• "号入善黒部バイパス"(/)
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  1. 富山県議会 2016-06-01
    平成28年6月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(大野久芳君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 2 ◯議長(大野久芳君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第83号から議案第94号まで、報告第3号から報告第11号までを議題といたします。  これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  鹿熊正一君。    〔38番鹿熊正一君登壇〕 3 ◯38番(鹿熊正一君)私は、自由民主党を代表して、今定例会に提出された諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。  質問に先立ち、所信の一端を申し述べます。  最初に、このたびの熊本を中心とした地震により犠牲になられた方々に、深く哀悼の意を表します。そして、被災された多くの方々が一日も早く安らかな生活を取り戻されますことを心からお祈り申し上げます。  さて、平成28年5月27日は、現職アメリカ大統領として初めてオバマ大統領が被爆地広島を訪問した歴史的な日となりました。  富山県議会は、7年前の平成21年6月議会において、北朝鮮の核廃棄及び世界の核廃絶に関する意見書を決議しております。  今回の訪問が、核兵器のない世界実現への道のりの第一歩となることを強く願うものであります。そしてこれは、安倍外交の、また日本外交の明らかな成果であります。  さて、富山県は地方創生戦略に基づく取り組みが本格化しました。  また、政府は6月2日、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針や日本再興戦略2016など4計画を閣議決定し、雇用改善や税収増等の面で確かな成果を上げたアベノミクス第1弾に続くアベノミクスの第2ステージが動き出しました。  私は、県の地方創生戦略と国の総合的かつ大胆な経済対策成長政策とがしっかりとかみ合い、一人一人が持てる力を発揮すれば、必ず富山県は日本の中で輝きを放ち続けると確信しております。  多くの先人の努力により築かれたさまざまな蓄積と、立山や富山湾のごとくありがたき豊かな自然により、それだけの潜在力を有する富山県であると思うからです。  私たち自民党議員会は、そのような富山県づくりにしっかりと立ち向かうことにより県民の負託に応え、また将来世代に対する責任を果たしてまいる決意であります。
     それでは、以下質問に入ります。  最初に、県財政運営に関して1点質問します。  安倍首相は6月1日、来年4月予定の消費税率10%への引き上げを、平成31年10月まで、2年半再延期する方針を表明しました。これはまことに重い決断であると思います。  消費税の増税は、社会保障財源の確保のため、一定の税収増を見込めるが、景気回復の足かせとなり、再び日本経済がデフレトレンドに戻りかねない、それよりも再延期を断行し、あらゆる政策を総動員して、経済成長による税収増と財政再建を目指すことを選んだと私は理解いたします。  石井知事は、県の税財源や社会保障政策への影響も含め、消費税増税再延期をどのように受けとめておられるのか、所見をお伺いします。  次に、地方創生の深化に向けた取り組みについて16項目質問します。  とやま未来創生戦略の狙いは、人口減少を克服し、持続可能で活力ある未来を創造することであります。  そこでまず、人口の社会増と自然増の対策並びに労働生産性の向上について質問します。  3月末に改定されたとやま未来創生戦略では、重要業績評価指標(KPI)が見直され、平成31年に100人、平成36年に200人の転入超過という数値目標が初めて示されました。その鍵を握るのは、15歳から34歳の若者世代であることは言うまでもありません。  平成26年にこの世代は1,278人もの転出超過であります。  平成31年にこの若者世代の転出と転入の均衡、そして全体として100人の転入超過を実現するには、まさに政策総動員が必要だと思います。  そして、人口の社会増は県内全ての市町村が掲げる目標であり、市町村と一体となった取り組みがとても重要であります。  そこで、人口の社会増目標達成に向けた知事の取り組み方針をお伺いします。  また、このとやま未来創生戦略では、合計特殊出生率を段階的に上昇させ、平成42年に県民希望出生率の1.9を、さらにその10年後の平成52年に人口置換水準の2.07を目指すとしています。  平成52年、それは随分先のようですが、しかし、きょう生まれた子供が24歳になる年であり、今の小学生や高校生も30歳代から40歳そこそこ、まさにばりばりの現役のときであります。そのとき、彼らの生きる社会が活力があり安定しているためには、今生きる私たちの責任は重いと言えましょう。  ただ、人口の自然増対策は国の政策に負うところが大きく、何よりも結婚や出産は極めて個人的な事柄だけに、政策として限界があるのもまた事実であります。  そこで、人口減少問題を県政の最大課題とする石井知事に、昨年、本県の合計特殊出生率が1.51に上昇したこともよき契機にしながら、県民希望出生率1.9を目指す取り組み方針をお伺いいたします。  次に、労働生産性の向上について質問します。  人口増対策を講じたとしても、富山県では当分の間、毎年15歳から64歳までの生産年齢人口が1万人を超えて減り、人手不足の傾向が続きます。  こうした中で産業競争力を維持していくためには、労働生産性を上げていくことが重要になります。  生産性の向上は先進国共通の課題でもあり、そのため、IoT(物のインターネット)やAI(人工知能)の活用など、いわゆる第4次産業革命の波が起こっております。我が国も富山県も、その波に乗り遅れないようにしなければならないと思います。  また、この動きに的確に対応していくためには人材育成が重要であります。  県立大学においては医薬品工学科が新設されることになっておりますが、IoTやAIに関連する教育研究分野の充実などの検討が必要と考えます。  そこで、本県産業の労働生産性向上と人材育成に向けた取り組み方針について、知事にお伺いします。  次に、働き方改革の推進について質問します。  政府は、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けて、一人一人の事情に応じて多様で柔軟な働き方が可能となるよう取り組んでいるところです。  ここでは、富山県版の働き方改革を取り上げます。  働き方改革は、仕事と生活の両立、少子化対策、女性の活躍推進、また、労働生産性の向上などのさまざまな観点から重要であり、行政機関や企業において一層取り組むべき課題であります。  県庁では、出産、育児や介護など職員のライフスタイルに応じた柔軟な働き方を支援するため、在宅型テレワークの試行や早出遅出勤務制度、夏の朝型勤務などに取り組んでおります。  そこで、働き方改革の取り組みを民間に広げていくため、県は民間の模範として柔軟な働き方支援に率先して取り組む必要があると考えますが、どのように取り組むのか、山崎経営管理部長にお伺いします。  また、県内企業における働き方改革も重要であります。  そこで、県内企業における働き方改革の推進に向け、今後どのように取り組むのか、大坪商工労働部長にお伺いします。  次に、北陸新幹線と富山空港について質問します。  まず、北陸新幹線開業後の課題検証と対策について質問します。  北陸新幹線が開業してから、1年3カ月近く経過しました。この間、利用者数は4月13日に1,000万人を突破するとともに、1日当たり約2万5,000人となり、在来線時代の利用者数の3倍増となるなど順調に推移しております。  また、新幹線開業による県内への経済波及効果が421億円との調査結果が北陸経済研究所より出されましたが、この効果を観光のみならず他の産業にも広く浸透させ、地域経済の好循環を拡大させていかなければなりません。  一方で、新高岡駅の1日平均利用者数が、開業後半年間で1,600人、開業後1年間では1,500人、また、黒部宇奈月温泉駅では、開業後半年間と1年間ともに1日当たり800人と伸び悩んでおり、冬場の利用者確保も課題となっております。  富山駅だけでなく、他の2駅の利用者数の確保が県全体の観光、地域振興の観点から重要であります。  そこで、新幹線開業から1年3カ月近く経過した今、どのように課題を認識しているのか、そして、その対策にどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。  次に、富山きときと空港の利用促進について質問します。  新幹線の利用客が好調に推移する一方で、富山空港の利用者が大きく減少しています。  平成27年度の利用者が、平成に入り初めて70万人を下回りました。全日空富山・羽田便の乗客が前年度より33万人も減少したことが大きな要因です。  ことし3月の富山・羽田便のダイヤ改正では、1日6往復から4往復に減便されましたが、さらなる減便と利用者減といった負のスパイラルに陥るような事態は断じて避けなければなりません。  この問題に対処するため、4月に県と全日空は新たな協議会を立ち上げて、新規路線の開拓やチャーター便の運航など、利用者増に向けたさまざまな取り組みについて検討を始めたと聞いております。  そこで、富山空港の生き残りをかけ、富山・羽田便の便数維持に向けた新たな利用促進策や国際路線の利用促進策、並びに新規路線の開拓やチャーター便の運航などにどのように取り組んでいくのか、新田知事政策局長にお伺いします。  次に、地方創生を深化するための産業振興策等について数点質問します。  まず、富山版DMOを生かした取り組みについて質問します。  去る4月13日に富山県DMOスタートアップ会議が開催され、この5月31日に富山県観光連盟が日本版DMO候補法人として登録を受けました。  これまでの県観光連盟の組織を日本版DMOに移行して、経営の視点を導入し戦略的に新幹線時代の観光地域づくりを進めようとするものであります。  我が党は、平成20年度に議員提案による元気とやま観光振興条例を制定以来、従来の観光連盟ではなく、地域の観光ビジネスのかじ取り役となる専門的組織を構築すべきと提言してきましたが、この富山版DMOの取り組みはそれに沿った戦略的な取り組みであり、本県の観光振興に弾みがつくものと期待します。  そこで、DMOという言葉は県民にあまりなじみがないと思いますが、これまでの県観光連盟とどのように違うのか、また、このDMOという機能を活用して、どのように戦略的に新幹線時代の観光振興や地域活性化、ひいては産業振興に結びつけていくのか、知事の所見をお伺いします。  次に、まちの未来創造モデル事業について質問します。  地方創生の成果を上げるためには、県の取り組みはもちろんのこと、市町村、地域住民、民間事業者などが相互に連携協力し、地域の魅力、まちの将来像について真剣に考え、一体となって取り組みを進めていくことが重要です。  そのような事例として、例えば宇奈月温泉街では、新幹線の開業効果を持続発展させようと、商店や旅館の若手経営者が一体となってアクションプランを策定しました。この取り組みが評価され、先般、はばたく商店街30選として経済産業大臣から表彰されました。  こうしたきらりと光る地域の取り組みを一つでも多く発掘し支援していくことが、地方創生を実現していくために大切なことであります。  この点、昨年度からスタートしたまちの未来創造モデル事業は、市町村と地域の多様な主体が連携して実施するまちづくりの取り組みを県が支援するものであり、地方創生にとってとても重要な事業であると考えます。  そこで、まちの未来創造モデル事業の現在の進捗状況とともに、今後どのように進めていく方針か、亀井観光・地域振興局長にお伺いします。  次に、公共事業の事業量の確保について質問します。  民間会社の発表によりますと、北陸新幹線関連インフラ整備が終了したことが主たる要因で、平成27年度の県内公共工事の請負金額は、前年度に比べ全国最大の落ち込みとなる32.4%減の1,051億1,800万円となりました。  我が党には、このままでは事業の継続ができないよといった建設業者から悲痛な声が寄せられています。  言うまでもなく、建設業者は社会資本整備の担い手であるだけでなく、災害時や除雪時には地域住民の安全・安心の守り手でもあります。  地元建設業者が将来を見通せる中で、若い人材を確保し、また生産性を上げるための適切な設備投資をしながら健全に発展していくことは極めて大切であります。そのためには、公共事業量の安定的、持続的確保が不可欠であり、公共事業量の急激な縮小や事業量の低滞はあってはなりません。  県内におけるインフラ整備の必要箇所は、地域住民から我が党に寄せられる要望の数を見ても、新規、継続を問わず、土木、農林を問わず尽きることがないと言っても過言でありません。  そこで、安定的、持続的な公共事業の事業量確保にどのように取り組むのか、建設現場の人材確保や生産性向上とあわせ、知事の所見をお伺いします。  次に、ものづくり産業の高度化について質問します。  富山県では、最先端設備を導入して、ものづくり研究開発を支援し成果を上げてきております。今後は、国の成長戦略に呼応する形で分野横断的な技術の融合、高度化を図り、新たな成長産業への参入に向けた取り組みを強化していくことが求められます。例えば航空機、次世代自動車、ロボット、予防診断等の分野であります。  そこで、富山県の強みである医薬品やアルミ素材等のコア技術をさらに強化しながら、分野横断的な技術をベースにして、どのような成長産業に挑み、本県の産業構造の高度化を図っていく方針か、知事の所見をお伺いします。  次に、薬業の振興について質問します。  本県の平成26年の医薬品生産額が6,163億円と過去最高を更新し、全国順位は5年ぶりに2位となりました。これは、県内製薬企業のジェネリック医薬品などへの積極的な設備投資の成果であります。  また、政府関係機関の移転では、アジア医薬品・医療機器トレーニングセンター研修所などが決定され、改めて本県薬業の存在感が示されました。  今後、薬価の引き下げなどにより業界内での競争も激しくなりますが、医薬品生産額全国1位を目指していかなければなりません。  一方で、配置薬業は厳しい現状にありますが、薬業界では、配置薬業関連文化財群の日本遺産の認定に向けた取り組みが進められています。  そこで、医薬品生産額全国1位を目指す取り組みや配置薬業の振興など、薬業の振興にどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。  次に、県産材の利用促進について質問します。  我が党は昨年から、議員提案条例として県産材利用促進条例案を検討してきました。ちょうど昨日からパブリックコメントを実施しており、次の9月定例会に提出することとしております。  また、昨日、我が党は石井知事に、当条例案をベースとする県産材の利用促進に関する要望書を提出しました。  県内の人工林約5万ヘクタールは、その7割が主伐に適した時期を迎えております。その中にあって、県産材の消費拡大は公共建築物の木質化が進み一定の進捗はありますが、建築や設計の関係者からは、コストや品質、安定供給等で課題があると指摘されております。その課題を前に進めて、利用、伐採、再植林の好循環を生み、林業・木材産業を成長産業にしていこう、これがポイントであります。  そのためには、森林・林業施策を保育から利用へ、また環境のための森林整備に加えて、木材生産による森林整備へと進展させるべきであり、同時に、建築分野等における県産材の適切な利用を確保しなければなりません。  また、木材の生産から流通、建築に至る関係事業者の密接な連携と意欲的な取り組みを促すことが大切であり、県の支援策をアクションプランとして提示し、必要な予算が持続的、安定的に確保されることが条例の目的達成に不可欠であると考えます。  そこで、我が党の県産材の利用促進に関する要望、提言をどのように受けとめられたのか、あわせて今後の県産材の利用促進の積極的な取り組みについて、知事の所見をお伺いします。  次に、水と緑の森づくり税の延長について質問します。  水と緑の森づくり税は、平成19年度に導入されてから一度の延長を経て9年余りの間、これを財源として里山林、混交林の整備や県民参加による森づくりが積極的に進められてきました。  我が党はこれまでの実績を評価しており、水と緑の森づくりの事業は今後も継続すべきと考えます。  ただし、水と緑の森づくり税を延長するに当たっては、その具体的な使途を県民と企業にあらかじめ提示した上で、その幅広い理解を得ることが大事であります。  そこで、これまでの10年間と今後の取り組みによって本県の森林はどのように変わっていくのか、その全体像を明らかにしつつ、10年間で1億6,000万円の税負担の追加を求める理由、また5年前に引き続き資本金等が一定規模以上の法人の負担を引き上げることとしたその考え方等について丁寧に説明するなど、県民と企業から幅広い理解を得て取り組む必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。  次に、公営企業の経営戦略について質問します。  公営企業は、保有する資産の老朽化に伴う大量更新期の到来や、人口減少等に伴う料金収入の減少等により経営環境が厳しさを増しており、不断の経営健全化の取り組みが求められます。  こうした中、ことし1月、総務省は、公営企業が経営基盤を強化し、将来にわたり安定的にサービスの提供が継続できるよう、中長期的な経営の基本計画である経営戦略の策定を要請しております。  さらに、経済財政諮問会議が策定した経済・財政再生計画の改革工程表では、この経営戦略の策定率を平成32年度までに100%とすることとし、特に平成28年度から30年度までの間は地方財政措置を講じ集中的に推進するとしており、本県においても早期に取り組む必要があると考えます。  折しも、企業局では、小水力、太陽光、地熱といった新たな供給電源の開発などに取り組んでいるところですが、どのような方針で経営戦略を策定するのか、公営企業の課題認識とあわせ須沼公営企業管理者の所見をお伺いします。  地方創生の深化に向けた取り組みについての質問の最後に、環境施策に関し2点質問します。  まず、G7富山環境大臣会合の成果を踏まえた環境施策の推進であります。  先月15、16日に開催されたG7富山環境大臣会合は、パリ協定の早期発効に向け、各国が地球温暖化対策の長期戦略の前倒しや資源の効率的な利用を目的とする富山物質循環フレームワークを盛り込んだ共同声明を採択するなど、大きな成果を残しました。  この富山物質循環フレームワークがその後の伊勢志摩サミットの首脳宣言の中で支持するとされたことは、まことに喜ばしいことであります。  今回の大臣会合の誘致は、本県や富山市のこれまでの先進的な環境施策が認められたものであり、今回の大臣会合を機に、今後も日本を代表する環境先進県となるよう取り組んでいく必要があります。  そこで、G7富山環境大臣会合の成果を踏まえ、国際的な環境協力や循環型社会の実現など環境施策をどのように進めていくのか、富山物質循環フレームワークの具体化に向けた取り組み方針とあわせ、知事の所見をお伺いします。  次に、温室効果ガス削減目標の達成について質問します。  平成27年3月に策定されたとやま温暖化ストップ計画では、温室効果ガスの削減目標は、平成32年度において平成17年度に比べてマイナス8%であります。しかしながら、平成25年度時点では17年度に比べプラス6.9%となっており、平成32年度にマイナス8%という目標達成は大変困難な課題であります。  しかし私は、本県が環日本海地域の環境・エネルギー先端県を目指す以上は、ぜひとも達成すべき課題であると思います。  そのためには、家庭や事業所の省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入など、諸対策を積極的に推進する必要があります。
