令和 1年 9月 定例会(第369回) 第三百六十九回宮城県議会(定例会)会議録 (第六号)令和元年九月十八日(水曜日) 午前十時開議 午後二時五十七分散会 議長
相沢光哉君 副議長 只野九十九君出席議員(五十五名) 第一番 大内真理君 第二番 角野達也君 第三番 内藤隆司君 第四番 高橋 啓君 第五番 遠藤伸幸君 第六番 村上久仁君 第七番 高橋宗也君 第八番 庄田圭佑君 第九番 深谷晃祐君 第十番 中嶋 廉君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 天下みゆき君 第十三番 三浦一敏君 第十四番 佐々木功悦君 第十五番 境 恒春君 第十六番 太田稔郎君 第十七番 横山のぼる君 第十八番 遠藤隼人君 第十九番 渡辺勝幸君 第二十番 横山隆光君 第二十一番 佐々木賢司君 第二十三番 熊谷義彦君 第二十四番 渡辺忠悦君 第二十五番 遠藤いく子君 第二十六番 すどう 哲君 第二十七番 吉川寛康君 第二十八番 伊藤和博君 第二十九番 守屋守武君 第三十番 長谷川 敦君 第三十一番 佐々木幸士君 第三十二番 村上智行君 第三十三番 細川雄一君 第三十四番 高橋伸二君 第三十五番 菊地恵一君 第三十六番 只野九十九君 第三十七番 佐々木喜藏君 第三十八番 石川光次郎君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 菅間 進君 第四十三番 ゆさみゆき君 第四十四番 藤原のりすけ君 第四十五番 坂下やすこ君 第四十六番 庄子賢一君 第四十七番 中島源陽君 第四十八番 本木忠一君 第四十九番 中山耕一君 第五十番 長谷川洋一君 第五十二番 齋藤正美君 第五十三番 安藤俊威君 第五十四番 畠山和純君 第五十五番 仁田和廣君 第五十六番 藤倉知格君 第五十七番
相沢光哉君 第五十八番 中沢幸男君 第五十九番 渡辺和喜君欠席議員(一名) 第四十二番 坂下 賢君欠員(三名) 第二十二番 第三十九番 第五十一番
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公営企業管理者 櫻井雅之君 総務部長 江口哲郎君 震災復興・企画部長 後藤康宏君
環境生活部長 大森克之君
保健福祉部長 伊藤哲也君
経済商工観光部長 鈴木秀人君 農政部長 佐藤夏人君
水産林政部長 小林徳光君 土木部長 門脇雅之君 会計管理者兼出納局長 吉田 計君
総務部秘書課長 藤田信治君
総務部財政課長 小野寺邦貢君 教育委員会 教育長 伊東昭代君 教育次長 千葉 章君
選挙管理委員会 委員長 伊東則夫君 事務局長 鈴木雄貴君 人事委員会 委員長 千葉裕一君 事務局長 青木直之君 公安委員会 委員長 庭野賀津子君 警察本部長 松岡亮介君 総務部長 青山達二君 労働委員会 事務局長 山本雅伸君 監査委員 委員 石森建二君 事務局長 宮川耕一君
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政務調査課長 二瓶克之君 副参事兼
総務課長補佐 山内好尋君
議事課長補佐 二上秀幸君 政務調査課副参事兼課長補佐 相澤亮子君 議事課主幹(班長) 田村和江君 議事課主幹 渡辺祐司君
----------------------------------- 議事日程 第六号 令和元年九月十八日(水)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 議第百四十四号議案ないし議第百六十二号議案、議第百六十八号議案及び報告第九十一号ないし報告第百八号第三 一般質問 〔遠藤伸幸君、村上久仁君、坂下やすこ君、岸田清実君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百四十四号議案ないし議第百六十二号議案、議第百六十八号議案及び報告第九十一号ないし報告第百八号三 日程第三 一般質問 〔遠藤伸幸君、村上久仁君、坂下やすこ君、岸田清実君〕
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△開議(午前十時)
○議長(
相沢光哉君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(
相沢光哉君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、二十七番吉川寛康君、二十八番伊藤和博君を指名いたします。
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△議第百四十四号議案ないし議第百六十二号議案・議第百六十八号議案
△報告第九十一号ないし報告第百八号・一般質問
○議長(
相沢光哉君) 日程第二、議第百四十四号議案ないし議第百六十二号議案、議第百六十八号議案及び報告第九十一号ないし報告第百八号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。 九月十三日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。五番遠藤伸幸君。 〔五番 遠藤伸幸君登壇〕
◆五番(遠藤伸幸君) おはようございます。
公明党県議団の遠藤伸幸です。 初めに、このたびの台風十五号による災害で被災された皆様、また、大規模な停電によりいまだ不自由な生活を余儀なくされている皆様に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。 さて、初当選以来六回目の一般質問の機会をいただきました。大綱五点にわたり質問をさせていただきます。 大綱一点目は
交通事故防止対策についてです。 ことし四月に東京の池袋で発生した
高齢ドライバーの暴走によって親子が犠牲になった事故、翌五月に滋賀県大津市で散歩中の保育園児の列に車が
突っ込み園児二人が死亡した事故は、関係者だけでなく日本中に大きなショックと悲しみを与えました。これらの事故を契機に子供を交通事故から守る対策、そして
高齢運転者による事故を防ぐ対策が社会の重要な課題として改めてクローズアップされております。この問題については、六月定例会で我が会派の
伊藤和博議員と自民党の
遠藤隼人議員が取り上げておりますが、私からも重ねて質問をさせていただきたいと思います。 さて、五月の大津の事故が発生した後すぐ、私のもとに仙台市内の認可保育所の管理者から連絡が入りました。大津の事故は他人事とは思えない。うちの散歩コースを見てほしいとのことでした。その保育所は小規模保育のため園庭がなく、子供を屋外で遊ばせる際には近くの公園を利用しています。また災害に備え、年に数回は一キロほど離れた指定避難所の小学校まで子供たちを避難させる訓練も行っています。保育士の先生に低年齢の園児を乗せるバギーを押してもらいながら、
散歩コースや避難経路を一緒に歩きましたが、どうしても歩道がない道路を歩かざるを得なかったり、車のすれ違いが難しいほど道幅が狭くなっている場所があったりするなど、幾つもの危険箇所があることがわかりました。また、保育士の先生方が児童の安全確保のために神経をすり減らして御苦労されていることも痛感しました。こうした調査を踏まえ、
公明党県議団として五月二十日に村井知事に対して、保育所等の
散歩コースの実情把握と、安全施設の整備を初めとした
交通安全対策の強化を求める緊急要望書を提出したところであります。その後、政府は六月十八日に未就学児等及び
高齢運転者の
交通安全緊急対策を決定し、全国で未就学児が日常的に集団で移動する経路の安全点検を行うよう通知しました。本県でも九月末までを期限として保育所や
道路管理者、警察などによる合同点検が行われております。これまで本県では、小学校等の通学路では定期的に学校や警察、
道路管理者等による合同の安全点検が行われてきましたが、保育所や幼稚園等の
散歩コースを対象とした安全点検は今回が初めてです。保育現場からは、来年度以降も点検を実施してほしいとの声をいただいております。道路事情や交通の状況は変化していくため、今後も定期的に未就学児の移動経路を対象とした安全点検を実施していくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。 さて、政府の緊急対策によると、九月末までの安全点検の結果を踏まえ、子供の安全な通行を確保するための
交通安全施設の整備や、地域ぐるみで子供を守るための対策を進めるとしています。施設ごとの対策案は合同点検後に対象施設と市町村等の担当部局で作成し、要望という形で
道路管理者及び地元警察署に提出することとなっております。対策の実施に当たっては、たとえ予算がかかるものであったとしても、できる限り施設側の意向に沿う形で早急に実施していただきたいと思いますが、土木部長や県警本部長のお考えを確認させていただきます。 また、こうした安全対策と並行して、生活道路における
スピード違反の取り締まりも実施していただきたいと思います。近年、道幅が狭い生活道路にも設置できる可
搬式速度違反自動取締装置、いわゆる
移動式オービスが普及しており、本県でも昨年一台を導入したと伺っております。今回の
緊急安全点検を踏まえて、この装置を活用した取り締まりを適切に実施するとともに、二台目の導入も検討してはどうかと考えますが、御所見を伺います。 次に、
高齢運転者の
事故防止対策について伺います。近年、交通事故の発生件数は減少傾向にありますが、七十五歳以上の
高齢運転者の死亡事故の割合は高まっています。
ハンドル操作のミスやブレーキとアクセルの踏み間違いなどによる事故が目立つのが特徴です。警察庁の推計によりますと、七十五歳以上の免許保持者は昨年末の時点で約五百六十三万人ですが、三年後の令和四年には百万人ふえて六百六十三万人になるとのことです。増加する
高齢ドライバーの
事故防止対策はまさに喫緊の課題であります。国は平成二十九年施行の
改正道路交通法で、七十五歳以上は違反時や免許更新時に
認知機能検査を受け、認知症のおそれがある場合に医師の診察を義務づけました。高齢者に免許の自主返納を促すための環境づくりも重要で、
公共交通機関の割引など特典を付与する自治体がふえております。 一方で、本県では生活の足として車が欠かせない高齢者が多いのも事実です。さきに述べましたように、免許を保有する高齢者は今後もふえ続けていくことを考えれば、この方々が事故を起こさないような施策を進めていくことが重要であります。運転ミスによる事故を防ぐために有効な手段の一つが、
自動ブレーキやペダルの踏み間違い時の急加速を防ぐ機能などを搭載した
安全運転サポート車です。
自動ブレーキの搭載により人身事故が約六割減ったという
大手自動車メーカーの調査もあります。現在では、新車の七割以上には
安全運転サポート機能が搭載されておりますが、高齢者にとって車を買いかえることは負担が大きいのが課題です。そこで東京都では、七十歳以上の高齢者がペダルの踏み間違い時の急加速を抑制する
安全運転支援装置を後づけで設置した場合に、その費用の九割を補助する制度を七月三十一日にスタートさせました。この装置は設置費込みで四万円から十万円とされております。東京都では当面二万台の利用を見込み、今年度予算の予備費から八・五億円の予算を確保しました。都によりますと、申し込みを開始した七月三十一日には一日で千五百件以上の問い合わせが殺到し、非常に高い関心が寄せられているとのことでした。
交通インフラの整っている都内でも、どうしても車を手放せない高齢者はたくさんいるわけで、地方ではもっと求められる制度だと思います。実際、全国的に同様の制度を導入する県や自治体が相次いでおります。例えば、福井県では六十五歳以上の高齢者を対象に、設置費用の半額を上限三万円まで補助する制度を創設し、八月十九日から申請を開始しました。福井県の場合は、運転する時間帯や場所などを限定して運転する
限定運転宣言書を提出した高齢者を対象としていることが特徴です。神奈川県横須賀市は年齢制限なしで費用の半額、上限一万六千円を補助する制度を十一月にスタートさせるとのことです。村井知事は六月定例会で
伊藤和博議員の質問に答え、東京都の補助制度について、
高齢運転者が増加している中で時宜を得たものと評価され、制度の詳細や現在国において検討されている急
発進防止装置等の
性能認定制度の検討状況などについて情報収集に努めながら、
事故防止効果や財源等も勘案して、県としての対応を検討していきたいと答弁されております。
性能認定制度については、国は来年度から実施する方針ですが、本県でも例えば
性能認定制度のスタートとあわせて補助制度を創設してはどうかと考えますが、知事の前向きな御答弁を期待します。 さて、こうした高齢者の
安全運転支援の一方、高齢者が自動車に頼らず日常生活を送ることができるよう、その移動を支える施策を充実することも重要な課題です。高齢者の皆さんから話を伺いますと、ドア・ツー・ドアで移動ができるタクシーへの期待が高いことを実感します。国では高齢者がよりタクシーを便利に安く使えるよう、
タクシー相乗り制度の導入を全国展開することや、一定期間、定額で乗り放題とする
定額タクシー運賃の導入を検討しております。こうしたタクシーの新たな活用策について、本県でも早期に普及させていく必要があると思いますが、県としてはどのように取り組んでいくのかお考えを伺います。 大綱二点目、
児童虐待防止対策について伺います。 虐待により幼い命が奪われる痛ましい事件が後を絶ちません。五歳の女児が許してくださいという反省文を書かされた末に死亡した東京都目黒区の事件、お父さんに暴力を受けていますと学校にSOSを出していた小学四年生の女の子の命を守ることができなかった千葉県野田市の事件、最近では鹿児島県出水市で四歳の女児が母親の交際相手に殺された事件が発生しました。県内でもことし六月、仙台市青葉区で二歳の女児が一人アパートに放置され死亡するという事件が起きています。こうしたニュースに接するたびに胸が潰れるような思いをするのは私だけではないと思います。悲惨な虐待死が発生するたびに国は
虐待防止対策を強化してきており、県も対策に取り組んできましたが、それでも事件が後を絶たないのはじくじたる思いです。政治に携わる一人として責任を感じざるを得ませんが、しかし、諦めることなく、かけがえのない子供の命を守るために全力を挙げていかなければなりません。まず、児童虐待の根絶に向けた知事の御決意を伺いたいと思います。 その上で具体的対策について何点かお聞きします。 まず
児童相談所の体制強化と警察との連携についてです。 県は人口三万人に一人の児童福祉司を配置するという国の
児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき、令和四年度までに児童福祉司は現在の三十二人から四十八人へ、
スーパーバイザーは七人から八人へと増員する方針ですが、児童虐待の相談件数がふえ続けている状況を踏まえ、できる限り前倒しで増員を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また県は今年度から、県が管轄する三カ所全ての
児童相談所に現役の警察官を配置しました。児童虐待の摘発件数がふえるなどの効果が上がっていると伺っております。一方で仙台市の
児童相談所は平成二十七年度から元警察官を配置しておりますが、非常勤のため勤務時間に制約があります。仙台市の
児童相談所にも現役の警察官を出向させるべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、児童虐待の早期発見、早期対応に向けた市町村との連携について伺います。 ことし六月に仙台市青葉区で二歳児がアパートに約九日間放置され死亡した事件では、母親が子供に乳幼児健診を受けさせていなかったことが明らかになっています。市の担当者はこの母親と連絡がつかなかったために、通院先の医療機関から状況を把握し、虐待などの痕跡はないとの報告を受けたため、緊急度の高い子供とは捉えてはいなかったとのことです。要
保護児童対策地域協議会に上げるなどの情報共有もなされていませんでした。この女児は八、九カ月児健診から二歳児半健診まで乳幼児健診を受けていませんでした。医療機関から情報を得ることができ、たまに母親とは電話連絡ができていたとはいえ、乳幼児健診を三度も受診させず、長期間子供本人に会えていない状況を考慮すれば、ネグレクトのリスクが高いと判断して、家庭訪問等の対応を講じる必要があったのではないかと思わざるを得ません。昨年の緊急調査によると、本県における乳幼児健診未受診児や未就園児、不就学児は昨年六月一日の時点で仙台市も含め県全体で百人いました。乳幼児健診の未受診児への対応については兵庫県明石市の取り組みが参考になります。同市では
こどもスマイル一〇〇%プロジェクトを平成二十六年度からスタート。こんにちは
赤ちゃん訪問や乳幼児健診で子供を直接確認できなかった場合、虐待のリスクが高いと判断して保健師等が日中だけでなく夜間も利用して家庭訪問、子供本人に必ず会うことを徹底し子供の健康を一〇〇%確認しています。どうしても会えない場合は、児童手当の
銀行振り込みを停止して手渡しとするという制度も導入しているとのことです。市町村でこのような熱心な取り組みがなされれば、児童虐待の兆候は早期に発見できるのではないかと思います。また神奈川県では、市町村の担当者向けに乳幼児未受診児等に対する
対応マニュアルを作成し、要
保護児童対策地域協議会や研修などの場で共有する取り組みを行っています。本県でもこうした取り組みを参考にしながら、市町村と連携して乳幼児健診の未受診児等への対応の強化を図っていく必要があると思いますが、御所見を伺います。 この項の最後に
児童相談所の一時保護所について伺います。 ことし三月に政府が決定した
児童虐待防止対策の抜本的強化についてでは、一時保護所の環境改善や体制強化が打ち出されています。一時保護所については、被虐待児童と非行による保護児童が同じ部屋に置かれるという問題や、学習が十分にできないという問題が指摘されておりますが、改善に向けて県としてはどのように取り組んでいくのかお伺いします。 また、長期にわたる虐待を受けた子供は心に想像以上のダメージを受けていると考えられます。
