山口市議会 2021-03-02
令和3年第1回定例会(3日目) 本文 開催日:2021年03月02日
2021年03月02日:令和3年第1回定例会(3日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 午前10時00分開議
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◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。
日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
本日の会議録署名議員は、14番、山本敏昭議員及び19番、原真也議員を指名いたします。
日程第2、一般質問並びに質疑を行います。
議案第1号から議案第48号まで及び諮問第1号を一括議題といたします。
順次発言を許します。12番、山本貴広議員。
〔12番 山本貴広議員登壇〕
◯ 12番 山本貴広議員 おはようございます。県都創生山口の山本貴広です。通告しておりますとおり、一般質問をさせていただきます。市長はじめ関係参与の皆様方の明快な御答弁をお願いいたします。
今回はポストコロナ時代、
市立小・中学校施設のバリアフリー化、そして多
文化共生社会づくりについての3項目をお伺いいたします。まず、大項目ア、ポストコロナ時代についてお尋ねします。
新型コロナウイルス感染症対策の救世主でもありますワクチンの接種が、ようやく医療従事者から始まりました。また、昨日は本市としての基本方針が示され、山口市接種予約・相談センターも開設されました。コロナ禍の中にあって、感染予防対策を様々な形で市民挙げて取り組んでいるところではありますが、いろいろな場所でクラスターが発生したというニュースを聞くたびに、決して他人事ではない、いつ自分自身にやってくるかわからないという、パンデミックな心情に襲われています。そんな中、ウィズコロナ、またはアフターコロナという言葉もよく耳にいたします。今回は、あえてポストコロナという言葉にしました。これは、今の生活環境で様々なことに注意しましょうという、ガイドライン的な対応の中での生活を強いられる状態ではなく、人それぞれ自身が、人と人、人と空間、人と働き方といった様々な場面を
新型コロナウイルスと共に自然と認識しながら暮らす環境を示す言葉であります。昨年10月に、三菱総合研究所が、目指すべきポストコロナ社会への提言──自律分散・協調によるレジリエントで持続可能な社会の実現に向けてを発表し、ポストコロナ社会をどのように生き抜いていくのか提言しています。ここで言うレジリエントとは、弾力があるさま、柔軟性があるさまという解釈でよいかと思います。この中で、ポストコロナ社会のよりよい未来を目指して3つの柱が示され、積年の社会課題の解決を図る過程で新たな社会モデルを創造し、持続的な経済成長と豊かさ向上の原動力をつくるとしております。まず、最初の柱が、自律分散協調社会を実現するとあります。これは、コロナ感染拡大が経済・社会の各面を新状態──ニューノーマルに移行する契機となり、人口移動・分散の動きと産業構造の変化を促したことになった。地域社会の自律性促進や個人の福祉向上のために行政デジタル化を実現しつつ、少子高齢化や多様な働き方に対応した、全世代型の社会保障制度の構築に向けた改革が必要であるとしております。第2の柱は、新しい社会課題解決を付加価値創出につなげるとしています。これは、コロナ感染拡大によって上昇した対面などの業務コストを効率化すると同時に、デジタルとリアルを融合して、消費者の本質的な欲求に応える高付加価値化を図ることが求められているとしています。第3の柱が、国際ルール形成と重層的協調を主導するとしております。これは、ポストコロナの国際社会において、中長期的なルールに基づく国際秩序の再構築を目指し、その基盤として重層的な国際協調を積み重ねていくことが必要であるとし、コロナ危機による経済停滞、感染症拡大、気候変動といった地球規模の社会課題は、いずれも国際社会の協調がなければ乗り越えられない課題ばかりであると強調しています。私は、このポストコロナ社会を創り出していく過程において、ウィズコロナ社会でもなく、アフターコロナ社会でもない、
ポストコロナ社会づくりをあらゆる分野で強調したことがとても意義深い提言だと感じました。この
ポストコロナ社会づくりを意識して、既に様々な地方自治体も取り組み始めています。静岡県掛川市、ここは以前、議会運営委員会で行政視察にお伺いした人口約12万人の町でありますが、本庁舎の建物はお茶の段々畑をモチーフにしたデザインが施され、天井まで吹き抜け構造、ガラス張りの外壁と併せ、開放感のある造りでした。階と階を直線的に結ぶ階段が設置され、6階の最上階に行けば議会棟となっており、議場はまるでプラネタリウムに入ったような馬蹄形の空間になっておりました。この掛川市が第2次総合計画の改定をする際に、ポストコロナかけがわビジョン検討室を設置し、ポストコロナ時代の新しい掛川市のビジョンを策定しております。これは言うまでもなく、新型コロナによる様々な変化──例えば、感染予防・衛生意識の高まり、働き方・学びの多様化、オンライン化・デジタル化の進展、東京一極集中から地方分散への動き、持続可能な社会づくりを全ての分野に反映するとした計画となっております。また、兵庫県でも昨年7月に、
ポストコロナ社会兵庫会議を開き、ポストコロナ社会に向けた提言書を出しております。この中では、
新型コロナウイルス感染拡大は、現代社会に多くの課題を突きつけ、私たちのこれからの社会を単にコロナ前の状態に戻すのではなく、今回の経験と教訓を踏まえた、新たな段階の文明社会を模索していかなければならない。また、兵庫は25年前の阪神・淡路大震災から創造的復興を成し遂げ、災害対処をリードしてきたとして、パンデミックへの対処、その後に進むべき新たな社会はどうあるべきか提言されています。提言は全部で5つ、パンデミック時代の危機管理、デジタル革新の加速、産業の競争力・リスク体制の強化、分散型社会への転換、最後に社会の絆の再生としております。昨年の6月に、
自由民主党政務調査会もポストコロナの経済社会に向けた成長戦略を打ち出しており、この中では8つの成長戦略を示しています。まずは、感染症対策の徹底、生活者目線での徹底したデジタル化、行政のデジタル化・規制改革の徹底~国民の信頼・利便に応える
~、デジタル田園都市国家へ~「集中から分散」、「画一から多様性」~、産業・企業のビジネスモデル&資本主義の変革、「
国際金融都市TOKYO」実現、金融機能強化と
キャッシュレス化推進、科学技術・イノベーションの推進、環境・エネルギーの戦略策定、そして最後に、コロナ後の厳しい国際競争環境の中で存在感ある日本を創る~貿易、宇宙、海洋~としております。この
新型コロナウイルスが拡散していく社会がしばらく続く中、さきに発表された自治体戦略2040構想の基本的な方向性や、スマート自治体行政の課題の解決時間をさらに一層加速したのではないかと感じております。また、深刻化・顕在化している社会課題の解決をどのように図るのかが重要になってきたと思います。ポイントは、以前の暮らしを取り戻すのではなく、新たな未来を創り出すということが急務となっているという点であります。そこでお尋ねします。本市における、ポストコロナに向けた時代の潮流の変化をどのように捉えていくのか。また、本市の当初予算のテーマは「暮らしを守り 未来を築く」としていますが、これらに対応した新年度の具体的な取組がどのようになっているのかお伺いし、この項の1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。
〔総合政策部長 田中和人君登壇〕
◯ 総合政策部長(田中和人君) おはようございます。山本議員のポストコロナ時代についての御質問の、ポストコロナに向けた基本的な考え方と新年度の取組についてお答えいたします。御案内のとおり、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大につきましては、本年1月に再度の緊急事態宣言が発出されることなどにより、市民の皆様の暮らしや事業者の皆様の事業活動に大きな影響を及ぼし、人々の生活様式や意識に変化を生じさせますとともに、様々な社会課題を浮き彫りにしているところでございます。具体的に申し上げますと、まず、人々の生活におきまして、マスクの着用や手指消毒、3密の回避などの感染予防の意識が定着し、また、人と人との接触機会を減らしながらの社会経済活動の維持に向けまして、リモートによるテレワークやオンライン会議の普及など、働き方などにも変化が生じているところでございます。また、行政のデジタル化の遅れへの対応として、国におかれましては、社会全体のデジタル化を強力に進めるため、本年2月にデジタル社会の形成に関する基本理念などをはじめ、国や地方公共団体の責務や、デジタル庁の設置などを定めた
デジタル社会形成基本法などのデジタル関連法案を閣議決定され、今通常国会に提出されたところでございます。さらに、大都市圏における大規模な感染拡大を背景に、過度な人口集中のリスクが明らかとなる中で、昨年6月に内閣府が公表されました調査では、東京都居住の若者を中心に地方移住への関心が高まったとの結果が示されているところでございますし、総務省の
住民基本台帳人口移動報告におきましても、東京都における人口移動は、昨年7月から本年1月までの7か月連続で転出超過の状況となっているところでございまして、こうした変化は、地方創生の加速化に向けた契機とも捉えているところでございます。こうしたことなどを踏まえまして、議員お尋ねのポストコロナに向けた時代の潮流の変化についての本市の認識といたしましては、新しい生活様式の定着や働き方などの多様化、社会全体のデジタル化の加速、地方創生の加速化に向けた契機などを変化として捉えているところでございます。そして、こうした時代の潮流の変化を踏まえます中で、本市の令和3年度当初予算につきましては、安心して豊かに暮らせるまちづくり、新しい時代の流れを力にするまちづくり、好影響・好循環のまちづくり、この3つのまちづくりを基調とした「暮らしを守り 未来を築く」予算と位置づけておりまして、とりわけ先ほど申し上げました、
新型コロナウイルス感染症への対策としての新しい生活様式の定着や、働き方の多様化、社会全体のデジタル化、地方創生への契機などといった社会の変化に対しまして、柔軟に対応可能な本市における新たな日常を構築してまいりたいと考えているところでございます。議員お尋ねの新年度の具体的な取組につきましては、まず、安心して豊かに暮らせるまちづくりといたしまして、
新型コロナウイルスワクチンの接種開始に向けた取組を進め、地域外来・検査センターの運営や、重症化リスクの高い方への検査費用の支援を引き続き行ってまいりますとともに、保育園や幼稚園、小・中学校などにおける感染防止対策の取組を引き続き進めてまいります。また、
感染予防ガイドラインへの対応や新たな業態へのチャレンジなど、市内事業者における新しい生活様式の定着に向けた取組を支援いたします。さらに、テレワークやワーケーションなどの新しい働き方のニーズへの対応といたしまして、中山間地域における滞在型の交流促進事業の実施や企業のオフィス開設支援のほか、南部地域におけるプロモーションの実施などを行ってまいります。また、オンラインを活用した移住・定住の促進に向けたプロモーションの実施や、(仮称)やま
ぐちオンラインマラソン大会の開催、遠隔によります手話通訳・要約筆記サービスの提供に向けた体制強化を図ってまいります。次に、新しい時代の流れを力にするまちづくりといたしまして、Society5.0時代を見据え、あらゆる分野におけるデジタル技術の活用などを進めてまいります。まず、スマートシティの構築に向けた取組といたしまして、山口市
スマートシティ推進ビジョンの策定をはじめ、先端的なサービスの社会実装に向けた取組や、地域社会におけるデジタル化対応の推進に向けました人材育成の取組、市内企業におけるデジタルトランスフォーメーションの促進に向けた取組への支援などを行ってまいります。また、ICTを活用した教育の推進として、児童生徒1人1台のパソコンを活用した学習活動の充実強化を図ってまいります。さらに、利便性の高い交通システムの構築として、県との連携によります新たなモビリティサービスの調査・実証事業などを進めますとともに、スマート農業の推進に向けた取組などを行ってまいります。また、スマート自治体の推進といたしまして、行政手続の窓口におけるタブレット端末の導入や母子健康アプリの導入、小・中学校と保護者の連絡手段のデジタル化に向けた実証事業の実施、AI・RPAを活用した内部管理業務の効率化などを進めてまいります。次に、好影響・好循環のまちづくりといたしまして、地方創生の加速化に向けた契機や産業交流拠点施設の供用開始などを原動力として、新たな人や物などの流れを本市全体に対流させ、本市全体の発展を実現してまいりますため、都市政策の柱でございます「
広域県央中核都市づくり」と「個性と安心の21地域づくり」をはじめとした重点プロジェクトを積極果敢に進めてまいります。
広域県央中核都市づくりにおきましては、まず、山口・小郡両都市核におけるおおむね今後20年間の目指すべき将来像や具体的な取組の方向性などをお示しする、(仮称)山口市
都市核づくりビジョンの策定を進めてまいります。また、山口都市核づくりでは、新本庁舎の整備をはじめ、第3期山口市
中心市街地活性化基本計画の策定と推進、湯田温泉の多世代交流・健康増進拠点施設の整備、情報文化ゾーンにおける中園町周辺地区の整備などを進めてまいります。加えまして、産業交流拠点施設のオープンによる新たな人の流れを、湯田温泉をはじめとした市内の宿泊客の増加につなげてまいりますため、コンベンション誘致に係る助成制度の拡充などを図ってまいります。また、小郡都市核づくりでは、産業交流拠点施設につきまして、産業交流スペース「メグリバ」やメディフィット・ラボにおける事業展開とともに、産業交流拠点施設を活用した新たな交流創出に向けた取組を進めますほか、新山口駅周辺における民間の再開発組合によります新山口駅北地区第一種市街地再開発事業の支援を行ってまいります。また、個性と安心の21地域づくりにつきましては、総合支所エリアにおける
ふるさとにぎわい計画に基づくプロジェクトを引き続き進めますとともに、
南部地域活力アップ推進プランや中山間地域づくり指針に基づきます地域資源の活用に向けた取組を進めてまいります。また、阿知須地域と徳地地域におきましては、総合支所と地域交流センターなどを新たに複合施設として整備をいたしますとともに、
阿東地域交流センター篠生分館の建て替えなどにより、地域を支える拠点づくりを進めます。さらに、持続可能な公共交通の構築といたしまして、幹線バスの維持や
コミュニティタクシーの運行に向けた支援などに取り組みますとともに、協働によるまちづくりの推進に向けまして、地域づくり交付金において、関係人口の創出などを図る新たな特別交付金制度を創出してまいります。また、オール山口で取り組む移住・定住の促進に向けて、地域おこし協力隊20名の受入れ体制づくりに加え、UJIターン希望者への支援の強化、空き家を活用した新たな交流の創出などを図る取組に対する支援を行います。令和3年度は、こうした3つのまちづくりを基調に、ポストコロナに向けた時代の潮流の変化に対応した取組を進めますことで、住んで良かった、これからも住み続けたい山口市と心から思えるまちづくりを進めてまいりたいと考えているところでございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山本貴広議員。
〔12番 山本貴広議員登壇〕
◯ 12番 山本貴広議員 それでは続きまして、大項目のイとして、
市立小・中学校施設のバリアフリー化についてお伺いいたします。昨年12月に、学校施設のバリアフリー化等の推進に関する
調査研究協力者会議において、
学校施設バリアフリー化推進方針の改定案を取りまとめられました。これを受けて、文部科学省が学校施設のバリアフリー化等の推進に関する基本的な考え方や計画、設計上の留意点などをまとめたガイドラインを公表いたしました。この中で、まず、学校施設におけるバリアフリー化の加速が必要となる背景が示されています。内容を紹介しますと、近年、障がいや性別、国籍、経済上の理由等に関わらず、インクルーシブな社会環境を整備していくことが求められている。特別支援学校に在籍する児童生徒や、通級指導を受ける児童生徒の数は増加傾向にある。公立小・中学校等の9割以上が災害時の避難所に指定。令和2年5月に改正バリアフリー法が公布され、特別特定建築物に公立小・中学校等を追加するための規定が整備されたとしています。そこでお尋ねします。この
調査研究協力者会議で提案された中に、令和7年度末の整備目標の設定の考え方が示されていますが、市内にある、市立の小学校33校と中学校17校施設のバリアフリー化の状況について、実態をどのように把握されているのかお伺いいたします。次に、学校施設のバリアフリー化策についてお伺いします。さきに述べた
調査研究協力者会議では、学校施設のバリアフリー化を一層加速していくために、国における方策を提言しています。まずは、バリアフリー化の実態を踏まえた整備目標の設定と周知、そして進捗状況の公表、学校施設のバリアフリー化に対する支援策の充実、学校施設のバリアフリー化推進のための普及啓発や技術的支援、学校施設の周辺も含めた面的・一体的なバリアフリー化の推進、最後に、学校における心のバリアフリー化の推進を示しております。また、学校設置者等における推進方策として、学校施設のバリアフリー化の実態について、的確に把握した上で整備目標を設定するとしています。そこでお尋ねします。本市の学校施設の現状を鑑み、安心で安全のためのバリアフリー化策を今後どのように加速していくのかお伺いいたしまして、この項の1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 礒部教育部長。
〔教育部長 礒部素男君登壇〕
◯ 教育部長(礒部素男君) 私からは、
市立小・中学校施設のバリアフリー化についての御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、令和2年5月に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律──いわゆるバリアフリー法が改正され、学校施設が特別特定建築物に位置づけられたことから、床面積2,000平方メートル以上の公立小・中学校の新築等を行う場合には、敷地境界から主たる教室までの段差を解消することが義務づけられたところでございます。また、既存校舎などについても、バリアフリー法に積極的に適合していくよう努力義務が課せられたところでございます。本市の
市立小・中学校施設におけるバリアフリー化のこれまでの取組といたしましては、高齢者、障がい者等の円滑な利用に配慮された公共的施設の整備や促進を図る、山口県福祉のまちづくり条例や同条例施行規則に基づき、通路や各フロアを円滑に移動できるよう、エレベーターの設置や敷地内通路、廊下などの段差の解消、階段における転倒防止、配慮が必要な児童生徒や教職員が利用しやすいトイレの整備などを進めてきたところでございます。具体的には、校舎・屋内運動場の新築・増改築工事や要配慮児童生徒等への対応が必要となる際に、階段等への手すりの取付けや、廊下・階段等に滑りにくい材料を用いた仕上げ、車椅子やオストメイトの対応ができる多目的トイレの整備、建物の出入口へのスロープの設置といった工事を行ってきたところでございます。議員お尋ねの学校施設のバリアフリー化の現状につきましては、市立小・中学校合わせて50校あります中、エレベーターは6校に設置いたしたほか、多目的トイレは48校に整備し、スロープについてはほぼ全ての学校に少なくとも1か所以上設置してきたところでございます。次に、学校施設のバリアフリー化策についてお答えいたします。議員御案内の学校施設のバリアフリー化等の推進に関する
調査研究協力者会議において、令和7年度末までの5年間に、緊急かつ集中的にバリアフリー化の整備を行うための整備目標が示されたところでございます。これを受け、文部科学省においても、同年を目標に整備するよう通知を出されたところでございます。文部科学省におかれましては、5年間のバリアフリー化の整備目標の設定の考え方といたしまして、避難所の指定状況及び要配慮児童生徒や教職員の在籍状況を踏まえて重点化を図ること、学校施設の改修時には、バリアフリー法の基準を参考に施設全体のバリアフリー化を促進すること、要配慮児童生徒等の在籍状況は将来的な動向等を踏まえ、柔軟な対応をすることの3点を示されたところでございます。本市といたしましては、バリアフリー法が求めております敷地境界から主たる教室までの段差の解消といった基準を全ての学校に適合させていくには、本市の学校の現状を考えますと、多額の費用や整備目標年度されております令和7年度を超える工事期間を要すると考えております。例えば、エレベーターを事例として申し上げますと、現在、学校のバリアフリー化の現状につきましては、先ほど申し上げましたように、敷地内通路・廊下等の段差解消など、水平移動については円滑にできるよう整備してまいりましたが、一方で、1階から2階などへの垂直移動については、全てにエレベーターを設置しているわけではございません。バリアフリー法が求める基準である全ての段差を解消するためには、平屋建てを除いた49校において、校舎の数に合わせ1校当たり1基から最大5基のエレベーターの設置が必要な状況でございます。こうしたことから、本市といたしましては、国の示す整備目標の考え方を念頭に、要配慮児童生徒等が在籍するなど、早急に対応が必要と判断したものにつきましては、各校と協議を重ねつつ、教室やトイレの出入口などの段差の解消、階段の手すりの取付け、建物出入口のスロープの設置など、必要となる工事を速やかに実施いたしますとともに、長寿命化改修などの学校施設改修時には、バリアフリー法が求める基準を見据えながら、整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山本貴広議員。
〔12番 山本貴広議員登壇〕
◯ 12番 山本貴広議員 それでは、最後に大項目ウ、多
文化共生社会づくりについてお尋ねします。最初に、第二次山口市国際化推進ビジョン(案)についてお伺いします。今や市内在住の在留外国人は、市民の100人に1人の割合となっております。この外国人との共生社会づくりについては、前回も前々回もその前も御指摘をさせていただいており、本市にとって非常に重要なファクターであるとともに、本市に在住の外国籍市民は貴重な人材でもあり、なくてはならない存在になってきていると思います。最初の項目でも申し上げましたが、ウィズコロナでもなければ、アフターコロナでもない、
ポストコロナ社会づくりが求められているときに、国際交流とか人材育成とか、国際協力の促進活動が非常に困難になっている中にあって、真に今大事なのは、外国人市民と表記されている方々との多文化共生社会をどうやって構築していくのかということだと思います。このたびのビジョンにつきましては、昨年12月の執行部説明会において、国際交流課より説明がありました。現在では、パブリックコメントも終了し、今月中旬には最後の策定協議会が開催されると承知しております。そこでお尋ねします。3年間の空白期間中、世界情勢はSDGsに舵取りが変わり、このたびのビジョンの柱は国際交流の推進と多文化共生の推進の2つの施策となっておりますが、最初のビジョンとの違いについて、また、基本施策の狙いや取り組む方向性について、加えて、山口市を挙げて取り組む必要のある多文化共生社会づくりを今後どのように反映されるのかお伺いします。さらに、先進事例とすれば岡山県総社市、静岡県浜松市や神戸市の取組を執行部には事前に御紹介しておりますので、多文化共生社会づくりについての御所見などがありましたら併せてお伺いいたします。この項最後の中項目になりますが、多文化共生社会づくりの調整力についてお尋ねします。このたびのビジョンの中では、本市における課題を上げておられますが、今後最も重要となるのがこの調整力だと思っております。第二次山口市国際化推進ビジョン(案)の図2-8で、様々な主体との連携強化の3つの輪が書かれておりますが、一番大事なのはその交わったところを誰が担うのか、そこには官民一体となった組織が必要になると考えますがいかがでしょうか。もっと具体的に言えば、その架け橋をする人や場が必要だろうと思います。公益財団法人山口県国際交流協会が運営するやまぐち外国人総合相談センターが本市にございますが、本市に約2,000人おられる外国人市民の相談に、1か所で全て解決できるわけでもなく、ましてや、県内に約1万8,000人はおられるわけですから、やはり生活に身近な自治体独自に、そのような場や人材の確保が急務であります。このことは、これまでにも御指摘をさせていただいたところでもあります。そこでお尋ねします。これは以前にも山口市国際協力教育事業推進協議会から提言され、私からも提案をさせていただいてきたことではありますが、多世代交流・健康増進拠点施設を整備される中に、この多文化共生社会づくりを担う調整機能が果たせる、そんな場を組み入れることについての御所見をお伺いしまして、この項の1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。
〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕
◯ 交流創造部長(有田 剛君) 多文化共生社会づくりについての御質問のうち、私からは第二次山口市国際化推進ビジョン(案)についてお答えいたします。御案内のとおり、本市の国際化を推進するための長期的な方向性を示す第二次山口市国際化推進ビジョン(案)につきましては、これまで2年間にわたり、市内関係団体の皆様との協議の場を設けまして、本市の現状や課題を抽出し、議論をいただくとともに、パブリックコメント等を通じて様々な御意見を伺いながら策定に向けて検討を重ね、本年3月の策定を目指しているところでございます。本市の外国人市民につきましては、前ビジョンを策定した2013年4月当時と比較いたしますと、2020年4月現在は約1.6倍にあたる1,897人と増加傾向にあり、在留資格別では留学を抜いて技能実習の増加が顕著となっているところでございます。国籍・地域別におきましては、ベトナムが最も多くなるなど、民間事業者における外国人材の活用が本市におきましても進展しているところでございまして、日常生活でのごみ出しや災害時の避難など、言葉や文化の違いから生じる各種課題への対応が必要となっており、地域における外国人市民を受け入れるための理解促進など、多文化共生の仕組みづくりがこれまで以上に求められているものと認識をいたしております。こうしたことを背景に、新たなビジョンでは、多文化共生の推進を国際交流の推進とともに主要な施策に掲げ、前ビジョンに増して重要な取組として位置づけまして、外国人市民にも安心して地域で暮らしていただけるよう3つの基本施策、多文化共生の地域づくり、暮らしやすい環境の整備、普及啓発の充実を展開してまいることとしております。この基本施策におきます狙いと取組の方向性といたしましては、まず1つ目の多文化共生の地域づくりでは、地域での交流を通じて外国人市民と日本人市民が互いの文化の違いを認め合い、共に暮らしやすい仕組みづくりといたしまして、気軽に交流できる憩いの場づくりをはじめ、海外生活の経験がある人材等による外国人市民との交流におけるコーディネート機能の整備、地域のイベントや清掃活動への参画など、外国人市民が活躍できる場づくりを進めてまいります。2つ目の暮らしやすい環境の整備につきましては、言語や文化的な違いから生じる日常生活の困りごとを軽減するため、日本語の学習機会の拡大や子供達への学習機会の提供をはじめ、ICTやコミュニケーションボードを活用した情報伝達の促進、外国人市民の悩みや相談を関係団体へつなぐネットワークづくりを推進してまいります。最後の3つ目の普及啓発の充実につきましては、市民の皆様や市職員に対する啓発を進め、多文化共生の意識醸成を図るため、市民の皆様を対象とした多文化共生に関する各種講座や、行政サービス向上に向けた市職員の研修を開催するとともに、外国人市民が抱える課題解決に向けた関係機関との情報交換を進めてまいります。今後の多文化共生社会づくりについてでございますが、議員御紹介の先進市と比較いたしますと、本市では技能実習や留学といった3年から5年で母国に帰国される外国人市民が多い特徴がございます。ビジョンの計画期間である7年間におきましては、将来的に定住者が増加していくことも見据えながら、先ほど御紹介した基本施策をそれぞれ段階的に進めてまいる必要があるものと認識いたしており、次期ビジョンの初年度となる新年度におきましては、まずは市民の皆様に向けて、多文化共生に理解を深めていただく取組を進めてまいります。主な取組といたしましては、まず、外国人市民が増加傾向にある南部地域を中心にモデル地区を設定いたしまして、外国人市民との交流イベントを実施するなど、相互理解を深めるとともに、地域における外国人市民の活躍の機会創出に向けた取組を進めてまいります。交流の推進に当たりましては、行政や地域、また、外国人材を活用される民間事業者との連携の下、一般財団法人自治体国際化協会の地域国際化推進アドバイザー制度を活用いたしまして、専門家に助言を賜りながら進めてまいります。また、地域における各種行事等に外国人市民の参画を促すため、語学能力や海外経験を有する方や多文化共生に理解・関心のある方などに、世話役や仲介役を担っていただけますよう担い手講座等を開催し、外国人市民と日本人市民とをつなぐ人材の確保と育成に努めてまいります。さらに、技能実習生をはじめ海外から初めて来日される方々を対象に、日本の生活様式など日常生活のルールに関する講座を開催いたしまして、トラブルを未然に防ぎ、地域において円滑に共生できる受け皿づくりを進めてまいります。こうした各種取組によりまして、外国人市民が安心して暮らし、活躍いただける場を創出できるよう多文化共生社会の構築を目指してまいります。また、多文化共生を取り巻く環境は数年で大きく変動いたしますことから、行政だけではなく、自治会、経済団体、市民団体や民間事業者の皆様と情報共有を図る必要があるものと考えております。今後は、施策の推進体制といたしまして、関係の市民団体、経済団体の皆様方に参画いただき、(仮称)山口市国際化推進懇話会を随時開催いたしまして、官民連携の下、新たな課題にも柔軟かつ迅速に対応できるよう進めてまいりたいと考えております。先ほど議員から御紹介いただきました先進事例であります、神戸市の外国人市民会議や総社市の外国人市民による多文化共生推進員の活用などは、外国人市民の御意見を伺う場や参画機会を設ける仕組みとして非常に有効な方策でございまして、本市の懇話会におきましても、外国人市民の方に御参画していただくこととしております。また、浜松市におかれましても、外国人市民との共生を推進するための諸課題を調査、審議する協議会を開催しておられまして、本市の懇話会と同様の機能を有しますことから、テーマや検討内容など、ぜひとも参考にさせていただきたいと考えております。新たなビジョンの実行に当たりましては、市民相互の交流があってこそ相互理解につながるという考え方の下に、外国人市民と日本人市民とが相互に理解し、協力し合う多文化共生社会の構築に向けまして、着実に取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。
〔総合政策部長 田中和人君登壇〕
◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは、多文化共生社会づくりの調整力についてお答えいたします。御案内のとおり、多世代交流・健康増進拠点施設の整備につきましては、令和2年10月に策定をいたしました基本計画に基づきまして、現在、基本設計に着手をしているところでございます。また、この基本設計業務と並行して、本施設に導入する温浴・健康機能、交流機能、附帯機能の3つの機能を活用した企画事業やプログラム、そして施設運営などを検討するため、聞き取りなどにより民間の知見やノウハウを提供していただく──いわゆるサウンディング型の市場調査を実施しているところでございます。このサウンディング調査につきましては、現在、4つの事業者や団体に御参加をいただき、聞き取りを行っているところでございまして、参加事業者からは、施設運営の御経験や知見なども踏まえながら、本施設の機能の活用に向けた御提案をいただいているところでございます。こうした中で、議員御案内の多文化共生社会づくりにおける調整機能を本施設内に導入するといった御意見は、サウンディング調査の参加事業者からは出ていないところではございますが、本施設を多文化共生社会づくりの活動の場として利用していくことにつきましては、本施設での多様な交流が生み出されるといったことにもつながるものと認識をしているところでございます。一方で、本施設に多文化共生社会づくりを進めていくための調整機能や事務局的な機能を導入することにつきましては、これから第二次国際化推進ビジョンにおける多
文化共生社会づくりを進めるに当たって、求められます調整機能や事務的な機能の検討が必要となってまいりますし、また、現在、拠点施設の事業展開や管理運営体制などの検討を行っております中で、本施設の場所や機能構成などが双方にとって適しているのかどうかといったようなことなども検討する必要があるというふうに考えております。こうしたことから、関係部局との連携をいたしながら、引き続き、研究をさせていただきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、山本貴広議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
議場内の換気のため、暫時休憩いたします。
午前10時46分休憩
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午前10時54分休憩
◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
14番、山本敏昭議員。
〔14番 山本敏昭議員登壇〕
◯ 14番 山本敏昭議員 公明党の山本敏昭でございます。今回も大項目3点についてお伺いさせていただきます。執行部の皆様の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
まず、最初に大項目ア、令和3年度当初予算についてお聞きいたします。最初に、財政指標のフィードバックということですが、これまでも本会議の一般質問や討論の際に、経常収支比率や実質公債比率、将来負担比率などについて議員から指摘されてまいりました。比較的分かりやすい指標でもありますので多くの場で取り上げられていますが、山口市の数値は全体に悪化傾向にあるように感じます。直近の決算である令和元年度決算時の経常収支比率は95.2%で、平成30年度と比較して約2%の悪化となっており、議会でも政策的経費の割合が薄くなる──いわゆる財政の硬直化を懸念する声が多く聞かれました。本来、予算と決算は表裏の関係にあり、決算の際に上がった指摘は予算に生かされ、予算審議の結果は決算の際に成果を確認する目安でなければいけないはずです。今回の令和3年度当初予算においては、経常収支比率は98.7%を想定されており、一段と財政の硬直化が見込まれております。これでは昨年9月の決算議会での指摘が生かされた予算編成となっているのか疑問に感じます。また、将来負担比率も対前年比33.8%増の85.1%と大幅に増加しており、議員ならずとも数値の変動に不安を感じるところであります。従来、執行部からなされる御説明や答弁にある県内他市との比較や、類似団体との比較という相対的な判断基準だけで財政の健全性が担保されているか疑問に感じますし、早期健全化基準の目安となる数値については極端とも思える数字で、現状がその数値に達していないからといって一概に納得できるものではありません。先日お聞きした経営戦略を専攻する教授の話の中で、財政指標には赤信号と青信号しかないとお聞きいたしました。本来なら黄色信号で注意を惹起すべきですが、多くの自治体は黄色信号に突入していながら、まだ赤じゃないからと問題を先送りしているとの御指摘がありました。山口市の状況が現在どのレベルなのかは分かりませんが、財政指標偏重主義や相対比較だけでは、現状判断を誤る可能性があるように感じます。指標の存在を否定するつもりはありませんが、その指標の示す数値や動向について、恣意的に判断し、必要以上に楽観視してはなりませんし、決算の際に議会から指摘された数値の改善に対しても十分な検討がなされ、予算編成に生かされる必要があるのではないでしょうか。そこでお聞きいたしますが、この令和3年度当初予算編成において、決算議会からの指摘を踏まえ、どのように検討して取組を進められたのかお聞きいたします。次に、
新型コロナウイルス感染症の影響について伺います。このコロナ禍で、市内経済も不透明な状況が続いています。本市としても、これまで相次いで経済対策を打ち出されてはおりますが、依然として好循環の道のりは見えてこない状況です。このような市税等の減少に伴い自主財源確保が難しい中、令和3年度は17億円の財政調整基金を取り崩し歳入に充当させております。今回の取り崩しについては、基金本来の使途であり不適切なものではありませんが、一部ではせっかく貯めた基金の取り崩しに抵抗感を覚える市民の皆様もおいでのようです。
新型コロナウイルス感染症については、今後、ワクチン接種が始まり、感染拡大は低減していくものと期待していますが、長期的に見れば他の感染症流行など、不測の事態が発生する可能性もあり、市民理解を得る上であらかじめ財政調整基金活用に関する判断基準や指針の必要性を感じますが、市のお考えをお聞きいたします。一方、現在進めておられる第二次山口市総合計画への影響という部分でも懸念を感じる部分があります。既に前期基本計画も半ばを過ぎた段階で起きたコロナ禍は、計画策定当時から見れば想定外の事態であり、第二次山口市総合計画の最終年までの時間はまだ若干あるものの、今後も感染症とそれに伴う変異種に対する不安、南海トラフ巨大地震や頻発する夏場の豪雨などの自然災害、経済や為替をはじめ不安定な経済情勢といった懸念材料もあり、総合計画の達成がさらに厳しくなる可能性もあるかと思います。そこでまず、現時点での
新型コロナウイルス感染症による前期基本計画の進捗への影響について伺うとともに、山口市の将来都市像の実現に向けて、令和3年度に重点的に進めることで総合計画の進捗に好影響を及ぼす事業、取組についてお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。
〔総合政策部長 田中和人君登壇〕
◯ 総合政策部長(田中和人君) 山本議員の令和3年度当初予算についての御質問にお答えいたします。まず、財政指標のフィードバックについてでございます。御案内のとおり、令和3年度当初予算におきましては、経常収支比率は98.7%、実質公債費比率は3か年の平均で5.7%、また、将来負担比率は85.1%を見込んでいるところでございまして、いずれの指標につきましても、令和元年度の決算や令和2年度の当初予算時よりも上昇することを見込んでいるところでございます。経常収支比率につきましては、近年、全国的に社会保障関係経費が増加をいたします一方で、国の地方財政対策によります一般財源総額が維持に留まっている状況などから、全国的に経常収支比率は上昇傾向にございまして、平成30年度決算におきましては、全国の6割近くの市町村において90%を超えている状況でございます。また、実質公債費比率と将来負担比率につきましては、早期健全化基準がそれぞれ25%以上と350%以上に設定をされており、本市におきましては、いずれの指標もこれらの基準を大きく下回る健全な財政状況にあるというふうに考えているところでございます。こうした中で、今後も持続可能な財政運営を図ってまいりますため、本市におきましては、令和3年度当初予算の編成に当たりましても、予算編成方針や山口市財政運営健全化計画に基づきまして、歳入歳出の両面から様々な取組を行ってきたところでございます。具体的には、交付税措置率の高い有利な地方債の活用を引き続き図ってまいりますほか、経常経費の削減に向けました公共施設の電力調達における入札の実施や、経常収入の増加に向けましたネーミングライツ収入の確保、また、将来負担に備えました減債基金の積立などに取り組んだところでございまして、今後とも、歳入歳出両面からの不断の取組を進め、また、将来の財政見通しなどもしっかりと見定めながら、持続可能な財政運営に努めてまいる所存でございます。次に、
新型コロナウイルス感染症の影響についてでございます。御案内のとおり、令和3年度当初予算につきましては「暮らしを守り 未来を築く」予算といたしまして、総額で877億3,000万円を計上し、令和2年度補正予算と一体的に執行する15か月予算として編成いたします中で、現計予算の活用も図りながら、総額で約38億6,000万円となります
新型コロナウイルス感染症経済対策第8弾を取りまとめたところでございます。御案内のとおり、
新型コロナウイルス感染症に対応した事業の実施に当たりましては、国により
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をはじめとした各種の支援制度が措置されておりまして、本市といたしましても、こうした国の支援制度の積極的な活用を基本に対応を考えているところでございますが、令和3年度当初予算における当該交付金の計上額が約1億2,000万円となっておりますことなどから、こうした対策などの事業の実施に必要な財源を確保するため、財政調整基金から17億円の繰入れを計上しているところでございます。議員御案内の
新型コロナウイルス感染症対策を含めた不測の事態への対応に向けました、今後の財政調整基金の活用につきましては、様々な案件が想定されますため、一定の判断基準などを設けていくことは難しいものと認識をいたしておりまして、適宜、不測の事態への対応に係る事業の緊急度や必要度、あるいは、基金の残高の見込みや今後の財政運営の見通しなどを総合的に勘案した上で、必要な事業費が確保できますよう、財政調整基金の活用、また、あるいは特定目的基金の効果的な活用などについても図ってまいりたいというふうに考えております。また、そのためにも一定程度の基金残高が必要となってまいりますことから、現在におきましても財政運営健全化計画の中で、基金全体としての残高の目標値を設定して、そのための取組を進めているところでございまして、今後ともこうした形で基金については対応してまいりたいというふうに考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。次に、
新型コロナウイルス感染症による第二次山口市総合計画前期基本計画の進捗への影響についてでございます。御案内のとおり、前期基本計画の進捗状況など、総合計画の進行管理につきましては、実行計画において行っており、行政評価システムを活用しまして、毎年度9月にまちづくり達成状況報告書としてお示ししているところでございまして、昨年9月の令和元年度の報告書におきましては、前期基本計画の8つの重点プロジェクトの総合的な指標でございます、定住人口・交流人口・ふるさと指標の目標値の達成に向けまして、おおむね順調に進んでいるところでございます。御案内のとおり、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、国の緊急事態宣言の発出により、都道府県をまたぐ移動の制限や外出自粛など、市民の皆様の暮らしや事業者の皆様の事業活動に大きな影響を生じさせるとともに、また一方で、テレワークへの転換や様々な分野でのリモートサービスの活用、若者をはじめとした地方移住への関心の高まりなど、地方創生の加速化に向けた契機ともなる変化を生じさせているところでございます。こうした中で、議員お尋ねの前期基本計画への進捗への影響につきましては、今後、本年9月にまちづくり達成状況報告書を作成してまいります中で、主要な成果指標の把握や分析をいたしますとともに、後期基本計画の策定に向けました取組の中で詳細な分析を行い、判断をしてまいることになるものと考えておりまして、現時点におきましては、その影響の状況については把握ができておりませんが、いずれにいたしましても、本市といたしましては、何よりもまず市民の皆様の雇用と暮らしを守り、地域経済の基盤となります事業活動を守り抜くことを最優先に、国や県の経済対策とともに、本市独自の経済対策を第二次山口市総合計画に基づく施策展開と一体的に進めてきているところでございます。また、こうした中で、第二次山口市総合計画の将来都市像の実現に向けました、令和3年度当初予算における重点的な取組を8つの重点プロジェクトに沿って申し上げますと、まず、
広域県央中核都市づくりといたしまして、(仮称)山口市
都市核づくりビジョンの策定をはじめ、山口都市核づくりでは、新本庁舎の整備や湯田温泉の多世代交流・健康増進拠点施設の整備などを進め、小郡都市核づくりでは、産業交流拠点施設の利用拡大に向けた取組や、産業交流スペース「メグリバ」、メディフィット・ラボにおける事業展開、産業交流拠点施設を活用した新たな交流創出に向けた取組などを行ってまいります。次に、個性と安心の21地域づくりでは、総合支所エリアにおける
ふるさとにぎわい計画に基づくプロジェクトの引き続きの展開をはじめ、
南部地域活力アップ推進プランや中山間地域づくり指針に基づく取組などを進めてまいります。また、阿知須地域と徳地地域における総合支所と地域交流センターを中心とした複合施設の整備をはじめ、各地域の個性や地域課題に対応した拠点づくりを進め、持続可能な公共交通の構築に向けた取組や、協働によるまちづくりの推進に向けた新たな特別交付金制度の創設、移住・定住の促進に向けた取組などを進めてまいります。次に、教育・子育てなら山口では、保育園や放課後児童クラブの待機児童の解消に向けた定員拡大の取組、小・中学校における校舎の増改築工事や長寿命化改修、児童生徒1人1台のパソコンを活用した学習活動の充実強化、保育業務のICT化や母子健康アプリの導入などを進めてまいります。また、令和3年10月から、ゼロ歳児から中学生までの全てのこども医療費の無料化を実現してまいります。次に、働く・起業なら山口では、農林水産業の経営基盤の強化と担い手育成の取組や、スマート農業の推進とともに、サービス業・商工業の多様な雇用の場づくりとして、起業創業支援や鋳銭司第二団地の整備、中小企業の人手不足対策支援などを進めてまいります。次に、文化・スポーツ・観光なら山口では、マイクロツーリズムの推進による市内消費の喚起に向けまして、山口県央連携都市圏域の7市町による山口ゆめ回廊博覧会の開催とともに、博覧会に併せた本市独自のアートイベントをはじめとしたイベントの開催、東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるホストタウンとしての交流事業の展開などを進めてまいります。次に、健康長寿のまちでは、綜合病院山口赤十字病院、済生会山口総合病院の建て替えの支援や、(仮称)徳地診療所の設置、地域包括支援センターの体制強化と包括的相談体制の構築、遠隔による手話通訳・要約筆記サービスの提供に向けた体制強化などを図っております。次に、安全安心のまちでは、高齢者や障がい者などの要配慮者を対象といたしました避難所機能の確保、生活道路や橋梁の適切な維持補修、脱炭素社会の実現に向けました支援施設における再生可能エネルギーの活用や、バイオマスプラスチック製の可燃ごみ指定収集袋の新規導入などを進めてまいります。次に、市民サービス向上では、スマート自治体の取組として、行政窓口におけるタブレット端末の導入や、山口市LINE公式アカウントの機能充実、AI・RPAを活用した内部管理業務の効率化の取組などを進めてまいります。このような取組を
新型コロナウイルス感染症への対応とともに進めてまいりまして、第二次山口市総合計画に掲げる将来都市像の実現を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山本敏昭議員。
〔14番 山本敏昭議員登壇〕
◯ 14番 山本敏昭議員 どうもありがとうございました。2回目の質問がしたかったのですけれど時間がないので先にいきます。
続きまして、大項目イ、コロナ禍における子育て・健康福祉についてであります。中項目1)子育て世帯への経済支援です。各種報道において、非正規雇用労働者世帯の収入減少は引き続き大きく取り上げられています。パート・アルバイトだけが収入源の方にとっては、雇用の維持だけではなく、就業時間の短縮やシフト減少による収入低下が見られる業種も多く、特に、飲食業などの対面接客を要する業種においては、コロナ禍における営業自粛で事実上収入が絶たれた世帯もあります。そして、その中には、ひとり親など子育てに奮闘する御家庭も少なからず存在しています。子供を育むひとり親の方にとって、現在の経済情勢はあまりにも過酷であり、断続的で的確な行政の支援は引き続き求められるものであります。しかし、同時にパート・アルバイトなどの非正規雇用者の全量や収入状況を完全に把握することは難しい部分もあり、親の就労や経済状態で支援策を判断するのは限界があるのではないでしょうか。そこで、逆説的に子供の生活を支援する子供対象の支援策を検討してみてはいかがでしょうか。結果的に子育て世帯全体への一律の支援策になりますが、経済状況の厳しい世帯にとって相対的に大きな助けとなり、生活の安定につながるものと思います。社会経済が疲弊した状態で収入減少に苦しむ子育て世帯への支援策について、山口市はどのように対処されるおつもりなのかお考えをお聞きいたします。中項目2)自殺者対策です。一昨年に、ひきこもりから鬱、自殺への連鎖を防ぐ現状把握と医療機関との連携について質問しましたが、今回はその延長戦であります。昨年、全国で自ら命を絶ってしまった方は、警察庁の速報値で2万919名となっており、前年比で11年ぶりに増加に転じたと報道がありました。当然、従来の主要因であった病気や対人関係に加え、コロナ禍における閉塞感、経済不安などが影響しているものと思われますが、性別では男性が引き続き減少傾向にあるのに対し、女性は増加となってしまいました。また、不安定な社会環境は子供たちの心にも影響を与えており、国立成育医療研究センターが行ったアンケートでは、半数以上の児童生徒に鬱の症状が見られ、そのうち高校生で30%、中学生で24%、小学生でも15%に中等度以上の鬱症状が見られるという調査結果が出ています。鬱症状にある方が必ずしも自殺に向かうとは言えませんが、WHO──世界保健機関のデータでは、自殺者の97%が何らかの精神障害の診断がつく状態であったことが分かっていますし、自殺者の7割が鬱病の診断がつく状態であったという研究もあり、鬱病と自殺の関連性は極めて高いものがあると言えます。こちらのフリップを御覧ください。議員の皆様にはインサークル等でお送りさせていただきます。これは、日経Goodayの記事から抜粋したもので、帝京大学医学部附属溝口病院精神神経科張賢徳教授のイメージを日経編集部が表にしたものですが、自殺に至る過程が非常に分かりやすく示されています。表中にあるように、ストレスや慢性の精神疾患の発症にライフイベントが加わる中で、本人の視野が徐々に狭まっていき、次第に周囲の情報も視界に入らず、自殺以外の道が見えなくなる過程が分かります。つまり、行政などで各種相談窓口を開設しても、手を広げて待っているだけでは状況は変化せず、外的要因で視野を動かすことで初めて視界が変化し、相談への道が開けるものであると言えます。その外的要因は、家族、友人など周囲の方々の支援もあるでしょうが、その一員に行政が加わってはいけない道理はありません。むしろ様々なルートから積極的アプローチがあってこそ、自殺を防ぐ全体的なパッケージが完成していくのではないでしょうか。このように、自死に至る過程において、鬱発症の前後に周囲から適切なアプローチがない孤立化やひきこもりによる視野の狭窄は、その後の行動に大きな影響を与えます。鬱の早期把握に役立つひきこもりアンケートでの現状調査の必要性と、アウトリーチによる新たな鬱病支援、自殺者対策がますます重要になってきているものと思いますが、今後の取組について担当部局のお考えをお聞きいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 楳本こども未来部長。
〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕
◯ こども未来部長(楳本美由紀君) コロナ禍における子育て・健康福祉についての御質問にお答えいたします。私からは、子育て世帯への経済支援についてでございます。本市におきましては、コロナ禍の影響を受けている子育て世帯の経済的な負担の軽減のため、これまで国の制度による給付金の支給や、国の交付金を活用した本市独自の給付金制度を創設してきたところでございます。子育て世帯全体への給付といたしましては、子育て世帯臨時特別給付金を令和2年6月から児童一人当たり1万円を支給いたし、経済的に厳しい状況にあるひとり親世帯を対象とした給付といたしましては、ひとり親世帯臨時特別給付金を令和2年8月には基本給付として一世帯当たり5万円、第2子以降にはこれに児童一人当たり3万円を加算し、収入要件に該当する世帯には追加給付としてさらに5万円を支給した後、令和2年12月には基本給付の再支給が決定し、2回目の支給を行ってまいりました。特に、12月の再支給につきましては、国より年内支給を要請されたところ、先般の12月議会での議決を早々にいただいたことで、県内他市に先駆けて支給を行うことができたところでございます。さらに、本市独自の制度といたしまして、国の特別定額給付金制度の対象とならない新生児がいる世帯へ、新生児臨時特別給付金を新生児一人当たり10万円を支給してまいりました。議員御指摘のとおり、子育て世帯やひとり親世帯における収入の減少につきましては、現状の把握が難しい状況ではございますが、ひとり親世帯の生活状況の一側面として、ひとり親世帯臨時特別給付金の支給対象となる、コロナ禍により収入が減少した家計急変者からの申請件数を見てみますと、令和2年12月10日時点で67件、給付金の再支給が制度決定され、新たに令和3年1月末までに申請された件数は17件となっており、家計急変者からの申請は依然続いております。こうしたことから、ひとり親世帯の家計の状況につきましては、引き続き厳しい状況が続いているものと推測しております。議員御案内の子育て世帯全体に対する施策につきましては、一律的な給付がよいとする一方で、必要なところに必要な給付を実施するのがよいとの考え方もございます。このような中で、本市といたしましては、今般のコロナ禍における子育世帯全体への経済支援につきましては、まずは国全体の制度としてなされる必要があると認識いたしております。その上で、制度を補完したり、あるいは厚みを持たせたりといった、本市の実情に合った制度につきまして、社会状況を判断しながら検討してまいりたいと考えております。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、自殺者対策についてお答えいたします。本市における自殺者数につきましては、平成22年をピークに減少傾向でございましたが、令和2年の速報値は29人と、前年に比べ8人増加しております。国においては、自殺者数の変化に対する
新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、雇用や暮らし、人間関係の変化等の様々な要因によって自殺のリスクは高まっているのではないかとされております。また、感染された方やその御家族、医療従事者等に対する様々な差別的取扱いにより傷つけられてしまう方がおられることを重く受け止め、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正され、差別的取扱い等の防止に関する規定が設けられたところでございます。議員お尋ねのアンケート調査についてでございますが、昨年度、特定非営利活動法人支えてねットワークがひきこもりについての調査を実施されております。その内容といたしましては、市内の居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、行政、医療機関、就労支援機関等を対象に、ひきこもりの方の把握状況や支援機関の利用状況等を調査されたもので、その結果については庁内で情報共有いたしております。本市の自殺対策といたしましては、令和2年3月に策定いたしました山口市自殺対策計画に基づきまして、その取組をスタートいたしたところでございます。今年度は、
新型コロナウイルスの感染拡大による影響が長期化する中で、ストレスや心身の不調を抱える人が増えていると思われますことから、自殺対策を全庁的な取組として総合的に推進することが重要と考え、昨年8月に山口市自殺対策推進本部会議を開催いたしまして、庁内における連携等、総合的な調整を行ったところでございます。自殺対策の取組といたしましては、自殺の予防につながる正しい知識や相談機関等についての周知を図るために、ストレスとの付き合い方や、相談窓口等を掲載しましたこころの健康情報サイト、リーフレット等を活用いたしまして、その啓発に努めているところでございます。また、自殺は複雑化・複合化した問題が最も深刻化した時に起こるとされ、失業や生活苦、病気や介護の悩み、家族関係の問題、勤務・経営の問題等、様々な要因が関係している場合が多いとされております。コロナ禍において、これらの問題が深刻化している状況が考えられますことから、庁内で、地域福祉、高齢福祉、子育て、人権、雇用等の各分野を担当する職員による自殺対策に係る担当者会議を開催いたし、相談者の自殺リスクに気づくためのポイントの確認や、相談者に寄り添い、気持ちに耳を傾ける方法、また、利用可能な支援施策の活用や適切な機関につなぐ、こうした支援策について深く検討いたし、自殺のリスクが高いと感じられた人を把握して、適切に対応できる体制を確認したところでございます。また、市民の皆様には、身近な人の変化に対して早期に適切な対応ができますよう、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人──これはゲートキーパーと言いますが──ゲートキーパーの養成講座を開催いたし、今年度は老人クラブやボランティア団体等を対象に8回実施いたしまして、142人の方に受講いただいたところでございます。今後は、保健・福祉・教育・労働等の団体に対象を広げ、幅広くゲートキーパーを増やしていくことを目指し、事業を実施いたしてまいりたいと考えているとこでございます。また、医療との連携も重要でありますことから、今年度、医療機関を訪問いたしまして、症状に応じて適切な支援に結びつけることができますよう、福祉制度などの必要な情報の提供に努めたところでございます。こうした取組は、議員御案内の鬱状態等により支援が必要であるにもかかわらず、自ら支援を求めることができない方に対して積極的に働きかける、御紹介のありました、いわゆるアウトリーチによる支援の有効な手法の一つと考えているところでございます。今後とも、生きづらさを感じている人の身近なところで、積極的に自殺の危険を示すサインを察知し、声をかけたり、必要な支援につなげることのできるアプローチを展開いたしてまいりたいと考えているところでございます。本市の自殺対策におきましては、保健・医療、福祉、教育、労働などのネットワークの構築と、自殺対策を支える人材の育成により自殺対策の基盤をつくり、関連施策の連携の下、総合的かつ効果的に推進していくことで、誰も自殺に追い込まれることのない山口市の実現を目指してまいる所存でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山本敏昭議員。
〔14番 山本敏昭議員登壇〕
◯ 14番 山本敏昭議員 どうもありがとうございました。今の自殺者対策について2回目の質問をさせていただきます。先ほどゲートキーパーの話が出まして、非常に大事な取組だと思っております。そういった中で、各地域でもそういった──今、残念ながらコロナ禍でお祭りとかできない状態になっていますけれど──例えば、そういう場を使ってゲートキーパーの養成、あるいはゲートキーパーがどういったものなのかというのをもっと広報するべき、また、そういう場を設けるべきかと思いますが、その辺りの御所見について伺います。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 自殺者対策についての再度の御質問にお答えいたします。ゲートキーパーの養成につきましては、先ほど御紹介いたしましたが、来年度以降についても幅を広げて実施していきたいと思っております。誰もがゲートキーパーになれるということで、そのことによって、また、行政サイドからいえば相談機関がたくさんあります。そういったところとつながる、そういったことが大切ではないかと思っております。いろいろな機会を捉えて実施していきたいと考えております。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山本敏昭議員。
〔14番 山本敏昭議員登壇〕
◯ 14番 山本敏昭議員 ありがとうございました。続きまして大項目のウに移ります。大項目ウ、山口市における国土強靭化の取組についてお伺いさせていただきます。先日、山口市国土強靭化地域計画(案)が示され、市民の皆様の命と安全を守り、社会機能を維持させる具体的な取組としてスタートさせようとしておられます。防災については、前議会でも公明党の先輩議員が取り上げ、御答弁をいただいたところですが、私からは国土強靭化の観点で、プロジェクト全体に加え、個別の具体的な対策や進捗についてお伺いしたいと思います。中項目1)流域治水についてであります。国が、近年頻発する豪雨災害に対し、水系全体として川という線ではなく、流域という面で捉え各種の対策を検討している点は、従来の防災行政と比べ大きく変わってきた部分であります。特に、線状降水帯などの局所的な豪雨時に流域の自治体が相互に連携し、被害軽減を図る流域治水の考え方は理にかなったものであると言えます。既に、徳地地域を流れる佐波川においては流域治水プロジェクトも策定中とのことですが、現時点での進捗状況はいかがでしょうか。懸念や課題の有無について現状をお聞きいたします。また、前議会で、県との連携で椹野川や阿武川等の二級河川についても県との協議を行い、流域治水プロジェクトを立ち上げる旨の御答弁がありましたが、山口市が、地域住民の不安や懸念を踏まえた建設的な関与を図ることが重要であります。県との連携において、文字どおり山口市の意見が流されてしまうことのないように、市民の命を守るという最重要課題をクリアし、山口市の国土強靭化の柱として取り組んでいただきたいと思いますが、市の御見解を伺います。次に、山林開発について伺います。これまでも各種山林開発について御見解をいただいたところですが、国土強靭化という点から見ると、大規模な山林開発がもたらす土砂災害への懸念はますます高まっているように感じます。現実に、全国で発生する豪雨災害、なかんずく土砂災害が端的な事例となって現れていることからも、決して妄想や空想ではないと考えます。市内でも、近年、豪雨災害があった地域で広範囲にわたる山林開発が進められ、地域住民の不安をよそに今も土壌むき出しの山肌を建設機械が走り回り、付近の川底には現場から流れ出した多くの土砂が堆積し、雨の後は濁流が流れ落ちる様子を見ると、国土強靭化に対する企業誘致、産業振興の在り方を、いま一度省みる必要があるのではないかと思います。広大な中山間地を持つ山口市として、大きな保水能力を持つ山林、特に自然林を守ることは、山口市の豊かな自然を守るだけでなく、その近くに住む方々の命を守ることにも直結します。ルールに則った開発が前提ではありますが、ルール自体が地域の現状にそぐわない場合、山口市としての独自基準を設けるなど、他市とは違った取組も必要なのではないかと考えます。現在、中山間地を含め、市内各所で見られる山林開発は、残念ながら山口市の目指す国土強靭化と相反するものになっているように感じておりますが、市のお考えはいかがでしょうか。御所見を伺います。中項目3)は、県有施設の活用ということです。市内には多くの県有施設が存在しています。その存在意義や適切な配置なのかについては、先輩議員の厳しい指摘をお聞きいただくとして、私からは、国土強靭化に寄与し得る公共施設について質問させていただきます。地域治水の考え方の中で、強化すべき課題の一つとして遊水機能──遊ぶ水と書くのですが──遊水機能を持つ施設の存在があります。現在、本市でも山口市総合浸水対策を基に、赤妻町に雨水貯留施設建設などを計画的に進めておられます。しかし、このような遊水機能は、規模も大きく、効果的な配置や土地の確保にも苦労が多いのではないでしょうか。そこで、市内に点在する公共施設の敷地、駐車場部分などの公用地の利用を進める必要があり、特に、河川に隣接している施設ならば、真っ先に実現を目指すべき対象ではないでしょうか。県施設の活用は流域治水の考え方にも合致しており、まさか県が嫌がることもないと思います。以前より跡地利用が協議されている県農業試験場についても、地元からは浸水対策の必要性が指摘されており、仁保川沿岸という立地や18ヘクタールという規模から考えても、有力な遊水機能を保持させることが可能であり、地域の安全を担うという点から見ても最適地ではないかと思います。一部では、県との跡地協議が滞っているというお話も聞きますが、地上部分の有効活用だけでなく、地下部分の防災機能についても山口市として十分な検討を行い、今のうちにプッシュしておくことで、跡地利用と国土強靭化の課題を同時に解決できるように準備しておく必要を感じるものであります。山口市の発展に寄与するとともに、国土強靭化の観点からも注目される農業試験場跡地の活用に係る協議の状況、並びに雨水排水についての市のお考えをお聞きして1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本都市整備部長。
〔都市整備部長 藤本浩充君登壇〕
◯ 都市整備部長(藤本浩充君) 山口市における国土強靭化の取組についての御質問にお答えいたします。私からは、流域治水についてでございます。議員御案内のとおり、近年、気候変動に起因する豪雨による水害が増大しており、水害から市民の生命や財産を守るためには、治水対策は非常に重要であると考えております。こうした中、国におきましては、一級水系において河川流域全体のあらゆる関係者で水害対策を推進する、流域治水に取り組まれております。議員お尋ねの佐波川水系流域治水プロジェクトにつきましては、令和2年8月に、国土交通省、県、流域自治体により協議会が発足し、本市も参画いたしているところでございます。先月には、第3回協議会が開催されまして、前回の協議会での、山口市長からの、森林や農地など自然環境の有する防災機能を保全・活用する必要性についての意見を受けられまして、新たに、国・県の農林部局の方々も参画されることとなり、体制がより強化されたところでございます。また、協議会においては、河川堤防、砂防堰堤の整備などの氾濫をできるだけ防ぐ、減らすための対策、情報伝達訓練の実施などの被害の軽減、早期復旧・復興のための対策、安全な場所への居住誘導などの被害対象を減少させるための対策の3つの対策を柱としたプロジェクトの最終案が示されております。このプロジェクトにおきましては、本市の取組といたしまして、雨水流出抑制施設設置補助制度の利用促進のほか、治山事業による森林整備・保全、災害復旧拠点となる徳地総合支所の建て替えなどが位置づけられたところでございます。この最終案は協議会で承認され、今年度中に公表される予定となっております。また、来年度以降につきましては、事業効果についての確認や、必要に応じて協議会が開催され、新たな取組について検討していくこととなっております。次に、椹野川水系などの二級水系につきましては、国が二級水系においても流域治水プロジェクトの推進を求めている中で、先般の県議会におきまして、県知事が策定に向けた答弁をされており、また、第3回の協議会においては、県担当部長から二級水系においても同様の取組を進めていく考えであるとの発言がされております。県において、二級水系の流域治水プロジェクトを策定され、プロジェクトを進められることは、本市にとっても大変意義があると考えておりますので、県ともしっかり連携して取り組んでまいりたいと考えております。本市といたしましては、今後も、安全安心のまちづくりに向け、一級水系並びに二級水系の治水安全向上のため、関係機関と連携を取りながら、流域治水プロジェクトに取り組んでまいる所存でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。
〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕
◯ 経済産業部長(村田尚士君) 私からは、山林開発についてお答えいたします。議員御案内のとおり、山林開発により木々の伐採などが行われた場合、その山林が持つ保水能力が失われ、代替する調整池等の機能が整備されなければ、土砂の流出や濁水の発生など、周辺及び下流への影響が懸念されると認識をしているところであります。こうした中、山林において太陽光発電施設の設置など、1ヘクタールを超える山林開発の場合、事業者は森林法に基づき都道府県知事の林地開発許可を受けなければならないとされております。県におかれましては、その許可手続の過程におきまして、書類審査をはじめ、現地調査の実施、関係市町への意見聴取等が行われ、周辺及び下流への影響がないよう適正に審査がなされているものと認識をいたしております。一方、本市では、現在策定中の山口市国土強靭化地域計画におきまして、本市における強靭化に関する施策を総合的かつ計画的に推進していくための目標に、森林の適正な管理の推進を位置づけることとしております。林地開発許可手続における県からの意見聴取の際には、これらの方針を踏まえますことはもとより、災害の防止、水害の防止、水源の涵養、環境の保全に配慮するとともに、開発地周辺や過去の災害発生状況等も参考にしながら、これまでも許可者であります県に対しまして、意見を申し上げてまいったところでございます。また、林地開発地における土砂流出等の本市の対応につきましては、大雨の後など、必要に応じて林地開発地周辺や下流河川等の状況確認を行いますとともに、昨年11月にはこのような状況を踏まえまして、庁内関係課による合同会議を開催いたし、部局横断的に情報共有を行っているところでございます。今後におきましても、土砂流出等が発生した場合には、各地域交流センターを通じて御連絡をいただければ、迅速に現場確認を行う体制を整えており、許可者であります山口県と連携を図りながら、申請者に対し防災対策に関する指示を行っていただくことといたしております。いずれにいたしましても、山口市国土強靭化地域計画に位置づけられました森林の適正な管理を推進し、森林の有する多面的機能が失われることがないよう、県をはじめ、本市関係部局と連携し、林地開発が起因する災害が生じないよう努めてまいる所存でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。
〔総合政策部長 田中和人君登壇〕
◯ 総合政策部長(田中和人君) 私からは、県有施設の活用についてお答えいたします。御案内のとおり、県におかれましては平成30年9月及び11月の県議会におきまして、大内地域の農業試験場と宮野地域の林業指導センターを防府市の農業大学校に統合することを明らかにされ、同年12月に、山口県農林業の知と技の拠点形成基本計画を策定されまして、現在、令和5年4月の供用開始を目指して整備を進められているところでございます。こうした中、平成30年11月には、大内地域の大内まちづくり協議会などから、現在の農業試験場の保水能力を踏まえ、浸水被害が悪化することのないよう効果的で十分な浸水対策をとること、また、県道山口防府線をはじめといたします慢性的な交通渋滞が悪化することがないよう対策をとること、そして、敷地や施設の一部を地域住民の憩いの場や交流の拠点として活用することの3点について、本市に対して要望があったところでございます。議員御案内の農業試験場等の跡地利用に関する県との協議状況につきましては、平成31年1月に、副知事を会長とし、本市の副市長を副会長とした、県と市の関係部長で構成をいたします農業試験場等跡地利用検討協議会が設置をされ、その中で、県道山口防府線の慢性的な交通渋滞や、農業試験場の下流域における道路の冠水や家屋などの浸水被害に対する対策の必要性など、大内地域からの御要望も踏まえた現状と課題を県と市で共有いたしたところでございます。また、本協議会の中には、県と市の実務者レベルで構成をいたします幹事会などを置いておりまして、この中で、圃場が有する保水機能を考慮した雨水排水対策や、農薬等の試験研究が行われてきたことによります土壌調査など、個別の課題等に関する調査などを進めているところでございます。県との協議につきましては、こうした形で進めておりまして、とりわけ、農業試験場周辺の雨水排水対策につきましては、現在の農業試験場の圃場や緑地が有する保水機能を十分に考慮した対策が必要であると考えておりますことから、平成30年11月から毎年7月と11月に、県知事に対しまして、農業試験場等の跡地の有効利用計画の検討に当たっては、県と本市で連携を図りながら、移転予定地と連動する形で進めていただくとともに、現在の農業試験場周辺における渋滞や浸水対策などの諸課題を踏まえた検討などについても、しっかりと行っていただくよう要望いたしているところでございます。いずれにいたしましても、今後、跡地利用の検討が進む各段階におきまして、対応策が具体的になってくるものと考えておりまして、農業試験場の移転後も現在の保水機能が損なわれないよう、議員御案内の遊水機能などといった様々な雨水排水対策の手法につきまして、引き続き、県とともに協議、調整を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、山本敏昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
34番、氏永東光議員。
〔34番 氏永東光議員登壇〕
◯ 34番 氏永東光議員 高志会の氏永でございます。このたびは、脱炭素社会への取組、そして第二次山口市総合計画の重点プロジェクト3点について質問してまいります。答弁のほどよろしくお願いいたします。
令和3年度は、一般会計877億3,000万円、対前年度比61億5,000万円減、6.6%の減と縮小した予算になっております。財源不足を補うために、基金17億円を繰り入れた。その基金に頼らなければならないという状況になっております。中期財政見通しの上からも、令和9年度の基金残高は30億円というふうに底をついてくる状況でございます。財政収支がますます厳しくなってくるという予算でございます。一方、
新型コロナウイルス感染症拡大の2年目ということを踏まえまして、安心して暮らせるまちづくりに向けて、まず、感染拡大防止、デジタル化の促進、市内経済の存立への取組、新しい働き方、生活様式──ニューノーマルへの対応が求められているところでございます。特に、新しい時代の流れに対応して、地方・地域の再生、活性化に向けたまちづくり施策として、脱炭素社会の実現に向けて、国も地球温暖化対策推進法改正案を発表いたします。一段と、市もその取組に力を入れることとなります。まず、大項目ア、脱炭素社会への取組について数点のお尋ねをいたします。まず第1点目が、カーボンニュートラル。国の方針であります30年後──2050年のカーボンニュートラルに向けて、市は電源構成のベストミックスを考えていく必要があると思います。その一つとして、山口市の特徴であります山陽道随一の湯田温泉の泉源を使った地熱利用ということも有効ではないかと思いますが、エネルギーを推進していくのに市はどのような方法を考えておられるのかお尋ねをいたします。また、地球温暖化対策推進法の改正案では、地域に役に立つ再生エネルギー発電事業を地域脱炭素化促進事業というふうに新しく定義し、推進を図ることとされております。また、一つの参考として申し上げますが、地域の大手電力会社の中国電力が、2030年に向けて電源構成を発表しております。このベースロード電源──化石燃料で56%、石炭・天然ガス・石油、これを使って56%の電源構成をしております。あとの44%、この44%のうち20%が原子力、再生可能エネルギーが24%というふうに電源構成を考えておられるところでございます。この中で、再生可能エネルギーについては、水力・太陽光・バイオマス、これが大きな柱で、風力・地熱も考えていくというふうにされております。市の、エネルギーのベストミックスの考え方をお尋ねいたします。2点目が、この再生可能エネルギーの、太陽光発電施設の設置場所の検討ということでございます。農地などに、再生可能エネルギー発電設備の太陽光発電設備が設置できない場所があります。耕作に苦慮している山際の農地、また、B分類の耕作放棄地──市内の約230ヘクタール──などがあります。国土の有効活用の上から、また、脱炭素化社会に取り組むということから、太陽光発電施設の設置を積極的に導入していく必要があると思いますが、設置場所についての市の考えをお尋ねいたします。3点目に、推進体制の強化ということでございます。今後、カーボンニュートラル、あるいは、今頃はカーボンリサイクルという考えがございまして、電気や水素の利活用をして、産業構造が激変をしてくるというふうに思います。一つの例が、国は、ガソリン車から、2035年までにCO2を出さない電気自動車や水素を使った燃料電池車に限るというふうに方針を決めました。そういうことから、脱炭素化社会の取組として、市としても推進体制を強化することが必要であるというふうに思いますが、お考えをお尋ねいたします。次に、この項最後でございますが、4点目に地域新電力会社設立の考察についてということでございます。地元に再生可能エネルギー資源があるのに、料金を支払い、電力会社から輸入した化石燃料で発電した電力を買うということも、これからは考えなければいけないというふうになります。将来の産業育成戦略を考え、地域の活性化、地域経済の好循環、電力の地産地消、そして、また安価な電力の供給のために、市としても地域新電力会社の設立を検討することが必要と思いますが、お考えをお尋ねいたします。
これで、この項の第1回目の質問を終わります。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田喜一郎君登壇〕