     そこで、平成32年度において、平成17年度比マイナス8%の温室効果ガスの削減目標を達成するため、どのように取り組んでいくのか、山本生活環境文化部長にお伺いします。  次に、3つ目の項目として、安心・安全な社会づくりについて5点質問します。  まず、熊本地震の教訓を生かした本県の震災対策であります。  今回の熊本地方の地震では、震度7の大きな余震から丸1日以上たってから再び震度7の本震が発生するなど、今までの震災では考えられなかった想定外の事態が発生しました。そのため、耐震化工事を完了していた公共施設までもが損壊し、被害を拡大させる結果となりました。  また、自主防災組織が十分機能しなかったことや、車中泊の避難者にエコノミークラス症候群が続出したことなど、現在の震災対策に死角の多いことが浮き彫りになりました。  本県は近年、大きな地震は発生していませんが、県内にはマグニチュード7以上の大地震を起こす可能性のある活断層帯として、魚津断層帯、呉羽山断層帯砺波平野断層帯が存在し、このうち呉羽山断層帯の被害想定では、マグニチュード7.4の地震が起きた場合、9万棟が全壊、27万棟が半壊、死者4,000人超という深刻な被害が想定されています。また、複数の断層帯が連動して活動するおそれもあり、この場合、さらに深刻な被害が発生することが想定されます。  強い直下型地震は日本中のどこでも起き得る、これが今回の教訓であり、本県の震災対策を見直す契機であると考えます。  そこで、熊本地震の教訓を生かし、自助、共助、公助の観点から、本県の震災対策にどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。  次に、県土の強靱化についてであります。  本年3月に、国土強靱化基本法に基づく富山県国土強靱化地域計画が策定されました。計画には、社会資本の整備等について、概ね平成33年を目途にそれぞれ達成すべき目標値が設定されていますが、具体的に実行するには、綿密な年次計画と予算の確保が必要であります。  また、東日本大震災やこのたびの熊本地震の教訓を踏まえ、太平洋側のリダンダンシーの確保や施設の耐震化、老朽化対策など事前防災・減災対策が重要であります。  そこで、災害に強い強靱な県土づくりを初めとした社会資本の整備に今後どのように取り組んでいくのか、加藤土木部長にお伺いします。  また、老朽化したため池等の防災対策や農業水利施設の長寿命化対策、治山・地すべり対策等に今後どのように取り組んでいくのか、伍嶋農林水産部長にお伺いします。  次に、高度救急医療体制の充実強化について質問します。  富山県ドクターヘリが、昨年8月24日の運航開始から9カ月余りが経過しました。ドクターヘリは1日1件を上回るペースで運航され、治療開始時間の短縮や救命率の向上、後遺症の軽減などの効果を発揮しております。  また、ドクターヘリの導入が初期研修医の確保に好影響があったと聞いており、本県の課題である医師の確保にもつながることを期待します。  今後もドクターヘリのより円滑な運用を進めるとともに、県内の救命救急医療を担う4病院の体制の強化、救急医の確保育成など、本県の高度救急医療体制の充実強化に取り組む必要があります。  そこで、これまでのドクターヘリの運航の実績、効果、今後の課題も含め、本県の高度救急医療体制の充実強化にどのように取り組むのか、蔵堀厚生部長にお伺いします。  次に、警察官の働く環境の整備と健康管理について質問します。  富山県警察においては、多様化するサイバー犯罪、特殊詐欺事件、増加する高齢者の交通死亡事故などの防止や捜査に、昼夜をわかたず精励しておられます。  さらに、昨年からことしにかけては、暴力団抗争への警戒、4月の熊本地震への応援派遣、豊かな海づくり大会や富山マラソン、先月の環境大臣会合の警備など、極めてハードな勤務状況の中でそれぞれの職務を遂行されており、敬意を表します。  職務を遂行される警察官の皆さんには相当なストレスがかかっていることは想像にかたくありません。  警察官の皆さんが、県民の期待と信頼に応え、犯罪や交通事故のない明るく住みよい地域社会づくりに精励されるためには、一人一人の警察官が心身ともに健康であることが何よりも大切であると考えます。  そこで、警察活動の基本となる警察官の良好な働く環境の整備と健康管理にどのように取り組むのか、県警察を管理する公安委員会の高木公安委員にお伺いします。  次に、犯罪捜査における取り調べの可視化について質問します。  先月、国会で取り調べの録音・録画を義務づける刑事訴訟法改正法案が成立しました。  県警は、平成19年12月議会で我が党の一般質問に対し、取り調べの状況を録音・録画することは取り調べの機能が大きく阻害され、犯罪の検挙に支障を来すおそれがあるため、極めて慎重な検討が必要だと答弁されました。その後、氷見の冤罪事件等を契機として、可視化を義務づける動きの強まりや取り調べの可視化を進める警察庁の方針を受けて、平成21年から富山県警でも試行を開始しています。  このたびの法改正は、可視化の対象は限定されるものの、冤罪を生まない司法制度の確立に向け前進することになります。  そこで、県警の行ってきた取り調べの可視化試行をどのように評価しているのか、また、3年以内に予定される改正法の施行までにどのように可視化の体制を整備していくのか、伊藤警察本部長にお伺いします。  4つ目の項目として、人づくりについてであります。  本県では、小学校の1、2年生において35人以下の少人数学級を実施しておりますが、今年度から小学校3年生において35人学級選択制が導入されました。  今年度、この小学校3年生での選択制の対象となった34の学校で、実際に少人数学級を採用したのは21校で、採用しなかった学校では、3年生の担任を増やすことになっても教員の追加配置はなく、これまでどおりの少人数指導を維持できなくなるといった事情もあったと聞いております。  そこで、今年度導入された小学校3年生における35人学級選択制の判断基準は各校においてどうであったと認識しているのか、あわせて、県内の大部分の小学校では、4年生進級時にクラスがえを行っていないことなどから、小学校4年生への選択制の拡大を求める声も現場から聞いておりますが、今後どう対応するのか、知事の所見をお伺いします。  最後に、秋の富山県知事選挙について石井知事の所信をお伺いします。  石井知事は平成16年秋、自民党の推薦候補として当選されて以来、3期12年にわたり、「活力とやま」「未来とやま」「安心とやま」を3つの柱にして、県民の幸せと活力ある富山県を目指して県政の諸課題に全力で取り組み、着実に成果を上げてこられました。  石井知事の県政運営は手がたく安定したものであると言えましょう。  知事はこの間、自民党と知事が締結した政策協定書を尊重し、また、我が党が県民の皆様の声を集約して毎年知事に申し入れる予算要望や政策提言を積極的に取り入れながら、実に周到に各般にわたり目配りをした予算編成と政策遂行をしてこられたと認識いたします。  また、知事はこの12年間、継続して行財政改革を実行し、加えて北陸新幹線建設の地元負担額の大幅軽減を実現するなど、県財政の健全化に取り組まれました。この結果、平成28年度当初予算では構造的財源不足を解消し、県債残高が半世紀ぶりに減少に転じました。  もちろん単なるコストカットではなく、直面する課題にしっかり手を打ち、また将来に向けまくべき種はまきながらの財政健全化であります。  このことにより、今後より戦略的な予算編成が可能となり、政策遂行の幅が広まったと理解します。この財政手腕は高く評価すべきものと思います。  さて、新幹線時代を迎えた富山県は、同時に人口減少問題にも直面しており、その中で、いかに活力があり安定した県づくりをするか、また、社会保障の充実や災害への備え、産業振興、そして何より人づくり、課題はますます多いように思います。  多くの県民の皆様は、これらの課題に対しては、やはり石井知事の確かな行政手腕によって対処し、前進させてほしいと期待しておられると認識します。  また、知事に県民に、夢や希望を与えるポスト新幹線のビジョンや、県民が誇れるリーディングプロジェクトを打ち出してほしいとの声も多くあります。知事には、このような県民の期待や要望の声をしっかりと受けとめていただきたいと思います。  そして私は、知事には、市町村とよく連携し、県職員一丸となって取り組み、ふるさと富山を誇りある郷土として、次の世代に引き継いでいただきたいと心から願うものであります。  我々自由民主党は常に県民の立場に立ち、知事との信頼関係を大事にして、ともに富山県の新しい時代を切り開いていく所存であります。  ここに私は、自由民主党を代表して、県政の重要な局面にあるこの期に行われる秋の県知事選挙に際し、引き続き県政を担う決意と抱負をこの場で県民に力強く表明されるよう石井知事に求めて、知事の所信をお伺いするものであります。  以上、自由民主党を代表して私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 4 ◯議長(大野久芳君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)自由民主党を代表されましての鹿熊議員の御質問にお答えをいたします。  まず、消費税・地方消費税の引き上げ再延期についてでございます。  安倍総理大臣による消費税率引き上げの再延期の表明につきましては、世界的な需要の低迷や成長の減速など世界経済が直面する大きなリスクに備え、財政出動あるいは構造改革の加速等のあらゆる政策を総動員して、内需を腰折れさせないためとされております。  今回の再延期により、国、地方を通じ、年間5兆円を上回る税収の確保が先送りされることとなり、そのうち地方消費税分と地方交付税分を合わせた地方分は平年度で1兆7,000億円程度、本県においては80億円程度の減収が見込まれます。  消費税率の引き上げによる増収分については、子供、子育て支援や医療、介護、年金等の社会保障の充実、安定化などに充てるとされておりましたけれども、先般閣議決定された一億総活躍プランでは、保育士や介護職員の処遇改善、放課後児童クラブ等の受け皿整備などを行うとされておりまして、その実施には、国の責任において消費税にかわる財源をしっかり確保していただくことが重要であると考えております。  また、現在直面している国、地方を通じた厳しい財政状況や急速に進む少子高齢化、人口減少という現状を踏まえますと、平成31年10月において税率の引き上げを行うことは避けられないのではないかと考えております。  そのためには、我が国経済の持続的かつ力強い成長が不可欠でありますので、今後、国の補正予算や29年度予算の編成などにおきまして、地方経済の活性化にも十分配慮した総合的かつ積極的な経済対策に取り組んでいただきたいと考えております。  県としましては、税率引き上げの再延期につきましては、国、地方を通じた全国的な課題でございますので、全国知事会や地方六団体とも連携しながら、地方の財政運営に支障を生じないように、必要な財政措置を講ずべきことなどにつきまして、今後、国に強く要請し働きかけをしてまいりたいと思っております。  次に、人口の社会増への取り組みについてお答えをいたします。  ことし3月のとやま未来創生戦略の改訂の際には、平成31年までに転出超過が著しい15歳から34歳の移動均衡を図るというこれまでの数値目標に加えまして、平成31年に全世代を合わせて年間プラス100人、その5年後にはプラス200人の転入超過を目指すことにいたしております。  こうした社会増の転換に向けては、とやま未来創生戦略におきまして、基本目標の一つとして、産業振興、若者の雇用創出、観光振興、県内への移住促進を掲げまして、例えば企業立地件数とか本社機能の移転による雇用創出の増加、UIJターン就職のマッチング件数の向上等々のKPI(重要業績評価指標)を設定しまして、転出抑制、転入促進の観点に立った諸施策を推進することにしております。  具体的に申しますと、まず今年度、転出抑制ではビッグデータを活用した企業誘致による雇用創出、また県立大学で全国初の医薬品工学科を来年4月に設置すると、また、看護学部については、早ければ平成31年4月に新設するということで今準備をしておりますし、また、県外出身大学生とその父母に対する県内企業の魅力や本県の住みよさのアピールをする、また、転入促進では、女子学生の方限定の合同企業説明会へのブース出展ですとか、Uターン女子応援カフェですとか、首都圏の大学生等を対象とした移住講座の開催などに取り組むことにしております。  また、県全体での社会増を実現していきますためには、各地域の強みや特色を生かすことが重要でありますので、県と市町村が一体となった事業も推進することにしておりまして、具体的には、まちの未来創造モデル事業で意欲ある市町村、朝日町なんかも大変熱心にやっておられますけれども、こうしたことを積極的に支援しますとともに、後でもお話しいたします日本版DMOによる誘客強化、また、先日オープンした日本橋とやま館を拠点とした情報発信、定住・半定住の施策を進めることにいたしております。  今後も、市町村を初め民間など多様な皆様と協働して、県民の知恵とパワーを結集しまして、夢と希望にあふれる輝いて働き暮らせる富山の未来をつくってまいりたいと思います。  次に、県民希望出生率への取り組みであります。  本県の人口ビジョンでは、国に準じて合計特殊出生率が2030年に県民希望出生率の1.9、さらには、2040年に人口置換水準の2.07まで上昇する設定としております。  このとやま未来創生戦略では、この県民希望出生率を目指して、基本目標としまして、結婚、出産、子育ての願いがかなう環境整備を上げまして、各般の政策を推進しております。  今回、合計特殊出生率1.51と、これは、4年前が1.37でしたから、この間0.14上がったということで、あまり一喜一憂してもいけませんが、今回の上昇は明るい傾向だと感じております。  県民の希望出生率は、県民の皆さんの結婚と理想の子供数の希望がかなった場合に実現するものでありますけれども、まだまだ高いハードルだと思っておりまして、結婚から子育てまで切れ目のない支援による少子化対策を積極的に推進する必要があると考えております。  そこで、今年度は、結婚、妊娠、出産支援として、マリッジサポートセンターを通じた男女の出会いの場の提供、結婚支援の県内ネットワークの形成、また、第4子以上の方が誕生された場合のお祝い事業、また、不妊治療費の助成制度の拡充などをやる、また、子育て支援としましては、病児・病後児保育といったこととか放課後児童クラブの充実、また第3子以上の保育料無料化は昨年から始めましたが、それ以外の教育費の融資を実質無利子化するといったようなこと、また、3世代同居や多子世帯向けの住宅取得に対する支援、これも実質無利子というようなことにしております。また、企業子宝率を活用した仕事と子育てを両立しやすい環境づくりなどに積極的に取り組むことにしております。  なかなか出生率の向上に決定打とか妙案はないんですけれども、やはりこれは大切なことでありますから、国と地方が役割分担しながら、企業や地域と連携して、中長期の視野に立って、粘り強く継続的な取り組みを続けていくことが重要だと思っておりまして、引き続き、総合的な子育て支援・少子化対策の推進、また、例えば税制面では、フランスのように、国においてもより実効性のある人口減少対策、フランスでは例えば子供が多いほど税金が少なくなると、こういったかなり明確な税制を導入されていますが、こういったことも含めて、全国知事会とも連携しながら、国に対して粘り強く働きかけをしてまいりたいと思っております。  次に、第4次産業革命への対応についてお答えをいたします。  全国的な生産年齢人口の減少、大体毎年富山県でも1万3,000人から1万人を超す生産年齢人口が減っている計算になりまして、この傾向は今後20年ほどは変わらないことになるわけでございます。  今後、人手不足ということが続くと見込まれるわけですから、IoTとかビッグデータとかAIですね、人工知能などの第4次産業革命の進行を踏まえまして、労働生産性の向上あるいは新たな産業構造への転換を支える人材育成に取り組むことが必要だと思っております。  そこで、まず本県産業の労働生産性の向上ですけれども、今年度新たに企業や関係団体、学識経験者などに御参加賜って、IoT活用ビジネス革新研究会、まだ仮称ですけれども、これを立ち上げまして、今後のIoT導入促進に向けた富山型モデルの研究、セミナーによる普及を進めることにしております。  例えばYKKさんなどは、グローバル企業でいらっしゃるので、世界の50カ所の自社工場あるいは3万台の設備の稼働データを例えば富山県で統一的にずっと収集して解析をして、そして最も効率的な生産体制をつくるといったようなことを検討されているようでありまして、こういったことを県としても国とも連携しながらできるだけサポートしたいと思っております。ほかの企業でもいろんな取り組みがございます。  また、IoTの導入など生産性の向上に取り組む県内企業に対して、いわゆるものづくり補助金を活用した支援を行いますとともに、県の制度融資の設備投資促進資金についても金利引き下げ措置の拡充、延長、生産性向上支援枠の創設なども実施しております。  また、第4次産業革命を支える人材育成ということで、県立大学は昨年度、学科拡充の計画を立てまして、知能デザイン工学科についてはことし4月に入学定員を10名増やしまして、ロボット工学等の分野を充実したところでございます。  また、IoTについても、来年4月に電気電子分野と情報システム分野の双方を充実することにしておりまして、定員も50名から80名に増やすといったことを今準備しております。  既に新学科として、医薬品工学科を来年の4月に創設することにしておりますけれども、今後、今ほどの議員の御提言のとおり、IoTやビッグデータ、AI、こういった第4次産業革命の対応というのは大事ですから、必要な教員確保を計画的に進めまして、例えば知能デザイン工学科と電子情報工学科を、高校生や産業界のニーズにも沿った形で、わかりやすい3つの学科に再編する、その一つを知能ロボット工学科とするといったようなことについても検討をしてまいりたい、かように思っております。  また、雇用創造プロジェクトを活用しまして、これは国のお金を活用しているわけですが、生産設備へのIoTの導入、運用など、技術の高度化を担う人材の育成、また確保の支援などに取り組んでまいります。  次に、新幹線についての御質問にお答えをします。  北陸新幹線の開業効果につきましては、観光だけではなくて、企業立地による経済波及効果などもあわせますと、421億円に上るといった算定もいただいておりますが、この開業効果をさらにしっかりと持続、進化させることが大事でございます。  そこで、まず観光振興については、新幹線3駅と県内及び近隣県との観光地との回遊性を強化する観点から、観光路線バス、例えば黒部宇奈月温泉駅で言いますとアルペンライナー、新高岡駅ですと世界遺産バス、わくライナーとか、あるいは富山駅ならぶりかにバス、こういった観光路線バスやツアーバスに対する運行の支援ですとか、また、旅行者の周遊、移動に配慮した割引切符のPRをする、また飛騨地方をめぐる広域観光の促進等に取り組みます。  また、新幹線駅周辺におけるにぎわい創出のために、富山駅では南西街区、これは富山市さんとJR西日本さんが土地を持っておられるわけですが、ここに暫定的に観光バス駐車場の整備に向けて今準備をいたしております。  また、あいの風とやま鉄道の高架下の開発に向けた検討を行いますほか、高岡の山町筋、宇奈月温泉街におけるまちづくりの取り組みを支援しますとともに、特に新高岡駅と黒部宇奈月温泉駅を活用した活性化にも努めてまいりたいと思っております。  先週4日にオープンしました日本橋とやま館では、県産品の販路開拓、観光誘客にとどまらずに、富山県の上質なライフスタイルというものを発信しまして、やっぱり一度行ってみたいなと、あるいはもういっそ移住しようかということになるように努力してまいります。  