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  1. 富山県議会 2016-06-01
    平成28年6月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 五十嵐委員長 おはようございます。  ただいまから6月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取り扱いについては、理事会確認事項として既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりといたしたいと思いますので御了承を願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        瘧師富士夫委員の質疑及び答弁 2 五十嵐委員長 瘧師委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 瘧師委員 皆さん、おはようございます。  本年4月1日付で砺波市消防団長を拝命いたしました瘧師でございます。どうぞよろしくお願いします。  身の引き締まる思いで、2カ月半が経過しておりますが、本県は25年連続で火災の出火率が全国最小という輝かしい記録を達成することが確実になっておりまして、この伝統をしっかり受け継いで、本県の安全・安心に取り組んでまいりたいと思っております。その決意を込めて、消防団の活性化について、まず質問をいたします。  平成25年12月に、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が定められ、消防団が地域防災にとって欠かすことのできない存在としてはっきりと位置づけられました。熊本地震でも、救助や消火活動のほか、避難所の運営や見守りに当たっている消防団員の報道がございました。  このように、消防団の役割、期待がますます高まっているところでございますが、一方では人口減や高齢化で、全国的に消防団員の確保が難しい時代にあるのも事実でございます。  私が地元砺波市消防団鷹栖分団に入団しましたのは、かれこれもう30年前のことでございますが、そのときの団員の顔ぶれを振り返ってみますと、自営業者と農協職員でほとんど大勢を占めていましたが、時代は変わりまして、現在ではサラリーマンがほとんどであり、しかも、勤めが市外であることが大半でございます。  そこでまず、本県4月1日現在の消防団員の人数と充足率について、昨年の4月1日、1年前と比較して、どのような状況になっているのか、新田知事政策局長に伺います。 4 新田知事政策局長 県内の消防団員数につきましては、速報値ではありますけれども、平成28年4月1日現在、9,536人となっておりまして、各市町村の条例で定めております定員の合計1万170人に対する充足率は93.8%となっております。
     昨年4月1日現在の消防団員数は9,498人、充足率は93.4%となっておりましたので、今年度は人数では38人増加、充足率は0.4ポイント増加という形になっております。 5 瘧師委員 今ほどの速報値によれば、若干増加しているという、これは意外といいますか、うれしい誤算であります。  私も消防団員の勧誘に何度か足を運んだことがございます。そのときに勧誘される方は、消防団というのは一体任期は何年なのかとか、何年やればいいのかと、そんなことを聞かれるわけでございます。  消防団の強みは、皆さんも御存じのとおり、地域をよく知っているということであります。したがって、他の役職みたいに、2年とか3年任期でかわれるものではなくて、できるだけ長く団歴を重ねていただくということが大事なわけでございますが、なかなか最初から、長くやってくださいということは言えませんから、まあ、やれるだけということで、とりあえずは入ってもらうということで勧めているわけであります。  大変厳しい状況の中で、各分団の方々、定数に満たない分団は、これ以上団員を減らしたくない、そういう思いで務めておられるのかなと、そういったことがこの数字にうかがえます。  県内では、消防団員を対象に割引などの特典サービスを提供する消防団応援の店が普及し始めておりまして、このような店が増えれば、地域ぐるみで消防団を応援する空気がつくられるのではないかと期待するものであります。こうした活動を県も全域に広がるように支援すべきと考えます。  そこで、消防団員数が増加した理由について、どのように認識し、消防団員の確保が難しくなっている中で、今後、県としてどのような支援を考えておられるのか、石井知事の御所見を伺います。 6 石井知事 消防団員の数は、平成23年以降、残念ながら減少に転じていたのですけれども、今ほど知事政策局長からお話ししましたとおり、ことし4月1日では38人、若干ではありますけれども増加し、私も大変喜ばしく思っております。  これは消防団協力事業所の拡大、こうした事業所には、県も工事等の入札上の優遇措置も実施していますが、また県が実施してきた消防団の活動内容のPRなどの地道な取り組みもあると思いますが、1つには各市町村が導入されている機能別団員の増加が大きいかと。例えば、砺波でも、砺波市消防団機能別団員という制度を設けておられますし、例えば魚津市では、消防音楽隊は機能別団員として確保されているわけでございます。  また、県内で初めて高岡市が昨年12月から実施していらっしゃる消防団サポート事業、消防団応援の店につきましては、消防団やそれを支える人たちの地域における社会的な評価をさらに高めようということで、県内の他市にもこれは広がっております。  今後とも県の消防団活動活性化補助金なども活用していただいて、消防団応援の店の周知啓発経費への助成とか、また、委員はこのたび砺波市消防団長に御就任になったということでありますけれども、砺波市初め各市町村が取り組む消防団員確保対策を支援してまいりたいと思います。  さらに、今年度、新たに消防団員の写真を募集して、高校や大学、商業施設を巡回展示する、「守りたい富山」消防団サポート事業に加えまして、ことし9月に実施をしております県内の3つのプロスポーツチーム合同イベントにおきまして、消防団活動のPRも実施できないか、消防庁に働きかけました結果、これについては知事政策局長や消防課長が大いに頑張ってくれたのですけれども、新たに国の委託事業として内示をいただける見通しが立っていますので、今後9月補正予算をお願いするなどしまして、実施に向けて必要な検討、調整も進めてまいりたいと思っております。 7 瘧師委員 大変ありがとうございます。さすが元消防庁長官である石井知事さん、消防に理解が深い、造詣が深いなと思います。高野会長を筆頭に、県内消防団員は全て石井知事さんを応援しておりますので、どうか今後とも御支援のほど、よろしくお願いします。  消防団の主たる活動というのは、火災が発生した場合に常備消防の補完をするという形で消火活動に当たるということもございますが、もう1点大事なのは、火災を発生させないということで地域に防火啓蒙活動を行うことでございます。  そういう意味で、今後、高齢者世帯の増加などにより、女性消防団員の役割も大きくなっていくと考えております。高齢者宅への防火訪問であったり、救命講習など、応急手当の普及指導等の活動において、女性ならではの細やかな配慮が期待されるところであります。  このような女性消防団の活動に対し、県も支援していくべきと考えますが、女性消防団員の現状とその活動に対する県の支援の取り組みについて、知事政策局長に伺います。 8 新田知事政策局長 今ほど御指摘ありましたように、女性消防団員は女性の持つソフトな面を生かして、住宅用火災警報器の設置促進でありますとか、防火啓発活動、また、応急手当の知識の習得や普及指導などに加えまして、今回の熊本でもありましたが、災害時には高齢者の避難誘導や女性避難者への支援など消防団活動の重要な一翼を担っていただいていると認識しています。  県内の女性消防団員は平成28年4月1日現在、455人となっておりまして、全団員に占める割合は4.6%と小さくなっておりますが、全国平均は2.6%でありますので、それに比べますと、割合としては高くなっております。しかも、昨年度と比較しまして18人の増加となっております。  県としても、これまで市町村が実施します女性消防団の活動PRであるとか、女性消防団の活動事例集の作成配付、また県消防協会を通じました女性消防団員連絡協議会活動への支援などに取り組んでおります。  さらに、平成27年度からは、女性消防団員・機能別団員導入ステップアップ事業というものを実施しておりまして、市町村が取り組みます女性専用のトイレであるとか更衣室の設置、また、女性消防団専用の活動服の整備に対しても支援しまして、女性消防団員が安心して誇りを持っていただける環境整備を支援してまいります。 9 瘧師委員 ありがとうございます。やはり女性ならではの細やかな配慮というのは、例えばひとり暮らしの高齢者宅への防火活動においては、非常に地域をよく知っている、把握できるということで大事なことではないか。もしも災害というときに、このお年寄りがどれぐらいの援護が必要なのかということを把握するのは大変大事なことだと思います。  また、巡回してマイクを使って防火活動をする場合に、やはり選挙と同じで、男性よりも女性の声のほうが聞きやすいという面もあろうかと思います。  そういったことで、いろいろな方々のお力添えがあって、しっかりと25年連続出火率全国最小となることが確実であります。そのことを記念しまして、本年8月31日に地域防災力充実強化富山大会の開催が決まりました。四半世紀続くこの輝かしい記録は、県民の防火意識の高さと県内消防職団員等の尽力はもちろん、関係の皆さんの努力によるものであり、関係された方々全てを顕彰してほしいという思いがございます。  こうした意味を込め、この地域防災力充実強化富山大会は、安全・安心な富山県をアピールする絶好の機会であると考えますが、大会の開催に向けた石井知事の所見をお伺いします。 10 石井知事 お話のように、25年連続出火率全国最小、これは本当にすばらしいことだと思っております。この記録を達成できましたのは、市町村消防職員、消防団員、また、民間の防火組織初め、消防に携わっている皆様お一人お一人の御努力、地道で粘り強い防火活動のたまものでありまして、心から感謝申し上げたいと思います。  この輝かしい記録を記念しまして、8月31日に消防庁等と共同で開催します地域防災力充実強化富山大会につきましては、県内外の消防関係者や、また各界、各層、全国の商工会連合会とか農協中央会、日本医師会とか、いろいろな方々にも御参加いただいて、地域の防災に関する基調講演のほか、県内や全国各地で行われております防火防災や災害時の多様な取り組みなどの事例発表を通じまして、地域防災力の充実強化の重要性を富山から全国に向けて強く発信したいと思っております。  また、この大会とあわせて開催します防火推進大会におきまして、この25年連続出火率全国最小という偉業達成の礎を築かれた方々の功労を顕彰したいと思っております。  ことし4月に発生しました熊本地震におきまして、地域防災力の重要性が改めて認識されたところでございます。ちなみに、日本海側の消防力、火災予防力向上を目指すために、消防大学校、消防研究センター機能の一部地方移転を図るといった提案も本県はしておりましたけれども、今回その趣旨を考慮して、来る7月15日に東京方面からも専門家が集まって調査技術会議を県内で開催する。また、火災原因調査能力向上のための研究を国の消防庁関係者と県内の消防、また、民間防災関連の企業、研究機関が共同で、例えば委員会みたいなものをつくってやるといったことも検討しております。  今申し上げた2つの大会を同時開催することもきっかけとして、改めて災害の少ない安全・安心な富山県の実現を目指しまして、火災原因調査の向上も含め、防火防災対策の推進に市町村、また県の消防協会とより一層しっかりと取り組みますとともに、全国トップクラスの富山県の消防防災体制を全国にPRして、富山から日本の消防力向上、火災予防力の充実強化が図られるという気概を持って、委員を初め議員各位とも協力して、頑張っていきたいと思います。 11 瘧師委員 ありがとうございます。  この地域防災力強化大会のほかに、大きな行事としましては、全国消防操法大会がございます。これは、全国都道府県から勝ち抜いた分団での非常にレベルの高い競い合いでございまして、一昨年東京で開催された全国大会には砺波市消防団庄下分団が出場いたしまして、上位入賞ということで、私も本当に消防団員として誇らしく思ったわけでございます。  この大会は隔年開催ということで、ことしは長野県で開催ということであります。これまでは東京都を中心に開催されてきましたが、富山県消防協会の高野行雄会長が先頭に立ち、みずからの進退をかけて平成30年の富山県開催の誘致活動をされておられます。  知事にも協力依頼され、高野会長が橘代議士と一緒に、その大会を主管する日本消防協会の秋本会長、また佐々木消防庁長官に要望を行った際には、知事からも連絡を入れていただいたということでございまして、本当にありがとうございます。  平成30年というのは、自治体消防70周年の記念すべき年でして、県内消防団員が、自分たちのまちは自分たちで守るという心意気を示す絶好の場となるわけであります。このため、消防団員である自民党県会議員で構成します消防調査会も県や富山市、県消防協会の協力を得て、誘致の実現に努めているところであります。  他にも誘致に名乗りを上げておられまして、ちょっと難しい状況もあるのかなと思いますけれども、この地域防災力強化大会に続き、全国消防操法大会の誘致が実現できるよう祈念いたしまして、次の質問に移ります。  ため池の安全対策についてでございます。  中山間地域では用水がないということで、田植えの後の渇水対策として、古くから農業用ため池が多く造成されております。農家にとってはまさに天の恵みをため池に託しているわけであります。  東日本大震災により農業用ため池が決壊したことから、全国的にため池の耐震対策の強化が必要になりました。この春の熊本地震においても、熊本県内で十数カ所の農業用ため池で堤防が崩れたり、亀裂が入ったりする被害が確認され、農家が田植えを諦める事態が発生しており、耐震化整備の必要性がより強まったところであります。  本県では、平成23年度より県内全てのため池で堤体の損傷や漏水の状況等の点検調査がなされ、ため池の下流に人家がある、または規模が大きいなど決壊すれば甚大な被害が予想される、緊急性を要するものについては整備が進められております。なお、この整備については、農家負担を求めない事業と聞いております。  代表質問では、整備の概要をお知らせいただいたところでございますが、現在、本県ではどんな計画や手順で、具体的にどのように取り組んでいるのか、改めて伍嶋農林水産部長に伺います。 12 伍嶋農林水産部長 県内には1,921カ所の農業用ため池がありまして、そのほとんどは耐震設計が義務づけられた平成12年以前に築造され、老朽化も進行している状況にあります。  このため、今ほど委員からも御紹介がありましたけれども、平成23年度から27年度にかけまして、県内の全てのため池につきまして、堤体の損傷や漏水の有無等の点検調査を実施したところであります。  このうち、堤体直下に人家等があり、多大な影響を与えるおそれがあるものや、あるいは堤高が10メートル以上のもの、また、貯水量が10万立方メートル以上のいずれかの条件に該当する163カ所のため池を防災重点ため池と位置づけまして、順次、地質ボーリング調査や堤体の安定解析等の耐震性調査を行ってきたところであります。これまで87カ所のため池の調査を完了しており、平成30年度までを目途として、全ての防災重点ため池の調査を終える予定としております。  また、この耐震性調査の結果を踏まえまして、これまでに12カ所で耐震補強に着手しており、今後も緊急性の高いものから計画的に堤体の耐震補強を進めていくこととしております。  また県では、これらのハード対策に加えまして、災害リスクの低減、除去に向け、ハザードマップの作成、それから、地域住民の防災・減災意識を高める取り組みや、専門技術者の育成によるため池管理体制の強化など防災効果を高めるソフト対策をあわせて実施してきております。  県としては引き続き、市町村等の関係機関と連携して、こういったハードとソフトの両面の対策を組み合わせて、ため池の耐震対策にしっかりと取り組んでまいります。 13 瘧師委員 このため池の件につきまして、先日、砺波市井栗谷において、農業用ため池に落ちた児童を助けようとされた近くの御夫婦が溺れて亡くなられるという痛ましい事故が発生いたしました。亡くなられました御夫婦に対し、謹んでお悔やみを申し上げます。  さて、その事故現場には、安全柵や自力で上がるためのロープなどはなく、安全管理上の問題が指摘されております。県内には農業用ため池が大小合わせて約2,000カ所ということでありますが、これらの安全管理の現状はどのようになっているのか、また今後の転落防止対策について、農林水産部長に伺います。 14 伍嶋農林水産部長 今ほど御紹介のありました砺波市の農業用ため池におきましてお亡くなりになられました御夫妻の御冥福を、衷心よりお祈り申し上げたいと思います。  まず、ため池の安全管理につきましては、ため池の整備に当たり、危険と考えられる箇所につきまして、工事にあわせて転落防止柵の設置など、安全対策を講じるとともに、ため池の管理者が安全管理対策として危険箇所に注意喚起の看板等の設置を行っております。  また、県では、水の事故防止に関する意識啓発を図るために、小中学生を対象として水の事故防止のポスター、標語を募集し、優勝作品をカレンダーにして小中学校等へ配付して、また、ため池の管理者を対象としまして、安全管理等に関する研修会を年3回開催するなどため池での事故防止に取り組んできたところであります。  今般、痛ましい死亡事故が発生したことを重く受けとめまして、県では当該ため池に対しまして、緊急対策として進入ロープや脱出補助装置を整備するとともに、県内のため池の管理者に対して、地域住民や学校等に改めて注意喚起を行うこと、そして、安全柵及び救助用ロープの設置等、安全対策を行うことについて指導を行ったところでありまして、速やかに各地域で話し合う場を設けまして、必要となる安全施設の整備について早急に報告していただくよう依頼をしたところであります。  今後、県といたしましては、転落防止対策として、引き続き、ため池管理者に対する研修会を開催するほか、県内の全てのため池につきまして、安全管理対策の実施状況や今後の対策計画の把握に努めるとともに、ため池の管理者や市町村などと協議の上、必要な安全施設の整備に取り組んでまいりたいと考えております。 15 瘧師委員 現実には、なかなか安全柵等の転落防止対策が今までなされていなかったということなのですが、これは何でなのかということであります。ほとんどのため池は過疎化が進行する中山間地域にあり、そのため、ため池の関係農家が少なくなっておりまして、現行の県単農業農村整備費で転落防止柵の整備を行う際、農家負担を伴う場合があることから、その整備をためらわれている現状もあるという声が聞こえてきます。  今後、公共性の高い施設という観点での対応として、農家の負担軽減策を講じる必要があると考えますが、農林水産部長の所見を伺います。 16 伍嶋農林水産部長 県におきましては、ため池等への転落防止柵の整備につきましては、ため池等の管理者からの申請を受けまして、県単独農業農村整備事業を活用して、小規模なものも含め、具体的には農業用の用排水路等について転落防止柵や進入防止柵など安全施設の整備に柔軟かつ迅速に対応してきております。  しかしながら、この県単独事業では、多くの中山間地域におきまして、関係農家数が少ないことに伴いまして、農家の負担感が大きいということなども考慮しまして、当該事業の県の補助率を通常の40%から50%にかさ上げして支援をしております。  このことにより、県及び市町村の補助残となります農家負担割合は10%軽減されるものの、市町村ごとに補助内容が異なることから、依然として農家負担の割合は0から35%の範囲ということになっております。  県では、ため池等における水難事故防止の取り組みは、県民の尊い生命を守る観点からも大変重要な課題であると考えております。今後、農家負担のさらなる軽減を図り、より安全性の高い転落防止柵の整備を進めていくため、これまでの県単独事業の支援に加えまして、県単独事業よりも国及び県の補助割合が大きい既存の国庫補助事業の適用がされるよう、国と協議を進めてまいりたいと考えております。 17 瘧師委員 ありがとうございます。  補助率については市町村で違いがあるわけなのですが、砺波市であるとか南砺市というのはため池の数がすごく多いものですから、どうしても数が多過ぎて、ちょっと補助率が低いかなというところがございます。そのへんをひとつ考慮いただいて、国のほうに働きかけていただきたいと思っております。  次に、地域コミュニティーの強化について伺います。  近年、都市部に限らず、農村部においても地域内の人のつながりが希薄になっており、生活環境、地域防災、子供育成活動、文化活動、農村活動など地域にとって今まで不可欠とされてきたさまざまな活動の継続が難しくなっております。先ほどの消防団員確保が難しくなったこともその1つかもしれません。  私たちの社会は自助・共助・公助を基本に成り立っており、この中で地域の役割、個人の責務というものを改めて広く住民に認識いただき、成熟した社会の構築を目指すことが大切だと考えます。  また、地域コミュニティーは地域振興を支える最も身近でかつ重要な要素となるものであり、その強化なくして地方創生は実現しないと思います。  地方創生に向けたさまざまな施策が実施される中、市町村と連携し、まずは足元、地域コミュニティーをしっかりと固め、強化しなければならないと考えます。熊本地震の教訓としても地域内のつながりの重要性が再認識されたところでございます。  市町村が主体となっていくのは当然ですが、市町村のみでなく、県としても地域コミュニティーの強化に向け、何らかの対策を講じていく必要があると考えますが、石井知事の所見をお伺いします。 18 石井知事 富山県は従来から自治会や老人クラブ等の団体の活動や消防団活動が比較的活発に行われている地域ですけれども、委員御指摘のような懸念もありますので、こうした県民の皆さんの自発的な活力、エネルギー、知恵というものを生かしながら、福祉や子育て、防犯、防災、いろいろな点で地域コミュニティーを強化していくということは地方創生の観点からも重要だと思っております。  そこで、県としましては、これまでも自治会連合会が実施しますコミュニティリーダー研修会に助成をしたり、コミュニティー活動の中核となる人材育成を進めておりますほか、地域全体での子育てを支援する、とやまっ子さんさん広場推進事業ですとか、また、ふれあいコミュニティ・ケアネット21事業など地域共生福祉の推進、また自主防災組織の育成、これは砺波市は自主防災組織率100%だそうですけれども、そういったこととか、また、学校安全パトロール隊による地域ぐるみの見守り活動、市町村が行う消防団活性化事業への助成、それから、がんばる商店街支援事業等々による商店街の活性化などいろいろな施策を通じまして、地域住民の皆さんの連携強化、地域コミュニティーの活性化を図ってきております。  さらに今年度はNPO法人や地域で活動するボランティア団体等による地域活性化事業を支援します、NPO未来創生県民協働事業というものも予算措置をしております。また、市町村が住民の皆さんと連携協力して進めるまちづくりを支援する、まちの未来創造モデル事業などの取り組みも進めることにしておりまして、今後もこうした取り組みをしっかり進めて、信頼や連帯感で結ばれた地域コミュニティーづくり、これは市町村とも連携しながら、しっかり取り組んでまいります。 19 瘧師委員 どうかよろしくお願いしたいと思います。  地方創生というのは出生率を高めていくということであろうかと思いますが、都道府県別出生率全国1位は沖縄県でございまして、1.94ということであります。なぜ沖縄が出生率が高いのかという、いろいろ分析されている中で、沖縄は地域のつながりが強く、共生、助け合いの精神がまだ残っている、そういう気質が反映しているのではないかという見解もあるようでして、やはり地域コミュニティーを強化していくことが、真の地方創生につながることだと思います。  そこで、今、石井知事のお話にもあったように、人材の育成ということで、やはり最終的には人の問題に行き当たるように思います。組織には、組織を牽引するリーダーが不可欠であるように、地域活動においても地域リーダーの存在が大きく、地域コミュニティーの強化のためには地域リーダーの育成やそのサポートが重要となってきます。  市町村職員が地域活動をするのは当然といえば当然で、実際に実践されておりますが、県職員も地域のリーダー的存在として地域活動に積極的に参加すべきだと思います。  そこで、県職員が積極的に参加できるように、研修などによる意識の醸成や、休日夜間の時間外勤務を減らすなどの勤務環境の整備、また、地域活動を人事評価への反映につなげるなどの取り組みを行ってはどうかと考えますが、山崎経営管理部長に所見を伺います。 20 山崎経営管理部長 お話しのように、県職員におきましても、職員が持つ知識や経験を生かして地域活動に積極的に参加して、地域づくりの原動力として活躍してほしいと考えております。  このため、職員に対しましては、これまでも採用後3年目研修、あるいは主任向けの単位制研修などにおきまして、魅力ある地域づくりに取り組んでいるNPOの活動を体験してもらったり、また、住民との協働について実践的に学ぶ講義を実施するなど、地域振興を支える県民の皆さんの活動への理解を深めてきたところであります。  また、職員が仕事と地域活動を両立していくためには、ワーク・ライフ・バランスの推進が大切であります。このため、時間外勤務の縮減に取り組みますとともに、今年度も夏の朝型勤務を試行実施することとしておりまして、職員には夕方の時間を活用して積極的に地域活動に参加することを期待しております。  職員の地域活動への参加を直接人事評価に反映していきますことは、業務外の時間における自主的な活動ということもありまして、なかなか難しい面もございますが、職員が積極的に地域活動に取り組むことによりまして、県民奉仕の精神はもとより、現場重視、県民重視の視点を再認識することとなり、このことが県民ニーズを的確に捉えた施策の企画立案につながるものと考えられます。  こうした成果は職員の能力や業務の実績として間接的ではありますが、人事評価に適切に反映されていくことになると考えております。  今後とも研修による意識啓発や仕事と地域活動が両立できる環境づくりに努めてまいります。 21 瘧師委員 地域コミュニティーの活動拠点には、主に集落や町内会にある公民館や集落センターが用いられておりますが、これらの施設は老朽化しているものが多く、補修費がかさむなど施設の維持管理が課題となっております。