群馬県議会 > 2020-02-21 >
令和 2年 第1回 定例会-02月21日-02号

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  1. 群馬県議会 2020-02-21
    令和 2年 第1回 定例会-02月21日-02号


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    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年 第1回 定例会-02月21日-02号令和 2年 第1回 定例会 群馬県議会会議録  第2号 令和2年2月21日        出席議員 48人 欠席議員 1人 欠員 1人    中沢丈一  (出 席)       久保田順一郎(出 席)    星野 寛  (出 席)       岩井 均  (出 席)    狩野浩志  (出 席)       福重隆浩  (出 席)    橋爪洋介  (出 席)       星名建市  (出 席)    伊藤祐司  (出 席)       角倉邦良  (出 席)    井田 泉  (出 席)       水野俊雄  (出 席)    後藤克己  (出 席)       中島 篤  (欠 席)    萩原 渉  (出 席)       あべともよ (出 席)    岸 善一郎 (出 席)       臂 泰雄  (出 席)    井下泰伸  (出 席)       酒井宏明  (出 席)    金井康夫  (出 席)       金子 渡  (出 席)    安孫子 哲 (出 席)       藥丸 潔  (出 席)    小川 晶  (出 席)       伊藤 清  (出 席)    大和 勲  (出 席)       川野辺達也 (出 席)    本郷高明  (出 席)       穂積昌信  (出 席)    井田泰彦  (出 席)       加賀谷富士子(出 席)
       泉沢信哉  (出 席)       多田善洋  (出 席)    今泉健司  (出 席)       松本基志  (出 席)    斉藤 優  (出 席)       大林裕子  (出 席)    森 昌彦  (出 席)       八木田恭之 (出 席)    入内島道隆 (出 席)       矢野英司  (出 席)    高井俊一郎 (出 席)       相沢崇文  (出 席)    神田和生  (出 席)       金沢充隆  (出 席)    亀山貴史  (出 席)       秋山健太郎 (出 席)    牛木 義  (出 席) 説明のため出席した者の職氏名    知事         山本一太    副知事        津久井治男    副知事        宇留賀敬一    教育長        笠原 寛    選挙管理委員長    宮下智滿    人事委員長      森田 均    代表監査委員     丸山幸男    公安委員長      金子正元    警察本部長      松坂規生    企業管理者職務代理者 松島賢治    総務部長       星野恵一    企画部長       友松 寛    生活文化スポーツ部長 角田淑江    こども未来部長    吉田 誠    健康福祉部長     武藤幸夫    森林環境部長     桑原雅美    農政部長       吉野 努    産業経済部長     鬼形尚道    県土整備部長     岩下勝則    危機管理監      横室光良    会計管理者      入内島敏彦    病院局長       志村重男    環境局長       岩瀬春男    コンベンション推進局長               大澤伸一郎    観光局長       佐藤武夫    財政課長       田中序生 職務のため出席した者の職氏名    局長         吉澤幸夫    総務課長       得地雅彦    議事課長       高田 隆    議事課次長      今泉一幸    議事課係長      川村正洋    議事課主幹      高橋良彦    議事課主幹      大山浩史     令和2年2月21日(金)                   議  事  日  程 第 2 号 第1 質疑及び一般質問[代表]    ・第1号議案から第97号議案について    ・承第1号について                           以 上 知 事 提 出     午前10時開議   ● 開     議 ○狩野浩志 議長 これより本日の会議を開きます。   ● 諸般の報告 ○狩野浩志 議長 日程に入る前に、諸般の報告をいたします。  基本条例推進委員長の互選結果につきましては、委員長に岸善一郎議員が選任されましたので、御報告いたします。  次に、上程議案中、第14号、第22号及び第41号の各議案について、人事委員会に意見の聴取を行いましたところ、あらかじめお手元に配付しておきましたとおりの意見書が提出されましたので、御一覧願います。  次に、上程議案中、第14号及び第15号の各議案について、監査委員に意見の聴取を行いましたところ、あらかじめお手元に配付しておきましたとおりの意見書が提出されましたので、御一覧願います。  次に、上程議案中、第21号議案について、教育委員会に意見の聴取を行いましたところ、あらかじめお手元に配付しておきましたとおりの意見書が提出されましたので、御一覧願います。   ● 質疑及び一般質問[代表] ○狩野浩志 議長  △日程第1、第1号から第97号までの各議案及び承第1号を一括して議題とし、党(会)派代表により上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。          ──────────────────────────                本 日 の 発 言 通 告 ┌────────┬───────────────────────────┬───────────┐ │氏名      │発言通告内容                     │答弁を求める者の職名 │ │(所属会派)  │                           │           │ ├────────┼───────────────────────────┼───────────┤ │        │1 令和2年度当初予算について            │           │ │        │  (1) 当初予算に込めた知事の思いについて      │知 事        │ │        │  (2) 重点施策と県民へのメッセージについて     │知 事        │ │        │  (3) 歳入確保について               │総務部長       │ │        │  (4) 県債発行について               │総務部長       │ │岸善一郎    │  (5) 基金残高について               │総務部長       │ │(自由民主党) │2 事業の見直しについて               │知 事        │ │ 発言割当時間 │3 令和2年度の組織について             │           │ │ 131分中    │  (1) 組織改正について               │知 事        │ │概ね60分    │  (2) CDOの役割等について            │知 事        │ │        │4 動画・放送スタジオについて            │           │ │        │  (1) 運営体制について               │知 事        │ │        │  (2) 市町村等との連携について           │知 事        │ │        │5 新型コロナウイルス感染症に係る医療体制等について │健康福祉部長     │ │        │6 Gメッセ群馬について               │           │ │        │  (1) 工事の進捗状況と建設事業費について      │コンベンション推進局長│ │        │  (2) Gメッセ群馬の活用について          │コンベンション推進局長│ ├────────┼───────────────────────────┼───────────┤ │        │1 総合計画について                 │           │ │        │  (1) 総合計画策定懇談会外部有識者ヒアリングの開催│知 事        │ │        │    状況について                 │           │ │        │  (2) 県民幸福度とSDGsについて         │知 事        │ │        │  (3) ビジョンの方向性について           │知 事        │ │        │  (4) 今後の進め方について             │知 事        │ │臂泰 雄    │2 拉致問題について                 │知 事        │ │(自由民主党) │3 森林・林業施策について              │           │ │発言割当時間  │  (1) 森林と林業に対する考えについて        │知 事        │ │ 131分中    │  (2) 林業振興の現状と今後の取組について      │森林環境部長     │ │概ね71分    │4 県土整備について                 │           │
    │        │  (1) BRTについて                │知 事        │ │        │  (2) 汚水処理計画の推進について          │知 事        │ │        │5 特別支援学校整備について             │知 事        │ │        │6 「ぐんま5つのゼロ宣言」について         │           │ │        │  (1) 「ぐんま5つのゼロ」の考えについて      │知 事        │ │        │  (2) 個別の施策について              │環境局長       │ │        │7 特殊詐欺被害について               │警察本部長      │ │        │8 高齢者の活躍推進について             │健康福祉部長     │ ├────────┼───────────────────────────┼───────────┤ │        │1 財政健全化について                │知 事        │ │後藤克己    │2 公共事業のあり方について             │           │ │(リベラル群馬)│  (1) 事業の優先度について             │知 事        │ │発言割当時間  │  (2) 交通まちづくり戦略について          │県土整備部長     │ │49分      │3 山村地域の振興について              │知 事        │ │        │4 情報発信やブランド力強化の取組について      │知 事        │ ├────────┼───────────────────────────┼───────────┤ │        │1 山本知事の目指す群馬県政について         │           │ │        │  (1) 県民幸福度の向上について           │知 事        │ │あべともよ   │  (2) 財政の健全性の確保について          │知 事        │ │(令明)    │2 県民とともに取り組む防災減災対策について     │           │ │発言割当時間  │  (1) 災害ボランティアについて           │知 事        │ │40分      │  (2) 被災農家を支える農業ボランティアについて   │知 事        │ │        │3 新型コロナウイルス感染症対策について       │健康福祉部長     │ │        │4 観光振興について                 │           │ │        │  (1) DCの準備状況について            │観光局長       │ │        │  (2) ぐんまちゃん家の活用について         │知 事        │ │        │  (3) DC等を契機とした観光振興について      │知 事        │ ├────────┼───────────────────────────┼───────────┤ │        │1 感染症流行時における地域イベントの開催判断について│健康福祉部長     │ │        │2 防災減災におけるソフト対策について        │県土整備部長     │ │水野俊雄    │3 自転車の安全対策について             │           │ │(公明党)   │  (1) ヘルメットの着用と保険加入の促進について   │県土整備部長     │ │発言割当時間  │  (2) 中学・高校におけるヘルメットの着用について  │教育長        │ │40分      │4 高校入試におけるインフルエンザ等の対策について  │教育長        │ │        │5 夜間中学の導入について              │教育長        │ │        │6 若者の意見を県政に反映させることについて     │知 事        │ │        │7 県庁舎32階フロアの整備について          │知 事        │ └────────┴───────────────────────────┴───────────┘          ────────────────────────── ○狩野浩志 議長 自由民主党岸善一郎議員御登壇願います。           (岸 善一郎議員 登壇 拍手) ◆岸善一郎 議員 皆さん、おはようございます。自由民主党の高崎市選出の岸善一郎でございます。総務会長兼県議団長といたしまして、臂政調会長と連携をいたします。山本県政に対し、代表質問をさせていただきます。御答弁いただきます皆様方におかれましては、簡潔明瞭、そして県民の皆様方に分かりやすくお答えいただきますことをお願い申し上げます。それでは、皆さん、御声援をよろしくお願い申し上げます。また、テレビの前での後援者の皆様方、支援者の皆様方、よろしくお願い申し上げます。(拍手)  知事にお願いを申し上げます。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆岸善一郎 議員 初めに、令和2年度当初予算について知事にお尋ねします。  昨年、7月29日に群馬県の負託に応え、新たなかじ取り役となり、就任早々、豚熱、台風19号、新型コロナウイルス感染症などの対応に追われる中、組織の見直し、新編成、そして、知事としての県民への公約の実現に向け、日々御尽力いただいておりますが、本年1月31日、自民党に対し、新年度予算の御回答を賜りました。政策要望144項目、事業要望71項目、合計215項目でありますが、全項目に当たり御回答いただき、また、県事業の膨大な数々にエネルギーとお骨折りを願ったところでございますが、当初予算に込めた知事の思いをお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。知事になって初めて岸総務会長と質疑をさせていただくということで、昨晩、過去の岸県議の質疑をインターネットでずっと拝見させていただきました。過去2回の御質問の中で、特に防災・減災、さらには蚕糸業の振興について大変熱心に御質問されているということが大変印象的でした。令和元年度の第2回の定例会だと思いますけれども、岸県議が質問をされた夏の暑さに強い蚕の開発、蚕糸技術センターでやっている開発は、私の定例記者会見でも発表させていただきましたけれども、「なつこ」という形で結実いたしましたので御報告をさせていただきたいと思います。減災・防災についても、この5年間、とにかく非常事態宣言をやって、しっかりと防災・減災に取り組んでいく、こういう予算をつくり上げたことも冒頭、御報告をさせていただきたいと思います。  それでは、御質問にお答えをしたいと思います。  知事就任後初めての当初予算の編成ということだったんですが、一言で言うと、岸先生、本当に大変でした。片方では、やはり厳しい財政状況の中で財政改革、財政再建というものを意識しなければいけない。もう一方では、そうはいっても、県民の幸福度につながる予算にはスピーディーにきちっとした金額を張りつけなければいけない。加えて、新しい県に富をもたらすような政策についても、スクラップ・アンド・ビルドの中で生み出した財源で手当てをしていかなければいけないということで、かなり苦労いたしました。  過去の予算編成のことは分かりませんが、相当丁寧に議論させていただいて、両副知事、それから財政課長、総務部長ももちろん主席補佐官等々、全て出席をしていただいて、各部局と何十時間も議論させていただきました。事業によっては3回に分けて1時間、2時間議論したものもありました。その結果、大変苦労はいたしましたが、県民の安心を支える、例えば岸先生が何度も御質問されている防災・減災については、しっかりと充実させると同時に、前例にとらわれない情報発信とか、あるいは民間の知恵と資金を活用するための仕掛けづくりとか、県民の幸福度向上につながる施策というものは何とか盛り込むことができたのではないかというふうに感じております。財政の健全性の確保、この後まだいろいろ御質問は出てくるかとは思いますけれども、思い切った事業の見直し、それから投資的経費の抑制等によって、財政調整基金の残高は増額して確保することができました。さらに、臨時財政対策債を除いた県債の発行額残高は減らすことができたというふうに思っています。  この予算のキャッチコピーをどうしようかと考えたんですけれども、3つ考えました。1つは改革+創造予算、改革と同時に新しい創造をしていかなければいけない予算という思いを込めました。さらには、新群馬創生始動予算、まだこれは始動の段階であって、ここから始まるんだというメッセージを込めました。もう1つは前例踏襲脱却予算、新しい発想を活かしていかないとやはり群馬県はこの厳しい時代を乗り切れないんじゃないか、こういう理念を3つのキャッチフレーズとして打ち出させていただきました。  もう1回申し上げますが、財政改革に向けた第一歩は何とか踏み出すことができたと。さらに新しい群馬をつくっていくための先進的な取組も何とか盛り込むことができたというふうに思っておりますが、まだ財政改革も含めた山本県政の取組は始まったばかりだというふうに思っておりますし、事業の見直しもやはり継続的にやらなければいけない、県有施設のあり方も見直していかなければいけないということで、引き続き検討を進め、私が考えている県民幸福度の高い群馬県をつくるために頑張ってまいりたいと思います。引き続き、岸先生のいろんなお知恵、御尽力も頂ければというふうに考えております。 ◆岸善一郎 議員 大変ありがとうございました。お話を頂いた中で、知事の思いは理解できましたが、当初予算における重点施策と県民へのメッセージをお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。今回の当初予算では4つの重点施策を掲げさせていただきました。できるだけ正確に申し上げたいと思います。  1つ目は、災害に強く安心な暮らしと安定した経済活動の実現です。県民の安全・安心を支えるとともに、災害に強いという群馬県の強みを最大限に活かしていくために、防災・減災対策を集中的に実施すると同時に、5つのゼロ宣言の実現に向けた環境問題の取組、医師確保、健康寿命延伸などにも力を入れてまいりたいというふうに考えています。  2つ目は、群馬県の魅力とブランド、ライフスタイルの構築と発信です。観光客、移住者、外国人、多様な人材を群馬県に引きつけていきたいというふうに考えています。そのために、トップ外交や、あるいはぐんまちゃんのブランド力強化、多文化共生・共創「群馬モデル」の推進等を通じて、本県の魅力を最大限に高め、世界に向けて発信していきたいと考えています。  3つ目は、共創とデータ活用による新しいリソースの創出です。民間企業と連携をしてデータ、ICTを活用することで、本県に新しいリソース、富、活力、こういうものを生み出す仕掛けをつくっていきたいと思います。そのための舞台として県庁32階フロアを、多様な人々が常に集まって交流することによって次々に新しいリソースやアイデアが生まれ発信される空間とするために、カフェや、あるいは起業家等が集まるイノベーションエリアを備えた場所に整備したいというふうに思います。また、動画・放送スタジオにおいては、県政情報や県の魅力を伝える動画を職員が中心となってローコストかつスピーディーに制作、配信し、インターネットを中心とした情報発信を大幅に強化してまいりたいと思います。  4つ目は、先ほどもちょっと言及させていただきましたが、財政の健全性の確保です。人口減少社会に立ち向かうための新たな施策、こうしたものに取り組むためにも、あるいは今後の災害に備えるためにも、財政の健全性の確保は極めて重要だということは、この県議会の答弁の中でも何度も申し上げました。そのために、投資的経費の抑制や事業の見直しを通じて歳出の抑制を図り、災害等への備えとしても重要な財政調整基金の残高を前年度当初予算編成時点の15億円を上回る52億円確保いたしました。また、投資的経費を抑制し、先ほどもちょっと触れましたが、臨時財政対策債や減収補てん債を除く県債の残高を前年度より4億円減少させました。県民の皆様にも、少なくとも新しい群馬県の創生に向けて何かが動き始めた、こういうメッセージは伝えられたというふうに思っています。  この質疑はインターネット等々でも放送されていますけれども、県民の皆様には一緒に新しい新群馬――新しい新群馬ってリダンダントでした。新群馬をつくっていくための挑戦に力を貸していただきたいというふうに思います。さらには、財政の健全性の確保についても、県議会並びに県民の皆さんの御理解、御協力を改めてお願い申し上げたいと思います。 ◆岸善一郎 議員 知事、ありがとうございました。  総務部長、よろしくお願いします。 ○狩野浩志 議長 総務部長、答弁席へ。           (星野恵一総務部長 登壇) ◆岸善一郎 議員 歳入確保について、総務部長にお尋ねします。  編成方針と同時に公表された中期財政見通しでは、今後、約200億円程度の財源不足が見込まれるなど、非常に厳しい財政状況の中、当初予算編成されたと認識しております。財源不足に対しては、多くの事業について見直しを行い、歳出削減に取り組まれたとの答弁を知事から頂いたところであります。一方、税制収入は増加する状況ではない中で、民間資金の活用など、歳入確保についてはどのように努力をされたかお聞かせ願いたい。 ◎星野恵一 総務部長 歳入確保についての御質問でございます。  令和2年度当初予算編成に当たりましては、事業の見直し等によりまして歳出を削減すると同時に、歳入確保についても様々な視点から検討させていただきました。  まず、ネーミングライツの売却についてでございます。現在、ベイシア文化ホールやALSOKぐんま総合スポーツセンターなど6施設で導入済みでございます。募集中でありました敷島公園水泳場につきましても、今般応募がございました。令和2年度から新たに導入することになってございます。また、ぐんま昆虫の森や県立図書館など14施設で新たに導入を検討しておりまして、近く募集を開始できるよう準備を進めていきたいと考えております。  次に、ふるさと納税についてでございます。クラウドファンディング型ふるさと納税の実施、企業版ふるさと納税の獲得など、民間資金を最大限に活用することとしております。特にぐんまちゃんのブランド化や群馬交響楽団海外公演支援につきましては、多くの方や企業にふるさと納税で御支援を頂きながら実施したいと考えております。ほかにも、利用予定のない県有財産の売却や貸付け、県ホームページや広報紙への広告掲載などには引き続き積極的に取り組んでいくこととしております。今後とも、歳出削減だけでなく、稼ぐ意識を持って歳入確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。14施設のネーミングライツの導入を目指すということでございますが、いろいろ県有施設もあろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げます。  続きまして、県債発行の考え方についてでありますが、当初予算における県債発行額は前年度に比べて160億円減の965億円となっており、特に臨時財政対策債及び減収補てん債を除く県債は164億円も減少しております。私は、昨年の決算特別委員会の総括質疑でも、県債残高の増加について質問をいたしました。令和2年度の県債発行額の減少についてどのように考えているか、また、プライマリーバランスや県債残高への影響はどうなるのかをお伺いいたします。 ◎星野恵一 総務部長 県債発行等についての御質問でございます。  令和2年度当初予算での県債発行額につきましては、議員御指摘のとおり、前年度に対しまして160億円減の965億円、臨時財政対策債及び減収補てん債を除く県債は164億円減の545億円となっております。これは、Gメッセ群馬や八ッ場ダムの本体工事が今年度で完成したことに加えまして、公共事業も抑制するなど、県債発行額の抑制に努めたためでございます。これに伴いまして、実質的な交付税である臨時財政対策債を除いたプライマリーバランスは48億円の黒字を確保することができたところでございます。さらに、臨時財政対策債や減収補てん債を除く県債残高については、令和元年度末、2月補正後でございますけれども、比べまして4億円減少させることができたところでございます。県債は県民生活に直結する社会基盤整備のための財源であります。将来の世代にも公平に負担していただく観点から発行しているものでございますが、後年度に過度の負担を負わせることのないよう、今後とも持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 大変な御苦労を頂いたわけでございますが、48億円の黒字、また4億円の減少ということでございます。大変ありがとうございます。  次に、基金残高についてでありますが、令和2年度においては、当初予算編成時点での財政調整基金の残高を前年度の15億円から52億円に増額確保しておりますが、この状況についてどのように考えているか、お伺いいたします。 ◎星野恵一 総務部長 基金残高についてでございますけれども、財政調整基金につきましては、年度間の財政調整のほか、大規模災害等による急な財政出動への備えとして活用される基金でありまして、ある程度の残高を確保しておくことが望ましいものでございます。しかしながら、本県では、令和元年度の当初予算編成時点の残高見込みは15億円と、災害等への備えとしては決して十分とは言い難い状況でございました。そして、昨年10月に公表しました中期財政見通しの中では、行財政改革を通じて歳出を削減し、財源不足を減らして基金の取崩しに頼らない財政運営を目指さなければ基金残高は回復しないという見通しを明らかにしたところでございます。  こうしたことを踏まえまして、今回の予算編成においては、思い切った事業の見直し等により歳出を削減いたします。それに加え、地方交付税等の歳入増が見込まれることもありまして、先ほど知事の答弁にもございましたけれども、当初編成後の基金残高は前年度よりも37億円多い52億円を確保することができたところでございます。しかし、災害等への急な財政出動への備え、他県との比較を踏まえますと、この残高は決して十分なものとは言えないと考えております。引き続き財政の健全性を確保し、基金残高を確保することの重要性につきまして、県民の皆様によく説明をさせていただき、御理解を頂きながら行財政改革を進めていきたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 去年、15号、19号が大変だったわけでございますが、気象災害ということが今年にもまたあるかもしれないということで、もっと基金を増額したいということでよろしいんですよね。