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令和 元年 第3回 定例会-09月25日-03号

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  1. 群馬県議会 2019-09-25
    令和 元年 第3回 定例会-09月25日-03号


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    令和 元年 第3回 定例会-09月25日-03号令和 元年 第3回 定例会 群馬県議会会議録第3号 令和元年9月25日         出席議員 50人 欠席議員 0人 欠員 0人    中沢丈一    (出 席)    久保田順一郎  (出 席)    星野 寛    (出 席)    岩井 均    (出 席)    狩野浩志    (出 席)    福重隆浩    (出 席)    橋爪洋介    (出 席)    岩上憲司    (出 席)    星名建市    (出 席)    伊藤祐司    (出 席)    角倉邦良    (出 席)    井田 泉    (出 席)    水野俊雄    (出 席)    後藤克己    (出 席)    中島 篤    (出 席)    萩原 渉    (出 席)    あべともよ   (出 席)    岸 善一郎   (出 席)    臂 泰雄    (出 席)    井下泰伸    (出 席)    酒井宏明    (出 席)    金井康夫    (出 席)    金子 渡    (出 席)    安孫子 哲   (出 席)    藥丸 潔    (出 席)    小川 晶    (出 席)    伊藤 清    (出 席)    大和 勲    (出 席)    川野辺達也   (出 席)    本郷高明    (出 席)    穂積昌信    (出 席)    井田泰彦    (出 席)
       加賀谷富士子  (出 席)    泉沢信哉    (出 席)    多田善洋    (出 席)    今泉健司    (出 席)    松本基志    (出 席)    斉藤 優    (出 席)    大林裕子    (出 席)    森 昌彦    (出 席)    八木田恭之   (出 席)    入内島道隆   (出 席)    矢野英司    (出 席)    高井俊一郎   (出 席)    相沢崇文    (出 席)    神田和生    (出 席)    金沢充隆    (出 席)    亀山貴史    (出 席)    秋山健太郎   (出 席)    牛木 義    (出 席) 説明のため出席した者の職氏名    知事         山本一太    副知事        津久井治男    副知事        宇留賀敬一    教育長        笠原 寛    選挙管理委員長    松本修平    代表監査委員     丸山幸男    公安委員長      金子正元    警察本部長      松坂規生    企業管理者職務代理者 松島賢治    総務部長       星野恵一    企画部長       友松 寛    生活文化スポーツ部長 角田淑江    こども未来部長    吉田 誠    健康福祉部長     武藤幸夫    森林環境部長     桑原雅美    農政部長       吉野 努    産業経済部長     鬼形尚道    県土整備部長     岩下勝則    危機管理監      横室光良    会計管理者      入内島敏彦    病院局長       志村重男    環境局長       岩瀬春男    財政課長       田中序生 職務のため出席した者の職氏名    局長         吉澤幸夫    総務課長       得地雅彦    議事課長       高田 隆    議事課次長      今泉一幸    議事課係長      川村正洋    議事課主幹      高橋良彦    議事課主幹      大山浩史     令和元年9月25日(水)             議  事  日  程 第 3 号 第1 質疑及び一般質問    ・第93号議案から第112号議案について    ・承第4号について                       以 上 知 事 提 出            午前10時開議   ● 開     議 ○狩野浩志 議長 これより本日の会議を開きます。   ● 質疑及び一般質問 ○狩野浩志 議長  △日程第1、第93号から第112号までの各議案及び承第4号を一括して議題とし、上程議案に対する質疑及び一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。          ──────────────────────────                 本 日 の 発 言 通 告 ┌───────┬──────────────────────────┬──────────┐ │氏名     │発言通告内容                    │答弁を求める者の職名│ │(所属会派) │                          │          │ ├───────┼──────────────────────────┼──────────┤ │多田善洋   │1 外国人との共生について             │          │ │(自由民主党)│ (1)外国人との共生について             │知 事       │ │発言割当時間 │ (3)外国人との共生を進める際の日本語教育について  │企画部長      │ │65分     │2 県の医師確保の現状と今後の取組について     │          │ │       │ (1)臨床研修医の採用状況とこれまでの医師確保対策  │健康福祉部長    │ │       │  について                    │          │ │       │ (2)医師確保計画について              │健康福祉部長    │ │       │3 県民の安全を守る取組について          │          │ │       │ (1)歩行者の交通安全対策について          │警察本部長     │ │       │ (2)街頭防犯カメラによる犯罪の抑止効果について   │警察本部長     │ │       │4 日本遺産「里沼」について            │知 事       │ │       │5 有害物質を含む建設資材(非鉄スラグ)について  │          │ │       │ (1)非鉄スラグの調査状況について          │環境局長      │ │       │ (2)非鉄スラグの使用箇所への対応状況について    │環境局長      │ │       │6 産業廃棄物不適正処理対策等について       │          │ │       │ (1)産業廃棄物の不適正処理及び土砂等埋立ての監視・ │環境局長      │ │       │  指導の現状について               │          │ │       │ (2)不適正処理等の監視・指導におけるドローン測量シ │環境局長      │ │       │  ステムの導入について              │          │ │       │7 邑楽・館林地域の道路整備について        │          │ │       │ (1)国道122号「館林バイパス」整備について     │県土整備部長    │ │       │ (2)都市計画道路「青柳広内線」の未着手区間について │県土整備部長    │ ├───────┼──────────────────────────┼──────────┤ │福重隆浩   │1 SDGsについて                │知 事       │ │(公明党)  │2 IT産業の活性化について            │          │ │発言割当時間 │ (1)IT産業の活性化について            │知 事       │ │65分     │ (2)IT産業の誘致について             │知 事       │ │       │3 農業の高付加価値化と振興について        │          │ │       │ (1)農畜産物のブランド化に向けた取組について    │知 事       │ │       │ (2)越境ECサイトを活用した農畜産物の輸出について │農政部長      │ │       │ (3)スマート農業の推進について           │農政部長      │ │       │ (4)ぐんまフラワーパークの活性化について      │農政部長      │ │       │4 健康寿命の延伸対策について           │知 事       │ │       │5 災害対策について                │          │ │       │ (1)災害対策本部実施室の整備について        │危機管理監     │ │       │ (2)水害対応タイムラインについて          │          │ │       │  ① マイタイムラインの普及について       │県土整備部長    │ │       │  ② 県民への情報提供の取組について       │県土整備部長    │ │       │6 高齢者ドライバー安全対策支援について     │          │
    │       │ (1)今回の補正予算に係る具体的な事業について    │県土整備部長    │ │       │ (2)高齢者の運転事故防止対策について        │県土整備部長    │ ├───────┼──────────────────────────┼──────────┤ │斉藤 優   │1 群馬県のイメージアップについて         │知 事       │ │(自由民主党)│2 農業振興について                │          │ │発言割当時間 │ (1)担い手の確保について              │農政部長      │ │65分     │ (2)野菜産地の振興について             │農政部長      │ │       │ (3)農福連携について                │農政部長      │ │       │3 指定管理者制度について             │          │ │       │ (1)指定管理者制度の現状について          │総務部長      │ │       │ (2)指定管理者に対する評価について         │総務部長      │ │       │4 未成年の自殺対策について            │          │ │       │ (1)本県の現状について               │健康福祉部長    │ │       │ (2)自殺対策について                │健康福祉部長    │ │       │5 交通まちづくり戦略について           │          │ │       │ (1)策定の背景や実現に向けた方針について      │県土整備部長    │ │       │ (2)デマンドバス導入について            │県土整備部長    │ │       │ (3)東武伊勢崎線剛志駅周辺について         │県土整備部長    │ │       │6 都市計画道路上矢島米岡線の整備について     │県土整備部長    │ │       │7 「富岡製糸場と絹産業遺産群」について      │          │ │       │ (1)現状と今後の対応について            │企画部長      │ │       │ (2)田島弥平旧宅周辺養蚕農家の保全について     │企画部長      │ ├───────┼──────────────────────────┼──────────┤ │伊藤祐司   │1 知事の政治姿勢について             │          │ │(日本共産党)│ (1)憲法第15条及び第99条に対する考え方等について  │知 事       │ │発言割当時間 │ (2)改憲をあおる言動について            │知 事       │ │65分     │ (3)「地方自治」の意義と目的等について       │知 事       │ │       │2 「県民の幸福度の向上」について         │知 事       │ │       │3 国民健康保険について              │          │ │       │ (1)国保税の滞納状況等について           │          │ │       │  ① 国保税の滞納世帯の割合について       │健康福祉部長    │ │       │  ② 国保税滞納増加に対する懸念について     │健康福祉部長    │ │       │ (1)国保税値下げへの市町村の努力について      │健康福祉部長    │ │       │ (2)安易な差押え等の頻発について          │健康福祉部長    │ │       │ (3)緊急避難措置としての法定外の繰り入れについて  │知 事       │ │       │4 東邦亜鉛の有害スラグについて          │          │ │       │ (1)全量撤去の措置命令について           │環境局長      │ │       │ (2)有害スラグの被害拡大防止策について       │環境局長      │ │       │ (3)県民への注意喚起等について           │環境局長      │ │       │ (4)有害スラグの撤去について            │知 事       │ │       │5 動画スタジオ整備について            │          │ │       │ (1)動画スタジオの利用方法等について        │知 事       │ │       │ (2)動画スタジオの整備費用について         │知 事       │ └───────┴──────────────────────────┴──────────┘          ────────────────────────── ○狩野浩志 議長 多田善洋議員御登壇願います。           (多田善洋議員 登壇 拍手) ◆多田善洋 議員 皆さん、おはようございます。自由民主党、館林市選出の多田善洋でございます。  本日の一般質問は、2期目の当選後初めての質問であり、令和元年、そして、山本新知事をお迎えしての議会に当たります。「初心忘るべからず」の言葉どおり、地元館林はもとより、群馬県の発展のために、疑問や提言を緊張感を持って質問させていただきたいと思います。そして、県民生活の豊かさと幸福度向上を目指して、元気な群馬づくりのきっかけとなるよう、順次質問をさせていただきます。  また、本日は地元館林より多くの方に傍聴をいただきました。しかし、これは私以上に新知事の応援に来られた方が多いと思っております。さらに、群馬テレビでも質問の様子を御覧いただいていると思いますが、執行部の皆さん方には御答弁をよろしくお願い申し上げます。  それでは、質問席に移動させていただきます。(拍手)  それでは、まず最初に、知事、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆多田善洋 議員 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が本年4月に施行され、本県においては4月1日から外国人活躍推進課が創設されたことは評価を得ているところであります。8月22日に山本知事は、人口減少の中、働く外国人住民の皆さんは本県経済の活性化に不可欠な存在となっていることから、直接意見交換する機会を設け、今後、有識者による検討会を年内に設けると聞いております。  全国でも人口に占める外国人の割合は本県が第3位であり、そして、地域で暮らす1人の生活者でもあります。外国人住民と隣人として暮らす日本人との関係は、日常的かつ誤解のないような、融和的な関係でなければなりません。そこで、知事の外国人との共生に対する認識が県や市町村の施策の基本となることを考えますと、県内の経済発展や暮らしの豊かさを支えるという知事の外国人との共生についての認識をお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。市議会議員として永年実績を積まれた多田県議は、今、県議として活躍をされているわけですが、今日も大勢の地域の応援団の方々が駆けつけておられるようですけれども、選挙区に根差した、地に足のついた視点というものを、知事として多田県議からはぜひ学ばせていただきたいという気持ちでございます。  それでは、答弁に移らせていただきたいと思いますが、まず、外国人人材、外国人労働者をどう活用していくのか、彼らとどういう共生関係をつくっていくのか。これは山本県政の中でも最重点事項のひとつだというふうに考えております。県議も御存じのとおり、政府・与党は移民政策については非常に慎重な姿勢をずっと維持しておりますし、政府は移民政策はとらないということを明言していると言っていいと思います。片や地域経済を見れば、外国人人材、外国人労働者の方々なくして群馬を含めた地域経済は成り立たないという状況になっていることも事実でございまして、この政府の方針とバランスをとりながら、いかに外国人の方々との共生関係を築いていくかはなかなか難しいチャレンジだと私は考えております。  県議のほうから、外国人との共生についての認識というお話がございました。県議の言葉にもあったように、一言で言うと、外国人人材の方々、日本で働く外国人の方々を単なる労働力として捉えるのではなくて、県議のお言葉を借りれば、我々と同じ生活者、県民のひとりとして、しっかりと迎え入れる、これが私の認識そのものでございます。  これも県議はよく御存じだと思うんですが、人口減少が続く、東京一極集中もとまらない状況の中で、地方における労働力不足というものがますます深刻になっていくことは間違いありません。こういう中で、群馬県が視点として持たなければいけないのは、外国人労働者、日本で働きたいと思う外国人に選ばれる群馬県にならなければならないということだと思います。そのためには、仕事の環境はもとより、住環境も含めた受入体制をしっかりと整えていかなければいけないということだと思っております。  これも県議はよく御存じだと思いますが、群馬県では、ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターというのを設けておりまして、先般、知事として視察をさせていただきました。1日4件、5件ぐらいのときもあるんですけれども、ほかの県に比べて、かなり真面目に丁寧に、何時間もかけて対応しているというスタッフの努力は、ぜひ先生にも認めていただきたいというふうに思っておりますが、先般、岩井均県議のほうから、新潟県の事例を少し研究したらどうかという御意見もいただきました。新潟県は行政書士会にかなりの部分を委託しているということなので、これも今しっかりと研究をさせていただいております。さらに、群馬県では、医療通訳ボランティア制度という独自の施策も実は展開をさせていただいております。  県議がさっきおっしゃったように、群馬で働く外国人の方々との知事としての初めての意見交換会、座談会をやらせていただきました。インドネシアから来た方、ベトナムから来た方、中国から来た方、ネパールから来た方もおられますが、いずれも大変明るくて前向きに群馬県で仕事をしている、とてもやりがいがあるというふうに言っていただいたことをとてもうれしく思いました。コミュニティーとのいろんな交流イベントを手伝ってほしいとか、外国人同士だけじゃなくて、地域の人たちとの交流の場もつくってほしいとか、いろんな御意見が出ましたので、こういうことはよく県政にも反映をさせていただきたいというふうに考えております。  実は今回の補正予算では、外国人共生を推進するための予算を芽出しとして出させていただきました。有識者会議をつくったり、シンポジウムをやりながら、群馬県が先進的に地域として外国人とどう共生するかのモデル、コンセプトをしっかり提言として打ち出してまいりたいと思っております。またいろいろと県議のお知恵もお借りできればと思います。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。全てお答えをいただいたと思っています。  日本にロヒンギャの方が280名いらっしゃる中で、実は館林に260名いらっしゃいまして、帰化された1人の方も今日傍聴にお見えでございます。その方は帰化されて、日本国籍を有しております、その方以外にも、本当に館林地区は外国人労働者、また、外国人で住まわれている方も多い地区でございます。知事の熱い言葉を聞きまして、本当に励みになるのではないかと思っております。  ただ、先ほど知事が言われたとおり、日本自体が移民という言葉に対しては、外国人に対しては、今現在、少し壁がある状況でございます。そして、労働力の確保という観点から見れば、ある意味では、共生という位置付けから延長して、今後、外国人と一緒になって、この日本なり群馬県をつくっていかなければいけない、または地域をつくっていかなければいけないということは明白であります。そういったことも踏まえまして、冒頭、認識をお伺いすると失礼な言い方をさせていただきましたけれども、今後とも群馬県の発展につながるように、また御指導賜ればと思っている次第でございます。ありがとうございました。  次に、企画部長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 企画部長、答弁席へ。           (友松 寛企画部長 登壇) ◆多田善洋 議員 現在、外国人労働者は増加傾向にありまして、厚生労働省によりますと、昨年の10月末現在で、国内の外国人労働者は約146万人に上り、前年と比較しても18万人増加、過去最高を更新しているところであります。また、新たな在留資格、特定技能では、今後5年間で最大約35万人の外国人労働者を受け入れると言われております。国内や県内の企業を見ても、課題は、事業承継問題や労働力不足、新たな分野への新規創業支援などがある中、外国人労働者の確保が喫緊の課題となっております。これまでの市町村の外国人を対象とした施策は、異なる文化や言葉を学ぶ国際交流というスタイルでありましたが、今や、地域づくりや経済活動にも目を向けた場合、先ほど知事の答弁にもありました共生という社会シフトにいく位置付けではないかなと思っています。  これまでの外国人への日本語教育は、市民による交流ボランティアとしての日本語教育がなされてきました。本日も館林市国際交流協会の会員の方が多く傍聴にお見えでございますが、外国人生徒の増加に伴って、教室の調達、そして、講師の確保やテキストの作成などの問題を抱え、要は手づくりで全てやっているわけです。大変努力をされている現状であります。  本年6月、日本語教育推進法も制定され、外国人の日本語教育の機会拡充、国や地方公共団体、事業主の責務も記述されております。先ほど知事が申されたとおり、外国人からも選ばれる国にならなければ、群馬の輝きにつながらないと私も思っています。  群馬県として、外国人の日本語教育に対してどのように対処していくか、お考えをお伺いいたします。 ◎友松寛 企画部長 外国人向けの日本語教育につきましては、群馬の多文化共生を実現していくうえで大変重要なものであると認識しております。生活するうえでのやさしい日本語を外国人住民が身につけることは、外国人住民にとっても、また、地域や外国人を雇用する事業所にとっても、相互理解を進め、コミュニケーションを図るうえで不可欠なものと考えております。  まず現状でございますが、いわゆる日本語学校以外で外国人に直接日本語を教える教室につきましては、県内14市町村の国際交流協会などが主体となって、市町村の支援を受けながら実施しています。ボランティアの住民の皆さんの協力のもと、無料または実費程度の負担で受講でき、永年にわたり地道に継続をしていただいております。また、日本語指導者の養成も行われており、本県自身の取組といたしましては、永住または定住外国人の方を日本語指導者として養成する事業があります。ほかに、県観光物産国際協会と群馬大学との協力による日本語ボランティア養成講座や、県立女子大学の地域日本語教育センターにおいても、日本語教育人材を育成する取組が行われております。  次に、課題といたしましては、日本語教室が存在しない地域があることや、指導者養成が必ずしも需要に追いついていないという点が挙げられます。先月実施いたしました知事と外国人住民との座談会におきましても、職場や住所地には日本語教室がなくて、遠い場所まで出向かなくてはならないとの発言がありました。また、企業・事業主、地域の声として、「生活に必要なやさしい日本語程度は身につけてほしい」といった声も聞かれているところでございます。  新たに制定された日本語教育推進法におきましては、基本方針の作成や政策立案といった国の責務とともに、議員御指摘のとおり、努力規定ではございますけれども、自治体や外国人を雇用する事業主の責務もうたわれています。また、9月補正予算に基づき設置する予定の外国人との新たな共生推進会議におきましては、これから群馬モデルの構築に向けた議論が行われます。その中で、日本語教育の充実は重要なテーマのひとつと考えられます。今後、県といたしましても、日本語教育の充実に向けて、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。また今後検討されるということでございますけれども、一般的に日本語教育と言われますけれども、先ほど部長も言われましたが、永住なり定住している人への日本語教育。平日の昼間にやっているような日本語教育もありますし、もう1つあるのが、日本に働きに来ている外国人労働者の人に対する教育という、2つを分けて考えないと、多分、問題は解決できないんじゃないかなと思っています。  後段に言いました外国人労働者は、今後5年なり10年なり、日本で生活するわけでございますけれども、その中で、帰国してからも役立つということで、日本語能力試験のN1からN5の中で、N3、小学校1、2年生の漢字の習得レベルがあれば、日本での就労はもちろん、帰国後でも日系企業への就職に役立つと言われております。N3取得を目指すために、外国人日本語学習支援として、いろいろ検討中ということはありますけれども、県からテキストの無償支援など、群馬ならではの日本語学習支援策に取り組めたらと考えます。  県内企業でも、外国に進出、創業されている企業もあります。戻られた外国人はそこでも働くことができます。このような群馬方式とも言える取組も共生のひとつの形だと思いますが、群馬らしい日本語教育の体制づくりをお伺いさせていただきます。 ◎友松寛 企画部長 今、議員のほうからお話がありましたように、県内には、在留資格ですとか在留年数ですとか、いろんな外国人の方が多くいらっしゃいます。どんな立場の方に、どのような日本語教育が必要なのかというのは、その状況によってひとくくりにするのではなくて、丁寧に考えていく必要があるのかなというふうに考えています。  技能実習生や就労目的の外国人住民の皆さんが、職場や地域でのコミュニケーションツールとして、一定レベルの日本語を習得することはとても重要だというふうに考えております。また、議員のほうからお話がありました永住・定住者の方々ですけれども、南米出身の日系の方が多いと思います。永住者、定住者やその家族の中には、これまであまり日本語を使用する必要がない環境で過ごされていて、今後、仕事についたりですとか、高齢化により介護が必要になったりということで、日本語が話せないと困る状況が増えてくるということも考えられるのかなと思っています。  このように外国人住民の皆さんそれぞれが、在留資格や居住期間、日本語レベルなどの点において異なっておりますので、それぞれ日本語習得のニーズも異なってきている状況があるというふうに思っています。日本語教育の充実につきましては、こうした事情も踏まえまして、しっかり検討をしていきたいというふうに考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。外国人の皆さんとの共生社会に向けた群馬らしい施策をお願いしたいと思っています。  最後になりますけれども、労働力不足は深刻な問題であります。本県はものづくりの県でもございますし、また、観光資源が豊富な県でもありますので、知事がよく言われています県GDP、県民所得の拡大にも、さらなる支援をよろしくお願いできればと思っています。ありがとうございました。  次に、健康福祉部長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (武藤幸夫健康福祉部長 登壇) ◆多田善洋 議員 県の医師確保の現状と今後の取組についてお伺いをいたします。  国においては、昨年7月に医療法等の一部を改正し、各都道府県においても、現実的な医師確保を進めるための医師確保計画を策定することが義務付けられたと聞いております。医師確保計画の策定に当たりまして、国は、これまで地域ごとの医師数の比較に用いられた10万人当たりの医師数にかわって、地域住民の年齢構成に基づく医療ニーズや、医師の性別、年齢に基づく労働時間の差を反映した医師偏在指数を示すこととされています。そして、現在、その暫定値が示されましたが、私にとっては非常にショッキングなものでありました。と申しますのは、太田・館林保健医療圏の医師偏在指数は155.4であり、全国の335ある医療圏のうち、下位から3分の1以下の医師少数区域に該当するものであったからであります。この結果については、永年にわたりまして、地元、公立館林厚生病院の深刻な医師不足に悩む邑楽・館林にとっても、さらに危機感が深まったところでございます。  そこでまず、改めて、現在の県内病院における臨床研修医の採用状況と、小児科や産婦人科などを含め、病院勤務医の不足解消に向けたこれまでの県の取組、そして、現状に対する県の認識についてお伺いをいたします。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 医師確保に関するお尋ねでございます。  まず、臨床研修医の31年4月の採用状況でございますが、県内15か所ある臨床研修病院の採用人数の合計は97人でございました。これは、新たな臨床研修制度が開始された平成16年度以降、3番目に多い人数ではございますけれども、新制度が開始される前の平成15年度と比較すると22人少ない状況でございます。  臨床研修医が十分に確保できていない状況が続いていることもございまして、本県では、医師の地域や診療科の偏在は未だ解消されておらず、近年は、議員おっしゃられたとおり、公立館林厚生病院など、地域の中核病院におきましても、一部診療科で外来診療や入院受入の休止が続いている状況がございます。このため、県では、群馬大学医学部に地域医療枠を設けまして、本県医療を担う医師を養成してきたほか、小児科や産婦人科など、特に医師が不足する診療科に進もうとする研修医に対し、修学研修資金を貸与してきたところでございます。あわせて、子育て中の医師を支援する保育サポーターバンク事業ですとか、あるいは、県の医務課に設置しております医療勤務環境改善支援センターによる相談・研修等、そういった働きやすい環境整備も含め、総合的な医師確保に取り組んできたところでございます。さらに、今年度からは、県外へ進学した本県出身の医学生を対象とする修学資金貸与制度を開始したほか、外科の魅力を医学生などに伝える手術基本手技講習会ですとか、あるいは、本県で臨床研修を始める医師の合同オリエンテーションの開催など、研修環境の充実にも力を入れ、若手医師を含めた病院勤務医の確保を図ってきたところでございます。  次に、現状に対する県の認識でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、医師の地域や診療科の偏在は解消されておらず、国が新たに算定いたします医師偏在指標によると、本県は全国的に見ても医師が少ない医師少数県に位置付けられる見込みでございます。また、太田・館林医療圏など、3つの医療圏が医師少数区域となる見込みであるなど、大変厳しい状況であると認識しておりまして、これまで以上にしっかりと医師確保に取り組んでまいりたい、このように考えております。
    ◆多田善洋 議員 御答弁がありました。県外の医学生に対しても修学資金の提供と、いろんな策を講じながらやられているということもありましたけれども、医師少数県に位置付けられる見込みである太田・館林医療圏、特にその中でも医師が少ない私どもの邑楽・館林地域において、どのような医師確保策が盛り込まれるのかを、不安と期待、そして、切実な思いで特に注視していきたいと思っていますし、また、本年度策定予定の医師確保計画にも反映していただければありがたいなと思っています。  既に県においては、内容の検討を開始し、医療機関との協議をされている医師確保計画の概要と現在の進捗状況についてお尋ねをいたします。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 医師確保計画に関するお尋ねでございます。  医師確保計画は、都道府県や二次医療圏の間の医師の偏在解消を目的といたしまして、本県の医療分野の最上位計画でございます保健医療計画の一部として策定するものでございます。この計画では、国の算定する医師偏在指標をもとに、県が二次医療圏を医師多数区域、医師少数区域などに区分したうえで、医師の確保の方針と目標医師数、目標を達成するための具体的な施策等を定めることとされております。また、計画期間は令和2年度からの4年間で、以降3年ごとに計画を見直しまして、令和18年度までに医師偏在の是正を目指すこととなっております。  なお、国の方針といたしましては、各都道府県を医師多数県、医師少数県等に区分いたしまして、医師少数県に対しては財政的な支援を重点的に行うことなどとされており、これを踏まえまして、本県といたしましても、県内の医師少数区域に対する重点的な医師確保施策を盛り込むこととしたいと考えております。  現在の計画の進捗状況でございますが、これまで計画を協議するための県保健医療計画会議を2回開催したほか、現場の声を反映するため、各地域ごとに開催する保健医療対策協議会におきまして協議を実施しております。今後、さらに活発な協議や検討を重ねたうえで、令和2年第1回定例県議会において御審議をお願いしたいと考えております。  医師確保計画は、今後の医師確保対策の羅針盤となるべきものでございます。県内の医療事情や医師の需給見通し等をしっかり分析、把握するとともに、太田・館林地域を含めた各地域等の意見をしっかりと聞かせていただきながら、実効性のある計画を策定してまいりたい、このように考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。県自体が少数県だということは重大な問題かなと思っていますけれども、地元におきましても、調べましたら、館林厚生病院の常勤勤務医数は、臨床研修医を含めても、今年の4月1日現在で47名でございます。昨年が46名でございますので、1名ですけれども若干の進歩があったとはいえ、院長をはじめ関係者の努力によって少しずつは進んでおりますけれども、まだまだ医師不足が重要な問題となっております。勤務医の確保についてのさらなる努力を切望させていただきます。ありがとうございました。  次に、警察本部長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 警察本部長、答弁席へ。           (松坂規生警察本部長 登壇) ◆多田善洋 議員 山本知事は就任後、様々な施策に次々と取り組まれておりますが、県民の生命、財産を守る安全政策は、幸福度を高める基礎であると言えます。そこで、警察本部長には、県民の安全を守る取組について質問させていただきたいと思います。  まず初めに、交通の関係ですが、現在、秋の全国交通安全運動が実施されており、交通事故防止に向けた各種対策が行われていると伺っております。近年の交通事故統計を見ましても、人身事故の発生件数は減少傾向にあるものの、歩行者がお亡くなりになる事故の報道も多いように感じられます。歩行者優先の横断歩道上で歩行者が車両にはねられる事故がある一方、横断歩道が近くにあるにもかかわらず、横断歩道ではない場所を横断中に事故にあうといった、いわゆる歩行者側で交通ルールが守られていない現状があるとも伺っております。  車と生身の人間が事故にあえば、当然、死亡事故にもつながる危険性が高まります。県民の安全を守るためにも、歩行者を中心とした交通安全対策、特に横断歩道上の交通事故を防ぐための対策は重要と考えておりますが、県警察の取組についてお尋ねをいたします。 ◎松坂規生 警察本部長 初めに、歩行者に係る交通事故の情勢についてでありますが、令和元年8月末現在、人身事故7,716件のうち、歩行者が関係したものは506件であり、その半数以上が道路横断中の事故でありました。さらに、横断中の事故のうちの約6割が横断歩道上で発生をしております。また、お亡くなりになった方31人のうち、8人の方が歩行中に亡くなっており、そのうち5人は道路横断中の事故でありました。  交通死亡事故が下げ止まり状況にある中、今後、さらに交通事故死者数を減少させるには、歩行者の交通事故防止対策の強化が不可欠であります。横断歩道上での事故、特に信号機のない横断歩道では、ドライバーの横断歩道手前での減速が不十分なものが多く、また、横断歩道以外の事故では、歩行者側にも法令違反が認められるものがあります。そこで、ドライバーと歩行者、双方の遵法意識を高めることを目的とし、県警察では、横断歩道に関わる交通ルールの遵守に向けた広報啓発活動、そして、横断歩行者妨害等に対する交通指導取締りを取組重点とした各種対策を推進しており、具体的には、ドライバーに対して、横断歩道手前での減速義務や、横断歩道における歩行者優先義務を再認識させるための広報啓発を推進するとともに、横断歩行者妨害等の取締りを強化しております。一方で、歩行者に対しても、道路横断時の交通ルールについての交通安全教育を実施するとともに、横断禁止場所での横断や、横断歩道が付近にあるにもかかわらず横断歩道を渡らない歩行者に対しての声かけ、指導も行っております。  現在実施中の秋の全国交通安全運動においては、警察庁から全国の都道府県警察に対し、重点的取組として、横断歩道の通行と横断歩道における歩行者優先の徹底が示されていることから、本県においても、県下一斉の対策強化日を設定して、交通指導取締りと広報啓発活動を実施したところです。  近年、歩行者の関係する人身事故の発生件数は、議員御指摘のとおり、横ばいでありましたが、こうした取り組みもあり、本年8月末現在で見ますと、前の年の同期と比較して、マイナス50件、約11%の減少となっております。県警察では、今後とも、歩行者が関わる交通事故を防止するため、歩行者は横断歩道を渡ること、車両は横断歩道に歩行者がいるときは必ず止まることについて、意識付けを徹底してまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。よく群馬県民は横断歩道に人がいても止まらない県民と言われていますので、そういったことを県警察のほうでもいろいろ御指導いただいて、交通事故の減少に努めていただければと思っております。  次に、昨年もお伺いしましたが、答弁が不足いたしておりましたので、交通事故以外の一般市民の周囲で起こる犯罪抑止、また、犯罪が起こった際の被疑者の特定、逮捕などに街頭防犯カメラの効果が大きいと言われております。防犯カメラの設置に関しまして、どのような取組をすることが効果的で、犯罪の抑止につながると考えているのかをお尋ねいたします。 ◎松坂規生 警察本部長 街頭防犯カメラでありますが、犯罪の予防や、発生時の的確な対応による事件の速やかな解決など、安全で安心なまちづくりを推進するために極めて有効な手段であると考えております。そのため、県警察では、各地域における犯罪の発生状況等を踏まえ、市町村、自治会、商店街等に対し、街頭防犯カメラの設置について働きかけるとともに、必要な情報の提供や助言を行っています。また、その際には、安全で安心なまちづくりの推進とプライバシーの保護との調整を図るため、群馬県犯罪防止推進条例に基づく防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインの趣旨を踏まえた助言も行っています。その結果、県内の市町村等が管理、運用する街頭防犯カメラについて、本年8月末現在、1,116か所、3,053台を把握しており、群馬県犯罪防止推進条例が制定された平成16年当時の5か所、31台と比べ、箇所数で約220倍、台数で約100倍と大幅に増加をしております。このような取組もあり、刑法犯認知件数は、平成17年以降、14年連続で減少するなど、犯罪抑止に大きな成果が上がっているところであります。  県警察では、引き続き、市町村や関係機関・団体と連携し、街頭防犯カメラのさらなる設置拡充に努めるとともに、犯罪発生実態などを踏まえ、計画段階から設置場所や運用について必要な指導・助言を行うなど、効果的な活用を進めてまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。街頭防犯カメラの効果が絶大であることは、県民の安全・安心のためにも有効ではないかなと思っていますので、普及啓発、支援を今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。  次に、知事、再度お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆多田善洋 議員 本年5月に令和元年度の文化庁日本遺産に館林の里沼が認定をされました。祈り、実り、守りの3つの沼と38に及ぶ構成文化財で、人々の暮らしと深く結び付いた沼辺をストーリー化したものであります。その際、山本知事には、いろいろなアドバイスなど、認定の御指導と御協力をいただき、この場を借りまして感謝を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。  群馬県内におきましては、2015年の「かかあ天下-ぐんまの絹物語-」以来、2件目の認定となります。東毛地域の、そして、群馬県の魅力を発信するツールのひとつとして、新たに里沼が加わったことは、私どもの誇りであり、誠に喜ばしい限りであります。地元でも登録をきっかけに地域の観光振興への期待が高まっているところであり、館林も情報発信等に積極的に取り組んでいるところでございますが、県にも、ぜひ里沼を県の貴重な宝として誇りに思えるように、様々な媒体を通じて、県民及び全国に向けた魅力の発信をしていただくとともに、観光誘客にも御支援をいただいて、県の魅力度アップにつなげていただければというところでございます。  そこで、里沼の日本遺産認定に伴っての知事の思いと、里沼の魅力発信について、県の今後の取組をお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。館林の里沼文化が日本遺産に認定されたというのは、県にとってもすばらしい朗報でした。今、県議にちょっと言及していただきましたが、当時、国会議員として、微力ながら、この登録に私も少し御助言や後押しをさせていただいたことを本当に誇りに思っております。  私がすばらしいなと思ったのは、実はこれは相当倍率が高くて、70を超える地域から申請があったんですけれども、その中でこの登録が実現したと。これは須藤館林市長さん、そして、多田県議をはじめ関係者の皆様の本当に御努力のたまものだと思っております。その御尽力には心から敬意を表したいと思います。  新しい里沼というコンセプトをつくったというのが最大のポイントだったというふうに思っておりまして、里沼とその周辺に暮らす方々の共生から生まれた歴史とか文化とか食とか、こういう複数のいろんな要素がひとつのストーリーを紡ぐということで、これは富岡製糸場と絹産業遺産群がイコモスを説得したときと同じで、改めてストーリーが観光戦略にとっては最も大事なんだということを学ばせていただきました。  先般、里沼を視察させていただきました。須藤市長さんにぴたりと同行させていただいて、多々良沼、茂林寺沼、城沼のあたりを回って、城沼には行ってまいりました。県議もよく御存じの花ハス遊覧船ツアー。もうシーズンオフだったんですけれども、そのルートをずっと視察させていただいて、古代ハスの中をずっとボートで行くというツアーも経験させていただきました。これは観光資源としてかなり可能性があるなと思いました。お辻伝説、善長寺にも立ち寄って、ここもなかなかいいストーリーだなというふうに感じました。  これも県議に今日申し上げようと思ったんですが、ここからが勝負だと思います。例えば何とか遺産に登録される、タイトルとか肩書を得た観光地が、一瞬は盛り上がるんだけれども、その後ずっと人気が落ちていくということはよくあることであって、タイトル、イコール、人気じゃないので、ここからどんな知恵を県と市が協力してつくっていくかということがポイントだと思います。  さっき生活文化スポーツ部長からちょっと報告があって、あまりまだ細かいことは詰まっていないんですが、例えば能とオペラの共演を県のほうで主催して、里沼文化と結び付けていくということはひとつ考えられると思います。これは計画としてしっかり実現をさせていきたいというふうに思いますし、今回の補正予算でお願いしている動画スタジオは、県議、必ず注目を集めますので、こういうところを本当に活用していただいて、これこそ新しい動画スタジオで発信しなければいけないコンテンツだというふうにも思っております。  館林の持つ豊かな観光資源を先般改めて認識させていただきました。観光誘客を含めた観光政策が、館林、そして地域の振興につながるような展開になれるように、県も市にしっかりと協力をしてまいりたいと思います。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。  知事がお越しになったときに食べていただいたのが綱吉ドッグというもので、地元が開発した食べ物でございます。言うならば、里沼に認定された後に地域振興につなげることが課題ということは、私ども館林にとりましても課題と思っていますし、それをひとつの材料として、県内の資産として積極的にPR、また、連携をさせていただければありがたいなと思っています。本当にどうもありがとうございました。  次に、環境局長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 環境局長、答弁席へ。           (岩瀬春男環境局長 登壇) ◆多田善洋 議員 時間の関係もありますので、端的に質問させていただきます。  県内の建設資材から基準を超過する有害物質が検出された事案について、県は廃棄物処理法に基づき、製造元を含め関係者に対して事実関係について調査を行っていると伺っております。先月の新聞報道によれば、人が触れる場所で使用された可能性もあるとのことであり、どこで使用されたのかなどを明らかにしていくことが重要であると考えております。つきましては、県による非鉄スラグの調査状況についてお伺いをいたします。 ◎岩瀬春男 環境局長 県におきましては、東邦亜鉛株式会社安中製錬所から搬出されました非鉄スラグが建設資材として使用されたことにつきまして、現在、廃棄物処理法に基づき、関係者から報告を徴するなど、調査を進めているところであります。  この問題につきましては、県民の安全安心の確保が最優先されるべきであると考えております。県では、東邦亜鉛が平成28年4月以降、路盤材向けの出荷を停止したことを確認しており、そのうえで、昨年10月には改めて東邦亜鉛に対し、非鉄スラグを路盤材や敷砂利として使用しないよう徹底するとともに、既に搬出されました非鉄スラグにつきましても、受入先に対して同様な取扱いを要請するよう指示したところであります。さらに、本年1月には、群馬県建設業協会及び群馬県再生骨材協会に対しまして、有害物質を含有する建設資材が工事に使用されることのないよう、会員への周知を依頼しております。また、これまで関係者に対しまして、使用箇所における建設資材及びその下部の土壌の分析を実施するよう要請してきたところでありますが、調査を加速させるため、本年5月には東邦亜鉛に対しまして、廃棄物処理法に基づき、非鉄スラグの使用箇所の解明及び環境への影響調査の実施を命じました。あわせて、非鉄スラグのリスクについて広く注意喚起するとともに、工事の施工業者や住民等からの問い合わせ対応窓口を設置し、速やかにその旨を周知広報するよう指示したところであります。  これまでの調査の結果、公共工事で1か所、民間工事で50か所において、当該非鉄スラグの使用が確認されました。このうち14か所の建設資材から土壌環境基準等を超過する有害物質が検出されましたが、土壌汚染が確認された使用箇所はありませんでした。  県としては、一日も早く調査を終え、この問題を全容解明するとともに、関係法令の違反があれば、厳正に対処していく考えであります。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。繰り返しとなりますが、県民の安全安心のためにも、非鉄スラグの使用箇所の全てを早期に把握し、適切に対応すべきであると考えております。  そこで、県は、県民の不安を取り除くために必要な対策をしっかりと行うべきだと考えておりますが、非鉄スラグの使用箇所への県の対応状況についてお伺いをさせていただきます。 ◎岩瀬春男 環境局長 県では、県民の安全安心の確保を最優先に考えておりまして、東邦亜鉛に対しまして、当該非鉄スラグにより、生活環境の保全上支障が生じないよう、必要な措置を指示しているところであります。  先ほどお答えしましたとおり、これまでの調査の結果、全ての使用箇所で土壌汚染は認められませんが、土壌含有量基準を超える有害物質が含まれる非鉄スラグが地表に露出している箇所、現在までのところ11か所ありますが、これにつきましては、当該非鉄スラグの性状や使用状況を個別に調査し、土地管理者と協議して、非鉄スラグの経口摂取を適切に防止していくための措置を講じてまいります。  今後とも、非鉄スラグの使用箇所の解明を進めることとしておりまして、新たに使用箇所が判明した場合には、これまでと同様の方法で環境調査を行い、その結果を速やかに公表いたします。さらに、判明した使用箇所は全て県がリスト化し、今後も継続して地下水概況調査の中で環境への影響について監視を行ってまいります。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。御努力に対しまして感謝申し上げます。また、県民の安全安心のためにも、引き続き法令に従って、しっかりと対応していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  引き続き環境局長に御質問をさせていただきます。  産業廃棄物の処理対策についてお伺いをさせていただきます。  まず、本県における産業廃棄物の不法投棄等の不適正処理及び建設残土等の土砂等埋立ての監視・指導の現状はどのような状態なのかをお伺いさせていただきます。6番目の質問です。 ◎岩瀬春男 環境局長 産業廃棄物の不法投棄等不適正処理につきましては、対応が遅れますと原状回復が困難となるケースが多いため、情報を探知次第、迅速かつ綿密な調査を実施したうえで、原因者等に対しまして、強力な是正指導を行っているところであります。具体的には、出向警察官を含む担当職員及び警察官OBであります産廃Gメンによる監視活動、県警ヘリコプターによるスカイパトロール、休日・夜間における監視業務の委託、フリーダイヤルの産廃110番やメールによる通報の受付、また、日本郵便などの屋外で業務を行っている12の関係機関や団体と不法投棄の通報協定を締結しまして、それに基づく情報提供などによりまして、未然防止、早期発見、早期解決を3本柱といたしまして、不適正処理対策に取り組んでおります。また、土砂等の埋立てに関しましては、県土砂条例により、3,000平方メートル以上の埋立てを許可の対象としております。そのほか、産業廃棄物の不適正処理事案と同様の監視・指導を行っているところであります。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。局長から、早期発見、早期解決が重要であるとの認識をいただきまして、まさにそのとおりではないかと思っています。  産業廃棄物の不適正処理や建設残土の現状を把握し、是正させるための指導には、残存する廃棄物量等の正確な把握が不可欠ではないかと思っております。  先月、8月、農林環境常任委員会にて県外視察を実施しました三重県では、ドローン、無人航空機を導入し、従来の測量方法、人がやっていた測量方法と比較した場合、測量作業時間、作業人数、データ処理時間、作業量、測量の精度など、効率性が高いとのことでありました。  そこで、不適正処理等の監視・指導に際し、測量作業は現在どのように行われているのか、また、本県でドローン測量システムを導入する考えはあるのかをお尋ねいたします。 ◎岩瀬春男 環境局長 産業廃棄物の不適正処理事案や土砂等埋立て事案の是正指導につきましては、処理された量や面積の迅速かつ正確な把握が重要であります。また、土砂条例に基づく許可審査、検査には、災害防止の観点から埋立て量の正確な把握が欠かせません。  本県では現在、目測、あるいはポールやメジャーを用いた簡易測量による方法で測量を行っております。しかし、現在の方法では正確な測量が難しいばかりか、複数の職員が長時間をかけて作業しなければならないうえ、危険な現場では事故の発生が危惧されるところであります。一方、ドローン測量システムを導入すれば、短時間で正確かつ安全に測量することが可能になるため、測量結果に基づいて、行為者に対して迅速に指導することで事案を早期解決に導き、また、土砂条例に基づく許可審査や検査も迅速かつ正確に行うことができます。さらに、測量の省力化により、全国的にも件数が多い不適正処理事案の未然防止に向けたパトロール、それから、認知した事案に対する監視・指導を強化いたしまして、県民の安全安心をより一層確かなものにすることができると考えております。  