トラウマ治療の専門家を活用するなど、心のケア体制の充実を図っていくべきだと思いますが御所見を伺います。 大綱三点目、大人のひきこもり問題について伺います。 ひきこもり状態にある人や家族の高齢化については、大人のひきこもり八〇五〇問題といったキーワードで社会問題化され、本議会でもたびたび取り上げられてきたところであります。ひきこもりはいつでも、誰でも、どの家庭でも直面する可能性がある問題です。自己責任という言葉で冷たく突き放すのではなく、現に悩んでいる当事者や家族に寄り添う気持ちを持ちながら、社会全体で向き合って解決策を探していくべき問題と考えます。内閣府は昨年十二月に満四十歳から六十四歳までのひきこもり状態にある人の実態調査を初めて実施しました。三月に発表された結果によると、趣味の用事や近所のコンビニ以外に外出しない状態が六カ月以上続いている人は六十一万三千人と推計されました。これは十五歳から三十九歳までのひきこもりの人数、五十四万人よりも多い数であり、ひきこもり問題は若年層以上に中高年の問題であることが浮き彫りとなりました。ひきこもりになったきっかけは退職が三六・二%で最多、人間関係がうまくいかなかった、病気が続きました。ひきこもり状態にある人の支援については、これまでもひきこもり地域支援センターや子ども・若者総合相談センターの設置など、相談体制の整備を初め、居場所づくりへの支援、生活困窮者自立支援法に基づく支援など、さまざまな対策が講じられてきましたが、これまで長年支援の対象として想定されてきたのは十代から三十代の若年層であり、四十歳以上の中高年のひきこもりへの支援は国の実態調査が初めて示されたばかりであり、まだまだこれからというのが現状だと思います。知事は先日の代表質問で、ひきこもりへの対策を検討する部局横断的な会議の設置を指示したと答弁されましたが、県庁内の情報交換にとどまることなく、やはり当事者や家族、長年ノウハウを積んできた支援団体から意見を聞き、ニーズをしっかりと把握する必要があると思います。東京都は今月ひきこもり問題に関する協議会を設置し、来年の秋をめどに支援のあり方の提言をまとめることを表明しました。協議会には自治体の担当者のほか、ひきこもりの当事者や学識経験者らも参加するということです。本県でも当事者が参加する協議会を立ち上げて、本県の実情に合った総合的な支援について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。 さて、ひきこもり状態にある人が就労や自立に至るためには、最初からいきなり就労支援窓口につなげるようなことをしてもうまくいかず、段階的に支援を講じていく必要があります。厚生労働省のひきこもり支援のガイドラインによれば、主に家族の相談に乗る出会い・評価段階から始まり、本人への訪問や面談をする個人的支援段階、家の外で過ごせるようになるために居場所を提供する中間的・過渡的な集団との再会段階、そして就労への準備訓練などを行う社会参加の試行段階といったステップを踏んで支援をしていくことが推奨されています。この中で私がこれから特に重要だと思うのは、居場所づくりの取り組みであります。相談窓口は複数整備されておりますが、ひきこもりから脱したいと思って相談したとしても、その先に行きたいと思える安心できる居場所、受け皿がなければ結局家から出ることはできないのではないでしょうか。先日、仙台市内にあるひきこもりや不登校を経験した人たちが集うフリースペースを訪問し、十代から二十代の若者たち十数人と話をしてまいりました。このフリースペースでは多くの人との出会いやさまざまな活動を通して社会性を身につけられるように、スタッフがサポートしています。若者たちは皆、自宅に引きこもっていた姿が想像できないほど明るく元気な様子でした。安心できる居場所があり、同じ境遇の仲間と触れ合えることは、生きる希望と勇気を与えてくれることを実感しました。しかし、こうしたフリースペースに対する公的な助成は不十分であり、運営経費の確保などに苦労されているとのことでした。また、居場所の提供とあわせて、働く前のトレーニングとして軽作業などに従事してもらう中間的就労の場を設けられれば大変に効果的なものの、その実現は財政的に困難であるとのことでした。一方、フリースペースの対象は基本的には十代から三十代であり、四十代以上の中高年を対象とした居場所は県内にはほとんどないのが現状とも伺いました。若年層と中高年では居場所における活動内容等も変える必要があります。これからは中高年のひきこもり経験者を対象とした居場所づくりへの取り組みを充実させていく必要があります。今後県として中高年を対象にフリースペースと中間的就労の場を一体的に提供できる拠点をモデル的に整備するなど、居場所づくりへの支援を大きく拡充すべきと考えますが、御所見を伺います。 さて、この問題に関連して就職氷河期世代の支援について伺います。 就職氷河期世代はバブル経済崩壊後の新卒採用が特に厳しかった平成五年から平成十六年に、大学や高校を卒業した現在三十代半ばから四十代半ばまでの世代を指し、昨年時点で千六百八十九万人いると言われています。この世代は学校卒業時に正社員として就職できず、不本意ながらも長期にわたって非正規雇用を余儀なくされている人や、ニート、ひきこもり状態になった人が多くおります。私も就職氷河期真っただ中の平成十一年に大学を卒業しましたが、あのときの就職戦線は本当に厳しく、進路が決まらずに大学を卒業した人がたくさんおりました。私もそのうちの一人でございます。あれから二十年、政府は就職氷河期世代の集中支援を実施する方針を決め、来年度予算案の概算要求では千三百四十四億円を計上しました。三年間で三十万人の正規雇用者をふやす計画で、具体策としては全国のハローワークの専門窓口設置や資格取得の支援、氷河期世代の失業者を正社員で雇い入れた企業への助成金などが予定されております。こうした政府の動きに呼応し、県としても就職氷河期世代の支援に乗り出してほしいと思います。今回の支援策について県民や地元企業に積極的に周知していくとともに、兵庫県宝塚市のように氷河期世代を対象とした正規職員の募集なども検討してはどうかと思いますが、御所見を伺います。 次に大綱四点目、小児がん患者の支援について伺います。 子供の病死原因の第一である小児がんは、乳幼児期を好発年齢とした白血病や脳腫瘍など数百種類にも上る小児悪性腫瘍の総称です。全国では年間約二千人、子供一万人に一人の割合で発症すると言われております。第三期宮城県がん対策推進計画によれば、本県では二十歳未満のがんの罹患者数は年平均約四十五人に上っています。小児がんは成人のがんとは違って生活習慣とは無関係であり、希少で多種多様ながん種からなります。発見が難しく、がんの増殖も早いのですが、成人のがんに比べ化学療法や放射線療法に対する効果が極めて高いのも特徴です。以前は不治の病とされてきましたが、医療の進歩により、現在では七、八割の子供たちが治るようになってきました。しかし、小児がんの患者と家族は治った後もさまざまな困難に直面します。特に、骨髄移植など造血管細胞移植を受けると、以前に自然感染や予防接種で獲得した免疫が高い確率で消失します。また、化学療法後も抗体が消失したり早期に低下したりすることが指摘されています。小児がん患者にとって治療後の感染症の予防対策は生活上の重要な課題であり、ワクチンの再接種は必須になります。現状、予防接種法により定期予防接種は公費で賄われますが、その再接種は対象外のため任意接種となり全額自己負担しなければなりません。麻疹と風疹の混合ワクチン、B型肝炎ワクチンなど全てのワクチンを再接種すると二十万円ほどかかるとされ、小児がん患者家族会からは高額な自己負担は再接種の大きな障壁との声が上がっております。こうした声を受け接種済みワクチンの再接種費用を助成する自治体がふえてきています。昨年七月に厚生労働省が全国調査したところ、全千七百四十一市区町村のうち再接種に対する何らかの助成事業を行っている自治体は九十、全体の五・二%で、うち二十八自治体では費用の全額を補助していました。また今後何らかの助成事業を実施予定としたのは八十三自治体であり、実施を検討している自治体は二百三十八あるとの結果でした。本県では、今年度から仙台市が助成を始めております。市では年間八人の申請を見込み、当初予算に百五十一万円を計上しました。七月末時点で四人から申し込みがあったとのことでした。全国の都道府県でも市町村の取り組みを後押しする動きが出てきております。大阪府では昨年度から再接種助成に取り組む市町村を補助する制度を創設し、今年度からは府内全市町村で助成がスタートしております。また、長野県では今年度から再接種助成を導入した市町村に対し、経費の半額を補助する制度をスタートさせました。こうした制度は小児がん患者家族の感染症の罹患や重症化を防ぐだけでなく、学校や地域社会における感染症の拡大防止といった観点からも重要であると考えます。本県でも小児がんなどの治療を受けたことで抗体が消失、低下している人に対する予防接種の再接種費用の助成制度を創設し、市町村と連携して早期に県内全域で実施できるようにするべきです。小児がんという重い病気と闘い、長く苦しい治療を乗り越えた子供たちが、感染症を恐れず健やかに安心して暮らせるよう、ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますが、知事の御所見を伺います。 最後に大綱五点目、動物愛護行政について伺います。 ペットブームが続く一方で動物虐待の件数は年々ふえており、警察庁によると検挙件数はこの六年間で約三倍に増加しています。ペットの虐待動画をインターネットに投稿するなど悪質で痛ましい事例も後を絶ちません。動物愛護団体からの強い訴えを受け、ことし六月、動物虐待に対する罰則の強化を柱とした改正動物愛護管理法が成立しました。同法では虐待罪の罰則を強化し、殺傷の場合現行の倍以上となる五年以下の懲役または罰金五百万円以下へと強化、また遺棄についても懲役一年以下または罰金百万円以下と強化しました。これにより罪を犯した人に強く反省を促すだけでなく、動物虐待がいかに重い罪かを一般に周知し、犯罪の抑止につながることも期待できると思います。今回の改正では、ほかにも飼い主情報を記録したマイクロチップの犬猫への装着の義務化や、無謀な多頭飼育などで周辺環境に悪影響を与えている飼い主に対し、都道府県知事による指導や立入検査を実施することができることも盛り込まれました。これら法規制の強化にあわせて、大阪府では動物虐待に関する相談窓口、大阪アニマルポリスを十月に開設することにしています。これは動物虐待が疑われる事案に接したときに、府民が迷わずに速やかに通報できる体制を整備する取り組みで、共通ダイヤルとして#七一二二を開設、「悩んだら・わん・にゃん・にゃん」と覚えてほしいと府ではアピールしています。#七一二二は児童虐待の相談ダイヤル一八九と同じような仕組みで、電話をすると事案発生地の所管行政につながります。相談を受けた行政職員は犯罪だと判断すれば警察と連携、不適切飼養の場合は現地確認や立入調査を実施し指導を行います。一方、同じ関西の兵庫県では二〇一四年に全国に先駆けて動物虐待事案の専用相談電話窓口「アニマルポリス・ホットライン」を警察本部内に設置しています。最初に通報を受け付けるのが行政か警察かで違いはありますが、動物虐待に関する明確な相談窓口を設けて行政と警察が連携して積極的に対処しようという目的は同じであります。私もこれまで動物虐待に関する相談を多く受けてきましたが、どこに相談したらいいのかわからない、動物のことで相談しても真剣に取り合ってもらえないのではないか、といった不安の声をいただいてきました。本県でも大阪や兵庫のような動物虐待に関するワンストップの通報、相談窓口を設けて、動物虐待の早期発見と早期対応、未然防止を図るとともに県民への意識啓発を推進していくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(
相沢光哉君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 遠藤伸幸議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず大綱一点目、
交通事故防止対策についての御質問のうち、未就学児の移動経路を対象とした定期的な安全点検についてのお尋ねにお答えいたします。 ことし五月に滋賀県大津市で発生した保育所の園外活動で歩道を通行中の園児などが死傷した大変痛ましい交通事故については、私も大きな衝撃を受けたところであります。保育所や幼稚園などにおける園外での活動は、子供が身近な自然や地域社会の人々の生活に触れ、豊かな体験を得る貴重な機会であると認識しております。園外活動の実施には、日ごろから移動経路について異常や危険の有無などを十分確認するとともに、必要な安全対策をしっかりと講じていくことが重要であると考えております。今回の国の通知による
緊急安全点検を踏まえて、施設ごとの
交通安全対策がまとめられ、順次実施されることになりますので、今後の安全点検については、交通事情などの状況変化を見ながら検討してまいりたいと思います。 次に大綱二点目、
児童虐待防止対策についての御質問のうち、児童虐待の根絶に向けた決意についてのお尋ねにお答えをいたします。 児童虐待については、全国的に子供の命が奪われる重大な事件が後を絶たず、その防止を図り、子供の安全を確保することは重要かつ喫緊の課題であると認識しております。国では、児童虐待の防止に向けた緊急総合対策や強化プランを決定するとともに、ことし六月には親権者による子供への体罰禁止や
児童相談所の体制強化などを盛り込んだ法改正が行われるなど、児童虐待の防止に向けた取り組みを強化しております。子供の命を守ることは行政に課せられた重要な使命であります。県といたしましても、子供の安全確保を最優先に、改正法に基づいた
児童相談所の体制強化などを進めるとともに、引き続き警察、市町村などと一丸となって、子育て支援、家庭支援の側面からも、早い段階からの家庭に寄り添った支援に一層力を入れるなど、児童虐待の防止対策に取り組んでまいります。 次に大綱三点目、大人のひきこもり問題についての御質問のうち、当事者が参加する協議会の立ち上げについてのお尋ねにお答えいたします。 ひきこもり支援の検討に当たっては、当事者や家族などのニーズを適切に把握することが重要であると認識しております。県ひきこもり地域支援センターではこれまで石巻圏域及び大崎圏域において、関係機関、支援団体とともにネットワーク会議を開催し、課題の共有や連携を図ってまいりました。今後はより身近な地域で具体的な課題や必要な取り組みを検討するため、これまでの会議を各圏域に拡充していくことを考えておりますが、その構成員としてひきこもり経験者や家族などの当事者の参加を検討してまいります。 次に大綱四点目、小児がん患者への支援についての御質問にお答えいたします。 小児がんを克服した子供たちが健やかに安心して暮らせるように、環境を整えることは非常に重要なことと認識しております。また治療により抗体が消失、低下した子供に対する予防接種の再接種費用は高額になることが多く、御家族の皆様が大変な思いをされていることは承知しております。現在国の審議会でも再接種費用が自己負担となることについて指摘されており、他方、仙台市を含め自治体独自で助成制度を設けた事例も見られます。県といたしましてもこうした状況を踏まえ、助成制度のあり方について、定期予防接種の実施主体である市町村と協議をしてまいりたいと考えております。 次に大綱五点目、動物愛護行政についての御質問にお答えいたします。 現在県では県民からの動物に関する苦情や相談は保健所などで受け付け、事実確認や飼い主への指導を実施し、虐待が疑われる事案については警察と連携して対応しております。また、警察においても、警察相談電話などにより動物虐待に関する相談に対応していると伺っております。県としては引き続き警察や獣医師会、市町村などと緊密に連携し、各種イベントにおけるチラシ配布や啓発ポスターの掲示などを通じ、動物虐待防止を含めた適正飼養の普及啓発に取り組んでまいります。 動物虐待に関するワンストップの通報、相談窓口については、今後の相談件数の推移なども見ながら設置の必要性について検討してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 総務部長江口哲郎君。 〔総務部長 江口哲郎君登壇〕
◎総務部長(江口哲郎君) 大綱三点目、大人のひきこもり問題についての御質問のうち、就職氷河期世代を対象とした正規職員の採用についてのお尋ねにお答えいたします。 いわゆる就職氷河期世代を対象とした正規職員の採用につきましては、例えば御指摘ありました兵庫県宝塚市では、三十六歳から四十五歳までの高卒以上の者を対象に、職務経験を不問とした事務職の試験をことしから開始していると伺っております。我が県におきましては復旧・復興に最大限取り組むため、任期つきの事務職採用ではありますが、学歴や職務経験のほか年齢も不問とした試験をこれまで四回実施し延べ約三百人を採用しており、就職氷河期世代の就職という点でも一定の効果があったものと認識しております。宝塚市のような高年齢で職務経験を問わない新たな試験の導入につきましては、全体の採用計画や採用後の人材育成及び人事管理の点で新規学卒者とのバランスを図っていく必要があるなど、さまざまな課題があるものと考えておりますので、まずは導入自治体での成果や国、他の自治体における動向について情報収集し、研究してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 震災復興・企画部長後藤康宏君。 〔震災復興・企画部長 後藤康宏君登壇〕
◎震災復興・企画部長(後藤康宏君) 大綱一点目、
交通事故防止対策についての御質問のうち、急
発進防止装置等の補助制度の創設についてのお尋ねにお答えいたします。 県では東京都がことしの七月末から開始した急発進防止装置の購入補助制度の内容や補助申請の動向等について状況把握に努めてきたところであり、あわせて、国が検討を進めている急発進防止装置の性能認定や高齢者限定免許について情報収集に努めているところであります。国においては急発進防止装置の性能認定に関する装置や要件の概要を年度内に決定するとともに、試験法や評価水準等の詳細についても検討を進め、来年度からの実施に向けた作業が本格化しているものと認識しております。県といたしましては東京都や他自治体の補助制度の状況や国の性能認定に関する検討状況、県としての支援のあり方等について引き続き検討してまいります。 次に、タクシーの相乗り制度や定額運賃の導入等についての御質問にお答えいたします。 相乗りタクシーについては、目的地が近い利用者同士を配車アプリによりマッチングし複数の利用者を同乗させるものであり、これまでの国の実証実験を踏まえ、ことし六月に閣議決定された成長戦略実行計画に導入の方向性が示されたところであります。また、
定額タクシー運賃については、利用区域や回数など一定の条件のもと定額で乗り放題となるものであり、昨年度、国が全国七地域で実証実験を行い、現在、実現可能性を検討していると伺っております。このようなタクシーのさまざまな活用等により、運転免許を返納した高齢者の足の確保など、地域の実情に応じた移動ニーズにも対応できる可能性があるものと考えております。県といたしましては地域交通の充実の観点での行政の関与のあり方も勘案しながら、国の検討状況等について引き続き情報収集に努めてまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、
児童虐待防止対策についての御質問のうち、児童福祉司の前倒しでの増員についてのお尋ねにお答えいたします。 県では国による
児童相談所の職員配置基準に基づき、令和四年度までに児童福祉司を現在の三十二名から四十八名に増員することとしております。児童福祉司の増員に当たっては、専門職の採用や任用資格の取得に向けた研修を計画的に行う必要があり、一定の期間を要するものと考えておりますが、可能な限り早期に配置できるよう努めてまいります。 次に、乳幼児健診未受診児等への対応についての御質問にお答えいたします。 乳幼児健康診査等の母子保健施策は市町村が広く妊産婦や乳幼児と接する機会となっており、悩みを抱える家庭を早期に把握し相談支援につなげることはもとより、児童虐待の予防や早期発見という観点からも未受診等の子供の把握と状況の確認は大変重要であると認識しております。県内の市町村においても未受診児等への対応に取り組んでいるところですが、県においても御指摘のありました他県の取り組みも参考にしながら、今後の支援のあり方について検討してまいります。 次に、一時保護所の改善に向けた今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。 一時保護所については、児童虐待等の理由により一時的に保護した子供に対し安全で安心できる生活の場を確保するとともに、一人一人の子供の状況に応じた丁寧な対応を行う体制を整えることが重要であると考えております。そのため、入所直後の場合や他の子供と同じ部屋での処遇が難しい場合などには個室での対応を行っているほか、民間施設への一時保護委託も活用するなど個々の状況に応じた生活環境の確保に努めているところであります。また学習指導については、一時保護所に教員免許を持った学習指導協力員を配置するなどの対応を行っております。今後も一時保護を要する子供を適切な関係において保護できるよう、必要な改善に努めてまいります。 次に、虐待を受けた子供への心のケア体制の充実についての御質問にお答えいたします。 児童虐待は身体的障害のみならず、精神面や発育面、対人関係の障害など子供の心身に深刻な影響をもたらすものであり、虐待を受けた子供への適切なケア体制を整えることが重要であると認識しております。虐待により心に深い傷を負った子供の心のケアに関しては、
児童相談所の児童精神科医の診断や助言のもと児童心理士や児童福祉司などが連携しながら対応しているところです。今後とも改正法に基づく児童心理司の増員や研修等を通じた職員の専門性の強化などにより、体制の一層の充実に努めてまいります。 次に、大綱三点目、大人のひきこもり問題についての御質問のうち、中高年を対象とした居場所づくりへの支援についてのお尋ねにお答えいたします。 ひきこもり状態にある方が自信を回復し、精神的、社会的に自立していく過程において、自宅以外で安心して過ごし、家族以外の人たちと交流するなどの経験を積むことができる居場所は非常に重要であります。県としましては、本人の状態や希望に沿いながら、就労準備等を含めたさまざまな経験を積むことができる居場所づくりを市町村や民間団体等とともに検討してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君)
経済商工観光部長鈴木秀人君。 〔
経済商工観光部長 鈴木秀人君登壇〕
◎
経済商工観光部長(鈴木秀人君) 大綱三点目、大人のひきこもり問題についての御質問のうち、就職氷河期世代の支援策の周知についてのお尋ねにお答えいたします。 いわゆる就職氷河期世代は雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、現在も不本意な非正規雇用、長期無業などさまざまな課題に直面している方がおります。国では今般、就職氷河期世代活躍支援プログラムに基づき、来年度からこうした方々の社会参加を三年間集中的に支援し、対象者の実態やニーズを明らかにするとともに、必要な方に支援が届く体制の構築を目指すとしております。そのための官民協働スキームとして、各都道府県等を単位とするプラットホームを形成、活用することとされており、我が県では宮城労働局が中心となった体制整備が図られる予定です。県では平成十六年にみやぎジョブカフェを設置し、これまでも就職氷河期世代を含む求職者に対する支援を行ってまいりましたが、今後は更にこのプラットホームを通じて国の支援策が広く行き渡るよう県民や地元企業に積極的に周知してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 土木部長門脇雅之君。 〔土木部長 門脇雅之君登壇〕