また、産業の活性化については、新幹線開業による首都圏とのアクセスの向上から、県内製造業を中心に販路開拓や商圏拡大の機運が高まっておりまして、今月22日に東京で開催されます日本最大の機械部品・加工技術の見本市、これはビッグサイトで開催されるんですけれども、ここに富山県ブースを設けまして、県内企業22社が出展するとか、また各企業、大変張り切っておられますし、これ以外にも、大手の自動車部品メーカーとの商談会ですとか航空機産業への共同受注グループの国際航空宇宙展への出展とか、さまざまな取り組みを進めます。  また、企業立地については、本社機能の一部移転や研究施設の移転、集約を推進しますとともに、あんまりあちこち手を広げ過ぎるのも効率が悪いものですから、まずは本県企業とかかわりが深い企業を抽出しまして、重点的な企業誘致活動を展開する、その際には、ビッグデータを大いに活用したいと思っております。  新幹線の最大の開業効果は、私は何よりも、首都圏を初め全国的に富山県がマスコミに取り上げられることが大変多くなりまして、そうしたことも背景に、県民の皆さんが大変明るく、ある面ではこれまで以上に自信を持って、誇りを持ってこの富山県というものを見ておられるように思います。  開業2年目であることしは、富山県の真価が問われる正念場の年だと思っておりまして、開業効果が県内全域であらわれますように、観光振興や産業の活性化、新たな企業誘致、しっかり進めてまいります。  次に、富山版のDMOについてでございます。  県の観光連盟は、本県の観光推進の中核組織ということで、県や市町村、観光事業者の方々と連携しながら活動してまいりましたが、昨年度は、まず第二種旅行業の登録を行いまして、観光商品の造成や販売も行える態勢の整備を進めてまいりました。  また、近年は旅行者の方々のニーズが多様化、高度化している、また、新幹線開業で国内外から個人旅行者の方が大変増えてきているということでありますので、マーケティングに基づいた戦略的な観光地域づくりを推進する組織でありますDMOとしての取り組みがぜひ必要だということであります。  このために、県の観光連盟に、観光統計や旅行者データなどを活用したマーケティングを行って、そして、これは別途、企画販売部というのもつくるわけですが、新たな観光商品の造成やプロモーションにつなげる、そういう機能を新たに整備する、それを担うマーケティング部に民間から実績のある方を招聘して部長に就いていただく、こういうふうにしております。これは熱海なんかで大変実績のある女性の方でございます。  また、観光は産業の裾野が極めて広いことから、幅広い産業と連携して事業を進めるために、現在、農林漁業者や商工業者等の役員としての参画、また名称の見直し等の調整が進められておりまして、こうした取り組みを通じてDMOとしての機能が強化されるというふうに期待をいたしております。  今後さらに、ICTを活用した旅行者のビッグデータの収集分析、県内での周遊状況とか、男性か女性かとか、いろいろ情報を集める、また、個別のテーマごとに関係する、例えば農林漁業者の方、商工業者の方、幅広い産業の実務者によるワーキンググループを設置いたしまして、地域観光資源の重点的な磨き上げ、これもエリア別、また季節別に違うと思いますが、そういったことに取り組む、また、誘客のターゲットを細かく設定しまして、効果的な媒体、手法を選択したプロモーションを行っていくと、そういうときに、日本橋とやま館などを大いに活用したいと思っております。  今後も何とか官民一体で戦略的な観光地域づくりを進めまして、大いに地域活性化、観光振興に取り組んでいきたいと思います。  次に、公共事業の事業量確保についてでございます。  新幹線の開業効果を持続、深化させるためにも、また地方創生のためにも、災害に強い強靱な国土づくりのためにも、やはり社会資本整備を積極的に進めるということが、ソフト政策ももちろん大事ですけれども、社会資本整備も大事だと思っております。
     具体的には、東海北陸自動車道の全線4車線化、国道8号入善黒部バイパス、富山高山連絡道路など骨格となります道路整備、黒部川や神通川、庄川、小矢部川といったような河川の改修、利賀ダムの建設、立山砂防などの大規模な土砂災害対策、また伏木富山港のさらなる機能強化、必要な事業はまだまだ多数ございます。  また、橋梁の耐震化など地震、津波対策ですとか社会インフラの老朽化対策、またお子さんのための通学路の整備など、身近な社会資本整備にも積極的に取り組んでいく必要がございます。  このために、今年度の県予算につきましては、国の公共事業関係予算がほぼ横ばいとなっている、これは平成25年度以降ほぼ横ばいとなっているわけですが、14カ月予算としては、一般公共と主要な県単独事業を合わせますと、新幹線負担金のように当然減のものを除きますと、対前年度比105%の積極型としているわけでございます。  また、社会資本整備は中期的見通しを持って着実に進める必要がありますので、この3月に県としまして富山県国土強靱化地域計画を策定して、必要な事業を計画的に進めております。  また、先ほど議員が言われたようなこともございます。先日も麻生副総理兼財務大臣が富山県においでいただきましたので、自民党の谷垣幹事長にも御同席賜りましたけれども、この社会資本整備に対する本県への重点配分を強くお願いいたしました。  御承知かと思いますが、平成25年度に比べると28年の当初予算ですね、全国的には国の直轄事業が102%、2%増なんですけれども、実は関東は117%、17%増、北陸はマイナス2%となっている、こういう資料を麻生副総理にお見せしまして、地方創生と中央政府はおっしゃっているけど、現実の数字はこうじゃないですかと、やっぱり東京オリンピック・パラリンピックなどもあるから仕方ないけれども、どうしても舛添さんの東京一極集中になっている、何とかしてもらえませんかと、こういうことをお願いしているわけでございます。  一方、社会資本整備の担い手であります建設業ですけれども、従業員数の減少や高齢化が進んでおりますが、地域に貢献し、技術と経営にすぐれた企業が将来にわたりしっかりと存続することが重要でございます。  このために、建設業の担い手確保や育成のために、労働環境改善や資格取得等の支援に加えまして、今年度新たに、若者等の雇用型訓練を行う建設人材確保育成に取り組んでおります。  また、建設現場の生産性向上を図るために、年度間の切れ目のない工事発注などに取り組んでおります。  今後とも、建設業の人材確保も支援しながら、必要な予算のさらなる確保、配分につきまして、国に対して強く要望していきたいと思っておりますが、また、この点については県議会の皆様、また国会の先生方のお力添えもいただいて頑張ってまいります。  次に、成長産業についての御質問でございます。  富山県の産業構造の高度化に向けましては、本県に集積しておりますさまざまな産業の技術力、こういうものも生かしながら、新たな成長産業への参入に向けた取り組みを強化することが重要だと思っております。  そこで、県としましては、分野横断的な技術の強化に向けまして、例えばライフサイエンスの分野で、国の大型研究プロジェクトを活用した酵素化学、これは県立大の浅野教授が生物の持っている酵素を活用してやっておられますし、また免疫機能の研究、これは富山大学の高津教授、薬事研の所長さんですね、この方がやっぱり国際レベルの大変立派な研究をされております。  また、ものづくり研究開発センターに設置しました高機能素材ラボなども活用しまして、アルミ合金と炭素繊維強化樹脂の複合化によりまして、例えば航空機とか次世代自動車への活用が期待される軽量高強度な素材開発など進めておるわけでございます。  こうした技術開発の成果を活用して新たな成長産業に挑戦しますために、例えば航空機産業については、ことし4月に、民間企業の皆さんが航空機部品の共同受注グループを設立されました。こうしたものを支援する、また、航空宇宙関係の大規模商談会への出展も応援すると、また、次世代自動車につきましては、技術情報に関するセミナー、またデンソーさんのような大手自動車部品メーカーとの商談会、これは今のところ県内50社ぐらいの企業がぜひ参加したいということでございます。また新たに、水素ステーションに関する研究部会を設置しまして、技術、運営に関する研究を進める、また、ロボットにつきましては、ロボット技術研究会での最新技術の習得、試作開発のほか、県内企業の技術開発への支援、また、県立大でもしっかり対応していきたいと思います。  また、医薬バイオについては、北陸ライフサイエンスクラスターなどによりまして、新たな予防、診断技術や創薬、医療機器等の開発、事業化などに取り組んでおります。  さらに、今年度、第4次産業革命の進展を見据えまして、IoTの導入促進に向けた富山型モデルの調査研究、また県内企業間の連携を強化しまして、これまでせっかく世界あるいは全国から非常にいい取引で受注したのに、それが県内の第1次サプライヤーに回らずに県外へ行ってしまう、そのまた2次下請、3次下請はまた県内の企業がやっているという、まことに残念な形もありますので、これを極力、県内で取引が循環する、そして、お金が富山県の中で回ってみんなが幸せになれると、こういうふうになるように努力していきたいと思いますし、また、工業技術センターなどの機能強化ですとか、医薬品の容器、包装、印刷など、医薬品関連企業の新技術、新製品の開発などにも取り組むことにいたしております。その際には、総合デザインセンターに設置した新たな3Dプリンターなども生かしてまいります。こうしたことでしっかり頑張ってまいります。  次に、薬業振興についてでございます。  これまで、県薬事研究所で製剤開発・創薬研究支援ラボを設置しましたり、また世界の薬の都と言われるスイス・バーゼル地域との共同研究、交流の支援なども行って、県内の製薬企業の製造技術力の強化や研究開発の促進に取り組んでまいりました。  さらに今年度、新しい医薬品等を試作する費用の一部の補助などを行いますヘルスケア創造プロジェクトを拡充する、せっかく県内企業が持っていらっしゃるすぐれたシーズの育成を支援するということであります。  また、お子さん用の医薬品の付加価値の高い製品の開発を促進しますために、県薬事研究所にお子さん用の、小児用の医薬品の開発のための機械の配備を行う、高度は機械も置いて、そのためのこども医薬品開発促進プロジェクトというものを新たに実施いたします。  また、県立大学には来年、医薬品工学科をつくるということで、人材育成にも努めてまいります。  配置薬業の振興については、これまでも配置従事者の研修ですとか後継者の育成、販売促進の取り組み等に積極的に支援してまいりました。  また、お話に出ましたように、先日、県の薬業連合会から富山のくすり、配置薬業に係る関連文化財群の日本遺産への認定を目指したいというお話もございましたから、この点については、関係市町村とも連携しながらしっかり取り組んで、ぜひ日本遺産に認定されるように努力をしてまいります。  また、ちょうどあす6月9日に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の北陸支部の開所式が行われまして、これはくすり政策課の中に、この北陸支部とアジア医薬品・医療機器トレーニングセンターの研修所が設置されますほか、今後、国立医薬品食品衛生研究所と県の薬事研究所によって、生薬のエキスを用いた医薬品の開発を円滑化するための共同研究が実施されることになっております。  こうした動きを追い風にして、しっかり医薬品産業の振興に取り組みまして、先ほど生産額も早く日本一にしろとおっしゃいましたが、ぜひそうして、いずれは1兆円産業になるようにぜひ頑張ってまいりたいと思います。  次に、県産材の利用促進についてであります。  県産材の利用促進のための、今条例の策定を目指して、自由民主党富山県議会議員会におかれて、これまで林業関係者の方々や市町村長とも熱心に意見交換を重ねてこられたと伺っております。  今回、公共建築物等での木造化の促進を初めとする重要な取り組みやその枠組みなどに関する提言を取りまとめていただいたことは大変時宜を得た御提言だと受けとめております。  県としましては、県産材利用促進ということで、これまでも森林整備・林業再生基金などを活用しまして、搬出間伐や林内路網の整備、高性能林業機械の導入、木材加工施設整備への支援、また県産材の需要拡大のための公共建築物の木造化や内装木質化への支援、また県産材を使った住宅への県独自の補助制度、また木質バイオマス発電施設の整備も支援してまいりました。  この結果、御存じかと思いますが、平成27年の県産材の生産量は平成20年の約2倍となります9万5,000立米になったところでございます。  また、今年度新たに県産材の利用拡大が見込まれる建築分野の需要に応じた供給を行いますために、主伐地周辺に山土場、ストックヤードを設置しまして、材の仕分けを行う、製材用のA材、合板用のB材、またC材、D材というふうに分けまして、そして輸送する取り組みを支援する、そうすると非常に効率的に安定的に県産材の出材、供給体制づくりができると、こういうことでございます。  さらに、県としまして今年度、森林・林業振興計画の見直しを行うことにしておりますけれども、今回の御提言の趣旨を踏まえまして、今後、市町村や関係事業団体の御意見も改めて伺って、県産材利用促進に係る基本計画を新たに作成しまして、関係者の連携協力のもとに県産材の利用促進が図られますように積極的に取り組んでまいります。  次に、水と緑の森づくり税についてでございます。  これまで9年間、現行の森づくりプランで明るい里山づくりなどを着実に進めてまいりましたが、課税期間が今年度、28年度までとなっておりますから、昨年から県内3カ所でタウンミーティングを行いましたり、昨年11月には県民の皆さんのアンケート調査なども行わせていただきました。  タウンミーティングでは、今後の取り組みとして、里山林の整備をもっと拡充してほしいと、それから、優良無花粉杉「立山 森の輝き」をもっと県内に普及促進してほしいと、また、松くい虫被害などもありますので、海岸林の保全整備とか、あるいは局地的な豪雨による流木発生対策などを求める御意見、御要望をたくさんいただきました。  また、アンケートでは、条件つきを含めまして、森づくり税の延長に賛成という回答が実に95%を超えまして、また、法人の税額については、県民アンケートでは増額してもいいんじゃないかという御意見が過半数だと、そのうち、資本金等の大きい企業の負担を増やすとする回答が76%ございました。  そこで、新たな森づくりプランの案では、これまでの事業の継続や充実を図りますとともに、海岸林での重点的な松くい虫被害対策とか流木防止のための里山機能の強化などの新たな課題にも対応する、また、今後10年間の目標を定めることといたしました。  これらの実施に必要な事業費を算出しますと、財源をさらに増やす、1億6,000万ぐらいの財源を従来よりもいただかなくちゃいけないと、10年間で大体38億5,000万要るということですので、そこで、県民の皆さんのアンケート結果も踏まえまして、企業の皆様にも打診をしまして、資本金等が10億円を超える企業、また50億円を超える企業について、それぞれ若干の税額の引き上げを行う方向で検討したわけでございまして、このことについては、先般開催しました水と緑の森づくり会議でも御議論いただいて、全会一致で御賛同いただいたわけで、その後のパブリックコメントでも賛成の御意見を多数いただいたところでございます。  このたびのこの森づくり税の延長と税額の一部引き上げの条例の提案につきましては、こんなふうに県民や企業の皆さんの御意見を伺いながら進めてまいりましたけれども、幸い、本議会で御賛同いただいて御議決をいただければ、新たな森づくりプランを取りまとめまして、事業の目的や効果などについて、なるべく丁寧にというお話もありました、そのとおりだと思いますので、県民の皆さんに十分御理解いただけるように工夫しながら、引き続き県民参加の森づくりを進めてまいります。  次に、環境大臣会合についてであります。  G7の環境大臣会合では、気候変動や海洋ごみ、資源効率性・3Rなど7つのテーマで意見交換が行われました。そのうち気候変動については、パリ協定の早期発効に向けた取り組み強化が合意され、また海洋ごみについては、各国が積極的に海洋ごみ対策に取り組むことで一致いたしましたし、また、富山県の取り組みを説明する機会をいただいたんですけれども、各大臣から高く御評価いただけたように思っております。  さらに、資源効率性・3Rについては、昨年9月の国連サミットで、2030年までに、世界の1人当たりの食品廃棄物の量を半分にするという採択がありましたが、これを踏まえて、国際的に連携して資源や廃棄物の有効利用を進める新たな富山物質循環フレームワークが採択されました。  これは丸川大臣が記者会見で述べておられましたけれども、富山県ではレジ袋の無料配布の廃止とか、あるいはエコ・ストア制度とか小型家電のリサイクルとか、大変熱心に県民の皆さんが参加してやっていらっしゃると、こういったことに非常に強い印象を受けたので、富山という名をつけたんだというふうにも言っていただいておりまして、大変光栄に感じておりますし、県民の皆さんも張り合いがおありじゃないかと思います。  県としましては、先月23日に、このG7の環境大臣会合の成果も踏まえまして、日中韓ロの北東アジア地域の自治体や大学等による専門家会合を開催しまして、気候変動や生物多様性、海洋ごみのテーマを中心に議論した上で、2016とやま宣言というのを採択いたしました。  今後、この宣言に基づいて、気候変動、生物多様性についての共同調査の実施をする、また、プラスチックなど海洋ごみの発生抑制や回収・リサイクルの推進をする、また、北東アジア地域自治体連合の環境分科委員会を活用した政策対話や、宣言実施の定期的確認等に連携して取り組むということになりまして、9年前の最初のとやま宣言よりもまた大幅に前進した内容になったかと思っております。  また、G7の伊勢志摩首脳会議宣言にも盛り込まれたこの富山物質循環フレームワークについては、これまでの資源効率性や3Rの県の取り組みを今後さらに進めますとともに、特に具体例として挙がっている食品ロス、食品廃棄物の削減につきましては、庁内で早速、部局横断のプロジェクトチームを立ち上げたところでございまして、今後、食品ロス等の実態把握や削減に向けた推進方策の検討を行い、市町村や事業者、消費者の関係団体等とも必要な連絡協議を行いながら進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。  食品廃棄物が大量に出る一方で、世界では1日に2万4,000人の人が餓死しているという事実もございます。こうしたことを考えますと、このテーマは大変大事ではないかと思っております。  G7富山環境大臣会合を契機に、本県の環境政策に対して、県内だけではなくて国内外の評価、大分注目されてきたかなと思っております。  県としましては、今後とも、県民総参加の環境保全活動を推進しまして、また北東アジア地域の環境保全に率先して取り組むフロントランナーとして努力してまいりたいと思います。  次に、震災対策についての御質問であります。  本県は地震が少ない県と言われているわけですけれども、地域防災力の強化、また、万々一災害が発生した場合でも、被害を最小にする減災の考え方で防災対策に取り組んでまいりました。  具体的には、津波、地震対策として、呉羽山断層帯による被害想定調査、津波シミュレーション調査の公表と、これらを踏まえた地域防災計画の改定、また今年度は、日本海域にある断層を対象とした津波シミュレーション調査を実施しております。  また、庁舎などの防災拠点施設や学校や公共土木施設の耐震化、木造住宅の耐震化の支援、また児童や生徒の防災教育や災害に対応できる人づくり、自主防災組織による防災資機材整備、避難訓練に対する支援なども取り組んでいるところであります。  特に住宅の耐震改修については、住宅全体の耐震化だけではなくて、費用の問題もありますから、1階だけの耐震化とか1階主要居室だけの耐震化でも、耐震性能を標準の1.5倍とするような耐震化も対象としまして、全国でトップクラスの手厚い支援制度としているところでございます。  議員のおっしゃった熊本地震の教訓ということは、お話しのように、本県と同様に、熊本は地震が少ない、大規模な地震が発生しないということで、地震への危機感が薄かったと言われております。  