また、現行制度で求められる耐震構造を満たしていないところも多いと聞きます。  また、それらの施設の耐震化などには、市町村では予算確保に努力されていますが、整備対象となる施設が多く、要望への対応に苦慮されております。また、地域住民の負担も多いことなどから、なかなか対策が進まない状況にございます。  ところで、このような地域の施設は、行政の庁舎と同じように、災害時の避難場所に指定されているところも多いだけでなく、地域における自主防災組織の活動拠点としても重要であります。  さきの熊本地震では、さまざまな要因から自主防災組織がうまく機能しなかったとの報道もありましたが、その活動拠点たる場所の確保がまず十分でなかったことも、その要因ではなかったかと推測をいたします。  そこで、地域コミュニティーの場であるこれらの施設が、自主防災組織の活動拠点として重要であるということに鑑み、自主防災組織の資機材整備などを行う際に活用される地域防災力向上支援事業において、地域防災機能の確保という目的を達成するための耐震化や老朽化対策などに対し、県として支援すべきでないかと考えますが、新田知事政策局長に伺います。 22 新田知事政策局長 今ほど御指摘ありました自主防災組織への支援としましては、自主防災組織が行います防災資機材整備や実践的な訓練に対する支援のほかに、自主防災アドバイザーによる組織の設立、運営への助言でありますとか、防災士の養成、また、リーダー研修会などを行っております。  公民館等の耐震化や老朽化対策等について、県が財政支援してはどうかとの御提案でありますけれども、これらの施設は基本的に住民が自主的なコミュニティー活動を行う場でありますこと、また、自主防災組織の活動は、災害時には地元での避難誘導や避難所の開設、運営、救出救護活動など、また平時には地元での危険箇所の点検や防災知識の啓発等であることなどから、市町村の防災機能の確保につながるものであり、基本的には市町村で対応されるのが望ましいと考えております。  しかしながら、県としては、市町村の防災機能の維持向上は県全体での向上につながりますので、指定避難所や災害時の集合場所として指定されたものについては、国庫補助制度がございますので、こういったものの活用について助言するなど市町村と連携して、地域の防災力の確保に努めてまいりたいと考えております。 23 瘧師委員 さて、地域にとりまして今後ますます切実な問題となるのが空き家の増加でありまして、その対策が大きな課題でございます。  空き家対策としては、危険な空き家を除去する方向性と、また、使える空き家については利活用を促す方向性があります。  その活用の事例としては、移住者の住宅、古民家を活用した田舎暮らし体験用住宅、資料館や図書館等の文化施設、福祉施設、カフェレストランなど全国的にさまざまな事例がありますが、そこで、空き家をリフォームして地域のコミュニティー拠点として活用する場合に、県がその費用の一部を支援してはどうかと考えますが、加藤土木部長に所見を伺います。 24 加藤土木部長 空き家をリフォームしまして地域のコミュニティー拠点として活用するということは非常に重要なことであると思っておりますが、国におきましては、市町村や民間事業者などが空き家住宅を地域の活性化に資する交流施設、あるいは体験学習施設等に改修する費用に対しましては、交付金を用いて助成するということになっております。今年度、より重点的、効率的な支援を行うため、従来の交付金とは別枠で補助をする制度を創設されたところであります。  御提案のありましたリフォーム費用への支援につきましては、まずは空き家対策につきましては、市町村が主体となって取り組んでいただいていること、あるいはコミュニティー拠点につきましては、地域住民の方々が自主的な活動を行う、地域に密着した場となっていることから、まちづくりを進めておられます市町村において、ぜひこうした国の補助制度を活用して対応していただければと考えております。  一方、県におきましては、空き家の利活用の方策として、これまでもモデル地域における定住促進のための空き家改修費用への助成、あるいは地域住民の方々が一体となって空き家対策の検討や合意形成に取り組むモデル地区への助成制度の創設、これは今年度創設したところであります。また、空き家対策官民連絡協議会を設けて、これまでも市町村の取り組みの支援に努めてきたところであります。  県といたしましては、今後とも市町村と連携して地域の空き家の有効活用の推進に努めていきたいと考えております。 25 瘧師委員 どうかよろしくお願いします。  次に、民泊サービスについて伺いたいと思います。  外国人観光客の激増により、政府の明日の日本を支える観光ビジョンによれば、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には外国人旅行者4,000万人を目標としています。  そこで、北陸新幹線の開業効果を持続させ、インバウンド需要獲得に向け、本県においても外国人旅行者を受け入れる施設の確保が必要だと考えます。ホテル建設が幾つか計画されておりますが、外国人旅行者の宿泊施設の確保という観点から注目されているのが、自宅の空き部屋などを宿泊施設として提供する民泊サービスであります。
     無許可で実施するケースもある一方で、許可を受けることを検討している人が増えていると聞いておりますが、具体的にどれぐらいの問い合わせがあるのか、その状況を蔵堀厚生部長にお伺いします。 26 蔵堀厚生部長 御指摘のように、民泊サービスの無許可営業が全国的に増加しておりますことから、国におきましては、民泊サービスの法に基づく許可取得を促進いたしますため、旅館業法に基づく営業施設区分のうち、簡易宿所と呼ばれるものにつきまして、旅館業法施行令の規定を改正いたしまして、これまで客室の延べ床面積を33平方メートル以上としていたものを、ことしの4月1日からは宿泊者数が10人未満の場合につきましては、宿泊者数に3.3平方メートルを乗じた面積以上に基準を緩和したところでございます。  この新基準に基づく、ことし4月から5月末までの間に富山県内で宿泊者数10人未満の簡易宿所の許可に関する相談は9件ございました。このうち、富山市で申請された1件が許可に至っております。  相談内容につきましては、農家の離れを改修して簡易宿所の許可をとりたいといったこととか、改装した住宅を借り上げて宿泊施設として営業したいので必要な手続を知りたいとか、二世帯住宅の一部の部屋をホームステイ型で宿泊施設として提供したいなどの相談があったところでございます。 27 瘧師委員 国のほうでは民泊推進に向け、関連法令の改正など規制改革が予定されております。民泊の活用において、トラブルが起きた場合の責任の所在や衛生面や安全面などの管理方法など検討すべき課題も多いと思いますが、旅館業法、消防法、建築基準法等において規制緩和が検討されていることを前向きに捉えるべきではないでしょうか。  そこで、本県でも国内外から多くの旅行者の方に来ていただくため、民泊を推進すべきと考えますが、どのように取り組まれるのか、亀井観光・地域振興局長に伺います。 28 亀井観光・地域振興局長 国では、去る6月2日に規制改革実施計画を閣議決定し、住宅を活用して宿泊サービスを提供する、いわゆる民泊サービスにつきましては、ホテル、旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の制度として早急に法整備に取り組むとされました。  これを受けまして、厚生労働省の「民泊サービス」のあり方に関する検討会におきまして、民泊サービスの制度設計について検討が行われております。例えば、家主が不在の物件も対象とすること、宿泊者の安全性の確保や近隣住宅とのトラブル防止措置をとること、既存の旅館、ホテルとの線引きを図り、サービスの年間提供日数に上限を設けるなど一定の要件を設定することなどが議論されております。  民泊サービスは、外国人旅行者の急増に伴う宿泊施設の逼迫や、多様な宿泊ニーズへの対応、空き家の有効活用の面で効果があると考えられますけれども、その一方で、衛生面、安全面の課題や、周辺住民とのトラブルが巻き起こるなどの問題が指摘されていることから、こうした点が解決されるか注視していく必要があると考えております。  加えて、地域住民の民泊受け入れに対する理解や歓迎の機運が醸成されているかどうか、地域の観光振興、ひいては域内経済の活性化につながるかどうかについても、留意する必要があると考えております。  いずれにしても、快適で安全・安心な宿泊施設が提供されることが重要であり、国の議論をしっかり注視するとともに、法整備が行われた場合には市町村や関係の団体、業界等の意見もお聞きしつつ、健全な宿泊サービスが提供されるよう適切に対処してまいりたいと考えております。 29 瘧師委員 それでは、次に、高速道路の有効利用等について伺いたいと思います。  先週7日、国土交通省は東海北陸自動車道の飛騨清見インターチェンジから小矢部砺波ジャンクションまでの暫定2車線区間に追い越し車線を設けると発表しましたが、全線4車線化に向け大きな一歩となる、大変うれしい朗報であったかと思います。これも石井知事を初め、関係者の国土交通省などの機関へ要望活動をしていただいたたまものではないかと。引き続き全線4車線化に向けて力強い要望活動をお願いするものであります。  さて、日本におけるインターチェンジの間隔、インターチェンジからインターチェンジまでの距離は、欧米諸国に比較して、約2倍の状況となっておりましたが、ETC技術の活用により、低コストで建設、管理が可能なETC専用スマートインターチェンジを設置することとなりまして、昨年には高岡砺波スマートインターチェンジ及び南砺スマートインターチェンジが供用開始となりました。  また、上市町でも先月27日に国土交通省が新規事業化を決定したところであり、高速道路の有効利用や地域の活性化が促進されることを期待するところでございます。  そこで、昨年供用開始となった北陸自動車道の高岡砺波スマートインターチェンジ、また、東海北陸自動車道の南砺スマートインターチェンジについて、その利用台数は共用開始時と比べて増えているように私は感じるわけですが、実際のところはどうなのか、現在の利用状況について、加藤土木部長に伺います。 30 加藤土木部長 お尋ねのスマートインターチェンジにつきましては、いずれも供用から1年余りが経過したということですけれども、平成27年度、昨年度1年間の1日平均の利用台数につきましては、まず、高岡砺波スマートインターチェンジでは約1,650台、南砺スマートインターチェンジでは約590台となっております。  また、直近の利用台数につきましては、4月のデータということですけれども、1カ月間の1日当たりの平均利用台数、高岡砺波では1,900台、これは昨年4月と比べますと440台、率では30%増加となっています。一方、南砺では、今680台ということで、昨年に比べますと220台、約47%の増加という状況でございます。 31 瘧師委員 今ほど御報告のとおり、大変利用者が増えているということであります。  そこで、高岡砺波スマートインターチェンジの利用者が増加したということに伴いまして、庄川左岸の堤防を通っている道路、市道ですが、そこへの車の流出入がすごく増えまして、県道坪野小矢部線との交差点では出会い頭の接触事故が増えるなど大変危険な状況になっております。  それで、県道坪野小矢部線にかかる橋梁の形式上、もともと見通しの悪い交差点ということで、以前から地元要望も出ておりました。そこで、道路管理面での対応や信号機の設置など何らかの対策が必要だと考えますが、道路管理については加藤土木部長に、そして、信号機の設置などについては伊藤警察本部長に、それぞれ所見を伺います。 32 加藤土木部長 庄川左岸の堤防道路につきましては、砺波市道桜づつみ線でありますけれども、その交通量につきましては、スマートインターチェンジが供用したということで、平成27年7月砺波市が行った調査によりますと1,800台、5年前に比べ1,000台増えている状況であります。  この市道については、委員のほうから御紹介いただきましたように、県道と交差しているということですし、御指摘のとおり、その交差点部は砺波大橋の形状により見通しが悪く、車両の確認がしづらいことなどから、出会い頭の接触事故なども発生しております。  砺波市におきましては、これまでもカーブミラーの設置など安全対策を行っておられますけれども、交通事故の発生状況を踏まえ、市道の交差点の位置を現在よりも西側のほうへ移動させて視認性を確保するという案についても検討されているところであります。  この実施につきましては、交通量の状況を見ながら、今後とも関係機関と協議して検討されていくということでありますけれども、県としましては、砺波市において検討されております、この案につきまして、引き続き協議をさせていただくとともに、県道においても現在の交差点をより認識しやすいように、注意喚起の路面標示、あるいは警戒標識の設置など安全対策についても検討してまいりたいと考えております。 33 伊藤警察本部長 スマートインターチェンジ等の整備が行われますと、周辺道路の交通流や交通量に変化が生じ、その影響により新たな交通渋滞や交通事故の発生が懸念されます。  このため、事前に道路管理者と協議を行い、特に車両の交通量が増加して交通事故の危険性が高くなることが懸念される地点につきましては、地域の方々等の意見、要望も踏まえながら、道路標識、道路標示による交通規制や交通安全施設の設置などを行っております。また、スマートインターチェンジ等の整備後にあっても、既に実施した安全対策の効果を検証しながら、必要に応じ改善を図っているところであります。  御指摘の庄川左岸の堤防道路と県道坪野小矢部線との交差点につきましては、高岡砺波スマートインターチェンジの供用により、交通流、量の変化が予想されたことから、道路管理者と協議し、事前の安全対策として、砺波市において区画線の引き直し、ドットラインの路面標示、カーブミラーの設置等を行ったほか、警察においても朝の混雑時における周辺道路の通行禁止規制を行いました。  供用開始前後1年間の同交差点における交通事故発生件数を比較しますと、供用開始前1年間は人身事故3件、物損事故2件の計5件だったのに対し、供用開始後1年間は人身事故4件、物損事故5件の計9件で、4件増加しております。このため、県警察といたしましては、県、砺波市とさらなる安全対策について協議してまいります。  信号機の設置につきましては、交差点が堤防に近接していることや砺波大橋の上部構造物の形状から、信号柱や信号灯器の設置が困難であるなど課題がありますが、今ほど土木部長が答弁されました交差点改良計画案や、今後の交通事故発生状況等を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 34 瘧師委員 できるだけ早急に対応をお願いしたいというのは本音のところでございます。  それでは最後に、高速道路の有効利用ということで、高速道路の利用者にすれば、特に営業車については、高速料金割引情報というのが気になるところでございます。  NEXCOでは、高速道路上における燃料切れを防止するため、国土交通省と連携して、来年度まで150キロメートルを超える全てのガソリンスタンド空白区間を解消することを目指すと発表しました。  東海北陸自動車道ひるがの高原サービスエリアにはスタンドがあって、そこから県内へ入って、小矢部砺波ジャンクションから北陸道へ移りますと、有磯海のサービスエリアまでずっとスタンドがない。その距離は多分150キロメートルを超えているのではないかと思うのです。  そこでまず、7月中旬まで5つのインターチェンジにおいて路外給油サービスを実施し、給油のため一時退出した場合でも高速料金を変えないということでございます。  このような高速道路におけるサービスが実施されるのであれば、他のケースにおいても高速料金に対する配慮が必要ではないかと考えます。それは高速バスターミナルへの一時退出の場合であります。  現在、高岡砺波スマートインターチェンジ周辺には高速バスターミナルが設置されておりまして、現在は大阪・京都方面に往復4便、東京方面に往復1便が運行されております。今後、さらに新潟方面、東北方面などへ運行しているバス会社に関係自治体がPRしようということに当たって、現在足かせとなっている、一時スマートインターチェンジから退出し再度乗り入れる際に徴収されているターミナルチャージや、高速料金の長距離低減割引が途切れる状況を何とか解消できるよう、関係機関に働きかけるべきと考えますが、土木部長の所見を伺います。 35 加藤土木部長 高岡砺波スマートインターチェンジ周辺にございます高速バスターミナルにつきましては、高速バス利用者の利便性向上を目的に、高岡市及び砺波市が設置されたものでございますけれども、御紹介いただきましたように、料金徴収施設の外側の一般道に位置しているということであります。  通常、高速バスターミナルにつきましては料金施設の内側の高速道路に設置されることが多いのですけれども、こちらの場合については、用地の制約、あるいはさまざまな事情により、このような状況になったものと承知しております。  委員から御紹介いただきました高速道路株式会社における燃料切れ防止のための対応についての社会実験でございますけれども、県内では東海北陸自動車道の福光インターが指定され、本年7月中旬を目途に開始される予定と聞いております。  県といたしましては、高速道路株式会社が実施いたします社会実験の結果、あるいは燃料切れ防止のためのこういった施策を取り組むことになった中間答申、こういった動向、これは国の国土幹線道路部会での答申でございますが、そちらでの議論の動向なども注視しまして、高岡市及び砺波市とも情報共有に努めるなど相談があれば、今後適切に対応してまいりたいと考えております。 36 五十嵐委員長 瘧師委員の質疑は以上で終了いたしました。        澤谷清委員の質疑及び答弁 37 五十嵐委員長 澤谷委員。あなたの持ち時間は60分であります。 38 澤谷委員 委員長、質問に応じて私が作成したパネルの掲示と政務調査資料の提示を許可していただきたいのですが。 39 五十嵐委員長 許可いたします。 40 澤谷委員 それでは、社民党・無所属議員会の澤谷清です。質問に入らせていただきます。  私はおか砂利採取の質問をいたしますが、平成9年に滑川市議会議員に当選しまして14年間、このおか砂利採取に対する質問を再三行いましたが、当局の答えは、県の認可事業であり答えるすべがないと。そして県議会議員になりまして、このことに関して昨年6月、質問をしましたが、結果は、権限移譲は時期尚早ということで、力いっぱい質問をさせていただきたいと思っております。  県が進める新・元気とやま創造計画が平成24年に策定され、環境の状況及び施策に関する4つの目標のうち、生活環境の保全と水資源の保全活用について、県の認可事業であるおか砂利採取との整合性がとれていなく、相反する施策が行われているのではないでしょうか。  水の循環が述べられており、森から川へ、海にと循環しているのは間違いのないところですが、県内全域にわたる水田の水環境への影響も非常に大きく、多機能にわたる自然環境に対しての効果は、富山県民に大きな自然の恵みを与えてくれています。  しかし、昭和57年ごろから県内各河川扇状地の水田では盛んにおか砂利採取が行われ、採取跡地での土壌の埋め戻しによる地下水の涵養や洪水の調整機能を初め、地下水、土壌の汚染、将来にわたり地下水の枯渇にもつながるものと危惧されております。  5月24日に富山市で行われた富山地域地下水利用対策協議会の総会において、地下水が汚染されると自然回復まで相当な時間がかかり、地下水源の保全と地下水涵養を地域ぐるみで推進すべきと報告がありました。私は当たり前のことと受けとめていますが、県はいまだにおか砂利採取における地下水への影響を公表せず、これからも砂利採取における認可を続けていくのでしょうか。県が認可をする水田におけるおか砂利採取について、山本生活文化部長に5点質問をいたします。  初めに、おか砂利採取による森、川、水田、海も含めた水の循環についてお伺いします。  おか砂利採取された水田では、透水性のない埋め戻し用土によって地下水への循環が断ち切られていると考えます。私は富山市から県東部の地下水に関しては現地調査を行っておりませんが、滑川市、魚津市、黒部市においては、海岸部において地下水が大量に噴出しているという事実も述べられております。この循環がとまった場合、富山湾の魚の生態系に非常に影響が出るのではないかと、滑川市の漁業協同組合はおか砂利には断固反対の立場を表明しておられます。当局はどのように認識しているのでしょうか、お伺いいたします。 41 山本生活環境文化部長 本県は全国的に見ても降水量が多く、平野部の多くが扇状地を形成しておりまして、森、川、海へとつながる地表水、地下水等で健全な水循環が確保されていると考えております。  お尋ねのおか砂利採取を行った場合の影響でございますけれども、埋め戻しに使用する土砂の土質によって、地下への水の浸透の仕方は変わってまいりますが、水循環全体にどの程度の影響が見られるかを明確にお答えすることは難しいものと思っております。  なお、これまで県では地下水位の調査を行っており、近年、冬期の消雪装置の稼働等、季節による変動等はございますけれども、水位はほぼ横ばいで推移しておりますし、沿岸部の井戸における地下水に塩水化の拡大は見られていないという事実がございます。データを見る限りにおきましては、県全体として見た場合、おか砂利採取が多く行われている地域で、おか砂利採取によって地下水に顕著な影響が出ているとは考えにくいのではないかと考えております。 42 澤谷委員 認識はしていないと受けとめておきます。  2点目でありますが、平成20年以前のおか砂利採取跡地でのボーリング調査は行われておりません。基準値以上の深掘りや廃棄物の混入など、不適正な埋め戻しの事例により、将来にわたり地下水の枯渇や水質汚濁、土壌汚染への影響につながるのではないでしょうか。当局の考えをお聞きいたします。 43 山本生活環境文化部長 おか砂利採取地に限らず、一般的に土砂を掘削した場所に有害物質を含む廃棄物等で埋め戻された場合には、地下水の水質、土壌に影響を与えるおそれがあると考えられます。また逆に言いますと、そのような場合を除けば、基準値以上の深掘りのみによっては地下水に汚染が発生することは想定しにくいのではないかと考えているところでございます。  県土木部では、昨年8月から冬にかけまして、過去の砂利採取について、県内全域の砂利採取業者へ聞き取り調査を実施しまして、適切な処理が確認されなかった箇所について業者にボーリング調査を求めたところでございます。その結果、聞き取り調査箇所231カ所中、ボーリング調査が実施されたのは143カ所ございまして、調査の結果、74カ所において深掘りあるいは埋め戻し土に異物の混入が認められたと伺っております。  今回の調査におきましては、異物の混入が見られた場所において、地下水汚染ですとか、土壌汚染のおそれがある重金属ですとか、有機塩素系化合物など有害物質の混入があったという報告は受けておりません。  また、先ほども触れましたけど、県では平成2年度から平野部の75地点で毎年、地下水の水質調査を実施しておりまして、地質に由来するものを除きますと、大きな影響は見られていないところでございます。  このようなことから、現時点では、環境部局としましては、基本的に汚染は生じていないものと考えております。 44 澤谷委員 現時点では影響がないと受けとめておきますが、将来にわたっての保証がないとも受け取れます。  3点目は、県が策定しているとやま21世紀水ビジョンや地下水指針などにも、水田を積極的に活用した地下水涵養を進めるとされていますが、地下水涵養に向けた取り組みとおか砂利採取跡地での水田の透水性調査を早急に行うべきと考えます。  昨年8月に厚生環境委員会で熊本県へ行政視察に行ってまいりました。本年4月に地震災害に遭われました熊本県民には、本当に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。  視察内容は、水田を活用した地下水涵養の推進事例を調査したもので、調査資料は当局に提出してあります。  熊本県の事例もあわせて、地下水涵養に関する考えをお聞きします。 45 山本生活環境文化部長 富山県の地下水指針で述べておりますとおり、豊かで清らかな地下水を将来にわたって保全するために、利用と涵養のバランスをとることが重要であると考えているところでございます。  このため、県におきましては、全国に先駆けまして、平成17年度に環境省及び魚津市と連携して休耕田を利用した地下水涵養実証調査を行いました。涵養を実施する際の具体的な手順や評価方法といった成果を地下水涵養マニュアルとして取りまとめたところでございます。  また、平成24年度には、県内4地域の水田で消雪設備の稼働によりまして地下水位の低下が見られる冬期間に地下水涵養をモデル的に実施しまして、その手続や効果を取りまとめた冬期間の地下水涵養の手引きを作成、配布するなど、涵養への関係者の理解と協力が得られるよう取り組んできたところでございます。  一方、消雪設備の影響で地下水位が低下する時期でもある冬期間に、水田で涵養を行うに当たりましては、1つには土地所有者、あるいは農業者でございますけれども──の御理解を得る必要があること、また、2つ目には、冬期間の水田涵養につきましては、耕作目的以外の水利用ということになりますので、多くの地域において水利権の許可の手続が必要であること等から、全県的な拡大に向けては課題もございますが、他県の取り組みを参考にしつつ、関係者と連携しながら地域での地下水涵養が進むよう取り組みたいと考えております。  また、委員お尋ねの砂利採取跡地での透水性の調査につきましては、これまでの答弁でお答えしているとおり、現時点で地下水質の調査結果から顕著な地下水への影響は出ておりませんことから、採取地ごとに調査することは考えていないところでございます。 46 澤谷委員 答弁いただきまして、地下水の涵養に関しましては、滑川市のおか砂利採取跡地でぜひ実証実験をしていただきたい、これはよろしくお願いいたしたいと思っております。  4点目には、県民、事業者、行政が一体となり地下水保全に全力を挙げて取り組む体制整備を構築すべきものと考えます。  熊本県では、地下水保全条例に基づき、地下水はみんなのものとの考え方で、地下水を公共水と認識し、生活用水や工業用水を通じて地域経済の共通基盤として、行政、事業者などがともに協働してその保全に取り組んでおられます。  本県では、地下水はみんなのものとの認識をどのように高めていかれるのかお聞きします。 47 山本生活環境文化部長 地下水は、生活用水や工業用水として県民の生活基盤を支えるとともに、名水、湧水など水の王国とやまを代表する県民共有の貴重な財産であるという認識のもとで、これまでその保全を図ってきたところでございます。  