昨年9月,橋本知事は,大震災などから一日も早い復興と本県のさらなる発展に向けて「産業大県」と「生活大県」づくりに全力で取り組むことを念頭に「復興そして飛躍へ」というキャッチフレーズを掲げ,6期目のスタートを切りました。1年が過ぎ,
地域間競争が激化する中,本県が大きく飛躍するための大変重要な時期であります。
今回,
県政運営全般について,知事初め教育長,そして
県警本部長に質問させていただきますので,将来への希望が持てる明快な答弁をお願いいたします。
最初に,知事の県政運営の基本姿勢について質問いたします。
知事はこれまで,陸・海・空の
広域ネットワークを初め,茨城の発展を支えるさまざまな基盤整備に全力を挙げてこられました。また,震災や原発事故の対応に加え,地域経済の低迷する中,県勢発展や
県民福祉向上のため,さまざまな課題に取り組んできました。
その結果,
日野自動車を初め国内有数の優良企業の誘致など,
工場立地面積は全国1位を,また,
農業産出額においても2位の座を確保し続け,県民一人当たりの県民所得は全国6位,さらに,健康寿命においては,介護予防として全国に先駆けた
シルバーリハビリ体操などを取り入れてきたことにより,男性は4位,女性は7位となるなど,着実な成果を上げてきました。
この先,5年後には本県における
国民体育大会,翌6年後には,
東京オリンピック・
パラリンピックの開催など大きな
国内イベント,
世界的イベントが目白押しであります。これらの
イベント開催の効果が波及することにより,産業の活性化などにおいて,本県のさらなる発展が大きく期待できるものと思われます。
知事におかれましては,1年前に「人が輝く 元気で住みよい
いばらきづくり」を選挙公約として掲げ,県内の44市町村長や,
JA中央会を初め700を超える各種団体の推薦を受け,見事6回目の当選を果たされました。多くの県民が橋本知事を選んだのは,揺るがない信頼関係とともに,継続して県を発展させてほしいという強い期待のあらわれであります。
人口減少や超高齢化,社会経済の
グローバル化の進展などに伴うさまざまな課題がある中,今後の県勢発展のために,豊富な経験,政治的な
バランス感覚とリーダーシップを持ち合わせている橋本知事の行政手腕に,大きな期待をしているところであり,私
ども自民県政クラブとしても,引き続き橋本県政を支えていく決意であります。
そこで,今後,本県のさらなる発展に向け,どのような県政運営に取り組んでいくのか,知事にお伺いいたします。
次に,ジェトロと連携した対
日投資促進に関する県の取り組みについて,お伺いいたします。
先日,私は,東京赤坂の
ジェトロ本部へ,結城市長と一緒に訪問し,
石毛理事長,茨城担当の浜野理事に面会をしてまいりました。本年6月に,国内40番目に
ジェトロ茨城事務所が設置されましたが,今後,企業の海外進出や
本県農産物輸出の支援はもとより,地元の結城紬や笠間焼,
真壁石燈籠など,世界へアピールできる本県の
伝統工芸品についても,将来に向けて,海外への販路拡大を視野に入れていくことについて,意見交換して,理解をいただいたところであります。
そのような中,国内40番目とおくれて本県に設置されたことから,他県に比べ,
スピード感を持ちながらジェトロと連携して取り組んでいくことが重要であり,今回,ジェトロが自治体と協力して実施する主要業務の柱の一つであります,対
日投資促進に関してお伺いいたします。
現在,国では,
日本再興戦略において,地方経済の元気を取り戻し,国民一人一人が豊かさを実感できるようにするため各種の施策が実施されており,その一つとして,日本の投資環境の魅力を高め,グローバルなヒト・モノ・カネを日本に呼び込む取り組みの体制強化を図っているところであります。
その取り組みとして,
外国企業への広報・情報発信など,日本への投資の働きかけや日本企業との提携の機会を設けるなど,積極的に進める必要があります。そのためには,橋渡しのできるノウハウを持つジェトロの支援は欠かすことができません。
ジェトロにおいては,10年以上前から対日直接投資促進を中核事業として位置づけて取り組んでいるほか,昨年7月,理事長を本部長とする対
日投資促進本部を設置し,組織を挙げて外国企業の誘致に取り組んでおり,その結果,この10年間において1,000件を超える外国企業の,日本への拠点設立に対する支援を行ってきたところであります。
国は,
外国企業の進出だけでなく,観光客の誘致,日本の伝統文化などのPRなど
インバウンド対策を積極的に進めております。これらの事業との相乗効果を地域へもたらし,地域経済の活性化を実現するためには,国に頼るばかりでなく,地域みずからがおのれの強みをとらえ,積極的に投資を呼び込もうとする取り組みが不可欠であります。
そのため私は,これまで県や地域の国際化に早くから力を入れてきました。みずからも海外に赴き,海外の政府や企業との交流に努めてきたところであります。
自民県政クラブにおいても,社会経済の
グローバル化,特にアジアとの経済面での交流拡大の流れを受け,県の
国際化施策を総合的・戦略的に進めるため,県の推進体制の整備を訴え続けてきました。
その結果,今年4月,
国際政策統括監が新たに設置され,国際課が知事直轄に移管されるなど,県としての体制が整ってきました。新たに
ジェトロ茨城貿易情報センターが水戸市に開設され,輸出・輸入の促進だけではなく,本県への投資の呼び込みについても,積極的な支援をいただけるものと期待しております。
そこで,本県への対
日投資促進に向けてどのようにジェトロと連携し,どのように取り組んでいくのか,知事に伺います。
次に,
開発公社の市町村に対する支援について伺います。
ここ数年,我々の会派の地元である県西・県南地域では,知事の英断により立地した
日野自動車の効果,また,近年開通予定の圏央道の効果,新4号国道の一部6車線化などにより,企業の進出意欲が高まってきております。例えば,私の地元である結城第一
工業団地矢畑地区においても,売りに出した用地はほぼ完売し,新4
号国道沿線地域には,大手企業による引き合いや,医療機関による大規模な
温泉リハビリ施設の建設などが進められている状況であります。一方,お隣の栃木県の小山市,野木町などは,既に工業団地や住宅団地の開発に積極的に乗り出しております。
このような中,県は依然として,原則,
新規工業団地開発は行わないという方針を堅持しております。県ができなければ,市町村がやるわけでありますけれども,本県の市町村の規模は小さく,ほとんどの市町村には,
開発ノウハウや人材がないのが現状で,このままでは,せっかくの日野効果が他県にさらわれてしまうおそれがあります。
