千葉県議会 2020-02-01
令和2年2月定例会 発議案
防衛大臣
発議案第7号
「
緊急事態条項」新設の憲法「改正」に反対し、
改憲発議の断念を求める
意見書に
ついて
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
賛成者 千葉県議会議員 み わ 由 美
同 伊 藤 とし子
「
緊急事態条項」新設の憲法「改正」に反対し、
改憲発議の断念を求める
意見書(案)
新型コロナウイルスによる肺炎を口実に、
国会審議の一部で憲法に「
緊急事態条項」を新設しようという議論が起こっている。本年1月28日に行われた
衆議院予算委員会の審議で、
新型肺炎と「
緊急事態条項」を絡めた質問に対し、安倍晋三首相は、「
緊急事態条項」をどう位置づけるかについて、「大いに議論をすべきもの」とし、「国会の憲法審査会の場において、与野党の枠を超えた活発な議論が展開されることを期待している」と答弁した。
しかし、
新型肺炎への対応は、現憲法下でも十分可能であり、今般の
感染拡大に対しても
感染症法の「
指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」への指定を前倒しして施行している。
新型肺炎が「
緊急事態条項」を新設するための、改憲の理由とならないことは明確である。
「
緊急事態条項」は、法律ではなく閣議決定による政令だけで国民の権利を制限できるというものであり、時の政治権力に巨大な権限を集中させることは、人権を侵害し、民主主義の機能を停止させる危険が厳しく指摘されている。
自民党が2018年3月にまとめた改憲の「条文イメージ(素案)」には、憲法9条への自衛隊明記とともに「
緊急事態条項」の導入が盛り込まれているが、ここにきて、
新型肺炎の感染広がりに対する不安心理に便乗し、国民の権利を制限する改憲をすすめることは断じて許されるものではない。
よって、本議会は国に対して、
新型コロナウイルス肺炎を口実にした「
緊急事態条項」新設の改憲に強く反対し、
改憲発議の断念を求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
衆議院
議長
参議院
議長 あ て
内閣総理大臣
発議案第8号
日米自由貿易協定(FTA)交渉中止を求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
賛成者 千葉県議会議員 み わ 由 美
同 伊 藤 とし子
日米自由貿易協定(FTA)交渉中止を求める
意見書(案)
昨年12月の臨時国会において「日米貿易協定」が批准され、本年1月早々に発効した。この結果、1月の米国産牛肉は前年同月比で22%増えており、すでに発効している環太平洋連携協定(TPP11)、日欧経済連携協定(EPA)と合わせ、牛肉、豚肉、乳製品などの輸入が急増し、日本の農業を圧迫し始めている。
昨年9月の日米共同声明では、「日米貿易協定発効後、4か月以内に協議を終える意図であり、また、その後、互恵的で公正かつ相互的な貿易を促進するため、関税や他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁、その他の課題についての交渉を開始する意図である」とし、日米自由貿易協定(FTA)の交渉入りを宣言している。
日本国の関税に関連する付属書では、「アメリカ合衆国は、将来の交渉において農産品に関する特恵的な待遇を追求する」としており、コメを含め更なる関税引き下げがねらわれている。際限のない自由化は必至であり、断じて容認できない。
さらに、2018年12月に米通商代表部が米国議会に提出した「米国と日本の貿易協定交渉─具体的交渉目的」では、物品に限らず、食の安全、医療、くらし、為替条項も含めて「包括的な日米FTAを具体化する」としている。ことは日本農業を一方的に米トランプ政権に売り渡すだけにとどまらず、国民生活全般に及ぶ重大な主権侵害にもなりかねない。
よって、本議会は、政府に対して、日米貿易自由協定(FTA)の交渉中止を求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
内閣総理大臣
外務大臣 あ て
農林水産大臣
経済産業大臣
発議案第9号
