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  1. 富山県議会 2018-09-01
    平成30年9月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 渡辺委員長 おはようございます。ただいまから本日の特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        永森直人委員の質疑及び答弁 2 渡辺委員長 永森委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 永森委員 皆さん、おはようございます。  初めに、消費税率引き上げのことについてお尋ねしたいと思っております。  さきの自民党総裁選でも、この消費税の引き上げにつきましてはいろいろと議論があったところだと思っております。現状のところでは、よほどのことがない限りは予定どおり来年10月に引き上げていきたいというのが総理の発言でございます。そういう意味では、税率引き上げまでおおむね1年というタイミングになってきたのかなと思っております。  本県の経済であったりあるいは県民の暮らしであったり、大変影響の大きい問題であります。富山の現状というものを少しお聞きしてまいりたいと思っております。  消費税の8%から10%への引き上げをめぐりましては、総理はこれまで二度にわたりまして引き上げの延期をしております。これもやはり平成26年4月に5%から8%に税率を引き上げしたときに消費が低迷をして景気が停滞をしたことの反省に立っているものだと思っておりまして、8%から10%に引き上げることによりまして再びデフレに戻り、また、経済成長がとまってしまうということを恐れたのだと思っております。  一方で、この延期をした期間において、経済はデフレ脱却に向けまして着実に前進をしております。名目GDPもかなり増えておりまして、結果として税収も増えております。2017年度の国の決算で58兆8,000億円、これはバブル期並みの高水準の税収になったということでありました。  そういうことも踏まえまして、この二度にわたる消費税率引き上げ延期というのはかなり功を奏したと言ってもよいのではないかと私自身も思っているところであります。  そこで、まず、10%への引き上げが二度にわたり延期されてきましたが、この間の経済情勢を踏まえた引き上げ延期判断への評価と本県財政への影響につきまして、石井知事の御所見をお願いいたします。 4 石井知事 消費税、地方消費税の8%から10%への引き上げ実施ですけれども、平成26年4月にまず8%へ引き上げ後、個人消費が2四半期連続で、前年同期比から減となりますなどの状況を踏まえまして、平成27年10月から1年半延期されたわけでございます。  その後、平成28年6月には世界的な需要の低迷等による景気悪化のリスク等に備えてあらゆる政策を総動員すると安倍総理が判断されまして、さらに2年半再延期されております。  税率8%への引き上げ後は一時的に個人消費が低迷したことなどを踏まえまして、国においては財政、金融の両面から積極的な経済対策に取り組まれまして、高い水準の賃上げが5年連続で実現し、消費も平成28年度以降、GDPはおおむね前期比プラス傾向で推移し、正規の有効求人倍率も過去最高となりますなど、我が国の経済は緩やかに回復していると認識しております。  一方で、引き上げの延期によりまして国、地方を通じて毎年5.6兆円の税収の確保が先送りすることになりまして、地方分としましては地方消費税の分と地方交付税の原資分、2つ合わせますと毎年1兆7,000億円程度、富山分として考えますと毎年80億円程度の増収が先送りされていることになります。そのほか、もちろん市町村への影響もあるわけでございます。  国、地方を通じた厳しい財政状況や急速に進む少子高齢化を踏まえまして、社会保障・税一体改革として国と地方が力を合わせて消費税率引き上げに取り組んできた経緯や、さらに消費税、地方消費税の税率の8%から10%への引き上げによる増収分の年5.6兆円のうち1.7兆円については、当初予定していた社会保障の安定化、すなわち財政健全化にではなくて、幼児教育の無償化等の財源として活用するということにされていることなどを考えあわせますと、消費税率引き上げ予定どおり行うことは必要で避けられないのではないかと、このように思っております。
    5 永森委員 ありがとうございました。次に、県内の経済状況ということで確認をしておきたいと思っております。  今ほど、いろいろお話もありましたけれども、過去の税率引き上げ延期の判断時期を見ていきますと、平成27年10月の引き上げについては平成26年11月の時点で総理が延期の判断をいたしております。また、平成29年4月の引き上げについては、平成28年6月に延期の判断をしております。おおむね税率引き上げの1年前ぐらいの経済状況というものを勘案しながら引き上げの延期を判断した格好になっております。  現在はまさに税率引き上げのおおむね1年前ぐらいに当たるわけであります。そうしたことから考えまして、過去2回にわたる消費税率引き上げの延期の判断がなされた当時と比較しての現在の経済の状況というのはどのようになっているのか、伍嶋商工労働部長、よろしくお願いいたします。 6 伍嶋商工労働部長 過去二度にわたります消費税率引き上げの延期を判断した当時の県内経済の状況につきましては、まずは平成26年11月の1度目の延期当時では、その年は1月から6月期の個人消費が大きな減少となる一方で、生産については一部の弱い動きの中、緩やかな持ち直しが見られるとともに有効求人倍率が上向きになるなど、全体としては緩やかな回復基調が続いていた状況であったと認識をしております。  また、平成28年6月の2度目の延期当時では、個人消費及び生産面におきまして改善が見られますとともに、有効求人倍率が1.62倍という高い水準の中で経済の基調といたしましては平成26年と同様に景気は一部に弱さが見られるものの緩やかな回復基調が続いていたものと考えております。  一方、現在の県内経済の状況について見ますと、個人消費は緩やかに回復しておりまして、生産においても緩やかに増加しているほか、雇用情勢は、これは本年1月から1.9倍台を継続し、7月の有効求人倍率が1.95倍と全国トップクラスの水準が続くなど、景気は緩やかに回復していると判断をしております。なお、8月30日に公表されました内閣府の地域経済動向におきましても全国12地域のうち、北陸と九州の2地域のみ回復しているとされております。こうしたことを踏まえますと、現在の県内経済の状況は過去の延期が判断された当時と比べますと緩やかな回復基調からさらに緩やかに回復へと、総じて上向きの経済状況にあると認識をしております。 7 永森委員 ありがとうございました。本県経済も力強く回復に向かっているということであります。大変頼もしい発言だったと思っておりますけれども、他方でデフレ脱却が道半ばということも言われております。また、税率引き上げによる個人消費の減退ということがまた起こるのではないかと、そんな不安もやはり拭い去ることができないわけでありまして、やはりとしても消費税率引き上げにより県内経済が落ち込まないように税率引き上げに際しましてはしっかりとした経済対策を行ってもらうなど、万全の対策を国に求めていただく必要があると思っております。  消費税率引き上げに対する石井知事の認識を改めて伺いたいと思います。 8 石井知事 先ほど申し上げましたように、消費税率の10%の引き上げについては必要で避けられないと考えていますけれども、御指摘のように消費税率引き上げの際には駆け込み需要と反動減に代表される消費行動が我が国の経済にマイナスの影響を与えることがないように、需要変動の平準化に向けて国として実効性のある経済対策に取り組むことが重要だと思っております。  政府・与党におかれても、同様の認識のもとで骨太の方針に2019年10月1日に予定されている消費税率が8%から10%に引き上げを実現する必要があると明記された上で、また、税率引き上げに伴う需要変動に対して機動的な対応を図る観点から臨時・特別の措置を2019・2020年度当初予算において講ずることと-8%から10%の引き上げ前後にしっかり当初予算でやれと、このようにわざわざ言っているわけであります。  としましては、そうした際に富山初め、地域経済の活性化に十分配慮した総合的、積極的な、また、実効性ある経済対策を講じていただきますとともに、地方の財政運営に支障が生じないよう十分留意していただきたいと考えておりまして、7月に札幌で開催された全国知事会議の際にも提案しまして、全都道府県の同意を得て知事会の提言書にその旨、明記させていただいております。  こうした富山全国知事会の提言の内容につきましては、先般、安倍総理が来された際にも直接お願いいたしましたし、また、7月の初めごろ、野田総務大臣、また、7月下旬には菅官房長官、また、自由民主党の二階幹事長はどうしてもお会いできなかったので林幹事長代理等々にもお話をしておりますし、宮沢税制調査会長にも話をさせていただきました。  また、としましても、消費税率引き上げが円滑に運びますように国の経済対策に呼応しまして、本県経済の持続的な成長発展に資する地域経済活性化策について国の交付金等を最大限活用しますなど、財政の健全性の確保にも十分留意しながら今後の予算編成の中でしっかり取り組んでいきたいと思っております。 9 永森委員 ありがとうございました。それこそ、冒頭に申し上げましたとおり県内経済に大きな影響を与える大変大きな政治課題だと思っております。  県内経済が腰折れすることのないように、今後とも万全の対策をよろしくお願いしたいと思っております。  続きまして、農業に関する問題についてお尋ねをしてまいります。  初めに、ため池の防災事業ということでお尋ねをしてまいりたいと思っております。  7月に西日本を中心とした豪雨ということで大災害が発生をいたしました。農業用水を確保するためのため池が決壊をいたしまして、あふれた土砂が住宅を押し潰し、その家に住む女の子が亡くなるという大変痛ましい被害もあったところでございます。  ため池につきましては、これまでも東日本大震災、また、熊本の地震など、そうした地震災害であったり、あるいは台風や豪雨災害、そうした場面で被災をして人命や住居、農業生産基盤に甚大な被害を与えるケースも頻発をしておりまして、その防災対策は急務であると思っております。  本県には1,900カ所以上の農業用ため池があるということですが、中でも規模が大きく、ため池直下に人家等があり、多大な影響を与える恐れがあるため池を防災重点ため池ということで位置づけいただいて、対策を進めていただいているところです。  そこで、まず、防災重点ため池における詳細な調査の現状や防災・減災事業の進捗状況について、芝田農林水産部長に伺います。 10 芝田農林水産部長 本県では農業用ため池1,916カ所のうち、堤高が10メートル以上か、貯水量が10万立方メートル以上、またはため池直下に人家や公共施設等があり、決壊すると多大な影響を与える恐れがあるという3つの条件のいずれか1つでも該当する159カ所を防災重点ため池と位置づけ、順次耐震性調査や改修整備を行うこととしております。  この耐震性調査については、平成29年度までに125カ所において完了しており、耐震化補強工事が既に実施済みの調査が不要な箇所、11カ所ございますが、これを含めると合わせて136カ所が終了しております。  この中で安全率が1.0を下回る耐震不足のため池64カ所は特に危険度の高いため池として優先的に耐震化補強を行うこととしておりまして、これまでにそのうち31カ所で防災・減災事業を活用した整備工事を実施しております。  ため池の整備には多額の費用と相当な期間が必要になりますので、調査の結果や漏水等の現状を踏まえまして、総合的に判断し緊急度の高いものから順次整備を進めてまいります。 11 永森委員 ありがとうございました。順次、対策のほうは進めていただいているということであります。  そして、また、今防災重点ため池の指定の定義につきましても、3つの条件ということでお話をいただいたところでございます。  しかし、7月の広島の豪雨災害において、ため池が決壊をして女の子が亡くなったということで申し上げましたけれども、このため池は、実は防災重点ため池には選定されていなかったということでありました。  防災重点ため池以外にも対策が求められる、そうしたため池があるのではないかということが浮き彫りになっておりまして、国のほうでも防災重点ため池の指定基準の見直しの議論もされているということであります。  そこで、これまでの防災重点ため池の選定が不十分との指摘がありますが、本県における選定状況をどのように認識しているのか、芝田農林水産部長、よろしくお願いいたします。 12 芝田農林水産部長 本年7月に西日本を中心とした豪雨によりまして、他において多くの農業用ため池に関する災害が発生いたしましたが、その中には防災重点ため池に選定されていないものが決壊し、人的被害が発生する事例が見られました。  これらのにおける防災重点ため池の選定につきましては、下流域への影響を考慮せずため池の規模のみを基準として選定されたところもあると聞いておりますが、本県におきましては国の基準に準拠し先ほどお答えしましたとおり、ため池直下に人家や公共施設等があり、決壊すると多大な影響を与える恐れがあるものも含めてしっかり調査をいたしまして選定を行っております。  なお、国においては本年7月の豪雨被害を受け、本年8月末をめどに全国一斉緊急点検を実施されまして、この調査結果をもとに防災重点ため池基準の見直しや効果的なため池対策の検討を行うとされておりまして、本県においてもこれらの動向を注視しため池の防災対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 13 永森委員 ありがとうございました。富山のほうではしっかりとそうした選定基準を含めて対応いただいているということで安心いたしました。  他方で、このため池の防災・減災対策につきましては、ため池の全国の被災の現状を見てみますと豪雨による被害がおおむね7割、そして、地震による被害が3割ということになっておりまして、ため池が被災するケースにおいて、豪雨による被害が圧倒的に多いという状況になっております。  他方、現在のため池の防災・減災対策においては、耐震化をする場合には、受益者である地元の農家の皆様の負担なしでできるということですけれども、堤体からの漏水などの老朽化対策においては中山間地域を除いて農家負担があるという状況になっております。  中山間地域を除いた地域に入るのがつまり射水市と入善町になると思っております。ただ、この中山間地域以外にあるため池というのは、むしろ住宅地により近い場所にあるため池も一般的に多いと思われます。多額の農家負担があるために対策が進まないため池が出てくることを懸念いたします。  今後、どのように事業を推進していくのか、芝田農林水産部長に伺います。 14 芝田農林水産部長 県内のため池は1,916カ所中1,855カ所、約97%に相当いたしますが、中山間地域の指定地域内にありまして、その指定地域において国庫補助事業を活用して老朽化対策を実施する場合には委員御指摘のとおり農家負担を伴いませんけれども、中山間地域の指定を受けていない地域──射水市や入善町といったところは全域該当いたしますが、そこにおいては事業費に対して5%の農家負担が認められております。  一方、耐震補強工事につきましては、自然災害による被災を未然に防ぐことを目的としているため、農家負担を求めないこととされておりまして、これとあわせて老朽化対策を実施する場合には同じように農家負担が不要となってございます。  このため、では耐震補強工事を要するため池とそれに近接をいたしまして、受益が重複する老朽化対策、そういったものが必要なため池につきまして、「ため池群」と設定いたしまして、一体的に整備することにより農家負担が発生しないように工夫することを検討しております。  また、このほかにも地盤改良等の工法への新技術の導入あるいは受益面積の減少に応じた規模の見直し、こういったことにより事業費を抑制いたしまして、農家負担の軽減を図るといったようなことも考えてございまして、今後とも関係の市町、土地改良区と連携して農家負担の軽減が図られるように努めてまいります。 15 永森委員 ありがとうございます。ただ、それで全てのため池を本当にカバーすることができるのかということが1つの課題だと思っておりますし、先ほど部長がおっしゃったとおり、このため池の改修事業、本当に多額の予算を要することになりますので、5%といえども地元が相当大きな負担をしなければならないということになってまいります。  現状の農業者の皆様方のさまざまな所得の状況等を考えましても非常に厳しいものもございますので、そうしたことも踏まえて、またそのへんの対策ということ等をいろいろと検討いただければと思っております。  次の質問に移ります。  ことしの夏の豪雨災害においては、避難のあり方ということがたびたび問題になったと思っております。  行政には災害時に正確な情報を速やかに住民に伝える、そうした努力が当然必要でありますし、また、あらかじめそれぞれの地域の危険性を市民に周知しておく必要もあります。他方で市民一人一人が、そうしたリスクを自分自身でしっかり認識するという努力も求められていると思っております。  そこで、防災重点ため池ハザードマップの作成状況というのはどのようになっているのか。また、住民に対する周知取り組み状況はどうか、芝田農林水産部長に伺います。 16 芝田農林水産部長 近年、地震や豪雨が頻発しており、地域防災計画ではため池に関する災害リスクを軽減させるため、市や町におきまして、防災重点ため池が決壊した場合に備え、地域住民が迅速かつ適切に避難できるよう被害想定範囲避難場所等を地図化したハザードマップを作成し住民に周知することとしております。  このハザードマップの作成状況につきましては、防災重点ため池159カ所のうち平成29年度末にまでに126カ所で作成をされており、残りの33カ所については今年度中に作成される予定となっております。  また、これまでに作成されたハザードマップにつきましては、市や町のホームページや公共施設等での掲示といったことのほか、ほとんどのため池におきまして地域住民へのマップの全戸配布が行われておりまして、こうしたことによって周知が行われております。  としても引き続き、関係の市や町、土地改良区と連携をいたしまして、ハザードマップ自主防災組織による防災訓練や災害学習の教材等に十分活用されるよう周知に努めまして、地域住民の日ごろの防災・減災意識の醸成にしっかりと取り組んでまいります。 17 永森委員 ありがとうございます。それこそ7月に豪雨災害がありました広島や岡山、そうした地域によってはなかなかこのハザードマップの作成が進んでいないということが課題として指摘をされておりましたけれども、今ほどの富山の取り組みを聞かせていただきまして、改めて日ごろからいろいろと御尽力をいただいているということで、心強く思った次第でございます。  次に、豪雨時のため池に関する避難行動ということであります。  例えば河川の決壊、津波、高潮等々の自然災害の危険が迫った場合に、避難のあり方について地域防災計画や水防計画においてしっかり位置づけがなされているわけでありますけれども、ため池に関する避難については地域防災計画等に記載がありません。ため池の管理責任者は一般的に行政ではない場合が多いということもあり、ある種の盲点になっているのではないかと思われます。  他方で、ため池決壊による被災が例年各地で起きていることを踏まえ、ため池についても、万一の場合の避難のあり方などを地域防災計画や水防計画へ位置づけるなど、防災情報を県民へ伝達する手段の確立に取り組む必要があると思いますが、芝田農林水産部長に伺います。 18 芝田農林水産部長 本県ではため池の防災・減災対策を推進するため、富山地域防災計画の災害危険地域といたしまして防災重点ため池及び老朽ため池を位置づけておりまして、その中ではため池の管理者は日ごろからため池点検を行い、異常な兆候の早期発見に努めるとともに緊急連絡体制を整備すること、としております。  御質問の住民への情報伝達につきまして、ではため池の管理者を対象としたため池の監視・管理体制強化技術研修会を開催いたしますとともにため池等基幹的農業用施設の一斉パトロール、これは本年6月に実施いたしましたけれども、こういったものを実施して、保全管理に関する意識醸成やスキルアップを図っています。  また、地震等の災害発生時における初動対応を迅速かつ的確に実施するために農地等災害対応マニュアルというものを定めておりまして、それに基づいてため池ごとに連絡体制を構築しておるところでございます。  さらに、国におきましては地震時や豪雨時にため池の決壊危険度をリアルタイムに予測をいたしまして、その情報を共有できるため池防災支援システムというものを今開発中でございます。  このシステムは、例えば豪雨時には6時間後までのため池の決壊危険度を予測いたしまして、インターネットで予測結果を地図に表示をするといったようなことで、平成31年度からの本格運用を目指しておられます。  今後、このシステムが実用化すれば、ため池周辺の住民の避難対策や決壊防止のための緊急対策等が可能となり、ため池の防災情報を県民に伝達する手段といたしまして非常に有効と考えられますので、国における取り組みを注視してまいりたいと考えております。 19 永森委員 ありがとうございます。そうしたことも含めまして、万一の場合、この自然災害は本当に恐ろしい状況になってきておりますので、万全の対策をまた、敷いていただければと思っております。  続きまして、園芸振興について伺いますが、委員長、ここで資料の配付の許可をお願いいたします。 20 渡辺委員長 許可いたします。 21 永森委員 富山は水田率が9割以上と全国1位になっておりますが、片や畑作面積は全国一小さく、園芸の振興は本県農業の大きな課題であると思っております。  そんな富山にあって、水田という農業基盤を活用して、さまざまな課題を乗り越えて、わずか数年で産地へと成長させたJAとなみ野のタマネギ栽培は本県の園芸振興の希望であると受けとめております。  ではJAとなみ野のタマネギの成功事例について、他のJAへの横展開を図るとしてタマネギ等モデル展開事業に今年度から取り組んでおられます。  他方、先般、JAの青壮年部の皆さんと意見交換をした際に、タマネギの生産をさらに拡大した場合に乾燥施設のキャパシティーなどに課題がある、また、そうした設備投資に相当な先行投資が必要であるとの指摘もありました。タマネギの成功事例を他のJAに横展開を図るに際し、他のJAの関心はどうなのか。また、課題をどのように捉え、今後どのように取り組んでいくのか、芝田農林水産部長に伺います。 22 芝田農林水産部長 JAとなみ野のタマネギは、本県が平成22年度から取り組んできております園芸の1億円産地づくりを牽引する品目であると考えておりまして、その販売額は平成21年度の950万円から平成29年度には約3億5,000万円と約37倍に増加をしておりまして、さらに平成30年産の作付面積が192ヘクタールと前年の約1.6倍に拡大するなど、着実に成果を上げております。  では、この成功事例を県内の他のJAに広く普及するため、本年度タマネギ等展開モデル事業を実施いたしまして、隣接するJA管内での栽培実証、そして、県内の生産者やJAの営農指導員等を対象とした栽培研修会の開催を行うとともに、お話にございました乾燥施設の非常に多額の投資がかかるという課題解決を念頭に簡易な乾燥方法で出荷をしている産地、例えばパイプハウスで送風乾燥をするといったような簡易なやり方でやっている産地がございますので、そういった産地の事例調査を行っております。  こうした取り組みによりまして、まず、本年秋には小規模ではございますけれども、JAとなみ野以外の6つのJAにおいてタマネギの栽培実証に着手される予定となっております。  その際にはJAとなみ野の協力によりまして、定植機や堀取り機等の専用機械を利用することが可能となっておりまして、としては栽培技術とあわせまして機械作業に適した圃場の排水対策等の管理技術の徹底も図られるように指導していくこととしております。  今後ともこの栽培実証も踏まえまして、タマネギの本格的な導入を目指すJAや農業経営体に対し、生産規模の状況に応じて国、の補助事業を活用した専用機械や設備の導入支援、栽培技術の普及などを進めてまいります。 23 永森委員 ありがとうございました。本当にそうした形でタマネギの生産がどんどん拡大をしてさらに産地としての強みが発揮できるようになれば大変いいことだなと思っております。ありがとうございます。  次に、1億円産地づくりということでお尋ねをしたいと思っております。  資料のほう、皆様方に配付をさせていただきました。最初のページ、1枚目をごらんいただきたいと思っております。  からいただいた資料をもとにいくつか品目はあるんですけれども、申しわけないですけど平成29年の販売額で1,000万円を超えているものだけをちょっと抽出してまとめさせていただいた資料であります。  一番下のJA全体を見ていただくと、基準年が平成21年度と書いてありました。平成21年度から平成29年度までの間におおよそ倍以上、4億7,000万円ぐらいから10億円を突破してということであります。2倍以上に伸びているということでありますし、栽培面積に至っては3倍ぐらいに増えているというような状況になっております。  大きな成果がこの1億円産地づくり全体で見ると上がっていると言えますけれども、ただ、今ほど部長から御答弁がありましたとおり、このタマネギ栽培がかなりこの1億円産地づくりを牽引しているという──このオレンジ色に塗ってあるところを見ていただければわかるんですけれども、JAとなみ野のタマネギ、そしてまた、JAいなばのハトムギ、この2つで相当の産地づくりの増加に寄与をしているという状況が確認できるかと思います。  また、黄色で塗ってあるJAくろべのネギ、そして、JAいみず野のエダマメ、これは平成21年度に取り組んでから販売額、売り上げともに2倍以上になっております。かつ、面積も10ヘクタールを超えてきているという状況になっておりますので、相当頑張っているほうだと言っていいのかなと思っております。  他方で高岡の軟弱野菜、氷見のネギ、こうした地域においては高齢化等々も影響しているというようなお話もございましたが、販売額、そして、また、面積ともに減少に転じているということでありますし、その他、色の塗っていない部分につきましても、多少増減はありますけれども、全体で見ていくとおおむね横ばいというような傾向が見てとれるわけであります。  のこの1億円産地づくり、全体として非常に成果を上げていまして、の園芸算出額は基準年である平成21年度では全体で71億円ということになっているんですけれども、平成28年度では97億円と相当増えています。26億円増えているんですけれども、しかし、全国順位で見ると長く最下位ということが続いております。  平成23年度、平成24年度と一旦46位と最下位を脱出したんですけれども、その後はまた、最下位に逆戻りをしております。  園芸振興を含めまして農業経営の多角化をしていくことは、農家所得の向上、ひいては農業を持続可能なものとしていく上で大変重要なことと思っております。  1億円産地づくり事業を始めて10年近くが経過してきておりますが、お配りした戦略品目別の推移をごらんになっていただいただけでも、うまくいっている品目は限定的でありまして、課題が浮き彫りになりつつあると思います。  もさまざまに対策を打っていただいておりますが、そろそろ抜本的な見直しも必要な時期にきていると思います。タマネギをモデルとして県内JA横断的に生産品目のさらなる集約を図り、のリーダーシップのもとでさらなる産地化を推進すべきと考えます。石井知事の所見をお願いいたします。 24 石井知事 園芸の1億円産地づくりにつきましては、JAとなみ野のタマネギ、また、JAいなばのハトムギ、JAいみず野のエダマメなど御指摘のように着実に成果が上がっております。  一方で、高齢化による生産者の減少、機械化による省力化が見込めないこと、また、病害による収量や品質の低下などの要因で伸び悩んでいる品目もございます。  今後、委員の御指摘のとおり本県農業の成長産業化を進めていくためには、地域の条件に応じた作付を基本に収益性の高い園芸品目に集約する。例えば10アール当たりの収益性、粗利益によりますとタマネギは10アール当たり16万円、コシヒカリが3万円です。また、時間当たりの労働報酬という視点で見ますと1時間当たりコシヒカリが1,583円に対してハトムギは5,162円ですので、こういった指標などもしっかりにらみながら収益力の高い品目に集約していく、また、県内JAを横断した産地化を図っていくということが大切だと思います。  そこで、1億円産地づくりを加速化するために販売額が伸び悩んでいる戦略品目を見直す、また、成功事例であるJAとなみ野のタマネギについては、他のJAへ広く横展開いたしまして、将来的には組織化を図って大規模な広域産地を結成する。また、安定的な需要が見込まれて、かつ、機械化一貫体系が確立しておりますニンジンや加工キャベツにつきましては、県内JAの枠を超えたさらなる広域産地化を推進しますなど、本県園芸の一層の生産拡大を図ることにいたしております。  収益力の高い園芸作物の大規模な産地化、これはやっぱり大事なことだと思っておりますので、委員のお話のとおり市町村や関係団体と一体となりまして、引き続き積極的に取り組んでまいります。 25 永森委員 ありがとうございました。大変前向きに取り組んでいただけるということで安心をいたしました。ぜひともよろしくお願いをいたします。  最後に、ロシアとの交流促進についてお尋ねをさせていただきます。  本年7月、自民党議員会の富山湾未来創造調査会が訪露団をつくりまして、四方会長を団長としてロシア沿海地方ウラジオストク市を訪問し、ロシア沿海地方議会のローリク議長らと意見交換をしたり、また、ウラジオストク商業港やFESCOなどを訪問し意見交換をしてまいりました。  現在、伏木富山港からシベリア鉄道を活用しモスクワへコンテナ貨物を輸送するシベリア・ランド・ブリッジ構想について、として第2回目の実証実験を行っているさなかでございます。  一方でことしの夏、本県と同じように国土交通省でもシベリア鉄道を活用して貨物輸送を行う実証実験、シベリア鉄道による貨物輸送パイロット事業を行うと報道がなされ、既に実験が始まっております。その概要は資料の2枚目につけてあるところでございます。  最初は富山がこれまで先駆けて取り組んできたこの事業に国も理解を示してくれて国も一緒にやってくれるのかと大変喜んでいたんですけれども、よくよく資料を見てみると、荷物は横浜港で積み込みをして輸送するという内容になっているわけであります。  この構想は今ほど申し上げたとおり富山が全国に先駆けて進めてきたプロジェクトでもありますし、また、伏木富山港がロシア航路のラストポートになっているということを考えても、より効果を発揮できるのは富山であるということは確かだと思っております。  他方で、この富山のシベリア・ランド・ブリッジの構想を推進していく上では、通関手続の迅速化であったり、あるいはシベリア鉄道自体の価格競争力の向上というようなことで、ロシア連邦に国を挙げて取り組んでいただかなければいけない課題も非常に多いわけでありまして、国の事業との今後の連携は非常に大事だと私は考えます。
