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  1. 富山県議会 2012-02-01
    平成24年2月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時01分開議 ◯議長(坂田光文君)ただいまから本日の会議を開きます。          報           告 2 ◯議長(坂田光文君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。  去る2月28日、知事から提案されました議案第26号及び議案第27号について、地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、2月29日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申し出がありましたので、御報告いたします。      ───────────────────                        富人委第 13 号                        平成24年2月29日  富山県議会議長  坂 田 光 文 殿                    富山県人事委員会                    委員長  大 坪   健          条例案に係る意見について  平成24年2月28日付け富県議会第2013号で意見を求められた下記条 例案のうち、議案第26号の条例案について、第3条は、一般職の職員 及び県費負担教職員の給与の減額措置について、引き続き継続しよう とするもので残念に思いますが、依然として厳しい財政状況が続くな かで、行財政改革等に積極的に取り組んできており、その一環として、 特例的に実施される措置であることから、やむを得ないものと考え、 また、その余の部分は、原案を適当と認めます。
     議案第27号の条例案については、原案を適当と認めます。                記 議案番号 第26号 件  名 知事等の給与の特例に関する条例等一部改正の件      (第1条中知事等の給与の特例に関する条例第3条第1項      の改正規定並びに第2条及び第3条の規定に係る部分) 議案番号 第27号 件  名 富山県一般職の職員等の特殊勤務手当等に関する条例一部      改正の件 3 ◯議長(坂田光文君)これより本日の日程に入ります。  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 4 ◯議長(坂田光文君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第1号から議案第65号まで、報告第1号及び報告第2号を議題といたします。  これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  五十嵐務君。    〔24番五十嵐 務君登壇〕 5 ◯24番(五十嵐 務君)おはようございます。  私は、自由民主党を代表いたしまして、本定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問をいたします。  質問に先立ち、一言申し上げます。  我が国に未曾有の大災害をもたらした東日本大震災から1年を迎えようとしております。改めて、犠牲となられました方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  ことしは雪の多い寒い日が続きましたが、先月、復興庁が発足し、ようやく春の訪れとともに被災地の復興のつち音が本格化するものと期待されます。  その一方で、我が国を取り巻く課題が一層深刻化しております。それは、貿易収支が31年ぶりに赤字転落し、経常黒字が43%減少した我が国の国際収支であり、50年後の人口が3分の2に減少し、その4割を高齢者が占めるとした将来人口推計であります。輸出で稼ぐ日本経済が岐路を迎える中、労働人口が半減する社会にどう向き合い、厳しい現実にどう対処していくのか、もはや先送りは許されません。  この正念場にあって、政府・与党の政治家の言葉が、かつてないほど軽く、むなしく響く状況は、まさに危機的であります。  野田総理は、既に破綻したマニフェストに固執し、最低保障年金など、さらに巨額の予算をばらまき、膨大な負担を強いるのか、それらを全面的に撤回し一から出直すのか、この大もとの決断を行い、国民に信を問わなければなりません。  消費税増税が当面の財政再建につながるとしても、何をなすために負担に耐え、身を切らねばならないのか、国の方針があやふやなままで、不安を希望に変えることはできません。  日本には、幾多の困難を乗り越えてきた豊かな潜在力があります。一日も早く、この国の進路を選択し、覚悟を持って先に進まなければなりません。  我が自由民主党は、「地域」を原点に、住民一人一人がその自助自立の精神を最大限に発揮できる社会の実現こそが我が国の輝かしい未来を切り開くとかたく信じ、県民の皆様の期待と信頼にこたえ、全力で取り組んでまいることをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。  初めに、行財政運営について伺います。  まずは、これまでの県政運営の評価であります。  平成20年11月にスタートした石井県政の2期目も、いよいよ仕上げの時期を迎えております。石井知事はこの間、自身のマニフェストを実現すべく、元気とやま創造計画を基本指針に諸課題に取り組み、社会資本整備や新たな成長産業の創造など、さまざまな施策が実を結びつつあります。  しかし、東日本大震災を契機に重要性が高まっている県民の安全・安心の実現や、人口減少が進む中での本県の活性化、道半ばの財政再建など、課題はまだまだ山積しております。  県政の車の両輪である県議会と十分な議論を戦わせながら、共通の問題意識を持ち、二人三脚で課題解決に当たっていくことが一層重要であり、自民党議員会は責任政党として、知事とともに諸課題に全力で取り組む決意であります。  そこで、石井県政2期目のこれまでを振り返って、マニフェストに盛り込んだ施策や総合計画に掲げる政策目標の進捗状況を含め、みずからの評価や手ごたえはどうか。また、残された任期の中で県政運営にどのような姿勢で取り組むのか、知事に伺います。  次に、新たな総合計画の策定について伺います。  このほど、県民の幸福度の指標を計画に盛り込むことが総合計画審議会の部会で提案されました。大震災の発生等を契機に、経済的な発展一辺倒でない生き方や社会のありようが問われる中、住民一人一人が感じる多様な幸せの物差しを、政策立案や事業の優先順位の判断に生かしていくことは意義があると考えます。  その一方で、総合計画は、さまざまな価値観に目配りしながらも、県民が一体となって本県の発展に取り組む指針として、目指す大きな方向性は県民が共有しなければならず、この両立をどのように図っていくのか。また、計画の検討着手後に発生した未曾有の大震災からの教訓なども踏まえ、自民党議員会が行った要望や提言を初め、さまざまな意見を検討する上でも、十分時間をかけた議論が求められます。  そこで、多様な幸福感を尊重しつつ、すべての県民が一体となって県づくりに取り組む計画となるよう、どのような議論が行われているのか、今後の計画策定の見通しを含めて、知事に伺います。  さて、知事の2期目の任期の最終年度となる来年度の当初予算案は、一般行政経費の2割削減や県債発行の抑制といった財政健全化への努力を重ねる一方、新総合計画を先導する戦略的な事業をシーリングの対象外とするなど、めり張りをつけようとする工夫が感じられます。  道路や橋梁の整備、施設の耐震化等を進める主要県単独事業については、自民党議員会の要望も踏まえ、前倒しで実施する除雪対策なども加えて、今年度並みに確保されたほか、引き続き駐在所や信号機の整備も進められることとなりました。  また、中小企業を支援する制度融資の延長、日本海側総合的拠点港に選定された伏木富山港の機能強化、小水力やマイクロ水力発電の推進、ため池の緊急点検や稲わらの確保等の具体策も含めた震災、原子力災害対策など、全体として本県の活力、未来、安心の実現にバランスよく目配りした予算案であると評価します。  一方、自公政権により造成された各種基金事業は、3年を経過する中で底をついてきており、今後も延長や積み増しを国に要望するとともに、県単独でもしっかり対応していかなければなりません。また、厳しい財政状況にあって、国内外の経済情勢の先行きとともに、県税収入を初めとする来年度の歳入の見通しも不透明であり、財源の安定確保にこれまで以上に取り組む必要があります。  そこで、新たな総合計画の策定が進む中、知事の2期目の任期最終年度の予算をどのような方針で編成したのか。また、県税収入を初めとする来年度の歳入の見通しも含め、今後、税財源の安定確保にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。  次に、社会保障と税の一体改革について伺います。  政府はこのほど、社会保障と税の一体改革大綱を閣議決定し、子育てや年金、医療、介護など多岐にわたる制度改正を打ち出しました。消費税増税等税制抜本改革においては、社会保障制度に果たす地方の大きな役割を踏まえ、全国知事会での石井知事の尽力もあって、消費税引き上げ分の一定割合が地方に配分されることとなりました。  しかし、高額療養費の見直しや幼保一体化等、重要課題の議論が迷走し、与党内で消費税増税の賛否が分かれるなど、持続可能な社会保障制度がしっかり構築できるのか、疑問を持たざるを得ません。また、この一体改革は県民生活や県の行財政運営に大きな影響をもたらすものであり、県としても議論の動向を注視し、十分な対策を検討しておく必要があります。  そこで、今回閣議決定された社会保障と税の一体改革大綱や、政府・民主党の取り組みについて、率直にどのように評価しているのか、今後の地方行財政への影響も含めて、知事の所見をお伺いします。  さて、富山県立大学の地方独立行政法人化の適否などを協議してきた検討委員会の提言を受け、知事は県立大学を早期に法人へ移行させる方針を表明されました。少子化が進行する中、大学が将来にわたって選ばれ続けるためには、教育や研究、地域貢献などに一層の大きな役割を果たしていくことが求められております。  大学の法人化は、こうした要請にこたえ、自立的な判断による弾力的な予算執行や組織管理、財務状況の公表等による透明性の高い運営等が可能になるとして、これまで全国の7割を超える公立大学が移行を果たしております。  県立大学は、生物工学科の浅野教授の研究が国内最大級の事業に採択されるなど、外部資金の獲得が大幅に増加しているほか、ほぼ100%の就職率も維持しており、現在の体制でも着実な成果を上げてきております。今後は、法人化が県立大学のさらなる飛躍につながるものとなるよう、既に法人に移行した各大学の課題等をよく調査し、費用対効果といった行革の観点だけで割り切れない教育の特質も十分に考慮しながら、県議会の場でもしっかり議論していくべきと考えます。  そこで、県立大学の地方独立行政法人化について、移行時期も含めて今後どのように対応していくのか、知事に伺います。  次に、防災や原子力発電エネルギー対策について伺います。  まずは、来月開設される広域消防防災センターについてであります。  全国一の高さの訓練塔や潜水専用プール、富山の四季ごとの災害体験が可能な学習施設等を生かした教育訓練の実施など、センターにはこれまでにない特徴を持った防災拠点として大きな期待を抱くものであります。特に、東日本大震災の最前線で多くの尊い命が奪われた消防職員、消防団員の安全確保、技能向上に資するものでなければなりません。また、学校や地域の自主防災組織、町内会など、広く一般県民に対する研修の場としても活用することが求められます。  本県は、これまで失火率が20年連続で全国最小の記録を達成しております。安全・安心な富山県を全国にアピールする上でも、できるだけ長くこの記録を続ける必要があります。このセンターを中心に本県全体の防災力をさらに高め、しっかりと取り組んでいかなければなりません。  そこで、新たに開設される広域消防防災センターを、県民の安全・安心を守る拠点としてどのように活用していくのか。特に消防署員、団員の安全確保を図る観点から、教育訓練内容の充実を図っていく必要があると考えますが、知事に所見を求めます。  次に、自主防災組織の機能強化について伺います。  町内単位等で構成される自主防災組織は、子供や高齢者、障害のある方など、さまざまな住民が地域で助け合いながら防災力を高めていく上で大きな役割を果たしております。県ではこれまで、アドバイザー制度や必要な資機材整備への補助等を通じ、結成率の向上を図っております。  しかし、大規模な津波や原子力災害を考えると、町内単位の組織では対応は困難であり、より広域的な組織として一体的な防災訓練を実施するなど、結成率の向上に加え、その機能強化にも力を入れていかなければなりません。また、その際は、ハザードマップの整備等を進めている市町村との連携を強化し、役割を分担して取り組むことが肝要であります。  そこで、地域の防災力向上に重要な自主防災組織について、広域的な体制整備などの機能強化にどのように取り組むのか、その現状と課題を含めて、吉田知事政策局長に伺います。  次に、原子力災害対策について伺います。  このほど、県の防災会議の関係部会において、原子力災害対策を重点的に実施する地域を、氷見市の一部を含む北陸電力志賀原発から半径30キロ圏に拡大し、緊急防護措置区域(UPZ)とすることが了承されました。今後は、県民がいたずらに不安を感じることのないよう、丁寧な説明を行いながら、放射性物質の検査、被曝に備えた医療体制の整備、汚染食料品の出荷制限など、具体的な対策を進めていかなければなりません。  また国は、原発への立入検査や防災計画の事前協議を行う権限を持つ隣接都道府県の範囲について、原発周辺の30キロ圏に拡大する方向で検討しているとの報道がなされております。さらに先週、県は氷見市と共同で、北陸電力に対し、原子力安全協定の締結を申し入れました。いずれも、県民の安全・安心の確保に直結する重要な取り組みであり、石川県の関係自治体も含めた十分な連携や協議が、より重要となってきます。  そこで、志賀原発から30キロ圏に拡大されたUPZや、原発に対する本県の権限拡大の動きを受けて、石川県との連携も含め、今後具体的にどのような原子力災害対策を進めていくのか。また、安全協定については、立地県と同等の安全が確保されることが最も重要だと考えますが、協定の締結に向け、今後、北陸電力との協議をどのように進めていくのか、その見通しもあわせて知事に伺います。  次に、今後の電力需給とエネルギー対策について伺います。  大震災以降、原子力発電所の運転停止が長期化し、中東情勢の緊迫化なども相まって、我が国のエネルギーの安定確保への懸念が広がっております。電力需給が今後ますます逼迫すれば、住民生活はもとより、企業の生産活動、医療、福祉の現場にも多大な影響を及ぼすことは必至であります。  この問題の根幹は、国が原発の安全基準や再稼働に場当たり的に対応していることにあります。国は、早急にエネルギー政策の確固とした方向性を示すとともに、想定されるあらゆる防災対策を行い、安全性が確認された原発については、地域住民の十分な理解を得た上で再稼働していくことが求められます。  また、節電などの省エネルギー対策についても、引き続き県が先頭に立ち、家庭や企業と一体となって進めなければなりません。  さらに、大震災を契機に、再生可能エネルギーの導入、活用に向けた機運が高まっています。本県では、豊かな水資源を活用した小水力、マイクロ水力発電の整備や太陽光発電に対する支援に積極的に取り組んでおりますが、引き続き長期的な視野に立って、多様なエネルギー源の安定的な確保を図っていく必要があります。  そこで、全国の多くの原発が停止する中、本県における今後の電力需給の見通しはどうか。また、省エネルギー対策再生可能エネルギーの導入、活用にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  次に、基盤整備と地域活性化について伺います。  政府は昨年末、北陸新幹線の金沢-敦賀間など未着工となっていた整備新幹線の建設に着手する方針をようやく決定しました。これまで長年にわたり建設促進の取り組みを続けてきた沿線関係県や議会、経済団体等の活動が実を結んだものであります。また、かねてから懸念されていた既着工区間の建設費の増加についても、沿線県の要請にこたえ、先月、地元負担の軽減策が示されたところであります。こうした確かな成果を糧に、全線整備に向けた取り組みをさらに進めていかなければなりません。  しかし、その一方で、整備財源の関係で新規着工区間の工期が大きく延長され、また、敦賀以西にフリーゲージトレインを導入する動きも出てきております。  北陸新幹線は、東海道新幹線の代替補完機能を有し、国土のリスク分散を図る国家プロジェクトであります。今後とも、北陸はもとより、関西の関係県や経済団体とも連携して、大阪までの一日も早い整備の必要性を広く訴えていかなければなりません。  そこで、今回ようやく国が北陸新幹線の敦賀までの着工認可方針を示したことをどのように受けとめているのか。また、大阪までの早期の全線整備に向けて、今後どのような方針で取り組んでいくのか、フリーゲージトレインの導入を国が検討していることも含めて、知事に所見を伺います。  さて、昨年11月定例会で、並行在来線の持続可能な安定経営の実現に向けた決議が全会一致で可決されるとともに、県内のほとんどの市町村議会でも同様の決議、意見書が可決されました。北陸新幹線の開業を3年後に控え、並行在来線の存続に向けて、しっかりとしたスケジュールのもと、当面する諸課題に着実に取り組んでいく必要があります。  そこでまず、JR西日本との交渉について伺います。  県議会では、昨年末、議長を初め各会派代表者がJR本社を訪れ、県民の総意として、鉄道資産の無償譲渡や特急の乗り入れも含め、並行在来線への支援を強く要請したところであります。JRは、資産譲渡のみならず、時間を要する要員の確保育成や新型車両の導入等への支援も含め、いまだ確定したものはなく、今後協議を進めたいとの説明に終始し、開業が迫る中、必要かつ十分な支援を引き出せるのか、まさにこれからが交渉の正念場であると考えます。  そこで、正念場を迎えるJRとの交渉に、どのようなスケジュールを想定し、どのような方針で臨んでいくのか、決意を含めて知事に伺います。  次に、並行在来線の経営計画について伺います。  さきの並行在来線対策協議会において、第1次の経営計画概要が承認され、5月ごろには準備会社の発起人が選定されることとなりました。自民党議員会では、昨年11月、並行在来線対策の推進について知事に提言を行い、初期投資、収支、運賃の見通しも含め、経営計画の県民への早期かつ丁寧な説明に努めることや、運営会社を早期に設立し、民間の経営感覚で運営体制を整備することを求めたところであります。  そこで、ダイヤとともに県民の関心が高い運賃水準について、どのように議論を進めるのか。