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平成26年度栃木県議会第325回通常会議-09月29日-03号

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  1. 栃木県議会 2014-09-29
    平成26年度栃木県議会第325回通常会議-09月29日-03号


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    平成26年度栃木県議会第325回通常会議-09月29日-03号平成26年度栃木県議会第325回通常会議 〇九月二十九日(月曜日)  出席議員 四十七名    一 番   齋   藤   淳 一 郎    二 番   佐   原   吉   大    三 番   相   馬   政   二    四 番   阿   部   博   美    五 番   池   田       忠    六 番   五 十 畑   一   幸    七 番   亀   田       清    八 番   欠           員    九 番   鶴   貝   大   祐    十 番   早   川   け い こ   十一 番   渡   辺   さ ち こ   十二 番   加   藤   正   一   十三 番   角   田   ま さ の ぶ   十四 番   白   石   資   隆   十五 番   西   村   し ん じ   十六 番   野   澤   和   一
      十七 番   神   林   秀   治   十八 番   関   谷   暢   之   十九 番   中   島       宏   二十 番   横   松   盛   人   二十一番   阿   部   寿   一   二十二番   金   子       裕   二十三番   相   馬   憲   一   二十四番   中   川   幹   雄   二十五番   増   渕   三 津 男   二十六番   斉   藤   孝   明   二十七番   松   井   正   一   二十八番   保   母   欽 一 郎   二十九番   一   木   弘   司    三十番   山   口   恒   夫   三十一番   佐   藤       良   三十二番   山   形   修   治   三十三番   若   林   和   雄   三十四番   五 十 嵐       清   三十五番   岩   崎       信   三十六番   小   林   幹   夫   三十七番   五 月 女   裕 久 彦   三十八番   花   塚   隆   志   三十九番   早   川   尚   秀   四十 番   佐   藤       栄   四十一番   神   谷   幸   伸   四十三番   螺   良   昭   人   四十四番   三   森   文   徳   四十五番   石   坂   真   一   四十六番   木   村   好   文   四十七番   髙   橋   文   吉   五十 番   渡   辺       渡   五十二番   板   橋   一   好  欠席議員 二名   四十八番   平   池   秀   光   五十一番   梶       克   之 地方自治法第百二十一条の規定による出席要求によって出席した者                   知事       福   田   富   一                   副知事      鈴   木   誠   一                   副知事      馬   場   竹 次 郎                   総合政策部長   関   根   房   三                   経営管理部長   池   田   清   貴                   県民生活部長   平   野   博   章                   環境森林部長   櫻   井   康   雄                   保健福祉部長   名   越       究                   産業労働観光部長 荒   川   政   利                   農政部長     水   沼   裕   治                   県土整備部長   吉   田       隆                   会計管理者会計局長                            川   上       丈                   企業局長     北   村   一   郎                   総合政策部次長総合政策課長                            金   田   尊   男                   財政課長     矢   野   哲   也                   教育長      古   澤   利   通                   代表監査委員   石   﨑       均                   人事委員会事務局長                            角   田   孝   之                   労働委員会事務局長                            山   中       晃                   警察本部長    桑   原   振 一 郎             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十六名であります。             ――――――――――――――――――――――――――――― 午前十時 開議 ○螺良昭人 議長 開会に先立ち一言申し上げます。  一昨日、二十七日の御嶽山の噴火により、多くの死傷者が確認されています。亡くなられた方々に対し、深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。  ただいまから本日の会議を開きます。  日程第一 第一号議案から第十五号議案まで、第十七号議案から第三十四号議案まで及び認定第一号から認定第六号までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) まず初めに、一昨日突然御嶽山が噴火し、三十一人の登山者が心肺停止の状態で発見され、そのうち四人の死亡が確認され、さらに、三十人を超える方々が重軽傷を負うなど、多くの方々が被災された災害が発生いたしました。また、先月には、広島市で発生した大規模な土砂災害、そして本県でも竜巻災害が発生するなど、次々と襲い来る自然の猛威に対して警戒を強めるなど、危機感を持たなければならないと感じています。ここに、自然災害によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。  さて、去る六月から七月にかけて、私は海外行政調査団の一員としてオランダ、ドイツ、オーストリアを訪問し、本県の諸課題にとって参考となる調査をしてまいりました。オランダの農業振興策、ドイツの公共交通システムを含めたまちづくりオーストリア再生可能エネルギー対策などを調査し、環境に配慮された社会や、伝統・文化・歴史が重視された町並みを目の当たりにし、目からうろこの連続で、私の人生観・価値観が変わったように感じています。また、本会議初日に五月女団長から報告があったとおり、先進的な取り組みを学ぶことは大いに有益であり、海外行政調査の必要性を実感しております。それでは、発言通告に従い、順次質問をしてまいります。  初めに、人口減少時代における中山間地域の活性化について伺います。日本創成会議は、二〇四〇年までに若年女性が半減するとした八百九十六自治体を消滅可能性都市として公表し、その中に、旧岩舟町を含む本県七市町が含まれたところです。この消滅可能性都市のほとんどが、中山間地域であります。  中山間地域の人口減少については、二十年以上前から始まっており、八年前、私が初めて県議会の質問に立ったときから取り上げてきたテーマでありますが、今、こうしたことが明らかにされさらに危機感を感じています。私は、中山間地域を持続可能な地域として元気にしたいという強い思いを持ちながら常に活動してまいりましたが、その中で、「里山資本主義」という本に出会い、極貧から奇跡の復活を果たした町、オーストリアギッシングという町の存在を知りました。  このオーストリアギッシングは、面積の約四四%が森林で、農業以外の産業がない人口四千人の田舎町であります。その町は一九九〇年に、議会がエネルギーを化石燃料から木材に置きかえることを決定しました。これは、地域外に支払っていたエネルギー代を試算したところ、年間六百万ユーロが流出しており、その流れを変えて地域内で循環する仕組みをつくれば、町が潤うのではないかとの発想から生まれたものです。  その後、地域発展計画を策定し、一九九二年には木質バイオマスによる地域暖房を開始し、その後ギッシンガー地域暖房社を設立して広域的に地域暖房網が整備され、現在、総延長三十五キロメートルが整備されております。ギッシング以外でも、オーストリアでは各市町単位でこのような取り組みが行われているようです。この事業によって、海外へ流出していた年間六百万ユーロのお金は逆転し、地域全体で一千八百万ユーロの売り上げを上げるようになりました。  さらに、この取り組みにより、安価で安定した熱や電気を求めて、ヨーロッパ中から有数の企業を含めて五十社が立地をし、一千百人の雇用を生み出し、町の税収は四・四倍になるなど、自立した豊かな町として奇跡の復活を果たしているのです。まさに発想の転換が価値観を変え、成功した事例です。  本県においても、中山間地域などの農山村地域が復活するためには、こうした大胆な政策転換が必要であると考えています。  さて、国では、省庁横断的な政策を進めるまち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、人口減少対策を初め、地方再生を最重要課題に位置づけています。国の地方創生の考え方は、各省庁にまたがる政策を一本化、連携することにより、新たな発想につなげるものです。責任の所在が明確になり、全体を把握することができるようになることで、速やかに検証し新たな政策につながるものと感じています。  また、全国知事会においても、国家の基盤を危うくする重大な岐路に立たされているとして、少子化非常事態宣言が採択されるなど、日本全体が人口減少に危機感を抱く中、大きく期待すると同時に、中山間地域を初めとした消滅の可能性のある地域への対策が、後回しにならないかと危惧をしています。まずは、優先的に危機的状況にある地域の対策を進めるべきであります。  そこで、人口減少時代を迎えた中、特に疲弊している中山間地域の活性化について県はどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの山形議員の答弁に先立ちまして、一言申し上げます。  一昨日、二十七日の御嶽山の噴火によりまして、多くの死傷者が確認されております。亡くなられた方々に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災をされた方々には、心よりお見舞いを申し上げます。  それでは、ご質問にお答えいたします。中山間地域は豊かな自然や美しい景観、人と地域のつながりの中で生まれた地域文化や伝統など、潤いに満ちた心豊かな生活空間であります。  しかしながら、これまでの経済性の追求や産業・社会構造の変化等の中で、就業の場や人口が都市部に集積し、中山間地域では基幹産業である農林業の衰退、同時に進行する高齢化等により、地域コミュニティー機能の低下や買い物・通院等における移動手段の確保など、日常生活にわたるさまざまな課題が顕在化しているところであります。さらに、若者の流出を要因とする人口減少により、集落存続の危機も指摘されております。  一方、中山間地域は、生活の場としてだけでなく、国土の保全や水源の涵養、安心・安全な食料の供給など、その多面的機能により都市住民の暮らしを支える重要な役割も担っている地域であり、中山間地域を守っていくことは、地域住民だけではなく、広く県民共通の課題として取り組まなければならないものであります。  また、次期プランの策定に向けて先般実施した意識調査では、本県に住み続けたいという若者がふえており、国の世論調査においても、都市住民の農山漁村への定住願望が高くなっているとの結果が示されております。こうした思いにもしっかりとこたえていくことが、今後重要となってまいります。  このため、農地や山林、すぐれた景観、地域の伝統文化や観光資源など、それぞれの中山間地域の持つさまざまな特徴を生かしながら、働く場の創出や都市との交流、魅力あふれる地域づくり、誰もが安心して暮らせる環境づくりなど、全庁を挙げて検討を進め、現在策定を進めている次期プランに盛り込んでまいりたいと考えております。  今後とも市町と緊密に連携し、国が設置したまち・ひと・しごと創生本部の動きにも呼応しながら、生まれ育ったふるさとに誇りと愛着を持ち安心して住み続けられるよう、中山間地域の活性化に積極的に取り組んでまいります。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) さまざまな課題に対して、全庁を挙げて次期プランにも盛り込むという答弁をいただいたわけですが、なかなか従来の事業だけでは限界があると思います。先ほど紹介したギッシングのように、発想の転換によって新たな価値観を生み出して事業を進めることが大切だと思います。農政の課題として、農業白書にこの中山間地域が取り上げられたのは昭和六十三年ですから、もう既に二十六年も経過をしているのです。ですけれども、事態はさらに悪化していますので、深刻な状況は、さらに深まっていると感じています。  そこで、これまで実施してきた中山間地域対策関連事業の全てについて検証して、課題の解決につなげるべきだと私は思いますけれども、知事の考え方をお伺いします。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。少子高齢化、過疎化が進む中山間地域は、ただいま申し上げましたように、さまざまな課題を抱えております。これまで県といたしましては、里の“守”サポート事業、あるいはグリーンツーリズムの推進などで市町を支援し、一定の成果を上げてきたと思っております。  今後、日本創成会議の指摘にもありますように、急激な人口減少が危惧されますことから、現在、関係部局によるワーキンググループを設置しまして、中山間地域も含め、人口減少の本格化が地域にもたらすさまざまな課題や影響などの抽出を行っているところであります。  この「地域の元気創出研究会」という名称ですけれども、昨年度立ち上げまして、二十五年度中に二回、今年度四回、合わせて六回の会議を行っているところでございます。中山間地域を含めて、人口減少問題や地方創生につきましては、全庁にまたがる課題でございますので、次期プランの策定に当たりましても、ただいま答弁で申し上げましたように、全庁一丸となってこの課題に、これまでの検証も含めて洗い出しを行った上で対応してまいりたいと思います。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員
       (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) このワーキンググループ、地域の元気創出研究会で問題について検討され、さまざまな課題について抽出されているということですけれども、この中山間地域の事業ですが、この所管が三つの部に分かれているのです。複数の部に分かれていることによって、なかなか全体像が見えないのではないかなと私は感じています。それぞれの事業にしっかりと取り組んでいただいておりますが、中山間地域の課題として、全体を総括する一元的な組織――ワーキンググループとは別に今までの事業の一元的な組織を立ち上げて、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、要望させていただきます。  また、国の創生本部の考え方でありますけれども、地方に若者を呼び込む拠点づくりや雇用の創出などを進めることを基本方針としています。国がやることを待っているだけではなくて、栃木県として、県内の地方である中山間地域など農山村地域に県有施設や県の関連する施設を設置して、地方の雇用にも結びつけることをぜひ進めていただきたいと思います。現在計画中、あるいは、今後計画する施設がありますから、ぜひお願いしたいと思います。  私の地元にも、畜産試験場二十七ヘクタールありますが、近々、ここが空き家となるのです。ぜひ、畜産関連の施設などもここに設置して雇用に結びつける、そして、地域の経済効果を生むようなことを考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  ここでもう一点、中山間地域に限らず県全体の人口減少問題の視点で、再質問させていただきます。先日、初日の質問で、県人口問題研究会に対する県の姿勢については示されておりますが、もっと積極的な姿勢をみせるべきだと思っています。研究会のメンバーからは、非常に戸惑っているという話も聞きます。  そこで、研究会において、県が主導的な役割を果たすべきだと私は考えておりますが、知事の考えをお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。人口減少の状況、あるいはスピードにつきましては、市町によって異なると思いますし、その影響や課題もさまざまであると思っております。県が主導的な役割を果たすのか、市町が主導的な役割を果たすのかということではなくて、双方が、知恵や工夫を出し合っていくということが必要だと思います。  石破地方創生相も、国から地方にということではなくて、地方からさまざまな提案をしてこいということをおっしゃっておりますけれども、国も地方も双方向であるべきだと思いますし、県と県内の市町も、双方向であるべきだと思っております。  市町がそれぞれ地域の課題に向き合って、まずその地域の特性を生かすということが重要だと思っておりますので、実効性のある取り組みを検討してもらいたいし、また、我々も県の立場から、県全体を俯瞰しながら、さまざまな提案を行っていければと思います。十分意見交換をしながら、実のある施策、事業に結びつくよう、精いっぱい取り組んでまいりたいと思います。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 市や町と連携をしていくという話でありますが、ぜひ、積極的に進めていただきたいと思います。そして、県人口問題研究会と今度新たに組織する県の人口減少対策の組織というものもありますが、そこが、うまくリンクして課題に取り組めるような体制を、ぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしまして、次の質問に移ります。  次に、魅力ある栃木の公共交通についてお伺いいたします。魅力あふれる地域にするためには、男女を問わず、子供からお年寄りまで、あるいは企業にとっても住みよい、働きやすい環境を整えることが重要であります。そのためには、日常生活や社会活動の基盤となる移動手段の充実が不可欠であります。  海外行政調査で訪れたドイツのカールスルーエでは、宇都宮市と芳賀町が計画しているLRTの導入や、将来のまちづくりの観点からも参考になるとの思いから、路面電車(トラム)と列車との統合システムであるカールスルーエモデルについて調査してまいりました。  カールスルーエのトラムは、周辺の七つの自治体を網羅しており、居住環境の向上と自動車から公共交通、自転車、歩行者への交通政策の転換を目指して整備され、町を結ぶSバーンや長距離鉄道との連携が図られています。中心市街地の移動手段は、公共交通が四七%と約半数を占め、十分間隔で運行するトラムは改札がなく、一枚のチケットでどこにでも移動可能でありまして、バリアフリー仕様でバスとも連携するなど、子供からお年寄りまで全ての住民に配慮された利便性の高いものでありました。  