このようにドローン測量システムは、県民の安全安心の確保を図り、また、職員が安全に業務執行するうえで非常に有効なシステムであることから、費用対効果も踏まえまして、導入について検討してまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。三重県でのドローンの活用は、産業廃棄物の不適正処理と産業廃棄物に対してのものでした。群馬県においては、現場としては、建設残土の許可、認可に対しても使えるとのことでもありますので、ぜひ、ドローン測量システムの導入に対しましては、先ほど費用対効果を踏まえて検討したいという答弁もありましたけれども、一括で購入する方法もありますが、ほかの市町村では結構よくやっていますリース方式というのもあります。分割払いみたいなものですけれども、そういったことも工夫すれば、早期に導入ができるのではないかなと思いますので、御検討のほどよろしくお願いさせていただき、要望とさせていただきます。ありがとうございました。  次に、県土整備部長、お願いいたします。 ○狩野浩志 議長 県土整備部長、答弁席へ。           (岩下勝則県土整備部長 登壇) ◆多田善洋 議員 〔資料①提示〕邑楽・館林地域の道路整備についてお伺いをいたします。  道はつながってこそ生きると言われるように、昨年3月に開通した国道122号館林明和バイパスも、最近では利便性も浸透してきており、通勤時間帯などで交通量が増えてきており、地域住民にもなくてはならない道となっております。  当初の計画のとおり、国道122号館林バイパスは、現在地から北へ早期に整備されてこそ、基幹道路としての効果がさらに発揮されます。そこで、進捗状況と今後の予定をお伺いさせていただきます。  一応、説明させていただきます。遠い傍聴席の人は見えませんけれども、テレビの人はわかりますが、昨年完成した館林明和バイパスは国道354号の道まで開通していまして、その延伸3.2キロメートル、館林バイパスの進捗状況についてお伺いをさせていただきます。 ◎岩下勝則 県土整備部長 お尋ねのありました国道122号館林バイパスでございますが、今、議員おっしゃられたように、昨年3月26日に供用開始させていただきました館林明和バイパスを北へ延伸する、御提示いただいている図面のとおりでございまして、館林市苗木町から館林市北成島町の国道122号の現道まで、延長約3.2キロメートルを4車線で整備する事業でございます。  館林バイパスにつきましては、平成27年度に事業着手したところでございまして、昨年度までに測量、設計を進めてきたところでございます。その後、県のほうで自転車活用推進計画を新たに立てたこともございまして、現在、地元の意見を改めて地域ニーズとして調査をさせていただいておりまして、その結果を詳細設計の見直しに役立てていきたいというふうに考えております。また、あわせて、その計画を今年度確定いたしまして、用地調査に着手してまいりたいと考えております。  引き続き、県土整備プランでお示ししていますように、令和9年度までの開通を目指しまして、事業推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆多田善洋 議員 御答弁ありがとうございました。平成27年度から着手されて、現在、自転車活用推進計画、言うなれば自転車も通りやすい道に、時代に合った道に変更しながら、修正しながら進めていただいている、そして、令和9年度までに完成したいという言葉をいただきまして、感謝を申し上げさせていただきたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。  そして次に、先に言葉のほうで説明させていただきますと、館林の主要な道路計画を図面にしたものでございますが、赤色で示したものが先ほど申しました国道122号館林バイパスでございます、その先に青柳広内線の未着手区間1.4キロメートルがありまして、東西道路が完成していまして、将来的には、これをぐるっと接続すると、館林の環状道路という大きな使命を背負った都市計画道路があります。そして、この1.4キロメートル部分、都市計画道路青柳広内線の未着手区間の中には、ちょっと見えづらいですけれども、東武伊勢崎線、東武佐野線と2か所、鉄道と交差する場所があります。技術的にも館林市のみでの事業化が難しいと考えられます。そして、群馬県広域道路交通計画の広域道路ネットワーク図(計画図)にも記載があります。  県境地域の邑楽・館林においては、国道122号バイパスは、埼玉県北部から邑楽郡明和町を通り延伸され、未着手区間がつながれば、東西道路を通り、県道佐野行田線へと繋がります。 ○狩野浩志 議長 多田議員、あと1分です。 ◆多田善洋 議員 はい。  ここをずっと延伸すれば、利便性が高いことになります。  そういったことを踏まえまして、今後の県の取組についてお伺いをいたします。 ◎岩下勝則 県土整備部長 お尋ねのありました青柳広内線の未着手区間につきましては、先ほど申し上げました館林市北成島町の国道122号の現道から館林市岡野町の県道寺岡館林線までの約1.4キロメートルでございまして、議員おっしゃられたように、ここには東武伊勢崎線、東武佐野線が交差しているため、これまでもいくつか検討してまいりましたが、どうしても大規模な構造物が必要となるということでございます。多大な事業費になるということもありまして、現在実施中の先ほど申し上げました国道122号館林バイパスの進捗状況を見据えるとともに、今後も、整備手法だとか効果、そして、館林市との役割分担などについて、引き続き検討してまいりたいと考えております。 ○狩野浩志 議長 終わりました。 ◆多田善洋 議員 ありがとうございました。(拍手) ○狩野浩志 議長 以上で多田善洋議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○狩野浩志 議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午前11時6分休憩     午前11時12分再開   ● 再     開 ○狩野浩志 議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続)
    ○狩野浩志 議長 福重隆浩議員御登壇願います。           (福重隆浩議員 登壇 拍手) ◆福重隆浩 議員 公明党の福重隆浩です。会派を代表いたしまして、あくまでも生活者の視点に立って、山本知事及び執行部の皆さんに順次質問させていただきますので、わかりやすい、簡潔なる御答弁をよろしくお願い申し上げます。  それでは、県政運営におけるSDGsについて、山本知事にお伺いをいたします。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆福重隆浩 議員 今、47都道府県の知事の中で最もSDGsに深く認識を持っておられる山本知事にこの質問ができることを大変うれしく思います。  さて、山本知事におかれましては、先の知事選において、県政史上最多得票となる57万6,935票を獲得され、群馬県政の舵取りを担われることとなりました。「勝って兜の緒を締めよ」との故事にあるとおり、山本知事は当選をされた翌日の早朝から高崎駅前の街頭に立たれ、県民への感謝と、県民の先頭に立って、世界に1人だけの知事として、県民の幸福を追求するために全力を尽くすと決意を述べておられました。  今回の知事選に際し、党として推薦をさせていただくに当たり、山本知事が候補者としてお示しになられた政策集を拝読し、加えて、選挙活動で東奔西走されている中、2度にわたり意見交換をさせていただきました。その結果、我が党の思いを託すことができる候補者との確信のもと、公明党として推薦をさせていただきました。  私たち公明党は、「小さな声を、聴く力。」を標榜し、国民一人ひとりの声を大切にする政治姿勢を堅持してきております。これは今回議論するSDGsと軌を一にするものであります。  御存じのとおり、SDGs、持続可能な開発目標は、「誰一人取り残さない」とのテーマのもと、2015年に国連で採択をされた、貧困や保健、防災などの地球規模の課題解決に向けた国際社会の共通目標で、日本を含む全ての国連加盟国、地域が2030年までの達成を目指しているものです。これらを踏まえて公明党では、党内にSDGs推進委員会を立ち上げ、継続的に活動し、本年6月にも政府に政策提言など、SDGsが浸透するよう働きかけております。  知事は今、様々な場面において、SDGsの重要性を語っておられます。世界の潮流を見据えたうえで、知事の目指される県民幸福度の向上と、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念は相通じるものがあると思っております。一方、私は、SDGsの目標を達成するには、県民お一人おひとりにSDGsの考え方を理解していただくことが重要であると思っております。ただ、多くの方が、SDGsは政府や自治体の目標であり、個人レベルはあまり関係がないのではと印象を持たれているということも感じております。  そこで知事にお伺いをいたします。知事のSDGsに対する考え方、思いをぜひ多くの県民に届けていただきたいと思います。知事の御所見をお伺いいたします。  また、知事は、次期総合計画において、昨日の岩上県議の質疑において、今後、1年の時間をかけてじっくり検討し、令和2年10月からの計画にすると表明をされておられました。そこでお伺いいたしますが、今後策定される次期総合計画について、私は、このタイミングを有効に活用し、SDGsを骨格とした次期総合計画を策定するべきと考えております。昨日の御答弁で若干SDGsについて触れておられましたが、改めて次期総合計画におけるSDGsの考え方について知事にお伺いいたします。  さらに、私は、知事が今後進められる県民の幸福度を追求する県政と、国が実施しているSDGs未来都市の考え方は、同じベクトル上にあるのではないかと思っています。その意味において、本県もSDGs未来都市にエントリーしてはいかがでしょうか。このSDGs未来都市に選定されれば、本県がSDGsを重要視しているという姿勢を県の内外に大いに示すことができ、また、県民の誇りの醸成という意味からも意義深いものになると思います。私は、ぜひ2020年のSDGs未来都市にエントリーするべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上、3点にわたりまして御答弁をお願いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。福重県議には、友党である公明党の群馬県本部の代表として、各般にわたり日頃から御指導、大変建設的な助言をいただいていることに感謝申し上げたいと思います。  また、公明党がSDGsに大変関心を持っておられると。水野県議もどこかで御質問されていた記憶がありますが、SDGsの問題をここで出していただいたことにも感謝を申し上げたいと思っております。  最後のほうの質問から最初にお答えをしたいと思いますが、県民の幸福度を上げていくということで、SDGsのコンセプトをしっかりと総合計画の中に取り入れていくということは、ベクトルが同じなのではないかという話がありましたけれども、それはおっしゃるとおりだというふうに思っております。SDGsは「誰一人取り残さない」ということで、17の目標を立てていますけれども、この中にも、いろいろと県民の幸福度を追求するための様々なヒントがあるというふうに考えていることをお伝え申し上げたいと思います。  それから、SDGs未来都市へのエントリーでございますが、先般、内閣改造で大臣を退任されましたけれども、片山さつき地方創生担当大臣のほうからも、もうちょっと群馬県はSDGsに取り組んだらいいんじゃないか、もっと積極的にやってほしいというお話もありまして、このSDGs未来都市へのエントリーは以前から考えておりましたが、今、福重県議からの御提案もありますので、これはぜひとも県としてエントリーをさせていただきたいというふうに思っております。  SDGsの中身については、福重県議のほうからお話がありました。2015年の持続可能な開発サミットで採択されたコンセプトの中身をここで改めて説明することは避けたいと思いますけれども、県議もよく御存じのとおり、SDGsのコンセプト自体はそんなに新しいものではないというふうに思っています。私がJICAから国連開発計画に出向していたとき、国連本部、UNDPという世界最大の技術協力機関のニューヨーク本部で勤務をしておりましたが、そのときに最も流行だった言葉は、サステーナブル・デベロップメントという言葉でございました。これは持続可能な開発ということなんですけれども、そのとき、国連のあらゆる機関がSD、サステーナブル・デベロップメントと言っていたんですが、これはコンセプトの段階でした。国際社会が2030年までに達成するという目標を決めた後は、国も3年前ぐらいに安倍総理を本部長とするSDGs推進本部を立ち上げておりますが、これはまさしくコンセプトではなくて、世界を動かす潮流になっていると。これが私が国連機関に勤務していたときと全く違うというふうに思っております。  これも先生はよく御存じですが、民間企業にとっても、SDGsに基づく投資といいますか、ESG、Eは環境、Sはソーシャルで社会、Gはガバナンスですが、こういう経営に取り組むことで企業価値が上がる、そして、持続性につながる、それによって投資を呼び込めるし、さらには、収益を得られるという流れが一般的になっていまして、企業にとっても、消費者を引きつけるためには、SDGsをしっかりとやらなきゃいけないという状況になっているところは注目をすべきところだと思っています。  さらに言うと、人口減少、超高齢社会、社会的課題の解決、これも県議はよく御存じだと思いますが、持続可能な地域づくりに向けて、市町村、企業、大学、NPO、県民等が一体となってSDGsを推進すると、一人ひとりの認識を高めることが大事だという御指摘もいただきましたが、これはまさしく県民が幸せを実感できる群馬の実現のために必要だというふうに思っております。  今日の御提言もありましたが、まずSDGs推進に積極的に取り組むということを内外に発信するのはとても大事だと。実は17の分野で群馬県はいろいろ努力していますので、ちゃんとやっているということをアピールしなきゃいけないということで、県全体でSDGsの推進に取り組んでいくためには、市町村、中小企業を対象としたセミナー等の開催もしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。総合計画にはもちろんしっかりと反映をさせていただきたいというふうに思いますし、じっくり時間をかけて検討する次の総合計画の中でも、17のゴールというものをそれぞれ反映させていきたいというふうに思っておりますので、公明党、あるいは、特にSDGsについて知見の深い福重県議からもいろいろお知恵をお借りできればと思います。 ◆福重隆浩 議員 すばらしい御答弁、大変にありがとうございました。  冒頭、47都道府県で一番御認識が深いのは山本知事ではないかというふうに申し上げましたけれども、まさにそのとおりだったなというふうに思います。国連の職員として、様々な活動に取り組んでこられた山本知事だからこそ、SDGsに対しての思いというものが深いということがよくわかりましたし、また、今、テレビを見てくださっている県民の皆さんも、SDGsの重要性というものを改めて認識していただいたのではないかなというふうに思っております。  そのうえで、SDGsのこのバッジを知事はお持ちでございますか。 ◎山本一太 知事 まだつけておりませんけれども、持っております。 ◆福重隆浩 議員 そうですか。実は我々会派3人とも、このSDGsのバッジをつけているんですけれども、国連で公認されているのは金属のバッジなんですけれども、私がつけているのは木製のバッジなんです。これは元県立女子大の熊倉先生から教えていただいたんですけれども、熊倉先生も、京都市の市長さんがこの木のバッジをつけておられて、京都市の木材でこれをつくって、ピンのバッジは福祉作業所でつくっていただいたと言われたんですけれども、まさに木でつくるバッジというのがSDGsの目標の15「陸の豊かさも守ろう」ということにつながる、そして、福祉作業所でつくるということが目標8「働きがいも経済成長も」にも通じるということで、私は大変有意義な取り組みだなというふうに思っております。  これにパテントとか、そういうのがあるかはわからないですけれども、群馬県の木材でこういうようなものをつくって、例えば知事のネームプレートは木でできているんだと思いますけれども、そういったことを山本知事がされていること自体、また県民が、あれは何なんだろうとか、そういうふうに思っていただける機会の醸成にもつながるのではないかなというふうに思いますので、ぜひSDGsによって誰一人取り残さない群馬県をつくっていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  続きまして、引き続き知事にお伺いをいたします。  知事は、選挙の折に示された政策集の中で、5つの重点政策を掲げ、その第1番目に県GDP・県民所得の拡大を位置付けられ、具体策として、県内産業・企業の競争力の強化、高付加価値な農林水産業への転換を挙げられております。  そこで、県内産業の競争力の強化という視点で、IT産業の活性化についてお伺いをさせていただきます。  本県は、高速交通ネットワークの充実、水資源の豊富さ、さらには、自然災害が少ないとの理由から企業誘致が進み、昨年度は工場立地件数が69件で全国第2位、同じく面積は75.2ヘクタールで全国第3位と好調な結果となっております。また、これまでの県当局の産業振興の取組の成果として、県民所得も2007年の288万円、全国第17位から、2017年の305万円、11位へと着実に前進をしております。  一方で、本県の産業構造を見てみますと、製造業、特に輸送機器、自動車関連業の比重が高く、平成29年度の製造品出荷額等は3兆6,754億円で40.7%となっております。しかし、その反面、成長産業と言われるIT産業、情報通信業の割合については極めて低いという実態があります。  私は、人口減少が進む社会にあって、地域経済の持続的な発展のためには、バランスのとれた産業構造に転嫁していくことが必要であると思います。そのためにも、今後も大きな成長が期待されるIT産業を本県の新たな産業の柱としていくことが必要だと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 これも大事な御質問をいただきまして、ありがとうございます。  今、福重県議が御指摘をされたように、私も改めて産業構造をデータで調べてみましたが、平成28年度の統計がここにあるんですけれども、県民経済計算で言うと、県の総生産における製造業の割合は37.4%で、製造業に特化していると言っていいと思うんです。製造業もとても大事ではあります。ただ、IT産業等の情報通信業は2.3%ということで、これはおっしゃるとおり、あまりにもバランスを欠いているというふうに感じております。  今、AIとかIoTとか5Gとか、最近、MaaSというのがあるんですけれども、サービスとしてのモビリティーということで、細かく解説するようなことはしませんが、こういったIT産業の中核となるデジタル関連産業とかサービスで得られるデータが、これから社会基盤として、あらゆる分野で活用が求められていることは間違いないと思っていまして、これが県内産業の競争力強化や、県議が今御指摘になったGDPの向上にもつながっていくというふうに私は考えております。  副知事2人を任命させていただきました。県議会の御了承をいただいたことにいつも重ねて感謝申し上げていますが、宇留賀副知事は今38歳で全国最年少なんですけれども、宇留賀さんに来ていただいたひとつの理由はIT戦略です。47都道府県あるんですけれども、例えばインバウンド戦略でも、本当にIT戦略を活用しているところはほとんどないと思っています。今、県議がおっしゃった産業の活性化という観点、それから、インバウンドも含めて、ぜひ群馬県こそIT戦略の先進県になりたいということで宇留賀副知事に来ていただきました。今、経産省はITに強いんですけれども、宇留賀副知事はその中でも恐らく10本の指に入る、最先端ないろんなITの考え方を持っているということで、ここは副知事の能力を最大限に活用させていただきたいというふうに思っています。  知事就任以来、大手のIT関連業者を訪問してまいりました。大きいところだけがいいというわけじゃないんですけれども、楽天の三木谷会長とか、グーグルの日本の役員を含めて、READYFORというクラウドファンディング最大手の女性の元気なCEOとか、こういう方々とずっと会ってきましたけれども、改めてIT産業が地域の活性化につながる大きな鍵を握っているということを再認識いたしました。県としても、IT産業等の情報通信業はいろんな事業者がいますけれども、大きいところだけじゃなくて、小さくてもいい仕事をしているところは一杯ありますから、そういうところと連携して、そのノウハウやネットワークを活かすと。何より生産性の向上が大きな課題なので、ここにはIT、AIが欠かせないと思いますので、それが働き方改革にもつながると考えておりますので、ITを使った多様な地域課題の解決に向けて取り組んでまいりたいと思います。 ◆福重隆浩 議員 御答弁ありがとうございました。今、宇留賀副知事さんへの言及がございました。私も宇留賀副知事さんを選任されたというのは、まさにその分野を群馬県が進めていくんだというふうに捉えていたものですから、この質問をあえて知事にさせていただいたわけでございます。  その意味において、IT産業の誘致についてお伺いをさせていただきます。  今、学生の就職希望企業ランキングに多くのIT企業が名を連ねております。本県の人口減少は、東京に進学した本県出身の学生が卒業時、東京で就職してしまうことが大きな要因となっております。このような方々も、今知事がおっしゃられましたけれども、楽天やグーグルなどのIT企業のオフィスが本県にあれば、群馬に戻って就職したいという気持ちになっていただけるのではないかと思っております。  私は、ぜひ魅力的なIT企業の誘致に向けて、県がIT産業を重点分野に位置付け、積極的な取組を行うべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。  県議が今ちょっと言及をされましたが、ITは、製造業だけじゃなくて、あらゆる産業に必要な先端技術だというふうに思っていまして、関連産業を集積するということは、群馬県に高度な人材を呼び寄せることにもなりますし、新しい起業とか創業とかオープンイノベーションを実現することにもつながるというふうに考えております。  よくいろんなところで議論が出るんですが、もうシリコンバレーだけの時代ではないと。これもITに詳しい福重県議はよくわかっていただいていると思うんですが、今まではシリコンバレーにIT企業が集中していましたけれども、近年では、例えばコロラド州のデンバーとか、テキサス州のオースティンとか、実は地方圏にIT企業がかなり進出している流れに注目をしております。そして、こういう企業が地方圏で著しく成長しているというところを私たちは見逃してはいけないというふうに思っています。  特に最近、我が国でも、ここ何週間かで大きなIT系企業の会長等々と会ってきたんですが、社会的に様々な課題を抱える中央にすごく関心を持っているんです。そこで新たなビジネスを展開したいという動きもございます。そういう意味で言うと、群馬県は首都圏に近い、高速交通網も充実しているということで、実はIT関連企業者にとっては立地しやすい。今、県議がおっしゃったIT企業を誘致するという意味でも、群馬県は明らかにアドバンテージがあるというふうに感じています。  こうした視点を踏まえて、今後は首都圏のIT事業者と地方の中小企業をもうちょっとマッチメーキングするというか、もっと連携して、地域産業の高度化とか伝統産業の再生をITを使ってやるという多様なアプローチで問題解決に取り組めるようにしていきたいと思います。IT産業の誘致は、おっしゃったとおり、戦略的に進めていきたいと思います。  最後に、ちょっと余分なことですが、宇留賀さんは、ITでしっかりと先端的な知識を活用してもらうために呼びました。宇留賀副知事のいいところは、県庁の職員にも大事なノウハウがあるということをわかっている、県議会でいろいろと地元の声を聞いてきた県議会議員の方々の実績が大事だということも全部わかっているというバランス感覚を持って、この県庁の中でIT政策を啓発し、県議会の支援もいただきながら、IT政策を推進するという意味で言うと、まさしく私は適役だと思っていることだけ申し添えさせていただきたいと思います。 ◆福重隆浩 議員 私は今の知事の思いをしっかりと受け止めさせていただきました。本当に宇留賀副知事の力量に期待するところ大だというふうに思っております。ぜひ頑張っていただければというふうに思っております。  そういった中で、これは今後、総合計画をつくっていく段階のことですから、あえて要望とさせていただきたいと思うんですけれども、産業振興基本計画において、今、群馬県は、知事御承知のとおり、6つを位置付けております。次世代自動車だとか、ロボット、医療・ヘルスケア、環境・新エネルギー、観光、コンベンションの6つの事業を柱としているわけでございますけれども、IT産業を誘致するに当たっては、ここにIT産業というものを入れて、群馬県が変わったという情報発信のためにも、こういった計画に盛り込んでいくということが大事なのではないか。そして、知事が24年間、参議院議員として培われた人脈、そして、宇留賀さんの能力を駆使していただいて、ぜひIT産業の活性化に御努力いただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  引き続き知事に農畜産物のブランド化に向けた取組についてお伺いをいたします。  知事が目指す県GDP・県民所得の拡大については、第1次産業である農業における生産性の向上は不可欠であるというふうに私は思っております。知事から何回も御答弁がありましたけれども、群馬県は、恵まれた自然条件や立地条件を活かし、年間を通して多彩な野菜や果物の生産が行われており、全国でも上位の野菜生産県として、首都圏への重要な野菜供給産地となっております。また、果物についても、イチゴ、やよいひめや、リンゴ、ぐんま名月、畜産物では、上州和牛、上州牛など、他県に誇るすばらしい品種にあふれ、実際に食べてみても、本当に高品質であると実感をいたします。それにもかかわらず、群馬県の農畜産物のすばらしさが消費者、生活者に十分届いていないのではないかと不安に思うことがございます。これは、本県が魅力のある県であるにもかかわらず、知名度ランキングが下位に甘んじているのと同じ状況ではないかと思っております。  私は先日、「地域の食をブランドにする!」という本を読みました。その本の帯には「『食』が地域に持続可能な経済を生む」と書かれており、興味が湧きました。著者は、地域の食をブランド化するには、地域の食の歴史、文化、産物の品種、産地、栽培法や、さらには、具体的な料理や、その味わいなどをカルテのような文字にして、それらをベースに、料理家、栄養士、商業者などの生産者につなぐことが、消費者、生活者の理解の促進には重要であると書かれておりました。このような食のカルテがあれば、その産物の品目、品種から、その育ちなどの履歴がわかり、安全で安心な食品であることが相手に伝わり、似たような作物との差別化を図ることができ、本県の農産物を食のブランド化にすることができるというふうに思っております。  