また、準備会社への民間の経営感覚の導入や県との役割分担についてどのように考えているのか、知事に伺います。  さて、並行在来線の安定経営の確保には、少子高齢化による利用者減を抑えることが不可欠でありますが、とりわけ新駅の設置は、先行県でも利用促進に効果を上げている有効な対策であると考えます。今後、新駅の設置に向けて、駅周辺の整備やまちづくりとの連携、利用見込みの調査など、具体的な候補地を想定したさまざまな検討を進めなければなりません。  県の新駅設置可能性調査において、県内の幾つかのモデルとなる事例について、採算面も含めた調査結果が示されることにより、沿線市町村の取り組みも促進されると期待されます。  そこで、現在進められている新駅設置可能性調査で、モデル事例に選定する場所は決定しているのか。また、調査結果をどのように活用していくのか。今後のスケジュールも含めて知事に伺います。  次に、伏木富山港の整備促進等について伺います。  先ごろ、日本海側総合的拠点港に選定された伏木富山港は、経済や観光、国際交流の振興を目指す本県の重要な拠点であり、日本海側の海の玄関口として、その機能を一層強化する必要があります。今後、取扱貨物量のさらなる増加や定期航路の拡充を図るため、国からの十分な支援を引き出し、港湾施設のみならず、周辺の道路や貨物鉄道等の整備も進めていかなければなりません。  また、小樽港や京都舞鶴港と連携したクルーズ客船の活用は、新たな観光客を掘り起こす起爆剤になるものであり、立山・黒部や五箇山などの既存の観光地との相乗効果も図り、積極的に取り組むべきと考えます。  そこで、日本海側総合的拠点港への選定を生かし、伏木富山港の一層の機能強化をどのように図っていくのか。外航クルーズを本県の観光振興につなげるなど、ソフト面での取り組みも含めて知事に伺います。  さて、このたび富山と台北を結ぶ定期便の4月からの就航が決定しました。これまで地道にチャーター便の運航を続けてきた民間会社の企業活動や、日台友好議員連盟自民党議員会の路線開設に向けた働きかけも含めた官民のさまざまな取り組みが、オープンスカイ協定の合意を追い風に実を結んだものであり、我々としても大変喜ばしく感じております。  台湾からの観光客は、本県を訪れる外国人の多くを占める、いわばお得意様であり、この定期路線を本県への誘客に最大限活用し、大事に育てていかなければなりません。  その一方で、デイリー運航が実現した大連・北京便が搭乗率の低下により週2便が欠航しているほか、本県とロシア沿海地方が友好提携20周年を迎える中、ウラジオストク便も運休となっているなど、残念な事態も生じております。上海便やソウル便も含めて、運航を安定的に維持していくためには、隣接県とも連携し、四季折々の多様な観光資源をアピールするとともに、ビジネスや文化面での人的な交流も進め、年間を通じた誘客に地道に取り組むことが重要と考えます。  そこで、観光を初めとする本県の経済振興に欠かせない国際航空路線の充実強化に向け、課題をどのように分析し、どのように取り組んでいくのか、隣接県との連携も含めて、知事政策局長にお伺いいたします。  次に、産業の振興と景気・雇用対策について伺います。  まずは、持続可能な力強い農業の実現についてであります。  本県農業の基幹である水田農業は、担い手の著しい高齢化や後継者不足を背景に、その将来が危ぶまれる事態となっており、これまで本県の水田農業を支えてきた集落営農組織においても、若い世代の働き手の確保が大きな課題となっております。将来への展望を持ち、いわばプロとして経営に取り組む、意欲ある担い手に農地を集積するとともに、若者が農業に参入し、就農を継続できる環境を整え、世代交代を促すなど、農業の体質強化を早急に図らなければなりません。  国の来年度予算案に盛り込まれた農地の提供を促す協力金制度や、戸別所得補償制度における規模拡大加算、新規就農者支援対策などを最大限活用し、一層積極的な対策を講ずべきであります。  そこで、本県農業の体質強化に向けて、農地のさらなる集積にどのように取り組んでいくのか。また、本県の水田農業を支えてきた集落営農組織の高齢化対策や若手農業者の定着促進をどのように進めていくのか、寺井農林水産部長に伺います。  次に、本県経済の現状と中小企業支援等について伺います。
     我が国や世界経済の低迷、電力供給の制約などを背景に、持ち直しが期待される本県の景気も、その先行きが懸念されます。とりわけ、本県経済を支える中小企業の経営環境は、大震災やタイの洪水被害、円高やデフレ、ヨーロッパの金融不安などで大変厳しいものとなっており、引き続き経営相談や金融支援等の対策を進める必要があります。  一方、昨年の11月定例会において、知事は我が党の代表質問に答え、中小企業振興条例の制定を検討することを表明されました。条例はあくまで制定自体が目的ではなく、県内事業者の受注機会の拡大や地場産品の積極的な活用等に結びつく、実効性のある内容でなければなりません。また、条例制定を機に、従来の中小企業支援策を再検証し、制度融資の貸付要件をより経営実態に即したものに見直すなど、内容の改善を図っていくことも必要であると考えます。  そこで、県内経済の現状をどのように認識し、中小企業支援にどう取り組んでいくのか、荒木商工労働部長に伺います。  また、中小企業振興条例については、具体的な施策につながる実効性の伴ったものを早急に制定すべきと考えますが、どのような内容で検討しているのか、制定の時期も含めて知事に伺います。  さて、長引く不況や公共工事の大幅な減少の中、県内建設業を取り巻く状況は引き続き厳しいものとなっております。極端な低入札は公共工事の品質の低下を招くおそれがあり、品質確保を図る上からも、過度な競争に歯止めをかけるため、さらなる対策が必要であろうと考えます。  昨年11月定例会で、我が党所属議員からの質問に対しては、他の自治体で実施されている入札参加制限等の措置も検討し、よりよい制度となるよう努める旨、答弁がなされました。  そこで、これまでの検討結果を踏まえ、今後、低入札対策の強化にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  一方、工事を支える作業員等の労務単価は、この15年間で約3割も減少しており、若年層の建設業離れを助長している一因とも指摘されております。工事の予定価格は、技能等に見合った労務単価や、市場の実勢を反映した資材単価に基づき、適正に設定されなければなりません。特に、大震災関連工事の増加を背景に、必要な人材や建設資材の不足による価格の上昇が指摘されている中でもあり、市況の的確な把握に一層留意する必要があります。  また、公共工事が秋以降の下半期に集中する傾向にあり、工事時期の偏りが建設業者の経営や作業従事者の雇用の安定に大きな影響を与えるとともに、交通渋滞や事故を誘発する要因ともなっております。工事発注に当たっては、補正予算の編成、工事の箇所づけや設計等の一層の迅速化により、年間を通じて切れ目なく受注機会が確保されるよう努めるべきであります。  そこで、公共工事の品質確保や建設業者の経営安定に向け、適正な労務、資材単価を反映した予定価格の設定や、工事発注の早期化、平準化にどのように取り組むのか、牧田土木部長にお伺いいたします。  次に、安全・安心な暮らしの実現等について伺います。  まずは、在宅介護の取り組みの強化についてであります。  介護保険制度の改正により、新年度から新たに24時間対応の訪問サービス制度が導入されることとなりました。介護が必要となっても住みなれた地域で生活を続けたいという在宅ケアサービスへのニーズが高まる中、その意義は大きいものがあります。しかし、この新たな制度は、訪問の回数にかかわらず、1カ月単位の定額制となっており、サービスの質を落とさず、事業主体の採算性が確保されるのか懸念が残ります。  また、何といっても人材の確保が大きな課題であります。現在でもヘルパーや看護師などの人材不足が続いており、24時間サービスに対応した体制の構築は大変難しいと考えます。過重な勤務と低賃金が多くの離職を招いており、根本的な問題の解決にはさらなる対策が必要であります。  こうした中で導入される24時間対応の介護サービスについて、本県での需要や実施予定の事業所の状況をどのように見込んでいるのか。また、在宅介護サービスの一層の充実強化に向け、介護職の人材確保や処遇改善にどのように取り組んでいくのか、飯田厚生部長にお伺いいたします。  次に、震災瓦れきの受け入れについて伺います。  いまだ被災地では、震災で発生した大量の瓦れきの処理が進んでおらず、復興の大きな妨げとなっております。本県としても、復興支援の取り組みとして、安全性を十分に確保し、地域住民や市町村の理解を得た上で、可能な範囲で瓦れきを受け入れていくべきと考えます。  しかし、全国的に瓦れきの受け入れを表明した自治体では、放射性物質への不安から住民に反対の声が強く、対応に苦慮しているケースが多くなっております。  まずは国が早急に、瓦れきの焼却や埋め立て等の処理に関する明確な安全基準を示し、地域住民の不安や懸念を払拭する取り組みを進めるべきであります。また、県内での受け入れへの大きな方向性について、県も前面に立って、国や市町村、広域圏事務組合と協議を進めるとともに、先月開催された研修会等を契機として、課題の把握や情報共有を図っていく必要があります。  そこで、震災瓦れきの受け入れに対する考え方と今後の取り組みについて、これまでの国や市町村との協議の状況等も含めて、五十嵐生活環境文化部長に伺います。  さて、昨年8月に富山県暴力団排除条例が施行され、本県においても県民や事業者に対し、暴力団排除の施策への協力が求められております。そうした中、他県では暴力団からの報復と見られる銃撃事件が発生するなど、市民生活が脅威にさらされる事例が出ております。  条例の理念の実現には、言うまでもなく、県民や事業者の安全を確実に守る体制が不可欠であり、警察には一層の取り組みの強化を図って、暴力団排除の機運を高めることが求められております。  そこで、暴力団排除条例の施行から7カ月が経過する中で、県内でのこれまでの暴力団に関する条例の適用等の状況や、条例運用上の課題をどう分析しているのか。また、県民等への保護支援の取り組みをどのように進めるのか、萓嶋警察本部長にお伺いしたいと思います。  次に、あすを開く人づくりについて伺います。  初めは、高等特別支援学校の整備についてであります。  大沢野工業高校と二上工業高校の施設を活用し、軽度の知的障害のある生徒の就労支援を目的とした、北陸3県で初の高等特別支援学校の設立が計画されております。検討会の最終報告では、この春、両校の在校生が卒業した後に施設の整備に着手するとされており、今年度の2月補正予算案で工事等が前倒しで盛り込まれたことを評価するものであります。  今後は、生徒の学習や勤労意欲に十分にこたえられるよう、ハード面の整備とともに、きめ細かな職業訓練や、関係機関と連携した就労支援体制の構築等に向けた準備も進め、学校全体の姿が早く具体的なものとなるよう着実に取り組んでいくべきと考えます。  そこで、高等特別支援学校のハード、ソフト両面での整備をどのように進めていくのか、そのスケジュールも含めて、知事にお伺いいたします。  さて、県では、スポーツ競技のレベルアップを図るため、野球、サッカー、駅伝を重点強化種目に指定し、著名な指導者をアドバイザーに委嘱して、巡回指導や研修会を実施しております。今年度、夏の甲子園大会、冬の全国高校サッカー選手権大会で、新湊高校、富山南高校がいずれも初戦突破を果たし、さい先よいスタートとなりました。経験豊かな指導者による一貫した指導体制が競技力強化の一つのかぎとなることを物語っており、5年後を目途にベスト8入りとの目標の達成に向けて期待が大きく膨らみます。  また、ことしはロンドンオリンピックが開催されますが、本県出身者の活躍が県民に夢と希望を与えてくれるものと確信しております。  そこで、スポーツが県民に感動をもたらし、元気とやまを後押しする源となるよう、さらなる競技力の向上を図っていくべきと考えます。今年度の取り組みへの評価と今後の対応について、寺林教育長にお伺いいたします。  以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 6 ◯議長(坂田光文君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 7 ◯知事(石井隆一君)自由民主党を代表されましての五十嵐議員の御質問にお答えをいたします。16項目に及ぶ御質問をいただきましたので、なるべく簡潔にしたいと思いますが、若干長くなることを御容赦いただきたいと思います。  まず、マニフェスト等の進捗と、残された任期における県政運営の姿勢についての御質問にお答えいたします。  私は、これまで2度の知事選挙で、それぞれマニフェストを掲げまして、一貫して、県民の皆さん一人一人が輝いて生きられる元気な富山県をつくることを目標にしまして、「活力」「未来」「安心」の3つの政策を柱として、各施策の推進に全力を尽くしてまいりました。その結果については、やっぱりこれは県民の皆さんに判断していただくべきことでございますけれども、私の感じとしては、県政はおおむね着実に進展してきているのかなと思っております。  例えば「活力」の分野では、経済・雇用対策を初め、医薬品産業が大変躍進してきたとか、日本の地方の中では企業立地が相当進んでいる県であるとか、また北陸新幹線、伏木富山港、また富山空港の国際化等々でもそれなりの成果が出てきたかと思っております。  また「未来」の分野でも、病児・病後児保育、延長保育の充実とか子育て支援、また少人数教育等の学校教育、あるいは若者のU・Iターン、大都市への流出も、18年3月ごろに比べますと、この5年間で約600人ぐらい減っていることにもなります。  また「安心」の分野では、医師、看護師の確保ですとか、特にこの数年来、NICUとかMFICU、周産期医療体制のことが皆さん御心配でしたが、中央病院でも整って全国トップクラスになってきましたし、また富山型デイサービス、地球温暖化対策の一環としてのレジ袋の無料配布の廃止──これも全国で最初に始めたものでありますし、また、安全・安心な暮らしといったようなことについてもそれなりの成果があったかと思います。  また、こうした政策を支える重要な政策として人づくりを位置づけまして、例えば、科学オリンピックなどを数年来準備して開催して、さまざまな可能性を持っている子供たちのそういう能力というものを引き出して伸ばしてあげる、そういった面での充実とか、あるいは、起業未来塾、観光未来創造塾とかいったようなことで、夢や志、情熱を持って取り組む人材の育成に取り組んでまいりました。  また、財政再建、行革、あるいは東京に集中しがちな税収の地方への再配分、新幹線の地方負担の軽減等に努めてまいりました。  残された任期につきましては、ことしの11月の初めまででございますが、2期目の仕上げとして、山積する本県の重要課題に一つ一つ全力で取り組んでまいりたいと思います。  幸い、県政につきましては、何といっても県議会の議員各位の御理解、御協力もいただいて、さまざまな分野の政策が芽を出し、花を開き、実を結びつつあるようにも思っております。新年度、新しい総合計画のスタートの年でもありますので、本県の一層の飛躍、また県民の皆さんの幸せの充実のために精いっぱい努力してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、新総合計画の策定に関する御質問にお答えをいたします。  私は、かねてから、県政の最終的な目標は県民の皆さんの幸せの充実でありまして、その環境整備を図るということが県政の使命だと考えておりまして、先ほど申し上げたように、一人一人の県民の皆さんが輝いて生きられる元気なとやまということを掲げて進めてまいりました。  一方、近年、国内外において幸福度に関する関心が高まっております。ブータンの国王がいらしたということもございますが、政府や自治体でも、幸福度に関する指標を設定して政策に反映させる動きが活発化しております。また、昨年11月には、御承知のとおり、法政大学大学院の政策研究チームが発表しまして、幸福度ランキングで富山県は全国で2番目だといったような御評価もいただきました。こうしたこともありまして、本県としても、幸福度に関する指標によって改めて県政を検証しまして、各般の政策を効果的に展開していくことが必要ではないかと考えたところであります。  そこで、先般、総合計画審議会の4つの部会では、県民の幸福度をはかるための一つの尺度として、本県独自の幸福度に関する指標を設定する。法政大学大学院では40の指標でしたが、やはりちょっと不十分な面もありますので、150程度の指標を設定。そのうち全国比較できるものは75の指標、また、今後調査する主観的な指標は5指標といったようなことで議論をしていただきました。また、こうしたことで、政策に全国の比較などを通じて反映させていく。また、今を生きる私たちだけではなくて、将来の世代の幸福度を高める視点も大切にしながら、成果重視、幸福度重視の実効性ある取り組みを進めることなどについて議論をいただいております。  もとより、県民の皆さん一人一人の幸せは、それぞれの方の価値観や生き方にかかわる主観的なものでありまして、個人の幸福感を高めるために県の行政としてできることにはもちろん限界がありますけれども、目指すべき将来像を県民の皆さんと共有して、その目標の実現に向けて、幸福度に関する指標も参考としながら県づくりを進めていくことは、一定の意義がある大事なことだと思っております。  今後、県議会での御議論も踏まえまして、最終的な検討を重ね、この春に審議会の答申を受けて計画を取りまとめたいと考えております。この新しい計画に基づいて、県民の皆さん一人一人が将来の夢や希望を持って、生きがいとか働きがいとか、そういった幸せを実感しながら生き生きと働き暮らせる元気な富山県、これを県民の皆さんと一体となってしっかりとつくり上げていきたい、こういうふうに思っております。  次に、新年度の予算編成方針についてお答えをいたします。  7年余り前に知事に就任させていただきました直後には、本県財政は非常に厳しい状態で、約400億円の財源不足があったということと、もう1つは、新幹線の整備が本格化する、それに伴う地方負担も約2,000億円に達する、それを超えるというふうに見込まれたわけです。そこで、財政再建、行革を何としてもしなきゃいかん。そのためには、やはり県庁がみずから自分の身を削る必要があると考えまして、職員数の削減や職員給与の臨時的減額、また公の施設や外郭団体の廃止、改革などを、これはどうしてもやり遂げなきゃならんということで、スピード感を持って取り組んでまいりました。その結果、例えば一般行政部門の人件費は22.6%、年で約68億円の削減となる見込みであります。これは平成16年度と23年度の比較でありますが。  あわせて、地域間の税源偏在の是正とか地方交付税の復元などについても、歴代の総理や国土交通大臣、総務大臣にも強くお願いをし、働きかけて、例えば新幹線に係る地方交付税措置の拡充。これは累計で約300億円ぐらいになります。また、貸付料の活用による負担軽減。これは先般発表しましたが、地方負担で4年間で約200億円の軽減。また、並行在来線への貨物調整金を倍増してもらう。