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令和 2年 第1回 定例会-02月17日-01号
令和 2年 第1回 定例会−02月17日-目次

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  1. 群馬県議会 2020-02-17
    令和 2年 第1回 定例会-02月17日-01号


    取得元: 群馬県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年 第1回 定例会-02月17日-01号令和 2年 第1回 定例会     午前10時30分開演 ◎吉澤幸夫 議会事務局長 ただいまから、令和2年第1回定例会の開会に先立ち、群馬交響楽団による議場演奏を行います。なお、演奏曲目につきましては、お手元に配付してあります資料の最終頁に御紹介しております。  指揮者大井剛史さんです。それでは、よろしくお願いいたします。(拍手)          ──────────────────────────             ヨハン・シュトラウスⅡ世/喜歌劇《こうもり》序曲を演奏(拍手)          ────────────────────────── ◎大井剛史 指揮者 皆様、おはようございます。今日はこのような場所で演奏させていただけますこと、大変うれしく、また名誉に思っております。ひとときの間ではありますが、どうぞ音楽をごゆっくりとお楽しみください。本日の演奏、あらためてご紹介するまでもないとは思いますが、群馬県の宝、群馬交響楽団です。大きな拍手をお願いいたします。(拍手)そして私は本日の指揮とお話を務めさせていただきます大井剛史と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  ただいま演奏いたしましたのは、ヨハン・シュトラウスⅡ世が書いたオペレッタ《こうもり》の序曲でございました。この物語の主人公アイゼンシュタインは、朝までパーティーで飲めや歌えやの大騒ぎをして、朝になると実はそこに大変な仕掛けがあって、朝になると大変な目に遭うというおもしろおかしな話ですけど、皆様におかれましては健やかな朝をお迎えになられているでしょうか。群馬交響楽団は今年で創立75周年を迎えます。戦後の歴史そのものと言っていいと思います。群馬県の多くの力に支えられ、また支持をいただきまして今日があるわけでございます。現在は日本を代表する指揮者小林研一郎先生、私の師匠の師匠でもありますが、ミュージックアドバイザーを務めていらっしゃいます。小林先生は今年で生誕80周年、80歳でございますが、私より体力があります。  そして次に演奏しますのは、今年生誕250年を迎えた作曲家ベートーヴェンの最も有名な曲と言ってもいいと思いますが、交響曲第5番「運命」の第1楽章です。群馬交響楽団の活動の大きな柱の一つに移動音楽教室と言いまして、県内各地の様々な学校やホールを訪れて小学生、中学生、高校生などに音楽を聴いていただくという素晴らしい授業がございますけど、その定番と言っていい曲でもあります。それではその「運命」の第1楽章をお聴きください。          ──────────────────────────             ベートーヴェン交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」第1楽章を演奏(拍手)          ────────────────────────── ◎大井剛史 指揮者 今日のこのコンサートのように指揮をしながらお話をさせていだだく機会というのはしばしばあるのですが、この曲の後にお話しするのはいつもちょっと大変なんです。そのくらい集中力とエネルギーを使う曲です。さて人間の感情というものは、今の「運命」に描かれたように強く、強い音量で声高に主張するものだけが強いとは言えないと思います。次に演奏する曲は今の曲とがらりと雰囲気が変わりまして、イギリスの作曲家エルガーが書きました「愛の挨拶」という曲ですが、この曲は簡単に言うと静かな曲です。しかし、だからといって感情が弱い曲では全然ありませんで、当時の婚約者に送った作品なんですけれど、そこにはエルガーの今のベートーヴェンの作品とは性質が違うかもしれませんが、その内面の強さにおいては、今のベートーヴェンの作品に勝るとも劣らない感情の強さが中に秘められた曲だと思います。エルガーはその後無事にこの曲を送った相手と結婚できましたので、もし別れていたら破って捨てていたかもしれないのですけど、この美しい曲が後世に残りました。それでは「愛の挨拶」をお聴きください。          ──────────────────────────             エドワルド・エルガー/愛の挨拶 作品12を演奏(拍手)          ────────────────────────── ◎大井剛史 指揮者 ありがとうございます。次の曲がはやくも最後の曲となってしまいましたが、本日最後に演奏します曲は、ヨハン・シュトラウスⅠ世、先ほどの《こうもり》を書いたそのお父さんが書きました、ラデツキー行進曲です。