私はこのような状況を打開するためには,もっと積極的に
開発公社を活用すべきだと考えております。
開発公社は,一時期
債務超過危機に陥り,多額の県の支援を受けたことから,不良な出資団体の代表格のようにとらえる向きもありましたが,これまで本県の産業振興に果たしてきた実績は,正当に評価すべきでありますし,またここ数年,県及び団体の
経営改革努力により,経営状況は大きく改善していると聞いております。
とりわけ,
日野自動車誘致の際の迅速・的確な対応は,企業の高い評価を受け,18ヘクタールの拡張も決まったようです。また,見過ごされているのは
企業誘致力の高さであります。昭和35年度の設立以来,
リーマンショックの影響が色濃かった平成21年度のたった1年を除き,全年度必ず企業立地をさせております。
今こそ,
開発公社のこれまでの実績や現在の経営状況を冷静に評価して,
専門家集団としてのこうしたノウハウを今後の市町村の
産業用地開発に注入し,他県に負けない迅速な開発ができるよう,支援していくべきであります。
6年後には,国を挙げての
東京オリンピック・
パラリンピックの開催,
産業活性化にも大きな期待が込められるこの開催は,首都圏に位置する本県にとっては,さらに土地需要が高まり,またとないビックチャンスと考えます。
そこで,市町村が行う産業基盤の開発整備に対し,
開発公社が持つ能力を生かした市町村への支援に積極的に取り組んではどうかと考えますが,知事の御所見を伺います。
次に,在宅医療と介護の連携について伺います。
9月15日は敬老の日を迎えますが,茨城県の7月1日現在の県内における100歳以上の高齢者数は1,335人,90歳以上の高齢者は3万8,000人となり,私の身近でも,多くの元気な高齢者が,地域社会のさまざまな分野で活躍されており,大変喜ばしいことであります。一方,高齢になりますと当然のことながら,体の機能が衰えたり,けがや病気によって医療や
介護サービスを受ける機会が多くなります。
本県の高齢者の割合は今年25%を超え,さらに,
国立社会保障・
人口問題研究所が今年3月に発表した本県の高齢者の人口割合は,平成37年ごろには30%を超えるものと推計され,団塊の世代が75歳となる2025年には,国民の医療や介護の需要はさらに増加することが見込まれ,新たな
医療介護の提供体制の確立が急務となっております。
そのため国では,
社会保障制度改革国民会議の報告書を踏まえて,住みなれた地域で,自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,地域の包括的な支援・
サービス提供体制である
地域包括ケアシステムの構築を推進すべく,今年6月,医療及び介護の総合的な確保を推進するための法律,いわゆる,
医療介護総合確保推進法を公布したところであります。
今後,地域において疾病や要介護状態にある高齢者の数が,大きく増加することは避けられない状況にあります。そして医療と介護を必要とする高齢者を地域全体で支えていくためには,訪問診療,訪問看護など在宅医療と介護の連携することが不可欠であり,利用者の求めに応じ適切にサービスが提供されることが大切であります。
医療介護総合確保推進法に基づく在宅医療と
介護サービスの提供体制については,市町村で整えていくことになっており,各市町村における取り組みや,各地域ごとに抱えている課題に違いがあるところでありますが,県内どこに住んでいても,安心して
医療介護の一体的なサービスの提供が受けられることが望ましいことは言うまでもありません。そして,高齢者の方々を取り巻く,
医療介護に従事する方や民生委員,ボランティアの方などを含め,地域の方々が,みんなで支え合うようにすることが何よりも大切であり,高齢者の方が,この茨城県で生まれたことに喜びを感じてもらえるよう,私たち一人一人が協力していかなければなりません。
こうした状況において,今後,市町村が地域の実情に応じた在宅医療・介護の連携に係る事業を推進していくためには,県の支援が不可欠であると思われますが,県としてどのように市町村を支援していくのか伺います。
次に,茨城農業の展開方向について伺います。
県では,平成23年度から27年度の5年間を推進期間とする
茨城農業改革大綱を策定し,消費者の
ベストパートナー茨城農業の確立を目指し,各種改革の取り組みを推進しているところであります。
ところが,この大綱がスタートする矢先に,
東日本大震災や
東京電力福島第一
原子力発電所事故があり,震災直後には,出荷制限や風評被害により
農業産出額も大きく減ったところであります。しかしながら,地域の創意工夫による農業改革の推進とあわせ,風評払拭のためのさまざまなキャンペーンなどを進めてきたことにより,風評被害の影響は減ってきている現状と認識しております。
このような中,平成24年度の
農業産出額については震災前と同じ水準に回復し,5年連続で全国第2位の座を維持するとともに,東京都
中央卸売市場の本県産
青果物取扱高は,震災後3年ぶりに10%に回復し,10年連続で日本一を達成するなど,
食料供給基地としての日本の食を支えている本県農業の力強さ,たくましさを改めて実感しております。
しかし,本県の農業は,従事者の高齢化が急速に進み,就業人口の平均年齢は65.7歳となっているほか,
耕作放棄地面積は2万ヘクタールを超えており,離農者の農地を確実に担い手へ集積できるようにするなど,茨城農業の構造改革は待ったなしの課題であると考えます。
そこで,農業が魅力ある産業になるためには,収益性の高い農業の展開が重要であり,しっかり所得を上げられている産地は後継者問題も解消されていることから,生産効率の向上を目指し,
オランダ型高軒高ハウスの導入など施設園芸の推進や,
畑地帯総合整備事業を初めとする基盤整備も重要であります。
こうした中,国では,今後の農政の基本方向を示す
農林水産業・地域の
活力創造プランを昨年12月に決定するとともに,本年6月に改定を行っておりますが,このプランの中では,2020年までに
農林水産物・食品の輸出額を1兆円に倍増し,2030年には5兆円の実現を目指すなど,海外に打って出る攻めの政策も掲げられ,国内の農業は大きな転換期を迎えております。
そこで本県が,
食料供給基地として,今後ともその重要な役割を担っていくために,どのような施策に重点的に取り組んでいくのか,知事に伺います。
次に,県西地区の発展に向けた道路行政について伺います。
最初に,圏央道の
整備見通しについてです。本県において,圏央道は今年4月に,
稲敷インターチェンジから千葉県境までが開通し,常磐道から西側の,
つくば中央インターチェンジから
五霞インターチェンジまでを残すのみとなりました。