「日米地位協定」の見直し・改訂を求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 伊 藤 とし子
賛成者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
同 み わ 由 美
同 西 尾 憲 一
同 小 宮 清 子
同 岩 波 初 美
同 秋 葉 就 一
「日米地位協定」の見直し・改訂を求める
意見書(案)
日米地位協定が締結されて60年が経過した。沖縄では、事実上地位協定が許容する範囲内でしか住民の人権が認められていない状況が、今も続いている。
1972年の沖縄返還後の米軍関係者による事件・事故は6,000件を超えるが、容疑者の身柄の引き渡しさえ、米軍の「好意的配慮」が必要とされる。民家の上空では、オスプレイなど米軍機の耐えがたい爆音が昼夜問わずまき散らされ、住民が生活や健康への重大な支障を訴えているにもかかわらず、「米軍の運用には我が国の主権が及ばない。国内法は適用されない」として、政府は根本的解決を図ろうとはしない。
また、近年、米軍基地を起因とする水源汚染が深刻になっているが、自治体が立ち入って調査することもできず、米軍には原状回復義務が免除されていることから、汚染は隠蔽・放置され、不安と負担が周辺住民と自治体に押しつけられている。
全国知事会では、平成30年、「日米地位協定の抜本的な見直し」を日米両政府に提言した。当時の翁長沖縄県知事の「基地問題は一都道府県の問題ではない」との訴えを受け、全国知事会議において全会一致で初めて採択されたものである。
沖縄県の調査によると、米軍基地のあるヨーロッパ各国では、米軍機の事故などがきっかけとなり、米軍にも国内法を適用して自国の主権を確立し、米軍の活動をコントロールしていることが判明している。韓国においても、長期にわたる交渉を重ね、韓国側の権利の拡大が続いている。また、フィリピン政府が「地位協定破棄」を米国に通達したのも記憶に新しい。
以上のことから、本議会は、国民の生命と財産を守るため、政府に対し「日米地位協定」を抜本的に見直すよう、強く要望するものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
内閣総理大臣 あ て
外務大臣
発議案第10号
防衛費の一方的拡大を進める防衛省当初予算案の見直しを求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 伊 藤 とし子
賛成者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
同 み わ 由 美
同 西 尾 憲 一
同 小 宮 清 子
同 岩 波 初 美
同 秋 葉 就 一
防衛費の一方的拡大を進める防衛省当初予算案の見直しを求める
意見書(案)
昨年末閣議決定された防衛省「2020年度当初予算案」は6年連続での「過去最大」となり、5兆3,133億円となった。同時に決定された今年度補正予算案が4,287億円であるが、財政法第29条に則る本来の「補正」分はわずか1割であり、残りは高額兵器の前倒し取得に費やされる。
さらに、「後年度負担=長期分割払い」もさらに2兆5,633億円付け加えられ、総額5兆4,300億円となった。実に11兆円を超える巨額な防衛予算が、今後も継続して国民の負担とされるのである。
内容を見ると、概算要求でも話題になった護衛艦「いずも」の空母化改修費31億円が満額計上されているが、これはあくまでも部分的改修にすぎず、今後大幅に膨らむ可能性が高い。その上「いずも」に続き「かが」の空母化も予定されている。F35B6機分および整備用費用も1,000億円以上計上されている。しかし、実際の同機納入と運用は数年後であり、それまでは米軍のF35Bを使用するというのは、高額な予算の使い方として、本来のあり方を大きく逸脱するものと断じざるを得ない。
こうした、我が国の防衛の基本である「専守防衛」に明らかに抵触し、使途、目的も不鮮明な予算編成の異様さは、「次期戦闘機」「宇宙領域関連」「サイバー関連」「高速滑空弾」など枚挙にいとまがない。
一方秋田・山口での配備反対の世論が高まっている「イージス・アショア」に関して、ミサイル発射装置の購入費115億円が計上されている。配備先について何一つ決まっていない段階での予算計上は、本県における「オスプレイ暫定配備」に関しての予算計上とともに、憲法で保障されている「地方自治の本旨」に反するものである。