このLRT導入を契機として「歩いて楽しめるまちづくり」により、中心市街地の再生・活性化に成功し、その結果、全世界から観光客が訪れています。このように、公共交通が魅力的なまちづくりに欠かせないものとして存在するだけでなくて、LRT自体が観光資源にもなっているのです。  さて、現在、宇都宮市と芳賀町が計画しているLRTは、夢のある地域づくりに大きな役割を果たす可能性を秘めていると私は考えています。もう既にその魅力を感じ取っている企業が動き出しています。大手流通企業のゼビオが、沿線に関連施設を集積することや、本社機能も移転する構想があるようです。  このLRT導入については、市街地と工業団地をつなぐ道路の渋滞対策の視点が取り上げられていますが、LRTが導入されれば、渋滞緩和だけでなくカールスルーエのように、地域の魅力を広く全国に、そして世界に発信することができると思っています。また、LRT単体での採算性の議論は当然必要でありますけれども、もっと広く、地域の魅力創出などの大局的な観点からも検討されるべきものであると思います。  さらに、宇都宮市と芳賀町が進めるLRTを本県の東西基幹公共交通の軸として、既存の鉄道やバスなどと効果的・効率的に組み合わせれば、だれもが県内どこにいても自由に移動できる広域的なネットワークを形成することが可能になります。  そこで、LRTの魅力を生かしつつ、それを軸とした県全体の公共交通ネットワークの充実を図り、魅力あるとちぎづくりにつなげていくべきと考えておりますが、知事の考え方を伺います。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質間にお答えいたします。私は、本格的な人口減少・超高齢社会を迎える中で、都市の活力や魅力の低下、地球環境問題の深刻化など、さまざまな課題に的確に対応し、個性あふれる地域の創生により夢のある豊かな暮らしを次世代へとつないでいかなければならないと考えております。  そうした中、誰もが安全で快適に移動できる公共交通は、県民の日常生活・社会活動を支え、活発な地域間交流を実現し、地域経済の健全な発展を図る上で重要な役割を担うものであります。  宇都宮市と芳賀町が導入を検討しているLRTは、既存の鉄道、バス、タクシーなどとの連携を図ることで、質の高い公共交通ネットワークの構築が期待でき、町の魅力を高め、にぎわいを創出し、個性あふれるまちづくりの実現に寄与するものであると考えております。  さらに、東西基幹公共交通として、東北新幹線やJR宇都宮線東武宇都宮線等と連携することによって県内外の交流促進が図られ、産業振興や地域の活性化に貢献し、本県の魅力アップにもつながるものと思っております。  県といたしましては、今後とも、宇都宮市と芳賀町の取り組みについて積極的に支援してまいります。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 知事からご答弁をいただきましたが、知事もこのLRTについては、魅力を感じているのだなと感じました。私も昨年度、県土整備委員会の県外調査で、富山市、高岡市のLRTについて調査を行い、その有効性を感じているところであります。しかし、LRTは、全国各地に富山市を含めてありますけれども、それらは全て既存の鉄道や路面電車を活用したものです。それとは違い、今度進める宇都宮市と芳賀町の栃木のLRTは、何もない、下地がないところに敷くわけですから、これは全国で初めての取り組みなのです。そこに、私はほかにない魅力があると思っています。栃木の魅力を全国に発信するための大きな起爆剤にもなりますから、ぜひ積極的に支援をお願いしたいと思います。  さらに、人口減少に絡めて言わせていただければ、これから人が減り労働力が不足する中で、人をめぐっての地域間競争がさらに激しくなると思います。日本の人口は、どのような対策を打っても数十年は減少するという現実を受けとめなければならないと思います。そうだとすれば、子育て環境などを整えて出生率を上げるという取り組みももちろん必要ですけれども、同時に、ほかから栃木県に人を呼び込んで人口をふやすといった施策を展開する必要性もあると思いますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。そして、魅力ある栃木県を築くために、県内の交通政策全般について、LRTを軸として見直しをしていただいて、県全体の公共交通ネットワークのさらなる充実を図っていただくよう強く要望いたします。  次に、とちぎ材の利用拡大について伺います。我が国の人工林における蓄積量は、年平均で約七千八百万立法メートル増加しており、現在、約三十億立方メートルとなっています。本県の民有人工林においても、現在約三千八百万立方メートルの蓄積量があり、その三割がおおむね六十年生以上で、伐採して利用すべき時期に来ています。  その木材を有効に活用できないかとの思いで、オーストリアのミュールベックという町にある、木の板を縦横交互になるように重ねて接着した直交集成板、いわゆるCLTについて調査してまいりました。  そこでは、州の条例によって、二〇〇一年から都市部での五階建てまで、CLT工法による建築が認可されておりまして、調査した集合住宅では、基礎と一階、そして階段室は、鉄筋コンクリート造でありましたけれども、その他は全てCLTでつくられている五階立てでありました。建設費用は、RCと比べて少し割高になるものの、CLT部は工場で製作をし、現場施工は一週間で、工期が大幅に短縮されるばかりではなくて、断熱性や耐火性にもすぐれておりまして、快適な住環境を提供しているのも特徴であります。また、既にロンドンでは、九階建てのビルもこのCLTによって建築されているようです。  CLTについては、日本においても、平成二十五年十二月に政府が取りまとめた農林水産業・地域の活力創造プランの中で、CLT等の新たな製品・技術の開発・普及に向けた環境整備等によって、新たな木材需要の創出に取り組むことが示されています。先導モデルとして、ことし三月には、国内第一号となる建築物が、高知県にもう既に竣工しています。  国土交通省は、平成二十八年度を目途に建築基準を整備することを予定しておりまして、CLTが一般的な構造部材として使用可能になることが見込まれております。これにより、中高層の建築物は、今までは鉄とコンクリートでつくるという常識がありましたけれども、それを覆すことになり、木材利用のさらなる拡大が期待されております。  また、我が国の国土の七割が森林で、森林面積率は世界の第三位であります。その森林資源を生かした地域経済の活性化・地域再生などへの関心も、高まりを見せております。本県におきましては、平成二十二年十月に施行された公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を受け、とちぎ材利用を促進するための具体的な方策等を示したとちぎ木材利用促進方針を平成二十三年十二月に策定し、その後、県内全市町においても、同方針が策定されております。さらに、民間建築物においても木造化の機運は高まっておりまして、まさにとちぎ材の利用を促進する大きな好機ととらえております。  そこで、県では、さらなるとちぎ材の利用拡大のため、これまでの取り組みにより利用が進んできている一般住宅に加えて、従来木材利用が進まなかった中大規模建築物への利用促進にどのように取り組んでいくのか、環境森林部長にお伺いをいたします。 ○螺良昭人 議長 櫻井康雄環境森林部長。    (櫻井康雄環境森林部長登壇) ◎櫻井康雄 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、とちぎ材の家づくり支援事業や商談会の開催などにより、とちぎ材の利用拡大を図っているところでございます。さらなる需要拡大のためには、中大規模建築物への利用促進が重要でありますが、一般住宅では余り使われない規格の木材を使用することによるコスト高や、材料がすぐにそろわないことなどによりまして、木材利用が進んでおりません。  このため県では、一般に流通している木材の活用法などを盛り込みました、中大規模木造建築物の普及マニュアルを本年三月に作成したところでございます。これを講習会で活用するなど、木材利用の鍵を握る建築士への理解促進に努めてまいります。また、円滑な材料の確保に向けて、川上から川下までの関係者が連携した仕組みづくりにも取り組んでまいります。さらに、CLTへのとちぎ材活用につきましても、国等の動向を見きわめながら適切に対応してまいります。今後とも、関係団体などと連携しながら、公共施設はもとより、民間を含む中大規模建築物へのとちぎ材利用を積極的に促進してまいります。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 環境森林部長から答弁をいただきましたが、CLTについても、積極的な姿勢を少し見せてくれたのかなと思っています。ぜひ、研究を進めていただいて、せっかくマニュアルもつくったわけでありますから、中大規模建築物にも、さらなる利用拡大が図れるように、ぜひお願いしたいと思います。  また、木材利用の拡大について、環境森林部は、平成十五年から県有施設の木造化に関する基準を制定して、その後、行動計画を立てて進めているのですが、なかなか進まない状況があります。全部長にお願いしたいのですが、これから計画されている建築物には、まず床、壁、天井といった内装材に、必ずとちぎ材を使うという取り組みをさらに進めていただきたいと思っています。また、総合スポーツゾーンにおきましては、栃木県木材需要拡大協議会からも、とちぎ材の利用促進についての要望書が提出されておりますので、ぜひとも使っていただきたいと思っています。  さらに、木材利用の可能性は、私は無限であると思っています。木材由来の素材となるセルロースナノファイバーというものがあるのですが、実は、これは日本再興戦略の中に、今後の研究開発の対象として含まれているのですが、このセルロースナノファイバーは、鋼鉄の五分の一の軽さで鋼鉄の五倍の強度を持ち、もう既に京都大学が開発に成功しておりまして、現在、自動車の部品として使えないかということで、さらに研究が進んでいるようです。近い将来、木材の利用拡大はさらに促進される可能性がありますので、ぜひ、ことしモデル事業として取り組んでいる皆伐のモデル事業をさらに拡大をすること、そして、路網の整備などもしっかりと進めて将来に備えていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、有害鳥獣対策について伺います。近年、ニホンジカやイノシシなどの鳥獣については、急速な生息数の増加や生息域の拡大が起きており、希少な植物の食害等による生態系への影響や農林水産業、生活環境への被害が大変深刻な状況になっています。県内各地でも、有害鳥獣による被害は以前から報告されているとおりであり、昨年度の農業被害額は約三億円にも及ぶなど、早急な対策が必要な状況であります。また、鳥獣捕獲の中心的な役割を果たしてきた狩猟者が減少・高齢化しており、捕獲の担い手の育成や確保が課題となっております。  このような状況を受け、鳥獣保護法の一部改正法が本年五月に可決、成立しております。今回の改正では、従来の保護だけでなく、有害鳥獣の捕獲を促進し、生息数を適正水準に減少させること、すなわち「管理」を法律の名称と目的に加えるとともに、鳥獣の捕獲等を行う事業を実施する者の認定制度を創設するなど、捕獲に重点を移した大きな方針転換であります。被害を受けている農家からは、有害鳥獣の個体数が減少し被害の縮小につながるものと期待されております。私といたしましても、管理の視点で捕獲を徹底的にやっていくべきと考えています。  そこで、鳥獣保護法の改正を受けて、今後どのように取り組んでいくのか、環境森林部長に伺います。 ○螺良昭人 議長 櫻井康雄環境森林部長。    (櫻井康雄環境森林部長登壇) ◎櫻井康雄 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えします。野生鳥獣による農林業等への被害対策を効果的に推進するには、鳥獣を寄せつけない環境整備や進入を防ぐ防除とともに、個体数を減少させる捕獲をバランスよく行うことが重要であります。  県は、これまで市町が行う有害鳥獣捕獲への支援を実施するとともに、狩猟免許取得を促進するなど担い手の確保・育成に取り組んできたほか、関係機関と連携し、環境整備や防護柵の設置など、地域ぐるみの対策を推進してきたところであります。  今回の鳥獣保護法改正により、ニホンジカ、イノシシにつきましては、集中的かつ広域的に捕獲すべき指定管理鳥獣に指定される見込みであり、今後は捕獲の推進が一層重要となります。  このため県といたしましては、本年度実施しております有害鳥獣の生息状況調査の結果に基づきまして、新たな捕獲目標の設定を行った上で、市町や国とも調整を図りながら効果的な捕獲につなげ、獣害に強い栃木を実現してまいります。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 環境森林部長から答弁いただきましたけれども、指定管理鳥獣に指定されるだろうというお話もありました。その指定管理鳥獣の管理計画は今後、県が策定することになります。答弁の中にありましたが、本年度予算化している有害鳥獣生息状況調査については現在どのように進んでいるのか、環境森林部長に再質問させていただきます。 ○螺良昭人 議長 櫻井康雄環境森林部長。 ◎櫻井康雄 環境森林部長 ただいまの再質問にお答えいたします。調査でございますが、過去のイノシシやシカに関するデータが、どこの場所でとれたとか妊娠していたかどうかなど、約二十五万件ほどございます。そのデータを現在解析中でございますが、全国的なデータ解析と合わせた形での解析を行っておりまして、これらによって生息数の推定を今年度やっている状況でございます。この生息数の推定から、将来予測や担い手の状況などを総合的に勘案して、来年度管理目標につなげていくことによって、獣害を効果的に軽減していくということで考えております。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 過去のデータ二十五万件について解析を行っているということですが、これは、現在の実態を反映できるように工夫していただかないと、なかなか計画に反映されませんから、ぜひお願いしたいと思います。  また、現在のイノシシでありますけれども、これはほとんど野性じゃなくてイノブタになっています。うちのほうの八溝のイノシシは野性じゃないかなどと言われていますけれども、子供をいっぱい連れていますから、これはイノブタに変わっていますので、ぜひそのような実態も反映できるようにお願いしたいと思います。  さらに、県北地域においては、放射性セシウムの問題で狩猟者の意欲が減退しているという現状がありますので、問題解決はなかなか難しいかとは思いますけれども、捕獲意欲を確保するために、ぜひご配慮をいただくよう要望させていただき、次の質問に移ります。  次期高齢者支援計画について伺います。我が国では、高齢化が世界に類を見ない速さで進行しており、総人口に占める六十五歳以上の高齢者人口の割合は、本年九月十五日現在で二五・九%と、既に四分の一を超えています。  このような中、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、去る六月十八日には、効率的かつ質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムの構築を通じて、地域における医療と介護の総合的な確保を推進することを目的とする医療介護総合確保推進法が成立しております。  県では現在、来年度からスタートする次期高齢者支援計画の策定作業を進めており、地域包括ケアシステムの構築等を目指して、今後は医療から介護へ、施設から在宅への動きが進むものと思われます。  そこで、このような動きを踏まえて、次期計画についてどのように策定していくのか、知事に伺います。  また、こうした流れの中で、在宅での介護が難しい要介護度の高い認知症高齢者や単身高齢者の増加、老々介護などの問題が顕在化しており、特別養護老人ホームについては、今後も入所希望者はふえていくものと考えます。  さらに、特別養護老人ホームの整備については、本県では、これまで入所者一人一人の生活リズムに合わせた個別ケアを行うためのユニット型個室に限って進めてまいりましたけれども、本年三月に県が実施した高齢者の意識調査の結果を見ると、多床室を望む高齢者が約半数となっており、これらの声にも耳を傾ける必要があると思います。  そこで、特別養護老人ホームの整備について今後どのように進めていく考えなのか、その際、多床室の整備についてどう考えるのか、あわせて知事に伺います。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年を見据え、高齢者が住みなれた地域や家庭で自分らしく安心して暮らしていけるよう、医療、介護、予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムを構築することが必要であります。  このため、次期高齢者支援計画はつらつプラン二十一(六期計画)の策定に当たりましては、高齢者意識調査や市町ヒアリングの結果、さらには、計画策定懇談会の意見等も踏まえながら、介護サービスの基盤整備や在宅医療・介護の連携促進、認知症対策などについて、実効性のある施策を盛り込んでまいりたいと考えております。  また、特別養護老人ホームにつきましては、現在、希望しながらも入所できない重度の要介護高齢者が多数に上る状況にあり、今後、高齢化のさらなる進展によって、入所需要がより一層高まっていくものと考えております。  このため、将来の要介護高齢者等の人口や家族の介護力の推移、さらには、在宅サービスやサービスつき高齢者向け住宅など、多様な住まいの整備見込み等を踏まえ、市町とも十分協議をしながら、必要となる特別養護老人ホームの整備数を適切に次期計画に盛り込んでまいります。  さらに、今後は、高齢者意識調査の結果や関係団体からの要望などを踏まえ、ユニット型個室を基本としつつ、多床室につきましても、入所者のプライバシーの確保や個別ケアに配慮した処遇など、一定の条件のもとで整備を進めてまいりたいと考えております。今後とも、各種施策を積極的に推進し、栃木で暮らし、長生きしてよかったと思える社会の実現を目指してまいります。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 六期計画の策定に当たっては、意識調査なども反映させながら実効性のあるものにする、そして、市町と連携をして進めていく、また、多床室についても、一定の条件のもとに整備を進めていく、という答弁をいただいたところであります。  この次期高齢者支援計画は、二〇二五年を見据えて、地域包括ケアシステムの構築を目指していくわけでありますけれども、地域によって、医療の資源が非常に偏在しているという現実もあります。訪問看護ステーション、そして在宅医療診療所がないところもあるので、なかなか難しい問題であると思います。もちろん医師の理解も求めなければなりませんが、実態を見ると、なかなか対応できないということもありますので、ぜひとも、県のほうで少し工夫をしていただいて、政策的に配置ができるようにお願いしたいと思います。また、現在、市町では六期計画に向けてサービス見込み量を算出しています。大変な作業であるというお話も聞いておりますので、できる限り市町に対する支援もお願いしたいと思います。  さらに、二〇二五年までには介護人材が、あと百万人必要だと言われています。人が減る中で、さらに百万人ですから、大変な課題だと思っています。そこで、人材の掘り起こしですね。有資格者であっても、就業していない方々もいますので、ぜひ人材の掘り起こし、そして、介護職への処遇の改善が必要ですから、県としても、国に要望することも一つでしょうが、県としての取り組みも、ぜひ充実させていただきたいと思っています。また、答弁の中にあったように、多床室の整備については、プライバシーの確保ができるように、そのあたりの工夫もしていただきたいと思います。以上、要望させていただきます。  それでは、最後の質問になります。自然災害への対応について伺います。近年、日本の気候を初めとする自然環境が大きく変化しているのではないかと感じているのは、私だけではないと思います。