◯ 環境部長(山田喜一郎君) 氏永議員の脱炭素社会への取組についての御質問にお答えいたします。まず、カーボンニュートラルへのベストミックスの考察についてでございます。我が国のエネルギーは、海外から輸入される石油や石炭などの化石燃料に大きく依存しており、2018年度の電源構成は、火力が約77%、再生可能エネルギーが約17%、原子力が約6%となっております。また、再生可能エネルギーにつきましては、2012年に固定価格買取制度──いわゆるFITが導入されて以降、発電設備の導入が急速に進んでいるところでございます。我が国の2030年の長期エネルギー需給見通しでございますエネルギーミックスでは、化石燃料の使用をできるだけ減らし、再生可能エネルギーなどの温室効果ガスを排出しないエネルギー源の比率を、2018年度の約17%に対しまして、22から24%までに高めることとされております。こうした我が国のエネルギー政策は、温室効果ガスの人為的な排出をできる限り抑えて、脱炭素社会の実現を目指しているところでございます。本市では、平成30年3月に策定をいたしました山口市環境基本計画の基本施策として、地球にやさしいエネルギー対策の推進を掲げ、市域から排出される温室効果ガスの排出抑制に資する再生可能エネルギー等の利用促進に取り組んでいるところでございます。具体的には、太陽光発電設備や木質バイオマス燃焼機器などの導入推進をはじめ、水素などの化石燃料に代わる新たなエネルギーに関する研究や、情報収集等にも努めているところでございます。令和3年度はこうした取組に加えまして、清掃工場の余剰電力を市施設へ送電して利活用する具体的な手法の検討を行うことといたしております。今後とも、太陽光発電や風力発電、二酸化炭素を資源と捉え再利用するカーボンリサイクルなどといった技術革新をはじめ、利用段階で二酸化炭素を出さない水素やアンモニアの利用促進など、国を挙げての取組に大いに期待をいたし、2030年におけるエネルギーミックス、さらには、2050年におけるカーボンニュートラルの実現へ、本市の施策を着実に進めていくことで貢献してまいりたいと考えているところでございます。次に、太陽光発電施設の設置場所の検証についてでございます。太陽光発電設備につきましては、固定価格買取制度の導入以降、全国的に設備の導入が進む一方で、土砂の流出や濁水の発生、景観や生活環境への影響などの課題も生じているところでございます。このため、発電事業者には、関係法令や国のガイドラインに基づき、近隣住民の皆様の理解を得て事業を実施することが求められているところでございます。こうした中、本市の取組といたしましては、太陽光発電設備等の設置に当たり、一定規模以上の開発行為等に対しまして、条例において届出や事前協議を規定いたしております。さらに、農用地区域内の農地──いわゆる青地につきましては、農業振興地域整備計画に基づき、農用地区域外の農地──いわゆる白地をもって代えるができますことから、太陽光発電設備の設置目的での農用地区域からの除外は行っていないところでございます。また、国のガイドラインでは、山林などの急勾配地や、希少野生動植物の
生息地などへの太陽光発電設備の設置については、周辺環境へ影響を与える恐れがございますため、十分配慮して土地の選定や開発計画を行うことが求められているところでございます。今後も引き続き、周辺の自然や景観、住環境等に十分配慮された再生可能エネルギー設備の導入がさらに広がってまいりますよう取り組んでまいりたいと考えております。次に、推進体制の強化についてでございます。これからの脱炭素社会の実現に向けた取組につきまして、国におかれましては、温暖化対策を積極的に行うことで、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につなげていくという発想への転換が必要とされ、今後、次世代型太陽電池やカーボンリサイクルをはじめとした革新的なイノベーション、また、規制改革などの推進を掲げておられるところでございます。このため、本市におきましても、経済と環境の好循環を生み出すため、世代や分野を超えて、取組の裾野を一層広げていくことが重要になってくると考えております。したがいまして、環境分野だけでなく、あらゆる分野におきまして、産学官民などの様々な主体が連携しながら、具体的な対策や取組を実践していくことが求められますとともに、効果的な手段の構築に向けた新たな連携先の発掘も継続して行っていく必要もあろうかと思います。こうした取組を推進していく中で、脱炭素社会の実現に向けた、本市にふさわしい推進体制づくりの検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。次に、地域新電力会社設立の考察についてでございます。議員御案内の地域新電力会社につきましては、平成28年4月に電気小売業への参入が全面自由化され、家庭を含む全ての消費者が電力会社を自由に選択できるようになったことを機に、自治体をはじめ、地元の企業や金融機関などの出資によりまして、新たな電力会社を立ち上げ、地域で発電した電力を地域に供給する──いわゆる地産地消をしようとするもので、現在、全国で約50社が設立されていると聞き及んでいるところでございます。本市では、山口市環境基本計画におきまして、市域の再生可能エネルギーを利用したエネルギーの地域内好循環を目指した取組を推進することといたしております。令和3年度は、将来の電力の地産地消に向けた第一歩として、まずは、清掃工場の余剰電力を市施設へ送電して利活用する具体的な手法の検討を進めることといたしております。そして、2050年の脱炭素社会の実現に向けた地域新電力会社の設立につきまして、市民や事業者の皆様とともに、電力の地産地消を進めていくための有効な手段の一つと認識いたしておりますことから、今後も引き続き、情報収集や調査、研究等進めてまいりたいと考えているところでございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 氏永東光議員。
〔34番 氏永東光議員登壇〕
◯ 34番 氏永東光議員 2回目の質問をして確認をしたいのです。ちょっと確認ということで、太陽光発電施設の設置場所についてのお尋ねを、もう1回確認をしたいのです。と言いますのは、今、青地地域について、農用地区域についてもよいとお答えになったのかどうか、よく聞き取れませんでしたので、これが大切なところですから、ちょっとお尋ねをいたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 山田環境部長。
〔環境部長 山田喜一郎君登壇〕
◯ 環境部長(山田喜一郎君) 太陽光発電施設の設置場所の検証についての再度のお尋ねでございます。農用地の青地、白地のことでございますが、先ほど御答弁申し上げましたのは、農用地区域内の農地──いわゆる青地については、農業振興地域整備計画に基づき、農用地区域外の農地──いわゆる白地をもって代えることができますことから、太陽光発電設備の設置目的での農用地区域からの除外は行っていないところでございますという御答弁を申し上げました。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。
〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕
◯ 経済産業部長(村田尚士君) 脱炭素社会への取組について、再度の御質問にお答えいたします。農用地区域──いわゆる青地からの除外ということで、再生可能エネルギーの発電設備設置を目的とした除外というのは、現在行っていないということでございます。それは、先ほど御答弁申し上げましたように、白地地域で太陽光発電設備等の設置が可能であるということから、現在は、その除外は認めていないという状況でございます。しかしながら、農業振興地域整備計画の見直しというものもございますので、そういった中で、地域の実情、現状等を考慮しながら見直しを進めるということも可能ではないかと考えております。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 午後1時10分まで休憩いたします。
午後0時10分休憩
────────────・────・────────────
午後1時10分再開
◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
氏永東光議員。
〔34番 氏永東光議員登壇〕
◯ 34番 氏永東光議員 それでは2番目の項目ということで、第二次山口市総合計画の重点プロジェクトについて質問をしてまいります。まず第1点目が、魅力あふれる県都づくり「
広域県央中核都市づくり」についてのお尋ねをいたします。まず、内容としましては、新本庁舎の規模等の再検討ということでございます。市では、新本庁舎整備に取り組んでおられまして、新年度においても6億5,800万円の実施設計あるいは駐車場解体等の予算が計上されております。一方で、国の機関や大手の民間企業では、リーマンショックを上回るとも言われております
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、テレワーク等の働き方が進んでおります。これは、職員の事務所への出社率が70%減という状況で、テレワーク、在宅勤務をしているというところでございます。また、昨今は本社ビルを売却して、リースバック方式等で小規模な事務所に規模を縮小しているというところが多く報道されておるところでございます。今後、従来のようにオフィスに出勤して働くという働き方も、社会的に大きく変化をしてくると思うところでございます。そこでお尋ねでございますが、市は新本庁舎整備において、将来的に財政面で維持費等厳しいことが予測されますし、ポストコロナの働き方の変化等を踏まえて、庁舎規模等の再検討を行ったのか、また、行ったのであればどのようなことを実施されたのか、まずお尋ねをいたします。次に、これも重要課題であります重点プロジェクトでございますが、人口減少、高齢化、少子化対策についての質問でございます。2020年の出生数が過去最少の、90万人を切って87万人になったと国が報道しておりました。この人口が減少すると、経済の力──GDPが小さくなるわけでございまして、この中項目2点目の将来を担う子どもたちを育む「教育・子育てなら山口」という項目について2点ほどお尋ねをいたします。まず1点が、子育て支援制度。第二次山口市総合計画の重点プロジェクトであります「教育・子育てなら山口」と言うのであれば、幼児期──6歳までに質の高い保育、教育で人材育成を図るべきであると以前にも質問をいたしましたが、研究をするということでございましたが、先進事例を私が見つけましたので、それを意見とさせていただきたいと思っております。先進事例として、明石市では市独自の事業として、第2子以降の保育料を無料化されておりますし、また、3歳から5歳児までの給食の副食費──おかずを無償化するという事業も行なっております。今後、日本の人口が減少する中で、遠い話ですが、2100年になると今の人口の半分、6,000万人になると言われております。山口市としても、人口増に向けて子育て世帯の経済的負担の軽減を図って、一層の子育て支援制度を検討すべきであるというふうに考えます。市のお考えをお聞きします。2つ目が、少子化対策として、これも同じく先進的な明石市では、生後3か月から満1歳までの乳児のいる家庭に、毎月1回、おむつ等や育児用品を無償で届けることを通じて、赤ちゃんと保護者の見守りをする事業に取り組んでおります。僕は素晴らしいなと思っているわけでございます。子育てなら山口と言うのであれば、本市においても一層の充実施策として、訪問支援制度を検討すべきであるというふうに考えます。次に、最後の項でございますが、今度は高齢化対策として、2025年には団塊の世代──これが800万人おられるということですが、この全員が後期高齢者──75歳を迎えるということになりますし、ストップ・ザ・医療費、これも含めて質問してまいりたいと思っております。中項目3点目の項に移りますが、生涯にわたって元気に暮らす「健康長寿のまち」ということでございます。この、やまぐち元気いきいき大賞の事業継続をぜひ申し上げたい。これは素晴らしい事業だと、市長よかったですよ。それを今から申します。令和3年度においても、やまぐち元気いきいき大賞が募集されることになっております。先日、受賞者へ表彰状が送付されたと伺っておりまして、嬉しいけど恥ずかしいと受賞者の高齢者が言っておられましたが、喜びの声が届いております。この表彰により、元気が出たということでございました。この取組を大いに評価いたします。ぜひ一層の広報、宣伝を行って、長く事業継続をされて、山口市の誇れる事業ということで進めていただきたいと思いますが、市のお考えをお尋ねします。
この項1回目の質問を終わります。
◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総務部本庁舎整備推進担当部長。
〔総務部本庁舎整備推進担当部長 田中広興君登壇〕
◯ 総務部本庁舎整備推進担当部長(田中広興君) 重点プロジェクトについての御質問にお答えいたします。私からは、魅力あふれる県都づくり「
広域県央中核都市づくり」の、新本庁舎の規模等の再検討についてでございます。御案内のとおり、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、感染症そのものの脅威がございます一方で、我々の働き方における様々な課題を浮き彫りにしたところでございます。テレワーク等につきましては、感染リスクの軽減を目的とした新たな働き方として、公共・民間を問わず加速化、進展いたしており、本市におきましても、昨年から在宅やサテライトオフィスにおける勤務についての試行、検討を行っているところでございます。こうした中、現在進めております新本庁舎等の基本設計におきましては、議員御指摘のとおり、将来的にはテレワーク等の進展に伴いまして、常時勤務する職員が減少する可能性も予見されますが、まずは、新本庁舎の完成を迎えた時点での市民の皆様の利便性をしっかり確保できる庁舎、職員体制といたすことが大切であると考えており、そうした思いの下、庁舎規模等の検討を適宜進めてまいったところでございます。議員御指摘のテレワーク等による働き方の変化のほか、デジタル化やスマート自治体の進展、少子高齢化の到来等により、将来的には執務室内に余剰スペースが発生する可能性もございますが、令和元年6月に決定いたしました山口市新本庁舎整備基本計画では、整備方針の一つに、将来を見据えた柔軟な庁舎を掲げまして、AI・ICTの活用によるスマート自治体への取組や、オフィス改革等に臨機応変に対応できる庁舎機能など、将来の変化に対応できる行政サービス機能を重視した庁舎整備を進めることといたしております。この中では、全国的な少子高齢社会の一層の進展に伴う人口減少社会の到来や、AI等の革新的な科学技術の進歩、あるいは業務の標準化や共通化による行政事務の効率化など、将来的な社会経済情勢や自治体機能を見通す中で、新本庁舎が過大な施設とならないよう留意いたしてまいりました。こうした考えの下、事業費抑制の視点も含め、新本庁舎の延床面積は、地方自治体による庁舎規模算定の標準的な方法でございます総務省起債対象事業費算定基準に比べ、2割程度縮減された庁舎規模となる国土交通省新営一般庁舎面積算定基準を用いて算出した面積を基準といたすなど、コンパクトで機能的な庁舎となりますよう、全体規模の縮減に努めてまいったところでございます。また、現在進めております基本計画における平面計画の検討におきましても、コンパクトで機能的な庁舎づくりという視点は欠かすことなく、テレワーク等の進展も想定いたす中で、規模抑制や新本庁舎棟の南北両端に階段やエレベーター、水回りなど構造や設備の核となる部分を集約させることにより、中央部に柔軟性、可変性のあるオフィス空間を確保することなどを検討いたしております。こうした空間は、その時々の行政需要や組織体制の変化に柔軟に対応し、将来的には近隣の老朽公共施設等の統合や、フロア全体を他の用途へ転換することも可能となるものと考えているところでございます。引き続き、将来の変化に柔軟に対応できる庁舎づくりを念頭に、足下のコロナ禍の状況、あるいは、それに伴う働き方をはじめとする社会経済情勢の変化を注視いたしながら、設計作業を進めてまいりたいと考えております。
◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本こども未来部長。
〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕
◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 私からは、将来を担う子どもたちを育む「教育・子育てなら山口」についてお答えいたします。まず、子育て支援制度についてでございます。議員御案内のとおり、兵庫県明石市が市独自に力を入れておられます子育て支援制度につきましては、第2子以降の保育園の保育料を、国や兵庫県の多子世帯に対する軽減制度に加えまして、市独自で保護者の所得制限等をなくし無料とされていることや、保育園・幼稚園の副食費──おかずにつきましても、世帯収入等によらず市独自で無料とされるなど、子育て世帯における経済的負担を軽減されているところでございます。本市におきましても、保育園の利用者負担額を国の制度に加えまして、県及び市の制度といたしまして、所得等に応じて減額または免除しているところでございまして、保育園・幼稚園等の副食費につきましても、世帯収入360万円未満相当及び第3子以降について免除しているところでございます。こうした中で、本市といたしましては、まずは、喫緊の課題でございます保育園、放課後児童クラブの待機児童の解消に向けまして、受け皿づくりと人材の確保に取り組み、子育て世帯の経済的負担の軽減につきましても、順次取り組んでまいることといたしております。令和3年度の取組といたしましては、まずは、保育園、放課後児童クラブの待機児童ゼロを目指し、保育園のさらなる整備や南部地域の市立幼稚園の4園の認定こども園化、放課後児童クラブの新規開設や整備等を行いまして、定員の拡大を図ることといたしております。また、人材の確保といたしまして、本市独自の保育士の処遇改善支援や放課後児童クラブ支援員のキャリアアップ処遇改善の取組、及び社会保険への加入支援を実施してまいります。さらに、これまで保護者の皆様から御要望いただいておりました、保育園における使用済み紙おむつの回収及び処分を市立保育園において行うこととしております。これらに加えまして、令和3年10月からは、明石市と同様に中学生までの全ての子供の医療費につきまして無料化といたしますこと等で、子育て世帯の負担の軽減につなげてまいります。我が国は、社会情勢の変化と子ども・子育て支援の質・量の不足に対応するため、平成27年度から、保育の量的拡大・確保、教育・保育の質的改善を一つの柱とする、子ども・子育て支援新制度を開始し、これを受けまして、各自治体は地域の実情に応じた子ども・子育て支援の様々な施策を計画的・総合的に推進してきたところでございます。本市における子ども・子育て支援施策につきましては、これまでの量的拡充から質の向上に重心を移行していく転換期にございますことから、現行制度の拡充や新たな取組につきましても、先進地の事例を参考にしながら、引き続き研究、検討してまいりたいと考えております。次に、ゼロ歳児からの訪問支援制度についてでございます。現在、本市におきましては、乳児家庭全戸訪問事業といたしまして、妊娠期には各地域の母子保健推進員が、生後2か月頃の新生児期には保健師・助産師が、生後3か月及び7か月頃には再度母子保健推進員が、それぞれゼロ歳児のいる家庭を訪問いたしております。訪問の際には各種子育て情報を持参するほか、育児不安や悩みをお聞きした場合には、それを契機に必要な支援に結びつけるなど、乳児のいる家庭を重層的に見守る体制となっております。議員御案内の兵庫県明石市のゼロ歳児見守り訪問制度であるおむつ定期便につきましては、定期的に紙おむつ等の育児用品を届けることで、経済的支援と併せて見守りの効果も期待できる制度であると認識いたしております。本市におきましては、明石市と同様の訪問支援制度はございませんが、先ほど申し上げました乳児家庭全戸訪問事業や育児相談、育児学級等の様々な機会を通じまして、支援の必要な家庭の把握に努めてまいりたいと考えております。また、本市におきましては、家庭児童相談室で、明石市と類似の方法──食材や育児用品等を届けることで支援の必要な家庭の見守りをいたします、子どもの見守り強化アクションプラン実施事業や養育支援訪問事業がございます。こうした取組が、ゼロ歳児の訪問につきましても活用の幅を広げることができないか、今後研究してまいりたいと考えております。
◯ 議長(入江幸江副議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、生涯にわたって元気に暮らす「健康長寿のまち」、やまぐち元気いきいき大賞の継続についてお答えいたします。議員御案内のやまぐち元気いきいき大賞につきましては、地域や事業所、健康長寿の優れた健康づくりの取組を表彰いたし、広く周知することにより、市民の皆様全体の健康づくりの促進を図るための啓発事業といたしまして、平成27年度から30年度まで実施いたしたところでございます。その後、こうした表彰された方々の取組を市報等で幅広く周知することで、健康づくりに向けた機運が高まり、個人の健康づくりを社会全体で支え合うことができる健康都市づくりへの意識も根づいてきましたため、平成31年度以降は元気いきいき大賞の実施を一旦休止いたしておりました。しかしながら、このたびの
新型コロナウイルス感染症により、高齢者の皆様の多くが重症化リスクへの不安など日々の生活や御自身、そして周囲の方々の健康への不安や焦りにより感じておられる社会的閉塞感を少しでも取り除き、高齢者の皆様が元気に生き生きと過ごしていただくきっかけとしていただくため、やまぐち元気いきいき大賞の健康長寿部門を再開いたしたものでございます。再開に当たりましては、優れた健康づくり活動を行っている健康長寿の方を表彰いたし、広く市民の皆様に周知することで、健康づくりの輪を広げるという当初の趣旨を生かしつつ、年齢要件をこれまでの90歳以上から、80歳以上の在宅で日常生活が自立しておられる方に拡大いたしました。募集につきましては、市報12月15日号や市ウェブサイトへの記事掲載のほか、各総合支所や各地域交流センター等にチラシを設置いたしたところ、43件の御応募をいただき、選考委員会を経まして、全ての方を表彰することといたしました。なお、本来であれば、表彰式を開催いたすところでございますが、今年度につきましては、
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため開催を見送ることといたし、表彰状及び記念品を御自宅にお送りいたしたところでございます。また、受賞された皆様の優れた健康づくりへの取組につきましては、市ウェブサイトへ掲載いたしますとともに、各総合支所及び各地域交流センターへ受賞者活動概要を配置いたし、市民の皆様に御覧いただけるよういたしたところでございます。受賞された皆様は、コロナ禍におきましても感染防止対策を徹底されながら、それぞれの特性を生かされた優れた健康づくりへの取組を継続され、日々お元気に過ごしておられます。議員御紹介の受賞された皆様からお喜びの声が届いているとのこと、コロナ禍における健康づくりの大切さを改めて感じたところです。議員御提案の令和4年度以降の事業につきましては、事業内容や広報の在り方を引き続き検討しながら、継続して取り組んでまいりたいと考えております。今後とも、市民の皆様お一人お一人が主体的に健康づくりに取り組み、お互いに支え合う健康都市づくりを推進いたしまして、住んでよかった、これからも住み続けたいと思える定住実現のまちづくりを進めてまいる所存でございます。
◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、氏永東光議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
1番、湊和久議員。
〔1番 湊 和久議員登壇〕
◯ 1番 湊 和久議員 自由民主党山口の湊和久でございます。本日は通告に従いまして、大項目で2点のお尋ねをさせていただきたいと思いますので、市長並びに関係参与の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
それではまず、大項目ア、
新型コロナウイルス対策についての質問でございます。中項目1)困窮する飲食店、観光旅行業者等と関連事業者への経済支援についてお尋ねをさせていただきます。コロナ禍の下で、ようやくワクチン接種のスケジュールが示され、私たちの気持ちにも少しだけ明るい兆しが出てきたところですが、依然、全国各地の飲食業、観光旅行業者及びその関連事業者の皆さんは、長期にわたり困窮されていることは御案内のとおりで、その出口はまだ見えていない状況にあります。国のインバウンド政策のおかげで、近年、山口市には韓国や中国からの観光客が増加傾向にありましたが、コロナの影響で入国すらできない状況となり、観光客もぱったり途絶えた状況となりました。山口市のデータによれば、市内にはなんと約900の飲食店があるそうですが、先日、私は湯田温泉料飲社交組合の組合長さんの元を訪ね、1時間程度お話をお聞きする機会を得ました。湯田温泉料飲社交組合に登録されている飲食店は、全体の約4分の1以上と伺っておりますが、どの店舗も本当に大変なことになっていて、何とか次の手を打たなければ、今後、廃業を余儀なくされる店は増えていくであろうというお話をされておりました。皆さんもお気づきのことと思いますが、今年に入って夜間営業の飲食店ではお客さんが激減しており、湯田温泉においても、ウィークデーは宿泊業同様、休業されている店舗が数多く見受けられるようになりました。テイクアウトの取組やお弁当の販売で何とかしのいでいる飲食店もありますが、従業員の給料が払えず、廃業以外にも、やむを得ず昨年末で従業員を解雇してしまったというお店もあるように聞いております。当てにしていた年末年始の忘年会や新年会がことごとく中止となり、夜の飲み会は激減し、夜間営業だけではとても立ち行かなくなって、昼間の営業を考えている店舗があるともお聞きしていて、今後、そのような飲食店は増えていくのであろうと話しておられました。現在、山口市では、湯田温泉で店舗を新規オープンする際には補助金を出す制度がありますが、今後は、既に市内で夜間営業をされている飲食店に対しても、ランチ営業を希望される際に、何か支援する制度を検討していただくことはできないだろうかといった御意見、御要望をお聞きしております。現行の新規オープン支援に関しては、ランチ営業を3年以上やらなければ補助金を返還しなければいけないという条件がついているとお聞きしておりますが、コロナ禍の下で困窮している飲食店に対しては、せめて1年程度の継続条件にしていただいて支援を考えてもらえないかという切実なお話でございました。私の周りにも、夜の飲み会には出られないが、昼のランチであれば応援に行ってあげられるというお客さんが結構おられますし、そのような取組が少しでも人の流れやまちの活性化に結びつくということであれば、コロナ禍における飲食店救済の一つの手段になるのではないかと思っております。テレビや新聞など、マスコミにも取り上げられ御存知の方も多いと思いますが、先月の14日、21日、28日の日曜日に、湯田温泉の自動車学校において、湯田温泉お弁当学校と称する3日間の弁当販売イベントがアウトドアで開催されました。大変多くのお客さんでにぎわったとお聞きしております。主催は湯田温泉料飲社交組合で、組合長の話では、赤字が解消できるわけではないけれども、コロナ禍であえぐ湯田温泉の飲食店がおいしいお弁当を持ち寄って、少しでも多くの皆さんに元気を出してもらうという試みであったとお聞きしております。今後は、こういったイベントに対しても、積極的な支援が必要ではないかと考えていますがいかがでしょうか。また、市内の貸切りバス事業をされている方からは、感染拡大による3月7日までの10都府県緊急事態宣言の延長を受け、山口県内の旅行や移動を自粛される動きが出て、予約はほとんどキャンセルされ、1月から3月までの大半が開店休業になってしまった。路線バスには補助金があるのに、どうして貸切りバスにはそのような補助がないのですかといった相談を受けました。この3月7日までの緊急事態宣言は、先月、一部のエリアが前倒しで解除となりましたが、バスは稼働してもしなくても自動車税や車検費用といった固定費が発生するので、直接的な金銭的支給、そういったものが無理であっても、せめて支払いの免除や猶予期間を設けるなどの措置を講じてもらうことはできないだろうか、などといった大変深刻な御意見を伺いました。先月、山口県においては、補正予算を組んでプレミアム宿泊券の発行を新たに行うという企画を発表されましたが、一方で、先週2月24日には、あの大手旅行会社のJTBが、資本金23億円を1億円に減らして中小企業になったという、衝撃的なニュースが飛び込んでまいり大変驚きました。私自身も、年が明けたこの一、二カ月の間に、本当に沢山の悲鳴を聞き、相談を受けてきたわけですが、状況は刻一刻と深刻化し、困窮されている飲食店や観光旅行事業者の皆さん、そして、その関連事業者の皆さんへの継続的な支援は大変重要で喫緊の課題になっていると思っております。このような事業者の減収は、山口市の財政運営にも極めて大きな影響を及ぼすものと思っておりますが、山口市の今後の対策、支援について、お考えをお伺いできればと思います。