     そこで今後は、伏木富山港を出港する実験も国に働きかけるなど、国の事業にも積極に関与をして、また、国の力も借りながらこのシベリア・ランド・ブリッジ構想を進めるべきであると考えますが、今後の方針を伍嶋商工労働部長、お願いをいたします。 26 伍嶋商工労働部長 今、委員から御紹介のありましたとおり、国交省では今年度シベリア鉄道の利用促進に向けた課題を現場レベルで検証することを目的として、荷主企業などにその利用をPRするため、荷主企業や物流事業者を対象とした公募事業といたしまして、貨物輸送パイロット事業を実施されているところであります。  この公募に際しましては、県内の物流業者からも大手の物流事業者に対しまして、伏木富山港を活用する事業提案がなされるよう働きかけがなされておりましたけれども、国交省に確認したところ、計画上では結果として7つの実証事業が選定され、今のところ伏木富山港を利用する事業はないと聞いております。  ただ、先ほど委員おっしゃいましたが、今回、第1回目として横浜港を出港するものがありましたけれども、その他の全体で7つのうちの6つの事業についてはどこから出すかというのはこれから計画が決まるということでございます。  一方、本県では平成20年度以降、ロシア向けの輸送実験を継続的に実施してきておりまして、平成26年度にはシベリア鉄道を利用いたしましたモスクワ方面向け貨物の試行的な輸送に対する補助制度を創設するなど、国に先行してシベリア鉄道を利用した貨物輸送に取り組んできております。  今年度は、昨年度にロシア極東港路を運行いたしますFESCO幹部が明言されました輸送日数の短縮の実態を確認するための検証事業を実施しておりまして、去る7月の第1回の実証実験では伏木富山港の出港からモスクワ到着まで16日間ということになりまして、従来の23日から24日程度かかっていたものと比較しますと大幅な日数の短縮が確認できたところでございます。  また、現在第2回目の実証中でありまして、去る9月20日に伏木富山港を出港したところでございます。  としてはこうした輸送実験の成果につきまして、東京、名古屋で今後開催いたします伏木富山港利用促進セミナーにおいて十分PRしながら、引き続きロシア極東港路及びシベリア鉄道を利用した貨物輸送の活用に積極的に取り組みたいと考えております。  また、委員から御提案のありましたとおり国のパイロット事業、こうしたところとも十分に情報交換を行いながら国のパイロット事業におきまして伏木富山港が活用されるよう強く働きかけてまいりたいと思っております。 27 永森委員 ぜひともこのシベリア・ランド・ブリッジ構想を富山の構想にとどめずに、本当にこの日本海側を代表するこの伏木富山港が全国の中でも優位性のある港として活用していただけるように、ぜひとも国を挙げての国家プロジェクトとして取り組んでいただけるように働きかけをしていただきたいと思います。  そして、このシベリア鉄道を活用しての輸送実験、これはこれまで日本からヨーロッパへの輸送手段は海上輸送、これは安いけど時間がかかるという輸送手段であります。また、一方で空輸というものもありまして、これは非常に輸送時間は短いんだけれども値段が高いということでありました。  今回のこのシベリア・ランド・ブリッジ構想というのは、船と鉄道の複合輸送、つまり第三の輸送手段と言われております。  しかし、そこで課題となるのは多少輸送コストが高くなっても海上輸送から切りかえて輸送日数を短縮したい、そういうニーズを持つ荷主さんをどのように発掘していくかということだと思っております。  FESCOやウラジオストク商業港などを訪問した際には、例えば食品や農作物など高湿度を伴う長期の海上輸送が好ましくない品目、流行のある衣料品、修理部品などで需要があるのではないかという話もお聞きをいたしました。  そこで、シベリア・ランド・ブリッジ構想の取り組みをさらに推進するため、輸送品目を絞ってポートセールスやモデル事業を行う必要があると考えますが、来年度以降の取り組み方針を伍嶋商工労働部長に伺います。 28 伍嶋商工労働部長 現在、シベリア鉄道を利用してモスクワ方面に輸出される伏木富山港からの主な貨物としては、住宅用建材や化学薬品、また、自動車部品などが多くありまして、今後、シベリア・ランド・ブリッジの取り組みを推進していくためには、現在取り扱われているこうした品目の貨物量をしっかりと増加させるとともに委員から御指摘のありましたこの物流ルートの強みであります速達性などを生かした食品や農作物、衣料品、修理部品など、新たな貨物需要を開拓していく必要があると考えております。  このため、従来からの官民一体となったポートセールス事業推進協議会におけるセールス活動に加えまして、今年度新たに物流アドバイザーを配置して取り組んできておりまして、その結果、先般、9月ですが、外の荷主企業2社がトライアル輸送として伏木富山港からシベリア鉄道を利用してモスクワまでの菓子類の輸送、これは両社とも20フィートのリーファーコンテナ──温度、湿度を管理できるコンテナですけれども、を利用して輸送が行われております。この輸送はの補助金を活用したものではありますけれども、輸送日数やコスト面での有利性のほか、良好な品質状態での輸送が確認されれば継続利用も見込まれ、今後の伏木富山港の利用拡大につながるものと期待をしております。  来年度以降の取り組みにつきましては、先ほど答弁いたしましたが実施している輸送日数検証事業の結果や国のパイロット事業の成果などを踏まえた上で荷主企業や物流事業者等の関係者のニーズや意見も伺いながら、さらに委員から御提案のありました品目の絞り込みなどさらなる貨物の集荷促進や現行の主流ルートでありますスエズ運河ルートの輸送貨物をシベリア鉄道の利用に切りかえてもらうという方策などのあり方につきまして、総合的かつ戦略的に検討してまいりたいと考えております。 29 永森委員 さらなる事業の推進に期待したいと思っておりますし、ロシアを訪問いたしまして、本当にロシア側もこのルートに大変期待をしているというところが非常にはっきりわかりましたので、ぜひとも、それこそ足並みをそろえてともにこのシベリア鉄道を使うルートというものを一緒になって開拓していっていただきたいとこのように思います。  続きまして、富山─ウラジオストク直行便、航空便についてお尋ねをしたいと思っております。  ことし7月、先ほど申しましたとおり久しぶりに富山空港からロシアへチャーター便が飛びまして、行きはハバロフスクに入り、帰りはウラジオストクから帰ってまいりました。  ウラジオストク─富山間は直線距離で800キロぐらいしかありませんので、1時間半ぐらいのフライトで到着をいたしました。改めてその近さというものを痛感した次第でございます。  現在、日本国内からウラジオストクへの定期直行便は成田便と関空便だけであると思っておりますけれども、しかし、一部の報道によれば、この冬からは札幌からもウラジオストク便がウラル航空により週2便で定期就航するというニュースもありました。あと、現地を訪問していた際には春秋航空などLCCも日本とロシアの定期就航便にかなり関心を持っているというようなお話もお聞きをしてまいりました。  昨年も同じ質問をさせていただいて、新潟あるいは鳥取あたりもチャーターをやっているんだけど、かなり苦労しているということで、なかなか厳しい答弁を頂戴したことはまだ記憶にしっかりと残っているわけなんですけれども、そうしたことも承知しつつも、やはり改めてチャーター便というものに乗っていまして、それでも民間事業者がチャーター便をやるというような意欲があれば、ぜひともとしてもその取り組みをしっかり支援をしていただきたいと思っておりますし、また、なければ、むしろ民間事業者にできないかということを働きかけしていただくぐらいの意気込みで頑張っていただきたいと思うわけであります。  そして、また、そんな中できのう、のほうから情報提供をいただいた話ではありますけれども、7月に私ども未来創造調査会が沿海地方を訪問して、ローリク議長にぜひこの直行便を何とか復活できないだろうかということで要請をしてきておりました。私どもも要請はしてきたんですけれども、よもや結果が来るとはあまり正直期待をしていなかったわけなんですけれども、どうもウラジオストクの総領事館を通じまして外務省を経由いたしまして、このローリク議長から書簡が届いておりまして、我々の提案を受けとめて沿海地方行政府のほうにも議会のほうから働きかけをしていただいたということであります。  そして、これがインバウンドの増加や、ウラジオストクの観光サービスによい影響を与えるということを指摘しながら、また、現地の航空会社であるオーロラ航空のほうにも働きかけもしていただいているようであります。  同社の意見では、まだまだこの需要というものは小さくてかつ就航に多額の経費がかかるところからなかなか難しいのだけれども、航空便に強固な需要の存在もあり、また、県庁からのマーケティングであったり、事業拡大に対する支援プログラムがあればオーロラ航空会社はウラジオストク─富山便の航空便就航を再開する用意があるということが書かれておりました。  この支援の中身もまだまだ来たばかりですから、のほうでもよくわかっていない状況だと思っておりますし、そんな簡単なことでは恐らくないんだろうということも十分認識をしておりますけれども、せっかくこういう形で沿海地方議会のほうからこうしたお話もあったわけでありますので、何らかのアクションをとしてもぜひとも考えていってもらいたいなというのが私どもの思いであります。  そこで、このチャーター便をぜひとも来年以降継続をして、さらには増便ということも考えていただきたいと思いますし、同時に同便の季節就航、また、定期便につなげるような、そうした動きをぜひとも推進をしていただきたいと思います。猪俣観光・交通・地域振興局長にお尋ねをいたします。 30 猪俣観光・交通・地域振興局長 ことし7月に運行されましたチャーター便は平成22年、2010年の定期便運休以降、平成27年、2015年の運航に続く3年ぶり二度目の国際チャーター便であり、県内旅行会社が日本人の観光目的で富山発着1往復で手配したものでございます。  今回のチャーター便はロシア極東、ヤクーツク航空の機材を使用し、委員も搭乗されほぼ満席の81名が搭乗しており、ツアーに参加した観光客からは大変評判がよかったと伺っております。ただし、定期航空路線の再就航となりますと、委員御指摘のとおり単にチャーター便の実績の積み上げによるものではなく、航空会社が利益が上がるかどうかを検討されて判断するものでございまして、その判断のためにも、まずは両地域の交流が観光やビジネスなどさまざまな分野で活発になり、往来が盛んになることが必要であります。  なお、ことし7月、県庁職員がウラジオストクのオーロラ航空に訪問し定期便再開の可能性を探ったところでございますが、その際にも路線開設のリスクが大きく、今後定期的に情報交換させていただきたいとの返答があったところでございます。  引き続き再就航に向けた情報収集に努めるとともに、富山きときと空港からの乗り継ぎも含めて交流実績を積み上げ、富山からの利用者が事業採算性のとれる程度に見込まれるなど、環境が整ってまいりましたら定期航空路線の再就航についても働きかけてまいりたいと考えております。  また、委員から御紹介ございましたとおり、今月、沿海地方議会から富山議会あてに富山─ウラジオストク間の航空便についての書簡が外務省等を通じて届いておりまして、まだ、書簡を入手したばかりで詳細は不明ではございますが、今後のカウンターパートであります沿海地方政府や航空会社に対して、この件も含めて情報収集に努めてまいりたいと考えております。 31 永森委員 ありがとうございました。  ぜひとも前向きにいろいろとアクションを起こしていただいて、鶏が先か卵が先かということもあろうかと思っております。航空便ができれば、さらに人的往来が盛んになるということも考えられますので、ぜひともお願いしたいと思います。  最後に、石井知事に伺います。  安倍総理が3年連続でこの9月にもウラジオストクを訪問いたしまして、東方経済フォーラムということで参加されまして、プーチン大統領とも日ロ経済交流について真剣な意見交換がなされましたし、中国の習近平国家主席なども初めて参加するなど、このウラジオストクという場所が北東アジアにおいて存在感を高めているということが大変印象として強いわけであります。  また、観光客のほうも日本からは2016年は8,000人に対して、ことしは2万5,000人ぐらいになりそうだということであります。大変増加傾向にあるということでありますし、ちょっと資料を紹介する時間がなくなってまいりましたが、資料の3枚目を見ていただくと、地球の歩き方という有名なガイドブックがありますけれども、そのシリーズにPlatというのがありまして、名立たる世界の観光地の中に一番下にひょっと、このウラジオストクというのが出てきております。  どういうことなのかなと思ったので、この出版社であるダイヤモンド社にも確認をしてみたんですけれども、治安が格段によくなっていて、かつ2泊3日ぐらいで気軽に行けるヨーロッパということで非常に若い女性から人気があるということでありました。  また、その次のページ、ウラジオストクの極東連邦大学という大学の写真であります。この極東連邦大学で毎年東方経済フォーラムが開かれておりまして、ここでプーチン大統領や安倍総理、習近平さんたちもここに来ておられるということでありますが、ここから非常にこの見通しのよい庭園に富山が贈った桜が植えられておりまして、こういう看板も立てて、富山のPRがしっかりとなされております。  富山はこれまでもロシア沿海地方と随分熱心に交流を積み重ねてきて、昨年25周年を迎えたわけであります。極東ロシアへの注目が高まっている今こそ、これまで積み重ねてきた交流の強みをしっかり生かす時期だと思います。さらなる交流促進に向けての意気込みを石井知事にお尋ねをいたします。 32 石井知事 ロシア、ウラジオストクにおいて、委員の御指摘のとおり東方経済フォーラムが開催されまして、また、日露首脳会談でも極東地域の振興を含む経済協力プランの具現化をさらに進めるということで合意されています。  富山とロシア沿海地方との交流については、1992年の友好提携以来、幅広い分野で進めておりまして、また、お話に出ましたが昨年7月、沿海地方友好提携25周年ということで訪露しました際──そのときには日露友好議員連盟の皆さんにも御同行いただいて、団長が当時の大野議長、今の黒部市長さん、永森委員にも秘書長をやっていただいたと思いますが、その際にも貿易、経済、物流、文化、教育、スポーツいろんな分野で観光も含めて交流を深めようという新たな協定書も締結しました。  その当時の沿海州知事さんとの懇談の際、御一緒されたと思いますけれども、将来のウラジオストク─富山間の定期航空路のというのも視野に置きながら、まず、チャーター便について検討していこうじゃないかということになったわけですけれども、その後、さらに沿海地方等の魅力を紹介する番組の放映、観光商談会や、職員を沿海地方に研修で派遣する、あるいは太平洋国際観光博覧会に出展するなどいろんなことをやってきました。  さらに今回お話に出ている7月のチャーター便運航で日露友好議員連盟の皆様にも訪露していただいたと。  今後、富山ウラジオストク会、富山ロシア協会の民間交流も含めた交流を積み重ねますとともに、まずはお話に出た、シベリア鉄道を利用した定期コンテナ航路の活用による経済貿易協力の活性化、さらに今局長からもお話ししましたが、一気に定期便というのはなかなかあれですけれども、さらなるチャーター便の就航などに向けまして、できるだけ両者がウイン・ウインの関係で交流がさらに拡大するようにしっかりと努力してまいります。 33 渡辺委員長 永森委員の質疑は以上で終了しました。        酒井立志委員の質疑及び答弁 34 渡辺委員長 酒井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 35 酒井委員 酒井立志でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、防災・減災対策について質問していきたいと思います。  先般、9月2日、日曜日に西部で局地的な集中豪雨の中、邑知潟断層帯を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生した複合災害という想定で、総合防災訓練が氷見市を中心に高岡市、射水市、3市合同で実施されたところであります。  平成30年7月豪雨や大阪北部地震の教訓を取り入れた訓練を行いながら、や市、警察、消防、自衛隊など約140機関、約6,400人が参加し、非常時の対応を確認したということでございます。  大規模な訓練のため、多大な御苦労があったものと察しますが、大変有意義な訓練であったと思っております。  内容については、昨年の防災訓練から新規拡充項目が多数あったと聞いております。訓練においてうまくいった点とうまくいかなかった点について、しっかりと検証し今後の防災訓練に生かしていくことが重要と考えております。  そこで、今回の防災訓練の成果と課題はどのようなものだったのか、また、今後の防災訓練にどのように生かしていくのか、石井知事にまずお伺いをいたします。 36 石井知事 富山の総合防災訓練につきましては、平成18年度ぐらいから広域災害という視点を持ちまして、複数の市町村にまたがる広域的な訓練に見直しを行って、その後も直近の全国各地で発生した大規模災害や地震被害想定調査等を踏まえて最大クラスの地震や豪雨による複合災害を想定した実践的な訓練となりますように取り組んでおります。  全国を見渡しますと、まだまだの防災訓練といっても1つの市の中でやっているというケースも少なくないようですけれども、富山はかなり早くからそういう取り組みをしてまいりました。  先日の総合防災訓練では、直近の地震や集中豪雨を教訓としまして、大阪府北部地震も踏まえて地震により倒壊したブロック塀や家屋からの救出訓練、また、集中豪雨による浸水を想定しまして渡河ボートを利用した救助避難訓練、これは自衛隊のボートをお借りしました。より実践的な訓練となりますように工夫しまして、訓練参加者は過去10年間で最大の約6,400人となっております。  また、今回の訓練は災害発生時に予測をした連携体制が構築できましたことや、また、小中学校区ごとの避難訓練も実施したことによりまして、多くの方々が訓練に参加されまして自助、共助意識を高めていただけたのではないかと、それなりの成果があったんじゃないかと思っております。  避難訓練の参加者だけでも高岡市だけで2,300人、氷見市、射水市も入れますと約3,600人の参加ということでございました。  訓練終了後に御参加いただいた専門家の皆様から、例えば人的応援となる外からの支援チームをスムーズに受け入れる訓練を今後追加してはどうか、また、今回の訓練では河川増水による避難浸水の恐れを想定しまして、例えば高岡市の避難所から射水市の避難所へ広域避難誘導の訓練を実施し、それは大変よかったということでしたが、今後もさらに各市町村の境界を越えた広域的な連携を行う訓練を拡充していったほうがさらにいいんじゃないかといったような御意見もいただいております。  こうしたいろんな御助言、また、今回の経験に鑑みて、さらにの総合防災訓練が実効性のあるものになりますようにその充実にしっかりと取り組んでまいります。 37 酒井委員 ありがとうございます。まさに広域的な各市との連携を図りながらの大規模な訓練であったと思います。  危機管理とは、いざというときの対処を意味しますが、予防や準備がなければ的確に対処することができませんので、また、今後ともよろしくお願いをいたしたいと存じます。  次に、氷見市に設置された合同調整所において、約26の機関がテーブルを囲み、互いに情報発信しながら各情報を共有する場面を見学させていただきました。  そこでは、各機関のリエゾンと言われる災害対策現地情報連絡員が各機関から現地情報が入り次第、合同調整所内の本部に報告し、本部が集約した情報をリエゾンが各機関に伝達する訓練が行われておりました。  訓練では、リエゾンが各機関に電話やメール等の手段で連絡されていましたが、災害時に各機関が全体の情報を瞬時にわかりやすく共有するためには、収集した情報を各機関にリアルタイムで伝達する機能があればいいなと感じた次第でございます。  各関係機関がいち早く防災対策をとるためにも、各機関へのリアルタイムの伝達機能について、ぜひ検討していただけたらと思いますが、石黒危機管理監の御所見をお伺いいたします。 38 石黒危機管理監 災害時におきまして、速やかに市町村、消防、警察、自衛隊などの関係機関と情報共有をいたしまして、連携して応急対策を講じることはまことに重要なことでございます。  このため、先日のの総合防災訓練におきましては、各機関のリエゾンが情報収集、伝達と対処方針の検討などを行う、ある意味リエゾンの育成のための実践的な訓練といたしまして合同調整所の訓練を実施したところでございます。  御指摘の災害情報等の関係機関の伝達につきましては、現在の総合防災情報システムのパソコン端末の機器を災害対策本部や合同調整所に設置しまして、そこに入力した情報を消防や市町村がそれぞれ、また、入力していただければ、や市町村だけではなく警察や気象台など関係機関も含めて一応リアルタイムで共有することが可能でございます。  ただ、一方で常設のものではないものでございますから、臨時に設置することになり、設置に時間を要すること、また、普段使用していないことから、やはり操作する人間の習熟に少し時間を要することから災害対応の現場での入力がおくれる、こういったような運用上の課題があるわけでございます。  対応能力の向上のため、総合防災情報システム操作研修の充実あるいは毎年実施しております及び各市町村における防災訓練等を通じて操作の習熟を図るとともに、この情報共有の可能な機関につきましても関係機関を追加することを検討しているところでございます。  また、現在、防災・危機管理センター(仮称)の整備を検討しておりますけれども、この整備に合わせましてヘリテレやドローン、気象情報など複数の映像を同時に表示し関係機関との共有が可能となります災害時オペレーションシステムの導入を初め、防災情報機器の充実を検討するなど、今後ともソフトとハードの両面から防災危機における情報収集、発信機能の強化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 39 酒井委員 ありがとうございます。まさにシステムの向上そのものも重要かと思いますが、訓練の繰り返しが何よりも大切だと思いました。また、今後ともよろしくお願いをいたします。  次に、昨年、庄川に続いて、小矢部川も想定最大規模降雨を対象とした浸水想定区域図が公表され、12月には邑知潟断層の被害想定が公表されたところであります。  このことによって、被災市町村の避難所が使用できない場合や避難所が不足することなどが考えられます。  隣接市町村や隣接などへの広域的な避難も想定し、隣接あるいは市町村とあらかじめ調整を図り、広域的な避難体制の整備を行う必要があると考えますが、石黒危機管理監の所見をお伺いいたします。 40 石黒危機管理監 災害時の避難につきましては、被災した市町村だけの対応では困難な場合も想定されますことから、災害の規模に応じて国、、市町村等が連携し広域的な避難体制を整備することが重要であると考えております。  そのためには、と市町村相互の事前の調整、また、市町村をまたぐ広域的な避難訓練等が必要であると考えておるところでございます。  広域避難につきましては、災害対策基本法や防災基本計画におきまして県内のほかの市町村への受け入れや、他の市町村への受け入れ等につきまして規定されておりまして、の防災計画におきましても被災市町村で被災者を受け入れることができないときには、が中心となって調整することとされておるところでございます。  また、先日もの防災訓練におきましては、今回初めて高岡市の会場におきまして、河川の増水による浸水を想定し射水市の避難所への広域避難誘導訓練を実施したところでございます。今後とも同様の訓練において積極的に取り組みを検討してまいりたいと考えておるところでございます。  といたしましては、今後とも市町村の防災担当課等と広域避難に関する調整等についてしっかりと協議するとともに、来年度以降も広域的かつ実践的な訓練を通じて広域避難の体制整備を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 41 酒井委員 ありがとうございます。それこそ大きな災害のときは、各市町村の壁はないと思っております。連携が必要であります。その際にはぜひともが調整をしっかりやっていただければと思っております。よろしくお願いをいたします。  次に、中小河川における水位計の設置については、従来の水位計は設置・維持コストの克服が課題となっておりましたが、国土交通省が洪水時のみの水位観測に特化して機器の小型化や通信機器等のコストを低減した水位計、いわゆる危機管理型水位計を近年開発しことし1月に観測基準、仕様を策定したと聞いております。  普段は水位を計測しませんが、大雨の際にあらかじめ設定した水位を超えるとサイレンが鳴って赤ランプが点灯し、付近の住民で登録されている方に直接メールを送信して避難を促すということです。  住民にとっては、自治体の情報を待たずに自主的に避難の判断ができますし、整備単価も従来型が約1,500万円なのに対して、10分の1の約150万円とかなり低コストで設置可能であり、ランニングコストについても太陽光でスタンドアローンタイプなので電気代もかからないタイプであると伺っております。  一部試験的に導入して効果を検証しているもあると聞いております。ぜひ、本県の河川にも設置を進めていただきたいと考えております。  本県の河川の総延長距離は1,600キロメートル以上もあり、その中で約1,500キロメートルをが管理しているとも伺っておりますので、一度に導入するのは難しいと思いますが、今後の危機管理型水位計の導入方針について、水口土木部長に所見をお伺いいたします。 42 水口土木部長 におきましては、水位周知河川-洪水により経済上相当な損害が生じる恐れがある河川を申しますが、水位周知河川や治水ダムの下流部など、71カ所に従来型の水位計を設置しており、観測された河川の水位は水防活動や市町村長が避難勧告等を発令する目安などとして利用されております。  危機管理型水位計でございますが、昨年7月の九州北部豪雨等において中小河川の水位が把握されていなかったため、的確な避難判断ができなかったことなどから、国が主体となり開発され、一定の水位を超過した際に観測が開始されるものでございまして、委員御紹介のとおり機器の小型化によりまして、橋梁等へ容易に設置が可能となる、あるいはランニングコストが低いなどの特徴がありまして、既に県内直轄河川の神通川水系井田川などで設置が進められております。  では、住民の皆様に河川の水位を把握していただき、避難の判断に役立てていただくということは大変有効であると考えておりまして、水位周知河川に限らず流域に人家などが多い河川において、危機管理型水位計を全体で84カ所設置したいと考えております。  このうち広谷川など56カ所の設置に着手したところであり、年度内に完了する予定であります。残る地久子川など28カ所についても来年度中に設置したいと考えておるところでございます。  今後とも、地域住民の自主的な避難を支援し、浸水被害の軽減につながります危機管理型水位計の設置などのソフト対策を推奨してまいりたいと考えております。 43 酒井委員 ありがとうございます。何よりも重要なのは住民のスピード感ある避難と考えたことから、この機械はすごく有効だと考えております。ぜひ、進めてください。よろしくお願いいたします。  次に、農業用用排水施設等についてお伺いをいたします。