政府においては、今回の予算案について国民への説明責任を果たすとともに、厳密な精査と抜本的見直しを強く求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
内閣総理大臣
外務大臣 あ て
防衛大臣
発議案第11号
地域医療構想および公立・公的病院の再編統合リストの撤回を求める
意見書に
ついて
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
賛成者 千葉県議会議員 み わ 由 美
同 伊 藤 とし子
地域医療構想および公立・公的病院の再編統合リストの撤回を求める
意見書(案)
厚生労働省は、昨年9月に全国424の公立・公的病院の再編統合リストを公表した。千葉県では都市部、昨年の台風被災地を問わず10の病院が名指しされている。リストに載った
医療機関がある地域を中心に住民の不安が広がり、怒りの声が巻き起こっている。
日本医師会長も唐突な病院の実名公表について「あんな乱暴なことはいけない」などと指摘し、同省が各地で実施した「意見交換会」でも
医療機関や首長などから地域の実情をふまえない一方的なやり方に厳しい批判の声が相次いでいるのは当然である。
地方に公立・公的病院の再編統合を迫る背景には、
安倍政権がすすめる「地域医療構想」の実現を急ぎ、公的医療費抑制をすすめる政策がある。2014年に医療介護総合確保推進法が制定され、医療圏ごとに高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの医療機能区分ごとの必要病床を計算し、都道府県知事に強い権限を与え、公的
医療機関には「命令」をかけ、民間病院には「要請」でき、従わない場合は病院名を公表できるとしている。
また経済財政諮問会議は、各地の地域医療構想調整会議で協議・合意された公立・公的病院の具体的対応方針について「地域医療構想における2025年度の病床必要量と比べて大きな開きがある」「2025年に達成すべき病床数等に沿ったものとなっていない」として、期限を切った見直しを求めている。
こうした都道府県知事を通して、地域に医療費削減にむけた病床減らしを上から押し付けるやり方は、到底容認できない。
そもそも地域に生きる住民にとって身近な病院や診療科がなくなることは深刻な事態を招き、公立・公的病院のあり方は、住民の命と健康に直結する大問題である。国が住民や医療現場、地方自治体の声を置き去りにして、公立・公的病院の再編統合を強引に進めることに、何ら道理はない。むしろ住民になくてはならない公立・公的病院を維持するために医師や看護師の確保、
財政的支援などに力をつくすべきと考える。
よって、政府に対して、地域医療構想と公立・公的病院の再編統合リストの撤回を求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
内閣総理大臣 あ て
厚生労働大臣
発議案第12号
国民の命と暮らしを守るために国民健康保険制度の改善を求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 伊 藤 とし子
賛成者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
同 み わ 由 美
同 西 尾 憲 一
同 小 宮 清 子
同 秋 葉 就 一
国民の命と暮らしを守るために国民健康保険制度の改善を求める
意見書(案)
国民健康保険財政が都道府県へ移管されてから2年が経過した。初年度の2018年度は、厚生労働省も国庫補助の増額と一般会計繰入継続も含め、保険料(税)の抑制を進めたため、保険料率を据え置く自治体が多数であった。
しかし2019年度骨太方針では、6年以内の赤字解消として、「法定外繰入等の解消に向けた実効的・具体的な手段が盛り込まれた計画の策定を求めるとともに、保険者努力支援制度における加減算双方向でのインセンティブ措置を導入し、法定外繰入等の早期解消を促す」と明記された。国庫補助の増額がない状態で、「法定外繰入」すなわち一般会計からの繰り入れ解消が先行した場合、国保料(税)の大幅引き上げにつながりかねない。