これは昨年の秋決まりました。また、暫定的な措置でありますけれども、地方法人特別税というものをつくってもらって、また譲与税をつくって、東京に集まり過ぎの税収を再配分するなど、一定の成果を上げることができました。  こうしたことの結果、ことしの予算編成段階では、何とか財源不足を約65億円まで縮小することができました。  今回の予算編成に当たっては、24年度が新しい総合計画の初年度でありますので、もちろん財政再建にも留意しておりますけれども、めり張りのついた予算としたいということで、計画の中でも特に戦略的な事業については積極的に予算要求できる特別枠を設けまして、本県の発展のための5つの重点戦略、また、重要政策である人づくりに位置づける見込みの事業について、特に予算を優先配分いたしました。  一般会計予算は、ちょっと見た目には総額で1.8%減となりますけれども、実際には、新幹線の地方負担が減っているとか、国の基金事業の減ということがございますので、前向きの政策経費を取りますと2.7%増で、平成19年から6年連続の増額となる積極的な予算を確保したところであります。何とか元気な、また、元気・安心予算という形になったのではないかと思います。  これからの県財政を考えますと、社会保障関係費が毎年、やはり高齢化等に伴って増加しますし、過去の借金の返済金あるいは退職手当もまだまだ高い水準で推移しますけれども、また収入のほうも、御承知のように国の政策がちょっと不安定でありますから心もとない点もありますが、今後とも県みずから行革をしっかりやる、また、地方の自立と地域間格差の是正のための地方税財政制度の改革等を、これは全国知事会等とも連携して国にしっかり働きかける。そして、財政の再建と元気な富山県の創造、これをしっかりなし遂げたいと思います。  次に、社会保障と税の一体改革についての御質問にお答えをいたします。  社会保障・税一体改革の議論は、当初、地方の役割とか、その財源確保の視点がほとんどなくて、かなり意図的なものを感じたのですが、年金、介護、高齢者医療といった、国の消費税額が足りないという点に専ら焦点を当てた、そして税率引き上げを中心に議論しているような印象が強うございました。  そこで、これではいけないということで、富山県知事としてはもちろんですけれども、全国知事会の地方税財政特別委員長なども務めさせていただいていますので、当時の菅総理大臣や片山総務大臣に対して、もっと社会保障制度全体を見据えた議論をしっかりまずやってほしいと。また、そのためにも地方の意見にもっと十分耳を傾けてもらいたいということを申し上げました。その結果、昨年6月末にまとめられた社会保障・税一体改革成案は、地方の意見が一定程度反映されたものになりました。  しかし、その後、成案に沿って、安定財源確保の対象となる地方単独事業の範囲について議論が行われまして、その過程では、引き上げ分の対象となる地方単独事業は400億円程度しかないといったような議論もありましたけれども、この点については、全国知事会の席上で野田総理大臣に私からも直接申し上げましたし、また山田会長等々、みんなで力を合わせてお話をして、最終的には、地方の役割を評価した上で、仮に消費税率を5%引き上げる際には、地方分として1.54%分を確保するという内容の社会保障・税一体改革大綱が2月17日に閣議決定されました。当初の議論に比べると、地方の意見が相当程度反映されておりますので、その点は評価したいと思います。  ただ、社会保障と税の一体改革の議論は、さっきも申し上げましたが、ともすると消費税の引き上げのことばかりに焦点が当てられまして、議員の御指摘のように社会保障制度を今後どのように維持して拡充していくのか、国民の皆さんの暮らしの安心をどうやって確保していくのかという、その全体像が必ずしも明らかにされていない。また、国民の皆さんに十分な説明がなされていない点については大変残念に感じておりまして、国において、これはもっともっと真摯な取り組みを求めたいと思っております。  また、実際に消費税なり地方消費税の引き上げを含む税制抜本改革をやるということになれば、やはり国自身を含めた行政改革の断行が前提でありますし、また、経済に与える影響に十分留意して、実効性のある経済成長戦略を実施してもらいたいと、こういうふうに思っております。  これからもこの問題にしっかり取り組んでいきますが、もう1つ言いますと、地方全体として社会保障財源を確保する道筋は示されたんですが、個々の団体ごとに見ますと、例えば東京都さんなど税源が多いところは非常に税収が増える、しかし、そうでない地方も結構多いわけですから、そうしたアンバランスが生じないようにしっかりと議論したい。そのことは、先般も知事会の地方税財政特別委員会を2月24日に開きまして議論をしたところでありまして、いろいろ自治体ごとの利害もある問題ですけれども、しっかり努力してまとめてまいりたいと思います。  次に、県立大学の法人化についての御質問にお答えをいたします。  県立大学はおかげさまで着実に成果を上げているんですけれども、お話のように検討委員会からの御提言、先月10日にありました。ここで、大学を取り巻く環境として、お話にありました「浅野酵素活性分子プロジェクト」が採択されたERATOなど国の大型資金事業では、法人化した大学のほうがこうした資金を弾力的に使いやすい制度になっている。また、大学に対する国の財政支援が従来の運営費交付金から競争的な研究費に重点が移るようになっている。これまで以上に研究費を獲得しやすい運営体制づくりが必要だと。  また、法人化しますと、柔軟な予算の執行、多様な人材の確保などを通じて競争力の向上が図られる。また、議会の議決を経て策定される中期目標に沿った計画的な大学運営や企業会計の導入などを通じまして、透明性の向上が図られるなどのメリットがある。  また、かねて懸念してましたのは、法人化しますと、その際に財務会計等のシステム開発費について大変多額の金がかかると、こういったようなことも心配してたわけですけれども、その後汎用ソフトなどが普及してまいりまして、以前検討したときよりも相当安い値段で導入ができる。こういったこともありまして、成果が上がっている今こそ、将来を見越して次の手を打っておくことが大切で、できるだけ早期に公立大学法人に移行することが望ましいと、こういった結論をいただいたわけであります。  そこで、提言を踏まえまして、県立大学を公立大学法人に移行することにして、24年度は、それを具体的に進めていくための法人化基本方針を策定するといったことで準備を進めてまいりたい。  また、法人化の時期ですけれども、先行事例でも移行に3、4年程度要していますけれども、「できるだけ早期に」という提言をいただきましたので、何とか3年後の平成27年4月を目途にしたいと、こういうふうに考えております。せっかく法人化するんですから、その際には、もちろんそのメリットを最大限に発揮して、さらに富山県に県立大学ありと、日本海側に富山県立大学があると、こう言ってもらえるような大学となるように、着実に準備を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。  次に、県の広域消防防災センターの活用についてお答えをいたします。  この4月にオープンします富山県広域消防防災センターですけれども、いろんな機能がございます。大災害時に備えて食料、生活必需品等の備蓄をする。救援物資の輸送、集積、配給を行う輸送拠点機能を持つ。また、残念ながら万一でも県内で大きな災害があった場合に、県外からの応援の部隊を受け入れるための受援機能を持つ。災害時に万一、万々一、例えばこの県庁舎の機能が失われた場合に、かわってそこで指揮をとるといったような代替補完機能を持つ。また、自主防災組織のメンバーはもちろんですけれども、小中学生のような方々を含めた一般の県民の皆さんが、防災意識の高揚、自己啓発に取り組める学習訓練機能を備えるということで考えております。  また、設備面でも、大地震に十分耐えられる耐震性を持つ。停電に備えて3日間連続運転ができる自家発電装置、断水に備えて井戸を設置する。また、飲料水、トイレの洗浄水を確保できる耐震性の貯水槽を整備いたしております。  また、ソフト面でも、地震体験や風雨災害体験施設などによる体験学習、寄り回り波や洪水などの災害が学べる防災学習、御高齢の方が自分自身を守るための教育訓練、研修などを行うことにしております。  また、今回の東日本大震災の教訓を踏まえまして、津波や原子力災害に焦点を当てたオープニング特別展の開催。幼いときからの防災教育が大事でありますから、ゴールデンウイークや夏休みでの子供向けのイベントの開催。また、自主防災組織等が訓練施設などを利用しやすいような環境整備など、小中学生、高齢者や女性を含め、一般県民が防災意識の高揚と自己啓発に取り組める研修や学習の場として、県民に広く開かれた施設になるようにしたいと思っております。  また、東日本大震災では、多くの消防職員や消防団員の方々が活動中に犠牲になられました。そこで、大規模災害発生時における消防職団員の安全確保が重要な課題となっております。現在見直し中の県の地域防災計画の中間報告案においても、この課題への対応を新たに位置づけておりまして、消防職団員の安全確保についてしっかり取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。  次に、原子力災害対策と安全協定についての御質問にお答えをいたします。  昨年3月の東日本大震災から間もなく1年ということであります。今なお多くの方々が、特に原発事故によりまして避難を余儀なくされ、放射能汚染の問題が広範な地域に深刻な影響を及ぼしております。被災された皆さんに心からお見舞い申し上げたいと思います。  さて、本県もこうした事態を踏まえて、昨年6月ごろから国に対してEPZの範囲の見直しをしてほしいと強く求めておりましたが、国においてその見直しの方向が示されて、氷見市の大部分がUPZに入る。また、本県も原発の安全対策に一定の役割を担うことになりますので、原子力災害対策の充実強化が喫緊の課題であります。  県では、国の見直しを待つことなく、昨年6月から地域防災計画を見直しているところでありますが、防災会議での議論を踏まえまして、来年度7,300万円の予算を計上して、原子力災害対策に積極的に取り組むことにしております。  具体的に申しますと、例えば県民の安全対策として、放射性沃素による内部被曝を防ぐための安定沃素剤の備蓄、パンフレット等による原子力防災知識の普及、本県で初めての原子力災害を想定した防災訓練などを実施します。  また防災体制の強化としまして、放射性物質の拡散予測を行うSPEEDI端末の設置、放射性物質の拡散予測に基づく避難シミュレーションの実施、放射線防護服などの防災資機材の整備を行うことにしております。  また、専門人材の育成確保のために、県や市町村の職員、消防職員、消防団員などの防災業務関係者を対象とした研修会の開催や、専門的知識、経験を有する職員の配置などを進めます。  また、立地県である石川県との連携は大切なことと考えておりまして、今後、例えば避難所の設置、避難訓練、情報の共有といった点で連携できないか。県の防災会議の議論も踏まえまして、石川県とよく協議、調整をして、しっかりとした連携ができるように取り組んでまいりたいと考えております。  また先月22日には、氷見市長とともに、北陸電力に対して安全対策の徹底、安全協定の締結、電力の安定供給の確保など7つの項目について申し入れを行いました。特に安全協定につきましては、県民の皆さんの安全・安心の確保が最重要の課題であることを踏まえまして、御指摘のとおり、立地自治体と同等の安全が確保されることが最も重要であると考えております。  北陸電力との協議ですけれども、ちょうど日程調整もできまして、明日、県と氷見市、北陸電力の実務責任者の間で第1回目の協議を行うということにしております。県民の安全・安心の確保に向けまして、しっかりと協議を行ってまいりたい。また協定の締結に向けては、着実に協議を進めまして、県民の皆さんから見て、こういうことであれば安全面で立地県と同等であり、安心だなと思っていただけるような協定内容となりますように、精いっぱい努力してまいりたいと考えております。  次に、今後の電力需給見通しと省エネ、再生可能エネルギーの取り組みについて申し上げます。  今後の電力需給見通しですけれども、昨年11月の国のエネルギー・環境会議で、北陸電力管内では、平成22年度並みの猛暑の場合でも供給力に不足は生じないものの、電力供給予備率が安定供給の目安である8%を下回る2.0%と報告されておりまして、現在、北陸電力において電力の安定供給に向けてさまざまな対応の検討が進められていると伺っています。また、国においても、省エネルギー、節電対策の抜本的強化、再生可能エネルギーの開発利用を最大限加速することなど、エネルギー政策の見直しが検討されております。  県としましても、新しい総合計画で、多様化、効率化を通じたエネルギー需給の安定確保ということを基本政策の一つに位置づけておりまして、今回提案しております予算案でも、省エネルギーの普及や再生可能エネルギーの導入を促進するための事業を盛り込んでおります。  具体的には、例えば家庭や企業等における省エネルギーの普及を図るための家庭の省エネ診断や、中小企業の省エネ設備導入への低利融資とか省エネ相談を引き続き行いますほか、例えばウエブサイトに「とやまメガ節電所」を設けるといったプロジェクト、とやま省エネ電球普及促進キャンペーンを実施いたします。  また、再生可能エネルギーの導入ということで言いますと、庄発電所、山田新田用水発電所を建設中ですが、さらに県内全域を対象に、包蔵水力が豊かな富山県ですから、小水力発電、マイクロ水力発電設備の建設可能地点の調査を行いますほか、引き続き企業の技術開発の支援に取り組むことにしております。  また、太陽光発電では、これまで県立学校や県立中央病院に率先して導入しておりまして、新年度は住宅用太陽光発電システムの導入促進をさらに拡充することにしております。  また、スマートコミュニティーの形成に必要な技術開発や実証実験の検討を進めますほか、長期的には地熱利用、また今後実用化が期待される波力エネルギーなどの未利用エネルギーに関する調査研究にも取り組みたいと考えております。  今後とも、国の補助金や、7月から始まる固定価格買い取り制度も活用しながら──この固定価格の値段があんまり低いとなかなか再生可能エネルギーが進みませんので、経済産業省の次官とか長官などにもいろいろお願いしておりますが、ぜひしっかりと再生可能エネルギーの導入促進、省エネルギーに努めてまいりたいと思います。  次に、北陸新幹線についての御質問であります。  かねてから北陸新幹線建設促進、県議会を初め、関係県、経済界とも連携を図りながら、政府等関係方面に強く求めてまいりました。おかげをもちまして、昨年末には、金沢-敦賀間を初めとする整備新幹線の未着工区間について、一定の条件が整った区間から認可、着工するということが政府・与党で確認されて、敦賀までの延伸が事実上を決定しました。  また、新幹線建設費の費用負担の軽減についても、今般、新幹線貸付料の活用によりまして、本県で23年分として50億円、開業までの4年間で約200億円が軽減される見通しとなりました。  今回の敦賀までの延伸、貸付料の活用による地方負担の軽減、また、昨年秋の並行在来線の貨物調整金の倍増といったようなことは、これまで県議会の御支援もいただきながら積み重ねてきた努力の成果であると考えておりまして、御支援、御尽力いただいた国会の先生方、県議会議員の皆様、また関係者の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。  なお、敦賀開業時においては、フリーゲージトレインの導入が国において検討されておりまして、また、営業主体であるJR西日本も検討を進めることを表明しております。フリーゲージトレイン導入につきましては、敦賀開業時において、富山-大阪間は乗り換えなしで現在よりも約50分短縮されるという利便性の向上が期待できると考えられますが、技術的課題等もありますので、国やJRにおける検討状況、関係県の意向も踏まえながら適切に対処してまいりたいと思います。  さらに、大阪までの全線整備につきましては、国はフル規格による整備計画に変更はないと言っていますけれども、平成47年度を想定している北海道新幹線の札幌開業までは財源がないとされています。しかしながら、東海道新幹線の代替機能を有する北陸新幹線は、安全で災害に強い国土づくりの観点から、関西経済界、関西広域連合の皆さんも含め、国全体でその重要性が改めて認識されてきております。今後ともフル規格で大阪までつなぐということを基本としながら、関係県と連携し、対応してまいりたいと考えております。