     7月、8月の豪雨により、本県でも累計雨量が300ミリに達し、特に7月の豪雨では神通川、庄川では過去2番目の水位を記録しました。県内の農地、農業用施設においても多くの被害が発生したと伺っております。  被害箇所については速やかに復旧するとともに、災害の未然防止対策を進めることが重要と考えております。  特に、農業用の用排水施設等は洪水等から地域を守る重要な施設であって、県民の安全・安心のためにも一層の事業促進が必要と考えます。そのためには、国に対し本への必要な予算の配分を強く働きかけることも重要と思います。どのように取り組むのか、石井知事にお伺いをいたします。 44 石井知事 用排水路等の農業用施設は、農業生産活動だけではなくて地域排水や流雪溝、防火用水など、県民の命や安全・安心な暮らしを支える重要な施設と思っております。  これまでも庄川左岸における洪水対策や、お話に出ましたため池の耐震調査、堤体補強の耐震対策、また、中山間地域における山腹用水路の土砂等による閉塞防止、地すべり防止施設対策、こういったことも積極的に進めてまいりました。  ことし7月上旬や8月下旬の豪雨では、県内各地で農地の法面崩壊や農業用施設の破損といったような被害が発生しておりますので、今回提案しております9月補正予算に被災箇所の復旧、災害の未然防止に緊急に取り組むための事業費を計上しております。  これまでもとしまして、国に対して災害に強くて強靭な県土づくりの推進を強く働きかけておりまして、例えば農水省の平成31年度概算要求では、防災・減災関係予算が今年度比140%の増額要求がなされております。今年度中に予定されております国の補正予算や来年度当初予算等においても国に対して、近年頻発する地震や豪雨等の自然災害に備えるために防災・減災対策予算の充実など、本県への必要な予算配分を強く働きかけますとともに市町村や土地改良区の皆さんと連携して農業用用排水路が適切に機能していきますように、地域の防災力の強化を図る上でも必要な土地改良事業の促進にしっかりと取り組んでまいります。 45 酒井委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。農業用用排水路というのは地域住民においては日常生活にとってとても身近な施設でありますので、しっかり環境を整えていただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、平成30年7月豪雨で浸水被害が起きた岡山倉敷市真備町で市が身元を確認した死者50人のうち約8割の42人が避難行動要支援者名簿に掲載されていたことがわかりました。  国は名簿に基づき、一人一人の支援役や避難手段を決めておく、個別計画の策定を促しておりますが、倉敷市では未策定で、せっかくの要支援者リストを避難に役立てることができなかったようであります。  平成30年7月豪雨でのこの結果を見て、避難行動要支援者名簿の作成だけでは十分機能しないことがはっきりしました。  先日、井上議員の個別計画に関する質問に対し、県内全市町村で避難行動要支援者名簿登録者は平成30年8月1日現在、約7万人、個別計画策定人数は約1万人との答弁でありました。私はこの人数を知り、さらに個別計画策定人数を促進する必要性を強く感じた次第であります。  そこで、県内全市町村で個別計画は策定されているのか。策定されていない市町村があるとすればその理由について、前田厚生部長にお伺いをいたします。 46 前田厚生部長 今ほど御指摘をいただきましたとおり、本年8月1日現在、県内全ての市町村で避難行動要支援者名簿は作成されておりまして、約7万人が掲載されており、このうち、個別計画の策定は同意が必要でありますので、その同意をいただいた方は3万1,000人という形になっております。個別計画の策定数は年々増加傾向にはございますけれども、現時点で11市町村、約1万人という形になってございます。  策定に向けての課題につきまして、市町村に聞き取りをいたしましたところ、避難支援等関係者の高齢化に伴いまして支援者を見つけることが困難であることであったり、個人情報を含む内容のために要支援者本人や家族から策定の同意、協力を得られないなどという意見があったというところでございます。  こうした課題に対しまして、外ではありますけれども、先進自治体では個別での支援から地域での班単位といったグループによる支援を取り入れるということであったり、個人情報提供への同意を確認する際にそのメリットを記載したリーフレットを同封するような取り組みがなされておりますことから、といたしましては、市町村向け研修などにおきまして、今ほど申し上げた効率的な支援方法や要支援者への理解促進策等の全国の先進事例を紹介するなど、引き続き市町村における個別計画の策定を支援してまいりたいと考えております。 47 酒井委員 ありがとうございます。これからますます少子高齢化時代に入っていくということでありますので、段々個別計画の策定が難しくなると考えられます。さまざまな観点で創意工夫をしながら、これを推進していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、全国の市町村における専従防災担当職員はゼロ人が30%、1人が15%、2人が11%、3人以上が40%となっており、2人以下が50%を超えております。この人数は、私としては非常に少ないという印象を持っております。  なぜ少ないのか。私見ですが、防災職員は普段災害が発生しなかったら常時やることがない、災害対応はみんなでやるのだから専従防災職員は必要ないと考えられているのではないかと察しております。  しかしながら、地域防災計画の見直し、マニュアルの整備、関係機関との連携や協定の内容の見直し、よそで発生した災害事案をきちんと情報収集をして平時から災害に備える必要があると考えております。  マンパワーが足りていないとすれば、ぜひのほうからも平時からの備えの必要性、訓練の重要性を訴え、市町村に担当職員の十分な配置を働きかけてほしいと思っております。  そこで、まず、の防災担当職員は足りているのか、また、県内市町村ではどうか、それぞれの配置状況とその状況をとしてどのように認識しているのか、石黒危機管理監にお伺いをいたします。 48 石黒危機管理監 防災を担当する職員につきましては、平常時には各種防災訓練の実施、地域防災計画の見直し、自主防災組織等への支援、関係機関の調整などを行いますとともに、災害発生時には迅速な初動体制の整備や防災機関等の応援受け入れなどを中心となって担うなど、災害対応のかなめとなっておるものでございます。  の本庁におきましては、私を含め防災、危機管理担当の職員は31名、ほぼ専従で対応しているところでございます。  また、県内全市町村におきましては、防災担当者名簿によりますと、当然防災担当職員が配置されておりますが、15市町村で74名の方を配置しておられます。この方々につきましては消防職員や消防団と連携しながら防災関係業務を実施しておられますが、限られた人員で効率的な行政運営を行うため、防災以外の業務との兼務職員も多いとお聞きしておるところでございます。  市町村職員の配置につきましては、それぞれの団体で行財政をめぐる環境が異なりますために一律に防災担当の専従職員としての配置を働きかけることはなかなか困難と考えておりますけれども、専従か、兼務かにかかわらず、災害発生時の迅速、的確な初動体制の確立や適切な避難勧告の発令などを担います職員の配置については大変重要なものと考えておりまして、市町村に対しましては災害への十分な対応能力を保持できる体制の維持充実について助言を行っているところでございます。  今後とも市町村との協議や各種訓練の実施等を通じまして、市町村の職員と顔の見える関係を構築いたしましてと市町村がお互いに協力、切磋琢磨しながら県民の安全・安心に努めてまいりたいと考えておるところでございます。 49 酒井委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  続いて、今回の平成30年7月豪雨の被災地では約7,000人の方が避難所生活を送り、一部には避難所生活が長期化していると伺っております。  空調設備がないことから、熱中症で搬送される方が続出し、また、体育館などのかたい床にブルーシートや毛布を敷いて雑魚寝状態であることからプライバシーは確保されていないし、足音が気になって一部には不眠症になられた方もいらっしゃると伺っております。  さらには、避難所への人の出入りでほこりや泥がまみれ、衛生面での課題も指摘されております。特に高齢者にとりましては避難所の床がかたいことから、寝起きするたびに膝が痛くて不便だとの声もあったと伺っております。  そこで、避難所の環境整備や災害関連死防止に効果的な段ボールベッドについて、平時に業者と協定を締結し、有事には早期に段ボールベッドが活用できるよう対応するべきと考えますが、石黒危機管理監の所見をお伺いいたします。 50 石黒危機管理監 災害対策基本法におきましては、避難所を開設する市町村が避難所の良好な生活環境の確保等に努めることとされておりまして、国の避難所運営ガイドラインでは、例えば、継続的な避難者に対しては、段ボール使用等の簡易ベッドの導入を目指すこととされているところでございます。  委員から御紹介のありました段ボールベッドにつきましては、エコノミークラス症候群やほこり等を吸い込むことによります健康被害等の防止に効果的とされておりまして、大阪府北部地震や平成30年7月豪雨の被災地の避難所でも活用されたところでございまして、現在県内では3つの市におきまして民間企業と段ボールの供給に関する協定を締結されているところでございます。  また、先日のの総合防災訓練では、高岡市の訓練会場におきまして、協定締結先の協力を得まして段ボールベッドの組み立て体験や展示等を実施したところでございます。  段ボールベッドの活用等避難所の環境改善につきましては基本的には市町村での対応となりますので、まずは市町村において検討いただきたいと考えておりますが、といたしましては市町村に対して他の活用事例等を紹介するとともに市町村の避難所の運営整備を補完する観点などから他の状況等も調査いたしました上で、と広域的な段ボール組合との協力関係についても研究してまいりたいと考えておるところでございます。 51 酒井委員 災害関連死の方もとても多いということを聞いておりますので、そういった対策もしっかりやっていただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、大阪北部地震が発生した際、大阪府とその近県では鉄道や電車などの公共交通機関がストップしたため、自動車で移動する人が増えて収拾のつかない交通渋滞が各地で発生したと伺っております。また、先般の北海道地震におけるブラックアウト現象には大きな衝撃を受けました。  そうなりますと、救急車やパトカーなどの救急車両の通行に支障が出たり、どうかすると停電のために信号機が滅灯したり、正常に作動しなくなったりといったことも十分に予想されます。  そこで、地震等の災害に強い交通安全施設の整備に関して、県内の現状や課題を踏まえ、今後どのように取り組むのか、山田警察本部長にお伺いをいたします。 52 山田警察本部長 県警察では大規模災害が発生した場合、現場警察官からの報告のほか、光ビーコンや車両感知器などによって収集した情報を道路交通情報板やカーナビゲーションシステムへの表示、日本道路公団情報センターを介したラジオ広報等により提供し、渋滞緩和や交通事故の防止を図っているところでございます。  また、停電により信号機が滅灯をした場合に備えまして、幹線道路の重要な交差点59カ所には自動的に起動して一定時間電力を供給する信号機電源付加装置を整備しているところであります。  さらに、国道等の主要な647カ所の交差点では、可搬式の発動発電機を接続することで、信号機を作動させることができる外部電源箱を整備しております。  しかしながら、道路交通情報板と信号機電源付加装置につきましては、整備から20年以上経過したものが6割以上を占める上、道路交通情報板の中には部品の調達が困難なため故障により運用を停止しているものもございまして、信号機電源付加装置についても同様の懸念がございます。  このため交通環境の変化も見ながら、老朽化した道路交通情報板や信号機電源付加装置の更新など、交通安全施設の計画的な整備に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 53 酒井委員 しっかり取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、群馬大学災害社会工学、片田敏孝教授の指導で津波から避難訓練を8年間重ねてきた岩手釜石市内の小中学校では、全児童、生徒計3,000人が即座に適切な判断をして避難したことにより生存率99.8%というすばらしい成果を上げて釜石の奇跡と呼ばれました。一方、宮城石巻市の大川小学校の悲劇は児童74人と教職員10人が死亡、行方不明となりました。これは、教育行政史上、最大の惨事とも言われております。  また、本県においては、ことし6月に奥田小学校において発砲事件が起こりました。災害を含め、発砲事案という想定外の事案から子どもを守るためには、これまで以上に教員及び児童生徒の危機管理意識を高めるとともに学校の危機管理体制の構築が重要と考えます。  そこで東日本大震災での教訓も踏まえ、地域と連携して学校現場における危機管理体制を構築すべきと考えますが、防災と防犯の強化にどのように取り組むのか、渋谷教育長にお伺いをいたします。 54 渋谷教育長 学校現場において災害や犯罪から子どもたちを守るためには、日ごろから教員や児童生徒の危機管理意識を高めるとともに危機管理体制を構築することが重要であります。  このため、これまでも教員の危機管理意識につきましては、毎年、防災と防犯教育の指導者講習会を開催いたしまして、校内研修を通じて各教員の意識啓発や対応能力、指導力向上などに努めております。  また、子どもたちに対しましても、授業での防災学習、防犯教室、広域消防防災センターでの体験学習などによりまして、危険を予測し、みずから回避する能力の育成に努めております。  危機管理体制の構築につきましても、各学校において危機管理マニュアルに基づく防災・防犯訓練の実施、防犯カメラや防護盾などの装備充実に努めておりますし、登下校時には地域の方々の御協力をいただきまして学校安全パトロール隊として子どもたちの安全を見守っていただいております。  しかしながら、御指摘のとおり想定外の案件が相次いでおりますので、対策を改めて点検いたしまして、より実効性の高い対策を講じていく必要があります。  このため、先月24日に各学校の教員が参加する防犯教育指導者講習会を開催いたしまして、元大阪教育大学附属池田小学校の藤田校長をお迎えして不審者対応に関する危機管理マニュアルの作成をテーマに御講演いただいております。  また、教育委員会では、今年度中に全ての特別支援学校に防犯カメラを設置することとしておりますし、今年度中に改定されます小中学生向けの防災ハンドブックも積極的に活用していくこととしておりまして、今後とも学校での児童生徒の安全確保にしっかり取り組んでまいります。 55 酒井委員 どうもありがとうございます。まさにいつどこで何が起きるかわからないという状況であります。まさか校内で発砲される、そんな事案があるとは想像もしていませんでした。さまざまなことに対応していけるようにまた訓練を重ねてください。よろしくお願いいたします。  続いて、これまで述べてきましたように、近年、大規模な災害が頻発しております。  このような中で地域防災力のかなめである消防団の役割がますます増大していると感じております。しかしながら、少子高齢化に伴い、消防団員の確保が非常に難しくなってきていると思っております。  来月、本県で開催される全国消防操法大会には各を代表する消防団が本に集い消防操法を競われますが、この大会開催を契機にさらに消防団活動の理解促進や団員確保に取り組んでいただければと思います。  どのように取り込まれるのか、石井知事にお伺いをいたします。 56 石井知事 来月19日に開催されます第26回全国消防操法大会につきましては、もちろんとしても誘致に努力しましたけれども、の消防協会による御尽力-高野会長さん初め協会の皆様の御尽力、また、本県の安全・安心なづくりの取り組み、そして、消防職・団員や自主防災組織の皆様の取り組みにより出火率全国最小を継続していることなどが評価されたこと、また、の広域消防防災センターの全国トップクラスの防災拠点施設という御評価もいただいて誘致できたんじゃないかと思っております。  この大会は全国の都道府県代表の消防団員が日ごろの訓練によって培った消防操法技術を競うことで消防技術の向上と士気の高揚を図り、地域防災力の向上に寄与するものであります。  全国から選手、応援団など約1万人が参加する大規模で、大変重要な大会でありまして、駅や空港への歓迎看板の設置や、機運醸成のための駅や飲食店等でのポスター掲示、また、関係団体を通じた商店街等へのチラシ配布などで周知をしております。  日本海側で初めてということでもございますし、地方創生の観点からも意味があると思っております。  一方で、地域防災のかなめであります消防団や消防団活動への理解促進や団員確保のために、これまで消防団協力事業所を拡大する──これはこの5年ほどで365事業所が412事業所まで拡大しておりますけれども、また、市町村が行う消防団応援の店の周知等への助成──この消防団応援の店というのも661事業所から745事業所と、この1年でも大分増えてまいりました。  また、消防団員や女性消防団員の安全確保のための装備充実に対しても支援しております。  さらに、こうしたことに加えて、今年度新たに、県内学生消防団員と外の先進的学生消防団員とが交流をする──例えば同志社大学、立教大学など学生団員との交流、また、団員募集に加えまして大会開催をPRするポスターの作成、駅などでの掲示のほか、全国大会や消防団をテーマとするの広報番組等でのPR、シネアドなど若者や女性を中心としてこの機会に消防に関心を持っていただいて、できれば消防団員になっていただく方をもっと増やしたい、そういうことも含めてしっかりとPRを充実させてまいります。  この大会を契機に幅広い県民の皆さんの消防団活動への理解が一層高まって、消防団へのさらなる加入促進にもつながり、また、先ほど委員がおっしゃっていますように災害も全国的に非常に多くなっておりますから、危機管理意識を高めるいい機会にしていきたい、このように思っております。 57 酒井委員 ありがとうございます。本大会の御盛会、また、今後のますますの消防団の活躍を心から期待しております。よろしくお願いいたします。  私たち議員は地域を代表する立場で、地域を熟知し地域の人の顔がわかる存在であります。災害時、被災の状況をこと細かに把握し、住民と行政を結びつけることができると自負いたしております。  しかしながら、非常事態に議会や議員はどう動くべきか、災害対策基本法における地域防災計画や避難マニュアル、また、初動対応マニュアル等を調査してもどこにも明記されておらず、法定化されていないのが事実であります。  議会はどうあるべきかについては陸前高田市議会の災害対策行動マニュアル等を参考に、これは私見ではありますが、1つには住民の情報を受けて議会内で整理し、執行機関にきちんと伝えること、2つには議員の立場から地域に災害対策本部の情報を迅速、正しく伝え、地元としっかり調整を図ること、3つ目には災害時は、これは大事だと思うんですが、当局と議会は絶対に対立してはなりません。議会や議員は当局が設置する災害対策本部といかに連携を図るかということが問われているのだと考えております。  折しも県議会の議会改革に関する行動計画において、危機管理対応を調査研究することとしておりますが、としても議会や議員とどのように連携するのか検討していただければと思う次第でございます。そこで、石黒危機管理監の御所見をお伺いいたしたいと存じます。 58 石黒危機管理監 大規模な災害等が発生した場合における議会の対応や議員各位の行動などにつきましては、今委員から御紹介がありましたとおり災害対策基本法等、法令による規定はございませんけれども、他の例におきましては、被災地の状況や要望を把握し議会内で情報整理すること、地域に必要な情報を伝えること、災害対策本部や執行部との連携を図ることに加えまして、被災地の復旧に向け国への要望提案活動を行うことについて定めていると承知しているところでございます。  県議会におかれまして、大規模災害等における対応をどうするかということにつきましては、まずは議会内におかれまして対応方針等について御議論いただきたいと考えておるところでございますが、としては万が一大規模災害が発生した場合には、当局としても迅速な被害情報の提供を行うなど、議会と執行部が適切な役割の分担を行い、緊密に連携しながら混乱なく災害対応に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 59 酒井委員 ありがとうございます。本来、議会と当局は議論相まみえるところもあると思うんですが、いざ災害ということになるとそんなことはあってはならず、協力しながら、連携しながら、地域住民の命と財産を守っていかなければならないと思っております。  また、今後ともいい考えがあればということでありますが、議会としてもしっかりそのところはこれから取り組んでいくことになりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、交番の機能強化について伺いたいと思います。  去る6月に襲撃を受けた奥田交番について、安全対策の強化を目的として建てかえ整備が9月補正予算案に盛り込まれておりまして、付近住民の不安を払拭し、地区の安全・安心の拠点としてふさわしい交番の整備を期待するものであります。  5年前の話になりますが、平成25年2月、高岡市内の野村小学校付近民家においても殺人事件が発生しております。  野村地区を受け持つ野村交番は、幹線道路からはかなり離れた場所で交通アクセスに不便な立地条件にあり、とにかくわかりづらい場所に建っております。  野村地区の住民の中には、あんなにわかりづらい場所に建っているから殺人事件が発生した、犯罪に対する抑止力が期待できない、という厳しい意見もあります。圧倒的に多くの住民からは幹線道路沿いに移転すべきという声が聞かれます。  やはり安全・安心の拠点である交番は、可能な限り住民にわかりやすく、犯罪に対する抑止力が期待できる場所で、事件事故等に迅速に対応するためにも交通アクセスのよい場所を選定して今後は整備すべきと考えております。  また、区画整理などによる環境変化により移転が必要なものや、築40年を超える交番も多く、計画的な移転、建てかえや改修計画が必要と考えます。  そこで、わかりづらい場所に立地している交番や老朽化した交番の移転、建てかえについて、今後どのように進めていく予定なのか、山田警察本部長にお伺いをいたします。 60 山田警察本部長 交番につきましては、地域の方々の安全・安心を確保するための拠点であり、その果たす役割というのは極めて重要であると認識をしており、適正な配置に努めているところでございます。  御指摘がありました、高岡警察署の野村交番につきましては、幹線道路から外れた住宅街に立地しておりまして、その場所を周知するために周辺道路に案内看板を設置するなどして利便性にも配慮しているところでございますが、幹線道路沿いへの移転、建てかえ整備の要望があることも承知しているところでございます。  交番の立地につきましては、事件事故の発生状況に鑑みまして迅速・的確な対応が可能かどうか、また、地域の方々にわかりやすく安心感、利便性を感じていただける場所かどうかといったようなことを勘案して整備をしております。  交番につきましては、警察が警戒活動を行う拠点でもございまして、犯罪に対する抑止効果という観点からもわかりやすい場所にあることは重要であると考えております。したがいまして、交番の整備に当たりましては、地域の方々からの御意見等も踏まえつつ地元自治体の理解、協力も得ながら施設の老朽化、狭隘度、また、周辺環境の変化といったことを総合的に勘案して実施する必要があると考えております。  中長期的視点に立って、計画的な整備を進めてまいります。 61 酒井委員 それでは、よろしくお願いいたします。  最後の質問になります。  現在、県内には交番相談員が配置されていない交番が5カ所あると伺っておりますが、県警察では9月補正予算案に交番等の安全緊急対策整備事業として富山北警察署水橋交番と富山南警察署大山交番の2つの交番への新たな交番相談員を盛り込んでおられます。  何かあったときに交番に駆け込んだけれども、誰もいなかったということがないように交番相談員を充実させていくことは地域住民に安心感を持ってもらうためにも大切なことだと考えております。  そこで、交番相談員が未配置の5つの交番のうち、水橋交番と大山交番へ優先的に配置した理由や配置することによってどのような効果が期待されるのか、また、残りの3交番へも早期に交番相談員を配置して、全交番配置とするべきと考えますが、山田警察本部長に見解をお伺いいたします。 62 山田警察本部長 交番相談員が配置されている交番におきましては、警察官がパトロール活動等で交番に不在の場合でも地域の方々からの届け出や、相談事案に対応することができるということから、交番相談員を配置することについては交番の機能を充実する上で重要な施策であると考えております。  下におきましては、従前より学校周辺、通学路を中心にパトロールを強化しているところでありまして、その間は交番が不在となることも考えられるところでございます。  今回、奥田交番襲撃事件が富山市内で発生したということから、まずは富山市内の方々の不安を和らげるため、引き続き学校周辺での警戒活動等を強化する必要があると考えております。したがいまして、富山市内の交番の機能を強化することが喫緊の課題であり、富山市内で未配置の交番に配置することが適当であると考えたところであります。  県警察といたしましては、引き続き交番相談員が配置されていない交番への計画的な配置に努めてまいりたいと考えております。
