を抱えております。地域公共交通も、多くの事業者の参入により経営が悪化し、過剰な競争は人命をも危機にさらしました。  顕著な例を申し上げましたが、消費者には安価なサービスを提供する一方で、過剰な競争による賃金の低下、物が売れない、さらに価格低下というデフレスパイラルの循環の引き金にもなっており、地域の活性化にとって必ずしも有効とは言えない面も持ち合わせております。県民のために、一時的ではなく持続的に、どのような産業を目指し構築していくのかが問われています。  この間の県政は、立山縦貫道路に代表されるような大型の公共事業を示すことにより、県民に夢と経済活性化による雇用の創出、観光産業などの経済効果を生み出そうとしていましたが、今後は地球環境問題を意識して取り組むことが重要であると考えます。地球温暖化により地球規模で自然災害が立て続けに発生し、環境保全は一刻を争う全世界のテーマになっています。  知事は、災害対策への公共投資を積極的に進めるニューディール政策の展開を行うとされていますが、今後、さらに環境を重視するグローバルなグリーンニューディール政策を柱に、地域経済を変革していく必要があると考えるものです。これは、企業の本社や機能を県に呼び込むだけではなく、地域で消費し、それによって産業を活性化する、そして雇用を創出するという点で、人口や産業を呼び込むためにも県の有効な政策になると考えるものであります。  特に、コスト低下が急激に進行する再生可能エネルギーを中心としたネットワークを構築し、県の産業を支える中小企業や農林水産業が、地域の資源を活用して循環型の経済をつくる仕組みを考案していく、そのことが富山県を不況に強く安定な雇用を生み出す県にしていくことになると考えます。  経済産業政策として、環境や地域循環型の経済政策に重点を置き進める必要があると考えますが、所見を新田知事にお伺いします。  次に、市町村、隣県との連携について伺います。  各自治体との調整や連携は、県の重要な事業になります。基礎自治体を支援しサービスの基準を引き上げること、また事務事業の移管など市町村との事務分担、そして隣県との連携の強化、調整ではないかと考えます。  特に、県の重要課題である人口減少を食い止める施策として、知事は、現在の目標数値を引き上げ合計特殊出生率を2.07とするとされており、実現のためには今まで以上の市町村との連携が重要になると考えます。  県は、県内どこに居住していても一定のサービス保障がされるように底上げし、市町村はそれをベースに魅力を高め、移住や子育てが促進されるようにするべきであります。  特に子育て支援については、県政重点課題として自治体と連携して取り組むべきであると考えます。例えば子供医療費の無料化については、18歳まで医療費が無料になる制度の向上が図られており喜ばしいことではありますが、財政的な負担も大きく、複数の自治体から県の支援を求める声が上がっています。  また、財政が厳しい中、インフラ整備について、富山市に建設が予定されている多目的武道館などの事業の見直しもおっしゃっておられますが、同市には似通ったホールの計画が具体化されていることから、機能の重複において再度検討する余地があると考えます。知事はどのように考えておられるのでしょうか。  そして、他県との連携です。知事は、北陸新幹線対策連絡協議会の会長を退くことを具申されていますが、他県との協力関係を築き、今後進めていく意向ではないかと受け止めております。また観光や交通機関などは、隣県と連携し利益を共有することも得策ではないかと考えます。厳しい運営を強いられている空港などがよい例であり、県単独で航路を確立するよりも、連携し補う手法を行ったほうが、経費も少なくて済み、人の移動を考慮すれば観光にもプラスになると考えます。  以上、県内基礎自治体や北陸3県をはじめとした隣県との連携について、新田知事に伺います。  次に、働き方改革など県の執行体制について伺います。  知事は、官僚的な体制打破を打ち出され、縦割り行政を変えるという考えをお持ちだと伺っています。県を取り巻く環境は、自然災害や感染症対策という危機管理や人口減少対策など、一部局、一課という枠では解決できない課題が多いことから、部局が連携し対策を取ることによりスムーズな県政運営が可能になると感じるところです。また複数の副知事体制にも言及され、業務分担を行うことも検討課題とされたところであります。  一方では、県庁の時間外労働はなかなか解決できていない現状にもあり、この間の聖域なき行政改革によって事業縮小や人員削減が行われてきましたが、なかなか仕事量が減らない、または増加しているのに人員が削減される、結果として長時間労働に置かれるという業務量と人員配置がアンバランスな状況に置かれています。県民サービスの維持向上と職員のモチベーションは相互関係にあり、ワーク・ライフ・バランスが重要であります。  知事は、男性職員も育児休暇を取得し、子育てに関わり、共に育てる習慣をつくることも重要とされ、県内企業の模範になるような職場をつくるとされています。大いに期待したいところであります。働き方改革を含めた組織運営について、新田知事にお伺いをいたします。  次に、大項目といたしまして、危機管理についてお伺いをします。  まず、新型コロナ感染症対策についてであります。  新型コロナウイルス感染の拡大は、自然災害同様の県民生活と生命に直結する重大な危機であると受け止めています。冬期に入り、インフルエンザ予防と並行し対策を打つ必要がある中、人の移動と相まって急速に感染拡大が始まっています。まず県民生活、雇用、医療体制などがどのようになっているのか、非常に危惧されるところであります。  この間、4月の臨時議会、そして6月、9月の定例会と、大型の補正予算を組んで対応し、医療検査体制の強化、感染防止対策と医療従事者への支援金の支給、また企業や個人事業主に対する事業継続のための各種の支援策を実行してきましたが、感染拡大が起こりつつある中でどのような対策を取ろうとしているのか。特に昨日も「NHKクローズアップ現代+」でも報道されたひとり親家庭など、職を失い、生活が困窮し行き詰まっている実態は非常に深刻であり、早急な救済対策を求めるものであります。  現状と今後に向けた対策を石黒厚生部長と布野商工労働部長にお聞きをいたします。  また、今後、新型コロナ、そしてインフルエンザの検査や医療を強化していくことと併せて、通常医療体制をどのように維持していくのかが大きな課題であります。  首都圏を中心に重篤な症状が出ています感染拡大という日々変化していく危機に対して、医療体制に限界点が存在すると考えられ、的確な判断に基づく県民への協力要請と注意喚起が求められると考えます。何をポイントとしていくのか、新田知事にお聞きをいたします。  次に、自然災害対策についてお伺いをいたします。  自然が引き起こす災害対策については、起こり得る最大限のケースを想定して進めるべきであります。  頻発する豪雨、洪水災害には関心の高まりを感じますが、地震や津波は起こり得ないもの、そして立山つい立て論による台風被害の減災などが脳裏にあり、県民の中には安全神話が根強くあることを感じます。これまで企業誘致の売りとして災害の少ない県としてきたことも、総じて災害に対する県民の危機意識の低下を助長してきたと言えます。  しかし、災害においては、正しく知り正しく恐れるという定説は通用しなくなってきています。県内の断層や、富山湾や隣県に確認されている活断層による地震の発生確率は7%と、0.7%と言われた熊本地震よりはるかに高いレベルにあり、そして直下型の揺れの後、すぐに津波が押し寄せるという特徴があります。糸魚川断層地帯の活断層が同時に動くようなケースは、参考扱いを止め、最悪のケースを想定し県民に啓発する必要があります。  また、気象変動による集中豪雨は毎年のように発生し常態化しつつあり、災害に対して万全の備えのある県として打ち出すことが重要であります。危機管理について、県政マネジメントをどのように考えていくのか、知事の所見をお聞きいたします。  昨年9月、厚生労働省は、地域の実情を勘案せず一方的に、公立・公的病院の再編統合が必要とするリストを公表しました。対象となった地域からは、かかりつけ医師と地域の公立病院との連携が薄くなり、身近な医療が遠のくとの心配の声が高まりました。医療機関は県民全ての命のとりでであり、サービス低下は許されません。  人口の減少も重なり病院経営は厳しい現状にあり、県内においては産科の医師不足で、市町の公立・公的病院が分娩から撤退を余儀なくされています。出生率の向上を目指すにも、リスクの高い異常分娩を取り扱う公的病院の産科医の確保をどのように行うのか、避けて通れない課題であります。  そこで、医師の確保や病院経営を持続可能にし県民の期待に応えていくため、どのように取り組んでいかれるのか。また病院の地域連携支援やこども病院の設立に言及されていますが、どこに問題意識を持ち、どのように改善していこうとされているのか、新田知事にお聞きいたします。  また、2025年問題に向けて、人員の確保に大きな課題を抱える病院との連携も含めた介護の地域包括ケアシステムについて、どのように取り組んでいかれるのか、石黒厚生部長にお聞きをいたします。  次に、教育環境についてお伺いをいたします。  知事は、公約として30人学級の実現を掲げておられますが、県の教育環境をどのように捉え改善していこうとされているのか、お聞きをいたします。  現在の教育現場は教員の多忙化が問題になる中で、教員の成り手が年々減少するという深刻な状況を生み出しています。しかし肝腎の教員増員については、国は財政問題から、児童生徒の減少を待って自然発生的な少人数学級へ移行しようという議論も展開をされています。  大人社会においても、いじめや様々なハラスメントが後を絶たず、こうした社会環境の中に子供たちも置かれているということに着目しなければなりません。力で物事を解決するのではなく、人への思いやりや協力をもって解決していくことを教える環境が必要です。  一方、新型コロナウイルス感染症対策の中、学級規模についての検討を求める声も高まっています。さらに先行県においては、少人数学級化により学力向上や不登校の減少などの効果も報告されています。  これからの時代を担う子供たちの育成には、教師が一人一人と向き合うことが可能なように、少人数学級の体制を進めていくことが必要です。教育の充実は待ったなしであります。県の単独予算を教育費に充て、公約どおり教員の増員を行い、実現に向けて取り組んでいただきたいと考えますが、所見を新田知事にお聞きをいたします。  最後に、環境・エネルギー問題についてお聞きをいたします。  SDGsは、環境をはじめ持続的な社会を目指す意味で、生活や経済全ての部面で重要な政策の柱であると考えています。  地球温暖化は一刻を争う政策であり、IPCCの1.5問題は、向こう10年間の行動が重要であると警告していることからも、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ政策は、極めて遅いのではないかと考えます。後ろ向きであった米国も環境問題に対して政策転換を行いつつあり、スピードアップを図る必要があります。  このような中で、富山県は水力を中心とした再生可能エネルギーの宝庫であり、現在調査中の地熱エネルギーの開発も含めて、環境を生かした政策強化に期待するものであります。またプラスチックごみ対策もレジ袋の有料化にいち早く取り組むなど、先進性を持って取り組んできましたが、地球温暖化や深刻な海洋汚染を考えると、さらにプラスチックごみをゼロにする取組を強化するべきであると考えています。  環境とエネルギー政策について、竹野生活環境文化部長にお聞きをいたします。  公共交通政策も環境政策において重要な課題であります。富山県は全国第2位の自動車所有県であり、それだけ自動車に頼らなければ買物や病院への行き来ができないなど、生活困難な環境にあります。  知事選を通しても、新幹線よりも身近な地域公共交通の整備を求める声が多く寄せられていたように感じます。あいの風とやま鉄道や富山市の路面電車、氷見線、城端線のLRT化など、今後、軌道を中心としながらもバス路線を組み込んでいく県民生活重視の交通網の整備が重要であり、県としても、どのような将来の交通を描くのか重要な時期であると考えます。知事はどのように考えておられるのか、お聞きをいたします。  結びに、私は、富山市議会議員時代から現場主義を一番に、公共交通の現状調査をし改善に力を入れてきました。実際に体験し見聞きすることは、とても大切なことであり、得るものも大変多かったというふうに感じています。  こうした点から、前石井知事にも、バスに乗ってみてくださいと進言をしてきたところでありますが、新田知事にも、県民の日常の移動を支える公共交通をぜひ利用し県民の意見を聞いてみてほしいと思います。  地球規模で発生している異常気象は、地球温暖化に深く関わっています。日本は積極的にこの対策に乗り出し、2050年と言わず、まず2030年までの目標を早急に計画し、世界的な流れに後れを取らないように進める必要があります。そして日本国内においても、何といっても富山県が先進県であるように願いますし、我々会派も全力で取り組んでいくことを申し上げ、質疑にしたいと思います。  御清聴ありがとうございました。 42 ◯副議長(筱岡貞郎君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 43 ◯知事(新田八朗君)今ほどは岡崎議員からも温かい祝福の言葉をいただきました。ありがとうございます。  それでは、御質問にお答えいたします。  まず、効率的な行政運営についての御質問でございました。  県庁の正門の入り口の左側にも、皆さんも御覧になったと思いますが、常に我々を戒める銘板があります。爾の俸は民の膏、爾の禄は民の脂というふうなことが書いてありますが、まさにそのように納税者である県民の目線で、効率的かつ総合的な組織になるように努め、その結果、県の発展や県民の幸せにつながる仕事ができるようにということが大切だというふうに思いますし、このようなことは11月9日の就任の日に職員の皆さんにお話をして、最初に確認をしたところでございます。  そして、いくらコストが下がってもパフォーマンスが落ちては、これはまた意味がないわけでありまして、このバランスを取りながらやっていく、行政運営を行っていかなければならないと考えております。  また、このことは、御指摘のあった医療、福祉、教育等の分野においても、基本的には当てはまると私は考えております。ただ私がスピード重視、効率的な行政運営を行うと申し上げている趣旨は、あくまで県庁としての仕事の進め方や体制の話であります。御指摘のような分野を軽視するものでは決してなく、むしろ県政の最重要課題である県民の安全・安心につながる大変重要な課題だと考えております。  私は、医療や福祉、教育等の分野においても、現場の声を丁寧にお聞きしスピード感を持って政策に反映させていくことを通じて、富山県に暮らす全ての県民が、豊かで安心して暮らせる社会にすることを、県民の皆様にお約束したいと考えております。  先週の議会の就任の御挨拶でも申し上げたように、私は過去、NPO法の成立にも青年会議所の役員という立場で関わったことがございます。これは自助と公助の間にある共助というもの、特に医療や福祉や教育等の分野のNPOは、5万と言われるNPOの中でも比較的数が多い分野でございます。そのような経験もあるということ、また、これまで知的障害者に支援するボランティア団体、これはアメリカから富山に持ってきて立ち上げた経験もございます。決して医療や福祉、そのようなことを軽んじているものではないことは、どうか御理解いただきたいと思います。  一方で、やはり厳しい財政状況などの制約もある中で、県が提供する行政サービスが必要とされる県民の皆様に対して、確実にスピーディーにお届けできるという観点で、効率的な行政組織を構築することには引き続き努めていきたいと考えておりますので、御理解をいただければと存じます。  次に、地域循環型の経済産業政策についての御質問にお答えをします。  県外企業を呼び込むことも重要ではあります。これはまた議員の御指摘のとおり、一方で本県の地域特性や産業基盤を生かした県内企業の新事業創出による産業の振興も重要である。この2つを車の両輪として取り組んでいく必要があろうと思います。