まず、昭和51年3月に地下水の採取に関する条例を制定しまして、地盤の沈下、地下水位の異常な低下や塩水の地下水源への混入──地下水の塩水化でございますが──といった地下水障害を防止するため、揚水設備の設置の届け出、また富山、高岡、射水の一部の区域を規制地域として定める採取量の規制などを行っております。  また、県内32カ所に設置しました観測井におきまして地下水位を監視しますとともに、うち4基の観測井におきましては、地下水位の状況をホームページでリアルタイムに公表しているところでございます。  さらに、全国に先駆けまして、平成4年、地下水の障害の防止とともに、地下水涵養による健全な水循環を確保するということを目標としました地下水指針を策定しまして、県民、事業者及び行政が一体となって地下水の保全に取り組んでいるところでございます。  具体的には、まず、県が養成しました「地下水の守り人」117名を登録して、今年度も追加養成をしているところでございますが、この方々によります道路消雪設備での節水や名水、湧水の清掃活動を行っておりますし、2つ目には、市町村と農業者等が連携した水田での地下水涵養、3つ目に、県と企業が連携した地下水を育む森づくり活動体験会、最後に、4つ目でございますが、行政からのパンフレット、広報紙等での呼びかけによる県民みずからの消雪設備等での節水活動などが展開されているところでございます。  このほか、県内4地域において、行政や地下水を利用する工場、事業場で組織いたします地下水利用対策協議会が設けられておりまして、地下水に関する研修会の開催や情報共有、また、水田での地下水涵養などが行われているところであり、県といたしましてもこれらの取り組みを財政面、技術面で支援しているところでございます。  御指摘のように、地下水は富山県の美しい自然環境の象徴の1つでございます。引き続き、県民、事業者、行政一体となって、その保全活動に取り組んでまいりたいと思っております。 48 澤谷委員 答弁いただきましたが、この答弁の内容の中で、滑川市が幾つか関与しているのかなと聞いておりましたが、私の記憶の中にはほとんど関与していないのではないかと思っております。もう一度精査して、調べさせてもらいたいと思っております。  最後になりますが、本県は、水の王国とやまと言われております。県内66件のとやまの名水を選定しているほかに、環境省の名水百選にも全国最多の8件が選ばれております。  これらの名水の湧水地、噴き出すところです。流域においてもおか砂利採取が行われているところもあり、とやまの名水の保全に向け、どのように取り組んでいかれるのかお聞きします。 49 山本生活環境文化部長 とやまの名水は、先人たちの努力により守られてきた本県のすばらしい水環境のシンボルとして、昭和61年に湧水や滝、河川等の55件を選定し、その後、平成17年、18年に11件を追加選定したものでございます。このうち、委員御指摘のとおり、環境省の名水百選には、熊本県と並んで全国最多の8件が選定されており、県内外に誇ることができる県民の貴重な財産と考えております。  とやまの名水を後世に引き継いでいくには、各地域での地道な保全活動が重要であることから、これまでホームページ、とやま名水ナビ、これは平成23年3月に開始したのですけれども、とやまの名水や水環境保全活動の情報を発信しておりますし、各種イベント、例えば全国豊かな海づくり大会でありますとか、とやま環境フェア等で水環境の魅力や活動の情報発信をしております。  また、地域の水環境保全に率先して取り組む、とやま川の見守り隊、これは町内会代表や教員OB、それから、企業の環境担当者など現在108名が登録しているところでございますが、この方々の活動支援、例えば簡易水道測定キットでありますとか、透視度計の貸し出しなどを行っております。  さらに、活動参加者の機運を高めるためののぼり旗の貸し出しなど、保全活動の促進に取り組んできたところでございます。  今年度は、新たに、名水の見学会、川の調査などを盛り込んだ親子向けの水環境体験バスツアーの開催、とやま川の見守り隊が情報交換を行う交流会の開催など、さらなる活動促進に取り組むこととしております。  今後とも富山の名水を初めとした本県の豊かで清らかな水環境を守り、育てていくため、県民、事業者、市町村等と連携して取り組んでいきたいと考えております。 50 澤谷委員 期待をしております。  それでは、2点目の権限移譲についてお伺いいたします。  私は、先日、国の経済産業省におきまして、砂利採取の権限移譲について政務調査を行いました。担当課長は、砂利採取における国の権限については、各都道府県に事務事業を移管しているので、都道府県が適時に判断して、各市町村についての移譲をすべきという答えをいただきました。国に関しては、砂利採取における問題は一切ないともおっしゃっていましたので、その観点から質問に入らせていただきます。特に、滑川市が要望している案件であります。  滑川市が昨年7月に滑川市長、滑川市議会議長の連名で、石井知事に27項目の重点要望事業をお願いしました。新たに、砂利採取計画の権限移譲を要望しましたが、本年4月8日付で県土木部の回答は時期尚早とのことでありました。
     県の監督のもとで長年にわたり不正なおか砂利採取が進められてきたことが、昨年、立山町、滑川市の砂利採取現場から発覚し、新聞紙上にも大きく取り上げられました。基準値以上の深掘り、廃棄物による埋め戻しなど、全くずさんな砂利採取が行われてきたことは、県当局もしっかり認識しておられるものと思っています。  滑川市の早月川上流域の扇状地一帯はほぼ掘り尽くされており、現在は、中流域でおか砂利採取が進んでいます。このままでは、滑川市の農地以外での土地利用計画が立てられず、住宅団地の造成を初め、新たな企業誘致における工業団地の造成にも現在、大きな支障が発生しており、今後、地下水の枯渇と汚染にもつながりかねず、滑川市がみずから行う総合的なまちづくりが進められないと滑川市長ははっきりと断言をしております。このまま県に任せておけば市が破壊されると上田市長も記者会見で発表しており、このことを県は認識しておられるのでしょうか。  県当局は、おか砂利採取された面積や分布図、容量や重量ベースも全て調査し、今後どのように生活環境への影響が起きるのか、土地利用形態がどのように制限されるのか、地下水水量に対する枯渇の問題、水田からの地下水の涵養における影響など、現地調査も踏まえ検討を行った上で時期尚早と決定したのでしょうか。  滑川市の工業出荷額は、平成26年末で2,831億円であり、県内15市町村では第4位、市民1人当たりの出荷額は850万円で、第2位の525万円の1.6倍であり、県内断トツ1位の工業出荷額を誇っております。これを支えているのは、早月川扇状地から揚水している良質な地下水にほかならず、平成22年度の県の調査では、滑川市の水道水、工業用水ほか合わせた年間地下水揚水量は1,120万トンであり、ドラム缶5,600万本に相当する地下水量を毎年使っていることも県の資料から報告されております。  水田からのおか砂利採取面積は152ヘクタール、東京ドーム33個分に相当し、坪で46万4,000坪、掘り出された砂利の容量は1,224万立方メートル以上で、重量ベースでは2,200万トン以上の砂利であります。この膨大な砂利はどこへ行ったのか、県は把握をしておられるのでしょうか。  砂利採取法に基づく砂利採取計画の権限移譲とおか砂利採取における滑川市の現況について、加藤土木部長並びに山本生活環境文化部長に5点質問をいたします。  初めに、一部の県では市町村に権限移譲しているが、多くの県では移譲していないと当局から説明がありましたが、全国14道府県で移譲されております。3分の1の道府県が移譲していると思っております。何をもって多くの県では移譲されていないと言えるのか。  また、市が再三再四求めてきた要望事項や砂利採取跡地での環境悪化の懸念についても返答がなく、なぜ時期尚早と言えるのか、当局の見解をお聞きします。  また、私は昨年6月から当局の関係部課長並びに新田知事政策局長に滑川市がおかれているこういう資料をきっちりと提示してまいりました。それにもかかわらず、一切返答がなく、この期に及んでいるということは大変情けないと思っております。  それでは、当局の所見を伺います。 51 加藤土木部長 砂利の採取計画につきましては、都道府県知事が国の定めました砂利採取計画認可準則に基づきまして、掘削による隣接家屋や道路などの破損の防止、あるいは、住民の転落災害の防止等、災害防止の観点から審査を行い、認可することとなっております。  この認可権限につきましては、委員御指摘のとおり、15道府県におきまして条例による事務処理の特例制度に基づき、市町村に移譲を行っており、本県におきましては、先ほど御紹介いただきましたように、滑川市のほうから移譲の要望を受けたところであります。  本県における砂利採取事務につきましては、過去の不適切な砂利採取を受けまして、再発防止のため、砂利採取事務に係ります認可手続、あるいは立入検査実施要領など全面的に見直しを行い、全県下統一的なルールを定めまして、これに基づき、昨年12月に運用を開始いたしたところであります。  具体的には、業者に対しましては、認可申請時に掘削や埋め戻しの詳細な実施方法を記載した施工計画書、あるいは、違反行為が判明した場合には、その調査費用の負担、あるいは、厳正な処分を受け入れる旨の誓約書を提出させるとともに、日々の作業内容がわかる詳細な書類の保存及び提出などを求めております。  一方、指導監督を行います県におきましては、深掘り等を防止するため、作業時における検査回数、これは、今までは、着手前、完了時でございましたけれども、さらには、作業中に掘削深さ、埋め戻しの土砂等を確認するということで、その回数も増加しております。また、計画と実測を対比した管理図に基づく検査を導入することなども実施したところであります。  県といたしましては、これらの見直しを行いました手続等が砂利採取業者に浸透し、早期に運用の定着が図られることが重要であると考えております。まずは、県が責任を持って業者への指導監督を実施しまして、県下統一的な方法で認可事務を行うべきと考えております。  今般の不適切な事案に関して対応しまして、手続等を全面的に見直し、昨年12月にその運用を開始したところでございますので、現段階において採取計画の認可権限を市町村に移譲することについては時期尚早ではないかと考えているところでございます。 52 澤谷委員 部長におかれましては、滑川市へ一遍足を運んでいただきたいと思っております。昨年、権限移譲には答えがなかった。それで、滑川市では9月定例会で砂利採取における規制条例案を上程したのですが、自民党議員団8名の反対に遭い、廃案になった。結局、滑川市でも決められない、県も権限移譲をしない、滑川市の将来像が描けなくなるこのおか砂利採取が市の責任においてとめられない、あるいは規制されない、そういうこと自身、私は、県には、県民がいても地域住民がいないのではないかというふうに捉えざるを得ません。また、滑川市に一遍、足を運んでいただければと思っております。  2点目に、大規模に行われているおか砂利採取の影響により、将来、現状の地下水量が確保されなくなることが懸念されます。また、滑川市の水道水源井戸は、おか砂利採取跡地に広く分布しており、水道水と工業用水の枯渇は市の破壊につながるものと市長は考えておられます。現況をどのように県は捉えておられるのか、再度お答え願いたいと思います。 53 山本生活環境文化部長 県におきましては、平成4年に全国初となる地下水指針を策定しまして、県民共有の貴重な資源であります地下水の保全、適正利用に取り組んでおります。  この取り組みを着実に推進するため、県内平野部を17の地下水区に区分して、それぞれの適正揚水量を定め、実際の揚水量がこれを上回らないようにしているところでございます。  適正揚水量と申しますのは、塩水化の進行ですとか、大幅な地下水位の低下等、地下水障害を生じさせない揚水量として定めた限界揚水量に安全率とか、地域特性を勘案した地域係数を乗じて算出したもので、県内平野部全体の17の地下水区の適正揚水量は年間5億270万立米と定めているところでございます。  県が5年前に実施しました地下水揚水量実態調査では、平成22年度の平野部全域の揚水量実績は2億1,927万立米で、適正揚水量の44%でございました。  また、今年度は5年ぶりに県内全域で地下水の揚水量の実態を調査し、それぞれの地下水区で実際の揚水量が適正揚水量の範囲内であるかを確認するとしているところでございます。  地下水の水量につきましては、御指摘のおか砂利採取だけではなく、例えば、転作でありますとか、幹線道路の整備、企業団地や大規模住宅団地等の開発行為等による土地の改変についても大きな影響を与えるものでして、おか砂利採取のみを捉えて現状の地下揚水量に対してどの程度影響を及ぼすかというのは不明ではないかと思っております。  県といたしましては、地下水条例に基づく採取量の規制、それから地下水指針に基づく地下水の適正利用、合理化の推進、水田を活用した地下水涵養、それから、地下水の守り人による消雪設備の節水対策などさまざまな取り組みを行いまして、将来にわたって適正揚水量が確保されるよう努めてまいりたいと考えています。 54 澤谷委員 答弁ありがとうございました。  私は県下全域のお話を聞いているわけではございません。滑川市における現況について、パネルを提示してお答えしてほしかった、それが残念です。  それでは、3点目、4点目と続けて土木部長から答弁をお願いいたします。  埋め戻し用土が、申請された用土で確実に埋め戻されているのか。建設発生土である建設残土を何%か、15%と言われておりますが、検査した後、埋め戻し用土に使ってもいいと述べられておりますが、建設発生土は本当に大丈夫なのか、このことに関しての認識をお伺いします。 55 加藤土木部長 砂利採取跡地への埋め戻し土につきましては、採取計画の認可申請書に産地や土量、運搬ルートなどを記載させておりまして、その内容が適正かどうか審査の上、その使用を認めております。  埋め戻しに使用されている土砂につきましては、従来から、県が立ち入り調査時に目視や、あるいは、業者からの聞き取りなどによりまして、認可計画との適合状況を確認しておりましたけれども、昨年12月に新たに策定いたしました検査マニュアルでは、検査時に土砂の搬入元や土量等を伝票で確認することなどを明示しまして、その徹底を図ったところであります。  また、これに加えまして、認可と異なる埋め戻し土を使用した場合には、遵守義務違反となりますことから、業者にペナルティーを科すことも定めたところであり、このことにより、より適切な運用が図られていくものと考えております。  また、建設発生土の砂利採取跡地への埋め戻しにつきましては、建設発生土の再資源化と有効活用の観点等から環境部局とも協議の上、農地、地下水等へ影響を及ぼすことがないよう、土木センター、土木事務所が指定した公共用残土仮置き場の土砂であること、2つ目には、土壌検査結果が土壌の汚染に係る環境基準を満足していることなど、厳しく管理されている土砂利用を条件とした上で、平成10年に使用を認めることとしたものであります。  この使用条件につきましては、昨年12月の要綱類の改定に合わせまして、新たに国土交通省の基準において土地造成にそのまま使用が可能な良質土に区分される土砂であること、あるいは、地下水より高い位置へ埋め戻すことを加えた、より厳しい条件としたところであります。  建設発生土につきましては、資源の有効利用の観点から、公共工事においても積極的にその活用を進めているところでありまして、引き続き厳格な指導監督のもと、砂利採取場跡地への埋め戻し土としての利用を認めてまいりたいと考えております。 56 澤谷委員 4点目を飛ばして、5点目でよろしいでしょうか。  砂利採取跡地につきましては、従前より地盤が緩む、そしてまた、土地利用形態が制限され、企業団地造成に大きな支障が生じると言われております。商工労働部では、おか砂利を採取された土地は、企業や工場の誘致の際、業種や用途が制約される場合があるとの見解でしたが、県庁内部におきまして、許認可をしておられる河川課、また立地通商課、環境政策課、環境保全課、これらの部局がこの砂利採取に関する統一した施策の整合性を図っておられるのかどうかお聞きいたします。 57 加藤土木部長 おか砂利採取を行うには、まとまった用地の確保が必要となることから、本県では、農地を一時転用する方法で行われているのが一般的であります。このため、砂利採取後に山土砂等による適切な埋め戻しが行われ、着手前と同程度以上の農地として復旧されるよう、採取業者を指導しているところでございます。  砂利採取跡地につきましては、農地転用や開発行為の許可などの必要な手続を行えば、将来的には企業団地等への用途に転用することも可能でありますけれども、建設する建築物によりましては、地盤改良、あるいは杭基礎等が必要になることも想定されるところであります。  しかしながら、立地候補地の選定に当たりましては、地盤の状態以外にも交通網へのアクセス性、あるいは電気、ガス、上下水道等のインフラの整備状況、あるいは、労働力の確保、あるいはコストなど、これらを総合的に勘案の上、各企業が立地に当たりまして御判断されるものと考えております。  したがいまして、立地予定地が砂利採取跡地であるということをもってして、企業団地造成に大きな支障が生じるとまでは一概には言えないのではないかと思っているところでございます。砂利採取跡地に企業が進出され、建築物を建築される際には、必要に応じて地質調査等を行っていただき、施設の配置の工夫、あるいは、地盤改良などの対策の検討が行われるものと考えているところであります。 58 澤谷委員 滑川市では、工業団地の造成に入っております。4区画のうちの1区画が砂利採取跡地でございまして、その利用に関して、市は大変苦しんでおります。そういうことも勘案しながら質問したわけなのですが、ぜひ土木部長には滑川市にまた足を運んでいただければと思っております。  それでは、少子化対策と子育て支援についてお伺いいたします。  富山県は、国に対しての重点要望事項の第1項目は、地方創生と人口減少に対する要望でありました。私は、そのことを踏まえて質問をさせていただきたいと思っております。  厚生労働省の資料では、戦後の年間出生数は、昭和24年の約270万人をピークに、昨年は年間約100万7,000人であり、子供を産んでもらえる若い女性が減少していく中で、今後も出生数が減り続けると報告されております。  出生数の減少は今に始まったものではなく、昭和20年(1945年)、大東亜戦争終結後の連合国GHQによる占領政策によって引き起こされたものと言われており、時の政府は昭和24年に産児制限拡大を目指して、同年6月には経済的理由でも人工妊娠中絶を認める法改正が行われ、昭和24年の出生数270万人から翌25年には一挙に36万人減少し、昭和22年から始まった第一次ベビーブームが4年後に突如終わりを告げ、現在に至っていると言われております。  昭和20年12月の国会での厚生大臣答弁では、一度出生率が減少傾向になった場合は、人口増加の傾向に回復するのは困難であり、政府が公然と産児制限を認めることは慎重に考慮を要することであり、GHQの占領政策にはっきりと産児制限の受け入れを拒絶しましたが、国の人口政策を占領軍が受け入れるはずはありません。  第一次ベビーブームを境に70年間にわたり富山県も含め全国一律に少子化が進みました。出生数の増加はもちろん、子育てに係る一切の政策は、国が一元的に推し進めていかなければ解決しないものであり、富山県が中心となり市町村の力も合わせ、富山県から政府はもちろん、全国の自治体に子供を産み育てる支援政策を広げていってもらいたいと考えております。  それでは、子供を産まない第1の理由は、経済的な負担が多くかかることで、産み育てる経済的支援を求める声が多く聞かれます。北日本新聞、富山新聞の紙上においても、この問題に関しては大きく取り上げられていることも承知のことと思っております。  子供を産み育てる経済的負担に関する支援はどうなっているのでしょうか。蔵堀厚生部長にお聞きいたします。 59 蔵堀厚生部長 経済的負担に対する県の支援についてお答えをいたします。  県では、とやま未来創生戦略や「かがやけとやまっ子みらいプラン」に基づきまして、妊娠、出産、子育てに伴う経済的負担の軽減に取り組んできております。  具体的には、出産、医療に対する助成としましては、不妊治療費助成制度の充実、それから、妊産婦及び乳幼児に係る医療費の助成を行っております。  保育につきましては、第3子以上の保育料無料化や、子育て応援券の配付、それから、児童手当の支給に伴う財政的支援も行っております。  教育の面につきましては、奨学金制度を設けておりますし、がんばる子育て家庭支援融資の無利子枠の設定を行っております。  また、住宅に関しましては、3世代同居の住宅等に係る融資の実質無利子化や不動産取得税の減免など、広範にわたってさまざまな支援に取り組んできているところでございます。 60 澤谷委員 各市町村では、子供を産み育てる政策に関しては、財政支援を初め、しっかりとした目的を持って政策立案をしております。県はもちろんそのような意向に沿って政策立案をしておられると思うのですが、なかなかやはり目に映るものが薄いのではないかと思っております。2点目には、第1子から第2子出産には第2子の壁があると言われております。2人目の子供を産むのに若い夫婦がちゅうちょしているとの報告を受けております。第2子出産後の子育てに係る支援策は大変重要なものであると思っております。滑川市では第2子からの保育料は所得制限なしの無料化で対応しております。各市町村におかれましても、第2子に対する支援策を着々と進めていると聞いておりますが、県としてのお考えをお聞きいたします。 61 蔵堀厚生部長 少子化対策を進めるに当たりましては、いろいろな壁があると言われていますが、第1子の壁ですとか、第2子の壁ですとかと言われております。そういったものにつきましては、現状分析した上で課題を整理して対策を講じることが重要だと思っています。  厚生労働省がまち・ひと・しごと創生サポートプランというものを出していますが、この中では、第2子の壁につきましては、第1子の育児に対するさまざまなサポートがあることが大変重要だと言っておりまして、男性が積極的に育児を行うことや、子育て支援サービスの充実が必須であると述べているところでございます。  こうしたことから本県におきましては、第2子を産んでもらうためにも、まず、子育て支援サービスにつきまして充実を図っているところでございます。例えば、病児・病後児保育ですとか、延長保育などの特別保育の充実、それから、放課後児童クラブの施設数の増加なども図ってきております。  また、男性の育児参加につきましては、休日の男性、夫の家事、育児の時間が長くなるほど、第2子以降の生まれる割合が高いという国の調査結果もありますことから、男性が育児や家事にかかわることができるよう、働きやすい職場環境づくりを進めることが重要だと考えております。  本県におきましては、一般事業主行動計画の策定の義務づけの対象を県の条例によりまして、法律よりも大幅に拡大しております。こうしたことで、事業者の取り組みを支援してきているところでございます。  なお、平成26年の人口動態調査によりますと、出生率を出生順位ごとに見た場合、本県の第2子の出生率は全国15位の0.56と、全国平均を上回っておりまして、県がこれまでとってまいりました育児サポートですとか、育児参加の取り組みが一定程度効果を発揮しているものと考えております。 62 澤谷委員 ありがとうございました。もちろん出生数の増減については、県、市町村が一体となり政策を推し進めていった結果だと私は認識をしております。  3点目は、財政的な問題になるのですが、市町村はそれぞれ市町村の生き残りをかけて今、さまざまな子育て支援政策を行っております。県は、今現在はできなくても、将来的には市町村と手を取り合って、所得制限なしで統一した支援を確立していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 63 蔵堀厚生部長 子育てに係る費用でございますが、以前は、基本的には家庭において負担するというのが原則でございました。少子化の進展に伴いまして、子供たちは次世代の担い手であるということもございますので、その医療や保育に係る支援が求められてきているところでございます。  県の場合でございますが、乳幼児医療費につきましては、子供たち、乳幼児が特に病気にかかりやすく、経済的な負担も大きいということで助成をしているわけですが、平成17年12月に設置しました医療費助成制度のあり方懇談会におきまして、負担能力のある方に負担していただくことは、経済的公平性の観点や制度の継続のためには必要であり、円滑な運営の確保の観点を考慮した適切な所得制限を導入する必要があるとの検討結果をいただいて、平成20年10月から所得制限を導入してきているところでございます。  また、もう1つは、第3子以降の保育料の無料化についてでございますが、こちらのほうにつきましては、子育て支援少子化対策県民会議のもとに設置いたしました検討部会で御議論いただきました。また、タウンミーティング等での御意見もいただきまして実施したわけでございますが、県の調査では、「理想の子供の数は何人ですか」と聞いたところ、「3人」と答えられた方が約6割いらっしゃいました。「現実の子供の数は」と聞くと、これが大体「2人」というのが一番多くて、約5割が2人と答えていると。その際の「子供をもう一人産んでいただくための課題は何ですか」と聞くと、「子育てや教育にかかる経済的負担が大きい」ということでございましたので、県としては子育て支援であっても、75%程度の世帯に保育料の無料化を実施するということにしたわけでございます。  また、所得の高い世帯には、一定程度の負担を求めることが持続可能な制度となるために必要であるということも考慮したところでございます。  なお、所得の高い世帯につきましても、従来どおり、3歳児以下につきましては保育料の2分の1を、4歳児につきましては3分の1を軽減するということで市町村を支援しているところです。  なお、県内の市町村におきましても、それぞれの制度で所得制限を設けて実施されている自治体もある一方で、所得制限を入れないという市町村もあるところでございますが、それにつきましては、それぞれの市町村の御事情、あるいは、政策的な御判断であると理解しております。  県としては、国、県、市町村がそれぞれの役割分担をしながら子育て家庭の経済的負担の軽減に取り組んでいくことが重要だと考えております。 64 澤谷委員 ありがとうございました。  所得制限をなくすると今おっしゃった中で、高所得者に対してはそれなりの財政負担をということでありますが、滑川市及び私は、高所得者はそれぞれの納税を負っているわけで、あくまでも一市民、一県民の立場でその方たちの子供を一律に支援することが妥当ではないかと思って、私の考えもそこにあるのでありますが、それについては異論があるとおっしゃっておりましたので、これ以上はお伺いしません。  