◎土木部長(門脇雅之君) 大綱一点目、
交通事故防止対策についての御質問のうち、安全点検の結果を踏まえた対策を早急に行うべきとのお尋ねにお答えいたします。 未就学児の交通安全の確保については、国の通知に基づき、施設管理者、交通管理者、
道路管理者等が合同で今月末までに安全点検を実施し、施設管理者の意向を踏まえながら、十一月中旬までに市町村が中心となって対策案を取りまとめることとしております。具体的な対策としては、ドライバーへの注意喚起を図るための路面表示や、安全な歩行空間の確保に向けた防護柵や歩道の設置などが想定されることから、県といたしましては必要な予算の確保を国へ強く要望するとともに、点検の結果を踏まえ市町村などの関係機関と連携を図りながら、効果的かつ計画的な対策を講じてまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 警察本部長松岡亮介君。 〔警察本部長 松岡亮介君登壇〕
◎警察本部長(松岡亮介君) 大綱一点目、
交通事故防止対策についての御質問のうち、安全点検の結果を踏まえた対策を早急に行うべきとのお尋ねにお答えいたします。
緊急安全点検については、現在各警察署ごとに合同点検の依頼を受けて行っているところであり、その結果はことし十月中に概要を集約し対象施設及び所管機関や
道路管理者等において必要な対策を具体化することとされております。県警察といたしましては
緊急安全点検の結果、幼稚園等の対象施設側から提出された要望を可能な限り早期に実現するため、
道路管理者等と連携しゾーン30の設定、
交通安全施設の整備充実等着手可能な事業から道路環境の整備を進めることとしております。今後とも真に必要な安全対策が円滑に行われるよう努めてまいります。 次に、生活道路における
スピード違反取り締まりの適切な実施と、可
搬式速度違反自動取締装置の更なる導入についての御質問にお答えいたします。 御指摘のとおり、地域の交通安全のためには
交通安全施設等の整備のみならず、交通規制の内容を担保する交通指導取り締まりを強化することも極めて重要であります。県警察ではこれまで昨年度導入した可
搬式速度違反自動取締装置を見せる速度取り締まりとして運用し、生活道路内の速度抑制に努めてまいりました。今後とも、生活道路内における事故抑止のため積極的に運用してまいります。一方、生活道路での歩行者の安全確保には交差点関連違反等の取り締まりも大きな効果が期待できるため、これら違反や生活道路を抜け道に使う車両等に対する指導取り締まりを強化し、引き続き生活道路内の安全確保に努めてまいります。なお、可
搬式速度違反自動取締装置の複数配備につきましては、今後必要に応じて検討してまいります。 次に、大綱二点目、
児童虐待防止対策についての御質問のうち、仙台市
児童相談所への現役警察官の配置についてのお尋ねにお答えいたします。 児童虐待事案への対策は重要かつ喫緊の課題であり、児童の死亡等事態が深刻化する前に児童を救出及び保護するためには、
児童相談所との連携強化が大変重要であると認識しております。県警察では県の三
児童相談所へ警察官を派遣したことで情報共有がより円滑に行われ、児童虐待事案に迅速かつ的確に対応できるなど派遣の効果が十分に発揮されつつあります。御指摘のありました仙台市に対する現役警察官の派遣につきましては、県への警察官派遣の効果等を踏まえ、仙台市の意向を考慮し適切に対応してまいります。 以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 五番遠藤伸幸君。
◆五番(遠藤伸幸君) 御答弁ありがとうございました。小児がん対策についてなんですが、仙台市でも助成が今年度から始まっているということで、ぜひ県内全域で実施していただきたいということで大変前向きな答弁を期待したわけですが、前向きなのかどうかちょっと曖昧だったような気がするんですけれども、もう一度知事から、ぜひ来年度から実施していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○議長(
相沢光哉君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) では前向きに答弁いたします。ぜひ対象者もそんなたくさんの人数ではないので前向きに検討するようにという指示は出しましたが、ただ十分の十を全部県というのも今までの慣例上あり得ませんので、やはり市町村にも応分の負担を求めるべきだろうと考えてございまして、仙台市は独自でやっておられますので、仙台市以外の自治体にこれをやりたいと思うがどうだろうかということを聞いた上で、他の自治体がぜひ一緒にやりましょうということであれば来年度からでもやりたいというふうに思ってございます。状況によってはもう少し延びるかもしれませんが前向きに考えたいと思います。確かに白血病を克服した後、また新たにワクチン等打たなければいけないというときに、非常に高額になってしまうとそれでためらってしまって、また別の病気になってしまうということがあるかもしれませんので、子供の命を守るという観点から、ぜひ前向きに考えたいというふうに思います。
○議長(
相沢光哉君) 五番遠藤伸幸君
◆五番(遠藤伸幸君) 大変前向きな答弁をいただきましてありがとうございました。私も石巻の小児がん患者の家族の会の方からお話をお聞きしまして、大変宮城県の村井知事は骨髄移植のドナーの支援ですとか、大変前向きに取り組んでいただいて非常に期待をしておりました。今の答弁聞いて大変喜ばれるというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 続きまして児童虐待の防止対策についてですが、平成二十九年度児童虐待の相談件数は県全体で千四百二十四件、そのうち県の所管は七百二十七件、仙台市所管は六百九十七件でほぼ匹敵する数となっているということでございます。仙台市の
児童相談所の警察OBは大活躍しているということではございますけれども、やはりそういった意味では現役の警察官の派遣がほかの相談所には派遣されていることも考えますと、やっぱり現役の警察官の早期の派遣が必要だというふうに考えるわけですけれども、もう一度答弁いただければというふうに思います。
○議長(
相沢光哉君) 警察本部長松岡亮介君。
◎警察本部長(松岡亮介君) 御指摘いただきましたとおり、児童虐待事案の相当分も仙台市のほうで取り扱っているということでありまして、現在も仙台市の担当の部局と当県警の部局とで現役警察官の派遣も含めまして、さまざまな連携のあり方について協議中でございます。いずれにしましても児童虐待を一件でも減らすように、また貴重な命が一人でも救われるように関係当局とも緊密に連携しながら対応してまいりたいと考えております。
○議長(
相沢光哉君) 五番遠藤伸幸君。
◆五番(遠藤伸幸君) よろしくお願いします。深刻な事案がやはり仙台市において起こっているということを踏まえて、早期に対応をお願いしたいというふうに思います。 それから
交通事故防止対策についてでございます。
安全運転支援装置の購入助成については六月定例会と全く同じ答弁だったわけでございますけれども、これ課題はどこなのかというのは知事はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
○議長(
相沢光哉君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 現在東京で取り組みが始まりまして、その効果はどういうふうにあるのかということをまず検証したいというふうに思ってございます。いろいろお話を関係者から聞くんですけれども、非常に費用をかけている割には効果がないという方もおられますし、逆に効果があるという方もおられるんですね。まず東京都の取り組みをよく見た上で判断したいなというふうに思ってございます。宮城県はどうしても車がないと生活できないような地域がございまして、高齢者のドライバーが不幸にして事故を起こすといったようなことのないようによく考えたいと思いますが、当然限られた財源の中で考えなければいけませんので、費用対効果を考えながらよく検討してまいりたいというふうに思います。
○議長(
相沢光哉君) 六番村上久仁君。 〔六番 村上久仁君登壇〕
◆六番(村上久仁君) 六番、自由民主党・県民会議の村上久仁です。ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 初めに、八月末九州北部を襲った令和元年八月の前線に伴う大雨、そして台風十五号で被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興が進み、平穏な日々に戻りますことをお祈り申し上げます。 今回お伺いするのは大綱三点であります。一点目は豪雨災害とダムの防災機能について、二点目が貧困問題と子ども食堂についてであります。そして大綱三点目、運転免許自主返納と生活環境の整備についてお尋ねします。宮城県民の皆様が安心して暮らせる前向きな御回答を期待し、質問を始めさせていただきます。 それでは大綱一点目、豪雨災害とダムの防災機能についてお尋ねいたします。 近年、地球温暖化によるものなのか台風の大型化による台風被害、寒冷前線通過に伴う大雨被害、そして近ごろよく耳にする線状降水帯による集中豪雨被害などが頻繁に発生し、とうとい生命や財産を奪うという災害が全国各地で起こっています。特に局地的な集中豪雨などの原因となっていると見られ、気象庁によるレーダー観測の分析では一九九五年から二〇〇六年に発生した台風以外の豪雨二百六十一件のうち、約六割に当たる百六十八件が線状降水帯に起因しているものとのことであります。そしてこの線状降水帯は日本全国で発生するものの、発生メカニズムが解明しきれていないとのことであります。しかし現在発生しやすい四つの条件として、雲のもととなる温かく湿った空気の流入、その空気が山や冷たい前線とぶつかるなどして上昇、積乱雲を生みやすい不安定な大気状況、そして積乱雲を流しては生む一定方向の風が挙げられています。さて、宮城県の水害を見ますと、県のホームページにみやぎ水害記録集というページがあります。水害の記録として、昭和二十二年九月のカスリン台風による洪水被害から平成二十七年九月に発生した関東・東北豪雨まで十件の水害が掲載されています。平成の三十年間に六件の水害が記録され、宮城県のほぼ全域で発生していることがわかります。今後更に発生頻度は高まり、被害も甚大化することが予想されますが、県としてどのような危機意識をお持ちなのかお伺いいたします。 みやぎ水害記録集にも掲載されておりますが、私にとって忘れられないのが平成六年九月二十二日に発生した洪水被害であります。平成六年九月二十二日から二十三日にかけて、三陸沖に張り出したオホーツク海高気圧から吹き出した湿った冷たい東風の影響と、上空約五千メートルに冷たい寒気を伴った日本海の寒冷低気圧の影響で大気の状態が非常に不安定となり、断続的に雷を伴う激しい雨が降り続けました。九月二十二日午前十時ごろから降り始めた雨は二十三日まで降り続き、仙台市、多賀城市、塩竈市、岩沼市、そして我が町名取市を中心に大雨となりました。これら仙台都市圏の東部低平地を襲った集中豪雨は増田川、五間堀川、川内沢川における越水や破堤により、名取、岩沼両市を中心に、河川及び道路、住宅浸水、農作物被害など総額二百四十六億円に及び、昭和六十一年八月五日の台風十号以来の大規模な水害で、甚大な被害をもたらしました。降雨量は仙台空港で総雨量五百十五ミリに達し、増田川上流の樽水ダムにおいても、百八十年に一度というダム計画を超える総雨量四百七十七ミリを記録したため、ダムが本来持つ洪水調整機能を失い、下流域の災害を増大させる結果となりました。私の住む名取市大手町も下流域にあり、道路は冠水、住宅は床下浸水はよいほうで多くの住宅が床上浸水しました。中には昭和六十一年の台風十号で浸水し、平成六年にも浸水したという方もいらっしゃいました。 ここで問題になるのがダムの洪水調整機能でありますが、平成十八年十月の洪水被害のときには、宮城県土木部で所管しております十二ダムのうち、樽水ダムを含む五つのダムにおいて洪水調整を実施し、下流の河川に流れる水量を少なくして、河川の水位の低下を図りました。樽水ダムでは八万四千トンの水を調節し下流地点である増田で二十五センチメートルの水位を低下、花山ダムでは実に二百四万九千トン調節し若柳で七十六センチメートルの水位低下を行いました。昨年の西日本豪雨は記憶に新しい豪雨災害ですが、昨年八月、自由民主党・県民会議の有志四名で広島県三原市へ浸水被害、ボランティアの受け入れ体制等の調査を行うとともに、三名が実際にボランティアの方々と一緒に汗を流してまいりました。この豪雨災害で五名の犠牲者を出した愛媛県西予市では、ダムからの放流によって河川が急激に氾濫したことが被害の拡大につながった可能性が指摘されているとのことであります。洪水調整機能の更なる強化を図るには、洪水の発生が予測された場合に事前放流を的確に行うとともに、放流後に貯水量が回復しなかった場合の渇水被害リスクの最小化を図るため予測精度の向上が重要でありますが、宮城県としてどのような施策を講じているのか伺います。 また、将来的に気象予測等に基づくダム操作を行うとした場合において、予測と異なる結果となった場合に被害リスクを受容する社会環境、被害リスクの高さや復旧の困難さを考慮した地域づくりや、地域におけるリスク配分の考え方についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 次に、ダムに関する情報はダムが流況をコントロールしていることから一般の自然災害とは異なるという観点から、より直接的に住民に伝達する手法も含め、ダムに関する効果的な情報伝達手法についてどのようなお考えなのか、お伺いいたします。 また国土交通省が管轄しているダムのうち、下流の河川整備が終わっていないために放流量に制約があるダムが全国に十七カ所あり、その中に鳴子ダムと釜房ダムが入っています。西日本豪雨などの災害を受けて、国は重要インフラの緊急点検を実施し、国土交通省と独立行政法人水資源機構が所管するダムについて、放流量に制約があるダムなどを改善する対策が始まっています。また、堆砂による浸水のおそれがあるダムも少なくとも全国に三十五カ所あることが明らかになりました。国土交通省はダムの定期検査について、その状態や危険性を調査、それぞれのダムに対して総合判断を下しています。そこでお伺いいたします。現在、宮城県で管理しておりますダムについて、国土交通省が行いましたダムの定期検査的なことは行われているのでしょうか。行われている場合、さきに述べたような放流量に制約があるダム及び堆砂による浸水のおそれがあるダム等が存在するのか、お伺いいたします。 また、その対策としてどのような施策をおとりになっているのかもお知らせください。 現在、宮城県で唯一建設、調査が行われております川内沢ダムについてお伺いいたします。 川内沢ダムは平成二十九年一月に宮城県行政評価委員会公共事業評価部会より、事業継続との答申を受け、同年五月に川内沢ダム建設事業全体計画書を国に申請し、六月二十九日付で許可されたものです。川内沢川は名取市街地、仙台空港の臨空工業団地を流下し、南貞山運河を経由して増田川に合流する流域面積一七・三平方キロメートル、流路延長一一・九キロメートルの一級河川です。一級河川とはとても思えないような小さな河川でありますが、河道が狭隘なため古くよりたびたび洪水被害を受けており、昭和四十二年より国営名取川水利事業として治水安全度の向上が図られてきました。しかし、昭和六十一年八月の台風十号や平成六年九月の集中豪雨では仙台空港や臨空工業団地、住宅等に甚大な被害をもたらしました。そのため、ダムによる洪水調節で地域を洪水から防御するとともに、既得取水の安定的供給及び河川環境の保全を図るため治水ダムとして建設することになったのが川内沢ダムです。現在、名取市愛島地区で用地交渉や取りつけ道路の工事が進められています。ダム建設に当たり十三世帯の方々が移転、そして先祖代々引き継いだ田畑や森林を手放す多くの地権者の方々がおりますが、用地交渉に当たっております仙台地方ダム総合事務所職員の方々の丁寧な説明、親身になった対応など御労苦も多いことと存じますが、現在の進捗状況についてお尋ねいたします。 また、あわせて事業スケジュール全体に変更が生じないのか、お伺いいたします。 大綱二点目、貧困問題と子ども食堂についてお伺いいたします。 この問題につきましては昨年の九月にも取り上げさせていただきましたが、本年法改正があったことから改めてお聞きいたします。 平成が終わり、新たな時代令和が幕をあけ、日本でも人工知能や宇宙開発など、一昔前までは考えられなかった技術が多額の予算と人を投じて発展しています。しかしその一方で貧困に悩む子供たちの多さが問題になっているのも現実です。昨年の一般質問時に、宮城県では平成二十八年三月に宮城県子どもの貧困対策計画を策定し、学習支援事業や子ども食堂支援事業、フードバンク支援事業などの新たな取り組みを、知事を本部長とする次世代育成支援・少子化対策推進本部を設置して、部局横断的に行っております、との答弁をいただきました。その成果についてどのような所見をお持ちなのか、お伺いいたします。 本年六月、子どもの貧困対策推進法が改正されました。改正のポイントとしては、一つ、ひとり親世帯の貧困率と生活保護世帯の子供の大学進学率を大綱に明記。二つ、大綱には貧困の状況にある子供と保護者の意見を反映させる。三つ、貧困状態にある保護者の所得を増大させる。四つ、貧困対策では子供の意見を尊重。五つ、貧困対策は背景にさまざまな社会的要因があることを踏まえる。六つ、貧困対策に関する計画の策定の努力義務を市町村にも課すといったものでした。貧困対策では子供の意見を尊重する旨の改正が行われておりますが、宮城県ではどのように子供の意見を反映させていくおつもりなのかお伺いいたします。 また、今まで各都道府県に努力義務として課せられていた貧困対策に関する計画の策定が、各市町村にも課せられることになりました。宮城県内の各市町村とどのような連携をとり、この貧困問題に取り組んでいくのかお伺いいたします。 次に、子ども食堂についてお伺いいたします。 昨年、この問題を取り上げたとき全国には約二千カ所の子ども食堂が開設されていたと記憶しております。あれから一年の間に今は全国に三千七百カ所の子ども食堂が存在していると言われています。新たに千七百カ所の子ども食堂が新設されたことになりますが、実際には運転資金の確保の困難、ボランティアの方々の確保困難、開設場所の確保困難などの理由から閉店した子ども食堂も数多くあるとお聞きしております。八月十七日土曜日の河北新報朝刊、十八面全面を使った子どものたより場応援プロジェクトの広告が載りました。主催者は河北新報社、公益財団法人地域創生基金さなぶり、そして宮城県でした。子ども食堂だけに限らず、子供の居場所づくりにも積極的に取り組まれており、さすが宮城の県政も伊達じゃないとうれしくもほっとする朝を迎えました。せんだいこども食堂の集計によれば、本年七月現在で仙台市を中心に県内には八十四カ所の子ども食堂が開設されております。私の住む名取市内でも三カ所の子ども食堂が開設されています。その中の一カ所にボランティア登録をして、専ら裏方で書類の作成や食材確保などのお手伝いをさせていただいています。また、時間のあるときはおいしい食事をいただきに伺うこともあります。子ども食堂は当初貧困の子供たちにおいしい食事を提供しようということから始まったと言われています。今は貧困状態の子供たちはもとより、孤食を余儀なくされている子供たちや高齢者の方々、居場所を求める子供たちなど経済状況や家庭環境にとらわれず、地域の方々が子供も大人も一緒になってその時間を共有するような場になっている子ども食堂も多く存在しています。私は、多くの方々が訪れ、食事をし、いっときでも楽しんでいただければそれでよいと考えておりますが、宮城県として子ども食堂にどのような概念をお持ちなのか、お尋ねいたします。 子ども食堂と言っても食事を提供する以上、特に衛生面には十分配慮しなくてはなりません。年間を通じて食中毒が発生しておりますし、食事の主な提供者は子供や高齢者ですので一度発生すれば重大な事故につながる可能性があります。子ども食堂を運営している各団体、個人は衛生面に特に注意しておられると思いますが、宮城県がお考えになっている子ども食堂と保健所のかかわりをどのようにするのか、子ども食堂と営業許可という問題が発生します。ある保健所から、子ども食堂の目的が居場所づくりなら食事の提供も町内会が行う芋煮会と同じであるが、食事の提供が目的ならば営業許可の申請が必要との指摘が出されました。非営利で、全てボランティアで行われている子ども食堂に営業許可が必要ということに疑問を禁じ得ません。インターネットで検索してみても営業許可の必要性については賛否両論あり、ある意味グレーゾーンになっている部分であります。白黒をつけることが必ずしもよいとは思いません。全国に広がっている善意の活動が今後どのようになるのか、その影響が余りにも大きいことが予想されるからであります。子ども食堂と営業許可についての宮城県の見解はあえていただきませんが、一部の保健所でこういった指摘を子ども食堂に行ったことを御認識ください。そして将来的に子ども食堂と保健所を初めとする関係機関とのかかわり方に御討議いただければ幸いであります。貧困にあえぐ子供たち、孤食を余儀なくされている子供たち、地域から孤立してしまった高齢者の方々を、地域の善意で癒やしの場を提供している子ども食堂運営者が条例や規則などにより継続できなくなるようなことのないよう、切に望みます。 大綱三点目、運転免許自主返納と生活環境の整備についてお尋ねいたします。 あおり運転や高速道路の逆走など新聞紙上やテレビで報道される機会が最近とみに多くなりましたが、