そういうことでよろしくお願いを申し上げるところでございます。  令和2年度当初予算について、知事及び総務部長より丁寧な御答弁をいただきました。知事におかれましては、就任後初めての当初予算編成であり、真価の問われる当初予算でありますが、多様化する社会情勢の中で、自民党県議団もワンチームとして真摯に取り組んでまいる所存でありますことを申し上げ、この質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。  知事にお尋ね申し上げます。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆岸善一郎 議員 事業の見直しについて知事にお尋ねします。  スクラップ・アンド・ビルドの考え方に基づき、県政の膨大な事業の中での見直しは大変なエネルギーを消費したことと思います。どのような考えで事業の見直しを行ったのか、また、見直した事業の詳細については、この後、臂政調会長からお伺いいたしますが、見直し事業の主なものは何か、項目だけでもお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。まず、今回の予算編成についてですが、この場でも何度も申し上げておりますけれども、県民の幸福度向上につながるような事業、施策については、できるだけスピーディーにこれを実施していく。他方、見直すべき事業、様々な時代の流れによっていろいろ状況も変化していく中で、必要性の薄れた事業とか、あるいは十分な効果が期待できない事業についてはこれを見直していく。そのスクラップ・アンド・ビルドをしながら、その捻出した財源をさらに新しいリソースを生み出す新規政策に投入していく、これが今回の予算編成に当たっての基本方針でした。特にもう少し言わせていただくと、災害等への備えもありますので、一定の基金残高を確保しておく必要があるというふうに思いますし、県債残高の増加を抑えていかなければいけないので、これは事業の見直しを通じて財政の健全性を確保する必要があるというふうに考えております。同時に、もう1回言いますが、そのスクラップ・アンド・ビルドによって捻出した財源を、もう一回言いますけれども、未来の事業に投資しなければいけない、こういう命題もありました。事業の内訳というお話でしたので、数字は正確に申し上げたいと思いますが、令和2年度当初予算においては、細かいものも含めれば242件の見直しを行いました。事業費ベースで約13億6,000万円の歳出削減を図りました。何度も言っているように、最初の一歩だと思っています。それでも、最初の一歩は何とか踏み出すことができたのではないかというふうに考えています。  今回見直しを行った主な事業だけ申し上げますと、ぐんまの木で家づくり支援、動画・放送スタジオの活用等による情報発信手法の見直し、東毛広域幹線道路BRT整備の予算計上見送り等です。こうした見直しの対象とする事業、見直し内容を決めるに当たっては、先ほども申し上げましたが、私自身が全てこのヒアリングに参加をいたしまして、何十時間もかけて議論をさせていただきました。このヒアリングの中では、繰り返しになりますが、時代の変化で必要性が低下していないか、事業費に見合った、本当に効果が上がっているのか、あるいは他県との比較とか、あるいは市町村等との役割分担、こういった観点を意識しながら、事業を担当する部局、津久井副知事をリーダーとして立ち上げた熟慮断行チーム等のいろんな御意見もいただきながら、様々な角度で議論を行いました。最後は当然でございますが、私自身が決断をいたしました。また、見直しを行うに当たっては、最大会派である自民党執行部のほうからもいろいろとお話があって、激変緩和、代替策ということもありましたので、そのことも議論の中で十分踏まえて丁寧に議論させていただいたというふうに思っています。その点、またこれから本会議、委員会等々で十二分に議論していただくことになると思いますが、ぜひ御理解と御了解をお願い申し上げたいというふうに思っています。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。大変な事業の中からいろいろ部課長からの相談の中、熟慮断行したということでございます。  続きまして、3番に移らせていただきます。組織改正についてでございます。次は、令和2年度の組織についてお伺いをいたします。  令和2年度の組織改正では、知事戦略部や地域創生部、生活こども部という新しい部が設置され、これまでの企画部、生活文化スポーツ部、こども未来部が廃止になるということであります。大幅な組織の再編が行われるわけでございますが、今回予定されている組織改正の主な内容と目的はどのようなものなのか、分かりやすくお聞かせください。 ◎山本一太 知事 組織改正の中身について御説明する前に、まず、岸先生にも県議会の皆さんにもおわびを申し上げたいというふうに思っています。先生、私は知事になって6か月たちますが、県議会との関係は自分なりにとても大事にしてきたつもりなんです。例えば、今日も初めて質問される県議の方の過去の質疑は全部見てきました。特にまた、各会派の要望も相当自分では真剣にお聞きをしたつもりです。最大会派の自民党について言うと、星名幹事長、そして岸総務会長を含む執行部の方々と、もう就任以来6回、朝食懇談会をやっていて、何となくもう県議会の皆さんと一生懸命コミュニケーションが図れているという油断があったというふうに思っております。  今日の報道でも伺いましたし、昨日、その議論の中身も十二分に報告を受けましたが、全員協議会を皆さんが開催されて、このテーマが組織改革になったと。そこまで県議の皆さんに御心配をこの組織改革でかけているとすると、そこはもう率直に反省しなければいけない。やはり予算編成を全力でやっていましたし、いくつかの事業、見直さなきゃいけない事業については、手分けしていろんなところに説明したり根回しをしている、そういうことでちょっと忙しかったこともあるんですが、これから、もちろんこの予算案もそうですし、この組織改革の議論もそうだと思いますが、本会議やあるいはそれぞれの委員会で議論があると思いますので、そこでもしっかり我々として丁寧に御説明していきたいと思いますし、私自身も機会があれば、しっかりこの組織改正の意図について説明をする機会は設けたいと思います。  今回、何十時間も時間をかけてつくった予算案と、それから、これも相当時間をかけて練り上げた組織改正案なので、この中身もできるだけ丁寧に御説明をして、県議会の皆さんからしっかりと御納得を頂けるように一生懸命努力することをまず先生に申し上げたいというふうに思います。  その上で申し上げますが、大体どの知事も新しく選出された知事は組織改革をやっております。ほかの例もいろいろ見たんですけれども、これはやはり知事が新知事としてやらなければいけない、実現しなければいけない様々な政策を後押しするための体制をつくることが必要だというところから来ているのかと思いますけれども、群馬県をさらに輝かせる政策を強力に推進できるような組織改革を考えております。  主な内容ですが、まず、新・群馬の創造に向けた取組の司令塔として知事戦略部というものを新たに設置いたします。知事戦略部には重要政策の司令塔機能やデータ分析による政策立案を強化した戦略企画課というものを新設したいと思っています。また、32階に設置する動画・放送スタジオなどを活用した戦略的な発信のため、メディアプロモーション課というものを新たに置きたいと考えています。そのほか、県が先頭に立ってデジタル技術を活用して、県内産業、県民生活などを変革していくデジタルトランスフォーメーション課、さらには、海外向けのトップセールスを展開する地域外交課を新設する予定です。
     次に、ぐんま暮らしのブランド化により移住促進を図るとともに、文化やスポーツによって活力ある地域づくりを推進するため、地域創生部というものを新設したいと考えています。地域創生部には、移住希望者や外国人から選ばれる群馬づくりを進めるためにぐんま暮らし・外国人活躍推進課というものを新たに設置したいと考えています。  さらに、児童虐待対策とDV対策の連携を強化する等、安全で質の高い県民生活、子育て環境を実現するため、生活こども部というものも新設をさせていただきたいと思います。生活こども部には、子ども、若者の育成環境整備、学び支援を一体的に推進するため、私学振興、子育て支援、保育を統合し、私学・子育て支援課というものも設置したいと考えています。  これらの3つの部の設置に伴って、企画部、生活文化スポーツ部、こども未来部は廃止をさせていただきます。そのほか、県内経済活性化の起爆剤となる新たなコンテンツを発掘、育成し、国内外へ戦略的に売り込むため、産業経済部に戦略セールス局というものも新設をさせていただきます。戦略セールス局には、eスポーツとかドローンとかキャンピングカーとか、これから注目される経済活性化の新たな種を発掘、育成してもらおうと思っていまして、そのためにeスポーツ・新コンテンツ創出課というものを設置したいと思います。さらには、ぐんま5つのゼロ宣言の実現に向けて、地球温暖化対策、災害に備えたエネルギー政策、循環型社会の構築を強力に推進するため、環境部門の組織を強化したいと思います。  続いて、なぜこういう組織改革の大規模再編が必要なのかということですけれども、新たな県政課題として、今日も後で臂政調会長のほうから御質問があると思いますが、SDGsへの対応とか、デジタル技術の進展など多くの事業が複数の部局にまたがっておりまして、ともすれば組織の間でお見合い、押し合い、押しつけ合いなどが起きがちだというふうに考えています。これは、第2次安倍内閣で2年近く内閣府特命担当大臣のときにも強く感じました。内閣府はそもそも各省庁にまたがっている事業をしっかりと司令塔としてまとめるという機能を期待されて設置されたところなんですけれども、岸先生御存じのとおり、組織の縦割りを変えていくのは難しい作業だというふうに思っています。  これまでの群馬県は、他県の取組を見てから動き出すとか、あるいは組織の縦割り意識に阻まれて部局間の連携に時間を要するとか、やはり機動力に欠けている嫌いがあったと私は思っています。そこで、今回の組織改正では、新たな課題にスピード感を持って対応できるような組織体制にしたいと考えております。新たな組織体制によって、群馬の存在感を高め、県民の幸福度を向上させ、未来に輝く新・群馬をつくってまいりたいというふうに思います。  先ほど申し上げました、これまでにない大規模な組織再編だというふうに思います。兄貴分の久保田順一郎先生から英語が多過ぎて説明できないというふうにお叱りも受けておりまして、確かに今読んでみると結構片仮名が多いなと思って、ちゃんと丁寧に説明しなければいけないということを改めて自覚いたしました。いろんな場面で広く周知し、議会はもちろん県民や関係機関の皆さんに御理解いただけるように一生懸命努力をしてまいりたいと思います。 ◆岸善一郎 議員 昨日、20日10時から、総務部長から全議員に対して組織改正の説明を受けたわけでございますが、大幅な再編でございますので、日程をお取りいただき、知事のほうからいろいろな説明を我々議員にお話し願いたいと私自身、また皆様方も要望、お願いを申し上げるところでございますが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 しっかり岸先生の今日の御要望を踏まえて、私自身が県議会の皆さんに説明する場所をつくらせていただきたいと思います。 ◆岸善一郎 議員 そのように知事の口からしっかり議員の皆様方にお伝えをよろしくお願い申し上げるところでございます。  続きまして、知事にまたお尋ねをいたします。  令和2年度の新たな組織でのCDO、チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサーの役割等についてお伺いいたします。  本年1月9日にデジタル化を進める責任者として岡田亜衣子さんをCDOに任命されました。1月30日の新聞を見ますと、CODからの助言で県職員のパソコンをノート型パソコンに切り替えるとの記事がありました。このように、CDOの岡田さんは既にいろいろと御活躍のようでございます。来年度の新しい組織ではデジタル化を進める部署ができるようですが、CDOの役割と具体的な業務内容はどのようなものであるかをお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。CDO、チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサーという役職を置いている都道府県は、群馬県以外にはありません。たしか政府の中にもCDOというのはありません。CDOは、今最先端の企業で導入が進んでおりまして、私の記憶が正しければ、ある先端企業は、CEO、代表取締役、最高責任者がCDOを兼ねているところもあります。チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサー、結構長いんですけれども、しかも片仮名で本当に申しわけありませんが、これを群馬県に置くということ自体が実はまず象徴的に非常に私は大きな意味があるというふうに思います。チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサーは何をやるのかといえば、少し丁寧に説明させていただきたいと思うんですけれども、内閣府特命担当大臣時代、IT戦略を担当していたんですが、そのときにリコーの副社長をやっておられた遠藤さんという方を初めてCIO、情報統括官に大臣として任命をさせていただきました。遠藤さんはITを含めた情報システムの専門家なんですけれども、政府で各省でばらばらになっているシステムを彼がうまく統括して、いわゆる整理しただけで、私の記憶では数百億円のコストを削減していただきました。それがさらに業務改善にもつながったということです。  チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサーの大事な仕事は、1つはこのシステム化。これからもITはどんどんさらに進んでいくわけなんですけれども、デジタル技術を使って業務改善をする、無駄なコストを削る、その業務改善が県庁の職場をさらに働きやすくするし、より良質な県民サービスを提供することにもつながる。これをまずやっていただきたいと思っています。  もう1つは、知事としての強い思い入れなんですけれども、これまでの地方行政というのはエピソードベースがとても多かった。総合計画の有識者ヒアリングにも来てもらったデービッド・アトキンソン氏も言っていたんですけれども、エピソードベース、この人がこう言ってたから、評判がよさそうだからじゃなくて、もっとちゃんと客観的なデータに基づいた政策立案、発信が大事じゃないかと。全く同感でございます。ですから、やはりこのデジタルの時代に、きちっとしたデータサイエンスを持って、いろんな情報をしっかりと集めていく、それをデジタル技術を駆使して行政に活かしていく、そういう役割もしっかりとCDOに担っていただきたいと思っています。  それからもう1つは、チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサー、デジタル時代にいろんな社会のあちこちでデジタル化が進んでいく。それに合ったいろんな対応をトランスフォーメーションで変換していく。デジタル化が進むに従って、それに合ったいろんな環境をつくっていく。それは、例えばIT先端企業と県の職員がいろいろと交流をする中で、今県が持っている、あるいは県議の皆さんからも提案があった地域のいろんな課題について解決策、ソリューションを考える、これはもう既にあちこちでやられていることなんですが、こういうデジタル化全体が進んでいく中でどうやって対応していくか、この流れを主導していくということもやっていただこうと。  簡単に言うと、この3つぐらいがCDOの役割でございます。岡田亜衣子さんの活躍については県議のほうからもございましたのでもう繰り返しませんけれども、就任早々、本当にいろんな、今おっしゃったような成果を上げていただいておりまして、さらに岡田さんが中心となってこの県政を大きく変革していただきたいと、こんなふうに感じております。 ◆岸善一郎 議員 CDOの岡田さんにまだ皆さんはお会いしたことがないようでございますので、いつかお会いできるようによろしくお願い申し上げます。業務改善していただくということで大変な部署だと思いますが、よろしくお願い申し上げます。  次に、いろいろ県民の皆様方、また高校生にも大変注目されております動画スタジオについてお伺いをいたします。  スマートフォンが普及し、誰もがいつどこでも手軽に動画コンテンツを楽しめる時代となりました。行政として様々なコンテンツを動画にして発信するというのは、広報、情報発信の可能性を広げるものとして大いに期待しているところであります。動画スタジオでは職員自らが撮影、編集、配信を行うとされておりますが、専門的な機材を使いこなせる職員はなかなか少ないと思われますが、スタジオをどのように運営していくのかをお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。動画スタジオについてはまだいろいろな議論があって、本当は随分長く時間をかけて御説明したいんですが、あまり時間がないので、まず1つだけ職員の運用について申し上げる前に申し上げると、例えば動画スタジオは、あそこで作った、編集した動画を使うスタジオではありません。放送スタジオとしての機能もあるので、例えば職員の皆さんにスマホを持って取材に行ってもらいます。今度の機材の中には取材用のカメラももちろん入っているので、きちんとしたカメラでも取材に行ってもらいます。そうやってあちこちに皆さんに出ていってもらって、現場で撮った映像はもちろん使う、そのときにスマホで撮った映像を使える。あるいは本格的に撮った映像も使える、まずそういう選択肢を持てるということなんです。  つまり、あのスタジオは、高校生の皆さんの感性はすばらしいものがあるので、私も実は議論の中身をいろいろ拝見させていただいて、やっぱり高校生の皆さんにも分かっていただかなきゃいけないなというふうに思いましたが、要は、あそこは発信の拠点で、スタジオを持つことによって、もう細かいことは申し上げませんけれども、様々な発信のやり方が可能になり、さらに、あの最新のスタジオによっていろんなリソースを引きつけることができるということで、もう1回言いますが、スマホで撮った動画はもちろん使えます。実際に取材用のカメラで撮った動画も使えます。どんどん外に出て現場で映像を撮ってもらって、それを発信する拠点が動画スタジオ、放送スタジオであるということだけは申し上げておきたいと思います。  県では、4月1日付で広報課を再編してメディアプロモーション課を設置することにいたしました。戦略的な情報発信の根幹を担う動画放送スタジオは、インターネットメディアの活用が中心になるので、ネットメディア係が担当し、円滑な運営を推進させたいというふうに思っています。このスタジオを効果的に運営していくためには、まず、おっしゃるとおり多くの職員が機材操作を習得することが望ましいというふうに思います。設置当初はネットメディアの係員がしっかりと操作技術を身につけて、スタジオを利用する職員を指導して、協力して制作、配信を進めていきたいというふうに思っていまして、これを継続することで多くの職員が基本的な操作を習得し、全庁的にいつでも活用できる体制づくりを進めていきたいと思います。  動画の効果を最大限に発揮するためのポイントとなる説明者の話し方に関する職員研修とか、あるいはスタジオ活用とかネットによる情報発信に関する研修ももう予定をしております。スタジオ利用の活性化、そして県職員自身の広報マインドを向上させていくことも考えています。安孫子県議のほうから、これを契機にいろいろユーチューバーとかVチューバーを育てろという御意見もありましたけれども、ここでいろんなユーチューバーを育てるということも、今日は時間がないので申し上げませんが、できるだろうと。農水省の土木事務所が一部、ある意味ユーチューバーを育てようという試みもやっていますので、そういうこともよく考えていきたいと思います。  さらに、実は機材操作よりも重要な職員のコンテンツ制作の企画力を向上させるために専門セミナーに派遣をしたいというふうに思っています。加えて、先進的な民間企業、今名前は申し上げませんけれども、人事交流もしっかりやらせていただこうと思っています。先生にも御理解いただけると思うんですが、人材育成にはある程度時間はかかると思うんです。ただ、もし高い企画力を持ったそうした集団を県庁内につくることができれば、ほかの都道府県にはない本当の強みを群馬県として持つことができる。こういう挑戦はぜひとも私としては成し遂げたいというふうに考えております。  こうしてスタジオ運営、活用の体制は全庁的にしっかり整いつつ、メディアの多様化にも適切に対応しなければいけません。その点で言うと、何度かここで申し上げているとおり、テレビ、ラジオ、ケーブルテレビ等との今までにないメディアミックスというものも構築したいというふうに思います。その上で、様々な動画コンテンツをタイムリーにお金をかけずローコストで制作して、効果的かつ戦略的な情報発信を進めたいと考えています。長くなってすみません、これでも十二分に説明ができていないんですが、以上のようなことでございます。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。  次に、市町村との連携についてお尋ねをします。  知事は、このスタジオが本県の情報発信の重要拠点であるとおっしゃっております。県内外への情報発信のためには、県での活用に加え、市町村にもその施策紹介やイメージアップに活用してもらうなど、市町村と連携していくことが必要と考えますが、どのようなお考えでしょうか。また、民間事業者への活用等についてはどのようにお考えでしょうか。お伺いをいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。32階に整備する、4月にはもう完成いたしますが、この動画・放送スタジオというのは全県的な発信の拠点にしようということですので、今、岸県議がおっしゃったように、当然、市町村にも活用できるような拠点にしたいというふうに思っています。まずは全市町村を対象とした説明会を開催して、スタジオの活用を呼びかけていきたいというふうに思いますし、必要に応じて個別市町村へも訪問して、相談に乗っていきたいと思います。  既に個人的には随分多くの首長さんが、今度、動画スタジオ、放送スタジオができたら使わせてほしいというふうにおっしゃっていまして、例えばもう前橋の山本市長は、動画スタジオの提案が出たときから、前橋として全面的に活用したい、ぜひ使わせてほしいと言われていますし、東吾妻町の中澤町長も、吾妻のいろんな発信をしていく上でぜひ動画スタジオ使わせていただきたいと。お2人だけ今日は名前を挙げましたけれども、こういう首長さんはかなりおります。そういうこともしっかり踏まえてやっていきたいというふうに思っています。  ただ、市町村が例えばPRしたい、じゃあ公民館みたいにここを貸しますと言うだけではだめなので、例えばどういうコンテンツを発信するかということについて、企画立案、撮影、編集、配信を実は県の職員がサポートできるような機能を持たせたいんです。さっき言ったように、しっかりとした企画力があって、機材も操作できる、そういう集団を育てられれば、例えば市町村から実はこんな品種を改良しているんだけれども、知事、何か発信を手伝ってくれないかと言われたら、そのときには、じゃあうちのサポートスタッフを送ります、県庁のグループともしっかり相談して、効果的ないろんな戦略の相談に乗れるみたいな、こういうコンサルティング的な役割が果たせるような姿を実は頭に置いております。  今、政策企画、いろいろ県庁の職員はアイデアはあるのかという話があったんですけれども、もう既に全庁にいろいろと要請をしたところ、企画400本以上で、県庁の職員は非常に発想が豊かで、頭が軟らかいということをその企画を見ながら改めて感じているところなんですけれども、市町村長からの要求も、さっき申し上げたとおり多数あります。当面は県と市町村の利用を中心として運営をしていきたいと思いますが、岸県議がおっしゃった民間との利用については、まず民間に制作していただけるコンテンツが県の魅力発信につなげられるかどうかということについてよく議論をして、ケース・バイ・ケースで判断しながら検討させていただきたいと思っております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。大変丁重な御答弁をいただきました。  知事におかれましては、ユナイテッド・ネーションズ・ディベロップメント・プログラム、UNDP、国際連合開発計画で活躍されていたと伺っておりますが、その経験と国際的な視野を生かし、群馬県の魅力を世界に発信していただきますことを切にお願い申し上げるところでございます。知事、ありがとうございました。  健康福祉部長。 ○狩野浩志 議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (武藤幸夫健康福祉部長 登壇) ◆岸善一郎 議員 時間がありませんので、ちょっとはしょってやらせていただきます。次に、新型コロナウイルス感染症について健康福祉部長にお尋ねします。  今般の新型コロナウイルス感染症については、毎日、マスコミ、新聞等で報道され、多くの感染者や死亡者が確認されております。ダイヤモンド・プリンセス号の乗員、乗客がこの感染症に罹患していることも報道されました。また、国内においては各地域で感染事例が報道され、感染症の発生拡大が懸念されておりますが、県民の生命と健康を守るため、本県における医療体制や検査体制の状況についてをお伺いいたします。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 新型コロナウイルスに関するお尋ねでございます。  昨年12月に中国を発端といたしまして、新型コロナウイルス感染症が今、全世界に拡大しておりまして、県内におきましても、いつ患者が発生してもおかしくない状況にあったことから、今月の4日、対策に係る緊急予算を予備費として措置させていただきまして、県の医師会や感染症指定医療機関、中核市等と連携いたしまして、医療体制等の整備に取り組んでまいりました。  具体的には、新型コロナウイルスの感染に不安を持つ県民からの相談に対応し、感染の疑いのある方を診療体制の整った医療機関に確実につなげていくため、帰国者・接触者相談センターを各保健所及び県の保健予防課内に設置いたしました。また、身近な地域で受診していただけるよう、中核市と協力いたしまして、帰国者・接触者外来を二次医療圏ごとに1か所以上、県内で16か所を設置するとともに、医療従事者がそこで使用いたします個人防護具、マスクやガウンでございますけれども、これらを提供することとしたところでございます。さらに、帰国者・接触者外来を受診した結果、感染が疑われる方につきましては、県の衛生環境研究所におきまして迅速に遺伝子検査を実施いたしますとともに、この遺伝子検査の結果、陽性となった場合には、県内12か所ございます感染症指定医療機関に入院する体制を確保したところでございます。  また、今月10日には、県の新型コロナウイルス感染症対策本部を設置いたしまして、各部局との情報共有を図るとともに、全部局横断的な連携体制を整備いたしました。さらに、専門家で構成する常設の感染症危機管理チームを設置することで、県内医療関係者が最新の知見を得られる環境を整備いたしましたし、本県の感染症対策の推進や県民に対する正しい情報発信につなげていきたいと考えております。  県といたしましては、こうした相談検査、医療提供体制を確保するとともに、市町村や医療機関、医師会等との関係団体と緊密に連携を図りながら、迅速かつ正確な情報発信に努め、県民の命と健康を守るため、感染の拡大防止にさらに全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございました。県民の生命と健康を守るため、引き続き関係機関と連携し、しっかりと対応をお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。  次に、コンベンション推進局長。 ○狩野浩志 議長 コンベンション推進局長、答弁席へ。           (大澤伸一郎コンベンション推進局長 登壇) ◆岸善一郎 議員 Gメッセ群馬の推進状況と建設事業費について、コンベンション推進局長にお伺いをいたします。  