    63 酒井委員 どうもありがとうございます。それでは、今後また交番機能を強化しながら、それこそ地域に愛される交番を構築していっていただければと思います。よろしくお願いいたします。  これで私の質問を終わります。 64 渡辺委員長 酒井委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                     午前11時54分休憩                     午後1時00分開議        笠井和広委員の質疑及び答弁 65 筱岡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  笠井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 66 笠井委員 お疲れさまでございます。お昼休憩を挟んでの予算特別委員会が8人目、先日の一般質問が10名、代表質問が2名ということになりますので、私は20番目でございますので、大分質問も重なっておりまして、大変憂慮しております。ただ、今任期中、多分これが最後の予算特別委員会であろうということであります。ひとり会派でありますので年間の登壇回数が2回と割り振られておりまして、大変残念なことになっておりまして、少ないと思っておりますが、もし来年再選を果たせれば、また出ることができるかなという思いで、これは決して出馬表明ではありませんので、お聞き流しくださいませ。  それでは、第1に、富山きときと空港の活性化、利便性向上について質問をさせていただきます。  富山きときと空港、この議会でも大変議論になったことでありまして、利用が落ち込んでいる、新幹線が開通して3年半以上たって、どんどんどんどん状況が悪くなっているのかなという思いがありながら、当局や経済界の方々のたゆまぬ努力によってなんとか支えられているということでありました。  ところが、冬季間ダイヤで1日4便の維持はなりましたけれども、機体が小型化されてしまったと。166人乗りであります。これを往復で1日4便飛ばすと、1,328人しか運べないという大変寂しい状況になっております。それでも支援業務を全日本空輸さんにお願いしている以上、東京-羽田便は何としても維持していかなければならない富山としては最重要課題であると位置づけております。  先日も、飛越地方の方々も含めて約380名の方々がお集まりになって利用促進についてお話をされたという報道がされておりました。この中で、将来の路線拡充に向けて、そして、利便性向上、活性化についてどのような展望を描き対応していくのか、知事の見解をお願いいたします。 67 石井知事 羽田便は、本県の基幹路線でありまして、その路線の維持、安定、利便性の向上を図ることは、本県にとって大変重要だと思っております。特に、過去の例を見ますと、新幹線と2時間前後で結ばれた新潟、花巻、仙台は、3年から4年で羽田便が廃止になっております。そういうことを考えますと、これまでも県民の皆さんの御協力を得て何とかもってきたわけですが、羽田便の4便体制維持をしていただくように、8月20日に全日空の平子社長にお会いしまして、ぜひということでお願いしましたし、また、降雪時の着陸性能の高い対応をしてほしいとお願いしましたら、今回、降雪時の着陸性能の高い機材の投入を決定し、4往復運航も継続するという御返事をいただきましたので、の要請を一定程度受けとめていただいたと思います。  しかし、今後とも羽田便を維持、安定させていきますためには、従来6割から7割台にとどまっている搭乗率を高めていくということが何よりも重要でありますから、お話に出たように、去る18日に県議会、また経済界、市町村、さらには飛騨高山の皆様とともに官民一体となった富山─羽田便利用促進キックオフ大会を開催しまして、マイエアポート55宣言を総勢380人、参加者全員で採択するなど、一層の利用拡大を呼びかけたところであります。  また、年間200万人を超す観光客が訪れている飛騨、高山地域との関係強化のために──大部分の人は東海道新幹線を使っていらっしゃるわけですから、富山空港をアピールしたいということで、翼の王国の富山きときと空港の表記に「飛騨・高山」と併記してほしいとお願いしましたけれども、今回、平子社長の御判断で、全日空の機内誌、翼の王国にこの12月から飛騨・高山と併記するということに御返事をいただきました。  こうしたことも活用しながら、今後関係者と連携、協力して、富山きときと空港から飛騨、高山へのアクセスの改善、富山、飛騨地域を巡る広域周遊観光の旅行商品の醸成に力を入れてまいりたい。これまでも、もちろん一定のことをやっているんですけれども、さらに今回の9月補正予算案で冬季の利用促進に係る事業費を計上しておりまして、としましては、今後も羽田便の維持充実や、将来の飛躍に向けて、県議会や県内市町村のほか、関係の皆様方の熱意を結集しまして、しっかり取り組んでいきたいと思います。  9月補正予算案では、空港サポーターズクラブ会員を対象とした搭乗特典を拡充するキャンペーン、また、羽田乗り継ぎを利用して沖縄や九州などへの旅行商品を醸成する場合に支援をする、レンタカー利用への支援の拡充、映画「散り椿」とのタイアップツアーへの支援など、いろいろ盛り込ませていただいております。よろしくお願いしたいと思います。 68 笠井委員 知事の涙ぐましい努力は、本当に頭が下がる思いであります。全日本空輸の社長の方に頭を下げさせるようなことは、私はすべきではないなと思っております。  それで、の当局の皆さんには、今後ますます活性化をするために、もっと新たな視点でいろいろなことを考えていただきたいと思います。支援業務としてのもちろん助成はしておると思いますけれども、経費の削減になるように、全日本空輸に例えば、離発着料の格安の料金の設定などをすることが大切なことかなという思いがあります。何よりも人が集まって活性化することが第一の要件だと思っております。  次の質問は、そのキックオフ大会において、年間4,000件の首都圏への出張──の出張でございますが──のうち、今までの1.5倍となる600件という数値目標をなされて、飛行機を利用するようにということが報道にありました。もちろん便数の維持や搭乗率の底上げのために取り組みとしては理解できる部分があります。ですけれども、その旅費が──前にも私、説明したのですが、定期路線として経費があまりにもかさむようなことは慎むべきであるし、避けるべきである。そういった予算を使うのであれば、先ほど言いましたように、支援の部分で予算を使って正常な形で支援をしていくということが大切ではなかろうかと思いますが、その旅費の経費のことについて、猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いをいたします。 69 猪俣観光・交通・地域振興局長 平成27年の北陸新幹線開業後、富山から首都圏方面への移動については、早期購入割引などを活用した場合の飛行機を利用するほうが新幹線を利用する場合と比べ、経済的となる場合がございます。  そこででは、平成27年3月の人事課長通知によれば、あらかじめ出張用務の日時が確定し、変更の可能性が少ない場合には、新幹線利用より経済的な割引制度を活用するよう通知されているところであります。また、従前より富山職員等の旅費に関する条例では、旅費は最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算すると定められており、この規定を踏まえた上で飛行機利用を呼びかけているところでございます。  したがいまして、委員御指摘の公務出張旅行等の経費が大きくかさむことはないものと考えております。いずれにしても、としては、羽田便の便数維持、安定のための取り組みの1つとして、経済的な方法による場合の飛行機利用を推奨しているものであり、今後とも官民一体となった羽田便の利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。 70 笠井委員 局長、ありがとうございました。  経費がかさむことがないということであります。より一層経費削減に向けて努力をしていただくことはもちろん大切なことであると思っております。  次に、富山きときと空港の国際ネットワーク機能をしっかりと維持をして、これから充実に向けてLCCの定期路線化、これを目指すべきだということを、三、四年前の新幹線が開通する前でしたか、私、予算特別委員会でも提唱したんですが、当時はやっぱり冬季期間の就航率が非常に悪かったということで──今はエックスバンドレーダーやいろいろな施設によって冬季期間の就航率が上がっております。いろいろなLCCの関係者にお伺いしたところ、やっぱり大手のJALさん、ANAさんと違いまして、定期路線の航路を模索しておられるのは事実であります。LCCといいますと格安航空会社でありますから、3,000円、4,000円で大阪まで行ける、中にはジェットスターというオーストラリアへ行く関空便などは、非常に格安でオーストラリアに行ける。どうにかすると、燃料サーチャージよりも運賃のほうが安いということがあることで知られておりますけれども、富山きときと空港をインバウンドの受け口というだけではなくて、東京便の維持をするためにも、地方空港から東京羽田を乗り継いで富山空港に来て、富山空港から東アジアのほうに出ていく、もしくは、インバウンドでほかの空港に下りられたお客様を羽田経由で富山で観光していただいて、訪日の観光客の皆様を富山から自国に送り出すという施策がこのLCCの定期路線化を網羅することによって可能ではないかと考えますけれども、もう一度、猪俣観光・交通・地域振興局長の考えをお聞かせください。 71 猪俣観光・交通・地域振興局長 富山きときと空港には国際定期路線として4路線が就航しており、その他の国際線の新規路線の可能性についても、LCCを含め、現在働きかけているところでございます。  委員御指摘のとおり、近年LCCによる国際路線は増加しており、富山─ソウル便を運航するLCCであるエアソウルは、4月からの搭乗率も好調となっております。ただ、富山きときと空港は滑走路の長さが2,000メートルでありますため、離着陸可能な飛行機の飛行可能な距離に制限が生じるなど、課題がございます。  そのため、例えば低燃費で航続距離が長い新型機材の導入がなされれば運行可能との指摘もございます香港、ベトナムなどへの直行チャーター便が誘致できないか、今後働きかけてまいりたいと考えております。  今後ともLCCを含め、チャーター便の誘致にも取り組み、国際路線の維持拡充を図ってまいりたいと考えております。 72 笠井委員 滑走路が2,000メーターでちょっと小さいということなんですが、それは重々承知しておりますけれども、それでも東アジアに行ける国というのはたくさんありますし、今チャーター便とおっしゃいましたが、私は定期路線化してほしいということを要望しています。それによって、羽田空港を経由して地方から富山きときと空港に来られて出ていかれる方が増え、東京便の維持にもなるということで、そうなったときに、全日空さんがもう一回機体をもとに戻させてほしい、もう一回、1日6便に戻させてほしいと言うくらいまで富山きときと空港が発展するような施策をお願いしたいということ。これは、やっぱり当局の方々が知恵を絞り、そしてまた皆さん方の意見をいただいて実現に向けて図る政策の1つだと思います。そして知事が決断をするということのプロセスが必要ではないかと思いますので、どうか定期路線化をひとつ検討していただきたい。それと同時に、国外路線だけではなくて国内路線、これも十分空きがございます。富山きときと空港はまだ空きが十分あると伺っておりますので、国内路線の定期路線化もまた検討して、課題としてお願いしたいと思っております。  次に、この間テレビを見ていましたら、成田空港で幼稚園の園児と旅客機が綱引きをしている映像──見られた方もいらっしゃると思いますけれども、こういったイベントがあって全国ニュースになっておりました。空港の日か飛行機の日か何か、そういったイベントの日だったそうでありますが、ああいったイベントを、飛行機利用の目的外でも空港を訪れるような施策、今いろんなサポーターズ制度、クーポン券を配ったりして体育施設が使えるなど、いろんなイベントはやっていらっしゃいますけれども、もっと抜本的に空港の活性化をするようなイベント、夢のあるようなイベントが何かないか、なければこれから検討すべきと考えますが、もう一度猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いいたします。 73 猪俣観光・交通・地域振興局長 富山空港ターミナルビルテナントへの誘客対策としましては、においては、利用促進冊子や空港のホームページに飲食店情報を掲載しPRに努めますとともに、各店舗においても情報誌でのPR、バスツアー客などの受け入れ等に取り組まれているところでございます。また、富山空港ターミナルビルにおいても、2階バルコニーにおいて購入した食べ物を持ち込めるよう、ことし4月にフードコートを整備したところでございます。  こうした取り組みの結果、ターミナルビル飲食店の売り上げは昨年度、対前年比で約10%増となったところでございます。  また、イベント開催につきましては、9月20日の空の日を記念しまして毎年開催しております富山きときと空港空フェスを来週9月30日、日曜日に実施するとともに、全長2キロの滑走路をバスで走行したり、間近に航空機の離発着を見学できる滑走路バスツアーを今年度3回開催することとしております。このほか、富山空港ターミナルビルでは、現在バリアフリー化にも対応した4階展望デッキを改修しており、航空機ファンのみならず、多くの皆様に雄大な立山連峰の見晴らしを楽しんでいただける施設となるよう、年末の供用開始に向け整備を進めているところでございます。  今後も引き続き、各種のイベントの開催等を通して、飛行機利用目的以外の客層を取り込み、空港の活性化や魅力の向上を図ることにより、多くの県民の皆様に空港を訪れていただけるよう努めてまいりたいと考えております。 74 笠井委員 いろいろ努力をされていることはわかりました。  ただ、まだ飛行機の間の時間を見るとやっぱり寂しいなと思うことが多くございますので、これからももっともっと青年議会や高校生議会など若い方の意見もいただいて、空港の活性化により一層努力をしていただきたいと思っております。  次に、富山きときと空港に関連する質問、もう一つなんですが、富山きときと空港の無料駐車場の利用率が非常に高く、朝一番で飛行機に乗ろうと思って空港に行きますと、もう既に近いところの駐車場はいっぱいだということは、皆さん方もよく利用されて承知おきだと思います。これは、かつてこの予算特別委員会で質問したときに一遍調査をしていただきました。何でそんなことがわかるかというと、冬場になりますと、雪が積もったままずっとそこにとまっているので、出張から帰ってそのままになっていると、ずっとこのままとまっているんだなということがあからさまにわかるわけですね。何でそうなっているのかといろいろな人に聞いてみました。そうしたら、東京から富山に出張に来られたお客様がレンタカーを借りないで、車をそこに置いたまま行っていらっしゃるという方もいらっしゃいましたし、単なる駐車場がわりに使っている方もいらっしゃいます。  ということで、一般利用者から今、使い勝手が悪いということを指摘されておりますので、何かの施策を講じて、適正利用に向けた取り組みを一層進める必要があると考えますが、もう一度、猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いをいたします。 75 猪俣観光・交通・地域振興局長 富山きときと空港の無料駐車場は1,545台と、近隣の空港と比べても収容スペースが多く、特に長期出張、海外旅行の際など、県内外の方々からも広く御利用いただいているところでございます。  委員御指摘の長期駐車車両については、管理事務所が毎日駐車場を巡回し駐車状況をチェックしており、その中で2カ月間程度使用した形跡のない車両を発見した際には、長期駐車である旨を記載した確認書を張り、それでも6カ月程度経過した際には、長期放置車両として認定しているところでございます。ことしの8月末時点で、そうした長期放置車両を12台確認しておりまして、これらの車両については所有者に連絡し、早急な撤去をお願いするなどの手続を行っているところでございます。  なお、昨年、身体障害者の方々向けの駐車場を8台新たに設置するなど、多くの方々に御利用いただきやすい駐車場としての整備も実施しておりまして、今後とも無料駐車場を含めました駐車場の適切な管理にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 76 笠井委員 長期の利用の方がいらっしゃるということなので、有料化も私は考えてもいいかなと思います。1日、2日の出張の場合には料金が発生しない。3日以上置いた場合には幾らかかるということは、システム上安易にできることだと思いますので、有料化も含めて検討していただきたいと思います。  それでは、第2問目でありますが、富山湾を守る取り組みについてお伺いをさせていただきます。  ことしは災害の大変多い年でございますし、冬には降雪があって、山に雪がたくさん積もっている。そして、雪解けのもとに河川を通じてごみや流木、アシ、ヨシ、草刈りをした草等が随分流れている。それに伴って、台風被害によって流木がたくさん流れ着いておるということが報道にもあったとおりでありますので、皆さん御承知だと思います。きょうも仲間の方々が3人ほど来て、海岸清掃の方でありますが、ごらんのとおり御高齢の方ばかりであります。人的回収には大変限界を感じておりまして、むなしくなる思いを毎月の海岸清掃でかみしめているところでございます。  国のほうでも補正予算を組んだりしまして、撤去の費用を出していただけるようですけれども、富山湾、世界で最も美しい湾に指定されてから私は毎月のように海岸に出ておりますが、一度たりともきれいだと思ったことはない、これが非常に問題だと私は思っております。やってもやってもきりがない、きりがないけどやらなければどんどんひどくなるということの繰り返しでございます。  今回の豪雨災害については、重機を使って撤去をしていただきました。一遍はきれいになるんです。北風が吹くとまた打ち上げられてごみが増える、雨が降ると流木が来るという繰り返しでありますので、これは何とかしなきゃならんなという思いを持ちながらも、いろんな箇所にお話をしておりますが、なかなか前に進まないのが現状でございます。  人力による海岸清掃はもう限界がありますし、これから先、海岸清掃をしていただくボランティアをこれ以上増やすことも、もしかしたら無理かもしれない。このことについて、回収の加速化を図ってはどうかということで、水口土木部長に伺います。 77 水口土木部長 海岸における漂着物につきましては、、市町等の役割分担などを定めました富山海岸漂着物対策推進地域計画に基づきまして、人の力では回収が困難な漂着物等についてはが、それ以外の細かな漂着物につきましては、市や町がボランティアの方などの協力を得ながら処理をしていくこととしております。  また、一度に大量の海岸漂着物の処理が必要となった場合には、が災害関連事業として取り組むなど、協力していただいている市や町に過度の負担がかからないよう処理することとしており、この7月の豪雨におきましても、全体で約5,000立方メートルと大量の流木等が漂着しましたことから、災害関連事業を活用し処理を行っております。その際、例えば富山海岸におきましても、ブルドーザーやバックホウ、クローラ運搬車などの重機を用いて流木等の集積や運搬をしておるというところでございます。  といたしましては、豪雨などで一度に大量の海岸漂着物が発生し、その処理が必要となった場合などについては、引き続き重機も活用し、また、沿岸の市や町とも連携して対応いたしますとともに、特に海水浴や行楽シーズンの前にはより迅速な処理に努めますなど、富山湾沿岸の良好な環境の保全を図ってまいりたいと考えております。 78 笠井委員 部長、取り組みは本当によくわかっています。ありがたいとも思っています。ですけど、現状は前に進まないのでこのように申し上げさせていただいておりますし、今後ますます、これから先もより一層努力を続けていくことを御確認いただきたいと思っております。  それと関連した質問なんですが、今度はマイクロプラスチック、マイクロビーズというような環境保全に非常に問題があると言われておりますこの対策についてどのように考えているのか。  私どもも海岸清掃に行きますと、本当に細かくなったプラスチックが多うございます。どうしても空き瓶、空き缶や流木など、大きなごみを回収することにいそしみますけれども、どうしても細かな吸い殻やプラスチック片、拾うのは大変な作業なんですね。ですけれども、御承知のとおり、これが海洋生物に非常に悪影響を与えるということが報道されておりますし、今後、富山湾の水産資源にも多大なる影響があるのではないかと思っております。  大きなごみばかりではなくて、細かなごみもクリアしていかないと、これからも大変大きな課題を残すと思っております。これらを処理するシステムや発生抑制に一層努力することが求められると思いますが、生活環境文化部長にお伺いをいたします。 79 須河生活環境文化部長 マイクロプラスチック対策についてお答えを致します。  マイクロプラスチックは、海洋中のプラスチックが破砕、細分化されたものであり、粒子が大変小さいため、砂などとの分離が難しく、かつ広い範囲に分散するため、回収が困難になります。  このため、御指摘のとおり、原因となるプラスチックごみの早い段階での回収処理や発生抑制が重要となってまいります。  回収処理につきましては、まず、管理海岸におきましては、海岸管理者として漂着ごみの迅速、適切な処理に努めるとともに、海岸から上流まで広く、各市町村とも連携をしまして、みんなできれいにせんまいけ大作戦などの清掃活動を展開してきております。  引き続き富山海岸漂着物対策推進協議会とも連携をいたしまして、全的な清掃活動や普及啓発など、幅広く展開してまいります。  また、発生抑制につきましては、昨年度、県内10海岸でが実施した調査によりますと、マイクロプラスチックの素材として、レジ袋や食品トレイなどの容器、台所用品や事務用品などの生活雑貨、また、肥料袋やマルチシートなどの農業資材、こういったものの原料の割合が高いということが明らかになっております。  このことから、原因となるプラスチックごみの発生抑制のために、これまでレジ袋の無料配布の廃止やエコ・ストアにおけるトレイ、ペットボトルの回収、また、JAでの農業プラスチックの回収などを推進してまいりました。  今年度からは、新たに携帯型マイバッグの作成配布によるレジ袋削減の取り組みの拡大、また、河川敷の耕作者に対する苗木ポット、肥料袋などの適正処理の呼びかけ、さらに、不法投棄防止モデル地域3カ所の選定と重点パトロールに取り組むなど、マイクロプラスチックの原因となるごみの発生抑制を一層強化してまいりたいと考えております。 80 笠井委員 これから先の発生の抑制については取り組みを強化していくということで、これは理解できます。  ところが、現在、もう海洋に流れ着いてしまっているものの処理については、多分単位の努力では限界があろうかと思います。これは世界的規模の問題でありますので、ゆくゆくはそういった取り組みについて具体的なやり方が提唱されると思いますので、積極的に富山湾を守るために取り組んでいただきたいと思っております。  次に、海岸に流れ着くごみの抑制を図るために、今ほど言いましたけれども、まだまだ努力が必要だと考えております。先ほどレジ袋や、その回収などということがありましたけれども、美化のための条例というものを富山県内の市町村と連携してきちんと整備していく必要があるのではないかということを提唱したいと思っております。前にもこの問題は、私、取り上げさせていただいたんですが、全国でごみを捨てたらだめという条例がある自治体というのをインターネットで出してみましたところ、山ほど出てきまして、恐らく数百自治体が条例整備をされているものだと思います。  実は富山市も、まちの環境美化条例というものがございまして、それも全国一過料の金額、2万円ということで、かなり厳しい条例が整備されております。ところが罰則は地区指定がされていませんものですから適用ができないということです。また、富山市の市長さんと話したときには、個人のモラルに頼るもので、罰則規定を安易に設けるべきではないという答えをいただきましたので、地区指定がされていないために、たばこを吸っていると本当は2万円とられるんですけれども、空き缶を捨てると2万円とられるんですけれども、地区指定をしていないためにとることができないという、条例がまさに絵に描いた餅になっている状態でございます。そういったことも含めて、県内の市町村と連携してどのように取り組むのかを、もう一度生活環境文化部長にお答えをいただきたいと思います。 81 須河生活環境文化部長 海岸への漂着ごみの抑制を図ることなどについてですけれども、海岸だけでなく、河川の上流までを含む県土全域において、ごみの不適切な投棄を防ぐことが重要でございます。  今ほど御紹介のとおり、歩きたばこによる吸い殻のポイ捨てやごみのポイ捨てを防ぐということで、富山市さんだけではなく、県内幾つかの市町村において条例をお持ちという状況は承知をしております。こうした市町村での条例の効果と相まって、御指摘のとおり、県民一人一人の環境美化意識の向上を図るということがやはり何よりも大切であろうと考えております。  このため、ではこれまで県土美化推進県民会議を中心としまして、5月30日のごみゼロの日や9月の第3日曜日の空き缶ゼロの日などの清掃美化活動、また、先ほども御紹介しましたみんなできれいにせんまいけ大作戦と銘打った全的な清掃活動など、県内の各市町村とも連携をいたしまして、県民総ぐるみの県土美化推進運動を展開してきてまいりました。さらに今年度、3Rへの架け橋にと銘打った県内全市町村による清掃活動を展開いたしまして、約3万7,000人の方々に参加をいただいております。こうした清掃活動への参加を通じまして環境美化意識の向上も図られるということではないかと考えております。  また、今年度から個人やグループ単位での清掃活動に参加を促すために、スマホアプリのピリカを活用した自主的な清掃活動も呼び掛けております。  このアプリは、ごみ拾いの写真を簡単に投稿でき、また、他の利用者から反応が届くということで、楽しくごみ拾いができるということで、これまでに延べ3,000人以上が登録し、約53万個のごみが回収されております。