これはあくまでも取組の一例ですが、私は、これからは消費者、生活者の視点から食を念頭に、農畜産物のブランド化に向けた取組を進めるべきと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。群馬県のコンテンツを内外に発信する、世界に発信したいという公約を実は選挙でも掲げましたが、その最大のコンテンツのひとつは、間違いなく群馬県のすばらしい農畜産物だというふうに考えています。  今、福重県議のほうから、ぐんま名月の話や群馬県の特産品について、いろいろ言及がありましたけれども、リンゴ、ぐんま名月はすごく甘くておいしいんですが、リンゴ博士と呼ばれる金井康夫県議によると、昨今は紅鶴というのがあるらしくて、この紅鶴に注目をしているということもちょっとつけ加えておきたいというふうに思います。  知事になるに当たって、県民の幸福度の向上とか、新しいプライドをつくるとか、財政の健全性を図っていくとか、こういう課題を挙げて、そのために取り組むべき5つの最重点政策というのを示しましたけれども、農畜産物のブランド化を図っていくということは、県GDP・県民所得の拡大にもつながるし、群馬県の農畜産物のブランド価値が高まるということは、まさしく県民の新たなプライドを醸成することにもつながるというふうに思っております。  これまでずっと県農政の取組を見てくると、皆さん、それぞれ努力しているんですけれども、生産者の側から見た、とにかくいいものをつくるというところにエネルギーが傾注されていました。だから、ブランド化というのは、一言で言うと、どうやって売ったらいいか、どうやって見せたらいいかというところに集中していたと思うんです。  いろいろ県庁内でも議論しているんですけれども、県議もちょっとお話しになりましたけれども、消費者はいいモノというよりは、それも大事なんですけれども、例えば食べるコトで健康でいたいとか、食べるコトによって、楽しく幸せを感じられる時間をほかの人と共有したいとか、こういう様々な視点で実は農畜産物を選んでいると思うんです。  消費者というのは、いわゆる味、香り、形、色、食感という五感以外にも、感性とか記憶とか食習慣とか食文化をすごく大事にしているということが改めて最近わかってきました。国会議員の時代によくテレビに出たんですけれども、みのもんたさんがやっていた「サタデーずばッと」とか「朝ズバッ!」とかという番組のほかに、名前は言いませんけれども、彼がやっていた別の番組があって、ここで例えばブルーベリーは目にいいですよと彼が言っただけで、次の日、全国でブルーベリーが売り切れるという現象を目の当たりにして、改めて昨今の消費者の健康志向、とにかく体にいいものを食べたい、科学的な根拠に基づいて、いいと言われるものを食べたいというのが実はものすごくキーになっているんだと思います。  そこで、まだ詳細に固まっていないので、細かくは申し上げられないんですが、ブランド化に向けたひとつのサイクルをつくりたいというふうに思っていまして、例えば県にはいろんな農産物の試験研究機関があるわけです。群馬県にある大学にもいろんな研究機関があります。こういうところのスタッフをしっかりと集めて、群馬県の食品、紅鶴でも、ぐんま名月でも、私が日本で一番おいしいと思っている吾妻郡の高原トウモロコシ、利根郡もおいしくて、いいんですけれども、この成分をしっかり研究すると。実はほかの県に比べて、こんなに体にいいことがあるということをしっかり調べて発信してもらって、そこにプロモーションをくっつける。科学的な根拠とプロモーションをくっつけ、そこに知事としてのトップセールスの能力をくっつけ、今回、補正予算でお願いしている動画スタジオを含むメディアミックスをくっつける。こういうサイクル、ループをつくることによって販売促進が図れるんじゃないかということで、今、農政部は豚コレラ問題とかで不眠不休で頑張っているんですが、そこに加えて、こういうループを具体的につくる宿題も今お願いしているので、少し時間がたてばできると思います。そういう仕組みをつくって、今、福重県議がおっしゃったような農畜産物のブランド化を図ってまいりたいと思っています。 ◆福重隆浩 議員 本当にすばらしい構想を聞かせていただきまして、ありがとうございました。  まさにブランド化というのは、ほかとの差別化、本当に群馬県のはこんなにも健康にいいんだ、こんなにもダイエットにいいんだという、様々な付加価値、プレミアムを発信していく、そして、その発信をどういうふうにしていくかというサイクルも今お示しいただきましたので、ぜひ期待をしておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  いったん、知事にはありがとうございました。  次に、越境ECサイト、エレクトロニック・コマース、電子商取引を活用した農畜産物の輸出について、農政部長にお伺いをいたします。 ○狩野浩志 議長 農政部長、答弁席へ。           (吉野 努農政部長 登壇) ◆福重隆浩 議員 今、知事にその話の本質を全部言われたような気もするんですけれども、海外では、日本の農畜産物に対して、安全・安心は当たり前のこととして、さらなる付加価値として、健康にこだわった、グレードの高い農畜産物が求められている、私もこのように思っております。私は、こういった需要を確実に捉え、本県の農畜産物の販路を海外に広げていく攻めの農業の戦略が必要だというふうに思っております。まさに今知事がおっしゃっていただいたサイクルのようなものが必要だというふうに思っております。  一方、本県の状況について、関係者と意見交換を行いましたが、県の農政の基本方針や、生産者及び流通部門の方々の考えに、本県が大消費地に近いというメリットに目が向いており、苦労して海外に販路を広げていかなくてもという考えが根底にあり、守りの農業から脱却できていないのではないかと思えてなりません。  そこでまず、私は、生産者が貿易知識や外国語がわからなくても、また、出荷数があまり大きくなくても簡単に輸出ができ、国境を越えて通信販売を行うオンラインショップである越境ECサイトの活用が有効なのではないかと考えております。お隣の栃木県では、大手旅行会社と連携し、栃木の農産物の越境ECサイトを取り入れた輸出の促進策が始まったと聞いております。このような越境ECサイトであれば、農畜産物の販路を海外に広げていく攻めの農業戦略等を進めていくうえで、輸出の入門編としてスタートできると思います。ぜひ、生産者が海外でも十分に勝負ができ、所得向上につながる取組として、越境ECサイトを推進するべきと考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。 ◎吉野努 農政部長 越境ECサイトを活用した農畜産物の輸出に関しての御質問でございますけれども、農畜産物の輸出を推進するうえで生産者から聞かれる声といたしましては、貿易の知識がない、あるいは、外国語がわからない、出荷のロットが確保できないといったことがございます。こうした不安を抱える生産者が国内での販売に近い形で輸出に取り組む手段として、国境を越えて、インターネットを通じて商品を販売するウエブサイト、いわゆる越境ECサイトは非常に有効であるというふうに考えております。  現在、多くの事業者が越境ECサイトを運営しており、サイトにより、青果物中心のもの、加工品中心のもの、さらには、工業製品を扱うもの等、様々な特徴がございます。本県では、こうしたサイトの中で、生産者の資料作成等の事務負担や為替等のリスクが少なく、さらに、主に青果物を扱うアジア地域中心に展開しているといった点で、本県の輸出促進の取組と合う事業者について、連携した取組に向けての協議を進めております。今後、県内の生産者等にセミナーなどを通して具体的な越境ECサイトの活用方法を学んでいただき、輸出に取り組む事業者の裾野を広げたいというふうに考えております。さらに、観光農園予約サイトと連動させ、観光農園を訪れた海外の観光客が帰りの空港で農園で収穫した青果物を受け取ったり、また、越境ECサイトで購入したものを実際に産地に行って収穫体験し、食べてみるといったインバウンド需要も取り込んで、その活用を広げていきたいというふうに考えております。  こうした取組により、輸出に対する不安を乗り越えていただき、輸出に取り組む生産者、事業者を増やし、本格的な取組につなげることで、県産農畜産物の輸出拡大を目指していきたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 大変前向きな御答弁、ありがとうございます。  私は、昨日の議論、それから、今日の議論の知事のスタジオにかける思いをお聞きしていて、先ほども言われましたけれども、ぜひ、群馬県の農畜産物をこういったところでばんばん宣伝していただいて、そして、越境ECサイトを使って、海外の人が群馬県の農畜産物を購入するというようなサイクルを構築していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  引き続き、スマート農業の推進についてお伺いをいたします。  昨日、橋爪県議の質疑でもありましたが、重複しないように、私からも質問させていただきます。  先ほども述べさせていただきましたが、本県のやよいひめ、ぐんま名月、それに、上州和牛、上州牛などは本当に高品質で、そのすばらしさをもっと多くの方に知っていただきたいと思っております。しかし一方で、農業に従事する方の高齢化や離農者の増加によって、市場が求める安定した生産数量が確保できないというお話を聞くことがあります。その要因は、栽培に手間や労力がかかり、肉体的に重労働であるうえに、儲からないからとも言われております。  私は、これまでの儲からない農業から、儲かる農業への転換ができれば、若い方が新たな担い手として参入し、中山間地への移住も進むのではないかと考えております。その意味において、スマート農業への期待が高まっており、テレビや新聞で各地の取組が報道されております。  本県のスマート農業の取組について、部長にお伺いをいたします。 ◎吉野努 農政部長 スマート農業に関しての御質問でございますけれども、農業生産の現場では、担い手の減少・高齢化による労働力不足が深刻な問題になっております。また、依然として、人手に頼る作業や、熟練者でなければできない作業も多く、省力化、人手の確保、作業負担の軽減が課題となっております。  国では、近年、技術発展の著しいロボット・AI・IoT等の先端技術、いわゆるスマート農業と言っているものですけれども、これを速やかに生産現場に普及させるため、本年度からスマート農業実証農場を設置し、研修会の開催や視察の受け入れを行うなど、スマート農業に関する事業を強化し、その活用を呼びかけております。こうした国の動きを受け、県でも農政部内にスマート農業推進会議を設置し、本県に適したスマート農業技術体系の構築、国庫事業の活用を含む事業の検討を開始いたしました。また、農業技術センターでは、IoT技術を用いたきゅうりやイチゴの環境制御システムの開発による収量向上や、AI技術を用いた野菜の病害虫を診断するシステムの開発による品質、収量の安定化を目指しております。さらなる技術開発に向けては、県内の大学との連携も重要と考えており、連携協定を締結し、共同研究の検討も開始したところでございます。  これまで県内の意欲ある生産者から、スマート農業については、収量増加や規模拡大につながるなど、期待の声が寄せられております。県としては、若者にとっても魅力ある農業の実現に向け、スマート農業をしっかり推進してまいりたいというふうに考えております。 ◆福重隆浩 議員 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。  食から一歩離れて、観光誘客の視点から農業を眺めるとき、県内にある1次産業関連の観光資源としてのぐんまフラワーパークの活用は大きな可能性を秘めていると感じておりますので、ちょっとこのことも質問させていただきたいというふうに思います。  知事は就任早々に過密なスケジュールを調整して、ぐんまフラワーパークに訪れられたというふうに伺っております。ぐんまフラワーパークは1992年に開業し、今年で27年を迎えました。これまでに1,000万人を超える来場者があったと聞いております。その意味におきましては、赤城南面の観光施設として、私は大事な施設のひとつだというふうに認識をしております。  実は私は昨年の12月に久々に家族とぐんまフラワーパークに行ってきたんですけれども、そのときに、イルミネーションの装飾と、中央にある18メートルのタワーでやっていたプロジェクションマッピングは本当に圧巻で、よく引き合いに出されるあしかがフラワーパークにも引けをとらないのではないかなというふうに私は思っております。ただ、土曜日に行ったにもかかわらず、なかなか来場者がいなかったというのが寂しい限りでございました。  私は、こういった施設も、例えば北関東自動車道沿線には、茨城にひたち海浜公園、栃木にはあしかがフラワーパーク、そして、ぐんまフラワーパークと花の公園があるわけです。ひたち海浜公園だとか、あしかがフラワーパークは海外でもすごく人気です。私は、これを北関東自動車道のフラワーパークラインみたいな形の戦略をつくって、こういったものも売り出していけば、インバウンドにも非常に資する施設になると思いますし、また、こういったことで群馬のすばらしさということが広まれば、花き販売というものの活性化につながっていくのではないかなというふうに思っております。  そういった意味で、ぜひ県としてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますけれども、農政部長の考えはいかがでしょうか。 ◎吉野努 農政部長 フラワーパークの活性化についての御質問でございますけれども、福重県議からのお話にございましたように、フラワーパークは平成4年4月に開園いたしまして、昨年5月には累計で入園者1,000万人を達成いたしました。  これまでの県の主な取組としては、フラワーパーク開園後も施設整備の面で、夜間イルミネーション設備の設置や、イングリッシュガーデンの整備、農産物の直売所の新設等を行ってきました。運営面では、県産花きの振興を念頭に、フラワーパークの花壇に使用する苗の8割は県内生産品を使用しております。また、民間のノウハウを活用するため、平成18年度から指定管理者制度を導入し、音楽と共演した花火大会の開催、インスタ映えする花の植栽への変更等、様々な工夫を行うとともに、平成30年度からネーミングライツを導入し、新たな財源確保も行っております。  活性化に向けた取組についてでございますけれども、生産者団体と連携した園内の飾花や即売会の実施等により、生産者の意欲向上を図るとともに、フラワーアレンジメント教室やガーデニング講座等の充実により、消費者等へ向けた県産花きの魅力を発信することで、需要拡大による本県花きの振興につなげることもひとつの考え方だというふうに思っております。  しかしながら、開園から27年が経過し、施設の老朽化が目立つとともに、入園者数がここのところ伸び悩んでいる状況でございます。フラワーパークには様々な課題がございます。この課題を整理し、いろいろな角度から今後について検討してまいりたいというふうに思っております。 ◆福重隆浩 議員 今、いろいろな課題があるということで御指摘もありました。先ほども言いましたとおり、群馬県がインバウンドをやっていくうえにおいて、群馬県単体の力だけではなくて、知事が北関東の連携だとか、新潟との連携だとか、そういった事業を模索しておられます。まさにさっき言ったフラワーパークラインなんていうのも、北関東3県の連携事業としておもしろいのではないかなというふうに私は思っておりますので、ぜひこういったこともしっかりと取り組んでいただければと思います。また、以前、観覧車も設置したらどうかというような請願があったように聞いております。そういった意味では、そういった施設というもの、何か目玉になるようなものがあってもおもしろいかなというふうに思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
     農政部長、ありがとうございました。  次に、知事に健康寿命の延伸対策について質問いたします。 ○狩野浩志 議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆福重隆浩 議員 今、人生100年時代と言われております。政府の人生100年時代構想会議の中間報告の中に、ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子どもの半数が107歳より長く生きるという推計をされており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えていますと書かれております。この100年時代を生きるうえにおいて大事なことは、県民一人ひとりのQOL、生活の質を向上させ、いきいきとした生活を送ることができるように、健康寿命を延ばしていく取組が必要であるというふうに思っております。  国において、ウォーキングと医療費抑制効果の関係を調査したところ、現行の歩数に対して、1日1,500歩多く歩いていただくと、年間3万5,000円の医療費削減効果があるとの試算が示され、また、別の研究では、1日25分のウォーキングで寿命が7年延びるとも言われております。このようなウォーキングの効果に着目し、他県では、県民に楽しくウォーキングを実践してもらうために、歩数に応じてポイントを付与し、商品券などが当たる取組や、スマホに専用のアプリをダウンロードし、スマホを持って歩いていただくと抽せんで賞品がもらえるイベントが行われておりますが、ぜひ本県でも、民間企業などにも御協力いただき、何らかのインセンティブを設け、県独自の県民参加のウォーキング事業を行っていただきたいと思います。  知事は、県民の先頭を常に走るプレーヤーとして、知事御自身が健康プログラムを実践していると伺っております。その意味において、今後、知事が県民の健康寿命の延伸についていかに取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。県議がおっしゃったように、健康寿命の延伸というのは非常に大事な課題だと思っていますし、これから県民の幸福度の物差し、基準というものをつくっていくうえでも、健康寿命というものがひとつの大きな要素になるというふうに考えております。  県議はこの中身をよく御存じだと思いますが、一応、県としても、健康づくりの実践ということで定めた、ぐんま元気(GENKI)の5か条というのがありまして、この普及を図るために、元気に“動こう・歩こう”プロジェクトを展開しております。ぐんま元気アプリ等々も開発して、関係部局も非常に努力をしていただいているということはよくわかっているんですけれども、残念ながら、まだ十分に普及していない状況が続いているので、今言ったような健康ポイント等についても、インセンティブを与える新たな工夫が必要だというふうに私は感じています。  私がずっと注目しているのは、横浜市のよこはまウォーキングポイントというものなんですけれども、もちろんこれは、わかりませんが、相当初期投資も大きいし、群馬県の政策と横並びにはなかなかできないんですが、ただ、30万人加入しているんです。30万人がよこはまウォーキングポイントに加入しているということは結構驚いたんですけれども、そのインセンティブは、景品が出るとか、意外と当たり前なことなものですから、県議会からのお知恵も借りながら、群馬県ならではのインセンティブを与える制度をつくれば、さっきおっしゃった群馬県独自のウォーキングポイントみたいなものは十分県民に浸透する可能性はあるんじゃないかと私は考えております。ですから、これは、市町村、保険者、民間企業等とも連携する必要があると思いますが、群馬県独自の健康ポイント、特にウォーキングについては、もっと大勢の方が参加できるような仕組みをぜひ考えたいと思いますし、こういうこともある意味、世界の先進事例を自我作古チームで研究させてもいいかなというふうに思っております。  先ほど申し上げました群馬県民の幸福度を上げるという物差し、指標をつくる中で、健康寿命の延伸というのはとても大事だと思うので、活力ある健康長寿社会を実現するための有識者会議みたいなものはつくりたいと思っていまして、座長の人選だけ今終えたんですけれども、これからだんだん固まっていくに従って、御報告もさせていただきたいと思います。活力ある健康長寿社会をつくるということが、恐らくあらゆる地域の基本コンセプトだというふうに思っていまして、この有識者会議は相当きちっとした人を今選んでいるんですが、有識者会議の中でも、健康ポイント、いわゆる健康寿命を延ばすための施策のあり方についても議論させていただきたい、当然、県議会のほうともいろんな意見交換をさせていただきたいと思いますし、この問題に永年取り組んでおられる福重県議のお知恵もお借りできればというふうに思っています。 ◆福重隆浩 議員 大変にありがとうございました。  これは知事も言っていたのかもと思ったんですけれども、やはりこういう健康プログラムを実践するときには、楽しい、それから、インセンティブが必要なんだと思うんです。そうすることによって、県民の参加率というのも上がると思いますし、そういったものを知事が情報発信していく中で、横浜を超えるような成果を上げていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  知事、ありがとうございました。  次に、災害対策本部実施室の整備について、危機管理監に質問いたします。 ○狩野浩志 議長 危機管理監、答弁席へ。           (横室光良危機管理監 登壇) ◆福重隆浩 議員 近年、水害や地震など、様々な災害が国内で相次いで発生しています。今月に入っても、台風15号により、千葉県を中心に強風によって電柱等がなぎ倒され、大規模な停電が発生し、深刻な状況が続いております。改めて被災をされた皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、一日も早い復旧、復興を心から願っております。  このような想定の範囲を大きく上回る豪雨や水害が日本各地で毎年のように頻発をしております。もし大規模な災害が発生した場合、県として、県民の生命、財産を守るため、知事を先頭に、職員、警察、消防、自衛隊などが一体となって対応に当たることが重要であり、そして、それら関係機関が一堂に集まることのできる実施室が必要になると思っております。  これまでも本県では、災害が発生した場合を想定し、県民ホールを使っての災害対策本部図上訓練を実施してまいりました。しかし、災害においては初動の対応が重要なことに異論はないと思いますが、県民ホールで何かイベントでも開催していた場合、速やかな開設をすることが難しいことも想定されます。また、様々な情報が実施室には寄せられることになりますが、がらんどうの県民ホールでは情報管理も難しいと思います。知事は、このことを考え、今回の補正予算に災害対策本部実施室準備調査費として50万円を計上されております。また、近県を見ても、埼玉県、栃木県、山梨県などが、庁舎内か別棟かはそれぞれ形態が違うようですが、いずれも常設の実施室を整備しているとのこと。  現庁舎が建てられて約20年が経過したわけですが、当時と現在では災害の発生頻度は確実に高まっていると思います。その意味において、いつ起こるかわからない災害に対処するには常設の実施室が必要であると思います。ぜひ県民の安心・安全を高めるためにも、早急に実施室の整備を行うべきと考えますが、危機管理監の御所見をお伺いいたします。 ◎横室光良 危機管理監 実施室の整備につきましてお答えをしたいと思います。  大規模災害が発生した場合に、県庁や警察本部で組織する災害対策本部の職員をはじめ、消防、自衛隊、DMAT等のメンバーが被害情報の共有を図りながら、県の災害対策に必要な業務調整を継続的に行うスペースを災害対策本部実施室というふうに呼んでいるところでございます。実施室には、地図や資料を広げるためのテーブル、災害対応専用の電話、ファックス、パソコンなどのOA機器等を臨時的に設置する必要があることから、本県では、大規模災害の発生時に一定のスペースを確保できる県庁舎1階の県民ホールに設置するということとしているところでございます。  東日本大震災や熊本地震、昨年の西日本豪雨や、今回9月上旬の台風第15号の被害状況を見ますと、その激甚化、広域化が顕著となってきておりまして、都道府県における災害対応としては、広域にわたる複数の市町村の被害状況等を同時に迅速かつ正確に把握することの重要性が増してきているというふうに認識しているところでございます。しかしながら、本県の現状では、議員のお話にありましたけれども、災害発生後、実施室を設置するには一定の時間がかかりまして、特に夜間や休日には緊急事案への対応の遅れが懸念されるということ、また、オープンスペースでの情報管理には課題もあることから、今回、補正予算に調査費を計上し、常設の実施室を整備する方向で検討を進めることとしたところでございます。  本県の参考となります近県の10都県におきましては、いずれも常設の実施室を有しておりまして、その整備状況につきましては、県庁舎とは別の建物に整備しているのが3県、県庁舎内に設置しているものが7県でございまして、整備面積についても300㎡から800㎡とばらつきが見受けられるところでございます。また、設備等についても調査対応とすることとしております。実際に運用したうえでの評価や改善点、平時における利活用等について、5県ほどを抽出して、早急に調査を行うこととしているところでございます。  今後、調査結果を踏まえまして、設置場所、必要となる設備などの整備方針を決定し、早期に常設の災害対策本部実施室を整備することで、本県における防災機能の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆福重隆浩 議員 前向きな答弁、ありがとうございました。  今、設置に向けて鋭意検討していくということでございますけれども、その結論はいつ頃までに出したいと思っておられるのでしょうか。 ◎横室光良 危機管理監 御答弁しましたように、早急にということで、方針につきましては今年度中を目途に、可能であれば来年度当初予算に向けた対応ができればいいというふうに考えております。 ◆福重隆浩 議員 非常にスピード感を持って行動されているなというふうに実感をいたします。ぜひよろしくお願い申し上げます。  危機管理監、ありがとうございました。  次に、マイタイムラインの整備について、県土整備部長に質問いたします。 ○狩野浩志 議長 県土整備部長、答弁席へ。           (岩下勝則県土整備部長 登壇) ◆福重隆浩 議員 ちょっと時間がなくなってきましたので、急いで質問させていただきます。  近年の異常気象による災害の激甚化は一過性のものではなく、今後ますます深刻化するという覚悟を持って、防災・減災の取組を行っていかなければならないと思っております。そのためには、河川整備などのハード面の防災対策はもちろんのこと、昨年の第3回定例会において藥丸県議より、災害時、関係機関の情報共有を強化し、迅速な避難判断等を行うための水害対応タイムライン、防災行動計画の策定などのソフト面の整備を早急に行うべきとの質問をさせていただき、当時の中島部長より、洪水時に住民が避難を判断する際の参考となる避難判断水位等を設置している主要19河川について、33年度までに水害対応タイムラインを策定するとの答弁をいただきました。  