最後に、県民、ひいては、国民の出生率向上に向け、70年間にわたる少子化は国が引き起こした人災であると私は思っております。現在、地方創生、そして少子化対策は、みんな人口減少が引き起こした結果であると、地方が国の後始末をさせられているというふうに私は信じております。子育て世帯への経済的負担の軽減や、新たな子ども・子育て支援制度の着実な実施など、県民の要望に応える施策の実施をこれまで以上に強く国に要望していくべきと考えます。  知事の所見をお伺いして質問を終わります。 65 石井知事 本県では、今ほどもいろいろ議論がありましたけれども、県民の皆様の幅広い声をお聞きしながら、子育て支援・少子化対策条例を7年前に制定しましたし、また、結婚から妊娠、出産、子育て支援まで切れ目のない少子化対策に全力で取り組んでおります。ただ、これがさらに自立して円滑に運べるように、これまで以上に国に対してまたお願いする必要もあると思っておりまして、昨年10月には石破地方創生担当大臣、また、この5月には加藤一億総活躍担当大臣にも直接お目にかかりまして、少子化対策については特に重点的にお願いしてきたところでございます。  平成29年度の国への重要要望としましては、地域の実情に応じた少子化対策や子育て支援を行うために、まず子ども・子育て支援新制度の安定的な運営に必要な財源の確保、これは、本当は約1兆円要るのですけれども、消費税財源で対応予定の0.7兆円、延期がありましたから0.1兆円不足している。もともとの残り0.3兆円の財源が今の時点ではどうするかはっきりしていない、こんな課題もございますし、また、放課後児童クラブや病児・病後児保育等の補助制度の拡大、また、子育て支援センター等の運営支援など地域子ども・子育て支援の充実ですとか、また、子育て家庭や子供を望む家庭の経済的負担を軽減するため、今も議論がございましたが、同時入所要件を撤廃するなど幼児教育無償化の早期かつ着実な実現、また子供の新たな医療費助成制度の創設や、国保制度の国庫負担減額措置の廃止とか、また、企業でも子育てしやすい職場環境の整備を協力していただかなくてはいけませんので、富山県は一般事業主行動計画の策定を、国基準よりも幅広い企業を対象にしてやっていますけれども、国においても次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定や公表、また、その実施に係る支援の継続、充実、また、男性の育児休業や育児休暇の取得促進に向けた支援などについて、これは県議会の皆様方とも連携しながら、国に対して強く要請しております。  富山県の人口ビジョンでは、国に準じた考え方で合計特殊出生率を2030年に県民希望出生率の1.9、2040年には2.07まで上昇する設定としております。おかげさまで、この4年で出生率1.37から1.51まで上がりましたけれども、さらに上げるためには、国と地方が役割分担しながら、企業や地域との連携のもとに粘り強く継続的な取り組みを進めていくことが重要だと思います。  これからも国に対しても、例えば、税制面でいいますと、フランスのようにお子さんの数が多いほど減税になるといった税制を導入するとか、いろいろなことが考えられるわけです。これは、国会議員の先生方や県議会の皆様のお力添えもいただきながら、また、全国知事会とも連携してしっかりと働きかけてまいります。 66 五十嵐委員長 澤谷委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会します。                     午後0時03分休憩                     午後1時00分開議        川島国委員の質疑及び答弁 67 筱岡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  川島委員。あなたの持ち時間は60分であります。 68 川島委員 皆さん、こんにちは。挨拶は人間関係の基本でありますので、元気とやまの実現を目指す我々は、もっと元気な声で挨拶していきたいと思います。もう一度お願いします。皆さん、こんにちは。ありがとうございます。自民党議員会の川島国です。  石井知事におかれましては、4選目の出馬表明をなされ、チーム富山で、元気とやまの創造を目指すということであります。私もチーム富山の一員としてしっかり頑張っていきたいと思いますので、ぜひとも、チームメートの声を真摯に受けとめていただきたいと思います。通告に基づいて順次質問していきますので、よろしくお願いいたします。  委員長、参考資料の配付をお願いいたします。 69 筱岡副委員長 許可します。  〔事務局職員、資料配付〕 70 川島委員 この資料は、平成24年の衆議院の社会保障と税の一体改革特別委員会において、デフレ脱却国民会議事務局長の経済評論家、上念司先生が公聴会で示された資料であります。これは、デフレ状況下において、消費税の増税によって本当に税収が増えるのかという疑問に科学的に答えた資料であります。  それでは、元気とやまの創造を実現するための経済対策について質問していきます。  デフレ脱却最優先を御旗に、安倍政権のアベノミクス三本の矢が放たれてから約3年半、就業者数は110万人増加し、企業収益が中小企業も含め70兆円を超える過去最高の伸びを示し、有効求人倍率も1.34倍と24年ぶりの高水準になっております。税収に至っては、21兆円の増加、これを成果と言わずして何を成果と言うのか、私にはわかりませんが、本県においても、アベノミクスの恩恵が随所にあらわれていることに疑いの余地はありません。
     今定例会質疑において、アベノミクスの失敗が消費税増税延期につながったと、とんちんかんな意見もありますが、さすが石井知事、データをもとにことごとく完全否定していただき、感謝を申し上げます。誤った情報が県民の皆様をミスリードしないように気をつけなくてはなりません。  さてここで、そもそもデフレとは一体何なのか。わかっているようで、意外にわかっていない方もおられると思いますので、少し説明したいと思います。デフレとは、世の中全体の物の値段、一般物価が2年以上連続して下がることを言います。デフレが進行すると、企業の売り上げが減り、利益が減り、給料も減っていくことで所得が減るわけですから、消費も減り、経済がどんどん縮小してまいります。参考資料にあるように、税収は圧倒的に名目GDPと相関関係にありますから、税収もべた減りしていくわけであります。物の価値よりお金の価値が高くなることですから、貨幣量を増やせばデフレは解消していくわけでありますが、参考資料の最後にありますように、2008年のリーマンショックを受けて、諸外国が2倍も3倍も貨幣量を増やしてデフレを脱却したのに対して、日銀は何もしなかったと。その結果、デフレが15年以上も続いているのが少し前の日本の状態であることが事実だと言えます。  したがいまして、デフレ状況下でいくら消費税増税をしても、税収は増えないのだということが科学的に証明されていることがわかっていただけたかと思います。今回、まだ完全にデフレ脱却していない中での消費税増税を凍結した安倍首相の判断は、まことに理にかなった判断であります。今、第2次安倍政権下で行われた日銀黒田総裁による異次元金融緩和──通称黒田バズーカーであります──が功を奏し、どんどんデフレからの脱却に近づいております。  財政政策として、恐らく国の次期補正予算はかなりの大型補正で、10兆円規模を超えると想定されております。大胆な財政出動による経済政策で完全なるデフレ脱却を図り、緩やかなインフレの軌道に持っていくことが何よりも大事なのであります。  そこで、経営管理部長にお伺いしますが、第2次安倍政権のもと、本県経済がどのような状態を推移したのか、過去5年間の県税収入の推移と平成30年までの中期的な収入見込みはどうなっているのか。また地方政府である我が富山県としても、国の政策に呼応してしっかりと財政出動しながら公共工事をしていく必要があると考えますので、同じく平成30年までの公共事業費について、どのように推計しているのか、お示し願います。 71 山崎経営管理部長 過去5年間の県税収入の状況ですが、実質的な税収、これは地方消費税は各都道府県間の清算をした後、かつ県内市町村でも交付金という形で交付した後のものに、法人事業税が一部国税化されましたので、そのため創設された地方法人特別譲与税、これを加えたものを実質的な税収としておりますが、この実質税収ベースで平成23年度は1,192億円、24年度が1,191億円、25年度が1,248億円、26年度が1,341億円、27年度は1,420億円程度となるのではないかと見込んでおりまして、増加傾向にございます。  これは、リーマンショック後の景気の持ち直しを反映した企業収益の改善などによる法人事業税が増加していること、それから、平成26年4月に税率が引き上げられた地方消費税の増加などの要因によるものとなっております。  平成28年度当初予算発表時に平成30年度までの中期的な財政見通しをお示ししておりますが、この見通しにおいての県税収入──実質税収ベースでございますが──につきましては、平成28年度では1,404億円、29年度では1,422億円、30年度では1,465億円と見込んだところでございますけれども、これは当時、平成29年4月の消費税率引き上げを前提としたものでございまして、今般、消費税率の引き上げの再延期が表明されましたことから、この引き上げ分、また税率引き上げにあわせて実施することとされている税制改正事項の取り扱いなどを含めて、今後、国の動きがどうなるか、そうしたことを踏まえて見直すことが必要かと思っております。  また、公共事業等の投資的経費、公共事業と主要県単独建設事業の合計でございますが、これも中期財政見通しで平成30年度までをお示ししております。その金額につきましては、平成28年度当初予算額の131億円と同額と試算をしたところでございますが、これも消費税率の引き上げを再延期するという中で、経済対策も行うということも示されておりますので、今後の国の経済対策による補正予算を含めた予算編成がどうなるか、また、地方財政計画がどうなるかといったことで大きく左右されていくと思っております。 72 川島委員 ありがとうございます。見事に本県経済も回復の傾向にある状況と言えます。中期計画も、この消費増税延期を踏まえて見直すということでありますので、しっかり大型補正に向けて取り組んでいただきたいと思います。本県の財政出動、公共投資が今まであまり積極的でないと思っておりましたが、恐らく県民は「借金がゼロになった、万歳。」ではなく、よりよい借金を効果的に地方経済の景気が上向くように、かじ取りを望んでいるのだろうと思っております。  今回、ちょっとびっくりしたのですが、この質問をつくるに当たり、内閣府の都道府県別景気動向を確認しようと思いましたところ、ほとんどの都道府県が公表していましたが、本県の景気動向指数は公表されていませんでした。富山県は景気動向も見ずに経済政策を打っているのかと思われたら大変ですので、早急に内閣府のほうにデータを上げていただきますようお願いを申し上げます。  アベノミクスのエンジンをフル稼働していく中において、地方においてもしっかりとその動きを捉え、心臓から送られてきた血液を手足の毛細血管までしっかりと行き届かせることが今何よりも求められていると思っております。アベノミクスに呼応した公共事業への大胆かつ積極投資が必要な時期と考えますが、石井知事の答弁を求めます。 73 石井知事 本県の公共事業は、私の在籍期間中、北陸新幹線の建設促進が最たるものですけれども、能越自動車道の整備等も含めて積極的にやってきているつもりでございます。また、昨年の新幹線開業による経済波及効果は421億円と計算されていますけれども、これも、社会資本整備などの取り組みによる効果という面もあると思っております。  委員がおっしゃいますように、これからの富山県を考えますと、新幹線の開業効果を持続、深化させ、地方創生を進めるために、また、災害に強い強靱な国土づくりのためにも、社会資本整備は積極的に進めることが重要だと思っておりまして、御承知のとおり、東海北陸自動車道の全線4車線化あるいは国道8号の倶利伽羅防災、富山高山連絡道路など、また庄川の河川改修、利賀ダムも大分明るい兆しが見えてきました。立山砂防などの大規模土砂災害対策、伏木富山港の機能強化とか、必要な事業はまだまだ多くあります。また、橋梁の耐震化などの地震、津波対策、また社会インフラの老朽化対策、通学路の整備など身近な社会資本整備にも積極的に取り組む必要がありますし、庄川左岸の農地防災事業もまだまだ多く残っておるわけであります。  そこで、今年度の県の予算ですけれども、国の公共事業関係予算がほぼ横ばいとなっております中、14カ月予算としては、一般公共と主要県単を合わせて、新幹線負担金を除きますと、対前年度比105%の積極型としております。  また社会資本整備は、お話のように、中期的な見通しを持って着実に進める必要がありますから、この3月に富山県国土強靱化地域計画をつくりまして、必要な事業を計画的に進めようと。また去る2月と3月に、石井国土交通大臣にお目にかかる機会がありまして、東海北陸自動車道の幹線道路、伏木富山港、まちづくり、利賀ダムの建設促進について、また4月には森山農林水産大臣に対しまして、農業農村整備事業の予算確保について重ねて要望いたしました。また、先日も、麻生副総理兼財務大臣が富山においでになりました機会に、谷垣幹事長もおられましたけれども、本県に対する重点配分を強くお願いしたところであります。  特に、麻生副総理には国の直轄事業、特に国交省の直轄事業が平成25年度に比べて、28年度は全国では2%増なのですけれども、関東では17%増、北陸ではマイナス2%になっている。地方創生といいながら、舛添知事さんも今大変ですけれども、結局東京都など、関東に集中している。これはちょっとおかしくありませんかというお話も申し上げたわけでありまして、今度、お話のように補正予算もあるのではないかと期待しております。来年の当初予算も含めて、いろいろな経済状況の判断で、消費税の引き上げが再延期されたわけですから、なおのことしっかりとデフレ脱却、また強靱な国土づくり、こうした地方創生のためにも予算の確保を国にもお願いしますし、県としても努力してまいります。 74 川島委員 知事、ありがとうございます。我々も政府を突き上げて、しっかり予算を勝ち取れるように頑張ってまいりたいと思います。  委員長、参考資料の配付を求めます。 75 筱岡副委員長 許可します。  〔事務局職員、資料配付〕 76 川島委員 今現実には、市町村行政もそうでありますが、鉛筆1本を節約していく徹底的な行財政改革が第一義となっているように感じます。そんなところから果たして元気が生まれてくるのでしょうか。ぜひとも、今の国の政策、動きを捉えていただき、県民に元気を与える財政出動を重ねてお願いします。知事もおかゆばかりを食べていては四選に向けて力が出ないと思います。たまにはステーキを食べて元気を生み出すのと同じ考えだと思いますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、どのような公共投資が無駄ではなく、地域経済に有効な事業かということですが、ずばり防災・減災インフラだと言えます。高度成長期に建設ラッシュでつくられた道や橋梁は、約50年経過する構造物も現存しております。いずれ修繕しなくてはならない必要不可欠な公共工事を積極的に前倒しでやっていくことで、本県経済の景気浮揚をしっかり果たしていくことができます。特になかなか手をつけられていない県内の橋梁において、資料の写真のように、鉄はさび、コンクリートはひびが入り、間近で見ると本当に大丈夫なのかと思わされます。  そこで、土木部長にお伺いしますが、県が管理する橋梁において、長寿命化修繕計画で修繕が必要とされる橋梁がどれだけあって、実施状況がどのようになっているのか、お示し願います。 77 加藤土木部長 県が管理する橋梁につきましては、高度成長期以降に整備されたものが多くございまして、橋長15メートル以上の橋梁は826橋ございます。建設後50年を経過した橋梁はそのうち146橋で、全体に占める割合は18%となっておりますが、20年後には553橋になりまして、67%になるということであります。今後急速な老朽化の進展が見込まれているところでございます。  このため、県では、これまでの対症療法型から予防保全型の維持管理への転換を図ることとしておりまして、橋梁の長寿命化を図り、ライフサイクルコストの縮減及び維持、修繕、更新費用の平準化につなげることを目的としまして、平成22年度に富山県橋梁長寿命化修繕計画を策定したところでございます。この計画では、橋梁点検の結果、損傷の度合いが著しいものなど、早期の対応が必要となっている橋梁260橋につきまして、平成23年度からおおむね10年間で、例えばコンクリートのひび割れ補修など、必要な修繕を行うこととしております。  これまで、優先度の高いものから対応しておりまして、昨年度末までに133橋の修繕に着手しておりまして、その割合は51.2%となっております。今年度につきましても、主要地方道押水福岡線の五位山大橋において、桁の再塗装や雨水などが浸透しないように、橋梁の橋面の防水工を行うなど、国の防災・安全交付金はもとより、県単独費も導入して、昨年度から継続して実施している箇所も合わせて、全部で40橋の修繕に取り組んでいるところであります。今後とも、防災、減災につながり、県民の命を守る橋梁の長寿命化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 78 川島委員 ありがとうございます。コンクリートは一般的に30年もつらしいのですが、小矢部川と庄川、神通川、どの川の橋が一番腐食が速いか御存じでしょうか。小矢部川なのです。流れが遅いほうが、水が停滞して水蒸気も上がるから腐食が激しいらしいです。ぜひ参考にしていただきたいと思いますが、現実にはまだまだ修繕が必要な橋は数多くあると思われます。  まずは、県が定めた長寿命化修繕計画を景気浮揚に主体的かつ積極的に取り組む手段として大幅な前倒し実施を提案いたしますが、土木部長の見解をお願いいたします。 79 加藤土木部長 平成22年度の、先ほど御答弁しました橋梁長寿命化修繕計画におきましては、今後、おおむね10年間で健全度、これは損傷の進みぐあい、あるいは損傷の種類の重大性に応じました健全性を評価した値でございますけれども、この健全度を引き上げることによりまして、適切な健全度を維持し、そして長寿命化を図るとしているところであります。  このため、県では、平成23年度から公共事業、県単独事業を合わせて、平均で年間約15億円の予算を確保しまして、重点的に修繕に取り組んできたところでございます。特に、平成24年度には、国の大型補正を活用しまして、計画を前倒しして必要な橋梁修繕を実施してきたところでございます。  橋梁の修繕工事につきましては、景気対策に資するとのお話もございますけれども、橋梁修繕については防災、減災につながり、県民の命を守る重要な公共事業でございますので、県としては、必要な橋梁修繕を計画的に進めていくことが極めて重要であると考えております。今後とも、県民の安全・安心のため、本県経済の活性化のためにも、計画の前倒しも視野に入れ、さらなる予算の確保に努め、橋梁の長寿命化に積極的に取り組み、そして信頼性の高い道路ネットワークの確保に努めてまいりたいと考えております。 80 川島委員 ありがとうございます。土木部長のおっしゃるとおりだと思います。橋の写真を撮影する際に蛇ににらまれて怖い思いをしました。橋梁の点検の際には十分御注意いただくとともに、私にとっては、地震などの災害によって橋が落ちるような本当に怖い思いをする前に、備えよ常に、と暗示されているようにも感じましたので、善処いただきますよう重ねてお願いいたします。  まだまだ本県のデフレ脱却対策はつくり出すことは可能であろうと考えております。今年度予算に新規で上げられた企業子宝率の活用制度でありますが、中小、小規模企業も含め、企業側から子育てしやすい環境をつくり出す意義を持つ施策として高く評価いたしております。ですが、もう一歩踏み込んだインパクトのある政策にしてほしいとも思うのであります。  特に、中小、小規模企業を対象に企業子宝率の上昇率にあわせて設備投資のための助成金を交付する制度へバージョンアップすることで、企業子宝率向上の機運醸成と経済活性化を同時に図っていくことができると考えますが、商工労働部長の見解をお願いします。 81 大坪商工労働部長 企業子宝率事業につきましては、県内企業の仕事と子育ての両立支援の取り組みを推進し、機運の醸成を図っていくことが重要でありますので、まずは、調査実施についてPRに努め、それとともに、経済団体にも協力をいただきながら、できるだけ多くの企業に調査に参加していただけることが重要だと考えております。調査の結果、子宝率が高く、かつ子育てしやすい職場環境づくりについてすぐれた取り組みを行っている企業を顕彰し、その取り組み事例をリーフレット、ホームページ等で紹介し、普及啓発を図ることにしております。表彰された企業にとりましては、もちろん県としても広くPRをしていきますが、企業イメージの向上や優秀な人材の確保につながるというメリットがあると考えております。  企業におきます仕事と子育ての両立支援を促進するために、経済的なインセンティブを付与するということにつきましては、例えば、国におきましては、中小企業が育児休業の代替要員を確保した場合、あるいは男性従業員が育児休業を取得した場合などに助成を行う制度や、子育てサポート企業として認定された事業者への税制優遇措置も設けられています。また、県におきましても、一般事業主行動計画を届け出た企業や「元気とやま!子育て応援企業」として登録した企業に対し、入札参加資格の優遇を行うなどのインセンティブを付与しているところであります。  子宝率の上昇にあわせて、設備投資のための助成金を交付する制度を設けてはどうかとの御提案でありますが、設備投資の拡大は経済活性化の大きな要素であると考えておりますが、そもそも設備投資は企業経済活動の一環でありまして、子宝率事業など、仕事と子育ての両立支援の充実を図ることとは、通常直接は関係がないことから、助成制度の創設は難しいものと考えておりますが、仕事と子育てが両立できる職場環境づくりについては、県としても条例による一般事業主行動計画の策定対象企業の拡大など、力を入れてきた分野でございます。今後とも努力してまいりたいと考えております。 82 川島委員 部長、ありがとうございます。関係ないからということでありましたが、やはり相乗効果をつなげて、今まではやれなかったのかもしれませんが、呼び水としてしっかりと、限界をつくらずにやれることはやっていくという方向が今行政にも求められていると思いますので、また検討いただきたいと思います。  元気とやまを創造するには、やはり富山の経済を大胆に活性化させ、お金より商品や物の価値が高まるような思い切った財政出動を伴った富山版再分配政策を講じていくことを強くお願い申し上げて、次の質問に入ります。  2点目は、活力ある県土づくりのための交通政策についてであります。新高岡駅の利用促進についてであります。  さまざまな知恵やアイデアで、新高岡駅1日利用500人増を目指して、県西部挙げて取り組みが進んでおります。小中学校の修学旅行での利用や、高岡JCの企画による社会見学ツアーでの利用、乗車100%を目指した高岡市議会提案の事業も控えております。それもこれも願うは、新幹線速達便「かがやき」の定期便化であります。県西部連携中枢都市圏政策を確実なものにしていくためにも、新高岡駅がハブ的機能を果たし、飛越能観光の要衝地点としての役割を果たしていくためにも、「かがやき」停車は絶対条件と考えております。  加えて、県西部に限らず、富山県全体の発展にも寄与する事柄とも思っておりまして、いま一度その意義を確認したいと存じます。  改めて本県発展に寄与する新幹線速達便「かがやき」の新高岡駅停車の意義と、県として新高岡駅利用促進に対してどのように支援していくのか、石井知事の見解をお願いいたします。 83 石井知事 新高岡駅は、県西部の玄関口としてのみならず、観光の面では、首都圏などから飛騨高山や能登半島をめぐる広域周遊観光の拠点駅となることも期待できますことなど、また市民、県民にとっても、駅の利便性を高めることになりますので、この「かがやき」停車は、観光客やビジネス客、また高岡市や県西部を初め、県民の皆様にとって意義のあることと思っております。  そこで、新高岡駅への「かがやき」停車については、これまでも県として地元市町村や経済団体と連携して国やJRへ要望しましたり、また、観光振興や誘客対策の取り組みを進める。例えば、世界遺産バスとか、和倉温泉へのわくライナー、あるいは北陸トライアングルルートきっぷといった企画、PR支援も行いまして、それなりに効果も出ているのではないかと思っております。  一方で、新高岡駅の利用者の状況は、地元市等の努力もあって一定数は維持されてきていますけれども、御承知のとおり減少傾向にあるということで、JR側からは「かがやき」の臨時停車を継続する上で大きな課題になっているという指摘がなされていると伺っております。  そこで、高岡市初め、県西部におかれましては、危機感を持って対応しなければならないという認識で、例えば高岡市では、6月議会で新幹線を利用して市内で開催されるスポーツ大会参加者への支援など、新高岡駅の利用拡大の取り組みを含めた補正予算が今審議されているということであります。  県としましても、新高岡駅の利用促進は、やはり大事なことですから、高岡市を初め、県西部各市の取り組みを踏まえまして、県西部地域などの発展に資する観点からも、高岡市などと連携して、新たな対策を含め検討して、適切に対応してまいりたいと思っております。 84 川島委員 知事、ありがとうございます。ぜひとも最大限の知恵と工夫、そして財政的な支援も重ねてお願いを申し上げます。  先般、富山県西部地域公共交通活性化議員連盟の勉強会において、県西部地域の県議、市議、そして6市副市長、また新田局長も来ていただいておりましたが、JR西日本本社営業部、金沢支社、そして株式会社日本旅行営業企画部から3人の講師を招いて、総じて言えば、JR側から見た新高岡駅の利用促進方法を学ぶ機会をいただきました。  魅力を感じて見るところもたくさんありますが、観光素材の売り出しと観光商品としてのわかりやすさがまだまだ足りないとのことでありました。やはり2次交通も含めた旅行商品としてのわかりやすさをまだまだ追求していかなければならないと痛感いたしました。  そこで、観光・地域振興局長にお伺いしますが、新高岡駅をトランジット拠点とした魅力ある旅行商品を開発し、日本橋とやま館を活用して積極的に発信していくべきと考えますが、見解をお願いいたします。 