このような中,用地取得が難航している箇所につきましても,
土地収用法の手続が着々と進み,用地取得の見通しが立ったと聞いており,
県内区間全線開通に向けた整備も大詰めを迎えるところと受けとめております。
圏央道の整備により,平成27年度には
東関道水戸線,常磐道,東北道,関越道,中央道,東名高速の各高速道路がぐるりと結びつくことにより,広域的な
道路ネットワークが形成され,広域交流の一層の促進や産業の振興など,
圏央道沿線地域のみならず本県全体,さらには国民生活にも大きな波及効果が期待されるところであります。県西地区からは,水戸方面,成田方面,そして東名高速までが1本につながることになり,利便性が飛躍的に向上することと期待しております。
さらに,
日野自動車古河工場が本格稼働するのに合わせて,
周辺自治体にも関連企業が相次いで進出してきており,開通予定の
インターチェンジ周辺においても,
圏央道沿線の優位性を生かした新たな
まちづくりや工業団地の計画が着々と進み,県西全体が大きく変わろうとしております。このように圏央道は,
県西地域の発展のためには不可欠な高速道路であり,沿線地域としては,一日も早い開通を待ち望んでいるところであります。
そこで,圏央道の開通に向けた県内区間の現在の整備状況と今後の見通しについて,知事にお伺いいたします。
次に,新4号国道の
整備見通しについて伺います。
新4号国道は,国道4号の慢性的な交通混雑を解消するため,埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市に至る区間を80.5キロメートルのバイパスで結ぶ主要な幹線道路です。茨城県区間と栃木県区間は6車線化で計画されており,栃木県内の40.5キロメートルは6車線で昨年4月整備が完了し,栃木県内の大動脈として利便性の向上,地域の振興につながっております。茨城県においても,結城市と古河市の一部において6車線化が完了しているものの,古河市柳橋から埼玉県境に至る区間が2車線となっており,この区間においては激しい交通渋滞が発生しております。
新4号国道は,沿線地域の工業団地を連絡し,
県西地域の
産業流通活動を支えるとともに,圏央道の開通効果を生かした新たな企業誘致を行う上で大変重要な道路であります。
これまで橋本知事においても,この道路の重要性を十分認識していただいているところであり,
自民県政クラブとしても栃木県の議員団と一緒に,
太田国土交通大臣や両県知事へ,本路線の早期完成について積極的な要請活動を行ってきたところであります。
今後,圏央道が開通することにより,新4号国道の交通量はますます増加することが予想されるため,今年度の圏央道の開通に合わせて,2車線区間の4車線化を確実に進めるとともに,引き続き6車線化の整備を求めていきます。そこで,新4号国道の整備状況と今後の見通しについて,知事にお伺いいたします。
次に,教育行政の,
少子化社会における高校教育について,教育長にお伺いいたします。
本県における
中学校卒業者数は,ピーク時である平成元年の4万9,441人に対し,この春の
卒業見込みの生徒数は2万8,660人と約2万人が減少している状況にあります。現在は,厳しい
人口減少社会に突入しており,高校の統合などはもはや避けて通れず,ますます重要な課題となっております。
この間,社会の
高度情報化の進展や,産業構造や雇用形態の変化等が急速に進むとともに,成熟化する社会の中で生徒の興味・関心,
進路希望等の多様化が一層進み,確かな学力の育成や望ましい勤労観・職業観を育むための
キャリア教育の推進等が課題として挙げられるようになりました。
このような急激な社会変化に適切に対応するため,高校では,学科改編並びに総合学科,
単位制高等学校,
中高一貫教育校など,新しいタイプの特色ある学校の設置等により,魅力ある学校・
学科づくりを進めるとともに,学校の統合等を実施し,学校の規模や配置の適正化を図っております。
私の地元の
県西地域においても,結城第二高等学校が,平成20年度に新しいタイプの学校として
フレックススクールとなり,不
登校経験者や
中途退学者なども積極的に受け入れ,地域から高い信頼を得ております。また,平成25年度には,
古河中等教育学校が開校し,6年間の計画的・継続的な一貫した指導のもと,国際社会で活躍できる人材や,医療や科学技術を担う人材の育成に力を注いでおり,今後,
県西地域の中核的な役割を果たしていってくれるものと考えております。
一方,
高校進学率は98%を超える状況の中,多くの高校においては多様な生徒が入学し,生徒の個に応じたきめ細かな指導が求められております。さらに,これからの時代を生きる生徒たちには,基礎・基本を確実に身につけ,いかに社会が変化しようと,みずから課題を見つけ,みずから学び,みずから考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力,いわゆる「生きる力」を育成していくことが大切であります。
このような中,学校においては,学校や生徒の実態に応じ,指導方法や指導体制などの工夫改善を図っていくことが重要であり,それに対応した教師の指導力の向上が必要であります。また,今後,教員の
大量退職期を迎えるに当たり,これからの教育を担っていく若手教員がいかに育っていくかという課題もあります。
そこで,今後,さらに少子化と多様化が同時に進む中,高校ではいかにして学校教育の一層の活性化を図っていくのか。また,教師の指導力の向上にどのように取り組んでいくのか,教育長の御所見を伺います。
次に,小学校の英語教育について伺います。
今日,経済,社会のさまざまな面で
グローバル化が進み,国際的な経済競争は日に日に激化し,多くの挑戦が求められております。そのような中,国際社会に対応する人材育成は大変重要であります。
昨年,国の再興戦略において,
国際化社会に対応する人材力の強化として,小学校における英語教育の強化と授業の実施について検討することが示されました。12月には,
グローバル化に対応した
英語教育改革実施計画で,小学校3,4年生から
外国語活動を開始し,5,6年生で英語を,国語や算数と同じように教科化するという方向が示されました。今後の予定としては,これらについて検討を重ねていき,4年後の2018年度から段階的に先行実施し,
東京オリンピック・
パラリンピックが開催される2020年度から,全面実施するという流れが示されております。
こうした中,県内の市町村でも,さまざまな形で小学校の英語活動に取り組んでおります。私の地元,結城市においても,小学校3年生から6年生を対象に,英語を使って楽しく活動する時間を設定し,児童の英語への興味・関心の醸成,英語嫌いの解消,そして
