群馬県議会 2018-06-13
平成30年第2回定例会弱者・高齢者対策特別委員会-06月13日-01号
DET研修としての実施ではないが、例えば「
車いす体験」や「
ブラインドウォーク」、「
高齢者疑似体験」などを実施したり、障害のある方を講師に招いて講話を聴く機会を設けたりしている学校は多い。
県教育委員会としては、学校の実情に応じて、
共生社会の実現を図るために、
DET研修も含めて
社会的弱者の立場に立って考える学習が充実するよう今後も働きかけていきたい。
◆
今泉健司 委員
この研修で気付かされる部分が多くあり、小さいときから学ぶことが重要であるため、早い段階から取り入れていただくことをお願いしたい。
◆
山崎俊之 委員
特別支援教育の総合的な推進について伺う。今年度4月に4地域で
特別支援学校の
高等部が開設した。それぞれの
入学者数や
整備状況はどうか。
◎上原
特別支援教育課長
4月10日に
高等部開設式を行い、沼田8名、藤岡9名、富岡5名、吾妻4名の生徒が入学した。「身近な地域で学ぶ」ことを優先したため、全ての
施設設備が充実している状況ではないが、生徒や
保護者の方には御理解をいただいているところである。
各学校の状況に応じて、校舎の新改築や、旧
高等学校跡地の
整備等に取り組んでいるところである。
◆
山崎俊之 委員
沼田は約10億円、その他3校は約13億円予算計上されているということで、県として力を入れているということで感謝申し上げる。
太田地域での
医療的ケアが必要な
児童生徒の進学先として、
太田高等特別支援学校での受入れについて、
保護者が知事に要望し実現したところであるが、快適な環境で有り難いという感想も聞いている。
太田高等特別支援学校を含めた
医療的ケア支援の状況はどうか。
◎上原
特別支援教育課長
特別支援学校における
医療的ケアは、平成16年に、痰の吸引など一部の行為を
二葉特別支援学校から開始したものである。現在では、看護師27名の体制により、平成30年度から
太田高等特別支援学校で受入れを開始した2名を含め、11校74名の
児童生徒を対象に
医療的ケアを行っている。
太田高等特別支援学校における2名については、一緒に学習する機会を多く設けるなど、他の
高等部生徒とできるだけ触れ合う機会を持てるようにしているところである。
◆
山崎俊之 委員
ハード面だけでなく、
ソフト面もフォローしていただいている状況を伺い、安心した。太田については、来年度4月受入れに向けて新校舎を作っているが、新校舎ができても他の
子どもたちとうまく交流を図っていただきたい。
次に、「
ぐんまで子育て」という冊子を本県の
子育て環境の優位性をPRするために作成するということだが、優位性について挙げていただきたい。
◎吉田
こども政策課長
移住・定住を促進する上で「
子育て環境・支援の充実度」の観点は重要と考え、本年度新たに「
子育て」を切り口とした
移住関係資料を作成したい。
本県の
子育て環境の良さについては、保育所の
待機児童が首都圏に比べかなり少ない、
子ども医療費の無料化は全国1位の手厚さ、無料又は低額で遊べる公園、遊園地、児童館などが
県内各地にある、多様なニーズに応えられる高校、大学、
専門学校がある、といったことが挙げられ、その他
自然環境の豊かさ、物価が安いことなども挙げられる。
掲載内容は、県・
市町村の
各種情報のほか、プロポーザルで選定する
委託業者からの提案や、
子育て家庭からの
情報収集などにより、本県で
子育てをしてみたいと思いたくなるような、
子育て家庭の目線に立ったものとしたい。
◆
山崎俊之 委員
作成時期や部数についてはどうか。
◎吉田
こども政策課長
12月を目処に、A4版50~80ページ程度で持ち運べるものを3万部作成する予定である。
◆
山崎俊之 委員
これをどうPRするかが大事で、リニューアルオープンしたぐんまちゃん家でPRしていただければと思うがいかがか。
◎吉田
こども政策課長
活用方法は、企画部の移住相談会やぐんまちゃん家、ぐんま暮らし支援センターでの活用のほか、Uターンなどが見込める首都圏の大学や企業、里帰り出産などが考えられる県内の産科病院、また県内の結婚式場、各大学など、なるべく目に付きやすいところでの配布を予定している。
移住・定住政策を所管する企画部と連携して、「
ぐんまで子育て」を活用し、「群馬で家族を増やしたくなる」よう、多くの方に本県の
子育て環境の良さをPRしてまいりたい。
△休憩(11:58~)
○
岩上憲司 委員長
暫時休憩いたします。
午後1時から再開します。
(休憩(11:58~12:59))
△再開(12:59~)
○
岩上憲司 委員長
休憩前に引き続き、質疑を続行します。
◆金子渡 委員
子どもの
居場所づくり応援事業について、平成29年度から
貧困対策として始まった事業として認識しているが、昨年度の申請件数と補助実績はどうか。
◎田島
子育て・
青少年課次長
この事業は、