よろしくお願いいたします。
◯ 議長(入江幸江副議長) 村田経済産業部長。
〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕
◯ 経済産業部長(村田尚士君) 湊議員の、
新型コロナウイルス対策についての御質問にお答えいたします。まず、困窮する飲食店、観光旅行業者と関連事業者への経済支援のうち、昼のランチ営業を行う際の支援についてでございます。議員御案内の湯田温泉における出店支援につきましては、平成27年度から、湯田温泉回遊促進事業により補助制度を設けているところでございます。本補助金につきましては、湯田温泉エリアの回遊性の向上やにぎわいの創出を図るため、空き店舗等に出店する場合に店舗改修費等の一部を補助する制度でございまして、地域の特性を生かすまちづくり事業として展開をしているところでございます。そうしたことから、既存店舗のランチ営業に対する支援は、本制度の対象には該当いたしませんが、議員のお尋ねに関しまして、飲食店における従来の夜間営業に加えて、昼間のテイクアウトやデリバリーへの取組など、新たな業態へチャレンジするための店舗改装や設備導入につきましては、令和3年度も実施を予定しております新しい生活様式導入応援補助金の制度を御活用いただけることといたしております。また、本年2月22日から受給申請の受付を開始いたしました、山口市飲食店等感染防止対策強化支援金におきましては、売上が大幅に減少した飲食店等を対象といたしまして、事業継続と感染症対策の強化等を目的といたします支援金を給付しているところでございます。さらに、山口商工会議所におかれましては、湯田温泉エリアも含む市内の飲食店を対象に、ランチ営業やテイクアウト、宅配サービスなど、飲食店の取組紹介やPRをいたしますウェブサイト「テイクアウト de やまぐち」におきまして、継続して飲食店の情報発信を行っておられ、今後はさらに、テレビなどの広報媒体を活用した情報発信も検討されておられると伺っておりまして、本市におきましても、こうした取組に対する支援を効果的に実施してまいりたいと考えているところでございます。このような様々な取組を通じまして、コロナ禍におきましても、消費者にとって安全安心に外食ができる環境を整え、また、正しい情報をお伝えいたしながら、ランチ営業も含めまして、地元飲食店を利用していくマインドの高まりにつなげてまいりたいと考えているところでございます。次に、経済活性化に関わるイベント経費の支援についてでございます。議員御案内の湯田温泉お弁当学校の開催につきましては、お弁当の販売を通じて、まずは市民の皆様に湯田温泉の魅力や飲食店の頑張っておられる姿を知っていただき、そのことが今後多くの方に湯田温泉を訪れていただくよいきっかけとなりますとともに、事業者自身にとりましても、経営意欲を盛り上げていただく前向きな取組となりますことから、湯田温泉料飲社交組合のような業界団体が主体となられてイベントを実施されますことは、本市といたしましても大変心強く感じているところでございます。こうした取組に対する支援といたしましては、本年度、山口市観光誘客イベント開催支援事業を創設いたしまして、主催する団体等に対して、広報宣伝費や施設使用料等の経費を200万円を上限に支援いたしており、このたびのイベント開催におきましても、本補助金を御活用いただいたところでございます。こうした動きは、今後、各方面において活発になってくるものと認識いたしておりまして、本市といたしましては、感染防止対策をしっかりと講じて開催するイベント等を通じた交流人口の回復や、観光消費の拡大を期待しているところでございまして、令和3年度におきましても、観光誘客に資する取組の一つとして、山口ゆめ回廊博覧会等と連動した形で継続して支援してまいりたいと考えております。次に、観光旅行事業者等への支援についてでございます。議員お尋ねの宿泊業や旅行業、観光バス事業を営む観光旅行業者等の状況につきましては、経済団体や業界団体をはじめ、金融機関等の支援機関から随時聞き取りを行い、状況の把握に努めているところでございまして、国のGoToトラベル事業や県のプレミアム宿泊券の発行により、各業種におきまして、昨年秋口には回復基調を見せていたものの、年末からのGoToトラベルの停止やプレミアム宿泊券の期間終了による影響は大きく、厳しい状況であると承知をいたしているところでございます。現在、感染症の再拡大により、経営への影響が幅広い業界に及んでおります状況の中、中小企業支援策といたしましては、国の雇用調整助成金や県のコロナ融資による資金繰りの支援と併せまして、本市におきましては、飲食店等への感染拡大防止に向けた取組や、幅広い業種・業態を対象とした新しい生活様式の定着への取組、さらには、市内経済の活性化に向けたプレミアム商品券等による消費喚起の取組などを一体的に進めてまいることといたしております。また、議員お尋ねの観光バス事業者への支援につきましては、県内のバス事業者で組織をされます山口県バス協会とも情報共有を図っているところでございまして、協会におかれましては、県の補助制度の申請窓口となられており、これまでに感染症の影響を受ける全ての会員事業者が、本制度により運転手の雇用維持や感染防止対策に係る経費などに対する支援を受けておられるところでございます。今後、こうした業界団体との情報共有を通じまして、昨年末からの国のGoToトラベル事業の一時停止に伴う影響や、車両整備等の維持管理に係る経費などについて、最新の状況を把握いたしますとともに、現在、国において検討されておられますGoToトラベル事業の再開や県のプレミアム宿泊券など、国・県の支援策とも連動いたしながら、観光誘客に向けた需要喚起策等による支援を検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、今後の感染拡大の状況により、市内経済へのさらなる影響が生じた場合におきましては、経済団体や業界団体との連携の下、必要に応じたさらなる経済対策等を検討してまいりたいと考えております。
◯ 議長(入江幸江副議長) 湊和久議員。
〔1番 湊 和久議員登壇〕
◯ 1番 湊 和久議員 大変ありがとうございました。山口市にはこれといった大きな産業もなく、飲食業や観光業の皆さんからの収入に随分依存しているところがございますので、今後も引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、続きまして大項目イ、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進についてお尋ねをいたします。まずは、中項目1)
スマートシティ推進ビジョンの策定状況についてのお尋ねです。コロナを一つの契機として、全国的にあらゆる分野でDXというものが喫緊の課題となり、まちづくりにおいても、交通の分野や医療、行政など様々な分野で都市機能のDX化、スマートシティ構想が加速しています。そのような中で、山口市もいよいよDXで私たち市民の生活を大きく変え、QOLを向上させるスマートシティ構築に向けて動き出そうとしています。先行事例といたしましては、昨年9月14日にオープンした東京ポートシティ竹芝オフィスタワーというものが有名ですが、これは40階建てのビル全館に5Gを整備し、AIカメラを使った顔認証システムで入退室管理を行い、いわゆる顔パスで一切スイッチに触れることなく、目的の階まで行くことができるデジタルシステムと言われています。ビル内のあらゆるデータをリアルタイムで集積分析するIoTプラットフォームを導入したもので、アプリやネットワークなど、クラウドを介してより効率的につなぐDXの実現手段として大変注目をされているものです。御承知の方も多いと思いますが、トヨタ自動車が先月2月23日の天皇誕生日の日──これは富士山の日というそうですが、静岡県裾野市にNTTと強力な連合を組み、スマートシティの事業化へ向けたウーブンシティの建設をスタートさせました。コロナの問題や議会会期の制約がなければ、私もぜひとも裾野市に行ってその様子を拝見してみたかったのですが、今後は全国各地の自治体において、このスマートシティ構築に向けた動きというものが一気に加速していくものと思われます。LINEのコミュニティー機能を使った市民の課題解決を図る取組も、LINEFukuokaをはじめとして全国各地で展開されていて、山口市においても、現在、LINE社員の方がサポート要員として庁内で支援をしてくださっていると思います。そこでお尋ねなのですが、国は昨年9月にスーパーシティ法案を成立させました。
スマートシティ推進ビジョンの策定に関して、これから私たち市民の暮らしはどう変わるのか、まちはどう変わっていくのか、先月、山口県は住民の利便性向上や安心安全につなげるデジタル化の推進として、令和3年度新規事業として、山口市のニューメディアプラザにやまぐちDX推進拠点(仮称)というものを開設すると発表されました。民間協力事業者との連携を深め、今後、山口市は先端的なサービスの社会実装に向けた取組とともに、この
スマートシティ推進ビジョンをどのように描き、どのような方向性で実現されようとしているのか、現時点でお答えできる範囲で、今後の見通しについて市のお考えをお伺いできればと思います。続きまして、中項目2)スマートシティ構築に係るセキュリティ対策についてお尋ねをいたします。私たちの暮らしをよりよくするためのスマートシティ構築については、様々な分野──例えば、あらゆる交通手段をより効率よく運行を可能とするMaaSや自動運転、ローカル5G活用といったものなどが挙げられ、特に自動車分野では、100年に一度と言われる変革がもうすぐそこまで来ています。MaaSや自動運転、5Gについては、昨年の12月議会において質問をさせていただいたところですが、今回は膨大なビッグデータを取扱うスマートシティ構築の推進に当たり最も重要となる、セキュリティー面の強化についてお尋ねをさせていただきたいと思います。スマートシティ構築に当たっては、様々な連携企業とともに、デジタル化をベースとした私たちのより豊かで安全安心な暮らしを確保していく取組が行われるわけですが、昨年──2020年10月には、総務省がスマートシティセキュリティガイドラインというものを発表しています。そのガイドラインによれば、スマートシティのセキュリティーに関しては、多くのデータを取扱う人たちの入退室管理はもちろんのこと、データへのアクセス管理に関するセキュリティーをこれまで以上に強固なものにする必要があるとしています。スマートシティを実現するためには、個人情報や官民データの活用をいかに安全に取扱うのか、それらの情報の管理や共有方法の整理、セキュリティーの実装は大変重要な課題となってきます。総務省のガイドラインでは、情報の保護に関しては、本人確認や認証を行う上で不正アクセスやなりすまし対策として、従来のパスワードやICカード、SMSに加え、生体情報として静脈認証や虹彩認証などの取組を挙げており、これらを複数組み合わせた、より安全安心なセキュリティーシステムの構築を推奨されています。菅内閣の下でDXの推進が叫ばれる中、山口市では、デジタル化を視野に入れた産業交流拠点施設のグランドオープンや新本庁舎の建設等も控えておりますが、スマートシティ構築に当たり、入退室管理やビッグデータへのアクセス管理、ネット上からのサイバーアタック等に対するセキュリティー強化対策についても、大変重要な課題であると思っております。総務省のガイドラインに基づいた、このようなセキュリティー対策について、今後、山口市はどう取り組んでいかれるおつもりなのか、お考えをお聞かせいただければと思っております。
以上で、大項目イの質問を終わります。
◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総合政策部長。
〔総合政策部長 田中和人君登壇〕
◯ 総合政策部長(田中和人君) デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進についての御質問にお答えいたします。まず、
スマートシティ推進ビジョンの策定状況についてでございます。御案内のとおり、本市では、昨年3月に策定いたしました第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略における地方創生に資する取組といたしまして、まちづくりのあらゆる分野で未来技術の活用を通じて、豊かで便利な創造社会の構築を図るため、スマートシティを推進することといたしております。また、昨年9月には、山口市スマートシティ推進協議会を立ち上げまして、学識経験者をはじめ、産業や交通、医療、地域づくり、子育てなどの各専門分野から御就任をいただきました15人の委員の皆様から御意見をいただきながら、本市におけるスマートシティの方向性や具体的な取組を示す
スマートシティ推進ビジョンの策定に取り組んでいるところでございます。本協議会おける御意見といたしましては、スマートシティの推進を通じまして、あらゆる地域やあらゆる世代の市民の皆様を、デジタル化の流れと豊かな市民生活から誰一人取り残さない社会の実現を目指すべきであるという御意見をはじめ、行政や企業の押しつけでデジタル技術を導入するのではなく、生活者視点で便利なサービスを提供すべきだという御意見、また、スマートシティを支えるデジタル人材の育成や、デジタルデータを連携させる基盤整備の重要性についての御意見などをいただいているところでございます。現在、本協議会は第4回まで開催をし、本市の現状や課題についての検討を進めているところでございまして、今後、新年度に入りまして、ビジョンの骨子案の協議、検討を行い、本年の秋を目途に最終案をお示ししたいと考えております。そして、ビジョンの策定と同時並行させる形で、取組可能なプロジェクトを順次進めてまいりたいと考えているところでございます。新年度におきましては、県との連携の下で、新山口駅から湯田温泉までのバスやタクシーなどの料金や時間が一目で分かる、MaaSアプリ「ぶらやま」の実証事業を継続し、小型モビリティやシェアサイクルの運行など、これらの運行データの連携や一元化を検討いたしますとともに、地域住民の移動を支える
コミュニティタクシーの運行につきましても、AIやICTを活用することでより利便性を高めるなど、市民の皆様の日常の移動や観光客の快適な移動の確保を図ってまいりたいと考えております。また、市内全ての小・中学校の児童生徒に1人1台配備をされましたパソコンを活用した学習活動のさらなる充実を図りますとともに、母子健康アプリの導入によります予防接種スケジュールの管理や子育て情報の配信、小・中学校と保護者間の連絡手段のデジタル化などを通じました子育て世代の負担軽減を図ってまいります。さらに、企業資金を活用した地域交流センターにおける災害時の電力確保の実証や、災害時の迅速な救出体制の構築に向けましたドローンの導入などによる強靭な防災体制の構築を進めてまいります。また、市内企業によるオンライン上での人材確保やテレワーク環境の整備に対する支援を通じました、市内事業者の経営環境や働き方の改革を促進いたしますとともに、「エール!やまぐち」プレミアム共通商品券の一部をデジタル商品券として発行いたしますことで、購入や換金の際の市民の皆様、事業者の皆様の負担軽減に取り組んでまいります。さらに、行政窓口サービスにつきましては、AI自動応答機能の導入、リモート相談窓口の実証、転入手続をされる際に何度も書類を書かなくていい異動受付支援システムの運用継続など、市民の皆様の窓口での負担軽減を進めてまいります。そして、こうした様々なスマートシティの取組を支えるための社会基盤整備といたしまして、現在、市内全てのエリアで光回線の利用を可能とするための高速・大容量の光ファイバー網の整備促進や、県や民間事業者等と連携したデジタル人材の育成も進めているところでございます。また、スマートシティのさらなる推進を図るため、昨年12月に、地域や関係者と連携いたしながら、本市のスマートシティの取組を進めていくためのプロジェクトといたしまして、民間事業者等から事業提案の公募を行ったところでございます。公募に当たりましては、3つの重点テーマといたしまして、高齢者に優しいまちづくり、子育てしやすいまちづくり、安心して暮らせる中山間地域づくりを掲げまして、併せて12の検討領域として、移動や物流、支払、行政、子育て・教育、医療・介護、防災などを設定いたし、複数領域にまたがる形で、地域に実装可能なサービスや規制緩和の提案を公募したところでございます。公募の結果、市内外の52の事業者から御応募をいただき、現在、順次ヒアリングを実施しているところでございまして、今後、本年3月を目途に、ヒアリングを完了いたし、新年度に入りましたら、プロジェクトの整理や実施可能性の検討を行った後に、地域への実装に向けた関係者との調整を行ってまいる予定といたしております。また、同時にプロジェクトの推進に当たりましては、専門的な知識と幅広い人的ネットワークを有し、本市のスマートシティのアーキテクト──いわゆる、総合的な調整役となっていただける人材が重要となりますことから、今後、本協議会におきまして、大学や民間事業者などからのアーキテクトの選任につきまして検討いたす考えでございます。加えまして、本協議会に分科会も設置をいたし、プロジェクトの検討を深めてまいる考えでございます。現時点におきましては、このような推進の方向性と取組内容の下で、民間事業者との連携も図りながら、本市の地方創生につながる形でのスマートシティの推進を行ってまいりたいと考えているところでございます。とりわけ第2期山口まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げております人生100年時代への対応──すなわち、長寿命化がもたらします生き方や働き方の変化の中にございまして、高齢者から若者まであらゆる世代の市民の皆様の御活躍の場があり、市内21地域で安心して暮らすことのできる地域づくりを進めること、そして市民一人一人の人生・ライフを豊かなものにしていくことが、本市のスマートシティの推進の目的でございまして、そのための手段としてデジタル技術をしっかりと活用してまいりたいと考えております。引き続き、市民の皆様をはじめとする様々な方の声をお伺いしますとともに、地域や事業者、大学、研究機関などと連携を図りながら、スマートライフシティを構築いたし、あらゆる地域で安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいる考えでございます。次に、スマートシティ構築に係るセキュリティ対策についてでございます。スマートシティの推進により、市民の皆様の豊かな暮らしが実現されていく一方で、暮らしに関する大量のデータが連携、流通する社会となりますため、サイバー攻撃などからデータやシステムなどを守るセキュリティーの確保が大変重要となっております。議員御案内のとおり、昨年10月には、総務省がスマートシティセキュリティガイドラインを示されたところでございまして、その中で、セキュリティー対策といたしましては、例えば、不正なアクセスを許してしまうプログラムなどといった技術的な側面と同時に、IDやパスワード管理のずさんさなどの管理的な側面も併せて、その対策の必要性を示されているところでございます。また、本市のスマートシティ推進協議会におきましても、個人情報を集めるのではなく、匿名加工した上でデータ収集をするなどの信頼性・透明性の確保でありますとか、データ連携をする場合には責任の所在を明確にするなどといった運営体制の在り方など、スマートシティを推進する上での市民の皆様の安心を確保するという視点を中心に、セキュリティー対策に関する議論が行われているところでございます。いずれにいたしましても、御案内のセキュリティー対策につきましては、個人情報保護法などの法令はもとより、総務省のガイドラインや本市のスマートシティ推進協議会の御意見などをしっかりと踏まえながら、現在取り組んでおります
スマートシティ推進ビジョンの策定を進めてまいりまして、本市における安全安心なスマートシティの構築を図ってまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、湊和久議員の一般質問及びに質疑が終わりました。
議場内の換気のため、暫時休憩いたします。
午後2時9分休憩
────────────・────・────────────
午後2時19分再開
◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
16番、中野光昭議員。
〔16番 中野光昭議員登壇〕
◯ 16番 中野光昭議員 ふるさと共創やまぐちの中野光昭です。通告に基づき質問いたします。市長並びに関係参与の皆様の誠意ある御答弁を期待いたします。
まずは、小郡地域
ふるさとにぎわい計画における地域づくりと機能強化について伺います。産業交流拠点施設の完成、産業交流スペース「メグリバ」の創設、アカデミーハウスで行われる多様な人材育成などなど、新山口駅周辺は新たな産業、新たな人材を生み出す呼び水となる行政施策がその陣容を現し始めております。最も大切なことは、小郡地域の住民、周辺地域の住民、ひいては山口市民や山口県民がその事業の目的と機能を理解し、主体的に関わる、活用することで、機能の磨き上げやその地域らしい発展を成し遂げていくことだと考えます。メグリバの産業交流機能やアカデミーハウスの住民に対し、地域側がその地場の魅力、特性を伝え、連携・連動していくことで、新山口駅周辺から小郡地域全体へ、そして、山口南部を含む小郡都市核、山口市域全体、山口県全体へとその効果が波及していくことは期待ではなく、もはや前提として考えるべきと私は常々思っております。その意味において、小郡地域
ふるさとにぎわい計画、小郡がつながる・つなげるプロジェクトにつきましては、単なる若者の人口流出、早急な人口集積による地域コミュニティーの希薄化といった小郡地域のみの地域課題解決だけではなく、この小郡都市核の持つ産業集積、人口集積の機能をいかにつなげ、発展させていくか、壮大なテーマをも含有しておかなければならない。かつてあった南部振興局なき今、リーダーシップなき地域発展を遂げるためには、山口南部地域のメンバーシップの権威者たる自覚と覚悟を、この小郡地域のにぎわい計画の次期策定に当たっては、はっきりと示していただきたいと思うわけであります。小郡がつながる・つなげるプロジェクトが潜在的、将来的に効果を意識すべき点について、やや熱く語ってしまいましたので、具体的な機能や目標について申し上げますと、新山口駅を中心とした一帯を交流の核として、学生や企業、地域住民らとともに企画、協働し、多様な交流を図っていくことで地域の活性化、地域のシビックプライドの醸成、定住人口の維持につなげていくと目標設定されておられます。機能的に生かすという面では、先ほども申し上げました産業交流拠点施設等の新たな機能の生かし方や巻き込み方、駅前広場や南北自由通路のさらなる活用とその周知、SLや周辺の歴史資源をも生かすことが肝要でありますし、主体性の拡大という面では、学生や若き経済人だけではなく、周辺地域の農業者や特産品開発の事業者、地域おこし協力隊、有志の技術者や研究者など、周辺地域も含む多様な人材を生かした交流の取組づくりを図ることや、明治、大正、昭和、平成、令和とそれぞれの元号をそのまちづくりの歴史、振興とともに町の名称の冠に掲げてこられた各小郡地域の自治会の皆さんをも巻き込む仕掛けづくり、これが大変重要だと考えております。るる申し上げましたが、つながる・つなげる小郡地域が、その歴史性からも持ち続けている素晴らしい機能をいかんなく発揮してほしいという願いを込め、お尋ね申し上げます。小郡地域
ふるさとにぎわい計画のこれまでの取組内容とその評価、次につなげるべき課題について、そして、小郡都市核の発展を牽引するという小郡地域が持つべき機能と、小郡地域そのもののシビックプライドの醸成を意識しつつ、今後、新山口駅や産業交流拠点施設を含め、周辺一帯を活用しながらどのような地域づくりを目指していくべきとお考えか、飯田小郡総合支所長の熱い御所見をお願いいたします。ちなみでありますが、後ほどまた活用いたしますけれども、こちらのチラシ、4月2日の世界自閉症啓発デー、ブルーライトアップでございますが、当事者や御家族がこの取組を始めようと御苦労なさっていた時に、南北自由通路を生かしたらどうかと御助言をいただいた方のお一人が飯田支所長でございます。そういった小郡愛に満ちた御答弁を期待いたします。