昨年、全国知事会は「2020年度の公費の在り方について」として、保険者努力支援制度においては「
マイナス評価指標の導入」、「決算補填等目的の法定外一般会計繰入の解消等」については多くの懸念があることから、2020年度以降、都道府県との協議に臨むことを厚労省に要請している。
そもそも、厚労省も国保の都道府県単位化にあたっては、加入者の所得が低い国保がほかの医療保険より保険料率が高く、負担が限界になっていることは「市町村国保の構造的問題」であると認識していたはずである。無保険になったり、正規保険証を取り上げられるなど、生活の困窮で
医療機関の受診が遅れたために死亡した事例が、2018年度、全国で77名に達している。(全日本民医連「2018年経済的事由による手遅れ死亡事例調査」2019年3月6日発表)
現在の国の方針は、財政面からの「制度の持続可能性」のみ優先し、「国民生活の持続可能性」という視点が抜け落ちていると言わざるをえない。
そこで、国民皆保険制度と国民の命を守る立場から、以下、国保の改善を強く求める。
記
1.全国知事会が求めている「1兆円規模」の国庫補助、定率補助の増加を実現
し、他の医療保険と比較して所得に対する保険料率が高く、国民生活を圧迫す
る国保料(税)の抑制、引き下げをめざすこと。
2.保険者努力支援制度においては、「
マイナス評価指標の導入」、「決算補填等目
的の一般会計繰入の解消等」を抜本的に見直すこと。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
衆議院
議長
参議院
議長 あ て
内閣総理大臣
厚生労働大臣
発議案第13号
農業共済制度の活用を円滑にするための掛け金助成を求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
賛成者 千葉県議会議員 み わ 由 美
同 伊 藤 とし子
農業共済制度の活用を円滑にするための掛け金助成を求める
意見書(案)
近年、気象変動によるものとみられる大型台風や前線の発達などが記録的突風や豪雨をもたらし、洪水や土砂崩れなど、全国各地で甚大な被害をもたらしている。農林水産業への打撃も計り知れないものがあり、農業者の不安は募るばかりである。
昨年、連続的に発生した自然災害の被害は、農林水産省の発表によれば、6月下旬からの大雨92億8千万円、8月の前線による大雨224億8千万円、台風15号814億8千万円、台風19号3,294億2千万円となり、被害総額は4,426億6千万円にのぼる。この被害規模は、東日本大震災での農林水産被害1兆9千億円、阪神淡路大震災5千億円に次ぐもので、地震、津波を除く台風・豪雨被害としては戦後最大の被害となっている。
2019年11月7日、「被災した農林漁業者が営農意欲を失わず、一日も早く経営再建できる」ことをめざし、農水省が打ち出した「総合的な対策」は、災害の頻度や規模を加味した従来よりも踏み込んだ「対策」となっている。
同時に、政府と地方自治体の農林業被害対策をさらに充実させることとあわせて、農業者自身も災害に備えることが求められている。その有効な手段の一つとして農業者が農業共済制度に広く加入し、制度を活用して災害に備えることが重要と考える。
しかしながら、これまで災害が比較的少なかったことや、掛け金負担のわりに給付が少ないなどの制度上の関係もあり、農業者の共済制度への加入は低い水準にとどまっている。
こうしたなか、全国各地の自治体のなかに、農業者が共済制度に広く加入して活用できるよう、掛け金の農業者負担を助成する施策や制度が広がっていることは重要である。
こうした状況をふまえ、政府に対して、頻発する災害に備えて、農業者の農業共済制度への加入を促進するために、掛け金助成制度を創設するよう求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
内閣総理大臣
財務大臣 あ て
農林水産大臣
発議案第14号
自家増殖を原則禁止とする種苗法「改定」の断念を求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
賛成者 千葉県議会議員 み わ 由 美
同 伊 藤 とし子
自家増殖を原則禁止とする種苗法「改定」の断念を求める
意見書(案)