民間団体に対し、
子ども食堂や無料学習塾の新規立ち上げや機能拡充・追加に要する費用を対象とした県単独の
補助事業である。平成29年度の補助実績は、16団体に総額294万8千円を交付した。
◆金子渡 委員
昨年度当初に担当者から話を聞いたが、この事業はあくまでも
貧困対策の施策なので、貧困型と地域交流型の両方がある
子ども食堂のうち、地域交流型は対象ではないということだった。この16団体は全て貧困型の
子ども食堂や
子どもの
居場所づくりの学習塾等という認識で良いのか。
◎田島
子育て・
青少年課次長
この
補助事業については、特に貧困型等の要件は設けていない。誰でも参加できる事業で、
子ども食堂や学習支援の場、遊びを通じて生活習慣を見直す事業などを対象としており、補助対象者について経済的な要件は設けていない。
◆金子渡 委員
昨年度話を聞いた際には、募集要項を整理して募集を始める段階だったので、その後、説明が変わったのだと思う。県単独事業でやるなら色々な団体に使ってもらいたいし、自分の地元にも紹介したいので、担当者に直接話を聞いたわけである。その後、条件が変わったのであれば、そのことを我々に伝えていただかないと困る。今後は丁寧な説明をお願いしたい。
今年度の申請状況はどうか。
◎田島
子育て・
青少年課次長
平成30年度については、4月27日を提出期限として募集し、現在申請内容を審査中である。追加募集については、予算の状況を踏まえ、検討したい。
◆金子渡 委員
この補助を受けると、
子ども食堂であれば材料費しか徴収できないという制限はあるということだが、事業立ち上げの際に補助を受けられるのは非常に有り難いし、補助を受けるからには制約が付いても仕方ないと思っている。昨年度はほぼ全額を予算執行しているので、今年度も予算残があれば、しっかり告知をして追加募集をし、有意義に取り組んでいただきたい。
◆井田泉 委員
全国に
買物弱者は600~700万人いると言われている。県では
買物弱者サポート事業をしているが、県内にはどのくらい
買物弱者がいるのか。
◎平井
介護高齢課長
買物弱者の数は把握していないが、ひとり暮らし
高齢者については、毎年6月1日を基準日とした「ひとり暮らし
高齢者基礎調査」を実施し、その数を把握している。
従来は調査対象を65歳以上としていたが、平成29年度から対象者の年齢を70歳以上に引き上げて実施しており、70歳以上で比較すると、27年度が49,568人、28年度が50,757人、29年度が53,427人と年々増加している。
平成29年度の調査結果では、日常生活に支障はなく一人で外出できる方が71.7%、何らかの病気はあるが、隣近所なら外出できる方が16.5%となっている。
◆井田泉 委員
住んでいる場所により状況は違うと思うが、買物したいが行けない方や、家族も近くにいないという方に向け、国も色々と計画を立てている。実施主体は
NPO法人や
市町村だと思うが、
買物弱者に対する支援について、県はどのように考えているか。
◎小島
交通政策課次長
別の調査によると、群馬県の65歳以上の
買物弱者は、2015年の農林水産省調べで10万3千人、65歳以上人口に占める割合は19.1%である旨、新聞で報道されている。
昨年度、運転免許返納
高齢者を対象に行った生活実態アンケート調査では、返納者の買物の移動は家族送迎が大半を占めており、
公共交通の利便性向上等を求める声が上げられていた。これを踏まえ、県では免許返納者にまず必要なことは
移動手段の確保と考え、「交通まちづくり戦略」に基づき、「自動車以外の
移動手段も選択できる社会」の実現に向け、取組を始めている。
◆井田泉 委員
県が各
市町村の事業を把握しているということだが、
市町村が乗り合いタクシーなどを行っているものの、
公共交通網が脆弱なことは
買物弱者にとって死活問題である。移動販売は今後重要な位置付けとなると思うが、スーパー等と連携した取組を県が
市町村と協力して行うべきと考えるがどうか。
◎小島
交通政策課次長
買物弱者対策は、産業経済部商政課で取り組んでおり、「買い物弱者支援商業
モデル事業」では、移動販売や買物送迎などに補助を行っている。
◆井田泉 委員
県が
買物弱者について把握することが重要なので、
市町村と連携を密にしてやっていただきたい。
買物弱者は増えていくので、早めの対策を立て、
高齢者が困ることのないようにしていきたい。
◆臂泰雄 副
委員長
経済的困窮者は弱者ということで、本県の生活保護世帯の状況について伺いたい。
◎上原
健康福祉課地域福祉推進室長
直近の平成30年4月現在の被保護世帯数は、12,348世帯、被保護人員は14,996人となっている。
前年同月との比較では、被保護世帯数は69世帯の増加(0.6%の増加)、被保護人員は138人の減少(0.9%の減少)となっている。
また、保護率は0.77%で、全国順位は低い方から7番目となっている。