85 亀井観光・地域振興局長 県ではこれまでも、JRタイアップ富山旅行定着促進事業など、県西部の魅力ある観光資源の商品化を大手旅行会社へ働きかけるとともに、新高岡駅を発着する観光路線バスやバスツアーの運行支援、またこうしたバスや観光列車「べるもんた」を組み入れた旅行商品の造成等に取り組んでまいりました。  県西部には、世界遺産五箇山合掌づくり集落や日本遺産に認定された高岡を初め、観光資源として魅力ある文化財や工芸品等が豊富にあることから、これらをテーマにした新しい旅行商品の開発にJRや大手旅行会社とともに引き続き取り組むとともに、日本橋とやま館におきましては、観光・交流サロンにコンシェルジュを配置し、県西部を含めた県内の観光情報に加え、新しい旅行商品の情報等についても発信していくこととしております。  また、このほか、今年度新しい事業としまして、JR東日本と連携し、大人の休日倶楽部会員向けにとやま講座を開催し、本県の伝統工芸や歴史、文化等を紹介することとしておりますが、会場として、日本橋とやま館を活用することから、こうした取り組みによっても新高岡駅を拠点とする周遊観光がさらに促進されるものと期待しております。  また昨日、富山版DMOとして、富山県観光連盟から名称変更したとやま観光推進機構では、個別のテーマごとにワーキンググループを設置することとしておりまして、県西部の観光資源の磨き上げや商品化、効果的なプロモーション方法等についても、関係の市町村や団体とともに検討してまいりたいと考えております。 86 川島委員 ありがとうございます。キーワードはやはり魅力を感じる、わかりやすいということが大事かと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。  次に、あいの風とやま鉄道についてであります。  大幅な赤字見込みから反転し、黒字収支を果たしたことは、県民にとっても喜ばしいことでありまして、経営努力に敬意を表したいと存じます。多くの県民が、地域の足に限らず、観光インバウンド拡大への大事なツールであることも忘れてはならないと思います。超高齢化社会を迎えている現代において、やはり駅のバリアフリー化は必須でありまして、真剣に取り組んでいくべき課題であります。  そこで、知事政策局長に伺いますが、いまだ課題となっているあいの風とやま鉄道区間の中間駅のエレベーター設置を含むバリアフリー化に対しての取り組み状況はどのようになっているのか、お答え願います。 87 新田知事政策局長 あいの風とやま鉄道線の各駅におけるバリアフリー化対応でありますけれども、国が定めた基本方針では、1日平均3,000人以上の利用がある富山駅や高岡駅などが対象になりまして、6つの駅全てで対応済みであります。駅のバリアフリー化については、エレベーターの設置、さらにそれに伴う跨線橋の改修があります関係で大変高くなります。1駅当たり2億円から3億円程度工事費がかかるということでありまして、国の補助がなければ実際の整備は難しいということであります。  国は、1日の平均利用者が3,000人以上の駅でも、実は全国的に見ますとまだ未整備の駅が相当数残っているということでありまして、どちらかといいますと、そちらを優先して整備する方針だと承知しております。したがって、県内のバリアフリー化未対応駅につきましては、今後利用者が増えていかないと対象となりにくい状況にあります。  一方、あいの風とやま鉄道の駅でバリアフリー化未対応の駅を見ますと、平成24年度から26年度の3年平均で見ますと、1日3,000人にはいかないのですが、2,000人以上の駅が6駅あるということで、これらの駅も3,000人の基準をクリアしないものですから、国の補助を受けずにバリアフリー化するということになりますと、地元市町村を含めて相当の財源を確保する必要が出てくるわけであります。  一方、駅のバリアフリー化については、このような財源の課題があるのですけれども、今ほど御指摘いただいたように、高齢化社会の対応でありますとか、障害者の社会参加のためにも、やはりバリアフリー化の推進は進めていかなければならないと思っております。このため、国に対しては、重要要望事項として例年要望しておりますが、平成29年度も盛り込みまして、基準の見直しも含めて幅広く、粘り強く働きかけをしていきたいと思います。 88 川島委員 ありがとうございます。そうなのです。3,000人の要件、これがまずありまして、ただ、高度成長期の1億3,000万人の日本の中でつくられた要件でありますので、ぜひとも、まずは新田局長の知恵でその要件緩和、2,000人ぐらいへの道を打開していただきたいと思いますし、微力ですが私も精いっぱい一緒に頑張ってまいりたいと存じます。  次の質問に入ります。道路であります。  能越自動車道でありますが、野上浩太郎前国交副大臣を筆頭に、県選出国会議員の先生方がスクラムを組んで国の一元管理へ向けて取り組んでいただいているところであります。やはり高速道路において、その機能を阻害する料金所の存在は一日でも早く解消していくことが大事であります。  そこで、土木部長にお伺いしますが、平成29年度の国に対する重要要望において、これまでの「国による一元的管理」から「国による一元的管理など利用者の利便性向上対策」に変更となっておりますが、その意図はどこにあるのか、お示し願います。 89 加藤土木部長 能越自動車道の小矢部砺波ジャンクションから高岡インター間につきましては、富山県道路公社が管理する有料道路でして、高岡インターから北側につきましては、国土交通省が管理する無料の道路となっているところでございます。また、能越自動車につきましては、北陸自動車道あるいは東海北陸自動車道と連結する高速交通ネットワークを形成する重要な道路ですので、平常時はもとより、災害時においても広域支援ルートとしての役割が果たせるよう、より高度な信頼性や安全性を確保するため、現在の道路公社管理区間も含めました国による一元的管理が必要であると考えて、これまで県の重点事業として国に要望しているところでございます。  一方、能越自動車道の福岡本線料金所につきましては、これは現金または回数券支払いということで一旦停止が必要になっていることから、ドライバーの方々から、もっと便利にならないのかという御意見も寄せられているところでございます。  道路公社では、これまでも割安な回数券を導入する、あるいは現金による支払いの煩雑さを軽減するということをやっておりますし、また、その販売箇所についても拡大するなど、利便性の向上に努めてきてはおりますが、十分とは言いがたい状況にあります。  それで、県といたしましては、能越自動車道の利用促進を図る上でも、利用者の利便性向上は極めて重要であると考えておりまして、通行料金収入による建設費の償還、あるいは維持管理を行う有料道路事業制度の中で、さらなる利便性の向上を図るため、国などの御助言もいただきたいと考えておりまして、今回、平成29年度の国に対する重要要望で、これまでの「国による一元的管理」の表現に加えまして、「利用者の利便性向上対策」という文言を追加させていただいたところでございます。 90 川島委員 部長、ありがとうございます。その意図の詳しいところをもうちょっと聞きたかったわけですけれども、何かあるということですか。具体的に言えますか。 91 加藤土木部長 先ほどお答えしましたように、福岡本線料金所につきましては、小矢部東本線料金所と異なりETCが設置されていないということで、ノンストップで料金所を通過することができないということであります。このへんについての利便性の向上ということで、どういったことができるのかということでございます。これまでも福岡本線料金所のETC設置について、いろいろ検討もしているところでありますが、なかなか設置費用に加えまして相当の維持管理費用がかかるということで、大きな課題となっているところでございます。  これらを含めまして、有料道路事業の制約の中でどのような対応ができるか、このへんについても国からのいろいろ御助言をいただきながら検討していきたいと考えているところでございます。 92 川島委員 部長、ありがとうございます。ひしひしとETCをつくっていきたいということが伝わりましたので、ぜひ知事のほうも受けとめていただければなと思います。  御説明のとおり、着々と本来の高速道路としての機能回復に向けて歩を進めているということであります。そのことをてこにして、さらなる利便性向上へ、国一元管理へ向けて頑張ってまいりたいと思います。  続きまして、同じく土木部長から、能越道福岡パーキングエリアのインターチェンジ化へ向けての取り組み状況はどのようになっているのか、お示し願います。 93 加藤土木部長 能越自動車道の福岡パーキングエリアを利用したインターチェンジの設置につきましては、旧福岡町中心市街地から能越自動車道へのアクセスが容易になることから、周辺住民の方々はもとより、旧福岡町中心市街地を目的地とされます利用者の利便性の向上にもつながるものと考えております。  このため、高岡市では、これまで福岡パーキングエリアのインターチェンジ化について、インターチェンジの構造や利用交通量の予測、費用対効果、パーキングエリアまでのアクセス道路などの検討を進めておられるところであります。県といたしましても、適宜相談をお受けしているところであります。  福岡パーキングエリアのインターチェンジ化に向けましては、インターチェンジで乗りおりする車がパーキングエリア内を横断することになりますので、このへんの交通の安全性の確保、あるいはパーキングエリアの駐車スペースが大幅に減少するということもあると思われます。また、インターチェンジから乗り入れする車が本線に合流する際には安全性の確保が必要だということで、いろいろな課題がありますことから、高岡市では昨年度から、交通管理者あるいは富山県道路公社との協議を始めたところであります。市では、今後さらに検討を進め、国などの関係機関と相談、協議を行っていくということにされておりまして、県といたしましても、高岡市が行われる検討に対して十分協力してまいりたいと考えております。 94 川島委員 部長、ありがとうございます。まだまだ課題も多いですが、相談だけではなく、今年度からは主体的連携という形でお願いをしたいと思います。  大きく3点目の質問に入ります。文化GDP拡大に向けての取り組みについてであります。  歴史文化資産を豊富に持つ本県において、文化の力で観光インバウンド拡大を図り、県民総所得の増大につなげていくことはまことに理にかなっているものと思います。本県に存在する芸術、歴史、文化をしっかり拾い上げ、磨きをかけていく必要があろうかと思います。  越中福岡の菅笠においては、先月のG7伊勢志摩サミットでも、歴史的な伊勢神宮への各国首脳の訪問により、本県より奉納している菅の御笠が注目を浴びたところであります。平成29年度、国への予算要望においても、高岡市から国の伝統工芸品指定へ向けての要望が出されているところでありまして、菅笠の保存・伝承、さらには発展への期待が高まっております。  そこで、商工労働部長にお伺いしますが、越中福岡の菅笠について、国の伝統工芸品指定へ向けた動きがありますが、本県の文化GDP拡大に資する意義をどのように捉え、今後指定へ向けての支援をどのように考えているのか、お答えを願います。 95 大坪商工労働部長 越中福岡の菅笠は、平成21年に国の重要無形民俗文化財に指定をされております。文化財としての価値は高く評価されているものであります。さらに、国の伝統工芸品の指定を受けることになれば、産地組合等が行う需要開拓や人材育成等に対する国の補助を受けられる、あるいは商品へ伝統証紙を貼付することができ、その差別化等によりまして売り上げの拡大や地域の活性化等の効果が期待でき、文化財としての価値の積極的な活用ということで、本県の文化GDPの拡大に貢献するものと考えております。  国の伝統工芸品の指定要件は、主として日常生活の用に供されるものであること、製造過程の主要部分が手工業的であること、伝統的な技術、技法や原材料により製造されるものであること──この場合、伝統的とはおおむね100年以上の歴史を有する必要があるとされておりますが──などとされております。このほか、製造する従事者の2分の1を超える者が構成員となる事業協同組合等の申請団体の設立が必要になる等の課題もございます。  現在、国の指定に向けて、地元保存会や高岡市で動きが出てまいったところでございますが、県としては、越中福岡の菅笠がこうした指定要件を満たすことができるよう、地元保存会や高岡市と連携するとともに、国に対して要望するなど、指定に向けて積極的に支援に取り組んでまいりたいと考えております。 96 川島委員 ありがとうございます。さきの全国植樹祭プレ大会では、同僚そして先輩議員に菅笠をかぶって参加いただき、本当にありがとうございました。思いのほか違和感がなく、むしろ帽子よりも山々に似合うことも気づかせていただきましたので、ぜひとも来年の本大会でも御活用いただければ、知事にもかぶっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  この項、最後の質問に入ります。  しつこいようでありますが、ジャパン・アニメ・マンガ・スタジオ構想、JAMS構想でありまして、30年先を見据えた羅針盤、経済・文化長期ビジョン策定へ向けてさまざまな議論がなされているところにありますので、ぜひとも石井知事と夢を共有したいという切なる思いが強いわけでありますので、質問させていただきたいと思います。  ぜひ、石井知事にイメージを膨らませていただきまして、世界から好感と尊敬を集める日本のアニメ、漫画を集約したディズニーランド級の一大テーマパークが富山県にあったならば、現在、青年部会からも提案があるアニメや漫画のクリエーターを育成する機能も兼ね備え、そしてディズニーパレードならぬたてもんや御車山など、県内の曳山を集約した曳山パレードを行う、まさに日本の伝統・文化と世界に力強い発信力を持つ日本のアニメ、漫画とが融合した一大テーマパークでございます。世界の子供たちや若者に夢と希望を与え、日本が誇る伝統・文化、技術が集約する夢のストーリーが富山発であってほしいという願いも込めまして、ぜひとも研究調査に着手をしていただきたいと思います。  沖縄のUSJ建設構想も頓挫した今、クールジャパン構想のもと、国家プロジェクトでの採択や大手民間企業との連携も不可能ではないと考えるわけであります。ポスト新幹線となり得る富山県の大きな御旗として掲げることで、富山県に対して世界からの投資意欲がかき立てられること必至であります。若者の夢と希望を大事にされる石井知事にこの件について答弁を求めます。 97 石井知事 アニメ、漫画文化の活用につきましては、青年部会からもさまざまな分野のクリエーターや映画、映像関係者などの人材が集積すれば新しい産業が生まれるのではないかとか、また、富山の売薬とドラえもんが富山県人の普遍性を示しているといったような意見が出ております。  こうしたことも踏まえまして、4月の懇話会では、骨子案、たたき台の提示とあわせまして、将来像を実現するための具体的な構想プロジェクトとしまして、クリエーティブな商品をつくり、発信する人材やアニメ等のコンテンツ産業の集積を目指すことを提案させていただいております。  県としましても、これまで、ふるさと文学の視点からアニメや漫画を活用した事業に取り組んでおりまして、7月からは、高志の国文学館においてP.A.WORKSの御協力もいただいて、アニメ制作の舞台裏を知ってもらう企画展を開催することにしております。  また、高岡市さんでは藤子・F・不二雄さん、氷見市では藤子不二雄Aさんを活用したまちづくりも行われております。また、クリエーティブ産業の活性化の視点では、映像制作とかものづくりに係るクリエーターの活動拠点として、南砺市クリエイタープラザが竣工したところでありまして、県としても、こうした県内のクリエーター等を活用して、新商品やサービスの開発に取り組む中小企業を支援したいと。例えば高岡で今度、能作さんが新しい社屋をつくられまして、そこで鋳物づくりの体験工房を併設される。職人さんも20人ほど増やすと聞いていますけれども、これを支援するために、県として新しい助成制度もつくったところであります。  また、娯楽が少ないという大学生の皆さんの意識調査の結果についても話がありましたが、青年部会からも、子供から親子、高齢者まで幅広く日常的にスポーツもできたり、文化教養も学べる全天候型の文化・スポーツ施設を求める提案もありましたので、スポーツやコンサートなどに親しむことができる多目的アリーナの整備というものを、例示ですけれども提示させていただいております。
     そこで、御提案のアニメ、漫画に特化した一大テーマパーク構想ですけれども、県内には、まさにドラえもんやパーマンやハットリくんといったような人気の高いアニメキャラクターも数多く生まれていることですから、本県をアピールする魅力的なコンテンツだと、これは本当にそう思います。ただ問題は、例えばディズニーランド級というと、どうしてもディズニーランドは東京のすぐそばにつくりました。それからユニバーサルスタジオは大阪にある。そうなると、新幹線ができたとはいえ、この北陸の富山でどういうものが、どの程度の規模感だといいのかとか、いろいろなことをよく考えてみなくてはいけないと思いますので、これはまずは夢のある将来構想として、今後研究、検討していくテーマではないかと思っておりますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。 98 川島委員 知事、ありがとうございます。卑下することなく、表日本を目指す富山県でありますから、やはりどーんといっていただきたいと思います。点と点を結んで、点から線へ、面へ、圧倒的なインパクトをつくり出すことで、富山県の表日本への道がつながるのだろうと思います。  最後の項に入ります。発達障害児支援政策についてであります。  県民からの声を聞いていますと、実感としては、発達に障害を持たれた児童が増加してきているように感じております。障害が発覚してから治療に向けて、保護者の方の不安や御苦労は相当なものがあると思います。本県においても、障害者差別支援解消法の施行に伴って、本年4月から県庁内に相談窓口が設置されました。まずは、その窓口で、現在までの相談件数と主な内容、発達障害に関する相談はいかほどあるのか、厚生部長にお伺いいたします。 99 蔵堀厚生部長 障害を理由とする差別に関する相談についてでございますが、ことしの4月1日から、県庁本館に専用の相談室を設置しまして、広域専門相談員2名が対応しているところでございます。4月1日から6月10日までの相談受付件数は延べ28件でした。このうち、差別に関する相談は、障害を理由とする不利益取り扱いに関するものが5件、合理的配慮の不提供に関するものが5件の計10件でございました。その他につきましては、差別以外の障害福祉サービスや制度に関する相談でございました。  差別に関する相談の内容としましては、不利益取り扱いに関するものは、医療分野やサービス分野の利用時における取り扱いに関する相談でございまして、合理的配慮の不提供に関するものは、コミュニケーション支援に関する相談ということでございます。いずれも、身体障害者に関する相談でございまして、発達障害者に関する相談はございませんでした。 100 川島委員 ありがとうございます。まだ2カ月でありますので、県民に相談窓口の存在がまだまだ浸透していないものと思いますが、今後周知についても図っていただきたく、よろしくお願いいたします。  特に県西部においてでありますが、保育園や病院で発達障害の疑いが発覚してから、保護者の不安を解消しながらスムーズに1次相談、そして2次相談へとつないであげる機能がなかなかうまくいかず、かなりの待機状態が続いている現況があると聞いております。県西部においては、高岡市が運営するきずな子ども発達支援センターに、砺波や氷見市など県西部全体からの相談が集中し、対応に苦慮している現状があるのだろうと捉えております。  そこで、厚生部長にお伺いしますが、県西部地域における発達障害児支援について、現状をどのように捉えており、そして対策としてどのような取り組みを行っていくのか、お示し願います。 101 蔵堀厚生部長 高岡市のきずな子ども発達支援センターにおきましては、県内4圏域に設置されている児童発達支援センターの1つでございまして、高岡圏域を中心に、県西部における障害児支援の拠点施設として、市内外の障害児に対して児童発達支援や肢体不自由児等に関する治療、訓練を行ってきております。  児童福祉法が改正されました平成24年度から、障害福祉サービスを受ける契約児の数は、県全体で増加してきておりまして、同センターにおきましては、現在のところ、診療までに約3カ月を要するという状態でございます。  これは普通の病気と違い、身体的な症状の診療というわけにはまいりませんので、1人の子供の診察には子供の様子の観察ですとか、保護者の方から、その子の育った状況、成育歴と申しますが、そういったものを聞き取るという作業が必要でございまして、1人当たり1時間程度はどうしてもかかるということでして、こういった状態となっております。  ただ、このため、県ではこの診療時間の待機状態を緩和するということが重要であると考えておりまして、平成26年から、県立高志学園から小児科医の派遣を行っておりますほか、ことし1月に開業いたしました富山県リハビリテーション病院・子ども支援センターにおきましても、児童精神科医療を充実させまして、県西部の患者さんにつきましても、リハビリ病院で積極的に受け入れることによって診療の負担の分散化を図っております。  ただ、こうしたことは、基本的には発達障害を診断できる専門医が全国的に不足していることが大きな原因でございまして、本県でも、国に対する重要要望で、発達障害の専門医の養成を要望しているところでございます。 102 川島委員 ありがとうございます。高岡市については、市外からの相談者への行政サービス提供について疑問を呈する方もおられるやに聞いておりますので、こういう大事な行政サービスこそ県が先頭に立って広域連携で行うなど、積極的な問題解決をお願いしたいと思います。  最後に、県西部地減の住民の皆様が、1次相談からスムーズに診療につながるように、県の支援のもと、高岡、砺波広域圏でのきめ細かい運用を図っていく必要があると考えますが、厚生部長の見解をお願いいたします。 103 蔵堀厚生部長 発達障害児の支援につきましては、市町村で行っております保健センターでの支援、それから保育所での支援、今ほど言いました圏域ごとの児童発達支援センターでの支援、さらには県全体での県の発達障害支援センターによる支援をネットワーク化し、連携して行っていくことが重要だと思っております。  また、保健師、保育士向けの研修の充実ですとか、障害者の福祉サービス事業所がきめ細かな支援を習得するための研修会、あるいは医療機関が発達障害児への初診での対応を学ぶ研修会なども実施しております。今年度、新たに県内市町村における支援、連携体制に関する検討会も開催することとしておりますし、高岡、砺波圏域など、圏域の枠を超えた連携や体制整備についても協議する機会を設けていきたいと考えております。  今後とも、県全域において、きめ細かい支援や連携が図られるように努めてまいります。 104 川島委員 ありがとうございました。 105 筱岡副委員長 川島委員の質疑は以上で終了しました。        吉田勉委員の質疑及び答弁 106 筱岡副委員長 吉田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 107 吉田委員 それでは、公明党より質問をさせていただきます。  初めに、熊本地震を教訓とした本県の防災・減災対策についてお伺いします。本会議ではたくさん質問もあったと思いますが、それだけ注目度の高い質問だと思います。  また、熊本地震によって亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます。一日も早い熊本の復興をお祈り申し上げます。  そこで、質問に入りますが、本年4月14日の前震、そしてまた16日の本震で震度7の揺れを観測した熊本地震。発生から2カ月経過しましたが、震度1以上の余震は1,600回を超え、今も揺れが続いているところです。一連の地震はなぜ発生し、今後どうなるのか。また、今回の震災から何を学ぶべきなのか。  災害は全て様相が異なるわけであります。阪神・淡路大震災は直下地震であり、東日本大震災は津波でした。今回の熊本地震の特徴は、連続大地震とその後の群発地震。一連の熊本地震を引き起こしているのは、住宅街の直近を走る活断層だと言われております。活断層とは、言うまでもなく過去に繰り返しの動きがあり、今後も活動が予想されるもので、震源の浅い内陸型地震を起こし、長いほど大きな地震を起こす可能性があるとされていて、国内には約2,000あるとされております。  熊本地震では、最初の地震は日奈久断層帯で、本震は布田川断層帯の一部がそれぞれ引き起こしたとされております。そして、最初の地震ではほとんど被害がなかった築7年の建物が、16日の2回目の震度7の地震で完全に崩れていて、連続大地震の与えるダメージは非常に大きなものがあったことを示しております。  熊本県では、1995年の阪神・淡路大震災以後、これらの断層帯をたびたび調査して、被災住民の多くが活断層の存在を知っておりましたが、何の対策もしてこなかったと後悔していたと、熊本地震の現地調査を行った名古屋大の鈴木康弘教授は話しております。  そこで、政府の地震調査委員会が公表している主要断層帯の長期評価について、本県に身近な断層の位置や状況を踏まえて、本県の防災・減災対策に生かすべきと考えますが、この評価に対する認識とあわせて今後どのように取り組むのか、石井知事に伺います。 108 石井知事 県の地域防災計画におきましては、地震の調査研究や調査結果に基づく総合評価の役割を担っております国の地震調査研究推進本部などとも連携しながら、最新の科学的知見などを踏まえて、本県に最も大きな被害を及ぼす可能性のある呉羽山断層帯による地震について、減災目標を設定しまして、地震防災対策を推進しております。  また、国の地震調査研究推進本部では、平成21年度から全国の主要断層帯のうち、地震の発生確率の高い活断層、地震が発生した場合に社会的影響が大きい活断層などにつきまして、順次追加調査を行っております。  県としましては、防災対策に反映するために、国に対して、本県に影響を及ぼす可能性のある県内5カ所の活断層の追加調査などを要望しておりまして、平成22年度には呉羽山断層帯と邑知潟断層帯の調査、また、平成23年度には砺波平野断層帯西部の調査が実施されております。  今般の熊本地震については、今委員からもお話がありましたけれども、熊本県では、本県同様、地震がかねてから少ないと言われていて、地震への危機感が薄かったことが被害を大きくしたのではないかと言われていることも勘案しまして、本県においても、県民の皆さんの危機意識を高めて、木造住宅の耐震化などの防災対策につなげていく必要があります。