現実に、一昨日発生した御嶽山の噴火による災害、そして、ことしの八月には、七十四名のとうとい命が失われた広島県広島市の土砂災害を初め、これまでに経験したことのない自然災害が、全国的に相次いで発生しております。  本県においても、本年二月の大雪、局所的な集中豪雨による土砂災害、さらには、三年連続して発生した竜巻などによりまして、人的被害を初め農業施設、そして住宅への被害が頻発しています。九月には、北海道内で初の大雨特別警報が発表されるなど、全国的に、いつどこでも災害は起こる自然環境の中で私たちは生活をしていることを自覚しなければならないと考えています。  気候の変動等により、これまでの常識でははかれない、予期せぬ災害が多発している中、私は、人命を守ることを最優先に、県民の生命・身体・財産を確保するための防災対策のさらなる強化が不可欠であると考えています。  本県では、東日本大震災や竜巻における教訓を踏まえて、災害に強いとちぎづくり条例を制定し、本年四月に施行したところです。条例の基本理念には、みずからの安全をみずから守る自助、地域の住民が互いに助け合う互助、事業者その他の地域にかかわる人々が連携し助け合う共助及び公的機関が援助を行う公助を基本とすることがうたわれており、その理念をいかに実践に結びつけることができるかが大切であると考えています。  そこで、現在、県では災害に強い地域づくりをより一層推進するため、栃木県地域防災計画の改定作業に取り組んでいますが、どのような点に留意して見直しを行おうとしているのか、知事に伺います。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、東日本大震災や県東南部における竜巻災害等の教訓と対応の検証を踏まえ、平成二十四年十月に栃木県地域防災計画を改定し、各種対策を実施してまいりました。その後、全国的に局地的な豪雨などの災害が頻発する中で、広島市の土砂災害では多くのとうとい命が失われるなど、予期せぬ自然災害の脅威を目の当たりにして、災害に強い地域づくりの重要性を改めて痛感いたしました。  このため、今回の地域防災計画の改定に当たりましては、災害対策基本法の一部改正や原子力災害対策指針の策定などの国の動きを踏まえるとともに、災害に強いとちぎづくり条例に基づく自助、互助・共助、公助による取り組みや、総合的な地震防災対策の推進等を主眼として見直しを行っているところであります。  主な改正点といたしましては、法改正等に基づく緊急避難場所及び避難所の指定、避難行動要支援者に対する安全対策の強化等のほか、地震被害想定調査の結果を反映した地震防災・減災体制の整備、雪害対策における即応性の強化など、過去の災害から得た教訓を生かした本県独自の対策も、新たに盛り込むことといたしました。  今後、県民の皆様を初め関係機関のご意見をいただきながら、県民の命を守ることを最優先に考えた計画となるよう改定作業を進め、新たな計画を本県の防災対策の道しるべとして、災害に強いとちぎづくりに全力で取り組んでまいります。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 地域防災計画の見直しに、県の災害の教訓も生かしたというようなお話もあって、独自の政策ももちろん盛り込んでいると思いますが、この地域防災計画には完成形はないと思います。今後もいろいろな災害が起きる可能性がありますから、適時適切な見直しを行っていただきますようお願いたします。
     ここで、県民生活部長に再質問させていただきます。県の条例の基本理念にもある互助の中核を担う自主防災組織につきましては、県もいろいろな事業を進めてカバー率を高め、現在八五%を超えるカバー率になっていますが、しかし、実態はどうなのだというところなのです。ある調査によると、みずからが自主防災組織に加入していることを自覚している、これを自覚率ということであらわしていますが、これが五%にも満たないというような調査もあるのです。これでは、いざ災害が起こったときに、組織的に有効に機能することはできないと思います。また、実際の災害は広範囲に及ぶ可能性もありますから、自治会単位の組織が少し狭いのではないかというお話もありますし、しっかりと連携をすべきだという話も聞いています。  そこで、地域の防災力を高めるための取り組みとして、自主防災組織の充実についてどう考えているのか、県民生活部長に再質問させていただきます。 ○螺良昭人 議長 平野博章県民生活部長。 ◎平野博章 県民生活部長 ただいまの再質問にお答えいたします。地域の防災力を高めるためには、自主防災組織の果たす役割は大変重要だと思っております。このため、災害に強いとちぎづくり条例の中でも、県民の皆様、そして事業者の皆様に自主防災組織に協力いただく、また、参加いただくような規定を盛り込んだところでございます。  また、県の補助制度の中で、自主防災組織の充実強化を図るものがございますが、その中で、資機材の充実や研修の実施のほかに、ことしは新たに自主防災組織を立ち上げる際に、アドバイザーを派遣するなどのメニューも追加をしたところでございます。今後とも、市町とも連携をいたしながら自主防災組織の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) アドバイザーも派遣されているということですが、ぜひ、その自主防災組織の実態をよく調べてしっかりと捉えていただいて、自主防災組織の充実を図っていただきたいと思います。  もう一点、防災訓練について再質問させていただきます。総合防災訓練は下野市で、ことし栃木県と合同で行われましたが、防災訓練をもう少し充実させてはどうかと思っています。それは、災害が頻発していることもありますけれども、それぞれの地域によって、起こる災害というのは違うのです。そして、求められる対応も異なりますので、今後の防災訓練については、それぞれの地域に応じた内容で行うことも、ぜひ検討していただきたいと思います。例えば土砂災害、そして一昨日の噴火ということも地域によってはあるわけですから、ぜひ、そういった対策を進めていただきたいと思います。  防災訓練を有意義なものとするために今後どのように取り組んでいくのか、県民生活部長に再質問させていただきます。 ○螺良昭人 議長 平野博章県民生活部長。 ◎平野博章 県民生活部長 ただいまの再質問にお答えいたします。総合防災訓練は、災害時におけるさまざまな対応を想定いたしまして訓練しているものでございまして、県内持ち回りで各市と協議の上、実施のメニューを決めているものでございます。  今回の下野市におきましては、自動車の多重事故対策とかもメニューに加えたりして、市と調整をして新たなメニューを追加しております。  市町それぞれで防災訓練等をやっていただいておりますけれども、県の総合防災訓練におきましても、それぞれの地域の特性を踏まえながら、今後とも市町と協議しながら、訓練の実施に当たりましては、総合的なものに加えたより実践的、また、具体的な対策ができるように創意工夫を図ってまいりたいと思っております。 ○螺良昭人 議長 山形修治議員。    (三十二番 山形修治議員登壇) ◆三十二番(山形修治議員) 市や町と協議しながら工夫をするというようなお話ですけれども、ぜひ、地域性に応じた防災訓練のあり方を十分検討していただいて、県民の命が守れるように取り組んでいただきたいと思います。  時間がなくなりました。もう一点、これは要望とさせていただきますけれども、災害発生時の初期の対応において、二月の大雪の際には少し混乱があったというお話を聞いています。また、私が聞いている中では、通報がいろいろなところから来たものですから、それによってロスがあったというお話も聞いていますので、初動体制の充実をしっかりと検証して進めていただきたいと思います。さらに、伝達のあり方についても、広島市の土砂災害のように、夜中に発生すると警報を発信してもなかなか気づきません。例えば緊急の地震速報のように、登録していなくても携帯電話に防災情報が配信されるようなことも考えていかないと、これだけ災害が多発していますので、もちろん県は防災メールの発信もしていますけれども、そういった仕組みをぜひ検討していただきたいと思います。  今回の質問は、四年間の集大成として、特に関心のあることや海外行政調査の成果も含めて、さまざまな提案、そして要望もさせていただきました。知事を初め執行部の皆様方には、重く受けとめていただいて、即座に実行できるものは実行していただきたいと思っています。  以上で全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○螺良昭人 議長 この際十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午前十一時一分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十一名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十一時十五分 開議 ○花塚隆志 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) このたびの御嶽山噴火で命を落とされた方々のご冥福と被災されました方に心よりお見舞い申し上げます。  現在、韓国・仁川で開催中のアジア大会では、日本選手たちの活躍を目にして大いに勇気づけられております。十九名の本県出身の選手たちに負けないよう、執行部におかれましては明快なご答弁をお願い申し上げまして、発言通告に従い、質問に入らせていただきます。  初めに、認知症対策についてお伺いいたします。先日、認知症と詐欺被害の関連についての調査があり、高齢者に比べ七・五倍の認知症高齢者の方が詐欺被害に遭われているという結果発表でした。判断能力が低下しているため被害に遭いやすいということでした。  近年、高齢者の消費者トラブルが年々増加しており、昨年度、全国の消費生活センターに寄せられた相談のうち、認知症高齢者が被害者となったケースが一万件を超え、十年前から比べますと倍増しているという実態がございます。トラブル防止のためには、家族や周りの方々の見守りと気づきが大切だと言われますが、そもそも、家族に加え、地域全体でも高齢者を見守り、認知症の初期症状に気づき適切なケアをすることで認知症の進行をおくらせることができれば、トラブルの被害者にならずに済むのではないかというものでした。  そこで、認知症の早期発見につながる地域の支援体制の構築と、その体制において重要な役割を担うかかりつけ医の認知症対応力アップについて質問いたします。  まず、早期発見につながる地域の支援体制について質問させていただきます。年々、認知症高齢者が増加し、本県では、平成二十七年度には五万二千人に達すると予測されております。中でも、高齢者のみの世帯については、相馬憲一議員の代表質問にもありましたが、地域全体できめ細かに見守る環境づくりが大切であると思います。  高齢者世帯の中には、病院に行かず、介護サービスも受けていない方がいらっしゃいますが、昨年、認知症の人と家族の会がアンケートをしましたら、認知症が疑われる症状があらわれても、医療機関を受診するまでには平均九カ月半かかってしまっているという結果が出ております。  国の平成二十五年度からの認知症施策推進五カ年計画(オレンジプラン)が掲げられ、医療・介護の専門職で構成する認知症初期集中支援チームが家庭訪問を行い、どのような支援が必要か検討したり家族支援を行うという仕組みができました。全国では今年度、四十三市区町村で取り組みを始めておりますが、本県では実施している市町はないと聞いております。私は、認知症の早期発見・対応の重要性を考えたとき、この仕組みが県内全ての市町に早く整備される必要があると考えます。  そこで、県は、市町に対して認知症初期集中支援チームの設置に関してどのような対応を行っていくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまの早川けいこ議員のご質問にお答えいたします。認知症対策には、早期診断・早期対応が重要でありますことから、国では、かねてからモデル事業として実施しておりました認知症初期集中支援チームによる支援を介護保険の地域支援事業に位置づけ、平成三十年度までに全国全ての市町村で取り組むこととしております。  事業の実施に当たりましては、認知症サポート医を初めとする医療・介護の専門職の確保や対象者の把握などの課題がありますことから、県では、市町を対象に支援チームに係る説明会を行いますとともに、今年度は、認知症サポート医の養成数の増員を図りましたほか、認知症対策推進会議において、国のモデル事業の結果について意見交換を行ったところであります。  県といたしましては、引き続きサポート医の養成等に取り組むとともに、認知症初期集中支援チームの導入に向けて必要な情報提供や指導・助言を行うなど、市町を積極的に支援してまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ただいま保健福祉部長からご答弁いただきまして、国では平成三十年度までに全国全ての市町村に対応なされるということでございます。  ここで、再質問させていただきます。国では、市町村の実情に応じた事業の展開として、市町村認知症施策総合推進事業を実施しておりますが、小山市におかれましては、医療機関・介護サービス事業所等をつなぐコーディネーターとしての役割を担う認知症地域支援推進員、看護師一名、保健師一名を市役所に地域のサポートとして既に配置し、認知症の早期発見施策を推進しております。今後県として各市町に対しどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。 ◎名越究 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。認知症地域支援推進員は、ご指摘のとおり重要な役割を担っていただいていると考えております。県といたしましては、市町の担当者会議等を通じまして導入について呼びかけてまいった結果、現在、六市町に八人の推進員が配置されました。今年度からこの推進員の事業は介護保険の地域支援事業に位置づけられましたことから、より一層市町に対して働きかけてまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) 認知症に対しての意識が、全国的に地域の方々が率先して徘徊の見守りSOSネットワークや見守りカフェなど、住民が連携して保護する事業が行われております。認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らせる医療・介護関係のネットワークづくりを進めることが大切かと考えます。  次に、かかりつけ医認知症対応力向上研修について質問させていただきます。認知症の早期発見・診断については、主治医であるかかりつけ医への受診・相談によって認知症が判明するケースが多いと思います。生活をともにしている家族に実態調査をしたところ、認知症に気づく症状としては、最初に物忘れ、行動の変化、性格の変化、言語障害などでした。  県では、かかりつけ医に対して、適切な認知症の知識や技術、家族からの話や悩みを聞く姿勢を習得するためのかかりつけ医認知症対応力向上研修を実施し、昨年度までに五百四十九人が修了したと聞いております。  国は、オレンジプランで、平成二十九年度までに六十五歳以上の高齢者六百人に対して一人のかかりつけ医の受講を目標に掲げており、本県の高齢者人口が約五十万人であることを考えますと、研修修了者数をさらにふやしていく必要があると思います。研修修了者がふえることは、認知症対策の中核機関として県が新規指定にも取り組んでいる認知症疾患医療センターとかかりつけ医との連携強化にもつながると思います。  そこで、県は、研修修了者をふやすために今後どのように取り組むお考えなのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。かかりつけ医には、認知症の疑いがある患者を早期に発見し、専門医療機関等へ紹介する役割が期待されますとともに、認知症患者や家族の不安に応えて適切に助言・指導ができることが望ましいとされております。このため、県では、平成十九年度から県内全域で、県医師会の協力のもと、かかりつけ医認知症対応力向上研修を実施してまいりました。  これまで内科医を中心に多くの受講がありましたが、目標とする九百人弱の研修修了者を確保するためには、内科医以外の医師の受講の促進が課題となっております。今後とも、県医師会等との連携を通じ、かかりつけ医における認知症対応力の必要性をさらにPRしながら、未受講のかかりつけ医への働きかけを強化してまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ここで、要望させていただきます。県におかれましては、若年性認知症の問題解決も含めての支援についても力を入れていただくようお願い申し上げます。  きょう私は手首にオレンジリングをつけております。このオレンジリングは、私たち県議会議員が昨年、認知症サポーターの講座を受講してサポーターとなり、このオレンジリングをいただきました。  この認知症サポーターは、厚生労働省で平成十七年度から認知症を知り地域をつくる十カ年キャンペーンを開始し、ちょうど本年で十年になります。キャンペーンの一環である認知症サポーター百万人キャラバンは、六百万人を認知症サポーターとして養成し――目標六百万人ですが、現在五百十万人以上の方が認知症サポーターとして養成を受講されております――皆さんが安心して暮らせるまちを市民の手によってつくっていくことを目指している活動でございます。  次に、骨髄バンクドナー登録の推進について質問させていただきます。十月は骨髄バンク推進月間です。日本では、毎年新たに約六千人もの白血病などの重い血液の病気の患者が発病しております。これらの病気の根本的な治療法としては、骨髄移植が有効とされ、日本骨髄バンクが主体となって、日本赤十字社や地方自治体の協力により骨髄移植を全国的に進めております。  骨髄移植希望者は、現在、国内で約一千四百人、海外の方を含めると約二千五百人の方が骨髄移植を希望しております。骨髄移植には、提供者であるドナーと移植希望者とのHLA型が適合しなければならず、その確率はおよそ数百から数万分の一でございます。  本県のドナー登録者数は一万四千四百七十人で、人口千人当たりの登録者数が全国第三位になっています。しかしながら、ドナー登録には十八歳から五十四歳までの年齢制限があり、五十五歳になると登録が抹消されてしまいます。現在、登録が最も多い四十歳前後が五十五歳になるころには、年間二万人弱が登録抹消されると予測されております。そのため、登録期間が長い若年層を中心に新たなドナーを確保していくことが大切ではないでしょうか。  本県では、二十歳代の登録者が県全体の二五%を占め、全国平均一六%よりも上回っており、若年層の登録が進んでいると思いますが、骨髄バンクを安定して継続していくためには、さらに若年層への取り組みが重要であると思います。  そこで、県は、若年層に対する骨髄バンクドナー登録の推進についてどのように取り組んでいかれるのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。骨髄バンクドナー登録については、長期間ドナーとなることが可能な若年層の登録を推進することが重要であります。  このため、県では、リーフレットの配布や県ホームページ等による普及啓発に加え、関係団体と協力し、県内の大学等で実施する献血にあわせてドナー登録を呼びかけるなど、若年層の登録者の増加に積極的に取り組んでまいりました。これにより、本県内の登録者に占める二十歳代の割合は八月末現在で二四・七%となり、全国平均を大きく上回り全国第四位となっております。  今年度は、十月一日から始まる骨髄バンク推進月間中に大学等においてドナー登録会を実施いたしますほか、新たに若者が多く集まるショッピングモール等の県政情報コーナーを活用するなど、引き続き若年層の登録者のさらなる増加に努めてまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ここで、要望させていただきます。ドナー登録者が骨髄を提供する際には、通常、三泊四日の入院が必要なほか、提供前後の健康診断などのために数回程度通院しなければなりません。このため、私は以前から、骨髄ドナー休暇制度の民間企業への普及と、ドナー本人及びドナーが勤務する事務所に対して助成制度創設の必要性を訴えてきました。