ただ、昨年の西日本豪雨における報道でも、大型の台風が近づいてきているにもかかわらず、過去の経験から、自分の地域や家は大丈夫との判断から逃げ遅れた多くの方々が犠牲となられました。その意味において、住民お一人おひとりがどこに逃げたらいいのか、いつ逃げたらいいのかということを事前に決めておくマイタイムライン、避難行動予定の作成が急務と考えております。ぜひ、先進的に取り組んでいる長野県や東京都のように、県が主体となってマイタイムラインの普及を進めるべきと考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。 ◎岩下勝則 県土整備部長 マイタイムラインの作成をするためには、洪水が予想される場合、いつ、どのような情報が発信されるか、どのように浸水被害が広がるのか、どこへ逃げたらよいのかというのをあらかじめ県民にお示しする必要がございます。現在、県が提供いたしました浸水想定区域図や洪水時の水位データをもとに、市町村のほうで洪水ハザードマップや、防災関係機関の行動計画となります水害対応タイムラインの作成に取り組んでいるところでございます。  今後は、洪水ハザードマップや水害対応タイムラインの作成状況を踏まえまして、できたところから市町村と連携して、例えばモデル地区において先進的にマイタイムラインの作成に取り組んでみるとか、地域ごとに講習会を開催するなど、具体的にマイタイムラインの普及対策について進めてまいりたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 やはりこういったものはスピード感を持ってやっていただく、そして、県がこの普及を進めていくということが県民の命を守っていくことにつながると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。  そして、3番目の質問でございますけれども、これに関しましては、昨日の橋爪県議の質問と重なる部分もあると思いますので、時間の関係上、割愛をさせていただきたいというふうに思っております。  引き続き、高齢者等が運転される場合の交通事故対策について、県土整備部長に質問いたします。  本年、東京で87歳の高齢者が運転する車が暴走し、母子2人の尊い命が奪われ、その後も高齢者が加害者となる悲惨な事故が続いております。近年、警察の取組や車の安全対策の向上などにより、交通事故の発生件数は減少傾向にありますが、75歳以上の高齢運転者の死亡事故の割合は高まっており、こうした事故を減少させる取組が急務となっております。  本年の第2回定例会において水野県議が、5月に滋賀県で発生した交差点での運転ミスにより幼児が犠牲となった痛ましい事故を受け、交差点のガードレール、車止めの設置について、県土整備部長に強く求めさせていただきました。そして、今回の補正予算において、交差点の緊急対策費として6,350万円が計上されたことにつきまして感謝を申し上げます。  そこでお伺いをいたしますが、今回の補正予算書の説明書には、交通事故の発生を防止し、県民の交通安全を確保するための緊急対策に必要となる公共事業費の増額との記載がなされておりますが、具体的な事業について御説明をお願いいたします。 ◎岩下勝則 県土整備部長 具体的な事業でございますが、今回の補正は滋賀県で発生した事故を受けたものでございますが、緊急対策といたしまして、交差点内に右折誘導ラインを設置しようというものでございます。右折誘導ラインとは、右折レーンがある交差点の路面に右折車が通行と停止をする誘導を標示することで、右折車の急な内回りや、それによる車両事故、歩行者の巻き込み等を防止するものでございまして、この右折誘導ラインの効果については、国土交通省や県が参加いたします移動性・安全性向上検討委員会の中でも、データとして、整備の前後で年間の事故発生件数が4割以上減少するという報告がされております。交差点の事故対策として、まず手始めにやる、効果の高い手法であると考えております。  県が管理する約2,800か所の交差点がございますが、右折レーンが設置してあるものの、今申し上げました右折誘導ラインが整備されていない交差点が約760か所ございます。今回の補正予算では、このうち、交通量が多く、緊急性の高い交差点に右折誘導ラインを迅速に整備させていただきまして、交差点の安全性を確保してまいりたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 右折誘導ラインを整備していただくということでございますけれども、もう1つ、交差点に幼児を守るためのポールだとか防護柵はどうなっていますでしょうか。 ◎岩下勝則 県土整備部長 これまでも県警と連携いたしまして、交通事故多発地点における現地診断だとか、学校関係者も参加してもらって、通学路の安全点検等を毎年実施しておるところでございますが、今回の事故を受けまして、保育園などの施設関係者とともに、未就学児の集団移動経路の合同点検も実施しておりまして、今月中に終わらそうということで今進めております。  この合同点検の結果も踏まえまして、車両の防護柵の設置や注意喚起の看板、区画整理の引き直しなどの対策について、10月中に取りまとめを行い、緊急性の高いところから順次整備に着手してまいりたいと考えております。 ◆福重隆浩 議員 ありがとうございました。  もう1つ質問したいのは、高齢者が加齢によって認知が遅れたりだとか、運動行動の遅れによって、また、間違いによって事故を引き起こすことが多発しているわけでございますけれども、そういった意味において、今、先進的な県、例えば香川県は、防止機能のあるサポートカーの購入補助だとか、東京都では、後づけのアクセル踏み間違え防止装置を補助するというふうに聞いております。また、大泉町でもこういった整備をするというふうに聞いております。こういったものが必要ではないかというふうに思っておりますが、県の考えをお聞かせください。 ○狩野浩志 議長 県土整備部長、残り1分です。 ◎岩下勝則 県土整備部長 議員御指摘のとおり、高齢者の事故を防止するために、安全運転補助装置の普及促進というのは大変重要なことと考えております。また、そのひとつの施策といたしまして、後づけ運転補助装置の購入補助についても有効な手段ではないかと考えております。  現在、対象者をどうするか、補助装置の機種や支援規模をどう設定すべきなのか等につきまして調査研究を進めるとともに、製造メーカーや販売店への聞き取り調査、職員による市場調査等も進めているところでございます。一方、国においては、各種運転支援装置の性能の認定制度を検討していることも聞いておりまして、県としては、このような国の動向も注視しながら、引き続き、購入補助制度の創設も含めまして、安全運転装置の普及促進、そして、交通安全教育など、年内に方針が出せるよう、検討を進めてまいりたいと思います。 ◆福重隆浩 議員 ありがとうございました。  以上で終わります。(拍手) ○狩野浩志 議長 以上で福重隆浩議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○狩野浩志 議長 暫時休憩いたします。  午後1時10分から再開いたします。     午後0時18分休憩     午後1時10分再開           (井田 泉副議長 登壇 拍手) ○井田泉 副議長 暫時、議長職を執り行います。   ● 再     開 ○井田泉 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○井田泉 副議長 斉藤優議員御登壇願います。           (斉藤 優議員 登壇 拍手) ◆斉藤優 議員 皆さん、こんにちは。自由民主党の斉藤優でございます。たくさんの傍聴の方々、そして、テレビやインターネットを御覧の皆様、お忙しい中、誠にありがとうございます。県議会における私の初めての質問でございます。対話と民意尊重の先に理想の行政、政治があると信じて、通告に従って一生懸命務めさせていただきますので、どうかよろしくお願いします。(拍手)  最初に、山本知事、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆斉藤優 議員 まず最初に、群馬県のイメージアップについてお尋ねいたします。  政治家には、情熱、責任感、判断力の資質が特に重要であり、注目を集めようとする職業的な宿命も手懐け、道徳的にも屈服せず、政治倫理を保ち続けられる人間こそが政治への天性を持っているとマックス・ウェーバーが言っております。私が言ったのではございません。山本知事は、今言ったその天性を備えていると私は思います。知事の圧倒的な行動力と先見性、発信力、さらに、プレーヤーとしての確固たる自覚を存分に活かしていただいて、群馬県の実情に応じた先進的な独自の取り組みをしていただくことを望むものでございます。  ブランドアイデンティティーを掲げて、地域ブランドの創造と管理をしていくことこそが、自治体の生き残りをかけた生命線と言えます。知事が就任挨拶において課題の冒頭に掲げた県民の幸福度の向上も県民のプライドの醸成も、積極的で訴求力のある情報発信なくして成り立たないと考えます。山本知事は、これから県の魅力を国内外に認知してもらい、イメージアップをしていくために、何を、どのように情報発信していくのか、その思いと具体的な内容をお答え願います。よろしくお願いします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。斉藤県議も、市議としての実績をしっかりと積み重ねた後で県議会に当選されたと。いかに県議会の仕事、そして、地元の活動にも真面目に取り組んでおられるか、今日、この傍聴に集まられた斉藤議員のファンの数を見て、改めてそのことを痛感いたしました。顔は非常に怖いんですけれども、心がやさしいと、皆さん、よく御存じなんだと思います。  それでは、今日は斉藤議員の御質問の知事答弁は1つしかありませんから、少し丁寧に答えさせていただきたいと思います。  まず、県議と恐らく同じ認識だと思うんですけれども、群馬県は魅力にあふれた県だと思います。大きな存在感、潜在力、可能性を秘めた地域であると。これは全く同じ御認識だと思います。にもかかわらず、残念ながら、群馬の持つ魅力、潜在力が、なかなか周りからそれに見合った評価を得ていないと。私が今回選挙に出る前も、多くの方々から、もうちょっと群馬は輝けるんじゃないか、もっと群馬は発信できるんじゃないかという声があったわけでございまして、これは知事の所信でも申し上げたとおり、こういう停滞感とか閉塞感をリーダーシップをもって何とか打ち破っていきたいというのが、私の知事としての目標でございます。  群馬のイメージアップにとって何が大事なのか。これをたった一言で言うと、群馬の魅力を内外に発信するということに尽きると思います。魅力、あるいは潜在力が発信されて初めてインバウンドが増えるわけであって、例えば群馬の優れた農畜産物も販路が開けるということだというふうに思っています。  では、問題は、何を、どんな形で発信していくのか。県議が私に今お尋ねになった発信戦略のところですが、まず、何をの部分なんですけれども、コンテンツは山ほどあると思っています。豊かな観光資源、そして、数々の特産品、先ほど農畜産物の話もしました。リンゴの紅鶴から始まって、キャベツもあります。おいしいものが一杯あります。さらには、温泉文化も含めて、魅力的な温泉もそうですけれども、観光地もあります。そして、義理人情にあふれた県民性も私はコンテンツだと思っていますし、何より注目しているのは、群馬県のバランスのとれた住環境。首都圏に物すごく近い、自然がある、食べ物がおいしい、物価が安い。実はもっと関係人口も移住人口も増やせるというふうに考えております。  コンテンツは限りなくあります。ありとあらゆるコンテンツを、あらゆる場所でみんなが発信していくということがまず基本だというふうに思っていまして、最近注目しているのは、いろいろあるんですが、例えばプロスポーツを盛り上げることの効果。先般、群馬クレインサンダーズの開幕戦に行ってまいりました。フリースローを3本とも外してしまいました。非常に残念だったんですが、私の生まれ故郷が起源になっているザスパ草津もそうですけれども、プロスポーツが盛り上がることによって、群馬県のイメージを上げるということもあると思います。  今日、そこに藤岡市選出の神田県議がおられますけれども、今、藤岡市のJCが中心になって、まち映画をつくっていまして、できたんです。「コウとチョウゴロウの夏」だったと思いますけれども、実は藤岡には偉人がいっぱいいると。高山社という世界遺産の高山長五郎さん、あるいは、上毛かるたで有名な関孝和も実は藤岡です。零戦の堀越二郎さんも藤岡だということをお聞きしておりますが、こういう有名人とか偉人たちにスポットを当てることでもイメージが上がります。有名人といえば、中山秀征さんとか、井森美幸さんには観光大使をやっていただいているんですが、実は群馬にはもっといろんな分野で活躍している方々がいます。こういう人たちを発掘して発信するということも大事だと思います。  しかし、同時に、よくロングテール戦略とインターネット上では言うんですけれども、ありとあらゆることを発信するのと同時に、何でもあることが群馬の強みであり、弱みでもあるので、選択と集中じゃないんですけれども、その中からエッジのきいた、とがったものを探して発信するということも大事であって、この2つをしっかりとバランスをとっていくべきだと思います。  どうやって発信するのか。もちろんいろんな方法があって、今度、コンベンションセンターもできますが、例えば、いろんな展示会に出品するとか、県内でいろんなキャンペーンをやるということなんですけれども、基本は、メディアを通じない限り、多くの国民には伝わらないということだと思います。例えば群馬県の魅力を世界に発信するといったときのツールはインターネットしかありません。だからこそ、今回、県庁に最新の動画スタジオをつくりたいと思っています。  これは先ほどもちょっと申し上げましたが、本当にインバウンド戦略にネットを最大限活用している県はないと思っています。宇留賀副知事に来てもらった理由のひとつですし、あるいはまた、ネット戦略アドバイザーも今回任命させていただきましたが、あそこを拠点にして、例えばインターネットで届かない層の方々には、地元のテレビと連携する、地元のラジオと連携する、あるいは、いろんな紙媒体と連携する。英語の番組をつくれば、マーケットは20倍になりますから、そういう各県の持っていない初めてのメディアミックスをつくり上げるための中心が動画スタジオだというふうに思っております。ぜひそこら辺のところを御理解いただいて、斉藤県議からもいろんな知恵とお力を貸していただきたいと思います。  まさしくこれがトップセールスだと思っていますけれども、農畜産物からプロスポーツまで、ありとあらゆる形で、これから知事が先頭に立って、トップセールスで盛り上げていきたいと思っております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。よもや本会議場で顔のことを言われるとは思わなかったんですけれども、選挙を通して顔のことを言われて、最初は私の心も千々に乱れたんです。ところが、これは伊勢崎支部では有名ですよ。人口に膾炙しています。それだけをとっても、知事の発信力、人柄も相まって、すばらしいものがあるというふうに思います。  選挙戦は私も何度か御一緒させていただきましたが、一番山本知事に対して感心したのは、どんな局面においてもベストを尽くすということです。これは私なりの感想でございます。知事ぐらい経験があれば、もっと達観して、余裕を持った態度をとれるかもしれません。ところが、知事はどんな局面においても全力でアグレッシブに、これはいい意味で、なりふり構わず努力をいたしました。これは、もう既に始まっておりますが、これからの県政への姿勢を読み取ることができます。  現在、いろんな災害の対応の遅れで、様々なことを言われている知事もおるようですけれども、そういう人と比べたとき、全然態度が違います。豚コレラに早急な対応をしていただいておりますので、その姿勢をぜひ持続して、さらに頑張っていただきたいと思います。  昨日から再三言葉に出ている、ブランド力を上げるであるとか、幸福度を上げるというのは、群馬の人は、恥ずかしがりというんですか、ある意味でシャイで控え目なんです。日本人は何事もつまらないものですけれどもと出しますけれども、それがちょっと屈折しているようなところもあるかもしれません。ですから、おっしゃっているように、コンテンツは大変すばらしいものがありますけれども、それを、こんなにいいんだ、自信を持っていいんだと思ってもらうことが一番大事だと思います。そのためには、知事のアグレッシブさで群馬を変えられるというふうに思います。できれば日本も変えていただきたいわけですが、まず群馬を変えていただけると思います。  そしてもう1つ、知事といえばブログなんです。これは公務とは関係ないかもしれませんけれども、大きなコンテンツだというふうに思います。この辺の扱いはどういう感じで取り組んでいくかということをお聞かせ願えればと思います。
    ◎山本一太 知事 ありがとうございます。過去、いろいろとブログは物議を醸しておりまして、反省する点も多々あるんですけれども、発信力ということを考えたときにはいろんなツールがあるんです。SNSで言うと、フェイスブックとかツイッターが主流になっているんですけれども、県議、これは5年、10年たったら、恐らく新しいいろんなツールが出てきて、10年先にフェイスブック、ツイッターが今の状況かどうかというのはよくわからないと思います。ですから、最新のSNSを今研究したいと思っていますし、もちろん群馬県にもそれを活かしていきたいというふうに考えております。  今、私が毎日書いているブログは、実はかなり読者の方がおられて、ランキングでも意外と部門別でトップになることもあるんですが、とにかく一人でも多くの方に、知事が何をしているのか、知事が何を考えているのか、県庁がどう動いているのかを伝えるツールとして最大限に活用していこうというふうに思っていますし、また、今、ツイッターのフォロワーが約20万人ぐらいなんですけれども、これをぜひ50万、100万まで増やして、直接県民の声が聞けるような状況まで何とか持っていきたいです。加えて、菅官房長官にも来ていただきましたが、インターネットテレビもさらに続けていくつもりなので、さっき言ったように、こういうものをメディアとしてミックスすることによって、かなり発信力は高められるんじゃないかというふうに思っていますので、ポジティブな意味でブログ等々の発信装置を使って、群馬県のためになるような発信をしてまいりたいと思います。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。群馬が変わっていくのではないかという胎動を感じている人がたくさんおります。そういう声をよく耳にいたします。ぜひ積極的にこれからも発信していただくようにお願いします。  この項は閉じます。ありがとうございました。  次に、農政部長、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 農政部長、答弁席へ。           (吉野 努農政部長 登壇) ◆斉藤優 議員 不易流行と申しますが、農は国の大もとであり、国の発展は農が支えるものであるとする考え方は、古代から現在まで、時代を経ても変わることのない原理でございます。しかし、経済の成長とともに、農業の姿は大きな変化を遂げました。他産業との収益格差は拡大し、食料自給率も大幅に低下し、農村では、過疎、高齢化、担い手不足など、深刻な事態が発生しました。農家人口も1割前後となり、農村の姿は大きく様変わりしてしまいました。そのため、近年、政府の施策も、意欲と能力のある担い手の育成や、地域の創意工夫を活かした取組を後押しするための攻めの農政へと大幅な転換が図られております。  そこで、農業県である本県において、農業にまつわる諸問題の基本である担い手問題の確保について質問いたします。  新規就農者の今年度の状況と、就農促進に向けた支援策についてお尋ねいたします。お願いいたします。 ◎吉野努 農政部長 担い手の確保に関する質問でございますけれども、令和元年度の45歳未満の新規就農者数は170人となっており、昨年に比べて45人減少しております。新規就農者の経営部門を見ると、野菜、果樹、花きなどの園芸部門が108人、全体の64%を占めており、これが最も多く、次いで畜産が28人となっております。特に園芸部門の中では野菜が89人ということで、全体の過半を占めている状況でございます。就農形態別では、自営就農者が103人、農業法人等へ就職する、いわゆる雇用就農者が67人となっております。  次に、就農促進に向けた支援策についてでございますが、就農希望者の掘り起こしを図るため、県内の高校生を対象に、先進農家の見学や、農林大学校生との意見交換を行うセミナーのほか、県内在住者を対象とした就農相談会を開催しているところでございます。また、県外からのUターンやIターン就農者を確保するため、東京で開催される新・農業人フェア等への参加や、県主催の移住・就農相談会も行っております。さらに、農業経験の少ない就農希望者に対しては、5日程度の農業体験により、農業への理解促進や適性の判断材料としてもらうとともに、就農の意思を固めた方に対しては、1年から2年にわたる先進農家研修による栽培技術や経営管理の習得に加え、研修にかかる経費の一部も支援しております。また、産地の維持・発展を図るため、市町村やJA、地域の農業者が一体となり、産地戦略の策定や、就農を総合的にサポートする受入れ体制づくりにも取り組んでおります。これまでに切り花産地である中之条町の六合地区や、梨の産地である明和町では、県外から移住した新規参入者が、ハウスや果樹園などの生産基盤を継承し、地域の担い手として定着しているところでございます。  県としては、一人でも多くの将来の担い手を育成していけるよう、就農希望者の掘り起こしから、地域への定着、経営の安定まで、切れ目のない支援を行っているところでございます。 ◆斉藤優 議員 様々な御努力、ありがとうございます。  御答弁の中で新規就農者170名とおっしゃいました。減少傾向、去年から見ると減っているというわけでございますが、そのことに対する農政部長の率直な自己分析というか、自己評価を聞きたいと思います。よろしくお願いします。 ◎吉野努 農政部長 先ほど申し上げましたように、新規就農者数は170人ということでございました。中でも、雇用就農者が前年に比べて37人減少し、67人となったことが大きな減少の要因と考えております。この理由といたしましては、人手不足を背景に、有効求人倍率が右肩上がりの状況が続いており、他産業との人材獲得競争が激しさを増していることが影響したというふうに考えております。このことは、国の平成30年度新規就農者の調査結果でも同様の傾向が見られ、49歳以下の雇用就農者は前年に比べ11%減少し、全体では5年ぶりに2万人を割り込んでいるという結果からもうかがえます。  一方で、経営開始に当たっては、各種支援策などの充実により自営就農者は103人となっており、ほぼ前年並みの人数を確保しております。中でも、農家子弟でない新規参入者については29人ということで、前年度の22人から増加している状況でございます。  本県農業の持続的発展を図るうえで、新規就農者の確保は重要な課題のひとつというふうに認識しております。県としては、群馬の農業の魅力を多くの方に発信するとともに、就農相談から、地域への定着、経営の安定まで、引き続き切れ目のない支援により、個々の就農者のみならず、産地の維持・発展につながるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。人手不足はどの産業にも共通するものでございますし、あと、少子化というのが本当にボディーブローのように、こういうところにも出てくるのかなとも思います。ともかく、ぜひともやる気と能力あふれる新規就農者の皆様を全力でサポートして、群馬の農業、群馬の未来に新たな可能性をお願いしていただきたいというふうに考えております。  次に、2点目ですが、御答弁にあったように、本県における新規就農者の過半が集中し、また、産出額も大変多い野菜部門の趨勢は、県内の農業全体の将来を左右すると言えると考えます。野菜王国・ぐんまとして、利益率、就業率の高い野菜の担い手が育つ、野菜産地の育成に向けたこれまでの取組と今後の振興方策についてお聞きいたします。よろしくお願いします。 ◎吉野努 農政部長 野菜振興の御質問でございますけれども、これまで県では、野菜王国・ぐんま推進計画を策定いたしまして、産地対策、販売・消費対策、セーフティーネットの3つの戦略の柱を立て、県域で進行している重点8品目や地域推進18品目を中心に、野菜の生産振興に取り組んできました。  産地対策では、担い手を確保し、競争力の高い経営体の育成を進めるとともに、産地の基幹施設の整備や、生産性の高い新技術の導入を支援し、産地強化を図ってまいりました。また、生産者や団体とともに、きゅうり、なすの日本一の産地づくりも進めてまいりました。また、販売・消費対策では、農業団体と連携し、京浜市場を中心とした販売強化に加え、加工・業務向けの契約販売など、流通・販売チャンネルの拡大に取り組むとともに、トップセールスや量販店での野菜フェア等にも取り組んできました。セーフティーネットでは、野菜の価格が下落した際に、生産者へ補給金を交付する野菜価格安定制度をはじめ、生産者が安心して野菜経営に取り組める環境づくりを進めてきました。これらの取組により、夏秋なす、キャベツの出荷量は全国第2位から1位へ、きゅうりの東京都中央卸売市場における県産シェアも平成29年に初めて1位になるなど、成果を上げることができました。また、その結果、平成29年の本県の野菜産出額は997億円ということで、10年前と比較して2割以上増加しております。  今後の野菜振興方策でございますけれども、引き続き、産地の基幹施設である共同選果場等の整備をはじめ、きゅうり、なすに続く新たな品目の生産拡大にも取り組み、産地強化を図ってまいりたいと考えております。また、環境制御技術の導入による単収の増加や、機械・施設整備による規模拡大を推進し、他産業と比較しても遜色のない所得が得られる経営体を育成していきたいというふうに考えております。これらの産地対策とあわせて、野菜振興の柱である販売・流通対策、セーフティーネットにもしっかり取り組み、担い手が育つ、儲かる野菜経営と、活力のある野菜産地を実現してまいりたいというふうに考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。お話にあった選果場は、伊勢崎地区においても大変感謝する言葉を私も実際に耳にいたします。本県の恵まれた立地と自然条件をさらに活かして、首都圏の重要な野菜供給産地としての地位を確固たるものとしていただきたいというふうに強く願うものでございます。よろしくお願いします。  次に、本県の農業分野における労働力不足が顕著な中、多様な人材を受け入れ得る産業である農業における障害者の方々の就労や雇用の検討が必要と思われます。  農福連携ということになりますけれども、農業者と障害者の双方にとって大きなメリットが期待できる農福連携の取組の現状と今後の見込みについてお伺いいたします。 ◎吉野努 農政部長 農福連携の取組についてでございますけれども、農業者と障害者の双方にとって大きなメリットを期待できる取組でございまして、県としても、昨年から農福連携推進事業として、特別支援学校の現場実習支援とJAによる農福マッチングに取り組んでいるところでございます。  