そこで、災害対策本部が通常設置される庁舎の耐震化が後回しになっていたり、そのことがその庁舎の損壊につながったなどとされているわけでございます。  国において先日、検証作業に着手されたわけですけれども、県としましても、去る5月30日に市町村防災担当部局長会議を開催しまして、改めて防災活動の拠点となる建築物の耐震性確保などを要請しますとともに、関係機関が連携した防災対策を一層徹底しようということでおります。  富山県としましては、今回の地震を踏まえまして、まずは県民の皆さんの地震への危機意識を高める。我々行政はもちろんですけれども、また木造住宅のさらなる耐震化の促進、大型家具の固定の徹底、実践的な防災訓練の実施、庁舎の耐震化、幸い、この議場も今耐震化を進めておりますが、そういうことも大事だと思っておりまして、改めて県民の皆さんへの啓発を強化するほか、専門家の御意見もお聞きして、新たな対策としまして、砺波平野断層帯あるいは邑知潟断層帯などの被害想定調査の実施や普及啓発、こういった手法についても検討してまいりたいと考えております。  次に、35人学級選択制についてお答えをいたします。  小学校3年生では、生活習慣や学習態度を身につけるといった発達段階に個人差が大きい面がありまして、こうした児童が複数在籍する学校では、小規模なほうが学級運営を安定させやすい面があるとの意見も伺っておりますので、今年度から新たに小学校3年生における35人学級選択制を導入いただきました。こういった御意見は故高平議員からも昨年9月にいただいておりまして、私自身も学校現場でそういうお話も伺いました。  この制度は、各学校が実情に応じて対応できますように、少人数指導のために配置した教員の活用を柔軟にして、少人数学級でも活用できるようにしたものでございます。  なお、少人数学級を選択した場合に、学校の事情によっては4年生以上の少人数指導の実施が難しくなるということがありますので、そうした学校には、新たに県単独の講師を配置することにしておりまして、学校現場の実施を踏まえたきめ細かな対応が可能となるように予算措置を講じております。  よそを調べますと、そこまでやっていない県も多いんですけれども、富山県としてそういう措置も講じさしていただいております。  本年春の選択状況については、対象校34校のうち21校が35人学級を選択しておりまして、その理由を確認したところ、発達段階に差がある児童が複数いるためと答えた学校が最も多く、また35人学級を選択しなかった13校の多くが、学校全体として少人数指導を充実させる必要があるためとしておられまして、いずれも3年生の実態などを踏まえながら、学校全体の教育効果を考慮して判断されているということかと思っております。  この少人数学級を選択しなかった理由の中には、4年生進級時の対応が不明であるとした学校も3校ほどありまして、議員から御提案をいただいたこともございます。  3年生で少人数学級を選択した学校の4年生進級時の対応につきましては、今後、選択制の運用状況や効果を検証しまして、4年生進級時のクラスがえなど、さまざまな事情も考慮しながら、総合教育会議の場で教育委員会で十分協議していきたいと思っております。  いずれにしても、今後とも富山県ならではの真の人間力を育む教育の実現に向けて、教育委員会と連携してしっかり取り組んでまいります。  最後に、知事選挙についての御質問にお答えをいたします。  今ほどは、私のこれまでの取り組みを御評価賜りまして、また、任期満了のことについても大変温かく力強い励ましをいただいて、心から感謝申し上げます。  この11年7カ月を振り返りますと、1期目の4年間は財政再建と元気とやまの創造の両立を進めまして、また2期目は、その直前から世界同時不況があったり、中国など新興国の台頭、また中央政治では政権交代があり、その前後の政治がいささか混迷したとか、また東日本大震災の発生といったようなことがあり、こうした次々と起こる非常に重い課題と向き合いながら、元気とやまづくりを加速させることができたかなと思っております。  3期目はいよいよ新幹線開業対策のラストスパートということで、新幹線戦略とやま県民会議というのを平成24年5月に立ち上げまして、3つの地域会議とともに、新幹線開業直後までいろんな皆さんに御参加いただきました。  新幹線開業後の富山県のさらなる飛躍に向けた取り組みを進めてまいったわけですけれども、おかげをもちまして、北陸新幹線の乗車人員、御承知のとおり、開業前と比べて約3倍となり、また、県内の多くの観光地の入り込みが増加する、また、観光客、ビジネス客の宿泊者数の伸び率は、むしろ北陸新幹線沿線地域では一番だと、全国でもトップクラスだといったことにもなっているわけでございます。また、本社機能の一部移転、大型商業施設の相次ぐ出店、開業効果は大きかったかなと思います。  また、財政再建についても、就任当時約400億円ありました財源不足は28年度に解消することができましたし、県債残高は約半世紀ぶりに減少する見込みとなりました。  ここまで来れましたのは、ひとえに鹿熊議員を初め県議会最大会派である自由民主党の皆様、また御支援、御協力いただいた議員各位の御尽力、さらには、もとより幅広い県民の皆様の温かい御支援や御協力のおかげでありまして、改めて心から御礼を申し上げたいと思います。  さて、北陸新幹線の開業によりまして、富山県はまさに新時代に入ったと思っております。  今後は、新幹線の開業効果を一時的なものにしないで、深化、持続させることはもちろんですけれども、この新幹線開業効果と数年来国に働きかけて実現していただいた国の地方創生戦略、この2つを追い風にしまして、富山県の新たな未来を切り開いていかなきゃならんと思っております。  また、国の地方創生戦略は当面5年間の取り組みですから、さらに10年先や20年、30年先を見据えた富山県経済・文化長期ビジョンの策定というのも今取り組んでおりまして、そうしたことを通じて、活力と魅力あふれる県、ひいては日本再生、再興の一翼一端を担える県、また次の世代に継承発展させていく確固とした基盤をつくっていきたいと、こういうふうに思っております。  そのためには、まずは若い世代が安心して輝いて働き暮らせる社会の実現が大切でございます。  幸い、合計特殊出生率1.51と上昇傾向にはなってきましたけれども、また20歳から24歳の男性の社会移動も、3年前はマイナス101人、出る人のほうが多かったんですけれども、2年前にプラス30人になり、また昨年はプラス108人となりました。大分元気が出てきていると思います。  こうした流れをさらに加速させるために、陸海空の交通基盤、これは北陸新幹線について言えば、早く京都、大阪までつなげる、できれば札幌開業までには大阪までつなぐ、また東海北陸自動車道、2車線の実証事業の発表がありましたけれども、これもぜひ全線4車線化に早くつなげると、また、先ほども御意見を賜りましたが、IoTの導入促進など第4次の産業革命への対応をしっかり行って、経済、産業の振興を図る、また、高齢者、障害者の方々が安心して、また健やかに希望を持って暮らせる社会、健康寿命日本一プロジェクトですとか、またG7の環境大臣会合で富山県が環境をすごく大事にする県だということも広まったと思います。健康と環境を大切にする県づくり、また、芸術文化の振興などにも取り組みまして、日本一安全で県民一人一人が輝いて生きられる元気な富山県の創造に全力で進めてまいりたいと思います。  今ほどリーディングプロジェクト、夢や希望が持てる富山県というお話もありました。そうした富山県の新しい未来を切り開いていくためには、広範な県民の皆様の力の結集が必要であります。  今申し上げた元気とやまをつくるためにも、県市町村など行政はもちろんですけれども、国会議員、県会議員の皆様、経済界の皆様、各界の皆様を初め、多くの県民の皆さんの知恵とパワーを結集して、適切に役割分担しながら、チーム富山で頑張っていくことが求められていると思います。  任期満了に際しまして、議員各位並びに県民の皆様の御支援をいただくことができますならば、県政に対する県民の皆様の熱い思いをしっかりと受けとめまして、議員を初め皆様と手を携えて、富山県の限りない発展と県民の皆様の幸せのために、引き続き全身全霊を挙げて努力して精進してまいりたいという決意でございます。  議員各位の御指導と御協力並びに県民の皆様の一層の御理解と御支援を心からお願い申し上げる次第であります。  以上であります。 6 ◯議長(大野久芳君)山崎経営管理部長。    〔経営管理部長山崎康至君登壇〕 7 ◯経営管理部長(山崎康至君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付で経営管理部長を拝命いたしました山崎でございます。  議員の皆様方には、引き続き御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  それでは、働き方改革への県の取り組みについての御質問にお答えいたします。  県全体で地方創生、人口減少対策に積極的に取り組む中で、まず隗より始めよという言葉もございますが、県庁が率先して仕事と子育て、介護の両立や女性職員の活躍などを支援する環境づくりを進めることが大切であると考えております。  このため、公務運営に支障がないことを前提としながら、職員が子育てや介護などのそれぞれの事情に応じて柔軟な働き方を選択できるよう、議員から御紹介がございましたが、昨年度から在宅型テレワーク制度の試行、早出遅出勤務制度の導入、また勤務時間を60分繰り上げる夏の朝型勤務の試行などを行ってきたところであります。  業務効率の向上や職員のワーク・ライフ・バランスの推進などに一定の効果があったと考えられますことから、今年度も引き続き、できれば試行期間を延長するなどいたしまして、これらの取り組みを進めていきたいと考えております。  また、本年1月から、男性職員の育児参加休暇を従来の5日から8日に拡大したところでありまして、県が先導的に男性の育児参画を進めることで、民間企業にも女性職員の活躍を支援する環境整備が進むことを期待しております。  今後とも県庁が率先して職員の柔軟な働き方を支援し、それぞれの能力を最大限発揮できる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。 8 ◯議長(大野久芳君)大坪商工労働部長。    〔商工労働部長大坪昭一君登壇〕 9 ◯商工労働部長(大坪昭一君)県内企業の働き方改革についての御質問にお答えをいたします。
     少子高齢化の進行による労働力不足が見込まれる中で、誰もが能力を発揮して活躍できる社会を実現するためには、多様で柔軟な働き方ができる環境づくりが重要であります。  このため国では、仕事と生活の調和、女性の活躍等を推進する観点から、各労働局に働き方改革推進本部を設置し、労使団体、業種別団体への要請や、先進的な取り組みを行っている企業への訪問などを行っており、先般、県、経済団体、労働団体が参加する働き方改革に関する会議も開催をされたところであります。  また、県におきましても、例えば所定外労働時間の削減やフレックスタイム制度、テレワークの導入など、仕事と子育ての両立支援や働きやすい雇用環境の整備に取り組む企業を支援し、取り組みを普及するため、一般事業主行動計画の策定を義務づける対象企業を法律よりも大幅に拡大するとともに、仕事と子育ての両立にすぐれた取り組みを行っている企業の表彰や、先進的な取り組み事例を紹介するセミナーの開催、企業の経営者等を対象としたトップセミナーの開催などに取り組んできたところであります。  さらに今年度は、新たに企業子宝率を活用し、県内企業のすぐれた取り組みの収集や普及啓発を行うこととしており、経済団体とも連携しながら、企業における子育てがしやすく働きやすい職場環境づくりを一層促進することとしております。  今後とも労働局と連携しながら、県内企業における働きやすい職場環境づくりの促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯議長(大野久芳君)新田知事政策局長。    〔知事政策局長新田一郎君登壇〕 11 ◯知事政策局長(新田一郎君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付をもちまして知事政策局長を拝命いたしました新田でございます。  議員の皆様には、引き続き御指導、御鞭撻、よろしくお願いしたいというふうに思います。  それでは、富山きときと空港の利用促進向上についてお答えを申し上げます。  富山・羽田便につきましては、昨年度、国の補正予算も活用しまして、約5倍という予算を配分し、全日空と緊密に連携しながら、ビジネス、観光、乗り継ぎ利用など、さまざまな観点で利用促進に取り組んでまいりました。本路線を維持安定化させるためにも、今後も積極的に取り組む必要があると思っております。  28年度予算では、実質1.5倍という予算を配分いたしまして、ビジネス需要回復であるとか訪日旅客など乗り継ぎ需要の確保、修学旅行など将来需要開拓を全日空さんが重視していることも踏まえまして、従来の取り組みに加えて、首都圏企業へのPRキャラバン、羽田経由の訪日旅客の誘致、飛騨高山へのツアーバス運行の実施、修学旅行での飛行機利用促進などに取り組むことといたしております。  また、国際路線については、インバウンド中心に利用が増えているんでありますが、路線の維持拡充のためには、いわゆる富山のほうから出ていくアウトバウンドという、こちらの需要拡大にも取り組む必要があります。各就航先からの観光旅客の誘致はもとより、県内や近隣県への空港や各路線のPR、2次交通の充実などにより利用促進に努めてまいりたいと考えています。  さらに、空港活性化のため、新規路線やチャーター便の誘致は大変重要であると考えておりまして、4月には全日空と初めて協議をする場を持たせていただきました。まずは7月に沖縄へのチャーター便が運航されることとなっておりまして、現在募集が進んでおります。このような実績の積み重ねが新規路線開拓につながると考えております。県としても、旅行会社への広告支援などを通じて積極的に協力していきたいと考えております。  また、九州方面、関西方面への新規路線については、リージョナル航空会社やLCCなどの動向についても情報収集に努めておりまして、今後も国内外の航空会社にチャーター便や新規路線開拓に努めていきたいと考えております。  以上であります。 12 ◯議長(大野久芳君)亀井観光・地域振興局長。    〔観光・地域振興局長亀井明紀君登壇〕 13 ◯観光・地域振興局長(亀井明紀君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。  去る4月1日付をもちまして観光・地域振興局長を拝命しました亀井でございます。  議員各位の御指導、御鞭撻をもちまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、私のほうから、まちの未来創造モデル事業についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、地方創生の推進には、市町村、地域住民、関連団体など、さまざまな主体が相互に連携協力しながら、自主的にまちづくりを進めることが重要であり、県では、まちの未来創造モデル事業を通じてこのような取り組みを支援することといたしております。  進捗状況につきましては、昨年度、高岡市山町筋、射水市内川周辺、黒部市宇奈月温泉街の3地域をモデル地域として選定したところでございます。  具体的な取り組みといたしましては、高岡市山町筋、射水市内川周辺は、空き家となっている歴史ある家屋を地域住民や観光客等の交流拠点として改修、整備し、地域の歴史、文化を生かしたまちづくりを進めるもの、黒部市宇奈月温泉街は、まちのにぎわい創出に向け、まち歩きしたくなる環境整備や冬季の魅力創出のため、さまざまな取り組みを行うものであり、現在、それぞれの地域におきまして、3月に開催しました第1回検討委員会における指摘を踏まえ、今後3年間に行う具体的な事業を盛り込んだ計画を策定しているところでございます。  今後の進め方につきましては、第2回検討委員会を来月開催し、3地域の計画に対して助言をいただくとともに、その後は、計画に盛り込まれた各事業に対しまして、3年にわたり支援を行うこととしております。  また、今年度も新たにモデル地域を採択しまして、来年度からの事業実施に向け、検討委員会を通じまして助言を行っていくこととしております。  今後とも、まちの未来創造モデル事業を通じまして、市町村と地域住民等が一体となった意欲的な取り組みを支援し、県内各地での魅力的な地域づくりにつなげてまいりたいと考えております。 14 ◯議長(大野久芳君)須沼公営企業管理者。    〔公営企業管理者須沼英俊君登壇〕 15 ◯公営企業管理者(須沼英俊君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。  去る4月1日付をもちまして公営企業管理者を拝命いたしました須沼でございます。  もとより微力ではございますが、公営事業の進展と公共福祉の増進等を通じて、県政の推進に誠心誠意取り組んでいく所存でございます。  引き続き議員の皆様方の御指導、御鞭撻をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  それでは、県企業局における経営戦略の策定についての御質問にお答えいたします。  議員からお話しのありましたように、公営企業は人口減少に伴う料金収入減少下での電気、水道施設などの保有する施設の老朽化に伴う大量更新などという、これまで経験のない厳しい経営環境の中で、今後とも県民へのサービスの安定的な供給を継続していくため、必要な対策を検討し実行していく必要があることから、総務省より、全国の公営企業に対しまして、中長期的な視点に立った経営の基本計画としての経営戦略の策定についての通知がなされております。  こうした状況を踏まえ、本県企業局におきましても、今後の経営指針となる富山県企業局経営戦略を、学識経験者や有識者などの皆さんの知見を参考に今年度内に策定することとしており、現在、現状分析、課題整理等を進めているところでございます。  この経営戦略におきましては、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図るため、電気、水道、工業用水道など各事業の経営課題を踏まえ、将来にわたって安定的に事業展開ができるよう、計画期間につきましては、来年度、平成29年度から38年度までの10カ年計画といたしまして、設備投資など増加する支出と、今後、人口減少等に伴い減少が見込まれる料金収入の均衡を図る収支計画の策定や、電気事業につきましては、電力自由化への対応と、小水力、地熱など新たなエネルギー開発への積極的な取り組みを、水道及び工業用水道事業につきましては、施設の耐震・老朽化対策や安全・安心な水の安定的供給の取り組みなどを柱として示すこととしております。  今後とも、経済性の発揮、公共福祉の増進を経営の基本原則といたしまして、徹底した効率化、経営健全化を図りながら、県民生活に身近で必要なサービスを提供できるよう、公営企業としての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯議長(大野久芳君)山本生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長山本 修君登壇〕 17 ◯生活環境文化部長(山本 修君)温室効果ガスの削減についての御質問にお答えいたします。  地球温暖化対策につきましては、本県では昨年3月に改定いたしましたとやま温暖化ストップ計画におきまして、温室効果ガスを平成32年度までに平成17年度比で8%削減する目標を掲げております。  この目標は、平成23年度の温室効果ガス排出量の数値をもとに推計したものであり、当時の趨勢で進みますと、平成32年度の排出量が16%増と予測されるところを、逆に8%削減しようとする目標であり、議員御指摘のとおり、大変困難な課題であると考えております。  