この作品はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが毎年、お正月の夜にテレビで放映されますが、そのコンサートでもアンコールの定番でして、指揮者の合図に合わせてお客様も手拍子をするという曲でございます。群響のコンサートでもアンコールの定番でございまして、つい先日も伊勢崎市の小学生、群馬交響楽団コンサートで私が指揮させていただいて、小学生が本当に手拍子をしてくれていつも楽しい時間を過ごすのですけど、今日は是非皆様に手拍子でご参加いただきたいと思っております。本日はありがとうございます。群馬交響楽団、本当に日本の宝だと思いますのでこれからも是非よろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。(拍手)          ──────────────────────────
                ヨハン・シュトラウスⅠ世/ラデツキー行進曲を演奏(拍手)          ────────────────────────── ◎吉澤幸夫 議会事務局長 以上をもちまして群馬交響楽団の演奏を終わります。群馬交響楽団の皆様、素晴らしい演奏をありがとうございました。続いて本会議の開会となりますが、準備が整うまでしばらくお待ちください。(拍手)      午前10時59分終演 群馬県議会会議録  第1号 令和2年2月17日        出席議員 47人 欠席議員 2人 欠員 1人    中沢丈一  (出 席)       久保田順一郎(出 席)    星野 寛  (出 席)       岩井 均  (出 席)    狩野浩志  (出 席)       福重隆浩  (出 席)    橋爪洋介  (出 席)       星名建市  (出 席)    伊藤祐司  (出 席)       角倉邦良  (出 席)    井田 泉  (出 席)       水野俊雄  (出 席)    後藤克己  (出 席)       中島 篤  (欠 席)    萩原 渉  (出 席)       あべともよ (出 席)    岸 善一郎 (出 席)       臂 泰雄  (出 席)    井下泰伸  (出 席)       酒井宏明  (出 席)    金井康夫  (出 席)       金子 渡  (出 席)    安孫子 哲 (出 席)       藥丸 潔  (出 席)    小川 晶  (出 席)       伊藤 清  (出 席)    大和 勲  (出 席)       川野辺達也 (出 席)    本郷高明  (出 席)       穂積昌信  (出 席)    井田泰彦  (出 席)       加賀谷富士子(出 席)    泉沢信哉  (出 席)       多田善洋  (出 席)    今泉健司  (出 席)       松本基志  (欠 席)    斉藤 優  (出 席)       大林裕子  (出 席)    森 昌彦  (出 席)       八木田恭之 (出 席)    入内島道隆 (出 席)       矢野英司  (出 席)    高井俊一郎 (出 席)       相沢崇文  (出 席)    神田和生  (出 席)       金沢充隆  (出 席)    亀山貴史  (出 席)       秋山健太郎 (出 席)    牛木 義  (出 席) 説明のため出席した者の職氏名    知事         山本一太    副知事        津久井治男    副知事        宇留賀敬一    教育長        笠原 寛    選挙管理委員長    宮下智滿    人事委員長      森田 均    代表監査委員     丸山幸男    公安委員長      金子正元    警察本部長      松坂規生    企業管理者職務代理者 松島賢治    総務部長       星野恵一    企画部長       友松 寛    生活文化スポーツ部長 角田淑江    こども未来部長    吉田 誠    健康福祉部長     武藤幸夫    森林環境部長     桑原雅美    農政部長       吉野 努    産業経済部長     鬼形尚道    県土整備部長     岩下勝則    危機管理監      横室光良    会計管理者      入内島 敏 彦    病院局長       志村重男    財政課長       田中序生 職務のため出席した者の職氏名    局長         吉澤幸夫    総務課長       得地雅彦    議事課長       高田 隆    議事課次長      今泉一幸    議事課係長      川村正洋    議事課主幹      高橋良彦    議事課主幹      大山浩史      令和2年2月17日(月)                   議  事  日  程 第 1 号 第1 議席の一部変更 第2 会議録署名議員の指名 第3 会期の決定 第4 議案の上程    ・第1号議案から第97号議案について    ・承第1号について                            以 上 知 事 提 出                             (提 案 説 明)     午前11時2分開会    開会のあいさつ           (狩野浩志議長 登壇) ○狩野浩志 議長 皆さん、こんにちは。