政府は、2018年3月に廃止された「主要農作物種子法」に続き、今国会で「種苗法改正案」を成立させる方針である。同改正案は、これまで原則として農家に認められてきた登録品種の自家増殖を「許諾制」にすることにより、事実上一律禁止し、農家の自家増殖、いわゆる「タネ取り」の権利が著しく制限されることになる。そのため農家は、許諾手続き費用、もしくは毎年の種子購入費を新たに負担しなければならない。これは、日本農業を支える圧倒的多数の家族営農を圧迫し、ひいては農村の衰退を招きかねず、「国連家族農業の10年」や「農民の権利宣言」の精神とも相反するものである。
農水省は、今回の改正が「日本国内で開発された品種の海外流出防止のため」であることを強調している。しかし、これまで農水省は「海外への登録品種の持ち出しや海外での無断増殖を全て防ぐことは物理的に困難であり、有効な対策は海外での品種登録を行うことが唯一の方法である」としてきた(2017年11月食料産業局知的財産課)。今回、海外での育成者権の保護強化のために国内農家の自家増殖を禁ずることに何ら必然性はない。
同改正案は、在来種(一般品種)について、育成者権の対象外としているが、今後、一般品種が登録される可能性も否定できない。
今回の「改正」は、育成者権者にとっては大変有利である一方、農家を委縮させ、在来種の栽培や「タネ取り」を断念させる可能性が指摘されており、その結果、地域で種子を守ってきた「タネ取り」農家とともに多様な種子が失われることになる。また、地域の中小の種苗会社が資金的に品種登録をする余裕がない場合、高額な登録料を支払うことのできる特定の
民間企業による種子の独占や市場の寡占化が進み、農家や消費者の選択肢をより一層制限することが危惧される。
自家増殖禁止は、種子の多様性や地域に適した作物栽培を妨げ、地球規模での気候変動による食料不足が心配される中、食料自給率の低い日本においては食料安全保障の観点にも逆行していると云わねばならない。
よって、国に対して、地域農業や農家、消費者の権利を守り、安定した農作物・食料を確保する観点から、農家の権利を制限する種苗法「改正」を断念するよう強く求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
衆議院
議長
参議院
議長 あ て
内閣総理大臣
農林水産大臣
発議案第15号
長崎県「石木ダム」建設強行の見直しを求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 伊 藤 とし子
賛成者 千葉県議会議員 加 藤 英 雄
同 み わ 由 美
同 西 尾 憲 一
同 岩 波 初 美
同 秋 葉 就 一
長崎県「石木ダム」建設強行の見直しを求める
意見書(案)
長崎県と佐世保市の共同事業として同県川棚町に計画している「石木ダム」は国が事業認可してから45年となる。同ダム建設により立ち退きを求められている全13世帯の住民が一貫して反対を主張する中、昨年11月に福岡高裁で「事業認定取り消し訴訟」が棄却され、現在原告は最高裁に上告中である。しかし、長崎県は2020年度当初予算案に、基礎掘削工事費ほか8億円の着工費用を計上したところである。当該住民の抗議の座り込みも800日を超え、事態は緊迫度を増している。
「石木ダム」建設の目的は、「佐世保市の水の確保=利水」と「川棚川の洪水の防止=治水」の2点であるとされる。
しかし、利水に関しては、今後も水需要が右肩上がりとする佐世保市水道局の予測に反して、1999年度をピークとした一日最大給水量はその後大幅に減少している。予測と実態が大きく乖離していることは、実績を見れば明らかであり、今本博健京都大学名誉教授ら7人の有識者が「あまりにも現実とかけ離れており、科学的根拠が欠如している」と、2020年2月4日、予測のやり直しを求める
意見書を佐世保市に提出した。
また治水に関しても、近年頻発する100年に一度という豪雨には、「石木ダム」は川棚川の全流域面積のわずか8.8%にしか対応できないとされ、治水能力は極めて乏しい。さらに同ダムは、洪水吐の直径の小さい自然調節式のダムであるため、想定外の大洪水には対応できず、流入水をそのまま放流する「緊急放流」状態になり、下流域に大規模な氾濫を起こす危険性が大きい。ダムが洪水を防ぐという考え方からの脱却が必要である。