高齢運転者による痛ましい死亡事故も記憶に新しいと思います。四月十九日お昼に発生した東池袋自動車暴走事故では、八十七歳になる男性運転者が赤信号を二回無視し、ブレーキのかけた形跡もなく、時速百キロメートルで暴走。亡くなった親子二名を含む十二名の方々が死傷しました。また、六月十三日兵庫県西宮市内で六十九歳になる女性ドライバーが運転する自動車が、歩道を歩いていた十七名の園児の列に突っ込み、園児二名が病院に搬送されました。今月に入っても、十四日に名古屋市内の駅ロータリーで七十五歳になるタクシー運転手が通行人をはね、バックして救助していた人もはね、七人に重軽傷を負わせました。また昨日十七日は、新潟市内で百歳になる運転者が歩行者をはね、気がついたら歩道に乗り上げていたという事故が発生しました。警察庁が二〇一九年上半期に発生した交通死亡事故を分析したところ、七十五歳以上のドライバーによる事故の三四%がハンドルやブレーキの操作ミスであることが判明したそうであります。この割合は七十五歳未満の三倍で、加齢による認知機能や運転技術の衰えが背景にあると見られるそうであります。
高齢ドライバーによる死亡事故は全体の一四%を占め、高い水準が続いているそうであります。
高齢ドライバーによる事故の多発を受け、政府は六月に決めた緊急対策に操作ミスを防ぐ機能を持つ自動車に限って運転を認める高齢者向け限定免許の創設を盛り込みました。操作ミスを防ぐ機能を持つ自動車とは、
自動ブレーキを搭載したセーフティー・サポートカー、通称サポカーと
自動ブレーキに加えペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載したセーフティー・サポートカーS、通称サポカーSがあります。香川県や石川県、そして一部の市町村では、条件つきではありますが高齢者の方がサポカーを購入するとき助成金を出しています。また、東京都では七月末からペダルの踏み間違いによる急発進を防止する装置の購入にかかる費用の九割を補助する制度を始めました。宮城県では
高齢ドライバーの運転操作ミスによる交通事故についてどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。 またあわせて、サポカー購入時の助成金や急発進防止装置の設置費補助等についてどうお考えなのか、お伺いいたします。
高齢ドライバーによる事故の多発を受け、近年、
高齢運転者の運転免許自主返納が行われるようになりましたが、宮城県の現状をお知らせください。 また、運転免許自主返納を行った際に、運転経歴証明書の交付申請が行われるケースもあると思いますが、どのくらい交付手数料千百円を支払って行われているのかもお伺いいたします。
高齢ドライバーの中には、運転免許自主返納を考えていても日常生活、買い物に行くときや通院時の移動手段を思えば二の足を踏んでいる方も大勢いられると伺っています。各都道府県や市町村では運転免許自主返納者支援事業を独自に展開しておりますが、都道府県の場合は支援協賛店を募集し、一覧表をホームページに掲載しているところがほとんどであるのに対し、市町村ではタクシー券を配布したり、乗り合いバスの割引などを行うなど、もっと踏み込んだ支援を行っている自治体もあります。しかし、いずれも自分で運転していたころに比べ日常生活に不便さを感じる、またはそこでの生活が困難になると考えるから、地方では自主返納が進まないのではないかと考えています。
高齢運転者の運転免許自主返納を促すためには買い物難民、通院難民等の交通難民に対しどのような施策を行うかにかかっていると考えます。宮城県内の各市町村でも、地域住民のために乗り合いバスを運行したり、デマンドタクシーを採用したりしています。しかしながら、一自治体で行える事業も限られているのが現状です。宮城県としてこうした買い物難民、通院難民対策としてどのような支援を行っていくのかお伺いし、壇上からの質問といたします。 御清聴ありがとうございました。
○議長(
相沢光哉君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 村上久仁議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず大綱一点目、豪雨災害とダムの防災機能についての御質問にお答えいたします。 初めに、水害に対する県の危機意識についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、地球温暖化に伴う気候変動の影響により大雨の発生頻度や降水量が今後更に増加し、被害が甚大化することが予測されております。我が県においても平成二十七年、関東・東北豪雨において甚大な被害が発生したことから、水害常襲河川の解消に向けたハード整備を推進するとともに、河川が本来有する流下能力を確保するための河道掘削や支障木伐採に加え、円滑な避難につながるソフト対策の充実に取り組んでいるところであります。更に昨年七月の西日本豪雨等を契機とした、国の防災・減災、国土強靭化のための三カ年緊急対策の予算なども積極的に活用し、治水対策の加速化を図っているところであります。県といたしましては施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、大規模水害における人的被害ゼロを目指し、ハード・ソフトが一体となった洪水対策を積極的に推進してまいります。 次に、県管理ダムにおける定期検査の実施状況等についての御質問にお答えいたします。 県が管理する十七のダムでは、河川法に基づきダム施設や貯水池の状態などについて定期検査を実施しているほか、昨年の西日本豪雨などを受け、全国で行われた重要インフラの緊急点検も実施したところであります。その結果、ダム湖内の堆砂により上流河川で洪水を発生させるおそれのあるダムに該当するダムはございませんでしたが、放流量に制約があるダムに花山ダムが該当いたしました。花山ダムでは迫川の栗原市築館左足地区において流下能力が不足していることから、放流量を制限し運用しているところでありますが、県としては放流制限の解消に向け迫川・若柳地区の狭窄部の掘削工事完了後、引き続き左足地区を含む築館工区の河川改修工事に着手してまいりたいと考えております。広げてまいりたいと思います。 次に、川内沢ダム建設事業の進捗状況及び事業スケジュールについての御質問にお答えいたします。 川内沢ダムは、川内沢川沿川の洪水被害の軽減、既得取水の安定化及び河川環境の保全を目的とし、平成二十六年度から事業を進めております。平成二十九年六月に川内沢ダム建設事業全体計画が国に認可され、昨年十月から事業に必要な用地買収に着手しており、今年度は引き続き用地買収を進めるとともに、ダム建設に伴いつけかえが必要となる名取市道の改築工事に着手することとしております。県といたしましては今後ダム本体の工事着手に向けた手続を進め、令和七年度のダム事業完成を目標に着実に事業を推進してまいります。 次に大綱二点目、貧困問題と子ども食堂についての御質問にお答えいたします。 初めに、子供の貧困対策における部局横断的取り組みの成果についてのお尋ねにお答えをいたします。 県の子どもの貧困対策計画では、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援、東日本大震災被災児童等への支援の五つの柱立てで施策を推進することとしております。昨年度の具体的な実績ですが、学習支援事業については十カ所で小・中・高校生合わせて百四十一名が利用しております。また、子ども食堂については、開設希望者向けの立ち上げ講座とフォローアップ講座を県内四会場で開催しており、フードバンク支援事業については、四つの団体に対して運営費補助を行いました。更に教育委員会では就学援助に加え、放課後子ども教室や教育相談など家庭環境に応じた支援を行ったところであります。今年度計画の改定を行う予定としており、引き続き全庁挙げて、また市町村との連携を一層密にし、子供の貧困対策を充実強化してまいります。 次に、子ども食堂の概念についての御質問にお答えいたします。 子ども食堂は経済的理由などにより食事を十分にとれない子供に無償または低額で食事を提供する場として開設されたのが始まりと認識しております。現在は保護者と食事をとることのできない子供の孤食の解消、子供たちがありのままの姿で過ごす居場所づくり、子供を中心とした保護者や地域住民の交流の場づくりなど子供の貧困対策に限らず、さまざまな目的で開催され多くの方から評価されているところであります。また子ども食堂の中には貧困、孤立など困難を抱える人を早期に把握し、関係機関の支援につないでいるところもあります。県では子ども食堂の役割の重要性に鑑み、立ち上げ講座などを通じて支援してまいりましたが、今年度はそれに加えて実態調査やシンポジウム開催、ウェブ構築を行い運営団体のネットワーク化を進めてまいります。子ども食堂は運営団体の考え方によりさまざまな目的や形態で開催されていることから、その多様性と主体性を尊重しながら、今後も一層の普及に努めてまいります。 次に大綱三点目、運転免許自主返納と生活環境の整備についての御質問のうち、買い物や通院時の交通難民に対する支援についてのお尋ねにお答えいたします。 運転免許を持たない方々の買い物や通院の際には、路線バスや市町村が運行する住民バスが重要な移動手段になることから、県ではこれまで運行経費等に対する助成を行うとともに、市町村の担当職員向けにニーズ把握や効果的、効率的な運行に関して研修会を開催するなど人材育成にも努めてきたところであります。また、商業空白地域等における買い物機能の強化等を図るため、昨年度、買い物機能強化支援事業を創設し、移動販売車の購入や新規の商店出店等にも支援をしております。県としては今後も自主的な免許返納が円滑に進むよう、県警察や市町村、関係機関等と連携しながら、地域の足の確保等に向けた支援に努めてまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 震災復興・企画部長後藤康宏君。 〔震災復興・企画部長 後藤康宏君登壇〕
◎震災復興・企画部長(後藤康宏君) 大綱三点目、運転免許自主返納と生活環境の整備についての御質問のうち、
高齢ドライバーの交通事故に関する取り組みや、セーフティー・サポートカー購入時の助成等についてのお尋ねにお答えいたします。 県では県警察や関係機関等と連携し、
高齢ドライバー向け交通安全教室の開催や、交通安全運動を展開することにより、
高齢ドライバーの交通事故防止に努めております。特にセーフティー・サポートカーにつきましては、昨年度、県警察や地元新聞社等と連携して行っている宮城交通死亡事故ゼロキャンペーンのイベントにおいて試乗会を実施いたしました。今年度は多くの県民が交通事故の発生抑制に関する先進安全技術を体験できるよう、市町村における試乗会の開催を支援していくこととしております。また、セーフティー・サポートカー購入助成や急発進防止装置の設置費補助につきましては、国において高齢者限定免許や急発進防止装置の性能認定に関する検討が行われていることから、情報収集に努めるとともに、県としての支援のあり方等について検討してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、貧困問題と子ども食堂についての御質問のうち、貧困対策における子供の意見の反映についてのお尋ねにお答えいたします。 ことし六月の子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正では、基本理念として子供の年齢等に応じてその意見が尊重され、その最善の利益が優先考慮されることが明記されたところです。県としましては今年度予定している計画の改定に当たって、県の審議会における意見聴取やパブリックコメントの実施に加え、子供を含めた当事者や関係団体の声を聞く機会を設けるなどにより、子供の意見も反映したより実効性のある計画の策定に努めてまいります。 次に、貧困対策での市町村との連携についての御質問にお答えいたします。 子供の貧困対策については住民に身近な市町村の果たす役割が重要であり、各市町村において地域の実情を踏まえた実効性のある計画を策定し、取り組みを進めていく必要があると認識しております。県では市町村の計画策定や施策展開を促進するための研修会を八月に開催したほか、個別に市町を訪問して現状の把握や意見交換を行っております。引き続き必要な情報の共有や研修会の開催などを通じて、市町村との連携を密に図りながら、子供の貧困対策を推進してまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 土木部長門脇雅之君。 〔土木部長 門脇雅之君登壇〕
◎土木部長(門脇雅之君) 大綱一点目、豪雨災害とダムの防災機能についての御質問のうち、ダムの的確な事前放流のための予測精度の向上と、気象予測と異なった場合の被害リスクを受容する社会環境等についてのお尋ねにお答えいたします。 ダムの洪水調節は、所要の利水容量を確保した上で事前に可能な限り水位を下げて洪水調節のための容量を確保し運用するものであります。洪水調節機能の強化のための事前放流は利水用量の一部を放流しより多くの洪水調節容量を確保することで、近年の異常豪雨や多様な降雨パターンに対応するものであり、有効な手法であると認識しております。しかしながら事前放流を的確に行うためには極めて高い精度の気象予測や、被害リスクを受容する社会環境等の整備が必要であることから、今後、実用化に向けて研究機関における人工知能の活用等も含めた技術開発の動向や、国の取り組み状況を注視してまいりたいと考えております。県といたしましては今後とも確実なダム操作により効果的な洪水調節を行うよう適正な運用を図ってまいります。 次に、ダムの情報の効果的な伝達方法についての御質問にお答えいたします。 下流河川の水位が急激に上昇すると予測される場合や、洪水時最高水位を超えてダムから放流を行う異常洪水時防災操作が予測される際には、ダム操作規則等においてダム管理者から、国、関係市町、警察署、消防署などに対し放流情報を通知するほか、サイレンや警報車などにより、地域住民に放流情報を速やかに伝えることが定められております。昨年の西日本豪雨では、ダム操作規則等に基づきダム管理者から関係機関に対し情報提供をしたものの、情報の持つ意味が十分に共有されず確実な避難行動に結びつかなかったことが課題とされております。このことから県では異常洪水時防災操作が予測される際に迅速かつ確実に情報提供を行うため、ダム管理事務所長が直接下流の首長へ情報を伝えるホットラインの構築や、住民への直接的な情報提供として関係市町と連携しエリアメールを活用した避難指示等の発令など、確実な住民避難に結びつく情報提供の充実に取り組んでいるところです。更にダムの操作、役割などを正しく理解していただくために地域住民や関係機関への説明会を開催するなど、県といたしましては引き続き沿川住民が確実に避難できるよう、的確な情報提供に取り組んでまいります。 私からは以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 警察本部長松岡亮介君。 〔警察本部長 松岡亮介君登壇〕
◎警察本部長(松岡亮介君) 大綱三点目、運転免許自主返納と生活環境の整備についての御質問のうち、我が県における
高齢運転者の運転免許自主返納の現状及び運転経歴証明書の交付状況についてのお尋ねにお答えいたします。 ことし八月末現在、六十五歳以上の運転免許自主返納者は四千六百七人で、前年同期と比べ九百八十九人の増加となっており年々増加する傾向にあります。一方、運転経歴証明書は自主返納した方の約九割に当たる四千百二十三人が交付を受けており、前年同期と比べ八百十人の増加となっており、これも年々増加する傾向が見られるところであります。 以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 六番村上久仁君。
◆六番(村上久仁君) 御答弁ありがとうございました。ダムの件に関しまして、樽水ダム、これは平成六年、百八十年に一度という計画水量を超えているということで堰堤を水が超えるんじゃないかというような心配が地元で大分されました。今後、今までのダムを設計したときの計画よりもはるかに多くの水がダムに集まるということを踏まえて十分な対策をお願いしたいなというふうに思います。 最後に一点だけ、今回の千葉県の台風十五号による被害でありますけれども、千葉県内では今も必死に復旧・復興工事が続いております。災害の全容が今なお把握しきれてないのが現状ですけれども、私たちは東日本大震災でとうとい犠牲のもと多くの教訓を得たと思います。今回の千葉県の災害について宮城県としてどのような支援等を考えているのか、または実施しているのか最後にお尋ねしたいと思います。
○議長(
相沢光哉君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 昨日、厚生労働省から県に要請がありまして、公衆衛生活動チーム、具体的には保健師と事務職がセットとなるチームでありますけれども、現場の避難所それから在宅で避難されてる方の保健ニーズがあるということで、国の指示を受けまして、本日から宮城県として公衆衛生活動チームを派遣することとしております。 以上でございます。
○議長(
相沢光哉君) 暫時休憩いたします。 午前十一時四十三分休憩
----------------------------------- 午後一時再開
○副議長(只野九十九君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。四十五番坂下やすこ君。 〔四十五番 坂下やすこ君登壇〕