     これまでも、県では、県内企業の新商品開発や新事業の創出に向け、様々な地域循環型の産業に対する支援を行っているところです。  実は、私も、経済人、企業の経営者の頃、仲間の経営者と、富山県というのは県外からの企業誘致には熱いけれども、県内の企業にはちょっと冷たいんじゃないかなんていうことを言い合っていたこともありました。私の経営しておりました企業は、あまり県の御支援をいただくことはしなかったものですから、そんなもんなのかなと思っておりましたが、こういう立場になり、いろいろ調べてみますと、そうではなく、やはり既存の県内企業にも、いろいろな支援をしていることを改めて皆さんとともに確認をしたいと思います。  例えば、新世紀産業機構等の支援により、県内企業において小水力発電設備が製品化されたという実例があります。また北陸3県で初めての商用水素ステーション──私が毎日乗らせていただいておりますミライの水素充填はそこで行われておりますが──また燃料電池自動車の導入が促進するなど、環境・エネルギー分野の取組も支援をしているところでございます。  また、その状況を広く県内外に向けて情報発信もしております。こうした中で県外事業者による洋上風力発電事業の誘致に結びついた事例もあります。若干遅れておりますが、入善の沖でそのような計画があることは皆様も御存じかと存じます。  また、繊維の分野では、地域循環型産業の事例としては、県の試験研究機関との共同研究や技術相談を通じ、県内における新製品開発が促進をされ、地元のスポーツ用品メーカーの研究開発拠点の首都圏からの移転にもつながったところでございます。  このように、地域循環型の産業振興を支援するとともに、事業環境の整備や当該取組を県外に発信することによって、地域産業の振興だけではなく、県外からの企業や本社機能の誘致にもつながっているということを、皆さんとともに共有したいと考えています。  今後とも、地域循環型の経済産業政策を進めるとともに、企業誘致との相乗効果を高めながら、ワクワクして稼げる産業の創出、また雇用の拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、市町村や北陸3県との連携についての御質問にお答えをします。  各種施策の効果を最大化するために、今まで以上に市町村や近隣県などとの連携を強化することが大切であります。  県、市町村の連携協力を行っていくに際しては、課題を共有した上で、住民により近い市町村が主役となり、県は広域や補完等の観点から市町村の行政活動を支援するなど、役割分担することが基本だと考えております。加えて行政サービスの向上につながるよう、県民目線で検討することや、県民の皆様方に成果を実感していただけるよう、丁寧に、しかしながらスピード感を大切に仕事に取り組むことが重要です。  また、北陸3県は、地理的にも歴史的にも密接な関わりがあり、北陸新幹線により、その結びつきはさらに強まっているところです。北陸新幹線においては、現在、敦賀開業に向け大きな課題に直面をしておりますが、早期の大阪延伸による全線整備は、本県にとって近県とのさらなる連携から新たなビジネスや文化圏が生まれる大きなチャンスです。そのため引き続き北陸3県が一体となり、平成27年1月の政府・与党申合せの実現を、国に対して一致団結して要望しているところです。  さらに、観光面では、北陸地域が一体となった観光の魅力発信を、より強化すべきと考えており、今後も継続的に北陸3県や関係機関と連携しながら、本県及び北陸エリアへの誘客、広域観光を推進してまいります。  今後も様々な分野で、また既存の枠組みにとらわれず、あらゆる機会を通して、市町村や北陸3県など地方間の連携を強めることにより、各種施策の実現に取り組んでまいります。  次に、組織運営と働き方改革の両立についての御質問にお答えします。  少子高齢化の進展はもとより今回の新型コロナの発生など、社会経済情勢がこれまで以上に速く変化する中にあっては、よりスピード感を持って政策を進めていく必要があります。  こうしたことを踏まえて、御指摘いただいた複数の副知事体制を含め、新年度の組織体制について検討を進めていくことになりますが、組織で働く職員が能力を十分発揮できるよう、気持ちよく働ける職場環境づくりも大変重要と考えております。  特に、男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得促進については、今年度から、子供が生まれた男性職員が1か月以上の休暇・休業を取得できるよう取組を進めておりますが、こうした制度がしっかりと活用できる職場環境についても、新年度に向けてよく検討していきたいと考えております。  ちなみに、昨年度、令和元年度では、そのような男性職員、対象80人おられましたが、そのうち70人が休暇あるいは休業を取得しました。88%の人が取得されました。道まだ半ばとは心得ておりますが、一歩一歩進んでいるということは御理解いただければと思います。  今後とも、職員の健康保持にも十分配慮して、業務の効率化、簡素化に取り組み、現場の声もよく聞いた上で、機能的な組織運営のため体制整備に努めるとともに、引き続き働きやすい職場環境づくりを推進してまいります。  新型コロナとインフルエンザの医療検査体制についてお答えをします。  新型コロナとインフルエンザとの同時流行に備えた対策として、11月9日より429の医療機関に御協力をいただき、まずはかかりつけ医等の身近な医療機関で、発熱患者の診察、検査を行う新たな体制を開始したところです。  また、この冬の新型コロナとインフルエンザに係るピークの検査需要を1日当たり最大3,592件と推定しております。これに対しまして、検体の採取は1日当たり最大3,707件、検査は1日当たり最大3,989件が可能となっております。すなわち検査需要を上回る検体採取及び検査能力を確保しているということを申し上げます。  さらに、新型コロナ患者への医療提供体制については、病床確保計画に基づき医療機関の御協力の下、平時で73床、患者の増加に応じて最大500床を確保することとしております。  一方、県民の皆様への協力要請や注意喚起につきましては、ロードマップの数値や国の動向等を注視しながら、専門家の意見等も伺い、必要な際にはアラートの発出、さらにステージの移行など速やかに対応することとしております。  幸い、現在のところ全国的にも県内においてもインフルエンザの流行は見られておりません。最大規模の発熱患者が発生することも想定しながら、医師会等関係機関と連携をし、検査及び医療提供体制の充実に引き続き取り組むとともに、県民に対しても適時適切に注意喚起などの協力を呼びかけてまいります。  次に、自然災害に対する万全な備えについてお答えします。  近年、気候変動等の影響により全国的には自然災害が頻発化、激甚化しており、国土、県土の強靱化の取組は引き続き喫緊の課題です。  このため県では、富山県国土強靱化地域計画において、起きてはならない最悪の事態を想定し、重点的に対応することとしております。  ハード面では、海岸や河川、道路、橋梁の整備や耐震化、治水ダムやため池整備、土砂災害対策、交通ネットワークの整備、木造住宅の耐震化への支援に取り組むとともに、令和4年秋以降の供用開始を目標に、県防災・危機管理センター、仮称でございますが、これの整備を進めております。  また、ソフト面では、県総合防災訓練等の実施や災害救助物資の備蓄、災害時における国や県外からの人的、物的支援の受入れ体制の整備を進めるほか、市町村と連携して、地区防災計画の策定や自主防災組織の人材育成、資機材整備、感染症にも配慮した避難対策を促進しております。  県では、今後とも自然災害の発生リスクや地域の実情等に応じ、ハードとソフト両面での施策を適切に組み合わせ、効果的に推進してまいります。また国、県、市町村、住民が、自助、共助、公助の観点から密接に連携し自然災害への備えが万全となるよう取り組んでまいります。  県内の医療提供体制についての御質問にお答えします。  県では、これまで各医療圏において、身近な医療機関から高度医療を提供する医療機関までの機能分化・連携を推進してまいりました。具体的には、救急、がん、リハビリテーション等、医療分野ごとの機能強化、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けるための地域包括ケアシステムの整備など、医療体制の整備充実に取り組み、県民が適切な医療機関で質の高い医療を受けられる体制を確保しております。  一方で、人口減少が進む中、安定的に質の高い医療を提供するため、医療機能の分化、連携の一層の推進を図る必要があります。また死因の半数以上を占める、がん、脳血管疾患、心疾患などに対応する医療の質の向上や、在宅医療の充実。医療の高度化、専門化に的確に対応し、質の高い医療を提供していくための医療従事者の確保育成など、様々な課題があります。中でも産科など特定の診療科に関しては、医師の働き方改革を踏まえた医療の質の向上のため、公的病院において集約化の動きも出ているところです。  このため県としては、地域医療構想について、医療圏ごとの調整会議において十分に御議論いただき、関係機関から丁寧に話を伺いながら進め、医療機能の分化、連携を推進してまいります。  また、こども病院の整備構想につきましては、次世代を担う子供たちの命と健康を守る観点から検討を進めてまいりたいと考えております。  医師についても、富山大学や金沢大学における特別枠の設定、医学生への修学資金の貸与等により、引き続き確保に努めるなど、今後とも地域医療が持続的、安定的に確保されるよう取り組んでまいります。  次に、教育環境についての御質問にお答えをします。  本県の少人数教育は、これまで市町村とも連携を図りながら、小学校3、4年生や中学校1年生において、35人学級または少人数指導の選択制を導入するなど、各学校の実情に応じた効果的な少人数教育が展開され、学校現場からも評価されているところです。  現在、国において、学級編制の標準の引下げを含め、少人数によるきめ細かな指導体制の整備や授業での本格的なICTの活用など、新しい時代の学びに向けた検討がなされています。  本県においても、児童生徒一人一人に応じた最適な学びを実現する少人数教育の取組の推進に向けて、国の動向を注視しながら、教職員定数の改善について引き続き国に強く要望をしていきたいと考えております。議員御指摘の私の公約にある少人数学級についても、この脈絡の中で引き続き追及をしていきたいと考えております。  また、例えば少人数学級の対象学年の年次進行によるさらなる拡充を図るなど、本県の教育現場の実情に沿った少人数学級の推進の具体策を、教育委員会において検討していただきたいと思います。  最後に、将来的な本県の公共交通の在り方についての御質問にお答えします。  県内の公共交通は、現在、新型コロナの影響から徐々に回復しつつあるものの、今後も人口減少や運転手不足など厳しい環境に置かれると考えられ、とりわけマイカー保有率が高い本県においては、公共交通サービスの持続的な確保は大きな課題となっております。  県では、平成28年3月に、今後10年間の地域交通の目指すべき目標や基本的な方向を示した富山県地域交通ビジョンを、交通事業者や県民、企業等と協力して策定をしました。このビジョンでは、利便性の向上等による地域交通の利用促進、来訪者の円滑な移動の促進、持続可能で多様な地域交通サービスの実現を目標に掲げ、市町村や関係事業者と連携しながら取り組んでおります。  この間、鉄軌道については、本年3月に富山地方鉄道市内軌道の富山駅での南北直通化が実現をしました。今後も、あいの風とやま鉄道において新駅が整備されるとともに、城端・氷見線のLRT化についての検討も進めております。  また、ノッカルあさひまちという実証実験などラストワンマイル──鉄軌道、バス、そしてその先の御自宅に至るまでのラストワンマイル──高齢化社会ではここも大きな課題になるわけでありますが、今、朝日町では、ノッカルあさひまちという実証実験が行われています。これも注視をしていきたいと考えております。  また、バスについては、とやまロケーションシステムが昨年から運用を始めましたが、これのさらなる充実を検討しているところでございます。  県としては、鉄軌道中心に、いわば基点として、鉄道とバスの公共交通の接続を考慮した交通網の整備を進めていくことは、車のあるなしにかかわらず、誰もが使いやすく分かりやすい持続可能な地域交通の実現のために重要と考えております。地域公共交通会議等の場を活用し、鉄軌道の新たな取組も踏まえた路線バスのダイヤ見直し等が円滑に進むよう、市町村や関係事業者と連携しながら進んでまいります。  また、MaaSと言われる時代に我々は生きていくわけでございますが、これも技術の開発の動向、また先進的な事例も研究をしながら、県民のお一人お一人がそれぞれの住まわれる環境に応じたモビリティーの確保ができるような施策も考えてまいりたいと思います。  以上でございます。 44 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 45 ◯厚生部長(石黒雄一君)まず、医療検査体制などの現状と今後の取組についてお答えをいたします。  新型コロナ感染症が全国的に拡大する中、医療検査体制については、この冬の新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えまして、新たな相談・受診体制の整備、検査需要を上回る検査能力の確保、新型コロナの患者数に応じた病床の確保などに取り組んでおります。  感染防止対策については、感染状況を踏まえ、県民の皆様に新しい生活様式の徹底、感染リスクが高まる5つの場面の回避など、高い緊張感を持った行動をお願いしているところでございます。  次に、コロナ禍において経済的、精神的な負担が大きいひとり親家庭への支援につきましては、国、市町村において、それぞれ独自に給付金等の支給を実施されております。県におきましても、市町村と連携したお米券の送付や県内スーパーの商品券の送付などを実施しておるところでございます。  今後とも、市町村と連携しながら継続的な支援に取り組むとともに、国のひとり親への追加支援などの動きなども踏まえまして、県独自の給付金の支給についても検討してまいります。  また、医療従事者への支援につきましては、感染症の拡大防止、収束に向けて、強い使命感を持って業務に従事しておられることに対して、心から感謝いたしております。医療従事者の皆様に対しては、県といたしまして、慰労金の給付や激励金の支給などを行いながら支援に努めているところでございます。  今後、県内の感染者を大きく増やさないためにも、医療検査体制の充実や感染防止対策に取り組むとともに、ひとり親家庭等に対しましても引き続き必要な支援に取り組んでまいります。  次に、地域包括ケアシステムの充実についてお答えをいたします。  現在、県では、高齢者保健福祉計画・第8期富山県介護保険事業支援計画の策定に向けて作業を進めております。その中で今後の地域包括ケアシステム推進についても、具体的に検討を進めているところでございます。  両計画案の中では、介護と医療の連携による在宅医療や認知症施策の推進などに取り組むこととしており、在宅医療については、病院を含めた身近な地域での在宅医療提供体制の推進、入院医療や在宅医療を提供する機関と介護を提供する関係者の情報共有の推進等について、取り組むことを検討しております。  また、認知症施策につきましては、認知症施策推進大綱に基づきまして、予防と共生を車の両輪といたしまして、認知症の普及啓発と予防、早期発見、早期対応の推進、医療・ケア・介護体制の整備と地域連携の推進などに取り組んでいくこととしております。  引き続き市町村と緊密に連携しながら、地域包括ケアの新システムの深化、推進に取り組んでまいります。 46 ◯副議長(筱岡貞郎君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 47 ◯商工労働部長(布野浩久君)私から、事業者に対する支援策についての御質問にお答えいたします。  全国的に新型コロナの第3波とも言える状況が到来し、厳しい状況にある県内の事業者へのさらなる影響が懸念される中、県内の企業や個人事業主を支えるため、必要な支援を迅速に講じることが大変重要であると考えております。  県では、これまでも資金繰り支援をはじめ、事業の持続に向けた支援金による一律支援、再起や新事業展開に向けた新たな取組への補助、また特に感染防止対策を求められる業種には、感染防止設備の整備等への支援などを実施してまいりました。  現在、国では、追加の経済対策、第3次補正を取りまとめ中でありますが、先般、3年間実質無利子・無担保の制度融資、新型コロナウイルス感染症対応資金の来年3月末までの延長、雇用調整助成金の特例措置の来年2月末までの延長などが盛り込まれるとの報道がありました。  引き続き国の動向も注視しながら、市町村や関係団体と緊密に連携し、新型コロナによる県内経済への影響について、きめ細かな実態把握に努めまして、県内における新型コロナの感染状況や経済状況等によっては、県議会の皆様とも相談させていただいて、来年度予算案の編成を待たずに、新たな支援制度などをスピード感を持って実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。 48 ◯副議長(筱岡貞郎君)竹野生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕 49 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)私からは、再生可能エネルギーへの取組の推進等についての御質問にお答えいたします。  地球温暖化対策としての再生可能エネルギーの推進につきましては、新とやま温暖化ストップ計画やとやまゼロカーボン推進宣言の中でも、重要な取組の一つに掲げているところでございます。  本県は包蔵水力が全国第2位であるなどのポテンシャルがあり、小水力発電など、本県の地域特性を生かした多様な再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。また国のエネルギー基本計画の改定の動きも注視しながら、本県での導入推進の在り方を検討してまいります。  さらに、海洋汚染対策としてのプラスチックごみの削減につきましては、市町村等と連携した県民総参加の清掃美化活動を実施するとともに、海洋ごみの発生原因が主として陸域から河川への流入であることから、とやまエコ・ストア制度でのレジ袋削減、使い捨て製品の使用抑制の啓発など3Rの推進にも取り組んでおります。  加えまして、本年度は、バイオマスプラスチック製の食品容器導入の支援やプラスチックトレイをノートレイや紙製トレイ等に転換するモデル事業の実施など、全国に先駆けた取組も展開しております。  現在、国で検討中の新たなリサイクル制度の動向も踏まえまして、今後とも過剰使用の抑制や代替製品への転換、資源循環の徹底を図り、プラスチックごみの削減を一層推進してまいります。  以上でございます。 50 ◯副議長(筱岡貞郎君)岡崎信也君。    〔12番岡崎信也君登壇〕 51 ◯12番(岡崎信也君)ありがとうございます。  知事に1点だけなんですけれども、新型コロナウイルスの感染症対策で、確かにアラートになるとか、そういうときには県民への注意喚起とか、そういうことをやっていかれると。よく分かるんです。それで、ならないようにするということは非常に理解しているところなんですが、気になるのは、例えば今、東京都などで感染が拡大をしていますよね。そしたらECMOですとか、その機器の状態とか、あるいはそれに関わるお医者さんの専門性のある方がどれだけおられるかとか、そういうところが、私は重症化したときに、やはり通常の医療を維持できるかどうかというターニングポイントになってくるのではないかというふうに思うんですよ。  そこのポイントをどう考えておられるのかというところを、ぜひ私はお聞きしたいのですが、厚生部長と協議をされても結構ですので、その1点、お願いをしたいと思います。 52 ◯副議長(筱岡貞郎君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 53 ◯知事(新田八朗君)岡崎議員、ありがとうございます。  私も就任してまだ3週間ほどですけども、何とか時間をつくりながら医療現場を4か所見てまいりました。そして今、御質問の例えば重症患者に使うECMOですね、これも言葉では聞いておりましたが、現物を見て、昨今の機械ですからコンパクトなものを想定していたんですが、そうではなく、本当に複雑な形状のもので、これならばこれの運用には多くの人手がかかるという、医療従事者がかかるというのも分かるなというふうに実感をしたところでございます。  そういった重症者の対象の病床も、今12床は確保するようにしております。そして、さっきのステージの移行についても、やはり重症者がどれぐらい、重症者ベッドがどれぐらい稼働しているか、これも大きな指標の一つになっておりますので、そのようなデータもよく見ながら、場合によってはアラート、場合によってはステージの移行、そのようなものを考えていきたいと考えております。  それでよろしいでしょうか。 54 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で岡崎信也君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後1時52分休憩       ───────────────────  午後2時05分開議       ─────────────────── 55 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。