利水、治水両面において建設の必要性の根拠薄弱であるにもかかわらず、半世紀近くに及ぶ住民の反対を無視して建設に着工することは、1972年に長崎県知事、建設予定地3部落の総代との間で取り交わされた、あくまでも地元の「書面による同意」を受けて「着工」という「覚書」に違反するものでもある。
政府においては、長崎県、佐世保市とも協議しつつ現今の利水、治水状況を冷静に判断し、貴重な自然を破壊し、流域住民に心理的かつ経済的負担を過剰に課する「石木ダム」建設計画の抜本的見直しと、社会的及び環境的状況が根本的に異なる時代に決定された「事業認可」の取り消しを強く求めるものである。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
内閣総理大臣 あ て
国土交通大臣
発議案第16号
令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風及び令和元年10月25日の豪雨によ
り民地内で発生した土砂崩れに対し、復旧・安全対策を支援する制度の創設を求め
る決議について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 川 名 寛 章
同 木 下 敬 二
同 鈴 木 衛
同 関 政 幸
同 伊 藤 昌 弘
同 鶴 岡 宏 祥
同 山 本 義 一
同 實 川 隆
同 三 沢 智
同 伊豆倉 雄 太
同 小野崎 正 喜
同 高 橋 秀 典
賛成者 千葉県議会議員 伊 藤 和 男
同 浜 田 穂 積
同 酒 井 茂 英
同 河 上 茂
同 宍 倉 登
同 小 高 伸 太
同 本 間 進
同 阿 部 紘 一
同 宇 野 裕
同 吉 本 充
同 阿 井 伸 也
同 石 橋 清 孝
同 鈴 木 昌 俊
同 山 中 操
同 信 田 光 保
同 佐 野 彰
同 臼 井 正 一
同 今 井 勝
同 江野澤 吉 克
同 瀧 田 敏 幸
同 武 田 正 光
同 林 幹 人
同 斉 藤 守
同 中 沢 裕 隆
同 小 池 正 昭
同 岩 井 泰 憲
同 石 井 一 美
同 中 村 実
同 小 路 正 和
同 茂 呂 剛
同 森 岳
同 川 名 康 介
同 秋 本 享 志
同 高 橋 祐 子
同 木名瀬 訓 光
同 鈴 木 ひろ子
同 伊 藤 寛
同 佐 藤 健二郎
同 宮 坂 奈 緒
同 田 中 幸太郎
同 宮 川 太
令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風及び令和元年10月25日の
豪雨により民地内で発生した土砂崩れに対し、復旧・安全対策を支援する
制度の創設を求める決議(案)
令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風及び令和元年10月25日の豪雨(以下「今回の災害」という。)による、本県の人家の裏山での土砂災害発生件数は、350件を超える状況となっている。
これに関して、現行制度上の急傾斜地崩壊対策事業、治山事業及び激甚災害指定による緊急事業(以下「現行の各制度」という。)の適用を受けた令和元年度2月補正予算案及び令和2年度当初予算案が可決されれば、通算計38カ所での崩壊のり面等への安全対策が実施されることにはなるものの、民地内で発生した土砂崩れの多くは、所有者による自力復旧が困難な状況にあることがうかがわれ、崩落したままの危険な状態が放置され続けることが予想される。
放置による崩落が進めば、先日神奈川県逗子市で発生した土砂崩れによる死亡事故のような事態が発生しかねない。
そして、また、近い将来において、昨年と同レベルの豪雨等の発生も考えられることから、県民の生命・身体への危険を有するこれらの放置状態を、できる限り速やかに解消するための支援策の構築が必要である。
そもそも、現行の各制度のもとにおいて、住戸数等の要件が求められるのは、個人の財産権への公費投入の妥当性と公益性のバランスを図るためとされるところ、今回の災害においては、復旧・復興に向けた強力な県民への後押しを行うために、本県は、個人の財産権への公費投入といえる被災者生活再建支援制度の適用に加えて、さらに屋根等の一部損壊への支援までも行うこととし、また、農業者や中小事業者の再建についても、他県での過去の大規模災害の例を超えた手厚い支援を実現すべく、県独自の上乗せ支援も行うこととしている。
