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  1. 富山県議会 2019-06-01
    令和元年6月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(中川忠昭君)ただいまから本日の会議を開きます。  初めに、昨夜発生した山形県沖を震源とする地震によりまして、新潟県、山形県を中心に被害に見舞われたところであります。  被災された方々に心からのお見舞いと、一日も早い生活の安定をお祈り申し上げます。  これより、本日の日程に入ります。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(中川忠昭君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第74号から議案第88号まで及び報告第5号から報告第13号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  薮田栄治君。    〔17番薮田栄治君登壇〕 3 ◯17番(薮田栄治君)おはようございます。  今ほど議長からもありましたけれども、昨夜、山形県沖を震源とする地震が発生し、新潟、山形両県を中心に広い範囲で被害が出ました。被害の全容はまだ明らかにはなっておりませんけれども、被災された皆様方には心よりお見舞いを申し上げます。  また、日本海側に津波注意報も発令され、列島に緊張が走りましたが、幸い、今のところ原発への影響は確認されておりません。この後、関連の質問も予定をしておりますけれども、これを機に日ごろの備えを再度見直すことの必要性をお訴えし、以下、質問に入ります。  まず、県民の安全確保について、5項目の質問をいたします。  県は、昨年11月、原子力災害時の避難行動を把握するため、志賀原発から30キロ圏内、いわゆるUPZ内に位置する氷見市内の5,449世帯を対象としたアンケート調査を実施し、その調査結果が今月10日に発表されました。一昨日の井加田議員の質問にもありましたけれども、アンケート結果から、自家用車を使って避難する方が1万2,029人、台数にして6,399台と想定されるということであります。災害時に、しかも、いっときにこれだけの車が避難所を目指して動くわけでありますから、渋滞を初め、さまざまなリスクを予想しておかなければなりません。  また、県や市の手配するバスが延べ65台程度必要という推計も出ており、これをどう確保していくのかなど、検討課題も見えてきたのではないかと思います。  実際に災害が起こった場合は、UPZ内だけでなく、多くの市民も同じように避難行動をとる可能性が高いわけでありまして、氷見市を初めとする市町村や関係機関との連携した避難計画の充実が今後ますます求められてくるものと思います。  原子力災害時の避難行動に関するアンケートの結果を踏まえ、志賀原発UPZ圏内における避難計画への反映など、県として今後どのように対応していかれるのか、竹野危機管理監にお尋ねをいたします。
     次に、地すべりについてお尋ねをします。  氷見市は、県内でも有数の地すべり地帯を抱え、過去には胡桃や五十谷、谷屋など、大きな災害が発生した事例もあり、今も地すべりの危険と背中合わせに暮らしている方々が大勢いらっしゃいます。  そんな中で、県が管理する地すべり防止施設等についても、あちこちで老朽化の進んでいる箇所が見受けられるわけでありまして、危険度の高い箇所から順次対応はいただいているところでありますけれども、最近の異常気象とも言える豪雨や大型台風の頻発する中で、これから梅雨のシーズン、あるいは秋の台風シーズンに向けて、私たち住民の不安は募るばかりであります。  富山県地すべり防止施設・急傾斜地崩壊防止施設長寿命化計画を踏まえ、地すべり防止施設等の老朽化対策に県としてどのように取り組んでいかれるのか、水口土木部長にお尋ねをします。  次に、ため池の安全確保についてであります。  氷見市内には大きな河川がないため、中山間地域を中心に古くからため池を利用して田畑に水を送ってまいりました。現在は、国営かんがい排水事業の完工により子撫川からの水利を確保しておりますけれども、それでも今もなお市内に3,500を超すため池があり、中には老朽化したため池も多くあります。  大型のため池は、豪雨などの災害によって決壊した場合、その下流に位置する人家や農地に甚大な被害を及ぼすことが懸念されることから、氷見市では、ため池決壊に備えて市内27地区でため池ハザードマップを作成して、浸水想定や避難に必要な情報を提供しております。  農家数や耕地の減少等により、ため池の管理が行き届かず放置されるケースや、土地改良区による対応も十分には進まない現状がある中で、先ほどの富山県地すべり防止施設・急傾斜地崩壊防止施設長寿命化計画のような県による計画的な対応策があれば大変ありがたいと思うのですが、県内のため池の状況はどうか。あるいは、改修等の老朽化対策にどのように取り組んでいかれるのか、河村農林水産部長にお尋ねをします。  次に、防犯対策についてであります。  県警察本部は地域の防犯対策の推進に向け、昨年10月以降、町内会等に対する防犯カメラの貸し出し事業を行っております。地域の犯罪抑止効果を期待しつつも、プライバシーの侵害等に配慮しなければならない点もあるかと思いますけれども、各種報道機関や地元からの声を聞く限りでは、なかなか評判のよい事業のように思います。私のところへも複数の町内会から問い合わせがあり、事業効果が浸透してきているなと感じております。  このカメラの貸し出し状況や効果、貸し出し期間終了後の防犯カメラの設置の状況等を踏まえて、今後どのように取り組んでいかれるのか、山田警察本部長にお尋ねをいたします。  県は現在、防災・危機管理における中核的な拠点施設として、富山県防災・危機管理センター(仮称)を県庁敷地内に計画中であります。昨年10月には基本計画が示され、来年度からいよいよ着工予定と聞いております。県民の命を守る司令塔として、ソフト、ハードともにしっかりと機能することが望まれるわけでありますけれども、富山県防災・危機管理センター(仮称)はどのような機能を持ち、どのような効果が期待されるのか。また、整備スケジュールと現在の進捗状況などについて、石井知事にお尋ねをいたします。  次に、産業の振興について4つ質問をいたします。  まず、本年3月に策定された「新・富山県ものづくり産業未来戦略」についてお尋ねをいたします。ものづくり県とやまを内外に打ち出し、ものづくり産業の振興を図る本県でありますけれども、それには世界情勢や経済動向など、日々刻々と変化する経営環境に対応しつつ、本県の強みを生かしながら、生産性の向上や新技術の開発などに取り組み、競争力を高めていくことが重要であると考えます。  今般の「新・富山県ものづくり産業未来戦略」が本県経済の基軸である、ものづくり産業の成長、発展に向け、どのような役割を果たすのか、県の取り組み方針などについて石井知事にお尋ねをいたします。  次に、薬関連産業についての質問をいたします。  県は、薬事総合研究開発センター富山大学和漢医薬学総合研究所と連携して、薬都とやまにふさわしい薬用植物の栽培普及に取り組むとともに、富山シャクヤクのブランド化を進めているところであります。  ここ10年で徐々にシャクヤクの栽培面積も広がってきたとはいえ、平成29年現在でわずか6.2ヘクタールと、同じ薬用のハトムギの栽培面積321ヘクタールに比べ、まだまだ普及は十分とは言えません。  ハトムギの場合は、ハトムギ茶のペットボトルやティーバッグの商品化を戦略的に進めたことで販売先の確保ができ、このことが急激な普及の一因になったと認識をしております。  昨年整備された薬用植物指導センターでは、薬用植物の栽培技術の確立や安定供給のための研究等が行われておりますけれども、今後その成果を生かし、生産や販路拡大に向けて、県としてどのように取り組んでいかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。  東京一極集中是正の観点から行われました政府機関の地方移転でありますけれども、この一環として、富山県は平成28年に独立行政法人医薬品医療機器総合機構、いわゆるPMDAの北陸支部、そしてアジア医薬品・医療機器トレーニングセンター研修所の誘致に成功いたしました。  PMDAは、医薬品や医療機器の審査や指導をする機関で、これらの機関が富山県内に存在することで製薬企業の技術力の向上など、本県医薬品産業のさらなる発展につながることが大いに期待されたのであります。開設から3年が経過し、本県薬業界と誘致機関との連携の状況はどうか、市村厚生部長にお尋ねをいたします。  次に、企業の海外進出についてお尋ねします。  最近、企業の大小を問わず、販路や出店、生産拠点などを求めて海外進出を検討する企業からよく相談を受けます。それだけ、海外へ向けた企業ニーズが高まっているのかなと思いますし、新世紀産業機構のアジア経済交流センターを拠点にした各種支援施策が海外へのハードルを低くしているのかとも思います。  しかし、未経験の企業にとっては不安が先に立ち、せっかくの技術やノウハウを持ちながら、ちゅうちょしている方もたくさんいると聞きます。本県産業の振興と経済の活性化のためにも海外進出の促進は重要と考えますが、現在の県内企業の海外進出の状況はどうか、また、効果的な支援について、県としてどう取り組んでいかれるのか、芝田商工労働部長にお尋ねをいたします。  続いて、観光の振興についてお尋ねします。  観光立県を目指す本県には、魅力ある観光資源がたくさんあります。何といっても立山黒部がその代表格であり、県も世界ブランド化に向けて力を入れているところであります。  しかし、立山駅から美女平間のケーブルカーの輸送力不足から、新たにロープウエーの開設も検討されているところであります。最近4、5年のアルペンルート全体の年間入り込みは、90万人台前半から後半を行き来しつつも安定した数値であります。しかし、富山県側からの入り込みに注目すると、平成27年が51.7万人、平成28年が47.6万人、そして平成29年が46.3万人、平成30年が45.9万人と、少しずつ減少傾向にあるのが気にかかります。  そこで提案でありますけれども、現在、バスのみが通行できる桂台─室堂間の立山有料道路へのタクシー乗り入れを条件つきで認めたらどうでしょうか。規制の理由は交通安全と自然環境保護のためとされていますが、バスが通行できる道ならば、タクシーは何の改良も加えず安全に通れるわけで、台数の制限さえすれば安全性は保てるものと考えます。  また、富山県は平成27年から乗り入れバスの排ガスを条例で規制しており、車両による環境負荷を少しでも減らす努力のあらわれと大いに賛同するものでありますけれども、タクシーの中には、例えば電気自動車や、あるいは、バスに比べて極めて環境負荷の低い車両もあるので、タクシーに、より厳しい排ガス規制あるいは総量規制を求めれば、環境保護の観点もクリアできるのではないかと考えます。  このことは、観光の国際化に伴う交通手段の選択肢の提供、あるいは混雑の緩和、またバスに乗れない高齢者や障害者等への配慮、利便性の向上といった効果も期待され、世界ブランドを目指す県の方針とも合致するのではないかと考えます。  実際、お隣の上高地では、タクシーの乗り入れは許可しているわけでありますから、これは一遍にとは言いませんけれども、実証実験ぐらいは検討されてはいかがかなと思います。須河生活環境文化部長の所見をお伺いします。  一昨日の瀬川議員が関連の質問をされましたけれども、日本橋とやま館についてお尋ねをいたします。  日本橋とやま館は開館から3年が経過し、首都圏における本県の魅力発信拠点として評価が高いと聞きます。「上質な暮らしを富山から」というコンセプトや、山下前館長の女性ならでは視点や頑張りなどもあったのかなというふうに思います。また、有楽町のいきいき富山館も日本橋をしのぐ入り込みがあり、売り上げも2億円を超えていると聞きます。  とはいうものの、家賃や人件費、光熱水費などの必要経費、あるいはイベント、宣伝などの事業費を考えれば、今後とも県の負担は少なからずついて回るのでありますが、開業から3年を経過して、この2つのアンテナショップのこれからを考えるときであろうかと思います。  日本橋とやま館と有楽町のいきいき富山館について、それぞれの運営状況や役割分担の状況も踏まえ、今後どのように活用していくのか、蔵堀総合政策局長の所見をお伺いします。  最後に、教育に関しての質問をいたします。  来年度からいよいよ小学校における英語の教科化が始まります。氷見市などの一部市町村では、昨年度から前倒しで年間70時間の英語学習を実施しておりますけれども、県も英語専科教員の配置や教員の英語指導力の向上、学校における指導計画の策定など、現場での英語教育が円滑に実施されるよう準備をしているところだと思います。  小学校での英語の教科化に向けた取り組みの進捗状況はどうか。また、教育現場での課題も踏まえ、今後どのようにこれに取り組んでいかれるのか、伍嶋教育長にお尋ねをいたします。  来年度はまた、小学校でプログラミング教育が始まる年でもあります。主に、算数や理科の教科の中にプログラミング的思考力を高める学習を取り入れるということでありますけれども、現場ではいまだに具体的な内容が見えづらいとの不安の声を上げる先生もいるようであります。  いずれにせよ、これを皮切りに、中学校では令和3年度から、高校では令和4年度から、順次授業に組み込まれる予定になっていますけれども、教員の能力向上や専門的な指導者の確保も必要になってくるのではないかと考えます。プログラミング教育の導入に向け、教育現場にその趣旨の理解や対応を進めるため、どのように取り組んでいかれるのか、伍嶋教育長にお尋ねをいたします。  氷見市では、小中学校の9年間を一貫して教育する義務教育学校の開設に向けて準備を進めています。3つの小学校と1つの中学校が合併し、新たに西の杜学園としてスタートをいたします。学年区分を6・3制から4・3・2制に変え、英語教育に力点を置いた特徴ある教育スタイルにする方針でありまして、氷見市の教育長は、他校の刺激になる魅力ある学校を目指し、校区外からの通学や移住を呼び込んで地域活性化につなげたいと大変意欲的であります。  このほか高岡市、南砺市でもそれぞれ1校ずつ義務教育学校が開設される予定であります。富山県内では初の開校になります。誰もが未経験で、現場も役所も不安いっぱいでしょうが、中1ギャップの緩和や特徴ある教育など、想定されるメリットを大いに期待するものであります。  本県の義務教育学校設置予定校における検討状況や課題を踏まえ、設置、運営に向けて、県としてこれをどのように支援していかれるのか、伍嶋教育長にお尋ねをいたします。  最後に、親学びについての質問であります。  10年ほど前に親学びプログラムというものに出会って、こんなにすばらしいものがあったのかと衝撃を受けたのを覚えております。保護者同士が集まり、親のあり方や子供との接し方などについて、身近な事例をもとに、グループで体験や考えなどを話し合う中で、家庭の教育力や親としての自覚を高め、親同士の連帯感も培うという大変すぐれもののプログラムであります。  当時、私も氷見市の教育委員会で仕事をしておりまして、何とかこれを普及させたいと一生懸命取り組んでおった記憶がございますけれども、今では県内一円にこの取り組みが浸透し、昨年度は3万5,000人を超える参加者があったと聞きます。親の成長と、それによる教員多忙化の改善にもつながるこの親学びを今後一層普及させていくべきと考えますが、県として、どのように取り組んでいかれるか、教育長にお尋ねをして私の質問を終わります。  ありがとうございました。 4 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)答弁に先立ちまして、昨日夜に発生しました山形県沖を震源とする地震について一言申し上げます。  昨日、午後10時過ぎ、新潟県村上市で震度6強を観測する地震がありました。震央地は山形沖ということであります。県内における最大震度は、氷見市、射水市で震度2、県内での津波は観測されておらず、現在のところ被害情報の報告もありません。  消防庁によりますと、午前8時30分現在で、人的被害は新潟県など4県で重傷者1名、軽傷者が17名、程度不明3名となっておりまして、また、物的被害は確認中とのことであります。  被災されました方々に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い生活の安定をお祈り申し上げます。  県としましては、地震発生後、速やかに非常配備態勢を敷きまして情報収集等に当たりましたが、現在のところ、国、新潟県などからの応援要請はないということであります。  引き続き、情報収集等に当たりますとともに、今後万が一、本県で発生した場合に備えまして、防災対策に一層万全を期してまいります。  次に、防災・危機管理センター(仮称)についての薮田議員の御質問にお答えをいたします。  防災・危機管理センター(仮称)につきましては、地震や豪雨などのさまざまな危機管理事案に対して、いかに迅速、的確に対応するか。また、平常時には、地域防災力の向上のための施設として利用できるように必要な機能を整備するということで、昨年10月に策定しました基本計画を受けて基本設計を現在進めているところでございます。  現段階でのセンターの主な機能としては、1階から2階には展示、交流スペース、これは県民の皆さんの防災意識の高揚を図るための防災に関するパネル展などもできるようにするとか、また、災害時に使用しますプレスセンター、また3階から5階には、県の災害対策本部室や政府の現地災害対策本部室、防災関係者が活動する受援のためのスペースを配置する、これがまさに防災・危機管理の中核的機能を担うことになります。  また、平常時には、その一部を自主防災組織等の研修施設として活用したいと思っております。なお、6階から9階までは、県庁南別館の一部を解体して整備しますので、庁舎の執務室等として利用したいと考えております。  また、10階は備蓄倉庫や機械室、電気室等を配置できればと考えております。  さらに、屋上には県議会からも御要請ありましたが、ヘリポートを設置しまして、人的、物的支援のために、国や県外からヘリコプターで派遣される多くの広域応援部隊等を受け入れまして、迅速に被災状況の情報収集等を行いますとともに、集中豪雨、大型台風などによります水害時に県庁周辺が浸水いたしましても、住民等の救援、救助や支援物資の受け入れ拠点にしたいと考えております。  さらに、十分な耐震性と耐浸水性を備えて、電気等のライフラインを確実に確保する。非常用電源3日間以上と考えております。  また、災害時オペレーションシステムの導入などによりまして、大規模な災害時におきましても十分に機能する施設にしたいと考えております。  また、加えまして、景観とか周辺環境、県庁本館や富山城址公園などとの関係もございますし、また、県民会館側にエントランス広場を整備しまして、多くの市民、県民の皆さんの憩いの場、またミニイベントなどに活用できますように、松川側のにぎわい創出を図る。また、県産材、アルミ、和紙などを使い、富山を象徴する外観としますことや、また、女性の活躍や仕事と子育ての両立ということで、新たに北陸銀行及びJAグループと共同で設ける県庁内保育所を2階に整備するといったことで有効に活用したいと考えております。  議員お尋ねの今後の整備スケジュールですけれども、近々、基本設計を取りまとめました後、実施設計等に取りかかりまして、来年度からは建設工事を開始し、令和4年度中に供用開始したいと考えております。  詳細な機能等については、基本設計や実施設計等を通じてさらに具体化していくことにしておりまして、今後とも県議会や市町村を初め、幅広く関係方面などの御意見をお伺いしながら、県の防災・危機管理の中核的施設として十分に機能しますように、着実に整備を進めてまいります。  次に、ものづくり産業の振興についてお答えをいたします。  県では、去る3月に「新・富山県ものづくり産業未来戦略」を策定いたしまして、新たにヘルスケア産業を加えた7つの成長分野の取り組みの強化や、産学官連携によるオープンイノベーションの推進、ものづくり人材の育成確保などの方向性を示したところでございます。  この新戦略に基づきまして、今年度「くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムや、とやまアルミコンソーシアムにおける研究開発のほか、富山ヘルスケアコンソーシアム(仮称)の形成を目指した研究開発プロジェクトの立ち上げや事業化など、オープンイノベーションの推進、さらにIoTの活用指導者の育成と企業への派遣など、IoT導入支援、クリエイティブ・デザイン・ハブやバーチャルスタジオを活用したデザイン開発への支援、こういった面では、全国の地方の試験研究施設としてはトップを走っていることになろうかと思います。  また、ワンストップで人材確保を支援する富山県人材活躍推進センターの開所や高度な外国人材と企業のマッチング支援等による多様なものづくり人材の育成確保などを重点的に進めることにいたしております。  また、来月、新たな戦略の実効性を高めますために、富山イノベーション推進会議を設置いたします。これは、新・富山県ものづくり産業未来戦略会議のほうは、各産業界や企業のトップの方に入っていただいているんですけれども、それをさらに具体化していくために、各企業や団体の技術部門のトップや、また大学の産学官連携組織の長などにお入りいただくことにしております。そして、産学官や企業間連携による新しいプロジェクトの創出に向けまして、コーディネート機能のあり方や研究分野等を検討することにしております。  今後も新たな戦略に基づいて、意欲がある県内企業や企業間連携の取り組みに対する積極的な支援に努めまして、本県のものづくり産業のさらなる競争力強化を図っていきたいと思っております。  最後に、薬用植物の生産拡大についてであります。  現在、国内では、原料生薬の大部分を輸入に依存しておるわけでございます。輸入がほぼ9割で、そのうち大部分がまた中国と、こういうふうになっております。そこで、やはり安定供給が必要だということであります。  また、薬用植物の栽培は、中山間地域における水田フル活用や耕作放棄地の発生防止にもつながりますので、県としましては、シャクヤクを中心とした産地化に取り組みますとともに、県薬用植物指導センターにおきまして、さらに付加価値の高いシャクヤクの栽培普及に向けた研究をこの10年ほど進めてきたわけであります。  こうした中で、本県での栽培に適した高品質のシャクヤクの栽培技術にめどが立ったことから、これは、今、品種名を「春の粧」というふうにしているんですけれども、薬効成分のペオニフロリン含有率3%以上。現在、これは非常に有用な薬効なんですけれども、一方に県内で栽培されている梵天は2.5%程度ですから、これまでに比べますと画期的な高品質なものができたということであります。  そこで、生産体制の構築と、また農家への普及を図りますために、国の地方創生関係の交付金を活用しまして、新たに栽培技術や生薬生産技術、座学等の3つの研修エリアを一体的に整備した新たな研修棟を設けまして、この4月から供用開始しております。  県内産シャクヤクは、これまで全て生根で出荷されておりますけれども、今回整備した施設設備を生産者の方々に十分活用いただきますと、新たに導入した洗浄機や乾燥機などの利用等によりまして、これまでよりも効率的、また省力化した生産体制の構築が図られますとともに、研修会や情報提供を通じて生産者の乾燥等の加工調整技術等が向上しまして、品質の高い乾燥品としての出荷が可能になると考えております。  生根ですと、キログラム当たり今まで200円ぐらいだったんですね。これを何とか品質の高い乾燥品にして、キログラム当たり800円から1,000円ぐらいにしたいと、こういうふうに思っておりまして、中山間地などの米の耕作に適しない農地の有効利用につながれば、農家にとって大きなメリットがあると思っております。  仮に、例えば900円ぐらいとしますと、10アール当たり粗収入で4万2,000円ぐらいになります。そうすると、コシヒカリだと3万2,500円、てんこもりですと2万7,000円ですから、私は、うまく持っていければ大変農家の皆さんにメリットがある、特に、中山間地域で必ずしも米作に適しないところに大変大きな力になるんじゃないかと思います。  また、シャクヤクについては、観賞用の花としての人気が高いことに加えまして、生薬用に今栽培されているシャクヤクの花は、今申し上げた「春の粧」というのは、一般のシャクヤクは白が多いんですけれども、「春の粧」はピンク色の華やかで魅力的な花を咲かせますので、切り花として有効活用できないか、今後、生産農家の方々とも相談して検討を進めてまいりたいと思っております。  今後も省力栽培技術や調整技術の確立、普及を通じたさらなる生産コストの低減と高付加価値化に努めますとともに、担い手の確保や販売先の確保、拡大に取り組んで、中山間地域の活性化や生産農家の所得向上、また県内医薬品産業のさらなる成長、こうしたことにつなげていきたい、こういうふうに考えております。 6 ◯議長(中川忠昭君)竹野危機管理監。    〔危機管理監竹野博和君登壇〕 7 ◯危機管理監(竹野博和君)原子力災害時の避難行動に関するアンケート結果の対応についてお答えいたします。  県では、これまで平成25年に国のガイドラインに基づき実施しました避難時間推計シミュレーションをもとに自家用車数等を推計しておりましたが、住民の避難手段等を把握し、避難計画をより実効性のあるものとするため、氷見市と共同で昨年11月、初めて氷見市内のUPZ内全世帯、約5,500件でございますが、これを対象に原子力災害時の避難行動に関するアンケート調査を実施いたしました。  約2,500世帯、45.9%の方から回答がございまして、このアンケート結果から、UPZ内全域で避難が必要になった場合は、避難所への避難者が1万2,530人、自家用車での避難者は1万2,029人、バスでの避難者は2,299人と想定されまして、自家用車の台数はこれまでの日中6,000台から6,399台に、またバスの所要台数は23台から延べ65台程度にふえる見込みとなったところでございます。  議員御指摘のとおり、避難計画等の充実に当たりましては、地元氷見市を初め、関係市町村、関係機関等との連携が極めて重要であると考えておりまして、今回のアンケートで想定避難者数や自家用車での避難台数等が明らかになったことを踏まえまして、避難退避時検査場所候補地における検査導線などについて、氷見市や関係機関などと修正協議を行っているところでございます。  今後も一時集合場所や避難所の運営方法、バス等の確保の検討などにつきましても、関係市、関係団体などと協議を進めまして、避難計画等に反映されますようにいたしまして、万が一、事故が起きても極力混乱することのないように備えてまいりたいと考えております。  以上でございます。 8 ◯議長(中川忠昭君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 9 ◯土木部長(水口 功君)地すべり防止施設等の老朽化対策についての御質問にお答えをいたします。  近年、全国各地で土砂災害が発生しておりますが、地盤が地下水の影響を受けて広範囲でゆっくりと動き出す地すべりや、集中豪雨等により瞬時に斜面が崩れ落ちる崖崩れから、県民の生命や財産を守るため、地すべり防止施設や急傾斜地崩壊防止施設の整備、維持管理を計画的に進めることは、ますます重要となっております。  土木部が管理する地すべり防止施設は、昭和30年代から整備を進めており3,520施設、急傾斜地崩壊防止施設は、昭和40年代から整備しており2,417施設ございます。現時点で建設後50年を経過する施設は、地すべりでは82施設でありますが、20年後には、50年を超える施設が地すべりで約3割の1,071施設、急傾斜地で約5割の1,191施設となるなど、今後老朽化が進むと見込まれております。  このため、施設の機能、性能を適正かつ計画的に維持、確保していくことが重要であり、損傷が軽微な段階で小規模な修繕を行う予防保全型の維持管理への転換により、ライフサイクルコストの縮減や予算の平準化を図るため、今般、長寿命化計画を策定したところであります。  この計画では、計画的な施設点検により異常の早期発見及び健全度把握に努め、優先度の高い施設から対策を実施することとしておりますほか、点検結果に基づきおおむね5年ごとに長寿命化計画の見直しを行うこととしております。  地すべりの長寿命化対策の具体的な施工事例といたしましては、氷見市の一ノ瀬地区において、地下水を集めるための井戸である集水井が腐食しておりますことから、今年度からその内側に補強対策を行いまして、既存の集水ボーリングや排水ボーリングを生かし、コストの縮減を図ることとしております。  今後とも、砂防関係施設の整備を着実に進めますとともに、長寿命化計画に基づき、計画的かつ適切に点検、修繕等を行い、県民の安全・安心の確保にしっかりと取り組んでまいります。