中学校英語へのスムーズな移行を目指し独自の英語活動を推進しております。このほか,つくば市などにおいては,教育課程特例校として,小学校から英語教育に取り組んでおり,英語を身近に感じながらなれ親しませたり,楽しく英語力を身につけさせていると聞いております。
先日,私は,この質問を行う上で,英語教育に早くから取り組んでいるつくば市立春日小学校を視察してまいりました。そこでは,小学生の子どもたちが楽しく英語を学んでいる姿を視察することができ,大変頼もしく感じたところであります。
県においても,これまで日本の未来を担う人材育成のため,国際社会で活躍できる人材育成事業に取り組んできたところであり,本年度はこれらの国の動きを受け,新たに小学校
外国語活動推進事業を立ち上げ,小学校教員の英語力及び
外国語活動の指導力向上を目的とした研修を行っております。また,去る8月にアメリカのハワイ大学に,中学校及び高等学校の教員を21名派遣し,研修を行い,今後,他の教員の指導力向上に貢献させていくと聞いております。
そこで,今後,小学校での英語の教科化を見据え,この研修の成果をどのように県内に波及させ,小学校教員の指導力の向上にどのように取り組んでいくのか,教育長にお伺いいたします。
最後の質問として,
県警本部長にニセ電話詐欺対策についてお尋ねいたします。
最初に,平成17年,栃木県旧今市市で,当時小学校1年生の吉田有希ちゃんが何者かに連れ去られ,翌日,本県の常陸大宮市の山林内において遺体で発見されるという,大変痛ましく凶悪な事件が発生しました。この栃木・茨城にまたがる女子児童殺人・死体遺棄事件については,栃木・茨城両県警察による合同捜査本部で,去る6月に被疑者の逮捕にこぎつけることができたことは,警察の慎重かつ粘り強い捜査を継続してきたことによるものであり,深く敬意を表する次第であります。
安心・安全な地域社会は全ての県民の願いですが,今後も県民が安心安全な生活が送れるよう,治安維持の,なお一層の取り組みの強化をお願いするものであります。
さて,新聞報道によりますと,高齢者の方々に電話をかけ,息子や孫を装ったり,架空の投資話を信じ込ませたりして金をだまし取る詐欺が急増しております。昨年中のニセ電話詐欺の全国の発生件数は1万1,998件,被害総額は489億円であり,本県においても,昨年1年間に県内で発生したニセ電話詐欺は過去最悪の290件,被害総額は15億8,900万円に上りました。被害状況においては,オレオレ詐欺が全体の41%と圧倒的に多く,全ての被害者が60歳以上であり,そのうち女性が8割を占めている状況です。
これまで県警本部では,コールセンターを設置しての注意喚起や,地域の金融機関等と連携し被害の未然防止に取り組んできたところと聞いております。また,7月から,オレオレ詐欺を含む振り込め詐欺と,金融商品取扱詐欺などの振り込め類似詐欺を総称する特殊詐欺については,手口と名称を一致させてわかりやすくし,被害の未然防止に生かせることを目的として「ニセ電話詐欺」と名称を統一させたところであります。
そのような中で被害件数は,今年に入っても昨年と比較するとふえており,7月31日現在,1件増の141件ですが,被害額は約7億5,800万円に達しており,昨年より6,200万円もふえております。先月も,行方市の60代の女性が,投資に絡むニセ電話詐欺で現金1,500万円をだまし取られるという事件が発生したところであります。
高齢者の方々を狙った犯罪は決して許さず,安心して安全に暮らせる地域社会を確立していくためには,徹底したニセ電話詐欺の取り締まりと被害防止対策に取り組んでいくことが重要であります。
そこで,一向に減少しないニセ電話詐欺の撲滅に対する今後の取り組みについて,
県警本部長にお伺いいたします。
以上で,質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
6
◯飯塚秋男議長 臼井平八郎議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。
橋本知事。
〔橋本昌知事登壇〕
7 ◯橋本昌知事
臼井平八郎議員の御質問にお答えいたします。
初めに,県政運営の基本姿勢についてお尋ねをいただきました。
私は,これまで,将来にわたり地域の活力を維持し,本県を発展させていくためには,まず,本格的な人口減少時代が到来する前に,将来の茨城づくりの基本となるインフラを整備しなければならないと考え,高速道路や鉄道,港湾,空港などの広域交通ネットワークの構築を積極的に進めてまいりました。一部時間がかかっているものもありますが,全体として見れば,着実に県土の整備を進めてくることができたと思っております。
そして,これらを活用して雇用の場を確保し,一定の人口を維持していけるよう,産業大県づくりを進めてきたところであります。
この結果,国内有数の優良企業が数多く立地し,北関東道の沿線地域等は,経済誌で日本の新たな「四大工業地帯」の一つとして紹介されるまでになったところであります。
また,農業につきましても,産地間の激しい競争が続く中,安全・安心,高品質な茨城農業を進展させ,原発事故の影響があるにもかかわらず,平成20年からは,5年連続
農業産出額が全国第2位の座を維持しております。
そして,このような産業大県づくりから生じた活力を生かし,福祉や医療,教育,環境など県民生活向上のための取り組みを充実させるべく,生活大県づくりを進めているところであります。
こうした県政運営によって,本県は一人当たり県民所得が全国第6位になるまでに発展してくることができました。しかしながら,これからの茨城を考えた場合,少子高齢化,人口減少が急速に進む中で活力をどう維持し,県全体のバランスのとれた発展をしていけるかが,大きな課題であると考えております。
私は,基本的には,今後とも「人が輝く 元気で住みよい
いばらきづくり」の考え方を踏襲していきたいと考えておりますが,同時に,今後は世界に開かれた
いばらきづくり,女性や若者が活躍しやすい環境づくり,人口減少の著しい県北地域対策,さらには,我が国の将来を担う人づくりなどに,特に力を入れて県政運営をしていきたいと考えております。
このため,例えば,県内企業の海外展開や
農林水産物等の輸出促進に努めますとともに,観光誘客や学術面での国際交流の促進など,アジア地域を初め,世界各国とさまざまな分野での交流拡大を図ってまいります。
女性が輝く社会づくりでは,7月に設置した「ウィメンズパワーアップ会議」での議論や検討を踏まえ,働きながら安心して子育てができる環境づくりや,意欲ある女性の起業やキャリアアップなどを積極的に支援してまいります。