◆四十五番(坂下やすこ君) 初めに九州豪雨、また台風被害などでお亡くなりになられた方への哀悼の意を表するとともに、いまだ被災に苦しんでいる方に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興を願います。 それでは、質問に入らせていただきます。 最初に、精神医療対策について伺います。 宮城県立精神医療センターは昭和三十二年に県立名取病院の精神科、神経科よりスタートして現在の形になるまで、地域医療課や児童精神科、夜間救急外来二十四時間化の導入など時代の流れに沿ってその沿革を変えており、ニーズは高まる一方と考えております。県の資料を見ますと平成二十二年時点で入院個室や診察室などの不足や施設の老朽化により救急、急性期治療、慢性重症患者の治療など多様化する需要への対応や児童思春期外来、思春期医療、早期精神対応プログラムの実施など新たな医療への対応が困難、近い将来の建てかえが必要、加えて社会全体の心理的ストレスが増大し、うつ病などの精神疾患患者が年々増加傾向にあるなど精神医療センターの担うべき機能・役割を検討したあり方検討懇話会が報告書をまとめ、その後平成二十四年、がんセンター西隣を建設候補地としましたが平成二十八年当該地建設断念となり、現在県の責任で代替候補地を選定中となって久しい状況です。精神障害対策については過去の質問でも再三、他の身体や知的障害と比較して予算も少なく対応がおくれぎみと訴えてきましたが、現状はどうなっているのでしょう。 私は先日、名取市の県立精神医療センターに行って院長先生のお話を聞き院内を案内してもらいました。現在の建物は改築後三十七年が経過し改修もたびたび行っていると聞きましたが、雨漏り、継ぎ足し継ぎ足しの改修による迷路のような廊下、随所に施設の老朽化が見られ、改めて驚きを覚えるとともにその後の用地選定、建てかえのめどが全く立っていないやの関係者のお話に愕然とする思いでありました。ことし再度のあり方検討会議が始まりましたが、新たな現状と課題について伺ってまいります。 今回のあり方検討会議では、その後の代替候補地については触れられておりません。まず代替候補地についてどこでどういった議論が行われているのか、現段階での進捗状況と課題について伺います。 次に、現在の思春期外来のあり方についてですが、診察室が成人患者の外来受付からすぐ見える入り口になっております。本来であれば、多感な子供たちの診察に配慮して別の入り口から入っていただくのが当然と思いますが、県としてどう配慮をしていくのか伺います。 また思春期外来の入院病床ですが、男女別々のユニットで病床を離すことが当然と思います。しかし現状は一緒で、多感な時期の男女トラブルを回避するために十四と今でも少ない病床をあえて空室にして、男女が隣り合わせにならないようにしております。このような事例に対して県はこのまま新しい病院ができるまで放置していくのか、対策はあるのかどうか伺います。 ことし一月より民間精神科病院や関係機関の協力を得て、二十四時間三百六十五日精神科救急患者の受け入れが実現とされました。急性期の救急精神患者の新しい病床は患者が暴れて自死など緊急事態とならないよう高い天井、また固定されたベット、家族や友人とできるだけ自然に交流できるよう配慮された木の格子など今の仕様に感心いたしました。しかし急性期から回復期の病床は前述したような雨漏り、患者に壁紙が剥がされ、テレビ、設備が破壊されるなど常に修復を要する状況と伺っております。これらの対策は十分になされているのか、予算上の対策とあわせて具体的に伺います。 また導入後半年以上過ぎた精神科救急患者の二十四時間三百六十五日受け入れにおいて、医者や看護師、また専門職の配備が基準を下回っていると認識していますが人員配置について現状はどうなのか、対策とあわせてお示しください。 また導入後の実績では、受診する患者の増加に伴いスタッフの時間外勤務など負担が増加していると伺いましたが、その解決に向けて県の対応策について伺います。 次に、投票率向上対策について伺います。 投票率の低下とは民主主義の危機である。私はそう考えます。憲法第十二条には、この憲法が国民に保障する自由及び権利は国民の不断の努力によってこれを保持しなければならないとあります。選挙はその国民の不断の努力の最たるものでしょう。自由も権利もみずからの手で守る。そのために選挙があるのだとそう考えています。投票率の低下はその国民の自由と権利を守ろうとする意識の低下であり、またそうなるに至った社会情勢とそれを招いた私自身も含めた政治家の責任も大きいと思います。ことしの参議院選挙は五一・一七%で過去最低四番目、仙台市議会議員選挙は前回より微増の三六・〇七%で本県で過去二番目に低い投票率でした。投票率の低下とともに選挙に対する関心の低さ、それは政治に対する関心の低さでもあり、我が宮城県議会も選挙を前にして改めてこの問題について考える必要があるのではないかと思います。以下、投票所の増設、選挙に対する啓発、投票率の向上、若者への教育を含め伺ってまいります。 まず単純に考えて投票所は必要条件を満たすほど十分なのかという問題があります。小学校が投票所として利用されることが多いのですが小学校というのは健康な子供たちが徒歩で通える距離を想定して設置をされています。六歳から十二歳の元気いっぱい、体力みなぎる子供たちの距離感と体力が落ち少なからず障害をお持ちの高齢者の距離感を同じに考えるのは無理があるのではないでしょうか。特に中山間地の学校は子供にとっても通学が大変な距離で交通手段に苦労する地域もあります。これは宮城県内全域に共通する問題だと思います。そこで伺いますが、かつて仮設住宅から投票所まで遠くて投票が大変だということで送迎バスを走らせたことがありました。このときは余り実績が上がらなかったと聞きましたが、高齢者も投票に行きやすくする巡回送迎バスは高齢化社会に必要な対策の一つになると思います。県選管から市町村への補助メニューの中にはそういった高齢者への配慮もあると伺いました。県内の実績と内容について伺います。 なお投票所設置要件は各市町村任せということになっています。県として今後ふやしていく考えはあるのか、あるならその誘導策についてお答えください。 次に、投票におけるLGBTに対する配慮についてです。 参議院選挙でも、また仙台市議会議員選挙でも話題になったLGBT問題があります。これは特にトランスジェンダーの皆さんが戸籍上の性と現実の性の差異があるために投票所における性別表記や名前の読み上げによる確認に違和感や苦痛を感じているというものです。そもそも選挙における投票に性別や個人名の呼びかけが必要なのでしょうか。男女平等の普通選挙は一九四五年日本の敗戦によって破壊された我が国を新たに建設するためにつくられた制度でした。実は県知事選挙も県議会議員選挙も史上最高の投票率を記録したのは昭和二十二年四月に行われたこの新制度導入初の選挙でした。知事選七五・八%、県議会議員選挙は八四・四七%、まさに戦後民主主義の象徴とも言える数字です。つまり男女の性別を確認する必要があったのは、戦前の女性が選挙権を持てなかった差別的な選挙時代の悪習ともいうべきものでした。時代が変わって男女平等、LGBTに対しても投票において十分な配慮が求められるのは令和となった我が国の基本認識であると私は思います。この点について知事の認識をまず伺います。 既に幾つかの市町村では配慮する方針と報道がありましたが、そう表明していた仙台市の市議会議員選挙の投票所において不快な思いをされた方がいたと聞きました。それは投票用紙の送付において男女が明記されていないとしても、いざ投票に行ったときに◯◯さんですねとわざわざ本名を読んで確認をするからです。自分の性別を人に知らせる必要もないし、知らせたくない人にとってはこのような行為も苦痛であり投票行為自体が非常に高いハードルになるのです。もっときめ細かな対応が必要なのだと実感します。最近では銀行の窓口で名前による呼び出しを行うこともなくなりました。渡されていた番号札で呼び出されます。民間企業のサービスカウンターなどもこれが徹底されてきているようです。名前が貴重な個人情報であるという認識が定着したのでしょう。かつて我が国でも本名とは別にあだ名という通称を使う習慣がありました。中国の慣習に倣ったということで、本当の名前は呪いの対象にされるために隠されていたということです。今では呪いではなく詐欺の対象になるために隠したほうがよい時代です。ことし一人のLGBTの方が投票における配慮を求めて電子署名で全国に呼びかけ、住んでいる町に要請書を提出し県選管にもその経緯を報告しました。この訴えを真摯に受けとめ一層の周知を徹底すべきと考えます。投票所における名前の読み上げが見た目と名前のイメージが違うLGBTにとって不快であるだけでなく、全ての人にとって危険性を増す行為だということを理解し、名前の読み上げを廃止するよう各市町村に呼びかけるべきと考えます。当局の見解を伺います。 次に、期日前投票についてです。 投票日当日の投票率が低下するのに対抗するように、投票率が上がり続けているのが期日前投票です。かつての不在者投票のときのような面倒な手続が廃止され、随分と手軽に投票できるようになったからだと思います。日曜日には選挙に行って外食するんだと歌ったのはミレニアムをにぎわせたモーニング娘でした。家族で外食する。令和の時代にはちょっと難しいことになったかもしれません。さて、その好調な期日前投票ですが、せっかく好調な制度ならばより一層盛り上げるのが投票率向上への近道ではないでしょうか。さきに質問した投票所設置と同様で、実は期日前投票所にも設置要件の厳しい規定はなく一定の要件を満たせばあとは自治体の判断に任せられています。これはもっと活用すべき制度と考えます。七月の参議院選挙で設置された期日前投票所の一覧を見ますと、合併で広くなった石巻市や登米市、栗原市、大崎市などに数多く設置されているようです。合併前に設置されていたものを踏襲しているようですが、中にはイオンモール石巻や石巻専修大学学生食堂、イオンタウン佐沼セントラルコートなど、いかにも買い物ついでに投票できそうな場所や学生に優しい場所が設定されています。これが可能ならば投票率の低い仙台市などはもっと積極的に期日前投票所を設置すべきではないかと考えます。仙台市にはたくさんの大学があります。各大学に期日前投票所が設置されれば若者の投票率向上につながるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また、先日の知事の記者会見で若者の投票率向上に関連して高校での投票所設置の可能性に触れたときに「市の選管と話したらいいのではないかと思います。こういうことをやらないとなかなか行かないのではないでしょうか。若い人の気持ちを酌み取った上で選挙に行けるような工夫をしてあげるのが重要じゃないかと思います。我々大人の基準に合わせて若者に来いということではなくて、子供の感覚に合わせて投票に行ってくださいという姿勢が重要ではないかと思います。」と答えておりますが選挙管理委員長はこのやりとりについて承知をしておりますか。このような話のあと、実際、高校の投票所を設置するなどの検討は行われたのでしょうか、お伺いします。 また、ショッピングモールなどにももっとふやせると思いますが、各市町村に対してどのようなアプローチが考えられるのか、予算なども含めてお答えください。 若者の投票率が初めて選挙に参加する十八歳が高く、十九歳が低くなる。十九歳の壁というものが世間で言われております。実際に宮城県の各投票率を拝見したところ、七月の参議院選挙において県内の四市区町村から抽出した県内調査では、十八歳三二・五五%、十九歳三五・〇六%となっており、どうやら宮城県は違うようです。宮城県の若者は意識が高いというほどではありませんが、せっかく選挙権年齢を下げても若者の投票率が上がっているわけではありません。それについてスウェーデンの若者投票率が何と八割ということで興味深い資料がありましたので、紹介しつつ質問をしたいと思います。 ストックホルム大学教育学研究学科の修士両角達平氏の「主権者教育だけでない!スウェーデンの若者の投票率が異様に高い理由」によれば、まず選挙への参加しやすさ、若者の社会的影響力を高める若者政策、多様な主権者教育を取り上げ、投票率が低い我が国もぜひ参考にするべき論考だと思いました。まず選挙への参加しやすさについて、一つは大々的に行われる選挙キャンペーンです。これは
選挙管理委員会ではなく各政党が選挙小屋と呼ばれるブースを町なかに構えて、直接市民と対話できるようになっております。日本の選挙では候補者の選挙事務所が開設されますが、これほどオープンな印象はありません。私は現在政党に所属していませんが、ぜひとも政党で検討していただきたいキャンペーンだと思います。また期日前投票ですが、スウェーデンでは大学、図書館、ショッピングモールなど人が行き交うあらゆる場所に設置しており、有権者の三分の一が期日前投票ということです。加えて全国民が持つ個人番号カードを持っていけば投票オーケーということで、それも敷居を低くしているようです。工夫の余地は幾らでもあるなと感じ入りました。またユニークな制度として投票のやり直しができる公開投票まであります。以上のような事例は将来を考えた場合、知事にも御賛同いただけると思いますが、いかがでしょうか。 次に若者が政治参加した結果、社会的影響力を持つ実感の持てる若者政策と呼ばれる制度があります。それは政治に対する影響力について若者への実質的なアクセスを保障すること、また福祉への若者の実質的なアクセスを保障することを目標に若者団体の運営を保障する助成金を出し、息の長い活動を支えるシステムです。これを読んでいて浮かんできたのは、若者ではなく年配の方々に支えられている日本の町内会システムであります。日本では町内会が絶滅危惧種になりつつあります。もちろん各町内会が頑張っているのは承知しておりますが、それでも新規に参加する若者の少なさ、町内会費すら不払いになるという現状があります。最近ある町内会で耳にしたのは、新たに参加した若い、とは言っても四十代だそうですが、その方への期待が重圧になって町内会に出てこなくなったという話です。多分各地の町内会で起きていることなのではないかと思います。スウェーデンではどうなのか。町内会はわかりませんが若者団体は若者だけの組織です。そこから政治に対するアクセス、福祉に対するアクセスが行われます。この参加しやすさと影響力の実感こそが若者の政治に対する関心の高さにつながっているのです。具体的に述べますと若者の四〇%が政治について話すことに興味がある。五六%が社会に関しての問題について話すことに興味がある。二九%が月に数回知り合いと社会の問題や政治について議論する。四〇%が自分の地域に影響を与えることに興味があり、一七%が政治家に意思表明する機会があると発言しています。政治家への意思表明。なんという魅力的な言葉でしょう。多くの若者が社会や政治に対して関心を持ち政治家に対して意思表明をしているのです。どこかの国の文部科学大臣が十八歳以下の若者が政治を語るのはいかがでしょうかとツイートして大炎上していましたが、まさか村井知事は若者が政治を語ることなどいかがなものかとは言いませんよね。大丈夫でしょうか。一応伺っておきます。 スウェーデンでの投票率の高さの要因として最後に主権者教育があります。果たして日本の教育の中に、この主権者という意識を高めるような教育が行われているのでしょうか。民主主義国家において主権者という意識醸成はどんな学問よりも優先されるべきではないでしょうか。偏差値を上げることや世界の学力テストで上位になることよりも、はるかに重要な学びであると考えますがいかがでしょうか。現在行われている主権者教育の現状とあわせてお答えください。 さて、さまざま述べてきましたが投票所の設置場所はどう決めるのか、本人確認をどう処理するのか、若者への主権教育はどうすればいいかのやり方についてです。 例えば投票所の設置を決めるに当たってはG空間という便利なツールがあります。地理データシステムGIS、ジオグラフィックインフォメーションシステムを利用したGPSはもうなじみ深いツールでありますが、G空間の地理情報に住民情報を流し込むと高齢者の分布が視覚的に捉えられるようになります。投票所との距離計算はAIに任せれば簡単でしょう。投票しやすい最適な公的空間を選んでくれるはずです。あとは現場の処理を人間が担当することになります。ぜひ投票所の設置の目安として活用してはいかがでしょうか、伺います。 次に、投票率向上策として一番声が多かったコンビニ、スマホを活用した投票についてお尋ねいたします。 住民票など幾つかの公的な書類がコンビニで発行できるようになっています。また公共料金の支払いはコンビニで振り込みというのも当たり前になってきました。最近では政府が進めるキャッシュレス化に伴い、スマホを利用したアプリで支払うということも可能です。例えば東北電力はPayーeasy(ペイジー)やLINEPay、PayPayなどに対応しています。ここまでできているのなら投票もコンビニやスマホでと思うのは当然の流れでしょう。最近の携帯端末は指紋認証や虹彩認証が標準装備されています。投票所で人間が確認するよりも確実に本人確認ができます。そもそも投票所の本人確認は見ず知らずの担当者が顔を見るだけですから、あれほどいいかげんな本人確認はありません。免許証の提示とコピーを求められるレンタルショップやネットカフェの本人確認のほうが、はるかに厳しいでしょう。またセキュリティー面で無理という話がありますが、これは夢物語ではありません。かつて宮城県では白石市の電子投票においてサーバーがダウンするなど苦い経験がありますが、失敗を教訓にするのが人間の賢いところです。専門家によればスマホの二段階認証があるようにバックアップ、フェイルセーフの多重化は当たり前でセキュリティー面も十分可能とのことでした。更に内閣府が現在積極的に推進しているSociety5・〇という我が国の新しい形があり、その活用によってスマホやコンビニでの投票も可能かと思います。かつて電子立国と呼ばれ世界の先頭を走っていた我が国が今や隣国である中国や韓国の後塵を拝していることは、紛れもないおごりと油断の結果でした。いま一度、先頭ランナーとして世界の未来をつくる一国になるためにも必要なことだと考えます。この機会にコンビニ、スマホを活用した投票についての検討をされてはいかがでしょうか、伺います。 私の壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。
○副議長(只野九十九君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 坂下やすこ議員の一般質問にお答えいたします。 その前に私ごとでありますけれども一言申し上げたいと思います。 今議会は私が宮城県知事に就任いたしましてから臨時会も含めますと六十三回目の県議会になります。平成十七年十一月の第三百七回宮城県議会におきまして、自由民主党・県民会議の千葉達元県議の代表質問に宮城県知事として初めて答弁をいたしましてから、これまで多くの議員の皆様に誠心誠意お答えしてまいりました。そして本日の坂下やすこ議員への答弁は代表質問、一般質問をあわせまして記念すべき千人目の答弁となります。御当選まことにおめでとうございます。 それでは、坂下やすこ議員の一般質問に今までと同じように心を込めまして、答弁をさせていただきます。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、精神医療対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、精神医療センターの新たな現状と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 精神医療センターは建築から既に三十七年が経過しており、老朽化が著しく、県といたしましても早急に建てかえが必要であると認識をしております。平成二十二年度には宮城県立精神医療センターのあり方検討懇話会を設置し、近い将来の建てかえや担うべき役割などについて検討したところでありますが、それから八年以上経過しセンターを取り巻く環境や求められる役割が変化していることから、建てかえに当たり再検討が必要と判断し、ことし五月に県立精神医療センターのあり方検討会議を設置したところであります。検討会議では基幹病院として提供すべき機能、施設の経年劣化や狭隘化の問題、多病院との連携、身体合併症への対応などについて御意見をいただいているところでございます。 次に、代替候補地の議論についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターの建てかえについては、平成二十四年にがんセンター西側を候補地として決定いたしましたが地権者の同意を得られず、平成二十八年に断念した経緯があり、現在県においては県立病院機構の御意向も聞きながら新たな候補地を選定しているところでございます。まだ決定しておりません。 次に、代替候補地の進捗状況及び課題についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターの移転先は名取市及びその周辺を対象として適地を検討しているところであります。検討に当たっては総合病院との連携や患者及び家族の通院の利便性、また全県から救急搬送を受け入れることなどに配慮した上で、施設の老朽化が著しいことから早期に着工できる場所であることが最優先の課題であると考えております。できるだけ早く建設できるように努力してまいりたいと思います。 次に、大綱二点目、投票率向上対策についての御質問にお答えいたします。 初めに、投票におけるLGBTの方への配慮についてのお尋ねにお答えいたします。 選挙においては二重投票や他人への成り済ましによる投票が行われることを防止するため、本人確認が適切に行われる必要があるものと認識をしております。性別確認も含め投票所における本人確認の方法については市区町村の
選挙管理委員会で判断することになりますが、その確認の仕方によっては精神的な苦痛を感じられる方もいることから、有権者の誰もが選挙権の行使をためらうことのないよう本人確認の方法も含め投票環境を改善していくことは大変重要だと考えております。 次に、若者の投票率が高いスウェーデンの取り組みについての御質問にお答えいたします。 スウェーデンでは御指摘のありましたとおり、選挙への参加のしやすさや主権者教育などの面でとてもユニークな取り組みが行われており、近年の国政選挙の投票率を見ますと全世代平均で八割を超え、特に二十六歳以下の若者の投票率も八割程度ある状況と伺っております。こうした状況はスウェーデンの選挙に対する不断の努力のたまものであり、評価されるべきものと思います。もちろん我が国とスウェーデンでは人口規模や歴史、文化などさまざまな面で状況が異なることから、我が国では我が国に合った取り組みを模索する必要もあると思います。スウェーデンでの取り組みを初め、さまざまな成功事例を参考にしながら我が国に合った形で取り組みを改善し、一人でも多くの有権者が選挙に行くことにつながるよう国を挙げて取り組んでいく必要があると考えております。 次に、若者が政治を語ることについての御質問にお答えいたします。 スウェーデンの事例について御紹介いただきましたが、私も多くの若者が社会や政治に関心を持ち、それらについて語ることは民主主義を発展させ、我が国の将来の姿を多様な観点から議論する上でも大変結構なことであると考えております。 私からは以上でございます。