また、建設事業費については、これまで概算金額、総額280億円と公表しておりますが、事業費の見込みについても併せてお伺いをいたします。 ◎大澤伸一郎 コンベンション推進局長 まず、Gメッセ群馬の工事進捗状況でございますが、会議展示施設工事、いわゆる本体工事と立体駐車場工事につきましては、現在、最終段階を迎えておりまして、今のところ予定どおり3月17日に完成する見込みとなっております。また、緑道などの施設周辺の外構工事につきましては、本体工事が2か月間の工期延期に伴いまして着工時期を変更したため、施設の開所時期には影響ないものの、一部の工事の完成が5月にずれ込む予定となっております。  次に、建設事業費につきましては、御質問にもございましたように、これまで概算で約280億円と説明してきたところでございますが、入札減や仕様の見直しなどのコストの縮減に努めた結果、繰越工事を含め総額248億円程度に収まる見込みとなっております。4月の開所まで1か月余りとなっているところでございますが、本施設が将来にわたってその機能を十分発揮できるよう、完成に至るまでしっかりと整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございます。  続きまして、Gメッセ群馬の活用についてお伺いいたします。  知事は就任以来、Gメッセ群馬の活用について、大変厳しい状況にあるものの、あらゆる方法で活用していく決意を表明しております。そこで、現時点での予約状況と4月の開業以降、利活用の促進にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 ◎大澤伸一郎 コンベンション推進局長 Gメッセ群馬の予約状況についてでございますが、1月末現在で、開所初年度の2020年度は140件の予約を頂いているところでございます。さらに、来年度から4年間の合計では191件の予約を頂いているところでございます。予約を頂いています具体的な行事としましては、国際学会、大規模展示会、ゲームイベント、人気アイドルグループによるコンサートなど、これまで県内でできなかった分野の催し、大規模なイベント、さらに地元企業様による利用まで、多種多様な御予約を頂いているところでございます。  次に、今後の利活用についてでございますが、稼働率を高めていくためには、比較的予約が少ない平日にいかに催事を取り込んでいくかというところが重要となってまいります。このため、都内からのアクセスのよさ、展示ホールの使い勝手のよさ等を活かしまして、例えばコンサートのリハーサル、就職説明会などのような催事の利用を積極的に提案するとともに、既に御予約をいただいております展示会とかプライベートショーなどの催しにつきましては、定期的に御利用いただけるよう、主催者に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  今後とも、Gメッセ群馬の持つ特徴、機能を最大限に活かし、幅広い催事の誘致、周知に努めるとともに、特に国際会議、世界大会などの重要な案件につきましては、指定管理者とも連携の上、知事のトップセールスにより強力に誘致を働きかけてまいりたいと考えております。 ◆岸善一郎 議員 ありがとうございました。Gメッセ群馬の誕生により、我が群馬県がより一層の交流人口、また、関係人口の中で群馬創生に取り組み、少子高齢化時代の中ではありますが、地の利、人の利、時の利を活かして、群馬県民誰もが幸福度を感じられることを申し上げ、私の代表質問を閉じさせていただきます。皆さん、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○狩野浩志 議長 以上で岸善一郎議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○狩野浩志 議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午前11時4分休憩     午前11時10分再開   ● 再     開 ○狩野浩志 議長 休憩前に引き続き会議を開き、党(会)派代表による質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○狩野浩志 議長 自由民主党臂泰雄議員御登壇願います。           (臂 泰雄議員 登壇 拍手) ◆臂泰雄 議員 自由民主党の政務調査会長を仰せつかっております臂泰雄です。今日は本当にお忙しい中、傍聴に来ていただきました皆様方、そしてまた、テレビの前で私のことを心配そうに見守っていただいております支援者の皆様に心より感謝を申し上げたいと思います。また、岸総務会長には十分な時間を残していただきましたので、安心して質問をさせていただきたいと思います。  まず、知事、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆臂泰雄 議員 先ほど、組織についてのお話がありました。県の組織が変われば議会もその形を変え、また、議論の場を用意しなければなりません。総合計画をこれから議論する中で、組織の機能を確認していきたいと思いますし、そのために丁寧な情報提供をいただければと思います。その一番大事な総合計画でありますけれども、これについて質問をさせていただきます。総合計画策定懇談会外部有識者ヒアリングが開催をされております。第3回後期定例会で我が党の星名幹事長も総合計画について質問させていただきましたけれども、その後の状況ということで質問させていただきます。  まずお聞きをいたしますけれども、昨年から国内外で活躍をされている多くの著名な方々に御意見や提言をいただく計画策定懇談会と外部有識者ヒアリングが開かれています。これまでの開催状況についてお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。今日も臂県議の支援者の方が大勢傍聴に来られているようですけれども、自民党を代表する政策通の一人である政調会長との議論を今日は楽しみにしておりました。よろしくお願いいたします。  総合計画について御質問をいただきました。まず、計画策定に向けて実質的な議論を行う策定懇談会のほうですが、これまで2回実施をしてまいりました。県内外のいわゆるベスト・アンド・ブライテストの方々と群馬県の未来像や地域の将来ビジョンについて非常に中身の濃い議論ができたと思います。1回目が令和元年11月15日、2回目が先般の令和2年2月7日ということで2回議論させていただきました。策定懇談会の議論の後に二次会的に懇談会も設けているんですけれども、そこは会食しながらなんですけれども、そこでも2時間ぐらいの議論が続いているので、毎回4時間ぐらい実はメンバーの方々と議論している、非常に熱ある議論が展開されているということを報告したいと思います。  さらに、臂政調会長にも何度か来ていただきましたが、総合計画に対する特別委員会の皆さんに一応御案内を出しているんですけれども、外部有識者ヒアリングは、20年後の大きなビジョンについてのいろんなお知恵をいただくためにやっているんですが、これも5回やってまいりました。世界の潮流を踏まえた群馬県のビジョンをつくるために、様々な角度から非常に有意義なプレゼンをやっていただき、かなり実のある議論ができているというふうに思っています。第1回がデービッド・アトキンソン氏、2回目が武見敬三氏、3回目がマシ・オカ氏、4回目が三浦瑠麗氏、そして5回目が伊藤和真氏ということで、年代もばらばらなんですが、それぞれの分野で活躍する方々の意見を聞くことは、ビジョンを策定していくために大変有用であるということを改めて痛感しています。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございました。私も何回か外部有識者の方々のお話をお聞きいたしました。大変目から鱗の話もありますし、これからの時代、そういうふうになっていくんだなというふうに思わされる、そんなお話も聞けて大変有意義でありました。しっかりこうした提言、または様々なお話を聞きながらこの総合計画に活かしていければというふうに思います。  それから次に、県民幸福度とSDGsということで、全力疾走366プランでは、県民幸福度を高める具体策として群馬版SDGsを構想しているというふうになっています。県民幸福度とはどのようなものか、なかなかイメージが湧きません。県民幸福度の指標化がなされれば、取り組むべき施策も議論できると思います。そこでお聞きをいたしますけれども、県民幸福度の指標化の状況はどうなっているのか、また、県民幸福度をSDGsにどう関連づけるのでしょうか。あわせて、県民幸福度やSDGsと総合計画の関係についてもお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。今、臂政調会長がおっしゃったように、幸福度の指標をつくるのはなかなか難しい作業です。いろんなはかり方が実はあるんですけれども、民間団体が発表しているランキングをずっと研究してみると、複数の統計データを用いて総合的に分析しているものが多いように思います。さらに、幸福度を目標の指標としている他県の総合計画だと、県民アンケートを実施して数値をはかっている例もあります。さらに言うと、国連の関係団体では、主観的幸福度というものでランキング化した世界幸福度報告というものも毎年発行しています。  繰り返しになりますが、幸福度をはかるというのは非常に難しいと思いますけれども、「群馬の幸福に関する指標」検討チームというのを設置いたしまして議論を重ねてまいりました。いろんな先進事例も研究しながら、今、具体的な中身を詰めているところです。現時点で御報告できることがあるとすると、1つの総合指標を設定するというよりは、複数の指標を網羅的に掲載する方法にしたいと思っています。これはいわゆるダッシュボード型と呼ばれているんですが、これが基本になるかなというふうに今のところは考えておりまして、アンケート調査で把握する主観的な幸福度のデータと客観的な統計データというものをミックスした形を今想定しております。なかなか難しい挑戦ではありますけれども、幸福度の向上という大きな目標に向かってこれから施策を展開していくわけですから、今やっている県の施策がこの幸福度向上という方向性に合致するかどうか、これが検証できるような、そういう分析に重点を置いた指標化を何とかやっていきたいというふうに考えています。  次に、SDGsの御質問がありました。県民幸福度をどうSDGsと関連づけるのかということですけれども、現時点でいうと、ビジョンの中で、目指すべき方向を1、一人ひとりの幸福、2、社会全体の幸福、3、将来世代の幸福の3つに再定義したいというふうに考えています。それぞれの3つの定義の中の幸福の中にSDGsの理念を取り入れたいというふうに思います。  県民幸福度やSDGsと総合計画の関係という点についても御質問がありました。県民幸福度の向上は知事としての最大の目標ですから、総合計画の目標としても当然ですけれども、これはもうしっかりと掲げていきたいと考えています。  また、総合計画には、昨年12月に発表したぐんま5つのゼロ宣言、これはこれからの群馬県のあり方を考えていく上で大きな鍵になるというふうに思っていますけれども、このゼロ宣言や県土整備プランの見直し方針、さらには、先月発表した多文化共生・共創「群馬」モデル等、SDGsの理念につながるコンセプトもしっかり盛り込みながら、将来にわたって持続可能な群馬県というものを目指していきたいというふうに考えています。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございました。今日はSDGsバッジ、木製でできているものをつけさせていただきました。これからますます群馬県にとっても大事な考え方のひとつだというふうに思います。幸福度とSDGsを関連付けながら、また総合計画の中でこれを活かしていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、20年後の時代を想像してこれからの群馬をつくるということで、20年後のビジョンをつくって掲げるわけでありますけれども、なかなかこの20年後の群馬がどんな姿になるのかというのがよく分かりません。この辺、今、知事のほうで策定をしているビジョンはどのようなものであるか、御説明をお願いいたします。 ◎山本一太 知事 今、臂県議が御指摘になったように、20年後の姿を考えるというのは、極めて実はこれもまた大変な作業です。ですから、よく地球温暖化対策等々で使われる、何度かここでも言及しましたが、また英語なので怒られちゃうんですけれども、バックキャスティング手法といって、未来の姿をまずしっかり想像して、そこから今に遡って、じゃあこれから何をやらなければいけないかということを考えるという手法を持って、いろいろ議論を重ねてまいりました。これも何度も御説明しましたが、やはり群馬県の総合計画の最大の特徴は、20年後のビジョン、群馬県として、群馬県民としてどうありたいかというこの哲学、理念に加えて、10年間の様々な具体的な政策を網羅したいわゆる総合計画、この長期的なビジョンと、ある程度10年という期間を限ったビジョン、2つをつくるというところにすごく意味があると思っているんです。  今、策定懇談会等々でもかなり熱のある議論をやっているんですが、かなり概念的ないろいろな話も出てきていると思うんですけれども、やっぱり物事というのは、理念とか思想とか哲学がないとだめだと思います。この20年後のビジョンがあるから初めて10年間の総合計画に深みが出る。総合計画をつくっている都道府県は山ほどあるんですけれども、これだけの有識者を集めて、20年後の姿から群馬県はどういう姿を目指すのかというところからひもといているところはないと思っていますので、これはもうほかの県よりもレベルの高い県議会にしっかりと提案をさせていただいて、また議論をさせていただこうというふうに思っています。  今、議論している最中なので、これからまだ策定懇談会も有識者ヒアリングもあるので、まだ全部固まったわけじゃないんですけれども、臂政調会長からの御質問なので、現時点で少し報告できることだけ今日は申し上げたいと思うんです。  今の時点ですが、20年後に向けて、目指すべき3つの基本姿勢を定めたいと思っています。そして、その基本姿勢に基づいて4つの自立を果たす。これで最終的な目指す姿を実現したいと考えています。自立というのはやはり大事なキーワードではないかというふうに考えています。  具体的な3つの基本姿勢というところで言うと、1、内外の才能、異能――言い方を変えると出る杭を受け入れ伸ばすということが1つ目の基本姿勢。2つ目は、進取の気風にあふれ、フロントランナーの気概を持つ、これが2つ目の基本姿勢です。3つ目、群馬の風土に根差した魅力を新たなスタイルとして発信する。この3つを考えています。さらに、この3つの基本姿勢に基づいて、それぞれ1、県民の自立、2、産業の自立、3、地域の自立、そしてそれら3つの自立が土台となる群馬の自立、これを果たすことによって、我々が目指す最終的な姿を実現してまいりたいというふうに思います。その姿は、また非常に概念的なことで申しわけないんですけれども、ある意味コンセプトをまとめているものですから、住む人、縁のある人、これから住む人、みんなが誇りを持ってここにいることを幸福だと感じられる群馬県にしたいと思っています。目指す姿の実現に向けた政策の方向性は、先ほど申し上げたとおり、短期、中期の政策と長期の政策に分けて今後検討していきたいと考えています。
     何度も申し上げますが、ほかの自治体の総合計画をずっと見たんですけれども、5年から10年程度の基本計画を策定しているところはあるんですが、20年先のビジョンを作成して、総合計画全体を貫く哲学を示そうとしている自治体はないと私は思っています。20年後の群馬を見通すビジョンというものは、これはもう新総合計画にも深みをもたらすだろうというふうに思いますし、もちろんこれから総合計画の案自体は県庁が責任を持って総力を挙げてつくる、それをレベルの高い県議会できちっと議論していただいて、協力して県民のためになる総合計画をこれから練り上げていくということですけれども、私は群馬県の総合計画は、群馬県として内外に発信できる誇るべきコンテンツのひとつになるだろうと、そのぐらいの気概でこれからも策定に取り組んでまいりたいと思っています。 ◆臂泰雄 議員 力強いお話をありがとうございました。私自身も総合計画に関する特別委員会に所属をさせていただいて、今、知事の言われるような本当にすばらしい総合計画づくりに少しでも関われるというところを本当に名誉に思っております。そういった中で、秋までにこれを策定するということであります。まだこれからも何度か総合計画策定懇談会外部有識者ヒアリングは残っておりますけれども、そういうことも含めまして総合計画の今後の進め方についてお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。先ほども申し上げましたが、政調会長からの御質問なので現時点の議論は披露させていただきましたけれども、あくまでまだ策定懇談会も有識者ヒアリングも残っておりますので、6月ごろまで多分有識者ヒアリングもあと何回かやることになると思いますので、そこでの議論や意見交換も、今申し上げた基本の中にどんどん盛り込んでいくことになるということは御理解いただきたいというふうに思います。  今実施している現在、県民アンケート、関係団体のヒアリングの結果、これについてもしっかり反映をさせたいと思います。何度も申し上げますが、総合計画自体はやはり県がしっかり行政として責任を持ってしっかり案を練り上げようと、その案がしっかりできたことを踏まえて、もちろん県内様々な、例えば職域団体もある、いろんな関係者の方々もおられますので、そういう方々とも意見交換をするし、何よりもやはり最も大事な県議会との議論をそこからしっかりと深めていきたいというふうに思います。  県が案はつくりますけれども、練り上げていくのはもちろん県議会との協議の中ですし、県議会の了解がなければ総合計画は承認されませんので、そこら辺も踏まえながら、しっかりと総合計画策定のプロセスを進めてまいりたいと思います。 ◆臂泰雄 議員 知事、ありがとうございました。県議会、もちろんしっかり議論を一緒にさせていただきますし、市町村の皆様方の声、または考え方というのもやはり反映させなければならないことだというふうに思いますので、様々な方々とぜひ意見交換をしながら、すばらしい総合計画をお願いしたいというふうに思います。  続けて、知事に拉致問題についてお聞きをいたします。  知事にもブルーリボンバッジをつけていただきました。北朝鮮による日本人拉致問題は、国民の期待に反し、解決への糸口さえ見つからない状況が続いています。被害者の自由を奪い、未来を奪い、人としての尊厳を奪った拉致は許し難い人権侵害であります。家族、親族にも会えず寂しい思いをされている被害者の方々のことを考えると、激しい怒りと、このブルーリボンバッジをつけることしかできない我が身にむなしさを感じるばかりです。今も国の動きを歯がゆく思いながら見守るしかない状況が続いています。それでも、この問題を風化させないための行動をしていくしかありません。県内にも救う会や拉致議連など多くの関係団体があり、様々な活動が行われております。山本知事はこの拉致問題に対しどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。知事に就任する前に24年間、参議院議員として活動させていただきました。その中で特に北朝鮮政策についてはかなり深く関与してまいりました。今、北朝鮮に対する経済制裁法案と呼ばれている日本の法律は、私が呼びかけたグループが中心になって原案をつくったというふうに自負しています。今振り返ってみると、当時若手議員だった河野防衛大臣とか、中堅議員として参加をお願いした菅官房長官もメンバーでした。ですから、特に北朝鮮に関わる問題については大変思い入れがあるということをまず申し上げたいと思います。  全国には今、政調会長のほうからも言及がありましたが、政府認定の拉致被害者17名、このうち5人の方が既に帰国しておりますけれども、これに加えて、北朝鮮に拉致された疑いが排除できない行方不明の方々が、2月1日現在ですけれども、878人おります。そのうち本県関係者も4名含まれています。拉致問題がなかなか進展しないということで、御家族の心中は察するに余りあるというふうに感じています。拉致問題の早期解決というのは当然ですけれども、全国民の願いであるというふうに思いますし、本県としても北朝鮮拉致問題解決促進議員連盟とか、「救う会・群馬」等と連携をして、毎年、拉致問題講演会をやったり、あるいはパネル展を開催するなど、そうした啓発活動をやっているということは承知をしております。また、北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会というのもありまして、こうした枠組みや全国知事会等を通じて政府への要望は継続して行っております。  もう拉致問題の発生から長い年月がたっておりまして、帰国を待つ御家族の方々も高齢化しているということで、先日も拉致被害者に認定されている有本恵子さんのお母様が娘の帰国を願いながら亡くなられたということで、もはや一刻の猶予も許されないというふうに感じています。この重大な人権問題、この問題の早期解決にはとにかく国民の後押しが必要だと思いますし、群馬県としても県民一人ひとりの関心、理解をより一層深めていくことが不可欠だというふうに思います。  引き続き、県として拉致問題の一日も早い解決を目指して、関係団体、市町村と連携をしながら、協力をしながら、引き続き理解促進の活動に取り組むと同時に、政府に対しても引き続き要請を行ってまいりたいと思います。 ◆臂泰雄 議員 知事、ありがとうございます。とにかく我々にできるのは、本当に風化をさせない、自分は本当にバッジをつけながら、朝バッジをつけるときに被害者のことを思いながら出てくるということで、心の中に必ず拉致被害者のことを思いながらやっていこうというふうに思っております。知事にできることが何があるかというと難しい問題もありますけれども、ぜひ知事の発信力、そしてまた知事というお立場でできることをぜひお願いしたいというふうに思います。  続けて、知事にお聞きをいたします。先ほど岸総務会長のほうからお話がありました事業見直しの中でいくつかお聞きをするということであります。まず、森林・林業施策についてということでお聞きをいたします。ちょっと質問が長くなりますけれども、お許しを頂きたいと思います。  森林県から林業県ぐんまの実現を目指して群馬県森林・林業基本計画が定められ、今年度が計画最終年となっております。ここには2つの基本方針が書かれています。1つは、森林環境の保全という森林についての方針です。森林環境の保全がなぜ必要なのでしょうか。戦後、乱伐で荒れ果てた森は手入れもされず放置されたままで、間もなく襲来したカスリーン台風は山間部に土砂災害をもたらし、平野部では悲惨な水害が起こりました。森林の保水力が低下していたことが被害をより甚大にしたというふうに言われています。  こうした状況を受けて、終戦の翌年から国の施策として治山事業や林道事業とともに造林補助事業が組み込まれ、造林の推進が図られました。また、昭和25年には「荒れた国土に緑の晴れ着を」をスローガンに第1回の全国植樹祭が行われ、造林に対する国民理解も得られてきました。群馬県でも利用がされない広葉樹林の伐採跡地に針葉樹の植栽を行う拡大造林や、森林所有者では植栽できない箇所に群馬県林業公社が一時的に費用負担する分収造林方式の取組もなされ、緑豊かな群馬県となりました。そうした中、昭和56年に襲来した台風15号は、利根川上流域でカスリーン台風と同規模の降雨をもたらしましたが、県内の被災状況はわずかでとどまりました。これは、造林事業により森林の保水機能が高まっていたことが要因であったと言われております。こうしたことからも、適切な整備を行い、森林の有する公益的機能を十分に発揮させる森林環境の保全が必要なのだというふうに思います。  しかし、木材価格の低下や維持管理費の高騰、輸入材の需要拡大など、時代の変化に林業は衰退し、群馬県林業公社も47年間の事業活動をもって解散してしまいました。このままでは森林は再び荒れ果てていきます。県もぐんま緑の県民税や様々な施策で森林の荒廃を防ぐための対策を進めてきましたが、森林の荒廃を防ぐには、もう1つの基本方針、森林・林業の再生という林業についての方針が大事だと思います。  今、山本知事はこれまでの森林・林業に対する考え方を変えようとされているように思われます。そこで、知事に基本計画の2つの方針である森林ということ、そしてまた林業ということ、この2つに対する考え方をお聞きいたします。 ◎山本一太 知事 大変重要な御質問ありがとうございます。臂政調会長が一貫して環境問題、特に森林保護の問題も含めて、こうした問題に取り組んでおられることには敬意を表したいというふうに思います。政調会長のほうから、なぜ森林が大事なのかというお話もありました。繰り返しになりますけれども、本県は県土面積の3分の2を森林が占めている関東一の森林県だということも皆さん御存じだと思いますし、利根川の源流を含む広大な森林は、首都圏4,000万人の水源地域にもなっております。戦後、先人たちのたゆまぬ努力によって造成された民有人工林は17万ヘクタールあって、森林資源として本格的な利用期というものを今迎えているということも理解をしています。  森林と林業に対する考え方ですが、これも一部繰り返しになりますけれども、森林には、豊かな水を育み、土砂災害を防ぎ、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を防止する、こうした私たちの生活を守る公益的機能というものが備わっているというふうに思っています。昨年12月に宣言したぐんま5つのゼロ宣言においても、自然災害による死者ゼロとか、温室効果ガス排出量ゼロというのを掲げましたけれども、これはやはり森林の役割なくしては実は成し遂げられないというふうに思っておりますし、今後も森林の公的機能が高度に発揮されるように維持管理していく必要があるというふうに考えています。それを断ったうえで申し上げると、木材生産を担う林業、これは地域の森林資源を活用しながら地域の雇用を生み出し山村経済を支えるということでいうと、重要な産業だと思うんです。でも、これまでの施策だと、林業がなかなか産業として発展することは難しいんじゃないかと思って、先生がおっしゃったように林業は大事だと思うので、これまでの予算の実績、補助金、中身を相当ちゃんと精査して、本当にどのぐらいの効果があったのかということを今本気でリサーチしています。  今回の予算案では、年間3億円の予算を投入してきたぐんまの木で家づくり支援事業について、これはやはり条例の精神等々もあると政調会長のほうからもあったので何度も相当時間をかけて議論したんですが、じゃあ、この今まで投入してきたお金がどのくらい成果につながっているのか、どのくらい実際に県産材の利用につながっているのかということで言うと、やはり改善しなければいけないところがあるんじゃないかと思って、これは私の判断で予算を削減させていただきました。私は林業を、もう1回言いますが軽視しているわけでありません。ただ、これまで投入してきた様々な金額、これまでこれだけの事業を展開しながら十二分な成果が出ていないという中で、同じ例えば予算を当てるにも、やっぱりちょっと違ったやり方が必要なんじゃないかと。例えばオーストリア林業では、萩原県議のほうからもしょっちゅう実はお話があるんですけれども、オーストリアなんかではもう利益を生む産業です。国内でも岡山県の、これはもう御存じだと思いますが、西粟倉村みたいな新しい取組で成果を上げているところもあります。諸外国では林業も漁業も、こういう言い方するとあれなんですけれども、稼げる産業なんです。ですから、ちょっとここで一度立ち止まって、これまでやってきたこと、中身をよく調べて、じゃあこれから本当に予算をつけるのであればどうしたらいいのかということをちゃんと考えさせていただきたいということですので、その林業が大事だと、それがしかも環境保護につながるという点については先生と全く同じ意識だということは申し上げておきたいと思います。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございます。先ほど私は、知事は考え方を変えたのではないかなというふうにお話をさせていただきましたけれども、そうではなくて、やはり知事の新しい視点でこれからの林業、森林の環境保全を考えていこうという姿勢だと思います。ぜひ今までのことを検証しながら、そして、これからの林業を知事としてのお立場でぜひ考えていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、知事、ここでいったん、ありがとうございました。  