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  1. 富山県議会 2018-09-01
    平成30年9月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(高野行雄君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(高野行雄君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第111号から議案第136号まで及び報告第12号から報告第16号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  井上学君。    〔10番井上 学君登壇〕 3 ◯10番(井上 学君)おはようございます。  一般質問のトップバッターを務めさせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。  また、御案内のとおり、相次ぐ災害によりまして日本列島に大きな被害が生じております。たび重なる災害でお亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。  富山県でも被害はございました。しかしながら、ほかの県に比べるとやっぱり少なかったわけで、本当に安全な県だなと、暮らしやすい県だなということを感じておるところでございます。しかしながら、熊本県がそうであったように、安全な県だと言われながら、いつ何どき災害に見舞われるかもしれないわけでございます。日ごろの備えをしっかりとしなければいけないなということを感じております。  きょうは、災害対策も含めて大きく3項目について、3分割で質問してまいりたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。  それでは、初めに、防災・災害対策から入りたいと思います。消防防災ヘリの運航体制について伺います。  8月10日の群馬県防災ヘリコプターはるなの墜落事故から、約1カ月が過ぎました。この事故では、群馬県が国に実際と異なる飛行計画を提出した上、ヘリが戻ってきたと虚偽の報告までしていたとのことでございます。  今回の墜落事故を受け、群馬県は、防災ヘリの運航業務委託を抜本的に見直す方針であるとのことであります。搭乗者9人全員死亡という事故の重大さや、実際と異なる飛行計画の通知や虚偽の報告といった不手際を踏まえ、従来どおりに契約を更新するのは困難と判断したとのことであります。  消防庁によりますと、消防防災ヘリを導入している都道府県や政令市の計55団体のうち、運航業務を委託しているのは、本県を含む34団体。長野県、岐阜県両県は自主運航と委託を併用しております。残る19団体は自主運航しております。消防庁は8月13日、事故を受け、ヘリを所有する全国の都道府県や政令市に対し、安全確保対策の強化を求める通知を出しました。  本県も運航開始から20年以上にわたって、群馬県と同じ業者に運航業務を委託しておりますが、これらのことを受け、本県での運航体制の見直しを含め、今後どのように消防防災ヘリ安全確保対策の強化に努めていかれるのか、石井知事に伺います。  次に、災害時の行方不明者の公表基準について伺います。
     7月の西日本豪雨では、14の府県で大きな被害となりました。今回の豪雨災害では、行方不明者の公表について、被災した県の判断基準が分かれたといいます。  例えば岡山県では、災害が原因で所在がわからない行方不明者と安否不明者を合わせて行方不明者に計上して、氏名や住所をホームページ上で公表したところ、次々と生存情報が寄せられ、安否確認が迅速に進みました。その結果、捜索にかかわる要員を、復旧や被災者支援などに振り向けられたといいます。  一方で、個人情報の保護を理由に慎重な対応をとった県もありました。また、安否不明者と行方不明者を分けて、安否不明者を片仮名表記で発表した県もあったと聞きます。  このように、今回の西日本豪雨では、被災した各県で行方不明者の公表の判断基準が分かれたわけですが、専門家によると、今後の大災害で、自治体の対応が分かれないように、国が主導して公表に向けルールづくりを検討すべきだという声もあります。  そこで、本県における行方不明者の公表基準についての所見を危機管理監に伺います。  次に、災害時の避難誘導について伺います。  西日本豪雨では、大雨の特別警報が発表され、避難指示等が発令されても、住民には具体的な災害のイメージが湧かず、その結果、高齢者を中心に犠牲者が発生しました。消防庁によれば、全体で14の府県で223人の犠牲者が発生し、そのうち高齢者は60%でございました。  ところが、1カ所で多くの犠牲者が出た地域に限れば、砂防ダムが決壊して市街地氾濫が起こった広島県坂町では、犠牲者16人のうち高齢者が15人、背水現象で堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町では、犠牲者51人の90%に当たる46人が高齢者でした。大切なものを家に残したままで避難するというのはとても勇気が必要です。そうこうしているうちに避難のタイミングをなくしてしまうのです。  災害の専門家によれば、どのような災害に対しても逃げるが勝ちなのだそうでございます。実際には、いくら避難指示や避難勧告が正確、迅速、詳細に発令されようとも、避難率はますます低くなっているのが現状です。あらゆる手段を通して、住民に避難指示や避難勧告の発令を知ってもらっても、情報だけでは避難しない現実を認めなければなりません。  そこで、改善策の1つとして、避難情報の発令に呼応して、警察のパトカーや消防車がサイレンを鳴らしながら町なかを走り回り、緊急事態の発生の危険性を住民に知ってもらうことが考えられます。  警察は110番、消防は119番の電話がかかってきてから出動するのがこれまでのやり方です。それでは被災直前の緊急性は伝えられません。風水害の場合、被害が発生するまでに一定の時間があり、この時間を利用しない手はないと考えます。被害が発生すれば出動するというやり方を改めて、未然に予防するという立場で先手を打って出動し、警告を発することは重要ではないでしょうか。  消防車やパトカーがサイレンを鳴らして走り回るということが住民の背中を押して、避難につながってほしいと強く願うものでありますが、危機管理監の御所見を伺います。  次に、災害時の避難行動要支援者名簿について伺います。  西日本豪雨で浸水被害が起きた岡山県倉敷市真備町で、市が身元を確認した死者50人のうち42人が、避難に困難が伴う高齢者や障害者らを市がリスト化した避難行動要支援者名簿に記載されていたことがわかりました。  国は、名簿に基づき一人一人の支援役や避難手段を決めておく個別計画の策定を促しています。名簿は、掲載者の同意を得て各地域の民生委員などに提供され、避難の呼びかけや安否確認などに活用してもらう目的ですが、国は、実効性を持たせるためには個別計画が望ましいとし、要支援者1人に対しできるだけ複数の住民を支援役として決めておくことなどを求めています。  しかし、倉敷市にはなかったとのことでございます。消防庁の昨年6月の調査では、全国の市町村のうち計画の策定を進めているのは39%にとどまっていたとのことであります。専門家の意見では、名簿の作成だけでは十分機能しないことがはっきりした、計画をつくり、訓練もしておかないといざというときに命を救えないと認識すべきだと指摘しています。  そこで、本県における避難行動要支援者名簿と個別計画の策定状況はどうか、また、今後、要支援者の避難支援にどのように取り組むのか、厚生部長にお伺いをいたします。  この項目の最後は、富山県の電力確保について伺います。  先日の9月6日、北海道胆振東部地震が発生しました。台風21号に続く相次ぐ自然災害で大きな被害が出ました。中でも驚いたのが、北海道全域の295万戸で停電するという阪神大震災の260万戸を超える大規模な停電があったことであります。  報道によれば、電力会社のエリア全域での停電、いわゆるブラックアウトは初めてとのことです。今回のブラックアウトが厳冬期でなかったことが不幸中の幸いでした。氷点下20度にもなる地域で、しかも、大雪で交通もままならない状況において、もしも発生していたらどうなっていたでしょうか。  苫東厚真火力発電所が1カ所動かなくなることが、北海道全域の停電につながるという想定外のトラブルへの備えの難しさを露呈いたしました。緊急時に他の電力会社から電気を融通してもらう送電線も十分に機能しなかったと言われています。  北海道では、緊急時における電力集中のリスクと他の電力会社からの融通体制の弱さが原因となったわけですが、県内に多くの発電所を抱えるこの富山県ではブラックアウトのおそれはないのか、商工労働部長にお伺いをして、最初の項目の質問を終わります。 4 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)おはようございます。井上議員の御質問にお答えをいたします。  消防防災ヘリ安全確保対策についてであります。  先月10日に発生しました群馬県防災ヘリコプターの墜落事故を受けまして、消防庁から消防防災ヘリコプターの安全確保の徹底としまして、安全管理体制の再点検、気象状況や運航状況の把握、それから報告書提言の早期実施など、安全確保の徹底を図るように通知がございました。  県としましては、従来からヘリの運航状況を正確に把握すべく、動態管理システムの常時起動や通信間隔の短縮に取り組みますほか、ヒヤリハット事例の共有化や、運航委託先職員も含め、朝礼時と飛行前後にミーティングの実施を徹底しますなど、安全対策の強化に努めております。  議員御指摘の自主運用への移行などの運航体制の見直しにつきましては、3,000メートル級の山岳地帯を有する厳しい環境下での救助を担う本県ヘリの特殊性から、特に高い技能を有するパイロットの確保育成を自前で行う必要があることなど、また、新機体の納入の来年9月までにパイロットの確保が必要だということを考えますと、直ちに自主運航に切りかえるのはなかなか難しくて、少し中長期的といいますか、長い目で検討していく課題だと思っております。  そこで、新機体の導入に当たりましては、自主運航ではなくて、運航管理の委託方式によらざるを得ないと考えておりますけれども、委託相手先については、競争入札による選定をできるだけ早く実施したいと考えております。  いずれにしても、救助活動や救急、火災防御、災害応急など、幅広い活動を担い、県民の皆さんの安全・安心を確保するためにも、消防防災ヘリ安全確保対策の強化については、引き続き万全を期して努力してまいります。 6 ◯議長(高野行雄君)石黒危機管理監。    〔危機管理監石黒雄一君登壇〕 7 ◯危機管理監(石黒雄一君)おはようございます。  私のほうからは、まず、被災時の行方不明者の公表基準についての御質問にお答えいたします。  災害対策基本法の規定におきましては、知事または市町村長は、親族等から照会があった場合は被災者の安否に関する情報を提供できることとされておるところでございます。  一方で、行方不明者や安否不明者の定義や情報の公表方法につきましては法令等に特段の定めがなく、各自治体の判断に委ねられているところでございます。  このため、本県も含め全国的にも、ほとんどの自治体で公表に当たっての基準や規定等を定めていない状況であることから、御指摘のありましたとおり、7月の西日本豪雨など広域的な災害におきましては、被災県や市町村で対応が分かれたところでございます。  行方不明者等の公表を行いますと、議員から御紹介のありましたとおり、救助や捜索活動等が効果的に進められる可能性があるというメリットがある一方で、公表した場合に、例えばDV被害とかストーカー行為の被害者である被災者に危害が及ぶ可能性があること、あるいは詐欺のターゲットにされるおそれなどがあることなどの懸念があるほか、公表の判断基準や公表する個人情報、つまり、氏名、性別、年齢、住所等の個人情報の範囲をどうするか、市町村や警察等の関係機関との調整方法などをどのように行うかなどの課題がありまして、慎重な対応が求められるものと認識しておるところでございます。  県としては、事柄の性質からして、まずは国において統一的な方針や基準を示していただきたいと考えておりますけれども、万が一災害が発生した場合に備えまして、今後、市町村や警察等との関係機関が集まる会議等を利用いたしまして課題を共有し、対応について協議してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、避難情報発令時の消防車やパトカーの活用等についてお答えいたします。  災害時に市町村が避難勧告または避難指示等を発令した場合、市町村は地元の警察及び消防機関の協力を得まして、避難所に住民を誘導することとなっております。  このため、消防機関においては、消防署や消防団の消防車が警鐘をカンカンと鳴らした上で、スピーカーで避難の周知を行うとともに、警察におきましても、パトカーの赤色灯を点灯して、こちらについてもスピーカーで避難誘導を行うこととしておるところでございます。  西日本豪雨におきましては、消防車が巡回し、自力で避難できない高齢者等を避難所に送り届けた例や、あるいは消防団が各戸を回って車で住民をピストン輸送したりするなど、住民の避難や誘導につきまして支援をした事例がございます。  また、本県におきましても、8月30日から9月1日までの大雨では、例えば高岡市におきまして、避難勧告が出されました地区に地元の消防署に加え各地区を管轄する消防団が出動して、警鐘を鳴らしながら住民に避難を周知、誘導する活動を行ったと聞いておるところでございます。  県といたしましては、こうした住民の避難行動につながった他県や県内の事例につきまして、市町村や防災機関等が集まる会議等を活用して積極的に紹介、周知に努め、災害時においては、市町村や消防、警察など関係機関が相互に緊密な連携を図りながら、住民の迅速な避難誘導を行えるよう、今後も取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 8 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 9 ◯厚生部長(前田彰久君)避難行動要支援者の避難支援についてお答えをいたします。  県では、これまでも、市町村における避難支援等の基礎となります避難行動要支援者の名簿の作成や、要支援者一人一人につきまして、地域の特性や実情を踏まえまして、誰が、どの経路で、どこに避難するかなどを具体的に記載いたします個別計画の策定等の取り組みを支援するために、市町村職員を対象としました研修会を開催し、国の取り組み指針の周知や全国の先進事例の紹介などを行いまして、あわせて、個別計画が策定されていない市町村に対しましては、速やかに計画を策定するよう要請してまいりました。  こうした取り組みの結果、平成30年8月1日現在でございますが、県内全市町村で名簿が作成されておりまして、県全体で約7万人の方が掲載されております。29年度当初と比較をいたしまして約1万5,000人の増となっております。また、個別計画の策定に同意いただいた方は約3万1,000人でありまして、そのうち既に具体的な計画を策定された方は1万人となっております。策定数は29年度当初から約1,000人の増となっております。  加えまして、災害発生時に要支援者が迅速かつ適切に避難するためには、こうした名簿や個別計画の策定に加えまして、支援する方々との連携協力体制づくりが必要なことから、県総合防災訓練や市町村での防災訓練等におきまして、情報伝達や避難誘導など、訓練が行われているところであります。  県といたしましては、引き続き、要支援者の把握と個別計画の策定を支援しますとともに、実践的な訓練などを通じまして、災害発生時の要支援者の避難支援に、市町村とともに丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。 10 ◯議長(高野行雄君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 11 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)私からは、本県での震災時におけるブラックアウトに関する御質問にお答えをいたします。  去る6日に発生いたしました北海道胆振東部地震の影響によりまして、北海道電力管内の全域が停電いたします、いわゆるブラックアウトとなり、大手電力会社の管轄の全域で停電する初めてのケースとなったところであります。その主な原因といたしましては、北海道エリアの電力需要の多くを賄う苫東厚真発電所が緊急停止をいたしまして、発電量と使用量のバランスが崩れたため、周波数が乱れ、発電所設備等に損傷のおそれが生じ、他の発電所も連鎖的に停止したことに加えまして、東北エリアから電力融通を受けるための設備が停電により機能しなかったことにあるとされております。  議員お尋ねの本県での震災時におきますブラックアウトの発生のおそれにつきましては、北陸電力では、甚大な災害が発生した場合、可能性が全くゼロとは言えないが、北陸エリアは中部から九州エリアと連系しておりまして、同規模の発電所が停止したといたしましても、北海道エリアと比べまして周波数は乱れにくく、連鎖的な発電所停止、またはブラックアウトの可能性は極めて小さいとされております。  その理由といたしましては、北陸電力の総発電電力量の約7割を占めます火力発電所は北陸3県の5カ所に分散立地しておりまして、その発電出力を県別で見ますと、富山県では175万キロワット、石川県では120万キロワット、福井県では145万キロワットと、リスクが分散されていること、また、水力発電では、合計出力で193万キロワットの発電所が、管内131カ所に広く分散立地していること、さらに、緊急時には、隣接する中部エリア及び関西エリアから複数の送電ルートによりまして、合計130万キロワットの電力融通を受電できることが挙げられるとされております。  このほか、北陸電力では、大地震などの自然災害に備えた防災復旧訓練を毎年実施され、ブラックアウトを想定した復旧訓練も定期的に実施し、標準的な復旧手順書なども整備しておられると伺っております。  こうしたことから、本県においてブラックアウトが発生する可能性は小さいものと考えられますけれども、電力は県民生活や産業の重要な基盤であることから、万が一、災害が発生した場合においても、北陸電力におかれては、今回の北海道電力管内で生じた課題も踏まえ、安定した電力供給に努めていただきたいと考えております。  以上でございます。 12 ◯議長(高野行雄君)井上学君。    〔10番井上 学君登壇〕 13 ◯10番(井上 学君)2番目の項目は、人口減少を踏まえた人材確保対策についてお伺いをします。  まず、高齢者の再就職支援についてお伺いします。  再就職支援で必要なのは、その人が希望する仕事内容や賃金水準、労働時間などを把握して、それに合った働き口と結びつけることであり、高齢者の場合、これまでの経験を生かしたい、もしくは新しい技術を学びたいというより高度な対応が求められます。  富山県の労働力人口は、今後も減少していくことが予想されることから、本県経済の持続的発展を加速していくためには、働きたい高齢者、働かなければならない高齢者、働く理由はさまざまでありますが、働く意欲、学ぶ意欲のある高齢者の再就職を支援していくことが重要であると考えます。  そこで、県では、高齢者の再就職支援にどのように取り組んでいかれるのか、商工労働部長にお伺いをいたします。  また、高齢者の就業として、まず、思い浮かぶのがシルバー人材センターであります。現行の制度では、シルバー人材センターの取り扱う業務は臨時的、短期的、おおむね月10日程度まででございます。または、軽易な業務、おおむね週20時間程度の業務であります。これらに限定されています。  平成28年4月施行の高年齢者雇用安定法の改正により、シルバー人材センターの業務のうち、派遣事業は、都道府県知事が業種や職種を指定すれば、週40時間までの就業が可能と要件緩和がなされています。シルバー人材センターの業務のうち、近年、請負や委任の実績が下がる中、派遣事業の実績は上昇してきており、企業側、高齢者側双方にニーズがあるものと思われます。  そこで、人手不足の業種について、地域の実情を踏まえ、知事による要件緩和の指定を行い、シルバー人材センターの派遣事業を拡大していくべきと考えますが、石井知事の所見をお伺いいたします。  次に、若者のUIJターンの促進について伺います。  本県では、大学等に進学する高校生のうち約7割の学生が県外の大学等に進学し、そのうち卒業後県内へのUターン就職率は58%と聞いています。先月開催された合同就職面接会の参加者が昨年の3分の1になったという、少し心配な報道もありました。  国の調査によると、平成30年3月卒業の大学生の就職率が98%となり、調査を始めた平成9年以降最高となりました。また、民間会社の調査では、今年の8月1日現在で大学生の内定率が88%となっていると聞きます。  若者の県外流出に加え、高い有効求人倍率も続くなど、県内企業では深刻な人手不足になっており、新卒者や転職者を初め、県内企業への就職に向け、若者のUIJターンを強力に推進していくことが重要と考えますが、県では、今後どのように取り組んでいかれるのか、総合政策局長にお伺いをいたします。  次に、建設業の担い手の確保についてでございます。  本県にとって基幹産業であります建設業は、社会基盤の整備や維持のために重要な役割を担っていますが、近年、本県に本社がある建設会社への就職希望者が減ってきています。県では、これまでも建設業の担い手の育成確保に積極的に取り組んでこられていますが、県内建設業では深刻な人手不足の状況が続いています。学生にとって売り手市場が続いており、他業種や同じ建設会社でも首都圏等に本社を持つ大企業への人気が高く、本県を支える地元建設業の人材確保が課題となっています。  そこで、県では、県内建設業のさらなる若手の担い手確保にどのように取り組んでいかれるのか、伺います。  また、最近の若者は賃金よりも休暇がしっかりとれるほうに関心が高く、建設業における週休2日制の推進が重要であると考えます。  県は、建設業における週休2日制の推進に向け、どのように取り組んでいかれるのか、あわせて土木部長にお伺いをいたします。  この項目の最後に、キャリア教育について伺います。  幕末の維新の志士を育てた吉田松陰の言葉に、山は木をもって茂り、国は人をもって栄えるという言葉があります。すぐれた人材の登用こそが、その国を発展させる基本であるということを指摘したものでございます。  地方創生を考える際に最も大切な視点、それはやはり人づくりであると考えます。人口減少社会を生き抜く人材の育成こそが、富山県の未来を左右すると確信します。そのためのキャリア教育は重要な視点であると考えています。  本県では、これまでも小中高それぞれの段階で、積極的にキャリア教育、ふるさと教育を実施してきておられますが、これまでの成果と今後の取り組みについて教育長にお伺いをして、2項目めの質問を終わります。 14 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 15 ◯知事(石井隆一君)シルバー人材センターについての御質問にお答えをします。  シルバー人材センターでは、臨時、短期、軽易な業務を希望する高齢者の方に就業の機会を提供しております。  近年、65歳までの継続雇用の進展ですとか、高齢者の就業ニーズも多様化しているということもございまして、会員数や請負・委任事業は減少傾向にあるんですけれども、センターの派遣事業については、むしろ順調に実績が伸びております。これはやはり、派遣先企業等において柔軟な業務従事が可能だといったことが影響しているのではないかと思っております。  また、高齢者雇用安定法の改正によりまして、シルバー人材センターの派遣事業等における就業時間の要件緩和、お話しのように、週20時間までが40時間までというふうになりましたので、先般、センターの連合会等から県に対しまして、要件緩和の対象となる業種指定などにつきまして、県内全域対象の業種としては各種の商品小売業等を、また、単独の市町村対象の業種としましては、3つの市において、1業種をそれぞれ要望されました。これは、滑川市が金属製品製造業、小矢部市が食料品製造業、南砺市がパルプ、紙加工品製造業と、こうなっております。  シルバー人材センターの要件緩和の知事指定に当たりましては、厚労省の指針に基づきまして、高年齢者の就業機会確保への寄与の程度ですとか、また、地域の派遣業者等の方もおられますから、民業圧迫にならないこと等の基準を満たす必要がございます。  そこで、県としましては、労働局と連携して、市町村とか労働団体など地域の関係者への意見聴取をしましたほか、高齢者の求人充足率等の調査分析を行いますとともに、厚労省とも協議しまして、要望のあった業種等については、企業や高齢者双方のニーズに沿っていること、また、地域の関係者の皆さんも了解されているというか、理解が得られているということを踏まえまして、来月早々、例えば10月1日とか、そういう早々の要件緩和の指定に向けた、今、手続を進めております。  シルバー人材センターの派遣事業等に対する要件緩和を1つのきっかけとしまして、シルバー人材センターの一層の活用が進みまして、人生100年時代の中で、高齢者が生涯にわたって元気に活躍できる社会の実現のために、引き続きしっかりと取り組んでまいります。 16 ◯議長(高野行雄君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 17 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)高齢者の再就職支援に関する御質問にお答えをいたします。  県内の15歳から64歳の労働力人口は、平成22年の約65万人から平成27年の約59万人へと減少をしておりまして、今後も減少が見込まれるほか、近年の人手不足に伴います企業活動への影響が懸念される中、経験と知識を持ち合わせておられます高齢者の一層の就労促進を図る必要があると考えております。  県内の高齢者の就労につきましては、65歳以上の就業率が平成22年の20.7%から平成27年の24.2%へと増加いたしますとともに、シニア専門人材バンクのマッチング実績について年々増加しておりまして、昨年度では過去最高の552名となるなど、県内の高齢者の就労意欲は高いものと考えております。