患者が待ち望む骨髄の提供者に選ばれても、仕事の都合がつかないために今回は見送らせてくださいというケースが多いと聞きます。  ドナー休暇の普及とともに、助成制度につきましては、県内でも昨年から大田原市、小山市、日光市の三市でドナー本人に一日二万円、勤務先へ一日一万円、七日間助成する制度が創設されています。また、埼玉県では、今年度四月から骨髄移植ドナー助成費補助がスタートいたしました。これは市町村がドナー本人を対象に助成した場合、県はその市町村に対して助成額の半分を補助するものでございます。現在、六十三市町村中十二市町村がドナー助成を行っているようでございます。必要としている方に確実に届く方策として、県みずからが助成制度を創設していただくよう、改めて要望させていただきます。  次に、少子化対策について質問させていただきます。人口減少の主な原因は、高齢出産、子育てにかかる経済的な負担の重さ、仕事と子育ての両立の難しさに原因があると私は考えております。  そこで、安心して出産できる環境づくりと、子育て支援の新しい仕組みとして来年度からスタートする認定こども園について質問させていただきます。  まず、安心して出産できる環境づくりについてでございます。現在、県内で分娩が可能な病院や診療所は大学病院を含め四十施設で、初産の高齢化が進みリスクの高い出産が増加傾向にあることとも相まって、産科医、特に当直を伴う病院勤務医の負担が大きくなっています。  全国的に見て、地域医療再生基金等による修学援助や啓発活動等により、産科医と助産師の数はふえております。近年、女性産科医師の割合が高まり、日本医師会総合政策研究機構のまとめによりますと、子供を持つ女性産科医師の育児と仕事の両立は大変難しい勤務状況にあります。  そこで、産科医の激務軽減には助産師との役割分担が重要となります。本県の助産師数は全国平均を下回り、下から十番目となっております。また、平成二十四年十二月時点の本県における助産師の就労状況を見ますと、四百三十人の助産師のうち二百四十八人が病院に勤務し、高度医療を伴う総合周産期母子医療センターには八十五人が勤務している状況にあり、正常分娩に携わる機会が少なく、助産技術を向上しにくい状況となっております。  このような中、栃木県看護協会では、平成二十五年度から二年間、国のモデル事業として助産師のキャリア形成のため半年から一年間程度、ほかの施設で助産師として業務を行い、実践能力の強化に取り組んでおります。私は、少子化対策の一環として、県内全域で安心して出産できる環境づくりを進めることが大切であると思います。  そこで、県としては、助産師の確保に加え、資質の向上にどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。安心してお産ができる環境の整備に当たりましては、産科医はもとより、質の高い助産師の安定的な確保が必要であります。  このため、県では、平成二十二年度に助産師会、産婦人科医会等で構成する助産師確保連絡協議会を設置し、分娩取り扱い医療機関に勤務する看護師の助産師資格の取得や潜在助産師の再就業を支援するなど、助産師の養成確保に取り組んでまいりました。  また、最新の知識や技術を習得するための研修を実施するほか、県看護協会による助産師出向支援モデル事業に協力するなど、助産師の実践能力の向上にも努めてきたところであります。今後とも、関係団体と連携を図り、助産師の確保と質の向上に取り組んでまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) 先日、結婚されている女性産科医師にお話を伺う機会を得ました。女性が安心して出産できる環境づくりには、妊娠中、出産、子育ての不安を取り除き、心身ともに支えてくださる助産師さんの存在が重要であるとおっしゃっていました。また、勤務先に保育所の設置により子育てと仕事の両立ができることが少子化対策にもつながるため、ぜひ栃木県が率先して取り組んでいただければ、若い方々が栃木県に魅力を感じ住んでみたいと思うのではないかとのお話でございました。そして、産科医師として厳しい勤務状況にも耐えられるのは、生命の誕生の瞬間に立ち会える喜びを得られるからという彼女の言葉が印象的でした。  次に、少子化対策のうち、幼保連携型認定こども園の保育教諭の確保等について質問させていただきます。来年四月から、子ども・子育て支援新制度が始まり、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援事業を総合的に支援する施策として注目されており、この新制度では、幼稚園と保育所のよさをあわせ持つ認定こども園の普及が期待されております。  しかし、国の公定価格上限二万五千七百円が示され、公定価格試算ソフトにより給付費を計算すると、県内二十二の私立認定こども園のうち半数近くの園で、平成二十六年度より平成二十七年度の収入が減るという結果になりました。  このため本県では、兵庫県、大阪府と連名で、国に認定こども園が新制度に移行した後も、その定員規模にかかわらず給付費が減収にならないように要望いたしました。また、多くの市町が保育料を示さないまま新年度の園児募集をするなど、制度上不明確な点があることから、私立幼稚園、私立保育所が認定こども園への移行に慎重になっており、とりわけ私立保育所は、保育ニーズの増加を背景に移行希望が少ない状況にあると聞いております。  そこで、私立保育所の認定こども園への移行の促進についてどのようにお考えなのか、保健福祉部長にお伺いいたします。
     また、幼保連携型認定こども園への移行についてもさまざまな問題があると思いますが、中でも保育教諭の確保については、現職の幼稚園教諭と保育士のうち、一方の資格しか保有していない方の資格取得のための県による支援が重要と考えます。  そこで、新制度での保育教諭になるための幼稚園教諭または保育士の資格取得の支援策について、あわせてお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。認定こども園は、幼稚園と保育所の機能をあわせ持っており、例えば保育所が認定こども園に移行すれば、保護者が職を突然失った場合でも引き続き保育することができるなどのメリットがございます。  県では、本年四月にこども政策課内に設置いたしました認定こども園相談窓口等を通じて、事業者に対して、教育・保育の一体的な提供の意義について丁寧に説明するなど、保育所が円滑に認定こども園へ移行できるよう支援しているところであります。  また、保育教諭の確保については、安心こども基金を活用し、一方の資格のみをお持ちの方の幼稚園教諭や保育士の資格取得に係る経費を助成するなど、適切に支援をしてまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ここで、再質問させていただきます。幼稚園は定員割れが続き、定員の一部を事実上縮小し、幼稚園教諭の数を減らしている事例が多いと聞いております。幼稚園が認定こども園に移行する場合、保育教諭を増員する必要があると思いますが、その場合、離職した幼稚園教諭と保育士の両方の資格を有する方の、いわゆる掘り起こしも必要と思いますが、県は、その点につきましてどのように対応するお考えでしょうか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。 ◎名越究 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。国の資料によりますと、幼稚園教諭や保育士のうち、約四分の三の方々が両方の資格を有しておられると伺っております。県といたしましては、市町の子ども・子育て支援事業計画を支援するために、現場を離れておられます有資格者の方に対しまして、復職に関するPRをいたしますとともに、栃木県福祉人材研修センターを活用いたしまして職業紹介などを行ってまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) 認定こども園の理念は、教育が全ての子供に、親の経済格差にかかわりなくひとしく、雇用不安定でも、貧困問題も解消されるという質の高い保育・幼児教育です。この目標は外してはならないと思います。  次に、キャンプ地の誘致について質問させていただきます。知事は、昨年九月に二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催決定後、いち早くキャンプ地誘致を表明され、英国大使館を表敬訪問するなど、既に誘致活動の取り組みを進めていらっしゃいますが、今、全国の自治体でもキャンプ地誘致に続々と名乗りを上げております。キャンプ地を誘致することは、トップアスリートを間近で見る機会ができ、次世代を担う若者に夢と希望を与えるものです。  二〇〇二年の日韓共催のサッカーワールドカップの際には、大分県の旧中津江村がカメルーンチームの事前キャンプ地になり、選手と村民との交流の様子が報道され、一躍有名になったことが思い出されます。仮に強豪チームのキャンプ地に決まれば、出場選手や関係者のほか、ファンやマスコミの方も大勢来県されることになり、経済効果だけでなく、本県のPR効果も期待できます。  キャンプ地はアスリートが大会本番に向けてコンディションを整える大事な場所でありますので、まずは競技種目に応じたスポーツ施設を提供できることが前提であり、さらに、選手たちが練習後にはリラックスして過ごしていただけるような食事や宿泊施設を整えることも大切です。県内には、公のスポーツ施設があるほか、新鮮な農畜産物を生かした食事や、選手のニーズを満たすことができる宿泊施設が、誘致に向けたアピールポイントになるものと考えます。  また、誘致決定後の選手団受け入れに当たっては、地域で温かく迎え入れる環境づくりも非常に大切なことではないでしょうか。  そこで、県は、今後のキャンプ地誘致活動をどのように展開していくのか、総合政策部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 関根房三総合政策部長。    (関根房三総合政策部長登壇) ◎関根房三 総合政策部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。東京オリンピック・パラリンピックなどのキャンプ地誘致につきましては、現在、東京からの近接性など本県のアピールポイントをまとめましたパンフレットの配布のほか、利用可能な施設のリストアップなどを進めているところでございます。  キャンプ地誘致に当たりましては、スポーツ施設はもとより、外国語対応ができるスタッフやインターネット環境、また食事など、外国人選手のニーズに応じた宿泊施設の確保も重要となってまいります。さらに、外国人選手がリラックスして滞在できる環境や、地域の熱意、機運の盛り上がりなどもキャンプ地として選ばれるポイントになると思われます。  このため、引き続き県内市町や競技団体を初めとする関係機関などと十分な連携を図りますとともに、県民の皆様の機運醸成にも努めながら、キャンプ地誘致に積極的に取り組んでまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ただいま総合政策部長から、各方面の関係団体との連携を密にして今後の対策を進めていくということでございます。キャンプ地が誘致され本県に世界中の方々が集まる、そういった魅力ある栃木県づくりにこれからも努力していっていただきたいと思います。  次に、気象災害による農業被害の未然防止についてお伺いいたします。近年、気象災害が多発しており、全国的に見れば、ことし八月の台風十一号、広島市の集中豪雨が起きました。県内でも、昨年五月の低温による降霜、ことし二月の大雪などの気象災害は記憶に新しいところです。特に二月の記録的な大雪では、総額百四十二億円という甚大な農業被害が発生いたしました。  農業は自然を相手にものづくりをする仕事ですので、農家は、予測される気象の変化などで農作物への被害が心配されるときは、当然ながら、被害の未然防止のためにみずから対策を講じております。そして、被害が発生するたびに、「こんな被害になるとは思わなかった」という声を聞きます。こうしたことから、農家の対策をサポートするため、台風による風水害などの広域・大規模な気象災害が予測される場合はもちろん、低温による降霜害などの場合についても、県から農家に対して未然防止のための農作物管理方法などもあわせた情報提供が重要でございます。  県では、既に農業団体等を通し資料の提供、ホームページなどの情報通信技術(ICT)を活用し、気象情報や農作物管理の注意を喚起する情報発信の徹底を図っております。また、気象災害に強い農業を推進するため、農業被害防止に関する施設整備等への支援も重要です。  そこで、県は、気象災害による農業被害の未然防止についてどのように取り組むのか、農政部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 水沼裕治農政部長。    (水沼裕治農政部長登壇) ◎水沼裕治 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。近年、多発する気象災害に備え、農業被害の未然防止対策を講じることは、農業経営の安定のために重要であります。  このため、気象台からの気象災害情報に応じて、事前の被害防止対策の情報を直接農業者の携帯電話等に配信しますとちぎ農業防災メールを今年七月から開始したところでございます。  また、日ごろから防災意識を高めるため、台風や大雪などの主要な災害ごとに事前対策をまとめた災害未然防止マニュアルを県内の全農業者に配付したところでございます。  さらに、施設整備につきましては、梨の凍霜害に対して防霜ファンの導入を支援しますとともに、大雪で被災した農業用ハウスの再建に当たりましては、補強対策の取り組みを促しているところでございます。今後とも、災害に強い本県農業を目指しまして、市町や農業団体と連携しながら、気象災害による農業被害の未然防止に積極的に取り組んでまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ただいま農政部長から、ことしの七月から防災メールを直接、農家の方々に配信なさっているということでございます。現在六百件を超える農家の方が受信されているということでございますが、今後さらに多くの方々がその防災メールを受け取れるよう、啓発活動をさらに強めていただきたいと思います。  今年度の農林水産省補助事業である農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業として、愛媛県が、農業ITシステム確立を目指し、積極的に農家の方々が参画できるよう、民間との協働で開発を進めております。その一つに、気象ビッグデータの活用による地域特性を考慮した農業用高精度気象予報システム、これは一キロメートルのメッシュ状の形態になっておりますが、それを開発し、七十二時間先までの気象予報及び高温・低温障害予知アラートなどや、農作業効率化や気象リスクの軽減、コストダウンにつなげる農業といったことを目的に開発を進めております。  また、北海道岩見沢市では、圃場サイズに適合した五十メートルメッシュごとの気象情報を提供しております。これは一日四十八回気象データを配信できるため、気象災害による被害未然防止につながることで、ICT農業の普及を後押ししていることが強い農業の確立となると思います。  次に、学校給食における食物アレルギーについて質問させていただきます。学校給食は、昭和二十九年に制定された学校給食法が平成二十一年に抜本改正され、その目的が栄養補給から食育へと大きく転換されました。学校給食において、食の大切さ、食事の楽しさを知ることは食育の大切なスタートであり、学校における食育を推進するためには、学校給食という教材の持つ意義は大きく、子供の成長には欠かすことができないものと考えます。  一方、食物アレルギーを持つ児童生徒の増加により、学校給食における対応が課題となっております。国が定める二十七品目以外にも食物アレルギーを持つ児童生徒もおり、それぞれのアレルギー対応が強く求められるようになりました。  私の地元である佐野市におきましても、アレルギー品目二十七品目のうち二十三品目に対応しており、九月現在、市立小中学校の児童生徒四十四人に対し、給食にてアレルギー対応食の提供を行っております。しかし、今後も食物アレルギーを持つ児童生徒の増加や原因食物の多様化が見込まれるため、保護者等と連携し学校全体で対応していくべき課題であると考えます。  そこで、本年度、県は、各市町一校をモデル校とし、食物アレルギーに対し校内体制整備を進めるための事業を行っておりますが、その事業の効果がどのようになっているのか、さらには、今後の児童生徒の個々の食物アレルギー対応にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。学校給食における食物アレルギー問題に適切に対応するためには、学校全体で取り組むことが重要であると考えております。このため、今年度新たに各市町におきましてモデル校を選定し、当該学校の全教職員等を対象として、食物アレルギーのある児童生徒個々への対応や、緊急時を想定した研修を実施したところであります。  実施校におきましては、専門医の指導のもと、緊急時における対応プランを見直し、全教職員での共通理解を図るなど、校内体制の充実に向けた取り組みが進められております。  また、県内全ての学校に対しましては、現場で直接対応に当たる学級担任等を対象とした研修会を新たに実施したところであります。  今後とも、モデル校における取り組みの各学校への拡大を市町教育委員会に働きかけるなど、食物アレルギーのある児童生徒個々への対応の充実を図ってまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ここで、再質問をさせていただきます。現在、委託型学校給食がふえる中、学校栄養士の配置基準や配置割合、さらには、アレルギーを持つ児童生徒へのかかわり合いについて質問させていただきます。 ○花塚隆志 副議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。栄養教諭等の配置につきましては、いわゆる義務教育標準法に基づきまして、国から割り当てられた数の中で、県の配当基準に基づいて行っております。  また、個々の生徒へのかかわりということにつきましては、栄養教諭等が配置されている学校や担当する学校におきまして、食物アレルギーを持つ児童生徒の保護者に対して、面談などを通しまして、それぞれの食物アレルギーの情報・状況を正確に把握しております。  そうした把握に基づきまして、一人一人に応じたアレルギー対応食を提供するための献立の作成や調理指導に当たっているという状況でございます。今後とも、市町の教育委員会と連携しまして、食物アレルギーの問題には適切に対応してまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ただいま教育長から丁寧な対応のお話を伺いました。子供を預かる、これは命にかかわることでございます。さらにこのことにつきましては重視していただきたく、要望させていただきます。それでは、最後の質問に入らせていただきます。  ストーカー対策について質問させていただきます。昨年、全国のストーカー事案認知件数は二万一千八十九件となり、ストーカー規制法が施行された平成十二年以降で過去最多となっております。また、本県では、昨年の認知件数は四百四十三件と、ここ数年増加傾向にあります。  こうした増加の理由は、全国的にストーカーによる殺人事件が相次いで発生し、被害を未然に防ぎたいといった意識が高まり、警察も被害相談に積極的に対応してきたためと理解しております。しかし、本年に入ってから、二月には群馬県館林市で、最近では岩手県奥州市において、ストーカーによる悲惨な殺人事件が発生しております。  こうした中、県警察では、本年四月に警察本部内にストーカー事案のプロジェクトチームを立ち上げるなど、その対応を強化するとともに、全ての警察署への女性警察官の配置が完了し、女性が警察署に相談に行きやすい環境づくりが進められております。新たな体制の構築により、県警察ではストーカー事案に対してどのように対応をしているのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 桑原振一郎警察本部長。    (桑原振一郎警察本部長登壇) ◎桑原振一郎 警察本部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。ストーカー事案を初めといたします人身安全関連事案につきましては、事態が急展開いたしましたり、広域にわたる事例が数多く見られることから、警察本部が初期の段階から積極的に関与することが求められております。  このため県警察では、本年四月に警察本部内に相談・保護対策などを担当する生活安全部門と事件捜査を担当する刑事部門を中心とした専門の対応チームを設置いたしまして、迅速な事案対応を図っているところでございます。また、ストーカー事案等は、夜間や休日などの取り扱いも非常に多いことから、警察本部の当直体制を増強いたしまして、この種の事案の対応に専従する警察官を二十四時間警察本部に常駐させるなどしたところでございます。  県警察では、今後とも、組織の機能を最大限に発揮し、関係所属が一体となって、危険兆候の早期把握や被害の未然防止・拡大防止のための取り組みに全力を期してまいります。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) ここで、再質問させていただきます。昨年六月にストーカー規制法が改正され、改正前は、被害者が住んでいる地域のみの対応であったのが、今回の改正によって、加害者の住んでいる地域も警告が出せるようになりました。  そこで、県警察では、加害者に対する警告や検挙等にとどまらず、精神科医や臨床心理士を紹介し治療を促す仕組みを本県でも積極的に取り入れるべきであると考えますが、警察本部長の所見をお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 桑原振一郎警察本部長。 ◎桑原振一郎 警察本部長 議員ご指摘の点につきましては、現在、警察庁のほうで、ストーカー事案の行為者、本人に対する精神医学的あるいは心理学的アプローチのあり方につきまして、効果の有無を含めて調査中であると承知しているところでございます。本県警察といたしましては、本調査研究の結果を待って適切な対応を図っていきたいと考えているところでございます。 ○花塚隆志 副議長 早川けいこ議員。    (十番 早川けいこ議員登壇) ◆十番(早川けいこ議員) 以前、私は、DVで、加害者に対する心理的なフォローといったことで質問させていただいたことがございます。加害者は、何でこういうことをするのだろう。悪いとわかっていても、その認識がなかなか自分自身の判断ではしにくいということがございますので、積極的に臨床心理士などの治療を促す仕組みにぜひとも本県で早急に取り組んでいただきたく、要望させていただきます。  ストーカー行為等の規制等の在り方を考える有識者検討会では、被害者は報復を恐れ摘発に消極的になると現状を分析しており、ストーカー行為は被害者の生活を困難にする重大犯罪であることを社会に認識させる必要があるとして、罰則強化を求めました。救いを求める方々の声を私たちも日ごろから見守り、こういった方が被害に遭われている場合、あるいはそうではないかというような疑念を持った場合なども、恐れずに警察に相談に行ったりといったこともすべきだと思っております。  今回の質問に当たりましては、認知症、出産や子育てなど、身近な問題を取り上げ、質問してまいりました。県民誰もが安心して暮らすことができる栃木県、住んでみたいと思えるような魅力ある栃木県にしていかなくてはならないと思っております。そのために最大限の努力を傾けていただきますよう、知事を初め執行部の皆様にお願い申し上げ、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○花塚隆志 副議長 この際、休憩したいと思います。午後一時十五分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後零時十五分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十六名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後一時十五分 開議 ○花塚隆志 副議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 質問に先立ちまして、さきの御嶽山噴火で被災されました方々にお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。  私は今回で四度目の登壇となりますが、毎回新鮮な気持ちで臨んでおります。私が質問するに当たって心がけていること、それはわかりやすく質問することです。したがって、執行部の皆様にも、オブラートに包まれたような歯がゆい答弁ではなく、誰もが納得できる、わかりやすい、加えて、ハートが感じられる心ある答弁をご期待申し上げて、早速質問に入らせていただきます。  まず、最初の質問は、観光誘客対策についてのうち、外国人旅行者の受け入れ環境整備等についてお伺いいたします。近年、暗いニュースが後を絶たない中にあって、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は最大・最高の明るいニュースであります。経済効果ははかり知れず、さまざまな分野のさまざまな人たちが大きな期待に胸を膨らませております。  そのような中、国においては、この祭典を日本の文化や魅力を世界に発信するまたとないチャンスであると同時に、インバウンド政策の推進にとっても大きなチャンスであると捉え、これを追い風に観光立国の推進を図るべく、訪日外国人旅行者を二千万人とする目標を掲げております。二千万人ですよ。昨年は、初めて訪日外国人旅行者が一千万人を超えたばかりでありますので、目標はほぼ倍増であります。これを実現するために、国においては、観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一四を取りまとめ、施策の柱の一つに、外国人旅行者の受け入れ環境整備が掲げられております。  県においては、これまで外国人誘客の推進に向け、海外旅行エージェント等の招聘や海外誘客キャラバンの実施など、積極的に取り組んでこられたと思います。  一方で、外国人旅行者の受け入れ環境整備は、どの程度進んでいるでしょうか。「本物の出会い 栃木」というキャッチコピーにふさわしい環境が整っていると言えるでしょうか。私は、まだまだ不十分であると感じております。私の地元日光市にも、多くの外国人観光客が訪れます。外国人に対し、さまざまなサービスを工夫しながら取り組んでおりますが、さらに外国人の視点に立った取り組みを進めることが必要であると思います。  本県は、東京オリンピック・パラリンピックの会場から地理的に近いという最大のメリットを生かし、少しでも多くの外国人に本県を訪れていただけるよう観光案内等の多言語化などを含め、外国人の視点に立った環境の整備・充実を図っていくことが必要と考えております。  そこで、外国人旅行者の受け入れ環境の整備・充実について今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。
    ○花塚隆志 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの阿部博美議員のご質問にお答えいたします。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催は、地理的優位性を持つ本県にとって、栃木の魅力を世界に発信するまたとない機会であり、この機を逃さず本県を訪れる外国人旅行者をふやしていくためには、外国人目線に立ち、県内における外国人旅行者の受け入れ環境の整備を進めていく必要があります。  国は、観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一四におきまして、外国人旅行者の受け入れ環境整備を柱の一つに位置づけ、多言語対応の改善・強化や、無料公衆無線LAN環境の整備促進などソフト・ハード両面にわたりまして、さまざまな取り組みを政府、官民一体となって強力に進めていくこととしております。  県内では、外国人旅行者に対するおもてなし向上のため、県タクシー協会が多言語に対応した会話集や指さし会話シートを作成しているほか、JR東日本では、日光線で社員による英語での車内放送を開始するなど、民間事業者による取り組みが進められております。  県といたしましても、外国人旅行者のニーズ等を把握するため、本県を訪れる外国人の動向調査を実施するほか、外国人旅行者に対する具体的な移動手段も含めたモデルコースの提案や、イスラム圏からの観光客受け入れに向けた宿泊施設等を対象とするセミナーの開催など、県内におきまして外国人旅行者が移動・滞在しやすい環境の整備を進めているところであります。  また、広域的かつ統一的な取り組みを進めるため、東京都を中心に設立されました案内表示・標識等に係る多言語対応協議会や、電気通信事業者や地方自治体等で構成する無料公衆無線LAN整備促進協議会に参加しているところですが、引き続き情報収集や情報交換等も含めて対応してまいります。  今後とも、国や各種協議会等と緊密に連携をするとともに、市町や市町観光協会、観光関係事業者等と情報共有を図りながら、オール栃木体制で外国人旅行者の受け入れ環境整備に積極的に取り組んでまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 外国人の目線は、とても大事なことだと思います。今、知事からは、外国人旅行者の受け入れ環境整備については、今後関係機関と連携して積極的に行っていく旨の答弁でした。  ここで、産業労働観光部長に再質問したいと思います。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、東京のみならず国内各地において、観光誘客にあの手、この手、しのぎを削り、知恵を出し、策を練ってくることでしょう。そのため、県内のすばらしいさまざまな観光資源が宝の持ち腐れとなることがないよう、我が栃木県もおくれることなく、いや、おくれるというよりも、より積極的に外国人受け入れ環境の整備とともに、外国人旅行者に本県の魅力を発信していくべきと考えますが、この点についてどのように取り組んでいくのか、産業労働観光部長に質問いたします。 ○花塚隆志 副議長 荒川政利産業労働観光部長。 ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまの再質問にお答えいたします。現在、外国人観光客に対しましては、県観光物産協会のホームページにおきまして、英語、中国語、韓国語において情報発信をしているところでございます。加えまして、ベトナム語、タイ語での観光パンフレットも新たに作成をして、本県の魅力を発信しているところでございます。  さらに、今年度ですけれども、県観光物産協会のホームページを全面的にリニューアルいたしまして、外国人がよく利用しますスマートフォンに対応したホームページにいたしますとともに、新たにタイ語での情報発信を行いたいと思っております。それから、ホームページ上に写真を多用することによりまして、視覚的、ビジュアル的に、外国の方に本県のよさをPRできるように工夫してまいりたいと思っています。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 英語はもちろんのこと、韓国語等、さまざまな国の対応ができるように取り組んでいく、また、ホームページのリニューアルや、写真の多用といった今までにない、視覚に訴えるということはとてもわかりやすいと思いますので、前向きな取り組みと受けとめました。一歩前進だと思います。答弁のような取り組みが当たり前のように定着すれば、可能性は無限大だと思います。今や情報が命という時代でありますので、期待しております。  また、各自治体との連携もしっかりとお願いしたいということと、加えて要望させていただきますが、県内観光地で差があるとは思いますけれども、ホテルやお店に、例えば商品メニュー表など、外国語表示の対応が十分に普及されていないのが現状だと思います。それらのメニュー表やパンフレットを作成するに当たりましては、ぜひ東京オリンピック・パラリンピックや国体に向けて、お客さんがたくさん来ていただけるように、早いうちから何らかの支援をご検討願って、一分一秒の争いですので、他県におくれをとらないよう強く要望したいと思います。  加えて、少々宣伝になりますが、来年、平成二十七年は、東照宮四百年式年祭及びラムサール条約登録十周年、そして翌年、平成二十八年には日光山開山一千二百五十年という節目となる年が続き、イベントがめじろ押しで催されます。知事を初め執行部の皆様には、ぜひとも、これらイベントを観光誘客の起爆剤としていただきたいとお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。  続いての質問は、旅館・ホテルの耐震改修についてであります。秋本番、紅葉の季節となりました。これから多くの観光客が県内の観光地に訪れ、にぎわいを見せてくれることに大きな期待が寄せられます。  県内外や外国からのお客様の目的はさまざまですが、出迎える側としては最低限の条件があると思います。それは安心できること、安全を保障することだと私は思います。今から三年六カ月余り前、これまで体験したことのない揺れに、ただただ身をすくめ右往左往、そんな記憶が頭に、そして身体に焼きついているのは私だけではないと思います。その後、その経験から防災への意識は高まり、耐震への取り組みが一気に推し進められているところです。  そうした中、国においては、南海トラフの巨大地震や首都直下地震の発生が懸念される中で、不特定多数の利用が見込まれる一定規模以上の施設に対し、耐震診断を義務づける耐震改修促進法の改定を行いました。  県では、いち早く国に協調し、市町とともに診断費の助成制度を立ち上げ運用を開始しましたが、ここで、一つの問題が浮上しました。それは診断後のことです。診断の結果、耐震改修工事が必要になった場合、多額の費用を要することから、多くの建築物所有者が不安を抱いております。特に日光市では、対象となるホテル・旅館が集中しており、東日本大震災に伴う原発事故による風評被害からようやく立ち直りつつある中で、莫大な改修費は建築物所有者にとって相当な負担となります。  私は、お客様の安全・安心を確保するため耐震工事は必要と考えており、特に二〇二〇年の東京オリンピック等で海外からの誘客に取り組むため安全・安心をアピールすることは、喫緊の課題であると考えております。  そこで、国の現行制度を活用し、建築物所有者の負担を軽減しながら耐震化を促進するため、国と協調した耐震改修費に対する助成制度を創設すべきと考えますが、県土整備部長のお考えをお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 吉田隆県土整備部長。    (吉田 隆県土整備部長登壇) ◎吉田隆 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。耐震診断とその結果の報告が義務化された建築物は、詳細な調査の結果、七市一町において四十一棟となり、このうち十二棟は、法改正以前に耐震診断が行われていたことが確認されたところでございます。  残る二十九棟のうち四棟が、今年度創設いたしました補助制度を活用し耐震診断を実施中であり、その他の建物に対しましても、この補助制度の活用を呼びかけているところでございます。引き続き耐震診断結果の報告期限を見据え、直接の補助主体となります市町と連携して、耐震診断の促進を図ってまいります。  耐震改修の支援制度につきましては、義務化された建築物が旅館・ホテルを初めさまざまな分野にわたりますことから、庁内各部局はもとより、関係市町とも緊密に連携を図りながら検討してまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 七市一町、そして、さまざまな分野での対応を考えていくというお話ですけれども、ここで、要望させていただきます。  震災直後より、多くの被災者が、今回対象となる大型ホテル・旅館で心細く不安な避難生活を送られました。ホテル・旅館の関係者は、少しでも心地よく安心できるようにと最善を尽くされたと聞いております。それらの点を考えますと、単にホテル・旅館というくくりだけではなく、災害時における避難所としての役割を果たす、公共性の高い施設であるとも言えると思います。こうした点も考慮し、本県の観光産業を牽引するホテル・旅館が、引き続き安全・安心で多くのお客様にご利用いただけるよう、国と協調した耐震改修費に対する助成制度を創設するよう、強く要望させていただきます。  次に、認知症高齢者の行方不明対策についてお伺いいたします。報道でも大きく取り上げられておりますが、認知症の高齢者が行方不明となる事案が近年、全国で多発しております。警察庁の発表では、認知症の人やその疑いのある人が徘徊などで行方不明になり、警察に届け出があった件数は、一昨年は九千六百七人、昨年は一万三百二十二人に上っており、本県においても、昨年は百三十五人が行方不明となっております。大半はすぐ見つかるものの、死亡が確認される場合もあります。  これは警察に届け出があった件数ですので、実態としては、これ以上に認知症の方が行方不明になっている可能性も否定できません。交通機関の発達により自宅よりかなり遠方で発見されるケースもあり、認知症の高齢者の住む地域だけでなく、広域的な対応も必要になります。  国は、認知症になっても入院せず、できるだけ在宅で過ごせるよう、訪問介護や訪問看護のサービスの充実やグループホームなどの施設の整備を進めているわけですが、団塊の世代が七十五歳以上になる、いわゆる二〇二五年問題がもう目前に迫っております。  厚生労働省の研究班によりますと、国内の認知症の高齢者は二〇一二年時点で四百六十二万人、高齢者の一五%に達するとの推計がなされておりまして、認知症の予備軍とされる軽度認知障害の高齢者も四百万人に上ると推計され、これらを合わせると高齢者の四人に一人となるわけです。今後、高齢者数の増加に比例し、認知症の高齢者も増大するのではないかと思われます。  認知症高齢者の行方不明の防止対策については、私の地元日光市では、徘徊で行方不明になった際に、いち早く情報を提供する「にっこう認知症安心メール」の配信のほか、住所、氏名、緊急連絡先などを記載した情報シートが入る携帯用の小型アルミ筒「命のカプセル」を配付する予定であり、認知症高齢者の見守り事業の強化に取り組むこととしております。こうした取り組みは、認知症高齢者の行方不明防止策として有効な手法の一つであると思います。  そこで、県は、認知症高齢者の行方不明を防止するため今後どのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。  また、行方不明者の早期発見に向け、県警察はどのように取り組んでいるのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。認知症高齢者の行方不明を防止するためには、徘徊が疑われるなど配慮が必要な高齢者に早期に気づき、適切に対応できるよう、地域における高齢者の見守り体制を重層的に整備していくことが重要であります。  このため県では、市町における高齢者見守りネットワークの構築を支援いたしますとともに、事業者等に対して、高齢者の見守り活動への参加を働きかけてまいりました。  また、多くの住民が地域における認知症高齢者の見守りの担い手となりますよう、認知症サポーターやその講師役となりますキャラバン・メイトの養成等にも取り組んできたところであります。今後とも、認知症高齢者や家族が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、市町や事業者、県民と協働し、こうした取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 桑原振一郎警察本部長。    (桑原振一郎警察本部長登壇) ◎桑原振一郎 警察本部長 ただいまの早期発見に向けた取り組みについてのご質問にお答え申し上げます。県警察におきましては、認知症、またはその疑いがある行方不明者の方につきましては、その特性を踏まえた発見活動を実施しております。  