先ほど申し上げたように、国も富山県の要望を受けて追加調査をしていただいておりますから、そうした結果を踏まえて、新たな対策の1つとして、専門家の御意見も伺いながら、砺波平野断層帯、あるいは邑知潟断層帯などの被害想定調査を実施するといったことについても検討してまいりたいと思っております。 109 吉田委員 ひとつまた、知事、よろしくお願い申し上げたいと思います。  通常、土砂災害は大雨で発生するわけですが、今回の大地震によって土砂災害も引き起こされております。これは、地震土砂災害とも言えると思います。阿蘇山観光の玄関口である熊本県南阿蘇村の阿蘇大橋の甚大な被害の模様は、いまだ行方不明の大学生、そしてまた現場を訪れる両親の姿が痛々しいところであります。  阿蘇大橋崩落で村の東西が分断されたほか、斜面の大規模崩落で、国道あるいはJR豊肥線、南阿蘇鉄道など、村と村の外を結ぶ主要な交通網が途切れたままで、復旧のめどはまだ立っておりません。  そこで、熊本地震によって引き起こされた地震土砂災害について、本県での危険性をどう認識し、未然防止策と危険箇所付近に住む県民への情報提供にどのように取り組んでいくのか、加藤土木部長にお伺いします。 110 加藤土木部長 今回の熊本地震によります土砂災害、九州の6県全部で190件発生しております。地震による土砂災害の発生箇所を事前に特定して対策を行うということについては、地点ごとの斜面の土質の把握とか、あるいは作用する地震力の想定など、非常に不確定な要素が多く、現在の技術ではなかなか困難な面がございます。  地震によるものに特化したものでの調査ではございませんけれども、県内には土砂災害の危険箇所が全部で4,944カ所ございます。このうち、人家5戸以上あるなどの1,804カ所を重要整備箇所としておりまして、施設の整備を進めているところであり、平成27年度末現在におけます整備率は34%となってございます。  危険箇所に対します県民の皆さんへの情報提供につきましては、土砂災害防止法に基づきまして、まずは県が基礎調査を実施して、土砂災害警戒区域等の指定を行う。これに基づきまして、市町村が土砂災害ハザードマップを作成し、住民の方への配布を行うこととなります。  平成27年度末、県内の現状につきましては、法に基づく区域指定はほぼ完了しておりまして、ハザードマップにつきましても、全市町村で作成、配布済みとなっております。そういうことで、住民の方々への危険性の周知、情報提供が行われているという状況でございます。  県といたしましては、地震による土砂災害の備えは重要と考えておりまして、人家、集落に危険を及ぼす可能性のある危険箇所に対しましては、計画的に施設の整備を進めていくことによりまして、地震時の被害の軽減にもつながるものと考えております。  今後とも、ハード、ソフトの両面から、総合的に土砂災害の未然防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。 111 吉田委員 ぜひ行っていただきたいと思います。  また、今回は多くの被災者が車で寝泊まりする車中泊が余儀なくされたことも特徴であったと思います。震度7の大地震が夜間に連続して起こったことがトラウマとなって、恐怖感で自宅へ帰れなくなって、多くの人が車中泊をせざるを得なくなった。熊本のイベント施設、グランメッセ熊本では、駐車場に車中泊する2,000台以上の車がいて、これほどの車中泊の被害を出す大地震は過去に例がないと言われております。  また、2013年に避難行動要支援者名簿が義務づけられましたが、避難所でなく、目の届かない場所に避難した場合、行政が対応するのは極めて難しいことが熊本でも明らかになりました。この場合、行政だけでなく、看護師や保健師を中心としたボランティアの戸別訪問が有効であったと言われております。そして、要支援者が見つかった場合、福祉施設などに設置される福祉避難所が受け入れ先となります。しかし熊本では、176施設が福祉避難所に指定されておりましたけれども、地震1カ月後の時点で設置されたのは73施設で、約4割という現実でありました。  要支援者の把握、そしてまた広域の福祉施設同士の連携が必要とされているところであります。車中泊は当然でありますが、持病を持つ人や、あるいは高齢者は疲労がひどく、リスクがつきまとうわけです。また長時間の車中泊によって、関連死も誘発されます。  そこで、これらへの対応として、高齢者や障害者など、みずから避難することが困難な避難行動要支援者の把握、福祉避難所での円滑な受け入れ体制の確保のための情報提供や、訓練にどのように取り組んでいくのか、蔵堀厚生部長にお伺いします。 112 蔵堀厚生部長 避難行動要支援者につきましては、災害対策基本法におきまして、市町村長がその把握に努め、避難支援等を実施するための基礎となる名簿を作成することとされております。  ことし4月現在、県内では約5万2,000人の方が名簿に掲載されております。ただ、防災計画に定める対象者全てが名簿に掲載されていない市町村もありますことから、対象者の把握と名簿への掲載を促しているところでございます。  また、福祉避難所につきましても、市町村長が指定しなければならないとされておりまして、ことし4月現在で、県内の164カ所の高齢者施設や障害者施設等が指定されているところでございます。  しかし、熊本の地震におきまして、実際の設置が余り進まなかったことから、災害時に市町村において速やかに福祉避難所の設置がなされ、迅速、的確な対応をとることができますよう、国が現在示しておりますガイドラインの内容などを、市町村や福祉関係施設への周知に努めていきたいと考えております。  さらに、訓練でございますけれども、高岡市におきましては、民間事業所と地域住民が連携して、在宅障害者を対象とする避難訓練を行う予定となっておりますほか、県の総合防災訓練におきましても、砺波市において、福祉避難所の設営、運営訓練を行うこととしておりまして、これらを通じまして受け入れ体制について確認をしていきたいと考えております。  県としては、今後も市町村における避難行動要支援者の把握や、福祉避難所の円滑な受け入れ体制の確保に対して、適切に支援をしてまいりたいと考えております。 113 吉田委員 高岡市と砺波市が訓練を予定しているということでございますが、また全市町村に波及するようよろしくお願いしたいと思います。  また、今回の震災におきまして、水道などの公共インフラの復旧がおくれると、トイレの回数が増えないように水を飲むことを控えるようになってしまい、このことが、エコノミークラス症候群で女性が搬送されることが多くなる要因だとされております。したがって、携帯型や簡易型などのトイレを速やかに届けることが肝心であり、大地震の現場ではトイレの確保が大変重要であるということが指摘されているところであります。  そこで、避難所におけるトイレ確保の重要性について、どのように認識し、市町村と連携して災害用トイレの速やかな配備のため、どのように取り組むのか、新田知事政策局長に伺います。 114 新田知事政策局長 災害時の避難所において災害用のトイレを速やかに確保、配備することは、今御指摘いただきましたエコノミークラス症候群などの健康障害を避ける上でも、また、避難所の衛生環境を保つ上でも極めて重要であると認識しております。  県の地域防災計画において、市町村は指定避難所において避難住民の生活を確保しますとともに、環境を快適に保つため、簡易トイレなど、必要な施設設備の整備に努めることとして、県は市町村を支援することとしております。  トイレの備蓄につきましては、市町村が主体となって進めておりますが、県内には約2万個を備蓄しております。ちなみに、お隣石川県が1万8,000個、福井県が4,300個ということでありますから、総体的にはそれなりの数が備蓄されているかと思いますが、さらにこれを補完するために、県としても広域消防防災センターに約300個備蓄するなど、県全体で、どこで災害が起きても大丈夫なように分散備蓄しております。また、被災市町村において確保できない場合には、市町村の要請に基づいて県が応援をすることといたしております。 115 吉田委員 了解いたしました。富山のほうは2万個、石川1.8万個ということで多いということでございます。ひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、水、食料、毛布、これは熊本地震の被災地で物資の不足を訴える声が相次いでおりました。また、支援物資が避難所や被災地に行き届いていないのは、道路事情の悪さに加えて、行政の混乱や人手不足なども要因になっていました。仕分け作業などを期待されるボランティアも、余震が続いているために受け入れできない、熊本県の社会福祉協議会がこういうふうに言ったわけですが、熊本県の担当者は、市町村はニーズ把握にまで手が回らない。県も何が求められているのか把握できないでいるという。阪神大震災の教訓を踏まえて、災害対策基本法に、自治体間で相互応援協定を結ぶように努めることが盛り込まれたり、あるいは東日本大震災の反省から、深刻な被害に見舞われた地域の外で大量の支援物資を仕分けすることにより解決の方向も示されました。また、国や県、自衛隊は、物資を現地に送るのは得意ですが、避難者一人一人のニーズに合わせるのは苦手で、もっと民間に任せるべきだという指摘もあります。  そこで、被災地での支援物資の配送体制について、自治体間での相互応援協定に基づく支援や、地域外での仕分け、それから民間事業者の配送力の利用を進めるべきと考えますが、本県の体制確保のための取り組みについて、新田知事政策局長にお伺いをいたします。 116 新田知事政策局長 県の地域防災計画では、国及び県は、被災市町村がみずから物資を調達、輸送することが困難な場合に、被災者に確実かつ迅速に届けられますよう、要請体制、調達体制、輸送体制の整備を図ることとしております。このため県としては、近隣県や全国知事会などとの災害応援体制に加えて、各種災害応急対策に関して、事業者や団体などと協定を締結し、体制の強化に努めているところであります。  物資の要請、調達については、市町村からの要請により県が対応することとしておりますけれども、発災直後の混乱も想定されますので、避難所などへ派遣した避難者対策特別チームの県職員からの情報から物資の効率的配布の手配などを行うこととしております。  また、輸送、配送につきましては、輸送を受けた関係機関、例えば日本赤十字社富山県本部でありますとか、県内の他の市町村、他の都道府県などは、要請物資が完全に被災地に渡るまで支援することとしておりますけれども、必要と認めるときは、県トラック協会、県倉庫協会との協定に基づき、物流専門家の派遣を依頼し、県災害対策本部または関係市町村などに配置することとしております。  しかしながら、今回の熊本地震では、報道によりますと、御指摘がありましたように、必要な救援物資が適切に届かないなど、課題が指摘されておりますので、国において、先日、検証作業に着手され、自治体支援や物資輸送などについても議論されると承知しております。  県としては、こうした国の動きも踏まえ、市町村と連携して、しっかりと対応していきたいと考えております。 117 吉田委員 国の動向を見ていきたいということですね。ひとつよろしくお願いします。  次に、熊本地震におきましては、熊本県宇土市の本庁舎の4階が潰れるなど、5市町の庁舎が使えなくなり、災害対応にも支障が出たわけであります。うち益城町を除く4市町は、耐震基準を満たしていなかったことが明らかになりました。災害対策本部としての機能を発揮しなければならない庁舎の機能が麻痺したときの対応策は不十分であったことが浮き彫りになってまいりました。  そこで、災害対策本部として、機能を発揮すべき県や市町村庁舎の耐震化は、災害対策上大変重要と考えますが、耐震化の状況に対する認識と、万が一庁舎が破損した場合の代替施設の確保対策について、新田知事政策局長にお伺いをいたします。 118 新田知事政策局長 災害対策本部が設置されます庁舎は、災害時における司令塔としての役割を果たす必要がありますので、その耐震化を進めることは大変重要であります。  まず、県でありますが、県庁本館の耐震化は完了しておりますものの、仮に損壊などにより県庁舎機能が失われるという万々一の場合も想定し、地域防災計画において、耐震性を有する県広域消防防災センターを代替施設として位置づけております。  市町村につきましては、市町村庁舎全15棟のうち5棟について耐震性を有していないということでありまして、おのおの学校や保育所の耐震を優先されたなどの事情はあるようですが、耐震化が進んでいるとは決して言えないものと認識しております。  一方、損壊などにより万一庁舎機能が失われた場合には、災害対策本部の代替機能を担う施設が必要となりますが、こちらについては、本庁舎の耐震化が進んでいない市町村も含めまして、14市町村において耐震性を有する消防署や体育施設等を市町村の地域防災計画において位置づけられております。  災害時において防災活動の司令塔となる庁舎の耐震化や、耐震性を有する代替施設の確保を進めることは極めて重要であります。さきに開催した市町村防災担当部局長会議においても改めて要請したところでありますが、今後も市町村に対して助言指導しますとともに、国に対しても一定の財政支援措置が準備されておりますので、ぜひこの継続、拡充について要望してまいりたいと考えております。 119 吉田委員 代替施設で体制がなっているところもありますし、まだまだなっていないところもあるというところですので、ひとつまたしっかり要望をしていっていただきたいと思います。  また、今回の地震で、病院の災害対策の重要性というものが改めて浮き彫りになっております。地震が発生しますと、災害医療を担う施設は幅広い機能を発揮しなければなりません。しかし、今回の熊本地震では、10カ所程度の病院が建物の倒壊リスクやライフラインの途絶によって、他の病院への患者の搬送を実施したことが明らかになっております。  そこで、災害医療を担う病院は、建物構造だけでなく、設備も含めた耐震性の確保が大前提と考えますが、耐震化の状況に対する認識と病院の耐震対策の促進に今後どのように取り組むのか、蔵堀厚生部長にお伺いをいたします。 120 蔵堀厚生部長 厚生労働省がことしの4月に公表いたしました平成27年における病院の耐震改修状況調査の結果によりますと、本県における全病院の耐震化率は80.4%であり、全国平均の69.4%よりもかなり上回っている状況でございます。このうち、災害拠点病院、本県では8病院あるわけですが、この災害拠点病院につきましては、災害による重症患者の救命医療、それから被災地からの患者の受け入れや広域搬送への対応、DMATの派遣など、地域の災害医療活動の中心となりますことから、県としてはこれまで耐震対策に支援してきたところでございます。現時点で、この災害拠点病院につきましては、全病院で耐震基準を満たしているところでございます。  また、災害拠点病院以外の公的病院につきましても、災害時におきましては、被災病院の入院患者の受け入れですとか医療救護班の派遣を行うなど重要な役割を担いますことから、災害拠点病院と同様に支援をしてきたところでございます。今年度中に全ての県内の公的病院で耐震基準を満たす予定でございます。  さらに、それ以外の病院につきましては、現時点では77.1%の耐震化率となっておりますけれども、国の補助制度の周知を図るなど、耐震化を促してまいりたいと考えております。  また、建物の構造だけではなく、設備も含めた耐震性の確保が大変重要でございまして、各病院に対しまして、医療機器の転倒防止などの室内対策や、停電時の電源確保対策、さらには通信手段、燃料、水、食料などの十分な確保について、しっかり対応するように要請してまいりたいと考えております。 121 吉田委員 77.1%、それから設備も相当ありますが、富山県の安心した医療を提供できるためにも、またさらにパーセンテージがアップするように頑張っていただきたいと思います。  それから、熊本地震では、被災地の物資不足がなかなか解消せずに、避難所ではふびんな暮らしが続きました。もしもに備えて、私たちは日常の備えを総点検する必要があります。防災に詳しい危機管理アドバイザーの国崎伸江さんは、熊本県の被災地を回ったり、被災した人は何に困っていたのか、どんな備えが役に立つのか、情報発信をしております。また、インターネットで多く読まれた、熊本の主婦が地震直後にしておけばよかったと後悔したこととして5項目を発信し、多くの人に読まれているところです。現場からの生活実感の伴うリアルな情報には説得力があります。  そこで、関心が高いこのような時こそ、県は日ごろからの災害への備えの必要性を強調し、県民が取り組む内容を啓発すべきと考えますが、新田知事政策局長の御見解をお伺いいたします。 122 新田知事政策局長 国の防災基本計画でも、みずからの身の安全はみずからが守るのが防災の基本とされておりまして、県民一人一人が生活する物資の備蓄や住宅の耐震化など、平時から災害に備えることが重要であります。  災害時の生活必需物資につきましては、万々一に備えまして県や市町村が連携して備蓄を行っておりますが、発災直後は、御指摘がありましたように、被災者に備蓄品が十分に行き渡らない場合も想定されますので、県としては、日ごろから最低3日分の食料や飲料水等を個人で備蓄していただくよう、県のホームページや出前県庁などで県民に対して周知をしております。  また、住宅耐震化につきましては、耐震改修の支援対象を見直しまして、全国でもトップクラスの手厚い支援制度にするとともに、耐震化支援リーフレットの新聞折り込みや街頭啓発、耐震工事事例集の配布を行うなど、普及啓発に努めてまいりました。  県としては、今回の熊本地震を受けまして、県民の関心、意識が高まっておりますこの時期に、個人の食料などの備蓄の必要性、住宅耐震化や大型家具の固定の重要性、実践的な訓練の実施、耐震診断、耐震改修の支援制度などにつきましての啓発や、地震への危機意識を高める普及啓発の手法について検討しまして、改めて県民の皆さんに啓発をしていきたいと考えております。 123 吉田委員 ぜひしっかりやっていただきたいと思います。  私も、地震直後にしておけばよかったというこの5項目は、少し見させていただいたのですが、お風呂に水をためておけばよかったとか、空のペットボトルを捨てなければよかったとか、いろいろと書いてあるのを見て、確かに生活からにじみ出るような情報がたくさん入っておりました。一番意識啓発になったのが、お風呂に入っておけばよかったということ。風呂はやはり後回しにしてはだめなのですね、即入ってきれいにしておかないといけないなということを感じたわけであります。ぜひいろいろな面で意識啓発をよろしくお願いしたいと思います。  大きな災害が起きますと、避難所での生活を余儀なくされる可能性があります。避難所をどう運営するか、事前の備えを地域ぐるみで考えておくことの重要性は、改めて認識するところです。  震度7の震源地になった益城町は、40年ほど前と比べて6倍以上に増えた新興住宅地でありました。防災訓練はほとんど行われず、避難所運営のマニュアルもなかったといいます。それどころか、ハザードマップの存在も知らないとの返答も多く、自主防災組織も結成されていなかったと言われております。町役場の庁舎は使えなくなり、行政は機能不全の中で、日本防災士機構のメンバーに助言を仰ぎ、手探りの避難所運営が動き始めるのに10日以上かかったと言われております。  そこで、避難所をどう運営するかの事前の検討や、自分のまちは自分たちで守るという近助──近くの助けですね──近助を前提とした防災訓練など、ふだんから地域ぐるみで考え、取り組む活動が大切と考えますが、新田知事政策局長の御所見を伺います。 124 新田知事政策局長 大規模な災害が発生しました場合、行政の対応である公助だけでは限界がありますので、自助、共助が不可欠と考えており、地域防災計画においても、地域防災力の強化を防火対策の基本の1つとして取り組んできております。
     具体的には、自主防災組織による避難所運営に係る事前検討や、避難対応を支援するため、自主防災組織のリーダーを対象とした災害図上訓練などを行う研修会の開催ですとか、自主防災アドバイザーによる自主防災組織の運営等への助言などを行っております。  また、災害が夜間に発生する状況を想定した自主防災組織による実践的な訓練への支援などのほか、県の総合防災訓練におきましても、自主防災組織による津波や土砂災害からの避難訓練、避難行動要支援者への声かけによる避難支援訓練、避難所の開設運営訓練、炊き出し訓練など、幅広く実施しております。  こうした取り組みもありまして、例えばですが、一昨年の魚津市での大雨災害の際には、自主防災会の会長が避難勧告などの発令前に住民への自主避難を呼びかけ、人的被害の発生を防ぐなど、適切な対応がなされた例もございます。  県としましては、ふだんから地域ぐるみで考え、取り組む自主防災組織による活動が促進されまして、災害時において円滑な共助が実現されるよう、研修会や実践的な訓練などを通じた支援にしっかりと取り組んでまいります。 125 吉田委員 地道な活動をしっかりやっていくしかないということで、我々自身も意識を変えていかなければならないというところが現状であろうかと思います。  地震対策の最後の質問になりますが、今回の熊本大地震を契機に、連続大地震も想定外でなくなりました。地震による大規模な土砂災害も想定に入れなければならないことも明らかになってきたと思います。あるいは、連続大地震で引き起こされる長期間の車中泊に対する対応なども踏まえなければならないと考えます。  熊本地震は、日本全国どこにいても起こり得るものであり、あすは我が身と思って、想定できることは全て想定すべきではないかと思います。  また、各家庭におきましても、先ほど答弁にありましたように、備蓄は3日分と言われていますが、根拠はあまりないと思います。発災時に3日で一般住民まで物資が行き渡るような災害は大した規模ではありません。災害に備えるという意味は、大規模災害に備えるという意味のはずです。  そこで、熊本地震のような大規模災害を想定して、県の地域防災計画の見直しを進めるなど、対策を強化すべきと考えますが、石井知事の御見解をお伺いいたします。 126 石井知事 国におきましては、今回の地震の検証作業に着手されましたけれども、県の地域防災計画は、災害対策基本法の規定によりまして、国の防災基本計画に基づいて策定するとされておりますので、まずは今回の熊本地震を教訓に、これは全国共通の課題だと思いますから、国の中央防災会議等において、課題の整理や防災対策の強化など、国の防災基本計画の見直しのための議論を早急にしていただくことが必要で、国全体で地震対策を整合的に進めるためにも大事なことだと思います。  富山県としましては、これまでも地域防災計画に基づいて、県民一斉防災訓練、シェイクアウトとやまとか、総合防災訓練などソフト対策のほかに、公共施設の耐震化や木造住宅の耐震化促進、また今年度から新たにホテルや旅館等の大規模施設の耐震化促進についても予算化して、ハード対策の拡充にも努めております。  また、今回の地震を踏まえて、まずは地震への県民の皆さんの危機意識を高めていただいて、木造住宅のさらなる耐震化の促進や実践的な防災訓練の実施、また、庁舎の耐震化等につなげることが重要だと考えておりまして、先ほど被害想定調査の実施についても御答弁申し上げましたが、専門家の意見もお聞きしながら、新たに必要となる対策について検討してまいります。  また、委員御指摘の連続大地震、それに伴う土砂災害、車中泊、また、物資がすぐに行き渡らない避難生活等の問題の対応につきましては、これは全国的な課題でもありますので、国の中央防災会議等における議論等も踏まえまして、しっかりと取り組んでまいります。 127 吉田委員 なかなか、喉元過ぎれば何とかで、終わってしまえばだんだん人間というのは忘れていってしまうわけでありますが、今回の熊本地震は、我々に対してやはり本当にいろいろな面を突きつけて、意識啓発を促した地震だったのではないかと思っております。  自助、公助、共助ということで、まずはやはり我々からすれば、自分自身がどうかということから問い始めていかなければならないと思っております。ぜひ国の動向もチェックしながら、またよろしくお願いしたいと思います。  次にまいります。これからの地方創生について伺います。  地方創生の実現に向けて、全国の自治体で策定された人口ビジョン、それから地方版総合戦略に基づいた事業の本格的な実施年度が始まったわけであります。特に地方創生の実現に向けて、現役世代の地方移住をどう進めるかに注目が集まっております。  4月下旬に開催された政府の一億総活躍国民会議では、島根県の浜田市の移住政策が先進事例として紹介されました。地方創生のための交付金を活用した同市の事業は、高校生までの子供がいるひとり親世帯の保護者が、介護職につくことを条件に移住を促すものであります。育児と仕事の両立に悩むひとり親世帯の支援、それから、介護の担い手の確保、それから人口減少対策という3つの対策を同時に進める点が評価されているところです。  また、本体価格ゼロ円での中古車提供や、引っ越し費用、家賃、養育費の補助といった支援を行うこの事業には、全国から150件の問い合わせがあり、既に5つの介護施設で移住者を受け入れております。  浜田市は、今後、対象の職種を看護師や保育士などに拡大することで、移住政策の柱としていく考えだといいます。長野県や大分県の国東市もひとり親世帯の移住支援に取り組む方針を示しております。ほかにも、起業計画のコンテストを行って、産業振興につながる起業と移住を組み合わせて支援することで、現役世代を呼び寄せた地域もあります。自治体の創意工夫に基づく取り組みが実を結んだ一例と言えます。  移住政策を成功させる鍵の1つは、何といっても移住を希望する人と自治体を結びつける情報発信だと言われております。都市生活者の移住支援を行うNPO法人ふるさと回帰支援センターによれば、このセンターを訪れる人でも、事前に十分な知識を備えている人は少なく、自治体の施策や地域の魅力をいかに伝えるかによって、実際に移住する人の数や移住先が大きく変わるといいます。地域の実情に応じた創意工夫により、地方と都市部から移住する人を引き合わせる仕組みを強化することは、大変重要なポイントであろうかと思います。  そこで、現役世代の移住を進めるため、地域の魅力の情報発信、また、移住者が生活するための仕事の確保など、移住希望者に対する支援にどのように取り組んでいくのか、石井知事に伺います。 128 石井知事 本県では、これまで定住・半定住の促進に取り組みまして、県や市町村の窓口を通じて定住された方々が、昨年は過去最高の462名となりまして、この8年間、累積で2,550名となっております。  もちろん熟年の方もありがたいのですけれども、特にありがたいのは20代、30代の移住希望が年々高まっておりまして、本県への移住者も、例えば昨年の462人のうち72%が20代、30代の方ということであります。子連れでいらっしゃる方も多いわけです。