     26年度末までの長野-金沢間の確実な開業はもちろんですけれども、金沢-敦賀間の速やかな認可、着工、また大阪までの全線整備、並行在来線の経営安定、地方負担の軽減の一層の拡充、こういったまだまだ課題がありますので、国会議員の方々、また県議会、関係県、経済界等とも連携して、全力で取り組んでまいります。  次に、並行在来線のJRとの交渉についてお答えをいたします。  並行在来線については、貨物調整金倍増ということになったわけですけれども、開業後の収支はなお厳しいわけです。そこで現在、JRに対しては、車両を含む必要資産について極力低額での譲渡となるよう粘り強く折衝をしております。  県議会においては、昨年11月議会で「並行在来線の持続可能な安定経営実現に関する決議」を可決されまして、また年末には、坂田議長初め、全会派の代表の議員からJR西日本に直接要請をしていただいたことは、大変心強く思っておりまして、感謝申し上げたいと思います。  今後のJRとの交渉スケジュールにつきましては、先行事例でも開業のおおむね2年前にはJRと基本合意していますことや、本格会社に移行するための追加出資について、来年1月の県並行在来線対策協議会で協議する必要があるということを勘案しますと、何とか年内には交渉のめどをつけるように努力したいと考えております。  また、JRとの交渉に当たりましては、鉄道資産について精査の上、必要な資産のみを極力低額で譲渡すること。また、車両については、昨年10月の佐々木社長への要請を踏まえて、来る3月中旬から富山駅まで運行することとなった新型車両を低廉な価格で譲渡すること。鉄道事業の円滑な引き継ぎと安全確保に万全を期すために、JRからの社員を派遣していただくわけですが、その人件費についても支援を行うこと。また、譲渡施設について事前に調査・点検し、あらかじめ必要な修繕を行うことなどを重点として交渉しておりまして、JRからさまざまな協力や支援が得られますように、全力を挙げて折衝をしておるところでございます。  こうした交渉に当たりましては、県議会での議論を初め、タウンミーティングなどでも県民や経済界の皆さんからいろいろ御意見も承っております。そうしたことも踏まえて、粘り強く交渉してまいりたいと思っておりますので、議員各位には引き続きお力添えをお願いしたいと思います。  次に、運賃等についての御質問にお答えします。  並行在来線の運賃水準については、先行した県ではJR時代に比べてすべて値上げをしております。例えば、しなの鉄道だと1.24倍、IGR1.58倍、青い森鉄道1.38倍、肥薩おれんじ1.28倍と、こういうことであります。本県区間についても、運賃水準を仮にJRの水準のままとしますと、極めて厳しい収支が見込まれまして、後々大幅な県民負担が生じかねないわけでございます。  鉄道の運賃水準は、独立採算の原則が確保される適正な受益者負担の水準に設定することが基本でありまして、また、バスとか自動車等を利用される県民の皆さんがいらっしゃる中で、一定の公的支援はもちろんしなきゃいけないと思っておりますが、利用者にも応分の負担をしていただくという考え方を取り入れたほうが公平ではないかと、そういう面があると思います。  一方で、もちろん大幅な運賃値上げは避けたいところでありますし、また利用者離れということもあります。このために運賃水準の設定に当たりましては、利用者の負担が過度に増加しないように配慮しながら、また会社経営の健全性が図られるよう、バランスを考慮して検討していく必要があると思っております。  運賃水準の検討に当たりましては、国の並行在来線への支援、JRとの車両を含む鉄道資産の交渉状況等のほか、経営安定基金──仮称ですけれども──による支援、利用促進による利用者増加の見込みなども関係しますので、これらの要素を勘案しながら総合的に検討する必要がある。先般の県の並行在来線対策協議会においても、市町村長さんの中から、値上げについても具体の試算などを示して議論を進めるべきだという御意見もいただいておりますので、5月に開催予定の対策協議会では資料をお示しして議論を始めていきたいと考えております。  また、三セク会社については、ことし7月ごろに準備会社を設立する方向で準備を進めることにしております。準備会社では、当面、来年の社員の採用や研修に向けた準備を行う予定であります。その後、25年度に増資をしまして、本格会社に移行する予定としております。  三セク会社の経営は、県民生活の足の確保、まちづくりとの調和など、公共公益性の強い事業である一方で、民間の経営感覚も求められますので、特に本格会社の経営幹部の人選に当たりましては、行政、民間を問わず幅広く検討してまいりたいと思っております。  また、24年度は、JRとの交渉、隣県との調整などは引き続き県が中心となって行い、また、県の並行在来線対策協議会では、経営の骨格となる経営計画概要についてさらに検討を進めることにしております。本格会社ができるまでの間は、県や対策協議会において民間の方のアドバイスもいただきながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、新駅調査の御質問にお答えをいたします。  並行在来線の新駅については、これまでも設置可能性調査、また新駅設置ガイドラインの策定、よその県にはない取り組みも行ってきたのですが、なかなか具体的な提案が出てこなかったということもありまして、もう時間がありませんので、今年度、県として改めて新駅設置の可能性を探る調査を実施しております。  この調査では、以前の調査で取り上げた新駅設置可能箇所の需要予測を最新データをもとに見直した上で、一定の乗車人員に加え、周辺開発によるさらなる増加が見込まれる複数のモデル事例を選ぶことにいたしました。  このモデル事例の選定に当たりましては、都市計画法上開発が可能であること、周辺地域において開発計画が進行中であること、または開発に必要な用地の確保が期待できるなどに加えまして、既存の公共交通機関への影響等も総合的に考慮したものであります。  その結果、現在、隣接地で土地区画整理事業が進行中であり、乗車人員の上乗せが期待できる高岡-西高岡間と、周辺に大規模な開発可能地がある富山-東富山間の2カ所をモデル事例としたところでございます。調査はまだ途中段階でありますが、明確には申し上げられませんけれども、この2カ所については、新駅や駅周辺の整備について地元市の御協力がありますれば、鉄道経営の観点からも採算が見込めるのではないかと期待をいたしております。  この調査結果は、5月に予定しております並行在来線対策協議会までには市町村に提供いたしまして、検討材料の一つとしていただきたいと思っております。また、県としても必要な相談や協力を行ってまいりたいと考えております。  なお、高岡市では、来年度予算案に新駅設置の可能性を探る調査費を盛り込んでいらっしゃると聞いておりますし、また、富山市では、既に平成20年3月に策定された都市マスタープランにおいて、富山操車場地区での新駅設置の検討を行うとされているところでございます。  今後とも、並行在来線の利便性の向上、まちづくりと地域活性化に資するように、市町村と連携協力しながら新駅設置に向けた検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。  次に、伏木富山港に関する御質問にお答えをいたします。  伏木富山港は、おかげさまで総合的拠点港、また3つの機能別拠点港として選定されました。そこで、ハード、ソフト両面から機能向上を図っていこうと思っているわけですが、まずハード面では、新湊大橋のことし秋の開通、それから伏木外港の北防波堤の延伸工事の完成と泊地整備の新規着手、新湊地区の多目的国際ターミナルにおける岸壁の延伸、また伏木地区及び富山地区の耐震強化岸壁の整備。それから富山地区については、例えば臨港道路西宮線についての調査といったようなことに取り組むことにしております。  ソフト面では、ロシア極東向けRORO船の定期化や、上海港を経由した東南アジア向け貨物の輸送安定化実験を行い、直行、多頻度、定時の航路開設を目指す「環日本海物流ゴールデンルート構想」の推進。また、荷主企業奨励金の拡充や複合一貫輸送──シーアンドレールですね──の推進。新たに伏木富山港の利用を検討している企業が行う実証実験に対する助成制度の創設などによる集荷促進。また、岐阜県や長野県と連携した商談会や、「富山県ものづくり総合見本市2012」の開催などを通じた海外販路開拓による新規貨物の掘り起こしなどに取り組むこととしております。  外航クルーズについては、4月に小樽港、京都舞鶴港とともに、仮称ですけれども、環日本海クルーズ推進協議会を設立しまして、海外見本市、例えばマイアミとかシンガポール等でありますけれども、そういったところに出展をする。また、船会社や旅行会社への訪問などを通じて、日本の四季の移り変わりを体験するそういう環日本海クルーズをPRしますとともに、立山黒部アルペンルート、世界文化遺産の五箇山合掌造り集落などの観光地、また、富山湾の新鮮な海の幸を初めとする食の魅力など、本県のすぐれた観光資源をアピールすることにしております。  また、外国クルーズ客船が寄港する際には、地元市等と連携して歓迎イベントや物産販売などを行う。例えばこの4月には、初の外国の大型客船「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」が伏木地区に来ますが、これは7万トン級、1,800人のお客さんがいらっしゃるということであります。こうした方々を温かく迎えて、いいところだ、また来たいなと思ってもらえるようにしたいと思います。  今後も、伏木富山港が日本海側の総合的拠点港としてさらに発展しますように、そのことによって本県の経済、観光、国際交流が一層振興しますように、官民一体となって取り組んでまいりたいと思っております。  次に、中小企業振興条例についての御質問にお答えをいたします。  本県の中小企業は事業所数の99.8%を占め、また、すぐれた技術力や製品を持つ企業も多数存在しておりますが、昨今の少子高齢化というような影響もありますし、また円高といったようなこともあって、大変厳しい環境にあります。  そこで、新年度予算では、制度融資の面とか技術開発への助成とか、首都圏企業との商談会の開催などの販路開拓、また医薬工連携、ナノテクものづくり基盤技術の開発支援、ものづくり総合見本市の開催といったように、中小企業の皆さんが将来に希望を持って困難な時期を乗り越えていけるように、積極的に予算を組んでおります。  さらに、こうした施策をしっかり進めていくために、中小企業者の皆さんの自主的な努力を基本としつつも、県や関係団体、また大企業、地域金融機関など、地域全体で意欲のある中小企業を育てていくことを目的に、中小企業振興基本条例(仮称)を制定することにしております。  条例の制定に当たりましては、県内事業者の受注機会の拡大、地場産品の活用はもとよりですけれども、中小企業の経営基盤の強化、製品・サービスの高付加価値化、新産業の育成、海外展開の支援、産業を担う人材の育成などの施策の方向性を明らかにしますとともに、すぐれた取り組みを行っている中小企業者に対する顕彰制度を盛り込み、また、条例に基づいて実施した施策の実施状況の公表、中小企業者や関係団体等の意見を反映する措置を定めるなどによりまして、実効性のある、また中小企業の皆さんが元気が出る条例となるように検討してまいりたいと思います。  今後さらに、中小企業の皆さんや関係団体の幅広い御意見も伺いながら、これまでもいろんな機会に伺っていますけれども、ことしの秋口までには条例案を取りまとめまして、県議会で御審議いただき、御議決いただけるように努力してまいりたいと考えております。  次に、入札制度についての御質問にお答えします。  御質問の低入札対策につきましては、繰り返しの低入札を抑制するために、近年、他県の一部や県内の一部市町村において入札参加を制限する制度が導入されているところでありまして、また、11月定例会においても御提案をいただきましたので、検討を進めてきたところでございます。  低入札につきましては、労働条件の悪化とか下請企業へのしわ寄せが懸念されますので、これまでも調査基準価格や失格基準の引き上げを実施してまいりましたほか、低入札価格調査を厳しく実施して、内容によっては失格とするなど、順次対策を講じてまいりました。この結果、平均落札率は近年93%から94%とほぼ安定しておりまして、調査基準価格を下回る低入札も減少いたしております。  また、なるべく低い単価で入れてもらったほうが納税者の立場としてはありがたいという面もあるんですけれども、やはり工事の品質確保の観点から、工事の監督、検査の強化、技術者の追加配置の義務づけも行ってきたところでありまして、低入札工事の工事成果の平均点は上がってきております。  しかしながら、低入札工事の工事成績は、低入札以外の工事に比べて依然として低い状況にありますので、現に一部の県でも導入されているようですけれども、工事成績が一定の基準に満たない企業が低入札で工事を受注した場合、その後、一定期間内に再度低入札を行った場合には、その入札を無効にするという入札参加制限制度の導入を検討しております。今後、県の入札契約適正化委員会等で十分御議論いただいて、その場で御了解が得られれば、夏ごろまでには導入を図りたいと考えております。  県内建設企業は、社会資本整備や除雪、災害時の対応などの面で大きな役割を果たしていただいております。除雪費につきましては、先般、待機時間の実情をより反映した算定としたところでございますけれども、今後とも、地域に貢献し、技術力と経営力にすぐれた地元建設企業が健全に経営を続けられますように、本県の実情を踏まえたよりよい入札制度となるように努めてまいりたいと考えております。  最後に、高等特別支援学校の整備についてお答えをいたします。  軽度知的障害のある生徒の就労支援を目的とした高等特別支援学校については、北陸初の新たな教育の場として、大沢野工業高校と二上工業高校の校舎跡を活用して開設することにしております。  23年度におきましては、県の教育委員会におきまして開設検討会も設置して、その報告も昨年3月に出たことを踏まえまして、この23年度は、障害者雇用やその就労の現状について県内企業からの聞き取り調査などを行う。また、就労実態に即したカリキュラムや実習内容の大枠、実習室の整備方針等を固める。また、耐震改修等の設計にも着手をしたといったようなことで進めてまいりました。  高等特別支援学校が対象とする軽度知的障害のある生徒さんにつきましては、社会的自立に向けたきめ細かな職業訓練が大変重要でありますので、1学年3学級24人の少人数の定員としまして、就業動向や企業の雇用ニーズ等を踏まえて、ものづくり、流通、環境、福祉などにそれぞれ関連する実習分野を設けまして、職場見学や就業体験を1年生から計画的に実施しますとともに、ハローワークなどの関連機関や企業等と連携して、就労支援体制をしっかり整備していくことにしております。  今後のスケジュールですけれども、この3月には大沢野工業高校と二上工業高校の最後の在校生が卒業されるということであります。また、できるだけ早く設置、開設してほしいという声が多く寄せられておりますので、何とか平成25年4月の開設を目途に、23年度2月の補正予算に改修工事の経費を計上いたしました。  また、教育委員会では、新年度に2校それぞれの開設準備室を設置して、具体的な実習内容等を固めて、就業体験の受け入れ企業の確保に当たるなど、開設に向けた準備を進める。また、中学生や保護者の進路選択が円滑に行われるように、学校の姿をわかりやすく周知するということにしております。  今後とも、高等特別支援学校が生徒の就労を実現し、社会的な自立を促進する、より充実した職業教育の場となりますように、これは県議会各位、また関係方面の一層の御理解や御支援もいただきながら、しっかり準備をしていきたいと、こういうふうに考えております。  以上であります。 8 ◯議長(坂田光文君)吉田知事政策局長。    〔知事政策局長吉田 修君登壇〕 9 ◯知事政策局長(吉田 修君)初めに、自主防災組織の機能強化策についてお答えをいたします。  本県の自主防災組織の組織率は、平成16年度において36.3%でありましたが、これまで組織率を向上するため、組織化に向けたノウハウやリーダー育成に関する研修会の実施、自主防災組織による防災資機材整備への支援などに取り組んできました結果、本年1月現在の組織率は68.1%となっており、着実に組織化が進んでおります。  一方、自主防災組織による防災訓練の実施率は、本年1月現在で32.3%という状況にあり、また、小学校区単位で連携している実施例も一部見受けられるものの、そのほとんどが単独の自主防災組織による訓練となっております。  県といたしましては、東日本大震災の教訓を踏まえますと、自主防災組織の組織化をさらに進めていくことはもとより、実践的な防災訓練の実施率を向上し、また、自主防災組織間の広域的な連携や、地域内の学校、消防団、福祉団体等との連携も進め、その機能強化を図っていく必要があるものと考えております。  このため県では、来年度予算におきまして、市町村と連携をしまして、新たに自主防災組織が広域的に連携して実施する防災訓練など、モデルとなるような防災訓練に助成するとともに、自主防災組織が地域の学校、消防団、福祉団体等と連携して行う他の地域のモデルとなるような、例えば地域防災マップの作成や要援護者情報の共有など、特色ある取り組みにも助成をしたいと考えております。  県といたしましては、今後とも自主防災組織の組織率のさらなる向上を目指すとともに、広域的な体制整備など機能強化に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、富山空港の国際航空路線についての御質問にお答えいたします。  富山空港の国際路線は、ことし4月16日には新たに富山・台北便が就航し、就航都市数は地方管理空港54空港の中でトップの5都市となります。これらの国際路線の安定運航のためには、年間を通じた双方向での利用促進が重要であり、そのためには富山及び近隣地域と就航先の双方で路線の知名度を上げるとともに、増便などの利便性の向上や利用促進のための支援措置の充実を図ることが必要であります。  富山からの送客、アウトバウンドにつきましては、安定的に送客を行うことが課題となっており、県としましては、航空会社や県内外の旅行業者と連携し、乗り継ぎなど路線の利便性や就航先地域の魅力のPR、各種の助成を行い、ビジネス、文化交流等も含めた利用促進に努めております。  一方、海外からの誘客、インバウンドに関しましては、中国路線につきましては広域周遊ルートの確立とPR、ソウル、台湾路線につきましては、季節による波を小さくする通年観光の実現やリピーターの確保など、路線ごとの課題がございます。  県としましては、県単独のみならず中部圏や北陸地域、また、長野、岐阜などの広域連携の枠組みを活用しながら、観光説明会の開催や宣伝活動の実施、現地旅行会社等の招聘など、富山及び近隣地域の魅力を積極的にPRするとともに、受け入れのための助成も実施しております。  今後とも、近隣地域とも連携を図りながら、また、それぞれの議連や利用促進協議会の方々と連携しながら、台北便の増便への働きかけなど、環日本海、東アジア地域との路線の拡充と利用促進に努めてまいりたいと考えております。 10 ◯議長(坂田光文君)寺井農林水産部長。    〔農林水産部長寺井幹男君登壇〕 11 ◯農林水産部長(寺井幹男君)農地の集積と新規就農など担い手の確保対策についての御質問にお答えいたします。  本県では、生産性の高い農業を確立するため、認定農業者への農地集積や集落営農の組織化、新規就農の確保等の担い手の育成に積極的に取り組んでおります。この結果、担い手への農地集積の面積割合は、平成17年の29%から、22年度には全国第4位の45%と大きく伸びてきておりますが、ここ1、2年は伸び率が鈍化してきております。  このため、従来からの国や県独自の担い手に対する支援策に加えて、今回国において食と農林漁業の再生のための基本方針に基づいて創設されました農地集積協力金、これは農業をやめて農地を提供する方に交付される協力金でありますが、この制度も活用して担い手への農地集積を一層進めていきたいと考えております。  また、集落営農組織の高齢化対策につきましては、集落営農組織内の世代交代が円滑に進むように、担い手の育成をするための機械操作研修や経営能力の養成研修などを支援して行っているところであります。  新規就農の確保については、これまで就農相談や実践研修、雇用交付金の活用等の施策を充実してきておりまして、最近の2、3年は新規就農者が50人を超え、目標の人数を確保しているところであります。今回の国の対策では、45歳未満の新規就農を、年約1万人から2万人の倍増を計画しておりまして、このため、新たに青年就農給付金として年額150万円を最長で7年間給付する制度が設けられるとともに、農業法人への雇用助成金が大幅に拡充されております。  県としては、これらを積極的に活用して、引き続き新規就農者の確保に努めていきたいと考えております。また、青年農業者が就農後もしっかりと定着し、一人前の農業者として育っていくように、農林振興センターによる個別指導やとやま農業スクールの研修等によりまして支援していきたいと考えております。 12 ◯議長(坂田光文君)荒木商工労働部長。    〔商工労働部長荒木 勝君登壇〕 13 ◯商工労働部長(荒木 勝君)県内経済の現状と中小企業支援についての御質問にお答えをいたします。  県内経済は、生産は持ち直しの動きが見られ、設備投資につきましては、全体としては増加しておりますが、その伸びは鈍化している状況でございます。また、雇用情勢につきましては、12月の有効求人倍率が0.94倍と、全国平均をかなり上回っております。