目標達成に向けました具体的な取り組みといたしましては、国が全国的な削減対策として示されました産業部門におきます省エネ技術の導入、運輸部門における自動車燃費の効率改善、家庭部門における高効率エアコンの導入などに加えまして、県独自の対策として、太陽光、小水力発電など再生可能エネルギーの導入、とやまエコ・ストア制度を初めとした3Rや省エネの促進などの環境配慮行動の実践、推進、森林整備による森林吸収源対策を行いますとともに、さらに北陸電力におきます石炭火力発電よりも温室効果ガスの排出量が少ないLNG火力発電の設置等を想定しており、これらの対策を着実に実施することにより目標を達成したいと考えております。  このほか、近年、産業部門のエネルギー消費量が減少傾向にあり、温室効果ガスの排出量も減少しておりますけれども、その一方で、家庭部門の削減がなかなか進まないという事実もございますので、県民の意識啓発のために、これまでの幼稚園児、保育園児が家族とエコライフの実践を行う初めてのエコライフ教室、小学生が家庭で温暖化対策に取り組むとやま環境チャレンジ10に加えまして、今年度新たに、県内大学と連携いたしまして、大学生や一般県民を対象とした環境講座を開催するほか、県民の皆さんがみずからのエコ活動を宣言するとやまエコ活動宣言事業の実施などにも取り組んでまいりたいと考えております。  今後とも、県民、事業者、行政が一体となりまして、環境保全意識を高め、温室効果ガスの削減目標を達成するよう着実に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯議長(大野久芳君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 19 ◯土木部長(加藤昭悦君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。  去る4月1日付で土木部長を拝命いたしました加藤でございます。  もとより微力ではございますけれども、本県の土木行政の推進に誠心誠意努めてまいる所存でありますので、議員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。  それでは、災害に強い強靱な県土づくりについての御質問にお答えをいたします。  本県は急峻な地形などにより、全国屈指の急流河川や土砂災害の危険箇所が多く、また、富山湾特有の寄り回り波など高波も発生しやすい地理的特性があることから、災害に強い県土づくりは県政の重要な課題であります。  また、全国同様、本県においても、高度成長期以降に多くの公共土木施設が整備されており、今後、老朽化した施設が急速に増加することから、長寿命化対策を進める必要があります。  一方、多軸型国土づくりや日本海側と太平洋側の連携強化など、国土づくりの観点から、本県に期待されている役割を果たすことも大変重要であると考えております。  こうしたことから、本年3月に策定いたしました富山県国土強靱化地域計画に基づきまして、1つには、河川や土砂災害危険箇所の整備、橋梁の耐震化などの防災・減災対策及び体系的な道路ネットワークの整備、2つには、公共土木施設の長寿命化計画の策定を進め、従来の対症療法型から予防保全型の修繕工事へのさらなる転換、3つには、太平洋側のリダンダンシーの確保を目標に、東海北陸自動車道の全線4車線化、日本海側の総合的拠点港である伏木富山港のさらなる強化などに取り組むことといたしております。  県といたしましては、これら社会資本整備を着実に進めるため、今後とも必要な予算の確保に努め、太平洋側の巨大リスクに備えるとともに、日本一の安全・安心県を目指し、総合的かつ計画的に災害に強い強靱な県土づくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(大野久芳君)伍嶋農林水産部長。    〔農林水産部長伍嶋二美男君登壇〕 21 ◯農林水産部長(伍嶋二美男君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付をもちまして、農林水産部長を拝命いたしました伍嶋でございます。  富山県の農林水産業の振興と農山漁村の活性化のために全力で取り組んでまいりますので、議員の皆様の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  それでは、農業水利施設の防災対策等についての御質問にお答えをいたします。  先般の熊本地震では、多くの地すべりの発生に加え、ため池等の農業水利施設が被害を受け、農林業の生産活動に支障が生じるなど、改めて農地や林地における防災対策の重要性が認識されたところであります。  このため、ため池等の防災対策につきましては、県内の1,921カ所のため池を対象といたしまして、堤体の損傷等の点検調査を実施した上で、決壊すれば人家等に多大な影響を与えるおそれがある防災重点ため池を対象といたしまして、緊急性が高いものから順に耐震調査を行い、調査結果に基づく堤体の耐震補強を行うことや、ハザードマップの作成などに取り組んでおり、今後とも計画的に進めることとしております。  また、本県の農業水利施設につきましては、老朽化が進行し、水路の側壁の倒壊など構造的な安定性が損なわれ、災害時に被害が生じるおそれがあることから、機能診断による機能保全計画を策定し、緊急を要する約87キロメートルを対象として補修、補強を行うこととしており、長寿命化対策を進めてきております。  さらに、治山・地すべり対策につきましては、集中豪雨等による山地災害や地すべり災害防止のため、計画的に森林整備や治山施設、地すべり防止施設の整備を行うとともに、今年度から長寿命化の個別計画を策定することによりまして、施設の機能や性能の維持管理に取り組んでいるところでございます。  今後とも、県民生活の安全を守り、災害に強い県土づくりを推進するため、市町村等の関係機関と連携しながら、緊急度と重要度に応じて、ハードとソフト事業の両面の対策を組み合わせた効率的かつ計画的な整備に努めてまいりたいと考えております  以上でございます。 22 ◯議長(大野久芳君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 23 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付で厚生部長を拝命いたしました蔵堀でございます。  厚生行政の推進のため、微力ではございますが、全力で取り組んでまいりたいと考えております。  議員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。  それでは、答弁に入らせていただきます。  ドクターヘリの運航と高度救急医療体制の充実強化について御答弁を申し上げます。  本県ドクターヘリの運航につきましては、運航開始以前には年間の出動回数を400件程度と見込んでおりましたが、昨年8月24日に運航を開始して以来、先月末までの9カ月余りで既に400件の出動となっており、1日平均1.42件となっているところでございます。  先月開催いたしました富山県ドクターヘリ運航調整委員会におきまして、平成27年度分のドクターヘリ運航実績やその効果について報告し協議したところでございます。  その中では、ドクターヘリの導入により、従来の救急車による搬送と比較した場合、治療開始時間が平均で31分短縮していることや、救急科専門医による重症事例の予後調査では、救命率の向上や後遺症の減少、軽減に大きな効果を発揮していることが検証されたところでございます。  具体的には、重症事例109例のうち、死亡者数は66人から45人へと21人減少しております。また、重篤な後遺症を残したと考えられる方は、24人から16人へと8人減少いたしております。さらに、重症と想定された方が軽症で済んだといった方は、19人から48人へと29人増加しているところでございます。  このように、ドクターヘリの導入によりまして本県の高度救急医療体制は充実強化してきているところでございますが、今後は、ドクターヘリに搭乗いたします医療スタッフや搬送受け入れ病院におけます高度な技術を身につけた救急科専門医の育成確保が重要な課題であると考えております。  このため、ことし3月に救急科専門医連絡会議を設置いたしまして、専門医養成プログラムを持っております県内病院の専門医が協力連携して救急科専門医の育成を進める体制を構築したところでございます。  また、今年度新たに初期研修医を対象といたしまして、ドクターヘリなどを活用いたしまして、実践的な救急医療の研修を実施することといたしております。  今後とも、ドクターヘリの活用による迅速かつ適切な救急医療活動を推進していくとともに、救命救急医療を担う県内4病院の運営支援に取り組みますとともに、さらには、救急科専門医の育成確保を積極的に進めまして、県内の高度救急医療体制の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 24 ◯議長(大野久芳君)高木公安委員。    〔公安委員高木繁雄君登壇〕 25 ◯公安委員(高木繁雄君)警察官の良好な働く環境の整備と健康についての御質問にお答えいたします。  公安委員会といたしましては、県警察を管理する立場から、県民の安全・安心確保のため、警察官が心身ともに健全で日夜しっかりと働いていけますよう、住環境を含めた働く環境の整備と健康管理の充実に配慮されるよう支援してまいりたいと思っております。  まず、住環境の整備についてでありますが、近年、県内におきましても、暴力団の対立抗争が発生するなどの現況下、警察官は常にリスクと背中合わせにあるのでございます。  したがいまして、リスク管理の面からも、待機宿舎や老朽化した交番、駐在所の建てかえ整備や防犯カメラの設置などが必要であり、その充実に努めていただきたいと考えております。  次に、風通しがよく働きやすい職場環境の整備についてでありますが、県警察ではこれまでも、業務の合理化、効率化、時間外勤務の縮減、育児、介護と仕事の両立支援などに取り組んでおられ、この3月にも、富山県警察全職員の働き方改革と女性活躍などの推進についての計画を策定し、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた施策を推進していると伺っており、こうした動きを支援してまいりたいと思っております。  また、健康管理対策について、健康診断や人間ドックのほか、生活習慣病などに着目した糖尿病セミナーや禁煙セミナーを実施するなど、警察官の健康状態を適切に管理し、病気の早期発見、早期治療に努めていると伺っております。
     さらに、警察官は昼夜を問わず発生する警察事象に対して凜とした対応が求められる一方、人権などに配慮しながら親切丁寧な対応も求められる、こうしたことから、職務上ストレスを抱えやすい環境にあるのでございます。  このため、県警察が採用した臨床心理士及び産業医によるストレスチェックやカウンセリングを行うなど、心の健康維持、回復についても取り組んでいると伺っているところでございます。  いずれにいたしましても、公安委員会といたしましては、県警察が職場環境の整備と健康管理対策を積極的に推進し、事件事故との戦いに強い組織を構築していけますよう、引き続き助言指導を行ってまいりたいと考えております。 26 ◯議長(大野久芳君)伊藤警察本部長。    〔警察本部長伊藤泰充君登壇〕 27 ◯警察本部長(伊藤泰充君)取り調べの録音化についての御質問にお答え申し上げます。  県警察では平成21年4月から、裁判員裁判対象事件で、身柄拘束中の被疑者を対象として、一部例外を除き、取り調べの録音・録画の試行を実施しております。  また、これに加えて、現在は裁判員裁判で併合審理される見込みのある事件で、身柄拘束中の被疑者や知的障害等を有する身柄拘束中の被疑者であって、言語によるコミュニケーション能力に問題がある者等の取り調べについて、罪種にかかわらず録音・録画の対象としております。  この試行の事件数及び実施回数につきましては、試行実施開始から本年5月末まで108事件、合計730回となります。  また、平成26年4月からは、試行実施事件について取り調べの全過程の録音・録画を実施しており、本年5月末までに21事件、合計412回の実施をしているところであります。  なお、平成27年度においては、裁判員裁判対象事件の8割以上で取り調べの全過程の録音・録画を実施しております。  取り調べの録音・録画には、被疑者供述の任意性や信用性の立証に有効な面がある一方で、被疑者から十分な供述を得られなくなる場合があるなどの問題があると認識しており、これまで捜査への支障等にも留意しつつ試行を続けてまいりました。  その間、初めて録音・録画を行う捜査員の中には、カメラを過剰に意識して、ふだんどおりの取り調べができない者もいたことから、より実践的な指導教養に努めてきたところです。  改正刑事訴訟法が成立し、裁判員裁判対象事件について、原則、取り調べの全過程の録音・録画を義務づける制度が3年以内に施行されることに対応するため、録音・録画のもとでの取り調べに捜査員を習熟させるとともに、取り調べ技術のさらなる向上を図ることが必要であると考えております。  また、取り調べの録音・録画に必要な装置につきましては、現在、使用頻度が高い一部の警察署は複数配備しておりますが、3分の2の警察署は1台ずつの配備となっております。  装置の故障や複数の被疑者に対する同時実施の必要が生じた場合に備え、今後、全警察署に複数配備することが必要であると考えております。  県警察といたしましては、引き続き捜査員に対する研修等を通じて、取り調べの録音・録画に関する経験の共有や技能の向上を図るとともに、財政当局と協議の上、録音・録画装置の計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。 28 ◯議長(大野久芳君)以上で鹿熊正一君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時15分休憩      ─────────────────────  午後1時10分開議 29 ◯議長(大野久芳君)休憩前に引き続き会議を開きます。  菅沢裕明君。    〔32番菅沢裕明君登壇〕 30 ◯32番(菅沢裕明君)社民党・無所属議員会を代表して質問をいたします。  さて、知事は午前中の自民党議員会の質問に答えて、今秋の知事選への出馬、4選目ということでしょうか──を表明されました。  この4選ということについては、いわゆる多選批判の声が多くあるわけであります。それは、知事という職は、多くの許認可権を持ち、財政や人事などで大きな権限を持つ権力の座であるということと関係いたします。  多選の一番の弊害は、知事の周囲にイエスマンばかり集まり、知らず知らずのうちにワンマンになって、民意から離れていくことだと指摘をされておるわけですよ。私が特別申し上げているのは、これは多く指摘をされておるとご理解ください。  石井知事がそうなっていると、私は断定しているわけではありませんが、こうした多選批判に対する知事の考え、そうならないためには何が大事かということも含めて御意見をいただきたいと思っております。  次に、石井県政3期12年間を振り返ってみますと、新幹線の巨額な地元負担金を確保するため、医療、福祉、教育、地域、市町村の課題等への影響が大きく、こうした分野が犠牲にされてきたと言えないかということであります。知事の御苦労もそこにあったのではありませんか。  その結果、例えば子供医療費無料化は、石井県政時代、通院は4歳未満、入院は就学前に据え置かれ、全国で低位となっております。  この制度の実施主体の市町村から、県による助成が基礎、最低水準となることから、県助成の拡充を求める声が今も強いのであります。  また、父母、教育現場から要望の強い35人以下の少人数学級についても県は極めて消極的で、全国最低水準の実施状況であります。子供たちのための教育予算がしっかり確保されてこなかったのではないでしょうか。平成26年度予算の県民福祉に関係する扶助費の歳出決算額は、全国46位の低さであります。  そして、財源不足が強調され、富山県政版ショック・ドクトリンとも言える行革で、徹底した県職員削減が行われ、職場は残業が増え、健康を害する職員も増えていると聞いております。  富山県政は今、北陸新幹線の開業を迎え、その効果をどう全県へ波及するのか、石井県政の時代も人口減少に歯止めがかからず、地域の疲弊が進行する中で、県政の課題が今まさに山積し、大きな転換期を迎えているのではないでしょうか。  こうした中で、ポスト新幹線の時代は県民生活重視の県政へ、新しい県政の推進が求められているのではないでしょうか。  石井知事のお考えをお聞きしたいのであります。  いずれにしても、知事、県民の中には、あなたのお仕事ぶりに、いろんな見方や評価があるわけであります。  先ほどの代表質問は、かなり評価一辺倒であったと思いますけれども、私どもは、この間の県政をしっかり総括し、県政の役割である県民生活の向上、安心を基軸に県政政策を検討し、県民世論に耳を傾け、しかるべき時期に知事選への対応を示してまいりたいと、このように考えております。  次に、当面する県政の諸課題に触れて質問いたします。  まず、安倍政権のアベノミクスと消費税増税延期に関してであります。  アベノミクスの3年間で、パートや派遣など非正規労働者が4割に達し、労働者の実質賃金は4年連続で下がり続けております。GDPの6割を占める個人消費が初めて2年連続マイナスとなり、アベノミクスでは経済を成長させる展望は見えてまいりません。  一方で、大企業は史上最高の経常利益を上げ、内部留保は300兆円を突破、株高で富裕層が潤っております。  国民生活は、消費税増税や年金、介護などの社会保障切り捨てで、貧困と格差が拡大をし、経済の好循環、トリクルダウンなど、どこにも実現しておりません。安倍政権の失政は明らかであります。  こうしたアベノミクスの破綻が消費税増税の延期につながったのであります。  増税延期で、県財政、県民生活への悪影響が危惧されておりますが、福祉、社会保障の後退は絶対に許されません。安倍政権での4兆円もの大企業減税を中止し、富裕層に応分の負担を求め、5兆円を超える軍事費を見直せば、消費税増税の必要はありません。  知事の見解を伺います。  次に、保育士、看護師の処遇改善の課題を取り上げます。  0歳から就学前までの子供を保育し、仕事と子育ての両立を支え、子供の成長に大きな役割を果たす保育園、しかし、全産業の平均に比べ、月額10万円近くも低い保育士の賃金については、大幅な引き上げが必要であります。  その中で安倍政権が一億総活躍プランで提示したのは、わずか月6,000円、約2%の賃上げであります。  保育士の低賃金は国の基準によるものであります。国が認可保育園の人件費を含む運営費、公定価格でありますけれども、これを算出する際、賃金上昇分は勤務11年でとまります。これでは、保育士は若いうちに退職するのが当然という制度であり、10年もすれば女性は結婚して家庭に入るものということであります。国の基準はこういう発想から抜け出しておりません。  保育士の低賃金、早期退職などで犠牲になるのは子供たちであります。国の責任だけでなく、自治体、県も率先して、保育士の処遇改善について役割を果たすべきであります。  以下、知事、厚生部長に質問します。  第1に、県下の民間保育所等における保育士の賃金、勤務年数などの実態はどうなっておりましょうか。また、保育士の非正規化の現状についてもお伺いします。  第2に、国が保育所運営費、いわゆる公定価格の算出の際の人件費について、保育士の経験年数による処遇改善加算を11年で頭打ちにしていることが、保育士の低賃金、若年退職の背景にあると考えます。抜本的見直しを求めるものであります。  県としての対処方針も含めて、知事のお考えを伺います。  次は、介護労働者の問題であります。  介護労働者は、平成26年の国調査で、全産業平均より10万円程度も月例賃金が低く、勤続年数に至っては、全職種14年に対し5年の低さであります。  こうした中で、今後さらに介護サービス料の増加が見込まれ、現在の県下の介護労働者数1万5,000人を37年度まで、毎年約500人から600人増やしていく必要があるとされておるわけでありますが、しかし、現状では人材確保が極めて困難と思われます。  