     以上でございます。 10 ◯議長(中川忠昭君)河村農林水産部長。    〔農林水産部長河村幹治君登壇〕 11 ◯農林水産部長(河村幹治君)本県では、これまで農業用ため池のうち、堤高が10メートル以上、もしくは貯水量が10万立米以上と規模が大きいため池、または、ため池直下に人家や公共施設等があるなど、決壊すると多大な影響を与えるおそれがあるため池159カ所を防災重点ため池と位置づけ、耐震性調査や改修整備を実施してきております。  具体的には、耐震性の安全率が1.0を下回るため池64カ所を優先的に耐震化補強することとし、平成30年度末までに18カ所の整備が完了し、今年度も16カ所で整備を実施しているところであります。  一方で、平成30年7月豪雨により、西日本を中心に防災重点ため池ではない小規模な農業用ため池が決壊し、甚大な被害が生じたことから、農林水産省において、防災重点ため池の選定基準は、規模の大小にかかわらず、決壊した際に想定される被害を重要視する考え方に見直され、新たな基準が平成30年11月に公表されたところであります。  この新たな基準に基づきまして、本県におきましても市町と協議しながら、改めて防災重点ため池として560カ所を再選定したところであります。  今後は、全ての農業用ため池データベースの再整理や管理状況の把握を行い、防災重点ため池については緊急連絡体制の整備やハザードマップの作成等を速やかに進めてまいります。  また、地震だけでなく、豪雨にも対応した詳細調査や老朽化状況などの調査結果を踏まえ、防災重点ため池のうち緊急度が高いものから、必要に応じた補強、耐震対策を引き続き実施するとともに、老朽化が著しく機能を失ったものや使われなくなったため池につきましては統廃合を進めるなど、ため池の防災・減災対策にしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 12 ◯議長(中川忠昭君)山田警察本部長。    〔警察本部長山田知裕君登壇〕 13 ◯警察本部長(山田知裕君)防犯カメラ貸し出し事業についてお答えを申し上げます。  防犯カメラ貸し出し事業につきましては、希望する町内会等に対して、原則6カ月間、防犯カメラ合計40台を貸し出して効果を体感していただき、地域の自主的な設置を促進し、防犯カメラの整備拡充を図ることを目的としております。  昨年10月からの第1期では、28の町内会等に対しまして39台貸し出ししましたところ、期間終了後には約7割、20の町内会等がこの防犯カメラを買い取り、自主的な設置をしているところでございます。  また、本年4月からの第2期におきましては、27の町内会に対しまして40台を貸し出し中でございます。  さらに、ことし10月開始予定の第3期につきましては、既に30を超える町内会等から設置の希望を受けているほか、町内会以外の関係団体からも問い合わせがあるなど、防犯カメラに対する県民の方々の関心の高さがうかがわれるところでございます。  その背景といたしましては、これまで防犯カメラの整備が十分ではなかった学校の周辺ですとか通学路といったところに設置することによりまして、見守り活動の空白地帯における児童の安全、また地域住民の方々の安心の確保への期待感があるものと考えております。  こうした状況を踏まえまして、県警察といたしましては、引き続きこの事業の周知を図るとともに、防犯カメラの設置による具体的な犯罪抑止効果を検証し、今後もさらなる普及促進に努め、犯罪の起きにくいまちづくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。  以上であります。 14 ◯議長(中川忠昭君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 15 ◯厚生部長(市村仁志君)PMDAの薬業界との連携についての御質問にお答えをいたします。  独立行政法人医薬品医療機器総合機構、いわゆるPMDAの北陸支部及びアジア医薬品・医療機器トレーニングセンター研修所では、平成28年12月に県内製薬工場において、医薬品の製造、品質の管理についての調査、いわゆるGMP調査に関します研修を行ったほか、医薬品の承認審査に関する研修、漢方薬の品質管理に関する研修、JICAによる医薬品の適正な供給、品質管理等の研修などが実施をされてきております。  これらの研修に当たり、県内製薬企業などの研修実施企業の調整や模擬査察の実施などについて、本県薬業界と連携協力して対応してきておりまして、参加をした海外の薬事行政官からは、県内製薬企業の製造技術や品質管理が高く評価されております。  こうしたこれまでの取り組みが評価をされまして、本年11月には、医薬品査察当局の国際的な団体であるPIC/Sの総会、セミナーが日本で初めて富山県で開催されることになっております。  この総会、セミナーの開催は、医薬品生産拠点としての本県の知名度を世界的に向上させ、県内製薬企業の国際展開に寄与することはもちろん、各国の薬事行政官に対して、本県医薬品産業の高い技術力や県の薬業振興の取り組みなどをPRできる絶好の機会であることから、県といたしましては、県内薬業界とも十分連携を図りながら、こうした点をアピールしてまいりたいと考えております。  今後とも、本県薬業界と連携しながら、県内製薬企業の製造、品質管理技術の向上や海外展開を促進し、世界に注目される薬都とやまの実現に向けて努力してまいりたいと考えています。  以上でございます。 16 ◯議長(中川忠昭君)芝田商工労働部長。    〔商工労働部長芝田 聡君登壇〕 17 ◯商工労働部長(芝田 聡君)県内企業の海外進出についての御質問にお答えいたします。  県内企業の海外進出状況につきましては、本年4月現在、722の事業所が進出しており、このうち8割余りを占める596事業所がアジアへの進出となっております。内訳といたしましては、中国が最も多く298事業所と、2001年に比べまして4.8倍になっております。  また、近年は経済成長著しい東南アジア等への進出が急増しており、タイが4.8倍の81事業所になっているほか、ベトナムが37事業所、インドが39事業所と、いずれも20倍近くにふえているところでございます。  県では、こうした近年の進出動向を踏まえ、東南アジア等へのビジネス支援に重点を置くとともに、多岐にわたる企業ニーズに対応するため、東南アジア等への経済訪問団の継続的な派遣や各国要人を招いてのビジネスセミナーの開催などによる交流促進、富山県新世紀産業機構のアジア経済交流センターにおける海外投資や貿易等に関するワンストップ相談体制の構築。海外販路拡大のための現地商談会の開催など、総合的に支援しているところでございます。  また、本年10月に開催する富山県ものづくり総合見本市において、企業ニーズの高い国、地域からの出展数や誘致バイヤー数をふやしてビジネスマッチング機会を拡大することとしております。  また、タイ、ベトナム、香港など、経済交流に関する覚書等を締結している国、地域を対象とした投資環境セミナーの開催、東南アジア最大の工作機械見本市であるタイのMETALEX等の国際的な見本市への出展助成などに取り組むこととしております。  今後とも関係機関と連携をいたしまして、新興国等の成長エネルギーを県内経済に取り込むことができますように、県内企業のニーズを踏まえた、きめ細かな海外展開支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯議長(中川忠昭君)須河生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長須河弘美君登壇〕 19 ◯生活環境文化部長(須河弘美君)私からは、立山有料道路へのタクシー乗り入れについてお答えをいたします。  立山有料道路につきましては、昭和46年の全線開通以来、全国に先駆けて山岳地の自然環境の保全と交通の安全の観点から、路線バス及び貸し切りバスを除く全ての車両の通行を規制しております。  タクシーを乗り入れることとした場合には、電気自動車など、環境に影響の少ないタクシーに限るという御提案や、台数規制というお話もありましたが、入り込み台数は相当数増加することが想定されます。これにより、1つには、タイヤに付着した土などから山岳地にない植物の種子が持ち込まれるリスクが増大し、高山植物やライチョウなどが生育、生息する貴重な生態系への影響が懸念されること。2つには、道路の拡幅や駐車場の整備など、新たな開発行為が必要となる可能性があることなど、自然環境への影響が考えられるところでございます。  また、交通量の増加によりまして、立山有料道路上での渋滞が予想されるとともに、急勾配、急カーブの連続する道路における事故の危険性も高まることが懸念されます。  こうしたことから、タクシー、マイカー等の規制によって、自然環境の保全や交通の安全を図ってきたところでございます。  御紹介の上高地とは標高差や植生の差などもあり比較は難しいと考えておりますけれども、タクシー乗り入れにつきましては、引き続き慎重に対応する必要があると考えております。  なお、高齢者や障害者等への利便性の向上につきましては、立山黒部貫光株式会社におきまして、ケーブルカー、バス等への優先乗車や乗降の補助を行っているほか、必要に応じてリフトつきバスが運行されていると聞いております。今後とも、このようなきめ細かい対応をお願いしたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(中川忠昭君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 21 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)東京にある本県の2つのアンテナショップに関する御質問にお答えをいたします。  日本橋とやま館は、単に物を売るだけではなくて、本県の豊かで美しい自然、多彩な文化、食の魅力などを伝え、体感していただく情報発信拠点として開設をいたしております。議員からも御指摘ありましたように、富山の上質なライフスタイルの提供をコンセプトにしているところでもございます。  また、富山が誇る食の逸品、工芸品等の販売に加えまして、和食レストランでは新鮮な富山の食の提供ですとか、交流スペースやバーラウンジではさまざまな展示、企画イベントの実施もいたしております。  また、観光交流サロンでは、外国語にも対応できるコンシェルジュを配置いたしまして、観光ですとか移住、UIJターンの情報提供、相談対応も行っているところでもございます。  こうした取り組みを通じまして、富山への誘客、移住、また商品の販路開拓などにつながるよう情報発信に努めておりまして、オープン以来の3年間での来館者数は約87万人と、首都圏の大変多くの方々に御利用いただいていると考えております。  一方、有楽町にございますいきいき富山館は、有楽町という交通至便の地に立地をいたしておりまして、日常の買い回り品を中心とした品ぞろえや実演販売などによりまして、日本橋店とは異なる販売を行っているところでございます。  こうした性格の違う2つの店舗の効果を発揮いたしまして、売り上げは日本橋店のオープン前に比べまして約2倍の5億円程度となっているところでもございます。首都圏における県産品の販路拡大に効果を上げているものと考えております。  また、日本橋とやま館につきましては、開館3周年を機にショールーム機能の強化を図りますため、観光交流サロンをリニューアルいたしまして、現在、開館3周年記念フェアを実施いたしております。新元号「令和」ですとか朝乃山の優勝記念展も行っておりますし、シアター・オリンピックス展も行っているところでもございます。  また、今年度新たに、来年開催されます東京オリンピック・パラリンピックを見据えまして、訪日外国人への魅力発信事業ですとか、三越伊勢丹と連携いたしました県産食材フェアの実施などに取り組みまして、一層の情報発信に努めてまいります。  今後とも、2つのアンテナショップのそれぞれの強みを生かしまして、また役割分担もしながら、県産品の魅力発信や販路開拓、観光誘客、移住の促進などに努めてまいります。 22 ◯議長(中川忠昭君)伍嶋部長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 23 ◯教育長(伍嶋二美男君)小学校における英語の教科化に関する御質問にお答えをいたします。  来年度からの小学校における英語の教科化においては、これまでの聞く、話すに加えまして、読む、書くの指導が加わることとなっており、これまで必要な人員配置や教員の指導力を向上するための研修の実施など、さまざまな取り組みを行っております。  具体的に申し上げますと、まず、全国に先駆けまして、平成26年度から英語専科教員を配置し、モデル校での実践研究と校内研修によります教員の英語指導力の向上などを進めております。今年度は、全国一の配置率となっている英語専科教員を全市町村において増員配置しておりまして、県内の65校に配置しております。  また、英語教育の中核となる教員を養成するため、平成26年度から小学校教員を国の英語教育推進リーダーの中央研修に参加させるとともに、平成27年度からは英語力養成研修会を開催しておりまして、昨年度までに全小学校教員の約27%に相当する約800名がその研修を受講しておりまして、その受講者が所属いたします各校において、さらに校内研修を充実させております。  また、平成29年度から実施しております小学校外国語指導力向上研修会では、次期学習指導要領が求める資質、能力や授業の具体例について学んでおりまして、今年度は実践的な内容の研修を実施することとしております。  一方、昨年度から英語学習パートナー派遣事業を実施しておりまして、これは英語が得意な教員志望の大学生を小学校の外国語の授業に派遣しておりまして、このことにより、児童が英語になれ親しむよう、また大学生の資質向上にもつなげております。  なお、英語の指導計画の策定につきましては、教科書が採択される本年の9月以降におきまして、県教育委員会の作成した計画例等を参考にして策定されるものと聞いております。今後とも、市町村教育委員会と連携して、小学校英語教育が円滑に行われるよう取り組んでまいります。  次に、プログラミング教育に関する御質問にお答えいたします。  次期学習指導要領では、小中学校及び高等学校を通じてプログラミング教育を充実することとされております。  具体的な内容といたしましては、小学校ではコンピューターでの文字入力などの習得や、論理的思考力を身につける学習活動を各教科の特徴に応じて実施すること。また、中学校では、技術家庭科において、問題を解決するという視点から、課題を発見して、プログラミングを活用して問題を解決する方法を考察すること。さらに、高校では、新設されます共通必履修科目であります情報Iの科目におきまして、プログラミングやネットワーク、またデータベースの基礎などを学習することが求められております。  県の教育委員会では、プログラミング教育の趣旨の理解や具体的な対応を進めますため、文科省の伝達講習といたしまして、平成29年度から、小中高校の教育課程研究協議会において周知をしております。  また、教員の能力向上を図るため、昨年度は出前講座の実施や、小中学校の教員を対象といたします大学の講師による講演会を行いましたほか、今年度新たに小中高、特別支援学校の全校種の教員を対象とする、プログラミング実習を内容とする研修会を行うこととしております。  さらに、小中学校において専門指導者によるICT機器を活用した情報に関する授業の指導を行いますため、IT関連分野の社会人を情報教育の特別非常勤講師として派遣しております。  今後とも、市町村教育委員会と連携しながら、情報提供や指導助言を行い、プログラミング教育が円滑に実施されるよう取り組んでまいります。  次に、義務教育学校に関する御質問にお答えいたします。  義務教育学校は、9年間を通じた教育課程により系統的な教育を行う新しい種類の学校として、平成28年度に制度化されたものでありまして、県内においては、来年4月には高岡市及び氷見市において、また令和3年4月には南砺市において設置されることとなっております。  これらの学校の設置に向けまして、各市において設置された検討会においては、独自の教科の創設ができること。また、学年、学校間の指導内容の入れかえが可能であることなどに伴います特色ある教育課程の編成ができること。また、必要とされる教員免許要件を満たす教員の配置、さらには教育環境の整備などの課題について協議されております。  また、議員御指摘のとおり、特色ある教育課程の編成によりまして、いわゆる中1ギャップの解消や魅力ある学校運営がなされるものと考えております。  県教育委員会では、これまでも大学教授を講師に招いた小中一貫教育の教育課程に関する研修会の開催や、ポイントや留意点をまとめましたリーフレットの配付や情報提供を行ってきております。  また、義務教育学校の設置に必要な教職員の確保につきましては、教職員定数の標準や、あるいは教員免許の取得状況を踏まえました適切な配置に努めますとともに、国において教職員定数の充実を図っていただけますよう強く要望しているところであります。  義務教育学校設置に伴う施設整備については、各市町村において、通常の改修の場合よりも有利な国の財源措置を活用して、計画的に進められているものと考えておりますが、今後とも国に対して国庫補助採択などの予算確保等を働きかけることによりまして、市町村が行う教育環境整備の取り組みを支援してまいります。  最後に、親学びに関する御質問にお答えをいたします。  近年、少子化、核家族化などの影響で、子育てに不安感や孤立感を抱く親が少なくないことから、議員からも御紹介がありましたけれども、県教育委員会では、平成18年度から保護者が親のあり方や子供との接し方について、身近な事例をもとにグループで話し合い、みずから答えを考えていく親学び講座を開催してきております。  平成28年度からは、全ての公立小中学校で開催されるとともに、幼稚園、保育所等での実施もふえております。また、今年度は幼稚園等の入園前からの参加の希望が多いことから、新たにゼロ歳から2歳児の保護者まで対象を拡大することとしております。  参加した保護者の99%の方から、参加してよかったとの高い評価をいただいておりまして、その内容としては、子育て方法や対応への不安感があったが、ほかの人の意見を聞くことで安心した。また、親自身の成長になったなどの感想が寄せられております。  さらに、議員からも御支援いただいておりますけれども、早い段階から熱心に取り組んでいただいている市からは、子育ての不安に関する学校への相談が減ったとも聞いておりまして、教員の多忙化解消にもつながるものと考えております。  親学び講座の参加者数は年々増加しておりまして、昨年度は過去最多の3万5,000人を超える保護者に参加いただいておりますけれども、まだ参加されていない保護者の方もいるなどの課題もあります。  このため、引き続き、とやま親学び推進協議会におきまして、県内のネットワーク化を図ることによりまして、各中学校区に配置されておりますリーダー間の情報共有を徹底いたしますほか、研修会の開催回数の増加など、参加しやすい講座のあり方に向けて協議をすることとしております。  今後とも、PTAや関係団体などと十分連携しながら、親学びの普及充実に努めてまいります。  以上でございます。 24 ◯議長(中川忠昭君)以上で薮田栄治君の質問は終了しました。 25 ◯議長(中川忠昭君)針山健史君。    〔6番針山健史君登壇〕 26 ◯6番(針山健史君)おはようございます。  44歳、184センチ、自由民主党の針山健史でございます。  まずもって、私からも昨夜の大地震で被災された方々にお見舞いを申し上げます。  また、このたび、初登壇の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様の御配慮に、心より感謝を申し上げます。
     6月1日に福井県にて開催されました北信越県議会議員野球大会では、富山県議会チームの一員として3番レフトで大抜てきしていただいたにもかかわらず、試合開始直後の守備機会での思いがけない負傷により、一度もバッターボックスに立つことなくベンチに下がってしまいました。  宮本監督、武田助監督ほか、チームの皆様に大変な御迷惑をおかけし、期待を裏切ってしまいましたが、本日の質問では若さと高さを生かし、県民の皆様、支援者の皆様の期待にしっかりと応えていくことをお誓い申し上げ、質問を始めたいと思います。  小学生から続けてきた野球で、こんなに痛い目に遭うとは夢にも思いませんでした。子供も野球をしており、昨年は小学生の野球大会にも足しげく通いました。時代は様変わりし、少子化による児童数の減少で近隣地域との合併チームで戦いに挑んでいました。  それもそのはずです。親子とも地元小学校を卒業しておりますが、約30年前、私たちの卒業生は4クラス138名、ことし3月に卒業した我が子の卒業生は1クラス36名であります。今後も児童数減少が見込まれております。  今月7日に発表された厚生労働省の人口動態統計によりますと、2018年の我が国の合計特殊出生率は1.42となり、前年から0.01ポイント下がりました。減少するのは3年連続であります。本県の合計特殊出生率も1.55から1.52と0.03ポイント低下し、全国順位は17位から23位に下落しております。  残念ながら、県民希望出生率1.9との乖離は広がっており、本県のこれまでの少子化対策、出生率向上政策は、どういった点に取り組み、どういった成果を得てきたのか、石井知事にお伺いいたします。  我が国の目標として、安倍政権は2025年度末までに出生率1.8を掲げております。出産費用無料化、児童手当制度など、これまでの少子化対策に加えて、ことし10月にも幼児教育、保育無償化が実施される予定となっております。しかしながら、人口を維持するための水準、いわゆる人口置換水準は合計特殊出生率2.07とされており、本県の永続的発展と繁栄のため、県民の皆様に御理解と御協力を得ながら、県民希望出生率1.9を2.07以上へ引き上げる取り組みも並行して図るべきと考えますが、石井知事の所見をお伺いいたします。  子供の出生は、何といっても男女の愛の結晶であります。その前段となる出会い、結婚については、時代とともにその認識は変化しており、本県では、とやまマリッジサポートセンター、南砺市では婚活倶楽部なんとなどが積極的な活動を見せるなど、各市町村でもいろいろな支援の取り組みが広がっております。  とやまマリッジサポートセンターでは、開設された平成26年以来、マッチングにビッグデータをも駆使しながら、出会いから結婚までの支援を通して、これまで53組の成婚実績を上げております。  ただ、支援機関へ相談を持ち込む方は、結婚を希望されてから比較的時間を要しているケースが目立ちます。支援機関を利用される前に結婚を希望される方への早期アプローチが必要と考えますが、今後の取り組みを蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。  早い時期、早い段階での出会い、結婚は、第1子出産のみならず、第2子、第3子以降の誕生への期待をつなぐと考えます。友人には同窓会をきっかけに結婚までたどり着いた夫婦も多く、カップルの年齢が近いほど結婚への割合が高いというデータがあります。我が夫婦も同学年であります。  年齢の若いうちに中学や高校、また大学など、学生生活で顔がわかるほどの年の近い者同士での複数年同窓会の地元開催を支援し、いわゆる婚活ではない出会いの場の創出を試みてはどうかと考えますが、蔵堀総合政策局長に所見をお伺いいたします。地元での出会い、結婚がUIJターン就職、地域の活性化に寄与するものと考えます。  先月行われた新人議員県内行政視察では、富山県立大学へも立ち寄りました。県立大学は創設以来、建学の理念でもあります本県の発展を目指し、未来を見据えた特色ある教育を実践され、多くの優秀な人材を県内に輩出し、ものづくり富山県を下支えしていただいております。  本年4月、看護学部の新設にて入学定員を120名増員し、合計450名とした後、来年4月、電子・情報工学科の改編拡充にて、大学入学定員を460名へとさらに増員する計画であります。少子化が進むこの時代、定員増に取り組むのも県内企業などからの旺盛な人材需要と、全国的な問題となっております看護系人材の不足に応えていただいております。  確かに、県立大学の就職率はほぼ100%。昨年3月、就職した卒業生の41.0%が県内企業に就職しており、本年3月卒業生は42.1%に上ります。その比率は常に富山大学を上回っております。  そこで、女子学生の進学希望の高い文系学部を新設し、女性の大学進学時の県外流出を抑えつつ、男子学生も含めた幅広い人材の確保、地元定着化に努めるべきと考えますが、蔵堀総合政策局長の所見をお伺いいたします。  県立大学には、新しい令和の時代にも継続して人材育成と人材供給の役割を担っていただけることを大いに期待いたします。  令和といえば、やはり典拠となった万葉集であります。新元号が令和に決まってからは、万葉集ゆかりの地として、本県も観光などへの活用に向けて検討を重ねております。高志の国文学館を主体として、中西進館長の講演会開催、また万葉集の編さんに大きくかかわった大伴家持の生誕1300年記念企画展にあわせた新元号関連の特別展示などの取り組みが見られました。  しかし、話題活用にはまだまだ発展的な可能性を秘めていると感じております。大伴家持は、奈良時代に現代の県知事と言える国守という役職で赴任しました。歌人としてクローズアップされることが多いわけでありますが、大伴家という武門の家系に育ち武術にもすぐれ、また美男子で女性に非常に人気があったと言われております。  そこで、安定した県政運営を実現され、学生時代にはサッカーに情熱を傾けたスポーツマン、大変に女性支持者の多い現代の大伴家持とも言える石井知事に、万葉集ゆかりの地として絶好のチャンスを迎えている本県の今後の取り組みについてお伺いいたします。  県内では、美しい景観を歌った奈呉ノ浦や雨晴海岸、布施の海、二上山、片貝川、雄神川など数多くの足跡を残しました。特に、国府があったと言われる高岡市伏木には、平成2年に万葉歴史館が開館され、身近に万葉集に触れることができる貴重な施設となっております。新元号発表後の1カ月は、例年の5倍を超える来館者を記録しました。  また、国内には、梅の花の歌の舞台となった大宰府市、因幡万葉歴史館のある鳥取市、奈良県の万葉文化館など、ゆかりの地が点在しております。連携を図り、相乗効果を期待するべきと考えますが、須河生活環境文化部長に取り組み状況をお伺いいたします。  一昨年、本県と高志の国文学館が創設いたしました、世界のすぐれた詩人の業績を顕彰する大伴家持文学賞、若い世代の詩人で本県にゆかりのある方、または本県を題材とした作品を顕彰する高志の国詩歌賞についてお伺いいたします。  特に、大伴家持文学賞を受賞された北アイルランドの詩人マイケル・ロングリー氏の作品は非常に難解なものが多いと聞いておりますが、創設の趣旨でもある、県民を初めとする人々の心豊かな人生の創造に寄与、また大伴家持と万葉集の世界への発信について、どのような効果を期待しているのかを須河生活環境文化部長にお伺いいたします。  改元を機に前述の文学賞、詩歌賞のほか、万葉集にスポットライトを当てた新たな賞を創設し、万葉集ゆかりの地としての存在感を高める取り組みを提案しますが、今後の各賞のあり方を含めて、須河生活環境文化部長に所見をお伺いいたします。  次に、富山湾に関連した質問をいたします。  国内では、クルーズ船の寄港が急増しており、2018年は訪日クルーズ旅客数が5年前の14倍にも増加し、税関業務に支障を来していると報道がありました。近県の動向を見るに、金沢港の寄港実績の増加が目立っております。平成30年度は44回、今年度は50回以上の寄港を見込んでいると聞いております。  一方、県内のクルーズ船の誘致については、20万トンを超える船の受け入れの準備も整ってはいるものの、今年度は8月に伏木万葉3号岸壁に飛鳥II、9月に新湊海王岸壁にぱしふぃっくびいなすの寄港が決定されているのみであります。  全国的にクルーズ船誘致活動は過熱しており、競争は激化しています。本県もコーディネーターやセールス専門員を配置している中で、誘致方法について、ほかの自治体とどういった点で差別化を図って取り組んでいるのかを猪俣観光・交通振興局長にお伺いいたします。  昨年、フランスのラ・ボール市で開催された世界で最も美しい湾クラブ世界総会では、富山湾の魅力を十分にアピールしたプレゼンテーションが成功し、日本で初めて世界総会の誘致が実現いたしました。現在、世界で最も美しい湾クラブには26カ国と1つの地域、44湾が加盟しており、本年10月の世界総会には、海外から約100名を超える関係者が集まると聞いております。  富山湾の景観の美しさ、おいしい海の幸、北前船寄港地としての歴史や文化、環境保全の取り組みなどを実際に触れてもらえる絶好の機会であります。たくさんの魅力の中で、ポイントを絞って戦略的に世界へアピールすることも効果的と考えますが、猪俣観光・交通振興局長に所見をお伺いいたします。  富山方式とも呼ばれるレジ袋無料化の廃止など、環境への取り組みに先進的な本県でありますが、昨年は豪雨や台風の影響により、河川から、流木といった自然物、プラスチック類の人工物が海や海岸へ流出しました。  新潟地方気象台が発表した3カ月予報では、7月、8月は降水量が平年より多くなる見込みであります。海岸漂着物の8割は河川からと言われており、流出の懸念が高まっております。もうすぐ海水浴シーズンにも入り、世界総会に向けても市町村及び海岸周辺住民の皆さんによる清掃ボランティア活動が予定されていると聞いております。海外からのお客様をきれいな湾で迎え入れるおもてなしの心を県民一体となって共有することが重要であると考えますが、どのように連携した取り組みを考えているのか、須河生活環境文化部長に所見をお伺いいたします。  富山湾を航行する船舶の道しるべとして68年目を迎えた高岡市伏木の岩崎ノ鼻灯台は、全国に49カ所ある恋する灯台に認定を受け、観光地化を目指し、地元住民の手による景観改善活動は熱を帯びております。先日、この4月まで県議会で活躍された向栄一朗先生とともに、灯台をシンボルとしてまちづくりに取り組む静岡県御前崎市へ視察に行ってきました。御前崎灯台から見る太平洋は見る者を圧倒する、それはそれは壮大な海原でした。  しかし、富山湾を一望し、海越しに見える3,000メートル級の立山連峰の景観も全く負けていません。氷見からの海岸道路に続く道の駅雨晴は、多くの観光客でにぎわっています。そばには源義経が武蔵坊弁慶と奥州へ逃げ延びる途中に立ち寄ってできたといわれる義経岩、人々の憩いの場に向けて計画が進む伏木外港緑地整備、格子造りの家並みで重要伝統的建造物群保存地区選定を目指し、地元住民がにぎわい創出に取り組む吉久地区、この海岸沿いにある自然、歴史、文化の価値を高める取り組みをサポートし、国宝瑞龍寺や国宝化が期待されている勝興寺、金屋町や山町筋の街並みなど、近隣名勝地への周遊性、回遊性を図る機運を高めるべきと考えますが、取り組みについて、猪俣観光・交通振興局長にお伺いいたします。  向栄一朗先生におかれましては、難病発症のため志半ばで引退を決断されました。無念の思いを胸に秘めつつも、真正面から病気に立ち向かっておられる姿、これまで灯台のように地域の行く先を導いていただいた活動に敬意を表しますとともに、一日も早い回復を祈念いたしまして質問を終えさせていただきます。  御清聴どうもありがとうございました。  失礼しました。世界で最も美しい湾クラブの質問につきまして、知事の御答弁をお願いいたします。 27 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 28 ◯知事(石井隆一君)針山議員の御質問にお答えをいたします。  まず、少子化対策の成果等についてであります。  県では、これまで少子化対策としまして、マリッジサポートセンターを通じました結婚支援ですとか、県立中央病院のNICUやMFICUなど全国トップクラスの周産期医療体制の充実ですとか、仕事と子育ての両立支援、また子育て支援の機運醸成、保育料の無償化、軽減、また不妊治療や不育症の治療費助成、これも全国トップクラスかと思います。また、子育て応援券の配付、拡充等、幅広く取り組んでまいりました。  こうした取り組みの結果として、かつては合計特殊出生率1.34──ちょうど私が知事に就任した翌々年ぐらいだったと思いますけれども──まで下がりましたけれども、今回は前年度よりちょっと落ちましたが1.52となりまして、これで1.50台を4年連続維持しまして、全国平均値を0.1ポイント上回る結果となっております。  また、今回の合計特殊出生率の算定の基礎となりました人口推計を見ますと、全国と同様に県内の女性人口が減少している中ですけれども、県内では20歳から24歳までの女性人口が増加傾向となっていることは明るい要素と思っております。  さらに、平成29年度に県が実施しました子育て支援サービスに関する調査では、子育て支援サービスの満足度が全体に上昇いたしましたほか、子供をふやすに当たっての課題として、子育てや教育にかかる経済的な負担や、仕事と子育ての両立が難しいということを挙げる方の回答の割合が、前回の平成25年度調査に比べると低下しておる。子育てや教育にお金がかかり過ぎるというお答えが4.6ポイント下がる。また、働きながら子育てができる環境にないというお答えも12.1ポイント下がるということにはなっております。一定程度、効果があったのではないかと思います。  なお、一定の低所得世帯の第1子、第2子に対する保育料の無償化、軽減の措置は、昨年の9月実施でありますので、この29年度調査には反映されていないので、こうした点でも、ある程度効果が出てきているんじゃないかと期待したいわけでございます。  なお、合計特殊出生率の変動についてはさまざまな要因がございまして、短期的な変動について一喜一憂するというのもどうかなと、そういう性格のものではありませんけれども、議員の御指摘のとおり、県民希望出生率1.9とは依然として開きがありますので、この現状を真摯に受けとめて、県民の結婚、出産、子育ての願いがかない、県民の皆さんの希望出生率1.9が実現するような環境づくりを、若い世代の、例えば東京など大都市圏から本県への移住ですとか、UIJターンの一層の促進などとあわせまして、総合的に取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。  次に、県民の希望出生率を引き上げる取り組みについての御質問であります。  出生率を引き上げるためには、結婚の希望をいかに実現するか。特に今、未婚化、晩婚化への対応の問題とか、また希望どおりの出産、子育ての実現に向けた対策、この2つが必要となるわけでございます。  今年度、結婚につきましては、特に若い世代の出会いや結婚を支援しますために、SNSやタウン誌へのマリッジサポートセンターについての広告掲載ですとか、若い世代の皆さんが好む自然な出会いの機会を創出したいということで、企業の皆さんにも呼びかけまして、企業間交流会等を積極的に進めますとともに、市町村の結婚支援事業との連携を強化することにいたしております。  