また,県北地域では,若者定住のための職場づくりや豊かな自然を活用した観光振興,スポーツやアートによる
まちづくりなど,地域の特色を生かしながら地元市町と力を合わせ,元気で住みよい地域づくりに取り組んでまいります。
さらに,教育に今まで以上に力を入れ,次の時代をリードする研究開発者や国際社会で活躍できる人材などを育成し,科学技術創造立県を目指してまいります。
このような取り組みにより,日本の発展の一翼を担えるような強くてやさしいいばらき,世界に開かれたいばらきを実現できるよう,全力で県政運営に努めてまいります。
次に,ジェトロと連携した対
日投資促進に関する県の取り組みについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり,
グローバル化や人口減少が進展する中,本県の着実な発展を図るためには,本県の優位性を生かし,海外からの投資を呼び込んでいくことも大変重要であると考えております。
県ではこれまでも,最先端の科学技術や高度なものづくり産業の集積,整備が進む広域交通ネットワーク,首都東京への近接性など,本県の優位性や各種のプロジェクト等を,外国語版のホームページやパンフレットで情報発信してまいりました。また,私が海外の要人や起業関係者に直接本県の魅力をアピールしますとともに,国際航空路線や外航航路の誘致,外国人観光客の誘客など,本県への投資にもつながる活動を展開してきたところであります。
また,ジェトロでは,対日投資に関心を持つ
外国企業に対して,平成13年から,ホームページ上で投資事例や優遇施策などを紹介し地域への進出をサポートしておりますが,本県でも,開設当初よりこのページを活用してまいりました。
今後は,6年後に
東京オリンピック・
パラリンピックが開催され,本県に投資を呼び込む絶好の機会ともなりますので,これまでの取り組みをさらに強化しますとともに,映像による海外向けの情報発信,ジェトロが世界各地に配置する産業スペシャリストの活用など,海外での投資誘致活動を推進してまいりたいと考えております。
本県に興味を持っていただいた企業等に対しましては,ジェトロの専門家とも連携し,国や県の優遇施策の周知を図りますとともに,ジェトロが行う視察ツアーなどによる来県を促し,実際の投資に結びつくよう努めてまいります。
さらに,ことし6月に開設された
ジェトロ茨城貿易情報センターと,庁内関係部局等による投資促進のための研究会を年内に設置し,外国企業のニーズや効果的な誘致方策などについて研究を行い,つくば国際戦略総合特区やJ-PARC周辺への研究開発型企業の進出,国外からの観光客の増加に伴う関連企業の誘致など,幅広い投資を促進する施策について検討してまいります。
現在,国では,ジェトロと連携しつつ
外国企業の誘致に積極的な地方自治体の取り組みを全面的に支援するとしているところでありますので,県といたしましても,国やジェトロとの連携をさらに強め,戦略的な情報発信や投資誘致活動を展開し,地域経済の活性化に努めてまいります。
次に,
開発公社の市町村に対する支援についてでございます。
開発公社につきましては,これまで長年にわたり工業団地の造成を行いますとともに,近年では,企業からの要請に応え,古河名崎工業団地の整備に取り組むなど,本県の工業団地造成の中心的役割を担ってまいりました。
しかしながら,公益法人会計基準の変更などにより債務超過に陥るおそれが生じたため,県議会等の提言を踏まえ,平成21年度に県の支援と経営健全化に向けた取り組み等を定めた経営改革プランを策定いたしました。
開発公社は,このプランに基づき抜本的な経営改革に取り組み,経営状況の改善が図られてきているところであります。
一方,今後の土地開発事業につきましては,県の工業団地に係る受託事業を中心に取り組むこととし,みずから行う事業については,事業の確実性が担保され後年度の負担が生じないことや,資金調達に当たっては県の損失補償によらないことなどの厳しい制約のもとに行うこととしたところであります。
このような中,圏央道の整備進展や
日野自動車関連企業の立地などを踏まえ,
県西地域を初め県内の多くの市町村から,新たな産業用地の開発について,
開発公社に対し具体的な相談が寄せられているところであります。
企業の立地が期待できる地域における産業用地の開発は,今後の本県の地域振興にとって大変重要なものでありますが,市町村には,そのためのノウハウが十分にないのが実情でございます。また,企業誘致につきましても,市町村だけでは立地に結びつけることが難しいことから,
開発公社東京事務所に職員を駐在させる市町村もあるなど,
開発公社の企業誘致能力に期待が寄せられております。
したがいまして,迅速・的確に事業を進めるためには,議員御指摘のとおり,事業計画の策定から都市計画決定等に係る関係機関との調整,造成工事,企業誘致などの一連のノウハウを有しますとともに,企業からのさまざまな要望にも速やかに対応できる
開発公社が,市町村と一体となって産業用地の開発に取り組んでいくことが,大変有効であると考えております。
県といたしましては,交通基盤の整備が進み,企業の進出意欲が高まってきているこの機会を逃すことなく,県内市町村が企業誘致を着実に進めていくためにも,
開発公社が積極的に市町村を支援できるよう,指導をしてまいります。それが,ひいては本県の発展に結びついていくものと考えております。
次に,在宅医療と介護の連携についてお答えいたします。
今年6月に
医療介護総合確保推進法が制定され,全ての市町村で,医療と介護の連携を推進する事業を実施することが法的に位置づけられたところであります。これを受け,茨城県医師会を初めとする医療・介護関係団体により茨城県地域医療連携推進協議会が設置されましたことから,県としても当該協議会に参画し,多職種によるネットワークづくりに取り組んでいるところでございます。
一方,県では,平成25年度からの第6次保健医療計画において,在宅医療の提供を大きな柱の一つと位置づけ,市町村を中心とした医療・介護の
サービス提供体制の構築を図るため,モデル事業として,在宅医療・介護連携拠点事業を実施しているところであります。
この事業では,市町村が地域医師会など職能団体の協力を得て,医師,看護師,薬剤師,ケアマネジャー等の多職種による協議の場を定期的に設け,顔の見える関係を築きますとともに,地域全体で支え合うための新たな仕組みづくりを推進しているところであります。
これまでの取り組みから,共通の課題として多職種間での情報共有,ケアマネジャーと医師との連携,医療・介護施設等の地域資源の把握などが必要であること,さらに,地域の課題としては,訪問看護等の在宅支援サービスの充実や,診療所と病院の連携体制の強化などが挙げられているところであります。