     県におきましては、高齢者の再就職等を促進するため、シニア専門人材バンクの窓口が富山市にあり、富山市内在住者に利用者が偏在していることなども踏まえまして、今年度新たに富山市以外の県内5地域のハローワークと連携をいたしまして、それぞれのシニア専門人材バンクによる出張相談会を開催し、さらなる高齢の求職者と企業等とのマッチングの強化を図っていくこととしております。  また、昨年度から3年間にわたりまして、地域での潜在的なシニア人材の求職者の掘り起こしや、各企業における高齢者が担います業務の切り出しを提案する生涯現役促進地域連携事業に取り組んでおります。  今年度は、これまで高齢者向けのライフプランセミナーを県内4地域で開催し、計107名の方々に御参加いただいたほか、今後、高齢者や事業者向けのセミナーや合同企業説明会を開催することとしております。  今後とも、人生100年時代の到来を見据えまして、高齢者が意欲や能力に応じて、生涯現役で活躍できる社会の実現のため、高齢者の再就職支援にしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 18 ◯議長(高野行雄君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 19 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)次に、若者のUIJターン就職に関する御質問にお答えをいたします。  本県の雇用情勢は、7月の有効求人倍率が1.95倍と全国トップクラスの水準が続いておりますことから、人手不足感が高まってきておりまして、高校生ですとか大学生の就職内定率も高くなってきているところでございます。  こうしたことから、県といたしましても、新卒者や転職者を初めといたしまして、若者のUIJターン就職を促進して、人材確保に一層取り組む必要があると考えております。  このため、これまで主に大学3年生や父母を対象といたしました就職セミナーの開催ですとか、県外の理工系・薬学部生を対象とした奨学金返還助成制度の実施、また、転職者の採用に意欲のある県内企業に参加をいただきまして、移住・転職フェアを開催するなどといったことを行ってきているところでございます。  こうしたことによりまして移住者も年々増加いたしまして、平成29年度は729人となっておりますし、県内出身の大学生のUターン率も29年度では58.2%と、全国トップクラスの高い水準となっているところでございます。  今年度は、これらの取り組みに加えまして、5月下旬に富山くらし・しごと支援センターの東京大手町オフィスと大阪オフィスを新設いたしましたけれども、相談員も増員いたしまして相談体制の強化を図っております。また、県内企業の女性社員と女子学生が交流をいたします就活女子応援カフェの拡充に加えまして、学生に対しまして県内への就職を積極的にアプローチいたしますために、きょう最終日ですけれども、早稲田大学のインターンシップですとか、また、県外の4つの大学と就職支援協定を締結することといたしております。  さらに、現在提案させていただいております9月補正予算案におきましては、就職支援協定締結校の大学生を対象といたしました県内企業に就職されているOB、OGの方を訪問するバスツアーを開催したいと考えております。  また、就職活動に関心や影響力が高い母親を対象に、県内企業の女性社員とのカフェ形式での座談会の開催もしたいと考えております。さらには、県内の学生が人手不足業界の企業を訪問いたしまして、その魅力の発掘、発信をする事業を盛り込んでいるところでもございます。  今後とも県内企業、それから大学などと密接に連携をいたしまして、UIJターン就職の促進にしっかりと取り組んでまいります。 20 ◯議長(高野行雄君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 21 ◯土木部長(水口 功君)県内建設業の若手の担い手確保についての御質問にお答えをいたします。  県内建設業につきましては、従業員数の減少や高齢化が進んでおり、若手の担い手の確保が課題となっておりますが、地域の安全・安心を守っていただいている建設業が将来にわたり、各地域ごとにしっかりと存続していくことが必要と考えております。  このため、建設業が多くの人に職業選択していただける魅力的な職場となりますよう、県ではさまざまな取り組みを行っております。具体的には、建設業のイメージアップを図りますため、若者向けのPR誌の県内高校への配布、SNSによる情報発信、さらに、高校への出前講座における講師の派遣、建設業への定着を図りますため、建設業協会が実施します資格取得のための講座や技能向上研修に要する費用への支援など、また、昨年度からは、働き方改革を促進するため、週休2日制モデル工事や、建設現場の環境改善を図るため、快適な仮設トイレを設置する工事の試行にも取り組んでおり、今年度は件数を大幅に増やしております。  具体的には、週休2日制モデル工事につきましては、昨年実績2件でございましたが、今年度につきましては、8月末の時点で53件を見込んでおります。また、快適な仮設トイレの設置工事につきましても、昨年度実績8件でありましたが、今年度につきましては、同じく8月末時点で108件を見込んでおります。さらに、今年度からは、建設現場での生産性向上を図りますため、情報通信技術、いわゆるICTを活用した工事にも取り組んでおります。  週休2日制モデル工事につきましては、10月中旬を予定しておりますけれども、この秋からこれまでの諸経費の割り増しに加えまして、労務費や機械経費についても割り増しを導入するなど、実施に伴う必要経費を的確に工事費に計上し、さらなる普及を後押しすることとしております。  今後とも、建設業の将来を担う人材確保につきまして、建設企業の皆様の御意見も伺いながら、必要な施策をしっかりと進めてまいります。 22 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 23 ◯教育長(渋谷克人君)最後に、キャリア教育とふるさと教育についての御質問にお答えいたします。  まず、キャリア教育につきましては、小中高校の各段階において積極的に行っておりまして、例えば、小学校では職業調べや職場見学、中学校では全国のモデルとなる「社会に学ぶ14歳の挑戦」、高校では地元企業の方々などの御協力によるインターンシップなどを実施しております。  こうした取り組みもありまして、平成29年度の高卒就職者の就職内定率は99.9%で、全国第1位、県内就職率は94.1%で、全国第2位となっております。そして、これらのことが評価されまして、政府関係機関の移転として、教職員支援機構のキャリア教育指導者養成研修が本県で開催され、本県の特色ある取り組みを全国に発信しております。  ふるさと教育につきましても、小中学校では、県独自の補助教材、ふるさととやまの人物ものがたりやふるさととやまの自然・科学ものがたりなどを活用した授業を、高校では同じく、県独自の補助教材であります、ふるさと富山を活用した郷土史、日本史の学習や、ふるさと文学を題材とした授業などを行っております。また、小中高校生を対象としたふるさとに関する作文などのコンクールも実施しております。  こうした取り組みもありまして、県内出身大学生のUターン率は着実に高まっておりまして、調査を開始いたしました平成18年に51.3%でありましたUターン率は、この3年間は58%台となっておりまして、一定の成果が出てきているのではないかと受けとめております。  今年度設置されました、富山県における人生100年時代ひとづくり構想会議では、超長寿社会を見据えたキャリア教育やふるさと学習のあり方と具体的な方策について検討いただいておりますので、この会議の議論を踏まえまして、今後さらにキャリア教育とふるさと教育の充実に努めてまいります。  以上です。 24 ◯議長(高野行雄君)井上学君。    〔10番井上 学君登壇〕 25 ◯10番(井上 学君)最後の項目は、雪に強いまちづくりについてでございます。  暑い夏を過ごしますと、つい忘れてしまいがちですが、皆さん、思い出してください。ことしの冬は大変な大雪でした。県内でも大きな被害が出まして、公共交通機関の麻痺を引き起こし、ライフライン、学校、物流など、県民生活に大きな影響が及びました。  県では、ことしの6月に例年11月に開催している総合雪対策推進会議を前倒しして開催され、平成30年の大雪の検証をされたとお聞きします。県では毎年、総合雪対策基本計画に基づく実施計画を策定され、総合的な雪対策を推進しておられますが、6月のこの会議での議論を踏まえ、次の冬の雪対策に万全の体制で臨むべきと考えます。  来冬に向けて、どのように取り組んでいくのか、石井知事にお伺いをいたします。  次に、道路交通の確保についてでございます。  ことしの大雪では、寒波の到来に伴う、短期間の集中的降雪や、連日の真冬日により県内の道路において、路面状況の悪化や消雪能力を上回る降雪による残雪、倒木等が発生し、通行止めや交通渋滞など、道路交通に大きな影響が生じました。  ことしの検証結果を踏まえ、次の冬は、どのように道路交通の確保を図っていかれるのか、土木部長にお伺いをいたします。  最後に、地域ぐるみの雪対策についてでございます。  少子高齢化などが進行する中で、お年寄りのひとり暮らしや高齢者のみの世帯の増加など、地域における除排雪機能の低下が懸念されるところであります。今後、ますます増加するであろう高齢者世帯への除排雪支援など、地域ぐるみでの雪対策の仕組みづくりや雪処理に係る担い手の確保が重要になってくるものと考えます。  そこで、これらについて、今後どのように取り組んでいかれるのか、生活環境文化部長にお伺いをして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 26 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 27 ◯知事(石井隆一君)雪に強いまちづくりについてお答えをいたします。  ことしの大雪では、県民生活に大変大きな影響が及びましたので、速やかに課題について検証を進めようということで、今年度は例年より、お話しのように時期を早めまして、6月早々に私も出席させていただいて、総合雪対策推進会議を開催いたしました。  この会議では、停電や断水予防対策などのライフライン確保対策や、また、県内公共交通確保対策、また、道路除雪などの方針をお示しした上で、各委員から道路等に関する情報の県民への迅速な提供ですとか、子供の防災教育の必要性、気象に関する協力、こういったような御意見がございました。  こうした御意見も踏まえまして、来年の冬に向けて迅速な対応が必要となるものについて、今回の9月補正予算案にも盛り込ませていただいております。  具体的には、公共交通に関しては、あいの風とやま鉄道が実施します雪の安全対策等に対して支援するということのほかに、あいの風とやま鉄道では消雪ポンプの更新とか、散水井戸の新設などを行います。これを支援するとともに、富山きときと空港の冬季の就航率の向上を図りますために、低空域での気象予測システムの開発を進めることにしております。また、道路交通に関しては、県単独の雪対策施設の維持修繕費を増額いたしまして、消雪施設のふぐあいへの対応に備えることにしております。また、冬期の地下水低下時の節水協力システムの整備、また、子供たちの防災意識を高めるための小中学生用のとやま防災ハンドブックを改訂しまして、より充実した内容として配布することにしております。  このほかにも、例えば監視カメラの増設とか、車両スタックが発生しやすいリスク箇所マップを作成して、雪道ガイド等で道路利用者へ提供するとか、また、富山地方気象台の職員の県への一定期間の派遣に向けて、気象台との調整を行うとか、さまざまな取り組みを進めております。  ことし11月には再度、富山県総合雪対策推進会議を開催しまして、こうした取り組みを含めまして、必要な雪対策は今年度の実施計画にしっかりと反映させますとともに、今年度から新たに専任の危機管理監も置きましたので、危機管理体制の一層の強化を図りまして、市町村やライフライン等の関係機関を初めとして、県民の皆様のお力、あるいは御協力もいただきながら、この冬に向けた雪対策に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 28 ◯議長(高野行雄君)    〔土木部長水口 功君登壇〕 29 ◯土木部長(水口 功君)冬期における道路交通の確保についての御質問にお答えします。  冬期における安全で円滑な道路交通の確保につきましては、県民の皆さんの通勤通学などの日常生活や産業経済活動を支える上で、大変重要であります。このため、県では、この冬の課題を踏まえ、次の冬に向けて除雪体制の充実強化に努めることとしております。  具体的には、適切な路面状態を確保するための早期除雪の徹底、県が保有する除雪機械の増強、知事からも答弁がありましたけれども、迅速な対応が可能となるよう監視カメラの増設、消雪施設の稼働状況などの情報を土木センター・事務所においてリアルタイムで把握できるシステムの県下全域への拡充などを進めております。  また、道路利用者がより安全に雪道を走行できますよう、監視カメラによる路面状況のホームページでの情報を拡充しますほか、車両スタックが発生しやすい箇所をパンフレット、富山雪みちガイドに掲載いたしますなど、冬期道路情報の提供の充実を図ることとしております。  さらに、国や高速道路株式会社、市町村などの道路管理者が情報共有サイトを利用し、事前に通行止めの情報を共有するなど、連携強化に努めますほか、倒木による通行止めなどを防ぎますため、地元市町村や電線管理者等と合同パトロールを実施することとしております。  県としましては、今後とも除雪作業に従事されている建設企業等の皆さんとも協力しまして、冬期における安全で円滑な道路交通の確保に努めてまいります。  以上でございます。 30 ◯議長(高野行雄君)須河生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長須河弘美君登壇〕 31 ◯生活環境文化部長(須河弘美君)最後に、地域ぐるみの雪対策についての御質問にお答えします。  少子高齢化や過疎化が進行する中、地域ぐるみ除排雪と県民協働による除排雪の推進は重要な施策の1つでございます。このため、県ではこれまでも、市町村が自治会等に貸与する除雪機械整備への支援を行うとともに、ひとり暮らし高齢者など、自力で除雪が困難な世帯に対して、地域住民が主体となるケアネット活動の仕組みを活用した支援を行うとともに、市町村が行う高齢者世帯等の除雪経費への助成を行うなど、各種の施策を実施してきております。  しかしながら、ことしの冬のような大雪の場合や高齢化が進んでいる地域においては、除排雪作業の担い手が不足する状況も見られ、除雪機械の運転者の増員やより多くのボランティアの確保が必要と考えているところでございます。  このため、除雪機械の整備、更新への支援を引き続き行いますとともに、今年度から新たに、市町村等が開催する除雪機械の運転者講習等の経費について支援を行うこととしております。また、除雪ボランティアの確保につきましては、幾つかの市町村において、重機を持っていらっしゃる方々へのボランティア登録の呼びかけなども検討されておりまして、今後、こうした新たな取り組み事例も広く紹介するなど、市町村ですとかボランティアセンターなどの関係機関とともに、さらなるボランティア確保に努めてまいります。  さらに、地域の除排雪活動に積極的に取り組んでいる方を顕彰するなど、除排雪活動へより積極的に参加をいただけますよう、機運醸成の仕組みなども今後、検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 32 ◯議長(高野行雄君)以上で井上学君の質問は終了しました。  藤井裕久君。    〔19番藤井裕久君登壇〕 33 ◯19番(藤井裕久君)皆さん、おはようございます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  まず最初に、県民の安全・安心について質問させていただきます。  本年7月の西日本豪雨災害では、洪水やそれに伴う土石流などによって、200名を超える方々がお亡くなりになり、大阪府北部地震や今月の台風21号、北海道胆振東部地震と相次ぐ自然災害により、多くの建物や橋、道路、堤防などの社会資本が破損し、農作物被害や交通、観光にも大きな影響を及ぼしました。今なお多くの方々が避難所生活を強いられているということであります。  亡くなられた皆様には心から哀悼の意を表するものであり、被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、一刻も早い復興を願うばかりであります。  さて、西日本豪雨災害において被害が拡大した大きな理由の1つには、日ごろから自然災害が少ない地域であったため、自然災害対応への理解や警戒意識が比較的低く、実際に気象庁が大雨特別警報を発表する前日から発表していた早目の避難の呼びかけ、このことが避難行動に移されないまま、多くの人たちが逃げおくれて、その結果、自宅や自宅近辺で被災したことが特徴的でありました。  富山県の災害の歴史は、度重なる水害を克服してきた闘いの歴史であり、その結果、治水事業や治山事業、砂防事業が進んできた本県でありますが、私たちは、この水害との闘いの歴史を決して忘れることなく、今日、日本各地で頻発している想定外の水害を教訓に、ハードとソフトの両面から豪雨災害対策を強力に推進していかなければならないと考えております。  さて、国土交通省は、平成27年の水防法の改正を受け、平成28年6月に洪水浸水想定区域を、想定し得る最大規模の降雨、これは1,000年に1度の大規模な降雨ということでありますが、これに拡大しておりますが、それによれば、神通川が氾濫した場合、県庁周辺は3メーターから5メーター未満の浸水、広域消防防災センター周辺も0.5メーターから3メーター未満の浸水が想定される、いずれも浸水するおそれがあるということが指摘されているわけであります。  現在の地域防災計画等で広域消防防災センターは、受援、輸送、備蓄、代替機能を有する施設として位置づけられています。  また、神通川の想定し得る最大規模の降雨による大規模洪水時には、洪水浸水想定区域にある防災・危機管理センター(仮称)には参集できないことが容易に想定され、なおかつ、受援、輸送、備蓄、代替機能を有すると考えられてきた自衛隊、警察、消防、DMATなどが参集する広域消防防災センターの機能が失われるおそれがあります。  そこで、本県において想定し得る最大規模の降雨による大規模洪水が発生した際には、県庁や県庁敷地内にある防災・危機管理センター(仮称)や、広域消防防災センターなども防災拠点として使用できないことが想定されますが、浸水被害が及ばない場所に災害対応拠点を確保するなど、1,000年に1度の大規模な洪水を想定した対応を検討していく必要があると考えますが、石黒危機管理監の所見を伺います。  次に、大規模洪水時には、県警察も現場救助の主力部隊として災害現場に赴くとともに、現在の県警本部は、その司令塔として重要な役割を果たします。非常時には指揮を行う代替機能の活用も考えられると思います。  そこで、大規模洪水時には県警本部も浸水などの被害をこうむる可能性がありますが、その際、県警本部庁舎の機能移転等の対応をどのように考えているのか、山田警察本部長の所見を伺います。  西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震などの大規模災害では、道路網などの寸断により地上での移動が制限されるため、被害状況の確認、重傷者の搬送を初めとした被災者の救助、行方不明者の捜索などの災害活動において、ヘリコプターが大きな働きをします。その際、消防防災ヘリと県警ヘリやドクターヘリ、その他の支援ヘリコプターとの協力体制が重要になると考えます。  そこで、大規模災害時における消防防災ヘリと、本県の有する県警ヘリやドクターヘリ、他県の保有機関との連絡体制や協力体制、他県や関係機関からの支援ヘリコプターの受け入れ体制はどうなっているのか、日ごろの共同訓練体制とあわせて、石井知事の所見を伺います。  先週の台風21号では、国際線の西の玄関口である関西国際空港が、高潮に対して十分に安全な高さに設計してあるにもかかわらず浸水し、空港機能が全面的に麻痺しました。  あってはならないことでありますが、神通川の河川敷にある富山きときと空港においては、急流河川で流域面積が広大な神通川の越流なども想定されるのではないかと心配するものであります。  そこで、大規模な洪水時には、神通川の氾濫による浸水被害が想定されますが、富山きときと空港の洪水対策はどうなっているのか、また、空港が被害を受けた場合、神通川の河川区域に隣接して基地がある消防防災ヘリや県警ヘリの被害も懸念されますが、その対応にどのように取り組んでいくのか、石井知事の所見を伺います。  次に、大規模災害の際には、全国からさまざまな民間ボランティアが被災地に集結し、避難所の運営や炊き出し、物資の輸送や被災した建築物の清掃など、ボランティア活動を献身的に展開しておられます。  災害発生時から復興支援に至るまで、最近の大規模災害においては民間ボランティアの力が必要不可欠となっており、被災地では大変感謝されていますが、被災地の受け入れ体制が早期に整わず、受け入れがスムーズにいかないため、ボランティア活動に支障を来すというケースが見られます。  そこで、大規模災害の際、本県における県内外からの民間ボランティアの受け入れ態勢はどうなっているのか、蔵堀総合政策局長の所見を伺います。  最近の大規模災害では、携帯電話などによりインターネットを介してタイムリーに災害情報を入手できる人と入手できない人の情報格差による避難行動のおくれなどが指摘されております。災害時の対応については、全ての住民が災害情報を早期に入手し、正しく理解し、的確な判断と避難行動がとれるよう、日ごろから防災教育や防災訓練、災害時の情報伝達を徹底することが大切であります。  また、防災意識の高揚には、子供のころから切れ目のない防災教育が必要であります。そのために、災害への備えや災害時の避難行動、最近注目を集めている液状化ハザードマップや洪水、地震、火山災害ハザードマップなどを活用した、地域に起こり得る災害の理解や、富山県の災害の歴史を、成長の段階に応じて正しく理解し、どうすれば自分の命と身を守ることができるのかを正しく知ることが重要であります。  そこで、災害時に県民が災害情報をタイムリーに入手し、正しく理解し行動するために、地域や学校における日ごろからの防災教育や防災訓練が必要であると考えますが、現状と今後の対応はどうか、石黒危機管理監と渋谷教育長の所見を伺います。  熊本地震や西日本豪雨災害においては、災害現場での捜索活動や、人が立ち入れないような危険箇所、高所での現場の現状確認などにドローンが多用され、大きな成果を上げております。  災害現場のみならず、県内の民間企業でも、建設現場、農業、環境、観光を初めとする多分野におけるドローンの活用を推進しております。大規模災害時には、官民協力してドローンの活用が必要になると考えるわけであります。