そのため、県としましては仕事や子育てといった現役世代の求めるニーズも踏まえながら、現役世代へのさらなる本県への移住促進に向けて取り組みを進めておりまして、例えば地域の魅力の情報発信につきましては、昨年5月に富山くらし・しごと支援センターを、これは東京の有楽町に設置しまして、仕事と暮らしに関する相談体制の一元化を図りますとともに、本県の仕事や子育て環境が充実しているということをデータで示したハンドブックや、移住プロモーション動画を活用しまして、移住希望の方のニーズに応じた情報提供や相談対応の充実を図りますなど、情報発信の強化に取り組んでおります。先般オープンした日本橋とやま館でもその一翼を担うことにしております。  また、移住者の仕事の確保につきましては、富山くらし・しごと支援センターにおきまして、求職者が希望する条件や職種、経歴等を踏まえまして、希望に沿った求人を新規に開拓するオーダーメード型の求人開拓を行いますとともに、さきほど委員から浜田市の事例を紹介されましたけれども、本県でも今年度から新たに介護人材移住応援員というものを配置しまして、福祉施設や市町村と一体となって介護人材の移住をサポートするなど、県内事業者とのきめ細かなマッチング支援に努めることにしております。  また、このほか、現役世代も含めた移住希望者に対する支援として、レンタカーとか引っ越し事業者などの県内協力事業者が移住希望者に対して割引、特典を提供するとやま移住応援団制度ですとか、また、富山の暮らしや子育て環境の充実ぶりを実感してもらうために必要な宿泊体験・交流施設の整備支援などに取り組むことにしております。  市町村でも、朝日町さんとか南砺市さんとか高岡市の金屋町とか南砺市の城端とか、いろいろ御熱心に取り組んでおられますので、こういった市町村とも連携しながら、現役世代、熟年の方ももちろんですけれども、生産年齢人口が減少する中、地域の活力の維持の点からも大変重要でありますので、現役世代の移住者増にしっかり取り組んでまいります。 129 吉田委員 知事のお話を聞きまして、本当に進んでいるなということを感じました。ぜひしっかり手当てをしていっていただきたいと思います。  私自身もUターンしてきた1人でございますので、なかなか自分の若いときのことを考えますと、やはり生まれた富山に帰ってきてよかったなと思っている1人ですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  こうした動きの中で、改正地域再生法が4月20日に施行されております。地方創生推進交付金の仕組みや企業版ふるさと納税の要件などを規定して、地方の自立した取り組みを継続的に支援するものであります。  地方創生推進交付金は、希望する自治体が地方移住、観光振興、人材育成などの先駆的な事業に盛り込んだ地域再生計画をつくって、総理大臣が認定する仕組みを明記しております。各事業には、移住者数や観光客数といった数値目標を設定し、毎年検証を求めると。そして、2016年度予算案には、国費1,000億円を計上しております。  そこで、この改正地域再生法に基づく地方創生推進交付金を活用して、具体的にどのような事業に取り組んでいくのか、亀井観光・地域振興局長にお伺いをいたします。 130 亀井観光・地域振興局長 地方創生を深化させるための恒久財源を確保し、地方創生の取り組みを息長く支援すべきであることを、知事を先頭に国に強く働きかけてまいりました。結果、一般財源総額が確保され、平成26年度補正予算の地方創生先行型交付金に続いて、平成27年度補正予算で計上されました地方創生加速化交付金とあわせまして、平成28年度当初予算において新型交付金として1,000億円の地方創生推進交付金が創設されたところでございます。  県ではこれまでも、地方創生先行型交付金を活用して、総合戦略の早期策定と、地方創生に関する施策を先行実施してきました。今年度は、地域のしごと創生を初め、効果のあらわれが高い取り組みを支援する地方創生加速化交付金を活用し、UIJターン加速化事業、アートとデザインを活用した伝統工芸品産業活性化事業、薬都とやまヘルスケア創造プロジェクトに加えまして、県内市町村や他県と連携する広域的な事業としまして、DMOによる観光振興や日本橋とやま館を核とした情報発信、富山、飛騨地域の広域観光等の事業を実施しているところでございます。  地方創生推進交付金は、地方版総合戦略に基づく先駆的な取り組みを複数年度にわたり支援し、安定的、継続的な制度とするため、地域再生法に基づく交付金となりました。自治体が地域再生計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けた場合に交付される仕組みになっております。  具体的な事業につきましては、現在各部局とともに鋭意検討中ですけれども、これまで推進してきた移住や観光、産業振興といった取り組みをさらに深化させるため、上期申請に合わせまして、秋以降に予定されている下期申請もできるだけ有効に活用しながら、とやま未来創生戦略を積極的に推進してまいりたいと考えております。 131 吉田委員 ぜひ未来創生戦略を前進させていただきたいと思います。政治は結果です。ひとつ結果を示していくことが大事かと思います。  次に、今年度から導入予定の企業版ふるさと納税は、企業が自治体に寄附した場合、寄附額の約6割に当たる額の税負担を減らす内容であり、対象は、総理大臣から認定を受けた地域再生計画に基づき取り組む自治体の事業への寄附に限っており、地方交付税の交付団体である都市部の自治体は除外するとされております。  そこで、企業版ふるさと納税の創設に伴い、本県関連の企業へのPRなどの促進策についてどのように取り組んでいくのか、亀井観光・地域振興局長にお伺いをいたします。 132 亀井観光・地域振興局長 4月に地域再生法及び関連法案が成立し、企業版ふるさと納税制度が創設されたところです。この制度は、地方団体が行う地方創生に資する事業に対する企業の寄附につきまして、現行の損金算入による約3割の軽減に加え、法人事業税、法人住民税及び法人税の税額控除を行うことで、寄附金額の約6割まで負担を軽減するものでございます。  企業が寄附を通じて地方創生に参加することで、地方団体への新たな資金の流れをつくり出し、地方創生を持続可能なものにするとともに、企業側にとっても、創業地や地方創生の取り組みへの資金的支援を通して企業イメージを向上させるというメリットも期待できます。  県としましては、本県のすぐれた取り組みを全国に発信しまして、富山ゆかりの企業等の協力を得て地方創生を推進する絶好の機会と捉え、制度の概要や企業側のメリットなどを積極的にPRしていきたいと考えております。このため、本県出身者が創業した企業、本県発祥もしくは本県に拠点を置く企業などに対しまして、直接訪問して寄附の働きかけを行うとともに、各地県人会や3大都市圏で開催する企業立地セミナー、ホームページなども活用して積極的にPRすることとしております。  今後、企業版ふるさと納税制度を有効に活用することによりまして、多くの県外企業の方々にとやま応援団となっていただき、持続可能で活力あるとやまの未来創生を推進してまいりたいと考えております。 133 吉田委員 働く場所、稼げる富山県ということが大事かと思います。富山に引っ越しても、ろくな会社がないということになってしまうと大変ですので、ぜひこういうものも活用していっていただきたいと思います。  元気な高齢者が地方に移住する生涯活躍のまち、日本版CCRC構想の枠組みも盛り込まれておるところであります。受け入れる自治体と企業、民間団体などが連携して、拠点づくりの計画を作成することなどが定められております。  そこで、中高年の地方への受け皿をつくる生涯活躍のまち制度について、本県ではどのように取り組むのか、蔵堀厚生部長にお伺いをいたします。 134 蔵堀厚生部長 生涯活躍のまち制度は、中高年齢者が希望に応じて、都会から地方への移住、あるいは地域内でまちなかに移り住むといったことを目指しているわけですが、地域住民と交流しながら、健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療、介護を受けることができる地域づくりを進めるものでございます。  県内では、一部の市、町においてこの制度の推進が検討されておりまして、都会からの移住を進めるものと、地域内でまちなかへの移住を進めるものがあるところです。  県としましては、移住によるかどうかにかかわらず、高齢者の方が生涯を通じて活躍できることは大変重要であると考えております。  このため、これまでもエイジレス社会リーダー養成塾や、とやまシニア専門人材バンクなど、高齢者の生きがいづくりや就業機会の確保などに取り組みますとともに、高齢者の方が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、ふれあいコミュニティ・ケアネット21活動への支援ですとか、富山型デイサービスの普及なども進めてきたところでございます。今年度、新たに元気な高齢者の方が生き生きと暮らせるまちづくりについて検討することといたしております。  ただ、この生涯活躍のまち制度など、中高年齢者の方の地方移住を進めるに当たりましては、いずれ医療や介護が必要になるわけですから、その財源負担の増加にどう対応するのか、あるいは医療、介護人材の確保をどうするのかといった、解決すべき課題もあると考えております。  このため、県といたしましては、引き続き国等における財政面の検討状況などを注視しますとともに、県内市町村の意向なども踏まえつつ、エイジレス社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 135 吉田委員 いろいろ課題もあると思いますけれども、これから少し高齢者の定義も変わってくるみたいですから、ぜひ前向きに検討していっていただきたいと思います。  地方創生の最後の質問になります。  総務省は、2015年度にふるさとテレワークの実証事業を全国15カ所で実施しました。2016年度予算には、企業や自治体に導入費用を補助する事業、上限4,000万を盛り込んでおります。普及にかける意気込みが伝わってくる予算であると思います。情報通信技術、ICTを活用して、地方でも都会と同じように働ける環境をつくるふるさとテレワーク、地方創生の有益な施策としてこの取り組みが注目されております。  米国では9割近い企業が導入しているのに比べまして、日本ではようやく1割を超えた程度ですが、実施企業団体は着実に増え続けており、離職率の減少も報告されております。国が音頭をとる働き方改革の視点からも、積極的に推進していきたいものであります。  この仕組みを通じて、企業や人材を地方へ誘致し、地方創生につなげていくのがふるさとテレワークの狙いでありますが、地方にサテライト・オフィスを設けて本社業務の一部を行ったり、移住した起業家が都会の仕事を受注したりすることなども考えられます。  地方創生のポイントの1つは、生活するための雇用がそこにあるかどうか、その意味で、いつもの仕事をどこにいてもできるという環境の実現は、人口減少に頭を悩ます自治体と地方への移住希望者の相互にとって非常に魅力的なものになるはずです。  そこで、情報通信技術を活用して、地方でも都会と同じように働ける環境をつくるふるさとテレワークが、地方創生の有益な施策として注目されており、また、働き方改革の視点から積極的に推進すべきと考えますが、山崎経営管理部長の御所見を伺います。 136 山崎経営管理部長 今ほど委員から御紹介がありましたふるさとテレワークは、ICTの利活用により地方への人や仕事の流れを創出して、地域の活性化に資する取り組みであります。国においては、昨年度の実証事業に続き、今年度、この導入を支援する補助事業が創設されるなど、取り組みが進められているところです。  県としましては、この取り組みを地方創生や一億総活躍社会の実現に向けた取り組みの1つとして考えており、地方への人や仕事の流れの創出に加えて、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の実現により、子育てや介護と仕事の両立や、ワーク・ライフ・バランスの向上などの働き方改革の推進につながることから、民間企業や県内市町村による積極的な取り組みを期待しているところです。  今年度、県内企業からこの補助事業を活用してふるさとテレワークを進めたいと相談がありましたことから、県としても関係の市町村と一緒になってこれまで協力して準備を進めてまいりましたが、このほど国に対して企画提案書を提出することになったところでございます。  県としては、この提案が補助事業として採択されますよう努力をしてまいりたいと思っておりますし、今後も意欲のある企業等があれば、積極的に相談に乗り、取り組みを後押ししてまいりたいと思っております。 137 吉田委員 ありがとうございます。相談があったというのは、本当に明るい材料だろうと思います。  テレワークに関してはいろんな課題があるというのも非常によく知っておりますし、働き方のルールだとか、いろいろな面においても、まだまだ乗り越えなくてはならないハードルがたくさんあるというのもよく知っておりますが、ぜひこういった明るい話題が成功すればいいなということを御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。 138 筱岡副委員長 吉田委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。                     午後3時00分休憩                     午後3時11分開議        筱岡貞郎委員の質疑及び答弁 139 五十嵐委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  筱岡委員。あなたの持ち時間は60分であります。 140 筱岡委員 私の田舎は、毎晩帰りますと、最近は蛍がちゃんと出迎えてくれまして、心が和むわけでございます。草食系ですから、きょうは和みの質疑を交わしたいと思いますので、よろしくお願いします。  知事4選目で、先週出馬表明を正式にされて、先ほど川島委員もチーム富山で頑張りますとおっしゃっていましたが、私も当然応援させていただきます。チーム富山という表現もいいのですが、私から今流で言えば、アモーレ富山という表現もよろしい、愛する富山県のために働くというキャッチフレーズもいかがかと思います。また参考にしていただけたら幸いかと思っております。  まず、農業問題で6点ほどお伺いします。  最初に、県産米の品質向上対策について伺います。  昨年の県産米については、1等米比率が3月末現在で91%と、18年ぶりに目標の90%超えを達成し、またコシヒカリが食味ランキングで2年連続特Aになるなど、すばらしい成績となりました。米の消費量が減少し、米政策の見直しが進められる中、産地間競争がますます激化しており、安定して高品質で食味のよい米づくりを進めることが極めて重要です。  本年は春先から強風が続き、高温で経過するなど、水稲の生育への影響が懸念されるところですが、本年産米の品質向上対策にどのように取り組んできており、今後どう対応していくのか、伍嶋農林水産部長に伺います。 141 伍嶋農林水産部長 米の産地間競争が激化する中で、昨年産の成果に甘んずることなく、今年産においても高品質と良食味の評価をしっかり確保していくということが極めて重要と考えております。  本年4月以降、強風による育苗ハウスの被害や育苗期間が高温に推移したということから、苗の生育への影響が懸念されたところでありますけれども、ハウスの速やかな復旧や換気による温度管理などによりまして、本年につきましても適切な時期での田植えがおおむね進められているところであります。  また、田植え後におきましても、稲の生育が早まり、茎数も多くなってきており、過剰なもみ数の防止や根の活力維持のための適切な時期での溝掘りや中干しの徹底についても、本年度も中干し適期表示札の掲示や現地研修会の開催などにより、呼びかけているところであります。  今後も、気象変動や生育状況に対応したきめ細かな対策として、稲の活力維持のための生育診断に基づく追肥、また、出穂後の湛水管理、適切な時期での収穫などが確実に実施されるよう、作業指示板を設置することとしております。  また、昨年「てんたかく」を中心に被害が多く発生しましたカメムシ対策のための草刈りの徹底や的確な防除の実施などを進め、1等米比率の一層の向上を目指すこととしております。  また、食味につきましても、食味向上実証圃の設置や良食味米サンプルの収集、分析、さらには日本穀物検定協会を招いた食味研修会を開催することなどによりまして、本年も食味ランキング特Aをしっかり確保できるよう、生産者、県、JA等の関係機関が一丸となって取り組んでまいります。 142 筱岡委員 次に、米の新品種についてです。  さきの2月議会でもお伺いいたしましたが、県では本年度内の品種登録を目指して、新品種の育成を進めておられます。本年度は県内各地において栽培試験が開始されておりますが──小矢部でも1カ所していただいておりますが──コシヒカリを超えるということで、農業関係者の期待は高いところであり、これまでの取り組み状況と今後の品種登録までにどのように進めていくのか、伍嶋部長に伺います。 143 伍嶋農林水産部長 富山米のブランド力を一層強化するため、県では、コシヒカリの弱点を克服するため、高温条件でも品質が高いなどの形質を持ち、おいしさを最大限に発揮できる富山オリジナルの新品種の育成を進めてきております。  平成27年度は、農業研究所での系統比較試験によりまして、3系統を新品種の候補として選抜したところです。今年度につきましては、この中から1系統を選抜するため、農業研究所内の圃場に加えまして、土壌条件や気候などの栽培環境の異なる、今ほど紹介もありました小矢部市、あるいは入善町、富山市、南砺市の県内4カ所の圃場におきまして、3系統の比較試験を行っております。  また、収穫後には、生育特性や収量性、米の外観品質や食味について分析、評価を行いますとともに、専門家である日本穀物検定協会などの助言も踏まえながら、品質や食味等が最もすぐれた系統を1つ選抜することとしております。  こうしたことにあわせまして、新品種にふさわしい名称を本年秋ごろから一般公募により募集し、農業団体、卸売業者、あるいは有識者等で構成します富山米新品種戦略推進会議、これは仮称でありますけれども、この会議の場で議論をいただいた上で決定し、今年度中に品種登録の出願をしたいと考えております。  さらに、この会議におきまして、新品種について高付加価値販売などのための戦略の検討や、米穀店や料理人などを対象とした食味に関する評価の調査、また積極的な事前PRの実施などによりまして、この新品種が本県を代表するブランド米として育つよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 144 筱岡委員 これは本当に期待されておりますので、もちろんせんだっても言ったように、チャーミングなネーミングをまた期待しております。  次に、米政策の見直しへの対応についてです。  平成30年産米から米政策が見直され、行政による米の生産数量目標の配分が廃止されることとされています。これは、水田農業を主体とする本県農業にとって大変大きな見直しになります。こうした見直しへの準備が円滑に進むよう、県では、本年度、各JAにおける地域農業成長産業化戦略の策定を支援することとされています。  そこで、国への働きかけを含め、米政策の見直しにどのように対応していくのか、知事の所見をお伺いします。 145 石井知事 国の米政策の見直しによりまして、平成30年産米から行政による生産数量目標の配分が廃止されまして、生産者みずからの判断による需給調整を促すこととされておりますけれども、水田率が全国一高い富山県としましては、今後も需要に応じた生産が行われて、生産性、収益性の向上などによります農業の成長産業化を図りたいと思っております。
     そのために平成30年産以降を見据えて、早い段階から準備できますように、本年度、地域農業成長産業化戦略策定支援事業というものを予算措置もしまして、これは県単独の政策ですが、各JAによる地域の特性や創意工夫を生かして米の計画的生産、これは生産者の意向や需要ターゲットなどを踏まえた計画としますが、また、水田フル活用などを内容とする地域農業の成長産業化戦略の策定を支援しております。  また、県では、各JAにおける戦略策定が効果的かつ円滑に進みますように、集落単位での生産者の意向や実需者の意見を十分踏まえますように、農業振興センターを中心に指導や助言をさせていただきますとともに、県全体としての米の需給調整や水田フル活用などに関する基本的な対応方針を、富山県農業再生協議会、これはJA中央会の会長さんに会長になっていただいて、農業団体の代表にもお入りいただき、検討していただいて、地域に示したいと思っております。  また、米などの産地間競争が一層激化していく中で、本県農業の成長産業化が図られますように、今ほども話が出ましたけれども、高品質でおいしい米づくりとともに、水稲の新品種の戦略的導入、需要の拡大が期待される外食産業向けの業務用米の新たな利用先獲得への支援、また、飼料用米やお酒に使う、また米粉加工用など、非主食用米の取り組みの拡大、また大豆、大麦の生産性拡大や1億円産地づくりの一層の推進に積極的に取り組んでおります。  さらに、正直言いますと、私は、行政による調整が本当になくなって大丈夫かと思っていまして、米の需給や農家経営の安定には、国の役割がやはり重要だということで、去る4月に、森山農水大臣に、また以前には西川前大臣、林元大臣にもそれぞれ直接、経営所得安定対策等の国予算の確保充実、それから、何らかの形でやはり政府がかかわる仕組みが本当になくていいのでしょうかということは、随分議論してまいりました。  いずれにしてもこの制度見直しによって混乱が起こらないように、県としても最大限努力しますし、また国にも、これからの諸情勢を見ながらしっかり働きかけもしてまいりたいと思っております。 146 筱岡委員 まだはっきりしませんので、農家の方はいろいろ不安も持っておられるのも確かでございます。一緒になって不安払拭に取り組みたいと思っております。  次に、農業の担い手対策についてです。  本県において農業の担い手の高齢化が進展する中、県では農業の未来を担う新たな若手農業者の育成を図るため、昨年度からとやま農業未来カレッジの通年研修が開始され、本年3月には第1期生16名が卒業し、さらに本年4月に第2期生14名が入学されたと聞いております。  本年3月に卒業された第1期生16名全員が、本県農業の担い手として活動を始めているとのことですが、今後担い手として定着していくための卒業生のフォローアップや、より実践力を身につけるための研修内容をさらに工夫することなどが大切であると考えますが、どのように取り組んでいくのか、伍嶋部長にお伺いします。 147 伍嶋農林水産部長 とやま農業未来カレッジにおきましては、去る3月に通年研修の第1期生16名が卒業しまして、また、この4月には第2期生14名が入学したところであります。このカレッジ生が就農意欲を持ち続けながら、本県農業の担い手としてしっかり定着されるよう、卒業後のフォローアップや研修内容の充実を図ることは大切であると考えております。  このため、卒業生のフォローアップの取り組みとしましては、農林振興センターの普及指導員が巡回しまして、卒業生を訪問し、生産技術や経営面でのさまざまな相談に応じるとともに、カレッジにおきましても、農閑期に受講できる専門的な短期研修を開催するほか、農業研究所など県の研究機関等と連携して、高度な生産技術を習得できる研修機会をあっせんするなど、関係機関や市町村、JA等と連携しながら、カレッジ卒業生のニーズに即して適切な支援に努めることとしております。  また、2期生の研修内容につきましては、より実践力が身につくものとするために、カレッジの近くに園芸用の実習圃を確保しまして、農作業の実践基礎実習をカリキュラムに新たに追加するとともに、農業経営や栽培技術など、経営力を高める講座の時間数を増やすなど、研修内容の充実を図ることとしております。  今後とも、意欲を持って農業に取り組む若手農業者の育成、定着を図るため、カレッジ生のフォローアップや研修内容の工夫、充実に一層努めてまいります。 148 筱岡委員 よろしくお願いします。  次に、農林水産物・食品の輸出について伺います。  国では、2020年に農林水産物・食品の輸出額を1兆円とする目標を設定されておりますが、和食ブームなどもあり、平成27年の輸出額が7,451億円と、中間目標である7,000億円を1年前倒しで達成するなど、農林水産物・食品の輸出は大きく伸びております。  このような状況の中、県では今年度、新たに重点3品目、米・米加工品、日本酒、水産物・水産加工品を選定するとともに、農林水産物等輸出促進ワーキンググループを設置して、輸出促進方針等の検討を行うとのことですが、重点品目の選定の考え方とあわせ、今後どのように取り組んでいくのか、伍嶋部長に伺います。 149 伍嶋農林水産部長 県産農林水産物及び食品の輸出につきましては、これまで、海外での食品見本市への参加に対する支援や県内商談会の開催など、県独自の取り組みを進めてきております。  今後輸出をさらに促進するには、現地の消費傾向あるいは輸入規制、検疫など、対応すべき課題が多岐にわたっており、国別、品目別に事情も異なるといったことから、品目や対象国などを絞り込んだ上で、計画的に取り組むことが効果的であると考えております。  こうした観点から、今般、県及び関係団体で構成し、これまで国際見本市への出展支援等の事業主体となってきました富山県農林水産物等輸出促進協議会におきまして、重点品目を選定の上、本協議会にワーキンググループを設置して、品目ごとに輸出促進方針の検討を行うこととしたところであります。  具体的な重点品目といたしましては、まずは本県の主要作物であり、輸出実績もある米及び米加工品を第1の品目としております。また第2の品目といたしましては、先ほど委員からも御紹介がありましたが、日本食ブーム等を背景にさらなる輸出拡大が期待できる日本酒、そして、3つ目の品目としましては、現在輸出実績は少ないものの、富山県産品のブランド化を象徴する食材の1つであります水産物、そして水産加工品の3品目を選定したところであります。  今後、ワーキンググループメンバー等の中から重点品目別のさらに検討チームを編成しまして、品目ごとに重点対象国、地域、そして輸出促進の具体的方策、さらには関係機関との連携のあり方などを内容とします輸出促進方針の検討を進め、年内を目途として中間取りまとめを行い、必要な取り組みにつきましては翌年度予算に反映したいと考えております。  