○副議長(只野九十九君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、精神医療対策についての御質問のうち、児童思春期外来及び入院病床の対策についてのお尋ねにお答えいたします。 精神医療センターの児童思春期外来については平成二十六年四月から、入院については平成二十八年一月から受け入れを開始しております。御指摘のありました診察室や病床における問題については、病院として必要な修繕を行うなど一定の対応を行ってきております。しかしながら現在の病院施設では限界があることから、今後建てかえを行う新病院において児童思春期に対応した外来・入院環境を充実させ、問題の解消を図りたいと考えております。 次に、既存の回復期の病床の具体的な対策についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターの回復期の病床は、老朽化が進んでいることに加え病室が個室化されていないなどの課題もあり、抜本的には移転新築により改善を図りたいと考えております。それまでは県立病院機構の策定する中期計画を踏まえて緊急性や重要性を見据えながら必要な予算を確保し迅速な対応を行っていくこととしております。 次に、精神科救急患者の二十四時間受け入れにおける人員配置についての御質問にお答えいたします。 ことし一月から二十四時間三百六十五日の精神科救急医療体制を開始するに当たっては、医師や精神保健福祉士などを増員する必要があり増員相当分については県及び仙台市がその費用を負担することとしております。このうち医師については昨年度常勤一名を確保いたしましたが、退職等により精神医療センター全体で当初予定していた人数を確保できていない状況にあり、東北大学病院等から医師の応援を受けている状況にあります。一方精神保健福祉士については、予定どおりことし四月に二名採用し救急業務に従事しております。精神医療センターの人員配置については法令上の基準は満たしており、また精神科救急医療の運営も適切に行われておりますが、常勤医師の確保については引き続き精神医療センターと協議を行いながら体制の充実に努めてまいります。 次に、受診患者の増加に伴うスタッフの時間外勤務増加などの負担軽減に向けた対応策についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターでは精神科救急医療体制の時間拡充に当たり、職員を増員して体制確保に努めていると認識しております。現在、時間外勤務実績の目立った増加は見られませんが、二十四時間三百六十五日の体制がスタートしたばかりであることから、今後職員の負担や勤務環境等について改善すべきことが生じた場合には精神医療センターと協議してまいります。 私からは以上でございます。
○副議長(只野九十九君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕
◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱二点目、投票率向上対策についての御質問のうち、主権者意識の醸成についてのお尋ねにお答えいたします。 主権者意識の醸成は生徒が自分と社会とのかかわりについて理解し、主体的に社会について考え、判断する力を身につける上で非常に重要であると認識しております。このことから、例えば各県立高校においては法律の専門家を招いての特別授業や裁判の傍聴、
選挙管理委員会との連携による模擬投票、選挙事務の補助などの体験的・実践的な学習を実施しております。今後も引き続き、学校教育のさまざまな場面を活用して児童生徒の発達段階に応じた主権者教育に取り組み、よりよい社会の実現に向けて主体的に社会形成に参画していく態度や能力の育成に努めてまいります。 私からは以上でございます。
○副議長(只野九十九君)
選挙管理委員会委員長伊東則夫君。 〔
選挙管理委員会委員長 伊東則夫君登壇〕
◎
選挙管理委員会委員長(伊東則夫君) 大綱二点目、投票率向上対策についての御質問のうち、投票のための巡回送迎バスの運行についてのお尋ねにお答えいたします。 県
選挙管理委員会では平成二十八年度の法改正も踏まえ、国政選挙または県選挙において投票所や期日前投票所への移動支援を実施した市区町村に対し、その執行経費の全額を対象として交付金を交付しております。直近の実績として、平成二十八年度の参議院議員通常選挙においては四団体に約十八万二千円、平成二十九年度の衆議院議員総選挙及び知事選挙におきましては五団体に約二十八万六千円を交付しており、巡回バスや送迎車の運行などへの支援を行ったところであります。来月に予定しております県議会議員一般選挙に向けても、高齢者など自力で投票所に行くことが困難な有権者に対する巡回バスの運行など有権者の投票機会の確保について十分配慮するよう、またそれに要する経費について交付金の対象である旨、各市区町村
選挙管理委員会に重ねて周知してまいります。 次に、投票所の設置要件についての御質問にお答えいたします。 投票所については地域の実情や要望を踏まえて市区町村
選挙管理委員会が設置しております。県全体の投票所数については震災直後の県議会議員一般選挙においては大きく減少しましたが、近年の選挙においては比較的安定した数で推移しているところです。投票所の設置については御指摘のありました数の見直しだけではなく、投票区における有権者の数、投票所となる施設の位置や設備、更に先ほど申し上げました移動支援などの状況を考慮し、地域の実情を踏まえて対応していただくことが重要であると考えております。県
選挙管理委員会といたしましては、投票環境の向上が図られますよう、あらゆる機会を捉え各市区町村
選挙管理委員会への周知に努めてまいります。 次に、投票所における名前の読み上げについての御質問にお答えいたします。 県
選挙管理委員会ではことし七月、いわゆる性的マイノリティーの方と関係団体から投票所入場券の性別表記及び投票所における職員の対応の見直しについて、各市町村へ周知するよう要望を受けたところであります。当委員会では当該要望を踏まえ、七月及び九月に開催した市区町村
選挙管理委員会を対象とした会議におきまして、周囲に聞こえないように名前を確認するなどの個人情報保護も含めた必要な配慮や見直しを行うよう働きかけをし、関係者の方からは一定の評価をいただいたところであります。特に九月に開催しました会議におきましては、私から直接各市区町村の委員長に対しまして特段の配慮を要請したところであります。また参議院議員通常選挙の後、各市区町村の
選挙管理委員会に対して投票の受付時における本人確認の対応の見直し状況について調査しましたところ、全ての市区町村において必要な配慮を行うとの回答が得られたところであり、改善に向けて認識が深まったものと理解しております。当委員会といたしましては、適切な投票環境が確保されますよう引き続き市区町村への助言等に努めてまいります。 次に、大学への期日前投票所の設置についての御質問にお答えいたします。 若者の投票率向上に向け、大学との連携は非常に有効であると認識いたしております。我が県ではこれまで石巻専修大学で期日前投票所が設置されているほか、県内大学の入学式での啓発活動や県内大学生を中心とした団体と連携した臨時啓発などさまざまな取り組みを実施しております。お尋ねのありました仙台市内の大学での期日前投票所の設置につきましては、仙台市
選挙管理委員会の管轄になると思われますことから、引き続きさまざまな機会を通じて仙台市
選挙管理委員会に対し働きかけを行ってまいります。 次に、高校への投票所設置についての御質問にお答えいたします。 八月五日の定例記者会見におきまして、知事が高校での期日前投票所の設置について言及されましたことは承知いたしております。高校での期日前投票所の設置については、新たに有権者となった若者が実際に選挙権を行使することを促し、十八歳の投票率の向上が期待されることはもとより、今後有権者となる生徒も含め主権者教育の観点からも有用であると考えております。一方で期日前投票所の設置を判断する幾つかの市町村の
選挙管理委員会と意見交換したところ、投票所の増設に伴い必要な投票管理体制の確保や、一般住民も投票可能となることによる学校の安全対策等の面で課題があるという御意見もございました。県
選挙管理委員会といたしましては、まずは試行的にこの十月二十七日執行の県議会議員一般選挙におきまして、少なくとも一つの高校で実施できるよう関係市町村の
選挙管理委員会等と調整を進めておりますが、今後とも若者の投票率向上に向けて必要な対策を講じてまいります。 次に、ショッピングモールなどへの期日前投票所の増設についての御質問にお答えいたします。 ことし七月に執行された参議院議員通常選挙における我が県の期日前投票者数は、三十一万九千二百八十八人で前回の参議院議員通常選挙と比べて約二万人増加するなど、全体の投票者数に占める期日前投票の割合は増加傾向にございます。駅構内や商業施設など頻繁に人の往来がある施設に期日前投票所を設置することは、有権者にとって利便性が高まり投票率の向上が期待されるほか、選挙啓発の観点からも効果があると考えております。ショッピングモールなどへの期日前投票所の設置に当たっては、公的施設への設置に比べて二重投票を防止するために必要な選挙システムへの接続工事等の費用が更にかかってしまい、このことが設置に二の足を踏む要因の一つと伺っております。国におきましては平成二十八年度にオンライン対照等の設備、これはオンラインで選挙人名簿に照合する設備でございますが、この設備の整備に係る加算規定が設けられましたほか、昨年十二月には有権者の専用回線等に比べ安価にネットワークに接続できる無線の利用が可能とされたところであります。県
選挙管理委員会といたしましては、市区町村
選挙管理委員会に対しこのような国の制度について更なる周知を図るとともに、期日前投票所の増設について積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。 次に、G空間を利用した投票所の設置についての御質問にお答えいたします。 御提案のありました投票所の設置場所の検討にG空間を活用することについては、地理情報に他の情報を組み合わせることで有権者のさまざまな分析が可能となるものと推察されます。一方で投票所の設置に当たっては、一般投票所当たりの有権者数や投票所となる施設の位置に加え、移動支援の実施状況や交通環境なども含め地域の事情等を総合的に考慮して判断される必要があると考えております。県
選挙管理委員会といたしましては、投票所の設置についてG空間を活用してどのようなことができるのか関心を持って注目してまいります。 次に、コンビニやスマホを利用した投票率向上策についての御質問にお答えいたします。 現行の公職選挙法に基づく選挙制度においては、投票当日投票所投票主義が原則とされており、有権者は投票所に出向き選挙人名簿の対照により本人確認を受け、公製公給の投票用紙により一票を投じることとされております。このため御提案のありましたコンビニエンスストアのレジ等での投票やインターネット等によるスマートフォンでの投票については、現在行うことはできませんが我が国における昨今のICTの発展に鑑み、現在総務省におきまして投票環境の向上方策の一つとしてインターネット投票の導入に向けた検討が進んでおります。まずは国政選挙に係る在外投票での実施に向け今年度中に実証実験が行われると承知いたしております。技術面、運用面、セキュリティー要件、更には大規模なシステムの構築や維持に要するコストと大きな課題もございますが、この在外インターネット投票におけるシステムの基本的な仕組みは国内のインターネット投票にも応用可能と考えられております。県
選挙管理委員会といたしましては、引き続き国の動向を注視してまいります。 私からは以上でございます。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) 御答弁ありがとうございました。千人目ということで、何かいいことがあるのかなと期待したいなと思います。 精神医療センターの件についてなんですけれども、法的要件は満たしていると、人員は足りているやのお答えございましたけれども、行って聞きましたら精神救急外来、児童精神救急外来ですね、特に。新規外来患者っていうのが平成三十年で二百五十六人、令和元年四月、五月、六月、七月の四カ月で百十七人と約三倍に近い伸びがあるんですよ。これらの患者に対して人員が足りていると思っていらっしゃるんですか、ちょっとお伺いします。
○副議長(只野九十九君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 今、議員が御紹介された患者数の数字については承知しております。先ほど申しました三百六十五日の救急についてはことしから始まりました。それから児童精神科外来についても何年かたっておりますけれども、これらについては精神医療センター全体のスタッフの中で人員的なやりくりをしていると承知しております。部門、部門で、それから時期的な忙しさ、負担感というのはあるんだと思いますけれども、全体としては先ほど申しましたように現在の体制の中で対応すると伺っております。なおスタッフの配置でありましたり勤務環境等についての具体的な改善等については引き続き、センターのほうと相談してまいりたいと考えております。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) 夜間の救急精神患者の情報センターの配置については、現在いらっしゃる看護師さんが時間外のような形でその対応に当たっているということで、非常に負担が増しているということなんですけれども、それについてはもう一度伺います。いかがですか。
○副議長(只野九十九君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 現在二十四時間の情報センターに対応している精神保健福祉士かと思うんですけれども二名増員して対応しております。先ほど答弁で申しましたように、数字としましては時間外勤務実績っていうことでは目立ってふえてないと聞いておるんですけれども、これも先ほどと重なりますけれども実際に現場の勤務としてどのような状況にあるかについては、引き続きセンターのほうと協議して必要な対応があれば協議してまいりたいと思っております。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) 精神医療センターの先生ですけど昨年は十九人と伺っております。四月にお二人やめられたそうで、それから一人産休に入られるということです。今大変な状況で、産休に入られるのも遠慮しなくちゃいけないような、そういう切迫した状況にあるのではないかと私は思うんですけれども、部長の見解をお伺いします。
○副議長(只野九十九君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 精神医療センターの常勤の医師の人数ですが現在十七名であります。例えば平成二十九年時点では二十人でありましたので若干の出入りがありましたけれども、今御指摘の要因などもあって常勤医はもう少し必要だということは院長からも聞いているところであります。引き続き、県としても医師確保についてはできるだけの協力をしてまいりたいと考えております。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) 先生不足というのはいろんなところでありますから関係者の方も努力していらっしゃるということはわかります。ただ精神医療センターに行きますと、本当に暗くて迷路みたいになってまして壁はぼろぼろで、やっぱりこれは何とかしていただきたいなというふうに思いまして、補修のお金も補正でその都度出していると伺いましたけれども、何かお聞きしますと用地がまだ全然はっきりしてないんですね。用地選定、それから決まったとしてそこから基本設計、実施設計とかいろいろ入れると五年から六年とかかかるんじゃないかと思うんですけど、その辺の見解をお聞かせください。
○副議長(只野九十九君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) まだ用地については確定できておりませんけれども早急に選定をしたいと思っております。またお話のようにまだ具体的な工程等は確定できないんですけれども、用地が決まってから四年、五年程度は完成までに要するんじゃないかと思っております。いずれにしても少しでも早く移転、新築のめどが立つように努力してまいりたいと考えております。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) 当該地、今、名取市にあります。それで名取市を中心に探していらっしゃると思うんですけれども、御案内のとおり田園地帯もたくさんあって、農業調整区域というんですか、そちらとかそのほかに区画整理と関係しているとか、いろいろハードルが高いんですよ。この際全県を視野に入れて改めて用地確保のために全県を挙げて頑張っていくべきだと思いますけれども、知事の御決意をお伺いしたいと思います。いかがですか。
○副議長(只野九十九君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど答弁いたしましたけれども、最初がんセンターの脇をと思いましたが地権者の御理解いただけませんでした。ということもあって広げました。広げて患者さんが通いやすい場所と思っていろいろ調整をさせていただいたんですが、非常に難しいのはほかの精神科の先生方の協力も得なければいけなくて、精神科の病院があるところに持っていくと患者の取り合いになってしまうという問題があって、そういった関係からいろいろな御意見をいただき調整が難航したと。ほかの場所も何カ所も当たったあったんですけれども、今議員から御指摘あったような理由からなかなか決まらないということであります。我々といたしましても今一番心配しておりますのは、老朽化の古い病院にずっとお医者さんを勤務していただいていて、患者さんにも御不便をおかけしておりますけど医療スタッフにも大変迷惑をかけてて、こんな病院ではもう働きたくないということでお医者さんがやめていってしまうということを非常に心配しております。全国的に今、精神科医が不足しているような状況でございまして、仙台市民病院も新しい病院で開院する時に精神科のお医者さんがいなくて開院できなくなるかもというような状況にまで追い込まれたということもございますので、まずお医者さんがやめないためにも早く立派なしっかりとした病院をつくりたいと思ってございます。今いろいろ候補地を当たってございまして、最優先の課題として取り組んでございますのでもう少しお時間をいただければというふうに思っております。ただ全県に広げるというのは先ほど言ったような事情から患者さんにとって便利な場所で、しかもいろんなお医者さんの協力を得られる場所で、そして精神科医の皆さんからの御理解を得られる場所ということとなりますと、やはり現在の場所から大きく遠くに離すというのは難しいと考えてございます。そこで先ほど答弁の中で名取市及びその周辺を対象にというような答弁をさせていただいたということでございます。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) ぜひストレス社会で患者が急増している、こういう状況なのでよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に投票率向上についてですけれども、スマホとコンビニはより将来のお話として提示をさせていただきました。やはり投票率を上げるには一つには話題性というものもあると思うんですね。宮城県はまだ高校の投票所というのは開設をしておりません。それで今頑張っていらっしゃるということで、ぜひ一校でも何とか県議選には間に合うように頑張っていただきたいと思うんですけれども、選挙管理委員長の頑張りをもう一度お聞きしたいんですけど、いかがですか。
○副議長(只野九十九君)
選挙管理委員会委員長伊東則夫君。
◎