以上で1回目の質問といたします。
◯ 議長(入江幸江副議長) 飯田小郡総合支所長。
〔小郡総合支所長 飯田 学君登壇〕
◯ 小郡総合支所長(飯田 学君) 中野議員の小郡地域
ふるさとにぎわい計画における地域づくりと機能強化についての御質問にお答えいたします。小郡地域は、新山口駅や高速道路、主要国道等により広域交通の要衝として、また、鉄道のまちとして発展してまいりました。近年では、新山口駅ターミナルパーク整備事業により、新山口駅南北自由通路をはじめ、北口駅前広場の完成やアクセス道路であります新山口駅長谷線──通称令和通りの開通など、県の陸の玄関にふさわしい駅空間を形成しており、その周辺においては事業所、マンション等の集積が着実に進んでいる状況でございます。また、議員御案内のとおり、令和3年度には、山口市産業交流拠点施設の供用開始により広域交流を支え、新たなビジネスを創出する県下ナンバーワンのビジネス拠点の形成が期待されております。一方で、小郡地域におきましては、地域全体の人口は増加傾向にございますが、大学や専門学校が集積しているにもかかわらず、学生の就職や進学に伴う流出等により、20歳代の人口が減少しているところでございます。また、新山口駅南側を中心に都市化の進行やライフスタイルの多様化等の影響から、地域の担い手不足、連帯意識の希薄化が課題として指摘されております。こうした課題に取り組むために、小郡地域
ふるさとにぎわい計画小郡がつながる・つなげるプロジェクトに基づきまして、新山口駅を中心とした一帯を交流の核とし、学生などの若者をはじめとする地域の各主体が多様な交流を図ることで、若者の地元就職の促進、地域経済の活性化や小郡地域のシビックプライドの醸成につなげる、小郡がつながる・つなげる取組と、山口県央連携都市圏域の各市町が有する地域資源、産業交流拠点施設のPRや情報発信の充実を図る小郡がつなげる取組の2つの取組により、令和元年度から様々な事業を展開いたしているところでございます。これまでの取組につきましては、まず、小郡がつながる・つなげる取組では、小郡地域の大学及び専門学校の学生や地域団体、地元企業等から構成される実行委員会が活動の主体となりまして、令和元年12月に北口駅前広場におきましてクリスマスイベントが開催され、駅一帯を活用した小郡地域の新たなにぎわいの創出、交流人口の拡大が図られたところでございます。また、今月20日に開催されますえきの笑顔まつりにおきましては、実行委員会の各学校の学生が集まってイベント企画に参画するなど、組織内の多様な交流が図られることとされております。次に、小郡がつなげる取組につきましては、来年度の山口ゆめ回廊博覧会の開催、産業交流拠点施設の供用開始を見据え、関係部局におきまして、山口県央連携都市圏域の観光PR事業、産業交流拠点施設のプレイベントや南部地域特産品フェアの開催のほか、実行委員会のホームページやSNS、ゼロスタジオの活用により、イベント情報等の発信を行っているところでございます。今後も、若者の人口減少や地域コミュニティーの希薄化等の地域課題に取り組むため、学生や地域団体、企業などによる多様な交流促進の支援いたすことで、若者の地元就職の促進、地域経済の活性化とともに、小郡地域のシビックプライドの醸成につなげてまいりたいと考えております。次に、今後の地域づくりについてでございますが、小郡地域は、駅や鉄道の歴史がまちの発展の礎となっており、新山口駅や産業交流拠点施設は小郡地域を象徴する施設となりますことから、地域の皆様にとっての誇りとなり、また、愛着の持てる施設であってほしいと考えております。このため、まずは各施設を地域の皆様に知っていただくことが不可欠となりますので、地域の皆様を対象といたしました施設見学など、認知度を向上させる取組を行ってまいり、積極的な施設利用を促進していく必要がございます。次に、実際に触れていただく取組といたしまして、新山口駅周辺を含めました施設の一帯を活用いたしまして、地域団体や企業と連携いたしながら、さらなるにぎわいの創出や新たな交流促進を図ってまいります。この取組につきましては、小郡がつながる・つなげる取組におきまして、令和3年度に小郡地域をはじめ南部地域の魅力を発信するイベントを新たに開催いたす予定でございます。また、学生や地域の皆様がいつでも気軽に立ち寄ることができるコミュニティスペースの必要性が一部の有志で検討されており、持続的なにぎわいの創出や多様な交流を促進するための支援を検討してまいりたいと考えております。このほか、施設を来訪される県内外の皆様にとりまして、小郡地域で過ごされる時間が快適なものとなるよう、地域の皆様とともにおもてなしに努めてまいりたいと考えております。あわせまして、若者をはじめ地域の皆様が明治から令和までの元号を冠した町名や通りをはじめ、歴史、文化、産業など、地域の特色を学び、活用いたすことで、地域社会の一員であることを認識し、様々な地域活動に積極的に参加する人材を育成してまいりたいと考えており、先ほど申し上げました取組とともに継続的に行ってまいることで、小郡地域のシビックプライドの醸成にもつなげてまいりたいと考えているところでございます。また、こうした取組による効果を新山口駅周辺から小郡全域、さらには南部地域などへ波及させていくことが重要と考えております。具体的には、南部自治会連合会、各地域交流センター及び総合支所で構成されます南部地域連絡協議会におきまして、意見交換を活発化させ、南部地域の皆様とも積極的に連携いたしながら取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、アカデミーハウスなど新たに小郡地域に住まわれる方も含めまして、シビックプライドが醸成され、文化が生まれることで、地域づくりへの参加意欲が高まり、より多様な主体による地域づくりが展開され、こうした取組が地域をより魅力的なものとし評価されることで、さらにシビックプライドを醸成するという好循環が生み出されるよう、次期
ふるさとにぎわい計画の下で鋭意取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
◯ 議長(入江幸江副議長) 中野光昭議員。
〔16番 中野光昭議員登壇〕
◯ 16番 中野光昭議員 共に頑張ってまいりましょう。
それでは次に、コロナ禍における医療現場への支援について伺います。ここで再び登場いたします、世界自閉症啓発デーでございます。4月2日から4月8日は自閉症啓発ウィークとなっております。ギザのスフィンクスからパリのエッフェル塔などなど、世界の名立たるランドマークがブルーライトアップされるわけで、山口市においては、サビエル記念聖堂と先ほど御案内のあった南北自由通路や駅前広場、そして、TYSのテレビ塔などなど、少しずつ着実に活動の輪が広がっております。発達障がいの理解促進のために、青い光や青いものを身につけてメッセージ性を持って世界をつないでいこうという世界的な活動でございますが、このコロナ制約の中、今年どういう活動しようかと頭を悩ませて、当事者や家族の方が一生懸命練りに練って工夫をされまして、ブルーマスクで啓発をしていこうという活動をされておられますが、本日数多くの山口市議会議員の皆様が本当に快く趣意賛同していただきまして、是非モニターで映していただけるとよいと思っておりますが、本当に感激で頭が真っ白になっているのですけれども、カメラの向こうで当事者や家族の方が、山口市議会議員の御意思を確認され、感動されているところだと思います。ただ、ちょっとその声をこの場で聞くことができませんので、代弁して私が代わりに、深甚なる敬意と、こういった意思を示すチャンスメイクをしてくださった議員の方や、快く趣意賛同していただいた皆様に、私が言うのもおかしいのかもしれないですけれど、お礼を言わせていただけたらと思います。ありがとうございます。質問に入りますが、すなわち、この姿勢が何を意味するのかというところが今回の質問のポイントになっております。山口市議会が現場に寄り添い、現場の声に耳を傾け、まなざしを当て、当事者ファーストで動いていますよという意思の表れ、象徴なのだと私は思っております。そのことをぜひ執行部の皆さんも念頭においていただき、私個人の声というよりも、市議会の声だという形で今日のお話を聞いていただけるとよいかなと願うわけでございます。それでは質問に入ります。渡辺市長の概況報告にもありましたように、2月14日にファイザー社製のワクチンが国の薬事承認を受け、医療従事者や高齢者、施設入所者、そして介護従事者や基礎疾患を有する方、一般の方と、県や市が役割分担をしながら、順次ワクチン接種を行っていくということでありました。ワクチン接種体制の構築に当たり、接種委託料などの早期契約を目的として、10億2,268万3,000円の補正予算が市長の専決処分とされましたことは皆様御案内のとおりであります。ところで、予算の枠組み、ワクチン接種体制の構築に当たりまして、実際に実務に当たるのは誰なのだろうかという点は、非常に重要なファクターであると私は思います。もちろん問うまでもなく、現場の医療従事者であります。皆様それぞれベースとなる医療機関を持ち、日々患者さんの──山口市民の生命と向き合いながら、公的なミッションであるワクチン接種に関しても、それぞれの医療現場を用いての個別接種であれ、集団接種の会場に赴いて接種実務に当たるのであれ、様々な現場の事情を組み替えて、使命感で公的業務の一翼を担っておられます。ここはとても肝心なところでありまして、予算と機材と指示系統を確立したのでやってくださいねという話には簡単にはならないと私は思いますし、市の皆様もその点は重々踏まえてくださっていると信じてはおります。だがしかし、医療従事者の声をつぶさに伺いますと、現行の医療機関の現場体制の維持や発熱等のコロナ疑いの相談者への対応はもとより、ワクチン接種業務に伴う感染リスクの不安や現場の体制構築に係る人材不足、ワクチン保存用の冷凍庫などの必要機材の維持・メンテナンスに至るまで、そもそも行政担当部署に何をどのように相談したらいいのか、はたまた相談しても明瞭な回答、今時点では、こうこう対応してくれと助言が得られるのかと、不安感が非常に高まっておられます。医療現場と行政機関の関係という点で、他山の石としなければならないエピソードとして述べさせていただきますが、先般、宇部市で起こった精神科病院でのクラスターについて、精神科という特性もありますので、一般診療科と違う脆弱な診療報酬や医療人員配置、患者さんの特性などを鑑みれば、おおよそ十分な感染症予防体制が整えられていないということは、医療従事者と密にコンタクトを取っていれば予測がついたことでありましたし、先例でありました厚木市などの精神科クラスターの事例をひもとけば、これは既に報道でもその対応の重要さが触れられていたわけであります。にもかかわらず、クラスター発生後の山口県や宇部市の初動の情報収集の遅さ、当該病院勤務の医療従事者の感染拡大リスクや、その病院に勤めているというだけでの風評被害に対応する宿泊場所の確保や人員不足解消のケアの在り方などなど、大変御無礼な表現かもしれませんが、大変お粗末な初動対応でありまして、結局、山口県精神科病院協会等の精神科の仲間たちが手弁当で精神科医師、看護師を派遣し、ぎりぎりで現場を──これは現在ももたせておりますし、実際、私もその当該病院に勤務している精神保健福祉士に頼まれまして、マンスリーマンション等、家に帰れない医療従事者の泊まれる場所の確保に奔走いたしました。たまたまPTA仲間にマンスリーマンションの社員がおりましたので、少し動きが加速化できたのですけれども、その際には立っているものは何でも使えということで、複数の同僚議員の皆様にもホテルの経営者を紹介してもらったり、旅館組合に掛け合ってもらったり等々動いていただきました。それもこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。何が言いたいかというと、多くの医療従事者の同胞が使命感で支えて、どうにか医療現場というのは保っているのだということを自覚せねばならないということです。あまりにも医療現場に対して知ろうとか、できることを伴走して考えようという姿勢のなさや、行政から動くということのなさ、危機対応能力のなさや、ここまで踏み込んでいいのかどうか分かりませんが、超法規的な現場重視の裁量といったものを、近隣市の事例ではありますがなかなか動けないのだなということを強烈に感じたのであります。我が愛すべきふるさと山口市はどうなのでしょうか。仄聞した話によると、PCR検査の地域外来・検査センターの運用について、その時従事した検査当番医が携わった検査検体に陽性反応があったそうですが、その報告系統に不備、タイムラグがあって、所属された医療機関が報道等で知って一瞬パニックになったというような事例も仄聞しておるわけであります。ただでさえ、未知のウイルスによる生命リスクと医療現場で対峙され、かつ行政の医療施策の最前線を任されるであろう医療従事者に対し、迅速かつ丁寧な情報共有の行える連携体制の構築、意思疎通の体制の構築、そして、医療従事者に対するメンタルケアも含むケアの在り方や予防対策、フォロー体制の構築、物資補給体制の充実などは、やってやり過ぎということはないのではないかと私は思うわけであります。これまた近隣市の事例となりますが、下松市はまだ国が丁々発止とワクチン接種体制構築に係る補正予算を成立させるための議論をしている渦中から、医師会等と綿密に対応シミュレーション、アンケート調査を積み重ねられ、医療現場における接種体制の人員や、個人接種における一日接種可能対象人数などを事前に割り出しておられたと聞き及んでおります。基礎自治体であっても、やる気を出せばいくらでも関係機関との疎通を取りながら、実施に向けての医療体制の構築、予測は立てておけるのではないかとこういった事例を聞くと思うわけでありますが、そこでお尋ねいたします。
新型コロナウイルス感染症に伴うワクチン接種を含む各種対策における医療現場との連携について、行政機関としてどのように今後疎通の仕組みを強化され、連携構築を図られるのか、お願いも含めましてお伺いいたします。
以上、この項の1回目の質問といたします。
◯ 議長(入江幸江副議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、コロナ禍における医療現場への支援についての御質問にお答えします。まず、医療現場との連携についてでございます。本市におきましては、夜間における内科及び外科の救急医療に対応するため、山口市医師会に御協力いただき、山口市休日・夜間急病診療所を運営いたしますとともに、山口市医師会及び吉南医師会の御協力の下、在宅当番医制により休日及び土曜の夜間における救急医療に対応いたしております。また、市内3病院の輪番制により、休日及び夜間等における入院治療が必要な重症の救急患者に対応いたします二次救急医療体制が整えられているところでございます。この二次救急医療体制を担っていただいております綜合病院山口赤十字病院と済生会山口総合病院につきましては、現在、病棟の建て替えを進めておられまして、本市では建設費用に対する支援を行っております。こうした地域救急医療につきましては、本市が事務局の山口地域救急医療対策協議会を設置いたし、先日の会議におきましては、二次救急病院群輪番制病院等におけるコロナ疑い患者を受け入れる場合の苦労や課題、また、コロナ禍における二次救急の当番制の調整等が難しくなっているというお話もあり、全員で共有いたしたところでございます。コロナ禍におきまして、綜合病院山口赤十字病院、済生会山口総合病院、小郡第一総合病院におかれましては、
新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、昨年4月、県から入院協力医療機関に指定されており、中等症から軽症のコロナ患者を受け入れておられるところでございます。また、本市においては、検査の必要な患者が迅速かつスムーズに検査を受けられますよう、県からの委託を受け、昨年9月から山口市地域外来・検査センターを開設、運営いたしております。開設に当たりましては、開設日時、場所、出務者等について協議を重ね、5回ほど実施しました。開設後においても、運営方法がどうなのかとか、そういった変更点、あるいは諸課題について2回ほど協議しております。山口市医師会及び吉南医師会の皆様と意見交換をしたところでございます。さらに、県におかれましては、昨年11月、インフルエンザ流行期に向けて多数の発熱患者等の発生が懸念されますことから、診察・検査医療機関として指定される医療機関を取りまとめられまして、かかりつけ医等の地域で身近な医療機関等に相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる体制も整備されております。コロナ禍における医療機関への支援につきましては、本市における経済対策第7弾といたしまして、季節性インフルエンザと
新型コロナウイルス感染症の判別が困難な発熱患者の発生により、休日や夜間の救急患者に対応される医療機関の負担の増大が見込まれますことから、休日や夜間においても市民の皆様が安心して適切な医療を受けられますよう、医療機関における人員体制や物品の確保など、その受入体制の強化に係る経費への支援を行っているところでございます。また、感染者はもとより、医療従事者への偏見や誹謗中傷、SNS等での心ない書き込み等があってはならないということから、市ウェブサイトの市長メッセージを通じまして、市民の皆様へお互いを思いやる気持ちを忘れず冷静に対応いただきますよう、適宜お願いいたしているところでございます。議員御案内のとおり、これから始まります
新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、医療従事者の御協力が必要不可欠でございます。山口市医師会及び吉南医師会の御協力により、個別接種の実施意向アンケート調査を行いますとともに、国や県が公表される接種情報の確認、あるいは接種方法等に係る方法等について、これまで5回の協議を行っております。今後とも、接種に係る優先順位に基づく各段階におけるワクチン接種事業、これにつきましては、
新型コロナウイルス感染症対策室が一生懸命担当しておりますけれども、私も参加いたしましてしっかり協議を積み重ね、意思疎通を図ってまいりたいと考えております。まず、県が調整主体となって体制整備が進められております医療従事者向け優先接種におきましては、県と連携いたし、医療機関との情報共有を丁寧に行いながら、次の段階である住民接種に円滑につなげることといたしております。次に、医療従事者向け優先接種に続き、本市が調整主体となります住民向け接種まで、山口市医師会及び吉南医師会と緊密に連携いたし、効率的な接種体制を整えることといたしているところでございます。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、地域医療の第一線を担っておられる医療機関や医療従事者の皆様におかれましては、常に感染リスクを抱えながら、市民の皆様の命と健康を守るため日々奮闘されておりまして、その御尽力に対しまして、改めて敬意と感謝を申し上げる次第でございます。今後とも、議員御提案の連携の重要性を踏まえまして、両医師会と連携いたしますとともに、しっかり情報共有を図り、ワクチン接種事業等の取組を進めてまいりたいと考えております。
◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、中野光昭議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
15分間休憩いたします。
午後2時54分休憩
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午後3時08分再開
◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
33番、伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 高志会の伊藤斉でございます。通告に従いまして、一般質問を順次させていただきます。市長並びに参与の皆さんの明快なる御答弁をお願いいたします。
まず初めに、自治体におけるタブレット端末の活用についてお尋ねいたします。近年、全国各地でタブレット端末の導入を進める自治体が増えております。活用の範囲は、それぞれの自治体によって様々ですが、ワークスタイルの変革を実現し、業務の効率化と市民サービスの向上を目指すという大きな目的は一致しているように感じております。本市におきましても、スマート自治体実現に向けた取組の一つとして、窓口での対面手続について、タブレット端末の導入による書かなくていい窓口へ転換する取組を進めていこうとされておられます。このたびの
新型コロナウイルス感染症の感染拡大では、行政におけるデジタル化の遅れが大きな課題であることが明らかとなりましたので、デジタル技術を活用してスマート自治体の取組を加速化し、鋭意進められようとしておられることには賛同するものであります。私ども市議会においては、平成31年1月、議会改革の一環としてタブレット端末を導入いたしました。議会対応される部署におかれては、議案等の膨大な資料をペーパーレス化することが可能となり、資料作成にかかる紙代及び印刷代の削減につながっていることを実感されているのではないでしょうか。我々といたしましても、議案など、たくさんの資料を持ち歩かなくてもよく、過去の議会会議録なども簡単に閲覧ができます。今後、端末操作に慣れていくことで、さらに調査力や質疑・質問力が向上するものと確信しております。そのほか、市民への説明ツール、災害時等における円滑な情報伝達も導入の目的でもありますし、タブレット端末を活用した情報の共有という面では、本会議や委員会において、議論に必要な画像や写真を議員同士が手元のタブレット端末で共有して確認することができます。協議に必要な部門計画、過去の質問や答弁内容を議員間で共有し、同じ資料を見ながら議論できることのメリットは予想を超えるものであると実感しております。ただ、残念でならないのは、この議場におられる参与の方々がタブレット端末をお持ちでなく、我々と情報共有ができていないことであります。市議会におけるタブレット端末の導入による効果については、身をもって感じているところでありますが、執行部においてタブレット端末が導入されてこそ、よりその効果が高まるものと考えます。そもそも、市議会におけるタブレット端末の導入は、執行部に先行する形で、つまり、執行部は後追いの形でタブレット端末を導入し、車の両輪のように一体となって目的に向けた取組を進めていくとも聞いておりましたが、現在どのような状況にあるのかお伺いいたします。また、当初予算資料の冒頭には、新しい時代の流れを力にするまちづくりでは、取組を加速化し、あらゆる分野におけるデジタル技術の活用を進めると、市長の意気込みが感じられる記述があります。デジタル技術の活用で、窓口手続等の簡略化による市民サービスの向上を図ることに併せ、通常業務の効率化を推進するため、執行部において各職員にタブレット端末を行き渡らせてはいかがでしょうか。職員がタブレット端末を持つことで、ペーパーレスやオンライン会議の実施など、様々な効果が期待できますが、まずは、この議場にお集まりの参与の方だけでもタブレット端末をお持ちになってはいかがでしょうか。組織の上に立つ方々が姿勢を示さなければなかなか前に進まないと考えますが、市の考えをお伺いいたします。
以上で、この項の第1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮崎総務部長。
〔総務部長 宮崎高行君登壇〕
◯ 総務部長(宮崎高行君) 伊藤議員の自治体におけるタブレット端末の活用についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、タブレット端末等を活用することによりまして、データとしてより多くの資料を持ち運ぶことができ、会議等での情報共有やその場で資料を修正できるなど、業務の効率化に資するとともに、ペーパーレス化によるコスト削減、省スペース化などの効果が見込まれ、あわせて、柔軟な働き方を実現する上で非常に有効であると認識いたしております。本市では、現在、昨年9月議会で御承認いただきました補正予算によりまして、テレワーク環境の整備を進めているところでございまして、持ち運ぶことのできる、いわゆるモバイル端末を100台購入し、利用可能な状態にするための設定作業を行い、本年3月中には配布できる見込みでございます。この端末につきましては、現在、台数に限りがございますので、まずは非常時の対応を考慮いたしまして、組織として決裁ラインを確保する観点から、この議場の参与職員も含めまして、幹部職員への配布を予定しているところでございます。このほか、日頃から現場や自席以外での活用頻度が高い職員への配布を検討しており、現在、各所属に実施した調査を基に、モバイル端末の必要台数と活用方法について確認をしているところでございます。職員が使用している端末の更新につきましては、これまでも計画的に実施しておりますが、今後の更新に当たりましては、必要となる台数を把握した上で、モバイル端末に切替えていくこととしているところでございます。また、こうしたモバイル端末を活用するためには、端末のみならず、ネットワーク環境の整備やセキュリティー対策を講じる必要がございます。本市では、テレワーク環境の整備とともに、無線ネットワーク環境の構築を進めているところでございまして、本年度、総合政策部を中心としたフロアを試験的に整備いたしたところでございます。今後は、新本庁舎整備を見据え、新たな本庁舎と各総合支所におきまして、場所を問わず情報系システムを利用できる執務環境の構築を図るため、令和3年度に建て替えを予定しております阿知須及び徳地両総合支所をはじめとして、順次、各総合支所の無線ネットワーク環境の整備を進める予定といたしております。今後とも、デジタル化の推進に当たりましては、特に行政におきましては、個人情報などの重要な情報資産を取扱いますことから、国が示す地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン等に基づくセキュリティー対策の下、モバイル端末を含むデジタル機器の導入、環境整備を適切に進めまして、あらゆる場面で積極的に活用してまいりたいと考えております。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 それでは、武道館の建設についてお尋ねいたします。このことにつきましては、今回で確か7回目の質問になるかと思います。武道館の建設につきましては、市長の選挙公約に掲げられており、本市議会においても、平成31年3月に山口市武道館設置促進議員連盟を立ち上げ、整備実現を後押ししているところでありますが、なかなかその進捗具合が見えてこないところであります。そこでお尋ねいたしますが、武道館建設の検討状況について、これまでの進捗と令和3年度の取組についてお伺いいたします。