こうしたことから、景気は依然として一部に厳しい状況がある中で、緩やかに持ち直していると考えておりますけれども、円高の長期化や世界経済の下振れなどにより景気が下押しされるリスクがあり、県内中小企業への影響も懸念されているところでございます。  このため、中小企業支援センター等における経営相談に努めますとともに、新年度予算案では、制度融資につきましては緊急融資や借り換え資金の取り扱い期間を延長しますとともに、円高等に対処し、中小企業の再生や新たな発展を支援するため、貸し出し金利が1.30%と最も低い「新成長産業育成支援資金」を創設いたしますとともに、創業支援資金や新事業展開支援資金の対象要件の拡充、金利の引き下げを行うなど、円滑な資金供給を図ることといたしております。  また、競争力の強化や新分野進出を支援いたしますため、国際競争力の強化のための技術開発に対して助成するほか、販路開拓サポーターの配置や首都圏企業とのマッチングを図る展示商談会を開催するなど、販路開拓支援を拡充することといたしております。  またさらに、円高の長期化等に伴う産業の空洞化の懸念に対処するためには、県内企業の絶えざるイノベーションを進めることが必要でありますので、医薬工連携の促進やナノテクものづくり基盤技術の開発支援など、新たな成長産業の育成や、新技術、新商品の創出等を一層促進することといたしております。  今度とも、経済団体、中小企業支援機関、金融機関等と連携を密にして、経済状況等を適切に把握しながら、中小企業支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 14 ◯議長(坂田光文君)牧田土木部長。    〔土木部長牧田 潔君登壇〕 15 ◯土木部長(牧田 潔君)適正な労務、資材単価を反映した予定価格の設定等の御質問にお答えをいたします。  公共工事の予定価格につきましては、国が制定した全国共通の歩掛かりと、実勢価格を反映した労務と資材の単価を用いて設定しております。  このうち労務単価につきましては、国や県などの発注機関が毎年全国一斉に実施いたします公共事業労務費調査におきまして、賃金の実態を把握し、その結果に基づき、国が都道府県別に決定しております。この調査では、技能に見合った労務単価とするため、資格の保有が義務づけられる特殊運転手などの職種につきましては、免許等の確認も行っております。  この労務単価は年1回の改定でありますが、国では、東日本大震災による労務費の上昇を受けて、被災3県における労務単価の補正を行ったところでありまして、本県におきましても同様の見直しがあれば速やかに対応してまいりたいと考えております。  資材単価につきましては、県では毎月実施しております調査結果を踏まえ、これまでも定期的に改定を行うとともに、価格変動が大きい場合には、その都度見直しを行っております。  また、工事発注の早期化、平準化につきましては、今年度も上半期発注率の目標8割を達成するとともに、当初予算に加え、9月及び11月議会で追加補正やゼロ県債を計上したほか、2月には主要県単独事業やゼロ県債等の専決処分を行ったところであり、箇所づけにつきましても速やかに行っております。  今後とも、公共工事の品質の確保や建設企業の経営安定のため、適正な予定価格の設定や、早期かつ円滑で切れ目のない発注に努めてまいりたいと考えております。 16 ◯議長(坂田光文君)飯田厚生部長。    〔厚生部長飯田久範君登壇〕 17 ◯厚生部長(飯田久範君)在宅介護サービス等に関しての御質問にお答えをいたします。  御質問の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスにつきましては、介護職員と看護職員が連携をして、定期の訪問に加え、利用者の要望により随時対応するサービスでございまして、昨年の介護保険法の改正により創設され、本年4月から実施されることとなっております。このサービスでございますが、在宅の要介護高齢者の方々の療養生活を支えるために有効なサービスでございますことから、県としても普及に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  このサービスの需要見込み量につきましては、各保険者が地域のニーズ等を勘案し、介護保険事業計画に盛り込むこととされておりまして、現時点で保険者から聞いているところでは、平成24年度から26年度の第5期における当該サービスの実施予定事業所数につきましては、県全体で6事業所、年間の延べ利用者数につきましては2,000人程度、月平均では約170人程度と見込まれているところでございます。  また、介護人材の確保についてでございますが、これまでも人材の掘り起こしや教育、養成などに取り組んできているところでございまして、24年度には新たに、介護に携わるきっかけを提供する講座の開催や、潜在的な有資格者に情報提供などを行う人材バンク事業、若手介護職員の職場定着を支援するモデル事業などを実施することといたしております。  さらに、介護職員の処遇改善につきましては、24年度以降、介護報酬に処遇改善加算として措置されることとなりましたことから、事業者の加算取得の促進を指導支援してまいりたいというふうに考えております。  利用者ニーズに対応した在宅介護サービスをきめ細かく提供していくためには、介護人材の確保と資質向上が不可欠でございますことから、今後とも人材の養成と確保の総合的な取り組みをしっかり進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯議長(坂田光文君)五十嵐生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長五十嵐信夫君登壇〕 19 ◯生活環境文化部長(五十嵐信夫君)災害廃棄物の受け入れに関する質問にお答えをいたします。
     災害廃棄物、いわゆる震災瓦れきですが、被災地だけでは処理できない量が発生しており、全国の自治体が協力して広域処理を推進する必要があると、そのように認識しております。  一方、災害廃棄物の受け入れにつきましては、現在の法律では、災害廃棄物は一般廃棄物に該当し、市町村の責任において処理を行う体系となっていること。また、実態面といたしましても、市町村や一部事務組合が管理する処理施設の受け入れ能力の課題、施設周辺の住民の理解、これまでの地元との交渉経緯など、当該市町村等でなければ判断ができないものがあること。こうしたことから、県が前面に立って受け入れを促すのは適切ではなく、まずは市町村等において判断をしていただく必要があるものと考えております。  これまで県では、国に対しては安全基準の明確化などを要請しております。また、市町村等から提起された課題や要望に対しては真摯に取り組んできており、例えば塩分による焼却施設の腐食についての課題解決や、情報共有のための研修会の開催などを行ってきたところでございます。  県といたしましては、今後、市町村等が受け入れに関して検討を行う際には、必要な情報提供を行うとともに、受け入れの意向が示された場合には、安全性の確保や住民の理解を前提として、国や被災地との調整や放射能の測定への協力を検討するなど、市町村等の意見も十分お聞きした上で、県としての役割をしっかり果たしてまいりたいと、そのように考えております。 20 ◯議長(坂田光文君)萓嶋警察本部長。    〔警察本部長萓嶋満津保君登壇〕 21 ◯警察本部長(萓嶋満津保君)暴力団排除に関する御質問にお答えをいたします。  昨年8月1日に富山県暴力団排除条例が施行され、7カ月が経過いたしましたが、これまでに、暴力団が組として行う行事に際して使用する組名や幹部名が記載された垂れ幕等印刷物の発注・受注事案、暴力団の組名等を記載した贈答品の配送発注・受注事案、さらには、暴力団員であること及び暴力団の活動を助長することを知りつつ、車両によるたこ焼き販売の営業場所として駐車場を提供した賃貸借事案の計3件の違反行為に対しまして、条例を適用し、暴力団員及び事業者に警告、指導を行ったところであります。  今後、さらなる条例の効果的な運用を図るためには、県民への本条例の周知の徹底と、暴力団排除に携わる方々の保護対策が重要な課題であると考えております。  このため、条例の周知徹底につきましては、県警のホームページや各種広報紙への掲載、パンフレット等の配布など、さまざまな広報媒体を活用した広報活動を実施しており、今後も富山県暴力追放運動推進センターと連携し、県民への条例の浸透を図ってまいりたいと考えております。  また、保護対策につきましては、暴力団排除に取り組まれた方々及び情報提供をしていただいた方々の安全を確保することが必要不可欠であり、そのために本条例の第8条に警察による保護措置の規定が置かれているところであり、警察といたしましては保護対策に万全を期すこととしております。  具体的には、暴力団員に対する警告の実施や暴力団対策法による中止命令の発出、保護対象者の自宅等への警察直通通報装置の設置、警察官による保護対象者宅等への巡回警戒の実施に加えまして、情勢により、保護対象者の身辺近くにて警戒に当たる身辺警戒員、通称プロテクション・オフィサー、略称POと呼ばれる警戒員の新設及び指定に向けた検討を行っているところであります。  県警察といたしましては、暴力団の脅威から県民を保護する体制を確立するとともに、本条例の基本理念であります「暴力団を恐れない」「暴力団に資金を提供しない」「暴力団を利用しない」の「三ない運動」の浸透、定着を図り、暴力団の壊滅に向けた取り組みを一層強化してまいる所存であります。  以上であります。 22 ◯議長(坂田光文君)寺林教育長。    〔教育長寺林 敏君登壇〕 23 ◯教育長(寺林 敏君)スポーツ競技力向上についての御質問にお答えいたします。  県では、今年度、重点強化種目の駅伝、野球、サッカーについて、全国的に実績のある著名な指導者によるアドバイザー制度や巡回指導などを新たに導入すること、また、県体育協会を県総合体育センターに移転し、スポーツ医科学的サポートなど競技力強化の中核拠点として有効活用すること、さらに、元気とやまスポーツ応援基金によりトップアスリートを支援することなどの強化策に取り組んできたところであります。  これらの取り組みにより、議員御指摘のとおり、新湊高校の夏の甲子園や富山南高校の高校サッカー、インターハイ、全国中学校大会、冬季ユース五輪などでの中高校生の大活躍、また国体のカヌー、相撲の優勝やスキーの15年連続総合入賞、またカヌー、バドミントン、柔道など国際大会での活躍など、全国や世界のひのき舞台において成果があらわれ、県民に勇気と元気、子供たちに夢と希望を与えてくれたところであります。  さらに、ことしはロンドン五輪でメダルが期待されるカヌーの北本選手のほか、バドミントン、柔道、競歩、ホッケーなどで出場が有望視される本県選手も多いことから、元気とやまスポーツ応援基金による支援を行うとともに、中高校生の競技力向上と部活動活性化を図るため、新たに各学校にトレーニングエキスパートなどを派遣すること、競技別強化拠点を整備すること、本県で開催されるインターハイなどの支援を行うことなどに取り組んでまいります。  今後は、去る2月27日に答申されました元気とやまスポーツ懇話会の提言を踏まえ、すぐれた指導者の確保と育成や、地域に密着した一貫指導体制の推進などを新スポーツプランに反映するなど、元気とやまの創造を目指し、さらなる競技力向上に努めてまいりたいと考えております。 24 ◯議長(坂田光文君)以上で五十嵐務君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時05分休憩      ─────────────────────  午後1時00分開議 25 ◯議長(坂田光文君)休憩前に引き続き会議を開きます。  山上正隆君。    〔13番山上正隆君登壇〕 26 ◯13番(山上正隆君)民主党・県民クラブを代表して質問をいたします。  まず最初に、新総合計画について質問をします。  石井知事が就任して7年、ことしは2期目の総仕上げに当たります。この間、知事は就任時より、元気とやまの創造と財政再建の推進を公約とし、「活力」「未来」「安心」を柱とする事業を積極的に展開してこられました。その結果、リーマンショック時に0.5倍を割った有効求人倍率も1倍程度に回復しましたし、陸海空の交通基盤の整備等も相当図られました。このような状況のもと、さらなる発展につなげるために新たな総合計画の策定が着手され、間もなく新たな計画期間がスタートすることとされております。  24年度予算発表の際、知事は「5年後、10年後を見据えて、今着実になすべきことをするのが知事としての責務」と述べられました。しかし、計画を実現するためには、引き続き県政のかじ取りをしっかりと果たしていく覚悟が必要であると私は思いますが、いかがでしょうか。まず、知事の決意を伺いたいと思います。  なお、新たな総合計画の策定に当たって、知事は、本県を取り巻く社会経済情勢が大きく変化していること、また、北陸新幹線の開業や環日本海、アジア地域との経済交流の拡大など、今後の富山県の発展に影響を及ぼす課題を挙げ、これらに的確に対応していくことが必要と述べられました。この理念は新年度予算にどのように反映されているのでしょうか。柱となる考え方や特徴的な施策も含め、引き続き知事に所見を伺います。  防災・減災対策について質問します。  東日本大震災の発生から約1年になります。今冬は北海道、東北、北陸などで雪の多い大変寒い日が長く続き、除雪や通勤通学等に大変な影響が出ましたが、ようやく暖かく春めいてまいりました。  そんな中、県広域消防防災センターが4月に富山市惣在寺に開設されます。総事業費約45億円をかけて整備が進められたこの施設は、全国一高い45メートルの主訓練塔がひときわ目立ち、さまざまな災害体験施設も設置されるなど、今後の活用が大いに期待されるところでありますが、この施設は、新たな機能により、消防署員や消防団員にはどのような訓練が期待できるのか。また、一般県民向けにはどのような活用を予定しているのか、知事に伺いたいと思います。  東日本大震災では、常日ごろよりしっかりと避難訓練に取り組み、防災意識が涵養されていた地区とそうでなかった地区では、人的被害に大きな違いがあったと言われております。  県では地域防災計画の見直しを進め、先日は、従来の震災編を「地震・津波災害対策編」に改めた中間報告が取りまとめられました。私は、もしものときには、資機材や耐震化なども大切な要素でありますが、機材を取り扱う人材育成、避難を誘導する地域人材の育成、学校での防災教育の実施など、災害に対応できる人づくりが防災においては最も重要なことではないかと思っております。  そこで、県としてこのような人づくりについて今後どのように取り組んでいくのか、知事政策局長の御所見を伺います。  北陸新幹線並行在来線について質問します。  先般、新潟県の泉田知事が北陸新幹線の工事負担金の支払いを表明し、これでようやく平成26年度末までの金沢開業への懸念が払拭されました。石井知事を先頭に、北信越の知事さんからも強く働きかけてこられましたが、それが報われたものであり、これまでの御労苦に敬意を表したいと思います。  一方、石井知事は、国に対しても、北陸新幹線の整備促進と並行在来線への支援拡充について粘り強く働きかけてこられました。今後は、敦賀までの延伸や地方負担のさらなる軽減、並行在来線の経営安定対策にしっかりと取り組んでいかなければなりませんが、これまでの成果と今後の取り組みについて知事にお伺いいたします。  去る1月17日、富山県交運労協の皆さんと富山市民政クラブの議員、坂野議員と一緒に群馬県の高崎駅の西口、東口を視察してまいりました。  バス、タクシー共用による安全性や利用状況について、富山駅南口交通広場の整備計画と高崎駅交通広場とを比較検討するために視察調査を行いましたが、富山と高崎ではバス、タクシーの進入退出台数が大幅に違うため、なかなか比較が難しいというのが結論でした。  しかし、駅構内の面積では、富山駅南口交通広場(計画)の方が若干大きいことや、現在の富山駅前からのバス、タクシーの発着台数を勘案すると、やはり共用案では安全の担保ができないのではないかと思います。利用者の安全性と利便性を確保するためには、私は、富山駅南口交通広場ではバスとタクシーは分離することが望ましいと思います。土木部長の見解をお伺いします。  次に、並行在来線について伺います。  新幹線開業まであと3年となり、並行在来線についても着々と準備が進んでいると思いますが、課題は山積しております。1つは、鉄道資産譲渡に関するJR西日本との協議が山場を迎えること。2つは、第三セクター新会社の初期投資をどうするのか。3つは、関西、中京方面への特急列車の始発駅の問題。4つは、新会社の経営計画の策定。5つは、新駅設置の検討などであります。  当面真っ先の課題は鉄道資産の譲渡かと思いますが、この点について、いつごろをめどに交渉の解決を図るのか。また、交渉に当たってはどのような考え方で臨むのか、今後のスケジュールを含め、知事の御所見をお伺いします。  中小企業対策について質問します。  円高・デフレといった経済環境が続く中、年度末を迎え、倒産防止のため、中小企業の資金繰りの支援が大変重要になっています。県は、平成20年度から今日まで、経済変動対策緊急融資及び緊急経営改善資金の金額の積み増しや、貸付限度額の引き上げ、融資利率の引き下げ、融資期間の延長等の施策を実施してきたわけですが、県内における企業倒産の動向を踏まえ、県内における融資実績はどうなっているのか、商工労働部長にお伺いします。  産業の再生、発展のためには、産業空洞化を防ぐ施策の充実と成長産業へ支援が必要であると思います。昨年、高岡市にものづくり研究開発センターが開設されました。この施設には最先端のものづくりを支えるナノインプリンティング装置やエレクトロスピニング装置、集束イオンビーム加工機、精密フライス加工機等がありますが、これらの機械を活用してどのような研究が進められているのか、どのような新技術の創成が期待されるのか。この1年間での成果を踏まえ、今後の活用について商工労働部長にお伺いします。  観光の振興についてお伺いします。  昨年は、東日本大震災による国内観光の自粛や福島第一原子力発電所の事故、円高等による外国人観光客の減少と、観光産業にとっては大変厳しい1年でした。  県はこれまで、北陸新幹線を初めとした陸海空のハード整備を着実に進めるとともに、大都市圏や海外での観光PRや観光人材の育成など、ソフト面の施策も充実してこられました。しかし、本当の正念場はこれからであります。  他県に目を向けると、九州新幹線の開業から1年がたとうとしていますが、観光客の動向には地域間で如実に差が出ています。富山においても、新幹線開業とそれに伴う地域間競争の激化が目前に迫る中、より多くの観光客が県内各地に足を運び、滞在していただき、さらにその結果、多くの人が富山に満足し、次もまた富山へ来よう、あるいは周りにも勧めようといった現実的な成果が求められていると考えます。  新年度予算においても、新幹線の開業を見据えて、選ばれ続ける観光県づくりを目指し、盛りだくさんの事業が予定されていますが、これまでの成果や九州新幹線沿線県の動向などを踏まえ、どのようにねらいを定めて事業を展開していくのか、知事に伺います。  