     そこで、災害時のドローンの活用について、普及を強力に推進すべきと考えますが、本県としてどのように取り組んでいくのか、今後の取り組みとあわせて、石黒危機管理監の所見を伺います。  平成27年に水防法が改正されたことを受け、県は、去る8月17日に、神通川水系、上庄川水系、小矢部川水系の関係河川について、従来公表してきた河川整備計画規模の降雨を対象とした洪水浸水想定区域に加え、想定し得る最大規模の降雨を対象とした洪水浸水想定区域を公表し、今後、順次公表することとしております。  県が今回公表した神通川水系山田川及び同水系坪野川の洪水浸水想定区域図によりますと、山田川の右岸の神保区域の一部と山田川の左岸の富山市婦中町長沢から井田川左岸、神通川左岸と呉羽丘陵との間の地域はほとんどが浸水するおそれがあります。また、坪野川においても、速星地区を中心に広範囲の浸水被害をもたらす可能性があるとしています。  これらの浸水想定は大変ショッキングなものでありましたが、まずは、平成22年に策定された神通川左岸圏域河川整備計画について、早期に確実に河川整備を進めるべきであると考えます。  そこで、神通川水系井田川の支流である一級河川山田川と坪野川の整備について、現状の進捗状況はどうか、今後どのように取り組んでいくのか、神通川左岸圏域河川整備計画の進捗状況とあわせて、水口土木部長の見解を伺います。  神通川水系の直轄河川井田川の支流である富山市婦中町の磯川においては、これまでたびたび農地の浸水や企業倉庫の床上浸水を引き起こしてきました。  去年10月の台風21号の豪雨時の氾濫では、近隣の農地の浸水はもとより、上流の町内に数件の床下浸水、周辺企業に床上浸水の被害をもたらし、企業活動に甚大な被害を及ぼしました。  この浸水を防止するには、井田川との合流点に設置された井田川からの逆流防止の樋門を閉鎖してから、いかに早く内水を排水するかにかかっております。  現在は、富山市の所有のポンプ車と国土交通省のポンプ車による排水に頼っており、1つには、出動要請から設置、排水までに時間がかかる、2つには、暴風雨の中で増水した河川のふちで水中ポンプの設置作業をするため、作業員の安全性が十分には確保されていない、3つには、情報伝達や設置作業のおくれにより排水開始時期がおくれる場合がある、4つには、設置された排水ポンプの機能では排水し切れない場合があるなどの問題が関係者から指摘されているところであります。  昨年の台風21号の浸水被害を踏まえ、県は、国土交通省、富山市、地域などの関係機関の情報連絡体制を強化し、スムーズな排水ポンプ車出動態勢などの改善を図ってこられました。しかし、根本的な解決には至っていないと考えるわけであります。  そこで、県管理河川の磯川については、常設の排水ポンプの設置をするなど、根本的な水害対策を講じるべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、水口土木部長の所見を伺います。  次に、青少年のネットトラブルの防止について伺います。  厚生労働省の発表によれば、2017年に中学、高校103校の全校生徒を対象にネット依存の調査を実施し、6万4,000人から回答を得、その結果、病的な依存が疑われる中高生は、この5年間で倍増し、全国では93万人に上ると発表しました。  ネット依存は、インターネットやオンラインゲーム、SNSなどを過度に使う状態で、睡眠障害、暴力行為やひきこもり、不登校、鬱や脳障害などを引き起こすなど、日常生活に悪影響を及ぼし、大きな社会問題になっているわけであります。  そこで、本県の小中高等学校におけるネット依存の現状をどのように認識し、今後どのように取り組むのか、渋谷教育長の所見を伺います。  次に、県教育委員会は、本年度、魚津、富山、高岡、砺波の各地区の小学校から1校ずつ、計4校をモデル校に選定し、児童自身がネットルールづくりをし、その取り組みを周辺の小学校に広める取り組みを実施するとしております。  同様の事業は、これまで中学校や高校で実施されてきましたが、スマートフォンやタブレット所持の低年齢化によるネットトラブルを未然に防ぐため、その効果を大いに期待するものであります。また、これらの事業が成果を上げるには、毎年の粘り強い取り組みが必要不可欠と考えるわけであります。  そこで、県教委がこれまで中学校で実施してきた、とやまネットルールづくり事業の成果をどのように評価し、また、今年度から小学校に拡充したモデル事業の狙いはどうか、将来展望について、あわせて渋谷教育長に伺います。  次に、先月の県警察の発表によると、県内において、昨年1年間にSNSを介して性犯罪などの被害に遭った18歳未満の青少年は、把握している範囲で過去最多の23人に上りました。  国においては、被害に遭った子供の約9割がフィルタリングをしていなかったことを受け、ことし2月に改正青少年インターネット環境整備法を施行し、18歳未満の青少年がスマートフォンやタブレットを使用する際には、フィルタリングの説明を販売業者に義務づけました。  青少年のネット被害を防ぐには、教育現場や家庭、警察や携帯端末の販売業者、インターネット関連事業者がそれぞれの情報を提供、共有し、連携しつつも、それぞれの立場でネット被害防止対策を実施することが大切になってきます。  そこで、SNSなどインターネットを介した青少年被害を未然に防ぐには関係者の協力した取り組みが求められますが、今後どのように取り組んでいくのか、前田厚生部長の所見を伺います。  最後に、富山県立大学の充実について伺います。  富山県立大学の工学部については、平成27年4月の法人化後から2年で入学定員を100名増加するとともに、医薬品工学科やロボット工学科を設置するなど、積極的な学科拡充や新設の取り組みを進めており、県内外から注目をされています。  また、来年4月には、定員120名で看護学部看護学科を新設することになっており、地域に貢献できる、地域に求められる質の高い看護人材の育成を目指すとしておられます。  今後、18歳人口が減少する中でも、高校生や産業界のニーズが高いIoT、ビッグデータなど、時代の流れを踏まえた教育研究活動のより一層の充実や、地域における看護人材の育成により、地域に貢献する大学として今後も成長し続けることを大いに期待するところであります。  そこで、富山県立大学において、第4次産業革命の進行など、県内産業界や高校生のニーズに沿った教育研究活動の充実に今後どのように取り組んでいくのか、石井知事の所見をお伺いして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 34 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 35 ◯知事(石井隆一君)藤井議員の御質問にお答えをいたします。  まず、大規模災害時における消防防災ヘリコプター等の協力体制についてであります。  ヘリコプターにつきましては、阪神・淡路大震災を機に、その機動性が改めて認識されて以来、大規模災害時には、迅速な情報収集や指揮支援隊の派遣のために、まずは、緊急消防援助隊や警察の広域緊急援助隊の航空部隊が先発隊として派遣、投入されるというのが例になっております。  議員の御案内のとおり、本県では、現在、消防防災ヘリ、県警ヘリ、ドクターヘリの計3種類のヘリを整備しまして、県民の皆さんの生命、身体、財産を守るという共通目的のもとに相互に連携して活動しております。  具体的に申しますと、まず、消防防災ヘリと県警ヘリとの間では、耐空検査や点検整備などによりまして、一方が運航不能の場合に相互に運航を要請しております。例えば、県警ヘリに消防防災航空隊員が搭乗しての水難救助ですとか、消防防災ヘリに山岳警備隊が搭乗しての遭難者の救助などに実際にもしばしば活用をしているわけでございます。  また、消防防災ヘリとドクターヘリとの間では、複数の傷病者が発生した場合に、例えば、消防防災ヘリが救助した傷病者を富山空港に搬送しまして、ドクターヘリの医師にトリアージを委ねるなど、相互に連携して搬送を行っております。  このほか、本県の消防防災ヘリと近隣県の防災ヘリとの間では、相互応援協定や国の緊急消防援助隊制度に基づきまして、ヘリ相互間の応援体制が構築されております。  訓練についても、消防防災ヘリと県警ヘリとの間で災害を想定しました共同救助訓練を年数回実施しておりますし、また、県の総合防災訓練では、3つのヘリに加えまして、自衛隊や海上保安庁のヘリも参加した訓練を実施しておりますほか、大規模災害を想定した中部ブロックでの各県との共同訓練に県の3つのヘリが参加しますなど、訓練を通じた連携強化も図っております。  なお、大規模災害時における支援ヘリの受け入れ体制につきましては、救援活動だけではなくて、医療救急搬送や物資輸送など、幅広い活動に従事する多数のヘリコプターが県外から派遣されますので、その活動拠点や臨時の離発着場の確保につきましては、現在策定中の災害時受援計画に盛り込むべく、今、検討を進めております。  今後も大規模災害に備えて、関係機関との連携を密にしますとともに、やはり常日ごろの備えが大事ですから、訓練の充実を一層図りまして、本県の3つのヘリが県民の安全・安心の確保にしっかりと貢献できますように鋭意取り組んでまいります。  次に、富山きときと空港についての御質問にお答えいたします。  富山きときと空港は全国で唯一の河川敷空港でありまして、神通川の富山空港水位が約6.3メートル以上に達しますと滑走路の浸水が想定をされております。  このため、昭和59年に空港拡張にあわせて、河川敷特有の洪水対策に備えるための富山空港洪水対策規程というのを設けておりまして、まず、国土交通省の河川情報システムや、また、空港内にあります富山気象台の観測所、また、河川水位計などによりまして、常日ごろ、水防情報や河川の水位状況の把握などに努めておりますほか、毎年2回の水防訓練の実施とともに、洪水が発生するおそれがある場合、具体的に申しますと、空港の水位が4メートルを超えた場合には、無線施設などを、洪水の影響を受けにくい、堤防と同じ高さにある格納庫に移動させまして、また、進入灯を重機であらかじめ倒伏させるなどいたしまして、滑走路を初めとした空港施設被害の軽減と早期復旧に向けて、あらかじめ備える仕組みとしております。  なお、神通川の洪水により、万々一、消防防災ヘリや県警ヘリに被害が及ぶと想定される場合には、災害の規模とか状況にもよりますけれども、例えば浸水区域外にあります富山大学の杉谷キャンパスの野球場ですとか、大沢野の総合運動公園、高岡スポーツコア、あるいは、らいちょうバレーのグラウンドとか、イオックスアローザのスキー場の駐車場とか、そうした安全な場所に緊急措置として一時避難すると、こういうふうにあらかじめ整備して、整えているわけでございます。  幸い、開港以来、神通大橋で観測史上最大の水位を観測したのが平成16年10月でありますけれども、その洪水のときにも空港は浸水しておりませんけれども、今後も、関係機関と連携を図りまして、大雨等の事態においても空港の機能が損なわれることがないように、必要な安全対策に万全を期してまいります。  最後に、県立大学の充実についてでございます。  県立大学では、これまでも、工学部各学科の定員の増員、お話に出たように、100名増員とか、また、全国初の医薬品工学科の新設とか、ことし4月の知能ロボット工学科の設置など、県内の産業界や県民の皆様のニーズに応える拡充を進めてまいりました。  今後、本県のものづくり産業をさらに振興していきますためには、18歳人口が減少する中にありましても、議員の御指摘のとおり、IoTとかビッグデータ、AIといったような第4次産業革命の進展などに的確に対応して、新たな産業構造への転換を支える専門人材の育成に取り組むことが重要な課題でありますので、現在の電子・情報工学科を2020年4月、再来年の4月ということでありますけれども、電気電子工学科と情報システム工学科の2学科に再編、拡充する方向で準備を進めております。  具体的には、電気電子工学科では、IoT時代の技術基盤となります電子デバイスですとか、パワーエレクトロニクス、計測、通信分野とそれらのシステム化の教育研究に重点を、また、情報システム工学科では、IoT社会の大量分散データのデータマイニング技術やビッグデータ分析による効率改善方法の研究などを充実させる、データマイニング技術、御存じのように、巨大なデータから意味のある有意な情報を抽出する技術でございます。  また、入学定員も現在の80名から各学科45名ずつの90名に増員することにしておりまして、一層の拡充を図りたいと思っております。  なお、医薬品産業の振興については、御承知のとおり、くすりのシリコンバレーTOYAMAというのを県として、富山大学や県立大学、薬事総合研究開発センターと一緒につくりまして、今、何とか国の重点事業の対象にしていただくべく努力をいたしております。  また、来年度に開設予定の看護学部につきましては、質の高い看護人材の供給という県内医療機関のニーズに応えますとともに、看護師を希望する県内高校生の進学先を確保する、これまで4年制の看護学部に行きたいために毎年70人から90人ぐらいの若い人が県外に行っていらしたということもわかってまいりましたので、そうした若者や女性の県内定着を図るために、入学定員を国公立大学の看護学部としては全国トップクラスの120名としまして、また、県内高校生が対象の推薦入試枠も定員の4割を確保することとしました。  さらに、看護学と工学が連携した特色ある科目の設定や、また、今後、保健師や助産師を養成する専攻科、さらには大学院の設置も検討しますなど、地域や、また、県民の皆さんの期待に応えられるように努力してまいります。  県としては、県立大学、随分と県外の方にも評価されるようになってきました。地域に貢献する大学ということを基本にしながら、工学と看護学を基盤に、柔軟で豊かな人間性を備えた人材を育成できますようにしっかりと取り組んでまいります。 36 ◯議長(高野行雄君)石黒危機管理監。    〔危機管理監石黒雄一君登壇〕 37 ◯危機管理監(石黒雄一君)私のほうからは、まず、大規模洪水時における災害対応拠点の確保に関する御質問についてお答えします。  平成27年7月の水防法改正によりまして、想定し得る最大規模の降雨量を対象とした洪水浸水想定区域図が公表されており、神通川流域では、議員御指摘のとおり、県庁周辺については3メートルから5メートル、広域消防防災センター周辺についても、0.5メートルから3メートルの浸水想定区域となっておるところでございます。  このため、県におきましては、洪水等の大規模な災害発生時におきましても業務継続ができるよう、防災行政無線の更新と防災行政無線専用の非常用発電機のかさ上げ、防災情報システムのクラウド化、災害用物資の分散備蓄などの対応を行い、災害時に順次職員が参集することとなっている県庁と各総合庁舎等の連絡体制の維持強化をまず図っておるところでございます。  また、新たに整備することとしております防災・危機管理センター、仮称でございますけれども、につきましては、災害対策本部等の機能や非常用発電機や受変電設備などにつきましては、高い階層に設置して、ライフラインを確保するなど、浸水時においても災害対策本部としての拠点機能が維持できるよう検討しているところでございます。  さらに、現在策定中の災害時受援計画におきましては、消防や自衛隊等の応援部隊が集結する活動拠点や支援物資の輸送拠点といたしまして、県内各地の大規模なグラウンドや公園、民間物流倉庫等をあらかじめ複数リストアップし、万が一の災害時には、被災状況等を確認の上、災害対応拠点として選定することを検討するなど、仮に広域消防防災センターが使用できない場合におきましても、円滑な受援体制の構築を目指しているところでございます。  今後とも、地震、津波、洪水、雪害など、さまざまな災害に対しまして、迅速かつ的確に対応できるよう、しっかりと準備を行ってまいりたいと考えております。  次に、防災教育等の御質問のうち、地域での対応についてお答えいたします。  万が一の災害時に、住民の命を守るためには、避難勧告等の情報を的確に伝達し、住民一人一人が情報を正しく理解し、適切な避難行動をとることが一番基本のことでございます。  このため、県では、これまでも、防災訓練等を通じました防災意識の向上に努めているところでありまして、具体的には、県の総合防災訓練における、住民避難訓練や防災意識啓発のための災害体験、職場や地域におきまして県民が参加する一斉防災訓練、シェイクアウトとやまの実施、自主防災組織が実施する実践的な避難訓練への県と市町村による支援、防災や気象等に関する知識を学ぶための防災気象講演会の開催、地域の自主防災組織等へ出向いて、防災をテーマにした講演を行う出前県庁の実施などを行ってきており、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  また、避難勧告を発令される市町村におかれましては、防災行政無線や、あるいは自治体、自治会への個別の電話連絡のほか、各種の情報発信手段を活用して、避難情報を確実に住民に伝達するよう取り組まれているところでございます。  県といたしましては、今後とも県民のより一層の防災意識の向上を図るため、市町村と緊密に連携をとりながら、災害から県民の命を守る防災・減災対策にしっかり取り組んでまいりたいと考えておるところであります。  次に、災害時のドローン活用についてお答えいたします。  ドローンにつきましては、陸上からの接近が困難な箇所へも安全に接近して撮影できること、あるいは持ち運びができ、狭い場所からでも離発着ができることなどから、熊本地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震など、最近の災害現場におきましても、被害状況の把握や災害復旧等に重要な役割を果たしておるところでございます。  本県では、これまでドローンにつきましては、各消防本部の教育研修用として消防学校に配備しているほか、県警察や各消防本部におきまして配備が進められており、地すべり災害における被害状況の確認や、火災原因調査研究への利用、山岳での捜索など、民間委託も含めて積極的に活用しているところでございます。  また、先日の県の総合防災訓練におきましても、昨年度に引き続き、ドローンによる情報収集訓練を実施するとともに、今年度は初めてドローンの空撮映像をリアルタイムで伝送し、その機動性や迅速性について確認したところでございます。  県としては、今後、国や県等におけるこれまでの活用事例を踏まえるとともに、ドローンの活用に関しましてはいろいろな課題があるものでございますから、幾つか申し上げますと、運用の主体をどうするかということ、情報を伝達するための通信設備について、改めて整備する必要があるかどうか検討する必要があること、有人機との調整をどうするか、あるいはドローンの性能、技術は、今、日進月歩で進展しておりますが、現状では、航続時間が20分から最大の値でも大体30分程度ということでございまして、長距離や広域の運用については、やっぱり制約があること、こういったさまざまな課題があることから、課題についても整理をいたし、災害時のドローンの有効な活用策について検討してまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 38 ◯議長(高野行雄君)山田警察本部長。    〔警察本部長山田知裕君登壇〕 39 ◯警察本部長(山田知裕君)災害時の本部庁舎機能の代替等に関する御質問にお答えをいたします。  本年7月の西日本豪雨を初め、近年、大規模な自然災害が増加傾向にあることから、県など関係する機関との連携による迅速な初動対応が重要であると考えております。  国の神通川洪水浸水想定では、県庁周辺で最大3から5メートルの浸水のおそれがあるというふうにされておりまして、その浸水対策として県警本部地下出入り口に防水板を設置し、正面玄関等に緊急用土のうを積むとともに、万一浸水により電源確保に支障が生じた場合においても、非常用発電機を稼働させることで庁舎機能を維持することとしております。  加えて、平成23年の東日本大震災を教訓に、本部庁舎が被災して機能不全になる事態も想定し、通信機器や装備資機材等を有する警察装備センター、県警察学校等を代替拠点としているほか、県下全15の警察署におきましても、それぞれ代替施設の協定締結をしているところであります。  この代替施設機能が十分発揮できるよう、災害警備本部移設訓練を計画的に実施するなど、非常事態を想定した対処能力の向上に努めているところであります。  県警察といたしましては、大規模な洪水等の災害時にも指揮機能を十分発揮できるよう、人命救助を最優先とした初動対処に万全を期していくこととしております。  以上でございます。 40 ◯議長(高野行雄君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 41 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)大規模災害の際の民間ボランティアの受け入れ体制に関する御質問にお答えをいたします。  大規模災害の際には、災害救援ボランティア活動指針及び災害救援ボランティア本部運営マニュアルに基づきまして、県の災害救援ボランティア本部と市町村の災害救援ボランティアセンターを速やかに立ち上げることといたしております。こうしたことによりまして、県内外からのボランティアの受け入れ体制を整えることとしているわけでございます。  市町村のボランティアセンターでは、市町村の災害対策本部と連絡調整をいたしまして、地域の被災状況などを確認しながら、災害救援ボランティアコーディネーターが中心となりまして、被災者のニーズの把握とボランティアの受け入れ、マッチングを行うこととなります。  また、県のボランティア本部では、県の災害対策本部や県内外の支援団体と連絡調整を行いまして、コーディネーターの派遣調整など、市町村ボランティアセンターの運営体制に対する支援を行うということになるわけでございます。  県といたしましては、発災時にこうした体制がしっかり機能いたしますように、ボランティアコーディネーターの養成を行いますとともに、県の総合防災訓練にあわせまして、コーディネーターのほか、ボランティア団体や住民の方にも参加をしていただきまして、センターの設置、運営訓練、それから、県の災害対策本部、県のボランティア本部、市町村のセンター間の情報伝達訓練を毎年実施してきているところでございます。  さらに、東日本大震災ですとか、熊本地震、西日本豪雨などの被災地にも本県からコーディネーターを派遣いたしておりまして、現地のボランティアセンターの運営支援に当たりますとともに、他県の災害から得た教訓を生かせますように、関係機関で構成いたします災害救援ボランティア連絡会において情報共有を行いまして、災害時に備えた連携協力体制の強化に努めております。  今後とも、災害発生時に、早期にボランティアの受け入れ体制が整いますように、県と市町村のボランティアセンター、関係団体と連絡しながら、しっかりと取り組んでまいります。 42 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 43 ◯教育長(渋谷克人君)まず、防災教育の御質問のうち、学校での対応についてお答えいたします。  子供のころからの防災教育は大変重要であると考えておりまして、県内の学校では、成長段階に応じて、地震など、いざというときに自分の命は自分で守ることを中心に、防災教育に取り組んでおります。  具体的には、小中学校では、社会科、保健体育科の授業での自然災害への対応の学習や、特別活動などでの防災学習、県独自の補助教材、ふるさととやまの自然・科学ものがたりなどを活用した富山県の災害の歴史の学習、遠足や総合的な学習の時間などを利用した県広域消防防災センターでの体験学習、気象に関する情報収集方法や緊急地震速報の仕組みなど、情報活用の学習を実施しておりますし、特に、中学校では、社会科でハザードマップなども活用しながら、身近な地域の被害の可能性も学習しております。  さらに、緊急地震速報受信システムを活用した実践的な避難訓練を実施しております。  また、高校では、地学や地理などで、自助、共助の重要性と自主防災組織の役割について学び、保健体育科では、災害時に必要に応じて実践できるよう、AEDを使った心肺蘇生法の実習も行っております。  防災訓練につきましても、保育園と合同で避難訓練を行い、高校生が園児の手を引いて避難したり、県の総合防災訓練に高校生が参加いたしまして、運営に協力しております。  今年度、防災担当部局において、小中学生向けの防災ハンドブックを改訂されますので、こうした教材も活用しながら、今後とも市町村教育委員会と連携して、学校における防災教育や防災訓練の実施にしっかり取り組んでまいります。  次に、ネット依存についての御質問にお答えいたします。