県議会議長狩野浩志でございます。  開会に当たり、御挨拶を申し上げます。  本日ここに、令和2年第1回定例会が招集されましたところ、議員各位には、御参集賜り、御礼を申し上げます。  また、閉会中においては、各委員会における調査をはじめ、各般にわたり活発な議会活動を行っていただき、県政推進に御尽力されましたことに対して、厚く御礼を申し上げます。  さて、年末から年明けにかけて、本県スポーツ界では、サッカーのザスパクサツ群馬のJ2昇格、バレーボールのVリーグ女子2部における群馬銀行グリーンウイングスの初優勝、さらには、第92回選抜高校野球大会における高崎健康福祉大学高崎高等学校桐生第一高等学校の県勢2校の出場決定など、明るい話題が相次ぎました。  このような県民に大きな喜びを与えた快挙に対し、心からお祝いを申し上げますとともに、今後のさらなる御活躍を期待いたしております。  一方、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、日本国内においても感染者の増加が続いております。県議会といたしましても、県内における感染者の発生に備えた対策とともに、この感染症による社会的、経済的な影響への対応についても、関係機関と連携を図りながら、機動的かつ全力で取り組んでまいります。  今期定例会では、令和2年度の当初予算案をはじめとする重要案件が予定されております。  議員各位には、慎重審議のうえ、適切な議会運営に努められますとともに、あわせて、執行部並び報道機関の皆様の御協力をお願い申し上げ、開会の挨拶といたします。(拍手)  ● 開会並びに開議 ○狩野浩志 議長 ただいまから令和2年第1回定例会を開会いたします。  直ちに本日の会議を開きます。  ● 議席の一部変更 ○狩野浩志 議長  △日程第1、議席の一部変更を行います。  本件につきましては、会議規則第4条第3項の規定により、氏名標のとおりといたします。          ──────────────────────────  ● 諸般の報告 ○狩野浩志 議長 次に、諸般の報告をいたします。  図書広報委員について、牛木義議員に代わり酒井宏明議員を指名いたしましたので、御了承願います。  次に、欠員が生じました基本条例推進委員につきましては、八木田恭之議員が選任されましたので、御報告いたします。  次に、閉会中、各委員会から調査のため委員派遣承認の要求があり、あらかじめお手元に配付しておきました一覧表のとおり承認いたしましたので、御一覧願います。
             ──────────────────────────                  委員派遣要求承認一覧表 ┌───────┬─────────────────────────┬────┬─────┐ │委員会名   │調査目的                     │調査場所│年月日  │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │総務企画   │○地域づくりの推進について            │東京都 │2.1.21│ │常任委員会  │                         │    │     │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │厚生文化   │○芸術文化の振興と文化づくりの推進について    │埼玉県 │2.1.29│ │常任委員会  │○スポーツ振興について              │    │     │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │農林環境   │○林業振興対策について              │北群馬郡│2.1.24│ │常任委員会  │○環境対策について                │安中市 │     │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │産経土木   │○観光物産の振興について             │館林市 │2.1.29│ │常任委員会  │                         │    │     │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │文教警察   │○警察体制の確立について             │前橋市 │2.1.21│ │常任委員会  │                         │    │     │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │防災・減災対策│○危機管理体制について              │吾妻郡 │元.12.10│ │特別委員会  │○地域防災対策について              │    │     │ │       │○災害時における関係機関との連携・協力体制について│    │     │ │       │○災害に強い県土を築く防災・減災対策について   │    │     │ ├───────┼─────────────────────────┼────┼─────┤ │まちづくり戦略│○公共交通に関すること              │前橋市 │元.12.11│ │特別委員会  │○次世代都市交通システムに関すること       │    │     │ └───────┴─────────────────────────┴────┴─────┘          ────────────────────────── ○狩野浩志 議長 次に、監査委員から監査の報告等がありました。