高齢者対策について質問します。  私は、人口減少、少子高齢社会において、元気な高齢者の果たす役割は今後ますます増えてくると思います。しかし、企業を定年退職しますと、次に就労を希望しても、再就職が非常に難しい状況にあります。  先日も65歳を超えた方から、まだまだ元気なので働きたいとの相談を受けました。幾つかの企業にお願いしたものの、なかなか条件が合わず、シルバー人材センターに登録するようアドバイスをしたんですが、同センターで紹介する仕事は短期的で軽易なものであり、希望とのマッチングはなかなか難しい感じを受けました。  高齢者が増えていくこれからは、その人が培った技術や経験などを生かした就業を支援することも必要になってくるのではないかと思います。そこで今後は、専門的知識、技術を有する就業希望の高齢者と企業を結びつける仕組みをつくっていくべきと考えますが、商工労働部長の見解を伺います。  介護保険制度に関して、保険事業を運営する県内5市3事務組合が、月額保険料を引き上げる方向で検討していると伝えられています。  介護保険制度は2000年度にスタートしましたが、3年ごとに制度を見直すことになっており、ことしはその見直しの年となります。魚津市や新川地域介護保険組合の引き上げ額は約1,000円とのことですが、現在の月額保険料は県平均4,574円であり、制度開始当初の平均2,921円と比べますと、2倍近くに上昇することになります。  引き上げを迫られる背景には、まず全国水準を上回る高齢化の進展が挙げられます。県内の65歳以上は約28万6,000人、総人口に占める割合は26.3%で、全国平均23.4%を上回っています。  また、県内の65歳以上の要介護認定者数も増加傾向であり、昨年3月末で4万9,163人と、介護保険制度が始まった2000年4月時点から2倍以上に増え、65歳以上に占める割合も9.9%から17.3%に伸びています。富山県は夫婦共稼ぎ世帯が多いためか、私もたびたび介護認定者を抱える家族から入所施設を探してほしいといった相談を受けております。  介護保険制度については、施設待機者の解消のために施設の整備を進めた場合、介護サービス費用の増大を招き、保険料負担もさらに重くなることになります。私は在宅と施設のバランスのとれたサービスの充実が必要と考えておりますが、県としてどのように考えるのか、厚生部長に所見を伺います。  医療対策について質問します。  とやまPET画像診断センターは、PET/CTを2台備え、最先端のがん検査技術を県内医療機関で共同利用する施設として2007年11月に開設されました。  開設から昨年11月までに検診を受けた3,641人のうち、がんが発見されたのは84人で、発見率は2.3%でした。臨床PET推進会議の最新統計によるがん発見率は1.2%であり、同センターの発見率は2倍近いという結果となっています。  富山県はがんによる死亡者が多く、2010年にがんで亡くなったのは3,401人、全体の28.6%で死因のトップとなっています。この現状から見ても、もっとたくさんの人にPETセンターヘ行ってほしいところですが、医療保険が適用されないため、8万9,500円という高額の検診費用がネックになっております。  より多くの方に検診を受けてもらうために、検診料負担の軽減を図るべきではないかと考えますが、厚生部長の見解を伺います。  県民の命の安心・安全を高めるためには、医師や看護師確保が大変重要な課題であります。  県では、今日まで医学生や看護学生への修学資金貸与や、女性医師等支援事業等に積極的に取り組んできました。その結果、今年度の初期臨床研修医のマッチング率で、県内12病院の総定員に対する充足率は、2010年度比で16.9ポイント増の62%と過去最高になり、全国順位は43位から30位に躍進しました。総定員100人に対し、62人の研修受け入れでございます。マッチ率が最も高かったのは県立中央病院の83%で、富山大附属病院の72.7%、黒部市民病院の71.4%と続いています。  そこで、県はこの要因をどのようにとらえているのか。また、それを踏まえ、新年度以降、医師の確保対策にどのように取り組んでいくのか、知事の御見解をお伺いします。  農林業の振興について質問します。  中山間地域等直接支払制度はことしで3期、12年目に入っており、県内の今年度の取り組み面積は、前年度比25ヘクタール増の4,615ヘクタール、交付金総額は300万円増の7億5,000万円となっています。この制度は、特に中山間地域における耕作放棄地対策に一定の効果があったのではないかと思っております。  一方で、先月の北日本新聞には、所有者不明の不在地主による耕作放棄の記事が掲載されておりました。人口減少と高齢化が深刻化する中山間地域において、持ち主が亡くなった水田が加速度的に増えるのは目に見えており、まずは何より所有者に、自分の農地は自分で守る意識を持ってもらうことが不可欠といった内容でありました。  現在、中山間地域等直接支払制度の協定締結集落数は394で、対象集落の88%に当たりますが、県では、取り組めない集落においてはどのような支障があると認識しているのでしょうか。また、同制度は耕作放棄地対策としてこれまでどのような成果があったと考えているのか、今後の取り組みも含めて農林水産部長の所見をお伺いします。  水と緑の森づくり税について、期間延長と税額の一部引き上げが昨年の9月議会で可決され、平成28年度まで引き続き実施されることとなりました。  実は先月、生まれ里で「クマ2頭、イノシシ10頭とったから食べに来なさい」との招待を受けました。高岡と氷見の市境にある集落なんですが、自分が生まれ育った地にもクマやイノシシがこんなに出没するようになったのか、おちおち山菜取りにも行けんようになってしまったのかと残念に思った次第であります。  有害鳥獣対策には、里山や奥山の森の再生が不可欠なわけですけれども、森づくり税の延長を踏まえ、新年度以降、森づくりにどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。  先日、スギ花粉の飛散開始予測が発表されました。それによりますと、どうもきょうあたりから危ないらしく、ことしも花粉症におびえる季節がやってきてしまいました。  県では、全国で初めて種から苗を大量生産する技術を確立し、木材にも適した富山県発祥の優良無花粉スギ「立山 森の輝き」を発表されました。全国的にも需要があると思いますが、まずは富山県から植林して普及するべきだろうと考えますが、どのように取り組むのか、農林水産部長の御見解をお伺いします。  環境・エネルギー施策について質問します。  岩手、宮城県では、東日本大震災の津波で被害に遭って倒壊した家屋や、海水をかぶった家財等の災害廃棄物が大量に発生し、その処理が急務となっています。  両県では全力で災害廃棄物の処理を行っていますが、処理施設の不足で思うように進んでおりません。その量は、岩手県で通常の約11年分に当たる約476万トン、宮城県で通常の19年分に当たる約1,569万トンにも達しており、被災地の一日も早い復興に向けて、早急な処理が求められております。  国では、全国の廃棄物の処理施設に余力のある自治体と住民の皆さんの協力を仰ぎ、災害廃棄物の処理を行っていただく広域処理をお願いしています。それに応じる自治体も出てきており、静岡県島田市は2月10日、11日に震災瓦れき10トンを受け入れ、2月16日に燃焼実験を行っています。  本県では先月14日、全市町村と広域圏事務組合を対象とした初の研修会が開催され、環境省の担当者から、被災地の現状や震災瓦れき受け入れ処理に伴う放射能の安全基準などが説明されました。  石井知事がこの会合に出席する際、瓦れき受け入れに反対する市民団体のメンバーから抗議を受けたと聞きますが、富山県民全部がそんな人間ではないと私は思っております。私は、感情論だけで議論するのではなく、安全性確保や住民の理解を得ることが大切で、冷静な判断をお願いしたいと思いますが、全国的な動向なども踏まえ、県としてどのような対応をしていくのか、生活環境文化部長にお伺いします。  エネルギーの地産地消について質問します。  公営企業として発電している自治体は、昨年4月現在、全国で25都道府県1市の計26あります。発電施設は建設中を含め313カ所あり、水力発電が295カ所と大半を占めています。  全国の公営企業による発電については、1990年代以降の電力自由化に伴う買い取り価格の低下や、老朽施設の更新といった問題などから、発電事業からの撤退が相次ぎました。青森、福島、埼玉、和歌山、広島の各県などが水力発電所を売却したほか、三重県では昨年8月、県営水力発電所10カ所を中部電力に売却することで基本合意しています。「官から民へ」を掲げた小泉内閣の構造改革が撤退を加速させたのであります。  しかしながら、福島原発事故以後、地域エネルギーに対する関心の高まりを受けて、自治体側にも姿勢の変化が見られています。かつて計14カ所の水力発電所を売却する方針だった長野県は、知事交代後の昨年9月、公営電気事業のあり方を再検討する旨を明らかにしました。また、利用可能な水力エネルギー量が日本一と言われる岐阜県では、農業用水などを活用した発電施設を、市町村も含め、新たに8基設置する計画が進められるなど、小水力発電の導入も広まっています。  今後の地域エネルギー政策については、地域の貴重な資産でもある自治体の発電施設、あるいは中山間地の急峻な水路や平野部の農業用水路などの小水力発電など、その地域特性を踏まえた議論が必要になってくると考えます。  そこで、豊富な水に恵まれた富山県において、地域特性を生かした再生可能エネルギーの導入について、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  武道必修化の対応について質問します。  学習指導要領が改訂され、4月から中学1、2年の体育の授業で武道が必修化されることになりました。原則として、柔道、剣道、相撲が対象で、6割ほどの学校が柔道を選択するとみられておりますが、ここへ来て、現場や保護者に不安が広がっております。  直視しなければならない数字があります。中学と高校での柔道事故で、昨年度までの28年間に114人の子供が命を落とし、275人が重度の障害を負っているというものでございます。ほかの競技に比べると絶対数は3番目ですが、競技人口に対する割合では圧倒的に高いといったデータが示されています。部活動での事故が多いのも事実ですが、必修化では男子に比べて運動経験の少ない女子も全員が対象となることを考慮しなければなりません。また、柔道が専門でない体育教員もおり、教える側にも不安があろうかと思います。  このような状況下で、保護者の皆さんの懸念を払拭するためにも、現場での指導や安全対策をどのように講じていくのか、教育長の御所見を伺います。  最後に、山岳事故の対応について質問します。
     中高年の間で高まっている登山人気も影響していると思いますが、昨年1年間に県内で起きた山岳遭難による死者は18人で、うち県外者は14人に上っており、平成に入って最多だったことが県警のまとめでわかりました。遭難件数は前年に比べ3件増の116件、遭難者数は2人減の132人、死者の9割、負傷者の8割が40歳以上の中高年でした。遭難原因の内訳は、スリップなどによる転倒が38人で最多、高山病などの発病が22人、滑落が15人、転落と道に迷ったケースがそれぞれ14人、落石が8人と続いています。  山岳遭難の救助日数は184日と前年より34日多く、ヘリによる延べ救助回数も98回と、前年より24回も増えています。  これから雪崩の危険性も増す中で、登山者に対しどのように指導し、山岳遭難事故を減らしていくのか。また、万が一発生した場合の救助体制をどう講じていくのか、警察本部長にお伺いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。 27 ◯議長(坂田光文君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 28 ◯知事(石井隆一君)民主党・県民クラブを代表されましての山上議員の御質問にお答えをいたします。  まず、新しい総合計画を具現化していく覚悟についての御質問にお答えをいたします。  新しい総合計画につきましては、現在最終の取りまとめ段階にございますが、この計画では「活力」「未来」「安心」の3つを柱にしまして、60の基本政策及び目標を設定しますとともに、各政策を共通して支える重要政策として「人づくり」を位置づけております。  また、重点的、戦略的に取り組むべき重要政策課題として、グローバル競争を勝ち抜く環日本海・アジア戦略、あるいは災害に強い「日本一の安全・安心県」戦略など、5つの重点戦略を定めまして、県民の皆さん一人一人が輝いて生きられる元気な富山県の実現に向けた取り組みを加速させることにしております。  特に、県政の最終的な目標は県民の皆さんの幸せの充実でありまして、今を生きる私たちはもちろんですけれども、将来の世代も含めて、県民の幸福度を高めるための環境整備を積極的に推進することといたしております。  なお、私自身のことにつきましては、自由民主党の代表質問でもお答えしたとおりでございまして、残された任期については、2期目の仕上げの年として、山積する本県の重要課題に一つ一つ全力で取り組んでいきたいと考えております。  特に来年度は新総合計画のスタートの年に当たり、計画に盛り込まれた新しい取り組みについては、道筋を明らかにしてしっかりと基礎を固め、これまで継続して取り組んでいる施策についてはさらに磨きをかけるなど、県政の着実な進展を図ることが重要であります。  幸い、陸海空の社会資本整備を初め、経済・雇用対策の充実とか、教育、文化、医療、福祉、防災など、さまざまな分野の政策が芽を出して、花を開き、また実を結びつつあるものもあるんではないかと思っております。  こうした基盤を生かしながら、引き続き、内外とも厳しい社会経済情勢の中ではございますけれども、県民の皆さん一人一人が、生きがいとか働きがいなど真に幸せを実感できて、未来に希望、明るい展望を持って、元気に働き、暮らせる富山県の実現に向けて、精いっぱい、誠心誠意努力してまいりたいと思います。  次に、新総合計画と新年度予算についてお答えをいたします。  今回の予算編成に当たりましては、24年度が新総合計画の初年度でありますので、財政再建に留意しながらも、一方でめり張りのついた予算としますために、戦略的な事業を積極的に予算要求できる特別枠も設定しまして、本県の発展、また県民の皆さんの幸せの充実のための5つの重点戦略とか重要政策人づくり、こういったものに優先的に予算配分いたしました。  一般会計の予算は、人件費や公債費の抑制に加えまして、新幹線の建設工事がピークを過ぎましたので、負担金も当然減ることになりますし、また、国の基金事業等の減などによりまして、総額では23年度比1.8%減となりましたが、政策経費については2.7%増と、6年連続の増額となる予算を確保いたしました。  新総合計画の先導的な取り組みとなる戦略的事業を実施しますとともに、経済・雇用対策、あるいは陸海空の交通基盤の整備、防災・減災対策に積極的に取り組むことにしておりまして、県民の皆さんに御評価いただくことではございますが、元気とやまの創造に向けて、元気で安心な予算ということになったんではなかろうかと思っております。  具体的には、経済・雇用対策については今ほどもお話がありましたが、有効求人倍率0.94倍と全国5番目にまで回復してきたということもございますが、なお厳しい状況もありますので、中小企業向けの融資制度を充実する。また雇用の創出にも引き続き力を入れる。離職者向け職業訓練などの拡充、また将来を見据えた新しい成長産業への挑戦など、産業の育成振興を図る。  また、陸海空のインフラ整備につきましては、北陸新幹線の整備促進、伏木富山港の機能向上、台北便などの国際定期路線を生かした観光、経済交流の促進。  また、防災・減災対策につきましては、県立学校や警察施設の耐震化、また、広域消防防災センターを活用した防災専門人材の育成や、原子力関連を含めた防災資機材の整備、備蓄などを念頭に取り組みを進めております。  次に、県の広域消防防災センターについての御質問にお答えをいたします。  ことし4月にオープンします富山県広域消防防災センターにおきましては、まず消防職団員の育成に関しては、全国でもトップクラスの新たな施設を効果的に活用しまして、高度な訓練を実施することにしております。  お話にも出ましたが、日本一高い主訓練塔を活用した消火・救助訓練、水深10メートルの潜水プールを活用した水難救助訓練、また、今でも全国トップレベルにあります本県の山岳救助技術を活用した、転落救助訓練施設を使った実戦的な山岳救助訓練、また模擬家屋の配置を変えて行う消防活動訓練、実際の火を使った実火災訓練、積雪時に屋内訓練場を活用した放水訓練などを新たに実施することにしております。  自主防災組織や県民の学習訓練に関しましては、富山県は四季折々の特徴的な災害要素もありますので、その防災体験ができる体験型の学習施設を活用しまして、例えば寄り回り波など地域特有の災害が学べる防災学習、全国で初めての流水体験と風雨災害体験の同時学習、また、地域の方が御高齢の方を救助したり、高齢の方がみずから自分の身を守るための教育訓練研修、また、子供たちや家族が消防職団員の訓練を見学できるように、グラウンドの東側に約1,000名に見てもらえるような芝生広場をつくるとかいったような参加型の学習とか、全国的に見てもトップクラス、また、富山ならではの特色のある教育訓練や研修を実施することにしております。  また、今回の東日本大震災の教訓を踏まえまして、津波や原子力災害に焦点を当てたオープニングの特別展の開催とか、幼いころからの防災教育が重要でありますので、ゴールデンウイークとか夏休みに子供向けのイベントの開催をする。また、自主防災組織の皆さんが訓練施設などを利用しやすいような環境整備を図るとか、小中学生や高齢者、女性を含めて、一般の県民の皆さんが防災意識の高揚、自己啓発に取り組める研修、学習の場として活用してもらいたい、こういうふうに思っております。  次に、北陸新幹線などについての御質問にお答えをいたします。  北陸新幹線整備促進とか、あるいは並行在来線の経営安定、地方負担の軽減、これは本当に県議会や関係県、経済界とも連携を図りながら、また国会の先生方にもお力添えいただいて、粘り強く働きかけてまいりました。  おかげをもちまして、金沢以西の延伸については昨年末に、一定の条件が整えば整備新幹線の未着工区間について認可、着工することが政府・与党において確認されまして、北陸新幹線の金沢-敦賀間の認可、着工が事実上決定したところであります。本当にこのことは大変喜ばしく、御尽力願った国会の先生方や県議会の各位、関係者の皆様に心から感謝申し上げたいと思います。  また、並行在来線の経営安定や地方負担の軽減につきましては、一昨年の春以来、富山県はよその県に先駆けまして、鉄道・運輸機構の利益剰余金の、あの当時は1兆4,500億あったわけですけれども、その相当部分を北陸新幹線の金沢以西の延伸、また並行在来線の経営安定、地方負担の軽減のために活用すべきことを働きかけてまいりました。  