森林環境部長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 森林環境部長、答弁席へ。           (桑原雅美森林環境部長 登壇) ◆臂泰雄 議員 森林環境部長にお伺いをいたします。  県産材の利用促進を図る施策、ぐんまの木で家づくり支援の予算が削減をされました。林業振興には、木を植え、育て、切り、そしてまた植えるという循環を行う一番川上、切った木を製材、加工し、流通させるということを行う川中、そして、その木を建築資材や素材として利用する川下、川の流れで言えば川上、川中、川下、ここで一貫した施策が必要となるというふうに思います。県議会が林業県ぐんま県産木材利用促進条例を委員会発議で制定したことは、林業の危機的な状況を憂慮していることの表れであります。特に今、群馬は収穫期を迎える木が民有人工林面積の65%以上になっている状況を考えると、これから積極的な伐採と植林、それを利用した製材、加工、県内のあらゆるところであらゆるものに県産木材の利用促進が必要であると思います。林業振興について、現状と今後の取組についてお聞かせください。 ◎桑原雅美 森林環境部長 議員御指摘のとおり、林業の振興には、森林資源を循環利用するための3つの施策が必要でございます。1つ目は、木材を切り出すための施策、2つ目は、切り出した木材を加工し、流通させるための施策、3つ目は、木材を利用するための施策でございます。これらの施策を効果的に連動させて実施していくことが重要でございます。これまで、本年度が最終年度となります群馬県森林・林業基本計画に基づきまして、川上から川下に至るこの3つの施策を総合的、計画的に取り組んできたところでございます。効果的かつ安定的に切り出す施策としては、林道等の路網の整備や高性能林業機械の導入などを進め、加工する施策においては、渋川県産材センターや木質バイオマス供給施設などの整備を支援したところで、基本計画の基準年であります平成22年度と比較しまして、素材生産量が1.8倍、素材生産性が1.6倍までに高まりました。  また、木材を利用する施策におきましては、住宅への県産木材の利用促進などにより、建築材における県産木材の一定の需要量を確保してきたところでございます。しかし、今後は人口減少により住宅需要の伸びが期待できず、住宅に対する県民意識も多様化する中で、これまでの施策の延長線では、県産木材の利用を拡大し、森林資源の循環利用をすることが困難になることから、視点を変えた新たな施策が必要となっていると考えております。  こうした状況を踏まえまして、切り出す施策では、ICTを活用したスマート林業の導入など、さらなる林業の低コスト化に取り組むとともに、利用する施策では、木造住宅だけでなく、様々な建築物に県産木材が使えるよう取組を進めたいと考えております。具体的には、県産木材を使ったCLTやNLTなどの新たな建築資材の普及、大手ハウスメーカー等と連携した県内外への県産材の供給、さらには、ツーバイフォー材等の輸出促進など、新たな木材需要の創出に向けた取組を強化してまいりたいと考えております。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございます。知事の言われる林業を成長産業にしたいという思いというのは本当によく分かるところであります。今、部長答弁にありましたCLTを含めて、木材需要は決して減っているわけではないんだというふうに思います。集成材を含めて様々な使い方、使える木材、使える形に加工していくということで様々な需要拡大になっていくんだというふうに思います。川下の使うところが一生懸命使わないと、川中もそうですけれども、まず何よりも木が切れないという状況になってしまいます。切るだけでどんどん川から流れてきて、こちらでたまってしまってはならないわけでありますから、まずはやはり川下でどんどん使ってもらう施策というのが大事だと思いますので、ぜひ様々な関係団体もありますし、関係事業者の方たちもいらっしゃると思いますけれども、連携をしながらそうしたものを拡大し、そのことによって、川上で木を切る、木を植える、そのことが二酸化炭素吸収ということにもつながっていくんだというふうに思います。大きな働き、大きな役割がこの林業にあるんだというふうに思いますので、これからもそういった時代の流れの中で新しい施策を考えていただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。  改めて、知事、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆臂泰雄 議員 もう1つの大きな事業見直しにBRTがありました。BRT整備については、来年度予算には計上されないこととなりました。地元の期待度も高まっていただけに、残念な気持ちを持たれている県民も多数いらっしゃることと思います。そこで、知事がBRTの整備について予算計上されなかった理由をお聞きいたします。また、広域的な公共交通の充実というのは県が担うべき重要な施策だと考えますけれども、今回の予算計上をされないことで、山本知事は公共交通には積極的ではないんじゃないかというようなイメージを県民に持たれてしまうことを懸念いたします。知事の広域的な公共交通についての考えと今後の取組についてお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。その前に、先ほど政調会長に御答弁した中身に1つちょっと不正確だったところがあるので、簡単に修正させていただきたいと思います。今、先人たちのたゆまぬ努力で11万ヘクタールの民有人工林が造成されていると言いましたが、17万の間違いでございました。申しわけありません。おわびして訂正させていただきたいと思います。  その上で、BRTについて、この考え方を否定するつもりはありません。これは1つの考え方、方策だろうというふうに思っておりますし、また、公共交通を維持することが非常に重要であって、そのために利用促進を図っていくという考え方についても、これは私、異存があるわけではございません。ただ、このBRT構想について、2020年度の運行開始を目標に検討を進めてきたんですけれども、今年度行った運行計画、収支計画について、相当時間をかけて議論させていただきました。県土整備部のほうから何度も数字、データを出していただいて、実はヒアリングの中で相当の時間をかけて議論させていただきました。その結果、今年度の検討に基づく試算だと、運行経費の毎年の赤字が少なく見積もっても6,000万円と見込まれる。それから、バス車両購入、停留所整備などの初期投資で約21億円を要するということが分かりました。  これは、運行経費の毎年の赤字のデータを出してもらって議論したんですけれども、私は6,000万円では済まないと思います。そこに参加した幹部の人たちも、もっと赤字が出るだろうと。赤字が出ない事業だからやる必要はないと思いません。やはり、富をつくっていく、収益を上げていく事業もあれば、やはりいつも臂県議がおっしゃっているように、公共のために、県民のために収益という観点ではないところからしっかりと手当てをしなければいけない政策もあると思います。ただ、全体を何度も議論する中で、これだけの赤字が毎年出ることはほとんど分かっている。今これをやることによってどのくらいの効果があるのだろうということをいろいろと議論させていただいたんですが、財政改革を進めなければいけないという事情もあります。昨年10月に示した中期財政見通しで200億円前後の財源不足も見込まれるとまで言っているわけなので、BRTの考え方を否定するわけではありませんが、この整備効果とか採算性等について、今回はこれをやるべきだという結論に至りませんでした。ですから、申しわけないんですが、一度立ち止まって検討させていただくということで、BRT関連の令和2年度予算の計上を見送らせていただいたということです。  次に、臂政調会長から御指摘のあった県が担うべき広域的な公共交通の考え、今後の取組ということですけれども、次期総合計画に盛り込む予定であるSDGsの目標のひとつは、臂県議はすごくお詳しいので御存じだと思いますが、住み続けられるまちづくりです。この実現のためには、公共交通の維持、利用促進にはしっかり取り組まなければいけないと考えています。特に県の役割が市町村の区域を越えた広域的な公共交通の整備、強化だというふうにも認識をしているところです。そのためには、広域生活圏での主要な拠点間の公共交通ネットワークの強化、それから利用環境の改善、さらには、まちづくりと一体となった公共交通の整備は重要だというふうに思っています。引き続き既存公共交通の維持強化、新たな移動手段の創出、異種間の交通の乗換えの改善と、市町村や交通事業者との役割分担というものをよく考えながら、よくこの件は検討させていただきたいなと、こんなふうに感じております。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございます。その前に、先ほど11万ヘクタールが17万ヘクタールというふうにおっしゃられています。先ほど答弁では17万ヘクタールというふうにお話をしていたので、17万が11万の違いということでしょうか。――はい。すみません。  今、知事のおっしゃられた広域的な交通でありますけれども、住み続けられるまちづくり、SDGsの7番目か8番目か、このことが大事なんだというふうに思います。そこのところで今回一歩立ち止まっているわけですけれども、各市町村がこのBRTを待っている、期待をしていたというのは、そこをもってまちづくりをしようと、駅を使ってまちづくりしようとしていたんだというふうに思います。その思いがまだまだ足らないのかなというふうに思うんです。ですから、一歩立ち止まりながら、各市町村が本当にBRTの手法でやるかどうかは別にしても、広域交通、県に期待するものをどういうふうに自分のまちづくりに使っていくかということを市町村にもよく議論していただきながら、県を含めて、これが必要なんだという機運が本当に高まってくるのかどうかも含めて、この1年、見ていただきながら、様々、総合計画、はばたけ県土整備プランを見ていただきながらぜひ進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  時間がないので続けていきますけれども、群馬県は全国に様々誇るべきものはあるんですけれども、誇れないこともかなりあります。汚水処理計画の推進についてお聞きをいたしますけれども、群馬県の汚水処理人口普及率は、全国の普及率に比べ10%以上も低い憂慮すべき状況にあります。普及率の向上には公共下水道の整備や農業集落排水の整備、コミュニティープラント整備、合併処理浄化槽整備等の施策を地域の実情に合わせて展開するベストミックスが重要であるというふうに言われております。その中で、今の群馬県にとって何よりも効果があるのは、単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に転換する、この施策だと考えます。そこで、お聞きをいたしますけれども、汚水処理人口普及率の現状と、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換促進について、今後の取組をお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。政調会長が指摘された点は大事な問題だというふうに認識しています。群馬県は利根川の最上流部に位置しておりまして、雄大な山々、数多くの清流に囲まれた、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、首都圏の水資源、水源県として大きな役割を担っていることはもう言をまたないというふうに思います。この恵まれた水環境を保全し、県民の生活環境を向上させるために、県では、平成30年3月に群馬県汚水処理計画というものを改定いたしました。政調会長はご存じのとおり、今は改定した計画に基づいて各種政策を推進しております。本県の平成30年度末における汚水処理人口普及率は、先ほどからお話が出ているとおり81.3%ということで、全国的に見れば低位な状況です。平成29年度からの2年間の伸び率では、実は全国平均1%に対して2%と、そこは少し大きな値になっているというふうに思います。  まさしく御指摘のあったとおり、汚水処理人口普及率向上には単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を促進する必要がある。おっしゃるとおりだと思います。ただし、個人の負担を伴うということがあって、実はなかなか転換が進まない現状があります。このため、今、群馬県では、個人負担の軽減を図るために群馬県独自の補助制度をつくっていまして、これも政調会長はよく御存じだと思いますが、浄化槽エコ補助金、こうした支援を今一生懸命やっているところです。今後はこうした補助制度の効果もよく検証したいと思いますし、より適切な支援をしていくということが大事だと思っていますので、こういうことをよく考えていくと同時に、市町村あるいは関係団体とはよく連携をしながら、今、政調会長から御指摘のあった汚水処理人口普及率の向上、これはしっかりと進めてまいりたいと考えています。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございました。汚水処理計画は市町村が主体でやることでありますから、県は指導的な部分が多いんだと思いますけれども、合併処理浄化槽への転換も国のほうも、今までは取付けのところまでだったのを、宅内まで含めての補助制度も考えていいというふうになってきておりますので、令和2年度は大きな転換をする、変えていく年になるんだと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  それから、次の質問に移らせていただきます。特別支援学校の施設整備についてお聞きをいたします。本来ならば教育委員会、教育長に質問ということでもあるんだと思いますけれども、施設整備ということでありますので、これも知事のお考えがここには大きく反映されると思いますので、知事にお聞きをいたします。  伊勢崎市には県立障害者リハビリテーションセンターやふれあいスポーツプラザ、隣接してしろがね学園があり、また、群馬県のリハビリテーションセンター旧作業棟活用事業で、社会福祉法人の宝寿会が就労継続支援事業を行っています。児童・生徒には特別支援学校や高等特別支援学校もあり、放課後の児童クラブも充実しています。伊勢崎市は障害者にやさしい町であるというふうに思っています。しかし、今、伊勢崎の特別支援学校が老朽化と教室不足で大変劣悪な状況になっています。ここは平成16年に増築をして児童・生徒を90名まで受け入れられるように施設整備をなされました。それが、私が市議会議員になった平成18年、この年には102名の児童・生徒になっていました。そして、現在は155名の児童・生徒数になっています。教室不足もそうですが、放課後、父兄や児童クラブの送迎車の混雑もひどく、改善に向けた要望が寄せられています。この現状は、他の学校施設でも想定されております。  そこでお聞きをいたします。未設置地域の解消等を目指した施設整備が終了することになり、今後は老朽化や障害の重度・重複化、多様化に応じた改修、教室不足への対応が必要になります。特別支援学校施設整備の現状と今後の取組についてお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。臂議員はこれまで特別支援学校、障害者リハビリテーションセンターの整備、特に障害者福祉施設の充実には御尽力をされてこられたということをよく存じ上げております。何度もこれも質問で取り上げられているということには敬意を表したいと思います。  特別支援学校について言うと、近年、児童・生徒数が増加しております。障害の重度・重複化、多様化が進む中で、卒業後の生活自立とか職業自立に必要な力の育成、地域における特別支援教育のセンターとしての専門性を活かした小中学校等に対する相談支援など、本県の特別支援教育を推進するうえでこうした支援学校がとても重要な役割を果たしているというふうに思っています。県では、富岡、藤岡、吾妻の3地域で新たに特別支援学校を開校し、未設置地域というものを解消いたしました。同時に、高等部が未整備であった沼田を含む4校に新たに高等部を開設したということは臂先生もよく御存じだと思います。現在、藤岡特別支援学校で高等部新校舎の整備を進めておりまして、体育館の整備にも取り組みたいというふうに考えています。こうした一連の整備によって、小学部から高等部まで、障害のある子どもたちが身近な地域で安心して学べる教育環境を整えることができるというふうに考えています。今後は、全ての特別支援学校において、一人ひとりの障害の状況に応じて、ICT機器等の活用を含むきめ細やかな学習の充実を図っていきたいと思いますし、将来の生活、自立に向けた取組を進めていく必要があるというふうに思います。  さらに、地域の産業とか農業分野との連携等、職業自立に向けた就労支援の一層の強化を図っていきたいと思いますし、そのためには、作業学習環境の整備にも取り組む必要があるというふうに思います。一方で、県内の特別支援学校の中には、臂政調会長のほうから今御指摘のあった伊勢崎の特別支援学校を含めて、施設の老朽化、教室不足、障害の重度・重複化に対応した整備が必要とされる学校もある、これは認識をしています。県としては、県内の特別支援教育をさらに充実させていかなければいけない、こういう考え方のもとに、今後の児童・生徒数の推移なんかもよく踏まえて、こういうことも見極めながら、特別支援学校の教育環境の整備というものを計画的に推進していきたいというふうに考えております。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございます。特別支援学校、特別支援教育を議論するときにインクルーシブ教育という言葉がよく使われています。インクルーシブというのは、全ての人というか、包摂的、全部を囲い込むという意味だというふうに思います。これはSDGsにインクルーシブという単語が17の目標の中で5つ目標の本文に使われている、そういった誰も取り残されないという考え方の一番基本になる言葉がインクルーシブなんだというふうに思います。このインクルーシブ教育というのは、例えば普通学校、普通教室で障害のある子、言葉が通じない外国人の子、みんな一緒に多様性を持って教育すればいいんじゃないかという考え方のインクルーシブ教育もありますけれども、やはり障害に応じて、一人ひとりが自分に合った、本当に学べる、理解できる、そういった場所をつくっていくということが大事だというのがインクルーシブ教育の考え方なんだというふうに思います。  確かに20年後、30年後、特別支援学校で学ぶ子どもの数、児童が少子化の中で減っていく、そういったこともあるのかもしれません。でも、今の現状は、先ほど言ったように、90人で整備をされた学校に155人いるという状況であります。ぜひこの実態を知事には見ていただいて、宇留賀副知事は伊勢崎特別支援学校にも行かれて実情を見ていただいたということですけれども、知事もこれを見ていただいて、本当に子どもたちが自分は社会にいていいんだ、自分は社会から求められているんだ、そういった社会から必要とされているんだ、そういうふうに思える環境、これを整えることは、やはり今行政がやらなければならないことなのではないかなと思います。ぜひそこを見ていただいて、これからの施策を考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  時間がないので、次の知事への質問に移ります。知事の大きな施策の柱でありますぐんま5つのゼロ宣言、2050宣言についてお聞かせをいただきたいと思います。これについて、なぜ今宣言されたのか、現状をどういうふうに捉えられているのかと、知事の思いをお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。臂政調会長も御存じのとおり、近年、気候変動等の影響で日本を取り巻く環境は相当変わっておりまして、特に気象災害はもう激甚化、頻発化しているということに異論を挟む方はいないというふうに思います。何しろ過去に発生したことのない規模の台風とか豪雨がもう毎年のように発生して、群馬県のみならず全国各地に被害をもたらしているという現状があります。気象災害のレベルは間違いなく新しい段階に入ったと私たちは見るべきだというふうに思っていまして、やはり台風19号クラスの災害がこれから毎年群馬県を襲ってくる、こういう想定すらしっかりしながら対応していかなければいけないという危機感が根底にありました。今やらないと未来を担う世代に持続可能な社会を残せないんじゃないかという、この危機感が5つのゼロ宣言の根源でございます。  昨年12月に小泉進次郎環境大臣に会ってまいりました。そこで、災害に強くて持続可能な社会を構築したい、さらに県民の幸福度向上もさせたい、そういうことをいろいろとひっくるめて、2050年に向けたぐんま5つのゼロ宣言というものをやりたいということを直接小泉大臣にお話をしてまいりました。これまで、臂先生は御存じだと思うんですが、温室効果ガス排出量ゼロとか、あるいはプラスチックごみゼロ、こういうものを一緒に宣言した自治体はあったと思います。しかしながら、ぐんま5つのゼロ宣言みたいに総合的、複合的な観点からこういう宣言をしたのは群馬県が全国で初だというふうに思いますし、小泉大臣からも非常に斬新ですばらしい、ぜひ横展開してほしいという評価もいただいております。ぐんま5つのゼロ宣言と併せて、先ほど申し上げた気象災害の変化も踏まえて、これも都道府県初めてですが、群馬・気象災害非常事態宣言というのも行わせていただきました。気象災害非常事態宣言を踏まえて、自然災害が少なくて、日照時間も長くて、水資源も豊富で森林資源もある、すなわち再生可能エネルギー資源に恵まれている群馬県、こうした強みを最大限に活用しつつ、ハード、ソフトが一体となった防災・減災対策を強力かつ集中的に推進してまいりたいというふうに考えております。  群馬県、実際に災害が少ないので、今データをまとめておりますので、機会のあるときにいろいろとまた公表させていただこうというふうに思っています。現在、ぐんま5つのゼロ宣言の実現に向けて2021年度までの工程表を作成しておりまして、これも近日中にしっかりと公表させていただこうというふうに思います。  これも政調会長からの御質問なので、現時点の工程表、特徴的なことだけ今申し上げられることだけ申し上げると、まず、宣言1の自然災害による死者ゼロについては、これは県土整備プランの見直しを行って、災害レジリエンス――抗堪性ですよね、レジリエンスNo.1の実現に向けて、水害・土砂災害対策、道路防災などの県土強靱化を進めるということがあります。それから、宣言2、温室効果ガス排出量ゼロ及び宣言3の災害時の停電ゼロについては、先ほどもちょっと言及しましたが、本県の恵まれた再生可能エネルギー資源を最大限に活用して、例えば地域のマイクログリッドの構築等に向けた取組をやっていきたいというふうに思います。また、水素社会の実現に向けても、燃料電池自動車の普及、活用を進めると同時に、水素利活用コンソーシアムの設立も目指してまいります。宣言4のプラスチックごみゼロについて言うと、プラスチックごみの現状をまず分析、発信をする。同時に、下流県と連携した発生抑制対策、あるいは再生プラスチックへの転換等に取り組んでいきたいというふうに思います。宣言5の食品ロスゼロですが、従前からの取組に加えて、食べ残しを持ち帰るドギーバッグの普及、こういう文化をぜひ群馬県で定着をさせたいというふうに考えています。MOTTAINAI運動がありますが、これも強力に推進するとともに、政策集の中に入っていたか入っていないか、何度かここでも申し上げた覚えがありますが、フードバンクとか子ども食堂の支援にも取り組んでいきたいと思います。  さらに言うと、県内全市町村長に対して5つのゼロ及び気象災害非常事態宣言をさせていただいて、共に行動するように呼びかける、私、知事からの親書というものを送らせていただきたいと思います。先ほど臂県議のほうから、例えば総合計画をつくる上でも、よく市町村とも連携をしろとか、あるいはBRTについてもいろんな説明が必要だという話がありました。山本県政が重視すべき大きなポイントのひとつは、市町村との連携だと思っています。県だけでやっても絵に描いた餅になっちゃうので、市町村といかに連携できるか、市町村長といかに協力できるか。この間の群馬の多文化共生・共創社会も、初めてだと思いますけれども、県知事と市長会長と町村会長が並んで全県的に進めていくという宣言をさせていただいたということなんですけれども、この方針をしっかり頭に置いて、群馬県として5つのゼロ宣言を目指していきたいと思います。当然、国、市町村、そして県民、事業者の皆さん、県民の代表である県議会の皆さんとも協力できるところをしっかりと協力しながら進めてまいりたい、それが5つのゼロ宣言に対する思いでございます。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございます。本当に全国初、今まで取組のなかったことをされるということで、総合計画は2040年の20年後のビジョンで、2030年の基本計画、そこへ2050年というのが出てくるわけでありますから、こうした将来を見据えながら、バックキャスティングでこれからの施策をやっていく。しっかりこの宣言に基づいた施策ができますようにお願いを申し上げて、知事には質問を終わります。ありがとうございました。  環境局長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 環境局長、答弁席へ。           (岩瀬春男環境局長 登壇) ◆臂泰雄 議員 今、知事からある程度お話をお聞きすることができました。この5つのゼロ宣言は多岐にわたって、一人ひとりの県民の理解も頂かなければ目標達成はできないというふうに思います。5つのゼロ、それぞれについてどのような取組をされるのか、お聞かせください。 ◎岩瀬春男 環境局長 先ほど知事からお答えいたしましたとおり、現在、工程表を作成しております。私からは、知事からお答えした特徴的な取組を除きます主な取組についてお答えをさせていただきます。  まず、宣言1、自然災害による死者ゼロにつきましては、ハード、ソフトが一体となった防災・減災対策を強力かつ集中的に推進いたします。具体的には、県土整備部プランの見直しを行い、県土強靱化を進めると同時に、自らの命は自らが守るという県民の防災意識を醸成いたします。また、群馬県の気候変動適応計画を策定するとともに、地域気候変動適応センターを設置いたしまして、気候変動や適応策に関する情報の収集、分析、発信を行う予定であります。  次に、宣言2、温室効果ガス排出量ゼロ及び宣言3、災害時の停電ゼロにつきましては、本県の恵まれた再生可能エネルギー資源を最大限に活用いたしまして、温室効果ガスの排出量をゼロにいたします。また、エネルギーの地産地消、自立・分散化によりまして、災害時にも電力供給を継続するとともに、地域外への富の流出をなくし、地域内で資金循環をさせます。具体的には、住宅や県有施設等への太陽光発電設備及び蓄電設備の導入を進めるとともに、水力発電所の整備に取り組みます。また、水素社会の実現に向け、CO2フリーの水素エネルギーの製造・貯蔵システムの実証に向けた可能性調査に取り組みます。さらに、県庁舎のLED化や県有施設のESCO事業などの省エネ改修を進めます。  宣言4、プラスチックごみゼロにつきましては、マイボトルやリユース食器の活用を推進するとともに、群馬県グリーン購入ガイドラインを改正いたしまして、再生プラスチックへの転換を促進いたします。さらに、本年7月開始のレジ袋有料化を円滑に進めるため、事業者の取組を支援するほか、衣料品廃棄の実態把握に取り組みます。  宣言5、食品ロスゼロにつきましては、従前から実施しております3きり、30・10、食べきり協力店登録制度などに加えまして、賞味期限が近い食品などをおいしく食べるMOTTAINAIパーティー、この普及などを併せまして、全体としましてMOTTAINAI運動、こういうものを強力に展開してまいります。県といたしましては、引き続き国や市町村と連携するとともに、県民や事業者の皆さん、関係団体等の理解と協力を得ながら、工程表の取組を着実に実行することにより、2050年に向けたぐんま5つのゼロ、これを達成してまいりたいと考えております。 ◆臂泰雄 議員 ありがとうございます。もったいないという言葉は、平成15年の国の環境白書、今の小池都知事が環境大臣の頃だったというふうに思いますけれども、もったいないというのがコラムに載っていて、マータイさんがそれを見て世界的に広めた言葉だというふうに思います。そういった時代からもう15年、17年たっているわけですけれども、その頃から、今、5つのゼロで言われたようなことというのは、環境をやっている人からすると、やらなければならない夢のような話だったわけですけれども、これが2050年に向けて実現をすると。これをぜひ群馬県が主導的に取り組んでいただきますことをお願い申し上げて、環境局長への質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ○狩野浩志 議長 臂議員、あと残り時間1分です。 ◆臂泰雄 議員 予想どおりというか、岸総務会長に十分時間をいただいたんですけれども、2問残して1分になりました。要望だけさせていただきます。  まず、県警本部長には、特殊詐欺はまだまだ大変ひどい状況でありますし、新たな手口も出てくるところであります。ぜひ、これからもお年寄りの方たちが汗水垂らした、老後のために家族のために孫子のためにためた大事なお金をだまし取られないように、ぜひこれからのことをお願い申し上げます。  それから、健康福祉部長、高齢者の活躍推進ということで、新潟県では新潟県活力ある長寿社会の実現の推進に関する条例というのがつくってあります。全国的にもまだこのぐらいだと思いますけれども、群馬県でもお年寄りに対する、老人クラブに対する様々な施策をこれからもやっていただきますことをお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○狩野浩志 議長 以上で臂泰雄議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○狩野浩志 議長 暫時休憩いたします。  午後1時15分から再開いたします。     午後0時21分休憩     午後1時15分再開           (井田 泉副議長 登壇 拍手) ○井田泉 副議長 暫時、議長職を執り行います。   ● 再     開 ○井田泉 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、党(会)派代表による質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問[代表](続) ○井田泉 副議長 リベラル群馬後藤克己議員御登壇願います。           (後藤克己議員 登壇 拍手) ◆後藤克己 議員 リベラル群馬の後藤でございます。時間も限られておりますので、早速質問に入りますし、また、午後の厳しい時間でございますので、なるべく眠くならないように元気にやりたいと思います。  では、知事、お願いします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆後藤克己 議員 まずは財政の健全化につきまして、これは一貫して、今日の質問の中でも恐らく後段からも出るというふうに思いますが、非常に山本知事の手腕として注目をされたテーマであったと思っておりますけれども、率直に申し上げて、半年の就任期間の中で、本当によくぞ結果を出されたなというふうに賛意を示したいと思います。また、いわゆる熟慮断行チームでしたっけ、そういったことで、いわゆるアドバルーン的なものは上がっていたんですけれども、やはり半年ですから、正直、私も、期待感とともに、どの程度かという不安もあったんですが、津久井副知事を先頭に、事業を根本から見直すという手腕は本当に評価をさせていただきたいと思っております。