一覧表をあらかじめお手元に配付しておきましたので、御一覧願います。          ──────────────────────────                   監査報告等一覧表 ┌────────────┬────────┬─────────────────────────────┐ │監査の種類       │報告年月日   │監 査 対 象 機 関 等                │ ├────────────┼────────┼─────────────────────────────┤ │            │令和元年11月27日│○普通会計           令和元年度 令和元年月分│ │            │        │○公営企業会計企業局所管)  令和元年度 令和元年月分│ │            │        │○公営企業会計病院局所管)  令和元年度 令和元年月分│ │            ├────────┼─────────────────────────────┤ │            │令和元年12月18日│○普通会計           令和元年度 令和元年10月分│ │            │        │○公営企業会計企業局所管)  令和元年度 令和元年10月分│ │例月現金        │        │○公営企業会計病院局所管)  令和元年度 令和元年10月分│ │            ├────────┼─────────────────────────────┤ │出納検査        │令和2年1月22日 │○普通会計           令和元年度 令和元年11月分│ │(地方自治第235条の2)│        │○公営企業会計企業局所管)  令和元年度 令和元年11月分│ │            │        │○公営企業会計病院局所管)  令和元年度 令和元年11月分│ │            ├────────┼─────────────────────────────┤ │            │令和2年2月10日 │○普通会計           令和元年度 令和元年12月分│ │            │        │○公営企業会計企業局所管)  令和元年度 令和元年12月分│ │            │        │○公営企業会計病院局所管)  令和元年度 令和元年12月分│ ├────────────┼────────┼─────────────────────────────┤ │            │令和元年12月24日│○請求内容                        │ │住民監査請求      │        │ 選挙公営費の返還を求めるもの              │ │            ├────────┼─────────────────────────────┤ │(地方自治第242条)  │令和2年1月22日 │○請求内容                        │ │            │        │ 即位礼正殿の儀参列に係る知事慶弔費等の返還について   │ └────────────┴────────┴─────────────────────────────┘          ──────────────────────────  ● 新任者の紹介 ○狩野浩志 議長 次に、令和元年12月27日付をもって就任されました選挙管理委員を御紹介いたします。  宮下智滿委員長大宮登委員長職務代理者中村京子委員小野垣義男委員。  ただいま御紹介申し上げました選挙管理委員4人を代表いたしまして、委員長から就任の御挨拶をいただきます。  宮下智滿委員長御登壇願います。           (宮下智滿選挙管理委員長 登壇) ◎宮下智滿 選挙管理委員長 選挙管理委員会委員長の宮下でございます。委員を代表いたしまして、一言御挨拶申し上げます。  私ども4人の委員は、昨年12月の定例県議会におきまして、図らずも群馬県選挙管理委員に選任していただき、12月27日付をもって就任したところでございます。この職を与えられましたことは、私どもにとりまして誠に光栄であります。一方、その責任の重さを痛感いたしているところでございます。私ども委員4人、一致協力いたしまして、公平、公正な選挙の執行と、政治意識のさらなる向上に向けて、誠心誠意努めてまいる所存でございます。  皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  ● 会議録署名議員の指名  会議録署名議員は、会議規則第127条の規定により、議長において、井下泰伸議員金井康夫議員藥丸潔議員を指名いたします。  ● 会期の決定 ○狩野浩志 議長  △日程第3、会期決定の件を議題といたします。  お諮りいたします。  今期定例会の会期は、本日から3月18日までの31日間といたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○狩野浩志 議長 御異議なしと認めます。よって、会期は31日間と決定いたしました。  ● 議案の上程 ○狩野浩志 議長  △日程第4、第1号から第97号までの各議案及び承第1号を一括して議題といたします。  議案は、あらかじめお手元に配付しておきました。  ● 提 案 説 明 ○狩野浩志 議長 知事から提案理由の説明を求めます。           (山本一太知事 登壇) ◎山本一太 知事 令和2年第1回定例県議会の開会に当たり、令和2年度当初予算案をはじめ、提出議案の大要について御説明を申し上げますとともに、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べます。  知事に就任して半年間、毎日が緊張の連続、決断の連続でした。就任後、間もなくCSF問題が深刻化し、国や市町村とも連携をして、防護柵設置ワクチン接種など、様々な対策に取り組んでまいりました。最近では、新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっていることから、医療機関との連携体制を整えるとともに、感染症専門家による有識者会議を設置することといたしました。  また、10月には台風第19号により4名の方々が亡くなるなど、県内各地において大きな被害が発生いたしました。県外では、台風第19号に加えて、九州北部を中心とした豪雨、台風第15号などにより、河川の氾濫や大規模な停電など、近年まれに見る大災害に見舞われたところです。今後、このような自然災害は毎年のようにやってくると想定をしたうえで、県民の安全・安心を確保することが県政の最重要課題であることを改めて認識させられました。  これら相次ぐ気象災害を踏まえ、都道府県初気象災害非常事態宣言や、ぐんま5つのゼロ宣言(2050宣言)、県土整備プラン見直し方針について、12月に発表させていただきました。現在、策定作業を進めている総合計画にもこのことを盛り込んでいく考えです。  一方で、昨年10月に取りまとめた中期財政見通しでは、今後、毎年200億円前後の財源不足が見込まれることを明らかにし、行財政改革を通じて、財政調整基金の取崩しや、過度な県債発行に頼らない財政運営を目指す方針を示しました。県民の幸福度向上に向けた必要な施策を進めるため、必要な予算はしっかりと確保する一方で、財政の健全性の確保にも留意しなければなりません。  人口が減少する中で、社会保障や防災・減災対策に取り組んでいく財源を生み出すためには、本県に新たな富を生み出すための新たな取組も進めなければなりません。群馬県は今、こうした難しいかじ取りを強いられている状況にあります。このような情勢の中で、知事就任後初めてとなる本格的な予算編成に臨みました。  当初予算の編成に当たっては、県民の幸福度向上のための施策はスピード感を持って取り組むとともに、県民の安心を支えるために必要な施策は工夫しながら継続するという方針で臨みました。思い切った事業の見直しにより、財政の健全性の確保に向けた一歩を踏み出しつつ、県民の幸福度の向上に向けた新たな取組を推進するための予算であるとの思いを込めて、「改革+創造予算」、「新群馬創生始動予算」、「前例踏襲脱却予算」と命名をさせていただきました。  令和2年度の一般会計当初予算の総額は7,451億2,800万円です。防災・減災対策をはじめとした県民の安全・安心を支えるための取組や、本県に富を生み出すための新たな取組など、県民の幸福度の向上に向けた施策をしっかりと盛り込んだ予算ができたと考えています。  当初予算の主な財源についてですが、令和2年度の県税収入は、消費税率の引上げにより地方消費税が増加する一方で、法人関係税の落ち込みなどの影響も勘案し、令和元年度当初予算に比べて15億円の増となる2,465億円と見込んだところです。  また、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税については、地方財政対策における伸び率等から、令和元年度当初予算に比べ26億円増の1,689億円となる見込みです。  また、社会保障関係費の増加が今後も見込まれる一方で、県民の幸福度向上のために必要な施策に取り組むため、地方創生推進交付金などの国庫支出金、ふるさと納税をはじめとする民間資金の活用などにより財源の確保に努め、予算を編成したところです。  それでは、令和2年度予算の重点施策について、4本の柱に沿って申し上げます。  1つ目の柱は、「災害に強く、安心な暮らしと安定した経済活動の実現」です。  激甚化する気象災害に対応するため、ハードとソフトが一体となった防災・減災対策を加速させる必要があります。災害レジリエンスNo.1の実現に向け、令和2年度からの5か年で集中的、緊急的に防災・減災対策を推進してまいります。  ぐんま5つのゼロ宣言を着実に推進するため、ぐんま再生可能エネルギープロジェクトの推進、水力発電所の整備のほか、プラスチックごみや食品ロス削減に向けた普及啓発などに取り組んでまいります。