その結果、少し残念な面もありましたが、何とか昨年の6月、鉄道・運輸機構の利益剰余金の一部を鉄道関連施策に活用する法案が全会一致で成立しまして、北陸新幹線高崎-長野間の債務の償還が1,500億、また、並行在来線の貨物調整金の財源が1,000億として、2,500億円が活用されることになりました。  これによって、まず貨物調整金については昨年の秋に大幅な拡充が図られまして、本県についてはお願いを相当聞いていただいて、貨物調整金が倍増することになったわけであります。  また、高崎-長野間の債務償還の財源として予定されていましたJRからの新幹線貸付料を、今年度から新幹線建設の財源に充てることが可能になりましたので、今般、本県で平成23年度分としては50億円、開業までの4年間で約200億円が軽減される見込みとなりまして、この点については相当大きな成果と言えるんじゃないかと思います。  さらに、平成21年度の国の補正予算における交付金による本県負担の減額が73億円ございますから、こうしたものと合わせますと、北陸新幹線建設費の増嵩経費として国が平成20年に提示した本県分の見込み約260億円を上回ることになりまして、そのほか、既に措置していただいている交付税の増額とかいろんなことを考えますと、結果として、新幹線の地方負担軽減と並行在来線の支援の双方に一定の配慮をしていただいたものじゃないかと受けとめております。  今後とも引き続き、平成26年度末までの長野-金沢間の確実な開業、また金沢-敦賀間の速やかな認可、着工、さらに大阪までの全線整備、これとあわせまして並行在来線の経営安定対策、また地方負担軽減が一層充実、拡充されますように、関係国会議員の皆さん、また県議会の各位、関係県、経済界等とも連携しながら全力で取り組んでまいりたいと思います。  次に、JRからの鉄道資産の譲渡についての御質問にお答えをいたします。  並行在来線については、今ほど申し上げましたように、貨物調整金が倍増という成果もあったんですけれども、開業後の収支はなお厳しい状況にございます。そこで、現在JRに対して、車両を含む必要資産について極力低額での譲渡となるよう粘り強く折衝しているところでございます。  そうした中で、県議会におかれましては、昨年11月議会で「並行在来線の持続可能な安定経営実現に関する決議」を可決されまして、年末には坂田議長や坂野議員を初め、全会派の代表の議員からJR西日本に直接要請をしていただいたところでありまして、大変心強く思って感謝をしております。  今後のJRとの交渉スケジュールですけれども、先行事例でも開業のおおむね2年前にはJRと基本合意していますし、また、本格会社に移行するための追加出資は、来年1月の県の並行在来線対策協議会で協議する必要があります。そうしたことを勘案しますと、あまり前のめりになりますと足元を見られるという問題もあるんですが、何とか年内には交渉のめどをつける努力をしなければならないと、こういうふうに思っております。  また、JRとの交渉に当たっては、鉄道資産については、精査の上、必要な資産のみを極力低額で譲渡すること。また、車両については、昨年10月の佐々木社長への要請を踏まえて、この3月中旬から富山駅まで運行することになりました新型車両についても低額な価格で譲渡をすること。譲渡施設については事前に調査・点検をして、あらかじめ必要な修繕を行うことなどのほか、鉄道事業の円滑な引き継ぎや安全確保に万全を期すためには、JRからやはり社員を派遣していただく必要があるんですけれども、その人件費についても支援を行ってもらいたいことなど、鉄道資産以外の支援も含めて、JRからさまざまな協力や支援が得られるように全力を挙げて折衝を重ねているところであります。  こうした交渉に当たりましては、県議会での議論を初め、タウンミーティングなどでの県民や経済界の御意見等も踏まえまして、しっかりと粘り強く行ってまいりたいと考えておりまして、議員各位には引き続きお力添えをお願いしたいと思います。  次に、観光振興についての御質問にお答えをいたします。  北陸新幹線の開業を見据えまして、これまでもいろんな対策を打ってきたわけですが、例えば、歴史や文化の薫るまちづくりとか、水辺を生かした地域のにぎわいづくりとか、食のとやまブランドといったような富山らしい魅力の創出とか、また、山手線の車体広告などを初めとした戦略的なPR──映画などの広告も出しましたが。また、おもてなしの心が大事だということで、観光のスキルアップも含めまして、とやま観光未来創造塾というものをつくって観光人材の育成にも当たっておりますし、観光案内所の機能の充実なんかも進めてまいりました。  民間の旅行満足度に関する全国調査によりますと、本県は2008年では30番でありました。それで、大変残念で、何とかしなきゃいかんと思っておりましたが、2009年に29番、それから2010年に15番、ようやく2011年に10番ということで順位を上げてきておりまして、もちろんこれは民間調査ですから、100%正しいことかどうかわかりませんが、一つの指標として見まして、それなりの成果が出つつあるのかなと思います。  昨年3月に開業した九州新幹線沿線では、昨年の秋に「熊本・宮崎・鹿児島デスティネーションキャンペーン」を展開されますとともに、各県では独自の誘客キャンペーンとか商品造成等に取り組んで、期間中の各駅の乗降客数が、九州新幹線の場合には開業前の前年の同期に比べると、区間によって4割増しとか6割増しとかいったような効果があったと伺っております。  本県としても、新幹線開業により北陸への提供座席数が増えまして、移動時間も大幅に短縮しますことから、新幹線開業効果を最大限に高めますために北陸3県で連携して、平成27年度に北陸でのデスティネーションキャンペーンの積極的な実施を、JR西日本を初めJR6社に働きかけていくことにしております。  また、北陸を目指す観光客がより多く富山を訪れていただく、また、より長く滞在して、たくさんの観光商品やサービスを消費していただく。これは、私どもが調べてみますと、これも民間調査ですが、富山県に来た方の1人当たりの消費金額が全国平均より4,400円安いという数字もありまして、やっぱりたくさん来てもらうということと、せっかく来てもらった方に、「ああ、やっぱり富山県に来てみると、いいお土産があるな」とか、「おいしいものがあるな」といって、たくさん気持ちよく使ってもらえる。そういう工夫が必要なわけでありまして、観光地の総合的な魅力を向上しますとともに、観光による十分な経済波及効果を上げられるように、関連産業を含めて態勢整備を図る必要があると思っております。  そこで、魅力的な旅行商品の企画造成とかブラッシュアップ、地域発観光サービス支援充実事業といったものも今回予算措置しておりますが、あるいはお土産の開発、まちの逸品ブラッシュアップ事業といったようなものも打ち出しております。また、首都圏の大手旅行会社への観光商品販売プロモーションの強化、また、開業に向けた機運醸成のためのキャンペーンの展開など重点的に推進しまして、開業までにしっかり受け皿を整えて、お話のように何度でも訪れたくなる、選ばれ続ける観光地になりますように、県民の皆さん、また市町村、観光関連事業者と一体となって努力してまいりたいと、こういうふうに思っております。  次に、医師確保対策の御質問にお答えをいたします。  お話にありましたように、23年度の臨床研修医のマッチング率は前年度に比べますと大幅に増加したわけですけれども、その要因について各病院にヒアリングを実施しましたところ、例えば富山大学の附属病院では、今では一昨年になりますが、22年11月に研修医室を整備したほか、研修指導体制を充実されたと。また県立中央病院では、ご承知のように医師宿舎の改築等の環境整備を図った。また、MFICUやNICUの整備、救命救急センターの改築など、病院機能の充実を図った。また高岡市民病院では、研修医の学習環境を整備したことなどが医学生から評価されたんではないかと伺っております。  また、県におきましては、23年度には臨床研修病院連絡協議会というものをつくりまして、病院ホームページのリニューアルとか、病院持ち回りによるPR情報誌の発行、また東京や大阪での合同説明会における大型ブースのPRなど、各病院と一体となって積極的に研修医の確保に取り組んでまいりましたほか、最近は女性の医師も多くなっていますので、県医師会と連携して女性医師等に対する支援も実施しているところでございます。こうしたさまざまな各病院の努力、県としての取り組みの成果が、今回の結果にそれなりにあらわれたんじゃないかと思っております。  新年度には、これまでの確保対策に加えまして、新たに医学部の1年生を対象としたセミナーを開催する。また、臨床研修医室の環境向上への支援を行う。また、県立中央病院については、小児外科の新設や心臓血管検査ネットワークシステムの導入のほか、災害医療体制を強化するために、富山大学附属病院に設置される医療人材育成センター──これは仮称ですが──また、DMATの指定病院における医療資機材等の整備に対する支援などを実施することにしております。  県としましては、こうした取り組みによって、できるだけ研修医にとって魅力ある研修環境の整備を図る、また病院における研修医の一層の確保につなげていきたい。そうしたことが総合的な医師確保にもつながっていくと思っております。  次に、森づくりについての御質問にお答えをいたします。  昨年9月定例会で水と緑の森づくり税の延長、充実について御議決いただいたわけですが、これを受けまして森づくりプランの後期計画というものをつくりまして、里山林については前期5カ年の実績をもとに整備目標を1,300ヘクタールとしまして、雑木の除伐を行うとともに、整備後の下刈りなどの維持管理、これは地域の住民の皆さんに中心になって進めていただいて、明るい里山を目指すことにしております。このうち、まだ自立が困難な、特に御高齢の方の多い地域などは、6年目以降もこの里山整備について、地元の方が活動される経費についても一定の支援を行うことにしております。  また、奥山の混交林については整備目標を800ヘクタールとしまして、これまでの過密人工林や風雪被害林の整備に加えまして、竹林が侵入したスギ人工林についても、放置しますと暗い森となって下草などが生えず、山腹崩壊のおそれもあるということで、整備対象に追加して、針葉樹と広葉樹が混在する健全な森林になるようにしてまいりたいと思います。  また、カシノナガキクイムシの被害を受けた奥山を対象にしまして、野生生物の餌場の確保を図るという趣旨もありまして、実のなる木を植栽する。また、ことし秋から苗が供給できる優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の植栽を支援するなど、新しい課題に対応した森づくりを進めることにしております。  また、富山の森を支える人づくりも重要でありますので、森づくりの参加人数は28年度目標を1万2,000人としまして、森づくりサポートセンターによる必要な機器の貸し出し、技術指導を行う。また、森林ボランティア団体については、登録6年目以降も一定の活動経費に対する支援を行うというふうなことにしております。  また、県産材の利用促進、森づくりへの理解の醸成ということで、木造公共施設の新築に対して新たに支援する。内装の木質化、木製品の導入などにも取り組むということであります。  ちょうど平成27年度に豊かな海づくり大会が予定されておりまして、天皇皇后両陛下の行幸啓もあるということでございます。豊かな海を保全するためにも森づくりは大切でありますので、今後とも県議会や市町村の御意見もお伺いしながら、地域やボランティアの皆さんを支援しまして、皆さんと一緒に富山の森を守り、育ててまいりたい、こういうふうに思っております。  最後に、再生可能エネルギーの導入についてお答えを申し上げます。  本県では、現在、水力発電は県内における発電電力量の約7割ということで、日本で有数の再生可能エネルギーの先進県と言えると思います。さらに最近では、さっき岐阜県の例もお出しになりましたが、富山県も包蔵水力全国2位と大変高いポテンシャルがありますので、企業局の発電事業、県営の土地改良事業において小水力発電の整備に積極的に取り組んでおります。  現在、運転中の仁右ヱ門用水発電所など16カ所の小水力発電所に加えまして、県営では庄発電所(仮称)、山田新田用水発電所(仮称)を建設中ですが、さらに県内全域を対象にしまして、小水力発電所やマイクロ水力発電設備の建設可能地点の調査を行いますとともに、引き続き企業の技術開発──大変うれしいことに、富山県は意欲のあるものづくり企業が小水力発電とかマイクロ水力発電の新しい発電設備をつくろうというので、いろいろ研究されて、かつ実用化されつつあるわけです。こうしたことも支援していきたいと思います。  また、太陽光発電では、県立学校や中央病院に太陽光発電を率先して導入しましたほか、住宅用太陽光発電の導入を促進しますために住宅への助成制度を創設して、これまで約2,800件を超える世帯を支援しております。新しい年度においても助成件数を拡充することにいたしました。  さらに、スマートコミュニティーの形成に必要な技術開発、また実証実験の検討を進めますとともに、長期的には地熱利用とか、あるいは今後実用化が期待される波力エネルギーなど、未利用エネルギーについても調査研究に取り組みたいと思っております。  現在、国ではエネルギー基本計画の見直しで、エネルギーのベストミックスの選択肢の提示に向けた検討ということで進めておられますし、また、ことし7月からいよいよ固定価格買い取り制度が導入されるんですが、肝心なのはこの価格をどうするかということでありまして、昨年来、経済産業省にいろいろ働きかけしておりますが、調達価格等算定委員会というところで検討されるということであります。  今後とも、こうした国のエネルギー政策の見直しの動向、また、しっかりいいところへエネルギー政策を持っていってもらわなければいけませんが、そういうことも見守りながら、小水力発電、太陽光発電等々、再生可能エネルギーの導入等、また関連して、富山県のものづくり企業がもっと発展するように、研究開発なんかもしっかりと支援してまいりたい、こういうふうに思っております。  以上であります。 29 ◯議長(坂田光文君)吉田知事政策局長。    〔知事政策局長吉田 修君登壇〕 30 ◯知事政策局長(吉田 修君)災害に対応できる人づくりについての御質問にお答えいたします。  東日本大震災でも明らかとなりましたように、大規模災害時には行政の対応には限界があることから、平素から災害に対応できる人づくりを行うことは、大変重要なことと考えております。現在取り組んでおります地域防災計画の見直しにおいても、専門人材の育成、幼いころからの防災教育の充実、地域防災力の向上の3つの取り組みについて充実強化することを検討しております。  来年度の具体的な取り組みといたしましては、まず専門人材の育成につきましては、新たに広域消防防災センターを活用して、消防職員、消防団員を対象に高度な訓練を実施することや、富山大学の医療人材育成センター(仮称)設置への支援などを行うこととしております。  また、防災教育の充実につきましては、新たに広域消防防災センターにおけるゴールデンウイークや夏休みでの子供向けイベントの開催に加え、児童生徒用防災ハンドブックの配布や、パンフレットの作成等による原子力防災知識の普及などを行うこととしております。  さらに、地域防災力の向上につきましては、引き続き自主防災組織のリーダー研修などに取り組むとともに、新たに防災士養成のための研修講座の県内での開催も実施することとしております。  今後とも、県民の安全・安心を確保するため、災害に対応できる人づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 31 ◯議長(坂田光文君)牧田土木部長。    〔土木部長牧田 潔君登壇〕 32 ◯土木部長(牧田 潔君)富山駅南口交通広場の整備についての御質問にお答えをいたします。  富山駅南口交通広場の計画につきましては、平成18年に事業主体である富山市が設置しました富山駅周辺整備事業推進協議会において、県も参画し、検討が進められてきたところでありまして、平成20年3月の第4回協議会において、広場と前面道路との交差点における安全性の確保、南北自由通路や広場のにぎわい空間の確保、広場内における安全な歩行者動線の確保などの観点から、バスとタクシーが南口交通広場を共用する案で合意されたところでございます。  また、一昨年11月の第7回協議会では、タクシー協会から、タクシーは西口交通広場を利用する見直し案が提示されましたが、高架下使用料や維持管理費等の負担が発生することから、昨年6月の第8回協議会におきまして提案の取り下げがあったところであり、バスとタクシーの共用案が改めて確認されたところでございます。  これを受けて、バスとタクシーの共用案を前提に、新たな横断歩道の設置や路面電車の延伸等に伴う広場前面道路の混雑といった課題等に対し、安全性、利便性の確保の観点から事務レベルでの協議を行うこととなり、現在、富山市では駅周辺の交通処理についてシミュレーションを実施しており、その結果に基づきまして、今後、交通管理者、交通事業者等と調整を行う予定と聞いております。  富山駅南口交通広場におけるバス、タクシーなど、公共交通の交通結節点としての安全確保は極めて重要でありますので、基本的には富山市において関係者と十分協議していただきたいと考えておりますが、県としましても必要に応じ助言等を行ってまいりたいと考えております。 33 ◯議長(坂田光文君)荒木商工労働部長。    〔商工労働部長荒木 勝君登壇〕 34 ◯商工労働部長(荒木 勝君)まず、中小企業対策のうち、緊急融資等の実績と企業倒産の動向についての御質問にお答えをいたします。  平成20年のリーマンショックを契機としました世界同時不況を受けまして、県では、厳しい経営状況にあります中小企業の経営安定、倒産防止を図るため、平成20年10月に経済変動対策緊急融資を創設いたしますとともに、平成20年12月には借り換え資金であります緊急経営改善資金の拡充を行ったところでございます。  この2つの資金の融資実績については、制度創設から本年の1月末までの累計で、緊急融資につきましては1万5,752件、約1,720億円、借り換え資金につきましてはちょうど5,000件で約571億円、合わせまして2万752件で約2,291億円となっておりまして、多くの中小企業の方々に御利用いただいていると考えております。  一方、本県の企業倒産の状況を見ますと、平成22年度は件数で101件、負債額で199億円でございます。平成21年度と比べまして件数で約3割、負債額で約6割と大幅に減少いたしております。今年度につきましては、1月末現在で件数で76件、負債額で224億円となり、前年同期に比べまして件数では約1割の減少となっております。  なお、大型倒産が1件ございました関係で、負債額は約67億円増加いたしておりますけれども、倒産については減少傾向にあると考えておりまして、融資制度の拡充等が中小企業の皆さんの経営安定にお役に立てたのではないかと考えております。  新年度予算案におきましても、緊急融資や借り換え資金の取り扱い期間を1年間延長いたしますとともに、円高等に対処し、中小企業の新たな発展を支援するため、新成長産業育成支援資金を創設いたしますとともに、創業支援資金や新事業展開支援資金の金利を引き下げるなど、今後とも中小企業の円滑な資金繰りを支援してまいりたいと考えております。  