     先月公表されました厚生労働省から補助を受けた研究グループの調査結果によりますと、平成29年度におけるインターネットの病的使用者の全生徒に占める割合は、中学生で12.4%、高校生で16.0%と推計されております。  本県では、学校からの報告において、インターネットの利用で日常生活に影響が出ているとされた小中高校の児童生徒数と、全児童生徒に占める割合は、平成29年度において、小学生が7名で0.01%、中学生が37名で0.13%、高校生が72名で0.24%となっておりまして、研究グループの推計より低い数値となっておりますが、潜在的にはもっと多いことも想定されます。  また、県内の小中高校生のスマートフォンの所持率は急速に高まっておりますので、ネットトラブル対応の一環として、ネット依存について対策を講じていく必要があります。  このため、平成28年度に設置いたしました富山県ネットトラブル防止対策委員会の提言を受け、県の支援制度を設けまして、昨年度から子供たちがみずからネット利用について考え、ネットルールをつくる取り組み、とやまネットルールづくり事業と申しますが、こうした取り組みを進めております。  昨年度は、全ての県立学校と13市町村の35の中学校で取り組まれ、今年度は8市町の31の中学校で取り組まれております。  また、子供たちとのかかわり方などをグループワークで学ぶ親学び講座で使用するノートに、ネット依存に関する資料を掲載いたしまして、家庭においても、スマートフォンの正しい使用について指導いただくよう働きかけているところであります。  今後とも、ネットルールづくりに取り組む学校がさらに拡大するよう働きかけるなど、市町村教育委員会や学校、家庭と連携しながら、子供たちのネット依存対策にしっかり取り組んでまいります。  次に、とやまネットルールづくり事業についての御質問にお答えいたします。  御質問のとやまネットルールづくり事業につきましては、今ほどお答えしましたように、昨年度は13市町村の35の中学校で取り組まれております。  これらの中学校では、生徒会が中心となり、生徒みずからネット利用について考え、各学校のネットルールをつくっておりますが、子供たちからは、ネット利用の問題点について真剣に考えることができた、学校全体でネットトラブルを防ぐことにつながると思うなどの意見が寄せられております。  また、教員からは、ネット利用に対する子供たちの意識が変わってきた、自分たちがつくったので、守らなければならないという意識が芽生えてきたなどの声が寄せられておりますので、ネット依存を初めとするネットトラブルの未然防止に結びつく取り組みではないかと考えております。  本県では、小学校6年生のスマートフォンの所持率が、平成24年度から29年度までの間で、23.3%から59.0%と急速に高まっておりますし、また、全国的に小学生を対象としたネットトラブルが増えておりますので、小学生も正しいネット利用を身につける必要があります。  このため、今年度、国の支援制度を活用いたしまして、子供たちがみずからネットルールをつくる取り組みの対象を小学校に拡大したモデル事業を4校で実施しているところであります。  このモデル事業につきましては、その効果を検証いたしまして、国の動向も注視しながら、今後の対応を検討することとしておりまして、今後とも市町村教育委員会と連携しながら、児童生徒のネットトラブル防止に粘り強く取り組んでまいります。  以上です。 44 ◯議長(高野行雄君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 45 ◯土木部長(水口 功君)まず、山田川と坪野川の整備等についての御質問にお答えをいたします。  河川整備については、過去に大きな浸水被害が発生した河川や、近年の集中豪雨等により住宅等への被害があった河川において、事業効果が早期に発現できる区間を一連区間として設定をし、計画的かつ重点的に進めておりまして、神通川左岸圏域につきましても、このような観点から、山田川や坪野川など5つの河川の整備を計画に位置づけております。  このうち、山田川につきましては、山田中村地区の約1.5キロメートルなどの河川整備を計画しており、このうち、ボトルネックとなっておりました山田小島地内の農道橋を含む約300メートル区間について、河道の拡幅を実施しており、昨年度までに農道橋のかけかえを終え、現在、隣接する護岸工の整備を進めております。  坪野川につきましては、宮島川との合流部から国道359号付近までの約1.1キロメートルの河川整備を計画しており、このうち、下流の200メートル区間について、河道の拡幅を実施しており、昨年度までに宮島川との合流部付近におきまして、JR高山本線の鉄道橋のかけかえ、これにつきましては、仮線路を設置したり、切替が必要となるなど、時間を要したわけでございますけれども、鉄道橋のかけかえを終え、現在は市道橋の架替えとともに、隣接する護岸工の整備を進めております。  このほか、宮島川につきましては、井田川との合流点から坪野川との合流点までの間、約1.6キロの整備を完了しており、峠川につきましては、JR高山本線の鉄道橋前後区間を除き、下流の赤江川との合流点から約500メートルの整備を終えております。  馬渡川につきましては、富山市が河川整備を進めており、現在、百塚地内で県道橋の架替えを進めております。  今後とも、県民の安全・安心を守りますため、必要な予算の確保に努め、河川整備計画に基づき、山田川と坪野川を初めとする神通川左岸圏域の河川の早期整備にしっかりと取り組んでまいります。  次に、磯川の抜本的な水害対策についての御質問にお答えをいたします。  神通川水系井田川の支川であります磯川の流域では、議員から紹介がありましたように、平成29年の台風21号の豪雨などの際に、本川であります井田川の水位が高くなることで、支川であります磯川の水が流れにくくなり、浸水被害が発生しております。  このため、県では、国や市と連携し、これまでに国が井田川を、県が磯川をしゅんせつするなど、流下能力向上策に取り組みますとともに、国、県、市の関係者による勉強会を開催し、洪水時における水門操作や排水ポンプ車の配備に関する連絡体制を充実強化しておりまして、ことし7月の豪雨では、浸水被害の軽減に一定の効果が認められたところではございますが、今後とも継続的に検証を行い、運用の改善に努めることとしております。  具体的には、今年度内を目途としまして、井田川と磯川の合流部における両河川の水位を把握しますため、国と県が新たに水位計を設置し、より適切な水門操作やポンプ車の配備に活用することとしております。また、その水位情報はインターネットを通じて一般公開するということとしております。  議員御提案の常設の排水ポンプの設置につきましては、事業の採択要件が厳しいこと、例えば、交付金事業で総合内水対策緊急事業という事業メニューがございますが、この場合、床上浸水被害防止家屋が50戸以上というような要件がございます。採択要件が厳しいことですとか、多額の設置費用に加えまして、設備の維持管理や更新を継続的に行う必要があるといった課題がございます。  県としましては、磯川流域における治水安全度の向上は大変重要であると考えておりまして、国や市とも連携をし、どのような方策がとり得るのか、勉強会の場などを通じまして、幅広く検討し、引き続き、改善策に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 46 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 47 ◯厚生部長(前田彰久君)青少年のインターネット被害対策についてお答えをいたします。  平成29年における本県のSNSに起因する被害児童数は、前年から4人増の23人であり、全国と同様に増加傾向となっております。こうした被害の増加は、青少年のスマートフォン保有、利用が急速に進んだことが大きな要因と見られまして、フィルタリング利用はインターネット上の有害な情報から青少年を保護する有効な対策と考えております。  こうしたことから、国では、いわゆる青少年インターネット環境整備法を平成29年に改定いたしまして、青少年が使用するスマートフォン等のフィルタリング普及を図るため、保護者や事業者に新たな義務づけが課されたところでございます。  県といたしましても、今ほど教育長からお答えがありましたとおり、学校現場での取り組みのほか、教育委員会、県警、関係団体と連携いたしまして、カターレ富山の試合開始前にフィルタリング利用の促進を盛り込みましたリーフレットの配布でありますとか、新学期の時期に合わせまして、スマートフォン利用開始時の注意点を盛り込みましたチラシを全小学6年生、中学3年生の保護者に配布するなどの啓発活動を本年度実施しております。  今後とも、教育委員会、県警と連携いたしまして、対策を進めますとともに、家庭、事業者なども参画いたします富山県青少年健全育成審議会におきまして、これは6月の議会で知事から御答弁申し上げましたとおり、青少年のインターネット利用に係る犯罪被害を防ぐための保護対策強化のための富山県青少年健全育成条例の一部改正も含めまして、より効果的な取り組みを検討してまいります。 48 ◯議長(高野行雄君)以上で藤井裕久君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後12時01分休憩      ─────────────────────  午後1時00分開議 49 ◯副議長(山本 徹君)休憩前に引き続き会議を開きます。  澤谷清君。    〔2番澤谷 清君登壇〕 50 ◯2番(澤谷 清君)社民党・無所属会派の澤谷清です。  初めに、ことしも日本列島各地において大きな自然災害が発生しました。  さきにお亡くなりになりました前中沖知事は、災害は忘れる前にやってくるとよく申されておりましたが、近年は、必ずやってくる、これが現況ではないでしょうか。集中豪雨、台風、地震により被災されお亡くなりになられました多くの方々と御遺族に心から深く哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられました皆様には一日も早く日常生活に戻られますようお祈り申し上げます。  特に今月初めに北海道地震が発生し、観光産業はもとより流通が途絶え、食品、農業、漁業等道内基幹産業に大きな経済損失が発生しています。  北海道は、昔から富山県と深いつながりのある地域であります。江戸時代には北前船の交易、明治には県内各地から農民の方が多く入植されておられ、道内の獅子舞は富山県がルーツと言われております。漁民の方も日本固有の領土である北方領土4島に進出し、昆布漁や新たな漁場開発など道内漁業の基礎を築いたと言われています。現在も金融経済などを通して密接な関係を結んでおり、北海道知事は本県出身の高橋はるみさんが知事をなさっておられます。  県内主力銀行の北陸銀行は函館、札幌、小樽、深川、旭川、釧路、十勝など道内全域に支店網があり、道内経済をしっかりと下支えをされており、北海道の痛みは本県の痛みと感じます。  通告してあります諸点について質問いたします。  世界文化遺産登録を目指す国指定重要文化財、常願寺川砂防施設についてお聞きします。  昨年11月に、本宮堰堤、泥谷堰堤の追加で、既に指定されている白岩堰堤と合わせ、常願寺川砂防施設として国の重要文化財に登録されました。世界遺産を目指す活動に大きくはずみがついたのではないでしょうか。  しかし、文化遺産登録への道のりは大変厳しいものがあります。多くは語りませんが、コンクリートの塊でつくられた砂防構造物に県民が理解を示してくれるのか、半年以上豪雪の中に閉じ込められ、雪解けが終わっても一般の人が立ち入れない立山カルデラの白岩堰堤、泥谷堰堤の施設見学など難問が山積みしておりますが、私たち富山県民の先達の人々が100年以上前から営々と築き上げてきた大自然に対する防災の備えを、世界文化遺産として日本の宝から世界の宝へと認めてもらう大きな夢のある事業と考えます。  先月末に常願寺川小見地内の本宮堰堤周辺におきまして、知事出席のもと重要文化財登録記念式典と記念碑の除幕式がとり行われました。大変すばらしい式典でした。事前準備、設営、運営に汗をかかれた県土木及び砂防課の皆様には大変感謝しております。  これを機に、世界文化遺産登録に向け県民が一体となり、どのような体制で推し進めていかれるのか、石井知事の所見をお聞きします。  次に、県立高校の施設整備について質問します。  昨年11月定例会において、県内小中学校の洋式トイレの設置が急速に進む中で、中学卒業生を受け入れる県立高校の洋式トイレの設置状況と今後の整備方針を質問いたしました。  本年度からは3カ年で洋式化を完了する計画でしたが、1年前倒しにして来年度の2カ年で整備すると本定例会で説明があり、生徒に喜んでもらえるものと思っています。  本題に入ります。  1点目は、普通教室の冷房設備はどのような考え方や基準で設置されているのか。現在、県内43校で806教室のうち32校526教室でエアコンが設置されており、設置率で65%ですが、多くの職業高校、普通教室にはエアコンは1台も設置されておりません。  2点目は、エアコンの設備費及び修繕費、電気代は、全額保護者が負担をしております。公立小中学校のエアコン設置費は国が3分の1を補助しており、残りの3分の2を市町村が負担しております。県立高校には国からの補助金がありませんが、公立小中学校への補助金と同額の3分の1に当たる金額を保護者に求めればいいのではないでしょうか。  3点目は、女子トイレの使用について、女子生徒に使い勝手などを取り入れたアンケート調査を実施し、洋式化工事にあわせて、生徒に使いやすい設備に改善する必要があると考えます。床などをドライ化仕様したきれいで清潔なトイレに利用者が集まっていると聞いており、女子トイレの改善を優先し、爽やかトイレ改修工事を進める必要があります。  以上、3点について渋谷教育長の所見をお聞きいたします。  県保有ヘリコプターの更新と安全対策について質問します。  初めに、8月10日群馬県の消防防災ヘリが訓練飛行中に墜落し、乗員9名全員の死亡が報道されました。あってはならない事故であり、お亡くなりになりました方々と御遺族に深く哀悼の意を表します。  県有ヘリコプターの質問は今回で3回目であります。  一昨年9月定例会では、神奈川県のドクターヘリが着陸に失敗し、機体が大破した事故を踏まえ、また、昨年も2月議会予算特別委員会において、長野県の防災ヘリが訓練飛行中の墜落事故に関連して質問を行いました。  今回、群馬県の事故機は長野県の事故機と同型であり、県の消防ヘリも運航年数20年以上の同型機です。2年続けて同型機の飛行訓練中の墜落事故について、重く受けとめる必要があります。消防ヘリ更新に向けては、2019年9月に新型ヘリが納入され、新たな運航開始時期は2020年4月からと聞いています。  総務省消防庁からは、今回の事故を踏まえ、全国の防災ヘリにフライトレコーダーの装備など安全対策を強化する方針を固めており、運航開始がおくれることも考えられます。担当部局である石黒危機管理監に所見をお聞きします。  次に、県で運用している消防ヘリとやま、県ドクターヘリ、県警ヘリつるぎの3機について、各機体の運航計画、点検整備は万全の体制で行われていると確信をしておりますが、機体の安全対策である点検整備体制と運航計画の立案について、改めて消防ヘリ、県ドクターヘリ、県警ヘリ、それぞれどのように対応しておられるのか、消防防災ヘリ石黒危機管理監に、ドクターヘリは前田厚生部長に、県警ヘリは山田県警察本部長に答弁をお願いします。  県民の命を守る防災減災について質問します。  日本一の急流河川である片貝川と早月川は、河川の勾配や流域面積もほぼ同じですが、片貝川は、整備基本方針が策定され整備計画に基づいて河川工事が行われています。早月川は、平成になっても整備基本方針すら策定されていません。県が管理する河川の整備基本方針について、策定する河川の選定、時期、内容はどのような基準に基づいて策定されるのでしょうか。  特に急流河川は大変危険な河川であり、堤防の強化工事以外に新たに河床の安定化、立木の伐採、除草、河口部堆積物の除去など総合的な視点の中で河川整備計画が立案され、現況に合わせた見直しを適宜に進めていかなければなりません。  7月5日に上市川の水防警報がダム管理者から下流域の滑川市に随時通報されましたが、上市川ダム放流の実態については一切不明であり、県営ダムの豪雨時における放流基準がどのように決まっているのか、また、下流域の自治体や住民にダム放流が周知されているのか、さらに、県はより安全な河川管理を進めるためにも、今後、各河川の関係自治体と協議し、水防警報基準の策定を現況河川の実態に合わせて見直していく必要があります。  局地豪雨が県内でも多発しており、7月5日午前6時ごろには上市川、白岩川下流域を含む6市町村に避難準備、高齢者等避難開始が発令され、9月に入っても県内各地で洪水警報が頻繁に発令されており、近年の集中豪雨に対応するには、県営ダムによる洪水調整能力に限界があると考えます。異常な降水雨量が続けば、県営ダムの貯水規模では洪水調整容量を短時間に超え、調整能力をなくした坊主ダムになってしまいます。  今後において、ダム機能強化も合わせた運用方針の見直しが急務であり、以上3点について、水口土木部長の所見をお聞きします。  ドローンについて2点質問いたします。  大規模火災や風水害の発生時に、直ちに上空から被災状況を把握できるドローンは災害現場に必須の機材であり、県は民間のドローンを活用するためにも災害時においての連携協定を結び、迅速に対応できる体制を整える必要があると思います。近年の災害においては、県内では局地的に多発すると私は大変な危機感を持っております。  民間のドローン使用者と、また、県の出先機関である各土木センターの窓口を核としてドローン事業者を集約し、直ちに災害現場に派遣することが重要と考えます。  2点目は、土木工事はもとより橋梁、トンネル、砂防堰堤、海岸、河川の護岸堤防など、公共構造物の長寿命化工事が全国的に進められており、計画の策定においてもドローンの活躍する場はますます広がっています。  県発注工事を通して積極的にドローンを活用する事業者を育成し、あわせてドローン操作の技術向上を図っていくことも、これからの県土木施策の一環と考えます。水口土木部長の所見をお聞きします。  終わりに、家畜伝染病の豚コレラについて質問します。  国内26年ぶりに岐阜市内の養豚場から豚コレラが発生し、24時間以内に飼育頭数全部を直ちに殺処分し、養豚施設内で埋却処分を行ったと9日付の報道がありました。  県内において、当然豚コレラの防疫体制が求められるとともに、飼育頭数の多い養豚施設においては、埋却処分地を確保する必要があります。  県は、各養豚施設の現況をどのように把握しているのか、今後どう指導していかれるのか。埋却処分地として適当でないところに立地している養豚施設もあり、芝田農林水産部長の所見をお聞きし、質問を終わります。 51 ◯副議長(山本 徹君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 52 ◯知事(石井隆一君)澤谷議員の御質問にお答えをいたします。  世界文化遺産登録についてでございます。  立山砂防の世界文化遺産登録につきましては、平成19年の文化庁への提案の際に、世界遺産暫定一覧表の候補の文化資産と評価していただく一方で、顕著な普遍的価値の証明や文化財指定の推進が課題として示されました。  そこで、松浦元ユネスコ事務局長や東京大学の西村名誉教授などの、砂防は顕著な普遍的な価値を満たす、砂防という世界遺産は例がなく、着眼点がよいといった御助言をいただきまして、調査研究や普及啓発を積み重ねてまいりました。内外から著名な講師にも来ていただいた国際的フォーラムなども何度もやってまいりました。  そうした結果、イコモスのコンティ前副会長やモントリオール大学のクリスティーナ・キャメロン教授、世界遺産登録推進国際シンポジウムの場ですけれども、立山砂防は世界遺産の登録基準である人間の創造的才能をあらわす傑作に該当するといった高い御評価をいただいた次第であります。  こうした中、昨年11月に立山砂防の本宮堰堤と泥谷堰堤が既に重文に指定されておりました白岩堰堤と合わせまして、常願寺川砂防施設として国の重要文化財に指定されました。先月31日に旧大山町、富山市のコミュニティセンターを会場として、澤谷議員にも御出席いただきまして、記念式典を開催したところであります。  さらに、日本イコモス国内委員会による日本の20世紀遺産20選に立山砂防が選定されました。これは、上から3番目という上位の評価だったのですが、上の2つは上野公園と文化施設とか、国立代々木屋内総合競技場、丹下先生の設計ですね、ということで、上2つは建築物でありますので、土木施設としては日本で1番だと、こういう評価を受けたことになるわけでありまして、これまで多くの貴い命を自然災害から守り続けてきた立山砂防の高い歴史的、文化的な価値が認められたものでありまして、世界文化遺産登録に向けて極めて重要で大きな前進だと考えております。  ことしは、10月1日から国際防災学会が富山国際会議場で開催されまして、国の内外から全部で400人ほど、そのうち海外からも100人を超えるような人がいらっしゃる予定となっておりまして、そういう国際的な学会が開かれます。また、その前日に県民参加による立山砂防シンポジウムを開催することにしておりまして、この機会に、立山砂防の顕著な普遍的な価値、魅力というものを、国内はもちろんですけれども、全国や世界に向け積極的にアピールすることにしております。  また、この機会に立山砂防のアニメ映像の英語版の制作ですとか、立山砂防英語版の冊子というものは既につくっていますけれども、これも改訂、充実するということにしております。  今後も国や関係市町、また、関係団体、これ、立山・黒部ゆめクラブでありますとか、また、立山黒部を愛する会、これも宮腰先生をはじめ、県議の皆さんも多数御参加でございます。また、立山砂防女性サロンの会等々いろんな団体がぜひこれを世界遺産にということで、皆さん熱意を持っておられます。こういった皆様と連携協力しながら、立山砂防の世界遺産登録に向けた取り組みを、積極的かつ粘り強く進めてまいります。
     以上であります。 53 ◯副議長(山本 徹君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 54 ◯教育長(渋谷克人君)まず、県立高校の普通教室の冷房設置方針についての御質問にお答えいたします。  県立学校の空調設備の設置につきましては、本県では、身体的なケアが必要な児童生徒の多い特別支援学校への設置を優先しておりまして、平成26年度の全普通教室への設置に続き、特別教室への完備に向けた必要経費を9月補正予算案に計上しております。  また、県立高校の特別教室につきましても、コンピューター室や音楽室など、各教室の使用環境などを考慮いたしまして、必要性の高い教室から計画的に設置を進めておりまして、今後とも設置拡大に努めてまいります。  御質問の県立高校の普通教室につきましては、小中学生と高校生では身体的な発達段階に違いがあること、小中学校と高校では1学期の期末試験以降の授業時間に違いがあること、これにつきましては、小中学校では7月24日の終業式までは授業は終日行われておりますが、高校では7月20日の終業式までの授業が半日の学校も多く、終業式以前に授業を終了している学校もあるのですが、そうした違いなどを踏まえまして、従来から県で空調設置は行っておりません。  こうした中、平成13年度に夏休み中に補講を行っている高校から、PTAの善意による自発的な空調設置の申し入れに対する対応について相談がありました。  このため、教育委員会において、他県の状況も勘案しながら検討した結果、平成14年度から、PTAが主体となって設置したいとの申し出があった場合には、設置費や運営費についてPTAが負担することを御了解いただいた上で、設置する方針で対応しております。  次に、県立高校の普通教室の冷房設置などの公費負担についての御質問にお答えいたします。  今ほどお答えしましたように、本県では、小中学生と高校生では身体的な発達段階に違いがあることなどを踏まえまして、県立高校の普通教室の空調設備につきましては、県で設置しない方針で、PTAが主体となって設置したいとの申し出があった場合に設置することとしております。  全国におきましても、現在、33県が本県と同様の対応となっておりますし、北陸はもとより、近県のいずれの県におきましても、本県と同様の対応となっております。  また、本年8月の時点で、県立高校の普通教室の65.4%に空調設備が設置されておりますが、これまでPTAの方々に設置いただいた高校との公平性も考慮する必要があると考えております。  こうしたことを踏まえますと、本県では、今後ともPTAが主体となって設置したいとの申し出があった場合、設置する方針で対応してまいりたいと考えております。  次に、県立学校のトイレについての御質問にお答えいたします。  県立学校の施設整備につきましては、毎年、各学校において生徒や教職員にアンケートやヒアリングなどを行った上で、優先順位をつけて教育委員会に要望されております。  この要望におきまして、トイレの洋式化は、昨年度56校中41校、73%の学校が要望の第1順位に上げるなど、毎年、強く要望されているものであります。  また、多くの県立学校が避難所として指定されておりますが、国から避難される高齢者や障害者の方々のため、トイレを洋式化するよう求められております。  こうしたことから、今年度から再編対象の8校を最優先に、洋式化率の低い学校から3年計画で順次整備を進めております。  こうした中、今年度整備した学校から大変喜ばれておりますし、整備されていない学校からは早期に洋式化してもらいたいとの要望が強くなっております。  また、効率的な工事発注、管理によりまして、2年間で全校を整備することが可能となりますので、計画を前倒し、2年間で整備することといたしまして、必要経費を9月補正予算案に計上しております。  教育委員会としましては、トイレの洋式化を最優先に進めますとともに、必要性の高いトイレから順次、環境改善に努めておりまして、今後とも、学校現場の意見を十分聞きながら、計画的なトイレ整備に努めてまいります。  以上です。 55 ◯副議長(山本 徹君)石黒危機管理監。    〔危機管理監石黒雄一君登壇〕 56 ◯危機管理監(石黒雄一君)私のほうからは、まず、消防防災ヘリの早期導入についてお答えいたします。  今回更新いたします消防防災ヘリとやまにつきましては、本年3月に機体本体の契約を締結し、現在、2019年9月末の納入に向けて手続を進めているところでございます。  この納入時期につきましては、まず、機体本体は受注生産で、納入には契約後少なくとも1年半程度を要することに加えまして、本県の場合、例えば、空中衝突警告装置や対地接近警報装置など、山岳救助を担うために必要な装備や、安全確保のため新たに整備する必要のある装備があることなどから、これらについても必要な時間をかけ、しっかりと整備したいと考えておるところでございます。  また、更新するヘリ本体のヘリテレ装置のデジタル化にあわせまして、ヘリから映像を受信する地上設備の更新につきましても今年度着手しており、新型機が納入される2019年秋までの整備を目指しているところでございます。  なお、新型機の納入後6カ月間は、現行機による緊急運航を行いつつ、新型機による隊員等の習熟訓練をしっかり行った上で、万全を期して、2020年4月からの運航開始を目指したいと考えておるところでございまして、本県の場合、消防防災ヘリの更新に当たりましては、安全を第一に念頭に置きまして、必要な整備や訓練期間を確保しつつ、最短のスケジュールで進んでいるというところでございます。  次に、消防防災ヘリに係る運航計画、点検整備体制についてお答えをいたします。  県の消防防災ヘリコプターとやまにつきましては、消防防災業務や隊員の救助技術向上のためのさまざまな訓練飛行など防災ヘリならではの幅広い業務を円滑に行うため、県消防防災ヘリコプター運行管理要綱に基づき年間計画などを定め、計画的な運航に努めているところございます。  運航の安全確保をするためには点検整備が必要でございまして、毎日整備士が飛行前後の日常点検を行うとともに、飛行時間に応じた定時点検など整備を行っているところでございます。消防防災ヘリの場合、整備点検期間は通常ですと1年のうち2カ月から4カ月程度、状況によって違いますけれども、必要となってくるところでございます。  消防防災ヘリとやまが耐空検査、これは自動車でいう車検に相当する検査でございますが、耐空検査や整備等により運航休止となる場合につきましては、県警ヘリや近隣県と締結している相互応援協定に基づきまして、それぞれの運休時期を調整し、山岳・水難救助活動や林野火災での消火への支障が極力及ばないよう計画的な運航に努めているところであり、今後とも消防防災ヘリの計画的な運航や適切な整備に努め、県民の安全・安心の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ドローンの活用についてお答えいたします。  災害発生時において、被害状況等を早期に、また的確に把握することは重要でございまして、ドローンなど小型無人機は、比較的狭い場所からでも離発着や飛行ができるなど、最近でも、災害時における被災状況の把握等のために全国的に活用されております。  