こうしたアプリは、一人一人の環境美化意識の向上に大変有効であると考えておりまして、こうした仕組みも活用しながら、各市町村とも連携をしまして、ごみのない美しい県土づくりを進めてまいりたいと考えております。 82 笠井委員 そういった取り組みには本当に有効性を感じるわけでありますけれども、一部のモラルのない人たちのために条例でがんじがらめにすることもいかがなものかと思うんですが、現実は、富山の駅前や繁華街へ行きますと、へっちゃらで歩きたばこをしている方がいらっしゃる、ぽいと捨てる方が山ほどいるということが現状でありまして、そのモラル、モラルといいましてもなかなか前に進まないのかなと思って、今後また課題にしていきたいと思っております。  次に、海岸に漂着するものの中の1つとして、アシ、ヨシ、草刈りをした草など、いろんなものが流れ着いてくるわけなんですけれども、市街地の中に農業用水路としてかつては田んぼに水を運んでいた水路が、田んぼがなくなってしまって単なる雨水排水になってしまっているところがたくさんあります。それに雑木が生えたりして苦情が来たものですから、私がの河川課に問い合わせましたら、いろいろ調べてくれました。ところが管理者がわからない、富山市でもない。生産組合だろうということで生産組合を調べようとしまして、実は個人名を聞き出そうとしたら、個人情報で教えられないということで、結局その管理者がわからないままの用水路が幾つもあるわけですね。管理者がいらしたとしても、今農業従事者の平均年齢が66歳を超えておりますので、田んぼをやっていないところの排水路までとても手が回らないということで、除草剤のお金を出すから勝手にやってくれと言われた方もいらっしゃるそうであります。  そういった所在がわからないというもの、そして、管理ができないというものに関して、やはりとして何か対策が必要ではないかと思いますけれども、芝田農林水産部長にお願いいたします。 83 芝田農林水産部長 農業用水路は、田畑への水の供給のほか、消火や消雪への利用、雨水の排水、生態系の保全、景観の形成など、多面的な機能を有しております。農業用水路がこうした機能を発揮するためには、施設の適切な維持管理が重要でありますが、近年の農村地域における集落機能の低下によりまして、管理が十分に行き届かない施設も一部に見られます。  このため、といたしましては、国の多面的機能支払交付金を活用いたしまして、農業者だけでなく地域住民も協同で取り組む農業用水路のえざらい、法面の草刈りといった活動や、植栽による景観形成・生態系保全の活動などを支援してきております。  県内の多くの地域でこれらの活動が実施されまして-農振農用地の約74%で取り組みが今なされていまして、農村コミュニティーの再生強化にもつながっていると思っております。  また、ことし6月に改正されました土地改良法では、こうした地域活動組織等を土地改良区の施設管理准組合員といたしまして、土地改良区運営にも参加できることとされたところでございます。  さらに、地域における農業用水路を兼ねた道路側溝の環境維持等につきましては、市町村の町内会の活動に対する支援や、道路ボランティアの活動など、地域住民の皆さんにより活発に取り組んでいただいているところでございます。  としては、今後ともこうした地域ぐるみで行われている農業用水路等を守る活動を推進いたしますとともに、広く県民に農業用水路が果たす役割を伝える事業、例えば、とやま水土里フォーラムの開催やとやま水土里賞という顕彰等によりまして、県内の農業用水路が適切に維持管理されるように努力をしてまいりたいと考えております。 84 笠井委員 いろんな地域ぐるみでのえざらいなどですが、その地域ぐるみのえざらいする方も御高齢であるということで、やっぱり支援する側としては何かしらの対策を講じる必要があると思っております。  先ほども言いましたけれども、でもない、市でもない、どこがやっているのかということで、思い余って土地改良区に行ったら、それは用水路だけれども、管理はなかなか手が回らないということで、いろんな情報がリンクされていないものですから、そのへんの整理もする必要があるのかなということで、今後ともひとつよろしくお願い申し上げます。  次に、防波堤の港湾施設の多目的利用の質問をします。先日、死亡事故、釣り人の遭難事故があって大変嘆かわしいことなんでありますけれども、何も立ち入り禁止区域を解除せよということではなくて、もう少し県民が釣りを楽しめる環境の整備が必要ではないかということであります。海岸域に着きましても車の入るところがないために、釣りに行くにも車をとめるところがないなど、いろいろな不都合が富山県内の海岸域で問題提起をされておりますし、要望もされております。このことについて、土木部長の見解をお願いいたします。 85 水口土木部長 防波堤や岸壁などの港湾施設は、港湾区域内の水面の静穏確保や船舶の係留及び貨物の積みおろしなど、本来の整備目的がございまして、その利用や機能維持に支障を来さないよう、関係者以外の人員の立ち入りを制限しているところでございます。  釣り場として開放いたしますことは、ハード対策とソフト対策の組み合わせなどにより、委員からも御紹介いただきましたが、利用者の安全確保を確実に措置できることが必要となることに加えまして、一般的に防波堤付近では駐車スペースとして利用できる土地の確保が容易でないため、利用者の路上駐車が懸念されるということで、地域住民の方々の生活環境や港湾関係者の事業環境の観点からも課題が想定されますことから、なかなか難しい面があるのではないかと考えております。  ではこれまで、港に親しんでもらえますよう港湾緑地を整備し、一般の方に御利用いただいておりまして、伏木港の万葉ふ頭緑地や魚津港北地区の緑地など、6カ所については転落防止柵などの設置により安全を確保し、釣り人にも開放しているところでございます。  御提案の防波堤等の港湾施設の多目的の使用につきましては、地元の方々や港湾関係者の御意見をよくお聞きし、どのような方策が可能か調査研究してまいりたいと考えております。 86 笠井委員 唐突な質問でありましたので、なかなか前には進みづらいとは思いますけれども、やっぱり環境の整備をして、釣りを楽しむ方の環境整備も、これはひとつ考えてあげなきゃならないの課題だと思っておりますので、どうかひとつよろしくお願いいたします。  次に、外国人材の活用、中小企業支援策についてお伺いをいたします。  外国人技能実習生及び留学生の方が日本で働いている、バイトなどをしている方々が128万人いらっしゃるそうであります。6月の政府の骨太の方針において、これをまた増やしていこうということが記されてまいりました。今後も県内で、やはり高い求人倍率を誇っておる県内では、人手不足が顕著であるということで、外国人技能実習生、留学生の方々の労働時間の緩和も見込まれまして、今まで週20時間だったのが週40時間、普通の労働体系と同じぐらい働けるようにまで緩和されると聞いております。  そして、今後物すごい数の方々を日本に呼び込んで外国人技能実習生として技能実習をしていただこうと、実質的には企業に対する労働力の確保ということになるのかなと思っておりますけれども、この企業や実習生について、5年間の間に家族を自国に置いて研修に来られるわけでありますから、生活の面や精神的なケアなど、いろんな支援について何か必要なのではないかと思いますけれども、伍嶋商工労働部長の見解をお伺いします。 87 伍嶋商工労働部長 技能実習制度につきましては、昨年11月に技能実習の適正な実施、また、実習生の保護を図るための見直しがなされたところであります。
     具体的に申し上げますと、監理団体等の許可を行う外国人技能実習機構が認可法人として新設されますとともに、受け入れ企業において、技能実習の内容や日本人と同等以上の報酬などの適切な待遇の確保などを定めた計画の認定を受けることとされたところであります。  また、技能実習生に対する人権侵害行為について、禁止・罰則規定が整備されますとともに、実習機構が技能実習の実施状況や生活環境などにつきまして、実習企業を定期的に実地検査することに加え、実習生等に対する相談や援助業務を行うこととされております。  この結果、昨年度では技能実習生の就業面、また、生活面における不正行為等は全国的に減少しており、労働局からは、県内においては送検に至るような重大または悪質な違反は発生していないと聞いております。  しかしながら、としましては、実習計画の認定基準にも示されておりますけれども、技能実習生の生活費等については、受け入れ企業及び実習生により負担されることが基本となるものと考えておりますが、実習生が近年増加し、今後も増加が見込まれる中にあって、実習及び日常生活双方におきまして最も重要な要素、鍵となります日本語能力の向上を図ることを目的といたしまして、監理団体が行います日本語研修への助成の拡充等を実施するなど、支援を行ってきております。  今後とも労働局などの関係機関と連携、そして情報共有しながら、技能実習の円滑な技能習得と充実した生活が送れるよう、また、実習生が多数育成されますよう、適切な支援策を講じてまいりたいと考えております。 88 笠井委員 実習生の方の環境の整備がやっぱりいろんな意味で良好に取り組まれていくものだと考えております。  今度は受け入れ側の企業に対しまして、としてやはり支援をすべきではないかということであります。実習生を、国のほうでは50万人とも言われておりますけれども、増やしていくということで、この富山においてはものづくりでございますから、技能実習生にしっかりと技術を習得していただくために富山で働いていただいて、自国に帰って貢献していただくための技能実習制度でありますので、それをより円滑にするために、やっぱり中小企業の皆様方にとして何かしらの援助をしていくことが必要ではなかろうかと思っております。  例えば住居を提供するに当たっても、皆さんの事業所の近くに住居がなかなかない、もしくは、あっても民間アパートですと高い、そういった問題が発生してきております。これ、全て企業側の負担でありますので──もちろん寮費としてとるわけでありますから、その寮費のほうは、外国人技能実習生支援機構というものがございまして、そこでは、一人当たり1カ月1万円から1万5,000円が指針として示されております。坪数も最低坪数がありますので、3LDKで大体3人から4人の技能実習生が混在しなきゃならんということでありまして、そうなりますと、とても民間のアパートでは金額が折り合わなくて、企業が負担をしなければならないということも発生してくるわけであります。  そういったことを含めて、少し空きがある公営住宅に住居を振り分けることはちょっと厳しいかもしれませんが、公営住宅法におきましても、段階的な弾力的活用ということで、目的外使用ということも国土交通省のほうでもあらわしてございますので、そういった企業側に対しての支援について、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 89 石井知事 では技能実習制度の円滑な運営を図るために、県内の優良な取り組みや、の魅力を紹介する事例集の作成配布、また、県内の実習生受け入れ企業の具体的事例を紹介するセミナーの開催に加えまして、技能検定合格に向けた技能向上講習の実施のほか、監理団体が行う日本語研修への助成等を実施して、中小零細企業での実習生受け入れ支援を行っております。  委員が今御提案いただきました技能実習生が県営住宅に入居することについては、これは本来、受け入れ企業が実習生の宿泊先を確保する義務があるということと、県営住宅が住宅に困窮する住民への低廉な家賃での賃貸をして、県民の住生活の安定を図ることを設置目的とするということでありますので、公営住宅法の改正の必要はないものの、補助金適正化法の目的外使用に当たることにならざるを得ないので、実はこの機会にほかのにも聞いてみたんですが、中部各でそうした目的外、外国人実習生に使用させているという事例はやっぱりないようで、なかなか難しいのかなと思っております。  県内では、空き家を活用して実習生の住居としていらっしゃる、そういう実例もあるものですから、今後とも空き家バンク等を通じた情報提供等に努めてまいりたいと思っております。  技能実習制度、昨年11月に見直されて間もないこともありまして、今後、中小零細企業の皆さんにも使いやすいように、その運用全体について、関係企業、実習生への影響、効果、いろんな関係者から御要望もいただいた上で検討いたしまして、ニーズが高いということになれば、制度の見直し等を国に要望してまいりたいと思っております。  また、国では、6月に閣議決定した骨太の方針で、中小、小規模事業者を初めとした人手不足の深刻化等を踏まえまして、新たな外国人材の受け入れの方針を定めまして、その準備に向けた検討が開始されております。御承知のように、技能実習の受け入れ終了後も新たな在留資格を設けてそこに移行すると。例えば、建設、農業、宿泊、介護、造船業、こういったことが新聞報道等では伝えられているわけでありまして、こうした状況もよく見守りながら、せっかくの制度ですから、国際貢献のための技能実習制度ができるだけ円滑に、かつ適正になされますように、これは労働局、外国人技能実習機構、もちろん国の厚生労働省等と連携しながら、できるだけ県内の中小零細企業に対する支援、何かできないか、十分検討していきたいと思っております。 90 笠井委員 この先、やっぱり随所随所で外国人技能実習生の対応について当局に要望があると思いますので、適切に対応していただきたいと思っております。  最後に、消費税の問題で中小企業に対する支援について御質問をさせていただきます。  本日1番目の質問のときに、永森委員が消費税のことについてお伺いをされておりました。ちょっと視点を変えて私は考えてみたいと思っております。  2度延期されました消費税の増税、これは来年の10月1日、恐らく避けて通れない増税に踏み切るのだと私は思っております。ですけれども、踏み切ることに仕方ないという気持ちを持ちながらも釈然としないものがあります。依然デフレ状態から脱却していないではないか、そして、県民の生活は決して豊かになっていないではないか、緩やかな景気回復といえるけれども、それは一部の企業が利益を内部留保でため込み、そして、一部の富裕層が資産をため込んでいるからではないかと。実質的な統計として、年収200万円以内で働いている方が2,000万人近くもいらっしゃるという現状を考えれば、格差がついて、今まで日本の社会を支えてきた分厚い中間層がいなくなってしまって、一部の富裕層と、どんどん下に下がって最下層に下がっていくような状況に私は見えてなりません。  先日、朝のラジオ放送で、世界で100万ドルの資産を持っている方のことで、森永卓郎さんという経済評論家の方が報告されておりました。1,200万人いる中で、アメリカが五百十何万で日本が316万人ということです。日本には100万ドルの資産、1億1,000万円を持っている方が316万人もいらっしゃるということなんです。ですけれども、そういった実感が我々の生活の中で全くないということでありまして、デフレ状態が長く続いておりまして、物をつくっても売れない、安いものしか売れない、安売りをすれば長蛇の列ができる、こういった経済環境を見ると、消費税を上げると大変なことになるのではないかなという思いがしてなりません。  その消費税を上げることを前提にお話をさせていただきますけれども、今度は消費税を上げると軽減税率、複数税率になります。8%のものと10%のものに分かれます。ということで、事業者に大変な負担となるということ、システムの更改やレジや、いろんなシステムを変更しなければならない。中小企業、零細企業にとっては大変な出費になるはずであります。それにも増して、インボイス制が導入されるということであります。商品によって税率が変わるために、インボイス制を導入しなければ益税が発生するということで、インボイス制を導入されるということでありまして、この中小企業の負担というものは大変なところにあると思います。ただでさえ物が売れなくて、消費税が上がって、自分のところの利益がどんどんどんどん狭まっていくのに、またこういった全然今までかかっていなかった経費がかかるということで、負担軽減に対するの支援がどうしても必要になるのではないかなという思いがしてございます。伍嶋商工労働部長にお伺いをいたします。 91 伍嶋商工労働部長 国においては、消費税率引き上げ等に向けまして、中小、小規模事業者の負担を軽減して準備が円滑に進みますよう、消費税の転嫁状況の監視や検査体制の強化、相談窓口の設置、また、複数税率に対応しますレジ導入等への支援などが行われてきております。  また、平成31年度の経産省の概算要求では、需要の平準化対策に向けまして、例えば耐久消費財である自動車の平準化を目指すために、ユーザー負担の軽減に向けた必要な対策が検討されているというところでございます。  ではこれまで、消費税の円滑かつ適正な転嫁のための徹底した対策及び軽減税率制度導入への対応に係る支援を国に要望してきたほか、適宜消費税率引き上げに伴います影響に関する下請企業等に対する実態把握や、あるいは、新世紀産業機構内に設置しております中小企業支援センターの相談窓口におきまして、相談対応などを行ってきております。  また、税率引き上げなどによります中小、小規模企業者の資金繰りを支援するために、の制度融資の経済変動対策緊急融資や、あるいは、原材料高騰対策として設けました小規模企業支援枠について、その取り扱い期間を延長しております。さらに、生産性の向上などによりまして、税率引き上げに伴う影響を最小限に抑えるため、例えばIoT導入の取り組みに対する支援や、制度融資におけますIoT支援特別資金の創設、また、設備投資促進資金の金利引き下げ措置の延長などを行っております。  このほか、経営革新等に取り組みます中小、小規模企業者に対しまして、とやま中小企業チャレンジファンドによる新商品の開発から販路の開拓までの一貫した支援も行ってきているところであります。消費税率引き上げ後も回復基調にあります県内経済の活力を維持発展させますため、今後とも国の支援内容等も踏まえながら消費税制度の周知徹底を初め、相談体制の充実、また、資金繰り等の支援に積極的に取り組んでまいります。 92 笠井委員 いろんな取り組みをされているのは結構なんですが、実態は、その支援をそこまで求めなくても、結局、今ある力で何とかしようとするのが中小企業さんなんです。お金を借りたくてももう借りられないとか、IoTを設置するまでもない中小企業だとかいうことで、私は、もっときめ細かなことを商工労働部として、していただきたいなということを要望しておきます。  実は、複数税率やインボイス制というものを導入されるのが決まっているのに、1年前のこの期に及んでまだ知られていない方がたくさんいらっしゃるわけであります。免税業者であったり簡易課税の業者であったりすることもあるかもしれませんけれども、あまりにも周知されていないということが、これは国の問題でありますからの責任ではありませんけれども、1カ月ほど前に、国税庁のほうから各事業所に対してインボイス制の説明や、助成金の説明したパンフレット、これをやっと送ってきたぐらいでありまして、あと、商工会議所さんが積極的に今そのことについて取り組んでおられます。そういったところとも連携して、手厚い、もう消費税が上がってしまってあたふたしても仕方ありませんので、そういったときに対応をすぐできるような体制整備をよろしくお願いいたします。  以上で終わります。 93 筱岡副委員長 笠井委員の質疑は以上で終了しました。        川島国委員の質疑及び答弁 94 筱岡副委員長 川島委員。あなたの持ち時間は60分であります。 95 川島委員 自民党議員会の川島国でございます。よろしくお願いいたします。  本年は、まことに大自然の脅威にさらされた年となりました。本議会においても、防災減災議会と称せるほど、同僚、先輩議員からの質問の数々でありまして、終盤の私からは、冒頭1点のみ、お願いという形で防災関係の要望をさせていただきまして、質問に入っていきたいと存じます。  本年も残すところ3カ月であります。冬に備え、豪雪対策においては、昨年の72時間以上に及ぶブラックアウト地域がまた来年も出ないように、倒木予防の徹底した管理を知事からも電気事業者に対しまして念押しをしていただきたいとお願いをまず申し上げたいと思います。  さて、大きく2項目にわたって質問させていただきます。まずは、農林水産業の強靱化についてであります。  先般、我が党政調会の農林水産部会において、農林水産分野の関係団体より来年度予算への要望をいただきました。人口減少時代の真っただ中における国の基である農林水産業であります。従事する方々による現場の苦悩を踏まえた切なる要望を数多く承りました。その中から、私が特に重要性や緊急性を感じたものについて質問していきたいと思いますので、真摯に捉えていただき、前向きな答弁を心よりお願いいたします。  地理的表示登録、GIマークと言いますが、その登録制度と地域団体商標の登録に向けた支援についてであります。  地域の特産品について、事業者の信用維持を図り、地域ブランドの確立につなげ、国のお墨つきによって海外輸出も見据えた日本の特産品として保証する地域団体商標制度と地理的表示、GIマーク登録制度があります。攻めの農業として、海外への販路拡大へとしても最大限支援していくべきと考えるところであります。  先ほど、県内で初めて入善ジャンボスイカが地理的表示、GIマークを取得されました。  海外において、真の日本の特産品として安全で安心できるおいしい日本のスイカとしてのブランドを取得したことは、まことに喜ばしい限りであります。必ずや海外販路の拡大の歩みにつながるものと思います。  では、ほかはどうなのか。県内数ある特産品において、この国のブランド育成保証制度を活用し得るものはほかにないのか。として地理的表示や地域団体商標登録の対象となり得る県内産品をどのように捉えているのか、芝田農林水産部長にお伺いいたします。 96 芝田農林水産部長 地理的表示、GI保護制度は、生産地と結びついた特性を有する農林水産物等の名称を品質基準とともに登録し、地域の共有財産として保護する制度でございます。  メリットといたしまして、国による模倣品の取り締まりによりブランド価値が守られること、同様の制度を有する海外においても保護されること、GIマークの使用により、他の商品との差別化が期待できること、こういったメリットがございます。  また、地域団体商標制度は、地域名と商品名等の組み合わせからなる地域ブランドの名称を商標権として登録し、その名称を独占的に使用することができる制度であり、他者が不正に類似する名称を使用した場合、GIのように国による取り締まりはございませんけれども、民事、刑事の両面で対抗することができるなどのメリットがございます。  今ほど委員からも御紹介がありましたが、県内においては、地理的表示につきましては、入善ジャンボスイカの1件、地域団体商標につきましては、加積リンゴや富山湾鮨など10件の農林水産物等が既に登録されております。このほかに、農林水産物以外には高岡銅器や高岡仏具といったものもございます。  本県には、ほかにもさまざまな特色ある農林水産物等があり、地理的表示や地域団体商標の対象となる可能性を秘めているものは数多くあるのではないかと考えております。  特に地理的表示につきましては、我が国では制度の運用開始からまだ3年余りであることから、今後も幅広く周知を図り、海外への輸出も視野に制度の活用促進を図っていく必要があると考えております。 97 川島委員 ありがとうございます。  地域ブランドを確立して商標権利も国がしっかり守っていくというこの制度は、特にこの時代、本当に権利を保障していく上において大変大事であろうかと思います。できれば両方取得して、国の海外輸出戦略の販路にのせていくということが求められると思いますが、特に農水省が所管するGIマークは、商標権の効力はないものの更新義務がありませんで、9万円の登録費で一度登録できれば国のお墨つき効果を海外でも発揮できるものでありまして、ぜひとも生産団体に広く周知を図っていただきまして、登録費や申請事務に対する助成などを積極的に支援していくべきと考えますが、農林水産部長の見解をお願いいたします。 98 芝田農林水産部長 地理的表示や地域団体商標の登録は、県内の農林水産物等のブランド化を図り、その付加価値や競争力を高める有効な手段の1つであると考えております。  このうち、地理的表示につきましては、国において、登録申請に係る産地からの相談を一元的に受け付ける窓口を設けておりまして、受け付けた相談につきましては、ブロック支援窓口である各農政局が中心となって産地を訪問したり、メールや電話等での対応をするなどの支援を行っております。  加えて、におきましては、農林振興センターにおいてこれらの手続に関する情報提供を行いますとともに、農政局と連携して、登録に向けた指導助言を行っているところでございます。  また、地域団体商標につきましては、平成18年度の制度の創設に合わせまして、において、富山地域団体ブランド発信応援事業費補助金というものを創設いたしまして、出願に関する弁理士等への手数料や特許庁への出願料に対して補助してきたところでございます。  加えまして、農林振興センターにおきましても、地理的表示と同様に、相談があれば登録に向けた指導助言を行っているところでございます。  としては、引き続きこれらの制度の周知を図りますとともに、国とも連携を図りながら登録希望者に対する支援に努め、産の農林水産物等のブランド力向上を推進してまいります。 99 川島委員 ありがとうございます。  時流を逃して他に販路を奪われないように、まずは制度の趣旨をしっかり図っていただきまして、積極的に支援していただきたいと重ねてお願いいたします。  これは、富富富の書でございます、知事。これ、書でございます。私、県議会書道部に所属しておりまして、私が書きましたと言いたいところでありますが違いまして、日本を代表する書道家、青柳先生の書でございます。先生からは、この揮毫を自由に使っていいと許可をいただいておりますので、担当部局におかれましても、御活用いただければありがたいかなと思っております。  この富富富、改めていい名前だなと思うわけでありますが、この米を食した誰もがふふふとほほ笑む、笑顔を想像いたすところであります。私が推奨していたのが我田引水にならなくて本当によかったと心から思うところであります。伍嶋前農林水産部長は応援していただいておりましたが、違いますね、失礼いたしました。  このように富富富、すばらしい名前をいただいたこの米でありますが、先般、我が会派の勉強会におきまして、満寿泉の桝田社長に御講演いただいたときに、知事も御存じのとおり、非常に辛口のお話で有名な方でありますが、特に富富富について触れられ、激辛でありました。高品質米としてどれだけおいしいかをプレゼンするのに、生産者がつくりやすい米というのは関係ないと。消費者の立場に立ったら、日照りや台風に強い米と言われても全く心に響かないと。コシヒカリより食味がよくて、こんな食べ方をしたらおいしい米なんだといった消費者の心に響く販売戦略が必要とのことでありました。  来月から本格販売がスタートいたします。販路拡大、消費拡大に向け、海外への輸出も見据えた取り組みも必要かと考えますが、農林水産部長の所見をお願いいたします。 100 芝田農林水産部長 米の国内市場が縮小傾向にある中、海外市場の開拓は極めて重要であるため、では昨年6月に富山産農林水産物等品目別輸出促進方針を策定いたしまして、「コメ、コメ加工品」を重点3品目の1つに位置づけて、平成33年度までに米の輸出量を1,100トンに拡大する目標を掲げたところでございます。  こうした中、富富富につきましては、富山米のトップブランドとして生産者と消費者の双方にメリットのあるプレミアム感を創出し、県内外においてコシヒカリを上回る価格帯での流通販売を目指しております。  ことし1月に策定した富富富の販売戦略においては、当面、富富富の評価が定着するまでは、まずは国内でのブランドの確立を優先しながら生産量を確保いたしますとともに、品質の高位安定化や付加価値向上のための栽培技術のブラッシュアップを進めることとしております。  