また、結婚に対する価値観が変化して生き方が多様化します中、県民の皆さんがみずからの人生設計について考えていただく機会を持つことが重要でありますので、中学校や、あるいは高校、大学、そういった若い時代にライフプラン教育とか、また14歳の挑戦、17歳の挑戦といったようなキャリア教育、また働く女子のキャリアデザイン応援講座といったようなものを入社後5年以内にやることにいたしております。  また、出産や子育てについては、国の幼児教育や保育の無償化の円滑な導入や、また今回、そのことによって、かえって負担が増加する世帯が一定部分ございますから、そういったところに対しては副食費を県と市町村で支援するとか、また保育士を目指す学生向けの新たな修学資金制度の創設などの保育人材の確保、保育士の処遇改善。また、男性の家事・育児参画を推進するためのイクボスシンポジウムの開催。それから、家事・育児分担キャンペーンの実施ですとか、また病児・病後児保育、放課後児童クラブの拡充等を実施したいと思っております。  また、来年度からの5カ年の計画期間であります新たな少子化対策プランの策定を今始めておりまして、県内の自治体を調査分析しまして、これまでの支援に加えまして、新たに働き方改革の推進や、男性の家事・育児参加、また若者の自立支援、子育てに理解のある社会づくりなどの新たな視点も取り入れまして、これは県民会議もスタートしております。  今後、県議会の御意見、また幅広い県民の皆さんのお考えも取り入れて、結婚、出産、子育ての願いがかなう環境づくりにしっかりと取り組んでいきたいと思います。  なお、議員から、県民の皆さんの希望出生率を1.9から2.07を超えるくらいにまでに引き上げる取り組みができないかというようなお話もございました。最近、いろんな人生観があるわけですけれども、子供を持つことへの不安とか、子育ての苦労ばかりがややもすると強調されがちですけれども、結婚して家庭を持つことの意義ですとか、子育てにはその苦労をはるかに上回る喜びもあるんだと、私なんかはそう思っておりますが、そういったことを若い世代にしっかり伝えまして、県民の皆さんの意識を変えていくと、そういうことにつながればいいなと思っております。  こうしたことを県主催のイベントなどを通じまして、県民の皆さんに訴えて、子育て家庭が安心と喜びを持って子育てに当たれるように社会全体で応援する、そういう社会づくり、県づくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、新元号「令和」と観光振興についてお答えいたします。  新元号「令和」につきましては、まさにお話しのとおりで、大伴家持が実質的に編さんしたとされる万葉集を典拠としておりますし、また、中西進館長、御本人は認めておられませんが、みんなが考案者だと思っているといったことでもございますので、中西館長の特別講演会などもこの5月の連休中に開催いたしましたが、お話しのように、この勢いを観光面にも生かせていけば、なおありがたいと思いますし、重要だと思います。  このために、日本橋とやま館開館3周年記念フェアにおいて、先ほどもお話がありましたように、新元号「令和」記念展として、万葉集の令和関連資料や中西館長の著書などを展示いたしましたが、さらにこれに加えて、10月中旬に東京で中西館長を中心とした講演会を開催することにしておりまして、その際には、ちょうどこの時期は富富富が昨年本格デビューして2年目でありますから、こういったこととも絡み合わせていきたい。  御承知のとおり、万葉集には立山の賦とか二上山の賦、また布勢の水海の歌など、越中三賦という非常に越中、富山のすばらしい景観も詠んでいますけれども、例えば、日照りが続いたので雨乞いをする。その結果、雨が降ってきたと、ことしは豊作になるな、なってほしいなと家持が詠んだ歌なんかもございますね。そういったことも御紹介をして、それと富山県の富富富のさらなるイメージアップ、こういったことにもつなげて富山県の魅力をアピールしていきたい。  また、ことしのとやま夏期大学は万葉集をテーマに開催することにしておりまして、中西館長の講義のほか、国文学者のロバート・キャンベルさんとか、いろんな方にお願いしているんですけれども、講義に合わせたオプショナルツアーとしまして、越中万葉のふるさと探訪ツアーを、高岡、氷見、射水をめぐる2つのコースを用意しまして、万葉集や大伴家持にゆかりの地をめぐってもらう、こういうふうにいたしております。  さらに、県と高岡市、また旅行会社、JR西日本などが連携いたしまして、旅行商品の開発を行う新高岡市商品開発プロジェクトにおきまして、今月、首都圏や関西圏の旅行会社の担当者を招聘しまして、高岡市万葉歴史館や高岡の古城公園などをめぐる視察ツアーを実施いたしました。参加者からは、「万葉をテーマにした旅行プランの参考になった。新しい時代にふさわしい旅行が期待できる」といった御発言もあったと伺っております。  県としましては、新たな令和の時代が幕あけしたところでありますので、このチャンスを最大限に生かして、観光振興にしっかり取り組んでまいりたいと思います。  最後に、湾クラブ世界総会についてお答えを申し上げます。  ことし10月、世界で最も美しい湾クラブ世界総会が開催されるわけですけれども、富山湾などの多彩な魅力や環境保全等の取り組みを世界に発信して交流できる絶好の機会だと思いますので、議員の御指摘のとおり、会期中を通じて効果的なアピールに努めていきたいと思っております。  世界総会での具体的なアピールポイントとして、海越しの立山連峰を一望できる雨晴海岸の散策ですとか、また道の駅雨晴の視察、また海王丸パークをメイン会場とした各種イベント等を通じた富山湾のすばらしい眺望のほかに、総会会場での富山湾の深海生物の紹介──例えばリュウグウノツカイの剥製の展示とか深海映像の放映とか、そういったことで、神秘の海、富山湾の魅力をアピールする。  また、富岩運河環水公園や富山県美術館等の視察を初めとして、県内5コースのエクスカーションを通じました立山黒部などの雄大で美しい自然景観とか、あるいは世界遺産五箇山合掌造り集落や国宝瑞龍寺、あるいは高岡大仏などの歴史的、文化的な観光資源の魅力のほかに、例えば能作での鋳物製作とか、あるいは五箇山和紙の里での和紙すき体験など、産業観光の魅力もアピールすると。  さらには、昼食、夕食交流会やエクスカーションの昼食先で新鮮な海の幸、あるいは、例えば行き先によりますが、宇奈月麦酒館とか入善の牡蠣ノ星とか氷見のセイズファームとか、いろんなものを味わっていただいて、富山ならではの食の魅力を堪能していただく。  また、交流会でのアトラクションでも、富山県には、麦屋、こきりこ、おわら、また万葉集に題材をとったオペラとか、福光もちつき太鼓とか、いろいろございますから、そういったものも御披露していくとか、あるいは伝統工芸の実演、体験、これはパリでも大変評判がよかったので、高岡の職人の皆さんなどにも出張ってもらったらと思っております。  また、海王丸パークでの新湊曳山披露、これは御協力いただけるかなと思って打診しましたら、ありがたいことに、全13基全て協力しますというふうに大変張り切っていただいていまして、また、漁船パレードなどもやるとか、いろんな形で富山の持てる伝統文化の魅力とか、多彩なさまざまな魅力をアピールしたいと思っております。  また、富山湾の環境保全──世界的に今、環境をどう守っていくかというのは時代のテーマにもなっておりますから、こうした面では、富山県は日本海側で初の国連機関であるNOWPAPを誘致して長らく支援していますし、また、北東アジア自治体連合の環境分科会のコーディネート自治体ともなっていますし、また、県民総ぐるみでレジ袋の無料配布廃止とか、いろんな取り組みをやってきている。そういったことをアピールいたしましたり、それとあわせて、そういう自然保護をしながらしっかり観光振興にも取り組むということのプレゼンですとか、また、著名な方をお招きしての講演会ですとか、また先ほどのレジ袋削減なんかもマイクロプラスチックの発生抑制につながるわけですが、上流から下流まで県民総参加の清掃活動などに関するパネル展示を実施する、こんなことで、SDGsの趣旨を先取りした富山県の先駆的な観光施策の取り組みを広く紹介させていただきたいと思っております。  さらに、総会参加者で、総会での本来の議論のほかに幾つかの分科会──ワールドカフェとおっしゃっていますが、それを積み重ねて、連日非常にしっかりした論議もされるようでありますので、そういった議論を踏まえた成果として、できれば持続可能な海洋環境の保全と観光振興の両立を目指した富山宣言の採択をするとか、今後、湾クラブ事務局とも相談しながら検討してまいりたいと思います。  議員の御指摘のとおり、せっかくの世界総会のチャンスでありますから、世界的にアピールできる、美しい神秘の海、富山湾、このブランド価値を高めるということと、あわせて、このすばらしい富山湾の環境保全に対する県民意識をさらに高揚させる、そのことが海外からの誘客はもちろんですけれども、一層の観光振興や地域活性化につながるということで、いい形の循環になるように一生懸命努力してまいりたいと思います。  以上であります。 29 ◯議長(中川忠昭君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 30 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)少子化に関する御質問、3問にお答えをいたします。  まず最初に、マリッジサポートセンターなどの支援機関に行く前の段階での支援という御質問にお答えいたします。  県では、出会いの機会の創出のため、とやまマリッジサポートセンターによりますお見合いの支援を行っておりまして、これまで1,503組のお見合いを支援しまして、そのうち、お見合いから実際に交際に至ったカップルは705組、成立をいたしております。さらに、このうち53組から結婚されたという御報告をいただいているところでございます。  御指摘のように、県におきましてもマリッジサポートセンターなどの支援機関に行く前の段階で、支援機関の存在ですとか仕組みなどについてよく御理解をいただいて、なるべく早い時期に支援機関に行っていただけるように周知に努め、参加したいと思っていただけるような取り組みを進めてきております。  具体的には、ホームページや県、市町村の広報誌、新聞への広告の掲載による周知を行っています。また、会員数の増加を図りますために、出張登録会なども開催してきております。さらに、マリッジサポートセンターの出会い応援団に登録をいただいております企業や団体などによります出会いの場の創出、さらに、この出会いの場となりますイベント情報をメールマガジンなどで配信をして取り組んできているところでございます。  県の調査によりますと、20代の未婚者の方は81.4%、30代でも64.6%の方が、いずれ結婚するつもりと答えるなど、結婚に対する意識は高いと考えております。こうした若い方への結婚支援に関する情報提供というのは大変重要だと思っております。  そのため、今年度では、特にこうした若い世代に効果的に訴求できますように、新たにSNSやタウン情報誌での広告掲載、それからマリッジサポートセンターの利用方法ですとか、県内で開催されます婚活イベントやセミナーの情報等が掲載されましたホームページに誘導を図ってまいります。  また、自然な出会いを若い方は好まれるわけですが、そういう企業間の交流会の開催ですとか、民間企業において実施されます婚活イベントへの補助も引き続き行ってまいります。  結婚は個人の自由な意思決定に基づくものでありまして、なかなか行政の施策として推進していく面では難しい面もあるわけですが、今後とも結婚を希望される方々の願いがかなう環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。  次に、同窓会などを活用して出会いの場を創出してはどうかという御質問にお答えいたします。  民間の調査によりますと、未婚の男女の6割以上が職場ですとか学校、サークルといった、いわゆる自然な出会いを理想とされているということでございます。  県では、これまで余り結婚を意識せずに気軽に参加できるイベントとして企業間の交流会ですとか、県内4カ所でものづくり体験を行うなどの経験を通じた地域体験型の交流会を開催してまいりました。  内閣府の調査では、高校や大学時代の出会いが結婚に発展しているというケースが多くございまして、社会人になる前の出会いというのは、特に20代では、男性では7割、女性では5割を超えておりまして、男女とも仕事による出会いを上回っている状況でございます。  また、議員からもお話がありましたけれども、同窓会は婚活イベントに比べますと、気軽に参加できて共通の話題が見つけやすく、そこに参加された方皆さんと非常に話がしやすいといったことから、若い世代を中心に出会いの場として期待できるというふうに考えてございます。  こうしたこともありまして、県内でも3つの市におきまして、出会いの機会の創出も目的の一つとして同窓会の開催を支援されているところでもございます。県としても、こうした市の支援が実際に効果を上げているのかどうか、しっかり調査研究していきたいというふうに思っております。  また、同窓会は地域と、地域の外に転出した人をつなぐ機会としても有効に機能すると考えておりまして、UIJターンにもつながる貴重な場だと考えています。  県では、Uターンのきっかけを提供いたします30歳の同窓会、これは30歳だけじゃなくて、その前後の年代の方を含めて開催していますけれども、開催してきているわけですが、今年度は東京においてこれを実施する予定でございます。この30歳の同窓会で出会って、富山県へ2人でUターンしてもらえるというようなことに結びつきますように、しっかり取り組んでまいります。  最後に、県立大学での文系学部の新設に関する御質問にお答えいたします。  県立大学では、平成2年の開学以来、産業界のニーズを踏まえまして、工学系の単科大学として地域の産業の振興や地域社会の発展に貢献してきているわけでございますが、平成27年4月の法人化を契機といたしまして、工学部の学科の新設、拡充を積極的に進めてきております。  また、質の高い看護人材の育成と若者や女性の人材確保、県内定着を図りますために、去る4月に看護学部、定員120名で新たに開設したところでございます。  文系学部の新設に当たりましては、文部科学大臣の認可というのが当然必要になるわけですが、この審査基準におきましては、長期的かつ安定的に学生確保の見通しがあること、また2つ目には、人材の需要動向など社会の要請を十分踏まえることなどが要件とされております。  一方で、少子化によりまして生徒数が減少する中で、全国的に見ても文系と言われます人文科学、社会科学系の学部の学生数は、総数としては減少している状況でございます。  また、本県におきましても、県内の大学、短期大学の文系学部の学生数ですが、10年前に比べますと235人減少しているという状況でございます。一方、理系学部は500人以上増加しているという状況でもございます。
     こうしたことを踏まえますと、文系学部の新設というのは大変厳しいと考えておりますが、施設整備ですとか教職員の増員といったことも伴いますので、中長期的な観点から高校生の方の志願状況、それから社会の要請、さらにはほかの大学での文系学部の設置状況、最も大事なのはこの後の、少子化が進んでいるわけですが生徒数の動向などを十分見きわめる必要があると考えておりまして、今後、文部科学省あるいは近隣の大学などのさまざまな情報収集に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 31 ◯議長(中川忠昭君)須河生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長須河弘美君登壇〕 32 ◯生活環境文化部長(須河弘美君)私からは、万葉集に関する御質問3問と、富山湾に関する御質問1問、計4問についてお答えをいたします。  まず、県内外の万葉集ゆかりの地との連携についてお答えをいたします。  平成27年度から4年間にわたる大伴家持生誕1300年記念事業の取り組みに当たりましては、高岡市を初め、大伴家持ゆかりの地でございます射水市、氷見市、上市町など、関係市町村にも参画いただいて懇話会を設置し、県内市町村と連携を図りながら事業を展開してまいりました。  特に高岡市とは、1300年記念事業に限らず、これまでも高志の国文学館の企画展において、高岡市万葉歴史館等から収蔵品やイベントに使用する万葉衣装を借用したり、県が実施している高校生向けの越中万葉に関する講座で、高岡市万葉歴史館の坂本館長さんに講師を務めていただいているほか、高岡市内で開催されております万葉集全20巻朗唱の会等に県から支援を行うなど、密接に連携しながら越中万葉の普及啓発に取り組んでおります。  また、県外の万葉集ゆかりの地との連携につきましては、1300年記念事業の実施に当たり、高志の国文学館の担当職員が九州歴史資料館や因幡万葉歴史館、また奈良県立万葉文化館等、関係館6館を訪問し、連携を呼びかけました。これにより、文学館での3回の記念展では、これらの連携館から貴重な収蔵品や資料をお借りすることができ、充実した内容の展示を行うことができました。  新元号「令和」が万葉集を典拠とされ、本県が万葉集ゆかりの地として注目を集めることは大変喜ばしく、今後とも関係市町村や県外の連携館とともに万葉集の魅力を広く発信していきたいと考えております。  次に、大伴家持文学賞と高志の国詩歌賞についてお答えします。  大伴家持生誕1300年を記念して創設いたしました大伴家持文学賞につきましては、議員からも御紹介いただきましたとおり、世界のすぐれた詩人の業績を越中で数々の秀歌を詠んだ大伴家持の名を冠して顕彰することにより、本県や越中万葉の魅力を世界へ発信しようとするものでございます。  第1回受賞者の世界的詩人であるマイケル・ロングリーさんは、本県での贈呈式からの帰国後、大伴家持への共感の気持ちや富山の自然、植物などをテーマとした3編の詩を制作されております。この作品が発表されたことにより、越中万葉やその背景となった富山県の美しい自然が世界に発信されることにつながりました。  また、高志の国詩歌賞につきましては、本県ゆかりの若い詩人による作品や、本県を題材とした作品を顕彰する、いわば奨励賞でございます。第1回受賞者の山田航さんには、大伴家持文学賞とあわせて表彰されたことを励みに活躍の場を広げられ、世界的な詩人になられることを期待しております。  この2つの賞の受賞作を県内外、さらには世界に向けて発信するため、1つには、まず贈呈式において、ロングリー氏に受賞作の背景などについて講演いただき、この際には、受賞作と講演内容の日本語訳を配布しております。  また、2つには、ロングリー氏が帰国後に制作された詩を小冊子にいたしまして、ことし3月に東京で開催した越中万葉・首都圏シンポジウムなどにおいて配布しております。  3つには、ロングリー氏、山田氏の作品や、両氏を紹介するパネルを現在も高志の国文学館で展示しております。  さらに、ことし10月に開催される世界で最も美しい湾クラブ世界総会におきましては、家持の秀歌とあわせ、ロングリー氏の詩を掲載したPR冊子を作成、配布いたします。  今後とも、これらの賞の募集、贈呈を通して、家持の秀歌と、その背景となった本県の魅力を発信してまいりたいと考えております。  次に、万葉集にスポットを当てた新たな賞に関する御提案についてお答えをいたします。  今ほど申し上げましたとおり、大伴家持文学賞については、世界のすぐれた詩人の業績を顕彰することにより、世界へ本県や越中万葉の魅力を発信すること。高志の国詩歌賞については、本県ゆかりの方による作品や、本県を題材とした作品の作者を今後の活躍を期待して表彰することとしており、両賞ともに来年度の第2回贈呈式に向け、早ければ来月から公募を開始する予定としております。  議員から御提案のありました万葉集にスポットを当てた新しい賞の創設につきましては、これら2つの文学賞が大伴家持生誕1300年記念事業として創設されており、大伴家持にちなみながら、まさに万葉集のすばらしさを発信することを目的としていることから、まずはこの2つの賞の継続、定着に努めてまいりたいと考えております。  なお、高志の国文学館では、平成25年度から、本県の文学、歴史、民俗など、ふるさと富山の調査研究の裾野を広げるため、富山県内で調査研究を行う個人、グループに対して奨励金を交付する高志プロジェクト事業を実施しております。平成28年度からは大伴家持の研究に関する枠も設けまして、万葉集に関する調査研究も支援しているところでございます。  こうした研究支援事業や、2つの文学賞の継続を通して、万葉集ゆかりの地としての本県の魅力を国内外に発信してまいりたいと考えております。  最後に、環境の美化等についてお答えをいたします。  10月に開催される世界で最も美しい湾クラブ世界総会では、世界各地からの来県者を美しい富山湾でお迎えしたいと考えており、県民一丸となって清掃美化活動に取り組むこととしております。  県では従来から、市町村や県環境保健衛生連合会などと連携して、「みんなできれいにせんまいけ大作戦」と銘打ち、6月から9月に沿岸市町を含む県内全域において、多くの県民の御参加をいただき清掃美化活動を展開しております。本年度は特に、湾クラブ世界総会の直前に重ねて、「湾クラブ世界総会へ」海岸一斉清掃と銘打ち、総会関係者の視察先やイベント会場である雨晴海岸、海王丸パーク周辺、ヒスイ海岸の3カ所で重点的な海岸清掃を実施することとしております。  また、民間団体「美しい富山湾クラブ」では、市町村で実施される海岸清掃の際に、海岸線で手をつなぐ富山湾ウェーブを実施し、海岸美化の機運醸成に御協力いただいており、ありがたく思っております。  なお、議員御懸念の大雨や台風の影響により、一度に大量の海岸漂着物の処理が必要となった場合には、県が災害関連事業として直接対応することになっており、このような場合には速やかに回収処理を行ってまいります。  以上でございます。 33 ◯議長(中川忠昭君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 34 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)最後に、クルーズ船の誘致活動、また周遊性を高める観光ルートの整備についての2つの御質問にお答えします。  まず、クルーズ船につきましては、本県の観光振興や地域活性化、そうした面で大きな効果が期待できますことから、県では、これまでも知事初め、県庁職員が国内外の船会社を訪問し、本県の多彩な観光資源などをPRしてきましたほか、船会社等の招請など積極的に誘致の取り組みを行ってきたところでございます。  昨年度からは、伏木富山港を発着するクルーズを誘致するための補助制度の創設や、議員から御紹介ありましたとおり、クルーズ誘致等コーディネーターやクルーズ客船誘致セールス専門員の配置による国内外の船会社に対するセールスの強化を図ってきております。  具体的には、本年4月、アメリカのフロリダ州マイアミで開催されました世界最大級のクルーズ見本市への出展、6月の中国・上海の船会社への訪問、4月から5月にかけまして、国内の船会社や旅行会社訪問によるセールス活動を実施してきております。  こうした取り組みの結果、来年度にはダイヤモンド・プリンセスの3年ぶり4回目の寄港が決定したところでございます。  また、今年度からは、新たな取り組みとして、伏木富山港への寄港に合わせ、県内観光列車を活用したオプショナルツアーの造成の支援、台湾やクルーズ旅行を楽しむ人口比率が世界で最も高いクルーズ大国であります豪州などの新規セールス市場の開拓、また、地元市が行います乗船客向けのおもてなし歓迎行事への支援対象事業の拡充などに取り組んでいるところでございます。  また、国内外の船会社や旅行会社へのセールス活動では、クルーズ乗船客の満足度向上を図っていくため、例えば本年4月から運行開始されました観光列車「一万三千尺物語」などの新しい観光コンテンツや、例えば寺院での茶道体験、八尾おわら、城端麦屋節などの伝統行事、祭事イベントのクルーズ船の寄港に合わせた実施、能作のすず製品の加工体験、八尾和紙の紙すき体験などの乗船客向けの特別なおもてなし体験などの体験型観光の企画を積極的に提案してきているところでございます。  県としては、引き続き地元市と連携を図り、クルーズ船の寄港増加に向け、今後とも粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。  次に、周遊を高めた観光ルートの整備につきましては、議員御指摘のとおり、高岡市には魅力ある観光スポットが数多く点在しており、旅行商品等の造成を通じ、こうした観光地を周遊する観光ルートを整備することは、誘客を図る上で有意義であると考えております。  このため、県では、これまでも県の観光公式サイトとやま観光ナビや、市町村との新旅行造成タイアップ事業、富山湾の魅力を紹介しますパンフレット等におきまして、雨晴海岸と勝興寺などをめぐるモデルコースや岩崎ノ鼻灯台と道の駅雨晴、瑞龍寺などの周遊すべきお勧めスポットをあわせて掲載し、県内を周遊、体験する観光コースを紹介してきております。  さらに、県では、観光資源重点磨き上げ支援プロジェクトとして、とやま観光推進機構や市町村等と連携し、意欲ある市町村等の新たな旅行商品造成などをこれまでも支援してきておりますことから、市町村などにおかれましては、こうした制度の活用を一層していただきたいと考えております。  今後とも、市町村や関係事業者と連携し、周遊性を高める旅行商品の開発や造成を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 35 ◯議長(中川忠昭君)以上で針山健史君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時07分休憩      ─────────────────────  午後1時05分開議 36 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 37 ◯9番(種部恭子君)自由民主党新人の種部恭子です。  私からもまず、昨日の山形県沖で発生した地震で被災された皆様にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。  令和最初の議会で質問の機会をいただきました先輩の議員の皆様、そして同期の議員の皆様にまずは御礼を申し上げます。  私は産婦人科医として仕事をしてまいりましたが、医療で救えなかった命を守るために、この場に参りました。手術と同じように、真剣勝負で取り組みたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  昨今の虐待による死亡事件を受け、児童虐待防止法等の改正法案が今国会に提出されました。本日可決の見込みと聞いております。  しかし、残念ながら、法案成立を待たずに深刻な虐待事案が繰り返し起こっております。  暴力、とりわけ子供虐待、そして貧困は世代を超えて連鎖し、そのアウトカムとしては精神疾患、不登校、ひきこもり、薬物依存、若年出産、梅毒、自殺、犯罪など、大変社会で大きな問題となっているものの増加につながります。  大人の支援には大きなコストがかかり、効果も薄いですが、子供へのアプローチは最も費用対効果が大きいという、大規模研究でのエビデンスがございます。  子供への暴力の防止は待ったなしの状況ですので、本日は、虐待と、その1つ手前の予期せぬ出産に絞って、質問をさせていただきます。  まず初めに、子どもへの性暴力・性虐待への対応について御質問をさせていただきます。  昨年の刑法改正で監護者性交等罪が新設され、性虐待において、初めて加害者を罰するということができる法律ができました。  改正前、性虐待は児童福祉法の適用により、被害者である子供が児童相談所に保護され、友達との生活を失い、大好きなお母さんと離れて児童養護施設で暮らすという、納得のいかない処遇に至っておりました。  刑法の改正により、加害者を罰し、被害者の生活を守るという、当たり前のことができるようになりました。  しかし、報道されておりますとおり、性虐待、性暴力事件で不起訴や無罪の判決が続いております。国民にとっては納得のいかない事実だと思います。  被害者の人権を守り、加害者を罰するという当たり前の結果に至るためには、捜査の段階での適切な事情聴取や証拠保全が必要です。  しかし、女性と子供の支援の現場にかかわってきた者の一人として、急性期の慌ただしい状況の中で円滑な連携をとり、100点と言える対応をとるということは非常に難しいと感じてまいりました。  監護者性交等罪の成立要件を立証するには、被害を受けたお子さんからお話を聞き、被害を客観的に裏づける外傷などの医学的な診断を行い、そして、加害者の特定につながるDNAなどの証拠保全が必要です。  子供の供述は誘導されやすいため、繰り返し聞き取りを行う、何度も聞くと、最初の供述とずれてしまうということがよくあります。一貫性がない、信頼性がないと判断されると、嫌疑不十分という形で不起訴になってしまいます。  また、思い出したくないことを何度もお子さんに話していただくというのは、心理的な負担が多大です。  したがって、警察、検察、児童相談所による協同面接で、最初に1回に集約して聴取を行うというのが基本だと考えます。  児童虐待事案については、協同面接の実施とさらなる連携強化を推進するよう、平成30年7月に警察庁、法務省、厚労省からそれぞれ通達が出されております。  一方、裏づけとなる外傷などの医学的な所見や加害者のDNAを含む遺留物は、被害から時間がたつと失われてしまいます。ですから、速やかに証拠保全を行う必要があります。  この場合、先に協同面接が行われていれば、その情報をもとに加害者がどこをさわったのか、その場所を特定してDNAをとるということになり、聞き取りは1回で済みます。  しかし、協同面接までに時間がかかると、DNAをとるのが遅くなってしまい、証拠が失われてしまいます。  逆に、協同面接までに時間がかかるからという理由で、先にDNAの採取を行うと、そのときにどこをさわられたのですか、どういう状況だったのですかと、協同面接より前に事情を聞かなければいけなくなり、繰り返し思い出したくないことを話させるという、重大な二次被害を子供に与えてしまいます。そして、後の協同面接の信頼性も失われます。  これまでも、県内の性虐待、子供への性犯罪で協同面接が実施されていると思いますが、被害が認知されてからどのぐらいの時間で協同面接が実施されているでしょうか。  答弁の悪用があっては困るので、正確な時間はお答えいただかなくて結構ですが、繰り返しの聴取を避け、DNA資料や外傷が残されているうちに速やかに医学的評価を行うために、適切な順番で協同面接が実施されているでしょうか。山田警察本部長に現状と課題についてお伺いをいたします。  次に、協同面接の質についてお伺いいたします。  誘導のない信頼性の高い聴取方法で、抜けのない協同面接ができていれば、繰り返し聴取による二次被害を避けることができます。そのためには、十分なトレーニングを積むことや、事前の打ち合わせが必要です。  警察官等の面接実施者に対して、バイアスや二次被害のない聴取を行うために、トレーニングは行われているでしょうか。録音・録画のレビューで面接官の質問が適正かどうかを検証するなど、被害者面接の質の向上への取り組みについて、山田警察本部長にお伺いいたします。  協同面接でのバイアスを防止する意味も含め、子供から最初に被害を打ち明けられる立場にあり、ファーストラインでの対応者になり得る保育士、教員、児童相談所の職員等は、全員、性虐待は刑事事件としての初動が求められるという共通認識が必要です。最初に子供から被害の開示を受ける立場にある者に対して、重複聴取を避けて、適切に初動対応していただくための取り組みは行われているでしょうか。市村厚生部長にお伺いいたします。  性暴力は、被害者の大多数が女性です。被害者に寄り添い、被害者の望む性別の警察官を指定できるよう、所轄警察署が女性警察官を24時間確保していると聞いています。  先日、新人議員の視察において、富山中央警察署を視察させていただきました。警察官の方々は、少ない人数で多くの事件に対応されていました。  さらに、富山県の女性警察官は現在約9%しかおらず、小さな警察署であれば、到底女性警察官に待機をしていただくということには困難があると思われます。  警察官の働き方改革も必要であり、小さな所轄警察署での性犯罪被害者のための待機や夜間対応などは、女性警察官への負担が大きいのではないかと思います。現状はいかがでしょうか。山田警察本部長にお伺いいたします。  性犯罪・性虐待については、捜査に専門的な知識と技術が必要です。所轄警察署ではなく、富山県警に専門的な対応ができる体制を集約し、性犯罪捜査指導官を含む専門チームで捜査に当たるという方法をとったほうが、児相や検察との連携もとりやすく、所轄の負担も少なくなるのではないかと思います。  富山県警には、少年女性安全課が立ち上げられ、子供や女性の人身安全関連事案を専門に扱っているとお聞きしております。この取り組みは大変効率的なやり方であると思います。  同様に、性暴力・性虐待についても、所轄ではなく、県警に機能を集約し、中心的に捜査を行うという体制をとったほうが、さきに述べた協同面接の実施や質の向上を図りつつ、働き方改革も含めて所轄の負担を減らすことができるのではないかと考えます。山田警察本部長の所見をお伺いいたします。  次に、子供虐待対応にかかわる関係機関の連携について質問をさせていただきます。  つい先日も、札幌市で子供の緊急保護において48時間ルールがうまく運用されずに、小さな命が失われました。過去に何度も虐待対応機関の連携強化に関する御答弁をいただいておりますし、一昨日の瘧師議員の御質問に対して、知事の御答弁で有識者会議を設置するということでしたので、大変期待しております。  しかし、現場で実効性のある連携がとられなければ、同様な事件が起こる可能性は否定できません。  子供にかかわる関係機関が情報を共有する場として、市町村には要対協──要保護児童対策地域協議会を設置していますが、形式的な要対協ではなく、気になるケースについて、フットワークよくケース会議が開催されているかどうかというのが、実効性の評価のポイントだと考えております。  緊急性や重症度の温度も含めて情報共有し、包括的なアセスメントシートを書く、そのためには各市町村の要対協でケース会議が形ばかりではなく、実効性を持って開催されているかどうか、市村厚生部長にお伺いいたします。  野田市の事件がそうであったように、DVはそれ自体が面前DVという虐待であり、また、身体的虐待やネグレクトのハイリスクです。DV被害者はマインドコントロールされているため、簡単には逃げる決断ができません。配暴センター──配偶者暴力相談支援センターの相談につながっても自宅にとどまるという場合が多く、暴力を見聞きしている子供への影響ははかり知れません。  母子ともに学校や保育所や地域などによる見守りが必要です。  子供の保護とDV対応は視点が異なります。  しかし、現在、要対協にはDVの特性をよく理解している女性相談センター、配暴センターがメンバーに入っていません。配暴センターから児童相談所を通じて要対協にケースを上げれば、守秘義務が解除されますので、学校や地域での見守りができるようになります。