まず、特別支援学校の現場実習支援事業についてでございますが、生徒の農業分野への就農の可能性を検討するため、昨年度、県内4校の特別支援学校の1年生、2年生7名を対象に、野菜や花きを栽培する5か所の農業法人等で一、二週間の実習を支援いたしました。今年度は、従来の1、2年生を対象とした実習先を7か所に拡大するとともに、新たに3年生2名が農業法人等への就職を前提とした実習を行った結果、2名とも内定をいただき、来年度から農業の従事者として活躍を期待しているところでございます。  次に、JAによる農福マッチング事業についてでございますが、昨年度、JA甘楽富岡が農福連携相談窓口を設置し、収穫時期に人手が不足している7戸のコンニャク農家と、掘り取り作業を請け負う3つの障害者施設等とのマッチングを行いました。今年度は、窓口設置を継続しているJA甘楽富岡に加え、新たにJA佐波伊勢崎が8月1日に窓口を設置しました。既にJA佐波伊勢崎においても、農業法人と障害者施設とのマッチングを行い、キャベツやネギの除草・植え付け作業が開始され、委託した農業法人からは高い評価を受けております。今後も、窓口を設置するJAの増加を目指してまいりたいというふうに考えております。  県といたしましては、農業分野での障害者の活躍が農業の振興と障害者の自立に寄与するよう、このような農福連携の取組を着実に推進し、県内各地に拡大してまいりたいというふうに考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。当事者の方々の自活と生きがいにつながる、夢のある新しい取り組みに期待いたします。  本県においても、農は国の基であることを再認識できました。エコロジー的な生命感やコミュニティー再構築に向かう側面も認めながら、農業をその土地、土地の基幹産業として、その高い技術を守り、多くの生産者が安心して生産に取り組むことができるように、皆さんにとって夢のある分野としていっていただきたいと望むものであります。  農政部長は私の高校の同級生でございます。無残にも変わり果ててしまった私とは違って、昔日の面影を残して、明快な御答弁、農政部長、誠にありがとうございました。  総務部長、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 総務部長、答弁席へ。           (星野恵一総務部長 登壇) ◆斉藤優 議員 最初に、指定管理者についてお尋ねいたします。  指定管理者制度の目的は3つだというふうに言われております。まず第1に、民間事業者の活力を活用した住民サービスの向上、次に、施設管理における費用対効果の向上、そして、管理主体の認定手続きの透明化、こういうふうなメリットがあるわけでございますが、群馬県における導入施設数であるとか、指定管理者の内訳等について、指定管理者制度の実施状況を教えてください。よろしくお願いします。 ◎星野恵一 総務部長 指定管理者制度の実施状況についてのお尋ねでございます。  指定管理者制度は、県民サービス向上のため、民間の知恵や活力を活かして、効率的・効果的に施設を運営することを目的とし、本県では平成18年度から導入をしております。現在、44施設で適用しており、指定管理者の内訳といたしましては、民間事業者・NPO法人が14、社会福祉法人等の公的団体が13、県の公社・事業団が11、それから、市町村が6となっております。  指定管理者制度を導入したことによる効果といたしましては、管理の効率化ときめ細かなサービスの向上の2点が挙げられております。まず、管理の効率化といたしまして、管理・運営の経費の削減でございます。制度導入前と比べますと、指定管理者制度を導入した44施設で合計で年間約6億4,000万円の削減ができてきてございます。また、きめ細かなサービスの向上といたしましては、開館時間の延長や料金の引き下げなど、指定管理者のアイデアを活かした、利用者の満足度を高める工夫が行われております。  今後も、こうしたメリットを得られますように、適切な制度運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。民間企業のノウハウを活用して、おっしゃられたような、サービスの向上、施設の効率的な運営を実現しようとするのが指定管理者制度の導入の目的でございますので、それに沿った効率的かつ透明な運用をお願いいたします。  次に、これまで行政というのは、自分の手で事務事業の遂行責任を長い間果たしてきましたが、いわゆるアウトソーシング、民間委託によって、行政は民間事業者が的確に遂行責任を果たしているか、指示、監修を及ぼすという保証責任、先ほどの遂行責任から保証責任を負うようになったと言えます。これはむしろ自身の手で遂行するよりも困難な場合もあります。いかにすれば公共の利益が図られるか、その制度設計のあり方が重要になります。その点についての群馬県の取組をお答えください。 ◎星野恵一 総務部長 指定管理者に対する評価についてのお尋ねでございます。  制度導入後におきましても、管理運営を指定管理者に任せ切りにするのではなく、施設の設置者として監督責任を果たすため、指定管理者に対し、評価し、改善を求める方法を定めたモニタリング・ガイドラインというものを策定しております。このガイドラインに基づきまして、まず、指定管理者自らが評価・点検を行うモニタリングを実施いたします。それから次に、県の所管部局が各種報告書の点検や、原則年2回以上実地調査をするなどいたしまして、モニタリングを実施いたします。さらに、専門家に加えまして、施設の利用者にも入っていただく第三者評価委員会を設置しておりまして、モニタリングを実施します。こういった3段階のモニタリングを実施しておりまして、それによって、施設の適正な管理運営や労働条件の確認などを行ってきております。  平成30年度の第三者評価委員会の結果では、制度を導入している44施設のうち43施設で優良または良好という評価を得ております。おおむね適正な管理運営が行われているものと考えております。また、この評価結果を指定管理者に伝えまして、施設の管理運営の改善や利用者サービスの向上に役立てております。  これからも施設が適正に管理され、より一層、利用者サービスを向上できるよう、施設を所管する部局と連携いたしまして、指定管理者制度を運営してまいりたい、このように考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございました。  従来、公共とは、民主的なコントロールのもとに置かれて、公共を支えるコストは人々が公平に負担して、かつ、公共から生じる効用及び便益は人々に公平に開かれていなければなりませんでした。しかし、現在の官民連携には、一般論としてですが、公共を私的財産として囲い込み、市場で取引することに目的があるかのような疑念を持たざるを得ないような状況にもあります。その意味では、現在の日本で起こっているのは、公共という概念の解体過程であるという見方もございます。いつか地方議員の研修で東京に訪れて、指定管理について学んだことがあるんですが、異口同音にいろんな自治体の議員が、県議もいたわけですけれども、当事者意識に欠ける職員が増えて困るというような話をしておりました。そういった懸念がずっとございまして、今日、こういった質問をさせていただいたわけでございますが、ある意味、安心いたしました。  今後も、新しい時代に対応して、これからも当事者意識を強く持って、住民本位の行政を行っていっていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。  続いて、健康福祉部長、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (武藤幸夫健康福祉部長 登壇) ◆斉藤優 議員 次は、未成年の自殺についてでございます。  2019年版の自殺対策白書というのがありますが、それによりますと、2018年に自殺した19歳以下の方は前年比32人増の599人でした。これは全国です。全世代の自殺者数は前年より481人減っていて2万840人で、これは9年連続減少しております。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率も減少していますが、19歳以下は、統計をとり始めた1970年以降最悪となっております。  昨年、自殺した10歳未満は全国にもいないそうでございますが、10代の自殺で特定できた原因、動機のうち、最も多かったのは学校問題だったそうでございます。10歳から19歳の自殺者のうち、遺書などから特定できた原因、動機を1人につき3つまで計上した結果、延べ568人中、学校に関する問題が33%の188人で最多でございます。健康問題が21%、家庭問題が20%と続きました。学校問題の内訳を見ると、学業不振の57人が最も多く、進路の悩みが46人、学友との不和が27人の順番でした。小学生においては、男子、女子ともに家庭問題に起因する理由が多かったですが、中学生以上になると、男子は学業不振が最多を占めました。女子においては、中学生では親子関係の不和が多かったですけれども、高校生以上になると鬱病が最多となったそうでございます。  未成年者の自殺は何よりも痛ましいものであります。県内において未成年の自殺の状況はどうなっているかお尋ねいたします。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 未成年の自殺についてのお尋ねでございます。  本県の自殺者数は、人口動態統計によりますと、総数では平成15年の562人をピークといたしまして、平成30年は速報値ながら399人と減少傾向となっております。これは、これまで県が策定いたしました自殺総合対策行動計画に基づいて、多くの関係機関と協力し合いしながら取り組んできた結果が少しずつ実ってきたものではないかというふうに思っております。  こうした中にありましても、19歳以下の自殺者数は、この20年以上、毎年10人前後とほぼ横ばいで推移しておりまして、平成30年は12人でございました。また、年齢階層別の死亡原因の順位を見ますと、若い世代では自殺が死因の上位を占めておりまして、非常に深刻な状況であると認識しております。 ◆斉藤優 議員 よく言う、リーマンショック等の経済の不調がいわゆる中高年の自殺を後押しというか、要因だったわけですけれども、今はそれが取り除かれて、全体では大分減ってきたということが県内でも言えるということは、それはそれでいいことだと思いますが、未成年者が自殺してしまうというのは、本当に胸が塞がる思いでございます。  それでは、それに対する本県における自殺対策についてお伺いいたします。よろしくお願いします。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えさせていただきます前に、先ほどの答弁で失言がございましたので、1か所訂正させてください。30年の自殺の速報値でございますが、339人が正しい数値でございます。申しわけございませんでした。謹んで訂正させていただきます。  それでは、未成年の自殺対策につきましてお答えさせていただきます。  御指摘のとおり、10代の自殺の原因・動機といたしましては、学校問題、健康問題、家庭問題等があるとされておりまして、多くの自殺は、このような様々な要因が複雑に絡み合って、追い込まれて起こると言われております。県では、こうした未成年の自殺の現状を踏まえまして、平成31年3月に策定いたしました第3次群馬県自殺総合対策行動計画(自殺対策アクションプラン)の中におきまして、若者の自殺対策を重点施策として位置付け、市町村や教育委員会等の関係機関と連携しながら、積極的に取り組んでいるところでございます。  具体的に申し上げますと、こころの健康センター内に設置いたしました自殺対策推進センターをはじめ、学校や総合教育センター、児童相談所など、様々な関係機関で、悩みを抱える若者の相談を受け付けております。また、若者にとって身近なSNSを活用したぐんま高校生LINE相談を拡充するなど、相談事業の充実に努めているところでございます。さらに、自殺対策の動画を制作いたしまして、30年2月からユーチューブで公開しておりまして、悩みや苦しみを抱える若い世代の人たちに相談することの大切さを訴えているところでございます。また、中学生への取組といたしましては、ストレスへの自己対処のヒントを紹介する小冊子「みんなは、悩んでないのかな?」を作成し、今年5月から県内全中学校に周知を行いました。そして、つらい気持ちになったときには自ら相談できるよう、SOSの出し方に関する教育プログラムを開発いたしまして、今年度から県内全中学校の授業に取り入れる取組を始めたところでございます。さらには、児童生徒の悩みを受け止めるための対策といたしまして、小・中・高等学校などにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置しているほか、教職員に対する実践的な研修を実施しております。このほかにも、広く県民に対しまして、子どもたちの心の変化に気づいて声をかけ、専門機関につなげるゲートキーパーの養成を推進しております。  今後も、誰も自殺に追い込まれることのない群馬県の実現を目指しまして、実効性のある未成年の自殺対策をさらに検討し、総合的に推進してまいりたい、このように考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。  かねがね私は思うんですけれども、今を生きる我々の世代の責務は、先輩から譲ってもらった、このすばらしい郷土を次の世代に少しでも良くして渡すことだというふうに私は信じて疑いません。要するに、未来は若者のものでございます。その次代を担う若者が、それぞれの立場、環境で希望を持って日々を送ってもらうということは、県にとって一番大事な仕事だというふうに思っております。それを強く望みまして、さらなる御努力をお願いしまして、この項を終わります。  健康福祉部長、ありがとうございました。  次に、県土整備部長、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 県土整備部長、答弁席へ。           (岩下勝則県土整備部長 登壇) ◆斉藤優 議員 世の中の流れ、常識が変わっています。高度成長モデルを踏襲する時代はとうに去りました。行政も再定義していかなければならない時代となっております。それは交通の分野においても同様でございます。今まで自動車社会でございましたけれども、自動車を使えない県民の移動手段がなくなっていくという重大な課題に対して、交通まちづくり戦略を策定したわけでございますけれども、1点目に、交通まちづくり戦略の背景や実現に向けた方針についてお伺いいたします。 ◎岩下勝則 県土整備部長 お尋ねのありました交通まちづくり戦略でございますが、議員がお話しされたように、人口減少と少子高齢化の進展や、まちの拡散が続くというようなことから、公共交通サービスの低下と利用者減少の悪循環が起こってしまいまして、このまま何もしないでおりますと、公共交通が衰退し、自動車を使えない県民の移動手段がなくなっていくということが課題として明らかになったことから、この課題の解決に向けまして、議員おっしゃられたように、平成30年3月に群馬県交通まちづくり戦略を策定したところでございます。  この戦略は、「まちのまとまりをつくり、公共交通でつなぐ」という、ぐんま“まちづくり”ビジョンの理念を実現し、多様な移動手段を確保するための実行計画でございます。自動車以外の移動手段も選択できる社会をつくることを基本目標としておりまして、その目標達成に向け、3つの方針を掲げております。基本方針1は、地域的な暮らしの足の確保といたしまして、鉄道やバスが運行されていない地域における移動手段を確保するための施策を整理してございます。基本方針2は、基幹公共交通軸の強化・快適化といたしまして、鉄道やバスが運行されている地域における公共交通の利便性を向上させるための施策を整理してございます。最後に、基本方針3は、町のまとまりの形成といたしまして、公共交通を軸としたまちづくりに必要な施策を整理してございます。それぞれの方針に基づく取り組むべき施策は、おおむね1年から5年の短期的な施策と、おおむね5年から20年の中期的な施策に区分し、今後展開していくこととしております。  公共交通とまちづくりの取組を一体的に進めることで、自動車以外の移動手段も選択できる社会の実現を目指し、努力してまいりたいと考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。  広域自治体としての県の役割は、マクロの国や政府の方針に沿って、この範囲内で基礎自治体のミクロの住民の声との一致点を見出すことだというふうに思っております。深刻で大きな課題に対して、綿密な調査で思考を巡らして、手段を講じてくれていることに対して、大いに評価して、敬意を表するものでございます。  次に、今お示しになられた大きな方針を受けて、特にデマンドバス導入についての考え方をお伺いいたします。  2035年には85歳以上の高齢者の人口が何と1,000万人を超えるという推計も出ております。要するに、生活支援のニーズはこれから急拡大するわけでございます。高齢者の社会参加のために、デマンドバスは有効であると思われます。お年寄りに一番近い地域の民生委員の方々からも強く要望され続けております。県のお考えはいかがでしょうか。 ◎岩下勝則 県土整備部長 デマンドバスのお尋ねでございます。  いわゆるバスの運行方式には、決まった経路を時刻表に沿って運行する路線定期型と、議員おっしゃられたような、利用者の予約に応じて運行するデマンド型とがございます。ちなみに、デマンド型につきましては、11人以上が乗れる車両を走らせる場合がバス、10人までの乗車のものがタクシーということで一応区分けしてございます。  路線定期型については、今申しました、路線に沿って、ある程度需要があるなど、大量輸送に適してございます。一方、デマンド型は、比較的需要が小さく、時間的にも地理的にも分散している輸送に適しているとされております。県内では、富岡市や甘楽町など10市町で導入がされているところでございます。ただし、デマンドバスは、予約がない場合は運行しないことで経費を節約できる一方で、1人でも予約があれば運行することや、オペレーション費用が必要になることなどから、運行費用がかえって割高になるという点もございまして、この辺が注意が必要なことだと考えております。また、デマンドバスは、利用者を一人ひとりお迎えに行くことから、導入に当たりましては、利用経路や時間帯の設定が非常に難しいので、まずはアンケートによる需要調査だとか、試験運行等によって、しっかりと運行計画、収支計画を立案する必要があると考えております。  県では今年度、安中市細野地区において、デマンド型交通導入の社会実験を予定しております。運行計画の立案や試験運行の支援をはじめ、県で取り組んでいるところでございます。  いずれにいたしましても、新たな公共交通の導入に際しましては、利用者のニーズに合った使い勝手の良い移動手段の選択が最も重要であると考えております。 ◆斉藤優 議員 確かにおっしゃったように、コストの面とか、テクニカルな面、いろいろ難しいことはあると思いますけれども、小回りのきく交通手段として切望されておりますので、前向きの御検討をお願い申し上げます。  次に、東武伊勢崎線剛志駅周辺についてでございます。  周辺開発と学生のために、東武伊勢崎線剛志駅周辺の活用と利便性の向上についてお伺いいたします。  県では、公共交通を軸としたまちづくりを進めるために、鉄道などの交通インフラが有効に活用されていない市街化調整区域における鉄道駅周辺において、市街化調整区域地区計画制度の導入を検討し、東武伊勢崎線剛志駅周辺はこの制度のモデル地区となっております。この駅は市街化調整区域でございまして、土地利用の面からも活用できる土地があり、近くに県道も走っていて、アクセス面も優れており、利便性向上の可能性のある駅であります。  そこで、剛志駅周辺の活用と利便性の向上に関する現在の取組状況についてお伺いいたします。 ◎岩下勝則 県土整備部長 今、議員からお話がありました市街化調整区域の地区計画ということでございますが、この計画は市町村が策定する計画でありまして、これまで既存の公共団地や住宅団地における環境保全を目的とした地区計画というのは立案したことがあるんですが、今回、議員がおっしゃったように、市街化をあまり促進するおそれのない範囲で、地域を絞り込んだうえで、駅を中心とするまちのまとまりの形成に必要な、例えば小規模な店舗だとか生活利便施設、そして、新たな居住者の住宅を誘導するというような地区計画は、群馬県内の市町村では初めての計画となります。そのようなことから、議員おっしゃられたように、まず、剛志駅周辺をモデル地区と位置付けまして、まちづくりの観点から、つまり、まちのまとまりをつくるということですが、県が駅前広場や区画道路、駅周辺の未利用地の整備方針などを盛り込んだ地区計画の原案を作成いたしまして、伊勢崎市へ提示したところでございます。  そして、次のステップといたしましては、まちのまとまりを公共交通でつなぐという観点から、剛志駅を含みます東武伊勢崎線の利用促進を図るために、行政が行う取組を整理したアクションプログラムを令和2年度までに作成する予定でございます。  今後も、剛志駅周辺の利用と利便性の向上を図るために、伊勢崎市と連携して、具体的な施策が展開できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。
     剛志の歌というのがあるんですけれども、これは4番なんですけれども、繭の白さに繰る糸の、つきぬ力をあわせつつ、輝く空の陽のごとく、このふるさとを護らまし。古くから剛志地区で歌われている歌でございまして、今お話にございましたように、計画をつくるに当たって、地元の意見も十分に聞いてもらって、この地区が発展することにぜひとも力を貸していただきたいと存じます。誠にありがとうございました。  引き続き、県土整備部長、よろしくお願いします。次は都市計画道路です。  そこに書きました上矢島米岡線というのは、何と1964年、先の東京オリンピックのとき、55年前に計画決定された路線でございますけれども、この道路は、地域拠点相互の円滑な移動を確保する都市内交通交流軸を形成する道路として位置付けられていて、将来的には伊勢崎市南東部地域の道路ネットワークを補完する路線として期待されております。この道路についての進捗状況をお願いいたします。 ◎岩下勝則 県土整備部長 都市計画道路上矢島米岡線は、道路の幅員が狭くて、歩道のない県道平塚境停車場線のバイパスといたしまして、伊勢崎市の境東交差点から境米岡の市道(1─15号線)までの、延長にいたしますと約580メートルの区間につきまして道路を新設するものでございます。平成29年度より事業に着手したところです。  お尋ねの事業の進捗状況でございますが、権利者約80名の方に対して鋭意、用地交渉を進めておりまして、本年8月末の用地取得の状況でございますが、面積ベースで約34%まで御協力を得ることができました。引き続き、用地買収を進めるとともに、用地が取得できたところから、順次、埋蔵文化財調査に着手する予定でございます。  今後も、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、令和9年度の完成を目指し、事業進捗に努めてまいりたいと思っております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。これは境地区においては、南北に抜ける初めての道と言っていいと思うんですけれども、地域の人々にとっては悲願と言える道路でございます。ただ、私有権に関わる案件でございますので、引き続き住民側に寄り添った丁寧な対応をお願いして、この質問を閉じます。誠にありがとうございました。  では最後に、企画部長、お願いいたします。 ○井田泉 副議長 企画部長、答弁席へ。           (友松 寛企画部長 登壇) ◆斉藤優 議員 我が県の富岡製糸場と絹産業遺産群の登録から5年がたちます。あの感動を今でも覚えておりますけれども、5年が経過した現状と今後の対応をお尋ねいたします。 ◎友松寛 企画部長 富岡製糸場と絹産業遺産群は、今年6月で世界遺産登録から5周年を迎えました。ユネスコからは登録の際に、富岡製糸場、田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴の4つの構成資産の歴史的価値が認められるとともに、資産の管理体制や、県民が保存・活用に積極的に参加していることも高く評価されたところです。  登録からこれまでの5年間におきましては、富岡製糸場の西置繭所や高山社跡の長屋門など、各資産で保存事業が進むとともに、地元の方による美化運動や、高校生による解説ボランティアなど、県民の皆さんによる取組も広がりました。また、多くの来訪者を受け入れることで、群馬における養蚕・蚕糸業の歴史を伝えるとともに、各資産を活かした地域づくりが進められているところです。  今後の取組ですけれども、県では、世界遺産の価値をさらに発信するために、来年3月に世界遺産センターを富岡市内にオープンさせるべく、準備を進めております。また、この度、富岡製糸場の設立に関わった渋沢栄一が令和3年のNHK大河ドラマの主人公に取り上げられ、また、令和6年からの新紙幣1万円札の肖像に決まりました。これらを契機といたしまして、出身地の深谷市をはじめ、県民や企業の方々を新たに巻き込み、ストーリーを重視しながら情報発信を強化いたしまして、各資産への来場者の増加にもつなげていきたいと考えております。  今後も、世界の宝であり、県民の誇りであります富岡製糸場と絹産業遺産群の価値を将来にわたって守り、広く伝え、地域の発展につなげられるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○井田泉 副議長 斉藤議員、残り約2分でございます。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。  今触れていただいた渋沢栄一でございますけれども、伊勢崎市境島村地区というのは、渋沢栄一翁の生家と本当に近い位置にございます。そして、生家と近いだけじゃなくて、浅からぬ因縁もございまして、若い頃、論語で有名な渋沢翁は島村に論語を学びに来たと言われております。あるいは、富岡製糸場をはじめとする日本の絹産業の発展にも大いに関わっていたり、島村の輸出、あるいは勧業会社にも深く関与しております。  その島村地区で現在、大型養蚕農家を保全する動きがありますが、今後のこれについての見込みはいかがでしょうか、お伺いいたします。 ◎友松寛 企画部長 世界遺産では、構成資産本体の保存に加えまして、構成資産を含む一定範囲の景観もあわせて保全することが求められております。その範囲を緩衝地帯と呼んでおりますけれども、田島弥平旧宅の周辺にも、島村地区の養蚕農家群を含む緩衝地帯が設定されているところであります。  現在、島村地区で緩衝地帯内の養蚕農家群の保全に向けた動きが住民の方から出てきておりますが、養蚕農家群を保全していくことは、所有者個人や地元の地域だけの課題ではないというふうに考えております。養蚕農家群を守り、緩衝地帯内の景観を保全し、世界遺産の価値を継承していくために、伊勢崎市や民間団体などが行う取り組みを県としても連携して支援していきたいというふうに考えております。 ◆斉藤優 議員 ありがとうございます。おっしゃったように、国の宝でございますので、どうかいろいろな御協力をお願いいたします。  これで質問を終わります。誠にありがとうございました。(拍手) ○井田泉 副議長 以上で斉藤優議員の質問は終わりました。   ● 休     憩 ○井田泉 副議長 暫時休憩いたします。  5分後に再開いたします。     午後2時16分休憩     午後2時22分再開   ● 再     開 ○井田泉 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 質疑及び一般質問(続) ○井田泉 副議長 伊藤祐司議員御登壇願います。           (伊藤祐司議員 登壇 拍手) ◆伊藤祐司 議員 日本共産党の伊藤祐司です。今日は地元からたくさんの方が傍聴に駆けつけていただきました。本当にありがとうございます。  私にとって改選後の初質問、そして、初当選された知事に対する初質問になります。基本的な政治姿勢を中心に伺っていきたいと思います。  就任2か月の知事の行動を見て、大変エネルギッシュなパフォーマーで、また、たくさんアイデアを持っていらっしゃるということはわかりました。もちろん、やろうとしていることが良いことならば賛成いたします。しかし、私は日本共産党の議員でありまして、自民党国会議員から知事になられたあなたの県政を県民の目線から最も厳しくチェックする役割を持っているということも自覚しております。耳ざわりなことも多々あると思いますが、御容赦いただきたいと思います。  なお、昨日の質問を見ますと、通告をやり切れない人が2人おりまして、ぜひ知事、簡潔な答弁をお願いいたします。  それでは、質問席に移らせてもらいます。  それでは、知事、お願いします。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆伊藤祐司 議員 知事は県政史上最高得票で当選されたわけですけれども、私たちも対抗馬だった石田候補が、市民団体や労組、共産党も加わる県政の会の候補者としては史上最高の得票を上げました。少なくない県民が山本知事の誕生に不安を持っているというのは事実だというふうに思います。  何が不安なのか。それは、参議院議員時代、安倍親衛隊を自任し、改憲発言を繰り返してきたあなたが知事になり、県政によりストレートに安倍政治が持ち込まれるのではないか、知事が憲法改定の旗振り役をしていくのではないかというものであります。  そこでまず、知事の憲法に対する考え方について何点か聞きます。  憲法について、知事を強く縛るであろう15条について聞きます。  知事は参議院議員時代として四半世紀近く活動してこられたわけですけれども、今回は群馬県政のトップ、知事です。全体の奉仕者という、憲法が定める公務員としてのスタンスがより厳しく求められる立場というふうに考えます。全体の奉仕者との規定をどのように受け止めているか、知事としてどう実践していくのか、また、99条に規定された公務員の憲法尊重擁護の義務をどう捉えているのかお聞きします。 ◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。正確にお答えしたいと思います。  憲法第15条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」との規定についての御質問についてですが、公務員たる者が国民全体の利益のために奉仕しなければならないということは当然だというふうに受け止めております。また、憲法第99条の憲法尊重擁護の義務についてでございますが、公務員等が最高法規である憲法を尊重擁護しなければならないことも当然のことだというふうに考えております。 ◆伊藤祐司 議員 教科書どおりの答えで安心しました。知事は、国会議員はルールメーカー、知事はプレーヤーというふうに言われましたけれども、プレーヤーはやっぱりルールを守るのが当然だというふうに思います。  次の質問ですが、知事は、9条に自衛隊を書き込むことを主張し、改憲発言を繰り返してきました。今、全体の奉仕者の筆頭である知事となっても、そうした言動を続けていくおつもりなのかどうか伺います。 ◎山本一太 知事 憲法には、その改正手続きについても規定されており、憲法で認められた範囲でそのあり方を議論することは、憲法尊重擁護の義務を逸脱するものではないと考えております。憲法改正については、様々な考え方がある中で、国の検討及び国民的な議論を踏まえて、結論が導かれることが重要だというふうに考えております。  県議、ここで私が憲法改正に対する自分の見解を披瀝するようなことはありませんが、しかしながら、例えば何らかの機会に政治家としての個人の信念をもし発言することがあったとしても、それは問題ないというふうに考えておりますし、各県の知事も、憲法改正については、それぞれの見解を述べているということもつけ加えておきたいと思います。 ◆伊藤祐司 議員 県職員は、採用されたとき、15条、そして99条に基づいて憲法を遵守することを誓約するわけです。その採用する立場の知事が憲法をないがしろにする発言を繰り返す、憲法はここが問題だというような発言を繰り返すということは天に唾するもので、厳に慎むべきだというふうに思います。たとえ個人のブログであっても、広く県民が知るメディアでの改憲発言は、決して知事の立場としては許されるものじゃないと私は思います。そのことをつけ加えておきたいと思います。  次の質問です。憲法第8章で定められた地方自治の意義と目的をどう捉えているか、県政にどう活かそうと考えていらっしゃいますか。 ◎山本一太 知事 地方自治は民主主義の根幹をなすものです。憲法に定められている地方自治の本旨として、住民自治と団体自治の2つの要素があるのは県議もよく御存じだと思いますが、地方自治とは、地方自治が住民の意思に基づいて行われるものであって、団体自治とは、国から独立した団体自らの意思と責任のもとでなされるものだと理解をしております。そして、地方自治の目的は、地方自治体がその自主性及び自立性を発揮し、住民の福祉の増進を図っていくことだということも理解をしております。  私は、こうした地方自治の本旨に基づき、国から独立した地方自治体の長として、群馬の実情に根差した群馬モデルを構築していきたいというふうに考えております。この群馬モデルを内外に積極的に発信することで、必要に応じて、国の法律や制度の改正についても働きかけを行うなど、地方から中央を変えていくという意気込みを持って県政に取り組んでまいりたいと思っております。  一方で、県議にも御理解をいただきたいのは、例えば豚コレラ対策とか、諸外国における農畜産物の輸入規制の解除といった地方の課題を解決していくためには、国との連携が不可欠だということでございます。こうしたことを踏まえ、これまでの国会議員としての経験も活かして、知事自らが、例えば必要があれば、関係の大臣に直接会って、しっかりと地方の声を届け、国と連携して、地域住民にとってより利益となる施策の実現に努めていくことはぜひ理解をしていただきたいと思います。  また、住民自治の観点からは、ともに住民の代表で、車の両輪とされる県議会と知事の間で積極的、建設的な議論を重ねるとともに、県民の皆様の力も直接お貸しいただいて、群馬県のより良い未来のために力を合わせて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆伊藤祐司 議員 地方は地方の意思決定ができるんだということを今おっしゃいましたけれども、例えば知事は、中央政府が打ち出す政策が県民の利益を損ないそうだというときに、それに抗して、県民を守る施策を実施する覚悟はございますか。 ◎山本一太 知事 今、議員の言った意味がちょっとよくわからないので、もう1度解説していただけないでしょうか。今の質問の意味がよくわかりませんでした。 ◆伊藤祐司 議員 戦前の大日本帝国憲法にはなかった地方自治がなぜ憲法8章で定められたかというのは、戦前、県や市町村が戦争を遂行する政府の手先として利用されて、国民を戦争に駆り出し、動員したという痛恨の教訓から生まれたものです。住民の利益や命と暮らしを守る、それは地方の意思で決めていくんだというのがポイントだと思うんです。国が群馬県民の利益を損なうようなことを強行しようとしたときに、それに抗して県民を守る施策を実施する覚悟はあるかどうかということです。 ◎山本一太 知事 今、県議が例に挙げた、戦争、国が強行するという状況は、私は決して起こらないとまず思っておりますので、そういう仮定の質問にはなかなか答えにくいというのと、もちろん国の施策であっても、地方に対して利益をもたらさないものについては、しっかりと意見を言ってまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤祐司 議員 そういうことは起きないと言いますけれども、現に起きていますよね。安倍政権は、沖縄県民が県民投票や選挙で幾度も新米軍基地はノーだという審判を下しているのに、基地建設を強行していると。これは他人事じゃないですよ。例えば相馬原へのオスプレイ配備や、柏崎刈羽原発再稼働など、多くの県民が心配していることを中央政府が強行するかもしれないと。そんなときに知事はどういう立場に立つのかというのを私は聞いたわけです。  先ほど豚コレラワクチンのことについて言いましたけれども、私はちょっと気になっているんです。というのは、知事は当初、柵の設置などの施策は素早く打ち出しました。これは立派だと思います。ただ、肝心のワクチン接種は、畜産関係者などからの強い要望を受けていたにもかかわらず、国への要望はしない態度でした。ブログでは、悩み葛藤していると書きましたが、その悩んでいる中身は、清浄国ではなくなるという政府の判断と同じものでした。私は一般質問でやり合わなければならないかと思ったんですけれども、政府が方針を転換した途端に、知事も一転、ワクチン接種要望だというふうになったわけです。つまり、政府の動向で県の態度を決めると。これを全否定はしません。しかし、県民の死活に関わる重大な問題です。県民の要望をストレートに政府にぶつけ、方針転換を促すぐらいの気概を持っていただきたいということを申し述べて、この質問は終わりにします。  次に、県民の幸福度の向上について知事に伺います。  県民の幸福度を向上させようというのは非常に賛成です。そこに社会保障の充実や、子育て環境、教育環境の改善を挙げられているということも非常に納得しています。しかし、知事の就任挨拶で、具体的な政策として触れられた単語は幹線道路の整備しかなかったんです。  そこで聞きますけれども、県民の経済指標や社会保障、教育環境の面で具体的な内容を示していくべきじゃないのかなというふうに思います。例えば私たちが掲げている学校給食の無料化や、全学年の30人以下学級の実現などは、県民の幸福度を大きく向上させるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 今、県議のおっしゃった、県民の幸福度と言うからには具体的な施策をしっかり挙げていくべきだというのは、そのとおりだと思いまして、幸福度を測る指標というのはなかなか難しいところがありますが、何をしようとするのかということは、議論をして、県民の皆さんにしっかりと示していきたいというふうに思っています。  経済成長率、県民所得を上げることももちろん幸福度につながると思いますし、医療、福祉、介護等の社会保障を充実させる、子育て環境とか教育環境を少しでも改善していくことも大事だと思いますし、あるいは、県議御存じのとおり、災害のレベルが1段、2段上がっておりますので、県民の命、財産を守るための県土強靱化とか、生活の利便性を高めるための基幹道路の整備も重要だというふうに思っておりますし、今日のこれまでの質問でも申し上げましたが、ブランド化を強力に進めて、県民の新しいプライドを醸成するということも大事だと思っていますし、これも全て県民の幸福度につながっていくというふうに思っております。  今、県議のおっしゃった学校給食の無料化の件でございますが、学校給食に係る経費は、学校給食法第11条の規定で、施設、設備に係る経費及び人件費は学校の設置者の負担ということになっております。また、食材料費は保護者の負担ということで、ここには規定をされているわけでございます。今まで学校給食費の無料化に踏み切った市町村は、子どもの貧困対策とか、少子化対策、子育て支援策、様々な施策の中の優先度とか、あるいは、学校給食法に基づく経費負担のあり方などをそれぞれ総合的に勘案して、慎重に判断をされたのではないかというふうに考えています。経済面で本当に困窮している、就学困難と認められる児童生徒の保護者に対しては、生活保護法に基づく教育扶助とか、市町村が実施する要保護者・準要保護者への就学援助制度によって、学用品費などはもちろんですけれども、学校給食費についても支援が行われているということでございます。  学校給食費の無料化については、小中学校の設置者である市町村が、それぞれの地域の実情に応じて判断するものと考えております。  もう1つ、県議が言及された30人以下学級の話ですけれども、これは大事な取組だというふうに私は思っております。本県では、独自にぐんま少人数クラスプロジェクトということで、小学校低学年30人以下、中学年35人以下、それから、中学校第1学年35人以下の少人数の学級編制を実施しておりまして、発達段階に応じた指導体制によって、学習習慣や基本的な生活習慣の確立を目指しております。こうした取組で授業が楽しいと感じている子どもたちが多いというデータもとられていますし、小学校から中学校に進むにつれて、学力の定着向上が図られていると考えております。さらに、他県と比較しても、児童生徒の問題行動の発生件数が幸いなことに少ないということで、長期欠席者の割合も低いということで、児童生徒はその意味では落ち着いて学校生活を送っているというふうに思います。  こうして現状でも成果があらわれていることから、今後も、これまでの少人数学級編制というものは継続して、教育の充実を図っていきたいというふうに考えています。 ◆伊藤祐司 議員 学校給食の答弁なんかは、前の大澤知事と同じ答弁なんです。教育委員会が書いてくれたんだと思いますけれども。  しかし、私は何回も反論しているんです。市町村の事業だと言うけれども、群馬県は市町村の事業である子どもの医療費の助成についても補助を出しているわけじゃないですか。それから、学校給食の食材は保護者だというふうに学校給食法は定めていると言うけれども、その直後に当時の文部省は通達を出して、その負担割合は地域の実情に応じるというふうに言っているわけです。そして、その次の次の国会ぐらいで当時の文部大臣が、学校給食は将来的には無償化していくべきだというふうに答えているわけです。そういうことなんですから、実際に群馬県では11の市町村が完全無料化をしています。そういうふうに広がってきている政策であります。  先日行われた知事選の中でも、石田候補の教え子で、渋川に住んでいる、お母さんになって3人の子どもが小中学校に通っている方が街宣の最中に駆け寄ってきて、先生がやってくれた学校給食の無料化を渋川市が今年から実現して、本当に助かっていると涙ながらに言っていたそうですけれども、そのぐらい県民の幸福度を引き上げる役割を大きく果たしている問題なんです。  30人以下学級についてですけれども、ぐんま少人数クラスプロジェクトは最初は良かったです。でも、どんどんほかの自治体に抜かれてきている。後進クラスになってきているんです。ここはもう少し考えていっていただきたいというふうに思います。  知事は就任挨拶で、1人当たりの県民所得など、表面的な経済データが県民の幸福度に結び付いていないと言われました。これは非常にいい着眼点だと思うんです。総務省統計局が出している「統計でみる都道府県のすがた」というのがありますけれども、これの一番最新のを見ると、1人当たりの県民所得は群馬県は8位です。これは企業の利益も含まれているわけです。勤労世帯の実収入というのを見ると44位、同じく世帯主の収入は46位、逆に、男性の実労働時間は全国7位というようなことも出ています。やっぱりそういう企業の収益が労働者の家庭の収入に結び付いていないというようなところを視点のひとつとして、幸福度を上げることを考えていただければというふうに思い、この質問は終わりにします。  知事、ありがとうございました。  次に、国民健康保険について、まず健康福祉部長にお聞きします。 ○井田泉 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。           (武藤幸夫健康福祉部長 登壇) ◆伊藤祐司 議員 幸福度に絡んで、どうしても質問しておきたいのが、昨年度から運営が市町村から都道府県に移管された国民健康保険です。その国保が県民の幸福度を大きくそぐ問題となっています。最大の問題は、加入世帯の収入が下がり続けているのに税負担は増え続け、国保税を払い切れずに滞納する人が続出していることです。平成29年度は加入世帯の14.1%が滞納していたということですが、平成30年度はどうだったでしょうか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 平成30年度の国保税の滞納状況でございます。平成30年6月1日現在におきます本県の国保税滞納世帯は4万3,472世帯で、国保加入世帯数の14.8%でございました。 ◆伊藤祐司 議員 0.7%以上増えたということなんです。  〔資料①提示〕14.8%もの滞納者がいるというのは、税金としては非常に異常ですし、資料を見ると、4,500人を超える人が保険証を持てないでいる、資格証明書を発行されているというのは、健康保険として崩壊の危機だというふうに思います。その原因は高過ぎる国保税にあることは明白です。  国保税の高さは、ほかの健康保険と比べて異常です。高崎市を調べたんですけれども、単身世帯、年収240万円の方の場合、国民健康保険は年間16万2,000円かかります。それが協会けんぽだと11万8,000円です。4人世帯、片方だけ働いている年収400万円の世帯だと、国民健康保険は35万9,000円かかりますが、協会けんぽは20万1,000円です。1.5倍以上違うというような状況です。  この原因は、これを見てもらったらわかるんですけれども、加入者の1人当たりの保険料はどんどん上がっていく。でも、加入世帯の平均所得はどんどん下がっている。どんどん収入が下がっているのに、保険料だけが上がるという状況が続いているわけですから、どんどん滞納者が増えるのは当然だと思うんです。  今年度の市町村の国保納付金について、県は激変緩和措置をとったといいます。6.4%の値上げとなる状況を4.3%にとどめたとしていますが、しかし、前年度は激変緩和措置によって値上げはなかったのに、生活苦の中で滞納が0.7%増えました。このままでは滞納がさらに増えるんじゃないかと思いますが、いかがですか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えさせていただきます。  国保制度改革によりまして、平成30年度から県が国保の保険者として加わりまして、市町村とともに財政運営を担うこととなりました。これによりまして、県が市町村全体の保険給付費を見込んで、市町村ごとの納付金を示し、その納付金額に基づき、市町村は国保税を賦課・徴収する仕組みとなったところでございます。そして、国保制度改革により、納付金という新たな仕組みが導入されたことで、改革前と比べて、国保加入者の国保税が急激に増えることがないように激変緩和措置が設けられているものでございます。  この制度はちょっと複雑なんですが、改革前の平成28年度に納付金の仕組みが仮に導入された場合、どの程度の納付金が必要となるかを計算した理論値と、平成30年度以降毎年度、納付金試算額を比較いたしまして、大幅な上昇が見られた市町村に対して措置するものでございます。各市町村の平成31年度分の納付金試算額を平成28年度の理論値と比較すると、その伸び率の平均は6.1%でございました。このうち、特に上昇が激しい市町村に対しましては、約10億円分の激変緩和措置を行った結果、実際の納付金におきましては、市町村の伸び率の平均は4.3%となったところでございます。  なお、国保税の賦課・徴収は従来どおり市町村が行っておりまして、県への納付金が平成28年度の理論値と比べて上昇した市町村でありましても、各市町村におきましては、設置している国保財政調整基金の活用ですとか、収納率の状況、その他様々な要因がございまして、必ずしも国保税率を引き上げてはおらず、現時点では、納付金の増加が直ちに滞納に結びつくとまでは言えないのではないか、このように考えております。
     国保制度改革はようやく1年半を経過したところでございまして、市町村における国保税の賦課・徴収の実態などについても、引き続き調査・分析を深めてまいりたい、このように考えております。 ◆伊藤祐司 議員 かなり甘いんじゃないかなと思うんです。昨年度は激変緩和措置で県の納付金全体の値上げをゼロ%にしたわけですよね。それでも0.7%、今の答弁だと30年度は滞納者が増えたというわけです。これは、税金が増えないとしても、世帯の収入がどんどん減っている、苦しくなっている、だから払い切れなくなっちゃっているという世帯が増えると考えざるを得ないんじゃないかと思うんです。  協会けんぽよりも1.5倍から2倍近い国保税を抜本的に下げなければ、こういう異常な、15%近い人が滞納するような事態というのは改善できないというふうに思いますけれども、どうですか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 議員の御指摘は、加入者の所得が下がっている中で、保険税だけ上がっているのではないかというような御質問でございます。  国民健康保険制度は、御案内のとおり、国民皆保険の基盤を支える制度でございます。これは国の制度の中で統一的に行われる部分だと思いますので、その辺につきましては、求めるべきはしっかりと国のほうにも求めていきたいと思っております。 ◆伊藤祐司 議員 これは国の制度が非常に悪いと思うんです。市町村は値上げを抑えるために努力を行っています。効果が高いのが法定外の繰り入れです。ところが、この法定外繰り入れを行うと、努力者支援金の査定では不利になってしまう、値下げへの努力をやっているのに支援金の査定が悪くなってしまうということになっていると思うんですけれども、どうですか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えさせていただきます。  国保財政の運営は、必要な支出を国保税や法定の公費負担金等により賄うことが原則でございます。しかしながら、実際には一部の市町村において、加入者の負担軽減など決算補等を目的に、一般会計から法定外の繰り入れが行われているところでございます。決算補等を目的とした法定外繰り入れにつきましては、給付と負担の対応関係が不明確になるほか、負担の公平性の観点からも問題がございます。このため、国においては、繰り入れを行った市町村に対し、計画的・段階的な解消を求めているほか、議員御指摘のとおり、保険者努力支援制度においても、繰り入れの実施状況を評価対象とするなど、法定外繰り入れの解消に向けた取組を強く指導しているところでございます。  県といたしましても、決算補等を目的といたしました法定外繰り入れを行った市町村に対しましては、要因の分析を求めますとともに、国保税収納率向上ですとか、医療費の適正化など、法定外繰り入れの解消に向けた具体的な取組などについて助言をしているところでございます。  なお、法定外繰り入れの解消につきましては、平成29年度に策定した県の国保運営方針においても言及しておりまして、単年度での繰り入れ解消が難しい場合には、中期的な目標を設定して、計画的な削減に努めることとするなど、解消によって国保税負担の急変を招かないように配慮しているところでございます。 ◆伊藤祐司 議員 今、一番国保の繰り入れをやっているのが館林市です。館林市の故安樂岡市長さんは、数年前に年金者の通帳を見せてもらって、その通帳からこんなにたくさんの国保税が引かれているのかというふうに衝撃を受けて、これは何とかしなきゃだめだと。健康増進だとか、様々な手を打ったけれども、それでもやっぱり大幅に引き下げるのは繰り入れ以外ないということで、昨年度、基金と一般会計から2億円繰り入れて、1世帯当たり1万円以上の引き下げをしているんです。これこそ努力のひとつじゃないかと思うんです。  県もかつて、私の2年前の一般質問での質問に当時の部長さんは、急激な繰り入れの減額は保険税負担の増に直結することになるというふうに認めまして、一般会計繰り入れの考え方につきましては慎重に検討してまいりたいと答弁しました。ところが、結局、政府の方針そのままにやる以外にないというのが今の都道府県の現状なんです。これは政府の方針自体が問題だと私は思うんです。  例えば収納率が前年度より悪化した場合も努力支援金の査定上不利になります。そのもとで安易な差押えや理不尽な差押えが頻発しています。その事態はどう考えますか。 ◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えいたします。  国民健康保険は、加入者から支払われる国保税なくしては成り立たない制度でございます。議員御指摘のとおり、保険者努力支援制度で収納率を評価指標の一つとするなど、国においても、国保税の収納率向上に向けた取組を強く推進しております。こうした中、本県における平成29年度の国保税収納率は92.54%で、前年度に比べ0.29ポイント上昇しております。ただ、全都道府県における順位は39位と低い状況にございます。  国保税の滞納は、国保財政の悪化を招くばかりでなく、加入者の負担の公平性の観点からも問題であり、県としても収納率向上が大きな課題であると考えております。このため、悪質な滞納者には積極的に差押え等の滞納処分を行うなど、厳正に対処する必要がありますけれども、一方で、滞納処分は滞納者の生活に大きな影響を及ぼすことがあることから、滞納の事実だけを捉えて、一律・機械的に滞納処分を行うことのないよう、市町村に対しましては、会議や研修会、ヒアリング等、あらゆる機会を捉えて助言しているところでございます。  滞納者の個別・具体的な事情を十分に把握し、丁寧に対応することが重要でございまして、引き続き各市町村に対しましては適切な対応を求めていきたい、このように考えております。 ◆伊藤祐司 議員 群馬県の差押えは本当にひどいんです。これは社保協、社会保障推進協議会という民主団体がつくった、関東地方国保差押え一覧表というものですけれども、これを見ますと、滞納世帯率、加入世帯のうちの滞納している世帯は、昨年度は群馬県は関東の中で一番低いんです。ところが、滞納世帯に対する差押え率は、関東の平均だと10%ちょっとですけれども、群馬県は37.0%と非常に高いです。差押え率を見ても、ほかの都道府県の平均が40%ぐらいなのに、群馬県は154%。1年間の滞納分以上のところをばっさり押さえるということがやられています。  ひどいところを差し押さえるというのはいいと思うんですけれども、例えば私たちの調査では、滞納者が納税相談をして、分納について決めたと。その誓約書どおりに納めていたのに、予告なしに追加差押えをされるというようなことが起きたり、この通帳を見ていただくと、今年の4月25日に給与が振り込まれたら、その日のうちに、振り込まれた給与以上、通帳に残っている全額を差し押さえるというようなことが行われています。この人は、出産、育児の最中で滞納が生じたという人で、働き出した途端に給与全額を差し押さえられてしまったという例です。