こうした事態に対して、政府は介護報酬の処遇改善加算を拡充することで可能と説明をしてきましたが、本当に効果が発揮されているのでしょうか。地域の介護労働者からは、賃上げの実感があるとの話が全く聞けないのであります。  そもそも大幅な介護基本報酬の引き下げがあり、介護事業所経営に大きな打撃を与え、介護労働者の賃金や労働条件の悪化につながり、サービス内容にもマイナスになっていると言われておるのであります。  そこで、厚生部長に質問しますが、介護職員処遇改善加算が創設され、平成24年4月に、1人当たり月額1万5,000円相当、27年4月には月額1万2,000円相当の処遇改善が実施されてきましたが、賃上げが確実に行われているのかどうかであります。行われていないとすれば、どこに問題があるのでしょうか。実態をしっかり把握すべきであります。  事業者の責任で実施されていない場合は、指導監査を強めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、地域活性化と県の地方創生について伺います。  第1に地方創生、県の場合、とやま未来創生戦略ですが、平成28年度の事業展開はどうなるのでしょうか。  国の地方創生を受けたとやま未来創生戦略は、31年度までの5年間の取り組みであり、この計画には、子育て支援や若者の仕事確保、地域経済の振興策など重要な課題が含まれております。  国の平成27年度補正予算に盛り込まれた地方創生加速化交付金1,000億円は、3月末に県分が交付されておりますが、県の主要事業と事業費はどうなっているか。  また、国の当初予算の地方創生推進交付金1,000億円については、県から申請するには、地域再生計画の策定が必要とされておりますが、今後の対応はどうなるのか。盛り込まれる事業や事業費について、観光・地域振興局長に質問いたします。  次に、県の定住・半定住策の促進について質問いたします。  平成27年5月に公表された食料・農業・農村白書の特徴は、田園回帰でありました。この白書は閣議決定を経たものでありまして、田園回帰という言葉とその認識を政府が正式に認めたことを意味します。  26年6月の内閣府の世論調査の中に都市住民の農山漁村への定住願望というのがありまして、その数字を見ると、特に男性の20歳代が47%も、将来、農山漁村に移住したいと答えておるわけであります。  あなたは、将来、子供を農山漁村で育てたいか、都市で育てたいかという設問に、30歳代の女性の過半が農山漁村で子供を育てたいと答えております。国民の農山漁村、地方への移住願望が高くなっていることに注目する必要があります。  そこで、本県もこの数年来、定住・半定住に力を入れてきておりますが、民間機関の調査によると、平成22年、6年前の県の実績は全国4位、しかし、その後は伸びておりません。  ここで、知事、観光・地域振興局長に質問いたします。  まず、東京有楽町の富山くらし・しごと支援センターなどへの最近の相談状況はどうか。新たな日本橋アンテナショップでの情報提供を始めるとされておりますが、体制はどうなっているかであります。  次に、県外からの移住の現状と促進策についてであります。  定住・半定住には、Iターン、Uターン、2地域居住、地域おこし協力隊など幅広く、多様な動きがあります。また、県、市町村相談窓口を通じた定住、就職、県外からの農林漁業への新規就労などがあり、それぞれの実績と課題はどうでしょうか。  これら定住・半定住には、最近、若い男女、単身者が多くなっていると聞きます。移住後の仕事の傾向など、把握されていればお聞きをしたいのであります。  さらに、定住・半定住で実績を上げていくためには、県の全庁的な取り組み体制の構築、市町村との連携が重要になってきていますが、どうでしょうか。  県庁内での業務も、観光・地域振興局、農林水産部、商工労働部などばらばらで、全体の把握、連携が不十分と言わなければなりません。  次に、県民生活の安心・安全に関する質問であります。  まず、県の地震対策を取り上げてまいります。  熊本地震から間もなく2カ月、尊い人命が奪われ、住民生活に甚大な被害をもたらしております。心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。  震度7が襲った今回の地震は、大きな揺れが繰り返されるという過去の震災にない特徴を持っております。  その中で、住宅、建物の被害は約7万棟に上り、従来の耐震基準は通用しませんでした。耐震補強を終えたとしていた学校など、避難場所の建物も被害を受け、自家用車での車中泊、テント暮らしなどが避難者に強いられ、健康、命が現在も脅かされております。地盤にも被害が及んでいることで、仮設住宅の整備が遅れたりしております。  こうした大地震に襲われた熊本でありますけれども、先ほど知事のお話にもありましたが、地震が少ないところと言われてきたことが重大であります。  この機会に、熊本地震を教訓に、県の地震対策を抜本的に見直す必要があります。  富山県内では、富山平野から富山湾内に達する長さ22キロの呉羽山断層帯があり、これが最も大きな被害をもたらすとして、平成24年5月に、県の地域防災計画(地震・津波災害編)に取り上げられました。  想定震度はマグニチュード7.4、富山市などで9万戸が全壊し、死者は4,200人に上ると推定されております。  ただ、規模や発生確率が呉羽山断層帯に匹敵するとされる断層帯、例えば午前の代表質問にもありましたが、答弁にもありましたが、砺波平野断層帯東部、砺波平野断層帯西部、法林寺断層とも言いますけれども、さらに魚津断層帯や、近県の断層帯で、富山県西部に大きな被害が想定される森本・富樫断層帯、津幡から金沢に至ります。邑知潟断層帯、七尾市からかほく市に至ります。こういった断層帯などは、参考扱いということで、県の津波対策に取り上げられておりません。  これらの断層帯について、熊本地震以降、地震学者、専門家から警告が発せられ、県に対策を求める声が強くあります。  そこで、以下3点について、知事に質問いたします。  第1は、呉羽山断層帯以外の県内外の断層について、少なくとも国の地震調査研究推進本部が取り上げているもの、今私がお話ししたものがそれに当たりますけれども、これらなどは参考扱いではなく、正式に県の地震対策の対象にすべきであります。  県民の命、安全に、知事、参考はありませんよ。  第2は、県東部地区、滑川、魚津、黒部の各市、入善、朝日町の地域別地震係数が0.9と割り引かれていることについてであります。  地震係数は、耐震基準で建物などに求める強度であり、県下の違いは合理的ではないと私は考えます。  第3に、さきに述べたような熊本地震のこれまでにない特徴を踏まえ、県民の命を守り、減災を徹底するために何が必要か、県民の耐震診断への要望が増えておりますけれども、これらの要望にしっかり応えていくことも含めて、県の地域防災計画(地震・津波災害編)の抜本的見直しに、すぐに着手すべきだと考えるものであります。いかがでしょうか。  次に、県の津波対策についてであります。  東日本大震災後、県の地域防災計画(地震・津波災害編)が見直されましたが、その中で、富山県に影響のある津波の発生源、断層帯の設定に当たって、糸魚川沖連動津波をここでも参考扱いとし、県の津波対策から事実上、除外したことは、私も今まで指摘してきたとおり、大問題でありました。
     糸魚川沖連動地震は、地震の規模がマグニチュード8と大きく、最大津波が県西部や東部では呉羽山断層地震より2メートル以上高くなり、4メートルや6メートルの巨大津波をもたらすとされております。  こうした中で、平成26年8月に公表された国土交通省などの日本海側における最大クラスの津波断層モデルF41、27年10月に文部科学省、東京大学によって実施された調査結果で明らかにされた断層モデルTB5、TB6、JO1、JO2の連動などは、先に参考扱いとされた糸魚川沖連動と同じエリアの断層であることが明らかにされてまいったわけであります。  私は、これは極めて重大なことと考えます。  そこで、知事に質問しますが、私が以前から問題点を指摘してきましたが、糸魚川沖連動の参考扱いの県の判断は正しかったのかどうかということであります。  石川県は、糸魚川沖連動、能登方面に巨大な津波をもたらすものとして、真正面から対策に取り上げてまいりました。参考扱いとした県の姿勢は、県下の市町の津波対策の混乱の──氷見市なんかで顕著にあらわれておりますけれども、原因にもなったのであります。  氷見市では、ハザードマップに、呉羽山断層の浸水域を表示し、さらに、あわせて、それよりも高い津波が来る糸魚川沖連動断層の浸水域を地図の中に追加して挿入しました。そのことによって、呉羽山断層帯の中の避難所が、糸魚川沖連動の場合は浸水域に避難所が数多く設置されるという問題が発生したのです。  知事、これが市町村の混乱の一つの例であります。  私は、この機会に、最大限のリスク、危険にしっかり備える県の津波対策、これは地震対策でも同じでありますけれども、強く求めたいと思うわけであります。  そこで、現在進められている新たな6断層帯の津波シミュレーションの取り扱いが注目されるわけであります。  そのシミュレーションの結果は、真正面から受けとめるべきであります。今秋にも結果が出るとされておりますが、また参考扱いが連発されるようなことがあってはならないと私は考えます。ここでも県民の生命、安全に参考はない、私はこのことを強調したいと思います。  知事、いかがでしょうか。  最後の質問に入ります。  これはどうしてもしっかり改革を求めたい県企業局の問題を取り上げたいと思います。  質問に入る前に申し上げなければなりませんが、県企業局は行革で大幅な人員削減を受け、10年前は170人、現在は110名体制で、六十数名削減されて、この削減率は40%近くになりますけども、そういった人員削減を受けながらも、日夜にわたる献身的な業務で、良好な企業実績を上げ、水道事業などで県民生活や県内産業に大きく貢献していることを私はしっかり認めた上で、評価した上で、以後の質問に入ります。  県企業局の業務の中に、私には幾つか看過できない問題があります。こういった問題は、本年の2月、3月の予算議会でも委員会で取り上げさせていただいておりますけれども、改めての問題提起になろうかと思いますが、県営水道事業では、あの熊野川水道が破綻、86億円の巨額債務処理を県の一般会計、これは税金ですよ。県民負担です──で行いました。  また、東部水道では、受水予定市町、これは新川の2市2町でありますけれども、いまだに出資金の協力が得られず、県が宇奈月ダム建設の水道分の元利償還、維持管理費を、これまで県の一般会計からの支出で処理する始末であります。この経過は予算特別委員会でも申し上げたとおりであります。  こうした県に大きな損失を与えながら、私はここであえて強調しますが、誰も責任をとっておりません。  他方、西部水道では、必要もないのに、県営の境川ダムで過大な開発を行い、現在も11万トン近くの未利用水があります。需要も見込めないのに巨大な余剰水を稼動資産に転換して、県西部の受水市、高岡市、氷見市、小矢部市、射水市等でありますけれども、受水市の地域住民の負担、つまり高い水道料金となっておりますけれども、そういうものを押しつけているのではないでしょうか。  熊野川や東部水道では、破綻し、行き詰まった事業を税で救済処理をし、西部水道では、住民負担への転嫁であります。  新しく任務につかれた須沼公営企業管理者には、私は、企業局の改革に期待を持っておりますけれども、この理不尽をどのように受けとめていらっしゃるか、明確な答弁を求めたいと思います。  問題は水道事業だけではありません。工業用水事業でも、境川ダムに余剰能力が十分あるのに、国の利賀ダム建設への出資6億円は無駄遣いも甚だしいものであります。  後でも申し上げたいと思っておりますが、利賀川の、この国営の利賀ダム、その上流に県営の利賀ダムがありますけれども、利賀川というのは砂が大量に発生する河川として有名でありまして、利賀川ダムの県営の利賀ダムは既に堆砂率が90%を超えておるわけであります。その下流に国営の利賀ダムができます。  さらに、工業用水の関係で、旧神通川工業用水道事業を和田川工業用水道事業に吸収合併したのは相当以前でありますけれども、この神通工水は事実上、取水口に海水が遡上するなどの原因で、ほとんど工業用水の生産をしないままに破綻をした事業でありまして、この神通川工水と和田川工水の合併は、まさに私は、その破綻を隠蔽する、そして神通工水を放置する、そういうことにつながっていると思っております。ここでも150億円の投資を無駄にして、誰も責任をとりませんでした。  以前に、立山山麓スキー場開発の破綻もありましたが、責任が問題にならないことは、企業局の体質なんでしょうか。おかしいですね。私は大きな疑問を持っております。  そして今、県営電気事業の北陸電力への売電単価が4月から改定で0.5円アップし7.5円となり、2億円の収入増につながったとされております。  2億円の収入増、その中から県民福祉への還元などがあって大変よかったと思っておりますが、しかし、電力自由化という新しい状況下で、全国の例から見ても、これは安売りに過ぎないかということであります。そういうことでは県民の利益に反します。適正かどうか明確にしていただきたい。  北陸電力との売電契約も公表されておりません。私への資料提供では、真っ黒に塗った契約書が出てまいりまして、これはTPPの交渉記録の国会開示もそうでありました。今、東京都知事に対する情報開示も黒塗りで、3番目が私に対する企業局の北電への売電契約書ではないかと思っておりますけれども、そうでないように願っておりますが、総括原価方式による売電単価の根拠についても明らかにされておりませんで、しっかりと検証が必要であります。  私が企業局の問題を取り上げるのは、こうした問題点をしっかり改善をし、最近の小水力発電などでの実態を教訓に、企業局の貴重な蓄積された資源とすぐれた人材を生かして、県民福祉の増進にますます貢献してほしいからであります。  着任された須沼公営企業管理者の答弁を求めたいと思います。  次に、県の公共投資のあり方についてであります。  アベノミクスの第二の矢、財政出動については、県議会でも相変わらず大型開発、道路などへの新たな投資への要望が強いわけでありますが、公共投資のうち、維持管理、更新費の割合が増加する時代に入っております。  平成22年時点で、国土交通省所管8分野、道路、港湾、治水、海岸などでありますが、8分野で予算の50%が維持管理、更新費となっており、望ましい状態を維持するためには、この比率を上げていかなければならないというのが国土交通省の見解であります。新たな投資の余地は、県においても縮小せざるを得ない状況であります。  現在、県土強靱化計画が策定されましたが、県においても、老朽化するインフラの補修が喫緊の課題となっております。  その中で、県の公共施設長寿命化計画の策定状況と進捗度、年間予算はどうなっているか、また、計画未策定の分野の計画づくり、必要予算の見通しはどうかを伺いたいと思います。  また、未策定分野に、県管理のダム、これは土木、農林、両方にまたがりますけれども、ダム関係が入っておりますが、これらダムにおける、先ほど申しましたような堆砂対策が入るのかどうか。これはどうしても入れてもらわなければならんと私は思います。  土木、農林の県管理ダムの堆砂の状況について、また、対策予算についても明確にできればお尋ねしたいと思っております。  以上について、土木部長の答弁を求め、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 31 ◯議長(大野久芳君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 32 ◯知事(石井隆一君)社民党・無所属議員会を代表されましての菅沢議員の御質問にお答えをします。  まず、多選の弊害についてであります。  何期目から多選になるといった定義づけはなかなか難しくて、私は固定的な考えを特に持っておりません。  ただ、一般論として申し上げれば、地域によっていろんな事情があると思いますけれども、知事も含めて自治体の首長の任期があまりにも長期にわたるのは望ましくない面があるんじゃないかと思っておりますが、最終的には、何期務めるかは有権者がお決めになることであると思っております。より適切な人がいらっしゃれば、当然有権者がそのような判断を下されるということになります。  過去には、近県でも8期務められた知事さんとか、現在でも6期、4期の知事がかなりいらっしゃるわけですけれども、皆さん常に向上心を持って努力されて、県政が相当程度順調に進んでいるとか、あるいは身辺が清潔で誤解を招くようなことがないとか、いろんな事情で、結果として有権者であるそれぞれの県民の皆さんがそういう判断をされているんだろうと思っております。  そういう意味では、何期目というよりも、さっきイエスマンばかり集めているという、私のことをおっしゃっているわけじゃないと思いますが、幸い私の場合は、寺林副知事、須沼管理者初め、本当にきちんと言うべきことは言ってくださる非常にすぐれた幹部が多いわけでございますし、常に初心を忘れず、公正公平で信頼され、夢や希望の持てる県政を目指して、富山県の限りない発展と県民の幸せのために、誠心誠意全力を尽くして取り組んでいきたい、また、そのことが一番大切だと思っております。  次に、北陸新幹線の建設負担が県民福祉などを犠牲にしたのではないかというようなお話でございます。  北陸新幹線建設に伴う巨額の地方負担につきましては、国にも強く働きかけまして、合計で約618億円の軽減が実現できた、そういう計算となります。  また、職員の皆さんの御協力を得て、一般行政職の総人件費を約27%削減するなど徹底した行政改革に取り組みますとともに、東京などに集中しがちな税収の地方への再配分などに取り組みました結果、新幹線負担金もほぼ払い終えた上で、就任当時、約400億円あった財源不足を今度の当初予算で解消できたと、また、県債の残高も約半世紀ぶりに減少する見込みとなっております。  こうした行財政改革の推進と必要な財源確保に努めます一方で、やはり県民の皆さんが輝いて生きられる富山県づくりが大切だということで努力もしてまいりまして、1世帯当たりの可処分所得は全国で1番、また、生活保護率は全国最小が続くことになりまして、今、東京などで課題になっている保育所待機児童もゼロ、教育水準も、これはやはり全国トップクラスと考えていいんじゃないかと思います。  生活保護率が低ければ、当然扶助費も低くなって、そうしたことも含めて、民生費、衛生費、教育費は、人口当たりで、全国でだいたい中ぐらいになっているということでございます。  具体的には、福祉・医療分野では、多様な保育サービスの充実など、子育て支援、子育て家庭の経済的負担の軽減、第3子以降の保育料の無料化は御承知のとおりでございます。  また、富山型デイサービスの拡充、県立中央病院の機能強化と日本海側トップクラスの医療の提供、また、リハビリテーション病院・こども支援センターも開所いたしました。  また、教育の分野でも、県立学校での探究科学科とか、とやま科学オリンピック、また、高等特別支援学校の開校とか県立大学の拡充、いろんな点で、これは何と言っても県議会の皆様の御理解、御協力のおかげでございますが、それなりの成果があったのではないかと思っております。  また、子供の医療費助成制度について、厳しいお話もございましたけれども、県では、基盤的な制度を維持して、それよりも手厚くするのは各市町村の判断にお任せをしている、これは、私が就任して行革に取り組んだ際に、所得制限なども得られましたので、そこで浮きました1億1,000万ぐらいあったと思うんですが、これを子供の医療費助成の年齢をもっと引き上げる、軽減対象を引き上げることに使うかどうかというのを、いろんな市町村長さんの御意見を聞きましたら、当時、御意見に差があったんですね。軽減対象を広げろ、高くしろという人もいれば、いやいや、これでいいんだという方もおられたわけで、そうなると、2分の1県が負担するといっても、あまり強制的になってもいかんので、それじゃ、市町村にお任せしましょうと、それで、浮いた1億1,000万は、子育て応援券などに使いましょうと、この分は全部、県費でやっているわけですね。  