これらの課題に対応していくためには,今後,多職種が参加するケア会議の開催,地域の医療・介護施設等のマップ作成,さらには,訪問看護ステーションの運営支援や在宅医療における病院の役割の明確化などの取り組みを進めていく必要がありますので,県としても,新しい事業の実施主体となる市町村などと一体となって,事業の円滑な推進に努めてまいります。
県といたしましては,これらに加え,在宅医療・介護に関する普及・啓発のための研修会の開催,各地域におけるモデル事業の成果の紹介,管轄の保健所による助言などにより,市町村が地域の実情に応じた医療と介護の連携体制を構築できるよう,支援をしてまいります。
次に,茨城農業の展開方向についてお答えいたします。
本県は,
農業産出額が全国第2位,東京都
中央卸売市場においては,日本一の
青果物取扱高を誇っており,県民・国民への食料供給において,大きな役割を担っているところであります。
しかしながら,議員御指摘のとおり,農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増加など,本県においても待ったなしの課題に直面しておりますことから,担い手の確保と担い手への農地集積を一層進めますとともに,農業が若者にとって魅力ある職業となるよう,もうかる農業を実現していくことが大変重要であると認識しております。
このため,今後の施策展開に当たっては,
茨城農業改革大綱に基づき,安全・安心で高品質な農産物を安定的に供給できる産地づくりを引き続き進めますとともに,国の
農林水産業・地域の
活力創造プランに位置づけられた施策を積極的に活用しながら,改革を加速させてまいります。
まず,担い手の確保につきましては,農業法人等が新規就農者を受け入れて技術指導等を行い,自立を促すいばらき実践農場整備支援事業や,国の青年就農給付金を活用することなどにより,青年の就農意欲の喚起と定着を図ってまいります。また,担い手による効率的な土地利用を進めるため,本年4月に設置された農地中間管理機構を活用して,離農者等の農地を借り受け,まとまりのある形となるよう配慮して貸し付け,担い手への農地集積と集約化を進めてまいります。
さらに,効率的な営農を展開するためには基盤整備が重要でありますことから,整備のおくれている畑地において,区画整理とあわせ用排水施設や,農道などを総合的に整備する
畑地帯総合整備事業を計画的に推進してまいります。
次に,もうかる農業の実現に向けましては,園芸施設の高度化や6次産業化,ブランド化等の推進等が必要であると考えております。
このため,本年度から農業総合センター内に高軒高ハウスを設置し,トマトなどの収量を現行の倍以上に向上させる技術の確立と普及に取り組んでまいります。また,農産物の付加価値を高めるため,国の交付金を活用して新商品の開発や加工施設の整備を支援するなど,6次産業化を推進しますとともに,販売促進とイメージアップを図るため,農産物の高品質化や県オリジナル品種の活用等を通じたブランド化を進めてまいります。
さらに,
ジェトロ茨城貿易情報センターと連携し,海外バイヤーの招聘や海外での商談会への出展支援などにより,本県農産物の輸出を促進してまいります。
これらの取り組みにより,本県が,今後とも
食料供給基地としての役割を果たしていけるよう,農業改革を着実に推進してまいります。
次に,
県西地域の発展に向けた道路行政についてお答えいたします。
まず,圏央道の
整備見通しについてでございます。圏央道は,広域交流を活発にし,企業誘致の促進や,県内立地企業の競争力強化,観光客の増加など,沿線地域の活性化を図る上で必要不可欠な基幹的インフラでありますとともに,今後予想される首都直下地震などの際には,緊急輸送路として大きな役割を担う大変重要な道路であり,一日も早い全線開通が喫緊の課題となっております。
これまで県としては,早期開通について,国や東日本高速道路株式会社に対して強く要望しますとともに,地元市町と連携して,国が行う用地取得に対して全面的に協力してまいりましたほか,工事に係る関係機関との調整を図るなど,さまざまな支援を行ってまいりました。
このように国及び東日本高速道路株式会社,そして県と地元市町が一丸となり取り組んでまいりました結果,東北道から境古河インターチェンジ間については平成26年度内に,境古河インターチェンジから
つくば中央インターチェンジ間については平成27年度内に開通する見通しが公表され,本年度も,必要な予算が確保されている状況にございます。
現在の整備状況と今後の見通しでございますが,常磐道から西側では,平成26年度開通予定の東北道から境古河インターチェンジ間については,埼玉県側も含めまして,本線開通に必要な工事が全て着手され,開通に向けて順調に整備が進められております。また,平成27年度開通予定の境古河インターチェンジから
つくば中央インターチェンジ間については,用地取得がほぼ済んでおり,一部難航している用地についても,任意交渉と並行しながら
土地収用法の手続が進められ,用地が取得できた箇所から,順次,工事が進められております。
一方,常磐道から東側では去る4月12日に,
稲敷インターチェンジから千葉県の神崎インターチェンジ間が開通し,その先の東関道までの区間につきましても,既に用地取得が全て完了しており,今年度の開通に向けて鋭意工事が進められております。
県といたしましては,今後も引き続き,国や東日本高速道路株式会社に対しまして,-日も早い開通ができますよう強く働きかけてまいりますとともに,圏央道の整備効果を最大限に生かせるよう,市町が進める沿線開発につきましても,積極的に支援してまいります。
次に,新4号国道の
整備見通しについてでございます。
新4号国道は,首都圏と北関東方面を結ぶ南北の大動脈として,圏央道や北関東道とともに広域的な
道路ネットワークを形成し,災害時には緊急輸送道路となる極めて重要な幹線道路でございます。また,本道路は,地域間の交流を活発化し,
日野自動車や関連企業の進出に見られますように,周辺の企業立地を促進するなど,
県西地域の活性化に大きく寄与する役割も担っております。
本道路の整備状況でございますが,平成4年度までに全線を暫定2車線で供用し,その後も,順次,4車線化や6車線化が進められております。その結果,これまでに栃木県区間と結城市及び古河市の一部が6車線で完成いたしましたが,古河市の大和田から柳橋までの区間は4車線,古河市柳橋から埼玉県幸手市に至る区間はいまだに2車線となっております。