     針山健史君。    〔7番針山健史君登壇〕 56 ◯7番(針山健史君)本日4人目の登壇になりました。自由民主党、針山健史でございます。  ラグビーの4番は、ロックという空中戦の得意な背の高い選手が担うポジションだそうでございますが、私からは地に足の着いた質問を進めてまいりたいと思います。  まずは、新田八朗知事、こんにちは。アンニョンハセヨ。ニーハオ。ズドラーストヴィチェ。ハロー。  日本青年会議所会頭時代に30か国を歴訪された知事なら御存じかと思います。韓国語、中国語、ロシア語、そして英語での挨拶をさせていただきました。  また、これら、地域の皆さんの熱い思いで創設された私の地元にある県立伏木高校で学ぶことができる外国語でもあります。国際交流学科がある県内唯一の高校であり、毎年、韓国、中国、ロシアの学校とのホームステイによる語学研修を行っております。ただ、このコロナの影響で、今年度は3か国とも対面交流のめどが立っておりません。  伏木高校を卒業した娘も、在学中にロシアに渡り1週間程度のホームステイを経験しました。また、我が家もロシアの女子学生をホームステイで受け入れました。青い瞳に金髪、身長は高く手足も長い、顔は八頭身どころか10頭身、かわいらしいというよりも、もう既に美人、どんなふうにもてなしたらよいのだろうかと悩みつつ、「今すぐ話せるロシア語入門」「ゼロからスタートロシア語」といった書籍を購入。挙句の果てには「るるぶロシア」「地球の歩き方」、観光用の本まで用意したものであります。  しかし、実際のコミュニケーションで有効だったのは片言の英語、ボディーランゲージ、そしてスマートホンによる翻訳アプリでありました。留学やホームステイは、行くほうも迎えるほうも万全の準備が必要であります。  政府が、感染症危険情報の変更に伴う水際措置等の変更により入国制限を緩和したことから、富山大学では、留学生の受入れを本格化させていますが、県立大学においての留学生の在籍状況及び今後の受入れ対応についてどのように取り組んでいくのか、蔵堀政策監にお伺いいたします。  県立大学は、学術交流として15、学生交流として9つの海外大学、研究機関と協定を締結しております。豊かな国際性と高度な専門性を兼ね備えた教育、研究に大いに貢献していると伺っておりますが、このコロナ禍においてどのような交流にて関係を維持しているのか、また問題視されております共同研究による知的財産の流出防止への取組についても、併せて蔵堀政策監にお伺いいたします。  コロナ感染症が再び広がっております。11月27日には、県立大学の学校推薦型選抜試験が実施されました。県立高校、県立大学では、今後実施される来年度の生徒募集のための入学試験に、どのような感染症対策を考えているのでしょうか。  また、例えば伏木高校では、他校でなかなか経験できないホームステイの派遣及び受入れでの活動を評価されて進学する学生も少なくありません。学業成績だけではなく、スポーツや課外活動に秀でた実績や才能も入学選考における評価基準の一つであります。部活動の競技会、コンテスト、課外活動などが大きく制限されている状況にありますが、一般入試、推薦入試等の選考基準への対応を、蔵堀政策監、伍嶋教育長にお伺いいたします。  語学習得及び国際交流には時間がかかるものでございます。長年学んできた英語でさえも自由に操れない。私だけではないと思います。国内では、中高一貫教育にて世界で活躍する人材を輩出しているケースも見られます。  ただ、公立の中高一貫校がないのは鳥取県と本県のみであります。県内では、急速に進む少子化の中で、子供たちによりよい教育環境を整備するため、各地で小中学校の再編統合が議論されており、地域によっては再編統合が進められております。そういった動きを否定するものではありません。  長期的な視野で結構です。グローバル人材育成のために、計画的かつ継続的な教育の提供が可能な公立の中高一貫校、または小中高一貫校の創設を検討してはどうかと提案しますが、伍嶋教育長の所見をお伺いいたします。  東アジアを中心に15か国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の交渉がまとまり、世界最大規模の自由貿易圏が誕生することになりました。世界の人口及びGDPで約3割を占める貿易圏であります。我が国にとってメリット、デメリットを抱える協定ではありますが、日本の輸出入額の最大の中国、第3位の韓国が含まれる初の経済連携協定は、今後の日本経済の活性化へ鍵を握るものであります。  そして、その国々と面する日本海側の総合拠点港、伏木富山港を有する本県にとっても好機到来と考えますが、RCEPにより期待される貿易拡大及び伏木富山港の活用に今後どのように取り組むのか、布野商工労働部長に所見をお伺いいたします。  世界における競技人口の3位が日本、2位が韓国、1位が中国、日本国内競技者は190万人と言われている競技があります。囲碁でございます。来年1月に高岡市伏木の勝興寺にて、囲碁界最高峰のタイトル戦である棋聖戦の開催が発表されました。おのずと県内でも関心が高まってくると考えております。  囲碁は、右脳を刺激することにより集中力、想像力、記憶力、判断力を高める効果があると言われております。コロナ禍においてのキーワードでもある少人数、リモートでの対戦も可能であります。日本の有名大学でも積極的に授業に取り入れられており、アジアを中心に人気もあることから、青少年の国際交流への期待を含めて、高校や中学校の学校教育で囲碁に触れる機会を増やしてみてはどうかと提案しますが、伍嶋教育長に所見をお伺いいたします。ちなみに、ぼけ防止、認知症予防にも効果は絶大であります。  白いもんに黒いもん書いて赤いもんを押す、行政と県民、市民との間で一般的に交わされる申込書や申請書、契約書でございます。印鑑の押印が必要な書類もたくさんある中で、県が関係する行政手続約5,100件のうち約2,600件に押印を求めていると、以前の答弁を記憶しております。  砺波市では、押印が必要な行政書類約900種類を審査し、約600種類で押印を廃止することを表明し、国が推進する行政手続の押印廃止、脱判こに取り組んでいます。全国の自治体でも押印廃止への取組を推進できるように、政府はマニュアルの作成を急ぐ見解を示している中で、県としても脱判こへの取組を急ぐべきと考えますが、滝経営管理部長に所見をお伺いいたします。  知事は、県内市町村との連携協力の深化を図るため、連携推進本部を設置する考えを表明されました。さらに県で採用した人材を市町村へ派遣する構想も持っておられます。県政に取り入れるとされる民間企業の当たり前は、県政のみに取り入れても効果は発揮されないものと考えます。  今後、連携を深めていこうとする県内の市町村には、どのような民間システムを取り入れることを期待するのか、新田知事に所見をお伺いいたします。  民間人の任期付任用制度の運用見直し、就職氷河期世代の県庁採用を強化、民間企業出身者など県庁による中途採用比率の拡大、信用保証協会会長、理事長の民間公募、県庁業務への学生アルバイトの積極採用などなど、政策集の一部であります。どれだけ民間の人材を県庁、行政に吸い上げるのでしょうか。まさにワーク、ワークがたくさんある富山県庁であります。コロナの影響で有効求人倍率が低空飛行をしておりますが、中小企業を中心に民間事業者は、慢性的な人材不足にあります。  民間人材の活用以外にも民間資金の活用という活字も、政策集に散見されております。見込まれる税収の落ち込みをカバーする施策としてコロナ債も検討されています。公債はあくまでも県民の借金であり、県民から集めた税金で返すしかありません。  確かに多方面にわたり民間の力を借りることは必要かと思いますが、各種政策における一般県民への負担増加をどのように考えているのか、新田知事に所見をお伺いいたします。  文部科学省が進めているコミュニティ・スクール──学校運営協議会制度についてお尋ねします。  平成29年から学校運営協議会の設置が努力義務化されました。ただ地域と学校の連携、協働体制の実施状況を見てみますと、本県は、全国平均でもかなり導入が遅れていると報告されています。地域と学校が交流を深めて積極的に関わってもらう仕組みを構築することは、特色ある学校づくりや教員の負担軽減のため有効な制度と考えますが、今後の推進に向けた取組を、伍嶋教育長にお伺いいたします。  国内の人や物の交流に欠かせないのが北陸新幹線であります。北陸新幹線金沢─敦賀間の開業の2023年春から1年半の延期が、国土交通省より発表され、沿線自治体は大きな衝撃を受けました。加賀トンネルでの追加工事発生などが遅延要因となり、建設費も2,880億円が上乗せされる見通しであります。敦賀手前での先行開業という話まで出ております。  これまで、北陸3県にて誘客促進連携協議会などで交流を深めてきましたが、今後の北陸3県の取組への影響について、新田知事の所見をお伺いいたします。  敦賀延伸を見越した大型設備投資である富山県武道館、高岡テクノドーム別館などの事業についてお尋ねいたします。  これまでかけてきた議論の時間を考えると、それぞれの整備は進めるべきであると思います。しかし計画の精査が必要であると表明されたとおり、当初期待していた効果が得られないことが分かっていながら計画を進めて行くのは、全く民間の感覚ではありません。  ただ、関係自治体、また近隣自治体のまちづくりに大きく影響を及ぼす施設であります。高岡テクノドーム別館については、低迷する県西部の活性化、県内伝統工芸品の発信として御旅屋セリオに移転した高岡地場産業センター(ZIBA)との相乗効果を見込んだ施設が計画されております。  さらに、5G、VR、ARなどの特性を生かすことも特徴となっており、最先端技術活用は時間との闘いでもあります。同時進行ではなく優先順位をつけて整備することも必要ではないかと考えますが、新田知事に所見をお伺いいたします。  一方、JRから提案を受け関係自治体と検討を進めておりますJR氷見線、城端線のLRT化の議論にも影響があるのではないかと懸念しております。  11月に実施された沿線住民への移動実態調査の結果について、今後どのように検討を反映させていくのか、また今後の検討スケジュールを、中谷観光・交通振興局長にお伺いいたします。  なかなか共存共栄に向けて交流が進まない厄介な相手が熊、イノシシなどの有害鳥獣であります。  JR氷見線を越えて雨晴海岸近くでもイノシシが目撃されております。農業被害が大きな問題となっていますが、農業被害以外にも、イノシシ、鹿などが走行中の車両にぶつかった、歩行者と接触したとの話を数多く耳にしております。先月初めに、砺波市頼成で、イノシシが走行中の車と相次いで衝突するという事故が発生いたしました。  有害鳥獣との人的被害、車両被害などの状況について把握しているものがあるのか、竹野生活環境文化部長にお伺いいたします。  先日の新聞報道によりますと、ここ数年、県内でイノシシ被害が深刻だった氷見市で、今年度のイノシシの捕獲が減少し、県全体でも、9月末現在で前年同期比4割程度にとどまっているようであります。豚熱の影響と見られているものの、特に高岡市北部では、イノシシの目撃情報は後を絶たず、農業被害も減っているという声を聞くこともありません。  県全体として捉えている個体数管理を、もう少し地域を細分化した管理ができないものか、竹野生活環境文化部長に所見をお伺いいたします。相手の動きをより知ることで打てる対策もあるはずです。  話は戻りますが、伏木高校の校歌は、先週まで放送されていたNHK朝の連続ドラマ「エール」のモデルにもなった古関裕而氏の作曲であります。さきの知事選挙では、大激戦の上、栄冠は新田さんに輝くということになったわけでございますが、新田知事には、富山県の発展に向けて県民との交流を大事にしていただきますことを、お願いいたしまして質問を閉じさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 57 ◯副議長(筱岡貞郎君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 58 ◯知事(新田八朗君)針山議員、カムサハムニダ、謝謝、スパシーバ、サンキュー。ありがとうございました。  それでは、議員の質問にお答えをします。  まず、市町村に対する情報共有という御質問だったと思います。  私は、民間企業の経営者として、現場目線、お客様目線、そしてスピード感、このようなものを重視して、また変化の中でも果敢に挑戦をする、また自ら変革を促していく、そのようなことを肝に銘じながら経営をしてまいりました。  県庁は富山県最大のサービス産業だと思っております。さらに今は百年に一度の危機とも言われるこのコロナ禍。このような状況の中で様々な対策にも柔軟に取り組んでいくためには、私は、この民間での経験も大いにお役に立てるのではないかというふうに信じております。  現在、市町村の意見を伺いながらワンチームとやま連携推進本部の設置、あるいは運営について、協議を内々に進めているところです。連携推進の視点としましては、行政の効率化あるいは政策の推進力向上、こういったことに資するならば、どんどんやればいいんではないかというふうに御意見をいただいております。そういった意味では、市町村の皆さんと積極的に情報共有を図っていくことは、やぶさかではありません。  また、市町村長の皆様におかれましても、官民を問わず様々な経歴や経験を生かした行政運営を既にされていると思います。ちなみに15市町村長さんの中で民間の出身の方は5人いらっしゃると承知をしておりますが、別に民がいい、官がいいではなくて、お互いのよさを取り入れて運営をしていく、そのようなことであろうかというふうに思います。  加えて、地域住民や現場に最も近いという点では、市町村に私たちが学ぶことも多くあろうかというふうに思っています。様々な分野で市町村からの意見も、県政運営にこれから取り入れていきたいと考えております。  そのように、上下関係あるいは主従関係という昭和の時代の話ではなく、今はフラットな関係でお互いのいいところを尊重し合いながら、そして富山県としては、基礎自治体である市町村をサポートする、そのようなスタンスで関わってまいりたいと思っております。  富山県がさらに発展をするという方向性については、県も市町村もないわけでありまして、また官も民も全く同じ方向性だと考えております。その上で、県、市町村、あるいは民間企業が共に知恵を出し合い、まさにワンチームとやまとしてスクラムを組みながら、政策、事業の効率や効果の最大化を図ってまいりたいと思います。  ちなみに、スクラムの中では、ロックというのは本当にキーの役目、ロックというのは鍵という意味ですから、まさにスクラムを固めるために鍵をかける、そんな意味の言葉でありますが、針山議員にもぜひ、そんな役目を果たしていただきたいというふうに思っております。  次に、民間資金、民間人材の活用についての御質問にお答えをいたします。  新型コロナの影響により、本県においても県税収入の大幅な減少が見込まれるなど、財政運営は厳しく予断を許さない状況にあります。  一方で、こうした状況でありますからこそ、県が率先して感染拡大の防止と社会経済活動の両立、これに取り組んでいかなければならないと考えています。加えて、新たな産業振興、少子高齢化対策、防災・減災のための社会資本整備など、ウイズコロナ、アフターコロナの時代を見据えた新しい富山県の創造にも果敢に取り組んでまいります。  そのため、既存事業の見直しや補正予算を含めた国からの交付金等の活用などにより財源確保に努め、将来世代の負担にも十分配慮しながら、県債残高の一時的な増加も、増えるということもためらうことなく選択肢に含めまして、積極的な予算編成を目指していきたいと考えております。  私は、民間企業の経営者のときも、たくさんお金を借りました。それは、借金というのは、私は時間を買うことだというふうに思っています。資金が十分にたまるまで待っていては、投資の機会を失うこともあり得ます。その時間を買うのが借金というものだと思っております。もちろん金利は払わなきゃなりませんが。今の場合は、チャンスというよりもピンチであります。コロナで傷んだ経済を立て直すために、ここはやっぱり財政出動も必要、そのような考えでいることを申し上げておきたいと思います。  ただ、その資金調達に当たりましては、償還時の交付税措置の有利な県債の発行には努めてまいります。全国から広く資金を調達する全国型市場公募債の発行も視野に入れ、安定的な財源確保に向けた検討を進めてまいります。  一方、民間人材の活用の趣旨ですが、これは民間企業のよさを県政に取り入れて県民が主役の県政を目指すことにあります。実施に当たっては、例えば県外から幅広く民間人材を求めることで、これが移住や交流人口の増加につながることもあろうかと思います。  また、官民の交流人事を進め、官民相互に、その際に得た知識や経験を生かして新たな付加価値を生み出すことなど、県庁と県内民間企業が共にメリットを享受でき、ウィン・ウィンの関係になるような、そんな工夫を行いながら取り組んでいくという意味でありまして、決して民間企業の懐に手を突っ込んで人材を持ってくる、そのような意味ではないということは、どうか御理解をいただきたいと思います。  次に、敦賀開業延期による北陸3県の取組への影響についての御質問にお答えします。  北陸新幹線の金沢─敦賀間につきましては、11月20日に北陸3県の知事、県議会議長さん、そして北陸経済連合会の会長等による緊急要望を行いました。平成27年1月の政府・与党申合せのとおり、令和4年度末までの敦賀開業の実現に向け工期短縮を徹底するなど、あらゆる手段を講じることを政府・与党に対し強く求めてきたところです。  富山県では、北陸新幹線の敦賀開業、大阪延伸に向けて、その効果を県内各地に広く波及、拡大していくため、とやま新幹線延伸戦略を策定し、北陸3県が連携して観光誘客や移住・定住の促進、産業振興などに官民一体となって取り組んでいます。  そのうちの観光誘客につきましては、敦賀開業を契機に北陸3県が連携した令和5年秋の北陸デスティネーションキャンペーンの開催の誘致に向けて、準備を進めてきたところです。仮にですが、議員御指摘のように開業が延期となった場合には、デスティネーションキャンペーンの開催時期等については、改めて北陸3県で協議する必要があると考えております。先ほど申し上げましたとおり、あくまで予定どおりの敦賀開業を求め続けていくことは変わりません。  最後に、富山県武道館、高岡テクノドーム別館などの整備についての御質問にお答えをします。  