といったような経過があるので、議員はよくその辺の経過は御存じのはずなんですけれども、御理解をいただきたいなと思います。  また、少人数学級については、今年度から小学校3年生での35人学級選択制を導入しますとともに、英語専科教員を倍増して40校に配置するなど、これも当たり前と思われるかもしれませんが、この間、文部科学省で大臣などともお話しする機会がありましたが、全国的に見たら、非常に熱心にやっていると、これは、いじめ対策なんかも含めて、そういう御評価をいただいているところでございます。  今後も、県民の皆さんのニーズの的確な把握と、効率的で実効性のある県政運営に努めまして、富山県の発展、県民の皆様の幸せの充実に全力で取り組んでまいります。  次に、時代の要請に的確に応える県政という御質問にお答えをいたします。  現在の富山県政は、やはり北陸新幹線開業で新しいステージに入ったなという感を深くいたしております。  また、その効果を一時的なものにしないで、しっかり持続、深化させる、また、地方創生と絡めて進めていかなきゃならんと思っていますし、また、幸い、少子化、人口減少についても、おかげさまで合計特殊出生率が4年連続で上昇しておりまして、4年間で1.37から1.51、0.14ポイント上がりました。この上がり幅は全国でもトップクラスであります。  県としましては、北陸新幹線開業と地方創生の2つの、このフォローの風を最大限に生かしまして、昨年10月に、とやま未来創生戦略を策定し、この3月に改定もしましたけれども、とやま新時代にふさわしい魅力ある富山県の発展、飛躍を目指して、人口減少対策など各般のチャレンジを積極的に進めてまいりたいと思います。  また、地方創生戦略、政府の戦略は、とりあえず5年間ということでありますので、これとは別に、新幹線開業後の10年先、20年先、あるいは30年先の将来を見据えた富山県経済・文化長期ビジョンの策定を今進めておりまして、各界の代表、有識者とともに、特に富山県の未来を担うおおむね30歳代の若い世代をメンバーとする青年部会を設けて、活発に御議論いただいております。  新幹線開業を機に、中長期の、かつグローバルな視野に立って、県民の皆さん一人一人が輝いて生きられる元気な富山県をつくろうと、そのためには、やはり先見性を持って、困難な課題から逃げることなく果敢に挑戦することが必要だと思います。  税金は下げろと、福祉は上げろと、行革やるなと、こういうようなことではなかなか進まないわけでございます。  私自身としましても、県として、みずから努力することはもちろんですけれども、県議会を初め、市町村や経済界など各界の皆さん、多くの県民の皆さんの知恵と力を結集して、適切に役割分担しながら、チームとやまで新しい時代にふさわしい県づくりにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  次に、アベノミクスの評価についての御質問にお答えをいたします。  三本の矢を柱とするアベノミクスについては、いろんな評価があると思いますけれども、国民総所得は40兆円近く増加し、国の税収は15兆円増加したこと、また、就業者数は100万人以上増加し、ベースアップが3年連続多くの企業で実現する見通しとなっております。また、失業率は3.2%と18年ぶりの低水準で推移しまして、有効求人倍率も24年ぶりの、これは全国の数字ですが1.34という高水準となっております。  また、地方でも全ての都道府県で有効求人倍率が上昇しますとともに、富山県については、御承知のように1.63倍ということでございます。たしか、全国5位だったかと思います。税収も増収となっている。  このように、アベノミクスについてはいろんな見方があると思いますが、一定程度の効果があらわれていると思います。  ただ、先般、閣議決定された骨太の方針によりますと、世界経済は不透明感を増しており、国内経済は個人消費や設備投資といった民需に力強さを欠いた状況になっているとされております。  また、アベノミクスの効果が、たしかに地方まで十分に行き渡っておらずに、東京一極集中の是正も、残念ながらあまり進んでいないという面があると思いますので、こうした課題を克服するために、アベノミクス新三本の矢や、地方創生に係る政策の積極的で実効性のある推進を図っていただいて、富山県のように頑張っている地方にもっと光を当てて、日本全体の成長力を底上げしていただきたいと考えております。  なお、消費税率の引き上げによる増収分については、子ども・子育て支援や医療、介護、年金等の社会保障の充実、安定化などに充てるとされておりましたが、先般、閣議決定された一億総活躍プランでは、保育士や介護職員の処遇改善、放課後児童クラブ等の受け皿整備などを行うとされておりまして、その実施には、国の責任において、消費税にかわる財源をしっかり確保することが重要でございます。  また、31年10月に税率の引き上げ、これはやっぱり避けられないと思いますが、そのためにも、我が国経済の持続的かつ力強い成長が不可欠でありまして、今後、国の今年度の補正予算あるいは29年度当初予算の編成などにおきまして、地方経済の活性化に向けた総合的かつ積極的な経済対策に、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。  県としましては、今回の税率引き上げの再延期は、国、地方を通じた全国的な課題でありますから、全国知事会や地方六団体とも連携しながら、地方の財政運営に支障が生ずることのないように、必要な財政措置を講じていただくことにつきまして、これから県議会や国会の先生方のサポートもいただきながら、国に強く要請してまいります。  次に、保育士の処遇改善についてであります。  質の高い教育、保育の安定的な提供のためには、保育士の方々が経験を積み重ねて、長く働いていただくことができる職場づくりが大事だと思います。  県としましては、平成25年から保育士の方の処遇改善に取り組みまして、平均勤続年数に応じた賃金改善費用について、国とともに支援を行ってまいりました。  27年度からの子ども・子育て支援新制度では、保育士の処遇改善につきまして、26年度の人事院勧告に従った2%相当に加えまして、27年度は消費税財源を活用した処遇改善加算3%相当、27年度人勧に基づく1.9%相当の処遇改善が行われ、これらを保育士人件費に反映するように通知があったところでございます。  また、処遇改善の積算におきまして、加算率が職員の平均勤続年数であります11年以上で一定となることが保育士の低賃金、若年退職の背景にあるという議員の御指摘でございますけれども、ただ、国の処遇改善加算については、26年度まで、御承知のように、職員の平均勤続年数10年で一定となっていたところを、27年度からは、限られた財源の中で、若年層が多い施設の現行給付水準を維持しながら1年延ばして、上限を11年とされたところであります。  さらに、今年度、新たにキャリアに応じた賃金改善による定着促進を通じて、全体としての保育の質の向上等を図ろうということで、平均勤続年数15年以上の保育所が実施するチーム保育に対する加算制度が設けられたところでありまして、県としましては、この制度をうまく活用していただくように、各保育所へ働きかけてまいります。  さらに、県としましては、重要要望や全国知事会を通じまして、保育士の処遇改善について強く求めてまいりました。  先般も、加藤一億総活躍大臣にお目にかかってお願いしてきたところでありますけれども、6月2日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランでは、さらなる質の向上として2%相当の処遇改善とともに、技能や経験を積んだ保育士については、現在4万円程度ある全産業の女性労働者との賃金格差をなくそうということで、追加的な処遇改善を行う方針が示されております。  消費税の引き上げの再延期ということがありますから、財源が心配ですけれども、県としましては、全国知事会などと連携しながら、総活躍プランの着実な実施に必要な財源の確保について、国に強く働きかけますとともに、引き続き保育所に対して、保育士の方々の処遇改善を働きかけてまいります。  次に、定住相談件数の御質問にお答えをいたします。  富山くらし・しごと支援センターでは、昨年5月、東京有楽町にオフィスを新たに設置しまして、専任の2名の相談員が仕事と暮らしに関する一元的な移住相談を行えますように体制強化いたしました。  こうした取り組みもありまして、平成27年の移住相談件数は1,191件と、一昨年度に比べて1.3倍に増加して、実際に移住した人数も過去最高の462人、平成20年から27年までの8年間で2,500名を超えたということになりました。7、8年前まで、1年で約200人ぐらいだったものが、平成22年から300人台になり、また、一昨年から411人、昨年は462人ということでございます。  去る4月にオープンした日本橋とやま館においても非常にたくさんの方においでいただいていますけれども、観光・交流サロンを設けまして、移住に関する情報発信を行うことにしております。  具体的には、コンシェルジュを常時1名配置しまして、移住に関心のある方に対して、パンフレット等による情報提供、また、もっと具体的な移住相談を希望される方は、富山くらし・しごと支援センターの相談員に取り次いで、個別のニーズを踏まえた丁寧な対応をすると、例えば、個別に富山県内を視察したいときもお手伝いをするといったこともやっております。  県としましては、富山くらし・しごと支援センターにおいて、新たに富山の暮らしの魅力を移住者の視点で伝えるハンドブックもつくりましたし、また、移住プロモーション動画を活用するなど、移住希望者のニーズに応じた情報提供や相談対応の充実を図っておりますので、今度の日本橋とやま館とも連携しながら、移住者のさらなる増加につなげてまいりたいと思います。  次に、全庁的な取り組み、市町村との連携についてであります。  おっしゃるように、定住・半定住の促進のためには、部局の垣根を越えて全庁的な取り組みをすることが大切でございます。  そこで、どうも縦割りじゃないかというお話もあるんですけれども、観光・地域振興局を中心に、農林水産部、商工労働部などの関連部局が相互に協力しまして、移住促進に取り組んでおります。  例えば先ほど申し上げた富山くらし・しごと支援センターについては、商工労働部と連携し、暮らしと仕事に関する相談対応を一元的に行っております。  また、移住相談員をとやま帰農塾、これは農林水産部が中心でやっていますが──や、とやま農山漁村インターンシップに同行してもらいまして、参加者からの移住相談に応じるなど、きめ細やかな対応を行っております。  また、首都圏等で実施する定住セミナーは、空き家コーディネーターが住まいの相談に応じておりますし、今年度から新たに、介護人材移住応援員にも参加してもらうことにしております。  それぞれ空き家ですと土木部、また、介護人材の移住ということになると厚生部がメーンですけれども、それぞれ連携することが必要だということで、相互に連絡を密にしてやっておるところでございます。  また、お話のように、市町村との連携も大変重要でございます。  そこで、「くらしたい国、富山」推進本部には、市町村からも御参加いただいて協力して取り組んでおります。  例えば首都圏等で開催します定住セミナー、これは、希望される市町村は全て参加していただいて、各市町村のPRや移住希望者との個別の相談対応も行っております。
     また、市町村のほうが別途実施される移住体験会を支援しますとともに、これは参加者1人当たり例えば5,000円とかそういうような応援の仕方をしているわけですけれども、そこに富山オフィスの移住相談員が出て相談するという機会も設けております。  さらに、県が指定する定住者受入モデル地区、今のところ県内5カ所でありますけれども、宿泊、交流のための施設備品の整備について、市町村と連携して支援を行っておりますし、これは市町村の御希望にもよりますけれども、できれば10カ所ぐらいに広げていきたいと思っております。  こんなことで、これからも、おっしゃるように、定住・半定住は大変大事なテーマですので、観光・地域振興局、また、関係部局が連携を密にして、オール県庁でしっかりと取り組む、また、市町村とも連携を密にして取り組んでまいります。  次に、断層帯についての御質問でございます。  県の地域防災計画におきましては、国の地震調査研究推進本部などとも連携しながら、最新の科学的知見を踏まえて、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震の想定を行って、その結果に基づいて、地震災害対策を検討、推進することにいたしております。  本県の行った地震調査研究事業の結果、地震調査研究推進本部が公表した地震の規模や発生確率に関する長期評価、また、震度分布に関する強震動評価、県防災会議での議論も踏まえまして、まずは、最も被害が大きいとされた呉羽山断層帯地震の被害想定をもとに、地震防災対策特別措置法に基づく減災目標を設定しております。  一方で、国の推進本部では、調査を実施して、地震の規模、発生確率、強震動評価、順次公表されてきたうち、全国の主要活断層の中で、特に発生確率の高い活断層とか、発生した場合に社会的影響が大きい活断層などについて追加調査を平成21年度から行っておられます。  県としましては、できるだけ富山県に影響を及ぼす可能性のある活断層について、なるべく早く調査していただくように国に要望してまいりました。  ただ、本県同様、地震が少ないと言われて、やや危機感の薄かった今回の熊本での地震を踏まえますと、やはりもっと危機意識を高めて、木材住宅の耐震化などの防災対策につなげる必要があると思っておりまして、先ほど鹿熊議員の御質問にもお答えしましたけれども、その新たな対策の一つとして、専門家の御意見も伺いながら、国の地震調査研究推進本部で既に追加調査もなされております砺波平野断層帯や邑知潟断層帯などの被害想定調査の実施についても検討してまいりたいと思っております。  次に、地域別地震係数についてでございます。  建築基準法では、各地域ごとの地震係数を用いることになっておりまして、1.0が標準で、県東部地域は過去の地震頻度などを踏まえて0.9と一段低く設定されている、おっしゃるとおりでございます。  熊本地震の発生を受けまして、現在、国土交通省のほうで、熊本地震における建築物被害の分析を行うための有識者委員会を立ち上げられまして、ことし8月から9月を目途に、地域別、構造別、年代別の被害状況の全体的な傾向の整理を行うとともに、新耐震基準導入以降の──この新耐震基準というのは昭和56年ですけれども、それ以降の建物の被害について、地域別地震係数や、繰り返しの地震動の関係なども含めた原因を検証するなど、多角的な分析を行って、その結果を取りまとめると聞いております。  その後、国交省は、これらの知見を踏まえて、地震係数を含めた耐震基準の見直しの必要性や建築物における耐震性の確保・向上対策について検討すると伺っております。  また、全国の自治体で地域別地震係数を独自に引き上げている例もありますが、静岡県、福岡市であるんですけれども、いずれも努力義務となっております。  議員のお話のとおり、県民の安全・安心のためには、建物の耐震性の確保は重要であると考えております。  そこで、現在国のほうで進めていらっしゃる有識者委員会の議論の内容経過が適時適切に情報提供されるようにお願いしていますし、また、できるだけ早く国による耐震性の確保・向上方策の方向性を示していただけるように、国に対して働きかけたい、また、その結果をできるだけ生かしていかなきゃいかんと、こういうふうに思っております。  次に、地域防災計画についてでございます。  今度の熊本地震は、気象庁などによりますと、前例がないもので、また報道では、避難所の運営などの課題なども指摘されております。  そこで、国で今回の地震の検証作業に着手されておりますが、県の地域防災計画は災害対策基本法の規定によって、国の防災基本計画に基づいて策定するとされていますので、まずは、今回の熊本地震を教訓に、国の中央防災会議等において、課題の整理や防災対策の強化などの国の防災基本計画の見直しのための議論を早急にしていただくことが必要で、国全体で地震対策を整合的に進めるためにも重要なことだと思っております。  これまでも、県としましては地域防災計画に基づいて、県民一斉防災訓練とか総合防災訓練などのソフト対策のほかに、公共施設の耐震化、木造住宅の耐震化促進、今年度から新たにホテルや旅館等の大規模施設の耐震化の促進についても予算化しまして、ハード対策の拡充にも努めております。  ただ、今回の地震の結果も踏まえて、まずは地震への危機意識を高めて、木造住宅のさらなる耐震化の促進、また、実践的な防災訓練の実施、庁舎の耐震化等につなげることが重要だと思っております。  県内市町村でも、庁舎がまだ耐震性がないというところも、いろんな事情で幾つかあるわけでございます。  先ほど御答弁申し上げた被害想定調査の実施も含めまして、専門家の意見もお聞きしながら、新たに必要な対策について検討してまいりたい。  いずれにしても、県民の皆さんの生命、身体、財産を守るというのは県政の基本ですから、しっかりと防災・減災対策に取り組んでまいります。  最後に、津波対策についてであります。  平成24年3月に公表しました他県の津波シミュレーション調査の対象断層については、当時、県防災会議の地震対策部会の専門委員の御意見を踏まえて設定したものでして、あらゆる可能性を考慮して、呉羽山断層帯のほか、国の地震調査研究推進本部で断層の存在、長さ等が明確には確認されていない糸魚川沖ですとか、能登半島沖の断層も念のため想定することにいたしました。  さらに、県民の安全・安心の確保のために、参考までに、これまで連動が確認されていない未確認の糸魚川沖の3カ所の断層が連動する場合も、念のため想定することにしました。  糸魚川の断層連動については未確認の断層でありますので、各県の津波調査においても断層設定がまちまちでございまして、例えば石川県では、お話のように3つの断層が連動するということで想定されていますけれども、新潟県では、連動性云々以前に、そもそも糸魚川沖の断層を想定していないという状況でございます。  そうしたこともありまして、本県では、糸魚川沖の断層連動については、未確認の断層がさらに3カ所とも連動するという、いわば想定に想定を重ねたものであることを踏まえまして、県の防災会議で議論していただいて、専門家も加わっていただいて、参考扱いとしたところでございます。  ただ、その後、一昨年8月に、国交省等の日本海における大規模地震に関する調査検討会から断層モデルが示され、また昨年10月には、これは東京大学等で日本海地震・津波調査プロジェクトの研究成果が公表されました。  糸魚川沖の断層については、前者が、3つの断層が連動した場合、後者は、断層が分離しており、3つの断層は連動しないというふうにされておりましたので、これは大事なことですから、県の防災会議地震対策部会を昨年11月に開催しまして、ことし1月に、その審議結果について御報告をいただきました。  この報告を踏まえて、県としましては、県民の皆さんの安全・安心が第一でございますから、念には念を入れて、この報告を受けて、現在進めている新しいシミュレーション調査では、法に基づく浸水想定につきまして、糸魚川沖については、3つの断層が連動する国土交通省等の検討会のモデルで行っているところでございます。  以上でございます。 33 ◯議長(大野久芳君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 34 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)民間保育所等における保育士の賃金、勤務年数などの実態に関する御質問に御答弁をいたします。  厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によりますと、本県の保育士の賃金は全職種の月例給約30万円に対しまして、約19万円となっております。