選挙管理委員会委員長(伊東則夫君) 先ほどお答えしましたとおり、期日前投票所の増設というのは非常に交通弱者の高齢者を含めまして投票率向上に効果があると思ってます。それで御提案のありました高校での設置あるいは大学への要請について今後も一層努力してまいりますが、特に高校での設置につきましては主権者教育の啓発になると考えますんで最大限努力してまいります。
○副議長(只野九十九君) 四十五番坂下やすこ君。
◆四十五番(坂下やすこ君) 平成三十一年度の当初予算で参議院選挙は十億五千五百万円。これは国全部ですね。それから県議会議員選挙は九億七千二百万円の予算をとっております。全国で参議院議員選挙に関して五百億円かかったと言われておりますけれども、それで投票率は確か四八・八%だというふうに思っております。それでよろしいですよね。 費用対効果を考えてもっと啓発ではなく具体的に投票率を上げるためにお金を使っていただきたいということを最後に申し添えまして、私の七期目、二十八年目最後の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。 〔四十番 岸田清実君登壇〕
◆四十番(岸田清実君) 日本の人口は二〇六〇年に八千七百万人程度まで減少するとされており、二〇一三年現在と比較して三割程度減少する想定です。それに合わせて水需要も約四割減少すると見込まれます。水道事業の費用の大部分は固定費であり変動費は全体のわずか五%程度でしかないことから、水需要が減少したとしても大きく運営コストが減るわけではありません。日本は地震が多発する国ですが水道施設の耐震化状況は二〇一六年末時点において基幹管路の耐震適合率が三八・七%、浄水施設の耐震化率が二七・九%、排水地の耐震化率が五三・三%にとどまっており備えは十分とは言えません。また国内の水道施設の多くは一九六〇年代から七〇年代の高度経済成長期に建設されたものです。二〇二〇年代から二〇三〇年代にかけて更新需要のピークを迎えると言われており、毎年ほぼ一兆円の更新需要が発生し続けると試算されています。全国の水道局職員の年齢別構成を見ると、二〇一五年度水道統計、水道協会によりますけれども、それによれば全体の五一%以上が四十五歳以上である一方で三十歳未満は一二%程度となっています。今後十年以内に水道事業にかかわる職員のうち三七%が定年を迎え退職すると見込まれる中、彼らの知見や技能を引き継ぐ若手技術者が不足しています。特に全国の水道事業体の七割以上を占める給水人口五万人以下の中小規模水道事業体では、既に若手技術者の不足は深刻であります。このような現状を踏まえて昨年秋の臨時国会で改正された水道法では、広域連携の推進を明確にし、国、都道府県、市町村、水道事業者等へ水道の基盤の強化に関する責務を規定しました。特に都道府県には水道事業者等の広域的な連携の推進役としての責務を規定しています。宮城県ではこの流れを受けてことし一月に宮城県水道事業広域連携検討会を発足し、今年度には広域連携シミュレーションを策定する予定です。今後の検討会での実りある議論を期待したいと思いますが、そのためにも幾つかの点について伺います。 人口減少等による水道料金の上昇傾向は規模の大小問わず直面する課題です。新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局の共同研究、人口減少時代の水道料金はどうなるのかによれば、二〇一五年の水道料金全国平均は三千百八十七円に対して二〇四〇年は四千三百五十八円と推計されています。宮城県内では同じ二〇一五年と二〇四〇年の比較で名取市、富谷市という人口増加自治体は改定なし。一方、南三陸町は三千九百九十六円から一万三千九百四十四円、登米市は五千二百五十六円から一万三百十六円、気仙沼市は三千二百十八円から七千二百二十五円と大幅な値上げになる試算となっています。料金の違いは自治体間の広域連携の大きな阻害要因であるとともに、連携による上昇抑制はインセンティブにもなり得ると考えられます。水道料金の将来見通しと広域連携の効果とをしっかり示すことが必要だと思いますが、所見を伺います。 自治体間の広域連携を考える際に給水人口別の広域化効果を勘案する必要があります。先ほどの共同研究では、広域化の中核となることが期待される大規模事業体ほど広域化による恩恵が薄くなり、大規模事業体においては広域化を推進するインセンティブが働かないおそれがあると指摘されています。先ほどの試算でも仙台市、石巻地方広域水道企業団などは他の自治体に比べて上昇率は低くなっています。それぞれの議会や水道料金負担者の理解・納得を得ていくためには、大規模事業体でも広域連携のインセンティブが働く必要があると考えられますが、いかがでしょうか。 そのための方策を現在はどう考えているのか、伺います。 二〇一六年三月に宮城県が策定した宮城県水道ビジョンでは従来の広域化の概念にとらわれず、各地域の実情に応じた多様な形態の広域連携を段階的に推進する厚労省の発展的広域化を紹介しながら、我が県においても多様な広域連携の必要性に対する検討を行うとしています。現在でも仙台市水道局が塩竈市、名取市などの水質検査を受託している例などがあります。広域化が直ちに経営統合に向かうのではなく、効率的経営に向けて水道事業体間でできる連携から始めていくことが現実だと思いますが、所見を伺います。 七月三十一日に行われた第二回広域連携検討会で説明された、水道事業広域連携シミュレーション等調査業務の概要に基づいて質問いたします。 まず、垂直連携について伺います。 幾つかの資産の一つとして大崎ブロック、仙南・仙塩ブロックについて、県の用水供給事業と市町村の末端給水事業を統合する将来シナリオを投資計画の面から想定するとしています。末端給水事業の経験のない県企業局と料金等市町村格差を抱える基礎自治体をストレートに垂直統合する想定はそもそも無理があるのではないか。その場合県企業局に末端給水事業を吸収し県営事業として運営するか、県の用水供給事業を移管して末端給水事業と統合して企業団という形態で独立させるケースが考えられますが、職員の身分の取り扱い一つとっても大きな問題を抱えます。それぞれの投資計画を足し算、引き算する試算であれば単なる頭の体操にすぎないのではないか。かえって市町村の期待と信頼を損ねることになるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 当日配布された広域連携検討会の取り組みについてでは、来年度以降みやぎ型管理運営方式と市町村事業との連携について検討と記載されていますが、どのような内容が想定されているのでしょうか。みやぎ型では運営権者選定やその後の実施契約締結作業を行っている期間ですが、その準備過程と同時並行で連携の具体化を図るということなのかお示しください。 水道の諸課題の第二、みやぎ型管理運営方式について伺います。 県は八月二十一日にみやぎ型管理運営方式の実施方針素案を県議会に説明するとともに、九月二日に知事が記者会見し公表、当日から三十日までパブリックコメントを行うことといたしました。出された意見を取りまとめ十月中にPFI検討委員会を開催し、改めて審議した上で成案を取りまとめること、その後公営企業の設置等に関する条例にみやぎ型管理運営方式の実施に関する内容を盛り込んだ条例改正案を十一月議会に提案することをあわせて発表いたしました。一カ月間の県民の意見募集一回で県議会に条例提案という極めて性急な運び方です。県が行った四回のシンポジウムもほとんどが背広姿の企業、自治体関係者で占められ一般の県民らしき参加者は少数と見受けられます。県はみやぎ型管理運営方式について県民の理解が進んでいると判断しているのか、伺います。 一月に行われたシンポジウムでは、会場から出されたコスト削減の根拠やモニタリングの具体策についての質問に対して次回シンポジウムで示すとしていました。県ホームページで公表している質疑応答記録でも、モニタリングについて実施方針を策定する時点ではモニタリング方法も具体化してくるので、その時点で情報提供させていただきたいと記載されています。しかし七月に行われたシンポジウムでは何ら示されず、実施方針素案が公表された現時点でも示されていません。コスト削減の根拠にしても、七月のシンポジウム資料にはみやぎ型のコスト削減さえ記載されていませんでした。約束した情報提供さえしないままパブリックコメントや条例提案に進むのは、県民不在の進め方と指摘せざるを得ません。どうお考えでしょうか。 早急にモニタリングの内容を公表するとともに十一月県議会への提案を取りやめ、県民の理解を求める手順を十分とることを求めますが、あわせてお答えください。 改築計画及び残価の買い取りについて伺います。 改築計画は県が運営した場合に想定される改築計画を示し、それをもとに応募者が改築提案書を提出することとされています。一方運営権設定後にも改築の取りやめ、新たな改築の提案が行われることとなっており柔軟な対応となっています。管路では耐用年数は四十年とされていますが、実際の更新は六十年以上とも言われます。施設、設備についても耐用年数と実際の更新に乖離があることは十分考えられます。改築時期の適正性はどのように担保されるのか、伺います。 改築更新の適正規模についても課題があります。水道用水供給事業や工業用水道でも計画や供給能力と現実に乖離がありダウンサイジングが課題です。一方市町村の水源や施設も人口減少が見込まれる中で施設規模のあり方が課題です。改築、更新に当たって市町村施設の将来見通しを含めて、県有施設のダウンサイジングなどが盛り込まれる必要があると思いますが、所見を伺います。 設備の更新に際してメーカーや機種の選択は運営権者に一任されるのが性能発注方式であります。この場合、関連会社、子会社への発注でも問題はないわけですが、水道という公益性の高い事業に関して、その選定が全くブラックボックスの中というのは供給の安全性、安定性、価格設定から問題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 改築工事後、運営権契約終了時に残存価値がある場合には県が買い取るものとされています。実施方針素案に関する説明資料、資料編では県が残存価値相当分を支払い、その後の料金から回収すると示されています。支払い時の財源はどのようになるのかお示しください。 仮に起債を打つとすれば運営権者は民間であることから会社法や法人税法の対象となり、県企業局が対象となる地方公営企業法とは減価償却の取り扱いやその範囲に違いがあります。その上で起債は可能なのか、所見を伺います。 モニタリングについて伺います。 みやぎ型管理運営方式で安全・安心を担保するための中心的機能がこのモニタリングのはずです。その内容が実施方針素案をパブリックコメントに付している現在でも示されないのは問題です。さきにも述べたとおり一月のシンポジウムで約束したことを反故にしているものでもあります。下水道に全国で初めてコンセッションを導入した浜松市と運営権者との契約第九十六条には、守秘義務が定められ事業に関する情報は定められた限りでしか公開されません。県のモニタリング、第三者機関によるモニタリングも適正の結果のみ公表され、県民が検証できないとすれば安心は担保されません。宮城県でも同様の規定を考えているのか、また利用者、消費者代表の位置づけでモニタリングに県民が参加する制度設計が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 県のモニタリングを担う人材育成、技術の継承はどのように担保されるのでしょうか。例えば懇話会報告に記載された設備職での十年の空白は、どのように埋めることができるのか、伺います。 また県は研修などで技術レベルを維持するとしていますが、実際の運転現場から距離を置く中で研修など座学のみで技術継承ができるとは思えないのですが、所見を伺います。 危機管理について伺います。 素案とともに公表した説明資料では災害等の緊急時には県が復旧・復興業務に当たるとされ、東日本大震災では被災のほとんどは管路でしたと記載されています。運営権設定後に浄水場は運営権者の運転となり、現在とは異なって構内業務の相当部分も運営権者に移行します。市町村水道事業を含めれば東日本大震災では管路だけでなくプラントにも被害が出ており、今後の災害で浄水場が被災することは十分考えられます。また災害は地震だけではなく火山の降灰など多様なリスクが考えられます。県職員が担う範囲が狭まる中で、プラントを含めた災害復旧に当たる能力が維持できるのかが問題です。改めてこの点の見解を求めます。 みやぎ型管理運営方式導入の効果として、コスト削減効果を全額水道料金に反映した場合には、一立米当たり十ないし二十円程度の上昇抑制効果があるとなっています。あわせて大崎、仙南・仙塩のそれぞれの広域水道の現状のままでの料金推移と抑制後の推移が示されています。用水供給事業の経営見通しをシミュレーションしなければ水道料金の見通しも出ないはずです。単年度収支、管路、設備の更新と起債の想定、その償還見通し、減価償却と内部留保の見通しなど各項目が試算されて初めて水道料金が算出されるはずだからです。逆に言えば、それが示されなければ資料に出されている料金設定が適切かどうか判断できないことになります。試算されている経営見通しを公表すべきと考えますが、御所見を伺います。 またその試算に際して、包括外部監査で指摘されてきた建設仮勘定設定による減価償却未償却分の取り扱いがどのようになっているかもお示しください。 大綱二点目、原子力災害広域避難計画について伺います。 女川原発二号機の新規制基準に対する原子力規制委員会での適合性審査は大詰めを迎えています。一方、原子力災害時に住民の安全を確保する広域避難計画の実効性はいまだに不十分です。現在の問題点・課題を指摘し、知事の所見を求めます。 まず、避難時間シミュレーションです。 広域避難計画を実効性があるものにするためには、経路上の阻害要因の洗い出しと避難時間の想定が欠かせません。今年度に避難時間シミュレーションを実施することとし委託事業者が決定されました。広域避難計画策定に当たって県が二〇一四年に市町に示した策定ガイドラインでは、前提となる災害を複合災害としていることから避難時間シミュレーションにおいても複合災害を前提とするのが当然と思いますが、いかがでしょうか。 どのような複合災害を想定するかによって避難経路上の記載内容が違ってくることになります。県はどのような複合災害を想定しているのか、それはシミュレーションにどのように反映されるのか、お答えください。 シミュレーションのためにはさまざまな要素を勘案しなければなりません。発災直後の勤務先や外出先から一旦自宅に戻るという避難とは逆の流れの見込み、平時に滞留している車両割合を地域ごと、時間帯ごとにきめ細かく把握することが必要と考えられます。東日本大震災では橋梁の根本に段差ができて通行不能となるケースがありましたがウイークポイントの洗い出しも必要です。これらの考え方についてお示しください。 避難退域時検査場所は現在十八カ所の候補地として選定され、そのうち七カ所は予備として避難地区の割り当てが行われていません。予備検査場所は予定の検査場所が使用できなくなった場合に代替として機能させることから、あくまでも検査場所は十一カ所の想定であります。県は検査を行う車の台数を現時点で約十五万台と想定しています。それを十一カ所の検査場所で割れば平均一万三千六百台、検査から検査済み証の発行までの時間を昨年の一般質問で私が例示した一台当たり五分と仮定すれば、一カ所当たり一千百三十三時間、二十四時間体制で検査に当たっても四十七日間必要であり、二レーンで二十四日間、三レーンで十六日間となります。この試算に対する知事の見解と県としてゲートモニターから検査済み証交付終了までの想定時間をどのように考えているか、お示しください。 今のままでは避難退域時検査場所が不足していると指摘せざるを得ません。検査場所候補地は当初五十カ所程度をリストアップし選定できたのが十八カ所である中で、今後の増設などはどのように考えるのかもお答えください。 昨年の九月議会一般質問で避難退域時検査場所での放射性物質の付着状況検査の想定時間について再質問で伺いました。議事録によれば当時の後藤
環境生活部長は、現在各検査ポイントでの所要時間は計算しておりませんと答弁しています。しかし女川原発の避難計画を考える会の情報公開請求で開示された二〇一六年三月の文書には、黒塗り部分を××と言いかえれば、××では××台の車両を検査するために××時間程度と示され検査時間が想定されています。避難退域時検査場所ごとの想定時間は全体の避難時間シミュレーションにもかかわる重要なポイントであります。この重要な点が昨年の県議会より二年以上も前に関係者に示されながら、県議会本会議で計算していないと答弁していることは議会軽視と言わざるを得ません。この点の所見を求めるとともに改めて検査場所ごとの想定を明らかにするよう求めます。 現在の計画では検査場所への経路上で渋滞が発生することは目に見えています。その場合避難者の食料、トイレ、ガソリンをどのように確保・提供するかは大きな問題となります。また安定ヨウ素剤は検査場所で配付することになっていますが、路上待機中に服用の必要が迫られた場合にはどのように対応するのでしょうか。これらの諸点について所見をお示しください。 要配慮者のためのバス確保について伺います。 県はバス、トラックなどの輸送車両確保に向けてワーキンググループを発足させたと聞いています。県は当初、バス事業者を訪問した際に緊急時の要請は県が個別事業者に行うと説明していました。その後は県がバス協会に要請し個別事業者にはバス協会から要請すると変わっています。現時点で緊急時の要請のあり方は定まっているのか伺います。 災害時は事態が刻々と変化します。特に原子力災害時には風向きによる放射性プルームの動きに注意を払う必要があります。また集合地点に向かうバスは避難の方向とは逆向きに走行することになり、渋滞や経路上の阻害物の情報など幾つもの情報が現場のドライバーに伝わらなければなりません。県では各バス会社の本社に衛星電話の配備を確認しているようですが、そこから先はどうするのでしょうか。東日本大震災時には会社とバスの無線がつながらなかった例があります。現場への情報提供手段をどう考えているのか、所見を伺います。 ドライバーの安全・健康について伺います。 避難者を救出するためと言っても、救出に向かうドライバーの安全と健康は守られなければなりません。この点はどう考えているのか。 また防護服、計測器などの資材の備蓄場所とその使用方法の習熟はどのようにするのか、お示しください。 これまで指摘したように原子力災害時に県民を守る広域避難計画の実効性は確保されていません。再稼働は事故のリスクを高めることから女川原発二号機の再稼働は許されない。したがって東北電力から出されている設備変更の事前協議に同意することのないよう指摘し、壇上での質問を終わります。
○副議長(只野九十九君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 岸田清実議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、みやぎ型管理運営方式と市町村水道の課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、水道料金の将来見通しと広域連携の効果についてのお尋ねにお答えいたします。 水道事業の広域連携については、市町村など水道事業体の経営基盤強化方策として極めて重要な取り組みであると認識しており、ことし一月には県内全水道事業体を構成員とした宮城県水道事業広域連携検討会を設置し鋭意検討を進めております。今年度の取り組みとしては広域連携シミュレーションなど調査を実施しており、県内水道事業体の現状分析と水道料金水準を含む将来の財政収支を試算するとともに、さまざまなパターンの広域連携の効果について検証することとしております。今後検討会においてシミュレーションなどの結果を各水道事業体にお示しするなどして、広域連携の議論を更に深めてまいりたいと思います。 次に、みやぎ型管理運営方式と市町村水道事業体との連携についての御質問にお答えいたします。 今回公表したみやぎ型管理運営方式の実施方針素案では、県と運営権契約を締結した運営権者が市町村など水道事業体が行う水道事業にかかわる業務を受託できることとしていることから、市町村などにおいても水道事業効率化の効果が発現することを期待しているところであります。今後水道事業広域連携検討会などの場において市町村などの意見をしっかりと伺いながら、みやぎ型管理運営方式と市町村などとの効果的な連携手法を検討してまいります。 次に、みやぎ型管理運営方式への県民理解についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式の導入に当たり、県民及び受水市町村に理解を深めていただくことが極めて重要であると認識しており、これまでシンポジウムの開催や受水市町村への説明、県政だよりやホームページにおける広報など幅広い周知に努めてまいりました。受水市町村からは、みやぎ型管理運営方式に対して一定の御理解をいただいているものと考えておりますが、県民の中にはコンセッション方式への不安の声があることも承知しておりますので、県といたしましては引き続きあらゆる機会を捉え、更なる情報発信とわかりやすい説明に努め県民理解の促進を図ってまいります。 次に、十一月議会の提案を取りやめ、県民の理解を求めるべきと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。 現在公表しております実施方針素案に対するパブリックコメントも踏まえ、十一月議会には公営企業の設置等に関する条例の改正案を提案し、あわせて応募者に求める削減率や運営権者に求める水質、モニタリングの基本的な考え方などについてもお示しすることとしております。県としては県民の理解が深まるよう、これまで以上に正確な情報発信と丁寧な説明に努め、我が県にとって最も効果的な事業運営が可能となるみやぎ型管理運営方式の導入を着実に進めてまいりたいと思います。 次に大綱二点目、原子力災害時広域避難計画についての御質問のうち、バスドライバーの安全と健康及び資機材の備蓄場所などについてのお尋ねにお答えいたします。 原子力災害時住民輸送に携わるバスドライバーの安全と健康の確保は大変重要であり、宮城県バス協会と締結した協定において、当該業務による被曝実効線量が基準の一ミリシーベルトを超えないよう、積算線量計の携帯によりバスドライバーの安全などを管理することとしております。またこうした資機材の備蓄場所については、輸送事業者とのワーキンググループにおいて現在検討しているほか、使用方法については放射線防護に関する正しい知識の習得とあわせ、昨年度より研修会を開催しているところであります。 私からは以上でございます。