富山県武道館や高岡テクノドーム別館などの施設については、既存施設の老朽化や手狭であることなどに対する県民のニーズ、各地域や関係団体からの要望、各検討会や県議会での様々な議論を経て、設計費などの予算を県議会で御承認いただき進められてきたことを、受け止める必要があると考えております。  これらの施設は、針山議員御指摘のとおり、まちづくりにも大きく影響を及ぼすものであることから、地元の意見を聞きながら進めることは大変重要だと考えております。  例えば、高岡テクノドームについては、議員の話にもありました高岡地場産業センター(ZIBA)などの既存施設の状況も踏まえながら、引き続き地元高岡市等と十分に連携して、事業内容について検討してまいります。  一方、新型コロナの影響に伴い、本県では、今年度は約70億円、来年度も約190億円の税収減が見込まれるなど、財政状況の悪化が懸念をされています。これらの施設整備につきましては、厳しい財政状況への対応を念頭に置いて、新年度予算編成の中で、施設の規模や事業費、また議員御指摘のとおり、優先順位をつけての整備などの整備スケジュール、あるいは運営方法について、いま一度精査が必要だと考えております。  これらの施設は、今後の本県の武道、スポーツ振興、産業振興などに極めて重要で、県全体のさらなる発展に大きな役割を果たすものと考えており、私としては、できるだけ整備する方向で進めてまいりたいということを改めて申し上げておきます。  以上です。 59 ◯副議長(筱岡貞郎君)蔵堀政策監。    〔政策監蔵堀祐一君登壇〕 60 ◯政策監(蔵堀祐一君)まず最初に、県立大学における留学生の受入れに関する御質問にお答えをいたします。  県立大学には、今年5月1日の時点で、中国やインドネシアなど5か国から38名の留学生が在籍をしておりまして、海外大学などとの共同研究や教員、学生の交流促進によりまして、10年前の2か国16名から大きく増加をいたしてきております。  こうした留学生の受入れにつきましては、これまで本人の都合に合わせ、新規入学生を随時受け入れてまいりましたけれども、今年度は、政府の入国制限によりまして9月まで受入れできない状況となっておりました。この入国制限が10月1日以降、段階的に緩和されたことに伴いまして、県立大学では、入学を予定している留学生が、できるだけ早期に入国をし大学で学ぶことができるよう、指導教員等を通じて、入国直後の自主待機期間中の滞在先となります宿泊施設の紹介や、その際の健康管理など、留学生にとって負担となります入国手続に対して支援を行ってきております。  こうした取組もありまして、これまで新たに2名の留学生を受け入れておりますし、さらに2名の入国手続に対して支援を行っているところであります。  コロナ禍で留学生を取り巻く環境が厳しい状況ではありますけれども、県立大学では、入学を希望する留学生を一人でも多く受け入れられますように、個別の事情にも配慮しながら対応してまいります。  次に、県立大学と海外の大学、研究機関との交流に関する御質問にお答えをいたします。  県立大学では、現在、海外の17の大学や研究機関と学術交流協定を、また10の大学や研究機関と学生交流協定を締結しております。これらの協定に基づいて、これまで共同研究の実施や教員、学生の交流を行ってまいりました。  しかしながら、昨年度末からの新型コロナウイルス感染拡大によりまして、学術交流においては、現地での研究活動や研究者の招聘の中止、シンポジウムの延期、また学生交流につきましては、交換留学や語学研修の中止など、協定に基づく活動に影響が出ているところでございます。  一方で、このような中におきましても、オンライン会議での研究状況報告や研究サンプルの相互送付による共同研究の継続を図っているところでもございます。  県立大学としては、こうした交流活動を継続いたしますとともに、交換留学や語学研修などの人的交流も、コロナ禍の状況に応じてではありますけれども再開したいと考えております。県としても、交流の維持発展につながりますように支援をしてまいります。  なお、知的財産の流出防止対策につきましては、海外の大学との共同研究の中で、特許などの知的財産が生じる可能性がある場合は、その取扱いや機密保持につきまして、あらかじめ機密保持契約等を取り交わすことで対応いたしております。  また、学外からの不正アクセス防止対策といたしまして、大学にアクセスできる機器、使用できる機器の制限をかけておりますし、ユーザー認証も2段階認証ということで強化を図ってきているところでもございます。  次に、県立大学の来年度の入学試験に関する御質問にお答えをいたします。  県立大学では、令和3年度一般選抜におけるコロナ対策として、文部科学省のガイドラインに基づきまして、受験生の座席の間隔を1メートル程度確保すること、それから試験前後の机、椅子の消毒、試験室入り口への消毒用アルコールの設置などを実施することといたしております。  また、大学でも独自の措置として、構内での感染者の発生により試験実施に支障が生じることのないように、一般選抜の2週間前から講義は全て遠隔授業とすることとしております。要するに2週間の間、学内に学生が出入りしないと、そういう状況をつくることといたしております。  さらに、受験生が新型コロナウイルスに感染または感染が疑われるため、試験を受験できなかった場合の救済措置といたしまして、そうした受験生には、大学入学共通テストの成績等を参考にした合否判定を実施することとしております。  なお、11月27日に実施をいたしました学校推薦型選抜におきましても、受験生の座席間隔の確保、試験日前の遠隔授業、救済措置としての追試験など、同様の措置を講じたところでもございます。  それから、学校推薦型選抜における評価基準でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の発生によりまして、参加予定だった大会や資格試験などが中止、延期となり、その結果を推薦書や志願理由書に記載できない場合は、それらの結果に代えまして、成果獲得に向けたプロセス等を記入できるようにいたしております。これによりまして、コロナの影響によりスポーツや課外活動などが制限されていた場合であっても、評価に影響が出ないよう配慮することといたしております。  以上でございます。 61 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 62 ◯教育長(伍嶋二美男君)最初に、県立高校の来年度の入学試験に関する御質問にお答えをいたします。
     令和3年度の県立高校入学者選抜における新型コロナウイルス感染症への対応については、一般選抜では、感染者等にも受験機会を確保することとしておりまして、現在、追検査の実施や追検査以外の方法などについて、公平性の観点も踏まえて検討を進めており、なるべく早い時期に具体的な取扱いを示したいと考えております。  なお、検査会場におきましては、検査室での座席間の距離の確保や面接検査時の留意点を徹底するなど、感染症予防対策に取り組むこととしておりまして、入学志願時に各高校で配布する受験者心得に留意事項を記載することとしております。  また、推薦入学者選抜については、今年度のスポーツや文化関係の大会などが、コロナ対策の影響を受けて開催が制限されたことを踏まえ、芸術、文化、体育分野においては、受験資格として、個別の実績がない場合であっても優れた能力があると判断される場合には志願できるように配慮することとしたところです。また合格内定者の決定に当たりましては、中学校長等から提出された調査書、推薦書等の書類並びに面接等の結果を、総合的に判定して行うものとしております。  なお、議員からも御紹介のありました国際交流分野については、伏木高校において志願資格の一つとしておりますけれども、この場合も個々の実績まで求めるものではなく、例えば外国語や国際交流等に興味や関心がある者も推薦できることとしております。  令和3年度入学者選抜は、コロナ禍での選抜手続となりますが、入学志願者の一人一人が安心して受験に臨むことができるよう取り組んでまいります。  次に、公立中高一貫校に関する御質問にお答えをいたします。  中高一貫校は、6年間の計画的な教育活動を展開することにより生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的として設置をされており、令和2年度では全国で209校の公立中高一貫校が設置されております。こうした中高一貫校では、教育課程の特例を活用いたしまして、例えばグローバル人材の育成に取り組むなど、特色ある教育が実践されております。  県内での中高一貫校の設置については、これまでも県立学校整備のあり方等に関する検討委員会などにおいて議論をされてきたところであります。その中での主な意見を挙げますと、人材育成のために導入すべきという意見や、また生徒や保護者の選択肢が増えるなどの積極的な意見がある一方で、少子化が進む中、他の公立中学校に影響を及ぼすなど新たな地域格差が生じるおそれがあること、さらには難関大学に入学させるためのみならば疑問を感じるなどの慎重な意見もあったことから、平成30年2月の総合教育会議において、引き続き慎重に検討することとされたところであります。  今後の中高一貫教育の検討に当たりましては、中等教育学校をはじめとする3つの設置形態があることや、教育課程の弾力的な活用が行われるなど、十分にその特性を踏まえて議論していく必要があると考えております。その上で、今後の生徒数の将来推計やコンパクトな地理的条件など本県の実情を十分踏まえるとともに、生徒及び保護者の意見を把握しながら、また他県の先進的な事例を参考にしつつ、本県における中高一貫教育の在り方について、さらに研究を進めてまいりたいと考えております。  次に、学校教育における囲碁の触れ合いに関する御質問にお答えをいたします。  囲碁界の最高峰を争う第45期棋聖戦の第2局が、令和3年1月に、国の重要文化財である高岡市の勝興寺において初めて開催される予定となっております。  今年度、県内の高校や中学において、部活動で囲碁に取り組んでいる生徒は約80人おりまして、そのほかに幼少期から教室に通うなど、個人として取り組んでいる生徒もいる状況にあります。  県教育委員会では、これまで各種大会等を開催しております県の高等学校文化連盟への活動支援に加えて、全国高等学校総合文化祭などの全国大会への参加支援を行ってきております。  今回の棋聖戦を契機といたしまして、県内での囲碁人気が高まることが期待されるほか、修復工事が完了し、江戸時代の荘厳さがよみがえった勝興寺の魅力発信にもつながることが見込まれます。  議員御指摘のとおり、囲碁はリモート対戦を通じた国際交流等にも有効と考えられることから、今後、生徒や学校関係者へのPRを行うなど、大会の機運醸成に必要となる支援に努めていきたいと考えております。  また、例えば学校が行う海外派遣や外国の生徒とのオンライン交流などの国際交流事業において、囲碁を用いた交流を企画するなど、多くの生徒がこの機会に囲碁に触れる機会、そういったものが創出されるよう検討してまいりたいと考えております。  次に、コミュニティ・スクールに関する御質問にお答えをいたします。  コミュニティ・スクールは、地域とともにある学校づくりを進めることを目的とした制度でありまして、設置者である教育委員会が学校ごとに設置するよう努めることとされておりますが、本県の導入状況は、公立学校及び県立学校合わせて3%と少ない状況にあります。  この理由といたしましては、本県では、約9割の学校において、学校運営について保護者や地域住民から意見を聞く学校評議員制度が導入されているなど、地域と緩やかに連携した学校運営の体制が既に整えられている、そういった状況にあることなどが挙げられると思います。  一方、コミュニティ・スクールは、学校と地域が、教育目標を共有して適切に役割分担しながら、それぞれが当事者として質の高い学校教育に向けて主体的に取り組むことが可能となるなど、組織力を生かした学校運営が可能となる有効な仕組みとなっております。このため今年度、県教育委員会において、同制度の導入に関する検討会議を立ち上げまして、こうした導入のメリットなどについて県立の各学校への周知を行い、検討を促しているところであります。  今後、市町村教育委員会に対しましても、導入が進んでいる他県での具体的な運用事例を示すことなどによりまして、各学校において、本制度の導入に向けて適切な判断がなされ、地域と連携した円滑な学校運営がなされるよう、その環境整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 63 ◯副議長(筱岡貞郎君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 64 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、RCEP協定についての御質問にお答えいたします。  地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の参加国には、中国、韓国、マレーシア、ベトナムなど、本県における主要な貿易相手国が含まれておりまして、2019年における本県とRCEP協定参加国との貿易総額は約2,340億円で、本県全体の貿易総額の約62%を占めております。  RCEP協定の発効後は、工業製品の関税が段階的に引下げ、撤廃されることから、県内企業の貿易投資が促進されるなどビジネスチャンスが広がるとともに、伏木富山港のさらなる活用が期待されます。  こうしたことから、議員からお話もありましたが、県としては、今回のRCEP協定の署名を好機と捉え、伏木富山港の集荷促進の強化を図るとともに、県内企業の海外取引が拡大するよう支援していきたいと考えています。  具体的には、伏木富山港の集荷促進の強化に向けては、今年度新設いたしました国内輸送費助成などインセンティブ制度の利用促進、先月も11日に東京で開催いたしましたが、県内外の荷主企業等を対象とした伏木富山港利用促進セミナーや訪問活動の強化を通じまして、中国、韓国等の対岸諸国に対し、日本の中心に位置する伏木富山港の地理的優位性をはじめ、これらの国との充実した定期航路などを積極的にPRしてまいります。  また、県内企業の海外取引の拡大に向けては、来年開催予定の富山県ものづくり総合見本市に向けた準備を進めていくほか、海外バイヤーとの商談機会の創出、ウイズコロナ時代を踏まえたデジタルオンライン商談等の活用を図るなど、海外への販路開拓を積極的に支援してまいります。  以上でございます。 65 ◯副議長(筱岡貞郎君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 66 ◯経営管理部長(滝 陽介君)私からは、行政手続の押印廃止に関する御質問にお答えをいたします。  県民、事業者の方々に対しまして、県が押印を求めております手続、申請や届出等につきまして全庁的に調査をしました結果、全部で約5,000種類ございまして、このうち国の法令等ではなく県の条例、規則等に基づくものが、約3,000種類あるということが判明をしております。  これらにつきましては、例えば印鑑証明の添付を要するような手続以外につきましては、原則、今年度中に押印を廃止するという方向で、現在、全庁的に検討、調整を進めているという状況でございます。  今後、県の条例、規則で押印を規定している手続につきましては、2月議会、それから年度末に向けまして、条例、規則を改正する準備を進めますなど、押印の廃止に向けた手続等に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  その上で、押印の廃止は、行政のデジタル化に向けた取組とセットになって初めて意味をなすというものでございますので、押印の廃止後には、直ちに各種手続の電子化に向けてもスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 67 ◯副議長(筱岡貞郎君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 68 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、城端線、氷見線のLRT化検討についての御質問にお答えをいたします。  県と沿線4市及びJR西日本で組織いたしますLRT化検討会におきましては、LRT化した場合の需要予測を行うために、先月、沿線4キロ幅圏内にお住まいの方から無作為で抽出した1万5,000世帯を対象に、アンケート調査を実施したところであります。  その内容につきましては、1つには、運行間隔や利用料金等によってどのような交通手段が選択されるかを検討するための移動実態調査、2つには、LRT化の特徴──快適性ですとか乗降の容易性ですとか、こういったもの──それから直通化についての事例をお示しした上で、どの程度LRTが利用されるかを検討するための利用意向調査となっておりまして、現在、受託事業者において、回答いただいた調査票の確認や集計等を実施しているところであります。  この調査と並行いたしまして、現在、沿線4市におきまして新駅の設置や駅周辺の整備、開発など、まちづくりに関する検討が進められております。  今回の調査結果がまとまりました段階で第2回目の検討会を開催いたしまして、これらの状況について情報共有をし、その後の検討状況について協議をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、御質問にありました北陸新幹線の金沢─敦賀間における工事の遅延につきましては、JR西日本からも、LRT化の検討は敦賀延伸とは別の事柄と認識しているので、影響はないと考えているというふうに伺っておりまして、県としては、引き続き持続的な公共交通の確保に向け、LRT化の実現方法、それからその可能性について沿線4市やJR西日本とともに鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。 69 ◯副議長(筱岡貞郎君)竹野生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕 70 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)私からは、2問の御質問についてお答えいたします。  まず、イノシシや鹿による人的被害、車両被害等の状況についての御質問についてお答えいたします。  イノシシや鹿などの生息域の拡大や生息数が増加している鳥獣につきましては、人里等への出没の増加に伴いまして生活環境や農林水産業に被害を及ぼすなど、人とのあつれきが生じております。  まず、人的被害につきましては、イノシシは、平成28年度の統計開始以来、昨年12月に県内で初めての人身被害が発生し、現在まで2件、4名の方が被害に遭われております。なお全国では、昨年度に59件、75名の人身被害が発生しております。