     ただ、一遍に申し上げますけれども、昨年の当初予算の状況からは確かに好転していることは事実。昨年におきましては、昨年のことをあまり言うというのは、ちょっと語弊があったら申し訳ないんですが、かなりプライマリーバランスも赤字、基金もほとんど底をつきそうという状況であったわけでございますので、そこからかじを切ったという部分は本当に手腕で評価させていただきますけれども、私は、知事の手腕であれば、まだまだやれるのではないかなというふうに期待をしておるわけでございます。この1年かけて、またさらなる事業の見直しを進めていくと思いますけれども、その今後の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。冒頭、後藤県議のほうから、この半年間かけて相当のエネルギーを注いでつくった予算案、財政改革についても、私としては、正直言って最初の一歩を何とか踏み出せたという結果だと思っておりますけれども、今の一言は素直に本当にうれしかったです。この財政改革をやるために、どれだけの県庁職員が時間を使って、何時間も各部局と議論して、それでも実は事業を削るのは県議、なかなか大変でした。そういう中で今の一言は、本当に県庁の職員、この予算をつくるために頑張った人たちにも心に響いたと思います。そういうことはまず率直にお礼を申し上げたいと思います。  それから、これもいろいろ答弁がありますけれども、いろいろ本音で言わせていただくと、大変でした。やっぱりひとつひとつの事業にはそれに関わった方々がいて、みんなよかれと思って頑張ってこられたというものばかりです。そこにはもちろん県庁職員も関連している、あるいは私がお世話になっている県議の方々が一生懸命心血を注いできたものもある。関係団体でいろいろ要望していたものもある。そういう中で事業を削減していく。特に、もうよく御存じのとおり、財政、国全体が厳しくなってきて、社会保障のお金は増えていく。そして、さらに義務的経費も増えていく。この中で財政改革を意識しながらスクラップ・アンド・ビルドをやって、新しい富を生む予算をつくるというのは、実は相当大変でした。でも、自己評価でも申し上げたとおり、何とか最初の一歩を踏み出すことができたというのが率直な感想でございます。  財政調整基金、昨年度当初に比べて、もちろん3倍以上増やすことはできましたけれども、じゃ、これで十分かというと、まだ十分ではないと思います。なかなか目標値を今から言うというのは大変ですが、やはりこれを契機に財政調整基金も増やしていかなければいけないし、あるいは苦しいことですけれども、やはり財政健全化をしっかりやっていかない限りは将来世代にもツケを残すし、一番大事な県民の幸福度という点で言うと、県民サービスの質の低下も招くということを考えれば、今、激励もいただきましたが、これを契機に引き続き財政改革にも取り組んでいきたいと思いますし、必要な事業の見直し、県有施設の見直しなんかも、今、津久井副知事をヘッドにやっていただいていますが、これはしっかりと皆さんの御意見をお聞きしながら進めてまいりたいと考えています。 ◆後藤克己 議員 ありがとうございました。まだまだ十分ではないという意気込みを聞かせていただきました。そのとおりだと思いますし、今の答弁の中でも大変職員を大切にされているなということが非常に伝わります。これまでも本会議の知事の答弁を注意深く聞かせていただく中で、やはり職員は財産であるというようなコメントを随所に散りばめておりますので、非常に職員の皆さんも、知事が替わったときにはやや戦々恐々の部分もあったかもしれませんが、椅子に実際に座ってみれば、なかなかやるじゃないかと思っていただいている職員も多いのではないかと思っております。  これまで、実は私自身が財政改革をお願いしながらも懸念としてあるのが、私自身も元職員でございますけれども、私自身が在籍していた頃に流行った手法というのは、とにかく職員を削減する、ないしはひどい首長になると職員の給料そのものにカットを入れるというような、そういったことがかなり流行ったというか、時代がございました。だけれども、それは私は改革の本道ではないと思っておりまして、今、知事がおっしゃったように、どの事業も100%無駄なんていう事業はないわけですけれども、やはりそこは時代に合わせながら、財政との兼ね合いを見ながらメスを入れる。これは、言うのは簡単なんですけれども、本当に大変な作業であったと思っておりますので、ぜひこの1年も、いい一歩が踏み出せましたので、これだけすばらしいスタッフと、また職員の方も心をひとつにしているという状況だと今思いを強くしましたので、期待させていただいて、早速ですが、次に行かせていただきたいと思います。  では、公共事業のあり方につきまして、これはいろいろ意見の分かれる部分もありますので、やや丁寧に質問させていただきたいと思うんですが、私どもは、知事にも暮れに政策要望させていただきましたように、公共事業そのもののボリュームを増やす、減らすとかという議論ではなくて、その質、優先度、ここについてやはり転換が求められている時代であると思っています。今、知事が非常に力を入れている減災・防災の対策、これは非常に喫緊だと思っておりますし、県民のインフラを災害から守る。今、土木事務所レベルでも維持管理経費というのが非常に不足しているんですね。ですから、老朽化から守っていくという視点、さらに、これは50名の県議、ほとんどの方が多く要望いただいていると思うんですが、今ある県道が、ここの交差点の渋滞がなくなれば、ボトルネックが解消されれば渋滞が緩和するのではないかとか、ないしは歩行者が、子どもたちが、ここの歩道が狭いから、ここを改良できればというような要望を多くいただいていると思います。まさに私どもは、今ある道路を中心としたインフラをさらに快適な形に磨いていくという視点、そこをやはり最優先にやるべきだと考えております。  加えて、知事も今回相当メスを入れて、恐らくいろいろな御批判もあったと思いますが、私自身、過去の7つの交通軸に代表されるような大型の幹線道路の事業、こういった道路、新しい道路を新設していくということを中心とした事業については、私どもは不要とは言いません。不要とは言わないんだけれども、やはり不急ではないかというふうには考えております。  それはなぜかと申しますと、いわゆるS字カーブという言葉は知事も御承知だと思いますね。いわゆる道路を中心としたインフラというのは、昭和の時代とか、道路が不足をしていた時代においては、まさにS字カーブのこういう投資効果は非常に高かったわけです。しかし、もう平成の世に入りまして、相当に道路も整備をされてきた中で、新たにまたもう一本造っていくというときの投資効果というのは当然下がっていくわけですね。まさにS字カーブの最終カーブに今こういったいわゆる道路事業というものは、来ていると私は思います。  また、その証拠に、私どもが少なくともまだ若い頃においては、そういった公共事業によって経済成長をつくっていくんだというような考え方もございました。しかし、過去にも本会議で一般質問でもグラフで出させていただいていますように、平成に入ってから、例えば群馬県の税収は2,000億円超ぐらいなんですけれども、30年間ずっと横ばいなんです。本来、公共事業によって経済成長が生み出されて、それによって税収が増え、だから借金も返せるんだというシナリオがもう崩れているんだと私は思っております。そういう意味では、やはりまず今ある道路を大切にしましょうと。そして新設、新たな計画については、知事が一番センシティブに感じておられる財政の健全性との兼ね合いの中で、やはり慎重に、もちろん進めるなと言うつもりはございませんが、やはりやっていく、そういった感覚で、これから公共事業のあり方については、ぜひ優先度というものも厳しく精査をしていただきたいと考えております。  そういった視点において、今回もかなりいろいろなメスを入れて、各地区でこういった計画がもう1回白紙というか、一歩とどまってというものが公共事業分野でも出ていると聞いておりますけれども、今後の知事の公共事業においての考え方、これについて、まず私どもの――これはいろんな御議論がありますので丁寧に言わせていただいたうえで、知事の考えをお聞かせください。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。まず、これは言わずもがなのことですが、今、後藤県議もおっしゃったように、公共事業は必要だと思っています。やはり時代が変わっても必要な公共事業はあると思いますし、特に今は、もちろん生活の利便性を高める道路もそうですし、特に防災・減災については新たなインフラ整備が求められている時代になっている中で、特に防災・減災についての事業は、これは今回厳しい見直しをする中でも削らなかった。そこには、やはり基本的に必要な公共事業はもちろんあるという根本的な哲学があると考えています。  ただ、おっしゃった中で、既に整備された社会資本の持続可能で効率的なメンテナンスを推進する、これは大変重要なポイントだと思っていますし、予防保全に基づくインフラの長寿命化とか、道路や河川の例えば除草とか舗装補修とか、日常的な維持管理的事業に最優先で取り組むということは、これは大変大事だと思っています。  今は持続可能なメンテナンスの話をしましたが、問題解決、課題解決に向けた建設的事業について言うと、まずは地域のニーズをしっかり把握するということが大事だと思うんですね。そのうえで、必要性、緊急性、事業効果などをデータに基づいて総合的に評価したうえで、優先度、これは財政が厳しい中では選択と集中しかないので、これを精査しながら、効率的な社会資本整備を推進したいということで、先ほど何度か答弁でも申し上げましたけれども、ひとつひとつの事業を、そういう観点からかなり時間をかけて今回は精査をさせていただきました。特に、令和2年度からの5か年については、これも県議御存じだと思いますが、災害レジリエンスNo.1の実現に向けて、特に気象災害の新たな脅威というのも踏まえて、ハード、ソフトが一体となった防災・減災対策を加速させたいと考えています。  7つの交通軸については、少しまた認識の違うところもあると思いますが、7つの交通軸は重要だと思っています。時代の状況もよく踏まえて、財政の状況もよく見ながら、しかし、こういうものはしっかりと整備していくようにしたいと知事としては考えております。 ◆後藤克己 議員 ありがとうございます。7つの交通軸については、私どもも必要でないということは全く申し上げるつもりはございませんけれども、今、知事のおっしゃったように、地域ニーズ、またその効果を一層厳しく精査していけば、おのずと財政の健全性とのバランスというものも導き出せると私は思っておりますので、また一層の取組を期待させていただきたいと思います。  では、いったん知事にはお休みいただきまして、県土整備部長、お願いします。 ○井田泉 副議長 県土整備部長、答弁席へ。           (岩下勝則県土整備部長 登壇) ◆後藤克己 議員 交通まちづくり戦略の推進ということで、主に公共交通の事業につきましては、部長が技監の時代から、交通まちづくり戦略ということで、また公共交通元年と位置付けて、これまでにない、かなり意欲的な施策を盛り込んだ。これは群馬県政の公共事業全体の考え方のひとつ大きな転換をしてきた、それをまさにリードしてこられたわけでございまして、私自身も過去に、群馬県は、本当に典型的なコンパクトシティというのはなかなか難しいんですけれども、富山の事例とかを出させていただいて、もともとの集落、商業地とか旧役場がある、そういったまちのまとまりをつくって、それを公共交通でつないでいくという、そういった視点というものは、ぜひこれからも手を緩めずに、せっかく一昨年からかなり意欲的に事業を進めておりますので、これはぜひ公共事業全体の見直しの中でもぜひ踏ん張っていただきたいと思っております。  私は、BRTにつきましては、やや残念な思いはありますが、福重県議が本会議で取り上げて、非常に夢のある事業だなと率直に感じていたんですけれども、先ほどの臂議員とのやりとりを聞かせていただく中で率直に感じたのは、確かに群馬県の今の公共交通の現状を考えますと、まずやるべきことは、県民にまず公共交通に目を向けてもらうというレベルのところから段階を踏んでいかなくてはいけないのかなと思っておりまして、BRTとなると相当ハイレベルな事業になってきますので、やはり段階を踏んでいって、いつかは山本知事がBRTにゴーを出すぐらいの状況をつくるということが私は順序かなというふうに答弁を聞いて感じさせていただいたところでございます。  そういった意味では、私自身もずっと公共交通に力を入れて質疑させていただきましたけれども、一番身近な公共交通でありながら、残念ながら群馬県民にとっては身近になっていないバス交通、ここの再生がまず第一だと私は思っております。そういった意味では、群馬県も、ぐんま乗換コンシェルジュに代表されるような、どこのバス停に行って何時に乗ればバスに乗れるかというということ。私は、バスは三重苦だと言っていまして、どこに行って何時に乗ればいいか分からない。そして、バス停までたどり着いたとしても、大体バスは定時には来ないわけですね。行っちゃったのか来ているのか非常に不安になるわけですね。これが1つ。あとは乗り降りに物すごく時間がかかるということです。いわゆる自家用車、マイカーにはすごくバスが嫌われるという要素があると思っておりまして、この3課題については、昨年度から非常にIC化も進めております。  私自身がこの1年間、ずっと提言を委員会でさせていただいたのが、第1段階の乗換コンシェルジュオープンデータ化によって、群馬県のバス路線の情報というのは全部アップされるようになりました。これは良かった。これは第1段階。その次が、今、日赤あたりで部分的に始めておりますけれども、いわゆるバスロケーションシステムですね。バスが行っちゃったのかこれから遅れて来るのか、これがバスから県民の目を遠ざけさせてしまっている要因であると思っておりますので、このあたりについては、今年度も予算として一定程度盛り込まれておりますので、どういった見通しでツーステップ目をやっていくのか、このことについてお聞かせください。 ◎岩下勝則 県土整備部長 お尋ねがありましたバスということでございますが、県では、議員もおっしゃいましたように、少子高齢化が進む中で、自動車以外の移動手段も選択できる社会の実現に向けた実行計画ということで、御紹介いただきました交通まちづくり戦略を策定して様々な展開をしているところでございますが、特にバスということでございます。今、三重苦というお話が出ましたけれども、令和2年度におきましてもおっしゃられるとおりです。バスが定時に来ない、バスが行ってしまったかもしれない、こういったバスを待つときの不満だとか不安、これを解消するために、今年度もバスロケーションシステムの実証実験をちょっと拡大してまいりたいと。おっしゃられましたとおり、今、日赤のほうへ行くバス路線をやっております。今年度につきましては、前橋駅から県庁や群馬大学に向かう路線、こちらでバスロケーションの実証実験をしていきたいと考えております。  併せまして、これも御紹介いただきましたアプリの乗換コンシェルジュ、これはもともとデータを公開するとともに、自分たちでアプリを作って乗りやすくしましょうということで、データについては大手の検索会社はほぼ利用してもらっておりますので、多くのアプリで検索できると思っております。それで、うちのせっかく作ったコンシェルジュにも到着時刻だとかバスの現在地が表示できるような機能の追加を今年やっていければと考えております。それと、乗りやすくするということで、今年度、ひとつの会社でございますけれども、ICカードの導入を進めていきたいということです。  もう一つ、先ほどのバスを待つときの環境なんですけれども、バス待ちの環境と呼んでおりますけれども、こちらを改善するために、今年度は前橋市内で5か所を予定しておりますが、来年度も広告会社と連携いたしましてバス停に屋根だとかベンチを整備する。広告収入によってそれを管理してもらうという仕組みで、広告付きのバス停上屋モデル事業というのを展開しておりますけれども、来年度は高崎市内でぜひ実施していきたいと考えております。  さらに、運転手の不足だとか経費の節減などの課題の解決にもつながると期待しておりますけれども、いわゆる自動運転の普及に向けましては、引き続き群馬大学と連携いたしまして、今年度は既存のバスを改造する方法、今走っているのはあくまでも群馬大学がそれ用に作っているバスですが、そうではなくて、既存の路線バスを改造する方法で実証実験を行って導入に向けた課題の整理ができたらいいなと思っております。  いずれにいたしましても、今後も、県民誰もが多様な移動手段が確保できるよう、市町村、交通事業者など関係者と役割分担のもとに、しっかりと連携して交通まちづくり戦略に定める施策を展開してまいりたいと考えております。 ◆後藤克己 議員 多岐にわたる答弁ありがとうございます。特に今、非常にいい答弁をいただいたというふうに思っているのが、ぐんま乗換コンシェルジュのアプリでバスロケーションシステムの表示ができるような機能を付加するということで、これは実は長野県に先行事例がございまして、私もお話を聞かせていただいた中で、ロケーションシステムを加えた途端に、あれはアプリだからグーグルプレイストアですか、そういうところでダウンロードしますけれども、ダウンロード数が飛躍的に伸びたと言うんですね。それだけバスを利用したいと思っている方にとっては、バスロケーションというのは非常に重要な機能なんだなと感じて、この1年間、特別委員会等で要望させていただいた中で予算化されたということについては、非常に部長には感謝を申し上げたいと思っております。そういった取組は、特効薬ではないんですけれども、あらゆる施策を本当に集中させていただいて、BRTまではまだ時間がかかるかもしれませんけれども、そういう夢のある施策が実現できるまで、ぜひ段階を踏めるように頑張っていただきたいと思っております。  では、期待を申し上げて、部長には以上でございます。ありがとうございました。  では、知事、再度お願いいたします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆後藤克己 議員 山村地域の振興ということで、このテーマに入らせていただく前に、恐らくまだ時間があると思いますので、今の自民党さん、会派とのやりとりを聞かせていただく中での感想も含めてちょっと申し上げたいと思うんですが、私自身、会派としても、公共交通や山村地域の再生ということに非常に力を入れて政策提言をさせていただいているんですけれども、その大きな理由というのは、知事の言葉を借りますと、幸福度という言葉があって、今、臂議員とのやりとりを注意深く聞かせていただいて、非常に高尚な議論ではあるんですが、ふわっとして、ちょっとイメージが湧きにくかった部分がありました。  私から見ますと、幸福度というのは、いろんな自治体も取り組んでいるんですが、県民所得みたいなものに代表される、いわゆる経済のパイが大きくなっていくことで国民は幸せになれるという考え方で、ずっと行政もその価値観を持ってきたと思っているし、国民もそういうふうに思ってきた部分があるんですが、もちろんそれも大事なんです。それ以上に、やはり違う新しい豊かさというもの、別の尺度というものが求められているのではないかということで、非常に各行政も迷っている部分だと思っているんですが、私が常に一貫して言ってきているのは大きく2つあって、1つは、経済的な所得の高低は、一定程度の所得に行くと、給料がそれ以上上がっても幸福度はだんだん低減していくと言われておりまして、それ以上に生活の質の向上というものに幸福感を感じるようになってくると思っております。  ですから、今回の公共交通のようなものというのは、もちろん交通弱者の方にとっては、今のマイカー王国群馬というのは、幸福度は低くなるという問題だけではなくて、公共交通が移動手段の選択肢になることで、県民の方々が健康に、また環境にもよくなるし、ないしはまちもにぎわいが出てきて、人々の触れ合いも増えていくというような、やっぱり人間らしいライフスタイルというものを生み出していく、私は大きなインフラになるんだと思っております。それが公共交通に力を入れているという側面。  そしてもう一つ、山村地域に力を入れてきている理由というのは、今までは山村が廃れれば都市も廃れるんだとか、どっちかというと衰退する山村を救うみたいな、そういう論調が強かったんですけれども、私は全くそう考えていなくて、今、知事も御承知かもしれませんが、統計だか世論調査で政府が発表している、農水省だったと思うんですが、20代の都市住民の若者の半数は地方移住を希望しているという時代になってきているということは、価値がやっぱり成熟化してきているのでしょうね。ですから、一流企業に入って、いい給料をもらうということ、もちろんそれを求めている若者もいると思いますが、そうではなくて、所得の高さ低さではなくて、地方で地域の方々と心豊かに交流したり、自然に触れ合いながら、人間らしく自分の生きがいというものを優先したいと考える若者が増えてきている。つまり、幸福度というものに対して、今の若い世代というものは、私ども世代以上に非常に成熟しているのではないかと思っています。ですから、そういった若い世代、もちろん若い世代だけに限られませんが、そういった幸福感を求めている人たちに対して、群馬県というのは、そこそこの利便性も、そして経済的なパフォーマンスもある。かつ、こういった山村地域、美しい自然、観光資源を持っていますから、そういった人たちをもっと魅力として引き付けられる。隣の長野が移住者の希望数も圧倒的に多いんですよ。もっと群馬というのは、しっかり取り組んでいけば、いけるのではないかと私は思っております。  そういった意味で、話が長くなって申し訳ないんですが、知事の今回の組織改編、昨日の全員協議会で、いろいろな厳しい意見も含めて――厳しい意見しかなかったかもしれませんけれども、いろいろ意見がありましたが、私自身は若干違った考えで、組織というのは、職員の力を活かして、機能して成果を出せばいいわけでございますので、知事もそれを求めていると思います。  今回、山村の振興の部分について、当然組織改編が機能してパフォーマンスを発揮していただきたいと願っているんですが、ひとつ懸念があるんですね。もともと企画部の地域政策課という課が持っていた事業が両輪ありまして、1つがふるさと回帰支援センターに相談窓口を置くということを中心とした、いわゆる相談窓口ないしはPRということの事業ですね。これは地方創生のお金もあって、かなり予算もついて非常にいいことだと思うんです。ただ、私自身が昨年の本会議でも一般質問で申し上げさせていただいたのは、もちろんPRとか呼び込みも大事なんですけれども、実際に移住してもらう地域をしっかり磨くことですね。明大の小田切徳美先生の言葉をちょっと使わせていただくんですけれども、地域磨きなくして田園回帰なし、移住なしという考え方があるんだと。そういった意味では、地域政策課さんも、過疎地域には限定されているんですけれども、いきいき集落支援ですとか、自治体、地域を磨いていく施策に対して支援をしていくというメニューも持っておりました。私が昨年、本会議で申し上げたのは、そういった事業をもっとボリュームアップしてもいいのではないか、そのために企業局のぐんま未来創生基金を使ってもいいのではないかというような要望をさせていただいたんですが、そういった2つの両輪の部署が、組織上、今回、分かれるんですね。いわゆる外国人共生と移住促進がくっついて、地域創生課、そういった名前のところにいわゆる地域磨きの部分が残る。部署が分かれるということと、昨年と同じように地域磨きの部分については、事業的にはそれほど変わっていないということがありまして、この施策がどう強化されるのかということが非常に不安な部分がございますので、ぜひその懸念を払拭できるような取組を知事も考えていただいていると思いますので、お聞かせいただきたいと思います。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。今、後藤議員が長々とお話をしていただいた中には、率直に言って共鳴できる部分が随分あります。まず、幸福の物差しということについては、今日も何度か御答弁をさせていただきましたけれども、なかなか難しいし、幸福の物差しみたいなものも変わってきているし、成功の定義も変わってきているし、大きな企業に勤めて給料を一杯もらって、収入が高ければ幸せかというと、そうでもない、そういう状況になっているということは間違いないし、県議がおっしゃったような若者の心理状況も随分変わってきているというふうに感じています。  例えば、今、いろいろ幸福の指標をつくるために企画部のほうでいろいろと努力をしてもらっているんですけれども、いろんな指標がある中で、県議も御存じの日本総合研究所がつくっている幸福度ランキングというのがあって、寺島実郎さんが監修をされているんですが、2012年に初めて出た。2年ごとに新たに発表されているんですが、これはなかなかちゃんとしたランキングで、いろんなランキングを見るんですけれども、いい加減なのからちゃんとしたのがあるとすると相当ちゃんとしたランキングで、時代の変化に応じて実は分析をする指標も随分変えているんですよね。御存じだと思いますけれども、2012年に最初にこのランキングが発表されたときに、幸福度ナンバーワンに輝いたのは、先ほどもお話が出た移住希望者の多い長野県でした。