そうであれば、平時の安全対策全般ではなく、少なくとも、実際に土砂災害が発生した場所に絞って、直結する該当土地所有者が講じる復旧・安全対策への支援は、今回の災害の復旧・復興支援メニューとのバランスからも必要である。
また、これから土砂災害警戒区域・特別警戒区域の指定を進めていく中では、該当土地所有者が開発行為等の財産上の制約を受ける一方で、現行の各制度によるのり面への安全対策の事業適用を受けられる保障がないことを鑑みれば、少なくとも土砂災害が発生した場合に備えた支援メニューを創設することは、この区域指定を円滑に進めていく上での後押しにもなる。
そこで、本議会は、この民地内で発生した土砂崩れに関する所管が複数部署にまたがっており、部局横断的に取り組む必要があることも踏まえて、下記の事項を踏まえた方向で、民地内で発生した土砂崩れに対する復旧・安全対策を支援する制度の創設を求める次第である。
記
1.今回の災害により民地内で発生した土砂崩れ(以下「本土砂崩れ」という。)
を対象とすること。
2.本土砂崩れが、現行の各制度による崩壊のり面への復旧・安全対策の事業採
択を受けていないこと。
3.県内では独自の支援制度を有している市町村があることを踏まえて、有する
市町村へは、制度の利用促進を後押しするための補助金の支出を、有していな
い市町村へは、制度の創設を後押しする補助金の支出を図ること。
4.本土砂崩れの土地所有者の意思により事業適用を選択できる方式を検討する
こと。
5.補助限度額及び補助率は、今回の災害における他の復旧・復興支援メニュー
とのバランスを考慮すること。
6.応急処置、崩壊のり面への対策及び制度等についての助言や相談を受けるこ
とができる体制を構築すること。
7.将来の発災に対応できるように、基金を活用するなど、今後も柔軟な利用を
可能とする制度とすること。
以上、決議する。
令和 年 月 日
千葉県議会
発議案第17号
CSF予防的ワクチン接種に係る制度の見直しを求める
意見書について
上記議案を別紙のとおり
千葉県議会会議規則第14条の規定により提出します。
令和2年3月13日
千葉県議会議長 阿 井 伸 也 様
提出者 千葉県議会議員 江野澤 吉 克
賛成者 千葉県議会議員 伊 藤 昌 弘
同 鶴 岡 宏 祥
同 實 川 隆
同 中 沢 裕 隆
同 石 井 一 美
同 茂 呂 剛
同 伊豆倉 雄 太
同 秋 本 享 志
同 高 橋 祐 子
同 高 橋 浩
同 大 川 忠 夫
同 天 野 行 雄
同 松 戸 隆 政
同 阿 部 俊 昭
同 仲 村 秀 明
同 み わ 由 美
同 水 野 友 貴
同 西 尾 憲 一
同 小 宮 清 子
同
プリティ長嶋
同 岩 波 初 美
同 坂 下 しげき
同 川 井 友 則
同 田 沼 隆 志
同 市 原 淳
CSF予防的ワクチン接種に係る制度の見直しを求める
意見書(案)
千葉県は、昨年12月にワクチン接種推奨地域に指定され、本年2月17日より接種を開始することができた。
CSF予防的ワクチンは、県職員の獣医師である家畜防疫員が接種することとなっており、第1回目は県内外の獣医師を総動員し、6月末をめどに接種終了することとしている。
しかし、第2回目以降は家畜保健衛生所の獣医師を中心として進めることとしていることから、多くの職員がワクチン接種業務に従事することになるため、家畜の病気の検査や農家指導など、本来の業務に影響が出ることが予想される。
また、野外にCSF感染いのししが存在する状況では、長期にわたり接種を続けることになり、接種費用の養豚農家負担は大きいものと考えられる。
そこで、政府においては、CSF予防的ワクチン接種に係る制度について、下記のとおり見直すことを求める。
記
1.予防的ワクチン接種については、家畜防疫員以外の民間獣医師による接種を
認めること。
2.接種に要する人件費や資材費等について、国庫補助対象を拡充し、県及び養
豚農家の負担を軽減すること。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出する。
令和 年 月 日
千葉県議会議長
農林水産大臣 あ て
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