ニホンジカにつきましては、これまで人的被害の発生は確認しておりません。  次に、車両被害につきましては、接触しただけなど、全ての被害を把握しているわけではありませんが、県では平成29年度からイノシシとニホンジカについて、車両との事故が疑われる道路上での死亡状況の調査を行っております。令和元年度は、イノシシは174頭、ニホンジカは4頭となっており、特にイノシシは県西部を中心に増加しており、前年度比で約2.5倍となっております。  こうした状況につきましては、市町村等関係機関と共有いたしまして、県民への注意喚起を図っているところでありますが、何より被害を減少させるためには、適正な個体数の管理が不可欠であり、捕獲の強化を図ることが重要と考えております。  次に、イノシシの個体数管理について、地域ごとに管理ができないかという御質問にお答えいたします。  県では、人とのあつれきが生じております鳥獣6種類につきまして、管理計画を策定し、個体数調査や被害実態調査など科学的なデータに基づいた個体数の管理に取り組んでおり、イノシシにつきましては、生息数の増加やCSFの発生などの課題に対応するため、当初の策定時期を前倒しして、本年11月に新たな管理計画を作成したところであります。  新たな計画では、捕獲のさらなる強化を図ることなどにより、令和5年度末には、農作物被害が問題にならないと見込まれる水準まで個体数を減少させることを目標としております。  御提案の地域ごとの管理につきましては、イノシシは県内全域に分布していることや広域に移動する動物であることから、個体数については、県下全域での広域的な管理が適していると考えております。  個体数の減少のため、県では、若手狩猟者を対象としたOJT研修を実施し、この研修修了生とベテランの猟師による捕獲専門チームを設置し、広域的、組織的な捕獲活動に取り組んでおり、本年度は8チームが活動中であります。  なお、農作物被害防止に係る捕獲につきましては、各市町の鳥獣被害防止協議会が主体となり、地域に応じた捕獲の強化等に取り組んでおります。  今後とも、広域的な管理を図りつつ地域ごとに適した捕獲強化を図るなど、市町村、猟友会等の関係機関と連携し、イノシシによる被害防止に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 71 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で針山健史君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時58分休憩       ───────────────────  午後3時10分開議       ─────────────────── 72 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  井上学君。    〔18番井上 学君登壇〕 73 ◯18番(井上 学君)自由民主党議員会の井上学でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  先ほどからラグビーの話が出ておりますので、本日の5番目であります。5番というのは4番と一緒にスクラムを組む2列目だそうでありまして、私は右のロックだそうであります。先ほど知事から紹介がありましたように、ロックというのはスクラムをきっちり固める、鍵をかける、ロックするという役目だそうでありまして、会派のスクラムをロックできるかどうか分かりませんが、頑張って質問に入りたいと思います。  まずは、新田知事におかれましては御就任おめでとうございます。新田知事は、選挙戦を通じて本当にいろんな公約を訴えてこられたと思います。その公約の実現を、県民は、どのように実現されるのか期待感を持って見詰めておりますので、どうか今後とも強いリーダーシップの下、富山県政を引っ張っていっていただきたいと思います。どうか頑張ってください。  さて、知事は、代表質問でも、そして県のホームページでも、「若者からお年寄りまで、希望に満ちた笑顔があふれる富山県」「ワクワクすることがたくさんある富山県」「チャンスがあり夢を叶えることができる富山県」を県民の皆さんと一緒につくっていきましょうと呼びかけておられます。夢のある呼びかけだというふうに思います。  選挙戦を通して県内をくまなく回られ、多くの県民との触れ合いがあったと思います。コロナ禍による富山県経済の低迷や少子化、高齢化等が、県内の活力の低下に拍車をかけている現状とともに、県内地域それぞれに独自の文化を育み特色ある景観が形成されていることなど、本県の豊かな風土を目の当たりにされたと思います。  一方、それぞれの年代固有の課題をはじめ、県政に対する期待、要望、御意見など幅広く聞かれたことと思います。  また、これまで、様々な場面での知事の御発言をお聞きしますと、幅広く県民の意見を聞き対話を重視するとともに、県民総参加の県政が、ぜひとも必要であるという姿勢がうかがえます。それには県民と県行政の信頼関係の構築が極めて重要であると考えています。  そこで、知事として、県民の声を受け止め、まず県民に対して、県政運営の基本指針としてどのようなことを呼びかけていかれるのか、また今後、県民と県政との絆をいかに強めていかれるのか、知事の目指す県政の姿についてお伺いをいたします。  次に、地方分権のこれまでの取組について伺います。  以前から地方分権、地方主権といったことが声高に叫ばれておりますが、なかなか前進をいたしません。これからの時代、国が権限と財源を握るのではなく、地方にもっと権限と財源を移譲することが必要であります。そして国においては、国家の運営に関わる外交や防衛、経済対策などの大きな課題に取り組み、地方が受け持つものは、どんどん地方に移譲するという形が理想ではないでしょうか。  石井前知事は、国からもっと権限を移譲してもらい、さらに県の持つ権限を市町村に移し、地方分権の確立を進めるために尽力をされたと思っています。この地方分権についての、これまでの本県における取組状況やその成果について、経営管理部長にお伺いをいたします。  次に、道州制と地方分権について伺います。  平成20年代を中心に盛んに議論されました道州制ですが、ここへ来て先月、関西経済連合会が、新型コロナウイルスへの自治体の対応を通じ、地方分権の重要性が改めて認識されるとともに道州制の議論を始めるべきだとの提言をまとめられました。  提言は、コロナ禍を通じて、東京一極集中のリスクや地方自治体の権限不足などの課題が露呈したと指摘した上で、分権・分散型の社会を構築し、各地域が成長の核としての役割を果たすことが必要と主張されています。記者会見された関経連の松本会長は、地方自治や広域連携について議論を起こす好機とし、提言を通じて地方分権への機運が高まることに期待を寄せられました。  このコロナ禍を契機として、道州制や地方分権の動きが加速することも考えられ、我が県としても、しっかりとした考えを持って取り組まないと取り残される可能性があります。  そこで、新田知事は、この道州制と地方分権についてどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。また本県をはじめ多くの県で実施されております国と県との人材の交流についても、どのようにお考えなのか、知事の御所見をお伺いして最初の項目の質問を終わります。 74 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 75 ◯知事(新田八朗君)それでは、井上議員の質問にお答えをします。  まず、県政運営の基本方針、目指す県政の姿についての御質問でした。  私は、県政運営に当たっては、県民にオープンで県民に分かりやすく、そして県民が主役の県政を目指していく、それが基本と考えております。そのためには井上議員御指摘のとおり、県民との対話を重視し、県民の声に真摯に耳を傾け、県民と県政とのつながりを深め絆を強めることが何よりも大切だと考えます。  また、私の政治姿勢等について、県民の皆様に様々な機会を捉えてお伝えすることも重要だと思い、記者会見を週1回程度とし、県民に分かりやすいメッセージを発信していきたいと考えています。  また、これまでも実施されてきましたタウンミーティングのような県民の皆様から直接御意見を伺う機会についても、新型コロナの状況も見極めながら、具体的な方法や実施時期等について今後検討していきたいと考えています。  今回の選挙を通じて、県内を隅々まで回りました。そして250回以上のいろんな集会も開くことができました。また街頭でも多くの県民の皆さんとお話をする機会がありました。そして就任後早々には、県衛生研究所や公立の医療機関の視察を行うなど、現場の声に耳を傾けてまいりました。今後とも、私自身はもちろんですが、県の職員の皆さんにも積極的に現場に出向いてもらい、県民の皆様から直接御意見をお伺いする、県民と県政との信頼関係をこうやって築いていきたいと考えています。  私は、県民の皆様からの御期待と県政の信頼を下に、まさに議員が言ってくださったとおりなんですが、「若者からお年寄りまで、希望に満ちた笑顔があふれる富山県」「ワクワクすることがたくさんある富山県」、そして「チャンスがあり夢を叶えることができる富山県」、そのような富山県を、県民の皆さん、そして民間企業の皆さんと、ワンチームでつくり上げていきたいと考えております。これが私の基本姿勢です。  次に、地方分権について御質問をいただきました。  地方自治体が地域の多様性を踏まえた独自の施策を実施するためには、国から地方へ権限や財源を移譲する地方分権改革の推進は、もちろん重要な課題と考えております。どんどんどんどん、もっともっと進めていくように、全国知事会なども通じて、大いに提言あるいは提案をしてまいりたいと考えています。  一方で道州制についてですが、経済活動を中心に都道府県の圏域を超えた活動が行われている。商売に県境はないと言われますが、そういうような実態を踏まえて、広域行政を推進する上で必要だという御意見は承知をしております。
     一方で、都道府県ごとに独自の歴史や文化がある中で、都道府県の合併というのは本当に可能であるのか、また、そもそも道州制が単なる都道府県の合併を意味するものなのか、あるいは諸外国のように通貨の発行あるいは治安の維持などなど、現状の地方自治体よりもより強い権限を国から移譲されるものを目指すのか、ここら辺はまだまだ議論が必要なところだと考えております。議論は大いに今後もしていくべきだと思います。  関西広域連合さんは、成り立ちからして道州制を目指している立場というふうに承知をしております。あるいは法律に基づいたそういう組織だと理解しています。北陸3県も大変仲よくやっているところでございますが、これはあくまで同志的な結合ということで、今回は主に新幹線のテーマで強くやっておりますが、そういうのが北陸3県の状況だと思っております。ですから先ほど議員のおっしゃった松本関経連会長の発言も、そのような関西広域連合の成り立ち、それから目指すものときびすを合わせての御発言だというふうに理解をしております。  もう一つの御質問、国との人材交流につきましてですが、職員のスキルアップや国の施策の情報収集等を目的として、国の機関に県職員を派遣するとともに、高い職務遂行能力や中央省庁との人脈などを生かした各分野の施策の推進を目的として、国から職員を受け入れております。こうした交流は本県にとっても有意義なものと考えており、これは引き続き継続をしてまいりたいと考えております。  先般、総務省と経済産業省も回ってまいりましたが、どちらにも本県から行っている人がおられ、生き生きと活躍しておられた姿を見て、大変に心強く思ったことも申し添えさせていただきます。  以上です。 76 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 77 ◯経営管理部長(滝 陽介君)地方分権等に関する御質問にお答えをいたします。  地方分権の推進につきましては、国レベルでは、地方の発意に根差した新たな分権の取組として、平成26年度から提案募集方式というものが導入されております。令和元年度までに全国から2,521件の提案があり、そのうち約7割強に当たります1,171件において実際にその提案が受け止められ、事務権限の移譲あるいは義務づけ、枠づけの見直しといった規制緩和が実現をしております。  本県におきましても、これまで19件の提案を行っておりまして、うち18件の提案について一定の進展を見たところでございます。  また、この分権改革を真の形で実現するためには、多くの地方公共団体がなるべく自立することができる、そういう地方税財政制度を確立する必要がございます。  本県をはじめ全国知事会等が国に求めてまいりまして、この20年来を見ましても、所得税から住民税への税源移譲でありますとか、あるいは地方法人課税の偏在性措置など、大都市と地方との格差の是正を行いながら地方への財源移譲を進めてきたという経緯もございます。今後もさらなる財源の移譲、一極集中の是正に取り組む必要があり、知事会等と連携して国に対し制度改正を求める必要があると思っております。  また、県から市町村への事務・権限の移譲につきましては、条例に基づく事務処理特例制度を活用いたしまして、毎年度、市町村の御要望も伺いながら移譲を行っており、併せて事務処理に必要な経費も交付をしております。移譲の件数は令和2年9月末現在で延べ979件ございまして、毎年度、例えば令和2年度で申し上げますと、約4,000万円を市町村に事務処理に必要な経費として交付しているという状況でございます。  市町村への権限移譲につきましては、県と市町村との役割や各市町村の規模、地理的条件等も様々であるということも考慮する必要がございますし、もとより広域行政として県が担うべき性格の事業もございます。そうしたことを総合的に勘案しながら、引き続き市町村と十分、協議検討してまいりたいと考えております。 78 ◯議長(上田英俊君)井上学君。    〔18番井上 学君登壇〕 79 ◯18番(井上 学君)次に、中山間地域対策と公共事業についてお伺いをいたします。  中山間地域では、人口減少や少子高齢化の著しい進行等により、公共交通機関の廃止や縮小が相次ぎ、日々の買物や通院にも支障が生じているほか、医師不足により医療機関も廃止、縮小され医療への不安も高まるなど、安心して日常生活を送ることが困難になってきております。また主要な産業である農業は、担い手不足などにより衰退が続き、もう一つの柱である建設業も、公共事業の削減により元気がありません。  こうした状況の中で、住民は、停滞感、閉塞感どころではなく危機感を抱いております。中山間地域の活性化というものが一朝一夕になし得るとは思いませんが、加速度的に進行する過疎化に対応し地域の振興を図るためには、これまで以上に重点的な対策の実施が求められております。  こうした中、知事は政策集において、中山間地域を支える人材の育成、支援、交流の促進を掲げられ、住民相互の助け合いを後押しするとされております。中山間地域に住む県民は、どんな対策が実施されるのかと大いに期待をしております。  そこで、知事は、本県の中山間地域の危機的な状況をどのように認識されているのでしょうか。また今後、知事が進めようとされている中山間地域の振興対策は、どのようなもので、どのような点に特色を持たせていかれるのかお伺いをいたします。  中山間地域の占める割合が高い本県の特徴を考慮すれば、中山間地域で希望を持って働ける、そして働き続けられるような施策を充実させていくことが重要であります。  その一つとして、日本型直接支払い交付金の有効活用が大切であると考えます。中山間地域の農業振興にとどまらず、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、そして良好な景観の形成に利用され、関係者から高く評価をされています。とりわけ中山間地域等直接支払交付金は、農業生産活動の継続に向けた前向きな取組にとどまらず、農業以外の組織との連携など、集落機能の強化のためにも活用されています。  今後は、高齢化や人口減少が著しい地域のコミュニティーを維持していくためにも、また地域の魅力を発信するとともに、地域外の人たちとの連携も図れるようにしていくなど、さらに使い勝手のよい制度として活用範囲を広げていくべきと考えます。  国の財政制度等審議会では、将来的な人口動態を踏まえると、中山間地域の全ての農地を従来どおり維持管理することは、今後、より困難になると想定されることから、どこまでを耕作地として維持する必要があるか検討していくべきとの議論がなされているとお聞きします。  この中山間地域等直接支払制度は、今年度から第5期対策に入りましたが、県では、これまでの成果をどう評価しているのか。また昨年度成立した棚田地域振興法と連携した取組を広めるとともに、国に対して制度の継続と予算の増額を求めるべきと考えますが、農林水産部長の御所見をお伺いします。  次に、中山間地域における建設業の役割と公共事業の必要性についてお伺いします。  長年にわたる公共事業予算の削減に加え、コロナ禍による景気後退がさらに追い打ちをかけ、中山間地域の経済を支える建設業は大きな打撃を受けています。  中山間地域において建設業は、農林水産業とともに地域の重要な産業であり貴重な雇用の場でもあることから、公共事業の減少は、そのまま中山間地域の産業の衰退につながります。また災害時においては、人員や装備、ノウハウの面で重要な役割を果たしているほか、除雪や河川、用排水路の清掃など、保有する機材を活用して様々な地域貢献を行っており、地域にとって必要な資源であるとも言えます。  建設業の衰退は、こうした面においても地域社会に深刻な影響を与えます。地域にとって必要な建設業を育成、強化していくことが、集落の維持にもつながるものと考えます。  知事は、中山間地域における建設業の役割や公共事業の必要性について、どのように考えておられるのか御所見をお伺いします。  この項目最後は、中山間地域に限らず、県下全域にわたる経済対策上の公共事業の必要性についてお伺いします。  公共事業は、資材、機械、建設、輸送など幅広い業種が関わるため経済波及効果が高く、また就業のハードルが比較的低いため、雇用対策としても有効であり即効性もあることから、個人消費の拡大と並んで重要な景気刺激策であります。  本県では公共事業費の抑制が続き、維持修繕が遅れている道路や河川、用排水路やため池など、経済発展や生活の安全・安心に役立つ事業が数多く取り残されております。  コロナ禍で再び経済が収縮する今こそ、経済波及効果や雇用創出といった公共事業の効果を最大限に生かし、将来の経済成長や住民生活の向上につながる投資を大胆に行い、景気を本格的な回復軌道に乗せなければならないと考えます。  そこで、知事は、経済対策における公共事業の必要性をどのように認識し今後どう取り組んでいかれるのか、お伺いをして2項目の質問を終わります。 