具体的に申し上げますと、事件・事故に遭遇する可能性が高いということを踏まえまして、届け出を受理した警察署において速やかに発見活動を実施しているほか、徘徊場所が遠方に及ぶということも想定いたしまして、県内全ての警察署に対する手配はもとより、他県警察に対する手配も実施しているところでございます。  また、本年八月からは、届出人の方の意思に基づき、県警ホームページに行方不明者の方の資料を公表する取り組みを開始しております。  県警察では、引き続き関係機関・団体とも連携しながら、認知症に係る行方不明者の方々の早期発見・保護に努めてまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 「住みなれた場所で」ということが、キーワードになると思います。また、県警察においては、ホームページに行方不明者の方の資料の掲載もあるということですので、そういうことができるのだということも広報啓発をしていただきたいと思います。  答弁では、県内全市町で見守りネットワークが立ち上がった、あるいは構築中とのことで一歩前進だと言えるわけですけれども、実際に行方不明者が出たとき、それがうまく機能するかどうかが重要であると考えます。  そこで、紹介したいのが、地域ぐるみの取り組みが今、全国の自治体から注目されている福岡県大牟田市の高齢者SOSネットワークであります。大牟田市ではネットワークを構築するだけでなく、模擬訓練も実施しています。具体的には、警察に捜索願が出ると、地元の郵便局、駅、タクシー協会、ガス会社など協力団体に連絡が行き、また、民生委員を経由して校区内の公民館、学校、PTA、商店など、市民にもその情報が伝えられています。このように早い段階で連携がとれることは、早期発見につながると思われます。  ちなみに日光市では、この取り組みをヒントに模擬訓練を実施いたしました。参加者の感想としましては、「体験してみて難しさがわかった」「ちょっとおかしいかなと思っても、声をかけるのもちょっと引いてしまうというか、本当に認知症なのか、ただお散歩しているだけなのかの見分けがつかなかったりして、声をかけるのはすごく難しい」など、そのようなことから、「日ごろからの心構えの大切さも実感しました」ということでした。また、「実際にやってみる訓練がいかに意味のあることかということがわかった」とも言っております。私は、県内各市町でつくられた見守りネットワークが絵に描いた餅にならないためにも、やはりそこまでの対策をとっていくことが必要だと思います。  国は、認知症になってもできるだけ在宅で過ごせるよう、施設の整備を進めているわけですので、今以上にふえることは想定内となるわけです。その上で、介護者や家族任せにすることなく地域で見守るということの意識を持つ、それがこのポイントだと思います。今後、行政と警察の連携は不可欠であると思いますので、これまでにも増して協力体制の充実を図っていただくよう要望いたします。  また、ますます認知症の行方不明者の問題は深刻になることが予想されます。認知症の行方不明者の防止策の強化は重要でありますが、まずは認知症にならない予防が喫緊の課題でありますので、こちらの対策にもしっかりとした対応を要望いたします。加えて、早期に認知症であることを発見することも重要なポイントであると思われますので、広く認知症理解に向けた啓発活動を推進していただくことを要望しまして、次の質問に移ります。  次は、精神障害者の病気・けがの対応についてお伺いいたします。さまざまな障害、また障害者を取り巻くいろいろな課題がある中で、今回は、特に精神障害者の方が病気やけがをした際の対応にポイントを絞って質問いたします。  ここで、県が行った障害者を対象とした実態調査について、少々説明をさせていただきます。その調査によると、回答をいただいた方の約三割が、障害があることで差別を受けたり、嫌な思いをしたことがあると答えており、精神障害者はその中の約五割、半分とのことです。また、差別の内容としては、障害を理由に対応してもらえなかったことや、理由の説明もなく対応してもらえなかったなど、障害に対する理解不足が随所で見受けられ、いかに悔しい思いをしている障害者が多いかを考えさせられる結果でした。それらの思いを受けとめながら、より具体的なケースについて質問いたしたいと思います。  障害の程度はさまざまでありますが、精神障害者の方が精神疾患以外の病気にかかったり、けがをした場合、このようなケースは一般的に身体合併症と呼ばれておりますが、地元の一般病院で診てもらおうとしても、精神疾患を理由に受診を断られたり、入院が必要な状況にあっても、入院を拒否されてしまうケースがあると聞いております。また、夜間休日に病気やけがをし救急車で搬送される状況になった場合、身体合併症だとわかると、なかなか受け入れる医療機関が決まらないということがあるとも聞いております。これらは精神疾患の程度や身体の病状、けがの程度によって対応が異なるものとは思いますが、いずれにせよ、精神障害者の方が病気やけがで医療を受診する際の入り口の部分に大きな壁があると言えます。  また、一方で、病気やけがの治療後や、精神疾患の治療後に退院を促されても、自宅には戻れないとか、一人で生活することが難しいなどの理由で退院先がないという声も聞かれます。このような場合、グループホームが生活の場として有力な選択肢となるわけでありますが、身近な地域にグループホームが不足しているために、入れないというケースがあると聞いております。先ほどは医療機関への入り口の問題を述べましたが、このように医療機関での治療後の出口の部分でも、問題があるわけであります。  精神障害者の方が病気やけがをした場合や退院時期を迎えた際に、このように入り口と出口の部分で大きな壁があるわけですが、このような事例について県はどのように対応していくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。精神障害者の身体合併症につきましては、精神科病院や精神科を有する総合病院、一般医療機関が協力をして診療に当たっており、救急の場合には、一般医療機関での処置後に岡本台病院や輪番精神科病院に引き継ぐなどの対応を行っているところであります。  県では、各医療機関のより円滑な連携を確保するため、精神障害者の身体合併症に関するシンポジウムを開催するほか、精神科救急医療システム連絡調整委員会等で業務改善に向けた協議を進めているところであります。引き続き適切な医療が提供されるよう調整を図ってまいりたいと考えております。  また、グループホームは、精神障害者の地域生活を支える重要なサービスであり、これまでも計画的な整備を図ってまいりましたが、今後は市町と連携しながら、策定中の次期障害福祉計画において、精神障害者のニーズや地域の実情を踏まえた整備目標を盛り込み、充実を図ってまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 軽度、重度にかかわらず、行き先や受け入れ先がないというのは大変な問題です。入り口、出口の壁を下げていくのではなく、なくしていくことが求められている今、単に地域病院の考え方次第では済まされません。連携システムに課題があるならば、その課題解決に向け、行政としてしっかり対応していただくことを切にお願いするものであります。  また、障害者に対してさまざまな施策が展開されているとは思いますが、社会に理解されていない点が私はとても気になります。平成二十八年四月には、障害者差別解消法が施行されます。この法律は、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格を、個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげることを目的とし、国、県、市町において、障害者に対し合理的配慮を行わなければならないと義務づけられております。  具体的には、障害を理由として、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、制限したり、条件をつけたりするような行為を禁止するということです。こうした取り組みは、民間事業者にも努力義務として課せられます。県としては、徹底した助言、指導を行っていただくことも重ねて要望するとともに、あわせて、一般県民誰もがこの主旨を理解するため、早期に啓発活動に取り組むことを要望します。  それと、グループホームの市町連携ということでお話がありましたけれども、市町によっても、またその地域によっても、それぞれ条件や地域性という特性があると思います。それに応じた対応といったことも考えていただき、人がどうしても集中しやすいところにできやすいという傾向があると思うのですが、過疎地域でもできるような支援策もぜひ考えていただきたいことを要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。  次に、国の農政改革を踏まえた飼料用米の生産拡大についてお伺いいたします。農業政策については、TPP問題、農協改革等、今話題の一つとなっていますが、これまでの国・県の取り組みを見ても、後継者問題や耕作放棄地の問題など、先の見えない暗いイメージ、課題が先行していたように思われます。しかし、だからといって何もしないわけにはいきません。夢や希望の持てる農業政策を推し進めていくことが今、求められているのではないでしょうか。  そのような中、国においては昨年、農地中間管理機構の創設、水田フル活用と米政策の見直しを含めた四つの改革を柱とし、農政改革を行っていくことを示しました。そして、水田フル活用と米政策の見直しに関しては、主食用米に偏らず、需要のある飼料用米などの生産を振興することや、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、需要に応じた主食用米生産が行われるよう、関係機関一体となって環境整備に取り組んでいくことが示されました。中でも飼料用米については、私の地元の農業者からも、水田農業の安定した経営を目指すため、また、作付されていない水田が耕作放棄地になることを防止するためにも、その生産振興について期待する声があります。  こうした状況において、本県における水田農業の収益力向上を目指していくためには、国の動きに対応し各種制度を最大限に活用しながら農家所得の確保を図っていくことが重要であります。特に国は食料自給率・自給力の向上を図ることを目的として、水田で飼料用米等の作物を生産する農業者に対し、収量に応じ助成額がふえるという、農家のやる気が確実に起こる制度を創設して、飼料用米の生産拡大を図ろうとしております。  本県においても、こうした国の制度を活用し、さらなる飼料用米の生産振興を図っていくことが有効であると思いますが、そのためにも解決しなければならない課題もあると思われます。例えば乾燥作業での主食用米への混入の懸念があることから、飼料用米専用の共同乾燥調製施設、カントリーエレベーターやライスセンター等の整備や、収量の多い品種の導入なども課題となってくると思います。  そこで、県は、国の農政改革を受け飼料用米の生産拡大を図るため今後どのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 水沼裕治農政部長。    (水沼裕治農政部長登壇) ◎水沼裕治 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。飼料用米につきましては、これまで主食用米にかわる作物として生産を推進してきた結果、平成二十四年度と二十五年度には全国一の生産県となりましたが、今回の国の農政改革に対応して水田農業の収益性を確保するためには、一層の生産拡大に取り組む必要があると考えております。  このため、今年度は、研修会の開催や推進資料の配付等を通じまして農家への普及を図りますとともに、生産拡大を目指す営農集団等に対しましては、専用の収穫機や乾燥機等の整備を支援しているところでございます。  また、今回、交付金が大輻に拡充されました多収性専用品種の導入を促進するため、種子の増産や栽培を実証する展示圃の設置などに取り組んでおります。  今後は、地域における生産体制づくりや主食用米への混入防止の観点から、専用の共同乾燥調製施設の設置や生産圃場の団地化を進めるなど、飼料用米のさらなる生産拡大に向けまして積極的に取り組んでまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 前向きな、やる気のある答弁ありがとうございました。  農政部長に再質問いたします。栃木県産の飼料用米については、現在、その大半が配合飼料メーカーに供給されていると聞いておりますが、本県は畜産の盛んな県でもありますから、地域で生産された飼料用米が地域の畜産農家に供給されれば、畜産農家にもメリットがあると考えます。いわゆる飼料用米の地産地消であります。  そこで、県は、飼料用米の生産農家とこれを利用する畜産農家とのマッチングについてどのように取り組んでいくのか、再度、農政部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 水沼裕治農政部長。 ◎水沼裕治 農政部長 再質問にお答えいたします。地域で生産されました飼料用米を地域内の畜産農家が利用しますことは、流通コストの低減はもとより、畜産物のブランド化にも生かせるものと考えております。  このため県では、飼料用米給与のマニュアルを作成いたしまして、畜産農家への普及を図ってまいりました。あわせまして、畜産農家がそれに取り組む場合につきましては、生産者団体に情報提供を行ってきたところでございます。  今後につきましては、飼料用米の生産農家と畜産農家が、取引の方法や条件等について直接協議できる場を新たに設定いたしますとともに、その利用のために必要な機械、施設等の整備についても支援をしまして、飼料用米の地域内流通の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 今の季節、稲刈りが終わったところ、あるいはこれからやるところもあるかとは思いますけれども、普通ならにこやかな顔で収穫を喜ぶところですが、一俵当たり八千円というお米。「これではどうしようもない、農家はお手上げですよ」とある農家の方がおっしゃっていました。二〇一四年産コシヒカリの概算金は、過去十年間で最低とのことです。これ以上、農業離れが進まないよう対策が必要であります。二〇一五年産米については、助成額が大きい飼料用米への作付転換を進めることを検討する人もふえそうであります。また、飼料用米の生産は、主食米と同じ技術で対応でき、麦や大豆のように専用機械の投資が少なくて済むというメリットもあると聞いています。ぜひ、このタイミングで飼料用米の生産拡大が進むよう、県においての支援をよろしくお願いしまして、次の質問に移ります。
     次に、国道一二一号文挟バイパスの整備についてお伺いいたします。国道一二一号、通称例幣使街道は、山形県米沢市を起点に福島県を経由して本県の益子町に至る、三県を南北に結ぶ幹線道路であります。昨年、土沢―板橋間を結ぶ板橋バイパスが開通し、地元では大変喜んでおります。世界に誇る杉並木を守るためにもバイパス整備はとても意味深く、現在は森友水無線の調査設計が済み、次の段階へ入ったと聞いており、一日も早い完成が待たれております。  そうなると次は、いよいよ文挟バイパスではないかと思います。日光市板橋と鹿沼市境にかけての現道は、周辺住民の生活道路として使われております。とにかく幅員が狭く、加えて屈曲しており、そして暗いのです。大型車同士ではすれ違いもままならない状況です。  また、二月の大雪のときを例に挙げますと、並木の枝、それから幹も、数十本ではなく数百本の倒木により二日間通行どめとなるなど、幹線道路としての機能を果たさなかっただけでなく、周辺住民の生活にも大きな支障を来しました。雨が降ったら、風が吹いたら、そこは通るなと言われているほどです。この現状をどうにかしてほしいという地元住民の願いはもっともなことです。  私は、超高齢社会を迎え、幹線道路の有無は、その地域への定住を左右する大きな要因であると考えます。また、県都である宇都宮に近いということから、土地を買い求めようとする人も少なくないように見受けられます。しかし、その際のインフラの整備状況は、購入決定に大きく影響することは言うまでもありません。  そこで、県西部の広域幹線に位置づけられている国道一二一号文挟バイパスの整備を実施すべきであると考えますが、県の対応方針について、県土整備部長にお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 吉田隆県土整備部長。    (吉田 隆県土整備部長登壇) ◎吉田隆 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。国道一二一号は県土の骨格を形成し、県内外の交流連携や地域経済の発展を支える広域幹線道路でございます。また、本路線の日光杉並木は、特別史跡及び特別天然記念物の二重指定を受けております。  このため県では、日光杉並木の保護・活用の観点からも、順次バイパスの整備を進めてきたところであり、平成二十五年三月には板橋バイパスを全線供用させたところでございます。  板橋バイパスから南側の区間につきましても、整備が必要であると考えておりますことから、現在、沿道土地利用状況などの課題整理を進めているところであり、今後、周辺道路事業の進捗状況等を勘案しながら、整備方針について検討してまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 整備が必要との認識で取り組んでいくという前向きな答弁ありがとうございました。災害の少ない栃木県と言われて久しいわけですが、近年の異常気象には本当に悩まされます。国内のあちこちで大災害化し、今まで経験したことのない状況に対応が追いつかず、被害が大きくなってしまうケースが多く見られています。栃木県としましては、防災・減災対策にしっかりと取り組んでいるわけですが、先手必勝、危険箇所の把握とこれまで以上の迅速な対応、そして、計画的なインフラ整備をお願いします。  また、このバイパス整備は、先ほど県土整備部長もおっしゃっていましたように、杉並木の保全に対しても考慮する必要があることから、既にバイパスが通っている杉並木街道に関しましては、観光客が歩けるように、「歩ける杉並木道」というような形での移行を早期に実現していただくことは、観光の一つの目玉になるのではないかと思いますので、ぜひ、早期の実現をよろしくお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。  最後に、今市青少年スポーツセンターの整備についてお伺いいたします。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、そして、さらに二年後の本県開催の国体に向かって、スポーツへの関心は、上昇気流に乗って話題の中心となっていることは言うまでもありません。スポーツ人口の拡大や選手強化など、さまざまな角度からの取り組みに期待が寄せられておりますが、残念ながら県内には、合宿に適した宿泊機能を兼ね備えたスポーツ施設が少ないのが現状であります。  そのような中、学校の部活動やスポーツ少年団、学校のスポーツクラブなどから、貴重な施設として利用されている今市青少年スポーツセンターがあります。この施設は、主に青少年の健全育成及びスポーツの振興を目的として県体育協会により設置され、利用者も最近は年間約十万人、宿泊者も約一万人と多くの方に利用されております。また、地元日光市民にとっても、スポーツ拠点として重要かつ貴重な施設という位置づけにあります。  しかしながら、昭和五十年七月の開所から約四十年が経過し、補修や維持管理は行われておりますが、管理棟、宿泊棟などもかなり老朽化しており、今どきにして、幾らスポーツ施設とはいえクーラーもないなど、その環境は決してよいとは言えません。そのほか、体育館等の施設においても老朽化は随所に見られます。  私は、平成三十四年の本県での国体開催を控え、本県の競技力の向上はもとより、県民、特に青少年のスポーツ振興を図っていくための拠点施設の一つである、今市青少年スポーツセンターの施設改修等老朽化への対策が必要であり、県も改修等について支援していく必要があると考えております。  県は、施設を所有する栃木県体育協会と、整備の方向性を含めた今市青少年スポーツセンターのあり方について協議していくと伺っておりますが、協議の一層の進捗を図るために、県と栃木県体育協会とのワーキングチームのような協議・検討の場を設けて協議していく必要があると考えておりますが、教育長のお考えをお伺いいたします。 ○花塚隆志 副議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。今市青少年スポーツセンターにおきましては、豊かな自然環境の中、多様なスポーツ施設や宿泊設備を備えており、スポーツ少年団の合宿や研修会など、多くの方々に利用されているところであります。  また、昨年度行われましたひかりの郷日光国体のアイスホッケーや、今年度行われました国体関東ブロック大会のホッケー、山岳など、各種スポーツ大会の競技会場としても利用されるなど、本県におけるスポーツ振興の一翼を担う施設でございます。  しかしながら、施設・設備の老朽化という課題もありますことから、平成三十四年の国体開催や開催後の利用も見据え、本施設のあり方につきまして、施設を所有する県体育協会との協議・検討の場を設け、一層議論を深めてまいります。 ○花塚隆志 副議長 阿部博美議員。    (四番 阿部博美議員登壇) ◆四番(阿部博美議員) 協議・検討の場を設けるということでのご答弁でありました。ただ、検討していくということでありますが、その中身が重要なわけでして、しっかりと前向きな議論を重ねてほしいと思います。県の所有ではないにしても、それなりの位置づけといった意識があるということですから、よろしくお願いしたいと思います。よく「今のままでは、今のまんま」という言葉がありますが、この場合、今のままでは後退あるのみということだと思います。どうか、そのことを念頭に置いて、一日も早く整備されますことを強く要望いたします。  今回の質問は、観光誘客対策からスタートいたしまして、福祉、農政、県土整備、教育と各分野における喫緊の課題を中心とさせていただきました。どの課題も、二つ返事で即対応とばかりはいかないことは十分理解できますが、執行部の皆様には、もっともっと現場の声、生の声を聞いてほしいと思いました。  少子高齢化は秒刻みで進み、災害は次から次へと起こってきます。何をとっても予断を許さない現状、そして、地方は限界集落ならぬ、消滅可能性都市が栃木県内にも、そう遠くはない時点でできるという、今後は、それらの課題に対してこれまで以上に、場所によっては悲鳴にも似た切実な叫び声があちこちから聞かれるようになるかもしれません。執行部におかれましては、対策が後手に回らないよう、日ごろより聞き耳を立てて対処することを強く望みます。  最後に、私の政治信条は、「子どもたちに夢を!お年寄りに安心を!ハンディを抱えた方々に希望を!」です。県民のだれもが安心して快適な生活が送れるよう、今後とも精いっぱい頑張ってまいる所存であります。これからも明るく希望の持てる栃木県を目指して、皆さんで盛り上げていきましょう。  以上で私の質問は終わります。ありがとうございました。 ○花塚隆志 副議長 この際、十五分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後二時十二分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎坂東哲夫 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十七名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後二時三十分 開議 ○螺良昭人 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) 質問に入ります前に、この場をおかりいたしまして、先月発生いたしました広島市における土砂災害及び一昨日発生いたしました長野・岐阜県境にある御嶽山の噴火により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。  それでは、発言通告に従いまして、順次質問をしてまいりますので、知事初め執行部におかれましては明快で誠意あるご答弁をお願いいたします。  まず初めに、今後の少子化対策について、知事にお伺いいたします。既にご周知のとおり、我が国が少子化社会と呼ばれるようになってから久しく、これまでも国や各都道府県などがさまざまな対策を考え講じているにもかかわらず、依然として少子化の進行に歯どめがかからない状態であります。一方で、高齢化率も上昇を続けており、超少子高齢社会へますます拍車がかかっている状況にあります。  本年五月には、民間の有識者等でつくる日本創成会議の分科会から、全国自治体の約半数に当たる八百九十六市区町村において、二〇四〇年までに若い女性が半分以下に減り、その影響で自治体そのものが消滅する可能性があるとの衝撃的な試算が発表されました。  また、国立社会保障・人口問題研究所が平成二十五年三月に公表した将来推計人口によれば、二〇四〇年には本県の人口が百六十四・三万人になり、二〇一〇年には二百万人以上いた人口が三十年間で三十五万人以上減少してしまうとの深刻な結果も出ております。少子高齢社会を打破するためには、国全体の活力を生み出す源になるであろう生産年齢世代を確保することが重要であり、そのためにも、さらなる少子化対策に取り組んでいく必要があります。  そうした中、去る七月十五日に、全国知事会において少子化非常事態宣言が取りまとめられました。宣言では、少子化が続き若年人口が減少の一途をたどる現在の我が国は、国家の基盤を危うくする重大な岐路に立たされていると警鐘を鳴らしており、今こそ少子化対策を国家的課題と位置づけ、国と地方が総力を挙げて少子化対策の抜本強化に取り組み、思い切った政策を展開するときであるとうたっており、私も、まさに時宜を得たことと評価しております。  そこで、県としてこの宣言を受け、どのように少子化対策を進めていくのか、知事の決意をお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの髙橋議員のご質問にお答えいたします。全国知事会におきましては、本年七月に開催された全国知事会議におきまして、私も取りまとめに加わった少子化非常事態宣言を発表し、国と地方が総力を挙げて少子化対策の抜本強化に取り組む意思を広く国民に示したところであります。  本県におきましても、日本創成会議から、旧岩舟町を含む七市町が消滅可能性都市との将来予測が公表され、さらに、平成二十五年の出生数、出生率がともに過去最低となるなど、少子化の進行が深刻化しており、その対策は喫緊かつ重大な課題であると認識しております。  私は、知事就任以来、子育て支援を県政の最優先課題の一つとして位置づけ、社会全体で子育てを支える施策に積極的に取り組んでまいりましたが、人口減少という地域社会の存続を脅かす課題を克服していくためには、少子化対策として、結婚、妊娠・出産、子育てまでの幅広く切れ目のない支援に取り組むことが重要であると考えております。  このため、今年度は、国の地域少子化対策強化交付金を活用し、子育て支援県民のつどいや、子ども・子育て応援セミナーを実施し、結婚、妊娠・出産、子育てのすばらしさを県民の皆様に強くアピールしてまいりたいと考えております。  また、来年四月のスタートに向けて現在策定中のとちぎ子ども・子育て支援プラン(仮称)におきましては、保育サービスの充実はもとより、新たに結婚を応援するための支援を盛り込み、次の時代を担う若者が結婚や子育てに夢を抱き、安心して子供を生み育てることのできる栃木の実現を目指してまいります。  今後とも、県民の皆様を初め、市町や関係団体・企業など、あらゆる主体と幅広く連携・協働し、オール栃木体制で少子化対策に取り組んでまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま知事から少子化対策について大変力強いご答弁をいただきました。非常事態宣言を吹き飛ばすような今後の思い切った取り組みに期待しております。  続きまして、これも少子化対策と関連した話になりますが、子育て環境の整備についてお伺いいたします。年々深刻の度合いを増している少子化の進行を食いとめるためには、先ほど知事のご答弁の中にもございました結婚や子育てのすばらしさを啓発していくような取り組みとあわせて、安心して結婚・出産ができる子育て環境のさらなる整備・充実が必要であると思います。そこで、子育て環境の整備に関して次の二点についてお伺いいたします。  まず、病児・病後児保育施設の整備についてお伺いいたします。女性が次の時代を担う子供たちを安心して生み育てることができる社会にするためには、子育てをしながら働くことができるよう、働いている間に子供を預けることができる保育所の整備が不可欠であることは言うまでもありませんが、私は、そうした通常の保育所に加えて、多様なケースに対応した保育サービス、その中でも、病児・病後児保育の整備・充実が重要であると考えております。  県内には、本年八月現在で二十六カ所の病児・病後児保育施設が設置されており、年々少しずつふえてはいるものの、まだ全ての市町への設置には至っていない状況であります。子供が急に病気になって通常の保育所では預かってもらえない、しかし、仕事も休めない。あるいは預かってくれるところがあっても、家から遠く、仕事に間に合わない。このような状況に頻繁に陥って悩んだあげく、結局お母さんが仕事をやめざるを得なくなった、そのような家庭もあるのではないでしょうか。私は、子供が病気になっても預かってくれる場所が、より多く、かつどこに住んでいても行きやすいよう、地域ごとに満遍なく設置されることが大切だと思います。  そこで、今後の病児・病後児保育施設の整備にどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。病児・病後児保育に対するニーズは大きいことから、病気中や病気回復期にある児童が一人でも多く病児・病後児保育施設を利用できることが望ましいと考えているころであります。  施設の整備につきましては、市町において、ニーズ調査等を踏まえ策定いたします子ども・子育て支援事業計画に基づき進めていくこととなりますが、県といたしましては、引き続き整備費や運営費の助成を通じて適切に支援をしていくこととしております。  また、地域的な事情により整備が困難な市町もありますことから、広域的な利用ができる施設も必要と考えておりまして、現在、済生会宇都宮病院が建設を進めております病児・病後児保育施設につきまして、宇都宮市や近隣市町の意向等を踏まえ、広域利用の調整を図ってまいりたいと考えております。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま保健福祉部長のご答弁に、広域的利用ができる病児・病後児保育施設の整備についてのお話がございましたが、それもまた子育て家庭のニーズに応える方策の一つだと思います。今後とも、病児・病後児保育を初め、保育施設の利便性向上に一層力を注いでいただきますようお願いいたします。  次に、子育てに関する相談支援体制の強化についてお伺いいたします。昨今では、児童や家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、問題が深刻化する前にいち早く発見し早期に対応することや、問題の性質に応じたきめ細かな支援が重要になっております。そうした意味で、私は、児童家庭支援センターの機能に注目しております。  児童家庭支援センターは、児童虐待や不登校、発達障害児等に対するケアなど、専門的援助を要する子育て家庭等からの相談に対して、必要な助言及び早期の支援を行う施設であります。特に児童相談所の補完的機関として、虐待発生の未然防止等にも大きな効果が期待できるのではないかと考えております。  国が定めた子ども・子育てビジョンにおいても、今年度末までに百二十カ所の児童家庭支援センターを整備する目標が掲げられており、これまで三十四道府県、十二政令市等に計九十八カ所設置されておりますが、現時点で本県には設置されておりません。近県の児童家庭支援センターの設置状況を見ますと、茨城・群馬・埼玉では既に設置されており、本県においてもその設置が期待されるところであります。  そこで、本県における児童家庭支援センターの整備の見通しについて、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。児童虐待等への対応は、第一義的な窓口である市町村と専門的支援機関であります児童相談所が協力して担っているところでありますが、虐待通告の増加、事案の複雑・多様化により、今後、虐待の未然防止や初期対応、家族支援等の対応力を県全体として向上させる必要があると考えております。  児童家庭支援センターは、専門的な知識や技術を有する身近な相談窓口として、市町村への技術的助言や児童相談所からの受託指導を行うことにより、虐待に係る相談支援体制を重層的に強化することが期待されるものであります。  現在、県では、設置に当たっての課題やニーズ、児童養護施設等との連携による相乗効果などについて、関係者との意見交換や先進県の調査などを進めているところであり、今後とも、設置に向けて十分に検討を行ってまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま児童家庭支援センターの整備を検討中とのご答弁をいただきましたので、引き続き実現に向けてご尽力いただきますようお願いいたします。  ここで、要望をさせていただきます。これも相談支援体制の強化に関する話になりますが、県が実施している子育てに関する相談支援として、子供の急な病気やけがについての相談に応じる、とちぎ子ども救急電話相談があります。こちらの電話相談には毎日多くの相談が寄せられていると聞いておりますが、特に小さなお子さんをお持ちのご家庭にとっては、子育てに対する不安解消のためのありがたい取り組みだと思います。  このとちぎ子ども救急電話相談について、現在は平日・休日にかかわらず毎日十八時から二十三時まで相談を受け付けておりますが、本年十二月から、平日は十八時から翌朝の八時まで、休日は朝八時から翌朝の八時までの二十四時間に相談受付時間を拡充するとのことであり、私も、子育て家庭の需要に合わせての今回の対応を大いに評価しております。しかしながら、相談時間を拡充したことについて子育て中のご家庭に広く知っていただかないと、十分な効果が得られないものと考えます。今後、拡充する時期に合わせて、周知活動にしっかり取り組んでいいただくよう要望申し上げ、次の質問に移ります。  続きまして、お泊りデイへの対応についてお伺いいたします。先ほども申し上げたとおり、時代は既に超少子高齢社会の段階へ入っております。また、さらに今後、団塊の世代が七十五歳になる二〇二五年ごろには、後期高齢者の激増によりさまざまな問題が生じるであろうことが懸念されます。先ほど阿部博美議員から認知症高齢者の行方不明対策についての質問もございましたが、そうした今後も増加するであろう認知症高齢者についての対応も含め、高齢者本人のみならず、高齢者を介護する家族の方々もあわせて支えていくことのできる社会を構築するためには、介護を要する高齢者のため、また、介護に当たる家族の負担軽減のための介護施設や在宅サービスを早急に充実させていく必要があります。  そうした中、近年、介護保険の指定を受けた通所介護事業所等が、所定の通所介護サービスに加え、利用者の家族の急用時などに保険適用外の宿泊サービスを提供する、いわゆるお泊りデイが増加しており、本年五月の新聞報道によれば、正確な数は不明であるものの、都市部を中心に全国で三千八百カ所前後あると推計されています。  お泊りデイが広がった背景には、ショートステイなどと異なり、介護保険サービスを利用する際に事前に作成しなければならないケアプランに位置づけることなく、急用時などにも柔軟に利用できることや、特別養護老人ホームなどの入所施設が不足していることなどが挙げられますが、制度のすき間対策として、在宅での生活が困難な要介護高齢者の受け皿となっている面も否定できないのではないかと思います。  しかしながら、お泊りデイについては、介護保険制度の枠外のサービスであるため、利用定員や人員配置、施設の設備等に関する基準がなく、また、行政の目も届きにくいことから、利用者の安全やサービスの質などについて課題もあるのではないかと思われます。実際、広島県内のある事業所では、約七十平方メートルのスペースに十七人も宿泊させていたことが明らかになっているほか、一カ月以上の連泊者がいるなど、事実上の住居となっている事例も報告されていると聞いております。  お泊りデイについては、介護保険法に基づく行政による調査や指導が困難であることは承知しておりますが、東京都など幾つかの都府県では、利用者の安全やサービスの質の確保を図るため、独自に人員配置や設備に関する指導指針を策定しており、私は、本県としても、利用者保護の観点から適切な対応を図るべきと考えます。  そこで、本県におけるお泊りデイの実態と今後の対応について、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 名越究保健福祉部長。    (名越 究保健福祉部長登壇) ◎名越究 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、お泊りデイの状況を把握するために、昨年十二月に通所介護事業所等への書面調査を実施いたしました。その結果、少なくとも、宿泊サービスを提供している、または、提供したことがある事業所は合わせて四十六あり、昨年十一月一カ月間の利用者数は約百七十人であるといった実態が判明いたしました。  このため、本年度は、こうした事業所に対し、介護保険法に基づく実地指導にあわせて、順次聞き取り調査を実施しております。その中で、一部の事業所に避難訓練や急変時の対応などの改善を助言した例がございましたが、現時点では、劣悪な宿泊環境や事故などの問題は確認されていないところであります。  現在、国においては、年度内を目途にお泊りデイに係るガイドラインの策定に取り組んでいるところであり、県といたしましては、こうした動きを注視するとともに、実地指導や集団説明会などを通じまして、引き続き事業所に対しお泊りデイの適正な運営について助言・指導してまいりたいと考えております。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま保健福祉部長からご答弁をいただきましたが、介護施設は量だけでなく質を伴っていることも重要だと思いますので、ぜひ今後、質の確保に向けた指導の仕組みを確立していただくようお願い申し上げ、次の質問に移ります。  続きまして、国際交流の推進についてお伺いいたします。近年、交通・情報通信技術の進展や、自由貿易体制の拡充等により、幅広い分野において他国との交流が急速に活発化しております。そうした中で、本県においても、平成二十三年度からの五カ年計画である新とちぎ国際化推進プランに基づき、グローバル化社会に対応すべく、「世界とつながるとちぎの人、地域、産業」を目指して、さまざまな形での国際交流を推進しております。