     また、若手医師の確保や医師の偏在解消に取り組む、ドクターズカムホームプロジェクトの推進や、健康寿命の延伸に向けた健康ポイント制度の導入検討に取り組むとともに、児童虐待への対応を強化するため、他県よりも一歩踏み込んだ形での児童虐待防止条例の制定を目指してまいります。  2つ目は、「群馬県の魅力とブランド、ライフスタイルの構築と発信」です。  ぐんまちゃんを世界に売り込むプロモーションツールとして、アニメーション動画を製作、配信し、ぐんまちゃんのブランド力を強化してまいります。  トップ外交の展開では、覚書を締結しているベトナムにおいて、先ほど演奏していただきました群馬交響楽団の公演等を行い、これまでの経済・人材交流のほか、文化交流にも踏み込んでまいります。  また、中国への農畜産物輸出解禁も視野に入れながら、県産農畜産物の海外での販路開拓を進めるため、トップセールスを行います。  観光誘客・インバウンド推進では、個人旅行客に対応するため、中国のSNSであるウェイボーなどと連携し、デジタル媒体によるプロモーションや、ITを活用した受入れ環境の整備を実施いたします。  この1月に取りまとめた多文化共生・共創「群馬モデル」を推進するための取組も行ってまいります。外国人材の円滑な受入れのため、ベトナムでの合同企業説明会や、外国人雇用全般に係る企業相談などを行います。新たな「多文化共生県ぐんま」を実現するため、外国人児童・生徒への教育環境の整備などにも取り組んでまいります。また、共に創る共創により、日本人・外国人住民が共に輝くため、外国人の県内定住や起業の支援を行います。  3つ目の柱は、「共創とデータ活用による新しいリソースの創出」です。  これからの公共は、行政だけではなく、民間企業や教育機関、NPOなど、多様な主体と共に進めていかなければなりません。ICT等による地域課題解決に向け、民間の知恵や資金を活用して実証事業を実施し、県、市町村や民間企業等と共にイノベーションを創発してまいります。  加えて、いわゆるエピソードベースではない、科学的なデータに基づく行政の推進を心がけていきたいと考えています。  動画・放送スタジオでは、県政情報や県の魅力を伝える動画を職員が中心となって、ローコストかつスピーディーに制作、配信し、インターネットを中心とした情報発信を大幅に強化してまいります。  4月に群馬コンベンションセンター(Gメッセ群馬)が開所します。オープニングイベントを開催し、県内外に周知するとともに、施設を核として、コンベンション産業の振興に取り組んでまいります。  G-アナライズ&PRでは、健康をキーワードに県産農畜産物の成分分析を行い、その成果を消費者に発信することで販売促進につなげ、消費者の反応を生産現場に活かしていくサイクルをつくりたいと考えております。  最後は、「財政の健全性の確保」です。  県民の幸福度を向上させるために必要な取組を進めるとともに、災害時に万全の対応ができるようにしておくためには、財政の健全性の確保は極めて重要です。そのため、熟慮断行の方針に基づき、時代の変化や費用対効果、他県との比較や役割分担等の観点から、242件の見直しを行い、約13億6,000万円の歳出を削減いたしました。その結果、災害発生時等の緊急的な財政出動への備えとして重要な財政調整基金の残高については、令和元年度当初予算編成時点の残高を37億円上回る52億円確保いたしました。  また、投資的経費を抑制し、臨時財政対策債や減収補てん債を除く県債については、発行額は164億円、県債残高は4億円、それぞれ削減し、財政の健全性にも配慮した予算編成を行いました。  知事就任後、最初の当初予算編成において、財政の健全性の確保に向けた一歩を何とか踏み出すことができました。しかしながら、取組は始まったばかりです。事業の見直しや、県有施設のあり方見直しについて、引き続き検討を進め、さらなる財政の健全性の確保に努めてまいります。  以上、当初予算の重点施策について御説明を申し上げましたが、こうした施策を強力に推進するため、組織も大幅に再編をさせていただきます。  まず、新・群馬の創造に向けた取組の司令塔として、政策立案や情報発信、トップセールスなどを強力に推進するため、知事戦略部を新設いたします。  次に、ぐんま暮らしのブランド化により移住促進を図るとともに、文化、スポーツにより活力ある地域づくりを推進するため、地域創生部を新設します。  さらに、児童虐待対策とDV対策の連携を強化するなど、安全で質の高い県民生活と子育て環境を実現するため、生活こども部を新設いたします。  このほか、経済活性化の起爆剤となる新たなコンテンツを発掘、育成し、国内外へ戦略的に売り込むため、産業経済部に戦略セールス局を新設いたします。  また、ぐんま5つのゼロ宣言の実現に向けて、地球温暖化対策、災害に備えたエネルギー政策、循環型社会の構築を強力に推進するため、環境部門の組織を強化いたします。  新たな組織体制によって、新たなプライドを醸成し、そして、県民の幸福度を向上させることで、さらに輝く新・群馬をつくってまいりたいと思います。  