80 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 81 ◯知事(新田八朗君)まず、中山間地域の振興対策についての御質問にお答えします。  本県の中山間地域は、県全体の面積にして7割、人口にして2割を占めますし、また県土の保全や水源の涵養など様々な機能も果たしていることでございます。そういう意味で貴重な財産だと私は捉えております。  一方で、急速な人口減少に伴いまして、地域の行事やあるいは草刈りという本当に身近なことにおいても担い手不足が進んでいて、地域社会の存続も危ぶまれている状況のエリアもたくさんあると認識をしております。  こういう背景の下で、平成31年3月に、議員の皆様の提案により、富山県中山間地域における持続可能な地域社会の形成に関する条例が制定をされました。県ではこの条例を踏まえ、総合的な中山間地域対策に引き続き取り組んでまいります。  特色を持たせた取組を例示しますと、まず中山間地域対策の第一歩として、地域住民の皆さん自らが、自分事として地域の課題や将来像について考え話し合っていただくことが大事だと考えております。こうしたことの支援をしてまいります。  そして、経済面からの活性化対策としては、例えば首都圏から若者などを呼び込んでのにぎわい創出の支援の事業、また6次産業化など複合化することによって付加価値をつけて、もうかる農林業にしていくというようなこと。また複合化ではなく、小規模ですが特色のある農業の取組。当然、大規模な圃場というものは中山間地域では望めないわけでありますから、小規模でも付加価値がつけられるような、例えば無農薬の栽培などで市場で高く売れる、そのような作物の栽培に取り組むとか、実際氷見ではそういう若き農業者に会ってもまいりましたが、そんな取組の支援もあろうかと思います。  さらに、ちょっと夢のある話としては、未来技術であるドローンやAIなどのテクノロジーを活用して、例えば郵便物や物品などの配送の可能性について、民間企業と連携をして進めていきたいと考えております。  今後も市町村や関係団体と連携をして、中山間地域の住民の方々が、持続的に夢と誇りを持って生まれ育った場所に暮らし続けられるように、地元の市町村の職員の皆さんとも一層連携をしながら、地域の実情に寄り添った丁寧な施策を進め支援に努めていきたいと考えております。  次に、中山間地域における建設業の役割、公共事業の必要性についての御質問でした。  本県の中山間地域には、急峻な山々、急流の河川などがある上、脆弱な地質も広く分布している地域も多い。このため土砂崩れや地滑り等の土砂災害も数多く発生しがちであります。平野部に比べて冬期間、冬の間の降雪量も多いなど、厳しい自然環境もあります。  このため、中山間地域の住民の安全・安心を確保するためには、土砂災害防止施設などの整備に加え、迅速な災害対応や確実な道路除雪体制などが必要です。また観光振興や地域振興の観点からも、道路をはじめとする社会資本の整備が求められています。  このうち、地元の生活道路などの整備や迅速な災害対応や除雪については、地域の実情に精通した地元の建設企業に担っていただいております。本県の中山間地域における産業別就業人口の割合を見ましても、建設業は県平均では8.6%ですが、例えば南砺市の旧五箇山村で見ますと、この建設業の割合が15.6%と高くなっており、農業、林業や製造業、医療福祉分野と並んで、その地域における重要な産業になっていくことが見て取れます。  県としては、中山間地域の住民の安全・安心の確保のためにも、地元の建設企業に、これまでどおりその役割を担っていただくことが重要だと考えております。引き続き必要な公共事業予算を確保し、地元企業や市町村の御意見も十分に伺いながら中山間地域の振興に努めてまいります。  最後に、経済対策における公共事業の必要性についての御質問にお答えをします。  井上議員御指摘のとおり、公共事業には、一般的に、公共投資の事業自体によって雇用を創出する、所得の増大により消費を拡大させる、短期的に需要を下支えし、その支出以上にGDPを押し上げる効果があるとされています。  これに加えて、整備された道路や橋梁などの社会資本が、継続的に中長期にわたって機能することで得られる効果もあります。具体的には、地震、洪水等の災害安全性を向上させ安全・安心を確保する効果、生活環境の改善や快適性の向上などの生活の質の向上効果、移動時間短縮や輸送費低下等により経済活動の生産性を向上させ経済成長をもたらす効果があります。  こうした観点も踏まえ、県では、災害に強い道路の整備や河川改修、土砂災害対策、港湾の機能強化、農業水利施設の防災・減災対策、インフラの老朽化対策など、社会資本整備を計画的かつ強力に推し進めることで、県土強靱化と新型コロナの影響で低迷する地域経済の活性化の双方の達成を目指す、令和の公共インフラ・ニューディール政策を進めてまいります。  そのためには、必要な予算の確保が重要であることから、県としましては、国で進められている令和2年度の第3次補正予算案の編成の動きを注視しつつ、国会や県議会の先生方と力を合わせて、必要な公共事業予算の確保を国に強く働きかけてまいります。  以上です。 82 ◯議長(上田英俊君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 83 ◯農林水産部長(堀口 正君)中山間地域等直接支払制度についての御質問にお答えをいたします。  中山間地域等直接支払制度については、令和元年度は県内対象農地の86%に当たる4,643ヘクタールで取り組まれておりまして、水路や農道の維持管理活動等によりまして、耕作放棄地の発生防止や集落機能の維持、中山間地域の環境保全など大きな役割を果たしております。  一方で、高齢化や過疎化による活動参加者の減少、農業や集落リーダーの後継者不足を懸念する声も聞かれているところです。  こうした中、国において、棚田地域のコミュニティーや美しい景観、国土保全等の多面的機能を維持し振興を図るため、棚田地域振興法の指定に基づく棚田地域を、本制度の対象地域に追加しますとともに、集落機能の強化や農業生産性の向上を図る取組に対しまして加算措置が講じられております。  県内では、現在37地域が棚田地域の指定を受け、本制度を活用する地域が出てきておりまして、学生等の農業体験やボランティアなどによる人材の確保、活用をはじめ、NPO法人による里山食堂を拠点とした交流人口の受入れ等による地域コミュニティーの維持、自走式草刈り機の導入による除草作業の省力化などに取り組まれまして、地域の活性化が図られている事例も見られております。  県といたしましては、引き続き市町等と連携しながら、農地利用や活動計画の策定、加算措置活用への指導助言を行うとともに、地域の魅力発信や地域を超えた交流連携が図られますよう、棚田地域振興法の趣旨にも沿った取組の横展開を図りますほか、国に対しましては、制度の継続と必要な予算の確保、本県への配分を強く要請してまいります。 84 ◯議長(上田英俊君)井上学君。    〔18番井上 学君登壇〕 85 ◯18番(井上 学君)3つ目の項目は、安全・安心の確保の観点からお伺いします。  1点目として、子供たちの通学路における安全・安心確保についてでございます。  県内全域で、通学路の子供の安全・安心を見守る地域の目が、確実に減少していると言われています。  まず、子供たちの登下校を見守っておられる学校安全パトロール隊についてですが、近年、一部の市町村では、学校の統廃合が進み通学路の距離が長くなっている反面、学校安全パトロール隊の高齢化が進み、ほとんどが後期高齢者で隊の維持も困難な校区もあると伺っています。  この学校安全パトロール隊の現状と近年の推移、今後の課題についてどのように認識しておられるのか、教育長に伺います。  今後、学校安全パトロール隊はますます減少が進むことは必至であり、見守り活動の指導を行うスクールガード・リーダーの活用や子供の見守り活動に対する支援が重要と考えますが、各市町村の取組の温度差もあり、あまり活用されていないと伺います。  各市町村における子供の登下校安全対策事業の活用状況と、今後のさらなる活用に向けどのように市町村に対して働きかけを行っていかれるのか、教育長の御所見をお伺いします。  次に、平成30年5月に発生しました新潟市西区での小2の女の子が殺害された事件では、女の子が通学していた小学校は、低学年生徒全員が防犯ブザーを携行し、不審者対応教室も毎年開催し、学校安全パトロール隊も活発に活動しておられたと伺っています。  それでも事件は起こったわけで、こうした問題に対する解決策として、新潟県内では、子供の危険回避能力である景色解読力を高める、子供目線の、いわゆる虫の目による地域安全マップの普及に努められ、また防犯カメラの設置促進にも力を入れておられると伺っています。  石川県でも、防犯専門家の指導を受けて、いわゆる虫の目の地域安全マップの作成、普及がかなり進んでいると伺っています。  本県では、大人目線の、いわゆる鳥の目による地域安全マップは、7割の小学校で作成済みであると過去の教育長の答弁で承知をしているところですが、子供目線の虫の目による地域安全マップの作成、普及を進めるべきではないでしょうか。また通学路における防犯カメラの設置についても、今後、より力を入れていくべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、安全・安心の2点目であります。この冬の雪対策について伺います。  県では、先月20日に今年度の雪害対策連絡会議が開催され、本格的な降雪期を迎えるに当たり、防災関係機関相互の連携と情報共有をされたと承知します。近年は暖冬少雪で、大きな雪害が発生したとは報道されていませんが、準備は、しっかりしておく必要があると思います。  この冬の県内における道路除雪対策や公共交通の確保対策、ライフライン対策等について、関係機関では新たにどのようなことに取り組むのか、危機管理監にお伺いをいたします。  また、中でも特に道路除雪についてお伺いをいたします。  今年の2月定例会における我が党の藤井議員の代表質問で、除雪体制を安定的に維持するための取組について水口土木部長は、将来にわたり安定的な除雪体制を維持していくために、今後、国や他県の事例などを調査して、除雪企業の皆さんの御意見も伺いながら、どのような取組が可能か検討してまいりたいと答弁されています。  暖冬少雪で、期待したほど除雪費の収入がなく、このままでは経営存続も危ういという除雪企業も多いとお聞きします。一例として青森県では、持続的な除雪体制を確保していくために、今年度から少雪時における道路除排雪業務の最低保障制度を導入したともお聞きします。  本県における今後の持続的な除雪体制を確保していくための方策について、土木部長にお伺いをして私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 86 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 87 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、最初に学校安全パトロール隊に関する御質問にお答えをいたします。  学校安全パトロール隊は、児童生徒の安全を見守るため、保護者や地域の方々の御協力の下、各小学校区で結成されておりまして、登下校時に交差点に立っていただくなど、約6割の隊がほぼ毎日、また約2割の隊が週1回以上活動していただいております。  パトロール隊は、平成17年に結成をされまして、10年前の平成22年をピークに年々減少しており本年4月現在では461隊、約3万4,000人となり、10年前との比較では34隊、約5,000人の減少となっております。現在、スクールバスの運行等により設置が不要と判断された学校区を除きまして、全ての小学校区において結成をされております。  保護者及び地域の住民の皆さんの御協力によりまして一部の隊員数が増加している、そういった状況もあるなど一定の活動は維持されているものの、かなり厳しい状況にあると考えております。  今後の課題といたしましては、議員からもお話がありましたが、構成員の高齢化やあるいは少子化による保護者の減少、小学校の統廃合に伴う校区の減少、こういったことに伴いまして、パトロール隊の隊員数を確保していくことが必要であると考えております。  今後、市町村教育委員会を通じまして、パトロール隊の活動をできる限り支援するとともに、地域内の連携を強化する方策に取り組むことなどによりまして、その活動が維持存続されるように努めてまいりたいと考えております。  次に、登下校安全対策事業に関する御質問にお答えいたします。  学校、家庭、地域の連携協力によりまして、児童生徒の安全・安心を確保する取組を支援していくため、子供の登下校安全対策事業によりまして市町村を支援しているところであります。  このうちスクールガード・リーダーにつきましては、市町村から委嘱された警察官のOB等が、専門的な見地から学校の防犯体制の強化や学校安全パトロール隊等に対して指導を行っておりまして、現在、5つの市町において計10名配置をされているという状況にあります。  このほか、同事業では、地域ボランティアと協力した防犯教室の開催や通学路安全マップの作成、また防犯用具の貸与や配布など、学校安全パトロール隊をはじめとして、子供たちへの見守り活動に対する支援を行っております。本年度は3つの市で活用されておりまして、さきに御紹介したスクールガード・リーダーの配置事業と合わせますと、計8つの市町で活用をされております。  なお、この補助制度の活用のない市町村にあっても、学校安全パトロール隊の設置など、子供の安全確保のための恒常的な対策は実施をされております。  今後、警察等の関係機関、保護者や地域の方々と連携した安全対策の活動を、さらに促進していくために、学校安全ボランティア活動の優良事例をホームページで紹介するとともに、本補助制度の活用についても、市町村教育委員会に対して強く働きかけてまいりたいと思っております。
     次に、地域安全マップに関する御質問にお答えをいたします。  これまでの地域安全マップは、交通事故や犯罪、災害を防ぐ目的で、危険な場所等を写真等により示した地図を作成しておりまして、議員からも御紹介がありましたが、現在、県内の7割以上の小学校で作成をされております。そのうちの約2割は、いわゆる児童生徒が授業等で実際に現地を訪れて点検するなど、大人目線ではなくて子供目線である虫の目の観点から作成をされております。  しかしながら、従来よりも防犯に重点を置いた地域安全マップを作成するためには、入りやすく、また見えにくい場所を警戒する犯罪機会論の視点を加味するとともに、子供自身が周囲の景色を見て危険等を判断する能力を養うことが重要とされております。  このため、県教育委員会といたしましては、こうした視点を踏まえつつ、今後、専門の講師による子供目線でのマップづくりの講習会の開催等に取り組みたいと考えておりまして、その重要性や効果、作成方法について各学校に周知をして、子供の景色読解力を高めるマップづくりを促進してまいりたいと考えております。  また、防犯カメラについては、県において昨年4月に補助制度を新設しまして、学校周辺や通学路を含めた住宅街の犯罪の起きやすい場所、いわゆるホットスポットを中心に設置を進めております。本年11月末現在で90の地区安全なまちづくり推進センターに対して151台の設置補助をすることとしておりまして、これは犯罪防止や通学路の安全確保に効果的であるということから、設置を促進するため、現在も継続して募集をしております。今後とも、市町村教育委員会や関係機関と連携して、子供の安全対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 88 ◯議長(上田英俊君)砂原危機管理監。    〔危機管理監砂原賢司君登壇〕 89 ◯危機管理監(砂原賢司君)雪害対策に関する御質問にお答えします。  富山地方気象台によりますと、この冬は12月と1月に冬型の気圧配置が強くなる時期があり、大雪が降る可能性があるとのことであり、県民の安全・安心の確保のため万全な雪害対策が求められます。  関係機関における新たな取組といたしましては、まず県内の道路につきましては、国の直轄管理国道では、待避所や監視テレビカメラ等の整備、NEXCO中日本の管理道路では、除雪部隊を1編成追加、また県の管理道路では、県が保有する除雪車両の10台増強やGPS導入による除雪状況の把握などを図るとしております。  また、公共交通機関による県民の足の確保につきましては、あいの風とやま鉄道及びJR西日本では、ラッセル車等による効率的な除雪を行いウェブサイトで運行情報を提供しますほか、万葉線では除雪車運転士を増員、富山地方鉄道では旧ライトレールの区間も含めた除雪体制を強化するとのことであります。  さらに、ライフライン事業者におかれましては、各供給設備の降雪前の巡視点検を強化し、必要に応じて補修等を行いますほか、例えば北陸電力送配電株式会社では、新たにスマホアプリによる停電等の情報をプッシュ通知で提供するサービスを開始されています。  県といたしましては、こうした関係機関とも連携を取りながら、気を緩めることなく雪害対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 90 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 91 ◯土木部長(江幡光博君)私から、持続的な除雪体制確保についての御質問にお答えいたします。  道路除雪は、冬期における県民の皆さんの通勤通学などの日常生活や産業経済活動を支える上で極めて重要であります。今ほど議員から青森県の事例を御紹介いただきましたけれども、本県におきましても、これまで安定的な除雪体制を維持するため、除雪企業への委託経費の見直しや必要な支援を行ってまいりました。  例えば、暖冬少雪への対応としまして、民間が保有する除雪機械を借り上げる場合の委託経費につきましては、雪が少なく除雪機械の稼働時間が少ない場合でも維持管理ができるよう、保険料や税金などの必要経費については、出動にかかわらず支払う固定費に計上しております。さらに今年度は、この固定費の計算方法を見直しまして、機械損料のうち償却費の半分を固定費として追加計上しまして、機械を保有する企業のさらなる負担軽減に努めたところであります。  県としましては、今後も除雪を担っていただいている企業からの御意見も伺いながら、必要に応じて委託経費の見直しを行うとともに、引き続き民間企業に貸し出す除雪機械の増強や除雪オペレーターの育成などの支援を行い、安定した除雪体制が維持できるよう努めてまいります。 