このような中,特に2車線区間におきましては,慢性的な交通渋滞を生じておりますことから,その解消が急務となっており,また,圏央道の久喜白岡ジャンクションから境古河インターチェンジまでの区間が,今年度の開通を予定している中で,そのアクセス道路である本道路の交通量が,さらに増加することが予想されますことから,圏央道の開通に合わせた4車線化が不可欠となっております。
このため県では,これまでにさまざまな機会をとらえ,本道路の整備推進を国に強く要望してきたところであり,これを受け,国におきましては必要な予算を確保し,工事を急ピッチで進めてきているところであります。これにより,圏央道の開通に合わせ,今年度中に,埼玉県区間を含む2車線区間の17.3キロメートル全てが4車線で供用される見込みとなっており,あわせて古河市内の4車線区間につきましても,平成28年度の6車線完成を目指し着実に整備が進められてきております。
県といたしましては,4車線化が一日も早く実現されますとともに,全線6車線化が早期に図られますよう,引き続き,国に強く働きかけてまいります。
8
◯飯塚秋男議長 次に,小野寺教育長。
〔小野寺教育長登壇〕
9 ◯小野寺教育長 教育行政についてお答えいたします。
まず,
少子化社会における高校教育についてでございます。
近年の少子化や生徒ニーズの多様化に適切に対応するため,現在,県では,平成23年度から32年度までの10年間を期間とする第2次県立高校再編整備計画を進めているところでございます。
このうち,これまでの前期及び中期実施計画におきましては,分校化や生徒募集停止などの学校再編により学校規模の適正化を図る一方,
中高一貫教育校や
フレックススクールなどを設置しますとともに,地域や生徒のニーズを踏まえた学科改編などを行い,多様な学校づくりを進めているところでございます。
今後,
中学校卒業者数のさらなる減少が見込まれますことから,平成29年度から始まる後期実施計画におきましては,学校統合を含む再編整備について慎重に検討を進め,活力と魅力ある学校づくりを推進してまいりたいと考えております。
また,少子化・多様化が進む中で,生徒一人一人が確実に基礎・基本を身につけ,主体的に判断し行動する資質や能力,いわゆる「生きる力」を育成することは,ますます重要になってきております。
このため,特に総合学科や単位制高校など新しいタイプの学校を順次増設し,生徒の興味・関心や進路希望に応じたきめ細かな教育課程を編成することで,多様な生徒の進路選択に対応しているところでございます。また,茨城学力向上推進事業を実施し,指定された20校において,ティーム・ティーチングや習熟度別授業など,個に応じた指導の工夫,改善により,基礎学力の定着を図りますとともに,キャリア発達の支援に努めているところでございます。
一方,こうした教育を効果的に推進するためには,議員御指摘のとおり,教師の指導力が極めて重要であり,特に教員の大量退職時代を迎え,若手教員の育成は喫緊の課題であります。
そのため県では,新規採用予定者に,教員としての使命感や自覚を明確に持たせるための採用前研修や,採用後3年間,基礎的・基本的な資質・能力の向上などを図る若手教員研修を実施しております。特に,採用1年目の新任者に対しては,退職後のベテラン教員なども指導教員として活用し,マンツーマンで指導のノウハウを伝えているところでございます。
さらに今年度,これらの研修に加え,この10月から「いばらき輝く教師塾」を開講いたします。これは,本県の公立学校の教員を目指す学生や現職の若手教員を対象に,人間関係づくりや学級づくりなどの教員として必要となる素養を高めていくものでございます。
今後とも県としましては,少子化・多様化が同時に進む中で,教員の指導力の向上に努めながら,生徒の個に応じた教育を推進することにより,高校教育の一層の活性化を図ってまいります。
次に,小学校の英語教育についてお答えいたします。
現在,文部科学省では,
グローバル化に対応できる人材の育成を目的として,小学校における英語教育の拡充強化について検討を進めており,今後,小学校で指導に当たる学級担任教員の英語力や指導力を向上させることが大きな課題となってまいります。
本県では,こうした課題にいち早く対応するため,教員自身の英語力を高める取り組みとして,今年度から「発音力」ソフトを活用した研修や,外国人講師との会話練習などを組み込んだ研修を始めており,今後,毎年およそ300人,5年間で1,500人の教員が受講することとなっております。
また,議員から御指摘のありましたハワイ大学への教員派遣につきましては,本年度から5年間,中学・高校から毎年21名の英語教員を2週間,ハワイ大学に派遣し,研修終了後は,専門指導員として小学校における英語の指導技術の普及に当たらせることといたしました。
ハワイ大学は,英語教授法において世界的権威とすぐれた実績を持ち,世界各国から多くの教員が訪れるなど高い評価を受けております。研修は少人数で,最新の理論に基づいて行われ,英語力や指導力の向上が図れる内容となっております。
本年度派遣された教員からは,英語のすぐれた指導法を身につけられるとともに,国際人としてのあり方や自国文化の大切さを改めて学ぶことができたといった声が聞かれ,授業改善や英語教育の充実に向けた意欲の向上に大変効果があるものと考えております。
今後,派遣された教員は所属する学校において,英語指導に関する知識や技能などを他の教員に普及するほか,専門指導員として地域の小・中学校全体の指導力向上に,中心的役割を担うことになっております。
具体的には,
外国語活動指導法研究推進校として指定した14校の小学校におきまして,模範授業を行い,県内各小学校の代表の教員に参観させるとともに,参加者全員で研究協議を行い,英語教育の指導のあり方について研修を深めてまいります。また,研修に参加した教員が,模範授業から学んだことを各学校に持ち帰り,校内研修などを通して所属校の他の教員に伝えてまいります。
今後,こうした取り組みを通して,小学校教員の英語の指導力を向上させ,子どもたちの英語学習への意欲を高めるとともに,コミュニケーション能力の基礎を育んでまいります。
10
◯飯塚秋男議長 次に,大平警察本部長。
〔大平警察本部長登壇〕
11 ◯大平警察本部長 ニセ電話詐欺対策についてお答えいたします。
本年8月末現在のニセ電話詐欺の認知件数は161件,被害額は約8億5,300万円で,前年同期と比べて,認知件数は11件減少しているものの,被害額は約2,300万円増加しており,依然として厳しい情勢にあります。