国におきましては、災害時に、災害現場の映像や画像などを撮影、伝送し、災害状況を迅速に把握することを目的に、消防庁と民間の63の事業者の間で情報収集活動に関する協定が締結されておるところでございます。ただ、現状では、まだ災害において本協定による民間事業者の活用はまだないと、実績はまだないということでございます。  本県におきましては、地すべり災害時の被害状況確認、近い例で申しますと、29年の利賀の土砂災害のときに活用いたしました。  また、火災原因調査研究や山岳での捜索に際しまして、民間委託も含めてドローンを活用するとともに、今月2日の総合防災訓練におきましては、ドローンによる情報収集訓練や、空撮映像の伝送訓練を実施したところでございます。  午前中に藤井議員の御質問にもお答えいたしましたが、県としては、今後、国や県等におけるこれまでの活用事例を踏まえまして、いろいろな課題、運用主体、情報通信設備の整備、有人機との調整、航続時間に一定の限度があること、こういった課題につきましてこれから整理をいたしまして、災害時における民間が運営するものも含めましたドローンの有効な活用策について検討いたしてまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 57 ◯副議長(山本 徹君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 58 ◯厚生部長(前田彰久君)ドクターヘリの運航計画等についてお答えをいたします。  ドクターヘリにつきましては、救命率の向上や後遺症の軽減等を図ることを目的としまして、消防機関の要請に応じて迅速に救急現場等に向かい救急医療を提供するため、富山県ドクターヘリ運航要領に基づき運航をしております。  ドクターヘリの運航には、何よりも運航の安全確保について万全を期することが大前提となります。点検整備状況については、搭乗する整備士が毎日、飛行前点検、飛行間点検、飛行後点検を必ず実施しておりまして、また、航空法の規定では、定められた飛行時間や飛行日数を経過するごとの機体、エンジンの定期点検、1年に1度の耐空検査を実施することとなっており、これらの点検等を適正に実施しまして安全確保を図っております。  また、ドクターヘリの定期点検やふぐあい時等には、同等の性能を有する別の機体を準備した上で運航しております。  今後とも、ドクターヘリの計画的な運航や整備に努めまして、事故なく救命救急医療の提供にしっかりと取り組んでまいります。 59 ◯副議長(山本 徹君)山田警察本部長。    〔警察本部長山田知裕君登壇〕 60 ◯警察本部長(山田知裕君)県警ヘリつるぎの点検整備体制等に関する質問にお答えを申し上げます。  現行つるぎは、平成26年11月20日から運航開始しまして、約3年9カ月経過をしております。これまで、その運航や点検整備につきましては、毎年、航空業務計画を策定し、これに基づいて実施、安全対策を進めているところでございます。  この機体の点検整備につきましては、飛行前後の日常点検、飛行50時間ごとの定期点検や、1年に1度実施する耐空検査によりまして、確実な点検整備を実施しております。  さらに、整備に従事する職員につきましては、各種整備講習を受講させるなど、日々、整備の知識、技術の向上に努めているところでございます。  各種点検におきまして予期せぬふぐあい、機器等の故障が発見され事案の対応ができない場合には、速やかに防災ヘリや隣接県警察と連絡調整をして対応しているところでございます。  今後とも引き続き計画的な運航及び整備を進めるとともに、防災ヘリ、隣接各県との連携を図りながら、県民の安全・安心に努める所存でございます。  以上でございます。 61 ◯副議長(山本 徹君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 62 ◯土木部長(水口 功君)まず、河川整備基本方針についての御質問にお答えをいたします。  河川の整備に当たっては、河川法において、長期的な河川整備の方針を記載した河川整備基本方針、これは、一級水系は国土交通大臣、二級水系は知事が定めるということになっておりますけれども、基本方針と、この方針に沿って具体的な河川整備に関する事項を記載した河川整備計画、これは、国が管理する区間については国土交通大臣が、県が管理する区間は知事が定めるということになっておりますが、整備計画を定めることとされております。  県では、これまでも過去に大きな浸水被害が発生した河川や、近年の集中豪雨等により住宅等への被害があった河川の整備に取り組みますため、二級河川の黒瀬川や小川など10水系について河川整備基本方針を、また、それらの水系のうち13河川と、一級水系のうち県が管理する山田川など16河川について河川整備計画を策定し、計画的かつ重点的に整備を進めているところであります。  議員御指摘のとおり、早月川につきましては、日本屈指の急流河川であり、明治期に築かれました五厘堤などの石積護岸や水制工の設置、堤防のかさ上げなど、古くから河川の整備が行われてきたことにより、現在の河道は、県管理河川の目標とします50年に1度程度発生する規模、それの洪水を安全に流すことができる状況にあります。  県では、これまでも、早月川を初めとする県管理河川において、巡視や点検により施設に異常が認められた場合には必要な修繕を行いますとともに、護岸や堤防が被災した場合には災害復旧事業を活用し、速やかに復旧を行っているところであります。  今後とも、堤防等の河川管理施設や河床低下の状況などを把握し、修繕や補強、あるいは伐木を行うなど、適切な維持管理に努めてまいります。また、必要があれば、河川整備基本方針等の見直しについても検討してまいりたいと考えております。  次に、県営ダムの豪雨時における放流の基準等についての御質問にお答えします。  土木部が管理するゲートを有するダムにおきましては、豪雨時には、ダムへの流入量や貯水位に応じてゲート操作を行いまして、ダムへの流入量が少ない段階では、同じ量を放流いたしますが、流入量が増加し、ダムごとに定まっております流入量を超えますと、その流入量に応じ、一定の割合でダムに貯留することで洪水調節を行っております。例えば、白岩川ダムでは、流入量が毎秒30トンを超えると、超えた量の約3割をダムに貯留し洪水調節を実施することとなります。  また、ゲートの操作を行い、放流する際には、急激な下流域の河川の水位の上昇による事故を防止いたしますため、放流の開始の約1時間前に市町村等の関係機関に放流の予定を通知するとともに、下流警報局のサイレンや放送により河川の利用者が安全な場所に避難するよう周知いたしますほか、警報車によるパトロールを実施しているところでありまして、今後とも適切なダム管理に努めてまいります。  次に、想定を超える豪雨への対応についての御質問にお答えします。  土木部が管理します治水を目的としたダムは、50年に1回程度発生する降雨を対象に整備されていまして、これまで下流域における洪水被害の防止に大きな効果を発揮してきたところであります。  例えば、ことし7月の出水に際しましては、洪水調節を実施した3ダム、このときは室牧ダム、白岩川ダム、利賀川ダムの3ダムが洪水調節を実施しておりますが、室牧ダムでは最大で毎秒145トンの流入量に対しまして78トンを貯留し、白岩川ダムでは99トンの流入量に対し24トンを貯留し、下流の水位の低下に寄与し、被害の防止に十分機能したものと考えております。  御案内のとおり、本年7月に愛媛県肱川沿川におきましては、上流にある鹿野川ダムの計画規模を超える降雨がありまして、ダムの貯水位が洪水時最高水位、これは計画上洪水時にダムで一時的に貯留する最高の水位でございますが、この洪水時最高水位を超え、ダムの流入量と同じ量を下流に放流するという異常洪水時防災操作が実施されました。その際、鹿野川ダムを管理する国土交通省から大洲市に放流可能性が伝達されましたけれども、大洲市から住民への避難指示が出されましたのは、それから2時間20分後、その避難指示から5分後にダムからの放流が開始されたということであります。沿川では甚大な被害が生じました。  現在、国交省において、より効果的なダム操作の技術的な検討や、ダム管理者から市町村へのより有効なダム放流等の情報提供、さらには市町村から住民への避難情報の周知のあり方について、検証が進められております。  県といたしましては、国の検証内容を注視しつつ、関係機関への連絡体制や住民への伝達方法について、市町村と連携しながら点検をし、必要な改善を図り、毎年実施しております洪水対応演習に反映するなど、計画規模を超える降雨への対応も含めまして、洪水時の防災体制に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、県発注工事でのドローンの活用についての御質問にお答えをいたします。  ドローンなどの小型無人機につきましては、上空からの写真撮影や、その画像から地形データの入手ができますため、県では、これまでも容易に人が近づけない土砂災害現場や離岸堤などの海岸施設の状況を把握するために活用しているところであります。  国土交通省では、建設現場の生産性向上を図るアイ・コンストラクションを2016年から推進し、2025年までに生産性を2割向上させることを目指しており、ドローンを使った測量の普及など、情報通信技術、いわゆるICTの活用を進めております。  県におきましても、今年度から、ICTを活用した工事の試行を始めており、こうした工事では、工事着手時の測量、あるいは施工中の工事管理のため、ドローンなどを活用しております。  また、ICTの活用により必要となる経費を工事費に計上しますとともに、工事成績評定で加点を行いまして、ICTを活用した工事の普及に努めております。  こうした取り組みを積極的に進めることが、議員御提案のドローンを活用する事業者の育成ですとか、ドローン操作の技術向上にもつながるのではないかと考えております。  さらに、国におきましては、議員からも御紹介がありましたが、人が近づきにくい橋梁点検へのドローンの活用などについても検討や実証実験が進められておりまして、県におきましても、国の検討状況を見ながら、ドローン活用の場の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 63 ◯副議長(山本 徹君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 64 ◯農林水産部長(芝田 聡君)豚コレラの防疫体制についての御質問にお答えいたします。  岐阜県の養豚場における豚コレラの発生を受けまして、本県では、9月9日日曜日の発生当日、速やかに県内全ての豚飼養施設について異常がないことを確認いたしますとともに、農場に出入りする人や車両の消毒などの防疫対策、あるいはイノシシ等の野生動物が豚舎内に入らないよう侵入防止対策、こういったことを徹底するように改めて指示をしたところでございます。また、翌9月10日から全ての農場に立ち入りをして現地確認をしたところでございます。  豚コレラは、接触により感染し、一旦発症すれば数日内に死に至る家畜法定伝染病で、人には感染いたしませんが、万が一、県内の農場で発生した場合には、速やかに家畜を全頭殺処分する必要があり、迅速かつ適切な防疫処理を行うための初動体制が大変重要でございます。  このため、県では、あらかじめ各農場ごとに、埋却処理を行うための場所を確保すること、必要となる防護服などの防疫資材を備蓄すること、殺処分等の防疫作業を実施するための人員体制を整えておくことなどを徹底しているほか、発生時には、速やかに家畜伝染病防疫対策本部等を設置いたしまして、庁内関係部局や関係機関が連携して、蔓延防止に対処することとしております。  また、こうした場合に備えて、毎年、家畜伝染病防疫演習を実施いたしますとともに、発生の未然防止のため、養豚農家の消毒器の整備に対して支援してきたところでございます。  今後とも、農家に対する迅速な情報提供と、国の飼養衛生管理基準に基づく防疫管理の徹底を指導し、万が一発生した場合に備えて、迅速な初動防疫体制が組めるよう、関係機関と十分連携しながら、その準備に努めてまいります。 65 ◯副議長(山本 徹君)澤谷清君。    〔2番澤谷 清君登壇〕 66 ◯2番(澤谷 清君)再質問2点を行います。  1点目は、渋谷教育長が御説明になられました私の質問に対する答弁ですが、16年前に多分、県のPTA連合会と覚書を交わして、クーラー設置には父兄が全面的に費用を負担すると、多分そのようなことがあったと聞いておりますが、16年たちました。私は今67歳ですが、50年ほど現場作業を勤めております。今も勤めております。もちろん公務がございますので公務、そしてまた、地元要望というものを捉えまして余った時間に外に出ていますが、50年前の気候変動と現在では確実に変わったんですね。特にこの10年間、前は30度から三十二、三度までがせいぜいの温度上昇だったんですよ。今、平気で35度から38度、9度、体温を上回るそういう状況になっております。  高校生は中学生と違って体格もしっかりしているし、暑さにも十分耐えられるとおっしゃる、そういうような答弁でしたが、私は人間の体はそんなにきつくできておりません、特に暑さには子供も大人も高校生も同じ体感を感じておるというふうに思っております。  このことも踏まえまして、将来に向けてこのエアコンはぜいたく品なのか、あるいは必需品なのか、こういうことも捉えて考えていってほしいと思っております。  PTAの役員からは、この問題に対する受け皿がないとはっきりと申されております。できることなら県にも公費負担していただいて、その間、また子供たちにPTA会費を充当してやってほしいというのが、私は今の父兄の本音だというふうに聞いております。  今後に向けても公費負担が全く考えられないのか、その1点をお聞きしたいなと思っております。  もう一点につきましては、豚コレラの答弁ですが、私は、県は一生懸命やってもらえるものと期待をしております。そしてまた、今回26年ぶりということですが、富山県では過去には1回もなかったと思っております。  だから、富山県には来ないんだという捉え方をする方もおられますが、岐阜県で何で発生したのか、その原因の究明もこれから行われると思っておりますが、今、報道の後の一番の大きな問題は、岐阜市の養豚施設周辺でイノシシの死亡が何頭も確認されておると、これは、豚コレラにかかったイノシシなのか、防疫検査がこれから行われますが、本県においてもイノシシは相当数増やしております。特に河川敷においてはイノシシの運動場になっております。私は現地を確認しておりますので、養豚施設の経営者に関しましては、イノシシの侵入に関しては厳重に柵をつくっていただいて、養豚施設の中に入らせない、そういう厳しい指導をお願いできないのか、その1点をもって再質問を終わらせていただきます。
    67 ◯副議長(山本 徹君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 68 ◯教育長(渋谷克人君)澤谷議員の再質問にお答えさせていただきます。  議員からは、いろいろと多方面にわたる御指摘をいただいたところでございますけれども、全国におきましても現在33県が本県と同様の対応となっておりますし、北陸はもとより近県のいずれの県におきましても、本県と同様の対応となっております。  また、これまでPTAの方々に設置いただきました高校との公平性も考慮する必要があると考えております。こうしたことを踏まえますと、本県では、今後ともPTAが主体となって設置したいとの申し出があった場合、設置する方向で対応してまいりたいと考えております。  以上です。 69 ◯副議長(山本 徹君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 70 ◯農林水産部長(芝田 聡君)再質問にお答えいたします。  豚コレラは、人には感染しないものの豚とイノシシ間で感染いたしますので、イノシシ等の野生動物の侵入防止対策は大変重要であるというふうに考えております。  このため、野生動物の侵入防止対策につきましては、日ごろから豚舎の壁や金網を点検し、破損箇所があれば早急に修繕するよう指導しているところでございます。  また、豚舎周囲を清掃、整理整頓すること、農場敷地内に消石灰を散布すること、給餌の際には餌を豚舎周囲にこぼさないようにすることといった取り組みにより、野生動物が寄りつかない農場環境を整備することについてもあわせて指導してございます。  こうしたことについて、今回の岐阜県での豚コレラ発生を受けまして、改めて指導いたしましたところでございまして、今後必要に応じまして、農場周囲に電気柵ですとか、フェンス等を設置することも含めて指導に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 71 ◯副議長(山本 徹君)以上で澤谷清君の質問は終了しました。  薮田栄治君。    〔9番薮田栄治君登壇〕 72 ◯9番(薮田栄治君)9月定例会、一般質問の機会をいただきました自由民主党議員会の薮田栄治でございます。  本日登壇されました議員各位からもありましたけれども、ことし、本当に7月からの連日の猛暑、酷暑、そして豪雨、台風、地震など日本列島を襲う大変な年になりました。これらの災害で犠牲になられました方々の御冥福をお祈りするとともに、今もなお、不自由な避難生活を余儀なくされている被災地の皆様に心よりお見舞いを申し上げまして、以下質問に入らせていただきます。  まず、富山湾の利活用についての質問でございます。  現在、我が会派では、富山湾の魅力を掘り下げ、体系的にこれを施策に反映することで本県の振興、発展につなげようと、富山湾未来創造調査会を立ち上げまして、調査研究活動を行っているところであります。この調査の過程で見えてきた課題等について、まず幾つかの質問をさせていただきます。  石井知事初め関係の皆さんの御努力によりまして、世界で最も美しい湾クラブの総会が来年、本県で開催されることになりました。これは日本初のことでもあり、県民も大いに期待をされているところだと思います。  富山湾のさらなる活用に向けて、この湾クラブ総会やその後も見据えながら、魅力の発信や富山湾を核としたプロジェクト等を県としてどのように進めていかれるのか、まず、石井知事にお尋ねをいたします。  富山湾の魅力の中でも最も身近で、そして、魅力的で可能性の大きな資源は、やっぱり何といっても四季折々の海の幸であります。しかし、近年、富山湾に揚がる魚介類の水揚げ量、漁獲高はともに減少傾向を示しており、昨年はイワシ類の不漁によりまして、平年の5割近くまで漁獲量が落ち込んだと聞きます。マグロの漁業規制の問題もあり、本県漁業の先行きを不安視する声も聞こえるところであります。  現在の新富山県水産業振興計画が策定されてはや5年半が経過した今、その進捗の評価や新しい総合計画の中での方向性を踏まえ、さらにしっかりと取り組んでいく必要があると考えます。  本県漁業のさらなる振興に向けて、今後どのような施策を柱として漁業振興に取り組んでいかれるのか、芝田農林水産部長にお尋ねをいたします。  次に、クロマグロの資源管理についての質問でありますが、小型クロマグロの規制が始まってからことしで4期目になるわけであります。この間、操業自粛や放流などによる漁業損失も随分あったと思います。第三管理期間の共同管理上限に対する漁獲実績の状況など、これまでの漁獲規制による影響を県としてどのように認識しておられるのか、芝田農林水産部長にお尋ねをいたします。  また、ことし7月から沿岸漁業においてTACの制度が導入されており、規制がより厳格になったとも聞きます。本県の漁業者が安心して操業できるよう、県としても対応していく必要があると思いますが、今後のクロマグロ規制の見通しについて、どのように認識をしておられるのか、芝田農林水産部長にお尋ねいたします。  魚介類の種苗を提供することで、本県漁業の下支えをしている栽培漁業センター、これが滑川と氷見の2カ所に設置をされております。本調査会でことし、氷見のセンターを視察した際、設備等の近代化のおくれや施設本体の老朽化が非常に目立ちました。両センターは、そもそも設置主体が異なっていますし、滑川は国の地方創生交付金を活用して生産施設の整備が進む一方で、氷見は老朽化の一途をたどっているのが現状であります。  県の栽培漁業センターについて、滑川と氷見の役割分担をどのように考え、今後の展望についてどのような所見をお持ちか、農林水産部長にお尋ねをいたします。  富山湾には、魚介類のほかにも大きな可能性を持つ資源がたくさんあります。海洋深層水もその1つであり、県東部を中心に研究開発が進み、さまざまな分野で実用化や商品化もされております。  一方、エネルギー資源として新たに注目をされているのは、日本海のメタンハイドレートであります。平成24年、日本海におけるメタンハイドレートや天然ガスなどの資源開発を促進するための海洋エネルギー資源開発促進日本海連合が設立され、本県もこれに加盟をいたしました。日本海側のメタンハイドレートは深く掘削する必要のない表層型であり、実用化されれば、資源の乏しい我が国の国益に大いに資するだけではなく、日本海側に飛躍的な発展をもたらすものと大きな期待が寄せられています。  しかし、この日本海連合への加盟以外、本県には目立った動きがないのが現状であります。富山湾の海洋エネルギー資源開発に県としてももっと積極的に取り組む必要があるのではないかと考えますが、伍嶋商工労働部長に所見をお伺いします。  次に、移住、定住についての質問であります。  十数年前から移住コンシェルジュや空き家情報バンクなど、いわゆるUIJターンの諸施策に、各市町村が盛んに取り組むようになりました。私も市職員時代にこれを担当した経験がありますけれども、当初は受け入れ実績もわずかで、また、移住者は定年退職後のいわゆるリタイア組がほとんどでした。ですから、移住政策が地域振興に結びつくような実感はあまりなかったというのが正直なところであります。  ところが、ここ最近の田園回帰の動きによって状況はかなり変わってまいりました。各種調査でも、特に20代男性の田舎志向が急激な高まりを見せているようであります。地元に人と仕事を取り戻すには、人口の1%の移住があればかなうとする田園回帰1%戦略を唱える専門家もいます。  本県では、昨年度、県や市町村等の窓口を通した移住者の数が729人と過去最高となり、特に若い世代が多いとのことであります。最近話題になっております井手英策先生の著書『富山は日本のスウェーデン』の中にも、富山県のUターン率が沖縄に次いで高いこと、そして、その原因が雇用や子育ての環境、ふるさと教育などにあるのではないかとの記述でありました。  今後の移住施策の展開のためにも、年代や職業等、移住者の傾向をしっかりと分析することが大切だと思いますが、本県のこれまでの移住、定住施策の取り組みとその成果についてどのように認識をしておられるのか、石井知事にお尋ねをいたします。  我が氷見市速川地区では、県の御支援をいただき、ことし2月に移住、定住促進の拠点として交流センターソライロが立ち上がりました。ここでは、特産品の製造販売や交流カフェ、宿泊施設などが整備され、ここを拠点として地元協議会のさまざまな取り組みが進められているところであります。そのかいもあって、氷見市への移住は順調に伸びてきているようであります。  このように、移住、定住施策の推進に当たっては、市町村や地域の役割が非常に重要であると考えますが、各市町村の取り組み状況、実績をどのように認識し、県としてどう支援していかれるのか、蔵堀総合政策局長にお尋ねをいたします。  移住された方が地域社会にしっかりと根を張り、その力を発揮できるようになるまではいろいろと大変なこともあると思います。まずは地域や市町村が中心となって、移住者が定住者になる、そういうお手伝いを進めていくのがよいかと考えます。また、移住された方が市町村の枠を超えて、またさらなる移住の拡大にもつなげていけるような取り組みも、県としても必要ではないかと思います。  移住された方同士のネットワークの構築や、移住後のアフターケアのようなきめ細かな支援について、県としてはどのように対応していかれるのか、蔵堀総合政策局長にお尋ねをいたします。  冒頭にも述べましたが、今般の北海道地震や台風などの風水害で被災された方々が、今、冬を前に大変不安な思いをされているのではないかと思います。  避難所で極寒の北海道を過ごす被災地の皆様を思うと本当に心が痛みます。こういうときこそお互い助け合いの精神を発揮することが大切でありますが、本県も7月豪雨の被災者に172戸の県営住宅を無償提供するという策をとっておられることは大変評価すべきと思います。さらに、県が中心となって、市町村と連携して市町村営住宅や旧の雇用促進住宅の活用、あるいは空き家活用などに取り組んで、住宅提供の情報発信などができたらとも考えます。特に北海道の方は富山県との御縁も深いので、他県よりも親近感を持って利用してもらえるのではないかと思います。  災害時の住宅供給は、もちろん第一義的には緊急避難的な住宅供給が目的ではありますけれども、これが将来の移住につながる可能性は少なからずあるのではないかとも考えます。  全国各地で災害が頻発している中、被災者の方々への住宅支援を積極的に行う必要があると考えますが、県としてどのように対応していかれるのか、水口土木部長にお尋ねをいたします。  最後に、地方創生についてお尋ねをいたします。  現在、自民党総裁選の真っただ中でありますが、その総裁選の争点の1つが地方創生であります。自民党政権復帰後、地方創生については、政府の最重要課題として、国全体で取り組んできたわけでありますが、ここを1つの区切りとして、これまでの総括を富山県としてしていただきたいと考えます。  地方創生に関する事業は、総合戦略に基づいた重要業績評価指標、いわゆるKPIの設定とPDCAサイクルが組み込まれた事業であります。これらも踏まえ、地方創生がどの程度進んだと言えるのか、県の考えをお尋ねしたいところであります。  