次に、ものづくり研究開発センターの成果についての御質問にお答えいたします。  県内ものづくり企業が世界的競争に勝ち残る新技術、新商品を開発するためには、絶えざるイノベーションを進めることが必要であり、本県ものづくり産業振興の拠点といたしまして、昨年4月に富山県ものづくり研究開発センターを開設したところでございます。  導入いたしました最先端の26設備につきましては、本年1月までに、県内の企業はもちろんでございますけれども、首都圏などの企業も含めまして、延べ1,750件の利用がございました。また、電波暗室を利用しまして環境に配慮した低コストICタグの開発などが行われまして、経済産業省の公募事業であります戦略的基盤技術高度化支援事業に採択されるなど、ものづくり研究開発センターを活用しました26テーマの研究開発プロジェクトが現在進行いたしております。  また、開発支援棟には、県内企業との共同研究のために東京から進出しました2企業を含めまして、現在、12の企業と研究グループが入居いたしまして、新製品の開発や試作に取り組んでおります。この入居企業の中には、研究成果を生かしまして、ことし4月には、産業用ロボットに使われます、6軸力覚センサーと呼ばれます小型で高精度なセンサーの本格的な生産を予定されているという企業もございまして、着実に成果があらわれてきているというふうに考えております。  また、ものづくり研究開発センターに導入されましたエレクトロスピニング装置や超精密切削加工機など、ナノテク関連の8設備を一層活用いたしまして、新年度では、今後のグローバル競争に打ち勝つ高付加価値製品の開発に不可欠となりますナノテクノロジーの基盤技術の開発に取り組むことといたしております。  具体的には、世界的な研究者を交えましたシンポジウムの開催によりまして県内企業へのナノテク技術の理解、普及を図りますとともに、最先端設備を活用しました課題解決型の研修によりまして高度ナノテク人材の育成を行うこと。また、県内企業に展開できます新たなナノテクものづくり基盤技術、例えば、次世代自動車の分野ですと超軽量高強度プラスチック成型技術、環境分野ですとナノファイバーの複合化技術、医薬品分野ではナノ製剤粒子カプセル化技術、こういったものの研究開発に取り組みまして、県内企業のものづくり技術の高度化を積極的に支援してまいりたいと考えております。  次に、専門的知識や技術を有する高齢者の就労支援についての御質問にお答えをいたします。  高齢化の進行によりまして、労働力人口の減少が見込まれる中、元気な高齢者が意欲と能力に応じまして活躍できるエイジレス社会、生涯現役社会の実現に向けた環境づくりが重要となっていると考えております。  こうした中、シルバー人材センターにおきましては、高齢者に対しまして臨時的、短期的、または軽易な就業の機会を提供されまして、高齢者の生きがいの充実、社会参加の促進を図っておられるところでございます。
     一方、高齢者の中には、長年培った専門的な知識や技術、技能、経験、資格等を生かして働きたいというニーズがございますし、また企業におきましても、昨今の厳しい経営環境の中で、新たな事業展開や諸課題への対応が求められていることから、県のアンケート調査におきましても、中小企業を中心としまして7割以上の企業の方が、高齢者の専門的な能力や人材の活用を検討したいというふうにお答えになっておられます。  こうしたことから、県では新年度におきまして、専門的な知識や技術を有する高齢者の方を対象としました「とやまシニア専門人材バンク」を新たに設置いたしまして、求職者と求人企業を登録する人材バンクシステムの構築と運用、コーディネーターの配置による求職者や企業向けの総合相談、関係機関や経済団体等と連携しました企業、団体訪問等による求職者や求人の開拓、高齢者と企業とのマッチングの促進などによりまして、高齢者の就業の促進と、県内中小企業におきます有為な人材の確保にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 35 ◯議長(坂田光文君)飯田厚生部長。    〔厚生部長飯田久範君登壇〕 36 ◯厚生部長(飯田久範君)まず、介護保険制度に関しての御質問にお答えをいたします。  本県では、高齢化の進展に伴い増加いたします介護サービスニーズにおこたえするために、これまで介護サービス基盤の整備を積極的に進めてきておりまして、特別養護老人ホーム等の介護保険施設の整備率につきましては、厚生労働省の調査によりますと、平成21年で全国第2位、平成22年で第5位と高い水準にございます。  一方、特養の待機者につきましては、日常生活において全般的な介助が必要な、要介護3以上で自宅等から申し込みをしている方でございますが、平成23年4月現在で2,034名というふうになっておりまして、依然として施設に対するニーズが高い状況にございますことから、現在、市町村で策定中の平成24年度からの第5期介護保険事業計画では、新たに大規模特養と地域密着型特養──いわゆる小規模特養という特養でございますが、この2つを合わせて435人分の特養の整備計画が見込まれているところでございます。  ただ、この第5期計画期間中の第1号被保険者──65歳以上の高齢者の方々でございますが、この月額保険料につきましては、要介護高齢者の増加でございますとか、介護基盤の緊急整備、そしてまた介護職員の処遇改善等による介護給付費の増加によりまして、県平均で5,513円、第4期に比べて939円の引き上げが見込まれているところでございます。  今後も施設整備が進めば、平成27年度からの第6期計画以降の保険料のさらなる上昇が予想されますことから、介護保険制度が今後とも安定的に運営されるためには、高齢者の方々の保険料の負担にも十分配慮をする必要があるものというふうに考えております。  このため県では、介護給付費の増大を抑制するために、高齢者の方々の健康づくりでございますとか、介護予防を一層推進いたしますとともに、在宅と施設のバランスのとれた介護サービス基盤の整備に努めまして、高齢者の方々ができる限り住みなれた地域で安心して暮らすことができますよう、引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、PET画像診断センターに関しての御質問にお答えをいたします。  とやまPET画像診断センター、いわゆるPETセンターの整備をいたしましてから約4年余りが経過しておりますが、センターの利用者数につきましては年々増加いたしてきておりまして、24年1月末現在で合計1万3,640人、うち検診での利用は3,815人、構成比では28%、医療保険での利用は9,825人、構成比では72%となっております。  PETセンターのほうでは、富山型がん診療体制のもと、10カ所ございますがん診療連携拠点病院等を初め、県内医療機関との連携の強化を図ってきておりまして、これらの医療機関からの紹介により検査を受ける患者さん、いわば医療保険の対象となる患者さんが大幅に増加してきているところでございます。  がん検診を目的としてPET検査を受けられる場合の利用料金につきましては、議員もおっしゃられたとおり、8万9,500円というふうになっておりますが、この金額につきましては、県内のPETを有する他の医療機関の料金とほぼ同水準でございますし、また、全国のPETの施設とちょっと比べてみましても、うちの料金についてはやや低い料金設定となっているというふうに、私どもは思っているところでございます。  さらにPETセンターでは、1つには、市町村、企業、健康保険組合等が構成員に対しまして5,000円以上助成をいたす場合、2つ目には、夫婦ですとか親族の方が2人以上で同時に検診を申し込むとか同日に受診される場合、そして3つ目には、前回の受診から3年以内に再度受診される場合には、利用料金を5,000円割り引きいたしまして、検診受診者の負担の軽減を図っているところでもございます。  PETセンターのほうにおかれましては、引き続き市町村、企業、健保組合等と連携を図りながら、県民の皆さんの利用促進に努めていただきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 37 ◯議長(坂田光文君)寺井農林水産部長。    〔農林水産部長寺井幹男君登壇〕 38 ◯農林水産部長(寺井幹男君)まず、中山間地域等直接支払制度の成果と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。  中山間地域等直接支払制度は、営農条件が厳しい中山間地域において、農業生産活動を維持することにより、耕作放棄地の発生防止や農地の多面的機能を確保することを目的に平成12年度から実施され、22年度からは第3期対策として継続実施されております。  本県では、12市町の394集落、4,615ヘクタールで実施されておりまして、対象面積の88%で取り組まれており、これは全国第10位でございます。その結果、実施している集落においては、新たな耕作放棄地は発生しておらず、農業生産体制や集落機能の維持に大変大きな効果を上げていると考えております。  しかし、残り12%程度の地域において取り組みが進まない理由といたしましては、今ほど議員から不在地主のことも御指摘いただきましたが、やはり中心となる農作業の担い手が不足していること、高齢化によって5年間の営農継続に自信が持てないこと、また、地域のリーダーや事務処理のできる人がいないことなどが挙げられております。  現在の第3期対策では、こうした高齢化の進行にも配慮されて、将来、営農が困難となった場合に備えて、あらかじめ引き受け手を決めておくことで、満額の交付金が受け取られること。また、独自で取り組めない小規模、高齢化集落を中心集落が取り込んで実施する場合に交付金が加算されることなど、担い手がいない集落でも取り組みやすい制度に改善されております。  県としては、現在の高い実施率を維持するとともに、未実施の集落については、市町村とも連携しながら、この制度を活用して取り組みが進むように支援し、あわせまして、農地・水保全管理支払制度や県単独の中山間地域チャレンジ支援事業などの活用も図りながら、耕作放棄地の発生防止と解消に取り組んでいきたいと考えております。  次に、優良無花粉スギの普及方法についての御質問にお答えいたします。  県においては、スギ花粉症対策に貢献するために、優良無花粉スギの開発に取り組んできておりまして、平成20年度に県森林研究所において全国で初めて種から生産する技術を確立して、その後、増殖を図り、本年秋から5,000本出荷できることになりました。先月、このスギの名前を公募によりまして、「立山 森の輝き」と名づけたところであります。  この品種は無花粉スギと花粉のある精英樹との交配でつくられておりますことから、その種から発芽する苗木は、半分が無花粉で半分が有花粉であります。その苗木の中から無花粉のものを人手をかけて選別しておりまして、このことで通常のものよりも苗木の単価が割高になりますことや、まだ木材として出荷されておりませんので、市場評価が確立していないといった課題もあります。このため、森づくり税を活用して初年度の植栽経費を支援し、普及を図るものであります。  また、苗木の生産につきましても、まだ他県に出すほどの大量増産ができないことから、当面は花粉が多く飛散するとされます標高300メートル以下のスギ人工林の伐採跡地において、5年間で40ヘクタール、約8万本の植栽をモデル的に行う計画であります。  こうしたモデル的な取り組みの成果を踏まえて、将来的には、大量増殖によります苗木の生産コストの低減を図るなどして、森林所有者の理解も得ながら、一般の造林公共事業にも利用されるように取り組み、そしてさらには全国的にも普及して、花粉症対策に効果を発揮することを期待しているところであります。  以上であります。 39 ◯議長(坂田光文君)五十嵐生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長五十嵐信夫君登壇〕 40 ◯生活環境文化部長(五十嵐信夫君)災害廃棄物の受け入れに関する質問にお答えをいたします。  被災地の復興のためには、災害廃棄物の受け入れの広域的な支援が必要だと認識しております。しかしながら、放射性物質に関する住民の不安が払拭できないことなどから、東京都や山形県以外では、なかなか広域処理が進んでいない状況にあります。  そのため県では、国に対しては、災害廃棄物の安全性の確保と国民へのわかりやすい説明を徹底すること、さらに市町村に費用負担が及ばないことなどについて、強く要請してきたところでございます。また、市町村からの要望も踏まえまして、研修会を開催し、被災地の現状や安全性の確保など、受け入れをめぐる状況について共通の認識を持ったところであります。  その一方で、研修会の参加者からは、放射性物質の影響は無視できるほど小さいとする国の考え方と、放射性物質はなくて当然とする住民との溝を埋めるには時間がかかるといった声も聞かれたところであります。こうした声に代表されるように、災害廃棄物の受け入れに当たっては、安全性の確保と住民の理解が最も大切であると考えております。  県といたしましては、引き続き市町村との連携を密にいたしまして、今後受け入れの意向を示される市町村があれば、安全性の確保や住民の理解を前提としまして、国や被災地との調整など、県としての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。 41 ◯議長(坂田光文君)寺林教育長。    〔教育長寺林 敏君登壇〕 42 ◯教育長(寺林 敏君)中学校における武道必修化についての御質問にお答えいたします。  平成24年度から完全実施されます中学校新学習指導要領では、すべての生徒が日本の伝統文化である武道を履修し、相手を尊重する心や、礼に代表される伝統的な行動の仕方などを学ぶこととなっております。  このため県では、保健体育科教員の段位取得状況や柔道と剣道の選択状況の調査などを行うとともに、移行期の平成21年度から23年度までの3年間、体育実技指導者講習会において武道を毎年実施し、保健体育科の全教員が必ず受講する体制を講じてきたところであります。  さらに、調査の結果、本県の中学校は2学期以降に武道を行うことから、武道が実施されます2学期までの間に、文部科学省が作成中の安全指針に基づき、教員が指導力を高め、自信を持って授業に臨めるよう、指導講師を増員しての体育実技指導者講習会の実施、武道を指導する教員全員を対象とした学校柔道研究会や学校剣道連盟主催の講習会の実施などを行うこととしております。  また、授業の実施に当たりましては、地域の警察官OBや武道の専門家を希望校へ派遣しまして、教員とのチームティーチングによる指導を行うなど、指導の一層の充実を目指すとともに、安全管理に万全を期してまいります。  今後とも、保護者会や学年通信等により教員や保護者の不安解消に努めるとともに、生徒の習熟度や男女差、体格などの個人差やレベルに応じまして、例えば、柔道では受け身や体さばきなどといった基本動作やわざが身につく授業が実施されますように、市町村教育委員会や関係団体と連携して教員の指導力向上と安全対策に努めてまいりたいと考えております。 43 ◯議長(坂田光文君)萓嶋警察本部長。    〔警察本部長萓嶋満津保君登壇〕 44 ◯警察本部長(萓嶋満津保君)山岳遭難事故の防止等についてお答えをいたします。  まず、山岳遭難事故の実態についてでありますが、議員御指摘のとおり、昨年の遭難者数は132人と前年に比べ2人減少したものの、死者数は18人と前年に比べ6人増加となり、平成に入り最多となっております。  特徴といたしましては、中高年登山者の遭難者数が昨年も101人、率にいたしまして76.5%と高どまりの傾向が続いていること。また、遭難者に占める県外からの登山者が8割近くに及んでいることなどが挙げられます。  これらの遭難事故の発生に伴い、昨年、県警山岳警備隊では、前年に比べ314人多い延べ898人が出動したところでありまして、また、県警ヘリ及び消防防災ヘリも合わせまして、前年に比べ24回多い98回出動し、救助活動に当たったところであります。  県警察では、山岳遭難事故の未然防止を図るため、これまでにも落石状況や積雪状況等山岳情報の発信、山岳警備隊による出前講話や、パトロール時での一口アドバイスによる注意喚起を実施しているところでありますが、遭難者の8割近くが県外登山者となっている状況を踏まえ、県内はもとより、県外からの登山客に対しても、計画段階においての自己の体力や能力に応じたルートの選定、また、平素からの登山マナーの啓発周知を図ることが必要と考えております。  このため県警では、県警ホームページで遭難事故の特徴や傾向を掲載するほか、山岳警備隊員による山小屋への出前講話の様子や登山装備、登山技術をわかりやすく解説した動画も県警ホームページに掲載するなどして、広く山岳遭難事故防止を呼びかけているところであります。また、知事部局で予定されております山岳遭難事故防止啓発用DVDの作成にも協力することとしておりますし、また、新たに設けられる登山道巡視員とも連携し、安全登山を呼びかけることとしております。  次に、遭難事故が発生した場合の救助体制についてでありますが、県警では昨年2月に発生いたしました殉職事故を踏まえ、積雪調査や、各種研修会に参加いたしまして雪や雪崩に関する専門知識のさらなる習得を図ること。県警ヘリや県防災ヘリとの合同訓練を通じ、連携をさらに強化すること。これまでの年間35日間の訓練日数を47日間に増加させ、隊員の技能向上を図ること。加えまして、常駐隊員を6名から8名に増員し、救助体制の充実強化を図ることなどによりまして、安全かつ迅速な救助活動に万全を期していきたいと考えておるところであります。よろしくお願いいたします。  以上であります。 45 ◯議長(坂田光文君)以上で山上正隆君の質問は終了しました。  以上をもって会派代表による質問、質疑を終了いたします。          報           告 46 ◯議長(坂田光文君)次に、予算特別委員会の構成について御報告申し上げます。  委員長大野久芳君、副委員長井村昭彦君、理事海老克昌君、筱岡貞郎君、田尻繁君、高平公嗣君、委員永森直人君、笠井和広君、奥野詠子君、田畑裕明君、藤井裕久君、瘧師富士夫君、向栄一朗君、吉田豊史君、山本徹君、神田真邦君、渡辺守人君、高野行雄君、中川忠昭君、梶敬信君、以上のとおりであります。 47 ◯議長(坂田光文君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明3月2日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 48 ◯議長(坂田光文君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は3月5日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後2時34分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...