     その中に、中国の浙江省、アメリカ合衆国のインディアナ州、フランスのヴォークリューズ県との友好交流事業があります。浙江省とは平成五年に、インディアナ州とは平成十一年に、ヴォークリューズ県とは平成二十年に、それぞれ正式な友好提携を結びましたが、この三地域との交流は長年続いているものですので、今後も引き続きその交流を発展させていくことを私も期待しております。  しかし、中国については、中国公船による尖閣諸島近辺への領海侵犯や、閣僚による靖国神社参拝、歴史認識問題等の影響により、日本人の対中感情、中国人の対日感情双方が悪化しており、また、経済関係においても、反日デモや食の安全・安心の問題など、日本企業の投資リスクが高まったために、中国から第三国への進出へシフトする企業が増加するなど、現在の日中両国の関係は冷え込んでおります。  内閣府が毎年実施している外交に関する世論調査、その直近の調査結果においても、中国に親しみを感じないと答えた人が八〇・七%と、昭和五十三年の調査開始以来過去最高となっております。こうした傾向は、本県の県民感情においても決して例外ではないと思います。  しかし、これだけ両国の関係が冷え込み、中国への親近感が落ち込んでいる今だからこそ、まずは地域間で地道な人と人との交流を紡いでいくこと、その積み重ねが、やがては国家間の関係改善の大きな力になると思いますので、手綱を緩めることなく交流を続けていくことが重要だと考えますが、県は、今後中国の浙江省とどのように交流を進めていこうとしているのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 荒川政利産業労働観光部長。    (荒川政利産業労働観光部長登壇) ◎荒川政利 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。中国浙江省との交流につきましては、これまで友好交流員の派遣や海外技術研修員の受け入れなど、主に人的交流の拡大に取り組んできました。  友好提携二十周年を迎えた昨年は、相互に交流団を派遣し、従来からの交流に加え経済交流にも力を入れ、友好関係をさらに深化・充実させることを確認しております。本年四月には、浙江省から経済分野での窓口である経済交流促進機構の幹部が来県するとともに、六月には本県から職員を派遣するなど、両県省の今後の企業間交流等について協議を行いました。  また、日本技術士会栃木県支部が科学技術分野での交流に取り組んでいるほか、栃木県日中友好協会が浙江省からの大学生のインターンシップ受け入れを支援するなど、民間レベルでの交流も活発化しております。今後とも、これまでに培ってきた関係を大切にしながら、地域レベルでの交流を積み重ねることにより、両県省間の友好関係の一層の発展に努めてまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま産業労働観光部長からご答弁をいただきましたが、我が国と中国との関係が難しい状況にある中で、浙江省との友好関係はさらに深まっているようで、大変喜ばしいことであります。今後も逆風をチャンスに変え、歴史ある本県と浙江省との交流を一層発展させていただくようお願い申し上げ、次の質問に移ります。  続きまして、土砂災害対策についてお伺いいたします。近年、時間雨量百ミリメートルを超えるこれまでに経験したことのない豪雨により、全国各地で甚大な土砂災害が発生しています。先月二十日未明に広島市北西部を襲った土石流は、死者七十四名という、これまでに類を見ない悲惨な土砂災害となりました。  そして、本県においても、本年六月に宇都宮市の大曽地区で崖崩れが発生し、幸い人的被害はなかったものの、住宅一棟が全壊する被害が生じており、災害が少ないと言われる本県でも、甚大な災害がいつ起きてもおかしくない状況です。県民の命を守る土砂災害対策は緊急を要するものと考えますが、本県には、対策を行わなければならない箇所が六千六百八十五カ所もあるとのことであり、全ての箇所に対策を施すには相当の費用と時間を要します。  そのようなことから、私は、土砂災害のハード対策に加え、自分の身は自分で守るという原点に回帰し、県民の皆様が普段から土砂災害に対し身を守るすべを持ってもらうことが必要と考えます。そのために県は、土砂災害警戒区域の周知や避難方法をわかりやすく県民の皆様に伝えることが必要ですし、また、有事に備えた日ごろからの訓練も大変重要と考えます。  そこで、土砂災害に対するソフト対策の充実についてどのように対応していくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 吉田隆県土整備部長。    (吉田 隆県土整備部長登壇) ◎吉田隆 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県では、土砂災害防止法に基づきます土砂災害警戒区域の指定を全て完了しており、警戒区域内に居住する県民約二万一千世帯には毎年、県からダイレクトメールを送付し、土砂災害の危険性や大雨時の安全対策について周知を図っているところであります。  また、市町におきましては、ハザードマップを活用して警戒区域の位置や避難場所、避難方法などについても周知を図っておりますが、県といたしましても、このたびの広島市の大規模な土砂災害を受け、市町に対し改めて住民への周知徹底を要請したところでございます。今後とも、土砂災害から県民の命を守るため、住民参加による避難訓練を充実するなど、市町と連携し県民の防災意識の向上に努めてまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) 非常時には避難施設への避難が鉄則であります。しかしながら、一たび土石流が発生すると、瞬間で最大時速百キロメートル以上もの猛烈なスピードに達し、すさまじい破壊力で家々を襲います。逃げる方向を誤り、土石流に巻き込まれ命を落とした事例もあると聞いております。私は、安全かつ確実に避難するためには、避難施設へ逃げるばかりではなく、近くの頑丈な建物や少しでも安全な二階の部屋に移動するなど、状況に応じた適切な避難方法を県民に伝えることが必要と考えます。先ほど県土整備部長のご答弁において、ハザードマップを活用した避難場所、避難方法の再周知などの話もございましたが、日ごろから県民の皆様に対し、非常時における適切な避難方法をしっかりと周知していただくよう、改めてお願い申し上げ、次の質問に移ります。  続きまして、平成三十四年栃木国体に向けた競技力の向上についてお伺いいたします。平成三十四年に栃木県で開催される第七十七回国民体育大会につきましては、昨年七月に内々定を受け、大会に向けた準備組織等も立ち上がり、着々と準備が進められていると聞いております。特に本年五月には、国体準備委員会が設立され、まずは大きな業務として競技会場の選定作業等が進んでいると伺っております。  私は常々、国体の成功には地元選手の活躍が欠かせないと考えておりますが、知事におかれましても、天皇杯、皇后杯の獲得を目指すとの発言をされていたと思います。そのためには、オール栃木体制で計画的・効果的に競技力の向上を図っていく必要があると、私は昨年の九月議会でも申し上げました。  本年の二月議会では、板橋一好議員の質問に対し、競技力向上対策本部なるものを早急に組織して、基本計画の策定に着手したいと知事から答弁をいただきました。そして、その競技力向上対策本部については、本年五月の設立総会により正式に発足し、今月の十八日には、第二回の本部会議において基本計画の骨子が決定したと聞いております。  そこで、八年後の地元開催を見据えた競技力向上対策について今後どのように取り組んでいこうとしているのか、知事にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。競技力向上対策本部会議におきまして決定された基本計画の骨子は、組織体制の整備・拡充、選手の発掘・育成・強化、指導者の養成・資質向上、さらに競技力向上のための環境整備の四本の柱から成り、本県開催国体に向けた競技力向上の根幹となるものであります。この骨子に基づきまして、対策本部では、開催までの八年間を見据えた基本計画を今年度中に策定することとしております。  計画策定に当たりましては、ジュニアアスリートの発掘・育成や選手の医・科学的なサポート体制の整備を初め、新規導入種目も含めた女子の強化、優秀な指導者や成年選手の受け皿の確保等、検討すべき課題があります。  これらの課題を克服して競技力の向上を図っていくためには、四本の柱を有機的に関連させるとともに、計画に盛り込まれる各種強化事業を効果的・効率的に展開していく必要があります。  今後、競技力を最大限に発揮できるよう、対策本部におきまして具体的な取り組みや強化スケジュール等を検討いただきまして、本計画を天皇杯、皇后杯の獲得に向けたビクトリープランとしてまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま知事から組織体制の整備・拡充、選手の発掘・育成・強化、指導者の養成・資質向上、競技力向上のための環境整備の四本の柱を強化していくとのご答弁をいただきました。私もその方針には大いに賛同いたしますので、本番まで気を抜くことなく引き続き取り組んでいただきたいと思います。  ここで、再質問いたします。先ほど出た四本の柱の中でも、私個人的には、指導者の養成が最も大きな柱になると考えておりますが、指導者の養成に係る強化策について具体的にどのようなことを検討しているのか、教育長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答えいたします。本県では、今年度から国体対策指導者養成事業を実施いたしまして、中央競技団体から一流の指導者を招聘しまして研修会を開催したり、中央競技団体の研修会に本県の指導者を参加させたりということで、指導者の資質の向上を図っております。まずは、この事業の充実と継続について検討していきたいと考えております。  また、あわせて優秀な指導者を計画的に採用することも大切でございます。そこで、県教育委員会ではことしから、従来の基準にスポーツ指導の実績を新たに加えまして特別選考試験を実施しております。今後、競技力向上対策本部と緊密に連携しまして、指導者の養成・確保に努めてまいりたいと考えております。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま教育長からのご答弁にございましたスポーツ指導の実績を新たな基準として加えた特別選考試験、これは優秀な指導者の発掘のためにはすばらしい方法だと私も思いますので、今後もぜひ有効に活用していただくようお願い申し上げ、次の質問に移ります。  続きまして、とちぎ子どもの未来創造大学についてお伺いいたします。先般、平成二十六年度全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。全国と比較して、本県の順位はおおむね三十位前後という結果でした。県としても、これまでさまざまな取り組みを行いながら学力の向上を目指してきたところですが、私としては、今回の結果を見る限り、より一層の努力が求められているのではないかと思います。  このような中、県では本年度から、子供たちのさらなる学力向上を目指し、とちぎっ子学習状況調査を開始しました。本事業では小学四年生、五年生、中学二年生の全員に学力調査を行い、そこから得られた結果を踏まえ、一人一人の課題克服を図るだけでなく、学力向上アドバイザーを活用して教員の指導力向上にも取り組むことで、児童生徒の確かな学力を一層育成していこうとする意欲的な取り組みであり、私もその成果を大いに期待しているところです。  学力向上に関しては、このように日々の学校教育を通して地道に取り組んでいくことが基本ではありますが、一方、子供たちのさらなる学力向上を目指すには、学校の勉強の先に何があるのか、科学や医療、ものづくりの世界では今どのようなことが行われているのか、学校の授業だけではわからないことを、大学の先生、研究者、技術者などから、大学で、研究機関で、工場で直接学ぶことも大切だと思います。  学校で学ぶ知識や技術が実際の社会生活にどのように生かされているのか、自分の目や耳で直接確認することで、子供たちは勉強の大切さを再認識するとともに、探究心を深め、自分もあのような専門家になりたいとあこがれを抱き、そして、その感動が主体的な学びにつながっていく。この循環こそが学力向上に大きく寄与するのではないかと考えます。  今年度、県は、県内の大学、高等専門学校、民間企業及び研究機関等の協力のもと、とちぎ子どもの未来創造大学を開校しました。去る七月十二日には、宇宙飛行士の山崎直子さんを講師にお迎えしてスタートアップ講座が開催され、大勢の子供たちが宇宙飛行士の語る本物の宇宙に触れ、夢と感動を共有したのではないかと推察します。私は、本事業の創設により、産官学の連携のもと、オール栃木で子供たちの学ぶ意欲を刺激して、幅広い視点から学力向上に取り組む体制が整ったものと大変喜んでいるところであります。  そこで、本事業を通して栃木の子供たちをどのように成長させていこうと考えているのか、教育長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 古澤利通教育長。    (古澤利通教育長登壇) ◎古澤利通 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。今年度開校しましたとちぎ子どもの未来創造大学につきましては、現在までに、県内各地で本物体験講座、出前講座合わせて五十七講座を開催し、約一千八百名の子供たちの参加を得ているところであります。  参加した子供からは「自分も科学者になりたい」とか、保護者からは「子供の目の輝きが増してきた」といった声が寄せられるなど、子供たちに本物に触れる驚きや新たな発見の機会を提供することでみずから学ぶ意欲の向上につなげるという、本事業の所期の目的達成に向かって順調にスタートを切ったところでございます。  今後とも、知的好奇心を刺激し、学びへの意欲と態度の涵養を図ることで、栃木の子供たちがみずからの力で夢に向かって力強く進んでいけるよう、講座の実施主体となる関係機関との連携を強化しながら、本事業のさらなる充実に努めてまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ここで再質問いたします。ただいまとちぎ子どもの未来創造大学が大変好評を博している旨の答弁がありました。しかしながら、子供たちの興味関心は無限にあります。今年度の講座は理系のコースが中心のようですが、来年度は文系のコースも設定する必要があるのではないかと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 古澤利通教育長。 ◎古澤利通 教育長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。子供たちの幅広い興味・関心に応えるためには、講座の充実について検討していく必要があると思います。この講座を実施した後に、参加した子供たちにアンケート調査をやっております。そのアンケート調査からも、講座の充実と文系の講座を設けてほしいという声が上がっております。今後、例えば歴史とか考古学関係の文系講座の新設といったことも含めて、講座の充実について検討してまいりたいと考えております。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま文系講座の新設についても検討中とのご答弁をいただきました。栃木の子供たちがみずからの力で夢に向かって力強く進んでいけるようにとの方針には、私も大いに賛同いたしますので、講座のさらなる充実も含め、このとちぎ子どもの未来創造大学をよりよいものにしていくよう今後も取り組んでいただくことをお願い申し上げ、最後の質問に移ります。  交通死亡事故抑止対策についてお伺いいたします。交通事故は、言うまでもなく、県民の命にかかわる重要な問題であり、子供から高齢者まで、道路を利用するあらゆる者にとって常に身近な問題でもあります。  本県における交通事故の発生状況についてですが、発生件数及び負傷者数は平成十六年から十年連続で減少を続け、平成十六年のピーク時からほぼ半減し、本年に入ってからも引き続き減少傾向で推移しています。  一方、交通事故による死者数については、平成十六年の百九十六人から一昨年は九十四人まで減少したものの、昨年は百一人と増加に転じ、本年も昨年同様に推移していると聞いております。事故の発生件数が減っているにもかかわらず、事故による死者数がなかなか減らないということは、それだけ重大な事故が発生しているということであり、大変憂慮すべき状況であると思います。  本年における交通死亡事故の特徴として、一度はバイクに乗るのをやめたものの、中高年になって再びバイクに乗り始めた、いわゆるリターンライダーによる二輪車乗車中の死者が増加していることや、シートベルトを着用していれば助かったとされる命が依然として多いことが挙げられています。これらの交通死亡事故の原因として考えられるのは、中高年のリターンライダーが昔のイメージのままで二輪車に乗るものの、昔のように乗りこなせていないことや、シートベルトは運転者や同乗者の命綱であることの認識不足が指摘されています。  また、ここ数年は、高齢社会の進展に伴い、歩行中や自転車利用中の高齢者が犠牲となる交通事故だけでなく、高齢者が運転者として第一当事者となる交通事故の割合も高まっており、高齢者が関係する交通事故を防止するためには、高齢者を交通事故から守るための取り組みとあわせて、高齢者自身の交通安全意識の向上を図る必要があると考えております。  そこで、このような情勢を踏まえ、今後県では交通死亡事故抑止対策についてどのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○螺良昭人 議長 桑原振一郎警察本部長。    (桑原振一郎警察本部長登壇) ◎桑原振一郎 警察本部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。本年の交通事故死者数は、年間死者数が百人を超えた昨年と同水準で推移しておりまして、依然として厳しい状況にあります。  県警察では、引き続き関係機関・団体と連携した街頭活動やメディアを活用した広報啓発により、交通死亡事故抑止対策を推進してまいります。  加えて、例年、秋から年末にかけましては、日没前後の時間帯に重大事故が多発していることを踏まえまして、この時間帯にパトカーや白バイによる見せる警戒活動を一斉に展開してドライバーの方々の注意を喚起するとともに、座席ベルト装着義務違反・速度超過・飲酒運転の指導取り締まりを強化してまいります。  また、高齢者の方々に対しましては、高齢者自転車免許証制度講習会と連動いたしました昼活キャンペーンや、本年度から実施しております高齢者交通安全等アドバイザー事業のきめ細かい訪問指導を行っているところでございます。  昨日現在、高齢者の死者数は前年対比で十三人マイナスと減少傾向にあり、これらの施策に一定の効果が見られるところでありますが、減少したとはいえ高齢者の死者数は三十名でございまして、死者数全体の約四割を占めていることから、今後もこれらの取り組みを一層推進し、高齢者の方々の交通事故防止に努めてまいります。 ○螺良昭人 議長 髙橋文吉議員。    (四十七番 髙橋文吉議員登壇) ◆四十七番(髙橋文吉議員) ただいま警察本部長からのご答弁にございましたパトカーや白バイによる見せる警戒活動、これは発想の転換と申しますか、大変効果的な取り組みだと思います。高齢者再教育等のほかの取り組みともあわせて、引き続き交通死亡事故の抑止に努めていただきますようお願いいたします。  ここで、要望をさせていただきます。高齢社会が進み、ひとり暮らしの高齢者もふえてきた現在、特に公共交通機関が発達していない農村部などでは、車がないと医者にも買い物にも行けない、すなわち判断力が衰えてきて車の運転は危険だとわかっているにもかかわらず車を運転せざるを得ない、そのような高齢者の方も多いと思います。そうした高齢者の方々が、自分で運転しなくても安心して暮らしていけるような地域づくりなども、今後進めていかなければならない喫緊の課題でありますので、これは警察本部だけではなく、関係する部局に対し要望いたします。  さて、三年半前の東日本大震災に始まり、本県でも大きな被害の出た突風や竜巻、全国各地での異常な豪雨など、一昔前なら考えられないような自然災害が近年頻発しております。また、集団的自衛権の行使容認やTPPへの参加などにより、我が国はそのあり方が根幹から揺らぐような大きな転換期を迎えており、大げさかもしれませんが、あすはどうなるかわからない、一層先の見えない時代となっております。  県では現在、次期総合プランの検討に入っております。我々議会の側からも、次期プラン検討会を通して意見を述べてまいりたいと思います。知事初め執行部の皆様におかれましては、このような混沌とした時代だからこそ、県民の皆様が何を望んでいるのか、次の時代を担う栃木の子供たちのために、何を築き、何を残していくべきかを十分に見きわめ、施策に反映させていっていただきますようお願い申し上げ、私の全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○螺良昭人 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。あす三十日は定刻から本会議を開き、上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。  本日はこれで散会いたします。  午後三時二十八分 散会             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...