生活保護は経済情勢に大きく左右され、バブル経済の崩壊やリーマンショックにより、被保護世帯は急増したが、平成23年度からは緩やかな増加傾向が続いている。
◆臂泰雄 副
委員長
世の中の経済状況によって変化しているということだが、
単身高齢者の世帯が増えていく中で、保護世帯も増えていると思う。特徴的な部分とその対応を伺いたい。
◎上原
健康福祉課地域福祉推進室長
保護停止中を除いた世帯類型別では、
高齢者世帯が7,251世帯(59.2%)と全体の約6割を占めており、傷病者世帯1,615世帯(13.2%)、
障害者世帯1,435世帯(11.7%)、母子世帯366世帯(3.0%)、その他世帯1,577世帯(12.9%)となっている。高齢化が進む中で、
単身高齢者世帯の増加が顕著である。
◆臂泰雄 副
委員長
高齢者世帯が約6割ということだが、今後この世帯が減少することはないので、今の保護制度を適用していくしかないと思う。母子世帯、その他世帯では就業を促すなど、自立に向けて様々な働きかけができると思うが、自立を促すための取組はどうか。
◎上原
健康福祉課地域福祉推進室長
平成27年に施行された生活困窮者自立支援法等に基づき、生活に困窮する母子世帯やその他世帯の方々などへの支援として、就労支援や住宅の確保などに取り組んでいる。
◆臂泰雄 副
委員長
母子世帯で
子どもがいるために働けないという状況がないように、保育所を含め様々な施設を利用できるように、また経済的負担がなく預けられるようになることで、しっかり働けるようにするとか、様々な取組があると思う。そのこと以外に生活保護世帯を減らしていくことはできないので、自立を促す制度を活用しながら、働きやすい環境を作るような施策に取り組んでいただきたい。
同じく経済的困窮者の中で、児童の6人に1人は貧困と言われているが、この状況はどうか。
◎田島
子育て・
青少年課次長
世帯年収が300万円未満の割合は、平成28年度に行った青少年基本調査では、全体で14.8%、また、同年度に実施したひとり親世帯等調査では、母子世帯で81.5%、父子世帯で56.7%となっている。
◆臂泰雄 副
委員長
この結果に対し、
子どもたちの貧困の連鎖を防ぐため、県としての取組はどうか。
◎田島
子育て・
青少年課次長
平成28年度に実施した
子どもの生活実態調査では、「経済的困窮」だけでなく、「親子の関わり」の不足が生活習慣の乱れや学力の遅れに影響を与えていること、また、支援を必要とする親子や家庭に支援や情報が届かない「親の孤立」といった問題が見えた。
子どもの
居場所づくりや学習支援を進めるとともに、県庁内関係部局や
市町村、
民間団体と連携・協働して、
子どもの
貧困対策に取り組みたい。
◆臂泰雄 副
委員長
困窮世帯は情報も困窮している。様々な制度が用意されていても、そこにたどりつかない、あるいは自分が使えるメニューが分からないこともあると思う。今ある制度でも困窮から抜け出すきっかけになるものがあると思うので、
教育委員会や関係団体と連携して取り組んでいただきたい。
○
岩上憲司 委員長
以上で、質疑を終了いたします。
△閉会中継続審査(調査)特定事件の決定
○
岩上憲司 委員長
次に、
委員会が閉会中審査又は調査する案件については、お手元に配付してある案のとおりでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
それでは、さよう決定いたします。
△その他
○
岩上憲司 委員長
次に、
委員会調査の実施についてであります。
5月25日に開催された正副
委員長会議において、本
委員会の県外調査は、9月4日(火)から6日(木)の日程で実施することになりました。
ついては、調査実施に関して、この後、散会後に委員の皆様に少しお残りいただき、
意見交換をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
なお、最終的な調査の決定については、正副
委員長に御一任願います。
また、先ほどの質疑の中で、井田(泉)委員、加賀谷委員の質問に対する答弁者がいなかったことがありますので、そういったことがあった場合、
委員会として要請していきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◆井田泉 委員
答弁者がいないのであれば、適宜対応をお願いしたい。
○
岩上憲司 委員長
そういう場面があったら、次回から
委員会として正式に出席要請をするということで確認しておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
その他、何かございますか。
(「なし」の声あり)
△散会
○
岩上憲司 委員長
以上をもちまして、本
委員会で審議すべき案件は終了いたしました。
これにて散会いたします。ありがとうございました。
(13:31終了)
委員会記録署名委員
弱者・
高齢者対策特別委員会
委員長 岩上 憲司...