地方創生推進交付金、拠点整備交付金を活用した県の地方創生事業のこれまでの実績について、どのように認識しておられるのか、蔵堀総合政策局長の所見をお尋ねします。  地方創生の柱の1つに、東京一極集中の是正が挙げられます。政府機関の地方移転や企業の本社機能の移転、後から申し上げます大学改革などもこれに当たるわけでありますけれども、本県では、多くの皆さんの御努力によって、PMDAや教職員研修機関などの政府機関の移転にも成功しました。また、企業の本社機能の移転にも大きな成果があったと考えています。  しかし、本県のこれらの実績も東京一極集中、これを日本全体から見ると、この集中を打開するということからはほど遠いと言わざるを得ないのが現状ではないでしょうか。  政府機関の移転については、例えば、元号の改定に伴って皇居を京都御所に移すとか、あるいは日本海側に国会を移転させるとか、よほど大なたを振るわなければ解決は難しいと思います。しかし、企業の移転に関しては、今般の平成30年度税制改正で地方拠点強化税制が延長・拡充されたところでありまして、これを十分に活用して企業移転の加速を図っていく必要があると思います。  地方拠点強化税制を活用した本県への本社機能等の移転実績を踏まえ、県としてさらなる移転を促すため、今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事に所見をお尋ねします。  若者が地方を離れる最大のきっかけは大学への進学時であります。東京一極集中に歯止めをかける意味でも、地方大学の魅力を高め、地域に若者を定着させることが大切であります。本年6月、地方大学の振興や地域産業の創生、若者の雇用創出に向けて100億円の交付金制度が創設され、東京23区内の大学の定員抑制などを内容とする新たな法律が公布されました。  これを機に、本県では、くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムを立ち上げ、産学官のプロジェクトを提案し、この交付金の採択を目指しています。関連経費として今定例会に8億7,000万円の補正予算を計上して、準備にかかっているところであります。  しかし、交付金の採択は全国で10件程度と聞いていますので、これはかなり高いハードルかと思います。しかし、採択されれば、本県医薬品産業の発展と地方創生に向けて大きな弾みがつくものと期待をしているところであります。  県内医薬品産業の振興や専門人材の育成確保を図るため、くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムにおいて、国の地方大学・地域産業創生事業の交付金を活用して、今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。  先ほどの『富山は日本のスウェーデン』の本の話に戻りますけれども、著者の井手先生は、保守性の強いこの富山県がなぜこんなに豊かで住みやすいのか、県内各地を細かく取材し、10年かけてこの本をまとめられたということであります。  先生は本誌の中で、富山県の豊かさをつくり出しているのは、女性の社会進出や三世代同居、教育水準の高さなどいろんな要因が挙げられるけれども、その根底にあるのは家族のように支え合う地域社会であるとの見方を示しています。そして、雪や災害や貧しさとの闘いに打ちかってきた先人たちの汗と知恵の歴史の上に現在の富山の豊かさがあるのだと分析をします。しかし、これまでの基盤は、人口減少や核家族化、あるいは若い女性の流出などによって徐々に弱くなっているのではないかとの警鐘も鳴らしています。  先人の努力に報い、豊かな富山県を維持発展させるためにも、今、県民一丸となった地方創生の推進が望まれるところであります。  地方創生はまだ道半ばであり、その実現に向けて、国も県も市町村も一層の努力や、さらなる知恵を絞った取り組みが必要であるかと思います。  総裁選の最中でもありますので、最後に、地方創生事業のこれからの展開について、政府・与党に対して今後どのような施策を期待されるのか、石井知事にお尋ねをし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 73 ◯副議長(山本 徹君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 74 ◯知事(石井隆一君)薮田議員の御質問にお答えをします。  まず、富山湾の活用についてであります。  県としましては、富山湾のさらなる活用に向けまして、来年10月のお話に出た世界で最も美しい湾クラブ総会、また、その後も見据えながら、富山湾の魅力の発信、また、富山湾を核としたプロジェクトに全庁挙げて、また、官民連携を図りながら積極的に取り組むことにしております。  具体的には、富山湾の魅力のブラッシュアップ、情報発信としまして、まず、今月末の台湾での湾クラブ総会におきまして、改めて本県の多彩な魅力をアピールしますほか、この9月補正予算案でお願いしておりますけれども、富山湾の魅力を紹介する動画などの作成、また、富山湾岸サイクリングの開催ですとか、サイクリングコースの整備、新湊マリーナにおける船舶保管施設の増設や県外船舶オーナーを対象とした県内オーナーとの交流体験ツアーの実施、また、伏木富山港へのクルーズ客船の誘致などに取り組むことにいたしております。  また、産業振興への活用としまして、伏木富山港への貨物の集荷促進による物流の活性化、また、議員のお話がありましたけれども、日本海側の表層型のメタンハイドレートの全体調査等の実施、また、キジハタ等の量産化に向けた栽培漁業の研究加速化、また、富山のさかなのブランド化と海外への発信、さらに海洋深層水を利用した新たな商品開発ですとか、沿岸部の観光拠点等を結ぶ湾岸道路の整備に取り組みますほか、海岸清掃などの環境保全活動など、さまざまな取り組みを進めることにいたしております。  こうした中で、薮田議員からもお話がありましたが、昨年、県議会自民党会派で自民党富山湾未来創造調査会というのをおつくりいただいたということでありますので、県としても心強く思っております。  来年10月のこの湾クラブ総会に向けまして、今後設立する予定の実行委員会、これ、県と沿岸市町、民間団体から成るものを想定していますが、を中心に準備を進めますとともに、富山湾の魅力のブラッシュアップ、情報発信、産業振興への活用など、さまざまな観点から富山湾を核とした多岐にわたるプロジェクトに先ほどの議会の調査会もありますけれども、県議会の皆様方の御意見もいただきながら、しっかりと取り組んでまいります。  次に、移住、定住の施策についてお答えをいたします。  平成29年度に県や市町村の移住相談窓口等を通した県外からの移住者は、議員のお話のとおり、729人と過去最高となりまして、これは本当に10年前に一生懸命やってもせいぜい200人ぐらいだったことを思いますと、本当にありがたいことと思っておりますし、また、移住された方の世帯主の年代が20歳代、30歳代の方が7割ということで、若い人の移住志向が非常に高まっているわけでございます。  また、2017年の移住希望地ランキング、これ、NPOのふるさと回帰支援センターが発表しておりますけれども、本県は、2016年は15位だったんですけれども、順位が2017年10位となりましたが、特に20歳代以下の若い世代では全国で4位と、また、30歳代でも7位と若い世代の支持が高くなっております。また、移住後のライフスタイルとしては、全国的にも就労を希望する方の比率が増えていますけれども、特に富山県の場合は、移住相談窓口において、暮らし、家屋なんかの住まいの相談ももちろんありますけれども、就労、仕事に関する相談が非常に増えてきております。  なお、お話に出ましたけれども、『富山は日本のスウェーデン』という本が先月出ましたが、ここには薮田議員の名前も載っておりますけれども、県外に移動をされた人のうち、Uターンで出生都道府県に戻る人の割合が沖縄県に次いで高いことが紹介されまして、まさに経済の頑健さ、雇用の強さに加えて、子育てのしやすさや地域のつながりなどがまざり合って生み出されている、そういう評価をされているわけであります。  こうしたことも踏まえまして、県としましては、若年層の移住者をさらに増加させるために、本県の強みである就労環境や自然環境、子育ての環境のよさを積極的にPRしておりまして、県内全市町村や社会人採用に意欲的な県内企業に御参加いただくようにお願いしまして、とやま移住・転職フェアを開催しております。  また、今年度から富山くらし・しごと支援センターの東京大手町オフィスと大阪オフィスを5月に新設しましたほか、首都圏などの子育て世帯を対象に、スーパーや保育園などの生活関連施設などを訪問するとやま子育て移住体感ツアーの実施、また、転勤で富山にいらした御家族との意見交換会、これ、私も出席させていただいて開催しましたけれども、皆さんからは、待機児童ゼロなど子育て環境がなかなかいいとか、自然が豊かで子供を育てやすいとか、一方で、車に乗らない世代にとっては、公共交通機関はもう少し便利にならないかといったような意見も出ました。今後とも市町村や企業、関係団体と連携協力しまして、さらに移住、定住が進むように努力してまいります。  次に、地方拠点強化税制についてお答えをいたします。  首都圏から富山県や地方への本社機能の移転、拡充ということで、富山県としても、また、全国知事会としても国に働きかけまして、3年前、平成27年度に地方拠点強化税制ができたわけですけれども、おかげでこれに企業立地助成制度などの県独自の支援施策も拡充しまして、積極的に取り組んでまいりました。  その結果、例えば、YKKさんのように本社機能を複数部門にわたって移転してくださった企業、また、県内の研究開発拠点の強化にあわせて、総務機能の一部を移転してくださった企業、これは名前を挙げてもいいと思いますが、ゴールドウインさんとかですね。また、国内に点在していた研究所4カ所あったのを全て富山県内に集約していただいた企業等々、これまで16件の認定を行いまして、全国トップクラスの実績が上がっているということであります。  県としましては、さらなる本社機能等の移転を促進するために、平成30年度の税制改正を受けまして、県の計画期限を2年延長しましたほか、工場及び本社機能移転に係る企業立地助成金の雇用者の要件の緩和ですとか、移転型企業における法人事業税や不動産取得税を一部減免というものから、従来は10分の1ぐらいだったんですが、場合によっては課税免除もできると、そういうところに拡充しますなど、支援の充実を図っております。  さらに、平成31年度の税制改正においても、この地方拠点強化税制のさらなる拡充が図られますように、去る7月の全国知事会において提言も取りまとめておりまして、東京一極集中是正の強化に向けて、もう少し企業の規模が小さいとか、雇用の要件なんかがもう少し少なくても、そういう小規模案件も幅広く支援対象にしていただくように、できるだけ実効性のある制度となるように、これは国や、また政府、与党に働きかけてまいります。  次に、くすりのコンソーシアムについてお答えをいたします。  このくすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアム、この6月に産学官で立ち上がりましたけれども、何とか国の交付金の対象にしていただいて、世界水準の研究開発や専門人材の育成確保に取り組むことにいたしております。  既に国が法律の成立が一月以上おくれたりして、いろんな手続がおくれがちなものですから、この7月から今月にかけて、国の動きに先駆けまして、東京圏の大学でもなかなか経験できないような内容のサマースクールを開催させていただきました。富山大学、県立大学それぞれでやっていただいたわけでございます。  また、先月、スイスのバーゼル地域の大学等から世界トップレベルの教授等7人を招聘しまして、この中のマイケル・ホール先生はアメリカのノーベル賞と言われるラスカー賞を受賞されている方でありますし、そういったそうそうたる方に来ていただいて、バーゼルとの共同シンポジウムを開催しますとともに、このバーゼル地域の2つの州政府との交流協定を拡充しまして、新たな成長分野であり、バーゼル地域が世界の中でも非常に強みがあるというバイオ技術分野の交流等も明記させていただいたところであります。  今後は、バーゼル大学を含む国内外からトップレベルの人材を招聘しますなど、バーゼル地域との交流の強みを生かしながら、製剤から創薬、バイオ医薬品の分野で産学官連携による研究開発を実施しますとともに、東京圏の学生を対象にしたサマースクールを継続的に実施して、医薬品産業を支える専門人材の育成確保に取り組みたいと思っております。  なお、国の交付金については、7月に申請して、現在、国において審査が行われておるわけですけれども、採択は全国で10件程度とされております。県としましては、このコンソーシアムについては、富山県の特色や強みを生かした世界水準の研究開発や人材育成に取り組むものでありますことや、また、先行実施したサマースクールの実績等も国にしっかり説明いたしまして、国の交付金の支援対象に選定されますように全力を挙げてまいります。  最後に、地方創生事業の今後の展開についてでございます。  国におかれては、平成26年にまち・ひと・しごと創生法を制定されたり、また、その5年間の総合戦略が策定されているんですが、一定の成果はもちろんあったわけですけれども、残念ながら、地方から東京圏への転入超過は、平成32年度、2020年で均衡させるというのが一応国の目標だったんですが、残念ながら、29年、それ以前は約10万人ぐらいの転入超過だったのが、かえって12万人の転入超過になるということで、東京一極集中がむしろ加速化している面がございます。  そこで、富山県としては、国に先駆けた形で平成27年10月にとやま未来創生戦略を策定しまして、自然増対策、社会増対策の両面から各種の施策に取り組んでおります。  その結果、平成29年の本県の合計特殊出生率は、かつては1.34まで下がった時期があるんですけれども、1.55まで上がってまいりましたし、また、社会動態については、外国人を含めてではありますけれども、世代全体で358人の社会増になる、これ、3年前まではマイナスだったんですけれども、一昨年が226人、昨年が358人ということであります。  しかし、一方では、若年層の女性が依然として転出超過となっておりますし、また、生産年齢人口の減少も相まって、お話しのように、多くの産業分野で人手不足感が強まっております。本県における地方創生もまだまだ道半ばであります。  国においては、この6月にまち・ひと・しごと創生基本方針2018というのを閣議決定されて、若者を中心としたUIJターン対策の抜本的強化とか、地方における外国人・女性・高齢者の就業支援に新たに取り組むとされて、来年度の概算要求や税制改正要望も行われております。  地方創生は、富山県初め地方の発展のための重要な政策でありますから、また、このままですと、出生率が最も低い、災害リスクも高いというところに若者がどんどん集まると、こういった構造が続くわけですから、このままですと、日本全体の人口の減少が著しく加速化するおそれがある、また、かねてその発生が懸念されている首都直下型地震などが実際起こった場合には、首都圏はもちろんですけど、日本全体に極めて大きなダメージを与える可能性が大きくなる、今後の我が国のあり方の根幹にかかわる大きな問題だと思っております。  議員お話しのとおり、現在、自由民主党の総裁選が行われて、地方創生が大きなテーマになっております。政府におかれては、ぜひ地方創生、東京一極集中の是正の根本に立ち返って、国政の最重要課題として改めて位置づけいただいて、地方の実情を踏まえたハード、ソフト両面の力強い施策の展開をお願いしたいと思っております。  また、富山県としても、県議会の皆様のお力添えをいただいて、地方創生のトップランナーと、そういう気持ちで全力で取り組んでまいりたいと思っております。  以上であります。 75 ◯副議長(山本 徹君)芝田農林水産部長。
       〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 76 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず、本県水産業の施策の柱についての御質問にお答えいたします。  本県水産業の振興につきましては、平成25年3月に策定いたしました水産業振興計画に基づき、富山のさかなのブランド化や県内漁協の製氷施設等への整備支援、ヒラメやクロダイ等の栽培漁業の推進など各種施策に取り組んでまいりました。  その結果、メディアにおけるアンケート調査で魚の県といえば富山県と高い評価をいただくなど、着実に成果が上がってきているものと考えております。  一方、本県水産業をめぐっては、長期にわたる生産額の減少傾向や生産コストの増大、漁業就業者の減少に加え、近年、ブリなどのブランド魚の漁獲量の大きな変動や、クロマグロの資源管理による本県定置網漁への影響が懸念されることなど、多くの課題があると認識しております。  こうしたことから、今年度、新たな水産業振興計画を策定することとしており、先月、検討委員会の第1回の会合を開催いたしました。新計画の策定に当たりましては、新たな県総合計画の5つの柱、すなわち持続可能な漁業の推進、安全で良質な水産物の安定供給、富山のさかなのブランド化と販路拡大、担い手の育成確保と経営基盤の強化、漁港機能の充実、この5本の柱に沿って検討を進めることとしておりますが、やはりこれからは生産性の向上及び高付加価値化による漁業者の所得の向上を図り、雇用の確保と新規就業者の増加につなげていく水産業の成長産業化の視点が重要になるものと考えております。  今後、県議会はもとより、市町村や関係団体の皆さんからの御意見もお聞きしまして、本県水産業のさらなる発展につながる計画となるよう努力してまいります。  次に、クロマグロの漁獲規制による影響についての御質問にお答えします。  昨年7月からことし6月までの第3管理期間における小型クロマグロの資源管理につきましては、国から配分された漁獲枠をもとに、各漁協において自主的な漁獲抑制に取り組まれてまいりましたが、昨年10月に北海道で大幅な超過があり、本県など定置網漁の共同管理に参加する道府県に対し、国から操業自粛が要請されました。  本県では、その前の第2管理期間において、定置漁業者30経営体が輪番等により各1日の網起こしおこしの休止を実施いたしましたが、第3管理期間につきましては、国からの要請が休漁まで求めるものではなかったこと、また、ブリの漁期と重なったこと、さらに小型クロマグロの来遊が比較的少なかったことなどから、漁業者と協議の上、漁獲の積み上がりに応じた休漁は行わず、できる限りの放流に努めたところでございます。その結果、県全体の小型クロマグロの漁獲実績は31.11トンとなり、漁獲枠69.56トンの44.7%にとどまりました。  小型クロマグロの放流につきましては、漁業者の水揚げに一定の影響があったと受けとめておりますが、県と漁業者が協議をし、他の魚種の水揚げへの影響ができるだけ小さくなるタイミングにより実施されたことなどから、地域経済全体に影響が及ぶほどの事態には至らなかったのではないかというふうに考えております。  次に、クロマグロの漁獲規制の今後の見通しについての御質問にお答えいたします。  クロマグロの資源管理につきましては、ことし7月から小型魚と大型魚についてTAC制度が導入され、違反に対して罰則が適用されるなど、より厳しい管理が求められております。  ことしの7月から来年3月までの第4管理期間における本県の漁獲枠は、当初の配分に加え、本県の要望等も踏まえて、先週、小型魚は本県の第3管理期間の漁獲残枠から、また、大型魚は国の留保枠からそれぞれ追加配分され、合計で小型魚は104.2トン、大型魚は7.4トンとなりました。  小型魚の枠が第3管理期間の69.56トンから約1.5倍に増加しておりますが、大量の来遊があれば漁獲量が一気に積み上がることも想定されることから、漁獲状況を注視し、漁獲抑制措置について漁業者と十分協議していく必要があると考えております。  こうした中、先週、福岡県で開催されました中西部太平洋まぐろ類委員会の北小委員会で、日本政府から漁獲上限の15%拡大が提案されましたが、米国などが資源は十分に回復しておらず時期尚早として反対したことから合意には至らず、来る12月のホノルルでの年次会合において再度議論されることになりました。  クロマグロの漁獲枠につきましては、国家間の交渉事であり、なかなか先を見通すことは困難でありますが、国においては、資源管理の取り組みを通じて資源が回復し、我が国全体の漁獲上限が拡大されるよう、しっかり取り組んでいただきたいと考えております。  県といたしましては、今後とも、本県漁業者が安心して操業できるよう、国に対し、巻き網から定置網への漁獲配分の見直しや、休漁等の措置に伴う漁業安定収入対策の拡充などについて、引き続き働きかけてまいります。  次に、栽培漁業センターについての御質問にお答えいたします。  本県における栽培漁業の種苗生産につきましては、氷見の県営栽培漁業センターと滑川の農林水産公社のセンターで実施しており、現在は、海水温が高いと生育に影響があるヒラメとアワビは深層水を利用して水温管理ができる滑川センターで、また、水温が生育にあまり影響しないクロダイとクルマエビは氷見センターで生産しております。  また、滑川にある水産研究所では、キジハタとアカムツの種苗生産技術を開発しており、より多くの種苗を用いて放流効果を検証するため、水産研究所に隣接し、アカムツの飼育に必要な深層水が利用できる滑川センターの敷地内で、現在種苗生産施設の整備を進めているところでございます。  栽培漁業センターで生産する種苗の魚種や数量は、それを購入し放流する漁協等の要望をもとに決定する必要があります。このため、種苗生産技術を開発しているキジハタ、アカムツの新魚種の事業化に当たりましては、漁業団体等と十分話し合った上で、その生産数量とともに、現行の栽培魚種と数量についてもあわせて検討する必要があり、それによって、必要となる種苗生産施設の規模等も異なってくると考えております。  こうしたことから、栽培漁業センターの今後のあり方につきましては以前にも議論がなされところでございますが、新魚種の事業化にあわせて検討する必要があり、まずは今年度、滑川に整備する種苗生産施設で、キジハタとアカムツの早期事業化に向けた取り組みを進め、そのめどが立った段階で、漁業団体や関係市町村等の意見もお聞きして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 77 ◯副議長(山本 徹君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 78 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)富山湾のメタンハイドレートの産出等に関する御質問にお答えをいたします。  日本海沿岸に相当量の資源が期待されます表層型メタンハイドレートの開発は、我が国におけますエネルギー安全供給確保のほか、日本海沿岸府県の産業活性化などを図る観点から極めて重要でありまして、本県では、これまで、海洋エネルギー資源開発促進日本海連合の一員といたしまして、政府関係機関に対して日本海側での詳細な資源量の把握調査や、資源回収技術の研究開発促進の要望などを行ってきております。  こうした中、国では日本海側の表層型メタンハイドレートについて平成25年度から27年度の3年間にわたりまして、資源量の把握に向けた調査が実施されているほか、一昨年度からは、複数のメタンハイドレートの資源回収技術の調査研究が行われております。  また、この研究にあわせまして、昨年度には、海底での回収試験等を行う際に必要となります海底下におけますメタンハイドレートの分布並びに形態の特徴等を解明する海洋調査が実施されたところでありまして、去る7月に公表されました国の新たなエネルギー基本計画におかれましては、有望な手法が見つかった場合には、研究対象を絞り込み、商業化に向けたさらなる技術開発を推進することと明記されたところであります。  議員御指摘のとおり、海洋エネルギーの資源開発は、地域の活性化などに資するものでありまして、富山湾においてメタンハイドレートが将来の国産エネルギー資源として実用化されるということは、本県はもちろん我が国にとりましても大変夢のある、意義のあるプロジェクトであるというふうに思っております。  このため、富山湾を含む日本海全体の資源量の把握の調査や回収技術のさらなる開発促進などにつきまして、改めて日本海連合、日沿連の活動といたしまして、去る6月には石井知事から菅内閣官房長官などに要望したところであります。  今後とも、日本海連合などとも連携しながら、海洋エネルギー資源の開発促進に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 79 ◯副議長(山本 徹君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 80 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)まず、移住、定住の促進に関する御質問のうち、各市町村の取り組み状況、それから県としての支援についての御質問にお答えをいたします。  県外からの移住や定住を進めていきますためには、市町村や移住者の受け入れ地域におきまして、受け入れ体制やサポート体制をしっかりと整備していくことが重要であると考えております。  県内市町村におかれましては、移住担当部署を新たに設置されて、体制の強化を進められているところもございますし、東京などで開催をされます移住セミナーなどへの出展回数も年々多くなってきているところでございます。昨年度は延べ55回ということで過去最高となったところでもございます。また、市町村によりまして移住者との交流会を開催されるなど、移住、定住の促進に向けた取り組みが進んできているところでもございます。