これは本当に異常な取り立てだと思うんです。  この異常な取り立ては、一時期、前橋が大問題になりましたけれども、地裁の脱法判決で、量的には幾分おさまっていますけれども、これが全県的に広がりを見せてしまっているということなんです。だから、収納率を上げなければ査定を悪くするよというような国の方針というのがこれ自体を生んでいると私は思うんです。  そこで、こういう国の方針の問題点が明らかになったところで知事に聞きたいと思います。  部長、ありがとうございました。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆伊藤祐司 議員 今見てきたように、政府が地方にとらせている国保の運営の仕方では、問題が膨れ上がるばかりだというふうに思うんです。県民の苦難が増すばかりだと思うんです。国保の構造的な問題に対して、全国知事会も、公費投入が必要だと、枠とすれば1兆円程度必要なんじゃないかということを国に求めています。大賛成です。しかし、今見てきたとおり、政府の方針は被保険者に対する負担の押しつけであります。この問題を解決していくためには、引き続いて全国知事会とともに公費投入を強く求めていただくとともに、緊急避難措置として、県が一般会計からの法定外繰り入れを行い、少なくとも値上げだけは避ける措置を実行するべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 国民健康保険は、会社員などが加入する被用者保険と比べて、加入者の年齢構成が高く、県議も御存じだと思いますが、医療費の水準も高いことに加えて、所得水準が低く、所得に占める保険税負担が重い等、構造的な問題、課題を抱えているというふうに認識しています。  県では、国民健康保険の安定的な財政運営のため、法律等で定められたルールに基づいて、保険給付に必要な費用や、低所得者に対する保険税負担軽減の一定割合などを負担しております。議員が御質問になった県独自の新たな負担については、制度の根幹は全国一律になっているということと、被用者保険加入者との公平性の観点から難しいというふうに私は考えております。  国民健康保険は、全ての国民が安心して良質な医療を受けられるという、我が国の国民皆保険の基盤として重要な役割を果たすものであり、加入者の負担軽減も含め、持続可能な財政基盤の確立が図られるよう、まずは国においてしっかりと検討していただくべきものだというふうに考えています。そのため、県としては、先ほど議員のほうからも言及がありましたが、全国知事会などとも連携をしながら、引き続き国に対して財政支援の拡充等を強く要望してまいりたいというふうに思っています。  また、医療費の適正化を進めることで、国保加入者の負担増加を抑えることが期待できるということなので、保険者として、各種検診の受診率の向上とか、糖尿病の重症化の予防対策といった保健事業に積極的に取り組んでいきたいと思っています。あわせて、県民の健康づくりを進めて、健康長寿の延伸を図るなど、様々な施策を推進することで、県民の幸福度を引き上げていきたいと考えています。 ◆伊藤祐司 議員 こういう問題でなかなか国は動かないんです。法律が県費が投入されるような仕組みになっていないというふうにおっしゃいましたけれども、群馬県は子どもの医療費無料化で、そういう仕組みにはない法定外繰り入れを、市町村への補助金をやって、ペナルティーまで受けて、それを実行してきたという経緯があります。そういうことをやる市町村や都道府県が増えていかないと、国はなかなか動かないというふうに思うんです。国もやっと就学前までの支援についてはペナルティーを出さないというふうに変わったわけですから、そういうことをやっぱりやっていくべきだと、検討してもらいたいというふうに思います。  次の質問に移りますので、知事、ありがとうございました。  環境局長、お願いします。 ○井田泉 副議長 環境局長、答弁席へ。           (岩瀬春男環境局長 登壇) ◆伊藤祐司 議員 東邦亜鉛の有害スラグについてお伺いします。  〔資料②提示〕これがスラグの実物です。高崎市北部を中心に、パネルのように各所に敷き砂利などとして使われてきました。大変危険な、放っておけば公害事件に発展する、あるいは、もう既に被害が出ているかもしれない大事件です。  この問題は、1年前の本会議以来、我が党が一貫して追及してきた問題です。今年の第1回定例会では、東邦亜鉛が認めていないのに固有名詞を出すのはいかがなものかと公害企業を擁護するような横やりも入りましたけれども、私たちは東邦亜鉛の排出のスラグだと自信を持って質問しました。結果は事実が証明しました。東邦亜鉛は先月、当該スラグが安中製錬所排出の有害物質を含んだ非鉄スラグであることを認め謝罪し、回収のためだと予算70億円の計上も表明しました。事件は全国に報道されました。  このスラグは、環境基準の50倍、60倍という高濃度の鉛やヒ素、カドミウムなどの危険な重金属を含んでいます。調査に関わってくれた東京農工大学の渡邉泉教授は、あり得ない、異常な汚染状態です。鉛は世界でトップレベルの危険物質と考えられ、オバマ前大統領が水道水に混入している疑いがあるということで非常事態宣言を出したほど微量でも子どもの知能低下やメンタルに影響を与える可能性が高く、特に成長期の子どもたちへの影響が懸念される。腎機能障害を起こすカドミウムは水溶性が高く、人体にとり込まれるおそれがありますと警鐘を鳴らしています。そういう有害なスラグをこういう家庭のあちこちの庭で見つけました。それから、農道のところに、人家の間の砂利道の敷き砂利に、これは住宅街の駐車場ですが、こういうところに一杯使われているわけです。  本来ならば、遮断型最終処分場で処理しなければならないような、最も汚染された産業廃棄物。間違って出荷してしまったと言うならば、無条件で全量回収して、原状回復するのが企業の社会的責任だというふうに私は思います。ところが、東邦亜鉛は、このスラグを未だに製品というふうに呼び、生活環境上の支障を除去する措置が必要な場合、当社の負担で回収撤去を進めると回収に条件をつけているんです。盗人たけだけしいと言うべきです。このままでは大量に投棄されたスラグ全量が自主回収撤去されるとは考えられません。  そこで局長に聞きます。本事件の本質は、かつて安中公害を引き起こした公害企業とその下請となった土建業者が、決して製品などとして出荷できない有害な産業廃棄物をリサイクル製品と偽って販売し、群馬の環境を汚したというものです。20年以上前から続けられてきた可能性が高く、極めて悪質です。まず産業廃棄物処理法違反の事件として刑事告発するべきではありませんか。また、同法に基づいて、不法投棄実行犯の施工業者と排出企業に措置命令を下して、直ちに全量撤去させるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎岩瀬春男 環境局長 多田議員の質問にお答えしましたとおり、これまで再生利用されてきました東邦亜鉛株式会社安中製錬所から搬出された非鉄スラグから有害物質が検出されたことを極めて深刻に受け止めております。  県では現在、廃棄物処理法に基づき、関係者から報告を徴するなど、調査を進めているところであります。調査の結果、廃棄物処理法の違反があれば、厳正に対処するとともに、法に則って、生活環境の保全上支障が生じないよう、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  なお、県では、非鉄スラグによる土壌汚染が確認された場合には、直ちに周辺地下水の調査を行い、必要な対策を行うこととしております。ただ、これまでの調査の結果では、非鉄スラグの使用が確認された公共工事1か所、民間工事50か所のうち、14か所の建設資材から土壌環境基準を超過する有害物質が検出されたものの、土壌汚染は確認されていない状況であります。 ◆伊藤祐司 議員 高崎市もそうですけれども、県は、1年前に高渋バイパス盛り土に使われていたスラグを撤去させています。それは、いろんな駐車場に使われていたスラグを県も市も独自に調査して、鉛やヒ素が高濃度に含まれているということがわかって、それで撤去しなさいというので、もう撤去させているわけです。そういうことができるのに、どうしてこういうところの撤去をさせることができないんですか。おかしいじゃないですか。  しかも今回は、東邦亜鉛自身が自分たちのスラグであることを認めているんです。これほど高濃度の重金属を含んだスラグをリサイクル製品などと言わせるつもりでしょうか。廃棄物認定ができないようでは、県の環境行政に対する県民の信頼は失墜する。群馬県は産廃が捨て放題になってしまうというふうに思うんです。  今、その廃棄物性の調査をやっているといいますけれども、これは1年前から指摘して、調査して直ちに撤去させるべきだというふうに言っているんですけれども、いつまでかかるつもりですか。県民が怒っていますよ。箕郷の町民は不安を募らせています。井戸水を風呂などに使っているけれども、隣の家の庭の敷き砂利がスラグのようだ、井戸水は大丈夫なのか。あるいは、戦国時代、上州の中心だった箕輪城の周りがスラグだらけだ、ふるさとを汚す行為は許せない。鉛は少量でも健康被害をもたらし、とりわけ子どもの脳の発達を阻害すると聞いているけれども、なぜさっさと片付けさせないのかというような声が出ています。  先ほど多田議員への答弁で、土壌汚染や直接摂取の可能性を調査して、地主と相談して対応するようなことを言っていましたけれども、何を悠長なことを言っているのかというふうに思うんです。直ちに全量撤去させれば、それで解決するじゃありませんか。どうですか。 ◎岩瀬春男 環境局長 繰り返しになって恐縮でありますが、これまでの調査の結果、全ての使用箇所で土壌汚染は認められず、地下水への影響はないと考えられることから、直ちに撤去等が必要となるところはないと考えております。ただ、非鉄スラグの使用が判明した箇所については、今後とも環境への影響を監視してまいります。  また、有害物質の含有量が基準を超える非鉄スラグが敷き砂利などとして、現在、地表に露出している使用箇所では、常時立ち入ることで、直接摂取による健康影響が懸念されるところであります。その支障を除去するための方法については、土壌汚染対策法に技術的な基準が規定されております。土壌汚染対策法では、状況に応じ、立入禁止、盛土、舗装、撤去など、複数の方法が規定されており、今後、箇所ごとに非鉄スラグの性状や使用状況等を個別に調査し、技術的な検討を行って、適切に対応していきたいと考えております。 ◆伊藤祐司 議員 土壌汚染対策法と言いますけれども、これは土壌ですか。産業廃棄物ですよ。それに土壌汚染対策法などを適用させるなんてとんでもないことです。  それから、土壌の汚染は確認されていないというふうに言いましたけれども、これは高崎市が岡田工務店に命じて調査させたものです。確かに基準値をオーバーしたところはありません。でも、溶出量検査で見ると、松之沢メガソーラー施設では、〔資料③提示〕先ほどお見せした民家のスラグなどよりもはるかに大量の、100倍、あるいは1,000倍のオーダーのスラグがあるわけですけれども、この下の土壌の検査を、どのぐらい下の土壌を取ったのか、私は聞いていませんけれども、その土壌の溶出量検査を見ると、ヒ素は基準値0.01なのに、0.010という基準値ぴったりの場所もあるんです。これは、もう既に上のスラグからの浸出が下の土壌を汚し始めているということにほかならない数字なんです。それでもって土壌の汚染は一か所もありませんでしたなんて、しらを切って涼しい顔をしているようでは、群馬県の環境は守れないというふうに思います。  そして、高崎市の方針は、この上から、平たい部分はシートをかぶせる。そして、向こう側はもっと高いのり面になっていますけれども、こののり面はモルタルを吹きつけて押さえる。柵を設けて中に入れないようにする。その外側にあるものは全量撤去するというような方針ですけれども、市は群馬県と相談してやっているというふうに言いますが、県もこれは同じ方針なんですか。 ◎岩瀬春男 環境局長 県では、この問題につきまして、高崎市と連携して取り組んでおります。当該発電所につきましては、土壌汚染対策法の技術的基準のひとつである立入禁止措置が講じられておりますが、さらにモルタル吹きつけやシートによる被覆を行うよう、高崎市が指導したものと承知しております。 ◆伊藤祐司 議員 何度も言いますけれども、土壌汚染対策法として処理していいのは、このスラグの下にある土壌ですよ。この下にある土壌について、既に汚染が始まっているから、シートをかぶせて被覆する、近寄れないように処理をするというならば、それでいいでしょう。しかし、その土壌の上にあるこの大量のスラグは土壌じゃないんです。土壌汚染対策法でやらないでいただきたい。廃掃法できちんと廃棄物として処理してもらわないと困りますけれども、どうですか。 ◎岩瀬春男 環境局長 スラグは土壌には当たりませんが、土壌汚染対策法は、有害物質による土壌汚染対策について規定されているものですので、スラグについても技術的基準は参考にできるものと考えております。 ◆伊藤祐司 議員 東邦亜鉛は自分たちが排出した非鉄スラグだと言っているじゃないですか。自分たちが排出した非鉄スラグというのは産業廃棄物でしょう。土壌じゃないでしょう。それを土壌汚染対策法で、上からかぶせればいい、横からモルタルを吹きつければいい、そんな処理の仕方で許せるわけがないですよ。  さらに、これよりももっとすごい状況があります。〔資料④提示〕これは岡田工務店の採石場です。榛名山、松之沢の中腹にありますけれども、この奥行きが大体200メートルぐらいあります。この奥のほうにある焦げ茶色の部分は全部スラグです。協力者に写真をもらいましたけれども、こんなにうずたかく積まれているわけです。これは雨が降ると、水の出口がないです。たまります。非常に高濃度な汚染がされている水だと思うんですけれども、これが地面にしみ込むわけです。そうすると、こちら側にあるヤセオネのすぐ下、このあたりは榛名白川の上流です。そこのところに伏流水として湧き出してしまっている可能性が非常に高いんじゃないかと思うんです。こういう調査だって、急いで県はやるべきだと。砕石のために許可を得たところに廃棄物を捨てている、捨てているんだか、ストックしているんだか、わかりませんけれども、これは最終処分場と同じような状況じゃないですか。しかも、こんなうずたかく。  それから、この採石場につながる道は、スラグで固められて、その上に砂利が敷かれていました。  こちらは榛名白川の砂防ダム群があるところです。10基近くあるような砂防ダムの管理用道路がありましたけれども、これは全部スラグで高く敷き詰められて、草一つ生えません。非常に便利な敷き砂利だったと思うんですけれども、でも、これはたくさん毒が入っているわけです。  こういうような状況を、同じように被覆し、地下水汚染を監視し、そんなことで済まされると思いますか。それで本当に県の環境が守られると思いますか。しっかり答えてください。 ◎岩瀬春男 環境局長 繰り返しになり、恐縮でありますけれども、土壌汚染対策法では、状況に応じまして、立入禁止、盛土、舗装や撤去等、複数の方法が規定されております。今後、箇所ごとに非鉄スラグの性状や使用状況を個別に調査し、技術的な検討を行って適切に対応させていただきます。 ◆伊藤祐司 議員 傍聴されている皆さん、テレビを御覧になっている県民の皆さん、群馬県はこれを土壌だと言い張っているわけです。そんな姿勢で本当に群馬県の環境が守れるでしょうか。私は県の姿勢は本当に情けないと思います。これは本当に正していってもらいたいというふうに思うんです。  このスラグは、岡田工務店がここにたくさんのスラグをストックしています。それから、メガソーラーの敷地もありますし、メガソーラー脇の残土置き場でもスラグだらけです。スラグがたくさんストックしてあるわけですから、いつでも出荷できる状態になっています。こうした状況を勘案するならば、当該スラグの被害拡大を防止するためにも、岡田工務店の営業活動を止めて、東邦亜鉛と岡田工務店の廃棄物処理業の許可を速やかに取り消すべきだというふうに思いますが、どうですか。 ◎岩瀬春男 環境局長 先ほどお答えしましたとおり、現在、県では、廃棄物処理法に基づいて、関係者から報告を徴するなど、この問題の全容解明を進めているところであります。その結果に基づき法令違反があれば、厳正に対処していく考えであります。  なお、多田議員の御質問にお答えしましたとおり、県では、東邦亜鉛が平成28年4月以降、路盤材向けの出荷を停止したことを確認しております。今後、非鉄スラグが路盤材や敷き砂利として使用されないよう、さらに、平成30年10月には改めて東邦亜鉛に対し、徹底するとともに、既に搬出された非鉄スラグにつきましても、受け入れ先に対しまして、同様の取り扱いをするよう要請しているところであります。さらに、本年1月には県建設業協会及び県再生骨材協会に対しまして、有害物質を含有する建設資材が工事に使用されることのないよう、会員への周知を依頼したところであります。 ◆伊藤祐司 議員 依頼したところだと言いますけれども、岡田工務店のダンプは今でもあちこちを走り回っています。そこのところにこのスラグが混入されていないということを言い切れるわけですか。そういう立場では、この問題は解決できないというふうに思うんです。これ以上住民を苦しめないでもらいたいし、被害拡大を防いでもらいたいというふうに思います。  この有害スラグ事件は、県民にはあまり知られていません。先ほど示したようなお庭のお宅を訪ねても、それがそういうスラグだというのは知らなかったという家がほとんどです。  東邦亜鉛自身が、直接触れないでもらいたい、口に入れないでもらいたいということまで言っているわけです。だとすれば、放置すれば、健康被害や子どもの発達障害が引き起こされかねないわけです。有毒な重金属の汚染の可能性をはじめ、今回事件の危険性を広く県民に知らせ、注意喚起を図るとともに、相談窓口を設けて対応するべきと考えますが、いかがですか。 ◎岩瀬春男 環境局長 県では、多田議員の質問にお答えしましたとおり、本年5月、東邦亜鉛に対しまして、非鉄スラグのリスクについての注意喚起とともに、住民等からの問い合わせ窓口を設置し、速やかにその旨を周知、広報するよう指示したところであります。  一方、環境局におきましては、これまでも広く環境問題に関する相談や情報提供を受け付けておりまして、この問題につきましても、これまで様々な方々から相談や多くの情報をいただいております。引き続き、相談や情報をいただきまして、全容解明の参考にさせていただきたいと考えております。 ◆伊藤祐司 議員 これはビジュアル的に知らせないと、なかなかぴんとこない人も多いんです。先ほど示したような、こういうのを県のホームページでももっと出して、こういう庭があったら調べてみてください、東邦亜鉛に連絡してみてくださいというぐらいのことをやったっていいんじゃないかと思うんです。ぜひ検討してください。  局長、ありがとうございました。  この問題について、知事に伺いたいと思います。 ○井田泉 副議長 知事、答弁席へ。           (山本一太知事 登壇) ◆伊藤祐司 議員 最後に、知事の決意を伺いたいと思います。  この事件の概要と問題点を指摘しましたが、どう捉えたのか。このようなスラグを放置したままで、周辺住民の幸福感などあり得ないと思います。県民の健康を脅かすスラグを早急に全面撤去する決意を伺いたいと思います。 ◎山本一太 知事 まず、これまで再生利用されてきた非鉄スラグから有害物質が検出されたことは極めて遺憾であり、深刻に受け止めております。この問題については、県民の健康を第一に考えて、県としても対応しているということでございます。  先ほど環境局長がるる答弁をさせていただきましたが、これまでの調査では土壌汚染は確認されていないということですが、引き続き、調査には万全を期すとともに、一日も早くこの問題の全容を解明し、この結果に基づいて、県として必要な対策をしっかりととっていきたいということでございます。  議員のほうから、有害スラグを撤去すべきだというお話がありました。今の調査は御存じだと思いますが、2つの観点でやっておりまして、1つは、主要箇所の調査でございまして、もう1つは、廃棄物かどうかということの調査だと思いますが、今の段階は、主要箇所の調査についての中間報告という段階だと思います。まずはしっかりと調査結果を見たうえで、関係法令に則って、しっかりと対応していきたいということに尽きると思います。 ◆伊藤祐司 議員 前大澤知事は大同特殊鋼の鉄鋼スラグ事件に際して、明らかな廃掃法違反を見逃し、撤去ではなく、アスファルトで覆えばいい、地下水を監視するからいいというような態度をとってきました。そういうことは繰り返さないでいただきたいと思うんです。  山本知事は中央政府とのつながりを自慢していらっしゃいますから、環境省や経産省、国交省にも働きかけて、きっぱりとした解決を進めていただきたいということを申し上げて、この問題については終わりたいと思います。  最後に、動画スタジオの整備について伺いたいと思います。  知事は、放送局をつくり、閣僚などをゲストに招いて発信するといいますが、それはまるで政府の広報機関だというふうに受け止める人もたくさんいると思うんですが、いかがでしょうか。 ◎山本一太 知事 それは県議の認識がちょっと間違っていると思います。一言で言うと、政府の広報ではなくて、群馬県のPRをする、広報をするということだと思います。この動画スタジオは、もちろん番組をやる、公開放送をやるという機能もありますけれども、そこで群馬の優れた、例えば農畜産物とか観光地とか、そういうものの動画をつくる施設であって、それを発信する施設でもあるということをぜひ御理解いただきたいと思います。  閣僚の方々にもし来ていただけるのであれば、当然呼びたいと思いますが、閣僚の方々が来たときに議論する主なテーマは、政府の政策ではなくて、群馬県のことですから、政府の広報という御指摘は当たらないと思います。  先ほど豚コレラの問題がちょっと出ました。申しわけないですが、伊藤県議のこの経緯についての認識は間違っていると思います。事実関係は違うと思いますが、しかし、こういう問題についても、群馬県が抱えている問題を直接閣僚を呼んで伝えることにはプラスしかないと。この間、官房長官が来たときには、群馬県の水沢うどんも食べていただきました。群馬の抱える外国人労働者人材の問題もそこで議論をさせていただきました。  それと、もう1つ加えて言うと、お招きするとすれば、番組をやり、対談もやるとすれば、声をかけるのは政治家だけではありません。それぞれの分野で活躍している新進気鋭の有識者とか研究者とかジャーナリストとか、そういう方々も呼んで、群馬県のためになる発信をしていくということですので、そこら辺はぜひとも御理解を賜りたいと思います。 ◆伊藤祐司 議員 自民党の国会議員だった知事が閣僚を呼んで議論すれば、一面的な議論や捉え方の議論になって方向性が定まっていくというふうに危惧する人も随分いると思います。これからのことですから、それは見てみないとわからないというふうに思いますけれども、そういう一面的な議論や捉え方で悪政を、例えば今の国保のこういう仕組みはしようがないよね、維持するためにはしようがないよねみたいな議論になって放送されるとすれば、それは悪政を県民に押しつける、我慢させる役割を果たす番組になってしまうというふうに私は思うんです。そういう放送局にしないでいただきたいというふうに思いますが、どうですか。 ◎山本一太 知事 今の県議の危惧は全く当たらないというふうに思います。これは認識の違いだと思いますが、そこはしっかりとこのスタジオを県議会で認めていただいて、つくって、その状況も見ながら、またいろんな御指摘をしていただければと思いますが、県議の考えているような危惧は全く当たらないというふうに考えております。 ◆伊藤祐司 議員 そうした政治的な発言を行う目的になぜ1億円ものスタジオが必要なのかというふうに思うんです。今、スマホだけで撮った映画がすばらしい映像の出来だというので評判になる時代ですよ。そして、群馬を発信するといいますけれども、群馬の観光地のすばらしさ、あるいは、農産物がどうやってつくられているかというのは、スタジオじゃなくて、ロケが中心だと思うんです。それこそ、もう少しユーチューバーに倣って、まずは安易な、軽いところから始めて、それで本当に必要性があるならば、スタジオをつくっていくということだっていいじゃないですか。そういうことにするべきだというふうに私は思うんです。  例えば県職員でやっていくというふうにいいます。また、市町村にも貸し出すといいますけれども、こういう動画の撮影や編集というのは相当な専門職です。専門的な知識や技能が非常に培われてこないと、うまい映像やうまい動画はつくっていけないというふうに思うんです。それには、まずは県の職員でやれば、県の方だって上手になっていくでしょう。でも、県には異動があるわけです。そういう点では、こういういい発信をしていくという点では、県内のメディアや、そういう業者を使っていくということのほうが良いものができるんじゃないのかと。これでは知事の趣味の域を出ないというふうに私は危惧するわけです。 ○井田泉 副議長 知事、残り1分30秒です。 ◎山本一太 知事 群馬県のPRのためには必ず役に立つ拠点になると思います。  1億数千万といいますけれども、普通のローカルテレビ局がスタジオをつくるときは3億円ぐらいかかります。その中で、今おっしゃったように、ランニングコストがかからないように、最新鋭の設備であっても、研修を受ければきちっと県職員も使える設備にしたいということや、あるいは、デザインをきちっとして、県民にオープンなところをしっかりと演出するという、全てのことを勘案して積み上げた1億数千万でございまして、群馬県の魅力を発信する拠点にするという趣旨からして、無駄なコストの積み上げは一切ないと考えております。 ◆伊藤祐司 議員 結果を見てみたいと思います。  また、知事の発信で一言つけ加えれば、G─SNSで逐一知事の動きを発信して、知事の仕事を見てもらいたいと言いますけれども、一番最近のものもちょっと見ましたけれども、バスケットボールのイベントに出て、フリースローのパフォーマンスを動画で発信するようなところまで見せられると、これは個々の政治家や議員が個人のサイトでやっている発信と変わらない、悪く言うと、次の選挙のための宣伝行為の一種と捉える人だって少なくないというふうに思うんです。それを県民の税金と9人ものスタッフでやることが果たしていいことなのかというふうに思います。発信内容をしっかり吟味していただきたいということをお願いして、私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。(拍手)
    ○井田泉 副議長 以上で伊藤祐司議員の質問は終わりました。    休会の議決 ○井田泉 副議長 お諮りいたします。明26日は、議案調査のため、本会議を休会にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。           (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○井田泉 副議長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  次の本会議は、27日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。   ● 散     会 ○井田泉 副議長 本日はこれにて散会いたします。     午後3時28分散会...