     しかし、DVという切り口から見た緊急性、重症度や子供への支援の必要性について、その温度が伝わりにくいと思います。  要対協は市町村の事業ですが、その運用については、県の機関である児相が支援をする立場にあります。要対協に女性相談センター、配暴センターを加えるように、市町村に働きかける必要があると考えますが、市村厚生部長の所見をお伺いいたします。  DV被害者には20から40代で子供を持つ女性が多く、お母さんが子供を連れて逃げる際に、子供が中学生以上の男の子であった場合、配暴センターの一時保護施設には中学生以上の男の子が一緒に入ることができません。逃げた後こそ、中学生の男の子であっても大変不安であると思います。子供には手厚いケアが必要であり、そこで母子を分離するということはあってはいけないと思います。  また、DVを見て育った子供のケアとDV被害を受けているお母さんのケアは、同時に、しかしそれぞれ専門性のある視点で行う必要があります。  富山県の児相職員は57名、女性相談センターの職員は6名、この人数でお母さんにも子供のケアにも24時間同時対応するというのは困難だと考えます。  これまでも連携強化はされてきていると思いますし、知事には心理士等専門職を増員していただいています。有識者会議の設置など、対策を講じていただいておりますが、実効性を上げ、スケールメリットにより支援員の負担を減らすためにも、また、緊急保護時に母子分離をしないためにも、配暴センターと児童相談所は一時保護も含めて同じ施設、同じ屋根の下、同じ組織の中にあるべきと考えます。  現在、同じ建物、同じ組織に児相機能と配暴センターの機能を統合し、子供家庭支援センターの形で設置している都道府県が15府県ございます。支援員にかかる多大な負担が質の低下につながらないよう、シナジーを生む意味でも、本県でも児相機能と配暴センター機能を統合し、子供家庭支援センターとすることを考える時期に来ていると考えます。いかがでしょうか。石井知事の所見をお伺いいたします。  最後に、妊娠退学と予期せぬ出産の予防についてお伺いいたします。  厚労省の虐待死亡事例の検証報告によりますと、虐待死で最も多い出生ゼロ日目の死亡、すなわち、出産直後に新生児を遺棄するという事例はこの14年間で134例あります。うち、10代の女性によるものが27%、20代前半を合わせますと約半数になります。  全てが予期せぬ出産であり、どこにも助けを求めず、医療機関以外、つまり自宅等で出産しているということが報告されております。中には、中学や高校在学中の出産もあり、一日も早く相談につながるよう、手を差し伸べる必要があると思います。  また、10代で出産を選択した場合、貧困や養育困難に陥りやすいことから、出産を選択する女性こそ高校卒業資格が必要と考えます。  高校在学中の妊娠事例について、平成29年に文科省が全国調査を行っており、通学継続を希望していたのに学校から退学を勧められ、自主退学に至った事例が2年間で18例ございました。本県の公立高校において把握された妊娠は6例で、妊娠を理由とした退学はないと伺っています。  しかし、この調査とほぼ同時期の2年間に、県内で高校在学年齢と思われる16~17歳の妊娠は合計71例ございました。うち、16例は出産に至っています。相談に至らなかったもの、時には妊娠を告げずに退学したものが潜在している可能性があると考えます。  文科省は、妊娠した生徒に対して、転学など学業を継続するという選択肢について提示するよう、平成30年に通達を出しました。  この調査及び文科省通達を受け、妊娠した生徒に対する対応についてどのような姿勢で臨むのか、本県での対応について伍嶋教育長に伺います。  中学生、高校生については、妊娠した場合に、学校や保護者に知られることを極度に恐れています。  子供たちはふだん、生徒手帳や校則にまず目を通すことはありません。しかし、学校の処遇について心配になったときだけは校則を見ます。不登校で残り何日休むと退学になるのか、そんなときだけ校則を見ると考えます。  妊娠して病院に来る子供たちの多くは、学校には言わないで、親にも言わないでと訴えますし、妊娠がばれたら退学になるから先に学校をやめてきたといった若年妊娠の例を、私も経験いたしました。  そこで、県立学校の校則を全て読みました。全て集めてくださった職員の方々に感謝を申し上げます。  妊娠による懲戒を明記した校則はもちろんありませんでしたが、支援学校も含めた56校中9校の校則に「性行不良で改善の見込みがない者については退学を含む懲戒を行う」と書いてありました。性行というのは、性格と行いという意味だそうですが、高校生の目線でこの言葉を眺めた場合に、その意図が伝わるかどうかは疑問があります。  石井知事のように、頭脳明晰で品行方正でスポーツ万能で文学の素養もある、そんな高校生ばっかりだったら全然問題ないと思うんですけれども、私が経験したケースはとてもそのような子供ではありませんでして、この言葉を見て、妊娠イコール退学と決めつけてしまい、自主退学を選択したものと推察されました。  性の問題は、被虐待経験や貧困などを背景に起こります。ペナルティーではなくて、こういう子供にこそ支援が必要です。次世代に貧困を連鎖させないために教育も必要であり、妊娠退学を防ぎ、社会とつなげておくことが必要と考えます。妊娠した高校生に転学などの選択肢を示すためには、まずは、追い詰められた子供たちがペナルティーなく相談できる体制や、受容的な姿勢が示されている必要があります。学校は最後のゲートキーパーであると思いますので、校則の見直しを含め、相談体制とその周知についてどのように取り組まれていくのか、伍嶋教育長にお伺いいたします。  今月、オンライン診療に関する検討会が国で開催されました。緊急避妊薬がオンライン診療での処方対象になるという見込みになりました。  予期せぬ妊娠を防ぐために大変有効な手段ではありますが、検討会では、オンライン診療に先立ち、性教育を充実させるべきであるということが報告書に付記されました。  本県における平成29年度の10代の人工妊娠中絶は83件、20代前半も含めると306件の中絶になります。緊急避妊薬に関する知識とアクセスの改善、それによってその9割は減らすことができます。  高等学校の学習指導要領あるいは教科書に緊急避妊法は取り上げられていないと認識しておりますが、学習指導要領は最低限の教育レベルを示すものであり、教育に独自の工夫を行う余地はあると考えます。  ただ、高校生に緊急避妊法だけを教えても、よい教育には決してなりません。  ユネスコは2009年に、予期せぬ妊娠や性感染症を防ぐために、エビデンスのある包括的性教育の国際ガイダンスを作成して公表しました。ヨーロッパを中心に、包括的性教育は現在法定化されてきています。東京都も、レベルはかなり違いますが、昨年、性教育の手引を作成し、計画的な性教育を行うということを明示しております。  予期せぬ妊娠を防ぎ、望んだ時期に安全に出産をしていただくために、思春期を迎える小学校高学年から高校3年生までの間に、発達段階に応じた到達目標を設け、エビデンスのある包括的な性教育を計画的に進めることが効果的と考えます。  石井知事に所見をお伺いして、質問を終わります。  どうも御清聴いただきまして、ありがとうございました。 38 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 39 ◯知事(石井隆一君)種部議員の御質問にお答えをいたします。  まず、児童相談所と女性相談センターについての御質問であります。  児童相談所と女性相談センターには、それぞれの機能、役割がありますけれども、児童虐待とDVが重複して発生する案件もありますので、お話しのとおり、連携して対応することが必要だと思っておりまして、平成29年度に両者が連携して対応した事案は12件あったとの報告をいただいております。  他の自治体では、児童虐待とDVが相互に重複した痛ましい事件が起きておりますので、両施設の連携の強化を図る必要があることはもちろんだと思いますが、議員御提案の両施設の統合につきましては、このことは釈迦に説法みたいな話になりますが、1つは児童相談所は親への指導や親子再統合に向けた支援を行うということが中心的な仕事で、女性相談センター、特に配偶者暴力相談支援センターは、被害者保護や自立を支援するという役割が重要であるといったこと。そういうことのために、児童相談所の一時保護所は自由な環境の中で子供を落ちつかせるため、できるだけ開放的であることが望ましい。  一方で、女性相談センターの一時保護機能は、外部との連絡を制約する必要がある。これは、女性相談センターは御存じかと思いますが、平成20年12月に業務を開始したんですけれども、私がちょうど知事に就任させていただいたころに、それまでの女性相談センターが大変老朽化しておりまして、何とか移転改築してほしいということを、こうしたDV被害者になっている女性の方々を何とか保護したいという熱意を持って活動されている女性の方々から、大変御熱心な御意見をいただいたわけであります。  その際に一番強調されたことは、加害者がまた押しかけてきて、取り戻しに来ると、それを何とか防ぐような手だてを講じてほしいと。ただ施設を新しくするだけじゃなく。  そこでいろいろ考えまして、もちろん関係方面とも御相談した上でですけれども、今の富山西署の隣に立地するということにしたわけで、その後、聞いている範囲では、そうした押しかけてきて取り戻すといったような行動に対しては、相当な抑止力が今あるんだというふうにも伺っているわけでございます。  そういう意味で、児童相談所と女性相談センターの機能はかなり違いもあるということ。  それからもう一つは、現実の問題として、児童相談所は今富山市と高岡市の2カ所設置して、所管地域を分けておりますのに対して、女性相談センターは御承知のとおり、富山市の婦中に1カ所だけあって、県内全部を管轄している、こんなようなこともございます。  そこで、そうしたことをよくよく考えて、今後どうしたらいいのかというのを慎重に考えていく必要があるんじゃないかと思います。  いずれにしましても、議員の御指摘のとおり、児童相談所と女性相談センターとの連携はもちろん必要なことだと思いますので、今後、8月ごろに開催したいと思っております児童虐待に関する検討委員会におきましては、児童相談所の体制強化や関係機関との連携についても検討しておりますので、今御指摘のようなDVも含む児童虐待の現状や他県の連携の状況なども踏まえまして、また、できれば全国的なことにも通じていらっしゃる有識者からの御意見も伺って、本県の実情に沿ったさらなる連携強化のあり方、また施策の充実について検討してまいりたいと思っております。  次に、予期せぬ出産の予防についての御質問にお答えをいたします。  学校における性に関する指導は、児童生徒の発達段階に応じまして、学習指導要領に基づいて、保健体育科の授業はもちろんですけれども、道徳や特別活動等を中心に、学校の教育活動全体を通じて行われております。  具体的には、小学校4年の体育の授業では、思春期の心や体の変化は誰にでも起こる、大人に近づく現象であること。また、中学1年の保健体育の授業では、男女の生殖機能の発達について学び、異性には適切な配慮が必要となること。また、高校1年と2年の保健体育の授業では、受精、妊娠、出産と、それに伴う健康問題等について指導をいたしております。  このほか、保健体育の教科以外でも、道徳や家庭とか理科等々で指導をしているということでございます。  このほか、教科書による学習だけではなくて、児童生徒が命の大切さや将来の人生設計などを考える参考としますために、妊娠、出産に適した年齢があることなどを伝える産婦人科の医師や助産師の方などによる特別授業、これはたしか種部議員も高岡西高校などで講師を務めていらしたと伺っておりますけれども、また、出産や育児の体験談をお伺いしますとともに、乳幼児と直接触れ合うなどの取り組みも実施いたしております。  ユネスコの性教育の指針では、年齢に応じて学ぶべき内容が示されておりまして、私も改めて拝見しましたけれども、5歳から18歳を4段階に分けて内容が示されておりまして、学習指導要領に比べますと、相当早い幼少期から正しい知識を教えることを推奨いたしております。  学習指導要領では、発達段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することが必要だと記載されていますので、この指針に基づく指導を行う場合には、現行の学習指導要領に示されていない内容を含むことになりますから、学級や学年単位で一律に指導することは難しい面があるとも伺っておりますけれども、しかしながら、議員の御指摘のとおり、予期せぬ妊娠を防ぎ、望んだ時期に出産するための適切な指導を行うことは必要ではないかと考えられますので、その際には、生徒によっては同年齢でもさまざまな発達段階にあること、学習指導要領に示されていない事項を加えて指導することになりますので、生徒の負担過重になったりしないように配慮するとともに、保護者の理解を十分に得た上で、性に関する指導の充実に努めていくことが大切ではないかと思っております。  また、全国都道府県主管課長協議会では、文部科学省が平成11年に策定した性教育の手引につきまして、児童生徒の性に関する問題行動や性感染症の増加などの現代的な課題を踏まえて、適切に改訂がなされるように要望されていると伺っております。  まずは国において、現場の実態も含めて、指導内容について到達目標を含めてしっかりと検討していただきたい。厚生労働省のオンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会においても、本県や東京都が実施している産婦人科医等の学校への派遣を紹介して、これを文部科学省とも連携して全国に普及していきたいといった提案もあるとのことですから、富山県は比較的こうしたことに熱心に取り組んでいるほうではないかと思いますが、さらに国での検討もしっかり見守り、同時に、今、議員からもいろいろな御提案をいただきましたので、どんな対応が可能なのか、これは県教委でも十分勉強していただいて、検討してまいりたいと思っております。 40 ◯副議長(筱岡貞郎君)山田警察本部長。    〔警察本部長山田知裕君登壇〕 41 ◯警察本部長(山田知裕君)まず、関係機関の代表者による聴取、協同面接の現状等に関する御質問にお答え申し上げます。  性暴力や性的虐待を受けた児童から、警察や検察、児童相談所が繰り返し重複して事情聴取を行った場合、児童に過度な心身の負担を与えるほか、誘導や暗示の影響を受けやすい児童の特性により、供述の信用性に疑義が生じるおそれがあるところであります。  このため、警察、検察、児童相談所が協議の上、その代表者による聴取を実施し、児童の負担軽減等に努めているところであります。  一方、検察及び児童相談所と連携する場合におきましても、再被害の防止ですとか、被疑者の逃走防止、証拠の保全を図るため早急な対応が求められる場合には、協議の開始や進展にかかわらず、個別事案の状況に応じて早期に捜査を実施しなくてはならない場合もあるところでございます。  なお、事案を認知してから、代表者による聴取を行うまでに要する時間ですとか、捜査項目の実施の順番などにつきましては、個別具体的な事例によりますので、一概には申し上げることはできず、また、個々の捜査手法に関することにもなり得るということでありますので、申しわけありませんが、お答えは差し控えますが、県警察といたしましては、重複聴取を回避することは極めて重要であると認識しております。検察及び児童相談所と連携を図り、代表者による聴取等を初め、捜査が適切に行われるよう、努めてまいりたいと考えております。  次に、被害者面接の質の向上についてお答えを申し上げます。  県警察では、被害児童への適切な対応や二次被害の防止に資するため、性暴力や性的虐待事案の対応に当たることの多い刑事、生活安全部門の警察官、警察職員を対象とした部内の研修会や部外の講習会への参加等を通じまして、被害児童からの適切な聴取方法の習得に努めているところでございます。  具体的には、昨年12月、県が主催した司法面接講習会において、低年齢児童の面接技法に関する講義の受講やロールプレイへの参加等をしております。また、昨年の11月、県警本部に検察庁、児童相談所、市町村の担当者らが一堂に会し開催した児童虐待関係機関合同研修会において、検察官から代表者による聴取の具体的実施要領について講義を受けるとともに、参加機関との意見交換を行うなどしております。  このほか、部内の研修会におきましては、客観的聴取技法についてのDVDの視聴や、代表者による聴取に関する講義の実施、執務資料の配付など、被害児童からの聴取要領や留意点について広く周知を図っているところでございます。  県警察といたしましては、引き続き効果的な研修等の実施に努めるとともに、関係機関を交えた勉強会を開催するなど、聴取方法等に関する、より実践的な知識技能の習得と関係機関との認識の共有、連携のさらなる強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、女性警察官の採用や配置についてお答えをいたします。  県警察では、平成28年3月に策定いたしました富山県警察全職員の働き方改革と女性活躍等の推進に関する計画、これに基づきまして、令和2年4月1日までに女性警察官比率を10%とすることとしておりまして、本年4月1日現在で186人、全体に占める割合は定員の9.4%となっているところであります。  近年、女性が被害者となる性犯罪や配偶者からの暴力事案の捜査、被害者支援など、女性警察官が担うことが適切であると考えられる職域が拡大しておりまして、このような警察活動に女性警察職員が従事できるような体制をつくることは極めて重要であるというふうに考えております。  女性警察官の配置につきましては、現在全ての部門及び警察署に配置しておりますが、特に性犯罪につきましては、犯罪行為のみならず、捜査などの過程においても被害者に多大な精神的苦痛を与えるということから、よりきめ細かな支援を行うため、適性を有する女性警察官50名を性犯罪捜査員として指定いたしまして、性犯罪被害者への適切な対応に努めているところでございます。  次に、捜査体制に関してお答えを申し上げます。  性犯罪や性的虐待の捜査では、被害者の心情や児童の特性等に配意した対応が必要となるところであります。  県警察では、性犯罪に係る捜査を適正に行うという観点から、警察本部の刑事部捜査第一課に専門的知識を有する幹部警察官を性犯罪捜査指導官として配置いたしまして、犯罪を認知した段階から警察署に対する具体的な指導等を行っているところであります。  さらに平成8年から、適性を有する女性警察官を、先ほどお答えいたしました性犯罪捜査員に指定をいたしまして、性犯罪捜査の適正な遂行のため継続的な研修を実施するなど、被害者の心情に配意した対応に努めております。  なお、御指摘の警察本部少年女性安全課では、子供が被害者となる犯罪等のいわゆる人身安全関連事案につきまして、24時間即応できる体制で対応しているほか、警察本部の警察相談課におきましては、公認心理師等の資格を有する職員を配置しておりまして、医療機関や事情聴取への付き添いなどの被害者支援活動も行うなど、関連部署が一体となって対応することとしております。  県警察といたしましては、今後とも本部各所属と警察署が緊密に連携するとともに、聴取技能の高度化を図るなどして、被害者の心情や児童の特性に配意した対応を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 42 ◯副議長(筱岡貞郎君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 43 ◯厚生部長(市村仁志君)最初に、虐待に対します初動対応についての御質問にお答えをいたします。  子供に対する性的虐待や性暴力被害は、子供が被害を曖昧にほのめかすだけであることが多いため、最も発見が難しい児童虐待の一つであり、対応者になり得る者があらかじめその特徴を踏まえ、重複聴取等により子供に過度な心身の負担を与えないよう、性的虐待が疑われる場合は、情報収集や確認をするより前に、直ちに児童相談所等の専門機関に連絡することが重要であると考えております。  このため、ふだん子供と接することが多い学校の教員に対しては、国が5月に作成をいたしました学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きについて周知をいたしますとともに、性暴力被害ワンストップ支援センターを運営しますNPO法人による性的虐待対応研修の受講を呼びかける等、性的虐待を受けた子供の対応について周知徹底をすることといたしております。  さらに、今年度は新たに児童虐待対応ハンドブックを作成することとしており、この中で性的虐待への対処についても盛り込んだ上で、学校や保育所、幼稚園等の職員向けの研修において、性的虐待を受けた子供への対応などについての共通理解を図ってまいりたいと考えております。  なお、性的虐待通告を受ける側の児童相談所職員に対しましては、児童福祉司任用後研修等を通じて、性的虐待に対する理解を深めますとともに、実際の通告対応に際しましては、子ども虐待対応の手引き等に基づき、子供の心理的苦痛や不安にも配慮しつつ、迅速な対応をとることとしており、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、要保護児童対策地域協議会についての御質問にお答えをいたします。  虐待を受けている子供を初め、要保護児童の早期発見や適切な保護のため、各関係機関が情報交換や支援の協議を行う場として、県内全市町村で要保護児童対策地域協議会が設置されております。市町村により多少異なりますが、会議は基本的に代表者会議、実務者会議、そして個別の支援が必要となっている児童について、直接かかわりのある関係機関の担当者によります個別ケース検討会議の三層構造で構成されておりまして、個別ケース検討会議では虐待事例の危険度、緊急度の判断や、各機関の役割分担、具体的な支援の内容等が検討されております。  県内市町村では、こうした個別ケース検討会議が、平成29年度のデータになりますが、合わせて313回開催されておりまして、要保護児童対策地域協議会に登録されておりますケース数が、これも平成30年4月時点になりますが、499件となっております。  県といたしましては、議員の御指摘のとおり、実効性のある個別ケース検討会議の開催は重要であると考えておりまして、要保護児童対策地域協議会の個別ケース検討会議に児童相談所職員も参加をし、援助方針等への助言を行っているほか、要保護児童対策地域協議会に配置されております調整担当者への研修や、協議会の構成員に対します専門性向上のための研修を行うなど、個別ケース検討会議が要保護児童への適切な援助につながり、実効性あるものとなるよう、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。  最後に、地域協議会に女性相談センターを加えることについての御質問にお答えをいたします。  国の要保護児童対策地域協議会設置運営指針では、要保護児童対策地域協議会の構成員として、配偶者暴力相談支援センター等、配偶者からの暴力に対応している機関が例示されております。  現在、女性相談センター、配偶者暴力相談支援センターでは、市町村要保護児童対策地域協議会の個別の事例に応じ、個別ケース検討会議に参加するなど、要保護児童対策地域協議会との情報共有や連携による支援を行ってきたところでございます。  国では、児童虐待とDVが相互に重複して発生している案件もあることを踏まえまして、配偶者暴力相談支援センターと児童相談所等がDV対策協議会や要保護児童対策地域協議会を活用するなどして、その他の関係機関も含め、相互の連携協力をさらに強化をし、個々の事案についてそれぞれの立場で考え得る対応を積極的に共有し、適切に対応することとされております。  県としましては、こうしたことも踏まえ、市町村には児童虐待とともにDVが疑われる事例については、女性相談センター、配偶者暴力相談支援センターの要保護児童対策地域協議会の参加を積極的に検討するよう、改めて周知を図り、今後とも関係機関の連携によりまして、児童虐待やDVへの適切な対応に万全を期してまいりたいと考えております。  以上でございます。 44 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 45 ◯教育長(伍嶋二美男君)生徒の妊娠に関する御質問にお答えをいたします。  議員からお話しのありました、平成30年の文部科学省の通知には、妊娠した生徒の学業の継続に向けた考え方として、生徒が妊娠した場合には、母体の保護を最優先としつつ、関係者間で十分に話し合い、教育上必要な配慮を行うこと、また、妊娠した生徒が退学を申し出た場合には、当該生徒や保護者の意思を十分確認することが大切であるとともに、退学以外に学業を継続するためのさまざまな方策があり得ることについて必要な情報提供を行うことが明記をされておりまして、県教育委員会では各高等学校に対しまして、本通知の趣旨を踏まえ、適切な対応をとるよう通知をしております。  また、県教育委員会では、妊娠の事実を学校が把握した場合に、当該生徒や保護者からの悩みに対応できるよう、学校からの要請を受けまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家を派遣するなど、学校や関係機関と十分に連携し、きめ細かな相談体制を整えております。  その上で、妊娠した生徒や保護者が在籍校で引き続き学業の継続を希望する場合には、体育実技等の身体活動を伴う、こうした教育活動は母体に影響を与えることのないよう、例えば課題レポートなどの提出で代替したり、あるいは体調不良により欠席した場合には補習を実施したりするなどの対応をしております。  また、卒業や進級が困難であることを理由といたしまして、退学の申し出があった場合には、退学以外に休学や、あるいは多様な学びができる定時制、または通信制への転学や、あるいは高等学校の卒業程度認定試験など、さまざまな方策があることを伝えまして、学業を継続できるよう助言をしております。