委員御提案がございました富富富の輸出につきましては、ブランド力の一層の向上や新たな販路開拓の有効な手段の1つと考えられることから、今後、将来的な輸出に当たっての課題、例えば、どうしても価格の問題がございまして、価格が少し安くなるというようなこともございますので、生産者の手取りの確保をどうするかといったようなこと、それから、販売ルート、商流をどうするのかといったこと、こういったことなどを整理いたしまして推進方策を検討いたしますとともに、まずは訪日外国人に知ってもらい、海外市場から富富富が求められるような環境づくり、例えばPR媒体の多言語化によるインバウンド対策の強化など、こういったことに努めてまいりたいと考えております。 101 川島委員 ありがとうございます。意気込みが伝わる答弁であったかなと思います。  これは私の提案でありますが、やはり冷めてもおいしい富富富でありますので、日本人がこよなく愛するおにぎりで売っていけばどうかと御提案をいたします。富富富を使ったおいしいおにぎりコンテストの開催や、富山Eマーク商品とのコラボレーションで、朝食に出したくなるような富富富おにぎり朝定食の提案など、忙しいママさんをターゲットにした販売戦略が効果的かと考えますので、ぜひとも御検討いただきますよう提案をいたします。  次に、内水面漁業振興について質問いたします。  富山といえばマスのすし、広く認知された富山を代表する特産品であります。マスに限らず、アユやイワナは本県の宝でありまして、豪雨や台風で河川が荒れる中、ことしは大丈夫なのかと心配が募ります。  は、安定した内水面漁業環境を整備していくために5カ年の内水面漁業振興計画を策定しておりますが、本年で2年が経過しております。本計画の目標達成度合いなどの評価と今後の取り組みについて、農林水産部長にお伺いいたします。 102 芝田農林水産部長 富山県内水面漁業振興計画は平成28年3月に策定したものでございまして、内水面水産資源の回復と増大、漁場環境の再生と保全、活力ある内水面漁業づくりの3つを基本的な柱としておりまして、これまで内水面漁協等と連携協力しながら、アユ、サケ、サクラマスの種苗放流や漁場管理、外来魚、カワウ対策、飼育技術の指導等による養殖業の活性化などに取り組んできております。  この計画では、平成33年度を目標に13の参考指標を設定しておりまして、まだ途中段階ではございますけれども、直近のデータでは、例えば冷水病発生河川数といったものなど、2指標で目標を達成いたしますとともに、放流用アユに占める地場産の割合、こういったものなど5指標で数値が改善するなど、おおむね順調に推移しているのではないかと考えております。  しかしながら、内水面漁業を取り巻く環境は、漁協組合員の減少や高齢化、河川環境の変化等による漁獲量の減少など、大変厳しい状況にあり、今後は特に省力化、省コスト化に向けた技術開発など、より効率的、効果的な増殖事業を展開していくことや、ブランド化や販路の拡大を図るといったことがまず必要であると考えております。  また、あわせまして、釣り場や自然体験活動の場を提供することによりまして、内水面漁業に対する県民の皆さんの理解と関心を促進していくといったことも重要と考えております。  今後とも内水面漁業が有する水産物の供給機能を初め、自然と親しむ機会の提供や生態系の保全などの多面的機能が十分に発揮されますよう、その振興にしっかりと取り組んでまいります。 103 川島委員 ありがとうございます。  おおむね順調ということでありますが、担い手も少ないという状況でありますので、ぜひとも力を入れていただきたいと思います。  9月補正予算においても、天然サクラマスの資源状況の調査や省力、省コストな放流手法の研究のための予算も盛り込まれておるところでありますが、とやま名産サクラマスの復活へ向けて、計画では平成33年度の河川漁獲量目標値3トンとしているわけでありますが、この目標達成に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、農林水産部長にお伺いいたします。 104 芝田農林水産部長 サクラマス資源の回復を図るため、これまでも内水面漁協で稚魚の放流を行いまして、また、では親魚の養成による卵の確保や配付、それから、採捕禁止区域と期間の設定などを行ってきております。  また、今回提案しております9月補正予算案には、新たに資源回復に向けた2つの調査研究事業を計上しております。  一つは、稚魚の育成に係る労力とコストの削減を目指しまして、サクラマスの卵を直接河川に埋設放流し、その効果を5年かけて検証するものであります。具体的には、今年度は養成した親魚から得た卵を神通川支流に埋設放流をいたしまして、卵のふ化率等を調査し、来年度以降は、その埋設場所周辺における幼稚魚や海から河川に回帰してきた親の魚の調査も行うこととしてございます。  もう一つは、サクラマスの自然環境下における産卵や幼稚魚の生態に関する知見が不足しているため、今年度から3年間、県内河川における産卵実態や幼稚魚の生息密度等を調査するものであります。その成果は、国において全国的なサクラマス資源の評価にも活用されることになっております。  このほかにも、例えば、河川に石を置きまして人工的に創出した多様な自然環境のもとで稚魚の育成、放流効果を検証する研究や、養殖事業への技術的な支援に取り組みまして、内水面漁協等と連携協力してサクラマス資源の回復に努めてまいります。 105 川島委員 ありがとうございます。メニューも増やしてこの資源拡大に向けて頑張っておられるというところであろうかと思います。  やはり専門的な研究というものを強く推し進めていく必要があるのかなと思います。科学的な見地から問題の分析、そして対策を組み上げていくことが肝要かと思います。計画的な研究予算もしっかりと充当して、現場が実感できる内水面振興計画の推進を図っていただきたいと要望するところであります。  豚コレラの発生によって、イノシシの死体調査など、としてもさまざまな対応に追われておるところであろうかと思います。改めて安全・安心でおいしい富山の畜産物を供給し続けることの難しさを感じるところであります。口蹄疫や鳥インフルエンザ、家畜を取り巻く疫病の怖さは、短時間で一気に広がっていく感染性にあるといえます。平時から家畜の診療体制を強固なものにして、予防体制においてもしっかりとしたものにしていかねばなりません。  その重要な責務を負っているのが産業動物獣医師の皆さんであります。彼らがいなければ、極端な話でありますが、氷見牛もメルヘンポークもメルヘン牛も食べられないわけであります。他意はありませんが、後半小矢部ばかりになりまして、副委員長、申しわけありません。いずれにしても、産業動物獣医師さんがどんどんいなくなるのではという危機感が覆っておる現状が続いております。  そこで、農林水産部長にお伺いしますが、過去10年間における本県の産業動物獣医師の従事者数と公務員獣医師の確保状況はどうなっているのか、お示し願います。 106 芝田農林水産部長 県内におきまして、牛や豚などの家畜診療に従事している民間の産業動物獣医師は、平成20年から平成26年までは13名から15名で推移しておりましたが、を退職しましたOB獣医師が産業動物獣医師として開業されたことによりまして、平成28年には19名に増加をしております。ただ、高齢化が進んでおりまして、平成28年では60歳以上が全体のうちの13名ということで、7割近くを占めている状況でございます。  また、と市町村の公務員獣医師につきましては、平成20年から平成22年は94名でございましたが、その後、で毎年4名以上の採用が行われてきたことから、平成24年以降は100名以上に増加し、平成28年には103名となっております。また、そのうち、主に今、では厚生部と農林水産部にいるわけですけれども、農林水産部門につきましては、平成20年の39名から平成28年には45名に増えておりまして、家畜伝染病の防疫業務などに従事するの家畜保健衛生所職員の数につきましては、現状では不足はしていないという状況にございます。 107 川島委員 ありがとうございます。  不足はしていないということでありましたが、非常に危機感が募るのは高齢化でありまして、10年前の平成20年では60歳未満の民間の産業動物獣医師さんが7名おられましたが、近々1名になると伺っております。驚くことに、現在全ての開業医さんの数が8名まで減少しておるということでありまして、公務員獣医師においてもやはり高齢化が進んでおるということで、重労働であろうお産の対応などに加えて、民間医師の廃業による医師1人当たりの負担がますます増えている現状を捉えますと、富山の畜産業が負のスパイラルに陥っているように感じるのであります。  実際、家畜の診療頭数も10年前から比べると、乳用牛で33%減、肉用牛で32%減、豚が31%減と、全ての種別において3割以上減少しておるという現況だろうかと思います。  このような現状を受けて、私は今までの施策に加え、より踏み込んだ人材確保対策、そして、公務員獣医師の手当拡充など、はたまた県域を越えた広域的家畜診療体制の構築などといった強力な家畜診療体制を早急に図っていくべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 108 石井知事 産業動物獣医師や公務員獣医師を確保して、家畜伝染病の予防などの獣医療の提供体制を維持していくことは、本県の畜産業の振興を図る上でも極めて重要だと思っております。  一方で、お話がでたように、産業動物獣医師の高齢化が進む中で、獣医科大学の卒業生の多くが小動物病院や医薬品系の民間企業に就職する傾向にありますので、産業動物や公務員の獣医師の確保は、全国的に見ますとなかなか困難な状況になっております。  そこで、富山では獣医療法に基づく獣医療を提供する体制の整備を図るための計画というのを7年前に策定いたしまして、獣医師会や農業共済組合などの関係団体、機関が連携して、獣医師の確保に向けた対策を計画的に進めております。  具体的には、獣医科大学を訪問しての職員の勧誘活動、関心のある大学生の方のインターンシップによる受け入れ、また、公務員獣医師の確保のために独自の就学資金制度の設置──これは、貸与期間の1.5倍の期間を在職しますと返還を免除するという仕組みになっていますし、また、初任給調整手当の支給──これも上限3万5,000円、支給期間20年ということでありまして、支給額では青森、北海道に次いで全国3番目となっております。
     それから、産業動物獣医師を確保するために、のOB獣医師の産業動物獣医師としての開業の促進や、産業動物獣医師が適切な診察・治療を行えるように、家畜保健衛生所による血液検査や細菌検査の協力などに取り組んでおります。  こうした取り組みによりまして、さっき部長から答弁申し上げましたが、平成20年には39名だったのが、平成28年には45名になりますなど、一定の成果も出ております。ただ、このままですと、特に産業動物獣医師が不足して、将来的に獣医療の提供が円滑に実施できない地域が発生するおそれがありますことから、先ほど述べたこの獣医療を提供する体制整備を図るための計画の見直しを前倒しで検討しますなど、このほか、例えば獣医科大学の訪問回数をもっと増やす、対象の大学を増やす、あるいは、初任給調整手当、今申し上げたように全国で手厚いほうから3番目ですから、こういった手厚い処遇をもっとアピールするなど、新たな獣医師の確保対策を関係機関と強力に推進いたしまして、家畜診療体制の整備・充実に努めてまいります。 109 川島委員 知事、ありがとうございます。  全国3番目の手当ということですが、あまり伝わっていないのかなという印象も本当にありますので、ぜひそういう周知の部分での努力ももっと行っていただければなと感じます。よろしくお願いいたします。  この項、最後は、森林及び林業の強靱化についてであります。  来年度より森林環境譲与税が創設されます。初年度は全国で200億円規模、そして、本県においては約1億円の譲与額が見込まれておりまして、財源の確保充実による森林整備の推進が期待されております。  しかし、一方で森林関係者からは、災害復旧費に予算が振り向けられ、今までの公共事業が減らされて、総事業費的には森林整備費が減少するんじゃないかという危惧の声もありまして、果たして増税した分、譲与された分、森林整備に振り向けられるのか、眉唾なところがあるとの印象であります。1億円規模でどれだけのことができるのか。なかなかイメージが湧かないというのが本音のところだろうと存じます。  ぜひとも知事におかれましては、森林関係者が感じているもやもやを払拭していただきまして、この森林環境譲与税による財源によって、しっかりと今まで以上の森林整備拡充が図れるんだという御答弁をよろしくお願いいたします。 110 石井知事 来年度から施行されます森林経営管理法では、市町村が森林所有者の意向を踏まえつつ、林業経営に適した森林を集約して大規模化を進めまして、意欲と能力のある林業経営者にその経営を委託しますとともに、林業経営に適さない森林については、市町村みずからがこの森林環境譲与税(仮称)、これを活用して間伐等の管理を行うこととされております。  この税をつくるときには、全国知事会などでもいろんな議論がありましたのですけれども、ようやくこういうことで、市町村も含めてまとまったわけでございます。  本県には、これまで未整備で今後の整備計画もないという私有林の人工林が約2万1,000ヘクタールございますけれども、新たな管理システムによりまして、林業経営に適した森林と適さない森林に振り分けられまして、これはあくまで想定ですけれども、林業経営に適した森林が大体おおむね5,000ヘクタールぐらいじゃないかと。それから、適さない森林がおおむね1万6,000ヘクタールぐらいじゃないかといったような想定があるんですが、実際には市町村に判断してもらって振り分けて、そして、林業経営に適した森林の整備は、林野庁と国の森林整備関係事業を活用することとなりますので、これらの予算が十分に確保されることが重要と思っております。  今委員のお話を聞いて、そういう懸念もあるのかと思いましたが、少なくともこれは税収としては増えてくるわけですから、これが増えたからといって国の補助金を減らすなんていうことがあってはとんでもないことなので、これはそういうことのないように、もちろん知事会としても、また、市町村とも連携してしっかり対応しなきゃいかんと思います。  また、林業経営に適さない森林については、市町村が森林環境譲与税(仮称)を有効に活用して間伐等を行ってしっかり管理されるべきものと考えております。  なお、本県の超過課税として十数年前からやっております水と緑の森づくり税は、富山森づくりプランに沿いまして、人工林については奥山にある混交林整備に充当しまして、また、森林環境譲与税(仮称)は、これまで水と緑の森づくり税の対象としていない生産林に充当することを考えておりまして、今後十分に水と緑の森づくり税と今回できました森林環境譲与税(仮称)との関係について、整理、精査していきたいと思っております。  今後とも市町村とも十分連携しながら、できれば市町村には、当然法律の趣旨に沿って計画的に森林整備が取り組まれるような年度計画の策定等もしっかり対応していただきたいと思っていますし、新たな管理システムの円滑な運用に向けて準備を進めますとともに、国に対して関係事業の充実確保を働きかけてまいりたいと思っております。 111 川島委員 知事、ありがとうございます。  実際の森林関係者に対して、やっぱり実感が得られるような効果的な予算の配分というのは大事であろうと思いますので、加えて、特に8割以上市町村へ譲与されるこの予算でありますので、の方向性としっかりと市町村が足並みをそろえて、同じ目標に向かって連携していくことが大事であろうと考えますので、その点もお願いしたいと存じます。  9月補正予算案においては、林業経営者を育成するための研修や中小企業診断士による経営改善指導のための予算も盛り込まれておるところであります。  具体的にこの森林環境譲与税(仮称)を活用した効果的な森林整備の推進に向けてどのように取り組んでいくのか、農林水産部長にお伺いいたします。 112 芝田農林水産部長 新たな森林管理システムでは、市町村が森林所有者の意向を踏まえ、森林の経営管理を行うこととされております。  一方で、これまで林務行政につきましては、広域行政として都道府県が大きな役割を果たしてきたことから、森林経営管理法では、が市町村に対し必要な助言や指導を行うことなどが規定されております。  このため、では市町村が実施する森林所有者の意向調査の対象となる森林の抽出や、意向調査や森林整備の年度計画の策定などにつきまして、具体的な作業手順を示したマニュアルを年内に作成するなど、市町村の実施に向けた準備について支援を行いたいと考えております。  また、新たな森林管理システムでは、市町村は林業経営に適した森林について、が募集し公表する意欲と能力のある林業経営者にその経営を委託することとされておりますが、本県においては、これまで森林の経営管理を主に森林組合が担ってきており、その他の民間林業事業体がみずからまとまった森林の経営管理を企画・実践する例はあまり見られなかったところでございます。  このため、今回9月補正予算案にこれらの民間林業事業体を対象といたしまして、森林経営管理に必要な技術の研修、例えば森林作業に係るコスト分析、森林経営計画策定研修や、中小企業診断士による経営診断を実施いたしまして、担い手の育成を図る事業を盛り込んでいるところでございます。  こうした取り組みにより、県内の森林整備が効果的・効率的に進むよう、市町村の実情や要望等を踏まえ、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。 113 川島委員 部長、ありがとうございます。  山が荒れれば川が荒れまして、川が荒れれば海が荒れるということであります。先週の向委員の質問にもありましたが、お孫さんに汚くて泳ぎたくないと言われる富山湾をつくってしまったのは、まぎれもなくこの上から流れ着く木々の姿であろうかと思います。海岸に積み重なった流木の山を目の当たりにして知事もショックだと言われたとおり、何とかして世界で最も美しい富山湾を保つ仕組みをつくり上げねばならないと考えるわけであります。  海岸管理者、沿岸自治体、そして、地域住民等の役割分担と相互協力による流木の処理とあわせて、流木の発生防止のための対策が必要であります。それすなわち山の整備、森林の整備と捉えるわけでありますが、平成30年度の森林整備事業費は2億9,160万円。私は、単独予算を増やしてでも山腹の崩壊防止や流木の発生防止にさらなる予算拡充を図って取り組んでいくべきと考えますが、農林水産部長の所見をお願いいたします。 114 芝田農林水産部長 本県では、これまでも流木発生の誘因となります山腹崩壊を防止し、災害に強い森づくりを推進するため、間伐等の森林整備と崩壊のおそれのある山腹や渓流を整備する治山工事を一体的に進めますとともに、発生した流木を下流に流出させないため、流木捕捉機能を持つ堰堤の整備をあわせて進めております。  一方、国では昨年7月の九州北部豪雨による流木災害の発生を受けまして、山地災害危険地区のうち、緊急的に流木対策が必要な地区について、全国で1,200地区ございますが、平成29年度からおおむね3年間で集中的に流木対策を行うこととされたところでありまして、県内民有林におきましても、20カ所で治山事業により流木捕捉式治山ダムの設置や流木化するおそれのある渓流内の倒木の除去、間伐の実施等を行うこととしております。  また、今年度から新たに流木災害防止対策を含めた山地災害の予防と復旧を総合的に進める山地災害重点地域総合対策事業に取り組んでおりまして、本年度は、氷見市において航空レーザー計測により森林の崩壊危険地等の詳細な調査を実施しております。  さらに、国庫補助の対象とならない治山施設の修繕や小規模災害の復旧につきましては、これまでも主要単独事業により対応してきておりまして、今回提案しております9月補正予算におきましても、災害未然防止枠として治山事業に8,100万円を計上しているところでございます。  今後とも流木の発生防止を積極的に進めてまいります。 115 川島委員 ありがとうございます。  さまざまな角度から流木発生防止に力を入れられておるというところでありますが、十分な対策はというふうに考えますと、十分なのかというところも思いますので、ぜひともまた力を入れて、上から下までということで、よろしくお願いしたいと思います。  この大きな1項目めで農林水産業の強靱化というテーマで多岐にわたり質問させていただきました。全て農林水産業の現場から上がった切なる要望でありますが、時間の関係上取り上げられなかったものも数多くあります。農業共済の経営基盤を揺るがしかねない本年4月に改定された農業保険法による共済の当然加入から任意加入移行に伴う問題など、激変する農水産業を取り巻く環境にしっかりと対応していくために、あえて申し上げたいと存じます。  観光や魅力発信施策といった、費用対効果の実感が得られにくい本県政策も大事かもしれませんが、それ以上に我がの基である農林水産業の時代に合わせた強靭化政策にさらなる知恵と予算を拡充していただきたいと思うところであります。  最後に、イノシシ対策について一言申し上げます。  10年以上前になりますが、私が高岡市議会議員のとき、当時、地元の連合自治会長が年度要望に際しまして、このままだと在所がイノシシ牧場になってしまうと悲鳴のような要望の声を上げ、鳥獣保護区を縮小し、保護から管理へと地域住民でイノシシを捕獲できるようにまでなってまいりました。  しかし、実際のところ、イノシシ牧場の中に居を構えている恐怖感のままであります。後手後手の感が否めない行政の対応だろうと捉えておりますが、ぜひとも須河部長には、農水部との緊密な連携でイノシシ激減へ向けて頑張っていただきたいとエールを送るところであります。  ジビエカー導入による頭数管理体制の強化や焼却炉つき食肉加工場の設置など、まだまだやれることはあるんだろうと思っております。通告にはありませんが、イノシシ対策への意気込み、何かありましたら須河部長にお願いいたしたいと思います。 116 須河生活環境文化部長 それでは、イノシシの個体数管理に関する御質問にお答えいたしたいと思います。  県内のイノシシの捕獲頭数ですけれども、平成29年度におきましては5,267頭ということで過去最多となっております。ただ、その一方で、御指摘のとおり、イノシシによる農業被害額は依然高どまりをしているという状況で、今後も引き続きイノシシ管理計画に基づいて個体数の管理をしっかり行う必要があると考えております。  特にでは、平成28年度から進めてきましたOJT方式による捕獲研修というのがありまして、その修了者8人を中心に、今年度初めて富山捕獲専門チームを新設しております。イノシシの生息密度や地元の受け入れ態勢を勘案いたしまして、現在、富山市大山地区と南砺地区の2カ所で捕獲活動を展開いただいております。一定の成果が上がっていると考えております。  引き続きこの研修修了生の輩出に合わせまして、県内全域に対象エリアを拡大していく予定としておりまして、平成31年度には高岡市の福岡地区、それから黒部地区、平成32年度には富山市の婦中・八尾地区、砺波地区ということで拡大を検討しているところでございます。  今後とも担い手の育成や捕獲技術の効率化などに合わせまして、市町村とも力を合わせて、の捕獲専門チームも広域的な捕獲体制を強化して、今後ともイノシシの個体数管理、環境被害の防止ということに努めてまいりたいと思います。 117 川島委員 須河部長、ありがとうございます。  しっかりと対応を考えていただいておりまして、ぜひ力強くこのイノシシ対策、進めていただきたいと思います。鹿も上がってきておりますので、ぜひとも、鹿もあわせて対策を進めていただきたいと思います。  大きな2点目に入らせていただきます。国家戦略を捉えた観光立の推進について質問いたします。  先ほど私は、観光施策は費用対効果の実感が得られにくい政策だろうと発言しました。フランスに次いで世界2位の外国人観光客数を誇るスペインで、現在住民らによる外国人観光客の排斥運動が活発化しているそうであります。理由は、地元民が住めない町になってきたということ。賃貸アパートにおいて、高い賃貸料で短期旅行者に貸し出したほうがもうかるので、地元民が立ち退きを迫られるといった問題が深刻化しているそうであります。  何が言いたいかと申しますと、KPI、数値目標を達成するため、観光客数を拡大し、これが県民の幸せに直結するのか、安易な観光客数拡大の目的化は、本当の県民の幸せとかけ離れるのではないかということ、こういうことも一方で捉えていく必要があるのではと考えるのであります。はそこのところ、丁寧な説明が必要かと思います。  そこで、改めて基本に立ち返り、として、誰のために何のためにこの観光立を目指し観光インバウンド増大を図っていくのか、観光・交通・地域振興局長の所見をお願いいたします。 118 猪俣観光・交通・地域振興局長 では、北陸新幹線の開業効果を一過性にせず、さらに持続、進化させ、外国人旅行者の増加等を踏まえ、本県の新たな発展、飛躍につなげていくため、国のビジョンも踏まえ、平成28年に「新・富山観光振興戦略プラン」を策定したところでございます。また、戦略プランに基づき、各種目標を掲げているところでございます。  観光は、交流人口の拡大に大きく貢献し、雇用機会の創出や増大につながり、また、産業の裾野も極めて広いことから、地域経済に大きな効果がもたらされるよう、各種施策を実施しているところでございまして、また、その施策の状況についても御報告させていただいているところでございます。  また、ことし3月に策定しましたの新たな総合計画におきましても、重点戦略において、世界に誇る本県の多彩な魅力をさらに磨き上げ、戦略的に発信していくことにより、国内外から選ばれ続ける観光地として、年間を通じて多くの観光客が訪れることを目指しております。  としては、今後とも、先ほど申し上げました戦略プラン、総合計画を踏まえ、国が主導する観光立国の取り組みと連携し、外国人観光客を含め、多くの方々に本県を訪れていただくとともに、より長く滞在し、より多く消費していただけますよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。 119 川島委員 ありがとうございます。  猪俣局長、今答弁されたことが県民にしっかり浸透していくことこそ、それこそ観光を進めていく、おもてなしに力を入れていくということになると思いますので、折に触れて説明していくべきなんだろうと思います。  国においては、2020東京オリパラに向けて、観光インバウンドを倍増の4,000万人へ拡大し、8兆円もの外国人旅行者消費額を見込んでおり、この施策を展開していることとしております。  委員長、ここで参考資料の配付とパネル掲示の許可をお願いいたします。 120 筱岡副委員長 許可いたします。 121 川島委員 ことし7月に観光先進国、日本の実現を目指して、IR法が成立いたしました。正式名称は、特定複合観光施設の区域の整備の推進に関する法律であります。カジノ法と称され、カジノの立地ばかりが話題を集めておりますが、公共政策としての日本型IRを目指し、単なるカジノ解禁ではなく、世界の人々を引きつけるような我が国の魅力を高め、大人も子供も楽しめる観光施設、資源を創造するものでなければならないという法の根本原則があまり知られておりません。  国家戦略、公共政策として新たな観光資源を創造していくことであり、現に参考にしているシンガポール、これでありますが、マリーナ・ベイ・サンズ、そしてこのリゾート・ワールド・セントーサなどは、カジノ部分の占める割合が全体敷地の2.6%しかありませんで、その他は、劇場、ホテル、会議場、博物館、美術館、パビリオン、レストラン、多目的広場など、非常に多目的に、実に多彩であります。  経済効果の試算は、建設効果で5.6兆円、運営効果は年間2.1兆円とはじかれておりまして、この統合型リゾートを日本に3カ所立地、推進していく計画となっております。  しかしながら、今手を上げておられる、これが候補地となっております。