これを手口別に見ると,架空請求詐欺が49件,約3億4,500万円と,件数,被害額ともに大幅に増加しております。また,現金の受け渡し方法別に見ると,指定された場所で犯人に直接手渡す現金手渡し型や,レターパック,宅配便等で送付する現金送付型が,振り込み型を大きく上回っており,認知件数では全体の74%,被害額では全体の84%を占めております。
このような情勢を踏まえ,今後の取り組みについて2点申し上げます。
1つ目は,徹底した取り締まりであります。だまされた振り作戦等による被疑者の検挙と,突き上げ捜査の徹底等により犯行グループの壊滅を図るとともに,犯行に使用された電話や銀行口座が判明したときには,速やかに解約依頼や口座凍結依頼を行い,これら犯行ツールを無力化するなど被害の続発防止を図ってまいります。
2つ目は,関係事業者等との協働による被害の防止であります。被害者の多くが金融機関において多額の現金を準備している実態を踏まえ,これまでも金融機関と連携して被害の未然防止を図ってきたところでありますが,本年6月からは,窓口において多額の現金を払い戻される高齢者に対して,預金小切手の活用を勧めていただき,必要に応じて警察へ通報していただくこととしました。また,増加する現金送付型の被害を防止するためには,郵便事業者や宅配便取扱事業者等との連携をさらに強化していく必要があると考えております。
県警察としては,これら施策を強力に推進するとともに,関係機関・団体等と連携して,県民に対する広報啓発活動を継続的に実施して県民の抵抗力の向上を図るなど,組織の総力を挙げて,ニセ電話詐欺対策に取り組んでまいります。
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12
◯飯塚秋男議長 暫時休憩をいたします。
なお,会議再開は,午後2時25分を予定いたします。
午後2時9分休憩
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午後2時26分開議
会派代表による県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続)
13
◯飯塚秋男議長 休憩前に引き続き会議を開き,会派代表による県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。
公明党八島功男議員。
〔9番八島功男議員登壇,拍手〕
14 ◯9番八島功男議員 公明党の八島功男です。公明党を代表して,初めての代表質問をさせていただきます。知事におかれては,前向きで明快な答弁を期待いたします。
最初に,広島市で発生した土砂災害により亡くなられた方に,心からお悔やみを申し上げ,さらに被災された皆様に,心からお見舞いを申し上げます。
超高齢社会と
人口減少社会,私たちが避けることのできない日本の現実は,先進諸国の課題解決の先進事例になると言われています。日本は,いかにして超高齢と人口減少の2極を乗り切るのかが注目をされているわけでございます。
茨城県の人口は,2000年1月1日現在の300万2,001人をピークに減少し,2014年1月1日には293万人になりました。
国立社会保障・
人口問題研究所の将来推計人口では,2040年には242万2,000人となり,2010年比較で約55万人の減少が見込まれます。
その内訳は,15歳未満・年少人口の割合は10.1%,15歳~64歳・生産年齢人口の割合は53.5%,65歳以上老年人口の割合は36.4%です。15才未満人口は16万人,15~64歳人口は59万人とそれぞれ減少し,65歳以上人口は21万人増加します。特に,75歳以上人口は20万人の増加が見込まれています。
政府は,骨太の方針で「50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持する」と人口目標を初めて掲げ,合計特殊出生率2.08程度を実現しようとしております。
茨城県もまた,人口増減をなすがままに放置してはいられません。県民人口目標を設定し,あるべき年齢構成を計画して,内外から茨城県に居住したいと言われる「選ばれる茨城県」にならなければなりません。そのためにも,県議会と県執行部が二元代表の本義に従って,県政運営に邁進したいと考えます。
最初に,
地域包括ケアシステムの構築について伺います。
まず,
医療介護総合確保推進法への取り組みと第6期介護保険事業計画についてです。
団塊の世代が75歳となる2025年の超高齢社会に備えて,安定的な社会保障財源の確保のために本年4月,消費税が増税されました。消費税は社会保障政策の拡充に充当されるものであり,中でも,医療・介護・予防・住まい・生活支援が,住みなれた地域で一体的に提供される
地域包括ケアシステムの構築にも充当されます。
6月18日には,在宅で医療と介護のサービスが受けられる環境を整備し,医療・介護連携を促進する
医療介護総合確保推進法が成立いたしました。医療分野では,急性期病床と慢性期病床の機能分化を推進し,さらに,在宅医療の充実など医療提供体制の整備に向けて,県に新たな基金を設置するとしています。
一方,介護分野では,特別養護老人ホームの新規入所者を原則,要介護3以上に重点化するとし,要介護1,2についても,特例入所の4要件が示されたところです。
市町村においては,平成27年からスタートする第6期介護保険事業計画の策定が進んでおり,日常生活圏域ニーズ調査を踏まえ,第6期計画だけではなく,2025年を展望した事業が検討されているところです。
第5期においては,県内市町村の介護保険料に約1,300円の差異がありました。今後,必要とする各種施設の事業展開は,県民にとって納得できるような「見える化」の計画でなければなりません。
このよう状況を踏まえ,
医療介護総合確保推進法の制定を受け,県として在宅医療・介護の連携強化に向け,どのように取り組んでいくのか。また,市町村における第6期介護保険事業計画の策定に対して,どのように支援をしていくのか,知事の所見を伺います。
次に,新しい地域支援事業への取り組みと県独自の支援策について伺います。
今回の介護保険制度の見直しの特徴は,要支援1,2が,市町村事業になる点です。要支援1,2のうち,介護予防給付に当たる訪問看護と福祉用具費用などは現行どおりとするものの,訪問介護と通所介護については,従来の地域支援事業に移行することで,市町村の地域密着と独自性ある新しい地域支援事業として推進することにあります。
これは,多様化する訪間型・通所型サービスや生活支援サービスに的確に対応させるとともに包括的支援事業では,地域ケア会議や地域包括支援センターの充実を図ろうとしています。さらに,NPOの活躍や地域の特色を生かした任意事業を展開するものです。