でも、その当時の長野県の1人当たりGDPは24番ぐらいだったと思います。だから、GDPが高ければいいというものではない、1人当たりの所得が高いから幸せだというものではないと、改めて実は2012年のときにそう思ったんですね。  ですから、おっしゃったように、幸福のありようというのは物すごく変わってきているということは我々もしっかり踏まえていかなければいけないと思いますし、おっしゃったように、やはり山村振興をしていかなければいけないという視点も物すごく大事だと思います。後藤県議は以前からふるさと回帰支援センターの活動にすごく注目をしていただいておりまして、私も、ここは相当頑張っている、相当いろいろ地方移住に対して貢献していると思っているので、少し前に理事長に会ってきました。実はふるさと回帰支援センターのメンバーになっている自治体というのは、群馬県では、私が理事長に会ったときは、たしか加賀谷県議との質疑の中でもちょっと触れましたけれども、群馬県を入れて県と3市町村だったんですが、その場からいろいろ首長に電話をし、その後、市長会とか町村会等々でも働きかけた結果、全ての市町村が加盟をするということになりました。これは、長野県を見てみると、長野県もすごく多いと言われているんですけれども、77市町村中61市町村で、8割程度だということで、全市町村が入会すれば全国初の快挙と言ったら大げさですけれども、だと思うんですね。つまり、先ほども申し上げたとおり、山本県政の中核は県と市町村の協力なので、全ての市町村がふるさと回帰支援センターのメンバーになるということは、全ての市町村が移住促進、関係人口の増加みたいなものについて、一つの目的をシェアするということではとても大事だと思っています。  ただ、おっしゃったように、技術的なところにはっきり言ってとらわれてはいけないと思うのは、ふるさと回帰支援センター、オール群馬という感じで、県と全ての市町村がメンバーになった。あの施設を使っていろんなセミナーとか移住相談会ができる。それによって、もしあそこで群馬県への移住相談者が増えれば、実はその数で群馬県のランキングも上がっていく。じゃ、みんなが、ああ、群馬県は10番以内に入ったと思って、行ってみようと思って行ってみたら、例えば受入体制が整っていなかったということになると、これは元も子もないので、まずはおっしゃったとおり、山村を磨かなければいけないということもとても必要だと思っていますし、この点についてもほとんど私の感覚と同じだと思いました。  そのうえで、組織改編についてですが、なかなかちょっとここでは説明し切れないのであれなんですけれども、組織を変えるときは、後藤県議も御存じのとおり、いろんな考え方があると思うんですね。私としては、やはり地域創生部というものをしっかりつくって、今言った山村振興も、移住促進、関係人口を増やしていく、こういうことも、ある意味、司令塔としてしっかりとやっていく組織をつくるということが一番大事だと思いました。今言った企画の移住関係の担当課がやっている事業は、さらに今までよりも新しい組織の中で力を入れていきたいと思いますし、あと、おっしゃったように、いくつか再編をやる議論の中で分かれてしまった部署もあるんですけれども、そこはなかなか難しいところなんですが、新しくできた地域創生部と、それから例えば移住あるいは関係人口を増やしていく、そういう課との連携をきちっとまずタスクフォース的につくっていく。これは知事のリーダーシップでしっかり連携させる、ここが実は最大の肝かなと思っていますが、御指摘はしっかり踏まえて、この新しい部署が機能できるように全力を尽くしてまいりたいと思います。 ◆後藤克己 議員 大変な意気込み、ありがとうございました。そういうタスクフォースを組んでということで、私も、1年間しっかりその連携ということを知事のリーダーシップで図っていただいて、ああ、さすが、良かったなというふうに来年言えるように注目をさせていただきたいと思います。  では、最後の課題でございますけれども、知事も就任以降、話題に事欠かないという部分がございまして、動画スタジオですね。あと、今回、ぐんまちゃんのPRということで、それぞれ約1億2,000万円の予算を計上。動画スタジオは9月補正ですけれども。私自身も座談会をやったり、地域を回ったりする中で、いろいろな意見をいただきます。どっちかというと、動画スタジオについては、いろいろ批判的な意見というのは多くいただくんですが、やっぱり前例にないことをやるということは当然批判が出てくると私は思っておりますし、今回、ぐんまちゃんのPR、もちろんPRは大事なんですけれども、予算のかけ方が半端ない金額でございますので、恐らくいろいろな指摘もまた出てくるのかなと思っておりますが、方向性としては、動画スタジオのように前例のないチャレンジをしていく、また、ぐんまちゃんのように、もともとこれは群馬にしかない資源ですから、それに磨きをかけていくことに人、物、金を集中するというのは、私は決して悪いことではないと思っているんですね。  ただ、いろんな指摘が出る中で、これは成果をしっかり出すことでしか県民に対しては説明ができないと思うんですよね。これはこうだから、こういうことで有効性があってとか言っても、県民の方が、金をかけるんだから無駄は無駄だろうと言われたらあれなんですが、やはり成果をしっかり示せば、ああ、何だ頑張っているじゃないかというふうになると私は思っておりますので、そういった意味で、ぜひとも知事には、この成果指標については、今回非常に突出した予算を計上しておりますので、かなり思い切った成果指標をしっかり示していただきたいと思うんですが、考え方をお聞かせください。 ◎山本一太 知事 大変重要な御指摘、ありがとうございます。後藤県議が一貫しておっしゃっている、事業をやるからにはやはり成果指標を出すべきだというのは全くそのとおりだと思っています。先ほどの答弁でも申し上げたとおり、群馬県というよりも日本の行政全体に言えることなんですけれども、どっちかというとエピソードベースの考え方が主流で、具体的なデータ、科学的なデータに基づいて議論するという習慣が、やはり欧米に比べてちょっと薄いところがあると思っていまして、私は、これから群馬県政を変えていくうえで、今日、岸県議にも御説明したデジタルトランスフォーメーション・オフィサーではないんですけれども、データサイエンスというものをものすごく大事にしたいと。例えば、あるイベントをやって、ある地域にこれだけの人が来たと発表される。経験上、これは結構不正確なんですよ。こういうものを正確に捉えて、まず実際の状況をつかまない限り、実は有効な対策は打てないと思っていますので、これから事業としてきちっと予算に計上したものについては、おっしゃったとおり、できるだけ県民の皆さんに納得していただけるような指標を示すということは大事だと思っています。  そこで、動画・放送スタジオの成果ということなんですけれども、今、まずスタジオで制作する動画は、県庁内で企画を募集したところ、もう既に400本以上のものすごくいろんなアイデアが集まっております。今、職員からの企画案をさらに募っておりますので、今後、さらに多分いろんなコンテンツの提案が増えてくると思っています。  その中身について申し上げると、まず知事と著名人の対談、私は「直滑降ストリーム」というのをやっていたので、これは1か月に1回でもやっていきたいと思っていまして、できれば毎月、群馬県に政治家で言ったら閣僚級の人を呼ぶ。毎月、群馬県に大臣に来てもらうということで少し世界が変わると思っているので、既に菅官房長官をお招きしたんですけれども、これをちゃんと32階でやりたいと思っています。  あと、観光のプロモーションとか、県産品のPRとか、こういうものをとにかく県内外の多くの人に視聴してもらうことで、本県の認知度向上、イメージアップを図る。それが観光誘客、販売促進、交流人口の増加につながると考えております。  ただ、例えば動画を作るというときに、これも後藤議員には御理解いただけると思うんですが、再生回数の多いものだけ作ればいいというものではなくて、やはりそこは各部局の施策や県有施設の紹介とか、あるいは各種手続きの説明とか、行政資料、パンフレット、こういうものを動画にして、その情報を必要とする県民にしっかりと伝えることを目的とした動画コンテンツもなければいけないと思います。今まで、例えばCSFについて養豚農家の方々に注意を呼びかけるとか、今、喫緊の問題である新型コロナウイルス関連対策について、パンフレットを出すよりは、やっぱり動画で見ていただいたほうがいいというときに、これまでは一々外注したら何十万も何百万もかかるところを、これからはこの動画スタジオの撮影・編集機能を使ってタイムリーにローコストに作れるということですから、こういうこともひとつの評価になるのではないかなというふうに思っています。  さらに、市町村による活用というのも想定しているので、動画の目的、対象、いろいろあるという状況も踏まえて、この情報発信の成果目標を設定するべきだと思っています。今日ここで少しその目標というか、基準について申し上げられれば良かったんですが、まだいくつかクリアしなければいけない点もあるので、今お話しできることだけ申し上げたいと思いますけれども、まずは動画の制作本数というのはひとつの基準なので、これは試算をしたいと思っています。それから当然、同じようなインターネットテレビとか動画システムみたいなものをやっている他の自治体もありますので、このサイトの掲載本数とか再生回数もやはりひとつの参考として検討しています。  もう1回申し上げますが、成果を評価する際には、再生回数というのは分かりやすいんですけれども、いかに分かりやすく県民に情報を届けられたかという視点も大事なので、そこら辺も指標になると思っています。今、連日そういうことを議論しているんですが、いずれにせよ、スタジオ開設前、3月の中旬頃までには県民の方々に分かりやすい成果目標というものを示したいと思います。これを目指しながら、全部局、それから全ての市町村における積極的な活用を促進していきたいと思いますし、ネットテレビ、動画配信といえば、これは群馬県だと言われるような成果を上げていきたいと思います。  次に、ぐんまちゃんについてなんですけれども、今、後藤議員がおっしゃったように、ぐんまちゃんは群馬県の大事な資源だと思っています。26年度、ゆるキャラグランプリで優勝しました。ゆるキャラの民間調査が今年度実施されているんですけれども、認知度、好感度、ぐんまちゃんは大体5番ぐらいなんですよね。認知度でいくと、1番がもう圧倒的にくまモン、2番がふなっしー、この2つはゆるキャラの殿堂入りしています。3番がひこにゃん、4番がせんとくん、5番がぐんまちゃん。ただ、せんとくんは好感度がそんなに高くありません。ぐんまちゃんのほうが勝っています、当然ながら。当然ながらなんて済みません。今のは失言だったので削ってください。  とにかくぐんまちゃんの人気は根強いんですけれども、じゃ、このまま展開したらどうかというと、このままほかのキャラクターに伍していけるか、くまモンに近づいていけるかというと、なかなか難しいと思うんですね。これだけ認知度が広がっているぐんまちゃんってもっと可能性があると思うので、それを例えばいろんな展開をしながら世界的なブランドに押し上げていくという、そのくらいの挑戦をしてもいいのではないかというところから、アニメーションの制作というものが実は構想として出てまいりました。これは新しい挑戦なので、今おっしゃったように批判はあると思いますが、それも最初から覚悟のうえで、これをアニメ化したことによって、もしいろんなところに刺さる、評判になる、世界的にブランド価値が高まるということになれば、ディズニーのミッキーマウスを例に挙げると大げさかもしれませんけれども、例えばイラストデザインを利用した県産品の国内外の売上げが増えるとか、あるいはぐんまちゃんというキャラクターに会うためにインバウンドが増えるとか、そこまでブランド価値を高めれば群馬県の経済活性化につながると思っています。  議員がおっしゃったぐんまちゃんのブランド化、アニメ化の評価ですけれども、これは、例えば、今申し上げられないこともありますが、実はいろんな計画が進んでいますので、アニメの視聴率とか反響とか、そういうデータをしっかり分析しつつ検討したいと思っています。 ○井田泉 副議長 後藤議員、残り1分です。 ◆後藤克己 議員 詳細な成果指標、今おっしゃったようなことというのはぜひ検討していただきたいんですが、知事の答弁を聞いていますと、もっとスケールの大きい目標を非公式でもいいから、立てていいのではないかと。執行部には申し上げたんですが、いわゆる魅力度ランキングがありますね。あれは、知事は批判的かもしれませんが、群馬県の情報接触度とか認知度とか、そういったものが指標になっているんですね。ですから、そういった意味では、これだけ意欲的に配信をして、刺さっているかどうかというのを検証する意味では、私は参考指標ぐらいにはしていいのではないかと思っております。これについては、時間もございませんので理由等は申し上げませんけれども、まずは3月にどういったものを見るか注目したいと思いますので、よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。(拍手) ○井田泉 副議長 以上で後藤克己議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○井田泉 副議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午後2時5分休憩     午後2時11分再開   ● 再     開 ○井田泉 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、党(会)派代表による質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問[代表](続) ○井田泉 副議長 令明あべともよ議員御登壇願います。           (あべともよ議員 登壇 拍手) ◆あべともよ 議員 令明のあべともよです。会派を代表いたしまして質問をさせていただきます。  初めに、山本知事にお伺いいたします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆あべともよ 議員 初めに、山本知事の目指す群馬県政についてお伺いいたします。  知事がいつも質問をする人の過去の質問を見てくださるということだったので、私も知事の過去の記者会見ですとか、ブログですとか、あと知事の一番たくさん見られた動画、「世界がどんなに変わっても」という歌の動画なんですけれども、これを事前に勉強として拝見させていただきました。知事は以前から県民幸福度の向上が知事の掲げる最も重要な目標であるとおっしゃっています。今回、初めて編成された令和2年度当初予算においても、県民の幸福度向上につながるものはスピーディーにやっていくという方針で臨まれたと伺っています。  そこでまず、知事はどのような状態を幸福というふうに考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。私の音楽PVも見ていただいて、ありがとうございました。初めてあべともよ議員との質疑ということなので、私もインターネットで過去の御質問をずっと拝見させていただきました。女性の立場で、介護、子育て、医療充実をはじめとした本当に様々な問題に熱心に取り組まれておられるということには敬意を表したいと思います。  先ほどの後藤県議とのやりとりの中でもありましたが、やはり幸せを感じる要素というのはなかなか多様だと思っていまして、住んでいる地域とか置かれている状況にもよるし、また、例えば若年層だと友人関係ということを指標にする人もいますし、子育て世代だと家計とか家族、例えば高齢者層では健康等、それぞれ幸福に対して持っている意識というのは違うと思います。  私が考える幸福のイメージですけれども、まずは住む家があって、食事などの日々の暮らしには困らない。まず、安心して生活ができるということがやっぱり確保されていなければいけないと思います。この基本的な条件があったうえで、何か、何でもいいんですけれども、情熱的に打ち込むことがあるとか、あるいは親しい人とのつながりを実感できるとか、あるいは新しい発見とか学ぶ喜びみたいな知的刺激のある生活だとか、過ごし方は人によって全然違うんですけれども、やっぱりそうした充実した時間を持っていると認識するときに、人はやはり幸福感を感じるのではないかなと思っています。  あと、社会全体に目を向けると、そうした一人ひとりの多様な幸せというものが全体で調和する、こういう社会を目指す必要があると思っています。それから、今を生きる私たちの世代の幸福が将来世代の負担にならないように、財政再建をしなければいけない理由も根源はそこだと思いますけれども、世代間の幸福の調和というものも図っていく必要があると思っています。  こうした考え方に基づいて、これも臂政調会長との質疑の中で相当いろいろとお話をしてしまいましたが、現在策定中の新総合計画ビジョンの中で、目指すべき幸福として、一人ひとりの幸福、社会全体の幸福、将来世代の幸福という3つに再定義をさせていただいています。幸福度の指標についても、もう既に臂政調会長――済みません、指標についても、幸福度の基準ということだったので、ちょっと先んじてしまったらごめんなさい。そういうことで、幸福度の物差しはいろいろなので、これからいろいろ議論しながら、できるだけ分かりやすい群馬県として目標に掲げられるような指標をつくっていきたいと思っています。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。完全に幸福な状態というものが仮にあるとして、それを仮に100と置くとすると、ある時点での幸福がどのくらいかというものを示すのが幸福度ということだと思います。先ほどから知事も物差しとおっしゃっておりますけれども、幸福度というのは幸福を計るための物差しであって、目的は幸福を評価する共通の尺度を設定することによって社会全体の幸福を最大化していく。それが目的で幸福度というものを設定するんだと思うんですね。  県民幸福度の向上を知事就任の最大の目標というふうに掲げられている知事のその姿勢からは、県民を幸せにしたいという知事の思いが伝わってきます。とはいっても、今、知事もおっしゃったように、人によって幸福をどのように捉えるかというのは異なっておりまして、その指標については、先ほど臂議員の質問にもお答えいただいたように、今、チームのほうで検討していただいているということなんですけれども、このチームをつくるということが全力疾走366プランのほうでも挙げられておりまして、そのプランの中では、一応そのチームで指標について決定するのが今月末ということになっているんですが、それはスケジュールどおりでいくと考えてよろしいのでしょうか。 ◎山本一太 知事 一応366プランに基づいてあらゆる事業を展開していますので、そこを目指しております。できるだけ目標に掲げた日程感の中で成果を上げたいと思っていますし、とにかく今チームのほうでいろんな指標を研究して、どうしたらいいのかという知恵を絞っていまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、1つの総合指標というよりは複数の指標を網羅的に掲載する。さっきダッシュボード型と言いましたけれども、アンケート調査で把握する主観的データ、客観的統計データ、これをミックスしたようなものにしようというところまでは大体まとまってきているので、今、細かい詰めをしています。  あべ議員おっしゃったように、なぜ幸福度を計る指標をつくるのか。それは、何が群馬県民にとって幸福なのかというしっかりとした目標ができれば、それを実現することによって一人でも多くの人に幸福感を感じてもらえる。そのための最も重要なデータであり、手段にするためだというのはそのとおりだと思っています。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。その幸福度の指標が今月末を目標に示されるということなので、それを楽しみに待たせていただきたいと思うんですけれども、設定された幸福度の指標というのがどのようなものであったとしても、実際に県民の幸福度向上につながったかどうかを確認するには、やはり県民一人ひとりの主観的な幸福度の現状と幸福度指標というものの現状の両方をまず把握したうえで、一定期間を置いて再度調査して、それぞれの変化の関連性というものを確認する必要があると思います。新年度予算では県民幸福度アンケート調査の予算も計上されているということなんですけれども、こういったものを活用して幸福度の指標の変化を検討していっていただけるのかなと思っているんですが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 今、県議がおっしゃった考え方は、しっかりとまた参考にさせていただきたいと思います。主観的な幸福度というものを計るためには、これは恐らくアンケート調査しかないんですけれども、アンケート調査も実はいろんな調査があって、これもなかなか精度を上げる工夫が必要だと思うんですが、いろんな知恵を組み合わせて、県民がどのくらい幸福感を感じているかというのを把握し、今おっしゃったようにいろんな知恵を使いながら、できるだけ正確な状況をつかむように努力をしたいと思います。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。知事もおっしゃられるように、やはりアンケートをした結果をどのようにまとめるかということによっても、その結果の評価の仕方は変わってくると思うんですね。例えば、それぞれの幸福度はこうですよという手法を、出てきた数値を全部まとめて平均化するのか、あるいはばらつきを見るのかとか、いろんな手法があると思いますので、その辺をぜひ検討、研究していただいて、本当に県民の幸福度の向上につながったと言えるような結果に結び付けていただけたらと思います。  次に、財政の健全性の確保ということについてお伺いしたいなと思っていたんですが、この後にもたくさん質問がありまして、先ほど後藤県議とか、その前の質問の中でもかなり時間をかけてやっていただいているので、私からは1つだけ要望をさせていただきたいと思います。財政の健全性を確保する方法として、支出を減らす方法と収入を増やす方法があるわけですけれども、公的セクターの場合は収入を増やすことが難しく、支出を減らすことに取り組むほうが効果的であると言われていると伺っておりますが、仮に支出を減らしたとしても、それに伴って、その事業で得ていた収入が減ってしまうということになると効果が乏しくなると思うんですね。新規の事業の実施や既存の事業の拡大、継続、縮小、廃止などの判断に当たっては、その事業が県の収入に与える影響について考慮をする必要があると思います。  先ほど、令和2年度の予算編成では242件の見直しを行っていただいて、約13億6,000万円の歳出を削減していただいたということを伺いましたが、この見直しによって県の今後の収入にどういった影響を与えるのかということも併せて示していただくと、より効果的な財政の健全性の確保につながるのではないかと思います。非常に数字を出すことは難しいことだというふうには思うんですけれども、実際に期待される県財政への影響をあらかじめ示して、実施後にその見通しどおりの結果が出せたかどうかということの評価を行うことを繰り返していくことによって、より精度の高い評価ができると思いますので、ぜひそういったことに取り組んでいただけたらと思います。  要望になってしまって大変申しわけないんですが、次に、県民とともに取り組む防災減災対策についてお伺いしたいと思います。  昨今の気象災害の状況と厳しい県財政の内容を踏まえますと、インフラの整備による防災減災対策には限界がありまして、自助、共助をはじめとするソフト対策の推進にこれまで以上に力を入れていく必要があると思っています。ソフト対策といっても様々な対策がありますけれども、その中で特に大切なものとして、県民の皆さんお一人お一人に災害に対する危機意識を持っていただくということ、それから万が一被災した場合の対応力を向上していただくということが挙げられるのではないかと思います。
     この2つをともに向上させるための方法として、私はかねてから災害ボランティアというものに注目をしています。災害ボランティアは、一般に被災した方たちを支援する、被害を受けた方々に対する奉仕活動だというふうに捉えられますが、しかし、災害ボランティアに参加することの意義はそれだけではないと思います。被災の現場を目の当たりにすることによって災害に対する危機感や心構えを醸成すること、復旧作業のお手伝いを重ねることで万が一自分たちが被災したときの対応力を強化するということ、また、災害現場の経験をフィードバックして、現状の対策の不備な点や、より有効な対策を見いだせるというようなことがあると思います。群馬県としても、県民の災害対応力を向上させるためにも、ぜひ災害ボランティアに多くの人たちが参加できるよう体制を整える必要があると思うのですが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。これまで全国各地の被災地で、今、議員の御指摘になった災害ボランティア活動が展開をされて、大きな役割を果たしてきたと理解しています。本県においても、昨年10月の台風19号による被害発生直後から、富岡市など県内4か所に設置された災害ボランティアセンター等で、延べ2,000人以上のボランティアが被災者支援活動を行ったと報告を受けています。地元のボランティアセンターが把握した被災者のニーズに応じ、例えば家の床下にたまった泥を出したりとか、あるいは民家の敷地に流れ込んだごみを搬出するとか、現場のニーズに応じてきめ細かく機動的に対応できるというのがボランティアの強みだと思うんですね。こうしたボランティアの存在は極めて重要だと私も認識をしています。  より多くの人に災害ボランティアに参加してもらうためには、日頃から県民のボランティア意識の向上を図るということが大事だと思いますし、同時に、活動を知ってもらわないといけないと思うんですね。そこで県では、今、ボランティア活動実践者による講習会とか、危機管理フェアにおける毛布の担架づくり体験みたいなものを行ってまいりました。こうした支援活動のノウハウ等について、今後、動画・放送スタジオを活用して発信することによって、ボランティアへの参加をさらに促進できると考えています。  また、県が運営を支援する任意団体、よく御存じだと思いますが、災害ボランティアぐんまというのがあるんですけれども、ここでは会員を県外の被災地に派遣して経験を積ませているということで、様々な人が集まるボランティアの現場でリーダーになって活躍できる人を育てている、これも非常に大事なことではないかと思っています。日頃から市町村、社会福祉協議会等の関係機関と連携しつつ、こういう取組をこれからも進めたいと思っています。災害発生時には十分な災害ボランティアを確保できるようにしなければいけないと思いますので、そういうことが円滑にできるように少し日頃から努力をしていきたいと考えています。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。災害ボランティアの重要性について知事が認識していただいているということは本当にありがたいことだなと思っておりますし、事前のヒアリングの中でも、私は、多分ボランティアセンター、知事も率先して御自身で参加していただくことだってきっとできると思うと申し上げたんですけれども、そういう重要性を県民の皆さんに、動画というお話もありましたが、伝えていっていただくということは非常に大切なことだと思います。  私からは2つ、ぜひとも災害ボランティアに参加してもらう人を増やすためにやっていただきたいと思っていることがございまして、1つは、ボランティアというのは、伺う相手先だけではなくて、むしろ自分たち自身に大きなプラスをもたらすというものなんだと思うんですけれども、被災地を訪れてボランティアをするには必要な知識や技術も当然ありまして、そういった知識を事前に学んだり、初心者が経験豊富なリーダーとともに参加することでスキルアップをするというような段階を踏む必要があるんですね。今、入り口の部分で県のほうでいろいろ取り組んでいただいているわけですけれども、それをさらに一歩進めていくためには、災害ボランティアの活動団体に対する支援というのが非常に効果的であると思います。例えば、被災地へボランティアバスを派遣する、ボランティアが使用する機材を購入する費用を補助するなどは、それほど多くの予算を必要としないわけですけれども、災害ボランティア団体を育成して、初心者が災害ボランティアに参加するきっかけをつくることに大きな効果があります。  