92 ◯議長(上田英俊君)以上で井上学君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後3時59分休憩       ───────────────────  午後4時10分開議       ─────────────────── 93 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、申し上げます。本日の会議時間を午後5時30分まで、30分延長いたします。  瘧師富士夫君。    〔26番瘧師富士夫君登壇〕 94 ◯26番(瘧師富士夫君)本日最後の質問者となりました。6番目でございます。  非常にくどいようでありますが、ラグビーのポジションで言いますと、6番目、7番目はフランカーという大変運動量の多いポジションでありまして、ボールの奪い合いに絡む大変激しいポジションなんですが、御覧のとおり私はジャッカルできるほどの腕力がありませんので、どちらかといえば守備的なブラインドサイドフランカーという立場で、淡々と質問を申し上げたいというふうに思っております。  まず、新田知事の知事御就任、お祝いを申し上げますとともに、富山県の発展のため、そして県民の住民福祉の向上のために邁進していただくことを祈念申し上げまして、以下質問に入らせていただきます。  まず、農業・農村問題についてであります。  菅政権の下、野上参議院議員が農林水産大臣に就任され、米どころ富山としては、松村謙三先生以来、74年ぶりの日本農政トップの誕生に県民の期待が膨らむところであります。  そんな中で、米作りへの対応は、まさに喫緊の課題であります。近年、米離れや人口減少で、国内全体の消費量が年間10万トンペースで減っているのに加え、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響で、外食産業の需要が縮小、主食用米の民間在庫は4年ぶりの高水準にあります。  富山米は需要が堅調で、18年度に国の生産調整が廃止されてからも生産目標を据え置いてきたわけですが、産地間競争の激化、コロナ禍での消費減を勘案すれば、本県も21年は減産に踏み切らざるを得ないと予想されます。  そこで、21年度の生産目標設定の見通しはどうなのか、今後、生産者の所得を確保するためにどのように取り組まれるのか、堀口農林水産部長に伺います。  米の産地間競争が激化する中で、米どころ富山の存在感を示すには、ブランド米の知名度を上げることが必要です。2018年に本格デビューした富山米「富富富」は、暑さに強く、倒伏しにくい特性が生かされるとともに、気象や生育に応じた管理指導の積み重ねにより、20年産ではコシヒカリに劣らない収量に届くなど、生産者から充足感に似た声が聞こえてまいります。  しかし、富山県産ブランド米としての知名度については、まだまだの感は否めません。先月開催の戦略推進会議では、生産や販売の方向性を定める次期戦略の骨子案が示され、将来的にコシヒカリに代わる主力品種に位置づけるとのことですが、他県のブランド米と何が違うのか、良さや特徴を消費者に強くアピールしなければ、生き残るのは難しいと思います。  富富富のブランド力向上のためには、従来の常識にとらわれないような大胆なPRを展開すべきと考えますが、新田知事のお考えをお聞きします。  人口が減り国内市場が縮小する中、世界に活路を見いだすことは、生産者の所得向上策になります。野上農相も、農林水産物、食品の輸出拡大が農林水産省で取り組むべき最重要課題と位置づけ、10年後に5倍の5兆円に引き上げる目標を掲げられました。  これまで輸出については、本県も重点品目を中心に、アジアの国、地域を主な対象として積極的に施策を展開しており、米についてはJAみな穂などが輸出用米を拡大してきました。やはり米どころ富山としては、今後も米輸出に本腰を入れて取り組むべきと考えますが、輸出促進による販路拡大にどのように取り組まれるのか。  また以前から、世界有数の米輸入国である中国へ伏木富山港から輸出できる体制整備が課題でありました。本県の精米工場や薫蒸倉庫が中国側から指定、登録を受けるために必要な調査に対して、これまで支援してきたと思いますが、今後の中国への輸出体制整備の見通しと併せて、農林水産部長に伺います。  次に、農業農村整備関連について申し上げます。  私を含め県内の土地改良区の関係者は、次の世代によりよい水利環境、美しい農村を残し、維持管理する体制をつないでいこうと取り組んでいるところであります。日頃から土地改良事業に多大な御協力、御尽力をいただいております県関係者に、改めて感謝を申し上げます。  さて、近年、農業農村整備事業の推進や土地改良施設の管理を中心的に担うマンパワーの問題を感じているところであります。いわゆる土地改良技術職員の確保育成という喫緊の課題であります。  農業農村整備事業の推進には、高収益作物の導入や担い手への農地集約など、以前にも増して営農計画との連携が必要となってまいります。また事業期間中の各関係機関との調整や地元説明、加えて事業完了後の水門、給水栓の管理指導など、土地改良技術職員の役割は増大しております。  そこで、今後、土地改良区の体制強化に向けた土地改良技術職員の確保育成に対して一層の支援が必要と考えますが、農林水産部長の所見を伺います。  次に、空き家対策について申し上げます。  空き家が放置されている状況は、防犯上の危険性や景観を損なうなど、空き家所有者の思いとは裏腹に、近隣に住む人たちにとりましては厄介なことであります。この問題は、県内の各自治体を含め全国の地方が抱えている大きな課題であり、いつ自分の身に降りかかるかもしれない身近な問題であります。空き家対策は市町村が窓口でありますが、こうした共通課題にこそ、県が連携して取組を強化すべきと考えます。  砺波市では、平成30年度空き家総数478件から、令和元年度460件と減らしております。県内でいち早く、空き家の適正管理等に関する条例を制定し、平成28年度に自治振興会とタイアップした空き家コーディネーター制度をスタートさせ、これ以上空き家を増やさない活動を実践しています。中でも今年4月に法人化に踏み切った柳瀬地区の取組は、その推進役であり、地域活性化と経済活動創出につながる法人を目指しております。  空き家所有者の意識を変えるのは簡単なことではありませんし、また砺波市の取組がどの地域でも通用するとは思いませんが、このような事例を1つのモデルケースとして県内に普及啓発するなど、県による市町村と連携した取組を強化すべきと考えますが、江幡土木部長の所見を伺います。  空き家対策は、市街地と農村部では取組方が変わってきます。特に町の中心にある密集地の空き家対策は、解決に至るハードルが高く、解消が進まないとされています。土地が狭く隣の家と密着した細長い住宅に、新たに住もうという人は極めて少ないわけであります。  しかし、このまま放置すれば町の空洞化に歯止めがかからず、町全体の衰退につながります。市街地の空き家対策では、例えば所有者の権利を持ち寄って一帯の土地にし、高度利用や都市機能を取り入れた、公共性にも配慮した建物に建て替えるという市街地再開発手法も対応策の一つと考えられますが、県内の密集市街地の空き家対策に当たり、市町村の取組をどのように支援されるのか、土木部長に伺います。  一方、農村の空き家対策については、宅地が広く、周辺の自然環境に恵まれていることから、県内外からの移住や市内からの住み替え、また農業の6次産業化やサテライトオフィスとしての活用など、利活用のための売買、賃貸につながるケースが多くあります。  しかし、所有者の理解が得られず、傷みの著しい老朽化した空き家が撤去に至らず、そのまま放置されるケースは依然として多いわけであります。空き家を撤去することに二の足を踏む要因としては、家屋を解体した後、今まで特例を受けていた土地の固定資産税がぐっと高額になってしまうことです。  そこで、農村部の空き家対策として、宅地から農地に転用するという視点もあっていいのではないかと考えます。課税地目が宅地から農地に変更できれば固定資産税が安くなり、今ある土地を生かせる可能性があります。  例えば、圃場に囲まれた空き家を解体し宅地から農地に転用できれば、農地の大区画化を進め、農業の大規模化、効率化につながると考えますが、農林水産部長の所見を伺います。  このように、空き家問題は、地域共通の課題であり深刻な社会問題であります。この難題に対しては、県は、市町村に対し最大限の支援をする必要があると考えます。空き家対策は、単なる市場での売買、賃貸にとどまらず、移住政策や農業、文化活動、商業の振興など様々な分野に通じる政策課題として対応すべきであり、現状、土木部の建築住宅課のみが抱えるには無理があるように思います。  そこで、専門的な人材や関係部局によるプロジェクトチームを創設するなど、部局横断的な取組が必要と考えますが、新田知事の所見を伺います。  次に、先ほど岡崎議員も質問されましたが、環境問題についてであります。  先月、菅首相が、日本の新たな成長戦略と強調し、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す方針を示したように、今後、国内では脱炭素社会への機運が一層高まるものと思われます。レジ袋の無料配布廃止を全国に先駆けて取り組んできた本県においても、3月にとやまゼロカーボン推進宣言を行い、各種施策を加速化させる必要があると思われます。  そこで、新総合計画の県民参考指標として示す、世帯当たりや事務所、ビル等の延べ床面積当たりのエネルギー消費量の削減率、一般廃棄物再生利用率、産業廃棄物減量化・再生利用率など、これらの目標達成に向け今後どのように取り組まれるのか。また新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式の変化に伴った廃棄物の排出状況の変化を、どう把握しておられるのか、竹野生活環境文化部長に伺います。  プラスチックごみによる海洋汚染は、海洋生物への影響だけではなく、人体への影響や経済損失も見過ごすことはできません。まさに私たちの身の回りにはプラスチックであふれております。日本はプラスチック生産量世界第3位。プラスチックごみを、世界の8割、海洋流出させているのはアジア諸国でありますが、そのアジア諸国にプラスチック製品を大量輸出している国こそが、日本であります。  プラスチック問題を改善するには、企業、自治体、個人の取組が必要ですが、レジ袋の無料配布廃止の先駆けである本県が、全国の先進県として取り組むべきと考えます。  そこで現在、本県では、使い捨てプラスチックの削減や代替製品への転換などにどのように取り組んでいるのか、また本県のプラスチックごみのリサイクルの状況をどう把握されているのか、生活環境文化部長に伺います。  本県では、とやま食ロスゼロ作戦を掲げ、全県的な県民運動を展開しております。また4月には、食品ロスの削減の推進に関する法律規定に基づく富山県食品ロス削減推進計画が策定されました。  今後、この取組の加速化を図り、消費者や事業者、関係団体、市町村との連携を強化していきたいとのことですが、その評価指標である県民1人1日当たりの食品ロス発生量の達成見通しはどうなのか。また今月16日には、食品ロス削減全国大会が本県で開催されます。この大会を契機に、今後、本県が食品ロス削減の取組においても全国のトップランナーとなるよう、どのように事業展開を図っていかれるのか、農林水産部長に伺います。  次に、スポーツや文化を育む環境づくりについてであります。  私は、地方の活性化には、スポーツの発展が最も有効な政策の一つであると考えております。  スポーツに興じること、スポーツ競技を観戦すること、すなわち健康促進につながり自己の生活を充実させるのみならず、地域の連帯感を強め、さらにスポーツ用具などグッズに関連した産業の発展、メディアによる活発なスポーツ報道等は地方の活性化に、十分貢献すると認識するものであります。  そして、大都市に行かなくても地方にいながらプロの試合を観戦し、地元プロチームに熱い声援を送れることは、幸せなことです。まさに地域のプロスポーツ振興は、地方分散型政策に通ずるものと考えます。  御承知のとおり、本県では、富山GRNサンダーバーズ、カターレ富山、富山グラウジーズが、それぞれ会社を独自につくって経営に当たっておられます。コロナ禍に伴い活動が縮小し、厳しい現実に直面されていると推測しますが、何とか県民で支えていかなくてはと思います。  そこで、今後の地元プロスポーツの振興について、どのような支援をお考えなのか、新田知事にお伺いいたします。  地元プロチームに地元出身の選手が数多く在籍し、活躍すれば、応援に一層熱が入ると期待されます。そのためには、本県の各スポーツ競技の重点強化を図る必要がありますが、競技力は決して高いとは言えません。  例えば、この秋、本県で開催された北信越高校野球では、本県から出場した4チームが、いずれも初戦敗退となりました。その一方で他県の高校に在籍する本県出身選手の活躍が目立ちました。また10月26日、プロ野球NPBドラフト会議では、本県から2人の指名がありましたが、いずれも県外の高校に在籍している高校生でした。  このような県外流出の傾向は、野球に限ったことではないと思います。本県では、トップアスリートの発掘、育成、強化にジュニア期から取り組んでおり、その成果として、実際に多くの本県選手が全国や世界のひのき舞台で活躍しています。しかし、そのキャリアを積む過程の中で、能力に秀でた子供たちは、ジュニア期から次のステージに移る際、スキルアップを目指す進学先として県外の高校に、より魅力を感じるようです。  このような、スポーツで、さらなる高みを目指す学生の県外流出の現状や課題をどう認識し、それを踏まえ今後、本県高校スポーツの競技力向上にどのように取り組まれるのか、蔵堀政策監に伺います。  スポーツのみならず、芸術文化に親しみ鑑賞する環境づくりも、県民の多くが望んでいる地方活性化策であります。本県の文化施設は、富山県美術館に代表されるように、ハード面では全国トップレベルにあると聞いており、また、とやま世界こども舞台芸術祭、シアター・オリンピックス等の開催など、優れた芸術文化を鑑賞する機会が創出されております。  しかし、県民世論調査における芸術文化に親しむ機会が充足されていると思う人の割合は、約4割程度にとどまっています。新型コロナウイルスの影響で、芸術文化団体等の活動や美術館等の文化施設の来場に陰りがあると思いますが、現在の芸術文化活動の状況や文化施設への来場者はどうなのか。また、その状況等を踏まえ、今後の文化振興にどのように取り組まれるのか、竹野生活環境文化部長に伺いまして質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 95 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 96 ◯知事(新田八朗君)瘧師議員の御質問にお答えします。  まず、富富富のPRについての御質問でした。富富富につきましては、高温に強い、あるいは風に強い、そのようなコシヒカリの弱点を克服する品種として開発され、県内外でのCM放映や小売店等での試食宣伝などのPRを進め、首都圏での知名度は、同時期にデビューした他県の新品種に比べても、同等あるいはそれ以上と理解をしています。  また、消費者や料理人等からは、コシヒカリとは違うおいしさがある、冷めても硬くならず、おすしやおにぎりにも合う、との評価に加え、学校給食では児童生徒から、ふだん食べているお米よりおいしい、との評価を得ております。今年度からは、スマホでのアンケートやインスタグラムキャンペーン等を行い、消費者の声をさらに幅広く収集しているところです。  目下、来年度からの次期戦略の検討を進めております。「富富富」戦略推進会議においても、様々な御意見もいただいておりますが、県としては、味だけではなく、地球温暖化が進む中、高温に強い特性を発揮して1等米比率を高い水準で維持していること。今年などは暑い夏だったので、特に顕著にいい面が出ております。それから農薬や化学肥料の使用が少なく、環境に優しいお米であること。また富山の清らかな水や肥沃な大地、勤勉な生産者が育てたお米であることなど、富富富の特徴を分かりやすく県内外の消費者に伝えることが大切であると考えています。  そこで、まずは県民の皆さんにどんどん食べていただいて、足元から評価を高めていくことが重要であり、農業関係団体等と連携し、学校給食での富富富の提供を充実させるなど、県民に食べていただく取組を推進してまいります。  今後、さらに知名度の向上を目指し、例えばユーチューブの活用など、従来からの発想にとらわれず、消費者の視点からさらなる工夫を凝らした効果的な手法について、生産、流通、消費、各分野の専門家等の御提案等もお聞きしながら、戦略推進会議で十分議論いただき、県としてもフォローをしてまいります。  次に、空き家対策についての御質問でした。  空き家対策は、防災、衛生、景観など地域住民の生活環境の保全の観点だけでなく、空き家を活用した移住の促進や地域活性化の観点からも重要な課題であります。県としても、空家等対策の推進に関する特別措置法上で、空き家対策の主体とされております市町村と十分連携して取り組むべき課題と認識しています。  近年、県内では、空き家をゲストハウスやサテライトオフィスとして再生した事例など新しい動きも出ていることから、県としては、空き家の利活用について、観光振興、地域産業の活性化などの幅広い視点から捉える必要があると考えております。  今後は、県や市町村、不動産関係の団体等から成る、空き家対策官民連絡協議会を中心に、現場の実態等について市町村と情報共有を密にして、空き家の多様な利活用事例の把握などについて、県庁においても部局横断的に取り組むなど、市町村の対策を支援していく方針です。  最後に、地元プロスポーツの振興についての御質問にお答えをします。  地元プロスポーツが活躍することは、本県のスポーツ振興や県のイメージアップなどのほか、県民の皆さんの一体感や郷土愛の育成につながるなど、多くの効果が期待できます。  プロスポーツの運営については、試合の入場料や広告収入を財源にした独立採算制がもちろん原則ですが、県としても、応援バスの運行、福祉施設の児童の無料招待、県有施設の使用料の減免、ホームゲームでの県民参加型イベントの実施、子供向けスポーツ塾の開催などにより、チームの運営を支援してまいりました。  また、プロスポーツチームの選手と県民との交流イベントの開催、県政番組等でのチームの紹介など、応援機運の醸成やファン層の拡大につながる取組も実施してきています。  さらに、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う開催延期、開催後における入場制限、感染症対策費用の増加などによる影響について、各チームの実情を伺いながら、適時に支援のため補正予算を計上して対応してきたところです。