資料のほうにはちょっとありませんが、県民の皆さんにわかりやすいように、北は北海道から南は長崎、佐世保でありますが、東京、横浜、大阪と、地方創生の段でありながら、意欲を示している候補地が太平洋ベルト、大都市に集中しておりまして、あいかわらず日本海側には一つもないというのがわかるかと思います。このままいきますと、ますます太平洋側の大都市に人口流入を加速させ、大都市一極集中の是正どころか、ストロー現象で、本県から観光客も県民も吸い上げられるのではないかという危惧をするところであります。  として、このような流れをどのように捉えているのか、猪俣局長の所見をお願いいたします。 122 猪俣観光・交通・地域振興局長 去る7月に、いわゆるIR整備法、特定複合観光施設区域整備法が成立、公布されまして、今後、上限を3カ所として整備計画の申請が行われることとなります。現在誘致を検討している主な自治体としては、委員御指摘のとおり、北海道、千葉市、東京都、横浜市、愛知、大阪市、和歌山市、長崎佐世保市などがあり、そのほとんどが地元経済界と所在地、が一体となって早くから誘致を進めていると聞き及んでいます。  この要因としましては、まず第1点は、IR施設設置にかかわる投資額の大きさ、これは、小さいところでいいますと、既存施設を活用して500億円になりますけれども、そして、大きいところでいいますと8,000億円ほどかかると言われています。先ほどパネルでも御説明があったシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズも、建設費は5,000億円と聞いております。  また、国内外から観光客が利用しやすい国際ハブ空港からの近さ等の交通の利便性等が要因となって、委員御指摘のように、現在では誘致を検討、表明している都市の多くが大都市、または太平洋側の都市となっている状況であるというふうに認識をしております。 123 川島委員 ありがとうございます。  最後に石井知事にお伺いしたいわけでありますが、私が何度も議会で提唱してきておりましたとやまジャパン・アニメ・漫画・パーク構想、これは知事の頭にしっかりすり込まれていると思っているわけでありますが、この研究ともあわせて、ぜひとも日本海側から唯一富山から名乗りを上げてほしいと思うわけであります。  富山湾の魅力創造という観点から、伏木富山港への立地や中山間地域の新産業の創造という観点から、有地が多い家族旅行村への誘致など、若者に夢を与えるビッグプロジェクトになり得ると思うわけであります。あわせて、羽田便で苦労する富山きときと空港の活性化や国際便の安定拡充──先ほど永森委員からも質問がありました、ロシア・ウラジオストク便の定期便化に向けても、このようなビッグプロジェクトで需要を喚起して、富山に行きたいんだと、選ばれる地域富山ということを標榜していくこと、このことが大事であろうかと思います。ひいては、北陸新幹線整備促進へのそれこそ起爆剤にもなり得るんだろうと考えております。  北信越、中部圏の知事からも信頼の厚い石井知事でありますので、日本海側の雄として支援いただけるものと考えるわけであります。ぜひとも強力なリーダーシップで富山らしい日本版IR構想への着手に踏み出してほしいと思いますが、いかがでしょうか。石井知事の見解をお伺いいたします。 124 石井知事 去る7月に成立しましたIR整備法では、カジノ事業の収益を活用しまして特定複合観光施設を整備し、国際競争力のある滞在型観光施設を実現することを目指しておりまして、そのIR施設となるためのハード面の基準として、我が国を代表する規模の国際会議場、国際展示場を備え、また、宿泊施設についても、世界基準の面積の客室、一定規模以上の富裕層向けの特別室を有し、さらに日本の魅力を幅広く紹介し体験できる魅力発信施設も一体として整備する必要があると、こういうふうにされているわけでございます。  まず、この構想の核はやっぱりカジノ施設だと思うんですけれども、このことについては、もちろんその収益が期待できるというよい面はもちろんあるんですけれども、それを誘致することによって治安の悪化やギャンブル依存症などの社会的リスクもあるのではないかと指摘されているわけでありまして、多くの県民の理解が得られるのかという点がまず課題としてあると思います。  また、あわせて展示場等、集客施設の規模についても、今後政令等で示される予定ですけれども、もちろん内容も踏まえて、本県での立地可能性を分析する必要があると思っておりますけれども、例えば、富山のテクノホールを初め、本県の既存のホテル-これからもよりグレードの高いホテルを誘致すべきだという議論はもちろんありますけれども、また、市町村の観光拠点施設整備への支援など、がいろいろ取り組んできたりしておりますものは、残念ながら今の時点では、このIR法が求める相当ハードルの高い基準を満たさず、仮に誘致しようとする場合は、それらの施設を新たに設置する必要がある。  また、立地による滑走路の限界があります富山きときと空港は、他の候補地の近隣にあるハブ空港、例えば北海道であればもちろん新千歳ですし、東京、横浜は羽田があり、また、大阪、和歌山は関空があるということでございまして、相当ハードルが高いかなと思っております。  私は、委員の構想であるジャパン・アニメ・漫画・パーク構想については、相当頭にすり込まれておりまして、例えば藤子不二雄さんのドラえもんなんか、もっと生かしたらいいじゃないかと私も思ってはおるんですけれども、ただ、そのこととIR施設を本当に誘致するということが県民の皆さんの幸せにつながることなのか、多くの富山県民の皆さんの理解が得られるのか、また、世界レベルの先ほど申し上げたような施設を本当に整備できるのかといったことについては、やはり慎重に研究していく必要があるんじゃないかと思っております。  そこまでやらなくても、先ほど、今議会でも申し上げておりますように、訪日外国人の誘客に力を入れておりまして、昨年は外国人の宿泊者数も伸び率では、北信越5で伸び率が1番でしたし、また、立山黒部の世界ブランド化、世界で最も美しい湾クラブ総会が本で開催される、日台観光サミットなど、いろいろ国際会議や大規模コンベンションの誘致なども進んできております。何とかこの方向でしっかり取り組んで、その中で今おっしゃるIR施設のことについてもよく勉強してまいりたい、こういうふうに思っております。 125 川島委員 知事、ありがとうございました。  先ほど議論にもありましたが、鶏が先か卵が先かという話もありましたが、やっぱり鶏の小屋を建てるのがまず先なんだろうと、そういうふうに思っておりまして、ぜひとも研究のほうを進めていただければありがたいと思います。ありがとうございました。 126 筱岡副委員長 川島委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後2時58分休憩                     午後3時10分開議        中川忠昭委員の質疑及び答弁 127 渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  中川委員。あなたの持ち時間は60分であります。 128 中川委員 予算特別委員会の最後になりましたが、7月、8月の酷暑、豪雨あるいは台風などが本当にあったのかなと思われるぐらいに最近は本当に涼しくなってまいりました。そうした中で、今回の議会でも災害関係の質問が非常に多かったのではないのかなと思うわけであります。そういう点から、私のほうから幾つか質問をさせていただきたいと思います。  都、富山市の市街地が水浸しになるようなことがあれば、甚大な被害額にもなりまして、大変イメージも悪いんじゃないかなと思うわけであります。何よりもやっぱり経済活動が停止してしまうということが一番心配であるわけであります。  昨年12月に今後おおむね30年間の神通川の河川整備計画が策定されて、特に洪水氾濫を未然に防ぐ対策として、富山市街地重点防御築堤事業、安野屋地区、右岸でございますが、かさ上げなどの堤防整備や護岸の浸透対策に取りかかるということで、早く完成を待ちたいわけでありますが、大変心配な面もあるわけであります。  最近の神通川流域をめぐる雨の状況というのは、御存じのとおり、平成16年、平成18年、平成26年、平成30年のことしは7月6日の豪雨では、観測史上第2位の水位を記録したわけであります。神通大橋のところで7メーター22センチということで、避難判断水位にまで迫ってきたわけでございます。そうしたわけでありますので、なかなか我々富山市に住んでいる者とすれば安穏としてはおられない状況が続いているわけであります。  一方、神通川の河川整備基本方針では、基本高水のピーク流量は9,700トンに対して、河道への配分流量が7,700トンと、洪水調節施設による調節流量2,000トンとなっているが、この30年間の整備計画の中には、洪水調節機能の検討は全くされていないわけであります。  神通川には発電用のダムがありますけど、洪水調節のためのダムはないんです。今、黒部川には洪水調節施設ということで、宇奈月ダムで700トンを調節する、あるいは、庄川では今、利賀ダムをつくっていますが、これも700トンのカットができると。小矢部川は、もう既に300トンあって、これは済んでいると。常願寺川は、こういう調節機能を持たなくても、堤防だけで洪水を逃すことができると。  しかし、すぐそこにダムをつくってくれと言ってもなかなかできないわけでございますので、神通川では、やっぱり発電用のダムの活用をすべきではないのかなと思うわけであります。  先の横山議員の質問への石井知事の答弁では、電力事業者の協力を得るのが困難とありましたが、やっぱり人命を守る観点から、河川管理者である国が責任を持って電力会社と協議するようとしても働きかけるべきだと考えますが、今後どのように取り組むのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。
    129 石井知事 国土交通省では、神通川の洪水氾濫による浸水被害の防止や軽減を図りますために、昨年12月に神通川水系河川整備計画を策定されまして、急流河川対策や堤防の浸透対策、その中には愛宕、安野屋地区で遮水シートなどによる堤防補強を実施する予定など、河川整備を進めることとされております。  他方で、平成20年に策定された神通川水系河川整備基本方針では、神通川の計画規模の洪水を安全に流下させるために──確率150年に1回程度ということですけれども、河川の整備に加えて、長期的な取り組みとして、新たな洪水調節施設の整備や、流域内の既存施設の有効活用により洪水調節を行うとされています。  委員御提案の発電用ダムの活用については、貯水容量の買い上げなどさまざまな課題がありますし、また、国としても水力発電を積極的に推進しているということがありますから、発電事業者の協力を得るのはなかなか難しいのではないかというのが国の感触だと聞いているんですけれども、としましては、今ほど申し上げたように、国の河川整備基本方針において、関係機関と調整しながら新たな洪水調節施設の整備や、既存施設の有効活用による洪水調節を行うこととされていますから、何とかその一環として国で議論もしていただけないものか、また話しかけてみたいと思っております。  県民の安全で安心な暮らしを守ることは県政の基本でありますから、今申し上げたことも含めまして、整備計画に位置づけられた神通川の整備が着実に進みますように、国に対して、この神通川の整備の中には、もちろん急流河川対策、堤防の浸透対策、それから堤防のかさ上げ、拡幅、それから河道の掘削、こういったのが挙げられているわけでございますから、こうしたことも着実に進むように国に対して働きかけますとともに、洪水浸水想定区域図やハザードマップを作成、公表いたしまして、国、、市が一体となったハード、ソフトの両面からの減災対策、しっかりと取り組んでまいります。 130 中川委員 やっぱり、後でまた言いますけれども、一旦災害になってしまい、経済活動がストップしてしまって何もできなくなるという事態が発生することがないように、また、命を守るという責任をぜひ河川管理者に伝えていただいて、県民の安全を確保していただきたいと思います。  次に、が管理している河川について伺いたいと思います。  今、水橋のほうの白岩川に注ぐ下条川、小出川、石割川が、白岩川の水位が高いために内水排除ができない状態がもう何十年も続いているわけであります。  私は、平成12年の6月に当時の部長に対して何とかしなければいけないんじゃないかということをお話ししたときに、放水路か調整池で対応するということでありました。その結果を受けて、放水路として整備計画が策定されたのは平成19年7月。それから12年、現在調査検討からは18年、あまりにも長い期間がたっているにもかかわらず全然前へ進まないということは非常に残念だと思います。  こういうものは、まず、下条川については、上市川への放水路を設置するという計画になっているにもかかわらずできないということ、この十何年もたってできないということは、やっぱり判断が非常に遅いんじゃないかと。ここの住民は、本当にことしでも7月の5日から6日、28日から29日、2回にわたって避難準備・高齢者等避難開始が発令された地域なんです。こういう姿を見ていると、がもう少し早く決断をして転換をすべきではないのかなと思っているわけであります。  このように、この上市川への放水路の設置ができないのであれば、代替案を検討するなど抜本的な対策を講じるべきであると思うわけでございますので、水口土木部長の御見解をお聞きしたいと思います。 131 水口土木部長 白岩川の流域では過去に大きな浸水被害が生じましたことから、これまでに白岩川ダムの建設や、河口から栃津川合流点までの6.8キロメートルの区間の河川改修を進めてきており、現在、水橋大橋のかけかえに向け、橋梁の詳細設計などを進めております。  白岩川の支川のうち、まず、小出川でございますが、水橋小出地内の380メートルの区間において、平成26年度から川の流れをよくするためにブロック張り護岸の整備を進めてまいりましたが、ことしの5月に完了したところでございます。  石割川につきましては、早期に河川の流下能力の向上を図りますため、地元の御要望も踏まえ、今年度伐木を実施したいと考えております。  また、下条川でございますが、これまで、平成22年に水橋中村地内で市道橋のかけかえにより、平成25年には、水橋東部団地内において河道掘削や護岸工の整備により、流下能力の向上を図ってまいりましたし、平成26年、平成27年には、それぞれ水橋舘町地内、水橋東部団地地内において、しゅんせつにも取り組んできたところであります。  御指摘の放水路でございますが、関係者との協議に時間を要しておりますけれども、今後とも調整に努めますとともに、委員から御提案のありました調整池も含め、ほかにどのような対策が取り得るのか、内水対策も含め、富山市とも連携し、幅広く検討してまいりたいと考えております。  また、では、下条川、小出川、石割川、それぞれの水位を把握しますため、今年度中を目途として、危機管理型水位計の設置を進めているところであります。といたしましては、各河川の流域における治水安全度の向上は極めて重要と考えておりまして、今後とも富山市とも連携し、必要な対策に取り組んでまいりたいと考えております。 132 中川委員 ここへ夜行くと、この前の7月などに行ってみますと、本当に堤防すれすれのところまで水が来ているわけですよ。我々も行っても、本当に恐ろしいくらいの気持ちです。その裏に住んでいる皆さん方は、こういうのを何年間も体験しているわけです。  だから、早く、例えばゲートをつけて内水排除を早くやるとか、もう土嚢を積んだままなんですよ、実際。だから、もう何十年もたってきているので、そういうことをやっぱりもっとわかっていただいて、速やかな判断をして、方針転換とか対応していくということが大事だと思います。  こういう話は情けないということに尽きるんですよ。ぜひまたそういうことを考えていただきたいなと思っております。  次に、河川ばかりではなくて、災害と言えば道路。道路が一旦閉ざされてしまうと、やっぱり物流面でが孤立してしまうと、そんなことも考えられるわけであります。  そこで、本県のやっぱり物流を支えている基幹的な道路と言えば、北陸自動車道、東海北陸自動車道、国道8号、国道41号であるわけです。これが、県境を中心に、気象状況で事前通行規制されてとまるケースがあるわけであります。特に、親不知での北陸自動車道と国道8号が両方とも足どめされてしまったと、こういうこともあるわけであります。  この10年間の北陸自動車道の県内で大雨や大雪、強風、そして、また親不知での通行規制を調べてみると、28回。大体平均すると年に3回ぐらいあるなということです。それから、東海北陸自動車道も12回、8号は県内と親不知で10回ぐらいあると。こういう状態になっているわけでございますので、何かあったときに、やっぱり生活物質がとまったり、あるいは、企業ですと製造できなくなる事態などがあるわけであります。そして、やっぱり製造品などを外企業に届けることができなくなることもあるわけですね。そうなると、やっぱり極めて企業の立地が不利になるんじゃないかなと思うんです。  そこで、大雨や大雪、強風からの影響を受けないために対策工事が必要と思います。その抜本的な対策を講じるように国のほうにぜひ働きかけていただいて、対応をとっていただきたいと思いますが、どのように土木部長が考えておるか、お聞きしたいと思います。 133 水口土木部長 本県の県境部、いずれも地形が急峻でありますことから、北陸自動車道や国道8号など県境をまたぐ道路におきましては、道路利用者の安全確保のため、大雨などの異常気象時に災害が発生する前に通行どめを行う事前通行規制が行われております。  例えば、石川境部の国道8号では連続雨量が180ミリメートル、新潟境付近の国道8号では連続雨量が140ミリメートル、岐阜境付近の国道41号におきましては連続雨量が120ミリメートルとなった場合に規制が行われます。  この事前通行規制区間の解消などを目的に、石川県境の国道8号におきましては、小矢部市安楽寺地内から石川津幡町河内地内までの3キロメートルの区間において、トンネルの新設によるバイパス整備に向け、現在、地質調査や測量設計が進められておりまして、また、岐阜境付近の国道41号では、富山市猪谷地内から楡原地内までの7.4キロメートルの区間において、猪谷楡原道路としてバイパス整備が進められております。  また、新潟境付近の国道8号につきましては、新潟の糸魚川青海地内から市振地内までの14.3キロメートルの区間におきまして、法面保護工などの現道の防災対策が鋭意進められているところであります。  といたしましては、強靭な国土づくりや本県の産業、経済の活性化などの観点から、委員御指摘のとおり、県境部を含め、災害に強い広域的な道路ネットワークが構築されることが極めて重要と考えておりまして、事故などによる通行どめが多発しております東海北陸自動車道の四車線化なども含めまして、高速道路や直轄国道の整備が促進されますよう、引き続き国などに強く働きかけてまいりたいと考えております。 134 中川委員 それに関連して、今、やっぱり平常時や災害時に、道路網をきっちり整備して物流が滞らない、そういう体制をつくる必要があるだろうと。特に、それに加えて、大変大きな40フィートなどの国際海上コンテナが出てきておりまして、この台数も全国で大体1.5倍ぐらいになっていると。本県でも通過する車両が1.5倍ぐらいになっているといったことから、国土交通省では、平常時、災害時を問わない安定的な輸送を確保するために、物流上重要な道路として国土交通大臣が指定する道路、いわゆる重要物流道路の指定に向けてやっているわけであります。そのことについてとして現在どのように進めようとしているのか、土木部長にお尋ねしたいと思います。 135 水口土木部長 重要物流道路制度、本年3月の道路法の改正により創設されたものでございまして、今ほど委員から御紹介ありましたように、平常時、災害時を問わない安全かつ円滑な物流の確保のため、国土交通大臣が高速道路や直轄国道を軸に、物流や防災の拠点へのアクセス路などを重要物流道路に指定するということになったものでございます。  国におきましては、その指定に当たって、各で検討された案について全国的な視点から調整を行った上で、今年度内を目途に、まずは既存道路を中心として指定するとしております。  指定された場合には、整備済みの道路であれば国際海上コンテナ車の特車通行許可が不要となること──特車通行許可、通行する車両が基準を超える、例えば長さ12メートルや高さ3.8メートル、こういった基準を超えます場合に道路管理者が審査し認める場合に限り通行を許可するという制度でございますが、この許可が不要となること、管理道路等における災害復旧を国が代行して実施できるようになることから、物流の効率化、災害復旧の迅速化が図られます。また、今後の整備が必要な道路の重点的な整備にもつながるのではないかと考えておるところでございます。  本県では、去る8月10日に、国、及び中日本高速道路株式会社の実務者で構成いたします富山幹線道路協議会を開催いたしまして、重要物流道路の選定の方向性及び進め方について協議をしたところであり、現在、物流経路の実態を把握するなど、検討を進めているところであります。  今後、有識者から御意見をいただき、また、国土交通省の北陸地方整備局とも調整を図りながら、本県の案を検討していくこととしております。  といたしましては、平常時、災害時を問わない安全かつ円滑な物流の確保が大変重要と考えておりまして、委員御指摘のとおり、必要な道路が早期に重要物流道路として指定されますようしっかりと検討を進めますとともに、国との協議も進めてまいりたいと考えております。 136 中川委員 しっかりやっていただきたいなと思います。  そこで、知事にお伺いしたいのでありますが、これまで、河川、道路についていろいろと事例などを含めてお話ししたわけでありますが、何を置いても、予算がなくてはこれは前に進まないということなんです。  例えば、今、富山河川国道事務所管内の直轄河川改修事業予算をお聞きしておりますと、平成29年度当初比に比べて62%しかないわけであります。大きく減額しているんです。平成29年度の補正を含んだものと比較すると、対前年比54%。特に河川だけの工事を見ると、当年度比60%に対して補正含めると49%で、50%以下にもなってきてしまっていると。この理由をお聞きしますと、昨年九州豪雨のために予算が大きく減額されたと。あちらが大きいために、こちらのほうで減額されたということであります。  ことしも、大阪府北部の地震を初め、平成30年7月豪雨や北海道の地震などを考えると、さらに来年度は厳しく減額されるのは必至ではないかなと思うのであります。  また、ことしは、皆さんも御承知のとおり、観測史上最高や観測史上最大が連発した年でもございます。特に富山でも、大雪や気温や降雨といったものがあるわけであります。  これまでは、災害が発生してお金を投入する、いわゆる後追い的な対策ばかりで、災害が起きれば当然甚大な被害が出るわけでありまして、復旧するまで大変な時間がかかるわけであります。まさに、経済の大損失になっているわけであります。  特に、ことし見ておりますと、観光客が、そういう被害を受けたところへ行かない。北海道、それから、関空もそうでありました。そして、また、大阪のほうも人が寄りつくこともできないぐらいになっているわけであります。まさしく、観光立国に取り組むと言っていますけど、それどころでないわけであります。大損失を受ける前に、やっぱり未然に防ぐ、知恵を出す、金を投資する、この当たり前のことができない。今、一番障害になっているのが、財政健全化という名のもとに、一歩でも前に進むどころか、地方においてはまさしく減退、減少です。もっと言えば、被害が甚大であれば経済活動ができなくなるわけでありまして、当然税が入らないわけであります。すなわち、財政も大打撃をこうむる。何もできなくなる。まさに悪循環が出てくるわけであります。  平成25年には国土強靭化基本法が制定されましたが、法律が制定されても対策工事が全くされていないわけでありますから、何のための法律かなと思うくらいなんです。法律ができたから災害が減ったというわけにはいきません。  このような観点から、今こそやっぱり大規模災害に対して社会資本の充実が何よりも重要であり、ここ数年の国の建設国債6兆円による公共事業予算では全く足りていないわけであります。ここは思い切って、建設国債を倍増してでも対応すべきだと思うんです。  知事は、今回の補正予算でも、単独事業や国からの予算獲得への努力は大変ありがたいわけでございまして大変評価いたしますが、財務省ではことしの4月に「日本の社会資本は概成しつつある」、そして、「建設技能労働者の不足が今後高まる可能性があるから」──やっても、仕事ができない。だから、「総需要追加のための公共事業の必要性は乏しい」──全く理由はないと、こんなことを言っているわけです。これでは、地方がますます疲弊するどころか、経済活動もできなくなるわけであります。  知事には、全国知事会とも連携をして、ぜひ、こういう考えを突っぱねていただいて、やっぱり建設国債をもっと増やして事業促進をしていただきたいと、このように思うわけでございますので、ぜひ知事の所見をお伺いしたいと思います。 137 石井知事 お話のように、最近は大規模な災害が頻発しておりますので、災害に強い強靭な国土づくりのためにも、社会資本整備、さらに進めることが重要だと思います。  富山におきましては、先ほど土木部長からも答弁申し上げましたけれども、富山高山連絡道路など、災害に強い道路の整備、また、神通川や黒部川、庄川、小矢部川等の河川改修、立山砂防の大規模土砂災害、橋梁の耐震化など津波、地震対策、それから社会インフラの老朽化対策など、いろんな見方がありましょうけれども、さまざまな社会資本整備に積極的に取り組んできております。  また、土地改良も、国の予算が半分以下になっても富山だけは減らさなかったと、こういうことでございました。  今後も富山国土強靭化地域計画などに基づきまして、総合的かつ計画的に進めていきたいと思います。  ただ、お話しのように、国の公共事業関係予算は、ここ数年横ばい傾向が続いておりまして、もちろん前の政権のときよりは随分いいわけですけれども、国土の強靭化のさらなる加速を図るには、この公共事業予算を増額させていくことが重要だと思います。  そこで、これまでも全国知事会としての活動なども含めて、例えば日沿連の活動もそうですが、繰り返し必要な公共事業予算、総額の確保とあわせて、本県への予算の重点配分を国に対して強く要望しております。  また、公共事業予算の中でも、東京オリンピック・パラリンピックの影響もあると思いますが、何かと首都圏に非常に傾斜配分されています。その上、もちろん、先の災害で恐らく今度は西日本ということになると思いますが、そういう国の事情もありますけれども、地方創生の時代ですから、たまたま富山は災害対策を真面目に取り組んできたということもあるのと、いろんな気象面で幸い大きな災害がないんですけれども、真面目にやっているところが損をするというんじゃ困るということも言っているわけでございます。  ただ、建設国債を倍増しても全体のパイを増やすべきという委員の御意見は、傾聴すべき点もあるのですけれども、一方で、国、地方の長期債務残高が1,000兆円超えている、対GDP比の約2倍となっている厳しい財政事情。同時に、骨太方針では、御承知のようにプライマリーバランスが、今、基礎的財政収支、国、地方通じて15兆7,000億円の赤字のところ、GDP比で2.8%ぐらいのマイナスなんですが、これを2021年には実質的半分にしようと。ですから、この3年ほどで6.8兆円ほど赤字を減らして8.9兆円にするという計算になっていますから、もし、これを実現しようとすると、どんどん建設国債を増やしてという話と逆のベクトルになりますから、相当厳しい課題が多いと思います。  