○副議長(只野九十九君)
公営企業管理者櫻井雅之君。 〔
公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱一点目、みやぎ型管理運営方式と市町村水道の課題についての御質問のうち、みやぎ型管理運営方式の進め方についてのお尋ねにお答えいたします。 十一月議会の条例改正に当たっては、これまでシンポジウム等で説明してきたとおり、応募者に求める削減率や運営権者に求める水質、モニタリングの基本的な考え方などについてもお示しする予定であります。条例改正の議決後更に検討を加え、要求水準書、モニタリング計画書等について、県条例に基づき外部有識者等で構成する検討委員会の審議やマーケットサウンディングを経た上で、事業者募集を開始する三月までに成案を取りまとめてまいりますが、県民、議会及び市町村に対して検討委員会での議論の過程も含めて各段階での最新の情報を提供しております。 次に、施設、設備の改築時期の適正性についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式では、運営権者の募集時に県が管路も含むダウンサイジングを踏まえた改築計画を提示し、応募者はこの計画に民間のノウハウを盛り込み、提案を行い、外部有識者等による検討委員会においてしっかりと審査されることになります。更に運営を行っていく中で設備の実態などに応じて改築する施設や時期の変更等も考えられることから、運営権者は五年ごとに改築計画案を作成し県と協議の上、計画を確定して実施することとしており、改築時の適正性は十分に確保されるものと考えております。 次に、施設のダウンサイジングについての御質問にお答えいたします。 県の水道事業は受水市町村の将来計画に基づいた水需要をもとに供給能力を決定し、施設整備を行っております。今回公表した水道事業の長期見通しについても、受水市町村が現時点で立案している将来計画と人口減少の予測による水需要をもとに、設備機器だけでなく管路も含めた水道施設のダウンサイジングを盛り込んだものとなっております。また事業中においても五年ごとに行う受水市町村の水需要の予測を確認しながら施設のダウンサイジングについても適切に見直すこととしております。 次に、性能発注方式の機種選定についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式は性能発注方式としており、運営権者には県が要求する水質等を満たすことが求められ、県は運営権者の要求水準の達成状況を確認することとしております。性能発注方式は設備機器等の調達先の選定や製品価格について運営権者の裁量として実施されることとなりますが、完成時に所有権が県に帰属することからしっかりと品質・性能について確認してまいります。 次に、運営権者が投資した設備の事業終了時の取り扱いについての御質問にお答えいたします。 運営権者により改築された設備については、県企業局の会計基準に基づき運営権終了時の残存価値相当額を支払うこととしております。またその財源については固定資産の取得であることから起債の充当が可能であると考えておりますが、さまざまな財源のうち二十年後の時点において有利な財源を充てることとしております。 次に、事業の情報公開とモニタリングに関する御質問にお答えいたします。 浜松市の守秘義務規定は相手方の承諾なしに契約情報を開示してはならないというものですが、みやぎ型管理運営方式においては運営権者に県の情報公開条例にのっとった情報公開と説明責任の履行を求めることとしております。また施設の保安対策など県民生活に不利益となるものについては守秘義務を課すこととしております。なお運営状況全体について専門的な知見により中立・公正な立場でモニタリング等を行ってもらうための第三者委員会の人選については、選定方法も含めて現在検討を進めているところであります。 次に、人材育成と技術継承についての御質問にお答えいたします。 県の浄水場はこれまで約三十年にわたって民間事業者が実際の運転現場を担っておりますが、県と民間事業者が連携して運営するためには専門的な技術や経験の維持・蓄積等を行うなど県職員の技術継承が重要であると認識しております。このため水道事業に携わる設備職員の年齢構成なども考慮し、座学のみならず漏水対応訓練や火山噴火対応訓練などの実務的な研修や技術マニュアルの整備など技術力の維持向上に努めてきたところであります。みやぎ型管理運営方式導入後においても、これまでの訓練等に加え運営権者の業務を確実にモニタリングできるよう効果的な研修や技術マニュアルの充実に努め、引き続き人材育成と技術継承をしっかりと図ってまいります。 次に、災害等の緊急時の対応についての御質問にお答えいたします。 大規模災害の発生時においても浄水場などの機能を維持することは、県として重要な責務であると認識しております。東日本大震災では民間事業者が運転管理を担っている県の浄水場においても水処理施設の一部が被災しましたが、県と民間事業者が連携して迅速な対応を図り、当日中に浄水場の機能を回復させております。みやぎ型管理運営方式導入後も実施方針素案に記載したとおり、これまでと変わらず県が運営権者と連携し県が維持管理・更新を担う管路の被災も含めて復旧に当たることとしており、引き続き迅速な対応が可能となるよう適切な人員配置と人材育成を図ってまいります。 次に、水道事業の経営見通しと建設仮勘定の会計処理についての御質問にお答えいたします。 今回公表した水道事業の経営見通しについては、今後の水需要を踏まえた施設の統廃合やダウンサイジングを考慮した上で、経営の安全性を第一とし単年度黒字、手持ち資金が年間支出額以上、また企業債残高を全国の類似団体と同様に平均年間収入の三倍程度に抑制するよう設定し算定したものであります。 また包括外部監査で指摘された会計処理については、平成十六年度まで計画していた全ての施設が完成していなかったことから、ダム建設費や管路等の資産の一部を未償却資産として取り扱っていたものであります。この手法は水道事業に特有の会計処理として国が認め全国的にも行われていたものであり、我が県でも受水市町村の了解を得て適用しておりました。減価償却未償却分については平成十六年度に事業計画を見直し、適正に会計処理をしているところであります。なおダム建設費や管路等は運営権の設定対象ではないことから、みやぎ型管理運営方式導入への影響はございません。 私からは以上でございます。
○副議長(只野九十九君)
環境生活部長大森克之君。 〔
環境生活部長 大森克之君登壇〕
◎
環境生活部長(大森克之君) 大綱一点目、みやぎ型管理運営方式と市町村水道の課題についての御質問のうち、大規模事業体における広域連携のインセンティブについてのお尋ねにお答えいたします。 水道事業の広域連携を進めるためには、地域で中核となる水道事業体が他の市町村等に対して技術的・人的支援を行うことが重要であると認識しております。現在取り組んでいる広域連携シミュレーション等調査では、大規模事業体も含めた全ての水道事業体について、向こう四十年間の財政収支の試算とさまざまなパターンの広域連携のシミュレーションを実施しております。大規模事業体に対しましては今回のシミュレーション結果をもとに、広域連携による経営合理化や国の交付金等支援制度の活用により中長期的にどのような効果があるかをお示しし議論を進めてまいります。 次に、可能な連携から始めることが現実的ではないかとの御質問にお答えいたします。 水道事業の広域連携については、宮城県水道ビジョンにおいて事業統合にとらわれず施設の共同整備や人材育成、資機材の共同調達などさまざまな形態での広域連携を段階的に進める発展的広域化を推進することとしております。現在実施しているシミュレーション調査においても広域連携の形態ごとに得られる効果を試算しているところであり、地域の実情に応じた広域連携のあり方を検討してまいります。 次に、垂直統合についての御質問にお答えいたします。 用水供給事業と末端給水事業の垂直統合については、末端給水事業同士の水平連携とともに国から広域連携の一形態として示されており、現在実施しているシミュレーション調査においてもさまざまな広域連携パターンの一つとしてその効果を試算することとしております。垂直統合を含めた広域連携のあり方を検討するに当たっては経済的な問題のみならず、御指摘のありました諸問題についても末端給水事業者である市町村等の意向や事情に十分配慮しながら進めてまいります。 次に、大綱二点目、原子力災害時広域避難計画についての御質問のうち、避難時間シミュレーションは複合災害を前提とすべきとのお尋ねにお答えいたします。 避難時間のシミュレーションを行うに当たっては季節や気象、時間帯を初めとする一般的な条件のほか、道路被害や住民避難の方向など複合災害時における避難環境等さまざまな条件を組み合わせた複数のシナリオを事前に設定し推計することになります。 次に、シミュレーションで想定する複合災害についての御質問にお答えいたします。 シミュレーションにおいて設定するシナリオ条件のうち複合災害に係るものについては、関係市町の意見も聞きながら東日本大震災など我が県で過去に発生した事例を参考に災害の内容や規模等を設定することにしております。 次に、シミュレーションに当たり勘案すべき要素についての御質問にお答えいたします。 シミュレーションに係るシナリオの条件は、観光シーズンや道路整備計画など地域の実情に即したものを選定する必要があります。今後、御指摘のありました点を含め関係市町の意見を聞きながら地域として必要な要素を十分勘案してまいります。 次に、避難退域時検査に要する時間についての御質問にお答えいたします。 車両一台当たりの検査所要時間については、平成二十九年度に実施した原子力防災訓練において約一分を要する結果となっております。また車両や身体の汚染が確認された場合は別の専用レーンに誘導し除染等を行うこととなりますが、その場合には全体で約六分ないし七分を要するという結果が得られております。御指摘のありました試算については、検査場所の面積やレーン数、災害状況などによって所要時間が異なることから一概に想定することは難しいと考えておりますが、今年度の訓練においても改めて検査所要時間を計測するとともに、より短時間でスムーズに車両が通過できるよう作業の効率化に向けた検討を進めてまいります。 次に、避難退域時検査場所の増設予定についての御質問にお答えいたします。 現在選定している十八カ所については避難経路上にあり、車両等の検査及び除染を行う相応のスペースがある公共施設約五十カ所をリストアップし、その中から水道、電気、トイレ等検査場所として必要な条件を備えた場所を絞り込み選定に至ったものであります。今後もシミュレーションの実施結果や避難経路を設定する関係市町の意見を踏まえ、必要に応じて候補地を追加するなど避難の効率化に努めてまいります。 次に、避難退域時検査場所ごとの想定時間についての御質問にお答えいたします。 御指摘のありました想定時間については避難計画の実効性を検証する上で有用なデータですが、現時点でも算出できておらず重要な課題の一つであると認識しております。避難退域時検査場所ごとの想定時間の算出に当たっては対象となる住民数、自家用車やバスによる避難率、一台当たりの乗員数など考慮すべき多くの要素を精査し、それらを積み上げていく必要があります。現在こうした作業を一つ一つ進めているところであり、可能な限り早期に対応できるよう努めてまいります。 次に、路上待機中の食料や燃料等の確保、安定ヨウ素剤の服用等についての御質問にお答えいたします。 避難途中で発生した渋滞によって食料やガソリン等の不足や安定ヨウ素剤の受け取りの遅延等が発生しないよう、避難経路阻害要因調査や原子力防災訓練の検証の結果を踏まえ、避難経路の設定や避難退域時検査場所の運営体制を見直すなど、まずは渋滞が発生しないような対策を講じてまいります。また仮に渋滞が発生した場合であっても長時間に及ばないよう、迅速に予備を含めた別の検査場所に誘導するための手順を整理するなど渋滞緩和の対応策を検討してまいります。 次に、原子力災害時における要配慮者のためのバス確保についての御質問にお答えいたします。 要配慮者を含む避難住民のバスによる緊急輸送については、昨年九月に宮城県バス協会と緊急輸送に関する協定を締結いたしました。バス確保の要請方法については県の責任のもと、原則として災害対策本部から協会に対し輸送支援を要請し、協会から個別のバス事業者に伝達していただくこととしております。 次に、バスドライバーへの情報提供手段についての御質問にお答えいたします。 原子力災害時においては自家用車による避難が行われることから、御指摘のありました渋滞や障害物などの道路情報については、バスのドライバーだけでなく車両で避難する住民の方々に対しても提供する必要があり、広報車や防災無線、テレビやラジオ、SNS等あらゆる方法で発信できるよう調整を進めております。 以上でございます。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。
◆四十番(岸田清実君) 再質問いたします。最初、知事にお聞きします。 みやぎ型で県民理解が一定程度進んでいるという答弁でしたよね。その根拠は何なんですか。
○副議長(只野九十九君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) シンポジウムを開いたりセミナーを開いたり、また県政だよりや各種資料等を配って周知に努めてきたということであります。それが理由であります。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。
◆四十番(岸田清実君) さっき質問でも言ったんですけどシンポジウムってみんな背広を着た関係者ですよね。私も参加しましたけど。知事にもお会いしましたけどね。見渡すとほとんど背広姿。関心のある企業か自治体の職員か、ほとんどそうですよね。情報出してるって言ってもそれは一方通行の話で、だから結局理解が進んでるかどうか確認できていないということですよ。もうちょっと慎重にやる必要があると思いますよ。 それから
公営企業管理者に伺いますけど、コスト削減の根拠がモニタリングとかね、結局出すはずだったんだけど間に合わなくて出せなかったわけでしょう。だけど来年の三月の募集のときまでには間に合わせますということですよね。必要な情報について県民に出せてないということじゃないですか。
○副議長(只野九十九君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 答弁でもお答えしましたとおり、十一月議会までには基本的な考え方についてお示ししたいと思ってございます。もちろん我々の考え方をどういうような規模感にやるかということを含めてお話をさせていただきたいと思ってございます。成案は先ほど申しましたとおりモニタリングをしながら、あるいは外部委員の意見を聞きながら三月までには確定したいということでございます。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。
◆四十番(岸田清実君) 県のホームページにも、実施方針案を出すときにはモニタリングの方法について情報提供しますと書いてあるんだよ。それが今、素案公表段階で提示されてないじゃないですか、モニタリングの内容について。必要なものについて提示されてないということについてはどうなんですか。
○副議長(只野九十九君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 先ほども申し上げたとおり、素案のパブリックコメントについて今出している段階でございます。条例制定までには成案としての実施方針の案を取りまとめると申し上げております。十一月の議会までには基本的な考え方をお示ししたいということを申し上げました。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。
◆四十番(岸田清実君) パブリックコメントに付すっていうのは一定の完成形に近い形で県民に示すということじゃないですか。その時点でちゃんと情報提供するという約束してるんだから、それさえできてないということについては指摘をしておきたいというふうに思います。 それから浜松市の例を引いて守秘義務と情報公開の関係ね。浜松市では相手の了解をもらえないと情報を出せないという契約ですよね。そうではないんだと、みやぎ型の場合だと県の情報公開条例に基づいて適用するんだと。確認ですけど運営権者の内部の文書も情報公開の対象になるということでいいんですね。
○副議長(只野九十九君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 県の情報公開条例につきましては県の事業として県が縛られるものでございます。我々が運営権者に求めるのは、そういった内容にのっとって情報公開をしていただきたいということを契約書のほうにも明記していきたいというふうに思っております。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。
◆四十番(岸田清実君) 運転しているのは運営権者ですからね。そこの情報が出ないということは結局十分な情報公開ができないということだと思うんですよね。 時間の関係で避難計画に移ります。 まず検査場所での時間ね。平成二十九年度の避難訓練では一分。これはゲートモニターをくぐってからワイパーとかタイヤとか測るまでの時間ですよね。私が求めてるのは検査済み証の交付まで含めて初めて検査時間なんですよ。一分って短かったような言い方だけれども検査済み証の交付まではどうなんですか。
○副議長(只野九十九君)
環境生活部長大森克之君。
◎
環境生活部長(大森克之君) 検査済み証、通過証を交付するまでの時間については平成二十九年度では測定をしておりませんでした。今年度はそこまで含めて測定したい思っております。なお検査の仕方なんですけれども、一定程度の長さもあるレーンで検査を行うということで、例えば一分かかるとして、その一分たたないと次の車が入れないというような仕組みではないという形で考えておりますんで、トータルで検査場所を短時間で何台通過できるかというような視点も必要なのかなと思っております。一台一台が何分かかるかということと検査場所を時間当たり何台が通過できるかと、そういった視点でも確認をしてまいりたい思っております。
○副議長(只野九十九君) 四十番岸田清実君。
◆四十番(岸田清実君) 先ほど言ったように石巻の市民の会から、学習会でもらった開示された資料ですけれども、ちゃんと試算しているわけですよ、ここで。この根拠は何だったんですか。
○副議長(只野九十九君)
環境生活部長大森克之君。
◎
環境生活部長(大森克之君) 御指摘のあった文書でございますけれども、避難退域時検査場所の候補地の選定に当たりまして土地管理者との調整のために作成した文書でございます。記載の時間はおおよその土地の利用時間等として関係者に提示したものであり、避難退域時検査場所の想定時間として必要な事項を精査して積み上げて算出したものではございませんでした。文書記載の場所については結果的に現在の十八カ所の避難退域時検査場所として選定されていないというような実態もございます。