以上で、この項の第1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。
〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕
◯ 交流創造部長(有田 剛君) 武道館の建設についての御質問にお答えいたします。議員御案内とおり、武道館の必要性につきましては、学識経験者をはじめ、市体育協会会長、市武道振興協議会会長などの委員で構成された建設検討委員会を平成27年8月に設置いたし、当委員会におきまして幅広い見地から御検討いただき、平成30年5月に検討結果報告書が取りまとめられたところでございます。この報告書におきましては、本市に武道振興の拠点となる施設が必要である旨の報告がなされるとともに、市の財政状況を考慮し、建設費及び維持管理費経費の削減を視野に、多目的利用が可能で、既存施設との併設も検討することが望ましいなどの留意事項が併せて示されたところでございます。その後、令和元年5月に、山口市武道振興協議会から、観客席を備えた全国規模の大会が開催可能な大規模な武道専用施設を望まれる旨の要望書を提出いただきましたことから、改めて必要な施設の規模や候補地の選定など、武道館の在り方について総合的に検証する必要があるものと考え、検討を進めているところでございます。こうした中、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、他の自治体への視察等が制限されている中ではございますが、今年度──令和2年度は、他施設の資料収集及び調査委託の仕様作成などの作業を進めておりまして、令和3年度当初予算に調査・検討費用を計上し、主に多目的利用可能な施設の機能・規模等につきまして、具体的な検討を行うための資料づくりを進めることといたしているところでございます。今後、山口市公共施設等総合管理計画でお示ししております公共施設保有総量の適正化を踏まえつつ、武道館の整備基本構想の策定に向けて、本市の武道振興拠点にふさわしい施設の機能、規模、候補地や整備スケジュールなどの検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 それでは、地域包括ケアシステムの充実についてお尋ねいたします。地域包括ケアシステムの充実に向けた地域包括支援センターの体制強化として、仁保、小鯖、大内、宮野地域を担当する北東地域包括支援センターと、嘉川、佐山、小郡、阿知須を担当する川西地域包括支援センターについて、担当地域の見直しを行い、新たに地域包括支援センターを両地域に各1か所増設されると聞いております。そこでお尋ねいたしますが、どのような目的で増設をされ、新たな担当地域はどのようになるのか、地域住民の方はどのようなメリットを享受できるのかについてお伺いいたします。あわせて、増設に向けた今後のスケジュールについてもお尋ねいたします。
以上で、この項の第1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、地域包括ケアシステムの充実についてお答えいたします。高齢者の方が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続することができるためには、介護サービスをはじめ、様々なサービスがそれぞれの方のニーズや状態の変化に応じて、切れ目なく提供される地域包括ケアシステムが必要でございまして、こうした高齢者の生活を支える役割を果たす中核機関といたしまして、市町村は地域包括支援センターを設置することとされております。本市では、住み慣れた地域──いわゆる日常生活圏域につきましては、地理的条件、人口、交通事情、その他の社会的要件、介護施設整備状況等を総合的に勘案いたしまして、北東部、中央部、鴻南、南部、徳地、阿東の6つの圏域を設定しており、高齢者の身近な相談窓口となる地域型地域包括支援センターを、高齢者人口や地域面積等を考慮し、南部圏域に2か所、その他の圏域に各1か所設置いたしております。また、地域型地域包括支援センターの統括的な役割を担う基幹型地域包括支援センターを、山口総合支所内に設置いたしているところでございます。平成23年に、現在の地域包括支援センターの体制といたしましたが、それ以降、年々、高齢者人口が増加しておりまして、特に増加の顕著な日常生活圏域は、北東部及び南部の川西地域となっており、平成23年から令和元年において、北東部では約3,400人、川西地域は約2,200人増加しており、平成23年の約1.2から1.4倍となっております。高齢者人口の増加への対応といたしましては、職員を増員する等いたしてまいりましたが、このうち北東部を担当する北東地域包括支援センターは約180平方キロメートル、川西地域を担当する川西地域包括支援センターは約100平方キロメートルと、地域型地域包括支援センターの中では、徳地、阿東を除き、担当地域面積は最も広く、移動に時間を要する状況でございます。また、高齢化・核家族化の進展、価値観の多様化により相談件数や複雑な相談が増加しております。こうしたことから、北東部及び川西地域における業務効率の向上、地域に密着したきめ細やかな対応及び適切な支援につなげるため、高齢者人口や担当地域面積を考慮いたしまして、日常生活圏域内において担当地域の見直しを行いました。その結果、北東部及び南部の川西地域に各1か所増設することといたし、第九次高齢者保健福祉計画、第八次介護保険事業計画に位置づけたところでございます。次に、新たな担当地域につきましては、各地域包括支援センターの担当する高齢者人口が可能な限り平準化されますよう、北東部におきましては、小鯖、大内を現在の北東地域包括支援センターが担当し、仁保、宮野を新たな地域包括支援センターが担当、川西地域におきましては、小郡を現在の川西地域包括支援センターが担当し、嘉川、佐山、阿知須を新たな地域包括支援センターが担当することといたしております。また、地域包括支援センターの設置場所は、立地等を踏まえまして、その担当地域内に設置することといたしております。市民の皆様へのメリットにつきましては、日常生活圏域内の地域包括支援センターの担当する地域や高齢者数を適正な規模にすることで、より身近な相談窓口となること、さらに関係機関や居宅介護支援事業所との情報共有や連携が図られることにより包括的な支援につながること、地域包括支援センターに配置しております生活支援コーディネーターの地域に密着した活動により、買い物やごみ出しなどの生活支援の課題を解決できる仕組みの強化につながることなどが挙げられます。今後の増設のスケジュールにつきましては、令和3年5月に公募型プロポーザル方式により募集いたしまして、7月の評価委員会、プロポーザル審査委員会を経て、委託候補者の選定を行い、地域包括支援センター運営協議会の承認を得まして、委託法人等を決定することといたしております。令和4年1月から3月には、利用者の支援方法等の引継ぎを行いまして、令和4年4月の運営開始を予定いたしております。今後とも、地域包括ケアシステムの充実に向けまして、増設するセンターの準備に鋭意取り組むとともに、地域包括支援センターの運営体制の強化に努める所存でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 それでは、(仮称)徳地診療所整備事業についてのうち、まず、現計画と診療所設置計画との整合性についてお尋ねいたします。今期定例会に上程されております令和3年度当初予算及び令和2年度一般会計補正予算に係る議案の中には、新規事業である(仮称)徳地診療所整備事業に関する予算が含まれております。この新規事業につきましては、まだ詳細が不明であり、ただ整備する場所だけが現在建設中の徳地地域複合型拠点施設内となっているようであります。私は、当該事業に反対する意味でこの質問をするわけではありません。徳地地域における医療・診療機能を持続可能な形で確保していくためには、造るなら造るで、しっかりとした施設を造るべきではないかという視点から質問をいたす所存であります。関係議案を見ますに、現在進行中の徳地地域複合型拠点施設整備に係る計画を変更することが示唆されております。しかしながら、執行部は、平成31年2月に徳地地域複合型拠点施設整備基本計画を我々議会に説明し、対外的に発信されました。それを受け、我々議会は内容を吟味し、慎重審議を経て予算議案を可決し、そのような流れで進んできたわけであります。当たり前のことですが、事業というものは、市長と議会との二元代表制を十分に反映した結果によって成り立ち、進んでいると認識しております。しかしながら、このたびの(仮称)徳地診療所整備事業につきましては、計画も示されておらず、ただ、予算という金額だけが示されているだけで、内容はほとんど不明であります。議会に対し、計画内容も示さず、予算だけを審査してくださいと言われても非常に難しいところであります。なぜ、このような形になったのでしょうか。まずは、構想や計画を示す必要があるのではないかと思いますが、事業の進め方としてどのように考えているのかお伺いいたします。次に、保健センターを診療所に置き換える理由についてお尋ねいたします。(仮称)徳地診療所を設置する場所について、先ほど質問の中で、現在建設中の徳地地域複合型拠点施設内となっているようであると述べましたが、現在設計書にある保健センター部分の活用を考えているという執行部の考えを伺っております。保健センターの機能として、地域住民の健康維持・増進、疾病予防等、ヘルスケアに関して非常に重要な役割があると認識しております。阿知須保健センターにおきましては、当該施設を拠点に、山口市産業交流拠点施設のメディフィット・ラボや地域交流センター等と連携して、健康運動、認知訓練、栄養指導といった事業が進められると大変期待しているところでもありますが、一方で、徳地保健センター整備については、新年度予算への計上も何も見受けられませんし、白紙に戻ったような感がいたします。なぜ、徳地保健センターの建設を中断して、そこに診療所機能を入れ込まなければならないのか。なぜ、十分な議論もなく、このように急いで機能の置き換えを進めなければならないのか、その理由をお伺いいたします。次に、診療所建設の考察についてお尋ねいたします。徳地地域におきまして、医療体制の不安や懸念を解消し、安心して医療を受けることのできる体制を整備していくことは非常に大切な取組であると認識しております。一方で、市がこうした体制整備に継続性をもって取り組んでいくためには、長期的なビジョンや、それに係る考察や議論も必要であります。また、このことは徳地地域だけを捉えて考えるのではなく、山口市全体としてそれぞれの医療圏域においてどのような課題があるのか。また、それを踏まえた体制の構築、運営手法等、考察でき得る様々な案件について検討していくことが必要であり、そのために構想や計画があるものと認識しております。先に述べましたように、私は、保健センターの整備も必要であると考えており、ここの議論はやはり必要ではないでしょうか。このままでは、複合型施設と言いながらも、その機能を十分に発揮できない施設となってしまうのではないでしょうか。こうしたことから、診療所整備につきましては、徳地地域複合型拠点施設が計画に基づき整備される間にしっかりとした考察、議論を行い、一番よい形を整えるべきだと考えております。予算も非常に重要な視点ですが、市民の健康や命はお金には変えられません。保健センターも診療所も、必要であるならばしっかりとしたものを造ってもらいたい。私はこのように思っております。いま一度、保健センター及び診療所の整備計画について、双方がよりよく複合施設内で十分に機能するよう検討されてはどうでしょうか。計画が定まっていない今の状態で事業を進めて、果たして地域のため、ひいては市全体のために資する施設ができるのか、甚だ疑問に感じております。起債の充当など、有利な財源に係る議論だけが先行し、施設そのものの議論が十分になされていない状態で整備してもよい施設とはならないのではないでしょうか。市全体の医療体制構築への思いと併せ、改めて診療所設置計画についてお伺いいたします。
以上で、この項の第1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、(仮称)徳地診療所整備事業についての御質問にお答えいたします。まず、現計画と診療所設置計画との整合性についてでございます。徳地地域につきましては、平成27年、徳地地域づくり協議会から徳地地域の行政機能や活動の拠点施設として、地域交流センター及び総合支所並びに保健センターの合築に向け、診療所の設置等を含む建設要望書が提出されております。平成29年にも、徳地地域づくり協議会等から徳地地域における地域医療の確保につきまして、要望書が提出されたところでございます。こうした要望を鑑みまして、徳地地域におきましては、将来的に無医地区となる可能性が高いことから、将来的な診療所の場の確保といたしまして、保健や福祉の機能が集約されます徳地地域複合型拠点施設内に診療所を設置できますよう、同施設の基本計画設計書に配慮することといたしたところでございます。地域医療につきましては、原則、民間医療機関により設置・運営されることが望ましいと考えておりまして、地元医療機関の承継や医師の招聘による新規開設などの協議もあり、市もその動向を注視してまいりました。しかしながら、徳地地域につきましては、人口減少が進んでいる地域であり、また、医療施設等の開設に係る初期投資の負担等により、民間医療機関の新規開業が難しい状況であると認識いたしたところでございます。こうした中、昨年10月、やまぐち車座トークにおきまして、徳地地域づくり協議会から、徳地地域は高齢化が進んでおり、医療機関が現在は1軒に減少し、今後の医療の継続に不安を感じているとのことから、拠点施設整備での診療所設置につきまして、御意見、御要望をいただいたところでございます。また、同じく10月に、医療関係団体から、公立診療所につきまして御提案をいただきましたことから、情報収集をいたすとともに、場所、運営方法、規模等について関係部局と協議を重ねるなど、診療所の設置を検討してまいりました。本市といたしましては、唯一の民間医療機関が閉院となる可能性が高まり、民間医療機関の設置の実現性も低いことから、喫緊の課題であります徳地地域の医療体制の確保、継続的な運営を鑑み、民設民営ではなく公設民営方式により、市立の(仮称)徳地診療所を設置する方針を昨年12月末に定めたところでございます。なお、議員御指摘のとおり、拠点施設の整備につきましては、同施設の基本計画設計書づくりが進んできており、こうした経緯から、診療所機能を具体的に盛り込むことができなかったものでございます。このたび、令和2年度補正予算、令和3年度当初予算において、診療所の施設整備費及び設計に係る経費を計上いたしており、また、本年4月末までには、診療所の設置方針をさらに具体化していくため、病院間連携等を盛り込んだ(仮称)徳地診療所整備計画を策定したいと考えております。今後、診療所に係る具体的な設計を確定していく中で、詳細が固まり次第、現計画でございます徳地地域複合型拠点施設整備基本計画・設計書との整合性を図ってまいりたいと考えております。次に、保健センターを診療所に置き換える理由についてでございます。先ほど申し上げましたとおり、平成27年、平成29年の診療所設置の要望を鑑みまして、保健センターとしている部分を将来的に診療所として活用可能な設計としておりましたことから、診療所を設置することといたしました。このことにつきましては、本年1月22日の徳地地域づくり協議会役員会におきまして説明いたし、また、2月5日開催の第7回徳地総合支所等建設委員会におきましても説明し、了承いただいたところでございます。保健センターにつきましては、現在の基本計画・設計書におきましても、複合施設の合築メリットを生かして、調理室や会議室等を共有いたしており、診療所を設置することといたしました健康増進室と母子相談指導室につきましても、拠点施設内にある共有スペースの会議室等を活用することといたしているところでございます。こうした拠点施設内の会議室等において、健康相談や栄養指導、母子保健などの保健センター事業を展開してまいります。また、複合施設の利点でございます、福祉、医療等、他の機能との連携により、さらに保健センター機能が高まるものと考えているところでございます。次に、診療所建設の考察についてでございます。徳地地域につきましては、僻地医療対策の対象地域となっており、この僻地診療所の役割につきましては、基礎的な医療の提供でございまして、専門分野にとらわれることなく、総合的、包括的な医療を実践する医師──いわゆる総合医による診療が求められております。現在の診療所の想定といたしましては、診療科目は内科、開設日は木曜の午後を除き、平日の月曜日から金曜日及び土曜日の午前といたし、人員は医師1人、看護師2人、事務1人で考えておりますことから、診療所の規模としては適正であると考えております。また、拠点施設につきましては、保健福祉や健康づくりを担います保健センター、高齢者福祉の総合相談窓口を担います地域包括支援センター、地域福祉を担います社会福祉協議会といった機能がございまして、この拠点施設内に診療所機能が加わりますことで、関係者がより一体的かつ緊密に連携する体制が整えられ、保健、医療、福祉を総合的に展開できる拠点施設となりますことから、市内でも少子高齢化の著しい徳地地域におきまして、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続ける上で、欠かすことのできない地域包括ケアシステムの充実が図られるものと考えております。例えば、利用者の相談対応をはじめ、医療従事者と保健師等の専門職との顔の見える関係づくりがより可能となるものでございます。こうした保健、医療、福祉を総合的に展開できますよう、診療所の整備に取り組んでまいる所存でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 それでは、中項目1)の現計画と診療所設置計画との整合性について2回目の質問をさせていただきます。診療所設置について、その方針を昨年12月に定めたとの答弁が今ありました。しかしながら、12月の時点では、現計画に基づく徳地地域複合型拠点施設の請負工事契約について議案が上程され、慎重審議の上、可決したところであります。これは一体どういうことでしょうか。議会には、現計画についての議案を提出している一方で、他方では異なる方針を定めたと、こういうことでしょうか。であれば、議会に対し虚偽の説明を行っていた可能性も出てまいります。議会議決は、たしか12月21日だったと記憶しております。先ほど答弁にあった方針を定めたと期日と、議決した日との時系列的な説明と、その辺りの整合性についてお伺いいたします。
以上で、中項目1)の2回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 現計画と診療所設置計画との整合性についての再度の御質問にお答えいたします。先ほど、市立の(仮称)徳地診療所を設置する方針は、昨年12月末に定めたところでございますと御説明いたしました。これについては、10月より、いわゆる関係部局で調整をしておりまして、健康福祉部としては徳地地域における市立診療所の設置に係る方向性、そうした方針的なものを策定していかなければならないのですが、12月議会の時にはそれができておりませんでした。ですから、保健センターの所に診療所を設置するという考え方の下で、どう具現化していくのかということを内部調整しておりました。議会議決との関係でございますが、議決後に大まかな形で方針を整えましたので、議会が終わった12月下旬に市長レク等を行って、また、関係部局で詳細の詰めをしていく、そういった流れの中で、先ほど申しましたが、年が明けまして1月22日に徳地地域づくり協議会の皆さん、2月5日に徳地総合支所等建設委員会の皆様へと御説明にまいったところでございます。その方向性は共有していたのですが、それをどのような形で具現化していくのかというのは、地域の皆様の御要望をしっかり受け止めると同時に現計画が進んでいる中で、なかなか難しい面もありましたけれども、そういった意味において、議会に対する説明というのがなかなかうまくできていなかったのではないかとは思っております。いずれにいたしましても、4月末には議員おっしゃいました構想と言いますか、計画と言いますか、そういったものをまとめていきたいと思っておりますので御理解願いたいと思います。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 時間がありませんので、また、委員会できっちり詰めさせていただきます。それでは、中項目2)の、保健センターを診療所に置き換える理由について2回目の質問をいたします。先ほどの答弁で、保健センターは共有スペースで事業を行うという話がございました。そもそも現在の徳地保健センターは耐震性を有しており、老朽化していない施設であると聞き及んでおります。これを、あの複合施設内に更新、新設することは、総合支所との一体利用を図り、行政サービスのワンストップ化を図っていくためであったと私は理解をしております。新しい拠点施設内に占有スペースを設けずに、これを取りやめるということは、そもそもその徳地保健センターを更新、新設する必要がなかったのではないでしょうか。最初から他の執務室と共有すればいい話だったと思われるのですが、徳地保健センターの新設について、そもそもその必要性があったのかどうなのか、真意をお伺いいたします。
以上で、2回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 保健センターを診療所に置き換える理由についての再度の御質問にお答えいたします。保健センターにつきましては、総合支所、地域交流センター等の建設が始まるとき、合築ということで御紹介にありましたようにワンストップサービスをしていく、そういうことで拠点施設の計画が進んでおります。やはり、保健、福祉、それと地域づくり、行政の窓口があると、そのことは、現在の総合支所の隣に保健センターはありますけれども、やはり将来を見据えてワンストップ化──いわゆる、それぞれのサービスが一体となって、さらに機能を強化していく、そういう方向性の中で計画が進んでいたと理解しております。先ほど御説明いたしましたけれども、将来、診療所が実現するならば、保健センターと診療所というのはある意味一体的な機能でもあります。保健と医療、今は介護もそうなのですけれども、この一体性が先ほど御説明いたしました、その地域における地域包括ケアシステム、これにつながっていくのだろうと思います。診療所──今の現計画が、地域要望から始まって具現化できていればこういうことはなかったのかもしれませんが、やはり診療所を造るというのは、担い手の大きな課題と同時進行で進んでまいります。そうした中で、昨年の10月に市立の診療所を造るという方向性を確認して今に至るわけですが、診療所を入れるということは、保健センターと一緒になって事業展開できる、それは、保健、福祉、医療においては、いわゆる専門職集団です。その専門職集団が、それぞれの縦のラインの中で専門性を発揮してもなかなか難しい面があります。顔の見える関係づくりということで、スタッフが一つのワンストップでいられるならば、コミュニケーションが図られ、さらに機能が高まる、そういった思いもその方向性の中で捉えております。そうしたことを計画にも盛り込みながらやっていこうと考えております。それと共有スペースを活用するということは、今現計画の中での図面を見ますと、本当に置き替わっているのです。それと、補正予算を見ると保健所の部分がゼロで診療所に置き替わっていると。それは、いわゆる保健センターそのものがなくなるのではなくて、機能はやはりこれまで以上やって、先ほど議員の御紹介もありましたとおり、運動器具を使ったり、あるいは地域での集う場所を設定したり、そこはしっかりやっていきたいと思っておりますし、共有スペース、徳地については文化ホールも含めた全体の中で、会議室、あるいは調理室、いろいろな機能があります。そこができたときには、今度は徳地総合支所の方で調整力を発揮していただいて、それぞれの事業が重複しないようにしっかりコントロールしていただいて、それぞれの活動が進んでいくのではないかと思っております。そういったことで、拠点施設の中で診療所を造るという必要性については、今説明した内容としております。なお、健康相談、健康教育、あるいは母子保健に係るいろいろな事業については、年間スケジュールの中でどういった組み込みをしたらいいのかというのも、内部的には調整しております。今後とも、なお、調整していく必要があると思っております。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 伊藤斉議員。
〔33番 伊藤 斉議員登壇〕
◯ 33番 伊藤 斉議員 今、部長の方からるる説明がありましたけれど、保健センターの事業がそれほど重要であるならば、それならば占有──それ専門のスペースで事業を行うべきであると私は考えます。
もう時間がありませんので次に行きますが、中項目3)の診療所建設の考察についての2回目の質問をいたします。このことについては、市長に御答弁をいただきたいと思います。このたびの診療所建設については、執行部からの説明は、正副議長と地元議員のみと聞き及んでおります。地元議員は、診療所を造ってもらえるということでありがたいと感じていて、それ以上の要望は言いづらいと私は思っております。本当に、このように重要な案件を議会に説明をしないということでよいのか、執行部説明会等、説明する機会はあったと思っておりますが、このたびはありませんでした。このようなことから、私は、市長に対して、健康福祉部がこのたびの徳地保健センターの建設を中断して、その後に診療所を入れ込むといった説明が本当に詳しくされたのか、甚だ疑問に感じております。私は、市長を県の地方課や企画課にいらっしゃった頃から存じ上げております。当時から周辺部の地域の振興に力を注いでおられましたし、市長の1期目には、周辺部の発展なくして山口市の発展はないとおっしゃっておられたことを記憶しております。そういう思いの強い市長が、今回のような、言い方は悪いかもしれませんが、やっつけ仕事をされるとは到底思えないわけであります。ですから私は、令和3年度予算をもって、改めて早急に徳地診療所建設に係る考察、計画を進め、徳地保健センターはそのまましっかりと整備するほうが何の問題も生じなく、地元徳地の皆様にも安心感を与える、しっかりとした施設を提供できると思います。そこでお尋ねいたしますが、徳地地域の皆様に、安心して豊かに暮らせるまち徳地、住んでよかったこれからも住み続けたい徳地と心から感じていただけますように、今回の件については、いま一度御検討をお願いしたいのですが、市長の思いを伺いします。