ただ、1つ言えることは、来年消費税の引き上げ予定どおりあることによって経済にマイナスが生じないように、来年度の当初予算、再来年度の当初予算も、そういう需要変動にしっかり対応していくんだとわざわざ骨太方針に書いてありますから、そうすると、それは、通常の予算編成よりは、公共事業も含めて前向きにやってもらえる可能性もあるのではないかと実は思っておりまして、その点も含めて努力をしていきたいと思います。  また、委員がおっしゃった財政制度等審議会は、日本の社会インフラは概成しつつある、総需要追加のための公共事業の必要性は乏しいということをおっしゃっているのですけれども、これは本当に真面目に考えてこんなことを言っておられるのかちょっと不思議で、全国知事会でも社会インフラには地域間格差が存在する、その解消には息の長い腰を据えた対策が必要であるという認識に立って、これは私も発言しましたが、富山でもまだまだやらなきゃいかん社会資本整備がたくさんあるわけでございますので、7月27日の全国知事会でも基幹的公共インフラの地域格差の早期是正や地方創生の取り組みの視点に立った社会資本整備の加速などの提案、要望もまとめております。  8月初めには、全国知事会として小此木防災担当大臣や二階幹事長のところに行っておりますし、また、私は上田会長と別途菅官房長官やいろんなところにも御要望いたしておりますので、これからもしっかり取り組んでいきたいと思っております。 138 中川委員 知事のおっしゃることはわからんわけじゃないんだけど、では、例えばプライマリーバランスとかいろんなことをやっていて、それを守って、災害が起きて、経済活動ができなくなってしまって、税収も上がらなくなると。そうなってしまったら、まさしく悪循環の繰り返しです。そういうことは地方の者とすれば、まさしく地方切り捨てみたいな感じで、お金がないから堤防もできない。だから、さっき言ったように、神通川の愛宕、安野屋も5年間でやる計画になっていますけど、この予算が半分以下になっているということは、できないということです。そうこうしているうちに、今、この地球温暖化と言われる中で、気象条件が物すごくどんどんどんどん変わってきておるわけです。だから、本当を言えば、そういうところは猶予がないわけです。そのことをやっぱり強く言っていかない限り、もし富山市がそうやって水浸しになってしまう、堤防が越水してしまったら、元も子もないわけですよ、実際。  だから、恐らく、今、外国からの観光客がたくさん来ているという話もありますけど、北海道や関空の痛手もありますから、ことしは間違いなく減るでしょう。そういうことが、我々日本にとって、地方にとって大変痛手だということなんです。これは、財政規律を守って国が潰れてしまってでは、経済活動も何もできなくなってしまえば、それで終わりです。そのことを私は全国知事会へ上げて、知事の腕力でもってまとめ上げて、やっぱり国に大きく働きかけていただきたいということを重ねて申し上げておきますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、富山きときと空港の活性化についてお伺いしたいのでございますが、9月18日、富山─羽田便利用促進キックオフ大会が開催されたわけであります。私も日台親善協会の会長という立場で出席させていただきましたが、はっきり言って、どうも論点がぼやけていたのではないかなと、私はまず思ったわけであります。  後でお聞きしましたら、平成26年度に比べて、ビジネス客が平成28年度は40.6%、平成29年度は35.8%、観光客は63%、68%と、やや横並びになっているんですが、やっぱりこのビジネス客が物すごく減ってきているということなんです。こういうところは、数字を示されたのか、私が聞き漏らしたのかわかりませんが、こういう数字をやっぱり挙げて、危機感を醸成しないと、なかなかだめなんじゃないかと。私の印象では、ビジネス客が相当減っていて、昨年では、全体からいくとビジネス客と観光客は55対45でございます。だから、観光のほうは、そこそこ頑張っているんだけど、ビジネスが物すごい減っているということだと思うんです。そのことをやっぱり言って、データでもって示して、民間の企業の皆さん方に頼むべきじゃなかったのかなと思うわけであります。  ただ、飛騨高山との連携を深めるために、全日空の機内誌、先ほどもお話ございましたように「翼の王国」に飛騨・高山が併記されることは、大変いいことだなと私は思うんです。であれば、富山のやる気を見せるためにも、空港のネオンや空港内のサインにも飛騨・高山とすみやかにやっぱり併記すべきではないかと思いますが、猪俣局長にお伺いいたします。 139 猪俣観光・交通・地域振興局長 委員御指定のとおり、富山きときと空港の活性化のためには、県内利用者はもとより、飛騨高山地域など近隣に需要圏域を広げていくことが重要であります。このため、先週18日に開催しました緊急集会には、委員にも御臨席を賜りましたが、飛騨高山地域の方々にも御参加いただき、より一層の連携を再確認したところであります。  また、このたび、本県並びに岐阜、飛騨、高山両市からの要請のもと、今後、飛騨高山地域の空の玄関口が富山きときと空港であることをANA機内誌「翼の王国」において表記いただく予定としております。本県、また、岐阜、飛騨、高山両市としても、今回の表記にあわせ、空港のホームページやPR冊子などを順次「飛騨・高山」を併記した記載に修正するとともに、空港内のサインについても、当空港が飛騨高山への発着地点であることを広く認識してもらえますよう、現在点検作業を行っているところであり、どういう工夫ができるかについて早急に検討したいと考えております。  ただ、委員御指摘のネオンでの「飛騨・高山」の併記につきましては、約6年前、平成24年に全国初となる方言を使った富山きときと空港として愛称を決定したことを受け、平成25年に現在のネオンを整備した経緯がございます。現時点、直ちにこの愛称を見直すことまではなかなか難しい面があると考えておりますが、このたびのANA機内誌での表記を契機に飛騨高山との連携をさらに強化していくことが重要であり、まずは、先ほど述べた対策及び先般知事が笠井委員の御質問に答弁しましたように、飛騨高山地域へのアクセス向上などにしっかり取り組み、両地域との一体感を深めてまいりたいと考えております。 140 中川委員 空港の一番メーンのサインぐらいは、そんなことぐらいやる気がないと、本気度なんかわかりませんよ、実際。ちょこちょこっと、こんなの本に書いたって。  それで、ちょっと調べてみたところ、飛騨高山を結ぶバス路線の時刻表なんですが、羽田への行きも帰りも、利用時間も全くこの接続の時間が悪いんです。  例えば、東京からの飛行機の富山空港着が8時55分ですが、バスは富山空港を8時30分にもう既に出発しているんです。唯一10時40分着は1時間待ちで11時40分のバスに間に合うかもわかりませんが、あとは、全く接続がないんです。  それから、また、平湯から富山空港に9時42分に着くけれども、飛行機が9時40分に出発してしまっておるんですね。  だから、こういうことで、果たして、高山の人たちに乗ってくれ、あるいは富山空港を利用してくれということを、よくこれまでやっていたんだなと思うんです。  やっぱり、1年間の乗降人数を調べてもらったんですが、1年間で何と1台で1,423人です。1日に3人ぐらいしか乗っていないんですよ、実際。だから、こんなことがどうしてずっと続いているのか、私はもう不思議でならないです。車両も、外から眺めてみると、大変古いわけであります。  ぜひ、こういうことを本当に考えるのであれば、飛騨高山との連絡に当たっては、高山駅から神岡経由で富山空港を結ぶバスの接続の利便性の向上や、使用するバスの車両を快適なものに変更するなど、飛騨高山への利用者を、ただ乗ってくれというんじゃなくて、迎えに行くんだという気持ちがなかったら、やっぱり本気にならないと思うんです。  どのように考えておられるのか、局長にお伺いしたいと思います。 141 猪俣観光・交通・地域振興局長 飛騨高山との連携に当たり、富山きときと空港と飛騨高山地域との交通アクセスの向上は、富山きときと空港の利用者増を促進する上で大変重要であり、羽田便の緊急集会の際にも、飛騨高山の代表者の方々からも交通アクセスの改善に期待する御意見をいただいているところであります。  現在、富山地方鉄道と濃飛バスが共同で富山駅前から富山きときと空港、神岡を経由して平湯温泉へ至る直行路線バスが1日3便、神岡乗り換えで高山駅前の高山濃飛バスセンターまで1日4便がそれぞれ往復運航されております。  ただ、いずれの線も岐阜に入ると停留所が多く、目的地まで時間を要すること、また、平日は小型車両が運行されており団体向きではないこと、また、富山きときと空港の発着便全てに接続できているわけではないことなどから、現状では利用者のニーズが限られている状況となっております。  このため、今後、飛騨市や高山市などの関係者とも連携し、利用者のニーズをしっかりと把握しながら運行形態の改善などを運行会社と協議するとともに、そのほかにも空港からの二次交通としてどのような方策が考えられるのかを含め検討し、飛騨高山地域とのアクセス向上に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 142 中川委員 しっかりやってもらわないといけないと思っています。  それから、また、国際定期便の利用状況は、ここ5年間の推移を見ますと、日本人が3万人から3万5,000人とあまり変化ありませんが、外国人は5万人から8万3,000人と伸びております。その中で、海外へ行ってくれと、乗ってくれということはわからないわけじゃないんですが、そもそも、パスポートを持っている人が大変少ないということであります。  私が調べてみると、日本全体では、大体有効なパスポート数というのは2,900万人で、人口100人当たり約23通、本県では平成17年、約27万人持っていたんですけれども、現在は19万人で、100人当たり18通なんです。だから18%ぐらいしか持っていないということなんです。  それから、また、平成8年に1年間の発行数が日本全国では623万通ですが、現在では370万通から400万通を切るぐらいです。また、富山でももちろん減っているわけです。  こういう状況で海外へどれだけ行ってくれと言っても、それは行けるわけがないんです。ですから、まず、パスポートを取得してくださいということをやっぱり進めるべきだと思いますが、今回の補正予算にも上がっていますが、どのようなことを考えておられるのか、具体的なことをお聞きしたいと思います。 143 猪俣観光・交通・地域振興局長 このたび9月補正予算案に計上させていただいておりますパスポートの取得支援につきましては、金銭的な負担感を軽減することで富山きときと空港に就航している国際定期便の活性化を図るため、アウトバウンド利用者の底上げを狙いとし、冬季間限定で実施するキャンペーン事業であります。  具体的には、応募用紙を掲載したチラシを作成し、ことし10月1日以降に新規または再取得したパスポート及び来年3月31日までの搭乗の航空チケットの写しを添付の上、申請いただき、現金5,000円を補助するものであります。  今後、空港内や航空会社、県内旅行会社でのチラシ、ポスターによるPRのほか、同じく9月補正予算案に計上させていただいております富山─台北便アウトバウンドPR事業も活用しながら、テレビCMの放映や、また、この事業は居住要件を設けておりませんことから、県内の方はもちろんのこと、飛騨高山、長野、上越などの隣接も含めたキャラバン事業などを実施し、しっかりとPRしてまいりたいと考えております。  路線の対象につきましては、他でも大半が直行便の利用を要件としていることもあり、まずは、富山きときと空港発の国際直行便に特化した事業としております。  主にターゲットとする年代層につきましては、例えば大学生協等に協力いただき、卒業旅行シーズンに向けてパスポートの初取得をきっかけに本県の国際線利用をPRするとともに、高齢者の方々のパスポート再取得も促すよう、情報誌等に旅行商品の広告をあわせ掲載することなどを検討しております。  このたびのパスポート取得助成を通じ、アウトバウンド利用者の増加に結びつくよう、また、このことが本のパスポート取得率の向上にもつながりますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 144 中川委員 この企画は、やっぱり国際便だけではなくて、富山─羽田便の乗客を増やすということだから、乗り継ぎ便も含めてね、富山から羽田に行って、羽田から海外へ行く人もやっぱり対象にするべきじゃないのかなと思うんです。ぜひ、そのあたりも含めてやっていただきたいなと思います。  それから、もう一つ聞きたいのは、このガイドブック、これは、「便利だね!お得だね!富山きときと空港」と、こう書いてあるんですが、この中をばっと見てみると、読みたくなくなります。あまりに細か過ぎて、何なのか。だから、こういうのは例えば説明を求められたときの説明、ガイドブックじゃないのかなと思うんですが、やっぱりもっと乗ってほしいというガイドブックを私はつくるべきではないのかなと思うんです。  それから、もう一つ、新幹線との優位性をどんどん説明していますが、こんなもの、説明したって、誰も見向きもしませんよ。  だから、むしろ、富山空港と北陸新幹線をどうやって連携をして羽田便を使えるかといったような視点、あるいは、そういう商品を開発していくという視点が私は必要だと思うんです。  ですから、羽田乗り継ぎ便を利用した県民向けの商品でも、月ごとに、今月は九州でも、どこのへ行きなさいとか、こういうパックのものがありますとか、そういうことからやっぱりやっていかないかんのではないのかなと思ったり、あるいは、外から乗り継ぎをして富山に来ていただいて、富山駅周辺で泊ってもらって、そして、そこから新幹線を活用していろんなところへ遊んで、観光して、また戻ってきて帰ると、こういったような商品をどんどんどんどんやっぱり開発していくということなどを含めると、新幹線と連携をとるという考えをとるべきだと私は強く思うわけであります。  ですから、知事は、いろんなことをやっておられますけれども、私は、まずそういうことを考えていただきたいなと思いますし、それから、また、これまでいろんな商品やそういうものを開発しても、高山のほうへ行ってPRする、あるいは長野へ行ってPRする、こんなことは一体全体、誰が責任を持ってやっていたのかなと思うわけです。  だから、先ほども言いましたように、どうも見ていると、観光は観光、飛行機を乗ってもらう担当は担当ということで、では、富山─羽田便を一緒になってプロジェクトを組んでやっていこうじゃないかという気概がどうも聞こえてこないんです。私もちょっと皆さん方から聞いていて、これは飛行機の担当だから飛行機しか考えていない、あるいは、観光は観光のパッケージしか考えていないなと、このような私は印象を受けたわけであります。ですから、まさしく局が1つでも、もう一つの富山─羽田便をどうしていくか、こうしていくかというプロジェクト的な考え方が大変希薄じゃないのかなと思うんです。  そんなことを含めて、これからやっぱりが主体性を持って、戦略を持って取り組んでいくべきではないかと思いますが、知事のお考えを伺いたいと思います。 145 石井知事 委員の御指摘のとおり、羽田便の利便性向上のためには、国内や海外とを結ぶ羽田乗り継ぎによる旅行商品の充実、需要拡大を図る。その際に、新幹線との連携を図る。大変重要なことだと思います。  これまでも、県民向け旅行商品として、羽田便乗り継ぎ便を利用した沖縄、九州等への旅行商品造成への支援を9月補正予算に盛り込みますとともに、インバウンド向けには、中国や東南アジアの旅行会社等を招聘しまして──例えば、昨年はANAの中国の3支店、武漢、成都、瀋陽の営業担当者7名、旅行会社6社9名、計16名を招聘しまして、海外からの羽田便乗り継ぎ便を利用した旅行商品の造成促進も図ってまいりました。  また、濃飛バス等において富山と平湯温泉間を富山きときと空港経由で結ぶ特急バスが1日3往復ありますけれども、八尾や井波、五箇山、白川郷、飛騨古川の散策をセットにした旅行商品である富山・飛騨高山観光バスの運行、これは、新富観光サービス企画に実施していただいております。  また、岐阜との連携で、富山・飛騨地域をめぐる広域周遊観光の旅行商品の造成等にも取り組んでいるところであります。
     また、委員御指摘の富山駅と空港間に例えば無料バスを運行させて、富山駅周辺を拠点に北陸新幹線を利用して近県観光していただくといった飛行機と新幹線が連携した新商品の造成については、富山空港の需要圏域が長野や上越方面も含むわけですから従来から重要な観点と考えておりまして、旅行会社や交通事業者など、関係者とともに引き続き検討してまいりたいと思っております。  みんなそれぞれ一生懸命やっていると思うんですけれども、交通と観光を、何となくもう一つかみ合わせがうまくないなという印象もありましたので、御承知のように組織改革で観光・交通・地域振興局というのをつくって、観光と交通を一体的に仕事するように、そういう組織としては改革したんですけれども、まだまだそこにいま一つ、職員は頑張っていると思うんですが、意識がもう少し高まっていない面があるのかもしれません。この点は、私としても、また担当局長とともにしっかりと、こうした組織改革の実が上がるように。  同時に、今、富山─羽田便も、また、富山と諸外国を結ぶ国際線も大事な時期ですから、おっしゃるような非常に広域的な多角的な観点に立った旅行商品の充実に向けて、これは民間の皆さんにも働きかけなきゃいけませんし、飛騨高山の関係ですと、岐阜や飛騨市、高山市にそういう気持ちになっていただくように、また努力もして、しっかりと取り組んでまいります。 146 中川委員 大いに期待したいと思います。  それで、次に、台北便のことについてお伺いしたいんですが、大変難しい話かもわかりませんが、今、12時40分に富山を出て、台北15時。向こうからは7時45分に出て、こっちに11時40分と、そうなっているんですが、実質二泊三日としても、1日しか行動できません。それから、また三泊四日でも2日しかできない。そうなると、何か試験的でも何でもいいから富山で駐機できることを何か提案してみてはいかがかなと思うんです。例えば、14時45分に台北を出てくれば、こっち18時40分ぐらい、あるいは15時45分に出れば、こっちに19時40分ということで、朝7時40分に出れば、台北に10時ぐらいに着くわけです。そういうことを一方的に、台湾のインバウンドだけのお客さんだけではなくて、これだけ富山から来てくれ来てくれと言われている、そのあたりの改善をやっぱり要望してもいいんじゃないかなと思うのでありますが、富山からの利用しやすい運行時間の設定の交渉ができないか、猪俣局長にお伺いいたします。 147 猪俣観光・交通・地域振興局長 委員御指摘のとおり、台北便は現在、朝7時45分台北発となっており、そのため、台北市内のホテルを早朝に出発しなければならないとの声があることは承知しているところでございます。  そのため、この出発時間を繰り下げられないかと、チャイナエアライン社に対し繰り返し要望してきておりますが、先方からは、8割近くを占める台湾人利用者の利便性を確保する必要があること、また、台北空港の発着枠の確保が困難なことなどの理由で難しいと伺っているところでございます。  また、委員御指摘の夜間駐機の可能性についてもチャイナエアライン社に確認しましたところ、富山きときと空港の施設使用の観点からは問題ないものの、機体整備に別途費用がかかりますこと、乗員、クルーの宿泊や送迎用に費用がかかること、また、ケータリングサービスの対応が不可能なことなどから、やはり拠点としている空港に戻すことが通常とのことであり、夜間駐機の実現は困難な状況と伺っているところでございます。  なお、仮に台北の出発時刻を繰り下げますと、富山きときと空港で折り返しで台北に行くことになりますので、その折り返し便も必然的に遅くなりますため、台北初日の活動時間が短くなったり、あるいは、台北からほかの地域へ乗り継ぐ場合に、当日乗り継ぎできる便が限られてしまうという側面もあることもあります。  いずれにしましても、台北便については、日本人利用者の利便性が高まりますよう、就航当初から台北での出発時間の繰り下げを繰り返し要請しているところでもあります。引き続き働きかけを行うとともに、そうした日本人利用者の声を高めていくためにも、アウトバウンド利用者増にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 148 中川委員 大変難しいことかもわかりませんが、粘り強く一緒にやっていけばいいんじゃないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、県立高校廃校の活用案についてお伺いしたいと思います。  これまでいろんな方から県立高校の廃校についていろいろと案が出されていますが、これまでは活用策については、地元市町村に何かあればどうぞというスタンスであるようでありますけれども、これまでやっぱり教育施設として親しまれてきたわけでありますから、教育や研究施設としての活用策がよいのではないのかなと思うわけであります。そうなりますと、がやっぱり主体となって取り組むことが必要ではないのかなと。  御承知のとおりリーマンショック後、緩やかに景気は回復しているものの、力強さはありません。次なる成長産業を育てるには、経済を底上げするような取り組みをする必要があると思うんです。  私は、有財産として維持しながら、区分所有を基礎として、大学と企業による研究団地、いわゆるリサーチキャンパスとしての活用を提案したいと思います。  本県では、ビル建材の最先端の生産基地がありながら、その牽引力と新たなる新素材の開発の途上である。あるいは、富山大学都市デザイン学部が発足したのは、建築土木の最先端技術の承継、育成の基地だということでできたんだろうと思っています。  そういう中で、今、富山大学都市デザイン学部では、旧来型の産学共同の域を出ない、お見合い型の産学共同になっているのではないかと思います。  隣県にある金沢工業大学では、COI、センター・オブ・イノベーションプログラムを使いながら、企業と一緒にやっています。  本県では、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムということで、薬関係についてはかなり勢いがありますが、まだまだそういうところが足りないので、ぜひ、今の高校の跡地を、新素材関係は高岡でやるとか、あるいは、都市デザイン学部の発展、研究の場としては水橋がふさわしいんじゃないかといったことを含めて区分所有権分離方式で使用してもらうことを提案したいと思いますが、どのようの考えか、お聞きしたいと思います。 149 蔵堀総合政策局長 再編統合の対象とされました高校の跡地利用につきましては、それぞれの学校の歴史と伝統、また、地域の方々に支えられてきたことなどを十分踏まえるということが大事だと考えております。  こうしたこともありまして、有地活用の観点からは、としてその活用策について検討することはもちろん当然でございますけれども、まずは地元の市町村において、地域の振興や活性化の観点から活用方法について検討いただくことが必要ではないかと考えております。  御提案のリサーチキャンパスでございますけれども、学生に対する教育というよりは、主として研究を行う施設という位置づけでございまして、大学独自の研究はもちろんですけれども、企業からの委託研究や企業との共同研究などを行っているところでございます。  また、主として工学的な分野を扱うということでございまして、大学のキャンパスや共同研究の対象企業から近い距離に設置されているというのが現在一般的なところでもございます。  例えば、東京大学の駒場のリサーチキャンパスは駒場キャンパスのすぐ横にありますし、御提示をいただいた金沢工業大学は、企業の団地の敷地内に設置をされているという状況でもございます。  富山では、成長産業の育成や新素材の開発につきましてはものづくり研究開発センター、それから、最近開設をいたしましたけれども、オープンイノベーション・ハブ(仮称)などの拡充によって対応したいと考えております。  また、医薬品分野についても、薬事総合研究開発センターに創薬研究開発センターも新設をいたしております。こうしたことで産学官連携でしっかり取り組むということにいたしております。  御提案の富山大学都市デザイン学部のリサーチキャンパスの設置でございますけれども、実現すれば敷地の有効活用に結びつきますし、当該地域の振興にもつながる面があると考えてございますが、まずは、地元において、大学側の意向をよく確認いただいて、どのような地域活性化を進めていくのか、十分議論、検討していただくことが重要ではないかと考えております。 150 中川委員 時間がないからあまり言いませんが、やっぱり有地で、最終的には、白地にしてしまって何もないと、消えてしまう、これも1つかもわかりませんが、せっかくそういう施設がある以上、全体の経済活動や研究等、企業がどう連携をとってやれるかということを含めて、やっぱりも検討すべきと思いますので、ぜひまたよろしくお願いしたいと思います。  最後になりますが、水橋地区の圃場整備のことでございますが、これについては、早く完成させて、若い農業の担い手にも引き継ぐためにも、県営事業だけではなくて国営事業としても実施してほしいと地元から要望があって、におかれては、国営緊急農地再編整備事業として要望した結果、来年の概算要求で調査地区として農林水産省が要求されました。改めて、知事初め、皆さん方に本当に感謝したいなと思っています。  しかし、決まったわけではございませんので、採択されるには、やっぱり地元やなどの調査体制、米だけではなくて、高収益作物を中心とした営農体系の転換などの課題があると聞いておりますが、今後は、としても、ぜひ採択に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。 151 石井知事 富山市水橋地区の水田約600ヘクタールにつきましては、ほとんどが10アール未満の水田で、農道も狭く、大型機械の導入による生産性の向上が困難な状況にございました。  そこで、地元からの御要望もあり、その地元の御熱意と、もちろん私どもも努力しましたが、県議会の皆様のお力添え、また、国会の先生方のお力添えで、農水省の平成31年度予算の概算要求に調査地区として盛り込まれております。  お話しのように、概算要求に入ったのが大きな前進ですが、何とか最終的に採択していただかなければいけませんので、この地域を水稲依存からの脱却による富山型農業経営モデルとするために、農業者の方々の所得の大幅な向上を目指して3つの改革を推進することとしております。  1つは、農地の大区画化と担い手への集積、集約化による生産性の向上を図る構造改革、それから、ICT水管理システム等の新技術の導入による省力化と水利用の高度化を図る労働改革、また、高収益作物を中心とした営農体系への転換や施設園芸団地の整備等を図る栽培確保を進める、こうした取り組みを具体的な事業計画としてまとめるために、今、農政局とと市町による水橋地区事業計画検討会議を組織しておりまして、現在、地元調整、作業の役割分担、スケジュール等の調査体制について整理、検討を進めておりまして、来年度以降の地区調査につなげてまいりたいと思っております。これは、しっかりと取り組んでまいります。 152 中川委員 ありがとうございました。 153 渡辺委員長 中川委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本委員会の質疑は、全て終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、当局並びに報道関係の各位に対し、深く敬意を表します。  これをもって、平成30年9月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。                     午後4時11分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...