さらに、今年度中に品目別のトータルとしての輸出促進方針を取りまとめ、県産の農林水産物の輸出促進に向けて、計画的かつ効果的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 150 筱岡委員 今度10月末に「Oishii Japan」というのがシンガポールであるので、それには富山県からも出展されるということで、私、党の部会で視察に行く予定にしておりますので、またしっかり見てきたいと思っております。  農業問題の最後に、富山県農業協同組合中央会長の交代について伺います。  昨年10月にTPPが大筋合意され、また平成30年産米から、先ほども申し上げた国の米政策が大きく見直されるなど、本県農業は多くの課題に直面しております。さらに改正農協法が本年4月1日に施行され、県JA中央会は平成31年9月までに指導権のない連合会に移行しなければならないなど、農協をめぐる情勢も大きく変化しております。  このような状況の中、残念ですが、今の穴田会長は事情がありまして今度退任ということで、次には伊藤さんへ交代することになり、正式には今月30日の通常総会で新会長が決定します。県JA中央会やJAが地域農業の発展や農村の活性化に果たす役割は大きいと考えています。そこで、新会長に期待されることを知事にお伺いします。 151 石井知事 県JAの中央会、また各JAにおかれましては、本県農業の発展や農村の活性化に大きな役割を担ってきておられまして、例えば、主食用米の生産数量目標の達成ですとか、1等米比率や食味ランキングの向上に向けたきめ細かな指導ですとか、1億円産地づくり、あるいは担い手農家への農地集積・集約に向けての地域での調整役とか、本当に大きな役割を果たしていただいております。  このたび御退任される穴田甚朗県JA中央会長のこれまでの御尽力に心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思っております。  こうした中、お話のように改正農協法がこの4月に施行されまして、各JAもこれからももちろん大きな役割を果たしていただかなければなりませんが、JA中央会では、こうした各JAの自由な経済活動を適切にサポートする総合調整を担う組織と位置づけられますなど、大分制度が変わったと思います。  今後、TPPや平成30年産からの米政策の見直しへの対応ですとか、農業を取り巻く環境は大きな転換期にあります中で、本県農業を何とか、生産性、収益性の一層の向上、また地域特性や創意工夫を生かした本県農産物に対する新しい需要を拡大する、そういった成長産業化に向けた取り組みが大切になっていると思います。  県としても一生懸命取り組みますけれども、農協中央会や各JAの役割は、今後とも大きいわけでして、今お話の出た伊藤さんが、今度JA中央会で正式に会長になられる運びだと伺っていますけれども、新会長にはJAの組織や経営基盤の強化はもちろん、県、市町村、関係団体と連携の上、富山県の農業が、希望が持てる立派な形で発展しますようにぜひ御尽力をいただきたいと思っております。 152 筱岡委員 穴田さんとはちょっと遠縁になりますが、本当に誠実にやっていただいたと思っております。伊藤さんも、前に専務でしたからよくわかりますけれども、県とうまく連携をとって、またJAのほうもよろしくお願いします。  続いて、熊本地震がありまして、防災対策については、今回も当然のごとくいろいろ質問がありました。私は1点だけ、熊本で発生した地震ですが、県におかれては発災直後から被災地支援のために県警、DMAT、医療救護班、保健師、県職員等を派遣されており、現在でも保健師さんが被災地で家庭訪問などの活動をされていると伺っております。遠隔地にもかかわらず、県を挙げて被災地の支援のために御尽力されていることに敬意を表したいと思っております。  さて、熊本地震のような大災害が発生したときには、県が実施されたような公助による救助も重要ですが、公務員のマンパワーにも限りがありますので、被災地の避難所などの現場においては、住民相互で協力し合う共助というものも重要となります。  そこで、日ごろから地域の防災力を高めるための活動をしておられ、いざというときのリーダーとなるのが防災士の方々です。  地域の防災リーダーとして活動する防災士の方々について、県内における養成状況と期待される活動についてどのように考えておられるか、新田知事政策局長にお伺いします。 153 新田知事政策局長 地域の防災力を高めるためにも、防災リーダーの存在が大変重要でありまして、県では、地域防災計画に基づき、御紹介いただきました防災士など、地域の防災リーダーとなる人材の育成に取り組んでおります。  防災士については、平成24年度から市町村と協力して県内で養成講座を開催し、昨年度までの4年間で356名を養成してきたところであります。この結果、本県の防災士の数は本年5月末現在で930人となりまして、人口10万人当たりの防災士登録数では87人、全国21位という状況であります。  この防災士には、地域の防災リーダーとして、防災に関する豊かな知識や経験を生かしていただき、地域住民の先頭に立って、平時には自主防災組織への助言などの防災意識の啓発、河川など災害危険箇所の点検、避難場所や避難経路の確認、防災資機材を使用した実践的な防災訓練の実施などに取り組んでいただきますとともに、万一災害が起きた場合には住民の避難経路や避難方法の選択、高齢者や障害者など避難行動要支援者の避難誘導など、公的支援が到着するまでの被害の拡大防止、また避難所の運営など、被災者支援などに御尽力いただきたいと考えております。  今後とも市町村と一緒に防災士の養成に取り組みまして、地域の防災力の強化にしっかり取り組んでまいります。 154 筱岡委員 人口当たりではまだ全国21位ということで、もっと高いかと思っておりましたが、意外と真ん中ぐらいであり、もっともっと頑張らなければならないということですね。わかりました。  続いて、地域の活性化という観点で7点ほどお伺いしたいと思います。  地域に元気が出る、やはり明るい話題が必要です。きょうも新聞に小野真由美という選手が、先週内定しており、きのうが正式発表ということで、おかげさまでリオオリンピック女子ホッケー代表、さくらジャパンの代表となり、また皆さん、ぜひ応援していただきたいと思っております。ちょっと30を超えており最年長だそうですが、ぜひよろしく。  そのホッケーに関して、先々週5月30日に、私は小矢部市出身ということもございまして、馳文部科学大臣のほうにお伺いして、堂故議員にも政務官として同席していただきましたが、小矢部市の文部科学関係の重点要望を5点ほど、市長の代理と言ったらおこがましいのですが、地元の方20名ほどと一緒に市の要望として持って行ってきたところでございます。  その5点の中の1つにはホッケーに関するものがありまして、東京オリンピックのホッケー事前合宿用のための環境整備に対する助成をしてほしいと。オリンピックは、ただホッケー場があればいいものでないそうで、トレーニングセンターとかも併設していないとだめだということで、それがないものですから、そのへんを特にお願いしたところでございます。また県も後押しをよろしくお願いします。  それでは、1点目は先ほど川島委員も言っておりましたが、違う観点でありまして、本定例会に先立ち開催された経済建設委員会において、能越自動車道の昨年度の通行料金収入が、アウトレットパークの開業効果もあり、過去最高の10億4,000万円になったことが示されました。アウトレットパーク開業により、能越自動車道の交通量が大幅に増加していることや、これに伴い、通行料収入も大きく伸びているのではないかということについては、これまでも再三取り上げてきたところですが、過去最高ということになると、収支改善にも大きな効果があったのではないかと考えます。また、能越自動車道に係る未償還額の減少にも大きく効果があるのではないかと考えます。  そこで、平成27年度の交通量、未償還額、収支改善効果はどうなっているのか、加藤土木部長にお伺いします。 155 加藤土木部長 能越自動車道におけます平成27年度の1日当たりの交通量につきましては、昨年7月に開業しましたアウトレットパークの効果等によりまして、まず北陸自動車道側の小矢部東本線料金所では約7,000台、平成26年度に比べて900台、率で15%の増加です。もう一つの料金所でございます高岡インター側の福岡本線料金所では約6,700台、平成26年度に比べますと200台、率は3%増ということでございます。  収入につきましては、平成27年度は委員から御紹介がありましたように、約10億4,000万円となりまして、収支改善効果といたしましては、平成26年度に比べて料金収入が8,000万円、率にしますと8%増加しております。  また、平成27年度末の未償還額でございますけれども、こちらは約118億5,000万円ということで、平成26年度末に比べますと、約5億5,000万減少したところでございます。 156 筱岡委員 5億5,000万円を償還されたということですが、残り118億円、割り算しますと今のこのペースでいって、ちょっと気が遠くなるようなことでありますが、この効果がいつまで続くのか、また当然、今のところでは、借入金がなくならない限りは料金を徴収し続けるという方針のようですが、先ほどもありましたが、利便性の向上ということで料金所をなくしてスムーズに通れる、借入残高を減らしていくのは当然大事なのですが、過去最高の交通料金収入があったことを踏まえ、今後の料金収入と無料化になる見通しを土木部長に伺います。 157 加藤土木部長 今ほど御答弁申し上げましたように、能越自動車道の平成27年度の料金収入につきましては、アウトレットパークが昨年7月に開業したということで、これまでで最も多い10億4,000万円になったところでございます。県としましては、アウトレットの効果が継続していくことを大変期待しているところでありますけれども、今後の料金収入の見通しについては、昨年度はアウトレットパークが開業した初年度でございますので、現時点におきまして、料金収入の見通しについては、大変難しいものと考えており、引き続き交通量の推移を注視していく必要があると考えております。  また、能越自動車道の早期無料化ですけれども、これは、やはり料金収入をしっかりと確保して、借入残高を早く減らしていくということが重要であります。  このため、アウトレットパークに御来店される方々に対して、能越自動車道をもっと利用していただくということで、アウトレットパークのホームページには、最寄りのインターとして福岡インターチェンジを紹介していただいております。また小矢部市さんの御協力をいただき、北陸自動車道、能越自動車道に福岡インターチェンジへ誘導する案内標識を設置しているところであります。  また、回数券販売につきましては、従来の料金所あるいは県西部のコンビニなどに加えまして、新たに石川県七尾市あるいは中能登町、またアウトレットパーク内のコンビニでの販売も開始しているなど、アウトレットパークの開業に合わせて、利用促進にも積極的に取り組んできているところでございます。  また、効率的な維持管理を行うということで、これまでも料金所を集約するなど、経費削減に努めているところでございます。  県としましては、一日も早く建設費の償還を終えまして無料化できるように、富山県道路公社とともに、さらなる利用促進や経費削減に努めてまいりたいと考えております。 158 筱岡委員 先ほど言われたように、償還のペースは当然、昨年は5億5,000万円と一遍に大きく返済できたということですが、単純計算では、このペースでいってもまだ二十数年かかる。  前にも言っていたのですが、国の一元化は期待できる、いずれはできるということになれば、長い間、20年、もっと長くかかってもいいから、福岡料金所は撤廃して、とりあえずETCのあるジャンクションだけで料金を取って、長い目で見て、いずれ国の一元化になることを期待してやるという手もあると思います。これは要望だけにしておきます。答弁は求めません。  3点目に、倶利伽羅トンネルの整備でございます。北陸地方整備局は当初予算の箇所づけにおいて、国道8号の倶利伽羅トンネルの新ルート整備に係る測量、調査費として5,000万円を計上したと発表しました。  この倶利伽羅トンネルについては車道が狭く危険であり、またアウトレットパークが開業してからは、交通量の増加により頻繁に渋滞が発生しており、一刻も早い整備が望まれていた場所です。  今回の新ルートが整備されれば、渋滞、災害時の通行止めの解除につながり、富山、石川をつなぐ大動脈としての機能強化が期待されます。  そこで、今後の新ルート整備の計画と見通しについて、加藤部長にお伺いします。 159 加藤土木部長 国道8号の倶利伽羅地区につきましては、大型車の交通量が多いわけですけれども、トンネルの幅員が約7メートルと狭く、歩道もない。また前後区間におきましては、土砂崩落や雨量により通行止めとなるなどの課題があることから、県では、早期の事業着手について、知事を先頭に、これまでも国に幾度となく要望してきたところでございます。  これによりまして、昨年度、国では調査に着手していただきまして、周辺に地すべり地形や集落あるいは鉄道等がございますことから、バイパス案を含めたルートについて概略検討が行われ、国、県、小矢部市、また石川県津幡町も参加して、意見交換を重ねた結果、バイパス案が妥当ではないかということでありまして、今年度、国から、防災事業として新たに新規事業化されたところでございます。  計画につきましては、小矢部市安楽寺から石川県津幡町にかかります、延長が約3キロメートル、2車線の片側歩道計画幅員につきましては一般部では14メートル、トンネル部は10.5メートルということで、総事業費120億円とされているところでございます。  今年度は初年度ということもございまして、測量や地質調査、道路設計等を実施されると聞いておりまして、その中で詳細なルートについても検討されることとなります。  国道8号につきましても、本県の産業、経済、社会活動を支える大動脈として重要な幹線道路ですので、特に倶利伽羅地区におきましては、古来より結びつきの強い富山、石川両県をつなぐ非常に重要な区間でございます。県としては、今後とも石川県や沿線市町とも連携しまして、倶利伽羅防災事業の整備促進について、国に強く働きかけてまいりたいと考えております。 160 筱岡委員 長い間の要望活動がようやく実ったなという感じで、県にも感謝申し上げるところでございます。あとは一刻も早い事業促進を願うだけでございます。  次に、県西部における人材確保対策についてお伺いします。  富山労働局は、4月の有効求人倍率について、1.63倍になったと発表しました。1.6倍を超える高水準は平成4年11月以来24年ぶりのことであり、全国順位を見ても、5位という高順位となっております。さらにこれを地域別に見ますと、小矢部市は2.56倍と県内トップとなっており、砺波市が2.15倍と続いております。  このような数値を見ると、アウトレットパーク開業後もうすぐ1年となりますが、まだまだ県西部においては人手不足が続いているのではないかと考えられます。さらに、アウトレットパークの隣にホテルの建設が進められているほか、報道によると、イオンモール高岡では一気に100店舗程度を増やす大規模増床計画があるとのことであり、今後、県西部ではますます人手不足が深刻化することが懸念されます。  そこで、県では、県西部の人手不足の状況をどのように認識し、これを改善するためにどのような対策をとられるのか、大坪商工労働部長にお伺いします。 161 大坪商工労働部長 県内の雇用情勢につきましては、今ほど委員からもありましたが、4月の有効求人倍率が1.63倍と高い水準が続いており、県西部では、高岡市が1.63倍、砺波市が2.15倍、小矢部市が2.56倍、南砺市が1.52倍などと高くなっており、昨年の大型商業施設のオープンが相次いだ時期と比べますとやや落ちついてきてはいるものの、依然として人手不足の状況が続いていると認識をしております。  また、業種別では、全県の統計になりますが、建設が4.25倍、サービスが3.34倍、販売が2.44倍と高い一方で、事務的職業が0.48倍となっており、一部に雇用のミスマッチも存在していると考えております。このため、県内企業とのマッチングの促進、それからUIJターンの推進、そして女性、高齢者などの潜在的な労働力の活用が一層重要になるものと考えております。  まず、求人・求職の効果的なマッチングを図るため、昨年度開催回数を増やしました合同企業説明会につきまして、今年度は参加企業数の枠を約1.5倍に拡充するとともに、各ハローワークにおきましても、企業からの要望に応じて、例えば企業1社ごとでも、求職者向けのミニ面接会を開催するなど、きめ細かなマッチングに取り組んでおります。  また、企業情報等を無料で掲載する冊子や専用サイトを通じた中小企業の魅力発信などに取り組むとともに、今年度は、企業の採用担当者向けに、企業PR力の向上を図る研修も実施することとしております。  さらに、UIJターンの一層の推進のため、今年度は県内企業バスツアーの実施、Uターン女子応援カフェや30歳の同窓会inとやまの拡充、社会人向け転職フェアへのブース出展などを行いますとともに、女性向けの企業説明会、出前講座の実施、とやまシニア専門人材バンクに新たにコーディネーターを配置し、求人・求職の掘りおこしを強化するなど、女性や高齢者などの潜在的な労働力の活用にもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 162 筱岡委員 ぜひよろしくお願いします。  次、5点目ですが、アウトレットパークの開業効果についてであります。  三井不動産によると、アウトレットパーク北陸小矢部のことし3月末までの来場者数は440万人に上ったと発表されました。開業前は年間300万人から350万人を見込んでいましたが、これは開業から8カ月余りで目標を既に100万人も上回ったことになります。単純計算では、1年間で600万人を超すのではないかという膨大な数字になるわけであります。  また、来店者数の内訳を見ると、富山県内が4割に対し、石川県を初めとする県外が6割と、県外の多くの方を本県に呼び込む効果がありました。こうした県外からの来店者の中に、アウトレットパークだけでなく、クロスランドおやべや海王丸パークを初め、県内の観光地、また私の地元で言いますと小矢部三大祭りの、石動曳山祭、小矢部の獅子舞、津沢夜高あんどん祭があるのですが、このような県内の祭りやイベントを楽しんでいただけた方も、ある程度おられるのではないかと思っております。  そこで、アウトレットパークが開業し間もなく1年を迎えますが、今後どのように県内の観光誘客につなげていくのか、知事にお伺いします。 163 石井知事 三井アウトレットパーク北陸小矢部ですけれども、今お話がありましたように、当初の目標を8カ月余りで100万人も上回るということですから、非常にこれは大変大きな成果があったと思います。  ただ、来店者数の1割を見込んでいた外国人旅行者の利用は、想定を下回ったと伺っていますので、今後は、もちろん国内のお客さんも大事ですけれども、訪日外国人の誘客強化も図っていきたいと思っております。  アウトレットパークは、今委員から御紹介があったとおり、近隣県からの高い集客力を有するものであり、観光振興の観点からも非常に大きな効果が期待できます。  そこで県としましては、当初からアウトレットパークの開業に合わせまして、小矢部市さんや高岡市さん、氷見市さんにもお声をかけまして、共同で広域観光案内所を施設内に設置して、観光地や季節ごとの食、祭り、イベント情報を来店者に紹介する、ホタルイカとかシロエビ、ます寿し、富山湾鮨、寒ブリ、またメルヘンおやべとか、そういうことを来店者に紹介することによりまして、県内各地への周遊とか、また飲食店、宿泊施設の利用を促進しております。  また、アウトレットパークへの外国人旅行客の来訪を促進するために、海外の観光説明会や旅行博等においても、アウトレットパークを積極的にPRしておりまして、私自身も昨年10月にジャカルタで観光説明会を行った際には、直接現地の旅行会社等に対してアウトレットパーク北陸小矢部の魅力や、外国人旅行者、例えばムスリムの皆さんに礼拝する場所を確保してあるといったことも含めて、PRしてきたわけでございまして、アウトレットパークを組み込んだ広域モデルコースを、インドネシアとか東南アジアの方々にも、ツアーに組み込んでいただくように働きかけてまいりました。  また、国の観光庁におかれましても、外国人旅行者が観光や買い物を楽しんでいただけるようなモデルコースを全国で46コース発表されましたが、本県からの働きかけを受けて、アウトレットパークを組み入れた4つのコースが多言語で推奨されている。46コースのうち4コースですから、これはかなりの優遇だと思います。  北陸エリア初のアウトレットパーク、日本海側でも初めてですから、この雄大で美しい自然環境や食、伝統文化を素材とする本県の観光に、ショッピングという新しい魅力をもたらしたということかと思います。  これからも国の内外に大いにPRしまして、たくさんの方に来てもらう、同時に地元や県内にも周遊していただく、こういうふうになるように努力してまいります。 164 筱岡委員 確かにインバウンドがちょっとまだ弱いようでございまして、そのへん、またこれからも力を入れていかなければならないというところではないかと。  アウトレット絡みでもう1点、アウトレットパークに来店された方々には、地元の商店街でもお金を落としてほしい──知事も今少し言っていただきました──地元民の率直な思いだと感じるのですが、アウトレットパーク開業により、地元商店街を初めとする県西部の経済にどの程度の経済波及効果があったのか、大坪商工労働部長に伺います。 165 大坪商工労働部長 アウトレットパークは集客力が高く、雇用の規模が大きいことから、その開業が、観光振興や雇用の創出など、地域経済の活性化につながることが期待をされております。  アウトレットパーク周辺では、例えば、開業した7月から翌年3月末までのクロスランドタワーの利用者が、前年に比べ約4割増、道の駅メルヘンおやべの農産物売場の売り上げが、前年に比べ月平均で約5割増となったほか、県や小矢部市等でアウトレットパーク内に設置した観光案内所において、3月末までに約4万2,000人の利用があり、県西部を初めとした県内各地へ観光客を誘導しているところであります。  雇用につきましては、約1,500人の大きな雇用が創出され、小矢部市では、人口の社会動態増などの効果も見られたところであります。また、アウトレット周辺に総合スーパーや家族向け宿泊施設が新規出店する、あるいは予定されているなど、民間投資が活発になってきております。  一方、小矢部市の市街地につきましては、アウトレットの従業員などによります飲食店や宿泊施設の利用の増加や、空き店舗等への新規出店の増加が見られるところであります。  さらに、市や商工会等におきまして、アウトレットの来場者あるいは従業員を取り込むため、市内の店舗で使えるクーポン券のアウトレット内での配布や、おやべ・まちなか芸術祭、おやべフード&スイーツバルを初めとするイベントの開催など、さまざまな取り組みが行われております。今後、こうした取り組みの効果もあらわれてくることが期待されるところであります。  県では、こうした地元事業者の前向きな取り組みを支援し、地域の商業、経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。
    166 筱岡委員 最後に、いつもの義仲・巴で恐縮でございます。この誘致がなかなかうまくいかないものですから、「どうしたもんじゃろのう」という心境でございます。非常に知事を初め、県にも頑張っていただいているわけでございます。  今の真田丸は、割と視聴率がいいらしいですね。長野県の関係者は約11年間誘致活動をしたと聞いて、義仲も10年近くになると思いますから、そろそろ来てもいいのかなと思ったりしておりますが。  いつも申し上げていて、今回の予算でも、わずかとは言いませんが、予算づけもしていただいております。新たに人気脚本家に義仲・巴をテーマにしたエッセイを執筆していただき、NHKの関係団体が発行する全国誌に掲載する事業を実施していることであります。脚本家やプロデューサーなど大河ドラマの制作に携わる方々に対するアプローチという、今までにない切り口の誘致活動であります。大いにその効果を期待しているところであります。  まだ始まったばかりの事業ですので、気が早いのかもしれません。応援のエールの意味を込めて、この新たな誘致事業の現在までの進捗状況と今後の予定について、新田局長にお伺いします。 167 新田知事政策局長 NHKの大河ドラマ誘致でありますけれども、NHKに対して、平成21年から、これまで6回にわたってNHKの会長に要望を行ってまいりました。知事を初め桜井市長、山田参議院議員を初め、ほかに津幡町長さんとか、長野県、埼玉県の知事さん、大変強力な布陣で行ってきたわけであります。  加えて、交流促進であるとか、漫画本をつくってみたり、ゆかりの地を紹介するPR動画などの制作を初め、平成21年8月に発足しました「義仲・巴」広域連携推進会議の自治体とも連携を図りながらやってきているわけですが、今なお実現していないということであります。  そこで、新しい視点で何かできないかということで、NHKの関係者などからは脚本が大事だという貴重な御意見を多く伺ったこともございまして、今年度は大河ドラマ制作に携わる方々に対するアプローチを進めておりまして、具体的には、御紹介いただきましたけれども、人気脚本家にターゲットを絞り、義仲・巴をテーマにしたエッセイを執筆いただきまして、NHKの関連団体が発行する全国誌に掲載をすることで、NHK関係者に対して義仲・巴の魅力を違った形で積極的にPRしたいと。  この人気脚本家との調整状況ですが、人気、実績のある方ということで、どなたでもいいわけではないということで厳選して選んでいる関係で、そういう方は決まってお忙しいということでありまして、なかなか簡単には受諾していただけないという面がございます。複数の方と今最終調整中で、この場でお名前をなかなか言えないわけでありますが、一日も早く掲載に向けて手続を進めてまいりたいと考えております。  この掲載を機に、県内の皆さんはもとより、「義仲・巴」広域連携推進会議の自治体の皆さんとも一層の連携を図りながら、大河ドラマの誘致に向けて、これまで同様、粘り強く強力に努力してまいりたいと思います。 168 筱岡委員 局長、今当たっておられる名前はなかなか、もちろん言えないと思いますが、ぜひ期待しております。皆、ともに頑張りましょう。どうもありがとうございました。 169 五十嵐委員長 筱岡委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、6月17日の予算特別委員会は午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後4時11分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...