これに賞与、期末手当等を加えた全体で言いますと、全職種が月額で約36万円に対しまして、保育士は月額で約24万5,000円となっております。  また、保育所に勤務する保育士の95%は女性ということでありますので、女性の賃金について比較いたしますと、全職種では約28万5,000円に対しまして、保育士は24万4,000円となっております。  この差は、ニッポン一億総活躍プランで指摘された全国の状況と同様でございまして、約4万円の差があるところでございます。  本県の保育士の平均勤務年数についてでございますが、全職種の平均勤務年数でございますが、こちらは12.9年でございます。平均年齢が42.5歳でございます。  これに対しまして保育士ですが、平均勤務年数が8.4年、平均年齢は35.4歳となっております。  全国の保育士の平均が7.6年で、平均年齢が35歳でございますので、それよりは若干長くなっている状況でございます。  また、正規、非正規の状況についてでございますが、全国的な保育士の正規、非正規の状況に関するデータはございませんけれども、県の社会福祉協議会が実施しました調査では、本県の民間保育所に勤務する保育士は、平成27年度で正規職員がおおむね65%、非正規職員がおおむね35%となっております。この傾向は、ここ数年、ほぼ同じ傾向で推移をいたしております。  こうした保育士の賃金や勤続年数等の状況につきましては、先ほど知事からも御答弁申し上げましたが、さらなる処遇改善が望まれるところでございまして、県としても、引き続き国にしっかりと要望してまいりたいと考えております。  次に、介護の基本報酬の引き下げと、介護職員の処遇改善に関する御質問にお答えをいたします。  介護報酬改定の影響につきましては、平成27年度の改定率が全体でマイナス2.27%であったことから、県では、報酬引き下げが事業所の経営にどのような影響を与えているかを把握するため、多くの事業所で、昨年度の決算がまとまった段階で、対象事業所全体、これは1,500あるわけですが、その約2割程度に当たる300事業所を対象に、決算状況等を調査分析することといたしております。  処遇改善加算につきましては、より多くの事業所に取得をしていただきたいと考えておりまして、これまでも社会保険労務士を派遣して、加算の取得に必要なキャリアパスの整備等を支援してきたところでございます。  その結果、平成24年4月からの月額1万5,000円相当の加算につきましては、対象事業所の約9割が取得をいたしております。  制度創設以前の賃金水準と比較いたしますと、1人当たり月額1万5,000円相当の改善のところでございますが、平成24年度の実績は、月額で1万7,909円の改善となっております。  その後も、平成25年度では1万9,298円、26年度では1万9,930円の改善となっているところでございまして、賃金改善が確実に実施されているものと考えております。  平成27年4月からの月額1万2,000円相当をさらに上乗せできる加算につきましては、約8割の事業所が取得をいたしておりますが、その実績は、これから提出されます実績報告を精査して状況を把握したいというふうに考えております。  また、県や市町村では、処遇改善加算を取得した事業所に対しまして、実地指導の際に賃金台帳と照合いたしまして、賃金改善が実施されていることを確認いたしますとともに、加算を取得していない事業所に対しましては、加算の取得を働きかけているところでございます。  県では、今年度の政府等に対する重要要望におきましても、適切な介護報酬の設定や処遇改善加算の充実等を求めているところでございまして、引き続き国に対し、強く働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 35 ◯議長(大野久芳君)亀井観光・地域振興局長。    〔観光・地域振興局長亀井明紀君登壇〕 36 ◯観光・地域振興局長(亀井明紀君)地方創生に関する交付金についてお答えいたします。  地方創生を深化させるための恒久財源を確保し、地方創生の取り組みを息長く支援すべきであることを、知事を先頭に国に強く働きかけてきた結果、一般財源総額は確保され、あわせて平成27年度補正予算で地方創生加速化交付金が計上されることになり、28年度当初予算におきまして、新型交付金として地方創生推進交付金が創設されました。  地方創生加速化交付金につきましては、地域のしごと創生を初め、効果のあらわれが高い取り組みを支援するものであり、本県には約8億円の交付決定がございました。  具体的には、UIJターン加速化事業1.8億円、アートとデザインを活用した伝統工芸品産業活性化事業3,900万円、薬都とやまヘルスケア創造プロジェクト1.4億円に加えまして、県内市町村や他県と連携する広域的な事業として、DMOによる観光振興や日本橋とやま館を核とした魅力発信、富山、飛騨地域の広域観光等の事業を実施してまいります。  また、地方創生推進交付金につきましては、地方版総合戦略に基づく先駆的な取り組みを複数年度にわたって支援し、安定的、継続的な制度とするため、地域再生法に基づく交付金となりました。すなわち自治体が地域再生計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けた場合に交付される仕組みとなってございます。  これまで推進してきた地方創生、人口減少対策の取り組みをさらに深化させるため、現在、上期申請に向けた作業を鋭意進めるところでございまして、下期申請も含め、交付金をできる限り有効に活用しながら、とやま未来創生戦略を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、県外からの移住の現状と促進策の御質問にお答えいたします。  県、市町村の相談窓口等を通して定住された方々は年々増加しておりまして、昨年度は過去最高の462人、平成20年度から27年度までの8年間の累計では2,550人となってございます。  その内訳でございますけれども、県、市町村の移住相談窓口を通して来られた方が1,226名、県Uターン情報センターを通して来られた方が1,196名、農林漁業に就業された方が128名となっておりまして、年齢の傾向につきましては、平成20年度以来、一貫して20代、30代が多くを占めております。  県としましては、こうした移住者数増加の動きを今後もしっかり維持、持続させていくことが課題であると考えておりまして、これまで、「くらしたい国、富山」推進本部が中心となって進めてきたさまざまな移住促進の取り組みを充実強化し、さらなる移住者の増加につなげてまいりたいと考えております。 37 ◯議長(大野久芳君)須沼公営企業管理者。    〔公営企業管理者須沼英俊君登壇〕 38 ◯公営企業管理者(須沼英俊君)公営企業として、県民福祉への貢献への改革等についての御質問にお答えいたします。  企業局は、本県の清らかで豊富な水資源を活用した電気、水道事業などの適正で効率的な運営により、県民生活の向上や県内産業の振興に貢献してきており、これまでも社会状況の変化に応じて事業の見直しや小水力発電などの新たな事業展開を図ってきたところでございます。  例えば電気事業におきましては、これまで積み上げてきた水力発電技術と実績を生かして、農業用水を利用した小水力発電や太陽光発電を行うなど鋭意努力し、事業拡大に努めてきており、これに加えて電力自由化への対応や地熱発電など再生エネルギー開発なども含めて、今年度、外部有識者から成る検討会を設置し、議論を深めて、中長期的な事業展開につなげていきたいと考えております。  さらに、県営水道用水供給事業や工業用水道事業は、受水団体である市町村や企業の要望などを受け、整備を進めてきたものでありますが、人口減少など社会経済状況の大きな変化による水需要の動向などを踏まえ、事業の点検を行い、未利用水の活用や事業の見直しなど、受水団体とも協議し、検討を行ってまいりたいと考えております。  企業局が事業を開始してから96年が経過する今、引き続き貴重な本県の水資源等を生かし、電力自由化など時代の変化に機敏に対応するため、今年度内に経営戦略を策定し、必要な見直しや改革を検討の上、行うなど、新たな事業展望のもと、県民のくらしと共にを念頭に、安全で快適な暮らしを支えるよう、公共福祉の増進に貢献してまいりたいと考えております。  次に、県営電気の売電についての御質問にお答えいたします。  電気事業は、発電した全電力を備蓄することができず、多額の初期投資を長期間の発電で回収する事業であり、安定的な売却先を確保することが重要であります。  このため、通常の契約期間が2年あるいは3年である新電力との契約では、化石燃料価格や原発再稼働による全国の電力需給状況など、企業局の経営努力にかかわらず、外部環境の変化により売電価格が大きく変動するといった経営上のリスクがあります。  また、電力自由化により、他の公営電気事業においては、新電力と新たに電力供給契約を締結し、短期的に売電価格の引き上げを行う事例もありますが、その中で、既存電力会社との基本契約解消により多額の解約金を支払うといった事例や、新電力が事業撤退し、報道によれば、全国18の自治体で約40億円の売電料金が回収できない事態も発生しております。  こうした状況を踏まえ、本県では平成36年度まで、発電した全電力の売電基本契約を締結している北陸電力と、昨年度、平成28、29年度の料金の改定を行ったところでございます。  売電価格につきましては、一般的にコストのかかる火力発電所が中心の地域では高く、水力発電所が多い地域では低くなっている中、電力市場の価格動向や効率的な経営による地域に安定した電力を供給する公営電気としての役割も勘案し、努力して交渉した結果、従来の総括原価方式による27年度の料金単価である7円から7円50銭へと7.1%の増改定となったものと理解しております。  今後、企業局といたしましては、電力自由化など電気事業をめぐる環境の大きな変化を見きわめ、適切に対応し、売電価格や地熱発電など、さらなる再生可能エネルギーの開発も含めて、今後の公営電気事業のあり方等について、中長期的な観点からしっかり検討していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 39 ◯議長(大野久芳君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 40 ◯土木部長(加藤昭悦君)まず、老朽化するインフラの補修についての御質問にお答えをいたします。  本年3月に策定いたしました富山県国土強靱化地域計画では、強靱な県土づくりを進めるため、公共土木施設の老朽化対策を主要施策の一つと位置づけ、計画的に進めることとしております。  議員お尋ねの長寿命化計画につきましては、これまで、橋梁、都市公園、下水道の処理施設、水門等の河川管理施設、ダムの機械設備、港湾施設について策定してきたところであります。  引き続き、ダムの土木構造物や砂防施設、海岸保全施設など6つの施設について、順次計画を策定することとし、そのための施設点検などを進めているところであり、強靱化地域計画における目標としている平成31年度までには策定を終えることといたしております。  また、長寿命化計画に基づく予防保全型修繕の費用につきましては、平成23年2月に計画を策定いたしました橋梁では、今後50年間の計画期間における修繕費の総額は、かけかえが必要となった際の更新費用を除きますけれども、約659億円と試算しており、年平均にいたしますと約13億円となります。  公共土木施設の長寿命化対策については、強靱な県土づくりを進めるため、河川、砂防施設や体系的な道路ネットワークの整備、また、太平洋側のリダンダンシーを確保する取り組みとともに、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ダムの堆砂対策についての御質問にお答えをいたします。  ダムの計画では、洪水の調節や工業用水、発電用水などを確保するための容量のほかに、堆砂容量を確保しており、ダムの機能を維持するため、毎年、貯水池の測量を実施し、堆砂の進行状況を把握しております。  県管理のダムは、土木部16基、農林水産部2基、合わせて18基ありますが、このうち堆砂が進んでいる利賀川ダムや白岩川ダムなどにおいて、これまでも県単独事業等により、貯水池内の土砂の除去を行っており、昨年度は、これらのダムを合わせて約9,700立方メートルの除去を行ったところであります。  富山県国土強靱化地域計画においては、ダムについても長寿命化に取り組むことといたしており、議員お尋ねの堆砂対策については、今年度策定に着手いたしますダム土木構造物の長寿命化計画の中に必要な対策を盛り込むことといたしております。  ダムの堆砂対策は、ダムの機能を確保する観点から大変重要と考えており、今後とも、土砂の除去等、適切な管理に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯議長(大野久芳君)菅沢裕明君。    〔32番菅沢裕明君登壇〕 42 ◯32番(菅沢裕明君)答弁をいただきましたが、幾つか再質問申し上げたいと思います。  まず、知事に再質問ですが、地震・津波対策についてであります。  知事、富山県は災害が少ない、地震や津波もあまりないし、台風さえあまりないという、安心・安全な県ということを、あなたも強調されることがあるんですけど、そのことによって、1つは、熊本の経験から、私は、例えば熊本県の企業立地のパンフレットにそういうことが書いてあったわけですが、地震の後で修正をしたようですね。
     富山県の企業誘致のパンフレットにも、地震や津波が少ない、台風が極めて少ないという記載があります。これは、私は改めるべきだと思います。  その根拠として、地震や津波が少ないという見方自身が歴史的な検証の不足といいますか、安政の飛越地震や天正の地震、さらには近県における新潟県や石川県近海での近年の地震もありますし、3.11の東日本大震災で、富山県もあの日に、東西に20センチメータの伸びをしているという、幾つかのプレートの境界にもあって、ひずみがたまっているという地震学者の見方もあります。  つまり、ひずみがたまって、起きる頻度は少ないかもしらんけど、起きたとき大きいという地震学者の見解をしっかり受けとめるべきだと思っております。  したがって、土木部長がさっきいいことをおっしゃいました。日本一の安心・安全な県、災害に強い県土づくりをしたいという、ここが基本であって、しっかりと地震や津波対策をしているから、富山県へ企業もおいでくださいという、そういう捉え方をしないといかんと思います。その辺が1つ。  2つ目は、最大限のリスクに備えるという思想、対策であります。私も申し上げましたけれども、地震についても、平成24年の県の地域防災計画(地震・津波災害編)では、取り上げたのは呉羽山断層だけなんですけど、平成21年の国の地震調査研究推進本部では、砺波平野断層について、既にマグニチュード7を超える地震が予知をされているわけで、どうしてそれを参考扱いにしたのか、これを参考扱いにしています。  参考扱いは、津波のことでも申し上げましたけれども、つまり最大限のリスク、危険に備えるという考え方が県の対策には欠落しています。一番大きな被害をもたらすやつを参考にするというね。  いわゆる活断層については、120近くが地震調査研究推進本部で、いわゆるオーソライズされた活断層として指定をされておりますけれども、これら全てマグニチュード7の地震をもたらす危険性が指摘をされておるわけであります。  したがって、県の基本的な考え方の中にある最大のリスクに備えるというこの観点を、ぜひ再度知事に、どうお考えか確認をしたいと思います。  それから、次の再質問は企業局、須沼管理者に対してであります。  あなたの答弁は私の質問に全く答えていない。私は大変遺憾であります。  企業局の現状認識について、もう一回お尋ねします。  水道事業についても申し上げました。工水についても申し上げました、電気事業についても申し上げましたけれども、現状認識、全くそれに対する対応も述べられておりません。  私は、そういう意味では、あなたに大変期待をするわけでありますけれども、口は悪いけど、1年や2年で通過のポストじゃないんでしょう。私は、企業局のすぐれた蓄積された資源や人材についても申し上げましたけれども、そういうものを踏まえて、通過の人事じゃなくて、改革を進めて県民の福祉に貢献する企業局の中興の祖までになったらどうやね。そういう決意もあるのかないのか、再質問します。 43 ◯議長(大野久芳君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 44 ◯知事(石井隆一君)まず、安全・安心な県というのを強調し過ぎるなというようなことをおっしゃっているようですけれども、私どもが出しているパンフレットでも、地震や津波が実際に頻度から見て少ないということは事実ですから、そのことを言っているわけで、だからといって、地震対策、津波対策をおろそかにするということは全くございません。ですから、いろんな企業誘致なんかの際にも、安政の大地震があったということも申し上げております。  東日本大震災の話も出ましたが、その後の余震でも、富山県は周辺の県に比べても、非常に顕著に余震の数が少ないということも事実でありますから、そういうことはちゃんと富山県の特色としてアピールしながら、しかし、万が一のことがあるんですから、しっかり対策は講じていくと、こういうことかと思います。  また、最大限のリスクに備えるという、その気持ちは理解できるわけで、ですから先ほども申し上げましたように、新たな国のほうの調査結果も出ましたので、そうしたことも含めて、砺波活断層とか、あるいは邑知潟についても検討してまいりたい、こういうことを申し上げているわけでございます。 45 ◯議長(大野久芳君)須沼公営企業管理者。    〔公営企業管理者須沼英俊君登壇〕 46 ◯公営企業管理者(須沼英俊君)菅沢議員の再質問についてお答えいたします。  先ほども少しお話をいたしましたが、先ほどは電気事業、県営水道用水供給事業、工業用水道事業ということで、それぞれの事業を総括してお話しさせていただいておりましたが、いずれにいたしましても、こういった事業を進めるに当たっては、本当に長期間にわたって、しかも多大な投資をするといったようなことで、その間、しっかり計画を立てていくことが大変重要かというふうに思っております。  その後、社会情勢等の変化によりまして、先ほど例示のありました熊野川ダム関係等におきましても、計画等の変更が出てきたわけでございます。  ですから、先ほど申しましたとおり、しっかりこれからの公営事業につきまして、必要な点検、見直しを行い、改革を行って取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 47 ◯議長(大野久芳君)以上で菅沢裕明君の質問は終了しました。  以上をもって、会派代表による質問、質疑を終了いたします。          報           告 48 ◯議長(大野久芳君)次に、予算特別委員会の構成について御報告申し上げます。  委員長五十嵐務君、副委員長筱岡貞郎君、理事岡崎信也君、平木柳太郎君、坂野裕一君、上田英俊君、委員澤谷清君、川島国君、山崎宗良君、薮田栄治君、井上学君、浅岡弘彦君、海老克昌君、吉田勉君、永森直人君、藤井裕久君、瘧師富士夫君、高野行雄君、山辺美嗣君、米原蕃君、以上のとおりであります。 49 ◯議長(大野久芳君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明6月9日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 50 ◯議長(大野久芳君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は6月10日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後2時42分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...