     さらに、就労や将来の求職活動についての希望があった場合には、地域若者サポートステーションなどの就労支援機関があることなど、生徒の進路に応じた必要な情報を提供しているところであります。  県教育委員会では、今後とも、生徒が妊娠した事実を学校が把握した場合には、当該学校と連携しながら、妊娠した生徒とその保護者の意向を尊重しつつ、母体の保護を最優先として教育上必要な配慮を行うなど、きめ細かく対応するよう努めてまいります。  最後に、妊娠に対する相談体制に関する御質問にお答えをいたします。  高校生が妊娠した事実を学校が把握した場合には、まずは不安を抱いている生徒の心情に寄り添い、母体の保護を最優先として、当該生徒や保護者の意向を踏まえて、教育上の必要な配慮を行いながら対応しております。  具体的に言いますと、各学校では日ごろから生徒の様子をきめ細かく観察するとともに、例えば学期初めや面接週間、保護者会等の機会を捉えまして、生徒や保護者に対して、悩み事があれば、異性の学級担任には相談しにくい案件もあることから、担任に限らず、養護教諭やスクールカウンセラーなど、話しやすい人に相談するよう勧めるなど、生徒や保護者が相談しやすい体制づくりに努めております。  また、議員からお話しのあった、県立学校の9校の校則で懲戒処分ができる場合として定められております「性行不良で改善の見込みがない者」の性行不良の対象となる行為につきましては、これは学校教育法の中にも「性行不良」という文言が使われておりますけれども、1つには、他の児童生徒に傷害、心身の苦痛または財産上の損失を与える行為や、あるいは職員に傷害、または心身の苦痛を与える行為の意味で使われているものであります。  御紹介のありました9校以外では、今御紹介した表現でもって表記が校則においてなされております。  校則の内容は、各学校が教育目標を実現していく上で、生徒が守るべき学習上、生活上の規範として定められており、議員からお話しのあったように、正確に理解されることが何よりも大切であるというふうに考えておりまして、毎年生徒と保護者に対しまして、合格者の説明会や、あるいは入学式等の機会を捉えて、その趣旨や生徒への懲戒の基準等につきまして説明をしております。  校則の取り扱いについては、より効果的な運用の観点から、必要な場合には、その見直しについて適宜検討することとされておりまして、県教育委員会としては、学校と連携を図りながら、生徒が妊娠した場合の取り扱いについて、必要に応じて保護者の理解を得ながら、校則の見直しを含めて、教育相談体制の整備充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 46 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で種部恭子君の質問は終了しました。 47 ◯副議長(筱岡貞郎君)澤崎豊君。    〔1番澤崎 豊君登壇〕 48 ◯1番(澤崎 豊君)まず冒頭に、私も昨日起こりました地震で被災に遭われました方のお見舞いを心よりお見舞い申し上げるものであります。  そして、一日も早い日常に戻られますよう、心よりお祈り申し上げております。  私も、きのうはぐらっときた瞬間から、もう既にパジャマを着ておりましたけれども、作業着に着がえて何かあったときの備えをしっかりさせていただいたわけでございます。そして、こういったものは続けて起こる可能性もありますので、きょうもしっかりと万難備えていきたいというふうに思っております。  それでは、申しおくれました。私は、このはえある県議会のこの演壇に初めて立たせていただき、まさに身の引き締まる思いをいたしておる無所属の澤崎豊でございます。  去る4月の県議会議員選挙において、魚津選挙区より選出いただきました。魚津におきましては、県議会の選挙、何と20年ぶりで市民にとって大変喜ばしいことでありました。  しかし、残念ながら、投票率は52%と甚だ低調でありました。この要因はさまざまなわけでありますが、これからはより政治に期待を持っていただけるよう、そして市民、県民の皆様にとって県議会がより身近なものになっていただけるよう努力を惜しまない所存であります。  県民の皆様の大きな声から小さな声までしっかり県政に届け、次世代とのかけ橋になることをかたくお約束し、ひたすら県勢発展のために頑張る所存であります。  政治家には先の見通し、そして先見性こそが何よりも大切であり、未開の土地、あるいは傾きかけている業界、企業に目配りをし、その将来の可能性を見越して政治が伴走する。そして、それを育て再生をさせるという仕事こそが政治の本分でなかろうかと私は思っておる次第でございます。周りがまだ気づかぬことの可能性をいち早く予知して先に手を打ってこそ、後でどうそしられようと、それこそがこの私を選んでくれた人達の負託に応えるものだと確信しております。  「自らかえりみてなおくんば千万人といえども吾ゆかん」、皆様方の御指導、そして御鞭撻をお願い申し上げます。  それでは、今回、質問の機会を与えてくださった魚津市民の皆様、そして議長を初め、先輩、同僚議員の皆様方に感謝申し上げ、質問に入らせていただきます。  まずは、次なる観光資源の構築についてお伺いいたします。  古事記に「大和は国のまほろばたたなづく青垣山ごもれる大和しうるはし」とあります。「まほろば」という美しい響きはすぐれたよいところ、国を意味するいにしえからの言葉であります。まさに我がふるさと富山のことであろうと思います。  そして、この富山で、世界で最も美しい湾クラブ世界総会が開催されるのは、まことに喜ばしい限りであります。これを契機に富山が環日本海における確固たる地位を確立してほしいと切に願い、期待しているところでもあります。  しかし、そのためには、この総会後に富山県として後世の人たちに美しいこの富山の何を残し、そして何をつくるのかが大きく問われていると考えております。  言葉を変えるとというか、一昨日、瀬川議員からもお話がありましたけれども、2020東京オリンピックでも話題になっている、まさにレガシーであります。参考になるのは2012年に開催されたロンドンオリンピック。貧民くつになっていたイーストロンドンをメーン会場に整備したのが高い評価を受けております。そこは産業革命来の旧工業地帯でしたので、大規模な土壌汚染対策をし、再開発をしたそうであります。  御存じのように、魚津の海岸沿いには日本カーバイド工業株式会社の10万坪、10万坪でございます。縦300メートル、幅1キロに及ぶ広大な工場敷地があります。隣接あるいは周辺には漁港、埋没林博物館、海の駅、そして少し離れますが歴史のある水族館などがあり、たてもん祭りや花火大会などの大きな行事も指呼の間、指呼の間であります。指呼の間で行われる最高のロケーションであります。  この日本カーバイド工業は、戦後の魚津の高度経済成長を牽引してきた企業と言って過言ではありません。しかし、現在は、多くの生産拠点、研究施設等が市外に移転し、残念ながら、残っている施設は少なくなっているのが実情であります。  しかし、この敷地をこのままにしておくのは、まさにもったいないことであります。むしろ、昭和、平成の時代、化学工場として操業されたこの地に創意と工夫を凝らし、国際的な観光拠点として次世代に引き渡すことこそが、令和の時代に生きる我々の使命でないかと思っております。  地勢学的に見ても、魚津は明治の時代、一時期、新川県の県庁が置かれた地でありますし、先ほど申しましたように海の関連施設、また何といっても歩いて富山県の三大繁華街の一つである飲食店街、そして国内有数の温泉も有することからも、国際観光拠点として絶好の地であると確信しておるところです。  そこで、魚津市にある日本カーバイド工業株式会社の工場敷地に国際的な観光拠点を整備してはどうかとの提案について、猪俣観光・交通振興局長の所見をお伺いいたします。  次に、先般、北日本新聞に出ておりました「剣岳謎のルートに迫る 山伏登った古道探索」という記事に目を引かれました。とりわけ、平安期の錫杖が剣岳の山頂にあったなどの話などは、歴史のロマンを感じさせるところでございます。富山県民にとって雄大な立山連峰は、本当に世界に誇れる自然であると同時に、歴史の物語を再認識するところであります。  県内にはほかに、私の地元の魚津にも山の古道と言われるものがあります。片貝川上流から奥山を越え鐘釣温泉までの道があり、別名湯かつぎの道などとも言われています。実際に、明治のころまで田植えが終わって野上りになると、食料を背負い黒部谷の鐘釣温泉に向かったとのことであります。黒部の澄んだ清流に耳を澄ましながら、疲れた体を岩風呂に沈めている気持ちは格別のものであったと思います。  病院や薬がない時代、先人が湯を求めて山越えをしていたというストーリーには考えさせられるものがあります。県内各地の古道と歴史ストーリーを組み合わせて、本県の観光資源として活用すべきと考えますが、これにつきましても、猪俣観光・交通振興局長の御所見をお伺いいたします。  次に、ものづくり産業への支援についてお伺いいたします。  この4月1日より、働き方改革の関連法が一部施行され、逐次、働き方改革が進むものと思います。これは、一部大企業の問題でなく、県内の中小企業の皆様にとっても大きな経営課題となっており、私の周りの経営者の方たちも不安を抱いております。労働時間の削減によって生産性が下がり、受注減につながるおそれがあるのでないかとのことであります。しかしながら、QOL、つまりクオリティー・オブ・ライフの向上が求められ、また、多様な働き方が必要とされていることを踏まえますと、長い目で見ると、徐々にこの働き方改革に対応していただけるものと願っております。  その一方、労働力を補うため、外国人の方を雇用するという方法があります。現在、県内の外国人材の多くは、実習を名目とした短期間雇用される技能実習生となっています。この背景には、県内の中小企業が外国人留学生等の情報を入手しづらく、外国人留学生等を日本人学生と同じように新卒者として正規採用し、長期間活躍する人材を確保することが困難であることがあると考えます。  そこで、人口減社会における労働力不足を多少なりとも解消し、国際競争力を高めるため、県内の中小企業が国内の外国人留学生だけでなく、海外の大学等に通う外国人学生も新卒者として正規採用できるよう、県として何らかの情報提供を行うなど、積極的に支援すべきだと考えますが、石井知事の御所見をお伺いいたします。  また、多くの中小零細企業にとって、生産性の向上、技術の向上を目指す上で、外部の講師を単独で招聘するのは難しいのが現実であります。県にはさまざまな支援制度がありますが、情報が十分に行き届いていないとの指摘もあり、業種に対応した、よりきめ細やかな県のサポートが必要であると感じております。  そこで、ものづくり県として、県内の中小零細企業の経営や技術力向上を支援するため、外部講師を派遣するなどサポート体制を強化、周知すべきではないかと考えますが、芝田商工労働部長の所見をお伺いいたします。  次に、移住・定住の促進についてお伺いいたします。  昨年度、県内への移住者905名と過去最高の人数となり、まことに喜ばしいことであり、この勢いを損なうことなく、本年度は目標の1,000名を目指して頑張りたいところであります。  移住者が伸びたのは、複合的に富山県が評価されていることであると思いますが、その要因の一つとして、富山くらし・しごと支援センターでの相談窓口対応が功を奏したことが挙げられると思います。本当に親身になり就労相談に乗るスタンスは頼もしい限りでもあります。首都圏には、有楽町、大手町と2カ所あります。有楽町オフィスと比べると、大手町オフィスには多少入りづらさがあります。また、利用者にとって、両オフィスの違いがわかりづらいとの声もあります。  そこで、有楽町や大手町、大阪、富山の各オフィスにおいて、それぞれどのような取り組みを行うのか、これまでの状況とあわせて、蔵堀総合政策局長の所見をお伺いいたします。  そして、都会から地方への移住のキーワードは多様性であります。ライフスタイルの変化を求めているとしても、その内容は自分探しであったり、通勤地獄からの解放であったり、子育ての環境であったり、まさに多様でありますが、農業に魅力を感じる方々も少なくありません。  しかし、農地を取得する際には、取得後の面積が原則として50アール以上となる必要があります。農業委員会の判断でこの面積要件を引き下げることはできますが、県内各市町村の農業委員会によって対応に若干のばらつきが見られます。  そこで、田舎暮らしや農ある暮らしを求める方々の県内への移住を促すため、住宅敷地と隣接農地が一体となった農地つき空き家を購入しやすくするよう、取得後の農地の下限面積の要件を緩和すべきと考えますが、河村農林水産部長の所見をお伺いします。  また、農ある暮らしを求める方々の移住を促すために、長野県では、平成28年2月に農地転用の面積要件を撤廃しておりますが、県外から移住を希望する方が農村地帯に住み、個人住宅を建設したいというニーズに対応するため、本県においても、現在、一般住宅で500平米以内、農家住宅で1,000平米以内となっている個人住宅の農地転用の面積要件を見直すべきと考えますが、これにつきましても、河村農林水産部長の所見をお伺いします。  さらに、関連いたしますが、農業振興地域整備計画変更事務手続、いわゆる農振除外の手続については、市町村と県との事前調整並びに事前協議に時間を要するために、スケジュールの予定が立たず、1年近くかかるケースも多く、土地の利活用あるいは不動産取引にも支障が出ております。申請者からは、何でこんなに時間がかかるのかと不満が噴出しているところであります。もちろん、むやみに優良な農地を転用することについては問題はありますが、県や市町村における事前調整等の手続の迅速化に取り組むべきと考えますが、これにつきましても河村農林水産部長の御答弁を求めます。  次に、安心・安全でやさしい街づくりの推進についてお伺いいたします。  まずは、農福連携についてです。  これは、障害者の方の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促すだけでなく、農家の働き手不足の解消にもつながる一石三鳥、四鳥の取り組みであり、私の地元でも後継者不足による空き農地が散見しており、農福連携は効果的な取り組みと考えるところです。また、加工品製造やレストランなどの経営など、6次産業化にもつながる可能性があります。  そこで、県として就労施設の農業分野への参入や、農家の後継者不足に悩む地域と福祉事業者とのマッチングを積極的に主導し、その取り組みに対して積極的に支援すべきだと考えますが、県内における農福連携の状況とあわせて、石井知事の所見をお伺いいたします。  ところで、現在、県内15市町村の社会福祉協議会ではケアネットチームをつくって、それぞれの地区において個別の見守り支援をされているところです。地域密着のすばらしい福祉推進事業であると思っておりますが、かくいう私も地元の社会福祉協議会の事務局長として、その活動の状況を見たり、福祉推進員の方のお話を聞いたり、御相談を受けたりするわけであります。  しかし、残念なことですが、先日はとても悲しいお話を聞きました。いわゆる、ひとり暮らしの方の孤独死であります。もともとは見守り対象者の方であったのですが、御本人の拒否により見守りから外れた方の事故であります。見守り対象者であった方から拒否された場合、それ以上寄り添うことは難しいわけでありますが、ひとり暮らしの方の孤独死など、重大な事故につながらないよう、できる限りの対応をすべきと考えますが、県としてどのように取り組むのか、市村厚生部長の所見をお伺いいたします。  一方、今月、魚津市の旧8号線で信号を無視した歩行者が逆上し、停車した車に対して威嚇するというニュースがありました。あすは我が身か、身のすくむ思いであります。  あおり運転などの危険ドライバーを初めとする交通に起因するトラブルからドライバーの身を守る必要があると考えますが、どのような安全指導を行っているのか、山田警察本部長にお伺いいたします。  ここで、針山議員もいらっしゃいますけれども、大伴家持が私の地元、片貝川を歌った一節を御紹介いたします。  「片貝の川の瀬清く行く水の絶ゆることなくあり通ひ見む」、これは片貝川のとうとうとした川の流れを詠んだ清々しい歌であります。  ところが、この片貝川が7月の終わりから8月にかけて下流域が水枯れを起こし、川に水がない状態になり、放流した川魚に影響が出ております。また、同じ水系の小川寺川は、葦が覆い茂って動物のすみかにもなっており、川の美観が損なわれております。  このような現状を河川管理者としてどう考えているのか、水口土木部長の所見をお伺いいたします。  最後に、空き家対策についてお伺いいたします。  所有者がわからなくなっている家屋を行政代執行によって解体処分しようとする場合には、その後の有効な土地利用を見据えて取り組みを行うよう市町村に助言すべきだと考えますが、県内における代執行や解体費用の回収状況とあわせて、水口土木部長の所見をお伺いいたします。  初めての質問であることもあり、大変雑駁な質問にもなりましたけれども、この51日間、県議会議員として、石井知事を含め、県庁の職員の方の本当に優秀で、かつ勤勉さを改めて見させていただくことができました。本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いしたいということで、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 49 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 50 ◯知事(石井隆一君)澤崎議員の御質問にお答えをいたします。  まず、外国人留学生等の採用支援についての御質問にお答えをいたします。  議員の御指摘のとおり、近年、中小企業等の人手不足感が大変高まっておりまして、県内企業の持続的な成長、あるいは多様性を確保する観点からも、留学生など、中長期にわたって活躍できる外国人材の県内企業への就職を支援していくということは大変重要だと思っております。  県としましては、これまで中小企業向けの留学生等の採用の支援といたしまして、外国人留学生を対象とした合同企業説明会ですとか、あるいは、県内中小企業を対象とした外国人採用に関するセミナーの開催などに取り組んでおりまして、これらの結果、外国人留学生と県内企業とのマッチングの件数は年々増加しておりまして、平成24年ごろは残念ながらゼロ人で、25年にようやく5人になったんですけれども、順次ふえまして、30年度の就職者数は38人というふうになっております。  また、これまでの取り組みに加えまして、今年度は先ほど申し上げた合同企業説明会を富山県内、それから金沢大、信州大のように近隣県、さらに東京に加えまして、今年度から新たに関西でも開催することにいたしております。  また、県内の中小企業が留学生等の採用に積極的な企業から、外国人材の活用方法を学ぶための企業見学会、これは今度の7月の初めごろに、こうした企業見学のバスツアーなどを開催する、こういった予定もしておりますし、それを受けて座談会なども行うことにいたしております。今のところ、20社ほど参加される予定になっております。  さらに、海外の大学等に通う外国人学生を確保いたしますために、これまで行ってきたASEAN地域からの留学生の積極的な受け入れに加えまして、これは東南アジアなどを訪問した際に、何とか日本、特に富山県におたくの学生さんに就職してもらうようなことができないかと、タイの工業大臣とかベトナムの大臣なんかにも御相談する機会があったんですけれども、とにかく優秀な学生はみんなアメリカに行くよと、そもそも日本に行かないよというお話もあって、それじゃあということで、企業の皆さんにも相談して、相当インセンティブのある受け入れ体制を整備して、これで4年ほどいたしますけれども、毎年、それなりの優秀な学生を確保できるようになっております。  これに加えまして、今年度、新たに県内企業へのニーズ調査を行いました上で、まずは要望の多いベトナムの大学生等に日本語等を現地で研修していただいて、そして県内企業での就職、活躍につなげる事業について検討しておりまして、この秋ごろに策定することを目指して準備中の外国人材活躍・多文化共生推進プラン、まだ仮称ですけれども、その案の中にもそうした考え方を盛り込んでいるところでございます。  今後も、本県が国内の外国人留学生はもちろんですけれども、海外の外国人学生からも選ばれる県となりますように、実効性のある施策にしっかりと取り組んでまいります。  正直、澤崎議員も感じておられるんじゃないかと思いますが、今、とにかく国内の人材確保も大変な競争ですけれども、外国人の留学生、外国人材の確保というのも大変大きな課題で、大都市がどうしても有利になりますので、言うなれば、今、人材の取り合いなんですね。だから、できるだけそうした緊急の課題に県内の企業のニーズも伺いながら、できるだけスピード感を持って対応していく、これが今非常に大事だと思っていまして、幸い、県の職員も熱心にやってくれております。今後も頑張ってまいります。  次に、農福連携についてお答えをいたします。  農福連携については、農業分野に障害者の方々の参画が進みますと、現場で貴重な働き手になっていただける。また、福祉の視点からは、働く場の確保や工賃の向上、社会参画の実現等が期待される重要な取り組みであります。  国においても省庁横断的な推進会議が設けられまして、全国的な機運醸成を図ろうということで、菅内閣官房長官を筆頭にして推進会議も立ち上げられて推進方策を検討していくということにされました。  農福連携にはさまざまな形がございますけれども、富山県内の状況としては、農林振興センターが把握している範囲で申しますと、農業経営体による障害者の雇用や障害者施設への作業委託による取り組みが12の経営体で行われておりまして、障害者の方々が畜産農家の畜舎の管理作業や、施設園芸農家における出荷調整作業、また農家レストランの調理補助等に従事しておられる。  また、障害者施設による農業参入として、14の法人がシイタケとかホウレンソウとかなどの野菜、また米を栽培しまして、県内各所の農産物直売所や県が主催する農福連携マルシェなどで販売をしております。  このほか、障害者の就業体験を実施する農業経営体もありまして、御存じかもしれませんね、新川むつみ園とか、農福連携の取り組みが県内でも徐々に広がりつつございます。魚津の西布施地区でもワイン、ブドウとか、野菜の栽培管理をこの際にB型事業所の、そういった方を活用、連携すると、こういったこともなさっております。  今後、農福連携の裾野を広げまして、障害者の方が農業分野でさらに活躍していただく場の創出に向けまして、農福連携の意義とメリットを広く関係者に理解していただくようにすること。また、実際に農福連携に取り組む機会を創出、拡充しますために、ワンストップで対応できる相談窓口の設置ですとか、また農作業を委託する農業経営体と、それを受託する障害者施設をつなぎますなど、農業経営体と障害者就労施設のニーズをマッチングする仕組みを構築する。また、障害者の方々が働きやすい環境の整備と、また障害者の受け入れを支援する専門人材の育成なども重要だと考えております。  国でもいろいろ考えておられて一定の支援策もあるようですから、こうした国の支援策もうまく生かしながら、県内の農業関係団体と障害者関係団体との連携を図りまして、まさに農福連携の推進に向けて積極的に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。 51 ◯副議長(筱岡貞郎君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 52 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)次に、私から次なる観光資源の構築につきましての2つの御質問にお答え申し上げます。  まず、魚津市に立地する工場敷地内への国際的な観光拠点の整備につきましてでありますが、魚津市には蜃気楼や埋没林を初めとした豊かな自然や伝統文化、おいしい食など、多彩な観光資源を生かし、既に魚津水族館、埋没林博物館、海の駅蜃気楼等が整備されており、本年10月の世界で最も美しい湾クラブ世界総会の開催における県内視察でも埋没林博物館を見学することとしております。  国際的な観光拠点の整備場所として議員から御提案がありました日本カーバイド株式会社につきましては、電子・機能製品事業やフィルム・シート事業、また建材関連事業等を展開されており、その国内拠点として魚津工場が位置づけられているところでございます。  また、魚津市の定住応援サイト「そうだ!魚津に住もう」におけます企業紹介サイトにおきましても日本カーバイド工業が掲載されており、サイト内の企業PRによりますと、創業より富山とともに歩み、魚津工場、早月工場の2工場はその中心であり、今後も重要な位置を占めていきますとされております。  ただ、国際的な観光拠点を工場敷地内に整備するとなりますと、まずは地権者であります企業様の御意向、そして地元魚津市のまちづくりに大きくかかわるものでありますことから、魚津市等との調整など、課題も多いと考えております。  県としては、世界ブランド化を進めます立山黒部と並び、世界で最も美しい富山湾の国際的なブランド価値をまずは高めることにより、海外から選ばれ続ける観光地域づくりの一層の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、古道の活用についてでありますが、古道につきましてはそれぞれの古道ごとに歴史的背景がありますことから、そのストーリー性に着目し、歩いて、見て、歴史を感じます観光資源として活用しますことは可能であると考えております。  例えば、県内では、小矢部市におきまして、同市桜町地区から石川県津幡町の区間を歴史国道「倶利伽羅越えいにしえの街道」と名づけ観光資源として活用されております。具体的には、倶利伽羅合戦のストーリーを豆知識として記載した観光ガイド図や史跡等を紹介した歴史散策マップを作成、配布しますとともに、石川県津幡町と連携し、毎年、歴史国道イベント「くりから夢街道ウォーク越中VS加賀 源平大綱引き合戦」を開催しますなど、誘客を図っております。  また、別の事例として、氷見市から石川県宝達志水町までを結ぶ古道臼ヶ峰往来におきましては、せっかくウオークin臼ヶ峰往来が開催されてきており、そのイベントの開催に当たりましては、氷見市速川地区と宝達志水町所司原地区との住民による合同草刈りが行われ、過去にはその費用の一部を氷見市が負担されたと聞いております。  県としては、古道など地域資源を観光資源として活用していくに当たっては、まずは地元の盛り上がりが重要であると考えており、議員御提案の湯かつぎの道におきましても、その古道の歴史的背景、ストーリー性を踏まえて、県内外から観光客を呼び込める観光資源となり得るのか、よく地元の取り組み状況を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。
    53 ◯副議長(筱岡貞郎君)芝田商工労働部長。    〔商工労働部長芝田 聡君登壇〕 54 ◯商工労働部長(芝田 聡君)ものづくり産業への支援についての御質問にお答えをいたします。  県では、去る3月に「新・富山県ものづくり産業未来戦略」を策定したところであり、戦略推進に当たり必要となる取り組みの一つとして、中小、小規模企業に対する総合的支援を掲げ、創業から資金調達、商品開発、販路開拓、事業承継に至るまで一貫して支援することとしております。  この戦略に基づきまして、特に多様なものづくり企業の技術力向上のため、ものづくり研究開発センターではセルロースナノファイバー製品実証・試作拠点や、近く開設をいたしますオープンイノベーション・ハブ等を活用した研究開発支援や技術支援、総合デザインセンターではクリエイティブ・デザイン・ハブやバーチャルスタジオ等を活用した商品開発、人材育成、情報発信を支援しているほか、両センターでは、県内を巡回しての技術指導等も行っているところでございます。  また、富山県新世紀産業機構に設置されたよろず支援拠点において、さまざまな経営課題に関する相談をワンストップで受け付け、専門家の派遣や解決に向けた支援を行っており、本年春には法務、税務、IT化の計3名のコーディネーターを増員配置いたしまして体制を強化したところであります。  さらに、SNSの活用やラジオ番組でのPR等による相談窓口の周知や、夜間、土日の相談対応等の利便性向上にも努めているところでございます。  今後とも、県の支援制度の周知にも努めながら、中小、小規模企業のさまざまな経営課題の早期解決につながるよう、関係機関と一体となって支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 55 ◯副議長(筱岡貞郎君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 56 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)次に、富山くらし・しごと支援センターの有楽町、大手町、大阪、それから富山の各オフィスの取り組みに関する御質問にお答えをいたします。  本県への移住やUIJターンを促進いたしますために県が設置しております富山くらし・しごと支援センターにつきましては、東京にあります有楽町、大手町オフィス、それから大阪オフィスにおいて、暮らしや仕事に関する情報提供や相談を行っておりますほか、移住セミナーの開催等によりまして富山の魅力を発信いたしております。  また、富山オフィスにつきましては、県外のオフィスで相談対応した方の現地案内ですとか移住後のフォロー、それからUIJターン者向けの仕事の開拓を行っているところでございます。  これらの取り組みの結果、平成30年度の相談件数は5,032件と、平成29年度と比べ約1.4倍、また県や市町村の移住相談窓口を通した県外からの移住者数905人のうち、当センターを通した移住者数は398人と、移住者全体の44%を占めております。  また、ことし5月には富山オフィスをとやま自遊館内に移転をしまして、富山県人材活躍推進センターと連携して、暮らしと仕事の相談体制を拡充したところでございます。相談員も1名増員いたしまして、また土曜日も営業するということでスタートいたしております。  また、東京にあります有楽町オフィスにつきましては、NPO法人ふるさと回帰支援センター内にありまして、主として暮らしの相談を中心といたしております。また、東京駅近くの交通アクセスに恵まれております大手町オフィスは、仕事の相談を中心として行っている状況でございます。  なお、このどちらのオフィスにも移住の相談員と仕事の相談員が常駐しておりまして、相互の情報交換を密接に行っているところでございます。  大手町オフィスの中がちょっとわかりにくいという御意見もございましたけれども、現在でも案内サインを工夫して掲示はいたしておりますけれども、さらに利用者にとってわかりやすく、入りやすいオフィスとなるように工夫をしてまいりたいと考えております。  今後とも、この各オフィスの連携を密にいたしまして、移住、UIJターンの一層の促進に取り組んでまいります。  以上でございます。 57 ◯副議長(筱岡貞郎君)河村農林水産部長。    〔農林水産部長河村幹治君登壇〕 58 ◯農林水産部長(河村幹治君)私のほうからは、3点、お答えをさせていただきます。  まず、農地の取得に関する下限面積についての御質問にお答えをいたします。  農地を取得するには市町村農業委員会の許可が必要でありまして、許可要件の一つとしまして、議員からもお話がございましたが、取得後において耕作する農地の面積が合計50アール以上という面積の下限が設けられているところでございます。  この下限面積につきましては、地域の実情に応じまして、市町村の全部または一部の区域について、各農業委員会の判断で50アールよりも小さい面積、いわゆる別段の面積として設定することが可能となっております。  具体的には、平均的な経営規模が小さい区域、具体的な基準につきましては農林水産省令で基準が定められておりますが、それに該当する区域において、50アールが地域の実情に適さないと判断される場合は、10アール以上の面積で設定が可能でありますほか、担い手の不足等により遊休農地化が深刻な区域では、新規就農を促進するために10アールを下回る面積の設定も可能となっているところでございます。  この別段の面積の設定主体につきましては、平成21年の農地法の改正によりまして、知事から各市町村農業委員会に変更されたところでありますが、県内の市町村では現在、9の市町の一部の地域において別段の面積が設定されているところでございます。  県といたしましては、制度の趣旨を踏まえました上で、地域の実情に即して適切に対応していただけるよう、研修会等の機会を捉えまして、市町村農業委員会に対し、引き続き制度の周知を図ってまいりたいと考えております。  次に、個人住宅の農地転用に係る面積要件についての御質問にお答えをいたします。  農地転用につきましては、富山市以外の市町村分につきましては、知事が許可権者として農地法等の規定にのっとり審査をしているところでございます。具体的には、農地の営農条件や市街地化の状況等から見て、農地区分ごとに許可できる場合が規定されている立地基準と、事業の実現性、面積の妥当性、周辺農地への支障の有無等、土地の効率的な利用の確保の観点から判断いたします一般基準の両面から審査を行っております。  議員からお話もありましたとおり、個人住宅の農地転用の面積要件につきましては、一般基準のうち、転用面積の妥当性の審査に当たって、通常規模の個人住宅の面積として、原則、農家住宅につきましては1,000平方メートル以内、一般住宅については500平方メートル以内という基準を設定しているところでございます。  ただし、個人住宅の建設で転用の面積の合計がこの基準を超える場合でありましても、例えば世帯員が多く駐車台数の面積が多く必要である場合や、現在の住宅が公共事業等の用地買収の対象となる場合で、現在の住宅と同等の面積が必要である場合など、その面積が適正であるか判断されるような場合につきましては、現在も転用を許可しているところであります。  個人住宅を建設する際の面積に係る基準は、必要以上の面積の農地が転用されることを防ぐため、転用面積の妥当性を審査するに当たっての判断要素として一定の役割を果たしていると考えており、今後とも、個々の申請内容を十分踏まえた上で適切に対応してまいりたいと考えております。  