例えば、福井県ですけれども、災害ボランティア活動推進条例というのを制定しておりまして、基金を設置して災害ボランティア活動を支援する仕組み、体制を整えています。このようなことにぜひ取り組んでいただきたいというのが1つです。  それからもう一つは、実際に被災地へ行ってお手伝いをしてきた方たちの報告会を、一般の方にも開かれた形で開催するということをぜひやっていただきたいと思っております。これは災害ボランティアだけではなくて、県職員やDMAT、DWAT、DHEAT、先日、新型コロナの関係でも出動していただいたというDPATなど、専門家の方々による被災地支援の活動についても同じです。私自身も、DMATやDPAT、DWATの皆さんの報告会というのがありまして、参加をさせていただいたんですが、皆さんの活動に深く感銘を受けまして、より多くの県民の皆さんに聞いていただきたいと感じました。専門家の皆さんが、その専門性を十分に活かして活動をしていただくためには、専門家でなくてもできる部分を分担して、それ以外の人たちでサポートをしていくということが必要です。どの部分はどういったメンバーであればサポートできるのか、多くの関心を持っている人たちがお互いの活動を共有する中で解決策を見いだしていくことができると思います。そして、それをその後の活動に活かしていくということによって、さらに活動のレベルアップ、効率アップが図られることにつながると思います。これらは本当にすぐにできることだと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 いろいろ御指摘がありましたが、傾聴に値する御意見だと思います。少し研究させていただきたいと思います。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  次に、被災農家を支える農業ボランティアについてお伺いしたいと思います。  気象災害では、農家の皆さんが大きな被害を受けることも多く、被災の経済的なダメージはもちろんですが、精神的にも大きなダメージを受けて農業を続けることを諦めてしまうという方もいらっしゃいます。農業は事業ですので、先ほど挙げた通常の災害ボランティアセンターでは復興支援のためのボランティア派遣の対象外となる場合が多いんですね。しかし、農家の皆さんの災害からの復旧をボランティアがお手伝いすることは非常に大きなメリットがあります。農家の皆さんに応援している人がいるということを感じていただいて、精神的な支えになるということももちろんあるんですが、加えて、ボランティアの方も農家の方たちの大変さを知り、自分たちの口に入るものを作る大変さを共有することによって、広い意味で農業を理解し、支援するサポーターになっていただけます。また、復旧後もボランティアと農家の皆さんのつながりが維持されることによって、農作物の販路を維持したり拡大したりということにもつながります。  福岡県朝倉市では、平成29年7月に発生した九州北部豪雨災害を受けて被災した農家の支援のため、平成29年10月から、JA筑前あさくら農業ボランティアセンターというのを設置いたしました。こちらで個人や団体の農業ボランティアの受入れを行いまして、センターは今も引き続き設置されているということなんですけれども、これまで累計で5,400人ほどのボランティアの参加があったということです。また、長野県長野市では、昨年の台風19号により被災した農家の支援のため、信州農業再生復興ボランティアプロジェクトとして、JAながの、JAグリーン長野、長野県NPOセンター、長野県災害時支援ネットワーク、長野県社会福祉協議会などの団体によって実行委員会を立ち上げ、11月18日から12月17日までの累計で6,508人のボランティアを受け入れて、リンゴや桃などの被災果樹園の復旧作業を行ったということです。群馬県でも平成26年の豪雪災害のときに、民間でぐんま豪雪被災農家支援プロジェクトというものが立ち上がりまして、倒壊したハウスの撤去作業などに取り組んだ経緯があります。  このように、様々な事例を検討していただいて、いざというときに農業ボランティアを広く受け入れるために、被災農家を支える農業ボランティアセンターのようなものを設置していただけないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 今いろいろお話がありましたが、農業は自然災害の影響を大きく受ける産業です。昨年の台風19号においても、農作物だけでなくて、農道とか水利施設とか農業用ハウス等に甚大な被害が出ました。災害の影響は複数年にわたることもあるので、営農意欲の低下、あるいは離農にもつながっているというのは議員御存じのとおりです。被災農業者の経営再建については、これまでも国、市町村等と連携をして、例えば農業用施設等の復旧事業とか農災条例による支援等、早期再建に向けた取組は支援をしてまいりました。また、自然災害が多発する中で言うと、農業共済とか収入保険への加入、ハウスの補強、農業者自身のリスク管理も大事だと考えています。  一方、農業の復興に当たっては、農業者や行政だけでは対処し切れない場合もあって、今、県議のほうからいろいろお話がありましたが、被災農業者を支える農業ボランティアの協力も有効だと認識しています。平成26年2月の例えば記録的な大雪では、県内全域で3万棟近くの農業用ハウスが倒壊、破損しました。甚大な被害でした。倒壊したガラスハウスの破片を拾い集めたりとか、折れ曲がった支柱、ビニールを撤去するには多大な労力が要るということで、実は生産者自らがこのときはボランティアを募ったり、地域の高校生が片付けを手伝うなどの支援活動があったと承知をしています。  農業ボランティアの活動については、一般の災害ボランティアと違って、営利事業への支援ということになります。さらに言うと、地域の被災状況に応じた対応が必要だということになりますので、どっちかというとJA等の団体が中心になった支援が望ましいのではないかと考えています。こうした活動をきっかけに、都市と農村との交流、企業との連携、御指摘のあったとおり、関係人口が増えて地域の活性化につながるという効果はあるのではないかと思います。県としても情報提供、地域間の調整、各地域の取組を支援する仕組みを検討していきたいと思いますが、今いろいろと御提案のあったセンター等々については、少しまた研究をさせていただければと思います。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。ぜひ知事にはよろしくお願いしたいと思います。  ここでいったん知事には質問を終了させていただきまして、次に健康福祉部長にお伺いいたします。 ○井田泉 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (武藤幸夫健康福祉部長 登壇) ◆あべともよ 議員 健康福祉部長には新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いしたいと思います。  群馬県の現状に関しては、先ほど岸議員の質問でお答えいただいておりますので、私からは感染拡大に備えた対策についてお伺いしたいと思います。新型コロナウイルス感染症への対策については、平成21年の新型インフルエンザ対策の経験、また、その後策定された新型インフルエンザ等医療対応マニュアルや群馬県業務継続マニュアル(新型インフルエンザ等対応版)などが参考になると思いますが、これらのマニュアルの確認と、新型コロナウイルスによる肺炎の場合にとるべき対策の相違点の確認、感染拡大に備えた今後の対応についての情報共有が必要と考えます。県では新型インフルエンザ等本部訓練も毎年実施しているということですけれども、これらの経験を活かして、今後の見通しをぜひタイムラインで示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 新型コロナウイルスに関する御質問でございまして、感染拡大に対する備えということでございます。議員の御指摘のとおり、現在も2009年の新型インフルエンザ対策が本当に参考になっておりまして、行動マニュアル、行動計画であるとか様々な資料については、担当課を中心に十分確認させていただきまして、それをもとに市町村や関係機関とも連携をとっているところでございます。  午前中も回答しましたが、県で対策本部を開きまして、各部局で、どういった場面でどういった対応をするかということについては情報を共有してやっていくということを確認してございます。また、いわゆる感染症危機管理チームを常設のものとして設置いたしまして、様々な感染症に対して、専門家の立場から様々な知見ですとか最新情報をいただくような仕組みも整えました。現在は本当に国内で広がっている状況でございまして、県内ではまだ発生していない状況でございますけれども、外来の窓口であるとか、あるいは入院機関の拡充なんかにつきましても、関係団体、医師会等とも十分連携しながら備えているところでございます。 ◆あべともよ 議員 新型インフルエンザの経験については、県のほうでも対策の検証報告書というのをまとめていただいていまして、新型インフルエンザの発生から国内発生まで、国内発生から県内発生まで、県内発生から患者の全数把握の中止までというような形で、そのそれぞれの時期に応じてどういう対策を県がとっていったかというようなことをまとめていただいているんですね。新型コロナウイルスはもちろん新型インフルエンザとも違いますから、この先どういうふうになっていくのかということを市民の方々が分からないというところがやっぱり一番不安要素になっているんだと思います。そういう意味では、この新型インフルエンザ等の対応マニュアルが、ある程度そういったところを想定していると思いますので、それに備えて、今後こういうことが起こり得る可能性があって、そのときにはこういう対応をとるんだということを県民の皆さんにぜひお伝えしていただくと、過度に恐れず、かつ適切な行動をとるということにつながるのではないかと思います。  また、新型インフルエンザ発生の際の業務継続計画については、県内でも多くの企業等に支援を行って策定をしていただいたと承知しておりますので、これらの企業に対しても、内容の確認と今後の対応についての検討を進めていただくように要請してはどうかと思います。  また、県では新型コロナウイルス感染症に対する相談窓口をいち早く設置していただいて対応していただいているということで、先日の知事の記者会見によれば、1日に現在、100件程度の相談があるということで、現状では十分対応できる範囲の相談件数だと伺っているんですが、今後、県内での感染が発生するなど事態が進行した場合には、コールセンターの対応に十分な人員を配置することが難しくなるという場合も想定されると思います。長野市では、台風19号における被災者からの問合せに、SNSのAIボットというのを用いて、自動で回答するツールを導入し、100項目以上の問合せの内容に対して、合計で16万人、33万回の利用があったということなんですね。これを全て人手で対応していた場合の負荷を考えると、こういったツールを導入し、効率的な対応を行う準備をしておくということは重要と思われます。こういったシステムを導入することについてもぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 あべ議員から様々な提案をいただきました。今後の拡大等をにらんで、また様々な検討をしていきたいと思っております。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。  健康福祉部長には以上で、どうもありがとうございました。  次に、観光振興について局長に伺います。 ○井田泉 副議長 観光局長、答弁席へ。           (佐藤武夫観光局長 登壇) ◆あべともよ 議員 いよいよ群馬デスティネーションキャンペーンの開催まであと少しとなりましたが、準備状況はいかがか。また、新型コロナウイルス感染症の影響についてどのように考えているか、お伺いいたします。 ◎佐藤武夫 観光局長 御質問ありがとうございます。今回の群馬DCは39年ぶりの春の開催ということで、各地域におきまして、春ならではの魅力の掘り起こしですとか観光資源の磨き上げを進めてまいりました。その結果、県内一円で非常に特別感のある企画が用意できたと考えております。今回のDCにおきましては、観光情報のウェブやSNSでの発信に加えまして、ガイドブックのデジタル配信、あるいは紙媒体へのQRコードの掲載など、スマートフォンによる観光情報取得への対応も進めてきたところでございます。  現在、JR東日本によります本県を題材にしたテレビCMを放映中でございますけれども、来月初めには全国のJR主要駅にポスターが掲示されるほか、併せて県内の観光地はもとより、コンビニ各社、銀行、バス、タクシーなどの交通事業者にも御協力いただきまして、のぼり旗ですとかポスター、車両ステッカーなどを掲出することになってございます。さらに、群馬DCを契機といたしましたおもてなしの機運醸成ということで、このバッジをつけていただくぐんまウェルカムサポーターズですが、こちらについても登録者数が6万人を突破するなど、多くの県民、企業、団体の皆さんに御協力いただいて、オール群馬でDCを盛り上げる体制が整ってきたのかなと考えてございます。なお、新型コロナウイルス感染症に関しましては、現在、県内の関係者に対しまして、感染予防対策を講じるよう周知に努めているところでございます。  一方で、このところ国内旅行のキャンセルが徐々に増えてきているというようなお話を県内の旅行会社等からいただいているところでございまして、実施期間中の出控えが非常に懸念されるところでございます。しかしながら、県としましては、今後の動向を注視しながら、引き続き正確な情報発信に努めまして、これまで準備してきた取組を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。群馬デスティネーションキャンペーンについては、私も非常に楽しみにしておりまして、今日ももうちょっと局長とやりとりができると良かったなと思っていたんですが、時間の都合がございまして、局長への質問はこれで終わりにしたいと思うんですけれども、DCの本番に備えて様々な準備を重ねてきた皆様からすると、やっぱりこの新型コロナウイルス感染症の影響というのは本当に心配なところだと思います。現状でDC開催期間中の影響を正確に予測することはできませんが、影響が拡大する場合を想定し今のうちから準備をしておくこと、また、仮に影響があったとしても必ず回復期が訪れますので、そのときを見据えた対策を考えておくということも重要だと思います。そういった対策を考えて、仮に影響がなかったとしても、それは決して無駄にはならない経験かと思いますので、できる限り正確な情報を入手していただいて、それを冷静に分析して備えていただくようにお願いいたしまして、局長への質問は終わりといたします。ありがとうございました。  次に、ぐんまちゃん家の活用について知事にお伺いいたします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。残り5分でございます。           (山本一太知事 登壇) ◆あべともよ 議員 ぐんまちゃん家なんですけれども、移転から1年半余りが経過いたしました。ぐんまちゃん家の利用状況がどのように推移しているか、また、当初の狙いと比較した現状についてどう評価しているか、お伺いいたします。 ◎山本一太 知事 ぐんまちゃん家(ぐんま総合情報センター)は、首都圏における総合情報発信拠点として、本県の様々な魅力を積極的に発信して、群馬県のイメージアップ、あるいは観光誘客などを図っているということでございます。今般の移転を契機に、広くなった物販スペースを有効に活用するために、来店者の購買意欲を高めるための魅力的な商品展開とか展示方法の見直しを行うと同時に、2階には新たにレストランを設置して群馬の食を味わえるように、民間事業者のノウハウも取り入れているということで、群馬の魅力をより感じてもらえるような店舗運営に取り組んでおります。  ぐんまちゃん家の利用状況ですが、店舗の移転で立地環境が変化したということで、移転直後の来店者数は前年度の6割と大幅に減少いたしました。今年度の来店者数は、移転直後と比較すると10%アップしているということで増加傾向にありますが、移転前の水準には回復しておりません。本県に関する情報をマスメディアに取り上げてもらうパブリシティー活動の成果という点で言うと、広告料換算で言うと、移転した30年度と比較して少し増えている。県内への誘客に結び付けるツアー造成件数も1.数倍ぐらい実績が伸びているということで、こういう形で今ぐんまちゃん家も本県のPR活動に取り組んでいるということです。 ◆あべともよ 議員 ありがとうございます。いろいろ工夫をしていただいて、移転後の立地条件の変化にもかかわらず、客単価を上げたりとか、そういったことで工夫していただいているなと感じているわけなんですけれども、最近、若者や女性の間で人気になっている角打ちというのがあるのを御存じでしょうか。酒屋さんでお酒を買って、その場で飲めるというのがもともとの定義のようなんですが、最近では立ち飲みなど気軽に入れる居酒屋などもそう呼んでいるところがあるようです。この角打ちの良さというのは、手頃な価格でいろいろなお酒を試せるというところにあります。ぐんまちゃん家では、県内の20以上の蔵からそれぞれ2銘柄以上出品していただいているということですけれども、これを気軽に試していただいて、群馬のお酒の良さを知っていただいて、ファンを増やすことから売上げアップや、さらには酒蔵ツーリズムなどにつなげていくことができるのではないかなと思うんですが、ぐんまちゃん家にこの角打ちというのを作っていただくのはいかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 あべ議員はいろいろ提案をお持ちなので、それもひとつの考え方だと思いますので、少しいろんな背景も含めて研究させてください。 ○井田泉 副議長 あべ議員、残り1分40秒です。 ◆あべともよ 議員 はい。ありがとうございます。他県のアンテナショップでは、角打ちとは言わないものの、工夫を凝らした有料試飲のコーナーがあるのもたくさんあるんですね。高知県のアンテナショップでは、1杯50ミリリットルを200円で数種類の中から選べます。また、おちょこ3杯とおつまみのセットで650円というのもあります。広島県では、日本酒、ワイン、焼酎、地ビールなど様々なお酒が1杯200円から300円ぐらいで試飲できます。滋賀県では、地酒バーとして33の蔵のお酒の中から4種飲み比べて1,000円。こちらが滋賀のお酒の地図なんですけれども、飲んだところの蔵にスタンプを押すというようなことで、この地図を持って帰ることができるんですね。福井県では、これ、御朱印帳といいまして、それぞれの蔵で発行している特別のラベルを集めて貼ったり、スタンプを集めてプレゼントに応募できるというようなイベントもやっております。まずは有料試飲のコーナーの設置からでもぜひ始めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  最後に、DCを契機とした観光振興についてということでお伺いしたいと思っていたんですけれども、ちょっと時間がなくなってしまって大変申し訳ありませんでした。新年度予算案では、eスポーツの振興や官民連携まちづくり、ぐんまちゃんの活用や稜線トレイルなど、会派の要望でも取り上げさせていただいた様々な内容を盛り込んでいただきました。 ○井田泉 副議長 時間が参りました。 ◆あべともよ 議員 ぜひとも、これを契機に観光振興につなげていただけたらと思います。ありがとうございました。(拍手) ○井田泉 副議長 以上であべともよ議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○井田泉 副議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午後2時52分休憩     午後2時58分再開   ● 再     開 ○井田泉 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、党(会)派代表による質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問[代表](続) ○井田泉 副議長 公明党水野俊雄議員御登壇願います。           (水野俊雄議員 登壇 拍手) ◆水野俊雄 議員 皆さん、こんにちは。前橋市選出、公明党の水野俊雄でございます。会派を代表いたしまして、初当選以来19回目の質問に登壇させていただきます。  私たち公明党は、党の公領におきまして、「〈生命・生活・生存〉を最大に尊重する人間主義」を中道主義として掲げ、イデオロギー優先ではなく生活者中心、対決一辺倒ではなく合意形成の政治、政局第一ではなく政策中心、急進主義ではなく漸進主義、少しずつ進むという意味ですけれども、漸進主義といった発想と行動を貫いてまいりました。  この度、県民の幸福度アップを大目標に掲げ、SDGsの達成をその手段として採用された山本県政が、初めての予算編成と組織改正を行うに当たりまして、私たち公明党らしく、県民生活の向上を中心に、県民の常識にかなった政治の決定を行うべく、予算や議案の審査をさせていただいております。40分という限られた時間、代表質問として取り上げられるテーマは限られておりますが、ぜひとも県民の常識的な目線から理解され、評価いただけるようなやりとりにさせていただければと思っております。  8つの問いのうち最初の5つは、最大の価値である生命の尊重という観点から、そして残りの3つは、県民の幸福度向上に直結します多様性の尊重という観点から議論させていただきたいと思います。  昨年行われました気候変動枠組み条約、いわゆるCOP25におきまして、国連のグテーレス事務総長は、地球温暖化に警鐘を鳴らしつつ、次のようにおっしゃいました。変化を望むなら、私たち自身が変わらなければならない。激動の時代におきまして、私たちが群馬県をより良く変えようと思うなら、まず自らを変えなければなりません。議会として、議員として、変化を真摯に受け止め、柔軟に、そしてしなやかに取り組んでいきたいと思いますとともに、ぜひとも県執行部にもこれまで以上の変化を望むものであります。  本日の質問の半分は、これまで私たち公明党が提案してきた課題につきまして、山本県政として一定の方向性を示していただきたいものについて、いわばおさらいと答え合わせのような質疑にもなろうかと思います。重なる部分につきましては、これまでの議論を踏まえて、端的に結論をお示しいただきますようお願いしまして、質問に移ります。よろしくお願いいたします。(拍手)  それでは、健康福祉部長、お願いします。 ○井田泉 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (武藤幸夫健康福祉部長 登壇) ◆水野俊雄 議員 健康福祉部長に伺います。感染症流行時における地域イベントの開催の判断について確認したいと思います。  生命・生活・生存を最大に尊重するという観点から、まずは冒頭、目下の県民の最大の関心事のひとつであります新型コロナウイルスによる感染症対策について確認をいたします。先ほど来、万全な医療体制の構築や観光DCへの影響などにつきましては議論が出てきたところであります。私からは、今後、県内発生なども懸念される中で、感染症流行時に地域で行われるイベントの開催判断につきまして、流行拡大の防止の観点から、県として何らかのガイドラインを示すべきではないかと提案申し上げます。  昨日の議会の全員協議会の後、武藤部長からも説明がありまして、多少なりとも方針を示してくださるというようなものとして受け止めております。県当局の見解をお示しいただければと思います。よろしくお願いします。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 感染症が流行した際におけるイベントの開催の判断についての御質問でございます。多くの方が集まるイベントなどにおきましては、人混みで感染症が広がるリスクがあることから、感染の拡大を防止するためには対策がどうしても重要になってきます。これまで保健所では、イベントの主催者から感染対策に対しての相談を受けたときには、その感染症の種類、あるいは流行状況等を踏まえて、イベントの内容に応じた助言等を行ってきたところでございまして、主催者は、それを参考にしてイベントの開催だとか感染防止対策について判断をしてきていただいたという状況がございます。  今般の新型コロナウイルス感染症についてでございますけれども、昨日、加藤厚生労働大臣が会見を開きまして、感染の拡大を防ぐためには今が重要な時期であるということ、そして、屋内などでお互いの距離が十分とれない状況で一定時間いることが感染のリスクを高めるとの認識を示されました。そのうえで、イベントの主催者は、感染拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう求めてはいるものの、現時点で政府として一律の自粛要請を行うものではないというふうに発表されました。また、これは大事なことだと思いますけれども、イベント等の参加者に対しましても、咳エチケットや手洗いの徹底などを求めるとともに、主催者側に対しても、アルコール消毒薬の設置ですとか参加者への手洗いの推奨、あるいは風邪症状のある方については参加を控えてもらうような、そういった努力もしてほしいんだということを求めておられました。  そういった中で、一口にイベントと申しましても、参加される方がどのぐらいなのかとか、あるいは年齢層はどうなのかとか、あるいは屋外なのか屋内なのか、密集度合いはどのぐらいなのか、あるいはどんな特性を持ったものなのか、本当に様々な対応がございまして、それぞれに適した判断があるんだと考えております。  県といたしましては、今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じまして、イベントの主催者や参加者が講じるべき感染症対策について理解を深めてもらえるよう努めていきますとともに、相談が寄せられた際には引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えております。 ◆水野俊雄 議員 昨日報告いただきましたときに、何かしら国の方針に合わせて県も方向性が出せるというメッセージとして受け止めておりましたが、ちょっとそういう形のガイドラインのようなものではなさそうだなということを今伺っておりました。一方で、今おっしゃるように、それぞれの会合の状況によっても違うということはあるかと思います。  もう1点、ぜひ御要望申し上げたいのは、県が主催であるという場合もあるかと思います。県庁主催の会合におきまして、何らかのリスクを伴うということはあろうかと思いますので、ぜひともそういったところにつきましても、できる限り県民の皆様に、どういった根拠に基づいて判断したのか、やるについてもやらないについても、そういったメッセージはしっかり発信していただけるように、この点は御要望申し上げたいと思います。  また、ちょっと関連しまして全体なんですけれども、正しく恐れるという言い方が報道等で繰り返されております。一方で、何をもって正しく恐れることかということは誰も言及していないなというような感じがいたしまして、より情報が必要だと、こんなふうに思います。様々な情報、量も必要でありましょうし、質も高めていく必要もあろうかと思います。あらゆるツールを使って、しっかりと県民の皆さんに正しい情報を発信していただくということを求めていきたい。先ほどもちょっと言及がありましたが、AIのようなものを使うとか、SNSを使って厚労省のツイートをリツイートするとか、様々考え方はあるのではないかと思いますし、新聞などでコラムなんていうこともできるのではないか、こんなふうにも考えます。  また、そのほか、各部局にまたがるんですが、例えば、言われておりますけれども、民間においては、この機会にテレワークの推進をしているということであります。県の行政のあり方を見直すという機運は、これも今出ているところでありますが、ぜひとも総務部においてもこういったことの御検討を進めていただきたい。また、先ほどもありましたが、産業経済部におきましても、県内経済の推移を、本当に刻一刻変化していると思いますので、ぜひとも注視していただきまして、機敏に対応をとっていただきたいということも御要望申し上げたい。  また、これまで私は一貫して申し上げてきましたが、いわゆる救急電話相談、大人版の♯8000、大人版ですから♯7119というのが世の中一般的ですけれども、こういったセンターが一本あれば、今回の相談窓口も各町村において電話番号が違うなんていうことをせずに済んだななんていうことを考えております。今、危機管理室等で検討を進めていただいていると思いますけれども、ぜひとも♯7119の導入も、こういった背景も踏まえて検討を進めていただきたい。この点も御要望申し上げて、この点は質問を終わりたいと思います。健康福祉部長、よろしくお願いします。  それでは、岩下県土整備部長、よろしくお願いします。 ○井田泉 副議長 県土整備部長、答弁席へ。           (岩下勝則県土整備部長 登壇) ◆水野俊雄 議員 県土整備部長には、防災減災におけるソフト対策ということで質問させていただきます。  〔資料①提示〕これまで私たち公明党は、全国各地におきまして、国土交通省と協力しながら命を守る防災減災対策を強化してまいりました。中でも水害に対しまして、台風上陸などの数日前から備えるべき取組を時系列で表しましたタイムラインというものについて、早急な整備を求めてきました。いわば地域防災計画の時系列版というような感じでしょうか。本会議の議事録だけでも、2016年9月に私が、また2018年9月に藥丸県議が、2019年9月に福重県議がそれぞれ取り上げ、それ以外にも委員会審議等の中でも議論を重ねさせていただいております。  群馬県政におきまして、今回は災害レジリエンスNo.1の実現ということを知事が掲げていただきまして、防災減災対策を計上していただいております。ハード整備の重要性は論をまちませんけれども、一方で、本当に想定を超えるような気象災害が頻発するという時代にありましては、逃げるというソフト対策を早急に進めなければ命を守ることはできません。群馬県内の河川につきまして、水害対応タイムライン整備状況がどのようになっているか、ぜひともお示しをいただきたいと思います。 ◎岩下勝則 県土整備部長 お尋ねのありました水害タイムラインの作成状況ということになりますが、群馬県におきましては、今回いろいろと出ておりますが、ぐんま5つのゼロ宣言ということで、そのひとつに自然災害による死者ゼロ達成ということを目標にしてございます。それを実現するうえでは、防災関係機関の行動計画、議員おっしゃられました、そちらに御掲示いただいておりますけれども、時系列的に整理しておくということが大変重要でありまして、それによって迅速かつ的確な避難勧告等も発令できるように、水害タイムラインは極めて重要でございます。  本県におきましては、洪水時に住民の方々が避難を判断する際に参考となる水位の基準を定めている水位周知河川というのが現在20河川ほどございます。このうち19河川が流れる17市町におきまして、水害タイムラインというのは既にできております。残る1河川につきましては、現在策定を進めておりまして、この1河川ができれば、水位周知河川につきましては全てタイムラインを有するということになります。