続いて、特別会計については、母子父子寡婦福祉資金貸付金会計など11件を、企業会計については、流域下水道事業会計など7件を提出しております。  事件議案は42件提出をさせていただいています。第16号議案は、公文書の適正な管理並びに特定歴史公文書等の適切な保存及び利用について定めようとするものです。第17号議案は、令和10年度の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、財政負担の平準化を図るための基金を設置しようとするものです。第19号議案は、流域下水道事業に地方公営企業を適用するとともに、必要な事項を定めようとするものです。第21号議案は、知事部局に知事戦略部を設置するなどの組織改正を行おうとするものです。  続いて、令和元年度関係について、予算関係では14件を提出しております。このうち、一般会計補正予算案については、国の補正予算に伴い、防災、減災に係る公共事業の増額など、所要の補正を行うものです。また、地方創生拠点整備交付金事業を活用し、県庁舎32階を、多様な人々が常に集まり、交流することで、次々に新しいリソースが生まれ、発信される空間にしていくため、カフェやイノベーションエリアを備えた場所に整備いたします。  事件議案としては、群馬コンベンションセンター太陽光発電所を設置しようとするものなど、23件を提出しております。  以上、重点的な施策について御説明を申し上げました。  今回の予算編成に当たりましては、各部局の意見を丁寧に聴き、若手職員の意見も吸い上げるなど、非常に多くの時間を費やし、濃密な議論を重ねてまいりました。知事である私はもちろんのこと、両副知事を含む県庁幹部、一致協力して、タイムリーな政策決定を心がけ、スピーディーな作業を積み重ねてまいりました。県職員の皆さんにも、これまでの思考回路、いわゆるマインドセットを変えて、全面協力していただきました。今後も引き続き、新たな時代に対応した施策を検討し、ひとつひとつの事業を見直し、群馬県の未来に責任を持った、スピード感ある県政の展開を図ってまいりたいと思います。同時に、こうした新しい仕事の文化を県庁内に創り上げたいと考えております。  今年は、群馬県が飛躍するきっかけとなる新たな舞台装置ができる1年だと考えています。4月には高崎にGメッセ群馬が開所し、県庁32階の動画・放送スタジオも稼働を始めます。また、永年の悲願であった八ッ場ダムの運用、群馬デスティネーションキャンペーンも始まります。10月には、群馬県全体を動かす基本方針として、おおむね20年後を見据えた長期のビジョンと、今後重点的に取り組む具体的な政策を体系化した10年の基本計画から成る新たな総合計画を策定いたします。  令和2年も全身全霊で知事の仕事に取り組んでまいる覚悟ですが、行政の力だけでは県民の幸福度を向上させることはできません。新しい群馬の創造のために、引き続き県議会並びに県民の皆様方の御支援と御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。  県議会の開会に当たり、県政推進に当たっての所信の一端を申し述べるとともに、議案の大要について御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議のうえ、御議決くださいますようお願い申し上げます。 ○狩野浩志 議長 知事の提案説明は終わりました。  議案の末尾に報第1号の報告書が記載されておりますので、御一覧願います。  ● 意見の聴取 ○狩野浩志 議長 ただいま上程された議案のうち、第14号、第22号及び第41号の各議案につきましては、地方公務員第5条第2項の規定により、人事委員会に意見の聴取を行います。  また、第14号及び第15号の各議案につきましては、地方自治第243条の2第2項及び地方独立行政法人第19条の2第5項並びに地方自治等の一部を改正する法律附則第2条第7項及び第4条第6項の規定により、監査委員に意見の聴取を行います。  また、第21号議案につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第2項及び第55条第4項の規定により、教育委員会に意見の聴取を行います。  ● 請願の常任委員会付託 ○狩野浩志 議長 次に、2月10日までに受理した請願は、お手元に配付の請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  なお、2月10日までに受理した陳情は、お手元に配付の陳情書参考送付一覧表のとおり、所管の常任委員会に参考送付いたします。  ● 休会の議決 ○狩野浩志 議長 お諮りいたします。  明18日から20日までの3日間は議案調査のため本会議を休会にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○狩野浩志 議長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、2月21日午前10時から再開し、党(会)派代表により上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  ● 散     会 ○狩野浩志 議長 本日はこれにて散会いたします。     午前11時31分散会...