最後に、農振除外についての御質問にお答えいたします。  農振除外の事務手続は、大きく分けまして5つのプロセスに分かれております。  具体的に申し上げますと、除外願の提出を受けての市町村内部での調整。  2つ目には、市町村及び県の担当課相互の間で除外に係る事業計画の必要性、面積の妥当性等について審査、確認を行う事前調整。  3番目といたしまして、事前調整を了した案件について、県の担当課と関係課が調整を行う事前協議。  4つ目といたしまして、市町村における農振計画変更案の公告・縦覧。  5つ目のプロセスといたしまして、その後に行う同意に向けた法定協議及び計画変更の公告等、以上5つのプロセスから成っているところであります。  これら一連の手続の迅速化につきましては、これまでも、県といたしましてもいろいろ工夫を行い、また、各市町村においても迅速な処理に努めていただいていると認識しているところでありますが、案件の内容によりましては相当な時間を要しているケースもあり、去る4月の市町村長会議でもさらなる迅速化を求める御意見もあったところであります。  こうしたことを受けまして、県では今般、各都道府県における事務の取り扱い状況の調査を行いますとともに、県内各市町村からの御意見、御提案も募った上で、さらなる迅速化に向けての対応案の検討を進め、先月開催いたしました市町村担当課長会議において、1つには、県への事前協議の年間受け付け回数、現在、年4回でございますが、これをふやすこと。これによりまして、複雑な案件がありました場合は、その他の案件と切り離しまして、当該複雑な事案を次回に送ることにより、先行する案件の迅速な処理が可能となるメリットがございます。その受け付け回数をふやすこと。  2つ目といたしましては、先行している計画の変更同意が終了するまでは、次の計画変更の事前協議の手続には入らないとする現在の取り扱いにつきまして、先行の計画の変更の公告・縦覧期間が重ならない範囲で、次の計画の変更につきましても手続を進める取り扱いに変更すること。  3点目といたしましては、事前調整を了した後に行います事前協議以降のプロセスのうち、県が処理を行う部分につきまして、県としての標準処理期間を設定すること。  4点目といたしましては、提出書類ごとに記載要件の明確化を図ることなどの対応案を提案いたしたところでございます。  これら取り組みの基本的方向につきましては、意見がまとまったと考えられますことから、今後、各市町村の御意見を改めて確認し、調整を行った上で実施に移すこととしております。  今後とも、市町村との連携をより緊密にしながら、農振除外事務の迅速化に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 59 ◯副議長(筱岡貞郎君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 60 ◯厚生部長(市村仁志君)ケアネット活動についての御質問にお答えをいたします。  ひとり暮らしを初めとします高齢者の方々が、住みなれた地域で安全・安心に暮らし続けるためには、身近な地域で高齢者を見守り、支援する体制を構築することが重要であると考えております。  このため、県では、社会福祉協議会がひとり暮らしの高齢者などの要支援者に対し、見守りや安否確認、買い物代行等を行うケアネット活動に支援してきておりまして、その活動は民生委員や自治会役員などの地域住民がチームを組み、高齢者等の意向を十分に尊重して取り組まれております。  また、県では、老人クラブの会員がひとり暮らしの高齢者などを訪問し、見守りや家事援助等を行う活動にも支援をしているところでございます。  このほか、一部の市町村においては、新聞や牛乳の配達員等の協力を得て、安否確認につなげる見守り活動に取り組まれているところでございます。  議員御指摘のような、御本人が支援を拒否されるような事例を含めまして、困難な事例があった場合、市町村や地域包括支援センターにおいて検討され、粘り強く支援を行っていただいているところではございますが、県では、必要に応じまして厚生センターも地域の多職種、多機関の連携に加わり、必要な専門的、継続的な支援を行いますほか、具体的な対応策を共有します市町村職員セミナーなども開催しているところでございます。  県といたしましては、今後も市町村や社会福祉協議会等と連携をし、民間事業者等の協力も得ながら、ひとり暮らしの方の孤独死などの重大事故につながらないよう、身近な地域で高齢者を見守り支援する体制の一層の充実に取り組んでまいります。  以上でございます。 61 ◯副議長(筱岡貞郎君)山田警察本部長。    〔警察本部長山田知裕君登壇〕 62 ◯警察本部長(山田知裕君)あおり運転などから身を守る安全指導についての御質問にお答え申し上げます。  いわゆるあおり運転は、車間距離を極端に詰めて接近したり幅寄せを行ったりするなど、相手のドライバーに危険を感じさせる悪質で危険な行為でありますが、あおり運転に関する110番通報は、ことしは5月末現在で131件と、昨年同期の3倍以上となっておりまして、厳正な対処を望む県民の声が高くなっているものと認識しております。  また、議員お示しの事例のように、歩行者等一部の道路利用者の交通モラルをめぐりトラブルとなる事例もあるというふうに承知をしてございます。  県警察では、あおり運転対策としては、その悪質性について警告をするとともに、例えば本年4月、北陸自動車道において県警ヘリコプターとパトカーによる空陸一体となって取り締まりを行うなど、検挙活動の強化を図っているところでございます。  また、トラブルに遭遇し、身の危険を感じた場合の措置といたしましては、一般のドライバーの方に配布する冊子ですとか、交通安全教室、ホームページ等におきまして、車外に出ずドアロックしてから110番通報することや、平素からの備えとしてドライブレコーダーの設置を推奨するなどしているところでございます。  このほか、交通トラブルを誘因する信号無視といった危険な歩行者等に対しても指導警告票を交付するなど、交通モラルの醸成に向けた現場指導を行っているところでございます。  県警察といたしましては、引き続き、あおり運転に関連する取り締まりや歩行者等に対する現場指導により、交通トラブルの抑止を図るとともに、遭遇時の対処方策について各種広報、啓発活動を推進し、ドライバーの安全確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 63 ◯副議長(筱岡貞郎君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 64 ◯土木部長(水口 功君)まず、片貝川及び小川寺川についての御質問にお答えをいたします。  河川には治水の役割のほか、かんがい用水などへの水の供給、魚類などの生物の生息空間の確保、すぐれた自然環境や景観を形成する役割がございます。  片貝川につきましては、河床が石や砂でできており、河川水が地下に浸透しやすいこと、国内屈指の急流河川のため、降りました雨がすぐに海へ流れ出ること、上流でかんがい用水や発電用水が取水されておりますことから、黒谷地内の取水地点から下流では、雨が少ない夏場等において、河川にはほとんど水が流れていない状況が見受けられるところであります。  県では、少しでも魚類の生息環境が向上するよう、片貝川水系河川整備計画に基づき、現況の河床材料を生かし、瀬と淵の保全や再生を図った川づくりも行い、河川環境の整備と保全に努めてまいりました。  また、小川寺川につきましては、川幅に比べ平常時の水量が少ないため、河道内に土砂が堆積し、アシなどが繁茂しておりますことから、災害の未然防止対策として、河川の流下能力を高めるため、昨年3月、小川寺地内において土砂掘削等を行ったところであり、今年度も3カ年緊急対策の予算を活用し、引き続き土砂掘削と葦の除去を行うこととしております。  今後とも、河道内の土砂掘削等による災害の未然防止対策を実施するとともに、河川環境の整備と保全を行い、適切な河川管理に努めてまいりたいと考えております。  最後に、行政代執行による空き家の解体についての御質問にお答えをいたします。  空き家対策特別措置法では、市町村は倒壊するおそれがあるなど、そのまま放置することが不適切な状態にある空き家を特定空家と認定し、所有者等において除却や修繕など、必要な措置がとられない場合は、市町村が行政代執行により除却等を行うことができるとされております。  県内では、行政代執行による所有者不明の特定空家の解体が、これまで魚津市など3市1町で6件実施されており、県もその費用に対し補助しております。  また、市町村が負担した解体費用の回収状況につきましては、手続が進行中のものもありますが、空き家解体後の土地の売却の見通しが立たないということなど、回収が困難なケースも多くあり、現時点では回収された例はございません。  一方、空き家解体後の土地利用につきましては、この6月1日から全面施行されました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法におきまして、所有者不明の土地を公園、駐車場、直売所など、地域住民の福祉または利便性の増進に資する事業に一定期間使用できる制度が創設されたところであります。  この制度を活用すれば、空き家解体後の土地を地域ニーズに対応した幅広い公共的目的に利用できますことから、県としては市町村や地域において、この制度の活用を検討していただくことが重要であると考えております。  このため、県では、今後、県、市町村、不動産関係団体で構成します空き家対策官民連絡協議会におきまして、所有者不明土地の利用に関する新しい制度の情報共有や制度の活用について意見交換を行いますとともに、先進的な事例の情報提供を行いますなど、空き家解体後の土地の有効利用が円滑に進むよう、適切に助言等を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 65 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で澤崎豊君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。  午後2時49分休憩      ─────────────────────  午後3時00分開議 66 ◯議長(中川忠昭君)休憩前に引き続き会議を開きます。  川上浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 67 ◯11番(川上 浩君)私は、富山県議会議員として初当選した自由民主党の川上浩であります。  冒頭、昨日、新潟県で震度6という速報を聞き、過去の新潟地震を思い起こしたのは私だけだったでしょうか。このたびの地震で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げ、そして一日も早い復旧をお祈りいたします。  さて、初定例会である令和元年6月定例会において、発言の場をいただき感謝申し上げます。緊張しております。1期生であり、多少の認識不足などは御容赦いただき、早速質問に入らせていただきます。  私の質問は、「わくわくとやまの創造」について、県土整備について、そして北方領土返還要求運動についての3点であります。  まず1点目、「わくわくとやまの創造」についてであります。
     私は、選挙戦を通して「わくわくとやまの創造」を掲げ、市民の皆さんに未来、安心、きずな、そして現場第一主義、市民の声を県民の声としてつなぎたいと訴えてまいりました。  さて、私は、平成2年より基礎的自治体の議員として活動の機会をいただいてまいりました。バブルの崩壊以後の公共投資による経済刺激策やグローバル化する金融経済の中で進められた郵政民営化、行財政改革のもとの三位一体の改革により、多くの自治体が合併への道を歩んだのであります。平成の大合併であります。富山県内35市町村が15となったのであります。  東日本大震災や各地で発生する地震、気象変動による局地的な豪雨は、土砂災害を引き起こし、住民生活に甚大なる被害を及ぼしています。自治体にとって、災害、減災対策は最重点課題となっています。何よりも高齢化、少子化の進展による急激な人口減少は、それぞれの自治体に将来人口ビジョンに沿った計画と対策を求めています。  このように、明るい兆しが見えない中、大きな夢と希望のある未来をと託していたのは、北陸新幹線の開業でありました。半世紀にわたる夢の実現、その一番列車は平成27年3月14日に滑り込んできたのであります。  北陸、富山のイメージといえば、雨、風、雪が吹きつけ、陸の孤島と化し、地図上からフェードアウトしているのではと。しかし、北陸新幹線の開業により、確実に首都圏から2時間半圏内という存在感のある富山へとイメージを大きく変えたのであります。  懸念された首都圏へのストロー現象も、経済界、関係自治体と県が一体となって取り組んだまちづくりにより、観光客の増加や企業の本社機能、会議の移転や移住者増加などにつながっています。  北陸新幹線は、平成の夢の列車から全線開通に向けた建設促進運動が盛り上がる中、令和の時代、北回り新幹線構想以来、時代とともに果たすべき役割も進化しつつあります。  北陸新幹線開業から4年が経過しましたが、観光客や移住者の増加、企業の本社機能の移転など、開業効果をどのように捉えているのか。また、令和4年度の敦賀延伸に向け、延伸効果が発揮されるように、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺いたいと思います。  昨年に引き続きTGC、東京ガールズコレクションが富山で開催されます。ことしは県内にわくわくするビッグイベントがめじろ押しです。  4月20、21日にわたり、黒部市宮野運動公園において、「ももクロ春の一大事2019in黒部」としてコンサートが開催されました。黒部宇奈月温泉駅では、桃色、紫、黄色、赤の公式ウエアを着込んだ、年齢層も広いファンがコンコースにあふれんばかりにおり立ち、会場まで30分の道のりを整然と歩いていく姿に私は驚きました。  コンサート終盤では、観客とステージが一体となり、うねりが沸き起こり佳境を迎えていました。ファンの方に伺うと、彼女たちが懸命に歌い踊る姿が自分に勇気を与えてくれる。落ち込んでいるときは彼女たちの楽曲を聞くと元気が出てくる。みんなそういう思いで集まっているんですと語ってくれました。  宿泊予約は宇奈月温泉を初め、新川地域から富山、さらには高岡、金沢まで入っていたと聞き、キャンプ場のコテージまでも満室状態で、宿泊手配がつかない状況であったということであります。  両日合わせて3万人余りの来場。黒部市の経済効果は6億円との試算であります。さらに、周辺市町村、近県にまで及んでいたと考えれば、その経済効果は、はかり知れないものがあります。  この後、8月には、知事も懸命に力を入れておられる舞台芸術の世界最高峰とも言えるシアター・オリンピックスがロシアと富山県をフィールドとして開催されます。利賀と黒部の開催に向け、黒部市の民間企業は舞台整備も進めております。  まさに富山県には、自然、文化、芸術や、地理的条件を生かした地域発信、クールジャパンへの取り組みが満載であります。  さらに、郷土力士、朝乃山がトランプ大統領から優勝賜杯を受け取る姿は全世界に発信されました。令和の幕あけに、富山県は国内外に発信するビッグチャンスを得たのであります。「わくわくとやまの創造」元年であります。  教育水準も高く、安定した働き場所があり、大自然とも触れ合える、おいしい食に満ち、災害の少ない富山の生活には大きな魅力があります。  しかし、何かが足りない。地元の若者との意見交換では、好奇心を駆られるようなわくわく感が足りないと言うのであります。このチャンスを弾みとして、「わくわくとやまの創造」への取り組みが必要であります。  大規模イベントができる全天候型体育文化施設や武道館の整備の検討状況について、知事にお伺いいたします。  昭和31年、黒四発電所建設に当たり、関西電力は厚生大臣に、黒部ルートは工事竣工後、国立公園の利用に供すると誓約していました。さらに厚生大臣は、建設される道路は、工事竣工後、公衆の利用に供することを許可条件といたしました。  発電所完成後の昭和39年から、国会、そして県議会、また宇奈月の議会においても、誓約、許可条件を論拠とした激しいルート開放論争がありました。県議会では、最重要課題の一つとして取り上げていたと伺っておりましたが、進展なく時間は過ぎてまいりました。  見学会のスタートは平成8年1,000人からで、平成10年には2,000人となり、現在に至っております。平成27年からは新幹線開業効果を引き出すためとし、欅平上部200メートルの展望台へエレベーターを利用した黒部峡谷パノラマ展望ツアーが商品化されました。しかし、その後も一般開放に向けた話し合いは進みませんでした。  転機が訪れたのは平成29年、「立山黒部」世界ブランド化推進会議での議論でありました。県と関西電力の個別協議により、昨年10月17日に一般開放・旅行商品化に関する協定を締結したのであります。ここに立山黒部ルート、大町黒部ルートの2周遊ルートが立山黒部の世界ブランド化に向けた商品として生まれることになったのであります。年間1万人というわずかな一歩でありましょうが、60年来の黒部ルート一般開放にかかわってきた者の一人として大きな感動を覚えたのであります。  トンネルばかりの黒部ルートと言われますが、樽沢の横坑から見る裏剣の大自然は、訪れた一人一人の心に感動のワンシーンを刻み込むことでありましょう。  さらに、ダム建設などによる刻々と姿を変える黒部峡谷の大自然を絵画を通して後世に伝え、人間と自然の共生を考えることをコンセプトとした宇奈月国際会館セレネ美術館がクローズアップされることになるでしょう。  地方創生の切り札は観光産業であります。まさに黒部ルートは、今だけ、ここだけ、あなただけのプレミアム観光ルートであり、宇奈月温泉を初めとした県内観光産業に携わる者は、わくわくとした大きな期待を寄せているのであります。  先ほど、同僚議員である針山県議が述べておられたクルーズ船との連携となれば、まさに海のあるスイスとなり得るのであります。黒部ルートの一般開放・商品化に向け、安全対策、旅行商品化の取り組みを今後どのように進めていくのか、スケジュールとあわせて猪俣観光・交通振興局長に伺います。  富山湾岸サイクリング2019が過去最多の1,450人の参加により開催されたとの報告がありました。富山湾、田園サイクリングコースマップによれば、県内一円にサイクリングコースを設け、イベントや県内観光地周遊コースとして紹介されています。富山平野を舞台に、芥川賞作家、宮本輝氏が「田園発港行き自転車」を地元紙に掲載されていたことを思い起こします。  一昨日、大門、瀬川両同僚県議も取り上げておられましたが、田園サイクリングコースは、現在、高岡駅から上市駅までとなっていますが、将来的に黒部宇奈月温泉を経由することになれば、さらに新しいわくわくとした魅力の創出につながると考えます。ナビゲーターラインの整備状況について、水口土木部長に伺います。  少子高齢化による人口減少に対応するため、県内には富山広域連携中枢都市圏と、さらに、とやま呉西圏域連携中枢都市圏の2連携中枢都市圏があります。残された新川地域2市2町では、この制度による都市圏形成の対象にはならないとのことであります。新川地域では、共同利用している施設の再編、サービスの統合、一体となった観光への取り組みなど、ビジョンづくりが課題となっています。人口減少社会に対応するため、広域連携へ県として何らかの支援ができないか、蔵堀総合政策局長に伺います。  1点目は以上であります。 68 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 69 ◯知事(石井隆一君)川上議員の御質問にお答えいたします。   まず、北陸新幹線についてであります。  北陸新幹線の乗車人員は、5年目に入りましても開業前の3倍近くの高い水準が続くというだけではなくて、前年同期比でむしろプラスで、もっとふえているということでありますので、非常に大きな効果もあり、また定着してきたと思っておりまして、おかげで観光客の増加、企業立地の進展、またUターン率のさらなる向上ですとか、若い世代を中心とする本県の移住の増加とか、さまざまな効果があらわれて地域経済の活性化にも貢献していると思います。  特に、企業の本社機能の移転等によりまして、開業後、これは全国第1号として本県の地域再生計画が認定された平成27年10月以降ですけれども、16社で297人、約300人の雇用が創出されておりまして、YKK APさんですとか、日本カーバイド工業、ゴールドウイン、またそれ以外にもたくさんの会社がございます。  県外からの移住者も、昨年度は過去最高の905人、これは8、9年前までは200人前後でありましたことを考えますと、随分とふえてまいりましたし、また、県全体の社会増減、これは26、27年ぐらいまでは、まだまだ外国人を含めてもマイナスだった、転出超過のほうが多かったんですけれども、平成28年に11年ぶりにプラス226人となりまして転入超過となり、以来、29年が358人のプラス、30年はさらにふえて519人のプラスとなって転入超過となっている。この数字は3桁の中ほどじゃないかと思われるかもしれませんが、ほかの北海道とか、あるいは東北、山陰、四国、九州の大部分、ほとんどの県で、道県でマイナス2,000人からマイナス6,000人──これ、毎年毎年ですね──なっていることを考えますと、地方の県としては相当大きな成果だとも言えるんじゃないかと思います。  敦賀延伸を本県のさらなる飛躍につなげていく、あと3年9カ月後でありますから、そこで今お話に出た黒部ルートの一般開放・旅行商品化に向けた販売戦略の構築等のほか、世界で最も美しい湾クラブ世界総会の開催に合わせた多彩な魅力のPR等に取り組むことにいたしております。  また、今年度は、移住・転職フェアをこれまでの東京での開催に加えまして新たに大阪でも開催しますほか、大阪で開催する移住セミナーの回数もさらにふやすと。東京は昨年同様15回、大阪はこれまで5回だったのを7回にふやすと。  また、企業立地についても、助成金の要件を緩和しまして、これまでは生産部門に限定していたんですけれども、新たに総務、企画部門の従事者も対象とすることで、どちらかというと、女性の方々は事務系の職種が多いものですから、女性の方々が戻ってきやすい、あるいは女性の皆さんがよそから、大都市から富山に移住していただく、こういうことも狙っているわけでございます。  さらに、こうした取り組みにあわせまして、敦賀延伸の効果を最大限引き出す戦略の策定に向けまして、新たな検討会議──とやま未来創造県民会議というのが既にありますので、そのもとに新たな検討会議を設置いたしまして、幅広いテーマ、例えば関西方面からのさらなる観光誘客とか、移住、定住の推進、また新たな企業立地、こういったことについて議論をしたいと考えておりまして、今後も開業効果の持続深化と富山県の新たな飛躍、ひいては北陸や日本全体の発展にもつながるように一層努力してまいりたいと思います。  次に、全天候型体育文化施設についての御質問であります。  わくわくとやまが大事だというお話でありましたけれども、若者を初め、県民の皆さんがスポーツイベント等によりまして、健康でにぎわいのある生き生きとした生活を送るということは、健康寿命の延伸にもつながりますし、人生100年時代において大変重要なここだと思います。  県としましては、先ほども、担当部長等が後ほど答えると思いますが、ウオーキング大会とか富山マラソンとか富山湾岸サイクリング等を実施しておりますし、また、サッカーや野球、バスケットボール、プロスポーツの振興にも取り組んでまいりましたし、また、東京オリンピックの聖火リレーも県内全市町村を回るということにもなって、県民の皆さんになるべくわくわくとしていただこうというふうに思っているわけであります。  現在、全天候型体育文化施設について検討を進めておりますけれども、この施設の整備についての県民意識調査の結果では、前向きに検討すべきが17.1%、必要だと考えるが既存施設の統廃合、行財政を考慮した上で検討すべきが52.6%、不必要は25%だということでありました。これは前にもお話ししましたが、この必要だというところだけに着目しますと、前の2つを足すと7割ぐらいともなりますけれども、必要だと考えるけれども既存施設の統廃合、行財政を考慮した上で、余裕があればやったら、検討したらというふうなところを慎重論と考えると、慎重論がむしろ8割近いとも言えるわけであります。  このうち、世代別に見ると、前向きに検討すべきというお答えが、18歳から29歳が25%、30歳から39歳が18.7%と、若い世代がやはりやや多いになっているんですけれども、40から49歳は11.9%、50から59歳で16.2%と、中年や少し年齢の高い層ではかなり低くなっている、こういうふうなことでございます。  第2回目の検討会では、調査委託しました三菱総研から、コンサートの開催誘致の可能性、事業収支や建設費負担を考慮しますと、1万人を超すような規模のものは実現は難しくて、8,000人規模のアリーナが検討の俎上にあるんじゃないかと。  また、武道館整備の場合は、既存の富山武道館や高岡武道館などと機能が重複するので、実現に当たって既存施設の統廃合もあわせて検討することが必要であるとの実現可能性の調査結果報告がありました。  このほか、アリーナを整備するならば、富山駅から徒歩圏内に立地しなければ意味がないと、これは欠席された間野委員、これは早稲田大学の教授の方ですけれども、そういったコメントも事務局から紹介させていただきました。  先月5月に開催しました第3回の検討会では、こうした議論も踏まえて、8,000人規模アリーナと武道館を中心に施設整備の効果や施設規模について議論を深めたところでありまして、委員の方々からは、8,000規模のアリーナは経済波及効果が限られている。また、若い人がわくわくするようなイベントもできる施設があるとよいとか、見るスポーツや文化でも活用できる施設が望ましい。富山と高岡の武道館は老朽化しているので、統廃合した上で整備してはどうか。また、その際には武道だけではなくて、多くの県民に親しまれるよう、他のスポーツ競技やイベントができる施設にしてはどうかといったような御意見をいただきました。  県といたしましては、こういうふうに両論がある、また、いろいろと考えてみますと掘り下げなきゃいかん論点も多いということでありますので、地域経済振興やにぎわい創出、人口流出抑制の効果などの地方創生の観点、さらには持続可能な施設整備や運営のあり方、県財政の健全性の確保等にも十分留意しながら、三菱総研の結果、また検討会の議論、またこれまでの県議会を初め、幅広い県民の皆さんの御意見も改めて確認の上で、総合的かつ多角的な観点から丁寧に検討しまして、多様な健康、スポーツに関する県民の意思の合意形成、いろんな御意見がありますのでなかなか難しいんですけれども、この夏から秋にかけて一定の取りまとめを行いたいと、こういうふうに思っております。  なお、議員御指摘のわくわく感の創出というのは、若い世代なんかを中心に大切なことだと思っていまして、お話しの「ももいろクローバーZ」の催しは大変な成果だったと伺っております。お話しの「シアター・オリンピックス」も今度8月からありますし、また「世界で最も美しい湾クラブ」の世界総会も、これは夢のある話だと思います。  また、冬季国体スキー競技会も来年2月にあったり、またお話に出た関西の、関電の黒部ルートも、これは取り組み方によっては大変夢のあるプロジェクトになっている。これと立山駅─美女平駅のロープウエーの実現とか、いろんな論点がございますので、そういったことに加えて、富山県美術館も今ふわふわドームが屋上にあって大変子供たちに喜ばれていますし、また環水公園のイベントや花火の打ち上げ、またTGCの富山の、今度、女性、若者が大変楽しみにしていらっしゃるイベントもございます。  こういったいろんな方策を組み合わせて、富山県がハードの面、ソフトの面、いろんな面で大変皆さんが生き生きと夢を持って、希望を持って活躍できる。また同時に、その中でうまく地域バランスもとっていく、そういう考え方で取りまとめをしていきたいと、こういうふうに思っております。  以上であります。 70 ◯議長(中川忠昭君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 71 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)次に、黒部ルートの一般開放・旅行商品化に向けた今後の取り組み、スケジュールについてお答え申し上げます。  黒部ルートの一般開放・旅行商品化につきましては、立山黒部エリアが結ばれ、世界的な山岳景観を誇ります立山黒部アルペンルートと、日本一のV字峡であります黒部峡谷を周遊でき、また日本の電源開発の歴史など、関係者の苦労を知ることができる貴重な産業観光ルートが形成され、本県の観光振興はもとより、国が主導します観光立国の推進にも大いに資すると考えております。  安全対策工事につきましては、富山県と関西電力が結びました協定に基づき、関西電力が責任を持って実施する役割分担となっており、4月に開催されました第5回「立山黒部」世界ブランド化推進会議におきまして、関西電力藤井北陸支社長から工事概要や工程などにつきまして具体的な説明がなされたところであり、安全の確保を前提に着実に安全対策工事を進めていただきたいと思っております。  また、旅行商品化につきましては、今年度、ターゲット層の設定など、マーケティングや宣伝プロモーション、またガイドや案内サインなどといった旅客サービスなどの販売戦略を構築することとしております。次年度以降は、この販売戦略を踏まえまして、旅行商品を販売します運営主体の決定、旅行商品の造成、販売先の決定、またプロモーションの実施等を進めることとしております。  旅行商品の満足度を高めますためには、地元の受け入れ体制の整備等も重要であり、黒部市におかれましては検討組織立ち上げの準備を進められているところでありますし、また県におきましても、旅行業者や交通事業者の実務レベルのワーキンググループを立ち上げることとしております。  また、関係機関が連携を図り、しっかりと取り組みが進められますよう、この2つの会議の検討状況を踏まえ、仮称ではございますが、黒部ルート一般開放・旅行商品化準備会議を開催することとしております。  県としましては、黒部市や関西電力等と十分連携を図り、一般開放・旅行商品化に向け、その検討を計画的、積極的に進めてまいりたいと考えております。  以上であります。 72 ◯議長(中川忠昭君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 73 ◯土木部長(水口 功君)田園サイクリングコースについての御質問にお答えをいたします。  県では、平成28年に高岡駅から上市駅まで、田園風景の中を国宝瑞龍寺や八尾の町並み、大岩山日石寺など、沿線の観光施設をめぐりながら走行できる田園サイクリングコースを整備いたしました。  今年度は、田園サイクリングコースを上市町から朝日町に向けて約50キロメートル延伸し、富山湾岸サイクリングコースに接続をさせ、県東部の海から山にかけて、大自然の中を周遊できるコースとして整備する予定であります。  現在、関係市町村などとルートの協議を進めておりますが、議員御指摘のとおり、北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅を経由する案で協議を進めておりまして、近く協議が調うのではないかと見込んでおるところであります。  コースの延伸区間につきましては、整備済みの区間と同様、青色のナビゲーターラインを設置するとともに、曲がり角におきましては進行方向を示す矢印マークの路面標示を設置することとしております。これらの整備は、コースとなる道路の管理者がそれぞれ実施することとしておりまして、ルートが決定しました後、関係市町村などと協力して速やかに進める予定であります。  