     今後は、今回の台風も踏まえまして、河川氾濫に関する群馬県防災対策協議会におきまして、市町村と連携しながら、この水位周知河川に指定する河川を増やして、それによって、併せて水害タイムラインの策定を促進してまいりたいと考えております。それと、実際にもうできております、先ほど申しました17市町でできております水害タイムラインにつきましても、今申し上げました台風19号における対応状況を検証いたしまして、必要に応じて改善を図ってもらえればと考えております。 ◆水野俊雄 議員 ありがとうございます。タイムライン、ここに掲げておりますけれども、上がどの機関が行うかということ、縦軸が時系列になっておりますが、例えば台風上陸が予定されている期日から3日前とかというところで、具体的に自治体は何をするのか、もしくは気象庁もしくは土木事務所はどういう準備を図るのか、2日前は、もしくは当日の何時間前はどんなことを考えるのか、こういうことが整理されております。こういったタイムラインが今20河川のうち19河川整備されていて、残り1河川も現在策定中ということでありましたが、こういったものにつきましては、どちらかといいますと、主体は行政機関であったり、それぞれの組織でございます。  一方で、タイムライン自体をもっと身近に、我が事としてそれぞれの住民の皆さんに引き当てたものがマイタイムラインというものになります。〔資料②提示〕ちょっと体裁が違って、今度横と縦が入れ替わっていますし、これは東京都の事例なので、必ずしもこういう形態とは限らないんですけれども、これは横軸に時系列が並んでおりますが、考え方は一緒であります。例えば台風上陸と言われている3日前には、例えば自分のうちの防災のグッズは大丈夫かということを確認し、どこに何があるかということを確認しようよですとか、その当日、予定されている期日には、家族はどこにいるのだか、それぞれの予定を確認しようではないかですとか、そういったことから始まりまして、当日、そういった台風が近づく局面におきまして、逃げ遅れないように、例えばおばあさまと一緒にどなたかが先に避難をするですとかということを時系列で決めていくのがマイタイムライン、私自身は逃げるマニュアルだと、こんなふうに考えております。こういったことを具体的に進めていかなければ、どんなにハード整備を進めても、残念ながら、先ほど来言われていますぐんま5つのゼロ宣言の一番冒頭にあります自然災害における死者ゼロが達成できないと、こういうふうに思います。どうぞ命を守るために、自分の命を、自らが判断し、自ら行動して、自分の命を自分で守る、こういう県民をしっかりつくっていくためにも、こういったマイタイムライン、これの普及促進にも努めていただきたいと思いますが、併せていかがでしょうか。 ◎岩下勝則 県土整備部長 議員御指摘のとおりだと思います。先ほど申しました17市町においてできているのは、おっしゃられたように、どちらかというと防災関係者、行政の人たちがどういうふうな活動をすべきか、どういうふうな行動をすべきかということで、それに対しまして、まずは住民に自ら逃げるという主体的な行動をとっていただくためには、やはり住民一人ひとりが自らの手で自らの行動をあらかじめ作成しておく。今そちらに御提示いただいておりますマイタイムラインの作成というのは大変重要なものであるし、有効な手段と考えております。まずは、先ほどそこにあるように東京都の御紹介をいただきましたけれども、先行する国土交通省やら、そういった事例を参考に、令和2年度、来年度より市町村と連携してモデル地区を選定いたしまして、マイタイムラインの作成の支援を開始してまいりたいと思っております。 ◆水野俊雄 議員 ありがとうございます。ぜひモデル地域から広く、本当に隈なく、浸水想定区域に当たる住民の皆さんはかなり多くいらっしゃいますので、そういったところにひとつでも多く届けていただきますように取組を進めてください。よろしくお願いいたします。  続きまして、県土整備部長に自転車の安全対策を引き続き質問したいと思います。命を守るための質問、3つ目になります。  前回、5月の一般質問に登壇した折、高校生のヘルメット着用の義務化について教育長に質問させていただき、高校生1万人当たりの自転車事故件数が全国ワースト1位、全自転車事故に占める高校生の割合も全国ワースト1位という不名誉な、そして未来を担う子どもたちの命が危機にさらされている状況を考え、何としてもこれを改善したいということで、早急に対応すべきだという議論をさせていただきました。併せまして、5月には保険の加入促進も議論させていただいたところであります。  最近の報道等に接しましても、自転車の利用におきまして、ヘルメットの着用と、そして保険の加入という2点につきましては、社会の機運も高まっていると、こんなふうに感じております。自転車利用時におけるヘルメットの着用、保険の加入、その義務化について条例で定めるべきだと考えておりますが、群馬県交通安全条例を所管する県土整備部長の御所見をお示しいただきたいと思います。 ◎岩下勝則 県土整備部長 自転車に乗っているときのヘルメットの着用、そして保険の加入促進というのは、これまでも四季の交通安全運動だとか毎月の自転車マナーアップ運動で啓発活動を実施してきているところでございます。しかし、残念ながら、平成30年度に実施した県民のアンケートから、全年齢層でのヘルメットの着用率は約13%、自転車保険の加入率は約33%と、ちょっと低い状況だということが分かりました。また、昨年度から実施しております高校生自転車ヘルメット着用モニター事業では、保護者の方々はヘルメットの着用の必要性を感じていただけるんですが、生徒さんからは、周りがかぶっていない、恥ずかしいなど、そういった理由でなかなか着用に至らない傾向にあるということも分かっております。  このような状況を踏まえまして、事故発生時の被害軽減を目的といたしまして、議員御指摘の、平成26年12月に施行いたしました、これは議員の方々の御提案で出来上がった条例でございますけれども、群馬県交通安全条例にヘルメットの着用に努めるという規定を新たに追加して、子どもから大人まで県民全体でヘルメットの着用を促進できればと考えております。また、近年、自転車が加害者となって1億円に迫るような高額賠償事故が発生していることも踏まえまして、安心して自転車を御利用いただけるように、自転車保険の加入義務についても条例に規定していければと考えております。今後は、9月の定例県議会への議案提出を目指しまして、近々パブリックコメントなどを経まして、手続きを進めてまいりたいと考えております。 ◆水野俊雄 議員 部長、ありがとうございました。しっかりと、残り細かな論点につきましては、また委員会でも伺いたいと思います。  ちょっと1点だけ御要望がありまして、自転車の安全利用ということにつきましては、自転車空間をいかに確保するかということも大切になっているかと思います。そのひとつで、ぜひとも御提案申し上げたいと思います。御答弁結構ですが、国が今、ナショナルサイクルルートというものを指定しております。これは自転車活用推進法に基づいて、日本を代表し世界に誇り得るサイクリングルートを指定するものでありまして、現在までに霞ヶ浦と琵琶湖、そしてしまなみ海道の3コースが指定されております。私は、利根川のサイクリングコース、これもこのナショナルサイクルルートに十分値するのではないかと、こんなふうに確信をしております。太平洋から関東平野を坂東太郎に沿ってサイクリングが楽しめる、こういうルートになっておりますので、ぜひとも、かつてきちっと整備をしていただいた、そういう歴史的な財産でもあると考えております。  そのうえで、例えばですけれども、せっかく指定するからには、利根川のサイクリングルートをぜひ、谷川岳の一ノ倉沢の下ぐらいまで引っ張っていただいて、ぜひ利根川の源流から河口までつながるような、そういうサイクリングルートができれば、なおすばらしいなと、こんなふうに考えております。現在のものだけでも十分値すると思いますが、そういった先まで夢を描きながら整備を進めていただきたいということ、重ねて御要望申し上げたいと思います。部長、ありがとうございました。  それでは、笠原教育長、お願いします。 ○井田泉 副議長 教育長、答弁席へ。           (笠原 寛教育長 登壇) ◆水野俊雄 議員 教育長には、昨年の5月27日、この場でお互いに自転車用のヘルメットをかぶって、一人でも悲惨な事故にあわないよう取組を進めていきたいと、お互いに生徒たちへの着用普及を加速することを誓い合わせていただいたところであります。令和2年度以降、中高生へのヘルメット着用促進のための事業についてどのように実施していくのか、お示しいただければと思います。 ◎笠原寛 教育長 中高生におけるヘルメット着用についてのお尋ねでございますが、県教育委員会では、中高生の命を守りますとともに、自転車利用の安全意識をさらに高めてもらうために、自転車用ヘルメット着用の定着化に向けたモデル事業に来年度取り組みたいと考えております。この事業を進めるに当たりましては、まずは学校関係者や市町村教育委員会、そして保護者等のPTAを交えて、モデル校の選定、ヘルメット着用に向けた課題や指導の在り方等について幅広く検討いたしたいと考えております。  ヘルメット着用のモデルとなります学校につきましては、公立高校で2校、公立中学校から2校を選定したいと考えております。中学校においては既にヘルメット着用が定着をしておりますが、高校進学後も継続して着用したいという気持ちが芽生えるよう、現行、白い丸型のヘルメットが着用されておりますけれども、スポーツタイプ型への移行も考えてまいりたいと思っております。また、モデル校の生徒やヘルメット製造メーカーを中心といたしましたヘルメットデザインの検討会議みたいなものを設けまして、生徒の意向を尊重していくことで、昨年度、先ほど県土整備部長からございましたけれども、ヘルメット着用モニター事業のアンケート調査で意見の多かった恥ずかしい、あるいは格好悪い等のイメージの払拭にも対応してまいりたいと考えております。県内の中高生の交通安全意識を高め、ヘルメット着用の拡大が図られるよう、生徒自らの問題として、現役の生徒のアイデアを活用したPR動画の作成なども考えてまいりたいと思っております。中高生だけではなく、社会全体でヘルメットを着用していく環境づくりも必要なことと考えておりまして、関係部局とも連携を深めながら、自転車の安全利用をさらに推進してまいりたいと考えております。 ◆水野俊雄 議員 教育長、ありがとうございました。先ほど県土整備部長から御答弁がありましたように、条例制定ということで努力義務化ということになろうかと思います。社会全体の機運が高まっていく中で、しっかり生徒の皆さんが自らの命を守るというためにも、ぜひそういったことを学校現場で働きかけていただきたいと、こう思います。どんな教科とか技術に比べても、生徒に対して命の大切さを教えること以上の教育はない、このことを確信しております。ぜひともヘルメット着用の重要性を真剣に情熱を持って訴えていただきまして、生徒の心を動かし、生徒が命を守る、そのための取組を進めていただきたい、このことをお願いしたいと思います。  続きまして、高校入試におけるインフルエンザ等の対策についての質問に移りたいと思います。  高校入試におけるインフルエンザの対策、現在も感染症の流行が懸念される中、大学入試の在り方が報道され、様々な立場から議論がされつつありますが、感染症の流行と入学試験ということについては、この群馬県議会において数年来議論がされております。2017年11月、我が会派の福重県議がこの問題を取り上げました。その1年前でありますが、2016年10月には文科省から受験機会の十分な確保について配慮するよう通達があった旨、笠原教育長にも確認をさせていただいております。その際、教育長は、前期選抜と後期選抜の2つを実施しており日程に余裕がないこと、また、受験当日に保健室など別室受験を認めていること、さらには一般の受験者との公平性を担保する必要性があることなどの答弁があり、検討を進めるとされております。  教育長、残念ながら、その後の検討というのはほとんど動きが見られないように感じておりまして、2年がたちました。一体その後の検討はどのように進み、具体的な結論はいつ出るのでしょうか。現在も入試の受験者は新型肺炎などのリスクにさらされております。具体的な結論をつけるのが行政の責任と考えておりますが、教育長の御見解をお示しください。 ◎笠原寛 教育長 高校入試におきますインフルエンザ等の対策についてのお尋ねでございますが、今、議員からもお話がございましたように、本県の高校入試でございますが、前期選抜及び後期選抜を実施しておりまして、全ての受験者に公立高校を複数回受験する機会を確保いたしますとともに、インフルエンザ等に罹患した受験生が別室で受験できるよう配慮をしてまいりました。現在、新型コロナウイルス感染症の感染者が国内で増加する状況にはございますが、今後の後期選抜等では、現在の対応を基本としつつ、受験生の安全確保を第一に、状況に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。  議員からお話のございました追検査の実施につきましては、これもお話がございましたが、再度の受験機会が確保されることになりますが、他方では、追検査の受験者と一般の受験者との公平性や、インフルエンザ等とそれ以外の病気・事故等との均衡、選抜日程の組み方など、検討すべき多くの課題がございます。導入に当たりましては、こうした課題を踏まえ、受験者間で不公平感が生じないよう制度設計を行っていく必要があると考えております。  現在、県教育委員会では、令和4年度から10か年を計画期間といたします第2期高校教育改革推進計画策定に関わります有識者の皆さん方から、入学者選抜制度を含みます高校教育改革全般についての検討を進めていただいておるところでございます。令和2年度におきましては、入学者選抜制度の検討のための組織を別途設置いたしまして、インフルエンザ等を含めた感染症への対応についても改めて議論を行ってまいりたいと考えております。今後とも、本県の入学者選抜制度が受験生にとってより適切なものとなるよう、しっかりと検討を深めてまいりたいと考えております。 ◆水野俊雄 議員 ありがとうございます。答弁の論点は変わらない、答弁自体があまり変わらないということは、何を待っていたのか、こんなふうな気もいたします。そういう意味では、今お話があった改革推進計画、今それを動かしていらっしゃるという、そのタイミングだったのかなというふうには思いますが、3年、通達から3年がたっていますので、ぜひとも一刻も早く結論を出していただきたい、このことを切にお願いしたいと思います。ひとえに受験生のためですので、よろしく御検討ください。  続きまして、夜間中学の導入についても、この点も同様でございます。これまでも本議会におきましても、私が2017年に取り上げた以降、多くの議員が本会議や委員会を通じて夜間中学の設置を要望してきており、県教委の積極的な姿勢が求められます。山本県政におきましては、多文化共生ぐんまを呼び掛けていらっしゃいます。機運はもう熟したと思っております。夜間中学設置に関する御見解をお示しください。 ◎笠原寛 教育長 夜間中学の関係のお尋ねでございますが、御案内のとおり、夜間中学は、戦後の混乱期に義務教育を受けられなかった方のために、市町村が設置しております中学校の夜間学級として始まったものでございまして、現在、全国には33校ございますが、最近の在籍者は、本来の対象者が減少いたしまして、平成29年度の国の調査によりますと、外国人の方がその約8割になっているという現状がございます。入管法の改正に伴いまして本県でも外国人の方々が今後さらに増えることが予想されることから、県教育委員会では、外国人の子ども等の就学を全県的な課題と捉えまして、昨年7月から開催をしております検討会の中で、学齢を超えた外国人の方への義務教育の機会を提供する場として、夜間中学について検討を重ねてまいりました。  昨年12月下旬に開催いたしましたこの検討会におきましては、外国人のみならず、義務教育未修了者の高齢者の方、また不登校などにより学び直しを希望している方といった夜間中学に通う可能性のある方を対象といたしまして、ニーズ調査を県教委が行うことといたしまして、そのための経費を来年度当初予算に計上させていただいておるところでございます。この調査は、今年5月頃から開始をいたしまして、できれば秋頃を目途に結果をまとめたいと考えております。この結果に基づきまして、年齢や国籍等の事情に関わりなく、就学を希望する方がいる場合には、その機会を提供するという教育機会確保法の趣旨を踏まえまして、市町村教育委員会や関係部局と連携を図り、義務教育段階からさらにその上の高校教育への円滑な接続も見据えながら、夜間中学の設置について、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。(「お願いします」と呼ぶ者あり) ◆水野俊雄 議員 検討会を12月に開いていただいたということ、またニーズ調査を5月から行っていただくということが示されまして、ありがとうございます。どうも令和2年度中には方向性が出るのではないかと、このことを期待したいと思います。今も議場からぜひお願いしたいという呼び声がありました。ぜひとも積極的な設置に向けての検討を進めてください。ありがとうございました。  続きまして、知事、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆水野俊雄 議員 知事、済みません、10分残そうと思いましたが、1分足りませんが、進めさせていただきます。知事には群馬県政に新しい風を吹き込んでいただき、感謝申し上げたいと思います。とりわけ総合計画、またビジョン策定のための有識者ヒアリングを開催していただきまして、各界の第一線で活躍する方々と職員や私ども議会の委員が直接に意見交換できる場を設けていただくなど、何か新しいことが始まる期待感で胸を膨らませているのは私一人でないと思います。山本知事の積極的な取組でSDGsの認識も一気に高まっております。先ほど来、答弁の中にも御説明にもありましたように、このSDGsの大事なところが、いわゆるゴールをイメージし、そのゴールに向かって今の取組を考える、このバックキャスト思考であります。現在策定しているビジョンの作業につきましても、20年後の群馬県を想像し、そして描いていく難しい作業をしていただいておりますが、確実にひとつだけ言えますのは、20年後の群馬県を担っているのは今の若者だということであります。ある歌の歌詞に未来は僕らの手の中と、このようにありますが、将来世代の声を聞かずして今の意思決定はできないと、こういうふうに確信をしております。県政のあらゆる局面、あらゆる段階におきまして、多様な声、とりわけ将来を担う若者の声を反映させることは、県政を担う者の責務であると、このように思います。  また、県議会でGACHi(ガチ)高校生×(かける)県議会議員とか、シチズンシップ・アカデミーなどの事業を通じて若い方々と交流し意見を聞いておりますが、必ず自分たちと県は何が関係あるかよく分からないというところから話が始まります。そこで、政党の若者版マニフェストのようなイメージで、総合戦略など群馬県の政策を取りまとめる際、若者版を制作し、広くPRしたらいかがでしょうか。若者の意見を県政に反映させること、そして若者版の総合戦略を策定すること、この2点につきまして知事の御所見をお伺いしたいと思います。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。総合計画のヒアリング、特別委員会の方々に声を掛けているんですが、水野議員は必ず出席をされて、必ず質問されてコメントをされる。御協力には本当に感謝していますし、その真面目な姿勢に大変感銘を受けております。水野県議はずっと若者政策の重要性を訴えてこられていまして、若者世代の定着策と奨学金の返済支援、これは予算に反映をさせていただきました。これも御報告を申し上げたいと思います。  人口減少、高齢化、これは加速度的に進むということが分かっておりまして、今後、社会の中核を担っていくのはもちろん若い世代だということでございます。この若い世代が地域の将来を自分のこととして考え、主体的に関わるというのは、持続的な社会をつくっていくうえでは、これも不可欠だと理解をしています。  群馬県政を進めるうえでも、実は若者の意見はかなり積極的に取り入れてまいりました。知事就任以来、いろんな分野で若者の声を聞くという試みをやってまいりました。例えば今年度は、県内の医師不足対策を考えるに当たり、若手医師、医学生から知事が直接意見を聞くドクターズ・カム・ホームプロジェクトというのもやっておりますし、県立女子大学におきましては、学生と知事が地方自治体が抱える問題について議論するという講義、15回全て知事である私が客員教授として担当させていただきました。あるいは県庁内の話ですけれども、今年度、若手職員からの政策プレゼンのやり方もがらりと変えて、何時間も、両副知事にも入ってもらって、いろんなグループのプレゼンを聞きながら、アイデアを活かす議論を今積み重ねております。実際その若手の政策プレゼンで今回の予算の事業に反映したものもあります。さらには自我作古チーム、これは何度も出てきますが、主に若手職員を中心に検討を行ってもらいますが、水野議員、友党のほうから出た例のヘルメットの話も、自我作古チームの考え方をまとめて、これも予算化しようという流れになっております。  来年度は、新たに政策プレゼンの外部版として、知事と若者が群馬県の抱える諸課題について意見交換を行う群馬若者フォーラムというのも実施をしたいと思っています。このフォーラムの議論も次年度以降の施策にぜひ活かしていきたいと思います。さらに、県庁32階、これを群馬県のイノベーション拠点として活用し、洗練したカフェ・スペースも設ける予定ですが、新たなビジネスをやりたいとか、まちづくりやりたいとか、面白いことをやってみたい、こういう若者も一緒になって、このスペースを活用して、少し群馬をわくわくさせる新しい創造の担い手になっていただきたいと思っています。  総合計画についても言及がございましたが、特に20年後のビジョンということで言うと、まさに水野県議がおっしゃったように、若い世代に群馬県の将来を考えてもらうことが大事だと思っていまして、策定懇談会のメンバーの一人に県内の若者代表として女優の手島実優さん、22歳に実は入ってもらっています。毎回とても意見を言っていただいていますが、メンバーの多くは30代、40代の方々にお願いをいたしております。先日、策定に向けた外部有識者ヒアリング、水野議員にも御参加いただきましたが、私の友人でもあるベンチャー企業PoliPoliの伊藤和真CEOをお招きいたしました。彼の考え方とか手法は大変参考になりました。入内島県議が、おじさんである自分は意見がありません、なんて言っていましたけれども、あらゆる世代にとって、今の若者はどう考えているかというのは、彼のプレゼンとか受け答えの中で大変勉強になったと思っています。  若者版の作成ということで、ひとつの考え方なんですけれども、総合計画はあらゆる方々の意見、年代層も含めて、これをしっかりと集約してつくりたいと思っております。ひとつの考え方として少し研究させていただきたいと思いますが、いずれにせよ、若者と一緒に総合計画について議論する、そういう場面を動画で発信するとか、そんなことも含めて具体的に検討したいと思います。特に若者政策については、引き続き水野県議のいろんなお知恵をいただければ幸いでございます。 ○井田泉 副議長 水野議員、残り1分26秒です。 ◆水野俊雄 議員 〔資料③提示〕はい。最後の質問になります。ここまでたどり着きました。端的に申し上げます。県庁32階フロアの整備におきまして、障害者の分身ロボット「OriHime(おりひめ)」というものがありますが、こういったものを活用して新たな出会いの場として、これを操作する重度心身障害者の皆さんとそういったイノベーターとが交流できるような、そんな機会をつくるということも知事のコンセプトの中に非常にマッチするのではないかと、こんなふうに考えておりまして、御提案申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 なかなか面白い提案だと思っていまして、都内でこういう障害者の分身ロボットを活用したカフェが期間限定でオープンして、今、公開実験をやっているという例もありますので、ちょっと、先行事例も調べさせていただいて、期間限定で例えば32階にオープンするカフェでこういうことができるか、ちょっと検討させていただきたいと思います。せっかく群馬県でやるならば、OriHime、もう私の友人でも使っている人はいるんですけれども、さらに進めた取組をやってもいいかなという考えもあるんですけど、ちょっと今、時期早尚なんですが、とりあえずOriHimeのことは少し検討させていただければと思います。ありがとうございました。 ◆水野俊雄 議員 ある高崎の方がこうおっしゃっていました。県庁の32階のホールを見上げたときに、そこで重度心身障害の方がロボットを通じて就労していると思うと、それが希望になるではないか、こういうふうにおっしゃっておりました。その方はお身内に重い障害を持っていらっしゃる方がいらっしゃいました。そういう意味では、ぜひとも県民に明るい希望をともすような、そういう県庁舎であっていただきたいということの思いも含めまして、ぜひとも積極的に取組を進めていただきたい、このことを御要望申し上げて質問を終わりたいと思います。今日はありがとうございました。  以上で終わります。(拍手) ○井田泉 副議長 以上で水野俊雄議員の質問は終わりました。  以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、25日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 散     会 ○井田泉 副議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時39分散会...