こうしたことが県全体の移住者数の増加にもつながっているものと考えております。  また、議員から御紹介のありました氷見市速川地域でも、県の移住者受け入れモデル地域の指定を受けまして、NPO法人速川活性化協議会が中心となりまして、空き家を改修して移住体験、宿泊体験施設でもあります速川定住交流センター、愛称ソライロといいますけれども、これがことしの2月に開催されるなど、移住促進に積極的に取り組まれておりまして、県としても財政的な支援を行ってきたところでもございます。  今後とも、氷見市の速川地域を含めまして市町村におけます移住、定住の取り組みを支援していきますために、首都圏等で開催されます移住フェアなどへの出展費用や移住体験ツアーの開催費用に対する助成ですとか、移住者の受け入れに積極的な地域であります移住者受け入れモデル地域における宿泊・体験施設等の整備などに対しまして、市町村とともに支援を連携して取り組んでいくことといたしております。今後とも、市町村や地域における移住、定住の促進の取り組みをしっかり支援してまいります。  次に、移住、定住された方同士のネットワーク構築、それから移住後のアフターケアについての御質問にお答えをいたします。  県外から本県へ移住された方々が移住された地域に定着していただきますためには、移住前の情報提供や相談はもちろんでございますけれども、移住後のフォローアップが大変重要であると考えております。  このため、移住者の定着に向けた取り組みといたしまして、県としては、富山くらし・しごと支援センター富山オフィスの移住相談員が、移住直後の生活の不安などで富山での暮らしに関する相談に対応しているところでもございます。  また、移住者同士の情報交換ですとか、県の移住・定住政策への意見反映のために、多くの移住者の方に参加をしていただきます大規模な移住者交流会を毎年開催いたしております。昨年度ですが、ことしの3月ですけど、70名の参加で開催をさせていただきました。  また、地域ごとで開催をいたします小規模な移住者交流会、IJUカフェと申しておりますけれども、これを年3回程度、県内各地で開催をしているところでもございます。  さらに、市町村におきましても、移住者の定着に向けて移住者交流会などがそれぞれ開催をされておりますけれども、さらに、地域における受け入れ体制を強化していく必要があると考えておりまして、県では、市町村の職員の方、また、受け入れ地域の住民の方などを対象といたしまして、受け入れのための施策ですとか、それから受け入れに当たっての留意点、定着に向けた手法などについての研修会も開催をいたしております。今後とも市町村と連携してしっかり取り組んでまいりたいと思っております。  次に、地方創生に関する御質問のうち、地方創生推進交付金等の成果についての御質問にお答えをいたします。  県では、とやま未来創生戦略に掲げます施策の推進に当たりまして、国の地方創生推進交付金ですとか地方創生拠点整備交付金を幅広く活用いたしまして、移住、UIJターン、働き方改革の推進、全県的な観光振興、本県が誇るものづくり、医薬品産業を支える拠点整備など、さまざまな事業に取り組んできております。  拠点整備でいいますと、例えば29年度では、ものづくり研究開発センターの製品機能評価ラボですとか、総合デザインセンターのクリエイティブ・デザイン・ハブ、あるいは薬事総合研究所の創薬研究開発センターなどの施設整備を行ってまいりました。  こうした取り組みの結果、数値目標として設定をいたしておりました合計特殊出生率が平成26年の1.45から29年には1.55に上昇するといったことですとか、社会動態につきましても、流出が多かった若い世代での転出超過が改善傾向にあり、世代全体では平成29年には358人の転入超過になるなど、着実な成果を上げてきているものと考えております。  また、PDCAサイクルの実施によりまして戦略の実効性を確保いたしますため、毎年の外部有識者からなる評価会議に、戦略に掲げました200のKPIの進捗状況を報告いたしております。  それに基づきまして施策の評価検証を行っていただいているところでございますが、過去2年間の評価会議におきましては、おおむね順調に推移しているという評価結果をいただいているところでございます。この評価会議での御意見等も踏まえまして、毎年度末に戦略の改訂も行って、着実な実施に努めてまいりたいと考えております。  また、今後とも国の交付金等を最大限に活用しながら、戦略に盛り込まれた施策を推進いたしまして、とやまの未来の創生にしっかりと努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 81 ◯副議長(山本 徹君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 82 ◯土木部長(水口 功君)最後に、被災者の方々への県営住宅等の提供についての御質問にお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、災害時には、被災者の方々ができるだけ早く避難所から安定した住居に移り、安心な生活を取り戻せるように、県営住宅などの公営住宅や民間賃貸住宅、空き家などを活用し、住まいの確保を図ることは非常に重要であると考えております。  県では、これまでも東日本大震災や熊本地震、平成30年7月豪雨などの大規模災害時には、速やかに被災者の方々に提供可能な県営住宅等の情報を公開し、実際提供してきたところであり、応急借り上げ住宅などとしての提供期間終了後も、被災地には戻らずに引き続き県内に残って定住されている方もいらっしゃいます。  また、県では、この9月3日に全国賃貸住宅経営者協会連合会、いわゆるちんたい協会との間で災害協定を締結し、災害救助法が適用されるような大規模災害時には、民間賃貸住宅を応急借り上げ住宅として迅速に供給できる体制を整えたところであります。  さらに、被災者の方々やUIJターンなど、空き家に対する多様なニーズに対応できるよう、県内の全市町村が空き家バンクを設置し、県や市町村のホームページ等による情報提供に努めており、登録件数、成約件数ともに年々増加してきているところであります。  県としましては、今後とも、被災者の方々の御意向を踏まえ、国や市町村、関係団体と協力して、県営住宅などの公営住宅や民間賃貸住宅、空き家などを活用しながら、災害時における被災者の住まいの確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 83 ◯副議長(山本 徹君)以上で薮田栄治君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。  午後2時58分休憩      ─────────────────────  午後3時10分開議 84 ◯議長(高野行雄君)休憩前に引き続き会議を開きます。  武田慎一君。    〔23番武田慎一君登壇〕 85 ◯23番(武田慎一君)本日のラストバッターを務めさせていただきます、自由民主党、武田慎一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  先般の西日本豪雨、台風21号、北海道地震の大災害におきまして、お亡くなりになられました方々に哀悼の意を表し、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りし、まず最初に、地方創生について6点質問をさせていただきます。  再編統合対象校の跡地利用につきましては、2月の代表質問の際、地方創生の観点などを勘案し、地元住民の希望を考慮しながら、対象市町村等が行う地域の活性化方策の検討に対して支援するとお答えいただきましたが、このことをもって私たちは、まずは地元の市町村においてと捉えたわけではありません。  地元の意向も大事ですが、県としても主体的にかかわるとの姿勢も重要であります。跡地利用の検討を支援する補助金について、市町村が利用しないとの意向を示されたのはなぜでしょうか。県がもっと地元に足を踏み入れ、議論を重ねていかないと、県への不満や不安が募るばかりか、不信へとつながることになります。県としても、もっと市町村に寄り添うような対応が必要だと思われます。  跡地利用については、市町村と対話を重ね、市町村の希望も聞きつつ、やはり県の責任で方向性を示すべきと考えますが、今後どのように進めていかれるのか、石井知事の所見をお伺いいたします。  次に、地方法人課税の偏在是正について、国で議論が進められておりますが、これは、都市も地方も繁栄する、共存共栄を目指すものであり、決して都市の税源を地方が奪うことを目的とはしておりません。  さきの全国知事会で、石井知事は、地方税財政常任委員長として、この考え方のもと、小池知事以下、都市部の知事を納得させて提言案を取りまとめられました。その手腕に心から称賛を送ります。  偏在是正について、どのような制度が望ましいとお考えなのか、また、実現に向けてどのように国へ働きかけていくのか、知事の所見をお伺いいたします。  質問ではありませんが、私も偏在是正について考えてみました。法人課税ではなく、個人住民税の1つの手法として、マイナンバー制度が確立した今日、例えば、平日は東京で働き、週末には一、二日地元に帰り、家庭やコミュニティーの役に立つ暮らしをしている方について、住民票を地方に置くことができるようにし、税収を、都会が7、地方が3の割合で配分する。都市部との調整、地方税法や住民基本台帳法の改正など、ハードルは高いと思いますが、高額返礼品が問題となっておりますふるさと納税よりも、地方創生のための財源の早期確保が可能となるのでは思っております。  次に、過日、日中友好40周年富山県日中友好議員連盟で遼寧省を訪ねました。大連便について地元エージェンシーに聞くと、日本人がなかなか利用しないとの指摘をいただきました。台北へ行ったときにも、台北便のチャイナエアライン本社でも同じようなことを突きつけられたわけであります。  現に、平成29年度の日本人乗客の割合は、大連便が39.1%、台北便が22.1%となっております。日本人が利用せずにインバウンド任せという、まさに他人のふんどしで相撲をとるという状況でございます。  日本人利用客の拡大には、飛騨高山や長野からの利用拡大を図ることが有効であります。過去に、勢いよく頑張るとされておりましたが、その努力が感じられないところでございます。  例えば小松空港では、福井県のアンテナショップの常設や、ターンテーブルで福井のPRノベルティーを回すなど、福井県に便宜を図る一方で、福井県民の小松空港の利用に協力してもらっております。すしが回っているだけの富山空港とは大きく異なっております。全日空の機内誌で、富山空港に飛騨高山と併記するように要望されていることから、特に岐阜県と連携を深めることが必要なのではないでしょうか。  また、富山空港から大連経由で北京へ行こうとしても、トランジットが悪く、北京市内に着くのは深夜になるという問題もあります。  そこで、県民や近隣県からの日本人利用客の拡大にどのように取り組むのか、また、大連便については北京までの延伸も課題でありますが、どのように取り組まれるのか、あわせて猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いします。  松村謙三先生の精神を学ぶ会におきまして、北京の中国文化旅遊部へ視察に行きました。旅遊部とは、旅、遊ぶ、部と書きます、旅遊部であります。そこで張主任により、日本が中国人観光客を誘客する対策を御教示いただきました。  その主な内容は、ホテルフロントに半分は中国語に対応できるスタッフを配置、石井知事による中国でのトップセールス、スポーツやレジャーなど中国人が楽しめる環境のPR、多くの中国語ガイドの養成、Wi─Fiなどの通信環境の整備、ビザ取得要件の緩和、中国のマスコミを招聘し、富山の魅力を伝えてもらうことでございました。  最近、中国では、岐阜県高山市が人気とのことであります。中国人が今求めているのは、東京、京都、大阪の次に訪れるべき都市であります。食や文化の魅力が求められているとのことであります。富山はその点で強みを持っていると言えます。これからも、この巨大国家に観光地として選ばれる国をつくるため、日本がやるべきことは山ほどあると知らされました。  来年度、シアター・オリンピックスや世界で最も美しい湾クラブ総会の開催、日本全体ではラグビー・ワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催など、外国人インバウンドの拡大が見込まれる中、観光振興にどのように取り組まれるのか、特に中国から観光誘客にどのように対応されるのか、猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いします。  ここ数年で小水力発電事業が進み、土地改良区事業としても活力が出てまいりました。小水力発電は、早くに導入したところ、また最近導入したところとさまざまであります。これまで国の指針に従い運営していた土地改良区にとって、ことし、国の会計検査で驚きの指摘がありました。詳細は報道されたとおりでありますので省略いたしますが、これにより会計制度が見直され、発電会計における一般水路等の土地改良施設の建設改良積立金の廃止などが示されました。  これらの見直しにより、土地改良区によっては、運営に影響が出るのではないかと不安が生じております。どのように対応していくのか、芝田農林水産部長にお伺いします。  9月補正では、県民の命を守る予算が、過去最大規模で計上され、時期を見た対応に知事の評価は高いものとなっております。しかし、西日本での豪雨災害の被災状況などを見ると、1,000年に1度と言いつつ、近年多発している大災害に備えるほどの予算にはまだまだ足りていないのではないでしょうか。  県財政を見ると、構造的財源不足が解消され、県債残高が3年連続で減少するなど、健全化が進んでおり、これも石井知事の成果だと思います。  一方で、道路改良や橋梁のかけかえ、利賀ダムのプロジェクトが山積しておりますし、これまでの台風や線状降水帯は、たまたま富山県を恐れて逃れておりますが、被災県の状況を見ますと、すぐそこに大災害が迫っていると言っても過言ではありません。災害未然防止のハード対策が待ったなしの課題となっております。  そこで、県債借り入れを増やしてでも、災害未然防止やさきのプロジェクトなどに積極的に挑戦すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 86 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕
    87 ◯知事(石井隆一君)武田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、高校再編による跡地利用についてでございます。  再編統合の対象とされた高校の跡地利用ですけれども、先般もお答えいたしましたとおり、それぞれの学校の歴史や伝統、また地域の方々の熱い思いを持って支えてきていただいていることを十分踏まえることが大切だと思っております。  そこで、県有地活用の観点から、県として、その活用方策について検討することはもちろん当然なんですけれども、まずは地元の市町村において、地域の振興や活性化の観点から、活用方法について検討いただくことが必要ではないかと考えておりまして、この考え方については、ことし4月の市町村会議の場でも御説明を申し上げているところでございます。  前回の高校再編においても、地元市町村で跡地の利用方策を御検討いただいた上で、有磯高校跡地には氷見市の市庁舎を、また井波高校跡地には地域包括ケアセンターを、また海洋高校跡地には日医工スポーツアカデミーを設置しており、県としても、ケースによりますが、建物の無償譲渡ですとか、土地の一定の場合には無償譲渡または減免、また整備費についての助成など、支援に努めております。  これなんかは、やっぱり市町村でいろいろアイデアを出していただいたからこそ非常にうまくいっているという面があるんですね。こうした中で、地元で検討を進めていきたいという市町があり、かつ、その経費について御希望があれば、その検討のためのワークショップ等の開催経費などに対して、定額で支援する補助金を県で設けさせていただきました。  また、地元の市町が跡地利用の検討の場を設けられて、県も参加するように希望される場合には、オブザーバーとして参加するよう検討してまいりたいと思っておりまして、先月、そうした検討の場の設置を希望された新川地域推進協議会の皆さん、その場には朝日町の町長さんもいらっしゃったんですけれども、席上、そうした趣旨をお伝えしたところでありまして、御理解をいただけたと受けとめております。  私は、富山県全体ができるだけバランスのとれた発展をして、各市町村がそれぞれ特色や強みを持って、大いに元気になってもらう、発展する、そのことが富山県全体の元気、さらには日本全体の再生、再興につながると考えております。  そのためには、地元のことは何といっても地元の市町村の方が一番御存じなのですから、その市町村と密接に連携協力して、発展を目指したいと考えております。再編統合校のある地域の振興についても、市町村とともに、また幅広い地域の皆さん、また県民の皆さんの御意見、もちろん県議会からもいろいろと御意見もいただいて、しっかりと取り組んでまいります。  次に、地方法人課税の偏在是正についてお答えをいたします。  平成30年度の与党の税制改正大綱で、近年、地域間の財政格差が再び拡大する傾向にあるので、特に偏在度の高い地方法人課税において新たな偏在是正措置を検討し、31年度税制改正において結論を得るとされております。  全国知事会でも、こうした問題、どうしても都市部と地方部で利害が対立せざるを得ない、難しい問題でございますので、7月の知事会議でも、都市部からの反対意見が出されたわけですけれども、地方法人課税が法人事業税に単純な形で復元されますと、さらなる財政格差の拡大が見込まれますので、結局、不交付団体はますます財源が豊かになって基金残高が大きく増える、交付団体は臨時財政対策債の残高が増大するというようなことを背景に、やはり偏在是正は必要だという意見が、地方部を中心に、圧倒的に多数を占めたということになりました。  また、県民1人当たりの地方税収プラス交付税では、東京都は全国で中ぐらいで、偏在が是正済みだといった御主張も東京都からなされたわけですけど、私のほうから、都道府県が管理する道路面積や河川延長、都道府県立の高等学校の教職員の数、こういったことを人口当たりで比べますと、東京都さんは全国で最も少ないレベルでありまして、集積が進む都市構造の中で行政コストが非常に効率的になっていると、一方で税収は断トツに多い、交付税を足した数字でも全国で平均だということになると、やはりこれは偏在是正と言わざるを得ないのではないかといったようなお話も申し上げまして、大変激しい議論もありました。  幸い、そうした議論を経て、議員から御紹介がありましたとおり、偏在是正措置の必要性について認識が深まって、最終的には、東京都を初め、都市部の方々の御意見も踏まえて、大都市圏の都府県からは、本来地方税の充実によって対応すべきとの意見もあることや、大都市部と地方部の活力の維持、向上にも配慮しながら検討することといった文言を加えることによりまして、全ての都道府県の了解のもとで、都市と地方が支え合う社会の構築に向けて、新たな偏在是正措置を講じるべきだと、こういう提言を取りまとめることができました。  全国知事会、こうした問題、どうしても利害対立もありますけれども、そうした中としては相当な成果があったんじゃないかと思っております。  今後は、国において、この提言をしっかりと受けとめて検討していただきますように、先日来県された安倍総理大臣にも直接お願いしましたし、また、自由民主党の宮澤税制調査会長を初め、与党の幹部にも直接要望いたしましたほか、私が委員を務めさせていただいております国の検討会においても強く要請したところでありまして、引き続き全国知事会等と連携し、また、もちろん地元国会の先生方や県議会の皆様、市町村長さん皆さんとお力添えもいただいて、何とかこれを実現してまいりたいと、こういうふうに思っております。  最後に、災害未然防止やプロジェクトへの積極的な挑戦についてお答えをいたします。  お話のように、全国各地で集中豪雨などによる甚大な被害が発生しておりますし、災害に強い強靱な国土づくりのために、また、例えば新幹線開業効果のさらなる持続、深化、あるいは地方創生のためにも、社会資本整備は積極的に進めたいと思っております。  具体的には、東海北陸自動車道の全線4車線化、富山高山連絡道路など骨格となる道路整備、また、庄川、黒部川、神通川、小矢部川等の河川改修、利賀ダムの建設、立山砂防など大規模土砂災害対策、伏木富山港のさらなる機能強化など、必要な事業はまだまだございます。  また、橋梁の耐震化などの地震・津波対策や社会インフラの老朽化対策、通学路の整備、それからもちろん農業の基盤整備とか、いろんな分野でまだまだやらなくちゃいけません。  そのために、今年度の県予算については、国の公共事業費はほぼ横ばいとなっているわけですけれども、当初予算では、公共事業予算として、昨年度を12億円上回る743億円を計上しておりますし、また、9月補正予算案でも、災害未然防止緊急特別対策事業、地方創生推進基盤整備事業を合わせて過去最大の21億円を計上しまして、約88億円、これは昨年に比べると、昨年が77億ですから、11億円増という伸びでございます。  また、社会資本整備は、中期的見通しを持って着実に進める必要がありますので、この春に策定した新総合計画などに基づいて、必要な事業を総合的かつ計画的に進めるとともに、その裏づけとなる財源を確保するために、これまでも国に対して、本県に対する重点配分を強く要望してまいりました。  今後も、災害に強い強靱な国土づくりのために、また地方創生を進めるためにも、今の県債借り入れを増やしてでもというお話も、御意見もいただきましたけれども、一方で、将来のことを考えますと、県財政の健全性の確保にも留意しながら、極力、国の補助金、交付金を財源として推進できますように、国会の先生方や県議会のお力添えもいただきながら、国に対して強く働きかける、正直、国の関係の役所に行きますと、石井知事、また来たのかと、こう言われているぐらいでありまして、武田県議に負けないように頑張っていきますので、よろしくお願いします。 88 ◯議長(高野行雄君)猪俣観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長猪俣明彦君登壇〕 89 ◯観光・交通・地域振興局長(猪俣明彦君)私から、アウトバウンド及びインバウンド対策についての2つの質問にお答えいたします。  まず、アウトバウンド対策と大連便の北京延伸についての御質問にお答えします。  富山きときと空港に就航している4つの国際便の活性化を図るためには、議員御指摘のとおり、アウトバウンドの増加が大変重要な課題と考えております。  そこで、冬季ダイヤの4便運航が継続となった台北便については、来年度、本県において日台観光サミットが開催されることから、これを契機に、多くの皆さんに台湾のすばらしさを実感いただくため、9月の補正予算案に、台北便を活用した旅行商品に対する支援、また、飛騨高山を初め長野、上越など近隣県も含めたPRイベント、キャラバン事業の実施などを盛り込んでおります。  また、大連便につきましては、本年4月に、旅行会社やマスコミ向けのウルムチ・トルファン乗継ファムツアーを県の支援により実施した結果、県外旅行社の新規ツアー造成につながったところであります。  さらに、国際定期便を対象としたアウトバウンド対策として、パスポート取得の促進事業を9月の補正予算案に計上させていただいているほか、高速道路を利用し国際定期便に搭乗いただいた県外の方を対象に、空港内で使えるクーポン券を進呈するなど、近隣県からの旅客需要の取り込みを図ることとしております。  議員御指摘の大連便の北京延伸については、将来の展望として大変重要な提案と考えておりますが、航空路の便数は基本的には旅客需要に見合って設定されるものであり、まずは週3便への増便に向けて、引き続きその実現に努力するとともに、ビジネス、観光などでの面での旅客需要の拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、中国からの誘客も含めたインバウンド対策についてお答えします。  さまざまなイベントを契機とした訪日外国人観光客の増加を本県の観光振興につなげていくため、県では、今年度、とやま観光未来創造塾の観光ガイドコースにインバウンド専攻を新設し、外国語対応ガイドを育成しているほか、観光案内所の多言語対応、また観光庁の補助制度を活用したWi─Fi環境の整備など、ソフト・ハード両面での受け入れ環境の整備に積極的に取り組んでいるところであります。  また、特に中国からの誘客については、これまでも、旅行会社や中国メディアの招聘、観光PR動画の作成、配信、SNSの活用などによる情報発信に取り組んできており、今年度は、先月の遼寧省への友好・経済・観光訪問団の訪中の際に、武田議員を初め富山県地方議員連盟訪中団の皆様にも参加いただき、大連で観光説明会を開催したほか、中国最大手のオンライン旅行会社と連携してPR動画や観光情報を発信するなど、本県のさらなる認知度向上に努めることとしております。  なお、中国向けのビザについては、近年、本県からも国に強く働きかけてきたこともあり、国において段階的に取得要件が緩和され、それに伴い、中国からの訪日数、本県訪問数ともに、大幅に増加してきたところであります。県としては、こうした国の方針を踏まえつつ、今後とも国や市町村、民間事業者とも連携し、訪日外国人の誘客にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。 90 ◯議長(高野行雄君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 91 ◯農林水産部長(芝田 聡君)土地改良区が管理する小水力発電についての質問にお答えいたします。  