県としましては、サイクルスポーツの振興等による健康の増進や、自転車を活用した観光振興等の推進に向けて、引き続き関係市町村などと連携し、サイクリング環境のさらなる充実に努めてまいります。  以上でございます。 74 ◯議長(中川忠昭君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 75 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)次に、市町村が連携した取り組みに対する支援についての御質問にお答えをいたします。  人口減少、少子高齢化社会にありまして、地域が活性化し、持続可能な社会を形成していくことは喫緊の課題となっておりますが、市町村が広域連携し、各種施策を戦略的、効率的に進めていくことが重要でございます。  こうしたことから、国では、連携中枢都市圏制度を導入されておりますけれども、本県では、とやま呉西圏域連携中枢都市圏、それから富山広域連携中枢都市圏が形成をされ、広域的なサービスの提供など、さまざまな取り組みが進められております。  新川地域では、これまで広域連携の取り組みとして一部事務組合の設置に取り組まれておられます。ごみ処理ですとか斎場、介護保険、ケーブルテレビ、消防などでございますけれども、人口要件から連携中枢都市圏制度の対象とはなっておりません。連携中枢都市圏になるためには、中核市以上あるいは隣接する2つの市の人口の合計が20万人以上という要件がございますので、こうした要件には当てはまらないということでございます。  ただ、県では連携中枢都市圏に限らず、市町村間の連携を推進いたしますため、県が独自に連携中枢都市圏制度の対象とならない市町村間の連携のモデルとなる取り組みなどに対しましても支援する制度を創設しておりまして、市町村連携推進モデル事業でございますけれども、これによりまして、より一層の広域連携を推進いたしております。  また、この事業のほか、まちづくり総合支援事業ですとか市町村振興基金貸付金なども活用して、新川地域を初め、市町村が連携した取り組みを行われる際の支援にしっかりと努めてまいります。  以上でございます。 76 ◯議長(中川忠昭君)川上浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 77 ◯11番(川上 浩君)知事には「わくわくとやまの創造」について御理解をいただいたものと、こう確信しておきたいと思います。  次に、2点目、県土整備についてであります。  近年、至るところで豪雨による土砂災害が繰り返されています。黒部市では、平成27年6月に土砂災害ハザードマップを作成し、市民に配布しました。このマップの土砂災害警戒区域や特別警戒区域は、平成16年度に富山県が調査し示したものを使用しております。警戒区域や特別警戒区域の対策は急務であります。警戒区域にある地域交流センターなどの避難場所や福祉施設の危険性が問題視されています。このような地域を優先して土砂対策をすべきと考えますが、水口土木部長に伺います。  出し平ダム上流の猫又周辺は、平成7年の大出水により河床が上昇した状態で、現在もその堆積土砂を下流部両岸に積み込みしている状況であります。さらに、上流部の不帰谷合流部は、土砂の流入により黒部川本流を閉塞し、上流部からの河川水がバックウオーターとなり、観光名所である鐘釣温泉、河原露天風呂を土砂で埋め尽くし、さらには万年雪を解かしてしまう状態が発生しています。  この状態に、平成29年3月に国土交通省が調査費を受け持ち、富山県と黒部市が河川内仮道路造成費及び堆積土砂掘削費等の費用負担の覚書を結び、河川閉塞を解消する工事を進めることにしていました。しかしながら、平成29年7月の大出水により閉塞箇所が流れ出したことで、対策を中止したとのことであります。  先日、現場に入ったところ、閉塞していない現在でもバックウオーターが大きい状態が続いており、対策が必要であります。また、今後、閉塞時には、国、県、黒部市の負担スキームは引き継がれるのでしょうか。水口土木部長に伺います。  一般国道8号入善黒部バイパスは、平成31年4月に重要物流道路の指定を受けました。平常時、災害時を問わない道路ネットワーク確保が求められます。しかしながら、県道路安全・円滑化検討委員会は、黒部市内の犬山、岡(南)、堀切、六天の4交差点を主要渋滞箇所と報告しました。  特に、一般国道6号入善黒部バイパスと県道石田前沢線が交わる堀切交差点には、周辺に国土交通省の重点道の駅「(仮称)くろべ」が整備されます。駐車場、トイレ、案内所に合わせて、黒部市も地域振興施設を計画しており、令和3年度完成を目指しております。さらに、周辺には民間大規模商業施設の開発が先行しています。大渋滞を起こすことが懸念されます。  先日、石川県白山市に昨年4月オープンした道の駅「めぐみ白山」を訪ね、国道8号と県道交差点の道路改良手法について伺ってまいりました。道の駅「(仮称)くろべ」の整備が進む中、堀切交差点の渋滞解消に向けた対応はどのようになっているのか。周辺道路整備の負担スキーム、今後の整備スケジュールを水口土木部長に伺います。  県道黒部宇奈月線新堂交差点は、黒部宇奈月温泉駅へと続くアクセス道路として暫定2車線で供用されています。さらに、この交差点から西側は市道新堂中新線となり、大型商業施設や国際文化センターがあり、こちらも一体的に暫定2車線となっています。道路幅は4車線分をとり、ポールなどにより2車線へ誘導していますが、通行時の危険性を指摘されており、県道側の4車線化に合わせた整備が待ち望まれています。  黒部宇奈月温泉駅へのアクセス道路である県道黒部宇奈月線の新堂交差点の西側に続く市道新堂中新線は、黒部宇奈月縦貫道路であり、一体的に4車線化を図るべきと考えますが、今後の整備について水口土木部長に伺います。  2点目であります。 78 ◯議長(中川忠昭君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕
    79 ◯土木部長(水口 功君)まず、土砂災害警戒区域の整備についての御質問にお答えをいたします。  昨年7月の西日本を中心とした豪雨を初め、記録的な集中豪雨等により、近年、全国各地で多くの土砂災害が発生しており、県民の安全・安心を確保するため、その被害を防止、軽減する砂防堰堤等の整備の必要性がますます高まっております。  土砂災害発生のおそれが高まった際の避難場所につきましては、市町村が災害対策基本法に基づき土砂災害警戒区域外で選定することが基本となっております。しかしながら、立地条件等、地域の実情により、やむを得ず警戒区域内に選定しなければならない場合もあります。  県内には、土砂災害を対象災害とした避難場所が812カ所ございますが、警戒区域内には45カ所あり、このうち砂防関係施設等の整備が完了している箇所が約55%の25カ所、施工中が黒部市宇奈月町など3カ所、未着手が17カ所となっております。  砂防関係施設の整備におきましては、県全体の土砂災害危険箇所4,947カ所のうち、人家5戸以上や要配慮者利用施設がある1,804カ所の重要整備箇所につきまして、近年、土砂災害が発生した箇所や人家が多い箇所、避難場所がある箇所などの整備を優先的に進めているところであります。  今後とも、県民の生命や財産を守り、災害に強い県土の形成を図りますため、砂防関係施設の整備を着実に進めますとともに、警戒避難体制の充実強化も図りながら、ハード、ソフトの両面から総合的に土砂災害対策に取り組んでまいります。  次に、不帰谷付近の堆積土砂についての御質問にお答えをいたします。  黒部川の支川である不帰谷につきましては、豪雨などにより、これまで幾度となく土砂崩壊と流出を繰り返しており、最近では平成28年8月に大量の土砂が流出し、黒部川本川に堆積し、川をせきとめましたため、上流の河川の水位が上昇しまして、約1キロ上流の鐘釣温泉付近まで湛水し、河原の露天風呂等が水没いたしました。  この湛水を解消いたしますため、議員から御紹介ありましたように、国、県、黒部市でその対策について協議を行い、三者が費用負担して堆積土砂を除去することで進めておりましたが、平成29年7月の出水により堆積土砂が流されましたことから工事を中止いたしました。なお、このときの費用負担の割合につきましては、このとき限りのものでございます。  その後、国におきましては、不帰谷の対岸の監視カメラにより土砂流出状況をリアルタイムで監視しておりますほか、5月から11月まで、毎月現地に出向きまして状況を確認しております。  県におきましても、国の監視カメラを利用し、現地の状況の把握に努めておりますし、さらに、今月初めには国と合同で調査に出向きまして、29年7月以降、堆積土砂の状況には大きな変化はないのではないかというふうに確認をしたところであります。  議員御指摘のとおり、上流側で水位が上昇するということでありますので、県としましては、不帰谷付近の堆積土砂対策につきましては、黒部川の河川環境の保全や土砂管理の上でも重要であると考えておりまして、国、県、黒部市など、関係者が一堂に会する黒部川不帰谷関係連絡会議の場を引き続き活用し、現地の状況について情報共有を図りますとともに、今後、閉塞した場合の堆積土砂除去に係る対応につきましても協議をしてまいりたいと考えております。  次に、道の駅「(仮称)くろべ」周辺の交差点の整備についてお答えをいたします。  国道8号入善黒部バイパスと県道石田前沢線が交差する黒部市堀切交差点に隣接をして、重点道の駅「(仮称)くろべ」が、国と黒部市により整備が進められており、黒部市では令和3年度の開業を目指しておられます。  国道8号入善黒部バイパスは、平成27年3月にバイパス区間14キロメートルが暫定2車線で開通したところでありますが、堀切交差点では、朝、夕の通勤時間帯を中心に渋滞が発生しておりますことから、平成30年3月の富山県道路安全・円滑化検討委員会において新たに主要渋滞箇所として追加されたところであり、今後、道の駅の整備や民間の開発により、さらなる交通量の増加が予想されるところであります。  このため、渋滞対策として、今年度、国、県、黒部市が連携をし、開発を考慮した交通量の解析を行った上で、堀切交差点周辺道路の整備計画について検討を進めることとしております。その中で、当面の対策として、現在整備済みの国道8号や県道石田前沢線の右折レーンの延伸など、必要な対策について検討していくことになると考えております。  この周辺道路の整備計画の検討と並行し、整備の負担スキームについても、国、県、市の三者で協議していくこととしておりまして、地域振興と交流の核となる道の駅「(仮称)くろべ」開業に向け、必要な堀切交差点周辺道路の整備が進むよう、引き続き国や黒部市とも連携をし、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、県道黒部宇奈月線及び市道新堂中新線の御質問についてお答えをいたします。  県道黒部宇奈月線の新堂交差点から黒部宇奈月温泉駅に至る2.1キロメートルのうち、駅付近の0.4キロメートルについては4車線となっておりますが、交差点から東側の1.7キロメートルについては、現在暫定2車線となっております。  また、新堂交差点から西側の市道新堂中新線につきましては、全長2.3キロメートルのうち、新堂交差点から県道沓掛魚津線までの1キロメートルについては完成形の4車線で整備されておりますけれども、御紹介ありましたとおり、短い区間で車線変更することは危険であるということから、接続する県道黒部宇奈月線に合わせて2車線で供用されております。  県では、新堂交差点周辺の安全性の向上を図りますため、県道黒部宇奈月線において、現在、交差点から200メートルの区間で4車線化の整備を進めており、今年度は高橋川にかかる橋梁の下部工に着手することとしております。  この区間が完成し、沿線の方々の合意を得て、中央分離帯が設置されれば、新堂交差点を挟む1.2キロメートルの区間の4車線での供用が実現し、安全性、利便性が大きく向上するものと考えております。  また、黒部市におきましては、県道沓掛魚津線から西側1.3キロメートルの区間の市道新堂中新線における4車線化の整備が進められておりまして、今年度は黒部市植木地内で道路改良工事を実施する予定と聞いております。  黒部市街地から黒部宇奈月温泉駅へのアクセス道路となるこれらの道路は、全国有数の観光地である宇奈月方面に至る黒部市の重要な道路でありますことから、県としましては、現在、事業中の4車線化の早期完成に努めてまいりたいと考えております。  また、全線の4車線化につきましては、交通量の推移や沿道の開発状況なども踏まえながら計画的に進めていく必要があると考えておりまして、黒部市とも十分調整を図りながら今後検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 80 ◯議長(中川忠昭君)川上浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 81 ◯11番(川上 浩君)それでは、最後になります。  3点目、北方領土返還運動についてであります。  令和元年度、北方四島交流訪問事業は、北方領土返還要求運動富山県民会議──中川議長が会長でありますが──主管県となって、いわゆるビザなし訪問が行われます。北方領土は、言うまでもなく、終戦後、当時のソ連軍の侵攻により、日本人が強制的に追い出され、現在ロシアが不法占拠している状態となっています。追い出された日本人1万7,200名のうち、富山県出身者は1,425名と、北海道に次いで多く、さらに黒部市出身者は835名に及んでおります。引揚者の一人の市議会議員が命からがら逃げてきた当時の緊迫した状況を議場で話されたことは、今も私の頭から離れません。  ビザなし交流事業の手法や体裁は、日ロが互いの立場の矛盾を詰めないというガラス細工のような仕組みで成り立っていると元外務省主任分析官、佐藤優氏は述べています。  先日、国会で糾弾決議されたビザなし交流に参加した国会議員はどう認識していたのか、全くあの不適切な言動は許されるものではありません。最近の日ロ外交交渉なども踏まえ、今回の訪問に何を期待されるか、知事に伺います。  以上で私の質問を終わります。 82 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 83 ◯知事(石井隆一君)北方領土返還運動についてお答えをいたします。  北方領土問題については、戦後73年が経過しましても、なお解決に至っておらず、最近の外交交渉においても議論は平行線をたどっておりまして、残念ながら具体的な進展は見られませんけれども、これまでも県の重要要望事項にも盛り込んで、また、北方対策担当でもいらっしゃる宮腰大臣にも要望させていただいておりますけれども、政府においては、一日も早い解決に向け、粘り強く外交交渉に取り組んでいただきたい。そういう意味では、今月29日にG20の大阪サミットに参加するために来日されるプーチン大統領との首脳会談に期待したいと思います。  一方で、繰り返し申し上げてまいりましたけれども、領土問題の解決には、外交交渉を支える国民世論の結集や国民同士の対話と交流の積み重ねが何より大切であります。  そこで、本県でも昨年10月に、北方領土に住むロシア人59名を受け入れまして、県民の皆さんとの交流を深めたところであり、また、私も表敬訪問に対応させていただきました。  また、北方領土問題対策協会、これは独立行政法人になっていますけれども、平成4年から毎年、北方四島在住ロシア人との交流を図って、相互理解を深めることを目的にビザなし訪問を実施されております。  今年度は、北方領土返還要求運動富山県民会議が議員御指摘のとおり主管県となり、この8月に実施されますけれども、国民同士の交流で停滞している領土返還交渉を後押しする意味からも、北方領土からの引揚者が北海道に次いで多い本県から多くの県民が訪問されることは、大変意義深いことと思います。  県としましても、今回の訪問に当たって島内で行う交流事業等への支援を行いますとともに、残念ながら、私自身の参加は困難でありますけれども、県の幹部職員を含め、3名の職員の参加を予定いたしておりまして、物的、人的両面から積極的に支援することにしております。  今回の訪問事業の実施は、県としては、参加される県民の皆さんにとって、北方領土の現状を目の当たりにする大変貴重な経験となり、元島民の方々がかなり御高齢になっていらっしゃる中で、返還運動を行う後継者育成にも資するものでありまして、こうした交流の積み重ねにより、相互交流が深まって、領土問題の解決につながっていくことを強く期待をいたしております。  なお、今月6日、衆議院の本会議で大変不適切な言動をされた国会議員、みずから進退判断を促す糾弾決議が全会一致で可決されました。こうした発言はあってはならないことであり、私もまことに遺憾だと思っております。返還運動要求には直接影響しないと思いますけれども、今後とも元島民の方々のふるさとを思う気持ちにもしっかりと寄り添いながら、県民世論の形成と機運醸成を図りまして外交交渉をしっかりと後押しをしてまいりたい、こういうふうに考えております。 84 ◯議長(中川忠昭君)以上で川上浩君の質問は終了しました。  この際、申し上げます。  本日の会議時間を午後5時30分まで30分延長いたします。  山本徹君。    〔29番山本 徹君登壇〕 85 ◯29番(山本 徹君)令和元年、一般質問の最後というふうになりました。改選後、初めての議会でございますので、選挙期間中に訴えてまいりましたことを中心に質問すべきだろうということで、主題を人口増対策と、それと地方創生の2つにいたしました。  これまで11人の方が質問をされましたけれども、その方々と質問がかなりの部分で重複をいたしましたけれども、それはそれとしてしっかりと自分の質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まずは、人口増対策のうち、定住対策について質問いたします。  東京圏の一極集中の是正が一向に進まないで、むしろ加速されているということがわかってまいってきております。総務省の2018年住民基本台帳人口移動報告によりますと、東京圏の転入超過は外国人を除いて13万5,600人で、前年に比べて1万5,821人増加しております。転入超過の都道府県は、東京圏以外では、大阪府、愛知県、福岡県、滋賀県であります。残り39の府道県は転出超過というふうになっているわけであります。滋賀県が転入超過なのはちょっと意外な感じがいたしました。409人ということでございます。見習うべき何かがあるのではないかというふうに思うわけでございます。  安倍政権も地方創生に取り組んでまいりましたけれども、残念ながら、この分野ではどの施策も中途半端で効果が上がっていないと言わざるを得ないのではないかというふうに感じております。  東京一極集中は、戦後、復興を第一として、首都圏に政治、経済の中心を集中させました。いわば構造的につくられたものであります。また、経済再生が急務であった安倍政権も、東京圏一極集中につきまして、暗黙のうちにこれを助長してきたのではないかというふうに思われます。  しかし、このままでよくないのは皆さんも思われているとおりでございます。明治大学政治経済学部の加藤久和教授によりますと、東京一極集中はもうしばらく続くと見られる。弊害を考えると真剣に対策を考え直す時期に来ているのでないかと指摘されています。全く同感であります。来年の東京オリンピック以降、地方創生に本腰を入れて取り組んでほしいというふうに思うわけであります。  そこで、まず最初に、東京一極集中により地方が疲弊している現状をどのように考えておられるのか。また、この流れをとめていくにはどうするのがいいというふうに考えておられるのか、知事の所見を問いたいと思います。  こうした中、富山県では一体どうかということでございます。先ほど紹介いたしました総務省統計局のデータで見てまいりますと、富山県は1,585人の転出超過となっているわけでございます。東京都を第1位としてこれを全国ランキングで見てみますと、第15位ということになりまして、転出超過のグループだけで見ますと、少ないほうから見て7番目ということになります。  先ほど来、お話がありました「富山県の人口」最新版の社会移動数で言うと、519名の転入超過ということで、これは3年連続ということで先ほど知事の答弁があったところでございます。総務省の統計との差異につきましては、海外からの転入者をカウントするかどうかというところでございまして、こういう意味では少し差が生じておるところでございますけれども、富山県が決して全国で悪くないということは、そういうことが言えるんだろうというふうに思うわけでございます。  さらに、知事が力説されておられます移住者数でございます。過去最高の905名となったということでございます。この数は、県や市町村の移住相談窓口を通じて県外から移住された方々の数ということでありまして、言ってみれば、積極的にアプローチをしたその成果とも言える数であり、知事が力を込めて話されるのももっともであろうというふうに納得をするわけでございます。  これまで県が行ってきた移住、定住促進策の効果、特に私は県の移住相談窓口での丁寧な相談、対応が移住者の増につながっているというふうに考えておりますけれども、本県の移住、定住についてどのような施策が効果を上げているというふうに考えておられるのか、蔵堀総合政策局長にお聞きいたします。  引き続き成果を上げていきますには、全国的な傾向や時流を把握した上で移住促進に取り組んでいくことが重要と考えます。ふるさと回帰支援センターのホームページによりますと、センターへの年間の相談件数が初めて4万件を超えて4万1,518件となった。首都圏での移住相談会、セミナー開催を行う自治体が大幅に増加しているというふうにしています。  また、国土交通省の調査では、移住希望者が最も魅力に感じているのは自然環境の豊かさであり、8割以上が魅力に感じている。地方の都市部を志向するのは、ゆとりのある生活と都市的な利便性、自然への高い近接性をバランスよく求めているものと考えられますとしています。全国的にも移住に対する相談がふえている状況、こうしたいろんなニーズがあろうかと思いますけれども、今後も移住者のニーズを的確に捉えていただきたいというふうに思います。  評価されていい本県の移住、定住施策ですが、これについては弱点もあります。若い女性の転出超過の問題でございます。2年前の6月定例会でも質問いたしました。平成28年では、15歳から34歳の女性672名が富山から転出してしまっています。当時の山本総合政策局長の答弁では、県立大学の定員増や県外出身者の県内就職、定着促進等に取り組むとのことでしたけれども、平成29年10月からの1年間では女性の転出超過が430人となっており、多少改善しているものの依然転出が多い状況が続いていると言えます。  結婚や出産に直接関係する適齢期の女性の転出超過がなかなかとまらない、多少改善しているという答弁も先ほどございましたけれども、大変心配なわけでございます。これまでの施策の成果が上がっていない理由をどのように考え、今後どのように取り組むのか、蔵堀総合政策局長にお聞きいたします。  続いて、本県の出生率についてお聞きしたいと思います。  何回も言ってこられていますけれども、1.55から0.03ポイント後退をいたしまして、1.52というふうに本県の合計特殊出生率はなっているわけでございます。一喜一憂すべきでないという答弁もございました。そのとおりだとも思います。1.50台を4年連続キープしているのだということで、それも事実だろうということでございます。  しかし、出生数そのものに目を移していきますと、ここ4年間は7,000人台をキープしておりますけれども、10年前は8,500人あったわけですから、この10年で実に1,500名減少しているということが言えます。安閑としていられないんだというふうに思います。合計特殊出生率のほうも女性の人口が低下しているわけですから、出生数が減っても合計特殊出生率が1.50台でキープできているんだと、そのことにすぎないんだというふうに、厳しく言えば言うこともできるというふうに思うわけでございます。  人口1,000人当たりの出生率ということでいけば、富山県は6.7、全国平均は7.6でございますから、低い方から数えるほうが早いということになるわけでございます。  例えば、一番高い沖縄は11.3ですけど、合計特殊出生率でも沖縄は一番高いわけであります。隣県でも石川県が1,000人当たりで言うと7.7、福井が7.6ということでございますし、福井のほうは合計特殊出生率で見ても結構頑張っていまして、1.67で全国7位ということでございます。  県内で見ると、富山市が1位で7.4、滑川市が7.3と頑張っているわけでございますので、本県でも目指して目指せない数字ではないんだろうというふうに思うわけでございます。  こうした高い出生率を出している地域や県の要因をしっかりと分析をしていただいて、実施可能な取り組みがあれば、本県でも実践をしていくべきというふうに考えますが、蔵堀総合政策局長の所見をお聞きいたします。  合計特殊出生率が上がらない理由の一つとして、先ほどもお話がございました未婚化や晩婚化が、昨今、挙げられてきているわけでございます。結婚する年齢でございますけれども、昔は男性が女性より2歳から4歳上という組み合わせが大変多うございましたし、それがトレンドだったんだというふうに思います。  しかし、同年代の結婚というのが近年これに取ってかわってまいりました。男性は30歳、女性は27歳を結婚適齢期とする調査もありますけれども、同年代で結婚をすることを選択した場合、女性が男性の婚期に合わせることになれば、自動的に婚期は晩婚化することになるわけでございます。また、夫婦の年齢差の縮小は、男女がより平等であろうとする意識のあらわれとする調査もあります。実際、年齢差の小さい夫婦においては、妻の就業率や夫の家事参加度が高いということもわかっているわけでございます。  また、女性の年齢階層別で婚姻を考えますと、現在はつり鐘型の人口ピラミッドとなっているわけでございますから、例えば、女性100人で10代が10人、20代が20人、30代が30人、40代が40人と、乱暴ですけれども、そういうふうに分布しているとして、つり鐘型にして考えますと、各世代10%ずつ婚姻したとしても、婚姻率では、10代で1%、20代で2%、30代で3%、40代で4%となるわけで、各世代で同じ婚姻率であるにもかかわらず、晩婚社会となるということなわけであります。要するに、数字だけ追いかけると、ちょっと本質が見えなくなる部分があるのではないかというふうに思うわけでございます。  ですけれども、平均初婚年齢と合計特殊出生率の間には相関関係があります。先ほどの質問でもあったとおりだと思います。出会いの場を多くつくって、結婚する気持ちになってもらうのがやっぱりいいというふうに思うわけでございます。  さらに言うと、統計上、結婚した夫婦の実に3割が離婚する。でも、結婚をする4組に1組は再婚であるというデータもあります。もう一つ言うと、バツイチの婚活経験者は、女性1,000人に聞いたところでは、婚活した方法の上位3つは友人の紹介、婚活アプリ、婚活パーティーの順でしたけれども、成功率が高かったのは会社関係からの紹介、習い事、趣味、サークルでの出会い、結婚相談所という順番であったということも書いてございました。  30歳の同窓会のお話は、先ほど答弁でお聞きをいたしましたが、大都市圏のバツイチ女性と富山の男性をつなぐようなシステムができると、おもしろいのではないかなというふうに思います。  離婚経験者であっても、適齢期であれば結婚、出産に結びつく可能性もあります。いわゆる適齢期での出会いが大切であり、出会いの場をふやすことが重要だと考えます。どのように取り組んでいくのか、蔵堀総合政策局長に、先ほどの質問と全くかぶると思いますけれども、質問させていただきます。  晩婚化の影響は、即そのまま晩産化となってあらわれてきております。晩産化につきましても、近年、始まったように語られていますが、そうした傾向は以前からあらわれていたという指摘もあります。1980年代には、30代前半の出産が20代前半を既に抜いておりまして、2005年あたりからは、30代前半が20代全体を追い抜いていきます。現在では、10代の出産より40代の出産のほうが多いということになっております。WHOでは高齢出産を35歳以上としていますけれども、1991年以前は30歳でありました。30代の出産がふえたことで高齢出産の年齢を引き上げたので、そのころ既に晩産化していたということが言えるんだと思います。今や出産は30代がスタンダードとなっております。  本県でも、30歳から34歳までの全体の出生数に占める割合が最も高くなっております。そして、平成29年では35歳以上からの出生数が1,932人で、全体の出生数に占める割合は26.9%と、実に4人に1人となっております。また、40歳以上からの出産でも年々増加傾向にありまして、29年では354名というふうになっているわけであります。富山県の人口ピラミッドをつらつらと眺めておりますと、そういうふうになるのが当然だろうなというふうに感じるわけであります。  一方で、自民党議員会で先ごろ行いました意見交換の場におきまして、病院関係者の方から未熟児がふえているという話もお聞きしました。これも晩産化の一つの影響だと考えられます。ライフプラン教育として、高齢になって出産するリスクを伝えることも必要でありますけれども、高齢での出産が増加してスタンダードになってきている以上、そのニーズにしっかりと対応していくことも大切ではないかというふうに思います。40代出産の事例を徹底的に研究し、高齢出産のリスクマネジメントを高めてまいりまして、40代でも安心して出産できる富山県を目指してほしいというふうに思いますが、市村厚生部長に見解をお聞きしたいと思います。  離婚について調べてまいりますと、富山県は全国有数の離婚しない県だということがわかってまいりました。離婚率1.39は、全国で2番目に低いわけであります。1位だったこともございます。婚姻が長ければ長いほど、当然ですけれども、安定して子供を産む、育てるということができるわけですから、離婚率が低いということだけで出生数の増加には潜在的な含みがあると言っていいというふうに思います。  ちなみに、隣県では、合計特殊出生率第7位の先ほど紹介した福井は、離婚しない県でも全国やっぱり第7位なんですね。しかし、実は離婚を一番する県はどこかというと沖縄県でありまして、先ほどの調査とはちょっと矛盾が生じております。注意が必要だなと思います。もしかしたら、沖縄県は再婚率がとても高いか、ひとり親でも子育てができる、そういう地域柄なのか、これは調べてみないとわからないところであります。  富山県は、移住を希望する都道府県で言うと第8位でございました。住むんなら、こんなところにぜひ住みたいというふうに思ってもらえる県になっているんだと思います。美しい自然風土に恵まれて、のびのびと子育てに取り組むことができるだけでなく、離婚率が低いといった県民性もまた、産み育てやすい環境をつくり出すのに適しています。  結婚をしたいと思う人たちが生涯の伴侶を見つけて結婚をすることができる。富山県で働いて、富山県で生活をし、家を建て、欲しいと思うだけの子供を産んで育てていくことができる、そういうところを目指していくと、県民が望む1.9人の子供を産んでいく、そういう県づくりが仕上がっていくのではないか。新たな少子化対策プランの策定に向けて、石井知事の所見をお聞きしたいと思います。  続きまして、地方創生に関する諸課題について質問いたします。  まずは、富山高岡広域都市計画区域の土地利用についてお聞きしたいと思います。  市街化調整区域では、一度許可を得た店舗等が廃業いたしますと、同じ場所で違う店舗を開店しようとする場合でも、一から申請をしなければいけないということがあります。提出書類も大変煩雑でありまして、審査に時間を要します。このことによって、先ほど澤崎議員の質問にもありましたかね、経済活動が非常に阻害されているように感じるわけでございます。乱開発を防ぐという意味で市街化区域と調整区域が設けられているのはよく理解できることであります。ですけれども、一度つくっているわけで、そこに水道も電気も来ているわけです。新たに農地を潰すわけでもありません。それなのに、一から申請せんなんというのは、これはとても納得がいくものではありませんし、空き店舗のまま放置されるより再利用したほうがよほど合理的だというふうに考えるわけであります。  ところが、法律で決まっているからと、ここ、がちがちの岩盤規制になっているわけでございます。無秩序な開発は、もちろん厳に慎まれるべきだろうと思いますけれども、地方創生の観点からも、一度許可して開発された箇所については、再利用が促進されてもいい、弾力的な対応ができないものなのでしょうか。  水口部長が都市計画課長のときに、この問題、さんざん議論をいたしまして、改めて質問するのも気が引けるわけですけれども、答弁も予想できるのですけれども、聞かずにはおられないわけでございます。  実は、先日もこのことが壁になって、大変いい話が1つ潰れてしまいました。とても残念だったのです。水口土木部長の見解をお聞きいたします。  続いて、釣り振興について質問をいたします。  国土交通省港湾局では、観光資源として港湾における釣り施設や既存の防波堤の利活用で地域創生を推進していくという目的で釣り振興モデル港の募集をしておるところでございます。ことしに入ってから、定年となって第2の人生で釣りを楽しみたいと思っていたところ、立入禁止区域が多くて思うように釣りができないんだという趣旨のお手紙を頂戴いたしました。  ことしの2月定例会で、浅岡議員が同趣旨の質問をしておられますが、そのときの答弁では、立入禁止区域を設けている、あるいはSOLAS条約に基づく法律による立入禁止もある。そのほか、寄り回り波などに対する安全確保が大切である。あるいは、駐車や禁煙についての釣り人のマナーに問題があるとの指摘でございました。  しかし、釣ってよし、食べてよしの富山湾の釣りを楽しみたい方はかなりおられるというふうに思うわけでございますので、何とかならないかと思います。高野前議長も、釣りでも始めるわというふうに先日言っておられました。釣れる魚がいるかどうかは別といたしましても、ルールとマナーを守って安全に釣りを楽しむことができることは、観光資源としても十分活用できることになると思いますが、水口土木部長の見解をお聞きします。  時間が大変なくなってまいりました。最後は、北陸新幹線と私どもの地域、地方創生について質問をしたいと思います。 86 ◯議長(中川忠昭君)続けてください。 87 ◯29番(山本 徹君)すみません。