     プロスポーツをより身近に感じてもらい、多くの県民の皆さんに応援していただくためには、何より競技力を高め闘志あふれるプレーによって勝利を獲得することが効果的であり、チームの財政基盤強化など相乗的に好循環を生むものと考えております。  今後とも、各チームとの連携を深め、地元プロスポーツの振興と地域の活性化につながる取組を実施してまいります。  以上です。 97 ◯議長(上田英俊君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 98 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、県産米の生産目標等についての御質問にお答えをいたします。  県産米の生産目標につきましては、富山米が高品質で良食味を確保してきたことや需要量が堅調であることなどから、近年18万1,695トンと据置きとされてきましたが、国が先般公表いたしました令和3年産米の生産量の目安は、新型コロナウイルスの影響などもあり全国で693万トンと、前年に比べ24万トンの大幅な減になっております。  このため本県では、県農業再生協議会において、例年より早く、JA等の関係機関や農業者団体等に国の情報や本県産米の需要動向などを御説明し、地域段階で減産も含めた検討が進められるよう努めてきたところであります。各地域からは、加工用米、輸出用米等の非主食用米や、大豆、高収益作物等への転換も念頭に、収入確保に必要となる支援を国へ働きかけてもらいたい等の御意見もお伺いをいたしております。  こうした地域段階での検討を十分に踏まえまして、今月7日開催の県農業再生協議会において、県産米の需要見通しや地域での園芸作物等の水田利用などを含め、さらに議論を重ねまして、令和3年産米の生産目標が決定される予定となっております。  県といたしましては、国に対しまして、水田フル活用を推進するための経営所得安定対策等に加え、現在検討されております追加経済対策や第3次補正予算による支援策等の予算確保、本県への配分を強く働きかけますとともに、引き続き本県産米の高品質、良食味生産の確保や需要拡大に努めまして、生産者の所得が確保されるよう取り組んでまいります。  次に、県産米の輸出についての御質問にお答えをいたします。  県では、富山県農林水産物等品目別輸出促進方針において、米を重点品目の一つとして位置づけ、輸出に意欲のある生産者等に対し、国際食品見本市の出展や商品開発など海外への販路拡大の取組を支援してきたところであります。  こうした取組の結果、本県産米の輸出量は、富山米ブランドの浸透とともに年々増加しておりまして、令和元年度では、7つのJA、8つの農業法人等で取り組まれ、中国、香港、欧米などへ1,510トン、全国で5番目の輸出量となっております。  特に、世界有数の米輸入国である中国への輸出につきましては、中国当局から指定、登録を受けた他県の精米工場や薫蒸倉庫を利用する必要がございます。現在、本県産米の輸出は、神戸港など他県の港からとなっております。  このため、利便性や効率性の向上、さらなる輸出拡大に向けまして、伏木富山港からの輸出が可能となるよう、県内の精米工場や薫蒸倉庫の指定、登録を目指して、植物防疫上の調査等にも支援してきているところでございます。  県といたしましては、引き続き中国当局の早期の指定、登録が実現するよう国に働きかけますとともに、県農林水産物等輸出促進協議会等におきまして、今後の輸出用米の生産、流通、販売等の体制づくりについて協議を進めるなど、県産米の輸出拡大に努めてまいります。  次に、土地改良技術職員の確保育成についての御質問にお答えをいたします。  土地改良区におきましては、農地や農業用用排水路等の整備、維持管理を行いますほか、近年は、担い手への農地集積や高収益作物の導入等の営農計画との調整を図るなど、多岐にわたる業務が増加してきており、技術職員に求められる役割は年々大きくなってございます。  しかしながら、組合員である農家戸数の減少や賦課金の未徴収額の増加などによる財政基盤の脆弱化から、規模の小さい土地改良区におきましては、技術職員の確保育成が難しい状況も見られます。  このため県では、土地改良区の合併や小水力発電の売電収益の活用等を通じまして、財政基盤の強化、技術職員の増員など組織体制の整備に取り組んでまいりました。  また、県土地改良事業団体連合会と連携いたしまして、ため池監視体制の強化や換地計画の実務など、きめ細やかな技術研修会の開催を支援しますとともに、土地改良事業の実施に当たりましては、各農林振興センターが、計画策定に関して営農面からの助言指導や調整を図るなど、技術職員の育成、資質向上にも努めてきております。  引き続き、土地改良区のさらなる合併を促し経営基盤を図るとともに、具体的な要望等を踏まえた適切かつ効率的な支援を行うなど、土地改良区の体制強化に努めてまいります。  次に、農村部の空き家対策についての御質問にお答えをいたします。  議員から御提案のありました、圃場に囲まれた空き家を解体し、宅地から農地に転用することにつきましては、空き家の解体や農地への造成の費用について所有者等の負担が生じるほか、区画整理等の農地整備事業を行うには、市町村におきまして農業振興地域整備計画に位置づける手続などが必要となります。  一方で、農地に転用することで固定資産税の負担軽減や土地の有効利用が図られることに加えまして、整形田の確保により農作業の効率化につながること、農地整備事業による大区画化やスマート農機の導入によりまして生産性の向上にもつながることなどの効果があり、県内において市町村の農業振興地域整備計画に位置づけられた事例は、昨年度で3件、今年度は現在手続中のものも含め5件ございます。  圃場に囲まれた宅地から農地への転用は、空き家対策に効果が見込まれますとともに、農地整備により本県農業・農村の振興にも寄与するものであることから、県といたしましては、今後、所有者等からの要望あるいは具体的な申請があれば、市町村、関係部局と連携し対応してまいります。  最後に、食品ロス削減の取組についての御質問にお答えをいたします。  食品ロス削減につきましては、これまで、使いきり・食べきり3015運動や、食品流通段階での商慣習の見直しなどに取り組んできておりますほか、本年4月に策定いたしました富山県食品ロス削減推進計画に、県民1人1日当たりの食品ロス発生量を、2016、平成28年の約110グラムから2030、令和12年までの半減を目指して減少させることを評価指標の一つに掲げまして、県民総参加の運動を展開しているところでございます。  この評価指標の達成状況につきましては、令和5年度に実態把握調査を行い検証していくこととしておりますが、昨年の県政世論調査では、食品ロスの問題を認知し何らかの取組を行っている人の割合、これが80.9%と年々増加をし一定の成果も上がっているところであり、引き続き目標達成に向け取り組んでまいります。  また、今月16日に本県で開催いたします食品ロス削減全国大会では、3015運動や商慣習の見直しをはじめとした本県の先駆的な取組を全国に発信することとしており、この大会を契機に、様々な機会を捉えた県民、事業者等の機運醸成、商慣習見直し宣言事業者の拡大によりますフードチェーン全体での食品ロス削減、フードバンクやフードドライブの促進などの取組を、さらに推進していきたいと考えております。  今後とも、消費者、事業者、関係団体、行政がそれぞれの立場で連携して、食品ロス削減対策に取り組む県民総参加の運動を積極的に展開することで、本県が全国のトップランナーとなるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 99 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 100 ◯土木部長(江幡光博君)私から、空き家対策に関する御質問のうち、まず市町村との連携についての御質問にお答えをいたします。  空き家対策につきましては、県内の多くの市町村で、地域の自治会等の協力を得て実態調査等を行っているほか、一部の市町では、空き家所有者と行政との橋渡し役を担う方を地区に配置しまして、空き家の情報を収集するなどの取組も行われております。  議員から御紹介もありましたけれども、とりわけ砺波市では、市内21地区の自治会の協力の下、空き家所有者に地元自治会からアプローチする活動が継続的に実施されておりまして、そのうち柳瀬地区では一般社団法人を設立し、空き家の総合相談窓口の開設だけでなく受託管理も行うなど、地域における先導的な空き家対策の取組が展開されております。  こうした取組などが功を奏して、砺波市では、今年3月末の調査で、市内の空き家数が初めて減少に転じたと聞いております。こうした成果につきましては、10月に開催した住まいのライフプランセミナーで紹介したのをはじめ、今後、市町村や関係団体で構成する空き家対策官民連絡協議会の場や県広報番組、出前県庁など、様々な機会を捉えて広く紹介いたしまして、他の市町村や地域で同様の取組が普及するよう取り組んでまいります。  また、市町村の空き家対策を支援するため、県内外の優良な取組事例などを収集分析しまして情報提供や技術的助言を行うなど、今後とも市町村との連携をより深めまして、空き家の増加の抑制に努めてまいります。  次に、密集市街地の空き家対策についての御質問にお答えいたします。  密集市街地は、地震や火災に対する防災面に課題があるほか、道路が狭く敷地も小さいため、住宅の建て替え等が難しい状況にあります。このため空き家が増加しやすいことや、また空き家や空き地の売却が進まないことが、町の空洞化の要因の一つとなっております。  この対応策として、例えば市街地再開発や区画整理により密集市街地を再整備することは、有効な手段の一つであり、県では、これまでも市町村の取組を支援してきたところであります。最近では砺波市出町東部第3地区の土地区画整理事業や、射水市放生津地区の住宅市街地総合整備事業の施行を支援しております。  他方で、こうした手法による再整備には多額の事業費がかかることや、多くの権利者、周辺住民の合意形成などの課題があることから、市町村や地域においては、その実情に応じて様々な空き家対策を検討していただくことが重要と考えております。  県としましては、市街地再開発や区画整理等の事業化の検討に際して技術的助言を行うとともに、他県における先進的な密集市街地対策の事例等について情報提供を行うなど、市町村の取組を支援してまいります。  以上でございます。 101 ◯議長(上田英俊君)竹野生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕 102 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)3問御質問いただきまして、まず1つ目の新総合計画の県民参考指標のエネルギー消費量の削減等についての御質問にお答えいたします。  新総合計画の県民参考指標のうち、エネルギー消費量の削減率につきましては、目標への達成度合いが現状で7割を超えておりまして、順調に進んでおります。今後とも、新とやま温暖化ストップ計画を着実に推進し、県民、事業者による節電や省エネ製品への買換え、建築物の断熱化などの取組を推進してまいります。  また、一般廃棄物再生利用率や産業廃棄物減量化・再生利用率につきましては、目標への達成度合いが現状でほぼ100%に近づいており、引き続き富山県廃棄物処理計画に基づきまして、県民、事業者、市町村の協力を得て、食品ロス・食品廃棄物の削減や、資源回収、再生利用の拡大など、3Rの推進を図ってまいります。  一方、新型コロナの影響によりまして、市町村からは、使い捨てプラスチック容器等の排出量が増えたと聞いております。現時点で廃棄物処理やリサイクルに支障はありませんが、新しい生活様式においては、こうした衛生目的のために使い捨てが不可欠な用途があることを踏まえた対策が必要と考えております。  また、現在、国におきましては、家庭から排出されるプラスチック資源の一括回収やプ、ラスチックを大量に排出する事業者へのリサイクル義務化など、新たな制度が検討されているところであります。その動向も見据えて、プラスチックの過剰使用の抑制や再生可能資源への代替、循環利用の徹底に取り組んでまいります。  次に、使い捨てプラスチックの削減や代替製品への転換などに、どのように取り組んでいるかという御質問についてお答えいたします。  使い捨てプラスチックの削減につきましては、昨年度実施した県民意識調査では、食品トレーやスプーン等の削減への協力意向が7割に達するなど、県民の環境意識の高さが改めて明らかとなりました。この調査結果を紹介するリーフレットを作成、配布し、県民、事業者に、使い捨てプラスチック製品の使用抑制を呼びかけております。  また、代替製品への転換につきましては、食品関連事業者を対象に、バイオマスプラスチック製の食品容器の導入に対する助成制度を、この秋から開始したほか、スーパー等の小売事業者において使用されるプラスチックトレーについて、ノートレーや紙製トレー等への転換を行うモデル事業を今後展開するなど、全国に先駆けた取組を展開しております。  一方、プラスチックごみのリサイクル量は、平成30年度実績で、ペットボトルやプラスチック製容器包装等の一般廃棄物が約8,000トン、産業廃棄物が約4万9,000トンとなっておりますが、焼却あるいは埋立てされる廃棄物にもプラスチックが含まれており、さらなるリサイクルの余地があるのではないかと考えております。  県では、今年度、富山県廃棄物処理計画の改定を予定しており、県内のリサイクル等の現状や、国で検討中の新たなプラスチックリサイクル制度の動向も踏まえまして、プラスチックの過剰使用の抑制や再生可能資源への代替を進めるための施策を、改定計画に盛り込むなど、引き続き県民、事業者、行政の連携の下、取り組んでまいります。  最後に、新型コロナの影響による芸術文化活動の状況や、今後の文化振興への取組についての御質問にお答えいたします。  新型コロナの感染拡大に伴いまして、舞台公演や展覧会等の多くの芸術文化行事が中止、延期されましたが、9月以降、新型コロナに対応した舞台芸術の特別公演や県民芸術文化祭、また越中アートフェスタなどを開催いたしました。  また、美術館、博物館、文学館の来場者数は、4月、5月は、臨時休館等もございまして利用は少なかったのですが、9月になりまして前年同期比で4割減、10月が3割程度の減と、徐々に回復しております。ただ文化ホールの10月の稼働率は3から4割程度にとどまっておりまして、依然として芸術文化団体の活動には自粛ムードがうかがわれております。  こうした中、県では6月補正予算におきまして、芸術文化団体の発表の場や県民が芸術文化に触れる機会を確保するため、舞台公演の施設使用料を助成することとし、洋舞、吹奏楽、民謡など16団体の活動の再開、継続に役立てていただいております。  また、芸術文化団体などが行うリモート教室等のモデル的な取組も支援しておりまして、洋舞、能楽、華道など24団体が意欲的に取り組むなど、新たな生活様式に合わせた芸術文化活動の動きも出てきております。  県といたしましては、延期した国際工芸アワードとやまや、3年に1度開催する世界ポスタートリエンナーレトヤマなど、全国、世界に誇れる芸術文化イベントの開催に取り組むとともに、アフターコロナ時代に適応した県民の芸術文化活動の活性化を図り、県民の皆さんが芸術文化に親しむ機会のさらなる充実に努めてまいります。  以上でございます。 103 ◯議長(上田英俊君)蔵堀政策監。    〔政策監蔵堀祐一君登壇〕 104 ◯政策監(蔵堀祐一君)県内高校スポーツの競技力向上に関する御質問にお答えをいたします。  県では、競技力向上のために、合宿、遠征等の強化活動への支援、著名な指導者や県外の強豪校の招聘、ジュニアからの一貫指導体制の整備、スポーツ医・科学トレーニングの充実などを推進してきており、近年では中学生や高校生が全国大会などで優秀な成績を収めるなど、成果が現れてきております。  ただ、議員御指摘のとおり、県内の一部の有望な生徒が県外の有力校から積極的な勧誘を受けたり、県外の学校の優秀な指導者や整備された競技環境に魅力を感じたりして、それらの中学校や高校に進学し、後に全国大会等で活躍されている例が見られるところでもございます。一方で、県外の生徒が県内の高校の育成環境等に魅力を感じて、県内高校に進学して活躍している例もあるところでございます。  こうしたことを踏まえますと、県内外の生徒が富山県で指導を受けたくなるような、優秀な指導者の育成ですとかトレーニング環境、競技環境の充実が必要だと考えております。既に一部の私立高校では、そうした取組も始められているところでもございます。  なお、高校野球に関しての御発言もあったかと思いますけれども、高校野球につきましては、平成23年度から富山県野球協議会を設立いたしまして、強化を図ってきてまいっております。高校野球の甲子園大会が昭和53年から1県1校制になっているわけですけれども、昭和53年から平成22年までの33年間、富山県の高校は夏の大会では7勝しかできておりませんでした。それが平成23年から令和元年の9年間では10勝を上げているわけでございます。勝率の面でも5割を超えているという状況でもございます。  こうしたことは、野球競技会でのアドバイザーの取組ですとか、優勝経験のある強豪校を県内に招いて強化試合をやってきたといったような強化の成果も、徐々にではありますけれど上がってきているものと考えております。  県としては、今後とも中長期的な一貫指導体制の強化プログラムを推進いたしまして、将来有望な本県のジュニアアスリートが県外に進学しなくても、本県の選手育成環境に魅力を感じて、優れた指導者の下で、地元で有力な選手に育ちますように、県教育委員会、また県内私立高校とも連携して、環境整備に取り組んでまいります。  以上です。 105 ◯議長(上田英俊君)以上で瘧師富士夫君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。  委員長武田慎一君、副委員長永森直人君、理事庄司昌弘君、岡崎信也君、山崎宗良君、山本徹君、委員津本二三男君、安達孝彦君、針山健史君、藤井大輔君、種部恭子君、八嶋浩久君、川上浩君、酒井立志君、薮田栄治君、吉田勉君、藤井裕久君、火爪弘子君、横山栄君、菅沢裕明君、以上のとおりであります。  次にお諮りいたします。  議案調査のため、明12月3日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 106 ◯議長(上田英俊君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は12月4日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。  本日はこれをもって散会いたします。  午後5時02分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...