土地改良区が運営管理する小水力発電の収益につきましては、農林水産省の基準に基づき、土地改良施設の維持管理費等に充当され、農家の営農経費の軽減が図られております。  こうした中、会計検査院の実地検査において、発電会計における一般水路等の建設改良積立金の廃止、発電所の建設改良積立金の積立限度額の引き下げ、渇水準備引当金の廃止などの改善処置が求められ、農水省の基準が見直されることとなりました。  県内の土地改良区が運営管理している発電所には、既に多額の建設改良積立金等が計上されているものもあり、土地改良区では、施設の計画的かつ確実な改良、更新に不安を抱いておられるところでございます。  農水省は、新たな基準を平成31年度から適用することとしておりますが、経過措置として、今年度内に、土地改良区が渇水準備引当金や限度額を超過した既積立金等を、発電所の更新計画策定などの条件つきではございますが、新たに設定した建設改良積立金へ振りかえることにより、発電所の更新、補修に活用することが可能となっております。  このため、県では、農水省に対し、これらに必要となる手続について、土地改良区に丁寧に説明するよう求めるとともに、新たな会計処理に円滑に移行できるよう、個別具体的な相談に応じることとしており、既に今週から県内4ブロックにおいて説明会及び個別説明会を順次実施しているところであり、土地改良区の不安払拭に努めていくこととしております。  今後とも、土地改良区が安心して小水力発電の運営を円滑に進められるよう、積極的に支援してまいります。 92 ◯議長(高野行雄君)武田慎一君。    〔23番武田慎一君登壇〕 93 ◯23番(武田慎一君)次に、スポーツについて4点お尋ねいたします。  甲子園での高岡商業高校の活躍や高校総体での氷見高校男子ハンドボール部、石動高校女子ホッケー部、また、さらには南砺福光高校女子ライフル射撃部が全国大会で優勝するなど、県勢の活躍が目立ち、私自身も大変うれしく思いましたが、何より県民の皆様も心躍るような思いだったのではないでしょうか。  そこで、この成果と躍進の要因、また今後の競技力向上にどのように取り組むのか、知事にお尋ねいたします。  過日、富山県議会スポーツ議員連盟にて県内のスポーツ施設を視察してまいりました。県の漕艇場の桟橋改修などを9月補正で対応いただき、感謝いたします。また、とやま・なんと国体2020に向け、県営ジャンプ台の改修も進み、国体の開催が待ち遠しい限りであります。  しかし、県総合運動公園のランニングコースなど、老朽化や最新設備が未導入となっている箇所も見られ、これらの整備には相当額の予算が必要と感じました。  そこで、今後どのように取り組むのか、蔵堀総合政策局長にお尋ねいたします。  次に、県内には、富山サンダーバーズ、カターレ富山、富山グラウジーズなどのプロスポーツチームがあります。しかし、これらのチームの存続には、資金面などの課題があり、チーム強化にも苦戦をしております。  そのような中でも、これらのチームは、小中学生への指導など積極的に地域貢献を行っておりますし、また、バスケットボールワールドカップのアジア2次予選の富山開催が決定するなど、国際的なスポーツイベントの開催にもつながっております。  チーム設立当初は、県も積極的に支援をし、PRされておりましたが、近年では熱が上がっていないように感じます。プロチームの存在は、県民のスポーツ振興や競技力の向上、さらには県のイメージアップにも貢献しております。  そこで、観客増への取り組みなど、チーム自身の努力ももちろん必要でありますが、県として今後どのようにかかわっていかれるのか、蔵堀総合政策局長にお尋ねいたします。  2月定例会の代表質問でお伺いしましたが、全天候型多目的スポーツ拠点施設整備のその後について気にかかります。県民意識調査では、施設の統廃合や行財政状況を十分考慮して、将来的整備に向けた検討を進めてほしいとの意見が多く、また、先般開催されました健康・スポーツ環境充実検討会でもさまざまな御意見が出たと聞いております。  いろいろな課題が整理されれば、前向きに議論が進むとも言えます。今後、整備に向けて、多角的に検討されると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、改めて石井知事にお伺いいたします。 94 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 95 ◯知事(石井隆一君)まず、高校生のスポーツ振興についてお答えをいたします。  この夏に開催された高校総体などの全国大会では、お話のように氷見高校の男子ハンドボール部、また石動高校の女子ホッケー部、また南砺福光高校ライフル射撃部女子団体がそれぞれ優勝されますなど、5つの優勝を含む3位以上の上位入賞が7競技10種目と、大変好成績を上げていただきました。  また、高校野球では、高岡商業高校が2勝を上げて、3回戦では大阪桐蔭と本当に手に汗を握るすばらしい戦いを見せていただきました。  こうした高校生諸君の活躍は、県民の皆さんに勇気や感動、また子供たちに夢や希望を与えてくれたなと思っております。  今回の活躍は、まずは選手たちの努力の積み重ねのたまものですけれども、県としましても、平成17年度から、本県の選手が全国や世界のひのき舞台で活躍できますように、未来のアスリート発掘事業ですとか、元気とやまスポーツ道場開催事業、TOYAMAアスリートマルチサポート事業などに取り組んでまいりました。その結果もありまして、16年度では5種目であった夏の全国大会の上位入賞者も2倍に増えますなど、それなりの成果が出ているんじゃないかと思っております。  また、野球については、23年度に、富山県野球協議会のアドバイザーに山中正竹さん、今、全日本野球協会の会長をなさっていますけれども、就任いただいて、その指導助言のもとに、小中高の指導者を対象としたシンポジウムとか研修会の開催、また、実戦が大事ですから、智辯学園や東海大相模高校を招いての強化招待試合なども実施しておりまして、それなりに効果があったのかなと思っている次第です。  これからのことですけれども、東京オリンピックを目指すジュニアアスリートの育成をぜひとも今後ともサポートしたいと思っておりまして、また、野球では、今年度から、社会人野球部の強豪チームの監督経験者、なかなか著名な方ですが、この方を招聘して、直接本県の高校生チームを指導していただきたいと思っております。  今後も、関係団体と連携しながら、選手、指導者を県民挙げて応援して、また、全国大会や国際大会で活躍できるように、しっかり取り組んでまいります。  次に、全天候型多目的スポーツ拠点施設についてであります。  昨年12月に実施しました県民意識調査では、スポーツの試合や文化教養、コンサートでの活用ができる全天候型の多目的施設の整備については、前向きに検討すべきが17.1%、必要だと考えるが既存施設の統廃合、行財政を考慮した上で検討すべきというのが52.6%、不必要と答えた方が約25%ということでありました。  この県民意識調査の結果を踏まえまして、8月に、スポーツ関係者、経済界、まちづくり等の各分野の方々から成る健康・スポーツ環境充実検討会を開催しまして、今後の健康やスポーツ環境充実のためのソフト・ハード両面の基本的な方向について、検討いただきました。  中でも、全天候型の多目的スポーツ拠点施設の整備につきましては、夢のあるプロジェクトであり、地域活性化の拠点となるといった期待が表明された一方で、費用対効果をしっかり検討すべき、また、建設や維持に係る多額の費用をどうするのか工夫が必要などの意見も出されておりまして、引き続き幅広い視野で議論、検討を進めていく必要があると思っております。  このために、今後、コンサルティング会社、これは、せっかく頼むんですから、全国的にも評価されている会社に専門的な調査を委託しまして、全天候型多目的スポーツ拠点施設の必要性とか、求められる施設の機能、規模や立地の条件、また整備に係る概算の費用、また、コンサートの開催ということをやるとしますと、その開催のニーズも含めた運営形態や費用のシミュレーション分析等の基礎調査を行うことにしております。  この調査結果をもとにしまして、全天候型多目的スポーツ拠点施設の実現の可能性ですとか、既存施設の統廃合も含め、施設整備の方向性などにつきまして議論を深めていきたいと思っております。  県としましては、人生100年時代において、県民の健康づくりやスポーツ振興、大変重要な課題でありますので、多くの皆さんが御納得いただけるような方向性を示すことが必要だと考えておりまして、検討会での議論、さらにはもちろん県議会や県民の皆様の御意見も幅広く伺いながら、本格的な人口減少も始まる時代に、持続可能な施設整備、運営のあり方、県財政の健全性の確保、こういったことにも十分留意して、総合的かつ多角的な観点に立って丁寧に検討してまいります。 96 ◯議長(高野行雄君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 97 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)まず、県立スポーツ施設の老朽化と改修に関する御質問にお答えをいたします。  県立スポーツ施設につきましては、その多くが建設から30年以上経過し、老朽化が進んでいることもありまして、平成25年12月に県庁内でプロジェクトチームを設置いたしまして、スポーツ施設全体につきまして、現状や持続可能性等について検討いたしまして、緊要度の高いものから計画的に整備、改修を実施してきているところでございます。  老朽化対策につきましては、2020東京オリンピック・パラリンピックとやま戦略会議などでの御議論も参考にしながら、高岡武道館の床の改修ですとか、富山武道館の外壁改修、総合運動公園陸上競技場の大型表示盤の更新、さらには補助競技場のトラック舗装の更新など、各施設の修繕を行ってきております。  なお、老朽化対策につきましては、計画的かつ経年劣化を未然に抑制いたしますために、予防保全的な維持管理の視点を取り入れました長寿命化計画を作成することといたしておりまして、この計画に基づきまして、建物の機能や設備を常に良好な状態に保ち、将来にわたって利用される施設としていくように努めてまいります。  また、東京オリンピック・パラリンピックも見据えまして、海外選手団や日本代表チームの合宿の誘致、本県選手の競技力向上を図りますために、国際規格や全国規模の大会に対応した整備も行ってきておりまして、高岡総合プールのスタート台ですとか、福光射撃場の電子標的などを新たに導入したところでございます。  今年度は、総合体育センターにアスリート育成強化を主目的といたしましたトレーニング室を整備いたしますほか、今議会で提案いたしております補正予算が認められれば、漕艇場の浮桟橋改修なども行う予定といたしております。  今後とも、本県のスポーツ振興や競技力強化の一層の充実を図りますために、計画的に対策を進めてまいります。  次に、プロスポーツチームに関する御質問にお答えをいたします。  県内のプロスポーツチームの活躍は、本県のスポーツ振興やイメージアップ、本県チームの応援による一体感や郷土愛の育成など、さまざまな効果が期待されるところでございます。  また、各プロスポーツチームには、県外の試合会場におきましても、とやまブランドなど、本県の魅力ある地域資源についてのPR活動を実施していただいておりますし、地域イベントへの参加の活動を通じまして貢献をいただいているところでもございます。  本来、プロスポーツチームの運営につきましては、試合の入場料や広告収入などを財源に、独立採算が原則でございますけれども、県といたしましては、県民のスポーツ振興や健康づくり推進の観点から、平成20年度から、運営会社が取り組みます応援バスの運行助成、それから県有施設の使用料減免を行っております。  また、そのほかに、福祉施設の児童の無料招待ですとか、ホームゲームでの県民参加型イベントの実施に対する助成、さらには子供たちを対象としたスポーツ塾の開催を委託するなど、支援を拡充してきているところでございます。  さらに、平成28年度からは、スポーツへの関心を高め、健康づくりを図りますために、プロスポーツチームの選手たちと県民の交流イベントを開催いたしまして、交流を通じたファン層の拡大や観客数の増加にもつながってきていると考えております。  そこで、アンケートをとった結果によりますと、イベントの参加でチームへの親近感を感じたという方が約8割、今後の本県のプロスポーツを観戦したいという方が約9割いらっしゃったということでございます。  県としては、引き続きこうした支援を継続いたしまして、県民がプロスポーツチームを応援する機運がさらに高まるように、チームの魅力向上や県民の健康づくりにもしっかりと努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 98 ◯議長(高野行雄君)武田慎一君。    〔23番武田慎一君登壇〕 99 ◯23番(武田慎一君)最後に、県民の安全・安心について4点お伺いいたします。  児童虐待相談対応件数が発表され、平成29年度も794件と増加傾向が続いております。大変痛ましい事態ではありますが、一方で、児童相談所と市町村や警察との連携が進み、これまで潜在していたものが顕在化し、的確に対応されるようになったとも言えます。  しかしながら、全国では痛ましい事件、悲惨な結果をしばし目にいたします。毎回、心の痛む事件を見るたびに、大切な子供の命をどうして守ることができなかったのか、どの時点で命を絶やす結果につながるのか、どの時点でどのように対応していれば最終的に助け出すことができたのか、これを分析し、本県での対応に生かすことが重要であります。
     ことし、はやりました映画「万引き家族」にヒントがありました。虐待を受けている幼児を勝手に連れ去り、囲い込む。万引きを指南することは許されませんが、法に抵触するわけでありますけれども、児童虐待を受けている子供を助け出し、育てることが、1人の大切な命を救うことになるとも考えさせられました。  法律が子供の命を守れないのであれば、法律を変えて、強制的に里親や愛育園、ルンビニ園で育ててもらうことができないのか。虐待している親は、かもうてくれるなとなるわけでありますが、おかしいと思ったときには、警察と連携して家庭に踏み込み、まず子供を引き離す、強制力を持った取り組みが必要でありましょう。  そこで、警察など関係機関と連携し、緊急性を要する案件の際の家庭に踏み込むルールや体制の整備など、どのように取り組むのか、前田厚生部長にお尋ねいたします。  次に、ひきこもりについてであります。  県として、実態をどこまで調査され、その対策をどうするのか、手をこまねいておられるものと存じます。実際に県内にはどれだけのひきこもりの当事者がいるのでしょうか。県では実態調査を行っていないので、国の調査から推定するしかありません。  平成26年度の調査では、39歳までのひきこもりが、全国で54万人からだと、4,000人と推定されます。一方、最近全国各地で行われている実態調査では、約5%という結果が出ております。それからすると5万人が引きこもっていると推計されます。  また、そのうち4割がどこにもつながっていない社会的孤立状態にあるという結果が出ており、県内では2万人が孤立しているかもしれません。県内で数千人、あるいは数万人規模の方々がひきこもり状態になっているのであれば、実態調査をしっかり行う必要があるのではないでしょうか。  県及び市町村の窓口に相談に来られる方が少ないから、実数はそんなにいないのではと考えられるかもしれません。しかし、数千人から数万人のひきこもりがいるのであれば、今までの取り組みを大きく変える必要があります。このことについて、前田厚生部長に御所見をお伺いします。  最近、50-80問題、すなわちひきこもりが50歳で、その親が80歳という深刻な状況に陥っているケースが増加しております。全国ひきこもり家族会連合会が平成29年に調査した結果、40歳以上が29.5%であり、年々40歳以上が占める割合が増加しておるわけであります。ひきこもりの長期化、高年齢化が進む現状の中で、1人でも多くの方々をその窮地から救い出すにはどうしていけばいいのでしょうか。  ひきこもりの中には、少しずつ学校へ戻る子供、フリースクールへ通う子、全く世間とはかかわらないけれども、将棋の大会では中部大会にも出場するなど、富山県を代表するような人もおられます。集団になじめない、コミュニケーションがうまくできない、しかしその得意分野を伸ばして、それぞれの人生をそれぞれに謳歌する、ただそれだけでいいのです。  そうはいっても、ある一定の社会参画は求められます。そこで、アウトリーチや短時間就労に協力していただける企業の確保、支援拠点の設置促進などの対策を民間と連携して取り組むべきと考えますが、前田厚生部長にお伺いします。  高齢者が増加する中、私の父親も3年前から認知症になりました。あの立派な父がと思いましたが、いつの日か、立派でない私にも忍び寄る恐ろしいものであります。日常生活にも運転免許の保持にも大きく影響し、家族や地域にも心配や迷惑をかけてしまいました。  一度、施設入所をしましたが、ある方から助言をいただき、デイサービスやショートステイなどをうまく活用することで……。 100 ◯議長(高野行雄君)制限時間です。 101 ◯23番(武田慎一君)いろんな家庭事情もありますが、住みなれたところで暮らしたいという、多くの県民が希望しておられます。  そこで、ケアマネジャー等への研修充実も有効だと思いますが、前田厚生部長にお伺いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。 102 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 103 ◯厚生部長(前田彰久君)私から4問お答えをさせていただきます。  第1に、児童虐待への対応強化についてお答えをいたします。  平成29年度の県内の児童相談所におけます児童虐待相談対応件数は794件と、前年度から26.2%増加しておりますが、その増加要因といたしましては、議員から御紹介もございましたが、児童相談所と警察や市町村等の関係機関が情報共有、連携しての対応が進んでいるところが大きいと考えております。  御指摘の警察との連携につきましては、これまで、児童相談所への警察官OBの配置や、市町村担当者も交えました警察との合同研修の実施により、子供の安全確保の体制の強化を図っておりまして、今年度は、情報共有に関する協定を締結いたしまして、さらなる連携強化に取り組んでおります。  また、これまでも、児童虐待通告に対しましては、子供の安全確保を最優先に対応してきているところでございますが、平成28年の児童虐待防止法の改正で、子供の安全を迅速に確認するため、臨検・捜索、これ、いわゆる強制立ち入りでございますが、そちらの手続の簡素化が図られたことも踏まえまして、通告された子供の安全確認に際しては、必要に応じて警察にも援助要請を行いまして、迅速に対応することとしております。  さらに先般、7月でございますが、国におきまして児童虐待対策の強化に向けた緊急総合対策が取りまとめられまして、全国ルールとして、虐待通告受理後48時間以内に子供の安全確認ができない場合の立入調査の実施や、警察への援助要請の徹底、虐待による外傷がある事案や、48時間以内に安全確認ができない事案の警察との情報共有の徹底等が盛り込まれましたことも踏まえまして、遺漏なきよう適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、7月20日にこの通知ございましたが、現時点で、48時間以内に安全確認できなかった事例はございませんけれども、引き続き遺漏なきよう対応してまいります。  続きまして、ひきこもりの方の実態につきましてお答えをいたします。  ひきこもりの方の実態につきましては、これまで、内閣府におきまして、平成21年と27年に、全国の15歳から39歳を対象といたしまして調査を実施されております。直近の27年度の調査結果に基づきまして、人口比で試算いたしますと、県内にひきこもりの方は、御紹介ございましたが、約4,000人と推計をされているわけでございます。  この調査でございますが、本人や家族に対しまして、ひきこもりの状態になったきっかけやひきこもりの期間、外出頻度のほか、学校生活や就労に関しますこと、関係機関への相談の状況など、幅広く調査をされております。  結果を簡単に御紹介しますと、本人がひきこもりの状態になったきっかけとして最も多いのは、不登校と職場になじめなかったことでありまして、関係機関への相談については、親身に聞いてくれることでありますとか、無料で相談できることを希望される方が多くなっております。  また、ひきこもり状態になってからの期間は、7年以上が34.7%で最も多く、長期化の傾向が見られたところでございます。  国では、そういったひきこもりの長期化傾向がうかがわれることを踏まえまして、今年度中に、中高年世代に対象を広げまして、ひきこもり状態になったきっかけでありますとか、ひきこもりの期間、ふだんの生活状況などを内容といたしました、同様の調査を実施することが予定をされております。  県といたしましては、今年度の国の調査結果や調査手法を踏まえまして、効果的なひきこもり対策を講じる上で、さらに本県独自の調査が必要であるか、しっかり研究してまいりたいと考えております。  第3に、ひきこもりの方に対する支援についてお答えをいたします。  ひきこもりの状態にある方が社会生活を再開し、幅広く活躍いただけるよう、行政とひきこもり支援に取り組む民間団体を含めました関係団体が連携して、本人や家族の状態に応じた支援を行うことは重要と考えております。  このため、県では、心の健康センターに設置をいたしましたひきこもり地域支援センターを支援の拠点といたしまして、本人や家族からの電話相談や来所相談に対応しております。  昨年でございますが、大体、電話相談が352件、来所相談は97件ということで、相談に実際応じているという現状がございます。  また、同センターで、専任のコーディネーターが本人に同行いたしまして一般企業や福祉施設等を見学、訪問しまして、円滑な就労や障害福祉サービスの利用に向けた支援を行っておりますほか、富山県ひきこもり対策支援協議会を開催しまして、民間団体を含め、関係機関が連携して支援に取り組む体制の確保に努めております。  また、平成27年4月に生活困窮者自立支援法が施行されまして、福祉事務所設置自治体でございます県と市におきましては、相談窓口を設置いたしまして、ひきこもりの方に限らず、生活困窮者の自立に向けました包括的な支援を行っております。ひきこもりの方の御家族等からの相談があれば、家庭訪問等の支援を行っている事例もあると伺っております。  そのほか、県と5市におきまして、直ちに一般就労が困難な方に対しましては、就労に向けた日常生活の訓練を行う事業を実施しており、他の自治体におきましても、御指摘のようなアウトリーチでありますとか、就労体験先の開拓等を行う事業を含めまして、本事業の実施を検討していただくよう働きかけているところでございます。  今後とも、市町村や民間団体、関係機関と連携いたしまして、ひきこもりに悩む本人や家族を支える対策に取り組んでまいります。  第4に、認知症施策の充実についてお答えをいたします。  高齢化が進みます中、認知症施策については、発症の予防や早期診断・治療、認知症になっても住みなれた地域で暮らし続けられる環境の整備が重要であると考えております。  このため、県では、認知症の予防として、生活習慣病を予防いたします野菜摂取や減塩等の食生活の改善や、ウオーキング等の運動習慣の定着、高齢者の社会参加への支援等を行っておりまして、さらに今年度は、新たに認知症に関する街頭キャンペーン等を通じまして、発症予防に向けた普及啓発に取り組んでおります。  また、認知症の専門相談、鑑別診断等を行います認知症疾患医療センターを各医療圏に設置する等、認知症の早期診断、治療に取り組んでおります。  さらに、議員御指摘のとおり、多くの県民が介護が必要になりましても住みなれた地域で暮らしたいとお考えであることを踏まえまして、身近なかかりつけ医等への認知症対応力向上のための研修でありますとか、かかりつけ医に助言等を行います認知症サポート医の養成、市町村の認知症初期集中支援チーム等への支援による地域での医療の確保に加えまして、認知症高齢者グループホームなどの地域密着型介護施設やデイサービス、ショートステイ、訪問を柔軟に組み合わせます、小規模多機能型居宅介護などの複合的なサービスを柔軟に提供できる在宅サービスの充実に努めるとともに、認知症の方や、その家族を支えるケアプランを作成しますケアマネジャーの研修につきましても、認知症の課目を必修化して、認知症の方が地域で生活を継続していくための支援方策等について修得いただけるような、内容の充実に努めております。  今後とも、認知症の方が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、総合的な認知症対策の充実に努めてまいります。  以上でございます。 104 ◯議長(高野行雄君)以上で武田慎一君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。 105 ◯議長(高野行雄君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、9月18日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 106 ◯議長(高野行雄君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は9月19日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時13分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...