以上で、2回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 渡辺市長。
〔市長 渡辺純忠君登壇〕
◯ 市長(渡辺純忠君) 徳地診療所整備事業についての御質問でございますけれども、この件についてさらにまた検討していく必要があるのではないかという御質問でございますけれども、今、担当部長の方からいろいろ経緯等について説明がございましたけれども、私は、この件については、最初からいろいろな形の中で、徳地地域の総合支所を複合施設化していくということの段階からいろいろ要望を聞いてきて、るる説明もございましたけれども、平成27年、28年、29年、いろいろな形の中で地域の方々の意見を聞いてみて、そして複合施設化していく、どう複合施設化していくかというときに、今計画されている保健センターも一緒に含めた形、そして、さらに途中で入ってきましたのは、消防機庫も一緒にというふうな形の中でよい形の複合施設を造っていこうと、こういうふうな形で話が進んできております。そうした中で、最終的なところはちょっと省略いたしますが、そういった形で、まず地域の声を聞いて、地域の皆さん方が納得いくような、使いやすい、将来性のある複合施設にしていこうというふうなことで進めてきました。そうした中で、特にと言いますか、徳地診療所整備事業については、いろいろな形の中でお医者さん──当時2人のお医者さんがいらっしゃいましたけれども、一方の方が病状等があって辞められていった。そうした中で、残られたところのお医者さんについても、かなり高齢化してきた。御子息等がおられるのですが、なかなかこちらの方へ帰れないということがあって、そういう方々からもぜひ将来にわたっても無医地区にならないような対応をというふうなことが、お医者さん側の方からもあった。そのときに、並行していったわけです。一方では複合施設を造っていく。そして一方では、民間の医療機関の力を借りながら、民間でやっていけるのかというようなこと、いろいろ輻輳しておりましたけれども、段々にそういった形では難しい──いわゆる公設民営、あるいは公設公営、こうしたような形しかなくなってきたということが段々あからさまになってきたのが昨年の夏からこちらの状況だったというふうに思います。そのたびに、いろいろな形の中で、私どもも意見を聞いて、そして、そういうふうな中で、一方では、いわゆる複合施設としての保健センター等が整備されていく。一方では、その中にまだ医療機関として入るという形までは話が煮詰まっていない、公設民営としてです。そうしたような流れがちょっと輻輳化して、そういう形の中で、いよいよ公設民営というが可能になってきている。そして、そういったものが今、そういった形を明らかにすること──いわゆる方針をきちんとしていくことで、公設民営という形ができるという段階になってきたのが12月だと。そして、公設民営をしていくと今担当部長からありましたけれども、公設民営の形でぜひやっていこうという方針というのが12月、そして、その12月以降において、公設民営という形になってきて、では、この複合施設の中にどういう形で入れられるかということをいろいろ担当部局が一緒になって協議をして、地域の人も協議をして、そうすれば保健センターという形の中で──そのとき、保健センターには将来医療施設が入れるような保健センター、複合施設の中で──そういう思いも初めからありまして、ある程度そういうふうな設計もされてきた。基本計画、基本設計といいますか。そして、その医療施設を入れて、医療施設の平米数でいけば、お医者さんお一人、そして従業員、看護士さん等の規模であれば、保健センター機能も一緒に包括してできると、他の会議室等も活用していけば。そうしたら、保健センター機能というのもあるというふうな形の中で私も説明を受けまして、そして設計図を見せてもらいまして、では、そういった方向でという中で、今後そういうふうな形にしていけば、いわゆる条例上の問題があるから議会議決を要しますと。診療施設については、診療施設の条例設置をしていかなければいけない。そういうふうな形の変更。それから、予算等についても、いわゆる国庫補助金をもらっていくような予算になっていく、そういう形になってくると、予算も保健センター部分と分離した予算としていかなければいけない。そういうふうなことをいろいろと各部局と協議して、今議会にそういった形で予算等についてお願いをしているわけでございます。御理解をいただきたいと思いますし、なお、委員会等でさらに検討していただきたいと思います。しかし、私としては、各部局から説明を受けているところによっては、こうした形でやっていけると、もちろん予算をオーバーしていろいろな形にしていけばさらによいことになると思いますが、私は今の形の中で、将来を展望して無医地区にならない、そして、保健センター機能も有する、そういう複合施設としてきちんとやっていけるというふうに、私自身はそういった形で納得をして、こうした形で提案をさせていただいている。また、いろいろな形の中で、さらに協議をしていただきたいと思います。そうした全体の中で、そうは言いましても予算全体の総額があります。そして全体のスペースもあります。いろいろな期間もあります。時間の問題もあります。そういうふうな中で、私はこういう形であるのは、私の考えとしては、一番時宜を得て、また必要だというふうに思っております。けれど、それ以上に、議員の皆さん方がよいと判断されて──ある程度予算をオーバーしても、期間というのはなかなかオーバーできないと思います。医療機関をつくっていくということになると相手方もあります。そういうふうなことの中で、さらによいものがということになれば、それはまた検討に値しますけれども、私は今、あらゆる面でベストに近い形で提案しているということで御理解いただきたいと思います。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、伊藤斉議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
議場内の換気のため暫時休憩いたします。
午後4時8分休憩
────────────・────・────────────
午後4時15分再開
◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。
10番、泉裕樹議員。
〔10番 泉 裕樹議員登壇〕
◯ 10番 泉 裕樹議員 自由民主党山口の泉裕樹です。通告に従がって一般質問を行いますので、市長並びに関係参与の明快な答弁をお願いします。
まず、大項目ア、妊産婦に対する支援について伺います。昨年の11月に、綜合病院山口赤十字病院の産婦人科の部長さんや先生方、また、山口市の子育て保健課長及び担当職員も同席して懇談会を実施しました。その中で、御意見や要望を伺い、妊産婦に対してのさらなる支援の必要を痛感したところです。先生方から要望されましたことについて御紹介し、いくつかお伺いします。中項目1)として、妊婦健康診査項目の充実です。主なものとしては、超音波検査であります。これは、妊婦健診14回に対して、現行4回ということで、国の基準に沿ってやっていますが、ポイントだけでは赤ちゃんの発育の診断には足りていないとの先生方の御意見でした。山口市としては、国の示している基準であり、県の医師会も同一の基準であるとの認識でありますが、やはり命の問題ですから、山口市が独自で回数を増やしてもいいと思いますが、これについてどう思われますか。また、はしか、トキソプラズマ検査、クラミジアトラコマチス検査も必要であると言われ、特に、はしか検査は、次回の出産ができるかどうかにおいて必要であるため、ぜひ検査項目に入れてほしいとのことでした。市の御所見をお伺いします。次に、中項目2)産科新規開設・承継等事業費補助金についてお伺いします。人口減少が影響してか、分娩を取扱う産科医療機関が全国的に減少している中、本市においては新規開設がなく、担当医師の高齢により分娩の取扱いを停止された医療機関もあり、市内の分娩を取扱う産科医療機関及びこれに従事する産科医師の減少が続いているところであります。こうした中、本市では、平成30年に産科新規開設・承継等事業費補助金が創設されました。残念ながら、今のところこの制度が活用されていません。この制度は、市民の皆様が安心して出産できる環境の確保を目的として、分娩を取扱う産科の新設や再開等を行う産科医療機関を対象に、医療機器等の設備の購入に係る費用や承継に伴う医師の招聘等の費用を支援するものです。以前も、同僚議員から、この制度ができてからまだ実績がない旨の一般質問もありましたが、今後の将来展望として、この制度をどのように進めていかれるのかお伺いします。続いて、中項目3)メンタルヘルスへの対応について伺います。産科の医療現場の先生方が危機感を持って言われたのが、妊産婦のメンタルヘルスの対応でした。妊産婦の方は、御自身の体調や御自身を取り巻く環境の変化など、様々な要因から出産や育児に対する不安を感じられることがあります。実際に、産科の現場でメンタルヘルスの不調からケアが必要な妊産婦を把握した場合、まずは、行政などの関係機関と情報を共有し、連携しながらサポートされています。中には、すぐにでも心療内科等の専門医療機関への受診が必要なケースもあるとのことですが、受診まで二、三カ月待ちの状態であり、産科の医師がその対応に苦慮されているとのことでした。こうした現状を踏まえ、市としてメンタル面のケアが必要な妊産婦にどのように対応されるのかをお伺いします。続いて、中項目4)母子健康アプリについてお伺いします。令和元年11月に、教育民生委員会で佐賀県の唐津市に行政視察に行き、母子手帳アプリの導入について学んできました。これは、自治体から提供される各種制度・サービスについて案内するもので、こども医療費助成制度や児童手当など、妊娠・育児期に合った各種補助制度の情報や手続方法を案内したり、自治体の各種お知らせを配信するものです。主なものとしては、妊娠中の体調、体重記録、胎児や子供の成長記録、身長・体重曲線による肥満・痩せの程度の確認を、変化が分かりやすいように全てグラフ化して配信をしています。また、予防接種の標準接種日の自動表示や接種予定、実績管理、受け忘れ防止アラートのほか、妊婦や子供の健康診断データを全て記録されます。また、妊婦や子供の情報提供、あらゆる知識やアドバイスを配信され、市からのお知らせや周辺施設の子育てに関連するあらゆる施設の案内など、至れり尽くせりとなっています。これについては、私も、この制度の活用について唐津市からいただいた資料を担当部署にお渡しし、ぜひ取り入れるよう同僚議員とも要望したもので、今回、山口市が令和3年度に母子健康アプリを開始されることについては期待しておりますが、その仕様について、また、今後の妊産婦等への周知方法についてお伺いします。
以上で、この項目1回目の質問を終わります。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 楳本こども未来部長。
〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕
◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 泉議員の妊産婦に対する支援についてお答えいたします。まず、妊婦健康審査項目の充実についてでございます。妊婦健康診査は、母子保健法第13条に定められた健診でございまして、実施時期及び回数等につきましては、厚生労働省の妊婦に対する健康診査についての望ましい基準に規定されております。これに基づきまして、妊婦健康診査の実施主体である自治体が、実施回数、公費負担額等の事業実施方法を判断しているところでございます。山口県では、県内市町と山口県医師会、山口県産婦人科医会の3者が協議をいたし、国の基準に沿った県下統一の実施方法で健診を行うことといたしております。国の基準は、健診の効果を十分考慮して、望ましい健診時期、内容を示したものでございますことから、公費負担による超音波検査の実施回数を増やすこと、及びはしか、トキソプラズマ検査等を妊婦健康診査項目の対象に加えることは、今後、この3者の協議の中で検討されるべき事項であると考えております。妊婦健康診査は、母体や胎児の健康確保を図る上で大変重要であると認識いたしていおりますことから、産科医療現場の声をお聞きしながら、健診内容の充実につきまして研究してまいりたいと存じます。次に、メンタルヘルスへの対応についてでございます。妊産婦の精神的な問題には、妊娠前からの発達障がいを含めた精神疾患、妊娠を通じた精神疾患の顕在化、産後鬱等、様々な病態がございまして、メンタルヘルスが不調でリスクを抱えた妊産婦が一定数いることは承知いたしております。市では、メンタルヘルスの不調に早期に対応していくために、保健師、助産師による妊娠届出時の個別面談におきまして、妊婦の精神状態を把握し、気になる症状がある妊婦につきましては、予防的な視点を持ちながら支援を行うほか、メンタルヘルスの不調が強い妊産婦には、定期的に産科医療機関と情報交換を行い、連携しながら包括的・継続的な支援を行っております。また、育児不安が強く、心身のケアが必要な産婦につきましては、産科医療機関等に宿泊し、助産師等から専門的相談支援を受けられる産後ケア事業も実施いたしているところでございます。現在、心療内科等の予約が取りにくく、医療が必要な妊産婦の受診までに日数がかかることにつきましては、課題として認識いたしております。本市といたしましては、これら専門の心療内科機関等への受診がすぐにできない妊産婦には、心療内科等への橋渡しとして、令和3年度からやまぐち母子健康サポートセンターにおきまして、公認心理士による面談を新たに実施いたすことで、妊産婦のメンタルヘルスのケアに努めていくことといたしております。精神的な問題は、妊産婦自身の健康に影響があるだけでなく、出生した子供の養育等にも関連しておりますことから、産科、小児科、心療内科等、関係医療機関と連携しながら、周産期のメンタルヘルスケアの強化を図ってまいる所存でございます。次に、母子健康アプリについてでございます。本市で導入を予定いたしております母子健康アプリにつきましては、子供の記録をデジタルで保存するとともに、子育てに関する様々な情報を配信することで、子育て世代をサポートしようとするものでございます。具体的な仕様といたしましては、子供の健診や予防接種、成長の記録などの保存や予防接種の標準的な接種時期の通知など、母子健康手帳を補完する機能に加え、子育てに関する様々な情報を最適なタイミングで配信する機能等、議員御案内の唐津市の事例と同程度のものを想定いたしております。また、県におかれましては、令和3年度にAIを活用した子育てシステムの構築を予定されておりますことから、このシステムと本市のアプリとの連携も視野に入れながら、本市の母子健康アプリの機能が最大限発揮できるように取り組む所存でございます。母子健康アプリの活用による妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援や、子育て世代の負担感の軽減に結びつけるためには、より多くの皆様にアプリを御利用いただくことが重要であると考えております。このため、妊娠届出時や1歳6か月児・3歳児健診の際にスマートフォンへのダウンロードを呼びかけるほか、かかりつけ医からもダウンロードを呼びかけていただくよう協力を依頼するなど、様々な機会を捉えまして、周知に努めることといたしております。
以上でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 中川健康福祉部長。
〔健康福祉部長 中川 孝君登壇〕
◯ 健康福祉部長(中川 孝君) 私からは、産科新規開設・承継等事業費補助金についてお答えいたします。議員御案内のとおり、分娩を取扱う医療機関の減少は全国的に進んでおりまして、厳しい勤務環境に加え、一般的に他の診療科目と比べて、設備整備費や入院施設運営に係る人件費の負担が大きいことなどがその要因の一つとされているところでございます。本市におきましても、分娩を取扱う産科医療機関と従事される医師の減少が続きましたことから、平成30年度から産科医療機関の新規開設や承継等への支援といたしまして、山口市産科新規開設・承継等事業費補助金を創設いたしたところでございます。この補助金は、市内において分娩を取扱う産科医療機関を対象に、医療設備の整備や医師招聘に係る費用に対し、2,000万円を上限として補助いたすものでございます。事業開始以来、広報活動といたしまして、産科専門誌への広告掲載や都市圏の本市関係者への制度周知、医師向けの会員制ウェブサイトを利用した広告の掲載等を行ってまいりましたが、議員御指摘のとおり、平成30年度よりこれまで申請には至っていないところでございます。こうした中、現在、補助金の申請に係る御相談をお受けしている状況でございます。本事業につきましては、市民の皆様が身近な場所で安心して出産できる環境を確保するために、市内での新規開設や承継等は必要であると考えており、申請いただきました場合には、対応いたしてまいる考えでございます。令和3年度につきましては、先ほど申し上げました広報活動をしっかり行ってまいりたいと考えており、本市の周産期医療体制の維持、確保につきましては、産科医療関係者の方々に御参画いただき、協議の場を設けることといたしておりまして、本事業の今後の在り方についても検討いたしたいと考えております。今後とも、将来を担う子どもたちを育む「教育・子育てなら山口」を目指し、市内の周産期医療体制を維持し、安心して子供を産み育てることができる環境や、支援体制のさらなる充実に引き続き取り組んでまいる所存でございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 泉裕樹議員。
〔10番 泉 裕樹議員登壇〕
◯ 10番 泉 裕樹議員 次に、大項目イ、避難行動要支援者の避難支援体制について数点お伺いします。国が平成25年6月に改正された災害対策基本法において、市町では、要配慮者のうち自ら避難することが困難で、特に支援を要する避難行動要支援者の把握に努めること、及び避難支援等を行うための基礎情報となる避難行動要支援者名簿の作成を義務づけられるなど、国において要支援者対策の強化が図られたところです。本市においても、地域や防災関係機関、福祉関係機関等と連携した災害時要配慮者に対する防災・避難体制のさらなる強化を図ることを目的として、山口市災害時要配慮者避難支援全体計画を策定されたところです。この計画の実行について、防災危機管理課が自治会連合会や地域ボランティア団体等に赴いて説明、協力要請をされています。私も2度、この説明会に参加しましたが、参加者からもいろいろと疑問が投げかけられたところです。そこで、中項目1)避難行動要支援者名簿の小項目一、体制の構築についてお伺いします。過去、名簿の作成という分野は、地域によってはあまり進んでいなかったという認識ですが、現在、作成を進めておられる避難行動要支援者名簿の活用を含む避難支援体制づくりを、どのように進めていこうと考えておられるのかお伺いします。次に、小項目二、名簿作成の進捗状況ですが、地域での避難行動要支援者の避難支援体制づくりの基礎となる避難行動要支援者同意名簿──これは、地域の避難支援等関係者に名簿の情報を提供することを同意された方の名簿ですが、昨年、避難行動要支援者に該当する3,441人に同意確認書を送付され、11月30日現在で同意者が1,186人、34.5%と聞いています。この数字について、どのように考えておられるのかお伺いします。最後に、小項目三、地域での活用についてお伺いします。そもそも、災害が発生する前段階と災害時では、支援内容が異なると思われますが、地域でどのような方を避難支援者に、そして、どのような支援を想定しておられるのか、また、名簿の個人情報の取扱いについてどのような措置を講じておられるのか伺いします。
以上で、この項目の1回目の質問といたします。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮崎総務部長。
〔総務部長 宮崎高行君登壇〕
◯ 総務部長(宮崎高行君) 避難行動要支援者の避難支援体制についての御質問の、避難行動要支援者名簿についてお答えいたします。まず、体制の構築についてでございます。本市におきましては、災害時に自力で避難することが困難な在宅の高齢の方や障がいをお持ちの方などを対象に、これまで災害時要援護者支援制度や災害時等地域支えあいマップ作成事業等により、地域における避難支援に取り組んできたところでございます。議員御案内のとおり、災害対策基本法の改正により、避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられ、本市におきましても、対象者全員の情報を掲載した名簿の作成を行ってきたところでございます。この名簿につきましては、災害時における安否確認や救助等に活用するため、関係部署に配備し、情報共有に努めているところでございます。また、これまでの避難支援の取組に当たり、地域におきましては、対象者の把握が課題となっておりましたが、名簿の情報を本人の同意を得ることにより地域の支援者に同意名簿として提供することが可能となりましたことから、現在、同意名簿の作成を進めているところでございます。議員お尋ねの避難支援体制につきましては、地域によって違いはございますが、自治会や地域づくり協議会、自主防災組織、また、地区社会福祉協議会や民生委員・児童委員、福祉員などの皆様を、地域の支援者として山口市地域防災計画に位置づけているところでございます。また、取組の概要につきまして、山口市自治会連合会及び山口市民生委員児童委員協議会に御説明するとともに、市民の皆様に対しましても、市報にて周知を図ってきているところでございます。現在、福祉部局と21地域を回り、総合支所や地域交流センターの職員を交えて、地域の関係者の方から防災活動や要配慮者支援の取組状況をお伺いしているところでございます。本市といたしましては、見守り活動やマップづくり等、地域での既存の取組を踏まえつつ、それぞれの地域特性を生かした避難支援体制づくりを進めてまいりたいと考えているところでございます。次に、名簿作成の進捗状況についてでございます。同意名簿の作成に当たりましては、名簿の情報を地域の支援者に提供することに対して、対象者御本人の同意が必要なことから、議員御案内のとおり、昨年8月に全対象者3,441名の方に対して、同意確認書を郵送しましたところ、回収率68.1%となる2,342名の方から回答をいただいております。回答者のうち、同意された方が1,186名、御家族の支援があることなどを理由に、地域での支援を必要とされない方が452名、施設入所や転居等により対象から外れる方が704名でございまして、多くの方に制度の御理解をいただき、支援の必要な方の同意を得ることができているものと考えております。なお、回答をいただけていない約3割の方々に対しましては、本年1月に、改めて制度主旨の御案内とともに同意確認書を郵送したところでございます。本市といたしましては、支援を必要とされる方の状況を正確に把握することが重要であると考えておりますことから、再度通知した方々の御意向をしっかりと確認し、適切に対応してまいりたいと考えております。次に、地域での活用についてでございます。地域の支援者の想定につきましては、先ほど申し上げましたとおり、自治会や地域の福祉関係者などでございまして、同意名簿を活用して、取り組まれる支援内容といたしましては、日頃からの声かけによる関係性づくりや地域の防災活動への参加の呼びかけ、いざというときに早めの避難行動を促していただくことなど、主には、平時や災害が起こる前における支援を想定しております。また、避難行動要支援者御本人が、いざというときにどうしたいのか、どうするのかなどをあらかじめ定めておく避難マイプラン──個別計画でございますが、こちらを地域の支援者と共有していただくことが重要であると考えておりまして、本市といたしましても、避難マイプランの作成支援の在り方について、現在、検討をいたしているところでございます。なお、避難支援に当たりましては、地域の支援者に法的な責任や義務が生じるものではなく、支援者御自身の安全確保を前提とした、可能な範囲での取組をお願いするものでございます。次に、避難行動要支援者の個人情報の取扱いにつきましては、地域の支援者に対して、支援の取組に必要な情報を提供することとし、同意名簿をお渡しする際には、支援者個人に秘密保持義務が課せられることを十分に説明するとともに、名簿情報を適切に管理することなどを記載した、避難行動要支援者名簿受領書兼取扱確認書を提出していただくこととしているところでございます。今後、このような避難行動要支援者名簿の活用を進めていく中で、自らの命は自らが守るという自助、地域による共助、行政機関による公助、それぞれが役割を果たし、また、連携を図ることで、避難行動要支援者の総合的な支援体制の構築に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、泉裕樹議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
本日の一般質問並びに質疑はこれをもって終了いたします。
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。再開は明3日午前10時であります。
午後4時55分散会
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。
議 長 坂 井 芳 浩
副 議 長 入 江 幸 江
会議録署名議員 山 本 敏 昭
会議録署名議員 原 真 也
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