     県は、当初予算で北陸新幹線の敦賀延伸に向けた調査検討、500万円計上しておられます。県と富山市は十分発展の基礎が整ったところでございますけれども、連携中枢都市圏構想をしている高岡市を中心とした県西部地域にも、たくさんの潜在的な魅力があると思います。これを大きく新幹線自体に膨らませてほしいというふうに思うわけでございますが、知事の所見をお聞きしたいというふうに思います。  御清聴ありがとうございました。 88 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 89 ◯知事(石井隆一君)山本議員の御質問にお答えをいたします。  まず、東京一極集中の是正についてお答えをいたします。  本県では、とやま未来創生戦略に基づく人口の自然増対策、あるいは社会増対策とか、それから本県の特色、強みを生かした取り組みもさまざまにやってまいりました。おかげで、さっき議員からもおっしゃっていただいたように、観光客増加とか企業立地進展、Uターン率の向上、移住者の増加、明るい傾向も見えております。  しかし、一方で、平成30年の地方から東京圏への人口移動は、お話しのように13万6,000人の転出超過となっておりまして、いわゆるバブル経済の崩壊後のピークですと、15万5,000人に達した、2007年ですけれども、そのころに比べれば多少少なくなったかもしれませんが、東京一極集中への歯どめという点では、残念ながら大きな前進がないと、こういうことでございます。  本県でも社会動態を見ますと、全体では外国人を含めて、おかげさまで3年前から転入超過となっておりますけれども、若年層の女性について見ますと、依然として転出超過がまだ続いているわけでございまして、また、多くの産業分野で大変に人手不足感が高まっておりますから、国全体としても、また富山県としても地方創生を進める上で、なお取り組む課題が大変多いと思っております。  こうした中、現在、国においては、次期地方創生戦略の策定に向けた基本方針案が検討されておりまして、東京一極集中に歯どめがかからない中で、引き続き東京一極集中の是正を最重要課題に位置づけて、地方への移住者の増加、関係人口の拡大、地域課題の解決を担う人材の育成等に取り組むとされておりまして、本県においても国の動きを踏まえつつ、次期戦略の策定準備を進めたいと。  また、特に国でも言っていますSociety5.0とか5GとかSDGsといった新しい時代の流れを積極的に取り組むことはもちろんですけれども、3年9カ月後に迫った北陸新幹線の敦賀開業、これによって関西方面とのアクセスも大幅に改善することにも留意して、次期戦略を策定したいと思っております。  さらに、東京一極集中がこのまま続きますと、やっぱり出生率が日本で一番低くて、災害リスクが一番高いという、その東京に若い人がどんどん集まってくるという構造なんですから、これはますます災害リスクが高くなる。首都直下型地震などが起こりますと、日本全体にも極めて大きなダメージを与えることになります。  今後の我が国のあり方の根幹にかかわる問題でありますので、個々の自治体の努力だけではなくて、やはり国全体として、国が責任を持って取り組まなきゃいけない面が多々あろうかと思います。  幸い、例えば地方創生、人口減少対策のための税財源の確保という点では、長年の焦点でありました地方法人課税の偏在是正ですね、東京都の小池都知事などともいろいろ議論させていただきましたが、これまでの感覚で言うと、相当思い切った是正ができたという点もございますし、ただ、これは気をつけませんと、ただその部分が一般的に地方財政特例じゃないのかとかということになると困りますので、実際に地方に来る地方交付税等、一般財源がふえるように今後努力していきたいと思います。  また、今、5GとかICTインフラ整備ということが課題になっておりますから、これも手をこまねいていますと、結局大都市中心になって、また新たな格差が生ずるということにもなりますから、こういった点は、ぜひ中山間地含めて、地方をしっかりと重視してもらって、都市と地方、バランスがとれた形で発展していくようにつなげていこうと思っております。  また、地方拠点強化税制、これもオフィス減税なんかはかなりやってもらったとも言えますが、これからの時代、人を確保するというのが大事ですから、地方拠点強化税制の中の雇用促進税制の部分が大変シャビーなので、これを何とか改善、大幅に抜本改正してもらう。それから、企業版のふるさと納税も、なかなか当初の期待どおりにワークしていない面がありますから、これもしっかりとこの機会に拡充、継続を働きかけていきたいと思います。  それからもう一つは、やはり富山県に、ありがたいことに移住してきてくださっている若い人たちにお伺いしますと、たくさんある県の中でなぜ富山を選んでくださいましたかと聞くと、やっぱり一番多いのは、しっかりした働き口が見つかりやすかった。もう一つは、子育ての環境がいいと。それから、もう少し長くいる人は、教育水準が高い、住環境がいい、こんなことを言ってくださる方が非常に多いわけでありますので、こういった富山県の強みというものをいかに高めていくか。しっかりした働き口が多いというのは、結局、やっぱり産業の面で、今、地方の中では結構元気なほうですけれども、しっかりこれをさらに飛躍させる。  そういう意味では、例えば「くすりのシリコンバレーTOYAMA」コンソーシアムの取り組みが国の7プロジェクトの一つに選んでもらえたというのも一定の成果ですし、これからアルミ産業についても、あるいはヘルスケアなどの分野についても、新しい産業の展開を進めて、富山県は地方の中で、今でも元気ですけれども、産業の面で非常に活力があると、こういうふうに思ってもらえるようにしたいと思いますし、また、子育ての環境についても、先ほど虐待の話もございましたけれども、そうしたことはもちろん、もっともっといろんな面で改善に努めていきたい。また、教育水準の高さ、こういったところにも力を入れてまいります。  それから、一方で、エンターテインメントの面がちょっと寂しいという声があるのも事実ですから、東京ガールズコレクションなんかは一例ですけれども、これからもシアター・オリンピックスとか、また世界で最も美しい湾クラブも、これはやっぱり1つの起爆剤になると思いますから、こういった点も含めて、富山の新たな飛躍に努めてまいって、何とか議員からも、今さらに頑張れという激励をいただいたと受けとめまして努力してまいります。  次に、県民が望む子供が持てる県づくりについてお答えをいたします。  議員御指摘のように、自然風土とか生活文化、県民性なども少子化対策を考える上で考慮すべき事項だと思いますけれども、おっしゃるような、未婚化、晩婚化等々の背景にある問題、また働き方などの問題、これも少し掘り下げて、じゃあどうするかということであろうかと思います。  国では、地域少子化・働き方指標というものを公表しておりまして、先ほどの話とも重なりますけれども、本県は少子化関連では、合計特殊出生率は全国平均を上回っていますけれども、25歳から39歳の男性の未婚率が高い。また、有配偶者の出生率や第3子以降の出生率は全国平均以下になっているとか、また、働き方関連ですと、労働時間や仕事と子育ての両立、正規雇用、3世代同居など、どちらかというとお子さんを持ちやすいほうに働く指標が上位10位以内に入っている一方で、男性の家事、育児関連時間が全国的に見ても少ないといったような課題もございます。  こういったデータに基づいて、これまでもマリッジサポートセンターを通じた結婚支援とか、仕事と子育て両立のための一般事業主行動計画、全国で唯一従業員30人以上の企業に義務づけもしておりますし、また企業子宝率の調査によりまして、先進事例を発掘して普及させるとか、また、第3子以降の保育料の原則無償化、一定の所得世帯の第1子、第2子に対する保育料の無償化、軽減、これは昨年6月からですけれども、やってまいりました。  また、今年度はマリッジサポートセンターの富山県民会館での土曜日の開業ですとか、また、柔軟な働き方の推進、イクボスシンポジウムの開催、また、男性の育児、家事参画を促進するための家事・育児分担キャンペーン、こういったことも実施することにしております。  さらに、現在、新たな少子化対策プランの策定に着手したところですけれども、今後、県内の実態を調査しますとともに、先ほどもいろいろと御示唆いただきましたが、さまざまなデータを多角的に分析して、さらなる結婚支援、経済的支援の拡充、働き方改革、男性の家事、育児参画の推進などについて検討を進めたい。  その際には、やはり念頭に置かなきゃいかんのは、この5月末に女性活躍推進法が改正されて、施行は3年以内で少し経過措置はありますけれども、女性の活躍に関する取り組みの数値目標を盛り込んだ一般事業主行動計画の策定が、これまでは301人以上だったんですけれども、従業員101人以上の中小企業にも義務づけられたということでございます。  そうなると、富山県はやはり中小企業の層が厚いですから、そういった多くの企業にこの適用が3年後にあるということですので、こういったことも念頭に置いて、女性にももっともっと活躍していただく。そのためには、男女のいろんな家事、育児分担の問題ももちろんございましょうし、働き方改革の問題、こういったことを企業とも連携、協力しながら検討を進めてまいりたい。  その中で、今後5年間にどういうところを重点に取り組むか、これをしっかり県民会議等で議論していただき、もちろん県議会の御意見も承りながら取り組んでまいりたいと思います。  最後に、北陸新幹線の敦賀延伸に関しての御質問であります。  新幹線開業でさまざまな効果も出ておりますし、今ほども申し上げたように、3年9カ月後には敦賀延伸ということもございます。この敦賀延伸もプラスの面、大いにあるし、そうしなきゃいかんと思うんですが、余りぼんやりしていますと、これまで以上に敦賀市とか福井県さんが元気になり、関西とのアクセスがよくなって、長野県や東京からも人が来る。何か富山市や高岡市が埋没する、こういうことにならないようにしなきゃいかんがですね。そのために、これは早く手を打たなきゃいかんと実は思っているわけでございます。  早速、既存のとやま未来創造県民会議というのがございますから、余りたくさんいろんなものをつくってもいけませんので、このもとに行政や産業、観光、交通事業者や有識者から成る検討会議をことし夏ごろに立ち上げまして、敦賀延伸、さらには大阪延伸によって、首都圏や中京圏、関西圏と北陸地域の一大交流、経済圏、大ゴールデン回廊と私どもは言っていますが、ちょうど人口規模6,500万人ぐらいになるんですね。これは世界に冠たる高密度な都市圏ですから、こういったものが創出されるということを見据えて、幅広いテーマの議論とともに、戦略策定に係る調査検討を行いたいと思っております。  この機会に申し上げたほうがいいかと思うんですが、つい先ほど、中国の東方航空から富山─上海便を、来る7月11日から9月29日まで、毎週木曜、日曜に臨時便を飛ばすと正式に連絡がありました。中国当局の了解もとったと。そうなりますと、臨時便とはいえ、この7月から9月にかけて3カ月近く、富山─上海便が週4便に一挙になると、こういうことでもございます。  いよいよ富山県は、新幹線がどんどん大阪方面に近づくにつれてポテンシャルが上がる、また航空路線の面でもさらにポテンシャルが上がってくる、こういう今状況にありますので、これを生かさない手はないと、こういうふうに思っておりまして、新たな戦略についても、こうしたことを念頭に置いて進めていきたいと思っております。  また、議員御指摘のとおり、歴史、文化、ものづくり産業等の多彩な魅力あふれる県西部地域でございます。これまでも産業面ではものづくり産業と、例えば産業技術総合研究センターは、あそこを訪問された専門家はみんなびっくりするんですね。日本の地方にこんなにすごい研究機関、開発機関があるのかと、本当にそう思うんですが、必ずしも一般の方はそう思っていないということもありますので、もちろんPRすると同時に、企業の皆さんにもっともっと活用してもらう。  それから、能作さんを初めとして、高岡の伝統産業、随分今、御活躍で、これからもさらに飛躍していただけるんじゃないかと。これは、総合デザインセンターの活動とも関係していますし、総合デザインセンターは、1年半前にクリエイティブ・デザイン・ハブ、またこの5月にバーチャルスタジオというのを全国で初めて立ち上げましたので、これは能作さんのみでなく、高岡の伝統産業、それから先端産業も含めて、あの地域は非常に大きなデザイン交流ゾーンとして注目される場所になっていくし、そうしていかなきゃいかんと思っております。  また、観光の面でも、これは私が言わなくても皆さん御承知のとおりで、国宝瑞龍寺もありますし、いずれ、もう一つ、勝興寺も国宝にしなきゃいかんと思っていますし、また、世界遺産の五箇山合掌造り、倶利伽羅の源平古戦場、ユネスコの無形遺産に指定された3つの曳山とか、いっぱい数えればあるんですね。それから、世界に冠たる美しい富山湾。それから、議員が前からおっしゃっている、世界中で人気のあるドラえもんとか、いろんな観光資源がございます。こういったものをうまくいかしていきたいと。特に、ものづくり研究開発センターとか総合デザインセンターの整備とか、また、今回、県立大学の拡充なども行いましたけれども、こうしたことを国の地方創生の交付金などもうまく生かしながら、さらに進めていきたいと思います。  JR新高岡駅を初め県西部地域は、飛越能の中心的なところでありますし、広域観光の拠点としても大きな潜在力を秘めていると思います。新幹線敦賀延伸の効果を最大限に発揮するための検討会議、これは県西部だけじゃなくて、もちろん富山や新川のことも議論するんですけれども、その際には、先ほども出た、いろんなハードの面とかものづくりとか、いろんな面でオーソドックスなすばらしい富山県のよさがあるんですが、ちょっとわくわく感が足りないかなということにいかに対応するかということも含めて、しっかりと取り組んでまいります。 90 ◯議長(中川忠昭君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 91 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)人口増対策に関する質問、4点にお答えを申し上げます。  まず最初に、県の移住相談窓口での施策に関する御質問にお答えをいたします。  まず、移住者の方が移住先を選ぶ際の最大の条件であります就労につきまして、移住相談と同時にワンストップで行いますために、平成29年1月から富山くらし・しごと支援センターの有楽町オフィスに、移住相談員に加えまして仕事相談員を配置いたしております。  また、昨年5月には、大手町オフィスと大阪オフィスを新設いたしまして、暮らしと仕事の両方の相談体制の充実を図ってまいりました。  また、本県への移住者のうち、20代から40代にかけての子育て世代が大変多くいらっしゃいますことから、本県の強みである就労環境や子育て環境のよさを強くアピールいたしますために、県内市町村や社会人採用に意欲的な県内企業と連携いたしました、とやま移住・転職フェアの開催、また、首都圏などの子育て世帯を対象に、スーパーや保育所などの生活関連施設等を訪問いたします、とやま子育て移住体感ツアーの開催などに取り組んでまいりました。  こうしたことが御理解をいただいて、移住者の方が増加してきている大きな要因ではないかと考えております。また、平成30年度の県や市町村の移住相談窓口などを通した移住者数は、過去最高の905人となっておりますけれども、こうしたことも転入超過に一定程度寄与しているのではないかと考えております。  県としては、今後とも多くの移住者の方に参加をいただきます移住者交流会などで、移住者の方の生の声をよくお聞きをして、移住者ニーズを的確に捉えていきたいと思っております。  こうした移住者交流会の場では、しっかりとした働き口があるとか、子育て環境が充実している、教育水準が高いと、こういうふうに言われる一方で、公共交通がちょっと不便な場所があるとか、病児保育がない場所があるとか、そういった指摘も受けているところでございます。  そうしたことにしっかり対応いたしまして、移住者の目線に立って移住促進にしっかり取り組んでいきたいと考えております。  次に、女性の転出超過にどのように取り組むのかという御質問にお答えをいたします。  生産年齢人口が減少する中にありまして、若年女性の転出超過を食いとめるということは、地域社会の活性化を進めますためにも大変重要だと考えております。  県では、これまで県立大学の工学部医薬品工学科の新設ですとか、看護学部の創設によりまして、入学定員を拡大してまいりました。また、県外出身学生の県内就職、定着の促進に向けた取り組みも行ってまいりましたし、今ほど御答弁申し上げた移住施策にも取り組んでまいりました。こうしたことで、若者ですとか女性の人口の社会増への転換をしっかり取り組んでまいったところでございます。  その結果、20歳から24歳の女性の社会動態に限って見ますと、平成25年ごろは639人の転出超過ということでしたが、最近では300人から400人程度の転出超過ということで、若干ではございますけれども、改善傾向にあるというふうに考えております。  また、UIJターン率が全国トップクラスとなりますなど、一定の成果も上がってきていると考えております。ただ、我が国全体としては、東京一極集中などの振興によりまして、女性や若者にとりましては、進学先、就職先としての魅力が高い東京圏への流出を食いとめるという状況までには至っていないのが現状でございます。  こうしたことから、本年度は、特に若年の女性の方をターゲットとした施策を打つことにしまして、新たに女子学生の方と女性社員の方によりますキャリアフォーラムを首都圏で開催したいと考えてございます。また、就活女子応援カフェも回数を拡充したいというふうに考えております。  さらに、女性が働きやすい職場環境づくりの促進にこれまで以上に取り組んでいきたいと思っております。これは、県の人材活躍推進センターに女性就業支援センターを設置いたしましたけれども、こういったところでもサポートをしていきたいというふうに思っております。  さらに、先ほど御答弁した移住、UIJターンの関係ですとか、移住支援金、企業支援金の支給などにもしっかり対応していきたいと思っています。  県としては、今後も若年の女性の転出超過状態の改善も含めまして、社会動態の改善にしっかり対応していきたいというふうに考えてございます。  次に、出生率に関してでございますが、要因を分析して実施可能な施策に取り組むべきという御質問にお答えいたします。  全国的に出生率の高い県、上位5県を見ますと、沖縄県が1.89、島根県が1.74、宮崎県が1.72、鹿児島県が1.70、熊本県が1.69という状況でございますが、これらの県の分析をいたしますと、第3子以降のお子さんの出生率の割合が高いということがあります。  また、男性の未婚率が比較的低い、要するに結婚されている方が多いということです。また、配偶者のある方、有配偶者の方の出生率が高い、結婚された方の出生率が高いという状況でございます。  さらには、6歳未満のお子さんがいらっしゃる世帯の妻の家事、育児時間が比較的少ないといったような傾向が見られております。  また、富山県と福井県を比較いたしますと、未婚率が男女とも福井県のほうが低いということでございます。また、有配偶の方の出生率が高い、平均初婚年齢が男女とも福井県のほうが低い、若くして結婚しているという状況でございます。また、妻の家事、育児時間が少ないといった傾向もあります。  こうした出生率の高い県の施策を見てまいりますと、実際には本県と比べてそんなに大きな違いがあるというわけではないんですけれども、特色のある事業としては、例えば福井県におかれては、結婚支援として経営者協会とか商工会議所などの協力を得まして、出会いの機会が限定されがちな中小企業の従業員の方を対象とした出会いと結婚の支援、それから企業間交流のサポートといったことに積極的に取り組まれておられます。  この事業では、参加者の方の勤務先、当然どこの企業が参加しているかがわかりますので、参加者の勤務先が確かで信頼できるといったこと、また違う職種、それから違う業種の方と話せて刺激になるといったことなどで、参加者から好評だったというふうに聞いております。  本県におきましても、中小企業の従業員の方などを対象として、自然な出会いの創出を目的とした異業種交流会を昨年度から開催いたしておりますけれども、本年度は福井県の例なども参考にいたしまして、さらにこれを拡充して実施をしてまいりたいと考えております。  今後とも、出生率が高い県の要因の分析はもちろんですけれども、効果の上がっている優良事例についても調査をいたしまして、本県で取り入れられるものはしっかり取り入れて、希望する方の出会いと結婚が円滑に進むように取り組んでまいります。  最後、4点目でございますけれども、平均初婚年齢と合計特殊出生率の相関関係についてですが、出会いの場をふやすことが重要だという質問にお答えを申し上げます。  平均初婚年齢と合計特殊出生率の間には、当然のことですけれども、初婚年齢が高ければ合計特殊出生率が低くなるという負の相関関係が見られております。全国的に平均初婚年齢が低い都道府県は、合計特殊出生率が高くなるという、要するに早く結婚すれば合計特殊出生率が高くなるという傾向にございます。  本県の平均初婚年齢は、男女とも年々上昇しておりまして、結婚を希望する方、これは離婚を経験された方も含めてですが、自分が望む年齢で結婚あるいは再婚できるようにすることも大切だと考えております。  マリッジサポートセンターにおきましても、初婚であっても離婚を経験された方であっても、自分が望む結婚ができるようにしっかり支援に努めているところでもございます。  今年度は、特に若い方に効果的に訴求できますように、マリッジサポートセンターの情報をSNSやタウン情報誌に掲載をしてPRをしてまいります。また、センターの利用方法ですとか、県内で開催されます婚活イベント、セミナーの情報をホームページに掲載していますが、そちらのほうに誘導できるような仕組みも考えてございます。  出会いの場をふやすということは当然重要でございますので、若者が好む自然な出会いの場を創出いたします企業間交流会の開催ですとか、民間企業が実施する婚活イベントの補助につきましても、参加人数が多くなれば、さらに補助上限を引き上げるといった支援を行うことといたしております。  繰り返しになりますけれども、結婚は個人の自由な意思決定に基づくものではございますが、県内の若者の結婚に関する意識をしっかり把握分析いたしまして、多くの方が参加しやすいような出会いの場を工夫するなど、結婚を希望する方々が望まれる時期に結婚できるという願いがかなうような環境づくりが進むようにしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 92 ◯議長(中川忠昭君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 93 ◯厚生部長(市村仁志君)高齢でも安心して出産できる体制づくりについての御質問にお答えをいたします。  本県においても、議員御指摘のとおり、全国と同様に出産年齢が上昇傾向にありまして、出生時の体重が2,500グラム未満の低出生体重児の割合も増加傾向にあることから、特に健康管理に留意が必要な高齢の妊産婦や、リスクの高い低出生体重児等に対する対応が必要でございます。  このため、県では、リスクの高い分娩や超低出生体重児に対します高度な新生児医療にも対応可能な総合周産期母子医療センターである県立中央病院を中心に、2次医療圏ごとにあります中等度の異常が見込めます母体とか胎児等の受け入れを行います地域周産期母子医療センターと、地域の病院、診療所、助産所によります周産期医療体制を構築しておりまして、富山県周産期医療搬送・紹介ガイドラインに基づき、適切な搬送、受け入れ体制を構築しております。  また、高齢妊産婦の不安を解消するため、各市町村の子育て世代包括支援センターなどと連携しながら、県の女性健康相談センターや厚生センターにおいて、専門の相談員や保健師が相談にきめ細かく対応するほか、今年度からはSNSを活用した相談にも対応することとしております。  さらに本県では、国に先駆けて特定不妊治療助成制度を創設するなど、全国トップクラスの不妊治療や不育症の治療費助成制度を設け、子供を望む夫婦の経済面の支援も行っているところでございます。  県といたしましては、今後とも、高齢であっても安心して安全な妊娠や出産ができますよう、医療機関や市町村と連携をし、ハード、ソフト両面からしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 94 ◯議長(中川忠昭君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 95 ◯土木部長(水口 功君)富山高岡広域都市計画区域の土地利用についての御質問にお答えをいたします。  市街化調整区域におきましては、原則として、店舗等を立地するための開発は認めておらず、都市計画法に定める開発許可制度に基づき、例外的に開発行為や建築物の新築を許可することとされております。  また、許可を得て新築された建築物の用途を変更する場合も、無秩序な利用を制限する観点から、原則として許可を要するものとされておりますが、建築物の用途変更の許可に当たりましては、新規に許可する場合と異なり、開発区域内の排水施設など、必要とされる施設の詳細を確認する必要性が低いことから、主に土地や既設建築物の現況や利用目的を確認するために、最低限必要となる書類の提出を求めているところであります。それでも提出書類が多いという御指摘と受けとめさせていただきます。  また、同じ業態で空き店舗等を再利用するような場合、具体的には従前、衣服を扱っていた小売店舗を食料品の小売店舗として活用するというような場合には、用途変更に該当しないものとして取り扱い、許可は不要とするなど、弾力的に運用しているところであります。  県としましては、無秩序、無計画に開発が拡散しますスプロール現象を抑制するために、開発許可制度は不可欠なものと考えておりますが、議員から御指摘いただきましたように、今後とも、許可申請者の事務負担の軽減や経済活動への影響に十分留意し、円滑でスピーディーな事務の執行に努めますとともに、これまでの許可事例や他県における取り扱いなどを踏まえ、申請書類や審査事務の簡略化など、弾力的な対応について、同じく許可権限を持つ富山市や高岡市とも協力しながら研究してまいりたいと考えております。  最後に、釣り振興モデル港に関する御質問にお答えをいたします。  釣り振興モデル港につきましては、地域の関係者による釣り文化振興の取り組みが進められている港湾を地元協議会からの応募により国が指定し、技術的な支援等を予定するものであります。  指定の条件としては、釣りによる地域活性化を図るという地域の意向があることのほか、安全対策が十分にとられていること、地元関係者から成る協議会が組織されていることなどがあります。  本県での指定に向けましては、防波堤や岸壁などの港湾施設には、港湾区域内の水面の静穏確保、船舶の係留及び貨物の積みおろしなど、本来の整備目的がございまして、その利用や機能維持に支障を来さないよう、関係者以外の立ち入りを制限しているところであり、また、本県特有の寄り回り波もありますことから、まずはどの場所を釣り人に開放するかについて、安全面も踏まえて検討する必要があります。  また、昨年8月に富山地区で開催した勉強会では、防波堤付近で駐車場の確保が困難なことや、釣り人によるごみのポイ捨てなどの課題があるとの御意見もいただいており、地元と一体となって釣りによる地域振興を実現するには、地元関係者を巻き込んだ管理運営体制が構築されることが必要ではないかと考えております。  このように、釣り振興モデル港の指定を受けるためには、幾つかの課題がありますことから、まずは地元市などの意向を十分にお聞きした上で、既にモデル港の指定を受けている新潟県の直江津港などを参考に調査研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 96 ◯議長(中川忠昭君)以上で山本徹君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。
     次に、ただいま議題となっております議案第74号から第88号まで及び報告第5号については、お手元にお配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  次に、お諮りいたします。  議案調査のため、明6月20日及び24日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 97 ◯議長(中川忠昭君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  6月21日及び25日は予算特別委員会を、26日は常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。  次回の本会議は6月27日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれもって散会いたします。  午後4時53分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...